誰もが一度は経験してみたいものといえば、身を焦がすような命懸けの恋。そこでご紹介するのは、時代や周りに流されることなく自分を貫いた実在の女性を描いた話題作『金子文子と朴烈(パクヨル)』です。今回は、主人公の金子文子を演じたこちらのかたにお話を伺ってきました。それは……。写真・大内香織(チェ・ヒソ)韓国で注目を集めている女優チェ・ヒソさん!【映画、ときどき私】 vol. 213チェ・ヒソさんは本作の熱演が高く評価され、“韓国のアカデミー賞” といわれる大鐘映画祭では新人女優賞と主演女優賞をW受賞。そのほかにもいくつもの賞に輝き、一躍人気女優のひとりとなりました。そんななか、この役を演じるうえで学んだことや “第二の故郷” である日本への思いを語ってもらいました。韓国人と日本人には一番観て欲しい―本作は1923年の東京を舞台に金子文子と朝鮮人アナキストの朴烈との出会いが中心に描かれていますが、日本での公開に対してはどのような心境ですか?チェさん私がこの作品を一番観て欲しいと思っていたのは、韓国人と日本人だったので、公開が決まったときは本当にうれしかったです。国境を越え、同志として愛し合い、戦った人たちが100年近くも前にいたということは韓国でも日本でもあまり知られていないと思うので、ぜひご覧いただきたいです。―チェさんは小学校2年生から5年間日本に住んでいたことがあり、もともと日本語は得意だということですが、とはいえ今回は特殊なセリフもあり、難しかったのではないでしょうか?チェさんそうですね。普段とは違う日本語で演技をするというのは、やはり大変なことではありました。でも、撮影前に資料などを全部読んだので、そのおかげでレベルは上がったと思います。特に裁判記録とかは本当に難しくて、1枚読むのに2時間かかるほどでした。―では、チェさんから見た文子の魅力を教えてください。チェさん脚本ができる前にイ・ジュンイク監督から文子の手記を読んで欲しいと言われました。読み始めたら、最後まで一気に読んでしまったくらい、とにかく力強い内容。でも、それ以上に20歳という若さでこんなにも自主的に自分の人生を生きようとした女性がいたというのは、本当にすごいことだと感じました。「文子はアジアでは初めてのフェミニストじゃないかな」と監督も言っていましたが、とにかく素晴らしい女性なので、私の人生における観点にもかなり影響を与えていると思います。実際、「自分の主張を曲げてはいけないんだ」と思うようになりました。文子を演じる前の私と演じたあとの私とでは、まったく違う人間になったと感じています。―同じ女性として共感する部分もありましたか?チェさん彼女の主張のなかでも素晴らしいのは、男性も女性も区別をしないで、人間は人間であり、誰もが平等な権利を享受すべきだということ。若い女性でそういう考えを持てることは本当にすごいことですよね。私も自己主張は強いほうだとは思いますが、彼女のように自立して生きていきたいと思ったので、共感以上に学ぶことが多かったです。難しい役を演じ切って自信になった―では、役作りをするうえでこだわった点があれば、教えてください。チェさん文子は一見かなりタフな女性に見られがちですが、明るくて無邪気な一面もあったと思われたので、そういう部分をいかに表情やしぐさで出せるかという点を監督と相談しながら、いろいろと試していきました。ただ強い女性を演じるのではなく、表面的な部分と内面的な部分のバランスをどのように表現すればいいのか、すごく悩んだところですね。―この作品ではさまざまな賞を獲得し、女優としてのキャリアにおいても大きな作品になったと思いますが、演じるうえで影響を与えたことは?チェさんこれまで、最初から最後まで物語を主導するような役というのはあまりなく、こんなにも主体性が強い役どころもなかったので非常に難しかったです。でも、それをやり切ったことで、いまではすごく自信にはなったと思います。―今回は日本人の女性を演じるのもチャレンジだったと思いますが、日本人の女性の印象を教えてください。チェさんまず、日本人の女性は、文子みたいに大声は出さないですよね(笑)。いつもとてもやさしくて、行儀がよくて、姿勢がいいという印象があります。よく日本の映画を観ていますが、文子みたいに叫んだり、悪い言葉を口にしたりするようなキャラクターはめずらしいと思います。―日本の作品もよくご覧になりますか?チェさん私は安藤サクラさんが大好きで作品を全部観ています。安藤さんは固定概念にとらわれない日本人女性を演じていらっしゃっているので、韓国でも人気が高い女優さんなんです。あとは、是枝裕和監督の作品もすべて映画館で観ていますし、小津安二郎監督のようなクラシックな作品も好きですね。日本にはほかにも素晴らしい監督さんや俳優さんがとても多いので、いつかみなさんとお仕事してみたいというのがこれからの夢のひとつです。文子と自分の恋愛観で違うところとは?―本作は歴史的な事実を描いただけの作品ではなく、文子と朴烈とのラブストーリーでもあると思いますが、彼らの恋愛をどう感じましたか?チェさんとても若い2人ですが、とても成熟した愛。ただのひと目惚れから始まったように見えますが、牢獄のなかでもお互いに信頼し合い、最後まで一緒に戦い続けるので、男女としても、同志としても非常にステキな愛の姿だと感じました。この作品は歴史的人物のヒーローの映画でもありますが、第一にラブストーリーでもあるので、特に女性のみなさんはより共感していただけると思います。なかでも、文子が「彼の欠点を全部超えて彼を愛する」という言葉を大勢の人の前で言うところは実際に文子が裁判所で語った部分ですが、すごくステキな場面だと思いました。―ご自身の恋愛観と比べるといかがですか?チェさん実は、私は自分から告白したことがないんです。というのも、自信がないのと、傷つくのが怖くて勇気がでないんですよね。そういう意味では、積極的な文子とは全然違いますね(笑)。―文子は朴烈の書いた詩を読んだ瞬間に恋に落ちますが、そういう経験はありますか?チェさん実は私も文章や詩を書くのが好きなので、詩を読んでひと目惚れするというのはすごいなと思うと同時に共感もしました。私も外見で好きになっても内面的に通じ合えないと長く続かないんですよね。とはいえ、私の人生で文子みたいなことは起きていませんが……(笑)。―では、男性を見るときに大切にしていることは?チェさんまずは信頼できる人かどうかですね。それはお互いの約束を守れるかということだけでなく、仕事関係や周囲の人々にとっても信頼できる人と思われることが一番大事なところだと思いますし、あとは共通点のある人がいいですね。たとえば、映画やスポーツが全然好きじゃない人とは合わないかなと思うので。―やっぱり好きなものを共有できるのはいいですよね。チェさんそうですね。あと一番重要なのは、好きな食べ物や味の好みが同じこと。東京に来る時はいつも美味しいお店をネット検索しているくらいなんですよ。日本は懐かしくて、親しみを感じる国―日本食もお好きなんですね。ちなみに、日本にはどのくらいの頻度で来られていますか?チェさん大学に入ってからも、バイトで稼いだお金で東京、大阪、京都を訪れたり、母と一緒に福岡の温泉にも行ったりしたので、数えきれないくらい来ていますね。最低でも1年に1回、多いときは2~3回は遊びにきているんですよ。―そんなに日本に来てくださるのはうれしいことですが、どんなところが好きですか?チェさん幼いころに住んでいたこともあり、日本語を聞いたり、日本語の看板を見たり、食事の匂いをかいだりするとすごく懐かしい気持ちになるんです。そういったものに惹かれて日本に来ているところはありますが、私にとって日本は親しみを感じる国だと思います。―それでは最後に、同世代の女性読者へ向けてメッセージをお願いします。チェさん韓国でも「女の子はこういうことを言うべきだ」とか、「こういう服を着るべきだ」といった「女性だったら〇〇すべき」みたいな考え方がいまだにあります。でも、文子を見てもらえばわかるように、彼女は誰の言葉にも振り回されることなく、自分の意志で自分の人生を作っていった人。なので、彼女のことを知ったら、「私ももっと自分で決めて行動しなきゃ」と思うきっかけになるはずです。それだけでなく、とても明るくて魅力的なキャラクターでもあるので、ぜひみなさんにこの作品をご覧になっていただきたいと思います。インタビューを終えてみて……。日本の雑誌のなかでもananはお気に入りで、日本に来る前にはいつも韓国で読んでトレンドをチェックしているというチェ・ヒソさん。とにかく日本語が堪能で驚きでしたが、勉強家な一面はぜひ見習いたいところです。知的な雰囲気がありつつも、親しみやすいチャーミングな笑顔がステキなチェさんが、日本の作品にも出演されるのを楽しみにしたいと思います。自分にしか生きられない人生がある!何かと人の目を気にしたり、周囲に流されたりしがちな現代ではあるものの、本当に自分が求めているものは、自分にしか決められないもの。激動の時代のなかでも、最後まで自分を貫いた金子文子の生き様は、女性の持つ強さを教えてくれるはずです。ストーリー1923年、社会主義者たちが集う東京のおでん屋で働く金子文子は、ある日「犬ころ」という詩に心を奪われ、作者である朝鮮人アナキストの朴烈に出会う。ふたりはすぐに同志として、恋人として生きることを決めるのだった。ところが、そのあとに関東大震災が日本列島を襲い、過酷な運命が文子と朴烈の前に立ちはだかることに……。胸が熱くなる予告編はこちら!作品情報『金子文子と朴烈』2月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開配給:太秦©2017, CINEWORLD & MEGABOX JOONGANG PLUS M , ALL RIGHTS RESERVED
2019年02月15日俳優のパク・ボゴムが久しぶりに来日。さいたまスーパーアリーナで開催されたファンミーティングの様子を紹介します!文・尹 秀姫【ペンになってもいいですか!?】vol. 88パク・ボゴムといえばドラマ『雲が描いた月明かり』で人気が爆発したことで知られていますが、実はその挿入歌「愛しい人」はボゴム本人が歌った曲。その歌声が評価され、翌年には、彼自身が専属モデルを務めるブランド「Eider」2018年企業広告のOSTでもあるオリジナル曲「星を見に行こう」が配信リリースされ、日本でも「iTunes KPOPジャンル」で1位を獲得したほど。俳優以外にもシンガーソングライターに憧れていたそうですが、実はこのたび日本での歌手デビューが決定! そのニュース直後にボゴムの生の歌声を聴けるイベント開催とあって、期待が膨らみました。まずは「I Like You」をしっとりと歌い上げたボゴム。「みなさんのボーイフレンド、パク・ボゴムです」とおちゃめな挨拶をした後、今回のツアータイトル“Good Day”は、みなさんにとって今日がいい日にになりますようにという願いを込めてつけられたと説明してくれました。イベントではトークも挟みつつ、曲をしっかりと聴かせてくれる構成。「Always Be With You」や「僕の想いがたくさん、たくさん、たくさん込められていますから、よく聴いてください」と前置きして歌った「Here We Are」など、本編だけで全12曲を披露してくれました。「こんなにたくさんのファンの方の前で歌を披露するのは初めてで、うまくできているのかわかりませんね。時間が経つのが早くて、まるで夢のようです」と、会場を埋めたファンへの感謝の気持ちを伝えてくれました。最後には日本デビューに先駆けて、デビューシングル「Bloomin’」の一部をピアノの弾き語りでサプライズお披露目。歌い終わってすぐ「この曲、どうですか? よかったですか?」と会場のファンに聞いてまわり、「この曲の歌詞は、どこにいても僕とみなさんの心はひとつ、僕にとってみなさんは花のようにきれいであたたかい人たちなので、いつも一緒にいてほしいという願いを込めた曲です」と紹介してくれました。アンコールではTWICEの「What is Love?」からSEVENTEENの「Pretty U」をメドレーで披露。アイドル顔負けのダンスで会場を湧かせました。続く「Must Have Love」ではトロッコに乗りながら会場をぐるりと一周し、遠くの席にいる人達へもご挨拶しながらサインボール投げ。会場の隅々に気を配り、男性ファンからの歓声には目を丸くして喜び、最後の最後までファンに顔を見せようとしていた姿が印象的でした。俳優としての演技力の高さや演じたキャラクターの魅力を引き出す力だけでなく、人のよさでもファンを魅了し続けるパク・ボゴムの人気の秘密がよくわかるイベントでした。Informationセットリスト01. I Like You02. Let’s Go See the Stars03. Always Be With You04. Misty Road05. My dearest06. Bounce07. Honey08. With You09. Swallowing My Heart10. Here We Are11. 花も~Bloomin’12. One Candle13. What is Love?14. Pretty U15. Must Have Love16. I bless you※最新主演ドラマ「ボーイフレンド(原題)」 2019年3月21日~CS放送局「Mnet」にて日本初放送決定。デビューシングル「Bloomin’」2019年3月20日リリース初回限定版(CD2曲、DVD、ブックレット)¥2,315、通常版(CD3曲、特典・初回生産分のみチェンジングジャケット)¥1,389
2019年02月14日皆さま、ごきげんいかがですか。男の墓場プロダクションの劔樹人と申します。ふだんはマンガを描いたり、バンドをやったり、ハロー!プロジェクトの応援をしたりしながら、家のことや育児を主に担当する主夫として生活しています。今回は「うちのパートナーのいいところ」という、ちょっとばかりこっぱずかしいテーマではありますが、お付き合いください。■犬山紙子を妻に持つ私先日、やけに妻のインスタに「スッキリを見てフォローしました!」というコメントが多いなあと思ったら、何やらワーキングマザー特集があったようで、そこで妻が言った「母親になったからって強くなるわけじゃない。みんなやらないといけないから、根性でやってるだけ」というコメントが世の母親たちに激しく共感を呼んでいたようだ。うちの妻は犬山紙子というタレント・エッセイスト。テレビでは情報番組のコメンテーターなどの仕事が多いが、世間的にはどういう印象なのだろう。もともとは辛辣(しんらつ)な恋愛ネタなどのコラムで出てきたので、毒舌とか、男の敵とか、そういうイメージを未だ持っている人も多いかもしれない。それが実は、今やあまりそういう人ではない。結婚して子どもが産まれてからというもの、働く女性や母親の抱える問題や、やりきれない社会の現状などをテーマにするように変化した。むしろ若い頃の自分の考え方も間違っていたというところは否定し、反省するようにもなった。最近では「こどものいのちはこどものもの」という虐待防止のプロジェクトも立ち上げ、ボランティアで社会運動にも取り組んでいる。 それもあって今とても忙しいので、生まれるときは「5:5」でやりたいと言っていた育児は、私の方が多く負担するようになっている。それは世のお父さん的な立場ではあるが、性別が逆であることもあり、全然意識が違う。私にも無理がかかりすぎないよう、いつも配慮してくれている。彼女の考え方や行動が、これからきっと多くの人たちの救いになると思う。夫の立場としてそんなことを思いながら、夫婦ともども頑張っていたりもするのである。とは言うものの、個人的には、妻がかつて漫画家を目指していた頃に「聖モチ」というペンネームで描いていた最低の下ネタ漫画のような、今のテレビでの姿とはかけ離れた部分も好きなのだが…
2019年02月14日ドラマ『わろてんか』や『ブラックペアン』での役柄やふんわりとした容姿から、女性らしい人を想像していたら、その素顔は意外にサバサバ。葵わかなさんは、きっぱりとして男前、少年のような人でした。以前、葵わかなさんの元に取材に伺った時に、雑誌名を告げるや否やキラキラした瞳で「年末の宝塚特集をいつも楽しみにしています」と言われたことがある。宝塚をはじめとしたミュージカルへの愛を熱く語っていた葵さんが、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で初舞台を踏む。なんとこの作品は、日本では宝塚で初演され、‘11年からは話題のキャストを迎えて上演されている人気作。演出は宝塚版と同じく小池修一郎さん。これはぜひ、葵さんに話を伺わなくては!――ミュージカルファンとして、念願が叶った感覚なのでしょうか。葵:昔からミュージカルは好きでしたが、正直、自分のなかでミュージカルは観るもので、出ることは考えたことがありませんでした。でも、この『ロミオ&ジュリエット』のオーディションのお話をいただいて、「もし受かったら出られるってこと?」って思ったら、挑戦してみたくなって。そこからボイストレーニングし、必死に歌を練習しました。だから、受かった時は嬉しかったです。ただ、いざ出演が決まってからはドキドキ。観る側としては馴染みのある世界でしたけれど、自分が舞台に立つのは全く未知の領域。これまで観客の前でお芝居をしたこともないので、恐怖心はすごくあります。――でもすでに制作発表会見で、大勢のオーディエンスを前に歌を披露されていますよね。葵:ボイストレーニングの時って、歌の先生とふたりきりなんです。でも、会見のための歌稽古では、たくさんのスタッフさんが立ち会うんですよね。そこでまず緊張してしまって…。制作発表までには多少慣れましたけど、ほんの短いフレーズを歌っただけなのに、ものすごく疲れていて、それだけ気を張ってたんだなと。――稽古が始まって、憧れの世界に入っている実感はありますか?葵:舞踏会の振り起こしをした時、観ていた場面だって思って、嬉しかったです。動きが全部カウントで決まっていて、それがちゃんとお芝居に見えるというのは面白い発見でした。それに、制作発表では緊張していたのが、セリフが入ってお芝居の中で歌うとなったら、大丈夫になってきました。役柄がつくと、普段のお仕事と近くなるからなのかもしれません。――『ロミオ&ジュリエット』という題材についてはいかがですか。名作ですし、憧れのようなものはありましたか?葵:じつは、ミュージカルに挑戦したかったというよりも、この作品に出てみたいという気持ちの方が先なんです。それで、出るからには歌も歌わないと、という感じで…。最初は宝塚で観たんですが、歌がすごく素敵だったのと、いまの年齢にしかできない役だったことも大きかったです。――小学生の時に芸能界に入られて、女優というお仕事に気持ちが向かうようになったきっかけみたいなものはありますか?葵:当時はやりたいことも具体的になかったんですが、オーディションなどでお芝居する機会が増えるうちに楽しいなと思い始めて、それがいまも続いている感じです。――いままだ20歳で、大学にも在籍されています。将来の可能性がたくさん広がっているなかで、女優というお仕事に感じている魅力ってなんでしょう?葵:なんでしょう…子供の頃からこの世界にいて、アルバイト経験もなく、自分に他の仕事ができるのかなって思うんです。いまは、私にはこの道しかない、というより、自分はこの仕事以外に何もできないかもしれない、という気持ち。ただ、継続は力…じゃないですけれど、習い事でもこんなに長く続いていることって他にないし、この仕事の面白さも知っていて、課題もまだ多いので、いまはそこを果たして、続けられる限りは続けてみようと思っています。――女優に迷いを感じたことは?葵:向いてないかも、と思っても、次の仕事をいただいたり、オーデョションに受かったりすると、頑張ろう、次で挽回しようって思う。あと、過密な仕事が終わったら1週間くらい旅行するんです。そうすると気分が晴れて、頑張ろうって思えたり。基本的には、忙しくしていたいタイプなんですけど。――プレッシャーのかかるお仕事も、軽やかに乗り越えてこられた印象があって…。葵:軽やかではないですが、軽やか風に見せるのは得意です(笑)。じつは、結構悩んだり考え込んだりするタイプなんですが、それは全部、家でやる。どんなに悩んでも、自分にできることは限られている。それなら、せめて現場の雰囲気を良くしたい。だから人といる時は、できるだけ面白くない話はせずに明るくしていようと思って。あと、プレッシャーって、あまり受けない方がいいものだと思うので、そこは考えないようにしています。――大学に進学しようと思われたのはなぜですか?葵:行かない選択肢もあったんですけれど、大学ってどんなところか気になっていたし…勉強が嫌いじゃなかったんです。本を読むのも好きだし、学ぶことが苦じゃないので、仕事と両立しながら、あと4年くらいは勉強するのもいいかなと思ったんです。――でも、両立は大変ですよね。葵:実際にいま行けていないので…。ただ、切り替えは上手い方だと思います。学校では中心的存在でもなく、どちらかというと地味で、仕事の話をすることもなく、本当に普通の生徒でした。ただ、朝ドラの時は切り替える暇もなかったですね。それくらいどっぷりハマって臨んだことで、役と自分が一緒に成長していくような感じがありました。――ロミオとジュリエットは、出会った瞬間に恋に落ちますけれど、憧れはあったりします?葵:最後は悲劇ですからね…。ただ、運命の出会いには憧れますし、小さい頃は、自分にも起こると信じていました。でもいまは、ロミオとジュリエットだからそうなったんだろうと思っています。――これまでにも、ラブストーリーに出演されていますけれど、演じながらいいなぁと思ったりは?葵:いい感じのラブストーリーでも…結構、お仕事モードだと思います。考えて役作りをしたいタイプなので、なぜ彼のことが好きになったのかとか、どういうところが好きなのかとか、冷静に分析しちゃっています(笑)。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、2月23日~3月10日に東京国際フォーラムホールCで上演した後、愛知、大阪でも公演。ジュリエット役は、葵さんのほか、木下晴香さん、生田絵梨花さんのトリプルキャスト。ロミオ役は、古川雄大さんと大野拓朗さんのWキャスト。ホリプロチケットセンターTEL:03・3490・4949(月~金曜10:00~18:00、土曜~13:00、日・祝日休)あおい・わかな1998年6月30日生まれ。神奈川県出身。‘09年にデビューし、ドラマ『表参道高校合唱部!』、映画『サバイバルファミリー』『青夏 きみに恋した30日』などに出演。‘17年にNHK連続テレビ小説『わろてんか』のヒロインを演じ注目される。公開中の映画『劇場版ダーウィンが来た!アフリカ新伝説』ではナレーションを担当。コート¥55,000(RPKO/Sian PRTEL:03・6662・5525)トップス¥36,000パンツ¥52,000(共にAKANE UTSUNOMIYA/ブランドニュースTEL:03・3797・3673)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年2月20日号より。写真・田村昌裕(FREAKS)スタイリスト・荻野玲子取材、文・安井千恵(by anan編集部)
2019年02月13日心に残る、「詩」があります。会話となる言葉とも違う、手紙とも、物語とも違う、「詩」に使われる言葉について、詩人・最果タヒさんがエッセイを書き下ろします。言葉という「暴力」と、付き合う。自分の気持ちを言葉にする、という行為は、自分への「暴力」でもあると思っています。言葉はそこまで、柔軟なものではない。いろんな人が、いろんな人生を生きて、見つけてきた感情がどれも同じはずはないのに、「好き」「嫌い」「ムカつく」「うれしい」、言葉にすればまるですべてが同じ形をしているみたい。本当は、その人の言葉でしか、その人の感情は表せない。本当は、新しい感情を語るためには、新しい言葉を探していかなくちゃいけない。けれど、そしたら伝わらなくなるから。「わからない」「意味不明」「わかるように喋って?」だから私は、「言葉にしてこそ、相手に伝わってこそ、自分の感情に意味があるんだ」と思い始めていた。学生時代。誰かと気持ちをシェアしたい、一緒に喜んだり、悲しんだりしたいって、時もあるし、だから必死で共感を求めた。けれど、それって本当に、思いのすべてを理解してもらわなくちゃ、できないことなんだろうか?何一つ伝わってないな、と思うことは多かった。話し方が下手なのか、コミュニケーション能力の問題か、教室で友達と話していても、私の言いたいことはほとんど伝わっていない、と思うことが多かった。友達の言いたいことも、たぶん私は理解できていない。でも、その場のノリとか、勢いとか、そういうものによって会話は流されて、一言一言を精査することなんてない。いや、そんなの誰ももう求めていないのだ。「あ、それいいよね」「わかる」「まじそう」そう繰り返していくことで、時間も一緒に流れていく。一緒に話していれば、一緒にいれば、それだけで湧く親しみというのがあって、たとえ友達の言いたいことがわかっていなくても、友達はそれでも私と一緒にいたいと思ってくれるし、私もそれでいいと思っていた。その場が盛り上がればいい、という会話の仕方は、中学から高校にかけて激しく、流行のもの、テレビ、音楽について話していれば大体のことはやりすごせていた。それぞれが違うことを言っていても、テーマがそこにあれば、まあなんとかなってしまう。部活動とか、先生とか授業のこともそう。何かを褒めたいとか、何かを貶けなしたいとか、大きな方向性が定まっていれば、それに従いつつ、みんな意外と好き勝手に話して、そうしてそのほとんどがスルーされていくんだ。「わかる」とか。そういう言葉が受け流していく。小説やドラマみたいに、セリフすべてに存在意義があるわけではない、と当時の私はよく考えていた。早口で言えば誰もが聞きもらすし(それでいて聞き返すようなこと誰もしないし)、ぱっと聞いておもしろくなかったら「ていうかさ」って違う話になったりする。言葉は使い捨てられていく。たぶん、ドラマとか漫画では、省略されてしまうやりとりだろう。きっと、物語など何もない私たち。そんな私たちの会話では、言葉がおざなりにされていく。「何を言うか」より「誰と話すか」のほうが大事で、「どう話すか」「どんなテンションで話すか」が大事で、だから相手の言葉を正確に拾おうとはしなくなる。親しい相手になればなるほど、そうだった。言葉は、そばにいることを知らせる、定時連絡みたいなものだ。それでも一つだけルールがある。「わけのわからないことを言って、場を凍らせるな」一緒にいるだけで、なんか話しているだけでOKの場。それを壊すな。だってこれこそが平穏だから。場のために、私たちは言葉を選ぶ。わかりやすいように、伝わりやすいように言葉を選ぶけれど、相手に自分を理解してほしいからそうしているのではないのかもしれない。誰ももう、理解しようとしてなくて、だからこそ、「なにそれ?」ってなるようなこと、言ってはいけない。「わかる」っていうのは、流してしまってOKってこと。そうやってさらさら通りのいい会話をして、時間をやりすごしたい。別に、悪いことではなくて、そういう退屈だってあっていいとは思うのだ。けれど、私は耐えられなかった。自分の気持ちをそぎ落として、わかりやすい言葉に無理やり、あてはめて、そうしてだんだん、私は何かを捨ててきてしまっているのでは、と思い始めた。「わかる」と言われたらほっとする。みんなも自分もくつろいでいる空間は、私だって、壊したくない。けれど、語る言葉が「建前」であろうとも、声にするたび、そっちのほうが「本当」であったように感じてしまう。自分が本当はどう思っていたのか。誰とも話さず、言葉にせずにいたら、だんだん忘れてしまうんだ。最適化されていく。みんなにわかるように話すことで、みんなの知っている言葉を使うことで、その言葉に合わせるように自分という人間も、最適化されていく。みんなに「わかりやすい」人間になる。場を壊さない人間になる。でも、それだけだ。場の要素でしかない私。ここに自分がいたっていなくたって、同じだと思った。誰にだって共感される人間なんて、すべてが「わかって」もらえる人間なんて、そこにいる意味がないとも思った。全く別の家で、全く別の人生を生きてきて、わかるはずなんてないのに。「わからなさ」にこそ自分があると、思うのに。それなのにそれらすべてを捨ててしまっている気がした。「わかる」と言ってもらいたいがために。でも私は、やっぱり人は、「わからないけれど、でも、なんか好きだよ」「なんか嫌いだよ」、そういう感情でつながっていくものだと思った。だから、きっと、話し言葉以外の「言葉」を探し始めたのだろう。中学生だった頃、私はインターネットで日記を書き始めていた。友達にはまだネットに詳しい子がそんなにはいなかったけれど、でも、ネットにはすでにたくさんのWEB日記が存在していて、そこでは現実の人付き合いなんて、全く関係ないみたいだった。また、個人の書いた言葉、というものは、耳で聞く言葉と大きく違って見えたのだ。言葉より優先される「場」がないから、言葉が、話し言葉よりもずっと、ごろっと目の前に現れている。ノリで流すことができない。スルーができない。わからない言葉は、わからない言葉のまま存在感を発揮し、私はそれが羨ましかった。「わからなくてもいい」と思って言葉を書けることが魅力的だった。とりとめもない思考回路。それを、ただ言葉にしてぶつけていった。友達に話しても「は?意味不明」と言われるようなもの。だけれど言葉と体が結びついて、言葉を書くことが、体をぎゅっと丸めたり、思いっきり走ったりすることと同じように感じられた。次の瞬間に自分が何を書こうとしているのか、わからない。理性とか、そんなものを置き去りにして、私の感情が言葉を選び、そのうち、感情すら置き去りにして言葉が暴走していく。感情というより、反射神経で言葉を書いている感じだった。わかりやすい言葉ではなかったけれど、その言葉の手触りにこそ、自分というものが存在している気がしていた。次第にそれを読みたがる人が現れて、「書く言葉」だからこそ、受け入れられる「わからなさ」があるのかな、なんてことを思った。話す間はどうしても、相手の顔が目の前にあり、周りには空間があり、空気があり、それまでの雰囲気を崩さないように、言葉を選ぶ。言葉より場が優先されてしまうのは、「コミュニケーション」としては当たり前のことなのかもしれない。けれど、書いた言葉は、ネットの海にある言葉は、どうだったのだろう。当時の、個人サイトが点在しているようなインターネットでは、まだ言葉はどれもがひとりごとで、コミュニケーションを前提とはしていなかった。「わかってもらう」なんてこと、考えなくてよかったんだ。だって、相手の顔は見えないし、互いがどういう環境でそれを書いているのか、読んでいるのかも知ることができない。言葉の手触りだけが生々しく、やってくる。そこにしか、「人」の気配がなかったんじゃないだろうか。よく知らない相手なのに、同じ言葉を話している。けれど、あきらかに、自分とは違う言葉選びを相手はしていて、相手の背景にあるものは何一つ見えないのに、その「異物感」に相手の生きてきた痕跡を感じる。言葉のすべてがわからなくても、言いたいことがなんなのかわからなくても、その「異物感」にときどき、ぐっときたり、むしろ嫌悪感を抱いたりする。言葉が「人」を伝える瞬間だと思った。「わからなさ」に「人」が宿る瞬間だと思った。そういう言葉を、私はずっと書きたいと、思っていたんだ。ネットに書いていた言葉には、次第に読者が現れて、そうしてそれを「詩みたい」と言う人がいたことで、私は「詩」を発表するようになった。これが、私が詩人になったきっかけだったと思う。詩は、私にとって、「わからなさ」に宿るものです。わかってもらいたい、という感情を抱いた途端、その言葉は詩ではなくなる、と思っています。読んで、その詩を「好きだ」と言ってくれる人も、それぞれが違う解釈をしていたりする。彼らがどう読むかなんて私にはコントロールできないし、それでも、届くものがある、ということが私にとっては大切だった。読み手と書き手が、完全にわかりあう必要などないのだろう。わからないけれど、でも、だからこそ強く残る手触りがあり、それこそが「詩」なのかもしれなかった。それぞれが、自分自身の中にあるものを、そこから思い出すのではないか。共感や、わかってもらう、ということを追いかけて、忘れ始めていた自分の「本当」が、奥にまだ眠っていることを思い起こすのではないか。もしかしたら。そんなことを、最近は、考えています。実際のところはわからない。わからなくて、いいと思う。ただ、私が書いた「わからなさ」が作品として、誰かに届いていくとき、私は、書いていてよかった、と思う。こんなことがあるんだ、といつも驚かされている。こんな瞬間があるなら、いつまでも、いくらでも、書いていけると、そのたびに、思う。さいはて・たひ詩人。中原中也賞・現代詩花椿賞などを受賞。著書に詩集『天国と、とてつもない暇』(小学館)、エッセイ『百人一首という感情』(リトル・モア)ほか。※『anan』2019年2月13日号より。文・最果タヒ©mheim3011(by anan編集部)
2019年02月12日出会った女性がネタの源という横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、お金の管理能力が高い、しっかりした女性、「ワリカンをしっかりする女」になりきり。お金にだらしないのは、イメージダウンにつながる。みんなでごはんを食べたり、友だちへのプレゼントを一緒に買ったりして、ワリカンにすることって多いと思うんです。そんなときに、10円とか1円単位まで割っておつりを渡してくれる女性に会うと、しっかりしてるな~って思うんです。「私だけトクしてたりしないよね!」と言いながら、“この人レジなんじゃないか…”と思うくらいすばやく計算をして、誰一人ソンをしないように整えてくれる。あんまり飲んでいない人や、後から来た人の分は安くする気配りも見せる。“私だけ多く払ってるかも…”と感じる場面があったとしても、なかなか言い出せないと思うんです。そういうときに、こんな女性がいると助かりますよね。金の切れ目が縁の切れ目という格言が身にしみているのかも。それに、お金にだらしがない人は、イメージがよくないですよね。私は、家賃だけは絶対に期日に遅れず払うようにしているんですが、それはもし、私が何か事件を起こして犯人になり、大家さんがマスコミの取材を受けたときに、「やっぱりね。家賃も遅れがちだったのよ…」と言われるのは絶対に嫌だから…(笑)。そのくらい、お金の管理は、大人として大事なことだと思うんです。まずは、結婚式の二次会などの会費制のパーティに出席するときに、会費ぴったりのお金を準備していくところから始めると、意識が変わりそうです。最初から8000円だとわかっているにもかかわらず、1万円しか持っていかないというのは少し迷惑。友だちとの飲み会でも、1000円札や小銭を用意するために事前に崩したり、銀行で下ろすときに両替をしておくと、スムーズなワリカンにつながるはず。少しの意識や気遣いが、ワリカン上手な女性になるための第一歩だと思います!よこさわ・なつこ芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。初の著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。※『anan』2019年2月13日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2019年02月11日ドラマ『11人もいる!』では兄と妹、映画『3月のライオン』では義姉と弟を演じてきた同い年の神木隆之介さんと有村架純さんが、初の恋人役ということでも話題になっています。伝えるプロである若き名優二人に、言葉について、伝え方について、改めて教えていただきました。このたび、百田尚樹原作の映画『フォルトゥナの瞳』にて4度目の共演を果たす神木隆之介さんと有村架純さんに、「大切な人への想いの伝え方」を伺いました。神木:賛同、批判、告白など、伝えたい内容によって変わるとは思いますが、電話やメールよりは、直接口で伝えるほうが楽です。言い方や表情で調整がききますから。有村:私も直接か電話ですね。相手の言葉を受け止めながら伝えられますし、キャッチボールをしないと真意が伝わらないことってある気がします。神木:一番誤解が生じやすいのは、メールやSNSなどデジタルの文字。絵文字や「!」を使わずにそのままの文面だと、送る側は軽い気持ちで書いた言葉が、受け取るほうは重く冷たく感じることがあり、温度差が出てしまうことがあると思います。有村:メールやLINEは、受け取りながら「どういうニュアンスなんだろう?」と考える必要がありますね。そうやって相手の気持ちを想像する時間というのも、いいものなのかもしれないけれど。言葉には力があるからポジティブな言葉を。有村:私は、言葉には言霊があると思っているんです。だから、大事に使いたい。願いごとも口にすることで絶対に叶うと信じてこれまでやってきました。言葉には力があるからこそ、ネガティブなことはなるべく口にしないようにしています。神木:言葉によって気持ちは連鎖するから、せっかくなら、自分も周りも楽しくなる言葉を使いたいです。有村:でも、ネガティブな気持ちを溜めすぎるのもよくないので、ときにはデトックスするつもりで、わざとポジティブな言い方で言うんです。たとえば、「(溜め息交じりに下を向いて)あー疲れたー」より、「(明るくはじくように)なんか疲れた!」というふうに言ったら、ネガティブな思いも放てるんじゃないかと。神木:言い方のバリエーションで雰囲気は変わると思います。お芝居でも、役の人物の性格や、そのときどういう気持ちでその言葉を言っているかによって、トーンも言い回しも全然違ってきます。あと、本心かどうかは、音の質量でわかる気がしています。有村:質量?神木:「ありがとう」や「ごめんなさい」「全然、平気」という言葉でも、心からそういう気持ちがあったら、そんな音にはならないのではないかなと思う。有村:たしかに「それ、適当に言ってるでしょ?」と感じることってありますね(笑)。神木:そういう言葉は空っぽな音に僕には聞こえる。言葉は使い方次第で武器にも防御にもなると思います。上手ではなくても自分に素直な言葉で。有村:言葉は人を傷つけてしまうこともあるし、心ない言葉で、追い詰められて死んでしまう人だっています。本当に怖い。だからこそ、このお仕事をしているかぎり、一言一言考えて発言しなければと思います。神木:僕にとって思い出深い言葉は、マネジャーさんの一言。20歳くらいまで、映画の舞台挨拶で、全然うまく話せませんでした。難しい言葉を使ってみたり、頑張って大人っぽく話そうとして、空回りしていた。そうしたら、あるときマネジャーさんが、「いつも通りでいいんじゃないの?」と言ってくださった。「一生懸命に映画の説明をするのもいいけれど、背伸びせずに、『頑張ったので、ぜひ観てほしいです』の一言でも、そのまま素直に伝えたら?」と言われて楽になりました。有村:私もデビューのころ、オーディションを受けても「存在感がない」「印象に残らない」と言われて落ち続けて、悩んでいました。特別な個性があるわけでもないし普通だし、どうしたらいいんだろうと。そうしたら、当時のマネジャーさんが「私は普通の人間だけれど、(演技では)こういうことができますと伝えたらいいんじゃない?そのままで」と言ってくださいました。そうしたら、そこからは「普通だからこそ、君はいいんだよ」と言ってくださる方が増えてきた。そのままの自分を肯定できるようになったんです。いまでも嘘のない気持ちを自分の言葉で伝えたいなと思います。神木:伝えたい気持ちに正直であれば、うまく伝えようとしなくてもきっと伝わると思っています。Q.大切な人へ、想いをどう伝えていますか?神木:直接会って、面と向かって伝える方法が一番自分の気持ちにしっくりきますが、手紙も好きです。全員にではないのですが、僕は毎年、年賀状を書いています。昔、共演させていただいた方だとか、年に1度の近況報告になってしまっていますが、手書きの文字はやっぱり温かみが伝わりますし、お返事をいただくのも嬉しいので続けています。今回は三木監督にお手紙をいただけたのがとても嬉しかったです。有村:どんなときも、相手の言葉を真摯に受け止めて、ちゃんとそれに向き合って、真摯な言葉を返したいなと思っています。たとえば、何かに対して友達が憤ったり落ち込んでいたとしたら、まずは友達の言葉を聞きたい。共感できることだったら「そうだね。そういうことあるよね」と受け止めてから話します。また、離れている家族には「大好きだよ」とか、言葉で伝えるようにしています。面と向かっては恥ずかしくて言えませんが(笑)。かみき・りゅうのすけ1993年生まれ。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に出演中。『屍人荘の殺人』が公開予定。ドビーコート¥40,000ベスト¥25,000トラウザーズ¥23,000(以上JOHNBULL/ジョンブルカスタマーセンターTEL:050・3000・1038)その他はスタイリスト私物ありむら・かすみ1993 年生まれ。‘17年に主演を務めたNHK 連続テレビ小説『ひよっこ』の続編が3 月放送予定。ニット¥63,000スカート¥110,000(共にジェントリー ポルトフィーノ/ウールン商会TEL:03・5771・3513)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年2月13日号より。写真・来家祐介(aosora)スタイリスト・百瀬 豪(神木さん)瀬川結美子(有村さん) ヘア&メイク・MIZUHO(神木さん)尾曲いずみ(有村さん)取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年02月11日独演会は即完売、いま最もチケットが取れない講談師として熱狂的なファンを獲得している神田松之丞さん。伝統芸能を現代に語り継ぐ彼が考える、本音の伝え方とは。講談の世界から誕生した若きスターとして、数々のメディアに取り上げられ、若い女性からも絶大な人気を誇る神田松之丞さん。そんな彼の人気を全国区にしたきっかけのひとつが、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組『神田松之丞 問わず語りの松之丞』だ。「伝統芸能を生業にしながら、講談の口調ではない普通のしゃべり言葉で人様の悪口を言ってるのって、なんかおかしいじゃないですか。和服を着ているだけで許されちゃうようなところもあるし。ただ一方でそれは伝統芸能の人間だからというだけでありがたがる風潮に対する皮肉でもあるんです」同じ局のパーソナリティやテレビ番組で共演した人など、名前をあげて「どうもあいつは信用できない」といった忌憚のない発言をする様は、聴いているこちらがドキッとしてしまうほど。そこまで言ってしまえるのはなぜなのか。「ひとつは、自分が学生時代にテレビやラジオで好きだった人たちは、『放送室』の松本(人志)さんだとか、自由に発言していた人たちだった。なのにいざ自分が出る番になって物怖じしてたら、それはウソになる。もうひとつ、僕はあくまで講談師として活動していて、これからも講談師を続けていくつもりなので、番組に出ることが本業ではない。芸能プロダクションにも入っていないし、事務所絡みの忖度もない。ほかの方と比べて、圧倒的に自由なんです」別の世界に身を置いているからこそ、できることは多いのだと。「そういう意味で、今の自分の原点だったなと思う人がいまして。森本平という歌人です。彼は歌壇のホープとして作品を発表しながら、僕の高校で国語の教師をしていました。よく学校の壁に『ゴミはゴミ箱へ』という標語が貼ってあるじゃないですか。すると彼は『おれはゴミみたいなものだから』って、ゴミ箱に入って授業をやったりするんです。こうして話すと奇をてらっているようにしか思えないけど、当時は『この人は本音でやってるな』って感じました。それで彼の作品集を読んでみたら、当時はガングロギャルが流行っていて、女子高生をガスバーナーで焼いてガングロにする、みたいなことを歌っているわけですよ。短歌に興味のない人のところまで降りていき、刺激的な内容で興味を惹きつける。そうやって自分の名刺を配る。僕が講談師として今やっていることにすごく近い」白か黒かの言葉は芸とはいえない。高校生活が終わるころ、その後の人生を決定づける体験をする。浪人が決まり、一人で聴きに行った落語家・立川談志の独演会。あまりの感動に「帰り道は鳥肌が止まらなかった」という。「芸に衝撃を受けたのは当然のこと、生き様にも大きな影響を受けました。談志師匠の言葉は、若者に訴える力があった。押し付けがましくないのに熱がある。ジャンルに対する愛情に溢れ、芸と戦っている。ウソを言わないための努力をしているんです。ウソを言う方が楽な場面もありますからね」ウソのない本音を芸にするのは、誰もが真似できることではない。「みなさんに言えるのは、ほめることは笑いになりにくいです。それよりは、くさすようなことを言うほうが、エンターテインメントになるんです。某掲示板みたいに。ただし、芸というのは言葉だけではなく、口調や前後の流れ、その場の空気なども込みで面白さを伝えているわけで、余白の部分がある。だからラジオでしゃべった言葉だけを切り取られてネットに出ると、余白の部分が伝わらずに批判が起きたりする。ツイッターなんかを見ていると、白か黒かの言葉が溢れていますよね。伝えづらいツールで言い合っている」『問わず語りの松之丞』の中でも神回として語られているのが、出産直後の松之丞さんの妻が自宅で倒れた日のことを、ときにユーモアをはさみながら、その緊張感を見事な話芸で伝えた回だ。「あの日は本当に追い詰められました。血を流して倒れる妻と、傍らには泣き叫ぶ生まれたばかりの赤ん坊。でもそんな状況の中、どこか俯瞰している自分もいた。これは伊集院光さんのラジオで学んだことでもありますが、辛いことがあったときこそ、その詳細を自分の番組で話すっていう。この出来事をどう話そうか、どうしたら面白くなるか、目の前の現実に面食らいながらも、頭の片隅ではラジオの構成を思い浮かべていました。妻が無事だったから、ネタにできたというのもありますが」私たちが、話芸を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか?「そんなの身につけなくていいんですよ。誰もが上手に言葉を駆使できるようになる必要なんてない。必要な人なんてそもそもいない。私も発展途上で、ラジオで色々な人に怒られている。それに国民全員が僕みたいに何も恐れずものを言うようになったら、それこそ日本は終わりでしょう」かんだ・まつのじょう1983年生まれ、東京都出身の講談師。2007年に三代目神田松鯉に入門。数々の読み物を異例の早さで継承し、持ちネタの数は140を超える。2020年2月には真打ちに昇進予定。※『anan』2019年2月13日号より。写真・田村昌裕(FREAKS)インタビュー、文・おぐらりゅうじ(by anan編集部)
2019年02月11日オリジナリティの高いコントで定評のあったチョコレートプラネットが、モノマネがきっかけで大注目の存在に。松尾駿さんがフルメイクで「どんだけ~!」とIKKOさんになり、長田庄平さんが着物姿で「そろり、そろり」と狂言師・和泉元彌さんになる姿で、多くの人を楽しませています。――今日は素顔なので印象が違いますが。モノマネの扮装でテレビに出ることも多いですよね。松尾:テレビにはIKKOさんの格好で出てるほうが多いですからね。もう自分が誰だかわからない。長田:そこまできたら、もう病気ですね(笑)。松尾:笑福亭鶴瓶師匠がラジオ番組に呼んでくださったんですけど、それまで僕らのことをモノマネ芸人だと思ってたらしいです。――IKKOさんのモノマネを始めたのはいつからですか?松尾:家でテレビを見ながら「どんだけ~!」と言ってみたら、声が似てたんで、ライブでやったりしてたんですけど。本格的にやったのは、3年前モノマネ番組にちゃんと扮装して出たのが最初です。――メイクがとても上手ですよね。松尾:基本は、テレビ局のメイクさんにやっていただいてるんですけど。自分でもつけまつげがつけられるようになったし。メイクに興味がどんどんわいてきてますね。――つけまつげは自前ですか?松尾:はい。今日も持ってます。――衣装はどうしてるんですか?松尾:テレビでは今、IKKOさんからいただいたお洋服を着ています。最近は毎年年末にお正月番組用のお着物も贈ってくださるんですよ。衣装さんに着付けしてもらったら、「これ、すごくいい着物ですよ」って言われました。――ご本人公認ですし、IKKOさんの分身って感じですね。松尾:最初の頃は、僕がふざけて「師匠」と呼んでたんですけど。IKKOさんがいつからか僕のことを「妹」と呼んでくれて。今は「姉」と「妹」でやっています。長田:姉妹共演も多いしね。――長田さんが真似されてる和泉元彌さんとも、最近、テレビで初対面されましたよね。長田:僕はビジュアルから入るタイプで、見た目が近い元彌さんの真似を始めたんですけど。ツイッターを通じて、ご本人に「流派は何ですか?」と聞かれたんですよね。実は僕、中学の文化活動で狂言を習っていたことがあり、別の流派だったらしくて。「和泉流を習いに来てください」と言われていたのが、番組で実現しました。松尾:最近は、IKKOさんと元彌さんのふたりで、番組に出たりしてるみたいですからね。長田:ここまできたかって感じですよね(笑)。――そもそもコンビを組まれたきっかけは何なんですか?長田:NSCという養成所の同期で、最初は別々のグループでやってたんですけど、どちらも解散した時に、松尾から誘われたんです。松尾:最初の頃、僕は長田さんのこと嫌いだったんですよ。長田さんはふたつ年上だったし、ゴリゴリの関西弁で、威張ってたから。長田:威張ってはないって(笑)。松尾:授業が始まってからは面白い人だなぁと思ってはいたんですけど。僕が新しい相方を探していた時に、同期のシソンヌというコンビから、同じ日に別々に「長田くんと組めば?」と言われて。その日のうちに誘いました。長田:最初は断ったんですよ。あの頃の松尾は怖かったから。今はふっくらしてるけど、当時はガリガリで、眉毛を剃ってて、頭は五厘刈り。反社会勢力そのものって感じやったもん。松尾:でも話してみると、なんか合ってたんですよね。お互いにそんなにお笑いに詳しくはなくて。長田:そうそう。僕は地元の京都から脱出したくて、東京の養成所に入っただけで。「この道で成功してやろう!」みたいな鼻息荒いヤツと組んだらしんどいなぁと思ってたんで。お笑いに対する温度感が同じ気がして、「とりあえずやってみようか」と始めたら、そのままずるずると…。松尾:それが今年で14年目。こんなに長くふたりでお笑いをやるとは思ってなかったですね。左・長田庄平(おさだ・しょうへい1980年生まれ、京都府出身。ネタと小道具作り、主にボケを担当)右・松尾駿(まつお・しゅん1982年生まれ、神奈川県出身。主にツッコミを担当)2006年に結成し、『キングオブコント』の決勝に3度進んだ実力派お笑い芸人。長田さんの息抜きは温泉めぐり、松尾さんはお酒を飲んでクラブで踊ること。「CHOCOLATE PLANET HOUSE vol.1 LIVE TOUR 2019」は3/15、16大阪・YES THEATER、3/25おかやま未来ホール、4/12名古屋・東文化小劇場、4/14福岡・西鉄ホール、4/21札幌市教育文化会館小ホール、5/13仙台市福祉プラザふれあいホール、5/18、19東京・CBGKシブゲキ!!で開催。新作コントはもちろん、「完成度高すぎ」と大評判の“TT兄弟”ネタやモノマネが披露されるかも。※『anan』2019年2月13日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2019年02月10日様々な想いをセリフにのせて表現する「役者」という仕事。伝えるプロである若き名優二人に、言葉について、伝え方について、改めて教えていただきました。想いを伝える「役者の言葉」論。数々の作品でセリフという言葉を自在に扱ってきた演技派俳優・神木隆之介さんと有村架純さん。このたび、百田尚樹原作の映画『フォルトゥナの瞳』にて4度目の共演を果たす。死を目前にした人間が透けて見える不思議な力〈フォルトゥナの瞳〉を持つ青年・木山慎一郎(神木さん)。仕事のみに生きてきた孤独な彼が、桐生葵(有村さん)と出会い、愛の喜びを知ると同時にある葛藤を強いられる―。ドラマ『11人もいる!』では兄と妹、映画『3月のライオン』では義姉と弟を演じてきた同い年の二人が、初の恋人役ということでも話題になっている。神木:今回、撮影に入る前に三木孝浩監督からお手紙をいただきました。人との関わり合いを避けて、モノクロームだった木山慎一郎の人生が、葵と出会うことで彩られていく様を描きたいと書かれていました。有村:私もお手紙をいただきました。この映画を作る意図や、葵がどんな想いで慎ちゃん(慎一郎)のそばにいるかなど、三木監督の想いが綴られていました。監督さんから直々にメッセージをいただけることはそうないので、とても嬉しかったです。神木:言葉にして伝えていただけるというのは、本当にありがたくて、僕の役作りの指針となりました。手書きのお手紙だったので、温かみが感じられますし、時間をかけて役のことを考えてくださったというのが伝わってきて余計に感激しました。有村さんとの共演は4回目ですが、お互いの役について何か相談したことはなかったと思います。有村:そうですね。神木:言葉で確認するのは、立ち位置や動きの流れくらい。役に関しては、言葉というより、芝居を通してディスカッションする感じでした。木山くんは口数少ない役だったので、一言一言が重かったです。その一言も、心では嫌だと思いながら「別にいいよ」と言ってしまうような、裏腹な想いを秘めているキャラクター。映画を観る方には胸の内を感じさせつつ、話す相手には本心かのように言うというお芝居が難しかったです。有村:葵もミステリアスなところがある女の子だったので、気持ちの表し方は気をつけていました。神木:今回、僕が一番大事にしたのは、名前を呼ぶ瞬間です。愛する人の名前を呼ぶときって、そこに一番愛情をかけるのではないかと思いました。「葵、好きだよ」というセリフなら、「好きだよ」よりも「葵」のほうに愛おしい気持ちが込められる気がして、大切に呼びました。有村:神木くんと初めて共演したのは18歳のとき。きょうだいを2回やらせていただいて、ここにきて恋人役(笑)。昔からよく知っているぶん、照れくさい部分もありました。神木:友達の俳優はみんな、恋愛映画にたくさん出ていますが(笑)、僕は本格的なラブストーリーに出るのは初めて。いかに恥ずかしがらずに演じるかがテーマでした。でも、相手が有村さんだったから、安心してお芝居できました。監督から「きょうだいに見える」と注意されたこともあったけれど(笑)。有村:照れてしまうなと思っていたんですが、現場に入ったら普段とは違う顔の神木くんがいました。工場での作業着姿の神木くんは、たくましいなと思いましたよ!神木:作業着が似合う体にしなくてはと、期間はすごく短かったけれど、まず体を鍛えました。完成作を観て、自分でも知らない顔が見られた気がします。でも、ラブストーリーの女王の意見を聞かないとと思って、「大丈夫だったかな?」と有村さんに聞いてみたら、「わからない」と言われてしまいました(笑)。有村:何を基準に「大丈夫」と答えたらいいのかわからなくて(笑)。でも、お客さんにとっては、これまで見たことのない神木くんが映っているので、新鮮に思われると思います。神木:有村さんと最初にお会いしたのは2010年。2回目の共演のドラマ『11人もいる!』のころまでは同級生のイメージでしたが、3年前に映画『3月のライオン』で久々にお会いしたら、急にお姉さんになっていて、今回はさらにお母さんみたいになっていてびっくりしました。精神年齢の成長が早すぎ!(笑)有村:神木くんは出会ったころから変わらなくて、興味のあることについては熱くしゃべるけれど、興味ないことには無反応。B型だもんね?神木:そう言う有村さんも、B型です!かみき・りゅうのすけ1993年生まれ。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に出演中。『屍人荘の殺人』が公開予定。ドビーコート¥40,000ベスト¥25,000トラウザーズ¥23,000(以上JOHNBULL/ジョンブルカスタマーセンターTEL:050・3000・1038)その他はスタイリスト私物ありむら・かすみ1993 年生まれ。‘17年に主演を務めたNHK 連続テレビ小説『ひよっこ』の続編が3 月放送予定。ニット¥63,000スカート¥110,000(共にジェントリー ポルトフィーノ/ウールン商会TEL:03・5771・3513)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年2月13日号より。写真・来家祐介(aosora)スタイリスト・百瀬 豪(神木さん)瀬川結美子(有村さん) ヘア&メイク・MIZUHO(神木さん)尾曲いずみ(有村さん)取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年02月10日もうすぐバレンタインですね。恋愛ムードが盛り上がるこの時期、なんとなく「恋がしたいな」なんて気分になっていませんか?そういうときは、恋する心をサポートしてくれるツール=占いの力を借りるのも一つの手。そこで、日常に手軽に占いを取り入れられる、おすすめの本『はまぐちよしゆきのタロット占い』をご紹介します!■『はまぐちよしゆきのタロット占い』とは?「もはや占いの域を超えている」「当たり過ぎてこわい」…と、多くの芸能人を震撼させ、涙させたタロット占い師・濱口善幸さんをご存知でしょうか。ココロニプロロでは、栗原類さんのタロットの先生としておなじみ。3000人もの芸能人を鑑定した人気占い師であり、お笑いコンビ“よゐこ”濱口優さんの実弟としても知られる“よっちゃん”こと濱口善幸さんは、2018年にゴールインした兄の結婚も断言してきたとか。そんな彼の著書『はまぐちよしゆきのタロット占い』は、「今日のあなたに幸運をもたらす切り札」となる1枚を選ぶことで、ヒントやアドバイスを受け取れる1冊です。占い方はとっても簡単。「1日の始まり」や「悩みがあるとき」「迷っているとき」に本を開くだけ!「今日はどうなる?」「この恋はどんなふうに進む?」などと心の中で念じながらページを開くと、そこに現れたカードがメッセージを伝えてくれます。本書は156枚(78枚の正位置、逆位置)のカードのそれぞれの「意味」と「メッセージ」を収録。また、各ページには「恋愛」「仕事」「金運」「対人」の4項目と、「決断」についてのアドバイスも記載されています。■当たり方が半端ないから、ぜひ読んでこの本に関して、濱口善幸さんにお話を伺ったのでご紹介しますね。Q.1どんな想いでこの本を作りましたか?タロット占いは1枚のカードで鑑定もできる占いなので、そのまま本にして占うことができれば、タロットをもっと身近に感じていただけるかもしれないと思ったのがきっかけでした。カードを覚える方法も、お勉強っぽいと頭に入らないことが多いので、この本で占いを楽しみながら学んでいただけたらと思います。内容は、僕のタロットカードの知識を包み隠さず、書かせていただいています。Q.2読者さんに、どのように使ってほしいですか?“今日の運勢”や“大切な日”を占ったり、“大好きな人とのこれから”や“気持ち”を知ったり。“金運”も含めて、ほとんどのことを占えますよ。本が完成してから何度も占っていますが、当たり方が半端ないので「占いなんて当たらない」と言う人にも、ぜひ読んでいただきたいと思っています。Q.3一番好きなカードは何ですか?タロットの中で、僕が一番好きなのは「悪魔」のカードなんです。最初はおどろおどろしいと感じていました。多くの人から、すごく怖がられるカードでもあるのですが、恐怖は自分の中にもあって、打ち勝つことができたときに未来は開けることを教えてくれています。そんな「悪魔」のカードが今では好きになりました。「悪魔」のカードが好きって最初はびっくりしましたが、その理由には納得。みなさんも毎日この本を手に取り、お気に入りのカードを見つけてみませんか?■タロット占いを試してみたら…ところで、実際に占うとどんなメッセージをもらえるんだろう?ということで「この恋はどうなる?教えて!」と思いつつ、パッとページを開いてみました。出たカードは「ペンタクルの3」の正位置。カードの意味は「天賦の才能・魅力・技術」で、開運アドバイスは「恋愛」も「仕事」も「金運」も全ていい感じ。「恋が進展する予感」というメッセージを読んで、気持ちがアガると同時に「がんばろ!」という気分に。遊び感覚で試してもこれだけ背中を押されるのだから、具体的な悩みを思い浮かべて占ったら、相当、的確なアドバイスを受け取れそうです。■カードからのメッセージを堪能してまだ30代と若く、見た目も“優しいお兄さん”という印象ながら、濱口善幸さんのメッセージは強く温かいので、占ってもらったタレントさんの中には泣き出す人もいると言います。そのメッセージの一つ一つを活字にしたからこそ、さらにズーンと心に響く印象も。みなさんも「教えて!」と念じつつ本を開き、“よっちゃん”の言葉を通して伝えられる、カードからのメッセージを堪能してはいかがでしょうか。濱口善幸タロット大阪府出身、松竹芸能所属、趣味はカメラや読書。よゐこ濱口優の弟。2004 年よりタロット占い師としての活動を開始し、関西を中心におよそ2万人を鑑定。2010年よりテレビ東京の番組内で多くの芸能人鑑定を行うほか、楽屋裏でも人気殺到。テレビ、雑誌での占いコーナー多数。携帯やウェブサイトでの無料占いコーナーも好評。
2019年02月10日『ヒプノシスマイク』に登場する4つのチームの中でも、見た目はかわいいけれど、実はもっともミステリアスなシブヤ・ディビジョンの魅力に迫ります。シブヤ・ディビジョン代表、「Fling Posse(フリング ポッセ)」を徹底解剖!ポップな明るさと底知れなさの両面を持つシブヤ・ディビジョンの3人組。メンバーのひとり、夢野幻太郎(ゆめの げんたろう)を演じる斉藤壮馬さんにインタビューしました。シブヤ・ディビジョン「FlingPosse」の一員、夢野幻太郎。嘘なのか本当なのかわからないことばかり言って周囲の人を混乱させる…そんな彼を演じるのは、声優・斉藤壮馬さん。歌手としても活躍しているだけあって、キャラクターを理解しながら歌うのはお手のもの。そんな斉藤さんに『ヒプノシスマイク』の魅力と「Fling Posse」について、語っていただきました。――『ヒプノシスマイク』の話を最初に聞いて感じたことは?斉藤:今までありそうでなかった組み合わせだな、と思いました。僕自身ヒップホップミュージックのリスナーだったので、お話をいただいた時は「ついに、これを企画する人が現れたか!」と(笑)。そんな未知の試みですが、キャラクターコンテンツのファンのみならず、今までこういったジャンルに触れることのなかったヒップホップリスナーの方にも届いたりしていて。いろんな方に新鮮なものとして受け止められているのは、嬉しいですね。――キャラクターの個性とラップスタイルがリンクしているのも魅力ですが、幻太郎のラップスタイルは独特ですよね。斉藤:そうですね。幻太郎のソロ曲「シナリオライアー」は、朗読に近い、ポエトリーリーディングと呼ばれるようなスタイルですが、ラップと一口にいっても様々な方向性があるんです。それはたとえば、12人全員で歌う「Division Battle Anthem」を聴いていただければよりわかりやすいかと。この曲での幻太郎のパートは、ソロ曲よりもさらにトリッキーなフローになっているんですが、正確なリズムよりも少し遅らせて、もたつき感を出しています。こうすることでグルーヴ感が増して、味が出てくる。対照的に、(有栖川)帝統のように、一聴しただけで耳が気持ちいい音のはめ方もある。そうしたヒップホップ的挑戦とキャラクター性を両立させようというのが、面白いところですよね。スタッフさんたちが、“最高のバランスで曲を完成させる”という志を持っているので、僕たちもその気持ちに応えられるように、難しいですけど、楽しんでやらせていただいています。幻太郎がこの先、またどんなラップを見せてくれるのか未知数ですし、僕自身も楽しみにしています。――「Fling Posse」はどんなチームだと思いますか?斉藤:おしゃれでポップで軽やかなノリが「Fling Posse」の魅力ですね。いい意味で若者っぽいというか、まさにシブヤっぽい。それでいて、それぞれの思惑がまだまだ未知数なところも興味深いですよね。チームとしてのスタートが、リーダーである飴村乱数が夢野幻太郎と有栖川帝統を誘った、というのも他との違いです。なので、彼らがチームを組んで活動しているうちに、絆が芽生えつつあるというのが現状なのかなと。キャストの3人も一緒に収録しながら仲よくなってますし、作中の彼らもいい意味でポッセ(ヒップホップ用語で“仲間”の意味)になりつつあるんじゃないかと思います。――3rdライブで、幻太郎が手に持っていた本の中身を掲げたら中身は真っ白だった、という演出が素晴らしかったです。斉藤:幻太郎の曲は観客を盛り上げるには少し難しい曲なので、みなさんをあっと驚かせる何かが必要だと思ってやらせていただきました。そう言っていただけて嬉しいです。ただ、残念なことに、この手は次には使えないんですよねえ…。次のライブで何をするかは文字どおり“白紙”なんですよね(笑)。ゆめの・げんたろう作家。書生のような格好をし、手には本を持っている。趣味は道行く人の半生を勝手に想像・創造すること。作家なだけあって、説得力のある嘘をつくのがうまい。相手が話を信じたところで「まぁ全部嘘だけどね」とうそぶき、人を煙に巻くのが得意。MCネームはPhantom(ファントム)。【斉藤さんによるひとことコメント】幻太郎は「まぁ嘘なんだけどね」という言葉をよく口にするんですが、彼がその言葉を発した時の状況だったり声のトーンだったりで、まったくの嘘かもしれないし、実は本当のことを言ってるかもしれない、と思いを巡らせていただければ。それこそ夢か幻かのごとく、みなさんを煙に巻いていく存在ですね(笑)。あめむら・らむだ天真爛漫で空気を読まない発言が多く、小学生のような見た目をしているが、実は頭の回転が速く、自分が他人からどう見られているか完璧に理解している。現役のファッションデザイナー。シンジュク・ディビジョン「麻天狼」の神宮寺寂雷とは犬猿の仲。MCネームはeasy R(イージーアール)。CV・白井悠介しらい・ゆうすけ1月18日生まれ。長野県出身。2011年より声優として活動をはじめる。TVアニメ『美男高校地球防衛部LOVE!』の鳴子硫黄役で初のメインキャラクターを演じる。アプリゲーム「アイドリッシュセブン」の二階堂大和役、「アイドルマスター SideM」の若里春名役など、出演作多数。【斉藤さんによるひとことコメント】乱数って見た目もかわいくて人当たりもいいけど、どこか達観しているような印象がありますよね。白井くんもそういうところがあって、3rdライブのリハでも、初参加の僕の質問をじっくり聞いてくれてから、「大丈夫大丈夫、まあ何とかなるよ」って(笑)。実際そうなるんだから、やはり頼れるリーダーですよね。ありすがわ・だいす有り金はもちろん、時には自分の命すらも賭ける生粋のギャンブラー。地道・堅実といった言葉が大嫌い。物事を決める時には、いつも持ち歩いているサイコロを振って決める。すかんぴんなことが多いので、食べ物を与えるとすぐ懐く。MCネームはDead or Alive(デッド オア アライブ)。CV・野津山幸宏のづやま・ゆきひろ12 月24 日生まれ。大阪府出身。2017年に声優としてデビューしたばかりで『ヒプノシスマイク』の有栖川帝統役に抜擢され、新人ながら難しいラップを難なくこなし度肝を抜く。アプリゲーム「なむあみだ仏っ!-蓮台 UTENA-」宮毘羅大将役、「モンスターストライク」毛利元就役なども。【斉藤さんによるひとことコメント】野津山くんは本当に可能性の宝庫ですね!少し荒っぽくて、ざらついた声。ラップもすごく格好いい。彼のライブでの爆発力は凄いです。まさにニューエイジといったところでしょうか。あと、頻繁に「ごはん行きましょう!」って誘ってくれるところがかわいい(笑)。ポッセは2人ともいい人、いい声で最高ですね!さいとう・そうま4月22日生まれ。山梨県出身。大学在学中に声優デビュー。TVアニメ『ピアノの森』の一ノ瀬海役や、アプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の鶴丸国永役など多数の人気作に出演するかたわら、歌手としてシングル3枚、アルバム1枚をリリース。2018年10月には初のエッセイ集『健康で文化的な最低限度の生活』を上梓。ビッグマント¥58,000スカートパンツ¥44,000(共にGround Y/ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03・5463・1500)シャツ¥36,000(トランジットウオモ/ストックマンTEL:03・3796・6851)靴¥25,000(アルコレッタ パドローネ/アドナストTEL:03・5456・5821)※『anan』2019年2月13日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・後藤仁子ヘア&メイク・時田ユースケ取材、文・尹 秀姫©King Record Co., Ltd. All rights reserved.(by anan編集部)
2019年02月09日自分の夢や目標に向かって前進したいけど、いまいち決断できない…。そんな人のために、人生の切り拓き方を教えてくれる名言をセレクト。さまざまな分野の賢人が教えてくれました。転職などの決断に迷った時【決断守り】そうやって選んだから得られる幸せもあるわけで。簡単には比べられないのよ。どんな道を進んでも、いいところも悪いところもあるのが人生だから。綿貫さん/白岩 玄『たてがみを捨てたライオンたち』(集英社)独り身で、自分の趣味にお金と時間を注ぐ40代前半の女性・綿貫さんが、同僚である25歳のアイドルオタク・幸太郎に話した言葉。「何を選んでも、メリットとデメリットの両方があり、最終的に大切なのは周囲に流されるのではなく“自分で選ぶ”ということ。自ら選んだことで何かを失うのを恐れている人にこの言葉を捧げます」(フリーライター・瀧井朝世さん)迷わず行けよ、行けばわかるさ。アントニオ猪木/1998年4月4日の引退試合後のマイクパフォーマンスより「32歳で、会社を辞め、上京する決断をしたのですが、いざ辞表を出すとなるとなかなか踏み切れないもの。そこで頭に浮かんだのがこの言葉です。利害を超越して男のロマンを追いかける猪木さんの生き方のように、まずは行動に移し、後から考えるべきだと気づきました。理路整然と策を講じるより、行動することも大事です」(フリーアナウンサー・清野茂樹さん)これが僕の生き方ですから。宇野昌磨/2018年12月のフィギュアスケート全日本選手権でショートプログラム前の練習で右足首を負傷し、周囲からは棄権も進言されたが、反対を押し切り続行。コーチから「なぜそこまで出たいのか」と聞かれたのに対し、こう返答したという。「周りに何を言われても、自分らしさという軸さえ持っていれば、ブレずに決断できることを教えてくれる言葉です」(スポーツライター・矢内由美子さん)その世界に飛び込んで 自分に才能がないって 突きつけられて落ち込むより その道に進めない理由探す方が 楽だったんだな ビビってる以外に 理由なんてなかったんだ乾 和臣/咲坂伊緒『思い、思われ、ふり、ふられ』(集英社マーガレットコミックス)夢を諦めていた男子高校生・和臣が、友人の言葉から自分が「ビビってる」ことに気づき、行動を決断するシーン。「本当はやりたいことがあっても、もっともらしい理由で現状維持を選ぶのは大人の世界でもよくあることですが、こんな高校生ならではのストレートな言葉を突き付けられたら、迷いが吹っ切れるかもしれません」(フリーライター・門倉紫麻さん)人は慎重であるよりはむしろ果断に進む方がよい。なぜなら、運命は女神だから、彼女を征服しようとすれば、打ちのめし突き飛ばす必要がある。マキャベリ/イタリアの哲学者1532 年に書かれた、マキャベリの政治学に関する著作『君主論』より。「運命を屈服させて自らが主導権を握るためには、大胆に行動するほうがいい。遠慮がちでは、自分で人生のハンドルを握れなくなってしまいます。組織やチームの中で、思い切って行動することが苦手だと感じている人に贈りたい名文です」(作家、哲学ナビゲーター・原田まりるさん)原田まりるさん作家、哲学ナビゲーター。著書に『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社)など。2月28日に小説『ぴぷる』(KADOKAWA)が刊行。清野茂樹さんフリーアナウンサー。プロレス実況の第一人者であり、バラエティ番組やラジオなどでも活躍。著書に『コブラツイストに愛をこめて実況アナが見たプロレスの不思議な世界』(立東舎)。瀧井朝世さんフリーライター。小誌をはじめ数々の雑誌でインタビュー、書評、対談企画などを担当。著書に『偏愛読書トライアングル』(新潮社)など。「WEB本の雑誌」で「作家の読書道」を執筆。矢内由美子さんスポーツライター。サッカー日本代表、浦和レッズ、体操やスピードスケートなど幅広く取材。雑誌『スポーツグラフィックナンバー』でコラム「オリンピックロード」を連載中。門倉紫麻さんフリーライター。雑誌や新聞などで、主に漫画に関する記事の企画・執筆を行う。新刊『2.5次元のトップランナーたち 松田 誠、茅野イサム、和田俊輔、佐藤流司』(集英社)が発売中。※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・黒猫まな子文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年02月09日今回、ご紹介する作品は、『君がまた走り出すとき』。日本人男性で初めて世界6大マラソンを走破した、川口市在住の市民ランナー・古市武さんの実話が導く人間ドラマです。マラソンを通じて人生と向き合う人々の姿を描いた本作で、主演を務めた寛一郎さんにお話を伺いました。写真・角戸菜苗 文・田嶋真理【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 28自然体の演技で存在感を放つ若き新鋭埼玉県川口市のSKIPシティで催される、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、若手映像クリエイターの登竜門。『君がまた走り出すとき』はこの映画祭の15周年を記念したオープニング上映作品として、地元川口市を舞台に製作されました。寛一郎さん演じる翔太は、わけあって追われる立場。彼は逃げ込んだ民家で老婦人に孫と間違われ、成り行きで居候することになります。場当たり的な生き方をしていた翔太ですが、ラジオで聞いた古市武さんの情報をきっかけにマラソンと出会い、人生を再生させていきます。寛一郎さんは、祖父が故・三國連太郎さん、父親が佐藤浩市さんという最強の俳優遺伝子を持つ新鋭。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017年)では演技力が評価され、第27回日本映画批評家大賞新人男優賞を獲得するなど、早くも映画界で頭角を現しています。ーーマラソンを走る役を演じるにあたって、肉体的なトレーニングは?寛一郎さん もともと太りやすい体質ではなく、食事制限を少し行うだけで自然と体が締まっていきました。撮影をする中で、長い距離を走ることに慣れていきました。ーー普段の生活の中で、何かトレーニングを行っていますか?寛一郎さん インドア派なので、あまり運動はしないですね。クランクイン前に少し体を鍛えた程度です。ーーそれでこのような締まった体になれるなんて、うらやましい限りです(笑)。内面的な役作りとしてはどのようなことを?寛一郎さん 初めて脚本を読んだとき、まるで絵本のようにわかりやすくメッセージを伝える作品だなと思いました。翔太は、自分と向き合うことから逃げている役です。誰もが逃げたいという気持ちを抱く瞬間があると思います。彼の気持ちにとても共感できたので、リアリティを持って演じるように心がけました。ーー映画の中で特に気に入っているシーンは?寛一郎さん 映画の終盤、松原智恵子さん演じる多笑と山下リオさん演じる佳織に自分の決断を話すシーンです。ワンカット長まわしで撮っていたので、気持ちが入りやすかったです。ーー苦労したシーンや印象に残っているシーンは?寛一郎さん クライマックスのマラソンシーンの撮影をした日は、風が強くて寒かったです。マラソンのシーンですから、全員が薄着のランナーの恰好をしていました。あのシーンに参加された、エキストラの方々も苦労されたと思います。ーーお父さまの佐藤浩市さんに、役作りの相談をすることは?寛一郎さん 相談はしません。僕は人から答えを聞いて教わるのではなく、自分で考えて答えを見つけたいタイプなんです。父親と仲が悪いわけではなく(笑)。ーー18歳のときに俳優になる決心をされたとか。それまでにいろいろな誘いがあったと思うのですが、俳優デビューしなかった理由は?寛一郎さん それこそ、この映画の翔太のように、自分から逃げ続けてきたんだと思います。家族や俳優という職業ではなく、自分から逃げていました。答えを出すまでに18年間かかったんです。ーー佳織のように、ツンデレな女の子はお好きですか?寛一郎さん ツンデレは大好きです。ツンデレが嫌いな男性はいないと思います(笑)。イラッとさせられたとしても、ちょっと弱いところを見せられると「なんだよ、かわいいな」と思ってしまいます。ーー今年はどのような役を演じてみたい?寛一郎さん 喜劇を演じたり、振り切った人を演じたりしてみたいです。ーー振り切った役とは……例えば、悪い人の役?寛一郎さん そういった役はこれまでに演じたことがないので、食わず嫌いせずにいろんな役を演じてみたいですね。インタビューのこぼれ話取材現場に現れた寛一郎さんは、映画で演じた翔太とは全く雰囲気の違うロックなファッション。このとき着ていた個性的なニットは、「かわいくて気に入っています」とのこと。今後も、映画にドラマに多彩な表情を見せてくれる寛一郎さんに注目です!Information『君がまた走り出すとき』2月8日(金)よりMOVIX川口にて先行上映/3月2日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開出演:寛 一 郎、山下リオ、松原智恵子ほか配給:キャンター©2018 川口市
2019年02月08日時に切なく、時に力強く、聴く人の胸に響く音と言葉で、いま大きな共感と話題を集めている、あいみょんさん。彼女自身の言葉から、その歌詞の秘密に迫ります。ただひとつの言葉を紡ぐ、あいみょんの、頭の中。ドラマの主題歌「今夜このまま」や、昨年末のNHK紅白歌合戦で歌われた「マリーゴールド」など、多くのヒット曲を生み出して活躍中の女性シンガーソングライター・あいみょんさん。なかでも、どこか甘酸っぱく切ない余韻を残す歌詞が注目を集めている。今回のインタビューでは歌詞の創作方法をはじめ、彼女が放つ言葉の魅力を探る。――最新アルバム『瞬間的シックスセンス』は、今のあいみょんさんのエネルギーと音楽的センスを存分に感じさせる素晴らしいポップ・アルバムに仕上がっていますね。あいみょん:ありがとうございます。――お忙しい中での制作だったそうですが、今作の言葉選びや歌詞にはどんな挑戦がありましたか。あいみょん:今回は、これまで以上にドラマや映画に書き下ろした楽曲が多く入った作品になりました。ゼロから自分で生み出すのと台本や原作を読んだ上で歌詞を書くのは、やっぱり全然違いましたね。書き下ろしをさせていただくからには、自分の色を出しつつも、ドラマや映画の物語に音楽で寄り添うのが礼儀だと思っているので。今回こうして色んなジャンルの作品に書き下ろしさせてもらって、すごく勉強になりました。――「マリーゴールド」にしてもタイトルにこの花を選ぶところにセンスを感じさせます。あいみょん:この曲に関しては、麦わら帽子の女の子の後ろ姿がマリーゴールドに見える、そのままの映像が頭に浮かんで。それと同時に歌詞とメロディが出てきました。夏の歌なのに「ひまわり」じゃないの?ってよく言われるんですけど、「マリーゴールド」以外には思い浮かばなかったんですよね。――映像が浮かぶってすごいですね。「満月の夜なら」は〈君のアイスクリームが溶けた〉から始まる密室的な描写が官能的です。この曲に関してはどんなきっかけで?あいみょん:テレビを見ていたらハーゲンダッツのCMが流れてきて。カチカチに凍ったアイスクリームを手で包み込んでちょっと溶かしてから食べる、というのが、めっちゃやらしいなと(笑)。緊張している女性をほぐしてから食べる?って擬人化しちゃって。そういうところからインスピレーションがあったと思います。物事を見る時に“これには何か裏があるのかもしれない”って思いがちなんです。――なるほど。では、作詞をする時にも「聴き手に言葉の裏を読み取ってもらいたい」と意図されることもあるんでしょうか。あいみょん:歌詞は想像させてナンボだと思うので、いかにリスナーに物語を作ってもらうかが大事なんです。だからこそちょっとした曖昧さを残したり、逆にあえてわかりやすくしたりとか、そのバランスですよね。難しいんですけど、フィクションとノンフィクションの間くらいのバランスで書くと、みんなも想像しやすいのかなと思います。だから「満月の夜なら」を聴いて生々しいとか、いやらしいと感じてくれた人は想像力が豊かなんですよ。最後にフェイクで入れた声が喘ぎ声に聞こえるって言う人もいて、そこで初めて、ああそうなんやって(笑)。――面白いですね(笑)。アルバムの中で特にご自身の赤裸々な想いが綴られていると感じたのは「ひかりもの」という曲の歌詞でした。あいみょん:そうですね、「ひかりもの」は珍しく自分のことを書いた歌です。23歳になって、今まで色んなことに傷ついてきたから、しょうもないことで泣いたり怒ったりしないかなと思ってたんですけど、小さなことで傷つくことがあって。人間いくつになっても傷つく時は傷つくし、泣く時は泣くんやと思って衝動的に作った曲です。だから10代の頃の曲作りの感覚に、すごく近かったですね。――〈つまらないことではもう泣かないぞ〉という歌詞など、等身大の想いや感情が伝わってきて心打たれます。今のあいみょんさんの作詞におけるポリシーやこだわりって、どういうものですか。あいみょん:基本的には何も考えずに自由に書いてるんですけど、言葉遊びや比喩表現が好きで、よく使います。それが結果的に、リスナーに色んな想像をしていただけるような曲につながっているのかなと。――では、ご自身の言葉の表現やセンスがこれまでどのようにして培われてきたのかもお聞きしたいのですが。過去に“言葉のチカラ”を感じたアーティストや曲は?あいみょん:作詞面で影響を受けているのは浜田省吾さんや平井堅さんです。男性が紡ぐ言葉がすごく好きで。特に浜田さんの「もうひとつの土曜日」という曲で唄われている〈瞳ふちどる悲しみの影〉というフレーズが秀逸で、小説っぽいんです。ただ〈涙〉と言ってしまわないこの表現が素晴らしいし面白いなって。それと、平井堅さんの官能的な表現もすごいんですよ、「鍵穴」って曲とか。男性なのに女性目線の表現ができる人に惹かれます。最近では、石崎ひゅーいさんなど、男性シンガーソングライターへの憧れが強いですね。ないものねだりなんですけど(笑)。――ご自身も男性目線の歌詞を書かれますもんね。音楽以外には本や映画など、普段どんな方法で言葉のインプットをしていますか。あいみょん:偉人の名言集を読んだりするのがすごく好きです。アーティスト活動の中でこうして取材を受けたりすると、皆さんが私の言うことを否定せずに全部受け止めてくださるんですけど、なかには間違っていることもあるはずで(笑)。なので名言集を読んで私とは反対のことを思っている人を探して、自分が全て正しいわけじゃないって思っていたいんです。共感もいいんですけど、反対の意見も面白いなって。――なるほど。小説は読みますか。あいみょん:父の影響で東野圭吾さんなど、ミステリー小説ばっかり読むので、友達を家に呼ぶ時は本棚を見られるのが一番嫌ですね(笑)。『○○殺人』とか、そういうタイトルの本ばっかり。あとは官能小説も読みます。きっかけは何だったか覚えてないんですが、17歳の時に古本屋で初めて手にとって。それがいやらしいものだという自覚はあったから『BRUTUS』と一緒に合わせ技で買って(笑)。その時の官能小説は今でも持っています。読まなかったら私の官能的表現は培われなかったかもというぐらい勉強になったと思います。――ミステリーと官能小説、すごく刺激的な言葉のインプットの仕方ですね。ちなみに、普段のコミュニケーションでは言いたい言葉をはっきり伝えられるほうですか。あいみょん:理不尽だと感じた時は相手に言うようにしていますが、さっきも言ったみたいに自分が全て正しいわけじゃないと思っているので、上から目線にならないように、でも自分はこう思っているということをちゃんと伝えようと心がけています。あとは、好きな人には好きって、恋愛でも友達にも言うようにしています。やっぱり言霊ってあると思ってるから。――お話を伺って、あいみょんさんは言葉遊びを楽しみつつ、ご自身の想いと言葉の繋がりをすごく大事にされていると感じました。今後も含めて、音楽にどんな“言葉のチカラ”を添えていきたいですか。あいみょん:言葉がもたらす青春感みたいなものは自分の中で大事にしています。青春って、何かに興奮したり夢中になってることだと思うんですけど、そこにはもちろん明るさだけじゃなくて切なさもあるから。人それぞれに持っている青春感みたいなものを歌詞で引っ張り出せたらいいなって。私が音楽をやっている今も、まさに青春。アルバムのタイトルにつけた「青春のエキサイトメント」や「瞬間的シックスセンス」のように、辞書を引いても出てこない組み合わせの言葉を作るのも好きだし、言葉って遊び方はたくさんあると思うんで、まだまだ発明していきたいですね。あいみょん1995年3月6日生まれ。兵庫県出身。シンガーソングライター。’16年にシングル『生きていたんだよな』でメジャーデビュー。印象的な歌詞と胸に迫る楽曲が年齢、性別を超えて瞬く間に話題を呼び、一躍、音楽シーンを駆け上がる。2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』が2/13発売。シングル「満月の夜なら」「マリーゴールド」をはじめ、彼女の現在地を映す全12曲収録。¥2,800(Warner Music)2/18には初の武道館ワンマン「AIMYON BUDOKAN -1995-」、秋には自身最大規模の全国ホール&アリーナツアーも開催決定。※『anan』2019年2月13日号より。写真・尾身沙紀(io)スタイリスト・服部昌孝ヘア&メイク・藤本千絵インタビュー、文・上野三樹(by anan編集部)
2019年02月08日東京・世田谷のテレビスタジオ・東京メディアシティ(TMC)内にあるカフェ「今昔庵(こんじゃくあん)」が、多くの芸能人や業界関係者に惜しまれながら閉店し、約27年の歴史に幕を下ろした。今昔庵を愛してきた脚本家の三谷幸喜氏は、最後の営業日と思って8日朝に駆けつけたが、実際には告知された前日の7日で閉店したため、名物マスターの福田起弘さんに会うことができなかった。連ドラの脚本家デビュー作『振り返れば奴がいる』(93年、フジテレビ)や、『古畑任三郎』(94~06年、同)など、TMCで撮影された多くの作品を手がけてきた三谷氏に話を聞くと、「(今昔庵には)駆け出しの頃からずっとお世話になってました」と回想。「マスターは、いつもいろいろお話してくださったり、タレントさんの入りとか(収録の)何分押しとか教えてくださって(笑)。あんまりドラマ書かなくなってからたまに仕事で来ると、2~3年ぶりにお会いするんですけど、昨日会ったかのように『あぁどうも!』みたいな感じで接してくださいました」と、気軽に話しかけてきてくれたそうだ。それだけに、閉店を聞いて「ビックリしましたね。ずっとあるものだと思ってました」「渋谷からハチ公の銅像がなくなるのと同じくらいの衝撃が走りますね」と、驚きを表現。最後の営業日に、マスターへ「手土産と、似顔絵を描いて持ってきたんです」というが、残念ながら会えなかったため、「来ることがあったらお渡ししてくださると言うので」と、TMCの警備室に預けていた。そんな長年の仲のマスターだったが、「名前は福田さんでしたっけ? 今回の(閉店の)記事で知ったくらいなんで、ずっとそういう距離で何十年も接してたんです。ご家族もいらっしゃのか分からない」という関係性。「誰も人となりを知らないっていうマイナーの極致みたいな方が、こんなメジャーな場所の入口にいらっしゃるというのが本当に面白いなと思います」と不思議な存在感を評し、「マスターをモデルにした役はどうでしょうか?」と聞いてみると、「いいですね」とニヤついた。この日は、閉店の強制執行を行う関係者が店を囲んでおり、三谷氏は「来ると(マスターは)いつもおひとりでいらしゃって、『お疲れさまでした』みたいな感じだったので、いい雰囲気でお別れできるのかなと思ったんですけど、物々しい雰囲気で…」と困惑。「ここに来る人は、マスターのことみんな大好きですから。本当に残念です」と、あらためて閉店を惜しんだ。
2019年02月08日他人と自分を比べて落ち込んだり、失敗をいつまでも悔やんでしまったり…。ネガティブな気持ちをたちまち上向きにしてくれる、言葉のお守りを奉納。さまざまな分野の賢人に教えてもらいました。ネガティブになって自己嫌悪に陥った時【浮上守り】いちばん凄ぇのはプロレスなんだよ!中邑真輔/2004年3月28日リング上でのマイクパフォーマンスより「当時はオリンピックなど高視聴率の大会を担当する実況アナを羨ましく思っていましたが、この発言を聞き、プロレスというエンターテインメントは競技よりも奥が深いことに気づきました。大切なのは、お客さんをいかに楽しませるか。そう思うと、この仕事は自分にしかできないことだと考えるように」(フリーアナウンサー・清野茂樹さん)他人に価値観預けて生きるの、しんどくない?志穂子/伊藤朱里『緑の花と赤い芝生』(中央公論新社)リケジョでバリキャリの志穂子が、自分と対照的な生き方の女性・杏梨に対して放った言葉。「世間体を気にしたり、他人と自分を比べてしまいがちな人に贈りたい言葉。他人や社会の評価基準なんて曖昧で勝手で流動的なのだから、そんなものにしたがったりせず、自分に素直な自分でいられますように」(フリーライター・瀧井朝世さん)多くの人は根も葉も無いことを疑ったり、些細なことを深刻にとったりして、苦悶の種をわざわざ自分であつらえている。セネカ/古代ローマの哲学者「古代ローマの哲学者・セネカは『怒りや不安は向こうからやってくるのではなく、自分から不安の種を見つけ出し、苦悩に歩み寄ってしまう』と言っています。ネガティブな時は自分が不安散策をしているという自覚を持ち、意識的に他のことに取り組んでみるといいかもしれません」(作家、哲学ナビゲーター・原田まりるさん)友だちに嫌いなとこあったらだめなの?古屋 寿/いくえみ綾『潔く柔く』(集英社マーガレットコミックス)女友達と絶交してしまい、表面上は平気な顔をしつつ気にしている女子・百加に、男友達の古屋がかけたひとこと。「“嫌いなとこ”がある=“その人自体”が嫌いではないし、自分がそう思えるのだから、相手にもきっと“嫌いなとこ”も含めて受け入れてもらえる……そう信じられて自己嫌悪から脱出できます」(フリーライター・門倉紫麻さん)人は生まれて来る前に神サンに“君の運命はこうなって、いついつに死ぬ”っていうことを知らされて、それでも逢いに行きたい人がおるか?って聞かれて、“はい”って言うたヤツがこの世に生まれて来るんやて。ほんでこの世に生まれて来たらその記憶がなくなるんやて。主人公・草太の父(奥田瑛二)/『ニワトリ★スター』かつて生活を共にした友人の死を知った主人公の雨屋草太(井浦新)に対して、父親が言った言葉。「何をやっても楽しいと思えず、ちょっとマンネリを感じた時、私はこの言葉に出合って号泣してしまいました。やはり皆、望んで生まれてくる。素敵な出会いをさらに大切にしたくなります」(映画コメンテーター、タレント・LiLiCoさん)原田まりるさん作家、哲学ナビゲーター。著書に『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社)など。2月28日に小説『ぴぷる』(KADOKAWA)が刊行。清野茂樹さんフリーアナウンサー。プロレス実況の第一人者であり、バラエティ番組やラジオなどでも活躍。著書に『コブラツイストに愛をこめて実況アナが見たプロレスの不思議な世界』(立東舎)。瀧井朝世さんフリーライター。小誌をはじめ数々の雑誌でインタビュー、書評、対談企画などを担当。著書に『偏愛読書トライアングル』(新潮社)など。「WEB本の雑誌」で「作家の読書道」を執筆。LiLiCoさん映画コメンテーター、タレント。『王様のブランチ』(TBS系)の映画コーナーを担当。俳優へのインタビューをはじめ、トークイベント、ナレーション、執筆など幅広く活躍する。門倉紫麻さんフリーライター。雑誌や新聞などで、主に漫画に関する記事の企画・執筆を行う。新刊『2.5次元のトップランナーたち 松田 誠、茅野イサム、和田俊輔、佐藤流司』(集英社)が発売中。※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・黒猫まな子文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年02月07日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「米津玄師」です。平成最後の紅白歌合戦で故郷・徳島から歌声を届けた米津玄師さん。実は、僕と米津くんには共通の趣味があるんです。それはニコニコ動画のゲーム実況動画を観ること。僕はYouTubeの公式チャンネルで自分がプレイするゲーム実況も配信していますが、他の方の面白いゲーム実況を観るのも好きなんです。で、米津くんも、同じ実況プレイヤーさん(ナポリの男たち)を推していて仲良しだったんですね。それで、その方々が「今度、米津さんとごはんに行くからよかったら岡崎さんも来ませんか」と誘ってくれた。それが昨年の5月のことです。よく覚えているんですが、ええ雰囲気の個室で、米津くんだけ遅れてやってきたんです。初対面だったし、僕はとにかく緊張して待っていて…。米津くんは、扉を開けて入ってきた瞬間、そりゃもう米津やったんですよ。これはもう間違いなく米津や、というアーティスト感漂う雰囲気をバリ醸しだしていた。だけど、ふっと席に座ったら、なんと米津がなくなったんです!米津とれたんです!!これにはびっくりしました。気難しさみたいなものがまるでなくて、まあ、気さくなお兄ちゃん。また、お酒が進めば進むほど陽気におしゃべりしてくれる。しかも人のことを褒めまくる。僕のことも「ネタ曲と真面目な曲のバランスがいいですよね」とか、めっちゃいいこと言ってくれる。僕はひたすら「ありがとうございます」と言っていましたね。僕のことをちゃんと知っていてくれたこともうれしいし、繊細なイメージから一転、気さくなええ人というめちゃくちゃいい裏切りでちょっとキュンとしてしまいました。僕も僕で米津くんのことはずっと気になっていたんです。彼は、もともとハチという名前でニコ動に楽曲を投稿していた。僕もニコ動にインディーズ曲を投稿していた時代があったんです。デビューまでの道のりは違いますが、地方在住のSNS世代でネットに音楽を投稿して、それを広い世界の人たちに見てほしい、評価してほしいというところにルーツを持つところは似ているのかなと勝手に親近感を持っていました。だから、二人で音楽の話をできたのはとてもうれしかったですね。米津くんとは、それ以来お会いしていないんです。また会いたいなあ。飲んだときの米津玄師さん、面白いもんなあ。せっかくだから『anan』で対談企画とかやってくれたらええのになあ…。どうですか、編集長?おかざき・たいいくオリジナルサードアルバム『SAITAMA』発売中。6/9、さいたまスーパーアリーナにて、単独公演「JINRO presents 岡崎体育ワンマンコンサート『BASIN TECHNO』」開催。※『anan』2019年2月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年02月03日今回、ご紹介する作品は、国内外の映画祭で評価を受ける新人女性監督、甲斐さやかの長編デビュー作『赤い雪 Red Snow』。30年前、雪が降り積もる日に起こった未解決の少年失踪事件をめぐるミステリーを、濃密な人間ドラマとともに描いています。本作でダブル主演を務めた永瀬正敏さんと、菜葉菜(なはな)さんにお話を伺いました。写真・大嶋千尋 文・田嶋真理 スタイリスト・渡辺 康裕 (W/永瀬正敏さん) 越中春貴(菜葉菜さん) ヘアメイク・遠山美和子(THYMON Inc./永瀬正敏さん) 升水彩香(菜葉菜さん)【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 27クセのある役を難なく自分のものにする実力派『赤い雪』で物語の中心となるのは、永瀬さん演じる被害者の兄・白川一希と菜葉菜さん演じる容疑者とされた女性のひとり娘・江藤早百合。30年前の少年失踪事件で心に深い傷を負ったふたりは、再会をきっかけとして曖昧な記憶をたどっていき、思いがけない真実を知ることになります。甲斐監督のオリジナル脚本に魅せられ、ダブル主演を務めた永瀬さん、菜葉菜さんに加え、井浦新さん、夏川結衣さん、佐藤浩市さんという日本映画界を代表する名優たちが参加。それぞれがクセのある役を熱演しているところも注目を集めています。ーー脚本の素晴らしさに魅せられて出演を決めたそうですね。おふたりが脚本を読んだときの第一印象を教えてください。永瀬さん 時間を忘れました。とてもおもしろい脚本をいただいても、はずせない用事があると、読むのを途中で止めることがあるんですが、今回は一気に読んでしまいました。それほど、脚本にパワーがありました。菜葉菜さん 甲斐監督から、“こういう作品で、ぴったりの役がある” というお話は聞いていたのですが、実際に脚本を読んでみて衝撃を受けました。これほどまでに重厚な脚本を読んだことがなかったので、ぜひやらせていただきたいと思いました。ーー役作りとして、どのようなことを?永瀬さん 漆職人の役を演じるにあたり、実際の職人さんから指導を受け、道具を自宅に持ち帰って練習をしました。僕は職人を演じる機会が多くて。大病院の天才外科医よりは、地道に技を極めた職人のほうに憧れてしまいます。菜葉菜さん 撮影に入る前に、早百合の背景について監督と話し合いをしました。その際に監督から舞踏を習って欲しいと言われ、土方巽さんや大野一雄さんに師事された中嶋夏さんに舞踏を教えていただきました。舞踏を習ったことが演技にどのような影響を与えたのかわからないのですが……。永瀬さん 踊るシーンはなかったからね。菜葉菜さん そうなんです(笑)。でも、新しいものに触れる良い機会を与えていただいたと思っています。ーー甲斐監督の演出方法はどのようなものでしたか?永瀬さん 役者たちが自由に演技をし、それを甲斐監督が自然な形で軌道修正してくれました。「このタイミングでセリフを言ってください」というような細かい指示出しはありませんでした。ーー着替えを覗かれた早百合がニヤッと笑うシーンは、とてもインパクトがありました。菜葉菜さん あのシーンは初日に撮影しました。最初から「笑って欲しい」と言われたのではなく、何度もテイクを重ねるうちに自然に出た表情なんです。ーー永瀬さんの役者としての魅力をどう感じましたか?菜葉菜さん デビューしたての頃、周囲の方々に、「たくさん映画を観て、本を読みなさい」と言われて。行定勲監督の『贅沢な骨』(2001年)など、当時むさぼるように観た作品の多くに永瀬さんが出演されていて。私もこのような俳優になりたいと思い、憧れていました。それから何年も経ってしまいましたが、こうしてがっつりとお芝居をする機会をいただけて、夢のようです。実際にお会いしてみると、永瀬さんは大人のフェロモンたっぷりというよりも少年のような心を持った方で……(笑)。永瀬さん シリアスな作品では余計に、撮影現場が楽しくないとね(笑)。菜葉菜さん 緊張感あふれる作品でしたが、撮影現場がピリピリすることはありませんでした。永瀬さんが率先してムードメーカーになってくださったおかげだと思います。永瀬さん 褒めていただいて、ありがとうございます。今度何かおごります(笑)。ーー永瀬さんから見て、菜葉菜さんの役者としての魅力は?永瀬さん クライマックスで、どう演じて良いのかわからないシーンがありました。撮影現場で菜葉菜さんの演技を見たときに、一希は彼女を受け入れられるかもしれないと感じました。そのときの菜葉菜さんの立ち姿の美しさは今も忘れられません。彼女の魅力は “役者を助ける演技をしてくれる” というところですね。ーー雪景色の中で撮影したからこその苦労は?永瀬さん 雪の中に入っていくと足跡がついてしまうので、その場でリハーサルができないんです。僕たちは地形の分からない場所をどんどん歩いていかなければならない。すると、急に雪深くなったところで足を取られてしまう。菜葉菜さんは若いので体力的に問題なさそうでしたが、僕は3歩ぐらい行くとゼイゼイしちゃって、息が上がってしまいました。雪景色のシーンでも菜葉菜さんの女優魂を感じました。この映画では役者それぞれが熱演し、120~150%の力を出しています。ぜひとも劇場でご覧いただきたいですね。インタビューのこぼれ話映画は緊張感あふれるサスペンスでしたが、おふたりは終始にこやかな表情でインタビューに答えてくださいました。特に、菜葉菜さんが永瀬さんを褒めているときの、永瀬さんの照れた表情がとても素敵でした!Information『赤い雪 Red Snow』2月1日(金)テアトル新宿ほか全国順次公開出演:永瀬正敏、菜 葉 菜、井浦新、夏川結衣、佐藤浩市ほか配給:アークエンタテインメント©2019「赤い雪」製作委員会
2019年01月31日出会った女性がネタの源という横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、自分のことを客観的に見る「次に会ったときに謝れる女」になりきり。人間関係のモヤモヤは裏アカにメモ&発散を!自分でもどうかと思うのですが、私は人を“マルかバツか”で覚えることがあるんです。何も問題がない良い関係の相手はマル、ちょっと気になることがあったり、私が何かをやらかしてしまった相手はバツという感じです。しこりが残っているからか、バツで覚えている人に会うと“この人に何を謝らなきゃいけないんだっけ!?”と焦ってしまうことも(笑)。そんなとき、素直に「このあいだはごめんなさい!」と言える女性になりたいなって思うんです。ごめんなさいと伝えるのは勇気がいるし、なかなか言えていないなって気づきました。やっぱり、きちんと謝ったほうが厄払いじゃないですが、肩の荷が下りますよね。それに、人との関係がこじれたときに、自分を客観的に見ることも大事だと思うんです。すると、“あの人とこうなっちゃってヤバい。じゃあ、こうしよう”と、今後の行動の筋道が立てられる。さらに、相手から見た自分のイメージを壊さず、いいように導くこともできます。そうして、見せ方をコントロールすることも、大人の女性にとっては大切ですよね…!まずは、“この人にこういうことをしてしまった…”という人間関係の出来事をメモして、起こった問題をきちんと覚えておくことが第一歩だと思います。日記などに書き留めるのもいいけど、ツイッターのようなSNSの裏アカウントを作り、そこに起こったことや感情を書き出すと気持ちが整理できます。実際、私もツイッターの裏アカウントを持っているのですが、いろいろ書くだけで気持ちが軽くなったりしますから(笑)。それを見返すと、“次にこうやって謝ろう…”と、シミュレーションもしやすいはず。モヤモヤしている人は懺悔アカウントを作り、世界に発信してみましょう~!よこさわ・なつこ芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。初の著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。※『anan』2019年2月6日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2019年01月30日出会った女性がネタの源という横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、食べ物を大事にする気取らない女性、「テーブルに落ちたものを食べられる女」になりきり。“もったいない精神”がある女性には、親近感がわく!テレビ番組の収録やプライベートなどでごはんを食べているときに、一緒にいる女性がテーブルに食べ物を落とすと、“この人は、どうするのかな?”と、つい見てしまうんです。いいなと思うのは、「あっ、もったいない!」と、気にせずにパクッと食べちゃう人。もちろん、メニューにもよるのですが、たとえばカクテルグラスに入っているエビなど、その料理のメインになっている食材が落ちたときに諦めずに食べる人を見ると、“そうだよね…!”と親近感がわきます。さらに、コーンひと粒まで食べていると、“この人とは気兼ねなくしゃべれそう”と好感度が上がるし、特に、相手が女優さんなどの場合は、“テレビに出ててそれができるなんて飾らない人だな”と嬉しくなってしまいます。テーブルマナーも大事ですが、それはフォーマルな場所で守ればいいこと。普段の席では、気取らずに食べてほしいし、“食材を大事に考えている人なんだな”と感じます。サラダとかを取り分けているときに落ちた具材をパッと食べるのも、お母さんぽい感じがしていいですよね~!まずは、テーブルに落ちたものは気にせず食べてみるのはどうでしょうか。もちろん、衛生上、ヤバそうなところは避けてください(笑)。そういえば、このあいだ、テレビ番組のロケでフルーツパフェをいただいたときに、共演者のひとりが奥のほうにある部分を食べようとして、テーブルの上にボロボロとフルーツをこぼしていたんです。それを見た私は、「落ちてるよ~」と掃除機のように次々とこぼれたものをひたすら食べたのですが、その姿は自分でもどうかなと思ったし、ほどほどにすることが大事だと学びました(笑)。TPOや程度を守りながら、気取らない女性を目指しましょう!よこさわ・なつこ芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。初の著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。※『anan』2019年1月30日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2019年01月29日東村アキコさんのマンガが原作の、ジュノ(2PM)主演映画『薔薇とチューリップ』が日本で5月3日より公開されることを記念して、1月21日にパシフィコ横浜でプレミアム上映イベントが開催されました。イベントでは上映後、ジュノが登場。自らお気に入りの場面やセリフ、ビハインドストーリーなどを解説してくれました。主人公のひとりが芸術家という映画のイベントらしく、お絵かきクイズのコーナーではジュノが意外な才能を発揮!?ジュノのやさしさと笑いに包まれたスペシャルなイベントの模様をレポートします!取材、文・尹 秀姫【ペンになってもいいですか!?】vol. 87かねてより2PMのファンであることで知られている東村アキコさんがジュノのために描き下ろしたマンガが原作となるこの映画は、「ジュノの魅力を広めたい」という思いで作られたという意図がそのまま反映された、まさにジュノと彼のファンのための作品。この映画でジュノは、何の取り柄もない温泉マニアの大学生デウォンと、現代アートの人気作家で傲慢な性格のネロのひとり2役で登場。見た目はそっくりだけど中身は真逆の2人を見事に演じわけています。約90分の本編が終了すると、ネロを彷彿とさせる黒い細身のスーツをサラリと着こなしたジュノがステージに登場。昼の回ではデウォン風の衣装だったので、MCの古家正亨さんから「ジュノさんはどちらの衣装がお好きなんですか?」と聞かれ、即答で「今!」と答えて会場を爆笑の渦に巻き込む一幕も。しかし、ジュノ自身はこの日はとても緊張していたそう。「(映画を)みなさんに評価される場だと思うと、とても緊張しています。この緊張は、ライブでステージに立っている緊張感とは、まったく違うものですね。初めて作品をみなさんに観ていただき、みなさんの反応を感じる瞬間というのは、これほど緊張するのかと思いました」夜の回では、監督が選んだベストシーンを紹介してくれました。まずスクリーンで公開されたのは、大学生デウォンが温泉で倒れて素っ裸で介抱されるシーン。ジュノが「これを選んだ理由はなんですか(笑)」と問いかけると、監督からは「とにかくデウォンがかわいい」とのコメントが。ジュノはこのシーンについて「デウォンを演じながら経験しなくてもいいこと、経験したことがないことをたくさん経験しました。撮影しながら思わず笑っちゃうシーンがありましたし、こんなことありえるのかな? というシーンもありましたし、デウォンって本当に馬鹿だなと思いつつ、かわいいやつだなと思いながら演じました」と語ってくれました。次のシーンは、デウォンとネロが一緒に温泉につかっている本編ラストに近いシーン。監督からは「このシーンは当然ながらどちらも裸。衣装など記号的に頼るわけにも行かず、まさに演技力のみで2人をしっかり演じなければいけない、実は難易度の高いシーン。にもかかわらず、細かな表情で2人を明確に演じわけている。ジュノの演技力の高さがしっかりと分かるシーン」と絶賛のコメント!しかしジュノとしては、「(温泉に入ってるシーンなので)身体を隠すタオルに一番気をつけました(笑)」と答えて会場を笑わせてくれました。監督が最後に選んだのは、ネロとミョンアがおたがいをやっぱり一番に思っていることを打ち明け合うシーン。そんな2人をデウォンが後ろから微笑ましく見守っているのだが、監督がこのシーンを選んだ理由は「何より2人を離れた場所から見つめるデウォンの表情がよかった。最後にデウォンが一瞬だけ目線を上に外す、その外し方が絶妙!」。そのシーンだけ再びスクリーンにて上映されると、たしかに一瞬だけ目線が上を向いている!とわかり、場内も大盛り上がり。でも、ジュノ本人は「僕もこれは気づきませんでした。台本にも書かれていたわけではなかったんですけど、あんなふうに演じてたんですねえ」と感慨深げに振り返っていました。続くコーナーでは映画撮影中の写真を公開しながら、ジュノが撮影秘話を語ってくれました。まず公開されたのは、映画初日に撮られた写真。テーブルに足を投げ出したネロの写真を見ながら、「この日は僕がオレサマ的な演技をする、初めての瞬間でした」と、懐かしそう。続いて見せてくれた写真は、学生時代のネロがチューリップの絵を描いている一枚。この写真を見ながら「絵の実力はどれくらい?」と聞かれると、「僕が描きたいものを描ける実力はあると思います」とキッパリ。さらに、エンドロールで流れていた、ジュノが歌った主題歌「Nothing But You」についてもご紹介。この曲はジュノが書き下ろした新曲で、「映画の雰囲気に合わせて曲を作りました。主題歌なので、デウォンやミョンア、ネロなど、登場人物に感情移入できるような曲として作りました。そしてこの曲がエンディングで流れている時、この映画を通じて希望を届けられるような曲になればいいなと思って作りました」その後はジュノが描いたイラストを当てるクイズコーナーなど、ファンとともに盛り上がる時間もあり、久しぶりにファンとのふれあいを楽しんでいたジュノ。最後には1月25日に誕生日を迎えるジュノのため、サプライズで誕生日ケーキが登場!会場の都合で火を灯せないということで、会場のファンたちが頭上でキャンドルの形に手を組み、ジュノが会場を走ってそれを消すという即席バースデーイベントに、ジュノだけでなく会場のファンも大歓喜。素敵な映画とともにジュノのやさしさにも触れられた、楽しいイベントとなりました。Information映画『薔薇とチューリップ』5月3日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋、名古屋 センチュリーシネマにて劇場公開。ティザー予告©2018 東村アキコ・小学館/ NBCUniversal Entertainment Japan「月刊!スピリッツ」(小学館)にて2019年春連載スタート。
2019年01月28日1月期ドラマ『初めて恋をした日に読む話』をはじめ、映画出演も相次ぐ横浜流星さん。マルチに活躍する彼の潔すぎる選択の裏側とは。どんな経験にも、意味のないことなんてない「選択に迷うことは、あまりないですね。例えば何人かでごはんに行っても、自分だけすぐにメニューが決まるので待ち時間が長くなってしまうことも多くて」そう言って、爽やかな笑顔を浮かべる。まるで少女漫画の世界から飛び出してきたような完璧なルックスで、世の女性を魅了する横浜流星さん。しかし実は極真空手の国際大会優勝という意外すぎる経歴の持ち主でもある。「空手は小学1年生の時に習いはじめました。最初はサッカー、野球、スイミングと、いろいろなスポーツを試したのですが、最終的に自分から『空手がやりたい』と親に言ったそうです。試合や稽古がどんなに苦しくても、自分が一度決めたことは責任を持って貫く、という精神力は空手を通じて培うことができたと思います」そして栄えある世界チャンピオンの座に輝いたのは、中学3年生の時。格闘家としての将来を有望視され、当時はほぼ空手中心の生活を送っていたという横浜さん。どうして俳優の道に進むことになったのかは、気になるところ。「小学6年生の時にスカウトされて今の事務所に入ったのですが、徐々にお芝居の仕事の楽しさを実感するようになったんです。高校に入ってからも、このまま空手を続けるか、俳優一本に絞るか、それとも大学に進学するかでかなり迷いました。ですが、最終的には『今しかできないことをやろう』と思い、この世界で生きていくことを選択しました」その時の決断を後押しした、忘れられないひとことがあるそう。「親に言われた『人生は一度きりなんだから、流星の好きなように生きなさい』という言葉です。思えば空手をはじめた時も、芸能界に入った時も、親はすべての判断を自分に委ねてくれて。僕が俳優としての決意を固めた時も、そのスタンスは変わりませんでした。ただし、『悪いことだけはするな』と釘は刺されましたが(笑)」‘17年には俳優以外に、歌手としてアーティストデビューも果たした横浜さん。どんなことも自分で決める決断力は、今もさまざまな場面で発揮されている。「歌手になるプランはもともと自分の中になかったのですが、滅多にないチャンスをいただけたので、せっかくだから挑戦してみようと決意しました。きっと、どんな経験にも意味のないことなんてないはず。だからこれからも、チャレンジできることには積極的に取り組んでいきたいと思います」よこはま・りゅうせい‘96年9月16日生まれ、神奈川県出身。出演映画『愛唄-約束のナクヒト-』が1月25日より、『L(ハート)DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』が3月21日より公開予定。シャツ¥32,000(シュガーヒル/シックTEL:03・5464・9321)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年1月30日号より。写真・樽木優美子(TRON)スタイリスト・伊藤省吾(sitor)ヘア&メイク・永瀬多壱(VANITES)取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年01月28日日本での活動スタートからはや2年。昨年末には2周年記念コンサートを開催したSNUPERが、日本で5枚目のシングル「Weekend Secret」をリリース。ananwebには初登場ということで、まずはSNUPERというグループが持つの魅力と、メンバーそれぞれのキャラクターに迫ってみました。写真・小笠原真紀 動画・千葉 諭 文・尹 秀姫【ペンになってもいいですか!?】vol. 86後列左から、ウソン、セビン、サンホ、前列左から、スヒョン、サンイル、テウン――SNUPERはどんなグループ? SNUPERの魅力と、ご自身のチャームポイントを教えてください!サンホ 僕はボーカルを担当しているサンホです。僕のチャームポイントは、笑った時に細くなる目! SNUPERとしては、親しみやすくて距離感が近いところが魅力だと思います。スヒョン ボーカルのスヒョンです。僕たちは全員日本語が話せるので、日本のファンの方に、僕たちのおもしろさをより伝えやすいところが長所だと思います。それに、メンバー全員の個性がぶつかった時にまた新しい魅力が生まれるというケミストリー(化学反応)がありますね。僕個人は、やはりメインボーカルなので、歌のうまさと声がチャームポイントだと自負しています。サンイル ボーカルのサンイルです。僕はいつもボケ担当で、メンバー全員からよくツッコまれています(笑)。僕もメインボーカルなので、声には自信がありますよ! SNUPERとしては、みなさんに楽しい時間を提供できるというのが魅力だと思っています。セビン 僕は末っ子のラップ担当セビンです! SNUPERは、やっぱりお笑い力ですよね。楽しいグループだということを、まずは知っていただければ幸いです。魅力的な持ち歌も多いので、ぜひ一度聞いてみてください。ちなみに僕は末っ子だけど、ボケ担当ではありません。テウン 嘘だ(笑)。でも一番のボケはウソンかな?ウソン ボーカル担当のウソンです。ボケ担当? 違いますよ(苦笑)。メンバーの中では一番の優男だと自分では思っています。SNUPERのいいところは、いつもファンのことを考えているところですね!テウン 僕はラップを担当しているリーダーのテウンです。僕が思うに、SNUPERはちょっと子どもっぽいところのあるグループですね。メンバー全員いたずら好きで、しかもそのいたずらがすごく子どもっぽい(笑)。でも、見てると自然と笑いがこぼれてしまうグループです。サンホ 一番子どもっぽいのはテウンさんじゃない?テウン 違います! 僕はSNUPERの中ではマジメな性格で、みんながいたずらとかして場の空気が緩んだ時、僕がリーダーとしてまとめることが多いですね。サンイル それは認めます!テウン リーダー/ラップ 1994年5月24日生まれ、180㎝、A型。スヒョン ボーカル 1992年10月1日生まれ、177㎝、A型。――メンバーの中で一番〇〇な人は? というキャッチフレーズを考えたいと思います。それぞれのメンバーに合う言葉は何ですか?サンイル スヒョンさんは一番のムードメーカーです! インタビューの時もおもしろくウィットに富んだおしゃべりで雰囲気を盛り上げてくれるし、とにかく声がいいですよね。つまり、一番おもしろい人です!スヒョン サンホは、言いたいことはいっぱいあるけど、ひとつだけ言うなら一番気遣いができる人。たとえば誰かがミスをした時も、いつもさりげなくフォローしてくれるんですよ。サンホ テウンは一番まっすぐな人かな。あまりにもマジメすぎて、もうちょっと肩の力を抜いてもいいんじゃない?って思うこともあるくらい(笑)。ある意味、融通が利かないタイプでもあるのだけど、それだけ責任感が強いし、完璧にやりたいっていう気持ちが強いと思います。スヒョン テウンは何でも全力でやるタイプなんですよ。テウンのおかげで僕たちはこうして今までがんばって来れたんだと思います。テウン ありがとうございます(照)。スヒョン ありがたいと思うなら僕の口座に入金よろしく!テウン ええー、何それ!?(爆笑) SNUPERの中で一番男らしいのはウソンですね。男から見てもうらやましい体をしてるし、走るのも速いんですよ。セビン 何より性格がクール! そういうところが余計男らしく見えるのかも。ウソン そういうセビンはSNUPERの中で一番カッコいい人です。誰が見てもイケメンじゃない?サンイル うーん、認めます。韓国を代表するレベルのイケメン。ウソン 本当に、SNUPERの中だけじゃなくて、他のグループと比べても遜色ないくらいカッコいいですよ、セビンは! スタイルもいいし。セビン は、恥ずかしくてどこを見ればいいのか…。(うつむいたまま)サンイル兄さんは一番パーフェクト人間です。自己管理の鬼! とにかく自分の仕事に忠実で、完璧にこなします。もし兄さんがサラリーマンだったら、スーパーサラリーマンになっていたと思います!サンホ 仕事が超デキそう(笑)。スヒョン (サンイルさんに向かって)セビンの口座にお金振り込んでね!全員 (爆笑)サンイル メインボーカル 1993年5月1日生まれ、179㎝、O型。――2019年1月30日に日本で5枚目となるシングル「Weekend Secret」がリリースされます。どんな曲ですか?テウン 「Weekend Secret」は今までの僕たちのイメージとは真逆の、セクシーで男らしいSNUPERの魅力を感じてもらえる曲になっています。MVもすごくカッコいいので、ぜひぜひ観ていただきたいです。サンホ ダンスもすごくカッコいいんですよ。サビのところの、男らしさあふれるSNUPERのダンスにぜひ注目してください!セビン 歌詞に「Weekend」という言葉がたくさん出てくるんですが、そこの振り付けがね、いいんですよ。ぜひそこを見逃さないでほしいですね。スヒョン 迫力があってクールなSNUPERになっています!ウソン ボーカル、1994年9月24日生まれ 183㎝ A型。――曲のタイトルにちなんで、みなさんが週末に誰かと出かけるとしたら、誰と何をしたいですか?サンホ 僕はスヒョン兄さんと映画を観に行きたいです。スヒョン兄さんとはたまに一緒に映画を観に行くんですよ。スヒョン でもさびしいことに、僕はまだ『ボヘミアン・ラプソディ』を観てないのに、サンホはもう観たらしいんですよ。映画仲間なのに、ひどいですよね。サンホ 兄さんだってこないだ他の映画を一緒に観に行こうって言ったら、もう観たって言ったじゃん!スヒョン そうだっけ(笑)。僕はサンイルと一緒にカラオケに行って、喉が枯れるまで歌いたいです。いつも練習室で歌の練習では聞いてるけど、そういうのではなく純粋に遊びとしてカラオケに行きたいですね。サンイル デビューしてからカラオケに行ったことないなあ、そういえば。僕はウソンと一緒に出かけたいですね。ウソンは普段、あまり外に出たがらないんですよ。サンホ 引きこもりだから(笑)。サンイル だから、ちょっとは外の空気を吸わせてあげたいなって。ウソン どこに連れて行ってくれるの?サンイル ネットカフェ(笑)。ごはんも食べられるしね!セビン 僕は買い物が好きだから正直ひとりで週末は過ごしたいんだけど……。でも誰かひとりを連れて行かなきゃいけないのなら、サンホ兄さんにします。カロスキルでショッピングします!スヒョン 近いしね(笑)。サンイル 僕はサンホと一緒にホルモンでも食べに行きたいです。一度も一緒にごはんに行ったことがないから。ウソン 僕はテウンと一緒に家で料理でもしようかと思います。テウンの料理はおいしいんですよ。サンホ スヒョン兄さんは自分では料理上手だって言うけど、一度も食べたことがないから本当にできるのか疑問。スヒョン 今はキッチンが狭いからやらないだけだよ。ひとり暮らししてた時はちゃんと自炊してたし。いつかみんなにも食べさせてあげるから!サンホ 本当? 約束してよ! 何食べさせてくれるの?スヒョン じゃあサムギョプサルでも焼こうか。サンホ その時はもちろん、兄さんのおごりでね!スヒョン じゃあサンホは呼ばない(笑)!サンホ ボーカル/ダンス、1995年2月10日生まれ、183㎝、A型。セビン ラップ、1996年4月24日生まれ、181㎝、O型。――2018年はSNUPERのみなさんにとってどんな1年でしたか? 一番思い出深かったニュースを教えてください。テウン 『ウンジュの部屋』というドラマに出演にしました! メンバーの中でも初めてのドラマ出演ということもあって、すごく光栄でしたし幸せな経験でした。自分で言うのもなんですけど、演技はなかなかうまくできたんじゃないかと思います(笑)。ウソン 僕は前回のコンサートですね。日本デビュー2周年を記念したコンサートを東京と大阪でやったんですけど、全公演ソールドアウトしたと聞いて、本当にうれしかったです!サンイル ドラマのOSTに参加できたことが、個人的にも思い出深いです。SNUPERとしては『時間が止まるその時』というドラマで、僕個人では『ときめき注意報』というドラマで参加しています。ファンの方もすごく喜んでくれて、それもうれしかったですね。スヒョン 2018年は「Asia Artist Awards」という授賞式でチョイス賞をいただきました! これはSNUPERにとっては本当に光栄なことでしたし、僕たちがいただくにはまだ早いんじゃないかとも思うくらいなんですけど、すごくうれしかったです。サンホ 2018年は海外での活動が多かったんですよ。ベトナム、インド、インドネシア、ドバイにも行ったし、もちろん日本にもたくさん来ました。世界のあちこちに行って、僕たちのことを知ってもらえる機会を持ててよかったなと思いますし、個人的には砂漠を初めて見たアラブがすごく印象に残ってます。砂漠って、砂以外は本当に何もないんですね。不思議な体験でした。セビン 僕はシンガポールが印象に残ってます! シンガポールでは韓流広報大使に選んでいただいたんですよ。ソン・ジヒョさん、2PMのジュノ先輩と一緒に大使になって、韓国のいいところを紹介する機会をいただきました。スヒョン 大先輩方と並んで選ばれたことが本当にうれしかったですね。テウン 2019年にはファンのみなさんと一緒に幸せをたくさん感じられる機会があればいいと思いますし、そのために僕たちもますますがんばります! 応援してください!SNUPERのみなさんの楽しい動画はこちら!Information
2019年01月28日昨年は、ツッパリ役で注目の的になった伊藤健太郎さん。経験を積み重ねるほど大きな選択も増えていくようで、そのたびに覚悟を決めているんだそう。直感が働けばすぐに従って選択できる。いま勢いのある俳優の一人、伊藤健太郎さん。迷いなど感じない切れ長で涼しげな目もとが印象的だが、これまでの人生では大きな選択と決断をしてきたという。「一番の選択は、モデルから俳優の道に進む決心をした高2の時。本当は、ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』のオーディションに落ちたら、俳優の道はあきらめてアメリカに留学しようと思っていて。オーディションは何度も呼ばれてなかなか決まらなかったから、留学手続きもだいぶ進んでいました。でも、役に決まったと報告があった瞬間にアメリカ行きは即自分の中で排除されたんです。直感が働けば、すぐに従って選択できるタイプなのかな」俳優デビュー作は大ヒット。その後もドラマや映画の出演作を年々増やし、今や武将もツッパリも演じきってしまう活躍ぶりだ。選択の岐路に立たされた時のその直感は、かなり鋭いよう。「昨年は、名前を変えるという選択もしました。前から、名字の伊藤をつけたほうがいいと周りから言われていたのですが、まだタイミングじゃないと思っていたんです。でもドラマ『今日から俺は!!』でいただいた役名が伊藤で、僕の本名と同じで。さらに、ちょうど21歳の誕生日を迎えるので節目にもなると思った。モデル時代は健太郎、俳優となったら伊藤健太郎として、一つの覚悟を決めるのもいいのかな、って」選択に迷った時は兄弟や先輩、地元の友達など周りの人に相談するというが、その理由がまた、伊藤さんらしい。「自分1つの脳みそよりも、いくつもの脳みそで考えたほうがいいと思いませんか?最終的には自分で決めるけれど、いろいろな意見を参考にするのも勉強になると思っています。仕事で迷った時は先輩の太賀さんに、行き詰まった時は言葉を交わさなくても察してくれる地元の友達に相談すると心強いですね。最近印象的だった選択?あ、機内食をハンバーグステーキにするか、カツ丼にするか!行きでカツ丼を選んで失敗したから、帰りはハンバーグステーキにしたのに、また失敗で。この場合は“選択しない”というのが正解でしたね(笑)。基本、何を選ぶにもそんなに悩まないし、直感派だけど、どうしてもごはんだけは選べないんですよ。食べたいものが多すぎて、美味しい店だと全部食べたくなっちゃう。1つだけ選ぶなんて酷だよ、っていつも思っています」いとう・けんたろう‘97年6月30日生まれ、東京都出身。ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(CX系)で演技を始め、『アシガール』(NHK総合)、『今日から俺は!!』(NTV)などに出演。主演舞台『春のめざめ』が今春上演、主演映画『惡の華』が今秋公開。カーディガン¥18,500(BLUEBLUETEL:03・3715・0281)カットソー¥9,200(EGO TRIPPINGTEL:03・6434・9452)パンツはスタイリスト私物※『anan』2019年1月30日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・池田友紀(BeGlad)ヘア&メイク・伊藤ハジメ(Crollar)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2019年01月27日自称、優柔不断の中川大志さん。演技、ショッピング、定食屋…何をするにも「基本ずっと悩んでばかりです」。演技の選択は正解がないから難しい。「選択なんて毎日、目が覚めた時から始まりますよ。洋服は何を着て、朝ごはんは何を食べて、どの道から行くかとか。僕、優柔不断なほうなんで、基本ずっと悩んでばかりです(笑)」今年成人式を迎えた中川大志さん。それを記念して、成人の日にファン待望の写真集『maka hou』が発売された。ハワイで撮り下ろされたのは、20歳になったばかりの中川さんの貴重なショットの数々。実は企画・制作から写真のセレクトまで自ら関わったというが、それこそまさに選択の嵐だったのだそう。「どこで何をやるか、衣装はどれにするか、自分はこっちの写真が好きだけど、ファンの方はこっちが好きだろうな…など悩みまくりました。仕事の場合は、僕の好き嫌いよりも求められているほうを選ぶようにしていますが、同じチョイスでも、演技の場合はまたちょっと違う。セリフをどういう感情で言うのかは、一種の選択だと思います。でも難しいのは正解や不正解がはっきりしていないこと。「よかった!」という言葉をもらうこともあれば、イマイチ刺さらなかったりする場合もあって、見る人によって捉えられ方が全然違うんです。だから、正直手応えを感じないことも多くて。ただ、いつもチャレンジングな選択を続けていきたいとは思っています。安定した選択によって型にはまってしまうと、新しいものが生まれないような気がするから」さらに、プライベートの買い物まで悩みに悩む。「僕、ネットで買い物することが多いので、何か買う時は例えば同じ商品でもいろんなサイトを見比べて値段をチェックしたり、口コミもたくさん読んでから決めないと気が済まないんです。だって、後からもっといいものを見つけて後悔したり、失敗したくないから。長い時は1週間ぐらい考えることも珍しくないですね」そんな中川さんが、唯一選択に悩まないという場所が、定食屋。「なぜ悩まないかというと、毎回同じメニューを注文するからなんです。それが美味しいってわかっていたら間違いないじゃないですか。ごはんは失敗したくないですね…とは言いつつ、それってつまらないのかなぁ?もしかしたら、ほかにもっと美味しいメニューがあるかもしれないですもんね。あ~、ここでも悩んじゃう(笑)」なかがわ・たいし‘98年6月14日生まれ、東京都出身。20歳を記念してハワイで撮り下ろされた写真集『maka hou』が発売中。1stBlu-ray『holoholo』は2月14日発売。トップス¥33,800パンツ¥36,800(共にジュリアン デイヴィット/エドストローム オフィスTEL:03・6427・5901)※『anan』2019年1月30日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・徳永貴士ヘア&メイク・池上 豪(NICOLASHKA)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2019年01月26日1月も後半に入り、すっかり元の生活に戻ったものの長い休みのあとは、なかなかやる気が出ないもの。そこで、そんなときにぴったりの心を元気にしてくれる笑いあり涙ありのオススメ映画をご紹介します。それは……。インド発『バジュランギおじさんと、小さな迷子』!【映画、ときどき私】 vol. 211パキスタンの小さな村で生まれた少女シャヒーダーは、幼い頃から声が出すことができなかった。そんな娘を心配した母親に連れられ、ある日インドのイスラム寺院へと願掛けに行くことに。ところが、帰り道で母親とバラバラになり、ひとりでインドに取り残されてしまうのだった。そんなシャヒーダーが街中で出会ったのは、ヒンドゥー教の熱烈な信者でお人好しのインド人青年パワン。母親とはぐれた少女を預かることにするが、シャヒーダーがパキスタン人のイスラム教徒だとわかり、事態は一変する。しかし、パワンはシャヒーダーを家まで送り届けることを決意するのだった。はたしてパスポートもビザもない2人は、無事に母親の元にたどり着けるのか……。近年、『バーフバリ』シリーズが日本でも大ヒットし、大きな話題となりましたが、その影響でインド映画に親近感が湧いている人も多いはず。そんななか、お気に入りのインド映画リストにぜひ付け加えてもらいたいのが、全世界で150億円に迫る興行収入を記録している本作です。『ダンガル きっと、つよくなる』『バーフバリ 王の凱旋』に次いで、インド映画として世界興行成績歴代3位をキープしているほどの人気ぶりですが、今回はオススメポイントをご紹介していきたいと思います。その1:キャストがとにかく魅力的!バジュランギとはパワンが信仰している猿の神ハヌマーンの別名であり、パワンの愛称。そんなバジュランギおじさんを演じているのは、ボリウッド映画界でもっとも人気と影響力があると言われているスター俳優サルマン・カーンです。鍛え上げられた厚い胸板と精悍な顔立ちが印象的ですが、バカが付くほどの正直者で憎めないパワンを好演しています。華麗なダンスも披露しており、圧巻のシーンは必見!思わず一緒に踊り出したくなるはずです。そして、もうひとりはシャヒーダーを演じた6歳のハルシャーリー・マルホートラちゃん。オーディションで5000人のなかから選ばれたというだけあって、声を出さずに表情だけで演じるという難しい役どころも見事にこなしていますが、天使のような笑顔には誰もが虜に。悶絶級のかわいさは、まさに“天性の子役”と言うにふさわしいほどです。そのほかにも、笑いを誘う個性豊かなキャラクターが次々と登場するので、そちらもお見逃しなく。その2:異文化にも触れることができる!インドとパキスタンといえば、約70年前に分離独立して以降、長年にわたってお互いに確執を抱えている国同士。ヒンドゥー教とイスラム教という異なる宗教も対立の原因とされており、劇中でも宗教に関するさまざまな描写もありますが、日本にいるとなかなか知ることができないことだけに、映画を通じて異文化の実態に触れることができるのも見どころのひとつです。インドとパキスタンの関係性や宗教間での食文化の違いなど、少しでも知識があると、それぞれのシーンに込められた裏側をより理解することもできます。たとえば、一見シャヒーダーがただチキンを食べているように見えるシーンでも、それによってベジタリアンのパワンにとっては自分と階級が違うことを示していたりするので、そんなふうにいままでとは違う視点にもぜひ注目してみてください。とはいえ、詳しい歴史的背景を知らなくてもこの作品は純粋に楽しむことができるようにもなっているので、ご心配なく!その3:まっすぐな思いに涙と感動が止まらない!本作ではシャヒーダーを助けたいというその一心に突き動かされるパワンの姿が描かれていますが、彼が持つ無償の愛と他人に対する深い思いやりは、文化や宗教の違いに関わらず誰にでも伝わるもの。そして、憎しみに支配されている人々の心を溶かすことができるのは、神さまよりも人を思う温かい気持ちなのです。人と人との関係が希薄になりつつある現代だからこそ、いまの私たちに必要なのは、すべての垣根を超えてしまう“バジュランギおじさん精神”。損得や歴史にとらわれないパワンとシャヒーダーの強い絆に、人間が本来持っている優しさや愛情の重みを感じるはず。劇場を出たあとは、いつもより他人に優しくなれる自分に生まれ変わってるかも。心も踊る予告編はこちら!作品情報『バジュランギおじさんと、小さな迷子』新宿ピカデリー他全国順次公開中配給:SPACEBOX©Eros international all rights reserved. ©SKF all rights reserved.
2019年01月25日2019年は新たな時代の幕開けを迎えますが、そんなときだからこそもっと幅広い視野を持って社会のことにも関心を向けていきたいところ。そこで、ご紹介するのはフランスでロングランヒットとなった話題作『ジュリアン』です。今回はこちらの方々にお話を聞いてきました。それは……。写真・角戸菜摘(グザヴィエ・ルグラン、トーマス・ジオリア)グザヴィエ・ルグラン監督&トーマス・ジオリアくん!【映画、ときどき私】 vol. 210ルグラン監督は本作が初長編作となりますが、第 74 回ヴェネチア国際映画祭では最優秀監督賞にあたる銀獅子賞を受賞するなど、すでに高い評価をされている新鋭監督。そして、トーマスくんは今回のジュリアン役に抜擢され、長編映画デビューを果たしたばかりの新星です。今後、フランス映画界において、ますます活躍が期待されるおふたりに、この作品の舞台裏などについて語ってもらいました。DVについては徹底的にリサーチした―主人公のジュリアンは、離婚した父と母の間で揺れ動く少年ですが、その背景には父親のDVの問題が色濃く描かれています。実際、フランスでは2日半に1人がDVの犠牲者となっているそうですが、観客の反応はいかがでしたか?監督今回、この長編を作るにあたって、被害者の会にたくさん参加したり、あらゆる調査をしました。そのなかでさまざまな反響をもらいましたが、取材をした女性から言われたのは、「実際に自分が経験した恐怖がそのまま描かれていて驚いた」ということ。つまり、彼女の経験した状況や夫からされてきたこと、それに対して彼女が考えていたことのすべてが映画のなかで映し出されていたようです。―では、映画のなかでDVというテーマを取り上げようと決めたきっかけを教えてください。監督まずは悲劇を書きたいと思って脚本を書き始めたんですが、そのあと家族と家について描きたいと思うようになりました。なかでも、「家」というのは、自分を守ってくれるものではあるものの、突如として危険なものにもなり得るんだというのを描きたかったんです。特に、今回のように家庭内で起きる暴力というのは現代病のひとつだと思ったので、最初にも話したように、事前にたくさん調査をして、いろんな経験者や被害者の方々と会うことで内容を固めていくようにしました。意識したのはジュリアンを生きるように演じること―トーマスくんにとっては、テーマも役もかなり難しかったと思いますが、実際に演じてみてどうでしたか?トーマスくん今回が初めての映画だったということもあり、撮影に入る前には演技のコーチから何か月間にもわたって演技指導を受けました。実際にシーンごとの練習もたくさんしましたが、ジュリアンは本当に難しい役どころ。それだけに、できるだけ役に没頭するように意識して、実際にジュリアンを生きるように演じたつもりです。―劇中、まるでドキュメンタリーを見ているかのような生々しい描写もありましたが、ジュリアンという役を引きずってしまうことはありませんでしたか?トーマスくん人物の作り込みに関しては、事前にコーチや監督と一緒に相談しながら取り組んでいきました。僕はジュリアンになりきろうとしていたので、自分の私生活と線引きするというよりは、自分自身を役に投影させているかのような感覚でした。そういう意味では、役と自分をはっきりとわけていたということはなかったかもしれないですね。でも、現場では撮影に携わるスタッフみなさんの協力もあり、環境は整っていたので、そのなかで役に没頭していくことができました。なので、本当に恐怖を感じるような役どころではありましたが、撮影が終わったら引きずることもなく、すっきりと私生活に戻ることができたと思います。演出するうえでは技術的にも細かくこだわった―作品のなかでは、トーマスくんにプレッシャーを与えるような難しいシーンも多かったと思いますが、監督が演出でこだわっていた部分はどのあたりでしょうか?監督今回のリハーサルでは、演技的なことよりもどちらかというと技術的なことを意識しました。たとえば、ベッドの上にいるシーンでは、どの瞬間にどのくらい布団を持ち上げるかとか、そういった細かいことまで作り上げていったんです。そうやって何度も練習をすることによって、本番で俳優たちは自然な形で演じることができました。事前に細かく決めていたことによって、長回しのなかでも俳優たちが好きなように演じることができたと思います。―また、この作品では音の使い方も非常にこだわりを感じさせますが、どのような効果を狙っていたのでしょうか?監督日常にある音を強調することによって、まずは観客を引き込もうという狙いがありました。たとえば、車のなかで鳴るシートベルトの警報音や時計のチクタクする音ですね。あとは、若者が集まるパーティのシーンでは音楽が大きくて会話が聞こえないというのも、現実に即した状態での音響を考えました。なぜなら、実際に音が人間にどれだけの恐怖を与えるのかということもこの映画の技術面においては、ひとつの大きな点となっているからです。ある女性が言っていたのは、夫が家に帰ってきて鍵を開けるとき、その鍵の音だけで、夫が怒っていて叩かれることが予測できるという話でした。そんなふうに日常生活における音がどれだけ恐怖をもたらすものかということも表現したかったんです。特に難しさを感じたシーンとは?―それでは、トーマスくんにとって一番難しかったのはどのシーンですか?トーマスくん難しかったシーンを挙げるとしたら、3つあります。まず1つ目は、車のなかのシーン。父親がものすごく怒っているという恐怖と戦っていたので、非常にエモーショナルな感情を出さなければいけなかったからです。そして、2つ目は父親がヤケになり暴走してしまうシーン。これは、僕が個人的に大きな音が好きではなかったので、撮影前に「どうなっちゃうんだろう」とすごく不安になってしまったからなんです。それから3つ目は、母親と共に父の暴走におびえ隠れるシーンですが、ここも俳優として感情を要求される難しいところだったと思います。とにかく役になりきって、感情を表現するということに集中するように心がけるようにしました。監督がいつも安心感を与えてくれた―そういった数々の難しいシーンを撮っているなか、監督からはどのようなアドバイスがありましたか?トーマスくん監督はすべてのシーンにおいて助言をくれたので、何かうまくいかなかったり、問題にぶちあたったりしたときには、監督に相談に乗ってもらっていました。そうすると、「こうすればいいよ」とか、「このほうがよかったよ」と言ってもらえたので、自分の演技がダメなときでも監督が僕に安心感を与えてくれていたと思います。―監督はご自身も俳優として活動されていますが、そのことが監督をするうえで活かされた部分があれば教えてください。監督俳優であるということが役に立っていることがあるとしたら、映画を撮るときに俳優の立場になって考えられるということですね。つまり、監督として上からの演出ではなく、俳優がどういう演技をするのかということを尊重して、それを見守る形を取るように気を付けています。それは次回作を撮ったときにも同じで、俳優たちそれぞれをきちんと見せられるように心がけました。インタビューを終えてみて……。難しいテーマに一緒に立ち向かったからこそ、強い信頼関係で結ばれているルグラン監督とトーマスくん。俳優としても活躍されているだけあって、オーラのある監督も印象的でしたが、トーマスくんが撮影時よりもかなり背が伸びて大人っぽくなっていたのには驚きでした。ちなみに、「寿司KYOTO」のTシャツはたまたま気に入ってフランスで買ったのだとか(笑)。これから数々の作品に出演し、また監督と一緒に来日してくれるのを期待したいところです。スリリングな展開に引きずり込まれる!息もできないほどの緊迫感に包まれ、体をかけめぐるような衝撃に打ちのめされる本作。役者たちのリアルな熱演と監督の手腕が光る演出が味わえるサスペンスドラマは、ぜひスクリーンで味わってみて。ストーリー11歳のジュリアンは、両親が離婚したため、母のミリアムと姉と暮らすこととなる。しかし、離婚調停の取り決めによって、共同親権となり、ジュリアンは隔週で週末を父のアントワーヌと過ごさなければいけなくなるのだった。執拗にミリアムの居所を突き止めようとする父から必死に母を守ろうと、うそをつき続けるジュリアンだったが、それによってアントワーヌの不満が爆発寸前となる。そして、ついに衝撃の展開が家族に襲いかかろうとしていた……。追い詰められる予告編はこちら!作品情報『ジュリアン』1月25日(金)よりシネマカリテ・ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開配給:アンプラグド©2016 – KG Productions – France 3 Cinéma
2019年01月24日人生の中で無数に直面する選択の場面。十人十色の選択があり、性格や状況に左右されていくもの。自分の傾向を知り、同じ失敗を繰り返さないための、“後悔しない選択”につながる“合理的選択スタイル”をメンタリストのDaiGoさんがお教えします。まず自分の選択タイプを知ることが大切。「人は常に『自分が正しい選択をしている』と思い込みたい生き物ですが、すべての人に当てはまるような“正しい選択”など、実はどこにも存在しません。それは、これから未来に何が起こるのか、誰にも予測できないからです。大切なのは、“正しい選択”をするのではなく、今の自分にとってもっともベターな“後悔しない選択”をすること。そのための選択力を養うことが、人生を幸せな方向に導くために大切なのです」(メンタリスト・DaiGoさん)後悔しない選択力を養うためにまず必要なのが、自分の意思決定スタイルを知ること。「意思決定スタイルとは、あなたが物事を選択する際の選択タイプのこと。大きく分けると5つあり、それぞれ“合理的選択スタイル”“直感的スタイル”“依存的スタイル”“回避的スタイル”“自発的スタイル”と呼んでいます。意外にも、私たちが『自分で十分に考えて決定した』と思うような選択も、これらの意思決定スタイルに従ってなされていることが多いのです。まずは、自分の意思決定スタイルを知り、みずからの選択の傾向を把握することが、チャンスをつかむ第一歩となります」実はこの5つの選択タイプのうち、もっとも後悔しない選択をしているのが、「合理的選択スタイルの人です。ひとことで言えば、選択肢に対して論理的に意思決定ができるタイプで、周囲の人から見ても納得できる選択をすることが可能です。とはいえ、もし自分がこのスタイルでなくても落胆することはありません。現在の意思決定スタイルの特性を理解して、合理的選択スタイルに近づけるように行動を修正してさえいけば、今よりもずっと自分の選択に自信が持てるようになるでしょう。選択の精度やスピードが上がれば、時間や心の余裕にもつながるはずです」合理的選択スタイルの人がしている習慣とは?合理的選択スタイルの人が、自分の選択に後悔が残りにくいのはなぜか。そのヒントは、彼らの思考・行動パターンに隠されている。他の意思決定スタイルの人もぜひ参考に!【ひと呼吸おいて行動している】例えば、知り合いから数か月先の食事の誘いを受けた時も、予定が空いているからといってすぐに返事をするのではなく、「一度スケジュールを確認してみます」などと対応。“ひとまず保留”にすることで、一歩引いた状態から物事を冷静かつ適切に判断している。【選択肢を多く持たない】人間は複数のタスクを同時にこなそうとすると、意思決定を司る前頭葉が疲弊し、選択を回避する傾向にある。ところが合理的選択スタイルの人は、選択肢をあらかじめ絞る方向に考えるため、選択にかかる時間も少なく、結果的にいい判断をすることができる。【物事を鵜呑みにしない】「誰々がいいと言っていたから」「テレビで評判だったから」などといった他人の意見を鵜呑みにせず、必ず自分で情報の正しさを調べるということを、生活の中で実践。常に複数の判断材料を用意することで、思い込みという弊害から逃れることができる。【AかBかで迷ったらCを探す】ある2つの選択肢で迷っている時、単純にどちらかを選ぶのではなく、両方の利点をうまく組み合わせたり、あるいは「両方選ばない」など、別の可能性を考えることができる。特定の方向に偏らず、常に自由な思考状態であることも、合理的選択スタイルの特徴といえる。【失敗を繰り返さない】自分の失敗の経験は、メモにとるなどして記憶。過去を振り返って悔やむのではなく、「どうして選択を間違えたのか」「どんな思考パターンが原因だったか」という客観的な事実を明らかにすることで、二度と同じミスをしないよう反省材料としている。DaiGoさんメンタリスト。人の心を読み、操る技術“メンタリズム”を活用し、作家や大学教授、企業顧問、プロダクト開発など多岐にわたり活躍。『後悔しない超選択術』(西東社)が発売中。※『anan』2019年1月30日号より。取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年01月23日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、アーティストの松本妃代さんです。演技と並行し、絵の世界でも、マルチな才能を発揮中!「人見知りなので、役でいる時のほうが人とコミュニケーションしやすいんです」と言う松本さん。「1人4役のアテレコをしたり、クセのあるコメディに挑戦したり。監督の無茶ぶりも楽しめます。ドMなのかも(笑)」。出演する映画『チワワちゃん』でも、自分からかけ離れた役を演じたそう。「私は石橋を叩きまくって渡る性格ですが、サヨコは後先考えずに楽しむ性格。お酒やたばこ、クラブなど初体験ばかりでした」。憧れはリリー・フランキーさん。「文章、絵、お芝居で世界観が一貫していて尊敬!」立体的なものを創作したくて、紙粘土。こねて形を作り、その上から色を塗っています。無心になれる時間が好き。4年前から本格的に描き始めました!アクリル絵の具を使います。絵でその時の自分の感情を表現しています。自作のアクセサリーはシンプル仕上げです。銀を熱して、トンカチで叩くところから作りました。3時間ほどで完成!まつもと・きよ1995年生まれ。1月18日公開の映画『チワワちゃん』のほか、ドラマやCMでも活躍中。オフショットやイラストが満載のInstagram(@kiyomatsumoto)も必見。※『anan』2019年1月23日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年01月21日