下の子が生まれる、お兄ちゃんお姉ちゃんになった!うれしい気持ちを持ちつつも、不安でいっぱいの新米お兄ちゃんお姉ちゃん。弟妹と仲良くしてほしい、家族として受け入れてほしい、そんなママパパの気持ちが少しでも伝わればうれしいですね。今回はそんなときに親子で一緒に読みたい絵本を紹介します。●親子で絵本を読む、その時間こそが大切!絵本の内容はもちろん大事ですが、弟妹が寝ている間など、ほんの少しの時間でも親子で向き合う時間として、絵本を囲む、その時間こそがとっても大切です。絵本を読む時間だけは、上の子をひざに乗せて読む、ぎゅっと抱きしめてあげるなどのスキンシップも楽しみながらその時間を楽しんでほしいなと思います。●ママにもぜひ読んでほしい「ちょっとだけ」瀧村有子さく 鈴木永子え福音館書店【概要】お姉ちゃんになったなっちゃん。いつもママがやってくれていること、ちょっとだけ自分でやってみようとがんばります。ちょっとだけうまくできました。でもお昼寝の時間、ねむたくなってきたなっちゃん。「ママ、“ちょっとだけ”だっこして…」【おすすめポイント】上の子に「ちょっとだけだっこして」と言われたら、みなさんはどう答えますか?ママに甘えたいけれど、「おねえちゃんだから」と我慢している、でもまだまだ自分だって甘えたい、そんなお姉ちゃんお兄ちゃんの気持ちをしっかり受け止めてあげましょう。いつもありがとう、の気持ちを込めて、ギューッと抱きしめたくなる絵本です。●パパママの気持ちを伝えたいときに「ねぇ、しってる?」かさいしんぺい作、いせひでこ絵岩崎書店【概要】もうすぐお兄ちゃんになるけいたくん。不安と期待でいっぱいだったけれど、実際お兄ちゃんになってみたら、お母さんは赤ちゃんのことばっかり。ぞうのぬいぐるみのそらさんを貸してあげなきゃいけないし、予想外のことばかり。「もうお兄ちゃんやめようかな」そんなとき、そらさんが聞かせてくれたこと、お母さんが聞かせてくれたことは、けいたくんはママとパパの「だいじっこ」だということでした。【おすすめポイント】小さいこどもに対しても、なかなか素直に「あなたが大事」を伝えるのは苦手な私。でもこの絵本を一緒に読んだ後ならば、「あなたはだいじっこ」というメッセージを素直に伝えられそうな気がします。表紙絵のように親子でぺっとりくっついて読みたい1冊ですね。●自分も赤ちゃんだったということを一緒に感じたいときに「みんなあかちゃんだった」鈴木まもる作、小峰書店【概要】作者の鈴木まもるさんの子育て日記を基に描きおこした絵本。赤ちゃんの成長の様子が、かわいいイラストで描かれています。お母さんから生まれたときは、みんな赤ちゃんだったんです。そこからの成長が細かい絵を用いてとてもわかりやすく描きとめられています。【おすすめポイント】上の子の年齢にもよりますが、赤ちゃんの絵を見せて、「○○ちゃんもママのおなかにいたんだよ。」「○○ちゃんも赤ちゃんのとき、こんなだったんだよ」「△△ちゃんも、こうやって大きくなっていくんだよ」などと、自分も小さな赤ちゃんのときにはお世話が必要だったことを伝えてみましょう。下の子の成長を一緒に見守っていこうね、ということが伝わるといいなと思います。そして、「○○ちゃんが生まれてきてママもパパもすごく嬉しかったんだよ」ということも、赤ちゃんの頃を振り返りながら声に出して伝えてあげたいですね。下の子が生まれて、お兄ちゃんお姉ちゃんになった喜びと合わせて、ママやパパを取られてしまった、さみしい気持ちとの揺らぎの中にある子どもたち。赤ちゃん返りをしたり、ちょっと扱いにくくなったりするかもしれません。でもその揺れている気持ちを絵本を通してしっかり受け止めてあげられたら、きっと頼もしいお兄ちゃんお姉ちゃんになってくれるはずです。そんなお兄ちゃんお姉ちゃん、そしてママパパに、エールを送ります。<文:フリーランス記者・絵本セラピスト®鳥山由紀>
2018年05月07日こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。妊娠中は、急激な体調の変化や心の不安定さが出てくることがあります。そんな時、話せる相手がいて、気持ちをわかってもらえるなどがあれば良いのですが、そうはいかない状況の方もいるでしょう。そこで、今回は周りに相談できない状況であったり、妊婦生活に不安を覚えたり という方に知っておいていただきたいことをお話ししたいと思います。自力で乗り切った妊婦さんと相談した妊婦さん【自力で乗り切った妊婦さん】(当時24歳:4児のママ)夫の転勤で知らない土地に来てすぐ、妊娠が発覚しました。初めての妊娠で不安なことがたくさんでした。人と話そうにも夫は仕事で忙しく、実母には頼りたくなかったので我慢するしかありませんでした。情報収集は、ネット検索かマタニティブック 。それ以外には、検診の時に医師や看護師さんと話すくらいです。人見知りなこともあり、ママ友を作るとかはできませんでした。結局、不安な気持ちを抱いたまま、出産しました。その間にやったことと言えば、マタニティブックと母子手帳を読んだことと、不安な気持ちをノートに書き出すということだけでした。【保健師さんに相談した妊婦さん】(当時26歳:2児のママ)妊娠した時、周りにはキャリア志向の友人 しかいませんでした。相談したくても何となく距離を置かれたような気がしていたのも事実です。妊婦になってからは、つわり・切迫早産・腰椎椎間板ヘルニアと次々に体調不良が起こり、「無事出産ができるのだろうか」と不安でいっぱいでした。主人に話しても「今から心配しても意味がない」みたいなことを言われ、どうしていいかわかりませんでした。利用したのは、住んでいる街の役所にいる保健師さんが自宅訪問などの子育て支援を申し込んで、不安に思っていることを聞いてもらいました。相談できて心が楽になりました。妊娠生活中においての強い不安感が良くない理由妊娠をすると、女性ホルモンの分泌が急激に増え、体調の変化だけでなく心の変化も起こります。不安を強く感じてしまうこともあります。そのため、妊娠中にうつ症状が出てしまうことも少なくありません。熊本大学医学部の調査で、妊娠中の女性の6人に1人がうつ病 を発症していることがわかっています。不安感を抱えるということは、ストレスを抱えてしまっている状態です。ストレスを抱えた状態では、血管収縮が起こります。それに伴って、子宮収縮や血流悪化の原因になります。 血流が悪くなれば、胎児に影響を及ぼす可能性が出てきます。強い不安感は、ママにも胎児にも良くないということがご理解いただけるかと思います。妊婦の不安を話せる場所「妊娠すると相談が難しい」という気持ちになるのは当然です。不安になるなと言う方が無理な話なのです。ストレスを抱えた状態では、心身共につらいですから、不安な気持ちを人に話すなどすることはとても大切です。夫や実母など信頼できる人に話すことができれば良いのですが、それが叶わない場合でも話ができる場所があります。・お住まいの自治体から保健婦さんや看護師 さんの訪問を受ける・産院の助産師 さんに話す・SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談を利用する(無料 で電話かメールで相談ができる)以上のような不安を聞いてもらえるところがあります。初めてだとうまく話せないのではないかと思う人がいるかもしれません。そのような場合や、毎日少しずつでもストレスとなることを解消したいと思う人は、「筆記療法」 を行ってみることをおすすめします。自分が思っていることや不安などのストレスに感じている感情を文字にするのです。ストレスを文字にして書くことで抑うつ感を和らげる方法です。不安に耐えた体験談を話してくださった方が行ったものです。意外と効果があります。----------以上いかがだったでしょうか?妊娠することはとても良いことですが、個人によっては過剰に不安を感じてしまうことがあるようです。上手に不安を吐き出して、ストレスを溜めないようにしていきましょう。【参考サイト】日本産科婦人科学会:妊産婦メンタルヘルスマニュアルSOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談●ライター/桜井涼●モデル/倉本麻貴
2018年05月01日こんにちは、ましゅままです。赤ちゃんのためになるべく母乳で育ててあげたい、と母乳育児をがんばっているけれど、母乳育児は常に「足りているのかな?」 という不安がつきまとうもの。筆者の母乳育児中も、母乳は量がはかれないし、「母乳を飲んで寝ていくけど起きたらさっきあげたばかりなのにまたおっぱい…!?」 となって、こんなに頻回授乳をしていて赤ちゃんがちゃんと飲めているのか?母乳は足りているのか?とよく不安になりました。しかし赤ちゃんの「ちゃんと飲めているサイン」を自分が把握することで、そんな不安を抱くことはないんだーと気づいてからはとても楽になりましたよ。そこで、今回は、母乳が足りないかも…?を解消する、母乳をちゃんと飲んでいるか確認する方法をご紹介します。筆者の母乳がしっかり飲めているのか不安な日々筆者は二人の娘を母乳で育てました。長女は出生体重が大き目の子で吸てつするスタミナがあって哺乳量が多く、その分吐乳がとても多いタイプ で、授乳回数が多め、なのに便秘タイプの赤ちゃんでした。吐く量が多くうんちが出にくかったため、ひょっとして母乳は足りていないのか…?と不安になったものです。次女は出生体重が小さく、吸てつスタミナは少な目で、どうやら哺乳量も少なく、吐乳は少なく、快便タイプの赤ちゃん。そして積極的におっぱいを欲しがるしぐさも少なめでした。こんなに授乳状況でちゃんとこの子は母乳飲めているのか…?成長しているのか? とよく疑問に思ったものです。ミルクに頼らず母乳だけで育てていると、母乳がもし飲めていなかったらどうしようという不安がつきまといがちになってしまいます。ミルク足したほうがいいのかなー?と思ったこともありましたが、飲み方や授乳量は赤ちゃんによって個性があり、きちんと母乳を飲めているか、足りているかの基準をママがしっかり把握することで、「母乳不足感」を拭い去り、自信を持つことができました。母乳をしっかり飲めているのか筆者の試した方法①赤ちゃんの吸啜を観察授乳の時、赤ちゃんの吸てつをチェックしてみましょう。ごくごくと音をたてているかどうか、下唇がパカパカしてしまっていないか、おちょぼ口の飲み方になっていないか 。ごくごく音を立てて飲んでいればきちんと飲めていますし、吸い方も上手なようなら問題なく哺乳はできています。②赤ちゃんのおしっこの回数をチェック多くのママは哺乳量やうんちの回数、量に目がいきがちですが、母乳は正確な量がなかなか測れないものですし、ほとんどが水分のため、簡単に母乳をきちんと飲んでいるかどうか判断するにはおしっこの回数を記録するのが効果的 。1日に6~8 回出ていれば問題なく母乳を飲めている、ということですので安心してください。③搾乳した母乳を飲ませてみる哺乳瓶を受け付ける赤ちゃんに限りますが、搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませることで、目に見えて何cc飲んでいるかわかるため、「意外とたくさん飲めている!」 と不安解消につながるきっかけになることがあります。④定期的な体重チェックできれば、1日1回、スケールで体重をはかりましょう。母乳外来へ行って体重チェックを受けても良いですし、ショッピングセンターの授乳室や支援センターのスケールを使って体重をはかりましょう。 体重の増え方に個性はありますが、パーセンテージグラフの範囲内で少しずつでも体重が増えていれば、日々の授乳できちんと栄養をとってその子なりの成長を遂げているということ。筆者の友人はスケールを買って授乳ごとに体重を計測して、そこからだいたいの哺乳量を把握していました。母乳育児にありがちな、「母乳不足感」をぬぐいさるのがだいじ量がわからない母乳なので、赤ちゃんが泣くことが多いと、「もしかして足りてない?」とママが不安に思ったり、周囲に「母乳足りてないんじゃない?」と言われたりしてしまうことも。しかし、ご紹介したように、しっかり赤ちゃんが吸てつしていて、おしっこの量が正常で、少しずつでも体重が増えていれば問題なく母乳育児は成功しているということです。足りていないからではなく、逆に飲みすぎて、おなかがパンパンで泣いてることだってあります。なかなか泣き止まないならその可能性も考えてみてください。●ライター/ましゅまま●モデル/大上留依
2018年05月01日赤ちゃんと目が合わない…出典 : 赤ちゃんは人の目を好んで見つめると言われています。赤ちゃんを抱っこしている時や授乳をしている時、パパ・ママが赤ちゃんを見つめていると、赤ちゃんもパパ・ママを見つめ返してくれる時があります。ですが、赤ちゃんと目が合わない、目をそらされてしまうことに悩んでいるパパ・ママもいるといいます。赤ちゃんと目が合わないと、赤ちゃんとのコミュニケーションが取れている気がしなくて辛いと感じることも少なくありません。また、目の病気があるのかも?目が合わないことが特徴の一つと言われている、自閉症スペクトラム障害かも?など不安に思う方も多いのではないでしょうか。以下から、赤ちゃんと目が合わない原因や赤ちゃんの視力発達のメカニズム、目が合わないことと疾患や自閉症スペクトラム障害との関係性について詳しく説明していきます。赤ちゃんと目が合わないのはなぜ?出典 : 赤ちゃんと目が合わない時、その原因としてどんなことが考えられるのでしょうか。育児本やウェブサイトで調べてみると、ついつい「目の疾患」「自閉症スペクトラム障害」という言葉が目についてしまうかもしれません。でも、赤ちゃんと目が合わない原因の大半は、そこまで心配しなくてよいものだったり、成長の過程であったりするものです。例えば、次のような原因があります。まずはそれらに当てはまる様子はないか、赤ちゃんの様子をよく見てみましょう。赤ちゃんにとって身の回りの物はすべて新鮮であり、興味や関心の対象です。大好きなパパ・ママがそばであやしてくれていても、他に何か気になるものを見つけると、そちらへ興味の対象が移ってしまうこともあります。生まれたばかりの赤ちゃんとはいえ、一人ひとり個性があり、性格も異なります。じっと凝視されるのが少し苦手な赤ちゃん、好奇心が強く、目新しいものにきょろきょろと視線を移す赤ちゃんなどさまざまです。育児書など子育てに関する情報から「赤ちゃんは一定の月齢になるとパパ・ママと目を合わせるようになるはずだ」などと思い込んでしまうと、自分の赤ちゃんにそのような様子が見られない場合、途端に不安になってしまいがちです。赤ちゃん自身の育ちのペースや個性を受け入れ、見守っていくという姿勢が大切です。水野 克已/著『笑顔で子育てあんしん赤ちゃんナビ―6か月(はじめ)よければすべてよし! 』2013年/メディカ出版公益財団法人母子衛生研究会赤ちゃん&子育てインフォ赤ちゃんは自分のことをあやしてくれる人の表情や声にとても敏感です。生まれつき視覚や聴覚からの刺激に敏感な赤ちゃんもいます。急に近づいたり、顔を近づけたり、大きな声で話しかけると顔を背けてしまうかもしれません。目が合わせにくいからと焦って目を合わせようとすると、赤ちゃんもその不安やストレスを敏感に感じ取るかもしれません。赤ちゃんをあやす時、自分がどのような表情をしているか確認することが、赤ちゃんと目が合わない原因を探り当てるヒントになるかもしれません。赤ちゃんと目が合わない時、ここまでで紹介したことが原因となっていることが多数ですが、もしかしたら次のようなことが原因である可能性もあります。目の病気の発症や視力の異常が見られる赤ちゃんは、視線が定まらなかったりきょろきょろしたりする様子が多く見られます。赤ちゃんによく現れる目に関する異常には、斜視・眼振・弱視などが挙げられます。これらの詳しい症状や治療方法に関しては「目が合わない赤ちゃんと目の病気の関係って?」の章で解説します。発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害には、「人とのコミュニケーションが苦手・困難」「こだわりの強さ・感覚のかたよりがある」という特徴があります。自閉症スペクトラム障害の症状には視線が合いにくいことも挙げられていることから、目が合わない赤ちゃんに対して自閉症スペクトラム障害かも?と不安になるパパ・ママもいるでしょう。赤ちゃんと目が合わないということだけで自閉症スペクトラム障害であると診断されることはなく、さまざまな視点からの検査・観察から総合的に判断されます。ですが、自閉症スペクトラム障害と診断がつく年齢(3~5歳頃が多いとされています)の子どもが赤ちゃんの時、「目が合わなかったな…」と感じるパパ・ママは少なくないようです。目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害の関係性に関して詳しく知りたい方は、「目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害との関係って?」の章をご覧ください。赤ちゃんの視力発達のメカニズム出典 : 赤ちゃんは生まれた直後からものがはっきり見えているわけではありません。生まれてから1歳までの間、どのように視力が発達していくのかについて説明します。生まれてすぐの赤ちゃんの視力は、明るいか暗いかが分かる程度と言われています。生後1ヶ月ごろで視力は0.01~0.03くらいで、人や物の輪郭がぼんやり捉えられたり、はっきりとした色は認識できたりします。生後2ヶ月では、お母さん・おもちゃなどの動きを目で追う「追視」が見られるようになります。生後3ヶ月過ぎから生後6ヶ月頃は急激に視力発達する時期です。生後3ヶ月では人や物をじっと見つめることが増えたり、瞬きが上手にできるようになったりします。生後6ヶ月時点での平均的な視力は約0.1まで上昇します。生後6ヶ月になると、見えないところから声をかけるとその方向に目を向けるなど、視覚と聴覚が連動するようになってきます。また、追視も上下左右と細かくできたり、動くものに対しても目で追いかけたりできるようになります。小児の遠視 -弱視、斜視との関連-|沖縄県医師会医師会報生後7ヶ月を過ぎていくと、奥行や距離感も見て捉えられるようになっていきます。1歳にもなると視力は0.2ほどまで伸び、より細かいものも捉えることが可能になります。それゆえに探索活動が活発になり、行動の幅も広がっていきます。立体視の発達、可塑性、個人差解説-空間視の発達山口 真美乳幼児健康診査の手引改訂第5版新潟県福祉保健部新潟県医師会生後1ヶ月から1歳6ヶ月頃にかけては、特に視覚の発達が盛んな時期とされています。視力の発達自体は6歳から8歳くらいまでに成人と同じレベルに達します。視力が発達するこの時期に、両目で人や物をしっかりと見ているかどうかはもちろん、何か異変に気づいたらすぐに対応することが重要です。厚生労働省母子手帳省令様式厚生労働省母子手帳任意様式目が合わない赤ちゃんと目の病気の関係って?出典 : 先ほど、赤ちゃんと目が合わない場合、目の病気や視力の異常の可能性もあると説明しました。赤ちゃんの目や視力の問題について、詳しく解説します。◇斜視斜視とは、片目は正面を向いていても、もう片方の目が内側・外側・上側・下側など違う方向を見てしまっている状態を指します。斜視は子どもの約2%に見られる小児眼科の代表的な病気で、眼鏡などの矯正器具で治るものもあれば、手術による治療が必要なものもあります。片方だけ目が合うのに、もう片方は違う方向を向いていることが多く見られると、斜視の可能性があります。斜視のまま放っておいてしまうと、違う方向を向いている目の視力が育たないため、斜視かも?と思ったら早めに小児眼科を受診することが大切です。日本眼科学会子供の斜視公益財団法人日本眼科医会子どもの弱視・斜視-6.斜視の原因◇眼振(がんしん)眼振とは、知らず知らずのうちに目が動いてしまう疾患です。眼球の動きの特徴としては、動き方に規則性がある・周期性がある・本人が意図しているわけではないという3つがあります。原因として先天的な眼振をはじめ、脳や神経の異常で起こるものなど後天的なものがあります。赤ちゃんが注視・追視する様子が見られず、きょろきょろしていたり、不自然に頭を傾けていたりしていたら、注意する必要があります。◇弱視弱視とは、先ほど紹介した視力の発達する期間に、目をうまく使えなかったために視力が悪い状態のまま発達が止まってしまうことを言います。強い遠視や乱視が両目に見られる場合や、片目だけに遠視や乱視、斜視があるために視力が発達しない場合に弱視は起こりやすいと言われています。弱視は早期に適切な治療や矯正(眼鏡着用など)をすることによって、治る可能性は高まります。頻繁に目を細めている、目つきに違和感があるなどわかりやすいサインが見られることもありますが、特に目立った症状が見られないこともあります。乳幼児健診の際に気になる点がないか専門家に診てもらうとよいでしょう。3歳になったら受けられる3歳児眼科検診を受診するのもおすすめです。社団法人日本眼科医会3歳児眼科健診のすすめ紹介したような目に関する病気を赤ちゃんが発症している場合、次のような特徴が見られることがあります。・瞳が白や黄緑色に見えることがある・目が揺れることがある・追視が見られない・片目だけ上下左右に寄っていることがある・片目を順番にふさいでみると、一方の目だけ嫌がったり、顔を背けたりするなど目の健康を調べるチェックシートパパ・ママは赤ちゃんと目が合わないな?と思ったら、それまでよりいっそう赤ちゃんの目や目の動きを観察し、何か異常がないか見てみることが大切です。目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害との関係って?出典 : この章では、目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害がどのような関係にあるのかについて詳しく紹介します。自閉症スペクトラム障害は、主に「人とのコミュニケーションが苦手・困難」「こだわりの強さ・感覚のかたよりがある」という特性があります。診断基準によっては自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などの診断名で呼ばれている場合もあります。自閉症スペクトラム障害の診断がつくのはだいたい3~5歳と言われています。このくらいの年齢になると、以下のような自閉症スペクトラム障害の特徴が目立ちやすくなります。◇周囲にあまり興味を持たない傾向がある例えば、生活の中で次のような様子が見られます。・視線を合わせようとしない・他の子どもに興味をもたない・名前を呼んでも振り返らない・指さしをして興味を伝えることをしないなど◇コミュニケーションを取るのが困難以下のように、会話や人と関わることが難しいと感じていることがあります。・言葉の遅れや、オウム返しが見られる(知的障害を伴う場合)・一方的に言いたいことだけを言ってしまう・質問に対してうまく答えられない・ごっこ遊びなど、集団での遊びにあまり興味を示さないなど◇強いこだわりを持つ日常生活での強いこだわりとは、例えばこのようなことを指します。・興味を持つことに対して、同じ質問を何度もする・ものごとの手順が変わると混乱してしまう・視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚に対して過敏、鈍麻があるなど自閉症スペクトラム障害の診断がつく年齢では、このような特徴がいくつか見られるようになります。注意しなければならないのは、単に「赤ちゃんと目が合わない」ということだけで自閉症スペクトラム障害ということではないということです。自閉症スペクトラム障害の診断が出ている子どものパパ・ママが、その子どもが赤ちゃんだった時を振り返ってみて「そういえばあまり目が合わなかったな…」と思い起こすことはあるようです。ですが、自閉症スペクトラム障害はそれだけで判断されるものではなく、子どもの気になる様子と診断基準を照らし合わせ、総合的に判断されます。また、生後すぐに自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害の診断がつくことはありません。パパ・ママが自閉症スペクトラム障害の診断を求めても、赤ちゃんに対しては経過観察のような措置が多く取られることに、心配や不安の気持ちを抱くのも無理はありません。目が合わない赤ちゃんに対しては、「それだけで自閉症スペクトラム障害であるとは言えない」「赤ちゃんの時点で自閉症スペクトラム障害であると明確に診断できる場合は少ない」という2点をまず押さえましょう。そのうえで、それでも不安が残る場合や、目が合わないということに加えて他にも気になる様子が見られる場合は、かかりつけの小児科や近くの保健センター、子育て支援センターなどでその旨を詳しく相談することをおすすめします。一度専門家に赤ちゃんがどのような様子か話してみるだけでも不安や困りごとが解消されることがありますし、自閉症スペクトラム障害に関する、より詳しい情報も得られることもあります。赤ちゃんと目が合わなくて不安…そんな時に考えたいこと出典 : 赤ちゃんと目が合わないと、「赤ちゃんは自分のことをパパ・ママだとわかっているのだろうか」「赤ちゃんに好かれてないのだろうか」「発達が遅れているのだろうか」「病気や発達障害の予兆なのだろうか」など、さまざまな不安を感じることもあると思います。そんな時、パパ・ママが心がけたいことや考えたいことをご紹介します。生まれたばかりの赤ちゃんは、授乳などからどうしてもママの方が赤ちゃんに関わることが多くなると思います。そのため、赤ちゃんと目が合わないという不安を、つい一人で抱え込んでしまうことがあります。子育てに関する不安を感じた時こそ、同じ子どもの親であるパパにも悩みや不安を共有・相談するようにしましょう。またパパは、「気にしすぎだよ」「大丈夫だよ」と安易に言うのではなく、ママの子育てに関する不安感や心細さに寄り添ってあげることが大切です。また、子育ての先輩である自分の母親に相談するのも1つの手段と言えます。大切なのは、子育ての不安を一人で抱え込みすぎないことです。先ほど子育ての先輩である自分の母親に相談してみることをアドバイスの一つとして挙げましたが、そうはいっても子育てへの価値観が違ったり、母親の時代の子育て方針を押しつけられたりした、という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。やはり知りたいのはリアルな子育て情報や、現時点の医学などからわかっている子どもの発達に関する情報ですよね。そのような情報を知るには、自分の赤ちゃんと同じくらいの月齢・年齢の赤ちゃんを育てているパパ・ママと交流することが有効かもしれません。地域の子育て支援センターは、赤ちゃんだけでなくパパ・ママの交流も目的とされています。そのような施設でさまざまなパパ・ママと交流し、それぞれの子育て体験談を聞くことで「子育てに悩んでいるのは私だけじゃない」「先輩パパ・ママはこのように悩みを乗り越えたんだ」など、参考になる意見やアドバイスが得られることもあります。また、子育てや子どもの発達に関して不安に感じた際に気軽に相談できる専門家を1人でも知っておくと心強いです。先ほど紹介した地域の子育て支援センターをはじめ、保健センター、またかかりつけの小児科医など、子育てや子どもの発達に関して相談することができる機関や専門家はたくさんあります。きちんとした専門家からの指導を受けることで、より安心感を得ることができたり、不安が軽減されたりするでしょう。その他に、子育てに関する電話相談サービスを行っている自治体もあるので、直接対面で相談することに抵抗がある方は、電話にて専門家に相談してみてはいかがでしょうか。東京都福祉保健局子育て支援情報一覧とうきょう子育てスイッチ-子育てに関する電話相談まとめ出典 : 赤ちゃんと目が合わない場合、赤ちゃんならではの周囲への興味や性格、あやしているパパ・ママの表情など、さまざまな要因が考えられます。また、目が合わないということだけで判断はできないものの、目の病気や自閉症スペクトラム障害であるという可能性もあります。赤ちゃんと目が合わなくて不安、と感じているということは、それだけパパ・ママが赤ちゃんのことを細かく観察し、見守ることができている証拠です。パパ・ママは日々子どもと丁寧に向き合っていることへの自信をもちつつ、子育てに関する悩みや不安を相談できる場を設けるなどして、ママ1人で抱え込んだり、パパ・ママ間だけで不安を溜めたりすることがないようにしましょう。
2018年04月24日4月になり新学期がスタートしたお子さんがいるご家庭は、まだまだ慣れない生活ではありませんか?我が家はこの4月から年長さんになった5歳の長女と2歳児クラスになった次女がいます。進級したことで、園への持ち物が少し変わり、めったに忘れることがないタオルやオムツの補充など、忘れ物をしてしまうことも。そこで今回は、子どもたちも楽しくできて忘れ物もなくせる「お支度ボード」をご紹介します。また、このボートのお陰で、我が家の子どもたちは、自分のペースで楽しく生活習慣を学ぶことができるようになりました。■ お支度ボードの目的は?今回作ったお支度ボードの目的は、いくつかあります。まずはやっぱり、忘れ物をなくすため!また、年長さんになった長女はたのしく自分でお支度ができるようになるため。そして、興味が出てきたひらがなを覚えるきっかけづくりのためでもあります。■ 用意するものはすべて100円均で揃います用意するものは以下の通り。すべて100円均で揃います。ペンや色鉛筆画用紙などの厚紙(ダイソー)はさみマグネットタックピース(セリア)磁石が付けられるボード(セリア)つくり方はとっても簡単です。1.まず、園の持ち物を書き出してみます。2.厚紙に分かりやすいイラストと名称を描きます。お子さんの似顔絵も作っておくと喜んでやる気もアップするはずです!(iPadを使いました)3.はさみで切り取ります。4.裏側にマグネットタックピースを貼り付けます。セリアのマグネットタックピースは最初から切れ目が入っていて、裏が粘着面になっているので手軽に使えますよ!これで完成です。■ 我が家での使い方は?マグネットを付けた理由は、曜日によって持ち物が違うからだったのですが、子どもたちは持ち物の確認をしながらボードにペタペタと貼っていました。まっさらのボードに自分の顔を貼って、「園服は着た」ペタ!「タオルも入れた」ペタ!「歯磨きセットも入れた」ペタ!といった感じでたのしく使っています。■ お支度ボードと一緒につくったもう一つのボード園では毎朝、「今日は何月何日何曜日?」「今日のお天気は?」といったことをしているようです。我が家の5歳児は、1から9までの数字は分かるものの、その先はまだまだ曖昧です。そこで今日の日付とお天気ボードも作ってみました。ひらがなや数字に興味が出てきたいま、園でも自信を持って大きな声で日にちやお天気を言うことができたら、うれしい笑顔が増えるかなという思いと願いを込めて。■ 今日の日にちとお天気ボードを作った結果このボードは玄関に置いているのですが、家を出る前に玄関を開けてお天気を確認するようになりました。日にちカードはすべて出すと目移りして分からなくなってしまうようなので、10枚くらいずつ出しています。「昨日は16日だったね。16日の次の日は何日だっけ?」という声掛けをすると、カードを見ながら一生懸命考えて正解できるようになってきました。お天気も最初はあてずっぽうで答えていたのですが、お天気チェックもカードもバッチリになりました!■ 子どものペースで楽しく生活習慣を学ぶことで笑顔が増えた!子どもは新しい環境でまだまだ慣れず不安もある4月。朝の登園前はどことなく不安そうだった表情でしたが、このボードを始めて1週間。小さな「できた!」が増えたことが良かったのか、小さな自信がチラホラとついてきたようにも思えます。この時期のお支度ボードはとても役立ちます。ちょっと面倒くさい毎日の準備も子どもと一緒にできる楽しみに変わるかもしれません。そして、子どもは自分で「できた!」の喜びがきっと自信に変わるはずです。ぜひ試してみてくださいね。
2018年04月18日出産・妊娠のブランクを経て、職場へ復帰するママたちのなかには、「パソコンスキル」に不安を覚える人も少なくないのでは?パソコンやソフトウェアの進化はめまぐるしいから、気が付いたらあっという間に操作法が変わっていたり、見た目が変わっていたりして以前は問題なく使えていたのに手も足も出なくなってしまうということもしばしば。そこで、今回はママテナ編集部による独自調査を実施(調査方法:インターネット調査 期間:2018年2月23日~26日 有効回答数169名)。ママたちのパソコンスキルについて調査してみると、以外多くのママたちがパソコンを使いこなしていることが明らかに。ママたちのパソコンスキルの一斉調査まず、ママたちがどんなパソコン操作やソフトウェアを使いこなせるのか、その自信度を知るべく、各項目について、「かなり使いこなせる・できる」「あまり使いこなせない・できな」などの自身の自信度を回答してもらった。まずは、結果を見てみましょう! 自分のスキルと当てはめて、参考にしてみてくださいね。□1Windows操作一般(起動、シャットダウン、印刷など)かなり使いこなせる・できる43.2%まあまあ使いこなせる・できる46.7%あまり使いこなせない・できない4.7%まったく使いこなせない・できない5.3%□2Mac操作一般(起動、シャットダウン、印刷など)かなり使いこなせる・できる6.5%まあまあ使いこなせる・できる17.2%あまり使いこなせない・できない30.8%まったく使いこなせない・できない45.6%□3ブラインドタッチかなり使いこなせる・できる25.4%まあまあ使いこなせる・できる37.3%あまり使いこなせない・できない23.1%まったく使いこなせない・できない14.2%□4ショートカットかなり使いこなせる・できる17.8%まあまあ使いこなせる・できる36.1%あまり使いこなせない・できない28.4%まったく使いこなせない・できない17.8%Windowsパソコンに当たっては、基本的な操作では多くのママたちが使いこなせるようで、Macは低め。でもこれは単純にパソコンのシェアにも比例しているのでしょう。ブラインドタッチやショートカットといった、仕事効率に大きく影響しそうな内容に関しても、約半数のママたちが「使いこなせる・できる」と回答した結果に関しては驚き! 現代のママは結構パソコンを使いこなせるようです。ママたちのオフィスソフトのスキルはいかほど?では、今度はオフィスソフトの習熟度についてはどうでしょうか。表計算や文字入力など、オフィス系ソフトは多くのパソコンで利用する共通ソフト。多くの職場で役に立つスキルですが、はたしてその結果は?□4Microsoft Wordかなり使いこなせる・できる22.5%まあまあ使いこなせる・できる46.2%あまり使いこなせない・できない18.9%まったく使いこなせない・できない12.4%□5Microsoft Excelかなり使いこなせる・できる17.2%まあまあ使いこなせる・できる40.8%あまり使いこなせない・できない27.2%まったく使いこなせない・できない14.8%□6Microsoft PowerPointかなり使いこなせる・できる6.5%まあまあ使いこなせる・できる27.8%あまり使いこなせない・できない32.0%まったく使いこなせない・できない33.7%□7 Microsoft Outlookかなり使いこなせる・できる9.5%まあまあ使いこなせる・できる18.9%あまり使いこなせない・できない34.3%まったく使いこなせない・できない37.3%□8Gmailかなり使いこなせる・できる17.2%まあまあ使いこなせる・できる29.0%あまり使いこなせない・できない28.4%まったく使いこなせない・できない25.4%マイクロソフトのオフィスソフトに関しては使いこなせるママも多いようですが、Microsoft PowerPointを苦手とするママはどうやら多そうです。Microsoft PowerPointとは、プレゼンテーションの資料を作るためのソフトウェア。ひょっとすると、そういったプレゼン資料を作る機会に恵まれてこなかったという人も、多いかもしれませんね。ちなみに、再就職前に自分のパソコンスキルに不安を覚えたら、教育訓練給付金制度を利用するのもひとつの手段。教育訓練給付金制度とは、雇用保険加入者や離職者が指定教育訓練を修了した際、訓練に支払った費用の一部をハローワークが支給してくれるという制度。入学金や受講料などがその対象になり、勉強にかかる出費を抑えることができます。上手に制度を利用して、リーズナブルにスキルアップ。再就職前にブランクの不安を解消しましょう。(文・団子坂ゆみ/考務店)
2018年04月16日女性の社会進出が促進される一方で、「働きたいけど、キャリアがないから不安…」と考える専業主婦は多いはず。でも、実際にそこまで不安になる必要があるのでしょうか?投稿モニタリング、ネットいじめ対策など、インターネット上で生じる課題を解決するために様々なサービスを展開するアディッシュ株式会社で働く、2児のママ・松下恵美さんと取締役・管理本部長である杉之原明子さんに話を聞きました。“あえて”制度を制度化させない社風とは?同社は、女性が活躍できる企業を選出する「Forbes JPAN WOMEN AWARD」2016年度で4位となった企業。産休・育休に入るメンバーに、メンターとして経験者がつく「産休育休フォローアップ制度」といった、ママが働きやすい制度がある一方で、「あまり制度を設けないようにしている」と話す、杉之原さん。その理由は…?「当社にも『リモートワーク』や『短時間勤務』などがあり、様々な働き方をするメンバーもいます。しかし、それらは“制度”として明確に定めていません。制度にしてしまうと、“制度の範囲内でしか会話ができなくなるため”です。それよりも一つひとつ事例を積み上げたほうが、メンバーそれぞれが働きやすくなると考えています。たとえば、週に1回『レビュー』を行っており、上長と部下で会話をして、仕事や人生など、なんでも相談できる場を設けています。そのなかで、“来週は保護者会があるから、半休を取得したい”“慣らし保育があるから1週間リモートワークをしたい”など、ベストな働き方を選択できるようにしているんです」(杉之原さん)もちろん、法令で定められている制度は用意されており、それ以上の制度については、前述のような方法で事例をつくっているそうです。また、「どんな働き方ができるか?」については、所属するチームのリソースによっても異なるため、各チーム内でコミュニケーションをとり、決めているのだとか。ただし、これらを実現するためには、重要なこともあるといいます。「たとえば、前述のように“慣らし保育だからリモートワークにしたい”というのも、メンバーから声が発せられなければ対応できません。メンバーが声を出し、上長はそれらの要望に対して、折り合いをつけることが重要です。当社では『adishional Valueシート』と呼ばれるウェブサイトを構築しており、自分の過去や現在・将来を記載しています。また、『カフェミーティング』では、経営層と1対1で会話することもできます。こういった情報やコミュニケーションの場を活用して、メンバー一人ひとりに合った働き方やキャリア形成を実現するための会話ができるんです」(杉之原さん)仕事はママでも妻でもない自分になれる場所上長に気軽に相談できる場が設けられているとはいえ、申請を出しても却下されては意味がない…。しかし、「承認率は100%です」と松下さんは話します。「私には9歳の息子と4歳の娘がいて、長男の通う小学校では、最低でも月に1度は保護者活動があり、学校へ行く機会があります。そんなときも、『レビュー』などで事前に相談して、半休や早退、リモートワークを組み合わせて働けています」(松下さん)保護者活動のような事前に予定のわかるもの以外でも、子どもの急病での欠勤・早退もでき、時間のあるときにリモートワークで業務をすることもあるそうです。「当社ではコミュニケーションをとり、信頼関係を築けているので、子どもの病気でメンバーが休んでも特に何か思うことはありません。もし、コミュニケーションがとれていなければ、“私がフォローしないと” と少なからずネガティブな感情を抱いてしまうと思います」(杉之原さん)また、育児をしながら働くことは大変ではあるものの、“お金”以外のことでもメリットがあるといいます。「家事・育児と仕事の両立は大変ですが、“大変なことは大変”“できないことはできない”とある程度は割り切っていて、家事代行サービスなどを活用するようにしています。でも、私は仕事が好きですし、仕事をしているからこそ、子どもに教えられることもあると感じているんです」(松下さん)松下さんが実際に働いて得た経験を子どもたちに伝えることで、子どもが将来社会に出て生きていくためのノウハウなどを教えることができるそう。さらに、同社ではプログラミングや開発などの業務もあり、松下さんが職場で見た光景を息子さんに話し、興味を持ったことで、プログラミング教室へ通うことになったのだとか。他にも松下さんが仕事をしているのには理由があります。「長男を出産したころは専業主婦で、1日中子どもと二人で過ごして、煮詰まってしまったんです。私は専業主婦だったのでキャリアがほとんどありませんでしたが、元々、外へ出ることが好きだったので、仕事を始めました。専業主婦のころは、『ママ』と『妻』だけでしたが、仕事をするようになりママでも妻でもない『自分』になれたんです。いい気分転換になって、家庭のストレスは減りましたし、仕事の疲れは子どもに癒してもらっています」(松下さん)そんな松下さんの今後の目標は?「仕事を始めるときは、キャリアがほとんどなかったので不安な気持ちもありましたが、いざ働いてみるとなんとかなりました。働き方を自分でつくることができるので、業務範囲を着々と拡げることができ、今後ますますキャリア形成に力を入れていきたいです」(松下さん)ここまでの話を振り返って、杉之原さんは次のように話します。「働き方の議論において、信頼は重要だなと思います。 上長とメンバーとの信頼関係があるからこそ、“子どもの急病で早退”といった要望などにも、両者で折り合いをつけて、成り立っているんです」(杉之原さん)企業によっては、上長に何か言いたくても言いづらい環境があるもの。しかし、同社のようにコミュニケーションを重視する社風であれば、そういったことにはならず、多様な働き方を実現できる可能性を秘めています。現在仕事を探しているなら、制度ばかりに注目するのではなく、“どんな社風なのか?”にも注目するようにしましょう。(文・奈古善晴/考務店)
2018年04月14日出産・妊娠のブランクを経て、職場へ復帰するママたち。また、これから出産・妊娠というライフプランニングを考えている女性にとっても、職場復帰にむけては不安は大きいことでしょう。そこで、今回はママテナ編集部による独自調査を実施(調査方法:インターネット調査 期間:2018年2月23日~26日 有効回答数169名)。これから働くことを考えているママたちが職場復帰を前にどんな不安を抱いているのか、その中身について調査しました。働いていないママたちも全員がいずれ働く可能性をイメージまず、現在「働いていない」というママたちに、「あなたはこの先働くことを考えていますか?」と質問したところ、「よく考える」が85.7%、「考えたことがある」が14.3%と、全員ママたちがこの先の人生で働く可能性について考えたことがあるということがわかりました。次に、「働くことに対して不安を抱いたことはありますか?」という質問には、「ある」が89.7%と圧倒的多数。総務省統計局が発表する「労働力調査」の「女性の年齢階級別就業率の変化」の変遷を時代を追ってみてみると、妊娠・出産によって仕事から離れてしまうママは年々減少傾向にあり、子どもが一定の年齢に達したら再び働き始めるママたちは増えている。女性が再び働きやすい時代になってきたことは明らかだけど、やはり不安は大きいのは、まだまだママたちを受け入れる体制や風土が企業側に出来上がっていないからなのかもしれません。これから働こうと考えているママたちの不安第1位はでは、働こうと考えているママたちの不安の内容は?まずは、その結果を見てみましょう。Q.「具体的には、どんな不安を感じますか? あてはまるものすべてお選びください」(複数回答))1位「家庭との両立について家事や育児と両立できるか」96.3%2位「職場の体制・環境について 子どもの病気による急な休みや学校の行事出席などにも寛容か」92.6%3位「職場のムード・雰囲気について 受け入れてもらえるかどうか」59.3%4位「仕事のスピード感について 周囲についていけるか・スキルについて パソコンのスキルなど今のスキルでついていけるか」37.0%5位「仕事の量について 処理できないほどの仕事量ではないか、処理できるか:」25.9%やはりママたちが気になるのは家事や育児との両立のこと。そして、職場の体制や環境のこと。こればかりは、働き始めてみないとわからない点であり、どうしても不安を感じてしまいやすいポイントのようです。不安を抱いたまま職場に復帰し、やっぱり自分には合わない職場だったり、イメージと違っていたら自信を失ってしまう結果にも。もし不安が大きいのなら、自治体が行うママ再就職の支援事業を利用してみるのもひとつの手段。育児と仕事の両立に関するアドバイスや就職のためのスキルアップ講習会などを開催するほか、自治体によっては職場体験からの再就職を行う企業もあります。不安になったら諦めず、足を止めずにまずは行動を。応援してくれる人や解決する手段がきっと見つかるはずです。(文・団子坂ゆみ/考務店)
2018年04月13日発達障害への薬物療法は向き合い方がポイント!出典 : 発達障害の特性によって、家庭生活、学業、友人関係に支障をきたしてしまう…そんな子どもに対しては、さまざまな支援や医療的なケアを利用することができます。その中で、親として最も判断に迷うものに、薬物療法が挙げられるのではないでしょうか。薬物療法を始めても、「薬物療法が本当に良い決断なのか、子どものためになるのか」「副作用などでかえって子どもを苦しめてしまわないか」など、迷いや不安があるのは当然だと思います。薬物療法に対しては、さまざまな考え方や意見があります。中には判断に迷う情報もあるでしょう。そんな中大切なのは、不安な気持ちのまま薬物療法を進めるのではなく、疑問を解消して自分なりに「薬との向き合い方」を考えていくことです。そこで今回、「薬との向き合い方」を考えるうえで感じることの多い不安や疑問を、発達障害や子どもの薬物療法に詳しい、名古屋大学医学部親と子どもの心療科准教授の岡田俊先生にお聞きしました。その答えを一問一答形式でご紹介していきます。【Q.1】薬を飲むメリット・デメリットって?出典 : 前提として、発達障害を根治したり、その特性を消失させるような薬物療法はありません。薬物療法では、発達障害の特性の一部・発達障害のある子どもに伴うことの多い症状を軽減させることができます。例えば、注意欠如・多動性障害(ADHD)の子どもに見られる、不注意や多動性-衝動性が薬によって緩和されたり、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもに多く見られる、かんしゃくやこだわりをやわらげたりすることに効果があります。これらの薬物療法の効果によって、その子の生きづらさが軽減されるだけでなく、親や教師がより適切なかかわりをしやすくなることもあるでしょう。薬に関する副作用や、それに伴う安全性への懸念は、多くの方が感じていると思います。ですが副作用は、どの薬にもあるものです。例えば、ADHD治療薬によって、いらだちが強まったり、こだわりが増強したりするほか、食欲の低下などの副作用が見られる子も少なくありません。また、ASDに対する抗精神病薬の使用で、眠気が増す、そわそわとした感じが出現する、月経不順、体重増加といった副作用が現れる子どももいます。あらかじめ子どもが飲む薬の副作用にはどんな症状が考えられ、万が一起きた時はどう対処すればよいのかを把握しておくことが大切です。以上のことを踏まえ、薬物療法においては、常にメリットとデメリットを天秤にかけて検討することが大切です。何を目標として薬物療法を受けるのかを、明確にしておく必要があります。発達障害の治療に関して、薬物療法が唯一の治療法ではありませんし、薬物療法によって改善しうる症状は、その子の抱える問題のほんのわずかな部分に過ぎません。・他の治療に比べて薬物療法を実施するメリットがあるのか・その他の治療と組み合わせることで相乗効果が得られるのか・薬物療法をいつまで続けるのかこの3点を中心に考えながら、薬物療法を進めることが重要です。【Q.2】薬物療法って、途中でやめられるの?出典 : 精神科の病気に用いられる薬には、一度服用すると、再発を予防するために薬物療法を続ける必要があることがあります。そのイメージが強いためか、発達障害の薬物療法でも「一度始めたらやめることができないのでは?」と考えている親御さんが少なくありません。確かに、子どもの様子を見て、薬の力が継続的に必要であれば薬物療法を続ければよいでしょう。しかし、薬物療法の標的となっていた症状がすでに改善しており、薬物療法を中止しても、概ねその状態が維持できるのであれば、薬物療法を続ける理由はありません。そのためにも、どんな症状を標的として薬物療法を開始したのかを明確にしておくことが、不要な薬物療法を漫然と継続しないためにも大切なのです。服薬を継続することのメリットやデメリットは、子どもであっても感じ取っているものです。親御さんの意見だけでなく、その子の服用感を大切にしながら、継続を検討していくとよいでしょう。【Q.3】薬物療法に対する意見が周囲と合わない時、どうすればいい?出典 : 薬物療法を巡って、子ども本人、親御さんにも迷いがある場合も少なくないのですから、ご家族の意見が一致しないことがあるのも当然のことです。自分の中でようやく決心に至ったのに、家族の意見で、また気持ちが揺れ動いてしまい、煩わしいと感じることもあるかもしれません。賛否を議論していても、何も決まりません。それよりも、現在の状況について、どのように考えているのか、服薬に際して何を期待し、何を心配しているのかを明確にすると、意外に対立点はないはずです。また、家族は薬物療法を開始したいという気持ちで一致しても、当の子ども自身が納得しないことがあります。あなたや周囲の大人がいかに困っているかを話して薬物療法の同意を取り付けようとする前に、子どもが薬に抵抗する理由を聞いてみると、「薬を飲むと自分が変わってしまうように感じる」「薬をのむと自分が病気であることを認め、どこか負けたように感じる」「とにかく特別なことはいやだ」など、その子ならではの理由があるものです。その背景には、発達障害をどのように受け止めているか、発達障害とともに育ちゆくことにどのような経験や思いを重ねているかなど、さまざまな認識が影響しています。薬を飲む・飲まない、ということから離れて、そういう思いの一つひとつを時間をかけて扱うことが大切でしょう。【Q.4】セカンドオピニオンを受けることも有効?出典 : セカンドオピニオンは、かつては「主治医の診断や治療方針に納得がいかないときに受ける」というような印象があり、患者の側も遠慮しがちに希望を申し出ていたところがありました。しかし、今日では、セカンドオピニオンは、安心して医療を受けてもらうため、医療側から見ても歓迎すべきプロセスとなっており、大学病院などでは重要な役割となっています。発達障害の診断は、その特性の程度により、どこから診断閾値を超えていると考えているか、医師によって若干異なることも考えられます。また、発達障害の場合、薬物療法を行うか否かは、診断の有無よりも、現在の状況を改善するためにどのような工夫が可能かという見立てによることが多いです。そのため、これまでの子どもの経過を最も知る主治医が適切な提案をできるとは思いますが、セカンドオピニオンで別の医師の意見を求めることも有益なことがあります。いずれにしても、発達障害の診療にあたる医療機関は限られています。そのため、通院中の医療機関に安心してかかるための工夫の一つとして、セカンドオピニオンも位置づけるとよいでしょう。【Q.5】子どもに対して、服薬をどう伝えればよい?出典 : まず、前提として、服薬の説明にしても、障害の告知にしても、親御さんのみで進めるのは避けましょう。障害の告知は、本来、その子の得意なところや苦手なところなど、子ども自身がさまざまな特性について自己理解を進めるうえで行われます。また、障害告知に関しては、単に障害名が伝えられるだけでは不十分です。その障害特性を踏まえて、直面している問題について可能な工夫を考えたり、新たな問題が生じても、そのことについて医師や学校の先生、家族と一緒に取り組んでいってもらえる安心感のある状況の中で行われたりする必要があります。薬物療法の提案も、その工夫の一つの方法として提案されることが大切です。服薬を説得するために告知をする、というのは、大きなマイナスの結果をもたらす可能性があります。もし、子どもへの伝え方が、1. その子どもが抱えている問題が現状では解決できない2. 解決できない理由はその子のもつ発達障害にある3. そのために薬物療法が必要であるこのような順序になると、「薬物療法を受け入れる=周囲とさまざまな問題を抱える発達障害特性がある」ということを、子どもに受け入れるように迫るということになり得ます。発達障害だから問題と直面せざるを得ないわけでも、発達障害だから服薬をしないといけないわけでもないのです。ですので、服薬のために障害を告知するというタイミングはよくありません。このノウハウは、医師がさまざまな経験のもと蓄積していますので、医師に任せて、親はどのようにそのプロセスに参加すべきか相談していくのがよいでしょう。出典 : その子どもの年齢や能力などを踏まえ、その子に応じた説明を行い、同意を得る必要があります。未成年の場合には、薬物療法の実施にあたり、保護者の同意(インフォームド・コンセント)が必要になりますが、親だけが納得していても子どもは服薬してくれませんし、同時に子どもの思いや決断も尊重する必要があります。そのために、その子の理解力に応じた説明を行い、同意(アセント)を得る必要があります。しかし、アセントを取得するにあたって、どのような説明を行うかは、医師の裁量に委ねられており、そこはその子の理解力を踏まえた医師としての力の見せ所ともいえる一方、そのような説明のもとに行われたアセントが本当に同意といえるかは悩ましいところでもあります。そのような説明と同意の現実をまず踏まえておくことが大切でしょう。その子の困りごとを整理し、その解決に薬物療法がどのように役立ちうるかと、薬物によって生じうる副作用を伝え、薬物療法を希望するかどうかについて子どもと話し合うことになります。その子の困りごとは、その子の視点からみた困りごとでなければなりません。「友達と仲良くなりたいと思っているのに、ちょっとしたことでキレてしまい、けんかになってしまう」「お母さんのことは好きなのに、早くしなさい、といわれるとかっとしてしまい、思わず物を投げてしまう」…これらのことに対して、本人ができる工夫、周囲ができる工夫など、いろいろあると思います。それらを行ってもうまくいかない時に、薬にも助けてもらうかどうかが話題になるわけです。薬には助けてもらうだけで、結局大切なのは本人の努力や工夫です。もし、薬物療法がとても有効であっても、薬ではなく、その子どもの頑張りを褒めてあげることが大切です。【Q.6】子どもの成長につれて、薬を拒否するようになったらどうする?出典 : 薬は対症療法にすぎませんから、その標的とした問題が解決すれば、中止を試みることになります。このような試みは、必ずしも医療主導とは限りません。ご本人やご家族の判断で、週末はやめてみた、長期休みなので飲まなかった、飲み忘れた日があったが問題なかった、など、いろいろなパターンがあります。一度、中止をしてみて、服薬を続けることのメリット、デメリットを再確認するのはよい方法です。服薬開始時点で、「何歳になったら卒業、薬に頼るのをやめよう」などという提案をされたという親御さんの話も聞きますが、このような表現は、薬を使用することが何かよくないことのような響きを持ってしまいます。本当に必要な薬であれば続けたらよいですし、現実には、そのような限界を設定しなくても、その年齢の前にやめてみようという試みが、ご本人やご家族からあることの方が多いものです。子どもが急に薬を飲むのを嫌だと言い出した、というケースもあります。その時には、なぜと問い詰めるより、その思いになったきっかけを確認することが大切でしょう。自意識が高まって「人と違うことはいやだ」と思うようになったのかもしれませんし、「何に対して自分は薬を飲んでいるんだろう」と思い、障害の受容をめぐって揺れ動いていることもあります。その場合、薬の服用については、本人の思いを尊重していったんやめてみることが多いです。ですがそのことよりも、そのような子どもの心の揺れ動きについて、診察のなかで扱うことが大切です。最後に、大切なことは、医師が服薬を薦め、子どもがそれに従う、という関係ではなく、薬物療法を含め、さまざまな話題を医師・親・子どもで一緒に考えていけるような関係性です。そのような関係性のもとでは、服薬をやめたいと思う、といったこともオープンに話し合えます。医師の処方通りに服用していないことがあるのは、医療全体にいえることです。しかし、抗うつ薬のように自己中断が離脱症状をもたらす薬もあります。「医者に通うこと=薬をもらうこと」ではない治療関係であれば、薬をめぐるオープンな話し合いができ、服薬の中止についても医師との相談のうえで、計画的にすすめていくことができるでしょう。まとめ出典 : 親としては、自分の子どもが一定期間にわたって薬を服用することに対し、どうしても不安やためらいを感じずにはいられないと思います。薬物療法の開始を決定した後でも、子ども本人にどう伝えるか、周囲とどのように意見をすりあわせていくかなど、さまざまな悩みが生まれることでしょう。あくまでも薬は対症療法の1つであり、メリットだけでなくデメリットもあります。薬を飲むことがどのような意味をもつのかを基準に考えることが重要です。また、薬を使うことは他の支援方法を諦めるということではなく、常に並行して考えていく必要があります。その子が発達障害とともに育つ、そして発達障害のある子を育むという歩みの中で、医療とどう付き合い、利用していくのか、こういった視点の中で、自分なりの薬に対する向き合い方を考えていきましょう。
2018年04月09日春は新学期、入園、入学シーズン。新しいお友だちや先生に出会い、これからどんな楽しいことが起こるのか期待に胸をふくらませる時期。それと同時に、生活環境が変わり不安を抱く時期でもあります。息子が入園したときも、普段よりもわがままになって親を困らせたり、いつも以上に甘えが出てきた時期がありました。今思うとそれは子どもが発するSOS信号だったのかも? そこで、子どものSOS信号を見逃さないためにはどうすればいいか、発達心理学・教育心理学が専門の東北文教大学准教授 永盛善博先生に話を聞いてきました。永盛先生によると「子どもたちは新しい環境に慣れようとして、園や学校でいつも以上に頑張っています。その反動で、不調なども出てきます。子どもが入園、入学する時は、多かれ少なかれ『普段とは違う行動が見られる』と考えた方がいいでしょう」大人でも新しい環境に行けばストレスがたまるので、子どもであればなおさら。子どものSOS信号が表れる行動とその対処法を教えてもらいました。子どものこんな行動はSOS信号のサイン『チャイルドヘルス』の石動(2017)のまとめによれば、子どものSOS信号は以下の5つの行動になって表れます。(1)身体反応(食欲不振、疲労感、腹痛など)(2)気になる行動の再開や強まり(夜尿、指しゃぶり、ぐずりなど)(3)イライラの増大(4)母親への依存の増大(5)緊張(不安な表情、無口もしくは過度のおしゃべり、登園しぶりなど)小学校入学の際には、特に(1)と(5)が多く表れるとのこと。普段ならつい注意したくなる行動も、この時期は不安の表れだと受け取った方がよさそうです。SOS信号に気付いたら子どもの気持ちを受け止めるでは、子どものSOS信号に気付いたら、どうすればいいでしょうか。親としては登園、登校してほしいという思いがありますが、無理矢理送り出してもいいのでしょうか。「子ども自身がSOSに気付いていないこともあるので、まずは、親の方から働きかけて。子どもは自分の言い分を聞いてもらえて初めて、大人の言い分を聞けるようになります。まずは子どもの気持ちを受け止めてほしい」と永盛先生。働きかけるときは、その子の個性に合わせるのがポイント。褒められた方がよい子、叱られた方がよい子、楽しいことをイメージさせた方がよい子、一緒にじっくりと問題点を解決していった方がよい子などさまざま。話を聞いてもらえただけで大丈夫な子もいるそうなので、自分の子はどんなタイプか見極めることが重要ですね。SOS信号を見逃さないためにコミュニケーションが必須「子どもの“いつもと違う”を親が感じるためには、子どもの“いつも”を知っておくことが大切」と、永盛先生にアドバイスをもらいました。普段からよくコミュニケーションをとること。そして、子どもの個性や状態を把握しておく必要があります。また、園生活や学校生活を把握しておくのも大事だそうで、連絡帳を最大限に活用しましょう。息子が通っている園で「不安なことがあったらすぐ担任や園に連絡してくださいね」と声をかけてもらい、とても心強い思いをしました。子どものことで不安なことや気になることがあったら遠慮せずに連絡帳に書きましょう。家にいるより長い時間生活する園や学校とのコミュニケーションも大事。相手は保育、教育の勉強をしてきたプロですから、きっと力になってくれるはずです。親としては、自分の気持ちを上手に伝えられない子どものSOS信号に気付いてあげたいところ。新学期がはじまる時期は、いつも以上に子どもたちのことを気にかけて、のびのびと園生活、学校生活を楽しんでもらいたいですね。<文:フリーランス記者三浦麻耶取材協力:東北文教大学>
2018年04月06日恐怖の新学期…この春、5年生になる息子のカム。「なるべく大きな変化は避けてほしい!」と学校にはお願いしていて、進級しても使用するロッカーの場所はいつも同じところ、息子のお気に入り絵本は必ず教室に完備されています。でも、教室や先生、クラスメイトが変わるのは避けられません。いつもと違う雰囲気の教室に連れてこられた息子はびっくりしてガチガチになってしまいます…。Upload By shiori心の支えをフル活用!息子はタオルやハンカチ、手袋や靴下、アクリルたわしなどの布や毛糸の小物をコレクションしています。ハンカチや靴下の刺繍やワッペン、様々な色の糸や毛糸で織り込まれた生地を見るのが大好きなのです。不安な時は、大好きな"おもちゃ"であるこれらを持って学校に向かうことで、少し気分が楽しくなるようです。教室に到着すれば、お気に入り絵本が待っているので、教室に行くまでの道のりの心の支えとして大好きなおもちゃを持っていきます。持っていくおもちゃは、毎朝その日の気分で息子が選んでいます。ハンカチやタオルはそのまま学校でも使えるので特に問題ないのですが、手袋や靴下は学校に到着後、息子が落ち着いたら回収しています。さて、問題なのは…。息子の大好きなおもちゃの中にトランクスがあります。トランクスを持って学校に行くのはちょっとなぁ…。息子本人は全く気にしていませんが…。んん〜…。そうだ!トランクスに見えなければいいんだ!息子はトランクスの柄が大好きなだけなので、トランクスに見えないように加工しちゃおう!Upload By shioriとりあえず適当に切って、縫って、なんだかわからない筒状のものができました。息子の宝物にハサミを入れるのは緊張しました。その心配に反して、一つの宝物(トランクス)が二つに増え、むしろ息子は大喜び。よかったよかった〜。散乱する宝物たちが悩ましい…さて、トランクス問題も解決し、次なる問題は溢れかえる宝物(布小物)たちをどうするか!いつもは毎朝、持っていくものを選ぶために、カゴいっぱいの宝物をばらまいて、その日の一枚を決定します。お気に入りを探すのにも時間かかるし、散らばったハンカチ類の後片付けも大変です。なんとかしたい!Upload By shiori散らからないまま見られるようにするには!?そこで、こんな対策をしてみました。Upload By shioriゴムを半分にして、適当に結び目をつけて、カゴに取り付ける。結び目と結び目の間、ゴムの輪っか部分に布小物たちを挟んでいきます。すると、なんと素晴らしい!カゴの中がスッキリしました!さらに、この収納法のメリットはこれ!Upload By shioriじゃーーーん!なんと、バラバラになることなく全ての布小物を見ることができるのです!しかもなんかパーティの飾りみたいで楽しげじゃないですか?さて、心の支えのおもちゃたちの整理整頓は完了!どんとこい新学期!雪が解け、真っ白の世界から草花の色あざやかな世界になり、暖かい空気にウキウキする春。せっかくの心地よい春を存分に楽しめますように。
2018年03月27日初めての出産。陣痛ってどれぐらい痛いんだろう…耐えられるか心配…などいろいろ不安だらけですよね。私もついこないだ第3子を出産しましたが、あの痛みを知ってるからこそ、臨月になるといつ陣痛がくるのかと毎日ソワソワしてました。陣痛の始まり方はその人によっても、赤ちゃんによっても違います。痛みも陣痛の時間もそれぞれですが、少しでも不安な気持ちを解消できたらと思い、お産の流れや呼吸の仕方などまとめました。お産の流れをおさらいしよう!基本的な流れは、おしるし→前駆陣痛→陣痛→本陣痛→破水→出産。人によってはおしるしや前駆陣痛がなかったり、破水から始まることもあります。そして、陣痛から出産までの分娩の流れは、以下のように大きく3段階に分けられます。第一期(開口期)本陣痛が10分間隔になってから、子宮口が全開大になるまで↓第二期(娩出期)子宮口が全開大になってから赤ちゃんを生み出すまで↓第三期(後産期)赤ちゃんが生まれてから胎盤などをすべて排出し終えるまで第一期の陣痛から分娩までにかかる時間は個人差があり、4時間未満で終わった人もいれば、18時間以上かかった人もいます。ちなみに私の場合は1人目が約9時間で2人目が約11時間、3人目が約6時間でした。子宮口全開になるまでの、いきみ逃しのポイント第一期(開口期)はさらに準備期・進行期・極期の3段階に分けられます。①準備期(子宮口の開き0~3cm、陣痛間隔8~10分)痛みはあるものの、まだ余裕があります。この時に眠ったり食事をとったりして、体力をつけておくことが大切です。経産婦さんの場合は、お産の進みが急に早くなることがあるため、この段階で入院となることが多いです。私も2人目は陣痛が15分間隔、3人目は20分間隔になったら病院に来るよう言われていました。↓②進行期(子宮口の開き4~7cm、陣痛間隔4~7分)だんだん陣痛間隔が短くなって、痛みも強くなります。陣痛も次から次へとやってきますが、大切なのは力を抜いて呼吸をすること。このときの呼吸は2秒鼻から吸って、2秒口から吐くくらいのペースでいきみ逃しをします。痛みが辛いときは、肛門付近をパパに押してもらうと痛みが和らぐので是非やってもらいましょう。陣痛がきてない間は普通の呼吸に戻して、ゆっくり休んだり、水分補給やトイレに行ったりします。体制は四つん這いやあぐらなど、できるだけ楽な姿勢が良いと言われてますが、私はベットで横向きに寝ていました。3人目の出産のときに、助産師さんに「向きを変えて横になってみて!赤ちゃんが回転してお産が進みやすくなるよ」と言われ、変えたらその後だんだん痛みがMAXに。↓③極期(子宮口の開き8~10cm、陣痛間隔2~3分おき)さぁ~分娩まであと、もう一息!!痛みがMAXになると、力を入れていきみたくなりますが、子宮口が全開大になる前にいきむとかえって子宮口が開きにくくなったり、会陰が裂けたりすることがあります。つらいですが、力を入れずにいきみ逃しをしながら乗り切りましょう。このときは、息を吸うことが難しくなってくるので、息を吐くことを意識します。なるべく力を入れないように「ふぅー」と長めに息を吐きましょう。いよいよ分娩台へGO!!子宮口が全開大になったら、いよいよ分娩台へ!だいたい子宮口が全開大になったときには、破水もします。分娩台に座ったら助産師さんの指示に従いながら、陣痛が来たら一度深呼吸をし、次に軽く息を吸い、そのまま息を止めて肛門に力を入れます。いきむ時は少し背中を丸める感じにしてあごを引くのがコツ。赤ちゃんの頭が出たら両手を胸において、「ハッハッハッ」と浅く短い呼吸に切り替えます。これも助産師さんが教えてくれるので、心配しなくて大丈夫です。赤ちゃんの頭が出れば、あとはスルリと出てきてくれますよ。3回の出産を経験して思うことは、どの時も陣痛は辛いし痛いですが、赤ちゃんの顔をみたときの感動は一生忘れられないです。「やっと会えたね」「生まれてきてくれてありがとう」と、自然と涙が溢れでました。そして、もう無理!と感じていた痛みもすっかり忘れてしまうから、母親って本当に不思議なもの。初産のママはやっぱり不安だと思いますが、少しでもリラックスして、赤ちゃんとの素敵なご対面ができることを願っています。
2018年03月06日何事も、“初めて”のときは、なじめるか不安になるものですが、それは小学校も同じ。公立小学校に通うメリットとして、「近所に住む顔なじみの友だちと一緒」ということが挙げられますが、他にはどんなメリットが挙げられるのでしょう?(1)「登下校を一緒にできる友だちがいること」、(2)「放課後に遊べること」、(3)「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」。そう話すのは、教育ジャーナリストの中曽根陽子さん。公立小学校のメリット1●登下校を一緒にできる友だちがいること小学校に上がりたての頃は、まだ交通ルールにも不安があるし、不審者に遭遇することも想定できるため、何かと心配事が多いもの。中曽根さんは、「登下校を一緒にできる友だちがいること」は、メリットのひとつと言います。「小学校は、学区の中で通学路を設けており、多くは通学路ごとに縦割りの登校班を設けていて、集団登下校をする際に利用します。集団登校日以外は、それぞれで通学しますが、低学年のうちは特に、近所のお友達と一緒に登下校をする機会が多いと思います。休みの連絡も、学校に直接連絡するのではなく、連絡帳を近所の友達に預けるようにという学校もありますし、安全面からも、近所に顔見知りの友達がいると安心です」公立小学校のメリット2●放課後に遊べること続いて、2つ目のメリットである「放課後に遊べること」について解説してもらいました。「塾や習い事などで、放課後遊びができなくなってきているとはいえ、子どもにとっては遊びの時間も貴重です。子どもが自分で移動できる範囲に友だちがいるのは、親にとっても安心です」また、最近では、共働き夫婦も増えており、下校後はひとりでお留守番をする子どもも多いのではないでしょうか?そうした家庭においても、誰かと一緒にいる(ひとりではない)ということは、安心につながりそうです。公立小学校のメリット3●親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと3つ目のメリットは、「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」と、中曽根さん。これはどういうことでしょう?「子どもが小学生になると、少しずつ子どもの行動半径も広がり、親の目が届きにくくなります。子どもの友だちとその親も一致しにくくなるなか、一緒に登下校する友達はとりあえず、家の場所もわかりますし、親同士もコミュニケーションを取りやすいので、つながりがつくりやすいのではないでしょうか。子育ては自分だけではできないので、地域に知り合いがいて、学校や地域の情報を得たり、困った時に“お互い様”で助け合ったりすることができたら心強いでしょう」実際、2011年の東日本大震災のときには、帰宅できなくなってしまったママが、近所の友だちの家で子どもを預かってもらい助かったという話もあるとのこと。近所のつながりがなければママも子どもも途方に暮れていたかもしれません。私立の場合、電車で通ったり、仲良しだった友だちと離れ離れになったりというのは、よくあること。公立小学校ならではのメリットもたくさんあるんですね。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月19日お子さんが小学生になると同時に、仕事の都合などで初めて子どもに鍵を持たせるというママも多いのではないでしょうか?鍵をなくさずにちゃんと管理できるのか、と不安に思う気持ちもあると思います。そこで、実際に子どもに鍵を持たせている先輩ママたちに、鍵の持たせた方をリサーチしてみました。キーチェーンやキーケースでランドセルに付ける最もスタンダードなのが「スパイラルになっているキーチェーンをランドセルに取り付けて、鍵をランドセルのポケットに入れる」という方法。キーチェーンは100均でも手軽に購入できるそう。ただ、ランドセルを下ろして鍵を取り出すのを子どもが面倒くさがったり、ドアの前で時間が取られることが防犯の観点では狙われやすいということを危惧する意見も。そこで最近の主流になりつつあるのが、ランドセルの肩ベルトに取り付けられるキーケース。「リールつきで取り出しやすく、娘はランドセルと同系色のデザインを選んで楽しんでつけている」という先輩ママも。デザインが豊富で、ネット検索するとさまざまなバリエーションがヒットします。ランドセルが心配なら洋服に付ける「帰り道にランドセルを放置して公園で遊びそう」「ランドセルにキーチェーンやキーケースが付いていると、鍵を持っていることが他人にわかってしまう」と不安なママには「洋服につける」方法があります。「ズボンやスカートのベルト通しに、紐や伸びるキーホルダーを付けてポケットに入れて持たせている」というママも。次の日に着用する予定の洋服に毎日付け替えなくてはならないので、ランドセルに付ける方法よりも手間はかかってしまいます。他にも、制服がある学校の場合は「制服のブレザーに手縫いで内ポケットを付けて鍵入れを作った」というママもいました。鍵の大切さや防犯について子どもに伝える鍵を持たせる前にはほとんどのママたちが、鍵の重要性や、なくすとどんなことが起こるのか、をわかりやすく丁寧に伝えたそうです。また、必要なとき以外は鍵を見せたり出したりしない、ドアを開けるときは周りに人がいないかを確認する、などの防犯対策についても毎日のように話し聞かせているとのこと。今回のリサーチで、子どもに「鍵は大事なもの」としっかり認識してもらい、その上でママたちが子どもに合った鍵の持たせ方を検討した様子がよくわかりました。お子さんがもうすぐ新一年生になるママたち、ぜひ参考にしてみてくださいね!<文:フリーランス記者飯作紫乃>
2018年01月15日発達障害のあるお子さんの服薬の不安・悩みは?発達ナビユーザーの皆さんとワークショップを開催!Upload By 発達ナビ編集部発達障害のあるお子さんに対する支援方法の一つとして、症状に対応したお薬を処方され、服薬する場合があります。8月にLITALICO発達ナビ会員の皆さんに行ったアンケートでも、回答者のうち約半数の方のお子さまが(回答数1,220中584)、薬物療法による支援を受けているという結果が見られました。お子さんがお薬を服用しているご家庭の保護者の声としては、お薬の効果や副作用についての疑問・不安や、処方された通りの服薬管理・継続が難しいというお悩みが少なくありませんでした。そこで発達ナビでは、保護者の方々の医療機関やお薬との付き合い方に関する悩みを明らかにすべく、11月に発達ナビ会員の皆さんをお招きしたワークショップを開催いたしました。このワークショップは、ソニー株式会社の電子お薬手帳harmoを企画・運営するチームの方々との合同での企画です。発達ナビでの事前アンケートから集計された、服薬をめぐる発達ナビ会員のお悩みやお薬手帳の利用状況を紹介し、発達ナビ会員の皆さん・発達ナビ運営チーム・harmo運営チームが同じテーブルを囲みながらディスカッションを実施。服薬に対する悩みや工夫についての意見交換を行いました。ワークショップ参加者のみなさんからは、「お薬の効果や副作用についてもっとわかりやすい情報がほしい」「お薬を飲み忘れてしまう時の対処法を知りたい」「お薬の不安や疑問を抱いたときに、医師や薬剤師とのコミュニケーションが難しい」といった声が多く挙がり、お薬の効果や副作用に関する正しくわかりやすい情報や、服薬の管理を簡単にする方法、またお薬に関する心配事を相談する場所や相手の必要性を強く感じる議論となりました。Upload By 発達ナビ編集部お子さんの服薬に関する疑問・悩みを解消したい!harmo×発達ナビによる共同プロジェクトがスタートUpload By 発達ナビ編集部発達障害のあるお子さんの服薬に関する疑問や悩みのある保護者の方々をサポートすべく、このたび、電子お薬手帳harmoとLITALICO発達ナビの共同プロジェクトがスタート!電子お薬手帳harmoでの服薬管理機能(お薬履歴管理・服薬して気づいた副作用やメモの記入・服薬リマインド機能等)に加え、harmoならではの情報配信機能を活用した服薬に関する発達ナビオリジナルコンテンツの配信を通して、服薬に関する正しく分かりやすい情報の提供や、服薬管理のコツをお伝えし、保護者の方々のサポートを実施します。harmoは、利用者と医療提供者を結ぶコミュニケーションツールとなるサービスです。個人がスマートフォンなどに簡便に服薬情報を一元化できる為、いつでもどこでもお薬情報を確認でき、携帯性も優れています。これにより、急な医療機関の受診でも薬の情報を医療提供者に簡単に伝えることができ、医療提供者も一元化された服薬情報があることで、より適切な処置がしやすくなります。実際にサービスを体験してみたユーザーさんからは「これまで使用したお薬の履歴がわかりやすい」「いつ、どこの病院に行ったのか記録できて、服薬の状況を把握するのに役立つ」など、電子版ならではの管理のしやすさを実感する声が多く上がりました。さらには、服薬リマインダー機能を搭載し、お薬の飲み忘れ対策にも役立ちます。一方の発達ナビは、保護者の方々が持つ服薬にまつわる疑問・悩みに対して、医師の監修付きのオリジナルコラムを制作し、harmoを介して情報配信することでサポートします。「そもそもお薬ってなぜ効くの?」「お薬を飲む・飲まないはどう考えて決めればいいの?」「医師、薬剤師にはどんなことを相談できる?」「ADHDに関する色々なお薬、違いは?効果と副作用は?」「お薬を飲み忘れたとき、どうする?」などなど…発達ナビ内でも、特に多かった疑問やお悩みをピックアップして記事にしました。以上のように、電子お薬手帳harmoの機能と、発達ナビのオリジナルコンテンツを活用した、お子さんの服薬に悩む保護者の方々を支えるプラットフォームをこれから作っていきたいと思います!harmo×発達ナビモニター企画参加者を募集します!Upload By 発達ナビ編集部プロジェクトのスタートとして、まずはharmo×発達ナビモニター企画への参加者を募集します!電子お薬手帳harmoの発達ナビコラボ企画へのモニター利用をいただき、利用前後のアンケートにお答えいただける方を募集し、以下の2つのサポートを提供します。・電子お薬手帳harmoでの服薬管理機能(お薬履歴管理・服薬して気づいた副作用やメモの記入・服薬リマインド通知機能等)・発達ナビ編集部作成・医師監修の、お薬との付き合い方に関する連載コラムの配信モニターとしてのharmo利用企画へのご参加が可能な方は、以下の条件すべてに該当する方となります。・お子さんが発達障害の症状に対応した服薬をされている保護者の方・電子お薬手帳サービス「harmo」をまだ利用したことがない方・スマートフォンを持っていて、「harmo」アプリを利用することができる環境にある方・harmoのモニター利用前後のアンケートに回答協力いただける方電子お薬手帳harmoサービスページモニター企画にご参加いただいた方には、参加特典として、Amazonギフト券1000円分をプレゼント!ふるってお申込みください!※応募者多数の場合、抽選となる場合がございます。※お子さんが発達障害の症状に対応したお薬を処方され、服薬しているご家庭の保護者の方が参加対象となります※その他、詳しくは以下のフォーム内の説明をご確認ください。
2017年12月27日「親なきあと」に関する不安とは?発達ナビに寄せられた、保護者500名の声出典 : 年10月30日から11月8日に、LITALICO発達ナビでは「親なきあとの暮らし・お金に関する実態・意識調査」を行いました。ご協力いただいたユーザーの皆様、どうもありがとうございました。この記事では、調査結果の一部を抜粋し、お伝えします。<調査対象について>「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害の子どもをもつ保護者:529名の回答を集計しました。(調査期間:2017年10月30日~11月8日)※設問によっては529名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100にならない場合があります。「親なきあと」の子どもの暮らしについてUpload By 発達障害のキホン「親なきあとの子どもの暮らしについて、不安はありますか?」という質問に対し「はい」と答えた保護者は94.9%、「いいえ」と答えた保護者は5.1%と、親なきあとの子どもの暮らしについて不安に思っている保護者は9割を超えました。では、保護者の皆さんはどのようなことに不安を感じていられるのでしょうか?「就職できるのか、1人で暮らしていけるのか不安を感じる」「お金の管理。人にだまされないか。」「他人とうまくコミュニケーションをとって、上手に過ごせるか 」「1人で自立して生活していけるか?社会に適応できるか?」子どもが将来、経済面・生活面・精神面で自立できるのか、社会に適応して生活できるのかといった不安を持つ人が多くがみられました。また、「就職して生きていくためのお金を稼げるか、弟に負担もかけたくはないが、なるべく兄弟助け合って生きてほしい」「自立生活の維持、兄妹が背負うかもしれない養介護」などの意見にみられるように、誰が子どもの生活や精神面のサポートするのかなど、子どもを日常的にサポートする人やきょうだいについての声も目立ちました。「親なきあと」の住まいについてUpload By 発達障害のキホン「親なきあと、お子さんはどこで暮らすと考えられますか?」という質問に対し、回答が多い順に「一人暮らし(66%)」「グループホーム(29.3%)」「施設(27.6%)」「親族・きょうだい(20.6%)」となり、「一人暮らし」という回答が最も多く なりました。また、「その他」と回答の中には「結婚出来たら良いなあ。出来なくても、支え合えるパートナーと暮らしてほしい。」「私達の家が相続出来れば今の家ですが、固定資産税等払えず管理出来ないと思うので…気の合う方に巡り会えて、新しい家庭を持ち、その方と新居を持てれば…」と、幸せな結婚をし、パートナーとともに新たな家庭を築いてほしいという声もありました。「親なきあと」のお金への備え出典 : 次に、親なきあとのお金について、どのように考えているのか、どんな対策をしているかなどについて、皆さんの回答を紹介していきます。Upload By 発達障害のキホン「子どもの将来に向けて貯蓄・資金準備はしていますか?」という質問に対して「はい」と答えた保護者は64.8%、「いいえ」と答えた保護者は35.2%となり、子どものために貯蓄・資金準備をしている保護者は約6割でした。準備をしている場合、どのようなことをしていますか?という質問に対して多かった回答として、「学資保険(36)」「貯金(31)」「貯蓄(18)」といった意見があげられました。ほとんどの保護者は預貯金か保険で備えているようです。また、行政からの手当金は、今すぐ使わず子どもの将来のために貯蓄に回しているという風に、子どものためにもらえる手当は生活費とは切り分けて、子どもの将来のための備えに回しているという回答も複数ありました。手当=貯蓄に回す、と決めることで貯蓄しやすくなりそうです。Upload By 発達障害のキホン「子どもの将来に向けた貯蓄額は現時点どの程度ですか?」という質問に対して、回答が多い順に、「~49万円(19.7%)」「200~399万円(16.3%)」「100~149万円(15.3%)」という結果になりました。Upload By 発達障害のキホンでは、みなさんはどのような方法で貯蓄・資金準備しているのでしょうか?「資金準備の方法を教えてください」という質問に対して、回答の大半を占めたのが「銀行・郵便局の預貯金(82.9%)」と「保険商品(学資保険含む」(51%)」、その他には「投資信託(NISA含む)(5.8%)」、「外貨建て商品(3.6%)」、「不動産の運用(2%)」などがみられました。多くの方は、金融機関での預貯金や、学資保険・生命保険などの保険商品を用いて貯蓄しているようです。また、生命保険信託を活用している方も、少数ですが見受けられました。また全体の6%弱は、投資信託などでも資産を殖やしていました。Upload By 発達障害のキホン利用している金融機関は、多いものから「銀行・郵便局(63.1%)」、次に「保険会社(37.4%)」、以下順に「利用していない(21%)」、「証券会社(5.5%)」「信託銀行(2.5%)」「その他(0.9%)」という結果になりました。「障害年金」について障害年金は、障害の程度に応じて一定の金額が支給される、障害のある方の生活をサポートするための制度です。この制度について、どのくらい認知されているか伺いました。Upload By 発達障害のキホン障害年金について知っている保護者は41.6%と、4割強の認知がありました。「いいえ」と答えた保護者は10.6%、「聞いたことはあるがよく分からない」と答えた保護者は47.8%となり、障害年金について聞いたことはあることはあるものの、どのような制度なのかまでは分からないという保護者も半数近くいました。障害年金がいくらもらえるかについては、81.1%が知らないという回答でした。障害年金が具体的にいくらもらえるかなど、詳細までは知らない人が多いようです。Upload By 発達障害のキホン障害年金について知りたいこととして、「もらえる条件」「金額の他、受取方法などの仕組み全般が知りたい」「一生涯不十分なく年金受給されるのか」「発達障害では、障害年金もらえないと認識している」などの意見がありました。発達障害・知的障害の度合いが軽く、「障害年金が受給できないのでは?」と危惧している保護者の声も多くあげられました。なお、発達障害でも障害の度合いによっては障害年金を受給が可能です。また、同じように「等級」という言葉を使うため混同しがちですが、障害者手帳の等級と障害年金の等級や判定は別です。どちらの等級も、重いものから1級、2級という風に等級がありますが、制度が異なるので認定基準は異なります。概ねどちらの等級も重なる内容が多いとはいえ、それぞれ状況が異なるので、相談・申請してみないことにはどの等級にあたるのかなどは分かりません。まずは実際に年金事務所や、無料相談を行っている社会保険労務士(社労士)などの事務所に相談してみることをおすすめします。詳しくは以下の記事やリンクを参照ください。「親なきあと」相談室「親なきあと」、どのように子どもへお金を渡すのか出典 : 障害のある子どものために資産をつくったり、障害年金を受給できるように制度を理解したり申請をしたりすることに加えて、どのようにしたら適切に渡していけるのか考え、備えておくことも大切です。ここでは、皆さんの意識や、対策方法などについてみていきます。Upload By 発達障害のキホン「相続について、対策していますか?」という質問に対して、「いいえ」と答えた保護者は94.5%、「はい」と答えた保護者は5.5%でした。相続対策をしていない保護者が9割以上という結果でした。では、相続対策をしている保護者はどのような対策を取っているのでしょうか?「住むところに困らないよう、自宅の土地建物を相続するようにしている」「生命保険信託と、生前贈与の形での個人年金保険」「親の死亡保険」などの意見がみられました。また、「子どもの名義で通帳に預金しているくらいで、対策すべきかどうかわからない」「具体的な行動はしていないものの、行政書士に相談することができることなどを本、ネットで調べている。」など、具体的にどうしたらいいのか知りたいという意見や、相続対策の方法について詳しく知りたいという意見も寄せられました。障害のある子への適切に資産を引き継ぐ方法として活用できる制度に特定贈与信託があります。障害の程度に応じて贈与税が一定額まで非課税となる制度ですが、認知度は3%に留まりました。Upload By 発達障害のキホン特定贈与信託とは、特定障害者(重度の心身障害者、中軽度の知的障がい者および障害等級2級または3級の精神障害者等)の親なきあとの生活を支援するための信託制度です。この制度を利用すると、障害の程度に応じて6,000万円もしくは3,000万円まで贈与税が非課税ととなるとともに、障害のある子どもへ生活費などとして定期的にお金を渡していくことができ、生活を安定させることができます。信託制度については、下記の記事をご参照ください。特定贈与信託も含め、信託制度の紹介をしています。「親なきあと」の生活やお金について寄せられた、保護者からのさまざまな声出典 : その他、「親なきあとの子どもの生活・お金に関して、困っていること、知りたいこと、社会に向けて発信したい・知ってほしいことなど、思うところ」についても、多くの声が寄せられました。「障害者の親向けの税の優遇制度があると聞いてるが、それについてもっと発信してほしい、 施設に入所するにはどの程度の費用が必要なのかを知りたい、グループホームで生活する場合、障害年金だけでやっていけるのか、実際他の人たちはどのようにしているのか知りたい」「お金を管理する方法がわからない。誰に相談したら良いか。親なきあとは、どうやって、誰に相談したら良いか。」「今回の質問項目で知らないことも沢山ありました。それがどのように有効かわかりやすく教えていただければと思います。」障害年金や障害者控除、信託などの財産管理をする方法、グループホーム(共同生活援助)を利用する場合の実情、親なきあとについての相談先などについての疑問が寄せられました。そこで、既存の記事で役立ちそうなものを、いくつかご紹介します。また、寄せられたご意見をもとに、必要とされる記事を今後さらに充実させていきたいと考えています。「手帳の交付や明らかに支援が必要な場合は、何らかの手だてがあり支援や補助の安心があるが、グレーのまま成長し、グレーな大人になった場合はどのように過ごすことができるか、自立していられるのか、親としては不安です。」「40代で知的、発達障害の子を育て始め、残りの時間を考えると、どこまで責任を持って見守りができるか。また、将来、該当児を託したいがため、兄弟にも過度な期待、プレッシャーをかけがちで、反省しつつも、やはり、強い対応をしてしまう。また、兄弟にも希望する人生があるのに、将来の職業、結婚の選択が狭まったと感じ、常に申し訳なく感じている。」「日々の生活でいっぱいで先のことなんて考えられない。」グレーゾーンにあるお子さんが適切な支援を受けられるのかといった不安や、きょうだい児への負担についての葛藤などから、日々の生活での問題の対処で精一杯で先のことを考える余裕までないといった声もありました。「もっと発達障害者を理解し働きやすい企業が増えてほしい。」「障害があるからといって、特別な目で見ないでほしい。」「ちょっとした手助けや、理解してもらうことは必要かもしれないけど、周りの人の関わり方一つで、社会人として、ちゃんとやっていけることを知ってほしい。」障害に対する偏見や障壁がない未来を願う、切実な声が多く見受けられました。障害のある子やその家族が、生き生きと暮らしていける世の中になるよう、これからも発達ナビでは、さまざまな発信をしていきたいと思っています。今回の調査結果から出典 : 今回の調査結果から、「親なきあと」に不安を感じているものの、具体的にどのような対策を取ったらよいか分からないという保護者が多いことが分かりました。発達ナビでは12~1月に「親なきあと」特集を組み、親なきあとの暮らしやお金の問題についてコラム記事を掲載していくので、ぜひ読んでいただきたいと思います。また、ママ友や障害のある子の家族会などの自助グループでの情報共有も非常に役に立ちます。保護者の皆さんが元気なうちに、さまざまつながりをつくっていくことが、親なきあとのお子さんの生活を支えることにつながるかもしれません。もちろん、日常生活だけで手一杯ということもあるかもしれません。あせらず、まずはできそうなことから、少しずつ進めていきましょう。
2017年12月25日入学当初はパニックになっていた娘。学校での様子が気になる…1年生になった娘。入学当初は、ちょっとしたことでもパニックを起こしていました。しかし、家庭で娘の気持ちに寄り添い、共感して気持ちを言葉にしてあげる「気持ちの同調・代弁」を続け、「こんなときはどうしたらいいか」などと、解決方法を親子で一緒に考えていったり、娘自身も一つずつ経験を重ねたりすることで、学校でパニックを起こすことも少なくなり、少しずつですが成長している様子でした。でも…やっぱり不安はぬぐえません。Upload By SAKURAとはいえ、小学校の様子を見に行くこともできない…。なんとか、娘の学校の様子を見ることができないだろうか…そんな風に考えていた時にやってきた、授業参観の案内!これで、娘の学校の様子が見られる!そう思って、意気揚々と授業参観へ行きました。初めての授業参観。ああ~、やっぱり心配的中かも!?初めて行った授業参観は、入学して1ヶ月後ぐらいでした。娘は私を見つけ、嬉しそうにニコニコ。授業が始まっても、どこか落ち着かない様子で、ソワソワ。私の方ばかり見て、先生の説明を聞いているのか、いないのか・・・。口元を見ると、なにやらブツブツとつぶやいている。やっぱり、心配していたマイワールドが発動してしまっている!!やきもきしながら私は、ひたすら前を向くようにジェスチャー(笑)で、伝えていましたが、娘はそれでもヘラヘラ。Upload By SAKURA難しいと思っていたけど、娘なりに作文の発表できてる(涙)しかし、作文の発表になると娘は、さっきまでのヘラヘラした感じはどこへやら!Upload By SAKURA最初に先生が説明した「発表する人のやりかた」通りの手順を守り、前に出て大きな声で堂々と作文を読みました。自分の発表が終わると、他の人の発表を聞き、終わった人にきちんと拍手をしています。質問時間には自分から手を挙げ、質問する姿をみることが出来ました。視覚優位の娘は、耳で指示を聞きとることが苦手。この時も、先生が口頭でした発表の注意点が、うまく聞き取れていないようでした。しかし娘は、先生が字で書いていた「発表する人のやりかた、聞き方」を読み、手順を理解していたのです。さすがに質問までは、難しくてできないだろう…と思っていたのですが、他の人がしている質問を聞いて、同じような質問をしていました。それは、自分で考えだした質問ではなく、ほかの子の真似だったかもしれません、でも、娘は自分なりに質問をしようと頑張っていたのです。娘がわからない時の解決策を、自分で考え出し、行動したその姿に、私は驚き、とても感動しました。そして、授業参観の回数を重ねるたびに、娘はすごい成長を見せてくれました。体育の授業参観で見えたのは娘の長所次に行った授業参観は、体育。かけっこの授業でした。Upload By SAKURA他の子が走っている間、ほとんどの子が、黙って見ていたり、騒いだりしている中…娘は、一人、走るお友達を大声で応援し、走り終わったお友達に、誰もやっていない拍手までしていました。娘は、他の子が誰もやっていないことでも、恥ずかしがらずに自然とできる子でした。でも、学校でもお友達のことを一生懸命応援できる、堂々としたその姿を、とても誇りに思いました。周りの子に支えてもらえている姿も嬉しい!そして片づけの時、先生が、「男の子は○○片づけ~女の子は○○ね~」と全体へ指示をしていたのですが…娘はこれを聞き取ることができず、おろおろしていました。Upload By SAKURAその姿を見たクラスの女の子たちは、すかさず声をかけ、指示をしてくれていました。さらに、その指示を聞いても、違う方向へ行ってしまう娘を、他の子がすかさず捕まえ、「こっち!」と促してくれていました。娘は、私の知らないところで、周りの子に支えてもらえるという人間関係を、しっかり築けているようでした。みんなと笑ってやり返せるまでに成長したんだね授業後、近くにいた女の子たちが娘に近づき、なんだかふざけ合った遊びが始まりました。Upload By SAKURAそれは私から見ていて、そこそこ激しい遊び。以前の娘なら嫌がって泣くレベルでした。しかし、みんなと同じようにやり返したり、笑いあう姿。小学校生活という社会で、娘はなんとか順応して頑張っているんだ…と感じました。小学校に入る前は、うまくやっていけるか不安だったけど…小学校に入る前は不安に思っていました。この子の特性で、お友達ができないんじゃないか、うまくやれないんじゃないか、そう心配していましたが…入ってみれば、なんとかやっている娘。もちろん、喧嘩もあります。物を取られたり、口喧嘩で負けたりして、泣くことがあると、先生から報告を受けたりします。喧嘩は娘に限ったことではなく、みんなが経験することですが、先生から聞いて、泣く日が続いているとわかると、心配で、様子を見に学校に迎えに行ったりもしました。先生に直接、様子を聞きに行ったりもしました。でも当の本人に、「泣いたの?大丈夫?嫌なことあった?」と聞くと、喧嘩したことなど全く気にならないようで、「え?なにが?大丈夫よ?」「学校たのしいよ!」と言います。喧嘩した相手でも、次の日には「おはよう!」と元気に声をかけますし、お友達のことを悪く言ったこともありません。学校という社会に踏み出した娘を見守りたいきっと学年が上がるにつれて、娘も含め、周りのお友達も精神的に成長していくでしょう。そうなると、良くも悪くも、おそらく今のような日々がずっと続くわけはないと思います。お友達が助けてくれなくなることも、あるかも…お友達とけんかをしても、泣かずに済むようになるかも…けんかやトラブルの種類もまた変わってくるでしょうし、人間関係、学校生活、勉強…様々な壁がやってくると思います。そして、そのたびに私の方が、頭を抱えてしまうのでしょう(笑)先のことを言えば正直不安は尽きませんが、その時その時で、私にできることをしていけたらいいなと思います。Upload By SAKURA小学生になった娘。小さいですが、社会に踏み出したその姿を、見守っていこうと思いました。
2017年12月06日発達障害のある子の偏食、周囲から理解を得られず苦しむ家族…出典 : 「子どもがご飯を食べない」「食べられないものが多すぎる」そんな状況に置かれたら、親なら誰しも不安になっても仕方がないと思います。特に、発達障害のある子どもは、食事での困難を抱えていることが少なくありません。例えば、極端な偏食があったり、噛んだり飲み込んだりすることに苦手があったりと、食に関係するさまざまな困難が表出することがあります。特に偏食では、好き嫌いが多いという程度ではなく、一切口にできないような食品が広範囲にわたって存在することもあります。そうしたケースではごくわずかな量であっても食べることを拒否したり、我慢して食べて嘔吐してしまったりすることもあります。しかし、こんなにも大きな困難があるにも関わらず、周囲からは理解を得られず、「わがまま」「自分勝手」「甘やかしている」と誤解を受けるケースも珍しくありません。また、両親は本人の困難をよく理解していても、学校の先生から指摘を受けたり、親戚から心ない言葉をかけられたりと、家族として苦しい状況に置かれてしまうこともあります。発達障害当事者が抱える「食」への困難、その実態は出典 : 東京学芸大学の髙橋智教授のチームは、発達障害の当事者を対象とした調査から、本人が抱える困難について研究を行っています。2012年~2014年に行われた、発達障害の診断・判定のある高校生以上の当事者に行った調査では、発達障害の当事者は、食に関する困難を示す割合が、発達障害のない人たちと比べて明らかに高いことが明らかになったのです。また、次のようなことに、発達障害の当事者が強い困難を感じる傾向にあるということもわかりました。「人の輪の中でどのようにふるまえばいいのかわからないため会食は恐ろしい」「においの強い食品は食べられない」「大人数の食事は、音やにおいなどの情報があふれて辛い」「自分の予想していた味と違う味だと食べられない」このような困難に当事者たちは日々苦悩しているというのです。なぜ、発達障害の子どもには、偏食がみられるのでしょうか。そして、食に対する困難のある子どもたちを取り巻く環境は、どのようになっているのでしょうか。そのことを詳しく知るために、髙橋先生にお話をうかがいました。発達障害者の「食」の困難・ニーズに関する研究 : 発達障害の本人調査から発達障害のある子どもの偏食は「甘え」や「わがまま」ではないUpload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)発達障害の当事者は、感覚の過敏や身体調整機能の問題、食べ物に対する特異な認識の仕方が要因となり、食べることに困難を感じているものと考えられます。このような発達障害の当事者特有の身体感覚特性を、周囲は理解することができず、わがままや自分勝手、あるいは家庭での教育に問題があると誤解されることもしばしばあるのです。しかし、髙橋先生は、発達障害当事者の食事の問題は、身体の過敏性だけが問題ではないと考えています。偏食の根底にあるのは「不安・恐怖・緊張・ストレス」Upload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)髙橋先生は、過敏の背景、こだわりの背景にはとにかく「不安・緊張・強い恐怖・ストレス」があると言います。もちろん生まれながらの過敏により食べられない場合もありますが、それよりも周囲の理解を得られず、食べることを強制されたり、傷つく言葉をかけられたりして、強いストレスを感じていることの影響が大きいとのこと。その結果が偏食をはじめとする多様な困難を生み出していると言うのです。偏食の子どもたちでも、白米やパン、ポテトなどはよく食べられるケースが見られます。これは必ずしも子どもたちが好きだから食べているわけではないと言います。これらの食品はシンプルで食べやすく、味の混ざり気がほとんどありません。それゆえ子どもたちは味を想像しやすく、安心して食べられるから選択しているだけであって、決して好きだから食べているわけではない場合も多いのです。本人に聞くと、「決して美味しいとは思っていない」という答えが返ってくると語ってくださいました。さらには、こうした偏食は栄養の偏りを引き起こし、肥満や生活習慣病の原因になってしまうことも考えられます。また、食に関する問題は、生来の過敏性だけではなく、本人を取り巻く別の課題が、食の困難として表出することもあるといいます。親との関係、両親の関係、先生との関係など、さまざまなストレスが、偏食として表出するケースも実際に見ることがあります。髙橋先生「単純に食だけのケースで困りごとを持っているケースは、発達相談の現場にいても少ない。本人が持っている別の困りごとや課題も、命の基本となる食べるという行為の中から見つけられることもあります。」偏食を単に食の問題として捉えるのではなく、本人が持っているさまざまな困りごと、また2次的障害の発現など、トータルに見ていく必要があると話してくださいました。子どもの偏食に、保護者はなにをしてあげればいい?出典 : 子どもの偏食を考えるとき、親がまずするべきこと。それは、子どもと対話することだと髙橋先生たちは考えています。髙橋先生「一番のベースは、その子の偏食が、何によって出ているのかということ。その子の持っている不安や緊張や困りごとに対して、しっかり耳を傾けることが重要です。」偏食の子どもたちを目の前にすると、親やその支援者は、いかにして子どもたちに食べさせるかということを考えてしまいがちです。ですが、まず大切なのは子どもと対話して、なぜ食べられないか子どもの気持ちを知り、それを理解してあげることです。子どもの声に耳を傾けることで、偏食を加速させてしまう「不安・緊張・強い恐怖・ストレス」を半減させることもできます。調査対象を発達障害の診断・判定・または疑いがある小学生まで広げて行った調査では、「配膳時に量を調節したり、どうしても食べられない食材を入れないなど自分で決めさせてほしい」「完食を強制せず、食べられない食品があることも認めてほしい」という思いを子どもたちが強く持っていることがわかったのです。こうしてみると、調理法や材料を変えるなどの時間や手間をかけることよりも、自身の困難や思いを聞いてほしい、理解して認めてほしいという、他者とのコミュニケーションにおける基本的なことを求めている回答が多いことが分かります。また逆に、「子どもの頃に無理強いされた食べ物は一番苦手なものになっている」という方も多く、食の困難に対して厳しい指導・対応を受けたことにより「苦手さ」「恐怖感」を増幅させてしまっているケースも見られます。髙橋先生と共同で研究を行っている大阪体育大学の田部絢子先生はこう話してくださいました。田部先生「調査の中で、困っていることや、どうしてほしいかも聞いてるんですけども、どうしてほしいですかっていうことの上位に、結局、『話を聞いてほしい』とか『食べられないってことを一旦認めてほしい』とか『量は自分で調整させてほしいとか』が上がってくるんですね。わざわざ、別の調理法でものを作れとか、それは出してくれるなとか、そういったことはあまり上位の要望としては出てきていない。やっぱり子どもたちは『話を聞いてほしい』って言ってるんだから、大人たちはまず話を聞くところから始めませんか」髙橋先生らのアンケート調査でも、本人が必要とする理解・支援について、・外食でも個室だと食べることが出来る・新しい食べ物は事前に紹介されていれば大丈夫である・自分で選んだ食べ物はおいしく味わい、楽しむことができるなどが上位の回答として見られることがわかっています。逆に、無理やり食べさせたりすれば、子どもの不安や緊張は増え続ける一方になってしまいます。実際に食べることを無理強いされたことを発端として、生来の過敏性とも相まって、低体重にまで陥ってしまうような例もあるそうです。こうした偏食の根底にある不安・緊張・強い恐怖・ストレスを軽くするには、感覚の過敏性やこだわりについて考える前に、子どもと対話することが必要不可欠です。子どもたちが最も嫌がるのは受動的で強制的な食事です。これでは、食事に対するストレスは増える一方になります。食事を、子どもたちにとって主体的で、能動的で、選択可能なものにすることも、大切だとおっしゃっていました。主体的で、能動的で、選択可能な食事とは。ある家庭での出来事出典 : 「主体的で、能動的で、選択可能な食事」というと、一見難しく感じますが、会話の機会を増やすことで実現した一例があります。ある4人家族の家庭では、姉妹のお姉さんのほうに偏食がみられました。家庭での食事はお姉さんが食べられるものばかりになってしまっていたので、妹さんは不満を感じていたそうです。そんなとき、田部先生はこの家族に「家族でいっしょに1週間の献立を作りませんか?」という提案をしました。さらに、今日はお姉さんメニュー、明日は妹さんメニューのように、食事の回によって考案者を分けるようにしました。この提案を実行しようとしたこの家族は、献立を作るための家族会議を開くことに。そしてこの機会こそが、家族の食事のあり方を変える鍵になったのです。まず、献立が作られたことによって、食事についての見通しが立ちやすくなります。偏食のあったお姉ちゃんは「今日は妹ちゃんメニューだから我慢する。でも明日は私の番!」といったように、見通しを持つことができるようになり、食事をポジティブに捉えることができるようになりました。妹も同じく「今日は私のメニューだけど、明日はお姉ちゃんのメニュー」といったように考えることができるようになり、不満の解消にもつながったと言います。加えて、買い出しにみんなで行くようになったことで、食事に対する主体性や能動性も上がり、食事に関する不安はどんどん減り、家族での食事がみるみる楽しくなっていったそうです。その変化は目覚ましいもので、親御さんから「こんなに食事って楽しかったんだ!」という声が届くほどでした。このように主体性、能動性、選択制がそろうことによって、偏食のある子どもいる家庭でも、楽しい食事を作ることができるのです。学校給食での困難。それを取り巻く現実出典 : 家庭ではある程度柔軟な食に対する対応をおこなうこともできますが、学齢期になり学校に通うと、給食という大きな課題が立ちはだかることもあります。残念ながら今日でも、給食を残さず食べさせることを絶対とする教員がいるとの話を聞くことがあります。アレルギーに対しては認知や理解が進み、かなり柔軟な配慮が行われるようになってきました。しかしその反面、感覚の過敏性などを起因とする偏食にはまだまだ理解が及んでいないのが現状です。田部絢子先生は、東京都の通級指導学級や特別支援学級を有する公立小中学校、知的障害特別支援学校についてアンケート調査を行いました。その結果からは、食に注意の必要な児童生徒が「在籍している」学校は全体で81.1%。さらに、報告された児童生徒の食に関す困難で、「極端な偏食」は全体の31.1%にものぼります。一方、調査で明らかになった現場の声は、学校給食なので個別対応はできないというものが少なくありませんでした。教職員の人員不足、また生命に関わるアレルギーの対応に注力するあまり、個々の過敏性に対応することはとてもできないという実態が浮かび上がってきたのです。発達障害児の「食」の困難・ニーズの実態と支援の課―都内小・中学校特別支援学級・通級指導学級、知的障害特別支援学校への質問紙法調査から―発達障害の子どもの偏食に対して、実際に学校で行われた「合理的配慮」とはUpload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)以前は中学校の教師でもあった田部先生は、食についての合理的配慮を行った自らのご経験を教えてくださいました。中学3年生の自閉症スペクトラム障害のある女の子は、食事に対して困難があると同時に修学旅行にも大きな不安を抱いていました。人とかかわるだけでも不安な彼女にとって、旅行先での食事は、日常生活とは比べ物にならないほどの不安があったのです。この生徒の場合、コンビニのお弁当やおにぎりだけが、安心して食べることができる食事であったそうです。この子が安心して修学旅行を過ごせることを考えた田部先生は、行く先々でコンビニで買った食品を食べることを認めました。ただし、田部先生は食べる場所について逆に生徒にお願いをしました。食べるものは違っても、他の生徒と同じ場所で食べること。またレストランを利用するときは、その中でコンビニ弁当を食べることは憚られることなので、バスの中などで食べることをお願いしたのです。こうした配慮によって、この生徒は、帰りたいとパニックを起こすこともなく、修学旅行を過ごすことができたのです。本人のルールを聞いてあげて、そしてこちらのルールも聞いてもらうことーー田部先生「おそらくそれが合理的配慮なんでしょうね。社会のルールを教えつつ、でも本人はどうすれば自身の健康を保ちながらやってゆけるのか。集団行動もできて、個別性の配慮もできるのか。折衷案を考えました。」髙橋先生「全部でなくても理解をしてもらえる、話し合えるということで、信頼関係ができますよね。信頼関係ができると、『少なくともこの先生の言うことは聞いてみようか』となり、プラスのスパイラルに入っていくことになる。信頼感関係がないと、どんないい提案をしても却下なので、一旦は教師や大人のほうがが折れることが必要。」まずはしっかり話を聞いて、そこで出来ることと出来ないを伝える。相手の話を聞く機会を持ち、一部でも理解してあげると子どもとの間に信頼関係ができる。そのためにはまずは大人のほうが折れることが必要だとおっしゃっていました。大人どうしの「空中戦」の末に出典 : 食の困難について困っているのは、当事者である子どもだけではありません。料理を作る保護者にとっても大きな負担となっています。食事を作っても作っても子どもは食べてくれない。それは保護者からしてみれば、いじめを受けているようなもの。作るのをやめてしまいたい、思わず声を荒げて子どもを叩いてしまうという声も調査の中で耳に入ってきています。特にお母さんにとって、「食べさせる」ということは授乳から始まる子どもとのコミュニケーションの一つでもあります。だからこそ、食事を拒絶されることは、否定されたような気持ちになり、つい子どもに辛く当たってしまうことも珍しくないようです。また、子どもの偏食を周囲から責められ、やり場のない思いを抱えていることもあります。子どもを抜きにした空中戦が大人どうしで展開され、子ども本人の気持ちは置き去りにされているケースも見受けられます。こうした状況を改善していくためには、子どもだけではなく、保護者の気持ちをもケアするような仕組みを作ることがこの先求められます。「食べることは発達だなって思うんですね」Upload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)偏食は生涯にわたる固定的なものではありません。適切なサポートを行えば、食べられる範囲はいずれ広がっていきます。成人当事者と話していても、以前と比べると食べられる範囲は大きく広がったと聞くことも多いと言います。幼少期のことを振り返ると「今は全然違う!」という実感を持たれる方も多いそうです。食の問題も発達の問題とすごく関係していて、認知・理解の発達、さまざまな身体の発育の中で、総合的に食べる力が発達し、食べられるものが増えてくるのです。髙橋先生「お母さんが離乳食を与えて、最初は子どもはペッと吐き出してしまう。でもだんだん慣れていって味覚も発達して、食べ物を受け入れていく。こういう発達のプロセスを辿っていくので、食っていうのは発達だなって思うんですね。なので、身体の発達が進み体の準備ができたとか、安心できる環境になったとき、再チャレンジする機会が必要なのです。」そのためにも偏食を固定化させないことが必要だと髙橋先生は言います。親が子どもの食事に対して関与することをやめないことが大切なのです。今後も髙橋先生たちの研究チームは、食事・排泄・睡眠について、研究を続けていくと言います。髙橋先生「食事・排泄・睡眠は生きていくための基本。ここに徹底的にこだわっていきたい。」髙橋先生のチームの研究はこれからも続きます。子たちが抱える困難を、多くの大人が理解し、適切なサポートに導くことが容易にできる日がくることを願ってやみません。【大募集!偏食対応のコツ】給食やお弁当に慣れるまで、どんな工夫をした?子どもの偏食、どう工夫してる?どう考える?みんなのアイデアや体験談を教えて!
2017年11月28日こんにちは、ファイナンシャル・プランナーでライターのyossyです。日本FP協会の調査(2016年)によれば、『老後の生活資金が不安』と考える人は、7割を超えるそうです。経済的に困窮する高齢者も増えており、生活が苦しくなったらどうすればいいのでしょうか。なかには、「年金の繰り上げ受給」を検討する人もいるでしょう。繰り上げ受給のメリットと注意点をご紹介します。●いつまでなら得?年金繰り上げで早くから年金を受給できる繰り上げ受給のメリットは、なんといっても“早くから年金を受け取れる”ことでしょう。しかし、年金は繰り上げる(早くから受給を開始する)ほど、支給額が減額されるという仕組みです。具体的には、1か月繰り上げるごとに0.5%減額されていきます。仮に60歳から年金繰り上げ受給した場合、5年間(60か月)繰り上げるわけですから、0.5(%)×60(か月)=30(%)となり、年金は3割減額されるというわけですね。しかし、月額・年額ではなく『総受給額』でみると、必ずしも繰り上げたからといって損をするわけではありません 。60歳から繰り上げ受給した場合、繰り上げせずに受給した場合と比べての総受給額は、76歳ごろに逆転 することになります。自分の寿命はわかりませんから、判断が難しいところですね。●年金額だけではない!繰り上げ受給の注意点ただし、繰り上げ受給に関してはほかにも注意点があります。主なものをご紹介しましょう。安易に結論を出すのではなく、しっかり理解したうえで決めることをおすすめします。●国民年金に任意加入できなくなる厚生年金や共済組合などに加入しておらず、まだ老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていないような場合には、60歳以降に国民年金に加入することができます。老齢基礎年金の額を増やすことができるのですね。しかし、年金の繰り上げ受給を開始すると任意加入はできなくなる ので、注意しましょう。●障害基礎年金を請求できなくなる繰り上げ受給をした後に障害を抱えることになっても、障害基礎年金をもらうことができません 。ただし、初診日の時期等によっては可能な場合もありますので、確認しておきましょう。●寡婦年金が支給できなくなる『寡婦年金』というのは、一定の条件を満たした場合に、夫が亡くなった妻が60歳~65歳の間に支給される年金のこと。額は、夫の第1号被保険者期間で計算した老齢基礎年金額の4分の3となります。年金を繰り上げ受給した場合には、夫が亡くなったとしても寡婦年金は支払われません 。●65歳まで遺族厚生年金・遺族共済年金がとまる年金の繰り上げ受給と遺族厚生年金は併給できず、どちらかを選ばなくてはいけません。繰り上げ受給を選んだ場合には、65歳になるまで遺族厚生年金の支給が止まります 。----------なかには、「いつ死ぬかわからないなら、多少減額されても早くから受給したほうがいいのでは?」と考える人もいるかもしれません。でも、単純に年金額が減額されるだけではなく、さまざまな注意点があります。繰り上げ受給を考える場合は、それらをしっかり理解しておきましょう。一度繰り上げしてしまうと後に戻れないので、迷った場合には、専門家に相談したいですね。【参考リンク】・日本年金機構|老齢基礎年金の繰上げ受給・日本FP協会|貯蓄が 900 万円以上でも 「老後の生活資金が不安」7 割を超える・日本年金機構|障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法・日本年金機構|任意加入制度・日本年金機構|寡婦年金●ライター/yossy●モデル/REIKO
2017年11月08日Upload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽん長男が3歳だった頃、言葉の遅い長男に対する不安がピークに達していました。その頃は不安に思うことがある度にネットを開き、同じようなことをする子が他にいるのか、どれくらいなら普通なのか、どれくらいからが遅れているうちに入るのか、発達障害とはどういうものなのかなどを、何度も繰り返し調べていたような気がします。はじめのうちは子どもの前でスマートフォンを使うこと自体ためらっていたので、子どもが寝ている間にだけ調べていたのですが、不安が大きくなるにつれ「今すぐに知りたい!」という気持ちが強くなり、ついに子どもの前でも検索するようになってしまいました。そんな時、スマートフォンをただただ見つめる私に長男が話しかけてきて、ハッと我に返りました。長男が目の前にいて、遊んで欲しがっているのに、私は何をしていたのだろう…と。それからは、子どもの起きている時間にはスマートフォンを見ないようにしようと決意。不安なことがあって調べたくても、子どもたちが寝るのを待ちました。余談ですが…ネットで得られる情報の中には、気持ちがネガティブになってしまうものもありますよね。私はそういった情報ではなく、不安を抱えながら頑張っている方のブログなどを読んで元気をもらっています。私自身のブログでも、少しでも共感の声が聞けるだけで「私だけじゃない。頑張ろう」と前向きな気持ちになることができるので、ネットも活用次第で得られるものが全然違うのかな、と思います。とはいえ、子どもの前でのネット使用は自粛中!スマートフォンを見ながら生返事をするのではなく、きちんと目を見て相手をしてあげることを心掛けています。
2017年11月08日小学校から不登校だった娘のフリースクールでの過ごし方出典 : アスペルガー症候群の診断を受けている中学校3年年生の娘は、小学校2年生のときから学校には通っていません。自宅でもほとんど勉強をしてこなかった娘ですが、「高校には行きたい」と自ら訴え、特別支援コーディネーターの先生にも相談し、来年からは通信制高校に行くことが決まりました。合わせて、自宅から通える場所にある、技能連携校にも通うことに。技能連携校というのは、通信制高校の分校のようなところで、通信制高校と技能連携校の両方に入学することで、技能連携校の方で卒業に必要な出席日数、レポート提出、試験をすべて済ませることができるそうです。娘が通う予定の技能連携校では、フリースクールとしての機能も持っており、高校入学までのあいだは、ここに通うことになりました。フリースクールでの1日はというと出典 : 娘の行くこのフリースクールでは、ピアノ教室と提携していて生徒は無料でレッスンを受けることができます。好きな曲をピアノの先生に聞いてもらって、 それを先生が聴き取って、弾き方を教えてくれます。先生のモットーは「音楽は楽しむもの。 譜面も見ないで自分の好きな曲をまずは弾いて楽しむ」なんだとか。だから、みんなピアノの時間が大好きだそうです。娘もまずは15分ほど先生とピアノを弾きます。特にピアノに興味がなかった娘ですが、自分の大好きなゲーム音楽を弾けるようになるのは楽しいようです。それから学習スペース(特に決まってないのですが)で、校長先生か教頭先生と一緒に勉強します。2人とも元小学校の先生で、塾講師のキャリアも長いので教え方が上手。学校と比べて生徒の自主性を重んじ、いくらできなくても決して声を荒げるようなことはありません。なので、怒られることが怖くてたまらない娘も安心して教わっています。小学校2年生で学力が止まっている娘は、レベルにあったプリントを1枚ずづ取り組んでいきます。たとえば、1桁 + 1桁の計算問題、また別の日は4年生くらいの漢字の読み問題。時間にしてわずか20分くらいで終わってしまう内容です。時にはほかの生徒さんも交えておやつタイム。ジュースとお菓子を頂きながらホッコリと休憩。そして1日は終了。滞在時間は全部合わせて1時間程度です。1回20分の勉強って効果があるのだろうか?出典 : 娘は満足そうなのですが、親としてやはり気になるのが勉強時間。「え、こんなちょっとでいいの?」と思うのが正直なところです。「ただでさえ人より遅れてるのに」って。でも、校長先生が言うには「学校のように、1日6時間も座って興味のないことも勉強するより、こうやって少しずつ集中して勉強したほうが効率がいいんですよ。」この言葉に疑いを持ったわけではありませんが、どうしても腑に落ちず、娘の主治医である思春期外来の先生にも勉強時間について聞いてみたのです。すると、「娘さんのような子どもたちは、普通の学校のようにカリキュラムを組んで、これをこなさないと次にいけないとなると絶望的な気持ちになります。 今のやり方がいいと思いますよ」とのこと。そういえば、以前娘の支援に関わってくれた先生にも同じようなことを指摘されたことを思い出しました。その人が言うには、ただ漫然と課題を与えられても、いつまでやり続ければいいのかわからず、不安になってしまう。だから、全体図を見せて今はここをやっているんだよと教えてあげることが大切だと言うのです。確かに、今の娘の学習の遅れは大きく、どれくらい勉強したら追いつけるのか本人も分からず不安になっている様子が見受けられます。だからこそ、フリースクールでの小学校1年生レベルから徐々に始められる環境、先生が「大丈夫、ちゃんと追いつくからね」と言ってくれる環境があることで、過度な負担や不安に悩むことなく学習を進めることができるのだと気づくことができました。在校生・卒業生たちとの交流も!出典 : フリースクールも技能連携校も、スペースやスタッフはみんな同じです。なので、娘が勉強している側で高校生や、遊びに来た卒業生が娘に勉強を教えてくれることもあります。また、先日は卒業生に仕事の体験談を聞いたりして、とても話が盛り上がっていたそうです。そうして世代を超えた交流ができるのも魅力の1つだと感じました。また、そうやって高校生たちと交流することで、実際に通うことになる技能連携校に馴染んでいくことができるのも、校長先生の狙いだけあって、さすがと思います。実際、娘はフリースクールに入ってから「学校(フリースクール)の予定表ちょうだい」と言ってくるようになり、すっかりフリースクールに所属意識を抱いているようです。思い返せば、小学校を卒業するときには、中学生になる不安で体調も悪かった娘。でも中学を卒業する今回は、気持ちもすこぶる安定していており、私もホッとしています。あきらめないでよかった出典 : このフリースクールに出会うまでには、さまざまな機関を頼り、そして失敗を繰り返してきました。今回やっと娘に合うところに出会うことができ、あきらめずチャレンジを続けてきたことは間違いではなかったと思うことができます。娘に起こったなによりの変化は、「私には行くところがある」という安心感による気持ちの安定だと思います。また、同時に、来春から通う技能連携校の様子を内部からまじまじと見て、見通しがたったことも大きな理由でしょう。こうした要素が合わさったことによって、娘は希望を持って、春を迎えることができると思います。小学校から中学校に進学する際、不安から体調やメンタルを大きく崩した経験があるだけに、中学3年生になるのが怖かった私。でも、笑顔でいつも通り過ごしている娘を見て、本当によかったと胸をなで下ろしています。
2017年10月23日生まれた時からお風呂好きだった長男沐浴もほとんど泣くことはなく、気持ちよさそうに入ってくれていましたし、2歳になる前は毎日湯船で歌を歌ったり湯船で遊んだりと楽しく過ごしていました。Upload By ぽんぽんところが2歳になって少ししてからお風呂に入ることを拒絶お風呂に入らなきゃ死ぬ!ということはないので、あまりにも泣いて嫌がる日はお風呂をパスしてもいいや!とは思っていたのですが…。Upload By ぽんぽんシャワーが顔にかかるのを異常に嫌がるように。顔にお湯がかからないように工夫しながら入れてみましたが…。Upload By ぽんぽん1歳半までベビースイミングを習っていたので、顔に水がかかるのには慣れていると思っていたのですが、忘れてしまったのか、それともお湯と水とでは違うのか…。ひとしずくも顔にはかかって欲しくない!という状態になってしまったので、お風呂場には必ずタオルを持って行き、顔にお湯がかかったら即座に拭くようにしていました。Upload By ぽんぽんこれでなんとか洗い場で泣き叫ぶ問題は徐々に「マシ」になっていったのですが、今度は湯船を怖がるように…。Upload By ぽんぽんこれまであんなに気持ち良さそうに、楽しそうにお風呂に入っていたのに何故…。Upload By ぽんぽん日に日に湯舟への恐怖心が強くなり、発狂する毎日。言葉の遅い長男は、何が嫌なのかを伝えてくれず、色々聞いても試してみても理由がわかりませんでした。Upload By ぽんぽん毎日一つずつ新しいお風呂用おもちゃを足したり、入浴剤を使ってみたり、シャボン玉で遊んでみたり、私が湯船に顔をつけて怖くないとアピールしてみたり、お湯に口を付けてブクブクと音を立ててみたり…。楽しく入れるよう色々とやったつもりでしたが、どれも不発。同月齢の子たちは普通にお風呂に入っているようなのに何故…と悲しくなり、毎日泣いていました。Upload By ぽんぽん当たり前のことが当たり前にこなせない。嫌がって泣いたり、お風呂を拒否するという話は聞いたことがあっても、ここまで発狂するなんて聞いたことがない。不安がつのっていくばかりでした。このままだと家族旅行も出来ない私は小さい頃、よく家族で温泉旅行に行きました。すごく楽しくて未だに記憶に残っているほど。いつか私も子どもたちを連れて行きたいと思っていました。Upload By ぽんぽん一緒に温泉に入ることも、次男と一緒にプールで遊ぶこともできない。家族旅行に行くという夢も叶わないんだと思い、とても悲しくなったのを覚えています。お風呂を嫌がり出してから1ヶ月が経った頃Upload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽん髪の毛や次男の手のひらに付いたゴミなどに恐怖を覚えていたことが判明。これまでお風呂に入っていた時は平気で触っていたし、風呂桶でゴミを取って捨ててくれたりもしていたのに、今まで平気だったものが、ある日突然嫌になる事があるんだと知りました。それからは毎日お風呂のお湯のゴミチェックを先に行ってから入ることに。Upload By ぽんぽん先に大丈夫だと言って安心させるようにしました。それだけで叫ばずにお風呂に入れる日もありましたが、やはり髪の毛やゴミだけが原因ではないようで、それらを取り除いても、きれいだとアピールをしてもダメな日もありました。そんな日は、次男を脱衣所に置いて、2人だけでお風呂に入るようにしました。Upload By ぽんぽん赤ちゃん返りもあって、次男がお風呂に一緒に入ることを嫌がっていたのかもしれないと今更ながら気付いたのです。お風呂を嫌がり出したのは次男の沐浴が終わり、一緒に湯船に入るようになって少ししてから。次男が生まれてから思うようにママを独占出来なくなっていたけれど、お風呂の時間だけはママと2人きりになれていた。その貴重な時間まで奪われたことで心が不安定になったのかもしれない、と思ったのです。Upload By ぽんぽん2ヶ月ぶりだったかもしれません。まだまだママが必要な2歳になったばかりの長男。肌と肌を直接くっつけてゆっくり…なんてことしてなかったなと反省しました。それからもお風呂を嫌がる日々は続いたのですが、長男が不安に思うことをなるべく見つけて取り除き、新しいおもちゃを増やして気をそらし、楽しいお風呂タイムにするよう心掛け、本当に嫌がる日は無理に入れることはやめました。お風呂を嫌がり始めてから約半年…Upload By ぽんぽんやっと以前と同じように自らお風呂に入れるようになり、お風呂に入るのに体力だけでなく精神力まで奪われる生活は終わりを告げました。それから2年が経ち、4歳になった現在…Upload By ぽんぽんあの時諦めかけた家族での温泉旅行も楽しく行けるようになり、プールでは顔に水がかかっても動じず笑ってやり過ごせるまでになりました。これを読んでくださっている方のなかにも、今まさにお子さんがお風呂を拒否していて困っている…という方がおられるかもしれません。お子さん一人ひとり、感じていること、お風呂嫌いの原因はそれぞれだと思いますが、我が家の経験が、少しでも参考になったなら嬉しいです。
2017年10月09日「好き」が、強い「こだわり」になってしまった息子。発達障害のある子どもは、よく興味の対象が「狭くて深い」と言われます。自閉症スペクトラム障害、ADHDと診断されている息子の場合も例に漏れず、発語があった1歳前半から幼稚園の年中あたりまで、興味の対象は「車」のみでした。Upload By 林真紀「トミカ」は恐らく100個ぐらいは集めたと思います。何かのご褒美として買うのはもちろん、フリーマーケットやバザーなどで大量買いすることもありました。息子はトミカを何個も並べ続けて、それを寝っ転がって眺めては幸せそうにしています。最初は、そんなトミカ遊びを続ける息子に、私はほのぼのとしていたものです。しかし、息子の「興味」はやがて「こだわり」に変わります。やがて、誰かからトミカ以外のプレゼントをもらうと癇癪(かんしゃく)を起こすほどになりました。プレイルームなどに行って、車のおもちゃがないとパニック。新しい環境で不安になると、「トミカ~、トミカどこ~」とべそをかきながらグルグル回り始めます。私たち家族は、息子の「トミカ大好き」に振り回され始めるのでした。「何かをうんと好きになって極めて欲しい」。そんな親の願いはある意味叶っていたにも関わらず、そのあまりのこだわりの強さに親の側が疲弊してしまう結果に。そしてまた、トミカ以外の物にはほとんど興味を示さない息子にも、不安を感じ始めました。興味の対象が狭いので、人形劇や紙芝居などは全く聞いていられません。幼少期の息子はどこに連れていっても、トミカを並べて遊ぶ以外のことが出来なかったのです。なんとか興味を広げていきたいという親の願い息子の興味の狭さとこだわりに疲れを感じつつも、私はトミカから息子を遠ざける気にはなりませんでした。息子にとっては、精神的に不安定になったときに、唯一自分を癒してくれる世界がトミカだったのです。そう考えた私は、思う存分息子にトミカで遊ぶ時間を与えることにしたのです。1歳のときから、およそ3年間。息子は寝ても起きてもトミカ一色でした。Upload By 林真紀そんなある日私は、息子の様子がいつもと違うことに気づきます。トミカに埋もれる息子の様子はこれまでよりも覇気がなく、どうやら「遊び尽くした感」を感じているような気がしたのです。新しいものは怖いからトミカで遊ぶ、でも正直飽きた、でも新しいものは怖い…。そんな、悪循環に囚われ身動きが取れなくなっている様子を見て取ることができたのです。加えて、トミカで遊ぶときの息子の集中力が明らかに落ちていて、トミカの新製品を見つけても、大喜びで飛びつくようなことはなくなりました。私はそのとき、「興味の対象を広げるなら今だ!」と感じたのです。とはいえ、私は息子のこだわりの強さはよーく分かっているので、突然全く新しいものを与えたとしても「トミカじゃなきゃ嫌!!」と癇癪を起こすことは火を見るより明らかでした。そこで私は、連想ゲームのように、「トミカ」「車」に関係のある別のおもちゃを探しました。また今度は「出来上がった」ものではなく、息子自身が作ってゆけるものを選ぶことを思いついたのです。さまざまなアイテムを調べた結果、車を作ることのできる幼児用のレゴセットを見つけました。国内では売っていなかったので、インターネットで海外から取り寄せることに。最初にそれを見た息子は、「作るのは嫌っ!!!」「出来上がったのちょうだい!!」と癇癪を起こしたもの、少しずついじっているうちに、すぐにハマり始めたようです。やがて、車だけが興味の対象だった息子は、レゴの世界に引き入れられていきます。最初はいろいろな形の車を作って遊んでいましたが、今度は周りの建物も作り始めました。これは大きな変化でした。息子の世界は、最初こそ目の前の車だけでしたが、ときがたつにつれ立体的に広がっていき、車の周りにある信号、道路、ビルへと飛躍的な広がりを見せたのです。そして遂に、ゲームの世界へ息子にレゴを与えたのは4歳のとき。息子は、レゴとトミカを組み合わせながら、部屋の全面を使って遊び続けました。これも、一切邪魔することなく、小学校入学まで思う存分やらせました。そして小学校1年生になって、息子の興味の対象に、大きなブレイクスルーがあったのです。Upload By 林真紀息子は、「マインクラフト」というゲームの面白さにハマり始めます。姉がやっていたのを見て、息子も興味を示し始めました。「マインクラフト」の世界は、立方体のブロックで構成されており、建造物やその他の様々なものをブロックを使って自由に創造することができます。これは、今まで息子がハマっていたレゴ遊びを、ゲーム上でやる感覚です。ブロックにはたくさんの種類があり、積み上げるのも壊すのもリモコン1つで簡単にできます。息子は、このゲームの面白さを知ってから、外出するたびに目に飛び込んでくる建造物に大きな関心を示すようになったのです。狭くて深い興味を強みに変えるUpload By 林真紀マインクラフトにハマっていった息子は、本屋さんで攻略本を欲しがるようになりました。ところが攻略本は、小学校1年生には読めない漢字や英語表記などが満載です。私は負荷が大きすぎるとすぐに投げ出してしまう息子の性格を知っていたので、「攻略本はもうちょっと大きくなってから買おうよ」と言ったのですが、息子はどうしても引き下がりません。結局私のほうが根負けし、何冊か購入することになったのです。攻略本への興味もいつまで持つやら。そんなことを考えていました。ところが蓋を開けてみてびっくりです。息子は漢字も英語表記も、辞書を使ったり、私や娘に聞いたりしながら、必死に読みこなしているのです。発達障害のある息子の「こだわり」や「狭くて深い興味」が、強みに変わった瞬間だったように思います。最近は、気付けば攻略本を読んでいるので、これも思う存分ハマらせてみようと思い、口を出さずに見守っています。興味の対象を「取り上げず」に「広げる」出典 : このように、うちの息子は「トミカ」→「レゴ」→「マイクラ」という感じで、狭くて深い興味を少しずつ広げていくことができました。発達障害のある子どもはこだわりが強いため、ひとたび「好きなもの」にこだわり始めると、親も振り回されて疲れてしまうことがあります。けれども、そのこだわりを取り上げてしまわないことが大切だと強く感じます。決して取り上げず、思う存分遊ばせて、連想ゲームのようにそこから少しずつ世界を広げていくことが重要だと思うのです。子どもの世界を広げたいと願うのは多くの親が同じだと思います。けれども、そのこだわりを否定して、全く別のものを与えても、子どもは不安になるだけです。親子の信頼関係も崩れてしまうと思います。興味の対象を「取り上げず」に「広げる」、全く違うものを持ってくるのではなく、その興味の対象と重なるものを増やしていく。そのうちに、不安なときに小さな世界に逃げ込むばかりだった子どもが、自らの世界を広げていくために好きなものを開拓していくようになる日が来るかもしれませんね。
2017年09月28日こんにちは、ライターのNANARUKAです。お子さんが小学校に入学すると増える心配事のひとつとして、子どものお留守番をどうするかということがあります。積極的に子どもを一人きりにしようと思わずとも、学校内活動や習い事など、子どもが一人で行動する時間が増えれば、 仕事やきょうだいの送り迎え、日々の用事など、多かれ少なかれ子どもを一人で置いておかなければならない場面に遭遇することもしばしばです。ネットやTVなどで、さまざまな事件や防犯の知識は耳にするものの、住んでいる地域や環境によっても対策は異なり、実際には全く違った問題点が見えてくることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、小学生以上のお子さんをお持ちのママさん方に、「子どもに初めてお留守番させたとき」「子どものお留守番中に困ったこと」「子どもが不安を感じないための工夫」などをインタビューしました。何がきっかけで、どんな問題があったのか……などの体験談を知ることで、予測や解決策などを考えるきっかけにしてみてください。●子どものお留守番デビューは小学生。「徐々に慣らすべき」との声多数!『1年生から学童クラブに入っていましたが、学年が上がると習い事の日数が増え、私の仕事復帰もあったため、3年生で学童クラブを辞めてお留守番生活に。お互いの安心のために子ども用の携帯電話を持たせましたが、不安なことがあると何十回でも電話をかけてくる ので仕事中のこちらも困るし、出てもらえないと娘はさらに不安を募らせ、私が帰宅すると泣いている日もしばしば……。いくら携帯を持っていても最初から一人きりで長時間は無理だと考え直し、可能な範囲でおじいちゃんやおばあちゃんに家に来てもらうことにしました。そのうち自分から「もうひとりでも大丈夫」と言ってきたので、こちらも安心して留守番を任せられるようになりました。その後も定期的に防犯対策を話し合い、意見交換をするなどして、娘の不安はつねに取り除く ようにしています』(39歳/3年生女の子のママ)『私が近くのコンビニに買い物に行く間の、数分間程度の留守番は幼稚園のころから何度かさせたことがありましたが、臆病な娘は短時間でも一人きりになることをいつも嫌がっていたので、小学校入学後も、私は娘の下校までには必ず家に戻るようにしていました。しかし、娘が3年生になった際に私がパートに出ることになり、シフトによっては私の帰宅が娘より遅くなることも。そこで娘とよく話し合い、緊急時の対処や来客時の約束などを決め、最初は週に1、2回、30分程度のお留守番から始めました 。固定電話の扱いも教え、時間を決めて電話をかけ合うなどしながら少しずつ慣らし、4年生になった今では週4日は5時まで働けるようになりました』(40歳/小学4年生女の子のママ)『最初は嫌がっていたものの、2か月も経つと、お友達の家や公園にどんどん出かけてしまうようになり、薄暗くなってから私が帰宅しても家の中は空。どこで何をしているのか、何時に帰ってくるのかもわからない日が増えました。気ままに遊び、帰宅後は宿題もしないでテレビの前でゴロゴロ。これではダメだと思い、夫婦で話し合い、お友達の意見も参考にするなどして本人とも時間をかけて話をし、約束事を決めて 軌道修正しました。小学生なんてまだまだ親が管理しなければいけない時期。周りの意見をよく聞いてみて、放っておきすぎたと反省しました』(42歳/5年生男の子のママ)これらの体験談から“お留守番”とは、いつかは経験することではあるかもしれません。けれど、大人の都合で何の前置きもなく、ある日突然に一人きりにさせる、ということは避けるべきでしょう。それまで何の予備知識や経験のない子にとって、「○時まで待っててね!」「インターホンが鳴っても知らんぷりしておいて」「電話が鳴っても出なくていいからね」「地震が来たらテーブルの下に隠れるのよ」などと一気に言われても、すんなり頭に入るわけがありません。かえって不安や恐怖の気持ちが増大し、非常に大きなストレス となって心に残ってしまうかもしれません。「もう○歳なんだから一人で留守番できるでしょ?」「お友達もみんなお留守番してるんだから」……というのは理由になりません。その子なりの成長や経験を見極め、不安を取り除くことから始めましょう。最近では“子どもの防犯”をテーマにした教育番組もあるので、子どもと一緒に見て参考にしたり、意見交換したりするのもよいですね。●声を大にしては言えないけれど……。早いデビューの声も続々『上の子が幼稚園に通っていたときのお迎えは毎日2時半でした。その時間、午前中に公園遊びや児童館で遊び疲れた下の子はお昼寝の真っ最中。入園したばかりのころは毎日起こしてお迎えに連れて行っていましたが、当然機嫌が悪くてグズりっぱなし。暑い日や寒い日、雨降りの日にもよく泣きわめかれ、相手をするのも大変だったので、その後ちょくちょく、下の子がお昼寝しているときは家に残して出る ようになりました。玄関までの廊下に出られないようにリビングに柵を設置し、危険なスイッチ類に届かない工夫をするなど安全対策は十分なつもりでも、家に戻るまでは気が気ではありませんでした。そのうち、成長とともにお迎えへも連れて行けるようになったので、一時的なものでした』(35歳/1歳男の子、5歳男の子のママ)『3番目の末っ子は現在4歳ですが、今季夏休みの間、上の子2人の習い事の送り迎えが多いときには1日に何度もあったので、家に一人で待っていてもらうことが多かったです。とはいえ、留守中に災害が起きたり思わぬ事故が起きたりすることを考えると、できれば一人にはしたくありません。そのため、お昼寝後におやつとトイレを済ませ、お気に入りのテレビをつけたのち、30分間を限度 に用事を済ませたら大急ぎで戻っていました』(40歳/11歳女の子、7歳女の子、4歳男の子のママ)最悪の事態を想定しつつ、罪悪感を抱きながら少しの時間に限ってお子さんを家に置いているというママさんも多いようですが、どんなに注意を払って予測していても、時に子どもの成長は思いがけない行動を引き起こす、ということも決して忘れてはいけませんよね。“踏み台を使って高い場所にある物に手を伸ばすようになった”、“押す、引く、だけでなく、回すこともできるようになった”……。そんな、本来喜ばしい子どもの成長が悲しい事故を引き起こす ことになってしまわないように、せめて小学生になるくらいまでは、どんなに大変でも一緒に行動した方がいいのかもしれません。●お留守番の子どもには“書き留める”が一番。賑やかな演出で不安も払拭!最後は、子どものお留守番を安全に、円滑に進めるためのアイデアを伺いました。それぞれの家庭で、その子に合ったさまざまな工夫をしているようです。『言い聞かせても忘れ、ささいなことで不安になるのが子どもだと割り切って、チャイムや電話が鳴った場合、地震が起きた場合など、さまざまなシチュエーションを想定して対処を箇条書き にして子どもの目線の高さに貼っておきます。その内容を元に「さらにこんなときはどうする?」「こうなった場合はこうしてね」と会話をし、複数の連絡先も記しておけば、いざというときに子どもも慌てたり困ったりしなくて済みます』(44歳/5年生男の子、2年生女の子のママ)『子どもにお留守番させる日は、いつも寝室に置いてあるぬいぐるみたちを黙ってリビングに置いておき、おやつも多めに。お気に入りのDVDやゲームも自由に使えるようにテーブルに並べておきます 。以前「ぬいぐるみさんたちも一緒なら寂しくないでしょ?」と聞いたとき、「そんなのいらない。一人で大丈夫だもん!」と強がっていて逆に心配になったので、不安になったら何も言わずに置いておくようにしました』(33歳/2年生女の子のママ)『事前に約束事を決め、その約束どおりできるだけ自分で考えて行動するように言いますが、もしものときのために、両親、おばあちゃん、学校、近所のお友だちの電話番号を一覧にして貼っています。一人きりではないという安心感 につながっているようです』(38歳/4年生女の子のママ)わが子の安全を確保することは親にとって当然ですが、特にお仕事をお持ちのママさん方にとっては子どもの時間に合わせてばかりもいられず、悩ましい問題ですよね。私たち親世代が子どもだったころと比べると、環境や社会情勢も大きく変わっています。過去の常識にとらわれず、現在の事例や傾向をよく理解したうえで、冷静に柔軟に対策を考えたいものですね。次第に日が短くなっていくこれからの季節、改めて家族みなさんで話し合ってみてはいかがでしょうか。●ライター/NANARUKA(フリーライター)●モデル/赤松侑里(さゆりちゃん)
2017年09月27日2017年4月時点で、待機児童の数は2万6081人。国は、待機児童ゼロの目標年度を2017年から2020年に修正しました。あいかわらず保活は厳しいようです。はじめての保活、何からどう手をつければいいのでしょう…。2児の母で、都内で認可外→認証→認可と渡り歩いた保活経験者、また現在は保活講座のファシリテータとして活動している飯田陽子さんに話を聞きました。保活のポイントは「情報収集」+「保育指数算出」+「希望園の絞り込み」1.情報収集まずは情報を集めることからスタート。自治体の保育課に行き、保育利用の案内冊子を入手します。自宅近辺に保育園がいくつあるのか?それぞれの受付年齢と入園枠は何人か、“全体像”を把握しましょう。2.保育指数算出次に保育利用の案内に添付されている「保育の利用基準表」から、保育指数を算出。保育指数とは、各家庭における保育の必要性を数字で表したもので、この数値を元に入園調整が行われます。希望した園の中で、保育指数の高い人から入園できる仕組みとなっています。この保育指数、自治体によって基準や指数が大きく異なります。まずは指数表を参考にして、わが家の保育指数を算出しましょう。うまく算出できない、算出した指数に自信がない場合は保育課に相談してもよいでしょう。3.保育園選び保育園には大きく分けて、認可保育園と認可外保育園があります。認可保育園は広さや職員数、設備など、国で定められた基準を満たしたもので、入園申し込みは各自治体で行います。東京都には都の認定を受けた“認証保育園”もあり、こちらの入園基準は園によってさまざま。入園申し込みは保育園で直接行います。認証保育園は国の補助を受けていないため、料金がやや高め。園庭の有無やシャワー室、トイレの広さや数などハード面で認可保育園と規準が若干異なるようですが、基本的にはほとんど同じ環境で保育が行われているようです。・まずは見学から園によって保育方針や雰囲気は異なります。実際に自分の目で見て確かめましょう。1つの園だけを見て決めるのではなく、可能な限り多くの園を見学し、自分なりにどういう園がいいか、イメージを固めましょう。・見学のポイント見学の時間帯によってはお昼寝や昼食に重なり、保育の様子や雰囲気がわからないことも。そこで利用してほしいのが、未就園児向けの行事や、地域に開放している公開行事。先生と子どもたちの関わり方、園全体の雰囲気を知ることができるので要チェックです。・保育園の絞り込みの仕方一番頭を悩ませるのが、保育園の絞込みです。絞込みは、それぞれの家庭で“もっとも優先すべきこと”から考えていきます。家から保育園までの距離を優先するのか、駅や職場からの近さか、また保育園の雰囲気や方針、入園申し込み時の競争率なのか…夫婦でしっかりと話し合い、決めることが大切です。・それでも迷ったら?「保育園の立地>設備>雰囲気」通園は毎日のこと、家や駅、職場からの近さはとても大きいものです。設備として園庭の有無も大切ではありますが、飯田さんは立地を優先して園庭はあきらめました。しかし園庭がなくても、近くの公園までお散歩し、子どもたちを外で遊ばせてくれている様子を見て、必ずしも園庭がマストではないと思ったのだとか。日頃どのように遊ばせているのか、また雨の日はどう過ごしているのかも聞いておくとよいでしょう。その他、衛生面や安全面に対する意識も大切。こちらも確認しておきましょう。・保育園の希望順を書くポイント絞り込みと同時進行したいのが、保育園の希望順。保育指数が高い人は、第1希望から入りたい順で書くことが可能ですが、指数が低い人は通える範囲を広げつつ、保険のためにもできるだけ多くの園を書いておきましょう。入園後、より希望に近い園に入れるように転園届けを出したり、フルタイムで就労を果たしてから、転園を狙うという選択肢もあります。入園申し込みの申請時に気をつけること・必要書類は余裕を持って準備入園申し込みに必要な書類、申し込み締切日は自治体によって異なります。育休中や就職先が内定している人は、勤務先の勤務(予定)証明書が必要。これは夫婦共に提出しなくてはいけないので、早めに準備しましょう(自営業、フリーランスの人は自分で発行)。また、引っ越して間もない場合は、納税証明書が必要になる場合も。こちらも取り寄せ期間を考慮して。・申し込みは締め切り1週間前までに書類に記入漏れがあると、選考基準が低くなるので要注意です。少なくとも締切日の1週間前までには提出し、残りの時間は万が一の不足書類を補充するつもりで動きましょう。・希望園申請、変更のプチ裏技締め切り間近の保育課窓口は大混雑です。園の希望順を12月の締め切りまで変更ができる自治体もあるので、その場合は窓口が比較的空いてる10~11月初旬に一旦申請を済ませ、締め切りギリギリまで希望順を悩んで変更届けを出すのがオススメ。窓口まで行かなくても、FAXで変更可能なこともあるので、こちらもチェックしておきましょう。「保活で最大の敵は孤独と不安です。1人で保活をする心細さと不安を払拭するためにも、児童館などで保活仲間を見つけ、情報を共有することが最後のポイントかもしれません」と、飯田さん。仲間と互いの活動を報告し合いながら、ときに笑いながら保活を進めていけると、心が折れずにがんばれますね。<文:フリーランス記者林未香>
2017年09月23日ダウン症と診断されたわが子を前に、母の私は出典 : 私の長男は、出産後すぐにダウン症と診断されました。当時は、正直複雑な心境で受け入れられませんでした。出産は普通だったら、祝福すべきことで赤ちゃんの将来を夢見るもの。それなのに、なぜ、私は不安ばかり抱かなくてはならないのだろうと手放しで喜べないのが悲しくて、何よりもせっかく生まれてきてくれた我が子に対して、こんなひどい気持ちでいることがたまらなく嫌でした。幸い両親や夫は受け入れてくれて私を励まし、子どもを可愛がり、育児にも協力的でした。それでも気持ちは重く、ゆううつな毎日でした。そんなある日、夫から「君がそんなに暗かったら、家に帰るのが嫌になるよ」と言われたのです。ショックでした。戸惑いながらも育児を頑張っているのに、そんなふうに言われるなんて…でも、今思えば 、夫も初めての我が子に対して、先の見えない様々な不安を抱えていたのだと思います。焦るばかりの育児、ふっ切れたのはほんのささいなきっかけでした出典 : 担当医に「ダウン症のお子さんはできる限り多くの人達と接し刺激をもらうのが成長につながります。兄弟がいるといいですね」と言われ、他に子どものいなかった私は、生後三ヶ月くらいから、長男の友達作りのために児童館に通い始めました。しかし、我が子は、寝返りどころか首も座らない。泣きもしない。人見知りもしない。いつもおとなしくゴロンとしているだけ。それでも私は、お友達を作らないといけない。刺激をもらわなくてはいけないと、焦りを覚えながら児童館に頑張って通い続けました。ママ友は、うすうす、長男はダウン症であると気づいていたでしょう。でも、自分からはカミングアウトできずにいました。この頃が一番苦しかったと思います。ふっ切れたのは、生後半年くらいたった頃、子どもを預けて友達の結婚式に出席した時のことです。私は出産してから自分のことを気にかけずにいたため、この日ばかりはとメイクもきちんとして、目一杯オシャレして出かけました。そんな私に対して久々に会った友達が「今日、とてもキレイだね」と言ってくれたのです!お世辞でしょうが、出産してから最も心に染みた一番嬉しい出来事でした。大げさですが、今までの苦しかった日々も救われたような気がしました。この一言をきっかけに、「そうだ。私は私。私自身にほかならないのだ」と強く実感したのです。子どもの将来を勝手に不安に思わない出典 : 障害のある子どもを産んだからといって、なぜ、不安ばかりになっているのだろう。なぜ、卑屈にならなくてはならないのだろう。なぜ、私は生まれたばかりの子どもの将来を悲観しているのだろう。障害があって辛いとしたら、親の私ではない、この子自身ではないか。私は、既成概念や情報に流されて、自分から不安になっているのではないか?不安事ばかり考えて、解消されるのならいくらでも考えればいいけれど、そうではありません。だとしたら、勝手にこの子の将来を決めつけることはやめようと、この日を境にふっ切れたのでした。私は、ただ私自身の存在を認められたかったのかもしれません。この時、まさに育児に一心不乱だった私は、自分を不安の中に見失っていたのだと思います。それでも心の底では、「私がこの子を一生見守らなくてはならない」という意識がまだあります。しかし、我が子は一心同体でもなければ、所有物でもありません。私がこの子より長生きできる保証もありません。だから必ずいつか社会に送り出さなくてはいけないのです。社会に送り出すということは、「この子が独りぼっちになってしまう」という意味が、はからずも出てくるかもしれませんが、それは私は違うと思うのです。この子が将来どのように成長発達し、どんな道を進んで行くのか。私はまだ知らないですし、今、私が勝手に決められることでもないからです。現在、障害児を持つ親にとっては幸いなことに、障害者に対する福祉や環境が確実に良くなってきています。そして、同じ状況の親御さんもたくさんいます。また、我が子に対して不安になった時には、その人たちに相談したり、助けてもらえばいいのではないか。何とかなるはず!そう思うようになりました。それよりも少し育児から離れて、自分のこと、楽しいこと、笑顔で毎日を埋めていこう!笑顔が増えた分だけ、不安は減ります。この子のために、夫のために、ひいては自分のために笑顔でいよう!誤解を恐れずに言えば、人生の主役はあくまでも自分です。ダウン症の我が子が生まれた時にはどうしようかと不安ばかりでしたが、今ではそう思えるようなりました。Upload By 菅原光穂
2017年08月28日夏休みが明けていよいよ新学期…スムーズに迎えるには?出典 : 楽しかった夏休みもそろそろ終わり、再び学校・幼稚園生活が始まります。夏休み明けの新学期は久しぶりに会った先生や友達と夏の思い出話をしたり、学校行事の準備が始まったりと、夏休み前とはまた違う楽しみがあります。一方で、新学期が始まる時期は、夏休みから新学期の始まりという生活・環境の変化に戸惑いや不安を感じ、学校や幼稚園などに行くのを嫌がる子どもが増える傾向にあります。特に発達障害がある子どもは生活や環境の変化に敏感なことが多かったり、切り替えが難しかったりする特性から、夏休み前後での学校生活の変化に強い不安を感じることがあります。また、夏休みに親子で過ごす時間が多かった分、「パパ・ママと一緒にいたい」という思いから学校や幼稚園へ行きたがらなくなってしまうこともあります。このような登校・登園しぶりが続き、夏休み明けに不登校になったというケースも少なくありません。平成26年文部科学省・不登校生徒に関する追跡調査研究会「不登校に関する実態調査」新学期を楽しくスムーズに迎えるには、夏休み中から新学期を見据えた準備が大切です。次から新学期前後に何でつまずくのか、そして夏休み中にどんな対策をすればよいのかについて解説します!発達障害のある子どもが新学期前後でつまずきやすいポイントって?出典 : 新学期前後、発達障害のある子どもは、どんなことに困ることが多いのでしょうか。これらの困りごとが積み重なり、新学期の登校・登園しぶりにつながることもあるため、子どもがつまずきやすいポイントを把握しておくことが大切です。学校や幼稚園のない夏休みは、睡眠が不規則になったり、運動不足になったりすることから生活リズムが乱れることが多くあります。発達障害がある子どもの中でも時間の感覚を上手くつかめず、切り替えが苦手という特性がある場合、それが夏休み中の生活の乱れにつながってしまうことがあります。夜更かしがくせになり朝に起きられない、お菓子や清涼飲料水をたくさん食べたり飲んだりしている、冷房の効いた室内でだらだら過ごしている…このような生活を夏休み期間に送っていると、新学期が始まった途端に規則正しい生活に戻そうとしても難しく、学校や幼稚園へ行くモチベーションの低下につながることがあります。夏休みの宿題は発達障害のある子どもにとって何かと困りごとが起こりやすいと言われています。宿題を進めることが難しく、夏休み終盤になってもたくさん残ってしまうことも少なくありません。宿題が終わっておらず、先生にも出せないことを自覚していると、学校に行くこと自体がおっくうになる可能性も考えられます。また、宿題を夏休み前半に一気に終えた子どもの場合、宿題を終えた以降学習をしない期間が続くと、家庭学習をしない習慣がついてしまい、授業の始まりに憂うつ感を抱くこともあります。新学期は夏休み前の学校生活と全く同じリズムで進むわけではありません。夏休み明けは運動会をはじめとした学校行事の準備や練習が入ってきたり、時間割や担当する先生が新学期をきっかけに変わったりするなど、学校生活のパターンに変更が出てくることもありますよね。このような学校生活のパターンに関する変化に戸惑ったり、切り替えるのが難しかったりすることをきっかけに学校へ行きたくなくなってしまうこともあります。夏休み中は学校・幼稚園がある時より友達に会う機会が減る子どもが多いと思います。久しぶりに会う友達となんだかぎくしゃくしてしまったり、夏休み前に関係がうまくいっていない友達と会うことに不安を感じてしまったりなど、人間関係への不安から学校へ行くことに抵抗を感じてしまうケースも少なくありません。新学期に向けて夏休み中にやっておきたいことって?出典 : 夏休みのような長期休みが続くと、休み明けになかなか身体がついていかなかったり、学校や幼稚園に毎日通っていた時のような元気ややる気がでなかったりします。新学期をスムーズに迎えるには、夏休み中に何を心がければ良いのでしょうか。新学期が近づいてきたら改めて、生活リズムが著しく崩れていないかチェックしましょう。具体的には、きちんと睡眠をとれているか、食事は3食食べているか、運動不足になっていないかなどを確認するとよいですね。睡眠が不規則になり、昼夜逆転してしまっている、食欲がなくなっている、エアコンの効いた部屋でゲームばかりしているなどの様子が見られたら、新学期の始まりに間に合うように少しずつ改善していきましょう。学校や幼稚園のある日を想定して、登校・登園時間に間に合うように起床や身支度を済ませる、きちんと起床できるような時間に布団に入って身体を休める習慣をつける、学校のプールや図書館の夏休み開放日に行ってみる、学校まで親子で散歩してみる、というような夏休み中からの工夫が、新学期を万全な体調でスタートさせるコツです。夏休みの宿題には教科のワークやドリル・プリントから自由研究、読書感想文などさまざまな種類があり、親子で苦労するということもあるのではないのでしょうか。これらの宿題を夏休み終了間近に追い込んで終わらせる…ということを避けるためにも、新学期が近づいてきたら、改めて指定された宿題の内容と、どのくらい終わらせられたかをチェックしましょう。宿題は終わっているものの、しばらく勉強している様子が見られない場合は、新学期に向けて少しでも勉強する習慣を復活させると授業が開始した時に戸惑うことなく学習できます。新学期に学ぶ内容を簡単に予習してみたり、好きな教科のワークから取り組んでみたりするのも良いでしょう。発達ナビ親子のヒント‐小学校‐「宿題をやらない」夏休みが明けた新学期は、学校行事の準備が入って変則的な時間割になったり、時間割の一部が変更されたりすることがあります。このような変化を新学期に入ってから知ると、こだわりや切り替えに対する苦手意識がある子どもにとっては強い不安感につながることがあります。そのため、夏休み明けの学校生活の見通しをあらかじめ子どもに伝えておくことが大切です。新学期に入る前にどのような変更があるのかわかると、子どもの安心感につながります。教えてもらえる範囲で、担任の先生から新学期での変更点を教えてもらうことも良い方法でしょう。親子のヒント‐幼稚園・保育園‐「新しい環境になじめない」親子のヒント-小学校‐「変化に対応することが苦手」およそ1ヶ月ほどある夏休み。その間ずっと友達と会っていないと、新学期に友達とどう接すれば良いかわからなくなり、ついぎくしゃくしてしまう子どももいるかもしれません。子ども自身に抵抗がなければ、夏休み中も友達と遊ぶ機会を設けたり、学童施設や児童館、子ども向けイベントなどの同年代の子どもと関わることができる場所へ出かけたりすることをおすすめします。このような機会をつくることは、子どもが新学期も友達とスムーズに学校生活を送ることにつながるだけではなく、親自身がリフレッシュすることにもつながります。新学期を気持ちよくスタートできるよう、時間のある夏休みのうちに学校や幼稚園などで使う道具や身につけるものがちゃんと使えるかどうか確認することも大事です。文房具や制服・体操服、サブバッグなど、子どもが安全に使うことができるか今一度点検してみましょう。もし新調する必要があるものがあったら休み中に対応することができますし、新学期へのモチベーションアップにちょっとした道具を新調してあげるのも良いかもしれませんね。新学期、子どもが登校・登園を嫌がったらどうする?出典 : いざ新学期に入り、子どもが学校や幼稚園へ行くのを嫌がった時、保護者としてはどのように対応すればよいのでしょうか。対応方法は、子どもが学校や幼稚園に行くことを嫌がっている理由によって異なります。学習や成績に関して不安だったり、友達などとの人間関係に難しさを感じたりしている場合、夏休み明け再び学校へ行くことに抵抗を感じることがあります。学習への不安から学校へ行きしぶる場合、子どもが学習面の何に困り感を抱いていて、それをどのように解消すればよいかを具体的に考え、実践する必要があります。学校と連携し、子どもの学習への自信を高めてあげることが登校につながる可能性があります。人間関係など、学習以外の不安が原因の時は、そもそも原因が何なのかしっかり把握することが大切です。併せて子どもの特性も理解し、その特性に合う解決方法を学校や医師・カウンセラーなどとの連携のもとに考えていくことが重要になります。夏休みは、学校や幼稚園へ通っている時より親子で過ごす時間が増えます。それゆえ、新学期が始まると保護者と離れて過ごす時間が再び増えることに不安を感じ、登校・登園を嫌がる場合があります。これは特に幼稚園に通う年齢の子どもや小学校低学年の子どもを中心に見られます。子どもにこのような保護者との分離不安が見られる場合、親子で過ごす時間を増やし、少しずつ子どもの不安を和らげてあげることが大切です。親子で登校したり、子どもが学校や幼稚園にいる様子を見守ってあげたりして、子どもの安心感を少しずつ増やしていきましょう。学校生活・学習・人間関係どれもこれといった悩みがないにも関わらず学校へ行きたがらない場合、長期休みの間で学校へ行く意欲が減り、無気力状態になっていることが考えられます。このような場合、保護者が家から学校へ送ってあげたり、先生や友達が迎えに来てくれたりすると登校することが多いため、保護者や先生側から積極的に関わっていくことで登校への意欲が戻ってくるかもしれません。他にも学校で新しい遊びやクラブ活動・委員会活動に誘ってみたり、家庭や学校でその子どもに何かしらの役割を持たせたりすることで学校へ行くモチベーションの回復につながることがあります。四日市市教育委員会‐不登校の子どもへの指導の手引き‐01不登校とは(不登校の定義とタイプわけ)親子のヒント‐幼稚園・保育園‐「登園を嫌がって泣く」まとめ出典 : 新学期は学校行事やイベント、またその準備のため生活に変更点が増えたり、同級生や先生と久しぶりに再会し、再び集団生活を送るなど、子どものストレスや心身の不安定につながりやすい時期です。新学期突入をきっかけに心身のバランスが崩れてしまわないよう、子どもの特性に合わせ、夏休み中から新学期を見据えた準備をすることが大切です。また新学期前後は、子どもが学校や幼稚園で過ごすうえで困りごとが起きていないか、特に注意して見守ることを心がけましょう。夏休み中からの準備と新学期前後の目配りを通して、子どもが新学期も元気に学校や幼稚園に行けるよう、サポートしていきたいですね。
2017年08月21日子どものことを理解していても、きつく当たってしまう自分に気づいた。出典 : 夏休み、家族や親戚、お友だちと一緒にお出かけする機会も多いと思います。わが家も先日、身内10名ほどでお出かけと食事をしてきました。といっても、慣れない場所へ行くのは子どもたちが不安になるので、馴染みのあるショッピングモールでおもちゃ屋さんをのぞいたり、本屋さんでゆっくり本を選んだり。そうして、空いているお店で食事をとることにしたのです。その時点で、息子はかなり興奮していました。騒ぎ立てたりするということではなく、日常とは違う刺激的な出来事の連続で、感覚がとても過敏になっていたのです。注文した料理が一つひとつ運ばれるたびに、「僕のが来た!」と椅子から腰を浮かして喜んだかと思うと、「僕のじゃなかった」と机に突っ伏してがっくりし、「おじいちゃんのもまだだから大丈夫だよね?」と私に確認します。お腹が空いて早く食べたい気持ちと、「いつ自分の食事が運ばれてくるか分からない」という見通しの立たなさに対する不安、初めて注文したメニューへ不安、いろいろな気持ちが次から次へとあふれかえってきて、処理が追いつかない状態になっていたのだと思います。ようやく運んでもらった自分のご飯を一口食べるごとに、息子は椅子の上でぴょんぴょん跳びはねていました。「美味しい」「みんなと食べられて嬉しい」「たくさん食べて褒めてもらえた」息子の心の中にはそんな喜びがあふれたのでしょう。しかし、次の瞬間には「とんかつが苦手なソースに触れてしまった」ということに絶望し、目に涙を浮かべています。とにかく息子の心の中は上がったり下がったりの大騒動。その興奮を逃すために、ぴょんぴょん跳ねるという行動が息子には必要だったのです。一緒に出かけた身内は息子のことをよく知ってくれているので、、息子の行動を批判したり、顔をしかめられるようなことはありません。でも、もし「これを通りすがりの人が見たら、どう思うんだろう?」と、ふと考えてしまったのです。落ち着いて座って食べられないわが子は、おかしいと思われるんだろうか?それとも、親のしつけがなっていないと非難の目を向けられるんだろうか?やっぱり、私が責められるんだろうか・・・。そんなことを考えているうちに、具体的に誰に責められたわけでもないのに「世間の目」というプレッシャーに負け、「ちゃんとしなさい!」必要以上に息子にきつく当たってしまう私がいました。世間から冷やかな目を向けられている気がして…。出典 : 後になってみると、「どうしてあんな風に感じてしまったんだろう。息子の不安をゆっくりとを取り除いてあげれば良かった」と、反省しきりでした。とはいえ、子どもが幼い頃は「まだ小さいからね」と許してもらえていたことでも、子どもが成長するにつれ厳しいまなざしを向けられるようになることは、この先ますます増えていくような気がします。子どもに強く当たりたくない。しかし、世間から責められている気がしているのも事実。そこで、まず「世間から責められている気がしてつらい」という自分の気持ちを分解して、掘り下げてみることにしたのです。「私は、世間から『きちんと子どもをしつけることのできない母親だ』と思われたくないんだな」と頭の中で唱え、自分自身に問いかけてみます。そして、その裏にどんな気持ちが隠されているのかを考えてみました。「おそらく通常の子育て以上に身も心もすり減らして育てているのに」「ここまで連れてくるだけでも大変だったのに」そんな気持ちが、私史の中に隠れているような気がします。そしてそのさらに奥にある気持ちを考えます。「疲れきった私にまだ努力を強いるの?」「こんなにがんばっているのに認めてもらうどころか責められなきゃいけないの?」そんな気持ちも見えてきました。そこまで自分の気持ちを突き詰めたとき、はたと気づいたことがありました。これは発達障害のある子どもたちの気持ちを似ているんじゃないかなと思ったのです。子どもたちも、日々、自身と社会の接点について、同じように悩んでいます。「感覚刺激を持たない人よりも何倍も身も心もすり減っているのに」「慣れないお店に入るだけでも不安で胸がいっぱいなのに」「がんばっているのに認めてもらえない」「いつまでがんばればいいの?」なんだ、ママと一緒じゃない。すごくがんばってるじゃない。その頑張りを知っている、私だからこそ、必要以上に自分や子どもを追い詰めずにいたい。たとえ、「しつけができていない」と言われたとしても、謝るべきところは謝るけども、同時に精一杯生きている自分たちもきちんと認めて行こう。そんな風に思えたのです。大切なのは、子どもと自分の頑張りを認めてあげること。出典 : 世間では「普通」という枠組みの中にいることをよしとする風潮が強く、発達障害のある子どもたちにとって生きやすい世界とは言えません。だからこそ、親は子どもがいつか自立できるように、なんとかこの世界で生きて行けるように育てていかなければと、プレッシャーを感じながら過ごしています。でも、そのプレッシャーを子どもにきつく当たるという形で解消してはいけないな、と今回のことで強く感じました。いくら子どもにきつく当たって世間体を取り繕っても、一つも前に進んでいないからです。その場しのぎで無理矢理子どもの行動をコントロールしたとしても、それは子どもが親の不機嫌から逃れたいという一心で親の意に沿っているに過ぎません。本質的に行動を改善したいなら、その子にわかりやすい伝え方で、丁寧に何度も繰り返しインプットを続ける必要があるのです。たとえば、不安が高まってパニックを起こしてしまったのであれば、出掛ける前に「この安心グッズを持って行くから、必要になったら使おうね」とあらかじめ話をしておくことで、次はパニックを回避できるかもしれません。また、椅子の上でぴょんぴょん跳びはねていた息子のように、衝動を抑えられなくなったときは、いったんその場を離れて迷惑にならない場所で抱きしめ、乱高下の激しい心を落ち着かせるなどの手立てが取れるかもしれません。そして、落ち着いた日常の中で「ご飯を食べる時には座席にしっかりと腰をおろします」「食事を楽しむための場所でバタバタすると迷惑だと思う人がいます」など、どうすれば良いのか、なにが問題になるのかをゆっくりと伝えていきましょう。自分もがんばっている、子どももがんばっている。そう認めることで、子どもにきつく当たる回数を減らして、少しずつ前に進んでいけるといいですね。
2017年08月20日初めてのことに恐怖を感じる発達障害の息子。出典 : 発達障害のある子どもは、自分が予測できない「初めてのこと」に強い恐怖を覚える傾向があります。初めての場所、初めての人、初めての食べ物、初めてのイベント…発達障害のある小学校1年生の息子に対しても、パニックを防ぐための「事前予告」は欠かせません。なにをするにも徹底的に事前予告をすることが必要なので、どんなことも先回りしてリサーチする必要があります。そして息子に視覚化して分かりやすく伝える事前予告をこれまで続けてきました。しかし、そこまでやっても息子はパニックを起こしてしまうことがあるのです。そんなときは私も、心身ともに立ち直れないぐらい疲れてしまいます。「何も考えずにどこかへ連れていけたらどんなにいいだろう…」と思ったことも、一度や二度ではありません。でもなぜ息子は「初めてのこと」に対してそこまで恐怖感を覚えるのでしょうか。このことについて一般的に「予測できないから」と言われることが多いように思いますが、そもそもなぜ「予測できないこと」がそんなに怖いのでしょうか。私は息子が恐怖感に苦しめられているときの言動から、息子の思考パターンに気付いたのです。それは、息子が「予測できないこと」に対して、「最悪のパターンを予測してしまう」ということ。発達障害のある子どもによく起こりがちと言われる、“0―100思考”のためでしょうか。とにかくありえないような最悪のパターンを予測して、自分で苦しんでいることに気付いたのです。恐怖に埋もれる息子の耳は、いつも「ちくわ状態」出典 : 息子は、まだ見ぬ未来のことを心配し始めると、私のどのような励ましも耳がちくわ状態で全部抜けていきます。例えば、一時期歯医者さんに行くのが怖かった息子。「歯のお掃除に行くだけだからね。お口をあーんして、歯を磨いてもらって、フッ素を塗っておしまいね。」と私が事前予告をしても、「もしも大きな虫歯があったら??そしてそれをひっこぬくんだ。どうしよう。歯を抜かれたらどうしよう。虫歯が何十本もあったら全部抜くんだ。どうしよう。」とありえないような最悪のケースを想像して、部屋の中をぐるぐると回っています。こんな想像をしていて、歯医者さんにまともに受診できるはずがありません。いつも椅子に座る前からパニックでした。こんなとき、私は絵を描いたり、説明をしたりして、必死に息子の過剰な想像をおさめようとしていました。「大丈夫、絶対そんなことにはならないよ」「もう1回状況を復習しよう」ところが、私が息子を落ち着かせようとすればするほど、息子はパニックになっていくのです。息子は最悪のパターンを想像しているときは、私の励ましなんて「雑音」にしか聞こえない様子。もう私にできることは何もない、どう声をかけていいかもう分からない…と、私はほとんど諦めていました。息子の表情を劇的に変えた、一本の電話。出典 : 息子の「初めてのことに最悪のパターンを想像する」という厄介な思考パターンは、小学校に入学しても炸裂していました。そうです。小学校でのどんな勉強もテストも、「初めて」なのです。特に「テストを受ける」ということ自体が息子にとっては経験のないこと。そのテストにどんな問題が書いてあって、どういう形で受けるかも分からないのです。初めてのことが怖い息子が、怖がらないわけがありません。息子は起きている間中、「テストが0点だったらどうしよう。」「みんなにバカにされて、廊下に立たされるかもしれない」と言いながら、思い悩むようになりました。そのうちに、登校中に毎日のように腹痛を訴えるようにまでなってしまったのです。私は、「0点は絶対ないよ」「ドラえもんの見過ぎ。あれは漫画だよ。」「一緒に勉強すれば大丈夫」などといつものように励ましの言葉をかけ続けました。けれども、いつもどおり息子の耳はちくわ状態。息子は0点を恐れ、机にかじりつき必死に勉強しますが、恐怖心を払しょくできません。もはや、どうすればいいのか分からなくなったとき、偶然一本の電話がかかってきたのです。それは息子と同じADHDのある、私の父でした。テストのことが頭から離れない息子は、「おじいちゃん、テストで0点取ったらどうしよう」と電話で必死に訴えていました。しかしここから、驚くべきことが起こります。受話器から私の父の返答を聞いた息子は、それまでのひどく追い詰められた表情が打って変わり、憑き物が取れたかのように明るい表情になったのです。電話を切った息子は、とても穏やかな顔をしていました。テストのことはまだ心配そうではありましたが、それまでとは比較にならないほど落ち着いていたのです。父から学んだ「逆転の発想」出典 : 父は息子になんと声をかけたのでしょうか。息子の不安とパニックを一瞬でおさめた言葉とは、なんだったのでしょうか。息子に聞いてみたところ、こんな言葉をかけられたのだそうです。「いいじゃないか、0点、ぜひ取っておいで!取ったとしても息子くんが怖がるようなことは何も起こらないから!!」聞けば、父も勝ち負けにこだわり過ぎて辛かったときに、自分の母親が「いってらっしゃい。しっかり負けてらっしゃい!」と送り出してくれた途端に、気持ちが楽になったのだそうです。最悪のパターンを想定してパニックになる息子に、「そんなことはない」「大丈夫」と言っても火に油を注ぐだけ。であれば、「そうなってごらん」「そうなったとしても、そんなに怖いことは起こらないから、体験してみてごらん」と声をかけるほうが、息子は不安から解放されたようでした。初めて取り組むことは、思うような結果にならないこともたくさんあります。発達障害のある子どもを育てていると、どうしても先回りして「失敗すること」を減らそうとすることに全力を尽くしがちです。環境調整で失敗を減らして、成功体験を積ませるというのは、発達障害のある子どもの育児においてとても大切なことです。ですが、失敗を恐れて心配する子どもに対して、「失敗しないようにお母さんがなんとかしてあげるから」と言い続けるわけにもいかないのです。そうであれば、「失敗してらっしゃい。きっと何も怖いことは起こらない。」と大きな気持ちで子どもに接していくこともきっと大切なのではないでしょうか。発達障害のある子どもの場合、初めてのことが怖いという特性はなかなか克服できません。であれば、まずは予告、次に環境調整、それでもダメなら「それも経験」と親も腹をくくることが大切なのかもしれません。父と息子のやり取りを見て、私自身も少し気持ちが楽になったのでした。
2017年08月17日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。ネットを使う子どもが多いため、親にとって「依存」や「ネットいじめ」がないかと不安になってしまうことがあるでしょう。今回は、“ネットいじめ”にスポットを当てて、 現状や予防対策、いじめ発覚後に子どもをどのようにして守るかなど、さまざまな角度から見ていきたいと思います。●ネットいじめがないか、こまめなチェックが予防策インターネットに接続できるような機器(スマホやタブレット、ゲーム機器など)を使わせる時点で、親は定期的なチェックが必要です。どんなアプリを使っているのか、どんなサイトを閲覧しているのかなどを定期的にチェックすることが、“ネットいじめ”などの危険物に対する早期発見につながります。文部科学省や自治体にある“いじめ問題対策協議会”やNTTなどの企業が冊子を作っていて、学校で定期的に配布を行い、ネットの使い方のルールやいじめなどに関する学習会も頻繁に行っています。それでも、言葉・画像などを使っての“ネットいじめ”は起こっています。中には、匿名という“隠れみの”を着て、凶器となる言葉を放っている場合がかなりあります。また、ふざけ半分、遊びのつもりという気持ちで、人を傷つけてしまっていることがあることに気がついていないことも往々にしてあります。このようにわが子が加害者となっている場合もある のです。そのための家族ルールの設定、チェックなのです。これらは、子どもを被害者にも加害者にもさせない予防策として、ルール決めのときに子どもに話すことをおすすめします。●ネットいじめの被害者となっていたらネットいじめを発見したり、お子さんから訴えがあったりしたら、親はすぐに現状を確認します。親も子もすぐに消したい気持ちになるでしょう。しかし、消してしまう前に証拠を確保します。投稿やメールなどを印刷したり、写真を撮ったりしておきましょう。「いつ」「どこのサイトに」「どのように」がわかるようにしておくことで証拠となります。学校へ相談する場合も証拠があった方が有利 です。ネットいじめのことは、できるだけ早い段階で下記の相談窓口を利用することをおすすめします。【相談窓口】・いじめ問題などの相談窓口(文部科学省/24時間子供SOSダイヤル/子ども・親対象)0120-0-78310・インターネット上の悪口、無断掲載などの相談窓口(法務局・地方法務局)0120-007-110(平日8時30分~17時15分)※法務局では投稿の削除などに力を貸してくれます。・生活の安全や不安に関する相談窓口(最寄りの警察署・警察相談専用電話/子ども・親対象)#9110学校へ相談するという選択肢もありますが、投稿の削除などを求めることや、犯罪に関わることになるかなどを相談するという選択肢もあることを知っておくのは、親として必須です。●傷ついている子どもにできることネットの投稿を見た日から、子どもは傷つき、クラスメイトや友達を信用できなくなってしまうでしょう。恐怖さえ感じている状態かもしれません。そんなときに、親が励まし過ぎると、親自身が冷静さを失っていることを悟られ、思春期の心も相まって反抗したり、部屋にこもって親の言うことに耳を傾けなくなったりすることも考えられます。まず、親が冷静になること が最初です。子どもが傷つけられたら黙っていられないのはわかります。でも、子どもに接するときは、親が冷静さを持っていないと子どもは安心することができなくなってしまいます(子どもも冷静ではないので)。子どもに伝えることはたくさんありますが、大切なのは次の通りです。・親は子どもの味方であること・子どもの人格や個性を認めてあげること・「気持ちが落ち着くまで家でゆっくりしてもいい」など居場所を確保してあげること・愛情を持って接すること(甘やかすのとは違います)子どもが深く傷ついていると、学校へ行けない状況になることも多々あります。そのようなときは、自宅での学習など家でできることを明確にして、自宅でゆっくり心を休めるようにしてあげましょう。●おわりにネットいじめは、言葉や画像を直接目にしますし、拡散して多くの人の目に入るものですから、精神的にまいってしまいます。そこから救ってあげられるのは、親であり情報を持っている大人です。子どもを加害者にも被害者にもしないように、悪いことはしっかりと教え、守ってあげてほしいと思います。【参考リンク】・スマホ時代のキミたちへ(2017年版) | 文部科学省()●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年08月16日育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん
ドイツDE親バカ絵日記