AKB48・柏木由紀(28)の中国人気が高まっている。11月9日の「柏木由紀 寝ても冷めてもゆきりんワールド 夢中にさせちゃうぞっハート~in Shanghai」に続いて、翌日にはファンミーティングが開催されることとなった柏木。中国のSNS「ウェイボー」でコメントしたところ、ファンから歓喜の声が上がっている。柏木は「ダージァハオ、ウォーシー・バイムーヨウジー(みなさんこんにちは、柏木由紀です)」の中国語で挨拶。ファンミーティングの告知とともに「11月9日、10日は上海でみなさんに会えるのを楽しみにしています」とメッセージを寄せた。このメッセージに対し、ファンからは中国語だけでなく日本語でのコメントも続々と寄せられた。《もうチケット買ったよ。ゆきりんに早く会いたい》《楽しみにしていますハート》《会いたいな。ワンピースめっちゃ似合う》今回のツアーは10月31日と11月1日に東京・中野サンプラザホール、9日に上海で行われるもの。上海でのソロでの公演は柏木にとっては1年ぶりで2度目となる。ここ数年の柏木は「AKB48 Group Asia Festival 2019 in SHANGHAI」や初の海外ソロコンサート「YUKIRIN WORLD LIVE IN SHANGHAI 2018 寝ても覚めてもゆきりんワールド~上海でも夢中にさせちゃうぞっハート~」を開催するなど、中国・上海を中心にアジアでの活動を増やしてきている。TBSの「ひるおび!」お天気コーナーに出ていたことから、中国では“お天気お姉さん“の愛称で親しまれている柏木。ソロコンサート翌日には、初の単独ファンミーティングも開催。さらに翌11日にはFIND JAPANのウェイボーアカウントにて生配信を行うという。生配信では今回のファンミーティングやソロコンサートのことだけでなく、柏木がミニ中国語講座を受ける場面もあるとのこと。生配信の中で行われる視聴者へのプレゼント企画にも注目が集まりそうだ。
2019年10月24日『万引き家族』『パラサイト 半地下の家族』にて、それぞれカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞し、東アジアに2年連続の栄冠をもたらした是枝裕和監督と、ポン・ジュノ監督。世界から高い注目を浴びるふたりの鬼才が対談し、互いの作品について鋭い考察や質問を投げ合うオリジナル番組「日韓から『家族』を描く是枝裕和×ポン・ジュノ」が、12日、日本映画専門チャンネルにて放送される。是枝監督作品の常連だった樹木希林や、これからを担う女優・広瀬すずについても語られた。テレビのドキュメンタリーの演出を経て映画監督デビューを果たし、『誰も知らない』『そして父になる』などを発表してきた是枝監督。この11日からはカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュを迎えた日仏合作の『真実』が公開となった。『ほえる犬は噛まない』で劇場長編デビューしたポン監督は、『殺人の追憶』や『グエムル―漢江の怪物―』などで、日本でもファンを獲得。新作『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月に日本公開される。ポン監督の『オクジャ/okja』のとき以来、2年ぶりの再会となったふたりだが、普段から交流はあり、ポン監督のパルムドール受賞の際には、是枝監督からすぐに祝辞のメールが入ったという。ふたりの対談では、矢継ぎ早にポン監督から是枝監督への質問が続いた。『万引き家族』の海辺のシーンに感極まったというポン監督。監督が作品を観たのは、樹木希林が亡くなった後のことであり、特別な思いを持って、そのシーンを観たと振り返る。是枝監督は、同シーンでの樹木のセリフにまつわる秘話を明かすとともに、樹木がポン監督の『母なる証明』をとても好きだったと伝えた。また同じく『万引き家族』より、終盤での安藤サクラの演技にまつわる話では、安藤の意外な演技アプローチにポン監督が唸る場面もあった。役者に関しては、ポン監督は「広瀬すずが好きだ」という話も。是枝監督からそのことを振られたポン監督は、『海街diary』での広瀬すずの、作品全体における存在感を絶賛。『三度目の殺人』での成長ぶりにも驚いたと明かすと、是枝監督も将来とても楽しみな女優と評し、「広瀬さんは耳がとてもいいので、きっと外国語もできる。ぜひポン監督の作品での彼女も見てみたい」と希望を口にした。ほかにも是枝監督の子役演出や、互いに脚本も手掛けるふたりの執筆スタイル、『パラサイト~』のセットについて、是枝監督の自伝から絵コンテにまつわる話、外国で映画を撮ることなど、多くを語ったふたり。特に終始、ポン監督からの是枝監督へのリスペクトが印象的で、ポン監督ならではの是枝作品への深い洞察を知ることができる。東アジアを引っ張るふたりの鬼才の濃い対談を聞けるまたとないチャンスだ。「特集・是枝裕和×ポン・ジュノ」と題し、オリジナル番組「日韓から『家族』を描く是枝裕和×ポン・ジュノ」、そして両監督の代表作『万引き家族』(監督:是枝裕和)、『母なる照明』(監督:ポン・ジュノ)を日本映画専門チャンネルにて、10月12日21時より3作品一挙放送される。
2019年10月11日●エナジーあふれるパフォーマンスが武器アイドルグループ・AKB48の元メンバー・高橋朱里(ジュリ)が所属する韓国のガールズグループ・Rocket Punchがこのたび“初来日”を果たし、9月28日に千葉・幕張メッセで開催された「Rakuten GirlsAward 2019 AUTUMN/WINTER」で、パワフルな歌とダンスを披露。「退屈な日常に新鮮なパンチを与える」という意味が込められたグループ名通り、“パンチ”の効いた日本初パフォーマンスとなった。Rocket Punchは、ジュリ(22)、ヨンヒ(18)、スユン(18)、ユンギョン(17)、ソヒ(16)、ダヒョン(14)の6人組で、8月7日に1stミニアルバム『PINK PUNCH』でデビューしたばかり。ジュリ、スユン、ソヒが日韓合同オーディション番組『PRODUCE48』出身ということもあり、すでに大きな注目を集めている6人に、来日期間中にインタビュー。パフォーマンス時は“大人かっこいい”印象を受けたが、実際に会ってみると年相応のキャピキャピ感も。また、撮影の合間など常にメンバーでふざけ合う仲の良さを知ることができた。メンバーの絆は寮での共同生活が大きいようで、「家族」のような存在とのこと。5月から韓国生活をスタートさせたジュリは、「最初は韓国語が話せないからみんなが常に助けてくれて、国が違うからこそ絆が強まった」と振り返る。また、韓国はより実力の世界だと感じたそうで、メンバーのストイックさにも刺激を受けながら日々パフォーマンス向上に励んでいるという。6人の目標は「世界で活躍できるグループ」。ジュリは「新しい夢に出会えて幸せです」と力強く語った。――まずはじめに、ご自身のアピールポイントを含めて自己紹介をお願いします。ダヒョン:最年少15歳です(日本では14歳)。ショッピングが趣味です!ソヒ:かわいい魅力があるソヒです! 笑顔がチャームポイントです!ユンギョン:食べるのがすごい好きです。髪型が犬のプードルに似ているって言われています(笑)スユン:身長がRocket Punchで一番高く、チームの平均身長を高めています!ヨンヒ:Rocket Punchのリーダーです。いろんな魅力を発信していけるように頑張ります!ジュリ:アピールポイントは、目がキラキラしているところです(笑)。パフォーマンスのときのキューティーかつ自信のある表情も、自信があります。――Rocket Punchの魅力・強みを教えてください。ヨンヒ:メンバー一人ひとりがとても魅力を持っていて、それぞれ魅力を見せる力があるので、チームでパフォーマンスするときにとてもエナジーがあると思います。――GirlsAwardのステージもとてもエナジーを感じました。もちろんひとくくりにはできませんが、日本の女性グループは“かわいい”、韓国の女性グループは“かっこいい”という印象だなと改めて思いました。ジュリ:私はもともと日本のグループにて、そのときは“かわいい”が魅力だったんですけど、韓国に来て感じたのが、ステージで完璧を求める気持ちがすごく高いなと。なので私たちは、女性グループだから“かわいい”というだけではなく、ステージに立ったときに自信とパワフルなエナジーを見せられるように、男性のダンスをカバーして練習したりしてきました。――GirlsAwardが日本初パフォーマンスとなりましたが、日本のファンと韓国のファンの違いは感じましたか?ソヒ:韓国でステージに立つとファンのみなさんが見守ってくれる感じなんですけど、日本のファンのみなさんは「ソヒちゃ~ん!」って手を振ってくれたり、あいさつしてくれたりして、かわいかったです!ジュリ:韓国でファンサイン会をやったんですけど、韓国のみなさんは「僕が夜空になるからジュリはその中で輝く星になってくれ」などポエムのような言葉をかけてくれたり、自分が作った歌を披露してくれたり、ロマンチックな方が多いです。どちらのファンの方も温かいんですけど、表現の仕方が違って面白いなと思いました。――先ほどソヒさんが、韓国のファンは「見守る」感じとおっしゃっていましたが、ジュリさんもそう感じることはありますか?ジュリ:そうですね。「この前の舞台より良かったよ」とか、メンバーのパフォーマンスの成長を確認して伝えてくれる方が多いです。実力をしっかり見て応援してくれ、アドバイスもくれるので、先生みたいな感じです。――ユンギョンさん、スユンさん、ヨンヒさんは今回が初来日とのことですが、初めての日本はいかがですか?ユンギョン:ジュリからディズニーランドとかいろんな場所を教えてもらっていたんですけど、今回は時間がなくてコンビニしか行けず(笑)。今度また、グループのみんなと旅行で日本に遊びに来たいです。スユン:コンビニのおでんを食べて、餅巾着がおいしくて感動しました!ヨンヒ:一緒にコンビニに行ったときにおいしそうなものがたくさんあって、「これ何!? これ何!?」ってジュリにたくさん聞いて楽しかったです(笑)●ジュリ、韓国デビューで世界を意識――ジュリさんに改めて質問ですが、日本を離れて韓国で活動するという大きな決断をした思いをお聞かせください。ジュリ:日本のアイドルグループで活動していたので、卒業してRocket Punchというグループで再びデビューするという決断は自分の中でとても大きかったですが、人生において常に挑戦していたいという思いがあります。いつ死んでも悔いが残らないように、チャンスがあればたくさん挑戦をしたいと思っているので、この挑戦をして今すごく幸せです。新しい目標や夢に出会えたことも幸せですし、これからもっと頑張っていきたいです。――日本語よりも韓国語のほう話しやすいというほど、すでに韓国語がペラペラだと聞いたんですが、本当ですか?ジュリ:自分でもびっくりしているんですけど、今回日本に来て日本語が下手くそになっていると思いました。5月から韓国に住んでいて5カ月間韓国語だったので。メンバーが日本語を勉強してくれているんですけど、自分も同じような発音になっているときがあります(笑)――5カ月で韓国語をマスターされるなんてすごいです。ジュリ:日本のアイドルと違うのが、宿舎でメンバーと一緒に生活しているんです。5カ月間、寝ている以外はずっとメンバーと会話をしているので、上達が早いのかなと思います。――先ほどのジュリさんから目標・夢という言葉が出てきましたが、グループとしての目標を教えてください。ヨンヒ:韓国で新人賞をとるという目標もあるんですけど、「Rocket Punchはパフォーマンスが上手でかっこいい」と、ファンのみなさんの記憶に残るようなパフォーマンスを目指したいと思っています。また、サイン会やファンミーティングも開催し、ファンのみなさんとコミュニケーションをとっていきたいです。――GirlsAwardでジュリさんが「日本での活動も頑張ります」とおっしゃっていましたが、日本ではどのような活動を?ジュリ:まだ具体的なことは言えないですけど、日本も含めて世界中で活躍できるグループになれるように、頑張って実力を高めていきたいと思います。――韓国に行ってやはり視野が広がりましたか?ジュリ:本当に全然違います。日本と韓国、さらに、みんなで頑張って英語も勉強しようと話しています。また、歌やダンスは世界共通で、感動するものは国境を越えると思うので、そういう面で実力が大事になってくると思います。こういった考えも韓国に来てから変わっていった部分で、日本にいるときはまったく考えてなかったです。――韓国のグループは、世界で活躍している方が多いように感じます。ジュリ:そうですね。先輩のみなさんが海外で活動していたりするので、みんなその刺激を受けて夢を見ることができていると思います。――特に刺激を受けているグループはいますか?ヨンヒ:Rocket Punchはパワーやエナジーを見せるグループなので、最近だとSEVENTEENがエナジーあふれるパフォーマンスをしていて好きです。また、海外で活躍している韓国を代表するグループとしてはBTS(防弾少年団)に憧れています。韓国のパワフルなガールズグループといえばRocket Punchって思ってもらえるように頑張りたいです。●寮生活で培った絆・チームワーク――寮生活において設けているルールはありますか?ヨンヒ:洗濯、玄関掃除、食器洗いなど、1カ月ごとに洗濯・掃除の担当を変えてやるのがルールです。9月はソヒとスユンが洗濯物、というように。ダヒョン:あと、悩みとか話したいことがあった時に、みんな時間を作って集まってコミュニケーションをとっています。――やはり寮生活はグループの絆という面で重要そうですね。ユンギョン:寮生活でみんなが近くにいて、頼ることもできて、メンバーというより家族という感じです。――グループの中で最近流行っていることは?ジュリ:肩をトントンとされて振り向いて、ほっぺに指が刺さったら負けっていう遊びをしています。最初、末っ子のダヒョンとやり始めたんですけど、どんどん広がってみんなでやるように。大変なときにこういう冗談で笑って、楽しい気持ちでステージに立っています。――年齢的にもジュリさんが一番お姉さんですが、インタビューでのやりとりを見ても、AKB時代から変わらずしっかりされているなと。ジュリ:(AKBでは)リーダーをしていたんですけど、韓国では言葉とかわからないことが多く、ヨンヒが本当にリーダーでお姉ちゃんという存在だったんですけど、日本に帰ってきてコンビニに行ったときにみんなが「これ何!?」ってすごい質問してきて、そのとき初めて「私、お姉ちゃんだ」って思いました(笑)――韓国ではヨンヒさんがお姉さん的な存在なんですね。ジュリ:そうですね。でも、ヨンヒが赤ちゃんみたいなときもあって、そのときはユンギョンがお姉さんに。みんな頼りになる存在です。――ほかの5人から学んだことは?ジュリ:たくさんあります。パフォーマンスに対する情熱が本当に強く、ダヒョンからヨンヒまで年齢関係なく自分の見せたいものや考えがはっきりしています。だから全員そろったときにパワフルなエナジーが見せられるのだと思います。練習でもダンスのディティール…角度やしなやかさ、強さとか、6人が完璧に合うまで練習するんです。最初はついていくのが大変だったんですけど、その探求心は本当に尊敬しています。――逆にジュリさん以外の方に質問ですが、日本の人気アイドルグループで活躍してきたジュリさんから学んだことがあったら教えてください。ヨンヒ:初めてMVを撮影したり、番組に出演したときに、ジュリのエナジーやいろんな表情がすごく勉強になりました。ジュリ:いやいや、みんなできていることなので。ただ、歌番組やMV撮影のときは、ちょっと自信ありました(笑)。ヘッドセットをつけるのを助けてあげられたのもうれしかったです。スユン:日本で活動していたときのジュリの映像を見たんですけど、不思議な感じがしました。一緒にデビューできてうれしいです。――AKB時代の映像はいかがでしたか?ジュリ以外の5人:かわいい!!ジュリ:(照れながら)ありがとう!!――ジュリさんがいることで、Rocket Punchに興味を持ったり、近い存在に感じている日本の人は多いと思いますが、国をまたいでいるグループという強みは感じますか?ヨンヒ:ジュリがこのチームにいることで、日本で活動したときに親近感を持ってもらえると思いますし、いろんな経験ができるんじゃないかなと思います。ジュリ:私が感じたのは、最初は韓国語が話せなかったので、その分メンバーが常に助けようとしてくれるんです。同じ言葉だったら助けはいらないですけど、国が違うことで助けようという気持ちをみんなが持ってくれて、国が違うからこそ絆やチームワークが強まったと思っています。この絆やチームワークも生かして、世界で活躍できるように頑張りたいと思います。
2019年10月09日RADWIMPS・野田洋次郎(34)がTwitterで漢文の授業について問題提起をした。ツイートは大きな反響を呼び、野田のもとにはそれぞれの考える“漢文授業の意義”が届いている。同日、Twitterで《漢文の授業ってまだあるの?》と切り出した野田は《あれって本当意味がないと思うんだけど、なぜいまだにあるんだろう》と続けた。さらにこう、疑問点を挙げた。《普通に中国語で読める漢文を教えてほしかった。レ点とか一二点とか使って無理に日本語で訓読できるようにすることにどれだけ意味があるんだろう》そして《受験や試験のための科目な印象。前時代的に感じる》とつづっている。またファンらとのやりとりのなかで野田は、漢文を学ぶことについて《訓読の勉強ってことか。中国語で中国語の古典を読めるようにそのまま教えてほしかった。訓読はできるから》《ひらがなもカタカナも日本語のすべては中国語が大元になっているが故に、英語よりもまずその源となる言語を知ることはとても大事だと思うのです。ただ、その方法論がなんか自分にはしっくりこないという感じ》と持論を展開している。「現代人が勉強する意味はあるのか」といった声がしばしば上がる漢文。昨年7月に告示された「高等学校学習指導要領解説 国語編」で文科省は「古来,我が国は, 文字,書物を媒介にして,多くのものを中国から学んだ」とし、「その結果,漢語や漢文訓読の文体が,現代においても国語による文章表現の骨格の一つとなっている。漢文を古典として学ぶことの理由はこの点にもある」と述べている。野田のツイートは1.5日ほどで5.6万回の“いいね”を記録するなど大きな反響を呼んだ。《大多数の人にとって卒業後生きる上で、ほぼ完璧と言えるほど使わない科目よりも、若年層が生きる上で役立つ科目を作るべき》《もう既に現代語訳もされている限りある漢文の書をわざわざ学生が読み解く必要性はほぼ無い》といったコメントも上がるなか、それぞれの考える“漢文授業の意義”として野田の元にはこんなリプライが届いている。《伝統的に漢文を読み下して、日本語として使い、そこから成り立ってきた言葉や考え方がある。また、将来、みんなのうちで興味をもった誰かが江戸時代とか、もっと昔の思想とかを勉強しようとした場合、この知識が重要になると思う》《漢文の授業って、文法的なものを学ぶだけじゃなくて、それよりも先人達が経験してきた教訓や、思想を学ぶことも一つ、漢文を学ぶ意義な気もします》《むしろ『中国語を学ばなくても中国の古典が日本語で学べる』から意味があるのではないでしょうか……学ぶ価値がある漢文を日本語しかわからない人にも伝えられるように、ってことだと思います。後世に残していくために、漢文を日本語で読む法則を作り上げたのは、先人達の苦労の結晶です》その後、野田は《何が将来役立つか、何の意味があるか、この国の教育のあり方はそもそも正しいのか、疑問はきっと尽きないし学生の時僕も色んな葛藤がありました》とツイート。《でも「やれるだけやってみた」という経験は間違いなく価値があると思います》とつづっている。
2019年10月07日幼い子どもへの英語教育には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しい内容をチェックして、子どもが自然と英語に親しめる環境作りのヒントにしましょう。英語を上手に学べる具体的な方法も紹介します!幼児に英語教育をするメリット幼児向けの習い事の中でも、近年特に人気を集めているのが『英語』です。しかし、幼児に英語を学ばせる理由について、明快な答えを持っている人はそう多くありません。まずは、幼児に英語教育をするメリットから詳しく確認していきましょう!発音が上手にできるようになる『臨界期』という言葉を聞いたことはありますか?これは『人間の脳において、ある特定の能力を習得できる限界のタイミング』のことで、言語分野においては7歳ごろがこの臨界期にあたるといわれています。つまり、『臨界期仮説』によれば、人がある言葉を習得するには7歳までにその言語に触れ、耳を慣らす必要があるということです。多くの日本人は、英語の『L』と『R』の音を聞き分けられないといわれています。しかし、臨界期を迎えるまでに英語に親しんだ子どもは、この『L』と『R』の聞き分けもごく自然に行えるのです。コミュニケーションとしての英語を身に付けてほしいと願うのであれば、臨界期前の幼児の時期から英語に触れさせることが重要といえるでしょう。幼児期はスムーズに学びやすいタイミング『スムーズに学べる』というのも、幼児に英語教育をするメリットの1つです。幼児期の子どもには、学ぶことに対して「イヤなこと」「つまらないこと」という固定概念がありません。新しいことを吸収するのが大好きで、何でも積極的に取り組んでくれるでしょう。全く同じことを学ぶとしても、ワクワクした気持ちで取り組むのと、イヤイヤ取り組むのとではその成果は大きく変わります。どんなことにも前向きに取り組める幼児期は、英語教育を始めるタイミングといえるでしょう。多様性を身に付けることにもなる英語を学ぶメリットには、『多様性が身に付く』というものもあります。人が外国語を学ぶとき、学んでいるのは『言葉』だけではありません。自覚のあるなしにかかわらず、その言葉のバックグラウンドである文化や歴史・概念についても同時に学んでいるものです。世界の人口およそ70億人の内、1/4にあたる17.5億人が話す英語は、世界で1番話されている言葉として知られています。そんな英語を幼児期から身に付けることは、多様性を受け入れ、グローバルな視野を持つ人物になるための大切なステップといえるでしょう。反対にデメリットもある?幼児期からの英語教育については、いくつかデメリットも指摘されています。客観的な視点で是非を判断するためにも、その詳しい内容をしっかりと確認しておきましょう!英語と日本語が混ざってしまうことも幼児期からの英語教育のデメリットに、『英語と日本語が混ざってしまう』というものがあります。これは、母国語である日本語がまだおぼつかない段階で英語学習をスタートすることにより、日本語能力の発達に悪影響を及ぼしてしまうという考え方によるものです。この度合いが深刻な場合、日本語と英語どちらもが中途半端な習熟度になってしまいます。日常会話に問題はないものの、込み入った話はどちらの言語でも上手にできないといった事態を招くこともあるでしょう。幼児期から英語を学ばせるからこそ、母国語である日本語についてもしっかり身に付けさせてあげたいものですね!英語が嫌いになってしまう恐れがある英語教育に対する親の思い入れが深ければ深いほど、起こってしまいがちなのが『英語が嫌いになってしまう』という事態です。相手が誰であれ、『強制されること』に抵抗を感じるのは自然なことです。ましてやそれが小さな子どもであれば、徹底的に拒否反応を起こしてしまい、英語そのものを嫌いになってしまうでしょう。英語を身に付けてほしいと思えばこそ、「どちらでもよいんだよ」というゆとりある親の姿勢が大切なのかもしれませんね。上手に学んでもらう方法は?子どもが上手に英語を学ぶ方法にはどのようなものがあるのでしょうか。おすすめの方法を2つ紹介します!自宅で教材から学ぶより教室がおすすめ子どもに効率的に英語を身に付けてほしいと願うなら、自宅学習よりも、先生がいる『教室』を選ぶのがおすすめです。英語というのは、本来『教科』ではなく『言葉』です。自然な形で身に付けるには、テキストに向き合うよりも、生身の先生との生きたコミュニケーションが効果的なのはいうまでもありません。言葉としての英語を身に付けるなら、ネイティブの先生との自然な会話が体験できる教室でのレッスンを選びましょう!動画やDVDなど英語を聞く機会を子どもを英会話教室に通わせたいと思っても、適当な教室や先生が見つからないこともあるでしょう。また、レッスンに通ってはいるものの、自宅でも英語に触れられるようにしたいという人もいるはずです。そんなときは、『動画やDVD』といった方法で英語に親しむ機会を増やしましょう。『目』と『耳』を同時に刺激することで、より効果的&楽しく子どもの英語力を高められますよ!商品名: アニメDVD 一番やさしい親子英会話価格: ¥1,728(税込) アニメDVD 一番やさしい親子英会話 詳細はこちら 商品名: 【0-7歳】Goomies ENGLISH FOR KIDS 幼児英語 DVD グーミーズ価格: ¥3,888(税込) Goomies ENGLISH FOR KIDS 幼児英語 DVD 詳細はこちら 子どもの成長に合わせた教育を「子どもに英語を習わせたいけれど、どんな方法を選べばよいのか分からない…」そんな悩みを持つ人は少なくありません。幼児期からの英語教育には、『発音が上手になる』『スムーズに学べる』などのメリットがありますが、その一方で、『英語と日本語が混ざってしまう』『英語が嫌いになってしまう恐れがある』といったデメリットも指摘されています。子どもに英語教育をさせるのであれば、これらのメリット・デメリットをしっかりと理解して、子どもの成長や個性に合わせた方法を選ぶのがおすすめです。国際化が進むこれからの時代を生きる子どものために、『英語が使いこなせる』というかけがえのない財産をプレゼントしてあげましょう!
2019年09月21日九州で大人気の回転寿司【寿司虎】×カナダでブレイクした【Aburi TORA】が融合【九州寿司 寿司虎 Aburi Sushi TORA】は、宮崎発祥の【寿司虎】とカナダを席巻する【Aburi TORA】の良さを融合した、全く新しい寿司レストランです。テクノロジーを導入することで、高級店に匹敵するクオリティのお寿司をリーズナブルに味わうことが可能になりました。外食業界に革新を起こす新技術、「氷結熟成」『氷結熟成 まぐろづくし』大トロ、中トロ、赤身 970円(税抜) ※単品もありまず注目したいテクノロジーが、「氷結熟成」。通常、魚を冷凍すると旨味が落ちてしまいますが、業界初の新技術により、旨味を落とさずに氷結、解凍することに成功!魚の熟成もコントールできます。そのネタは、冷凍したとは到底思えないハイレベルの美味しさ!本格的な江戸前鮨に負けないクオリティのお寿司が、リーズナブルに味わえます。使用するシャリはすべてネタとの相性を追求し、独自開発した甘めの赤シャリ。甘みを一番感じられる人肌の温度にこだわっています。お醤油は2つの味を用意。ネタによって使い分けます九州寿司らしく、お醤油は「甘口醤油」。甘口醤油にかつお出汁を加えた「虎むらさき」の2種類を使い分けます。青魚、イカには甘口醤油を、トロなど脂がのったネタには虎むらさきがおすすめです。カナダでブレイクした第3の寿司『Aburi Sushi』『Aburi Oshi トリオ』海老、サーモン、鯖 460円(税抜)※単品もありカナダでブレイクした『Aburi Sushi』は、握り寿司でもない、ロール寿司でもない、第3の寿司としてグローバル展開していて、カナダからの逆輸入となります。押し寿司にオリジナルソースを合わせてカスバーナーで炙るスタイルで、日本のお寿司と言うよりは、外国人でも食べやすい洋風の味付けです。1番人気は、脂の少ない紅鮭にオリジナルソースを合わせて炙った『炙りサーモン押し寿司』。天然塩で味わう、九州寿司虎伝統の『炙り寿司』『炙りづくし 三貫にぎり』 サーモントロ、真鯛、さんま 540円(税抜)※単品もあり九州寿司虎伝統の『炙り寿司』は、直火焼きで炙ったネタを天然塩で味わうスタイル。ネタを直火で網の上で炙ることで、脂を落としながら旨味を引き出します。じゃりっとした食感で、甘めの特製赤シャリと相性抜群です。こちらも『炙りサーモントロ』が1番人気です。歯ごたえを楽しむ塩と生レモンによるマリアージュ『塩レモンづくし 三貫にぎり』 真鯛、かんぱちトロ、ひらめ 590円(税抜)白身のお魚は通常は寝かしますが、九州では鮮度のいい状態のまま歯ごたえを楽しみます。その歯ごたえと旨味を楽しむために、塩と生レモンによるマリアージュを編み出しました。塩レモンで食べることで、魚本来の味を感じられます。炙り寿司とともに、九州寿司虎名物のスタイルです。タッチパネル&オートレーンで作りたてを提供注文はタッチパネルで行います。大きな文字で分かりやすい画面です注文、配膳にもテクノロジーを導入。注文は全てタッチパネルを使用します。表記は、日本語だけでなく英語、中国語、韓国語もあるので、海外からの観光客も楽しめます。回転寿司ではなく、オートレーンが2段。注文した商品が目の前に配膳されます※写真は2019年1月カナダ・トロントにオープンした【Aburi TORA】フードの配膳はオートレーンに載せて提供。回転寿司のように商品がレーン上を回っているのではなく、できたての商品を最速で届けるために上下2段のオートレーンを活用しています。単純作業を減らしたことにより、スタッフのサービスのクオリティはアップ。「鮨ソムリエ」という専門知識を持ったスタッフが、商品のこだわりや食べ方を教えてくれます。テーブル席は広々とゆったりした空間。家族連れでも安心です随所にテクノロジーを導入している一方で、店舗の雰囲気は木のぬくもりも感じるナチュラルな空間。席はカウンター席とテーブル席があり、お一人様から家族連れまで、様々なシーンで活用できます。カウンター席は、ぬくもりのある木のテーブルで本格的な江戸前鮨屋のような雰囲気業界初の技術でハイクオリティの味を実現した【九州寿司 寿司虎 Aburi Sushi TORA】で、今までになかったお寿司の新体験をしてみてください。【九州寿司 寿司虎 Aburi Sushi TORA 二子玉川ライズ店】電話:03-6332-7556住所:東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズ・ショッピングセンター タウンフロント 7F レストランフロア FUTACO TABLEアクセス:東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」すぐ営業時間:11:00023:00定休日:不定休 ※商業施設に準ずる座席:96席(個室無し)九州寿司 寿司虎 Aburi Sushi TORA 二子玉川ライズ店【エリア】二子玉川/用賀【ジャンル】寿司【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】3,001円~3,500円【アクセス】二子玉川駅
2019年09月19日「うちの子、国語が苦手みたい」と悩んでいませんか?国語科において必要とされる「語彙力」「表現力」「読解力」は、ほかの科目でも要求されます。小学生のうちから国語が苦手だと、文章問題や教科書を読んでも理解できず、学校での勉強全体に影響を及ぼすのです。今回は国語が苦手な子どもの特徴や、国語が苦手になってしまう理由をご説明します。そして、国語の苦手を克服するために親がどうサポートできるか、3つの方法をご紹介しましょう。国語が苦手な子どもの特徴国語が苦手な子どもにはいくつか特徴があります。自分の考えをうまく表現できない筑波大学付嘱小学校教諭の青木伸生氏によると、自分の考えをうまく表現できない子どもは国語が苦手な傾向にあるそうです。体験した出来事や読んだ物語についての感想を自分の言葉で表現するのは、一定の国語力がないとできません。見聞きしたことを頭の中で整理して、言葉として表現するには「語彙力」「論理的思考」「文章構成力」が必要。いずれも国語科において要求される能力です。つまり、自分の考えをうまく表現できない子は国語が苦手だといえるでしょう。国語が苦手だから自分の考えを表現できない、ともいえます。算数の文章問題が解けない子どもの算数の成績が悪いのだとしたら、原因のひとつは国語力の低さかもしれません。お子さんの算数の答案を見てみましょう。「3-2+5=」と式があらかじめ書かれている問題なら正解しているのに、「リンゴが3個あって、そのうち2個を太郎君が食べて、花子ちゃんがミカンを5個持ってきた」といった文章問題を間違えている場合、日本語の読解が苦手なのかもしれません。国語が苦手だと、算数の文章問題を解くことができません。算数の文章問題では、計算能力だけでなく、文章を読んで理解し、適切な式を自分で考え出す能力が要求されるからです。青木氏も、算数と国語の関係について以下の通り語っています。ドリルのような単発の計算は得意な子どもであっても、国語力が伸び悩んだがために本来の能力を発揮できないということにもなりかねないのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法)計算自体は得意な子どもでも、国語が苦手だと、算数の成績が伸び悩んでしまいかねません。本を読まない国語が苦手な子どもの最大の特徴は、自発的に本を読まないことです。本を読むことで、日本語の正しい文法やさまざまな言葉を知ることができます。言い換えれば、本を読まないと文法や語彙を自然に身につけることができないのです。また、本を読まないということは、物語や言葉のおもしろさに興味を持っていないのだとも考えられます。日本語の物語や言葉に関心がなければ、国語の勉強そのものを退屈だと感じるかもしれません。2014年に発表された研究によると、テキサス大学オースティン校のレイ・リンデン准教授らは、フィリピンの小学校100校を2つのグループに分け、読書が成績に及ぼす影響を調べました。一方のグループの小学生に対しては「読書マラソン」(毎日1時間、読書・朗読や単語ゲームの時間を与える)を実施し、もう一方のグループにはしなかったそう。ひと月後、読書マラソンを行なった小学校での国語の標準テストの偏差値は、読書マラソンをしなかった小学校よりも0.13高かったそうです。単語力や読解力が上昇していることがわかりました。特に単語力と読解力が優れていたとのこと。やはり、読書をすると国語の成績は伸びるようですね。反対に、読書をしない子は国語が苦手である、ともいえそうです。国語が苦手な理由では、国語が苦手になってしまうのはどうしてなのでしょう?一部の子どもが国語が苦手な理由には、子どもの能力だけではなく、現代の子どもを取り巻くさまざまな事情が関係しています。子どもと大人が会話する機会が少ない一部の子が国語を苦手としてしまう背景には、核家族家庭の一般化や、共働きの家庭の増加があります。昔だったら、子どもが学校から帰宅したとき家には大人がいたため、大人と会話することで日本語の表現や知らない言葉を自然に学んでいました。しかし、両親と子どものみの家庭で、両親が共働きで夜まで帰宅しないとなると、子どもが親と言葉を交わせる機会は非常に少ないですよね。親は帰宅しても仕事で疲れていて、子どもとあまり話したがらない、ということもあるかもしれません。たしかに、学校や学童保育において、子どもたちは多くの会話をしていることでしょう。しかし、子ども同士での会話では、大人との会話によってもたらされる「正しい文法」や「未知の言葉」を身につけるのは難しいのではないでしょうか。そのため、正しい日本語や多くの言葉を伝えてくれる大人との会話が少なくなってしまった現代の子どもは国語が苦手な傾向にあるといえます。家庭に本や新聞がない子どもが国語を苦手としてしまう背景には、スマートフォンの普及や、家庭から本や新聞などの活字を読む習慣が失われたことも関係していそうです。読者の皆さんにも、「携帯電話をスマートフォンに替えたら、読書量が減った」「ニュースはスマートフォンで見るから、新聞の購読をやめた」という人がいるのではないでしょうか。オーストラリア国立大学・米ネバダ大学の研究者たちが、31の国・地域における25〜65歳の16万人を対象として2011〜2015年に行なった研究によって、家庭にある書籍数と読み書き能力に相関性があることがわかりました。被験者に「16歳のときに自宅に何冊本があったか」という質問に答えてもらったあと、読み書き能力・数字などのテストを受けさせたそう。そして調査の結果、家にほぼ本がない家庭で育った被験者は、読み書き・数字の能力が平均よりも低いことがわかりました。家庭の書籍数とテストの結果は、本の数が350冊程度までだと比例していたそうです。家庭に本がない、つまり家庭に読書習慣のない子どもは、活字に自然と親しむ機会がないわけです。そして本を読む習慣がないと、読解力や語彙が身につかず、結果として国語が苦手となってしまうわけですね。国語の苦手を克服するには1:親子の会話を増やす小学生が国語の苦手を克服するには、大人と会話をする機会を増やしましょう。身近な大人、つまり親と会話をすることを通して、子供は気持ち・考えを伝える方法や未知の言葉を学べます。東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生も、子どもの「会話力」を上げるには、親子でたくさんのおしゃべりをするに尽きると語っています。会話力とは、さまざまな言葉を正確に使ったり、順序立てて話したりできる能力です。会話をする機会を増やすだけではなく、言葉の使い方も意識すると、会話の質が上がって正しい日本語の使い方を身につけられますよ。たとえば、今まで会話で「これ」「それ」などの指示語を使うことが多かったのなら、「テーブルの上にあるポット」や「ハンガーにかけてある紫色のTシャツ」などの具体的な言葉で表現するよう、親のほうから心がけましょう。物事を具体的な言葉で表現できるようになる頃には、国語の苦手はすっかり克服されたことでしょう。国語の苦手を克服するには2:読み聞かせによって本に興味を持たせる国語の苦手を克服する方法としては、親が本を読み聞かせることによって、子どもに本への興味を持たせることも重要です。読み聞かせは親子にとって良質なコミュニケーションともなりますし、本を読む習慣や本への興味がなかった子どもでも、読み聞かせによって本に興味を持つかもしれません。上で紹介した筑波大学附属小学校の青木伸生先生も、国語が苦手な子どもが本に興味を持って能動的に読書をするようになるには、親の協力と理解が必要であると述べています。子どもに本を読んでほしい場合、まずは親が子どもに本を読み聞かせることから始めていきましょう。今まで本に興味がなかった子どもでも、本に書かれているストーリーがおもしろいと感じれば、自ら本を開くようになりますよ。子どもの自主性を促すため、本は親が一方的に選んで押しつけるのではなく、子どもが興味を持って自ら選んだ本を買い与えるようにしましょう。そして、親も子どもが読んでいる本に対して興味を示してください。「何が書いてあるのか教えて」「どんな物語なの?」と質問をすれば、子どもは「知っていることを説明したい」という欲求から、本を読み込むようになるはず。意欲的に読書をする習慣が身につけば、おのずと国語の苦手は克服できます。国語の苦手を克服するには3:親子で交換日記をする国語の苦手意識を解消するため、子どもとコミュニケーションをとりたいけれど、仕事が忙しくて、帰宅する頃には子どもは寝ている……ということもあるでしょう。子どもと話す時間が少なくて困っているのなら、交換日記というのはどうでしょうか。シリーズ50万部を突破した『東大合格生のノートはかならず美しい』の著者・太田あや氏は、子どもの国語力を上げる方法として、親子間での交換日記を推奨しています。リアルタイムで話せる時間が少なくても、交換日記であれば、空いた時間に書いてテーブルの上に置いておくなどして、コミュニケーションをとることができますね。親の書いた文章を子どもが読むことで、段落の分け方や言葉の意味などを知ることもできます。毎日のように文章を書く習慣がつけば、作文への苦手意識もなくなりそうですね。交換日記は、国語の苦手を克服するのに効果的な手段です。親としても、子どもとの交換日記は楽しい思い出になるのではないでしょうか。***国語の苦手を克服するためには、「本を読みなさい」と子どもに押しつけるのではなく、親が子どもとのコミュニケーションを楽しみながらサポートしてあげましょう。平日にまとまった時間を子どもと過ごせないなら、休日に本を読み聞かせたり、一緒に料理をしたりするのもよいですね。どうしても時間がとれないなら、交換日記がおすすめ。なお、国語力を高める方法については、「小学生の『国語力』を上げるには。3つの方法とオススメ問題集」もあわせてご参照ください。文/森下智彬(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法StudyHackerこどもまなび☆ラボ|国語力アップの鍵はやっぱり読書だった!将来のために今、本を読むべき理由StudyHackerこどもまなび☆ラボ|読書量が算数の成績を左右する!?子どもの学力を上げるために「1日数分」からできることStudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「得意教科は国語!」自信をもって言えるようになるために効果的な勉強法リクルートマネジメント ソリューションズ|読書は子どもの学力を上げるのか?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|小学生の「国語力」を上げるには。3つの方法とオススメ問題集Newsweek日本版|子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する:大規模調査Project MUSE|Improving Reading Skills by Encouraging Children to Read in School: A Randomized Evaluation of the Sa Aklat Sisikat Reading Program in the Philippines
2019年07月02日親子で料理をすることの大切さについて、よくご存じの方も多いと思います。しかし、「子どもと一緒に作るのに、どんな料理がふさわしいのかわからない」「具体的に何をさせればいいのか迷ってしまう」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、料理のメリットに加えて、親子で料理をする際におすすめのレシピ本をご紹介します。料理にはメリットがたくさん!親子で料理することには、以下のように、さまざまなメリットがあります。・五感に刺激が与えられる料理では、食材や料理を見る(視覚)、包丁で野菜を切るときの「トントン」、鍋で料理を煮込むときの「グツグツ」といった調理音を聞く(聴覚)、調理中のおいしそうなにおいをかぐ(嗅覚)、さまざまな食材や調理器具を触る(触覚)、できあがった料理を食べる(味覚)など、五感が刺激される場面がたくさんあります。料理するだけで五感すべてが鍛えられるので、子どもの感覚を効率的に育てることができるのです。・好奇心や探求心が育つ家庭教育の専門家の田宮由美氏は次のように述べています。料理をする時、材料の分量や、調理の手順を考えなければなりません。(中略)また、卵は焼くと何故固まるの?水と粉を混ぜるとどうしてネバネバするの?乾いた雑巾は何故水を吸い取るの?など化学的なことに興味を示す子もいるかもしれません。お手伝いの中には、考える事や工夫する能力が養われる他に、いろいろな不思議や発見があるでしょう。(引用元: All About|子供にお手伝いをさせるメリットと親が心がけるべき事)料理では、小麦粉と卵と砂糖などがおいしいケーキに変身したり、分量を間違えると失敗したりと、調理方法によって見た目や味が変化するシーンが多くありますよね。そのため、子どもの好奇心や探求心を育てることにつながるのです。・親子のコミュニケーションが活発化する親子での料理は、協力し合ってひとつの目標に取り組む行為でもあります。そのため、親子間のコミュニケーションが活発化し、思い出づくりにもなることもメリットのひとつです。また、買い出しや準備、後片付けなど、料理にあらゆる手間がかかっていることを知った子どもは、食事の支度をする親への感謝の気持ちを持てるようになります。さらに、親に「手伝ってくれてありがとう」「助かったよ」と言われることで、子どもの自己肯定感が高まる効果も。料理は学力向上にもつながる親子で料理をすると、子どもの成長につながるだけでなく、学習能力向上のきっかけになることもあるようです。・親からの指示を理解しながら料理する→国語への興味関心中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介氏は、子どもの国語力を育てる生活習慣として料理のお手伝いを挙げています。小川氏いわく、料理は下ごしらえから仕上げまでの過程を効率よく進める必要があるため、「段取り力」が身につくのだそう。そのため、学習面でも、どのような順番で手をつけるべきか計画を立てる力が養われるのだと言います。また、「野菜を食べやすいようにちぎって」「きつね色になるまで炒めて」などと指示を受けながら料理したり、レシピを読みながら作業をしたりすることも、理解力や語彙力の向上に役立ちます。・計量カップや計量スプーンを使う→算数への興味関心子どもが算数や理科を学ぶ過程に詳しく、弁理士としても活躍する宇治美知子氏は、著書『算数が楽しくなる、できる子になる!算数が好きになる教え方』(三樹書房)の中で、算数を好きになるお手伝いのひとつとして「ホットケーキ作り」をすすめています。料理では、レシピ通りに水や調味料の分量を測る場面がたくさんありますよね。「600ml必要だから、200mlの計量カップで3杯分」などと考えながら料理することで、計算力が向上するなどのメリットがあるのです。・食材について知る→理科や社会への興味関心魚をさばいたり、野菜を根と茎と葉に分けて切ったりしながら、それぞれの部位の名前や役割を知ることは、理科への興味関心が高まるきっかけになります。また、食材の産地や特性を知ることは、社会の勉強で役立つことも多いでしょう。年齢別・おすすめ料理本最後に、年齢に合わせたおすすめの料理本を紹介します。2歳〜「こどもキッチン、はじまります。 2歳からのとっておき台所しごと」石井 由紀子/著 はまさき はるこ/絵(太郎次郎社エディタス)たたく、つぶす、まぜる、むくといった、子どもでも安全に取り組むことができる作業を紹介しています。「2~3歳の子どもが料理に興味を持ち始めたので何かやらせてあげたい」という方や、初めて親子で料理にチャレンジする方におすすめ。また、「包丁はいつから始めるのが良いですか?」など、親の気になる疑問に答えるコラムもあり、レシピ本としても、育児本としても有効な一冊です。 3歳~9歳「子どもと一緒にお料理しましょ!3歳からのお手伝い」上田 淳子/著(文化出版局)双子の息子の母である著者が、3歳、5歳、7歳、9歳と年齢に合わせた料理のお手伝い方法を紹介しています。成長に合わせて、数年間使い続けられるのがうれしいポイント。オーブントースターや電子レンジだけで作れるレシピや「余ったポトフでカレーうどん」など、家庭的かつ実用的なレシピも載っています。 小学生〜「こまったさん」シリーズ寺村 輝夫/著 岡本颯子/絵(あかね書房)「わかったさん」シリーズ寺村 輝夫/著 永井郁子/絵(あかね書房) 30年以上も読み継がれている人気の料理絵本シリーズです。幼少期に読んだことのある親御さんも多いかもしれませんね。「この料理、作ってみたい!」と思わせるような楽しいストーリーに、わかりやすいレシピつき。「こまったさん」は料理、「わかったさん」はお菓子の作り方を紹介しています。お子さんの好きな食べものがテーマになっている巻をプレゼントして、「一緒に作ってみない?」と誘ってみるのもよいでしょう。 小学生〜「ルルとララのお菓子屋さん」シリーズあんびるやすこ/作・絵(岩崎書店)女の子を中心に、現在大人気のシリーズ。お菓子屋さんを開いた小学生のルルとララが、森の動物たちに頼まれてさまざまなお菓子を作っていく、夢いっぱいのストーリーです。毎巻、お話に沿ったレシピが可愛らしいイラストつきで紹介されており、実際にレシピを見てお菓子を作った小学低学年のお子さんからも「わかりやすくて簡単!」と評判。火や包丁を使わないレシピばかりなので、お子さんがひとりで作る際にも安心ですね。 ***親子で料理をすることには、数え切れないほどのメリットがあります。今度のお休みの日には、ぜひ親子で料理にトライしてみてはいかがでしょうか。文/田口 るい(参考)東京ガス ウチコト|【生きる力を育む! 】子どもと一緒に料理するメリット7つこどもまなび☆ラボ|五感が鍛えられるだけじゃない!集中力や思考力も高まるメリットだらけの「親子料理」こどもまなび☆ラボ|小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく!子どもが料理をするメリットAll About|親子一緒に料理すると向上する!子供の能力3つAll About|子供と一緒に料理!年齢別おすすめクッキング5選All About|子供にお手伝いをさせるメリットと親が心がけるべき事中学受験ナビ|国語力を育てる10の生活習慣|成績UPは国語力が9割(8)宇治 美知子 (2015), 『算数が好きになる教え方―算数が楽しくなる、できる子になる!』, 三樹書房.太郎次郎社エディダス|こどもキッチン、はじまります。 2歳からのとっておき台所しごと文化出版局|子どもと一緒にお料理しましょ!3歳からのお手伝いあかね書房|こまったさんのシチューあかね書房|わかったさんの ふんわりケーキ岩崎書店|ルルとララのおかしやさん
2019年06月30日フリーアナウンサーの宇垣美里が出演する、中学3年生の一学期末テスト最重要ポイントを歌詞にした中3試験予想ソング「#試験前の宇垣先生」動画が28日、公開された。フリー転身後、初のWEBCM出演となる。「#試験前の宇垣先生」は、音楽を主役としたソフトバンクのプロジェクト「SoftBank music project」の一環として制作されたスマホ向け縦型動画。栄光ゼミナール監修の下、中学3年の一学期末テストにおける国語・数学・英語・理科・社会、全5教科分の出題問題を予測し、国語であれば間違いやすい“サ変の活用”、社会であれば“年号と出来事の照らし合わせ”など、最重要ポイントを歌詞にした。歌唱は宇垣が担当し、学校の先生やジャージ姿、オーストリアの民族衣装など、全7種の衣装で出演。数学の動画では、解の公式が歌詞となった歌に合わせて、カメラの前でダンスも披露している。宇垣は「こんなに色々なシーンを撮影するって思ってなかったので、単純にびっくりしたことと、色んな衣装を着られたことがすごく楽しかったです」とコメント。「期末テストはくるので、そして終わるので、それまで頑張ればいいだけなので、ここまで頑張った勉強の成果を発揮するためにも、勉強したあとはしっかり寝て、試験に臨んでください。頑張れ!」と中学3年生にエールを送る。なお、作曲はヒャダインさんが担当し、暗記しやすいキャッチーな楽曲になっている。
2019年06月28日「読書」が子どもにもたらしてくれるものというと、国語の文章問題に強くなるといった学習面のメリットをイメージする人が多いかもしれません。でも、「そういったこと以上に大切なものがある」と、屈指の名門校、麻布中学・高校の国語科教諭である中島克治先生はいいます。その大切なものとは、「批評する力」「自ら考える力」を養えること。その理由と併せて、子どもを本好きにする方法も教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)言葉を知ることは「考える、感じ取る」ことの下地読書はいくつになっても大切なものですが、できればなるべく幼い頃から子どもが親しむことができるように導いてあげてほしいですね。というのも、中学生、高校生になると、子どもでも忙しくなってきて本を読む時間が取れなくなってしまうからです。子どもが本当に時間を気にせず本と向き合えるのは小学生までだと考えていいでしょう。読書は子どもにたくさんのものを与えてくれます。本を読んで言葉を覚えるということは、言葉と自分の間にある壁をなくすということであり、言葉によってものごとを考える、感じ取ることの下地になっていきます。読書をして語彙が増えれば、教科書の内容や先生の話をしっかり理解できるのですから、学力の向上にもつながります。また、読書によって増えた語彙は、感情コントロールという点でも力を発揮します。というのも、言葉によって自分の感情を相対化して見つめ直すことができるようになるからです。興味があることなら「読み癖」がつくでは、子どもはどんな本を読むべきなのでしょうか。親が読んでほしい本でもいいのですが、やはり子ども自身が興味を持つものがベストでしょう。内容は問いません。誰もが物語を好むわけではないのですから、たとえば野球やサッカーが好きな子どもなら野球雑誌やサッカー雑誌でも構わないのです。そういった雑誌にはいろいろな選手のインタビュー記事が載っていて、彼らが活躍した試合やそうでなかった試合などのデータも掲載されています。子どもが興味を持っている分野の雑誌ですから、書かれていることもすんなりと頭に入ってきますし、なによりもそれらの雑誌には、選手たち、人間のドラマが描かれています。そういうドラマに触れることは、子どもたちの心のなかと外の世界を結ぶ架け橋になり、もっといえば子どもが世界とかかわっていくときの羅針盤にもなるのです。また、どんな本でも子ども自身の興味に従って読むことのメリットには、興味があるからこそ読み続けることになり、「読み癖」がつくということもあります。この読み癖がとても大切なのです。読み癖について、スポーツ雑誌の例で考えてみます。たとえば不甲斐ない成績に終わったある選手の試合後の記事を読めば、「次はどうなるだろう?」と子どもは「続編」にあたるような記事を求めるようになる。当然、次号も読むことになり、しかも、その表現にまで注意を向けるようになります。次の試合でその選手が大活躍をしたとして、「この活躍をどんな文章にするのかな?」といった思いを持っているからです。この行為は、書かれているものに対して受け身ではなくなっているということに他なりません。つまり、積極的にアクティブに活字に触れる姿勢が生まれているのです。加えるならば、「批評する力」が育っているということでもある。先の例の子どもが次号を読んで、「あれ?」と違和感を覚えたとします。そう感じるのは、書かれていることがすべて正しいのではなく、自ら考える、批評力が育っているからです。これは、いわゆる「考える力」が重要だとされるいま、とても重要なことではないでしょうか。親が書店にいる時間を増やせば子どもは本に興味を持つここまではあくまでも理想であって、「子どもが自分から進んで本を読んでくれない」という悩みを抱えている人も多いはずです。そういう場合は、やはり子ども自身が興味を持っていることを親がつかむことが大切になる。そして、それらに関する本を与えるのです。そうすれば、本によって自分が興味を持っている世界が広がるという体験を子どもにさせてあげることができます。また、読むこと自体が苦手だという子どももいます。そういう場合には読み聞かせをしてあげましょう。全部を読む必要はありません。最初の何ページかを読んであげるだけで十分です。子どもは続きが気になって自発的に読むということもあるからです。大人だってそうですよね。映画の冒頭の数分だけを観せられたら、続きを観たくなるでしょう?それから、同じ作品が映像と本の両方になっているものもおすすめです。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』なんて何度も映像化されていますし、宮崎駿監督の映画作品もいくつもノベライズされています。そういったものであれば、子どももすんなり本に入っていけるのではないでしょうか。そして、子どもに本への興味を持たせるもっとも簡単な方法は、親が子どもを連れて書店や図書館に行く時間を増やすこと。親が書店や図書館に長くいれば、子どもは大好きなお父さんやお母さんが本に興味を持っている、本を大切なものだと思っていることを体で感じ取ることができます。しかも、そういった場所には見たこともない世界を描いた本がいくらでもある。そのような場所に接することで、子どもは自然に好奇心を刺激されて本の世界に近づいていくはずです。『本物の読解力をつけることばパズル 入門編』中島克治 著/小学館(2019)■ 麻布中学・高校国語科教諭・中島克治先生 インタビュー一覧第1回:子どもの「言葉の力」を伸ばすには?名門麻布の国語教師が説く“親の心得3か条”第2回:先取り学習はこんなに危険。「した子」の成績が「しなかった子」に抜かれるのはなぜ?第3回:麻布中高の国語教師が断言。「絵本の読み聞かせ」の教育効果はやっぱり絶大だった!第4回:我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは【プロフィール】中島克治(なかじま・かつじ)1962年生まれ、東京都出身。麻布中学・高校を経て東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、私立麻布学園麻布中学・高校国語科教諭。『本物の読解力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『一生役立つ! 子どもの本当の読解力をグッと引き出す方法』(PHP研究所)、『1話5分! 12歳までに読みたい名作100』(新星出版社)、『小学生クロスワードBOOK 1・2・3年生』(星雲社)、『本物の国語力をつけることばパズル 中級編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 入門編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『夏目漱石ほか文豪名著 書き写しノート』(朝日新聞出版)、『小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚』(小学館)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月27日むかしから家庭教育の大定番であるのが「絵本の読み聞かせ」です。それが子どもの成長に与える効果については、屈指の名門校、麻布中学・高校の国語科教諭である中島克治先生も手放しで絶賛します。絵本の読み聞かせは、子どもになにをもたらしてくれるのでしょうか。中島先生が「計り知れない」と語るその効果を教えてくれました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)絵本の読み聞かせが子どもの心を豊かにする日々、進化を続ける子ども向け教材ですが、やはりむかしながらの「絵本の読み聞かせ」は、いまも変わらず最高の教育ツールといえます。お父さん、お母さんに絵本を読んでもらえる時間は、子どもにとってはまさに至福のとき。親子の強い絆を生んでくれるものです。そして、絵本の読み聞かせは子どもの心を成長させてくれます。絵本というものは、言葉の世界とイマジネーションの世界がぴたっとつながっていくものです。言葉によってイマジネーションをつくっていく、あるいは絵で表現されているものを言葉で補っていく。そのプロセスは、幼い子どもの脳にとっていちばん大切なものといっても過言ではありません。それが子どもの心を豊かにしていくのですからね。教育熱心な親であれば、絵本の読み聞かせによって「読解力」を得られるのかという点も気になるでしょう。その疑問に対する答えは、もちろん「YES」です。小学校での国語のテストでは「この場面での登場人物の気持ちを答えなさい」という問題が出されますよね?その問いに解答するために必要なものとはなんでしょうか。それは、「共感力」です。その力を絵本が高めてくれます。たとえば、みなさんにもおなじみのかぐや姫が物語の最後に月に帰っていく場面をイメージしてください。そこでは、かぐや姫もおじいさんもおばあさんも別れを惜しんで悲しんでいます。実際には別れというものの重みが子どもにはまだわからないにしても、自分から切り離された物語の世界として仮想的に別れを感じることができる。それは、ある種、社会的な常識を学んでいるともいえます。子どもはその過程を経て、「どういう世界のどういう状況に置かれた人間がどういう感情を抱くのか」ということを知っていきます。そうやって、共感力が磨かれていくわけです。いまの世界に必要な「思いやりと優しさ」その共感力は、子どもの内面にも大きな影響を与えます。絵本の世界に触れている子どもとそうではない子どもには、「思いやりと優しさ」という点で大きなちがいが出るように思います。もちろん、思いやりと優しさを持つことができるのは、絵本の世界に触れている子どものほうです。いまの世界は弱肉強食とまではいわないまでも、どこか殺伐としたところがあるものです。価値観が単純化していて、「勝つことがいいこと、強いことがいいこと」だと多くの人がとらえています。だからこそ、負けること、弱いことを見下す風潮もどうしても出てくる。そういう世界ですから、弱い子どものなかではどんどん劣等感が膨らむし、そうではない子どもは優越感を持つために差別的になることも多いように感じます。でも、絵本の世界に触れていたとしたらどうでしょうか。絵本は、そもそも作者である大人が「こういう子どもになってほしい」「こういう世界が大事だよ」と考えて、絵と文章で子どもに訴えている内容がほとんどです。そこには、子どもに対する大人の強い願い、思いが込められています。そういう絵本を親が媒介して子どもに触れさせてあげれば、殺伐とした日常生活とは切り離されたところで「心の大切さ」を感じることになり、子どもは自然と思いやりや優しさに重きを置くようになるはずです。そういう子どもなら、たとえ目の前の世界がどれだけ殺伐としていて、タフな者しか勝ち残れないようなものに見えるとしても、その競争からこぼれ落ちること、こぼれ落ちた者にも価値を見出していけるのではないでしょうか。子どもが求める限り読み聞かせをしてあげようさて、絵本の読み聞かせというと、「何歳くらいまでやってあげればいいの?」という疑問を持っている人もいるかもしれません。その答えは、「子どもが聞いてくれるうちはいつまででも」です。子どもはある日突然大人になるわけではありません。ある部分は大人に近づいても、ある部分は子どものままというふうに、凸凹した状態で成長していきます。それは大人になったあとも変わらないのではないでしょうか。誰のなかにも大人の心と子どもの心が共存しています。そして、読み聞かせを求める子どもの心があるうちは、いつまでだって絵本の読み聞かせをしてあげればいいと思うのです。子どもは絵本の読み聞かせを通じて、絵本の内容とは別のものも受け取っています。それはたとえば親が自分のそばのいてくれることだとか、親が自分のために時間を使ってくれている、心を使ってくれているということです。それらの安心できる時間の大切さというのは、小学生になる前の幼い子どもでも、小学生でも変わらないはずです。子どもが求める限り、いつまでだって読み聞かせをしてあげてください。『本物の読解力をつけることばパズル 入門編』中島克治 著/小学館(2019)■ 麻布中学・高校国語科教諭・中島克治先生 インタビュー一覧第1回:子どもの「言葉の力」を伸ばすには?名門麻布の国語教師が説く“親の心得3か条”第2回:先取り学習はこんなに危険。「した子」の成績が「しなかった子」に抜かれるのはなぜ?第3回:麻布中高の国語教師が断言。「絵本の読み聞かせ」の教育効果はやっぱり絶大だった!第4回:我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは(※近日公開)【プロフィール】中島克治(なかじま・かつじ)1962年生まれ、東京都出身。麻布中学・高校を経て東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、私立麻布学園麻布中学・高校国語科教諭。『本物の読解力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『一生役立つ! 子どもの本当の読解力をグッと引き出す方法』(PHP研究所)、『1話5分! 12歳までに読みたい名作100』(新星出版社)、『小学生クロスワードBOOK 1・2・3年生』(星雲社)、『本物の国語力をつけることばパズル 中級編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 入門編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『夏目漱石ほか文豪名著 書き写しノート』(朝日新聞出版)、『小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚』(小学館)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月26日小学校入学前の子どもを持つ親であれば、いわゆる「先取り学習」を子どもにさせるべきかといちどは考えたことがあると思います。子どもが小学生になるときには、親の側もいろいろと不安を抱えているものです。それらの不安を取り除いてもらうべく、屈指の名門校、麻布中学・高校の中島克治先生にアドバイスをしてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)就学前の「先取り学習」は必要ない有名小学校の「お受験」を考える場合は別ですが、基本的には就学前の先取り学習は必要ないとわたしは考えています。わざわざ先取り学習というかたちを取らなくても、ひらがなや数字は絵本のなかにも出てきますよね?親が絵本を読み聞かせをするだけでも、結果的に子どもはひらがなや数字がだいたいわかるようになります。また、単語についても、いろいろな出版社が出版している「ことばと絵じてん」といった本を与えるだけで十分。子どもは自分の好奇心に従って、自然と語彙を増やしていきます。それから、幼児の頃から英語を学ばせている家庭もあるでしょう。でも、ずっと続けられるならともかく、やめてしまうと学んだ英語も綺麗に忘れていくものです。わたしの子どもも幼いときに英語塾に通わせませましたが、やめたらやっぱりすぐに忘れてしまいましたからね……(苦笑)。もちろん、子どもが英語を学んでいるあいだの時間はすごく充実しているのでしょうし、それが悪い時間ということではない。「定着」ということを前提とせず「楽しむ時間」と考えるのなら、英語塾に通わせてもいいかもしれません。「知育」ではなく「体育」の先取り学習が大切そもそも、小学校に入学した時点での学力の差というものにはあまり大きな意味はありません。入学直後には、たしかに先取り学習をした子どものほうが成績は優秀です。でも、その後は成績が逆転してしまうことも珍しくありません。というのも、先取り学習をした子どもは、「これは勉強したことがある」なんて思って先生の話をまともに聞いていないことがあるのに対し、先取り学習をしていない子どもは一生懸命に先生の話を聞くからです。そうして、先取り学習をしなかった子どもが先取り学習をした子どもにただ追いつくだけではなく、加速度がついて追い抜いてしまうのです。そういう意味では、下手に先取り学習をさせることは危険だと見ることもできる。先生の話を上の空で聞くことが学習態度として定着することも考えられますし、最初に成績が良かった子どもが後からどんどん抜かれてしまうと、劣等感を持ってしまうかもしれないからです。先取り学習をさせるにしても、小学校入学後にはこれらの点に注意すべきではないでしょうか。わたしとしては、そういった「知育」の先取り学習ではなく、「体育」の先取り学習をすることをおすすめします。小学校に入学した直後は、まずは友だちと一緒に動けることが大事です。友だちから鬼ごっこやキャッチボールに誘われたらすぐに動けるか、あるいは逆に自分からなにかを提案できるか。それが、友だちと適切な関係を築き、すんなり学校生活になじんでいくことにつながるからです。大切になるのは、運動能力の高さではなくて、人に合わせられる感覚です。ですから、なにかのスポーツ教室に通わせるような必要はありません。子どもと一緒になってキャッチボールやサッカーをして遊んだり、公園で鉄棒などに触れさせたりというふうに、子どもの体の「経験値」を増やしてあげることをおすすめします。いまの親はとにかく「不安」でいっぱいそもそも、先取り学習に注目が集まるのも、いまの親の多くが「不安」だからなのでしょう。核家族化が進んだうえ、隣近所との関係性もかつてより薄まっているので、親は自分たちだけで家庭教育をしなければなりません。しかも、教育に関するたくさんの情報が入ってくるにもかかわらず、その多くは「こうしちゃいけない」「こうしなければならない」という内容のものがほとんど……。そんな時代ですから、親が不安になるのも仕方ありません。不安を抱えている親なら、小学校に上がった子どもの学校生活のことも気になることでしょう。学校から帰ってきた子どもに、学校での出来事をつい根掘り葉掘り聞きたくなるかもしれません。ただ、そういう聞き方だと子どもはなかなか話してくれないということもありますから、「待つ」ことをおすすめします。聞きたい気持ちをぐっと我慢して家事をしたりくつろいでいたりすれば、子どもは「ねえねえ」なんていって自分から話をしてくれるものですよ。そして、そんな不安に駆られている親にこそ「なにがあっても大丈夫」という気持ちを子どもに対して持ってほしいですね。『だいじょうぶ だいじょうぶ』(講談社)という絵本があります。これは、お子さんというより親に読んでほしい内容です。その絵本に登場する子どもは、自分の世界が広がるにつれて新しいことや楽しいことに出会う一方で、困ったことや怖いことにも出会います。そのたびにおじいちゃんがその子の手を握って「だいじょうぶ だいじょうぶ」とつぶやいてくれる。その瞬間は困ったり怖かったりしても、時間が経つにつれて状況が好転していくことを、おじいちゃんは人生経験を通じて知っているからです。親まで不安になっていれば、子どもも不安になります。みなさんにはそのおじいちゃんのように子どもに対して接してあげてほしいと思うのです。『本物の読解力をつけることばパズル 入門編』中島克治 著/小学館(2019)■ 麻布中学・高校国語科教諭・中島克治先生 インタビュー一覧第1回:子どもの「言葉の力」を伸ばすには?名門麻布の国語教師が説く“親の心得3か条”第2回:先取り学習はこんなに危険。「した子」の成績が「しなかった子」に抜かれるのはなぜ?第3回:麻布中高の国語教師が断言。「絵本の読み聞かせ」の教育効果はやっぱり絶大だった!(※近日公開)第4回:我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは(※近日公開)【プロフィール】中島克治(なかじま・かつじ)1962年生まれ、東京都出身。麻布中学・高校を経て東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、私立麻布学園麻布中学・高校国語科教諭。『本物の読解力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『一生役立つ! 子どもの本当の読解力をグッと引き出す方法』(PHP研究所)、『1話5分! 12歳までに読みたい名作100』(新星出版社)、『小学生クロスワードBOOK 1・2・3年生』(星雲社)、『本物の国語力をつけることばパズル 中級編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 入門編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『夏目漱石ほか文豪名著 書き写しノート』(朝日新聞出版)、『小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚』(小学館)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月25日「こんにちわ!今日も一緒に学習していきましょう!」さて、この一文で何も疑問に思わなかったそこのあなた!もしかしたら、LINEやメールで挨拶の代わりに「こんにちわ」と使っていませんか?正しくは「こんにちは」ですよね。そんなことできてるよと思われる方も多いと思いますが、実は私の校舎への問い合わせで、よく「わ」に出くわす機会があります。そこで今回は、目上の人やお客様とのやりとりで恥をかいてしまうメール表現を確認していきましょう。NAYUTAS by 東進ゼミナール 東京北千住校長 津田 翔也「社長様」「部長様」「校長様」よくある間違いなのですが、送られた人は、自分はどれだけ偉そうな印象を与えているのだろうかと感じてしまう表現です。役職名自体が敬称となっているので、この使い方は「頭痛が痛い」のように同じ意味の言葉が二重に入ってしまっています。私を例にすると「津田校長」で十分ですが、どうしても「様」をつけたい場合は「北千住校長 津田様」と書き始めます。社長であれば、「株式会社×× ××社長」または「株式会社××社長 ××様」ですね。「明日のお約束は13時からでよろしかったでしょうか?」「13時からで大丈夫です。」このやり取り、違和感がない方が多いかもしれませんが、実は不適切なんです。まず、「よろしかったでしょうか」ですが、約束はこれからおこる未来のことです。それに対して、「よろしかった」という過去形の表現は不適切になります。また、文中で「?」を使うことも違和感がない方が非常に多いと思いますが、日本語は疑問形であっても「。」を用います。親しい方とのやり取りや、あえて分かりやすいように用いるならば問題ないですが、目上の人に対してのメールやレポートなどで使う場合は注意が必要です。よく生徒から論文試験のための文章や、レポートを見てほしいと頼まれることがあるのですが、冒頭の問題提起の部分で「〜ではないでしょうか?」と無意識で使っている方が多くいます。せっかく、良い文章を書いていても、点数を下げかねません。仕事であれば、上司や取引先から常識に欠けるのではないかと疑われる可能性もあります。最後に、「大丈夫です」ですが、きちんと答えるのであれば「問題ありません」「問題ございません」ですね。以上を踏まえて修正すると、「明日のお約束は13時からでよろしいでしょうか。」「13時で問題ありません。」となります。「畏まりました。」さて、読めましたか。正解は「かしこまりました」です。この「畏(おそ)れる」という漢字は漢検2級〜準1級レベルで出題される言葉で、常用する言葉ではありませんが、最近はスマホの変換で簡単に出てくるので、使う方が増えているようです。もちろん、意味合いとしては「わかった」の尊敬語ですので、目上の人に敬意を表すという意味では、間違ってはいません。ですが、難読漢字をビジネスシーンで使用すると、親切心に欠け冷たい印象を与える場合もあります。「わかりました」でも十分ですが、これではフランクすぎるかな。と思ったときは平仮名で「かしこまりました」にした方が無難でしょう。いかがでしょうか。この機会に、自分のメールを見直して、誰に対しても、恥のかかない表現を身につけていきましょう!©Supavadee butradee / Shutterstock©goodluz / Shutterstock©tsyhun / Shutterstock©Aleksei Zakirov / Shutterstock
2019年06月24日国語はもちろん、算数や理科などあらゆる教科を勉強する際にも重要とされる「言葉の力」。子どもの「言葉の力」を伸ばすためにはどうすればいいのでしょうか。お話を聞いたのは、屈指の名門校、麻布中学・高校の国語教諭である中島克治先生です。まずは、「おしゃべりな子どもと無口な子どものちがい」についてのお考えから話してもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)ドリル学習では「言葉の力」はなかなか伸びない我が子が、まわりの子と比べて無口だと心配になってしまう親もたくさんいると思います。でも、ありていにいってしまえば、それは「個性」ということなのです。親がどんなにおしゃべりでも子どもは無口になることもあるし、その逆もある。同じような育て方をしても兄弟姉妹でちがいはありますし、親のアプローチいかんで子どもが多弁になったり寡黙になったりといったことはないのではないかとわたしは考えています。子どもには親とはまったく別の人格が備わっていて、おしゃべりであれ無口であれ、それはその子の「個性」なのです。そうとらえれば、「なんとか子どもの言葉を増やそうと努力しているのに……」と、頭を悩ますというような呪縛から解放されることになるはずです。とはいえ、おしゃべりか無口かということとは別に、「言葉の力」を身につけておくことはあらゆる勉強をするにあたって重要となります。そう考える教育熱心な親であれば、子どもにドリル学習などをさせているかもしれません。でも、ドリル学習にはあまり意味がないとわたしは考えています。子どもからすればドリル学習はやらされる、仕方なくやる受け身の側面が強いものです。しかも、紙の上での学習ということで、どうしても現実世界に応用しづらいものであるため、学習した内容の定着率も良くありません。たとえ勉強した直後には身についても、1カ月、1年といった時間が経つと内容がすっぽりと抜け落ちてしまうのです。単なるドリル学習というものは、どうしてもただ覚えること、テストでいい点を取ることに重点が置かれます。そういう学習で得た知識は、子どもにとって「生きた知識」にはならないのです。親との共通体験が子どもの学習を補強していくでは、「生きた知識」としての言葉の力をどのように伸ばしてあげればいいのでしょうか。その方法は、「実生活のなかでの親とのコミュニケーション」です。たとえば、親子で植物園に出掛けたときに、以前に図鑑で見たことのある花が咲いているのを発見したとします。そして、「これ、前に図鑑で見たよね?」「どんな花だっけ?」といった会話をする。すると、実体験のなかで実物と言葉がぴたっと結びついていくので自然に言葉が子どもの頭に入っていくのです。親に教えてもらったとか、親の質問に答えられてうれしかったとか、具体的な場面のなかでの親との共通体験が学習を補強し、そのときに得た言葉はしっかりと子どもの頭に刻まれます。共通体験といっても、わざわざどこかに出掛けて特別な体験をしなければならないということはありません。それこそ家庭での日常的な会話でもできることです。会話の内容も天気のことでもご飯のことでもいいし、幼稚園や小学校での出来事、親子それぞれが観たテレビ番組の感想をいってもいい。そういった親とのコミュニケーションを通じて、子どもは満足したり、安心したり、うれしく感じたりといったポジティブな体験とともに感受性を高めながら言葉を覚えていくのです。子どもに知識をただ詰め込もうとしても、身につくものではありません。喜怒哀楽などの気持ちが伴わなければ、学習したことが子どもの糧にならないからです。たとえば、子どもがはじめて真っ赤な美しい夕焼けを見たとき、「綺麗」という言葉を知らなくとも子どもの心はすでに震えています。そして、そばにいる親が「綺麗だね」とつぶやいた。自分の心の震えと「綺麗」という言葉が重なり合う。そんな言葉を忘れるわけがありません。親子のコミュニケーションにおける3つの注意点子どもとコミュニケーションを取る際の注意点もお伝えしておきます。ひとつは、子どもから「これ、なに?」というふうに質問をされたときに、すぐには答えないほうがいいということ。答えられることでもあえて答えず、「なんだろうね?」「うちに帰ったら調べてみようか」というふうに答えるのです。どういうことかというと、子どもに立ち止まる時間を与えるということです。そうすることにより、子どもは手探りで考えることになる。その時間が、その後の学習で得た知識の定着を高めることになります。次の注意点は、子どもの言葉を頭から否定しないということ。子どもは大人が忘れてしまったような感覚を持っていて、大人が考えもしなかった側面から考えることもあるものです。大人になってしまった親からすれば、子どもの言葉が間違っていると思っても否定してはいけません。また、子どもの言葉に親が本当に驚かされることもあるでしょう。そういうときは否定せずに「そんなふうに考えるんだね」といったリアクションをしたり、素直に驚きを伝えたりしましょう。子どもからすれば、自分より言語能力が長けていると思っている親にちょっと先んじることができたという優越感を得ます。その優越感によって、子どもは言葉に対してよりポジティブにかかわっていくようになるのです。そして最後のアドバイスとしては、なにより親自身が子どもとのコミュニケーションを楽しむことが大切だということ。子どもは「教えてもらっている」と思うと受け身になってしまい、学びに対する積極性を失います。でも、親自身が楽しんでいれば、それは親が子に教えるという姿勢ではありませんよね。子どもも親の楽しむ姿勢に引っ張られてコミュニケーションを楽しむようになる。そうして、親子のコミュニケーションによって言葉を得る効果も高まるわけです。『本物の読解力をつけることばパズル 入門編』中島克治 著/小学館(2019)■ 麻布中学・高校国語科教諭・中島克治先生 インタビュー一覧第1回:子どもの「言葉の力」を伸ばすには?名門麻布の国語教師が説く“親の心得3か条”第2回:先取り学習はこんなに危険。「した子」の成績が「しなかった子」に抜かれるのはなぜ?(※近日公開)第3回:麻布中高の国語教師が断言。「絵本の読み聞かせ」の教育効果はやっぱり絶大だった!(※近日公開)第4回:我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは(※近日公開)【プロフィール】中島克治(なかじま・かつじ)1962年生まれ、東京都出身。麻布中学・高校を経て東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、私立麻布学園麻布中学・高校国語科教諭。『本物の読解力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『一生役立つ! 子どもの本当の読解力をグッと引き出す方法』(PHP研究所)、『1話5分! 12歳までに読みたい名作100』(新星出版社)、『小学生クロスワードBOOK 1・2・3年生』(星雲社)、『本物の国語力をつけることばパズル 中級編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 入門編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『夏目漱石ほか文豪名著 書き写しノート』(朝日新聞出版)、『小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚』(小学館)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月24日映画『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(6月14日公開)で日本語吹替に初挑戦した女優の今田美桜にインタビュー。前編・後編の2回に分けて今田の声を届ける。前編は、重要な役どころである、テッサ・トンプソンが演じた新人エージェントM役の日本語吹替に初挑戦した感想を直撃。海外作品やアクションへの興味も聞いた。○■声だけの感情表現に苦戦――日本語吹替初挑戦で苦労した点を教えてください。普段は自分が映って声を発し、顔の表情もあった上ですが、今回は声だけということで、声に感情を乗せるのがすごく難しかったです。――面白さを感じた点はありましたか?英語と日本語で意味は同じでも表情が違ったり、テッサ・トンプソンさんが真面目な顔して冗談を言うので、同じようなテンションで言っても日本語だと違う意味に聞こえてしまい、そういったところが難しかったけど面白いところだなと思いました。――途中から感覚をつかんで、最初のほうに録ったものを録り直しさせてほしいとお願いしたと聞きました。最初はどういう風に声を出したらいいか、どういう距離感で声を出したらいいかわからなくて。徐々にコツをつかめたようでいて、まだそこまで言いきれないんですけど、録り直しをさせてもらって最初よりも全然声が出ていると言ってもらえて、録り直してよかったです。――女優として今後の活動に生かせそうだなと感じた点を教えてください。声でお芝居をする、声に感情を乗せるというところは、少し成長できたんじゃないかなと思います。普段も声は意識するんですけど、今まで表情で補っていた部分があって、吹き替えではそれはできなかったので、より感情のつけ方を学ばせていただいたと思います――ご自身の声の特徴はどう考えていますか?あんまり「キャー!」とか言うのが得意ではなく、割と落ち着いているのかなと思っています。でも、高い部分もあるので、これからうまく自分の声を使いこなせるようになれたらなと思います。○■中国語を生かした仕事に興味――今回、海外の作品に参加されて、海外作品への興味は増しましたか?邦画も好きですけど、もともと洋画が好きで、今回まさかこんなに続いている人気シリーズの日本語吹替ができると思っていなかったですし、もともと好きだったので、今回やらせていただけて好きが増しました。――今後海外の作品でやりたいことは?海外でお仕事をするには言葉が必要だと思います。英語はできないんですけど、中国語を少しレッスンしたことがあり、今はお休みしているんですけど、いずれ中国語を使ったお仕事も何かしたいなと思います。――中国語検定2級に合格されたそうですが、中国語を学ぼうと思ったきっかけは?福岡から上京して今の事務所に入るときに何か勉強しようということになって、中国語のレッスンを受けさせていただくことになりました。最近は勉強できていないんですけど、時間ができたらまた検定も受けたいです。○■アクションのレッスン経験も――今田さんのプロフィールに、中国語のほか、殺陣・アクションもレッスン中と書かれていて気になりました。それも今の事務所に入るときにレッスンさせていただいて。最近は全然できていないんですけど、1年ちょっとやっていました。まだ作品ではやったことがないですけど、いずれ生かせたらいいなと思います。――『メン・イン・ブラック』はまさにアクションですが、刺激を受けましたか?かっこよかったです! まだ(アクションのスキルは)全然ですけど、いずれそういったアクションもできるように頑張りたいです。■プロフィール今田美桜(いまだ・みお)1997年3月5日生まれ、福岡県出身。身長157センチ。A型。高校2年生の時にスカウトされ、福岡で活動を開始。19歳の時に現事務所の社長にスカウトされ、2016年8月に上京。「福岡で1番かわいい女の子」と注目を集め、2018年は『記憶』(フジテレビNEXT/J:COM)、『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS)、『SUIT/スーツ』(フジテレビ)などのドラマに出演した。2019年はドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ)が話題に。また、CMやファッションイベントなどでも活躍している。
2019年06月14日「日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより、ここに皇位を継承しました」令和元年5月1日。この日、執り行われた「即位後朝見の儀」の生中継を真剣なまなざしで見つめる1人のオーストラリア人男性がいた。「ついに、ついにこのときが来たんですね……」アンドルー・B・アークリーさん(60)。高校2年生のとき、交換留学生としてオーストラリアから来日し、学習院高等科に。そう、彼は陛下の“ご学友”。先月、青春時代の思い出を綴った『陛下、今日は何を話しましょう』(すばる舎)を出版したばかりだ。「学習院時代、陛下のことは『宮さま』と呼んでました。その後、皇太子になられて『殿下』と呼ばなくてはいけないのに、僕はついつい『宮さま』と言ってしまうことも。今度、もしお会いする機会があったら、また間違えて『殿下』と呼んでしまいそうです」若き日の陛下と過ごしたかけがえのない日々。いまもアンドルーさんの心に浮かぶのは、物事のすべてを決して否定的に受け止めることなく、常に前向きで笑顔を絶やさない……そんな穏やかな陛下のお顔と、お言葉だ。「陛下はいつも、僕たちが意見やアイデアを申し上げると、『あ、いいですよ』『大丈夫ですよ』と必ず肯定してくださる。そのポジティブなお言葉が、胸にとても響くんです。だから、この先もし僕が間違えて『殿下』と呼んでしまい慌てて謝ったとしても、きっと陛下は『大丈夫ですよ』と笑顔でおっしゃってくださると思います」アンドルーさんは1958年、オーストラリアのメルボルンに生まれた。国連関係の仕事をしていた父の赴任に伴い、10代前半をスリランカやジャマイカで暮らした。ジャマイカからの帰国途中に初来日。つかの間の滞在だったが、15歳のアンドルーさんは「きれい好きで、安全な国」と、日本に好印象を抱いた。そして1年後の’75年、交換留学生として再来日。学習院高等科のオーストラリア人留学生第1号として、2年A組に配属された。陛下も、時を同じくして高等科に進学されていた。「学校に日本のプリンスがいることは知っていました。たしかに校内にSPの姿はありました。でも、特別待遇を受けている生徒はいないし、全員が同じ詰め襟の制服ですし。どなたが陛下なのか、まったくわからなかった」第二外国語のドイツ語の授業で、偶然隣り合った生徒が、陛下の学友の1人だった。「厚かましくも僕は『ぜひ、陛下に会わせてください』とお願いした。当時の僕の夢は外交官。日豪親善のためにも、ごあいさつ申し上げたかった。すると、彼は快く引き受けてくれた。校舎は学年ごとにフロアが別なので、休み時間に彼が陛下と一緒に僕のいる2階にまで来てくれて、僕を紹介してくれたんです」陛下の柔和な笑顔に引き込まれるように、覚えたての日本語で自己紹介。さらに続けて、自分でも驚くようなことを口走っていた。「僕とお友達になっていただけますか?」陛下はより一層の笑みを浮かべて、こうお答えになったという。「喜んで」この出会いが、アンドルーさんの、先の人生を大きく変えることになった。「まっすぐ目を見て話される陛下から、優しいオーラを感じました。近くにいるだけで、こちらまで心が温かくなってくるんです」クラブ活動には、陛下も所属する地理研究会を選んだ。恒例の研修旅行の旅先で、アンドルーさんは、この新しい友人が日本のプリンスであることを、改めて思い知らされる。先々で一行は、日の丸を振る1,000もの人たちの大歓迎を受けたのだ。「もちろん、陛下を歓迎する人々です。そして、陛下は長旅の疲れも見せず笑顔で手を上げ、そのまま僕らと同じバスに。僕はその様子に、とても驚きました。当時の日記に僕は『駅に大勢いました。宮さまはかわいそうだと思う』と書いています。どこへ行っても大群衆が待ち構えていて、それに応じることは大変だろうと思ったんです。でも、それは大間違いですね。陛下は大勢の国民が喜んで出迎えてくれて本当にうれしかったんだろうなと、いまならわかります」’76年1月4日。アンドルーさんは東宮御所にいた。留学期間を間もなく終える彼を、陛下が御所にお招きになったのだ。「それが初の御所訪問。『ここは日本のパレスだ!』と、すごく緊張した。御所の玄関を入ってすぐの待合室にいると、5分とたたずに陛下がお見えになって。『今日は来てくれてありがとう』と英語でごあいさつをいただきました。それから、居間に案内され、楽しく会話をしていたのですが……」しばらくすると、そこに上皇陛下に美智子さま、それに秋篠宮さまに黒田清子さんと、ご一家がおそろいでお見えになられた。「美智子さまの英語はネーティブの人のようにお上手でした。『日本での学生生活はどうですか』などのご質問を受けましたが、お言葉の端々に、息子の友人である僕への気遣いや思いやりが感じられて、僕は素晴らしい友人、素晴らしいファミリーと知り合えたという喜びでいっぱいでした」御所訪問の6日後、アンドルーさんは帰国の途に。友人たちから贈られた寄せ書きには、陛下、上皇陛下、美智子さま、お三方も直筆のお言葉を寄せてくださっていた。「感動しました。機内で寄せ書きを拝見しながら『帰ったら必ず陛下に手紙を書こう』と誓いました」帰国後、アンドルーさんと陛下の文通が始まった。「印象に残っているのが、登山合宿の思い出を陛下がうたわれた和歌、それに陛下お手製の版画で富士山が描かれた年賀状。細やかな工夫が細部にまで見られて、次のお手紙が待ち遠しくなりました」アンドルーさんはメルボルンでも日本語の勉強を続けた。日本領事館主催の日本語弁論大会にも出場し見事、3位入賞を果たした。「日本への思いは募るばかりでした。そして、もう一度日本へ留学することを決意しました」’77年4月。アンドルーさんは東京外国語大学へ留学するため、再び日本の地に降り立った。再来日を報告すべく、すぐに御所にも足を運んだ。「このとき、面白半分で陛下に英語で話しかけてみたんです。すると陛下も英語で答えてくださって。英語での会話はとても弾みました。陛下の高い英語力もさることながら、日本語でお話しされているときよりも、どこかリラックスした陛下のご様子が印象的でした」もしかしたら、陛下は外国人のアンドルーさんとの英語によるやり取りの中で、ほかの学友の前でも出すことの少ない“等身大のご自分”を、お見せになっていたのかもしれない。後日、アンドルーさんのこんな申し出を、陛下はご快諾された。「よろしければ、僕に英語のお話し相手をさせてください」以後、月に2回ほど、御所に招かれるように。それは高等科時代以上に濃密な、陛下との日々だった。それは’77年12月。アンドルーさんが再来日して間もないころ、オーストラリアの家族が日本に遊びに来たことがあった。アンドルーさんは大切な友人である陛下に、家族を紹介したいと考えた。「自分でも厚かましいと思いながら、陛下に『家族に会っていただけませんか?』とお願いしたところ、陛下は快く承諾してくださって。家族とともに御所を訪ねると、いつもの居間に、なんとご一家が勢ぞろいされていた。僕は陛下お一人でも恐縮する思いでしたから、これには本当に驚きました」家族同然のアフタヌーンティー。上皇陛下はアンドルーさんの父を、美智子さまは彼の母を、そして秋篠宮さまと清子さんは2人の妹を、それぞれお相手されたという。それから5年後の’83年6月。23歳になられた天皇陛下は、イギリスへご留学に。ご出発の日、侍従に呼ばれアンドルーさんは、陛下のお見送りに御所に参じた。羽田空港に向け陛下がご出発になったのち、その場に残られていた美智子さまに、「お寂しくなりますね」と声をかけた。すると、思いもよらぬお言葉が返ってきた。「アンドルーさんもちゃんとしていますか?私はあなたのお母さんに頼まれているのですから」縮み上がる思いだった。「母のあまりに大胆なお願いには驚きを通り越して肝を冷やしました。でも、それ以上に美智子さまが、6年近く前の母の言葉を覚えていてくださったことに感動しました。後日、母に確認したところ『たしかに、あなたのことをよろしくお願いします、と言ったような……』と。困ったことに当の本人はよく覚えてないんです(苦笑)」今後の陛下に期待することとしてアンドルーさんはこう話す。「即位され、ますますお忙しくなられると思いますが、お体に気をつけて精いっぱい、頑張ってほしい。両陛下とも海外での経験も豊富ですから、今後も各国との交流を、もっと進めていただきたいです」
2019年06月10日「同年代の僕たちが、そろそろ引退を考え始めるときに、陛下は天皇に即位された。それは、とても感慨深いこと。僕ら学友がこれまでそばにいて、話し相手になったり、ときには一緒にお酒を飲んだりバーベキューをしたり。そうした陛下のリラックスした時間をともに過ごしてきたことも、すべては陛下が陛下になる、今日という日を迎えるためだったのかなと。陛下のお姿を見ていたら、そんな思いがこみ上げてきました」令和元年5月1日。この日、執り行われた「即位後朝見の儀」の生中継を真剣なまなざしで見つめる1人のオーストラリア人男性がいた。アンドルー・B・アークリーさん(60)。高校2年生のとき、交換留学生としてオーストラリアから来日し、学習院高等科に。彼は陛下の“ご学友”で、先月、青春時代の思い出を綴った『陛下、今日は何を話しましょう』(すばる舎)を出版した。アンドルーさんは1958年、オーストラリアのメルボルンに生まれた。国連関係の仕事をしていた父の赴任に伴い、10代前半をスリランカやジャマイカで暮らした。ジャマイカからの帰国途中に初来日。つかの間の滞在だったが、15歳のアンドルーさんは「きれい好きで、安全な国」と、日本に好印象を抱いた。そして1年後の’75年、交換留学生として再来日。学習院高等科のオーストラリア人留学生第1号として、2年A組に配属された。陛下も、時を同じくして高等科に進学されていた。「学校に日本のプリンスがいることは知っていました。たしかに校内にSPの姿はありました。でも、特別待遇を受けている生徒はいないし、全員が同じ詰め襟の制服ですし。どなたが陛下なのか、まったくわからなかった」第二外国語のドイツ語の授業で、偶然隣り合った生徒が、陛下の学友の1人だった。「厚かましくも僕は『ぜひ、陛下に会わせてください』とお願いした。当時の僕の夢は外交官。日豪親善のためにも、ごあいさつ申し上げたかった。すると、彼は快く引き受けてくれた。校舎は学年ごとにフロアが別なので、休み時間に彼が陛下と一緒に僕のいる2階にまで来てくれて、僕を紹介してくれたんです」陛下の柔和な笑顔に引き込まれるように、覚えたての日本語で自己紹介。さらに続けて、自分でも驚くようなことを口走っていた。「僕とお友達になっていただけますか?」陛下はより一層の笑みを浮かべて、こうお答えになったという。「喜んで」この出会いが、アンドルーさんの、先の人生を大きく変えることになった。「まっすぐ目を見て話される陛下から、優しいオーラを感じました。近くにいるだけで、こちらまで心が温かくなってくるんです」’76年1月4日。アンドルーさんは東宮御所にいた。留学期間を間もなく終える彼を、陛下が御所にお招きになったのだ。「それが初の御所訪問。『ここは日本のパレスだ!』と、すごく緊張した。御所の玄関を入ってすぐの待合室にいると、5分とたたずに陛下がお見えになって。『今日は来てくれてありがとう』と英語でごあいさつをいただきました。それから、居間に案内され、楽しく会話をしていたのですが……」しばらくすると、そこに上皇陛下に美智子さま、それに秋篠宮さまに黒田清子さんと、ご一家がおそろいでお見えになられた。「美智子さまの英語はネーティブの人のようにお上手でした。『日本での学生生活はどうですか』などのご質問を受けましたが、お言葉の端々に、息子の友人である僕への気遣いや思いやりが感じられて、僕は素晴らしい友人、素晴らしいファミリーと知り合えたという喜びでいっぱいでした」御所訪問の6日後、アンドルーさんは帰国の途に。友人たちから贈られた寄せ書きには、陛下、上皇陛下、美智子さま、お三方も直筆のお言葉を寄せてくださっていた。「感動しました。機内で寄せ書きを拝見しながら『帰ったら必ず陛下に手紙を書こう』と誓いました」帰国後、アンドルーさんと陛下の文通が始まった。「印象に残っているのが、登山合宿の思い出を陛下がうたわれた和歌、それに陛下お手製の版画で富士山が描かれた年賀状。細やかな工夫が細部にまで見られて、次のお手紙が待ち遠しくなりました」アンドルーさんはメルボルンでも日本語の勉強を続けた。日本領事館主催の日本語弁論大会にも出場し見事、3位入賞を果たした。「日本への思いは募るばかりでした。そして、もう一度日本へ留学することを決意しました」’77年4月。アンドルーさんは東京外国語大学へ留学するため、再び日本の地に降り立った。再来日を報告すべく、すぐに御所にも足を運んだ。「このとき、面白半分で陛下に英語で話しかけてみたんです。すると陛下も英語で答えてくださって。英語での会話はとても弾みました。陛下の高い英語力もさることながら、日本語でお話しされているときよりも、どこかリラックスした陛下のご様子が印象的でした」もしかしたら、陛下は外国人のアンドルーさんとの英語によるやり取りの中で、ほかの学友の前でも出すことの少ない“等身大のご自分”を、お見せになっていたのかもしれない。後日、アンドルーさんのこんな申し出を、陛下はご快諾された。「よろしければ、僕に英語のお話し相手をさせてください」以後、月に2回ほど、御所に招かれるように。それは高等科時代以上に濃密な、陛下との日々だった。「英会話以外にも、御所内を一緒に歩いたり、音楽室で楽器を弾いたりもしました」御所に招かれるときは、いつも当日の昼ごろに、侍従を通して連絡がきた。急いで支度して、午後2時には御所に。陛下と一緒に午後のお茶を楽しみ、ときに夕食まで。陛下が成人されて以降は、ともにお酒も楽しんだ。「その間は陛下も自由時間です。だから、僕を呼んでくださるわけです。自由時間ならば、たまには外で会ってもいいのでは、と疑問に思うことも当時はありました。でも、そういうわけにはいかないんですよね。ほかの学友も、僕ほど頻繁に遊びに来てはいなかったようですから……御所のなかで、もしかしたら陛下は孤独を感じていらしたかもしれません」しみじみとこう語りながら「でも」と言葉を継いだ。「でも、陛下は『寂しい』だとか『忙しくて大変』というような、不満やネガティブなお言葉を漏らされることは一切、ありません。酒席のジョークとして『今度は六本木に飲みに行きましょう』と話されることはありました。けれど、そんなことは許されない、実現できるはずもないことは、陛下も僕もよくわかっています。あくまで冗談としておっしゃる。そのお言葉に、僕も相づちを打ちながら、2人で笑いあったものでした」アンドルーさんは、ご公務に励まれている陛下と、自由時間の陛下に共通するものを「100%以上」という言葉で表現した。「ご公務のときの陛下は100%以上のお気持ちで頑張っていらっしゃる、それはテレビで拝見していてもよくわかります。でも、自由時間の陛下も、私たちと会うと100%以上のお気持ちで語らい、笑い、そして、私たちをもてなしてくださるんです」それは、夏の午後に開かれた御所のバーベキューパーティ。椅子が足りないことに気づかれた陛下は、誰よりも早く立ち上がり、椅子を運んでこられたという。「この日は焼きそばが大人気で、皆のおかわりの分がなくなってしまったんです。すると陛下が『今度は僕が焼きましょう!』とおっしゃって、鉄板の前に立たれたんです。学友たちは『陛下、できるんですか?』なんて言いながら、ここでも皆で笑いあって」アンドルーさんは外語大卒業後、オーストラリアの商社の東京支社に就職。その後は知人と立ち上げた貿易会社を経て、現在は友人の医師とクリニックを共同経営している。「外交官になる夢は諦めました。陛下がいらっしゃる大好きな日本で、ずっと暮らしたかったからです。あの日『お友達になって』という私のずうずうしいお願いに、陛下が笑顔で『喜んで』と答えてくださったことで、僕の人生は決まってしまったんですね」
2019年06月10日第91回アカデミー賞で監督賞、撮影賞、外国語映画賞の3部門にノミネートされ、第71回カンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞したポーランド映画『COLD WAR あの歌、2つの心』。この度、パヴェウ・パヴリコフスキ監督が主人公の歌手ズーラにヨアンナ・クーリクを抜擢した理由を語るインタビューと、モノクロで映し出される本編とは趣の異なる、カラーで切り取られた貴重なメイキング映像がシネマカフェに到着した。本作は、前作『イーダ』で第87回アカデミー賞外国語映画賞を受賞、世界的な評価を受けるポーランドのパヴリコフスキ監督が、冷戦下のポーランド・ベルリン・ユーゴスラビア・そしてパリを舞台に綴る情熱的なラブストーリー。パヴリコフスキ監督は、「『イーダ』という映画のキャスティング中にヨアンナ・クーリクと出会い、魅了されたんだ」とその出会いについて語り、そして『イーダ』では「どうしても彼女を使いたくて、新しい役を作り出てもらった」と述べるほど、彼女に魅了されていたことを明かす。そのため、「今回は脚本の執筆中から彼女をズーラ役にと考えていた」と言い、彼女の魅力ありきで、本作のズーラというヴィクトルの人生を翻弄し続ける運命的なキャラクターが生まれたことを語っている。さらに映像では、ヴィクトルとともに暮らすパリのジャズバーで音楽に乗せて即興で踊り出すズーラや、石畳が続く美しい50年代のパリ街並みをヴィクトルと幸せそうに歩く姿を、鮮やかなカラー映像で収めたメイキングシーンも。「結局、大きな疑問は、永遠に続く愛の可能性はあるのか?愛は、人生を、歴史を、この世界を超越することができるのか?」とパヴリコフスキ監督が語るように、過酷な時代に音楽で結ばれ、互いへの燃え上がる愛だけは貫こうとする2人を描いた本作。髪の毛1本、草の葉1枚、そよぐ風と水面まで、全てのショットが、私たちの生きる世界はこれほどまでに美しかったのかと教えてくれる映像で綴られる、まさに心と五感を刺激する極上のラブストーリーとなっている。『COLD WAR あの歌、2つの心』は6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:COLD WAR あの歌、2つの心 2019年6月28日よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開
2019年06月08日株式会社ポケモンは2019年5月29日(水)、“すべてのポケモンが集まる場所”をコンセプトとする新サービス『ポケモン ホーム(Pokémon HOME)』や『ポケモンスリープ(Pokémon Sleep)』、新作アプリゲーム『ポケモンマスターズ』などを発表した。“すべてのポケモン”が集まる場所『ポケモン ホーム』同サービスは、『ポケットモンスター』シリーズや『ポケモン GO』で捕まえたポケモンたちを預けることによりクラウド上で一つの場所に集約、ハード&シリーズを越えて各連携ソフトへ連れていくことが出来るというもの。サービス開始時には、ニンテンドー3DS『ポケモンバンク』、ニンテンドースイッチ『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ ・Let’s Go! イーブイ』、『ポケットモンスター ソード・シールド』、そして『ポケモン GO』との連携が予定されている。ハード&シリーズを越えてどこでもポケモン交換メインとなるポケモンの交換機能は、スマートフォンさえあれば時間も場所も問わずに利用可能だ。現実世界で目の前のいる人はもちろん、インターネットを介した世界の人々とのポケモン交換が楽しめる。また、その場に集まった複数人での同時交換といった斬新な機能も実装予定となっている。睡眠サポートをしてくれる『ポケモンスリープ』『ポケモンスリープ(Pokémon Sleep)』は、新デバイス『Pokémon GO Plus +』を使用した新たなサービス。周囲にポケモンがいる、ポケストップがあるといった情報をランプと振動知らせてくれる『Pokémon GO Plus』の機能はそのままに、新たに加速度センサーを搭載。夜は枕元に置いておくことで、加速度センサーによって眠っている時間を計測、その結果をBluetooth通信でスマートフォンに転送してくれる。ポケモンを探しに昼に歩いている時間だけでなく、プレイヤーが夜に眠っている時間も楽しく豊かな時間にして欲しい、という任天堂の思いから新たに開発されたという。詳しい機能は未だ発表されていないが、『ポケモン GO』ゲーム内との連携機能にも期待が持てそうだ。歴代トレーナー&パートナーポケモン集結『ポケモンマスターズ』株式会社ポケモンとディー・エヌ・エーの共同プロジェクトとして発表されたのが、2019年内のリリースを予定しているAndroid/iOS向けの新作アプリゲーム『ポケモンマスターズ』。こちらも詳細は未発表だが、本作では歴代『ポケットモンスター』シリーズに登場したポケモントレーナーとパートナーポケモンたちが集結し、彼らとともに冒険を楽しむことが出来るという。スイッチ向け新作『名探偵ピカチュウ』映画『名探偵ピカチュウ』の原作にあたるニンテンドー3DSソフト『名探偵ピカチュウ』の完結編が、ニンテンドースイッチ用ソフトとして開発されていることも明らかに。開発は、ポケモン原作者でもある株式会社クリーチャーズが手掛ける。概要■『ポケモンホーム(Pokémon HOME)』配信予定時期:2020年初旬対応機種:ニンテンドースイッチ、Android、iOS予定利用料:未定対応言語:日本語・英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・韓国語・中国語(繁体字)・中国語(簡体字)■『ポケモンスリープ(Pokémon Sleep)』サービス開始予定時期:2020年対応機種:Android、iOS※『Pokémon GO Plus +』が必要。■『ポケモンマスターズ』リリース予定時期:2019年内対応機種:Android、iOS©2019 Pokémon.©1995-2019 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.©2019 Niantic, Inc. ©2019 Pokémon. ©1995-2019 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.©2019 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. ©2019 Pokémon.© 2019 DeNA Co., Ltd. © 2019 Pokémon. © 1995-2019 Nintendo / Creatures Inc. / GAME FREAK inc.ポケットモンスター・ポケモン・Pokémon・モンスターボール 任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリーク 登 録商標です。Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。 ニンテンドー3DSのロゴ・ニンテンドー3DSは任天堂の商標です。
2019年06月01日「フレームリーディング」という言葉をご存じでしょうか?「文章全体の構造や内容をとらえる力」を育むことを目指した国語の授業スタイルのことです。フレームリーディングによって子どもはどんな力を得ることができるのでしょう。フレームリーディング研究と指導の第一人者である、筑波大学附属小学校の青木伸生先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)文章全体をつかみ、より深く内容を理解するフレームリーディングとは、文章を細切れにして読むのではなく、文章全体をつかんで深く内容を理解するための手法です。まずは文章のなかにいくつの出来事や具体例が書かれているのかといったことを大雑把につかみ、そのあとで必要に応じて詳しく読んでいく。そのふたつの行為をいったりきたりと繰り返すことで、文章をより深く理解し、最終的には自分の考えを持つことが目的です。では、具体例で示してみましょう。次の文章をご覧ください。【1】ドングリのからが落ちています。【2】誰がドングリを食べたのでしょうか。【3】リスがドングリを食べました。【4】リスはドングリに穴を開けて中身を食べます。【5】バナナの皮が落ちています。【6】誰がバナナを食べたのでしょうか。【7】サルがバナナを食べました。【8】サルはバナナの皮をむいて中身を食べます。まずは全体を読んだあとに、子どもたちには登場した動物を数えさせます。この例ではリスとサルの2種類。そして、出てきた順番も聞きます。なぜなら、小学低学年の国語では「順序」をとらえられるようになることが重要だからです(インタビュー第2回参照)。続いて、どこからどこまでがどの動物の話なのかを聞く。【1】から【4】がリスで、【5】から【8】がサルの話ですね。こうして、話のまとまりを目に見えるかたちで整理してあげるわけです。次は、リスとサルの話を比べて、「同じところがあるかな?」と聞いてみます。子どもたちは、「誰が○○を食べたのでしょうか。」が同じだと気づき、それぞれのまとまりのなかで2番目に書かれていること、次の3番目にはその答えが書かれているといったことにも気づきます。そのように、子どもが文章の構造をどんどん発見していくように教員がリードする。こうして、ただ単に動物がものを食べたという話の内容の確認ではなく、文章の構造を子どもたちが自分で発見するという授業内容にしていくわけです。すると、別の文章を読むときにも、子どもたちは「話のまとまりはどうなっているのだろう」とか「どこが同じなのだろう」といった目のつけどころを持つようになります。そういった習慣こそが、文章を読むこと、しっかり理解することの楽しさにつながっていくのです。誰もが苦手な読書感想文も楽々進められる!?じつはこの手法は、2020年から小学校で実施される新学習指導要領で推奨される文章の読み方とほぼ一致しています。新学習指導要領では、「構造と内容の把握」というものが最初にあり、次に「精査・解釈」という詳細な読解がある。そして、それらをいったりきたりと繰り返すことで「考えの形成」ができるとしています。表現はちょっと難しくなっていますが、これは最初に説明したフレームリーディングの手法そのものですよね。このフレームリーディングが身につくと、文章を読むこと以外にも、さまざまな場面でその力を生かすことができます。まずは「思考」する――考えるときです。最初に全体をとらえたり俯瞰したりすることは、ものごとの本質をとらえるための思考パターンとしてとっても大事ですよね。思考の対象となるものごとの全体を見渡してなにが起きているのか、なにが問題なのかをとらえられなければ、思考することはできません。それができたら、今度は大事なポイントをとらえて切り口を見つける。それらを繰り返すことで、自分なりの結論やアイデアをまとめられるようになるわけです。さらに、フレームリーディングは「アウトプット」にも生かせるものです。国語の授業におけるアウトプットというと「作文」ですね。文章全体の構造を理解できるようになれば、物語や説明文の展開のパターンというものが見えてきます。たとえば、文章のはじめに結論が出てくる頭括型、最後に結論がある尾括型、どちらにも結論がある双括型などです。もちろん、低学年のうちから頭括型といった言葉は使いません。わたしの授業では、それぞれ頭型、お尻型、サンドイッチ型と教えています。これらのパターンを文章のスタイルとしてしっかり認識していれば、「今日の校長先生のお話を頭型で書いてみよう」という課題を出しても、子どもたちはスムーズに文章を書けるというわけです。フレームリーディングの基本は「数える」と「選ぶ」にあるフレームリーディングについて学んだことがあるという人はあまりいないでしょうから、「家庭では生かせそうにないな」と思うかもしれませんね。でも、家庭でもできることがあります。フレームリーディングは、先の例で動物の数を数えたように、まずは文章に出てくるものを「数える」ということが基本中の基本です。それが全体を見渡すことになるからです。ある物語の登場人物や出来事の数がわかるだけでも、ストーリー全体の輪郭がなんとなく見えてくるように感じませんか?ですから、家庭で子どもと本を読んだときにも、「お話のなかにいくつの動物が出てきたかな?」といったふうに聞いてみてください。子どもは読み返しながら「2匹!」というふうに答えるでしょう。それで、子どもはお話全体をなんとなく見渡すことができます。それから、重要な内容に的を絞る、つまり焦点化するときには、「選ぶ」ということをします。「お話のなかに出てきた動物のなかで、いちばんすごいと思ったのはどれ?」と聞いてみると、子どもはまた読み返して「きちんと皮をむいてバナナを食べるサルはすごい!」というふうに答える。この時点ですでに内容を詳しく読み込むことになっている、「焦点化した読み」になっているのです。「数える」と「選ぶ」。そのふたつをやらせるだけで、子どもの頭のなかでは、全体を見る、詳しく読むというフレームリーディングの基本を繰り返すことになります。家庭でも簡単にできることですから、ぜひチャレンジしてみてください。『青木伸生の国語授業 3ステップで深い学びを実現! 思考と表現の枠組みをつくるフレームリーディング』青木伸生 著/明治図書出版(2017)■ 筑波大学附属小学校教諭・青木伸生先生 インタビュー一覧第1回:子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法第2回:「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙い第3回:「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫第4回:作文力アップも期待できる!文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは【プロフィール】青木伸生(あおき・のぶお)1965年生まれ、千葉県出身。東京学芸大学卒業後、東京都の教員を経て現在は筑波大学附属小学校教諭。全国国語授業研究会会長、教育出版国語教科書編著者、日本国語教育学会常任理事、筑波大学非常勤講師なども務める。近年はフレームリーディングの専門家としても注目を浴びる。『ことばの事典365日』(小峰書店)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで説明文の授業づくり』(明治図書出版)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで文学の授業づくり』(明治図書出版)、『ゼロから学べる小学校国語科授業づくり』(明治図書出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月31日ポン・ジュノ監督手掛ける映画『パラサイト 半地下の家族』が、第72回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞。2020年1月10日(金)より順次公開される。なおTOHO シネマズ日比谷・TOHO シネマズ梅田では、2019年12月27日(金)より先行上映をスタート。ポン・ジュノ監督10年ぶりとなる韓国映画、韓国史上初のパルムドール受賞!『殺人の追憶』『母なる証明』『グエムル -漢江の怪物-』など、数々の作品を手掛けてきた韓国の若き巨匠ポン・ジュノ。近年は『スノーピアサー』「オクジャ/okja」といった国際的作品を手掛けてきた彼だが、今回満を持して10年ぶりとなる韓国映画『パラサイト 半地下の家族』を完成させた。審査員満場一致の決定で、韓国映画初となるパルムドール受賞となる快挙を遂げた。また第77回ゴールデン・グローブ賞においては、監督賞(ポン・ジュノ)、脚本賞(ポン・ジュノ)、外国語映画賞の3部門にノミネート。これはは『グ リーン・ディスティニー』『ROMA/ローマ』に並ぶ、外国語映画として史上最多ノミネートの快挙となる。相反する2つの家族の“出会い”によって生まれるストーリーそんな国内外で注目を集めている本作は、相反する2つの家族の出会いによって生まれるストーリー。物語の始まりは、全員失業中“半地下”住宅で暮らす貧しいキム一家が、パク家へ赴くところからスタート。キム家の長男ギウは、ひょんなことからIT企業を経営する超裕福なパク家へ家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続くようにして妹ギジョンも豪邸に足を踏み入れるのだが…。この相反する2つの家族の出会い次第により、物語は想像を遥かに超える悲喜劇へと加速していく。主演に、ポン・ジュノ監督の常連 ソン・ガンホ主演を務めるのは、韓国の名優ソン・ガンホ。ポン・ジュノ監督とは、『スノーピアサー』『グエムル -漢江の怪物-』『殺人の追憶』に続く4度目のタッグとなる。また主演の脇を固めるキャストには、『最後まで行く』『ソニはご機嫌ななめ』のイ・ソンギュン、『後宮の秘密』のチョ・ヨジョン、「オクジャ/okja」『新感染 ファイナル・エクスプレス』のチェ・ウシクら、実力派の面々が揃う。各メディア界からも称賛の声なおポン・ジュノ監督は、パルムドール受賞について「私は映画が本当に好きで、12歳の頃から映画狂の青年でした。そしてまさか監督になるなんて…!本当に何にせよ、今夜この手で、私にとって大きな賞を頂けるなんて思っていませんでした。本当にありがとうございました!」と喜びのコメント。各国のメディアの批評家からも称賛の声が多数寄せられている。【詳細】『パラサイト 半地下の家族』公開日:2020年1月10日(金)先行公開日:2019年12月27日(金)TOHO シネマズ日比谷、TOHO シネマズ梅田限定※先行公開期間は、特別興行の為、1900円均一。ムビチケ使用不可。 詳細は公式HPに掲載。出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン監督:ポン・ジュノ配給:ビターズ・エンド2019年/韓国/132 分/PG-12/2.35:1英題:PARASITE原題:GISAENGCHUNG
2019年05月30日「子どもの理科離れ」――。もう何年も前から聞かれる言葉です。では、「国語」の場合はどうなのでしょうか?とくに、子どもの頃に国語が苦手だったという親御さんの場合、自分の子どもも国語を敬遠するようにならないかと心配していることでしょう。お話を聞いたのは、全国国語授業研究会会長や教育出版国語教科書編著者も務める筑波大学附属小学校の青木伸生先生。国語に対する子どもの接し方の現状、さらに、子どもを国語嫌いにさせないための方法を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)二極化している子どもの国語好きと国語嫌いいま、子どもたちの国語に対する好き嫌いは、二極化しているように感じますね。国語が好きな子どもは自分でどんどん本を読んでいますし、逆に教科書の文字を見るのも嫌だという子どももいます。その差が大きく広がっていくと、後者の子どもは学年が上がるほど身につけるべき国語力を取り返すのが難しくなりますから、とても心配しているところです。子どもの国語離れを進行させないためにも、教科書のつくり手もいろいろと工夫はしています。お子さんがいる人なら、以前と比べていまの教科書はイラストや写真が豊富ですごくカラフルになっていることはご存じでしょう。というのも、いまの子どもは生まれながらにして映像などさまざまに刺激的な情報のなかで生きていますから、教科書にもある程度の刺激がないと心が惹かれないからです。ただ、入り口はそれでもいいとは思いますが、そこからいかに文字に意識を向けさせるかということが重要な課題だと感じています。読むことそのものの面白さや楽しさといったものを感じられないと、学年が上がり、教科書がシンプルになって文字が増えたときに拒絶反応を起こしかねないからです。もちろん、そうさせないための努力は小学校でもしています。たとえば、図書室で教員が読み聞かせをして、その本に関連する別の本をみんなで探して読むといった、「図書」の時間の活動もそのひとつ。「今回は昔話を探そう」「『繰り返し』があるお話を探そう」といったふうに、あるテーマを持って読むことの面白さを感じさせるための活動です。教科書の「本の紹介コーナー」に注目こういうことが必要となっている背景には、家庭環境が以前と変わってきたことも大きいように思いますね。いまは誰もがスマホやタブレットを持っています。それらの端末で本を読んでいる親御さんの家庭なら、以前の一般家庭より本や雑誌の数は減っている。新聞を取っていないという家庭も多いでしょう。そうすると、家庭で子どもが文字に触れる機会も自然に減っているはずです。だからこそ、子どもを国語嫌いにしたくないのであれば、家庭でいかに本に親しませるかということが大切になります。そのスタートとしては、やはりむかしながらの絵本の読み聞かせがいちばんでしょうね。親御さんのひざに抱えられて絵本を読んでもらえれば、子どもは間違いなく本に興味を持つようになります。お父さん、お母さんに絵本を読んでもらったという記憶は強く残るものです。みなさんにも、そういう記憶がある人も多いのではないですか?その経験によって、子どもは本の面白さに惹かれるようになっていきます。子どもがもう少し大きくなって小学生になったら、国語の教科書に注目するのもおすすめです。というのも、学習指導要領自体が読書に力を入れているため、いまの教科書には「本の紹介コーナー」がたくさんあるからです。たとえば、宮沢賢治の作品のページなら、宮沢賢治の他の作品がいくつも紹介されています。気に入った作家や作品に関連する作品、シリーズ作品を読んでいくというのは、まさに本が好きな人間の典型的な読書法ですよね。そういったことを教科書が手助けしてくれているわけですから、それを活用しない手はありません。読書を通じた「親との対話」でもっと本が好きになるまた、小学生になってひとりで本を読めるようになったからといって、親が「これを読んでごらん」と押しつけるだけということは避けましょう。そうではなく、子どもが自ら興味を持って読む本に対して、親御さんもしっかり興味を示してあげてほしいのです。日常の読書によって子どもがさらに本に興味を持てるかどうかは、そういった場面での「親子の対話」によって大きくちがってきます。子どもが音読をしてくれたのなら、思ったことを子どもに伝えてみてください。「いま読んでもらったお話、お父さんも子どもの頃に読んだよ」とか「子どもの頃に読んだときと感じ方がちょっとちがったなあ」といったささいなことで十分です。子どもは「むかし、お父さんも読んだんだ」とか「お母さんはそういうふうに思ったんだ」といったことを感じます。そうやって、自分が本を読んだことでお父さんやお母さんがなんらかの反応を示してくれたのなら、子どもは「もっと上手に読みたい」と思うものですし、さらには、自分なりの感想を持っていないと「お父さんやお母さんとちゃんとお話ができないぞ」とも思うもの。親がきちんと反応を示すことで、子どもは本の中身をもっときちんと読もうとするようになるのです。このようにして親と対話をしながら本に親しむうち、子どもはセリフのいいまわしや物語の伏線といったものに自分なりに面白さを感じられるようになっていきます。それは、「自ら発見する」ということに他なりません。これまでの学校の勉強にありがちだった受け身の姿勢ではなく、能動的な姿勢を手に入れるということなのです。その姿勢こそが、国語という教科に限らず、のちのちの学力の向上につながるということは容易に想像できるのではないでしょうか。『青木伸生の国語授業 3ステップで深い学びを実現! 思考と表現の枠組みをつくるフレームリーディング』青木伸生 著/明治図書出版(2017)■ 筑波大学附属小学校教諭・青木伸生先生 インタビュー一覧第1回:子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法第2回:「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙い第3回:「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫第4回:作文力アップも期待できる!文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは(※近日公開)【プロフィール】青木伸生(あおき・のぶお)1965年生まれ、千葉県出身。東京学芸大学卒業後、東京都の教員を経て現在は筑波大学附属小学校教諭。全国国語授業研究会会長、教育出版国語教科書編著者、日本国語教育学会常任理事、筑波大学非常勤講師なども務める。近年はフレームリーディングの専門家としても注目を浴びる。『ことばの事典365日』(小峰書店)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで説明文の授業づくり』(明治図書出版)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで文学の授業づくり』(明治図書出版)、『ゼロから学べる小学校国語科授業づくり』(明治図書出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月30日子どもが受けている国語の授業の内容は把握していても、その「狙い」まで理解しているという親御さんは少ないはずです。現在、国語の授業はどんな狙いを持っておこなわれているのか――。全国国語授業研究会会長や教育出版国語教科書編著者も務める筑波大学附属小学校の青木伸生先生に、その狙い、家庭教育にも取り入れることができる勉強法を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)小学校低学年、中学年における国語授業の狙い小学校の国語の授業は、学年ごとにそれぞれ「狙い」が決まっています。現在の学習指導要領でいうと低学年、中学年、高学年でわかれていて、低学年の狙いは「順序」というものです。国語の勉強をはじめたばかりの低学年の場合、まずは物語や説明文の順序をとらえて読むということが出発点になります。物語なら、話のなかにどんな人が出てきたのか、そしてその人たちはどんな順番で出てきたのかといったことをとらえることが、文章の理解には欠かせません。また、説明文なら、どんな話がどういう順番で書かれているのか、「はじめに」「次に」「終わりに」といった説明のプロセス、組み立てを意識できる必要がある。文章のなかに出てくる言葉の順番やつながりを見つけることが、文章を理解するためのはじめの一歩なのです。そして、中学年になると、その狙いは「中心点」というものに変わります。これは、段落のなかの要点や、文章全体で筆者がいちばんいいたいことはどこに書かれているのか、物語なら山場の場面はどこかというような、大事なところを見つけようというものです。「音読」が子どもにもたらすさまざまな効果小学校の国語の授業というと、「音読」を思い浮かべる人も多いでしょう。大人になって音読することはほとんどないと思いますが、小学校では定番、必須の内容ですよね。もちろん、音読にも重要な狙いがあります。これは、とくに低学年の子どもたちにとって大切なものです。その狙いのひとつは子どもたちの「体づくり」。ちょっと意外に思うかもしれませんね。音読では、しっかり両足を床につけておなかから声を出すように指導します。そうすることで、まだ体が小さい低学年の子どもの体幹をつくるということを意識しているのです。また、聞き手を意識させて読ませることで、「声の大きさの調整」をできるようにさせることも重要な狙いです。低学年の子どもたちの場合、近くにいる、遠くにいるといった聞き手のちがいによって声の大きさを調整することがまだ上手にできません。声の大きさのほか、発する言葉の歯切れの良さといったものも含めて、聞き手に的確に声を届ける練習をさせるのです。それから、「日本語のリズムをつかむ」ことも狙いのひとつ。低学年の国語の教科書には谷川俊太郎の『かっぱ』のようなリズム良く読める詩が多く登場します。それを声に出して読むことで、言葉のリズム、日本語の響きを実感しながら体に入れていくわけです。また、音読すれば自分の声を自分で聞くことになりますよね。目で文字を追うだけではなかなか文章を理解できない低学年の子どもも、言葉を目で追いながら耳からも入れることで理解を深めることができるのです。親の問いかけで子どもの読解力を高める子どもの国語力のベースを固めるためにも、とくに低学年、中学年のうちは家庭でも子どもに音読をやらせてみてください。それにあたって、ひとつ親御さんにアドバイスをしておきましょう。物語は会話文とそれ以外の地の文で構成されています。そのうち、会話文の読み方が、子どもがどれだけ登場人物の気持ちを理解しているかの指標になるのです。音読できたことを褒めながら、「さっきのセリフをとっても大きな声で読んだのはどうして?」とか「小さな声で読んだのはどうして?」といったふうに問いかけてみてください。子どもは自分なりに考えて、「すごくうれしそうだったから」「寂しそうだったから」といったふうに答えるはずです。本人は無意識のうちに声の大きさや読む調子を変えていたかもしれません。でも、その振り返りをさせることが、登場人物の気持ちを考えさせ、物語の読解力を高めるということにつながるのです。「書き写し」は範囲ではなく時間を決めるまた、音読と同様に家庭でもできることとしては、「書き写し」もおすすめです。わたしが低学年、中学年の子どもに出す宿題は音読と書き写しが中心です。それだけわたしも重視しているものだということです。書き取りの効果は、先にお伝えした「自分の声を聞いて理解を深める」という音読の効果と似たものです。国語の教科書でも子どもが好きな本でもいいので、ある作品の書き写しをする。手で書いて写すうち、「この言葉はさっきも出てきたな」とか、「さっきの言葉と表現が変わったな」といったふうに子どもにはたくさんの発見があります。目で文字を追っただけでは感じとれないものが明確に見えてくるのです。ただ、書き写しをさせる場合には、「今日はここからここまで」と範囲を決めることは避けましょう。そうしてしまうと、文章を読んだり書いたりすることが苦手な子どもにとってはただただつらい作業になってしまいます。勉強を毛嫌いするようにもなりかねません。そうではなくて、「1日3分」というふうに時間を決めるのです。3分たったら、たくさん書き写しをしていても、全然書けていなくても終わり。これが書き写しを長続きさせるコツです。しかも、これには別の効果も期待できます。範囲を決めた場合、その範囲を書き写さなければ終わりませんから、子どもにとってはただ書き写すことが目的になってしまう。結局、機械的に書くことになって、中身が頭に入っていかないのです。一方、時間を決めた場合は、どれだけ書き写すかは自由ですから、たとえ短時間でも集中することになります。家庭での音読と書き写し。これらをやるだけで、その後の国語の成績は大きくちがってくるはずです。『青木伸生の国語授業 3ステップで深い学びを実現! 思考と表現の枠組みをつくるフレームリーディング』青木伸生 著/明治図書出版(2017)■ 筑波大学附属小学校教諭・青木伸生先生 インタビュー一覧第1回:子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法第2回:「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙い第3回:「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫(※近日公開)第4回:作文力アップも期待できる!文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは(※近日公開)【プロフィール】青木伸生(あおき・のぶお)1965年生まれ、千葉県出身。東京学芸大学卒業後、東京都の教員を経て現在は筑波大学附属小学校教諭。全国国語授業研究会会長、教育出版国語教科書編著者、日本国語教育学会常任理事、筑波大学非常勤講師なども務める。近年はフレームリーディングの専門家としても注目を浴びる。『ことばの事典365日』(小峰書店)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで説明文の授業づくり』(明治図書出版)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで文学の授業づくり』(明治図書出版)、『ゼロから学べる小学校国語科授業づくり』(明治図書出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月29日場や相手を選ばず会話に花を咲かせられる、引き出しが豊富な女性は魅力的です。教養の宝庫である読書を上手にすることで、良質な知識を身につけましょう。話したい人とだけ話していればいいというのは、子どもの特権。成長するにつれ、初対面や気が合わない人とも会話をする機会が多くなります。無難にこなすだけでも精一杯かもしれませんが、自分も相手も「楽しい時間を過ごせた」と思えるような会話をできるのが、一目置かれる大人の女性。「下世話な話やデリケートな話は当然避けたほうがいいですが、時事ネタといっても最近は、昨日盛り上がったことが今日はもう古く感じられることもあるくらい。だからこそ一般的な知識や普遍的な話題を幅広く持っていると、会話のなかに生きていきます」(国語講師・吉田裕子先生)知識や教養を身につける方法はいろいろあるものの、最も手軽かつ効率的なのは、やはり読書。「読書のコスパは抜群です。たとえば著名な方の考えを知りたいとき、講演会なら数千、数万円かかりますが、本を読むだけなら1000円程度で済みますし、時間や場所にも縛られません。またインターネット検索で得る断片的な情報と違って、本はある程度体系化されているのでわかりやすく、知識ゼロの分野を学ぼうとするときの入り口としても最適なのです」有意義な読書法を身につけ、常に取り出せる知識をストック!教えて!先生。読み下手さんからの質問Q. 読書が苦手な人はどうすれば好きになれますか?A. タレント、スポーツ選手など好きな人のエッセイから入ってみて。子どもの頃から読書に苦手意識があるような人は、「本=小説」というイメージに囚われているのでは?「本といってもジャンルはさまざま。構えすぎず、タレントやスポーツ選手など、自分が好きな人のエッセイから入ってみるといいと思います。人気ドラマのノベライズや原作なども読みやすく、好きなシーンが活字だとどうなるのか比べると、新たな発見があるかもしれません。小説なら、いろんな作家の短編がテーマ別に収録されているアンソロジーから、好きな作家を見つけるのも」ベストセラーのような話題性だけで手に取ると、挫折してしまうことも…。気になる人やテーマなど、自分に合いそうな本を探すことが、読書を楽しむ第一歩に!Q. 実生活に生かせそうな本を選ぶコツは?A. 旬の話題=フローの知識、深い知恵=ストックの知識を意識。学ぶことを意識した読書は、フロー(流れ)とストック(蓄え)という2種類の知識に分けて考えると効率的。「フローの情報は一時的に役に立つけれども、時や場所が変わると使えなくなるもの。時事ネタやトレンドは、雑誌やインターネットなども活用して収集する習慣をつけると、仕事の場での話題や発想力に生きてきます。本質的なストックの知識は、長く役に立ちます。少し難しいと感じた本でも、3回繰り返して読むのがおすすめ。1回目はざっと目を通して全体像を把握し、2回目はノートなどをとって理解を深め、3回目は要点を拾い読みして振り返りつつ、自分なりの見解も付け加えていくイメージ。会話で自分なりの意見を言え、物事に対する洞察力を感じさせることが」Q. 本で知った名言・知識をさっと披露するにはどうすればいいですか?A. 100字読書メモを習慣化して、要約力を身につけましょう。読んだ本の内容は理解しているつもりでも、それを第三者にわかりやすく伝えたり、会話のなかに上手に取り入れたりするのは、意外と難しかったりするもの。「要約というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、手軽に要約力をつけるために、1冊の感想を100字にまとめる読書メモを習慣づけましょう。何についての本なのか、見どころ、感想の3点に絞って短い書評を書いてみるのです。また、役に立ちそうなデータや名言などは、スマホで写真を撮ったり、書き写したりするのも」自分にとって参考になった部分を、1か所メモしておくだけでも効果あり。反対に100字でもの足りない人は、SNSやAmazonレビューなどに投稿するのを習慣に。よしだ・ゆうこ国語講師。予備校・高校に加え、大人向け古典講座も担当。『人生が変わる読書術』(エイ出版社※エイはきへんに世)、『大人らしく和やかに話す 知的雑談術』(日本実業出版社)など著書多数。※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・micca取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年05月28日我が子には、あらゆる教科を得意になってほしいというのが親の理想でしょう。でも、多様化が進むこれからの社会に出たときに求められる力の筆頭としてコミュニケーション能力が挙げられるいま、それにつながるであろう「国語力」をとくに伸ばしてあげたいと考える親御さんも増えています。全国国語授業研究会会長や教育出版国語教科書編著者も務める筑波大学附属小学校の青木伸生先生に、まずは「そもそも国語力とはなにか」というお話から伺いました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)国語力はあらゆる学習のベースになる国語力とひとことでいっても、いろいろな階層があると思います。実生活のなかでの国語力というと、文章の内容をきちんと把握する力、自分の伝えたいことを表現できる力などになるでしょうか。小学校における国語力にもいくつかの要素が含まれます。たとえば、物語のテーマを自分なりに感じ取れる力。説明文なら、筆者のいいたいことをつかみ、それに対して読者として自分の考えを返す力。また、ある程度の語彙を持ち、どんな言葉をどんな場面で使えばいいかという言語感覚を身につけているかどうかも小学生にとっての国語力に含まれるでしょう。これらの国語力は、とくに小学校低学年から身につけていくことがとても重要です。というのも、国語以外のあらゆる教科でも学習のためのベースとなるのが国語力だからです。国語力が欠けていると、自分の意見をわかりやすく発表できませんし、重要な内容をノートにまとめることもできません。理科の実験授業でも、実験結果をまとめ、それを基に考察する際に必要となるのは国語力です。また、国語と対極にあると思われがちな算数であっても、国語力がなければ文章題で述べられている状況をイメージできないということにもなります。問題のなかで「リンゴが3個あって、そのうち2個を太郎君が食べて、花子ちゃんがミカンを5個持ってきた」というような文章があったとして、描かれている内容をきちんと把握してその状況を思い浮かべられなければ問題を解くどころではありませんよね。本当なら算数を得意教科にできる能力を持っていて、ドリルのような単発の計算は得意な子どもであっても、国語力が伸び悩んだがために本来の能力を発揮できないということにもなりかねないのです。国語力アップのために読書で得られる重要な要素国語力はあらゆる学習のベースとなります。そうすると、親御さんなら子どもの国語力を伸ばしてあげたいと考えますよね。もちろん、小学校でもわたしたち教員はさまざまな工夫を凝らして子どもたちの国語力アップに努めています。でも、家庭でもできること、それから親御さんだからこそできることもあるのです。ひとつは「読書」です。ただ、残念ながら、テストで高得点を取るためという意味での国語力と読書はそれほど直接的にはつながるものではありません。テストというものは、問われたことに対して的確に答えていくという対応が求められます。「文章のここがポイントで、このことを聞かれている、だからこう答えればいいんだ」というようなある種のテクニックが必要とされますから、一定の練習をしなければなりません。ですから、とにかく読書が好きでたくさん本を読んでいる子どもであっても、意外とテストでは高得点を取れないということもあるのです。でも、読書をしていれば、国語力を高めるための重要な要素を得られることは間違いありません。そのひとつは語彙です。それから、物語の展開のパターンや表現技法といったものも子どものなかにどんどん蓄積されていきます。あとは、それらをどう使えば実際のテストで高得点を取れるのかというところをわたしたち教員が授業で教えてあげれば、一気に成果を出すことができるはず。そのためにも、読書好きになるように家庭でもできる限りの工夫をしてほしいですね。親子の会話で子どもにたくさん考えさせるそして、子どもの国語力アップのため、「親御さんだからこそできること」が「親子の会話」です。なぜ親子の会話が重要かというと、教員と子どもの場合だと、子どもの言葉を教員がくみ取ってしまうことが多いからです。授業をスムーズに進めるためといったこともあって、子どもの言葉がちょっとあいまいであっても、教員は「こういいたいんだね」と、子どもがいわんとしていることを整理してしまうのです。でも、親ならそういうことをする必要はありませんよね。子どもの言葉が本当にわからなければ、「なにをいっているかわからないよ」とストレートにいってあげられます。そうすると、お父さんやお母さんに自分のいいたいことを伝えるために、子どもは言葉を探したり、選んだり、いい方を変えるなどして必死に考えることになる。子どもの国語力アップのためには、そういう場面がとっても大事なのです。逆に、子どもに成長が見られてすごくわかりやすい表現をしたという場合なら、「いまのいい方はすごく良かったよ」といったふうに褒めてあげてください。そうすれば、その表現が子どもに定着していくことになるはずです。ひとつ注意をするなら、親だからこそ教員以上に子どものいいたいことをくみ取れてしまうということ。他人ならなにをいっているかわからない、子どもがぼそっとつぶやいたようなことも、親ならわかるということは多いものです。そこで、「ああ、こういいたいのね、こうしてほしいんだね」とくみ取ってしまうと、先に伝えたような子どもが必死に考えるということが起こりません。そういう意味では、子どもの国語力を伸ばしてあげたいと思うのなら、「ものわかりの悪い親」になるという考えが必要かもしれませんね。『青木伸生の国語授業 3ステップで深い学びを実現! 思考と表現の枠組みをつくるフレームリーディング』青木伸生 著/明治図書出版(2017)■ 筑波大学附属小学校教諭・青木伸生先生 インタビュー一覧第1回:子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法第2回:「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙い(※近日公開)第3回:「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫(※近日公開)第4回:作文力アップも期待できる!文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは(※近日公開)【プロフィール】青木伸生(あおき・のぶお)1965年生まれ、千葉県出身。東京学芸大学卒業後、東京都の教員を経て現在は筑波大学附属小学校教諭。全国国語授業研究会会長、教育出版国語教科書編著者、日本国語教育学会常任理事、筑波大学非常勤講師なども務める。近年はフレームリーディングの専門家としても注目を浴びる。『ことばの事典365日』(小峰書店)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで説明文の授業づくり』(明治図書出版)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで文学の授業づくり』(明治図書出版)、『ゼロから学べる小学校国語科授業づくり』(明治図書出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月28日子どもの頃は算数が嫌いで、「数字を見るだけでげんなりした……」という人も多いかもしれません。そういう自らの実体験から、「子どもも算数嫌いになるのではないか?」と心配している親はかなりの割合でいるといいます。「教育の鉄人」とも呼ばれ、カリスマ教師として知られる、東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生は、「国語と算数があらゆる学習のベース」だと語ります。では、どうすれば子どもの算数の力を伸ばしてあげられるのでしょうか。子どものやる気を引き出す独自の授業で注目される杉渕先生に、その秘策を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)四則計算が算数を学習するためのベースになる学校での勉強がはじまる小学校で、とくに重要な教科は国語と算数です。なぜなら、それらが理科や社会などあらゆる他の教科を学習するためのベースとなるからです。では、子どもの算数の力を伸ばしてあげるにはどうすればいいのでしょうか?あたりまえのことですが、足し算、引き算、掛け算、割り算の四則計算をきっちり身につけることです。算数における四則計算は、ある意味で他の教科に対する国語と算数の存在に似ています。というのも、四則計算がしっかりできなければ、その先にある算数の領域、応用問題に進めないからです。つまり、四則計算は算数を学習するためのベースといえます。応用問題に臨む場合、たとえその考え方というものを理解できたとしても、四則計算がきちんとできなければ解答にたどり着けずにつまずいてしまいます。逆に、必要な四則計算がぱっとできるのなら、考えることに集中できる。だからこそ、応用問題の理解も深まりますし、その面白さを感じることもできるのです。スポーツだって同じではないでしょうか。たとえば、テニスをやるにも、素振りすらまったくしていないような基礎ができていない状態なら、まともにボールを打ち返せないでしょう。ボールをラケットで打つスポーツなのに、空振りばかりしていては面白いはずがありませんよね。最初に「できない」ということをわからせるでも、じつは逆の考え方もできます。まったくテニスの経験がない子どもにあえていきなり試合をさせてみるのです。もちろん、まともにボールを打ち返せないのですから、子どもは面白くありません。そこで、「きちんとボールを打てるようになったら試合が面白くなるよ」とリードしてあげて、基礎練習をさせる。子どもは試合の面白さを味わいたいがために基礎練習に一生懸命取り組むことになるはずです。それが、テニスをやりたいといっている子どもに最初から基礎練習ばかりさせてしまうと、「僕はテニスをやりたいのに」と、子どもは不満を抱いて意欲的に練習に取り組めません。そんな心理状態では、大事な基礎練習の成果もなかなかでませんよね?算数の場合も、まず子どもに応用問題をやらせてみて、それができないということをわからせてみるのです。うまくリードできれば、その面白さを味わおうと子どもは四則計算の習得に励むようになります。とはいえ、四則計算の学習はやはり地味で単純なものが多いので、子どもの集中力がなかなか続かないということもある。子どもが自然に四則計算の勉強をできるようにするには、やはりたくさんの工夫が必要です。子どもと一緒に楽しみながら四則計算を勉強する家庭でできることを考えると、日常生活のなかで子どもが楽しみながら四則計算に触れる機会を親がつくってあげることです。「学校の勉強なんて社会に出たら役に立たない」なんてことをいう人もいますが、四則計算は大人なら誰もが日常的に使っていますよね。たとえば、つねに節約しようと考えているお母さんたちは、スーパーで買い物をするにも何度となく四則計算を繰り返しているはずです。その計算を問題として子どもに出してみましょう。リンゴを買おうとしているときに、「3個で500円のリンゴ」と「2個で400円のリンゴ」があったとします。子どもに、「どっちを買えばお得かな?教えてくれる?」と相談するのです。子どもは大好きなお母さんの役に立ちたいと、頑張って計算をしてくれるはずです。自動車でどこかに出かけるときなら、目的地までの距離を教えてあげて、「いま、時速40キロだけど、目的地には何分で着く?」「時速60キロならどう?」というふうに出題することもできるでしょう。時計を使ってみるのもおすすめです。時計というと、時間を知るためのものと誰もが思い込んでいますが、じつは角度の勉強にも有効です。丸いアナログ時計を使って角度の問題を出すのです。「6時のときの長針と短針の間の角度は何度でしょう?」といった具合です。家族でおこなうものと考えれば、もっとふざけてみてもいいかもしれませんね。たとえば、「お父さんは3分に1回怒ります。お母さんは5分に1回怒ります。お父さんとお母さんが一緒に怒って大爆発するのは何分後でしょうか?」といったものはどうでしょうか?(笑)。これは紛れもない公倍数の問題ですが、きっと子どもは笑いながら取り組んでくれるにちがいありません。家庭で子どもに勉強させるときには、「子どもと一緒に楽しむ!」ということをいちばんに意識してほしいとわたしは思っています。勉強をしながらでも、子どもの心からの笑顔をたくさん引き出してあげてください。『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫【プロフィール】杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)、『全員参加の全力教室2 燃える! 伸びる! 変わる! ユニット授業』(日本標準)、『1日1枚5分でできる 漢字パズル』(すばる舎)、『自分からどんどん勉強する子になる方法』(すばる舎)、『子どもが授業に集中する魔法のワザ!』(学陽書房)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月27日小学生が学ぶ教科には、国語に算数、理科、社会などさまざまなものがあります。そのうち、「国語と算数があらゆる学習のベース」と語るのは、東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生。子どものやる気を引き出す独自の授業で注目され、「教育の鉄人」とも呼ばれるカリスマ教師です。今回は、その重要な国語と算数のうち、国語の力を伸ばすために家庭でもできることを教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもを読書好きにするにはまず親が本を読む小学校における教科のうち、とくに重要なものが国語と算数です。それらの力が育っていないと、理科や社会の教科書、そのなかに出てくるグラフなどもきちんと読めないからです。逆にいえば、1、2年生頃にちょっとくらい理科や社会の勉強が遅れてしまったとしても、国語と算数がきちんとできるようになれば、あとからいくらでも遅れを取り返せます。そういう意味で重要な国語と算数のうち、国語の力を伸ばすために家庭でもできることというと、まずはやっぱり読書でしょうね。とくに1、2年生くらいの小さい子どもの場合なら、絵本の読み聞かせをおすすめします。というのも、読書は苦手でも読み聞かせは好きだという子どもが多いからです。また、親が本を読まなければ子どもも本に興味を示さないということも、読み聞かせをすすめる理由です。絵本の読み聞かせをすれば、子どもは文字や言葉、さまざまな概念を知ることになる。それはいまもむかしも変わらない読み聞かせの大きな効果です。そうして絵本の読み聞かせをするうち、「このシリーズものが面白い」というふうに、子どもがハマるものが出てくるでしょう。そういった事象こそ、読書好きになる兆候といえます。子ども自身が自ら本に興味を示さなければ、読書好きになるはずもありません。そう考えると、「○○先生が推薦しているから」なんていって、どこかの誰かがすすめる本を子どもに与えることにもなんの意味もありません。もし、子どもにすすめるのであれば、親御さん自身が本当に面白いと思ったものにしてほしいのです。そういう本であれば、「大好きなお父さんやお母さんがすすめるんだったら」と、子どもが興味を示すということだってあるはずですよ。漢字を覚えさせるにも「楽しさ」が最重要また、小学生なら漢字の学習も重要です。だからといって、漢字をいくつ書くだけというドリルのような学習方法はあまり好ましくありません。1、2年生のような小さい子どもの場合、楽しさが伴っていなければただ機械的にこなすだけになってしまい、なかなか学習効果が上がらないからです。ただの反復には意味がないのです。そういう意味では、いろいろと工夫をすることが必要。たとえば、「木」という漢字を書いて覚えるにも、子どもが「木」と書いたら、「これ、なんの木?」と聞いてみましょう。子どもは「桜の木」なんて答えるかもしれない。そうしたら、「じゃ、桜のピンクに塗ってみようか」と色鉛筆を与えるのです。あるいは、ピンクの色鉛筆で「木」と書かせてもいいですよね。また、漢字の「はらい」や「はね」を覚えさせるためにできる工夫もあります。「木」のはらいの部分を書くときに、親が「滑り台みたいだから、滑り台を想像して『シューッ』と書こう」といって、実際に「シューッ」といいながら書く。子どもも面白がって「シューッ」といいながら書くようになります。どちらも子どもにとっては遊び感覚で漢字の書き取りをすることになりますし、脳をしっかり使ってイメージを膨らませていますから、きちんと覚えられることになります。また、いろいろな漢字が書かれている紙を用意して、「このなかから、食べものの漢字を探そう!」なんて遊びもいいと思います。たとえば「公」という漢字は、「ハム」と読めますよね。そんな工夫がされている教材もたくさん市販されていますから、それらを使ってみてはどうでしょうか。しかも、そういう教材をやって漢字の面白さを知ったあとなら、子どもは一般的な漢字ドリルも楽しんでやるようになるものです。いずれにせよ、まだ小さい子どもには「勉強って面白い!」と思わせてあげることがなにより大切です。小さいうちから成績を気にし過ぎる必要はありませんし、「勉強は面白い」と思っていれば、自然に勉強を続け結果的に成績も伸びてくるものですからね。会話力を上げるには会話を重ねるしかない国語力を伸ばすためには、会話力の向上も外せないものでしょう。人と会話をするには、さまざまな言葉をきちんと使えることが求められますからね。子どもの会話力を向上させたいと思ったら、とにかく親が子どもとたくさんおしゃべりをすることに尽きます。子どものためのスピーチ教室なんてものもありますが、やっていることは、用意された原稿をただうまく読む訓練をしているだけ。実際の会話とは、そういうものではありませんよね?相手のいったことに対して瞬間的に反応し、自分の思いを適切な言葉で表現できてこそ会話になる。そう考えると、やはり実際に会話をすることでしかその力は伸びていかないのです。子どもと会話をするにあたって、親の立場として「いいインタビュアーになろう」と心がけることも重要なポイントです。学校から帰ってきた子どもがどことなくうれしそうにしていたら、「なにかいいことがあったの?」「それでどうしたの?」とどんどん聞き出してあげる。そのとき、親自身がそのインタビューを楽しむことが大切です。親が会話を楽しんでいる気持ちが伝われば、子どもはどんどん冗舌になっていくはずです。『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫(※近日公開)【プロフィール】杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)、『全員参加の全力教室2 燃える! 伸びる! 変わる! ユニット授業』(日本標準)、『1日1枚5分でできる 漢字パズル』(すばる舎)、『自分からどんどん勉強する子になる方法』(すばる舎)、『子どもが授業に集中する魔法のワザ!』(学陽書房)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月26日元号が変わり、言葉に対する興味が高まっています。今年は例年にない「国語ブーム」の予感がします。こんにちは。ゆか先生です。5回に渡り、国語辞典がなぜ子どもに必要なのかということや、選び方、引き方など、いろいろなお話をして参りました。最終回は、まとめとして、国語辞典を使えるようになった子どもたちのその後、また子ども用辞典から一般の国語辞典への移行についてお話しします。質問もいくつか届いていますので、それにお答えしたいと思います。国語辞典を使えると第1回でもお話しましたが、辞書を引くとは「分からないことをどうやって調べるか」の基本動作を身につけることです。辞書が上手に引ける子は、調べ学習の基本動作が身につくのです。この動作に慣れてくると、辞書を引くことがおっくうだと思わなくなり、むしろ楽しむようになってきます。私の生徒の中にも、授業の途中で何回も辞書を引く子がいます。例えば「これはどういう意味だか分かる?」と聞いた時、辞書を引く習慣がない子は「分からない」とか「知らない」と答えます。そしてそのままで、私が「これはね……」と意味を説明するのを受け身でずっと待っています。「分からない」と答え、まるで任務を果たしたような顔をする子もいます。「分からない」と思った段階で、ではどうしたらいいかという次の行動がとれないのです。この状態は何も辞書に限ったことではありません。世の中の様々なシーンで見られます。痛ましい事故が起きたらショックを受けるだけで、ではどうしたらそういう事故が起こらないようにできるかという考えまで発展しない、不利益を被ったら憤るだけで、対応策を練れない、そんな若い人もいます。どうして次の行動を考えないのか聞くと、それさえ「そんなこと知らなかった」と言います。「教えてもらっていない」というどうしようもない回答も。もちろん、国語辞典がこれら全ての問題を解決するわけではありませんが、「分からない」→「調べる」の反射的な行動がとれるようになると、「問題」→「解決」の基本動作が楽になります。また、当然ですが、辞書をよく引く子は、語彙が豊富です。知っている言葉を使う機会があると、どんどん使います。そうして、もやもやとした気持ちやあやふやな考えを言語化して、より相手に伝わりやすくできます。【例】1. おもしろかった。2. どれもこれもおもしろくて、まるで夢を見ているような一日だった。1. 弟がどんどん散らかすので、いや。2. 幼い弟が、片付けるそばから散らかすので、私は途方に暮れる。同じ状況を表しているにしても、ずいぶん印象が違いますよね。言葉を知っていると、こういう差が出るのです。作文を書かせてみると、国語辞典を引いて言葉を多く知っている子は、感情のひだが深い気がします。もしかしたら、感情自体もより深まっているのかもしれません。私が一番有利だと思うのは、自分の気持ちが説明できる点です。楽しい時はどんなふうに楽しいのか、そして、いやなとき、しんどいときはもっと大切です。反抗期に入ると、親からのアプローチが難しい辞書を引く学習はいつからでも取り組めます。でも、第1回でお伝えしたように、学校で始める小学校3年生、4年生の時期では遅すぎるというのが私の考えです。その理由として「反抗期」の存在があります。いわゆる親の言うことを聞かなくなる時期です。この時期「親に反抗する」ことは、人間が成長する上で本当に大切なこと。ですから、むしろ成長の証として反抗期自体は歓迎するのですが、「親子で辞書を引いてみる」状態をスタートさせるのには、かなりエネルギーを要します。そういった意味でも、小学校低学年くらいがちょうどいいと考えます。大人の国語辞典への移行では、低学年から取り組めたとして、次のステップは何でしょう。そうですね、大人の国語辞典への移行時期です。これは特に何歳からという定規はありませんが、お子さんが子ども用辞書に飽きたような顔をした時が替え時です。つまり、たいていの言葉を引き終わった、説明が幼すぎる、そんな状態が出てきます。「ぼくの辞典じゃ載っていないけど、ママの辞典にはあった」なんてことがあったら、それはズバリ乗り換え時期ですね。急に大人用に移行しても構わないのですが、ここで中学生向けの辞書を紹介します。大人の辞書では、引いた言葉の意味を理解できない場合があります。言葉の説明に使われている漢字が読めない場合もあるでしょう。そんな時は、このあたりの辞書を過渡期に使っても良いと思います。■ 三省堂『例解新国語辞典』第九版林四郎(監修)/篠崎晃一(編修代表)、相澤正夫・大島資生(編著)★出版社のページでセールスポイントをチェック!■ 学研『現代標準国語辞典』改訂第3版林史典、林義雄、金子守(編集)★出版社のページでセールスポイントをチェック!■ 旺文社『標準国語辞典』第七版古田東朔(監修)★出版社のページでセールスポイントをチェック!国語辞典に関する保護者の方からの質問国語辞典に関する質問もいただいているので、少しお答えしたいと思います。【質問】片付けないで、リビングに置きっぱなしになっています。【回答】置きっぱなしでOKです。例えば、靴下やおやつの袋など、本来リビングにあるべきものではない物が置きっぱなしになっていたら、片付ける必要がありますが、第3回でお伝えしたとおり国語辞典はリビングにあった方が良いものです。ですから置きっぱなしでOKです。ふとしたときに家族も手に取ることができて、便利です。学習効果が二の次になっても良いのであれば、インテリアを優先しても良いと思いますが……。【質問】調べた時に、書いてある意味が分からず、親がかみ砕いて説明しなければならないことがあります。【回答】親にとっても大きなチャンスですね!ぜひ、かみ砕いて説明してあげてください。引いた言葉の意味が分からない時にどうしたらいいかについては、第4回で詳しく解説しています。【質問】そもそも知らない言葉を知ることはできないのでは?【回答】深イイ質問ですね。基本的に辞書は知らない言葉を見聞きした時に引くものです。なので「知らない」ということを自覚しないと引けないのです。その言葉の意味が分からないと先に進めない時などは、まさにそうで、切迫して調べるものです。私の息子も小学3年生の時に、ハリー・ポッターの本を読みたい一心で、辞書を引きながら読んでいました。あまりに知らない言葉が多かったのでしょう。それでも、先を読みたい気持ちが、辞書引きの面倒くささを上回ったようです。本は読み進められても、引いたあと、意味を忘れてしまうこともあります。でも、「知らない言葉」と「忘れた言葉」は違うのです。付箋紙による辞書引き方法は第4回で紹介したとおりですが、引いた言葉に付箋紙を貼ると、二度目に引いた時、「その言葉を忘れている」ということを知ることができます。本来、人間「忘れている」ことは、思い出せないのです(笑)。私の子ども時代は付箋紙というものがありませんでしたから、辞書で引いた言葉に赤ペンを引いていました。二度目の出会いは、自分の記憶力の低さにがっかりもしますが、もう一度覚え直す良い機会になりました。また、言葉を増やすことは、知識を増やすだけでなく、概念を増やすことになります。例えば「敷居」という言葉があります。門の内外や部屋の内外を仕切る戸・障子・襖などをあけたてするために、地面や床に渡した溝付きの横木のことを言います。バリアフリーのマンション事情で、この「敷居」がない家があります。そうすると、その家に住んでいる子の概念に「敷居」は存在しません。では、この子は一生「敷居」という言葉に出会わないかというと、そうではありませんよね。大人になってから「あの店、すっかりご無沙汰で。敷居が高くて入れなくなっちゃったんだよ」とか「どこの馬の骨とも分からないやつに、うちの敷居はまたがせない!」(笑)なんて言われた時に、敷居の前で初めて辞書を引くなんてことはないわけです。この「敷居が高い」は「高級店に入りにくい」という使い方は間違いで、「不義理があって入りづらい」時に使いますが、そういう「慣用句」としても使いますし、上にある「鴨居」とセットだと分かったときに、日本建築の美にも触れられます。「そういえば、布団って『しく』って言う?『ひく』って言う?」なんて雑談にも発展させられます。そして、たとえ家になくても、言葉から覚えてしまうという方法もあるというわけです。また、言葉は、もやっとした概念に名前をつけるという意味を持ちます。学校の授業で習った言葉を辞書で引き、あとになって、その言葉に実体験の場で再会した時、初めて腑に落ちるということもあるでしょう。さらに、調べた言葉のそばに載っていた言葉の方が気になって、読んでしまい、そちらの言葉が、以前から名前をつけられなかった感情と結びつくこともあります。差別、嫉妬、希望、後悔。たとえばこんな言葉は赤ちゃんの辞書にはないわけです。でも、成長し、心のひだが増えるにつえ、これらの言葉の持つ感情を経験し、この感情には名前があるのだと知った時、これは名前をつけるほど、誰にでもある感情なんだということを知るでしょう。それはとても大切なことなのです。おわりになんだか壮大な話になってしまいましたね。でも「言葉」とはそういうものです。人間は、考える時と表現する時に言葉を使います。どちらも、語彙が多いほど、深くなります。チコちゃんのせりふではありませんが、ボーッと生きてるんじゃないよ!と叱られるような大人にならないために、できるだけ多くの言葉を教えたい。私はそう感じます。その方が個としても役に立ちますし、社会としても良くなるのです。学校では小学校3年生や4年生で教える国語辞典。でも、言葉に強い興味を抱き始める時期はもっと早いということ、そして、反抗期前ということで、親子一緒に取り組める時期であるということ、こういう点から、5、6歳の時期に、国語辞典と出会うことがとても大切であるということがおわかりいただけたと思います。ぜひ、お子さんと書店に出かけてみてください。そして、国語辞典のコーナーを覗いてみてください。素敵な辞書に出会えますように。そして素敵な言葉たちに出会えますように。■ 連載『ゆか先生の 国語辞典の世界へようこそ』各回の内容第1回:国語辞典でこの時代を生きぬくための基本動作が身につく第2回:子どもにぴったりの国語辞典を選ぼう! 電子辞書ってどうなの?第3回:初めての国語辞典。カバーは?置き場所は?どんなふうに引くの?第4回:ゲーム感覚でやる気をアップ! 付箋紙やノートで記録する方法など第5回:漢字辞典、百科事典、ことわざ辞典、四字熟語辞典、語源辞典など、子どもの世界の辞典いろいろ第6回:まとめ国語辞典を使えるようになった子どもたちのその後
2019年05月22日2年生から3年生に進級するとき、学習面での不安を抱える保護者の方がとても多いそうです。算数がぐっと難しくなる、理科・社会が教科に加わるなど、2年生までと比べて3年生からは高学年につながる学習のベースを作らなければならなりません。そのため「つまずき」を感じる子どもがぐんと増えるのです。ここでつまずくと、高学年になって取り戻すことが難しくなります。だからこそ、勉強に対する「劣等感の芽」は早めに摘んでおかなければなりません。今回は、2年生から3年生に進級したお子さんが学習面で陥りがちがな苦手ポイントや、家庭でできるフォローの方法などを詳しく見ていきましょう。3年生、学習面での不安はどんなこと?進研ゼミの保護者を対象にベネッセがアンケートを実施したところ、2年生から3年生に上がる際に学習面で準備しておいた方がいいことや、親が注意深く見ておくべきことについて、次のような回答が得られました、□3年生になると授業の進み方も早く、内容が難しくなる。家で軽く予習復習ができるといいと思う。□理科・社会という単元が増え、覚えることも多くて大変。その結果余裕がなくなり、得意だった漢字や計算を間違えるなど他の教科にも影響が出てきた。□6時間授業も増えてくる。忙しさで余裕がなくなる。3年生からは本格的に勉強との向き合い方を見直さなければならない様子がうかがえますね。授業数が増えて放課後の自由な時間が減ることで、忙しさから余裕がなくなる子どもたちが多くなるとのこと。子どもが不安を抱えているのなら、親は安心できる居場所を作ってあげなければなりません。家庭での学習はもちろん大切ですが、まずは生活習慣や平日の時間の使い方、休日の過ごし方について、3年生に進級したタイミングで見直すことをおすすめします。3年生の国語。学習のポイントは?学習指導要領によると、3年生からは「筋道を立てて考える力や感じたり想像する力を養い、考えをまとめる力や伝える力を養う」ことに注意しながら国語の学習を進めるとのこと。その一歩として、主語と述語の関係、修飾と被修飾との関係、指示する語句と接続する語句、段落の役割についての理解を深めることを目標としています。さらに、文章の構成力をつけるだけではなく正しい文法を学び、ことわざや慣用句を使った表現力を身につけることも求められるようになるのです。■覚える漢字は200字に「漢」「業」「筆」など何通りもの読み方がある漢字や、漢字の組み合わせによっては日常的に使わないような単語を覚えることも。普段からいろいろなジャンルの本を読んだり、テレビのニュースで映し出される字幕を意識させたりすると、子どもの記憶に残りやすくなります。■国語辞典を家庭でも活用しよう3年生からはいよいよ国語辞典を学習に取り入れます。できればもっと早いうちから辞書に親しんでおくといいですね。文章力養成コーチの松嶋有香先生は、こどもまなび☆ラボで連載中の『国語辞典の世界へようこそ』の中で、学校の授業以外でも辞書を活用することをすすめています。辞書を引くことで調べ学習の基本動作が身につきます。そして、わからないことをそのままにしない姿勢は他の教科でも役に立つだけではなく、「生きる力」を子どもに与えるのです。ぜひご家庭のリビングにも一冊国語辞典を置いておき、いつでも調べられる準備をしておきましょう。3年生の算数。学習のポイントは?よく聞くのは「3年生から算数につまずく子が増える」ということ。しかし、決して急に学習内容が難しくなるわけではありません。実は、2年生のうちにマスターしておくべき基礎ができていなかったために「つまずき」が生じてしまう子も多いのです。■3ケタ、4ケタの計算が子どもを混乱させるまず、多くの子どもが4ケタの足し算・引き算でつまずきます。たとえば「3007ー2258」といった繰り下がりが2回ある引き算で混乱してしまい、計算に時間がかかって次第に授業についていけなくなることも。さらに「307×57」のように、3ケタ×2ケタで0が入るかけ算でつまずく子もたくさんいます。教育評論家の親野智可等先生は「このような計算は算数の基礎。つまずくようであれば、できるだけ早い段階で修復できるようにしましょう」と注意を促しています。算数は「積み上げ」の教科です。テストの点数だけで判断せずに、毎日使っているノートをチェックして、ちゃんと理解できているか確認しましょう。■図形の学習は作図がネックになることも3年生からは三角定規やコンパスを使いますが、作図する作業が難しくて算数が苦手になる子も多いといいます。どうしても苦手なら、家でコンパスを使って模様を描いて遊ぶといいでしょう。できあがった模様に色を塗ってみると、楽しみながらコンパスの使い方に慣れることができますよ。■表とグラフを積極的に生活に取り入れる親野先生は、数値や項目などの複合的な情報を関連づけて読み取る勉強を苦手としている子どもが多いと指摘します。その理由として「普段の生活の中で馴れ親しむ機会のないまま、教科書で初めて表とグラフに出会うから」と述べています。確かに日常的に家庭の中でグラフなどに触れる機会は少ないですよね。では、日頃から表やグラフに馴れ親しむにはどうしたらいいのでしょうか。親野先生おすすめの方法をご紹介します。□カレンダーに毎日の天気を書き入れる。毎日コツコツ続けることで、立派なデータとして活用することができます。体重や気温などの数字を入れるのもいいですね。□親子でじゃんけんなどのゲームをしてその勝ち負けを表にする。タテ軸とヨコ軸の組み合わせで表を作ります。「2回目と4回目はぼくが勝った」というように、表から情報を読み取る訓練になりますよ。□表に慣れたらグラフの基本である棒グラフを作成してみる。夕食のおかずを棒グラフにするのも面白いですね。1ヶ月集計した結果、「一番多いメニューはカレーだね」「お魚のおかずが少なかった」など、驚きや発見が出てくるかもしれません。3年生の理科・社会。学習のポイントは?いよいよ始まる理科・社会。これから学び始める教科なので、できるだけ苦手意識を持たせないように、楽しく学ぶ姿勢を身につけるための工夫が必要です。■理科:疑問が芽生えたときがチャンス!3年生で学ぶ理科の内容は、「物質、エネルギー」「光と音の性質」「磁石の性質」「電気の通り道」「電気の通り道」などです。とくに子どもたちがつまずきやすいのは「物の形や体積と重さの関係」について。ですから「材料・体積が同じなら、物の形が変わっても重さは変わらない」「体積が同じでも重さが違う物がある」、この2点を理解できるかがポイントになります。家庭でできる簡単な方法として、空のペットボトルに砂を詰めて量り、今度は同じペットボトルに水を入れて量ってみましょう。「同じ大きさの入れ物に入れても、重さが違うよね」と親子で確認し合えば、理解を深めることにつながります。例えば、親子で散歩や買い物に出かけた際には、ただ漫然と歩くのではなく、目にする草花や虫、その日の気温や風の向きなど、様々なことに子どもの関心を向けさせてあげて下さい。日々の生活の中で子どもを意識的にリードしてあげることが大切なのです。(引用元:親力講座|小学3年生の勉強のポイントは?子どもはどこでつまずく?その対策とは?)理科の学習において効果的なのは、実際に体験すること。家の中や近所の道端にも、理科を好きになる要素はたくさん潜んでいます。■社会:身の回りの環境が学びにつながる3年生の社会の授業では、「身近な地域や市区町村の様子を大まかに理解する」ことを目的としています。理科と同じように、実際に見て、感じることでスムーズに理解できるようになるでしょう。たとえば、散歩のときや車や電車でお出かけしたときに「この畑では何が取れるんだろう?」「この川はどこからどこまで流れているんだろう?」などと意識づけしてあげたり、街角に設置されている看板に目を留めたりすることで、自分の住む街や身近な環境への興味が高まります。また、観察・調査した内容を白地図などにまとめる力も求められます。日頃から地図に慣れ親しんでおくために、リビングやお風呂に貼っておいてもいいですね。***3年生では1、2年生のときとは違って「勉強」への意識を高めていく必要があります。遊びの延長のように楽しみながら学ぶよりも、自分なりの学習姿勢をしっかりと固める時期に入っていきます。そのためにも、日常生活の中から学習につながるヒントを見つけて関連づけてあげるのも、親としてぜひやってあげたいことですね。(参考)Benesse 進研ゼミ保護者通信|新学期準備「コレ重要!」先輩保護者ランキング~低学年(小1ー3)編~文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|ゆか先生の国語辞典の世界へようこそ|たった5歳の子どもにも国語辞典を与えるべき理由。“辞書を引く”ことの莫大なメリット親力講座|小学3年生の勉強のポイントは?子どもはどこでつまずく?その対策とは?親力講座|算数の表とグラフの勉強は生活の中で慣れ親しんでおくことが大切
2019年05月17日歌手で俳優の山下智久(34)が5月16日、公式Instagramを開設。世界各国のファンから喜びのコメントが殺到している。ジャニーズ事務所の所属タレントで、Instagramの公式アカウントを開いたのは山下が初めて。名前の横には公式マークの青いバッチがついており、本物であることを証明している。山下は「これからヨロシク!Im on the Gram!!!Excited to share with you!#山下智久#tomo」とハッシュタグをつけて日本語と英語でメッセージをつづった。開設から4時間が経った16日の午後4時時点で、フォロワーは23万人を突破。現在も急増中だ。大のジャニーズ好きで知られる日本テレビの青木源太アナウンサー(36)も「よろしくお願いいたします」とコメント。ファンには「本当に山P!?すごい!」「嬉しくて泣きそう」と驚きが広がっており、「Welcome to Gram!」と日本語だけでなく英語、中国語、韓国語など世界各国から歓喜の声が寄せられている。
2019年05月16日