初めての男の子育児。男の子の性器はわからないことだらけ。触ったら痛い? むきむき体操って何? やったほうがいいの? やらないほうがいいの?などなど、疑問がたくさん。小児科の医師に聞いたり、夫の体験談を参考にしたりして、わが家ではむきむき体操を取り入れてみることにしました。むきむき体操って何?私には13歳の娘と、3歳の息子がいます。息子を出産する少し前に、子育て相談掲示板アプリを見ていたときに「むきむき体操」という文字を目にしました。「Eテレでやっている体操かな?」と思い、そのときはあまり気に留めませんでした。後日、夫から「男の子のむきむき体操って知ってる? 新生児のころもやってあげたほうがいいのかな?」と聞かれ、初めてむきむき体操を調べてみることに。 むきむき体操とは、男の子の性器の亀頭を包皮からむいてあげる体操のことだそうです。調べてみても、「やるべき」という意見と「やる必要がない」という意見があり、まずは1カ月健診で小児科医に相談してみることにしました。 小児科医の意見は…無事に息子の出産を終え、1カ月健診のときがきたので、小児科医に「むきむき体操はやったほうがいいですか?」と聞いてみました。すると小児科医からは「やらなくていいです」との回答。専門家の意見を直接聞くことができ、息子と言えどデリケートな部分なので、必要以上に触らなくていいんだとホッとひと安心。 むきむき体操をまったくしないまま息子が1歳半くらいになったとき、夫から「俺は物心ついてから自分であそこを触って痛かった経験あるから、息子にも少しずつ慣らしていったほうがいいと思うんだよね。ずっと皮かぶったままだと不潔になるし、無理のない範囲で俺が洗ってもいい?」と聞かれました。正直、男性器のことは私にはわからなかったので「息子が痛がるようならしないこと」を条件に、承諾しました。 自分でむけるようにそれから、夫は毎日お風呂のときに少しずつやさしく息子の亀頭を包皮からむいてあげ、だんだんとスムーズに亀頭が出るようになってきました。幸い息子は痛がったり嫌がったりする様子もなかったので、「ちんちんの中もきれいにしようね」と言って、毎日洗うようにしました。 現在息子は3歳ですが、2歳半ごろからは自分で亀頭をむけるようになり、お風呂のときに「ちんちん洗うよ」と言うと、自分で包皮を下ろしてくれます。先日息子がかかった泌尿器科では、医師から「毎日お風呂のときにむいて洗うように」と言われたので、専門家の中でも意見が分かれていることなのかもしれません。 わが家の場合は、早めにむきむき体操を取り入れることで、痛がったり嫌がったりすることなく自分で包皮をむけるようにまでなりました。たまに、亀頭の部分に汚れがついていることがありますが、普段から毎日亀頭を洗っているので、息子も抵抗することなくスムーズに洗え、清潔を保つことができています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子著者:吉川 みきな13歳女の子と3歳男の子の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。
2023年05月19日ひどい癇癪は経験してこなかったUpload By まる穏やかタイプの息子を育ててきて、今まで特に癇癪やこだわりに悩まされることはなかった。もちろん気に入らないことがあるときは泣いたり、散歩中息子の行きたい方向と違う方向へ行こうとすると泣いて地面に座り込み動かなくなるなどはあったが、息子自身の切り替えがうまいのか、その場を移動してしまえば長時間泣き続けて悩まされる…といったことはほぼなかった。ただし、苦手な場所やこの場にいたくないなどの状況だと、その嫌な場所を離れるまで泣いたり不機嫌は続く。今までも慣れない療育に通い出したときは泣いて教室から出ようとしていたり、いつもと違う保育園の行事のときには泣き続けて行事に参加できずに帰宅したこともあった。つい最近だと息子は動物園や水族館が苦手なようで、動物園内に入ってからずっと不機嫌で動物を何も見ずに通り過ぎ早々に帰宅するなどがあった。嫌なことに対する表現ができているからか、暴れたり手がつけられないほどの癇癪はない。思い通りに行かないときUpload By まるそんな息子も最近になって困りごとが出てきた。自分の気持ちを表現できるようになったが、その方法が思い通りにいかないことがあるときに叩いてくるようになったのだ。息子はテレビが見たいのに「今からご飯だからあとで見ようね」と言われたときや、息子は別の方向へ行きたいのに「こっちに移動しようか」と言われたときなど、思い通りにならないとすぐに手が出てしまう。ママの「ダメよ」「やめなさい」などの否定的な言葉にはとても敏感で、すぐに不機嫌になり叩いてくるので、あまり否定的な言葉にならないように言い換えたりしてるが、日々忙しい毎日を送っていると言い換えなど忘れて叩かれお互い嫌な気持ちになることが増えている。療育の先生に相談したところ、まだ嫌な気持ちを説明できないせいで、叩くことが表現方法になってしまっている。言葉で説明できるようになれば変わってくるよ。と言われた。「いらなーい」「かえるー」の連呼Upload By まる息子自身単語はよく出るようになっており、最近は気に入らないことがあると「いらなーい」「かえるー」などのマイナスな言葉を連発するようになっている。この前、ファミリーレストランに入った際に混んでいて少し順番待ちをしなくてはいけなかった。私は息子に「順番だよ」「待ってようね」などのできるだけ簡単な言葉で何度も説明したが、息子はそれが気に入らなかったようですぐに「いらなーい、かえるー」を連発で私を叩く。それなら仕方ないとレストランを出ると、「(さっき出てきたレストランへ)いくー!」と怒っている。仕方なく戻るとまた順番待ちをしなければいけないため「いらなーい、かえるー」の連発。息子に繰り返し説明しながら順番待ちをしたが、周りの目も気になるしなんだかとても疲れてしまった。手が出たときはUpload By まる保育園でも話を聞くと、気に入らないときに先生を叩くことも増えているとのこと。ただ「もっと前はかみつくこともありましたよね」と先生から言われて、そういえばと思い出した。頻繁じゃないからすっかり忘れていたが、気に入らないときにガブっとやられてあざになったこともあった。かむではなくて手で叩くになっただけ成長しているのかもしれないとふと思った。ただ、叩くのが今のところまだ大人に対してだけだが、いつお友達に手が出るか分からない不安があり、先生にも相談をしている。叩かれるたびに息子の目を見て「痛いよ」「悲しい気持ちになる」「○○が嫌だったね」などとお話するようにし、状況に応じて「ごめんね」と言ってもらうようにしている。執筆/まる(監修:新美先生より)お子さんが小さいころ、同世代の子どもが喜ぶ場所や、そこまで嫌がらない場面でも、自分の子どもだけが不機嫌になってしまうと、保護者としては困ってしまって、そうしたことが繰り返されると疲弊してしまうことがありますね。お子さんが一人ならお子さんに合わせて行動することができても、ほかのきょうだいもいたりすると対応できないこともあります。この子はこういう場面は苦手だからと、はっきり分かってしまえばそこには近寄らないようにすればよいですが、そこまで開き直るまでの期間が保護者としては苦い思い出になることもありますね。お疲れさまです。まだ言葉が十分育っていない時期に、拒否やイライラを伝える手段として、「叩く」などの手段をとることがあります。もちろん不適切な表現であることは確かで、やめさせたいものではありますが、このことに対して「だめだよ」と言葉で叱っても効果はほとんどありません。嫌だということを伝える手段が獲得できれば叩くということをしなくてもよくなるのですが、簡単にはいかないです。視覚支援などを使って活動の見通しを伝えて、やるかやらないか選べるようにする、やりたくない行動は「×」などのジェスチャーで拒否すれば受け入れてもらえる、その場を離れてカームダウンスペースで落ち着けるなど、本人が拒否できる環境と手段を獲得していくことが必要です。ですがそんなことを試みる前に、言葉が増えてきて、言葉で伝えられるようになると、激しい他害・癇癪は減っていくということも実際には多いかもしれません。お子さんがまだ発語は単語レベルという場合、言葉の理解もしているようで、複雑なところは十分に伝わっていないかもしれません。この段階では、叩いたことを謝るということにはこだわらなくてもいいかもしれません。「叩くー謝る」が、ただのパターンになって定着するだけになることもあります。叩くことがよくないことであることを伝えたいのであれば、〇と×を絵にかいて伝える(〇:「いや」のジェスチャーの絵、×:叩いている絵)とか、叩くとけがをして血が出てしまって泣いてしまう、というような場面をイラストにして伝えるなど、言葉だけではなく視覚的に伝える工夫もしてみるといいかもしれません。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月17日場面緘黙(場面緘黙症/選択性緘黙)とは?場面緘黙(場面緘黙症/選択性緘黙)とは、発声器官の障害がなく言語能力にも問題がないにもかかわらず、特定の場面で話せなくなってしまう疾患です。家族とは話せるのに、幼稚園や学校などで先生やクラスメイトなどと話せない場合があります。2~4歳での発症が多いですが、学校へ行き始める時期まで気づかないこともあります。このコラムでは、・場面緘黙の「環境の整え方」・場面緘黙は親の育て方が原因?・場面緘黙は治るの?・場面緘黙の治療について・場面緘黙の診断は何科を受診すればいいの?など、場面緘黙にまつわるギモンから、子どもに場面緘黙がある保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【発達ナビQ&A】場面緘黙のわが子はどうしたら喋れるようになる?「環境を整える」ってどうしたらいいの?発達ナビのQ&Aコーナーでは、子育てに関する疑問や知りたいことを質問するとほかの発達ナビ会員の方々が実体験などをもとに答えてくれます。場面緘黙に関する質問とその回答をご紹介します。3歳の息子が場面緘黙です。本人が安心できる環境を整えると良いと記事にありましたが、具体的にどんなことをすれば良いのでしょうか。家庭や幼稚園の何を変えればより安心できる環境になるのでしょうか。出典:こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。(略)場面緘黙のお子さんのお母さんは、常にお子さんの代弁者としてお友達にお子さんの気持ちを伝えるのが仕事です。黙っているけど楽しいとかうれしいとか遊んでくれてありがとうとか。実際にこれをしていた保護者のお子さんは小学校低学年で決まったお子さんとなら話せるようになっていました。あとは幼稚園の後にお家(お子さんが話せるから)へ招待したり、お泊まり会をしたり、土日は地域の活動やお稽古事で幼稚園のお友達や小学校のお友達と会うようにしていました。話せないことをプレッシャーに思わないような配慮をしてもらってなるべくみんなと同じ事をさせて貰うことです。例えばお当番さんは前に出て話すのですが、紙に書いたものを持たせるとか、お友達に声だけやってもらうとか、オープンにして多くのお友達に助けてもらう事です。沢山の好意的な援助をもらえると安心するのかな?と思います。出典:場面緘黙に関するギモンと体験談をもとにした回答をご紹介いたしました。発達ナビQ&Aコーナー場面緘黙のあるお子さんは、家や心地の良い場所、リラックスできる環境では話すことができます。強い不安によって症状が引き起こされるものです。コミュニケーションを取らないことで不安を軽減し、不安を増大させる社会的やり取りから身を守っています。家庭では、リラックスして話せる環境を維持するようにしましょう。外出先では、慣れている家族だけで他人から注目されなければ話すことが可能なお子さんもいます。外出先でも、家と同様のリラックスした環境を整えると良いですが、事前にどのような場所に行くのか、何をするのかを見通しを立てておくと、不安の軽減につながります。学校は、場面緘黙のお子さんにとって、家と同じように振る舞うことが最も難しい場所です。何よりもまず、お子さんに関わる大人が、お子さんを知ろうと努めることが大切です。どのような環境だと安心して過ごしやすいのか、学校と家庭の連携が大切になります。過度なアイコンタクトは避け、選択肢式の質問で問いかけ、すぐの返答がなくても5秒待つというように、根気強く関わっていきます。少しでもコミュニケーションを取ろうとした場合に、さりげなく褒める言葉が出ることも大切です。Upload By 発達障害のキホン【小児科医に聞く】場面緘黙とは?育て方が原因!?治るの?何科を受診すればいいの?ここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。ここからは、小児科医の藤井明子先生に場面緘黙の原因や、治療方法、受診科などをお聞きしたいと思います。(質問)子どもに場面緘黙があります。昔からおとなしいタイプの子どもでしたが、親の育て方で場面緘黙になることがあるのでしょうか。(回答)場面緘黙は、不安に対する遺伝的素因に加えて、脳機能に異常が認められるという報告もあります。不安の認知と反応をコントロールする扁桃体の機能自体が、過剰亢進を示唆する研究もあります。社会不安をもつ親御さんが、不安が起こされる状況を避けるので、結果的に子どもも、見知らぬ状況や人に接することをさけ、自発的に話をする機会を制限してしまう可能性はあるかもしれません。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに場面緘黙の症状があります。診断や治療には何科を受診するのが良いのでしょうか?(回答)児童精神科、小児科を受診するのが良いでしょう。時間をかけてお子さんの状況を話をし、診察してもらう必要があるため、予約制のところが多いです。事前に症状を伝えて、問い合わせたのちに受診することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)場面緘黙は治るのでしょうか?(回答)どこでも誰とでも言語的コミュニケーションが取れるまではならなくても、安心でき、信頼できる人となら会話ができる程度になるお子さんもいます。学校と親御さんが連携して、少しずつ家以外の場所で、発声を出す機会を増やしていくことで改善した方もいます。まずは、空き教室で親御さんとお子さんが二人きりで話す→二人きりで話しているところの教室の前を先生が通る→二人きりで話をしているところに先生が入る、といった具合にスモールステップで、家以外で会話をする姿を見られても大丈夫という経験を繰り返しました。段階をふみ、特定の先生とであれば、さやき声で話すことができるようになりました。Upload By 発達障害のキホン(質問)場面緘黙の治療方法の流れなどが知りたいです。行動療法が有効と聞きましたが、一体どのようなことをするのでしょうか。(回答)場面緘黙に対する最も効果的な介入方法は、脱感作を用いた行動療法であることが多くの研究で示されています。脱感作の方法は2つです。1つ目は、子どもが現在話をしている人と行っている発話を、新しい場所や人へ広げていくことです。2つ目は、親御さんと普段通りの発話を維持しながら、部屋に入ってくる新しい人に対して、子どもの不安を徐々に軽減することです。いずれの方法も、親御さんや普段話をしている人の協力が必要になります。学校のスクールカウンセラー、先生との連携で対処されていたケースもあります。1回、2回関わってすぐに変化が起こるわけではないのですが、継続していくことが大切になります。Upload By 発達障害のキホン場面緘黙についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月15日出産した病院でわが子の1カ月健診を受けたときに、頭頂部付近にある大泉門がほとんど閉じていると小児科の医師から指摘を受けました。それに加えて、全身の緊張が強い傾向にあるとのこと。まさかわが子が1カ月健診で異常が見つかると思っていなかったので、驚き、動揺して頭が真っ白になりました。1カ月健診で大泉門がほとんど閉じていた個人差はあるものの、通常1歳半前後で閉じ始めると言われる大泉門がわが子はとても小さく、1カ月健診のときにはすでに閉じかけていました。医師の説明によると、大泉門が早くに閉じると頭蓋骨が大きくならず、成長とともに大きくなる脳を圧迫して発達に影響が出てしまう可能性があるとのことです。 しかし、まだかろうじて大泉門が少し開いているので、少しずつでも頭囲が大きくなっていけば問題はないとのこと。経過観察をしていくことになりました。 かかりつけ医への受診産院では病名は聞いていませんでしたが、家に帰って母子健康手帳を確認すると、1カ月健診の記録欄に「軽度筋緊張亢進疑い」と書いてありました。どのような状態なのか気になりネットで検索したところ、脳への障害につながる情報が多く、不安でいてもたってもいられなくなった私。上の子が通っているかかりつけ医へ相談に行きました。 そこでは、まだ月齢が小さすぎて今の段階で診断することは難しく、大きい病院で検査してもわからない可能性も高いので、もうしばらく様子を見ましょうと言われました。 市の3カ月健診生後3カ月半のとき、市の3カ月集団健診を受けました。そこで1カ月健診のときに受けた指摘について説明し、筋緊張が強いことなど気になっていることをすべて小児科の医師に相談しました。 先生は丁寧に答えてくれ、診察の結果、大泉門は閉じかけているが、1カ月健診のときよりも頭が大きくなっているとのことでした。また、全身の筋緊張も確かにあるが、1カ月健診のときよりも状態はよく、安心していいとの診断でした。そして、念のため1カ月後に同じ先生に再診してもらえることになりました。 4カ月健診そして3カ月健診の1カ月後、大泉門は閉じていないか、頭は大きくなっているか、筋緊張は和らいでいるかなどを前回と同じ小児科の先生に見てもらいました。 頭は1カ月前よりも1cm大きくなっているので安心していいと言われ、やっとほっとすることができました。筋緊張も前ほどはなくなっていました。筋緊張も、寝ているときと起きているときとでは多少変わり、月齢が小さいときには判断が難しいため1カ月健診で経過観察になったのだろうとの説明を受けました。今後は月齢とともに頭が大きくなっているか家庭で様子を見ていくようアドバイスをもらいました。 1カ月健診で要観察になり、そこから経過観察の3カ月がとても長く感じました。指摘を受けたときは不安でいっぱいでしたが、生後半年経った今は発達に問題もなく、順調に頭も体も大きくなっています。今も念のため、1~2カ月に1回、市の育児相談で身長・体重と頭囲を測り、様子を見ているところです。子どもを育てていく中で不安はつきものですが、今後もわが子の成長を喜びながら、楽しく子育てをしていきたいと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 原案/福山あかね作画/やましたともこ
2023年05月07日長男が1歳になるタイミングで私はフルタイムの仕事に復帰しました。同時に、中国人の義母との同居がスタートし、私をサポートしてくれることに。そんな中、息子が風邪を引きました。もともと超心配性の義母。息子が風邪を引いた1カ月間、義母の衝撃的な超心配性エピソードを紹介します。 夫と一緒に30分ほど説得しましたが、義母はまったく聞く耳を持たず、夫は退散。それでも睡眠中の息子の横で大声で話す義母……とてもカオスでした。ただ、孫を思ってのことなのはとてもありがたいと思ったので、そのことを伝えたうえで、いびき(※1)は横向きに寝かせたら鼻が通りやすいことなどを伝え実践し、いびきはなくなりました。もしもおかしい状態であるならば、本人に元気がなかったり、ぐったりしたりしているはずだと説明もしました。 実際、息子は元気いっぱいで食欲もしっかりありました。足の裏や後頭部の件に関しては調べてもわからなかったので、夫曰く義母の持論だろうとなりました。1時間ほど義母と話して落ち着いたのですが、やはり専門家相手でないと納得いかないそうで、もはや義母を納得させるために、三度目の正直で夫が総合病院の小児科を受診することになりました。 (※1)子どもは基本的にいびきをかくことはありませんが、疲れが出たときや風邪を引いたときはいびきをかくことがあります。いびきの主な原因としては、風邪を引いている、扁桃肥大やアデノイドの肥大、喉頭軟化症などが挙げられます。お子さんのいびきが気になるようであれば、早めに病院を受診するようにしましょう。 血液検査をしてようやく納得総合病院の診察でもやはり結果は変わらず、ただ風邪薬を処方されるだけでした。それでも、何かの病気だと思い込んでいる義母は納得しません。どの病院もダメだとなり、4度目の小児科へ行き事情を説明すると、「そんなに心配なら血液検査をしてもいいですよ」ということになりました。私もここまでくると、本当に何かの病気だと怖いなという気持ちもあったので、息子には申し訳ないなと思いながら血液検査を受けさせることにしました。結果は異常なし。検査結果を見せながら義母に説明をし、1カ月かけてやっと納得してもらうことができました。 年代や国によって考え方がまるっきり違うということを実感した一方で、子どもを思いやり、心配する気持ちは同じであることがわかりました。また、子育てに正解はないなということに改めて気付かされました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:あこ3歳の男の子を育てるシングルマザー。中国人と国際結婚するも昨年離婚。2021年6月に次男を出産予定。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
2023年05月05日小児科医、臨床心理士、言語聴覚士、「親なきあと」の専門家による解説付エピソード集「専門家の支援を受けたいけれど、どんなことを相談できるの?」「どんなアドバイスをもらえるの?」「ほかのお子さんのケースが知りたい」そんな保護者の方や、家庭でもできる発達支援や、わが子への関わりのヒントを知りたい方に、ぜひ読んでいただきたいエピソードが満載です。トラブル多発で行き渋りがある小学生のエピソードーー小児科医の解説付忘れ物が多い、指示どおりに行動するのが苦手、先生に暴言も…学校でのトラブルに悩む小学生と保護者のエピソードです。自閉スペクトラム症とADHDの診断後、子どもへの投薬や保護者へのペアトレを始めると…?学校に対して要望がある場合の相談方法に関するアドバイスも。発達が気になる中学生のエピソード4編ーー臨床心理士の解説付自閉スペクトラム症とADHDの傾向がある中学生の「友達トラブル」に関するエピソードです。中学校に進学し、友達づきあいが難しくなってしまうお子さんは少なくありません。一緒に過ごすグループの子たちと話を合わせられず孤立してしまい、行き渋りも始まった中学生。臨床心理士の3つのアドバイスとは…?中学校から帰宅すると、すぐにゲーム・スマホを始めるADHD傾向のある中学生のエピソードです。宿題やお手伝いなどやるべきことができていない、生活リズムが乱れてしまっている。注意すると反抗的な態度をとるのでどうすれば…悩む保護者に臨床心理士が伝えた、子どもとの関わり方のポイントとは…?趣味のフィギュアに夢中で、勉強に身が入らない自閉スペクトラム症のある中学生のエピソードです。自閉スペクトラム症の傾向があるお子さんの関心の狭さや、収集癖を心配に思う保護者の方もいらっしゃるかもしれませんね。お小遣いやお年玉をもらうと、すぐに新しいフィギュアを購入。保護者が受験の話題を出しても、「高校、別に行きたくないし」と無関心の中学生。臨床心理士の一言をきっかけに、受験勉強に身が入るようになって…?高校受験を控えた、自閉スペクトラム症のある中学生のエピソードです。「志望校が決まらない」焦りは、受験時期が近づけば近づくほど大きくなっていくものですね。「わが子に合いそうな学校を選んであげて、受験するよう話をすればいいでしょうか?」と聞く保護者に、臨床心理士が伝えた大切なこととは…?多動が気になる小学生のエピソードーー言語聴覚士の解説付「授業中や食事中に立ち歩いてしまう」自閉スペクトラム症とADHDのある小学1年生の子どものエピソードです。学校の先生との面談で「立ち歩きが多い」「注意しても座り続けられない」と言われ、療育のときに相談をする保護者。すると、「座ることが目的になっていませんか?」と言語聴覚士から問いかけられて…?卒業後、親なきあとが心配…自閉症高校生のエピソードーー「親なきあと」専門家の解説付特別支援学校高等部に通う自閉スペクトラム症のある子どもの保護者が抱く、将来への不安にまつわるエピソードです。特別支援学校卒業後のことを心配に思う保護者。「親なきあと」の専門家から「療育手帳をお持ちですか?」と聞かれて、「IQ80程度という判定で療育手帳は取得できなかった」と答えると意外なアドバイスが…?コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月05日発達が気になる子どもの悩み、ギモンに専門家が回答!発達が気になるお子さんを育てる中で、悩みやギモンがわいてくることもあるのではないでしょうか。発達ナビでは、保護者の方々のさまざまなギモンに専門家の先生が回答する企画を行ってきました!これまでのテーマは「癇癪」「睡眠障害」「就学」「二次障害」「不登校」「療育手帳」。専門家の先生に事例ごとに具体的にご回答いただいています。ぜひ参考にしてみてください!発達が気になるお子さんの悩みでも多い「癇癪」。日々の対応に困っていながらも、「病院にいっていいもの?」「薬を服用させるのが心配」という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.発達障害のある子どもの癇癪(かんしゃく)にはどう対応したらよいでしょうか?事前にできる対策はありますか?Q.子どもが毎日ちょっとしたことで癇癪(かんしゃく)を起こし、親もヘトヘトです。どの程度から病院を受診してよいのでしょうか?Q. 癇癪(かんしゃく)がひどく、薬が処方されました。服用にあたって気をつけることはありますか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生の回答はこちらから!赤ちゃんの夜泣きがつらい、幼児期になっても寝つきが悪くて毎日寝かしつけが大変、小学生・中学生の昼夜逆転が心配…など睡眠に関してさまざまなお悩みがあると思います。また、起立性調節障害、ナルコレプシーなど睡眠障害に関わる診断名を耳にすることがあっても実際どういうものなの?とギモンに思う方もいらっしゃるかもしれません。睡眠の問題は生活習慣の問題だと思われることもあるかもしれませんが、発達障害と睡眠障害は併存していることが多く、眠れない原因の背景に睡眠障害が隠れていることもあります。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q:子どもが寝ないという理由で、病院にかかるとしたら小児科でいいのでしょうか。どんな小児科でも相談できるのでしょうか。Q:発達障害があり、睡眠障害を併存している場合、どのような治療法がありますか。必ず薬が処方されるのでしょうか。Q:中学生の子どもは、昼夜が逆転してしまっているような状態です。睡眠のリズムを取り戻すには、家庭でどのようなサポートができるでしょうか。さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!保護者も子どもも選択を迫られる就学先の問題。地域によっても通える学級・学校の種類や制度などが違ってくるため、就学先の基準や相談の仕方などに悩む方も多いかもしれません。発達ナビQ&Aコーナーでも全国からお悩みの声が寄せられています。発達ナビQ&Aコーナーに寄せられたギモンQ:情緒学級がある小学校が、住んでいる地域にありません。通常学級+通級、知的障害の特別支援学級、情緒学級のある小学校などで迷っています。何を基準に選んだらよいでしょうか。こちらの質問に対する発達ナビ会員の方の実体験をもとにした回答と、発達障害のあるお子さんの支援、臨床心理学の専門家である井上雅彦先生が解説する就学先を選ぶポイントはこちらから!発達障害の特性を理解されない、失敗して叱責される、不安な経験を繰り返すなどの経験を重ねることで、次第に自己肯定感が下がり、うつ病、不安障害などの精神疾患の合併や、不登校やひきこもりなどにつながることがあり、これを二次障害と呼ぶことがあります。子どもが二次障害の状態であるとき、保護者はどのように理解し対応していったらよいのでしょうか。例えばこんなギモンを児童精神科医の先生に質問!Q.落ち着いていられない・気が散ってしまう子への関わり方を教えて下さい(小学2年生・ASD、ADHD)Q.小5の男子(ASD、ADHD)です。登校の行き渋りがあります。同級生とのコミュニケーションが上手くいかない、勉強が楽しくないなどの理由があるようです。無理にでも学校に行かせるのか、休ませるのか、どちらが良いのでしょうか?Q.専門医に助言を求めたいのですが、本人が病院に行ける状況にない(行きたがらない)場合どうしたら良いでしょうか?(高校生、未診断。対人恐怖、睡眠障害あり)代官山やまびこクリニックの千村浩先生の回答はこちらから!「学校に行きたくない」子どもがこう口にしたとき、保護者はどう対応したらよいのでしょうか。また、不登校になったときの学校や社会とのつながりや、学習について、ゲーム依存への心配など悩みは尽きないと思います。例えばこんなギモンを臨床心理士・公認心理師の先生に質問!Q.子どもが不登校になった場合、学校とはどのように連携したらいい?Q.不登校が長期間にわたっている。保護者側もサポートに疲弊、このまま学校に行かなくていいのか、ひきこもりになるのではと将来が不安ですQ.不登校になり家でゲームをずっとやっているわが子。依存症にならないか心配臨床心理士・公認心理師であり東京都内のスクールカウンセラーでもある初川久美子先生の回答はこちらから!みなさんは療育手帳を取得していますか?発達ナビ会員のみなさんに療育手帳の取得の実態についてアンケートを実施しました!療育手帳を取得するとよいと聞いたけど、分からないことだらけ…という方もいらっしゃるかもしれません。例えばこんなギモンを行政書士・社会保険労務士の先生に質問!Q.発達障害がある場合は「精神障害者保健福祉手帳」しか申請できないのでしょうか?療育手帳は取得できますか?Q.療育手帳の対象は?取得に年齢やIQは関係ありますか?Q.療育手帳を取得するメリットってなんですか?親なきあと相談室主宰であり、行政書士・社会保険労務士の渡部伸先生のご回答はこちらから!医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類「診断書」。発達ナビ会員のみなさんにも診断書についてアンケートを実施しました!診断書は、どんなときに必要になるのでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?Q.診断書の費用は大体どのくらいですか?Q.診断書を作成してもらえない場合もあるのでしょうか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!みなさんのギモンをお待ちしていますこんなときどうしたらいいの?どこに相談したらいいの?ほかの人はどうしてる?など、これからも発達が気になるお子さんを育てるみなさんのギモンに具体的にお答えしていきたいと思っています。発達ナビ会員同士が質問・回答ができる発達ナビQ&Aコーナーでの話題の投稿に対して専門家の先生からコメントをいただくこともあるかもしれません。気になるギモン、お悩みなどぜひ発達ナビQ&Aコーナーへの投稿や、こちらの記事へのコメントでお待ちしております!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月03日出産を間近に控えた妊婦健診で、初めておなかの中の赤ちゃんの様子について「異常」と診断されました。生まれてから調べると「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」という病気であることが判明。病気がわかってから現在まで、定期的に大学病院で診察を受けています。今回は、この病気にまつわる出産までの体験と、現在の子どもの様子をお話ししたいと思います。 出産直前、エコー検査で異常ありおなかの中ですくすく育つ赤ちゃん。妊娠の経過は順調でしたが、出産を間近にひかえた妊娠33週目の健診のことです。超音波検査で「異常あり」と言われてしまいました。 よく聞くと「赤ちゃんの腹部に、通常では見られない影がある」とのこと。思いがけない診断結果に慌てふためいたものの、「生まれてからでないとしっかりした検査はできない」と先生に言われ、すぐにできることはありませんでした。 おなかの中の赤ちゃんがどのような様子なのか、病気なのか、苦しんでいるのではないかなどとさまざまな考えが巡り、その日からはとても不安な日々を過ごしていました。 超音波検査で4cmの卵巣嚢腫が見つかる出産予定日とほぼ同日、無事に出産しました。不安な中での出産でしたが、3,000gを超える元気な赤ちゃんで安心したことを覚えています。 しかし、ほっとしたのもつかの間。小児科の先生にお越しいただき、赤ちゃんの超音波検査を受けることとなりました。結果は「4cm大の卵巣嚢腫がある」とのこと。 悪性のものではないものの、大きくなると捻転してしまう可能性もあるとのことで、定期的に大学病院に通院することとなりました。 生後1年が経過…卵巣嚢腫は小さくなった 卵巣嚢腫というと大人の女性が抱える病気のイメージがありますが、赤ちゃんもかかることがある病気で、原因ははっきりわかっていませんが母親のホルモンバランスの影響という説があるそうです。 また、最近は超音波の技術が発達して、赤ちゃんの卵巣嚢腫が発見されることは少なくないそうです。ですが、小児科で「ママじゃなくて赤ちゃん?」と尋ねられることもあり、体験談も調べてもほとんど出てこず、孤独で不安な毎日を過ごしていました。 わが子は4cmの卵巣嚢腫がありましたが、出生後徐々に小さくなり、生後1年たった今、1.5cmまでになりました。完全になくなるまでは半年に1回、エコーで検査をしてもらいますが、「ここまで小さければ、ほとんど問題ないだろう」とのことで、現在は問題なく元気に過ごしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/まきこんぶ監修/助産師 松田玲子著者:河相 さくら国内外問わず旅行が大好きな1歳女の子のママ。育休中に小学校英語指導者資格を取得。主に子育て・英語育児を中心に執筆中。
2023年05月02日3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、子どもとインターネットの付き合い方について解説してもらいます。こんにちは。小児科医の保田典子です。近年、低年齢層の子どものインターネット使用率が上がり、使用時間は年々増加傾向にあります。 インターネットはとても便利なものですが、子どもへの弊害はないのでしょうか? 今回は、子どもとインターネットの付き合い方についてお話したいと思います。 子どもとネット、メディアとの上手な付き合い方日本小児科医会では以下のような提言がされています。 1. 2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。2. 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。3. すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日 2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。4. 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。5. 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。 これをもう少し詳しく解説していきたいと思います。 2歳までの場合2歳までは、目の前にいる人の表情や口調を読み取って言語発達やコミュニケーション能力を培っていきます。あまり特別な理由がない限り(公共の機関で泣いてしまってあやす道具にするなど)ネットの利用は避け、日常的な利用はやめた方がよいかと思います。ネットは特別な時にしか使えないもの、という認識がお子さんにできると良いでしょう。 3歳~6歳(未就学児)の場合3歳以降になると、良いコンテンツは子どもに良い影響もあるという研究結果がでてきます。ですが、暴力的なコンテンツは悪影響も及ぼします。特に、寝る前の時間の利用は睡眠時間や睡眠の質にも関わってきますので、より制限をした方がよいでしょう。 良いコンテンツ、教育的なアプリに触れさせるなどするための工夫が必要です。3歳から6歳の子どもに対してのインターネットとの付き合い方でおすすめしたいのは、 1.インターネットを利用できる機器は親のものであり、親がルールを決めること。それを守ること。2.きちんとフィルタリングをすること。親の検索結果から意図しないコンテンツにさらされることがあるので、親のアカウントと子どものアカウントは分けた方がよいでしょう。動画はYouTubeキッズなどのアプリを使うことでより安全(完全ではありませんが)に使いやすくなります。このころから、子どもにはインターネットは娯楽だけの用途ではなく、教育的な、自分の役に立つものであることを認識させることが重要でしょう。子どもに合った教育系のアプリを厳選してみましょう。3. 夕食後からのネット利用はやめましょう。ネットは楽しいものでもあるし、役に立つものでもある、これから活きた利用をするツールとして認識してもらえるといいですね。 小学生の場合小学生になると、学校からタブレットやパソコンが貸与されるので、親が完全にコントロールできなくなります。子どもも親の言うことを100%従ってくれるようにはならないので(幼児はイヤイヤはしても、親のコントロール下にある程度入れられますが)、小学校低学年のうちから、子ども自身がネットとの付き合い方を考えられるようにしたいものです。 このころのおすすめは、 1.親御さん自身のスマホやネット利用を見直してみましょう。親がダラダラ使っていては子どもも「それでいいんだ」となり、いくら口うるさく言っても聞いてくれなくなってしまいます。2.小学生にもなると、宿題や習い事などやるべきことが増えてきます。やるべきことをいつやるか、いつネットが使えるか、優先順位などを話し合い、お子さんと一緒に確認しましょう。(例えば、「宿題が終わったら〇時まで動画サイトを見てもいい」、などルールを決めると良いでしょう)3.ネットのルールは親が決めるのではなく、子どもと話し合って決めましょう。ここで重要なのは「一緒に決めた気でいるけど、結局親の気持ちの押し付けになっている」ことが多いです。小学校1年生で自分で判断するのは難しいですが、少しずつ自分で判断する、気づきを得るような働きかけが重要です。4.幼稚園や保育園の時期と同じで、親とはアカウントを分けて、良いアプリなどを選んで使いましょう。 これからもネットとの付き合い方は変わっていく今後も急速にIT環境は変化していき、仕事もPCに向かう仕事が急激に増えていっています。大人になってからも、ある程度は必要となるのがPCスキルやネットとの付き合い方です。もうネットの低年齢化も止められないと感じます。 使うのであればより役に立つ良いコンテンツを選んでいくことは、今後も必要になってくるでしょう。まずはご自身のスマホやネットの利用状況を見直して、お子さんにもネットとの付き合い方を教えてあげられるといいですね。 参考/令和4年度 ⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査調査結果令和5年2⽉版監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年04月30日発達障害のある子どもの「見通し不安」は日常や学校生活でも発達障害があるお子さんやそのご家族の中には「急な予定変更が苦手で、癇癪を起こしてしまう」「見通しが立たないと強い不安を覚え、パニックになってしまう」など「見通し不安」でお悩みの方も多いのではないでしょうか。発達ナビのQ&Aコーナーでも「見通し不安」に関する相談や疑問が数多く寄せられています。「見通し通りにいかないとパニックになります。これはASDの特性?」「『〇〇されたらどうしよう。××と言われたらどうしよう』などと何かを始める前から不安が強い子どもにどう接したらいいのでしょうか」「行事があるごとに『見通し不安』になる息子、学校にどう相談したらいい?」「見通しが立たなくなると、衝動的に廊下に飛び出してしまうことがあります。学業に支障をきたすので、困っています」このコラムでは、見通し不安にまつわるギモンから、見通しが立たないことによるお悩みや困りごとなど専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【Q&A】「見通し不安」はどう対応したらいい?学校にサポートを求めるべき?発達ナビのQ&Aコーナーでは、子育てに関する疑問や知りたいことを質問するとほかの発達ナビ会員の方々が実体験などをもとに答えてくれます。見通し不安に関する質問とその回答をご紹介します。(質問)ADHDとASDがあります。自分がある程度立てた見通し通りにいかないとパニクるのですが、これはASDの特性ですか?それとも誰にもある事ですか?こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。(回答)ADHD、発達障害当事者です。わかりますよ~パニックになりますよね。私の場合は、実際にパニック発作が起きてしまったり(脂汗だらだら、体が熱くなって呼吸もしづらく、頭がぐわんぐわんして吐きそうになる…など)、頭が真っ白になってフリーズしたり、誰かと一緒にいるときにそのような状況になると口汚く当たり散らしたり(完全に八つ当たり)してしまいます。(略)主治医によると、上記のようなパニックを起こさないよう予防するのはとても難しく、パニックを起こしてしまったことへの後悔に気を取られたり、変なこだわりが出てきてしまって対処がしづらくなってしまうので、「起こしてしまったものはしょうがない。その後のフォローをしっかりすれば周りも理解してくれるし、対処に集中できる。」とのアドバイスをいただきました。(略)質問)私の息子は4月から保育園と発達教室が進級した関係で変わりました。4月からの環境もガラリと変わったせいか、いまだに保育園と教室へ行くのを拒否します。朝起きたら、行かない嫌い行きたくないの一点張りで支度も満足にできません。(略)本人を背負って車にとりあえず乗ってもらっても脱走する恐れがありロックはもちろんかけているのですが後部座席からボンボンフロントガラス目掛けて物を手当たり次第投げ散らかしてきたりもします。(略)無理やり行きたくない場所へ連れて行かれる、と意地になっているのかもしれません。環境に適応するのは時間がかかると覚悟はしていますが、「あとどれくらい」とかの見通しが立たない中で若干、焦ってもいます。何か成功例などありましたら、是非お聞きしたいです。宜しくお願いします。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。(回答)4月からとなると、そろそろ慣れて欲しいという気持ちになりますよねなお、お子さんおいくつですか?イヤイヤ期も関係しないかなというのが気になった点です。もし、知的の要素もあるならば、イヤイヤ期が2歳ではなく、4-5歳ででる場合もあります。その場合は、ひとまず寄り添いそうつつ、毎日のルーチンに慣れて行くように生活の型を作っていくと少しずつ収まっていくのかなと思います。(略)ウチの長男は、不安感が強くて保育所時代は本当に大変でした。。見通しを立てることと、毎日出来るだけ生活を崩さないようにしても、保育所のちょっとした出来事や行事などで気持ちが崩れやすかったりしました。お子さんが癇癪を起こすのにも、年齢がいくにつれて収まる可能性があるかと思いますが、お子さんなりの理由があると思います。もし、日常的な生活で判りにくいならば、ペアレントトレーニングなどを受けることで、ご自身のお子さんの観察の仕方、接し方なとを知るのも1つの方法かと思います。私自身は、ペアレントトレーニングや自分自身のアンガーマネジメントをすることで、かなり対処がしやすくなりました。(略)見通し不安に関するギモンと体験談をもとにした回答をご紹介いたしました。聞いてみたい質問があればぜひQ&Aコーナーに投稿してみてください!【小児科医に聞く】どうして「見通し不安」になるの?対応のコツや学校への配慮の求め方ここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。ここでは、小児科医の藤井明子先生に見通し不安になる原因や、家庭や学校での対応のコツについてお答えいただきます。(質問)発達障害のあるわが子は、見通しが立たない状況に不安になり固まってしまったり、癇癪を起こすことがよくあります。どうして「見通し不安」になるのでしょうか。成長していけばなくなるのでしょうか。(回答)A.発達障害の特性の一つに、先を見通して、その状況に応じて臨機応変に対応するのが苦手ということがあります。また、特定の感覚の過敏さのために、特定の行動パターンや環境へこだわりを認めることもあります。行動パターンや環境の変化に、対応するのが難しいことで、不安を生じます。感覚の過敏さへの対策をすることで、こだわりが和らぎ、パターンの変化にも、柔軟な対応ができるようになっていくこともあります。そのためには、事前に見通しを立てた声かけと、生じうる変化について、前もって知らせておくのも大切です。Upload By 発達障害のキホン(質問)息子は「予定通り」にこだわりがあります。普段生活しているうえで少しでも予定通りからはずれてしまうとパニックを起こしてしまいます。ルーティンはどこまで許容していいものなのでしょうか。(回答)A.どこまで許容していいかの線引きはお子さんの特性や、状況によって違ってきます。日々のルーティンも、環境の変化によって変えざるをえないときもあります。年度替りで、園の先生やクラスの場所が変わったり、引越しで登園時間が変わったりなどで、ルーティンを変えざるをえないこともあります。その場合には、ルーティンの10分の1ずつというスモールステップで、少しずつ変化させてならしていくことをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)来年度、入学式を控えています。不安になりがちな娘が初めての場所で、慣れない行事に参加することが今から不安です。事前に準備しておけることなどはありますか。(回答)A.入学式だけでなく、運動会、お遊戯会など、普段と違うイベントで、不安を感じられるお子さん、親御さんの相談はよくあります。入学式の場合には、学校の先生に事前に相談し、入学式の会場や、座る場所、式の長さなどを聞き、工夫できることはないか、先生と一緒に考えられると良いと思います。事前に会場を見るだけで、本番の参加は全く問題なくできるというお子さんもいました。お子さんの特性に合わせて、座る場所も隅の落ち着きやすい場所、式の全てに参加が難しければ、途中で退出するなどの工夫ができないかなど、相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)運動会や遠足、宿泊学習など、楽しみにするお子さんもいると思うのですが、うちの子はそういった学校行事がある度にとても不安になってしまいます。たびたびなので対応にも悩んでいます。学校にはどのように相談したらよいでしょうか。(回答)A.まずは、不安な気持ちを言葉で表せるお子さんは、不安な気持ちを言葉で出したことを、否定せずに受け止めましょう。親御さんに、気持ちを受け止めてもらったことで、不安な気持ちがありながらも、参加してみようと意欲がでるお子さんもいます。そして、参加ができたら、不安があったけれど、参加できたことに注目して、声をかけましょう。学校へは、お子さんにどのような工夫をしたら、不安が軽減できるのかを相談すると良いでしょう。行事のプログラムを、視覚的に見える形にしておき、プログラムが進むごとにシールを貼って、進捗状況を分かるようにする。参加時間を短くしてもらう。不安が強すぎる場合には、補助の先生や、親御さんが一緒にいることができるようにする。お子さんによってできる工夫はさまざまかと思います。Upload By 発達障害のキホン見通し不安にまつわるコラム発達ナビに掲載されている見通し不安にまつわるコラムをご紹介します。不安が強いお子さんの対応で大切なのは「事前の声かけ」「気持ちを受け止めること」発達障害のあるお子さんでお悩みの方も多い「見通し不安」。特性により臨機応変が苦手であったり、感覚の過敏さなどからこだわりを生じ、変化に対応するのが苦手であるなどから不安につながることがあります。「見通し不安」が強いお子さんには、事前に見通しを立てた声かけと、生じうる変化について、前もって知らせておくことが大切です。園や学校の行事など普段と違う状況で不安になるお子さんも少なくはありません。お子さんが不安な気持ちを言葉で表した場合、まずは不安な気持ちを言葉で出したことを、否定せずに受け止めましょう。受け止めてもらえたことで、「やってみよう」と思えることもあります。お子さんの特性や状況によって、できること、対応したほうがよいことはさまざまではありますが、事前に園や学校に相談することで対応ができることがあります。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月27日この記事では赤ちゃんの絵本の読み聞かせについて、医師監修のもとマンガで解説します。スキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。最初は身近なモチーフの絵本から入り、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。絵本の読み聞かせは、赤ちゃんとのコミュニケーションやスキンシップなど大切な役割を果たします。でも、赤ちゃんが低月齢のころは絵本を読んであげても意味がわからないので、効果がないと思っている人もいるかもしれません。そこで今回は読み聞かせを開始する時期やコツについて解説します。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせするのはいつから?個人差はあるものの、赤ちゃんが言葉を覚え出すのは1歳前後とされています。このころから、赤ちゃんは短い単語を使って感情表現をするようになり、1歳半ごろから赤ちゃんは語彙を増やしていき、短い文章を作って話し始めるのが一般的です。そうなると簡単な絵本の内容も理解できるようになります。「言葉を覚えさせる」「お話を楽しんでもらう」という意味では、1歳半を目安にして読み聞かせをするのが効果的です。 しかし、基本的には生まれてすぐからでも読み聞かせには意味があります。赤ちゃんは文字を理解しませんが、耳で音を聞くこと、絵を見ることなどを楽しみます。また、読み聞かせには学習以外の効果も多くあります。たとえば、読み聞かせは赤ちゃんと親のコミュニケーションの場です。親からやさしく語りかけることで赤ちゃんは安らぎを覚えますし、親も赤ちゃんへの愛情を確認できる時間となります。さらに、毎日寝る前に読み聞かせを習慣にすると睡眠の儀式となり、生活リズムも整いやすくなるでしょう。本が身近な存在となって、将来的に読書が好きになるかもしれません。絵本に興味があれば、言葉がわかるようになったころの読み聞かせもより楽しめるでしょう。このようなことから、赤ちゃんが絵本の内容をわからない時期でも、読み聞かせを始めることは有意義といえます。 先ほどお伝えしたとおり0歳児で言葉や物語は追えなくても、音や絵の印象だけなら楽しむことができるので、抑揚をつけたり、「にこにこ」などの擬態語などが含まれた絵本を読み聞かせたりして、一緒に楽しみましょう。親と一緒にいろいろな絵が移り変わる時間を過ごすのは、大切なスキンシップになります。まずは図書館や本屋さんで赤ちゃんに見せてみて反応が良いものを選んでもよいでしょう。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせする効果は?絵本の読み聞かせのメリットとしてはまず、「情緒の安定」が挙げられます。赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても親が読む声をずっと聞いていて、感覚的に気持ちのいい時間を過ごせます。優れた絵本は優れた文章で書かれているため、親の読む声も耳触りがよくなります。安心感のある時間をたくさん持つことで赤ちゃんの情緒は安定していきます。また、成長したときに感情表現が豊かで、他者への共感能力が高くなりやすいでしょう。 次に、「好奇心の芽生え」も重要なポイントです。家族に囲まれた日常ではなく、まったく知らない世界を赤ちゃんは絵本でのぞきます。その結果、赤ちゃんは好奇心が刺激され、キャラクターや世界観などを「もっと知りたい」と思うようになります。こうした感情は、成長したときの学習意欲や向上心へとつながり、芸術的な視点を養ううえでも大切な機会となります。 そして、「親子のきずなの再確認」も読み聞かせでできます。絵本は親から子に物語を読み聞かせることで、テレビではできないコミュニケーションが生まれます。同じ物語でも、親が工夫して読み上げれば、そのたびに赤ちゃんは違う感想をもつはずです。赤ちゃんは絵本の内容こそ覚えていなくても親から愛情を注がれた記憶は残っていくので、良好な親子関係を築く礎ができていきます。 赤ちゃんの絵本の読み聞かせ方のポイント読み聞かせするうえでのポイントは、赤ちゃんに「感想を求めない」ことです。赤ちゃんは絵本を読んでいる間、素直に楽しんでくれているはずです。しかし、感想を聞くのは意見の強要になってしまう恐れがあり、赤ちゃんはストレスを覚えてしまいがちです。場合によっては、絵本そのものへの嫌悪感につながりかねません。 読み聞かせが終わったら、「おもしろかったね」と声をかける程度で十分です。もしも赤ちゃんが気に入ってくれたなら、感想を求めなくても笑顔になったり、繰り返し読んでほしがったりといった反応があるでしょう。 「赤ちゃんと触れ合いながら読む」ことも大切です。読み聞かせはスキンシップの時間でもあるので、ひざに乗せたり、隣に寝たりしておこなうのが理想的です。こうした習慣を続けると、赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても「お母さんやお父さんと触れ合える時間」だと思ってくれるようになります。そして、読み聞かせの時間が好きになり、将来的には本そのものに興味を持ってくれます。また、親子が仲良くなるためにも欠かせない時間になるでしょう。 月齢別のおすすめ絵本低月齢の赤ちゃんなら、「にこにこ」「わんわん」「ぶーぶー」など、言葉が繰り返されて心地よいリズムの感じられる絵本がよいでしょう。まだ視力が十分に発達していないことから、はっきりした色づかいや形が描かれている絵本の方がより楽しめると言われています。 生後10カ月ごろになると、赤ちゃんは絵本を玩具のように捉えて楽しむことができるようになります。しかし、この時点ではまだ物語までは追えません。赤ちゃんにとって身近なものをモチーフにしたシンプルな絵本を読み聞かせるのがぴったりです。 たとえば、野菜や果物などの「食べ物」の絵本は、赤ちゃんが見たことがある絵が多く、親しみをもって見ることができます。また、乗り物の絵本も愛されやすいジャンルです。電車や車を絵本で知った赤ちゃんは、実際に自分が乗る立場になったときに感動を覚えてくれます。知的好奇心を育むうえでも、適した絵本といえるでしょう。 1歳を超えたあたりから、赤ちゃんは簡単な物語にも反応できるようになっていきます。身近なテーマを好むのは変わらないものの、リズム感やユーモアをともなったフレーズが載っている絵本をおもしろがってくれるでしょう。さらに、音が流れる仕様になっていたり、歌が出てきたりする絵本も人気です。これらの絵本はリラックス効果があるだけではなく、音感を養うこともできます。そして、1歳半ごろからは知育絵本を取り入れるのも効果的です。ごはんや着替えといった生活習慣を楽しみながら学べる絵本によってマナーを教えてあげるのもいいですね。 注意点としては、絵本選びが親の自己満足にならないことです。優先するべきは赤ちゃんの好みであり、苦手な本を無理に読まされても赤ちゃんは心から楽しめず、読み聞かせという行為そのものが苦痛に変わっていくかもしれません。赤ちゃんの好きなジャンルを意識して本を選びましょう。 まとめスキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。赤ちゃんが生まれたら、積極的に読み聞かせをおこないましょう。赤ちゃんが読んで共感できる内容は時期によって変わっていきます。最初は絵の印象や音を楽しめるものから始めて、10カ月ごろになったら身近なモチーフの絵本も取り入れつつ、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。 作画/はたこ監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
2023年04月27日3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、子どもを怒鳴ってしまうことの影響や対処法について教えていただきました。少し前から「毒親」という言葉をよく耳にするようになりました。毒親とは、子どもを支配しすぎる親のことを言ったりします。毒親の行動・言動が子どもに与える影響や、今から意識したい毒親にならないポイントについて紹介します。 「叱る」と「怒る」は違います!「叱る」というのは、冷静に話して言い聞かせることを言います。「怒る」というのは、「自分は怒っている」という感情を子どもにぶつけている状態のことを指します。 怒鳴ってその場の感情をぶつけてしまうと、子どもは怒られた内容(何が悪かったのか)よりも、「怒られた!怖かった!」という気持ちが先にたってしまい、言い聞かせたいことがかえって伝わりにくくなってしまいます。 感情的になって子どもに怒鳴り続けると、子どもは次第に「何をやってもママは怒る」「自分は何もできない」と覚えてしまいます。何をしても過激に怒鳴られると、常に大人の顔色を見て動くようになり、子どもの自由さ、豊かな発想は潰されてしまいます。すると自己肯定感が低くなり、子どもにとって悪影響を及ぼすのです。頻繁に怒鳴られると、脳が傷つくという研究結果があります。 虐待の相談件数は過去最高、悩む親御さんが増えています厚生労働省が発表した、令和3年度の児童相談所での虐待相談対応件数は207,659件と過去最高となっています。死亡した子ども(47例、49名)のうち、65%が0歳児で、主にネグレクトが45%、身体的虐待が43%となっており、主たる加害者は実母が60%と最も多い割合となっています。 このような極端な虐待ではなくても、怒鳴って子どもを支配したり、子どもの人格を否定するようなことを言い続けることも虐待になると言われてきています。なかなか思い通りにいかない子育てに、悩まれている親御さんは増えてきているのではないでしょうか。 怒鳴ってしまった時の対処法では、子どもに怒鳴ってしまったとき、どうしたらいいのでしょうか。① 冷静になってから、子どもに「さっきは言いすぎてしまった。ごめんね」としっかり謝罪の言葉を伝えましょう② どのような言い方をしたら自分の気持ちが伝わるかを考え、次につなげます(子どもは同じことを何度もするので、きっとこのシミュレーションを使うときがきます!)③ 感情的になってしまうのは、自分のメンタルや体調が万全ではなく余裕がないことが多いです。「自分、今疲れているんだ、調子悪いんだ」と思って、自分を労わってあげてください④ 子どもが甘えられる場を作り、「ここにいていいんだ」と安心できるようにします⑤ 子どもの良い行動を見つけて、具体的に褒めてあげましょう! この時に、おざなりにではなく、大げさに、満面の笑顔で褒めることが大事です。それは次の良い行動につながります 子育ての中で、子どもへ感情的になってしまうことは誰しもあります。怒ってしまっても自分のことを責めずに、まずはママさん自身を大切にしてみてください。しょっちゅう怒鳴り続けていなければ、子どもの脳が傷つくことはあまりないと思います。小さな“良いこと”を見つけて、たくさん褒めて、子どもの良い行動を増やしていき、怒鳴る回数を減らしていけるといいですね。監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年04月26日診断書とは?発達障害のある子どもの保育園、幼稚園、学校や受験での合理的配慮に必要?療育を受けるのに必要?診断書とは医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類です。発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)がある子どもの場合、診断書を提出することによって手帳の取得ができたり、幼稚園、学校、受験での合理的配慮を受けやすくなったりなどさまざまなメリットがあります。18歳未満の子どもの場合、発達障害の診断書が必要になるのは「精神保健福祉手帳」の取得や「特別児童扶養手当」の受給の際になります。児童福祉法に基づくサービス(療育など)の利用や、通級指導教室、特別支援学級の入級、特別支援学校への入学の際にも診断書が必要になる場合があります。合理的配慮を受けるために必ずしも診断書が必要な訳ではありませんが、学校などで合理的配慮を受ける際に診断書や病状の詳細が記載された診療情報提供書があると、どのような支援が必要になってくるのか学校側で連携しやすくなるというメリットもあります。また、「障害者差別解消法」の施行により、障害がある人が受験をする場合、個別面接、個別受験、問題文の読み上げなど負担が重すぎない範囲で配慮することが国公立の学校には義務づけられました。このような配慮を受ける場合にも、医師の診断書や診療情報提供書などを連携することがあります。参考:日本の特別支援教育の状況について|文部科学省障害者総合支援法によるさまざまな福祉サービスを受けるためには、診断書とは少し違いますが、「医師意見書」が必要になります。参考:医師意見書記載の手引き|厚生労働省発達ナビユーザーに診断書についてアンケートを取りました!学校や受験での合理的配慮、児童発達支援の利用、保育園の加配…「診断書をとったきっかけ」「診断書で変わったこと」ほか、発達障害がある子どもの保護者のリアルな声発達ナビでは2023年3月27日から4月9日の期間、で『「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!』として診断書についてのアンケートを実施しました。結果は「子どもが未就学時代に診断書を作成したことがある(36%)」「診断書を作成したことがない(34%)」と僅差で未就学時代に診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。それに続き「子どもが小学校時代に診断書を作成したことがある(21%)」という結果になり、お子さん比較的小さいころに診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!Upload By 発達障害のキホン1歳7カ月(確定診断と同時)で作成しました。公立療育に通うために、受給者証が必要だったためです。現在は診断書がなくても通えるのですが、当時(約20年前)は診断書が必要でした。(あまだれさん)療育を受けるための受給者証を取得するため作成してもらいました。(夜子さん)最初は保育園で加配の先生をつけたいから取得してほしいと言われ。今は療育に通うために使ってる会社の介護支援制度申請のため年1回取得してる。(はまこ茶さん)入学時に支援級希望しており、診断書が必要だったので。(あきっちさん)療育手帳取得のため診断書を書いてもらいました。(まろさん)未就学児時代の診断書は「療育の利用」「保育園での加配」「特別支援学級入学」などで診断書を取得される方が多いようでした。学校への対応を親だけでは学校が固くて無理だったのでぶつかるよりはとドクターの知恵をお借りしました。(梛丹さん)小2の時にいよいよ特性が目立つようになってきて、服薬治療の必要を感じたのと、次年度(小3)を支援級にするか通常級のままで行くか決めるための判断材料も欲しくて、診断を受けました。(sacchanさん)読み書きに困難さがあり、授業でのデジタル教科書の使用を学校に相談するため、診断書を書いてもらいました。(kazehimeさん)小学校時代の診断書は「通う学級の判断」や「小学校での合理的配慮」などで診断書を取得される方が多いようでした。診断書が必要になる機会がなかったので1度もないです。病院とのつながりはあるので、必要になれば書いてもらえる環境ではあります。(夢野途中さん)診断名としては聞いていますが、今のところ提出が必要なことがなかったので未作成です。4月から小学生ですが、就学支援シートに幼稚園の先生、療育の先生から対応の詳細を書いてもらい提出しました。(AAAさん)診断書を作成したことがない方の多くは「必要な機会がない」とのことでしたが、取得の環境を整えたり、診断書でなくてもお子さんの詳細を学校に提出したりなど、できる準備をしていると安心してお子さんも過ごせそうです。ここまで診断書についてのアンケート結果を発表してきましたが、ここからは気になる「診断書」についての疑問を小児科医の藤井明子先生に回答していただきます。Q:子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?発達障害などに関する診断書でしたら、診断した病院へ依頼が良いでしょう。直近に受診したことがなければ、かかりつけの小児科や児童精神科、小児神経科に依頼をしてみましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書の費用は大体どのくらいですか?同じ病名の診断書でも、費用は各病院によって違います。また、医療保険対象外になりますので、費用は全額自己負担となりますのでご注意ください。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書にはどのような情報が記載されていますか?どこに使う診断書かによって必要な情報が追加されたり、逆に不要な情報は省略されることもあります。診断書作成依頼の際に医師と相談しながら必要な情報をすり合わせられると良いですね。・園へ加配申請をする場合の記載例診断名に続き、集団生活において個別的な声掛けなどの支援を要するため、加配職員の配置が望まれる、などの所見を記載します。(ただし、診断書を出しても、加配職員が手配できない園もあるので、提出の前に園や主治医と相談しましょう)・学校へ現在通院中であることを伝える場合の記載例診断名に続き、現在の薬などの治療内容、通院頻度を記載します。Upload By 発達障害のキホンQ:子どもに発達障害があり合理的配慮を受けるために詳しく書いてほしい部分があります。医師に希望を伝えても大丈夫でしょうか?診断書は医師が問診内容や検査の結果を元にして書きます。問診外や検査外のことは書くことができないので、保護者の希望に沿えない場合もあります。発達障害の併存疾患には知的障害・てんかん・睡眠障害などがありますが、これらの合併症についての対処法などは、診断書ではなく、診療情報提供書などで情報提供を行うことが多いです。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書の作成期間は大体どのくらいですか?一部の書類は即日で作成できることもありますが、診断書の内容によっては時間がかかる場合もあります。提出期限などがある場合は余裕をもって依頼をすると安心ですね。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書を作成してもらえない場合もあるのでしょうか?また、特別児童扶養手当、精神保健福祉手帳の診断書を、該当機関に提出しても、申請が通らない場合があることも理解しておく必要があります。診断書は「現在の症状の様子」で作成をします。過去に診断や症状があった場合でも、現在症状がない場合には診断書が作れないこともありますのでご注意ください。Upload By 発達障害のキホン診断書についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月26日自閉スペクトラム症のある太郎と文字太郎は保育園時代、文字に興味を示さなかった。鉛筆を握ることも少なく、周りの園児が文字を書いていても太郎だけは書かずにウロウロしていた。保育園時代は文字を書けなくてもなんの問題もなかった。しかし小学生になると話は違ってきた。文字を覚える、書く、読む、ということが学習をするうえで大前提となった。小学1年生のとき。当時の自閉症・情緒障害特別支援学級の先生からはこう伝えられた。Upload By まゆん「太郎ちゃんはですねえ…なっかなか手強いですよ、お母さん」この言葉を言われても全然嫌味を感じなかった。私は「やっぱりそうですよねえ…」と答えた。一つの問題なら解決しやすいがそうではなかった。文字の理解、認識文字を書くという動作書きたいけど書けない葛藤、羞恥心、プライドなどの感情今振り返っても、文字を学習するうえでの問題は複合的だったし、実際にはもっと多くあったかもしれないと思っている。Upload By まゆん文字をなかなか書けない、覚えられない、ということを問題にしなくてもいいのではとも思ったが、太郎の意思は「覚えたい」の方向へ向かっていることが見ていて分かった。固まりながら、机の下に隠れながらも決して文字から逃げることはなかった。切り替えに時間はかかるが、自ら再び文字と向き合い、書くことや覚えることをあきらめなかった。家でも、「学校は楽しい」と言っていたし、行き渋りもなかった。Upload By まゆん太郎は文字を見る視点がとても細かいことが分かった。同じ「は」や「な」でも、明朝体やゴシック体など書体が異なると違うものに見えているようだった。Upload By まゆん書くことと同時に、カードを使ったクイズ方式で文字を覚えていった。先生は授業中、抜き打ちでクイズを太郎に出していた。3回正解をした文字はクリアというシステムだった。先生からは、「自宅でも、できるときに、本人のストレスにならない程度にやってみてはどうか」と伝えられていた。Upload By まゆん太郎も楽しかったのだろうか、文字をどんどん覚えていった。明朝体、ゴシック体などの書体の違いも、文字慣れしたのかスルーできるようになった。文字を覚えていくと、自然と書く方も進んでいった。ゆっくりではあるが一生懸命丁寧に一つひとつ書いていく。いまだにゆっくりと文字を書く太郎は周りから「読みやすい字だね」と言ってもらえることが多い。その後はひらがなからカタカナ、そして漢字と覚え、書くことができるようになっていった。字を覚えたあと、小学1年生の間は、私に手紙を書くことがブームになるほど文字を楽しんでいた。先生の雰囲気づくりに感銘を受けました。どうすれば太郎がストレスを感じずに、文字を覚えられるかを考え、時間をかけて寄り添ってくれた先生。本当に感謝しかありません。「手強いです」の一言からは、本気で寄り添ってくださってる優しさが伝わってきました。だから嫌味も感じなかったのだと思いました。私は社会人ですが、職場の雰囲気は働くうえで重要だと思っています。個人個人のモチベーションにも関係し、個人のモチベーションが保てると良い動きになり、結果的に良い職場になり会社としての利益につながると思っています。それくらい雰囲気づくりは重要なものだと認識してるので、当時の「クイズ方式」など楽しさを含めた指導や声かけ一つのニュアンスや口調、すべてから優しい空間がつくられていて、感銘を受けました。「なんでできないの?」と押さえつけることもなく、「どこが分からないのかな?」といつでも太郎に寄り添ってくださる姿勢に私も太郎も安心と信頼を感じることができました。先生とは、ここから3年間学校生活を共にすることになりました。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)このようなお子さんにはユニバーサルデザインの文字をおすすめしています。文字間や行間が適度でいいのです。また、縦書きよりは横書きのほうが読みやすい傾向があります。国語の教科書はほぼ縦書きですが、すべて横書きに書き換えた親御さんもいます。読めないと書けないので、まずは読む練習からでいいと思います。また、文字を図として扱っているため漢字などの書き順が曖昧なお子さんも多く見かけます。極端な場合、漢字を下から書く子もいます。できるだけ早くから正確な書き順を習慣として覚えさせることも重要かと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月21日つかまり立ちからつたい歩きに移行し、動くことが楽しくなってきた1歳ごろの娘。うまく進めず転んでしまうことを予測できたはずなのに、私は安全対策を完璧にできていませんでした。ある日、娘はテレビボードの角に向かって前から転倒してしまい、おでこがみるみる腫れあがってきて……。 つかまり立ちで手を滑らせ…娘が1歳になるころのことです。つたい歩きでリビングを盛んに動き回っていた娘。家具につかまっていた手が滑ってしりもちをついてしまったときは、泣くこともあればキャッキャと笑ってそれすらも楽しんでいる様子でした。 ある日、娘がいつものようにつたい歩きをしているのを、私は離れたところから家事をしながら見守っていました。しかし娘が手を滑らせてしまい、「あ、危ない!」と思ったのも遅く、娘はテレビボードの角めがけて前のめりに転倒! 以前は角の部分にクッション材をつけていたのですが、接着が弱くて娘が取ってはまた貼ってを繰り返し、面倒になり外れたままにしていたのです。そのことを私はひどく後悔しました。 腫れあがる娘のおでこ大泣きしている娘の姿を見て私は青ざめました。娘のおでこを確認すると、血は出ていないものの2cmほどの赤い傷ができています。出血していないので大丈夫かな?と思ったのも束の間、みるみる腫れ上がってきたのです。これは救急車を呼ぶべきか……私は悩みました。娘はその間も泣き続けていました。ひとまず氷水で傷の部分を冷やし、小児科の看護師である友人に電話で経緯を話すと、友人は傷を確認したいとのこと。私は一旦電話を切り、娘のおでこを写真に撮ってメールで送りました。 友人の神対応友人は傷を確認して、すぐに折り返し電話をくれました。救急車を呼ぶほどではないけれど、病院で診てもらったほうがいいとのこと。何科にいけばいいかわからなかったのですが、万が一縫うときのことを想定して外科と小児科のある病院をすすめてくれました。 すぐに娘を病院に連れて診察してもらい、幸い脳には影響なさそうだということがわかり、出血していないので縫うこともないと聞き、ホッとひと安心。娘は泣き疲れたようで、帰りの車ですぐに寝てしまいました。おでこの腫れは次第に引いていき、翌日には傷の赤みだけが残るような見た目になり、数日すると傷も目立たないほどよくなりました。 けがをしないようにずっと娘を近くで見張っているのは現実的に難しいです。それならば安全対策を徹底し、しっかりと対応するべきでした。娘には「ごめんね」という気持ちでいっぱいでした。救急車を呼ぶべきか、どこの診療科に行けばいいのかひとりでは判断できなかったので、すぐに対応してくれた友人に感謝しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/星田つまみ著者:樋山ゆり菜6歳男児、4歳女児の母。夫は不規則な勤務体制のためワンオペ育児多め。食べることが大好きで、地元・栃木県の食をメインとしたブログを運営しながら、飲食店にて接客のパートをしている。
2023年04月03日3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、子どもとインターネットの付き合い方について解説してもらいます。こんにちは。小児科医の保田典子です。今回は子どものインターネット利用について。5年ほど前と比べ、診察室でスマホを使って動画などを見ているお子さんがとても増えましたな、と感じています。 インターネットはとても便利なものですが、子どもへの弊害はないのでしょうか? 常識が日々変わる話題ですが、今わかっていることをまとめたいと思います。 子どものインターネット使用率、使用時間は年々増加している内閣府の調査によると低年齢層(0歳~9歳まで)の子どもの74.4%がインターネットを利⽤しているそうです。年齢が上がるとともにインターネットの利用率は高くなり、通園中(0歳〜6歳)では68.1% 、⼩学⽣(6歳〜9歳)では 90.9%がインターネットを利⽤しています。 インターネットを利⽤する機器は、テレビ(地上波、BS等は含まない)(48.1%)、⾃宅⽤のパソコンやタブレット(38.1%) 、ゲーム機(32.5%)が上位がとなっています。 未就学児のインターネット利用で最も多いのは、動画視聴です。また、インターネットを利⽤している低年齢層の⼦どもの1日の平均利⽤時間は約2時間2分、前年度と⽐べ約12分増加しており、年々増えている傾向があります。未就学児に1日5時間インターネットを使用しているという回答も8%ありました。 メディアの子どもへの影響は?メディアの子どもへの影響は、まだ理解がきちんと進んでいない側面があります。その中で、わかっていることは「2歳までの子どもはスクリーンから学べることは少ない」ということです。英語教材などにしても、2歳まではテレビからの教育効果はなく、実際の人間の教育であれば効果が認められています。 2歳までの場合2歳までの子どもに対しては、親など周りの人たちの表情などの反応によって発達が促されますが、メディアからの発達への良い影響はないようです。コロナ禍になりマスク生活になることによって、大人の表情が分からなくなったことによる0歳から2歳までの発達の影響はあるのではないかと言われています。目をみて、表情を感じて、という日常が2歳までの赤ちゃんにとって重要なようです。 3歳以降の場合3歳以降はテレビなどメディアからでも教育効果があるとされています。セサミストリートを視聴すると教育効果が上がった研究は有名です。しかし、1日起きているのは12時間から15時間程度です。そのうちの何時間もメディアに接することになってしまうと、その他必要な外遊びや人と接する機会が奪われてしまいます。 また、夕食後にスクリーンを見ていると睡眠にも影響が起きることが分かっています。適切でないメディアの使用は、子どもの運動機能、コミュニケーション能力、睡眠の質に影響を与えます。暴力的なコンテンツを見た影響で子どもが暴力的になる傾向があることも言われています。 これからもネットとの付き合い方は変わっていく今後も急速にIT環境は変化していき、仕事もパソコンに向かう仕事が急激に増えていっています。大人になってからも、ある程度は必要となるのがパソコンスキルやネットとの付き合い方です。もうネットの低年齢化も止められないと感じます。 その中で、あまり効果的ではない2歳までのネット視聴や幼稚園児以降の良いコンテンツを選んでいくことは今後も必要になってくるでしょう。まずはご自身のスマホやネットの利用状況を見直して、より子どもにも良い影響を与えていきたいものですね。 参考/令和4年度 ⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査調査結果(速報)令和5年2⽉版監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生高円寺こどもクリニック院長。3児の母。
2023年03月31日子どもを保育園に預ける親御さんが増えるこの時期、耳にする機会が多くなる「3歳児神話」。実は根拠がないって本当!? 3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、「3歳児神話」について教えてもらいました。こんにちは。小児科医の保田典子です。今回は子どもを保育園へ預ける親御さんを悩ませる「3歳児神話」について解説したいと思います。 実は「3歳児神話」に根拠はありません!「子どもが3歳になるまでは母親によって育てられるべき」という考え方から生まれた「3歳児神話」。これはイギリス出身の精神科医ボウルビィの報告書がきっかけになっています。3歳児神話が生まれた背景を遡ってみると、実は、もともとの考え方とちょっと違う解釈が広まってできた言葉のようです。 第二次世界大戦後、戦争孤児や家族から離れた経験のある子どもの多くに、精神発達に遅れが見られるという報告がありました。しかし、保護者のいない子どもが暮らす施設の環境や療育状況の改善とともにそれらが減少したため、「3歳以前の母性的養育の欠如が、発達障害の要因である」と分析され「子どもが健やかに成長するためには、3歳までに少なくとも一人の養育者との愛着関係が必要」と唱えられました。 これが「愛着理論」として広まったそうです。日本では、この母性的養育という言葉が、母親による養育として広まってしまったようです。 また、厚生白書(平成10年版)でも「3歳児神話には,少なくとも合理的な根拠は認められない」とされています。 家庭で母親と過ごした子と、共働き家庭の子に違いはある?アメリカでは1990年代に1357家族を対象として、大規模で長期的な研究が行われました。その研究結果では、母子間の愛着の質は、保育時間や保育開始時期、保育所の質によって影響を受けることはない、ということでした。 愛着の質に影響を及ぼすのは、一緒にいる時間の長さではなく、母子間の関わり方そのものだったのです。子どもの発達は、母親が働くか育児に専念するかという形だけでは、議論できないのです。 保育園に通わせた方が、言語発達が良い傾向があるとも言われています。人より早く言語発達する必要はありませんが、言語発達があると、かんしゃくなども減りやすいので、保育園のメリットもあるのではないでしょうか。 子どもの愛着形成、発達に大切なのは、母子ずっと一緒にいることではなく、母子の信頼関係を強固なものに構築することだと言えます。 保育園でも、家庭保育でも子どもとの時間を幸せなものに子どもの健やかな発達のためには、人の目を見て、表情を感じてコミュニケーションを取っていくことがとても大切です。そして「親(母)が自分にとっての安全基地で、一番応援してくれる人」であることが、子どもが生き生きと過ごせる一番大切なことでしょう。 そのためにも親の心身が健康であることが大切です。働いていても、働いていなくても、ママたちはご自身を大切にして、自分を大切にした分で子どもに笑顔を向けてあげてください。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年03月30日33歳で出産し、初めての育児がスタート。育児本や先輩ママの話を参考にしつつも、なにもかもが初めての経験で慌ただしい毎日。そんななか、予防接種で通っている小児科の先生の言葉にとても納得した私の体験談です。育児用ミルクと母乳の混合育児3,025gで生まれた息子は特出して大きいという訳ではなかったのですが、出産した産院で助産師さんに「○○さんの赤ちゃん、ミルクよく飲むわ~。昨日の夜もおかわりしたのよ!」と言われるほど、生まれてすぐからよく育児用ミルクを飲む子でした。 そのため私の母乳だけでは足りず、育児用ミルクを足して混合栄養で育てていました。 小児科の先生の言葉に、目からうろこ!息子が生後3カ月のとき、予防接種で訪れた小児科での出来事です。先生に「母乳? ミルク?」と聞かれたので、私は「混合で育てています」と返事をしました。すると先生から「赤ちゃんにあげているミルク、自分で飲んだことある?」と質問され、えっ……? 赤ちゃんのミルクを、自分で? 私は驚き、「いや……飲んだことないです」と答えました。 続けて先生は、「なんで飲まないの。赤ちゃんが毎日飲んでいるものだよ? 味を確かめなきゃ。ママがおいしいと思うものは、赤ちゃんもおいしいと感じるものだよ!」と教えてくれました。ママがおいしいと思う=赤ちゃんもおいしい! 赤ちゃん用のミルクを飲むなんて発想がなかった私は、目からうろこでした。息子は育児用ミルクをよく飲む子だったので、先生に言われるまでミルクの味のことは気にしたこともなかったのです。 いくつかの育児用ミルクを実際に飲んでみる今まで息子にあげていた育児用ミルクは、産院でも使っていたものを深く考えずそのまま与えていたものでした。手元にベビー用品を購入したときや、母親学級に参加したときにサンプルで頂いた使い切るタイプの育児用ミルクがいくつかあったので、息子にミルクを作る際に自分の分を取り分け、早速飲んでみることに。すると、スッキリとした飲み口のもの、甘みが強いもの、飲むのが苦痛に感じてしまうほどにおいが甘いものと、メーカーによって味もにおいも異なり驚きました。 もとから飲んでいた育児用ミルクを継続周りのママ友から育児用ミルクを変えると嫌がって飲まないこともある、と聞いていましたが、息子はどの育児用ミルクも嫌がらずに飲んでくれました。いくつか飲み比べた結果、結局もとから飲んでいたメーカーの育児用ミルクに落ち着きました。私自身が、その育児用ミルクが一番おいしいと感じられたためです。 先生に言われなければ、考えもしなかった育児用ミルクの飲み比べ。しかし実際にやってみて違いがわかり、息子にも安心して与えられるという気持ちが強くなりました。今は離乳食が始まっていますが、ベビーフードを与える際は自分も味見をすることを習慣にしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子著者:森まり子1歳の男の子のママで、現在妊娠中。本業は育休中で、現在は子育てをしながらライターとして活動中。主に子育て・共働きに関する体験談や、ママ向けの美容記事を執筆している。
2023年03月29日ママ小児科医の保田典子です。今回は「NGな親御さんの行動シリーズ」から、「良いおやつ」と「NGなおやつ」についてお話しします。新学年に向けて、子どもの生活習慣を見直すご家庭も多いのではないでしょうか。今回は子どもの「おやつ」について。「お菓子」ではなく「おやつ」の話です。 子どもにとっての「おやつ」とは?おやつは「補食」のことです。厚生労働省の指針でも「食事は1日3回のほかに1日1~2回の補食を必要に応じて与える」と記載があり、離乳後の子どもにはおやつが必要だと明記されています。 生まれたばかりの赤ちゃんは3時間おきの授乳が必要だったように、体も胃も小さい子どもには、1日に必要なエネルギーを3回の食事だけで摂取するのが難しいのです。補食がないと、次の食事までにエネルギーが枯渇してしまうことがあります。 また、おやつは栄養補給の観点からだけではなく、活動と活動の合間の休息や、親子のふれあいの時間としても有効です。 「NGなおやつ」のリスクとは?3歳以降のおやつの総合エネルギーは、主食の約10~15%とされていますが、近年、おやつの摂取エネルギーが1日の摂取カロリーの25%程度になり、肥満などのリスクが懸念される場合があるようです。 私が病院で診療していても、肥満や肥満傾向にある子は、食事の量が多いというより、スナック菓子やアイスなどの摂取量が多い印象があります。 おやつはあくまで食事の一部ですから、おやつとしてチョコレートやアイスなど糖分の多いお菓子や、スナック類など油脂の多いお菓子を頻繁に与えてしまうと、食事に影響するだけでなく、甘いものや塩分が強いものを好むようになるといった味覚形成にも影響を及ぼします。むし歯や肥満などの生活習慣病につながります。 親がどのように、どんなおやつを食べさせるかという療育態度が、お子さんの嗜好の形成や将来の健康に大きく影響することを知っておきましょう。 「良いおやつ」とは?授乳やミルクが終わったお子さんのおやつには、カルシウム入りのおせんべいや、鉄分入りウエハースがおすすめです。このほか、バナナやふかしいも、りんごなどの果物、ヨーグルトなどの乳製品、おせんべいなどの市販のお菓子、蒸しパンなどのおやつを、月齢にあった量で与えましょう。春は公園遊びの合間にレジャーシートを広げて、鮭おにぎりやおやきなどを食べたりするの良いですね。 ◇◇◇ 乳幼児期は規則正しい食習慣を身につけて、生活リズムをつくっていく大切な時期です。おやつの時間を利用して、生活リズムと食事習慣を作りましょう。おやつも大事な食事の一部です。ながら食べをしない、ダラダラ食べない、立って食べたりしないなど、食事の基本的なルールを再認識できる場にもなるといいですね。 食事のバランスは1食だけで見るのではなく、1日や数日単位で見て、つじつま合わせしていけると親御さんの気持ちもラクになりますよ。 参考(※1)消費者庁「窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください!」(令和2年9月4日)(※2)東京消防庁「住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する事故に注意!」 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生高円寺こどもクリニック院長。3児の母。
2023年03月25日娘は言葉が遅い?…でも1人目が未だに喋らないので「普通」が分からないUpload By べっこうあめアマミ娘の発達に関しては、これまで特に健診等で問題を指摘されたことはありませんでした。1歳から保育園に通っていましたが、4歳の今まで、園側からも何か娘の発達について指摘されたり、療育を勧められたりしたことはありません。しかし、私は上の子どもに重度知的障害があることから、いわゆる「普通の子どもの成長」がいまいち分からず、娘の発達が本当に問題なく進んでいるのか、ずっと心配でした。私が娘の発達で何に一番ひっかかっていたかというと、言葉の発達が遅いことでした。娘は、身体の発達状況は定型発達の範囲内で、対人関係でも気になる点はなく、これといった問題行動もありません。成長していくにつれ、身の周りのことも人並みに自分でできるようになっていきましたし、息子と比べると、驚くほど成長が早いようにも思えました。しかし、唯一言葉の発達においては、同年齢の子どもたちよりぎこちない気がしていました。そして、それを決定的に感じる出来事があったのです。これはなんとかしてあげたい...!娘を療育につなげたいと思ったきっかけUpload By べっこうあめアマミ娘が2歳のある日、保育園にお迎えにいくと、玄関で娘のクラスのお友だち数人と一緒になりました。人懐っこい娘はお友だちに何か話しかけていましたが、話しかけた女の子にバッサリと「〇〇ちゃん、なにいってるかわかんない!」と言われてしまったのです。正直、娘が何を言いたかったのかは私にも分かりませんでした。私が分からないということは、2歳の女の子にも分からなくて当然です。しかし、女の子に言われた言葉を受け、しゅんと下を向いて静かになってしまった娘を見て、私はいたたまれない気持ちになりました。このことがあって、やはり娘の言葉の力をもう少し底上げして、お友だちとスムーズにコミュニケーションがとれるようにしてあげたい。娘がこんな風に悲しい思いをしなくてすむように、なんとかしてあげたいと思うようになりました。こんなとき、私の頭にパッと浮かぶのは、息子が通っていた発達支援センターです。発達支援センターは私にとって馴染みの場所だったので、先生たちも娘のことは赤ちゃんのころから「妹ちゃん」としてよく知ってくれていました。こうして私は発達支援センターに相談し、それからは娘のことで時々通うようになりました。かつて息子が通った療育施設、でも娘と息子で療育内容は全然違うUpload By べっこうあめアマミ娘は最初の1年間は、年齢や必要度などの関係から集団療育は勧められず、発達相談と個別療育での対応となりました。数ヶ月に一度発達支援センターに行き、先生に娘の様子を見てもらいながら一対一でいくつかの課題をして、最後にその日の振り返りの面談をします。その中で、やはり娘は言葉以外の日常生活のことはちゃんとできているけれど、実年齢に比べて言葉の面で遅れがみられるため、丁寧に見ていったほうがいいと言われました。具体的には・語彙が少なく、ものの名前の認識が弱いので「これ」「それ」などの便利な言葉を使いがち・言葉を違う意味で捉えていたときに修正するのが難しく、何度も伝える必要がある・数字は言えるけれど、概念としての把握はできていないなどの課題が挙げられました。これらの課題を克服していくために、年少になる次の1年はもう少し頻度が多い、月2回の集団療育に通うことになったのです。ここで、息子の療育を振り返ってみます。息子の場合は、後に重度知的障害と診断されるほど明らかな発達の遅れがあったので、療育の主な目的は身辺自立でした。必然的に療育の頻度も多く、週の半分くらいは通いました。療育の内容も、言葉を交わさなくても気持ちを伝えられることや、身辺の自立を生活の中で少しずつ進めていくことが主な目的で、発語がないお子さんも多かったです。幼稚園や保育園には通っていないお子さんもいましたし、子どもたちにとって安心できる居場所としての意味合いも大きかったように思います。対して娘の療育のクラスは頻度も少なく、あくまで生活の中心は保育園でした。保育園では学びきれないことを補う形の、お勉強や習い事に近い療育だったように思います。娘の集団療育のクラスに通うお子さんはみんな、ぎこちなさがあっても話すことができましたし、机を前に椅子に座って課題に取り組んだり、集団でルールのある遊びをしたりしていました。娘と息子、2人の療育を見てきて、ひとことで「療育」といっても本当に幅広いと感じたものです。1年が経ち、目覚ましい成長を見せた娘、療育は卒業?Upload By べっこうあめアマミ今、娘は4歳となり、この春には年中になります。1年間の集団療育を経て、大きな成長が見られました。まず、この1年でたくさんの言葉を覚え、一気に語彙が増えました。時々「そんな言葉どこで覚えたんだろう?」と思うほどです。これまで勘違いして捉えていたと思われる物の名前や言葉の意味も、かなり修正されていったように思います。そして、以前はただ数字を唱えられるだけだったのが、小さい数字なら量の把握ができるようになりました。ごはんのおかわりなどを「1たべたい」「2ほしい」などと量を指定して求めたり、みかんを1房ずつはがしてテーブルに並べ、1つずつ数えて「ぜんぶで10こ!」などと教えてくれるようになりました。このように、数字や言葉の概念の把握が進んだことで、娘との会話が成立しやすくなったと感じています。今でも会話の中で、伝えたいことがはっきり分からないことは多々ありますが、1年前と比べると確実にステップアップしていると思います。言葉が上手に扱えるようになって、お友だちのことも家でよく話してくれるようになりました。保育園生活にプラスし、細かい専門的な指導を療育で補えたことで、めざましく成長できたのかなと思います。療育のハードルはそんなに高くない、「ちょっと気になる」くらいの子どもこそ飛び込んでみては?療育になんとなく抵抗がある人の中には、「一度療育の世界に入ったらやめられない」と思う人もいるかもしれません。でも、娘はこの1年間の成長を受け、来年度は今の療育とは別の形での支援を勧められています。今より頻度を抑えた、数ヶ月に1度の発達相談と個別療育のスタイルに戻り、もっと保育園中心の生活にしていくことを提案されています。娘の今後はまだ分かりませんが、このような形で徐々に療育を卒業していく人だってたくさんいると思います。療育にはさまざまな種類がありますし、障害の有無だけで必要か不要かを判断できるものでもありません。そして、重度の障害がある息子と、障害というわけでもないけれど発達の遅れがあった娘、2人を療育に通わせて思うのは、娘のような「ちょっと気になる」くらいの子どものほうが効果が見えやすいということでした。どちらも確実に成長はしていますが、もともとの成長速度のベースが早い分、娘の成長のほうが分かりやすかったように感じます。療育はどこも待機が多く、必ずしも入れるとは限りませんが、あまりハードルを高く考えず、ちょっとでも気になることがあれば飛び込んでみるのもいいかもしれません。執筆/べっこうあめアマミ(監修:鈴木先生より)療育とは、「心と科学」です。優しい心で接してあげて最新の正しい知識を持った人々が担当するので、安心してお子さんを預けることができるのです。障がいの有無にとらわれず、困ったことがあれば遠慮なく利用したほうがいいと思います。それと同時にかかりつけの小児科医にも相談するのがいいでしょう。何かの病気が隠れていて言葉が遅れている可能性もあるからです。発熱などで混んでいる小児科外来で気軽に相談するのは難しいかもしれませんが、知識のある先生ほどきちんと話を聴いてくれます。障がいのあるお子さんだけでなく、そのご家族やきょうだい児の事情も気遣って日々診療したいと心がけています。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月24日こんにちは、3人子育て中の小児科医保田典子です。今回は血液型の話。幼稚園の入園書類などに血液型を書く欄があることがあります。どうしても欄があると「書いて出さなきゃ」と思いますが、実は書く必要はありません。その理由はなんでしょうか。血液型を調べなくていい理由私が生まれたときは、産院で血液型を調べてもらいました(40年以上前!)。私が医師になった20年くらい前は、まだ一部の産院で血液型を調べていたところもありましたが、今はほとんど調べていません。その理由としては……。 血液型を調べるメリットがない血液型を知る必要があるのは、輸血が必要になったときなど、特殊な医療のときのみだけです。以前(といっても私が医師になる前なので定かではありませんが)は緊急輸血などに対応するため調べていたという側面があるようですが、緊急輸血に対応するために調べる必要はないです。輸血が必要なときは必ず病院で血液型を調べます。 また、昔の映画にあったような「私の血を使ってください……! 血液型が一緒なんです」というのも絶対におこないません。採血したばかりの新鮮血は輸血のときに副作用を起こしやすいからです。 新生児期の血液型は間違っていることがある生まれたばかりの赤ちゃんは、ママから「免疫グロブリン」という抗体をもらっています。これは病気に対する抗体も含まれており、体を守るために必須なのですが、血液型検査はこの抗体を見ます。 つまり、ママの血液型と間違えてしまうことがあるのです。このママの抗体が完全に消えるまでに1年くらいかかることもあると言われています。 このような理由のため、大人になるまで血液型を知らない人もたくさんいます。 採血をするとき、自費で血液型を調べることもできます一生血液型を知ることなく過ごす人もいますので、血液型検査は基本的には不要なのですが、それでも知りたい、という方もいるかと思います。 私も「血液型●型な性格だよね!」的な話がしたくて知りたいな、と思ってしまいます(血液型と性格は医学的には根拠がないと言われています)。 そのようなときは、アレルギーや病気の検査で採血が必要になったら医師に相談して検査をしてもらうことが可能です。自費で検査することになることがほとんどだと思いますが、3,000円前後でできることが多いようです。 とはいえ、血液型の検査は採血が必要なため、痛みを伴います。不必要な検査のために子どもが嫌がることをするのは良くないのではないか、と私は考えています。 今、書類で血液型があっても空欄のままで提出して問題ありません。「書いて出さなきゃ」と思わなくて大丈夫。安心してくださいね。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生高円寺こどもクリニック院長。3児の母。
2023年03月21日もうすぐ年長なのに…自閉スペクトラム症(ASD)と知的発達症のある子ども発達障害の専門家が出会った子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。みなさんは音楽療法やホースセラピーをご存じでしょうか。今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と知的障害のある子どものエピソードをお届けします。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談解説:医療と連携した療育の重要性、音楽療法とホースセラピー(乗馬療法)今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と知的発達症のある子どもの癇癪やパニック、人に向かって物を投げるなどの他害、発語や身辺自立に悩む保護者の視点でお届けしました。知的発達症のある子どもは、赤ちゃんのころから筋肉の緊張が弱い「低緊張」が多く見られます。神経発達症(発達障がい)や知的発達症がある子どもを、療育に通わせている保護者の方も多くいらっしゃることと思います。大切なのは、医療と連携した療育を行い、定期的な診察を行って療育の効果を確認することです。同時に、私たち医師や療育に携わる人たちは、お互いに連携し合い、最新の知識を取り入れることが大切です。今回ご紹介した音楽療法やホースセラピーの期待される主な効果は次のとおりです。音楽療法・情緒の安定や自己コントロールを促す・コミュニケーションやソーシャルスキルトレーニングになる・「音楽が終わったらやめようね」という声がけで「時間の感覚」や「切り替え」を身につけることにより、癇癪や人に向かって物を投げるなどの他害行動を抑える・片足立ちや平均台を歩くことで小脳を鍛えてバランスのいい姿勢がとれるようになる・小脳を鍛えることでADHD(注意欠如・多動症)の症状改善にアプローチできるホースセラピー(乗馬療法)・人と馬が一体となって、馬の気持ちも考えて乗馬することで相手の気持ちを考えられるようになる・脳性麻痺やフロッピーインファント(※)の子どもも両側で支えながら乗馬することで、骨盤や体幹のバランスを鍛え良い姿勢がとれるようになる(※)筋緊張低下により、抱いたときにグニャグニャする乳児の総称
2023年03月21日当時3歳の長男を連れて、1週間ほど私の実家へ帰省したときのことです。症状が治まっていたので、長男の亀頭包皮炎(きとうほうひえん)のために処方されていた塗り薬を持って行かなかった私。帰省先の病院で、長男に衝撃の体験をさせてしまいました。 亀頭包皮炎の薬を処方してもらう6月のある日、3歳になる長男が「おしっこをするとちんちんが痛い」と言い始めたため、かかりつけの病院へ。性器の先が少し腫れており、亀頭包皮炎との診断。塗り薬を処方されました。 再発した場合はこの薬を都度塗ればいいとのこと。医師の指示通りよく洗い、薬を塗りました。受診の翌日にはもう痛みはなくなり、赤みも引いたため、私は数日後には亀頭包皮炎のことは忘れてしまっていました。 帰省中に再発し、休日診療所へその年のお盆、私と長男は実家へ帰省することに。解熱剤などの常備薬は準備したのですが、亀頭包皮炎の薬のことはすっかり頭になく、荷物の中に入れていませんでした。 帰省した翌日、「ちんちんが痛い」と言い始めた長男。6月と同じ状況で性器が少し赤くなっていましたが、トイレにはいつも通り行ける程度。薬を塗ればすぐ治ると思い、私は泌尿器科か小児科を探しました。でも実家周辺では、お盆期間はどこも休診。休日診療所に行くことになりました。 衝撃の処置に号泣内科兼小児科の担当は高齢の男性医師。長男の性器を見るや否や、「これは皮をむかないと」と皮をひっぱったのです。長男は突然の痛みに叫び声を上げ、号泣。私は急展開に驚き「痛そうなので薬をください」と言うことしかできませんでした。医師は処置後に「亀頭包皮炎だね。むいたからもう大丈夫」と説明してくれましたが、私は不安でいっぱい。 痛みは治まらず、長男は翌日までトイレに行けない状況でした。すぐにかかりつけ医に見てもらいたい気持ちでしたが、新幹線で2時間の場所なので無理。実家近くの救急病院に行こうと考え始めたときに、やっと長男はおしっこができるようになりました。 その後、亀頭包皮炎は再発していません。的確な処置に感謝しています。でも泣き叫ぶ長男の姿や、受診後の不安な気持ちを忘れられません。この出来事以来、帰省の際はあらゆる可能性を考えて持ち物を準備しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~5歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/まっふ著者:土田えり子2人の男児の母。元記者で、現在はフリーランスとして企業のリリース記事や、自身の子育て体験談などを執筆中。
2023年03月21日息子が生後1カ月を過ぎたころ突然下痢と嘔吐が始まり、2カ所の小児科での受診を経て、3週間の母子分離での入院を経験しました。初めての育児で不安だった母子分離での入院と、息子が入院した原因についてお話しします。 突然の下痢と嘔吐冬生まれの息子は出生時から特に大きな病気もなく、すくすくと成長していました。生後1カ月を過ぎ外出するようになってきたころ、授乳中に突然の嘔吐……そして頻回の下痢をするようになり、慌てて小児科を受診しました。訪れた近所の小児科では熱もないからと整腸剤のみの処方をされ帰宅しました。 しかし、授乳も受け付けないほどぐったりとした息子の姿に不安が募り、翌日に総合病院を受診。体力も落ち、脱水症状を起こしていると診断され入院することになりました。 3週間の母子分離生活入院手続きを済ませてすぐに、医師から息子が発熱をしたと連絡をもらいました。生後1カ月での発熱は大きな病気が原因の可能性もあると説明を受け、検査を含めた入院生活を送ることになりました。その病院は母子分離での入院となり、面会時間は1日3時間程度。 産後の体力や精神面もまだ回復していなかった私にとって、息子と離れる生活に涙が止まらず、当時は面会の時間以外、弱音ばかりを吐いていました。息子がこうなってしまったのは自分のせいかもしれないと自らを責め、分泌が減ってしまった母乳や生理の再開などの体の変化にも落ち込む日々でした。 落ち込む私を支えてくれたのは…そんな私のことを支えてくれたのは、小児科病棟の看護師さんでした。搾乳の量が減ってしまったと話したときは、分泌を増やすマッサージなどをすすめてくれたり、息子と会えない時間の様子を手紙に書いてくれたりと「お母さんのせいじゃない! 息子くんもすごく頑張っているよ」と励ましてくれたのです。 幸いにも大きな病気は見つからず、下痢などの症状は胃腸炎と診断されました。3週間の母子分離での入院生活を終え、息子が退院。退院日は私の誕生日で、息子が元気に帰ってこられたことが最高の誕生日プレゼントでした。 初めての育児と子どもの異変、戸惑い不安になりながらも乗り越えることができた経験でした。一番つらかったのは息子だとわかっていても、自分の弱さを実感し、周りの支えで乗り越えることができたことへの感謝は一生かけても忘れないと思います。母親として自分自身もっと強くなろうと思えた体験でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/まっふ著者:伊藤 美里3歳の男児の母。多忙な夫との3人家族で、ほぼワンオペ育児を楽しんでいる。料理と子どもが好きで、食に関する情報や自身の子育て経験を中心に執筆活動中。
2023年03月16日育園でいびきを指摘され、初めて異常だと気付いた咲花さん。注意して観察するようにしたところ、夜寝ているときのいびきが悪化したはるくん。そこで、いつもの小児科ではなく、初めて耳鼻科を受診しました。泣き叫ぶはるくんを羽交い締めし、鼻にスコープを入れて診てもらうと、鼻の道を塞ぐ、大きなアデノイドがありました。※アデノイドとはリンパ組織のかたまりのこと。鼻の一番奥の突き当たり、喉との間の部分である上咽頭にあります。 耳鼻科へ行くことに気付いたはるくんは…? 耳鼻科の先生からは「扁桃腺は大中小のうちの中、アデノイドは大です。まぁしばらく様子を見ましょう」「手術しないと治らないものですが、風邪などのときに悪化させないためにも毎週受診していただき、消毒などの処置をすることをおすすめします」と告げられました。 しかし、通い始めてしばらくすると…… 「じびかっ行かない!」まだ2歳と小さいはるくんは痛みや恐怖に耐えられず、耳鼻科へ行かない宣言! 「はるくん〜耳鼻科に行ってお鼻よくしてもらおう?」と咲花さんが諭しますが、「いやなのっ!」と、はるくんは断固拒否! しかし、行かないわけにもいかず、とりあえず車へ乗り込み……出発! はるくんへ何も言わずに着いた先はもちろん耳鼻科。 また大泣きして耳鼻科の受診を嫌がるはるくんなのでした……。 監修/助産師 松田玲子著者:マンガ家・イラストレーター 咲花
2023年03月11日3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、子どもの自己肯定感を上げる方法について、教えてもらいました。こんにちは。小児科医の保田典子です。ちょっとした親の言動で子どもの脳が傷つけられるというデータが出てきています。子どもには前向きに、自分の能力や才能をいかんなく発揮してくれる子になってほしいですよね。 子どもたちを褒めることで、自己肯定感を育むことができます。今回はその方法についてお話したいと思います。 そもそも「叱る」と「怒る」は違う「叱る」というのは、冷静に話して言い聞かせることを言います。「怒鳴る」というのは、「自分は怒っている」という感情を子どもにぶつけている状態のことを指します。 その場の感情をぶつけてしまうと、子どもは怒られた内容(何が悪かったのか)よりも、「怒られた! ママが怖かった!」という気持ちが先にたってしまい、結局言い聞かせたいことがかえって伝わらなかったりします。 感情的になって子どもに怒鳴り続けると、子どもは次第に「何をやってもママは怒る」「自分は何もできない」と覚えてしまいます。何をしても過激に怒鳴られると、常に大人の顔色を見て動くようになり、子どもの自由さ、豊かな発想は潰されてしまいます。 すると自己肯定感は低くなり、子どもにとって悪影響を及ぼすのです。頻繁に怒鳴られると、子どもの脳が傷つくという研究結果もあります。 ポジティブな声掛けや褒めることで、自己肯定感を育てようここ何十年かの研究で、「怒られるから〇〇をする」という、嫌なことを回避するための行動より、「うれしいから、やりたいから〇〇をする」という行動の方が長続きして効果的である、とわかってきています。前向きに良い行動ができるようになるためのには、ポジティブな声かけがおすすめです。 ポジティブ声掛けのコツ1:スモールステップで褒めるまずは、褒める回数を増やして、たくさん褒めましょう!親御さんたちは、ついつい「全部できたこと」を褒めがちなのですが、やってほしいことを細分化して、こまめに褒めるのがコツです。片づけが全部終わった後に「お片付けできてえらいね」ではなく、片付けをするそれまでの過程一つ一つを褒めてみてください。 例えば、お片づけをしてほしい場合、お片づけをしようと動き出したときに1回褒める、実際に片づけの行動をしはじめた時にまた褒める、片づけの方法を自分で試行錯誤してやっていたらまた褒める……などです。1回のタスクで5~10回褒めるのを最終目標にしましょう。 ポジティブ声掛けのコツ2:笑顔で大げさに褒めるマスク時代になってしまって、人前で顔を見せることが少なくなりましたが、子どもにとって大人の表情を見て会話をすることは、発達の上でとても大事です。親が自分の行動で喜んでいるかどうかを表情で敏感に感じます。ぜひ、良いことをしたら笑顔で、大げさに褒めてあげてください。 たくさん褒めてあげましょう!子育ては、「叱らない」「指導しない」ことが大切なわけではありません。良くない言動は適切に叱って、良い行動はしっかり褒める。これを繰り返していれば、きっとお子さんの良い行動が引き出されるはずです。なかなか地道な作業ですが、コツコツ積み重ねていければいいなと思います。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年02月26日3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、子どもを怒ってはいけないワケをお聞きしました。こんにちは。小児科医の保田典子です。ちょっとした親の言動で子どもの脳が傷つけられるというデータが出てきています。子どもには前向きに、自分の能力や才能をいかんなく発揮してくれる子になってほしいですよね。怒ってしまってはNGな理由とポジティブ声かけのコツをお伝えします! 「叱る」と「怒る」は違います「叱る」というのは、冷静に話して言い聞かせることを言います。「怒鳴る」というのは、「自分は怒っている」という感情を子どもにぶつけている状態のことを指します。 その場の感情をぶつけてしまうと、子どもは怒られた内容(何が悪かったのか)よりも、「怒られた! ママが怖かった!」という気持ちが先にたってしまい、結局言い聞かせたいことがかえって伝わらなかったりします。 感情的になって子どもに怒鳴り続けると、子どもは次第に「何をやってもママは怒る」「自分は何もできない」と覚えてしまいます。何をしても過激に怒鳴られると、常に大人の顔色を見て動くようになり、子どもの自由さ、豊かな発想は潰されてしまいます。 すると自己肯定感は低くなり、子どもにとって悪影響を及ぼすのです。頻繁に怒鳴られると、子どもの脳が傷つくという研究結果もあります。ネガティブな言葉や怒鳴り声は悪影響!NG行為2つNG行為1:感情的になって叱り続ける日本小児科学会によると、虐待を受けた子どもの脳は神経生物学的な反応が起こり、神経の発達に不可逆的な影響を及ぼすそうです。 その結果、子どもは怒りや恐怖などの感情をコントロールすることができず、衝動的・攻撃的な行動をとるようになってしまうという悪影響があります。感情的に怒ったり、大声で怒鳴り続けると、将来人間関係築くことが難しくなってしまう恐れもあります。自己肯定感も低いまま成長してしまうと、「自分は愛される価値のないダメな人間だ」と自信のない子に育ってしまうかもしれません。 NG行為2:ネガティブな言葉をぶつける「身体の暴力」よりも「言葉の暴力」のほうが脳のダメージが大きいと言われています。「あなたは本当にダメな子ね」「悪い子ね」などと否定語ばかりを投げかけられて育った子どもは、やる気が育たないため、すぐに諦める子になってしまう恐れがあります。その結果、無気力が続き、学習困難や学力低下につながることも。ネガティブな言葉を子どもに言い続けてしまわないよう、親御さんは気をつけましょう。 適切に、適度に叱って、たくさん褒めてあげて子育ては、「叱らない」「指導しない」ことが大切なわけではありません。きちんと守るべきところは「適切に叱って」、良い行動は「本当に親が喜んで褒めて」を繰り返して、お子さんの良い行動が引き出されるはずです。なかなか地道な作業ですが、コツコツ積み重ねていければいいなと思います。監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生高円寺こどもクリニック院長。3児の母。
2023年02月25日「頭が大きい?」1歳半健診で指摘されて…Upload By べっこうあめアマミ妊娠中から出産時まで、何の異常もなくこの世に生まれた息子は、1歳までは何の発達の遅れも不安もなく、すくすく成長していきました。「あれ?」と思ったのは1歳を過ぎたころ。1歳半健診のチェック項目のほとんどに〇がつかないという事態に陥りました。そしてこのころから息子の発達の遅れが目立つようになっていき、私は大きな不安にかられるようになっていきました。そして迎えた1歳半健診。身体面に異常はなく、分かりやすい困りごともないけれど、明らかな発達の遅れがある息子。そして、頭位(頭の大きさ)が大きいことが気になるという指摘を受けたのです。そこで初めて聞いたのが、「水頭症の可能性」でした。水頭症は、脳脊髄液が頭の内側に過剰に溜まってしまう病気です。まだ頭蓋骨がやわらかく組み合わさっている状態の幼児期に水頭症があるお子さんは、内側からの圧力で頭蓋骨が押し広げられ、頭が大きくなるそうです。ただ、あくまで可能性というだけで、検査しなければ分からないとのことだったので、1歳児の脳のMRI検査ができる大きな病院に紹介状を書いてもらうことになりました。発達の遅れの理由は、発達障害や知的障害だけではないUpload By べっこうあめアマミ大人ならすぐに済ませられるMRI検査ですが、ずっと動きを止めていられない1歳児が受けるとなるとそうはいきません。親子で日帰り入院し、息子が自然に眠っているときか、眠らなければ薬で眠らせて検査する、少し大がかりな検査になります。当日うまく寝てくれるように睡眠時間を少なめにして連れて行ったため、息子は不機嫌で何度も大泣きしました。しかし幸い疲れて寝てしまい、無事に検査を受けることができました。そして検査の結果は異常なし。ここで、息子の発達の遅れの理由から、「水頭症」の可能性が消えました。しかし、発達の遅れの理由として考えられるものは、それだけではありません。耳が聞こえていなくてコミュニケーションがとれない可能性もありますし、主治医はほかの病気の可能性も考えてくれていたようです。脳のMRIのほかに、聞こえの検査と、全身の代謝の検査などをしました。しかしどの検査でも、息子に異常は見つかりませんでした。それでも目の前にいる息子には明らかな発達の遅れがある。そのため、息子の通院は、ここから「様子見」というような形で始まりました。ショックだけれど納得もできた、障害の診断Upload By べっこうあめアマミそれから2年と少し経った4歳のとき、息子に知的障害を伴う自閉スペクトラム症の診断が出ました。そのころには私もさすがに、「何もないということはないだろう」とは思っていましたが、いざ診断を告げられると大きなショックを受けました。何度も泣きましたし、すぐに障害を受容できたわけでもありません。しかし、2年間という長い期間息子を診続けてくれた主治医による診断であること。そして、発達障害や知的障害以外のあらゆる可能性を潰した上での診断ということで、障害名に対しての納得感はありました。もちろん、診断の直接的な材料となったのは発達検査です。しかし、最初から発達障害、知的障害という方向だけで発達の遅れを見る前に、それ以外の病気や聞こえの問題などがないか検査するのは大切なことだと思ったのです。万が一、治療可能な病気などがあったとしたら、早期に手を打たなかったことを後悔したでしょう。ところが息子の場合、身体のどこにも異常はないから治療はできない。それが息子の障害、「知的障害を伴う自閉症」だということに、大きなショックの中でも納得はできました。病院だけでなく、息子は2歳から療育にも通っていましたし、「診断までにやれることはやった感」が、後の私の心の整理には大事だったと思います。通い続けて6年、長く診てもらっている病院がある安心感Upload By べっこうあめアマミ息子のように、服薬がなく身体障害や病気などもないお子さんは、病院にかかるべき明確な理由がないかもしれません。もちろん、必要性がなければ特に通院しなくても全く問題ありません。しかし、息子のように発語がなくて、本人との意思疎通が難しい子どもの場合、定期的に通う病院があると、体調の変化なども相談できて親としては安心です。今後何か病気が見つかったり、服薬の必要性が出てきたときにも病院探しに困らずにすみます。そして、障害がある子どもを育てていると、何かと診断書が必要になる機会がありますが、かかりつけ医があると、診断書のお願いもスムーズです。息子の通院の期間は長いですが、頻度は3、4ヶ月に1回程度です。そんなに低頻度の通院に意味はあるのかと思われるかもしれませんが、長く通い続けている病院は、親にとって頼りになる存在です。きっかけがないとなかなか難しいかもしれませんが、子育てをする上でかかりつけ医があるメリットは大きいと感じています。病院も、できれば自分の子どもと同じような障害がある子どもが多く通っていて、さまざまな検査が可能な設備が整った病院が安心かもしれません。きっかけが脳の検査だったこともあり、息子が通っているのは精神科ではありませんが、発達障害による困りごとをより具体的に相談したい場合、児童精神科を受診するのも良いと思います。地域ごとに評判の良い病院などもあると思いますので、気になる方は、情報を集めて受診してみるのもいいかもしれません。執筆/べっこうあめアマミ(監修:藤井先生より)べっこうあめアマミさんの息子さんが、3−4ヶ月に1回定期的に通院しているのはとても良いと思います。私の勤めているクリニックにも、服薬などは必要ないけれど定期的に通院しているお子さんがたくさんいます。状態が安定している小学生や中学生は、長期休みに受診してくれています。そのたびに、お子さんの成長を一緒に楽しみ喜んでいます。当初はクリニックの診察室に入るのも嫌がっていたお子さんが、診察室に入れるようになり、一人で椅子に座れるように、聴診器も嫌がらずに当てられるようになり、と低頻度の受診でも徐々に慣れてきます。年度変わりで、学校の先生が変わっても、いつもと同じ病院やクリニックに同じ先生やスタッフがいるということで、安心して通えるというお声を聞くこともあります。お子さんの年齢が上がってくると、主治医が見つからないという声を聞くこともあります。べっこうあめアマミさんのように小児神経科に相談するのも良いですが、発達外来のある小児科、児童精神科、精神科などに相談してみましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年02月23日子どもの寝つきが悪い…これって睡眠障害?睡眠にまつわるギモン自閉スペクトラム症やADHDなどの発達障害がある場合、睡眠障害を併存していることがあります。睡眠の問題の背景には、何かしらの障害が関係していることがありますが、睡眠の相談を医療機関ですることを知らず、長年悩みを抱えてしまう方もいるという現状があります。発達ナビQ&Aコーナーでも、子どもの睡眠に関する心配や、睡眠障害へのギモンが数多く寄せられています。「赤ちゃんのときから寝つきが悪く、朝起きられません。来年には中学生になりますが、どのようにサポートしたらいいでしょうか」「5歳すぎてもまとまって寝ないのは、発達障害が関係しているのでしょうか」「みなさんは眠れていますか?眠れないときはどうしたらいいのでしょうか」「日中に寝てばかりの息子がいます。服薬をしていますが効果がありません」これらは、発達ナビのQ&Aコーナーに実際に書き込まれた、睡眠にまつわる悩みです。このコラムでは、睡眠のなぜ?から、発達障害と睡眠障害の関わり、服薬についてなど、体験談や、専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。睡眠障害とは、眠りに何らかの問題がある状態のことをいいます。子どもの睡眠障害にはいくつか種類があります。・不眠症…寝つきが悪い、眠りが浅く途中で何度も目が覚めてしまう、朝早く起きてしまう、眠りの質が悪いなど、睡眠が十分でない状態・過眠症…夜ちゃんと寝ているはずなのに、日中あらがえないほど眠い状態・概日リズム睡眠障害…昼夜のリズムと体内時計がうまく合わず、調節できなくなって睡眠リズムがくずれてしまい、社会生活に支障をきたす状態・いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)…子どもの場合、いびき、無呼吸の主な原因は、鼻づまりやアデノイド・口蓋扁桃(こうがいへんとう)といったのどや鼻の奥のリンパ組織の肥大で、物理的に気道が狭まること。また、肥満で気道が狭くなることも・むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)…脚などの下肢がむずむずするなど動かしたい強い衝動がある状態・睡眠関連律動性運動異常症…乳幼児期から4歳くらいまでの時期で発症する睡眠障害。頭を左右に振ったり、前後に強く動かすなどする。9ヶ月の子どもでは59%に見られるほど、乳児期には非常に多い症状だが、5歳前後には5%以下に・睡眠時随伴症…睡眠中に生じるねぼけ、夜尿、歯ぎしり、悪夢などの身体的現象の総称子どもは、新生児期には昼夜を問わず短い睡眠・覚醒を繰り返しますが、乳児期から夜間睡眠が中心になり、3歳から6歳になるころには昼寝をとらなくなるなど睡眠リズムが徐々に確立していきます。赤ちゃんの眠りはまだ眠りが浅く、夜泣きをすることも多くあります。幼児期(3歳から6 歳ごろ)までに浅い眠りと深い眠りのサイクルが大人と同様のリズムに移行していきます。そのため、幼児期になっても睡眠に何らかの問題がある場合、改善の必要があるといえます。発達障害と睡眠障害の関連は?睡眠障害は、発達障害の併存症として認められることが多いといわれています。睡眠障害が発達障害を引き起こすという意味ではありませんが、発達障害の特性により、睡眠になんらかの問題が出てしまうことが主な原因です。乳幼児期の睡眠は脳の発育にも関わるため、睡眠障害が長引くこと自体が睡眠不足や生活リズムが乱れて悪循環を生み、子どもの心身の発育に影響している可能性も否定できません。自閉スペクトラム症がある子どもは音や光などに対する感覚が過敏なため、覚醒しやすいといわれています。また、睡眠に関係するメラトニン生成や、セロトニンからメラトニンにいたる代謝経路の障害が関係しているのではないかと考えられています。そのため、自閉スペクトラム症のある子どもの睡眠の問題には、なかなか寝つけない、入眠することができない、 夜中に起きて騒いでしまう、ちょっとしたことで起きてしまうなどが多くあります。ADHDの特徴には不注意・多動性・衝動性があります。ある調査ではADHDのある子どもの入床への抵抗、入眠の困難、中途覚醒、起床の困難、日中の過剰な眠気がある子どもが多い傾向があるという結果があります。また、ADHDのある人の脳には脳内の神経伝達物質であるセロトニンに偏りが生じているともいわれています。そのため、セロトニンを原料としてつくられるメラトニンという体内時計をコントロールするホルモンにも偏りがでてしまうため、不眠や概日リズム睡眠障害に陥りやすいのではないかと考えられています。参考:子どもの睡眠亀井雄一、岩垂喜貴 |保健医療科学2012 Vol.61 No.1 p.11-17Q:来月から6年生になる男の子の母です。ADHDの子は寝ない子・寝付きが悪い子が多いと言われていますが例にもれずうちも小さい頃から寝付きが非常に悪く、そして寝ると朝本当に起きられません少し前までおやすみをした後隠れてタブレットで動画見てたりしていたので没収しました・・・携帯は夜間ロックをかけています。普段は自分の携帯のアラームをかけさせていますが、全く起きず叩いても起きず、ベッドから引きずり降ろしてようやく起きます体も大きくなってきたので正直この起こし方が最近本当に大変です・・・。(中略)同じようなお子さんお持ちの親御さん、どのような対策とられてますか?病院にかかってみた方がいいのかな?と思ったこともありますこちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A:息子もADHDとASDです。赤ちゃん時代は、眠りが浅い子でした。幼少期も夜驚や寝言が多かったです。それほど深刻には考えていなかったのですが、高学年になっても寝相がかなり悪く、主治医に相談し、メラトベルと言う睡眠ホルモンの薬を試してみました。(中略)朝起きられない問題は、コロナ禍で生活リズムが不規則になった頃からです。やはり、就寝前の電子機器の使用で就寝時間は徐々に遅くなり、22時半頃になることもあります。朝は休日でも8時起床にしていますが、息子もなかなか起きられません。自分の力で起床することが、自立の一歩だと思っているので、スマホのアラームやAlexaなど工夫して平日は一人で起きるようにしています。寝坊した場合は、就寝時間を早めるように促しています。熟睡できている事が前提だと思うので、1度主治医に相談してみては?違う切り口からの回答なんですが、職場で専門機関監修の睡眠改善セミナーを受けた中で使えそうなテクニックをいくつか。・睡眠環境を整える→寝室に光源を極力置かない。ダウンライトなどを活用。就寝中は家電のランプも塞ぐ(専用シールとかあります)→窓の隙間も塞ぐ。暗幕の活用→温度湿度の管理、寝具、パジャマの見直し(大人もついでにやってみては)・寝る前のスマホテレビ、照明→理想は1時間前にやめる。→リビングが調光できるならば、夕食前あたりから外に合わせて光量も落とす。・朝起きた時の楽しみを作る→朝飲む飲み物を少しリッチにする、朝ごはんへの投資、早起きして好きな映画を見るなど。(弟はゲーム時間確保のために早起きしてました)環境改善は一緒に寝てるのであれば親御さんの睡眠にも作用するのでおすすめです。年齢的にもう別々でしょうか?個人的には「朝起きる目的」があるパターンが学童期は一番効いたなと思います。私自身も見たいアニメがある、夏のラジオ体操でコンプリートして記念品もらいたい、という俗物的な目標があった方が起きてました。参考になれば幸いです。このように発達ナビQ&Aコーナーでは、疑問を投稿すると、ほかのユーザーの方が実体験をもとに回答してくれます。聞いてみたい質問があれば、ぜひ投稿してみてください!【小児科医に聞く】睡眠の大切さ、子どもの睡眠問題、何科を受診すればいい?、発達障害と睡眠障害の関わり、服薬のギモン、睡眠障害がある子どもへの対応などここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。ここからは、小児科医の藤井明子先生に子どもの睡眠の重要性、受診のタイミング、睡眠障害がある子どもへの対応、服薬のギモンについてお答えいただきます。A:睡眠には「脳を休める」ノンレム睡眠と、「体を休める」レム睡眠があります。ノンレム睡眠時には、大脳を休めるだけでなく、成長ホルモンが分泌され、脳内の神経ネットワーク形成や細胞の修復、骨・筋肉形成が行われます。また、免疫機能・代謝機能が増強され、疲労の回復に役立っています。レム睡眠時には、脳は活発に活動し夢を見ることが多いですが、全身の筋肉は緩んで、体は休んでいます。睡眠の時間が短い、質が悪いなどで、睡眠の役割が十分に果たされないと、子どもの心身の成長や発達に影響が及ぶとされています。Upload By 発達障害のキホンA:かかりつけの小児科でまずは相談してみましょう。小児科医は、病気のことだけでなく、お子さんの生活全般、生活習慣についてのお困りごとにも対応することが可能です。すでに寝る前の工夫をとられていることもあるかと思いますが、お子さんが寝ないと、保護者も眠れず、親子共に疲弊していることもあります。少しでも工夫できることがないか、一緒に小児科医と考えていけると良いと思います。Upload By 発達障害のキホンA:いろいろ対策をしても寝つきが悪いようなら、受診して相談してみても良いでしょう。1〜2歳のお子さんの寝つきの悪さなら時間と共に改善する可能性もありますが、5歳であると睡眠覚醒リズムが確立される年齢なので、睡眠障害があるのかもしれません。ASDの特性もあるような気がするとのことなので、併せて相談されると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホンA:受診すると、必ず薬が処方されるというわけではありません。まずは、睡眠リズムを作るための生活習慣の見直しをおこなっていきます。例えば、布団に入る1時間前のテレビ・インターネットなどは控える。休日・平日関わらず一定の時間に起きる、入眠までにすることの手順を同じ手順で同じ時刻に行うなどです。生活習慣の見直しをおこなっても改善しない場合に、薬の内服も検討します。発達障害に伴う入眠困難なお子さんへは、メラトニン受容体作動性入眠改善薬(一般名:メラトベル)を使用することがあります。メラトニンは、体内時計に働きかけ、睡眠と覚醒を切り替えて、眠りを促す作用があります。Upload By 発達障害のキホンA:易刺激性の薬とは、ASDに対するかんしゃくや、それに伴う暴言・暴力に対する薬のことだと思います。睡眠障害があるお子さんで、易刺激性に対する薬を使用することはあります。薬を使うことで、気持ちが安定し、入眠しやすくなることがあります。副作用として、眠気・だるさ、食欲増進を認めることがあります。主治医の先生と相談しながら、適切な効果のある量を調整していく必要があります。薬は、副作用と効果のバランスを見て、効果がある場合には続けていくと良いでしょう。長期に飲み続けて、依存性のでる薬ではないので、効果がある場合には続けて、適切な睡眠習慣をつくることができると良いと思います。Upload By 発達障害のキホンA:生活リズムの乱れは、抑うつやイライラといった気分の悪さと関連していることが指摘されています。睡眠リズムを取り戻すためには、朝に起きて光を浴びることから始めましょう。ベットを日当たり良い場所に移動し、毎日同じ朝の同じ時間にカーテンを開けて日光が入るようにして、刺激を多くしましょう。朝ごはんを食べることも、リズムをつくる上で大切です。食事が食べられなくても、少量のお湯などを経口摂取することから始めても良いです。午前中の生活を正してから、入眠前の工夫をしていきましょう。テレビや携帯電話、パソコンの使用は、入眠前1〜2時間は控えていきましょう。Upload By 発達障害のキホンA:ナルコレプシーは過眠症の一つで、オレキシン神経系の機能障害が原因です。日中の居眠りだけでナルコレプシーと診断できず、睡眠日誌をつけ、終夜睡眠ポリグラフィ、反復入眠潜時検査を受ける必要があると思います。ナルコレプシーを積極的に疑う場合には、睡眠外来を受診することをお勧めします。しかし、睡眠外来に受診すべきがどうか迷われる場合には、かかりつけの小児科に相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホンA:起立性調節障害は、自律神経機能不全により、立ちくらみ、朝起き不良、だるさ、動悸、頭痛を認める病気です。朝起き不良だけでなく、だるさのために午前中の活動がしにくい状態になることもあり、そのため入眠困難になり、睡眠リズムの乱れにつながることもあります。起立性調節障害の治療と加えて、入眠をサポートする薬を使うこともあります。Upload By 発達障害のキホン発達障害のある子どもの睡眠にまつわるエピソード発達ナビライターの方々の睡眠にまつわるエピソードをご紹介します。子どもの成長に欠かせない「睡眠」。睡眠に関する悩みが解消しないときは抱え込まず、医療機関へ子どもの心身の成長や発達に大切だといわれる「睡眠」。しかし、いろいろと工夫してもなかなか子どもが思うように寝てくれず悩みを抱えている方も多いかもしれません。発達障害がある場合、睡眠障害を併存していることも多く、睡眠の問題は、単純に生活習慣の乱れではなく、何かしらの原因が背景にある可能性もあります。また、わが子が寝ないと、保護者も眠れず、親子共に疲弊してしまうこともあります。小児科医では、病気のことだけでなく、子どもの生活全般、生活習慣について相談することも可能ですので、心配なことがあれば、かかりつけ医に相談してみましょう。発達ナビ「Q&Aコーナー」にあなたのギモンをぜひ投稿してください今回は発達ナビQ&Aコーナーに寄せられた睡眠にまつわるギモンと小児科医の藤井先生からのアドバイスをご紹介しました。発達ナビのQ&Aコーナーに気になることを質問するとユーザーの方が経験をもとに答えてくれます。話題の質問に専門家からアドバイスともらえることも!ぜひチェックしてみてください。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年02月21日私は、5歳3歳0歳の3人の息子を持つママです。これは、三男がまだ生まれて間もないころに、子ども3人を連れて小児科を受診したときの話です。子どもを3人連れての外出は、周りの方に迷惑をかけないようにと常に気を張っており、特に病院はより緊張していました。しかし、あることをきっかけに、心が軽くなり、堂々と子連れで出かけられるようになったのです。 子どもとの通院はストレスの連続この日は、長男の受診を予定しており、息子たち3人を連れて小児科へ行きました。長男と次男は、病院に着くなり院内をウロウロと歩き回り、落ち着きません。 「病院は具合の悪い人が来る所だから、騒いだりしないで静かに待とうね」。そう言い聞かせても息子たちは聞く耳を持たず、2人して騒ぎだしてしまいました。同時に、生後間もない三男も泣き出してしまい、私たち家族は周りからの冷ややかな視線を浴びることになったのです。 隣に座る女性から「ちょっとお母さん?」順番待ちもあと1組となり、外へ行く時間もない中、息子たちに「静かにしなさい」と言い続けるので精いっぱいに。そんなとき「ちょっとお母さん?」と隣に座る高齢の女性から声をかけられました。 怒られることを覚悟して「はい」と答えると、女性は「あなたの大変な気持ちわかるわ。何か協力できることはない?」とやさしく私に声をかけてくださいました。 子ども=迷惑ではない「ありがとうございます。そのひと言で救われます。ご迷惑おかけし申し訳ありません」。私が女性にそう答えると、「迷惑だなんて思わないで。先生に呼ばれるまでおばちゃんと一緒にお話ししましょう」と言って、女性は長男と次男の話し相手をしてくださいました。 子連れで出かけると頻繁に「うるさい」などネガティブなことを言われることも増え、「子ども=迷惑な存在」なのだという意識になっていた私。しかし、女性に「迷惑じゃない」と言われたことで心が軽くなったことを今でも忘れられません。 それまで外出先で注意を受けることはあっても、あのときの女性のように助けてもらった経験はあまりありませんでした。しかし、子育てをしている方々は皆必死だと思います。決して、迷惑をかけるために騒がせているわけではないと思います。私もこの先、こんな場面に出くわしたら、「手伝えることはないですか」と声をかけることのできる女性になりたい、そして子どもたちにもそんな人になってもらいたいと思った出来事でした。 作画/ぐら子著者:はやきゆうこ3兄弟のママ。5歳・3歳・0歳のやんちゃな男の子3人と多忙な夫の5人家族。子育ての経験を中心に執筆活動中。
2023年02月20日ムスメちゃんとオコメちゃん
うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし