9歳で「子どもの環境団体」に興味を持ち、12歳でリオデジャネイロの環境サミットに団体の代表として参加し、子どもの視点から環境問題についてスピーチをした少女、セヴァン・カリス=スズキを知っていますか?1992年、「世界を5分間沈黙させた少女」として世界中で有名になり、その翌年にはUNEP(国際連合環境計画)の「世界の尊敬すべき500人」の勲章を受けました。物怖じせず、自分の考えを強く、はっきりと話す姿は、とても印象的でしたね。彼女ほどでなくても、海外では、自分の意見を持ち、それを的確に周囲に伝える力が非常に重視されます。欧米の小学校では、生徒一人一人が特定のトピックについてスピーチをしたり、調べ学習をした上でプレゼンテーションをしたりする機会もたくさんあります。そこで求められるのは、論の展開です。論理展開には、問題発見、現状分析、物語展開、問題解決など、その目的によって、いくつもの展開方法があります。幼少期から、効果的な論理展開ができるように練習しておくと、記述式の試験や、入試の面接、英語4技能試験のスピーキングテストなどでも有利になるでしょう。ここでは、英語のプレゼンテーションを例にして、論の展開の仕方をご紹介します。今回注目するのは、冒頭部分。慣用表現を使って、プレゼンテーションにおける思考の流れをナビゲートするのがポイントです。1. 開始のシグナル「はじめます」日常会話では、「あのさあ」「ねえ、聞いて」「ほら」のような言葉を使って、話し出す前に相手の注意をひきますね。英語では “Hey” “Listen” “Now” “Look” “Well” などにあたります。しかし、プレゼンテーションのような改まった状況では、これらは礼を失した表現と受け取られてしまいかねません。そこで、次のような表現で口火を切るのが普通です。・では、そろそろはじめましょうか。OK, now, shall we begin?・そろそろはじめさせていただきます。OK, I’d like to start now.司会者がいる場では、司会者が使う言葉でもあります。2. 謝辞「話をする機会をいただき、光栄です」開始のシグナルの次に、感謝の意を表すことがあります。・この会議にお招きいただき、感謝しています。Thank you so much for inviting me to this conference.・ここでお話しする機会をいただき、光栄です。I’m honored to have an opportunity to talk here.政治家の演説などでは、冒頭で謝辞を述べる場面がよく見られますね。3. エピソードや有名な言葉の引用「……によると」何かを発表する際に肝心なのは、プレゼンテーションの狙いを述べること。時にはいきなり目的が何なのかを明らかにすることもありますが、多くの場合、その背景について述べてから目的に入るでしょう。そんな時は特に、聞き手を意識した語りをする必要があります。そのためには、聴者を巻き込むために、次のような表現を使います。・(皆さん)ご存じのように。as you (all) know・もちろん、皆さんお気づきのことですが……。I’m sure you are all aware of …あるいは、エピソードから始めることもあります。第7代国際連合事務総長コフィー・アナンがノーベル平和賞受賞の際に行った有名な演説は、あるエピソードで始まりました。今日、アフガニスタンで女の子が生まれるでしょう。彼女の母親は彼女を抱き、授乳し、彼女をあやし、彼女の世話をするでしょう。それは、ちょうど、世界中のどこにあっても母親がやっているように。こうした人間の本性ともいえる最も基本的な行為において人間に区分はありません。その後に、貧困をはじめとする、アフガニスタンが直面する状況の厳しさについて語ったのです。また、これから話したい話題の背景を述べる時に、有名な人物の言葉を引用する方法も、よく用いられます。・ジョン・デューイによると、教育は人生のための準備ではなく、それは人生そのものである。According to John Dewey, “education is not a preparation for life; it is life itself.”・ネルソン・マンデラは「教育は世の中を変える最も強力な武器である」と述べたことがある。Nelson Mandela once said, “Education is the most powerful weapon one can use to change the world.”権威ある知識人や著名人の言葉を引用することで、説得力が増しますね。4. 話の目的を述べる「今日の狙いは……」ここで本題に入るわけですが、まずは話の目的を明らかにすることが大切です。聴衆は、最初に告げられた話の目的が、今後どう展開していくかに期待を寄せるのです。・今日私がここにいるのは、……について話すためです。I’m here today to talk about ….・私のプレゼンテーションの目的は……です。The purpose of my presentation is to ….まずおおまかに、その後に細かく、目的を伝えることもできます。・大きなテーマとしては……についてお話ししたい。Generally, I’d like to discuss….・もっと具体的に言うと……に焦点を当てたい。More specifically, I’d like to focus on….どこに着目するつもりかをあらかじめ伝えることで、聞き手も重要なことを聞き逃さずに、話に集中できるようになりますね。5. 話の順序を伝える「3つの話をします」トピックの数や話の順番を事前にはっきり伝えることは、とても大切です。なぜなら、聞く側が話の道筋を予想でき、プレゼンテーション全体の内容を理解しやすくなるからです。スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行った有名なスピーチにも、この手法が用いられています。世界最高の大学の1つの卒業式にこうしてみなさんとご一緒できることを光栄に思います。正直に言いますと、私は大学を卒業していません。これが、大学の卒業式というものに私が一番近づいた瞬間です。今日、私の人生経験から3つのお話をしたいと思います。私がお話するのはまさにそれです。大げさな内容ではありません。たった3つの話です。感謝の意を示し、簡単なエピソードを入れて、話の目的を述べた後、3つの話をすることを伝えています。さて、このように「3つ」と述べたら、それが何であるかを明らかにしなければいけません。順序立てて話をするためにジョブズは、それぞれの内容をこのように一言で説明しています。・1つ目の話は、点と点をつなぐことです。The first story is about connecting dots.・2つ目の話は、愛と喪失についてです。My second story is about love and loss.・3つ目の話は、死についてです。My third story is about death.話のポイントと話す順序を明確に示すことで、話全体の「構造」が明らかになるのです。トピックが2つであれば、“One is”(1つは) “The other is”(もう1つは)と、列挙するまでもありません。しかし3つになると、スティーブ・ジョブズのように、助数詞などを使って列挙する方法が有効です。・まずはじめにTo begin(start)with・第1に・First / Firstly / First of all・第2にSecond / Secondly・第3にAnd third / Thirdlyトピックが4つ以上ある時は、上記の表現に加え、「最後に」 “Finally” で締めくくるといいでしょう。これらの5つの点を押さえれば、英語でのプレゼンテーションはぐっとわかりやすいものになるはずです。それだけでなく、様々な分野で活用できるポイントがたくさんあります。特に、常に目的を意識することは、試験や学校の授業において、とても重要です。さらに、これからどんな話をするのかを事前にまとめて伝える力は、英語4技能テストや入試の面接でも、効果を発揮するでしょう。
2019年01月11日『男の子も、女の子も、ステレオタイプにはまらない生き方を。子どもの本棚のバランスを考える』という記事で以前、男の子が主人公の物語は、女の子が主人公の物語よりも多く出版されていることをお話ししました。ジェンダーバランスと同様、物語におけるバランスの悪さが指摘されている分野がもう一つあります。それは、家族のあり方や性自認、人種や障がいのあるなしなどの様々な「多様性」です。多様性を子供の本棚に子供達は本を読む時、単純に字を読むことを覚えるだけでなく、社会規範も学んでいきます。「これがふつう」「これはめずらしいこと」「それはいいこと」「あれはわるいこと」といった規範は、必ずしも本の中に直接的に現れるとは限りません。本の中心となるテーマが友情や勇気だったとしても、出てくる主人公たちが全員お父さんとお母さんと一緒に暮らしている白人の男の子ばかりだったら、子供達はそういった「背景」までひっくるめて、メッセージを受け取ってしまいます。現実の世界には、片親の家庭もあれば、障害を持つ子供や大人もたくさんいます。子供たちはきっといつか、様々な背景や事情を持つ人々に出会うでしょう。今後、今よりもっと多様性が重要視されるようになると思います。そんな社会を生きる子供たちにとって、「様々な人々のあり方」をあらかじめ知っておくことは、とても大切です。幼少期から楽しめる絵本を通して、親子で考えてみませんか。多様な家族のあり方を描く絵本小さな子供にとっては、自分の家族だけが「ふつうの家族」です。お父さんがお仕事をしていて、お母さんが専業主婦の家庭の子供にとっては、それが「ふつう」。お母さんが会社で働いていて、お父さんがフリーランスで一人っ子の子にとっては、それが「ふつう」。昔だったら、絵本に出てくるのは、お父さんとお母さん、そして子供が2人ぐらいまでがスタンダードだった、と言っても良いでしょうか。けれど、今の社会において、現実の家族はもっともっと多様なものです。ここでは、多様な家族についての絵本をご紹介しましょう。■『タンタンタンゴはパパふたり』パパが2人のペンギンの家庭の子供、タンゴの物語。ニューヨークのセントラル・パーク動物園での実話が絵本になりました。米国図書館協会の Notable Children’s Book(注目すべき子供のための本)に選定され、数々の賞を受賞した話題作 And Tango Makes Three の邦訳版です。■『いろいろいろんなかぞくのほん』まさに家族の多様性をテーマにした本。大家族もいれば片親家庭もあり、離婚の結果、兄弟が違うお父さんやお母さんを持っていて、それでも一緒に暮らしているケースもある。お父さんとお母さんの肌の色が違う家庭もあるし、養子として受け入れられた子供達のいる家族もある。こうした多様な家族のあり方を明るく描いているのが特徴的な一冊です。人と違って大丈夫——様々な個性が許される社会を描く英語絵本■Here Comes Frankieフランキーは、とても静かな家に暮らしています。お父さんもお母さんも、音がないほうがいいと言います。そんな家で育ったフランキーが初めてトランペットを吹くと「汚れた皿洗いの水の色と、玉ねぎの漬物の匂い」の音が飛び出してしまうのです。フランキーのトランペットから出てくる音は、どんどん綺麗なものや大胆な柄に変わっていって……。まるで空想の世界の物語のように感じられますが、実はこれは「共感覚」というコンディションを持っている子供達の世界を描いた絵本です。共感覚とは、色が「聞こえて」しまう、音の「味がして」しまう、というように、複数の感覚が一つの刺激に反応してしまうコンディションのこと。「モダン・ジャズの帝王」と呼ばれる、アメリカのジャズトランペット奏者のマイルス・デイヴィスや、フィンランドの作曲家シベリウス、そして抽象絵画の創始者とされるロシア出身の画家、カンディンスキーも共感覚者でした。本書の最後のページには共感覚の説明があり、このような共感覚者の有名人が挙げられています。■Mixed中国系アメリカ人作家のアリー・チャンによる Mixed(まざっちゃった)。三原色の青・赤・黄色たちは、お互いにどの色が一番優れているのかで対立します。でも最後には、お互いを認め合うことに。混ざった時に生まれてくる色の華やかで美しいこと!人種のメタファーとして読むこともできますが、母親でも父親でもない、独特の個性を持って生まれてくる「子供」の独自性を、とても強く肯定する物語にもなっています。■Freddie and the Fairy「もはやイギリスの子供で聞いたことがない子供はいない!」というほどの知名度を誇る絵本、『グラッファロー』については、前にもご紹介しました。その『グラッファロー』の作者、ジュリア・ドナルドソンによる可愛らしい絵本です。ある日、妖精を助けたフレディはお礼に願いを叶えてあげると言われるのですが、妖精は実はあまり耳がよくなくて……。フレディのお願いは変な形で叶えられてしまいます。さあ大変!ジュリア・ドナルドソンのトレードマークとも言えるリズムの良さと、ユーモラスなストーリーラインが印象的。さらに、耳がよく聞こえない人たちと話すときに気をつけなくてはならないことが自然とわかる内容になっています。どれも日本語訳はまだないのですが、英語でのよみきかせの際に、ぜひ手に取っていただきたい絵本です。ジェンダーの問題と同様、多様性についても、様々な取り組みが進められていますから、書籍そのものはそれなりに出ています。今必要とされているのは、読み手がそういった本を、積極的に手に取ることなのです。(参考)ジャスティン リチャードソン, ピーター パーネル 著, 尾辻 かな子, 前田 和男 訳(2008),『タンタンタンゴはパパふたり』, ポット出版.メアリ ホフマン 著, 杉本 詠美 訳(2018),『いろいろいろんなかぞくのほん』,少年写真新聞社.Tim Hopgood, Here Comes Frankie, (Macmillan Children’s Books, 2015)Arree Chung, Mixed, (Macmillan Children’s Book, 2018)Julia Donaldson, Freddie and the Fairy, (Pan Macmillan, 2012)
2019年01月10日「もしも」を使うと作文が書きやすくなる!?途中で書くことに詰まってしまう。子どもにはよくあることです。そんなときは、子どもに魔法の言葉「もしも」をふりかけてあげてください。「もしも」をきっかけに想像の世界へ飛び立つことで、意識下にある、その子の考えや気持ちが表に出てくることも少なくありません。そうして表に出てきたものが、作文を魅力的なものにしていきます。魔法の言葉「もしも」には、大きく“変身する役割”と“願望達成の役割”のふたつがあります。どちらも、作文を書くうえで有効です。作文を書く子どもの手が止まったら「もしも」を使って、親がさり気なく誘導してあげてください。「もしも」で他の誰かに大変身!?ひとつ目の「もしも」は“変身するためのもの”です。あたり前のことですが、子どもは、子ども自身の視点で物事を考えようとします。そうすると、自分の意見や考えを書いた段階で「もう十分に書いた」「もうこれ以上は書けない」とブレーキをかけ始めます。そんなときに、変身の「もしも」を使えば、子どもは迷い込んだ袋小路から抜け出して、新たな世界へと旅立つことができます。◆「もしも」を使った変身例・もしも、わたしがママだったら〜・もしも、わたしがこの本の作者だったら〜・もしも、わたしが、ケーキ屋さんの店長だったら〜・もしも、ボクが日本でいちばんえらい人だったら〜・もしも、ボクが宇宙飛行士だったら〜・もしも、わたしが校長先生だったら〜・もしも、わたしが動物園の飼育員さんだったら〜・もしも、わたしがディズニーランドのスタッフだったら〜・もしも、ボクがユーチューバーだったら〜・もしも、わたしがAKB48のメンバーだったら〜「もしも」を使って、自分以外の何者かに変身することで、子どもの想像力が一気に活性化します。変身した立場から、それぞれ個性的な考えや提案を書き始めることでしょう。もしもボクが、日本でいちばんえらい人だったら、おじいちゃんとおばあちゃんに、広くて安全なおうちをプレゼントします。おじいちゃんやおばあちゃんが転ばないようにせっけいした家で、ボクやお父さん、お母さんともいっしょにくらせる大きなおうちです。それから、まちにゴミをすてる人からは「ばっ金」をとります。ふけつな町になると、みんなが気もちよくないからです。あと、歩きながらスマートフォンをいじっている人からはスマートフォンをとりあげます。じこがおきるとあぶないからです。もしも、ボクがユーチューバーだったら、まい日、コンビニやスーパーでうっているおかしを食べて、しょうかいしたいと思います。日本のおかしを食べつくしたら世界のおかしもしょうかいしたいです。今までに見たこともないおかしをしょうかいできたら、見てくれる人たちも楽しいと思います。味だけではなく、おかしの形や、おかしの入ったふくろや箱、おかしの名前なども、しょうかいしたいです。どちらの作文も、変身先の世界で、自由に想像力を発揮しています。作文を読んだ親は、作文の内容がどうであれ、ホメてあげてください。「スマートフォンを取り上げるのは、ちょっと厳しいんじゃない?」「毎日、お菓子を食べたらお金がかかるよ」などという正論やジャッジは無粋です。子どもの想像力を讃えて共感してあげることが大切です。「もしも」で願望が達成する!?もうひとつの「もしも」は“願望を叶えるためのもの”です。どんな子どもにも「こうなったらいいなあ」と思っている願望があるはずです。「もしも」を使って、その願望が満たされた状態を作り出します。すると、子どもの感情が動き、新たな発想が生まれやすくなります。◆「もしも」を使った願望達成例・もしも、ママがボクにガミガミおこらなくなったら〜・もしも、九九がすらすらと言えるようになったら〜・もしも、かん字テストで100点とれるようになったら〜・もしも、クラスでいちばん背が大きくなったら〜・もしも、かけっこがはやくなったら〜・もしも、夏休みのしゅくだいがひとつもなかったら〜・もしも、学校に行かず、一日中、好きなだけゲームをしてもいいなら〜・もしも、わたしがお姫さまだったら〜・もしも、お兄ちゃんと別々の、自分だけの部屋があったら〜・もしも、この世からびょうきがなくなったら〜願望の裏側にあるのは、その子の思想・価値観のようなものです。「もしも」で願望を叶えることによって、その子が大切にしている“宝物”が見えてきます。もちろん、願望が達成した状態ですので、子どもも活き活きと言葉を紡いでいくはずです。もしも、夏休みのしゅくだいがひとつもなかったら、ボクは朝から晩まで野山をかけまわりたいです。昆虫さいしゅうをするためです。まい日、山や林に行ってカブトムシやクワガタをつかまえます。お昼はおにぎりをたべます。川ではザリガニやカエルをつかまえます。海に行くことができたら、パパといっしょにつりをしたいです。海にもぐって貝をとるのも楽しそう。おおきな魚をつったら家にもちかえって、おさしみにしてみんなに食べてもらいます。もしも、お兄ちゃんと別々の、自分だけの部屋があったら、どんなにうれしいかわかりません。本だなには、大好きな「ワンピース」のマンガをならべます。いっしょうけんめいに作ったひこうきとクルマのプラモデルはつくえの上におきます。青色が好きなので、カーテンとまくらは青色にしたいです。ともだちがあそびにきたら、いっしょにマリオのゲームをします。お兄ちゃんに「うるさい!」「外であそんでこい!」といわれるしんぱいがありません。そうなったらうれしいです。いずれの作文も“その子らしい”言葉で書かれています。願望が達成した状態をイメージすることは、大人だけでなく、子どもにとってもワクワクすることなのです。それゆえ筆も進みやすくなります。「もしも」という乗り物で自由に旅させよう!もちろん、「もしも」は、ネガティブなアプローチで使うこともできます。たとえば、「もしも、大きなじしんがおきたら〜」「もしも、おさいふをおとしてしまったら〜」「もしも、たいようが消えてなくなってしまったら〜」「もしも、テストで0点をとってしまったら〜」という具合です。親としては少しドキっとするかもしれませんが、ネガティブなアプローチも“その子らしさ”であり、“個性の片鱗”に違いありません。したがって、ネガティブなアプローチで「もしも」を使ったとしても、とがめずに見守ってあげてください。くり返しになりますが、子どもが「もしも」という乗り物でどこへ行こうとも、大人がその事実を受け止めてあげることが肝心です。「もしも」には、子どもの想像力や発想力のスイッチを“オン”にするパワーがあります。ふだんから「もしも」で考えるクセをつけておくと、いざというきに(作文を書くときに)オリジナリティが生まれやすくなります。「もしも」という乗り物で旅することは、子ども自身にとっても、楽しく刺激的なはず。きっと今まで以上にワクワクしながら作文を書くようになるでしょう。
2019年01月09日「子どもにやらせたい習い事」として、しばしば挙げられるスイミング。かつて自分もやっていたという親御さんも多いのではないでしょうか。子どもは保育園・幼稚園でプール遊びを始め、小学校で泳ぎ方を習うことが多いと思いますが、習い事としては何歳から始めさせるのが効果的なのでしょう?今回は、子どもにスイミングを何歳から習わせるべきか、3つの観点から考察します。みんなは何歳からスイミングを習っているの?実際のところ、どれだけの子どもがスイミングを習っていて、何歳から始めているのでしょう?広告代理店の博報堂が2016年3月、「小学生の長子がいる母親」1,428名を対象にインターネット調査を実施したところ、小学生の81.0%が習い事をしていると判明しました。なかでも最多だったのが「水泳教室」(31.1%)。「低学年」では39.8%、「中学年」では35.6%と、3分の1を超える多さでした。一方、「高学年」では17.8%と、第5位にまで落ち込んでしまっています。代わりに第1位となったのが「通信教育、宅配教材」でした。また、「習い事を始めた年齢」の平均について、「水泳教室」は5.6歳。これは「ピアノ、音楽教室」「野球やサッカー等の運動クラブ」など19個の項目のうち、「ダンスなどのパフォーマンス教室(バレエ含む)」と並んで第4番目の早さです。一方、「続けさせたい年齢」の平均は「水泳教室」だと11.3歳で、同じく第4番目でした。「体力作りのために小さい頃から水泳をやらせていたけれど、高学年になったらやめさせて勉強に注力させる」という図がイメージできますね。別の調査結果も参照してみましょう。ベネッセ教育総合研究所が2017年3月、「3~18歳(高校3年生)の子どもを持つ母親」16,170名を対象に行ったアンケートによると、最も人気の習い事はやはり「スイミング」。幼児の23.0%、小学生の33.6%が習っていました。両方のアンケート結果を見ると、およそ3割の子がスイミングを習っていて、就学前から始める子も小学生から始める子も多い、ということですね。スイミングを習うメリットどうしてこんなにも多くの親が、子どもにスイミングを習わせているのでしょう?それは、スイミングを習うことには「泳ぎが得意になる」という以上のメリットが数多くあるからです。体力をつけられる「元・水泳日本代表選手、萩原智子さんに聞いた『習い事としての水泳をオススメしたい5つの理由』」でもご紹介したように、スイミングは健康な体づくりに最適です。健康のためというなら、ほかのスポーツでもよさそうですが、スイミングならではの大きなメリットがいくつもあります。温水プールの水温はおよそ28~30℃ですが、体温より低い水中で運動を繰り返すことで、体温調節機能が強化され、カゼを引きにくくなると言われています。水泳は最高スピードで泳いでも、最大筋力の1/3程度しか使わず、テンポが毎分60回程度であるため、筋の血流量が最大となり、筋の持久的能力の発達を促します。また、最大筋力を必要としないので、筋・腱や関節・骨への負担が小さく、成長期の児童・生徒も安全に運動することができます。水泳はテニスやバドミントン等とちがって、左右両側の筋を交互にバランスよく使用するので、均整のとれた身体の発達が期待できます。また、特定の腕や脚を集中的に使うことがないので、関節が未発達な、幼児や児童にも安心して泳がせることができます。様々なスポーツ傷害に関する報告書をみても、水泳はサッカー・テニス・野球のような、特有のスポーツ傷害が最も少ないスポーツの一つです。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」)自分もスイミングを習っていたという親御さんなら、うなずける点が多いのではないでしょうか。スイミングは全身を使ううえ、水の浮力のおかげで体に負担がかかりすぎず、腕や脚など特定の部位を傷めることが少ないのです。小さな子にも安心して運動させられますね。空間認識能力を鍛えられる「空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!」で詳しくお伝えしたように、「空間認識能力」は「人間が秘めた最大の潜在能力」かもしれないと考えられています。空間認識能力が高いと、各種のスポーツでパフォーマンスを発揮しやすくなったり、設計関係の職業に就きやすくなったりするだけでなく、空間認識能力は創造力・イノベーションと関連しているとまでいわれているのです。この空間認識能力を伸ばすにはいくつか方法がありますが、そのひとつがスイミング。人類学者のグウェン・デワー氏によると、子どもの空間認識能力を育てるには、子どもがものの大きさや方向を意識できるような声かけをするのが効果的だそう。そして、数学教育などを研究するロビン・ヨルゲンセン教授(キャンベラ大学)によれば、スイミング教室のコーチが指導で使う言葉には、家庭ではなかなか出会えない空間的な表現(「突き出しの角にある赤いリング」「背泳ぎできるように向きを変えて、目は上に」など)が多く含まれています。実際、ヨルゲンセン教授が、スイミングを習っている3~5歳の子ども177人に認知機能測定テストを受けさせたところ、「Understanding Directions(方向理解)」分野での得点平均が、一般の平均より約16点も高いという結果でした。集中力がつくスイミングスクール「ケーニーズ」によると、スイミングは「何もしなければ水中に沈んでしまう」ため、一生懸命に泳ぐことによって集中力がつくそう。たしかに、泳いでいるあいだは早くゴールに着こうと必死ですよね。それに、正しいフォームで泳がないと沈んでしまい、適切なタイミングで息継ぎをしないと水を飲んで苦しい思いをします。そのため、泳いでいるあいだは自分の体の動きに全神経を集めるので、集中力がつくのかもしれません。東京大学の学生にスイミング経験者が多いのは有名な話ですが、「スイミングのおかげで集中力がついた」と話す東大生もいるようです。スイミングは何歳から始められるのかさて、スイミングには多くのメリットがあることがわかりましたね。すぐにでも子どもにやらせたくなりそうですが、実際のところ、スイミング教室に通えるのは何歳からなのでしょうか?実は、0歳から通えるスイミングスクールは多いのです。2018年12月時点で29都道府県に展開している「コナミスポーツクラブ」は、4カ月~高校生まで年齢に応じた5種類の子ども向けスイミング教室を展開。4カ月~2歳の子どもが保護者といっしょに参加する「ベビースイミング」は、親子で水遊びをしたり子どもが水に浮かぶのに慣れるのを促したりするコース。泳ぐ練習はしませんが、親子のスキンシップには最適ですし、水への恐怖心を小さいうちに取り除くことには大きな意味があります。スイミングを何歳から始めるべきか1:運動神経を鍛える『栄養・生化学辞典』によると、運動神経とは「筋肉を支配し、身体の運動や姿勢を制御する神経」。運動が上手にできる人のことを、俗に「運動神経がよい」と言いますね。さて、この運動神経ですが、米国の高名な人類学者リチャード・スキャモン(1883~1952)によると、神経の発達は4歳頃に全体の約8割が、6歳でおよそ9割が完了するそう。そして12歳でほぼ10割です。つまり、神経の発達期間が終わってしまう前に、さまざまな経験を子どもにさせて神経に刺激を与えることにより、「運動神経を良くする」ことが重要だといえます。そのため、神経が急速に発達している4歳までにスイミングを習わせはじめるのが特に効果的だといえるでしょう。幸いなことに、スイミングスクールには0歳から通えるので、運動神経を刺激するのに最適だというわけです。スイミングを何歳から始めるべきか2:子どもに意欲はあるか?4歳までにスイミングを始めるのが効果的とはいえ、あくまで目安にすぎません。2016年に引退した水泳のマイケル・フェルプス選手は、五輪で計23個もの金メダルを獲得した伝説的人物ですが、水泳を始めたのは7歳だったそう。ADHD(注意欠陥・多動性障害)だと診断され、「エネルギーをコントロールするため」にスイミングを勧められたそうです。スイミングは神経の発達に効果があるとはいっても、小さい子どもが嫌がっているならば、無理に通わせるのは賢明ではないかもしれません。ベネッセ教育総合研究所が2009年3月、「3歳~17歳(高校2年生)の子どもを持つ母親」15,450名を対象に実施したアンケートによると、小学生の親が運動系の習い事を選ぶ際に最も重視している点は「子どもが楽しんでいる」(95.8%)かどうか。これに対して「成果が目に見える」はわずか18.8%でした。我が子にスイミングを習わせたいと思ったら、まずは子どもの意思を確認してみましょう。「ぜひやってみたい」と前向きならよいのですが、あまり乗り気ではなかったり、スイミングがどんなものかよく知らなかったりする場合、とりあえず体験教室に行かせてはどうでしょうか。そこで水遊びを楽しいと思えたら入会すればよいし、やはり嫌だと思ったらやめればよいのです。以前はスイミングを嫌がった子どもでも、成長とともに興味を持ち、やってみたくなるかもしれません。幼稚園や小学校のお友だちに触発されて「うまく泳げるようになりたい」と一念発起するかもしれませんよ。「運動神経をよくするために、すぐにでもやらせなきゃ!」と焦らずとも、子どもが意欲を持つまで待ってみてもよいのではないでしょうか。スイミングを何歳から始めるべきか3:水を怖がっているか?子どもにスイミングを習わせるメリットのひとつには、「子どもが水に慣れ、水を怖がらなくなる」ことがあります。皆さんのお子さんのなかにも、お風呂を嫌がったり、プールを怖がったりする子がいるのではないでしょうか。そうなると、子どもをお風呂に入れるのに苦労したり、小学校の水泳の授業が心配になったりしますよね。もし今、子どもが水を怖がっているのなら、小さいうちにスイミングに通わせることで水に慣れさせることができるかもしれません。浅いプールで水遊びをしたり、ほかの子どもたちが泳いでいるのに触発されたりして、だんだんと水への恐怖を克服できる可能性がありますよ。もっとも、「小さい頃に無理やりスイミングに行かされてトラウマになり、ずっとプールが苦手」という人もいますので、注意が必要です。スイミングを習うのに必要な費用スイミングが持つ数々のメリットと、習いはじめるのに適切な時期を確認しました。すぐにでも始めたくなったかもしれませんね。そこで気になるのは、お金の問題です。楽器などほかの習い事に比べれば安いイメージがありますが、実際、どれくらいの費用がかかるのでしょう?上述したベネッセによる2009年のアンケートでは、子どもにスイミングを習わせている親が払う関連費用は、平均で6,100円/月。運動系と芸術系を合わせた40種類の活動のうち、9番目の高さです。ほかの運動系の習い事は、野球・ソフトボールが3,900円、サッカー・フットサルが4,200円、空手が4,200円などでした。意外に費用が高めなのはどうしてでしょう?それは、スイミングを習っている子の多くは民間企業のスクールに通っている一方、野球やサッカーを習っている子は地域ボランティアや自治体が運営する団体に所属することが多いから。ベネッセの同調査によると、民間企業のスクールに通う場合の支出平均は、スイミングが6,900円。サッカーが6,400円、野球が6,000円。いずれも安くありません。ところが地域ボランティアが運営する団体だと、それぞれ2,600円、3,300円、3,000円にまで激減します。そして、民間スクールに通う子の割合は、スイミングで86%、サッカーで32%、野球で9%。この差が、習い事にかかる費用の相違に直結しているのです。スイミングにかかるお金を節約したいのなら、地元の自治体やボランティア団体が運営する教室を探すのがよいといえます。***あまりにもメリットの大きい習い事、スイミング。お財布と相談しつつ、ぜひ小さいうちから習わせてあげたいものですね。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|元・水泳日本代表選手、萩原智子さんに聞いた「習い事としての水泳をオススメしたい5つの理由」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|東大生の約6割が習っていた「スイミング」。いつから習いはじめるべき?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの「集中力」を養う方法。遊びや習い事を活用しよう!StudyHackerこどもまなび☆ラボ|東大生の幼少期の習い事の第1位は「スイミング」!そのメリットとは?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!ジュニア スイミング スクール ケーニーズ|水泳から得られる効果とはコナミスポーツクラブ|スイミングスクールプレジデントオンライン|水泳で頭が良くなる?東大生の6割が小学生時代にスイミング公立はこだて未来大学|身体的な発達心理学コトバンク|運動神経博報堂|【博報堂こそだて家族研究所】「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」レポートベネッセ教育総合研究所|第1回 学校外教育活動に関する調査 2009ベネッセ教育総合研究所|第3回 学校外教育活動に関する調査 2017(データブック)文部科学省|学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」Olympics|Michael PHELPSRobyn Jorgensen Consulting | Adding Capital to Young AustraliansEarly Childhood Australia| Australasian Journal of Early Childhood Vol. 37 No. 2 June 2012
2019年01月08日新年あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。新年一発目の記事は、「しつけ」についてです!約1年半前のことです。上の子イチコは3歳。0歳の子どもがいる友だち、1歳になりたての子どもがいる友だちと集まりました。そこであることを聞かれたのです。3歳のイチコに注意することが日常すぎて、いつから声かけをし始めたか、まったく覚えていませんでした!育児って目の前のことに必死すぎて、振り返ると本当いろんなこと忘れてる…。その後どうだったか記憶をたぐり…そしてふと思い出したんです!イチコが0歳のとき私も同じことで悩んで、近くの保育園の先生に聞いたことを…!先生のおっしゃるとおり、泣かずにおもちゃを貸せるようになるのは、3歳の終わり…いや、4歳になってからだったと思います(まさかのそこ曖昧)。でも先生の言う、「親が『まだわからんやろ』『できひんやろ』と決めつけて何も言わないより、子どもがわかってなさそうでも、できなくても伝え続ける」って大事な気がします。いつかわかってくれるときは来るし、それを行動に移してくれるときも来る。それを想像して…いまイヤイヤ期でおもちゃを貸せない二太郎に、「貸してあげようね」と言い聞かせる日々です。ふぅぅぅ…。(デカめのため息)
2019年01月07日小学生~大人を対象に行なった文部省の調査によれば、鉛筆を正しく持てている子どもの割合は、どの学年においても1割未満なのだそう。にもかかわらず、東大生の8割は鉛筆を正しく持てているという衝撃のデータがあるのです。鉛筆を正しく持てることと学力にはどんな関係があるのでしょう?■参照コラム記事はこちら↓東大生の8割は鉛筆を正しく持てる。「鉛筆の持ち方」と「学力」の深い関係
2019年01月06日世界中の子どもたちに愛されている絵本のひとつ、エリック・カールの『はらぺこあおむし』。この絵本が大好きな子どもたちはかなり多いのではないでしょうか?さて、この絵本に使われている技法をご存知ですか?「コラージュ」というのだそうですよ。今回は、子どもたちの発想力をぐんぐん伸ばす、親子でできるコラージュ作品の作り方をご紹介します。文・作品提供/芸術による教育の会講師後藤和人想像力を開放できる「コラージュ」の魅力「コラージュ」とは、貼り付けるという意味があり、日本では美術の技法のひとつとして広く認知されています。有名な『はらぺこあおむし』の絵本もコラージュです。絵具以外のあらゆる素材を組み合わせて画面に貼り付けることで、描写するだけでは表現できない「模様」や「素材感」を作品にほどこすことができるのです。たとえば、写真や模様がプリントされている包装紙などを作品に利用して、視覚的な表現に変化をつける。または、段ボールやクシャクシャにした紙を使い物理的な凹凸をつけて、触覚的な変化をつけることができます。このコラージュは、絵画作品に限らず立体作品にも応用できるので、子どもたちは想像力を思い切り開放することができるでしょう。今回は、幼いお子さんでも制作することができる2種類のコラージュをご紹介します。コラージュ<1>:雑誌やチラシの切り抜きを使おう!ファッション雑誌やスーパーのチラシなどに載っている商品写真、それから動物や車など、実際の物の形を利用したコラージュに挑戦してみましょう。切り抜きは大人が行い、貼り付けとお絵かきができるようにしてあげれば、幼いお子さんでも十分に楽しめますよ。このように実際の写真の切り抜きを使う事で、遊びながら考えるきっかけにつながります。例えば、まず犬の切り抜きを貼った場合、子どもは「その犬の周りには何があるだろう?」と考えるのです。エサが必要かな、犬小屋が必要かな、はたまた、ひとりだと寂しいから子犬が必要かな、などと想像力を働かせるでしょうね。お散歩に行きたいと思ったら、庭を描く事もあるかもしれませんし、狂暴な犬だとしたら檻を描く事もあるかもしれません。また、親子で一緒にコラージュをする際は、想像力をかきたてるコミュニケーションを取ってみてください。「この犬はどこにいるのかな?」「犬は何かを見ているね、何を見ているのだと思う?」などの会話が、より一層面白い制作につながるでしょう。このコラージュの方法は、お絵かきに遊び心がある子、工夫するのが好きな子に比較的向いていると思います。<材料>のり、水性カラーマーカーペンまたはクレパス雑誌、チラシの切り抜き<方法>①雑誌、チラシの写真を切り抜く今回のコラージュの主旨は、切り抜きを使っての制作です。まだはさみがうまく使えない子の場合は、あらかじめ大人が切り抜いておいても良いでしょう。②切り抜きを組み合わせてイメージする切り抜きをのりで貼る前に、紙の上で動かしてみたり、いくつもの切り抜きを組み合わせたりして遊びます。ああでもない、こうでもないと組み合わせながら、子どもはいろんな想像を膨らませているのです。のりで貼る事が目的にならないように、とにかく自由に遊ばせてみてください!③お絵かきをしながら切り抜きを貼るお絵かきをしながら切り抜きを貼っていきます。このとき、子どもの描いている物を通じて色んな会話をしてみましょう。「ここに何を描いたの?」「この〇〇は何しているの?」「これからどうなるの?」などです。沢山描く事が目的ではなく、子どもが自然に楽しく想像できることが大切です。その想像を作品に反映できるような会話をしてあげてくださいね。コラージュ<2>:家にある素材を探してみよう!次は、家にある素材でのコラージュです。わざわざ買わなくても、皆さんのご自宅にはきっとたくさんの素材があるはず。たとえば、包装紙やデパートの紙袋にはいろいろなデザインが描かれていますよね。それに、難しい字が並んでいる新聞紙も子どもにとっては素敵なデザインに見えるものなのです。子どもは視覚以外にも触ることで多くの情報を得ようとするので、ビニール袋や段ボールの凹凸も面白い感触を味わえるでしょう。これからご紹介するコラージュの方法は、視覚的な作品の見栄えを意識するのではなく、触った感触やデザインから何を制作していくか「直感的」に考える事ができます。また、見つけた素材の色や形や感触から何に使えそうか考えてみるのも頭を使った良い遊びになるでしょう。いわゆる「見立て遊び」ですね。こちらのコラージュの方法は、直感的に制作をするような子が向いているでしょう。素材を自分で切ったり、貼ったり自分でできる方が楽しめる内容なので、幼稚園年中、年長さんの方が楽しめる内容です。もしくは手でちぎれる素材で、のりやテープで貼りやすい物であれば年少さんでも十分楽しめます。<材料>のり、水性カラーマーカーペンまたはクレパス、はさみ、セロテープ、ボンド段ボール、紙袋、ビニール袋、新聞紙、雑誌、包装紙、和紙、毛糸、折り紙、アイスの棒、布の切れ端、など<方法>①コラージュに使えそうな素材を探す今回はのり、セロテープ、必要であればボンドを使います。「のりやセロテープで付きそうな物を一緒に探そう」と言えば、子どもは何を探せばよいか何となくイメージできるはず。②素材を触って楽しむ見つけた素材を触って、親子で感触を楽しんでみましょう。大きい物や切りにくい物は大人がある程度の大きさに切っておいてあげてくださいね。③素材で遊ぶお絵かきをする紙の上で色んな素材を並べて遊んでみましょう。この時、見立て遊びとして「これは何に使えそうかな」と一緒に考えてみることが大切です。ここで子どもは想像力を掻き立てていくのですから。④切ったり貼ったり描いたりして制作を楽しむ絵を描いてみたり、素材を切って貼ったりして制作を楽しみましょう。子どもによっては、描く行為よりも素材を貼る事に夢中になる時があります。その場合、無理に絵を描かせる必要はありません。素材をじっくり楽しみたい子は、素材を貼るだけでもOKです。「体」という認識が生まれる作業最後にひとつ、子どもが「体」というものを意識する時のお話しをしましょう。とくに幼稚園年少さん、年中さんの子ども達の絵に見られる頭足人(とうそくじん)という表現があります。描いた人間に体がなくて、顔から手足が出ている表現です。一生の内でもほんの数か月しかない表現で、子どもらしい愛らしい表現と言えるでしょう。そんな時期に洋服の切り抜きコラージュをした子どもは、意識が「体」へ向く場合があります。なぜかというと、「体」がある事で可愛い洋服が着せてあげられるからです。子どもは必要と思わない物は描きません。そこに洋服やスカートがあるから「体」を意識するのです。ですから体の描き方を教えるよりも、子ども自身が「体があると面白い」と思えるきっかけをサポートすると良いでしょう。特に女の子の場合はピンクの洋服であったり、スカートであったり興味をひくアイテムが多いと思います。我が子が好きそうな服が載っている、雑誌やチラシを用意してくださいね。【プロフィール】芸術による教育の会(げいじゅつによるきょういくのかい)東京、神奈川、埼玉、千葉、インターネット上に約100教室の美術教室を運営。在籍生徒数約3800人。「世界の子どもたちとアートを通してつながりたい!」を将来のビジョンとし、言葉の壁をアートで乗り越えた未来を目指しています。■芸術による教育の会ホームページ「芸術による教育の会」は、5つの事業と60年以上の実績をもとに美術を通して、子どもたちの成長に寄り添います。■お家でビジュツ!動画で学べる!作品を掲載できる!どこでもアート!!「びじゅつでつながろうどこでもアートきっず」・インターネット美術教室なので、自宅でレッスンが受けられます。必要な教材は発送します。・お子さまに合わせたカリキュラムを作成し、個性を引き出して伸ばします。・それぞれの成長段階や個性に合わせた技術指導を行います。・YouTubeの動画もあるよ。いろんな工作動画を見て下さい。どこでもアート公式チャンネルはこちら
2019年01月05日お風呂でのひと時は、親子の大事なコミュニケーションの場です。ゆったりと湯船につかっていると身体も心もリラックスして、普段話せないようなことを話してくれることもありますよね。それ以外にも、お風呂はとても有効な「学びの場」でもあります。お風呂で九九を覚えることや、親子で言葉遊びをすることは、子どもの能力にも効果的に働きかけます。今回は、お風呂で役立つ知育アイテムや数遊びなどについて詳しくご説明します。さっそく今夜から試してみてくださいね。お風呂場は集中力が増す!『欲育』のススメ東京ガスの都市生活研究所が提唱する『浴育』という言葉を知っていますか?その定義は、「入浴を通じて生涯の心身の健康をより良く育むために、入浴の効果や入浴方法、お風呂の楽しみ方などを学ぶこと」とあります。親子入浴は、子どもの成長や親子関係にも大きな影響があることも知られており、その日一日の出来事を話すことで、親子ともに元気をチャージできる場であることは、誰もが実感したことがあるのではないでしょうか。さらに、お風呂タイムを親子の学習タイムとして活用することも、広い意味での『浴育』につながっています。「お風呂場は集中できるベスト空間」と述べるのは、『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA出版)の著者であり、子育て支援士の田宮由美さん。気が散るものを持ち込めない狭い空間は、何かを覚えたり考えたりすることに向いているそうです。つまり、習慣として毎日入っているお風呂は、親子のコミュニケーションが深まるだけではなく、『学び時間』としてもその効果が絶大であることは明らかなのです。子どもは成長とともに一人でお風呂に入るようになります。親子で一緒にお風呂に入る時期は、思っているよりもずっと短いもの。だからこそ、毎日の入浴タイムを大切にしたいですね。定番の「お風呂ポスター」は目的に合わせて選ぼう小さなお子さんがいるご家庭のお風呂には、必ずと言ってもいいほど水でくっつくポスターが貼られているのではないでしょうか?ただぼんやり湯船につかっているだけでも、壁に貼られているポスターを眺めていると、いつのまにかその内容を覚えてしまうものです。カリフォルニア工科大学の研究者によると、リラックス状態の脳は新しい記憶が残りやすいのだそう。お風呂の中は絶好の学習時間というわけですね。また、親御さんが指差しながら質問するなど、親子コミュニケーションにも役立ちます。くもん出版のお風呂用ポスター「おふろでレッスン」シリーズは、その種類の多さと充実した内容が高い人気を誇っています。ひらがな・すうじ・ABC・九九といった基本の表から、四字熟語や慣用句などの珍しいものまで、子どもの年齢に合ったものを選ぶことができます。「おふろでレッスンひらがなのひょう」くもん出版「おふろでレッスン九九のひょう」くもん出版「おふろでものしりはかせ四字熟語/ことわざ」くもん出版また、日本地図や世界地図を貼るのもおすすめです。教育コンサルタントの上野緑子さんは、「親子でお風呂に入り、その日のニュースに出てきた地域や自分の住んでいるところ、おじいちゃん、おばあちゃんの住んでいるところを探してみると楽しいですよ」と述べています。家族旅行で行った場所やこれから行ってみたい場所など、親子共通の話題で盛り上がることもできますよ。「おふろでレッスンにほんちず」には、全都道府県の県章と県花も載っているので、県章の由来を親子で考えてみてもいいでしょう。「おふろでレッスンにほんちず」くもん出版「おふろでレッスンせかいちず」には、各国の国旗が載っています。上野さんによると、「国旗を覚えるとオリンピックの開会式の入場行進などテレビで国旗を見つけるのが楽しくなりますよ」とのことです。東京オリンピックに向けて、今から各国の国旗を覚えることを目標にしてもいいですね。「おふろでレッスンせかいちず」くもん出版また、あの無印良品でも、子どもの学習用おふろポスターを作っています。シンプルでスッキリとしたデザインなので、インテリアの邪魔にもなりません。「おふろポスター・ABC」無印良品日本地図のポスターは、枠に沿って各地域の特産物のイラストが並べられています。これをきっかけに日本の各県に親しみを感じ、日本各地の特産物などさまざまなことに興味を抱いてくれることも期待できますね。「おふろポスター・ちず」無印良品それ以外でも、長い期間子どもが飽きずに、楽しみながら勉強ができる工夫を凝らしているポスターが各社から発売されています。学研の『おふろで旅する世界地図』は、お湯をかけると黒い部分が消えて答えが見えるようになるという優れもの。クイズになっていると熱中して楽しめるので、いつのまにか各国の特徴をつかんでいるお子さんに驚かされますよ。「おふろで旅する世界地図」学研お風呂で「算数脳」を育む!?次にご紹介するのは、ポスター以外のアイテムです。子どもにとって、水(お湯)の中で手を動かすことや、浴室の壁におもちゃをペタペタ貼ってはがす、という遊びを繰り返すことは、巧緻性を鍛える訓練にもなります。スポンジ状の数字やアルファベットのセットは、100円ショップなどでも手軽に手に入れることができますよ。水に濡れてもOKな絵本やパズル、お風呂でお絵かきができるグッズなど、お風呂用の知育アイテムは世の中にたくさんあります。どれも子どもが喜んで夢中になる工夫がされているため、「気に入るかな?」と心配せずに気軽に用意してあげましょう。また、算数脳を鍛える「タングラム」を、お風呂でも楽しめるアイテムもあります。三角や四角のピースを組み合わせて絵を作っていく遊びから、図形感覚を育むことができます。「さんすう脳をきたえるおふろタングラム」小学館最近では図形の問題でつまずく小学生が増えてきているといいます。苦手意識が芽生える前にお風呂で楽しく学ぶことが大切ですね。何もなくてもお風呂で「学び」を生み出せる!最後に、ポスターやおもちゃなどのアイテムを一切使わない「お風呂の学び」をご紹介します。まず、親子のスキンシップも兼ねて「背中の文字当て」はいかがでしょうか。背中に文字を書き合いっこをして、何という文字が書かれたのか当てるゲームです。記憶力アップに最適な「逆さ言葉遊び」もいいですね。「ろふお」→「おふろ」「35842」→「24853」単語や数字をしっかり覚えて逆さに答えるという単純なゲームですが、毎日続けていれば確実に集中力と記憶力が養われます。「100まで数えたらお風呂から上がろう」というのはよくありますが、「100、99、98、97、96……」と逆から数えたり、「1、3、5、7……」と一つ飛ばしにして数えたりすると新鮮です。親子で交互に数えることで「負けないぞ」と正しく数える意欲も高まります。ただし、数を数えるときに絶対に守らなければならない「決まり」があります。「脳科学おばあちゃん」として有名な久保田カヨ子先生は、次のように述べています。注意しなければならないのは、日本語の場合、「1、2、3、4、5、6、7、8、9」のうち、「4」と「7」を「よん」「なな」と必ず同じように読むことです。こうすることで、数字の意味をきっちり理解してもらいます。決して、「し」「しち」と、カウントダウンしてはいけません。(引用元:DIAMOND online|お風呂学習で絶対にやってはいけないこと)日本語にはさまざまな読みがあり、意識していないとついごちゃ混ぜにしてしまいがちです。正しい日本語で、正しい数え方を教えてあげることも大切なんですね。***お風呂は親子のもミュニケーションの場であると同時に、貴重な学びの場でもあります。ここでご紹介したヒントを参考に、充実したお風呂タイムを楽しみましょう!(参考)東京ガス株式会社風呂文化研究会|「浴育」のすすめSHINGA FARM|お風呂で子どもを伸ばす入浴法とは!~毎日の入浴タイムを有効活用~All About|世界をもっと身近に感じ、日本にもっと興味を持とう!お風呂で学ぶ日本地図・世界地図All About|お風呂で知育遊び 算数・国語編DIAMOND online|お風呂学習で絶対にやってはいけないことStudy Hacker|お風呂は暗記効率が良いことが明らかになりました!お風呂暗記ツール3選
2019年01月05日子どもがいるとどうしても気になるのが、習い事の問題。小学校の勉強や部活ではできない体験をさせられますし、就学前にスポーツやアートに親しむことで、子どもの発達によい影響を与えたいと望む親御さんは多いことでしょう。とはいえ、「習い事なら何でもいい」と考えている人は、そういないのでは?最近は「東大生の多くが子どもの頃にやっていた習い事」が注目を浴びるなど、「脳の活性化」という観点で習い事を検討する保護者もいます。それに、「ほかの家庭ではどんな習い事をさせているんだろう?」と気になったり、勉強との兼ね合いも悩みどころです。そこで今回は、ちまたで人気の習い事と、習い事を選ぶ際のポイント、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部オススメの習い事をご紹介します。お子さんの習い事を決める参考になれば幸いです。子どもの習い事人気ランキングベネッセ教育総合研究所は2017年3月、「3~18歳(高校3年生)の子どもを持つ母親」16,170名を対象に「第3回 学校外教育活動に関する調査」を行いました。その結果によると、就学前の子どもの多くがやっている習い事などの活動トップ10は以下のとおり。なお文字をクリックすると、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」の関連記事をお読みいただけます。幼児に人気の習い事などの活動ベスト10第1位 スイミング(23.0%)第2位 体操教室・運動遊び(15.5%)第3位 英会話・英語教室(10.5%)第4位 楽器の練習・レッスン(9.6%)第5位 音遊び/リズム遊び(音楽教室)(8.2%)第6位 リトミック(5.9%)第7位 サッカー/フットサル(4.5%)第8位 ダンス(3.3%)第9位 計算や漢字などのプリント教材教室(2.9%)第10位絵画/造形(2.5%)水泳が習い事として人気なのは有名ですが、小学校に上がる前の子でも5人に1人が習っているというのは驚きですね。スイミングが心身に与えるよい効果に期待を寄せる保護者が多いのかもしれません。英会話やプリントによる勉強をすでに始めている子が一定数いるというのも注目ポイントです。次に、小学生の習い事について見てみましょう。広告代理店の博報堂が2016年3月、「小学生の長子がいる母親」1,428名を対象に実施した「『子どもの習い事・身につけさせたいスキル』レポート」によると、多くの小学生がやっている習い事は以下のとおり。小学生に人気の習い事ベスト10第1位 水泳教室(31.1%)第2位 通信教育、宅配教材(29.3%)第3位 ピアノ、音楽教室(25.6%)第4位 そろばんなどの自習型学習塾(22.8%)第5位 野球やサッカー等の運動クラブ(20.9%)第6位 英語教室(20.4%)第7位 その他(13.7%)第8位 受験対策用の学習塾、教室(10.2%)第9位 水泳、ダンス以外の体育教室(9.5%)第10位ダンスなどのパフォーマンス教室(バレエ含む)(7.7%)水泳は相変わらず、圧倒的な人気です。そして、4人に1人が通信教育で勉強したり、音楽教室に通ったりしています。体や知能が発達したためか、就学前と比べて習い事にチャレンジする子が多いようです。習い事を選ぶポイントどの習い事が人気かは大体わかりましたが、こんなにも選択肢があると迷ってしまいますね。習い事を選ぶ際、どのような点を考慮して決めればよいのでしょう?ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと読売新聞が2006年、3歳〜中学生の子どもを持つ1,026名を対象に実施した「子どもの習い事に関する調査」によると、保護者たちは以下のような理由で習い事(学習塾含む)をさせているようです。習い事をさせる理由ランキング第1位体力や運動能力の向上(46%)第2位子どもが自分で行きたいと言ったから(45%)第3位音楽や美術、書道など文化的な能力の向上(30%)第4位受験を目的としない学力向上(29%)第5位受験対策(15%)子どもの意欲を重視しつつ、やはり「子どもの能力を伸ばしてあげたい」と考えて習い事をさせる親が多いのですね。ひととおりの運動や文化的活動は幼稚園や学校でもできますが、その時間はごくわずか。体育がずっと苦手だったという人や、音楽の授業をまじめに受けても楽譜が読めるようにならなかったという経験を持つ大人は多いはず。学校以外で何か特別な活動に取り組ませ、得意分野を作ってあげたいと思いますよね。さて、多様な習い事のなかから「これをやらせよう!」と決めたとしても、考慮すべきことはまだあります。世のなか、特に都市部にはあまたのスイミングスクールやピアノ教室が展開しているからです。どの施設・団体で習わせればよいのでしょう?ベネッセ教育総合研究所が2009年3月、「3歳~17歳(高校2年生)の子どもを持つ母親」15,450名を対象に実施した「第1回 学校外教育活動に関する調査」の結果によると、親たちは以下のことを重視しているそうです。習い事選びで重視することランキング第1位子どもが楽しんでいる(94.3%)第2位費用が安い(61.2%)第3位家から近い(57.3%)第4位指導者が信頼できる(53.8%)第5位子どものレベルに合っている(49.2%)やはり、子どもが楽しんで活動できることがいちばんのようですね。また、第2位~第5位の要素は、習い事の続けやすさに関わっています。これらの要素がひとつでも欠けると、習い事を続けるのが物理的に難しくなったり、子どもの意欲が低下したりしかねません。検討している施設・団体が上記の要件を満たしているか確かめるため、いくつか体験授業を受けて比較してみるのがよいのではないでしょうか。習い事を選ぶ際に考慮するポイントは、人によって異なります。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部が重視しているのは「脳の発達」という観点。子どもが小さいうちにさまざまな体験をさせると、脳の神経が刺激され、よりよく発達すると考えられています。脳の発達が大いに期待できる、オススメの習い事を3つ、ご紹介しましょう。おすすめの習い事1:そろばん日本人にとって定番の習い事、そろばん。地域にいくつか教室があるのではないでしょうか?そろばんは、右脳を刺激してくれる習い事として知られています。ふつう、私たちが計算をするときには論理的思考をつかさどる左脳を主に使いますが、NPO法人・国際総合研究機構の副理事長であり脳科学を専門とする河野貴美子氏によると、そろばんの有段者は暗算をする際、右脳を用いているのだとか。彼らの頭のなかではそろばんの珠(たま)が動いているので、イメージをつかさどる右脳が活発になっているそうです。右脳を活発にすると、記憶力や直感が磨かれると考えられています。ほかにも、そろばんには以下のようなメリットがあります。詳しくは「子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!」をご覧ください。●自信が養われる●集中力がつく●費用が安め●資格が取れるおすすめの習い事2:ピアノみんなが憧れる習い事・ピアノ。東大生の多くが習っていることでも知られるようになりましたね。一般社団法人・日本子ども音楽教育協会の理事長である滝澤香織氏によると、ピアノの演奏は右手と左手を同時に使うため、右脳と左脳の両方が活性化されるそう。これによって、右脳と左脳のあいだにある神経の束「脳梁」が太くなり、右脳・左脳間の伝達がスムーズになるそうです。また、精神医学を専門とするジェームズ・ハジアク教授(米バーモント大学)らの研究により、楽器を練習した子どもほど、集中力をつかさどる脳の部位が発達していることが明らかになりました。ピアノをはじめとした楽器を演奏するには、指先を精密に動かし、リズムを正確に刻み、楽譜を素早く読めなければいけません。多くのことを一度にこなさなければならないため、集中力がつきやすいのかもしれませんね。ピアノには以下のように、ほかにも多くのメリットがあります。詳しくは「ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。」をご覧ください。●音感が養える●外国語が得意になる●自己制御や問題解決能力など「人間指数(HQ)」が養えるおすすめの習い事3:スイミング子どもの習い事として人気ナンバーワンなのがスイミングです。最近は、ピアノと並んで多くの東大生が経験した習い事としても有名ですね。スイミングは体だけでなく、脳も鍛えると考えられています。特に育つとされているのが「空間認識能力」。方向や位置関係を正しく理解し、目の前にないものを頭のなかで再現できる力です。この能力が高いと、自動車を運転しやすくなったり、スポーツで活躍しやすくなったり、設計関連の仕事に就きやすくなったりします。心理学者のデイビッド・ルビンスキー氏によると、空間認識能力は「人間のなかで眠っている潜在能力のうち、最大の部分かもしれない」とのこと。創造力やイノベーションとも関係しているそうなので、スイミングを通して子どもの秘めた能力が開花するかもしれませんね。ほかにも、スイミングには以下のようなメリットがあります。詳しくは「東大生の幼少期の習い事の第1位は『スイミング』!そのメリットとは?」をご覧ください。●集中力がつく●風邪をひきにくくなる●全身の筋肉を鍛えられる●ケガをしにくい「子どもの習い事をやめさせたい」と思ったら子どもがやりたがったし、将来のためになれば……と思って始めた習い事。しかし、さまざまな事情により、「そろそろやめ時かな」と感じることがあるかもしれません。習い事をやめさせたいと思うのには、以下のような場合が該当するでしょう。-子どもの意欲がなくなり、練習しなくなった。-習い事よりも勉強に注力させたい。-月謝を払いつづけるのが厳しい。「子どもの意欲がなくなった(ように見える)」場合最初は楽しそうだったのに、今ではいやいや通っているみたい……。子どもがこんな様子だったら、まずは「最近、習い事はどう?」「今はどんなことをやっているの?」と話を聞いてみましょう。そしてもし、「先生が好きじゃない」「同じクラスに嫌な子がいる」のように環境に不満を持っていることがわかったら、別の教室を検討するか、大きなスクールであれば曜日・時間を変更してクラスを替えてみては。また、「今やっていることが難しすぎて、ついていけない」のであれば、先生と相談してみましょう。環境に不満があるわけではなく、「もう充分にやった」「ほかのことに時間を使いたい」と思っているのかもしれません。今の習い事について「次の目標はある?」「どれくらいまで上達したい?」と聞いてみて、あまりポジティブな答えが返ってこないのであれば、やめてしまってよいでしょう。「やめる」といってもけしてネガティブなことではなく、ひとつのことを終えて、次のことに挑戦するというだけの話です。友だちと遊んだり、別の趣味に熱中したりする時間が生まれて、それもまた素晴らしい経験となるでしょう。一方、楽器のように自宅での練習が求められるにもかかわらず、練習の意欲を失っている場合は、少し難しいです。練習したがらない理由が「その習い事に飽きた」というものであれば、やめてしまってもよいでしょう。しかし、習い事自体は好きなのに、地道な練習を面倒に感じてしまう時期はあるもの。練習しないからといってすぐにやめさせてしまうのは早計かもしれません。子どもを信じてしばらく様子をうかがってみましょう。その際、たとえば楽器の習い事なら「久しぶりに○○ちゃんの演奏聞きたいな」と促して、演奏が終わったら褒めたり、親子でコンサートに行ったりなどのアプローチをとってみてはいかがですか。「もっとうまくなりたい」と願う気持ちがよみがえるかもしれません。習い事より勉強を優先してほしい習い事をやめて、その分の時間を勉強に使ってほしい……。そう考える保護者は少なくないようです。上述したベネッセの「第3回 学校外教育活動に関する調査」によれば、「運動やスポーツをするよりももっと勉強してほしい」と考えている小学生の親は37.5%、「音楽や芸術の活動をするよりももっと勉強してほしい」だと45.2%でした。この割合は調査のたびに増えています。けれど、机での勉強では得られない経験ができるのが習い事ですから、できればやめさせたくないものです。「家でも学校でも全く勉強をせず、通知表の数字がひどい」といった極端な状況でなければ、習い事はぜひ続けるべきだといえます。子どもがなかなか勉強をせずに悩んでいる場合、「子供が勉強しないときの対策。イライラはNG、親子で勉強計画を立てよう!」を参考にしてみてください。子どもが勉強しないときに役立つ6つのアドバイスを掲載しています。金銭的に厳しい……最初の頃はなんとかなったけれど、今は習い事の費用を払うのが家計的に厳しい場合。弟・妹が生まれた、子どもの習い事が増えたなどの背景があるかと思います。子どもが続けたそうにしているのに、お金の都合でやめさせなければいけないのは辛いですよね。まずはできるだけ、習い事を続けられる方法を模索してみましょう。子どもが複数の習い事をしている場合、率直に家計の事情を伝え、最も続けたい習い事を1つに絞ってもらいます。「あれも、これもやりたい」と子どもは思うでしょうが、複数の物事を比較して決定するよい機会です。金銭教育だと思うことにしましょう。子どもの金銭感覚を養う方法については「『お金教育』は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ」をご覧ください。習い事が1つでも、まだ厳しいという場合、今よりも安価に習える教室・団体を探してみるという手もあります。上に挙げた「第3回 学校外教育活動に関する調査」によると、小学生のスポーツ系の習い事に関して、「民間経営」の団体で習っている場合の平均費用は月に6,000円台でしたが、「地域ボランティア運営」だと2,000~3,000円台、「自治体・公益法人運営」だと3,000~4,000円台でした。習い事の教室を開いている団体の見つけやすさは地域によって異なりますが、諦めずにできるだけ安い運営母体を探してみましょう。***子どもの習い事について、悩みは尽きないかもしれません。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」は今後とも、習い事に関する知見を発信してまいります。(参考)ベネッセ教育総合研究所|第1回 学校外教育活動に関する調査 2009ベネッセ教育総合研究所|第3回 学校外教育活動に関する調査 2017(データブック)博報堂|【博報堂こそだて家族研究所】「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」レポートNTTコム リサーチ|子どもの習い事に関する調査StudyHacker こどもまなび☆ラボ|子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!StudyHacker こどもまなび☆ラボ|ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。StudyHacker こどもまなび☆ラボ|東大生の幼少期の習い事の第1位は「スイミング」!そのメリットとは?StudyHacker こどもまなび☆ラボ|空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!
2019年01月04日お手伝いはどんどんさせたほうがいい、と頭ではわかっているものの、子どもにやらせると失敗して逆に時間がかかったり、教える手間が惜しかったりと「面倒だな」という気持ちが先に立ってしまいませんか?忙しい日々のなか、時間的にも精神的にも余裕がなくて、つい「今度ね」と言ってしまっていませんか?今回は、お手伝いがもたらす想像以上のメリットについて、詳しくご説明します。“お手伝い” こそが、いま子どもに与えるべき「学びの機会」■「やりたい!」気持ちが芽生えたときがチャンスNGO「ピースボード」の船上にあるモンテッソーリ保育園「ピースボード子どもの家」の代表を務める小野寺愛さんは、「子どもが「やりたい!」と言ったときを逃してはいけません」と力説します。お手伝いと言っても、子どもが小さいうちは、かえって手がかかります。でもそこで『こぼすからママがやるよ』とか、『あぶないから、あっちへ行ってて』と遠ざけてしまうと、実際にちゃんとできるようになる頃には、『面倒くさい』『やりたくない』と、なってしまう。子どもが『やりたい!』と言ったときに、一緒にやってみる。また、どうしたらできるのかを考えて、環境を整える。そして、『できたね』『たのしいね』という体験を積み重ねることが、こころも成長させるし、自分のことは自分でやる習慣につながります。(引用元:『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.)子どもの「やりたい!」気持ちを大切に。誰だって最初からうまくできないのだから、親としてまず一番に心がけることは、“長い目で見守ってあげること” なのかもしれませんね。しかも、お手伝いには「自立心」を育むだけではなく、教育的効果も存分に期待できることがわかっています。■生活習慣と学力の深い関係国立青少年教育振興機構の鈴木みゆき理事長は、「お手伝い」についてインタビューで次のように言及しています。【お手伝いがもたらす効果】・子どもの自己肯定感を高める・マナーを学ぶことにつながる・「時間の感覚」を身につけられるより良い人生を歩むためにはどれも重要ですね。また、生活習慣が身についている子どもほど学力が高い、というデータから、次の結果を導き出しています。「お手伝い」が「時間の感覚」を身につけさせ、「時間の感覚」が「生活習慣」を身につけさせ、「生活習慣」が「高い学力」をもたらすというわけです。(引用元:Study Hacker こどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリットーーお手伝いの習慣が高い学力につながる理由)■お手伝いが子どもの “生きる力” に直結する!『お手伝い至上主義』の著者であり東大卒MBA教授の三谷宏治氏は、「家庭での仕事を自分が責任をもってやるという “お手伝い” は、生きていくうえでもっとも大切なことのひとつ」だと述べます。そして、幼少期にお手伝いをしてきたかどうかで、就職や仕事への向き合い方に大きな違いが出ると断言しています。三谷氏によると、お手伝いをしてきた人たちには次のような特長が見られるそうです。・段取りがいい・指示をされなくても自分で仕事をつくることができる・自分で考えてトラブルに対応しようとする・自分の意思で決定することができる・思いやりの気持ちを持ち、よく気が利く・感謝を忘れないつまり、「コミュニケーションスキル」や「問題解決スキル」といった『生きる力』が身についているのです。生活習慣やマナーがが身につく、学力が高くなる、生きる力が育まれる……お手伝いっていいことだらけ!面倒がらずにどんどんお手伝いをさせれば、いずれ必ず、お子さんにとっても親御さんにとっても、良い結果をもたらすはずです。では続いて、それぞれの “お手伝い” にどんな教育的効果があるのか、詳しく見ていきましょう。マルチタスクが必要とされる『料理』は小さいうちから!以前コラム(Study Hacker こどもまなび☆ラボ|小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく!子どもが料理をするメリット)でご紹介したように、子どもがが料理を手伝うことは国語や算数の力にも直結します。【国語】料理は五感を磨きます。その磨かれた五感は、作文や日記で表現する力を豊かにしてくれます。また、レシピを読み、作業工程を理解する力も、広い意味では“国語力”と呼べるでしょう。【算数】料理は、ただ「作るだけ」ではありませんよね。材料の準備から片付けまで、必要な段取りを順序立てて考える力=ロジカルシンキングを養います。また、2人分のレシピを4人分に計算し直したり、大さじ1(15cc)と小さじ1(5cc)の関係性を理解したりと、頭の中でパッと計算する訓練にもなるでしょう。【理科】野菜のどの部分を料理に使うのかを知ることは、植物の勉強になります。また、水を火にかけて沸騰させると蒸発して水の量が減るということを実際に目で見て体験すれば、理科の勉強にもつながります。さらに、料理を手伝って得られることは、長い目で見ると、子どもたちの将来にも大きな影響を及ぼします。以前ご紹介したコラム(Study Hacker こどもまなび☆ラボ|五感が鍛えられるだけじゃない!集中力や思考力も高まるメリットだらけの「親子料理」)では、次の3つの能力が料理によって発達すると説明しています。【能力1:豊かな表現力】料理をお手伝いすることで「自分の考えをわかりやすく説明できる」「感情コントロールがうまくできる」「率先して行動できる」といった能力につながることが、内閣府の調査結果でも証明されています。【能力2:高い集中力、忍耐強さ】料理中の集中力は達成感につながり、さらに次への意欲や頑張る気力と忍耐力が育まれるプラスのループを引き起こします。「ひとつのことに集中して取り組む」というルーティンは、家庭での学習習慣にも好影響をあたえることがわかっています。【能力3:創造力と思考力】料理とは、クリエイティビティと論理性が必要な知的作業です。完成形を想像しながら、食材の組み合わせを考えて計画的に作業することは、実はとても難易度が高いのです。自己肯定感が育まれる『掃除・片づけ』掃除や片づけは、どうしても大人がパッとやってしまいがちです。ではなぜ子どもに掃除させようとするともたついてしまうのでしょうか?それはきっと「道具」が合っていないのかもしれません。前出の「ピースボード子どもの家」代表の小野寺さんは、娘さんが2歳のときに「子どもの小さな手でも使いやすいように」と、モンテッソーリ園にあったものを真似て小さなミトン型のふきんを作ったそうです。すると、手を入れてしっかりと拭けるようになったとのこと。また、そのふきんをしまいこまずに、子どもの手が届く『いつもの場所』に置くことがポイントだと言います。(中略)それからは、たとえば牛乳をこぼしても、子どもを叱ったり責めたりせず、『あのふきんで拭こうよ!』と前向きなことばをかけられるようになったこともよかったです。(引用元:『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.)まずは、子どもの手に馴染む道具を用意してあげましょう。そして、いつでも取り出せる場所に置くだけで、「汚したら自分できれいにする」習慣が身につきます。また、調布市にあるシュタイナー教育を実践する「ぎんのいずみ子ども園」の山本ひさの園長は「片づけは食事や掃除と同様に大人になってもやるべき当たり前のこと」と述べます。きれいに片づくと、周囲が「気持ち良い」と感じ、自分の行為が「役立った」という感覚が生まれるそう。そのとき『できた!』という自己肯定感が育つのです。一般社団法人「親・子の片づけ教育研究所」代表理事である澁川真希さんによると、「収納を工夫することで想像力が養われたり、元の場所に戻すことで習慣力もついてきます。また、自分にとって必要なもの、必要でないものがわかるようになります」と、片づけがもたらす効果は数え切れないとのこと。整理整頓の習慣がしっかりと身についていれば、自然と学習環境を整えるという動作にもつながっていきます。効率よく学習に取り組むためにも、まずは机周りやお部屋の環境を整えるクセをつけたいものですね。目の前の課題に挑戦し、問題解決能力を磨くことができる『洗濯』毎日洗濯をしている親御さんにとっては、あまりにも当たり前すぎて気づかないことがあります。たとえば、大人は無意識のうちにバランスをとって、洗濯物をまっすぐに干すことができますよね。しかし子どもにやらせてみると、片方は重たいズボンで反対側はなぜか靴下だけ……と、明らかに傾いてしまうことはありませんか?そこで、「どのバランスだと傾かずに洗濯物が干せるかな?」ということを考えさせましょう。重さを均等にして、より効率的に乾かす、という “重さの原理” が学べます。また同様に、「お日さまが当たるところに干すと乾きやすいよ」「シワを伸ばすと、きれいに干せるね」と、干し方のコツを理由を添えて説明してあげることで、太陽の光の動きと温度・湿度の関係などを経験から学ぶことができるでしょう。さらに、洗濯物が乾いてからも学びのチャンスです。洗濯物の分類、整頓、収納までの流れを自分の頭で考えながら同時に手を動かすということは、最初のうちは意外と難しいものです。しかし、回数をこなしていくうちに、必ず手際よく作業ができるようになるでしょう。もしくは子ども自身が試行錯誤して、「もっとやりやすいやり方がある!」と新しい方法を見つけるかもしれませんね。毎日の洗濯を手伝うことが時間的に難しければ、週に一回、持ち帰った上履きを自分で洗わせてもいいでしょう。「どうすればもっと汚れが落ちるかな?」「どこに干したらよく乾くかな?」と、考察と挑戦を繰り返すことで、課題をクリアする達成感を得ることができるはずです。『買い物・おつかい』で判断力・決断力・自己管理能力の総合的な力が鍛えられる最後に、お買い物のお手伝いやひとりでおつかいに行くことも、ある程度の年齢になったら必ず経験させたいことです。一緒に買い物へ行くことは、普段食べている料理にはどのような食材が使われているのか、調理する前はどのような形で売られているのか、お菓子とお野菜ってどっちが高いのかな?など、子どもに知っておいてもらいたい「食育」の知識をたっぷりと吸収することができるからです。また、「この予算内で○○と△△を買ってきてね。お金が残ったら好きなお菓子を1つだけ買ってもいいよ」と、おつかいに行かせるとします。すると、子どもは頭をフル回転させて、品物を選び、お金を計算し、判断力と決断力を駆使してその課題をやり遂げるでしょう。お買い物は、瞬時の計算力と判断力、そして何より “自己管理能力” を鍛えることができます。失敗を繰り返しながらも経験を重ねることで「生きた勉強」にもなり、国語や算数などの教科にも確実に活かされるのではないでしょうか。***せっかく子どもが「お手伝いしたい!」と言っているのに、させないなんてもったいないと思いませんか?時間と心に少し余裕を持って、親御さんがゆったりとした気持ちでお手伝いをさせてあげることで、思わぬ教育的効果をもたらすかもしれませんよ。(参考)『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.Study Hacker こどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリットーーお手伝いの習慣が高い学力につながる理由日経DUAL|子の就職力を高める「ヒマ・貧乏・お手伝い」習慣Study Hacker こどもまなび☆ラボ|小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく!子どもが料理をするメリットStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|五感が鍛えられるだけじゃない!集中力や思考力も高まるメリットだらけの「親子料理」いこーよ|子供が「お手伝い」するのに「お片付け」しない理由対策も紹介
2019年01月03日「お年玉」といえば、子どもたちのお正月のメインイベント。それと同時に、親御さんたちにとっては大きな悩みの種と言って間違いないでしょう。なぜなら、我が子が大金を手にする機会だから。「子どもがもらったお年玉、どう扱えばいいの……」と戸惑ってしまいませんか?子どもたちが手にするお年玉の金額の相場はどのぐらいなのか、調べてみました。そして、子どもにとってタメになる有意義なお年玉の使い方を解説していきます。小学生のお年玉金額の相場は?学研教育総合研究所の「小学生白書Web版 2017年8月調査」によると、2017年のお正月にもらったお年玉総額の平均は、小学校1年生で17,480円。2年前の15,670円に比べ1,810円も増えていました。この3年間の金額の増加傾向は、2年生以上の学年においても同様に見られます。そして、見逃せないのが、3万円以上の高額のお年玉をもらっている1年生が25%もいる、ということ。「○○くんは、5万円ももらったんだって!ぼくよりすごく多くてうらやましい!」なんて話も、そう珍しくはないのです。ちなみに、2年生以上がもらったお年玉金額の平均は、2年生:17,585円、3年生:19,362円、4年生:19,007円、5年生:21,482円、6年生:21,400円です。ざっと、小学生のお年玉の相場は、低学年が1万円台後半、中学年が約2万円、高学年だと2万円台前半、といったところでしょう。お子さんが今はまだ低学年でも、学年が上がれば上がるほど、お年玉でもらう金額は増えていきます。親としては、子どものお年玉事情からは今後も目が離せませんね。お年玉の使い道は?さて、子どもたちはこんなにも多額のお年玉を、どのように使っているのでしょう。さきほどの調査から、今度は「2017年にもらったお年玉の使い道」を見ていきます。どの学年においても、使い道の1位は「貯金」。その割合は各学年とも80%以上で、他の使い道を圧倒しています。そして2位以降の、実際にお金を消費する場合の使い道を見てみると、1・2年生で最も多いのは「おもちゃ」で約35%。それに続くのは「ゲーム機・ゲームソフト」「本・雑誌」「お菓子などの食べ物」「文房具」で、それぞれ10%前後でした。また、学年が上になるほど「おもちゃ」を買う子どもは減り、「ゲーム機・ゲームソフト」「本・雑誌」を買う子どもの割合が増えます。子どもの興味関心の移り変わりがお年玉の使い道にも如実に表れていて、興味深いデータです。子どもたちが、お年玉を使って大好きなものを嬉しそうに買う姿が、目に浮かびますね。お年玉は誰が管理している?ここまで見てきたように、多額かつさまざまな使い道があるのがお年玉。子どものいる家庭では、このお年玉を誰が主導して管理しているのでしょう。住信SBIネット銀行の調査(2017年)によると、子どものお年玉を「親がすべて管理」すると答えた人の割合は、子どもが5歳以下の場合で92.6%であったのに対し、子どもが6歳以上11歳以下の場合だと64.7%。未就学児のお年玉を親がすべて管理するのは自然なことですが、小学生になると親がすべて管理するケースは減り、代わりに「親と子どもでそれぞれ管理」が増えて23.5%という結果でした。お年玉の管理の方法として一般的なのが、「子ども専用の口座で貯蓄する」というもの。調査会社のDIMSDRIVEのアンケート(2014年)で、未就学児~小学生の子どもがいる人のおよそ65%が、お年玉は子ども専用の口座に貯めていると答えていました。子どもが自由に使っていい分を渡し、残りを子ども専用の口座に入金する、というやり方をしている家庭もあるようです。今はまだお子さんのお年玉を親が全部預かっているというご家庭も、小学校入学を境目に、「親子で一緒に管理する」方法へとシフトしてもいいのかもしれません。お年玉は「お金教育」の絶好のチャンスお年玉を子どもにもある程度管理させることは、「お金教育」という観点からも大いに勧められるべきことです。お金教育とは、「お金とは何か」「お金の大切さ」「お金の使い方」などについて子どもに教えること。「「お金教育」は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ」でもご紹介している通り、正しい金銭感覚を養ったり、数・計算の概念を身につけたり、欲求をコントロールする力を養うためには、幼少期のうちからお金教育を始めておくことが重要です。多くのお金教育のプロたちが、「お年玉はお金教育の絶好のチャンス」だと断言しています。その一人として、子どもに金銭教育の機会を提供するNPO法人金融知力普及協会事務局長の鈴木達郎氏は、次のように言います。(お年玉を)親が全額管理することは絶対にやってはいけない(中略)お金のやりくりは学校では身につかない。家庭でしか覚えられないのに、その機会を奪うことになる(引用元:日本経済新聞|お年玉で育てる「使い上手・ため上手」な子)カッコ内は編集部にて補った学校教育のなかで、お金の大切さや計画的な使い方について学ぶのは、小学校5・6年生の家庭科。それ以外に学校でお金について学ぶ機会があったとしても、とても「金銭感覚を養う」のにじゅうぶんとまでは言えません。お金教育は、家庭での取り組みこそが大切なのです。子どもが、お年玉としてまとまったお金を手にするお正月は、お金教育・金銭教育をはじめるのにもってこいの時期。親が丸ごと預かってしまうのは、とてももったいないことだと言えるでしょう。プロが勧める!お年玉の有意義な使い方ではここからは、お年玉を活用したお金教育の方法を具体的にご紹介しましょう。1. 「お年玉管理ノート」を作る上述の鈴木氏によると、お年玉と一緒に子どもに「おこづかい帳」や「おこづかい袋」などを渡すと良いのだそう。また、教育評論家の親野智可等氏も、お年玉を上手に管理するために「お年玉専用ノート」を用意することを勧めています。誰からいくらお年玉をもらったのか、そのお年玉のうちいくらをどうやって使うのか。これを親子で確認しながらノートに書き出すことが、お年玉を有意義に使うための第一歩です。2. お年玉の管理は「2本立て」が基本お年玉の総額をはっきりさせたら、その使い道を考えます。考え方の基本は「2本立て」。すなわち「使うお金」と「貯めるお金」です。「現金」と「預金」と言い換えてもいいでしょう。お年玉のうち、いくらを「使うお金」にし、いくらを「貯めるお金」にするのか、親子で話し合ってください。ファイナンシャルプランナーで、子どものお金教育に関する執筆・講演活動などを多数行なうあんびるえつこ氏は、この2本立てを「短期運用」と「長期運用」という言葉で説明しています。短期運用の使い道はお菓子や日用品などを買うこと。対する長期運用は、将来の夢のためにお金を使うことです。あんびる氏は長期運用の考え方を次のようにアドバイスしています。長期運用といってもこれなら難しくありませんね。長期運用のお金は、使い道を親子で話し合いましょう。小学校就学前ならランドセルや入学式に着る服、小学生なら自転車やスポーツ用品、夏休みのキャンプ費用など……ある程度高額なものにします。● 何のためにいつごろ使うか● そのためにいくらぐらい必要かといった目標を定めることが大切です。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|まとまったお金の貯め方、使い方を教えるチャンス!お年玉、親の上手な関わり方[現代っ子のお金学])3. 発展編の「3本立て」もおすすめ「2本立て」を発展させた「3本立て」で、お年玉の使い道を考えるというやり方もあります。そのひとつが、子どものお金教育などに取り組む千葉商科大学教授・伊藤宏一氏が提唱する「SOS」です。SOSとは、Saving(貯金)、Offering(寄付・人のために使うお金)、Spending(買い物)の頭文字。SavingとSpendingは先ほど見た2本立てと同じで、これにOfferingが加わった形です。子どもがクリスマスプレゼントやお年玉をもらって嬉しかったように、自分も誰かを嬉しい気持ちにさせられるようなプレゼントを考える機会を設けてみてはいかがでしょう。「おばあちゃんへのプレゼント用に○○円とっておこうか」などと提案するといいですね。また、困っている人のために寄付することも一案です。もちろん子どもですから、使えるのは些細な金額。ですが、お正月は「誰かのために」お金を使うことの意義を教える良い機会でもあるのです。4. 気を付けるべきことお年玉の使い道を決めたあとで気をつけたいことを、いくつか紹介します。・「無駄遣い」だと決めつけない貯金などを除き子どもの手元に残ったお金を、実際子どもが使うようになったら、親は時折収支をチェックしてあげましょう。ここで注意すべきなのは、子どものお金の使い方を「無駄遣い」だと決めつけないこと。親にとっては無駄でも子どもにとっては必要なものもあるからです。さらに、失敗から学ぶことも重要なこと。NPO法人おかねの楽校理事長・安江巧氏は、次のように言います。「失敗も大事な経験。買い物をする際、『本当に欲しいのか、必要なものなのか』と考えるようになる」(引用元:産経ニュース|お年玉で始める金銭教育使い道は親子で話し合って)経験からお金の使い方を学ばせるには、おこづかい帳に「買ってよかったもの:○」「買わなければよかったもの:×」「わからない:?や△」をつけさせ、自己評価を記録させると良いでしょう。お金の使い方の良いトレーニングになります。・預金する際は、子どもと一緒に銀行へ貯金する分として取り分けた金額を口座に入金する場合は、ぜひ子どもと一緒にATMや窓口へ行きましょう。その意義を、親野氏が次のように説明しています。窓口の人に自分でお金を渡して、通帳も自分で受け取ります。ATMに入れる場合も、子ども自身の手で機械の中にお金を入れるなど自分で操作させるようにします。これによって、子どもはお金を預けるということの意味をよく理解するのです。これらをすべて親の手で済ましてしまい、帰宅してから子どもに「預けておいたよ」と言っても子どもにはその意味がよくわかりません。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|子どものためになるお年玉の扱い方とは?[教えて!親野先生])こうすれば、子どもはお金を預けることの意味を知るだけでなく、お金が貯まっていくことの喜びも味わうことができます。・お年玉をくれた人へにお礼を伝える子どもに、お年玉をくれた人へ手紙を書かせるのもおすすめです。お礼の気持ちとともに「貯金したよ」「○○を買ったよ」などと使い道を伝えさせましょう。感謝の気持ちを思い出させるだけでなく、「パーっと使ってしまってはいけないな」という意識を持たせるきっかけになります。お年玉をくれたおじいちゃん・おばあちゃんも、きっと喜ぶはずですよ。***「何となく、子どもに使わせるのは怖い」「お年玉はとりあえず預かっておこう」。これまでそう思っていた親御さんも、今年のお年玉は子どもと一緒に使い道を考えてみましょう。子どもの「お金を使う力」を養う機会として、お年玉をぜひ活用してみてはいかがですか。(参考)学研教育総合研究所|小学生白書 Web版 2017年8月調査 4.日常生活について お年玉(金額・使い道)SBIホールディングス|~お年玉に関する意識調査~お年玉の平均支出予定総額は25,899円 前年調査よりも減少傾向DIMSDRIVE|「お年玉」に関するアンケート2014StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「お金教育」は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ日本経済新聞|お年玉で育てる「使い上手・ため上手」な子ベネッセ教育情報サイト|子どものためになるお年玉の扱い方とは?[教えて!親野先生]ベネッセ教育情報サイト|まとまったお金の貯め方、使い方を教えるチャンス!お年玉、親の上手な関わり方[現代っ子のお金学]日本経済新聞|お年玉、おもちゃに消える前に親が教えたいことさぽナビ|<特集>子どもに伝えたいお金のこと (2)
2019年01月02日2018年2月にスタートした『StudyHacker こどもまなび☆ラボ』では、たくさんの学びの情報を読者のみなさまにお届けしてきました。その中でも最も人気の高かった記事をランキング形式にしてご紹介します。ここからは上位(5位〜1位)にランクインした記事をダイジェストでお届けします!★第5位★『“親の愛情” で子どもの海馬が大きくなる!?子どもの脳を育てる5つのヒント』脳が発達する幼少期、親がしてあげられることとは?習い事や運動が脳に及ぼす影響はもちろん、自然体験や絵本の読み聞かせも脳科学の視点から非常に良い影響を与えていることがわかりました。「子どものために」と信じて行なっているけれど、はたして脳科学的に効果があるのかな?と不安を感じている親御さんが、安心して子育てできる情報が満載です。ワシントン医科大学のJoan Luby博士らの研究グループはMRIを用いて92人の子どもの脳をスキャンしました。その結果、親からの愛情を充分に浴びて育った子どもは、そうでない子どもに比べて、脳の海馬の大きさが10%近くも大きかったそうです。脳とはとても不思議なもので、親の愛情のかけ方さえも子どもの発達に大きな影響を与えるのですね。他にも、自然体験では脳の前頭葉機能を改善してくれたり、読み聞かせが感情や情動にかかわる「大脳辺縁系」が活性化したりすることもわかっています。記事の中でより詳しく説明しているので、ぜひお読みください。★第4位★『「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」とは?子どもの発達段階を意識した4つの対処法』「○○の壁」という言葉、最近よく耳にするようになりましたよね。とくに9〜10歳という年齢は子どもの成長にとって大きな転換期であり、抽象的な概念も理解できるようになる大事な時期です。勉強がぐんと難しくなる時期でもあるので、ここでつまずかないためにも、この壁はぜひ乗り越えたいところ。そんな不安を抱えた親御さんたちからたくさんの支持を得たこの記事が第4位です。10歳ごろになると「他者意識」が発達し、他人との比較を通じて自分を認識するようになるため、子どもの自己評価や自尊心が低下してしまうのだそう。嫉妬などのネガティブな感情も生まれ、気に入らない相手を無視したり、その人について悪いうわさを流したりといった「関係性攻撃」につながってしまう場合もあるとのことです。勉強面だけではなく、精神面でも大きな変化が現れるこの時期。深刻な問題としてメディアなどでも取り上げられるようになり、いっきに注目が集まりました。そこでこの時期、親として子どもにどのように接したらいいか、記事の中で詳しく解説しています。「ほめて自信をつけさせる」「家事を手伝わせる」「体験活動をさせる」など、難しいことは一つもありません。ぜひ記事を読んで試してみてくださいね。★第3位★『「落ち着いて」はNGワード!?“本番に強い子”になる、正しい言葉かけと簡単トレーニング』子どもが本番で実力を発揮できないのは、「緊張しているから」だと思い込んでいませんか?でも緊張は誰でもするものです。ここで重要なのは「緊張していても実力が発揮できるか」ということ。この記事は「本番に強い子になるための方法を知りたい!」と願う多くの親御さんたちの心に響き、堂々の3位にランクインしました。森川氏は、「自己肯定感」が本番で力を発揮するための大きなポイントになると言います。(中略)“緊張したけどできた”という成功体験を積み重ね、自己肯定感を育てることが、“本番に強い子”につながっていくと言います。大事な本番前、ついつい「落ち着いて!」「あなたなら絶対にできる!」と励ましてしまいがちですが、これらの言葉を子どもにプレッシャーを与えてしまいNGだそう。ポイントは、子ども自身が「どれくらいできそう」かを確認する手助けをしてあげること。そして、「自分ができそうな行動(=OKライン)」を決めてあげて、ひとつひとつクリアしていくことです。これなら難しくありませんね。★第2位★『フランスの子どもは消しゴムを使わない。「間違いを消さない」がとても大切な理由』『StudyHacker こどもまなび☆ラボ』がスタートしてからすぐに公開されたこの記事は、長きにわたりランキング上位に君臨してきました。しかも、10ヶ月が経過したこの時期にも人気記事ランキングに再浮上するなど、その注目の高さがうかがえます。日本とは違うフランスの学習環境や学習への取り組み方、きっと参考になるはずですよ。消しゴムによって、子どもたちが書いた内容を初期化させないことで、教師は子どもたちの情報のすべてを把握できるのです。プロセスも含めて“思考の進化”が記録されることで、子どもの個性までが筒抜けになるため、採点する教師としては的確な評価と指導が可能になります。大事なのは、「正しいか」「間違っているか」ではなくそこに至るまでのプロセスなのですね。思考の過程を教師が把握することこそが、それぞれの子どもたちに合った指導を可能にしているのです。また、消せない文房具を使うことについて、「美しさ」を重視するフランスらしい理由も。文房具から見える教育への姿勢に驚き、感心したという読者からの熱い支持により、堂々の2位を獲得しました!★第1位★『観劇に出かける親子は驚異的に少ない。メリットだらけの演劇鑑賞、しないなんてもったいない!』映えある第1位に輝いたのは、『演劇鑑賞』のメリットをご紹介したこの記事です。公開後じわじわと話題を呼び、異例のロングランを記録したこの記事は、とある劇場からも問い合わせがくるほどに注目が集まりました。世の親御さんたちの「本当はもっと子どもを観劇に連れて行きたい!」という切なる願いがランキングの結果につながったように感じます。子どもたちは演劇を鑑賞することにより、人とのかかわり方、自分の意見の持ち方などを考えることができます。演劇鑑賞は、学力としては測ることのできない共感力や社会性などを養うことができる絶好の機会なのです。子どもの情操教育にも大きなメリットが期待できる演劇鑑賞について、今一度考えさせられる充実した内容の記事でした。豊かな感情表現を養い、共感力や社会性も育まれる演劇鑑賞は、子どもが小さいからこそぜひ親子で一緒に楽しみたいですね。記事では、子ども向け演劇の紹介もしていますので、ぜひ参考になさってください。***『2018年人気記事ランキング第6位~第10位』はこちら
2019年01月01日2018年2月にスタートした『StudyHacker こどもまなび☆ラボ』。新しい学びを提案した記事の数々が評判を呼び、夏には読書感想文講座を開催したり、「絵本部」として定期的にイベントを開催して読者の方たちと交流を広げたりと、その活動も多岐にわたってきています。2019年もますます多くの最新の学びの情報をみなさんにお伝えしていきますので、お楽しみに!今回は、2018年の1年間に公開された記事の中から、最も人気が高かった記事10本をランキング形式でご紹介します。まずは10位から6位までをダイジェストでお届けします。★第10位★『「勉強しろ」は逆効果!統計でわかった、親が本当にやるべき3つのこと』ついつい口うるさく子どもに「勉強しなさい」と言ってしまい、後悔することはありませんか?そんな気持ちを抱えた多くの親御さんたちの共感を得たのがこの記事です。声かけをした場合としなかった場合、子どもの勉強時間にどのような違いが出てくるのか、驚きの結果が明らかに!?「勉強しなさい」と言われた子どもの平均勉強時間は、言われなかった子どもよりも3.6分少なかったことがわかりました。このデータを見ると、「勉強しなさい」と言うことは、子どもの勉強時間を増やすのにあまり効果的ではなく、むしろ逆効果な場合もあるといえるでしょう。人は「○○しなさい」と命令されると自分の自由が制限されたと感じ、反対の行動をとる傾向があります。これを「心理的リアクタンス」と言います。「勉強しなさい」と言われると反発したくなるのにはちゃんと理由があったのですね。子どもが勉強したくなるポイントは「将来の話をする」「いっしょに勉強の計画を立てる」「夢中になれる体験をさせる」こと。記事で詳しく説明していますのでぜひご参考にしてくださいね。★第9位★『朝食で子どもの未来が決まる!?恐ろしい……ウソのような「朝ごはん」の事実。』親御さんたちにとって、子どもの朝ごはんについての悩みはつきませんよね。実は毎日の朝食が子どもの学力や脳の発達、さらに将来にも大きな影響を与えているのです。そんな衝撃的な事実にハッとした方も多いのではないでしょうか。朝食について改めて考えさせられたという反響が大きい記事でした。「朝食あり」の子どもの3割が、偏差値65以上の大学に合格している。「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちは高収入層に固まりやすく、「朝ごはんを毎日は食べていなかった人」たちは低収入層に固まりやすい。朝食が大事であることは周知の事実ですね。ただし、朝食を用意する際には、「おにぎりだけ・トーストだけ」では不十分です。おかずの種類が多いほど発達指数が高くなる、というデータも出ていることから、バランスの良い献立が理想的です。記事では、時間のない朝でも簡単に作れるオススメのメニューもご紹介しています。★第8位★『今日から実践!子どもの可能性をぐんぐん伸ばすための「言葉かけ」』子どものテストの結果が悪かったとき、「なんでできないの?」と声をかけてしまっていませんか?この声かけ、実はNGです。子どもの能力を伸ばす声かけのコツは「プロセス」や「努力」を褒めること。すぐに実践できる声かけの仕方がわかりやすく紹介されていると評判を呼び、話題になった記事です。「プロセス・努力」を褒められて育った子どもは、たとえ天才であっても努力をする必要があると考え、挫折したときは、時間と努力を積み重ねることで乗り越えられると信じています。できる子だと思われるよりも、学ぶこと自体に価値を置き、困難な問題にも粘り強く取り組みます。「足が速いね!」「頭がいいね!」と褒めてしまうのはよくあることです。しかし、それは「才能」や「人格」を褒める言葉であり、その結果「成功は生まれつきの才能や頭の良さの結果だと信じるタイプ」へと導いてしまうそう。この記事では、子どもの努力やプロセスを褒めることの重要性と、声かけと同じくらい大切な「子どもの話を聞くこと」についても解説しています。★第7位★『一生に一度のゴールデンエイジに運動能力を一気に伸ばす!幼児期に重要な3つの外遊び。』ゴールデンエイジとは、体を鍛えて運動能力をアップさせるのに最も適している時期を指します。そしてそのゴールデンエイジの前段階である「プレゴールデンエイジ」とは、まさに『こどもまなび☆ラボ』読者のお子さま(3歳から小学校3年生)に当てはまるのです。この記事を公開すると、お子さまにスポーツをやらせたい、すでに本格的にスポーツに取り組んでいる、という親御さんから「非常に役に立った」というお声がたくさん届きました。年齢は多少前後しますが、いずれの場合もゴールデンエイジが「最も神経の発達するころであり、自分が経験したことのない運動でも見ただけで習得できるほどの能力を発揮する時期」という認識という点は共通しています。プレゴールデンエイジを充実させる幼児期の運動は、特別なスポーツを始めさせるよりも、子どもたちが日頃から慣れ親しんでいる「遊び」が最も効果的なのです。たとえば、基礎体力がついてとっさの判断力や素早い瞬発力が鍛えられる『鬼ごっこ』や、手足を巧みに動かす「巧緻性(こうちせい)」が身につく『ボール投げ』など、いつも公園などで遊んでいることこそが、プレゴールデンエイジに必要な能力を高めてくれるなんて驚きですよね。★第6位★『我が子を “自己チュー” にしないための3つの習慣 ~自己肯定感と自己寛容の関係~』近頃話題の「自己肯定感」。『こどもまなび☆ラボ』では、子どもの自己肯定感についていくつもの記事で紹介してきました。その中でもとくに反応が大きかったのが、「我が子を“自己チュー”にしない」というインパクトがあるこの記事です。自己肯定感と同じくらい大切なのは「自己寛容」という言葉に、大きな影響を受けた読者の方も多かったようですよ。「自己寛容」の要素が欠けたまま「自己肯定感」だけを育むと、自分を過信し、できない自分を認めないうえに、それを人のせいにするようになってしまうのです。本記事では「自己肯定感」と「自己寛容」がちょうど良いバランスで育まれるために、親としてできることをわかりやすく紹介しています。「GOODニュースを毎日語り合う」「得意なことを徹底して「認める」」「「ではどうしたらうまくいくだろう」を口癖にする」など、毎日のちょっとした会話の中でできる工夫が盛りだくさんなので、「読んですぐ実践したくなった」という感想がたくさん寄せられました。***『2018年人気記事ランキング第1位~第5位』はこちら
2019年01月01日こんにちは。わたしはこいしさんと申します。現在4歳差の姉妹を育てている主婦です。子育てをしていて、私が一番難しいなと感じているのが「しつけ」です。上の娘は6歳になり、いろんなことが理解できているなと思う反面、「分かっているはずなのに、なんで何度言っても直らないんだろう…」そんな風に感じることも増えました。そんな日々の中で、わたしはふと、自分の幼少期のことを思い出しました。ただのおばさんの思い出話ですが、私と同じように「(子どもが)何度言っても聞かない! キィーーー!」となりがちなお父さんやお母さんに読んでほしいです。■父の口癖うちの父の話をします。父はわりと豪快な性格で、口調がかなり荒っぽいです。自営業をしており、取引先とはかなりフレンドリーな付き合いで、私は父が敬語を使っているところをほとんど聞いたことがありませんでした。そんな父は怒ったとき、「バカやないんか!」と言うのが口癖で、幼少期の私にも、その口癖がしっかりとうつってしまっていました。あるとき、私は友だちとの会話の中で、何も考えずに「バカやないん!」と口にしてしまったことがありました。私としてはツッコミ、くらいの気持ちだったのですが、そのときの友人の反応…そうではありませんでした。■友人の反応友だちを傷つけて、そして怒られるという出来事は、私にとってすごく強烈でした。「バカ」は、絶対使っちゃいけない言葉だということ、無神経な言葉によって人が傷つくことがあることを、私は友人との会話で学びました。■親ではなく他人から学ぶ経験単純に、母親から「バカは言ったらいけんよ」と言われてもきっと流れてしまっていたと思います。「ああまた言いよるわ」くらいに思っていたと思います。たとえば、親に叱られるのはある意味慣れていても、他人に叱られる体験ってなかなかないですよね。家で言い聞かせていることも、本当の意味で理解をするのは、外で痛い思いをしたときなのかもしれません。きっと娘も、理解力はついてきたけど、まだまだ経験が足りてないだけなんじゃないかなと思うんです。だから私も、「いますぐになんとかしたい」という気持ちはいったん置いておいて、「いつか分かるときがくるよね」という気持ちで接していきたいな、と思っています。そんな私の昨晩の様子を載せておくのでぜひ参考にしてくださいね。※本文はあくまで理想論です
2018年12月29日年末年始になると子どもは冬休みに入り、家族で過ごす時間が増えますよね。この時期は、大みそかにお正月とイベントがめじろ押しで、それに伴って年越しそばやおせち、お雑煮など、昔から日本で親しまれている料理を食べる機会がたくさんあるでしょう。その時期ならではの料理を楽しむ意味を子どもに教えることは、家族間のコミュニケーションを充実させたり、子どもが食べ物や栄養について考えたりするきっかけに。今回は、年越しそばやおせち、お雑煮や七草粥といった年末年始の料理の意味について紹介します。ぜひお子さまと一緒に「〇〇を食べる意味はね……」と話してみてくださいね。■年越しそばを食べる意味年越しそばを食べる意味には諸説あります。■細く長く伸びるそばは、寿命や家運を伸ばすとされたため。■そばは切れやすいことから、1年の苦労や厄を断ち切るとされたため。■金箔を使う職人が、飛び散った金粉を集めるのに練ったそば粉を使っていたことから、そばは金を集めるとされたため。■大みそかに貧しい人々に向けてそば餅を振る舞ったところ、翌年から彼らの運気が上がったことから、大みそかにそばを食べると運がつくとされたため。そばの特徴から縁起を担いでいたり、実際の出来事がもとになっていたりと、さまざまなケースがありますが、いずれの場合も新しい年を良いものにしたいというポジティブな思いがあるようです。また、そばの薬味として欠かせないネギにも、疲れを労うという意味の「労ぐ(ねぐ)」、祈るという意味の「祈ぐ(ねぐ)」、神職の「祢宜(ねぎ)」といった言葉にかけて、1年の頑張りを労いつつ、新年を良いものにしたいという願いが込められています。■おせちを食べる意味「おせち」とは暦上の節句(季節の節目)のことで、節句に食べる料理をおせち料理と呼んでいました。現在では節句の中でも特に重要な正月に食べる料理を指す言葉として使われています。おせちには煮物や酢の物など、日持ちのする料理が多いですが、これには普段から料理を担当していることの多い女性にお正月の三が日はゆっくり休んでもらうという意味があるのです。また、お正月は神様をお迎えする時期であり、お正月に火を使うなどして台所を騒々しくするのは良くないとされていることもかかわっているようです。また、おせちが詰められる重箱には「めでたさを重ねる」という意味があり、縁起が良いとされています。おせちにはさまざまな品目がありますが、それぞれに込められた意味や願いは以下の通りです。■数の子卵の数が多いことから、子孫繫栄を願う縁起の良い食べ物とされています。■田作り田作りとは、片口イワシの稚魚を干して甘く炊いた料理です。片口イワシを肥料として使った田畑が豊作になったことから、五穀豊穣を願う食べ物とされています。■黒豆黒い色には邪気払いの意味があります。また、真っ黒に日焼けするほど、まめで勤勉に働けるようにという願いも込められています。■たたきごぼう地中の深くまで長く真っすぐ根を張るごぼうを食べて、家全体が堅固であることを願います。■紅白かまぼこかまぼこの形が初日の出に似ていることから、おめでたい食べ物とされています。さらに赤には魔除けや慶び、白には清浄の意味があります。■伊達巻伊達巻の形が巻物に似ていることから、知性を象徴する食べ物とされています。また、卵を使っていることから子孫繫栄を願う意味もあります。■昆布巻き昆布は「よろこぶ」の語呂合わせとして縁起が良いとされています。また、昆布巻きの中身のニシンは子をたくさん産むので、子孫繫栄の願いも込められています。■栗きんとん漢字で「栗金団」と書くことから、金や豊かさの象徴とされています。■海老海老は長いひげを生やしており、加熱すると腰が曲がることから、ひげが伸びて腰が曲がるまで長生きするという願いが込められています。■お雑煮を食べる意味お雑煮は、お餅とさまざま(雑多)な食材を煮込むことからその名がついたとされていますが、元々お雑煮には年神様に供えたお餅が使われており、食べることで年神様から新年の力(年魂)をいただくという意味がありました。また、前菜として新年の酒宴の前に食べると胃を安定させることから、内臓を守るという意味で「保臓(ほうぞう)」と呼ばれていたという説もあります。■七草粥を食べる意味七草粥とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草が入ったお粥です。聞きなれない名前も多いですが、スズナはかぶ、スズシロは大根を指します。七草粥を1月7日に食べる習慣は、江戸時代から始まったといわれています。七草は前日の夜に未婚の乙女が摘んだものが望ましいともいわれていました。七草は冬の寒さにも負けずに芽を出すことから生命力の象徴であり、食べることで邪気払いや無病息災を願うという意味があります。縁起の良い七草ですが、実はこの時期に食べるのには栄養面や健康面にも関係しています。お正月はおせちやお雑煮などの味の濃いものをたくさん食べてしまいがちで、胃腸に負担がかかっています。七草はどれもビタミンが豊富であり、なおかつお粥にして食べることで消化が良くなるため、胃腸の回復を助けます。七草粥は、お正月の暴飲暴食で疲れた胃腸の救世主のような存在なのです。***子どもと一緒に年末年始ならではの料理を作ったり食べたりしながら、その意味や願いについて伝えることは、日本ならではの季節感を意識することや食べ物の歴史に興味を持つことにもつながります。今年の年末年始は、伝統料理を通した食育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。文/田口るい(参考)東京ガス ウチコト|「おせち料理の意味ってなに?」おせち料理の意味と由来、ルールそばの散歩道|麺類雑学事典年越しそばAll About|正月行事の由来と過ごし方キッコーマン|七草粥の豆知識日本文化いろは辞典|
2018年12月29日お正月はフレッシュな気分で、普段は忙しい家族が一緒に過ごせる大切な季節です。神聖な1年の始まりに感性を共有すべく、家族皆で美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。意外かもしれませんが、お正月期間にも開いている美術館は多いのです。今回は、家族でアートを楽しむ技とおすすめ美術館をご紹介します。年明けに、ぜひ家族で美術館に行ってみてくださいね!美術館を楽しむための4つのコツ美術館は、普段から行き慣れていないと、どうしても敷居が高いイメージですよね。でも海外の美術館はそんなことはありません。ロンドンでは美術館や博物館は基本的に入館無料ですし、ニューヨークでも市民や子ども向けに色々なサービスを提供していて、皆さん気軽に利用されています。ですから日本でも気負うことはないのです!親子でおもいきり美術館を楽しめる4つのコツをご紹介しましょう。【1. 下調べをする】観に行く展覧会の概要をざっくり調べていきましょう。自由すぎると、何を観ていいのか漠然としすぎて戸惑ってしまうかもしれません。そこで、イマジネーションのベースになるテーマや、作者についての情報を少しだけ入れて行くことをオススメします。注意すべきは、詳しく調べすぎないこと。知識は時に、発想の自由を奪ってしまいます。【2. 自分なりのテーマを決めていく】「自分のベスト5を選ぶ」「部屋に飾りたいアートは?」「それぞれの絵に自分でタイトルをつけてみる」などなど。「今回のテーマ」を家族で決めて行くと、アートを見る視点も変わって楽しめます。「えー!あの絵を部屋に飾るの!?」なんて、鑑賞後に会話も盛り上がりそうですね。【3. 自分の視点と感性で自由にみる】「鑑賞する」ということは、「作者が誰で、どんな背景で作品を作ったかを把握し、その意図を正しく受け止めること」ではありません。「そうすべき」と思ってしまうと堅苦しくなってしまいます。鑑賞法に決まりはありません。自分の感性で作品から受けたイメージを膨らませて想像を飛ばしたり、何かを連想したり、自分との共通点を見出したり、自由な感性で作品を受けとめてみてください。【4. 美術館で非日常感覚を味わう】“美術館に行く” ということは、“展覧会を観る” ということだけに止まりません。特に最近の美術館は建築そのものにこだわりを持っていて、カフェやミュージアムショップ、子供のための施設も充実しています。さっき見た作品について語り合ったり、腹ごしらえをしたり、お土産を買ったり、鑑賞の前後も美術館を味わい尽くしましょう!毎回全てのコツを実行する必要はありません。その時々でいろいろな楽しみ方を発見してみて下さいね。◎金沢21世紀美術館美術館がより楽しくなるツール楽しみ方はわかったけれど、子どもが美術館に興味を持っていない場合や、そもそも美術館がどんな場所かを理解していない場合はどうしたらよいのでしょう。そこで、美術館に行く前に見ておくとより鑑賞が楽しくなる番組や絵本をご紹介します。アートへの子どもの興味をひきつけてくれること間違いないしです。<テレビ>■NHK「びじゅチューン」(Eテレ水曜午後7:50)歌とアニメで“世界のびじゅつ”を紹介する番組です。おもしろいのは、作詞・作曲・アニメ制作・歌の全てを担当しているアーティスト・井上涼さんが繰り出す、豊かで突飛なイマジネーション広がるアートの世界観!作者の意図とは別に自由な発想で各アートのオリジナルストーリーを表現しているのです。キャッチーな歌詞と耳に残るリズミカルな音楽。「そんな時は鳥獣戯画ジム♪」「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織♪怒ってる…噴火してる…♪」など、歌詞は子どもには少し難しいかもしれませんが、理解できなくても子どもたちの心をがっちり掴んでしまうほどのオリジナリティ。一度見たら親子できっとハマってしまいます。例えば『ムンクの叫びラーメン(作詞・作曲/井上涼)』を見て、展覧会でホンモノの作品を見たら……ちょっとクスッと笑ってしまうかも。その後作品に興味を持って、「実際はどういう作品なんだろう?」と調べる子もいるでしょう。アートは自由に楽しんでいいんだということが分かれば、美術鑑賞の導入としても大成功です。鑑賞後に家族で“オリジナルびじゅチューン遊び”として、それぞれがどう思ったかを披露しあうのも楽しそうですね。テレビ放映以外にもNHK公式サイトで見られる動画もありますので、ぜひ一度チェックしてみてください。<絵本>絵本を読んで楽しく美術館デビュー。子どもたちを美術館へ誘う、魅力的な絵本たちです!『ババールの美術館』(評論社)作・絵:ロラン・ド・ブリュノフ訳:せな あいこぞうのババールが使わなくなった駅舎に美術館をオープン。たくさんの美術品を見に街の大人や子どもがやってきます。有名絵画の登場人物は全部ぞうになっていて可愛らしさに子どもたちも引きこまれるでしょう。テーマごとに美術品の説明も簡単にされていてアート入門書としても良いものです。美術にはルールはない、だからなにを感じても自由であると、絵本の中でババールは話していました。『ひらめき美術館』(小学館あーとぶっく)結城昌子著自由に楽しめる美術館が本に閉じ込められたような絵本です。「ひらめき美術館」の「展示室」では有名なアート作品を一堂に介して観ることができます。しかも面白くて興味をそそる解説付き。「みんなが参加する部屋」では、ピカソのつもりで絵を描いてみたり、ミロのヴィーナスの腕を想像してみるなど、自由な発想を楽しみます。「みんなの展覧会」の部屋には、皆の作品が発表されていて、同じ作品を観ても感じとることはそれぞれ違うんだということが良くわかります。アートに対して心を軽くしてくれる工夫いっぱいの、親子で楽しめる絵本です。親子で利用しやすいおすすめ美術館家族で美術館に行く心の準備が整ったら、次は実際に美術館へ!年始や連休などの休日にも利用しやすい美術館をご紹介します。●東京都美術館上野にある美術館が参加する「ミュージアムスタートあいうえの」をはじめとして、子どもやファミリー向けサービスが充実しています。休館日も基本的には月2回で、年始も1月2日から開館。しかも小学生は無料で観られる展覧会がほとんどです。毎月第3土曜・日曜は「家族ふれあいの日」で、対象の展覧会のチケットが保護者も半額となります。●森美術館年中無休で、年末年始もオープンしています。ドラえもんやモダンアートなど子どもの興味をそそり、想像力を働かせて楽しめそうな企画が多いのは、美術館の理念「あらゆる年齢、地域、国々の人びとに開かれた美術館であることを目指している」からなのでしょう。●大塚国際美術館徳島県鳴門市にあるこの美術館の素晴らしさは、ヴァチカンに行かずして「システィーナ礼拝堂」を鑑賞できることです。そのほかにも1000点以上に及ぶ西洋の名画が全て陶板で再現されている陶板名画美術館で、その完成度の高さは、ローマ法王庁からの聖シルベストロ騎士団長勲章授与やピカソのご子息からの賛辞などでも証明されています。年始も元旦からオープンしていますのでお正月に神聖な気持ちで名画を家族で堪能するのもいいですね。●金沢21世紀美術館石川県金沢市にあり、2004年の開館以来全国から人が集まる人気の美術館です。コンセプトに「“まちの広場”としての市民参画交流型美術館」「子どもたちとともに成長する美術館」とあるように、建築も「まちに開かれた公園のような美術館」です。ガラスが多用された開放感、どこからでも人が入れるような多方向性円形デザインは数々の受賞歴に輝くSANAA(妹島和世氏+西沢立衛氏)によるもの。オブジェが点在する広い芝生の庭、デザインチェアが置かれたガラス張りの回廊のようなスペース、アートライブラリーなど無料で利用できるエリアも充実しています。週末にはキッズスタジオでワークショップなども開催。お正月は2日からオープンしています。***昔に比べると、アートも多様化して、より親しみやすいものになってきたような気がします。それも美術館の様々な取り組みや関係者の方々の努力の成果なのでしょう。アートが引き出す子どもたちの自由な感性と可能性は、彼らの世界を広げてくれるにちがいありません。これからますます美術館が身近な場所になってきそうですね。(参考)東京都美術館森美術館金沢21世紀美術館大塚国際美術館びじゅチューンEhonNaviStyle|親子で美術館に行こう!はじめてのアート鑑賞を応援する絵本藤田令伊(2015), 『芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本』, 秀和システム.ロラン・ド・ブリュノフ作 せな あいこ訳(2005), 『ババールの美術館』, 評論社.結城昌子著(1996), 『ひらめき美術館 第1館』, 小学館あーとぶっく.結城昌子著(1996), 『ひらめき美術館 第2館』, 小学館あーとぶっく.結城昌子著(2002), 『ひらめき美術館 第3館』, 小学館あーとぶっく.
2018年12月29日「本選びのプロ」がとっておきの情報を教えてくれる連載『まなびの本棚』第3回です。寒さが本格的になり、子どもたちも家にこもる時間が増えてきたのではないでしょうか。家で過ごす時間が増えたら読書を習慣づけるチャンスです!これまで時間がなくて読めなかった本や、時間があるときに読もうと思っていた少し難しい本に挑戦することで、子どもが自分自身と向き合うきっかけになります。この連載では、日販図書館選書センターで選ばれた本のランキング、そして選書のプロ・コンシェルジュによるコラムをご紹介します。きっと子どもの本選びのお役に立つはずです。選書センターについて、詳しくはこちらをお読みください→図書館司書や教育関係者が足繁く通う『日販図書館選書センター』って知ってる?2018年人気図書ランキング1位鳥獣戯画を読みとく五味文彦 監修岩崎書店2位学校プールのヤゴのなぞ星輝行少年写真新聞社3位失敗図鑑いろは出版編著いろは出版4位鉱物・宝石のひみつ松原聰岩崎書店5位辞書びきえほんもののはじまり陰山英男ひかりのくに(※2018年4月1日~11月30日累計)近ごろは空前の図鑑ブームですが、中でも3位にランクインした『失敗図鑑』は、立派な偉人たちの失敗を知ることで元気と勇気をもらえると評判です。しかも、ココ・シャネルやベーブ・ルース、徳川慶喜といった歴史上の人物だけではなく、いきものや発明品にまつわる失敗など、計320個ものさまざまなエピソードがつまっているので、読み応えも抜群!子どもが壁にぶつかったとき、失敗をして落ち込んだとき、親御さんからの励ましの言葉にプラスして、この図鑑をめくってみましょう。きっと「この失敗は成功するために必要なんだ!」と前に進む力になるはずです。コンシェルコラム"本選びのプロ"選書センターコンシェルジュのおすすめの本あの有名な物語が裁判のテーマに。視点を変えると昔話の印象がガラリと変わる!非現実的な昔話を法律の観点から読み解く……というこれまでにない斬新なテーマで、子どもたちだけではなく大人たちの間でも話題になったNHK Eテレの番組『昔話法廷』。今回は、この番組を本にしたシリーズの第2弾をご紹介します。たとえば『3匹のこぶた』では、オオカミは最後に鍋で煮込まれてしまいますよね。しかしこの法廷では、それは子ぶたたちの計画的犯行ではないかと疑われてしまうのです。果たして子ぶたたちは殺人罪に問われてしまうのか?それとも正当防衛で無罪になるのか?視点の面白さもさることながら、「なぜオオカミが入るほどの鍋があったのか」という鋭い指摘に、これまでまったく意識せずに読んでいた昔話の中に潜んでいる「謎」や「気づき」がどんどん明らかになっていきます。「もしかして……」と、大人でも考えさせられる内容なので、親子で一緒に読んだあとに意見を出し合ってみてもいいかもしれませんね。子どもたちが裁判員裁判について考えるきっかけになる図書としてもおすすめです。『昔話法廷 Season2』オカモト 國ヒコ金の星社
2018年12月29日凧揚げ、羽根つき、こままわし、かるた……。伝統的なお正月遊びは、日本文化に親しむことに加えて、子どものさまざまな能力を伸ばす効果も期待できます。今回は、代表的なお正月遊びがもたらす脳や運動能力への影響について詳しく解説していきます。日本ならではのお正月遊びで子どもの能力を上げる!スポーツや遊びの要素を取り入れたトレーニング・プログラムとして注目されている『コーディネーション運動』の教室「アープスコーディネーションスタジオ」によると、お正月の伝統的な遊びには、運動能力を伸ばす要素がたくさん含まれているとのこと。また運動能力以外にも、頭を使う遊びも多いため、知育の面からも非常に役立つようですよ。また、子育てに行事文化を取り入れた「行事育」を提唱している和文化研究家の三浦康子氏は、お正月の伝統的な遊びの成り立ちや意味を教えてあげることで、子どもたちはより日本の文化に親しみを覚えると述べます。『こどもまなび☆ラボ』の読者である親御さんたち世代ですと、さらに上の年代の方に教えてもらう機会も減ってきましたよね。今回は代表的なお正月遊びにまつわる意味や成り立ちも解説しています。ぜひ参考にしてください。せっかくのお正月。おじいちゃんやおばあちゃん、普段めったに会えないたくさんの親戚が集まるときこそ、特別な遊びで忘れられない思い出づくりをしたいものですね。体力アップと調整能力が身につく『凧揚げ』■凧揚げの成り立ちもともとは中国で占いや戦いに使われていた凧。平安時代ごろに日本に伝わり、江戸時代には男の子の誕生を祝って凧揚げするようになりました。その後、庶民の遊びとして広まり、お正月の風物詩としてたくさんの子どもたちに親しまれるようになったのです。凧が高く揚がるほど神様に近づくので、願い事が叶い、元気に育つと言われています。■遊び方糸を引いて揚力(ようりょく)をおこし、空中に飛ばします。和凧、洋たこ(カイト)と色々な種類があり、今では100円ショップなどでも簡単に手に入るようになりました。土手や原っぱなど、思い切り走り回れる広い場所さえあれば、ぜひ家族で一緒に挑戦したいですね「昔は敵陣までの距離を測ったり、遠方へ放火したりする兵器としても凧を使ったんだよ」などと話せば、ゲームとは違う凧の操縦に興味を持つかもしれません。■凧揚げによって伸びる能力・まず、うまく上がるまでひたすら走ることになるので、いつのまにかかなりの運動量になり体力がつきます。・ただ走るだけではなく、凧を揚げるという目的のため、試行錯誤することで創意工夫する力も養われます・風をつかんで凧糸を出したり引いたりする微調整が必要とされるので、調整能力が鍛えられます。相手を打ち負かすのはダメ。長く続けて邪気を払う『羽根つき』■羽根つきの成り立ち室町時代に中国から伝わり、邪気を払うために行われていました。羽根に使うムクロジ(の種)は「無患子」=患わない子と書きます。昔は蚊が媒介する病気で子どもが亡くなることが多かったため、羽根を“蚊を食べてくれるトンボ”に見立てて打って飛ばしました。■遊び方健やかな健康を願って一年の厄をたくさん払いのけたいため、羽根つきは相手を打ち負かすのではなく、長く続けた方がいいと言われています。打ち損じたときに顔に墨を塗るのは、魔除けのおまじない。罰ゲームではなく、羽根を落としても守ってあげるよという優しさなのです。■羽根つきによって伸びる能力・見た目も動きもラケットスポーツに共通するものなので、テニスやバドミントンなどと同様の能力を必要とする遊びです。・自分と物体との距離感を調整する「定位能力」と、羽子板を操作する「識別能力」が鍛えられます。手首の柔らかさやコントロール力が必要な『こま回し』■こままわしの成り立ちその歴史は古く、平安時代にはすでにこまを使って遊んでいたという記録が残っています。こままわしは、「物事や人生が円満にまわる」「子どもが早く独り立ちできる」ことを願ったものだと言われています。■遊び方こまに紐を巻きつけ、指でひねって回します。胴体の底面の逆円錐の部分に下から紐を巻きつけ、紐の片方を持って胴体を投げ出して、紐を引くことで回転をつけます。■こままわしによって伸びる能力・こまを地面と水平にするために投げる角度を調整したり、手首を柔らかく使い、最後には紐を引くという動作が加わったりするため、テクニックが必要とされます。・タイミングを計ったりコントロールしたりする力が養われます。記憶能力と反応能力が試される『かるた・百人一首』■かるた・百人一首の成り立ちポルトガル語で「カード」という意味の「カルタ」が元だと言われています。一方、百人一首は宮中の遊びだったものが庶民に広まったものです。■遊び方読み札を聞いて取り札を取ります。■かるた・百人一首によって伸びる能力・まさに「反応能力」が試される遊びです。・取り札の位置を記憶すると有利になるので、「記憶能力」と「空間把握」のトレーニングになります。◉おすすめはいもとようこさんのかるた!リズミカルな文章で、「あいうえお」がすいすい覚えられる!と評判の『あいうえおかるた』(金の星社)。いもとようこさんが描く可愛らしいイラストが小さな子どもの心をつかみます。絵札の裏にはひらがなの書き方も載っているので、文字を書く練習にも◎。また、「ありがとう」や「ごめんなさい」など、大切なことばを取り上げているので、遊びながら挨拶や礼儀も身につきます。おじいちゃんやおばあちゃん、普段会わない親戚が集まった時でも、「うさぎさんうとうとうっかりひるね」なんて可愛らしいことばと絵柄できっと会話も弾むはずです。◉「かるた」と「百人一首」ってどう違うの?百人一首とは、100人の歌人の歌を、ひとりにつき1首ずつ選んだ歌集のこと。読み手が読み札を読んで、読まれた札と合ったものを取るのは、かるたも百人一首も一緒です。ただし、百人一首の場合、取り札は和歌の下の句しか書かれていません。読み札は上の句から読まれるため、和歌をすべて覚えていることで早く札を取ることができるのです。記憶力のトレーニングに非常に適しています。指先の感覚と記憶能力がキモ!『福笑い』ほかにも、幼い子どもでもすぐに挑戦できる遊びに「福笑い」があります。「笑う門には福来たる」と縁起の良い遊びであり、特別な知識やテクニック、運動能力は必要とされないので、老若男女誰でも簡単に楽しめます。遊び方は、目を瞑るか目隠しをして、顔のパーツを選び、顔の輪郭に並べて言います。パーツを選ぶ指先の感覚と、どこに並べるかの位置関係が出来栄えを左右するため、意外と緊張感が高まる遊びでもあります。目を閉じた状態での空間把握と記憶能力のトレーニングにもなりますよ。***お正月の遊びは、いつも子どもたちが遊んでいるものとは一味違う面白さや新鮮味がありますよね。伝統文化に触れることで、日本に伝わる行事の意味や歴史を知ることは大事です。そして、ご紹介したようにさまざまな能力の向上にもつながるのなら、これほど嬉しいことはありませんね。(参考)アープスコーディネーションスタジオ|お正月遊びのメリット「三浦康子の「行事育」のススメ 子育て歳時記 お正月遊び」,プレジデントファミリー,2018年冬号,pp144-145.Milly|家族みんなで楽しめる凧!人気が高いおすすめアイテム12選Study Hacker こどもまなび☆ラボ|絵本のさんぽみち|“はじめてのひらがな”はこれで決まり!人気絵本作家いもとようこさんの「あいうえおシリーズ」チャイビ|語彙を増やすことば遊びとしてもおすすめ!厳選かるた5選のご紹介Milly|百人一首の選び方・覚え方は?人気のおすすめ商品11選
2018年12月28日4月に入園や入学を控えているママは、楽しみな反面、準備が間に合うかなと不安になっている方もいるかもしれません。中でも、通園バッグや靴袋など「袋物」と呼ばれるグッズは手作りを推奨される場合もあるかもしれません。裁縫が苦手だったり、仕事をしていて作る余裕がなかったりと様々な事情で手作りできないこともあるでしょう。手作りが推奨される理由や便利な代行サービスなどをご紹介します。1. 用意する袋物はさまざま入園や入学時に指定される準備品でよくあるものは、手提げ袋(サブバッグ)、上履き袋、体操服袋、歯磨き袋、昼食セット(お弁当箱・カテラリー入れ・ナプキンなど)、防災頭巾カバー、ピアニカ入れなどがあります。サイズ指定されることが多く既製品ではちょうどいいサイズがないこともあります。既製品でサイズがあったとしても、園や学校から母親の手作りを推奨されることもあります。強制されるものではありませんが、周囲が手作り品を持っている中で我が子だけが既製品というのも抵抗があるかもしれません。逆に、手作りを推奨している所でも実際通ってみると既製品を使っている子が多いというケースもあります。既に通っている先輩ママがいれば事情を聞いてみるのが一番ですが、いない場合には週末の下校時に様子を伺ってみるのもいいですね。2. 手作りが推奨される理由裁縫が苦手な方や時間がない方は手作りを推奨されて、「何で作らなくてはいけないの?」と感じる方もいるかもしれません。手作りを推奨するのは、どんな理由があるのでしょうか。 (1) 一目で自分の物だと分かりやすくするため 保育園・幼稚園の場合はまだ自分の名前が読めない子が多いと思います。手作りであれば、名前が読めなくても一目で自分の物だと分かりやすくなります。また、既製品の場合は人気のキャラクター物などを選ぶと他の子と同じになる可能性があり、間違えやすくなり取り違えるかもしれません。 (2) 親の手作りだと子も親も愛着がわく「手作りではないから愛情がない」ということは全くありませんが、親の手作りであるとより愛着がわいて物を大事にするという考え方から手作りを推奨する園が多くあります。また親の方も、苦手だったり忙しい中で子どものために頑張って作ったという気持ちが芽生えます。ある親は、徹夜で作って持たせた袋物を、こどもがお気に入りのオモチャを入れるための袋を同じ布で作ってほしいと頼まれて、愛着を持って使っているのだと嬉しく感じたそうです。親が作ってくれた世界に一つだけのものを子どもが持つことで、子ども自身も世界でたった一人の自分を意識できるようになっていくのかもしれません。3. 裁縫が苦手な方はサポートサービスを利用しよう手作りの良さは分かっていても、事情があって作ることが難しいという方も多いと思います。そんな場合「子育ては大変だ」「自分は母親失格だ」などと自分を責めたり、思い詰めないようにしてください。普段裁縫をしないのに、準備のためだけにミシンなどを購入することは現実的ではありませんし、慣れない作業は時間がかかりストレスもたまります。そんな方の為に、最近では手作り品の代行サービスが充実しています。いくつかご紹介します。・パンドラハウスイオン店舗内で展開する手芸店です。パソコンでシミュレーション後ネット注文が可能です。・ユザワヤ大手の手芸屋です。選べる生地は店頭にあるもの全てで種類が豊富です。規定サイズはありますが寸法を細かく指定することも可能です。・オカダヤこちらも大手の手芸屋です。各店で生地や付属品を購入すると、その店でオーダーすることが可能です。生地も店頭のものを全て選べるので希望に合ったものが作れます。・コットンハリウッドインターネットでフルオーダーが可能です。生地も1000種類以上から選べ、細かい指定も指示書をFAXすることで対応してもらえます。また最近では、ハンドメイド作品の出品や購入が可能なサイトも多くあります。例えば「minne」や「Creema」などのサイトでは、入園入学グッズが販売されています。作家さんによってはオーダーを受け付けている場合もあるので、相談してみるのも良いでしょう。私は裁縫が大の苦手で既製品もOKな園に入園させました。入園前のバザーで必要なセットを販売していたので、それらを利用して準備を進めました。一方既製品不可の所に入園した友人ですが、慣れない裁縫を頑張ってご自分で一式を揃えていました。どちらが良いということではなく、自分に合った方法を見つけて無理せず準備することが一番大切だと思います。頑張ってみるのもよし、便利なサービスを利用してみるのもよし、まずはそのための情報収集から始めてみましょう。早めに準備を始めて、入園入学直前に焦らないようにしたいですね。
2018年12月28日移動が多くなる時期、頭を悩ますのは「途中で子どもがぐずらないか」「周りに迷惑をかけないか」ということなのではないでしょうか?公共の交通機関はもちろん、たとえ車の移動だったとしても、長時間となると子どもは飽きてグズグズしがちですよね。そんなとき、ついカッとなって「静かにしなさい!」「もう知らないからね!」と言ってしまうと、ますます子どもは言うことを聞かなくなってしまいませんか?今回は、長距離・長時間の移動のとき、ぜひ覚えておいてほしい対処法や「声かけ」のヒントをお教えします。移動中、聞き分けが悪くなるのはなぜ?2010年、JR東海は子どもと一緒に移動する人専用の『ファミリー車両』の運行をスタートしました。これは「子どもが泣いたり騒いだりするたびに、周囲の方に謝りながらデッキに行くなど、肩身の狭い思いをしている」という新幹線の利用者の声を反映した取り組みです。小さい子どもを連れた家族が気遣いなく乗車できると評判を呼び、今ではチケット発売後にすぐに完売することも。それほどまでに、世の親御さんたちは移動のたびに「子どもが騒いで迷惑をかけないか」と気を揉んでいたのです。なかには心無い言葉を投げかけてきたり、「自分の子どもなのに静かにさせられないの?」と不思議がる人もいたりと、小さい子ども連れに対する理解が進まないことも、親御さんを苦しめている一因となっています。一方で、「普段はもっと聞き分けがいいのに……」「非日常的空間にテンションが上がっているのかな……」と周囲に申し訳ないと思いながら、なんでいつものやり方では効果がないんだろう?と不思議に思うこともあるのではないでしょうか。発達心理学が専門の白百合女子大学教授・秦野悦子氏によると、長距離移動中に子どもの聞き分けが悪くなるのにはちゃんと理由があるそう。親の都合で子どもの遊びを一方的に切り上げたり、1日連れ歩いたりすると、子どもは次の行動の見通しが持てず、その時、その場で好奇心を満たそうとするため、普段より聞き分けが悪くなります。(引用元:PHPファミリー|子どもの「ダダこね」には必ず理由がある!?)つまり、大人の都合を優先することが子どもを不安な気持ちにさせ、ダダをこねたり、気持ちを切り替えることができなくなったりするんですね。そこで重要になるのが「事前の言い聞かせ」です。事前の言い聞かせと説明で不安を取り除くNPOマナー教育サポート協会理事の岩下宣子先生によると、幼稚園以上の子どもなら、絵本などで疑似体験をさせるのがおすすめだそうです。絵本を通じて電車にはいろいろな人が乗っている可能性があること。眠たい人、本を読んでいる人、考えごとをしている人、頭が痛かったりおなかが痛かったりする人や、悲しいことがあった人がいるかもしれない。だから静かにしようね。などとどうして静かにしなければいけないのか説明をして伝えておくといいですね。(引用元:いこーよ|電車で我が子が騒いだら!?マナーのプロの年齢別対応マナー)『でんしゃにのって』(とよた かずひこ 著.アリス館)『でんしゃにのろう』(斉藤 洋 著.講談社)また、5歳くらいからは先の見通しもできるようになってきます。旅のスケジュールをわかりやすく伝えたり、簡単な「旅のしおり」を作ってあげるのもいいでしょう。要所要所に子どもがワクワクする「お楽しみポイント」を書いてあげれば、移動中も「この先には楽しいことがある!」と不安をかき消してくれるはずです。大人だって、何も知らされずにいきなり電車や飛行機に乗せられると不安になりますよね。「行き先は〇〇だよ」「○時間くらい乗るよ」「途中でごはんを食べようね」などと説明してあげることで、安心して移動時間を過ごすことができるでしょう。3歳までは親がお手本を。4歳以降は理由を説明する3歳くらいまでは「大声を出してはダメ」「じっとしていなさい」と言っても伝わらない子がほとんどです。それどころか、構ってもらえることが嬉しくてさらにヒートアップしてしまう子も多いのではないでしょうか。まだまだ幼いお子さんに対しては、言葉で伝えるよりも親御さん自身が小声で語りかけるなど、お手本になる行動を見せる方が手っ取り早いでしょう。また、同じ意味でも言い方を変えるだけで、子どもは意外と素直に受け入れることもあります。臨床心理士の福田由紀子氏によると、「〜しない」というマイナス方向の努力は我慢のみを強いてしまうため、継続が難しいといいます。たとえば、「大きな声でしゃべっちゃダメ」を「ママとコショコショ話しよう」に変えてみると、子どももすんなり行動に移すことができるはずです。4歳以降になると、理由をきちんと説明して納得させるようにしましょう。どうして静かにしなければならないのか、また他のお客さんの気持ちを想像させることも効果的です。親が思っている以上に、小さい子どもにも理解力や共感能力が備わっています。「言っても理解できないだろう」と諦めるのではなく、お子さんに伝わりやすい言葉を選んで説明してみましょう。具体的に伝える「大人は指示をして子どもを動かそうとしがちですが、モチベーションがアップする言葉を具体的にかけられた子どもは、一瞬にして生き生きとした表情に変わります」と述べるのは、子育て学協会会長兼チャイルド・ファミリーコンサルタントとして活躍中の山本直美氏です。山本氏は幼稚園教諭としての自身の経験から、「子どもたちは、具体的な言葉でイメージさせてあげないとほとんどのことが理解できない」といいます。「ちゃんと座って!」「じっとして!」と言い続けても、子どもは何度でも同じことを繰り返し、親も疲れ果ててしまいますよね。そんなときは、具体的な説明や提案をしてみませんか?たとえば、「おうちから持ってきた本をお膝に乗せて一緒に見ない?」「次の駅まで、面白い看板がいくつ見つかるか競争しよう」何をすればいいか、具体的に理解できれば子どもは先の見通しが立ち、楽しんで行動を起こすことができます。「ありがとう!」感謝の言葉が子どもを動かす『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)の著者・コピーライターの佐々木圭一氏は、「北風と太陽」こそが伝え方の極意であり、それは子どもにも充分通用すると述べています。人は感謝をされると相手のお願いを拒否しにくいーー。この心理を利用して、子どもがムズムズし始めたらすかさず「静かにしてくれてありがとう!」「電車が来るまでじっと待っててくれてありがとう!」と、言ってみましょう。するとお子さんは、自分の行動がお母さん・お父さんに喜ばれていることを誇りに思うはずです。その結果、少しずつでも期待に沿うような行動を心がけるようになるでしょう。また、子育てについて多数の著書があるカウンセラーの高橋愛子先生は、「しつけは叱らなくてもできる」と説きます。高橋先生がすすめるとっておきの方法は「過去形で褒める」こと。たとえば「前に電車に乗ったときよりも静かにできるようになったね」と以前の子どもの様子と比べたり、「今、静かにしようとしていたんだよね」とこれからしようとする意欲を褒めたりすることで、子どもを“暗示”にかけるのです。高橋先生は「子どもがこれからしようとする行為を親が言葉で表現してあげれば、できたときのイメージが明確になり、その通りに行動できるようになります」と述べます。またこの方法は、親御さんのストレスも軽減できるというメリットが。子どもを必要以上に叱って後悔したり、落ち込んでしまったりすれば、せっかくの楽しい気持ちが半減してしまい、目的地に着いてからも思う存分楽しむことができません。親の声かけひとつで、移動中の不安やストレスが、“ワクワクの楽しい思い出”に変わります。ぜひ試してみてくださいね。***周りに迷惑をかけないように、と考えれば考えるほど焦ってしまいますよね。まずは親御さんが落ち着いて、リラックスした気持ちで優しく声かけしてみましょう。きっとお子さんにもその気持ちが伝わり、驚くほど素直に聞いてくれるようになりますよ。(参考)東洋経済ONLINE|新幹線「子連れ専用車両」はなぜ生まれたのかPHPファミリー|子どもの「ダダこね」には必ず理由がある!?いこーよ|電車で我が子が騒いだら!?マナーのプロの年齢別対応マナーKIDSNA|電車内での子どものマナー。「大声を出さない」などの上手な伝え方All About|「ダメ!」が子どもに効かない2つの理由「カリスマ先生が保育で一番大切にしてきた「言葉」」,日経DUAL,2018年1月号,pp86-87.Milly|『伝え方が9割』の著者が教える ママのお願いを叶えるための伝え方「何歳からでも遅くない「甘えさせる子育て」のすすめ」,プレジデントムック 小学生からの知育大百科,2018完全保存版,p76.
2018年12月28日英会話力を身に付けるのに不可欠なものは、何でしょうか。漠然と英会話ができるようになりたいといっても、ターゲットがはっきりしませんね。会話では、会話の流れを作り出し、その流れに乗り、そして流れを変えることが求められます。相手の主導権に任せて、一方的に話を聞くだけでは、対等の立場で会話を進めることができません。ここで重要なのは、積極的に会話の流れを調整する能力なのです。英語に自信がない人は、そんなの無理だと思うかもしれませんね。でも相手は、あなたの英語ではなく、あなた自身に関心があるのです。そこで、相手にきちんと向き合うには、英語力の有無にかかわらず、積極的に会話を調整していくことが求められます。これを英語教育の分野では「会話管理能力」や「コミュニケーションの方略」と呼びます。流れを調整する時はもちろん、英語を使って行うのですから、まずはそのための慣用表現を覚えることが肝要です。今回は、話題を調整するのに便利な慣用表現ネットワークをご紹介しましょう。1. 話題を導入する「ねえ、知ってる?」「こんなことがあったんだよ!」「ねえ、知ってる?」新しい話題について話し出す時、日本語ではこう口火を切りますね。話題を導入するという行為は、会話の流れを作る上で必要不可欠です。もちろん、英語でも同じことが言えるでしょう。・よい知らせがあるよ。I have some good news for you.・何があったか当ててごらんGuess what.・信じられないかもしれないけど……。You may not believe this, but ….・想像できないかもしれないけれど(こんなことがあったんだ)。You’ll never guess what happened.例えば「宝くじに当たったんだ!」と伝えたい時、いきなり話し出すよりも、「信じられないかもしれないけれど」という一言で始めたほうが自然ですね。また、まず相手の注意を喚起してから話題を導入することもよくみられます。・聞いて!Listen!・見て!Look!・えーと……。Well, ….・ねえ、……。You see…,・で、……。So …。日本語で言えば、「あのー」「ねえ」「えーと」「で」に近い感覚の表現ですね。2. ひらめきを伝える「いいこと思いついた!」何かをひらめいた時は、なんて伝えたらいいでしょうか。ねえ、いいアイディアを思いついたよ。Hey, I’ve got an idea.ちょっと思ったんだけど。I just thought of something.これってどう思う?What do you think of this idea?こう話し始めれば、聞き手もちゃんと耳を傾けてくれることでしょう。3. 提案する「こんなのどう?」相手に尋ねられ、それに対する自分の考えを話す時、日本語ではまず「こんなのどうかな?」と言いますね。英語でも同様のフレーズを使うと、会話がスムーズになります。・こうしたらいいんじゃないかな。I know what we can do.・じゃあ、こんなのどうでしょう。I’ll tell you what.・これはどうですか?how does this sound?しばらく考えてから、ある考えを話し出す前に使える、便利な表現です。4. 途中で脱線する「ところで」ある話題について話し出したら、しばらくはそれに関するやりとりが続くはずですね。しかし普段の会話では、話題の変更や脱線がしょっちゅう起こります。あるトピックについて徹底的に話し合うというよりも、むしろ思いつくままに話題を展開させていくのが日常会話というもの。もちろん、いきなり話題を変えてもルール違反ではありません。しかし、「話題を変更するよ」という言語によるシグナルを送ることができると、より親切ですね。・ああ、ところで……。Oh, by the way….・ちょっと話題は逸れるけど……。To get off the subject a moment, ….・それで思い出したことがある。That reminds me of something.好きな時に自然な形で話題を変えることができるようになりますよ。5. 元の話題に戻す「いずれにせよ」話題を変更した後に、元の話題に戻したい。そんなこともあるでしょう。・いずれにせよ……。Anyway ….・何を話していたんだっけ?Where was I?・冗談はさておき……。All jokes aside….・まじめな話……。Seriously, though,….話の軌道修正ができるようになると、自分から積極的に会話を進めやすくなること間違いなしです。6. 話題が変わるのを防ぐ「最後まで聞いて!」会話では普通、話題がどんどん変わっていくものですね。しかし、例えばミーティングのように、話題がコロコロ変わるのが望ましくない場面もあります。そんな時は、こう言えるといいですね。・話題から離れないようお願いね。Let’s not get off the subject.・もう少しこの話題について話してもいいですか?Would you mind staying with the subject?・最後まで聞いてください。Hear me out, please.自分が話している最中に他の人に割り込まれた時は、最後の表現が便利です。7. 話題を避ける「別のことを話そう」難しそうな話題になり、英語に自信がない時はどうするべきでしょうか。ある調査によれば、日本人学習者の場合、黙ったままで苦笑いをして、曖昧な反応をする人が少なくないようです。これでは相手は、無視されたと考えるかもしれません。暗黙の回避は、誤解の元です。話題を避けたい時は、その意図を明確に言葉で表現することが大切になります。・それについては話したくないな。I’d rather not talk about it.・その話題に入るのはやめよう。Let’s not go into that.・そのことは持ち出さないようにしよう。Let’s not bring that up.・何か別のことを話そう。Let’s talk about something else.会話の流れを自ら作り出し、上手に調整するために、このような表現を練習してみてください。続けていくと、英会話力の向上が実感できるはずです。
2018年12月28日「シェアリングネイチャー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本でも徐々に広まりつつある思想ですが、初耳だという人もいるでしょう。そこで、「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者であり、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員という顔も持つ石﨑一記先生に、シェアリングネイチャーとはどんなものかを教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)アメリカ生まれの自然から学ぶ思想シェアリングネイチャーという考え方が生まれたのは1979年。アメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネル氏が『Sharing Nature with Children』という著書で提唱したものです。これは画期的なものでした。それまでは、子どもを自然に触れさせるにも、「教えましょう」「体験させましょう」という考え方が中心でした。でも、そうではなくて、自然のなかで見たり聞いたり感じたりしたことを、「すごいね」「綺麗だね」と共有するだけでいいじゃないか、と。それで十分に子どもたちは自然の楽しさを味わい、自然の恩恵を享受できると提唱したのです。日本では1990年頃から広まりはじめました。すると、林業関係者や自然環境保全団体、幼児教育や学校教育従事者、福祉関係者、カウンセラーなど、多くの人がその考え方に賛同した。それからは、日本でも着々と浸透しています。国内における活動は、ジョセフ・コーネル氏とライセンス契約を結んでいる日本シェアリングネイチャー協会が中心となっておこなっています。ジョセフ・コーネル氏自身がネイチャーガイドとして活動するなかで発案した「ネイチャーゲーム」をはじめとした自然体験プログラムを通じて、自然を楽しみ、自然と遊び、自然から学ぶよろこびに満たされた生活を送る人々を増やす活動を続けています。おすすめネイチャーゲーム5選ここで、わたしがおすすめするネイチャーゲームをいくつか紹介しておきましょう。1:大地の窓これは、木の葉っぱが落ちる秋から冬の時期にできるもの。全身を落ち葉のなかにすっぽり埋めて、顔だけを出します。すると、自分がどんどん地面の一部になっていく感覚になる。「大地の窓」から森を見ると、普段とはまったくちがった森に見えてきますよ。(画像提供:日本シェアリングネイチャー協会)2:落ち葉キャッチ同じ落ち葉の季節なら、これもおすすめ。落ちてきた落ち葉をキャッチする。それだけの遊びです(笑)。でも、これがなかなか面白い。落ち葉って地面に落ちているところは見ても、落ちる瞬間はなかなか見ないものですよね。なんとか捕まえようと、じーっと木を見上げていると、不思議なことに風の通り道も見えてきます。3:木のシルエットこれは、葉が落ちて木の幹や枝のかたちがよくわかる冬にいいですね。全身を使って木のかたちを真似して、どの木を真似したのかをまわりの人に当ててもらうというもの。木の樹形を観察することにもなるし、親子でやればその絆を深めることにもなります。(画像提供:日本シェアリングネイチャー協会)4:ミクロハイクこれは年間を通じてできるものです。ところで、みなさんは虫眼鏡って見るものを大きくするものだと思っていませんか?じつは……虫眼鏡は「自分を小さくする」ものなのです(笑)。虫眼鏡を使って自分が小人になった気分で探索をするのですが、これにはコツがあります。上からのぞくのは巨人の視点です。そうではなくて、地面に横になって見る。そうすれば、自分が小人になって、巨大なアリに遭遇したり、コケの大森林を歩いたりできますよ。(画像提供:日本シェアリングネイチャー協会)5:フィールドビンゴこれも年間を通じて楽しめますね。日本シェアリングネイチャー協会でつくっているカードもありますが、家庭ではビンゴカードのような3×3マスか4×4マスのカードを用意すればOK。そのカードに、グループで「近くにありそうな自然のもの」を書き込み、見つけた項目に丸をつけていくというゲームです。自分のカードのどのマスに書き込むかも重要ですよ。誰かが「白い花」という項目を言ったとして、すでに白い花を見つけているのなら、ビンゴを出すために重要な真ん中のマスに書いちゃうとかね。さらに面白いのは、グループ全員が納得しないと丸をつけられないところ。たとえば「いいにおい」という項目があって、ママが「いいにおいがする」、子どもが「ほんとだ!」と言っても、パパが「ええ?いいにおいじゃないよ」と言ったらそれはNG。だから、親子のコミュニケーションを育むことにもなる。ちなみに、普通のビンゴでは1列が埋まれば終わりですが、これはたくさん見つけてビンゴをいくつもつくります。(画像提供:日本シェアリングネイチャー協会)ネイチャーゲームがなくなることが理想!?真面目な親御さんなら、これらのネイチャーゲームが子どもになにをもたらしてくれるかといったところも気になることでしょう。日本シェアリングネイチャー協会でも、「自然や他者への共感や思いやりが生まれる」「自然や環境への理解が深まる」「自然の美しさや面白さ、不思議さなどを発見できる」「いのちを大切にする心が育まれる」といったことを、その効果として挙げています。たしかにそのとおりでしょう。でも、わたし個人としては、「なにかのためにやる」ものではないと思っています。そうではなく、親子が「共通の体験をする」こと自体に意味があるからです。だからこそ、子どもにやらせるのではなく親自身が楽しむことが大事になる。親子向けのネイチャーゲーム体験イベントでは、最初はだいたい親御さんは子どもにやらせて自分は後ろで腕組みをしている。でも、そのうち親御さんが子どもを押しのけてやるようになる(笑)。こういうイベントは大成功だということです。そして、もっと言えばこういうイベント自体がなくなってもいいのかもしれません。以前、ある地域のネイチャーゲームに欠かさず参加してくれていた家族がいたのですが、しばらくすると来なくなってしまった。でも、あるとき、ネイチャーゲームをおこなっていたところでその家族に偶然出会った。当然、わたしは「よかったら参加しますか?」と声を掛けました。そうすると、お母さんがこう答えたのです。「うちの近くにこんなにすてきな自然があることを知って、日曜日には家族で散歩をしたり食事をしたりしているので、もうネイチャーゲームはいらないんです」と。子どもと一緒に自然を楽しむことをライフスタイルに組み込むことができて、ネイチャーゲームを卒業したというわけですね。誰かがシェアリングネイチャーの普及を推進せずとも、誰もが自然に寄り添って暮らしている――。それが、わたしたちが目指すものなのかもしれません。『人と自然をつなぐ研究 ネイチャーゲーム大学講義録』石﨑一記 他 著/日本シェアリングネイチャー協会(2016)■ 心理学者・石﨑一記先生 インタビュー一覧第1回:「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」第2回:「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ第3回:意外すぎる自然遊びで一番大事なこと――“外遊び”の専門家が語る「シェアリングネイチャー」入門【プロフィール】石﨑一記(いしざき・かずき)1958年7月18日生まれ、埼玉県出身。東京成徳大学応用心理学部教授。専門領域は発達心理学、カウンセリング、環境教育、キャリアコンサルティング。動機づけ、自然体験が子どもの発達に及ぼす影響、キャリア発達を研究テーマとする。日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員でもあり、目指す指導は「体験した人が活動を振り返ったとき、そこの自然や参加者同士の表情は覚えているのに、指導者の印象はない」というもの。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月27日幼稚園や学校が長期休みに入るタイミングで、帰省や旅行を計画するご家族も多いのではないでしょうか。「おじいちゃんやおばあちゃんと何をして遊ぼうかな~」「行った先でどんな美味しいものを食べようかな~」と、ワクワクした気持ちでいざ出発したものの、長時間の移動で子どもはぐずり親はぐったり……。小さいお子さんをお持ちのご家族なら、長距離移動が旅の楽しみを半減させてしまったこともあるかと思います。そこで今回は、長時間の移動に備えて、子どもが楽しめて知育にも役立つグッズや遊びをご紹介します。「これならうちの子も楽しめそう!」と思えるものがきっとあるはずですよ。2時間おとなしくしていられる子どもなんていない2018年にソニー損保が行った調査によると、帰省の際に利用する交通手段の割合は「自家用車:88.4%」「鉄道(電車・新幹線):13.6%」「飛行機:6%」(回答者1,000名)という結果でした。そして、帰省にかかる片道の移動時間の平均は、自家用車2.3時間、鉄道3.5時間、飛行機4.4時間でした。もちろん住んでいる地域や目的地にもよりますが、旅行に置き換えてみても、日常から離れるということは長距離・長時間の移動を覚悟しなければなりません。2時間~4時間、同じ場所でじっとできる子どもはほとんどいないでしょう。また、年齢が下になるほど、飽きて騒ぎ出してしまう子や、退屈から不機嫌になってしまう子、おしゃべりが好きなのにそれを止められてストレスが溜まってしまう子……さまざまなパターンで親御さんの悩みのタネになっているのではないでしょうか。また、「前回は効果があったのに、今回はまるでダメだわ……」と途方に暮れることも。そんな親御さんの不安を少しでも解消できるヒントをご紹介します。4歳までは道具を使う4歳くらいまでのお子さんは、絵本やおもちゃなどに頼りましょう。その際には、子どもだけにわたすのではなく、親子で一緒に楽しむことが鉄則です。持っていくおもちゃや絵本は、何度遊んでも飽きていない「実績のあるもの」と、念のため用意した「目新しいもの」の両方を持っていくと安心です。■磁石ブック磁石仕様の本ならば、乗り物でもパーツをなくしにくく、貼って剥がして長時間楽しめます。シールブックも同様に、何度でも繰り返し遊べます。■探し絵絵本『ウォーリーをさがせ!』シリーズなど、たくさんのキャラクターの中から指定された一人を見つけ出す絵本は、大人も夢中になってしまうほど集中して楽しめます。親子で一緒に探すだけではなく、「○○はど~こだ?」と問題を出してあげてもいいでしょう。■リングカードあたたかく優しい画風が魅力の人気絵本作家・いもとようこさんが手がける『あいうえおシリーズ』(金の星社)。お子さまが “あいうえお” を覚えるのにぴったりのリング式カードは、手に持ちやすい形でお出かけにも便利です。「まマma」というように、ひらがな以外の書き方も教えられます。■巾着袋おもちゃコンサルタントやあそびプランナーとして活躍中のツバメさんがおすすめするのは、巾着袋を使った「何が入っているかな?」ゲームです。巾着袋におもちゃやお菓子などを入れて、手の感触だけで中身を当てっこすると子どもは大喜び!出先で拾った石やどんぐりなどを入れて、「何個入っているかな?」と応用することも。指先を使うことで集中力がつきますよ。■紙とペン/ホワイトボード小さなメモ帳やスケッチブックと、携帯しやすい色鉛筆、クーピーなどをかばんに入れておけば、持ってきたおもちゃに飽きたときに役立ちます。ホワイトボードやマグネット式のお絵かきボードなどでもいいでしょう。・お絵かきしりとり親子で交互に「りんご」→「ゴリラ」→「ラッパ」……と、次の人にわかるように絵を描きます。しりとり遊びをしながら、伝える力と表現力も身につきます。・親と子でひとつの絵を完成させる子どもに○をひとつ描かせて、次に親が髪の毛を描く。次は……と順番に書き加えていくと、想像もしなかった不思議な絵が完成します。それは旅の思い出とともに、ずっと残しておきたい親子の宝物にもなるかもしれません。・シンプルですが、9マスのマルバツゲームも一緒に楽しめます。簡単なので、ルールを教えれば子どもでもすぐに覚えられるでしょう。5歳以降は頭を使う言葉の読み書きや意味への理解が進むこの時期は、子どもでもわかる簡単な単語をたくさん使って、“ことば遊び” を楽しみましょう。特別な道具がいらず、思い立ったらすぐできることば遊びは、楽しみながら子どもの成長を感じることもできます。■車窓から見えるものを探す移りゆく景色を眺めながら「一番背が高い建物はあるかな?」「赤いものは見える?」など、ゲーム感覚で競争しましょう。親御さんに褒めてもらおうとして、必死になって探すはずですよ。また、子ども自身に問題を考えてもらってもいいでしょう。■限定しりとりただのしりとりよりも、テーマを決めることで難易度が増し、子どもの思考力が高まります。「動物」「食べもの」といったオーソドックスなテーマに限らず、たとえば「ポケモンのキャラクター」など、お子さんが得意なジャンルでもいいでしょう。■最後から2文字目しりとり「やかん」→「かんきり」→「キリギリス」……と、最後の2文字を使ったしりとりです。普通のしりとりよりも、語彙力の豊富さや頭の回転が試されます。小学生からは想像力をフル回転させる小学生になると、乗り物のマナーは身についていることがほとんどでしょう。自分で選んだ本をじっと読んで過ごしたり、時間を決めてゲームで暇つぶしをしたりと、子どもなりに移動時間の過ごし方を考えることができるようになります。この時期からは、子どもの自主性に任せるといいでしょう。ただし、移動時間も家族の大切な思い出のひとつです。楽しみながら一緒に過ごしたい方には、想像力を使う遊びがおすすめです。■旅のわくわくクイズどんな所へ行き、どんな乗り物に乗り、どんなものを食べるのか、これから起きることをクイズにしてみましょう。このゲームは、国立青少年教育振興機構の理事長を務める鈴木みゆきさんも「先のことを見通せる年齢ならではの遊びです」と太鼓判を押しています。「このあと飛行機を降りたら、次に乗るのはな〜んだ?地下鉄?バス?タクシー?」と、子どもが答えやすいように質問することがポイントです。子どものイマジネーションを刺激することで、この行動の先にある楽しみを想像させて、より充実した移動時間を過ごすことができるでしょう。■連想ゲームあらかじめ答えを決めておいて、「それは動物ですか?」「それは大きいですか?」と、どんどん質問してもらいます。質問者と回答者を交互に演じることで、質問力や交渉力、伝える力を鍛えることができるでしょう。大人にとっても、いい「脳トレ」になりますよ。***不安で憂鬱だった長距離移動も、見方を変えれば濃密な「親子時間」です。目的地に着くまでの時間も、楽しい思い出づくりができるといいですね。(参考)リサリサ|2018年お盆の帰省に関する調査All About|帰省で長時間移動中の子どもの退屈にどう対処する?Study Hacker こどもまなび☆ラボ|絵本のさんぽみち|“はじめてのひらがな”はこれで決まり!人気絵本作家いもとようこさんの「あいうえおシリーズ」ベネッセ 教育情報サイト|年齢別・乗り物での過ごし方いこーよ|「スキマ遊び」で長距離移動も待ち時間も怖くない!(3歳以上編)TOKYO GAS ウチコト|【もう焦らない】電車で子供が飽きないための3つの方法とは
2018年12月27日五感を使えばオリジナリティがアップする「うちの子の作文には個性がない」「うちの子は活き活きした作文が書けない」「うちの子の作文は平凡」など、わが子の作文能力に不満をもつ親御さんは少なくありません。オリジナリティに乏しい文章しか書けないのは、その子にオリジナリティがないから——では、もちろんありません。オリジナリティを出す方法を身につけてしまえばいいのです。その方法のひとつが「五感」の活用です。ご存知のとおり、五感とは、人間が備えている「視覚(目で見る)」「聴覚(耳で聞く)」「嗅覚(鼻でにおいをかぐ)」「味覚(口や舌で味わう)」「触覚(手や肌で触る)」の5つの感覚のこと。五感を言葉で表現していくことによって、その子らしい作文が生まれやすくなります。とはいえ、頭ごなしに「五感を使って書きなさい」と言っても、子どもにはよくわからないはずです。まずは、子どもに「人間には五感というすばらしいセンサーがある」ことを教えてあげてください。そのうえで、上手に質問を使いながら、親が子どもの五感センサーを発動させてあげてほしいのです。※シンプルな五感質問例【視覚】何が見えた?【聴覚】どんな音が聞こえた?【嗅覚】どんなにおいがする?【味覚】どんな味がする?【触覚】どんな手触り?あらゆるテーマ、あらゆる場面で、この「五感質問」が使えます。散歩中に、ドライブ中に、あるいは、カレーライスを食べている途中でもOK。子どもに質問をぶつけてみてください。きっと個性的な答えが戻ってくるでしょう。五感を使って表現してみよう作文を書くときにも、いちど「五感」で感じるクセをつけます。たとえば、「野山の散策に行ったこと」について作文を書くとします。五感すべてを使って、感じたこと、思ったことをノートに書き出していきます(ここでも親が五感質問を子どもにしてあげてください)。【視覚】何が見えた?・木の葉っぱが、赤やき色にへんかしていた(絵の具でぬったかのよう!)・じめんには、落ち葉がたくさん落ちていて、それらはキラキラかがやいて見えた(金色のじゅうたんみたい!)・空には「わたあめ」をちぎったような雲がたくさんおよいでいた・夕方になると、たいようがどんどん大きくふくらんで、空が火のように赤くもえ上がった。空をやきつくすかのようでかっこよかった!【聴覚】どんな音が聞こえた?・小とりたちのチュンチュン、ギーギー、クックックというなき声・どこからかザーと川のながれる音がきこえた・ピュ~というすこしさむい風の音・落ち葉をふみしめてあるくときのサクサクいう音(ポテトチップスをたべているときのような音!)・とちゅうでおなかの虫がグーっとないた【嗅覚】どんなにおいがする?・木のにおい(雨の日のタタミのにおいみたい!)・土のにおい・あまいお花のにおい・あめあがりのにおい【味覚】どんな味がする?・学校やいえにいるときよりも、空気がおいしかった!なぜだろう?【触覚】どんな手触り?・木によって、手ざわりがまったくちがうからびっくりした。ゴツゴツしたもの、ザラザラしたもの、ツルツルしたもの・木についた「しる」をさわったら、手がベトベトになった・落ち葉を指でさわると、ぬれてやわらかいものと、カサカサなものがあった。カサカサのものは、さわっただけで、こなごなになってしまった・落ち葉はとてもかるいので、フワっとまとめてすくいあげてあそんだ・いちど、落ち葉をまとめてすくって空高くまいたら、自分のあたまのうえにふりかかってきた。「金色のゆき」みたいだった。だれかにお祝いしてもらっているような幸せな気分になった・あたまやふくに落ち葉がついたままでも、ぜんぜんイヤじゃなかった上記は一例です。五感を頼りに、子どもたちが感じたことや思ったことを自由に書いてもらうことで、書くべき材料が手元にそろいます。あとは、そのなかからとくに魅力的なものをピックアップして作文を書いていきます。【作文例:視覚や聴覚を中心に】あきの野山は、まるで絵の具でぬったかのように、木の葉っぱが、赤やき色にへんかしていました。落ち葉がものすごくて、まるで「金色のじゅうたん」の上をあるいているかのようでした。ぼくは、落ち葉をふみしめてあるくときのサクっ!サクっ!という「ポテトチップスをたべているときのような音」が気に入って、いつもよりも力を入れてあるきました。夕方になると、たいようがどんどん大きくなっていって、空が火のように赤くもえ上がりました。ぼくは、夕方にエネルギー切れになることが多いので、夕方でも元気なたいようをみならわないといけません。【作文例:触覚を中心に】あきの野山は、落ち葉がものすごくて、わたしはワクワクしました。落ち葉を指でさわると、ぬれてやわらかくなっているものもあれば、カサカサで、さわっただけで、こなごなになってしまうものもありました。落ち葉は1まい1まいがとてもかるかったので、両手でまとめてすくいあげるようにして、何どもあそびました。いちど、落ち葉をまとめてすくって空高くまいたら、自分のあたまのうえにふりかかってきました。それはまるで「金色のゆき」みたいでした。わたしは、だれかにお祝いしてもらっているような幸せな気分になりました。あたまやふくに葉っぱがついたままでも、ぜんぜんイヤじゃありませんでした。どちらの作文も五感を使った分、活き活きと自由な表現に仕上がりました。お友だちと“かぶる”こともないでしょう。もしも五感を使わずに作文を書いたとしたら、ここまで活き活きした作文にはなったかはわかりません。子どもの五感はどんどん研ぎ澄まされていく五感を使って作文を書くエクササイズをくり返していると、学校生活や日常生活のなかでも、おのずと五感を研ぎ澄ますようになります。作文を書く・書かないに関係なく、五感それぞれで、さまざまなアプローチの質問を自分にぶつける習慣が身につきます。※さまざまな五感質問例【視覚】何が見えた?どんな形?どんな色?どんな具合?どんな状態?どんな様子?どう変化した?【聴覚】どんな音が聞こえた?音の大きさは?楽器は何?誰のどんな声?どんな音楽?何の音?(クルマ、飛行機、洗たく機、スマートフォン等々)【嗅覚】どんなにおいがする?(甘い?すっぱい?こおばしい?)きつい?くさい?いいにおい?他のどんなにおいに似ている?【味覚】どんな味?(甘い?辛い?しょっぱい?)おいしい?まずい?かみごたえは?料理のあたたかさは?他のどんな味に似ている?【触覚】どんな手触り?どんな重み?どんな痛さ?かゆさ?汗をかいた?ふだんから、子どもの頭の中がこのような質問で埋め尽くされているとしたらどうでしょう?その子の言語能力(作文能力を含む)は、飛躍的に伸びていくと考えて間違いありません。子どもの五感センサーをホメよう!人は、五感というアンテナを使うことで、外部の情報を受け取り、認知することができます。そして、その認知した情報に言葉を組み合わせることによって、思考が促されたり、自分なりの意見が醸成されたり、あるいは、人に何かを伝えたりすることができるようになります。もちろん、同じイチゴでも、「すっぱくておいしい」と思う人もいれば、「すっぱくてまずい」という人もいます。焼銀杏を「いいにおい」という人もいれば、「くさい」と鼻をつまむ人もいます。同じお風呂のお湯でも「熱い」という人もいれば、「ちょうどいい」という人もいれば、「ぬるい」という人もいます。感覚に正誤はありません。五感のセンサーは千差万別。一人ひとり違うからこそ、子どもの作文にも個性が生まれるのです。子どもが五感を使って表現したことに対して、親であるあなたにできることは、できる限りホメてあげることだけです。とくに、お友だちと違う表現をしたときは最大級にホメるチャンスです。「○○くんの五感センサーはかっこいいね!」という具合です。自分のセンサーをホメられた子どもは、自信を深めて、さらにそのセンサーに磨きをかけていくことでしょう。
2018年12月26日師走になるとよくある会話が、「来年って “なにどし”?」。これまで何年も年賀状を準備し続けてきた親御さん世代にとって、十二支は身近な存在です。しかし、子どもたちは「“なにどし” ってなんのこと?」と不思議に思っているのではないでしょうか。お子さんの「じゅうにしってなあに?」という疑問に答えられる、年末年始の読み聞かせにぴったりの絵本をご紹介します。十二支にまつわる有名な物語『十二支のはじまり』いもとようこ 文絵元日の朝、神様は1年の大将をまかせる12匹とその順番を決めるため、動物たちを御殿に呼び出しました。自分こそ1番のりをするんだと、動物たちは大はりきりで神様の元へ向かいます!十二支の由来がわかる行事絵本。十二支は、ねずみ、うし、とら、うさぎ、たつ、へび、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、いのししと12しゅるいのどうぶつがきめられています。では、どうしてきまったのでしょうか?ねずみがはいっているのに、ねこははいっていないのは、なぜ?そして、ねこがねずみをおっかけるのはなぜ?このお話をよめば、わかります!いもとようこ【広報担当より】かわいい貼り絵をながめながら、十二支のお話がわかりやすく楽しめます。家族全員の干支を探しながら読むと、話もはずみそう。もしゴールする順番が違ってたら、シカ年、クマ年、キツネ年もあったのかも?と想像できるのもいいですね。親御さんのための「十二支基礎知識」お子さんに「じゅうにしってなに?」と聞かれたら、自信をもって答えてあげられますか?答えたくても、「実は自分も良く知らない……」という親御さんも多いはず。暦学者の岡田芳朗氏(1930-2014)が、十二支の歴史について分かりやすく解説しています。十二支は五惑星のうち最も貴いとされた木星の運行からきたものといわれます。木星が約12年で天を1周(公転)することから、中国の古代天文学において毎年度の木星の位置を示すために天を12分して12の方角にそれぞれ十二支の1字をあてました。また1年12カ月の順序を示すための符号(数詞)としても使われました。子、丑……の文字にはもともとは動物の意味はなかったのですが、庶民にも覚えやすいように後からネズミ、ウシなどの動物が当てはめられたと言われています。(引用元:朝日新聞DIGITAL|ことばマガジン ことば談話室 恵方・えと・節分)こうした歴史をもつ十二支にまつわる伝説が、『十二支のはじまり』という物語として、語り継がれているというわけなのです。ちなみに、十二支の動物を漢字で表すと、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。この十二支を使った表現を、私たちは今でも日常的に使用しています。その一例が「午前・正午・午後」。23時~1時を「子の刻」とし、以後2時間ごとに十二支をひとつずつ割り当てると、11時~13時が「午の刻」にあたります。午の刻のなかでも真ん中の12時を「正午」、それより前・後を「午前・午後」と呼んでいるのです。また、「十二支」と混同しやすい言葉として「干支(えと)」があります。干支とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸から成る「十干(じっかん)」と「十二支」を合わせたもの。十干の「甲」と十二支の「子」を合わせた「甲子(きのえね)」からはじまり、60年で一周するようになっています。「今年の干支は戌」と言うケースもありますが、厳密に言えばこれは誤用ですので、注意しましょう。いのししへの興味がわく絵本『ぐる ぐる ぐる』さて、来年2019年は「いのしし年」。ですが、いのししは身の回りにいる動物ではないので、「いのししってどんなどうぶつ?」と聞くお子さんもいるかもしれません。そこで、いのししが登場する絵本を1冊ご紹介します。『十二支のはじまり』とセットで読めば、子どもの十二支への興味がさらに高まるはずです!『ぐる ぐる ぐる』内田麟太郎 作/長野ヒデ子 絵のんちゃんがぐるぐるぐると指を回すと、いろいろなものが目を回します。トンボは簡単。イノシシが突進してきても、おばけがおそってきても平気です。そしてついに意外なものを…。声に出して手ぶりもつけると楽しい絵本。「ぐる ぐる ぐる」と指を回して、楽しみましょう!【広報担当より】長野ヒデ子さんの描くイノシシ、とっても勢いがあって強そう。でも、のんちゃんは「へいき」、ぐるぐるぐる~っとやっつけちゃいます。読み聞かせでも、みんなで声を出して「ぐるぐるぐる」しながら楽しんでくださいね。***年末年始は、日本に根付いた十二支の文化に触れる良い機会です。親戚や親しい人に年賀状を出してみたり、「私は○○どし生まれ。ママはなにどし?おじいちゃんはなにどし?」といった会話をしたりして、親子で十二支に親しんでみてはいかがでしょうか。(参考)朝日新聞DIGITAL|ことばマガジン ことば談話室 恵方・えと・節分年賀状博物館|子から始まる十二支の順番の謎。Wikipedia|十二支Wikipedia|干支
2018年12月26日子どもに外遊びをさせる身近な場所としては、まず公園が挙げられるでしょう。とはいえ、最近の公園は禁止されている遊びも多いもの。そんななかで、どのような遊びをさせれば、子どもの成長を促すことができるのでしょうか。アドバイスしてくれたのは、「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者・石﨑一記先生です。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)「なにかで遊ばせる」という発想をやめる公園遊びをするにも、最近の公園ではいろいろと規則が多くてできない遊びも多いですよね。であれば、「なになにで遊ぶ」という考え方をなくせばいい。そもそも、外遊びは基本的になにもないところからはじめるほうがいいのです。いまの子どもの多くは、「なになにで遊ぶ」に慣れてしまっていて、「どこどこで遊ぶ」ことが苦手です。なにもない公園に行ってもなかなか遊べない。でも、放っておけばいいんですよ。そうしたら、子どもは自分で遊びを見つけますから。そういうときに、親がなにかを用意してしまうと、結局は「なになにで遊ぶ」を助長することになる。だって、子どもなら、葉っぱ1枚あればずいぶん遊べるものですよ。それなのに、親が「公園に行くんだったらフリスビーがいいかな、バドミントンがいいかな」なんて言い出すから、子どもが遊べなくなる。子どもが「ボールがほしい」なんて言っても、そこらにある松ぼっくりでも与えればいいんですよ。そうしたら、子どもはキャッチボールなんかよりよっぽど面白い遊びを考え出します。親は子どもに「なにかで遊ばせる」という発想をまずやめること。そんなことよりも、子どもと一緒にその場にいてあげることに、すでにものすごく価値、意味がありますから。生き物を殺した罪悪感がもたらす道徳性遊具なんてなにもなくても、花を摘んだり、四つ葉のクローバーを探したりするようなことだってできる。アリの行列をずっと眺めているような子どももいるでしょう。子どもにとっては、それは大冒険なのです。そして、なかにはアリなどの生き物を殺してしまう子どももいる。親御さんのなかにも、虫眼鏡でアリを焼いたり、他の虫や生き物を殺してしまったりした経験を持っている人もいるはずです(苦笑)。でも、この残酷さにも意味がある。生き物を殺した後の罪悪感が、やがて小学生以降に発達する道徳性の基礎になるのです。「かわいそうだからやめなさい」と頭から禁止してしまうと、子どもは実感としての「かわいそう」という感覚がわからないまま育ってしまう。ただでさえ、いまは家のなかでおじいちゃんやおばあちゃんが亡くなるといった死に触れる機会がすごく少ない時代です。だからこそ、生き物の死はとても貴重なものとなる。子どもがせっかく捕まえたクワガタが死んでしまったとしましょう。「なんで死んじゃったんだろう」と、子どもはショックを受けてボーッとしてしまう。この体験は、「命は大切だ」と100万回聞かされることよりもよっぽど意味があるものなのです。もちろん、積極的に子どもに生き物を殺させなさいというわけじゃありませんが、生き物を殺した、ペットが死んでしまったというような経験をしている子どもの場合、生き物の死に直面するとそのときの胸の痛みがよみがえってくる。その感覚は、子どもにとって財産と言っていいものですよ。親が与えるべきものは環境と安全話が少し脱線してしまいましたね。公園遊びの話に戻しましょう。幼い子どもの場合、それこそ公園に遊び道具を持っていく必要なんてありません。幼い子どもは、知能の原型となる「感覚運動的な知能を使う」段階(インタビュー第1回参照)。感覚を使って公園の環境自体を味わうことが大切です。たとえば、風や光、植物。あるいは硬さ、柔らかさ。歩くにしても、地面と砂場、落ち葉がたまっているところではその感触がちがいますよね。それから、遊具などに登ったときの視点のちがい。いわゆる、高さですね。そういう豊かな感覚をつかむことがポイントとなります。もう少し大きくなって小学生になると、「目標を決めて挑戦する」とか「目標達成のために工夫する」ということにテーマが変わってくる。でも、この年齢になれば、子どもは自分で自分にいちばんふさわしいテーマを選びます。親が与えるような必要はありません。親が与えるべきは環境であり、安全です。環境という意味で他に親ができることといえば、子どもに合わない公園だと思ったら、別の公園に連れて行ってあげるということ。自分の子どもより大きなお兄ちゃんたちが自転車でワーッと遊んでいるようなところなら、子どもは落ち着いて遊べませんからね。「遊ぶ」ということのイメージを広げるまた、「遊び」という言葉に縛られず、イメージを広げてみるのもいいと思いますよ。たとえば、家のなかでやっていることを外でやる。日曜の朝、ちょっと遅めに起きて冷蔵庫の残り物をバスケットに詰めて持って行って、外で食べる。それだけでも、子どもにとってはすごくスペシャルな体験です。遊ぶと言ったときに、遊び道具を持って行ってレジャーシートを広げて、「さあ、遊ぶわよ!」というのではなく、もっと気軽に考えていいのです。「面倒くさいな」なんてぼやいているパパと、張り切っているママと、はしゃいでいる子どもが一緒にご飯を食べる。その後は夫婦で会話しながら、すぐそばを子どもがたったか走りまわっている。こういうものも含めて、外遊びと考えたらどうでしょうか。そして、なによりも親が子どもと一緒に楽しんであげることです。親が楽しんでいる姿を見て、子どもは「こうやって楽しむんだな」「こういうものに価値があるんだな」と感じる。体験の共有には、話を聞いてもらうことと同じ意味があります。人は誰かに認められたり受け入れられたりしないと生きていけません。子どもの発達には、認められる、受け入れられる体験が絶対に必要なのです。それから、親が楽しむことで親自身のストレス解消にもなる。当然、子どもに優しくできる。そして、「公園に行ったときのママ、大好き」なんて子どもに言われる(笑)。最高じゃないですか。『人と自然をつなぐ研究 ネイチャーゲーム大学講義録』石﨑一記 他 著/日本シェアリングネイチャー協会(2016)■ 心理学者・石﨑一記先生 インタビュー一覧第1回:「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」第2回:「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ第3回:意外すぎる自然遊びで一番大事なこと――“外遊び”の専門家が語る「シェアリングネイチャー」入門(※近日公開)【プロフィール】石﨑一記(いしざき・かずき)1958年7月18日生まれ、埼玉県出身。東京成徳大学応用心理学部教授。専門領域は発達心理学、カウンセリング、環境教育、キャリアコンサルティング。動機づけ、自然体験が子どもの発達に及ぼす影響、キャリア発達を研究テーマとする。日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員でもあり、目指す指導は「体験した人が活動を振り返ったとき、そこの自然や参加者同士の表情は覚えているのに、指導者の印象はない」というもの。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月25日家に引きこもっている子どもより、自然のなかを元気いっぱいに駆けまわっている子どものほうが心身ともに健全に育つということは、子育ての専門家でなくとも想像できます。事実、「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者・石﨑一記先生も、「外遊びは子どもの成長に大いに影響を与える」と語ります。ただ、外遊びの効果を引き出すには、「親の関わり方がすごく大事」とも。それはどういうことなのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)親は考え過ぎず、ただそこにある「環境」と関わればいい外遊びについてお伝えする前に、まずは多くの親御さんが持っている誤解を解いておきたいですね。ひとつ、例を出しましょう。以前、親子で参加するサマーキャンプを開催したときのことです。子どもたちが川遊びをしていると、ニジマスが泳いできました。なぜかというと、わたしが事前にニジマスを用意して放流したからです(笑)。それで、子どもたちはどうするか。当然、一生懸命に捕まえますよね。じゃ、なぜ捕まえるのか。ニジマスが泳いできたからですよ。そこにもっともらしい理由なんてありません。でも、教育熱心な親御さんたちほど、ただの遊びに対しても「なぜこれをやるの?」「なんのためにやるの?」と、考え過ぎてしまう。そうではなくて、ただそこにある「環境」と関わればいいのです。まずは親御さんが意識を変えないといけない。この話には続きがあります。ニジマスを捕まえた子どもはどうなるか。困るんです(笑)。経験がないから、どうしたらいいのかわからないんですね。でも、まわりを見渡してみると、魚をさばいている大人がいる。子どもはその人のところにニジマスを持っていき、一緒にさばいてもらう。さらには、たき火をしている人もいる。子どもはさばいたニジマスを焼いて食べる。子どもにとっては最高の遊びです。ところが、「今日の昼食はニジマスですよ、ひとり1匹ずつ捕まえて焼きなさい」と告げられたとしたらどうでしょうか?子どもたちはお昼ご飯を食べるためにニジマスを捕まえなければならない。同じことをやっているようでいて、これはもはや作業です。まったくもって遊びではないですよね。生きること自体もそうですが、子どもにとっての遊びは、つねに自分から環境に対して働きかけないといけないものなのです。そして、それに応じて環境が変化する。それを受けて、また子どもの行動が起きる。つまり、遊びとは行為の連鎖として起こるものです。ところが、親御さんは「外遊びが子どもの情操にいい」などと考えて、いい子に育てるために、子どもの意志とは関係なく外遊びをさせようとする。それでは、単なる作業、あるいは課題ではありませんか。そんなものが面白いわけがない。子どもにどんな遊びをさせるのがいいか——そんな発想をまずやめましょう。外遊びが「知能の原型」をつくるもちろん、結果として、外遊びは子どもの成長に大いに影響を与えます。大きくは4つ。まずは「感覚運動的な知能を使う」こと。これは知的発達段階のいちばん最初のレベルにあたります。イメージや言葉を使わず感覚で外界を受け取って、それに対して運動的に働きかける。これが知能の原型です。これに体験が積み重なることで、やがて、実物がそこになくとも頭のなかでイメージできるようになっていく。そうすると、今度はファンタジーの力を身につけることになる。空想であるとか、絵本の世界を楽しめるようになるのです。リアルの世界に対して自分の体を使って反応する体験が豊かであればあるほど、イメージしたり、ファンタジーを楽しんだり、あるいは目標や夢、理想というものを決めるにも、よりリアリティーを持ってできるようになるのです。それから、2番目には「自律性を育てる」こと。公園の遊具は別ですが、自然というものは子どもが遊びやすいようにできていないですよね。木は子どもの都合を考えて枝を伸ばしているわけではありません。当然、木登りをするにも工夫をしないとならない。頭を使って、試行錯誤し、トライアル・アンド・エラーを重ねることとなる。遊びという場面において試行錯誤できるということ、つまり、やってもやらなくてもいいし、やるにしてもどのようにやってもいいということは、自己決定の要素、自分の意志を活用する場面がすごく多いということです。自分の意志を活用するというのは、人が生き生きとするためのひとつの大きな源泉です。そういうふうにして自分の意志でその遊びに関わったから、木のいちばん上まで登れた子どもは誇らしく感じる。これが3つ目で「有能感を育てる」こと。そして、子どもはその誇らしさを誰かに伝えたい。「ママ!上まで登れたよ!」と言って、ママが「すごいわね」と反応してくれたら、他者との「関係性が養われる」ことになる。これが4つ目。外遊びは、これらの4つがすごく豊かに含まれるものなのです。もっとも重要なことは親が一緒に楽しむこともちろん、外遊びは、みなさんにとってもっと耳慣れた力を伸ばすことにもつながりますよ。自分で決めたことだから夢中になってやり続ける——集中力。試行錯誤しながらいろいろと工夫する——発想力。やり遂げたことで自分を好きになる——自己肯定感。親など他者との関係性を保つために情報や意志の交換をする——コミュニケーション能力、といった具合です。外遊びの効果は枚挙にいとまがない。逆にいえば、こういうものをちゃんと育ててあげないと、せっかくの外遊びももったいないとも言えます。子どもの自律性の発達を妨げるのなんて簡単ですよ。「ああしなさい」「これしちゃ駄目」「こうしたほうがいいんじゃない?」と言うだけでいい。子どもが「やったー!見て!」と誇らしげに言ってきたときに、「そんなの大したことないじゃない」と言えば有能感は育たないし、「後でね」と言ってスマホをいじっていれば関係性が育たない。つまり、子どもに外遊びをさせるにあたっては、「親の関わり方」がすごく大事なのです。それ次第で、同じことをしても、子どもの成長という観点からすれば、まったくちがうものになってしまう。とはいえ、先にお伝えしたように、考え過ぎる必要はまったくありません。外遊びの効果を最大限に子どもにもたらすには、あれやこれやと言わず、子どもと一緒になって親御さんもただ楽しめばいい。それに尽きます。『人と自然をつなぐ研究 ネイチャーゲーム大学講義録』石﨑一記 他 著/日本シェアリングネイチャー協会(2016)■ 心理学者・石﨑一記先生 インタビュー一覧第1回:「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」第2回:「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ(※近日公開)第3回:意外すぎる自然遊びで一番大事なこと――“外遊び”の専門家が語る「シェアリングネイチャー」入門(※近日公開)【プロフィール】石﨑一記(いしざき・かずき)1958年7月18日生まれ、埼玉県出身。東京成徳大学応用心理学部教授。専門領域は発達心理学、カウンセリング、環境教育、キャリアコンサルティング。動機づけ、自然体験が子どもの発達に及ぼす影響、キャリア発達を研究テーマとする。日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員でもあり、目指す指導は「体験した人が活動を振り返ったとき、そこの自然や参加者同士の表情は覚えているのに、指導者の印象はない」というもの。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月24日折り紙やビーズなど巧緻性を養う遊びは、手指の巧緻性を鍛えることができます。そして、子どもの巧緻性を鍛えると学習面でも良い影響が見られることがわかっているのです。インタビュー記事『子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック』が大好評の、脳科学者 篠原菊紀先生も折り紙遊びを推薦しています。折り紙を楽しむことで、記憶力、集中力、表現力に深くかかわる前頭前野が活発に働くのだそうですよ!■参照コラム記事はこちら↓「巧緻性」の意味って?簡単にトレーニングできる方法とおもちゃ教えます
2018年12月23日子育てにおける心がけとして常套句のひとつとなっているのが、「褒めて育てる」。常套句になっているくらいですから、実感としてその効果を感じている親御さんも少なくないでしょう。脳科学者の篠原菊紀先生によれば、この言葉は脳科学の観点から見ても正しいのだそうです。では、どんな褒め方がより効果的なのか。「子どものやる気を維持する」ための褒め方を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)やる気アップのために具体的な「行動」を褒める「褒めて育てる」という言葉がありますが、それは脳科学の観点からも大いに有意義なことだと言えます。そもそも「やる気」とはなにかといえば、「行動と快楽の結びつき」です。そして、その結びつきを司るのが脳の線条体(せんじょうたい)と呼ばれる部分と腹内側前頭前野(ふくないそくぜんとうぜんや)です。そして、線条体の最大の特徴として、「予測的な活動をする」ことが挙げられます。なんらかの行動をしたら快楽を与えてあげる。たとえば、子どもが勉強をしたら褒めてあげる。そうすると、子どもの線条体は「勉強をすれば褒められるんじゃないか」と予測するようになります。つまり、褒められるという快楽を得たいがために、勉強に対するやる気がアップするというわけです。ただ、「褒めて育てる」と言っても、「素質」を褒めるのか「行動」を褒めるのかといった議論もあります。自信を失ってしょげてしまっている子どもを励ましたい、子どもの自己肯定感を高めてあげたい——さまざまな場面で褒めることは効果的ですが、勉強好きにさせたい、サッカーがうまくなってほしいといったなんらかの方向性を持って子どものスキルアップを図りたいのであれば、その議論の答えは明快です。線条体は「行動」と快楽を結びつける器官。つまり、ある「行動」をする際の線条体の活動を高めたいと思ったら、その方向性に沿った具体的な「行動」を褒めなければ意味がない、子どものやる気アップにはなかなかつながらないということです。「適当に」気が向いたときに褒めるくらいでいいとはいえ、褒め方には注意も必要です。ここで、イギリスのシュルツという学者がおこなったサルを使った実験を紹介しましょう。シュルツは、どのような条件下なら、サルの脳にドーパミンという快楽物質が出るかを調べました。まずはジュースを舌に垂らす。サルはジュースが大好きですから、ジュースが垂らされた瞬間、ドーパミンが出ます。次に、赤いランプが点灯して、レバーを押すとジュースがもらえるという装置をつくってトレーニングを繰り返しました。当初はどうすればジュースがもらえるのか予測できないので、ジュースをもらったときだけドーパミンが出る。でも、トレーニングを繰り返すうちにサルは学習し、ランプが点灯すると必ずレバーを押すようになります。すると、ランプが点灯しただけでドーパミンが出るようになり、実際にジュースをもらったときにはドーパミンは出なくなるのです。これがどういうことかを理解するために、レバーを押すことを「勉強すること」、ジュースをもらえることを「褒められること」に置き換えて考えてみましょう。つねに子どもを褒め続けてしまうと、子どもが「勉強をすれば褒められるんじゃないか」と予測したときには快楽を感じるが、実際に褒められたときにはそうならなくなってしまうということ。褒められることが、子どもにとってよろこびではなくなるわけです。しかも、褒められそうだと思ったのに褒められなかった場合には、むしろ怒りに転化することもある。大人ならば、給料日に給料が入金されていなかったようなものですから、それも当然ですね。こまめに子どもを褒めることは大事ですが、子どもにとって「勉強したら必ず褒めてもらえる」があたりまえになると、褒めることの効果は薄れてしまうので、注意が必要です。では、どうすればいいかというと、「ギャンブル条件」というものを使ってほしい。レバーを押してジュースをもらえる確率を50~70%にする。ジュースをもらえるときもあれば、そうじゃないときもあるようにするわけです。こうした不確定な状況がギャンブル条件です。そうすると、ランプが点灯したときもジュースをもらえたときも、ドーパミンが出るようになるのです。子どもを褒めることでいえば、それこそサイコロでも振って、褒めたり褒めなかったりする。「間引く」ことが重要なのです。とはいえ、あまり考え過ぎる必要はないかもしれませんね。親御さんも仕事に家事に忙しいでしょうし、子どもが勉強したら100%必ず褒めるなんてことは、やろうと思ってもそうできるものではありません。自然に間引くことができているのではないでしょうか。子どもを褒めることの重要性は知っておいて損はありませんが、あまり意図的にコントロールしようとするのではなく、「気が向いたときに褒める」くらいの適当さが、褒めることの効果を高め、結果的には子どものやる気を維持させることにもつながるのだと思いますよ。『男の子がさいごまでできる めいろ』『女の子がさいごまでできる めいろ』篠原菊紀 監修/KADOKAWA(2018)■ 脳科学者・篠原菊紀先生 インタビュー一覧第1回:記憶力の要は「記憶の仕方」にあり。親が知っておくべき「記憶の脳科学」第2回:子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック第3回:子どもの気質をテストで診断。脳のタイプ別「“勉強好き”に育てる方法」第4回:「間違った褒め方」していませんか?子どものやる気を維持させる「褒め方」メソッド【プロフィール】篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960年生まれ、長野県出身。東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。東京理科大学諏訪短期大学講師、助教授を経て、現在は諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授、地域連携研究開発機構・医療介護・健康工学部門長、学生相談室長。「茅野市縄文ふるさと大使」という肩書も持つ。応用健康科学、脳科学を専門とし、「遊んでいるとき」「運動しているとき」「学習しているとき」など日常的な場面での脳活動の研究をしている。教育関連の他、アミューズメント、自動車産業などとの共同研究も多数。子どものための「脳トレ」に関する著書も数多い。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月22日2020年に日本の教育が大きく変わると言われています。学習指導要領の改訂と大学入試改革が行われます。変わるとは知っていても具体的にどんな風に変わるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。「うちの子はまだ小さいから早いな」と思う方もいるかもしれませんが、小学校の勉強がどう変わるのかを知って、早くから対策をすることは決して無駄にはなりません。まずは改革の概要をしっかり理解しましょう。1. 学習指導要領の大幅な改定学習指導要領とは、日本教育の大まかな指導目標です。都度見直されていますが、2020年には小・中・高校で全面的に見直されます。教科・科目面では、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で「英語」教科化、高校では「公共」「歴史総合」「地理総合」「理数探求」などが新設されます。さらに学びの特徴として以下のようなものが導入されます。(1) アクティブラーニングの導入アクティブラーニングとは「主体的・対話的で深い学び」を示し、教科ではなく授業方法です。正解を先生が教える一方的な授業ではなく、解き方を班ごとに話し合ったり個々に意見を出し合ったり、という双方向、対話的な学びのスタイルを取ります。(2) プログラミング教育の実施小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミング言語や技術を学ぶというよりは「プログラミング的思考」を学びます。プログラミング的思考とは、何か問題があるとき解決するための最適な方法を考え、予測し、それをトライ&エラーで解決することです。今までの、知識を詰め込みいかに覚えるかという教育から、覚えたことをどう使っていくかに重点が置かれていきます。解決力や、持っている知識をどう使うかが問われるようになります。2. 英語改革年々進むグローバル化に向けて、英語教育についても改革が行われます。使える英語力を目指し、学習開始年齢の前倒し・4技能(聞く、話す、読む、書く)の取得を求めての改革となります。・小学校3・4年生週1コマ程度の「外国語活動」年間35コマの授業聞く・話すことの言語活動・小学校5・6年生週2コマ程度の「英語」年間70コマの授業成績(数値による評定)がつく活字体の読み書き語順への気付き・中学生・高校生英語の授業は英語で行うことを基本とする高校では「論理・表現」の科目新設(スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションなど)覚える単語数も、現状は中学で扱う英単語が1200程度ですが、小学校の間に600~700語学びます。現状の中学生レベルの半分以上を、小学校卒業までに学ぶということですね。そして英語についても、覚える授業から、コミュニケーションを重視とした内容に変わっていきます。より実践的な話す力が求められることになります。但し2020年に向けて既に任意で英語を取り入れる小学校も増えています。私の息子が通う小学校では、外国人講師を招いた外国語活動を隔週1回程度行っているようです。3. 大学入試も大きく変わる2020年の改革では、大学受験も大きく変わります。まだ幼稚園や小学校低学年だとピンとこないかもしれませんが、成長と共に関係してくる部分ですので今の内から理解しておきましょう。大きく変わるのはマークシート方式の「センター試験」が廃止となり、「大学入学共通テスト」に移行します。数学・国語で80~120字の記述があるなど、思考力・判断力・表現力も評価されます。英語についても、今までの「読む・書く」から「読む・書く・聞く・話す」を評価され、民間資格や検定試験も評価されます。活用できる資格・検定試験は「ケンブリッジ英語検定」「TOEFL」「TOEIC」「IELTS」「TEAP」「英検」「GTEC」で、高校3年生の4~12月に受検した2回までの結果が採用されます。今までの知識を詰め込む教育からどのように変わるのかお分かりいただけたでしょうか。ただ、思考・判断するためには当然知識が必要となります。知識があるのはあくまでスタートラインということになり、そこから考える・自分の意見を言う力が必要になってきます。それを試験やテストで発揮するためには、日頃からの勉強方法を少しずつ変えていく必要があるでしょう。大学受験を考えていない場合でも、こういった能力は将来社会で必ず必要となってきます。頭の柔らかい小学生の内から意識することで、無理なく少しずつ力がつくはずです。学校や塾の勉強も大切ですが、一番良いのは家庭でコミュニケーションを取っていくことです。是非会話の時間を多く持ち、子どもにたくさん質問を投げかけることを意識してみて下さい。教育改革に負けない地頭を作っていきましょう。
2018年12月21日めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
やっぱり家が好き〜おっとぅんとみったんと私〜
子育ては毎日がたからもの☆