小学校受験のための「お受験」が幼児の受験すべてではありません。実はお受験が乳児期から始まっているという事実が、最近の専門家分析であるそうです。乳児期からの受験勉強って? いったい何を見るの? というママへ、英才教育への将来展望を踏まえて情報をお伝えします。■乳幼児の脳トレーニングは、有名幼稚園受験にも対応できる?京都大学名誉教授の久保田競さんの著書『赤ちゃんの脳を育む本』でも、赤ちゃんの頃から脳に刺激を与えることは、脳の発達=お受験脳に役立つとされています。乳幼児期に脳のトレーニングをしていくと、お受験体制に入りやすくなるというわけです。また、『赤ちゃんの頭がよくなる育てかた』(主婦と生活社)の著者であり東京大学を卒業した櫻井正孝氏も、まず0歳から3歳時は脳を活発にするトレーニング、知能のトレーニングが大切ということで、ご自身も幼児教育のトレーニング所を開設しています。(参考)東京知育研究所 同書によれば、五感活用の「親子あそび」をすることで、乳幼児の才能がグングン伸び、丈夫に育つという理論が展開されています。このころは知識を養うというトレーニングよりも、五感を活用することに尽力すると、その後の幼児期に形成される脳が受験にも役立つということになります。 ■日常生活の中で、「考える力」の準備を乳幼児に養いたいのは、思考力・推理力・想像力・集中力・発見力です。好奇心をどんどん養って、脳を活発にする、右脳を使うなどのトレーニングで子どもはグングン発達していきます。速読の先生にインタビューをしたときに、「利き手ではないほうで字を書く練習をする、歯磨きをする」「画をさかさまから描く」などで右脳が刺激され、記憶力や集中力がアップすると聞きました。乳幼児の場合ですと、日常生活の中で「毎日同じことをする、くり返す」という刺激を与えるだけでも、神経回路の定着、脳の発達を促すことになります。たとえば赤ちゃんの時の座り方。首が座ってきたら、きれいに座らせたり、立たせたりする運動。はいはいも、正しい姿勢できれいにさせると、骨や筋肉の発達も兼ねて脳をうまく働かせることにつながります。■うまくできたらほめてあげる、スキンシップするいろいろなことができたら、ほめてあげることもトレーニングの一つです。ほめられると赤ちゃんでも脳が反応し、次はもっとうまくやろうとポシティブな気分になるものです。ほめることは赤ちゃんのモチベーションをアップします。また、ママとのスキンシップが多ければ安心感を持ち、落ち着いた子になるといわれています。授乳が親子のスキンシップに良いと産科で言われるのはそのためでしょう。乳幼児のお受験前のトレーニングといっても、数式を解いたり漢字を書いたりするわけではありません。日常の動作をメインに、きちっとした姿勢や動きを身に着けることは、後々のお受験キッズを形成する上でも役立ちます。また、お受験をしない場合でも、元気で頭の回転が良い子を作る基盤に。健やかな子どもの成長のために、乳幼児期から脳に刺激を与えて、適応能力が高い子の発展を目指しましょう。(高城あすか)
2016年07月26日サマースクールの多くは早い時期に募集を終了してしまいます。でも、日程によっては今からでも参加できる可能性が。8月からでも間に合う(かもしれない)サマースクール情報をお伝えします。■1歳半からOK! 1日でもOK! 広尾の洋館でアットホーム&知的な英語体験「ソレイユインターナショナルスクール サマースクール」・対象年齢:1歳半~10歳・会場:東京都港区・実施時期:7~9月・募集時期:毎年6~8月・平日4時間、コアタイム10~14時のサマースクールです。時間の延長やスクールランチ(1回500円)のオーダーも可能です。・ URL フォニックス(編集部注:英語の正しい読み方を容易に学習させる方法)や算数、ボキャブラリーを増やすゲーム、ダンスなど、子どもが興味を持つイマージョンプログラムを用意。年齢やレベルによってクラス分けを行うので、安心して参加できます。場所見知りや人見知りが心配なお子さんは、1~2時間と短い時間での参加も可能です。お子さんの個性やご家庭の事情に合わせたフレキシブルな対応をしてくれるので、ご相談ください。■「ドラマメソッド」をベースに、成長にあわせたコースを用意「MLS ジュニア・サマースクール」・対象年齢:3~7歳・会場:MLS開講スタジオ(東京・神奈川・千葉・埼玉)・実施時期:7~8月・募集時期:一般枠は2月末から。会員枠は前年11月頃から。受講日の1週間前まで受付・半日コースと1日コースがあり、最短4日~最長4週間まで自由に選べます。・ URL MLSのオリジナル「ドラマメソッド」をベースに、テーマに沿ったさまざまなアクティビティに英語でチャレンジ。料理や工作を楽しんだり、おとぎ話を英語で学んだり、長い時間、集中して英語のシャワーを浴びられます。初めてのお子さんや小さなお子さんは、通常クラスの体験レッスン(無料・有料)を事前に受けておくとより安心です。もう少し大きいお子さんには「英語でミュージカル(5~10歳)」や「大自然の中でのサマーキャンプ(小学生)」などのコースもあります。 ■自宅の近くで気軽に参加できるサマースクール「Kids Duo サマースクール」・対象年齢:3歳~幼稚園年長・会場:全国のKids Duo教室・実施時期:7~9月・募集時期:毎年6~8月・コース:午前コース(4時間)と午後コース(2時間・4時間)があり、組み合わせて1日中過ごすことも可能です。・ URL ゲームや宝探し、サイエンス、クラフト、フォニックスなど英語で楽しむプログラムがたくさんあります。好きなプログラムを選んで1日だけ参加することもできます。■夏休みは、英語を好きになる&英語の勉強を始めるチャンスサマースクールでの経験がもとになり、英語の絵本が好きになったり、通常のレッスンを受けたいと言い出したりすることもあるそうです。英語を通して楽しい夏休みの思い出ができて、新しいお友だちができて、好奇心の輪がどんどん広がっていくといいですね。
2016年07月26日短期間に集中して英語漬けの時間を過ごすことは、英語力を向上させるのに効果的だと言われています。英語が話せない小さなお子さんでも参加できるサマーデイキャンプ(※)の情報と、サマーキャンプ&サマースクール選びのポイントについてお伝えします。(※)デイキャンプとは、宿泊をしない、通学型キャンプのことです。■サマーデイキャンプ&サマースクールを選ぶときのチェックポイント□会場への交通手段、送り迎えにかかる時間に問題はありませんか?□外国人の参加者が多い or 日本人が多い、どちらを希望しますか?□お子さんが楽しめそうなプログラムやカリキュラムですか?□お子さんは、外国人講師やスタッフに人見知りをしませんか?□講師やスタッフはお子さんの安全に配慮する訓練を受けていますか?以上を考慮したうえで、お子さんにあったサマーキャンプ&サマースクールを探しましょう。■米国大使館宿舎でアメリカ文化を体験「米国大使館 EWA サマーデイキャンプ」・対象年齢:幼稚園年中~小学6年生・会場:米国大使館宿舎(東京都港区)・実施時期:6~8月・募集時期:毎年4月上旬・ URL 平日9:00~16:00のデイキャンプです。申し込みは1週間単位のみ受付。募集開始当日に枠の多くが埋まるほどの人気で、キャンセル待ちはありません。音楽や水泳など楽しいプログラムを通して英語で遊びます。アメリカ風バーベキューなど、米国の文化に触れる機会も用意されています。デイキャンプ開始から間もない週は外国人の参加者が多く、夏休みが始まるころになると日本人参加者の割合が増えます。 ■老舗のインターナショナルスクールで米国式キャンプ「アメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ) サマーデイキャンプ」・対象:幼稚園年少~小学1年生・会場:ASIJ六本木キャンパス(東京都港区)・実施時期:7~8月・募集時期:一般枠は3~5月。前年度参加者&キャンセル待ち経験者は2~5月・ URL 9:30~14:30、8日間のデイキャンプ。毎年、キャンセル待ち続出の人気です。トイレトレーニングが済んでいること、現在保育園もしくは幼稚園に通っていることが参加の条件です。また、年少児は兄弟での参加のみ受け付けています。年長の兄弟がいないお子さんは年中児から参加できます。テーマに沿った工作やゲーム、読み聞かせ、挨拶などを通して多角的に英単語や表現パターンを身につけ、生きた英語を自然に吸収することができます。■「また来年も行きたい!」と言う子どもが多い小さなお子さんはとくに新しい言語を吸収する力が高いので、英語のシャワーにたっぷり触れることができるサマーキャンプ&サマースクールはおすすめです。ただし、今回紹介した2件とも、2016年度の募集は終了しています。人気のサマーキャンプは早い時期からの下調べと申込が必要なのですね。興味を持たれた方は、来年のスケジュール帳に申込予定を書き入れることをおすすめします。次回〈 後編 〉で、今からでも間に合うサマースクールをご紹介します。
2016年07月26日絵本や図鑑にふれる年齢になると、動物に興味をもつ子どもは多いですよね。ペットと暮らす家庭なら、生活しながら動物とのふれあいを教えられますが、そうではない場合は動物園や友だちの家で初めてふれあうことになるでしょう。このとき、ふれあい方がわからない子どもは、トラブルを招いてしまうことも。ケガなどをさせないためにも、正しい動物とのふれあいを覚えておきましょう。■散歩中の犬にさわるときには声をかけて散歩中に見知らぬ子どもが駆け寄ってきて、いきなり犬の頭をさわろうとすることがあります。しかし、これはとても危険なことです。急に頭をさわられそうになると、犬は「攻撃される」と思うことがあるからです。ふだんは温厚な犬でも、吠えたり噛みついたりする可能性があります。最近では、飼い主さんの許可なく犬をさわったり、写真を撮ったりするマナー違反が多く、愛犬家のあいだでも問題視されています。思わぬトラブルに発展するケースがあることから、知らない人にはさわらせないようにしている飼い主さんも少なくありません。子どもが犬に興味をもったら、まずは飼い主さんに「さわってもいいですか?」と声をかけましょう。トラブル回避のためや、人見知りする犬なら断られることもありますが、それでも不機嫌な顔をしないこと。私たちが子どもを守ろうとするように、飼い主さんだって愛犬を守りたいのですから。子どもに対して警戒心を抱く飼い主さんでも、まずはコミュニケーションをとることでなでさせてくれることは多いもの。ですから、節度ある行動を心がけたいですね。■まずはママが動物とふれあう飼い主さんからOKがでたら、名前を聞いて呼び掛けてあげましょう。そこで犬が近寄ってくれたら、ママが先になでてあげます。首や体からなでますが、このとき正面ではなく、側面から近付くこと。犬が警戒心をもたないことがわかってから、子どもにも体をなでさせます。子どもはフリフリしているシッポにさわりたがったりしますが、ここは多くの犬が嫌がる場所。また、抱っこされた犬をさわるときに足の先をなでようとする人もいますが、ここをさわられるのが苦手な犬も多いです。飼い主さんに嫌がるパーツをきいてからさわるといいでしょう。なでさせてもらったらお礼を忘れずに。これは、友だちの家のペットとふれあうときも同様です。ただし、猫の場合は飼い主さんにさわられることすら嫌がる場合があります。なでさせてもらうときには、飼い主さんに猫を抱っこしてもらうといいかもしれません。野良猫の場合は、むやみにさわらせないほうが無難です。子どもが近づきたがっても、「猫さんはいま、お休みしたいみたいだよ」といった言葉をかけてフォローしてあげましょう。■動物園ではタオルが活躍モルモットなどの小動物とふれあえる動物園もふえています。小さくて愛らしい姿をしていますが、鋭い歯を持っているので注意が必要です。子どもは力加減がわからず、ムギュッとつかんで持ち上げることがあるので、大人が動物を抱き上げること。そして、まずは膝の上にのせてあげます。膝の上にタオルを敷いておくと、小動物が落ち着きやすくなるようです。膝に乗せたら、毛並みにそって体をなでてあげます。お尻の方をさわられると嫌がる場合があるので、頭から背中にかけてなでるといいでしょう。突然、動物が暴れる可能性もあるので、子どもがふれあっているときも目を離さないように。抱っこは慣れないと難しいものです。ママやパパにその動物の飼育経験がなければ、飼育員の指示に従いましょう。正しい抱き方を教えてくれます。事前にぬいぐるみなどで練習しておくのもいいですね。絵本に登場する動物たちは優しいので、子どもはすぐに仲良くなれると思うかもしれません。しかし、そうではないことがあるのも事実。動物とのふれあいが「怖い」体験にならないようにするためには、ママのサポートが必要不可欠です。
2016年07月22日特別支援学校とは出典 : 特別支援学校とは、心身に障害のある児童・生徒が通う学校で、幼稚部・小学部・中学部・高等部があります。基本的には幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準じた教育を行っていますが、それに加えて障害のある児童・生徒の自立を促すために必要な教育を受けることができるのが大きな特徴です。学校教育法第72条では、特別支援学校の目的は以下のように定められています。視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること特別支援学校は、2007年までは「ろう学校」「盲学校」「養護学校」と区分されていました。ですが、2007年の法改正により、これらすべてが「特別支援学校」へと一本化されました。こうした経緯もあり、学校名の末尾が「ろう学校」「盲学校」「養護学校」となっている学校も多くありますが、これらは現在すべて特別支援学校に含まれます。この法改正は、特別支援学校が複数の障害がある子どもの教育ニーズに応えること、近隣の小・中学校に在籍する子どもの指導・支援にも積極的にかかわるセンター的機能を担うことを目的としてなされました。また、2015年の文部科学省の調査によると、特別支援学校の数は全国で1096校、在籍している幼児・児童・生徒の数は135,617人(幼児・児童・生徒全体に対する割合は0.9%)で、その数は増加傾向にあります。文部科学省特別支援教育資料(平成26年度)【第1部集計編】特別支援学校の対象出典 : 特別支援学校の支援対象となる障害の程度は以下の通りです。これは就学基準と呼ばれ、学校教育法によって定められているものです。以前までは子どもの障害の程度がこの就学基準に該当していれば、原則は特別支援学校に入学することとされていました。ですが現在は、就学基準に該当していても就学先が特別支援学校に限られることはなく、その他の進学先も検討することができます(後述する、「特別支援学校への入り方・相談方法」も参照してください。障害の程度が就学基準に達しない子どもについては、特別支援学級・通級による指導を受けるか、通常の学級に在籍して支援を受けることになります。両眼の視力がおおむね0.3未満の方、または視力以外の視機能障害が高度の方のうち、拡大鏡等の使用によっても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度の方両耳の聴力レベルがおおむね60デシベル以上の方のうち、補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが不可能、または著しく困難な程度の方①知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度の方②知的発達の遅滞の程度が、①に掲げる程度に達しない方のうち、社会生活への適応が著しく困難な方①肢体不自由の状態が、補装具の使用によっても歩行、筆記などの日常生活における基本的な動作が不可能または困難な程度の方②肢体不自由の状態が、①に掲げる程度に達しない方のうち、常時の医的観察指導を必要とする程度の方①慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患および神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が、継続して医療または生活規制を必要とする程度の方②身体虚弱の状態が、継続して生活規制を必要とする程度の方文部科学省障害のある児童生徒の就学先決定について特別支援学校の教育環境出典 : 特別支援学校では、障害のある子どもたちが学習しやすいような環境やシステムが整えられています。また、通常学級の子どもたちと触れ合える機会が設けられるような配慮もされています。1クラス当たりの人数は平均で3人であり、少人数教育が行われています。特別支援学校の教員は、通常の教員免許に加えて特別支援学校の教員免許を持っています。様々な障害について基礎的な理解があり、また特定の障害について専門性を持った教員が子どもの指導にあたります。交流及び共同学習とは、障害のある人と障害のない人が互いに理解を深め、尊重し合える社会をつくるために、障害のある子どもたちと障害のない子どもたち、地域社会の人たちとがふれ合い、共に活動する機会を設ける活動をいいます。小・中学校、高等学校や特別支援学校の学習指導要領などにはこの交流及び共同学習を積極的に推進するよう示されています。例えば、小学校と特別支援学校の間での交流会が行われたり、特別支援学校の生徒が小学校の音楽・図画工作の授業や給食、昼休みや遠足などの学校行事に参加したりするなどの取り組みが行われています。また、地域社会の人たちとの間では、文化祭などの学校行事に地域の人たちを招いたり、地域での行事やボランティア活動に特別支援学校の子どもたちが参加したりするなど、地域や学校ごとに様々な工夫がされています。文部科学省交流及び共同学習ガイド障害の状態が重度であったり、もしくは重複していて特別支援学校に通学して教育を受けることが困難な子どもに対しては、特別支援学校の教員が家庭、児童福祉施設、医療機関等を訪問して教育を行っています。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(4)訪問教育における指導特別支援学校には、日常的に医療的ケアを必要としている子どもが多く在籍しています。医療的ケアは看護師などが行うことが原則ではありますが、保護者の同意や医療関係者による適切な管理など、一定の条件が満たされていれば、特別支援学校において教員がたんの吸引、経管栄養(胃ろう・腸ろう)、自己導尿の補助を実施することができるようになりました。これによって、医療的ケアの必要性から特別支援学校に通うことができなかった子どもも、特別支援学校への通学が可能になりました。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(3)医療的なケアを必要とする子どもへの対応具体的な教育内容出典 : 以上のような特別支援学校の特徴を踏まえて、具体的にどのような内容の教育が受けられるのかを詳しく見ていきましょう。特別支援学校では独自の学習指導要領が定められており、それに従った指導が行われます。特別支援学校の大きな魅力のひとつに、子どもの障害や発達の度合いに合わせたきめ細やかな指導がうけられることがあります。具体的な例として、「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」の立案・実行、自立活動、教科書についての配慮をご紹介します。■「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」の立案・実行「個別の指導計画」とは、障害のある子どもに指導を行うためのきめ細かい計画です。子どもの一人ひとりの教育的ニーズに対応して、指導目標や指導内容・方法を盛り込んであります。単元や学期、学年等ごとに作成され、それに基づいた指導が行われます。特に、後述する「自立活動」の指導は、この計画に基づいた内容になっています。「個別の教育支援計画」とは、他機関との連携を図るための計画をいいます。乳幼児期から学校卒業後までの一貫した長期的な計画である点が「個別の指導計画」との違いです。学校が中心となって作成しますが、教育・福祉・医療・労働などの関係機関と連携し、保護者の意見を聴くことなども求められています。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(4)個別の指導計画と個別の教育支援計画■自立活動自立活動とは、障害による学習上または生活上の困難を改善・克服するための指導を行うための時間です。「個別の指導計画」に基づいて子ども一人ひとりにあった指導目標が設定され、その目標を達成するような指導が行われます。例えば、身体の動きに困難のある子どもに対してはそれを改善するための指導が、コミュニケーションに不安のある子どもに対してはそれを支援するための指導が自立活動の時間に行われます。具体的な内容は子ども一人ひとりに合わせたものになっています。文部科学省特別支援学校学習指導要領解説自立活動編■教科書についての配慮特別支援学校では、小学校、中学校、高等学校と同じ教科書のほか、子どもの障害の状態に合わせて作成された教科書などが使われています。文部科学省が作成している教科書には、視覚障害者用の点字教科書、聴覚障害者用の言語指導や音楽の教科書、知的障害者用の国語、算数、音楽の教科書があります。また、これらの教科書以外でも、必要であれば他の教科書で学習することができます。例えば、知的障害のある子どもが、下学年の教科書を使って学習することも可能です。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(5)教科書子どもの障害や年齢によって、特別支援学校で行われる教育の内容は異なります。例えば、高等部では就職に向けての支援として、様々な職業訓練が行われているのが特徴的です。■視覚障害小・中学部では、小・中学校と同じ教科などを視覚障害に配慮しながら指導がされます。目が見えない子どもたちへは、よく触って物の形や大きさなどを理解したり、音やにおいなども手がかりとして周りの様子を予測したり確かめたりする学習や、点字の読み書きなどの学習をします。また、白杖を使って歩く力やコンピュータなどで様々な情報を得る力を身に付けるための学習も行っています。弱視の子どもたちには、ものの見える状態や程度に合わせて対象を拡大したり、白黒反転したりした教材を用意して学習します。高等部では、普通科での教育に加えて、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、理学療法士などの国家資格の取得を目指した職業教育を行っています。■聴覚障害小・中学部では、小・中学校に準じた教科学習を行うとともに、書き言葉の習得や抽象的な言葉の理解を目指します。さらに、発達段階に応じて指文字や手話を活用するなど、自立活動の指導にも力が注がれています。高等部では、普通科のほかに産業工芸や機械、印刷、被服、情報デザイン等の多様な職業学科が設置されています。最近では、聴覚障害者・視覚障害者の方を対象とした国立大学である筑波技術大学などへの進学を目指す生徒や、理容師、歯科技工士、調理師などの資格を取得して職業の自立を達成する生徒もいます。■知的障害一人ひとりの言語面、運動面、知識面などの発達の状態や社会性などを十分把握した上で、生活に役立つ内容を実際の体験を重視しながら、少人数の集団での学習を行います。小学部では、基本的な生活習慣や日常生活に必要な言葉の指導などが行われます。中学部ではそれらを発展させ、集団生活や円滑な対人関係、職業生活についての基礎的な事柄の指導などが行われています。高等部においては、家庭生活、職業生活、社会生活に必要な知識、技能、態度などについての学習が中心になります。それに加えて、木工、農園芸、食品加工、ビルクリーニングなどの作業学習を実施し、特に職業教育の充実が図られています。■肢体不自由子ども一人ひとりの障害の状態や、発達段階を十分に把握した上で、小学校、中学校、高等学校に準じた学習を行っています。それに加えて自立活動に力を入れており、身体の動きの改善を図ることやコミュニケーションの力を育てる指導などを行っています。また、病院で機能訓練を行う子どもやたんの吸引などの医療的ケアを必要とする子どもが多いことから、医療との連携を大切にした教育が進めてられています。高等部では、進路指導が重視しされています。企業や社会福祉施設と連携し、卒業後の生活を具体的に体験できるような実習が積極的に取り入れられています。最近は福祉施設への入所が多くなっていますが、企業に就職したり大学に進学したりする生徒もいます。■病弱小学校、中学校、高等学校とほぼ同じ教科学習が行われます。また、必要に応じて入院前の学校の教科書を使用して指導しています。また、自立活動の時間では、身体面の健康維持だけでなく、病気への不安感や自信の喪失などに対するメンタル面での健康維持のための学習を行っています。治療等で学習に空白がある場合は、グループ学習や個別指導による授業が行われます。病気との関係で長時間の学習が困難な子どもについては、学習時間を短くするなどして柔軟に学習できるような配慮がされています。文部科学省特別支援教育について(4)それぞれの障害に配慮した教育発達障害のある子は特別支援学校に入学できるの?出典 : 発達障害のある子どもに関してですが、知的障害の診断がなくても、就学相談の結果によっては特別支援学校への入学は可能です。秋田大学によるアンケート調査によると、回答のあった313校の特別支援学校のうち45.0%である141校に発達障害のある子どもが在籍していました。同研究によると、特別支援学校における発達障害のある子どもへの支援として、個別の対応による丁寧な対応や、ソーシャル・スキル・トレーニングを活用した支援などが行われています。一方で、特別支援学校での発達障害のある子どもに対する教育については、子どもの障害の特性に合わせた教育内容の編成の必要性や、教員の人員不足などが課題となっています。熊地需・佐藤圭吾・斎藤孝・武田篤「特別支援学校に在籍する知的発達に遅れのない発達障害児の現状と課題―全国知的障害特別支援学校のアンケート調査から―」特別支援学校と、特別支援学級・通級との違いは?出典 : 義務教育が始まる小学校入学の前に、お子さんをどの教育環境で育てるか迷う保護者の方は多いと思います。障害のある子どもの教育環境として、通常学級・通級・特別支援学級・特別支援学校の4つがあります。それぞれの対象となる障害の程度に明確な基準はありませんが、一般的に通級・特別支援学級・特別支援学校の順に障害への支援量は大きくなります。そのため、障害が軽度の場合は通級、より専門性の高い支援が必要な場合、特別支援学級や特別支援学校を検討する場合が多いと言えます。Upload By 発達障害のキホン通級とは、通常学級の学校に籍を置いて、通級指導の時間のみ通級指導教室に通って支援を受けるという制度です。子どもが在籍する学校に通級指導教室が無い場合は、通級指導教室がある他の学校に通って通級始動を受ける場合もあります。また、担任は通常学級の先生が受け持ちます。Upload By 発達障害のキホン特別支援学級に通う場合は、特別支援学級が設置されている学校に籍を置きます。基本的に特別支援学級で授業を受けますが、体育や図画工作、給食の時間は通常学級の子どもたちと過ごすこともあります。担任は特別支援学級の先生が受け持ちます。Upload By 発達障害のキホン特別支援学校に通う場合は、通学する特別支援学校に籍をおきます。また、通級・特別支援学級は通常の教員免許のみでも受け持つことができますが、特別支援学校の教員は通常の教員免許に加え、特別支援学校の教員免許を取得しています。通級・特別支援学級・特別支援学校のメリット・デメリット教育システムの違いから、通級・特別支援学級・特別支援学校それぞれにメリット・デメリットがあります。お子さんの学校選びの参考にしてみてください。■通級・通常学級での子どもとコミュニケーションをとる機会が比較的多い・学習面で通常学級の授業が受けられる・必要なフォローを受けられる・通常学級から離れる時間が気分転換になることもある■特別支援学級・給食の時間や昼休みなどは通常学級での子どもとのコミュニケーションなどの経験ができる・発達の程度に準じたカリキュラムで指導を受けられる・学校と相談しながら通常学級との行き来ができるようにもなる■特別支援学校・個々人の障害の程度に合わせたカリキュラムで、専門性を持った先生からきめ細かい指導が受けられる・高等部では職業教育が受けられる■通級・特別支援学級・在籍基準があいまい・すべての学校に通級指導教室や特別支援学級があるわけではない・高校では通級制度はまだ整えられておらず、特別支援学級も設置されていないのが現状(ただし、2018年度から高校でも通級指導を始めるよう文部科学省が準備を進めている)・学級数や受け入れ可能人数などに地域差が大きい・通常学級との行き来がお子さんのストレスになることもある■特別支援学校・通常学級の子ども、同世代の子どもと触れあう機会が少ない・転学・転校は可能だが手続きが必要・障害の程度によっては入学できない可能性がある・特別支援学校高等部を卒業しても、通常の高卒資格は得られない(ただし大学入学資格を得ることはできる)・地域差、学校差がある特別支援学校への入り方・相談方法出典 : 小学校へ入学するまでの流れは以下のようになっています(あくまで一例ですので、詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください)。■年中期~6月ごろ:情報収集お住まいの市区町村の教育委員会に問い合わせたり、ホームページを参照して、地域にある特別支援学校や、小学校の特別支援学級の有無などについて情報を集めましょう。また4月から6月ごろにかけて、教育委員会が幼稚園や保育園、発達支援センターや療育センターに「個人調査票」「就学に関する調査票」の作成を依頼します。通常の学級・学校に就学することに不安があると思われるお子さんについて、園やセンターは保護者の了承を得て調査票を作成します。そして該当のお子さんをもつ保護者向けに、教育委員会が就学についての説明会を行います。説明会では小学校全体および各種学級、特別支援学校ではどのような支援が行われているのか、就学指導・就学相談の流れ、手続きの方法などがアナウンスされます。ただし、私立や認可を受けていない保育園や幼稚園は教育委員会の管轄外なのでこういった情報が回ってこない可能性があります。その場合はご自身で市区町村の教育委員会に問い合わせをして、就学相談を受けることをおすすめします。■7~9月ごろ:就学相談園やセンターの調査票がなくても、市区町村の教育委員会へ連絡すれば就学相談を受けることができます。就学相談では、専門の就学相談員と保護者との面談(複数回のこともあります)を通して子どもにとって最適な就学先を決めます。子どもの状態を把握するための検査が行われたり、相談員がお子さんの在籍園・在籍校に赴いてお子さんの様子を確認することがあります。障害の状態、障害に基づく教育的ニーズ、保護者・専門家の意見、学校や地域の状況などを考慮して、就学指導委員会がお子さんにとって良いと思われる就学先を決定します。この決定に保護者の方が同意をすれば就学先が決定します。もし同意できない場合はその旨を教育委員会に申し立て、再度就学相談を受けることもできます。最終的には保護者の方の意向が尊重されます。就学相談では、子どもの状態を正確にしっかりと伝えることが大切です。医療機関で受けた診断書や療育手帳などがあれば持参することをおすすめします。臨床心理士による子育てのヒント|発達の気になるお子さんに発達障害就学指導・就学相談について■10~11月:就学時健康診断と小学校の選択就学時健康診断とは、小学校に入学する前に行われる健康診断のことであり、身体検査に加えて発達検査、知能検査等があります。お子さんの障害や発達の遅れについて、この健康診断によって初めて気づく場合があります。特別支援学校の対象で示した就学基準にお子さんが当てはまると思われる場合、就学相談・就学指導を受けることを教育委員会からすすめられます。就学基準に当てはまると必ず特別支援学校に入学しなければいけないわけではありません。就学基準に該当していても、学校教育法に定められている認定就学者(就学基準に該当する児童生徒で市町村の教育委員会が小・中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める者)として小・中学校に入学、通級や特別支援学級に在籍するという選択肢もあります。出典 : 小学校は通常の学校に通っていたお子さんのなかには、実際にはもっと専門性の高い支援が必要であった場合などもあり、中学校や高校からは特別支援学校に通うということもあります。小学校から特別支援学校や特別支援学級で教育を受けていたお子さんが、特別支援学校の中学部に進学する場合、同じ学区域内であれば、小学校と中学校の先生、特別支援教育コーディネーターを通して教育内容が引き継がれます(特別支援教育コーディネーターとは、保護者からの相談の対応や福祉機関などの関係機関との連携・調査を行う教職員のことです)。お子さんが不安なく充実した学校生活を送れるように、お子さん本人の意思も尊重しながらよく話し合うことが大切です。進路に迷った時は、スクールカウンセラーや学校の先生、特別支援教育コーディネーターやかかりつけのお医者さんに相談してみましょう。まとめ出典 : お子さんの教育環境に悩まれている保護者の方はたくさんいらっしゃいます。大切なのは、お子さんが不安なく、のびのびと学校生活を送ることです。お子さんの性格や障害・発達の度合いにもよりますが、特別支援学校の良い点・悪い点を把握したうえでひとつの選択肢として考えることは、十分価値のあることでしょう。学校によっては見学会や説明会を行っているところもあります。また、文化祭などのイベントに行くことでも雰囲気や様子をつかむことができます。うちは中学から支援学校でお世話になりました。学校見学会には何度も行きましたし、文化祭にも行きました。夫と見学会に参加した時、うちの息子と似たようなタイプのお子さんがいて、その子がニコニコ顔で作業をしているのを見ました。そのまま息子が重なり、息子が笑顔でいる姿がすぐに想像できました。カンでしかないですが、そのカンを信じて、我が子を入学を決めました。今でもそのことは良かった、と思います。中高6年間で伸ばしていただきました。特別支援学校か、地域の学校か、ではなく「我が子が笑顔でいられる場所はどこか」で考えてみてください。ひとりで悩まずに、お子さんと学校へ見学に行ったり、周りの学校の先生やお医者さんなどに相談しながら、お子さんにとって最善の教育環境を考えてみると良いのではないでしょうか。文部科学省特別支援教育について文部科学省特別支援教育の推進のための学校教育法等の一部改正について(通知)
2016年07月20日健全な凸凹男子の長男。「やって」と言われたことを素直にやってくれるのなら、こんなに苦労はしません。そんな好奇心旺盛で集中力に偏りがあり、興味のあることにはエネルギーを全力投入する彼には、・本人の興味、関心に合わせる・できるだけ楽しく、負担の少ない方法にする・合理的にメリットを説明するなどで、受け容れやすいアイデアをあの手この手で提案しています。それでも息子のほうが一枚上手で、一瞬で母の努力が水の泡になり上手くいかなかったことは数知れず。でも、そんな試行錯誤の過程も、結構楽しいと思えるようになりました。今回は、そんな大失敗のアイデアの一部と、どうしたらめげずに支援ツール作りを続けていけるかのコツをお伝えします。「漢字が覚えられない」長男、あの手この手でやってみるも…出典 : 漢字を「書いて覚える」が苦手な長男は、漢字書き取りでどれだけノートに書いても、頭に入りません。こういったお子さんには、書く以外の方法でアプローチを試してみるといいようです。例えば・・・・モールやブロック、粘土などで、立体的に作ってみる・パーツに分解した漢字カルタや、漢字の足し算など、パズル的にやってみる・漢字の成り立ち(象形文字)や部首の意味などを、絵や動画で理解するなどなど、いろんな方法が考えられます。あるとき漢字の再テストが続き、うんざり気味で意気消沈している長男を見て、なんとかしてあげたい親心。そこで早速、100円shopでカラー粘土を買って来て「これで、漢字作ってみたらいいかもよ?」と、そっと置いておきました。すると、長男が楽しそうに粘土をこねて文字を作りはじめ、「しめしめ。食いついたな」とほくそ笑み、離れたキッチンから見守る母。「かあちゃん!見て!超うまくできた!」自信に溢れて、得意そうな長男。やった!どれどれ?と、見に行くと…Upload By 楽々かあさんコレですよ、コレ。親の心子知らず。元気に小学生男子の王道を歩んでいます。参考「新版あわせ漢字ビンゴゲーム 1」(太郎次郎社エディタス)参考「読み書きが苦手な子どもへの〈漢字〉支援ワーク 1~3年編 」著・村井 敏宏(明治図書出版)参考・もりの学校HP「漢字の成り立ち」動画移動教室の困りに「行動表」を作成!ところが…出典 : 支援級に移ってから、支援級→交流級→実技系の教室など、移動教室がとても多くなった長男。あるとき教室を間違えてしまい、他のクラスの子達に笑われて悔しかったのだそう。よっしゃ!かあちゃんがひと肌脱いであげよう!先の見通しをつけて行動するのが苦手な子や、予定変更が苦手な子には「行動表」を作ってあげるといいようです。作るポイントは・・・・始まりから終わりまでの流れを、簡潔に順番に書く・ゴール(終了時刻や、何をしたら終わりか)を教える・もし、予定どおりに行かない場合は、どうすればいいかを書くなどの工夫で、落ち着いて行動できると思います。うちでは過去、運動会の「本人用プログラム」や、家族旅行の「しおり」などでも同様の「行動表」を作って、うまくいっていました。そこで、今回も学校用の「行動表」で落ち着いて行動できるように、サポートしようと思い立った母。・小学生は係活動、図書館で本の返却などもあるため、時間割だけでなく、朝/昼/放課後の予定も書ける・天気の変化に弱いので、その日の天気予報と最高気温/最低気温も書いて心の準備ができるように・「(前日水筒を持ち帰り忘れた時)古いお茶は飲まないでね」など、母からの伝言メモ欄も…と、工夫を凝らしたフォーマットを作り、連絡帳を元に母が書いたものを朝、担任の先生にチェックして頂くという連携体制もバッチリ整えています。無くさないよう行動表には携帯ストラップの紐もつけ、首から下げられるようにしました。ところが、導入数日後から「行動表」を持ち帰らない長男。理由を聴くと、衝撃の一言。「な・く・し・た」…んだそうです。はあ〜。おそらく、首にかけるのが煩わしかったのでしょう。良いアイデアでも、「本人の使い勝手が良くないと、定着しない」という教訓です。Upload By 楽々かあさん苦肉の策。あのひみつ道具を実際にやってみた!4年生の通常学級の時。長男のクラスでは、1年間百人一首の暗唱に取り組んでいました。ところが、3学期になっても一首も暗記できていないのは長男だけ。先生からは「せめて一首だけでもいいので、がんばって下さい」とのお願いが。そんなこと言われてもね。私もこれまで、できることは全部やってみたんですよ。CD付きの百人一首一式を買って一緒にやってみたり、学習マンガで楽しく内容を理解させてみたり。身近な例で面白おかしく例えてみても、それでも1年間できなかったんですから…。良いアイデアが、なんッッッ!!にも思いつかないときは、片っ端から参考になりそうなものをとりあえず丸パクりでもいいので、実際にやってみることも大事です。そうやっているうちに、うちの子に合った支援のコツを掴んでくるので「アタリ」が増えていきます。そんな訳で、万策尽きて心折れそうな母はついに、苦肉の策に手を出してしまいました。暗唱テストのある日の朝食。もう、私にできるのはこれくらいしか思いつかないのです…ジャーン!「暗記パン!!」Upload By 楽々かあさん母「どう?」長男「うん、フツーにうまいよ。もぐもぐ」母「覚えた?」長男「別に」…で・す・よ・ね~(笑)時には「ムリなものはムリ!」とスッパリ諦めることも必要です。そして、支援がなかなかうまくいかない時には、本人の話をじっくり聴いてみることが解決への糸口になります。そこで、長男本人に「どんなことなら覚えられそう?」と聞いたところ、明解な答えが。「おれが覚えられるのは、興味のあることと、サバイバルに必要なことと、うまいもの情報。それから、母ちゃんがイヤがりそうなコトだけ!脳みそのメモリ容量は限られているんだから、百人一首は入る場所がないよ」…とのこと(笑)がんばっても興味の持てないことは入力自体ができないように、長男の脳はとても合理的にできているのかもしれません。そして、健全な凸凹男子は母のイヤがりそうなことだけは、本当によく覚えていて、毎日有言実行できるのです。参考「ドラえもんの国語おもしろ攻略 百人一首で楽しもう (ドラえもんの学習シリーズ)」著・藤子F不二雄、監修・浜学園(小学館)それでもめげずに「支援ツール」を作り続けられるコツは…?出典 : こんな調子で、毎日試行錯誤し、失敗も多い私の「アイデア支援ツール」ですが、「長男という巨大な壁」を前に、それでもめげずに作り続けられるコツは…・努力や失敗の過程を、子どもと一緒に楽しむ・子どもの小さな進歩に目を向けるということです。物事を部分で見てしまうと結果に左右されて、期待どおりに動かない子どもに腹が立ってしまいます。今までの経過や、その子の人生経験の一部として、全体的に見ながら子どもの小さな進歩に気が付くようになると、「失敗か成功か」は些細なことになって、支援する過程自体を楽しめるようになっていきます。私は、1つひとつの支援アイデアが有効だったかよりも、子どもが困っている時に親が気持ちに寄り添い、一緒に考え応援している姿を見せ続けていくことのほうが、大事だと考えています。例えば、うちの子達も大好きなマンガ「ドラえもん」を思い出してみると…「ドラえもん」の道具は、できないことの多いのび太君の問題を、必ずしも全て解決してくれる訳ではなく、時に調子に乗って悪用され、時に甘やかし、時に大失敗して、一緒に痛い目に遭うこともありますよね。それでも、「ドラえもん」が側にいてくれる、困った時にはいつでも助けてくれる、という安心感がのび太君の心の安定と、困難さに挑戦し立ち向かう意欲、楽天的に物事を捉えられる大らかさなど、「生きる力」そのものを伸ばしているように思えます。私もそんな、いつも子どものそばで一緒に歩んでいける、「ドラえもん」ならぬ、「ママえもん」であり続けたいな、と思っています。Upload By 楽々かあさん参考書籍・著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」
2016年07月18日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日近代建築の巨匠、ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館。世界遺産に登録するかどうかを決める審議が明日15日から17日にかけて行われるため、世界中で話題となっています。上野公園のなかにあって動物園にも近く、お散歩コースにもぴったり。せっかくだから、子ども一緒に芸術を楽しんでみませんか?■ル・コルビュジエ建築を体感できる国立西洋美術館とは、フランス美術コレクションを専門に展示している美術館です。館内の展示絵画はもちろん、敷地内では、ロダンの彫刻作品を鑑賞できます。あの有名な「考える人」は、入り口近くに展示されています。さらに本館は、ル・コルビュジエが設計した国内で唯一の作品。1階部分を柱だけにした「ピロティ」や、ら旋状の回廊などがその特徴です。世界中の人たちがうらやむコルビュジエ作品を実際に見て触れて体感できるのは、日本ではココだけです。■子どもと楽しむなら常設展がおすすめ企画展はほぼ毎日、全国から訪れる人たちで大混雑。でも、常設展であれば、ゆったりと鑑賞できます。常設展には、クロード・モネやルノワール、ゴッホ、ピカソ、ゴーガンと、知名度の高い作品群が展示されているので、美術に詳しくない人でも十分に楽しめるはず。親が足を止めてじっと鑑賞する作品に、子どもたちはどう反応するのでしょうか。大きなキャンバスに圧倒されたり、力強いタッチに魅かれたり、描かれた人物のポーズをマネしたり、動植物に興味を示したり…。さまざまな反応を見せてくれるはずです。そして、これらの作品を見ながら、子どもとの会話を楽しみたいですね。■子どもと鑑賞するときのポイント展示の案内順通りに回らなくても、作品ひとつずつをじっくり見なくても、いいと思います。初めて見るモノもあれば、自分が知っているカタチとちがうと気づくこともあるでしょう。子どもが興味のある作品を見つけることを大切にしてあげたいですね。子どもの意外な反応や、親の知らなかった好みを発見するなど、子どもだからこその感性や感覚に驚かされることも多いはずです。また、子どもが興味のない作品がある場合は、特別理由などを聞かずに、あっさり通りすぎてしまいましょう。■子どもと鑑賞するときのマナー広い空間やいつもとちがう雰囲気に、子どもたちは大興奮することも。美術館に来ている人たちが気持ち良く鑑賞するためにも、守りたいマナーがあります。・作品にさわらないこと・館内を走らないこと・おしゃべりは小さな声で美術館にはとっても大切な絵が展示されていることをしっかりと伝えて、子どもの気持ちを整えてから入れば大丈夫です!■親子でアートに親しむプログラム国立西洋美術館では、年に2回、春と秋には、子ども向けのファミリープログラム「どようびじゅつ」を開催しています。6~9歳の子どもと同伴の大人を対象に、常設展の鑑賞に加え、描いたり貼ったり切ったりといった創作活動を通して参加者たちがアートに親しむプログラムです。次回は9月開催、申込開始は8月ごろで先着順とのこと。また、毎年12月には、「美術館でクリスマス」を開催しています。クリスマスキャロル・コンサートやリース、ツリーをつくるワークショップなど、楽しいイベントがめじろ押し。家族みんなですてきなひとときを過ごせそうですね。美術館は子連れにはハードルが高い、なんて思っていてはもったいない! お散歩がてらに子どもと一緒にアートを楽しんでみるのもいいものです。親子で新たな発見があるはずですよ。
2016年07月14日「子どもの教育にはしっかり気を配りたい!」と思っても、仕事や家事で忙しい中では難しいことも多いでしょう。帰宅後も食事の支度や子どものお世話でバタバタしてしまい、きちんと子どもの勉強を見る時間も取りづらいもの。でも、小学生になれば親のチェックが必要な宿題が出ることもありますし、できるだけ自分から机に向かう習慣もつけておきたいですよね。忙しいからこそ、子どものために上手な時間の使い方を工夫しましょう。■早寝優先で朝の勉強タイムを確保働くママの帰宅後は大忙しです。夕食を作って食べさせ、お風呂に入れたら、あっという間に夜。子どもにはできるだけ夜更かしさせたくないし、「どうやって勉強時間を確保したらいいの?」と思っているママも多いかも。そんなときは、夜は早寝を優先し、その分、早起きして朝の時間を活用しましょう。眠い目をこすりながらイヤイヤ勉強するよりも、脳が活発に働く朝に勉強したほうが効率もアップするはず。ママも、早起きすることで時間の余裕ができ、朝のバタバタも少なくなりそうです。まずはいつもより15分早起きするなど、無理のないペースで始めてみてはいかがでしょう。■毎日10分、隣で勉強を見る子どもが1人で机に向かえるようになると、「もう勉強を見なくても大丈夫」と、ついママも安心してしまいがち。でも、文字の書き順や計算方法など、子どもが間違ったまま覚えてしまっている可能性もあります。後で気づいて指摘をしても、一度覚えたことを直すのは大変。間違っている箇所をその場で指摘しないと、なかなか正しい知識は身につかないのです。家にいるとき、たとえば1日10分だけ家事などの手を止めて、子どもの勉強に寄り添ってあげましょう。10分間とあらかじめ決めておけば、忙しい中でも時間のやりくりもしやすいはず。ママが隣で勉強を見てあげると、子どもの集中力もぐんと高まります。 ■保育園の行き帰りの道も親子の学びタイムに勉強は、机に向かってするものだけではありません。小さな子どもにとっては、保育園の行き帰りも、興味や学びを深める立派な勉強タイム。「この葉っぱはどうしてこんな形なんだろう?」「あの鳥さんは何羽いるかな?」など、会話の中には学びのヒントがたくさんあります。わからなかったことは一緒に調べたり、調べ方を教えてあげたりするのもよいですね。子どもの語彙(ごい)力アップにつながるしりとり遊びもおすすめです。子どもにとって、ママとの会話はとても嬉しいひととき。親子のコミュニケーションを楽しみながら、上手に学ぶ力を伸ばしてあげてくださいね。
2016年07月09日こんにちは。ライターの渦マキです。子どもにスマホやタブレットを使わせることに関しては、家庭によってさまざまな意見があり、「持たせない」という選択をしている人もいます。しかし、近年では“ICT教育”という情報通信技術教育が注目されており、授業でPCやタブレットを使用する学校も出てきています。●子どもにタブレットを使わせるメリット3つ●(1)直感的に学べる理科や社会などの学習の際、タブレットを使用することでバリエーション豊かな写真を見ながら直感的に学ぶことができます 。数学にしても、立方体などの図形を指で触れて角度を変えることで形を把握しやすくなります。●(2)学習用のアプリが豊富現在、さまざまな学習専用のアプリが販売されています。漢字の成り立ちや理科の実験など、さまざまな学習分野に対応しており、ゲーム感覚で楽しめる ように作られています。普段は勉強にやる気のない子どもでも、アプリを使用することでモチベーションUPが期待できます。●(3)タスク管理を学ぶ私たちは学校で夏休み前に、“1日の計画”という表を作っていましたよね。しかし、大抵は予定通りにいかず計画倒れになることも少なくありませんでした。タブレットにはタスク管理に適したアプリが出ているため、自分の予定をより計画的に立てることができます。●タブレット学習のデメリット一方、タブレット学習には以下のようなデメリットがあります。・学習に関係のないサイトにアクセスする恐れがある (親や先生が知らないうちにSNSに参加しているなど)・タブレット購入や学習のための費用がかかる・個人情報が流出する危険がある----------文部科学省では、ネットの怖さを認識してもらうための動画を公開しています。このような動画を親子で見ながら、タブレット学習には便利さがある反面、危険も孕んでいるのだと教え、話し合うことが大切です。【参考文献】・『スマホ・タブレットで子どもの能力を開発しよう』瀬戸武生・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年07月06日薄着の季節を迎えているからか、最近、雑誌でもネットでもダイエットについての記事が多くなってきたように思います。私も健康やダイエットには興味があり、そのような記事が目につくとすぐに読みふけってしまうのですが、たまに正反対のダイエット方法がすすめられていたりして、どちらがいいのかなと迷うことがありますよね。私が仕事でお受けする育児についてのご相談でも、そのような悩みをお聞きすることが多いです。たとえば、「子どもは3歳まで母親がそばにいて育てないといけない」「子どもは安心できる環境があればいいので、母親でなくても、そばに居てあげられる人がいれば大丈夫」ですとか、「自立心を育てるために、早く1人で寝る習慣をつけるべき」「子どもが自ら1人で寝たいと言うまでは、親子一緒に寝たほうが情緒が安定する」など、正反対の意見のどちらを信じればいいのかわからないといったことをよくお聞きします。■“すべての子どもにプラスになる”育児法や知育法はない私も自分の子育ての参考も兼ねて、児童の発達心理学を学んでいたときに大量の育児書を読みましたが、思い返してみると、「あおむけ寝がいいかうつぶせ寝がいいか」からはじまり、さまざまな相反する育児法が推奨されていました。とくに、早期教育など子どもの知育面については多かったように思います。いまは0歳児からの教材も豊富ですし、早く何かをやらせないと、勉強面で大きく後れをとってしまうのではと不安に思ってしまうお母さまも多いでしょう。いま自分の子どもも大きくなり、同時にさまざまなお子さまについてのご相談を伺っていて感じるのは「これをやれば、どんな子どもにとってもプラスになる育児法や知育法」というものはないということです。ただ、子どもの持つ能力を最大限に伸ばすために大切なこと…それは子どもを「何ができるか、できないか」で判断するのではなく、「見る」ことだと思っています。■子どもが「いま知りたいこと」は何か子どもは「生きのびようとする動物的な本能」として、周りのことを「知りたい」という思いを必ず持っています。子どもをじっくり見て、いま「知りたい」と思っているものに夢中にさせてあげることで、何をするにも必要となる「集中力」を養うことができます。子どもに規則正しい生活をおくらせることはいいことですが、何かに集中しているときにそれを中断させてまでごはんやお風呂などをせかすよりは、少し様子を見ていて、ふと集中が途切れたときに声をかけたほうがいいと思います。(ゲームなどでなく、あくまで「知りたい」と思って何かをしているときですが…)そして、さらに子どもが夢中になっている様子を見ていると、集中のパターンがわかります。ひとつのことにじっくり長く取りくむのか、いろいろなものに少しずつ時間をかけるのか、未知のものごとに積極的にチャレンジするのか、わかっているものから徐々に慎重に手を出すのか…。そのパターンがわかれば、その子に一番合った教材や勉強方法を与えることができるでしょう。たとえば、学習塾でも、予習をさせてきて授業で理解度を確認する教え方のところもあれば、あらかじめ教材は渡さず、授業で初見の問題に取りくませ、家で復習し疑問点を明確にさせるやり方をとるところもあります。少人数の塾も、大人数で競争を促す塾もあります。どの塾のやり方も正解なのですから、ウワサや進学実績などにとらわれず、子どもの集中の仕方や物事への取りくみ方に合致するところを選ぶのが、一番効果があると思います。「こうでなければ」「こうしなければ」と考えず、目の前の子どもがあなたにとっての「育児の正解」を教えてくれます。どうぞゆっくりお子さんを見てあげてくださいね。
2016年07月03日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。1学期の園生活、学校生活もいよいよ終盤になりました。夏休みに向けて、お子様はいまからワクワクしているのではないでしょうか。今年入園、入学されたお子様にとっては初の集団生活、集団学習で、多くの学びを得たことと思います。日本では、小学校、中学校は義務教育と位置付けられています。義務教育とは、保護者がその子どもを小学校や中学校に就学させなければならないということです。しかしながら、事情により義務教育を受けることができない子どもがたくさんいます。そこで今回は、義務教育段階の中学校をクローズアップし、中学に進学することができない子どものための最新の救済措置をお伝えしたいと思います。●中学校に進学できない子どもの事情6例義務教育は小学校と中学校です。国の大方針として、中学校に進学するためには小学校の課程を修了していることが必要です。そのため、これまでは小学校を修了していなければ必然的に中学校に進学できませんでした。では、そういった子ども自身が中学校への進学を希望していないのでしょうか?中には進学を希望しないお子様もいます。ところが、子ども自身が中学校に進学したいと希望しても、特別な事情によって進学できないケースがあるのです。文部科学省は、2016年6月17日に、特別な事情により小学校を卒業できなかった子どもについて、希望すれば中学校に進学できるようにと全国の教育委員会に初めての通知を出しました 。そして、以下の6つの特別な事情の例をあげたのです。●(1)居所不明、未就学期間があるために未修了虐待や無戸籍といった複雑な家庭の事情 、犯罪被害 などにより通学できずに小学校を未修了だった子どもが、中学校相当年齢になって中学進学を希望するケース。●(2)不登校による未修了不登校 等で長い間欠席したり、学校との関係を絶っていたため小学校未修了となった子どもが、その後通学が可能になり中学校等への入学を希望するケース。●(3)病弱、発育不完全で就学義務の猶予・免除対象病弱 や発育不完全 などの理由で、小学校の間は就学義務を猶予または免除されていた子どもが、中学校相当年齢になってから就学できる状態になったので中学進学を希望するケース。●(4)重国籍、日本語能力の欠如で就学義務の猶予・免除対象海外から帰国した子どもが、2つ以上の国籍 をもっていたり、日本語能力が欠けている という理由で就学義務が猶予または免除され外国人学校に通っていたような場合で、その子どもが中学校へ進学を希望するケース。●(5)外国籍日本の国籍 がなく外国人学校に通っていた子どもが、経済的な事情や居住地変更などにより中学校段階から中学校への転学を希望するケース。●(6)夜間中学戦後の混乱 や家庭の事情 で、義務教育を未修了のまま学齢を超えてしまった場合、中学校夜間学級等に入学を希望するケース。●救済措置の内容現状でも、子どもや保護者が希望すれば進学を認めている学校や教育委員会はあるようです。その一方で、法律の規定から外れているということで画一的に判断されたり、各教育委員会の判断で進学を認めないケースなどもあるようです。そこで、文部科学省は、希望すれば子どもは義務教育を受けることができる ということを明示するため、先述のような特別な事情がある場合は、子どもが進学を希望すれば認めるべきだということを周知したのです。ただし、特別な事情がある子どもは、小学校の学習課程を未修学だったり、学習が遅れていたりなどの課題があります。このような場合は、中学校の教職員の指導だけではサポートしきれない心配もあります。そのため、生徒の状況を踏まえて個別の支援計画を立てたり、個人用に教材を用意したり、地域の学校支援組織やNPOなどの民間団体と連携したりして組織的にサポートする体制をとるように通知したのです。また、虐待、貧困、ネグレクトに関連する生活上の課題も抱えている場合は、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった専門職員に加え、児童相談所などの関係機関とも“緊密に” 連携するようにとされています。このような生徒の支援には補助などの財政的な担保もされており、人員配置の増加なども入ってきますので、総合的な支援が受けられるようになります。進学を希望する特別な事情をもつ子どもが、一人でも多く充実した中学生生活を送ることができるよう願います。【参考リンク】・小学校等の課程を修了していない者の中学校等入学に関する取扱いについて(通知) | 文部科学省()●ライター/佐藤理香(株)
2016年06月30日一人で学習する習慣は、親が子どもに身につけさせたい習慣のひとつ。しかしその習慣の前に、身につけておくべき“大切なこと”があるって知っていますか?学ぶことは楽しい!という意識今回話を聞いたのは、塾講師でありホームラーニングのプロ、荒川茂樹さん。元小学校教員で、6人の子の父でもある荒川さんが大切にするのは、「学ぶことは楽しい!」ということ。「『学ぶのが楽しい』という意識が定着する時期は4~9歳です。そしてこの“楽しい”を一番学べる場所は、学校でもなく塾でもなく、家庭なのです」。荒川さん曰く、学ぶ楽しさを知っている子どもは、放っておいても自ら学習するようになるのだとか。どうやら、4~9歳がゴールデンエイジのよう。これは逃したくないタイミングですね。でも、「家庭で学ぶ楽しさを教える」って、自分でさえ「学ぶ楽しさ」を知らずに育ったのに難しそう・・・。「心配しなくても大丈夫。子どもと一緒に遊べばいいのです」と、荒川さん。そこでどのような方法があるのか、具体的に教えてもらいました。遊びの中に学びをまず子どもが今、興味を持っていること、好きなことを知ること。そこをふまえて、これらのアイデアを参考にしてはいかがでしょう。1.子どもの“大好き”を文字の練習にひらがなやカタカナを覚えるのに、自分の名前やあいうえお順から始める人も多いでしょう。しかしここは発想を変えて子どもが一番好きなものから始めてみてはどうでしょう。大好きな恐竜の名前、興味のある昆虫の名前、お気に入りのキャラクターなど、子どもの“一番のお気に入り”をネタとして登場させます。字を覚えさせるのではなく、遊びながら学ぶことがポイント。子どもは自然と文字を覚えていくでしょう。2.“できる!”を体感、数字にはトランプ数字に興味を持ちはじめたら、トランプ遊びもおすすめです。数字として認識しにくいJ(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)は省き、1から10までの数字で神経衰弱も楽しいです。難しければ1から5までに減らします。子どもが難しいと感じるものではなく、まずは少しハードルを下げて「できた!」「楽しい!」を実感させてあげましょう。私も荒川さんに教えてもらった「足し算神経衰弱」をやってみました。2枚の数字を足すと10になるカードを当てるというもの。いつもと違うルールに子どもたちも前のめり、親の私たちも本気モードです。その様子に子どもたちのテンションもあがり、親子で楽しむことができました。3.多種多様な“かるた”も使う価値あり「『漢字の部首かるた』、『地図記号かるた』、『国旗かるた』、『ことわざかるた』など、種類が豊富な“かるた”を活用しない手はないですよ!」と荒川さん。早速ネットで検索してみたところ、あるある!習う漢字も増え、熟語の意味を質問してくる長女には“四字熟語かるた”、海外や世界地図に興味を持つ次女には“国旗かるた”、「となりのトトロ」が大好きな三女には“となりのトトロかるた”かな?と、それぞれの興味・関心を思い出しながら検索。商品を見ている私も、子どもの反応を想像してわくわくしました。4.トイレでも学習できる?荒川さんいち押しの方法に「トイレ学習法」があります。トイレに座ったときに、子どもの目に飛び込むように、壁に表やカードを貼っておくものです。あいうえお表や九九の表は定番だと思いますが、子どもが「おや?なんだろう?」と興味を持つものを選んでみるとよいとのこと。私が試してみたのは、ポルトガル語会話。2016年オリンピック開催地のブラジル、この機会にブラジルを知ろうと、子どもと調べたのがきっかけでした。A:「はじめまして、お元気ですか?」B:「はい、元気です。お名前はなんですか?」A:「○○です」B:「では、またね」ポルトガル語で簡単な会話をしているページ。このコピーを1週間くらいトイレに貼っておいたところ、小学生の長女と次女がフレーズを丸暗記。しかも二人で会話を成立させて遊んでいるではないですか。こんなに簡単に覚えてしまうもの?、と正直驚きました。この方法は英会話にも使えそうです。九九の表も、1から9の段全部を貼りっぱなしにするのではなく、最初の1週間は2の段、翌週は3の段といったように変化をつけます。子どもたちは新しいものが大好き、ちょっとした変化にも敏感に気づくので、そこを逆手にとって楽しい“学び”を貼ってあげましょう。すべては母と子の“コミュニケーション”たくさんの例を教えてもらいましたが、学びと遊びを別物と考えるのでなく、いかに融合させるかがポイントのよう。「『遊びながら学ぶ』という意識をお母さんが持って接すると、子どものやる気は倍増、いや3倍に育ちますよ」と荒川さん。「しかし子どもは自分とは別人です。思うように反応しないとき、失敗だってあります。それらは次のネタ探しの糧となりステップアップにつながりますよ」と、前向きなアドバイスもいただきました。子どもの好きを発見し、子どもに働きかける、そして子どもの反応を楽しむ、すべては母と子のコミュニケーション。母と子がうまく循環しだすと、“楽しい”は自然と定着していき、後の人生でも“学ぶことを楽しむ”土台となるようです。まずは簡単な方法から試してみてはいかがでしょうか。<取材協力>笑学舎<文・写真:フリーランス記者林未香>
2016年06月27日スイミング、ピアノ、英語、バレエ… いろんな習い事があるものの、始めるタイミングや選び方に悩むママは多いもの。特に仕事をしながらとなると、週末しか通わせることはできず、家族で過ごす時間との兼ね合いも熟慮が必要です。そこで、子どもの習い事について、いつから何を選べばいいかを考えてみました。■習い事の目的を明確に「オムツもとれたし、とりあえずスイミングでも習わせようかな」「幼稚園のお友達がみんな習っているからピアノかな」という理由で習い事を始める人も多いと思います。けれど、せっかくならちゃんと目的や指針を持って取り組みたいものですよね。例えば、・基礎体力と体づくりに → 水泳・知的好奇心を刺激するため → 幼児教室・情操教育につながる経験を → リトミック・大人になっても楽しめる趣味を見つけるため → 楽器・チームワークや礼儀を学んでほしい → 団体スポーツ…といったように、目的がはっきりしていれば、おのずと選択肢は絞られてきます。また、・まずは浅く広くでいいからいろんな経験をさせてあげたい・何か一つのことをやり遂げてほしい…などの方向性によって、複数の習い事をするかどうか、なども決めやすくなってきます。 ■本人のやる気と親の覚悟幼児のうちは親の志向で決められますが、小学生などある程度の年齢になると本人の意思を尊重したいですよね。途中、やめたくなるほど辛いことがあるかもしれませんが、頑張った先にある景色を見せてあげるのも親の役目。モチベーションを刺激しながらサポートしていく覚悟も必要です。また、本人が夢中になったり、思いのほか才能が開花したりして、「プロを目指したい」「もっと専門的に習って、技術や技を磨きたい」となったときには時間とお金のサポートも必要になります。習い事をはじめたら先生にお任せ! ではなく、その経過と子どもの心の変化から目を離さないことが重要です。■習い事を始めるタイミングは?進級時や新学期など、環境がガラッと変わるタイミングで始める子どもが多いようです。けれど、子どもの成長は早く、突然興味を持ちだしたり、できることが増える場合もあるので、年度途中でも問題はないでしょう。また、「まだ年齢的に早いかな…」ということでも、先に挙げた目的や指針にマッチすることなら、躊躇せず教室や先生に相談してみましょう。ちなみにひどい運動オンチで黒歴史を持つ私は、わが子が幼い頃からその傾向がないか、かなり注意深く観察していました。結果、残念ながら私の遺伝子をそっくりそのまま受け継ぐわが子…。これはどうも同じ苦労をしそうだと悟り、保育園児のうちに水泳と体操(バランス運動)を習わせることに決めました。・どちらも一度会得すれば体が覚えて忘れないであろう・どちらも苦手意識が根づく前に克服すれば、コンプレックスを防げるだろう…という2点が決め手となり、「今習うことに意義がある」ということでスタートしました。本人も想像以上に楽しんでおり、できなかったことができるようになる喜びを経験できているようです。週末がつぶれるのはどうかな…という点も心配でしたが、これも午前中のクラスを選ぶなどすれば、思ったほど問題はありませんでした。ひとまずは卒園まで続けてみて、小学生になったら本人に継続かほかに習いたいことはないかの意思確認をするつもりです。いかがでしたか? お子さんの成長を一緒に感じられる、習い事選びの参考になればと思います。
2016年06月26日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。子どもの学習に最適だとして注目を浴びる『リビング学習』というスタイル。小学1、2年生の約8割がリビングで勉強しているという大手通信教育会社のアンケート結果もあるほど浸透しています。また、東大生の約半数がリビング学習をしていたという調査結果がテレビ番組で紹介されたこともあり、「子ども部屋よりリビング」という形が定着しつつあります。このリビング学習、多くのメリットがあげられていて、いいところばかりのように見えますが、デメリットはないのでしょうか?どんなに効率の良い勉強方法にも多少のデメリットはつきもの。リビング学習にもあるデメリットを良く知り、それに注意を向けることで、学習効果をもっとあげることもできるはずです。●(1)干渉リビング学習の利点に“寂しくない”ということがあります。いつでも誰かがそこにいるか、気配を近くに感じることができるから、安心して勉強ができるというのです。特に小学生低学年では、子ども部屋に一人でいることに慣れない、または勉強を一人でするのが寂しいという声があり、リビングにいる方が勉強がはかどるのも確かであるようです。ところが、人がいるからこそのデメリットもあります。たとえば、親からの過干渉 。「あ、そこ違っているよ」「姿勢を正しなさい」「消しゴムのカスを落とさないで」などなど、子ども部屋で一人学習をしていれば、めったに言われない言葉が次々に子どもに向かって降りかかってくる可能性があるのです。目の前に子どもがいれば、注意をしたくなるのが親心。親が干渉したい気持ちをグッと我慢できるかどうか が、リビング学習の成果に影響を与えます。●(2)音リビングだからこそ、ママが食事の支度をする音、兄弟が聴いている音楽など、いろいろな“雑音”が自分の部屋にいるときよりも多く大きく聞こえてきます。これをシャットダウンできる集中力が備わっていればいいのですが、子どもの性格によっては気になって気もそぞろになるばかりのこともあります。子ども部屋とは違って“寂しくない”リビング学習の場を作るなら、音の種類や大きさ にも気をつかってあげる必要がありそうです。ほかの家族がテレビを見ている、ゲームをしている、おしゃべりをしている、そんな状況は勉強の妨げになることの方が多いでしょう。●(3)食べ物リビングとキッチンやダイニングが仕切られずに同じスペースにある家庭も多いでしょう。子どもは食事の支度をしている匂いで胃袋が刺激され、目に入るところに置かれたお菓子にも気を引かれてしまいます。「お菓子を食べながら勉強してもいい」という家庭もあるようですが、2つのことを同時にこなせる子どもは多くありません。嗅覚からも視覚からも、集中の邪魔になる食欲を刺激しない ように工夫が必要でしょう。●(4)照明リビングの照明は落ち着いた色や光量に調整されていることが多いでしょう。全体的には明るくても手元までは照らしません。これが個室の学習机であれば、手元をしっかりと照らす照明がくくりつけられていたり、スタンドを置いたりするはずです。少しくらい明るさが足りないからといって、すぐさま勉強に影響を与えるとは限りませんが、一つ確実に影響を与えるところがあります。そう、視力 です。リビング学習を行うなら、専用のスタンドを用意するなどで“照明”を確保してあげましょう。●(5)姿勢勉強机は、机の高さも椅子の高さも子どもの成長に合わせて変えることができます。でも、リビングのテーブルや椅子はどうでしょうか?リビング用の椅子は大人サイズに合わせて作られていることが多く、子どもでも座ることはできますが、足が届かなかったりお尻が沈んでしまったり、テーブルが高くなり過ぎたり低すぎたりしてしまうのです。子どもは体に合わない椅子で姿勢を保つことができません 。リビングの椅子では子どもの姿勢が崩れてしまうのです。特に、椅子が高い場合には足が浮いてブランブランと遊んでしまい踏ん張ることができません。これが、勉強に集中できない原因となることがあります。足元には踏み台を、椅子にはクッションを敷くなどして、姿勢を保てるようにしてあげましょう。●まとめリビング学習にはメリットもたくさんあります。ところが、いくつかのデメリットがせっかくのメリットを台無しにしていたり、せっかくの子どものやる気をそいでしまったりしていることもあるのです。これらのデメリットは、子ども自身はなかなか気づくことができず、当然対応もできません。親の方で気をつけてあげる必要があるのです。親は“ただ、そこにいる”ことを心がけ、子どもからの問いかけに対応するにとどめておくのが、リビング学習の効果をアップさせるコツです。口を出したくても「グっと我慢」が合言葉です。【参考リンク】・子ども部屋?リビング?勉強はどこでする? | ベネッセ 教育情報サイト()・リビング学習は学力向上に効果? | リサーチのrTYPE()●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
2016年06月25日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。小学校に入ってすぐは、宿題をうれしく迎え入れて、自発的に行う子が多いです。でも、次第に中だるみが出たり、やり始めるまでに時間のかかる子も出てきたりします。親としては「ちゃんとやらせたい!低学年から自主的に家庭学習ができるようになってもらいたい!」と思うことでしょう。心理的なサポートなどをすることで、忙しいママでもやる気にさせる声かけが可能です。●親の言葉を絶対的と受け止める「児童期:7歳ごろ」児童期は、物事の善悪などを判断するための道徳観を身につける時期です。しかし、幼児期と児童期の中間にある7~8歳は、まだまだ親の言葉や意見を絶対的な判断基準として受け入れやすい時期 と言えます。多少の個人差はありますが、この時期に家庭学習を一緒に始めると、良い意味での癖として、成長しても残せます。それが楽しく励まされるような状況であれば、なおのことです。●親子関係だからこそのピグマリオン効果『ピグマリオン効果』 とは、教師が生徒に対して期待するような言葉を示せば、生徒の成績が上がるというものです。1998年に行われた心理学実験がありました。「学力の伸びが期待できるとされた生徒」と「それ以外の生徒」では、前者にIQの増加が見られたというものです。特に小学1~2年生の結果は著しい差がありました。このピグマリオン効果は、教師だけに生じる現象ではありません。親子関係にも起こります。親が心から子どもに期待をかけることで、子どももそれに応えようとする のです。低学年であれば、前項目のことから、その関係がとても築きやすいと言えます。ただし、ここで大切なのは口先で言うのではなく、本心で期待をかけることです。言葉かけとしては、「この計算がこんなに速くできるのすごいね!まだまだ記録伸びるね!」「字がとても上手だね。本当に見やすい!これを続けていこうね!」「テストの結果は残念だったけど、次は大丈夫!間違えたところを一緒にやってみよう!」などと、事実を認め、褒めたり励ましたりして低めの階段(目標)を目指すようにしていきましょう。低めの階段を設定してあげると、効果が出たときにさらに褒めることにつなげられます。●低学年の学習ポイントは国語学習のポイントが国語というのは、全ての基礎になるからです。他のどの教科を見ても日本語で書かれています。だからこそ、“読んでわかる力” が必要なのです。テストなどの問題を解くにしても意味がわからなければ、解けませんしわかりません。まずは内容がわかることのできる力をつけるための学習を家庭学習に取り入れましょう。ひらがな・カタカナ・漢字と、低学年ではさまざまな文字を学びますから、音読は毎日必要です。教科書の音読は、宿題として出されてくるでしょうから、絵本などの文章を音読するのでもいいでしょう。実際に私が学習塾で教えていたときは、どの子にも音読をさせていました。その子に応じて、テキストだったり、絵本だったり書籍だったりとさまざまでした(低学年のうちは、読む文の長さも短め)。読む力がつくことで、最初は文章問題などを諦めていた子や、問題を読まずにやっていた子が、しっかりと問題を読み、解くようになっていきました。学習としてのポイントは、最初のうちは一緒にやる ことです。低学年の家庭学習は、20~40分と言われています。音読はそのうちの数分です。ぜひ、一緒にやってみてあげてほしいと思います。●おわりに心理学の面から褒めて励まし、学習面から“読んでわかる力”を学ばせてあげることで、低学年のうちに学習する癖をつけることができます。自分の子どもだけでなく、講師をしていたときも多くの生徒に実践してきました。ですから、忙しいママたちにも必ずできます。まずは、「勉強、一緒にやろっか」からスタートしてみましょう。問題文を声に出して読むことも音読です。何でも読むことを取り入れるようにしてみてください。もちろん、褒めること励ますことを忘れずに!【参考文献】・『伸びる子には秘密がある―小学生・意欲を育てる勉強法』石井郁男・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
2016年06月22日1歳半検診のときに「言葉は何語くらい話しますか」と質問される自治体が多いのではないかと思います。私の住んでいる地域では、「何語話すか」と「指差しの確認」をされました。そしてその時期、私の息子は「まんま」しか話せませんでした。もちろん、指差しもできず…。しかし、その後一気に言葉が増えて、今(2歳4カ月)では普通に会話が成り立つほどに成長。その間に、家で実践した「これがきっかけで言葉が増えたのかも?」と感じることを紹介します。■大好きな物から学ぶ! 「のりもの図鑑」息子は、大の乗り物好きです。男の子には人気の乗り物ですが、好きなもので言葉を覚えさせようと「のりもの図鑑」を購入。「1歳半の子どもには、少し難しいかな」とも思いましたが、イラストではなく写真で多くの乗り物が紹介されている図鑑を選びました。90ページと子どもの本にしてはページ数が多く、元交通博物館の副館長である松澤正二さんと、交通ジャーナリストの井上廣和さんが監修している、割と本格的な図鑑です。息子は驚くほど気に入ってくれ、毎日、夢中になって図鑑を見ていました。読んであげるのはとても疲れるのですが(ページ数も多く、重さもあるので)、できる限り付き合ってあげると、毎日おもしろいくらいに多くの乗り物を覚えていきます。好きなものから学ぶことは、大人も子どもも効果的なようです。電車や車、新幹線、船、飛行機、トラック、消防車、救急車、ゴミ収集車など、たくさんの乗り物の名前を言えるようになり、車で出かけるたびに「トラックいるよ~」「バス大きいよ~」など、楽しそうに話しています。また、家にいるときでもエンジン音や走行音を聞き分け、「電車来た」「トラック来た」「バイク来た」など、教えに来てくれるようになりました。図鑑を購入したことで、好きな物の名前を覚える→知っている単語を話したい→話をする機会が増える→他の言葉も増える、と好循環になったと感じます。【購入した書籍】『チャイルドブックこども百科 新版 のりものいっぱい図鑑 いろいろ501/チャイルド本社』(監修/元交通博物館副館長・松澤正二/交通ジャーナリスト・井上廣和)■部屋に「友達と写っている写真」を貼る額に入れて飾った保育園の集合写真。これは、言葉を覚えさせるためではなかったのですが、結果的にはとても良かったと思います。保育園のお迎えの際に、ほかの同月齢の子どもたちが息子の名前を呼んで「◯◯くん、バイバイ~」と言うのを聞いて、とても驚いていました。息子は、友達の名前はおろか、自分の名前も口にしなかったので、「お友達の名前を覚えるのはまだ難しいのかな」と思っていたのです。しかし、写真を飾り始めた途端、写真を指さして「◯◯ちゃん」「◯◯くん」と言うようになりました。最初はほとんど聞き取れず、私が知っている名前の子だけ「本当だ。◯◯ちゃんだね」と返していたのですが、すぐに発音が上達。保育園でも「◯◯ちゃん」とお友達の名前を呼ぶようになり、帰り道で「今日は誰と遊んだの?」と聞くと「◯◯くん」と答えが返ってくるようになりました。自分の名前は、少し発音が難しいようで(息子は「ら行」が苦手)下手なのですが、「お名前は?」と聞くと答えてくれるようになりました。写真を貼ったことで「仲の良いお友達を教えたい」という欲求が出てきたのか、家で私と主人に友達の話をするようにもなり、保育園での様子をなんとなく感じることができるようになったのも、良かったと思います。言葉が増えた理由は、実際にはわかりません。しかし、好きな乗り物の名前を教えたことや、お友達の写真を飾ったことは、家庭で子どもとの会話を引き出すきっかけになってくれました。会話が増えたことで、言葉が増えるのはとても自然なことです。上手に話せない子どもの言葉に、じっくり耳を傾け続けたことも、言葉を増やした理由のひとつだったのかもしれません。
2016年06月18日【ママからのご相談】こんにちは!うちの娘はまだ1歳半なのですが、住んでいるところが比較的高級住宅地なので、近所のお子さんの大半が幼児教室に通っています(ちなみにうちはお金持ちではないです……)。ある熱心なママさんに「1歳半から始めるなんて、遅い方だから」と言われてしまい、ちょっとモヤモヤしています。主人は幼児教室に通うことには賛成なのですが、周りのママさんたちがエリート意識が高すぎるというか、私がついていけない気もしていて、踏み出せないでいます。とりあえず、重い足を引きずって体験教室にいってみようと思うのですが、ちょっと背中を押していただけませんか(笑)?●A. そもそも本当に必要? “早期教育”の是非を考えてみましょう。こんにちは!ライターの月極姫です。確かに、0~3歳は脳神経回路が目覚ましい発達を遂げる黄金期 。この時期に適切な刺激を受けることによって、子どもの知性や五感が豊かな発達を遂げるという理論はよく知られています。しかし、「1歳半から始めるなんて、遅い方だから」。これがご相談者様へのイヤミだとしたら、残念ながらそのママさんは、純粋にお子さんのために幼児教室に通わせているわけではなさそうですね。「子どものため」と言いつつ、いつの間にか自身の見栄やプライド、競争心を満たすことが目的になってしまっている。教育熱心な親御さんが、ハマりやすい落とし穴といえるでしょう。とはいえ、筆者は早期教育肯定派です。『就学前教育の有無が教育的、経済的な差を生み出す』これは、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマンの言葉です。ヘックマンは40年以上に渡る追跡調査で、幼児期の適切な教育が個人の能力や経済力に大きな影響を及ぼす という調査結果を導き出しました。一方で、・偏った早期教育が子どもの人格を破壊する・早期教育が過ぎると、親の顔色をうかがう自発性の低い子に育つ・幼児期に脳に単調な刺激を与えすぎると、その後の学習能力に悪影響を及ぼすなど、ネガティブな情報も少なくありません。まず、“早期教育に力を入れなければ、絶対に高い能力や人格が身につかない”ということはありません。たくさんの偉人が輩出されてきた過去の時代に、イマドキの幼児教室のような存在はありませんでした。ただ、優秀な方や偉人が育つ背景にはそれなりの家庭教育、学習環境があります。しかし、私たち皆が、優秀な人たちが育った家庭教育を再現できるか?といったら無理がありますよね。脳科学や早期教育に詳しくない、ごく一般的な親子に広く門戸を開いているのが幼児教室です。だからこそ、子どもだけでなく、親御さんも一緒に学ぶスタイルの教室が多いのです。通うも通わないも親御さんの力量や価値観次第。それで他者批判をするのは間違っています 。極端な意見は軽く聞き流し、まずご自分の目で見て確かめることです。通う、通わないは人それぞれ、決めるのはお子さんとあなたです。体験レッスンでは、お子さんがリラックスしていきいきと学んでいるか、楽しそうにしているか、という点が大切ですが、たとえ楽しそうであっても「ただ物珍しいだけではないか?」「仲の良いお友達と一緒だから楽しめているだけではないのか?」といったシビアな見方もアリです。決して安くないお月謝を払って通わせるわけですから、親の目線でも慎重にジャッジを下しましょう 。さて、それでは各早期教育の特徴と、ユーザーのポジティブな声、ネガティブな声の両方を見てみましょう。全国どこででも受講しやすい大手の教室・講座にしぼってご紹介します。●長い歴史と信頼の実績。子どもの発達に合わせて学ぶ“老舗”タイプ●ベビーくもん公文と言えば「毎日大量のプリントをやるのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、それは小学生以降の学習スタイルです。0歳から学べるベビーくもんは、かわいらしい絵本と知育玩具、CDやDVDなどで月齢に合わせた取り組みを行います。また、単なる通信教育ではなく、月に一度の“通室”で、母子ともに刺激を受けられるのが特徴です。【ユーザーの声】『月に一度のスクーリングというのが、0歳児にはちょうどいい 。早期教育を頑張り過ぎるのも嫌なので、ウチにはこれが合っています』(30代2児ママ)『教材が可もなく不可もなく、特徴がとくにないように感じた。お値段が安いので、もう少し続けてみようとは思っています』(40代1児ママ)●めばえ教室1979年創業の老舗です。『知能教育コース』『英会話コース』『グリムコース(国語力を高めるコース)』があり、1歳から母子で受講できて、2歳ごろから段階的にママと離れてレッスンを受けます。詰め込み型の教育ではなく、好奇心を刺激し自ら考える力を育てるプログラムが特徴。一見遊びを通した楽しい取り組みですが、知能判断テストの結果をグラフ化するなど、成果が客観的に見える工夫もうれしい ところです。【ユーザーの声】『上の子が甘えん坊で困ったことがあったので、下の子は早めに母子分離させようと通わせていました。2歳でも、意外とレッスンをきちんと受けられる姿に驚いた記憶があります。集中力がついたのは、めばえのおかげかも』(30代2児ママ)『英語の方に通わせていて、5歳のころには親もびっくりするような発音になりガッツポーズでした。でも、そのあと他の習い事を始めるとあの発音も忘れてしまったみたい(笑)。やっぱり、続けなきゃダメなんですよね』(30代3児ママ)●あの天才子役も出身者! 従来の教室と一線を画す“全脳教育”タイプ●七田式右脳教育子役でスケート選手の本田望結さんが通っていたということで、最近さらに知名度を増しましたね。3歳までの時期に右脳を開発することによって、ひらめきや直感力、イメージ力、絶対音感なども身に着けるというものです。従来の、理論的思考に偏った“左脳教育”とは一線を画するもので、いわゆる天才肌の人材を育成しようという性質が強い教育法 です。0歳からの幼児教室に加え、七田式の講習をクリアしたネイティブ講師による英語教室、家庭で行える通信教育も行っています。大量の絵カードや、ドーマン式のドッツカード(丸いシールを大量に貼り付けた数のカード)を、素早くめくって見せるフラッシュカードも特徴的です。【ユーザーの声】『3人とも0歳から七田の幼児教室に通い、年少からは七田の幼稚舎に。今長男が中2ですが、受験についてもあまり心配はなく、音楽、スポーツにも意欲的なのは右脳開発の賜物だと思っています』(50代3児ママ)『教室に通ってみたけど、お金持ちのママさんの自慢大会みたいな雰囲気が嫌で辞めました。私が気乗りしなかったせいで、子どもの反応もイマイチだったのかもしれないけど(笑)』(40代2児ママ)●子ども心をガッチリつかむ! 楽しく学べる“人気キャラ”タイプ●ベネッセ・こどもチャレンジ通信教育の他に英語教室やサイエンス教室、作文教室なども展開しており、年齢と発達段階に合わせた豊富な教材、挨拶や礼儀作法、コミュニケーションスキルなど社会性の発達にも力を入れた取り組み内容 が特徴的です。就学後は教科書に即した内容のワークが増えていきますが、未就学児のワークはカラフルで楽しく、学習能力の基礎となる知育遊びをメインとしつつ、鉛筆の持ち方や書き方なども学べるようになっています。【ユーザーの声】『しまじろうがかわいくてテレビ番組まであるので、子どもが引き込まれるように取り組んでくれて親はラクでした。付録のDVDは繰り返し見るほど好きでした』(40代2児ママ)『教材が多すぎて使いこなせず、親が相手をするものも結構多くて大変。入学前にやめました』(30代1児ママ)●ドラキッズ何といってもドラえもんが子ども心を引き付けて離さず、体験教室などでも「子どもの食いつきが違う」 と評判の教室です。総合教育コースは満1歳から入会でき、小学校準備コースまで年齢によって分かれています。絵本や知育玩具にはもちろんイメージキャラクターのドラえもんがついています。最初はごっこ遊びやゲーム的な取り組みを親子で楽しむところから始め、無理なく知能を高めていくプログラムになっています。【ユーザーの声】『いろいろな習い事をさせてきたけど、一番楽しそうに通っていたのが入学前までのドラキッズ。ドラえもんおそるべしです』(30代1児ママ)『最初の食いつきがすごかったけど、うちの子の場合は意外とすぐ飽きちゃったかな。女の子はませてるので、ずっとドラえもんが楽しいとも限らない。年中で辞めて他社の地味な通信教育に切り替えたけど、その方が合っている様子』(40代2児ママ)●ネット上の情報には裏がある!? 鵜呑みにせず体験教室へGO!幼児教室を選ぶ際に、もう1つ注意しなければならないことがあります。それは、ネットの幼児教室ランキングなどをやたらと信用し過ぎない ことです。“通室者数”や“年商”といった客観的なデータによるランキングを掲載しているサイトは良心的ですが、一部のアフィリエイトサイトの中には、主観的でアバウトなランキングを掲載しているものもあります。また、良心的なサイトで人気ランキング上位だからといって、お子さんの個性に合っているか否かはまた別問題なのです。ネットの情報にも、お友達からの情報にも、振り回されないことが肝心です。日ごろから、また体験教室の場などでも、まずはわが子の様子をよく見ること。そして教室の方針やメソッドについての疑問は遠慮なく解消し、納得の上で通室することをお勧めします。また蛇足ではありますが、幼児教室への通室が軌道に乗っても、お家でのんびりしたり、お友達と自由に遊ぶ時間は必ず確保してあげてください。いつの時代も、自由に使える空白の時間 があってこそ、子どもの内面世界は豊かなものになっていくと思います。【参考文献】・『幼児教育の経済学』ジェームズ・J・ヘックマン(著)/古草秀子(訳)●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年06月16日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日小学校受験とまではいかなくても、入学前から勉強の習慣を身につけておくことは悪いことではありません。幼児の内に習慣がついていれば、入学してからの勉強もスムーズに取り組めるかもしれません。学習教室に通わずとも、今は自宅で取り組める教材が色々あります。幼児の勉強はどんなことに気を付ければよいのか、どんなものがあるのかを知っておきましょう。人気の自宅学習教材自宅で学べる幼児向けの通信講座は色々な種類があり充実しています。毎月届くので進めることに達成感がありますし、次の教材が届く前に終わらせようという気持ちにもなりますね。人気が高いものとしては、ベネッセのしまじろう、Z会、ドラゼミ、幼児ポピーなどがあります。無料体験を送付してくれるところがほとんどですので、一度頼んでみて子どもの反応を見てみるのもいいですね。習慣をつけることが大事毎日10分でよいので、机に向かう時間を作りましょう。大切なのは机に“長く”向かうことではありません。むしろ集中力が切れないように短い時間にしておきましょう。そして何より大切なことは、できたら褒めることです。何か問題が解けた時だけではなく、机に向かったその姿勢を褒めてもよいのです。褒められると「自分はできるんだ」という自己肯定感が芽生え、自信につながります。親の背中を見せる本人が1人で取り組んでいても、放っておくことは厳禁です。普段からも親がダラダラしたりスマホをいじったり…ということでは説得力に欠けてしまいます。一緒に勉強に取り組むことが一番ですが、親自身も勉強をしたり本を読むことなどを普段から意識しましょう。口で色々言うよりも、背中を見せることが一番説得力があり、子どもが自然と真似することへとつながっていきます。高学歴者の学習法を参考に高学歴タレントとして有名なロザンの宇治原さんは、リビングで宿題を行うお姉さんの真似をしたがったところ、お母さんが簡単な漢字や計算問題を作って宇治原さんに解かせていたそうです。母親お手製の問題を遊び感覚で解くことで、幼児の内から勉強する習慣がついたのですね。塾講師で人気の林修さんは、家族が読んでくれる紙芝居を真似して読み、幼児のうちに図鑑を読むようにまでなり、そこで基礎的な日本語力を身につけたとのことでした。どちらのケースも、無理やり勉強をさせているのではなく、家庭内で勉強や読書を取り入れることで自然と真似をしたくなり学習習慣へと結びつけています。私の息子は現在年中です。書くことは比較的好きな方ですが、特に楽しいと言っていた“めいろ”の本を買ったところ、登園前に自分で取り組んでいて驚きました。書店などで“ひらがな”、“数字”など以外でも“てんつなぎ”、“とけい”など遊び要素が多い本もたくさんあります。本人が興味を持てるものだけを取り組むのでも全く問題ないでしょう。極力一緒に取り組みますが、取り組めない時でも終わったワークをチェックして声をかけるようにしています。「ちゃんと見てくれている」「褒められた」ということが自信になり、次も自主的に取り組めるのだと思います。無理強いせず親も一緒に取り組むことが、「楽しい」と感じ自主的に机に向かうことへつながります。勉強だと感じさせないように勉強を自然に取り入れる工夫をしてみましょう。
2016年06月16日お子さんに習い事、させていますか? 今やおけいこ事は、ピアノやスイミングにサッカー、習字に英会話などバラエティに富んでいます。学校では経験できないことや、+αの経験をさせてあげたい、と思うのは親なら自然なこと。でも、そんなおけいこ事について悩みを抱えている人も多くいるようです。ある調査機関が行ったアンケート結果をもとに「悩めるおけいこ事情」について紹介しましょう!■子どもの習い事に関する悩み1位は「費用」アクサダイレクト生命がおこなった「第3回子どものおけいこ事に関する調査」(※)によれば、子どものおけいこ事に関する悩みとして57.9%の人が「費用がかさむ」ことをあげています。次いで「付き添いや送迎が面倒」が48.9%、「車がないと送迎が難しい」が17.9%と続き、「親同士の付き合いが面倒」と感じる人も13.6%と4位につけています。ひとつのおけいこ代だけで5,000~7,000円程度かかってしまうのでわが家も「1つは習わせてあげたいけど、2つは難しいなぁ」というのが本音です。「子どもが好きなこと」ではなく、「入会金や手数料が少ないもの」「発表会や自宅で購入する必要がないもの」などを親目線ですすめてしまう… という人も少なくないのではないでしょうか。 ■おけいこ費用、どうやりくりする?毎月必ず必要になるおけいこ費用、どうやりくりしている人が多いのでしょうか?「お子さまのおけいこ費をねん出するための工夫」として最も多かったのは「食費の切り詰め」で39.3%、次いで「レジャー費の見直し」が18.6%という結果に。驚くべきは「自分の小遣い減額」という人が18.3%、「自分がパートに出る」という人が14.6%も…! 自分が働く、あるいは自由になるお金を減らしてもいいから子どもの教育に力を注ぎたい、と考える妻が多いことが明らかになりました。一方、「夫にお弁当を持たせる」は12.1%、「夫の小遣い減額」は7.3%と控えめ。大黒柱である夫に無理を強いることは極力避けている人が多いことが伺え、妻から夫への愛情も感じられる結果となりました。■子どものおけいこ、見直すきっかけは? 「お子さまのおけいこ事を継続する・しないを見直すきっかけ」で最も多かったのは「費用」で63.4%、次いで「お子さま自身の興味・関心の有無」が60.3%、「送迎にかかる時間」が38.7%、「お子さまへの適性」が35.3%と続いています。継続して通わせるかどうかは、子どもの「続けたい」という気持ちを確認することと同じくらい、費用の面も重視している人が多いようです。また少数ではありますが「お子さまの時間のなさ、疲労感」をあげる人や「お子さまのお友達との関係」という意見もあり、見直しの理由は様々のようです。わが家では風邪をひきやすい息子に、この春からスイミングに通わせはじめました。「泳ぐのは好きでも嫌いでもない」という本人の言葉に心配していましたが、スタートしてみると意外と楽しんでいるよう。親の誘導で決定した習い事もやってみて好きになることもあるようです。もっと上手になりたいと思えれば、学校とはまた違う世界が広がるのかもしれませんね。参考/・「第3回子どものおけいこ事に関する調査」(アクサダイレクト生命)
2016年06月03日こんにちは、ママライターの広瀬まおです。2016年5月現在、教育機関でよく耳にする言葉に『アクティブラーニング』というワードがあります。これ、なんのことかわかりますか?「グループワークのこと?」「体験学習のことかな?」どちらも正解です。今回は、この『アクティブラーニング』についてお話します。●アクティブラーニングって、なに?アクティブラーニングとは、“能動的に学ぶ姿勢”のことを指します。日本では、2012年8月28日の中教審(文部科学省中央教育審議会)の答申をきっかけに、大学教育から持ち込まれました。大学の授業を受けたことがある方は、講義の風景を思い描いてみてください。教授が壇上に立ち、自分の知識を述べる。時折質疑応答を挟む場合もありますが、ほとんどは学生がアクションを起こすことはありません。ひたすらに講義を聞く、その“受動的な姿勢”から自ら動いて学ぶ“能動的な姿勢” へと変革しよう、というのが主旨でした。では、能動的な姿勢って何でしょう?先に述べたグループワークや体験学習もそうですが、もっとカンタンなことです。小学校の授業を思い浮かべてください。「これわかる人?」「はいはいはいはいはい!」みんな積極的に手を上げて授業に参加していますよね。ただ一方的に聞くだけではなく、授業に“参加”している。これが“アクティブラーニング”です。皮肉なことに日本では、小学校低学年では実現できているアクティブラーニングが学年があがるにつれてできなくなっている のです。それが顕著になった大学から、改革のメスが入りました。●アクティブラーニングができるとどんないいことがあるの?アクティブラーニングによって身に着くのは、知識の応用性 です。学んだことをその場で話したり、他の人の意見を聞いたりして刺激を受け、“新しい知識の発見”や“新しい価値の創造”を促すのです。これはこの先、グローバル化する社会において不可欠な要素だと考えられています。これもとってもカンタンに言うと、小学校1年生の子が「ああ!これがこうなるから、こうでこうなんだね!」という閃きに似ています。固定の概念だけでなく、得た知識を基盤にして新たな付加価値を作り出す 。そういったことが大人になっても求められるようになったのです。“先生が黒板に書いたものをノートに書き移す”というのが、これまでの授業の基本スタイルでした。厳密には“書き移す”というアクションを起こしているので、こちらもアクティブラーニングの部類には入ります。しかし、アクティブラーニングで一番大切なのは、“脳を動かして刺激を得ること” 。そのために、先生方も「どうすれば良いのか」という試行錯誤を繰り返しながら、導入を試みています。他の生徒の意見を聞けるのが、学校の授業の最大のメリットです。社会人としての基盤を、アクティブラーニングを通じて身につけていけたらうれしいですね。【参考リンク】・新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて | 文部科学省()●ライター/広瀬まお(コピーライター)
2016年05月31日【ママからのご相談】小6の息子のことです。新しい担任になってからほとんど毎日居残りがあります。居残りすること自体は別にいいのですが、習い事に間に合わない時間まで残されることもあり、困っています。5年生のときには居残りが一切なかったので、6年生になってからの居残りの多さに納得がいきません。勉強ができないから残されているのでしょうか。●A. 優先するべきは学校ですが、居残り時間の上限を先生と相談してみてはどうでしょう。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。「居残り」と聞けば、どうしても「うちの子は勉強できないのかしら?」と不安になってしまいますよね。親として当然です。居残り問題について、現役の小学校教諭をしている友人に話を聞いてきましたので、参考にしていただければと思います。●居残りはどうして発生するのか居残りをさせる先生は、何を考えて行っているのかという点が気になり、小学校教諭の友人に話を聞いてきました。『する先生としない先生がいるけど、居残りをさせる先生は、クラスのみんなに学習する力をつけさせたいと考えている ことは確か。それだけでなく、クラスみんなにできるようになって欲しいと思っているのではないかと思う』と、話していました。居残りはたいていの場合、前日の宿題でやってこなかった分や、授業で行った課題の終わっていない分を終わらせるという目的ですることが多いようです。居残りをさせる先生は、「子どもたちみんなに学力をつけさせたい」という思いから居残りという手段に出ているということがわかりました。ただし、居残りをさせない先生がいるのも事実です。『こういう先生は、帰りが遅くなると危ないからと考えているか、宿題の量がクラスみんなの適正量である可能性が高いのではないか』とも話していました。先生によって居残りに対する考え方は異なるようです。●居残りは学校の授業と同様相談者様にわかっていただきたいことは、「居残りは学校の活動の1つである」 ということです。学校が優先なのです。部活や習い事、学習塾はあくまでも学校活動の次に行うものと思っていただきたいです。居残りは学校の授業と同じ意味なのであって、学習塾などを引き合いに出してはいけないと私は考えています。●居残り時間の上限を先生と決めよう居残りは大切ですが、どうしても部活や習い事をさせてあげたいと思うこともあるでしょう。また、居残りが長引いて帰りが遅くなってしまうことに懸念を抱く人もいると思います。そんなときは、自分一人で悶々と抱え込むのではなく、担任の先生と居残り時間の上限について相談することが一番の解決方法 だと思います。担任の先生と直接話をすれば、子どもの学習状況を知ることができるので、どのような対策を取るべきかを考えることもできます。そうやって情報を共有することで先生、子ども、親の三者がより良く過ごすことができるはずです。相談者様からこのようなお話をいただいたとき、私も同じ立場であると感じました。ちょうど私の息子も居残りをさせられるようになったからです。居残りによって部活の時間に間に合わないと一番悩んでいるのは息子だと思い、思い切って担任の先生と電話でご相談をさせていただきました。話し合いをすることで情報を共有することができましたし、息子を主体としてお互いどのような対策を取ればよいのかを決めることができました。居残りをさせられている子を持つ同じ親として、相談者様のお気持ちは本当によくわかります。お子さんのためにも、日々の連絡帳・電話・参観日の後の保護者懇談会 などで先生に相談をする機会を持たれてみてはいかがでしょうか。きっと、先生がどういう考えで居残りをさせているのかを知ることができますし、心の中にあるモヤモヤした気持ちを解消することができると思います。ぜひ一度先生とお話ししてみてください。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『ほめるとき、叱るとき、諭すとき、最強の子育て思考法』和田秀樹・著●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年05月25日【ママからのご相談】以前、ネットの記事で3人の息子さんを東大に合格させたお母さんが、「紙の辞書より電子辞書がいい」と言っているのを見ました。しかし、人によっては紙の方がいいという人もいらっしゃいます。わが家の中学2年の息子も紙の辞書は重いからと学校へ持っていきたがらず、自宅に置きっぱなしで、辞書はもっぱら電子辞書を使っているようです。実際のところ、紙の辞書と電子辞書はどちらの方が勉強に向いているのでしょうか?●A. 目標が決まっていて時間を有効活用したいときは電子辞書が便利です。ご相談ありがとうございます。ライターの渦マキです。筆者が学生だったころは電子辞書がまだなかったので、重い辞書を持ち歩くのがおっくうで自宅用と学校用の2冊をそろえていたものです。今思い返せば、ネットがない当時はこまめに辞書を引いていた気がします。筆者の子どもは中学生になりますが、電子辞書は持たせていません。筆者と同様に紙の辞書を自宅と学校に一冊ずつ置いています。同級生の母親4人に聞いてみたところ、電子辞書を使わせているご家庭はありませんでした。まだ中学生なので辞書の使用頻度が少ないことが理由のようです。●息子3人を東大へ入れた“佐藤ママ”が電子辞書をすすめる理由息子3人を東大に入学させたことで有名な佐藤亮子さんですが、ご自身の著書のなかで、「中学に入ると即、子どもにそれぞれ電子辞書を持たせた」という主旨のことを書いています。佐藤ママが電子辞書をすすめるのは、以下のことが理由だそうです。・紙の辞書はペラペラめくっているうちに疲れる 。調べたい単語がすぐに出てくる電子辞書が効率的である。佐藤さんは、『受験は時間との戦い』ともいっておられます。限られた時間をいかにムダなく有効活用するかが大切になってくるのですね。ちなみに、3兄弟でもそれぞれ電子辞書の使い方が違うようで、3番目の息子さんは高校卒業までに3回も壊れたそうです。●紙の辞書の方がいいと言われる理由3つ世間で紙の辞書の方が良いとされている主な理由については、以下の3つが挙げられます。・調べたい単語の前後の単語も目に入る・書き込みができる、付箋を活用できる・成句や例文が豊富にでているさきほど、筆者の周囲のママ4人は子どもに電子辞書を使わせていないとお伝えしましたが、筆者の住む地域は田舎なので、単純に大学受験を中学の段階で意識する家庭が少ないということが一つの原因でもあると思います。彼女たちに佐藤ママの話を出してみたところ、「高い目標がすでにあって、それに向かって一刻もムダにしなくない状況下であれば、電子辞書は有利だと思う」という意見が出ました。●紙か電子かはケースバイケースご相談者さまも、佐藤家のようにお子さんがすでに進学する高校や大学を決めており、それに向かって進んでいるのであれば紙の辞書よりも電子辞書の方がムダなく学習できることと思います。しかし、そういう状況にあるわけではなく、単純に学習の一環として持たせてあるのであれば、筆者は紙の辞書をオススメいたします。なぜなら、紙の辞書は電子辞書に比べて少々調べるのに時間がかかりますが、その分“自分で調べる”というプロセスを実感しやすい ため、頭の中にしっかり取り込まれるからです。筆者が子どものころ、国語辞典を引くと他の言葉が次々と目に入って読みふけっているような状態になっていましたが、それが漢字をいち早く知る手だてになっていたように思います。面倒であっても、辞書を引くというプロセスを繰り返すことによって、調べる早さも向上し、探究心も旺盛になってくるはずです。電子辞書は便利ですが、どんな状況においても紙より有利、というわけではありませんし、値段も安くはありません。紙か電子かはケースバイケース 。お子さんの状況に合わせて、必要がどうかをよく考えましょう。【参考文献】・『受験は母親が9割灘→東大理Ⅲに3兄弟が合格!』佐藤亮子・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年05月25日【ママからのご相談】子どもが「どうして勉強しないといけないの?」と繰り返し聞いてきます。どうやら、勉強がつまらないらしく、やる気が出ずにこんなことを言っているようです。超有名な学校に入ってほしいとは思わないですが、せめて勉強を嫌いになってほしくありません。家でできることはありますか。●A. 子どもが興味をもつ4つのツボをおさえる!ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。これまで勉強に興味のない子どもに対して勉強を教え、興味を持たせることに取り組んできました。●勉強が嫌いになる理由勉強が嫌いになってしまう理由は大きく2つあります。1つは「できない」から 。上手にできないことを好きになるのは、大人であっても難しいですよね。上手にできないとき、頑張っても成果が出ないとき、一生懸命頑張れば頑張るほど、子どもは勉強を嫌いになっていきます。もう1つは「つまらない」から 。自分のやっていることに意義が見いだせていないのです。意味のわからないことを1日何時間もやらされていれば、嫌いになるのも無理はありません。大人はつい「勉強は我慢してするものだ!」なんて言ってしまいますが、子どもは楽しみが見いだせないとどんどん勉強が嫌いになります 。●勉強のやる気を引き出すツボ4つそこで、勉強が「できない」「つまらない」を解消するために、『ARCSモデル』 をご紹介します。ARCSモデルは、アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラーが「学習のやる気を出す方法」をモデル化したもので、4つの要素の頭文字をとって、このように呼ばれています。『ダイヤモンド社』の人材開発用語集サイトでは、以下のように説明されています。**********①注意(Attention)学習者の興味関心を引き、探究心を喚起する。マンネリを避け、学習者に「面白そうだなぁ」 と思わせることである。②関連性(Relevance)学習の目標に対して親しみをもたせ、与えられた課題を受身的にこなすのでなく、学習者が自分のものとして積極的に取り組めるようにする。目標に向かうプロセスを楽しめるようにし、学習者に「やりがいありそうだなぁ」 と思わせることである。③自信(Confidence)ゴールを明示し、成功の機会を与える。自分の努力によって成功したと思える教材にし、「やればできそうだ」 と思わせることである。④満足感(Satisfaction)学習の結果を無駄に終わらせない。目標に到達した学習者をほめて認める。公平な評価を行い、「やってよかったなぁ」 と思わせることである。**********この4つを順番に刺激できればやる気がアップします。どれか単体として刺激しても、効果が現れます。おうちで子どもと一緒に勉強する際には、この4つ全てを考えながら勉強を教えるのは難しいかもしれません。しかし、どれか1つをおさえることはできそうなのではないでしょうか。例えば、・勉強のときに一緒に絵を書いて「おもしろい!」と思わせる・勉強することやその内容が、日常生活と密接に関わっていることを教えて「やりがいがありそうだ」と思わせる・たくさんある、やるべきことを細かく小さく分解して、「これならできそうだ」と思わせる・勉強が終わったらほめて、「やってよかった」と思わせるこれだけなら、普段の取り組みと心がけ次第で、おうちでできることがたくさんあるはずです。むしろ学校よりも家でこのような話をしておいたほうが、勉強に対して興味関心を持てるかもしれません。この4つのツボをおさえて、お子さんと話をしてみてくださいね。【参考リンク】・ARCS(アークス)モデルとは | ダイヤモンド社の適性検査・社員教育・研修()●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年05月22日今は小さな子どもたちも、いつかは大人になり、社会へ出て行かなくてはなりません。しかし、子どもを取り巻く環境は大きく変化し、社会的・職業的な自立のためには、必要な能力・態度を育てる「キャリア教育」が必要ではないか…という考えが広まっています。この「キャリア教育」とは、一体どういうものなのでしょうか?■キャリア教育とは?文部科学省・中央教育審議会答申において、キャリア教育は以下のように定義されています。「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」この定義だけを見るとなにやら難しそうですが、子どもたちが将来社会に出て、しっかり働いて、自立してやっていけるように、子どものうちから「仕事をすること」「仕事に必要な能力」を学ばせようという取り組みが「キャリア教育」だと考えて良いでしょう。■キャリア教育はなぜ必要?家庭内には便利な製品がたくさんあり、地域のつながりも希薄になった現代社会において、子どもたちが「仕事」というものに触れる機会が減ってきました。また、情報化社会となり、組織や、そこで働く大人たちが起こす不祥事などの情報は、昔よりもずっと多く子どもたちの耳に入るようになっています。こういった状況下では、子どもたちの仕事に対するあこがれが育ちにくく、働くことに対する意欲の低下が危惧されるということで、今「キャリア教育」が必要だと考えられるようになりました。 ■具体的な取り組み・活動は?文部科学省ではキャリア教育の指針を定め、企業と学校が連携して専門分野に特化した授業を展開するなど、幼児期教育から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育推進に取り組んでいます。また、多くの企業やNPO法人などが、学校と連携しながら子どもたちのキャリア教育に関わり、さまざまなキャリア教育のためのプログラムを提案しています。自治体によっては「家庭でのキャリア教育」のためのパンフレットなどを作成し、保護者に配布しているところも。現在、学校が主なキャリア教育の場となっていますが、その土台となるのはやはり各家庭です。両親が積極的に仕事の話を子どもに聞かせるなど、ちょっとした工夫で家庭をキャリア教育の場にすることも可能。また、お手伝いをしてもらうときに、たとえば掃除なら「清掃会社の仕事」について話すというように、仕事につながる会話を日常に取り入れるのもキャリア教育だと言えるでしょう。子どものうちから具体的に将来について考えさせることは難しいですが、将来の選択肢を広げ、学びたい・働きたいという意欲を育てるために、「キャリア教育」について家庭でもしっかりと考え、実践できると良いですね。
2016年05月19日【ママからのご相談】初めまして、小1と4歳の2児の母です。上の子が入学後に仲良くなったお子さんがいて、とてもかわいい男の子なのですが、服装に季節感が無くて、ほとんど同じ服を着ていたり、よくお腹が空いたと言います。私は、息子のお友達にご飯を食べさせることくらい、本当に何とも思いません。あまりにかわいそうで、よく簡単なご飯を食べさせます。ただ、その子のお家は5人兄弟なのですが、幼稚園年長くらいの妹さんが、よちよち歩きの子を公園に連れて行って遊ばせたりしています。ウチに遊びに来るときにご飯を食べさせる程度では、済まされない問題が横たわってる気がします。男の子に聞くと、お母さんは「病気で寝ている」という返答で、それ以上立ち入ることもできません。息子と同じ、1年生になったばかりなのに……と思うと、本当に胸が痛みます。学校の担任の先生がどれくらい把握しているのかも、まだわかりません。私にできることは、なんでしょうか?●A. 先生に言いづらいのであれば、児童相談所などに相談してみましょう。ご相談ありがとうございます。ライターの月極姫です。優しいご相談者様と出会って、その男の子はとても幸運だと思います。毎回食事を与えるというやり方が正しいかどうかは別として、「気にかけてくれる人が一人でもいる」 ということは、その子の環境が良くなる可能性がそれだけ高まるいうことです。筆者は先日、早朝に市内の住宅地を車で走っているときに、ボロボロのパジャマを着た5歳くらいの男の子が、必死な表情で外を走っているのを見かけました。車を止めて追いかけたのですが、ついにその子を見つけることはできませんでした。彼の様子から「朝、起きて親が居なかったのだな」 ということが容易に推測できました。「すぐに通報するべきだったかもしれない」と、今でも後悔しています。「急いで移動しなければ」という、自分の仕事の都合を優先してしまったことが、悔やまれてなりません。子どもの貧困問題は、今や誰にとっても身近な問題となりました。2014年に厚生労働省がまとめた調査結果によると、2012年の段階で、一般的な世帯収入の半分以下の収入で暮らす“貧困家庭”で暮らす子どもは全体の16.3%。つまり「6人のうち1人の子どもは貧困家庭で育っている」ということになります。世界的視野で見ても、先進国34か国中、日本の子どもの貧困率は悪い方から数えて10番目です(2014年、OECD経済協力開発機構調べ)。子どもの貧困率(17歳以下の子ども)の国際比較(2010年)/出典:OECD(2014)Family database “Child poverty”日本の、漠然とした“豊かな国”というイメージは、本当に実質を伴っているのでしょうか?少なくとも、何もかも持っている子どももいれば、食事さえ満足に与えられない子どももいます。彼らをとりまく経済状況に、大き過ぎる“格差”が横たわっているのは紛れもない事実です。●両親が抱える問題は多種多様……“負の連鎖”で貧困が続いていく学校の給食費や修学旅行費を支払うことができず、就学援助を受けている家庭も近年は増加傾向にあります。こうした制度を利用しながら徐々に経済的安定を目指していければ良いのですが、親の収入が伸びない理由もさまざまで、簡単に解決できないのが現実です。【代表的な貧困の原因】・親の病気、精神疾患・ひとり親家庭(離婚、死別など)・親が非正規労働者、定職につかない、収入の良い仕事に就けない・親の孤立化(周囲のアドバイスと無縁、生活保護などの公的援助制度について無知など)・親の借金親が学歴を必要としない、何か特殊な技能を持っている場合は別ですが、たいていの場合、親の低学歴は貧しさの連鎖を引き起こす要因となっています 。親の学歴が乏しくても「自分の子どもには同じ苦労をさせたくない」と勉強に力を入れる親は立派ですが、残念ながら、自分の学歴が乏しいと子どもの学歴も重要視しない 傾向があります。また、子どもに勉強させたくても塾に通う費用を捻出できない家庭も多くなっています。家庭が自己負担する教育支出(学習費)の内訳/出典:文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」グラフが示すように、現代では学校以外の教育費がかなりの割合を占めます。貧困が原因で、子どもの学力に格差が生まれてしまう現実は否めません。①親が低学歴で、収入の高い仕事に就けない↓②子どもが生まれても塾の費用が捻出できず、子どもが進学をあきらめる。または、進学先が限定される↓③子どももまた収入の高い仕事に就くことができず、成人後も貧困に苦しむことになる収入が伸びないフラストレーションを子どもにぶつける形で、虐待が行われるケースも少なくありません 。こうした虐待や貧困の連鎖を絶つためには、貧困層の子どもが希望の進学先に進めるための制度や、専門家による親への指導が必要です。●ボランティア組織、専門家集団、その効力は?近年は、こうした子どもの貧困問題や学力の問題にSSW(スクールソーシャルワーカー) が関わって改善するケースも目立っています。SSWは社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ専門家で、児童相談所と連携しており、主に子どもの家庭環境の問題解決を専門としています 。公的な制度に関して知識がない人が制度を利用する過程でも、アドバイザーとして活躍します。しかし、増える一方の貧困層に対応しきれるほど、十分な人数が配置されているわけではない、厳しい現状もあります。また地域によっては、現役大学生や教員OBなどが、ボランティアで塾に通えない子どもたちに勉強を教える活動が行われています。このような貧困層の進学を助ける活動も大いなる希望ですが、さらに地域格差なく活発化しなければ問題解決には程遠いでしょう。また、有志や専門家に任せるだけではなく、現場の出来事を吸い上げて報告する、草の根的な活動は私たち一人ひとりの仕事ではないでしょうか 。ご相談者様のようなケースでも、プライバシーを守りながら匿名で相談できる先は少なくありません。・幼稚園、学校の担任の先生・民生委員・児童相談所・自治体のSOSダイヤル「いつもお腹を空かせている」、「入浴させてもらっていないようだ」、「様子がおかしいが、親と連絡がとれない」など、自分で抱えきれない問題に遭遇したら、迷わず然るべきところに相談してください。少し様子を見る過程は必要かもしれませんが、こうした問題を長く放置して良いことなど何もないのです。●最悪の事態を防ぐために“他人事”で済ませてはいけない!先日『子宮に沈める』という映画のDVDを観ました。2010年に起きた、“大阪2児餓死事件”を題材にした作品です。まったく救いのない、目を背けたくなるような内容でした。餓死や自殺、これは貧困問題に直面する子どもにとって最悪の事態です。根本的な原因は母親の貧困と孤立化、育児放棄なのですが、周囲の大人の「ま、いいか」という無関心 や、「自分の仕事じゃないし」という損得勘定の積み重ねも、実際にこうした事件の引き金となってしまいます。もし飢えている子どもが筆者のすぐそばにいたら、ご相談者様のように、やはり食事を提供すると思います。その上で、自分にできることや相談先を考えるつもりです。大人の事情とは無関係に、誰の子どもであっても、まずしっかり食事をし、清潔にしてもらい、生きる権利があるからです。【参考文献】・『日本の大課題 子どもの貧困』池上彰・編【参考リンク】・子どもの教育の問題とは | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン()●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年05月12日【ママからのご相談】3歳の息子が他の子に比べて落ち着きがなく、ママ友に「発達障害も考えてみたら?」と言われました。発達障害と簡単に言っても一体具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?●A. 小児科医師に聞いた3つの代表的な発達障害をご紹介します。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。たしかに発達障害といえども、実際どんなもの?というところがありますよね。今回は小児科医師に発達障害の具体的な特徴について聞いてみましたので、ご紹介します。●発達障害の主な種類3つ●(1)広汎性発達障害一般的に『自閉症』や『アスペルガー症候群』といわれるものが広汎性発達障害です。小児科の医師によると、具体的な特徴としては、・人と上手につきあうことができない・コミュニケーションをとりにくい・強いこだわりを持っている・歩き方や走り方などの動作がぎこちないなどが挙げられるそうです。これらの特徴が3歳くらいまでに現れる ことが多いとのこと。3歳くらいだと判断が難しいところですが、不安に思うことがあったら医師や専門家に相談してみましょう。●(2)注意欠陥多動性障害(AD/HD)自分の欲求など、コントロールをすることが難しくそれが行動に現れることで問題視される障害です。医師によると具体的な特徴は、・ひとつのことに集中することができない・落ち着きがなく、じっとしていることができない(多動性)・突発的な行動をとることが多い(衝動性)などが挙げられるそうです。周りの子に比べて落ち着きがなかったり、幼稚園などでいつもクラスから飛び出してしまったりなど、思い当たることがある場合は相談してみましょう。●(3)学習障害(LD)知的な遅れはない ので一見気づかれにくいのですが、幼稚園や小学校に入ると発覚しやすいのが学習障害です。医師によると具体的には、・聞くことが苦手・話すことが苦手・読むことが苦手・書くことが苦手・計算することが苦手などが挙げられるそうです。学習や日々の生活に困難を感じることが多く、周囲の人が早めに気づいて支援してあげることが大切です。----------発達障害は誰かの努力が足りず起きるものではなく、誰のせいでもありません。周囲の人が障害を理解して支えてあげることが大切です。少しでも自分の子に不安に思うことがあれば、医師や専門の人に相談してみましょう。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年05月07日【ママからのご相談】4歳と1歳の兄弟がいます。小さいうちに貯金をした方がいいと言われていますが、なかなかできずに焦っています。長男は私立の幼稚園に通っており、毎月月謝が3万円なのですが、習い事などの出費も多くなかなか貯金ができません。皆さんどのようにして貯金しているのでしょうか?●A. 実は小学校低学年はお金のため時です。ご相談ありがとうございます、ファイナンシャルプランナーの常磐麗奈です。子どもは大きくなるにつれ教育費がかかるものと思われますが、実は、幼稚園時代は授業料そのものが高い ので貯金ができないのは仕方がないとも言えます。公立小学校に進学するなら教育費は少し楽になるので、このときにためるようにしましょう。●習い事を除いた教育費は、幼稚園より小学校の方が安い幼稚園と小学校の教育費はいくら違いがあるのか、文部科学省の学習費調査をもとに見てみましょう。年間の学校教育費、学校給食費、学校外活動費(塾、習い事など)を合計すると、公立小学校は約32万円、公立幼稚園は22万円、私立幼稚園は約50万円です。一方、学校だけにかかる費用(学校教育費)を比較すると、公立小学校は約6万円、公立幼稚園は約12万円、私立幼稚園は32万円です。小学校の学校教育費負担がかなり軽くなる ことがおわかりいただけると思います。●習い事を始める前に小学校に上がると学校に支払うお金が減るので、つい習い事を増やしてしまいがちです。しかし、習い事は一度始めるとなかなかやめづらいので、慎重に選ぶようにしましょう。中学受験をするかもしれないというのであれば、3年生の3学期から通い始める進学塾に備えて貯蓄を増やさなければいけません。公立に進学するというご家庭も、中学に上がる際には制服や通学用品、その他もろもろ、10万円程度はあったほうがよいでしょう。また、その後の大学までの学費を考えて貯蓄を進めておくに越したことはありません。●給食費の引落口座を教育費貯蓄用の口座に給食費は学校の指定銀行で引き落としになります。これを家計とは分けて教育費積み立て用口座としておくと便利です。子ども手当など給付のあったものは全てこちらの口座に振り込んでおくと、給付金が家計に混ざって食費に消えることがありません 。またこの口座に毎月貯蓄するようにしておくと、この口座にあるお金が教育費や子ども関連費に使える額と認識できるので便利です。小学校低学年のうちがため時なので、習い事は吟味して最小限に抑え、貯金するようにしましょう。【参考リンク】・平成26年度子供の学習費調査 | 文部科学省()●ライター/常磐麗奈(ファイナンシャルプランナー)
2016年04月30日メンズかーちゃん~うちのやんちゃで愛おしいおさるさんの物語~
4人の子ども育ててます
子育て楽じゃありません