10月18日、がんに関する発表があった。’16〜’17年の2年間にがんになった20〜39歳の約8割が女性で、その原因は子宮頸がんや乳がんの増加にあるというのだ(国立がん研究センター・国立成育医療センター)。こうしたデータを見ると、「娘もがん保険に加入させなきゃ」と思う人もいるかもしれないが、本当にがん保険は必要なのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■1回3,349万円の新薬が約40万円に3つのポイントを見てみましょう。【1】データの分析まず、20〜39歳でがんになる割合を考えましょう。20〜39歳の人口は約2,860万人に対して、がんになった方は約1万8,000人。つまり、がんになるのは20〜39歳の0.06%と少数です。(’15年・国立がん研究センター)。若いがん患者の約8割が女性とは驚きですが、実は、レアケースの内訳だと冷静に受け止めましょう。【2】がんの治療費がん治療は高額になるイメージがありますが、実際のところは?たとえば乳がんの方の入院費用は平均約74万円です(’18年度・全日本病院協会)。3割負担だと約22万円になりますが、高額療養費制度を利用すると、自己負担は一般的な収入の方で月9万円ほど。ただ「先進医療が必要になったら、保険適用外だから高額になる」と心配する方もいるでしょう。しかし、先進医療はどんどん保険適用に組み込まれてきています。たとえばオプジーボ。当初は患者1人当たり年間3,500万円かかると話題になりましたが、’14年から保険適用になりました。’16年からは重粒子線や陽子線の治療が、今年5月には1回3,349万円の白血病治療薬キムリアにも保険適用が広がっています。さらに来年度中には、遺伝性の乳がんの再発予防治療も保険適用になるようです。保険適用になると、高額療養費制度が利用できます。超高額なキムリアも、自己負担は約40万円に抑えられます(一般的な収入の方)。安全性や治療効果などが定まった先進医療は、保険適用に格上げされるため、ほとんどのがん患者は保険のきく治療を受けています。【3】医療保険やがん保険の給付金がんで入院したら、給付金はいくら受け取れるのでしょう。最近の保険料が手ごろな医療保険は、入院給付金が60日までというものが多いです。とすると、入院日額1万円としても、最大60日分で60万円。これに手術一時金が20万円付いても、受け取る給付金は合計80万円。この程度なら貯金でまかなえる方も多いでしょう。また、がんの平均入院日数は16.1日で、乳がんだと11.5日です(’17年・厚生労働省)。入院期間が短いので、入院給付金も少なくなります。保険はがんにならないお守りなどではなく、単純にお金の備えです。加入には、治療費と自分の貯蓄、支払う保険料と受け取る給付金などの比較検討をしてください。若い女性にがんが多いというのは心配です。若いからと油断せず、早期発見のため、みんなでがん検診を受けましょう。
2019年11月15日「乳がんは近年、よく治るようになりました。私の患者さんのなかには再発・転移をしても、治療を受けてその後、十数年がんが出てこない人、治療を終えてから出産する人も珍しくはなくなりました」そう話すのは、国際医療福祉大学三田病院乳腺センター長などを歴任、現在はよしもとブレストクリニックを開業し、数千人の乳がん女性と向き合ってきた吉本賢隆先生。発見され、数カ月で命を落としてしまう人もいる一方、再発・転移しても結果的に生還する人がいる。がんは部位やケースによって、まったく違う病気のようだ。「統計精度の問題はあるが、がん全体の生存率は7~8年前と比較すると、おそらく上昇しているといえると思います」こう語るのは、国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター長の東尚弘先生。そこで本誌は、国立がん研究センターがん対策情報センターで8月に公表された、「がんの部位別・5年生存率」をもとに、がんの部位別に専門医から傾向と対策を聞いた。【子宮頸がん】子宮頸がんは全ステージで5年生存率75.3%と、治りやすいがんと言えそう。成城松村クリニック院長・松村圭子先生は、子宮頸がんには、早期発見が重要と指摘する。「子宮頸がんで亡くなる人は、長年細胞診を受けていないため早期発見ができず、手遅れになってしまうケースが多いのです。子宮頸がんは、性交渉によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因であることが判明しており、20代の患者が罹患するなど、若年化が顕著です。住民検診で推奨されている、2年に1度の子宮頸がんの細胞診(検診)を受けておけば、がんになる手前の、前がん病変もすくい上げることができるのですが」子宮頸がんは、前がん病変、あるいはステージ0期であれば、部分切除が可能であり、ほぼ100%完治を目指せる。またステージ1期であっても、子宮を温存できれば、その後の妊娠・出産は可能になる。乳がん同様、治りやすいがんの代表格でもあるのだ。【子宮体がん】この十数年、子宮頸がんの罹患数に匹敵するほど急増しているのが子宮体がん。5年生存率は全ステージで82.1%と、治りやすいがんといえそう。やはり子宮頸がんと同じく、早期発見が重要だ。不正出血など兆候があれば、速やかに検査を受診することが重要、と松村先生は言う。「子宮体がんの多くは、乳がんと同じくエストロゲンの過剰刺激によって発症するので、生涯の月経回数が多い、すなわち妊娠・出産回数の少ない人が高リスクになります。早期発見・治療につながれば、治りやすいがんともいえます」「治りやすいがん」は早期発見が鍵になるということだ。しかし、検診で早期発見をすることについて東先生は次のように語る。「どんながんでも早期発見が有効かというと、そうではありません。がんによっては、早期発見できたとしても有効な治療ができなかったり、逆にそもそも進行が非常に遅いがんの過剰診断であったり、やみくもに検診を進めると、ただ『がん患者である』という状態を長くするだけになってしまうこともあります。それを防ぐため、検診の有効性は発見率だけでなく死亡率の減少で証明をします。私が強調したいのは、そうして有効性が確立されている『対策型検診』は受けてほしいということです」この対策型検診は、厚生労働省のHPなどで公開しているが、40歳以上の大腸がんの便潜血、40歳以上の乳がんのマンモグラフィー、20歳以上の子宮頸がん細胞診などである。
2019年11月14日年齢のせいだと思い込み、つい諦めてしまいがちな頭痛やめまい、耳鳴り、けだるさといった体の不調。実は、飲んでいる薬をやめると劇的に改善することがあるんです!「頭痛や疲れやすさ、便秘に肩こり。そんな不調の原因は今飲んでいる薬にあるのかもしれません。薬が病気を招くこともある。それに気づいていない人が多いんです」そう語るのは『薬の9割はやめられる』(SBクリエイティブ)の著者がある松田医院 和漢堂(熊本県熊本市)の松田史彦院長。今年6月、厚生労働省は高齢者の薬の数を減らすため「高齢者の医薬品適正使用の指針」を示した。5種類以上の薬を飲み続ける多剤服用によるトラブルが増加しているからだ。日本初となる「薬やめる科」を開設した松田先生が解説する。「高齢になると、さまざまな病気を抱えるため、複数の病院から薬が処方されます。77歳の女性に24種類の薬が処方されていたケースもありました。血圧が高いと降圧剤、頭が痛いと鎮痛剤、薬の飲みすぎで胃が痛くなったら胃薬……と次々薬が出されていたのです。飲む薬の種類が増えれば、副作用が起きる可能性も高まる。多剤服用で寝たきりになったり、認知機能が低下することもあります」そんな多剤服用、実は高齢者だけの問題ではない。次から次へと飲む薬が増える負のスパイラルの入口は50代だというのだ。「肉体的な衰えに加えて、女性の場合、50歳前後で更年期を迎え、さまざまな体の変化が表れます。とくに血管をしなやかにして血圧の上昇を抑える女性ホルモンの分泌量が激減するため、血圧が高くなったり、ホルモンバランスの変化からコレステロール値が上がったりする人が急増します。そこで医師に言われるがまま、血圧を下げる降圧剤やコレステロール値を下げる薬、ホルモン剤を飲み始める。しかし、それが“薬漬け”人生のスタートといっても過言ではありません」
2019年11月06日「頭痛や疲れやすさ、便秘に肩こり。そんな不調の原因は今飲んでいる薬にあるのかもしれません。薬が病気を招くこともある。それに気づいていない人が多いんです」そう語るのは『薬の9割はやめられる』(SBクリエイティブ)の著者がある松田医院 和漢堂(熊本県熊本市)の松田史彦院長。今年6月、厚生労働省は高齢者の薬の数を減らすため「高齢者の医薬品適正使用の指針」を示した。5種類以上の薬を飲み続ける多剤服用によるトラブルが増加しているからだ。日本初となる「薬やめる科」を開設した松田先生が解説する。「高齢になると、さまざまな病気を抱えるため、複数の病院から薬が処方されます。77歳の女性に24種類の薬が処方されていたケースもありました。血圧が高いと降圧剤、頭が痛いと鎮痛剤、薬の飲みすぎで胃が痛くなったら胃薬……と次々薬が出されていたのです。飲む薬の種類が増えれば、副作用が起きる可能性も高まる。多剤服用で寝たきりになったり、認知機能が低下することもあります」高血圧や高コレステロールは脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる動脈硬化の発症リスクを上げる。重い病気を予防するためなら……と飲み続けている人も多い。ところが、こんな例があると松田先生は話す。「あるとき、50代の女性が、足がけいれんするので、薬を出してほしいと診察室を訪ねてきたんです。女性は加齢による症状だと思い込んでいましたが、よく話を聞くと、コレステロール値を下げる薬を2種類飲んでいることが判明。それらの薬には筋肉がけいれんする副作用がありました。コレステロール値が安定していたこともあり、女性は私と相談して、薬をやめることに。すると、足のけいれんはすぐ改善しました。薬でも、足のけいれんは抑えられたかもしれませんが、そうすることで、次なる薬の副作用や、コレステロール薬の肩こりや頭痛といったほかの副作用に悩まされていたでしょう」また、年齢とともに高くなりがちな血圧のせいで、何種類もの降圧剤を飲む人も少なくないが、松田先生はこれにも警鐘を鳴らす。「医師のなかには、血圧の値しか見ず、降圧剤を投与しても血圧が下がらないならば次の薬を……と、足し算で考える人がいます。私の患者さんにも5種類の降圧剤を服用し、その副作用によって1分間に120回と、心拍が異常に速くなる頻脈を起こしていた人がいました。そこで、薬を減らし、生活習慣を改善したところ、心拍数は78回にまで低下、血圧も下がっていったのです」薬が日ごろの不調の原因になりうるのだ。「骨がもろくなる骨粗しょう症や、高血圧の治療薬の副作用には、更年期や加齢による症状と似たものがあり、薬の副作用と気づかないケースも。年をとれば誰にでも起こることだと我慢している人も少なくないのです」飲んでいる薬を減らすことでさまざまな不調が改善されるなら、すぐに始めたほうがいいかも?「自己判断で薬の服用をやめてしまうことは禁物です。減薬するときは、医師や薬剤師と相談しながら行ってください。薬には副作用もありますが、病気や症状を改善する力もあり、激しい痛みや苦痛を抑える場合、緊急時には絶対に必要です。薬が悪いのではなく、薬との付き合い方が大事なのです」なにか不調を感じたときに、飲んでいる薬に疑念を抱いてみる。そんな発想も重要だ。
2019年11月06日「内臓脂肪が体に有害であることは、医療者の間では長年知られていることです。そもそも、内臓脂肪を改善してもらうために、2008年から『メタボ健診(特定健康診査)』を導入したのに、人々の間で危機感がなく、なかなか本気で痩せようとしていません。これが、内臓脂肪の注意喚起を訴えようと思ったきっかけです」池谷医院院長の池谷敏郎先生はこう話す。今年4月に出版した『内臓脂肪を落とす最強のメソッド』(東洋経済新報社)は注目を浴び、ベストセラー本となったが、いまだにその人気は衰えていない。「内臓脂肪は、腸の周りにつく脂肪ですが、特に怖いのは、肝臓や心臓の周りにつく脂肪です。メタボによる脂肪肝は肝硬変や肝臓がんのリスクとなりやすく、心臓周囲の脂肪は、毛細血管を伸ばして炎症の原因となる物質を送り込み、動脈硬化を急速に進め、心不全や心筋梗塞を引き起こすのです」(池谷先生・以下同)通常の動脈硬化は、血中コレステロール値や血糖値、血圧が高いなど、血管の内側の異常が原因となって進行する。ところが、内臓脂肪による動脈硬化は、血管の外壁側から心臓表面を走る冠動脈に悪影響を及ぼして、動脈硬化を急速に進めるのだ。さらに、心臓の機能をも低下させ、心不全の要因ともなるというから恐ろしい。ちなみに、脂肪肝を診断される人はほぼ、心臓周りにも内臓脂肪がついている可能性が高いという。内臓脂肪は、動脈硬化の原因となる糖尿病や脂質異常症、高血圧などに悪影響を及ぼす。なかでも内臓脂肪は、糖の代謝の要であるインスリンの働きと密接に関係しており、インスリンと内臓脂肪の関係は負のスパイラルを増長させる関係なのだという。「糖質を摂取して血糖値が上昇すると、それを抑えようとすい臓からインスリンが分泌されます。ところが、インスリンには内臓脂肪をためる働きがあるので、血糖値を急上昇させるような生活習慣を続けると、内臓脂肪の蓄積が起こります。内臓脂肪が過剰にたまると、インスリンの働きを阻害する物質が分泌されて、血糖値が下がりにくい体質に変わってしまいます。その結果、インスリンは一層分泌されて働こうとしますが、出れば出るほど、内臓脂肪も蓄積されるのです」また、インスリンの過剰分泌は交感神経を刺激し、高血圧の原因ともなる。さらに、高血糖の状態が続くことで脳の記憶を司る海馬が萎縮し、認知症のリスクまで高まることが知られている。内臓脂肪には、がんのリスクを高める可能性まで指摘されている。内臓脂肪から体内に炎症物質が放出され、慢性炎症が起こる。その炎症が長期化することにより、がん化してゆくのだ。このように私たちの体にとってさまざまなデメリットをもたらす内臓脂肪だが、メタボ診断で使われる「腹囲が90cm以上ある女性」は要注意だ。ただ、細身でも内臓脂肪がついているケースもある。メタボの診断基準のB(〈1〉中性脂肪:≧150mg/dlかつ/またはHDL<40mg/dl、〈2〉血圧:収縮期血圧≧130mmHgかつ/または拡張期血圧≧85mmHg、〈3〉血糖:空腹時血糖>110mg/dl)が2つ以上当てはまる人は注意したほうがよい。また、肥満、脂質、血圧、血糖の基準値を超える項目が増えるほど、心筋梗塞の発症率が上がるということは、厚生労働省の研究からも明らかになっている。ただ、「内臓脂肪は皮下脂肪より落としやすい」(池谷先生)という希望もある。ダイエットを始めたら最初に痩せるのは内臓脂肪なのだ。
2019年11月06日水分は人間の生命にとって重要な成分のひとつ。生きるうえで大切なのはもちろんですが、ダイエット効果も期待できることをご存知ですか?今回は美容・健康ライターのNao Kiyota先生に、水分摂取にあるダイエット効果をはじめ、正しい水分の摂り方や注意すべき点などを詳しく教えていただきました。水分を摂ることにはどんなダイエット効果が?代謝アップ効果まず挙げられるのが、代謝アップ効果です。血液やリンパ液の水分が不足してドロドロになると、栄養素や酸素、老廃物の流れが滞ります。水分をしっかり補給することは、体液循環をスムーズにし、代謝を高める効果が期待できます。デトックス効果水分摂取によって得られるデトックス効果も、ダイエット効果につながるポイントです。十分な水分が体内にあると、老廃物の排出もスムーズになります。その結果、むくみや便秘の改善効果も期待できます。ダイエット中は1日にどのくらいの水分を摂ると良い?人の体の大部分(約60%)は、水分でできています。血液を通じて酸素や栄養素を送るのにも、リンパ液などを通じて老廃物をスムーズに排出するのにも水分が必要。水分不足は代謝の低下やむくみ・老廃物の蓄積を起こしますので、毎日十分な水分摂取が必要です。厚生労働省によると、健康のための水分補給では、1日に2.5ℓ、食事で取り入れる分や体内で生成される分を考慮すると飲み水は「1.2ℓ」必要と提示しています。もちろん、発汗の多い夏場や運動量の多い人はそれだけ多く必要になります。そのため、喉が乾く前にこまめに給水をし、脱水を防ぐことが重要です。【参考文献】厚生労働省|「健康のため水を飲もう講座」覚えておきたい!正しい水分の摂り方水分補給のタイミング正しい水分の摂り方でまず重要なのが、水分補給のタイミングです。熱中症が心配される暑い季節は、喉が渇いてからの給水では間に合わないことも。喉が乾く前に飲むことが大切です。なかなか気づけないという人は、トイレに行って水分を排出するたびに飲むようにすると良いでしょう。また、朝起きがけの1杯やお風呂に入る前など、水分が不足しやすいタイミングには必ず飲むようにすることが大切です。一度に飲む水の量次に、一度に飲む量も大切なポイントです。一気にたくさん飲んでも排出されてしまうため、一度に飲むのはコップ1杯(200ml)程度を目安にしましょう。1日に6〜8回程度に分けて飲むと良いですね。水以外のダイエット中におすすめな飲み物とその理由ダイエット中におすすめの飲み物は「常温の水」や「白湯」、「炭酸水」です。内臓に負担をかけないようにし代謝を高めるには、冷たい水よりも常温の水が、常温の水よりも白湯がおすすめです。冷えによる代謝の低下も予防・改善しやすくなります。食事前に飲むことで食べ過ぎを防ぐ効果が期待できるのは炭酸水です。炭酸水も冷やし過ぎずに取り入れましょう。コンビニなどで冷たい飲み物を購入し、すぐに飲みたい場合は、口の中で少し温めてから飲み込むようにすると良いですよ。ダイエット中は避けた方が良い飲み物とその理由清涼飲料水には糖質が多く含まれています。甘みのある飲み物は知らず知らずのうちにカロリオーバーに陥ることがあるので要注意。ダイエット中は控えましょう。コーヒーや紅茶、緑茶には利尿作用があり、補給しても排出されてしまいます。水分補給には向きませんので、補給量にはカウントせずに楽しみましょう。妊娠中やカフェインなどの刺激が気になる場合はディカフェにするのがおすすめです。ダイエット中に水分を摂る際の注意点水分補給量を決めつけないダイエット中に水分を摂る場合、水分補給量を「1.2ℓ」に決めつけないことです。排出が多ければその分補給が必要になるため、運動量が増えればそれだけ必要量も増えていきます。暑い季節でなくても知らず知らずのうちに発汗し水分が失われていることもあります。そのため、運動量が多い日はより積極的に水分補給をしましょう。がぶ飲みはNG!がぶ飲みしないことも大切です。お腹を満たすことで食事量を減らすため事前にたくさんの水を飲む方法は、内臓に負担をかけることに。また、食事の消化・吸収を妨げますのでおすすめできません。食事中は水分を飲み過ぎないようにしましょう。お味噌汁やスープなどの汁物がある場合は、たくさんの水を飲む必要はありません。水分を補給する量やタイミングも重要!水分を積極的に摂ることで、代謝アップなどの効果が期待できダイエットにつながります。そのためには摂取する量やタイミングにも十分配慮しましょう。また、摂取する水分の種類にも注意しながら、運動量が多い日は多めに摂取するなど積極的に水分補給をすることが大切です。Nao Kiyota美容・健康ライター
2019年10月25日「自分の子どもが不登校で……、と電話相談を受けて家庭訪問をすると、お子さんだけでなく、40代以降のお母さんもひきこもり、というケースをよく目にします。ご本人は自覚していませんし、専業主婦という立場上、問題が表面化することもありません。いわば、“かくれひきこもり”なんです」そう話すのは不登校やひきこもりの自立支援を行う団体、関東自立就労支援センターの平岩健さん。内閣府は今年3月、中高年(40〜64歳)のひきこもりを調査。全国に男女合わせて約61万人おり、女性は約14万人と推計した。「内閣府の試算のなかには、さっきお話しした“かくれひきこもり”の主婦はカウントされていませんから、もっと多くなるのでは」実際に内閣府の調査では、専業主婦は無職の人と比べ、ひきこもりとみなされにくい。また、一部の自治体の調査では、ひきこもりの定義で、“専業主婦を除く”としている場合も。そこで今回、中高年女性(40〜64歳)のひきこもりを取材。すると、さまざまな理由でひきこもりになることがわかってきた。■過去のいじめが原因でひきこもり繰り返す「ひきこもりに悩む女性からの相談件数は、倍増どころじゃありません。うちでは週3回、電話相談を実施していますが、川崎の事件前は年に1件あるかないか。しかし、事件後は、日に1〜2件は必ずかかってきます」そう話すのは、ひきこもりの家族会「楽の会リーラ」を運営する事務局長の市川乙允さん。川崎の事件とは今年5月、川崎市で起きたひきこもりがちだった51歳男性による無差別殺傷事件だ。「ひきこもっているせいで周囲から危ない人と思われる、自分も今後どうなるか心配など、不安を感じて電話してこられるのです」電話相談では、とくに子どものころにいじめを受けた人からのひきこもり相談が多いという。「45歳で専業主婦のSさんは、中1でいじめに遭って不登校になってから、3年間ずっとひきこもりでした。なんとか大学まで卒業しましたが、就職した会社でパワハラに遭い、再び1年ほど自宅にひきこもるようになったそうです」その後、バイト程度ならできるまでに回復。しかし、仕事で人間関係のトラブルなどに遭い、過去にいじめに遭った体験がよみがえると、どうしても1〜2カ月、ひきこもってしまったという。「そうなると、就労したくても短期でパートを繰り返すしかありません。とくに独身の女性は、頼れるのは親だけ。親が亡くなったらどうやって生活すればいいのか、不安を抱えている方もいます」Sさんは25歳で結婚。いまは中学生のお子さんもいるという。「ふだんは、掃除や買い物、子どもの世話など難なくこなせるそうですが、調子が悪くなると、買い物に行くのもつらくなり自室にひきこもることがあるようです。調子が悪くなるきっかけは、夫が家のことに無関心とか、子どもが言うことを聞かないなど、ちょっとしたことが引き金のようです」Sさんの場合、1〜2日で回復するときもあるが、過呼吸の発作や、手洗いを何度もしてしまう強迫神経症の症状が出て、1カ月程度ひきこもることもあるという。厚生労働省が定めた“ひきこもり”の定義は、仕事や学校に行かず、家族以外の人と交流をほとんどせずに6カ月以上続けてひきこもっている状態をいう。しかし、Sさんのように、ひきこもり期間が6カ月に満たないひきこもりを繰り返す人もいるのだ。「14万人なんて氷山の一角でしょう。主婦のひきこもりの原因や症状は十人十色。誰もが引きこもりになる可能性があります」女性のうつやひきこもりに詳しいメンタルアップマネージャの大野萌子さんは、ひきこもりを長期化させないためのコツをこう話す。「市や区の行政の窓口には、市民相談窓口が設置されていますし、各地域には、ひきこもりの家族会などもあります。ちょっとした悩みでも、早めに相談することが長期化を防ぐカギです」ひきこもり、塞ぎがちになるきっかけはさまざま。まずは頼れる人に、気軽に相談することを心に留めておきたい。
2019年10月16日筋トレに集中したい、でもお酒も飲みたい…。そんなジレンマに陥ったことはありませんか?ストレスを溜めずに両立させるためには、コツを知っておくのが大切です。スポーツインストラクターのよっしー先生に、筋トレと飲酒の関係について聞きました。飲酒が筋トレに与える影響筋肉の合成が遅くなる筋トレ期間中に飲酒をするとアルコールの分解にたんぱく質が使用され、筋肉の合成が遅くなってしまいます。たんぱく質は本来、筋肉の修復に使われます。ですが飲酒をすると体内のアルコールの分解に使われてしまうので、筋トレをしているにもかかわらず、筋肉がつくのが遅くなる悪循環に陥るのです。負荷を上げづらくなる飲酒によって体内でアルコール分解が始まると、疲労回復が遅くなり、トレーニングの負荷を上げづらくなります。具体的には、例えば内臓が疲労しやすくなり、睡眠が浅くなることが考えられます。筋トレでしっかり負荷をかけたい時、頑張りきれないということが懸念されるのです。飲酒の量について飲酒による身体への影響は個人差がありますが、基本的には厚生労働省が生活習慣病のリスクが高まるとしている量を一つの目安とするとよいでしょう。1日でいえば男性40g、女性20gです。頻度としては少量のアルコールを毎日摂取するよりも、1週間の中で休肝日を設定して楽しむ方がよいとされています。アルコールの分解は、量にかかわらず肝臓に負担をかけてしまいます。毎日飲酒していると肝臓が疲労するので注意しましょう。参考:健康日本21におけるアルコール対策 | e-ヘルスネット 情報提供筋トレ効果を下げない飲酒方法お酒の種類を選ぶ飲むお酒の種類を限定すれば、筋トレ効果を下げずにキープすることが可能です。ビールや日本酒などは糖分が高く、気付かないうちに余分なカロリーを摂取してしまいがちです。蒸留酒であるウイスキーやジンを選ぶと、余分なカロリー摂取を防げます。一緒に食べるものを工夫筋トレの効果を維持するためには、たんぱく質量を確保する必要があります。そのため、お酒を飲む際の食べ物に気を配ることが大切です。高たんぱく、低糖質な鶏肉、大豆製品、脂の少ない魚などを一緒に食べれば、筋トレ効果を維持しやすいといわれています。ノンアルコールドリンクを利用筋トレ期間中だから我慢!と思っても、どうしても飲みたいときはどうしたらよいのでしょう。その場合、ノンアルコールドリンクを上手に活用しましょう。肝臓を休めることにもつながるので、我慢がなかなか難しい方にはオススメの方法です。筋トレ期間中も上手にお酒と付き合おういくら筋トレに集中している期間であっても、付き合いやその日の気分によっては飲酒が必要なときもありますよね。飲酒が体に及ぼす影響や筋トレ効果を下げない飲み方を知っておけば、過度な飲酒は防げるはず。お酒と上手に付き合って、ストレスを溜めない筋トレ生活を送りましょう。よっしースポーツインストラクター
2019年10月06日よく噛むと、満腹中枢を刺激するため、ダイエットに効果的であるといわれていますが、その他にはどのような効果があるのでしょうか?実は、美肌効果や小顔効果など、美容に関する効果も期待できます。今回は、ダイエット効果だけでなく、噛むことが美容や健康に及ぼす良い影響についてご紹介します。噛むことの効果とは?出典:byBirthダイエット効果よく噛むと良い、といわれる代表的な理由として、ダイエット効果があります。疫学調査により、早食い=よく噛まない人には、肥満が多いと分かってきました。なんと、調査報告によると、よく噛まない人は20歳時点からBMIの増加量も多いとのこと。よく噛まないと、その影響は若い内から出てくるというわけですね。噛むと痩せる、そのメカニズムは?出典:byBirth噛む回数が増えると、胃など消化器官への血液量が増えます。そして消化活動が活発になり、食事誘発性熱産生(食事をする際に発生する熱)も高くなります。食事誘発性熱産生が高いということは、基礎代謝が高くなり、ダイエットに効果的というメカニズムです。1回の食事で消費されるエネルギーは、そこまで多くはありません。しかし、食事のたびに少しでも食事誘発性熱産生が高い・エネルギーを消費していると、いずれは大きな消費となります。体重60kgの人では、1日3回よく噛んで食事をすると、1年間で1.5kg分のエネルギーを多く消費する、という計算になるとのこと。口元を引き締める効果出典:byBirth顔には「表情筋」や「骨格筋」などさまざまな筋肉があります。骨格筋の一つに、「咬筋(こうきん)」という噛むときに使う筋肉があります。咬筋をしっかり動かすと、口の周りにある、口輪筋舌筋頬筋などの筋肉を刺激します。その結果、顎や頬のたるみを防止し、引き締まった口元をつくることができます。美肌効果噛む回数が増えると、口の中に唾液が増えますよね。唾液には、パロチンやEGFという成分が豊富です、パロチン成長ホルモンの一種で、皮膚のターンオーバーを活発にします。皮膚炎の治療薬としても使われています。EGFたんぱく質の一種で、皮膚の表面にある受容体と結びつき、肌細胞の再生を促進します。肌細胞の再生が促進されると、肌のトラブル予防になります。小顔効果出典:byBirth噛むという動作は、普段使われていない顔の筋肉を使います。噛む回数が増えると、顔の筋肉のトレーニングになります。さらに、噛むことで口周りを動かし血行が良くなると、顔のむくみがとれる顔のリンパ腺が刺激され、くすみが解消するなど、小顔効果が期待できます。胃腸のはたらきを良くする唾液には、殺菌効果・除菌効果があるといわれています。口の中ではもちろん、食道・胃の中の細菌の繁殖も抑えることができるため、消化管の調子も良くなります。消化管が健康=免疫力アップにもなります。歯を健康に保つ出典:byBirthよく噛むことによって唾液の分泌が増えますが、唾液には口の中を細菌から守るはたらきがあります。歯をコーティングすることで、細菌から守るともいわれています。口元や歯の清潔は、第一印象にも影響がありますよね。噛む回数を増やして、口内環境を健やかに保ちましょう。脳を刺激するよく噛むと、セロトニンの分泌が増えます。セロトニンとは、脳内の神経伝達物質で、脳を活性化します。その他、精神を安定させるなどのはたらきも。特に、リズミカルに噛むとセロトニンの分泌が増えるといわれています。「よく噛む」とは何回噛めば良い!?出典:byBirth日本咀嚼学会や厚生労働省では、よく噛む、とは30回噛むことを推奨しています。しかし、30回とはあくまで目安で、なかなか実行しづらいことも。あまりに沢山噛んで、食事の美味しさを感じないようであれば、美味しいと感じる回数で噛むと良いでしょう。よく噛むためのコツよく噛むことは、簡単そうですが、なかなか実行できないこともありますよね。自然と、よく噛まなければならない習慣をつけるのも良いでしょう。(例)野菜を固め・大きめにカットする食材を大きめにカットするごぼう、れんこん、ナッツ類、たこ、いかなど、歯ごたえのあるものを取り入れるまた、以下のことも大切です。急いで食べない(ゆっくり食べる)飲み物で流し込むように食べない出典:byBirthゆっくり食べると、食材そのものの味を感じることができますし、何より早食いは太る原因。流し込むように食べると、食べ物が細かくならずに胃に流れていくため、消化に良くないので要注意。麺類など喉越しが良く、あまり噛まなくても飲み込める食事も、噛むことを意識して食べるようにしましょう。いかがでしたでしょうか。「よく噛むことは良いこと」といわれていますが、具体的にはこんなにも美容や健康に良いことがあるのですね。ぜひ今日から、よく噛んで食事を味わってみてくださいね。
2019年10月02日昨年10月、本誌が紹介し反響を呼んだ、乳がん検診の最新技術。ついにその技術が、全国的な実用化に向けて第一歩を踏み出した。“乳がん死亡者ゼロ”の未来は近い!?「痛みや被ばくの危険性がない乳がん画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の実用化に向けて、私たちはプロトタイプとなる機器を開発しました。これからいよいよ医療機関で治験がスタートし、早ければ’21年の冬以降、全国の病院に設置することを目指します」こう語るのは、世界初の画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の開発者である神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授(40)。9月13日、神戸大学で行われたプロトタイプ機の研究成果発表には、実用化と普及促進に協力する企業関係者らが出席。新聞、テレビなどメディアも多数訪れ、大きな注目を集めていた――。厚生労働省が40歳以上の女性を対象に、2年に1回乳がん検診を受けるよう呼びかけているにもかかわらず、’16年に同省が実施した国民生活基礎調査によると、受診率は全国で44.9%。半数にも達していないのが現状だ。それほどまでに乳がん検診が敬遠されるのには、X線マンモグラフィが持つ撮影における痛み、X線による人体への影響のリスクが背景としてある。そんな乳がん検診の難点を解消したのが、この「マイクロ波マンモグラフィ」という技術だ。「微弱な電波を出すアンテナを使い、乳房の表面を軽くなぞるようにスキャンし、我々が導き出した世界初の計算理論を用いて、乳房内の構造を立体的な画像で写し出します。表面をなぞるだけで、痛みはない。さらに、機器が発するマイクロ波は、携帯電話の1,000分の1以下の微量の電波なので、身体に与える影響もほとんどないと考えられます」(木村教授・以下同)昨年10月、本誌はまだ研究段階であったマイクロ波マンモグラフィを木村教授の解説とともに紹介。掲載後、教授が所属する神戸大学には「臨床研究に協力したい」という女性の声が、全国各地から寄せられたという。今回発表されたプロトタイプ機は、これまで臨床研究で使用していた装置よりも、さらに高い解像度を有している。「これまでにも臨床研究を重ね、精度を検証してきました。来年からはじまる治験は、関西、関東の複数の病院で行われる予定です」その後、国内に4,000台、アメリカに8,000台、EUに1万6,000台、その他の地域に約1万台を設置することを目標にしているという。早期発見で9割以上が治る、といわれる乳がん。しかし、発見の難しさもあり、日本では1万4,000人以上が亡くなっている。「マイクロ波マンモグラフィが世界中に導入されたら、早期発見が可能と考えられます。10年後には、先進国において、乳がんで死亡する人は激減するでしょう。そして近い将来、乳がんで亡くなる人がゼロになると信じています」“痛くない”、“被ばくしない”、そして“見落としなし”の乳がん検診が、全国の病院で受けられる日はすぐそこまで来ている。
2019年09月25日「痛みや被ばくの危険性がない乳がん画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の実用化に向けて、私たちはプロトタイプとなる機器を開発しました。これからいよいよ医療機関で治験がスタートし、早ければ’21年の冬以降、全国の病院に設置することを目指します」こう語るのは、世界初の画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の開発者である神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授(40)。9月13日、神戸大学で行われたプロトタイプ機の研究成果発表には、実用化と普及促進に協力する企業関係者らが出席。新聞、テレビなどメディアも多数訪れ、大きな注目を集めていた――。厚生労働省が40歳以上の女性を対象に、2年に1回乳がん検診を受けるよう呼びかけているにもかかわらず、’16年に同省が実施した国民生活基礎調査によると、受診率は全国で44.9%。半数にも達していないのが現状だ。それほどまでに乳がん検診が敬遠されるのには、X線マンモグラフィが持つ撮影における痛み、X線による人体への影響のリスクが背景としてある。そんな乳がん検診の難点を解消したのが、この「マイクロ波マンモグラフィ」という技術だ。「微弱な電波を出すアンテナを使い、乳房の表面を軽くなぞるようにスキャンし、我々が導き出した世界初の計算理論を用いて、乳房内の構造を立体的な画像で写し出します。表面をなぞるだけで、痛みはない。さらに、機器が発するマイクロ波は、携帯電話の1,000分の1以下の微量の電波なので、身体に与える影響もほとんどないと考えられます」(木村教授・以下同)マイクロ波マンモグラフィが持つメリットはそれだけではない。「プロトタイプ機を使用した臨床研究では、高濃度乳房を含む全ての乳房で、高い乳がん検出感度を持つことが示されました」乳房は、乳腺と脂肪、そして乳房を支える靱帯で構成されている。「高濃度乳房」とは乳腺と靱帯が密集している乳房のことで、これはX線を遮断してしまうため、がんを見つけることが困難とされてきた。アジア人女性の35~50歳未満の約8割、50~65歳未満の約6割がこの「高濃度乳房」に当てはまるという。「マイクロ波は、高濃度乳房を貫通し、がん組織に当たった際、著しく反射する。その波形を解析し、数秒でがん組織を含む乳房全体を立体画像で写し出します。つまり、検査後すぐに、画像化することができるんです」木村教授は、反射して散らばったマイクロ波から、物体の形を導く計算式を世界で初めて導き出した人物。そしてその数学的理論と、高い周波数のマイクロ波を発生させ観測する半導体技術を合わせて完成したのが、この装置なのだ。
2019年09月25日ダイエットに病気の予防と、女性にうれしい健康効果が注目されている大豆。豊富な栄養素を効率よく取るためのカギは、“最初のひと口”を大豆のメニューにすることにあった!納豆、豆腐などに加え、豆乳を使った飲料や手軽に食べられるバーなど、大豆を使った製品の品数はますます増えている。最近では大豆缶や大豆のパックも数種類がスーパーの棚に並んでいて、簡単に手に入るようになった。ところが意外にも、私たちが実際に1日あたりに摂取している豆類の量は、健康上の目標にまだまだ足りていないようだ。厚生労働省が推奨している1日の豆類摂取量の目標値は100g。しかし、「平成27年国民健康・栄養調査」によると、40代、50代の女性の摂取量は約40g足りていないのだ。「若い世代ほど、“大豆離れ”が進んでいるようなのです」そう指摘するのは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。「大豆には、タンパク質、脂質、炭水化物の『三大栄養素』のほか、カルシウム、カリウム、鉄といったミネラル、さらにビタミンE、葉酸、食物繊維、イソフラボンなど、実に多くの栄養素がバランスよく含まれていて、ズバ抜けて優秀な食品と言えます。健康寿命をのばすためにも、私たちは毎日の食事で、もっと積極的に大豆を食べるべきです」(栗原先生・以下同)これらの栄養素を取りこぼさないためにも大切なのが、大豆を使ったものから食事を始めること、すなわち「大豆ファースト」だ。自身も実践しているという栗原先生に「大豆ファースト」の基本を教えてもらった。まずはその名のとおり、食事の際に、大豆製品を最初に口にすること。「タンパク質を効率よく吸収するために、蒸し大豆であれば大さじ2杯分の量を食べます。納豆や豆腐でも、大豆を取り入れたメニューであればOKです。大豆に含まれるイソフラボンは、1日に必要な量を一度に取っても、体内に取り込まれてから8時間すると半分に減ってしまいます。ですから、三食で大豆を食べることが大切です」食後の血糖値の上昇を緩やかにするためにまず野菜から食べ始める「ベジファースト」も有名だが、大豆ファーストでも同等の効果を得ることができる。サラダに蒸し大豆をトッピングすれば、一挙両得だ。1日に必要な大豆の量は100g。市販の蒸し大豆のパック1袋分、豆腐にすると1丁(300g)、納豆なら3パック程度。「1日に必要な大豆の摂取量の目安は100gですが、なかなか目標値に達成しないときは、『おからパウダー』が便利です」おからとは、大豆を煮て砕いて搾った後の“かす”。搾ったほうは豆乳になる。その“かす”を乾燥させて粉末にしたものが「おからパウダー」だ。市販のものも増えていて、ダイエットや糖質オフに役立てている人も多い。これが大豆ファーストを実践する際に活躍するという。「おからパウダーにはタンパク質、脂質が豊富に含まれているほか、食物繊維の水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。水溶性食物繊維には糖やコレステロールの吸収を抑える働きがあり、不溶性食物繊維は便意をもたらすだけでなく、便のかさを増してくれます。大豆がもっているダイエット効果は、おからパウダーでも発揮されます」手軽で栄養効果が高く、吸収率がよいだけでなく、便秘解消や腸内環境を整えてくれる働きまであるとは、実に至れり尽くせりの食品だ。「おからパウダーを買うときには、裏面にある栄養成分表示をチェックしてみてください。製品によっては、タンパク質が多いもの、食物繊維が多いものなど、いろいろあります。筋肉をつけたければタンパク質の多いもの、お通じをよくしたいのであれば食物繊維の多いものなど、自分の体調に合わせて使い分けることもできます」また、おからパウダーには脂質が多く含まれているものが多いが、大豆の脂質にはコレステロールを下げる作用のあるリノール酸も含まれているため、高コレステロール等の心配はないという。朝は忙しい、大さじ2杯の蒸し大豆は意外と大変で……という人は、大豆ファーストの基本を習慣化するために、まずはおからパウダーから始めてみるのもよさそうだ。牛乳やコーヒーに入れたり、みそ汁やスープなどに足してもよし。ほかにも、ヨーグルトやサラダにふりかけたり、お米と一緒に炊いたり、小麦粉代わりにパンケーキやハンバーグ、揚げ物の衣に使うなど、おからパウダーの用途はさまざまある。「私は毎朝、コップ1杯の牛乳に小さじ2杯くらいのおからパウダーを入れて飲みます。昼食や夕食のサラダにもおからパウダーをふりかけて食べています。おからパウダーも大豆同様に腹持ちがいいので、コーヒーに入れて飲むだけで思いのほか満腹感を得られるはずですよ」
2019年09月18日ダイエットに病気の予防と、女性にうれしい健康効果が注目されている大豆。豊富な栄養素を効率よく取るためのカギは、“最初のひと口”を大豆のメニューにすることにあった!納豆、豆腐などに加え、豆乳を使った飲料や手軽に食べられるバーなど、大豆を使った製品の品数はますます増えている。最近では大豆缶や大豆のパックも数種類がスーパーの棚に並んでいて、簡単に手に入るようになった。ところが意外にも、私たちが実際に1日あたりに摂取している豆類の量は、健康上の目標にまだまだ足りていないようだ。厚生労働省が推奨している1日の豆類摂取量の目標値は100g。しかし、「平成27年国民健康・栄養調査」によると、40代、50代の女性の摂取量は約40g足りていないのだ。「若い世代ほど、“大豆離れ”が進んでいるようなのです」そう指摘するのは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。「大豆には、タンパク質、脂質、炭水化物の『三大栄養素』のほか、カルシウム、カリウム、鉄といったミネラル、さらにビタミンE、葉酸、食物繊維、イソフラボンなど、実に多くの栄養素がバランスよく含まれていて、ズバ抜けて優秀な食品と言えます。健康寿命をのばすためにも、私たちは毎日の食事で、もっと積極的に大豆を食べるべきです」(栗原先生・以下同)これらの栄養素を取りこぼさないためにも大切なのが、大豆を使ったものから食事を始めること、すなわち「大豆ファースト」だ。自身も実践しているという栗原先生に「大豆ファースト」の基本を教えてもらった。まずはその名のとおり、食事の際に、大豆製品を最初に口にすること。「タンパク質を効率よく吸収するために、蒸し大豆であれば大さじ2杯分の量を食べます。納豆や豆腐でも、大豆を取り入れたメニューであればOKです。大豆に含まれるイソフラボンは、1日に必要な量を一度に取っても、体内に取り込まれてから8時間すると半分に減ってしまいます。ですから、三食で大豆を食べることが大切です」食後の血糖値の上昇を緩やかにするためにまず野菜から食べ始める「ベジファースト」も有名だが、大豆ファーストでも同等の効果を得ることができる。サラダに蒸し大豆をトッピングすれば、一挙両得だ。また、大豆の食物繊維は腹持ちがよいため、空腹になりにくく、食べすぎを抑えてくれる効果もあるそうだ。栗原先生によれば、大豆ファーストが習慣化することは、ダイエットにもつながるという。次によくかんで食べること。「どれだけ栄養価の高い食品でも、よくかまずに飲み込んでいては栄養の吸収率が半減してしまいます。よくかんで食べることで、タンパク質を分解・吸収するトリプシンという消化酵素がすい臓から分泌されて、消化吸収率を上げることができます」ひと口30回を目安に、しっかりとかむことで味を楽しむこともできる。これがひいては胃腸にも優しく、大豆の栄養を十分に吸収することにつながる。豆腐や納豆といった軟らかい食品であっても、しっかりよくかむことが栄養吸収のためにも大切だ。最後に、大豆の後には、βカロテンやビタミンCを含む野菜を食べること。「栄養価の高い大豆ですが、βカロテンやビタミンCは含まれていません。そこで、大豆にはない栄養素が含まれる食べ物を補完することで、栄養価が完全になります」1日に必要な大豆の量は100g。市販の蒸し大豆のパック1袋分、豆腐にすると1丁(300g)、納豆なら3パック程度。最近では大豆を使った加工食品も豊富にあるので、食べやすいものからぜひ始めてみよう!
2019年09月18日納豆、豆腐などに加え、豆乳を使った飲料や手軽に食べられるバーなど、大豆を使った製品の品数はますます増えている。最近では大豆缶や大豆のパックも数種類がスーパーの棚に並んでいて、簡単に手に入るようになった。ところが意外にも、私たちが実際に1日あたりに摂取している豆類の量は、健康上の目標にまだまだ足りていないようだ。厚生労働省が推奨している1日の豆類摂取量の目標値は100g。しかし、「平成27年国民健康・栄養調査」によると、40代、50代の女性の摂取量は約40g足りていないのだ。「若い世代ほど、“大豆離れ”が進んでいるようなのです」そう指摘するのは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。「大豆には、タンパク質、脂質、炭水化物の『三大栄養素』のほか、カルシウム、カリウム、鉄といったミネラル、さらにビタミンE、葉酸、食物繊維、イソフラボンなど、実に多くの栄養素がバランスよく含まれていて、ズバ抜けて優秀な食品と言えます。健康寿命をのばすためにも、私たちは毎日の食事で、もっと積極的に大豆を食べるべきです」(栗原先生・以下同)栗原先生が特に注目しているのが「大豆タンパク」の働きだという。近年、日本人の筋力低下が著しく、その主な原因はタンパク質の摂取量が不足していることにあると栗原先生は話す。「今の日本人が直面している筋力不足の問題は、メタボよりも深刻と言えます。筋肉量が十分でないと疲れやすく、免疫力が下がり、高齢になったときに身体機能が低下してしまう『サルコペニア』に陥りやすいのですが、最近では、若い層でも筋肉が不足した『新型栄養失調』状態の人が増えています。これは明らかにタンパク質の不足からくるものです」体内のタンパク質量は、血液中にある「アルブミン」の量で知ることができる。アルブミンは健康診断などで血液検査の際に計測されるもので、血液や筋肉、皮膚、爪、髪といった私たちの体の組織を作ってくれる成分だ。健康的な体をキープするためには、血中のアルブミン値を上げることが必須となる。また、アルブミンは加齢とともに減少する傾向にあり、それが老化の指標にもなるという。「日本の基準では正常なアルブミン値は3.8〜5.5g/dlとなっていますが、筋肉を作るためには4.5以上は欲しいと常々患者さんたちに伝えています。4.5で筋肉が作られ、4.6で肌のハリが出て、4.7で髪が元気になり、4.8で爪がきれいになります。アルブミン値が高い人は『まわりがカゼをひいているときも、自分はひかない』という人が多いほどです」さらに、適度に筋肉がつくと、病気の予防・改善になるだけでなく、若返りやダイエットにもつながるという。「アルブミン値が高い状態をキープしていれば、3日間で血中の中性脂肪が落ち始めます。1カ月もすれば血圧、血糖値が下がり、2カ月で内臓脂肪が落ち、脂肪肝や糖尿病が改善されるようになります。肥満は大腸がんのリスク、糖尿病は肝臓がんのリスクにつながるので、大豆タンパクを摂取することは、内臓系のがんの予防にもなるのです。さらに続けると3カ月で皮下脂肪が落ち、見た目が若返り、スッキリしてきます。私の患者さんで、80代の方でも白髪が黒くなった方や筋力がつくことで見た目にも若々しくなったという方が多数いらっしゃいます」それほど私たちの体に大切なタンパク質だが、筋肉を作るのに必要な量の目安は、体重分のグラム数だ。体重50kgの人であれば、1日に50gのタンパク質の摂取が必要となる。タンパク質を50g摂取するには、肉であれば100g、卵だと5個分だ。大豆製品だと豆腐1丁、納豆なら3パック程度にあたる。さまざまな病気の予防になり、見た目も体の内面も若々しくしてくれるという大豆パワー。そんなスグレモノならぜひともしっかり食べたい!
2019年09月18日納豆、豆腐などに加え、豆乳を使った飲料や手軽に食べられるバーなど、大豆を使った製品の品数はますます増えている。最近では大豆缶や大豆のパックも数種類がスーパーの棚に並んでいて、簡単に手に入るようになった。ところが意外にも、私たちが実際に1日あたりに摂取している豆類の量は、健康上の目標にまだまだ足りていないようだ。厚生労働省が推奨している1日の豆類摂取量の目標値は100g。しかし、「平成27年国民健康・栄養調査」によると、40代、50代の女性の摂取量は約40g足りていないのだ。「若い世代ほど、“大豆離れ”が進んでいるようなのです」そう指摘するのは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。「大豆には、タンパク質、脂質、炭水化物の『三大栄養素』のほか、カルシウム、カリウム、鉄といったミネラル、さらにビタミンE、葉酸、食物繊維、イソフラボンなど、実に多くの栄養素がバランスよく含まれていて、ズバ抜けて優秀な食品と言えます。健康寿命をのばすためにも、私たちは毎日の食事で、もっと積極的に大豆を食べるべきです」(栗原先生・以下同)栗原先生が特に注目しているのが「大豆タンパク」の働きだという。近年、日本人の筋力低下が著しく、その主な原因はタンパク質の摂取量が不足していることにあると栗原先生は話す。「今の日本人が直面している筋力不足の問題は、メタボよりも深刻と言えます。筋肉量が十分でないと疲れやすく、免疫力が下がり、高齢になったときに身体機能が低下してしまう『サルコペニア』に陥りやすいのですが、最近では、若い層でも筋肉が不足した『新型栄養失調』状態の人が増えています。これは明らかにタンパク質の不足からくるものです」私たちの体に大切なタンパク質だが、筋肉を作るのに必要な量の目安は、体重分のグラム数だ。体重50kgの人であれば、1日に50gのタンパク質の摂取が必要となる。タンパク質を50g摂取するには、肉であれば100g、卵だと5個分だ。大豆製品だと豆腐1丁、納豆なら3パック程度にあたる。タンパク質以外にも豊富な、健康効果をもたらしてくれる大豆の栄養素とその働きを見ていこう。【食物繊維】有害物質を体外に運び出す水溶性食物繊維、便の材料となる不溶性食物繊維が共に豊富に含まれていて、腸内環境を整える働きをする。【カルシウム】大豆に含まれるカルシウムは吸収率もよく、骨を作ってくれる。骨粗しょう症の予防にも大切だ。【脂肪】大豆の脂肪は植物性なので、悪玉コレステロールになる成分ではなく、血液をサラサラにする効果の高いリノレン酸が豊富に含まれる。【イソフラボン】ポリフェノールの一種で、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることでも知られている。それ以外にも、血圧を低下させる、血中の悪玉コレステロール(LDL)を減らしバランスを整える、更年期障害の症状を抑える、乳がん予防、ビタミンEとの相乗効果で血管を若々しく保つ、骨の破壊を抑えるなど、働きは多い。【オリゴ糖】乳酸菌やビフィズス菌など、善玉菌のエサとなり腸内環境を整え、便を増やして便通をよくする。免疫力アップにも。「国立がん研究センターが行った大規模追跡調査では、みそ汁を1日に3杯飲む人は、1杯未満の人に比べて乳がんを発症するリスクが約40%低いという結果が発表されています。ほかにも、女性で大豆製品を多く摂取するほど心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患のリスクが34%低くなるという研究結果もあります。さらに、大豆製品の摂取量が多い女性は、少ない女性に比べて10年後に認知機能が衰えるリスクが低下するという報告もされています。海外でも大豆への関心は高く、アメリカのデザイナーフーズプログラムでは大豆はにんじんやにんにくなどとともに最も重要な食品グループに入っており、その働きが注目されています」また、日本の長寿地域は昔から大豆食品をよく食べているという研究もある。「魚が捕れない山村部や、米もあまり収穫できない村でも、大豆を栽培してたくさん食べた村の人々、また豆腐を食べる習慣のある村の人々は長生きの傾向があることがわかっています」そして、これらの栄養素を取りこぼさないためにも大切なのが、大豆を使ったものから食事を始めること、すなわち「大豆ファースト」だ。「大豆は消化吸収率の高い食材です。大豆から食べ始めることで、さまざまな栄養素を効率よく吸収することができます。同時に大豆は食物繊維も含むため、食後の血糖値の上昇を抑えることができるのです」
2019年09月18日目にやさしい、とよくいわれるブルーベリー。最近では、その健康効果が肌、血管、そして脳まで若返らせてくれると、ますます注目されているのです!「寝ても疲れがとれない、ストレスがたまっているといった悩みを訴える患者さんに、食生活から体調を改善させる方法も提案しますが、その1つに、ブルーベリーをおすすめすることがあります」そう語るのは、アンチエイジングの専門医で、銀座上符メディカルクリニックの上符正志院長だ。「野菜や果物には体の調子を整え、生活習慣病を予防する働きがあり、最近注目されているのが“ファイトケミカル”です。これは食物が持つ色素や香りの成分のことで、シミやシワの原因となる体内の活性酸素を除去する抗酸化作用があり、同時に免疫力アップや老化予防効果などが期待されています。ファイトケミカルの代表はポリフェノール。ブルーベリーや赤ワインに含まれるアントシアニン、お茶などに含まれるカテキン類など、ポリフェノールには種類が複数ありますが、アンチオキシダント(抗酸化物質)の含有量を比較したORAC分析で、ブルーベリーはぶどうやザクロ、オレンジなどと比較しても抗酸化物質を多く含むことがわかっています」(上符院長・以下同)眼精疲労解消で知られるブルーベリーだが、アメリカの研究でがん抑制効果への期待が報告されるなど、さまざまな健康効果が新たにわかってきているという。「活性酸素が肌の細胞に増えると、線維芽細胞やコラーゲンなどの細胞のDNAを壊し、それがシミやシワの原因となります。ブルーベリーに含まれるアントシアニンは壊れたDNAを修復し、シミやシワの出るスピードを遅くして、日焼けによる紫外線のダメージも防いでくれます」一般的に糖尿病の人は、果糖が含まれる果物はあまり食べないよう推奨されているが、ブルーベリーは別だという。「アントシアニンには、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きもあります。むしろ糖尿病の予防になるといえるでしょう」さらに、米タフツ大学などの研究では、毎日24グラムのブルーベリーを90日食べたグループと、プラセボ(偽薬)を摂取したグループに分け、90日後に認知機能のテストをし、結果を比較したところ、ブルーベリーを食べたグループのほうが、認知機能がアップしていた。「研究でははっきりと因果関係まで書かれていませんでしたが、アルツハイマー型認知症は、海馬や大脳皮質にアミロイドβというタンパク質がたまり、神経細胞同士をつなぐシナプスが損傷するといわれています。アントシアニンには傷ついたシナプスを修復する力があるので、認知機能を改善させたと考えることもできます」ブルーベリーにはカルシウムやマグネシウム、マンガン、亜鉛、ビタミンKなどの栄養素が含まれ、これらは骨を強化してくれる。さらに、食物繊維が100グラムあたり3.3グラム含まれているので、腸内環境を整える効果も期待できる。至れり尽くせりの万能のブルーベリーだが、どんな食べ方がいいのだろうか。「アメリカではスーパーの野菜コーナーにボウルでどっさり売られていて、500円ぐらいの手ごろな価格で購入できます。彼らは小腹がすいたとき、サラダのトッピング、主食の付け合わせなどにして毎食食べている人が多いです。1日に50グラム取ることができれば、さまざまな健康効果が得られるでしょう。アントシアニンは皮にたくさん含まれているので、できるだけ生のまま食べるのがベスト。冷凍食品もいいですが、加熱すると栄養素が逃げるので電子レンジにかけないようにして、自然解凍して食べましょう。ヨーグルトにトッピングするとお通じがよくなる効果も得られます」厚生労働省によると果物の目標摂取量は1日200グラムなので、それ以下を目安に。最強果実のパワーで見た目も体の内面も若返ろう!
2019年09月12日『図解 食べても食べても太らない法』に続く新刊8月26日、食事でアンチエイジングを図ろうという新刊『図解 食べれば食べるほど若くなる法』が三笠書房から発売された。価格は680円(税別)である。著者は管理栄養士で健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザーの菊池真由子氏である。同氏はこれまでに『食べても食べても太らない法』『図解 食べても食べても太らない法』を発表、それぞれ10万部、17万部を突破している。見た目マイナス10歳「1日1個の納豆」菊池氏は、大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省の施設などで栄養アドバイザーを務め、のべ1万人に対しダイエットや健康のための栄養指導を行っている。ベストセラー『食べても食べても太らない法』などはその集大成である。外見よりも若く見え、実際の年齢を知って驚かされる人がいる一方で、実年齢よりも老けて見える人もいる。その違いについて著者は「食べ方」が原因だとしている。新刊では、食事による簡単なアンチエイジング術を掲載している。きれいな肌、脂肪燃焼、髪の若返りなどの食事法を紹介。見た目を10歳若返らせる「1日1個の納豆」や、ウエストまわりを凹ませる「きのこ」などについて掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※三笠書房 - 図解 食べれば食べるほど若くなる法
2019年09月10日栄養満点のスーパーフードとして話題になったチアシード。ダイエットにも役立つうれしい効果が期待できます。「リスクは大丈夫?」「どうやって食べたらいい?」など、気になる疑問をフードコーディネーターの國塩亜矢子先生にお答えいただきました!チアシードとは?チアシードは紀元前3000年以上も前から食べられていたとされる、シソ科の植物「チア」の種のこと。種はごまよりもずっと小さく、紫色の小さな花をつけます。メキシコ南部が原産で、現在はメキシコやボリビア、ペルーなどでも生産されています。不足しがちなオメガ3系の脂肪酸「α-リノレン酸」をはじめ、鉄分、カルシウム、たんぱく質などさまざまな栄養がつまった、スーパーフードの一種です。チアシードのダイエット効果腸内環境を整える豊富な食物繊維が腸のぜん動運動をサポートし、便通を改善することで腸内環境を整えます。便秘で下腹がポッコリふくらんでしまっている場合、チアシードで改善が期待できるでしょう。満腹感が得られるチアシードの食物繊維は、水に浸すと約10倍に膨張しゼリー状に変化するという性質があります。少量でも満腹感が得られやすいので、食前や夜、食中に摂ることで「うっかり」「ついつい」やってしまいがちな食べすぎを防げます。チアシードの食べ方チアシードの摂取量は、1日あたり大さじ1杯(約10g)が適量。ちなみにカロリーは大さじ1杯で50kcalです。これで厚生労働省が摂取を推奨する成人のオメガ3系の脂肪酸(約2g)が摂れるとされています。食べる時は戻さず乾燥したままサラダなどにかけても問題ありません。ゼリー状にしたい場合は「チアシード:水=1:6」の割合で混ぜ、約15分置けばOKです。チアシードを食べる際の注意点過剰に食べすぎなければ心配なしチアシードを摂ることに特に注目すべきリスクは無いため、心配せず取り入れてOKです。ただし栄養価の高い「スーパーフード」とは言え、過剰に摂取するのはおすすめできません。リスク1:窒息チアシードは高い膨張性を持っています。万が一、非常識な量を一気に飲み込んでしまった場合は窒息のリスクがゼロではありません。リスク2:便秘チアシードは不溶性食物繊維(水分に溶け出しにくい性質の食物繊維)を多く含んでいます。そのため、水に戻さず乾燥した状態のチアシードを過剰に摂取すると、便秘解消のつもりが逆効果にもなってしまうかもしれません。リスク3:前立腺がん厚生労働省の研究資料報告によると、アメリカの研究でα-リノレン酸の過剰摂取と前立腺がん(男性のみ)のリスクがはっきり解明されていないとあります。ただし適量(1日約10g)の範囲であればいずれのリスクも問題ないと考えられ、一部メディアで懸念されていた「発芽毒(※)」の心配もないとされています。※参考「ファインスーパーフード チアシード」の発芽毒に対する見解(株式会社ファインファインバイオサイエンス研究所)チアシードを美味しく食べられるレシピプレーンヨーグルトに混ぜて夜のうちに、お好みのヨーグルトにチアシードを加えて混ぜておきます。翌朝、はちみつやジャムをかけていただきましょう。プルプルのジェル状になったチアシードの食感がヨーグルトの美味しさを引き立てます。季節のフルーツと合わせてフレッシュジュースにスイカや梨、イチゴなど季節のフルーツと一緒にミキサーにかけてフレッシュジュースにするのもおすすめ。豊富なビタミン・ミネラルを摂取でき、満腹感も得られるのでおやつ代わりにぴったりですよ。関連記事ダイエット中にチアシードを食べるときのポイントを徹底解説!ダイエットのお供にチアシードレシピをプラスチアシードは栄養が豊富で満腹感を得やすいため、ダイエット中の方にもおすすめのスーパーフードです。食べ方のバリエーションもつけやすいので、ぜひおやつとして取り入れてみてください。適量を毎日摂ることで、おいしく楽しくインナービューティー力を高めましょう。國塩 亜矢子フードコーディネーター
2019年09月01日昨年の厚生労働省の発表によると、日本人女性の平均寿命は87.26歳、健康寿命は74.79歳だった。「健康寿命」とは、「健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく自立した生活ができる期間」のことを指す。すなわち、女性は人生の最後の約12年半、介護など周囲のサポートを必要としていることになる。この平均寿命と健康寿命の差が生まれる原因の多くは「運動器の障害」によるものだと、国立長寿医療研究センター・ロコモフレイルセンター長でロコモフレイル外来の松井康素先生は指摘する。「運動器とは、筋肉、骨、関節などを指しますが、これらの機能が衰えた結果、自由に動けなくなり、歩行や日常動作に支障をきたすことを『運動器の障害』、またはロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と呼んでいます」日常生活で支援が必要になった原因(’16年・国民生活基礎調査より)を見ると、関節疾患が20%、骨折・転倒が11.4%、合計31.4%で、ロコモがトップを占めるのだ。「高齢になると足腰が弱り、若いころのようには動き回れなくなりますが、それは加齢のせいだけではありません。体が虚弱化していく予備期間のようなものがあるのですが、このときに運動量や栄養が不足すると、体のさまざまな機能が衰えてロコモがますます進行するのです」(松井先生・以下同)中高齢期にロコモが進むと、日常生活における移動に必要な機能が徐々に低下し始め、体幹や筋肉の柔軟性も衰えてしまう。「ロコモ予防のためには、何より移動機能に必要な筋肉をつけることが大切です」松井先生がおすすめする、筋力や柔軟性のアップに効果的なのが次の「健脚エクササイズ」だ(体調をみながら実践し、痛みなどがある場合は運動を中止するように)。■足腰鍛錬の必須メニュー「基本のスクワット」(1セット10回を1日2セット)(1)肩幅より少し広めに足を広げて立つ。つま先は60度ほどひらく。(2)ひざが内側に向かないように、お尻を後ろに引くように体を沈める(ひざがつま先より前に出ないように)。※呼吸をしながら行う。■力強く歩けるふくらはぎに「ヒールレイズ」(1セット10〜20回を1日2〜3セット)(1)両足で立った状態からかかとを上げる。(2)ゆっくりかかとを下ろす。※バランスが不安定な人は、イスの背もたれなどに手をついて行う。■柔軟性・バランス能力・筋力を丸ごとアップ「フロントランジ」(1セット左右それぞれ5〜10回を1日2〜3セット)(1)腰に両手をあてて立つ。(2)片足をゆっくり大きく前に踏み出す。(3)太ももが水平になるくらいまで腰を深く下げる。(4)体を上げながら、踏み出した足を元に戻す。※上体は起こして胸を張る。「若いころから筋肉量が多くて骨密度も高ければ、筋肉を貯金しているようなもの。もちろん、いくつになってもトレーニングは必要ですが、早くから始めておくと、高齢になったときに“貯金”が生きてきます」毎日少しずつでもよいので「健脚エクササイズ」を続けて“筋肉貯金”を増やそう。
2019年08月23日昨年の厚生労働省の発表によると、日本人女性の平均寿命は87.26歳、健康寿命は74.79歳だった。「健康寿命」とは、「健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく自立した生活ができる期間」のことを指す。すなわち、女性は人生の最後の約12年半、介護など周囲のサポートを必要としていることになる。この平均寿命と健康寿命の差が生まれる原因の多くは「運動器の障害」によるものだと、国立長寿医療研究センター・ロコモフレイルセンター長でロコモフレイル外来の松井康素先生は指摘する。「運動器とは、筋肉、骨、関節などを指しますが、これらの機能が衰えた結果、自由に動けなくなり、歩行や日常動作に支障をきたすことを『運動器の障害』、またはロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と呼んでいます」日常生活で支援が必要になった原因(’16年・国民生活基礎調査より)を見ると、関節疾患が20%、骨折・転倒が11.4%、合計31.4%で、ロコモがトップを占めるのだ。「高齢になると足腰が弱り、若いころのようには動き回れなくなりますが、それは加齢のせいだけではありません。体が虚弱化していく予備期間のようなものがあるのですが、このときに運動量や栄養が不足すると、体のさまざまな機能が衰えてロコモがますます進行するのです」(松井先生・以下同)ロコモを防ぐために、丈夫な筋肉や骨、関節を作るには、日常的な運動だけでなく、必要な栄養素をしっかりと摂取することも不可欠だ。「筋肉を作るうえでベースとなる栄養素はタンパク質です。筋肉を増やし、脂肪を減らすものを選ぶのが大切です」それに該当するのが、主に鶏肉、魚、卵、大豆食品、乳製品など。これらの食品に多く含まれる必須アミノ酸が、筋肉のもととなる。「中高年以上の成人女性が1日に必要なタンパク質は50〜60グラムですが、それは体に吸収される分量。それだけの量を吸収するためには1日100〜150グラムのタンパク質を摂取することが必要です」丈夫な骨を作るにはカルシウムとビタミンD、さらに骨質を上げてくれるビタミンKも重要だという。カルシウムは乳製品、大豆食品、しらす、めざしなどの小魚類、小松菜、水菜、切り干し大根といった野菜に多く含まれている。1日に500〜600ミリグラムを目安に取るようにしよう。ビタミンDはカルシウムの吸収を高めるためにも不可欠な栄養素だが、実は筋肉を作る役割もある。サケ、サンマ、ブリなどの魚介類、乾燥しいたけ、しめじなどのきのこ類、緑黄色野菜に多く含まれている。意外と知られていないのがビタミンK。これは丈夫な骨を作るのに必要な「オステオカルシン」というタンパクの形成を促す栄養素だ。■ビタミンKが豊富な食品(100g中の含有量)ひきわり納豆:930マイクログラムパセリ:850マイクログラムしその葉:690マイクログラム乾燥ワカメ:660マイクログラム焼きのり:430マイクログラム春菊(ゆで):460マイクログラムほうれん草(ゆで):320マイクログラム小松菜(ゆで):320マイクログラム昆布の佃煮:310マイクログラム紅茶:1,500マイクログラム緑茶:1,400マイクログラム1日150マイクログラムを目安に取るようにしたい。「いろいろな食品をバランスよく取ることで、栄養の相乗効果も期待できますので、筋肉や骨の生成に必要な栄養素を意識しながら、偏らない食事を心がけるようにしましょう」
2019年08月23日昨年の厚生労働省の発表によると、日本人女性の平均寿命は87.26歳、健康寿命は74.79歳だった。「健康寿命」とは、「健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく自立した生活ができる期間」のことを指す。すなわち、女性は人生の最後の約12年半、介護など周囲のサポートを必要としていることになる。この平均寿命と健康寿命の差が生まれる原因の多くは「運動器の障害」によるものだと、国立長寿医療研究センター・ロコモフレイルセンター長でロコモフレイル外来の松井康素先生は指摘する。「運動器とは、筋肉、骨、関節などを指しますが、これらの機能が衰えた結果、自由に動けなくなり、歩行や日常動作に支障をきたすことを『運動器の障害』、またはロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と呼んでいます」日常生活で支援が必要になった原因(’16年・国民生活基礎調査より)を見ると、関節疾患が20%、骨折・転倒が11.4%、合計31.4%で、ロコモがトップを占めるのだ。「高齢になると足腰が弱り、若いころのようには動き回れなくなりますが、それは加齢のせいだけではありません。体が虚弱化していく予備期間のようなものがあるのですが、このときに運動量や栄養が不足すると、体のさまざまな機能が衰えてロコモがますます進行するのです」(松井先生・以下同)中高齢期にロコモが進むと、日常生活における移動に必要な機能が徐々に低下し始め、体幹や筋肉の柔軟性も衰えてしまう。「ロコモ予防のためには、何より移動機能に必要な筋肉をつけることが大切です」松井先生が健脚を作るための毎日の習慣を教えてくれた。■バランス能力を高める「片足立ち」(左右それぞれ1日3回)(1)姿勢をまっすぐに立つ。(2)床につかない程度に、片足を少し上げたまま1分間キープする。※転倒しないよう、最初はつかまるものがある場所で行う。■ひざ痛を和らげる「ひざ曲げ」(左右それぞれ1回15〜30秒間を1日3回)(1)床に腰を下ろし、両足を軽く立てる。(2)右足首に両手を添えて、足首をお尻のほうへ痛くない範囲でゆっくり引き寄せ、ひざを曲げる(左足首も同様に)。■ひざ痛・腰痛の対策に「足裏伸ばし」(左右それぞれ1回15〜30秒間を1日3回)(1)イスに浅く腰掛ける。(2)自分の手でひざの皿の少し太もも寄りに手を添え、痛くない程度の力でゆっくり押してひざを伸ばす。(3)太ももの後ろ側が伸びていることを感じながら、15〜30秒間押す。※背すじが曲がらないように注意。■太もも前側を鍛える「足上げ」(左右それぞれ20回1日2セット)(1)イスに浅く腰掛ける。(2)片方の足を床につけたまま、もう一方の足を、足首を直角に曲げた状態でひざをまっすぐ伸ばす。かかとを床から10センチ上げる。(3)10秒間キープし、ゆっくり下ろす。「健康な足のために鍛えておきたいのは、太もも前面にある大腿四頭筋、ふくらはぎのヒラメ筋などです。それらを意識したトレーニングを行いつつ、バランス力を維持するための片足立ちや、関節の可動域を確保するためのストレッチをしましょう」痛みなどで不安定な場合は、手すりや机に手をつくとよいそうだ。繰り返し行うことで、筋力アップが期待できる。
2019年08月23日“健康長寿”をかなえるために特に大切なのが丈夫な足腰。健脚を維持していくために、まずはいまの状態を客観的にチェックするところから始めよう!昨年の厚生労働省の発表によると、日本人女性の平均寿命は87.26歳、健康寿命は74.79歳だった。「健康寿命」とは、「健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく自立した生活ができる期間」のことを指す。すなわち、女性は人生の最後の約12年半、介護など周囲のサポートを必要としていることになる。この平均寿命と健康寿命の差が生まれる原因の多くは「運動器の障害」によるものだと、国立長寿医療研究センター・ロコモフレイルセンター長でロコモフレイル外来の松井康素先生は指摘する。「運動器とは、筋肉、骨、関節などを指しますが、これらの機能が衰えた結果、自由に動けなくなり、歩行や日常動作に支障をきたすことを『運動器の障害』、またはロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と呼んでいます」日常生活で支援が必要になった原因(’16年・国民生活基礎調査より)を見ると、関節疾患が20%、骨折・転倒が11.4%、合計31.4%で、ロコモがトップを占めるのだ。「高齢になると足腰が弱り、若いころのようには動き回れなくなりますが、それは加齢のせいだけではありません。体が虚弱化していく予備期間のようなものがあるのですが、このときに運動量や栄養が不足すると、体のさまざまな機能が衰えてロコモがますます進行するのです」(松井先生・以下同)日常生活での体の機能の衰えのサインを見ていこう。次に多く当てはまる人は、筋力の低下に注意が必要だ。□片足立ちで靴下をはけない□つまずいたり、滑ったりすることが増えた□重い荷物を持って移動するのが困難だ□最近、食事の量が減っている□両手の親指と人さし指で作った輪にふくらはぎが収まる□BMIが20未満だ→BMI=体重〈kg〉÷(身長〈m〉×身長〈m〉)□ウオーキングなど、運動を週に1回以上していない□背中や腰が丸くなった体を支える筋肉で最も大きいのは、太ももの前側である大腿四頭筋。この筋肉が衰えないように、階段の上り下りやスクワットといった、少し負荷をかけるエクササイズが欠かせないという。「筋肉を鍛えると、マイオカインという免疫力アップに関係する神経伝達物質が分泌されます。マイオカインには筋肉を作るだけでなく、骨の生成や抗炎症の作用もあります。これを効果的に分泌させるには、継続した運動による筋肉量の増加が必要なのです。最近体重が減ってきたという人は筋肉量が減っている可能性が高いです」また、骨量は30歳前後をピークに減り始め、更年期を過ぎた50代半ば以降から、女性は骨密度が急激に低くなってしまう。次に多く当てはまる人は、骨の健康に注意が必要だ。□ウオーキングなど、運動を週に1回以上していない□背中や腰が丸くなった□糖尿病である□乳製品や大豆製品をあまり食べない□喫煙の習慣がある□お酒を毎日2合以上飲む「骨密度が70%を切ったあたりから、骨粗しょう症といって、骨がもろい状態になっています。骨粗しょう症になると、ちょっとつまずいたり、転んだりしただけでも骨折するリスクが上がります。最近は50代でも骨密度の低い人が増えています。45歳以上の人は一度、医療機関で骨密度の検査をして、自分の骨密度を把握しておくことをおすすめします。運動不足も骨密度の低下に関係しますから、骨を強くするために、必要な栄養素をしっかり摂取する、ウオーキングなど適度な運動をする、といったことを心がけるようにしましょう」足の健康を脅かす主な要因の3つ目には、ひざ関節の痛みがある。その代表格となるのは「変形性ひざ関節症」だ。これは、半月板がずれたり割れてしまうことで進行し、多くはひざの内側の軟骨がすり減って起こる。これも50代から急激に増加するという。次の項目に思い当たることが多い人は、いまは目立った痛みがなくても注意する必要がある。□以前に比べて歩く速度が遅くなってきた□階段を上るのに手すりが必要である□ひざや腰に痛みがある□靴底の外側が内側に比べて減りやすい□床の上で足をまっすぐに伸ばしたとき、ひざの裏が床につかない□昔、ひざや足首に捻挫などのけがをしたことがある「変形性ひざ関節症」初期には正座やしゃがむのがつらいといったサインが出る。進行すると椅子から立ち上がったり、階段の上り下りをするのがつらくなる。さらに進むと、通常の歩行までつらくなっていく。そして、ひざの痛みは転倒リスクを高めることにもつながってしまうのだ。「肥満気味で、脂肪量は多いのに筋肉量が少ないという人は特に気をつけてください。ひざにかかる負荷が高くなるうえ、関節の中に脂肪がたまり、炎症を起こしやすくなるからです。ただし、ひざ関節症があっても痛みを伴わない人もいます。そういう人は、調べてみると、ひざまわりや太ももの筋肉が発達していることが多いのです。逆に痛みがあると活動範囲が狭くなり、関節のまわりの筋肉も萎縮して筋力が落ち、筋力が落ちることで痛みが増す……という悪循環が起こるのです」ひざ痛のある人は、体重のコントロールとエクササイズによる筋力アップで痛みを軽減することができるそうだ。加齢とともに避けては通れないさまざまな衰えリスク。すでになんらかの不便を感じている人も、まだこれからといった自覚症状のない人も、いつまでも自分の足で歩けるようになるため、日常生活でできることを取り入れていこう。
2019年08月22日昨年の厚生労働省の発表によると、日本人女性の平均寿命は87.26歳、健康寿命は74.79歳だった。「健康寿命」とは、「健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく自立した生活ができる期間」のことを指す。すなわち、女性は人生の最後の約12年半、介護など周囲のサポートを必要としていることになる。この平均寿命と健康寿命の差が生まれる原因の多くは「運動器の障害」によるものだと、国立長寿医療研究センター・ロコモフレイルセンター長でロコモフレイル外来の松井康素先生は指摘する。「運動器とは、筋肉、骨、関節などを指しますが、これらの機能が衰えた結果、自由に動けなくなり、歩行や日常動作に支障をきたすことを『運動器の障害』、またはロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と呼んでいます」日常生活で支援が必要になった原因(’16年・国民生活基礎調査より)を見ると、関節疾患が20%、骨折・転倒が11.4%、合計31.4%で、ロコモがトップを占めるのだ。「高齢になると足腰が弱り、若いころのようには動き回れなくなりますが、それは加齢のせいだけではありません。体が虚弱化していく予備期間のようなものがあるのですが、このときに運動量や栄養が不足すると、体のさまざまな機能が衰えてロコモがますます進行するのです」(松井先生・以下同)中高齢期にロコモが進むと、日常生活における移動に必要な機能が徐々に低下し始め、体幹や筋肉の柔軟性も衰えてしまう。つまずいたときにこらえられずに転倒しやすくなり、足の付け根や手首などの骨折リスクが高まる。一度痛めると回復にも時間がかかる。こうしてロコモが進むと「フレイル」と呼ばれる状態になる。フレイルは身体的な問題だけでなく、心の問題や社会生活の中での問題も含まれる。骨折が原因で、寝たきりや車いすの生活を余儀なくされると、外からの刺激を受ける機会も減少し、認知症のリスクも高めてしまうことになる。次のチェックリストは、こうした衰えのサインを示す項目が並んでいる。ひとつでも当てはまる項目がある人は、自分の日常生活を見直してみる必要がある。また、身体的フレイルのリスクは、男性に比べて女性のほうが高いという。更年期を過ぎた50代半ばあたりから筋力はどんどん落ちてしまうのだ。□片足立ちで靴下をはけない□つまずいたり、滑ったりすることが増えた□重い荷物を持って移動するのが困難だ□最近、食事の量が減っている□両手の親指と人さし指で作った輪にふくらはぎが収まる□BMIが20未満だ→BMI=体重〈kg〉÷(身長〈m〉×身長〈m〉)□ウオーキングなど、運動を週に1回以上していない□背中や腰が丸くなった□糖尿病である□乳製品や大豆製品をあまり食べない□喫煙の習慣がある□お酒を毎日2合以上飲む□以前に比べて歩く速度が遅くなってきた□階段を上るのに手すりが必要である□ひざや腰に痛みがある□靴底の外側が内側に比べて減りやすい□床の上で足をまっすぐに伸ばしたとき、ひざの裏が床につかない□昔、ひざや足首に捻挫などのけがをしたことがある“健康長寿”をかなえるために特に大切なのが丈夫な足腰。健脚を維持していくために、まずはいまの状態を客観的にチェックするところから始めよう。
2019年08月22日今年1月に岐阜市で胃がんの検診を受けた50代の女性が、7月16日に亡くなった。「要精密検査」と診断されていたにもかかわらず、「異常認めず」と誤って通知されていたのだ。市区町村が実施するがん検診への信頼を、大きく揺るがす事件であった。「全国の自治体で行われているがん検診で、正しくがんが発見できる精度は、そもそも7〜8割。4〜5割の自治体すらあります。がんの見落としは、かなりの確率で起こりうるのです」そう語るのは、国立がん研究センター・社会と健康研究センター検診研究部長の中山富雄医師。がん検診にはなぜ、そのように“穴”があるのだろうか?中山医師と、東京大学医学部附属病院放射線治療部門長の中川恵一医師が部位別に解説してくれた。【乳がん】乳腺が発達している人にマンモグラフィーは不向き女性の11人に1人がかかるといわれる乳がんは、40〜50代女性の部位別死因のトップ。年間1万4,000人ほどが命を落としている。「『マンモグラフィー』が乳がんの早期発見に効果があることは明らかですが、弱点もあります。画像で乳がんの部分は白く写るのですが、同時に乳腺も白く写るので“雪原で白うさぎを見つける”くらい、がんとの判別が難しいのです。とくに日本人は乳腺濃度の高い“デンスブレスト”が多く、画像を読む技量の低い医師による“見落とし”の可能性はあります。乳房に超音波を当ててがんの有無をみる『超音波検査(乳腺エコー)』は乳腺が白く写り、がんは黒く写ります。二親等以内に乳がんか卵巣がんにかかった人がいる“乳がん家系”の方は、40歳以前から乳がん検診をするべき。とくに若い人は乳腺が発達しているため、超音波検査がいいでしょう」(中川医師)乳がんの発見率はマンモグラフィーが8割、超音波が7割と万能ではないことも知っておきたい。「超音波検査も検査する技師の腕次第。機器を扱う角度のわずかなぶれで、乳がんが見逃されてしまうこともあるのです。わずかな病変を見つけ出す名人もいますが、そうでない人もたくさんいるのが現状。超音波検査の認定試験が’15年からスタートしていますが、技術の均一化には時間がかかりそうです」(中山医師)【胃がん】早期で見つかりやすいのはバリウム検査より胃カメラ’90年代まで日本での死亡者数が最も多かった胃がん。今でも5万人近くが亡くなっている。ただし、早期に発見できれば、ほぼ100%が治るという。おもな検査は「胃部X線検査(バリウム検査)」か「胃内視鏡検査(胃カメラ)」のどちらかを選択する。「胃がん患者の98%はピロリ菌の感染が原因です。採血や採尿などで感染の有無を調べ、感染していた場合には抗生物質で除菌することも重要です。バリウム検査は、X線画像に写る胃の粘膜の凹凸から病変を見つけます。これで手術可能な大きさまで進行した胃がんを見つけることはできますが、凹凸がない早期がんは盲点になりやすい。胃カメラは胃の内部の変化まで見られるため見落としが少ないのが特徴。早期の咽頭がんや食道がんが見つかることもあります」(中山医師)厚生労働省の「地域保健・健康増進報告」によれば、’16年に新たに胃がんになった13万人のうち、自治体のバリウム検査で見つかったのはわずか4,500人。もはや時代にそぐわないようだ。【子宮頸がん】「細胞診」の精度は高いがそれでも“見落とし”は2割年間で約1万人が患者となり、3,000人近くが亡くなっている子宮頸がん。おもな検査となるのはブラシやヘラで子宮頸部の粘膜を採取して調べる「細胞診」だ。「顕微鏡で採取した細胞を調べるため、有効性が高く、大規模な臨床研究でも『検診で死亡率が下がる』ことが判明しています」そう話す中川医師。それでも見つかる確率は、最大で8割という。「子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因。海外では主流になっている、HPVに感染しているかどうかをチェックする検査も、検診とあわせて行うといいでしょう」(中川医師)どうやら“見落とし”も多い、がん検診。とはいえ、「受診しないのは間違いです」と中川医師。「がん検診はそもそも“受診者個人のがんと向き合い、死亡リスクを下げる”ためのものではなく、“国民全体のがん死亡率の減少”が目的。でも、だからこそ公的な補助があるわけで、受けなければ損だと思います。そのうえで、自分の家系に多いがんや、生活習慣病の既往歴など、抱えているリスクに応じて、自己負担での検査も受けることが重要です」(中川医師)検診に頼りきらず、“自分に合った”がん対策を始めよう!
2019年08月13日バターやマーガリン、ショートニング、ファットスプレッド…。油脂類の違い、知っていますか?似ているようで、実はまったく違うもの。特徴を知って、目的に合わせて使い分けしましょう!それぞれの特徴とは?出典:byBirthバターバターの原料は、牛乳を分離させてできるクリームです。そのクリームを、練り固めて出来ています。バターの乳脂肪分は80%以上、水分17%以下。これは、厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によって定められています。一方、マーガリンやファットスプレッドは、JAS規格(日本農林規格)で定められています。無塩バターとは?お菓子を作る時に使うイメージをもつ人が多いのではないでしょうか。バターの原料となる生乳には、わずかですが塩分が含まれています。その塩分を取り除いているため、バター本来の風味が引き立ちます。したがって、バターの風味を活かしたい、お菓子やパンなどの材料に使われます。塩が入っていない分、日持ちは有塩バターに比べて1ヶ月ほど短い場合が多いようです。お菓子作りだけでなく、塩分が気になる人、血圧が気になる人にも使用できますね◎。発酵バターとは?出典:byBirth製造過程でクリームに乳酸菌を加え、発酵させてできるバターです。バターには、「非発酵バター」と「発酵バター」の2種類がありますが、日本では非発酵バターが主流です。ヨーロッパでは発酵バターが好まれるようです。香りが良いのが特徴で、無塩・有塩に分けられます。通常、家庭用で使われているバターは有塩です。ショートニング出典:byBirth原料は油脂で、約10~20%のガスを混入させた人工的な油脂です。ガスは窒素ガスや炭酸ガス、空気など。原料の油脂は、植物性のみのものや、植物性と動物性を混ぜたものなど、さまざまです。パンやお菓子などを大量生産する際、バターやラードの代わりに作られたものです。マーガリン食用油に水・塩・その他の乳成分・ビタミンなどを加えて乳化し、冷やして固めます。乳化とは、通常であれば分離する水と油を混ぜ合わせることです。油脂の含有量が80%以上、と決められています。マーガリンの原料に使われる食用油は、コーン油や大豆油などの植物油です。その他、なたね油やパーム油、紅花油なども。ファットスプレッドマーガリンと違い、油脂の含有量は80%未満です。要するに、マーガリンに比べて油分やカロリーが少ないものです。ファットスプレッドには、風味原料をつけることが可能です。果実やチョコレートなどを入れて、風味をつけることができます。どんな時に使うのがおすすめ!?出典:byBirthバター有塩の場合は、「素材の味+塩味」を活かしたい場合に向いています。バターを加熱して溶かすと、旨味・香りが引き立ちますが、それを活かして、脂肪が少ない肉をソテー淡白な魚料理にコクを出すなど、料理にも合います◎。ショートニングクッキーやドーナツ、スナック菓子などのお菓子に使うと、サクサク感が出て食感が良くなります。また、お菓子だけではなく、フライ用としてもよく使われています。フライドポテトなど、サクッとした食感が欲しい料理にも向いています。マーガリン出典:byBirthバターに比べると風味は劣りますが、お菓子にも料理にも使えます。例えば、明太子と混ぜてパスタに絡める、など。明太子など、味の主張が強いものをメインとする料理に使用すると良いでしょう。ファットスプレッドやわらかく、すぐに溶ける性質があるため、そのままトーストに塗ることが多いです。他の使用例としては、ジャムや粉チーズ、あんこを混ぜてトーストにのせる、など。「手軽に使える」というメリットを活かしたメニューにおすすめです。トランス脂肪酸が気になる!バターのほうが健康に良いって本当?出典:byBirth油脂を加工する際、「水素添加」という工程がありますが、そのときにトランス脂肪酸が生成されます。トランス脂肪酸は、生活習慣病のリスクを高めるとされ、世界保健機関(WHO)でも基準を決められています。(総エネルギー量の1%)したがって、加工されていない油脂が健康に良いといえます。バターだって油、摂りすぎには注意!注意が必要なのは、「バター=健康」というわけではない、ということ。確かに、バターのほうが健康に影響は少ないですが、あくまでバターも油脂です。特に有害、というわけではないですが、有効ともいえない、との報告もあります。エネルギーや塩分過剰の原因にもなるため、バターであってもほどほどにしたいですね。まとめ出典:byBirth近年、多くのバターに似た商品が販売されていますよね。その特徴を知り、目的によって使い分けてみてはいかがでしょうか。また、出来る限り、トランス脂肪酸が少ないバターを選ぶように心がけましょう。
2019年07月21日アトピーやアレルギーなど、多くの人を悩ませる敏感肌による肌トラブル。2019年に資生堂が20代〜60代の女性に対しておこなった調査では、65%もの人が「敏感肌である」と回答。顔の肌トラブルについても、「何らかのトラブルがある」と回答した人は56%にのぼりました。これほど多くの人が、日々の肌トラブルに悩んでいるんですね。敏感肌や肌トラブルに悩む現代女性に朗報!資生堂の低刺激スキンケア商品として知られる「2e(ドゥーエ)」。7月におこなわれたブランド発表会にて、2019年9月4日(水)よりリニューアル発売されることが発表されました。今後は医療機関、調剤薬局に加え、ドラッグストアでも購入可能になります。そんな2eブランド発表会で紹介された、肌のバリア機能と肌ケアのポイントについてご紹介します。国民の2人に1人は何らかのアレルギーあり!? アトピー性皮膚炎の原因とは2eブランド発表会の第二部では、資生堂ジャパン執行役員やブランドマネージャーのほか、藤田医科大学医学部教授で皮膚科医の松永佳世子先生が登壇。アトピー性皮膚炎の原因や、肌ケアの重要性について語りました。「アレルギー性疾患というのは、今非常に増えてきています。厚生労働省によれば、国民に2人に1人は何らかのアレルギーにかかるというデータも出ています」と松永先生。さらにアレルギー性皮膚炎については、国民の約1割が罹患しているというデータ(※)もあると話します。※第1回アレルギー疾患対策推進協議会(2016年2月3日開催)松永先生によれば、アトピー性皮膚炎の主な原因としては、ドライスキンによるバリア機能の低下と、アレルギー素因が挙げられるそう。「バリア機能の低下は、アトピー性皮膚炎の大きな原因となっています」と松永先生。皮膚のバリア機能の低下には遺伝的な素因もある一方で、紫外線や湿度といった環境要因も大きいといいます。肌ケアの三大要素とは?「アトピー性皮膚炎など肌のバリア機能が低い人は、低刺激のスキンケア商品を選んでいく必要があります」と松永先生。先生いわく、肌ケアの三大要素は「洗浄」「保湿」「紫外線防御」だそう。アトピー皮膚炎の症状があった場合でも、肌の新陳代謝を促進するために、まずは汚れや古い角質を落とす「洗浄」が必要。洗顔した後はドライスキンを防ぐため、炎症がある場合はそれを抑え、必ず「保湿」もセットでおこなうのがポイントだそう。さらに、紫外線は日焼けを引き起こして皮膚のバリア機能を障害するため、「紫外線防御」のためにもいいスキンケアが大切だといいます。いいスキンケア商品とは?松永先生が考える、いいスキンケア商品の条件がこちら。・低刺激性・しっかりとした臨床データがある・皮膚のバリア機能を整えて、しっかり保湿・保護する・続けられる使い心地の良さ「安全性などのデータがないものは、患者さんには勧められません」と松永先生。臨床試験がきちんとされていることの大切さを強調していました。敏感肌などの肌トラブルに悩んでいる方は、ぜひこの機会に、自分のスキンケアとスキンケア商品を見直してみてくださいね。※参考 :2e公式サイト
2019年07月18日栄養ドリンクやエナジードリンクは眠気覚ましに一杯飲む、という人も多いのではないでしょうか。実は、コーヒーなどに含まれるカフェインよりも、それらに含まれる無水カフェインは少量で吸収しやすく、その分依存性や副作用も強く出ます。カフェインと無水カフェインの違い、1日どれくらい摂取して良いのか、ご紹介しています!カフェインには「無水カフェイン」と「カフェイン」がある?違いは何?出典:byBirthコーヒー、緑茶、カカオなどにカフェインは含まれているのは有名ですよね。それらに含まれているカフェインは、水分子と結びついています。無水カフェインについて無水カフェインとは、名前の通り、水分は含まれていません。コーヒーなどに含まれるカフェインの成分を、人工的に抽出しているためです。錠剤や、顆粒、液体などの形に加工しやすいため、風邪薬や栄養ドリンクにも使われています。依存性・副作用が強くなるのはなぜ?通常のカフェインよりも凝縮されているので、少量でカフェインの効果があります。したがって、その分、依存症や副作用も発症しやすいです。さらに、通常のカフェインよりも体内に吸収されやすいため、より依存症や副作用に注意が必要です。無水カフェインの効果や副作用とは?出典:byBirthカフェインと無水カフェインの作用は、ほぼ同じといえます。よく、カフェインを摂取すると脳が興奮する、といいますよね。カフェインは、「アデノシン」という物質と構造が似ていますが、アデノシンは神経を落ち着かせる作用があります。構造が似ているために、本来アデノシンが結合する場所にカフェインがとりついてしまい、アデノシンのはたらきを邪魔し、その結果、神経が興奮します。カフェインによる体の症状出典:byBirthカフェインの作用として、めまい・心拍数の増加・興奮・不安感・不眠・覚醒作用利尿作用・震え・下痢・吐き気・鎮静作用などがあります。風邪薬に無水カフェインが入っているのは、鎮静作用があるためですね。長期的にカフェインを摂取すると、高血圧のリスクを上げるともいわれています。眠気覚ましには効きますが、摂りすぎには要注意ですね。栄養ドリンクの飲み過ぎはなぜ危険?注意点1出典:byBirth栄養ドリンクは100ml前後のものが多く、無水カフェインは約50mg含まれていることが多いです。このカフェインの量は、インスタントのコーヒーだと約150mlに相当します。つまり、栄養ドリンク1本でコーヒー3杯分のカフェインを摂取していることと同じなのです。仮に、栄養ドリンクを1日2本飲んだ場合は、なんとコーヒー6杯分にもなります。無水カフェインは、栄養ドリンクやエナジードリンクに含まれていて手軽にとれますが、その分、カフェイン依存も強まってしまいます。注意点2出典:byBirth市販されている栄養ドリンクの多くは、記載されているカフェインの量が「100mlあたり」であることも少なくありません。その栄養ドリンクが100mlであれば、カフェインも記載されている量になりますが、仮にドリンクが200mlだとすれば、カフェインの量も2倍。記載されている成分が、何ml中なのかを、よく見るようにしましょう。農林水産省や厚生労働省からも、カフェインの過剰摂取について注意勧告されています。いずれにしても、1日に何本も飲むことは避けたほうが良いでしょう。栄養ドリンクとエナジードリンクは違う!?出典:byBirthよく似た2つですが、実はまったく違うものです。栄養ドリンク:「医薬部外品」で、成分の表示が義務づけられているエナジードリンク:「清涼飲料水」に分類されていて、カフェインの量を表示する義務はないこのように、エナジードリンクはカフェイン表示の義務がないため、要注意です。カフェインはどれくらい摂っても良いもの?出典:byBirth医薬品の場合は、1回200mgまで、1日500mgまでとされています。飲料水のカフェインについては、設定されていません。米国では、健康な大人では、1日400mgまでであれば、カフェインによる心血管疾患などのリスクは増加しない、としています。カナダやニュージーランドでは、子どもに対してもカフェイン摂取量を設定しています。外国では、小さな子どももコーラなどカフェインを含む飲料を飲む機会が多いためと考えられますが、近年、日本でも食の多様化が進んでいるので、注意は必要です。カフェインの半減期カフェインが体内で代謝されて半減する期間は、約5時間です。快適に睡眠をとりたい場合は、最低でも寝る前の5時間以内にカフェインを摂るのは避けたほうが良いですね。カフェイン依存の状態になってしまうと、一度カフェインをやめてから約半日~1日で禁断症状がでます。まとめ出典:byBirth栄養ドリンクやエナジードリンクには無水カフェインが含まれていることが多く、場合によってはコーヒーのカフェインの数倍の量であることも。それだけカフェインの依存性や副作用も高まるので、1日に何本も飲むことは避けましょう。また、成分表示は「100mlあたり」で表示されている場合も多いので、注意して確認するようにしましょう。
2019年06月25日やみくもに体重を落とすのではなく、きちんと食べて筋肉をつけ、メリハリのある体を作るダイエットが注目され始めている。「人はガマンすればするほど食欲が加速し、結果的にドカ食いをしてしまいがち。つまりはダイエットにとって逆効果です。それに、空腹状態になると交感神経が緊張してストレスホルモンが分泌され、血行不良、動脈硬化、頭痛、肩こり、冷え性など、さまざまな不調が起こりやすくなる。健康を維持しながらやせるためにも、おやつを食べることは有効です」そう話すのは医学博士の池谷敏郎先生。とはいえ、やみくもに食べていいはずはない。“おやつの条件”とはどんなものだろう。「3食をきちんと食べていることが前提ですが、現代の生活スタイルだとどうしても夕食の時間が遅くなり、昼食との間があく傾向にあります。ですから、夕方の17時前後がいちばんおなかのすく時間。ここでおやつを食べておくのが理想的です。このときとるべきなのが、まずはタンパク質。肉類や魚介類、豆類、乳製品に含まれる栄養成分で、筋肉の生成にかかわり、脂肪が燃えやすい体をつくってくれます。それから、野菜やフルーツに多く含まれる食物繊維。体内に滞った老廃物を流してくれるほか、脂肪燃焼をサポートしてくれるので、こちらもダイエットに欠かせない栄養成分です」(池谷先生・以下同)厚生労働省の調査によると、2つとも美容と健康に欠かせない栄養でありながら、多くの人が不足しているという。だから意識的に、積極的にとる必要がある。「そこでおすすめしたい食材が、その両方を含む大豆などの豆類。実際、私がダイエットに成功したのは、大豆のおかげといっても過言ではありません。これをベースにして、同じように不足しがちなビタミンやミネラルをうまく組み合わせるといいと思います」夜に小腹がすいたとき、罪悪感しかなかった「夜食」も上手にとることで無理なくやせることができるという。そんな夜食におすすめの「ダイエットおやつ」を紹介。【蒸し大豆入りスープ】植物性タンパク質、食物繊維、女性にうれしいイソフラボンが一度に摂取でき、腹持ちもいい蒸し大豆はなによりのダイエットフード。即席のカップスープに加えるだけでも。【青魚のトマトパッツァ】青魚にはタンパク質のほか、脂肪の分解を促進するオメガ3系不飽和脂肪酸がたっぷり。美的栄養成分が豊富なトマトとは味の相性も抜群なので、作りおきしておくと便利。【きのこのバターしょうゆソテー】きのこをバターで炒め、しょうゆで調味。低カロリーで、糖の吸収を抑える食物繊維が豊富なきのこなら、夜でも安心。うまみも強いので、満足度が高い。皮なし鶏肉を加えても。「NGなのは糖質。血糖値が急上昇し、脂肪をため込みやすい体をつくってしまいます。空腹時は特に危険なので、たとえ少量でも、あめやチョコレートで空腹をしのぐのは避けてください」
2019年06月24日罪悪感しかなかった「おやつ」も上手にとることで無理なくやせることができるという。ねらい目は昼食と夕食の間の、小腹がすく17時ごろ。必要な条件を知り、ダイエットの味方につけよう!「やせようと思うと当然のごとく、食べる量を減らす人が多いですよね。まずはおやつ(間食)をガマンする。でもいちばんの問題は、それによって過度に空腹な時間ができることなのです」これまでのダイエットの常識をくつがえすように、興味深い話を始めたのは医学博士の池谷敏郎先生。「人はガマンすればするほど食欲が加速し、結果的にドカ食いをしてしまいがち。つまりはダイエットにとって逆効果です。それに、空腹状態になると交感神経が緊張してストレスホルモンが分泌され、血行不良、動脈硬化、頭痛、肩こり、冷え性など、さまざまな不調が起こりやすくなる。健康を維持しながらやせるためにも、おやつを食べることは有効です」(池谷先生・以下同)とはいえ、やみくもに食べていいはずはない。“おやつの条件”とはどんなものだろう。「3食をきちんと食べていることが前提ですが、現代の生活スタイルだとどうしても夕食の時間が遅くなり、昼食との間があく傾向にあります。ですから、夕方の17時前後がいちばんおなかのすく時間。ここでおやつを食べておくのが理想的です」では、このときにどんな栄養素をとればいいのか?まず意識したいのが次の2つの栄養素だ。【タンパク質】筋肉をはじめ、肌や骨など体をつくる栄養素。しっかりとらないと、体重は落ちても体はボロボロになり、女性の場合、確実に垂れ下がる。筋肉をつけることで脂肪が燃えやすい体になり、やせホルモン(GLP-1)も分泌される。【食物繊維】水溶性、脂溶性ともに便通を改善し、結果、胆汁が新陳代謝されるのも利点。胆汁は脂肪を燃やす司令塔で、新しいほどよく働く。また、水溶性は脂肪を燃やして蓄積を防ぐ「短鎖脂肪酸」をつくり、やせホルモンも分泌される。【その他】体調管理に欠かせないのに、不足しがちなビタミンやミネラル。ほか、水溶性食物繊維と同様、短鎖脂肪酸をつくり、腸内環境を整える発酵食品も積極的にとりたい。また、微量ではあるが、筋肉をつくるときには糖質も必要。「おやつのときとるべきなのが、まずはタンパク質。肉類や魚介類、豆類、乳製品に含まれる栄養成分で、筋肉の生成にかかわり、脂肪が燃えやすい体をつくってくれます。それから、野菜やフルーツに多く含まれる食物繊維。体内に滞った老廃物を流してくれるほか、脂肪燃焼をサポートしてくれるので、こちらもダイエットに欠かせない栄養成分です」厚生労働省の調査によると、2つとも美容と健康に欠かせない栄養でありながら、多くの人が不足しているという。だから意識的に、積極的にとる必要がある。「そこでおすすめしたい食材が、その両方を含む大豆などの豆類。実際、私がダイエットに成功したのは、大豆のおかげといっても過言ではありません。これをベースにして、同じように不足しがちなビタミンやミネラルをうまく組み合わせるといいと思います。NGなのは糖質。血糖値が急上昇し、脂肪をため込みやすい体をつくってしまいます。空腹時は特に危険なので、たとえ少量でも、あめやチョコレートで空腹をしのぐのは避けてください」じつはタンパク質と食物繊維を中心にしたおやつには、次の食事をダイエット食に変える力もあるという。「この2つの栄養成分をとっておくと、次の食事のとき、血糖値が上がるのを防いでくれるのです。これを“セカンドミール効果”といい、おやつはまさに、ひと粒で2度おいしいダイエットフードといえるでしょう。逆に“食べずにやせる”ダイエットは、いっさいおすすめできません。確かに体重は減りますが、一緒に筋肉=代謝も落ち、結果、やせにくい体になってしまいます。さらに、筋肉が落ちたところには脂肪がつくという悪循環も」栄養を筋肉に変えるためには、適度な運動も大切。代謝が上がってやせるサイクルが生まれ、体にメリハリがつく。さらには内臓脂肪も燃やせる。ポイントは毎日続けること。そこで池谷先生発案の体操を紹介。この体操なら、誰でも手軽に行える。■ゾンビ体操(1)おなかをへこませるように力を入れ、姿勢よく立つ。(2)腕から指先まで力を抜き、ぶらんと垂らす。(3)そのまま1分間、小刻みに足踏みする。腕は脱力したまま大げさに振る。(4)30秒間そのまま歩く。(5)2~4を交互に3回繰り返す。かかとをあげ、つま先だけで行うとより効果的。両腕は完全に脱力し、揺れるがままにぶらぶらさせる。背中が丸まらないように注意して。■トイレ体操座るときと立つときに、スロースクワットのようなイメージで、8~15秒間かける。健康的に美しくやせたいなら、正しいおやつでしっかり栄養をとって体をつくり、末永く体形を維持しよう。
2019年06月23日「やせようと思うと当然のごとく、食べる量を減らす人が多いですよね。まずはおやつ(間食)をガマンする。でもいちばんの問題は、それによって過度に空腹な時間ができることなのです」これまでのダイエットの常識をくつがえすように、興味深い話を始めた池谷敏郎先生。でもなんだか、うれしい結論が聞けそうだ。「人はガマンすればするほど食欲が加速し、結果的にドカ食いをしてしまいがち。つまりはダイエットにとって逆効果です。それに、空腹状態になると交感神経が緊張してストレスホルモンが分泌され、血行不良、動脈硬化、頭痛、肩こり、冷え性など、さまざまな不調が起こりやすくなる。健康を維持しながらやせるためにも、おやつを食べることは有効です」(池谷先生・以下同)とはいえ、やみくもに食べていいはずはない。“おやつの条件”とはどんなものだろう。「3食をきちんと食べていることが前提ですが、現代の生活スタイルだとどうしても夕食の時間が遅くなり、昼食との間があく傾向にあります。ですから、夕方の17時前後がいちばんおなかのすく時間。ここでおやつを食べておくのが理想的です。このときとるべきなのが、まずはタンパク質。肉類や魚介類、豆類、乳製品に含まれる栄養成分で、筋肉の生成にかかわり、脂肪が燃えやすい体をつくってくれます。それから、野菜やフルーツに多く含まれる食物繊維。体内に滞った老廃物を流してくれるほか、脂肪燃焼をサポートしてくれるので、こちらもダイエットに欠かせない栄養成分です」厚生労働省の調査によると、2つとも美容と健康に欠かせない栄養でありながら、多くの人が不足しているという。だから意識的に、積極的にとる必要がある。「そこでおすすめしたい食材が、その両方を含む大豆などの豆類。実際、私がダイエットに成功したのは、大豆のおかげといっても過言ではありません。これをベースにして、同じように不足しがちなビタミンやミネラルをうまく組み合わせるといいと思います。NGなのは糖質。血糖値が急上昇し、脂肪をため込みやすい体をつくってしまいます。空腹時は特に危険なので、たとえ少量でも、あめやチョコレートで空腹をしのぐのは避けてください」じつはタンパク質と食物繊維を中心にしたおやつには、次の食事をダイエット食に変える力もあるという。「この2つの栄養成分をとっておくと、次の食事のとき、血糖値が上がるのを防いでくれるのです。これを“セカンドミール効果”といい、おやつはまさに、ひと粒で2度おいしいダイエットフードといえるでしょう。逆に“食べずにやせる”ダイエットは、いっさいおすすめできません。確かに体重は減りますが、一緒に筋肉=代謝も落ち、結果、やせにくい体になってしまいます。さらに、筋肉が落ちたところには脂肪がつくという悪循環も。私も以前、食事制限をしてやせたことがありますが、鏡を見てびっくり!そこに映っていたのは、だらしなく老け込んだ自分の姿でした。ガマンするダイエットは続かないし、いずれリバウンドしてしまう可能性が高い。利点などひとつもないのです」健康的に美しくやせたいなら、正しいおやつでしっかり栄養をとって体をつくり、末永く体形を維持しよう。
2019年06月23日今の時代だから気になる! 美容医療にできること
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