『問題を読んで解く』はADHD息子にとっては大変なことだったUpload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太はドリルやテスト用紙の問題を読んで解いていくことが苦手でした。長い文章問題は本当に苦手で...「なんで中途半端な値段のリンゴを中途半端な数買ってきて割り切れない人数で割ろうとするんだよ~プンプン=3」問題の意図なんてもはやどうでもよく、「こんな面倒くさいこと計算させるなんて!」と怒りがわいてくるらしいのです。こんな息子ですから小学校のときは、テストやドリルの中の文章問題はほとんど手つかずでした。どんどんズレていく...解答欄のワナUpload By かなしろにゃんこ。中学生になると少しは冷静に問題に向かえるようになったものの、解き進めるにあたってニガテなことはまだまだたくさんありました。例えば、できない問題を飛ばして解答していく方法が苦手…飛ばした問題の解答欄に次の問題の解答を書き込んでしまい、1問ずつ答えがズレてしまうなんてことがしょっちゅうでした。トホホ…。上から順番に答えを埋めていく方法でないと自分は書き間違えると悟ったのが中1のときだったと息子は言います。余計な情報は隠す!特性に気づいた息子なりの工夫Upload By かなしろにゃんこ。また、問題がたくさん書いてあるプリントは情報量が多く気が散ってしまうので、1問解答が終わるごとに終わった問題の上に筆箱などを置いて問題を隠し、今取り掛かっている問題だけに集中できるよう工夫していたそうです。少しずつ自分のニガテに気づき、対処方法を身につけていったようでした。問題の解き進め方だけではなく、書かれている問題を正確に理解したり、よく確認しながら解答することも苦手で、時間がかかったりうっかりミスをしたり…。今となっては笑えるような珍解答も多数ありました。珍解答を連発!?それでも『見直しはしない主義』Upload By かなしろにゃんこ。中2のときの英語のテストで「好きな色を英語で書きなさい」という問題がありました。リュウ太には大好きな車の色があってスペルをちゃんと覚えていたので得意になって書いたら、テストを返してもらう際に先生から「お前、これ何語?」とツッコまれたそうです。自信満々で書いたものは、なんとイタリア語だったのでした…チーン☆(ちなみにお気に入りのイタリア車のカラー名「チャチャチャ・アズール」を思い出し、「アズール(水色)」のスペルを書いたそうです)もちろん解答は×でした。“英語の”テストですから、そりゃ×ですわ~。先生も「は?」ってなったと思います。冷静に考えてから書けば正解できたはずの問題ですが、そこはADHDの息子ですから、衝動的に頭に浮かんだ外国語の色のスペルをなんの疑いもなく書き、珍解答になってしまったわけです。Upload By かなしろにゃんこ。社会科の問題でも『バチカン』と解答する問題で、「これはわかるぞ!」と得意になり勢い余って書いた答えが『バチコン』でした。先生からは「おもしろかったけれど×にしました」と言われて、息子も自分の解答に爆笑。自分ではきちんと書いたつもりなのに、書き間違ってしまうことに本人もはてな????なんだそうです。こういった珍解答は、学校でよく言われている”見直し”をすれば気がつきそうですが…見直しをして書き直したら間違えた!なんてこともあり、自分がする見直しを信用できない!という不安もあったんだとか。Upload By かなしろにゃんこ。特性上細かい確認がヘタで、見直しをして間違いを発見できる確率ももともと高くないことが自分でわかっているので、不安になるくらいなら見直しはしないほうが良い!という結論になったようでした。テストの点がその人間の良し悪しを決めるわけじゃない!と本人は開き直ってますし、気にしていないみたいなので、私も「気をつけなさい!」とガミガミ言うより20歳で学校を卒業するまであたたかく見守ることにしたのでした。ん?『本人に任せて放っておいた』が正しいかな!?息子にテストにまつわるこれらの困りごとを聞いていたら、問題を読み解いて答えることって、ADHDの特性があると大変だったんだ!とわかりました。自分の苦手を把握して、自分で工夫しながら乗り越えていたんだということもわかって、改めて、頑張ってきたのだと頼もしくなったのでした。
2019年12月10日ADHDとは?ADHD(注意欠陥・多動性障害)は不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。人によって症状の現れ方の傾向は異なり、大きく3つのタイプに分けることができます。1.多動性-衝動性優勢型:多動と衝動の症状が強く出ているタイプです。2.不注意優勢型:不注意の症状が強く出ているタイプです。3.混合型:多動と衝動、不注意の症状が混ざり合って強く出ているタイプです。子どもの20人に1人、成人の40人に1人にADHDが生じることが示されています。以前は男性(男の子)に多いといわれていましたが、現在ではADHDの男女比は同程度に近づいていると報告されています。参考:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル年齢別に見たADHDの症状の現れ方■生後すぐから診断ができるの?ADHDは発達障害のひとつですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、症状が分かりやすく出ることはありません。ですから、生後すぐにADHDの診断が出ることはありません。また、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあるので、判断には注意が必要です。ADHDと診断された人たちの中には、乳児期を振り返ってみると、「なかなか寝付かない、寝返りをうつことが多く落ち着きがない、抱っこされることを嫌がる」といった傾向がみられる場合もあるようですが、このような行動は定型の成長過程でもあり、一概にADHDと結びつけることはできません。気になる場合には児童センターといった身近な相談機関や小児科などで相談してみましょう。■トラブルの原因となる行動をとることが多いADHDのある子は、成長するに従い、以下のような行動をとる場面が目立つようになります。ただ、前述の通り、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあります。必ずしもADHDとはかぎらないので、特徴はあくまで参考程度にしましょう。・他の子をたたいたり、乱暴をすることがある・落ち着きがなくじっとしていることができない・我慢ができないので癇癪(かんしゃく)をおこすことが多くみられる・物を壊すなど乱暴・破壊的な遊びを好むことがあるいくら言葉だけで注意しても、これらの同じ行動を繰り返してしまいます。■言葉の遅れがみられることもADHDのある幼児は、他の発達障害との合併症状として、言葉の遅れなどの特徴がみられることもあります。■しつけの問題なの?幼児期になると、落ち着きがなかったり癇癪を起こしやすかったりといった様子から、ADHDに気づくことが多いようです。また、保育園や幼稚園でも他の子どもとトラブルを起こしがちになってしまいます。そのような行動が原因で誤解され、しつけがされていないなどと言われることもありますが、ADHDは先天的な脳の機能障害によるもので、しつけや育て方の問題ではありません。■症状が顕著に現れてくるADHDの子どもが小学校に入学すると、着席しての学習や集団行動が求められるようになることもあいまって、以下のような症状が目立ってきます。・授業中でもじっと座っていることができず、歩き回ったりする・注意力が散漫になって、興味の対象も次々と変化する・物を忘れたり、なくしたりすることが多い・突然話しかけて他の人の邪魔をしたり、他の人に話しかけられてもぼーっとしてうわの空に見られる・突発的な行動をおこすことがあり、自分の怒りの感情をコントロールできない・友達と仲良くできずトラブルを引き起こしてしまうことが多い■結果的に周りから問題視される何度も同じことを繰り返し注意されたり、授業態度などから周りに問題視されたり、怠けていると思われたりすることがあります。しかし、本人からすれば悪気があってしていることでもなければ、怠けているわけでもありません。■ADHDの診断がはっきりと下される時期小学校に上がるころになると、ADHDの症状が顕著に現れるため診断される場合が多くなります。文部科学省の定義では7歳前、DSM-5によるとADHDは12歳前に症状が現れるとされていますが、必ずしもこの年齢でというわけではなく、この年齢以前から症状がはっきり分かる場合には診断が下されます。■思春期のADHDは、合併症状にも注意思春期なると、立ち歩いたり突然周りの人に話しかけたりといった、幼児期や小学生時代に目立っていたADHDの特性による行動は落ち着いてくることが多いようです。しかし、・親・教師への強い反抗・友人とうまく付き合えず、トラブルになることが多い・ルールに従うことができないなどの行動がみられることがあります。また、学習障害(LD)などの発達障害との合併症状が目立ってくることがあります。対人関係がうまく築けない場合、自閉症との合併症状がある疑いもあります。ADHDの症状がみられる人は他の発達障害を合併している可能性もありますので、よくチェックして疑いがある場合には診断を受けてみましょう。■他人と自分を比較する思春期になると、他人と自分を比べて悩みやすくなります。ADHDのある子どもも例外ではなく、他人と自分をよく比べるようになります。完璧主義の傾向が強いと“できないこと”に過敏になることもあります。そして、他人にはできて自分ができないことにコンプレックスを感じてしまいがちです。コンプレックスから次の行動につながる場合があります。・勉強への意欲の低下、学力の低下が著しくなる・やる気がなく投げやりな態度・自分の世界に引きこもりがちになる場合もある知的機能に問題がない場合でも、不注意の特性が強いと、集団での学習に集中できず、学力の低下に結びつくこともあります。この結果、不登校やひきこもりなどの状態になることもあります。■薬の服用を嫌がる自分の障害を受け止めることができず、薬の服用を避けたり量を自己判断で変えて服用したりすることがあります。思春期の不安定な気持ちに寄り添いながら、家族が上手にサポートしましょう。■大人になるとADHDはどうなるの?子どものころにADHDと診断された人の中には、成長につれて症状が目立たなくなったり、軽くなったりする人もいます。自分の特性を理解し、苦手な場面にもどのように対処するかを学ぶことで、日常生活の困難を乗り越えている人もいると考えられます。ですが、ADHDのある大人は、子どものころより困難が多いと感じることも多いようです。・親や教師のフォローがなくなる・やることが多くなる・大人としての行動や責任を求められるなど、周囲の環境の変化が大きいことがその理由と考えられます。そのため、大人になって日常生活を送るのが難しくなった、と感じるADHDの人が多くいます。また、大人になってからADHDと診断を受ける人、診断を受けていなくとも同じ症状で困っている人も多くおり、大人の発達障害のなかではADHDの割合がもっとも高いといわれています。■大人のADHDに現れる症状大人の場合、ADHDによる特徴にはどのようなものが多くみられるでしょうか。・計画を立てたり、順序立てて仕事や作業を行ったりすることが苦手・細かいことにまで注意が及ばないので、仕事や家庭でケアレスミスが多い・約束などを忘れたり、時間に遅れたり、締め切りなどに間に合わない・片づけが苦手で乱雑になってしまう・同時に多くの情報を取り入れるのが苦手なので、一度に多くの指示や長い説明をされると混乱する・手間がかかったり、時間がかかったりして、集中が必要なものは後回しにしがち・何かに「はまる」と、ほどほどで止めることができず、なかなか抜け出せない(読書やネットサービス、ゲームなど)・長時間座っていることが苦手で、手足がむずむずしてくるADHDをもっと知るためのリンク集「もしかしてADHDがある?」気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。大人のADHDの困りごとへの対策を具体的に解説!職場ではADHDを公表したほうがいい?|LITALICO仕事ナビ大人のADHDのある人が受けられる就労支援・経済的支援とは?|LITALICO仕事ナビまとめADHDは特徴の現れ方によって、大きく3つのタイプに分けられるほか、年齢や性別などによっても目立つ症状は異なってきます。早期にその特性に気づき、適切なサポートを受けることによって、少しずつ困りごとを改善してゆくことができます。他の発達障害との合併や二次障害に気を配りながら、慎重に見守りサポートしていきましょう。
2019年11月29日家でも外でもおかまいなしに、子どもが癇癪(かんしゃく)を起こして、泣いて叫んで大暴れ…。そうなると、お母さんはどうしていいかわからないですよね。「こんなに癇癪を起こすなんて、私の育て方が間違っているのかしら…」そう不安に感じるお母さんは多いでしょう。そもそも、子どもはどうして癇癪を起こすのでしょうか。その予防法はあるのでしょうか? 子どもの癇癪について、くわしく解説していきましょう。【監修】赤坂ファミリークリニック院長 伊藤明子 先生小児科医師、公衆衛生専門医、同時通訳者。東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業、東京大学医学部附属病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。著書・共著に『小児科医がすすめる最高の子育て食』など。テレビ番組「林修の今でしょ!講座」などに出演中。二児の母。■癇癪(かんしゃく)とは癇癪(かんしゃく)を起こすとは?「癇癪」とは、激しい感情を抑えきれず、大きな声を出したり怒ったり泣いたり、時には物を投げたり暴れたりすることです。英語で癇癪は「temper」、特に幼児期の癇癪は「tantrum」、癇癪持ちは「hot tempered」「short tempered」「quick tempered」といいます。hot、short 、quickといった形容詞が、癇癪を起こした時の様子をよく表しているといえるでしょう。【癇癪(かんしゃく)を起こしている子どもの様子】癇癪を起こしている子どもは、突然叫び声を上げたり、泣いたり、怒ったり、手足をバタバタさせたりします。感情が高ぶりすぎると、大きな声で泣きながら床に寝そべってゴロゴロ転がったり、手足をバタバタ振り回したりすることも。外出先で子どもが癇癪を起こすと、お母さんは本当に困ってしまいますよね。▼癇癪(かんしゃく)パターン1: 嫌なことを取り除こうとしている子どもは、癇癪を起こすことで「嫌なことを取り除こう」としています。例えば、公園で遊んだ後、「もう遅いから帰ろう」と子どもに声をかけると、「まだ帰らない! 遊ぶ!」と子どもが泣いて叫んで帰られない…というのはよくありますよね。これは、「嫌なこと=遊びをやめて帰る」を取り除こうとして、お母さんに訴えているわけです。▼癇癪(かんしゃく)パターン2: 困っているサイン子どもが癇癪を起こすもう一つの原因に、「何か困っているサイン」があります。例えば、ブロックが組み立てられない、服のボタンがうまくとめられないなどで、キーッと癇癪を起こし何もかも投げ出してしまう時がこれに当てはまるでしょう。子どもの癇癪(かんしゃく)の原因子どもが癇癪を起こす原因は、大きく分けて次の2つが挙げられるでしょう。▼生理的なもの子どもの癇癪は、欲求不満があったり、疲れていたり、おなかが空いていたりといった、「生理的なもの」が原因というケースが多いでしょう。例えば、おもちゃ売り場で「これ買って!」とダダをこねて、最後には泣いて暴れて…というのは、よくある子どもの癇癪のパターンです。しかし、実はこの癇癪の本当の原因は、「おもちゃが手に入らないこと」ではないことも。疲れていたり、眠かったり、おなかが空いていたりなどの生理的な原因がもともとあり、「おもちゃが買ってもらえない」をきっかけに感情が爆発する場合もあります。▼コミュニケーション手段になっている子どもが癇癪を起こす原因のもう一つには、「コミュニケーションを取るため」というのが挙げられます。親にかまって欲しい、人の注意を引きたいという気持ちから、癇癪という形であらわれるのでしょう。「上の子は聞き分けが良かったのに、下の子は癇癪持ちで…」とこぼすママは少なくありません。上の子に比べ、2番目、3番目以降の子どもは、親を独り占めできることが少ないですよね。もしかしたら、気を引こうとして癇癪という表現方法を取っているのかもしれません。癇癪は、子どもが親に気持ちを伝えるコミュニケーション手段の一つといえるでしょう。癇癪(かんしゃく)が始まるのは1歳になる少し前から?子どもの癇癪を起こし始めるのは、1歳になる少し前くらいからといわれています。ちょうど、少し言葉が出始めた頃ではないでしょうか。赤ちゃんの頃は泣くことしかできなかったのに、言葉という伝達手段を手に入れ、親子でコミュニケーションが少しずつ取れるようになり始めた1歳前後。しかし、子どもは当然、言葉ではまだうまく気持ちが伝えられません。そのジレンマが、癇癪を起こすという行動に結びついているのかもしれません。その証拠に、言葉でうまく感情を伝えられるようになる5歳頃から、ほとんどの場合、癇癪の頻度は少なくなっていきます。■子どもが癇癪(かんしゃく)を起こすのは育て方のせい? 発達障害なの?癇癪(かんしゃく)を起こすのは育て方のせいではない子どもが癇癪を起こすと「私の育て方が悪いのかな…」と心配になったり自分を責めたりするお母さんも多いでしょう。しかし、子どもの癇癪は、お母さんの育て方というより、子ども自身の性格や、その時の状況、環境、子どもの成長の過程とが複雑に絡み合って起こるものです。ごくまれに、心理学的、医学的などの理由で癇癪を起こす場合があります。一度の癇癪が15分以上続く、1日に何度も癇癪を起こすようなら、その可能性が考えられます。癇癪(かんしゃく)持ち=発達障害とは限らない次の3つに当てはまる子どもの癇癪は、その子の性格や環境、成長過程によるものが多いといえます。発達障害と安易に関連づけることはできないでしょう。▼ほかの人と関わるのが苦手子どもは、行動範囲が広がるにつれて、さまざまな人とコミュニケーションを取るようになります。最初はお母さん、お父さん、きょうだいといった家族だけ、次に一緒に遊ぶ同年代のお友だちやその家族、幼稚園・保育園に通い始めたら先生や違う年齢の子どもたち…。関わる人が多くなる過程で、子どもはほかの人とコミュニケーションをとる練習をし学んでいきます。ただし、それも子どもの性格や環境によって、得手不得手の差は出てくるもの。ほかの人との関わりが苦手な子どももいるでしょう。例えば、お友だちとおもちゃの取り合いになった、ブランコの順番を待っていたのに抜かされたといった子ども同士のトラブルは日常茶飯事ですね。そういった時、相手に合わせる、相手と交渉するというのが苦手な場合は、癇癪を起こしてしまうでしょう。▼言葉が遅い言葉がまだうまく使えず、思ったことが伝えられない。また、何か言われても十分に理解できない。そういった時、子どもは自分の気持ちが伝わらず、状況も理解できなくて不安に感じます。それが、癇癪という形であらわれるのです。ほかの子より言葉が遅い子は、同じ年齢のお友だちと遊んでいても、うまく気持ちが伝えられません。そのため、泣いて怒って、時には手が出てしまうこともあるのでしょう。▼気持ちをまだコントロールできない子どもと比べて、大人が感情のコントロールをできるのは、その経験値からです。不快なことが起こらないようにあらかじめ準備をして避ける、嫌なことがあっても人に話すなどして鬱憤(うっぷん)を晴らす、別の楽しいこと思い出して気持ちを切り替えるなど、これまでの経験から自分の気持ちや行動をコントロールする術を知っているわけです。しかし、子どもはまだそういった経験が浅く、感情を抑えることも下手です。嫌なこと、不快なことがあったら、泣く、大声をあげる、怒る、暴れる…。でも、そういった激しい感情の起伏で癇癪を起こすことで、子どもも大きなストレスを感じているに違いありません。それを何度か繰り返すことで、感情のコントロールを学んでいくのでしょう。今は、その途中なのではないでしょうか。発達障害の子どもに見られる症状の一つに、癇癪を起こしやすい傾向があるということで、心配になるお母さんも多いでしょう。たびたび癇癪を起こすからといって、すぐに発達障害と結びつけることはできません。ただし、あまりに頻度と程度のひどい癇癪を起こすようなら一度、専門の小児科医に相談することをおすすめします。■子どもの癇癪(かんしゃく)への対処法癇癪(かんしゃく)が起こる前にできること癇癪は一度始まると、子どもの気持ちが高ぶっている間は、何を言っても通じません。きつく怒ったり、無理やり連れて行こうとすると、火に油を注ぐ結果にも。そうなる前に、先回りして対処し、癇癪を起こさせないようにできると良いですね。▼環境を整える子どもがスムーズに気持ちを切り替えられるような声がけを心がけると良いでしょう。例えば、急いでいる時に子どもが公園で遊びたいと言った場合。「急いでいるからダメ」と言うと、子どもは癇癪を起こしてしまうでしょう。そんな時は、「急いでいるから、滑り台3回だけね」と声がけすることで、子どもはもっと遊びたい気持ちはあるけれど、急いで移動しなければいけないことも理解し、滑り台3回の間に、気持ちをある程度切り替えられるのです。この時、注意したいのは「じゃあ、ちょっとだけね」という曖昧(あいまい)な表現を使うこと。子どもには「ちょっと」「少し」の感覚がわかりにくいので、回数や時間で伝えるようにしましょう。▼子どもに伝わりやすいツールの用意先に紹介したように、子どもに曖昧な表現は通じません。「ちょっと」「少し」といった大人の表現をわかりやすく伝えるツールを用意しておくと良いでしょう。例えば、時計を見せて「長い針がここまできたら終わりね」とか、ゲームやテレビなどはタイマーを使って時間の制限をわかりやすく伝えるなどで、子どもにわかりやすいツールを活用するのも一つの方法です。また、言葉がうまく伝えられない子どものために、気持ちを視覚で表せるツールもあるといいでしょう。例えば、「イライラしている」「怒っている」「落ち着いている」といった感情を表せるイラストを用意して、それを使って子どもが気持ちを伝えられるようにするのも一つの手です。癇癪を起こすきっかけとなる「気持ちをわかってもらえない」という子どものフラストレーションが解消できるでしょう。同様な効果が期待できるコミュニケーション支援アプリなどもあるので活用してみてください。▼癇癪(かんしゃく)が起こった時のルールを子どもと決めておくどんなに予防線を張っても、子どもは何をきっかけに癇癪を起こすかわかりません。いざ癇癪を起こしたら、どう対応すればいいか子どもと話し合っておきましょう。「イライラしたり怒ったりした時は、どうしたらいいかな?」と子どもに聞いて、子どもに決めさせるのです。例えば、一人になれる場所へ移動する、気持ちが落ち着くような言葉をつぶやく、好きなアイテム(ぬいぐるみや毛布など)を触るなど決めておくと、その行動=気持ちの切り替えとなって、感情がクールダウンするきっかけとなるかもしれません。▼食生活を見直す偏食がひどい子どもに、癇癪を起こしやすい、情緒不安定、不安障害といった症状が出る場合があります。青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)や、たんぱく質、鉄分を積極的に取り入れ、糖質、添加物を控えるバランスの良い食生活によって改善する場合もあります。食生活から見直してみるのもおすすめです。癇癪(かんしゃく)が起こったら1: クールダウンさせる子どもが癇癪を起こした時、落ち着かせるために昔から取り入れられている方法に、「タイムアウト法」があります。タイムアウト法は、次の手順で進めます。1.子どもが癇癪を起こして、泣いて暴れたり人に迷惑をかけたりしたら、まずはそれがいけないことだと説明します。2.一定時間いすに座っているように伝えます(必要ならいすまで連れて行きます)。3.年齢の数だけの分数、例えば4歳なら4分間、子どもをそこに座らせます(最長5分間)。ただし、途中で子どもが立ち上がったら、時間はリセットして最初から始めます。4.時間になったら、どうして叱られたのかを子どもに質問します。理由を答えられない場合は、もう一度教えて、思い出させるようにします。このタイムアウト法は、癇癪を起こすことは悪いことだと理解しているのに感情が抑えられない子どもには有効な方法です。そのため、良い悪いがまだ判断つかない2歳未満の子どもには効果がない場合もあります。ただし、癇癪を起こしている真っ最中の子どもを、言い聞かせていすに座らせること自体が難しいですよね。そうなる前に、あらかじめ癇癪を起こした時にはどうするといったことを子どもと話し合っておくといいでしょう。癇癪(かんしゃく)が起こったら2: 感情的に叱らないようにする子どもが大きな声をあげたり暴れたりすると、お母さんもついつい感情的になってしまいますよね。子どもよりさらに大きな声をあげて、なんとか抑えこもうとしてしまいがちです。すると、子どもはそのお母さんの声や態度にさらに興奮してしまいます。感情的に叱るのは、子どもの癇癪には逆効果となります。癇癪(かんしゃく)が起こったら3: ご褒美で釣るのはNGもし、子どもが「お菓子買って!」とスーパーで床に寝そべって泣いてねだったら…。お母さんは恥ずかしくて早く立ち去りたいから、「まあ、いいか…」と買ってしまいそうですよね。特に外出先で子どもが癇癪を起こした時は、なんとか早くなだめようといつもはダメと言っていることも「いいよ」とお母さんは許してしまいがちです。しかし、それを繰り返していると、子どもは「癇癪を起こす=ご褒美がもらえる」と覚えてしまい習慣化します。難しいことではありますが、どんなに癇癪を起こしても、ダメなものはダメと筋の通った態度を見せることは大切です。■子どもの癇癪(かんしゃく)に引きずられないためにまずは大人が落ち着けるようにする子どもが癇癪を起こすと、お母さんも冷静でいるのは難しいですね。しかし、大人同士でも、お互いが感情的になってしまうと「売り言葉に買い言葉」でケンカがヒートアップしてしまいがちです。逆に片方があくまで冷静な態度を崩さなければ、感情的になっている相手もだんだんとクールダウンするもの。「子どもの不機嫌と自分の感情は別のもの」と割り切って、子どもの激しい感情に引きずられないのが肝心。お母さんは常に冷静を心がけ、フラットに淡々と対応するのがいいでしょう。イライラしたらその場を離れるのも◯癇癪を起こしている子どもを目の前にすると、「自分が何とかしなきゃ」とお母さんは焦りますよね。でも、癇癪が長引いてくると、お母さんもイライラしてしまいます。お母さん自身がストレスをためないためにも、子どもの安全を確認したうえで、その場から少し離れるのもいいでしょう。気配は感じられるくらいの距離、例えば隣の部屋やトイレなどに一時避難すると、子どもの姿が見えないだけでも気持ちがリセットできます。その場を離れられない時は耳栓も有効まだ小さくて目が離せない、物を投げたり暴れたりして危ないなどの時は、子どもから離れることは難しいですね。そんな時は、耳栓をするだけでも効果があります。お母さんが一番イライラするのは、子どもが叫んだり大泣きする声ではないでしょうか。それが聞こえないだけで、ずっと気持ちは楽になります。■大人にも癇癪(かんしゃく)持ちっている?大人の癇癪(かんしゃく)持ちとは? 子どもとどう違う?大人でも、子どもほど激しくはありませんが、怒鳴ったり叫んだり、場合によってはつい手が出るなど癇癪を起こしてしまう人はいます。子どもと大きく違うのは、大人は「癇癪を起こすことは悪いこと」と理解していること。大人はこれまでの経験値から、コントロールできない感情は周りの人に迷惑をかける、悪いことだと理解しています。それでも、癇癪を起こしてしまうのが、子どもと大きく異なるところでしょう。大人の癇癪(かんしゃく)への対処法自分自身が「怒りっぽい」「子どもや夫にきつく当たってしまう」「人前でも怒りが抑えられない」といった癇癪持ちの自覚があるなら、次のことを試してみましょう。・その場から離れ、刺激の少ない静かな場所へ移動する。・耳栓をして、耳からの刺激を減らす。・深呼吸をしたり、瞑想する。・自分の怒りを数値化する。・イライラした原因を紙に書き分析する。 など上記の方法で、怒りをコントロールしましょう。もし、夫やきょうだい、父母など近い関係の大人が癇癪持ちの場合、自分自身や子どもに被害があることもあるでしょう。対処法は、子どもの癇癪の場合と似ています。・イライラしていることを自覚させる。・一人にしてクールダウンさせる。・話し合いは落ち着いてから。上記に加え、大人ならではの対応法は「伝えたいことは紙に書いて伝える」こと。直接話すと感情的になってしまうことも、手紙なら冷静に受け取ってもらえるでしょう。■子どもの癇癪(かんしゃく)に悩んだら早めに相談しよう子どもの癇癪で悩んだら、お母さん一人で抱え込まず、次の機関に相談してみましょう。子育て支援センター主に乳幼児の子どもを持つ家庭を対象に、市区町村ごとに公共施設や児童館などで地域に根ざした子育て支援サービスを行っています。自治体ごとに内容はさまざまですが、育児講座や親子で参加するイベントの開催、遊び場スペースの提供、子育て相談、保育サービスの案内などを行っています。詳細は、お住いの市区町村のホームページをご確認ください。児童発達支援事業所・放課後等デイサービス子どもの特性や、心身の発達の遅れ、障害などに合わせた支援を行う福祉施設です。児童発達支援は、主に就学前の子どもを対象に、日常生活に必要な動作の指導、知識や技能の教示、集団生活への適応訓練などを行っています。一方、放課後等デイサービスは、小学生〜高校生が対象。生活訓練や社会交流などの療育プログラムを放課後や夏休みなどの長期休暇を利用して実施しています。事業所によっては言語聴覚士や理学療法士、作業療法士などの専門家による支援も受けられ、子どもの発達や子育ての相談にも対応しています。発達障害者支援センター年齢に関係なく、発達障害を持つ方とその周囲の方(家族や教師など)の支援を行っている施設です。子どもはもちろん大人の発達障害や、その周囲の悩み、困りごとなどの相談もできます。■まとめ心の成長に必要な過程の一つだとわかっていても、子どもの癇癪は、困るし悩むし疲れますよね。あらかじめ、癇癪を予防する方法や、クールダウンの仕方、周囲の適切な関わり方を知っておくと安心ですね。もし、子どもの癇癪があまりに頻繁であったり、長引いたり、激しいもので心配があるようなら、ご紹介した子育て支援機関に一度、相談してみましょう。参考資料:・国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育推進センター 「かんしゃくを起こすのですが・・・」 ・国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター 「こんなときどうする?」 ・日本小児精神神経学会 「応用行動分析 ─子どものパニック・癇癪への対応─」 ・国立教育政策研究所 「非認知的(社会情緒的)能力の発達と科学的検討手法についての研究に関する報告書」 ・厚生労働省 「障害児支援の強化について」
2019年11月27日料理のお手伝いは断固拒否する息子。そのワケは...Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子は、これまで絶対に調理をしたがりませんでした。小5、小6のときに家庭科で調理の宿題があったときにしたぐらいで一切やりません。いつかは自立する日がくる、簡単な調理くらいはしてほしい!そんな思いで夕飯の下処理など少しずつ覚えてもらおうと声をかけても、調理に関するお手伝いは嫌がってしてくれませんでした。ある日なぜ頑なに嫌がるのか息子に聞いてみました。Upload By かなしろにゃんこ。●自分が料理することで失敗して食材をムダにするのがイヤ!●美味しく作れないことが明らかだから美味しく作ってあげられないのは食材がかわいそう。●手先が不器用で、調理道具が使いにくい。●包丁が恐い!火も恐い!不器用で調理器具を使うことに抵抗があったことと、失敗がイヤだったことが主な理由でした。「僕が作るよりもお母さんが上手に作ったほうが野菜も幸せだよ」というのです。息子は小さいときから"ご飯を残すのが嫌い"という強いこだわりを持っています。そのこだわりから、失敗作ができても本人の中ではすべて食べなければならず、それだったら最初から調理はしない!と決めてしまったのです。一度強く思ったことは貫き通す頑固者です。息子は高校生になるまで調理でキッチンに立つことはありませんでした。もう、仕方ないな~と私も諦めていたのですが、あるテレビ番組を観て、やっぱり息子に簡単なお料理くらいは教えなくちゃ!と思ったのでした。母の味を覚えてほしい!という親ゴコロUpload By かなしろにゃんこ。それは、亡き母が作ってくれた思い出のお弁当を、料理を再現するプロに作ってもらうというドキュメンタリー番組でした。亡き母の作ってくれた味と同じ味で再現された料理を食べた中年の男性は、懐かしんで喜んでいました。そうか、時代と共に変化していく調味料、母が生きていた時代の物が手に入りにくい問題、記憶を呼び起こして自分で再現する難しさなどがあり、母の味が恋しくなるんだ...ということが伝わるお話でした。私が死んでも息子が母の味を再現できるように教えなくちゃ!そのためにも簡単な献立を作れるくらいに教えなくちゃ!そしてそれには、まずは不器用な息子に合わせて調理器具の見直しをしていこう!と思い立ちました。探してみるといろいろある、便利な調理器具たちを活用!Upload By かなしろにゃんこ。息子の苦手や不安を軽減できるいろいろなグッズを探し、取り入れてみました。・包丁指を切りそうで恐いという気持ちを軽減するのに、包丁をくだものナイフのような小さい刃のものやキッチンバサミに変えて、実際切っているところを見せるようにしました。・火IHホットプレートを使って、焼肉やホットケーキから焼き加減を勉強してもらいました。そしてコンロの火は強火を使わないほうがイイと教えました。家庭料理なら弱火や中火で十分に調理できるものが多いからです。・菜箸菜箸だと力の入れ方が分からないのか、「腱鞘炎になる!」というので、トングにしました。私の時代なら菜箸を使わないことや、野菜の皮むきにピーラーを使うことなども、母やお姑さんに見られたら怒られるところですが、今は便利なものが巷に溢れています。安価で自分に合った道具も見つけられます。これらを積極的に頼ることは悪いことではない!と思うようになりました。Upload By かなしろにゃんこ。高校生になると徐々に調理のお手伝いをしてくれるようになりました。その中で、”昔ながらの計量スプーン”も息子には少し使いづらいと分かってきました。計量スプーンですりきり量ってお鍋などに調味料を入れる前に、手がプルプルして落としてしまったりします。すりきり1杯の調味料を落とさないように気をつければ気をつけるほど、手に余計な力が入ってしまうからのようでした。こんな簡単なことも一つひとつが大変なのが発達障害のある子なんですね。だからといって調味料を目分量で入れてしまうと、本当に美味しくないものができてしまいます。急がば回れ!美味しいものを作るコツは下処理とレシピを守ることです。息子に合う計量器具を見つけました!計量カップを小さくした調味料計量用のカップです。調味料が落ちる心配がなく、目標の鍋などに運べるので便利です。透明なカップなので、小さじってこのくらいなんだ!大さじってこんな量なんだ!と量の感覚もつかむことができます。Upload By かなしろにゃんこ。息子が小5のときにフライパンに油をどのくらいひいていいか分からない、いっぱい出ちゃったら恐い...と不安がっていたのを思い出して、あの有名な便利グッズのオイルボトル(1プッシュで1回分の油が出るオイルボトル)も導入!それに焼き料理用に幅広のフライ返しも使うことにしました。探してみると便利グッズって本当にいろんな種類がありますね。息子のために買いそろえていった道具ですが、超便利!!すごい楽チン~!!と私が手放せなくなりました。今では21歳の息子は、お肉や野菜を炒めてくれて皿にとりわけたり、キャベツの千切りをピーラーで大量にやってくれたりと、本当に少しずつですが調理に慣れていっています。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。小学校の頃は怖いと言っていた火も、友だちとキャンプに行くようになって慣れていきました。なんでも経験なんですね(笑)いつか自立する日がきて、母の味を優に超える美味しいご馳走を作ってくれるといいな~って思います。
2019年11月26日プリントを持ち帰れない息子!大事なお知らせも、目にするのは1ヶ月後...Upload By かなしろにゃんこ。小学校の頃のお話です。ADHDの息子は教科書を持って帰ることができない!学校からの大事なお知らせも、もちろんちっとも持って帰りません。息子に発達障害があるとわかる前は、口酸っぱく「配布されたプリントは持って帰ってちょうだい!」と伝えていたんですけど、放課後になると「早くお家でアレして遊ぼ~」ってルンルンしちゃうみたいで、帰り支度のときに持ち帰るものをランドセルに入れることをスッカリ忘れちゃう。Upload By かなしろにゃんこ。親の手が届かないところ...ありがたかった先生のフォロー給食費入れの封筒・運動会のプログラム・PTA活動の集まり。親はなんでもギリギリに知ったり、または過ぎてから知ったりといった感じです。運動会などの大きなイベントの予定は近所のママさんたちから聞いて「お知らせのプリントが出てたのね!」とわかるのですが、学年通信やクラスの通信などは1ヶ月後に手元に届くんです。奇跡的に持ち帰れるのは、先生が帰りの会が終わったタイミングで息子に「プリント持って帰りましょう」と声をかけてくれて、”持ち帰るリスト”というものを特別に作ってくれて渡してくれた時です。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。もちかえるもの・学校からのおてがみ・工作のさくひん・しゅくだい・ドリル見やすいリストをわざわざ息子のために用意してくれたんです。先生の特別なフォローに嬉しくなります。そしてリストの通りにランドセルにしまうところまで、見届けてくれることもありました。この支援は毎日ではなかったので、先生は息子に合った支援の方法を探ってくれていたんだと思います。そこまでしないとできない息子でした(涙)先生から電話で「今日机の中にたまっていたプリントを持たせましたから、確認してくださいね」と教えてくれるなど嬉しいフォローもありました。注意欠陥の特性があるので、プリントを忘れずにランドセルに入れることができないのは仕方がない...息子に頼るのはやめよう!でも先生に頼ってばかりいてはいけないよね…。いろいろな人の力を借りて乗り切った小学生時代Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。小学校に慣れてくると親も学校の行事がいつ頃なのかわかってきます。そこで、行事の予定がそろそろありそうだなとか、学級通信が刷られる頃かな~?というタイミングで、学校に取りに行くことにしました。息子の机の中はゴチャゴチャなので、ついでに整頓したり文房具のチェックもしようと決めました。忙しくて学校に行けていない期間は同じクラスのしっかり者の女の子が代わりに整頓してくれたりして、助けてもらったこともあります。先生やクラスメイトの力も借りて、小学校6年間は学校からのお知らせを確認することを乗り切った感じです。小4までは私が学校に行くと息子が「お母さ~ん」と嬉しそうに抱きつきに来てくれるのがイイ思い出として残っています。小6になると「また来たのかよ」って細い目でウザそうにされましたけど…(涙)持ち帰り忘れが激減した高校生時代!ポイントは"すぐにしまえること"Upload By かなしろにゃんこ。学校からのお知らせをきちんと持って帰ることができるようになったのは、高校生になったときでした。机の真横に鞄を置けるようになってやっとです=3=3 配られたプリントをすぐにカバンに入れることができるので改善できたのでした。ADHDの息子は”今が大事”な特性があるので、「(一旦机の中に突っ込んだプリントを)”後で”ランドセルに移そう」というのは本当に苦手だったんですね。小学校ではロッカーにランドセルを入れていて、引き出しに入れたプリントをさらに帰るときにランドセルの中に移すという2段階の作業が必要だったので、息子はプリントを机の引き出しに突っ込んだままになっていたのでした。もしかしたら小学校のときから、もらったプリントをすぐカバンに入れられる環境だったら、もう少し忘れずに持ち帰ることができていたのかもしれないなとも思います。大人になって出かけるときも、カバンは基本的に手元にあるから「すぐしまう」「一箇所にまとめる」ができればそこまで困りませんよね。そして特性に気づく前の小1小2のときには特にガミガミ言っちゃって息子に悪かったな…って反省してます…ショボン。
2019年11月11日発達障害を知ろうとするほど落ち込んだ時期Upload By かなしろにゃんこ。息子にADHDと広汎性発達障害があると分かったのは、小4のときでした。その後、発達障害を理解しようと専門書を読んだり、当事者のブログを読んだりして勉強すればするほど落ち込んでいく時期がありました。子どもが発達障害だと理解して受け入れるのは時間がかかります。息子が中学生になって気のあう仲間ができ、毎日明るく過ごすようになった2年生くらいの頃でしょうか。毎日楽しそうに過ごす息子の姿を見ているうち、「子どもが発達障害でもそうでなくてもどうでもいい!楽しく生きていければいい!」と思えるようになったのです。それからは、だんだんと発達障害であることにあまり悩まなくなっていきました。Upload By かなしろにゃんこ。理解が得られず、感じた孤独...それまでの息子は、特性が原因で周りとうまくいかないことが多くありました。トラブルがあるたびに落ち込み、親子で苦しんでいる時期は、まだ息子の障害を受け入れることができなかったんだと思います。受け入れられるようになってからは、同年代の子が普通にできることができなくても「仕方がないか、ははは、じゃあどうしたらできるようになるかな~?」と落ち込まないで前向きに考えていけるようになっていきました。我が子が理想より遠く、期待することがほとんどできない!そして発達障害は治すものでも治るものでもない…。Upload By かなしろにゃんこ。定型発達児のようになってほしいという思いを諦める必要があります。一番苦しいのは受け入れるまでの過程です。問題になったできごとや失敗から一つひとつ子どもが何ができないかを知っていく過程がツライんだと思うんです。同時に、夫に話しても両親に話してもママ友に話してもなかなか理解が得られずに、孤独になってしまうということも、ありがちです。「考えすぎないで気楽にやりましょう!」といわれても、そのころの私には無理でした。折角向けてくれた慰めも励ましも労りも心に響かないのです。それくらいに落ち込んでしまうんですよね。Upload By かなしろにゃんこ。私は子どもが発達障害の診断を受けたクリニックで実施しているペアレント・トレーニングを受けて、育てにくい子の接し方を教えてもらったことで、”子どもができないことはなんなのか、逆にできることは何か!?”を知ることや、子どもに期待しすぎないで子育てすることなどを教えてもらい、親子関係を取り戻していきました。それでもペアレント・トレーニングを受けはじめたころはまだまだ精神状態が不安定でした。母親の心のケアが先!臨床心理士の先生の言葉に目からウロコUpload By かなしろにゃんこ。そのころNPO法人えじそんくらぶ代表、臨床心理士で著書を多数ご執筆されている高山恵子先生の、発達障害の子どもの子育てについて対談をさせていただいたことがあります。そのときに教えてもらったことが印象的でした。・母親が鬱などになると発達障害の子の子育ては困難になってしまう、子どもの療育よりも母親自身の心と体を労わってあげて元気を取り戻すべき!・ブログ(SNSなどでも)で日頃のストレスを吐き出すように思いを綴ってスッキリするのも良い。母親が元気になるのが最優先事項であるとおっしゃっていました。もしPTA活動などでメンタルが弱るようなことがあるのなら、PTA活動には参加しなくてよい!というお話も出て、目からウロコでした。私は、母親は発達障害の子どもを生んだからには自分のことは後回しに頑張って生きなきゃいけないような気がしていました。でも、母親あっての子育てです。自分のことを優先にしていいんだ!ということも驚きでした。Upload By かなしろにゃんこ。PTA活動も参加したほうが学校での子どもの様子が見られていいかな?と考えていたけれど、PTA活動の仕事が負担になって子どもとの時間が削られることもあったし、真面目に参加しなくては!と責任を感じていたこともありました。思いきってやらない!という選択もしていいんだ!と思いました。ボランティア活動は自分に余裕があってするものですもんネ♡私も私のことを大事にしよう!そんなふうに思えました。子どものことも大切だけれど、自分のことも大切にしていいんだって気がついたのでした♡法人えじそんくらぶ自分なりのリフレッシュ方法で、心の元気を保とうUpload By かなしろにゃんこ。いろんなことでクヨクヨ悩みがちだった私は、頭も心も疲れてしまったら、散歩中などに瞑想をして脳をリフレッシュしていました。続けているうちに、悩みごとで頭の中が占められてしまっている状態が少なくなっていき、心が穏やかになっていくと同時に、物事を多面的に捉えられるように意識が変わっていきました。さまざまなトラブルを俯瞰してみられるようになることで、悩むこともぐんと減っていきました。頭がリフレッシュすると子どもにも優しく接することができるようになります!そうすると、子育ても楽しいな♡と感じますよね。慣れると瞑想は歩きながらや、家事をしながらでも簡単にできるようになってきました。視野が狭くなってるなって感じるとき、忙しいときこそ、瞑想をするように心がけています。私の場合は瞑想ですが、コンサートに行ったりスポーツ観戦をしたりと趣味の時間を楽しく過ごして元気なママでいることが子どもにもいいんだと思います。ごはんの仕度も毎日きちんとやらなくたっていいと思っています。日本のお母さんは頑張りすぎ!食育にこだわるのも大事ですが365日中、端数の65日はサボって楽したらいいと思ってます♡Upload By かなしろにゃんこ。
2019年10月23日わが家の4人の子供たちを紹介します!はじめまして!スガカズと申します。わが家は6人家族。発達でこぼこな子が2人、定型の子が2人、それから旦那さんと私です。長男は小学6年生でASDとADHDがあり、次男は小学3年生でADHDがあります。2人ともIQが標準で、通常学級に在籍しながら、週1日・2時間通級しています。通級では小集団と個別で1時間ずつ、それぞれの困りごと、課題に合わせた指導をしていただいています。まずは子どもたちの紹介から!Upload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズ私・スガカズは、職場復帰をして2年目ですが、リモートワーク制度をフルに利用させていただきながら、学校、病院に協力をいただきつつ子育てをしています。なかなか思う様にいかない子育てですが、前向きに頑張っていきたいと思っています。これからは、家族6人ドタバタなわが家で起きる大小さまざまな事件について描いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします!
2019年10月21日【映画】ADHDの監督が撮り続けた、 発達障害の叔父の3年間ーー映画『だってしょうがないじゃない』Upload By 発達ナビニュース映画監督の坪田義史さんが、発達障害のある親類のまことさんに会いに行き、その生活を撮影して完成された本作。監督の坪田さんご本人も、まことさんに初めて会ったときには鬱や不眠に悩み、さらにADHDの診断を受けたばかりと、精神的な不調が続いていた時期だったそう。そんな坪田監督が撮影を通して交流するまことさんは、長年に渡り母と2人暮らしをしており、母の他界後は障害年金を受給し、さまざまな福祉サービスも利用しながら一人暮らしを続けています。その様子から、障害のある人の「親なきあと」の生活についての問題や自己決定のあり方について、改めて考えさせられる映画です。「発達障害を生き抜く為には、誰もが自分らしくいられる社会が必要です。 本作『だってしょうがないじゃない』は、今後の上映活動を通して、見た目では分かりづらい発達障害の「社会的受容性」への契機にしていきたいと考えています」とコメントしている坪田監督。自身も発達障害当事者である坪田監督が撮り続けたまことさんとの3年間は、当事者の生活をありのままに伝えながら、社会の側がどうあるべきかも考えるきっかけを与えてくれそうです。『だってしょうがないじゃない』上映情報【公開日】2019年11月2日(土)【上映館】ポレポレ東中野 他全国の映画館にて順次公開予定※詳しくは公式サイトをご確認ください。映画『だってしょうがないじゃない』 | 公式サイト【イベント】体験しながら最新の情報を学ぼう!「国立特別支援教育総合研究所公開」(神奈川県)Upload By 発達ナビニュース特別支援教育に関する研究や、特別支援教育関係職員に対する研修などを行う「国立特別支援教育総合研究所」の公開イベントが開催されます。イベントでは、障害のある子ども向けの教育支援機器や発達障害のある子どもの教育に活用できる教材などの展示や実演、障害種別ごとの教育上の配慮についての体験型展示、最新の研究内容の紹介など多数の催しが予定されています。また講演会では、2020年のパラリンピックの正式種目「ゴールボール」の強化指定選手である信沢用秀さんによる障害者スポーツに関するお話を聞くことができます。ゴールボールを信沢さんの指導のもと実際に体験できるコーナーも!さらに、特別支援学校生徒によるあん摩マッサージ体験や、就労継続支援B型事業所によるパンやカレーの出張販売など、障害のある人の活動を知ることができる企画も盛りだくさんです。支援に関わる人も保護者も、特別支援教育に関する最新の情報や学びの工夫を、体験しながらたくさん学べる1日となりそうです。【日時】2019年11月16日(土)9:30-16:00(15:00受付終了)【場所】独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(神奈川県横須賀市野比5-1-1)【入場料】無料(事前申し込み不要)令和元年度研究所公開の開催について | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所【セミナー】専門家や当事者が登壇する、NHKハートフォーラム公開セミナー「子どもの発達障害〜課題解決へのヒントを探る~」(大阪府)発達障害を多くの人に知ってもらい、共に暮らすために何が必要かを考えるきっかけになるように、NHKが取り組んでいる「発達障害って何だろう」をテーマとしたキャンペーン。その企画として、10月28日からの1週間を中心にバラエティーからニュースまでさまざまな番組の中で発達障害について考えていく「公共メディアキャンペーン~秋の特集ウィーク~」が展開されます。キャンペーンと連動して開催される今回のセミナーには、信州大学医学部教授の本田秀夫先生や高校生当事者が登壇。発達障害がある子どもが自信を失ったり友達関係で悩んだりしたときに、家族や支援者はどのようなことに留意しながら当事者を支えていけばいいのか等の課題解決のヒントを探るお話を聞くことができます。特集ウィークの中で発達障害について取り上げたNHKの番組の一部と、そこに寄せられた反響をもとにした“番組担当者からの深堀り情報”を交えた内容も予定されています。【日時】2019年11月4日(月・祝)開場12:00 開演13:00 終演16:30予定※途中休憩あり【会場】NHK大阪ホール(大阪市中央区大手前4-1-20NHK大阪放送会館内)【入場料】無料【定員】1300名 ※応募フォームから事前申し込みが必要【主催】NHK厚生文化事業団NHKハートフォーラム「子どもの発達障害~課題解決へのヒントを探る~」(大阪) | NHK厚生文化事業団
2019年10月17日音楽の授業の時間、息子は一人教室に残ってサボっていた。そのワケは...Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は小学校のころ、音楽の授業がイヤで、授業に参加しないことが頻繁にありました。音楽の時間は一人で教室で過ごします。先生から「音楽室に行きましょう!」と促されますが、行ったフリをして再び教室に戻ります。なかなかの度胸です。参加しないワケを聞くと、いくつか理由があったようです。Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太は小学校1年生のときに学校のドアの戸袋に指を挟んでしまい、指に大きなケガをしていました。その後遺症で指がうまく動かないことや元気な指も思った通りに動かすことができないことで、笛の演奏のときに変な音が出てしまい、先生に注意されることが苦痛だったそう。音楽の授業は担任の先生とは違う先生が担当していました。音楽の先生は指の後遺症のことや特性による不器用さがあることなどを知らなかったので、できないことに対して厳しく注意され、イヤになってしまったということでした。Upload By かなしろにゃんこ。指をうまく動かせないことを先生に説明できればいいのですが、先生が怖そうで言い出せない、毎回注意されるくらいなら音楽の授業を受けないほうが気持ちが楽だと感じていたということでした。そして、成人した息子に音楽をサボっていたときのことを聞くと、笛がうまく吹けないこと以外にもう1つ理由があったそうです。それは、「音楽室の環境」によるものでした。音楽室は落ち着かない!環境面にも音楽嫌いになる理由がUpload By かなしろにゃんこ。音楽室には机がなく、椅子だけが並んだところに座って授業を受けなければなりませんでした。息子の場合、机がないことで寄りかかって安心を得られるものがなく、ソワソワしてしまうんだとか。また、教科書やペンケースなど、使わない道具を椅子の下に置かなければいけなかったことも息子にとってはイヤだったそう。足元に踏んではいけないものが置いてあると落ち着かないし、普段はものを置かないところに置くことがイヤだったそうです。Upload By かなしろにゃんこ。こうした理由で音楽がキライになってしまった息子。でも、音楽がキライといっても合唱祭などは別でした。クラスみんなで同じ目標に向かって頑張っていくときには、歌を歌うことも楽しかったようです。「個人プレーは苦手でも集団だと楽しいんだよね」といいます。高校生になって、音楽の楽しさに気づいた!きっかけはカラオケ!Upload By かなしろにゃんこ。そんな「音楽嫌い、だけどみんなで活動することは好き」だった息子は、高校生になって友達とカラオケに行くようになってから、歌うことは恐くなんかないしオレもまぁまぁ歌えるじゃないか!と、普段から歌の楽しさに触れるようになり、そこから音楽自体も好きになっていきました。洋楽やパーカッションなどいろいろなジャンルの音楽も聴くようになって、それぞれの良さも分かるようになったといいます。音楽嫌いだった子どもの頃を振り返ってもらうと...Upload By かなしろにゃんこ。あのとき音楽室に机があったら音楽の授業を受けられたかな?と息子に聞いてみたら、「机もあったら良かったけれど、例外で用意してくれるとは思えないな~...それよりも指のことを自分で伝えても、子どもの言うことだからウソ!?と信用してもらえないかもしれない。お母さんから音楽の先生に伝えてくれていたらよかったかもしれない。うまく演奏できなくても、一生懸命取り組めば〇をもらえるんだったら、キライにならなかったのになって思うよ」Upload By かなしろにゃんこ。息子の話から、音楽自体がキライだったというよりも指がうまく動かせないという体の問題や、伝える力がなくて諦めてしまっていた心の問題によるものだったと分かりました。指がうまく動かない問題は大きくなると改善されました。子どもの頃は指や手の筋肉が虚弱だったりボディイメージが苦手だったりする子もいますから、苦手意識を持つことは仕方がないのだと納得したのでした。今は笛の演奏用の補助器具なども出ているようなので、そういったものもうまく活用できると良いかもしれませんね。カラオケを通して音楽嫌いを克服した息子。いつか演奏することもオモシロイと体験するときもあるといいな…って思います。
2019年10月11日はじめまして。毎日子どもに回られている母親ですUpload By 丸山さとこはじめまして、丸山さとこと申します。回る物が好き、自分自身が回るのも好きな小学4年生の男の子の母です。今日も息子に周囲をぐるぐると回られています。Upload By 丸山さとこ私はASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)です。息子のコウと夫の3人で暮らしています。コウも私と同じくASD・ADHDで、ストラテラを服用しています。幼児の頃、おもちゃの車を逆さまにしてはガラガラとタイヤを回していた彼は、小学生になった今でも回る物と回ることが大好きです。そんな彼が回りはじめたら「止まろう」と言っても全く止まりません。肩を押さえたりしてもキャッキャと喜ぶばかりで、手を離せば再び回り始めます。Upload By 丸山さとこ「コウ、お母さんの顔を見て。お母さん、笑ってる?」「お母さん、何度も止まってって言っているよ。無視していない?」と言うとハッとして止まれるコウですが、そうして止めるとしばらく落ち込んでしまいます。気持ちの切り替えが苦手な彼は、一度落ち込んだりすると少し復活してもまた崩れやすくなりがちです。学校から帰った後に私の周囲を回りたがる時はそもそも気持ちを落ち着けたい時や元気を出したい時だったりするので、あまり気持ちを凹ませずに回転を止めたいところです。回る子ども(自称衛星)を止める方法Upload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこコウの遊びに付き合う形で終わりにすると、彼も明るい気持ちのまま次の行動に移れるようです。「あと3回まわったらね」などの言葉によって段取りをつけると気持ちが崩れてしまうコウも、「衛星の終わり」を作ることで「衛星」から「コウ」になって気持ちが切り替えやすくなるのかもしれません。とはいえ、彼の感性や思考回路には謎が多いので、”たまたま方法が上手くはまることもあるんだなー”と考えて、これからもあの手この手でゆるく関わりながらコウとの生活を続けていこうと思います。
2019年10月07日小学生の息子に発達障害のこと、伝えるべき?Upload By かなしろにゃんこ。息子がADHDと広汎性発達障害の診断を受けたのは小4の春でした。発達障害の検査や医師との面談に何度もクリニックに通いました。その度に息子は「ぼく何で病院に行くの?」と謎に感じていたようでした。「発達障害の検査をするからだよ」と言っても理解できないかもしれないな~と思って、その頃人間関係からくるストレスで胃痛があった息子だったので、とっさに「お腹の検査だよ」と言って誤魔化しました。子どもに発達障害について伝えるときって、どう言えばいいんだろう?…というか、伝えていいんだろうか?その頃はまだ何も分からない発達障害の子の母1年生の私でした。Upload By かなしろにゃんこ。診断を受けたクリニックの先生や心理士さんに「子どもには発達障害のことを話した方がいいですか?」と聞いたところ、「子どもにカミングアウトをする時期は物事の道理が理解できるようになってきた中学~高校生頃が良いです。また受験のシーズンと重なって気持ちが揺れ動くのを避けるために、受験の前か後がいいですよ」とアドバイスされました。しかし私は反抗期を前に、いやすでに始まっていた反抗期の中、発達障害があると分かった息子にさまざまなことを伝えていかなければならないのに、発達障害のことに触れないでいくことはできないな~と感じました。発達障害の特性によって、周囲の人たちと考え方の違いが生まれていることが息子には多くあったため、一般的にはこうするよ!こう考えるよ!と教えたり話し合ったりした方が良い、そのためには発達障害があることを隠すのはどうなんだろう?とも考えました。息子小5の冬、発達障害について本人に伝えることに。息子の反応は...Upload By かなしろにゃんこ。「発達障害が悪いわけではないし、発達障害があることは強みでもある!」そう言って伝えようと、リュウ太小5の冬のある日、学校から帰ってきたリュウ太に話をしたのでした。なんともいえない複雑な、悲しそうでもある表情で息子は黙って聞いていました。「障害」という言葉がとてもショックだったのだと思います。言わないほうがよかったかな…とも思いましたが、息子の表情をみて、「発達“障害”という名称だけれど、個性だし、脳の機能が他の人と少し違うだけ。ほら障害物レースってあるでしょう!何かに邪魔されてうまく走ってゴールできないやつ!」と、障害という言葉についてフォローをしました。Upload By かなしろにゃんこ。“障害=悪い”というイメージではなく、一つの特性として考えてくれたんじゃないかなと思います。また、リュウ太はADHDだけれど、嫌なことは早く忘れてワクワクすることにすぐシフトできたり、思いついたヒラメキをすぐに形にしようと行動したりするところが、起業する社長さんのような能力なんだとポジティブな面についても話しました。ADHDとは何かなんてよく分からなくても、僕は僕のままでいいんだって思ってくれたら嬉しいなと思いました。そこからは息子に「ADHDの特性で足元を見ないで歩いてケガしやすいから、オモチャはこまめに片づけようね」とか、「忘れやすい特性があるから持ち物はドアノブに引っ掛けるようにしようね」、「思ったことをそのまま友だちに話すと本当のことでも友だちが傷つくから、黙っていたほうがいいこともあるよ」など、原因と結果と工夫の提案を伝えやすくなったのでした。Upload By かなしろにゃんこ。こうして早い段階で発達障害について本人に伝えたわが家でしたが、本人が自分の特性について理解できるようになったのは、中学生のときに学校の図書室にある発達障害の本を読んだときだそう。「コレ、オレと同じだ」と実感したと言います。手に取った本に載っている注意欠陥や衝動性についての解説を読んで「こういうことか~!」と納得したんだとか。そこから自分の特性を受け入れていこうと変わったのかもしれません。中学のときには発達障害やADHDといった単語に対して悲しそうにすることもイヤそうにすることもありませんでした。「ADHDだから楽しいと思ったらすぐやるんだよな、オレ」と、発達障害について受け入れている言葉も発していました。発達障害の告知は専門家に任せたほうがいい場合も!フライング気味で伝えたわが家だったけれど...Upload By かなしろにゃんこ。息子の言葉を受けて私も「そこがADHDのイイところ!どんどんオモシロイことに興味を持って冒険してネ!」と言います。この言葉を額面通りに受け取って本当に遠くに遊びに行っちゃう子です、ハラハラ(汗)ただ…私の本に監修をしてくださった児童精神科医の田中康雄先生は「子どもに障害名を伝えるのは医師の役目」とおっしゃっています。そうか!「あなたには発達障害があります」と告知するのは専門家の仕事だったのか!と、あとから気がついた私。幼児・児童期に診断を受けたとしても、大きくなってから告知する際は子どもと一緒に医師のもとで告知を行ったほうが子どもも理解しやすいでしょうし、親が勘違いしていたりうまく説明できなかったりすると、混乱させてしまうかもしれませんからね。わが家は告知がちょっと早すぎだったかもしれませんが...コレでよかったかな(笑)と、今は笑って息子と話せています。
2019年09月26日やるべきことや持ち物を忘れてしまうのは、頭に浮かんだ映像が原因だった!?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと軽い自閉スペクトラム症がある息子・リュウ太には、脳内に映し出されている映像のほうが今目の前で起きているできごとよりも優位になってしまい、やらなきゃいけないことができなくなるという特性があります。この特性は「指示をナゼ忘れてしまうの?」「なんですぐにとりかかれないの?」ということを、18歳になった息子と話したときに明らかになりました。母から「宿題をやろうね」と何度か言われて渋々取り掛かるけれど、宿題を目の前にしてもなかなかできない。宿題嫌いな息子は母に促されても気持ちが向かず、「宿題をやらないとな~」と考えている間に頭の中で想像した楽しいことの映像が目の前に浮かんできて、その映像をぼーっとずっと見てしまう。Upload By かなしろにゃんこ。ここまでは誰にでもあることかもしれませんが、息子の場合はこの映像がどんどん濃く、ハッキリしたものとなり、浮かんできた映像の世界に浸ってしまうようです。宿題をやらなきゃいけないと思っていても、気持ちが向かないでいる間に脳内に楽しい映像が浮かび、その映像をたっぷり楽しんだ後でないと、やるべきことへ気持ちが向かない。 切り替えがうまくできないんだと言います。目の前に見えているはずのものの上に、頭に浮かんできた映像が重なって見え、さらにだんだんと脳で見る映像のほうが優位になってしまうので、目の前のノートや鉛筆、机といった勉強道具はいつの間にかかすんでいってしまう...ということなんだそうです。Upload By かなしろにゃんこ。また、宿題以外にも、息子が苦手な持ち物の管理でも同じ現象が起こることがあるとのこと。例えば、学校に持っていく習字道具を目の前で見ながら「今日はコレを持って行くんだ!」と思っているときに、母から「学校から帰ったらショッピングモールにお買い物に行くから、早く帰ってきてね」と話しかけられると、ショッピングモールの中のオモチャ屋やそこで売っているオモチャの映像が浮かぶ。その映像で頭の中があっという間に占められ、目の前にある習字道具は見えなくなり、そのまま持っていくのを忘れてしまうのです。林間学校や修学旅行でも必ず持ち物を忘れるので話を聞いてみたら、「カバンに忘れずに洗面用具をしまわなきゃいけないと思っていたところに、横から先生に話しかけられて、その瞬間に洗面用具が見えなくなってしまって結局忘れたんだ」と言っていたこともありました。また忘れたの?と思いつつも、本人の話をよく聞いてみたことで、忘れてしまう理由があったのだと分かりました。目の前のことに集中するために、映像を断ち切る方法を実践Upload By かなしろにゃんこ。リアルと頭に浮かんだ映像の両方が重なって見えているから、忘れ物を気を付けようと思っていても、ふとしたことで気が逸れて結局忘れてしまうんですね。特性ですから仕方がないのですが…とはいえ、何とか回避する方法がないか調べてみました。そこで思い当たったのが、フラッシュバックの回避方法。「これと同じように、頭の中に浮かんでくる映像をなんとか消すことはできないかな?」と思い、試してみることにしました。「自分の頭の中に浮かんだ映像が優位になってぼーっとしているな~」と思ったら、首や目を動かしてシャットアウトして映像を切るという方法です。フラッシュバックが起こるときには、過去に体験したことを昨日のことのようにリアルに思い出すといいますが、息子も同じようで、普段頭の中に浮かんだ映像の方に注意が向いていく以外に、イヤなことを思い出した際にも、その映像に意識が集中してしまうと言います。そのためイヤな記憶が甦ったときは体を動かして映像をシャットアウトした後に、気晴らしに楽しい動画を観てイヤなことを忘れることにしていると言います。Upload By かなしろにゃんこ。特性によって困ることもあるけれど...クリエイティブな活動にはプラスに働く!頭の中に浮かんだ映像が優位になりそうなときやイヤな思い出を思い出したとき、首や目を動かすことで、目の前のやらなきゃいけないことのほうに意識を向けられるようになってきた息子。ですがもちろん、100%うまくいくわけではありません。それでも成長するにつれて、朝の仕度の最中や仕事中はリアルな目の前の事柄に集中!とコントロールすることができるようになってきたようです。そしてこの特性は、困ったことばかり引き起こす訳ではないようで、本人は「でも、クリエイティブな活動ではこの特性はとてもいいんだよね!」と言います。息子は私と同じく絵やデザインを描くのが趣味で、どんな作品を描こうかな~と考えると脳の映像がいろいろ浮かんできて創作しやすいのだそう。また車を修理することも趣味なのですが、修理する段取りも( ゚ ρ ゚ )ボーッとしながら映像が浮かんできてシミュレーションしてワクワクしてヒラメキがあるとも言います。確かに私もボーッとして心地がイイときにいろいろひらめくから息子が言っていることはなんとな~く理解ができます。物忘れややることを先送りにしてしまうことは少し困ることもありますが、イマジネーションで自分の道を開拓していけるのなら、いい特性なんだろうな~と思うのでした。
2019年09月09日自己分析をして、目標に向けて行動する力を高めよう『やる気スイッチをON!実行機能をアップする37のワーク』著者の高山恵子さんは自身もADHDであり、ADHDの理解の普及支援を行うNPO法人えじそんくらぶの代表です。本書の中で実行機能とは「目標に向かって行動するために必要な考えや行動、感情をコントロールする機能」のことを指します。ワークを通して、自分の苦手なことについて自己分析をしたり、問題解決力をつけたりするために活用できる一冊です。実行機能を構成する要素は「起動(やる気スイッチ)」「計画立案」「時間の管理」など計8つに分類されており、まず自分がもつそれぞれの力のバランスをチェックリストで分析。その上で各要素の力を高めるためのワークに取り組むことで、バランスよく実行機能を高めていくことに役立てられるようになっています。ワークは実生活の中で起こりうることが例になっているので、自分に当てはめて考えることができます。また、実行機能を高めるワーク以外に、「朝ねぼうした」「遅刻した」などの失敗した場面でどう対処したら良いかを考えるワークもついており、実行機能を高めていきながら、問題が発生したときにも応用できるような構成となっています。当事者による、生活していくための分析が詰まった一冊『発達障害の私が夫と普通に暮らすために書いているノート』大人になり結婚した後に発達障害であることが判明した著者のななしのういさん。それまで自身の特性による困り感は特に感じていなかったそうですが、夫と生活していく中で夫につらい思いをさせている場面があることに気づき、状況を改善するためにノートを書き始めたそう。文字にして書き出すことで頭の中が整理できるという著者の手書きのノートは、起こったできごとの分析とそれに対しての改善策が丁寧に記されています。ノートには、夫婦のコミュニケーションから、料理や掃除・片付けなど日常の家事、仕事や通院のことまで、生活に関するさまざまなことがまとめられています。中には、著者自身の視点からの分析に加えて夫からのコメントがついているページも。起こったできごとに対しての夫の見解や著者に対して思うことが書かれています。文字にすることで双方の考えを理解して改善策を見つけ出していく方法は、いろいろな人との関係調整や困りごとの解消に活用できそうです。見やすく、楽しみながら学習できる!『個別支援プリント』シリーズ多くの人にとって読みやすいと言われているUD書体を使用して作られた国語と算数のプリント集が発売されました。丁寧な解説やなぞりがき線の補助など取り組む際にお子さんが苦手意識を持ちにくいような工夫も凝らされおり、特別支援教育士の先生も推薦しているプリント集です。『漢字が苦手な子どもへの個別支援プリント』シリーズはステップ4の2年生の漢字まで、『算数が苦手な子どもへの個別支援プリント』シリーズはステップ6の3年生と4年生の一部内容までを含んだものが発売されています。ステップ1は、漢字の学習に入る前の線のなぞりがき・ひらがな・カタカナ・数字のプリント集になっています。とめる・はらうなどの運筆の練習や「さんかいよんでからかきましょう」など取り組み方の説明がついているので、少しずつステップを踏みながら取り組むことができます。また、マス写しのように楽しみながら空間認知力を鍛えられる問題も含まれており、読み書きに抵抗感なく取り組みながら、その後の漢字の学習に繋げることができます。くり上がりの足し算、くり下がりの引き算の問題集ですが、まずは20までの数を図に合わせて数字で書いてみたり、並んだ数字の穴埋めをしたり、「1と9」「2と8」など数を分解したりと、数字の概念の学習から問題が始まります。くり上がり・くり下がりの計算の際には、数字を分解して書く欄やくり上がりの数字を書く欄など補助が豊富で、取り組み方を一つずつ理解しながら進んでいくことができます。子どもの気になる言動、その理由は?『発達と障害を考える本』シリーズ学校の場面に合わせて特性のある子どもの気になる言動とその理由や支援の手立てを解説するシリーズ「発達と障害を考える本」、これまでのADHD、LDに加えてアスペルガー症候群、自閉症についてまとめた新刊が発売されます。『ふしぎだね!?新版アスペルガー症候群のおともだち』では、「授業中に関係のない話をしてしまう」「思い通りにならないとパニックになる」「会話がかみあわない」など特性からくる困りごとを抱えた小学生について、そのときの本人の心情と、授業や友人関係の中で工夫ができることを解説しています。得意な面を生かした関わり方も提案されているので、お友達との活動の中で無理なく参加し、本人の自己肯定感を高める工夫を考えるヒントももらえそうです。また『ふしぎだね!?新版自閉症のおともだち』では、特別支援学級で学ぶ5人の小学生が登場し、「予定が変わると不安になる」「他の人の給食を食べてしまう」「リコーダーの音が我慢できない」など、交流級でのできごとを中心に、特性に合わせた配慮を知ることができます。周りのおともだちが不思議に思う行動も、特性を知ることで本人が過ごしやすくなることがわかります。やさしい解説で、学校の先生が読んでも、クラスに気になる行動をする友達がいるというお子さまが読んでもわかりやすい一冊です。
2019年09月06日「○○しなさい!」返事はするのにできない息子。自分でできるようにするため、特性を活かすことに!Upload By かなしろにゃんこ。親の指示を素直に実行できる子がうらやましいといつも思っていました。息子・リュウ太が私の言うことをすんなり聞くことは、まずなかったからです。ADHDと広汎性発達障害がある息子。外出先から家に帰ると「うがいしなさい!」や「手を洗いなさい!」と伝えるものの、息子は常に後回し。「時間割そろえて明日の用意をしなさい」などの親の声に対しては、”ながら返事”で無意識に返事をしていて、本人は返事をしたことすら忘れていることがあります。ADHDの特性からか、ワクワクすることや今まさに注目していることにしか関心がありませんから、小学校2年生頃まではうまく指示に従えませんでした。でも高学年になると、ADHDではなく、広汎性発達障害の特性が活きてくるようになりました。その特性とは「ルーティンで行動する」ということ。特性に気づいてからは、やってほしいことが息子にとってのルーティンになるよう、指示を忘れているときや意識が向かわずうまく従えないときも必ず声をかけて365日過ごすことにしました。Upload By かなしろにゃんこ。やることリストを書いて貼っておくなど、伝わりやすい方法は子どもによっても違うと思いますが、息子の場合は忘れているかもと思ったタイミングで声をかけてあげることが効果的でした。例えば帰宅後の手洗いうがいだったら、忘れているかな?と思ったらすぐに「手洗いとうがい忘れてるよ、家に入ったら最初に洗面台に行くようにしてね」と伝えます。最初は「ボクの行動にいちいち注意するウザいお母さん」と思っていたそうです。それは今もかな。笑しかし毎日毎日続けていくことで、学校から帰ったら手を洗わないと気持ちが悪いと思うようになっていったと息子は言います。Upload By かなしろにゃんこ。中学生では自主的に「家に帰ったら足を洗う」こともルーティンに加え、毎日やっていました。一度ルーティンでできるようになると指示を出さなくてもいいので、親も子も楽。毎日面倒だけど声かけしていけばできるようになる!と実感して、それからは諦めずに1000回は声かけをしよう!という意識になってきました。何か考え事をしていても無意識に体が行動して済ませてくれるまで♡声かけをするときは怒らないように、普通に話しかける感じで伝えます。毎日毎日怒られる...と思ってしまうと子どもも嫌な気持ちになりますもんね。Upload By かなしろにゃんこ。ただ、明日の準備と宿題だけはいくら声をかけてもダメでした。翌日の持ち物は毎日用意するものに変化があるのでルーティンではできなかったようです。また時間割の準備や宿題に取り掛かろうとすると、教科のことを考えて好き嫌いセンサーが反応してしまい、無意識で体が動くようにはなってくれないのだそう。そういう理由なので、このあたりはその都度私が一緒にみてあげながら、ときには忘れ物をしながら小学生の日々を過ごしました。ランドセルの上に帽子を乗せてまとめておくことだけは無意識でできていたので、ヨシ!としていました。Upload By かなしろにゃんこ。成長してきた息子、家事のお手伝いもルーティンでできるように!わが家では、家族の一員として家の家事を何かしら担ってもらうようにしています。そこで、息子がルーティンなことであればほぼ忘れず出来るようになった中学生のときに、取り組んでほしい家事を教えることにしました。まずはゴミ捨てです。”朝玄関の前にゴミが置いてあったらゴミを収集所に持っていく”ことを何度か教えたら、やれるようになりました。そしてお風呂使用後の片付け。お風呂に入った後に鏡の水滴を拭いて窓を開け、バスマットを洗面所に干すということを2年ほど伝え続けたら、これもできるようになりました。お風呂に入ってゴシゴシ体を洗ったら周囲の片づけもセットでやる!というように覚えてくれたようです。いくつかの行動をルーティン化させていくうえでわかったのは、覚えてくれたら指示を変えないことが大事なんだということです。Upload By かなしろにゃんこ。毎日こうしてああしてと親の都合でやり方や時間帯をコロコロ変えると、子どもも混乱してできなくなります。やってほしいことのルールを変更したときは、また振り出しに戻って丁寧に何度も繰り返し伝えることにしています。毎日の行動はできないわけじゃなくて、覚えてルーティン化するまでに時間がかかるだけ。何度も伝えなきゃいけないのは本当に大変ですが、それは私のルーティンとして決めてしまえばいいんだって思いました。そう考えることで、毎日伝えることに対してのストレスも少し軽減された気がします。本人の意思でやりたくないことや、一人でやるのが難しいことはもちろんありますが、手洗いうがいのように毎日やったほうが良いことや、家族の一員としてできる簡単なお手伝いは、少しずつでも自分からできるようになってくれてよかったなと思います。現在は、就職した息子が帰宅後にお弁当箱をなかなか洗わないことに声かけをしています。まだまだ母の戦いは続きそうです。笑
2019年08月28日環境の変化、できないことに戸惑う日々...手探りで取り組む子育ての苦悩『ムーちゃんと手をつないで』2巻2019年2月に1巻が発売されたみなと鈴さんの『ムーちゃんと手をつないで』の2巻が発売されました。わが子ムーちゃんに自閉症があることが分かり、受け入れきれずに苦悩する家族の様子が赤裸々に描かれた1巻。2巻は、ムーちゃん家族が引越しをして新しい療育園に通い始めるところから始まります。環境の変化、他の子どもとの違い、弄便...悩みの尽きない日々は決して明るく前向きなものではありません。それでもムーちゃんのためにできることに必死で取り組んでいく姿には、共感できる方も多いのではないでしょうか。そんなムーちゃんと母には、通っている療育園でいつも厳しく接してくる先生が。先生との今後の関係性も気になるポイントです。子どもの不可解な行動、本人に聞いてみたら...『発達障害僕にはイラつく理由(ワケ)がある!』LITALICO発達ナビの連載でも人気の漫画家、かなしろにゃんこ。さんの新刊が発売されました!ADHDと軽い自閉症スペクトラム障害がある息子リュウ太くんの、「キレやすい」「おしゃべりが止まらない」「謝らない」「物をなくす」といった行動に悩まされていたかなしろにゃんこ。さん。子どもの行動に困ったとき、どうしてこんな行動をするんだろう?とその理由が知りたくなりますよね。本書では、大人になったリュウ太くん本人に聞いた行動のワケと、公認心理師でもある前川あさ美先生(東京女子大学教授)による解説から、「行動の理由や背景」を解き明かしていきます。漫画で綴られるリュウ太くんとかなしろにゃんこ。さんの子ども時代の具体的なエピソードの数々には、共感できる方も多いのではないでしょうか。そこに前川先生の保護者に寄り添った目線での解説が加わることで、楽しく読み進めながらも、子どもの行動や気持ちに向き合って育てていくヒントを得ることができそうです。子育ての悩み、100の質問に小児精神・神経科医が答える『発達・子育て相談のコツ』子育ての悩みというのは、一つ成長するとまた新しい心配事が生まれ…悩みが尽きないという方も多いのではないでしょうか。本書には子育て相談でよく聞かれる100の質問とその回答が掲載されています。回答している筆者は小児精神・神経科医。悩みの種類は発達障害がある子どもに限ったものではありませんが、回答は発達・心理面の視点を織り交ぜた内容なので、発達が気になる子どもの子育ての中でも参考になるポイントが多くありそうです。質問は、「Ⅰ乳児期・幼児前期」「Ⅱ幼児後期」「Ⅲ学齢期」「Ⅳ思春期・青年期」と、おおよその年齢順に並べられています。「七ヶ月の息子が目を合わせてくれない」「4歳の娘が幼稚園でよく喧嘩をする」「小学6年、忘れ物が多い」「高校生の息子がスマホゲーム依存症?」など、目次から気になる質問を探して目を通すことができます。お子さんによって、また環境によってもお悩みに対しての解決方法はさまざまあり、答えは一つではありません。本書では考え方や視点を複数提示する形で筆者が答えているため、子どもの特性や環境に合ったお悩み解決方法を見つけていくのに役立ちそうな一冊です。誰もが自然体で集える場所、そこに関わる人の想いとは『庭に小さなカフェを作ったら、みんなの居場所になった。』富山県砺波市にある「みやの森カフェ」。そこには老若男女問わず地域のさまざまな人々が日々集いますが、あくまで支援の場ではなく、働く人とお客さんで成り立つ"カフェ"という場所です。心地よい距離感で人が集うカフェがどのようにつくられ、関わる人々がどのような思いでいるのか。オーナーの加藤愛理子さん、水野カオルさんをはじめ、働くスタッフ、お客さんなどカフェに集うさまざまな人たちへのインタビューを通して知ることができます。生きてきた環境や障害の有無なども関係なく、集う人それぞれを受け入れて当たり前のように接することができる場が、カフェで食事をとる中での繋がりを通して形成されていく。そこでのコミュニケーションは程よい距離感で、考え方や関わりかたもとても自然体であることが、本書を通して伝わってきます。誰もが地域の中で支えあいながら生きていくことや、肩の力を抜いたコミュニケーションの取り方のヒントを見つけることができそうです。苦手意識を持ちやすい水泳、視覚支援を使いながら親子で練習できる!『発達が気になる子への水泳の教え方』学校の授業や夏休みのお出かけでプールに入る機会も多い時期。水泳はさまざまな感覚を刺激し、また全身をさまざまに動かす必要があるため、発達障害のあるお子さんにとって苦手意識を持ちやすいスポーツかもしれません。本書では、Part1は水慣れの練習、Part2は水の世界を感じる練習、Part3は泳ぎにつなげる練習と、それぞれのお子さんの状況や達成度に合わせた練習方法が紹介されています。プールに入ること自体が苦手・怖い場合にはまず恐怖心を少しずつ減らしたり水の感覚に慣れたりするための練習、泳ぎがうまくできない場合にはそれぞれの泳法の練習が、写真やサポートのポイント付きで紹介されており、お子さんの苦手にあわせてサポートすることができます。水泳に取り組む際、発達障害のあるお子さんにはどんな指示が伝わりやすく、どんなポイントを意識して指導をすると楽しく練習ができるのかなど、指導者が心がけたい内容もまとめて解説されています。また巻末には、どうしても口頭での指示が多くなりやすいプールの場面で視覚補助として使えるコミュニケーションカード付き。切り取ってラミネート加工などを施してプールサイドに持っていけば、集団指示が苦手なお子さんに次の行動を伝えるのに役立ち、安全の確保にも繋がりますね。学校での場面をもとに、子どもの気になる行動を考えよう『発達と障害を考える本』シリーズ学校の場面に合わせて、特性のある子どもの気になる行動と、その理由や支援の手立てを解説するシリーズ「発達と障害を考える本」からADHDとLDについてまとめた新刊がそれぞれ発売されました。「いつも忘れ物をしてしまう」「授業中にどうしても立ち歩いてしまう」「約束を忘れてしまう」「一方的におしゃべりをしてしまう」...そんなADHDの特性による困りごとがある5人の小学生のストーリーが、ADHDに詳しい先生の解説を交えて記されている『ふしぎだね!?新版ADHDのおともだち』。『ふしぎだね!?新版LDのおともだち』では、「教科書が読めない」「文字がうまく書けない」「発表や会話がうまくできない」「算数だけが苦手」など学習の中でのつまずきについて、個別サポートを取り入れながら授業の中でも自信を持って取り組めるようにサポートしていく方法が解説されています。それぞれの障害特性についても詳しく解説されているので、特性を理解した上で子どもの苦手に対する支援を実践していくために役立てられそうです。気になる行動に、感覚統合の視点を取り入れた支援を実践!『子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション』保育者と作業療法士から構成される「NARA感覚統合研究会」が保育の現場などで見られる子どもの気になる行動に対して焦点を当てて構成した、感覚統合の実践のための本が発売されました。Part1では感覚統合についての説明、Part2では「保育活動 トラブル別感覚統合遊び」と、感覚統合について知り、現場で取り入れていくための実践的な内容がまとめられています。特にPart2では、お子さんの苦手について「姿勢を保てない ぐにゃぐにゃタイプ」「手先が不器用なブキッチョタイプ」など10のタイプに分け、苦手の理由と支援の方向性、支援に役立つ遊びや道具の工夫が紹介されています。クラスにいる行動の気になる子に近いタイプを見つけ、日頃の保育や関わりの中に支援方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。各ページに写真やイラストが多く使われており、感覚統合の視点を保育や支援の現場で取り入れたいけれど、子どもの苦手にあわせて楽しく取り組める方法が分からないという支援者はもちろん、保護者が読んでも分かりやすい一冊です。
2019年08月15日ADHD息子、小学3年生で学校生活のストレスが溜まりはじめて...Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太が小学校3年生のとき。リュウ太は、学校でイライラすることが多くなりました。そして周囲とケンカになる、机に伏せて授業が受けられないなど、学校生活を送る上での問題が目立ってきたのです。担任の先生との一学期の面談では、「リュウ太くんは他の子よりも心の成長が遅いのかもしれません。教育相談所に相談してみたらどうでしょう?」と言われました。Upload By かなしろにゃんこ。私もリュウ太は年齢よりも幼いし、気性も激しくて育てにくいと感じていたので、やっぱり何か発達に問題があるのかもしれない…と思い、担任の先生が勧めてくれた教育相談所に連絡してみようと思い始めました。とはいえ私はそれまで、教育相談所という機関の存在なんて気にしたことすらありませんでした。それに当時は今から12年前。スマホで手軽にネット検索できる時代ではありませんでしたから、教育相談所がどんなところなのか何も情報がない状態で不安な気持ちなこともあって、すぐに問い合わせる勇気はありません。どうするか悩んでいた夏休みの前、リュウ太のストレスはピークに達してしまいました。家に帰ってきてもイヤなことを引きずって物にあたり散らす日々…そのうち「お腹が痛い」と言うようになりました。どのあたりが痛いのか聞くと、胃のようでした。イライラや心の問題が体にも不調となって表れていたのです。これはもう私一人ではどうしようもない…勇気を出して、教育相談所に連絡してみることにしました。担任の先生は教育相談所について、「育児の悩み相談もできるところだから何でも相談してみるといいですよ」と教えてくれましたが、私の中では「ザーマスタイプのおっかない教育熱心な指導者に『あなたの育児は間違っています!そんなんじゃダメですよ!』と怒られるのかも…」そんなイメージばかりが膨らんで(笑)、面談に行く前はドキドキだったことを今でも思い出します。勇気を出して教育相談所へ!そこは母も息子も安心できる場所だったUpload By かなしろにゃんこ。しかし、実際は違いました…!私よりも少し若い男性相談員の方が私のカウンセリングをしてくれる間、息子には若い女性の指導員の先生がついてくれるのだといいます。息子はオモチャがたくさん置いてある畳の部屋に誘導され、指導員の先生と一緒にさまざまなオモチャで遊びました。息子は自分の好きなオモチャもそうでないものも、片っ端から引っ張り出しては触って試して遊んだそうです。ここでの狙いは、遊びの中で「この遊び方をしていいんだ、ぼくはぼくのままでいいんだ!」という自己肯定感を育むことなのだと教えてもらいました。ですから、息子がどんな遊び方をしても指導員の先生は怒ったり注意したりすることはなく、息子は楽しみながら自己肯定感を高めることができたのです。Upload By かなしろにゃんこ。私も小さな相談室に促され、相談員の先生に子育ての様子や困っていることを打ち明けました。これまで誰にも子育ての困り事を相談したことがなかった私。聞いてくれる人がいる、なんでも話していい。それだけでとても嬉しく、心が軽くなる感じがしました。それまでは、親など身近な人に話しても「言い聞かせが足りない」「躾ができていない」などと言われて、「もっと厳しくしないといけないんだ…私の育児は甘いんだ」と落ち込むばかり。息子に対して厳しくすればするほど反発され暴れられるということを繰り返し…いつからか誰にも相談しなくなっていたのです。「一人でなんとかしなくちゃ!」と頑張りすぎていたその頃の私は、「厳しさが足りないんだ」と思い込んで、軍隊のような礼儀・作法・規則を厳守させたりする指導が必要なんじゃないか、とまで考えていました。でも、教育相談所に通った2年の間、毎回少しずつ困り事を話していくうちに、私が困っていることの要因やどうしたらいいのかが、整理できてきました。〇ただ厳しく育てるだけでは逆効果で、息子は変わらないこと。〇息子は周りからちょっかいを出され、やめてと言ってもやめてもらえずに学校でイライラしていること。〇息子は学校でイヤなことがあると、そのストレスを家で爆発させていること。整理されて気づいたのは、私が困っていることは息子も困っていることだということです。Upload By かなしろにゃんこ。一人だと悩みをまとめることができなくて「自分はとにかく息子のことで困ってる!問題がいろいろありすぎて何に困っているかは分からない?考えるの面倒だから全部に困ってる!」となるんですが、人に話すことで見えてくるんですね。なんとか変えていきたいことについては、できることから取り組むようにアドバイスしてもらいました。〇息子の場合は、一人でできないことはできるようになるまで注意しないで待ってあげる方がよいこと。(例えば時間割に合わせた持ち物の準備や、提出物の準備など)〇学校で起こったイヤな出来事の話も含めて、家でたくさん息子の話を聞くこと。アドバイスを受けて、「息子が一日のうちで体験するイヤなことを、家では減らす」ということかな?と思いました。学校で起こることは親にはどうにもできないこともあります。その分、家の中では子どもの思いを受け止めて、楽しく過ごさせてあげたいなと思ったのです。家でも学校でもイヤなことがあったらたまりませんもんね…。悩みを吐き出したら、息子にとってより良い環境づくりに前向きになれたUpload By かなしろにゃんこ。躾が足りないと思って厳しくしていた私は、逆のことをやっていたんだ――そう気がついたのは、通い出して半年後のことです。相談員の先生は私に「こうしなさい」「ああしなさい」とは言いませんでした。「こうしてみるのもいいかもしれないですね」とあくまで提案のかたちでした。提案された方法の中から、息子に合ったものを考えて自分で選んでいくプロセスが、私には必要だったんだと思います。相談員の先生は、そこまで分かった上で話してくれていたのでしょう。息子が変わるには、まず私が変わることが先で、私が変わるには考え方を変えていかないといけない。考え方を変えるには、私の中に新しい情報が入るように空欄を作ること、空欄を作るために私の悩みや苦しいものを外に出さないといけなかったんですね。そして新しい情報が入ると共に、こだわっていた考え方が柔らかくなってきて「新しい方法を試そう!」という気持ちになってくる。Upload By かなしろにゃんこ。育児を注意されないように、甘やかしていると思われないように、相手に攻撃されないように…絶えずそんな気持ちでバリアを張っていたら、新しい有力な情報をはじいてしまいますもんね。でも、以前の私はそんなふうに生きていたんでしょう。そんな私の姿を学校の先生も分かっていて、教育相談所を紹介してくれたんだと思います。そして教育相談所とつながれたから、発達が気になる子の診断をしてくれるクリニックも紹介してもらい、小学4年の頃に受診、ADHDと広汎性発達障害と診断され、特性による困りごとにも早め早めに対応できるようになったのです。おかげで、後に訪れる反抗期の息子と大喧嘩はしても大きくこじれることもなく乗り越えることができました。必要なときに必要な支援に出合えたことが、大人になった息子とのイイ感じの親子関係にもつながっています。いまもし悩んでいるママがいたら、一人で抱え込まずに、支援機関につながって悩みも不安も全部相談してみてほしいなと思います。
2019年07月22日買うまで続く、「オモチャ買ってーー!」のおねだりに根負けしていた日々Upload By かなしろにゃんこ。子どもなら誰でも一度くらい公の場で、「オモチャ買って―――!!」と泣いたりして親を困らせることはあると思いますが、ADHDと広汎性発達障害があるうちの息子は我慢が苦手。全てに我慢が苦手なわけではなくて、物欲にだけは我慢を頑張ろうとしてくれません。欲しい物があると、コレだけは買ってほしい、買ってくれたっていいじゃないか、など手に入れるまで何度も何度も体全部を使って跳んだり私の腕をつかんだり私の周りを回ったりしながら"交渉"してくるので、しつこさに根負けしてしまう。Upload By かなしろにゃんこ。"交渉"というと「お手伝いするから」や「勉強頑張るから」など気の利いた約束をするのかな?と思うかもしれませんが、息子の交渉は「買ってくれたら買って買ってをしつこく言わないから」というものです。買ってあげたら、そりゃ言わなくなるだろうね…。しつこくされたくない、息子にしばらく大人しくしていてほしいあまりに、私はついつい財布の紐をゆるめてしまう(反省)。一度欲しいと思うと我慢ができない息子。でも買い物に行く度にオモチャを買わされたらたまらないし、我慢を覚えてほしいので、2回に1回は「お金が無いフリ」をして諦めてもらうようにしました。Upload By かなしろにゃんこ。その場は仕方なく諦めてくれても、買ってもらえないとなるとこの世の終わりかってぐらいに悲しみを訴えてくるので、息子のしつこさから逃れられません。「他の子はオモチャを買ってもらえるのにボクだけ買ってもらえない、それはうちが貧乏だからだ…なんでうちは貧乏なんだろう」などなど、たかが300円のオモチャを拒否しただけで、「ボクは数十年前の日本の貧しい家庭に生まれた子のようだ…!」と悲劇の人になってしまうらしい。メンタル弱すぎる。よくそこまでハッキリと親の経済状況をディスりながら自分の想いを口にできるわね…と感心するほどです。Upload By かなしろにゃんこ。息子の場合、オモチャのイベントやレストラン、遊園地などで体験して好奇心を満たすことにおいては、順番やルールを守るなどの我慢はできるのです。楽しいことのためには我慢ができるのに、物欲だけはキビシイってどうしてなのでしょう?ちゃんと子どものときに物欲も我慢することを覚えてもらわないと、我慢ができない大人になってしまうのでは…?そんなことを心配したこともありました。けれど育ててみた結果、この説は必ずしもそうとは言い切れないと思いました。Upload By かなしろにゃんこ。「物欲」を我慢できなかったあの頃の気持ち、大人になった息子に聞いてみたら現在は成人した息子に、買ってもらう行為を我慢しなかったことについて聞いてみると、どうも理由があるそうなんです。「我慢って必要じゃないと思っていたから、買ってくれそうな人には我慢なんてしないよ」とのこと。なんじゃと!計算しとったんか(汗)「本当に買ってくれない人には初めから買ってほしいとは言わない、お金が無くて買えないときは諦められる。だけど頑張って交渉して買ってもらえたときはとても嬉しい!その瞬間が嬉しいんだよね」と。「そもそも我慢って必要なのかな?って思うこともあるよ、大人はなんでも我慢我慢って言うけれど、子どもが欲しいことややりたい事を達成するために頑張ることの何がいけないの?って思ったりするわけ」とも言います。Upload By かなしろにゃんこ。息子の中には我慢しようなんて気持ちはさらさらなかったということです。そんなことよりも、親に交渉して勝ち取ったという達成感を味わっていたそうなんです。ADHD息子の狩猟本能…!?が刺激されていたのでしょうか…。当時の息子は、「欲しいものややりたいことを達成するために全力で頑張る!」ことに対して何より達成感を感じていた…だから、イベントなどの順番待ちは我慢できても、欲しいものを買ってもらえない状況では我慢ができなかったということだったようです。うーん、なるほど。だから折角買ってあげたオモチャにすぐ飽きるのか…そのオモチャ自体で遊ぶ前に、欲しいものを手に入れたことに対しての達成感で満ちていたんだな。成人して欲しいものは自分で購入するようになった息子は、金欠で欲しいものが買えないときは諦めるようになりつつあります。欲しいものがあることは、いけないことじゃありません。働く意欲に繋がるのである程度は必要ですよね。現在、息子は車をいじるのが趣味なので、部品など高額で欲しい物が多いため毎月金欠です…それでも自分のお財布と相談し、物欲を少しずつ我慢するようになってきた息子の姿を、「よしよし」と陰で応援しています。それからもう一つ、昔を振り返って思うことがあります。小さい頃は、今よりずっと人とのコミュニケーションがヘタだった息子。もしかすると、物を「買って買って」と求め、交渉することで、親とコミュニケーションを取ろうとしていたのかもしれない、と。もしかしたら、小さい頃のリュウ太は自分のワガママがどこまで通るか試すことで、「ボクを見て!」と私に甘えていたのかもしれません。
2019年07月09日小学校入学直後から、息子の様子に気づいていた先生からのサポートUpload By かなしろにゃんこ。小学校に入学してすぐの頃から、先生は息子の様子や特性を見て「この子はきっと発達障害がある」と気にかけてくださっていた気がします。当時、机に座っていられない、授業中に絵を書く、体育の授業は床で寝転がるなど、誰が見たって「この子変わってる!?」と思うような行動が多かった息子。そんな息子を先生はサポートしてくれていました。私には「お子さん発達障害がありますよ」と直接伝えられてはいませんでしたが、今思うと個別支援計画も作っていただいていたように思います。Upload By かなしろにゃんこ。先生は短期目標を作って、息子がいつでも思い出せるように机に貼ってくれたり、頻繁に声かけをしてくれたりと、達成に向けたサポートをしてくれていました。目標は「ランドセルをロッカーにしまえる」や「1時間座っていられる」など、その当時の息子の状況に合わせて、無理なく設定されたものでした。担任の先生や補助の先生が息子をじっくり観察して、スモールステップで取り組める、「(少しのサポートや配慮があれば)できる目標」を立ててくれていたのだと思います。そして、目標にしていたことができると「できましたね!」と褒め、できたねシールを貼るポスターを用意するなど、本人が達成感を感じられるような働きかけもしてくれていたのです。息子の様子、家とは違う!?こまめに先生が教えてくれたUpload By かなしろにゃんこ。先生からは普段、学童保育のお迎えなどでたまたま会った際にまとめて息子の様子を報告してもらい、息子がいけないことをした場合は都度お電話で報告をもらっていました。他にも連絡帳に先生がお手紙を書いてくれたりもしました。ちなみに、連絡帳を持ち帰るのをほぼ忘れるADHD息子。先生からの連絡を見られるのは10日に1回程度でした。どうしても伝えないといけない内容のお手紙は、先生自ら息子のランドセルに入れてくれるのでした。先生優しい…♡また、面談の際には、他の子と同じようにできないことについても親が焦らないように、「少しずつできるようになればいいです」と伝えてくれたり、できないことについて否定的に感じないように「みんなも同じです、できないことはあります」と言ってくれたり…「お母さんの育て方は間違っています!」という言い方は一度もなく、励ましてくれました。それまで息子が他の子と同じようにできないことを知らなかった私は、先生との面談や連絡帳に書いてある息子の様子を読んで「アレ…アレレ…」と集団生活や授業参加がうまくいっていないことを知っていったのでした。先生から伝えられることの9割は耳が痛いことばかりですが、家にいるときの息子と集団生活の中での息子は違う、いいことも悪いこともすべて含めて息子を知るために先生との情報交換は必要なんだ…と思うことにしました。信頼できる先生からのすすめで、はじめての教育相談へUpload By かなしろにゃんこ。3年生のときの担任の先生との夏の面談で、「うちの子って考え方が幼いんですよ…」と相談したところ、「そうですね…リュウ太くんは他の子よりも心の発達が遅いのが気になりますね」と教育相談所での相談を勧められました。先生との連携が日頃からうまくとれていたこともあって、「ああ、そういう場所で相談する方法もあるんだ~」と先生の勧めに素直にうなずくことができました。Upload By かなしろにゃんこ。担任の先生は教育相談所の連絡先を教えてくれたり、発達が気になる子の情報誌を貸してくれたりと、息子だけでなく母である私のことまでサポートしてくれました。おかげで教育相談所に繋がることができて月に2回、午後2時から相談の時間を設けてもらいました。教育相談に行く日は息子は給食を食べたら学校を早退するようにして、先生にも協力してもらい、出かける時間に息子を送り出してもらっていました。教育相談では息子は自己肯定感を育てる遊びにのびのびと取り組み、私はカウンセリングを受けました。教育相談所に行く前は、「あなたの育て方が悪い!」と怒られたりしないかしら…と少し不安もありましたが、そんなことはまったくなく、カウンセリングを通して発達が気になる子どもとの接し方を教えてもらったり、なかなか勇気が出なくて避けていた児童精神科の受診を勧めてもらったりしたのでした。こうして学校の先生の勧めで教育相談に行ったことが発達障害の診断を受けるきっかけとなり、私は息子の特性と本格的に向き合うことになっていったのです。Upload By かなしろにゃんこ。お互い気持ちのよいやりとりで連携するため、親の私も心がけをもし、担任の先生と折り合いが良くなかったり、報告・相談がうまくできない関係だったりしたら、診断はもっと遅くなり親子で困って抜け出せなくなっていたかもしれません。特性はありながらも、将来に向けて頑張っている息子の成長を見るにつれ、先生が丁寧なフォローをしてくれたおかげだと、小・中学校で息子の担任になっていただいた先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。先生といい関係を築いていくためには、私自身も心がけていたことがありました。まず、私から先生や学校に言いたい事は、腹八分にすることにしていました。息子がクラスメイトに迷惑をかけることが圧倒的に多いですから。トホホ…。そして、お話しするときは感情的にならないよう気をつけていました。親にイヤな言い方をされたら、先生だって生徒を可愛いと思えなくなってしまうと思ったのです。先生とのコミュニケーションでこの2つを気をつけていたことで、先生も息子の話を保護者に話しやすい・支援の提案もしやすい、と感じてくれていたと思います。臨時に家庭訪問を設定し、家での様子を見に来てくれる先生もいました。また、息子がいじめにあっている場合は、日頃の情報交換の報告相談とは別に、改めていじめの問題として相談することにしていました。ただ、いじめの問題だけは感情的に話してしまいますね…。一度だけ先生に噛みついたことがありますが、申し訳なかったな~と反省しています。あの頃を振り返って…先生との連携があったから、学校での息子の様子を知ることができ、必要なサポートに繋がっていくことができたと感じています。
2019年06月24日雨の季節、頭を悩ませていた傘問題...Upload By かなしろにゃんこ。梅雨の時期、毎年頭を悩ませていた傘問題。うっかり屋でおっちょこちょいのADHDの息子は、傘を学校から持って帰ることができませんでした。登校の際に「帰りに雨が止んでいても傘は持って帰ってね」と伝えても、雨がやむと忘れ、学校に置いてきてしまいます。下校時に周りのみんなが傘を持ち帰ろうとする姿を見ても、気にもとめません。そのため、梅雨や春雨、秋雨の時期は学校に傘がたまり、家の傘がなくなります。何度言ってもできないのが特性ですから、仕方なく学校に息子を迎えに行くついでに傘を取りに行くことで問題を解決していました。しかし、忙しいときはそうはいきませんし、持ち物の管理は自分でできるようになってほしい、そう思っていました。こんなに壊れる?こんなになくす?原因を探して一つずつクリアにUpload By かなしろにゃんこ。本人は小雨程度では傘を持ちたくないとも言うくらい、傘のことなんて全く気にせず生きているので、低学年の頃は期待しないで親が管理するようにしていました。それでも少しずつ自分で持ち物管理をしてもらうため、傘を持ち帰らない原因を本人にも尋ねてみたところ、単に「持ち帰るのを忘れる」だけではなく、使っていた傘にも原因があることがわかりました。息子は当時黄色い傘を使ってい他のですが、学校の傘立てには同じ黄色い傘がいっぱい。持ち帰ろうと思っても、自分の傘を見つけられなくなってしまうとのことなのです。探すことが苦手な特性もあるので、そのことに気づいてからは、探しやすいように黄色以外の目立つ色の傘にすることで自分の傘が一目で分かるようにしました。そうして自分の傘を見つけることはクリアしたものの、他にも傘に関する問題が。購入したばかりの傘の骨が折れたり曲がってしまったりと、いつもすぐに壊れてしまうのです。「この子は傘の扱いが乱暴だな~振り回したりオモチャにしたりしているのか?」と思っていたのですが、なんと原因は学校の傘立てでした。Upload By かなしろにゃんこ。学校の傘立てにはたくさんの傘が刺さっています。その中から自分の傘を器用に取り出すことができず、無理に引っ張り出そうとするため傘がボロボロになってしまうのです。傘をおもちゃにしていたわけではありませんでした。これに対しては「じゃあ、毎回傘立ての一番端っこに真っ直ぐ立てておくようにしたら?絡まりを防げて取り出しやすくなるよ!」と置き場所と置き方についてアドバイスをしました。「うん、そうする」といい返事はするのですが、なかなか実行はできないみたいで...傘はまたすぐにボロボロに壊れます。「ボクの傘の上に誰かの傘がささってて、抜き取ったら壊れたー!!!」とカンカンに。Upload By かなしろにゃんこ。傘は閉じてから傘立ての端に真っ直ぐ立てようね!と何度説明しても、息子は自分の言い分を押し通して分かってもらおうとするので問題は解決できません。「すぐ折れたり壊れたりする傘の形がいけない」「学校の傘立ての形が使いにくい」「持ち帰るのを忘れることも傘を無くすこともワザとじゃないから」などなど、理由があるからボクが100%悪いんじゃないんだよ!と訴えてくるのでした。「もう傘いらない!」と逆ギレまでする始末。まぁ息子は注意すると毎回こんな感じです、トホホ…(涙)一人で物の管理ができないのがADHDなんだな…と傘については半分諦めモードでした。年齢が上がって...傘問題、折りたたみ傘ですんなり解決!Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。中学に入ってから、黒や紺色の落ち着いた色の傘じゃないと恥ずかしいと言うようになった息子。しかし、それにより今度は勝手に使われたり盗まれたりする問題が発生するように。そこで、少し手先も器用になってきたことだし、と試しに折り畳み傘を勧めてみたところ...これが大成功でした!ビニール袋に入れて水分が漏れない状態で鞄に入れておけば、忘れることも勝手に使われることもない。雑ではあるけれどなんとか袋にしまうこともできるし、傘立てに入れなくなったことで傘が引っかかって壊れることもなくなりました。こうして中学生になってようやく、傘問題が解決されたのです!現在息子は21歳、傘を壊すことなくそこそこ丁寧に扱えるようになっています。人間は成長するんだな~と思わずにはいられません。思えば何本の傘を買ったのだろう…私の傘を貸してあげた物を含めると~えーと数十本はいくな~…遠い目…(笑)私の傘を息子にとられることが無くなった今、やっとブランドの傘が買える~♡
2019年06月10日コマーシャルとちょっとした宣言このたび、金子書房から新刊が出ます。タイトルは『ADHDとともに生きる人たちへ〜医療からみた「生きづらさ」と支援〜』です。これは、2017、18年の2回にわたり開催した研修会の講演内容を文字化し、大幅に加筆修正したものです。精神科医になった1983年に、僕は診療録に書いた内容を先輩医師のまえで報告する時がありました。報告後、「キミは、書いたものよりも、口頭のほうが、伝わりやすいね」と言われました。果たして本書がそうなっているか、内容について関心があれば、読んでいただければ幸いです。ADHDに関しては、実は、もう一つ、2001年に刊行した、星和書店の『ADHDの明日に向かって』を、ここ1、2年の間に大幅に修正するか、新たに書き下ろさないといけないと思っています。あのままでは置いておけないと思っているのです。僕は、発達障害のなかでも、縁あって特にADHDに関心を抱き続け、ここまで来ました。でも、正直、ADHDに関しては、今でも2001年のあの本を超えたものが書けていないように思っています。これは、悔しいというか、恥ずかしいというか、このままではいけないと思っています。ただ、今の課題は、日々の臨床のなかで、その作業時間がつくれるかどうかです。でもこうして宣言しておくと、これからとぼけることが出来なくなります。これは覚悟です。さて、話は変わって。発達ナビからは、「日々の臨床で感じていること、考えていることを書いてみて」と依頼されました。でも、日々の臨床で感じ続けていることは、いつも己の力不足であり、学習不足と自責の念です。そこで、過去と現在と未来について考えてみました。過去のこと――院外での出会いも。発達障害のある子どもたちと社会との架け橋役に出典 : 僕は1983年に精神科医になり、故郷を離れて北海道に来ました。初期研修を終えて、医師になって10年を目前にしたとき、僕は児童精神科医を目指し、児童部門のある精神病院に就職し、数年後に児童部門を背負いました。当時は不登校から(軽度)発達障害と児童虐待問題へと大きく展開した時期でもありました。僕は北大や札幌医大、旭川医大の卒業生でもなく、本州からの流れ者医者です。どこにいっても常に一人で、どことも本当は決して馴染まない存在という異邦人的な感覚を持ち続けていました。もちろん、これは僕の単なるコンプレックスなのですが、こうした僕にある心許なさが、僕が出会いたいと切望していた子どもたちと、どこか重なる部分があったのかもしれません。ほかの誰の味方でもなく、キミの味方になりたい、という僕の思いは、僕自身を支える僕の気持ちでもあったのでしょう。児童部門を背負ってからは、児童相談所の嘱託医となり、子どもだけでなく家族全体を生活の視点で診ることを学び、福祉、教育分野の仲間たちが出来たことで、虐待防止活動や、家族と子どもたちと専門家が一蓮托生の思いで集う会を結成しました。「専門家の話だけでなく、同じ思いの親と出会いたい、親と話をしたい。教育、福祉の方々とも対等に話を、正直な思いを聞きたい」という切実な思いから結成した「十勝ADHD&LD懇話会」は、昨年結成30年目にその活動にピリオドを打ちました。僕自身は、こうした院外活動を通して、診察室のなかで、なかなか広がらない話から、たくさんの窓が開き、多くの方々と出会うことになりました。僕は、白衣を脱いで地域、現場に足を運ぶことで、異邦人的な感覚が薄まり、子どもたちや家族が躊躇している社会への接点への橋渡し役をすることが出来るようになりました。昨年「十勝ADHD&LD懇話会」の幕を閉じるとき、僕は懇話会の合い言葉でもあった“Children First”という言葉が、今も僕たちの心を支えていたことに気づきました。この哲学は、今、目の前の方々を大切に、という思いへと繋がっていきます。僕たちが向き合い、大切にしてきたのは、「発達障害」ではなく、一人一人の子どもが、親が、そして僕たちが、どうしたら日常をより豊かに生きられるか、という生き甲斐探しのようなものだったのかもしれません。現在のこと――クリニックで患者さんと向き合う毎日出典 : 僕の最初の10年は一般精神科医の時代で、次の10年は児童精神科医と研究機関と大学で教育と医療の境界線上に立ちました。2013年が30年目の節目でしたが、僕はすこしばかり早く大学の職を辞し、2012年からクリニックで日々、受診される方々と向き合い続けています。クリニックでは朝の9時前から夜の8時前後まで休みない診察が続きます。先日、思い立って患者状況を分析しました。それによると、この3月で登録患者数が1300名を超えました。男性は56%とわずかに多く、年齢的には、初診時18歳以下が65%を占め、2.2対1で男性優位ですが、19歳以上では35%、男女比は1対2で女性優位となります。初診時診断は、発達障害圏が70%で、いわゆる精神病圏は5%とかなり少ないのです。発達障害圏での主診断は、自閉スペクトラム症が68%と圧倒的に多く、2位のADHDが13%です。僕は発達障害圏にいわゆる第四の発達障害と称される発達性トラウマ障害を加えていて、それが3位で9%程度です。最近話題になっている「大人の発達障害」ですが、僕のクリニックでは、19歳以上で発達障害圏の方が19.4%を占めていました。また、きょうだい、親子、家族の受診者が全体の10%強を占め、さらに離婚問題を抱えていたり、DVや虐待事例も外来で対応しています。こうした特異な医療を7年も続けてこられたのは、ひとえにすべてのスタッフがクリニックの「治療的空間」を形成してくれているおかげです。クリニックは、僕以上にスタッフ各自が持つ、ホスピタリティに大きく依存していると言って良いかと思います。それでも僕の外来医療を後方で支えているのが、週1、2回外勤している精神科病院となります。そこには、道内の児童相談所の一時保護委託をはじめ、児童相談所からの紹介で診る子どもたちも含まれます。僕が外勤している精神科病院には児童病棟はありません。入院中に子どもの教育の保障ができません。それでも苦渋の選択のなか、1ヶ月以内の短期入院を30%程度で維持しつつ、全体の50%以上を3ヶ月以内の入院でしのぎ、支援しています。未来のこと――複合的な要因を紐解き、発達障害・被虐待児をいかに支援していくか出典 : 僕はいつも、やりたい仕事よりも、求められている仕事に追い立てられています。子どもの精神科医としてスタートした頃は、はじめは学校に行きにくい、行きたくない、行きたいのに行けない子どもたちと出会っていました。それはそれでとても有意義な時間を過ごせたと思います。しかし、すぐに診察室は発達障害が疑われる子どもたちと、その子との関わりに困り果て疲れ切っている親との出会いの場となりました。僕は子どもたちの成長を信じ、親や家族、関係者を労い励まし、勇気づける役割を担うことを目指しました。臨床を離れ大学での研究時代には、虐待が避けられない事態となり、自然、社会的養護の子どもたちと出会いはじめ、これまで以上に児童相談所等と連携する仕事が増え、再び臨床に戻りました。発達障害の多様さを知らなかった時代、僕はその視点で子どもたちを診ることができませんでした。マルトリートメント(※)のなかで育った方々の、人への不信感とそれでも人を求め続ける姿を知ってから、発達の躓きはマルトリートメントの結果となる場合もあり、発達障害が沢山の誘因の一つとしてマルトリートメントを生じさせる場合もあることを学びました。そして最近では、マルトリートメントしてしまう親自身が、子ども時代にマルトリートメントを受けてきた、あるいは生活のなかで深い心の傷を負っていたということにも気がつくようになりました。これからの外来・入院診療では、発達障害とマルトリートメントが重なりあっている病態への対応が急がれます。個人的には、その複雑な病態の評価と支援を構築する力をつけていきたいと思います。※虐待をはじめとする、不適切な養育のこと。今後も終わりのない学びを続けていく自己研鑽が、僕には必要です。同時に、これまで関わってきたなかで学んだことに普遍的なこともあります。それは、出会う方々は皆、これまで生きてきたことをきちんと周囲に理解してほしいという思いがあるということです。評価してもらいたいわけではない。ただ、振り返ると、いつも一生懸命に生きていた自分がいたことを、自身以外の誰かに知っておいてほしいという思いがあることです。だから僕は、教えていただいた話を評価するのではなく、ただただ、聴けたことに、話をしてくれたことに感謝します。もちろん話の中身は壮絶です。それでも教えてくれたことに心から感謝しています。先日もある方が語られたあとに「私は、大変でしたねっていってほしくて話をしたのではなくて、ただ、知ってほしかったのだろうと思います」と言われました。僕が信じる精神科臨床とは、その方の生い立ちと生活環境、家族との関係性のなかでの成長変化と、個々にあるその人らしさという個性あるいは特性を、評価し続け、その方の心身を整え、生活の質を高めるよう、共に相談をしていく有り様です。そしてそれは常に「個別の物語」から成り立ちます。わが子の育ちを通して、自分自身の子ども時代に思いを馳せ、親としての自身の思いから自身の親の思いを推察するとき、それまで抱えてきた自身の親への思いが変化する、あるいは、ずっと蓋をしてきた過去がよみがえる、そんなとき、僕は、親に対して、あなたが主人公としてクリニックを受診をしてみたらどうでしょうかと伝えます。そこに新たな個別の物語が始まります。そうして家族個々のカルテが増えていく…。「きょうだい」ではなくキミ、「父」ではなくあなた、個々の物語には個々の過去と未来があります。そうして診察室は、スピンオフの物語で埋もれていきます。そこで僕は気づきます。この社会で、だれもひとりぼっちではなかったと。マーガレット・ラスティンが『発達障害・被虐待児のこころの世界精神分析による包括的理解』(岩崎学術出版)で「子どもの精神病状態の本質を理解することは計り知れない困難があり、その複合的な原因は理解され始めたばかりである」と述べたように、僕の目指す児童と家族の精神科医療も、ようやくスタートラインに立ったばかりです。僕は、もう少しワクワクしながら、未来に目を向けていきたいと思います。精神科医になって35年が過ぎ、僕はもう少し、歩みを止めず進んでいきたいと思っています。だから、一緒に未来を見続ける仲間がほしいと、切実に思います。誰か、誰でもいい、このクリニックでワクワクした仕事を僕と一緒にやりませんか。
2019年05月30日小さいときから温度による体の不調を訴えなかった息子Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は落ち着きがない、忘れ物や無くし物が多いなどの特性の他にも「暑さ寒さに気がつきにくい」という体の感覚の鈍さがあります。服のタグがかゆくてイヤ!など肌に触れるものには過敏なのに、温度によって自分の体に起こっている状態には気がつきにくい鈍感体質。Upload By かなしろにゃんこ。そのためリュウ太は、小さいときから寒いという感覚も分からなくなってしまうことがありました。私が上着を着せたり、靴下をすすめれば履いたりするのですが、声をかけられなかったら着ないまま、遊びに夢中になっていると寒さを感じず何も対策をしないまま...結局風邪をひいてしまったり体調を崩してしまったりするんです。それに、着慣れた服でないと落ち着かないようで、暑くなってきて周りが半袖に切り替え始めても冬服で出かけようとします。もともと周りの人が何を着ているか観察もしないし、着る物に無頓着なことも、温度調節を難しくさせている理由の一つかもしれません。しかし、そんな息子の特性に気づくまでには数年かかりました...そんな息子に起きた、キャンプでのハプニングUpload By かなしろにゃんこ。「ん?この子は何か違う!?」と気づくきっかけとなったのは、息子が低学年のときに行った山でのキャンプでのできごと。気持ちの良い山でのキャンプ、夜は氷が張るほど寒い場所でしたが、昼はグングン温度が上がり日差しが強く真夏日に感じるほどでした。そんな中、息子は気温が低かった朝に着た冬物の上着を日中も着たまま遊び続けていました。他の子はみんな上着を脱ぎ、涼しそうな格好をしています。私は「あの子は暑くないのかしら?」と思いながらも、昼ごはんの支度に追われてしまい...。Upload By かなしろにゃんこ。「暑かったら上着を脱ぐだろう」と思っていたのですが、そのまま1時間近く遊び続けていた息子。ふと見ると、なんだかぐったりしています。そのとき初めて「様子が変だわ...」と気づき、触ってみたら体が熱くなっているではありませんか!「えー熱!?風邪ひいちゃったのかな...いや違う、コレは熱中症かもしれない!」急いで休日診療をしているふもとの病院に駆け込み、点滴の治療を受けて安静にすることになりました。キャンプは急遽中止に...食事の支度などで子どもの体調に気を配れなかった親の責任ですが、このときに「あれ?うちの子って体調の意思表示をしない子だわ」と気がついたのです。「アレ欲しい、コレやりたい!」と自己主張は強いのに、体調の意思表示をしないことを不思議に思いました。特性に気づき、家族でこまめに声かけをUpload By かなしろにゃんこ。その後、発達障害の診断を受けることになった小4のとき。発達障害についての専門書を読んでいたら、「発達障害がある子の中には自分の体に起こっている暑さ、寒さ、空腹感、痛み、疲れなどの症状に鈍感な人がいる」と書かれているのを発見。「ああ!コレって息子のことだわ!」と改めて気がついたんです。遅っ!それからは天気予報を確認して息子にどんな洋服を着たらよいか相談して決めてきたのですが、「菜種梅雨の時期は雨が降ると寒いから上着を持っていこうね」と言っても「いい、いらない」と断固拒否!今必要のない物を持つのが面倒なんでしょうね(汗)言うことを聞いてはくれません。今の季節は半袖に着脱しやすい上着がいいなど経験のデータがないと着る物を自分で選べないですから、「10月は真夏日になることもあるよ」とか「4月上旬はまだまだ雪が降る日があるよ」などと根気よく情報を伝えていくしかないと思いました。感覚が鈍感なだけで疲れや辛さのストレスは体にかかっているため、後から体調を崩し寝込んでしまったりするのでした...。二十歳になった息子、まだまだ体調管理の勉強中!Upload By かなしろにゃんこ。子どもの頃に比べたら経験値も上がってきたので、少しずつ着るものの調整などはできるようになってきたものの...まだまだ、全部を自分で調整することはできません。寒い夜は暖房をつけなさいとか、暑い日は窓を開けて風を通しなさいなど、過ごしやすくするにはどうしたらいいかも伝えていかなければならないと思いました。経験していないこと、あまり経験したことがないことは特に、一つひとつ言わないと気がつかない子なんです(涙)二十歳を過ぎた現在は、ようやく真冬の夜は靴下を履く!室内着は暖かいものを着る!が一人でできるようになりました。四季のデータが息子の中に蓄積されるまで、まだまだ時間がかかりそうです(笑)
2019年05月28日ADHDがある息子は、運動が苦手Upload By かなしろにゃんこ。息子リュウ太は、小学生の頃「跳び箱が跳べないから体育に参加しない」「徒競走はいつもビリ」というように“運動センス0男子”でした。他の子と比べて体幹が育っていなかったうえ、ボディイメージも悪く、思った通りに体が動かず、体のバランスをとるのも下手…。近所の同年代の子たちと遊んでいても、鬼ごっこや追いかけっこでみんなのようにうまく逃げることができなくて、「またボクが鬼!?もうやだ!」と、ふてくされて家に帰ってきていました。このような状況になると、「鬼にならないように、次はうまく逃げよう」「もっといい場所に隠れよう」というように、失敗をくり返しながら試行錯誤して体が鍛えられていくものですが、息子の場合は「家でゲームしよ~っと!」と、簡単にやめてしまっていました。少しでも運動してほしくて、ボール遊びに誘ってみることにUpload By かなしろにゃんこ。息子に少しでも運動してほしくて、ボール遊びに誘ってみたのですが…。ボールを蹴るのも下手なので、球をうまく追いかけられず、すぐにヤル気をなくしてしまいます。うまくいかないと「ボクが蹴りやすいように蹴り返してよ!」と怒られるのですが、私も息子にいいボールを蹴ってあげられなくて、想定外の場所にボールがとんでいっては親子でグダグダに…。そうなると、息子は「ボク、もうやめる」と言って家に入ってしまっていました。「自分は何をしてもうまくいかない…」という感じで、なかなかヤル気を出してくれない息子。何か良い方法はないかと考えていたとき、実家の押し入れから、私が若い頃に使っていた軟式のテニスラケットが出てきたのです。Upload By かなしろにゃんこ。私は昔、友だちとふざけながらこのラケットでよく遊んでいました。友だちが架空のテニスプレーヤーになりきって、自分でプレーしながら自分の実況をするという遊び方をしていて、これが本当におもしろかったのです。そのとき「そうだ!コレだわ!」と、ピーンときました。そこで息子に、「お母さんと一緒にテニスやろう!」と誘ってみました。テニスといってもルールなどを設けず、ボールを打ち返して相手のコートに入れるという超シンプル・ルールのなんちゃってテニスです。「うん、べつにいいけど」とあまりノリノリではない返事でしたが、とりあえずやってみることはできました。でも、小学生の息子にはラケットも大きくて扱いにくく、うまく打ち返せず、「もう飽きた」と早々にリタイア。どうしたら楽しんでテニスができるだろう?いろいろ考えた結果、息子のプレーに母が実況をつけることにしました。息子と一緒に「テニス実況遊び」。さて、反応はいかに…?Upload By かなしろにゃんこ。私は息子を“リュウ太選手”と呼び、スポーツ実況のマネをして応援しながら打ち合うことにしました。空振りしても転びそうになっても「おーーっとリュウ太選手、惜しい!」と、”そのプレーはダメじゃない、ガッツがある”と絶賛する声かけを続けました。実況されると息子も嬉しいようで喜びます。これがきっかけで、選手になった気分なのか?下手でもプレーを楽しむようになりました。そして、それまでとは打って変わって、「お母さん一緒にテニスやろう!」と自分から誘ってくるようになったんです。この”実況つき”親子テニスは、小学校4年生の夏から6年生まで続けました。最初はボールを打つことやボールを追うことが難しかったのですが、少しずつ打ち返せるようになってきたり、ボールを追うことで足腰も鍛えられてきたように思います。ホメてホメてホメまくる!実況中継に恥じらいはご法度Upload By かなしろにゃんこ。実況しながらのプレーは、結構大変です。でも、これでスポーツへの抵抗感がなくなってくれるのなら…!っていう思いで、親子テニスを楽しんでいた3年間は、ひたすら実況し続けました。もちろん、テレビのスポーツ実況中継みたいにはいきません。息子が「なんか俺、めっちゃ褒めちぎられてるゾ」と思えるような言葉を並べただけの、なんちゃって実況です。はじめのうちは、家のそばを通りがかった人に聞かれたりすると恥ずかしいので、人が通るときは実況を中断…すると息子はすかさず、「お母さん実況やめないで!早く言ってーー!」と要求(汗)「人に聞かれたくないんじゃい!それに実況コメントのネタ尽きたんじゃい」と思っていた母でありますが…、そのうち息子と外で遊ぶときだけは母もなりきって遊ぼうと腹をくくりました。だって、恥じらいの気持ちがあると、コレできないんですもん(笑)実況つき親子テニスの効果や、いかに…?Upload By かなしろにゃんこ。おかげさまで息子はすっかりテニスが好きになりました。中学に入ると、早々に「オレ、テニス部に入ったから」と言うじゃないですか!運動オンチだった息子が運動部に!?…意外すぎました。どうやら息子は、「テニスならオレに任せろ!」と完全に信じ切っていたようです。でもコレってすっごく大事なことだと、私も実感できました。テニスを通して、息子は体の動かし方を体得したり、運動への苦手意識もなくなっていったからです。ところで…実際にテニス部の練習が始まると「こんなに厳しいの!?」と朝夕の練習に悲鳴をあげて驚いたことは言うまでもなく(笑)遊びでやっていた親子テニスとは違った!と気がついたようです。
2019年05月13日見やすく分かりやすい工夫が詰まったユニバーサルなデザイン『みんなの地図帳~見やすい・使いやすい~』弱視をはじめとする視覚に障害のあるお子さん向けに、視覚に障害のある教員を含めた日本視覚障害社会科教育研究会の会員が集まり、約4年にわたる検討を経て作成された地図帳です。日本地図28枚、世界地図38枚の地図が収録されており、地図帳の使い方や記号の意味も見やすく分かりやすく説明されています。各ページで図の左上にタイトルが入るように統一されていたり、地図部分を枠線で囲ってその外側に緯度経度やページ数が配置されていたりと、レイアウトにも見やすい工夫が施されています。また各地図上に記載されている都市名や自然物は、小・中・高等学校での学習で必要な基本的な項目に絞られているので、1つのページに多くの情報が詰まっている従来の地図帳よりも探したい情報を見つけやすく、学びやすいデザインになっています。視覚に障害のあるお子さんだけでなく、学習に困難さを感じている多くのお子さんにとって学びやすいユニバーサルな地図帳です。自分の気分を楽にする方法を、分析して見つけてみよう!『ビジュアルブック ASDの君へ:ラクな気持ちになるためのヒント集』当事者のお子さん向けに描かれた本書は、自分の現在の気分を理解する方法、気持ちをラクにする身体の使い方や呼吸の仕方、自分なりの休憩方法や気分転換の仕方などを、イラストをベースに分かりやすく説明しているビジュアルブックです。具体例も多く記載されているので、お子さんが自身に当てはめて考えながら読み進めることができます。今まで知らなかった新しいリフレッシュ方法を見つけることができるかもしれません。また巻末には、気持ちをラクにするために自分にとって良い方法はなにかを分析するためのワークシート付き。嫌な気持ちになるのはどんなときか、楽な気持ちになったのはどんな活動をしたときかなどをワークシートに沿って書き出すことで自己分析ができます。本編を読んだらワークシートを使用して、自分にあった気持ちをラクにする方法を考えてみましょう。不登校時代、さまざまな知識や人との交流はすべてゲームを通して学び育んだ――『ゲームは人生の役に立つ。生かすも殺すもあなた次第』18歳で起業し、24歳の現在、地域活性化伝道師としても活躍している著者の小幡さんは、子どものころ、約10年間不登校で過ごしていました。そんな小幡さんの人生を豊かにしてくれたのはゲームでした。テレビやパソコン、スマートフォンでたくさんのゲームに触れることができる現代、お子さんがゲームばかりしていることに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ゲームを通した人との繋がりや、ゲームで積み重ねた成功体験による自己肯定感。ゲームを通じて好きになった日本の文化や歴史。ゲームを通して得た多くのことが、著者の現在の活動にいかされています。正しく遊べばゲームは人生を豊かにしてくれる。好きなことに没頭する子ども時代を経て今の人生を楽しく生きる著者の言葉は、不登校に悩むお子さんや親御さんにもヒントを与えてくれるはずです。患者と向き合い続ける医師が語る支援のあり方『ADHDとともに生きる人たちへ医療からみた「生きづらさ」と支援』本書は2017年と2018年に田中康雄先生が金子書房主催により開催したワークショップの内容を元に書籍化されたものです。ADHDの概念や診断基準の歴史から、現在の支援方法までが優しい言葉で書かれています。また、ただ診断結果をつけてそれに基づいた支援をするだけではなく、一人ひとり違う複雑な特性や多様な生き方に応じた支援のあり方や家族も含めた支援の大切さについて、多くの患者と向き合ってきた医師だからこその思いが垣間見える内容となっています。「生活の障害にならなければその発達障害の特性は良い特性だと思っている」と書かれているように、当事者とその家族の生活を知り、困っている部分を解決し、良い部分を伸ばすという田中先生の考え方は、ADHDの当事者にとっても支援者にとっても背中を押してくれるものとなるでしょう。インクルーシブな視点からみる発達障害支援『公認心理師・臨床心理士のための発達障害論インクルージョンを基盤とした理解と支援』主に公認心理師・臨床心理士などを志す学生や現場で支援に携わる専門職向けに書かれた専門書ですが、発達障害について初めて学ぶ人にも読み進めやすい、分かりやすく丁寧な内容になっています。内容は、発達障害の定義からライフサイクルに沿った支援のあり方までが記されています。中でも第8章から第12章には、発達障害のお子さんに対する発達支援、家族支援、学齢期の社会資源の活用や学習面のサポートなど、年齢に合わせて必要となっていく支援内容について書かれています。インクルーシブな環境での育ちを大切にしながらその子にとって必要な支援を取り入れていくという支援体制のつくり方は、発達障害のある子どもたちの支援に関わる人や、これから関わろうと考えている人にぜひ知ってもらいたい内容です。
2019年05月01日障害がある子が利用できるサービスの基礎知識から申請方法までが詰め込まれた1冊『障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて』障害がある子が産まれてから、親なきあとのことまで利用できるサービスを広く紹介されているので、今利用できるものの理解から、将来に向けて準備しておくことまでを1冊読むことで理解でき、漠然とした不安をを解消できそうです。1章は「保育・教育」に関するサービスについて。通所サービスの利用まで種類や利用までの流れ、多様な学びの場についてなどが紹介されています。2章では就労について、3章では障害者手帳によるサービスが、4章では障害者総合支援法に基づくサービスとして、ショートステイや同行援護、相談支援などさまざまなサービスや申請、費用などについての詳細を知ることができます。5章では、障害年金についての基礎知識や請求方法が、6章では親なきあとに向けてどのような制度が活用できるかが紹介されています。親子の視点で振り返る、0才から24才までの発達障害のある子どもの軌跡『ADHDと自閉症スペクトラムの自分がみつけた未来』ADHDと自閉症スペクトラムがある著者のこれまでの軌跡を、自身と母親2人の視点で振り返った一冊。生まれてすぐの様子から、幼稚園、小学校、中学、高校、大学、そして就職までがまとめて書かれています。多動、不登校、就活など、それぞれの時期にある困りごとや葛藤、乗り越えるまでがリアルな感情とともに綴られているため、描かれる場面の様子が鮮明にイメージできます。またこの本の特徴ともいえるのが、当事者である本人の声だけでなく、母親の声が共に紹介されていること。同じ時期に母親が考えていたこと、思ったことも記されているため、保護者としての気持ちに共感したり、こんな捉え方もあっていいんだ、と感じられるはず。子どもの感情を育てるヒントが盛りだくさん!『イラスト版子どもの感情力をアップする本 自己肯定感を高められる気持ちマネジメント50』嬉しい、楽しい、困った、悲しい、毎日たくんさんの気持ちがあふれる子どもたち。その一方で上手くそうした感情とつき合うことができない子どももいます。どのように感情を言葉にすれば良いかが分からなかったり、感情のコントロールが苦手であったりと、一人ひとり困りごとは異なります。この本では、場面ごとに子どもの気持ちを育くみ、自己肯定感を高めるヒントをワーク形式で紹介しています。心理学の専門家であり教育学博士でもある渡辺弥生先生が監修を務めます。イラストが主体のワークに加えてポイントで解説も書かれているので、子どもと一緒に取り組むのにぴったりな一冊です。3つのステップで友達や先生との関わり方を解説する『ソーシャルスキルトレーニング絵カード 小学生低学年版』①こんなとき②こうするよりは③こうしてみてはの”3つのステップ”で、場面ごとに人との上手なやり取りが分かる絵カードです。小学生低学年でよくある状況、お友達とのやりとりなどがかわいらしいイラストで描かれています。3つのステップを効果的に子どもに伝える使い方のヒントも紹介されているので、初めてでも取り組みやすいつくりです。また別売りの「アクトボイスペン」という音声ペンと連携しており、絵カードのセリフを読み上げてくれる仕様になっています。同じ言葉でも声色の違いを直接耳にすることで感情を読み解くヒントに繋がったり、実際の状況に近い練習としても使いやすそうです。教科別サポート方法も!発達に凸凹がある子どもの支援が分かる『小学校特別支援教育 指導スキル大全』発達障害のある子どもは小学校にあがると日常生活だけでなく、国語、算数、理科、社会など勉強で困ってしまう場合があります。教科ごとに必要なスキルが異なるため、学校や家庭での勉強のサポートにも工夫が必要です。この本には日常生活での場面に加えて、教科ごとのサポートのアイデアが沢山載っています。音楽や図工、体育や道徳などバリエーションに富んだ内容になっています。写真や例を沢山用いているため、すぐに実践することができそうです。
2019年04月20日こだわりが強いのぼる…。ADHDとASDがある長男の「好きなもの」の幅を広げたい長男・のぼるにはADHD(注意欠陥・多動性障害)と軽度のASD(自閉症スペクトラム)があります。4歳の頃は、いまよりこだわりも強く、特に踏切が大好きでした。でも、踏切のまわりで遊ぶのは危険が多すぎる…。私は、のぼるの「好き」の幅を広げられないかと、いろいろなところに出かけてみることにしました。Upload By ちちゃこUpload By ちちゃこUpload By ちちゃこ砂浜に行ってみようかな?ふと思い立ち、週末に家族で海に出かけてみたのですが…Upload By ちちゃこ海は、のぼるだけでなく、ひとしも楽しく遊べる場所でした。それ以来、海遊びは、わが家の定番になりました。Upload By ちちゃこ最後に、わが家の「海に遊びに行く時の必需品」をご紹介します。海水浴シーズン以外の静かな海での砂遊び、磯遊びもおすすめですよ。Upload By ちちゃこ
2019年04月19日学校から「物を持ち帰ること」が苦手だった息子Upload By かなしろにゃんこ。小学校に入学後、リュウ太は元気に通学していましたが、学校からのお手紙や教科書、ノート、筆箱のような「毎日持ち帰るもの」を持って帰ることができませんでした。毎日のように「机の中の物は全部持って帰ってきてね」と声をかけても、やっぱり忘れてきてしまう毎日…。Upload By かなしろにゃんこ。さらに、通学帽子や体育の授業で使う赤白帽子、靴下や水筒も学校に置き忘れていました。先生も声をかけてくださっていたようなのですが、息子はそれでも持ち帰ってくることができず、失くした物が学校の落とし物箱から見つかることもよくありました。保育園時代は親が持ち物の準備をしてきましたから、小学校に入学したからと言っても、急に1人で全部やるのは無理だというのも分かります。でも「物を持って帰る」という行為をそんなに難しいことだと思っていなかった私。「今日は必ず持って帰ってね」と声をかけては期待して、でもやっぱりダメで…ということの繰り返しでした。よく観察すると…問題は「物を持ち帰るかどうか」だけじゃなかった!Upload By かなしろにゃんこ。息子の小学校ではPTAでの集金があり、集金日になると、担当のお母さんたちが教室にお金を集めに行っていました。そのため、その日は所定の封筒の中にお金を入れて学校に持たせる必要があったのですが、息子がこの集金袋を持って帰らなくて困ることがありました。「先生からクリーム色の封筒を預かってるよね?机の中に置いてきたのかな?」と聞いても、リュウ太は「そんな封筒知らないよ、本当だよ!もらってないよ!」の一点張り…。これでは集金日にお金を持たせられないので、机の中を確認するために一緒に学校に行くことにしました。すると…集金袋は、やはり机の中にありました。そして私はようやく気づいたのです…。・息子はそもそも集金袋がどんなものなのか知らなかった・集金袋をPTAのお母さんたちが集めに来ると説明しても「そんな人来ないよ」と言っていた息子。そもそも、教室に先生以外の大人がいても気にとめず、何をしているかも気にしていなかったこれでは、持ち帰ることも提出することもできません。さらに、息子の机の中は、持ち帰るはずのお手紙や先生が作ってくれたプリント用紙、教科書などでゴチャゴチャ!机の周りにもいろいろなゴミが落ちていて、その汚さに愕然です。うちの子は、こんなに整理整頓や物の管理ができないなんて…と落ち込みました。担任の先生から、息子の学校での様子を聞いてショック!Upload By かなしろにゃんこ。そんな時、担任の先生からこんなお話がありました。「リュウ太くんは、学校で物を失くすと『お母さんに怒られる』といってパニックになります。物を失くしても、怒らずに注意するくらいにしてあげてください。」どうやら息子は、学校で失くし物をすると「色えんぴつなくなっちゃった、お母さんに怒られる~」と泣きながら先生にすがり、一緒に探してもらっていたそうなのです。きちんと物を管理してもらいたいがために、私が息子にきついことを言い過ぎて、追い詰めていた…。この時、それを初めて知りました。叱るのではなく、一緒に、繰り返してUpload By かなしろにゃんこ。この頃の息子は、小学校生活をスタートしたばかり。慣れない環境の中、よく分からない新ルールばかりで、毎日頭がいっぱいいっぱいだったと思います。それを考えると、息子が脅えてしまうほどきつく怒るのはやめよう。そして、何度言ってもなかなかできないのであれば、親が定期的に学校に行って机の中を確認するしかないと、考えを改めました。物の管理について悩んでいた小学校入学当時、息子はまだ発達障害の診断を受けていませんでした。物を大事にする心があってもなくても、気をつけて管理することができないのがADHDの特性なのですが、当時の私はそういった背景も分からずに、ただただ困っていたのです。まだ1年生の小さな息子を怒りすぎてしまったな…と、今となっては申し訳なく思います。小学校4年生でADHD、特に注意欠陥の傾向が重度だという診断を受けてからは、見方が大きく変わりました。物を管理することができなくても仕方がないし、これは息子の特性なのだから、無理して「変えるべきもの」ではないのだと考えられるようになりました。そして、親と一緒にくり返し行動しながら言い聞かせていれば、何でも少しずつ1人でできるようになるということも分かりました。20歳になった息子の毎日は?Upload By かなしろにゃんこ。息子がようやく1人で物の管理をできるようになったのは、高校生になってからでした。ふふふ…中学校ではまだまだできませんでしたよ(涙)。それに20歳になった今でも、たまに「わー、財布無くしたー!」とパニックになることもあります。でも、少しずつ成長しているのも確かです。最近、財布の位置をアプリで特定できるGPSがあると知り、息子に「買ってみる?」と聞いてみたのですが、本人はまだ迷っているとのこと。GPSを使えば便利になる点もあると思いますが、息子はまだこれには頼らずにいたいらしいのです。ひょっとすると息子は、自分の力を信じたいのかもしれません。私も息子の力を信じて、これからも長い目で見守っていきたいと思います。
2019年03月21日ADHDとASDの診断を受けている私の特性出典 : 私はベンチャー企業で、社内プログラマとしてシステム開発の仕事をしており、現在は管理職にも就いています。そんな私が「仕事上、特性が役に立っている」と感じる場面について書こうと思いますが、まずはその前に、私自身の特性について簡単に紹介します。私はADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されていて、自分としては特にASDの特性が強いと感じています。普段自覚している特性は以下の通りです。・感覚過敏(聴覚・視覚)・過集中・感情よりも論理を重視する(ひとの気持ちを想像するのが困難)・自分の興味が狭くて深い・興味がないことは全然覚えられないけれど、興味があることはすぐ覚える感覚過敏に関しては、以前別の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご参照ください。仕事の場面で「特性が役に立っている」と感じること私がやっているシステム開発の仕事は、おおまかに以下のような流れで進めています。①お客様が現在抱えている課題をヒアリングしながら、どこをどう自動化するのが効果的かを考える②自動化する内容についてお客様と合意が取れたら、具体的にどう作っていけばうまく自動化できるのかを考える③実際にプログラムを組んで自動化するためのシステムを作っていくこのような仕事をする中で、自分の特性が役立っていると感じることについてご紹介します。出典 : 会社で仕事をしていると、他人の感情に配慮して振舞いを変えなければいけない場面がよくあります。一方で、データや状況を客観的に分析した上で、感情を抜きにして何か厳しいことを決断しなければいけない場面もあります。それぞれの場面でうまくバランスをとるのが仕事の難しさだと思いますが、私の場合、「感情よりも論理を重視する」という特性が役に立つことがあります。特に業務改善や“あるべき論”を考える時に、力を発揮します。例えば以前、5人で実施している事務処理の業務改善を行うために、その事務処理を自動化するためのシステムを作ったことがあります。このようなシステム開発を行う場合、まずは「現在どのように事務処理を行っているのか」を担当者の方々にヒアリングしながら、どこをどう自動化するのが最適なのかを検討していくのですが、その中で以下のような問題が見つかりました。【自動化できそうだと分かった仕事】・大量の売上金額を手動で計算する・お客様に送付するものを大量の書類の中から選別し、手書きで書き写す【これらの仕事の現状】・担当者の作業スピードが早いため、現在は問題になっていない・その担当者は仕事に誇りや自信を持っており、他メンバーもこれを効率化しようという発想がなかった・今は良くても、今後担当者が変わったりお客様の数が増えたりすると、業務がたち行かなくなる可能性があるこの作業を自動化することで、現在の担当者からは「今は問題になっていない」「私の仕事をなくさないでほしい」といった反発が考えられましたし、他メンバーもこの担当者の気持ちに配慮して、自動化に賛成しないだろうとも思いました。でも、こんな時に「感情より理論を重視する」という特性が活きてきます。私は、それでもこれらの作業を自動化した方が全体としての業務効率が上がると考え、すべて自動化することに決めました。その代わり、今までこの業務を担当していた方には、その経験を活かして、事務処理全体の統括をするという新しい仕事を提案したのです。もちろん、現場の反発が大きかったり、他の要因があったりして、提案通りにならないこともあります。それでも、特性ゆえに「全体としての最適案を考えることができる」のは、システム開発の仕事にとても役に立っていると思います。出典 : 私は自分が興味のある分野であれば、仕事の時間外であっても、本を読んだりして勉強することが苦になりません。私が新卒から脱却して一人前のプログラマになったころ、「まったく使ったことがないプログラミング言語を使って、2ヶ月でアプリを作らなければいけない」という仕事がありました。実は私たちが話している日本語や英語のように、プログラムにも色々な言語があります。その時私がお願いされた仕事というのは、普段日本語を使っているひとが「明日から2ヶ月間、イタリア語で生活をして仕事を完成させてほしい」と言われるようなものでした。正直無茶な仕事だな…とは思ったのですが、そのプログラミング言語に関する本を買って通勤時間中に読んだり、既存の似ているプログラムの中身を読んだりして、自分なりに勉強をしながら開発を進めていきました。締め切りが厳しいプレッシャーはありましたが、そもそもプログラミングに興味があるので、勉強自体は楽しく取り組むことができました。そして結果的に、かなり大変ではありましたが、なんとかアプリ作成を終えることができたのです。その後も、一度も使ったことがないツールを使った開発や、業界でその時に流行っている技術を使った開発など、さまざまなことにチャレンジして成功してきました。日進月歩で新しいことが増えていくプログラマの業界では、継続して勉強し続けることがかなり大事なので、この特性にかなり助けられています。出典 : 社会人として仕事をするようになってから、失敗して自信を失った時期もありましたが、そんな時も含めても私が特に自信を持っているのが、過集中という特性ゆえの「集中力」です。時には作業に没頭するあまり、周りの人から話しかけられてもすぐに反応できないこともありますし、隣の人がトイレ休憩のために席を外したことに気づかず、戻ってきた時に驚いて大きな声をあげてしまったこともありました(笑)。それでも、プログラミングやシステム開発に関わることであれば、かなり興味をもって取り組むことができるので、周りから驚かれるくらい作業を進めることができます。その分、家に帰るとぐったりして、1時間以上何もできないということもありますが…。出典 : 「興味が狭くて深い」という特性のおかげなのか、それとも過集中だからなのかは分かりませんが、私は自分が書いたプログラムを覚えておくことができます。プログラムとは「このシステムはこう動くものですよ 」という説明書のような文章になっています。以前仕事で、半年くらい前に作ったプログラムを修正するということがありました。この状況を例えるなら、「半年前にSNSでつぶやいたこと」について、もう一度整理して議論しなくてはならなくなったようなものです。そういった状況では、当時の自分がどんな意図で、どんなことを考えてその文章を書いたのか、すぐには思い出せない人も多いと思います。そのため、上司からは「かなり前に作ったものだし、修正に1週間かかっても仕方がない」と言われていました。しかし私はこの時、30分ほどプログラムの全体を見ているうちに、作った当時の記憶がよみがえってきました。そして何をすればいいかがはっきり分かったので、上司から伝えられた期限の半分で対応を終えることができました。私としては、やれることを普通にやっただけのつもりでしたが、上司からはかなり驚かれ、ほっとしたのと同時に誇らしい気持ちになったことを覚えています。発達障害の特性は、悪いことばかりじゃない!出典 : 発達障害の特性は個人ごとに異なりますし、日常生活を送る上で大変な部分ばかりが目立つこともあると思います。でも、自分の特性とうまく付き合っていけば、“クセが強い”からこそ“特化された武器”として、様々な場面で活かすことができると思っています。今回の記事でご紹介した内容は、「やっぱりそうなんだ」というものから「ちょっと意外だった」というものまで、いろいろあるかもしれません。私の個人的な経験談ではありますが、さまざまな仕事をされる中で参考にしていただければと願うとともに、私が誇りを持って取り組んでいるシステム開発の仕事についても、発達障害当事者の職業選択のひとつとして興味をもっていただけたら嬉しいです。
2019年03月19日小中学生のための障害用語集――みんなに優しい学校と社会を願って「障害」に関する用語を取り上げ、一つの用語について1見開きで、分かりやすく説明していく本書。取り上げられている用語はさまざまですが、例えば・「自閉スペクトラム症」「学習障害」などのように、障害名について・「車いす」「コミュニケーションボード」「手順表・スケジュール表」など、障害がある人が使う機器やツールについて・「共生社会」「環境調整」「ユニバーサルデザイン」「合理的配慮」「障害者差別解消法」など、社会の在り方や配慮、障害にまつわる法律について他にも、「生きづらさ」「2E」といった言葉など、全部で66の用語が紹介されています。巻末には障害があったり、障害のある人のために尽力した「人物」についても紹介されています。例えば、全盲のミュージシャン、スティービー・ワンダー氏、日本で初めて知的障害者施設を設立した石井夫妻、ダウン症者として初めて大学を卒業し数多くの著書がある岩元綾さんなど12名が取り上げられています。用語の意味が分からないときに辞書的にも使うこともできますが、読み物として読んでもよいつくりになっています。個人で読むだけでなく、学級文庫に置いたり、授業などで活用することもできそうです。「あの子の発達障害がわかる本」シリーズ「あの子の発達障害がわかる本」シリーズの第1弾として、『ちょっとふしぎ自閉スペクトラム症ASDのおともだち』『ちょっとふしぎ学習障害LDのおともだち』『ちょっとふしぎ注意欠如・多動症ADHDのおともだち』(ミネルヴァ書房)の3冊が発売されました。本シリーズでは、「なんでこうなるの?どうすればいいの?」として、小学校生活で起こりがちな「ちょっと困った」場面が紹介されます。よくある事例を取り上げ、・まわりの友達の気持ち(なんでこうなるの?)・発達障害がある子の気持ち(どう思っているのかな?)・行動の背景と、今後の手だて(こうすればうまくいきそう)を紹介しながら、具体的な手立てまで示される実践的な内容です。事例も豊富な上、本の後半では障害特性について分かりやすくまとめたページもあるので、学校や学童の先生に子どもの特性を伝えるときなどにも使いやすそうです。うちのでこぼこ兄妹 発達障害子育て絵日記人気ブログ「でこぼこ兄妹日記」で紹介されたエッセイに、大幅な書きおろしを加えたコミックエッセイが発売されました。私立高校に通う兄・タケルくんと、小学生の妹・いっちゃんは、ASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されています。IQは高く発語にも問題はないけれど、こだわりの強さ、感覚過敏や睡眠障害などがあります。著者である母親も発達障害傾向や睡眠障害、父親にはADHDがある、でこぼこ家族です。得意なことと不得意なことの「でこぼこ」だらけの寺島家の子どもたちは、突然大泣きしたり、真夜中すぎても寝てくれなかったり、朝まったく起きられなかったり…。でも、兄は数学で、妹はピアノでその才能を開花させています。兄妹の得意なことも苦手なこともそのまま受け入れているご両親の姿もまた印象的。子どもたちの特性を受け入れ、驚いたり楽しんだりするからこそ、子どもたちも自己肯定感高く、家族みんな無理せず暮らしていられるのではないかと感じられます。発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート16の事例と解説、当事者や保護者、支援者の声からなるこの本は、「からだ」「こころ」「関係性」を軸に女の子の発達障害を理解し、支援していく方法を探ります。発達障害のある女の子を支援するとき、「こころ」にフォーカスしがちですが、本人が感じているストレスの背景に「感覚の過敏さがある」「自分自身の体の不調を自覚できない」「からだのコントロールが苦手でつかれてしまう」といった「からだ」の問題がある場合も多くあります。また、人との関係を結ぶときには、「こころ」や「からだ」が安定していることが大切です。つまり、それぞれが相互に関係しているので、どれか1つの側面だけ支援しても、生きづらさは解決されないのです。いままであまり重視されてこなかった、「からだ」「こころ」「関係性」という切り口で、発達障害がある女の子の困難を解決するための具体的なアプローチが紹介される本書は、お子さんに寄り添い、サポートするときのヒントを教えてくれるのではないでしょうか。最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本図を多用し、ADHDについての基礎知識から支援の方法までを、分かりやすく伝える『最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本』。この本では、・ADHDの基礎知識: 行動特性・診断の流れ・治療と支援のしかたまで紹介・さまざまな療法: 環境変容法、行動療法、ペアトレ、薬物療法も詳しく紹介・家庭・園・学校での対応例: 支援に役立つケース別の対応例とポイントを紹介のように、ADHD(注意欠陥・多動性障害)に関する基本的な知識から、具体的な手立て、生活する中でありがちな困りごとへの対応方法までを紹介しています。とくに「園・学校や家庭でできるサポート」の章は、”着席する”、”すぐにとりかかる”、”さいごまでやり遂げる”、”整理整頓する”など、身につけたいことがらごとに、スモールステップでのサポート方法が提示されているので、家庭や学校で具体的にどんなかかわりをすればいいのかが分かりやすいつくりとなっています。
2019年03月15日細かいことは気にしないADHD息子Upload By かなしろにゃんこ。ADHD(注意欠陥・多動性障害)と広汎性発達障害がある息子リュウ太は、とてもおっちょこちょい。髪に寝ぐせがついていても、洋服の着方や襟が乱れていても、細かいことを気にしない男子です。そんな息子が、晴れの日にとある“失敗”をしてしまいました。小学校の卒業式で、“珍事件”が!Upload By かなしろにゃんこ。小学校最後の日のこと。晴れやかな朝、卒業式用に正装した息子を送り出しました。慣れないシャツやジャケット姿の息子に、「お手洗いに入った後は、必ずシャツをズボンの中にしまいなさい」と注意していたのですが…。Upload By かなしろにゃんこ。いよいよ式が始まりました!一人ずつ卒業証書授与のために順々に呼ばれ、壇上に上がる卒業生たち。息子の名前が呼ばれて、元気よく返事をしたかと思ったその時、目に飛び込んできた姿は…。ジャケットの下から白いシャツがベロ~ンっと丸出しじゃないですか!「コレ、わざと着くずしてんだ」っていうオシャレ上級者だったとしても…、卒業式にそれはない!私と夫は「アイツやりやがった…」と赤面。そして、「まぁ、リュウ太らしいか…」と2人で顔を見合わせて笑ってしまいました。卒業式後、息子に聞いてみると…Upload By かなしろにゃんこ。このことを息子本人に聞いてみると、意外な言葉が返ってきました。卒業証書授与の後に、先生からシャツが出ていたことを教えられた息子は、恥ずかしくってたまらなかったそうなのです。シャツが出ていても気にしていないと思っていたのですが、そうではありませんでした。「体育館に行く前に、服装の乱れを全員でそれぞれ確認したのに…。急いでトイレに行ったときにしまい忘れた。恥ずかしい~!」と、本人も落ち込んでいました。これまではそんなことを気にしなかった息子に「恥ずかしい」という感情が芽生えた!そのことに、私は成長を感じたのでした。卒業式で垣間見えた、息子のもうひとつの「成長」Upload By かなしろにゃんこ。小学校の門を出る際に、4年生の時に担任だった先生にお別れのあいさつをしました。発達障害の診断のために提出する書類作成に協力してくれた先生です。厳しく怒るけれど、励ましてくれたり褒めてくれたりする熱血先生。何かと面倒を見てくれる先生が大好きで、4年生の頃の息子は先生にベッタリでした。一見恐く見えるけれど、息子はなぜか子猿のようになついていたのです。きっとそれは「先生は真心で怒ってくれているんだ」と、感じていたからなのかもしれません。6年生にもなると、母親に側で見守られるのも照れ臭いだろうと思い、私は息子の様子を少し離れたところで見ていました。息子があいさつに行くと、先生の横にはやっぱり先生にベッタリな男の子がくっついていました。それを見た息子は、「先生ありがとうございました」と泣きながらさよならを言ってお別れしました。「もう自分はベッタリできないな~」と思ったのかもしれません。「中学生になっても、こんな風に熱血な先生にまた巡り合えるといいね」と私までホロリと涙しました。小学生から中学生へ。それは「成長」の時期でしたUpload By かなしろにゃんこ。その後、中学生になった息子。担任の先生は熱血先生!熱い指導をしてくださり、息子はその先生が大好きになりました。身だしなみの意識の方はというと…。毎朝スプレーで寝ぐせを直して、シャツの襟を直したりと、少しは自分で整えるようになりました。心の成長がゆっくりな息子も、小学生から中学生になったこの時期は、人の目を気にするようになり変化が見られました。自分以外の人のことを意識することができるようになったなんて、成長だわ!と思った出来事でした。
2019年03月06日こんなときどうする?がわかる本『最新版アスペルガー・ADHD発達障害シーン別解決ブック』発達障害といっても、その特徴やお困りごとは一人ひとり異なり、成長とともに悩みの内容も変わってきます。発達が気になるお子さんを育てるにあたって、対処に悩むシーンも出てくることもあるでしょう。この本では「アスペルガー症候群」や「ADHD」の特徴の基本的な説明に加えて、幼少期から思春期までの成長の段階に応じて、遭遇しやすい困りごとのシチュエーション別に対策が紹介されています。発達障害があるお子さんや女性を数多く診ている精神科医の司馬理英子先生が手がけたこともあり、専門的な知識だけでなく、毎日の生活の中で実践できそうな、具体的な対処法までが載った一冊です。詳しく特徴が知りたい!実際の子育てに活かしたい!と考える親御さんにもぴったりです。待望の新作!発達凹凸の子どもとのリアルな話『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした入学準備編』発達ナビでの連載も人気だった漫画家・モンズースーさんの新作が出版されました!発達に凹凸がある二人の息子との日々を、リアルに描くモンズースーさんのコミックエッセイも、今回で第3作目。お兄ちゃんのそうすけくんの小学校入学を前に、進路選択という大きな壁に立ち向かい、乗り越えていく様子が描かれています。勉強が始まる小学校への入学は、発達が気になる子どもたちの保護者にとって、「どうしたら、この子のために最善の道なんだろう」と悩む時期でもあります。モンズースーさんも同様に、さまざまなことに悩み、ぶつかりながら、子どもの進路を決めていきます。いろいろな条件を考慮しながら、わが子の特性をにあった一校を選び出していきます。そのプレッシャーや悩み、アドバイスや支えてくれる周囲の人たちとのやり取りなど、この本には密度の濃い一年間の様子が詰まっています。また、2人の息子たちの成長を感じる場面も描かれ、できるようになったことへの喜びもまた感じることができます。次のステップへと歩んでいく親子のチャレンジを辿り、前向きな気持ちになれる一冊です。子どもの発達を見える化!『子どもの発達を支えるアセスメントツール』発達が気になるお子さんを育てる親御さんにっとって、その不安の多くは「どのようにしてあげたらよいかがわからない」ことにあるのではないでしょうか。どのように接すればいいのか、どんな支援が必要なのかといった見通しが立たないと、必要以上に不安やとまどいを感じてしまいがちです。逆に、発達の段階とそれぞれの課題が把握できると、今できることに目が向けられるようになるものです。この本には、特別支援教育の専門家の視点が沢山組み込まれ、保護者から先生まで実際の支援で活用できるアセスメントツールが詰め込まれています。15年にもわたる試行錯誤を経て完成したこの本は、困っていること確認シート、発達段階アセスメントシートといった発達凹凸の子どもと向き合う際に必要なツールが掲載されています。こうしたツールを活用することで、お子さんの発達の段階に合わせた、適切なサポートができるよう考えられています。使い方も丁寧に解説され、初めてでも使いやすく工夫されています。
2019年02月20日