育児日記で気づいた…わが子は梅雨に不調になる!?梅雨の足音がバシャバシャと聞こえてまいりました!季節の変わり目は体調を崩しやすいとは言いますが、発達障害があるとそれがより顕著な気がします。うちの息子と娘はどちらも、特に梅雨のこの時期に不調に見舞われることが多くあります。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ眠れない、起きられない、体が言うことをきかない…!妹いっちゃんはあまり「病気」という状態までになることはないので説明しにくいのですが、やはり「不調」としか言いようのない時期が梅雨のころにやってきます。特に悩ましいのが、睡眠がうまくとれなくなることです。まず、夜眠れなくなります。眠ろうと布団に入るのですが、頭がさえて眠れないというのです。そして当然の帰結ですが、朝起きられなくなります。起きられないといっても通常の寝坊と違い、呼びかけにも応じない完全な"寝落ち"状態。意識があるときでも、起こそうとするとそっくり返って抵抗され、無理に体を立たせたりすると泣きわめいて布団に戻ります。(そしてまた寝てしまう...)起きたとしても大変機嫌が悪く、食欲もありません。そんな状況で起きているときは、たとえ学校に行っても、家でテレビを見ていても、後で聞くと内容をほとんど何も覚えていません。本人もある程度自覚があるらしく、「起きなければ」「学校に行かなければ」と思っているのに、体が言うことをきかないとのこと。ゴソゴソと工作をしたり、ピアノを弾いたりと好きな活動をしていることもあるのですが、それは「いつもの自分」を取り戻すための必死の行動で、決して遊びではないのです。得意なはずのことも思ったようにできないようで「ギーーー!!」と怒声が…。Upload By 寺島ヒロ年を重ねるうちに不調の波は小さくなって…兄のタケルも、幼いころは梅雨の時期に1~2週間寝込んでいました。しかし、12歳ぐらいからだんだんと寝込むことが減ってきました。18歳の今でも梅雨に入るころの2~3日は頭痛と吐き気に悩まされてはいますが、頭痛薬を飲みながら登校しています。妹のいっちゃんも、去年と比べると今年は5月下旬に学校に行けている日数が多くなっています。2人とも成長するにつれて少しずつ不調の波が小さくなっているように感じるので、ある程度は身体の発達を待つという姿勢も必要なのかな…と思っています。朝起きられない!不登校!という事態を目の当たりにすると親も慌ててしまいがちですよね。私もこの時期は寝ている娘を横に、始業時間を指そうとする時計の針をじっと見ています。心中は穏やかではないです(笑)。それでも、育児の記録をつけていたことで「そろそろ来るな」という心づもりができ、だんだん落ち着いて対処できるようになってきたと思います。
2019年06月11日雨の季節、頭を悩ませていた傘問題...Upload By かなしろにゃんこ。梅雨の時期、毎年頭を悩ませていた傘問題。うっかり屋でおっちょこちょいのADHDの息子は、傘を学校から持って帰ることができませんでした。登校の際に「帰りに雨が止んでいても傘は持って帰ってね」と伝えても、雨がやむと忘れ、学校に置いてきてしまいます。下校時に周りのみんなが傘を持ち帰ろうとする姿を見ても、気にもとめません。そのため、梅雨や春雨、秋雨の時期は学校に傘がたまり、家の傘がなくなります。何度言ってもできないのが特性ですから、仕方なく学校に息子を迎えに行くついでに傘を取りに行くことで問題を解決していました。しかし、忙しいときはそうはいきませんし、持ち物の管理は自分でできるようになってほしい、そう思っていました。こんなに壊れる?こんなになくす?原因を探して一つずつクリアにUpload By かなしろにゃんこ。本人は小雨程度では傘を持ちたくないとも言うくらい、傘のことなんて全く気にせず生きているので、低学年の頃は期待しないで親が管理するようにしていました。それでも少しずつ自分で持ち物管理をしてもらうため、傘を持ち帰らない原因を本人にも尋ねてみたところ、単に「持ち帰るのを忘れる」だけではなく、使っていた傘にも原因があることがわかりました。息子は当時黄色い傘を使ってい他のですが、学校の傘立てには同じ黄色い傘がいっぱい。持ち帰ろうと思っても、自分の傘を見つけられなくなってしまうとのことなのです。探すことが苦手な特性もあるので、そのことに気づいてからは、探しやすいように黄色以外の目立つ色の傘にすることで自分の傘が一目で分かるようにしました。そうして自分の傘を見つけることはクリアしたものの、他にも傘に関する問題が。購入したばかりの傘の骨が折れたり曲がってしまったりと、いつもすぐに壊れてしまうのです。「この子は傘の扱いが乱暴だな~振り回したりオモチャにしたりしているのか?」と思っていたのですが、なんと原因は学校の傘立てでした。Upload By かなしろにゃんこ。学校の傘立てにはたくさんの傘が刺さっています。その中から自分の傘を器用に取り出すことができず、無理に引っ張り出そうとするため傘がボロボロになってしまうのです。傘をおもちゃにしていたわけではありませんでした。これに対しては「じゃあ、毎回傘立ての一番端っこに真っ直ぐ立てておくようにしたら?絡まりを防げて取り出しやすくなるよ!」と置き場所と置き方についてアドバイスをしました。「うん、そうする」といい返事はするのですが、なかなか実行はできないみたいで...傘はまたすぐにボロボロに壊れます。「ボクの傘の上に誰かの傘がささってて、抜き取ったら壊れたー!!!」とカンカンに。Upload By かなしろにゃんこ。傘は閉じてから傘立ての端に真っ直ぐ立てようね!と何度説明しても、息子は自分の言い分を押し通して分かってもらおうとするので問題は解決できません。「すぐ折れたり壊れたりする傘の形がいけない」「学校の傘立ての形が使いにくい」「持ち帰るのを忘れることも傘を無くすこともワザとじゃないから」などなど、理由があるからボクが100%悪いんじゃないんだよ!と訴えてくるのでした。「もう傘いらない!」と逆ギレまでする始末。まぁ息子は注意すると毎回こんな感じです、トホホ…(涙)一人で物の管理ができないのがADHDなんだな…と傘については半分諦めモードでした。年齢が上がって...傘問題、折りたたみ傘ですんなり解決!Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。中学に入ってから、黒や紺色の落ち着いた色の傘じゃないと恥ずかしいと言うようになった息子。しかし、それにより今度は勝手に使われたり盗まれたりする問題が発生するように。そこで、少し手先も器用になってきたことだし、と試しに折り畳み傘を勧めてみたところ...これが大成功でした!ビニール袋に入れて水分が漏れない状態で鞄に入れておけば、忘れることも勝手に使われることもない。雑ではあるけれどなんとか袋にしまうこともできるし、傘立てに入れなくなったことで傘が引っかかって壊れることもなくなりました。こうして中学生になってようやく、傘問題が解決されたのです!現在息子は21歳、傘を壊すことなくそこそこ丁寧に扱えるようになっています。人間は成長するんだな~と思わずにはいられません。思えば何本の傘を買ったのだろう…私の傘を貸してあげた物を含めると~えーと数十本はいくな~…遠い目…(笑)私の傘を息子にとられることが無くなった今、やっとブランドの傘が買える~♡
2019年06月10日私は長男が生後6カ月のときからブログを始め、それから次男の出産も経て10年間、その日にあった長男・次男の成長、できごと、自分の思いをブログに記録してきました。今回はブログに子どもたちの記録を残しておいてよかったと思っている事をお話ししたいと思います。 ブログに残しておいた記録とは?毎日、その日にあった事、気づいた事を記録していました。大きなできごとだけではなく、首がすわった、寝返りをした、おすわりをしたという成長記録から、「ぶーぶー」と言った、指さしをした、何時間眠った、当時の私の思いや感情などの細かい日常をブログに記録しました。 長男が生まれたばかりのころは生活資金にあまり余裕がなく、家にある物で一生懸命おもちゃを作り、布おむつ育児を頑張っていましたので、そんな日常を写真付きでブログに残しました。 意外と忘れてしまっていた日常のできごと育児と家事で忙しい毎日を過ごしていると、細かい日常のできごとを日毎に忘れていきました。後々振り返ってブログを読み返すと、記録を残した日のこと、自分の気持ちなどを思い出し、子どもと同時に母親として自分の成長を感じる事ができました。また、次男の育児の方が、考え方に余裕が出てきている様子があとから読むとよくわかりました。 ブログは育児日記として記録を残し始めたのですが、実際に記録がたまっていくと、子どもの成長後にとてもいい思い出になる事がわかりました。 備忘録としても使える過去ブログの記録ブログを残しておいてよかったと思ったのは、これまでの成長記録を書かなければいけなかったときです。長男が発達障害のため、療育の病院に行くときや、進学のたびに成長記録を書かなければいけません。寝返り、おすわり、ハイハイなど、いつごろできるようになったのか覚えていると思っていたのですが、子どもが大きくなるにつれ、できるようになった月齢を忘れてしまっていたので、ブログを見返して成長記録を記入していました。ブログを始めた当初は、予想もしていなかった使い方でした。 現在、長男は10歳・次男は8歳になりましたが、今でもブログは書き続けています。生まれたときはあんなに小さかった子どもたち。日々の育児や家事に追われるなかで、薄れてしまう記憶。いつでも見る事ができる思い出として、毎日の子どもの成長をブログに記録し続けてきて本当によかったと思っています。著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2019年06月08日中学生の発達障害当事者が綴る、心の様子ー『発達障害な私の頭の中。』著者は軽度の自閉症やHSPで、うつ病や不登校も経験している中学3年生です。物事の捉え方や苦手なもの、自分の心の状態や経験談などが自らの言葉で綴られているほか、過去のエピソードを家族とともにどのように乗り越えてきたのかが母との対談によって記されています。味方となって接してくれる周囲の人々への感謝なども綴られており、繊細であたたかい著者の心の様子があらわれています。普通とは何か、いじめをなくすにはどうしたら良いのかなどの答えを出すのが難しいテーマについても、これまで乗り越えてきたことや自己分析を踏まえながら丁寧に考え、綴っています。発達障害やうつ病でつらい思いをしているお子さまに接する大人も、自分自身やクラスの友だちとの関係で悩む子どもも、読むと新しい視点が得られそうです。物語をかくことが好き、という著者。物語の短編集のように、著者の心の様子が詰まった一冊です。生きるのがしんどい...そう感じる環境にいる子どもたちへー『生きる冒険地図』この本は、さまざまな理由で頼れる大人が周りにおらず、「生きるのがシンドイ」と感じている子どもたちのために描かれたものです。手書きの文字とイラストで構成されており、必要なときに必要なページだけ開けばいい、まさに生きるための地図のように使える一冊です。著者は心の不調や発達に凸凹のある親とその家族、子どもたちを応援する活動を行うNPO法人に所属しています。誰かに悲しい言葉をかけられたらどうしたらいい?怖いと感じたときはどうしたらいい?学校生活でピンチのときは...?など、子どもが一人で抱え込んでしまいそうなさまざまな場面について、対処法が柔らかいイラストとともに描かれています。描かれる対処方法はどれもとても具体的ですが、ときには肩の力を抜いて考えられるようなものも。保護者の精神障害や家族の不和で悩む子どもにはもちろん、自分で自分を守りながら生きていくという観点では、今が息苦しいと感じている多くの子どもたちにとってヒントになる情報が詰まっています。心理発達相談に特化した、相談支援のガイドブック『発達が気になる幼児の親面接』子どもたちが特性に合わせた適切な支援を受けるため、またその家族の生活を支えるためにも、心理発達相談は非常に重要です。本書は、相談支援の中でも子どもの心理発達相談支援に焦点を当て、そのポイントをまとめた支援者向けのガイドブックです。子どもたちを取り巻く環境について適切にアセスメントするために重要な保護者のタイプにあわせた面接の進め方や、保育園・幼稚園をはじめとする他機関との連携の際に心がけたい点などがまとめられています。また具体的に子どもの発達に関する相談支援の事例も複数紹介されており、アセスメントや相談支援にあたってのポイントを実践の中でのどう生かしたのかを実例から知ることができます。心理発達相談は、子どもの発達についての正確な理解や家族やきょうだい児への支援、関係機関連携等、幅広い知識を総合して行われます。日頃心理発達相談に関わる人もこれから関わりたいと思っている人も、支援者として必要な技量や考慮すべき観点などを確認する際に活用したい一冊です。パソコンやゲームが大好きなお子さまに!はじめてでも大丈夫『使って遊べる!Scratchおもしろプログラミングレシピ (ぼうけんキッズ)』機械やパソコン、ゲームが好きなお子さまの世界を広げられる、Scratchの入門書が発売されました。Scratchは、マサチューセッツ工科大学のメディアラボ・ライフロングインダーガーテングループの運営するプロジェクトで、無償で利用できるオンラインのプログラミング環境です。本書ではScratchのアカウントを作るところから説明が始まり、「手づくりメッセージカード」「みんなで使える伝言メモ」「Scratch福笑い」など使える、遊べるプログラミングレシピが15作品紹介されています。実際の画面の図に合わせて手順が書かれているので、初めてプログラミングを体験するお子さまや、パソコンがちょっと苦手で教えられるか心配...という親御さまも一緒に取り組むことができます。全編ふりがな付きなので、お子さまが自分で読み進めることもできるかもしれません。夏休みも近づき、まとまった時間で好きなことに思いっきり取り組ませてあげたい!そう考えるご家族も多いのではないかと思います。お子さまがパソコンやゲームが好きなら、親子で一緒にプログラミングに取り組んでみてはいかがでしょうか。
2019年06月07日私の子どもは口唇口蓋裂で生まれ、障害を持っています。発達障害については小さいうちは判定ができないそうで、わが子は3歳のときに診断されました。その際に受けたいくつかの検査について、ご紹介したいと思います。 耳鼻咽喉関係の検査についてわが家の娘の場合、生まれたあと総合病院の小児科に入院し、退院してからも定期的に通っています。そしゃくと言語面に強く障害があるため、まずは3歳ごろ、耳鼻咽喉科の検査をすすめられました。 鼻や口は、目視による検査。耳の検査は、じっとして検査を受けられる場合は片方の耳ずつ、音を聞かせて手をあげさせるという聴力検査を受けるそうです。わが子の場合は泣いてしまったため、薬で眠らせて脳波で聴力を計る検査を受けました。 知能検査について耳鼻咽喉関係に問題はなかったため、主治医の先生から児童相談所への紹介状をもらい、知能検査の日程を決めて行きました。 知能検査は、子どもと職員の方のみでおこなわれるタイプのものでした。内容としては、知能指数と精神年齢を判断するための検査とのことでした。動物カードを見せてその名前を言わせたり、右から何番目がどの動物などを当てさせたりという問題が出たようです。この検査の結果で、療育手帳の等級も決まりました。 発達検査について体の動きや身の回りのことができるかなどの発達検査は、リハビリセンターでおこなわれました。地域によって指定があると思いますので、主治医の先生に相談されたらいいと思います。 通常の内科健診後、専門の先生と面談、検査の日程を決めました。2度目の来所で、子どもと先生2名での発達検査がおこなわれました。内容としては、バランス感覚をみたり、指先の動きを積み木やビーズ通しなどをさせて、その様子を観察するという内容だったそうです。 わが子の場合、耳の検査以外は3歳児のときにきちんと受けることができました。検査の時期については個人差があるので、主治医の先生と相談して子どもに無理のないように進められたらいいですね。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月06日今までの経緯発達障害がある娘の進路、どう探す?どう選ぶ?何も分からないままスタートしたのは、小学5年生のときでした。地域の中学校の通常学級、特別支援学級、通級を見学。また、私立中学も検討しました。娘の意思により、中学校は地域の中学校の通常学級へ。さまざまな選択肢を見たうえでの進学だったので「つらくなったら転校・転籍すればいい」と、親である私も焦らずに進学をさせることができたように思います。障害のある子どもの、進路選択の難しさ障害のある子どもの進路選択の難しいところは、一概に学力や偏差値で学校を選ぶことができないところにあります。発達障害といっても、特性もタイプも個性もまちまちで“伸びる”時期も一人ひとり違います。だから、“そのとき”の“その子”に合った学校を探さなくてはならないのです。中学校生活は大変…!でも、個別支援計画の作成もしてもらえて中学校は、教科担任制、提出物、定期テスト、体育祭、文化祭、部活動など、多くの面で小学校と違いがあります。入学前から相談に訪れていたとはいえ、実際学校生活が始まるとやはり娘はさまざまな面で壁にぶつかりました。それでも学内に併設されている通級指導教室の先生が特別支援コーディネーターをされていたこともあり、障害に対しての理解、話の通じやすさ、安心感は小学校の頃とは比べ物にならないほどでした。念願だった個別支援計画書も入学後すぐに作成してもらえて、中学は親にとっても“学校に相談しやすい”環境でした。中学校の校長先生に相談中学校の校長先生は私が入学前に特別支援学級の先生にお話を伺いに行ったときも、入学後に小学校からの申し送りについて副校長先生と話をした際も、直接会話に参加することは控えつつも横でしっかりと話を聞いていらっしゃいました。そして特別支援コーディネーターの先生との定期的な面談の後などに廊下で会うと、よく私に「良かったら校長室でお茶でも飲んでいきませんか?」と声を掛けて下さいました。あるとき、私は校長先生に近隣の高校について質問しました。Upload By 荒木まち子お話を聞き、早速私はA学園の学校説明会に参加をしました。単位制高校・A学園最寄り駅からA学園までの案内板持ち、入り口でのスリッパ出し、説明会会場への誘導などをA学園の在校生自らが行っていたことに私は驚きました。また、参加者にはペットボトルのお茶や学校名の入った文具が配られ、説明会は至れり尽くせり感満載でした。先生による学校説明の後には卒業生のスピーチがありました。それは「自分はかつて不登校だったけれど、A学園に通ううちに教師になりたいと思いはじめた。今は教員資格取得を目指して大学に通っている」という内容でした。説明会後の個別相談の順番待ちの間に、私は参加者同士の「この学校は〇〇君に合いそうね」という会話を耳にしました。私のように一人で参加したり、夫婦で参加される方の他に、塾や施設、学校の仲間同士で説明会に参加する方も多いようでした。個別相談では担当の先生に『習字』のカリキュラムについて質問をしました。私「習字は選択科目ではなくて必修科目なのですか?」先生「はい、必修科目です。」私「娘は視覚認知機能に弱さがあるのですが、希望すればテキストの拡大コピーなどの配慮はしていただけるのでしょうか?」先生「当校ではそういったことは行っていません。」先生とのやり取りから、私はこの学校は障害のある生徒向けではなく、不登校の生徒の学び直しに力を入れている学校なのだと感じたのでした。通級にはパンフレットがたくさん!情報の宝庫でした学内支援の一環として、私は学内特別支援コーディネーターでもある通級の先生との面談を定期的に受けていました。通級の面談室には発達障害に関する専門書の他に近隣の学校のパンフレットがたくさん置いてありました。中学卒業後の情報を探している私とってそれはまさに「宝の山」でした。Upload By 荒木まち子そこで初めて「専修学校」というものを知った私は、まず通級に似た取り組みもあるというB専修学校に一人で見学に行くことにしました。専修学校・B学校B専修学校は一般科目の他に簿記やマーケティング、パソコンなどの授業もありました。英検、漢検、数検の他に情報処理やビジネス文書、簿記や秘書検定など様々な検定取得にも積極的に取り組んでいました。校舎は複数のビルにわかれていて校庭や体育館はありませんでしたが、発達障害に関する知識を持つ先生もいて、卒業後は進学、就職の他、就労支援事業所との繋がりもある学校でした。娘に合いそうと感じた私は改めて体験入学の申し込みをしました。娘と一緒にCAD(設計や製図を支援するシステムソフト)の授業を見学した主人もこの学校を気に入ったようでした。パソコンに興味のある娘もB専修学校を気に入り、その後何度も体験入学をしました。この学校は土曜日の体験入学の他に夏休み中のサマースクール、春休み中のスプリングスクールなど多くの体験入学を実施していました。内容も理科実験教室やPC体験(名刺作り)など多岐にわたっていました。中でも私が特に面白いと思ったのは『女子会』でした。それは在校生を交えてお菓子を食べながら話をしたり、制服を試着して写真を撮るという企画で「どんなタイプの男子生徒が多いか」「部活の様子はどうか」「アルバイトはして良いのか」など、生徒の生の声が聞けました。“先輩”とざっくばらんに話をすることで緊張や不安が減り、進学への意欲を高めるのにとても効果的だと感じました。また、PC体験入学の際に、以前見学した私立中学の生徒が複数人参加していたことも印象的でした。高校付属の私立中学に通っていてもそのまま付属の高校にしない生徒もいるのだと私はその時知りました。専修学校とは | 文部科学省学習支援を受けていたNPO法人主催の学校見学会娘は中学入学後、障害のある子どもの学習支援や余暇支援を行っているNPO法人に通い始めました。そのNPO法人は保護者向けの学習会や講演会、福祉事業所の見学会などさまざまな企画も行っていました。Upload By 荒木まち子ちょうどその年に開校したC学園の見学会が開催されると聞き、私は迷わず見学会に参加しました。単位制高校・C学園C学園は不登校や軽度発達障害がある生徒向けの通信制高校でした。習熟度別クラスや通う日数を選べるスタイルの学校で、WISCなど発達検査の結果を読むことのできる先生もいました。新設校の為、卒業生の進路実績が不明瞭でしたが、それまで見学した中で一番通いやすい場所にあることと、開校間もなくてこぢんまりとアットホームな雰囲気があるところに好感が持てました。後日家族で体験入学を受けに行ったところ、体験の内容は名刺作りや美術体験などB専修学校に似た内容でした。でも娘はB専修学校の方が気に入っているようでした。いざ!特別支援学校高等部の見学へ娘が小学生の時にはタイミングがうまく合わず、見学ができなかった特別支援学校高等部。家族そろって見学に行けたのは中1の終わりごろでした。この学校は軽度の知的障害の生徒が『卒業後に企業就労による社会参加や自立をめざす』学校でした。進学を目的にした学校ではないため、学習科目は主に国語:コミュニケーションの基礎とした「聞く」「話す」「読む」「書く」の学習数学:四則計算(生活の中で使う単位時間金銭計算など)社会:社会のきまりや制度、生活に関わることがら家庭科:自立生活のための調理・裁縫等英語:あいさつや日常表現体育:体力つくり運動を学ぶといった内容でした。当日見学した授業の内容はPCの授業では生徒たちはデータ入力に加え、各机に置かれた内線電話を使った受け答えや業務連絡のメモ取り作業も同時に行っていました。また別の授業では生徒がペアを組みシーツの畳み方の実施テストを行っていました。私は「娘の苦手なコミュニケーションや四則演算が学べて、将来一人暮らしした時に役立つ料理や洗濯などの家事を授業で教えてもらえるなんて、願ったり叶ったり!」と思ったのですが、当の娘は…Upload By 荒木まち子そこまではっきり言われたらまだ予定していた学校すべてを見学したわけではありませんでしたが、どの高校に行きたいのか娘の中では決まりつつあると私は感じていました。でもそのまますんなりとはいかないのが障害児育児です。この後、中2になった娘に思いもよらぬ出来事と変化が起こり、それは進路選択へも大きな影響があったのです…。次回コラムでは、中2のときのできごとを中心に紹介します。
2019年06月06日2歳1か月。むっくんと宇宙、運命の出会いむっくんと図鑑の出会いは2歳1か月の時。きっかけは博物館で惑星の壁画にぺったりと張り付いて動かなくなってしまったこと。この子はこういうものが好きなんだなぁと知った私は、小さな子ども用の「そら」をテーマにした薄い図鑑を購入しました。Upload By ウチノコ現在自称宇宙博士むっくんのお気に入りは、当時から宇宙について書いてあるページです。当時は2歳なので、文字も読めないし、おしゃべりだってまだ怪しいのに、毎日図鑑の読み聞かせを要求し、初めての図鑑はボロボロになるまで使いこまれました。そこで、3歳の誕生日に分厚い図鑑をプレゼント。惑星以外にも興味をもってほしいなと思い、宇宙、星空、人体、動物、鳥、魚、恐竜、乗り物とバリエーションも揃えてみました。が、むっくんが興味を持った図鑑は宇宙、星空、人体だけ。興味のない図鑑達は今でもピカピカですが、大好きな3冊はボロボロのバラバラです。特に宇宙図鑑は全てのページを補強して、再縫い綴じまでして使いこむほど入れ込んでいます。Upload By ウチノコむっくん流、図鑑の楽しみ方むっくんが図鑑を楽しむにあたって、私が大変なのは読み聞かせ!重いし、読んでいる方が眠たくなるし、これほんと大変。まぁ図鑑の読み聞かせは、わが家ではもっぱら夫のお仕事ですし、最近の図鑑はDVDがついているので、ばんばん活用しています。むっくんには暇さえあれば図鑑を読みたい欲求があるので、これにはとっても助けられています。Upload By ウチノコそして読んだ後のお楽しみは、図鑑の内容をブロックで再現すること。宇宙の図鑑なら、惑星や探査機を作ります。人体図鑑なら臓器や細胞を作ります。読んで、理解して、再現。これが1セットになるのがむっくんの図鑑の楽しみ方です。Upload By ウチノコこの図鑑への愛着は、ひょっとしたら「こだわり」と呼ばれるものなのかもしれません。「こだわり」と聞くと、大変そう!大丈夫?!と心配になってしまうかもしれませんが、図鑑への「こだわり」から生まれたモノはむっくんや私の毎日を助けてくれる力となりました。そんなところで!?意外な図鑑のチカラ例えば、人体図鑑で人体について理解を深めたむっくんは、栄養が大切だからと苦手な食べ物を頑張って食べるようになりました。膀胱におしっこがたまりすぎると臓器が苦しむからとトイレに行ってくれたり、ウイルスが怖いからから、細胞を応援しなきゃ!とワクチン接種も暴れず頑張ってくれる日もありました。Upload By ウチノコ図鑑を通して文字を覚えてくれたことにも助けられました。むっくんは好きなことはどんどん吸収するけれど、興味のないことは全く頑張れないタイプ。だけど図鑑に夢中で、自力で読みたい気持ちがムクムク育ったことで、ひらがなカタカナ、そして簡単な漢字はいつの間にかマスター。文字が読めることは、自力で情報を集め、見通しを考えることにつながり、むっくんの不安の解消に一役買っています。Upload By ウチノコさらに図鑑には、むっくんをリラックスさせ、クールダウンする効果もあるようです。疲れがたまっている時、癇癪を起こしそうな時、眠れない夜もむっくんは図鑑を読んで心を落ち着けます。いつもより多く図鑑を読んでいる時は、疲れているんだなぁと私が感じるサインになり、むっくんへの接し方を考えるきっかけにもなります。保育園でも苦手な活動の息抜きはもちろん図鑑。図鑑を使ってバランスを取りながら苦手なことも頑張っているようです。むっくんの頑張る原動力になっている図鑑は、食事やトイレ、予防接種、そして見通し不安や気持ちのコントロールなどでも力を貸してくれます。それは同時に、むっくんに日々寄り添う母にも力を貸してくれているよう…!Upload By ウチノコ図鑑が育てる将来の夢図鑑はむっくんにとって、興味や大好きな気持ちを育てる肥料のようなものです。ずっと図鑑で知識を蓄えてきたむっくんですが、最近ではついにアウトプットもしたくなったようで、自作の図鑑を作りはじめました。これまた小学校に向けての運筆の練習になっています。そして図鑑が育んでくれた将来の夢は、もちろん宇宙の研究者!きっとこれからも図鑑を通してむっくんはたくさんの夢を育てていくのだと思います。Upload By ウチノコむっくんを見ていると、好きなことに思い切り打ち込むうちに、いつの間にか新たな能力を獲得しているように感じます。また、最初は一つのことだけに対する興味でも、そこをきっかけに更なる興味が育ち、世界も広がっていきます。「好きこそものの上手なれ」と言いますが、苦手に取り組むだけでなく、むっくんには「好き!」をひたすら伸ばしてもらう方が性に合っているのかもしれません。これからも宇宙愛を土台に、夢中で「好き」を追いかけるむっくんの背中を見守っていきたいです。Upload By ウチノコ
2019年06月06日発達が気になる子どもがいる家族の「住まい」の困りごと発達ナビと「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」は共同で、「発達が気になる子どもと家族の住まいづくり・住まい選び」連載をスタートします!この連載では発達の気になるお子さんがいるご家庭の「住まいの悩み」にスポットを当てて、ニーズに合った住まいづくりや住まい選びにまつわるさまざまなアイデアを、リフォームやDIYなども交えながらご紹介していきます。連載第一弾は、「発達が気になる子どもと家族の、住まいづくり・住まい選びのポイント」です。発達ナビ会員のみなさまを対象にした、住まいに関わるトラブルや住まい選びについてのアンケートでは、702名の会員の方からご回答をいただきました(2018年3月8日~23日実施)。「お子さんが屋内で危険に遭遇したことがありますか?」という質問には55%の方が「ある」と回答。さらに安全対策を実施している割合については、危険遭遇体験が「ない」と答えた人では68%なのに対し、「ある」では実に92%もの方がすでに実施済みで、「子どものうちはよくあること」などと軽視できないような危険があったことが推測されます。では、具体的にはどのような危険遭遇体験があり、どんな対策をされているのでしょうか?Upload By 発達ナビ編集部「高所からの転落・飛び降り」が多く、またすでに多くの方が対策されていることも分かります。グラフを見ると「飛び降り」に加え「飛び出し」「勝手に出かける」など、家の外に出てしまうことで起こる事故については対策・体験とも高い数字となっています。反面、「お風呂場の事故」「火遊び」「感電」「刃物」といった項目では、実際の発生件数よりも対策が進んでいることも見てとれます。いずれにせよ、発達の気になるお子さんのいるご家庭では、家族が安全面に大変に気配りをしながら暮らしていながらも、対策が万全とはいかない現実があるようです。ご家庭で起こるトラブルは、お子さんの身の危険だけではありません。73%の方が近隣を巻き込んだトラブルを経験しています。Upload By 発達ナビ編集部もっとも多くのご家庭が頭を悩ませているのが「音」です。大きな声、歌、足音、飛んだり跳ねたり…など、とくにマンションにお住まいのご家庭では、音にまつわるトラブルに悩んでいる様子が垣間見られました。「禁止」と「監視」でがんじがらめにしないために、わが子の個性と向き合おう!発達が気になる子どもたちは、感覚過敏などそれぞれの特性ゆえ、幼稚園や学校などの集団生活の中で大きなストレスを感じていることも少なくありません。ですから、子どもたちにとって、家庭はストレスなく過ごせる環境にしてあげたい――。でも保護者は同時に、危険のない環境にしたいと考えますよね。そこで…・子どもの安全のためにと、間仕切りの無い広いリビングにしたら、さまざまなものが目に入って落ち着けないかもしれません。・危ないところはすべて柵をつけてしまったら、自由に動けるスペースが少なくてイライラしてしまうお子さんもいるかもしれません。・何の対策もせずに保護者が「監視」し続ければ、親子ともに疲れてしまいそうです。という壁にぶち当たることもあるのではないでしょうか。では、子どもたちにとって、わが家こそが地球で一番安心できて、自分を素直に表現できるオアシスであってほしいという思いと、危険やトラブルなく安全に暮らしたいという思い。どちらも叶えられる住まいとはどういったものなのでしょう?そこで、二人の専門家に、子ども一人ひとりの特性に合った住まいづくりの「アイデア」と、その「実現方法」を教えていただきました。「よこはま発達クリニック」院長で大正大学心理社会学部教授の内山登紀夫先生に「アイデア」を、「地域住環境研究所」代表としてバリアフリー建築を手がけてきた福井義幸先生に「方法」を伺いました。お子さん一人ひとりの特性や嗜好と向き合えば、家具や調度品の色や配置などで自然と行動を促すなどで、トラブル回避と心地よさを両立できる場合も少なくありません。また、一から建てる注文住宅や中古物件のリフォームなら、安全対策の柔軟さは増し、コストと見合ったメニューの選択肢は広がります――お二人の話には、実践的なヒントがたくさんありました。次の章では、その内容についてご紹介していきます。安全で心地よい住まいづくり・住まい選びのポイントは?家づくりの前提として、まず内山先生が強調されたのは「すべての子にとって、家が『休むだけの場所』であるとは限らない」ということでした。「よくあるケースは、子どもに何もさせないような住まいにしてしまうことですが、家でこそ活動したい子に休息を無理強いすれば、大きなストレスを与えてしまいます」(内山先生)大事なのは、家のそれぞれの場所ごとに目的とルールを決めて、それを「見える化」することだと言う内山先生。また、お母さんから常に子どもが見えるようにと間仕切りをすべて取っ払ってしまうケースもよくありますが、パーソナルスペースがないと安心できないタイプの子どもには、「いつも見られている」ことが大きな不安となることもあるそう。わが子の個性、特性、好みとしっかり向き合って、物々しい対策をなるべく減らすためのアイデアにはどんなものがあるのでしょうか?・防音対策家の中で飛び跳ねたり、大きな声を発したりするなど「音」を発生させる行動を完全に止めるのは難しく、壁や床、窓の防音対策はどうしても必要だと、内山先生は話します。防音対策について福井先生に尋ねると、「そんなに難しくはありません」とあっさりと答えてくれました。Upload 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発達ナビ編集部「窓は二重窓が防音だけでなく遮熱と結露対策になるのでおすすめです。戸建てであれば二重サッシやペアガラスにすればいいですし、分譲マンションなら後付のサッシを内側に付けることもできます」(福井先生)床については、建築関連の法律や規格が改正されたことで、現在の建築物は軽量床衝撃音遮断性能(LL)、重量床衝撃音遮断性能(LH)のいずれもが45以下になることが推奨されていて、日本複合・防音床材工業会による調査結果では出荷量の90%以上がすでに45以下となっているそうです。※遮音性能についてはほかの規格もありますので、新築あるいは物件購入の際にはチェックしてみましょう。マンションの場合は、「スラブ」と呼ばれる構造床の厚さが重要になってきます。かつては180mmが一般的でしたが、現在は200mmとなっていて、防音、防熱どちらの性能も向上しています。つまり、比較的新しい物件ほど性能が高いと言えます。でも、「古い物件だからといって対策ができないわけではない」と福井先生は言います。「スラブは共用部にあたるので世帯ごとに改良工事をすることはできませんが、スラブの上に、床衝撃音遮断性能を満たす置床や仕上げ材にすることで防音性も高まります。壁も同様に構造壁の上にアキレスボード、あるいはグラスウールなどの断熱材を入れたり、発泡ウレタンを吹き付けるなどで、防音性能も高めることができます。近年ではさまざまな遮音材も市販されているので素材によってはDIYが可能なものもあります」(福井先生)リビングや子ども部屋など、お子さんがよく活動する場所とそうでない場所でメリハリをつければ、コストや手間も小さくできそうです。さらに内山先生はこんな「知恵」も教えてくれました。「すぐそばに高速道路や幹線道路があるマンションは騒音対策をしていることが多いので、防音性能が期待できます。さらに1階に住む、角部屋を選ぶ、子ども部屋をなるべく真ん中あたりにする、といったことでも隣近所に漏れる音を小さくできます」(内山先生)物件そのものの「条件」と、無理のない「工夫」、この掛け合わせ次第でコストや手間はだいぶ変わってきそうですね。・飛び降り/飛び出し対策家を建てる場合や部屋を選ぶ場合は、「掃き出し窓」をなるべく少なくすることで、外への飛び出しや庭へ転落のリスクをだいぶ減らすことができます。引き違い窓にしたうえで、位置を少し上げるなどの工夫もよいでしょう。Upload By 発達ナビ編集部「ドアを(安全性向上のために)内側だけでなく外側からもロックできるようにする、カギの位置を高くするなどの工夫をされている家庭は多いですね」(内山先生)福井先生によればこれらの改良は難しいものではなく、それほど高価でもなさそうです。「普通の窓はカギを閉めても少しだけ隙間ができますが、エアタイトサッシやセミエアタイトサッシにすればほぼ完全に密閉されて、防音・防熱性能も高くなります」(福井先生)Upload By 発達ナビ編集部「ドアや窓枠、とっ手などの色を統一すれば、より落ち着く環境になるでしょう」と福井先生。ガラスもすりガラスや薄い色の入ったもの、不透明の飛散防止フィルムを貼るのも、外の様子が気にならず、視覚への刺激を抑えられるのでおすすめだそう。・インテリアで「ルール」や「目的」を明示する「ダメ!」「立入禁止!」のなるべく少ない家にするには、場所ごとの「機能」や「目的」、「主に使う人」を色やレイアウトで示してあげるのが効果的です。このような手法を「構造化」といいます。Upload By 発達ナビ編集部たとえば、カーペットの色を子ども部屋は「グリーン」、みんなが集まるリビングは「クリーム」といった具合です。また、お風呂場や火を使うキッチンには一人で入らないように赤いテープで仕切りをつけるなども分かりやすいでしょう。また、「ゲーム」「宿題」「歯磨き」などお子さんが「やること」をそれを行うエリアの色で縁取りされたカードにして、ウォールポケットに入れておき終わったカードを「完了」ポケットに入れるルールにする、といった工夫と合わせることで自発的な行動を促す工夫にもなります。Upload By 発達ナビ編集部「こだわりの強い子ほど、色やレイアウトによるルール設定をすすんで守ってくれたりもします。ただ、やるべきことを時間割で示されるのが苦手な子もいるので、一人ひとりの特性に合った設定を考えましょう」(内山先生)スペースを色分けする際は、お子さんが通っている学校や施設での色分けと同じにすると(一人で入ってはいけない場所は赤いテープを床に貼って仕切るなど)、混乱せず理解しやすいとも教えてくださいました。・「自分だけの空間」をつくる「親としては間仕切りを取っ払った間取りでつねにお子さんを見守ろうと考えてしまいがちですが、家のなかも一つの『社会』です。家族からの視線が遮られた状態でないと、リラックスできない子どももいます。 家族がリビングに集まることが幸福な家庭であることもあるし、そうではない場合もあるということを知ってください」(内山先生)家族のそばでないと落ち着けないお子さんもいれば、「一人でいる」状態がもっとも安心できるお子さんもいます。とはいえ、完全に目を離すわけにもいかない…そんな場合はそれほど高さのない壁で小さなパーソナルスペースを作ってあげましょう。異変があればすぐに気づくことができますし、少しだけでも視線を遮ってあげれば安心できるお子さんは多いそうです。Upload By 発達ナビ編集部「成長に応じてレイアウトを変える必要もあるでしょうから、間取り自体はなるべくシンプルにするのがいいでしょう」(福井先生)・「上手に隠す」ことが大事電灯の傘(シェード)やスイッチ、ドアノブ…など、子どもの興味を惹くもの、視覚的な刺激になってしまうものを上手に隠してあげると、怪我や破損を防ぎやすくなります。「電灯の傘はボール投げの的になったりするので、あらかじめ天井に埋め込むか、後からでもシーリングタイプにしたほうがいいでしょう。スイッチが目に入ると、スイッチを入れたり切ったりしたくなってしまう場合は、子ども部屋の電灯スイッチを廊下側に付けたり、あるいはリモコン式にして子どもの視界に入らないようにするといった方法があります」(内山先生)Upload By 発達ナビ編集部また、光を眩しく感じやすい子も多いので、電灯のカバーは白で光を柔らかくしたほうがいいそうです。「蛍光灯のチラつきが気になる子もいますし、LED電灯をつらく感じる子もいます。LED電灯でも、光の強さや色味のバリエーションがどんどん増えていたりもします。お子さんに合わせた照明を選びましょう」(福井先生)子どもの興味を惹いてしまう家具や家電もなるべく置かないほうが安全です。例えば、備え付けの造作家具を設置したり、家具家電そのものを隠せたりするような工夫があるといいでしょう。また、ウォークインクローゼットをつくり、収納家具を極力減らすことも有効です。分類にこだわりのある子は大きめの引き出し一段ごとにルール設定をすると、積極的に片付けをやってくれたりもするそうです。福井先生の手がけた家では、小さな和室をウォークインクローゼットに改造して、扉をほかの壁と同じ色に統一したという例もありました。そうすることで視覚的な刺激も抑えられ、収納を一カ所にまとめることで片付けもしやすくなったそうです。発達が気になる子どもに限らず、子どもは成長に従って身体的にも感覚的にも成長し、変化していくものです。高級な家具やインテリアは、子どもの成長で使えなくなるかもしれませんし、壊れたからといって気軽に買い換えるというわけにもいきません。「ソファの上でジャンプするのを禁じるよりも、安価なソファにしてボロボロになったら替える、あるいはおもちゃのトランポリンを買うなどの、割り切りも必要です。フロアマットも高級なものではなく、ホームセンターや百均で売っているような安いもののほうが、汚れたり壊れたりしてもあきらめがつきます。高くて立派な調度品を揃えるとどうしても禁止事項が増えてしまい、子どもの行動を規制することになりがちです」(内山先生)禁止事項をなるべく減らし、かつ安全で、子どもの変化にも対応できるようにする――家具選び一つとっても、少しの工夫や割り切りで、家族みんなのストレスがぐっと減りそうです。間取りも同様に、お子さんの成長に合わせて調整できるよう、可変性の高いものにしておくことがポイントになりそうです。「住まいの窓口」で理想の不動産会社、建築会社探しを発達が気になる子どもとご家族の、さまざまなライフスタイルに合わせた住まいづくりや住まい選びが大切です。今回ご紹介したのは一例であり、ストレスなく、安全に暮らすためには、ご家族ごとにいろいろなパターンがあります。そうした、さまざまなニーズに合わせて細やかにアドバイスをしてくれるのが、「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」です。「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」は、不動産会社ではありませんので、第三者的な立場でのご相談やアドバイスはもちろん、ご家族に合うさまざまなハウスメーカーや工務店、不動産会社などへの紹介が可能です。ニーズに合った住まいづくりや住まい選びを、ハウジングアドバイザーが無料でサポートしてくれます。※リフォームのみのご相談は関東一都三県(一部エリア外あり)にお住まいの方のみとなります。物件購入にかかる諸費用の見積もりや、見落としがちなポイントの指摘やアドバイス、不動産会社へのお断りの代行もしてくれるなど、すべてのサービスは無料で受けられます。全国どこに住んでいても相談でき、電話だけでなくLINEでも気軽にご相談できるのがポイントです。住まいづくりや住まい選びは、人生の中で何回も経験できることではありません。よく分からないこと、迷うこともたくさんありますよね。そうしたとき、ハウジングアドバイザーの力を借りることができるのは心強いですよね。ご家族それぞれの予算とニーズに合った不動産会社・建築会社と出会えるまで、何度でもサポートしてくれるのが「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」です。取材協力/内山 登紀夫先生(よこはま発達クリニック院長)、福井義幸先生(地域住環境研究所代表)取材・文/柳瀬 徹イラスト/かなしろにゃんこ
2019年06月04日僕は中学2年生。社長をしていますUpload By 加藤路瑛はじめまして。加藤路瑛(かとうじえい)といいます。中学2年生です。株式会社クリスタルロードの取締役社長をしています。中学生で社長になれるのか?と不思議に思う人もいらっしゃるかもしれません。社長になるのに年齢制限はありませんが、法人登記する時に必要な印鑑証明を取れるのは15歳からなので、株式会社を作ることはできません。そこで、親に代表取締役になってもらい、僕が代表権のない取締役社長として会社を立ち上げました。この方法を僕は「親子起業」と呼ぶことにし、親子起業を広めていきたいと考えています。株式会社クリスタルロード起業のきっかけUpload By 加藤路瑛僕は小さい頃から働くことに興味を持っていました。しかし、親に話しても「大人になってからね。今はしっかり勉強しなさい」と言われるだけでした。僕も親や他の大人が言うので「そういうものなのだろう」と深く考えずに、中学生になりました。中学1年の6月、僕は僕の運命を変える出会いをします。それは、カードゲーム『ケミストリークエスト』です。化学が好きな僕のために、親が遊びながら勉強するといいと買ってくれたものです。Upload By 加藤路瑛箱の帯に「小学生で起業したスーパー高校生社長考案」と書かれていました。僕は中身より小学生で起業とはどういうことなのだろうと気になってしまい調べてみました。このカードゲームは米山維斗さんが考案し、小学6年生の時に会社を作ってカードゲームを販売していました。お父さんが代表取締役で米山さんが取締役社長で起業していました。僕は小学生で社長になれることを知ってびっくりしました。そして、今まであたり前だと思ってきたことは、そのように小さい頃から思い込まされていただけで、世の中には自分の知らない世界があって、気がつかなければ気づかないままなのではないかと感じました。もし、僕の知らない世界があるなら、もし、僕でも社長になれるなら、「やってみたい」と、思いました。これが僕の起業ストーリーのはじまりです。起業を決意した日からちょうど半年後、僕は株式会社クリスタルロードの取締役社長になりました。起業までの道のりUpload By 加藤路瑛中学生で起業したいと人に話をすると、「義務教育を終わらせてからにしろ」「中学生らしいことをしなさい」と言われることもありました。他にも、「実績がないのに起業したいなんてファンタジーだよ」とか、クラウドファンディングの目標金額を40万円くらいにしていたのですが、「ふざけているのか?目標金額を1000万円にして本気を見せろ」などと言われることもありました。たくさんの大人に「応援する」という言葉のあとに否定的なことを言われました。僕は大人に相談するのが嫌になりました。相談してダメな点は指摘してくれるのに、具体的な提案は全くなかったからです。またネット上では、「中学生で社長なんてどうせ失敗する」「親子起業ってどうせ親の操り人形なんだろう」などの匿名の批判もありました。僕への批判や中学生が起業することへの反対意見は、僕がクラウドファンディング で100万円以上調達できた頃から減っていきました。実際に法人登記し、メディアを運営したり、講演会で話したり、テレビやメディアに出るようになると、肯定的な言葉をかけられることが増えていきました。Upload By 加藤路瑛多くの人は自分の経験や価値観から、ダメだと判断しがちです。でも、自分の価値観で分かることなんて少ししかないと思います。子どもが何かやりたいと言っても、大人自身が想像できないからダメと言ってしまうことって結構多いんじゃないかと思うのです。今、周りには僕の考えに共感してくれたり、活動を応援してくれる人がたくさんいます。同世代の中高生の仲間も、大人の仲間もいます。反対されたり批判されたりする時期は辛いかもしれませんが、ある時点まで到達すればきっと楽になります。その時点に到達する前に諦めてしまうのは、残念です。だから僕は、子どもを理由に「今」を諦めなくていいことを、たくさんの人に伝えたいです。出版クラウドファンディングへの挑戦僕がどうして起業しようと考えたのか。どんな風に会社を立ち上げどんな困難や楽しさがあったのか。さまざまな人と出会い、経験をする中で、「世の中は自分が思う常識の外に別の世界がある」ということを伝える本を書いてみたいと思うようになりました。でもそれは、大人になってからだと思っていました。Upload By 加藤路瑛ある日、僕は出版社の幻冬舎とクラウドファンディングのCAMPFIREが出版クラウドファンディングの会社「EXODUS」を作ったことをSNSで見かけました。どんな内容か分かりませんでしたが、「出版の常識をぶった切る」と書かれていて、僕も本を書くならここで出してみたいと思ってしまいました。なぜなら、僕も「世の中の固定観念を変えることが必要」だと発信しているからです。子どもがやりたいと思ったことをできるようになるには、大人の固定観念も子どもの固定観念も変えなければなりません。「EXODUS」なら一緒に世の中の固定観念を変えられる気がしました。Upload By 加藤路瑛このプロジェクトには300件の応募があり、「EXODUS」1期生として10人が選ばれました。僕が最年少です笑。加藤路瑛の出版クラウドファンディングのプロジェクトページUpload By 加藤路瑛2次審査は序章を書く課題でした。その序章は公開していますので、よかったら読んでみてください。【序章】選ばれたから本が出版されるわけではありません。「EXODUS」は、クラウドファンディング で1000冊・250万円以上の支援を集めたら出版されるという仕組みです。中学生の僕には想像できない金額ですが、挑戦したいと思いました。たとえ読み書きが苦手でも、本は書けるUpload By 加藤路瑛僕は読み書きが苦手です。どれくらい苦手かというと、授業中のノートはほとんど書けません。漢字が苦手で書くとひらがなばかりの文章になってしまいます。英語の綴りもなかなか覚えられません。中学校の数学のテストで「名前は漢字で書きましょう」と注意書きをされた中学生です。読むのも得意ではありません。人より読むスピードは遅いですし、同じ行を何度も読んでしまったり、書かれていない文字に勝手に脳内で変換してしまうようで、音読すると「そんなこと書いていないよ」と注意されたりします。でも、この文章をここまで読んで、僕が読み書きが苦手だと思った人はいたでしょうか?僕はスマホでは普通に文章を書けますし、漢字も使います。ただし、鉛筆と紙で書いたり読んだりすることが極端に苦手です。鉛筆で文字を書こうとすると、言葉が出てこなくなるのです。僕は鉛筆と紙で作業することが苦手なのです。でも、スマホを使えば文章も書けますし、文字も読みやすいです。(読むのは好きではないですが…)多くの人ができることをできないと障害と言われることがあるようですが、読み書き障害も、紙や鉛筆を使って書くことが得意な人が勝手に決めたことだと思います。もし、今、紙と鉛筆がなくなって全てスマホで入力することになったら、使いこなせない人は障害があると言えるのでしょうか?僕は紙と鉛筆での読み書きが苦手ですが、読み書き障害ではありません。小学生の頃、検査に行きましたが、「学校生活で困っているなら診断名を出しますが困っていないようなので、このまま個性でいいと思います」と先生に言われ、僕はそのまま学校生活を送っています。ノートを書いたり、作文を書いたり、テストなどでも、「きついな」「面倒だな」と思うことはたくさんありますが、困ってはいません。これが僕だからです。起業をしてから気がついたのですが、学校ではあんなに紙と鉛筆で文字を書くことが多いのに、仕事ではほとんどありません。企画書やプレゼンなどの資料は全てパソコンで作成しています。運営しているメディア「TANQ-JOB」の運営もパソコンやスマホです。僕自身インタビュー記事を書きますが、メモは苦手ですので、インタビューは録音して、家で録音したものを聞きながら記事をパソコン入力しています。TANQ-JOBは全て小中高生で運営していますが、メンバー同士の連絡もスマホとパソコンがあれば大丈夫です。仕事で紙に文字を書いたことがあるか思い出そうとしてみましたが、思いつきませんでした。(法人登記や契約書などの書類もパソコンで入力し、出力したものに捺印します)小中高生のための職業探求ウェブメディアTANQ-JOBUpload By 加藤路瑛学校では紙に文字を書かなければならないことが多すぎます。テストもパソコンで回答できるようになれば、読み書きが苦手な人のテストの点数はあがるかもしれません。社会に出てから紙に文字を書くことはそれほど必要とされないので、学校での学び方も社会の変化に合わせて変わる必要があるのかもしれません。紙に文字を書くのは手段です。それが苦手なら他の手段を使えばいいと思いますが、学校では自分で手段を選べないのできついなと思うことはあります。できないのを苦しい思いをしてまで頑張るより、「できない」と開き直れた方が楽になると思います。僕は、「できないものは、できない」と開き直っていますが、できないなりに学校の課題はきちんとやって提出しています。僕が本を出版したい理由Upload By 加藤路瑛僕は今、18歳以下限定のクラウドファンディングのプラットフォームの構築に取り組んでいます。僕は起業資金をクラウドファンディングで集めました。とてもありがたいことに115万円ものご支援をいただきました。しかし、調べてみると、中高生が募集しているプロジェクトは目標金額を達成していないものがとても多かったのです。中には支援金がゼロのものもあります。子どもがクラウドファンディングをしても、大人はそんなに簡単にお金を出してくれるわけじゃない――甘くはないのだと思いました。クラウドファンディングを成功させるには、事前の準備が必要です。お金を出してくれるのは大人です。経験や人脈のない子どもでもクラウドファンディングを成功させるためには、サポート体制が必要です。そこで、僕のように中学生だったり、もしくは小学生や高校生であっても利用しやすく、挑戦したいことを世の中に発信して、その支援を募れる仕組みを作りたいと今、準備をしています。プラットフォーム構築という新規事業の準備という大切な時期に、あえて出版クラウドファンディングに挑戦する。なぜ僕が今、その決断をしたのか――それは、世の中の常識を変えたいからです。〇〇なんて自分には無理、まだ早いんじゃないかと言われた…そうやってあきらめてしまう子どもたちがたくさんいます。でも、僕は伝えたいのです。中学生でも社長になれる。読み書きが苦手でも本を出版できる。いつもは、ひらがなばかりの作文を書く僕が、スマホやパソコンを使ってどんな文章を書くことができるのかを、沢山の人に読んでもらいたいです。そして、今、読み書きで困っている人や、それ以外でも学校のことや家のこと、友達のことで悩んでいる人に、今いる場所だけがすべてではなくて、固定観念をなくしてしまえば、今まで見えなかった自分の居場所が見えることを伝えたいです。それを僕は僕の行動で示したいと思っています。「EXODUS」の紹介Upload By 加藤路瑛出版クラウドファンディング は30日間で1000冊・250万円のご支援を集めるプロジェクトです。6月3日から7月2日まで募集しています。ぜひご支援ください。そして僕の本を読んでください。Upload By 加藤路瑛チラシ「13歳の中学生が挑む『出版クラウドファンディング』」読み書きが苦手な僕の教育や、僕の母の子育て方法に興味がある方へUpload By 加藤路瑛クラウドファンディングでは、支援金に応じてお礼(リターン)が設定されます。今回の出版クラウドファンディングでは、本だけでなく、色々なリターンを用意しました。その中で、母の協力のもと、母の子育て方法を記録したnoteの提供や子育て相談が無制限にできるリターンを用意しました。僕は講演したりイベントに出ることもあるのですが、保護者の皆さんの中には、僕の話より母がどうやって僕を育てたのかに興味がある方も多いようでした。Upload By 加藤路瑛低体重児だったこともあり、小さな頃はできないことも多く、読み書きも苦手。中学受験では塾のカリキュラムが合わず、塾なしで勉強をしました。そんな僕の勉強方法や子育てに興味がある方は、母の育児相談のコースをご利用いただければと思います。リターン:「子育てnote」と「子育て相談」が付いたコースUpload By 加藤路瑛今までにたくさんの人に出会い、ご支援、ご協力をいただけたことをとても感謝しています。僕の活動の最新情報はTwitterをご覧ください。応援していただけるとうれしいです。加藤路瑛のTwitter
2019年06月03日注文の多い小学校Upload By アマミモヨリ小学校というところは用意する物が多くておどろきます。Bのえんぴつが必要になったり、カップ麺の空き容器を要求されたり。連絡帳を確認するのはわたしの日課ですが、週末に気がゆるみ、見忘れてしまうこともあります。そんなときに限って月曜日の持ち物が、うちではとっていない「新聞紙」だったりして、朝からコンビニに走るわけです。 そんな物も用意するの?あるとき、連絡帳に「竹ひご」と書いてあってうんざりしました。Upload By アマミモヨリえんぴつやカップ麺、新聞なら家庭にあっても良さそうだけど、「竹ひご」はちょっとちがうのでは──?けれども連絡帳に書いてあるのです。持たせないわけには行きません。お店を2軒まわって、やっと準備しました。それなのに──Upload By アマミモヨリ竹ひごは学校から配布されたのです。え──ッ?どうなってるの??先生に相談しましたUpload By アマミモヨリ担任の先生に相談しました。ヒルマは、それはそれはがんばって、黒板の文字を連絡帳に書き写しているのだそうです。板書だけで手一杯で、先生の補足を聞き逃していたのです。Upload By アマミモヨリそしてこれまで奔走してきた、えんぴつや容器や新聞も、じつは「家にあれば持って来るもの」だったことが判明し、疲労度がさらに増しました。もっと、わかりやすくしてほしい……。連絡帳の持ち物をわかりやすくする方法先生の提案で、持ち物に印をつけてもらえることになりました。◎必ず持って来るもの△未提出など対象者のみ持って来るもの△家にあれば持って来るもの×学校で用意するものこれならわかりやすい!Upload By アマミモヨリこうして、持ち物に振り回されることは激減しました。できることならこの目印が小学校でのスタンダードになって、学年が上がっても引き継がれたらうれしいなぁ。担任の先生が変わるたびに、毎回お願いするのがね、少々心苦しいのです…。
2019年06月03日特別支援学校入学に向けて、療育手帳を取得することに現在、特別支援学校に通う5年生の長男。療育園年長時、就学相談で、特別支援学校に入学するには入学前に療育手帳を取得するようにと説明がありました。それまで療育手帳を取得していなかった長男。手続きについて聞くと、私たちの住む地域ではまず市役所を通してから、児童相談所で発達検査を受けなければいけないとのことでした。自閉症の長男の進学先が特別支援学校になるだろうということは早い段階から考えていたことでしたが、療育手帳を取ることによって、確実に障害があると認定を受けることになる...母である私には、息子の障害をはっきりと社会的に認めることになるように感じられ、正直少しためらう気持ちがありました。複雑な気持ちを抱えつつ夫に「特別支援学校に入学する前に、療育手帳を取る必要があるんだって」と相談したところ、「手帳があることでシュウにとって必要な支援が受けられるなら、申請したほうがいいね」Upload By シュウママと賛成してくれました。夫の言葉に背中を押され、手帳取得に向けて実際に手続きを進めていくことになりました。児童相談所での発達検査。果たして長男は...児童相談所での検査当日。長男の検査の前に、先に母親である私と心理士さんとの面談がありました。洋服を自分で着脱できるか、トイレはできるか、ごはんやお風呂は介助が必要かなどの生活面の確認と、パニックを起こさないか、自傷や他害はないかといった精神面・行動面の確認がありました。そしてその後、長男自身が検査を受けました。まず、心理士さんがいろんな絵の描かれたカードを長男に見せます。そこに描かれた動物や乗り物などについて答える問題でした。長男は自分が好きなものだけ大きな声で答えます。発音が聞き取りにくいので、私が横で「これはひこうきと言っています」と心理士さんに通訳しながらすすんでいきました。ただ、出されるカードのほとんどのものは答えることができませんでした。次は組(対)になっているものを答えよという問題。心理士さんは、えんぴつを指して「これは何かな?」と長男に聞きます。...長男は無言。Upload By シュウママ長男が反応せずとも質問はどんどん続きます。「えんぴつとセットになるものは何かな?」...正解のノートを長男は指せません。検査を終え、心理士さんからはおそらく療育手帳はA判定になるだろうというお話がありました。療育手帳の判定結果、親としての思い後日、市役所に行き療育手帳を受け取りました。やはり判定はAでした。私の住む地域では、最も重い丸Aから最も軽いCまであります。A判定であるなら、特別支援学校に通うには問題ありません。けれど分かってはいたものの、長男が重度の知的障害と認定されることにわずかなかなしさがありました。療育手帳を取得して。長男の育ちに必要な支援が受けられるようにそれでも、療育手帳を持つことで受けられるサポートはたくさんありました。市役所で説明されたのは、特別児童扶養手当があることや、バスや電車での本人と介助者の運賃割引、ガソリン代あるいは車を運転しないのであればタクシーチケットの支給もあるということ。私は車が運転できないので、このタクシーチケットは特にありがたかったです。長男は病院からの帰り道、歩きたくなくて道端で「歩くのイヤ~!」と叫ぶときがあります。そんなときにタクシーを利用するのですが、初乗り分の料金を支払えるチケットは経済的にとても助かりました。自治体によってはオムツが支給されるところなどもあるようですので、お住まいの自治体の窓口等に確認するとよいかもしれません。Upload By シュウママ療育手帳を取得することで、自分のお子さんの障害が公的に認定されてしまう、そのことに不安を抱いている方がいるかもしれません。その気持ちは同じ立場として痛いほど分かります。けれど最初の判定から5年経った今は、手帳の取得は障害のレッテルを貼るためのものではなく、子どもの成長や子どもにとって過ごしやすい環境の整備のために必要なものなのだと感じています。また、判定結果がたとえ重度だとしても、特別支援学校に通いながら長男は長男のペースでゆっくりだけれど着実に成長している。それを親である自分が分かってさえいればいい、それが何より大切だと、そう思えるようになりました。Upload By シュウママ
2019年05月31日コマーシャルとちょっとした宣言このたび、金子書房から新刊が出ます。タイトルは『ADHDとともに生きる人たちへ〜医療からみた「生きづらさ」と支援〜』です。これは、2017、18年の2回にわたり開催した研修会の講演内容を文字化し、大幅に加筆修正したものです。精神科医になった1983年に、僕は診療録に書いた内容を先輩医師のまえで報告する時がありました。報告後、「キミは、書いたものよりも、口頭のほうが、伝わりやすいね」と言われました。果たして本書がそうなっているか、内容について関心があれば、読んでいただければ幸いです。ADHDに関しては、実は、もう一つ、2001年に刊行した、星和書店の『ADHDの明日に向かって』を、ここ1、2年の間に大幅に修正するか、新たに書き下ろさないといけないと思っています。あのままでは置いておけないと思っているのです。僕は、発達障害のなかでも、縁あって特にADHDに関心を抱き続け、ここまで来ました。でも、正直、ADHDに関しては、今でも2001年のあの本を超えたものが書けていないように思っています。これは、悔しいというか、恥ずかしいというか、このままではいけないと思っています。ただ、今の課題は、日々の臨床のなかで、その作業時間がつくれるかどうかです。でもこうして宣言しておくと、これからとぼけることが出来なくなります。これは覚悟です。さて、話は変わって。発達ナビからは、「日々の臨床で感じていること、考えていることを書いてみて」と依頼されました。でも、日々の臨床で感じ続けていることは、いつも己の力不足であり、学習不足と自責の念です。そこで、過去と現在と未来について考えてみました。過去のこと――院外での出会いも。発達障害のある子どもたちと社会との架け橋役に出典 : 僕は1983年に精神科医になり、故郷を離れて北海道に来ました。初期研修を終えて、医師になって10年を目前にしたとき、僕は児童精神科医を目指し、児童部門のある精神病院に就職し、数年後に児童部門を背負いました。当時は不登校から(軽度)発達障害と児童虐待問題へと大きく展開した時期でもありました。僕は北大や札幌医大、旭川医大の卒業生でもなく、本州からの流れ者医者です。どこにいっても常に一人で、どことも本当は決して馴染まない存在という異邦人的な感覚を持ち続けていました。もちろん、これは僕の単なるコンプレックスなのですが、こうした僕にある心許なさが、僕が出会いたいと切望していた子どもたちと、どこか重なる部分があったのかもしれません。ほかの誰の味方でもなく、キミの味方になりたい、という僕の思いは、僕自身を支える僕の気持ちでもあったのでしょう。児童部門を背負ってからは、児童相談所の嘱託医となり、子どもだけでなく家族全体を生活の視点で診ることを学び、福祉、教育分野の仲間たちが出来たことで、虐待防止活動や、家族と子どもたちと専門家が一蓮托生の思いで集う会を結成しました。「専門家の話だけでなく、同じ思いの親と出会いたい、親と話をしたい。教育、福祉の方々とも対等に話を、正直な思いを聞きたい」という切実な思いから結成した「十勝ADHD&LD懇話会」は、昨年結成30年目にその活動にピリオドを打ちました。僕自身は、こうした院外活動を通して、診察室のなかで、なかなか広がらない話から、たくさんの窓が開き、多くの方々と出会うことになりました。僕は、白衣を脱いで地域、現場に足を運ぶことで、異邦人的な感覚が薄まり、子どもたちや家族が躊躇している社会への接点への橋渡し役をすることが出来るようになりました。昨年「十勝ADHD&LD懇話会」の幕を閉じるとき、僕は懇話会の合い言葉でもあった“Children First”という言葉が、今も僕たちの心を支えていたことに気づきました。この哲学は、今、目の前の方々を大切に、という思いへと繋がっていきます。僕たちが向き合い、大切にしてきたのは、「発達障害」ではなく、一人一人の子どもが、親が、そして僕たちが、どうしたら日常をより豊かに生きられるか、という生き甲斐探しのようなものだったのかもしれません。現在のこと――クリニックで患者さんと向き合う毎日出典 : 僕の最初の10年は一般精神科医の時代で、次の10年は児童精神科医と研究機関と大学で教育と医療の境界線上に立ちました。2013年が30年目の節目でしたが、僕はすこしばかり早く大学の職を辞し、2012年からクリニックで日々、受診される方々と向き合い続けています。クリニックでは朝の9時前から夜の8時前後まで休みない診察が続きます。先日、思い立って患者状況を分析しました。それによると、この3月で登録患者数が1300名を超えました。男性は56%とわずかに多く、年齢的には、初診時18歳以下が65%を占め、2.2対1で男性優位ですが、19歳以上では35%、男女比は1対2で女性優位となります。初診時診断は、発達障害圏が70%で、いわゆる精神病圏は5%とかなり少ないのです。発達障害圏での主診断は、自閉スペクトラム症が68%と圧倒的に多く、2位のADHDが13%です。僕は発達障害圏にいわゆる第四の発達障害と称される発達性トラウマ障害を加えていて、それが3位で9%程度です。最近話題になっている「大人の発達障害」ですが、僕のクリニックでは、19歳以上で発達障害圏の方が19.4%を占めていました。また、きょうだい、親子、家族の受診者が全体の10%強を占め、さらに離婚問題を抱えていたり、DVや虐待事例も外来で対応しています。こうした特異な医療を7年も続けてこられたのは、ひとえにすべてのスタッフがクリニックの「治療的空間」を形成してくれているおかげです。クリニックは、僕以上にスタッフ各自が持つ、ホスピタリティに大きく依存していると言って良いかと思います。それでも僕の外来医療を後方で支えているのが、週1、2回外勤している精神科病院となります。そこには、道内の児童相談所の一時保護委託をはじめ、児童相談所からの紹介で診る子どもたちも含まれます。僕が外勤している精神科病院には児童病棟はありません。入院中に子どもの教育の保障ができません。それでも苦渋の選択のなか、1ヶ月以内の短期入院を30%程度で維持しつつ、全体の50%以上を3ヶ月以内の入院でしのぎ、支援しています。未来のこと――複合的な要因を紐解き、発達障害・被虐待児をいかに支援していくか出典 : 僕はいつも、やりたい仕事よりも、求められている仕事に追い立てられています。子どもの精神科医としてスタートした頃は、はじめは学校に行きにくい、行きたくない、行きたいのに行けない子どもたちと出会っていました。それはそれでとても有意義な時間を過ごせたと思います。しかし、すぐに診察室は発達障害が疑われる子どもたちと、その子との関わりに困り果て疲れ切っている親との出会いの場となりました。僕は子どもたちの成長を信じ、親や家族、関係者を労い励まし、勇気づける役割を担うことを目指しました。臨床を離れ大学での研究時代には、虐待が避けられない事態となり、自然、社会的養護の子どもたちと出会いはじめ、これまで以上に児童相談所等と連携する仕事が増え、再び臨床に戻りました。発達障害の多様さを知らなかった時代、僕はその視点で子どもたちを診ることができませんでした。マルトリートメント(※)のなかで育った方々の、人への不信感とそれでも人を求め続ける姿を知ってから、発達の躓きはマルトリートメントの結果となる場合もあり、発達障害が沢山の誘因の一つとしてマルトリートメントを生じさせる場合もあることを学びました。そして最近では、マルトリートメントしてしまう親自身が、子ども時代にマルトリートメントを受けてきた、あるいは生活のなかで深い心の傷を負っていたということにも気がつくようになりました。これからの外来・入院診療では、発達障害とマルトリートメントが重なりあっている病態への対応が急がれます。個人的には、その複雑な病態の評価と支援を構築する力をつけていきたいと思います。※虐待をはじめとする、不適切な養育のこと。今後も終わりのない学びを続けていく自己研鑽が、僕には必要です。同時に、これまで関わってきたなかで学んだことに普遍的なこともあります。それは、出会う方々は皆、これまで生きてきたことをきちんと周囲に理解してほしいという思いがあるということです。評価してもらいたいわけではない。ただ、振り返ると、いつも一生懸命に生きていた自分がいたことを、自身以外の誰かに知っておいてほしいという思いがあることです。だから僕は、教えていただいた話を評価するのではなく、ただただ、聴けたことに、話をしてくれたことに感謝します。もちろん話の中身は壮絶です。それでも教えてくれたことに心から感謝しています。先日もある方が語られたあとに「私は、大変でしたねっていってほしくて話をしたのではなくて、ただ、知ってほしかったのだろうと思います」と言われました。僕が信じる精神科臨床とは、その方の生い立ちと生活環境、家族との関係性のなかでの成長変化と、個々にあるその人らしさという個性あるいは特性を、評価し続け、その方の心身を整え、生活の質を高めるよう、共に相談をしていく有り様です。そしてそれは常に「個別の物語」から成り立ちます。わが子の育ちを通して、自分自身の子ども時代に思いを馳せ、親としての自身の思いから自身の親の思いを推察するとき、それまで抱えてきた自身の親への思いが変化する、あるいは、ずっと蓋をしてきた過去がよみがえる、そんなとき、僕は、親に対して、あなたが主人公としてクリニックを受診をしてみたらどうでしょうかと伝えます。そこに新たな個別の物語が始まります。そうして家族個々のカルテが増えていく…。「きょうだい」ではなくキミ、「父」ではなくあなた、個々の物語には個々の過去と未来があります。そうして診察室は、スピンオフの物語で埋もれていきます。そこで僕は気づきます。この社会で、だれもひとりぼっちではなかったと。マーガレット・ラスティンが『発達障害・被虐待児のこころの世界精神分析による包括的理解』(岩崎学術出版)で「子どもの精神病状態の本質を理解することは計り知れない困難があり、その複合的な原因は理解され始めたばかりである」と述べたように、僕の目指す児童と家族の精神科医療も、ようやくスタートラインに立ったばかりです。僕は、もう少しワクワクしながら、未来に目を向けていきたいと思います。精神科医になって35年が過ぎ、僕はもう少し、歩みを止めず進んでいきたいと思っています。だから、一緒に未来を見続ける仲間がほしいと、切実に思います。誰か、誰でもいい、このクリニックでワクワクした仕事を僕と一緒にやりませんか。
2019年05月30日小さいときから温度による体の不調を訴えなかった息子Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は落ち着きがない、忘れ物や無くし物が多いなどの特性の他にも「暑さ寒さに気がつきにくい」という体の感覚の鈍さがあります。服のタグがかゆくてイヤ!など肌に触れるものには過敏なのに、温度によって自分の体に起こっている状態には気がつきにくい鈍感体質。Upload By かなしろにゃんこ。そのためリュウ太は、小さいときから寒いという感覚も分からなくなってしまうことがありました。私が上着を着せたり、靴下をすすめれば履いたりするのですが、声をかけられなかったら着ないまま、遊びに夢中になっていると寒さを感じず何も対策をしないまま...結局風邪をひいてしまったり体調を崩してしまったりするんです。それに、着慣れた服でないと落ち着かないようで、暑くなってきて周りが半袖に切り替え始めても冬服で出かけようとします。もともと周りの人が何を着ているか観察もしないし、着る物に無頓着なことも、温度調節を難しくさせている理由の一つかもしれません。しかし、そんな息子の特性に気づくまでには数年かかりました...そんな息子に起きた、キャンプでのハプニングUpload By かなしろにゃんこ。「ん?この子は何か違う!?」と気づくきっかけとなったのは、息子が低学年のときに行った山でのキャンプでのできごと。気持ちの良い山でのキャンプ、夜は氷が張るほど寒い場所でしたが、昼はグングン温度が上がり日差しが強く真夏日に感じるほどでした。そんな中、息子は気温が低かった朝に着た冬物の上着を日中も着たまま遊び続けていました。他の子はみんな上着を脱ぎ、涼しそうな格好をしています。私は「あの子は暑くないのかしら?」と思いながらも、昼ごはんの支度に追われてしまい...。Upload By かなしろにゃんこ。「暑かったら上着を脱ぐだろう」と思っていたのですが、そのまま1時間近く遊び続けていた息子。ふと見ると、なんだかぐったりしています。そのとき初めて「様子が変だわ...」と気づき、触ってみたら体が熱くなっているではありませんか!「えー熱!?風邪ひいちゃったのかな...いや違う、コレは熱中症かもしれない!」急いで休日診療をしているふもとの病院に駆け込み、点滴の治療を受けて安静にすることになりました。キャンプは急遽中止に...食事の支度などで子どもの体調に気を配れなかった親の責任ですが、このときに「あれ?うちの子って体調の意思表示をしない子だわ」と気がついたのです。「アレ欲しい、コレやりたい!」と自己主張は強いのに、体調の意思表示をしないことを不思議に思いました。特性に気づき、家族でこまめに声かけをUpload By かなしろにゃんこ。その後、発達障害の診断を受けることになった小4のとき。発達障害についての専門書を読んでいたら、「発達障害がある子の中には自分の体に起こっている暑さ、寒さ、空腹感、痛み、疲れなどの症状に鈍感な人がいる」と書かれているのを発見。「ああ!コレって息子のことだわ!」と改めて気がついたんです。遅っ!それからは天気予報を確認して息子にどんな洋服を着たらよいか相談して決めてきたのですが、「菜種梅雨の時期は雨が降ると寒いから上着を持っていこうね」と言っても「いい、いらない」と断固拒否!今必要のない物を持つのが面倒なんでしょうね(汗)言うことを聞いてはくれません。今の季節は半袖に着脱しやすい上着がいいなど経験のデータがないと着る物を自分で選べないですから、「10月は真夏日になることもあるよ」とか「4月上旬はまだまだ雪が降る日があるよ」などと根気よく情報を伝えていくしかないと思いました。感覚が鈍感なだけで疲れや辛さのストレスは体にかかっているため、後から体調を崩し寝込んでしまったりするのでした...。二十歳になった息子、まだまだ体調管理の勉強中!Upload By かなしろにゃんこ。子どもの頃に比べたら経験値も上がってきたので、少しずつ着るものの調整などはできるようになってきたものの...まだまだ、全部を自分で調整することはできません。寒い夜は暖房をつけなさいとか、暑い日は窓を開けて風を通しなさいなど、過ごしやすくするにはどうしたらいいかも伝えていかなければならないと思いました。経験していないこと、あまり経験したことがないことは特に、一つひとつ言わないと気がつかない子なんです(涙)二十歳を過ぎた現在は、ようやく真冬の夜は靴下を履く!室内着は暖かいものを着る!が一人でできるようになりました。四季のデータが息子の中に蓄積されるまで、まだまだ時間がかかりそうです(笑)
2019年05月28日給食が苦手だった子ども時代出典 : 私の小学校では、お昼ごはんは給食でした。この記事を読んでいる方の中には給食が好きだった方も多いと思いますが、私はその給食がとても苦手で、お昼の時間はいつもゆううつでした。家では鶏の唐揚げやカレー、麻婆豆腐など、子どもの好きな味の料理が食卓に並ぶことが多かったのですが、給食で出てくる料理は家とは違う味付けや種類のものが多かったのも苦手になった理由です。そのため子どものころの私には味がまったく想像できず、毎日おそるおそる給食を食べていました。カレー味のものやあんかけ料理などは、匂いから味が想像しやすいため食べられたのですが、反対に味の薄い野菜炒めや焼き魚などはそのままでは食べられず、しょうゆをたくさんかけて味をごまかしていました。その中でも特に苦手だったのは魚類でした。父が魚釣りが趣味で、家で食べる魚はとれたての新鮮なものが多かったこともあってか、給食で出てくる魚にはどれも生臭さや変な風味を感じ、美味しいとは思えず…私の小学校では原則的に給食を残すことができなかったので、焼き魚などが給食で出てきたときは昼休みになっても食べきれず、遊んでいるクラスメイトを横目に見ながら嫌々食べていました。味と匂いと食感が苦手だったナス出典 : 苦手なものが出てきても、食べきらなければいけないというのが通っていた小学校のルール。実はそれがきっかけで苦手になった食べ物があります。それはナスです。ある日の給食で、ナスと野菜にゴマだれをかけた料理が出てきました。洋服のタグを切り取らないと服を着られなかったり、ヌルヌルした感覚が苦手で石鹸で身体を洗うのが嫌で夏でも身体を洗わなかったくらい触覚が過敏だったり、香水の匂いや生臭い匂いなどを嗅ぐと具合が悪くなったりしていた私は、食べものに関してはベチャベチャしているものやヌルヌルしているもの、匂いが強いものが苦手です。そのため、見た目から味がまったく想像できず、さらに箸で触ってみても微妙に柔らかい触感のナスに対してはもともと抵抗感が強く、それまで一度も食べたことがありませんでした。勇気を出して口に入れてみたところ、やはり食感は変に柔らかくて気持ち悪く、さらにゴマだれと野菜の組み合わせによる匂いや酸味に耐えきれず、食べたとたんに吐き気がして体調不良に…。このときの強烈な印象が原因となり、それからしばらくは家でも給食でもナスを食べることはありませんでした。家で麻婆ナスを食べてから大好物に!出典 : 小学校高学年になったある日、家の食卓に麻婆ナスが出てきました。中華料理が大好きな私は台所から漂ってくる香りにわくわくしていたのですが、出てきた料理にナスが入っているのを見てものすごくがっかりしました。母が無理して食べなくていいと言ってくれたため、最初はナス以外の具材のみを食べていましたが、薄いナスが大好きな中華の味にひたひたと浸かっているのを目にしたとき、ちょっと食べてみようかなと思いました。「薄いものならそんなにナスの味もしないだろうし、好きな中華の味がしみ込んでいるのだから、試してみる価値があるな」と思ったのです。そして勇気を出して食べてみたところ、給食のときとはまったく違い、ただただ私の好きな味がしました!食事を終えた後に「おいしかったからまた作って!」と母親にお願いしていたほどです。それからは徐々に厚めのナスも食べられるようになり、いまでは素揚げしたナスが大好物。外食でも好んで食べています。子どものころから大好きな納豆と苦手だったとろろ出典 : ネバネバした触感が苦手な方は多いのではないかと思いますが、私はネバネバはそれほど気になりませんでした。ただ同じネバネバの中でも、味や匂いによって食べられるもの・食べられないものがあります。中でも、納豆は昔から大好きでした。食感が独特なものや匂いが強い食べものが苦手な私ですが、大好きなごはんと一緒ならネバネバも匂いも気にならずおいしく食べることができたのです。(ちなみに納豆単品では匂いが強すぎるため、いまでもあまり食べられません…)それなら同じネバネバで独特の匂いがあってごはんにも合うとろろなども食べられそうなものなのですが、こちらは子どものころは好きではありませんでした。とろろは両親が好きでよく食卓に出ていたため、一度私も食べてみたことがあったのですが、ごはんと一緒でも消しきれない独特の匂いが気になり好きにはなれませんでした。そのときの印象が強かったため、長芋も食わず嫌いのままになっていました。とろろを食べられるようになったきっかけは、山かけうどん出典 : 中学生だったある日、弟から「とろろをうどんにかけて食べる『山かけうどん』というものがあるらしい」という情報がわが家に寄せられました。弟いわくとてもおいしかったということだったため、家族で食べてみることになりました。それまでとろろは「ごはんにかけて食べるもの」という認識で、うどんにかけるという発想がなかった上に、もともとの苦手意識もあり試してみるのは渋っていました。しかし横で弟がとてもおいしそうにバクバクと山かけうどんを食べているのを見て、勇気を出して食べてみることに。ほんの少しだけとろろをうどんにかけてみたところ、うどんのつゆがからんでとてもおいしかったのです!うどんのつゆのおかげで苦手だった匂いもなく、ただただおいしく食べることができました。それからは少しずつごはんにかけても食べられるようになりました。加えて、焼いてほくほくの食感になっている長芋は私の好物になっています。食べるまでに時間がかかる食べものは基本的に苦手出典 : 最後はもしかしたら私だけかもしれませんが、実は食べるまでに時間がかかる食べものが昔から苦手です。たとえばジャムなどを塗らなければいけない食パンだったり、みかんやグレープフルーツなどの皮をむかなければならないくだものなどです。食パンは食卓に出てくることもよくあったのですが、わたしは基本的には食べませんでした。ジャムを塗るのが面倒で、そのまま食べるほうがマシだと思っていたからです。どうしても食べなければならないときには、何もつけずに牛乳などで流し込むように食べていました。いまでも家で食パンを食べることはありません。特に苦手な柑橘類たち出典 : 食べるまでに時間がかかるものの中でも特に、皮をむく必要があるくだものは今でも好んでは食べません。子どものころ、父がよくみかんを箱で買ってきていたので私も食べてみたのですが、飲み込むときに薄皮がのどに詰まりそうになり、とても苦しい思いをしました。この出来事がきっかけで柑橘類は基本的に薄皮までむいて食べるようになったのですが、パンにジャムを塗ることすらめんどくさがる私ですので、当然薄皮をむいて食べるまでが面倒すぎるように感じ、いつの間にかまったく食べなくなりました。せっかく買ってきても私がまったく食べないので、あるときから母親があらかじめ薄皮までむいた状態で食卓に出すようになりました。その状態であればのどに詰まらせる心配がないので、私もバクバク食べられました。いまでも皮をむく必要があるくだものを自分で買うことはなく、たまに家に置かれているときには妻を頼り、薄皮までむいてもらっています...。どうも私は、食卓に座り「食べるぞ!」という気持ちになってから実際に食べるまで時間がかかることにとてもストレスを感じるようです。ですので、カニや殻つきのゆで卵もあまり作りません。どれも味そのものは好きなので、すぐに食べられる状態になっていればバクバクと食べるのが自分でも不思議でなりません。苦手な食べ物に関する私の経験をまとめてみると…出典 : ここまで記事を書きながら振り返ってみると、子どものころの私が食べられなかったものにはいくつか特徴があるようです。食感:口に入れたときにベチャベチャしていたりヌルヌルしているもの。見た目:味が想像できないもの。ベチャベチャ・ヌルヌルしていそうなもの。匂い:生臭かったり独特な匂いのもの。これらは私の触覚過敏と、匂いに敏感なことに起因した特徴なのかなと思っています。中でも匂いについては、苦手な匂いに勝る濃い味付けをしたことが、その食材を食べられるようになるきっかけとなった例を紹介しました。もし私と同じように特性による過敏さによって食べられないものがある当事者の方が周りにいる場合、調理方法や味付けを変えてみることで食べられるようになるかもしれません。それでも私が時間のかかる食べものが食べられないように、どうしてもダメなものもあるかもしれません。そんなときは本人に、食べられないもののどこがどうダメなのかを直接聞いてみるのも良いかもしれません。私が子どものころは特に聞かれたことがなかったので自分から話した記憶はありませんが、もし両親に何がどうダメかを聞かれていたら話していたのではないかなと思います。言語化が難しい場合には、お子さんが食べないものの共通点を探したり、特性から考えてみたりすると、そのこだわりについてのヒントが見つかり、食事での困り感やストレスを軽減できるかもしれませんね。そして私の経験談になりますが、食べられないものがあっても身長が180cm近くまで成長することもありますし、子どものころ食べられなかったものが大人になってから突然食べられるようになることもあります。お子さんの食べられないものについて、何とか食べられるようにしてあげたい!と毎日いろいろな工夫を重ね、ふと疲れてしまうこともあるのではないでしょうか。そんなときには一度肩の力を抜き、お子さんやこの記事をご覧になっているあなた自身が好きなものを食べて、まず楽しく食卓を囲んでみてほしいなと思います。
2019年05月27日小5からスタートした、発達障害の娘の進路探し公立中学見学の次は公立中学校の見学をした私達は、次に、娘が通学できそうな範囲内の私立の中学を見学することにしました。最初に見学したのは大学付属の「ハンディキャップを持つ児童を受け入れている」私立中学です。少し遠いのですが、自宅近くの駅から専用のスクールバスが運行していたので通学に問題はなさそうでした。充実した施設Upload By 荒木まち子なかでも特に5万冊所蔵の図書室は圧巻で、本が大好きの娘は「すごい!小学校の図書室とは大違い!!読んでみたい本がいっぱいある!ここなら何時間でも過ごせちゃう」といたく気に入ったようでした。素敵な校風。でも一抹の不安が案内の先生は「当校の教育目標は“共に生きる”で、自由と自治の精神を大切にしています。在校生は障害のある生徒を自然に受け入れています。足の不自由な生徒の為にクラスメイトが自主的に机の移動を手伝ったりしています」とお話されていました。障害がある生徒を受け入れ、障害の無い生徒と共に学べる体制がある学校はそう多くはありません。障害を個性として認め、分け隔てなく接してもらえるのはとても嬉しいことです。でもこの学校は発達障害に特化した学校ではありません。先生方に発達障害の知識がどれほどあるのか?それぞれの特性に合わせた配慮がどこまでなされるのか?娘の特性上、中学生という思春期の難しい時期を支援なしで過ごすことに私は一抹の不安を覚えたのでした。間違えた!次に私達は療育センターにあった書籍で紹介されていた、発達障害児がある子が多く通う私立中学の見学に行くことにしました。ネットで調べ見学予約の電話をして行ってみると…Upload By 荒木まち子その学校に本校以外にもいくつか、タイプの違う学校がある事を知らなかった私は、ネットで検索する時に“本で見た学校と同じ系列の別の学校”に間違えて予約をしまったのです!最寄り駅も同じだった為、そのことに全く気がつかなかった私。間違いにに気がついたのは見学も終盤になった頃でした。私が見学した学校は、中等部はフリースクールとして運営されている学校でした。個別支援計画などの作成もあり、発達障害のある子どもが多く通っているというのも納得の支援体制でしたが…当初見学したいと思っていた学校と違ったため、出直すことになりました。発達障害がある子を多く受け入れる私立中高一貫校へ後日、改めて行きたかった中学校(本校)に見学の予約をしたのですが、主人も娘も休みが取れず、見学は私一人ですることになりました。授業は前回見学した同じ系列の学校と同様、教科書やノートは用いず、それぞれの生徒に合わせたプリント教材(ワークシート)を使うスタイルでした。この中学には付属の高校もあり、習熟度や進路別にクラスが分かれているようでした。漢検や英検パソコン検定など、検定を積極的に受けている生徒も多いようで、掲示板にはさまざまな種類の認定証のコピーが貼られていました。校庭や校舎の雰囲気は一般の学校と大差無く、休み時間には友達同士でじゃれ合う姿も見られました。それでもグループ作業の時にひとりで話し過ぎてしまう生徒や、職員室前で先生が生徒に「最近ダークサイド(ネガティブ面)が増えてきてるよね?」といった言葉掛けをしている様子を見て、「やっぱりここは発達障害のある子が多く通う学校なのだわ」と改めて感じたのでした。私立校での校内見学後の個人相談で私は案内をしてくれた先生にいくつか質問をしました。私「特別支援学級から入学された生徒さんはいますか?」先生「いないことはありません。でも特別支援学級での接し方がベースになっていて、常に教師からの指示がないと動けいなようなお子さんだと入学後、困ってしまうかもしれません」私「卒業後の進路はどうなっていますか?」先生「大学や専門学校に進学する生徒が多いです」(※)私「卒業後、生徒さん達は自立できていますか?」先生「専門学校で時間の管理や配分に苦労しているというケースを聞いたことがあります」先生の話を聞き、たとえ高校まで手厚い支援があったとしても、その後も継続した支援を受けられないと、娘のような障害がある子どもが親から自立するのはやはり難しいのかもしれないな…と感じました。※中高一貫の私立中学だったため、高校卒業後の進路を指しています公立中学の通常学級?支援学級?それとも私立中学…?娘の決断とは小6の12月、毎年の恒例の『翌年度の所属を決める家族会議』を行いました。小5のころから、高校進学までを見据えて、公立中学の通常学級、特別支援学級、通級を見学したり、私立中学を見学してきたわが家でしたが…、いろいろな学校・学級を見学した結果、娘が選んだ進路は、地元の公立中学でした。娘は、「地元の公立中学の通常学級に進学したい」と言いました。わが家は娘が小4の時に引っ越しをしていて、娘は小学校を転校しています。娘が地元の中学を選んだ一番の理由は“前の小学校の友達と、中学で再会するのが楽しみ”だったからのようです(※)。理由はどうあれ、見学した私立中学はいずれも編入や高校からの受験も可能なので、親としても「まずは本人の意見を尊重し地元の公立中学で過ごしてみよう。そしてもし途中で限界を感じたら、その時にどうするか改めて考えても良いだろう」と判断しました。実際に足を運び、話しを聞き、いろいろな選択肢を知っていたから、逆に無用な不安を感じることなく娘の選択を受け入れられたのかもしれません。※中学の学区域は小学校より広くなり、以前通っていた小学校の生徒が同じ中学に通うことになるため先輩お母さんからのアドバイス当時、家の近所には地元の中学の特別支援学級に通っている1学年上(中1)のお子さんが住んでいました。中学入学を2か月後に控えた頃、偶然親御さんにお会いした私は「中学は地元の中学の通常学級にすることにしました。もしかしたら途中で支援学級に移るかもるかもしれないので、その時はよろしくお願いしますね!」とお話しをしました。通常学級に通う中3のお子さんのお子さんもいらっしゃるその先輩お母さんは「上の子の経験から、高校の進路は早めに進学先を考えて見つけておかないと大変よ。遅くても中2の秋までかな。障害の有無に関わらず、学校での進路指導に期待しすぎず親が早めに動いたほうがいい」とアドバイスしてくれました。息つく暇もない進路選択やっと中学の所属が決まったところなのに、もう高校の事を考えなければならないのね。中学に入学したらすぐに高校探しか…。学校探しや学校見学は時間と体力を使います。でも自分の知らないいろいろなことを学べるし、悩みこそすれど私にとってそれほど苦痛ではありませんでした。(文化祭めぐりなどはむしろ楽しいぐらい)娘が中学の三年間を通常学級で過ごしていけるのかは未知数でした。でもどうなっても対応できるよう私達は高等特別支援学校を含め、娘が中学生の時に6校程の高校の見学や体験入学をしました。次回は、高校進学に向けて準備したことや、訪れた学校についてご紹介していこうと思います。
2019年05月23日「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながるこんにちは。「『好き』で自信を創り、『好き』で社会とつながる」をビジョンに、発達障がい児向けのメンターマッチングサービスと教室運営をしているBranchの中里祐次です。Branchは、「発達障がい児の好きなことを見つけたり、好きなことができる環境創りのサポートをするサービス」です。こんなことをやっています↓↓Upload By 中里祐次Upload By 中里祐次 | 発達障がい児の孤独をなくし、可能性を伸ばす習い事って、「役に立つからやる」ことなんだっけ?出典 : この仕事を始めてから、「お子さんが自分の好きなことをできる時間って、今はどれくらいあるのかな?」と、よく考えます。自分の子どもの頃を考えると、おそらく100%に近いくらい、好きなことばっかりやっていたように思うんですよね(勉強していた記憶のない子どもだからかもしれませんが…)。友だちと公園で遊んで、その公園での遊び方を自分で考えたり、当時自分が好きだったドッジボールをみんなでやりたくて勝手にドッジボール部を創ったり…とにかく好きなことばっかりやっていた、のんびりした子ども時代だったなぁ、と。ただ、今のお子さんを見ていると、時代は変わってきているのかな、と感じます。というのは、学校の勉強や習い事に関して、お子さんが好きでやりたいことをベースにやる/やらないの判断をしているわけじゃない場合が多くなってきているように見えるからです。「これを覚えること、習うことがすべての子どもに役立つ」といった、まるで「正解」が決まっているかのような言説をよく見るようになりました。もし本当に、そういったすべての人に正解と言える方法があれば楽だと思う人もたくさんいるでしょう。Branchに相談に来る保護者さんの中にも、「次は子どもに何を習わせれば将来うまく行きますか?」というような質問をされる方がいらっしゃいます。なんとなくそれを聞いていると、スマートフォンのアプリをインストールするように「その習い事に通わせれば、自動でわが子に必要な能力がインストールされる」ような感覚でいらっしゃる方も多いのかなぁ、と感じます。でも、肝心のお子さんの感情はどこ行っちゃったんだろう…。ためしに、自分のお子さんに学校の勉強や習い事について「これは好きかどうか?」を一つずつ聞いてみてください。全部好きっていうなら、とてもその子はラッキー。残念ながら実際は、そうじゃない場合がとても多いと思います。習いごとに行ったあとに僕がお子さんに会うと「実はさっきの習い事、好きじゃないんだよなぁ」なんて言うお子さんも多いです。僕らは、なんでも言ってくれるような関係性が創れて良かったなと思うとともに、悲しい気持ちになります。好きで好きでたまらないことを、大人が全力で応援する出典 : 僕たちBranchは、我慢して我慢して勉強したり習いごとをした先にあるものよりも、「好きで好きでたまらないので誰にも止められない!」ということを大事にすることが、今の時代の学びにとても大切だと思っています。たとえばうちの子は、大好きなレゴをやってる時は大きい声で声をかけても肩を叩いても気づかないような子でした。今はマインクラフトをやったり、YouTubeでマインクラフトの動画を見たりしている時がその時間です。好きなことをやってる時は自発的にものすごい集中力でやっていますが、嫌いなことは絶対やりたくない。思えば自分もほぼ同じタイプの子どもでした。ある時、東京大学の文化祭で東大レゴ部の方が出展されているのを見つけて子どもと出かけました。レゴ好きなので、何か良い影響があるかなー、と期待をしながら。実際うちの子は、目をキラキラさせて東大レゴ部の方にレゴについてたずねたり、帰ってきてからも学校の作文にそのことについて書いたり、大きくなったら東大レゴ部に入りたいから東大に行きたいといったりと、中々良い影響があったようです(東大に行けるかどうかとかは置いておいて…。というか、本人はそれを言ったことをたぶん忘れています笑)。実はその時の経験から生まれたのがBranchなんです。つまり、お子さんの好きなこと(例えばレゴ)を得意な大人(ここで言えば東大レゴ部の方)とマッチングする、というサービスです。その後、サービスが続くうちに代官山に教室を構えたり、お子さんの好きなことを保護者の方と一緒にどう伸ばしていくかを考える計画書を提出するようになったりと、色々と進化を続けて今に至ります。「好きなことで社会とつながる」その最初のきっかけを例えばどんなお子さんがいらっしゃるかというと、こんなお子さんです。Upload By 中里祐次Upload By 中里祐次発達障がいのあるお子さんがメインですが、発達障がいはないけれど不登校状態だというお子さんも多いです。また、たまに「天才を育てるサービス」と勘違いされますが、それは違います。すべてのお子さまが「好きなことができて、それによって自信がつくことと、好きなことで社会とつながるきっかけを創る」ことがBranchが行っていることです。またもう一つ「お子さんの才能を新しく生み出す」ことを期待されることもありますが、基本的に「お子さんが好きなこと」をベースに考えていくので、それがお子さんの好きなことであれば一緒に考えていきますが、お子さんが嫌いなこと、興味のないことであれば僕たちがやることの範疇ではないかな、と思っています。安心して好きなことができる環境を創るのがBranchの役割まだサービスがスタートして3年弱なのですが、最近、Branchのチームで大事にしたいと考えているのはこんなことです。Upload By 中里祐次上述したように、Branchには社会の中で傷ついたお子さんがとても多くいらっしゃいます。好きなことにはすごい集中力を見せるのですが「学校に行けなくなってから、その好きなこともあまりやらなくなっちゃったんです」というようなお悩みも。Branchの場合は上記の図にあるようにまず最初に「安心して好きなことができる環境設計」を大事にしています。人と会うことや、外へ出ることも難しいお子さんもいますので、先に「どんな人」がいるか「どんな場所なのか」を伝えたり、場合によってはこちらから訪問したりもします。他にも、教室事業である「Branch room」のスタッフが共有する「グランドルール」として、こんなことを大事にしています。----------------------------ここはお子さまの「好き」を見つけること、「好き」を育むことを目的としています。・一緒に考える=つまり「教えない」ことです・見守る=つまり「指示しない」ことです・整える=居心地良く、少しの新しい発見がある空間を創ることです上記のようなことを私たちは主に行います。----------------------------まだまだ至らない点もありますが、安心できる場所があると、お子さんにちょっとずつ自信や自己肯定感が生まれるのかな、と思いながら日々活動しています。そして、だんだんと自己肯定ができるようになってくると、自主的に「これやってみよう!」と、自分のやりたいことをやるスイッチを押せるようになると思っています。大人になった時にこの「自主的に自分のやりたいことのスイッチを押せること」がとてもとても大事だと思っていますので、まずはそのための環境創りに取り組んでいるのが、いまのBranchです。もちろん、すでに自己肯定もできていてやりたいこともあるお子さんの場合、それをどう伸ばしていくかの環境創りのサポートが大事になるので、そのあたりも語りたいのですが…長くなってきましたので、今日はこの辺で。ご興味を持ってくださった方は、ぜひBranchに遊びに来ていただければ幸いです。オンラインのメンターマッチングサービス「Branch」は全国どこからでもご利用可能です。東京におられる方は教室事業の「Branch room」も覗いてみてください。それでは。 | 発達障がい児の孤独をなくし、可能性を伸ばす東京・代官山Branch room
2019年05月23日娘、いよいよ放課後等デイ・デビュー娘との「療育」がスムーズにいかなくなって、悩んでいた私は、娘の放課後等デイサービス利用を決めました。手続き、見学を終え、無事に通所受給者証も発行され、いよいよ通い始めることに。放課後等デイが、大好きに!週4日、学校の後、放課後等デイサービスに通い始めた娘。娘はここで過ごす時間が本当に楽しいようで、ちょっと早く迎えに行くと…Upload By SAKURA私の顔を見てがっかりするほどです(笑)帰り道でも…放課後等デイからの帰り道、学校とどちらが楽しい?と聞いてみたら…Upload By SAKURA楽しかったアピールが止まりません。「娘を手放したくない」という思いに気づいて私は自分の中で、できるだけ長く娘と過ごしたいという思いがありました。だんだんと成長していくにつれて、私と過ごす時間より、友達や先生と過ごす時間が多くなっていきます。それを寂しいと感じていたのです。Upload By SAKURAデイサービスに通い始めた娘は、本当に楽しそうで、私の見えないところで、話して、感じて…私がいなくても自分だけで人間関係を作り上げていました。それを目の当たりにして、私の「あーさんと長く過ごしたい」、「いつまでも私のそばから手放したくない」という思いは、もう卒業しないといけないんだと気づきました。一緒にいる時間は少なくなったけれど娘は、夕方の6時まで放課後等デイサービスで過ごすため、母と子の関わる時間は短くなりました。Upload By SAKURAしかし、帰宅した娘との会話に変化が生まれました。Upload By SAKURA以前は「〇〇やった?」「これ違うよ!」などの質問調・命令調での声掛けがどうしても多くなっていましたが、今は娘の帰宅後、「今日は学校はどうだった?デイサービスは楽しかった?」という、娘の話を聞く声掛けに変わりました。放課後等デイサービスで宿題を済ませて来てくれるので、私がバタバタ宿題をチェックする必要もありません。そう、ゆっくりと娘の話を聞ける余裕が生まれたのです。娘の話を聞いて笑ったり、今日はこんなことがあったよ~とお互いに報告したりしています。相手のことを聞いたり、気にかけたりできるようになった姿に、娘の成長も実感しています。親基準ではなく、子ども基準で考える私は放課後等デイサービスを利用することに、罪悪感を勝手に感じていただけなのかもしれません。でも、子どもを放課後等デイサービスに任せて見てもらうというのは、母親が楽をするためのものではない…。子どもが、親以外の人とのコミュニケーションを学んだり、必要なスキルを身につけることができる大切な機会、将来のために必要なプロセスなのだと、今は思います。Upload By SAKURA今回のことで、一番成長できたのは私かもしれません。
2019年05月22日ゲームは人生の役に立つってホント?はじめまして。コラムニストの小幡和輝(おばたかずき)と申します。僕は子どものころ約10年間を不登校として過ごしました。正直、学校に楽しい思い出はありません。そんな僕がハマったのはゲームでした。1日に10時間以上。合計で30000時間を超えるほど、ゲームに没頭していました。僕はこの経験があったから、自分の人生が豊かになったと考えています。ゲームからたくさんのことを学びました。今回はそんなお話ができたらいいなと思っています。僕のことを先に知ってもらわないと、あまり信用してもらえないかとも思いますので、自分のことをもう少しお話ししておきますね。僕はいま24歳で自分の会社を経営しています。地域の文化を発信したり、イベントを作ったり、地域活性化に関わる仕事をしています。起業したのは18歳で、現在で7年目。最近では内閣府から『地域活性化伝道師』という肩書きもいただきまして、最年少の地域活性化の専門家ということでお仕事をしています。Upload By 小幡和輝いまとにかく人生が楽しいです。この土台は「ゲームが作ってくれた」と確信しています。ゲームをネガティブに考えずに、人生を豊かにするツールとして活用してほしい。ですが、それを生かすも殺すもあなた次第なのです。子どもがゲームにハマっても大丈夫なの?子どもはゲームをいっぱいやりたがりますよね。この記事が、保護者としてゲームとどう向き合っていけばいいのかの参考になれば嬉しいです。僕はよく子育ての相談を受けるのですが、ある日こんな相談を受けました。「うちの子どもはゲームばっかりやってるんです。せめて囲碁とか将棋にハマってくれたらいいんですけど…」「お母さん。囲碁や将棋もゲームですよ…」ここで保護者の皆さんがいう「ゲーム」というのはテレビゲームやスマフォゲームのことを指しています。ですが、広義の意味では、囲碁や将棋はもちろん野球やサッカーなどのスポーツも『ゲーム』です。どうも「ゲーム」という言葉のイメージであったり、なんとなくダメなものという印象を持たれている方が非常に多いので、まずはその誤解を解いていければと思います。少し自分の話に戻りますね。僕は不登校でした。学校に行かなくなって、人との関わりも少なくなってくる。そんな中で僕を救ってくれたのがゲームでした。Upload By 小幡和輝ゲームを通じて友達ができたんです。僕は30000時間以上ゲームをしてきました。しかしそれは、たった一人でゲーム機に向かっているのではありませんでした。常に”誰かと一緒に遊んでる時間”だったんです。遊ぶ相手は、同じく不登校の同世代や、ときには世代を超えた社会人も。僕にとって「ゲーム」とは人と人をつなぐコミュニケーションツールでした。勉強も運動も苦手だった僕にとってゲームは自己肯定感を高めてくれるものでもありました。中学時代には大会に出場するようにもなり、さまざまなタイトルで優勝したりして、全国大会に出場することもできました。ゲームのコミュニティでは、僕のことを「不登校の小幡くん」として見る人はいません。この場所では「ゲームが強い小幡くん」です。最近のeスポーツの流れはとてもいいなと感じています。ゲームが強いことで尊敬される人が増えるというのはとても大切なことだと考えています。ゲーム依存症の定義を知っていますか?ゲームにハマることをそのまま依存症と繋げる方が多いのですが、依存症についての正しい理解が進んでいないように思います。WHOでは、「普段の生活が破綻するほどの」ゲームへののめり込みを指すものをゲーム依存症(※)と定義しています。僕の場合は友人と遊ぶためのツールとしてのゲームであるため、ゲーム依存症ではなかったと考えています。もちろん、家の中に引きこもり、昼夜逆転して、ひたすら1人でゲームをやり続けるというのはゲーム依存症かもしれません。でも、ゲームをたくさんやっているからといって、そのすべてがゲーム依存症ではないと思うので、保護者の皆さんはお子さんに、もう少し広い視点と、正しい環境をつくってあげてほしいと思います。ゲームをすると学力が下がるという話もありますが、それは単純に勉強時間が少なくなっただけですよね(笑)。ゲームは間接的な原因であるはずなのに、なんでもかんでもゲームのせいにされている状況には、僕には違和感があります。※WHO(世界保健機関)は、『ICD-11』において、ゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす依存症を「ゲーム症・障害」という疾患と認め、2019年5月の総会で承認する見通しであることを2018年6月18日に発表しました。2019年5月20日、WHOの年次総会がジュネーブの国連欧州本部で開幕し、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな依存症として加えた「国際疾病分類」最新版が28日までの会期中に採択される予定です(2019年5月22日現在の状況)ゲーミフィケーションという考え方ゲームと教育の相性は非常にいいと思います。楽しみながら学ぶことで、スラスラ入ってくるという経験はみなさんにもあるのではないでしょうか。僕自身、ゲームからたくさんのことを学びました。いま地域の文化の発信や地域活性化の仕事に関わっていますが、そもそも最初に興味を持ったのは戦国時代を舞台にしたゲームからです。ゲームを通じて、日本文化や歴史が好きになって、それがそのままいまの仕事に繋がっています。中学時代にカードゲームにハマったのですが、僕はよくカードゲーム専門店に出入りをしていて、大会の運営にも関わるようになりました。そのときの経験があったから、18歳でイベントを主催したときも抵抗がなく、そのまま会社をつくることができたのだと思います。僕にとってのゲームは人生を豊かにしてくれたツールです。しかし一方で、異常な課金や依存症など、ゲームによって人生を破滅させてしまう場合もあります。つまり、「生かすも殺すもあなた次第」なのです。今回書いたものはほんの一部。他にもいろんな視点でゲームの魅力を書いた本が今日発売されました。ゲームの「良い面」やその効果について、実体験を踏まえて一つひとつ丁寧に解説しています。 また、脳科学者の茂木健一郎さんをはじめ、さまざまなの分野の識者との対談を通じて、ゲームの魅力や効果をあらゆる側面から考察しました。もしよければ手にとってみてください。ゲームをネガティブに考えず、広い視点を持って、その魅力をぜひ最大限に活用してほしいです。ゲームはたくさんのことを教えてくれる「ツール」だから。(@nagomiobata)(@nagomiobata)
2019年05月22日千葉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報BRIDGE3では、ビジョントレーニングをはじめとした身体発達トレーニング、教材や教具を使った認知発達トレーニングと学習支援、心の成長を支援するパーソナルトレーニング、この3つを柱として支援が行われています。日々の課題は、お子さまの発達段階と個別支援計画に基づき、ごほうび課題(自分で既にできる課題)とチャレンジ課題(サポートがあればできる課題)を組み合わせながら、設定されています。子どもたちの「未来」のために、その子が生まれてきた「家族」、生きていかねばならない「社会」へも架け橋となりたい。そんな想いが、施設の名前である「BRIDGE」には込められています。千葉県の放課後等デイサービスをもっと見る栃木県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報運動学習指導教室トータスジュニア簗瀬では、トータス独自の専門的プログラムで、就園から就学までの切れ目のない支援が行われています。運動・学習・あそびを通じたさまざまな体験、学習、仲間との交流などから、「できた!」という成功体験を重ね、日常生活における基本動作を身につけたり、考えること、挑戦すること、コミュニケーションの楽しさを伝えたりしています。また、職員も日頃の療育・教材の考案・支援指導についての勉強をしたり、外部療育研修を受講したりすることで、スキルアップにも力を注いでいます。栃木県の放課後放デイサービスをもっと見るいかがでしたか?気になる施設がありましたら、「~のページをもっと見る」のボタンを押すと、より詳しく施設の情報をみることができます!「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせができます。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができるので、ぜひお住まいの地域のページをチェックしてみてください。
2019年05月21日みなさんは、「発達のマイルストーン」という言葉を聞いたことがありますか? 「発達のマイルストーン」は、赤ちゃんの発達がどの段階まで進んでいるかを判断するための目安をいいます。目安はあくまでも目安ですが、どの時期に何ができるか、語呂合わせで覚えるのも楽しいかもしれません。今回は、1歳までの赤ちゃんの発達の目安と覚え方を紹介します。 首すわり赤ちゃんの首のすわりは、出生時の状態や発育環境などの影響を受けやすいといわれています。厚生労働省が平成22年に調査し、平成23年に報告された結果によると、生後4カ月以上生後5カ月未満の赤ちゃんのうち、約90%以上の赤ちゃんで首のすわりが確認できることから、生後4カ月が一般的な目安とされています。 赤ちゃんの首がすわる時期の目安は、生後4カ月。「首がしっかり(4カ月)すわる」で覚えます。 寝返り赤ちゃんが寝返りをし始めるのは、平均的にはだいたい生後5カ月~6カ月のころといわれています。ですが、寝返りの時期は意外に個人差があり、もっと早くする子もいますし、生後8カ月になろうとするころにようやく寝返りし始めたという子もいます。 赤ちゃんが寝返りできるようになる時期の目安は、生後5~6カ月。「ゴロゴロ(5,6カ月)寝返り」で覚えます。 おすわり赤ちゃんのおすわりの時期は、生後7カ月~8カ月ごろといわれています。誰かが支えてあげるとおすわりができるようになるのが生後6~7カ月、生後7~8カ月になるとひとりでおすわりできるようになります。 赤ちゃんのおすわりの時期の目安は生後7カ月ごろ。「なんとか(7カ月)おすわり」で覚えます。 ハイハイ赤ちゃんがハイハイをし始める平均的な時期は、生後7~8カ月のころだといわれています。いきなり膝をついてハイハイをするというよりは、腹ばいになってバタバタもがいていたり、くるくると回転してみたり、または後ずさりしようとしたり、ずりずり進もうとしたりという動作が見られるようになってきます。 赤ちゃんがハイハイをし始める平均的な時期は、生後7~8カ月。「なんて(7カ月)はやい(8カ月)ハイハイ」で覚えます。 つかまり立ち赤ちゃんがつかまり立ちを始める時期は、だいたい生後7カ月から生後11カ月ごろが目安ですが、早い子は生後6カ月くらいから、遅い子では1歳ごろで始める子もいます。 つかまり立ちの目安は生後7カ月から生後11カ月。少し目安の幅がありますが、「きゅっ(9カ月)と掴んでつかまり立ち」で覚えます。 つたい歩きつたい歩きは個人差が大きく、生後7カ月から1歳過ぎに始まるといわれています。早くから歩くことに興味があり、ハイハイをあまりせずにつたい歩きを始める赤ちゃんがいたり、それとは反対にハイハイが好きで、つたい歩きにあまり興味を示さない赤ちゃんもいます。 つたい歩きはの目安は、生後7カ月から1歳過ぎ。こちらも少し目安の幅がありますが、「ひといきに(11カ月)つたい歩き」で覚えます。 たっちそして、生後12カ月前後で、ひとりでたっちができるようになります。たっちができるようになると、いよいよあんよが始まりますね。 ひとりで立てるようになる目安は1歳前後。「いちにんまえ(12カ月)に一人立ち」で覚えます。 今回ご紹介した覚え方は、あくまでも成長・発達の目安です。赤ちゃんの成長・発達には個人差があり、今までできなかったことが急にできるようになることもあります。ほかの赤ちゃんと比較するのではなく、あせらずゆっくり長い目で見守ってあげられるといいですね。※参考:ベビーカレンダー「赤ちゃんの首すわりはいつ?練習は必要?確認の方法と遅い場合の対処法について」「寝返りはいつから?赤ちゃんの寝返りの時期と注意点」「赤ちゃんが寝返りをしなくても大丈夫?練習は必要?寝返りしない原因と対処法について」「赤ちゃんがお座りをする時期はいつ?練習は必要?お座りのコツとは?」「赤ちゃんのハイハイはいつから?練習は必要?ハイハイの種類や注意点について」「赤ちゃんがつかまり立ちを始めるタイミングはいつ?時期の目安や練習について」「つたい歩きはいつから?靴下や靴はどうする?練習は必要なの?」
2019年05月20日空まで飛んで行きたいな小さい子向けの箱ブランコが窮屈になってきたサンちゃん。大きい子向けのブランコに乗ってみるも、なかなか姿勢を保って乗り続けることが難しい様子で、すぐずり落ちてしまうから、お腹をのせてユラユラしていたり。やっぱり、ビュンビュン勢いよく揺らせる、いつものブランコが楽しいよね…。そんなサンちゃんをそっと見守る大きい子向けのブランコくんがいました。果たしてサンちゃんとブランコくんは仲良しになれるのでしょうか…?Upload By たなか れもんUpload By たなか れもんUpload By たなか れもんサンちゃんはこれくらいのことではへこたれないよ!これからもよろしくね、ブランコくん。
2019年05月20日今年も運動会シーズンがやってきました。「お父さん、お母さん、がんばったよ!」、我が子がそう笑顔で言ってくれたら、親として嬉しいですよね。でもせっかく走るのならば、「少しでも速く!」――お子さまも親御さまもそう思っているのではないでしょうか。そこで今回は、運動が苦手な子どもが主役の運動教室『スポーツひろば』代表である西薗一也先生に、速く走るコツをお聞きしました。子どものかけっこは言葉かけで速くなる!?西薗先生よると、幼稚園~小学校低学年の子どもの場合は、テクニックだけでなく、「親の言葉かけ」でも速くなるのだそう。「子どもにとって親の言葉かけはとても重要です。言葉かけだけでも十分速くなりますよ。まず、お子さまとかけっこの練習をするときは、とにかくたくさん褒めてあげてください。そして、子どもにわかりやすい言葉を意識して使いましょう。『頑張って速く走ろうね!』といった抽象的なアドバイスでは子どもはどうやって頑張ったら速く走れるのか、理解ができません。電車が好きなお子さまであれば、『次は特急電車のスピードで走ってみよう!』などがいいでしょう。また、練習時間は短めに。かけっこは(フォームも大切ですが)全力で走ることがポイントです。それなのに、長い時間、練習をさせてしまうと、子どもの集中力や体力が落ちてしまうのです。短期集中で頑張ってくださいね」この3つのポイントですぐに速くなる!速く走るためのテクニックがたくさんある中で、西薗先生が「まずはこの3つに気をつけるだけでかけっこが速くなる」という言葉かけポイントをご紹介します。■「スタートからゴールまで、ずっと前を見ていよう!」当日はもちろん、練習中でも、お父さんやお母さんの顔をチラチラ見てしまう子は多いそう。そうすると、集中力もキープできませんし、スタートダッシュも遅れがちです。「ヨウイ!」のときから走り終わるまで、よそ見をせずにまっすぐ前を向いて走るように練習してみてください。キョロキョロせずに走るだけで、タイムが全然違います。■「ゴールの3メートル先まで走ろうね!」ゴール地点を目指して走ってしまうと、ゴール直前でスピードが落ちてしまいます。すぐには止まれないくらいの勢いで駆け抜けましょう。ゴール直前で、1人お友だちを追い抜くくらいの気持ちが大切です。「もし一番でなかったとしても、最後まであきらめずに走ったらかっこいいよね!」など、練習中の声かけも忘れずに。■「100%の力で走ろうね!」練習のとき、「今の走りは何%の力だった?」と聞いてみてください。「う~ん、70%くらいかな」と子どもが答えたら、「じゃあ次は100%の力で走ってみようか!〇〇君(〇〇ちゃん)ならきっとできるよ」と伝えてあげてください。そうすると、ほとんどの子どもが1回目よりも速く走れるのです。もちろん、「すごい!さっきよりも速くなってるよ」としっかり褒めてあげてくださいね。そして、このアドバイスのほかに、もうひとつ大事なことがあるようです。西薗先生は、「練習中にできないことがあったとしても、子どもを責めないで」と話します。「子どもたちは一生懸命頑張っているんです。もしかしたらその子は、かけっこがあまり好きではないかもしれない。でも、速く走るために、頑張って練習をしているんです。それなのに、大好きなお父さんやお母さんに、『なんで前を向けないの!』『ゴールの3メートル先まで走る、って言ったでしょ』なんて言われたら、悲しくなってしまいます。できなかったことを責めるのではなく、できたことを見つけて褒めてあげてください。『さっきより集中できていたみたいだね』『ゴールで止まらず走れたね。よーし、次はもっと駆け抜けるイメージで走ってみようか』と、少しでもできたことを褒めてあげれば、子どものやる気は持続しますから」かけっこが今より速くなるテクニック!次に、実際に走る際のポイントも教えてもらいました!上述した内容も含め、スタートからゴールまでの流れでご説明しましょう。【スタート時】①前を見る前方を見つつも、あごを突き出さないように注意しましょう。②手の握り方は生卵が割れないくらいの力加減③肘は「小さく前へならえ」の角度④1歩目に出す足を決めておく「ヨウイ!」と言われたときに自然に引いたの足が一歩目の足です。スタートから3歩が非常に重要なので、練習をするときは、スタートから5メートルだけをたくさん練習しましょう。⑤体に力を入れすぎない全身に力が入ってしまうと、すぐに体が動かず、スタートダッシュが遅れてしまいます。脱力したポーズが◎。⑥スタートの音をよく聞く「ヨウイ!」のとき、スタートの姿勢をつくった状態で目を閉じます。そして、「ドン!」の合図で目を開け、一歩を踏み出します。本番前に何度か練習しておくといいでしょう。【走り方】①腕を後ろに大きく振る腕は前に振り上げるときは小さく、逆に後ろに引くときは大きく引く。腕を大きく振って、肘の後ろでたいこを叩くようなイメージです。腕の振りが速いと足も速く動きますよ。②かかとは地面につけず、つま先で走るかかとが地面についている時間が長くなると、ドスンドスンとした走り方になり動きが遅くなってしまいます。タッタッタ!と軽やかに走れるといいですね。③ゴールの3メートル先まで走る④100%の力で走るかけっこが速くなる簡単トレーニングかけっこ練習のほかにも、自宅でできるトレーニングを西薗先生に教えてもらいました。走るときの歩幅が広がると、かけっこが速くなるのだそう。太ももや腰を鍛えて、一歩一歩を大きく踏み出しましょう。2つとも室内でできるトレーニングです。親子で楽しくやってみてくださいね。【太ももを鍛える】アキレス腱を伸ばす形から、徐々に膝を下げ、次にゆっくり元の姿勢に戻ります。1日、左右5~10回ずつやってみてください。かけっこに使う筋肉がつきますよ。【お尻歩き】膝を伸ばして、お尻で歩きます。2メートルくらい前に進んだら、今度は後ろに下がりましょう。ポイントは上半身の姿勢を保つことです。かけっこで本当に大切なこと最後に西薗先生にかけっこの一番のポイントを聞いてみました。「本当に大切なことは、『これ以上速く走れない!』というくらい全力で本気で走ることです!かけっこの順位なんて、どうでもいいのです。私は、教室に来てくれている子どもたちにいつも話しています。『一番かっこ悪いのは、ビリになることじゃなくて、全力で走らないことだよ』と。だから、お父さんお母さんも、ぜひ『全力で走ったこと』をたくさんたくさん褒めてあげてください。きっとその子の自信になるはずですし、かけっこが好きになると思いますよ。」***ご自身も小学校のころは “大きめ体型” で、運動が得意ではなかったという西薗先生。「だからこそ、運動があまり好きじゃない子に、運動の楽しさを知ってもらいたいのです」と話していました。今回、こどもまなび☆ラボ読者の親子(小1、小2)に協力をお願いしたのですが、練習を見守っているお母さんが、「そうじゃないでしょ」と言いそうになり、言葉をグッとこらえる、という場面が印象的でした。そして、西薗先生にたくさん褒めて(本当に小さなことでもかなり褒められていた)もらった2人は、実際にかけっこが速くなったそうですよ!【プロフィール】西薗一也(にしぞの・かずや)株式会社ボディアシスト取締役。スポーツひろば代表。一般社団法人子ども運動指導技能協会理事。運動が苦手な子どもを対象にした体育の家庭教師の事業をはじめとして、子ども専用の運動教室の開設や発達障害児向けの運動プログラムの開発など、新たな体育指導法の普及 に幅広く取り組む。著書に『発達障害の子どものための体育の苦手を解決する 本』(草思社)『うんどうの絵本』(あかね書房)。運動が苦手な子のための運動教室『スポーツひろば』運動を心から楽しめる!諦めない心を育てる!スポーツひろばは『心を育てる』運動教室です。『うんどうの絵本かけっこ』(あかね書房)監修:西薗一也絵:左藤芳美かけっこが速くなるコツがたくさん詰まっています。とても分かりやすい内容なので、練習前にぜひお子さまと一緒に読んでみてください。体の使い方だけでなく、親の声かけの仕方も詳しく載っており、大変ためになりますよ!【SPECIAL THANKS】『NPO大江戸』ちょっとのコツで速くなる「かけっこ倶楽部」はいつも大盛況!理事長の橋本直和さん、理事のえびさわけいこさんインタビューはこちら。
2019年05月19日子育てフェスタで「子育てあるある」エピソード募集Upload By 発達ナビ編集部発達が気になるお子さんとの毎日は、楽しいこと、うれしいこと、そしてちょっと大変なこと…いろんな出来事があり、ママパパの心も膨らんだり、ときにはしぼんでしまったりすることもあるのではないでしょうか。そこで編集部は、2019年3月に開催した「子育てフェスタ2019」の会場で、「発達凸凹キッズあるある募集」と題し、エピソードの募集をさせていただきました。そこで集まったエピソードからいくつか厳選し、発達ナビの連載ライター陣によってコミックエッセイ化し、2回に分けてご紹介します。後編となる今回は、子育ての一場面を切り取った、3つの「成長エピソード」をご紹介します。イスに座ることも拒否だった娘、療育に通って2年の変化(4歳の女の子)Upload By 発達ナビ編集部4歳になる娘には知的障害があり、発語はありません。2歳で療育に通い始めたころは、ギャーギャー泣いてしまい、椅子に座ることすら難しい状況でした。Upload By 発達ナビ編集部今では、洋服の脱ぎ着でも協力動作ができるようになりました。また、要求のサインとして、両手をパチパチと叩くこともできるように。身辺自立や、自分の気持ちを伝えることが少しずつできるようになっています。今でも発語は難しいけれど、だからこそ、親としては感動の成長です。エピソード提供:Rさん(4歳の女の子のママ)就学前検診で「友達はいないよ」。ドキッとしたけれど…!(5歳の男の子)Upload By 発達ナビ編集部ASD(自閉症スペクトラム)のある息子と、就学前検診の二次検査に行ったときのことです。面接官の先生から「お友達はいますか?」と聞かれた息子は、なんと「いないよ」と答えたのです…。Upload By 発達ナビ編集部私は焦って「〇〇ちゃんは?」「〇〇くんは?」とお友達の名前をあげました。すると息子、「〇〇ちゃんや〇〇くんは、なかま!」ときっぱりと答えたのです。「(クラスメートは)なかま」というのは、保育園の先生が使っていた言葉です。クラスメートのことを認識しておらず「いないよ」と言ったのではなく、先生の言う「なかま」という言葉を理解していたんだなぁと、うれしくなりました。エピソード提供:F.Tさん(9歳の男の子のママ)※エピソードは5歳当時のものとなります一緒に歩く相手のことを思いやれるように(小学4年生の男の子)Upload By 発達ナビ編集部小学4年生の息子には、ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠陥・多動症)などがあります。以前は周りの人のことをあまり意識することができず、何かしてもらってもお礼が言えなかったり、人に合わせて歩いたりということは難しかったのですが…。Upload By 発達ナビ編集部最近、成長を感じられる場面がいくつかありました。自分の気持ちが落ち着くと、お礼が言えるようになったのです。また、私が「足がいたいの」と伝えると、歩く速さを合わせてくれるようにもなりました。エピソード提供:Jさん(小学4年生の男の子のママ)イラスト:かなしろにゃんこ。
2019年05月17日子育てフェスタで募集した「子育てあるある」エピソードUpload By 発達ナビ編集部発達が気になるお子さんとの毎日は、楽しいこと、うれしいこと、そしてちょっと大変なこと…いろんな出来事があり、ママパパの心も膨らんだり、ときにはしぼんでしまったりすることもあるのではないでしょうか。それぞれのご家庭でのエピソードを集めたら、きっと「わが家と同じ!」「懐かしいなぁ」「なんだか自分のことみたいにうれしい」と共感いっぱいで読んでいただけるのではないか…?そこで編集部は、2019年3月に開催した「子育てフェスタ2019」の会場で、「発達凸凹キッズあるある募集」と題し、エピソードの募集をさせていただきました。そこで集まったエピソードからいくつかを厳選し発達ナビの連載ライター陣によってコミックエッセイ化したものを、2回に分けてご紹介します。3歳児健診がこわい…先延ばしにしていた日々発達が気になる息子は、ASD(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠陥・多動症)の傾向があります。そんな3歳の息子のことです。3歳児健診のお知らせが届いたけれど、私は「行きたくない」という気持ちでいっぱいでした。息子の発達に気になるところがあり、健診に行けば必ず指摘をされるだろう、と分かっていたからです。息子には何らかのフラグが立ってしまう。そうしたらきっと行政機関にも連携されてしまうだろう。それがどうしても受け入れられず「健診で出される課題もクリアできるようになってから受けたい」と思っていたのです。そんな思いを抱きながらネットで情報を探し、発達ナビのサイトでもたくさんのコラムを読みました。民間療育施設の体験にも行ってみました。1回のセッションで驚くほど変化が見られたこともあって、私の中で少しずつ、「発達障害」に対しての心理的ハードルが低くなり、療育の必要性も感じるようになっていったのです。療育できる施設に通うには、受給者証が必要だと知るUpload By 発達ナビ編集部療育の必要性を感じ始めた私は、どうしたら受けられるのかを調べました。すると、療育をしてくれる施設(児童発達支援事業所)へ通うには、通所受給者証が必要だと分かったのです。そしてこの受給者証をとるためには、お医者さまの意見書が必要だとも知りました。「子どもの発達を指摘されるのがイヤ」という気持ちから、「療育を受けさせてやりたい」という気持ちに変化してきた私は、ようやく、ずっと先延ばしにしていた3歳児健診を受けに行く決意ができたのです。ようやく向かった3歳児健診…でも、大暴れで診察を受けられずUpload By 発達ナビ編集部3歳児健診に行こう。そして、発達についての意見書を書いてもらおう。そう考え向かった3歳児健診。ところが…いつもとは違う私の緊張感を察知したのか、息子は逃げ回ったり、大暴れしてしまったのです。診察ができない状態のままUpload By 発達ナビ編集部結局、診察もままならず、受診不可に…。私は、「あぁ、この子には本当に療育が必要だ」と強く思いました。そして力尽き、その場で涙してしまいました。先生は、(大暴れしたため診察も難しかったという)そのときの状況を意見書に書いてくださいました。Upload By 発達ナビ編集部興奮してイキのいいマグロのような状態の息子を抱えるようにして病院を後にしました。そして「このままじゃダメだ」と、その足で息子を保育園に預け、お医者さまに書いていただいた意見書を手に役所に向かいました。役所で知ったのは、行政の療育施設経由の受給者証申請だと希望者が多く半年はかかるということ。そこで、すぐに手続きが完了するセルフプラン(※)で申請することにしました。窓口の担当者の方にも発達障害傾向のお子さんがいるということで意気投合し、丁寧にセルフプランの描き方を教えてくださったおかげで、1時間程度で手続きも終了。翌週には通所受給者証を手にすることができました。※障害福祉サービスを利用するには、指定特定相談支援事業者・障害児相談支援事業者が作成するサービス等利用計画等が必要になります。相談支援事業者に代わり利用者や家族、支援者が「セルフプラン」を作成することもできます参考:【児童発達支援・放課後等デイ】受給者証はどうやって取るの?現在、療育施設に通い始めて2か月。療育の効果は少しずつ感じることができています。結局受診不可だった3歳児健診には再訪できておらず、はっきりした診断名がついたわけではありません。でも、息子に必要なことを積極的にできている今は、以前のような漠然とした不安はなくなりました。あのマグロ事件も、私の背中を押すための息子の作戦だったのでは――そんな風にも感じています。エピソード提供:TSさん(3歳の男の子のママ)イラスト:ひらたともみ
2019年05月17日進級準備で息子が選んだ筆箱はUpload By アマミモヨリお母さんになって10年になりますが、わたしは息子(ヒルマ)のことがよくわかりません。それはきっとヒルマが赤ちゃんの頃から、何かと予想通りに行かず、途方に暮れてきた実績があるからだと思います。だから息子が選んだ真っ黒なだけの筆箱の、カッコよさがわからなかったときも、特に気にしなかったのです。その筆箱がカッコいい意外な理由「カッコいい理由」がわかったのは、筆箱についている帯を外して、名前を書こうとしたときでした。あわててヒルマが言ったのです。Upload By アマミモヨリおどろきました。ヒルマは筆箱についていた、紙製の帯が気に入っていたのです。「いや、これね、フツーは外して使うやつだから~」そう言って笑い飛ばせたらどんなに楽でしょう。発達凸凹さんのヒルマにとって、こんな風に思っていたのと違うってことが、ひどく受け入れ難いことのようなのです。思っていたのとちがう!そのとき母は…こんなとき、わたしの頭はフル回転します。ヒルマの地雷を踏まないように、動揺を悟られないように、慎重に考えます。Upload By アマミモヨリヒルマがシールと思っている帯は、実際には紙を巻き付けてあるだけなので、すぐに外れてしまいます。透明なフィルムで、筆箱ごと包んでしまおうかとも考えました。でも…。と、そのときふいに思ったのです。それってやっぱり違うかも。とにかく説明してみよう冷静に思い直したわたしは、とにかく説明してみることにしました。Upload By アマミモヨリ筆箱の帯は、お店で目立つために付いていること。このまま使ってもいいけれど、すぐにやぶれてしまうこと。そしてこれからは買う前に、「この部分は外して使うよ」って教えるねと約束しました。すると──思いがけない息子の反応Upload By アマミモヨリ説明を聞いたヒルマは、「はずしていいよ」とすんなり納得。「はずしてもカッコいいから」と笑顔です。その反応にわたしはビックリ!だって筆箱を買い替える覚悟でしたから。その夜、さっそく夫に報告しました。Upload By アマミモヨリゆずれない困りごとが減っていく。出来なかったことが、出来るようになる。小さな一歩がこんなにもたくさんあるから、これってラッキーだなあって、今ではおだやかにそう思えます。進級準備もあと少しさて、進級準備も残すは赤白帽に名前を書くだけというときのことです。帽子から値札を取ろうとすると、すかさずヒルマが言いました。Upload By アマミモヨリえ!値札も!?いやいやいや、赤白帽に値札つけたままかぶっている子、見たことないから!Upload By アマミモヨリ「¥700」と印字されただけのシールのどこが、息子を魅了するのでしょう。筆箱のときと同じ説明をくりかえしながら、わたしはやっぱり息子のことが、さっぱりわからないと思うのです。生後から小学校入学までの葛藤の日々と、実体験を通して学んだ、親子が笑顔でいられる習慣や暮らしの工夫を伝えるエッセイ。発達障害、グレーのお子さまを持つママはもちろん、すべてのママにすぐに役立つヒントが満載。
2019年05月14日ADHDがある息子は、運動が苦手Upload By かなしろにゃんこ。息子リュウ太は、小学生の頃「跳び箱が跳べないから体育に参加しない」「徒競走はいつもビリ」というように“運動センス0男子”でした。他の子と比べて体幹が育っていなかったうえ、ボディイメージも悪く、思った通りに体が動かず、体のバランスをとるのも下手…。近所の同年代の子たちと遊んでいても、鬼ごっこや追いかけっこでみんなのようにうまく逃げることができなくて、「またボクが鬼!?もうやだ!」と、ふてくされて家に帰ってきていました。このような状況になると、「鬼にならないように、次はうまく逃げよう」「もっといい場所に隠れよう」というように、失敗をくり返しながら試行錯誤して体が鍛えられていくものですが、息子の場合は「家でゲームしよ~っと!」と、簡単にやめてしまっていました。少しでも運動してほしくて、ボール遊びに誘ってみることにUpload By かなしろにゃんこ。息子に少しでも運動してほしくて、ボール遊びに誘ってみたのですが…。ボールを蹴るのも下手なので、球をうまく追いかけられず、すぐにヤル気をなくしてしまいます。うまくいかないと「ボクが蹴りやすいように蹴り返してよ!」と怒られるのですが、私も息子にいいボールを蹴ってあげられなくて、想定外の場所にボールがとんでいっては親子でグダグダに…。そうなると、息子は「ボク、もうやめる」と言って家に入ってしまっていました。「自分は何をしてもうまくいかない…」という感じで、なかなかヤル気を出してくれない息子。何か良い方法はないかと考えていたとき、実家の押し入れから、私が若い頃に使っていた軟式のテニスラケットが出てきたのです。Upload By かなしろにゃんこ。私は昔、友だちとふざけながらこのラケットでよく遊んでいました。友だちが架空のテニスプレーヤーになりきって、自分でプレーしながら自分の実況をするという遊び方をしていて、これが本当におもしろかったのです。そのとき「そうだ!コレだわ!」と、ピーンときました。そこで息子に、「お母さんと一緒にテニスやろう!」と誘ってみました。テニスといってもルールなどを設けず、ボールを打ち返して相手のコートに入れるという超シンプル・ルールのなんちゃってテニスです。「うん、べつにいいけど」とあまりノリノリではない返事でしたが、とりあえずやってみることはできました。でも、小学生の息子にはラケットも大きくて扱いにくく、うまく打ち返せず、「もう飽きた」と早々にリタイア。どうしたら楽しんでテニスができるだろう?いろいろ考えた結果、息子のプレーに母が実況をつけることにしました。息子と一緒に「テニス実況遊び」。さて、反応はいかに…?Upload By かなしろにゃんこ。私は息子を“リュウ太選手”と呼び、スポーツ実況のマネをして応援しながら打ち合うことにしました。空振りしても転びそうになっても「おーーっとリュウ太選手、惜しい!」と、”そのプレーはダメじゃない、ガッツがある”と絶賛する声かけを続けました。実況されると息子も嬉しいようで喜びます。これがきっかけで、選手になった気分なのか?下手でもプレーを楽しむようになりました。そして、それまでとは打って変わって、「お母さん一緒にテニスやろう!」と自分から誘ってくるようになったんです。この”実況つき”親子テニスは、小学校4年生の夏から6年生まで続けました。最初はボールを打つことやボールを追うことが難しかったのですが、少しずつ打ち返せるようになってきたり、ボールを追うことで足腰も鍛えられてきたように思います。ホメてホメてホメまくる!実況中継に恥じらいはご法度Upload By かなしろにゃんこ。実況しながらのプレーは、結構大変です。でも、これでスポーツへの抵抗感がなくなってくれるのなら…!っていう思いで、親子テニスを楽しんでいた3年間は、ひたすら実況し続けました。もちろん、テレビのスポーツ実況中継みたいにはいきません。息子が「なんか俺、めっちゃ褒めちぎられてるゾ」と思えるような言葉を並べただけの、なんちゃって実況です。はじめのうちは、家のそばを通りがかった人に聞かれたりすると恥ずかしいので、人が通るときは実況を中断…すると息子はすかさず、「お母さん実況やめないで!早く言ってーー!」と要求(汗)「人に聞かれたくないんじゃい!それに実況コメントのネタ尽きたんじゃい」と思っていた母でありますが…、そのうち息子と外で遊ぶときだけは母もなりきって遊ぼうと腹をくくりました。だって、恥じらいの気持ちがあると、コレできないんですもん(笑)実況つき親子テニスの効果や、いかに…?Upload By かなしろにゃんこ。おかげさまで息子はすっかりテニスが好きになりました。中学に入ると、早々に「オレ、テニス部に入ったから」と言うじゃないですか!運動オンチだった息子が運動部に!?…意外すぎました。どうやら息子は、「テニスならオレに任せろ!」と完全に信じ切っていたようです。でもコレってすっごく大事なことだと、私も実感できました。テニスを通して、息子は体の動かし方を体得したり、運動への苦手意識もなくなっていったからです。ところで…実際にテニス部の練習が始まると「こんなに厳しいの!?」と朝夕の練習に悲鳴をあげて驚いたことは言うまでもなく(笑)遊びでやっていた親子テニスとは違った!と気がついたようです。
2019年05月13日多様な経験を、支援に生かそう。福祉の仕事の基礎知識を得られ、複数の事業所と出会えるイベントを開催Upload By LITALICOキャリアLITALICOはこれまで、発達が気になる子どもの支援や、障害のある方の就職支援を通して、4万人以上の方に関わってきました。その中で感じたのは、支援する「人」の想いで、関わる人の可能性がひろがるということ。そして、支援する「人」が幸せでいることが、関わる人の幸せにつながるということ。だから私たちは、この業界で支援する「人」を増やし、想いがあって、多様な経験のある人に、この業界に関わり続けてほしいと思っています。もっと自分らしく働ける場所、困難のあるひとへのサポートが自分自身の幸せにつながる場所を見つけませんか?2019年2月に新たにオープンした、発達ナビの姉妹サイト「LITALICOキャリア」は、障害福祉・児童福祉分野に特化した求人サービス。ここでは、支援の仕事に新しく挑戦したい方、またこれから福祉業界に就職したい学生の方向けなど、「LITALICOキャリア」が開催するさまざまなイベント情報をご紹介します。【5・6月開催】LITALICOキャリア イベントラインナップUpload By LITALICOキャリア障害のある方の「働く」を支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援事業を展開する法人のブースを多数出展・就労支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア発達が気になる子どもを支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・発達支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア【2020卒対象】フクシに興味のある学生大集合!LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・これで安心!福祉の就活まるわかり塾・新卒3年目以内の職員が語る!福祉のしごとのリアル・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア<イベント内容>・個別支援計画の考え方を知る/自分が実現していきたい支援や貢献について考えるワークショップ・児発管・サビ管として働く参加者同士でざっくばらんにお話しできる座談会・業界専門のキャリアアドバイザーに相談できるおしごと個別相談会「自分らしく働く」を考えるきっかけに発達が気になる子どもの「できた!」という笑顔を増やす。働くことに困難がある人の「働く喜び」を一緒に分かち合う。「LITALICO」キャリアで開催するイベントのテーマである発達支援・就労支援はそんな魅力ある仕事だと考えています。各イベントが「自分らしく働くとは?」を、一緒に考えられる機会になればと思います。みなさまのご来場をお待ちしております!▼LITALICOキャリアのサイトはこちら▼
2019年05月11日発達が気になる小学生の保護者の「知りたい」を詰め込んだ本に小学校生活では、勉強や友人関係、学校のきまりや行事など、さまざまな場面で「困った!」を感じるお子さんや保護者の皆さんも多いのではないでしょうか?出版社・すばる舎は、発達が気になる小学生の家庭生活から学習まで、さまざまな「困りごと」を解決するヒントを詰め込んだ本を制作しています。この書籍の制作にあたり、発達ナビ編集部も制作協力を、発達ナビのコラムの監修をしてくださっている井上雅彦先生も総監修としてかかわることになりました。Upload By 発達ナビ編集部そこで、発達が気になるお子さんを育てる保護者の皆さんから、子育ての中で感じている不安や疑問からご家庭での工夫まで、さまざまなご意見をいただき、よりニーズに合う内容の本にしたいと考えています。勉強・友達・家庭生活…どんなことに困っている?何が知りたい?アンケートを実施Upload By 発達ナビ編集部この本では、次のような内容について、具体的な困りごととその背景にあるもの、対応方法などを紹介していきたいと考えています。●家庭生活・身辺自立●学習・運動●学校・集団生活●人間関係●お金・時間・気持ちのコントロール「わが家では特にこれが困っている」「こんな風にしたらスムーズにできるようになった」といったさまざまな声を生かした本にしたいと考えています。ぜひ皆さんの声を寄せてください!【対象】5歳~15歳のお子さんを育てる保護者※該当するお子さんが2人以上いらっしゃる場合は、まずはお一人についてご回答ください。2人目以降のお子さんについては、お手数ですが再度フォームにご回答いただければ幸いです。【回答期限】2019年5月17日(金)本アンケートは、無記名で選択式及び記述式となっており、所用時間は15分程度です。
2019年05月10日出産前、私は子どもが生まれたら「布おむつで育てたい」と思っていました。エコだし、節約にもなる。何よりも、布おむつを替え、洗濯をするということ自体が、子育てならではの体験でおもしろそうだと思っていました。 現代は紙おむつが主流ではありますが、昭和40年代生まれの私にとって布おむつは身近でちょっと懐かしい育児アイテムです。そんな私が2人の子育てでやってみた、布おむつ育児のエピソードをお話ししたいと思います。 ゆる~い「布おむつ育児」布おむつ育児と言っても、完全布おむつ育児ではありません。外出時、下痢など子どもの体調の悪いとき、私が疲れているときは紙おむつで過ごし、家にいるときは布おむつ。紙おむつを併用しながら、ゆるく、ストレスにならない程度に布おむつで育児をする「ゆる布おむつ育児」という感じでした。そのほうが無理なく布おむつ育児を楽しめると思ったからです。 たまたま友人から使わなかった布おむつセットをもらったので、布おむつの初期費用はかかりませんでした。自分で買った物は、使った布おむつを入れるバケツだけです。 布おむつカバーを手作りしたい!布おむつ育児をするにあたって一番やってみたかったことは、布おむつカバーを作ることでした。私は裁縫は得意ではありませんが、市販の布おむつカバーで気に入った柄があまりなかったので、自分で作ってみたいと思ったのです。 長男を妊娠中に本を見ながら、家にある布と余っていたフリースで私が作った布おむつカバーは1枚。一生懸命作っている時間はとても楽しく過ごせました。さらに裁縫が得意な私の母が3枚作ってくれたので、長男の出産前には布おむつカバー4枚が用意できました。 生後2カ月後半から布おむつ育児スタート新生児のころはおむつを頻繁に替えるので、おしっこやうんちの回数が少し落ち着く生後2カ月後半から布おむつ育児を始めました。おむつ交換のときに、洗剤を入れて水を張ったバケツに交換した布おむつを入れておき、1日に1回布おむつを軽くゆすいでから洗濯機で洗濯するだけだったので、思っていたよりも楽でした。 うんちのときも軽くもみ洗いするだけで簡単によごれが落ちたので、洗濯が大変だとは感じなかったです。それよりもおむつ交換のたびに、手作りのおむつカバーを見て「かわいい」と思えることで、おむつ交換がとても楽しみな時間になりました。 長男・次男2人とも生後2カ月後半から2歳までゆる布おむつ育児をしたのですが、次男のときは布おむつカバーを作る技術も上がり、自分でも納得のいくおむつカバーを作れるようになりました。お金を払って布おむつカバーを買ってもいいのですが、自分の好きな柄の布で手作りをしたことで、とても愛着がわきました。布おむつ育児は、いい思い出の1つです。 著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2019年05月09日発達障害の娘が小学5年生から始めた、進路選び主治医から、小学校卒業後の進路選択についての話をされたことをきっかけに、いろんな可能性、選択肢を広げるためにも、調べて・考えておこうと決心しました。でも、いろいろと調べるうちに、頭の中は疑問でいっぱいに…。そこで、実際に学校を訪れてみよう、この目で見てみようと考えるようになりました。地元の公立中学の見学に行く主治医から進路について聞かれて暫くしたころ、近隣の公立中学校の文化発表会がありました。私たちの住む地域では小・中学校一貫カリキュラムの一環として、高学年になると校外学習で近隣中学の文化発表会を見に行くことになっています。中学校の部活の様子や有志生徒による舞台パフォーマンスを見た娘は「小学校との違いに驚いた!中学生ってスゴイ」と楽しそうに話しました。当時、家庭や学校での娘の障害に対する認識不足と、クラスメイトからのいじめなどで辛い毎日を送っていた娘が「中学は楽しそう」と前向きな気持ちになってくれたことを私は嬉しく思いました。また、私たちの住む地域では「学校へ行こう週間」というものがあり、期間中は公立校の生徒や保護者に限らず、地域の住民、これから入学を考えている子どもや保護者などが、学校を見学できるようになっています。これは教育委員会が「保護者や地域の住民の学校に対する一層の理解と支援の醸成を図り、開かれた学校づくりの推進に向けた、各学校の主体的な取組を充実するため」に設定したものです。娘の話を聞き、ちょうどその時期に実施されていた「学校へ行こう週間」を利用し、私も近隣中学校への見学に行ってみることにしました。生徒達の「普段の様子」を見る最初に訪れた公立中学校は、こぢんまりとした学校で、学年により多少の差はあれど比較的落ち着いた雰囲気でした。生徒が来校者に自然と挨拶する休み時間に、廊下に設置してあるベンチで生徒がくつろいでいるちょっとしたことですが、このような風景は実際足を運んでみないと分からないことです。特別支援学級を見学中学1年生から3年生までのクラスを一通り見学した後、私は特別支援学級の教室を訪ねました。担任の先生に見学できるか確認すると、大丈夫とのことだったのでしばらく授業の様子を見学しました。見学の後、先生は私とのお話(特別支援学級の説明)の時間を取って下さいました。その対応からも、その学級が落ち着いていることが見てとれました。私は「入級するかどうかは分かりませんが」と前置きをして、娘の様子を先生にお伝えしました。先生は「中学生は自我に目覚める時期なので、通常学級にするか特別支援学級にするかは本人の意思を大切にした方がいい」と仰いました。通級指導教室も併設されていた学校見学を終え、帰ろうとしたとき、私はある教室に気がつきました。そこは『通級指導教室』でした。「ここが、主治医が話していた”通級指導”をしてくれるところだ…!」地元の中学に通級指導教室があることを、このとき私は初めて知りました。「せっかく来たんだし」と私はダメもとで通級指導教室の職員室のドアをたたきました。特別支援学級見学のときと同様に、入級するかどうかは分からないのですが、と前置きをした後「学校に行こう週間」を利用して見学に来た事を伝えると、一人の先生が面談の時間を取って下さいました。知識と経験豊かな、通級の先生通級の先生とほんの少し話をしただけで、先生の「一を聞いて十を知る」様子に私は衝撃を受けました。私は娘の小学校入学時に今の地域に引っ越してきてから、療育センターの心理士さんや相談員さんをはじめ、担任の先生、スクールカウンセラー、校長先生などさまざまな人に娘について相談をしてきました。それでも娘の状態は悪化する一方でした。そのため、この頃私は「公的機関や教育の場では娘のようなグレーゾーンと言われる子どもの対応は限界があるのだ」と感じていたのです。でも通級の先生は初対面にも関わらず娘や私の悩みと苦労をすべて分かっていました。そこに高い専門の知識と長年培われた経験があることを感じ、私は(こんな近くにプロフェッショナルがいたなんて!)と心底驚きました。そして20分ほどの面談の間に(こんな先生がいる学校なら安心して任せられそう)そんな希望を抱いたのでした。娘の特性を考えると、通級教室はきっと対象外だろう…。そう思ってはいても、帰り際に言われた「いつでも相談にいらしてくださいね」という声掛けに安堵感を得ることができました。そしてまた、特別支援学級の先生に言われたのと同じく、「中学生は自我の目覚めの時期なので、進路は本人の意思を大切にした方がいいですね」という先生の言葉を重く受け止めたのでした。教育委員会の教育相談へ秋の公立中学見学から半年がたち、小学6年生になった娘は教育相談に行きました。学校の所属や進路を決める目安になるものに、教育委員会で行われる発達検査と教育相談があります。翌年の中学進学の参考にするため、数年ぶりの発達検査と教育相談を受けることにしたのです。検査後の教育相談時、私は相談員の方に「娘のようなタイプは中学卒業後、どのような進学先がありますか?」とたずねました。Upload By 荒木まち子主治医に「通級」という言葉を初めて聞いたときと同じように、私は最初「手帳」の意味がわかりませんでした。そして私の住んでいる地域では、特別支援学校は療育手帳がないと入学できない(※)ことを初めて知ったのです。※療育手帳の所持が特別支援学校入学のために必要な条件かどうかは、地域によって異なります。特別支援学校高等部は見学できず…「現時点で療育手帳は取得できないとしても、高校入学の頃は療育手帳が取れるようになっているかもしれない」そう考えた私は、相談員さんから聞いた特別支援学校高等部の見学に行こうと思いました。でも当時、特別支援学校高等部では、小学生の保護者対象の学校見学会は行っていませんでした(現在は小学校高学年の保護者向けの見学会を行っているようです)。それでも「軽度の知的障害がある生徒が対象」といっても実際はどのようなタイプの学生が通っているのか、生徒達は何を目標にしているのか、娘に合いそうな学校なのかなど、少しでも情報が欲しかった私は、その学校が「地域支援・センター校の活動」として行っている「教育相談」を受けることにしました。娘がいきいきと過ごせる場所のイメージが、まだわかない私は特別支援学校の「教育相談」で、相談担当のコーディネーターの先生に、娘の中学について迷っている旨を伝えました。「中学から特別支援学級に入級した場合、そこでリーダー性を発揮していきいきと過ごす生徒さんと、自分の居場所は特別支援学級ではないと感じて嫌がる生徒さんがいます」それは通級教室の先生と同様、多くの困り感を抱えている生徒達を見てきた先生の経験に基づいた言葉でした。娘はどちらのタイプだろう?それまで通常級で過ごしてきた娘が「周りのみんな」と一緒が良いと思っているのは確か――。でも「みんな」との違いを感じ悩んでいるのも確か――。娘がいきいきとを過ごせる場所はどこなのか、その時点ではやはりまだ判断ができませんでした。コーディネーターの先生に「この特別支援学校高等部では、小学生対象の見学会は行っていません。でも、「学校に行こう週間」であれば来場者の制限はしていませんので、ぜひお子さんと一緒に見学にいらしてくださいね」と言われた私は、それまでの半年の間に、近隣の私立中学と私立・公立の高校の見学することを決めたのでした。次回のコラムでは、私立中学や高校の見学で感じたことについて紹介したいと思います。
2019年05月09日