インド映画『エンドロールのつづき』が、2023年1月20日(金)より公開される。チャイ売りの少年が映画監督に、監督自身の実話映画『エンドロールのつづき』は、チャイ売りの少年が映画と出会い、やがて世界で活躍する映画監督になる、という感動作。インド出身で、今や国を超えて活躍するパン・ナリン監督自身の驚くべき実話を映像化した。映画の見どころは、「映画を作りたい」という大きな夢を追う少年サマイの姿。3,000人の中から選ばれた新たな才能バヴィン・ラバリの演技に、誰もが無邪気な幼少期を思い出さずにはいられない。巨匠へのオマージュやどこか懐かしいインドの魅力も満載リュミエール兄弟、スタンリー・キューブリックなど、パン・ナリンが敬愛する巨匠たちへのオマージュも注目ポイント。また、観客が一体となった映画館や、スパイスたっぷりの手料理、陽気な音楽とダンス...など、どこか懐かしいインドの魅力も満載だ。インド・グジャラートの風景を映すヘアメイクやファッション『エンドロールのつづき』の撮影ロケ地は、監督のパン・ ナリンの故郷でもあるインド・グジャラート州。サマイの仲間たちを演じた愛嬌溢れる子役たちも全員グジャラート州出身であることにこだわり、劇中ではグジャラートの独特な雰囲気や風情を見事に再現している。特に、こだわりを詰め込んだヘア・メイクやファッションに注目だ。女性たちのメイクはよりリアルに見えるようにファンデーションを落とし、色彩豊かで、美しい服とアクセサリーを身にまとった自然な姿を映し出している。また、女性が身につけた色とりどりのバングルを眺めながら、サマイが監督の名前を連想する場面では、バングルから映画を連想できるように演出。監督のパン・ナリンが幼い頃に着飾った女性たちを見て、“色とりどりのバングルひとつひとつが映画だとしたら、何の映画だろう”と想像を膨らませた経験から生まれたシーンだという。世界の映画祭で観客賞を受賞映画『エンドロールのつづき』は、トライベッカ映画祭ほか、世界中の映画祭で5つの観客賞を受賞。さらに、バリャドリード国際映画祭では最高賞にあたるゴールデンスパイク賞を、インド映画として初めて受賞し、世界から注目を集めた。<映画『エンドロールのつづき』あらすじ>9歳のサマイはインドの田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものだと思っているが、信仰するカーリー女神の映画は特別と、家族で街に映画を観に行くことに。人で溢れ返った映画館、席に着くと、目に飛び込んだのは後方からスクリーンへと伸びる一筋の光…そこにはサマイが初めて見る世界が広がっていた。映画にすっかり魅了されたサマイは、再び映画館に忍び込むが、チケット代が払えずつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルがある提案をする。料理上手なサマイの母が作る弁当と引換えに、映写室から映画をみせてくれるというのだ。サマイは映写窓から観る色とりどりの映画の数々に圧倒され、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるが―。【詳細】映画『エンドロールのつづき』公開日:2023年1月20日(金)新宿ピカデリー他全国公開監督・脚本:パン・ナリン出演:バヴィン・ラバリ2021 年/インド・フランス/グジャラート語/112分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:Last Film Show/日本語字幕:福永詩乃/G/応援:インド大使館/配給:松竹ALL RIGHTS RESERVED ©2022. CHHELLO SHOW LLP
2022年09月18日第35回東京国際映画祭の審査委員長を、舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモアが務めることが決定。黒澤明賞復活、ジャパニーズアニメーション部門など主要企画も決定した。コンペティション部門 審査委員長が決定映画祭の顔となるコンペティション部門の審査委員長を、舞台「ライオン・キング」(1997)の演出や映画『タイタス』(99)『フリーダ』(2002)、『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)、『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020)などを監督した舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモアが務めることが決定。 昨年のイザベル・ユペールに続き、女性の審査委員長となる。そのほかの審査員(全5名予定)も、後日発表される。世界中から集められた珠玉のコンペ作品(全15作品)が世界の目で審査されることとなる。ジュリー・テイモア■ジュリー・テイモアコメント芸術は私たちを混沌の中から導き出し、道を切り開く道標です。暗い劇場の中、目の前で明滅する映像は、私たちを深く引き込み、孤立した単一の自己存在から引き離します。映画館で作品にひたってください。そこは、私たちがまったく知らないこと、知っていると思っていること、個人的に経験したことの境界をともに越えさせてくれる宮殿です。他人の人生や愛に没入して、鼓舞され、苦悶させられてください。第35回東京国際映画祭のコンペティション部門国際審査委員長として来日できることを、とても光栄に思います。■東京国際映画祭チェアマン 安藤裕康コメントジュリー・テイモアさんは、ミュージカルの演出だけでなく、多くの優れた映画を監督しています。特に、若い頃に日本で人形浄瑠璃を学び、それを自分の作品に活かすなど、日本との関係も深い。また、彼女は黒澤明の大ファンでもあり、黒澤明賞復活の年にふさわしい審査委員長でしょう。黒澤明賞が復活日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していくために、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として、黒澤明賞が今年の東京国際映画祭に戻ってくる。過去にはスティーヴン・スピルバーグ、山田洋次、侯孝賢などが受賞していた同賞だが、今年は、山田洋次監督、仲代達矢氏、原田美枝子氏、川本三郎氏、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により選ばれる。受賞者は後日発表される。また、同賞に合わせて、「黒澤明の愛した映画」と銘打ち、『フィツカラルド』『ミツバチのささやき』など黒澤明が愛した世界の名作も上映予定。黒澤明ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞を受賞した『青春神話』での監督デビューから30周年を迎える台湾の巨匠ツァイ・ミンリャンの特集上映を、台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、及び東京フィルメックス(10月29日~11月6日予定)との共催で開催。東京国際映画祭では『青春神話』『楽日』や日本未公開の短編などを、東京フィルメックスでは『西瓜』『ヴィサージュ』などを上映。両映画祭にとってこれが史上初の共催企画となる。ツァイ・ミンリャンNippon Cinema Now 部門特集 〈追悼 青山真治〉昨年新設された、この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する同部門では、今年3月に急逝した青山真治監督を追悼し、代表作2作品『EUREKA ユリイカ』と『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を英語字幕付きで特集上映する。青山真治国立映画アーカイブ共催「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」国立映画アーカイブと共催で特集上映「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」を開催。1982年に長谷川和彦の呼びかけによって設立され、11年間にわたって個性的な作品を作り続けたディレクターズ・カンパニーの作品を35mmで上映する(会場は国立映画アーカイブ小ホール)。東京国際映画祭では日本映画クラシックス部門の中でディレクターズ・カンパニーの代表作4作品『台風クラブ』『光る女』『DOOR』『地獄の警備員』のデジタルリマスター版を上映する(会場はTOHOシネマズシャンテ)。ジャパニーズ・アニメーション部門特集2022年のテーマは「ゼロから世界を創る」。「アニメーションで世界を創る」と題して、最新アニメ映画『雨を告げる漂流団地』『夏へのトンネル、さよならの出口』『ぼくらのよあけ』の3作品をピックアップ。レトロスペクティブ「アニメと東京」ではアニメが「東京」という世界をいかに描いたかに注目し、4作品を上映する。「第35回東京国際映画祭」は10月24日(月)~11月2日(水)日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。「TIFFCOM2022」は10月25日(火)~27日(木)オンライン開催。(text:cinemacafe.net)
2022年09月16日世界中の映画祭で観客賞を受賞したインド映画『エンドロールのつづき』(原題:『Last Film Show』)が来年1月に全国公開されることが決定し、特報とポスタービジュアルが解禁となった。インドの田舎町で暮らす9歳のサマイは、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものだと思っているが、信仰するカーリー女神の映画は特別と、家族で街に映画を観に行くことに。人で溢れ返った映画館、席に着くと、目に飛び込んだのは後方からスクリーンへと伸びる一筋の光…そこにはサマイが初めて見る世界が広がっていた。映画にすっかり魅了されたサマイは、再び映画館に忍び込むが、チケット代が払えずつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルがある提案をする。料理上手なサマイの母が作る弁当と引き換えに、映写室から映画をみせてくれるというのだ。サマイは映写窓から観る色とりどりの映画の数々に圧倒され、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるが…。監督自身の驚くべき物語を映画化した本作は、トライベッカ映画祭ほか世界中の映画祭で5つの観客賞を受賞。さらにバリャドリード国際映画祭では最高賞にあたるゴールデンスパイク賞をインド映画として初めて受賞するなど、世界中の映画祭で喝采を浴びた。この度解禁された30秒の特報では、インドの田舎町でチャイ売りをしながら生活しているキュートなサマイが登場。「父さんのような負け犬になるなよ」と言われながらも、9歳らしいあどけなさと賢さを持つサマイが映画に魅了される瞬間を瑞々しく切り取る。周りの大人や仲間たち、そして家族に見守られながら、「映画を作りたい」という大きな夢を抱いた少年サマイの姿に胸打たれる特報となっている。併せて解禁となったポスタービジュアルでは、薄暗い映画館で体育座りをして、明るく照らしだされたスクリーンを笑顔で見つめる、映画にすっかり心を奪われた主人公のサマイと、夕暮れのインドの街に浮かび上がるサマイにとって希望の光となった映画館「GALAXY」のネオンが印象的な風景の2枚の写真が使用されている。“映画”への溢れんばかりの愛情を込めて本作を監督したのは、インド出身でいまや国を超えて活躍するパン・ナリン。リュミエール兄弟、スタンリー・キューブリックなど、監督が敬愛する巨匠たちへのオマージュがちりばめられ、自らの才能で未来を照らす、光を追い続ける少年の希望あふれる物語を作り上げた。大きな夢を抱く主人公、チャイ売りの少年サマイ役には3,000人の中から選ばれた新たな才能、バヴィン・ラバリ。観客が一体となった映画館、スパイスたっぷりの手料理、陽気な音楽とダンス…どこか懐かしいインドの魅力満載で贈る、実話から生まれた感動作だ。新春の公開に期待が高まる。『エンドロールのつづき』は2023年1月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エンドロールのつづき 2023年1月20日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋ほか全国にて公開ALL RIGHTS RESERVED ©2022. CHHELLO SHOW LLP
2022年09月15日稲垣吾郎、新垣結衣を迎え、朝井リョウによる小説「正欲」を『あゝ、荒野』の岸善幸監督が映画化。制作決定に伴い、各キャスト・監督・原作者よりコメントが到着した。原作小説は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の1作。2021年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作。自身も「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語っている。家庭環境、性的指向、容姿ーー。様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的なストーリーを、ある種のラブストーリーとして映画化するのは、『あゝ、荒野』『前科者』などを経てその手腕にさらに期待が高まる演出家・岸善幸と、原作を大胆に再構築しながら監督の演出の可能性を拡げていく脚本家・港岳彦。稲垣吾郎×新垣結衣、奇跡のタッグ横浜検察庁に務める検察官であり、自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う寺井啓喜(てらい・ひろき)役に、『半世界』『ばるぼら』に加え、公開を控える『窓辺にて』など精力的に映画出演を務め、その演技・役柄の幅広さを不動のものとした稲垣吾郎が挑む。そして、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅう・なつき)役に、大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や映画『GHOST BOOKおばけずかん』などに出演、いまや国民的人気を誇る新垣結衣。特殊性癖を持つことを隠して生きる夏月という難役に挑む。小学校不登校の息子が世間から断絶されてしまう可能性を恐れる寺井と、自ら世間との断絶を望む夏月が、いつ、どこで、どのように交わっていくのか…。生きることと死ぬことが目の前に並んでいるとき、生きることを選ぶきっかけになり得るものをひとつでも多く見つけ出したい。映画に込める想いをどう昇華させていくのかが見どころになっている。コメント到着稲垣吾郎脚本を読み終えた時、この作品に関われる事を嬉しく思いました。難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います。新垣結衣原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました。それは、「何が正しいか」とかそういう単純なものではないような、でも実はとてもシンプルなことのような気もしました。考え続ける事、他を想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています。岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています。撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を夏月達のように必死に生きたいと思います。監督・岸善幸原作の衝撃と感動がずっと消えません。朝井さんの“視点”が生み出した登場人物たち、その感情をどう表現するべきか、模索が続いています。稲垣吾郎さん、新垣結衣さんをはじめとするキャストの皆さんとの対話を重ねて、少しずつ輪郭が浮かび上がってきたところです。人と人のつながりを描こうと思います。大切なのに、難しい、つながり。世界から「普通ではない」と片づけられてしまう人たちの、歪みのないつながりを描こうと思います。原作・朝井リョウ言葉にするとは線を引くということです。明確に名付けがたい感情や現象に無理やり輪郭を与えてしまうのが、言葉です。映画には、表情、声色、沈黙など、言葉以外のものが沢山映ります。それらが、私が書きながら取りこぼしていったものたちを一つでも多く拾い上げてくれることを願っています。そして、この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感とともに祈っています。『正欲』は2023年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2022年09月12日映画『アキラとあきら』(8月26日公開)の大ヒット御礼舞台挨拶が8日に都内で行われ、竹内涼真、横浜流星、三木孝浩監督が登壇した。同作は池井戸潤の同名小説の実写化作。対照的な宿命を背負った2人の若者が、情熱と信念を武器に社会に立ち向かう感動巨編で、幼くして過酷な運命に翻弄されてきた山崎瑛(アキラ)を竹内涼真、大企業の御曹司ながら次期社長の椅子を拒絶し血縁のしがらみに抗い続ける階堂彬(あきら)を横浜流星が演じる。今回、青春恋愛映画の旗手である三木監督は、池井戸作品を映画化することについて「10代の恋愛映画を撮ってた僕がどう映画化するのかというところに興味を持ってくれた人がいて、観た後の感想を聞くとなるほどと思った」と明かす。「2人主役というところが良かったのかなと思って。前も少し恋愛映画に近いところがあると言ったんですけど、意識し合う未熟な2人が、半目し合いながらもだんだん絆を結んで行って、2人じゃないと高い壁を越えられないというところは、ある種自分がやってきた恋愛映画のフォーマットと近い」と分析。さらに監督は「僕が過去にやった作品も恋愛そのものを描くのではなく、それぞれがあるべき姿へ向かって一生懸命もがいて成長していく過程を描きたいと思っているので、それって男2人の友情の物語でも一緒だなと思っていて。僕が描きたい映画ってこういうことなんだと気付かされるというところはありました」と語った。
2022年09月08日アナ・ケンドリックが監督デビューを果たすことになった。主演とプロデューサーも兼任する。映画のタイトルは『The Dating Game』。実話にもとづくスリラーで、舞台は70年代。独身の男女をくっつける人気リアリティ番組に出演した主人公(ケンドリック)は、イケメンでユーモアのセンスのある男性とマッチングするが、彼は連続殺人犯だったという物語だ。撮影は来月後半にスタートの予定。ケンドリックの次回作は、今月のトロント映画祭で上映されるスリラー『Alice, Darling』。文=猿渡由紀
2022年09月08日妻夫木聡が主演を務める映画『ある男』が、第79回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品され話題を呼んでいる。この度、監督の石川慶からのコメントと、撮影風景を捉えたメイキングカットが届いた。本作は、芥川賞作家・平野啓一郎の同名小説を、『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が映画化したヒューマンミステリー。主演の妻夫木をはじめ、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、眞島秀和、小籔千豊、仲野太賀、真木よう子、柄本明ら日本を代表する俳優陣が集結し、“愛”と“過去”をめぐる珠玉のドラマが繰り広げられる。8月31日より開催中のヴェネチア国際映画祭では、9月1日に行われたプレミア上映に妻夫木、窪田、石川監督らが登壇。会場に集まった1000人の観客による5分に及ぶスタンディングオベーションを受け、大盛り上がりとなった。さらに、ハリウッド初の業界誌として知られる「Hollywood Reporter」のWebサイトでは“今年のヴェネチア国際映画祭で最も期待されている日本映画”として取り上げられ、イギリスの「Screen Daily」では“俳優の素晴らしい演技に支えられた見応えのある作品”と紹介され、世界でも話題となっている。原作『ある男』は、第70回読売文学賞を受賞、累計28万部を超えるベストセラー小説。人間存在の根源に触れる物語が感動を呼び、平野啓一郎の新たな代表作との呼び声高い作品だ。映画化に際しメガホンを取ったのは、『愚行録』が第73回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出され、『蜂蜜と遠雷』では毎日映画コンクール日本映画大賞、日本アカデミー賞優秀作品賞など多くの賞を受賞し、国内外で高い評価を得ている石川慶監督。脚本は、『マイ・バック・ページ』など数々の話題作を手がけ、石川監督とは『愚行録』以来2回目のタッグとなる向井康介が務め、複雑な構成の原作小説を緻密に練り上げた。撮影は、是枝裕和監督の『万引き家族』で日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した近藤龍人。近藤の提案により、ヨーロピアンビスタと呼ばれる通常のビスタより横幅が狭い画角が採用され、本作で登場人物が抱く閉塞感が巧みに表現されている。そんな豪華スタッフ・キャスト陣が真摯に作り上げた本作から、撮影の様子を捉えたメイキングカットが届いた。自身のアイデンティティへの問いを投げかける難しい役どころに挑戦した妻夫木の、真剣な表情が垣間見える。さらに石川監督からのコメントも到着。「セリフもそう多くなく、少しゴーストみたいな主人公像を咀嚼して演じてもらえる人というのは妻夫木さんしか考えられない」とキャスティングの理由を明かしており、本作で3回目のタッグとなる妻夫木に絶大な信頼を寄せていることがうかがえる。日本映画界屈指のスタッフ・キャスト陣が作り上げ、世界でも注目を集める映画『ある男』は、11月18日(金)に公開される。『ある男』11月18日(金)全国公開
2022年09月07日Netflixは、本年度のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出されているアダム・ドライバー主演&ノア・バームバック監督・脚本の映画『ホワイト・ノイズ』を12月30日(金)より、アカデミー賞監督賞アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの映画『バルド、偽りの記録と一握りの真実』を12月16日(金)より独占配信。この度、今年もアカデミー賞をはじめとする賞レースを賑わせるに違いない2作品の日本版キービジュアルが同時解禁となった。『マリッジ・ストーリー』主演&監督コンビが贈る『ホワイト・ノイズ』ヴェネチア国際映画祭のオープニング作品にも選出された『ホワイト・ノイズ』は、アカデミー賞6部門ノミネート『マリッジ・ストーリー』(19)アダム・ドライバー主演&ノア・バームバック監督による“死”がテーマの風刺的な人間ドラマ。バームバック監督の“新境地”を感じさせる、一面がオレンジ色に染まり人物の陰だけを映した不穏なビジュアル。また、Netflix内でのみ視聴可能だった日本版予告編も併せて公開された。作家ドン・デリーロの同名小説が原作の『ホワイト・ノイズ』は、化学物質の流出事故に見舞われ、死を恐れ錯乱してしまった大学教授(アダム・ドライバー)が、命を守るため家族とともに逃走する姿を描く、叙情的で不条理な物語。現代に生きる家族が“死”を身近に感じる環境下で、愛や幸福といった普遍的なテーマに向き合っていく。印象的な色合いに包まれたビジュアルでは、家族が不穏な非日常に巻き込まれていく姿をビビッドに切り出している。『スター・ウォーズ』シリーズのカイロ・レン役や『最後の決闘裁判』『ハウス・オブ・グッチ』のアダム・ドライバーや、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の“ウォーマシン”役でお馴染みのドン・チードル、『フランシス・ハ』の主演や『レディ・バード』の監督・脚本のグレタ・ガーウィグなど、確かな実力を誇る名優陣が集結し贈る、賞レースの大本命にもなり得る壮大な人間ドラマとなる。監督の自伝的要素が強い『バルド、偽りの記録と一握りの真実』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(15)、『レヴェナント:蘇えりし者』(16)でアカデミー賞監督賞を手にしたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督による自叙伝的なノスタルジック・コメディ。解禁となったビジュアルは、真っ赤な色合いの中に男が1人、踊っているようにも佇んでいるようにも見え、インパクト抜群だ。アカデミー賞では脚本賞や特別業績賞、そして2度の監督賞に輝くイニャリトゥ監督が『レヴェナント:蘇えりし者』以来再び手掛ける長編映画は、ある男の壮大な心の旅路がテーマ。L.A.から故郷に戻ったメキシコの著名なジャーナリスト兼ドキュメンタリー映画製作者の主人公シルベリオ・ガマ(ダニエル・ヒメネス・カチョ)が、自らの内面や家族との関係、そして自分の愚かすぎる“ある過去”などの問題と向き合いながら、生きる意味を見つけていく。ストーリーの全貌は未だ謎に満ちているが、メキシコにあるイニャリトゥ監督の故郷で撮影が行われるなど自伝的要素が強いとされており、数々の映画賞を受賞してきたイニャリトゥ監督の集大成的な作品になることも期待されている。Netflix映画は、これまでも『ROMA/ローマ』(18)、『アイリッシュマン』(19)、『Mank/マンク』(20)、『マ・レイニーのブラックボトム』(20)、そして昨年は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ドント・ルック・アップ』(ともに21)など、毎年賞レースを賑わせてきた。『ブロンド』今年もこの2本に加え、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門には、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)のパロマ役や『グレイマン』(22)の記憶も新しいアナ・デ・アルマスがマリリン・モンローを演じる『ブロンド』(9月28日配信)や、1人の少年が殺害されたことをきっかけに巻き起こる争いを描いた“悲劇”のフランス映画『アテナ』(9月23日配信)が選出。『アテナ』“アウト・オブ・コンペティション”には、デンマークのNetflixシリーズ「Copenhagen Cowboy」(原題)などが選ばれ、珠玉の作品群が勢揃い。Netflixが今年新たに贈る作品群に世界中の注目が集まっている。「Copenhagen Cowboy」(原題)Netflix映画『ホワイト・ノイズ』は12月30日(金)より独占配信。Netflix映画『バルド、偽りの記録と一握りの真実』は12月16日(金)より独占配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年08月31日『マスカレード・ホテル』シリーズの岡田道尚によるオリジナル脚本、『海炭市叙景』『私の男』の熊切和嘉監督による映画『#マンホール』の主演を、「Hey! Say! JUMP」中島裕翔が務めていることが分かった。「SUITS/スーツ」『ピンクとグレー』などに出演、現在放送中の「純愛ディソナンス」では主演を務め、今回、『僕らのごはんは明日で待ってる』以来、6年ぶりの映画主演となる中島さん。演じる本作の主人公・川村俊介は、勤務先の不動産会社での営業成績はNo.1、社長令嬢との結婚も決まり、将来を約束された男。しかし、結婚式前夜のサプライズパーティの帰り道、酒に酔ってマンホールに落ちてしまう――。メインビジュアルでは、深く暗いマンホール内部のはしごをよじ登り、必死に脱出を試みる川村の姿が写し出され、側には「この穴、何かがおかしい。」という不穏な展開が想起させられるコピーが添えられている。また、合わせて公開された特報映像では、パーティで新たな人生の幕開けを同僚たちに祝われる川村が、帰り道に穴に落ちてしまう場面からスタート。手元にあるのはスマホだけだが、なぜかGPSは誤作動を起こし、知人や警察も当てにならない。タイムリミットの夜明けが迫る中、唯一通話できた元カノと、SNSでアカウントを立ち上げて繋がったフォロワーたちに助けを呼びかけるが、事態は予想外の展開へ。そして最後には、マンホールの蓋が閉じられ、不気味な映像に仕上がっている。中島裕翔コメント3週間強の撮影期間だったのですが、もっと長い間撮影していたのではないかというくらい濃い内容でしたので、本当にそれが終わったんだなという実感があります。雨に濡れたり泥や泡にまみれたりと想像以上に大変なことがたくさんありましたが、熊切監督作品の歴史に残る映画に参加できて光栄です。国内外問わず類をみない、とてもクレイジーな映画が出来上がりました。没入感をもって見て頂けるような作品になっていると思いますので、皆さんもこの映画を見てちょっと息苦しくなってほしいなと思います。見ている人を1度、2度、3度、もっとたくさん驚かせたいと思います!熊切和嘉監督コメント今回自分のなかでもここまでのジャンル映画というのは初なのですが、中島君が緊迫感を肉体で上手に表現してくれました。2人で演技プランをディスカッションしていくなかで、僕が思っていた以上に中島君のいつもとは違った面が出てくるのも面白かったです(笑)本当に難儀な台本ではありましたが、スタッフみんなが徹底的にやってくれたことと、中島君が最後まで信じ切って演じてくれたことで、マンホールという狭い空間の中でとても大きな画を描けたような気がしてます。これから仕上げと編集も徹底的にやって、面白い映画に仕上げようと思いますので楽しみにしていてください。『#マンホール』は2023年2月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:#マンホール 2023年2月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.
2022年08月31日垣谷美雨のベストセラー小説を、『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』の前田哲監督が豪華キャスト共演で映画化した『老後の資金がありません!』が、9月3日(土)午後1時より、WOWOWプライムでWOWOW初放送される。本作は天海祐希演じる普通の主婦が、現代日本が抱えるお金の問題に困惑しながらも立ち向かうコメディ。“老後の資金が2000万円必要”と言われる中、天海が演じる主婦・篤子の日常に、さまざまなトラブルが襲い掛かる。その状況に四苦八苦する姿を、天海は持ち前のコメディセンスを発揮して笑いに転換。特に草笛光子が演じる姑(しゅうとめ)を相手にしたエピソードは、コミカルながら思わずぐっとくる展開が待っている。天海演じる後藤篤子の夫役には松重豊、娘役に新川優愛、息子役に瀬戸利樹、娘の恋人役に加藤諒、篤子の友人役に柴田理恵、義妹役に若村麻由美、義妹の夫役に石井正則など、脇を固める個性派ぞろいのキャスト陣にも注目だ。また、本作は、第45回日本アカデミー賞にて、天海祐希が優秀主演女優賞、草笛光子が優秀助演女優賞と会長功労賞、前田哲監督が第46回報知映画賞監督賞を受賞するなど、映画界的にも大注目作品となっている。さらに、放送と同日の9月3日(土)には、同作に出演した日本を代表する女優・草笛光子と監督を務めた前田哲監督が出演するWOWOWオリジナル配信番組『シネマセッション』が、WOWOWオンデマンドで配信スタートとなる。この番組は、テーマとなる作品に関わったクリエイターを迎えてトークをするWOWOWオリジナル配信番組。9月は『老後の資金がありません!』がテーマとなり、ふたりの作品への思いや舞台裏が語られる。今年のお正月は草笛宅に招かれるなど、公私共に仲の良い草笛と前田監督。そんなふたりの肩肘を張らないリラックスしたトークを、LiLiCoが小気味よく進行していった今回の『シネマセッション』。監督から「何もしないで(演じないで)。そのままでおかしいですから」と言われ困惑したという草笛に対し、前田監督は「おかしいの中には、素敵とかチャーミングの意味が込められているんですよ」と返すなど、時折お笑いコンビのような掛け合いを見せながら、当時の撮影秘話を語ったふたり。また、前田監督からは「2000万円問題が持ち上がった時期でもあったので、権力に対してコメディで立ち向かいたかった」と作品の肝になる話が。そして草笛からは「役者は見せようとしたらだめ」「役の小物や部屋のセットを見て(その役が)どんな性格かを考えている」など、女優ならではの演技に対する思いなど、監督、女優それぞれの観点からの貴重な話もたっぷり聞くことができる。《番組情報》『シネマセッション』女優・草笛光子×前田哲監督9月3日(土) 配信スタート【WOWOWオンデマンド】出演:草笛光子(女優)、前田哲(監督)、進行役:LiLiCo『老後の資金がありません!』・9月3日(土) 午後1:00~【WOWOWプライム】・9月3日(土) 午後8:00~【WOWOWシネマ】・9月9日(金) 午後4:30~【WOWOWシネマ】《関連番組》『連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-』※草笛光子がホテルのオーナー役で出演9月10日(土) 午後10:00スタート(全6話)【WOWOWプライム】【WOWOW4K】第1話無料放送
2022年08月26日有限会社アルファープロデュースが制作する映画「中洲の子ども」は、小説「真夜中の子供」を原作に、原作者でもある辻 仁成が監督・脚本を務め、福岡の若い映画制作チームや地元有志の方々の協力のもと、2022年8月15日より福岡市博多区 中洲にて撮影を開始いたしました。本作品は、原作を基に、福岡・中洲の街の情景やそこで生活する人々の暖かさの中で生きる少年の物語を描く、100%新たな映画の制作プロジェクトとなります。完成は来年の夏を予定しております。福岡発の文芸大作映画。みなさま是非応援・ご支援お願いします!作品イメージ■制作スタッフ監督・脚本 :辻 仁成助監督 :長谷川 徹撮影 :宗 大介(9029works)録音 :地福 聖二美術 :中島 信知(兄弟船)ヘアスタイリスト :松下 史典メイクアップアーティスト:大久保 絹枝衣装 :平田 美紀(Badu)プロデューサー :相川 満寿美 平田 武志制作 :アルファープロデュース原作書籍■原作小説「真夜中の子供」について 出版社:河出書房新社あの夜を越え、「真夜中」を生きる無戸籍の少年がいた。蓮司のよき理解者でテント暮らしの源太、心優しい客引き・井島、お腹を満たしてくれるスナックのママや屋台の主人、憧れの山笠の重鎮・カエル、兄のような存在の平治、警察官の響、そして中洲育ちの少女 緋真―土地と人とに育まれ、少年は強く成長していく。家族を超えた絆を描く感動作!有限会社アルファープロデュースURL: 【お問い合わせ先】有限会社アルファープロデュース担当: 相川TEL : 090-4475-9635Mail: masumi-a@apjpqsyu.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月16日短編映画『ヒューマン・ボイス』が、2022年11月3日(木・祝)に公開される。主演はティルダ・スウィントン。ジャン・コクトーの戯曲「人間の声」をペドロ・アルモドバルが翻案『ヒューマン・ボイス』は、ペドロ・アルモドバルが監督を務める短編映画。フランスの芸術家ジャン・コクトーの名作戯曲「人間の声」をペドロ・アルモドバルが翻案し、初めて全編英語劇に挑戦している。コクトーの戯曲に古くからなじみがあったというペドロ・アルモドバルは、これまでも幾度かコクトーからインスピレーションを得てきた。今回は、原作をできるだけ「忠実」に脚色しようと試みたものの性分に合わず、「自由に翻案」と説明を加えて映画化したという。“狂気の愛”を露わにする女性の会話劇『ヒューマン・ボイス』では、元恋人に別れを告げられたばかりの女性を主人公に、電話での会話劇のみでストーリーを展開。女性は最初こそ未練があることを悟られないようにしていたものの、次第に元恋人への感情を露わにしていく……。ペドロ・アルモドバルは主人公の女性を、「スーツケースを取りに来るというだけの電話をするのに何日もかけるような男を、狂気に至るまで愛してはいるが、媚びるほど依存しきってはいない女性」と解釈。ベランダの花にガソリンを撒いたり、スマホの画面を確認し、怒りに苛まれたり、はたまたライターを付けたり、斧を振りかざしたりと、どこか狂気さえも感じさせる女性の様子をアーティスティックに映し出し、30分という短い時間の中に怒涛の展開を凝縮した。ティルダ・スウィントンが主人公の女性に主人公の女性を演じるのは、『MEMORIA メモリア』や『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』などにも出演している実力派俳優のティルダ・スウィントン。本作では一人芝居を見事に演じ、圧倒的な存在感を放っている。ティルダについて監督は、「抽象的で演じるには困難があるこの役には、真実味と感情を持たせる優秀な女優が必要だった。彼女は才能の幅広さを証明した。彼女の知性と意欲、そしてとてつもない才能と、私に対する絶対的な信頼が大きな役割を果たした。全ての映画監督がこういう気持ちになれることを願う。」と、絶賛のコメントを寄せた。バレンシアガ(BALENCIAGA)の真っ赤なクリノリンドレスを身にまとった、ティルダの印象的な姿にも注目だ。独自の世界観を映し出すファッションとインテリアまた、ペドロ・アルモドバルこだわりのハイセンスなファッションも見所となっている。30分の中で6回以上の衣装変更が行われており、トマトレッドのドーム型ドレスや、ハードウェア店で着用されたマスキュリンなターコイズ色のスーツなど、その大半をデムナがデザインしたバレンシアガのウェアが占めている。さらに、ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の金のラメパンツと黒い革のジャケットなども登場。ペドロ・アルモドバル独自の色彩感覚を反映したファッションが、幻想的な作品の世界観を作り上げるのに一役買っている。世界中からよりすぐりのコレクションを取り寄せたというインテリアも見逃せない。明るいモダンな家具から原色の家具まで、多彩な家具をロサンゼルス、パリ、イタリア、マドリッドから集めたという。絵画に関しては、寝室にあるアルテミジア・ジェンティレスキの《眠れるヴィーナス(ヴィーナスとキューピッド)》以外はほぼ、ペドロ・アルモドバルの私物。また、テーブル上には『万引き家族』『キル・ビル』『ファントム・スレッド』『ティファニーで朝食を』『風と共に散る』等、たくさんのDVDや書籍が置かれているなど、映画ファンの心をくすぐるセットを目にすることができる。ペドロ・アルモドバル『パラレル・マザーズ』と同日公開尚、鑑賞料金は、特別料金として800円均一。同日より公開されるペドロ・アルモドバルの映画『パラレル・マザーズ』とあわせて要チェックだ。〈映画『ヒューマン・ボイス』あらすじ〉1人の女が元恋人のスーツケースの横で、ただ時が過ぎるのを待っている。スーツケースを取りに来るはずが、結局姿を現さない。傍らには、主人に捨てられたことをまだ理解していない落ち着きのない犬がいる。女は待ち続けた3日間のうち、1度しか外出をしていない。その外出先で、斧と缶入りガソリンを買ってくる。女は無力感に苛まれ、絶望を味わい、理性を失う。様々な感情を体験したところで、やっと元恋人からの電話がかかってくるが・・・。【詳細】映画『ヒューマン・ボイス』公開日:2022年11月3日(木・祝)監督・脚本:ペドロ・アルモドバル原作:ジャン・コクトー「人間の声」出演:ティルダ・スウィントン、アグスティン・アルモドバル、ダッシュ(犬)原題:THE HUMAN VOICE2020/スペイン/英語/30分/カラー/5.1ch/ドルビーデジタル/アメリカンビスタ/字幕翻訳:松浦美奈 G
2022年08月14日映画『フラッグ・デイ 父を想う日』が、2022年12月23日(金)に公開される。監督・主演はショーン・ペン。“父親が実は犯罪者だった”実話を映画化『フラッグ・デイ 父を想う日』は、大好きな父親が実は犯罪者だったという衝撃の実話を映画化した作品。原作は、ジャーナリストのジェニファー・ヴォーゲルが2005年に発表した回顧録「Film-Flam Man: The True Story Of My Father‘s Counterfeit Life」だ。裏切られ父の実像を知ってもなお、その愛情は変わることなく父と真っすぐ向き合おうとした娘の姿を通して、“家族の絆や愛とは何か”を問う。娘の知らなかった父の一面が浮き彫りにアメリカ最大級の贋札事件を引き起こしたジョンは、裁判を前にして逃亡。警察の車と壮絶なカーチェイスを繰り広げる様子がテレビ中継され、ジョンの娘・ジェニファーはそれを目にしてしまう。ジェニファーにとってのジョンは、子どもたちに最高の世界を与えようとかけがえのない思い出を作ってくれた魅力的な父親。その一方で、「フラッグデイに生まれた男はクズって決まってる」というジョンの母親や「パパはあなたが思ってるような人じゃない」というジョンの妻の言葉、ジョンが危険な仕事に手を染めていることを伺わせる様子など、娘の知らない父の一面も見えてくる。尚、タイトルの“フラッグ・デイ”とは、アメリカ国旗制定記念日のこと。全米が祝福する“フラッグ・デイ”に生まれた父・ジョンは、自分は生まれながらにして祝福されていると感じ、特別な存在として成功する当然の権利があると信じていた。“フラッグ・デイ”は彼の人生を大きく左右し、父と娘の重要な日にもなっている。映画『フラッグ・デイ 父を想う日』あらすじ1992年、全米にショッキングなニュースが流れる。アメリカ最大級の贋札事件の犯人であるジョンが、裁判を前にして逃亡したのだ。彼にはジェニファーという娘がいた。父の犯罪の顛末を聞いたジェニファーは、こうつぶやく――「私は父が大好き」。史上最高額の贋札を非常に高度な技術で偽造したジョンとは、いったいどんな男だったのか?父の素顔を知っても愛情は変わらなかった娘との関係とは?ジェニファーが幼い頃から「平凡な日々を見違えるほど驚きの瞬間に変えた」父との思い出を宝物のように貴い、だからこそ切ない日々がひも解かれていく――。ショーン・ペンが監督・主演、実娘と共演監督・主演を務めるのは、『ミスティック・リバー』『ミルク』で主演俳優としてアカデミー賞を受賞し、監督作『イントゥ・ザ・ワイルド』が同賞2部門にノミネートされたショーン・ペン。自身の監督作に出演するのは『フラッグ・デイ 父を想う日』が初となり、構想には15年をかけたという。尚、『フラッグ・デイ 父を想う日』は、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。■主人公ジョン…ショーン・ペンアメリカ最大級の贋札事件の犯人で、裁判を前に逃亡。アメリカ国旗制定記念日“フラッグ・デイ”に生まれる。■ジェニファー…ディラン・ペンジョンの娘。ヒーローのような父・ジョンへの憧れが、その実像を知ることで反抗心へと変わっていくものの、弱さや矛盾に満ちた不完全な人間である父への愛情を徐々に深めていく。ジェニファーを演じるのはショーン・ペンの実娘であるディラン・ペン。ディランが本作の脚本を初めて読んだのは15歳の時で、父からの15年間にも及ぶ説得に応じて出演を決意した。■ベック…ジョシュ・ブローリンジョンと別居する母と、ジェニファーたち子どもを気にかけサポートする伯父。【詳細】映画『フラッグ・デイ 父を想う日』公開日:2022年12月23日(金)監督:ショーン・ペン出演:ディラン・ペン、ショーン・ペン、ジョシュ・ブローリン原作:「Film-Flam Man: The True Story Of My Father‘s Counterfeit Life」2021年/アメリカ/英語/112分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:FLAG DAY/日本語字幕:松浦美奈/PG-12/配給:ショウゲート
2022年08月07日次世代の若手映画監督の登竜門映画祭として開催が決定した「東京インディペンデント映画祭2022」に「ABEMA」が協力、本映画祭にてグランプリ、準グランプリを受賞した3作品について、「ABEMA」にて制作支援をするとともに2023年に独占配信することが決定。『余命10年』『新聞記者』などの藤井道人監督が審査員長、俳優の奈緒らが審査員を務める。「東京インディペンデント映画祭2022」は、「次世代の映画監督を育成する」をモットーに、初めて開催される映画祭で、コロナ禍のもと、映画のオンライン視聴が日常化したいま、全国に向け新たなムーブメントを呼び起こす「夢のある映画祭」として実施。また、海外映画祭との推薦提携を結び、良質なインディペンデント映画作品を世界へ向けて発信、年間を通じてオンラインで楽しめるハイブリットな映画祭を目指していく。審査委員長は、『新聞記者』でアカデミー最優秀作品賞を受賞し、『余命10年』の大ヒットが記憶に新しい藤井道人監督に決定。さらに、連続テレビ小説「半分、青い。」で脚光を浴び、ドラマ「あなたの番です」をはじめ話題作に出演し、映画やドラマに引っ張りだこの俳優・奈緒、映画ファンの若者を中心に圧倒的な人気を誇る映画ライターのSYOなど、最旬の審査員たちが集結した。また、「ABEMA」では次世代監督の育成スカラシップとして、グランプリ、準グランプリ受賞3作品監督に対し、1作品につき300万円の次回作の制作支援金を提供。審査委員長・藤井道人を擁する「BABEL LABEL」のサポートを受け、短編映画として2023年に「ABEMA」で独占配信される。また、最終候補10作品についても「ABEMA」で独占配信される予定となっている。藤井道人監督「夢のある業界だと思ってほしい」この度、TIMF(東京インディペンデント映画祭)の審査員長を畏多くも引き受けることにした大きな理由は才能ある若手映画作家と出会いたい。そして、微力であっても出会えた監督たちがより良い環境で映画制作を出来る様にサポートしていきたいという思いからです。映画業界の労働環境やシステムを改善する責務が我々にはあると思っています。映画を愛する、この業界に入りたいと感じている皆さんに夢のある業界だと思ってほしい。そのためにはまず出会いの場を作りたい。この度、ABEMAとのタッグでスカラシップをはじめ、様々なサポートが出来るようになったと感じています。出会い、育成し、羽ばたく。そのお力添えが出来る様に精一杯努力したいと思います。沢山の才能に出会えることを楽しみにしています。作品の募集は8月3日(水)より開始されており、受賞の発表は2023年2月、授賞式は2023年3月を予定している。(text:cinemacafe.net)
2022年08月03日監督集団「5月」が香川照之を主演に迎え制作した初の長編映画『宮松と山下』が、11月18日(金)に公開されることが決定した。それに伴い、場面写真3点、メイキング写真1点も解禁となっている。数多くの名作CMや教育番組『ピタゴラスイッチ』を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗の3人からなる監督集団「5月」。“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待を受けるなど注目を集めている。そんな監督集団「5月」が、日本が誇る名優・香川照之を主演に迎えて制作した初の長編映画が『宮松と山下』だ。映画・ドラマ・舞台に限らず、ニュース番組・教育番組など、八面六腑の活躍を続ける香川が、ポン・ジュノ監督作品『TOKYO!<シェイキング東京>』、黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』に主演した2008年以来の単独主演作品となるのが本作となる。常に圧倒的な存在感を見せてきた香川が本作で挑んだのは、なぜかエキストラ役者として生きる男・宮松。ある日はあっけなく斬られて画面の端に消え、ある日はチンピラとして凶弾に倒れ……、そんな殺されてばかりの端役を一生懸命に取り組む目立たない男の生活を描き出す。香川を支える共演者たちには津田寛治、尾美としのり、中越典子ら。口数の少ない宮松の謎に包まれた現在と過去を展開していく。過去の記憶がない主人公。なにが好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか。なにも思い出せない中、毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続ける彼を香川がどう演じているのかに期待だ。香川照之、関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦コメント<宮松役:香川照之・コメント>『宮松と山下』は、具体名を出して申し訳ないが、2006年に撮影した西川美和監督の『ゆれる』という映画の脚本を初見で読んで以来の異様な衝撃が走った台本だったが、聞くとその映画のメガホンをとる監督が何と3人いると言う。2人は30代の若者。残る1人は年齢不詳の男。若者の1人はどこまでも芸術的な感覚で世界を捉えていて、中世ヨーロッパの抽象画家のようだ。もう1人は、辛うじて演技の方向性を演者に伝えてくるが、目の奥では全く違う思考がカチカチと常に動いていて油断がならない。年齢不詳の男は思慮深い教授そのもので、豊かな知識の会話術に満ちながら、その実なにを考えているのか皆目分からない。そんな彼ら3人の巧みな言葉に乗せられて、私のアイディアや感性も暴発していく。ああ、久しぶりに芯のある演技をしているな…完成した作品は、やはり久しぶりの変態性に満ちていた。狂っている。褒め言葉だ。こんな映画が欲しかった。<監督:関友太郎 / 平瀬謙太朗 / 佐藤雅彦・コメント>この映画は、当初、「とうてい実現できそうにない構想」として、私たち3人の監督の間では宙に浮いていた。それが、ある日、「香川照之」という名前がひとりの口から漏れた瞬間。現実に完璧に定着することができると3人の監督は直感した。エキストラ役者として己の個を消してどんな場所にでも潜む役を演じつつも、画面に写ったら最後、観客を物語の世界へとグイグイと連れて行く存在感。そんな矛盾する両面性。もう香川照之しかいなかった。そして、それがいかに素晴らしい閃きであったかを、私たちはその後、嫌というほど思い知ることになる。撮影の最中、宮松という人物を求めて、香川さんはずっと私たちと一緒に悩み、試し、答えを出した。編集中、香川さんが我々に与えてくれた表情や演技には、とんでもない量と質の情報が含まれていることが分かった。香川照之の演技力、人間性を我々は充分知っている。と思っている。しかし、まだ世の中は香川照之の緻密さを知らない。まだ世の中は香川照之の恐ろしさを知らない。まだ世の中は香川照之の本性を知らない。私たち3人の監督は、それを今、確信している。香川照之の真髄、この映画にあり。『宮松と山下』11月18日(金)公開
2022年07月27日インド映画『RRR(アールアールアール)』が、2022年10月21日(金)に公開される。監督は、『バーフバリ』シリーズのS.S.ラージャマウリ。『バーフバリ』S.S.ラージャマウリが贈る豪快アクションエンタメ『RRR』は、日本でも2年以上にも及ぶロングランを記録した『バーフバリ』シリーズの生みの親S.S.ラージャマウリが監督を務める新作映画。観る者を奮い立たせ、熱狂させる豪快アクションエンターテインメント作品だ。『RRR』は本国インドで公開されるや否や爆発的なヒットを飛ばし、本年度のインド国内興行収入No.1を獲得。また、インドでの初日興行収入は約16億ルピーと、『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』を超えて歴代第1位を記録した。そしてインドだけにとどまらず、北米をはじめ、世界でも話題を呼びハリウッド批評家協会賞ではインド映画初となる最優秀作品賞にもノミネート。そんな『RRR』が満を持して日本に上陸する。激動の時代、敵対する2人の友情と戦いタイトルである『RRR』は、“Rise(蜂起)”、“Roar(咆哮)”、“Revolt(反乱)”の頭文字に由来している。舞台となるのは1920年、英国植民地時代のインド。英国軍に捕らわれた村の少女を救い出す使命を背負った“野性を秘めた男”ビームと、英国の警察官で“内なる怒りを燃やす男”ラーマの2人による、友情と壮絶な戦いの模様が描かれる。敵対する立場のビームとラーマは互いの素性を知らぬまま唯一無二の親友となっていくが、激動の時代の中で彼らが選ぶのは友情か、使命か?家族、誇り、一国の未来をも背負った2人の運命を、“ラージャマウリ節”全開の豪華絢爛な映像と、比類なきパワフルなアクションの数々、怒涛のストーリー展開で描き出す。観る者全てに間違いなく「その発想はなかった!」と思わせる、想像の斜め上を行くアクション、そして言葉を交わさず阿吽の呼吸を魅せるビームとラーマの最強バディぶりに注目だ。NTR.Jr&ラーム・チャランが主人公にビームを演じるのはN・T・ラーマ・ラオ・Jr.(通称NTR.Jr)。一方、ビームと敵対する男・ラーマは、ラーム・チャランが演じる。■ビーム役…N・T・ラーマ・ラオ・Jr.(NTR Jr.)誇り高きゴーンド族の戦士。イギリスの総督に連れ去られた村の娘の奪還のため、首都デリーへ潜伏する。■ラーマ役…ラーム・チャラン英国政府に忠誠を誓う警察官。ある“大義”を胸に秘めている。ポストカードやポスターの入場者特典映画『RRR』の入場者特典も決定。主人公・ビームとラーマのダイナミックな姿を写し出したオリジナルポストカードを、第1弾入場者特典として全国限定7万枚配付する。また、IMAXの入場者には、オリジナルA3ポスターを限定2万5千枚プレゼント。いずれもなくなり次第終了となるため、気になる人は早めのチェックがおすすめだ。『バーフバリ』シリーズのリバイバル上映もまた、『RRR』の公開を記念して、10月14日(金)より日替わりで『バーフバリ伝説誕生<完全版>』『バーフバリ王の凱旋<完全版>』をリバイバル上映。新宿ピカデリー他、全国10館以上にて上映される。詳細は、『RRR』公式ホームページと各劇場サイトにて告知される。<映画『RRR』あらすじ>舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム。大義のため英国政府の警察となるラーマ。熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。彼らが選ぶのは、友情か?使命か?【詳細】映画『RRR』公開日:2022年10月21日(金)監督・脚本:S.S.ラージャマウリ原案:V・ビジャエーンドラ・プラサード出演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr.、ラーム・チャラン配給:TWIN製作年:2022年製作国:インド
2022年07月24日辻村深月原作の映画『かがみの孤城』が2022年冬に公開される。この度、監督を原恵一が務めることが明らかにになり、超特報映像、「生徒役声優オーディション」の開催などが一挙発表された。原作は、本屋大賞15年間の歴史の中で歴代最多得票数を獲得し1位となったほか「王様のブランチブック大賞2017」や「ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR 2017」など9冠を獲得し、 TV・新聞ほか各メディアでも大絶賛の話題作。2019年にコミカライズ、オーディオブック化、2020年には舞台化されるなど様々なコンテンツでメディアミックスされ注目を集め続けている。大人も子どもも夢中になるファンタジーミステリーとして幅広い世代から支持され、累計発行部数は今年に入り125万部を突破。辻村深月は、2004年『冷たい校舎の時は止まる』でデビュー。映画化もされた『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』では第147回直木賞を受賞している。その他、日本アカデミー賞を含め多数の賞を受賞した『朝が来る』や『ハケンアニメ!』など数々の作品が映画化されてきた。本作の主人公は、学校での居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、その先にあったのは城のような不思議な建物。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていた。城の中には秘密の「鍵」が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うという。なぜこの7人が集められたのか。鍵はいったいどこにあるのか。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。公開された超特報映像は、「たとえば、夢見る時がある。転入生がやってくる。その子はなんでもできる、素敵な子。」と、主人公・こころのモノローグで始まる。こころが誰にも言えない秘めた思いを語るこのセリフは、原作の冒頭シーンに登場する印象的なモノローグを引用したもので、その惹き込まれるような透明感あふれる瑞々しい声により、こころのキャラクター像が一気に浮かび上がってくる。控え目でありながらも深く深く胸に沁みこんでくるような、一度聞いたら忘れられない魅力溢れるこの「声」の正体とは。さらに、こころが何処かへ歩き出している足元や、光る鏡に手を触れようとしている手元のほか、7枚の鏡が並ぶ広間、海の上にそびえ立つ城など様々な印象的な情景が映し出される。また7月28日(木)には続報も発表予定。こちらにも期待だ。監督の原恵一は、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001年)、『河童のクゥと夏休み』(2007年)の両作品で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞し、『カラフル』(2010年)では、世界最大規模のアニメーション映画祭「第35回アヌシー国際アニメーション映画祭」長編作品特別賞観客賞を受賞、『百日紅~Miss HOKUSAI~』(2015年)では同映画祭審査員賞を受賞している。2018年には、高畑勲監督、大友克洋監督につづき、アニメーション監督では3人目として紫綬褒章を受章するなど、国内外ともに高い評価を得ている。そして『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(2013年)、『心が叫びたがってるんだ。』(2015年)など、数多くの名作青春アニメを世に送り出してきたA-1 Picturesが制作を手掛ける。さらに「生徒役声優オーディション」も開催。指定のセリフを読む動画にタグ「#かがみの孤城オーディション」を付けてTikTok・YouTubeに投稿すると、生徒役として本作の世界に入れるチャンスが。ぜひこちらも応募してほしい。<原恵一監督・コメント>監督は孤独だ、などと云う。それは実際その通りで、自分は孤独では無い、なんて云う監督は大噓付きか大馬鹿者だし、孤独に耐える覚悟が無い人間は監督なんかやるべきじゃない。スタッフ、キャストの仕事をジャッジして、OK、NGを決め、進むべき方向を示さなければならない。それは個人の意地を貫くことで、故にその責任を負うには孤独である必要があると思うのだ。そんな監督仕事ではあるが、甘美な瞬間がある。それは作品が、自分の思っている以上のものになる予感を感じた時、監督をやって良かった、としみじみ思うのだ。今、『かがみの孤城』という映画を作りながら、そういう予感を感じ、ワクワクと仕事をしている。『かがみの孤城』2022年冬公開
2022年07月21日映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」にて『ペパーミント・キャンディー』(1999)の4Kレストア・デジタルリマスター版の配信を記念して、本作で監督を務めた韓国映画界の巨匠イ・チャンドン監督の特別インタビューが解禁。特別コメント映像も到着した。本作の公開から約20年以上の時を経て、現在の配信サービスの映画製作への参入などで変わりゆく映画業界に対する考えや、『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』に関する裏話や次回作についてなど、貴重なインタビューとなっている。本作は韓国で封切られるや大絶賛の嵐を巻き起こし、動員50万人突破の大ヒットを記録。韓国のアカデミー賞である大鐘賞で主要5部門を独占し、全世界の映画祭で高い評価を受け日本にも多くのファンを持つ伝説的傑作。1999年、韓国の文化開放後、初となる日本・韓国合作映画でもある本作が、製作から20年の時を経て4Kレストア・デジタルリマスター版で蘇った。配信サービスの参入で変わりゆく映画業界イ・チャンドン監督が目指す先とは?Q.撮影から約23年の月日が経ちますが、当時と比較して撮りたい作品に対する変化などはありますか?『ペパーミント・キャンディー』を撮っていた時も、そして今でも、常に映画を通じて私が生きている世界そして私たちの人生について問いかける映画をずっと撮り続けたいと思っています。それは今でも変わりません。そしてそうした問いかけと共に観客と一緒に答えを探していくような、そんな映画を作っていきたいです。人生についての問いかけを今でもしています。Q.近年、配信サービスが映画を製作することが増え、日本でもNetflix製作の韓国映画やドラマ、その他の配信サービスだけでしか観られないオリジナル作品が話題となることが多いです。監督ご自身は、配信サービスオリジナルの映画を撮ることに興味はありますか?そうですね。プラットフォームが多様になり、観客が映画を見る環境や習慣がとても変わったと思います。もしもそうした配信サービスで観客に出会える機会があれば私もやってみたいとも思いますが、まだ私がやってみたいと思える物語に出会えていません。いつかそうした機会もあるのではないかと思っています。Q.「JAIHO」では7月にイ・チャンドン監督が製作総指揮を務めた『私の少女』、8月には製作プロデューサーを務めた『ファイ 悪魔に育てられた少年』が配信予定です。今後一緒に映画を作り上げたい監督もしくは俳優の方がいましたら、国内外問わずで教えてください。将来の可能性にあふれる若手の監督たちに映画を作る機会をもっと与えてほしいと思いますし、私が力になれる部分があれば力になろうとしています。私が演出をしなくても製作者という立場で参加しながら、一緒に映画を作りたい若い俳優さん、個性あふれる俳優さんたちと一緒に仕事をしたいと思っています。今は『バーニング 劇場版』で一緒にシナリオ作業をしたオ・ジョンミさんと準備している作品を書いているところで、私は製作者として皆さんのお目にかかる予定です。Q.次回作に関して制作の予定や何か構想などがあれば可能な範囲で教えてください。今はコロナの影響で映画製作に様々な影響がでています。しかし私も次回作を準備していますし、早く皆さんにお目にかかれたらと思っています。コロナによる苦境で、韓国映画界に訪れた変化とは?Q.イ・チャンドン監督の作品の多くが4Kリマスター化されています。リマスター化には監督自身がどの程度関与されているのか、国からの支援などがあるのか教えてください。そうですね。国の支援でリマスター作業を行うこともあります。政府の機関である映像資料院でそうした支援をしています。私の映画でいうと『ペパーミント・キャンディー』は映像資料院の支援を受けてリマスター作業をしました。そして私の作品のリマスター作業に関しては、最初から最後まで私自身も参加をして細かく作業を行います。最大限に原本の通りにするリマスター作業です。Q.『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』について思い出すエピソードなどありましたら教えてください。この作品は最初のチャプターと最後のチャプターで同じ鉄橋が登場しますが、最後のチャプターの時に再びその場を訪れて撮影をしようとしたところ、鉄橋で工事がはじまっていたんです。私はパニックに陥ったのですが、なんとか工事をストップしてもらって撮影をした覚えがあります。このエピソードを知って映画をご覧になると、最初に出てくる鉄橋と最後に出てくる鉄橋の微妙な違いを感じて頂けると思います(笑)。Q.韓国映画界の変化、現在の韓国映画についての監督のお考えなどもお伺いしたいです。映画製作はコロナの影響で厳しい部分も多いです。なぜなら今、制作された韓国映画の100本以上が劇場公開できぬまま待機しています。その反面で配信サービスコンテンツ、ドラマはとても人気です。韓国では今、ドラマ制作はとても活発です。また、映画のスタッフや俳優も今はドラマを撮っていることが多いです。映画産業は、今後観客が劇場に戻ってきてくれるかどうかの分岐点に立たされていると思います。その中でも私は私のできることをしているし、韓国映画が再び活力を取り戻すであろうと信じています。『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』は7月20日(水)~9月17日(土)まで「JAIHO」にて配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ペパーミント・キャンディー4Kレストア・デジタルリマスター版 2019年3月15日よりアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開© 2002 Cineclick Asia All Rights Reserved.
2022年07月19日今、注目の女の子を紹介する『anan』の「イットガール」。今回は映画監督、アーティストの大野キャンディス真奈さんです。新進気鋭の映画監督として話題。素顔は陽気でキュートな藝大生!1作目の短編が各地の映画祭で注目を集め、今夏、初の長編作『愛ちゃん物語』が公開に。「学生のうちに映画を劇場公開するのが目標でした。完成後は配給会社に自らアタック。作品が面白いという自信があったので、怖いもの知らずでした」。明るい語り口調は、ポップな作風ともリンク。「私の作品は自分の脳から流れ出る液体をカタチにしたもの。それを自分で観るのも楽しいの。自分の世界観を突き詰めて表現して、それを多くの人に喜んでもらえる作り手になりたい。ティム・バートンが憧れ!」暇さえあれば絵を描いています。聴いた音楽の波や、頭の中に湧いてくるものをそのまま描きます。誰もいない海で心身ともにデトックス!海が好きで無人島に行きました。“ま、いっか~”ってなれる最高の場所。愛を詰め込んだ『愛ちゃん物語』。家族って?愛って?そんな問いかけをポップに表現した自信作です!おおのキャンディスまな1998年生まれ。2018年、短編作『歴史から消えた小野小町』が話題に。『愛ちゃん物語』はシネクイント、シネマート心斎橋など全国4か所で7月29日公開。※『anan』2022年7月13日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2022年07月12日エイミー・ワインハウスの伝記映画の監督が、サム・テイラー=ジョンソンに決まった。ワインハウスの伝記映画のプロジェクトはこれまでにもいくつかありつつ、どれも実現しないままだったが、監督の決定を受けて、スタジオ・カナルによるこの企画は、ついに動き出しそうだ。タイトルは『Back to Back』。ワインハウスの遺族の協力を得て製作されるという。主演女優のキャスティングはまもなく始まる。テイラー=ジョンソンはイギリス生まれ。写真家アーティストとして活躍した後、『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』で監督デビュー。この映画に主演した23歳下のアーロン・テイラー=ジョンソンと結婚、ふたりの子供を授かっている。文=猿渡由紀
2022年07月12日ホラー映画『ザ・ディープ・ハウス』が、2022年9月16日(金)より全国順次ロードショー。監督はジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ。ジュリアン・モーリー &アレクサンドル・バスティロの“酸欠”ホラー映画『ザ・ディープ・ハウス』は、『屋敷女』や『レザーフェイス-悪魔のいけにえ』といったホラー作品を手がけてきたジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロが監督を務める、極限の“酸欠”ホラー・ムービーだ。製作総指揮は、『ワイルド・スピード』最新作の監督に抜擢されたルイ・レテリエが手がける。湖に沈んだ“水中屋敷”の想像を絶する恐怖とは?動画撮影のために“秘密の場所”を探しにフランスの南西部へと旅に出たYouTuber カップル・ベンとティナ。2人は、湖畔で出会ったピエールに案内され、湖底に一軒の家が沈んでいるという湖にたどり着く。湖の水面下は多くの魚が泳いでいるものの、彼らが目指す屋敷の周りは空気が一変。立ち入り禁止の看板があるほか魚は一匹もいない様子…。ただならぬ雰囲気を感じつつも屋敷の中へ進む二人は、水中にいるはずもない人影を目撃。パニックに陥る2人は酸素のない水中で容赦なく襲い掛かるこの恐怖に耐えられるのか…!?想像を絶する恐怖は、見ているだけで息苦しさを感じる程。鑑賞前には深呼吸することを推奨する本編の約70%を水中でのシーンが占めているという『ザ・ディープ・ハウス』。撮影は、水中にセットを組んで行われた。臨場感あふれるリアルな描写が怖さを倍増させており、その怖さは、米国のホラー映画制作会社の名門ブラムハウス・プロダクションズも認めている。ジェームズ・ジャガー&カミーユ・ロウが水中屋敷に挑むYouTuberに謎の水中屋敷に挑む若い男女役を演じるのは、ミック・ジャガーの息子である俳優のジェームズ・ジャガーと、世界で活躍するトップモデルのカミーユ・ロウ。■ベン…ジェームズ・ジャガー■ティナ…カミーユ・ロウ登録者数を増やしているYouTuberカップル。湖に沈められた屋敷を撮影しようと赴くが………。■ピエール…エリック・サヴァンベン、ティナと湖畔で知り合い、屋敷の場所を案内する。〈映画『ザ・ディープ・ハウス』あらすじ〉世界各地の廃墟などをアップし登録者数を増やしているYouTuber カップルのティナとベンは、ある湖に沈められた曰くつきの屋敷を撮影するのが目的でフランスの郊外にやって来た。湖畔で知り合ったピエールから場所を案内してもらい水面下に潜ると不気味な屋敷が彼らを待っていた。屋敷内を探索、撮影していると不思議な現象や幻影が次々と襲って来る。危険な雰囲気を察知し酸素量も少なくなり屋敷から出ようとするが、いつの間にか出口が塞がれていた。パニックとなる彼らの目の前に、想像を絶する恐怖が!!!!【詳細】映画『ザ・ディープ・ハウス』公開日:2022年9月16日(金) 新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー監督・脚本:ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ出演:ジェームズ・ジャガー、カミーユ・ロウ、エリック・サヴァン、アレクシス・セルヴァース、アン・クレサン、キャロライナ・マッシー製作:クレマン・ミゼレ、マチュー・ワルテル、フレデリック・フィオール、エリック・タヴィティアン、ジーン=チャールズ・レヴィ製作総指揮:ルイ・レテリエ、ネイト・ボルトン、マキシム・コットレイ、ナタン・ボーキン音楽:ラファエル・ゲスカ撮影:ジャック・バラード2021年/フランス・ベルギー/英語・仏語/85分/スコープサイズ/原題:THE DEEP HOUSE配給:インターフィルム / 映倫区分:G
2022年07月09日日本映画界を牽引する監督たちの商業デビュー作を世に送り出してきた、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)の映画製作プロジェクト「PFF スカラシップ」。この度、過去のPFFスカラシップ作品の名作を35mmフィルム上映で振りかえる『PFF スカラシップ傑作選』が開催されることが決定した。1984年の創設から38年を迎えたPFF スカラシップは、PFFが新人監督のデビューをトータルプロデュースする長編映画製作プロジェクト。2022年の今夏には、このPFF スカラシップを受賞した『猫と塩、または砂糖』(7月23日公開)、『裸足で鳴らしてみせろ』(8月6日公開)が連続公開される。これを記念し、過去のPFF スカラシップ作品の名作を35mmフィルム上映で振りかえる『PFF スカラシップ傑作選』の開催が決定。現在、PFFや国立映画アーカイブ所蔵の上映可能な35mmフィルムから、各劇場がセレクトする【ミニシアターセレクション】形式で開催する。スカラシップ創設の1980年代〜2010年頃までは35mmフィルムでの上映が主流だったが、保管やメンテナンスが難しく、また映写機の設備がある劇場も少なくなり、フィルム上映が困難になってきている。だが、最近では、このフィルム独特の質感が若い世代にも見直されブームに。映画館でもクラシック作品の35mmフィルム上映をする企画が相次ぎ、往年の映画ファンから若い世代までが注目する人気の企画となっている。今回上映するのは、過去にPFF入選を果たした監督たちの商業デビュー作。東京では、渋谷・ユーロスペースにて、橋口亮輔監督『二十才の微熱』、李相日監督『BORDER LINE』、荻上直子監督『バーバー吉野』、内田けんじ監督『運命じゃない人』、石井裕也監督『川の底からこんにちは』の5作品を、7月16日(土)から7月22日(金)までの1週間上映。さらに、期間中の上映スケジュールに合わせて、橋口監督、李監督、荻上監督、内田監督が来場し、トークイベントを開催する予定となっている。また、本企画は東京で開催後、関西などの劇場でも順次開催予定。上映劇場及び各セレクション作品は公式サイトにて発表する。本企画では、35㎜フィルムならではの光や色彩表現をスクリーンで堪能できるのはもちろんのこと、上映するPFFスカラシップ作品の公開当時、劇場に駆け付けた映画ファンにとっては懐かしい体験と今見直しても色あせない名作の感動を、そして、若い世代にとっては、日本映画の第一線で活躍する監督たちの原点となるデビュー作ならではの熱を、公開当時と同じ35mmフィルム上映で追体験ができる、貴重な機会となる。渋谷・ユーロスペースでは、7月23日(金)からはPFF スカラシップ新作連続公開の1本目『猫と塩、または砂糖』が公開される。『<ミニシアターセレクション>35mmフィルムで蘇る!PFF スカラシップ傑作選』<ユーロスペース セレクション>上映期間:7月16日(土)から22日(金)まで※上映作品は以下の5作品※連日18:30~の回※監督が来場してトークイベント開催予定7/16(土)『二十才の微熱』7/17(日)『BORDER LINE』*李相日監督来場(予定)7/18(月・祝)『二十才の微熱』*橋口亮輔監督来場(予定)7/19(火)『運命じゃない人』*内田けんじ監督来場(予定)7/20(水)『川の底からこんにちは』7/21(木)『バーバー吉野』*荻上直子監督来場(予定)7/22(金) 『二十才の微熱』料金:一般¥1,500(税込)学生・シニア・会員¥1,200(税込)*ゲスト登壇者は予定につき、予告なく変更となる場合がございますので予めご了承くださいユーロスペース: (渋谷駅下車、Bunkamura 前交差点左折) 渋谷区円山町 1-5 KINOHAUS 3F企画サイト: 『猫と塩、または砂糖』7月23日(土)より公開『裸足で鳴らしてみせろ』8月6日(土)より公開
2022年06月28日●韓国は「若いエネルギーに満ちている」 一方で課題も先月開催された「第75回カンヌ国際映画祭」で2冠に輝いた映画『ベイビー・ブローカー』(6月24日公開)を手掛けた是枝裕和監督にインタビュー。韓国映画に初挑戦して感じた韓国と日本の映画界それぞれの良さと課題、そして海外での映画作りについて話を聞いた。本作は、“赤ちゃんポスト”に赤ちゃんを預けた母親、預けられた赤ちゃんを子供を欲しがる人に斡旋するベイビー・ブローカーの男たち、彼らを現行犯逮捕しようと追う刑事らが繰り広げる一風変わった旅路を描いた物語。是枝監督初の韓国映画で、アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホが主演を務めた。「第75回カンヌ国際映画祭」でソン・ガンホに韓国人初となる最優秀男優賞をもたらし、また、キリスト教関連の団体から「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる「エキュメニカル審査員賞」も受賞した。本作の制作を通して感じた韓国映画界の良さを是枝監督に尋ねると、しっかりと整備された労働環境を最初に挙げた。「韓国は確実に週休2日ですし、撮影時間も厳密にルール化されているので、長時間労働ということがなく、労働環境が日本とは圧倒的に違う。そしてかなりアメリカ式で、撮影にずっと料理人が帯同し、ご飯を作ってくれる。日本だと冷めたお弁当を車の中で食べる状況がまだ残っていますが、韓国はそういったケアがすごく充実しています」また、「スタッフがすごく若くて、若いエネルギーに満ちている」と言い、「ポン・ジュノ世代たちの活躍もあって、映画産業が若い人たちが憧れる職場になっている。アメリカに留学して戻ってきたカメラマンや監督も多いですし、そういう意味で外に開かれた状況があって、それも日本とはだいぶ違うと思います」と話した。一方で課題も感じたという。「改革が急速に進み、日本みたいにいろんなものを引きずらないので、例えば、もうフィルムで撮ることができない。僕は日本だと基本的にはフィルムで撮っていますが、韓国はフィルムの現像所がもうないので、デジタルでしか撮れない。また、世代交代が急速に進んだので、監督も60代はほぼみんな引退している。映画界だけではなく社会全体が年寄りに優しくないというのがあるみたいで、『イカゲーム』が韓国ですごく人気なのは、リアルに日々の生活が『イカゲーム』なんだってみんな半分冗談のように言っていました。勝ち負けが明快で、会社の中でも40代過ぎて出世できないとみんな退職して、起業して一発当てた人はいいけど、当たらなかった人は『イカゲーム』(のように脱落する)」日本はまだまだ年功序列が根強い。是枝監督は「それによっていろんな改革が遅れている気もしますけど。韓国の体制をそのまま真似ることはできませんが、参考にすべきところはたくさんある」との見方を示した。●改革に向けて行動「変わらざるを得ないと感じている」韓国で映画作りをしたからこそ見えてきた日本の映画界の良さも聞いてみた。是枝監督は「韓国の評価は、当たるか当たらないか。当たらなかったけどいい映画だねという評価はほとんどない。当たらないとダメ。評価軸がいろいろあるということでは、日本のほうが多様で豊かだと思います」と述べ、「日本の劇場公開作品は大小あわせると(年間)650本くらいある。韓国は200本くらいなので圧倒的に違い、日本の映画のほうが多様。そこは良さとしてあると思います」と語る。続けて、「ただ、650本の中でどのくらいの作品が仕事として成立できているのかは非常に曖昧。ちゃんとしたギャランティが払われていないものも含めての650本なので、働き方改革が進んでいくと必然的にこの数が減っていく」と問題点も指摘し、「好きでやっているんだからお金なんていいでしょって。それがお金を出す側の甘えにもなっていて、このままだと国内マーケットは縮小していかざるを得ないし、仕事にならないと若い人は現場に残らない。その意識改革が急務だと思います」と語った。日本の映画界は今年に入ってハラスメントや暴力に関する問題が取り沙汰され、是枝監督らが名を連ねる「映画監督有志の会」は、「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します」という声明文を発表。さらに、映画業界の労働環境改善を含む包括的な改革のための統括機関「日本版CNC設立を求める会(action4cinema)」の発足を発表した。日本映画界のために先頭に立って行動している是枝監督。「これだけ問題が浮上してくれば変わらざるを得ないと感じているし、その圧をどう映画界全体にかけていくか。憎まれ役を買って出ないと変わらないのでやっていきますけど」と話し、「セクハラ、パワハラを実名で告白してくれた人たちのためにも、動かないといけないなと思っています」と覚悟を語る。●3カ国で映画を制作「日本は趣味の域をなかなか出ない」2019年には、カトリーヌ・ドヌーヴやジュリエット・ビノシュらをキャストに迎え、全編フランスで撮影した映画『真実』を発表した。「フランスは映画が文化として守られているので、映画自体も、映画を作る人も、制度として非常に守られている。映画は自分たちが生んだという自負があるから。韓国は今、映画がビジネスとして活況を呈しているので、熱気が強い。フランスだと映画は文化だしアートだけど、韓国は少し前までは国策であり今はビジネスチャンスとして開かれている部分がすごく強い。そして日本は趣味の域をなかなか出ない。その良さと大変さがあると感じています」日本を飛び出して映画を制作することで、それぞれの国の良さや課題が見えるように。「視野が広がっているだけではダメで、それをどう日本にフィードバックして改善に向けて動けるか」と、海外での経験を日本の映画界に生かしていくつもりだ。そして、今後海外でどのような挑戦がしたいか尋ねると、「あまり挑戦という感覚では捉えていないんです」と是枝監督。「海外で映画を撮る面白さは、自分の好きな役者と仕事ができるということ。その人がたまたまフランス人や韓国人で、彼らが暮らしている土地で撮ったほうがいいから僕が乗り込んでいくというだけで、チャレンジとは考えていない。イーサン・ホークとまたやりたいから、イーサン・ホークを今度撮るならアメリカがいいなという感じです」また、撮りたい題材があり、それを撮るのにふさわしい場所が海外だった場合は、海外で撮るという考えだ。『ベイビー・ブローカー』も、赤ちゃんポストに預けられる赤ん坊の数が日本と比べて韓国は圧倒的に多く、赤ちゃんポストを題材として扱うなら日本より韓国で撮ったほうが普遍化できると考え、韓国で撮影した。言葉の壁は、現場では特に感じないという。「演出の言葉は、10年以上付き合いのある通訳さんに現場に入ってもらっていて、自分のニュアンスがちゃんと伝わるような体制で、優れた役者がいてくれたら、自分の言葉が芝居に反映されるということはフランスでやってみて自信になりました」。フランス、韓国以外の国で撮るハードルも感じていないようで、「日本語しか話せないので、アメリカで撮ろうが、ブラジルで撮ろうが、そんなに変わらないと思います」と笑っていた。■是枝裕和(これえだ・ひろかず)1962年6月6日、東京都生まれの映画監督。1995年、『幻の光』で映画監督デビューを果たし、ヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。『誰も知らない』(2004)、『そして父になる』(2013)、『海街diary』(2015)、『三度目の殺人』(2017)などで、国内外で数々の映画賞を受賞。『万引き家族』(2018)は、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。初の国際共同製作映画となった『真実』(2019)は、第76回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門でオープニング作品として上映。『ベイビー・ブローカー』(2022)で初めて韓国映画の監督を務め、第75回カンヌ国際映画祭でソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞、さらに「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる「エキュメニカル審査員賞」も受賞した。(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年06月24日映画『パディントン』シリーズ3作目『Paddington in Peru(原題)』の制作が決定。監督は、前2作品を務めたポール・キングに代わり、ドゥーガル・ウィルソンが手がける。世界中が夢中!映画『パディントン』シリーズスタジオカナル制作の映画『パディントン』シリーズは、マイケル・ボンド著のロングセラー児童小説を原作にもつ人気作品だ。ペルーのジャングルの奥地からパディントン駅にやってきた、小さな紳士のクマ・パディントンを主人公に、その可愛すぎるビジュアルと、心温まるストーリーによって1作目・2作目共に世界中でヒットを記録。パディントンの声を務めるベン・ウィショーをはじめ、ニコール・キッドマン、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンスといった、豪華キャストでも注目を集めた。3作目は、パディントンの故郷・ペルーが舞台に?!そんな人気シリーズの3作目『Paddington in Peru(原題)』が、遂に始動。2023年より撮影スタート予定で、主要ロケ地はロンドンとペルーになるとのことだ。物語の詳細はまだ明らかにされていないものの、パディントンの故郷である“ペルー”がタイトル・ロケ地に含まれていることから、ペルーへと帰郷するパディントンの物語が描かれるのか…?!今後のアップデート情報に要注目だ。ドゥーガル・ウィルソン監督が長編映画デビュー監督を務めるのは、シリーズ初参加となるドゥーガル・ウィルソン。これまでコマーシャルやMVを手掛けてきた人物で、本作で初の長編映画デビューを果たす。なお前2作品のメガホンを握ったポール・キングは、製作総指揮&共同脚本を担当する。詳細『Paddington in Peru(原題)』公開時期:未定監督:ドゥーガル・ウィルソン
2022年06月23日映画『靴ひものロンド』が、2022年9月9日(金)より全国順次ロードショー。イタリアの名匠ダニエーレ・ルケッティ監督最新作映画『靴ひものロンド』は、「ニューヨーク・タイムズ」で2017年〈注目の本〉に選出され、全米で称賛を得た原作小説を、『ワン・モア・ライフ!』『ローマ法王になる日まで』などで知られるイタリアの名匠ダニエーレ・ルケッティが実写映画化したもの。1980年代初頭のナポリを舞台に、歪な絆で結ばれた、愚かで愛しい“家族の物語”を描く。愚かで愛しい家族の物語4人家族の平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。家を出たい夫、繋ぎ止めようとする妻、静かに見つめる子供たち。そして、ばらばらになった家族は、ささやかなきっかけで再び一緒に暮らし始める。一度壊れた「家族」は、「絆」を再び繋ぐことができるのか?それぞれが心の底に沈めた秘密と嘘とは?人との繋がりにフォーカスし、作品を撮り続けてきたダニエーレ・ルケッティ監督が、軽やかでありながら強烈な余韻を残す、新しい“家族映画”をつくりあげた。<映画『靴ひものロンド』あらすじ>1980年初頭のナポリ。ラジオ朗読のホストを務めるアルドと妻ヴァンダ、アンナとサンドロの二人の子供たちの平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。家族の元を去ったアルドは、定期的に子供たちに会いに来るがヴァンダはすべてが気にいらない。次第にヴァンダの精神状態は不安定になり、その行動もエスカレートしていく。衝突ばかりの両親の狭間でアンナとサンドロは母に寄り添うのだった。混沌とした数年を経て、家族は些細なきっかけでふたたび共に暮らし始めるが...。月日は流れ、冷え切った関係のまま老齢を迎えた夫婦は夏のバカンスへ。1週間後に自宅へ戻ると家はひどく荒らされ、飼い猫は失踪していた―イタリアの名優が集結<若かりし日の夫婦>・妻ヴァンダ役...アルバ・ロルヴァケル夫の浮気がきっかけで崩壊する家族をつなぎとめようとするも、精神状態が不安定になり、行動がエスカレートしていく。『幸福なラザロ』『おとなの事情』のアルバ・ロルヴァケルが担当。・夫アルド役...ルイジ・ロ・カーショラジオ朗読のホスト。浮気をし、家族の元を去る。「いつだってやめられる」シリーズ、『夜よ、こんにちは』などで知られ、巨匠マルコ・ベロッキオから気鋭の若手監督まで虜にするルイジ・ロ・カーショが演じる。<老年期の夫婦>・妻ヴァンダ役...ラウラ・モランテ(『息子の部屋』)・夫アルド役...シルヴィオ・オルランド(『息子の部屋』『ボローニャの夕暮れ』)衣装デザインにも注目1980年代のリアルクローズを再現しながら、さり気なく目を引く衣装にも注目。衣装デザインを担当したのは、『五日物語』『ドッグマン』『ほんとうのピノッキオ』でマッテオ・ガローネ監督と幾度となくタッグを組み、多くのイタリア映画の衣装を手掛けているマッシモ・カンティーニ・パリーニだ。ジョー・ライト監督作『シラノ』ではアカデミー賞〈衣装デザイン賞〉にノミネートされ、アダム・ドライバーを主演に迎えたマイケル・マン監督によるエンツォ・フェラーリの伝記映画『Ferrari(原題)』にも抜擢されるなど、活躍の場を広げている。77回ヴェネチア国際映画祭の〈オープニング作品〉なお、映画『靴ひものロンド』は、77回ヴェネチア国際映画祭の〈オープニング作品〉に選出。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、3部門にノミネートされている。【詳細】映画『靴ひものロンド』公開日:2022年9月9日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー監督・脚本・編集:ダニエーレ・ルケッティ原作:ドメニコ・スタルノーネ「靴ひも」(関口英子訳、新潮クレスト・ブックス刊)脚本:ドメニコ・スタルノーネ、フランチェスコ・ピッコロ出演:アルバ・ロルヴァケル、ルイジ・ロ・カーショ、ラウラ・モランテ、シルヴィオ・オルランド2020年/イタリア/イタリア語/100分/カラー/シネマスコープ/原題Lacci 英題The Ties/字幕:関口英子/配給:樂舎/後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館
2022年06月23日映画監督・イリエナナコと映像クリエイター・ナガヤマシゲキによるワンピースブランド『瞬殺の国のワンピース』(販売元:Branded株式会社)から、待望の新作season2が2022年6月18日(土)にリリースしました。公式サイト( )にて販売を開始いたします。瞬殺の国のワンピース KV『瞬殺の国のワンピース』は、気鋭の映画監督/アーティストのイリエナナコと数々の映像制作を手掛けるクリエーター・ナガヤマシゲキがタッグを組んで生み出すワンピース専門ブランド。“着る人の心も見る人の心も、一瞬で打ち抜くワンピース”をテーマに掲げる。またデザインひとつひとつに、ユニークなタイトルがつけられ、短い物語が添えられています。全10デザインのうち柄ものは全てオリジナルの生地で制作。season1から注目された目を惹く発色と柄はさらに進化を遂げ、season2はヴィヴィッドでエッジィ、そしてラグジュアリーな世界を作り上げています。■商品販売概要発売 :6月18日(土)10時~販売元 :Branded株式会社公式サイト:瞬殺の国のワンピース( )価格 :44,000円~52,800円(税込)発送時期は商品により異なります<塩素への手紙>瞬殺の国のワンピース1<カスタードクリームへの手紙>瞬殺の国のワンピース2<ポピーとランプの灯り>瞬殺の国のワンピース3<空を目指すエビ><空を目指すアボカド>瞬殺の国のワンピース4他6デザインModel :弓ライカ、AshleyPhotographer:Yu Nagai■展示販売会情報<7月8日(金) - 10日(日) season2の展示販売会を開催>season2コレクションの展示、10%OFFでの販売をいたします。見学だけでもOKですのでお気軽にご来場ください。日程:2022年7月8日(金) - 7月10日(日)の3日間時間:13:00 - 21:00場所:Garrot Tokyo 2F〒150-0041 東京都渋谷区神宮前3-29-3(原宿駅、明治神宮前駅、北参道駅、外苑前駅から徒歩約10分)※入場無料、予約不要■デザイナープロフィール・イリエナナコ東京生まれ映画監督、アーティスト、コピーライター、クリエイティブディレクターとして活動2016年まで広告会社に勤務後、フリーランスへ転身主な作品として、映画『愛しのダディー殺害計画』が2020年劇場公開同作は「湖畔の映画祭」にて監督賞/主演俳優賞需要、マドリード国際映画祭等で上映中編映画『謝肉祭まで』がLos Angeles Underground Film Festival等で受賞、2022年劇場公開予定他に、絵と言葉の作品『図』シリーズの展示などURL: ・ナガヤマシゲキ映像クリエイターとして数々のTVCMやミュージックビデオなどの映像作品を演出経歴首都大学東京にて工業デザインを学んだのちCM制作会社に入社2019年 フリーランスの映像クリエイターとして独立2020年 Branded株式会社設立2022年 廃棄野菜を使ったジェラートブランド「WASTE」を立ち上げ主な映像作品:伊藤園・SHISEIDO・大塚食品など■会社概要社名 : Branded株式会社本店所在地: 〒113-0034 東京都文京区湯島2-19-5 602事業所在地: 〒107-0052 東京都港区赤坂9-5-26 704代表者 : 田端 丈士URL : ■商品に関するお問い合わせ先Branded株式会社: info@branded.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月21日映画『流浪の月』(公開中)のティーチインイベントが12日に都内で行われ、松坂桃李、李相日監督が登場した。同作は凪良ゆうによる、本屋大賞受賞のベストセラー小説の映画化作。雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗(広瀬)に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文(松坂)。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2カ月を過ごすことになるが、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後、「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。司会を務める李監督は松坂に「今回公開されるにあたって『かつてないほど緊張や怖さを感じる』とを話をされていたと思うんですけど、具体的に怖さや恐れを感じるシーンはありますか?」と質問。問われた松坂は自身が演じる文が小さな更紗(白鳥玉季)の唇についたケチャップを拭うシーンについて「あの場面は皆さんどう思われましたか?」と観客に逆質問しつつ、「映画の感想を見ていて、そういう解釈をしている方もいるんだなと思ったんです。僕はそのシーンを演じる時に、文は自分の持っている特性から解放されるのではないかという期待があった上で更紗の口を拭ったけれど、何も湧き上がってくるものがなかった。文からしたら絶望にまた引き戻された瞬間でもあって。そのような思いで演じていました」と心境を吐露。李も「暗闇にいた文が更紗という一筋の光で表に出てきた時に、最初に神秘に触れたのがあの時だったと思うし、2人の魂が神秘に触れた瞬間でもあると思う」と文を演じた時の心情を述べた。イベントは実際に映画を見たばかりの観客からの質問コーナーへ。今日が初めての鑑賞となったという観客からは、文と幼い更紗の過ごす幸せ2カ月のシーンについて『今敏監督のアニメーション『パプリカ』や『妄想代理人』が劇中で使用されているのはどういう意図ですか?』という質問。松坂は「裏設定としてあるのは、この映画を選んだのは更紗のチョイスであるということです。前段として、自由奔放な更紗がピザを食べてゴロゴロして『次、映画見ようよ!』という時に、更紗が文と出会う前にお父さんとお母さんと幸せに暮らしていた時期に好きで見ていたラインナップのひとつにこの2作品があったということです」と映画には描かれていない2人が出会う前の影響を説明すると、李も「この2つの作品を観ている人には、『流浪の月』のストーリーにどのような繋がりがあるのかわかるはず。10歳の少女が単に好きだというのとは違う、更紗なりのチョイス。気になった方はぜひ観てみてください!」とおススメしていた。最後は原作を読んで2回目の鑑賞となった観客から『初めて原作を読んだときの感想は?』という質問。こちらに李は「脚本を読んだ感想も聞いてみたい!」と差し込むと、松坂は「まずった! と思った」と明かしながら「文字では伝わるけれど、自分の言葉で言い表すことのできない感情をどのように表現すればいいのか?というまずったがまずありました。脚本を読んで、文が更紗にすべてを打ち明けるシーンが小説と映画で違っていたので、どのように演じればいいのかということを悩みました。小説だから表現できることと映画だからこそ表現できることがあるわけで、このシーンが成立するのは自分次第だと思うと、現場中は李監督に『助けてください!』という思いで接していました」と不安があったことを明かす。しかし映画を見た人からは特に印象に残るシーンとしてよく挙がるシーンでもあり、松坂自身も「すべてを出し切るために準備期間も含めて向き合ってきたところもあるので、そのシーン撮影当日には緊張はありませんでした。撮影を積み重ねていく中で『いつ来てもいいな、このシーン』という気持ちになった。それは役者人生で初めての感覚でした」と万全の体制で臨めたそうで、李も「俳優・松坂桃李の到達点だと思う。次が楽しみ!」と太鼓判を押していた。
2022年06月12日アンジェリーナ・ジョリーが『Without Blood』を監督することがわかった。アレッサンドロ・バリッコが書いたベストセラー小説の映画化で、イタリアの田舎を舞台に、ある揉め事の成れの果てを語る物語で、主演にはサルマ・ハエックとデミアン・ビチル。撮影は今月、イタリアでスタートした。ジョリーは2011年の『最愛の大地』で監督デビュー。今作は5本目の監督作となる。ハエックの最近作は、リドリー・スコット監督の『ハウス・オブ・グッチ』。ビチルの最近作は、ダグ・リーマン監督の『カオス・ウォーキング』。文=猿渡由紀
2022年06月10日映画『窓辺にて』が、2022年11月4日(金)に全国公開。主演は稲垣吾郎、監督は今泉力哉。今泉力哉による完全オリジナル脚本、大人のラブストーリー『愛がなんだ』『街の上で』『猫は逃げた』など、次々と話題作を世に送り出してきた映画監督の今泉力哉。一筋縄ではいかない、繊細な恋人たちの心の機微の表現や恋愛観が支持を集めてきた。中でも特に、今泉力哉の描くオリジナルラブストーリーには定評がある。映画『窓辺にて』は、今泉力哉が大人のラブストーリーを描く、17作目の完全オリジナル作品だ。今泉ワールドの特徴でもある“等身大の恋愛模様”に加え、これまで以上に「好きという感情そのもの」について深く掘り下げて描写している。台本を読んだ俳優やスタッフたちからはフランス映画のような珠玉のラブストーリーだと絶賛されたという。撮影は、映画『ドライブ・マイ・カー』のスタッフを迎え、2021年7月に都内近郊で行われた。稲垣吾郎が主演、妻について「ある悩み」を持つ主人公に■主人公・市川茂巳...稲垣吾郎妻について「ある悩み」を持つフリーライター。主演を務めるのは、稲垣吾郎。『半世界』『クソ野郎と美しき世界』など次々と斬新な役柄に挑み、唯一無二の存在感を放つ稲垣吾郎が、今泉力哉の監督作品に初参加する。ふと生まれた感情を表す繊細な演技と、ただそこにいるだけで漂う稲垣吾郎の華やかな存在感によって、美しくも儚い世界観を表現した。■ 紗衣...中村ゆり市川の妻。■久保留亜役...玉城ティナ高校生作家。■有坂正嗣役...若葉竜也市川の友人でプロスポーツ選手。■ゆきの役...志田未来有坂の妻。■荒川円役...佐々木詩音紗衣と浮気している売れっ子小説家。主題歌はスカート主題歌は、澤部渡のソロプロジェクト・スカートが担当。どこかノスタルジックなポップスが、物語に温かな彩りを添える。劇伴は、 抒情派エレクトロ・ダブ・バンド「あらかじめ決められた恋人たちへ」の池永正二が担当した。〈映画『窓辺にて』あらすじ〉フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者である妻・紗衣が担当している売れっ子小説家と浮気しているのを知っている。しかし、それを妻には言えずにいた。また、浮気を知った時に自分の中に芽生えたある感情についても悩んでいた。ある日、とある文学賞の授賞式で出会った女子高生作家・久保留亜の受賞作「ラ・フランス」の内容に惹かれた市川は、久保にその小説にはモデルがいるのかと尋ねる。いるのであれば会わせてほしい、と…。【詳細】映画『窓辺にて』公開日:2022年11月4日(金) 全国ロードショー出演:稲垣吾郎、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、志田未来、倉悠貴、穂志もえか、佐々木詩音、斉藤陽一郎、松金よね子監督・脚本:今泉力哉
2022年06月09日河瀨直美監督(53)が総監督を務めた東京五輪公式記録映画『東京2020オリンピック SIDE:A』。河瀨監督が代表を務める映像制作会社「組画」の公式サイトでは、《オリンピックという大きな舞台で、精一杯鍛錬してきたアスリートたちの姿を中心に5000時間750日間を越える記録とその記憶を凝縮しています》と紹介されている。先日開かれた「第75回カンヌ国際映画祭」では、クラシック部門に選出され高い評価を得た本作。各メディアによると、カンヌのレッドカーペットを歩いた河瀨監督は、「世界で1番の映画祭という最高のお披露目の場だと思うので、ここカンヌにて、日本で行われたオリンピックの姿をお披露目できるのは誇りに思います」と語ったという。そんな河瀨監督の渾身の作品は、ついに6月3日(金)から日本で公開された。ところが、週末にもかかわらずチケットの事前購入の売れ行きが芳しくないというのだ。「東京都内の新宿、渋谷、池袋周辺の主要な映画館でも、公開初日の段階で空席が目立っています。もちろん当日に座席が埋まる可能性もありますが、土・日でも上映1回あたりの事前購入状況は10席前後のところが多く、1枚もチケットが売れてない回も。全国でも同様の客入りの映画館が多数あるといいます。本作よりも前に上映された『トップガン マーヴェリック』『流浪の月』では、半数以上の席が埋まっている回や完売している回もあります。カンヌでも評価を得た作品ですので、公開初週の週末なら動員数も期待できると思ったのですが……」(映画関係者)昨年、開幕直前まで波乱に見舞われながらも、17日間にわたって行われた東京五輪。しかしながら、本作の上映に反対する人も少なからずいたようだ。「カンヌで上映される前に、日本で完成披露試写会が開かれました。そこには女性蔑視発言で東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を辞任した森喜朗氏(84)も出席。さらには日本サッカー協会元会長で選手村村長の川淵三郎氏(85)や大会事務総長を務めた武藤敏郎氏(78)の姿もあったそうです。そんな会場の外では、本作の上映の中止を求める運動が行われていたといいます」(スポーツ紙記者)一方で、河瀨監督はスポーツ紙の取材に「100年後にも届くような映画でないといけない」と語っている。だが河瀨監督をめぐっては、2度にわたって“ハラスメント疑惑”が「週刊文春」に報じられたばかりだ。「1度目は’19年5月に映画『朝が来る』の撮影現場で、河瀨監督に触れた撮影助手を蹴り上げたと報じられました。報道直後、河瀨監督は公式サイト上で《既に当事者間で解決をしている》とコメントを発表し、幕引きを図りました。ですがその後も、河瀨監督が’15年10月に男性スタッフの顔面を殴ったと報じられたのです。どのような理由で殴ったかは不明ですが、男性スタッフは同誌の取材に『事実です』と語っています。今、映画界ではハラスメントの告発が相次いでいます。度重なる暴行報道に批判の声が上がるも、河瀨監督は沈黙を貫いたままです。一連の報道や河瀨監督の対応も、興行に影響を与えているかもしれません」(前出・映画関係者)カンヌで喝采を浴び、凱旋上映が始まった東京五輪公式記録映画。だが国内との“温度差”ゆえに、大コケにならなければよいが。
2022年06月04日