わが子は6歳と3歳。なかなか身の回りを片付けることができません。特に3歳の娘は片付けの声かけをしても行動に移せません。そんなとき、保育士さんに「片付けられるようになるポイント」を教えてもらいました。 いつしかママが片付けることが当たり前に娘には2歳前後から少しずつ「片付け」を教えていった私。ところが娘は「どっちが早くお片付けできるかな?」と誘ってみるものの、動こうとしません。結局、すべて私が片付けをしていました。 まだ小さいから仕方ないとそのころはあまり気にしていなかったのですが、3歳になってもお片付けができません。いつの間にかママが片付けるのが当たり前になっていました。小さいうちからお片付けの習慣をつけておくべきだったと後悔しました。 保育園に通っていたから?息子はお片付けできる2歳前後の子どもにお片付けを教えるには、まず親が見本を見せる、次に一緒にお片付けをするのが基本ステップかと思います。私のようにすべてやってしまうのでは、子どもに片付けの経験を積ませてあげられませんよね……。 一方、息子の場合は保育園へ通っていたからか、娘よりは身の回りを片付けることができました。保育園で毎日繰り返していたことが、自然と習慣化していたのだと思います。 「片付け場所がひと目でわかる工夫」そんなときに保育士さんから聞いたのが「片付け場所がひと目でわかる工夫」をすることでした。子どもはどこに何を置くのか、わからないからできないことが多いそうです。もしかしたら娘も片付けられないのではなく、置く場所がわからなかっただけかもしれないと感じました。 そこで「ボールは黄色い箱ね」など、本人と相談しながら片付ける場所を決めてみました。最初は一緒に片付け、徐々に手助けを減らしていくと少しずつ自分でできるようになりました。 お片付けが苦手な子どもは「どこに何を置くのか」わからないケースが多いことを知り、わが家では娘がお片付けできるようになるきっかけになりました。お片付けボックスにシールを貼るなどして目印をつくってもいいですね!著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2019年06月15日子どもたちが、学校で一生懸命作った作品たち、どう保管する迷いますよね。全部取っておきたいくらいにかわいく、その気持ちから、押し入れにどんどんたまっていませんか?子どもの作品は、保管方法も取っておきたい数も、人により考え方は違うと思いますが、今日はわが家での収納方法を一例としてご紹介させていただきますね。作品をコンパクトに変身させる一年を通して子供が生み出す作品はたくさん。大きな画用紙いっぱいに絵の具を使った作品、立体的な箱をたくさん組み合わせた作品。すべてをそのまま取っておきたくても難しい!思い切ってコンパクトにしちゃいます。■立体的な作品立体的な作品は、子供に持たせて写真に収めます。作ったその時期の子供の成長も一緒に残しておけるので、おすすめですよ。園の作品展などに行った時も、子供が作った作品や世界観を背景に、カメラにパシャリ。ついつい子供の顔ばかりアップにして撮ってしまいがちですが、大きな作品に対しての子供のサイズ感もまたかわいいもの。立体的な作品は、子供がおもちゃにして遊びたがるので、子供が気が済むまで保管しています。■大きな画用紙の作品出来栄えにもよりますが(笑)、子供の成長を大きく感じるものは残しておきたいので、額に入れるなどして、インテリアとして飾ります。眺めるとホッとする子供の作品はどんな絵画より名作。そのまま取っておくのはかさばるけど、捨てるのは…というものは、スクラップしてコンパクトに。大きな作品のものだと、一番よくできている部分だけをカットしたり、余分なところを取り除いて取っておきます。台紙タイプのフエルアルバムを活用よく写真屋さんなどで見かける台紙タイプのフエルアルバム。正方形のシンプルでお手頃なものなのですが、これが案外作品を収めるのにちょうどよくて。特に小さな子供の力作はダイナミックなものが多いので、小さなアルバムより収めやすい。そんなところに注目しました。このアルバムを選んだもう一つのポイントが、写真館の台紙と同じサイズであること。写真館で昔ながらの台紙タイプのものを受け取るわが家では、アルバム類を一つのサイズに合わせて、同じ場所で保管することが可能なのです。わが家の保管場所は子供部屋クローゼットの枕棚。ここを本棚のようにアルバムコーナーとして使っています。作品と写真を一緒に収めていくおすすめなのが、幼稚園の思い出をすべて一緒に収める方法。1年ごとに1冊、4月から行事順に収めていきます。例えば入園式はいただいた記念のモノを写真の隣に。願い事が書かれた七夕の短冊を、七夕の写真と一緒に。こうして収めていくと、ページをめくっていくごとに、その頃の子供の写真と作品、どちらも後で一緒に振り替えることができます。収め方は何も飾らずシンプルでOK!子供が描いた絵や、まだおぼつかないかわいらしい字がページを彩っていくので十分。装飾を付けたりはしないので、作業も簡単にはかどります。捨てるか捨てないか、思い出に対しての思いは、個人の価値観で全く違うもの。だから正解はないと思うのですが、たくさんとっておきすぎて、大切そうに見えなくなるのも悲しい。それなら1年に一度だけ、子供の作品と向き合って、成長を噛みしめながらアルバムにはさんでいくのもいいものです。作品ファイルなどにどさっと入れ込むより、きっとアルバムのように読み返す楽しみができるはず。いつか子供が大きくなってお嫁さんと孫を連れて帰ってきた時、家族みんなでアルバムを引っ張り出して、ページをめくる時間になればいいなぁ、と思っています。 ■暮らしのはなし ■こどもと暮らす お片付け 連載:整理収納アドバイザーのお片付けノート 文・nami sasaki整理収納アドバイザー。暮らしのまんなかにはいつも散らかし三兄弟。毎日の暮らしを愉しむ工夫探しがすき。収納で家事を心地よく。
2019年05月05日男の子が「レゴ」の道を歩むなら、女の子は「シルバニアファミリー」というお子様も多いのではないでしょうか?レゴもシルバニアファミリーも「集める楽しさ」がありますが、その分収納場所に困ります。「遊ぶ世界観を楽しみたい幼少期」と「実用的に使いたい小学生時代」ですが、子どもの成長を見越して作成した、わが家の「シルバニアファミリー収納棚」をご紹介したいと思います。■ 安価な2×4材で3段の収納棚を作成こちらが10年近く使い続けている、長女(6年生)の収納棚です。奥行きは40cm、幅は1.5ⅿあって、3段の棚が付いています。制作費は1,500円くらいだったと記憶しています。薄い2×4(ツーバイフォー)材を組み合わせて作ったので、強度が心配なところですが、連結金具を取り付けて強度を高めました。棚を作る時に気を付けたのは、木材を丁寧にヤスリ掛けすること。子どもがトゲで怪我をしないようにするためです。安全面も重要ですが、一番重視したかったのは「機能性」と「長く使えること」です。■ シルバニアの世界観を意識した「幼少期」幼少期はこのような使い方をしていました。シルバニアファミリーって、お家やお店のセットが人気ですよね。この量を床に広げて遊ぶとなると、親も子どももお片付けが大変になってしまうので、収納しながらそのまま遊べる「高さ」や「幅」を意識して設計しました。収納棚を設置するだけならば、カラーボックスを並べるのが簡単ですが、細かなこだわりを反映させられるのがDIYの良い所。屋根はかわら屋根を意識して、木材を短く切り分けて縦に並べました。赤くペイントすることで、シルバニアの世界観に近づけます。下の棚は無塗装のままにして、木の節を楽しめるフローリングをイメージして横張りに。もっと手を加えたくなりますが、シルバニアファミリーで遊ばなくなった時のことを考えて、棚の形をキープして完成させました。■ オモチャから卒業して実用的に使いたい「小学生時代」子どもが小学校に上がると、学校の持ち物が増えてきますよね。絵の具や習字道具など、最初はクローゼットに収納していましたが、このように手が届いて見える場所の方が、子どもは取り出しやすいようでした。シルバニアは飾っているだけでも可愛いので、子どもが成長したあとも、上段にはシルバニアを置いて下段には学校道具を収納する、という使い方をするのもいいですね。幼少期はリビングの近くに棚を置いて、子どもが大きくなったら子ども部屋へ移動することもできます。工夫を加えすぎないシンプルな棚が、長く使える秘訣だと感じました。シルバニアが大好きなお子さんをお持ちの方に、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
2019年04月11日子どもに「部屋が散らかってるから片付けなさい!」と何度言ってもすぐ散らかる。または、そもそも片付けをしなくてイライラ…そんな経験どのママもお持ちかと思います。片付けられないのは性格?片付けできるかどうかってその人の性格によるところが大きいなと思ってまして、かくいう私も大雑把なので実はあまり片付けが得意ではないです。なので基本多くは望まないのですが、当時高校生の娘のだらしなさにはビックリしてしまった私。ここまで散らかっても平気なのかと。幼いころなら、「お片付け競争、どっちが早いかな~?よ~いどんっ!」でノせてお片付けできましたが、もうそんな方法は通用しない…正論で諭しても「やるやる」でやらない。私が片づけると、「勝手に部屋触らないで!」と思春期問題が顔を出すわけです…(涙)その数日後…片付けの魔法は以外な方法…虫、特にGが大の苦手な娘。散らかった部屋の中でも娘の目につきそうなところに自然な感じでひっくり返しておいておきました(笑)苦手ゆえじっくり見たりしないので大成功!部屋を片付ける必要性を本人が(強制的に?)感じて、自ら率先して部屋をきれいにしていました。これが一番大事な片付けの魔法!片付いていてキレイな部屋は気持ちがいいし、どこになにがあるかすぐわかって探す手間も減る…片付いた状態のメリットを改めて感じてくれたようです。親が子どもにイライラしてしまうのは思い通りに行動してくれないからですよね。私もそういう経験を経て、年を重ね、怒ることには疲れてしまった!(笑)ので違った角度から物事を考えるようになりました。一番大事なのは「子ども自身が必要だと思うこと」だと思います。必要と思えれば行動はするものです。子どもが「そう思えるようになる」ためにはどうしたらいいかな~を考えるのは結構楽しいです。でもこの記事子どもたちに読まれたらもう使えない手になってしまうので、その時はまた別の角度から攻めたいと思います(笑)
2019年04月04日子どもたちの入園入学、そして進級のこと。自分のことを自分でできるように、しっかりと整えておいてあげたいですよね。お母さんも子どもも肩の力を抜いて、イライラしない毎日を。イレギュラーなこともたくさん起こるだろうから、決まったことはルーティンにしておけば、あたふたしません。今回は入園編。わが家も今年幼稚園に入園する末っ子のために準備中。毎日のお支度ルーティン起きて、ごはんを食べて、歯を磨いたらお着替え、がわが家のルーティン。食べこぼしたり、歯磨きする時にびしょびしょになったりするので、幼稚園期は着替えを最後にしています。一方のママは、幼稚園のお弁当の準備、自分のメイクに、洗い物、お洗濯…!その間に何度も起こる「ママ手伝って!」コールに対応するために、子供のお仕度コーナーはリビングや、その近くにあるのが便利。支度コーナーには、毎日着る制服と帽子、バッグをひとまとめに。準備の動作を一ヵ所にまとめることがポイントです。忙しい朝にあちこち移動せず、リビングで登園準備を完了させます。子供の身長に合わせた支度コーナーをつくる親が手を貸さなくても自分でできるように、子供の身長に合わせた高さにフックを取り付けました。その下にはシンプルな収納ボックスを置いて完成。子供が取り出しやすい高さに。そして、親の目が届きやすい場所を選びます。制服と帽子はフックに。はじめは無理にハンガーにかけることを押し付けず、引っ掛ければOK!くらいの気持ちで。支度とお片付け、どちらも簡単な動作にしておいてあげることがポイントです。ポイッと1アクションでお片付け子供はポイッとお片付けが得意。出しっぱなしにしておくと乱雑になりがちなリュックや手提げバッグは、すっぽり隠れるボックスに。これなら子供でも簡単にお片付けできますよね。冬の上着や手袋などもここにポイ!少々荒っぽくても気になりません。わざわざ取り出さなくても、このままバッグの中身をチェックできるから、散らからないのもうれしいんです。自分でお弁当箱を入れたり、園からのお手紙を出したり…。子供が動作を起こしやすい高さにすることで、お片付けをエスコート。お絵かきセットとおみやげ保管ボックス園から帰ったら、バッグから出てくるおみやげたち。お弁当箱、着替え、タオル、連絡帳…持ち帰った本日の力作!バッグを開けたら、その日園で起こったいろんな出来事が溢れ出てくるようで、この時間は親子にとってお楽しみの時間。持ち帰った作品は、親が勝手に捨てるのではなく、子供の話をじっくり聞いて、「これはとっておく?」と聞くようにしています。じっくりとお話しすると納得するようで、「捨ててもいいもの」への踏ん切りがつく様子。「とっておきたいもの」は大切に保管ボックスに。保管ボックスを支度コーナーに一緒に置いておくといいですよね。お絵かきノートやクレパス、おりがみなどをセットにしたかごも。お友達とお手紙を交換したり、園で習ったおりがみを披露してくれたり…読み書きするものは、思いついたらいつでも自分で取り掛かれるように誘導しています。入園まであと3ヶ月。子供の成長をゆっくりと見守りながら、「自分でできる」を増やしてあげれるように。暮らしづくりに、子供の目線に合わせた工夫をぜひ取り入れてみてくださいね。 ■暮らしのはなし ■こどもと暮らす 連載:整理収納アドバイザーのお片付けノート お片付け 文・nami sasaki整理収納アドバイザー。暮らしのまんなかにはいつも散らかし三兄弟。毎日の暮らしを愉しむ工夫探しがすき。収納で家事を心地よく。
2019年03月10日リノベーションから5年が過ぎ、今ちょうど見直しの時期に来ています。今回は、子どもがひとりでできる衣類収納の見直しです。使うアイテムは、「スチールラック」。ふとしたきっかけで子どもの成長を感じた時は、収納の見直しチャンスかもしれません。子どもが「自分でなんでもできる!」と張り切り出した時期というのもあって、スチールラックを活用して子どもがひとりで支度できるような収納に切り替えました。■ 専用ラックを作って「自分でできる!」を後押しそれまでは、箱の中にポイポイ入れるだけの親も子も楽ちんスタイル。洗濯物なんかも畳まずにそのまま放り込むだけの収納はとっても便利だったんです。しかし、子どもの成長と共にアウターなどが箱からはみ出るようになり……。かさばるアウター類はスペースが足りず、子どもの手が届かない高いところに掛けていたので、外出のたびにいちいち取ってあげなければならず、これが面倒で……。一部のカラーボックスを処分して、追加でスチールラックを購入することにしました。シンプルで自由度が高く、いろんな用途で使えます。場所も選ばないから、長く飽きずに使えそうです。■ スチールラックは種類が豊富すぎて選ぶのが大変!しかし、スチールラックってなんと種類が豊富なんでしょうか!バリエーションが豊かすぎて、調べれば調べるほど、どれがベストなのかわからなくなってきます。いろんなメーカーが作っているし、値段にも幅がある。それなのに、我が家に合うものが見つかりません。なんで?納戸の壁の奥行きは36.5センチです。奥行きが35センチ前後、幅は80センチ前後、高さも170センチ以上は欲しいのです。スチールラックの奥行きって45センチのものが多いんです。35センチのものもあるにはあるんですが、ポールが細くて耐荷重が十分でないせいか、低いものが多い。もう諦めようとしていた時に見つけたのが「メタルシェフ」という、スチールラック?メタルラック?何が違うの?見た目一緒やけど!っていう商品を掘り出しました。幅80センチ、奥行き35センチ、高さ174.5センチ。我が家にぴったり!しかも価格も4,823円(2018年12月10日時点)の年末特価!予算は1万円だったので、半額で手に入りました!スチールラックに比べて耐荷重は低めですが、それでも150キロの耐荷重はOKとのことなので十分だと判断しました!■ 掛ける収納で、子どもでも楽チンお片付け今回の収納の一番のポイントは子どもが出し入れしやすいかどうかです。なので、掛ける収納を取り入れました。これだったら畳む必要もないし、子どもでもできますもんね。それまで使っていた突っ張り棒をどうにか活用できないかと、S字フックと組み合わせて無理やりハンガーポールを作りました。かさばるアウターやワンピース、ひらひらしたドレスに制服類。とにかく掛ける掛ける。毎朝着る制服は入り口に近い右側に。私服は中央に。イベント時にしか着ないドレスは一番左に吊るすことにしました。朝の支度もここで完結できるように工夫しました。一番下のラックには、幼稚園に持っていくものを分けて収納しています。体操服類と靴下、レギンス、オーバーパンツはファイルボックスに。ファイルボックスの中もプラダンで仕切りを作り、テプラを貼って見つけやすくしました。ハンカチとティシュー、手拭きタオルはセリアのカゴに入れました。モノの住所を決めておくと、バタバタする忙しい朝でも幼い子どもひとりで支度ができます。納戸の見直しは、これで一旦終了です。今回は子どもの成長を大きく感じられる収納の見直しで、とても前向きに取り組めました。
2019年03月04日子どもが自主的に子ども部屋を片付けてくれたら……と望むママさんたちはとても多いはず。ただ「お片付けをしなさい!」と言ったところで、子どもたちは動いてくれません。元塾講師の筆者が講師時代に子どもたちの話を聞いて分かった、子どもが自主的に片付けできるポイントをご紹介します。■ 子どもに合った“仕組みを作る”ことがポイントまだ成長途中の彼らは、どうやって片付けをすればいいのか、上手く理解できていないことも多いのです。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)「このおもちゃで遊んでいい?」「明日は〇〇ちゃんと公園に行ってもいい?」と、逐一お母さんに指示を仰いで生活をしている子どもたちにとって、なんの指示もなくただ片付けろと言われるのは、けっこう酷なことだと思います。さらに以前、筆者が塾講師をしていたときに、「きちんとお片付けをしたつもりでも、“全然できていない”と怒られる」「お母さんの気に入る片付けができない」と、文句をこぼしていた子がけっこう多くいました。タカス / PIXTA(ピクスタ)そういう子どもたちの声を聞いてみると、ある共通事項があがりました。それこそが、いつもはお母さんが子ども部屋を掃除してくれているけれど、お母さんに時間的な余裕がないときには「自分でやりなさい」と声をかけられるということでした。これでは、“自主的な掃除”は身につきません。現状を変えるためには、子どもに合った片付けの仕組みを作ってあげることが大切なのです。■ 子どもに合った片付けの仕組みを作る3つの方法子どもに合った片付けの仕組みを作るための3つの方法をご紹介します。1. ワンステップの収納法を取り入れるSatoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)保育園で働いている知り合いに聞いたところ、かけるだけ、置くだけ、などのようにワンステップでの収納法を意識すると、比較的自主的に片付けをしてくれるようになるそうです。家でも仕組みは同じでしょうから、取り入れる価値はあると思います。2. 印をつけておくことでわかりやすくチュン子 / PIXTA(ピクスタ)おもちゃのシルエットを収納したい場所に貼り付けておくと、誰がどう見ても「そこに収納するものはコレだ」とわかるようになります。最初の手間はかかりますが、一目でわかるようにしておくことで後々の声がけが楽になります。3. 子どもと相談するYUMIK / PIXTA(ピクスタ)どこになにを収納するか、それ自体を子どもと相談しながら決めていくのもアリだと思います。お母さんの気に入るように片付けるのではなく、自分のやりやすいように片付ける、これを徹底してやれば次第に自主的な片付けができるようになります。いかがでしたか?最初は一緒に考えるという手間が発生し、面倒くさいと感じるかもしれません。しかしルールさえ理解していれば、徐々に自主的に片付けをしてくれるようになるはずです。もしも子どもが自主的に片付けをしてくれないと悩んでいるのであれば、ぜひトライしてみてください。
2019年02月20日買ったりもらったり、どんどん増えていく子ども部屋のおもちゃたち。毎日次々と違うおもちゃで遊ぶので、どんどん床が見えなくなっていきます…。せめて出かける前のタイミングや、夜寝る前のタイミングで片付けようとしてきたのですが、姉妹2人がかりで荒らされた部屋、毎回毎回なかなか大変です。この「引き出しに名前」作戦で、ムスメも片付けの戦力となり、だいぶ楽になったように思います。…が!せっかく片付けたお部屋も、1歳児オコメの前では1分と持ちません。まぁそうですよね、もちろんムスメもそうでした。ムスメのやる気をなくさないためにも、「しっかりお片付け」は寝る前の1回だけにすることに。まぁそのお片付け中にも遊び始めちゃうのが1歳児ですけどね…。きれいな子ども部屋を保てるのはもう少し先のこととなりそうです(笑)。
2019年01月02日クリスマスのメニューはお決まりですか?テーブルに並べるだけで一気にパーティー感が増すフライドチキン。ただ、揚げ物の準備とあと片付けを考えるとつい作るのも億劫に…。そんな人に朗報!実はフライパンでもフライドチキンが作れちゃうのです! 骨のついていないもも肉を使うので、揚げ時間もぐっと短縮できます。スパイスをしっかり効かせているので、お店にも負けない美味しさですよ。■フライパンでできるフライドチキン調理時間 30分レシピ制作:料理講師、料理家 西川 綾<材料 2人分>鶏もも肉 200g 塩コショウ 少々鶏むね肉 200g 酒 大さじ1 塩コショウ 少々 溶き卵 2個分 オールスパイス 小さじ1/2 ハーブソルト 小さじ2 チリパウダー 少々 粗びき黒コショウ 小さじ1 強力粉 大さじ2~3サラダ油 適量<下準備>・<衣>の材料を混ぜ合わせる。<作り方>1、鶏もも肉は身の厚い部分に切り込みを入れて人数分に切り、塩コショウをする。2、鶏むね肉は身の厚い部分に切り込みを入れて人数分に切り、塩コショウをしてさらに酒をもみ込む。3、(1)、(2)に<衣>をつけ、フライパンに2~3cmのサラダ油を熱してカラッと揚げる。骨がついていないので、手をよごさずに食べられるのも魅力。子どもも食べやすいフライドチキンの完成です。
2018年12月23日前回から2回にわたってご紹介しているは心理学的に見た「片付けがはかどる魔法の言葉」。【前編】では、実験により「失うものを意識すると、人はリスクを取って行動しやすくなる」ということが分かりました。これはノーベル経済学賞も受賞した心理学者、ダニエル・カーネマンが提唱したプロスペクト理論に基づいています。その中に、「損失回避性」という言葉があります。これは、人は「何かを失う」ということに堪え難い苦痛を感じる反面、「得られるもの」に対しては相当な想像力を働かせなければ実感できないということです。■ 心理学的に見ると、片付けは「そもそも困難な作業」だった。片付けという作業を思い起こしてください。いらなくなった食器を捨てたり、着なくなった洋服を捨てたり……。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)基本的に、「捨てる」「処分する」というのが主な内容です。つまり、片付けというのは、必然的に「何かを失う」という作業なのです。「失うもの」に目を向ける以上、保守的になる。つまり、「捨てないで取っておこう」という選択をしやすいのは、心理学的に見ても当然のことだったのです。「ものが片付かない……」と嘆いている人が多いのは、何も不思議なことではなかったんですね。Graphs / PIXTA(ピクスタ)■ 身近なところで実感できる「損失回避性」とは?たとえば、クローゼットを片付けているとしましょう。スペースがいっぱいなのですが、新しく買いたいコートもあります。最近あまり着ていないコートを手に、あなたは考えます。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)「このコートを処分すれば、新しいコートを買えるんだけど……」古いコートを捨てて、新しいコートを買う。新しいものの方が綺麗ですし、流行にも合っていることでしょう。理論的には、正しい選択と言えるはずです。でも、なぜか踏み切れない。結果、「う〜ん、一応取っておこう」となってしまうのです。これが、まさに心理学でいう「損失回避性」なのです。「得るもの」より「失うもの」の方が、大きな価値を感じてしまうんです。■ 片付けがはかどる、心理学的に立証された「魔法の言葉」とは?上記のようなシチュエーションで、片付けを前に進めるにはどうしたら良いのでしょうか?実は、良い方法があります。考え方をひっくり返せば良いのです。自分にこう問いかけてみましょう。「このコートを処分しなかったら(新しいコートを諦めたら)、何を失うのかな?」あまり気に入っているわけでもないコートを着続けていたら……。年末に夫の実家に行くのに、みすぼらしく見えて面目を失ってしまうかもしれない……。年明けに予定している旅行の楽しい気分も半減してしまうかもしれない……。こんな風に「片付けずに取っておいたら〇〇を失う」という考え方をすると、面白いことが起こります。さっきまで片付けを邪魔していた「損失回避性」が、急に味方をしてくれるようになるのです。「古いコートを捨てないと、新しいコートを買えない。新しいコートを買えないと、〇〇を失ってしまう!」Somemeans / PIXTA(ピクスタ)子どもだましのようですが、これは本当に効果的です。人間の心理というのは不思議なもので、カラクリが分かっていても影響を受けずにはいられないものなのです。今までなかなか進まなかった片付けも、これで一気にはかどるようになるはず。これこそが、片付けがはかどる魔法の言葉。「これを片付けなかったら、何を失う?」を、今年のお大掃除には意識してみてはいかがでしょうか。【参考】※ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』
2018年12月14日「片付けをしようと決めたものの、なんだか今日はやる気が出ない……」そんな日はありませんか?人間たるもの、気分の浮き沈みもあって当然です。ところが、お部屋は放っておくと、容赦なく散らかっていくというのも辛い現実。そこで今回は、心理学から学べる「どうしてもやる気が出ない時の対処法」をお伝えします。■ 「やる気が出ない!」のは、誰もが持つの悩み!アメリカで人気の、マーラ・シリーという整理整頓のプロフェッショナルをご存じでしょうか?自らをFlyLady(フライレディ)と称する彼女は「5分間お部屋レスキュー」というテクニックを提案しています。これは「部屋の一番汚い部分を探して、5分間だけそこを片付ける」というもの。M&T / PIXTA(ピクスタ)一番散らかっている場所を見つけたら、スマホでも目覚まし時計でも良いので5分間のタイマーをセットしましょう。そして、その5分間だけ片付けをしてみるのです。■ 好きな音楽でも聴きながら、ただ時間を過ごすだけここで注意点です。やる気が出ない時に「ここを綺麗に片付けなければ……」と考えると、やる気は一層なくなります。「5分だけだから、すぐ終わる」と考えて、時間を過ごすだけのつもりで臨みましょう。ちなみに筆者のオススメは、5分程度のお気に入りの曲を聞くことです。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)好きな曲を聞いている間だけなら、気分が乗らない時間もなんとか過ごせそうです。しかも、1曲だけで良いのです。■ 5分後、あなたのやる気はどうなるか?なんとか5分やりきると、目の前の状況はどうなっているでしょうか?溜まっていたゴミをゴミ箱に捨てただけかもしれませんし、散らかっていた衣類をタンスにしまっただけかもしれません。kaka / PIXTA(ピクスタ)ここでまだやる気が出なければ、無理をするのはやめましょう。「5分頑張ったから、今日はここまで!」と潔く切り上げるのがベターです。ところが不思議なことに、5分ほど経過した時点でやる気が出てくる人が多いのです。これが、マーラ・シリーが提案する「5分間お部屋レスキュー」のすごいところなんです。■ 科学的にも証明!たった5分で脳に起きること。前述のような「5分程度やってみると、なんだかやる気が出てくる」という現象は、昔から研究対象になってきました。100年以上前のことですが、ドイツの精神科医であるエミール・クレペリンが「作業興奮」という概念を提唱しています。これは簡単に言うと「作業をやり始めると気分がノッてくる」ということなのですが、近年では脳科学の見地からも証明されています。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)脳には「側坐核」という箇所があり、刺激すると快感を覚えるため“快楽中枢”とも呼ばれています。この側坐核は、「成果が見える」ということが大好物。ちょっとした成果でも、「楽しい!もっとやろう!」とやる気をどんどん引き出してくれます。A_Team / PIXTA(ピクスタ)■ 片付け作業は、脳の「側坐核への刺激に向いている。片付けの良いところは、たった5分間でも手を動かせば何かしらの変化が起きること。「ゴミがちょっとだけ少なくなった」「服が少しだけ片付いた」CORA / PIXTA(ピクスタ)ほんの小さな変化でも、脳は「成果が出た!もっとやろう!」とやる気を出してくれるのです。そうなれば、もうこっちのもの。タイマーが鳴ろうが、曲が終わろうが片付けを続ければ良いだけです。kou / PIXTA(ピクスタ)ついさっきまでやる気が出なかったのが自分でも不思議なくらい、片付けが楽しくなるかもしれませんよ。【参考】※Fly Lady.net※児玉光雄『超一流アスリートが実践している本番で結果を出す技術』
2018年10月29日片付け習慣を身につけようとした時に、あなたならどのような目標を立てますか?例えば、こんな目標はどうでしょう?「1日15分、掃除しよう!」。とても分かりやすいですよね。でも、この目標には心理学的に見て「間違えている箇所」があるんです。意外に見落としがちな「間違い」についてご説明いたします。■ 「きっちり目標」と「アバウト目標」は、どっちが良い?ダイエットクラブで行われた実験で、非常に興味深い事例があります。kou / PIXTA(ピクスタ)被験者全員に栄養指導と運動方法を教えたあと、2つのグループに分けます。Aグループ…「最初の1週間で1キロ痩せる」という目標を立てるBグループ…「最初の1週間で0.5〜1.5キロ痩せる」という目標を立てるつまり「きっちりした目標を設定したAグループ」と、「アバウトな目標を設定したBグループ」に分けたのです。Fuchsia / PIXTA(ピクスタ)そして、1週間後に結果を測定します。■ この実験は失敗…?ではありません。結果は、なんと両グループとも差がありませんでした。厳密にはAグループは平均1キロ、Bグループは1.2キロと若干の差はあったのですが、これは誤差の範囲です。momo / PIXTA(ピクスタ)「それじゃ、結局、何も分からないのでは?」と思いますよね。ところが、この実験の目的は「各グループが1週間で何キロ痩せたか」を比べることではなかったのです。1週間のダイエットを終えた被験者に、こう尋ねました。「このプログラムを、あと10週間やってみますか?」この質問こそ、実験の要だったのです。■ 続けたいか?続けたくないか?それが問題!「1週間で1キロ痩せる」というきっちりした目標を立てたAグループで、10週間のプログラムに追加で申し込んだ人は約50%でした。それに対して「1週間で0.5〜1.5キロ痩せる」というアバウトな目標を立てたBグループでは、同じプログラムに80%以上の人が申し込んだのです。shimi / PIXTA(ピクスタ)つまり、「アバウトな目標を立てた方が、努力を持続しやすい」ということが判明したのです。■ 「到達可能性」という心理作用とは?なぜ、人はアバウトな目標の方が努力を維持しやすいのでしょうか?原因としては、「アバウトな目標の方が、自分の裁量に幅を持たせられる」ということが挙げられます。「1週間に1キロ痩せる」と決めてしまうと、結果は「達成できた」or「達成できなかった」の2つしかありません。「0.5〜1.5キロ」としておくと、「達成できた」の中にも「なんとか達成できた(0.5キロ)」から「すごく達成できた(1.5キロ)」まで幅が生まれます。aijiro / PIXTA(ピクスタ)そして「どの程度の達成を目指すか」を、自分で調整することもできます。ダイエットをしていれば、調子の良い日があれば悪い日もあります。そんな時に「なんとしても1キロ痩せなければ!」と思うのと、「今週は0.5キロまででもしょうがないか」と思えるのでは、モチベーションに大きな差が生まれるのです。たとえ少し調子が悪くても、「なんとか達成できた」という選択肢を残しておくことに意味があるんですね。これを、心理学的には「到達可能性」と呼んでいます。■ 幅を持たせて正しい目標に設定し直してみましょう。ダイエットと同じく、片付け習慣も「続けてこそ意味がある」といえます。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)そのためには調子の良い時だけでなく、調子の悪い時にも目を向けて考えてみるのが「正しい目標の立て方」なんですね。もちろん、調子が良ければ目標の上限(ダイエットの実験でいえば「1.5キロ痩せる」)を目指すのも良いでしょう。それは調子の悪い時のための貯金だと考えておけば良いのです。ということで、冒頭の目標を心理学的に正しく設定し直すとこうなります。「1日5分〜15分、掃除しよう!」xiangtao / PIXTA(ピクスタ)これで、片付け習慣はグンと身につきやすくなりますよ。【参考】※『スイッチ! ──「変われない」を変える方法』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
2018年10月08日皆さまは、片付けが得意ですか?「定期的に片付けをしないと落ち着かない」なんてステキな発言をされる方もいらっしゃるのも事実なのですが、“なんとかそれなりに見えるように暮らすのが精一杯”という方も少なくないのではないかと思います。しかし、だからといって自分に甘くしていると、あっという間に足の踏み場がなくなってしまいます!それは避けたいけれども、やっぱり片付けは億劫……。それなら“完璧な片付け”という高いハードルを目指すのではなく、ハードルの低い、簡単に、時短でできる片付け術を心がけてみるのはいかがですか?■ そもそも、一気に片付けようとするのは無謀筆者の友だちや知り合いに聞いてみると、片付けが面倒くさかったり、やる気が起きない、つい後回しにしてしまうという人や、何から手をつければいいのかわからない人、とにかく片付けが苦手な人というのは、一気に全部をやろうとする傾向があるようです。3人家族の住む家には、トータルで3000〜4000点のモノがあるともいわれています。HiroS_photo / PIXTA(ピクスタ)それを一気に片付けようとするのは無謀ですし、ハードルが高いと感じるのは当たり前。「とりあえず○○だけやっておく」とハードルを下げるアイディアを出していこうと思います。具体的にはどのようにすればいいのか?4つのアイディアをご紹介させていただきます。■ 1.片付ける日は「ゴミの日の前日」に設定するhiropixx / PIXTA(ピクスタ)資源ごみ、古着、使わなくなった子どものおもちゃなどはゴミの日の前日に“ひとつずつ”対応していくのが良いでしょう。繰り返しているうちに、徐々に部屋が片付いてきます。モノを溜め込みすぎると、溜め込んだ分だけどんどん片付けの大変さが増してしまうので、思い切って処分することはとても大切なことなのです。■ 2.「とりあえずの収納場所」を確保しておくたとえばソファーの下にかごを置くなど、1部屋につき1か所まで、とりあえず収納しておくための“ちょい置きスペース”を確保するのもオススメです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ちょい置きスペースを作りすぎると、逆に部屋が散らかって見えてしまいますのでご注意を!そして、そこが満杯になったら片付けに取り掛かるというマイルールを設ければ散らかりにくい部屋になります。■ 3.「隠れスポット」を探しておく“何かをしまえそうな空間”を把握しているのとしていないのとでは、いざ掃除をするときの大変さが桁違いです。ですから時間があるときに、“ここにはハンディクリーナーを収納できそう”とか“洗濯ばさみや洗濯ネットはここにしまえそう”というふうに考えて、家の中を見て回ることも重要なことなのです。kenjii / PIXTA(ピクスタ)■ 4.新しいモノを買ったら、収納場所を確保する新しいモノを買ったら、それをどこに保管するかをその都度、考えたほうがいいです。anzphoto_Inc, / PIXTA(ピクスタ)そうしないと、すぐに部屋がモノで溢れてしまいます。新しく揃えたモノでも、そのものに興味関心がなくなると、どうしても放置しがちになってしまいがち。ですから、興味関心が続くうちに、それを収納するスペースを確保してしまうのもオススメの方法ですよ。templa / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?整理収納アドバイザーの資格を取得するにあたり、定期的に見直す習慣づけをすることが大切だということを勉強しますが、片付け下手な人はその習慣がない人が多いようです。思い立ったときに少しずつやっていくことが、片付け上手に近づくための近道なのですね。片付けというのは面倒くさい作業ですが、少しずつ取り入れていってみてください。
2018年09月19日「心理学を応用した片付け習慣・その16」でもご紹介した通り、人は予測を立てるのが苦手です。今回は、人が予測する片付けにかかる時間がいかに曖昧なものかについてご紹介いたします。■ その片付け、どのくらい時間がかかりますか?片付けに必要な時間を考える時に、今までの経験を参考にする方も多いでしょう。「去年はこのくらいかかったから」「似たような片付けでこのくらいかかったから」というのが、判断の根拠になります。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)しかし、一年のうちに数回程度しかない衣替えや大掃除などの所要時間は、記憶も曖昧になりがちです。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)そんな時は、「なんとなく、このくらいで終わりそう」というとても曖昧な判断になってしまうのも仕方ありません。■ 人の心理が分かる!課題提出に必要な時間を予測する実験片付けに必要な時間を予測する上で、参考にしたい事例があります。カリフォルニア大学の経済学教授、ステファノ・デラ・ヴィーニャ氏によって行われた実験です。被験者となる学生を集めて、課題として論文を作成してもらいます。Graphs / PIXTA(ピクスタ)その前に、あらかじめ「自分が論文の提出に何日かかるか」を予測させます。makaron* / PIXTA(ピクスタ)そして、課題の論文が実際に提出するまでの日数を計測しました。■ 人は誰しも自信過剰!? 論文に間に合った学生は少数派だった!その結果は、誰しも身に覚えのある結果となりました。2/3以上の学生が、自分が立てた予測より実際の提出が20日以上も遅れてしまったのです。これは論文なのでピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、分かりやすいのは夏休みの宿題ではないでしょうか。kmonmon / PIXTA(ピクスタ)「最後の3日だけ頑張れば終わらせられる!」と思っていたのが、いざ手をつけてみるとまったく終わらず……。休み明けに先生に叱られた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)論文を提出した学生たちも、同じ心境だったかもしれませんね(笑)。■ 人は無意識に「都合の良い条件」で考えてしまうもの!実験を行ったヴィーニャ氏は、「人は自分の能力を高く見積もる傾向がある」と考察しています。また「すべてが調子良くできたら」という希望的観測に基づいた予測を、そのまま目標設定にしてしまう傾向もあるそうです。少し大掛かりな片付けについては、「意外とはかどらないかも」「調子の良い時もあれば、悪い時もある」と冷静な判断をするように心がけることが大切と言えます。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)時間に余裕があれば、気持ちにも余裕が生まれます。あらかじめ「もう少し時間がかかるかも」と考えて予測を立てておけば、きっと片付けも楽しみながら進めることができるはずです。【参考】※スティーヴン・レヴィット「レヴィット ミクロ経済学 基礎編」
2018年09月17日片付け習慣を身につけるうえで、とても大事なことは「継続すること」です。ところが、なかなか長続きしないという悩みを持った方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな方に知っておいてもらいたい心理学の知識をお伝えします。■ 「どうにでもなれ効果」って!? これは立派な理論です。トロント大学の心理学者であるポリビー・ジャネットは「The What-The-Hell Effect.」という理論を発表しています。日本語に訳すと「どうにでもなれ効果」。なんとも軽妙なネーミングですね。しかし、これも実験に基づく立派な理論です。どのようなものなのか、ご説明しましょう。■ ダイエットの意志を挫折させる、「どうにでもなれ効果」の恐ろしさ。「クッキーの味を評価する実験」と称して集めた被験者を、3つのグループに分けます。そして、各グループに実験開始前にピザをふるまいます。Aグループ…ダイエットをしていない(普通の大きさのピザ)Bグループ…ダイエット中(普通の大きさのピザ)Cグループ…ダイエット中(A、Bグループより大きく見えるピザ)june. / PIXTA(ピクスタ)実はピザの容量自体は全員同じなのですが、Cグループだけ大きく見えるピザを渡します。その後、クッキーを食べてもらいます。すると、各グループでクッキーを食べる量に違いが見られました。ささざわ / PIXTA(ピクスタ)被験者には「味の評価について調べる」と言っておきながら、実際は「どのくらいの量を食べるか」を測る実験だったのです。■ むしろダイエット中だからこそ、こんな結果に。A、Bグループに比べて、Cグループの被験者は平均1.5倍もの量のクッキーを食べてしまったのです。ダイエットをしていないAグループよりも、ダイエット中であるはずのCグループの方がたくさんのクッキーを食べてしまいました。muu / PIXTA(ピクスタ)これは「カロリーを抑えなきゃ!」と考えていたCグループの被験者に、「どうせ大きなピザを食べちゃったし、今日はもう好きなだけ食べちゃえ!」という心理が働いたためだと考えられています。まさに「どうにでもなれ効果」という名に相応しい結果が出てしまいました。■ 「どうにでもなれ効果」は防げるの?有効な目標の立て方とは。「どうにでもなれ効果」が起こりやすいのは、「何かを抑制する目標」であることが挙げられます。たとえば、片付けに対してこのような目標を立てていませんか?小さなゴミでも、そのまま放置してはいけないデスクの上に、書類を出したままにしてはいけない片付けをする前に、テレビを見てはいけないこれらの目標も、うまくこなせているうちはまったく悪いことは起こりません。しかし、「しまった!できなかった……」という時が問題です。ゴミや書類が少しでも片付けられなかっただけで、「あぁ、もういいや!」となってしまう。A_Team / PIXTA(ピクスタ)テレビを見はじめてしまったら、その時点で「今日はもう無理!」と考えてしまう。プラナ / PIXTA(ピクスタ)これが、「どうにでもなれ効果」の怖いところです。■ 「〇〇する」という、能動的な目標設定に切り替えるまずは、目標設定の仕方を見直してみましょう。前述の目標は、以下のように言い換えることができます。小さなゴミは、見つけたらその場で拾うデスクの上は、何もない状態にしておく片付けが終わってから、テレビを見る(テレビを見たら、片付けをする)Graphs / PIXTA(ピクスタ)「何かを抑制する目標」は、達成できなかった瞬間にすべてが台無しになってしまいます。しかし「〇〇をする」という目標は、たとえその場で達成できなくても、まだ挽回できるチャンスがあります。片付け習慣を身につける時には、「〇〇をする」という能動的な言葉で目標を立ててみてはいかがでしょうか。【参考】※ケリー・マクゴニガル 『スタンフォードの自分を変える教室』
2018年08月23日子どもが思い切り遊べて、自分で片付けしやすい収納方法を見つけるのって、難しいことですよね。6歳と3歳を子育て中の整理収納アドバイザートノエルも、数々の失敗を繰り返してまいりました。前編に引き続き、試行錯誤の末にたどり着いたおもちゃの収納方法をご紹介します。今回は最後の3ステップです。■ ステップ1とステップ2のおさらい!まず前編にご紹介したステップ1、ステップ2のおさらいからです。子どもたちの宝物=おもちゃ。その整理収納の方法は子どもも大人も一緒です。まず、ステップ1で「おもちゃや部屋の使いかたの現状を把握」して、これからのことを考えました。次に、ステップ2で「今後も使いたいおもちゃだけに整理」していきました。今回はいよいよ最終ステップで、おもちゃを出し入れしやすく収納していきます。■ ステップ3つかいやすく、しまおう!3-1プラン通りにおもちゃを収納する。前編のステップ2-2で、親子で話し合て決めた収納プランのとおりに、おもちゃ箱におもちゃを収納していきましょう。収納する前に、空っぽになったおもちゃ箱を綺麗に掃除してから収納するとスッキリです。ここで、新しい収納用品を買い足したくなる方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな気持ちはグッと堪えて、すでにお持ちの箱などを活用し、仮置きされることをオススメします。しばらく使ってみて、使いづらいようなら気軽に見直せるからです。問題がないことがわかってから、必要な収納用品を用意されると、無駄な出費や労力を控えることができますね。わが家も、このタイミングでは元々あったカゴと板を使って入れています。厳選されたおもちゃと絵本だけ、リビングとキッズスペースとして使用している和室に置くことになりました。3-2子どもにわかりやすいラベルを付けるモノの置き場所が定まったら、どこに何を収納しているか、わかりやすく表示しましょう。子どもによって、文字でわかる子、写真やイラストがわかりやすい子と、さまざまですよね。ぜひ、あなたの子どもにとってわかりやすいラベルにしてみてください。おもちゃが頻繁に入れ替わる可能性も視野に入れつつ、用意するのが負担にならない方法だといいですよね。わが家は子どもにもわかりやすい、イラスト付きのラベルにしてみました。以前は写真を撮ってラベルにしていましたが、わりと頻繁に大切なおもちゃが入れ替わるので、そのたびに写真を取り直して印刷して……というのはかなり手間がかかるんです。さっとイラストを描くほうが筆者にとってはラクなので、こんなラベルにしてみました。色塗りは子どもがしています。ぬりえが大好きなので、楽しくラベルづくりができました。自分で作ったから、日々の片付けもがんばってほしい!という願いもこめています。3-3 捨てないおもちゃを収納するこのおもちゃ収納大作戦を始めるときに子どもと約束したこと。「おもちゃも えほんも すてないよ!」この声掛けで、子どもが安心して取り組むことができました。当然、残りのおもちゃは捨てていません。なるべく省スペースに、種類ごとに分けて、筆者にも子どもにもわかりやすく……と考えた結果。大きめのポリ袋に入れて、使用頻度の低いモノを収納しているクローゼットに入れています。子どもにもわかるように、取っ手のところにマジックで種類も書いています。「仕舞い込んでいるアレで遊びたい!」と思ったときには、子ども自身がこのポリ袋を持ってきて、取り出して遊んでいます。よく引っ張り出してくるおもちゃは「おもちゃ箱に収納しているモノと入れ替える?」と提案して、入れ替えることもあります。いかがでしたか?モノの整理収納を行うとき、大人も、子どもも「考える」→「整理する」→「収納する」という手順は同じです。筆者宅では、おもちゃが増えてきたタイミングで、この方法でおもちゃ収納大作戦を決行しています。その都度、子どもの選び取るおもちゃや収納方法が変わっていって、成長も感じられる良い機会になっています。もちろんこの方法が正解!というわけではなく、あくまでも一例。たまたま、筆者宅でうまく運用できている方法をご紹介しました。参考にしていただけるとうれしいです。ちなみに、子どもの日々の片付けや収納方法については、「集中できるのは10分!子どもに片付けを促す9つの方法・前編」「ダメ出しよりまずほめること!子どもに片付けを促す9つの方法・後編」という記事も公開しています。合わせてご覧くださいね。「整える」ほど丁寧じゃなく「トノエル」くらいがちょうどいい。整理収納アドバイザートノエルでした。
2018年08月22日子どもが自分のモノを片付けられるようになるためには、まずは子どもにとって使いやすい環境を整える必要があります。整理収納アドバイザーのトノエルが、前編に続いて数々の失敗の末にたどり着いた、子どもの片付けを促す工夫を9つご紹介します。「集中できるのは10分!子どもに片付けを促す9つの方法・前編」でご紹介した工夫はこちら。子どもと相談して決める片付けに集中できる時間に合わせて、おもちゃの量を決める散らかりやすい場所に収納場所を設置するなるべく簡単な方法で収納する今回は収納術に加えて、子どもにやる気を出させるテクニックをご紹介します。■ 5.子どもが出し入れしやすい高さにする肩から腰の高さまでの位置は、手を伸ばしやすく、収納のゴールデンゾーンです。子どもと大人は背の高さが違うぶん、当然このゴールデンゾーンも違ってきます。子どもがよく使うモノは、子どもの肩から腰までの位置に収納すると、出し入れしやすくなります。この位置に収納するモノは、棚に置く、カゴや引出しに入れる、フックに引っ掛けるなど、どんな方法でも扱いやすいはずです。ITADAKI24 / PIXTA(ピクスタ)腰から下は、子どもにとっても見えにくく手を伸ばしにくい位置になるので、大きなモノは棚に置く、細かいモノはカゴや引出しに入れる、などして、横や真上から見たときにどこに何があるかわかりやすい工夫が必要です。肩から上は、子どもにとって手を伸ばしにくい位置になるので、モノを収納するのは子どもの目線の高さまでにしておくのがオススメです。また、重いモノもこの高さに置くのがオススメです。重いモノを持ちあげるのは危険なので、軽いモノをそっと置くだけ、フックに引っ掛けるだけの収納にしておきましょう。■ 6.子どもでもわかりやすいラベルにするどこに何を収納するのか決めたら、子どもにとってわかりやすく表示しておくといいですね。ラベルを付けるのが一番いいと思います。子どもによって、文字がわかりやすい子、写真がわかりやすい子、イラストやアイコンがわかりやすい子など、さまざまです。どういう表示の仕方だったらわかりやすいか、お子さんと一緒に考えてみてくださいね。■ 7.具体的でポジティブな声掛けをする子どもへの声掛けは、わかりやすくプラスのイメージの言葉を選びたいですよね。「早く片づけなさい!」よりも「もうすぐおやつの時間だから片付けようね。片付けって、使ったモノを出した場所に戻すことだよ。○○ちゃんが片付けできるの、待ってるからね」のほうが、子どもも気持ちよく片付けに取り組めます。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)部屋が散らかっていてイライラしてしまうと、わかってはいても難しいときもありますが……。優しいお母さん役の女優にでもなったつもりで、気分を切り替えて、マイナスの言葉をプラスの言葉に変換してみましょう。そのほうが、子どもも親もご機嫌でいられますよね。■ 8. 習慣化するまでは根気よく一緒に片付けるやる気がないときは、無理に片付けさせるのではなく、まずは大人が楽しんで片付けしている姿を見せるのがいいようです。例えば、タイマーがなるまでに片付けるというゲーム形式にしたり、お片付けソングを歌いながらご機嫌に片付けてみたり。「ぼくも一緒にやってみたい!」と興味を引くことができますよね。また、やる気を出すためには、あえて反対の言葉をかけるのも試してみてください。「今日は片付けしなくていいよ。ママがするところを見ているだけでいいからね」と声をかけ、思いっきり楽しそうに片付けをしてみてください。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)だんだん「わたしもやりたい!」という気持ちになってくるかもしれません。■ 9.片付けられたら、ほめて達成感を持たせるあの手この手で、子どもが片付けをすることができたら、片付けを頑張ったことをほめてあげたいですね。shimi / PIXTA(ピクスタ)カゴの置き方が歪んでいても、本が逆を向いていても、ダメ出しするのはぐっと堪えて。まずは子どもの努力をたたえましょう。正しい片付けのやり方は、子どもが達成感を味わった後に、アドバイスするのがいいですね。片付ける前よりきれいになった部屋を見まわし「きれいな部屋は気持ちがいいね」と、共感しあうことを続けていれば、子どもが成長したときに「汚い部屋のほうが落ち着く」という大人にならないのではないでしょうか。いかがでしたか?子どもの片付けは、一人ひとりの発達や性格、生活スタイルによってもずいぶん違いがあるので、難しい問題ですよね。昨日までうまくいっていたシステムが、突然機能しなくなる……ということも日常茶飯事です。自戒の意味も込めて書いたこの記事、一つでも参考なったのならうれしいです。「整える」ほど丁寧じゃなく「トノエル」くらいがちょうどいい。整理収納アドバイザーのトノエルでした。
2018年08月20日子どもたちが大好きな長いお休みである夏休み!そこで、夏休みのこの時期を充実させるためのアイデアをこれまでの記事からピックアップ。子どもの「勉強・片づけ・手伝い」に分けて紹介します。■ 子どもが進んで勉強する部屋づくりと学習工夫するだけでOK!子どもが自ら勉強しやすくなる部屋づくり子どもが自らすすんで勉強してくれるようになったらいいですよね。勉強を自分でするような工夫は何でしょうか?実は、子ども部屋の環境も関係しているそう。どんな工夫をすればよいのか、一般家庭のアイデアから解説します。読書で塾に通わずに学力UP!子どもを「本好き」にする部屋づくり松永暢史氏の著書『できるだけ塾に通わずに、受験に勝つ方法』(扶桑社刊)では、本を読む習慣が子どもの学力アップに役立つことから解説していきます。効果的な子どもを本好きにさせるお部屋づくりのコツは必見です!記事はこちら安全性、勉強、コミュニケーション。これが、子ども部屋をつくる時に重視するポイント3つ。家庭の教育方針により子どもの部屋づくりは様々。今回は知り合いのパパさんとママさんに協力してもらい、意見のリサーチ子ども部屋をつくる時にどんな点を重視したのか、そのポイントを3つご紹介。記事はこちら《そのほかのおすすめ記事》>永遠のテーマ!? 「子ども部屋いる・いらない問題」を真剣に考えた記事3本【日刊Sumaiまとめ】>悩みも解消!子ども部屋に「なまえのチカラ」を飾って子どもをポジティブに!>良い子ども部屋って?実例に学ぶ「自立した頭の良い子」が育つ部屋とは最近よく聞く「リビング学習」、効果が出る知っておきたいポイント「リビング学習をしている子は成績が上がる」とか「リビング学習は、家庭学習を定着させやすい」などと言われるようになってから久しいですね。今では、塾講師もその効果を実感しているそう。今まで実践してきたけれど上手くできていない、これからやってみようかな?と思っている方、必見!ちょっとしたポイントを抑えるだけでリビング学習の効果が出る方法があるんです。元塾講師が教える!「リビング学習」を効果的にできるコツ3つせっかくリビング学習を取り入れるなら、成績アップしたいですよね。元塾講師も実感した効果的なリビング学習のコツを3つご紹介します。記事はこちらママのイライラも解消!子どもが「リビング学習」しやすい間取りづくりリビング学習を実践した北欧インテリア&暮らしやすい収納を中心にブログ 『めがねとかもめと北欧暮らし』で人気のMIさんの実例から。家事に忙しいママでも今から真似したいポイントは要チェックです。記事はこちら《そのほかのおすすめ記事》>塾なしOK!でも家庭教師に丸投げはNG!家庭教師とは「リビング学習」で>つまずきサインをすぐ発見!“リビング学習”最大のメリットは親の「気づき」【計算編】>質問未満のつまずきサインをすぐ発見!“リビング学習”最大のメリットは親の「気づき」【漢字編】娘2人を「東大現役合格」させたスーパーママから学ぶ!イライラして、つい子どもにガミガミ言ってしまう……。これが案外大きな悩みだという人も少なくないはず。そんな悩みが解消できる、娘2人を東大現役合格させたスーパーママでもある江藤真規さんの著書『ママのイライラ言葉言い換え辞典』(扶桑社刊)から、「イライラ言葉」を「 ポジティブ言葉」に変えるヒントが満載です。娘2人を「東大現役合格」させたスーパーママに聞く!“イライラ言葉”を“ポジティブ言葉”に変える方法。親子で気分が悪くなる日々から脱却するためには、まずは大人から現実を見つめて言動を変えるのが近道。記事はこちら《関連記事》>娘2人を「東大現役合格」させたスーパーママに聞く!“イライラ言葉”になる7つの原因とは?>娘2人を「東大現役合格」させたスーパーママに聞く!コミュニケーションはI(私は言葉)とEYE(目で示す)で!>娘2人を東大現役合格させたスーパーママの「魔法の言葉かけ」って?《そのほかのおすすめ記事》>勉強できるだけの子でいいの?「地頭のよさ」は親子の会話で育つ!?・その2>文章力向上、英検合格…。小学生の子ども達に「公文式」を続けさせて感じたメリットとは?次ページ>子どものお片付け・躾け(しつけ)の方法
2018年08月13日小さな子どもがいるご家庭にとって、どんどん増えるおもちゃや子どもの作品は、悩みの種ですよね。明らかにゴミと思われるモノでも、勝手に捨てると親子関係に禍根を残す、大問題に発展しかねません。6歳と3歳を子育て中の整理収納アドバイザートノエルも、数々の失敗を繰り返してまいりました。その中でたどり着いた、名付けて“子どもが「じぶんできめる」おもちゃ収納大作戦”を2回にわたってご紹介します。2時間の実践で、スッキリとしたおもちゃ収納をめざしてみませんか?子どもが「じぶんできめる」ので、大切な物事を選び取る練習にもなりますよ。■ 実践!3ステップ「考える」→「整理する」→「収納する」子どもたちの宝物=おもちゃ。その整理収納の方法は子どもも大人も一緒です。ステップ1現状を把握してこれからのことを考える。ステップ2使うモノだけに整理する。ステップ3出し入れしやすく収納する。このステップを通して収納システムをつくっておくと、日々の片付けがぐんとラクになります。そして、これを子どもにもわかりやすく表現したのがこちら。では、この手順を子どもにもわかりやすく実践したわが家の記録をご紹介しましょう。衝撃のBefore写真!たくさんの子どもたちがあそびに来たときに、家中のおもちゃを総動員→After2時間でスッキリとしたおもちゃ収納を実現します!■ ステップ1これからのことを、かんがえよう!1-1どんな部屋をめざすのか考える。まずは、どこで遊ぶのか、どんなおもちゃを選び、どう収納するのかを子どもと一緒に考えていきます。そのために、子どもにこんな質問をして、答えを書き出していきましょう。「ここは なにを する おへや?」「どうなっていたら うれしい?」わが家はダイニングの隣の和室を、リビングとキッズスペースとして利用しているので、その部屋について質問しました。わが家の場合、あそぶ部屋ではあるけれど、くつろぐ部屋でもあるので、畳の上に何もないスッキリとした部屋をめざすことにしました。1-2おもちゃ収納大作戦での、大切なお約束。子どもたちにとって、おもちゃは宝物のようなモノ。そのおもちゃを「減らす」というのは、当然、嫌なことなんですよね。これからしようとしていることに、わが子たちは警戒心のかたまりのような顔。そこで、このタイミングで2つ、大切な約束をしました。「おもちゃも えほんも すてないよ!」「ほんとうに あそびたい おもちゃだけ ここの おへやにおくよ!」この約束は、わが子たちにとっては、とても効果的でした。それまでの浮かない顔が、ぱーーっと晴れて、ノリノリで大作戦にのぞんでくれました。1-3持っているおもちゃを把握する。次に家にあるおもちゃを見回し、こんな質問をしていきます。「どんな おもちゃが あるかな?」子どもが答えたおもちゃを、ジャンルごとに付箋に書き出して、紙に貼っていきます。普段よく遊んでいるおもちゃはスムーズに答えられるのに、あまり遊んでいないおもちゃは答えられないこともあるかもしれません。子ども自身も存在を「わすれていた!」というおもちゃがあることに気付くことでしょう。■ ステップ2いるモノを、えらぼう!2-1おもちゃの使用頻度に優先順位をつける。家にあるおもちゃを付箋に書き出す作業に続けて、こんな質問をします。「これからも あそびたいおもちゃは?」わが家では普段よく遊んでいるおもちゃを、紙の右側に移動させました。これで子どもたちも、おもちゃの使用頻度に優先順位をつけることができました。2-2整理の基準と、収納プランを決める。快適に過ごすためには、持っているおもちゃを全部置いておけないという、ということに気付いたわが子たち。「これからも あそびたい おもちゃ」に選んだおもちゃから「おもちゃばこに はいるだけ」キッズスペースに置くことに決めました。必ずしも、おもちゃを減らさないといけないわけではありません。どんな基準でおもちゃを選ぶかは、子どもの発達や性格、置き場所や生活スタイルに合わせて、親子でよく話し合って決めてくださいね。おもちゃ箱の図を描いて、そのなかにおもちゃの付箋を配置していきます。「どのたかさが とりだしやすいかな?」「いちばん よくあそぶのは なに?」など、声をかけながら一緒に考えると、おもちゃの収納プランができあがります。2-3整理の実作業!全部出す→要るモノを選ぶ。さあいよいよ、おもちゃの仕分けです。まずは、おもちゃ箱からおもちゃを全部取り出します。次に、子どもと一緒に決めた基準で、おもちゃを選んでいきます。わが家は「これからも あそびたい おもちゃ」に選んだおもちゃから、「おもちゃばこに はいるだけ」選んで、それぞれの箱やラックに入れていきました。ここで、選ばなかったおもちゃも絵本も「すてないよ!」と約束しているので、子どもたちは安心して本当に遊びたいおもちゃを選ぶことができたようです。いかがでしたか?モノの整理収納を行うとき、大人も、子どもも「考える」→「整理する」→「収納する」という手順は同じです。筆者宅では、おもちゃが増えてきたタイミングで、この方法でおもちゃ収納大作戦を決行しています。その都度、子どもの選び取るおもちゃが変わっていって、成長も感じられる良い機会になっています。長くなりましたので、今回ご紹介できなかった「ステップ3 つかいやすくしまおう!」は「自立を促す!子どもが「じぶんできめる」おもちゃ収納大作戦」でご紹介します。「整える」ほど丁寧じゃなく「トノエル」くらいがちょうどいい。整理収納アドバイザートノエルでした。
2018年08月11日「もー、片付けてよー!」「落ちてるおもちゃはいらないの?捨てるよ!」ダメとは思いながらも、仕事や家事や子育てに追われていると、ついこんな声掛けをしてしまうことありませんか?「おもちゃの整理収納は、子どもと一緒に取り組んで」……というのが理想と分かっていても、子どもの発達や性格は人それぞれですし、とても難しいですよね。子どもが自分のモノを片付けられるようになるためには、まずは子どもにとって使いやすい環境を整える必要があります。整理収納アドバイザーのトノエルが、2回にわたって、数々の失敗を繰り返してたどり着いた、子どもの片付けを促す工夫を9つご紹介します。今回はその4つまでをご紹介します。■ 1.「どのような収納方法がいいのか?」を子どもと相談して決めるこれが一番大切なポイントです。どこで何をしたいか?そこで使うモノをどこに置いておくのが便利か?どのように置いておくのが取り出しやすくてしまいやすいのか?その答えは人それぞれ。それは大人であるか子どもであるかは、関係のないことです。親であるあなたが勝手に決めてしまうのではなく、使う人である子どもに聞いて、一緒に考えていきましょう。コミュニケーションがままならないほど子どもが幼い場合は、子どもの行動や性格を観察して決めるのがいいですね。きょうだいがいる場合、一人ひとり持ち物も性格もお片付けの能力も違うはずです。お揃いの収納方法のほうがすっきりして見えますが、一人の子にだけ合わせた収納方法だと、片付けられない子ができてしまうかもしれません。「どうしてこの子は片付けられないの?」と思うのも、注意するのも疲れますよね。理想は、一人ひとりに合わせた収納を!つむぎ / PIXTA(ピクスタ)スペースやインテリアの都合上難しい場合は、なるべく片付け能力の低い子に合わせた収納にしてあげてください。子どもがラクになるだけではなく、あなたもラクになるはずです。■ 2.子どもが集中できる時間は10分。その時間に合わせて、おもちゃの量を決める幼児期の子どもがいるご家庭では、買い与えたわけじゃなくても、おもちゃはどんどん増えていきませんか?放っておくと片付けられない量になりがちですよね。子どもが片付けられない場合、おもちゃの量が多すぎるということが理由の一つとして挙げられます。好きなことには集中力が続いても、片付けとなるとすぐに飽きてしまうのではないでしょうか。わが家の場合、子どもが集中して片付けできる時間は10分ほど。おもちゃ箱に収めるおもちゃは、10分以内に片付けられる量に厳選しています。gdbee / PIXTA(ピクスタ)もちろん、どのおもちゃを残すか決めるのは子どもの仕事。親が勝手に決めてしまうと、子どもの反感を買いかねません。残さないおもちゃも、処分するのか、普段は取り出せない場所に保管するのか、子どもの同意を得て決めています。■ 3.「散らかりやすい場所」に収納場所を設置するモノは使う場所に収納するというのが基本です。家庭学習はダイニングテーブルでしているのに、学用品の収納場所は子ども部屋。そんなご家庭も多いのではないでしょうか。そうなると、よほど片付け能力の高い子どもでない限り、帰宅後にランドセルや教科書がダイニングの床に散らばりかねません。散らかりやすいということは、そこで子どもが活動しているということ。ダイニングで学習するのなら、学用品の収納はダイニングに設置するのがオススメです。マハロ / PIXTA(ピクスタ)■ 4.なるべく「簡単な方法」で収納する子どもが自分で片付けられるようにするためには、なるべく「簡単な収納方法」にする必要があります。特に面倒くさがりやさんには、ドンと置くだけ、ポイポイ放り込むだけ、ちょっと引っ掛けるだけなど、ワンアクションでできる収納方法がオススメです。外では片付けできているのに家ではできないという場合は、お子さんの園や学校のロッカー、共有スペースの収納方法を参考にしてみるのもいいかもしれませんね。@yume / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?子どもの片付けは、一人ひとりの発達や性格、生活スタイルによってもずいぶん違いがあるので、難しい問題ですよね。昨日までうまくいっていたシステムが、突然機能しなくなる……ということも日常茶飯事です。長くなりましたので、残り5つの工夫は「続・めざせ収納上手!子どもが片付けやすい収納のつくり方とやる気を出させるテクニック」でご紹介します。「整える」ほど丁寧じゃなく「トノエル」くらいがちょうどいい。整理収納アドバイザーのトノエルでした。
2018年08月09日「もし、この散らかった部屋が綺麗に片付いたら……」片付け習慣を身につけようとする時、「綺麗に片付いたあとのこと」を想像しない人はいないでしょう。ピカピカに磨き上げられたキッチン、ホコリひとつ落ちていないリビング。「綺麗になった部屋を具体的にイメージすれば、片付けに対するモチベーションが上がるはず!」と思いませんか?実はそれ、心理学的に考えると大間違いだったんです!「難題をやり切ったあとのこと」を想像すると逆効果になってしまうという、常識に反するような研究結果があります■ ここに素敵なハイヒールがあります。それを履いたあなたは…。ニューヨーク大学の心理学者であるガブリエル・エッティンゲンの実験をご紹介しましょう。女性の被験者を集めて、2つのグループに分けます。Aグループ……ハイヒールを履いて「足が痛くて辛いわたし」を想像してもらうBグループ……ハイヒールを履いて「都会を颯爽と歩くわたし」を想像してもらうtobe / PIXTA(ピクスタ)想像してもらう時間をとったあと、それぞれの血圧の変化を測ります。するとAグループの被験者は血圧が変わらなかったのに対して、Bグループは血圧が下がったのです。ちなみに、血圧はモチベーションにとって非常に重要な要素です。血圧が下がるということは「リラックス状態」になったことを意味しており、「やる気が出てくる」状況ではありません。■ 「想像上の満足」だけで、人は本当に満足してリラックスしてしまう『「パブリック・コミットメント」ってなに?心理学を応用した片付け習慣・その3』でもご紹介した通り、人は「まだやっていないことを周囲から褒められる」だけでも十分に満足してしまう可能性がります。さらに「まだ達成していないことをやりきった自分」を想像するだけでも、モチベーションを失ってしまう可能性が高いのです。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)つまり、「ポジティブな想像は、実際の行動力を奪ってしまう」ということです。■ 実は逆効果かも?巷に溢れるモチベーションアップ方法。受験生に対して、「試験に受かった自分を想像しよう!」という号令。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)仕事において、「営業成績でトップになった自分を想像しよう!」という激励。freeangle / PIXTA(ピクスタ)思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。これらの「想像上の満足」を与えるイメージは、リラックスするには最適です。しかし、実際の行動を起こすためには逆効果であることが心理学的には証明されています。■ 本当に片付けをしたいなら、想像はほどほどに。雑誌やインターネットで綺麗なお部屋の写真を見て、「こんな風に暮らしたい!」と思うのも大事なことです。お手本がなければ、どこを目指せばいいのか分からないですものね。ただし、片付けに関しては少し注意が必要です。「綺麗になったあとのお部屋のイメージ」よりも、「お部屋が散らかっているという現実」にしっかり目を向けてください。polkadot / PIXTA(ピクスタ)「これをどうにかしなきゃ!」という危機感も、片付け習慣を身につけるためには必要な刺激なのですから。【参考】※ガブリエル・エッティンゲン『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則』
2018年08月03日夏の帰省時は実家の片付けをするチャンス。これから実家の片付けを始めようと思っている方が参考になるよう、具体的なプロセスやちょっとしたコツをご紹介します。【準備編】 【実践編】に続き、2日間かけて取組んだ実家の片付け。いよいよ「完結編」です。■ 45リットルのごみ袋が15袋も!両親と筆者の3人で行った片付けは、とても実りのあるものでした。ごみの量は45リットルの袋が15袋とカゴや突っ張り棒!これらがほぼクローゼット内に収められていたことに家族一同驚くばかりでした。おかげで3か所のクローゼットはスッキリし、妹と赤ちゃんが使う部屋のクローゼットに関しては、空きスペースをたっぷりと確保できました。ハンガースペースを全幅確保!下段は何もなし!【片付け前】無造作収納の掃除用具【片付け後】コロコロ&ワイパーはヒモとS字フックで吊り収納実家の片付けレポート最終回は、小さな工夫や気配りで片付けを成功させる秘訣をご紹介します。■ 昼食、おやつの準備と時間の確保はマスト!おさらいになりますが、片付けは日中におこない、作業時間は多くて5~6時間にとどめておきましょう。意識して準備したいのは、昼食とおやつやお茶の支度です。Fuchsia / PIXTA(ピクスタ)片付けに注力できるよう、温めるだけなどの簡単な食事が良いでしょう。作らない場合は事前に買っておけばすぐに食事ができ、作業で疲れた気持ちとお腹を満たしてくれます。デリバリーを頼むのも良いですね。ちなみに筆者は片付けの日、朝食後にポテトサラダを作り置き。ピザトーストを焼いてワンプレートランチにしました。昼食の時、午後はこの場所をやろう、などと打合せを兼ね親が疲れていないかを忘れずに確認しましょう。母は疲れたようなので、午後は愛犬と見守り役にさらに、おやつの時間を設けることもオススメです。お茶やおやつを口にしながら小休止することで、もうひと踏ん張りできますよ。おやつタイムに母がいつもより高級なコーヒーゼリーを用意してくれました。■ 親のパーソナルスペースには口を挟まないのも気配りこれまで成功談を記してきましたが、実は母と揉めそうになったシーンが2回ありました。1度目は「もう着ない服を処分するか決める時」。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)母のコート類を整理していた時、30年物のコートが出てきました。母は何年も着ていないけれど、気に入っていたので処分できないと言います。着ないものは処分したほうが良いと思った筆者はそのことを母に伝えたのですが、思いきれない様子。母は久々にコートに袖を通して見せてくれましたが、今の母の体型には大きすぎると思い、率直に「サイズが合っていないよ」と言いました。ですが、母はこの先いつか着る!と強く思っていたため処分せずに残すことにしました。2度目は片付け2日目の出来事。リビングにあるサイドボードを片付け中に、空き缶とノートに挟んだ書類が大量にあるのを発見してしまいました。母に聞くと、支払い明細書や家計簿代わりに残しているレシートの束でした。母は家計簿を付けていませんが、「とりあえず」レシートを残しています。筆者が「家計を管理できているなら家計簿をつける必要はないので、レシートはどんどん処分したらどうか」と提案しましたが、母は捨てたくないようでした。「着ない服を捨てない」「要らない書類を捨てない」という、どこのご家庭にもありがちな些細なことですが、これらは母の「パーソナルスペース」であることに気がつきました。実家には十分に置けるスペースがあったので、母の思いを尊重しその後の管理は母に任せることにしました。近しい間柄だとついつい踏み込み過ぎてしまいますが、個々の心のスペースは適度な距離を取るのが大切だなと強く感じた出来事でした。■ 実家の片付けは余白を残し、この先どうするかは親にゆだねるのも手farmer / PIXTA(ピクスタ)キッチンにいる時間の多い筆者の母。収納に関してお直しポイントをすでにたくさん見つけている筆者ですが、今回キッチンはあえてノータッチ。それは、クローゼット収納の見直しを通じて、母自身にベストな収納方法を少しでも見つけてもらえたら良いなと考えていたからです。事実、母はキッチンに「赤ちゃん関連グッズ置き場」をひとまとめに作り、洗面所の棚の一部を空けて妹のコスメを入れるコーナーを設けるなど、自ら工夫して収納しています。大掛かりな片付けを敢行したことで、母の片付け力は確実に向上しています!いかがでしたか。高いハードルと思われがちな実家の片付けですが、家族が一緒ならきっとクリアできるはずです。家族みんなが健やかに暮らすためにも、この夏トライしてみることをオススメします。
2018年07月25日夏の帰省時は実家の片付けをするチャンス。これから実家の片付けを始めようと思っている方が参考になるよう、準備から作業の手順、処分品まで一挙公開します!前回に続き、2日間かけて取組んだ実家の片づけ。今回は親のお悩みを解消しながら収納スペースを片づける「実践編」です。■ 住む人が使いやすい収納を考えよう筆者の実家は3LDKのマンション。5年前に一部リフォーム済みなので、年季の入った家具はすでに処分しています。大型家具の処分は、事前に自治体へ処分の申込が必要なので、帰省前に親御さんに手配してもらうなどの段取りが必要になります。筆者の実家の見える部分はとてもスッキリ片付いています。しかし、各部屋のクローゼットが今ひとつ機能的でないと感じていた筆者。今の収納法で「使いづらくないか」両親に聞いてみたところ、「出しにくい、使いにくい」と即答。ここで実家にありがちな収納パターンを下記にまとめてみました。モノがカテゴリー別に収納されていない掃除用具を取り出しにくい場所に収納している客布団が出し入れしづらい未開封の贈答品、不用品が収納スペースで幅をきかせているみなさんのご実家にも当てはまることはありませんか?筆者が定期的に整理していますが、なかなかキレイをキープできません。それは両親が悪いわけでなく、実家のライフスタイルに合っていないのです。その家に住む人が使いやすく、リバウンドしない収納にすることが重要です。では実際に、実家の困った収納を解決する方法をご紹介していきます。■ 客用布団、掃除機、孫のおもちゃ…。スムーズな出し入れを考えて収納!画像は実家のメインのクローゼットです。リフォーム前は押入れで現在も上下に仕切りがあります。実家のメインのクローゼットの問題点は2つ。1. 客用布団が出し入れしづらい2. 奥行きがあるため、ついつい奥にものを押し込んでしまう順番に解決していきます。実家の客用布団は現在2組。布団は筆者が月1回泊まる程度なので、普段は1組しか使いません。毎回父と2人掛かりで布団を出し入れし、意外と手間のかかる作業でした。片づけにあたり、クローゼット内部を観察すると、上段の脇に布団をちょうど1組置けそうなデットスペースを発見。布団を立てれば入るかも?筆者は2組の布団を一箇所にしまうよりも、1組だけ出し入れしやすければ良いと考えました。そのことを親に提案し布団の配置換えの許可がおりたので布団を移動。デットスペースに出番の少ない布団が1組収まりました。モノの配置を大きく変えたい場合は、小さなことでも親に相談するのがオススメです。お互い気持ちよく作業できるよう、住人である親の意見を尊重しながら進めてくださいね。配置換え後、布団の出入れがとても楽になりました。不用品の処分もしたので、意外に重い愛犬の「トイレシート」や、別室にあった掃除機を下段に収めることもでき、掃除機があった場所には床置きの健康器具を収めてどんどん良い収納サイクルが生まれてきました!■ 備え付けの棚以外に平置きしないルール作りに着手次に、とりあえず奥に見せたくないものを押し込んでしまうのを止める策として、備え付けの棚以外に平置きしないルール作りに着手。筆者が譲ったセリアのPlentyBoxは「孫の小さなおもちゃ箱」に変身しました。以前はまさかのレジ袋収納でした専用箱に入れることで甥や姪のお片付けが身に付くかもしれない、と期待を込めたアイデアです。未開封の贈答品は譲るか、手間でなければリサイクルショップへ持っていきます。自分が使えそうなモノは遠慮なくいただきましょう。今回の片づけで筆者がもらった品々。祝儀袋を溜め込むのは実家あるあるの1つですね■ 作業員は子ども、親は監督兼助手?軽作業は親に協力してもらおう実家の片づけは役割分担が大切ですが、重労働を親に任せるのは禁物です。今回、吊り下げ収納とハンガーを買ったので、パッケージ剥がし、ゴミ袋用意、ゴミの分別などの軽作業は父にお願いしました。筆者はクローゼットの入れ替え作業を進めながら、手の空いた父に「文具」の仕分けを依頼。左のペン立てに収まった文具以外は処分同時に母にはメイク道具の仕分けを依頼しました。事前に筆者のメイク道具画像を見てもらい、使うものだけを選んでもらいました手前が残すメイク道具。母が常々「重い」と嘆いていた箱も処分して半分以下になりました。「いつか使うもの」「予備」「使わないもの」に分けてもらい、同じものが重複していることに二人とも驚きながら、どんどん仕分けしてくれました。筆者は作業中何度も「今使うもの」「今必要な物」と今という事を連呼していた気がします。片づけることは、「今」という日常をより大事にすることなのかもしれません。次回は実家の片付けが上手くいくための小さな工夫やヒントをご紹介します。
2018年07月23日片付けを続けていると、作業がマンネリ化してくることもあるかもしれません。最初の頃は綺麗になっていくお部屋にテンションが上がっていたのに、一度綺麗になったお部屋を「キープする」のが難しい。目に見えた変化が起こらないというのは、モチベーションが上がりにくいですよね。そんな時に試してもらいたい、簡単なテクニックがあります。■ 人間の感情は操作できる?体を使って心を操る方法。ドイツのフリッツ・シュトラックという社会心理学者が、大学生を対象にある実験を行いました。それは「漫画を読んでもらって、面白さに点数をつけてもらう」というものです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)非常に単純な実験ですが、ひとつだけ変わった点がありました。鉛筆を用意して、被験者全員に口でくわえてもらうのです。masa / PIXTA(ピクスタ)学生を2つのグループに分けて、鉛筆のくわえ方を変えてもらいます。Aグループ…鉛筆を横にくわえるBグループ…鉛筆の先をくわえるすると、Aグループの学生の方が「この漫画は面白い!」と判断したのです。同じ漫画を読んだにもかかわらず、なぜ違いが出てしまったのでしょうか?■ 鉛筆をくわえると、口はどうなる?理由は、鉛筆をくわえる動作をしてみると分かります。実際にくわえなくても良いので、くわえた時の口の動きを再現してみてください。Aグループのように横にくわえると、「い」の発音をしている口になります。ICHIMA / PIXTA(ピクスタ)Bグループのように先をくわえると、「う」の発音の口になりますよね。polkadot / PIXTA(ピクスタ)それは、そのまま「楽しんでいる時(笑っている時)」と「不満がある時(すねている時)」の表情そのものなんです。■ 表情が先か、心が先かこの実験から分かるのは、「同じ作業でも、笑顔でやると楽しく感じてしまう」ということ。しかも「鉛筆をくわえる」というのは、「感情を伴わない完全な作り笑い」です。hanack / PIXTA(ピクスタ)それでも、人は「楽しい」と感じてしまうんです。古くからある「笑う門には福来る」ということわざは、実は心理学的にも証明されていたんですね。■ せっかく片付けをするなら、笑顔でやるだけで本当に楽しめる!片付けがマンネリ化してきたら、「音楽を聴きながらやる」「新しい掃除の方法を試す」というのも面白いでしょう。ただ、今すぐにできて効果抜群の方法も思い出してください。それは「笑顔でやる」ということ。kou / PIXTA(ピクスタ)単純なことですが、同じ作業でもきっと楽しめるようになるはずです。【参考】※クラウス・ベルンハルト『敏感すぎるあなたへ緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』
2018年07月22日自宅の片付けがある程度できてくると次に考えたいのが実家の片付け。実家に帰った時、キッチン、水回りや至る場所で「こうしたほうが良いのに」と片付けのお直しポイントを見つけることはありませんか。今回は筆者が実家帰省中に2日間かけておこなった「実家の片付け」の体験レポートです。これから実家の片付けを始めようと思う方が参考になるよう準備から作業の手順や処分品まで一挙公開します!■ 片付けによい時期や期間は?Blue flash / PIXTA(ピクスタ)片付けの時期は、これから始まるお盆休みや9月のシルバーウイークがオススメです。冬は寒いので体が動きにくく、リビングに「こたつ」「ストーブ」などの暖房器具が出ていると生活動線が悪くなり、作業中つまずいて怪我をする可能性があります。さらに「片付けを一度の帰省で終わらせる」と意気込むのはオススメできません。モノを大切にする親世代はモノが多いケースが大半で、1日で完結するのは厳しいと思います。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)片付けは体力と気力を消耗しますので、「1~2日間」「作業時間は1日最大5時間程度」を目安におこなってください。それ以上作業すると、自宅へ戻った時に疲れが出てしまいます。また、帰省中の外出は家族にとっても楽しみのひとつなので、無理なく片付け計画をしてください。また、5月のゴールデンウイークも活動しやすい時期なので片付けによい季節です。■ 「ライフスタイルの変化」が片付けのタイミング実家の片付けは親御さんにとって、「大イベント」として受け取る方が多く、「引っ越し」や「年末の大掃除」以外に大がかりな片付けの必要はないと考える方が多いと思います。kou / PIXTA(ピクスタ)しかし、どんなご家庭にも下記のようなことがきっかけでライフスタイルの変化が訪れます。子どもの独立親御さんの定年退職介護子どもの出産前後の里帰りペット趣味(はじめる、やめる)などライフスタイルの変化と共に身の回り品が増えたり、不要なものが出てきます。筆者の実家の場合、妹が出産後の里帰り中です。里帰り予定の2か月前、両親に「妹と赤ちゃんが来て荷物が増えるのでクローゼット内の整理をしてはどうか」という提案をしました。「片付け」という言葉を聞くだけで両親は「大変そう」と尻込み気味でした。そして、母から「クローゼットに入らなかったら床に置けばよい」との声がありました。【片付け前】両親の寝室(健康器具の床置き発見!)妹の部屋と他の部屋を日に何度も行き来する母や妹を思い浮かべると生活動線である床にモノを置くことは賛成できない筆者。特に慌てやすい母が転倒でもしたら……と思うと、スッキリした部屋は必要不可欠だと感じました。【片付け前】帰省前の妹の部屋(赤ちゃんグッズがスタンバイ)床に整頓せずにモノを置くことは、家族が転倒するなど室内事故の原因にもなるので、老後の家庭内事故のリスクについても話し合うことをオススメします。■ 収納グッズや片付け方法の成功体験をシェアするのがコツ片付けを提案した際、親にお気に入りの収納用品や片付け方法を事前に伝えました。例えば「ニトリの省スペースハンガーで統一したら、収納スペースが増えた」「カバン専用ホルダーを付けたら、散らかりにくくなった」など、取り入れて上手くいった収納用品や方法をシェアすると、親が片付けに興味を示してくれました。実家用に買ったニトリのハンガーとバッグホルダー会話だけでは想像しにくい場合、実際に自宅で使っている様子を事前にスマートフォンで撮影し、画像を見てもらうとよりイメージしやすいと思います。いかがでしたか。画像のようにメインクローゼット収納の入れ替えが完成しました。【片付け前】遠目だとキレイですが、出し入れ困難品が多数……【片付け後】上段はバッグホルダーで仕切りました。右が父用、左が母用次回は実際の様子やポイントをご紹介します。
2018年07月19日片付け習慣を身につけようと思って頑張っていても、どうしても長く続かない。そんな悩みを持っているのは、あなただけではないはずです。「ひょっとしたら、私は片付けに向いていないのかも?」と思っている方に、お伝えしたい心理学の理論があります。ペンシルベニア大学のポジティブ心理学センターにてセンター長を務める、マーティン・セリグマンの研究から導き出された「学習性無力感」という理論についてのお話です。■ 片付けが長続きする人と、長続きしない人にはどんな差がある?あなたの周りで、片付け上手な人はいますか?mits / PIXTA(ピクスタ)その人は、もしかしたら片付け習慣をうまく身につけられたのかもしれません。テキパキと片付けをこなしていて、しかもそんなに苦労しているようにも見えない。そのような人と、片付け習慣が身につけられない人の差はどこにあるのでしょうか?■ 不気味な実験が明らかにした、人間の学習理論。1960〜1970年代にかけて、前述した心理学者のマーティン・セリグマンによってある心理学の実験がさかんに行われました。以下のような、少し不気味な雰囲気を帯びた実験です。被験者をグループ分けして、2日間に渡ってわざと大音量の不快な音楽を聞かせます。GARAGE38 / PIXTA(ピクスタ)そして目の前にボタンを置いておくのですが、被験者には何のボタンかは説明しません。ボタンの役割は次の通りになっていました。Aグループ:押すと音楽が止まるボタン。Bグループ:押しても音楽が止まらないボタン。音楽を流し始めると、Aグループはすぐにボタンの役割に気づきます。そしてボタンを押して、不快な音楽を止めることができました。Bグループの被験者もとりあえず押してみるのですが、音楽に変化がないのでそのまま我慢し続けます。■ ここからが実験の本領発揮!あなたならどうする?翌日にも、やはり被験者に大音量の不快な音楽を聞かせます。すると、今度はグループごとに行動に違いが見られました。Aグループ:ボタンを押して、すぐに音楽を止める。Bグループ:ボタンを押そうとせず、ただ我慢し続ける。Bグループの被験者たちは「押しても、どうせ止まらない」と、諦めてしまっていたのです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)実はこのとき被験者には内緒で、Bグループのボタンも押せば音楽を止められるように付け替えてあったんです。押せば不快な音楽を止められるのに、押そうとしなかった。これが、マーティン・セリグマンによる「学習性無気力」という理論を実証した実験です。■ 全員がボタンを押さなかった……わけではない!ところが、Bグループの被験者のうち2日目にもボタンを押した人もいました。0120 / PIXTA(ピクスタ)話を聞いて分析してみると、「挫折は一時的なもので、いずれ克服できる」という楽観主義的な傾向が強かったそうです。割合としては3分の1程度とのことなので、「意外と多いな」という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。「私はボタンを押さない方だろうな……楽観主義者とは違う」と思っても、悲観するのは早すぎます。誰でも楽観主義的な考え方を身につけられる、簡単な方法があります。■ 片付け習慣を身につけたいなら覚えておきたい、「楽観主義的」な考え方とは?片付けは毎日できれば理想ですが、普通に生活していればできない日も当然でてきます。そんな時は「今日できなかった」と落ち込むのではなく、「次にできるまでに何日かかるか」に目を向けてみましょう。例えば、忙しくて10日間片付けができなかったとしましょう。悲観的に考えれば「10日も片付けをサボってしまった私はダメ人間だ……」となりますが、こう切り替えて考えてみます。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)「最後に片付けをした日から、何日で復帰できるかな?」そして見事片付けに復帰できたら、「11日目に復帰できた!」と自分を褒めてあげます。これが12日だろうが、30日だろうがあまり関係ありません。大事なのは「いつ復帰しようかな?」と、片付け習慣への復帰を前提にして考えることです。■ 「片付け習慣を身につける」というボタンを押し続けてみる。あなたが片付けをできなかった日というのは、たまたま片付けができなかっただけなのではないでしょうか。それをつい「もう片付け習慣は身につかないんだ」と考えがちです。それはあなたが悪いのではなく、単純に人はそういう習性を持っているというだけのこと。片付け習慣を身につけた人たちだって、最初から今まで1日も欠かさず片付けをしてきたとは限りません。kou / PIXTA(ピクスタ)そして「1週間くらいできなかったけど、今日はやってみよう!」と、何度もチャレンジしてきたのかもしれませんね。散らかった部屋の中で、あなたの目の前に用意された「片付け習慣を身につける」というボタン。Graphs / PIXTA(ピクスタ)もしかしたら、昨日までの「片付け習慣は身につかない」というボタンと入れ替えられてるかも。今日のボタンは効果があるのか、押してみるまで分からないと思いませんか?【参考】※マーティン・セリグマン『学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論』
2018年07月03日忙しい毎日を送る中で、片付け習慣を身につけるのは難しいものです。とくに子育て中の方や共働きの方などは、不意に発生する用事も多いですよね。子どもが熱を出したり、仕事のトラブルで帰宅が遅れたり……。そんな時には、「片付けをしよう!」というやる気自体はあっても、「なんでだろう?結局できなかった……」ということもあるのではないでしょうか。「やる気がないわけではないが、なぜかできない」という現象が起こる原因と、その対策をお伝えします。■ 「なぜかできない……」その原因は、やる気不足ではありません!アリゾナ州立大学で心理学とマーケティングの名誉教授をしている、ロバート・チャルディーニという学者がいます。彼によると、「やる気がないわけではないが、なぜかできない」ということは誰しも頻繁に起こるそうです。ダイエットをしているのにレストランでデザートを頼んでしまったり、運動のために階段を登ろうと決めたのにエレベーターを使ってしまったり……。Key West / PIXTA(ピクスタ)こうなってしまうのは、まだまだやる気が足りないからでしょうか?一概にそうとも言い切れないという、興味深い心理実験の報告があります。■ 薬物中毒患者にも効果抜群だった!「〇〇したら、〇〇する」作戦アメリカでは薬物中毒が深刻な社会問題となっており、中毒患者の更生施設もたくさんあります。施設では退院後の就職のために職務履歴書を書くように勧めていますが、なかなかうまくいきません。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そこで、以下のような実験が行われました。Aグループ:「職務履歴書を書いて下さい」とだけ伝えます。Bブループ:「昼食後に食堂の席が空いていたら、そこで職務履歴書を書いてください」と伝えます。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)つまりBグループには、職務履歴書を書くために必要な条件を付け加えたのです。■ 心理学の実験でも稀に見る大差をつける結果にただ「職務履歴書を書いてください」と伝えただけのAグループは、一人も書きませんでした。いつでもどこでも書けるにもかかわらず、一人も書けなかったのです。ただ、この結果自体は被験者の属性を考えれば不思議ではないかもしれません。驚くべきはBグループです。「食堂の席が空いていたら」と条件を加えるだけで、なんと8割の被験者が職務履歴書を書くことができたのです。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)■ 日常の動作の一つをスイッチにして、記憶を呼び起こす。「やる気はあるが、なぜかできない」その理由は、単に忘れているだけ。より具体的に言うと、「行動するのに適切なタイミングを逃しているだけ」の可能性が高いとロバート氏は分析しています。日常の中で適切なタイミングを逃さないように捕まえれば、物事は習慣化することができます。たとえば、「朝食を食べてお皿を洗ったら、すかさずハンディモップを持つ」「夜の歯磨きを終えたら、そのまま水回りを掃除する」という具合です。mits / PIXTA(ピクスタ)片付けは、空いた時間を使ってやろうとするとついつい忘れがち。日常の動作に組み合わせて、「〇〇したら、〇〇する」という一連の流れで覚えてみましょう。そうすれば、難しく思える片付け習慣も意外とすんなり習慣化できるかもしれません。【参考】※ロバート・チャルディーニ『PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間』
2018年06月25日片付けを進めようと思っても、手につかないこともありますよね。「自分でやろうと決めたのに、今日もダメだったなぁ……」こんな日が続くと、片付けのことを考えること自体が嫌になってしまいます。今回はそんな悩みを抱える人の多くに共通する片付けが陥りがちな問題点と、ビジネスやスポーツの現場でも積極的に取り入れられている「目標勾配仮説」からその対策を解説します。■ 片付け初心者が陥りがちな大きな間違いとは?まず、片付け習慣を身につけようと考えた時のことを思い出してみましょう。その時、あなたはどんな気持ちでしたか?雑誌で素敵なお部屋の写真を見た直後かもしれませんし、誰かが遊びにくると決まったタイミングだったかもしれませんね。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)そんな時には、やはりテンションが上がっているものです。そしてその状況では、人はどうしても思い切った目標を立ててしまうことが多いのです。片付けでいえば「この写真みたいなお部屋を目指す!」とか、「友達に羨ましがられるようなお部屋にしよう!」といった感じでしょうか。つまり、現状からゴールまでの距離があまりにも遠すぎるのです。■ 1世紀近く前から実証されている「目標勾配仮説」とは?1884年にアメリカのニューヨーク州で生まれた心理学者のクラーク・ハルは、若くして腸チフスやポリオに感染してしまいます。一命はとりとめますが、視力の低下や肢体不自由といった後遺症が残りました。しかし、彼は学者としての半生を諦めることはありませんでした。SK Photo / PIXTA(ピクスタ)他人から見れば過酷な状況ですが、その中でも彼は「人のモチベーションはどこから生まれるか」という研究に没頭します。そして数ある心理学の中でも非常に有名で、現在でも有効性が証明されている研究を発表しました。これは「目標勾配仮説」と呼ばれ、ビジネスやスポーツの現場で積極的に取り入れられています。■ 「もう少しで目標達成だ!」という感覚が行動意欲を刺激するこの仮説を分かりやすく一言で言うと、「人は目標までの距離が近くなるほど頑張れる」ということです。逆に言えば、「目標までの距離が遠すぎると頑張れない」ということにもなります。有名な24時間テレビのマラソンの例を考えてみましょう。「24時間で100キロを完走する!」と言うと、とてつもなく困難な作業に思えます。imacoconut / PIXTA(ピクスタ)しかし、こう言い換えてみるとどうでしょう?「普通の速度で24時間歩く」人の歩行速度は平均で時速4〜5km程度。つまりこれは、計算してみるとほぼ同じことを言っています(24時間×5km=120km)。Kazpon / PIXTA(ピクスタ)つまり、休憩時間を考慮しても実は小走り程度で十分クリアできる目標なのです。丸1日寝ずに歩くのは確かに大変ですが、「平均で1時間に5キロ歩けばゴール」と考えてみれば自分でも実践できそうな気がしてきませんか?これが、目標を小分けにした時の効果です。■ 意欲が湧きやすくなる「スモールゴール」とは片付けも同様で、「この部屋を見違えるように綺麗にしよう!」というよりも「まずはテレビボードの周辺を整頓しよう」という方が達成意欲が湧いてきます。このように小分けにされた目標は「スモールゴール」と呼ばれています。先の例で言えば、人によっては「テレビボード周辺」というのも少し大きすぎるかもしれません。kouchan / PIXTA(ピクスタ)もっと細かく、「今日はビデオデッキが入っているスペースを掃除する」「明日は引き出しの中身を確認して、いらないものを捨てる」という目標でも十分です。「綺麗なお部屋」という大きな目標を達成するためには、達成意欲の湧きやすい「スモールゴール」の積み重ねが大事だということを意識してみてはいかがでしょうか。【参考】※Ran Kivetz『The Goal-Gradient Hypothesis Resurrected』
2018年06月18日「片付けをしたい気持ちはあるんだけど、なかなか手がつけられなくて……」という相談をいただくことがあります。この記事を読んでいただいている方にも、身に覚えはないでしょうか?片付けの本を読んだり、道具を買ってみたり……。だけど、いざ片付けをしようとなってもなかなか重い腰が上がらない。そんな時に参考になる心理学の実験が、スタンフォード大学の心理学者であるエイモス・トベルスキーによって行われました。片付けのような作業を進める際に使える、「当たり前のようだけど、実は忘れがち」なテクニックをお伝えします。■ つい忘れがちな「期限」。これがないと片付けは始まらない?「片付けを習慣として身につける」というのは、長期間にわたる作業になります。もしあなたが、「いつも使っているデスクの上を片付けよう」と思ったとします。すると、「今日の夜のうちにやってしまおう」という計画も立てやすいですよね。しかし、これがダイニングルームの場合には事情が変わります。たとえ大掃除のように丸一日かけたとしても、なかなか満足に片付けることができない人も多いはず。しかも、日々の暮らしの中で実践していくには数日〜数週間かけて一部屋を片付けるというケースも多くなります。FUTO / PIXTA(ピクスタ)こんな時に、つい忘れてしまうもの。それは「期限」です。■ 「期限」の効果を明らかにした、スタンフォード大学の実験とは?前述のスタンフォード大学で行われた実験では、学生を2つのグループに分けて、各自レポートを提出してもらいました。Aグループ:無期限で提出を受け付けたBグループ:期限付きで提出を受け付けたtkc-taka / PIXTA(ピクスタ)この2つのグループを追跡調査すると、レポートの提出率に明確な差が出ました。「無期限の方が好きなタイミングで取り組めるから、提出率は高くなるのでは?」と考えたくなりますが、やはりそこは心理学の実験。直感に反する、意外な結果が得られました。■ いつでもできることは、いつまでもやらない!それが人の心理上記の実験では、提出期限がないAグループは25%の学生がレポートを提出しました。これに対して、期限を設けたBグループではなんと66%もの学生がレポートを提出したのです。freeangle / PIXTA(ピクスタ)この種の「期限の有無による目標達成度」を比べる実験はいくつか行われていますが、どれも同様の結果が得られています。レポートの提出に限らず、割引クーポンの使用率でも同様の結果になりました。無期限のクーポンは使用率が低く、期限付きクーポンの方が高い確率で使用されました。これらの実験で判明したのは、「人は期限を設けていないことには時間を使えない」ということです。言い換えると、「いつでもできることは、いつまでもやらない」のが私たち人間の性質なのです。■ もちろん片付けにも応用できる、ジャンル不問のテクニック!期限を設けることを、心理学用語では「ピリオダイゼーション」と呼んでいます。スポーツ選手のトレーニング目標などにも使われているため、体育会系の部活動に所属していた経験がある方は聞いたことがあるかもしれませんね。このテクニックは、短時間で終わる作業よりも長期間にわたる作業にこそ効果的です。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)当然、レポートやトレーニングだけでなく片付けにも効果は抜群。たとえば「今月の31日までにダイニングルームを整頓する」というように、期限を明確に決めることで行動に移せる可能性が高まります。自分自身で期限を設ける「ピリオダイゼーション」というテクニック。「ここまでやったら終了」という明確な終わりが見えにくい片付けですが、期限を区切ることを意識すればきっと習慣化もしやすくなるはずです。【参考】※池田貴将『モチベーション大百科』
2018年06月07日綺麗なお部屋をキープするためには、片付け習慣を身につけることがとても大事。でも時には「面倒だな〜」と感じてしまって、思うように片付けが進まない日もあるでしょう。そんな時には、「どうして片付けをしたいのか」ということを振り返ってみるのも大切なことです。これは、習慣化を扱う書籍などではお馴染みとなっている「目的を再認識する」「初心に戻る」という作業です。ところが、この作業は一歩間違うと逆効果になってしまうことはあまり知られていません。今回は、心理学の実験で判明した「正しい片付け習慣の身につけ方」をお伝えします。■ どうして片付けをするの?その理由を書き出してみよう!xiangtao / PIXTA(ピクスタ)あなたが片付けをしたい理由はなんでしょうか?「友人を招いても恥ずかしくない部屋にしたいから」という人もいれば、「いつも探し物が見つからなくてイライラするから」という人もいるでしょう。この「目的や動機」を思い出すのが、冒頭にお伝えした作業です。Mr.Jub / PIXTA(ピクスタ)用意するのは紙とペンだけでOK!パソコンやスマホのメモ機能でも良いのですが、実物の紙に書いた方が頭の中が整理されるという研究があります。できれば紙とペンを使いましょう。■ 「理由や動機は、数が多いほど良い」というのは間違った思い込み清十郎 / PIXTA(ピクスタ)いざ書き出してみると、パッと思いつくのは2つか3つ程度の人が多いのではないでしょうか。もしかしたら、1つしか思い浮かばない人もいるかもしれませんね。でも、そこで「動機がこれだけしかないなら、そもそも自分は片付けなんてしたくないのかも……」とは思わないでください。これは「理由や動機は、数が多いほど良い」という、間違った思い込みが原因なのです。ましてや、「理由をもっとたくさん探さなきゃ!」と考えてはいけません。それを実証する、興味深い実験をご紹介しましょう。■ 課題は多いほど良いわけではない!? 経営者対象の実験で出た意外すぎる結果とは?saki / PIXTA(ピクスタ)ペンシルバニア大学の組織心理学者であるアダム・グラント氏は、会社の経営者を集めて2つのグループに分けました。そして、「自分の会社の強みを書き出す」という課題を与えます。Aグループには、強みを3個だけ書いてもらいます。そして、Bグループには12個書いてもらいました。そして課題を終えたあとに、「自分の仕事にどれくらい満足しているか」というアンケートを取りました。繰り返しになりますが、彼らは全員が会社の経営者。当然ながら、自社の強みについてたくさん書けた方が満足度が高くなりそうだと予想できます。ところが、結果は意外なものでした。■ 数が増えると、「書き出したもの」が重要に思えなくなる。polkadot / PIXTA(ピクスタ)なんと、自社の強みを3個だけ書き出したAグループの方が、12個書き出したBグループより仕事に対する満足度が10ポイント中で平均2.5ポイントも高くなったのです。理由としては、「人は直感的に思い浮かぶもの以外にはあまり価値を見出せない」ということがあるようです。つまり、12個も書いていくうちに「うちの会社の強みって、大したことじゃないかも……」と感じてしまったということです。これを片付けに当てはめて考えると、次のようなことが言えます。■ 最初に思いついた数個の動機を、何度も思い出して大切にする。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)部屋を片付けるのに、いくつも理由や動機を考える必要はありません。それどころか、数が多すぎると逆効果であることも心理学の実験で分かっています。なので、最も効果的なのは「パッと思いつく理由や動機を、何度も思い出す」ということなのです。あなたは、どうして部屋の片付けをしようと思ったのか。Graphs / PIXTA(ピクスタ)片付けが面倒になってきた時は、紙とペンでその理由を書き出してください。2〜3つあっても良いですし、1つだけでももちろん大丈夫!その1つだけの動機を忘れないようにすれば、きっと片付け習慣も身につけることができます。【参考】※THE WALL STREET JOURNAL.『あなどれない「手書き」の学習効果』※アダム・グラント『ORIGINALS誰もが「人と違うこと」ができる時代 』
2018年05月30日