情緒障害とは出典 : 「情緒障害」とは、子どもが何らかの要因により感情面に問題が生じ、社会に適応できない状態にあることを指す言葉です。広義に解釈すると上記の意味ですが、実は「情緒障害」は、厳密かつ普遍的な定義がなく、その意味や内容は時代や社会的な背景とともに大きく変遷してきました。そのため現在実際に使われている「情緒障害」という言葉も、文部科学省、厚生労働省、医学のそれぞれにおいて定義や概念にばらつきがあります。情緒障害に含まれる具体的な障害もそれぞれの定義によって異なるため混乱を招くこともままあり、必要に応じて関係機関の定義を参照し、確認する必要があります。以下でそれぞれの定義を見ていきましょう。教育、福祉、医学、それぞれ違う「情緒障害」の定義出典 : ・情緒障害の教育的定義主に特別支援教育の場面で使われる、文部科学省による「情緒障害」の定義は以下の通りです。状況に合わない感情・気分が持続し、不適切な行動が引き起こされ、それらを自分の意思ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に適応できなくなる状態をいう。平成25年教育支援資料Ⅶ 情緒障害|文部科学省HP・情緒障害の教育的定義に当てはまる症状教育の場で用いられる情緒障害にあてはまる症状の具体例としては、主に選択性緘黙(かんもく)を指し、その他、集団行動・社会的行動をしない、引きこもり、不登校、指しゃぶりや爪かみなどの癖、常同行動、離席、反社会的行動、性的逸脱行動、自傷行為をあげています。・教育的定義における情緒障害と発達障害の関係文部科学省では、情緒障害は心理的な要因から生じる後天的な問題であり、先天的な問題から生じる発達障害とは違うものと定義しています。・「情緒障害」の教育的定義の成り立ち教育の場で言われる「情緒障害」は、教育上の概念・分類であり、医学用語の「情緒障害」の定義とは必ずしも一致しません。現在、このようなわかりにくさを生んでいるのは、情緒障害という障害の概念が時代によって変遷していることと、特殊支援教育の歴史的背景に由来しています。公立学校に現在の特別支援学級の前身である情緒障害特殊学級が成立した1969年当時、自閉症などの先天性由来の障害も含めおおまかに「情緒障害」と定義していました。のちに、先天的な障害である自閉症は「情緒障害」から除外されたため、「情緒障害」は後天的な心理的問題により社会に適合していない子どもを分類するための概念と修正されました。平成18年には「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」が発令され、平成21年には「情緒教育特別支援学級」の名称も「自閉症・情緒障害特別支援学級」と変更され、特別支援教育の場でも自閉症が情緒障害から分けられるようになりました。・情緒障害の福祉的定義厚生労働省管轄の情緒障害児短期治療施設などの福祉の場面で用いられる「情緒障害」は、厚生労働省が定義したものに沿っています。厚生労働省の情緒障害児の定義は以下の通りです。情緒障害児とは,家庭,学校,近隣等での人間関係のゆがみによって,感情生活に支障をきたし,社会適応が困難になった児童をいう。厚生白書(昭和53年版)・情緒障害の福祉的定義に当てはまる行動や状態不登校、引きこもり、かん黙、軽度の非行、チック、発達障害による二次障害、虐待により心理的に傷ついた状態など参考ページ:厚生白書(昭和43年版)第3章社会福祉|厚生労働省HP・福祉的定義における情緒障害と発達障害の関係厚生労働省が定義する「情緒障害」(情緒障害の福祉的定義)は、同省が定義する発達障害に含まれる、としています。参考ページ:発達障害者支援法の施行について|厚生労働省HP医学的な用語としての「情緒障害」は、主として、心理的な反応として起きる、情動が著しく不安定で激しい現れ方をする状態であり、病名ではないとするのが主流です。国立特別支援教育総合研究所によると、医学的な用語としての「情緒障害」は次のようにまとめられます。1)厳密で普遍性のある定義はない。2)病名ではなく症状もしくは状態像を指して用いられることが一般的。3)現在では、心理的要因が原因と想定されるものに主に用いられるが、例外もある。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)においては、「情緒の障害」と表記されているものが、医学的な用語としての情緒障害とほぼ同義とされ、病名に相当する診断カテゴリーとされています。参考:発達障害と情緒障害の関連と教育的支援に関する研究・医学的見地における情緒障害と発達障害の関係基本的に、医学的には情緒障害と発達障害は別の区分とされています。就学相談などで使われる「情緒障害」のさす意味とは?出典 : 教育の場で「情緒障害」とされる状態は、具体的には2種類の問題行動があります。一つは、周囲から介入しない限り周囲に迷惑や支障を生じない、内向性の問題行動、もう一つは、周囲からの介入がなければその行動自体が周囲の人に迷惑や支障を生じる外向性の問題行動です。専門用語で「内向性行動問題」と呼ばれるもので、周囲が介入しない限り迷惑や支障を生じないものをさします。具体的な例として、・選択性緘黙(かんもく)・不登校、集団行動・社会的行動をしない・ひきこもり、指しゃぶりや爪かみなどの癖・身体を前後に揺らし続けるなどの同じパターンの行動を反復すること(常同行動)・自分の髪の毛を抜くことなどです。一般的にはただの「癖」と考えられているものでも、この行動が長期間頻繁に続き、学校での学習や集団行動に支障をきたすほどの場合には情緒障害としてとらえられます。専門用語で「外向性行動問題」と呼ばれるもので、周囲からの介入がなければその行動自体が周囲の人に迷惑や支障を生じる場合をさします。具体的な例は、・離席、教室からの抜け出し・集団逸脱行動・犯行、暴言、暴力、反社会的行動・非行、性的逸脱行動などです。これらの行動から、学校での学習や集団生活に支障をきたしてしまいます。攻撃性を示す場合が多く、その攻撃性が自分に向った場合である自傷行為も情緒障害としてとらえられます。教育の場で「情緒障害」としてあがることの多い、選択性緘黙と不登校について紹介します。・選択性緘黙文部科学省が定義する選択性緘黙は、以下の通りです。選択性かん黙とは,一般に,発声器官等に明らかな器質的・機能的な障害はないが,心理的な要因により,特定の状況(例えば,家族や慣れた人以外の人に対して,あるいは家庭の外など)で音声や言葉を出せず,学業等に支障がある状態である。(平成25年文部科学省教育支援資料)・不登校文部科学省の教育支援資料において、不登校は、以下のように定義されています。不登校の要因は様々であるが,情緒障害教育の対象としての不登校は,心理的,情緒的理由により,登校できず家に閉じこもっていたり,家を出ても登校できなかったりする状態である。そして,本人は登校しなければならないことを意識しており,登校しようとするができないという社会的不適応になっている状態である。したがって,一般的には,怠学や学校の意義を否定するなどの考えから,意図的に登校を渋る場合は,学校に登校しないという状態は類似しているが,ここでいう情緒障害の範囲には含まない。平成25年教育支援資料Ⅶ 情緒障害|文部科学省HP「情緒障害」の子どもには、どのような支援があるの?出典 : 自閉症・情緒障害通級指導教室通級指導教室とは、通常学級の学校に籍を置いて、通級指導の時間のみ通級指導教室に通って支援を受けるという制度です。子どもが在籍する学校に通級指導教室が無い場合は、通級指導教室がある他の学校に通って通級指導を受ける場合もあります。障害の種別に分かれ、その子に合った指導が受けられますが、情緒障害のある子どもは「自閉症・情緒障害通級指導教室」に通うことになります。・対象者通常の学級におおむね参加でき、一部特別な指導(社会的適応のための特別な指導や強化の補充指導など)を必要とする程度のものであるとされています。・どのような指導がされるか基本的には、特別支援学校などにおける、障害がある生徒の自立を目指した教育的な活動を参考とした指導が中心で、社会的適応性の向上が目的とされています。通級指導を受ける場合、大半の時間を通常学級で過ごし、通級指導を受ける時間は限られています。そのため、必要に応じて各教科などの補充的な指導は行っていますが、個別の指導内容を設定することはできません。自閉症・情緒障害特別支援学級特別支援学級とは、通常学級ではなく特別支援学級に籍を置き、よりきめ細かな指導を受ける少人数の学級です。もし、子どもに手厚い指導が必要な場合は、上記の通級指導教室ではなく特別支援学級に通う場合が多いです。情緒障害のある子どもは「自閉症・情緒障害特別支援学級」で指導を受けることになります。・対象者文部科学省は、自閉症・情緒障害教育の対象を以下のように定めています。一 自閉症又はそれに類するもので,他人との意思疎通及び対人関係の形成 が困難である程度のもの二 主として心理的な要因による選択性かん黙などがあるもので,社会生活へ の適応が困難である程度のもの平成25年教育支援資料Ⅶ 情緒障害|文部科学省HP選択性かん黙や不登校などの感情面での問題のために、通常の学級では学習を行うことが難しく、社会的適応のための特別な指導を行う必要がある子どもが対象者であるとされています。・どのような指導が受けられるか情緒障害や自閉症のある子どもなどが、人とのかかわりを円滑にし生活する力を育てることを目標に指導を受けることができます。 特別の教育課程を編成することができることが特徴です。基本的に主な授業は特別支援学級で受けますが、体育や図画工作、給食の時間は通常学級の子どもたちと過ごすこともあります。特別支援学校基本的には、情緒障害であるというだけで特別支援学校の支援対象となることはありませんが、情緒障害とされている子どもが、知的障害や病弱・身体虚弱を伴う場合は、知的障害、病弱などの区分での支援対象となることもあります。特別支援学校と特別支援学級・通級指導教室の違いについては、以下のコラムに詳しく解説されています。・放課後等デイサービス幼稚園・大学を除いた学校に就学中で、かつ障害のある子どもが、学校の授業終了後や長期休暇中などに通い、生活能力向上のための訓練および、社会との交流促進を行う施設です。施設利用にあたって療育手帳や障害者手帳は必須ではなく、障害児通所支援受給者証を申請し、認可が下りれば利用することができます。施設のタイプは、習い事型、学童保育型、療育型の大きく分けて3つのタイプに分けられます。詳しくは以下の記事をご覧ください。・情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)情緒障害短期治療施設とは、学校教育との緊密な連携をとりつつ、医学的な心理治療を行う総合的な治療・支援施設です。情緒障害児短期治療施設の対象児童は、心理的困難や苦しみを抱え日常生活に生きづらさを感じている子どもたちであり、心理治療が必要とされる子どもたちであるとされています。知的障害児や重度の精神障害児は基本的に対象ではありません。利用方法は、宿泊入所、通所、外来相談の3つがありますが、施設によっては外来相談が設置されていない場合もあるため、一度お近くの情緒障害児短期治療施設に電話などで相談してみることをおすすめいたします。・児童相談所児童相談所とは、家庭や学校などから18歳未満の子どもに関するあらゆる相談に応じ、また、子どもおよび家庭に対して医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定や調査、調整を行う場所のことです。各相談所には精神科医師、児童心理士、児童福祉司などの専門職員が配置されています。・児童家庭支援センター児童家庭支援センターは、児童心理療育施設、児童養護施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設、乳児院に設置されているもので、18歳未満の子どもに関する様々な相談を、子ども、家庭、地域住民から受け付けます。また、児童福祉施設などの関係する機関との連絡調整も行います。学校で子どもが直面する「情緒障害」の原因は?出典 : 教育的定義における「情緒障害」とされる状態を引き起こす原因としては、対人関係のストレス状況、学業・部活動の負担、親子関係の問題などが考えられるとされています。友人同士や教師との関係において、対等な人間関係が崩れた場合大きなストレスが生じます。いじめがその最たるものとされています。一方的、威圧的に教師や友人に接されることによりストレスが生じ、情緒障害とされる状態に陥る原因になります。学業、部活などにおいて、本人の能力に見合わない要求をされ、かつその環境から抜け出すことができない雰囲気がある場合、それがストレスとなり情緒障害の原因となると言われています。親子関係において信頼関係が築けていない場合に、教育的定義における「情緒障害」の原因となる可能性があります。親子の信頼関係が築かれていないパターンで、児童虐待なども含まれます。子どもと過ごす時間を十分にとることが信頼関係の構築において大切です。平成25年教育支援資料Ⅶ 情緒障害|文部科学省HP子どもが情緒障害の疑いがあるとき、どう対応すべきなの?出典 : 生活上の問題が生じたときは、できる限り早い段階でなんらかの対応をとることが必要です。・毎日の基本的な生活環境を整える子どもの成育には、障害の有無、障害の種類にかかわらず、安心して過ごせる環境作りが必須です。毎日の生活のなかで、家族関係の安定を意識し、なるべくお子さんをほめてあげること、そして、できるだけ一緒に過ごしてあげること。このような安心して過ごせる基本的な環境作りを心がけることこそが、お子さんの症状の回復のための基礎づくりとなります。・いじめはすぐ対処もし、お子さんがいじめを受けているように感じたら、本人に対処させるのではなく、いじめが起きている環境から保護することが最優先です。まず、教師に相談し、お子さんのいる環境を変えるなどの対応をし、それに加え児童精神科などで専門的な治療を受けることで、心の傷がこれ以上深まらないようにする必要があります。・医療機関を受診する身体症状が強い場合は小児科、情緒面の問題が強い場合は児童精神科を受診することをおすすめします。専門家の指示を仰ぎ、適切な指示を受ければ、ご家族もお子さんも、無為に苦しむことなく解決の糸口を見つけることができます。どうしても、医療機関の受診への敷居が高い場合には、スクールカウンセラーや各相談機関を利用するのも一つの手です。もし、近くに児童精神科がない場合は、大学病院や総合病院の精神科でも診療してもらえます。少しでもお子さんが何らかの問題を抱えているように感じたら、どうか一人で抱え込まずに、専門家の助けを求めてください。参考文献:杉山登志郎 /著『子どもの発達障害と情緒障害』2009年講談社/刊まとめ出典 : 「情緒障害」の定義はさまざまですが、一般に情緒障害とされる状態は、主に対人関係などの後天的なストレス要因から生じるとされています。先述の通り、お子さんの成育の基本となるのは安心して生活できる環境づくりであり、それには家族からの理解が不可欠です。お子さんをあたたかい目で見守ってあげることこそが、問題解決のための近道となります。とはいえ、保護者の方が、何のストレスも感じずお子さんに接し続けるのは難しいこともあります。専門家からアドバイスしてもらうことで、今までずっと悩んでいた問題から抜け出す解決の糸口が見つかることもありますので、少しでも悩み事がある場合は一人で抱え込まず、医療機関や相談窓口に連絡を取ることをおすすめします。平成25年教育支援資料Ⅶ 情緒障害|文部科学省HPあなたのそばの相談機関|情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)ネットワークHP発達障害者支援施策について|厚生労働省HP厚生白書(昭和53年版)|厚生労働省HP情緒障害児短期治療施設運営指針|厚生労働省HP特別支援教育について|文部科学省HP 自閉症・情緒障害とは|国立特別支援教育総合研究所HP
2016年10月24日わが子が年長になると、入学準備のために「あれもやらなきゃ、これも必須」と、いそしむママも多いはず。ただやりすぎてしまうと、あとでかえって大変なめにあうことも…。幼稚園や保育園のうちに本当にやっておくべきことはなんでしょうか。先輩ママや先生たちに聞いてみました!■やりすぎ注意報発令! 入学準備で失敗しちゃったケースとは園児から児童へ…。そのステップを前にママたちは、緊張感でいっぱい。かわいいわが子が周囲からおいていかれないように、毎日楽しく学校生活を送れるように、いまからできる限りのことをやってあげたいと思うのがママ心。ピカピカの一年生となるべく磨き上げる気合いで十分です。いろいろなことを先んじて学んでおけば、余裕ができて気分的にラク。新しい環境でも臆することなく、のびのび楽しく過ごせると思いがちなママたち。ちょっと待ってください! がんばりすぎると空回りしてしまったり、やりすぎてしまったりして、入学後、かえって苦労したケースも少なからずあるようですよ。・「字の読み書きや簡単な計算は完璧! そのため授業が退屈で、周囲にちょっかいを出すように…。『なんでこんな簡単なことを間違うの?』と、できない子を傷つけてしまったことも。先生にも疎まれちゃったみたい」(30代前半)・「入学前にビシビシやらせすぎたせいか、勉強そのものに興味を失っちゃった。授業中はボケーと気が抜けた感じに…」(30代後半)また、先生からはこんな指摘が…。「何事も最初が肝心! たとえば文字。いい加減な書き順で覚えてしまうと、のちのち修正が大変です。不正確な学習をするくらいなら、書けないほうがマシ。とりあえず覚えさせるだけという学習方法はやめたほうがいいでしょう」(40代前半/先生)わが子のことが心配とはいえ、なんでもかんでも詰めこめばいいというわけではなさそうです。 ■できるようになることは5つ。でもそれ以上に大切なこととはそれでは本当に必要なこと、やっておくべきことは何なのか? 入学までにクリアしておくべきことを、一年生の担任経験がある先生たちに聞いてみました。そうすると、「これをできるようになってほしい」とあげた必須事項は全部で5つありました。整理整頓や服の脱ぎ着など、身の回りのことができる字を読むことができる自分の名前を書くことができる数の概念がある親子の時間を楽しんでいる小学生ともなると、「自分のことは自分でする」が基本。これができないと、周囲にからかわれたり遅れをとったりして、自分に自信がなくなってしまうことも。面倒だからと親が全部やってしまうのではなく、基本的なことはたとえ時間がかかっても子ども自身にやらせ、しっかり習慣化しておくとよいそうです。文字は書けなくても大丈夫。ただし名前だけは記入する機会が多いため、しっかり訓練しておくべき。その際、書き順などもしっかり教えてあげましょう。反対に文字が読めないと、教科書や黒板に書かれた内容を理解できない、教室に貼ってある紙が理解できないと、授業だけでなく、生活面でも支障が出てしまいます。そして、数。足し算・引き算ができなくても問題ないけれど、頭の中に、数を思い浮かべられるようにしておくことは大事です。「お皿を5枚用意してね。そのうち2枚にお菓子をのせておいて」「ミカンを6個もらったけど、3個食べたらあと何個、残ってる?」このように、日常的に数を実感させると、算数力が鍛えられるといいます。こうした経験がたくさんあれば、難しい計算でつまずくことが少なくなるそうです。もっとも重要なのが、会話やスキンシップなどのコミュニケーション。たくさん話して、たくさん笑って…。そうやって、子どもに安心感を与えてあげれば、自立もすんなり。環境の変化にも負けない強い心を備えることができるようになります。小学校に入ったら、自分のことで忙しくなる子どもたち。母と子が、濃密に過ごせるのは、もしかしたら今だけかも…。一緒の時間を過ごすことが、何よりの入学準備となりそうです。
2016年10月21日運動会は印象に残っている、という人も多いですよね。がんばった成果が出ずに悔しい思いをしたことのある人もいれば、手に汗握る展開に大盛り上がりだった競技など、忘れられない興奮を覚えている人も。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、運動会にまつわる絵本を集めてみました。ジャッキーのうんどうかい作・あいはら ひろゆき/絵:あだち なみ/出版社:ブロンズ新社 「ジャッキーのうんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) くまの子がたくさん登場する、くまのがっこうシリーズ。今回は運動会が舞台です。兄弟の末っ子でいちばん小さなジャッキーは、大きなお兄ちゃんたちに勝ちたくて、一等賞をとりたくて…。勝てないとあきらめていたところに「速く走れる方法」を見つけて一念発起! はたして結果はどうだったのでしょう。最後にジャッキーを優しく包んでくれる、お兄ちゃんたちの優しさにもジーンときてしまう一冊。こぶたのブルトン あきは うんどうかい作:中川 ひろたか/絵:市居 みか/出版社:アリス館 「こぶたのブルトン あきは うんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) ぶたのブルトン、イタチのアンドレ、ダルマのタカサキさんなど強烈なキャラクターが登場するこの絵本には、玉入れや綱引きやパン食い競争など「運動会」のお楽しみ要素がこれでもか! というくらいつまっています。綱引きの途中で力がはいりすぎ、ダルマのタカサキさんが思わずおならをしてしまうシーンでは、大爆笑するお子さんも多いよう。運動会の熱気や興奮がダイレクトに伝わってくる絵本です。 にんじゃつばめ丸 作:市川真由美/絵:山本 孝/出版社:ブロンズ新社 「にんじゃつばめ丸」(絵本ナビ紹介ページ) いたって普通の一軒家にすむ、いたって普通の5人家族。でも実は、忍者一家だった…! 奇想天外な設定から始まる物語の中には、廊下を素早くかけぬけたり、手裏剣をなげたり、天井にはりつくなど、子どもたちが大好きな忍者の修行シーンがたくさん! でも、つばめ丸はどうしても高いところから飛び降りる術が苦手。それでも練習を積み、むかえた忍者の運動会。ライバルとの勝負は一体どうなるのでしょうか。テンポのいい、大衆演劇のような文章も魅力のひとつ。さかさことばでうんどうかい作・西村 敏雄/出版社:福音館書店 「さかさことばでうんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) さかさことば=回文がこんなにもスムーズに展開する絵本はなかなかありません。ゴリラ、キリン、ウマにブタなど、とぼけた動物たちが運動会を進行していくので、なんともほのぼのとした気分に…。最初は「さかさことば」に気付かない子も「ほら、この字よ~く見てごらん」と注意をうながしてみると「すごい!」と大きなリアクションが期待できるかも。耳で聞くだけでは分かりにくいので、字が読めるようになったタイミングで楽しんでみるといいですね。10ぴきのかえるのうんどうかい作・間所 ひさこ/絵:仲川 道子/出版社:PHP研究所 「10ぴきのかえるのうんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) ひょうたんぬまの10ぴきのかえる。それがこの絵本の主人公です。綱引きの紅組代表として出場したところで突然の竜巻にみまわれ、運動会はしっちゃかめっちゃか! 沼いちばんの年寄りがえるがトロフィーと一緒に風にとばされてしまい、山の中を探し回っていたら…。登場キャラクターはみんなかえるですが、緑、黄、黄緑、薄いオレンジなど絶妙に色分けされているのが憎い!「1、2、3、4…」と、ページごとにそろっているか数えたくなってしまうのが不思議です。運動会は運動の得意な子だけが楽しめる行事… ではありません。力がはいりすぎて失敗してしまうのは、一生懸命取り組んだ証。結果はさておき「がんばったこと」に注目して、思いきり運動の秋を楽しんでみませんか?絵本ナビ監修のこちらの連載は毎週木曜日にお届けします! データ協力: 絵本ナビ
2016年10月20日日本のような塾文化がないアメリカ。成績をあげることや苦手な分野を克服するため塾に通う日本と異なり、アメリカでは得意分野をとことん伸ばす教育が浸透しています。そのひとつがTutor(チューター)と呼ばれる家庭教師。得意分野の専門家を見つけて学ぶ、個性を大事にする国ならではの教育法を紹介します。■習いごとは子どもの得意分野を見つけるため子どもが小さなうちから、さまざまな分野の習い事をさせる親が多いのは日本もアメリカも同じ。習い事に対してアメリカの親がいちばん大事にしているのは、子どもがレッスンを楽しめているかどうか。子どもの得意分野を見つけて才能を伸ばしてあげたいから、無理強いはしません。というのも、アメリカでは新しい習い事を始めて少しすると、やめてしまう子がわりと多くいます。始めてみたけれど向いていない、嫌いになった、無理だと思ったら、あっさりやめます。子どもが泣いて抵抗してもイヤイヤ言っても、子どものためを思って続けさせるというスパルタ志向は見あたりません。■アメリカの家庭教師事情アメリカでは勉強だけでなく、音楽や語学などもチューターに個別指導してもらいます。最近、人気があるのはMath(算数)やコンピュータ、語学のクラス。チューターの紹介は、タウン誌や口コミが多く、ローカルな情報が役立ちます。アメリカでは塾のような大規模スクールがあまりないため、自宅やチューターの家といった個人的な場所で学ぶことが多くなります。知り合いの30代夫婦は、息子のイーサン君(7歳)がコンピュータにとても興味を示していたので、週1回自宅でコンピュータグラフィックス(CG)をチューターから習っています。サンフランシスコ周辺ではIT企業が多いため、コンピュータのチューターが人気。イーサン君はゲームのようにブロックを組み立ていくような遊び感覚のレッスンですが、キーボード使いがすでに大人なみだとか。ちなみに月謝は240ドル(日本円で約2万5千円)。それでもイーサン君がとても楽しんでいるので、両親は大満足だそうです。■才能だけじゃない! 楽しむことが最優先遠回しな表現を好まないアメリカ。親が意見を求めたときも、チューターから「お子さんは〇〇には向いていません」とはっきり言われることも珍しくありません。チューターにそう言われたとしても子どもが楽しんでいるようであれば、親は「才能を伸ばす」ことにこだわらず、続けさせます。なぜなら楽しめる趣味があるのも、個性には大事なことだから。何よりも子どもの自信につながります。習い事ブームは日本と共通でも、アメリカでは、子どもがやる気が失せてしまったときはスッパリやめて、別の道に進ませます。じつは、これが得意分野を見つける近道となっているかもしれません。アメリカでは子ども自身が将来の目標を意識することが早いように感じます。中学生までに得意なこと、好きなことがはっきりしていると、高校では自分が関心のあるプロジェクトやクラスを選択することができます。習い事を楽しみながら、将来に生かせる能力を身につけることができたらいいですね。
2016年10月19日自傷、噛みつき、頭突き…発達障害とも関係が深い「強度行動障害」とは?出典 : 「強度行動障害」という言葉をご存知でしょうか。強度行動障害は厳密には医学用語ではなく、知的障害がある人に、他害、自傷、著しい反復的な行動や睡眠障害などが現れて来る場合に用いられる、行政・福祉の用語です。最初にこれが定義された際には、「精神科的な診断として定義される群とは異なり、直接的他害(噛み付き、頭突き等)や、間接的他害(睡眠の乱れ、同一性の保持等)、自傷行為等が通常考えられない頻度と形式で出現し、その養育環境では著しい処遇の困難な者であり、行動的に定義される群」であり「家庭にあって通常の育て方をし、かなりの養育努力があっても著しい処遇困難が持続している状態」とされていました(1989年行動障害児者研究会)。どんな状態の子ども達、大人達なのか、なんとなくイメージができたでしょうか。そしてこうした行動の障害を示す人では、その背景に知的障害だけではなく、自閉スペクトラム症を持っている場合がとても多いこともわかっています。こうした強い行動上の障害は、元来の障害の特性を背景として、育っていく環境との間に大きな不適合が生じ、それに対して、どうしても上手くいかない方法、長く続けてはいけない方法が身についてしまった場合に起こってくると言われています。例えば、・不快な音に対して自分の頭を激しく叩いてそれを紛らわす・退屈な時に窓ガラスをバンバン叩いて楽しむ・大人の指示に従いたくないときに暴れて拒否をするなどのパターンです。ある意味でこの強度行動障害こそが、「二次障害」の一つの典型であると言えるでしょう。このように行動の障害が著しい場合には、家庭はもちろん、教育、福祉などの多くの領域の支援者が関わって、その対応を考える、また本人やご家族を支えていく方法や態勢を考えていくことになります。「強度行動障害」に対して、医療で出来ることは何か出典 : このようなときには、もちろん医療に期待が集まることも少なくありません。そしてご家族や支援者の気力や体力、時間に限界が近づくと、「もう家で、地域で、施設で暮らせないから、入院させよう」というアイデアも浮かんできます。入院すれば魔法のように行動障害がよくなって、落ち着いた状態で帰ってきて、しかもその後その状態が長く続くといった、ちょっと現実離れした期待をしてしまうこともあります。ではこの強度行動障害に対して、実際に医療は何ができるのでしょうか。強度行動障害の本質は、先に述べたように、本人の特性と環境との不適合、そしてそれを補うために誤って学習された行動のパターンです。このように考えていくと、実は医療で出来ることはそれほど多くないことがわかります。知的障害があり、強い行動障害のある患者さんが入院する場合、ごく一部の専門病床を持つ病院などを除けば、ほとんどの総合病院や精神科病院の場合には、外から鍵をかけた個室に入っていただくことになります。激しい他害や自傷がある場合には、身体拘束といって、手足をベルトなどでベッドに固定したりすることも少なくありません。こうした対応は、緊急時に本人と周囲の人の安全を守るための手段としては、やむを得ない場合があります。興奮が激しく、このままでは自宅で安全に暮らせないという状況で、家族や支援者がそれに対応する時間と気力と体力の余裕を取り戻すために、一時的に入院を選択することは充分にありえます。逆に病院は、施錠や身体拘束という方法を法的に許されているために、慣れていない患者さんが急に入院してきた場合でも、本人や周囲の人の安全を比較的守りやすいのです。しかし、このような対応を長く続けることは、本人がその特殊な状況に合わせた、更にうまくいかない方法を身に付けてしまう結果に繋がることがあります。本人にとっても辛い状況であることも多いので、退院した後、行動の問題が悪化することも少なくありません。また入院が長期化すると、地域の支援体制はだんだんと手薄になって、時間が経てば経つほど、地域に戻りにくくなってしまうこともあります。そして行動を制限された入院の環境は、本人の誤った学習、うまく行かない行動のパターンを変えていく、別のやり方を模索していくためには、とても不利な状況でもあるのです。更に言えば、こうした行動障害に対しては、第7回の記事で触れたように、お薬が使われることがあります。しかし行動を強く制限された状態では、お薬の量の調整がうまくいきません。施錠、身体拘束の状態では行動の観察ができず、どの程度のお薬の量が適当なのか、知る手立てが限られてしまいます。また病院と家庭では全く環境が違うので、入院中に適当であったお薬の量が退院後にもちょうど良いかどうか、帰ってみないとわからないということになります。医療を上手に活用して、本人も周囲の人も無理のない生活を出典 : 結局、強度行動障害に対して、一般的な医療機関ができることは、外来の薬物療法によって一部の行動の問題を和らげること、特に「易刺激性」が関わっている場合に、本人や支援者が対処しやすくなるように、少しそれを緩和することが一つです。入院については、急性期の対応、家族や支援者が対応の余裕を稼ぐために一時的に避難するのが上手な使い方です。また地域の支援体制ができていても、どうしても家族や支援者に疲れがたまってきてしまうという場合、家族や支援者、時には本人の休息の目的で病棟を使うこともあってもよいかもしれません。そしてとても大切なことは、医療が関わり始めたとしても、地域の支援体制を解除しないということです。行動障害のある人は、正しい手順が踏まれていれば、地域の支援力が総動員されているはずです。それでも足りないから医療もそこに加わる。けれどもそれは足りないから足しているわけであって、医療が出てきたからといって、他の領域の支援者が手を引いてもよいということにはならないのです。このような医療の限界がよくわかっているからこそ、厚生労働省は平成25年から、福祉領域の従事者を対象に、「強度行動障害支援者養成研修」を始めました。対応の主軸が地域の生活と、その中での再学習、環境の調整であることが明らかであるからです。強度行動障害に関して、医療は「最後の砦」ではありません。むしろ必要がありそうなら追い詰められる手前の、できるだけ早い時期から医療をチームに加えていただくこと、医療を支援の一つのパーツとして組み込むことで、無理なく地域での生活を続け、できるだけ早く、本人も周囲の人も苦しまない暮らし方を再獲得していくことが必要なのです。
2016年10月19日最近では、教育や発達のために、幼少期から何らかのスクールに通わせるママも多いようです。「ほかの子と違う習い事をさせたい」、「定番の英語やピアノはうちの子にはあわないかも…」という場合には、一風変わった習い事を検討してみてはいかがでしょうか。子どもの個性を伸ばし、将来にも役立つ習い事をピックアップしました。■英語の前に日本語? すべての基礎となる国語力を鍛えるにはグローバル化の動きにあわせて、幼児期から英語教育に力を入れる家庭は増えているようです。でも中には、「日本語で自分の気持ちが話せる力が育ってほしい」と、考えるママも多いのでは。そんな「英語よりまず日本語力を高めたい」という方針の家庭におすすめなのが、国語教室です。英語教室に比べると目立たない存在ではありますが、小学生向けはもちろん、幼児向けの教室もあります。幼児向け教室では、絵本やカルタを利用しながら楽しく教えてくれるところも多いので、小さな子も無理なく学べそう。すべての教科の基礎となる国語力は、習わせておいて損はないはずです。■子どもへの食育には、農業体験を!普段、土にふれる機会の少ない都会っ子には、農業体験スクールはいかがでしょう。田植えや稲刈り、野菜や果物の収穫などを実際に体験することで、食べものや農業の大切さを自然に学ぶことができます。子ども向け農業体験は、民間の施設や農場のほか、地元のJA(農業協同組合)が開催するイベントも行われています。気軽に参加できる1日体験から、毎週末に農場に通って作業する本格的なコースまで、施設や運営団体によって内容もさまざまです。■個性を発揮! 珍しい楽器を弾けるだけで目立つ!「音楽がある生活」の中で幼少期から過ごし、音楽に親しむことはママにとっても憧れること。音楽系の習い事の定番といえばピアノですが、家に練習用のピアノを置くという問題であきらめていた方や個性を発揮させたいと思っていたママには、こんな楽器の教室はいかがでしょうか。たとえば、ウクレレやギター、三味線、アコーディオン、ドラムなど、これまでの親世代の習い事ではなかったちょっと珍しい楽器の教室。これらの楽器は弾けるだけでも注目されるので、将来、子どもの特技や強みになるかもしれません。■理系脳を育てる! 好奇心旺盛な子には科学教室「ママ、磁石はどうしてくっつくの?」「シャボン玉はなぜ丸くなるの?」などと、毎日質問攻めにされて困っているママ。「なぜなぜ?」で頭の中がいっぱいの子には、科学教室に通わせて、好奇心を思いきり満足させてあげましょう。顕微鏡やビーカーなどの装置・器具を使った本格的な科学実験が体験できるのが、科学教室の大きなメリット。小学生向けが中心ですが、親子で参加できる幼児向けの教室もあるようです。幼いうちから科学に親しんだ生活を送ると、理系脳が養われ、将来には理系に進みたいという子どもに育つかもしれません。子どもの習い事選びには、家庭の方針やママ・パパの希望のほかにも、本人の適性も重要。現代では種類も多岐にわたるので、ぜひ我が子にあった習い事を見つけてあげましょう。
2016年10月18日文字の練習が苦手だった娘。小学校へ入学してから、漢字でつまづいたらどうしよう!?Upload By SONO小4の娘は幼稚園の頃から、平仮名などを手本の通りに書いたりなぞったり、消しゴムできれいに消す、ということが苦手でした。おはなしを作るのが好きなので、文章やお手紙などはすらすらと書いていました。でも、小学生になって漢字の学習が始まったら、苦手意識から抵抗してしまうかもしれません。そこで私は、小学1年生の漢字練習が始まる前に、漢字アプリで練習して漢字検定を取るなど、苦手さをできるだけ感じなくても済むような工夫を、あれこれ考えました。小学校へ上がっても楽しく漢字を覚えられるよう、リズムで覚える漢字の本や、読み書きが苦手な子のためのワーク、カードゲームなども用意し、気が向いたときに好きなものに取り組めるようにしていました。覚える量が一気に増える3年生。そこで練習方法に取り入れた工夫は…出典 : ところが3年生になると、覚える漢字が一気に年間200字に増えます。毎週10個ずつ、漢字を覚えなければならないペースです。毎日のように宿題に出る漢字練習。漢字ばかり繰り返し書くのが苦手だ、ということを担任の先生に伝えたところ、「病院びょういん病院」のように、間に読みを入れて練習して良いことになりました。漢字を書く量が少し減って、何とか宿題をこなすことができ、3年生を乗り切ることができました。練習方法につまづき、漢字を覚えることが後回しになった4年生出典 : そして4年生の1学期のことです。「週明けに50問テストがある…」と不安そうに打ち明けてきた娘。私は「どれくらい覚えているかチェックしてみようか?」と、テスト範囲の漢字を出題してみたところ、書けたのは全体のなんと2割。その原因を洗い出してみたところ、●手本の通りに書かなければならない●同じ漢字を繰り返し書かなければならない●間違えたら消しゴムで消さなければならない●消し残しや凸凹のあるところに、よりきれいに書かなければならないこのようにたくさんのことに気をつけながら書くための作業に集中するあまり、娘には漢字そのものの意味が全く入っていないことがわかりました。「りょうに出る」の「漁」は書けるのに、「ギョギョウ」を「魚業」と書いていたのです。他にも、同じ音の漢字を間違えたり、へんとつくりを勝手に組み合わせて作ったオリジナルの漢字を書いたり…。ちらっと見せると思い出して書けるので、「漢字の形」と「音」と「意味」が結びついていないのだな、と感じました。何につまづいているのか?先生に伝えると、宿題に変化がUpload By SONO担任の先生には、何度も繰り返すだけでは覚えられないと、改めて伝えたところ、練習の仕方が変更になりました。それまでは、同じ熟語を繰り返し書くものでしたが、違う熟語や訓読み、送り仮名を書き、ふりがなを付けるものになっていました。娘はそこへ、さらに部首のチェックや似た漢字との比較を入れて練習していました。その後の50問テストでは、9割越えの一発合格でした。適切だと思われた取り組みでも、いつもできるとは限らない出典 : そこからやる気と自信を少し取り戻した娘でしたが、夏休み明けにまた、やる気をなくしていきました。ドリルに書き込む宿題はいいけれど、ノートに練習するのはどうしても嫌だ、と言うのです。休み明けから学校行事も色々あったため、疲れもあったのだと思います。さてどうしたものか…?と考えていたところ、「墨を擦り、毛筆で字を練習するのはとても楽しい」と話していたことを思い出しました。私はとっさに「ノートに書く練習は嫌でも、毛筆は好きだよね?」と聞くと、頷く娘。「漢字は覚えられればいいんだから、半紙に練習してみる?」と提案してみました。道具は、鉛筆とノートじゃなくても良かった!Upload By SONO半紙に筆で書く。ただそれだけなのに、娘はにこにこして取り組んでいました。失敗したら墨で大きなバッテンを付けてくしゃくしゃにしていますが、それでも正しく、しかもきれいに書こうとします。半紙に大きく書くことで、1画足りないことに自ら気が付くこともありました。習った漢字を使って、何とも意味深なことを書くこともありますが(笑)。それはそれで、発散になってるのかもしれません。子どもに合った方法は、子どもが教えてくれることもある出典 : 近頃では「漢字は覚えればいいんだから」と自分で言いながら、ただ眺めていたり筆で書いたりしています。コンクールの練習として始まった硬筆練習も、楽しそうに取り組んでいます。ある人にそんな娘の様子を話したところ、「ノートへの漢字練習はただの作業だけど、毛筆や硬筆はアートなのではないか。アートなら楽しく取り組めるのではないか。」というようなことを言われました。なるほど、単純作業は嫌いだけれど、もの作りが好きな娘は、アートなことが好きなのかもしれません。これまで学習支援の方法については、様々な情報を本で読んだり見聞きしたりしてきましたが、子どもに合った学び方は既存の方法に収まらない、多様なものなのですね。先日、NPOでお招きした阿部利彦先生のお話にもありましたが、「子どもを師とする」を胸に、子どもたちと関わっていきたいと、改めて思いました。阿部利彦 先生(@zubattored)
2016年10月15日発達障害のある子どもの保護者たちが始めた、署名キャンペーン先日、発達障害児童のための専門的な教員を増やすための、文部科学省に向けた署名キャンペーンがインターネット上でスタートしました。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)「change.org」署名キャンペーン: 発達障害の子どもの個性に合った教育を!学校現場で専門の知識を持った先生を増やしてください!発達障害の小学校6年生の男の子を持つ親です。小学校入学時からずっと、発達障害児向けの通級指導のクラスに入れず、4年間「待機児童」となっていました。他に優先すべきお子さんが沢山いて空きがないと言われ続け、この2年間は申し込みすら諦めました。仕方なく通常学級のみに通わせていますが、周りのお子さんに興味はあるけどコミュニケーションの取り方が分からない我が子は、これまで沢山苦労してきました。1年生の時から待ち続けて、気付けば今年で小学校卒業です。このキャンペーンは、発達障害のあるお子さんのいるご家庭保護者の方々有志によって呼びかけられています。学習や行動面に困難がある子どもを個別にサポートする手段として、「通級」による取り出し授業も重要な選択肢の一つですが、このキャンペーンのエピソードのように、通級指導教室のニーズに対して空き枠や教員数が足りず、「待機児童」が発生している学校や地域も少なくありません。発達が気になる子どもたちの学びの機会を保障・拡充していくべく、「LITALICO発達ナビ」としてもこのキャンペーンを応援しています。このコラムでは、今回のキャンペーンの背景にある、障害や困難のある生徒児童を取り巻く状況と、学校教職員の配置・育成に関する政策動向をおさらいしてみます。通常学級で困難を抱える子どもたちへの支援を取り巻く現状出典 : 「6.5%」この数字に見覚えのある方、この数字が何を指すかご存知の方はおられますか。これは、通常学級の中で、知的発達に遅れはないものの学習・行動面で著しい困難を示す生徒の割合の推計です。2012年に文部科学省によって行われた、全国の小中学校の児童生徒約5万3千人の状況を対象にした調査結果で示されたもので、以来、発達障害のある子どもの教育・支援政策を議論する上での重要な前提指標となっています。調査では、①学習面(「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」)②行動面(「不注意」「多動性-衝動性」)③行動面(「対人関係やこだわり等」)の3点について質問紙が配布され、担任教員が学級の児童生徒の状況について回答しました。6.5%ということは、たとえば30人学級であれば、1クラスにつき約2名の子どもは、勉強や行動・コミュニケーションで大きな「困り」があり、なんらかの支援を必要としているということになります。こうした通常学級の子どもたちの困難を解消する手段として、「通級指導教室」という、自分の苦手なことに合わせた個別の支援・指導を受けられる少人数の教室が存在します。通級指導の対象となった子どもは、授業時間割の一部は通常学級を抜けて通級教室に通い、個別の支援・指導を受けることができます。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)ただし、通級指導教室は現状全ての小・中学校に設置されているわけではなく、通級がない学校で通級指導の対象となった子どもは、近隣の学校の通級教室に移動して授業を受けることになります。こうした事情もあり、2012の同調査でも、困難が大きいとされた6.5%のうち、「現在、通級による指導を受けていない」児童生徒は93.3%に上るという結果が出ています。さらに、これら「現在、通級指導を受けていない」児童生徒のうち97.4%は、「過去、通級による指導を受けたことがない」ということです。冒頭の署名キャンペーンにあるように、複数年にわたって通級待機状態にある子どもたちも決して少なくないと言えます。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課, 「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」, 平成24年12月5日通級指導員を10年で10倍へ―文科省の予算要求とその実現可能性は?出典 : 次に、先日提出された、文科省による2017(平成29)年度概算要求を見てみましょう。文部科学省初等中等教育局, 「2017(平成29)年度概算要求」上に述べたような通常学級の子どもたちを取り巻く状況を受けて、通級指導に関わる教員の増加に注力した予算要求が提出されています。1) 教員対子ども比率が現在の13:1から10:1になるように、教員数を追加で10年間にわたって毎年890名増やすこと2) 増加教員を加配ではなく基礎定数化することの2つが大きな柱です。1つ目の増員目標ですが、これは、通級指導教員を今後10年で10倍に増やしていくという方針を示した数値です。少子化の進展により、日本の学校の児童生徒数全体は減少傾向にありますが、発達障害に対する認知の向上や、個別の支援を必要とする子どもたちの早期発見体制が整ったことなどもの要因もあり、通級指導の対象となる児童生徒は、この10年で約2.3倍に増加しました。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)今後もこうした個別の支援に対するニーズは拡大していくと思われ、専門的な個別の支援・指導が行われる通級指導教員の増員が目指されています。次に、通級指導教員を「基礎定数化」するとはどういうことでしょうか。これまで、通級指導教員は、「加配定数」という扱いで、毎年の予算折衝ごとに人数が決められていました。これを、通級の対象児童生徒人数に応じて、教員の必要人数を機械的に算出する「基礎定数」枠に変更することで、安定的・計画的な教員採用・配置を出来るようにするという狙いのようです。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)一方、今回提出された予算要求については、財務省との間で考え方の相違があり、交渉は難航しているとの見方もあります。これに対して、財務省は、通級指導と日本語指導の教員定数を基礎定数に組み入れることには賛成しているものの、加配定数の増加は認めない考えです。少子化による児童生徒数減少で、放っておいても、これから基礎定数は減少していき、そのうえで加配定数の増加を認めなければ、教員数全体を大幅に削減できる……という狙いです。つまり両省は、基礎定数の変更までは同じ方針でも、その後の加配定数の扱いについては、まったく別の考え方を持っているわけです。---「ベネッセ教育情報サイト」, 小中学校の先生の数はどうなる「定数構想」めぐり攻防か, 2016/10/11公開, 2016/10/13最終アクセス通級指導教員を定常的に確保し増やしていくための予算が確保できるかどうかは、この秋の予算交渉が正念場となるようです。一人ひとりの個性を伸ばす教育を。市民の声を力に変えて出典 : 署名キャンペーン上では、「1日も早く専門的な知識をもった先生を、もっと多く、増やしてください。」という声が上げられています。また、署名に賛同した人たちの投稿コメントの中にも、発達障害のある子どもを持つご家族の体験談や、現場の教職員の方々の悩みの声が寄せられています。また、このキャンペーンは決して「発達障害児童」だけのためのものではないでしょう。診断の有無によらず、学習・行動面で個別の取り出し支援が必要・有効な子どもは多くいるなか、専門性の高い教職員を安定して確保・育成していくことは、全ての子どもたちの学びが保障される社会をつくるために、とても重要な施策であると思います。私たちは、発達障害の子ども一人一人が必要な個別支援を受けられるよう、専門の先生を増やすように国に求めます。この問題は、何も発達障害の子どもだけの問題ではありません。コミュニケーションが得意・苦手、足が早い・遅い、手先が器用・不器用など、子どもはみんな違います。一人ひとりの子どもたちが学校で自分の個性に合った教育を受けられる、そんな社会を私たちは望みます。子ども達はこの国の未来です。どうかこの問題が国に届くように、皆さんの力を貸してください。---「change.org」署名キャンペーン: 発達障害の子どもの個性に合った教育を!学校現場で専門の知識を持った先生を増やしてください!実際に、通級指導の担当教員をどれだけ確保できるかは、今後の文科省と財務省の間の予算交渉次第ですが、それによって、今後の教育環境の方向性が大きく決まってきます。来年度の予算交渉が本格化するこの時期に、署名キャンペーンを通して家族当事者や市民の声を伝えることは、重要なアピールとなります。今回の署名キャンペーンを、「LITALICO発達ナビ」としても応援したいと思います。この問題に関心を寄せ、賛同される方はぜひご署名をお寄せください。以下のページからオンラインで簡単に署名可能です。「change.org」署名キャンペーン: 発達障害の子どもの個性に合った教育を!学校現場で専門の知識を持った先生を増やしてください!
2016年10月13日きたるハロウィンに向けて仮装の準備をしている人も、毎年気が付いたら終わっていた! なんて人も、今年は絵本でハロウィンに親しんでみてはいかがでしょうか。生まれた起源や、意外な過ごし方など新たな発見が期待できます。今回は 絵本ナビ 協力のもと、ハロウィンをもっと好きになる絵本を集めてみました。■ハロウィーンって なぁに?作・クリステル・デモワノー/訳:中島 さおり/出版社:主婦の友社 「ハロウィーンって なぁに?」(絵本ナビ紹介ページ) 魔女の少女ビビはかぼちゃ集めに夢中になる大人たちが不思議で仕方ありません。おばあちゃんまでも、かぼちゃにつきっきりで「かぼちゃしか、かわいくないんだ!」とすねる様子が子どもらしく、クスッとしてしまいます。「ハロウィンはみんなでワイワイ仮装する日」と、なんとなくのイメージで楽しんでいる人も多いのでは? この絵本では大人ですらあいまいなハロウィンの起源について、ビビと一緒に学ぶことができます。これを読めば今までより、堂々とハロウィンを楽しめるようになるかもしれません。■きょうはハロウィン作:平山暉彦/出版社:福音館書店 「きょうはハロウィン」(絵本ナビ紹介ページ) ケンちゃんは新しい街に引っ越してきたばかり。まだハロウィンの存在を知りません。友だちのピートに誘われておばけに変身したケンちゃんは、初めてのハロウィンでみんなからお菓子をもらいます。でも最後に訪れたのは…。絵本には日本人の男の子が外国に引っ越して、ハロウィンを初めて体験する様子が描かれています。日本では近所の家をまわってお菓子をねだる習慣までマネすることは少ないですが、もしかしたらみんなケンちゃんのようにドキドキ・ワクワクしてしまうのかもしれませんね! ■ハロウィンドキドキおばけの日! 作:ますだ ゆうこ/絵:たちもと みちこ/出版社:文溪堂 「ハロウィンドキドキおばけの日!」(絵本ナビ紹介ページ) 怖がりのレイはハロウィンが苦手。おばけに魔女など怖い存在ばかりだけれど、ある日出会ったのはレイと同じく怖がりの幽霊・シェイク。最初はびっくりしたけれど、一緒にいるうちに、なんだか楽しくなってきます。この絵本にはその他に衣装やハロウィンメニューの作り方など、おまけが盛りだくさん! ママにも役立つ情報となっています。ハロウィンの雰囲気がなんとなく怖いと思っているお子さんにも読み聞かせたい一冊です。■ハロウィーンの星めぐり 「夜に飛ぶものたち」 詩:ウォルター・デ・ラ・メア/絵:カロリーナ・ラベイ/訳:海後 礼子/出版社:岩崎書店 「ハロウィーンの星めぐり 「夜に飛ぶものたち」」(絵本ナビ紹介ページ) 「幼な心の詩人」と評されるイギリスの詩人の歌に、これまたイギリスの新人画家が愛のあふれるイラストをつけて完成した絵本には、本物の魔女が登場! かぼちゃのジャック・オーランタンを飾り、仮装して家々を回っている子どもたちの頭上では、ほうきにのった魔女たちが星座の間を自由にいったりきたり。中にはいたずらをしかける魔女もいて…。カバーの表紙には銀箔が押してあり、月や星のきらめきが表現されていてとてもキレイです。■ハロウィンのかくれんぼ 作:いしかわ こうじ/出版社:ポプラ社 「ハロウィンのかくれんぼ」(絵本ナビ紹介ページ) シンプルな形とはっきりした色合いが赤ちゃんにもぴったりのハロウィン絵本は、シリーズ累計185万部を突破したという人気作。おばけに魔女にかぼちゃにお菓子…。ハロウィンにちなんだものがたくさん登場するので「次は何かな~?」とわくわくしながらページをめくる楽しみがあります。お子さんへの初めての一冊としてプレゼントにしても喜ばれる一冊です。日本にも浸透しているハロウィン。この時期になると街中では仮装行列などお祭りイベントもたくさん開催されますね。絵本をキッカケに、家族みんなでハッピーハロウィーンを楽しんでみてくださいね。絵本ナビ監修のこちらの連載は毎週木曜日にお届けします!データ協力: 絵本ナビ
2016年10月13日私たちが常識と思っていることでも国や文化が変わると、その「当たり前」が一変することがあります。教育もそのひとつ。日本では子どもを叱るときに「言い訳しない」と怒ることが多いですよね。しかし、フランスでは「理由を述べる」ことを大切にします。フランスを訪れた日本人は、これを「言い訳」と感じ違和感を覚えます。でもそこには国による教育方法の違いがあったのです。■暗記の日本 VS 論述のフランス学力の基準として、日本の学校では「いかにたくさん覚えられるか」が大切にされがち。いっぽう、フランスでは「いかに自分の意見を伝えられるか」が重要です(もちろん自分の意見を筋道たてて伝えるためには、一定以上の知識を覚えることも必要)。フランスの中等教育修了を証明する国家試験「バカロレア」の哲学の試験を例にみてみましょう。2016年フランスではこんな問題が出題されました。・「より少なく働くことは、より良く生きることか?」(理系学生対象)・「私たちはいつも自分が望むことを知っているのか?」経済・社会学系学生対象)・「私たちの道徳信条は経験にもとづいているのか?」(人文学系学生対象)これを数時間かけて論述するのです。日本では「自分で考えて行動できない人」がしばしば問題視されますが、そんなことフランスではどこ吹く風。他人の考えがどうであれ、「自分の意見を述べる」ことで自分の主張(正当性)を展開しようと考えます。この点では、ブレがありません。■「私のせいじゃない!」は実は万能な言葉だった!?フランスのこの特徴を端的に表す場面に遭遇したときのことです。空港の出国管理ゲートに長蛇の列ができているのに、窓口はひとつ。だれかが査証に詰まると列が動かなくなり、フライトの時間がすぐそこに迫った人々はイライラした状態に…。がまんできなくなった女性が、順番を抜かして窓口に走ったことで、うしろの人は皆ブーイング。列の整理担当の係員が制止しますが、その女性は「(もし乗り遅れたら)あなたは私の飛行機代を払ってくれるの!?」と、自分の理論をまくしたて始めました。女性のあまりの剣幕にその場は一瞬静かに。いっぽうで客の視線は、横入りを許してしまった列の整理係員にも向けられます。その係員がまず発した言葉が「私のせいじゃありません」。こうした行為に対する評価はいろいろあると思いますが、フランス人の多くは、はじめに非難されそうな自分の立場への理由づけを考えることから始めます。正直、日本人の私にとってはこの状況は素直に受け入れにくいものがあります。でも文化とは、見方によってプラスにも、マイナスにも働くもの。異なる環境で育てば、相容れないことも多く出てくることでしょう。でもその多様性をさまざまな角度から捉えることにこそ異文化の面白さがあるのかもしれませんね。
2016年10月12日小学生の子どもに「勉強しなさい!」と声をかけて机に向かわせても、なかなか勉強に集中しない…。そんな悩みを抱えているママは多いのではないでしょうか? どのようにしたら子どもが勉強に集中するのか気になるところですよね。今日から実践できる方法をご紹介します。■勉強する環境を整える机周りの環境は大事です。大人でも散らかっているデスクだと仕事に集中できないのだから、小学生だとなおさら。勉強に関係ないものは、机の周りに置かないようにしましょう。スマホや漫画、遊びに関するものは、目に入らないところに片づけます。教科書やノート、えんぴつ、消しゴムなどは、定位置も決めておくといいですよ。せっかく勉強に集中していても、「あれ、どこに置いかな?」となってしまうと、集中力も一気に低下してしまいます。デスクランプは白色の蛍光灯がオススメです。蛍光灯は脳を活発に活動させるといわれており、集中力キープにもってこいなのだとか。また、子どもが勉強しているときは親もテレビを見ないなど、家族全員で静かな環境をつくるように心がけましょう。■時間は短めに、目標を低めに設定「1時間半勉強しよう」「今日中にここまで進めよう」とはじめから目標を高くしすぎると、「やっぱり無理…」とお子さんが挫折してしまうことも。最初は時間を短めに、目標を低めに設定します。学校の授業時間より少し短めがよさそうです。机に向かった時間の長さより、勉強にどのくらい集中できたかを重視するといいでしょう。達成できたら、また小さな目標を立てます。大きな目標を掲げるより、小さな目標を少しずつ立てて、自信を積みあげていくほうが、子どもにとってプラスになります。■勉強のやる気スイッチを入れるしくみをつくる勉強のやる気スイッチは、子どもによってもさまざま。たとえば、勉強がはじまる10分前になったら、いつも同じ音楽をかけてみるのもいいでしょう。「勉強しなさい!」とガミガミいうより効果的かもしれません。苦手科目や問題を克服したいときは、漢字練習や簡単な計算問題など単純な勉強からスタートするのがオススメです。目安は15分くらい。お子さんが「もっとやりたい!」と言っても15分でやめるのがポイントです。苦手科目が後回しになってしまい、結局できなかったということになりかねません。ちょっとした工夫でお子さんの集中力は高まります。子どもにとってのスイッチはなにか、お子さんを観察して見つけてみるといいですよ。 (阿部裕子<フォークラス>)
2016年10月09日「もう、何回言ったらわかるの?」という言葉、つい口にしてしまっていませんか。でもそれ、子どもの理解力がないのではなく、ママの教え方がイマイチなのかも…!? そこで今回は、じゃんけんやパズルなどの遊びや時計の読み方などを子どもにわかりやすく教えるコツを紹介します。■パズルはスモールステップからはじめようパズルを教えるポイントは「できた!」という喜びを実感させること。最初はピースが大きく、数も少なく、絵も単純なものから始めるとよいでしょう。あと1ピースという状態で子どもにバトンタッチし、「できた!」という達成感を味あわせるところからスタート。そこから徐々に隣り合う2ピースを残してみたり、点在する3ピースに挑戦させたりしながら、「じゃあ全部ひとりでやってみよう!」「もう少し難しいパズルやってみる?」とレベルアップしていくると、自然にチャレンジを促せます。子どもの好きなキャラクターや乗りもののパズルでやる気をアップさせたり、子どもが集中しやすい時間帯を選んで遊ばせるなどの工夫も効果的。決してママが横からプレッシャーをかけることなく、あくまでも楽しい雰囲気づくりを忘れないようにしてくださいね。■時計は長針がキモ!短い針と長い針。その組み合わせが子どもにとっては難解な時計。とくに、長針が「1なのに5分」「6なのに30分」というあたりが混乱の原因になるようです。そこで、まずは短針の読み方からマスターさせるようにしましょう。短針なら1~12時までと数字どおりシンプルなので、子どもにもわかりやすいようです。次に長針です。長針は、できればメモリのすべてに1~60を書き込み、何分を指しているのかを目で確かめられると理解が進みます。そして、長針が1周するのに60分かかるという概念が理解できれば、数字が5分ごとのメモリであることも掴みやすくなります。とはいえ時計は一人で行動し始める小学校1年生でよめればよいという考え方もあり、あまり早いうちから躍起になって教えなくても大丈夫。子どもが興味を持ったタイミングをうまくキャッチして教えてあげたいですね。■じゃんけんは基本からしっかり教えよう意外とつまづきやすいのが「形のつくり方」。まずは子どもの手をとり、グー・チョキ・パーの指使いを教えてあげましょう。3つの形を作れるようになったら、ママがお手本を見せながら「グー・チョキ・パー」と声をかけ、真似をさせます。できるようになったら「パー」「グー」「グー」「チョキ」などランダムに声をかけ、それに応じて出せるように促します。3種類を自在に出せるようになったら、ここで初めてルールを教えます。グーを基点に教えるとシンプルでわかりやすいです。子どもにグーを出させ、ママがチョキを出して二本の指の間でグーを挟みます。「ママのチョキ、○○ちゃんのグーで折れちゃった。だからママの負け」「ママのパー、○○ちゃんのグーをパクっとしちゃうよ。だからママの勝ち」「ママのグーと○○ちゃんのグー、一緒だね。だからあいこ」といった具合で教えてみてください。グー=石、チョキ=はさみ、パー=紙として教えてもいいですね。ルールがわかるようになったら、次は実践。ときどき後出しをうまく使って子どもを勝たせ、「すごい! 強い」と接待してあげると「もっと!」とノッてきやすいですよ。子どもにわかりやすく教えるというのは難しいもの。とくにわが子となると、期待が大きくなりすぎてイライラしてしまう場面も…。でも、そんなときこそ教え方を工夫して、楽しみながら取りくんでみてくださいね。
2016年10月05日学習障害の長男。努力ではカバーしきれない困難さを抱えた結果…出典 : 小5の長男は、ADHD、アスペルガー症候群、そして学習障害という診断を受けています。その中で、今彼を最も困らせているのが、「学習障害」です。上下斜視で2度の外科手術をしている長男ですが、視力は順調に育ちながらも、視機能や視覚認知面での遅れがありました。このため、●本の字を追って読むのが苦手●漢字や図形の形を把握して覚えるのが苦手●黒板の字を視写するのが苦手●先生の口頭の指示を覚えられない●繰り上がりなど複雑な計算が苦手こうした影響が、学習に現れています。医師の診断によると、「今は、彼が本来持っている理解力や思考力を十分に発揮できず、努力をしても定着が進まない状態です。そんな中で失敗経験が積み重なり、勉強自体に『苦手意識』『拒否感』が強まってしまったのでしょう。そのため学習場面で、パニックを起こしたりチック症状が出たりといった、二次障害が出ています。」ということでした。本来、好奇心が旺盛で好きなことなら熱心に知識を取り込み、あっという間に覚えるほど、学ぶことに対して前向きな長男。それが、読み書きという「方法が合わない」ことが原因で、学ぶこと自体が嫌になっているのです。この状況を前にし、親としては可哀想で仕方ありませんでした。タブレット学習が長男を変えた!出典 : そんなとき、通っている療育先や教育相談の先生から、「タブレットを使ってみてはどうか」と勧められました。長男に「こんなのあるけど、やってみない?」と聞いたところ、興味を示して「やってみたい!」とノリノリに。こうして、小3から通信教育のタブレット講座を始め、今ではその他のアプリも取り入れて続けています。なぜ、勉強嫌いの長男がそんなに続いているのか?お勧めの教材4つを紹介しながらお話したいと思います。出典 : こちらは、進研ゼミのタブレット教材です。国語・算数・理科・社会の4教科を、動画や音声で学習できるので、「読む」のが苦手だったり、説明を読んでイメージするのが苦手だったりする子もわかりやすいです。長男にとっては、とにかく「書かなくてもいい」のが良かったようです! 問題の答えの記入は、タッチペンを使った選択制なのです。また、間違えたら再チャレンジする仕組みになっていたり、わからないところがあったら説明や動画をもう一度見ることができたりするので、長男にとっては記憶力の強化にもなります。このシステムの面白いところは、学習をすすめるごとにご褒美(ポイントやゲーム)があるので、やる気につながるようです。「チャレンジタッチ」タブレットの仕様出典 : 長男が視覚認知・視機能の検査を受けた病院で、ビジョントレーニングとして勧められたのがこちらです。これはパソコンにダウンロードして使用するアプリケーションです。視覚認知機能5領域(注意・記憶・形状識別・空間認知・運動統合)のトレーニングができる、16種類のとてもわかりやすく楽しいゲームです。練習ステージをしてから本番に入る形だったり、前回までの記録に合わせて難易度を自動設定してくれたりと、子どものやる気を上手に引き出してくれます。また、保護者メニューでは5領域の力のバランスや、これまでの成績の変化をグラフやチャートで見ることができるので、子どもの成長状態がよくわかります。この記録をもとに、力を付けた方が良い領域のゲームを「今日のおすすめ」として自動表示してくれるので、子どもだけでもまんべんなく、力をつけていくことができると思います。視覚認知バランサー出典 : 苦手な「書く」を補うため、パソコン入力ができるようにと考え、ローマ字を負担なく覚えることができるアプリを探しました。こちらは、タブレット向けのアプリケーション。表示されたひらがな又はカタカナと同じローマ字を4択の中からタッチして選ぶ、学習アプリです。「道場」というだけに、剣道の試合のようにどんどん文字をヒットさせるのが、面白いみたいです。学校の「書いて覚える」学習では泣いて嫌がり、全くローマ字が覚えられなかった長男でしたが、このアプリはタッチするだけで覚えられるので、繰り返すうちに、少しずつですがローマ字が読めるようになってきています。剣道でおぼえるローマ字道場出典 : 漢字を書けなくてもいいから、読めるようになって欲しい。そんな気持ちで、楽しく「漢字の読み」が学習できるアプリを探しました。これもタブレット向け無料アプリです。子どもが大好きなRPGゲームの感覚で、海賊になって問題を解きながら、ステージをクリアしていく楽しみがあります。漢字の正しい読みを選択する問題、漢字の正しい形を選択する問題に回答することで、視覚的に漢字を覚えることができます。ステージを1つクリアする毎にカードやコインをもらえるのもやる気に繋がります。国語海賊〜2年生の漢字編〜その子に合った学習方法さえ見つかれば、子どもは伸びる出典 : 最近読んだ本に、こんなことが書いてありました。「勉強をその子ができる形にしてやることで、子どもは自然に力を伸ばすことができます。また、時期がくれば自然と力を伸ばすこともあります。だから、子どもを勉強に合わせるのではなく、勉強を子どもに合わせてやればよいのです。小学校に入学し、気を張って1日を過ごしてきた子どもに追い打ちをかけるのではなく、家に帰ったらほっこりさせてやりたい。だから、まずは『宿題なんかできなくても大丈夫』と考えてほしいのです。」「宿題をするのは当たり前のこと」と親子で考えていた頃は、確かに毎日が苦痛でした。私はカッとして声を上げ、長男は泣きながら宿題をしていました。でも今は、このタブレット学習を「この子の宿題」として学校に認めてもらい、やったことを記録して報告しています。自分から学習に取り組む今の姿は、以前の彼からは想像できないものでした。その子に合った学習方法を用意すれば、子どもは伸びることができる。そのことを、強く実感しています。(「宿題なんかこわくない発達障害児の学習支援」塚本章人・著かもがわ出版)
2016年10月03日こんにちは。学習アドバイザーの佐々木恵です。皆さまは、反転授業という言葉をご存じでしょうか。現在アメリカで主流になりつつあり、近い将来に日本でも導入される可能性のある反転授業。その内容とメリットとは何なのでしょうか。目次反転授業とは何か反転授業のメリットなぜ、成績が上がる?一方で課題もまとめ●反転授業とは何か教室で講義を聞き、自宅で宿題として問題を解いて予習復習をするのが一般的な学習スタイルでした。反転授業とは、これを逆転させた形式の学習スタイルです。自宅で講義動画を見て学習し、教室では動画で得た知識をもとに問題を解いたり議論を行ったりします。従来のスタイルを反転させることで、教室では講義動画の内容をフォローし、問題を解く時間を増やせる ことが大きな特徴です。●反転授業のメリット教師が一方的に講義をする一斉講義のスタイルでは、どうしても生徒たちの集中力が続かず、授業に対する理解度に差が開いてしまうことにより、勉強に対する意欲が低くなりがちなのが課題でした。反転授業では、講義を家で見ることができるため、教師は一人ひとりにあった対応をすることが可能 です。生徒側にもメリットがあります。一斉授業では一度きりしか講義を聞くことができませんが、動画であれば好きなときに何度も講義を確認できます。理解ができない箇所は動画を見返して復習することもできるため、理解度に合わせて自分のペースで学習することができるという利点があります。●なぜ、成績が上がる?授業での理解が難しい成績下位層の生徒にとっては、授業動画を何度も見て必要な箇所を自分で学べる というのは大きな利点でしょう。動画であれば、必要な部分を必要なだけ見ることができ、予習復習がしやすくなります。成績上位層においては、反転授業によって、知識を得ること、活用することの両方が可能になります。知識を与えるだけの一斉授業に対する批判はこれまでもありましたが、時間不足の問題から解消するのは難しいとされてきました。反転授業を導入することにより、各自が講義によって予習しておくことで、授業ではそれらを応用して問題を解いて思考力を伸ばすことが期待できます。あるいは、浮いた時間にグループ学習を導入すれば、個々人の主体性や仲間と共に取り組む協働性 を育てることもできるでしょう。知識のみではない、活用できる学力を伸ばせる可能性があるのです。●一方で課題もメリットの多い反転授業ですが、課題もあります。自宅で動画を見るためには、インターネット環境の整備や端末の準備が必要です。これらの経済的負担を誰が負担するのか。子どもが小さいうちは、自宅で動画を見るために保護者から子どもへ促す必要もあり、家庭には経済的・時間的な負担がかかるという懸念があります。自宅で動画を見ておかなければ、学校授業で置いていかれてしまい学習意欲がそがれる こともあるでしょう。●まとめ一人ひとりに合った学習が可能になる反転授業。自宅でタブレット端末を使って動画を見て学び、教室では話し合ったり問題を解いたり、アクティブに活動する。近い将来、これが当たり前の光景になるのかもしれません。【参考文献】・『AERA』2013年5月27日号●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年09月30日秋はさまざまな実りの季節。「学びの秋」「勉強の秋」ともいわれるように、自分をステップアップさせるチャンスです。せっかくなら子どもと一緒に学びを深め、親子で同じ資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。検定試験の中には、園児から小学生くらいの子どもでも挑戦できるものがたくさんあります。親子で一緒に勉強すれば、子どもの興味もぐんと伸ばしてあげられそうですね。■日本漢字能力検定【漢検(R)】年3回試験が実施されている漢検。その名の通り、漢字についての知識を問う検定試験です。ただ読み書きができるだけでなく、文章の中で漢字を正しく使える能力が試されるのもポイント。10級から1級まであり、10級のレベルは小学校1年生修了程度。受験に年齢制限はないので、漢字に興味がある子なら、年長さんくらいでもじゅうぶん挑戦可能です。■児童英検子どもの習い事としても人気の英語。普段英語を習っているなら、児童英検にチャレンジしてみてはいかがでしょう。検定試験を受けることで、英語へのモチベーションもアップしそうです。子ども向けの児童英検はさまざまな団体によって行われていますが、よく知られているのは日本英語検定協会が主催する英検Jr.や、日本児童英語振興協会(JAPEC)によるJAPEC児童英検。英検Jr.はリスニング形式で試験が行われ、JAPEC児童英検には面接官と話すスピーキング試験があります。子どもと一緒に、ママも英語のおさらいをしてみては。■手話技能検定【手話検定(R)】耳の不自由な人たちと会話ができるようになる手話。手話を身につければ、普段の生活の中で耳の不自由な人のお手伝いができるようになるかもしれません。ママやパパも手話を学んで、親子で手話をしてみるのもよいですね。一番やさしい7級は在宅受験が可能なので、気軽に挑戦することができそうです。 ■家庭料理技能検定(R)料理好きな子におすすめなのが、この検定試験です。料理の技術と食についての知識が試されるため、試験を通して栄養や食生活についても学ぶことができます。小学校高学年でも、普段からお手伝いなどで料理をしている子なら挑戦できそうです。検定試験に向けて、親子でキッチンに立つのもいいコミュニケーションになりますよね。■歴史能力検定歴史が好きなら挑戦したいのがこの検定試験。教科書で勉強する範囲にとどまらず、未来への判断力や洞察力を養うため、歴史に対する理解を深めることを目的とした検定です。5級から1級まであり、5級は小学校修了レベルの日本史の問題となっています。歴史ドラマやクイズ番組などで出てくる話題も扱うようなので、勉強も楽しくなりそう。歴史を知ることで、普段ニュースで見聞きする出来事への理解も深まるかもしれません。■親子で効率よく勉強するには親子で試験を受けるなら、まずはママが真剣に勉強しましょう。ママの姿を見て、子どもも「自分も頑張ろう」とやる気がアップするはず。机に向かう場合も子どもと一緒に。肩を並べて勉強することで一層集中力が高まります。受ける試験の種類によっては、パパも巻き込んでしまうのもおすすめです。それぞれのレベルにあった級を選んで、家族で検定にチャレンジしてみても。お互い質問を出しあって、「正解したらおやつをプラス」など、ゲーム感覚で取り組むのもよいですね。興味のある分野で試験を受けることは、子どもにとっても大きな自信になります。子どもの力をしっかり伸ばせるように、上手に働きかけてあげたいですね。
2016年09月30日わたしの娘は、2歳からヨコミネ式教育法を取り入れた保育園に通っています。2歳のときの保育参観で驚いたのが、全員の名前を漢字で覚えていることでした。持ち物にはすべてひらがなで名前をつけましたが、それこそが大人の先入観だと思いしらされました。「ヨコミネ式…すごい!」と感動した筆者が、ヨコミネ式教育の“キホン”をご紹介します!■そもそも「ヨコミネ式」って?プロゴルファー横峯さくらさんの伯父にあたる、横峯吉文氏が提唱する「ヨコミネ式教育」。人気の教育法として、各地の幼稚園や保育園で取りいれる施設が増えています。「すべての子どもが天才である」という考えを掲げ、子どもたちの自ら学ぼうとする力に注目。「心の力・学ぶ力・体の力」を育むことを基本としています。具体的には、小学校に上がる前までに・ひらがな・カタカナの読み書きができるようになる・1500冊以上の本を読む・足し算や掛け算ができるようになる・絶対音感を身につける・倒立・側転・逆立ち歩きができるようになる・跳び箱11段が跳べるようになるなど…。これだけできるようになるには、子どもたちの努力はもちろんのこと、先生たちの根気と正しい指導も必要不可欠ですね。現在年中の娘は、倒立、ブリッジ歩き、側転などをいとも簡単にこなし、足し算の学習がスタートしています。音楽は、目隠しをしていても音階がわかるように。また、本を200冊読んだとのことで、「多読賞」という賞状をもらってきました。■ヨコミネ式教育はスパルタか?上記の項目をながめただけでも、ハードルの高さはかなりのもの。「実現させるにはスパルタになるのでは!?」と心配される方も多くいらっしゃいます。でも、ヨコミネ式は「本来持っている子どもの力を引きだすだけ」というのがモットーです。詰めこみ式の知識に偏った教育をするのではなく、子どもの自主性を尊重。先生はあくまで子どもたちの“やる気スイッチ”を見つけて入れてあげることに徹します。子どものやる気スイッチを入れるため、以下の4つのポイントを大切にしています。・子どもは競争したがる・子どもはマネしたがる・子どもはちょっとだけ難しいことをしたがる・子どもは認められたがる保育参観に行くと、先生が子どもたちを「かっこいいいね~!」とほめたり、「○○ちゃんがお手本を見せます!」と、みんなの前で披露させたりする場面が多く見られます。朝から休みなくカリキュラムが組まれており、正直「かわいそうだな…」と思うこともありました。でも、親の心とは反して、子どもから日々出てくる言葉は、「今日は○○ができるようになった!」とか「今日は体操で見本になった!」とか、希望と達成感に満ちた言葉ばかり。子どもたちは切磋琢磨し、粘り強さや根気強さが育っているのだと思います。■子どもによっては「ヨコミネ式教育」が合わないこともとはいえ、ヨコミネ式教育が合わない子もいます。事実、途中で退園してしまう子もいますし、逆に途中で転園してきた子はカリキュラムについていけず、登園拒否を起こしてしまうこともあるとか。また、小学校に行ってから、授業の内容がすべてわかってしまうため「ヒマだ」と身が入らなかったり、せっかく身につけた体操の技ができなくなってしまったりするそう。ただ、わが子を見ていると「本当に子どもの可能性は無限大だ!」と感じます。大人が考える「子どもができること」は、しょせん大人の枠のなかにある先入観でしかない、と痛感しました。とにもかくにも、幼少期をどう過ごすか・過ごさせるかはとても大切。自分の子どもの特性や性格をよく考えて、「合う・合わない」を見きわめてあげたいですね!(参照) ・ヨコミネ式教育法 ・ヨコミネ学習塾
2016年09月30日秋になると、部屋の中に何やらころころ…。子どもが拾ってきたどんぐりが、あちらこちらに転がっていたりしますよね。小さくて、まるくて、つやつやしたどんぐりは子どもの「集めたい欲」を刺激するだけでなく、姿を見るだけでなんだかほっこり(笑)今回は 絵本ナビ 協力のもと、愛らしさ満点のどんぐりを題材にした絵本を集めてみました。■どんぐりころちゃん作・みなみじゅんこ/出版社:アリス館 「どんぐりころちゃん」(絵本ナビ紹介ページ) どんぐりといえば、ちょこんと頭にのったぼうしがかわいらしい印象がありますが、この絵本に出てくるどんぐりはぼうしを逆さまにして、踏み台にしている姿がとてもキュート! 描きこまない素朴な表情ながら「みんなで楽しもう!」という温かい世界観が広がっています。地面に落ちたどんぐりたちは、色や形や大きさなど微妙な違いがあることにも感心。巻末には歌って遊べる楽譜と遊び方が付いているので、親子での手遊びにもおすすめ。まだ、どんぐりを知らない0歳児から楽しめる、愛らしいどんぐり絵本です。■どんぐりむらのぼうしやさん作・絵:なかや みわ/出版社:学研 「どんぐりむらのぼうしやさん」(絵本ナビ紹介ページ) のっぽの「ぽー」、ちいさな「ちい」、くるくるまきげの「くりん」。3つぶで切り盛りしているのは「ぼうしやさん」。売れなくなってしまったぼうしを売るため、別の街に売りにいく3つぶたち。そこで、ねずみのお母さんが買ってくれた4つの同じぼうし。「どうして同じものを買うの?」と思った3つぶが、ねずみ母さんの後をつけていくと…。そこで自分たちのぼうしには足りなかった「あること」に気付きます。ぼうしひとつひとつのデザインにまで気を配る作家さんの愛情を感じる絵本。どんぐりを「1人」ではなく「1つぶ」と数えているのも、なんだか新鮮です。 ■まいごのどんぐり 作:松成 真理子/出版社:童心社 「まいごのどんぐり」(絵本ナビ紹介ページ) コウくんから「ケーキ」と名付けられた木の子ども、どんぐり。コウくんと一緒にかけっこしたり、散歩したり、泳いだり…。そんなある日、まいごになってしまったどんぐりをコウくんは一生懸命探します。どんぐりも見つけてもらおうと一生懸命です。そのうち舞い降りてくる落ち葉の中で眠り込んでしまったどんぐりが、明るい日差しで目を覚ましたとき、目にしたものとは…。変わらない愛情、消えない絆。年月をへてもなお、そこにある何かを感じさせる名作絵本です。■どんぐりころころ おやまへかえるだいさくせん作・絵:スギヤマ カナヨ/出版社:赤ちゃんとママ社 「どんぐりころころ おやまへかえるだいさくせん」(絵本ナビ紹介ページ) 「どんぐりころころ、どんぐりこ~」というフレーズなら、一度は口にしたことがありますよね。童謡「どんぐりころころ」は実は2番まであって、最後は「お山が恋しい」とどんぐりが泣き、どじょうが困ってしまう… という終わり方をしています。では、その後はどうなったのでしょう? そんな疑問を解決してくれるのがこちらの絵本。うちが恋しいどんぐりのため、お池の仲間がしたこととは…。おなじみの童謡が、小さなどんぐりをテーマにしているとは思えないほど、わくわくドキドキの壮大な大冒険物語へと進化をとげた一冊です。ただ愛らしいだけでなく、大人の心をもグッとつかむ「大切なこと」や「変わらないもの」を教えてくれる、どんぐり絵本。童謡の続きを絵本にしてしまう発想も、とてもおもしろいですね。道のすみっこで出会いを待っているどんぐりたち。今すぐ親子で、会いにいってみませんか?データ協力: 絵本ナビ
2016年09月29日発達障害のある人が利用できる医療機関の不足は、なぜ起こっているのか出典 : 発達ナビで、新たに医療についての連載をさせていただくことになりました。児童精神科医の吉川徹です。現在は愛知県の障害児者専門病院に勤務しています。皆さんもおそらくはよくご存知のように、発達障害がある子どもや大人が利用できる医療機関は、ほとんどの地域でひどく不足しています。これは一体なぜなのでしょうか。一つにはいわゆる「発達障害」に属する障害、中でも自閉スペクトラム症と注意欠如多動症という障害のある人の数がとても多いことがあります。今までに子どもの心の医療に対象になってきた疾患、あるいは大人の精神医療の対象になってきた疾患と比べても、それを上回る数になっています。国際的に認められたかなり手堅い方法で調べたとき、地域の子どもの中で自閉スペクトラム症と診断できる子どもは一般的に1〜2%程度いると言われています。ところが最近厚生労働省の研究班が報告した数字では、地域によっては小学1年生の子どものうち、5%以上が自閉スペクトラム症の診断を受けているとされていました。また注意欠如多動症(ADHD)も元々とても数の多い障害で、3〜5%以上の子どもがその診断を受ける可能性があるとされています。これは、例えば知的障害を持つ人の数や統合失調症を患う人の数などと比べても、数倍にも及ぶ大きな数字なのです。発達障害の医療にまつわる困難の大半は、この患者数の極端な多さに起因しています。例えて言えば、もともと満員だった電車に今までの3倍の乗客が押し寄せていて、しかもレールが一本しかないので、増発もままならない、そんな状況が日本中で起こっているのです。診療ニーズの拡大に追いつけない原因には、医療機関としての構造的な問題がある出典 : こうした障害は比較的短い期間で広く認知されるようになり、診療のニーズが急速に拡大しました。これに応えるために、厚生労働省でも子どもの心の診療ができる医師の養成のための検討会を開催したり、モデル事業や研修を実施したりしています。平成28年度からは、地域のかかりつけ医を対象とした研修も全国規模で始まろうとしています。専門の医師が集まる学会などでも養成のための取り組みが続けられています。しかし現時点でもニーズの急増に対応できる新たな医師の養成や医療機関の整備は、充分に追いついているとは言えない状況です。まず医療による支援そのものが、他の領域に比べて極めて高コストな構造になっており、専門家の養成や維持には社会に大きな負担がかかることから、供給できる医療の内容や医師の数そのものに厳密な制限がかかっています。そして専門医は促成栽培が難しく、一人一人を手取り足取り教えていく必要があります。そのためそもそも教える立場の医師の数が増えないと、養成できる若手の数も制限されてしまうのです。また、子どもの心の診療自体、構造的に赤字体質であり、なかなか若い医師にとって魅力のある領域になりにくいなど、様々な背景があるのです。本来あるべき支援と、医療信仰とのあいだに存在するギャップ出典 : 残念ながら現在の医療の水準では、種々の発達障害の根本的な治療法は見つかっていません。逆に言えば、根治するために必ず医療を受診しなければならない、という状況ではないのです。これほどの数の多い、発達障害がある子ども達、大人達の支援は、本来は普段の生活の場所、そこから近いところで提供されなければなりません。医療のような日常の暮らしと切り離された場所での対応には、はじめから限界があります。一方で、本人やご家族、他の領域の支援者からはときに医療に対して、万能的、魔術的な期待が寄せられます。また逆に医療領域の支援者には、他の領域の支援者に対する根強い不信があることがあり、良心的な医療者ほどその不信を隠さず、必ず医療機関にかかっておくべきだと主張することもあります。この背景には、そもそも現在の発達障害の概念の多くは医療から出発しており、黎明期である1960年代〜70年代には医療以外の支援が極めて乏しかったこと、現在でも他の領域の支援で支えきれなかったこじれたケースが医療機関を受診する場合が多いことなど、様々な理由があるのですが、現在の視点から見るとそれは不幸なことであると思います。診断の前から支援を行う姿勢が必要。では、本当に「医療は役立たず」なのか?出典 : 例えばいわゆる「学習障害」の場合などでは、地域の一般的な子どもの学力のデータも、多数派の子どもに勉強を教えるノウハウすらも一般的な医療機関にはありません。しかし、最近の診断基準(DSM-5)では、学習障害(限局性学習症)の診断は、何らかの学習の困難に対して、それを対象とした「介入が提供されているにもかかわらず」6ヶ月以上困難が持続している場合に行われるとされています。文部科学省の通知でも診断の前から支援を行うという姿勢がはっきり打ち出されているにも関わらず、なぜか医療機関の受診が支援の前提のように語られることがあるのです。「クリニックからクラスへ」というスローガンにはかなりの説得力がありますね。さて、それでは「医療は役立たずなのか」と問われると、医師の立場としてはやはり「そうではない」と答えたくなります。この連載では医療そのものについての情報よりも、発達障害のあるご本人、ご家族がどのように医療とつきあっていけば、医療のサービスを最大限有効に活用できるのか、そうした観点から考えていきたいと思います。
2016年09月29日就学相談とは出典 : 初等教育(小学校)へあがる前年度に、障害のある子どもや発達が気になる子どものいる家庭は、通常級、通級(通級指導教室)、特別支援学級、特別支援学校などの選択肢の中からどこへ進学するかを選択する機会があります。就学相談とは、子どもの就学先を決めるための保護者、児童、教育委員会の間の話し合いと、その決定までのプロセスを指します。就学相談では、教育的観点以外にも、心理学的、医学的見地から、本人や保護者の希望、地域の学校や実情を踏まえて子どもの就学先の判断がなされます。この記事では一般的によく行われている就学相談の流れや内容について紹介していきます。しかし、就学相談は、地域によって内容や呼び方、その過程が異なるためご注意ください。この記事の内容を参考にしていただきながら、お住まいの地域の就学相談についてはご自身で行政や学校に問い合わせてみてください。就学相談の目的は?出典 : 就学相談では、教育的視点や医学的視点などさまざまな意見をもとに子どもの就学先を判断しますが、これは、そもそも何のために行われているのでしょうか。就学相談は、まず第一に、子ども自身のため、子どもにもっとも適している教育環境を準備するためにあります。障害のある児童生徒一人ひとりの可能性を最大限に伸ばし、自立し、社会参加するための基盤となる生きる力を培うために、その子にとってどのような教育が必要かを明らかにしていき、そ の障害の程度に応じて最も相応しい教育が受けられるようにすることを目的とする。東京都中央区「就学相談について」就学相談の最大の目的は、子ども自身、保護者、教育委員会、医療関係者、心理関係者、すべての関係者の意見を聞き、子どもにとって最もふさわしい教育が受けられるようにすることです。近年は、インクルーシブ教育と合理的配慮いう観点からも就学相談のプロセスや制度が見直されています。その最たる例は、学びの場の選択の柔軟性です。今までは入学時に決めた学級、学校から原則他の学級、学校へ転学することは難しかったのですが、現在は子どもの発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に転学を検討できるようになりました。学びの場を固定されたものとして考えるのではなく、子どもの状況に応じて、必要な環境を柔軟に選択していくことが望ましいと言われています。ですが、このような取り組みはまだ始まったばかりで、地域によっては転学・転級の手続きが難しい場合もあるようです。就学相談から就学先が決まるまでの流れ出典 : 就学相談は市区町村によってその方法や内容が大きく異なります。以下で説明する流れとお住まいの地域の就学相談の方法が異なったり、流れ自体が前後する場合があります。就学相談についてより詳しく知りたい時はお住まいの市区町村の教育委員会へ問い合わせてみましょう。就学相談は、基本的には就学時健康診断のように通知が来ることはありません。子どもの発達や障害が気になる場合や、子どもの就学先を相談・検討したい場合は、保護者の方が自ら就学相談を申し込む必要があります。申し込みの仕方は市区町村によって2パターンあります。一つ目は電話で直接、市区町村の教育委員会へ連絡し、面談の日程などを決める方法です。二つ目は、通っている幼稚園や保育園を通じて申し込む場合です。その場合は、幼稚園や保育園の先生に相談しましょう。申し込み時に面談の日程を決めます。面談は市区町村によりますが、複数回実施されることが多いです。ここでは、子どもの生育歴や診断書などをもとにお子さんの様子や保護者の希望を聞かれます。あらかじめ、質問票や所定の書類に必要事項を記入しておく必要がある場合もあります。実際の面接では、お住まいの市区町村の通級、支援級、支援学校の状況を聞くことがポイントです。例えば学級の人数、受けられる支援や歩いて通える範囲にあるかどうかなどを確認するとよいでしょう。また、通級、支援級、支援学校でどのような支援が受けられるか、より具体的に聞いておくこともポイントです。また、希望の学級・学校の見学、体験ができるかどうかも聞いてみましょう。専門の医師、または心理士等が発達検査や知能検査を行います。診断がついてない場合、医師による診察が行われる場合もあります。ここでは、保護者と子どもが別室で面談や様子観察を実施することがあるので、子どもが過度に場所見知りをしたり、保護者から離れるとパニックになったりする場合は、あらかじめ担当の職員に知らせて対応方法を相談しておくと良いでしょう。就学予定先(通級、支援級、支援学校)への見学、体験方法は主に二つの方法があります。一つ目は各々の学事日程を調べ、公開日や参観日を確認して行く方法です。二つ目は、市区町村の教育委員会を通して各々の学校へ見学、体験を申し込む方法です。この二つの方法が一般的ですが、お住まいの地域によって違うことがあるので、面談の時に聞いてみるとよいでしょう。見学中、体験中には、どんな課題のある子どもにどんな工夫や支援がされているのか聞いてみましょう。それを踏まえて、子どもがその学級・学校へ通っている姿や、支援を受けられるかを想像しながら歩いてみると普段は気付かない点に気付くかもしれません。就学支援委員会の方が、幼稚園や保育園での子どもの様子を見に来ます。集団の中での子どもの様子や、情緒の様子を観察します。面談での様子、いままでの生育歴、医師や心理士の診察の結果、幼稚園・保育園での行動観察の結果をもとに、就学指導委員会でどこへ就学することがよいかを審議します。上記の審議の結果を踏まえて、保護者の方と今後の就学先について話し合います。子ども自身の希望も聞きながら、なぜその就学先を希望するのかを明確にして臨みましょう。面談や話し合いの結果、最終的に就学する学校が1月31日までに通知されます。この通知が最終決定ではなく、保護者の希望に沿わない場合は再度面談がなされることもあります。就学相談の選択肢となる学校、学級ごとの特徴小学校の就学先には以下の4つがあります。まずはそれぞれの概要や特徴を詳しくご説明します。比較しながらお子さんに合う学びの場はどこか、検討してみましょう。Upload By 発達障害のキホン通級とは、通級指導教室とも呼ばれ、通常の学級に在籍しながら比較的障害の程度が軽い子どもが、その子に合った個別の指導を受けられる学級です。主に各教科の学習や給食は通常級で受け、通級の時間だけ移動して指導を受けます。■通級の就学基準通級では障害種別ごとに、言語障害、自閉症・情緒障害、弱視、難聴、肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱と5つの学級があります。市区町村によってはすべて設置されてない場合もあります。通級の支援対象となる障害の程度は、通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度とされています。さらに、詳しい就学基準は以下のリンクを参考にしてください。障害のある児童生徒の就学について■通級の特徴通級へ通う場合は、通常学級に在籍しているので通常学級で学校生活の多くを過ごします。その一方で、一部の学習科目や社会生活面で生じている困難に応じて、通級での個別支援を受けます。通常学級に在籍しながらより手厚い支援の教育がうけられるため、比較的障害や困難の程度が軽かったり、算数だけが苦手な学習障害(LD)のある場合など、特定のことだけに困難がある場合に、有効な学級選択と言えるでしょう。Upload By 発達障害のキホン特別支援学級とは、障害のある子ども一人ひとりに応じた教育を行うため、小・中学校に設置された障害種別ごとに編成された少人数の学級をいいます。■特別支援学級の就学基準特別支援学級は障害種別ごとに、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害の7つの学級があります。特別支援学級の対象となる障害の程度は以下のリンクをご確認ください。この基準に該当しない場合でも在籍を検討することができますし、該当する場合でも通常級、通級へ在籍を検討することはできます。障害のある児童生徒の就学について■特別支援学級の特徴特別支援学級の上限定員は8人と定められています。少人数教育で、障害のある子ども一人ひとりのニーズに合わせた教育が受けられるようになっています。特別支援学級では、必要に応じて、各教科の目標・内容を、その子どもの課題や獲得スキル状況に適したものに変更・調整したり、個別の学習支援・生活支援を受けることができます。これは通常学級に所属している場合は受けることのできない大きなメリットです。また、「交流及び共同学習」という位置づけで、一部の授業や、給食や昼休みの時間、学校行事などに通常学級の子どもたちと一緒に参加する機会も設けられます。Upload By 発達障害のキホン特別支援学校とは、心身に障害のある児童が通う学校で、幼稚部~高等部まで存在します。2007年以前は「ろう学校」「盲学校」「養護学校」とわかれていましたが、学校教育法の改正に伴い障害ごとに分けた学校ではなく、制度上はすべて特別支援学校になりました。現在でも語尾に「~盲学校」や「~ろう学校」となっているのはそのためです。■特別支援学校の就学基準特別支援学校の支援対象となる障害の程度は以下のリンクの通りです。これは学校教育法によって定められているものです。障害のある児童生徒の 就学先決定について以前は、この就学基準に該当している児童は原則特別支援学校へ進学することとされていましたが、現在は、子どもの状態が特別支援学校の就学基準に該当していても、就学先が特別支援学校に限られることはなく、その他の進学先も検討することができます。■特別支援学校の特徴1クラス当たりの人数は平均で3人と少人数であり、特別支援学校の教員は、通常の教員免許に加えて特別支援学校の教員免許を持っています。また、医療的ケアは看護師などが行うことが原則ではありますが、保護者の同意や医療関係者による適切な管理など、一定の条件が満たされていれば、特別支援学校において教員がたんの吸引、経管栄養(胃ろう・腸ろう)、自己導尿の補助を実施することができます。そしてさらに、一人ひとりの教育、支援のニーズに合わせた、きめ細かい教育をするために「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」が立案・実行されます。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(4)個別の指導計画と個別の教育支援計画通常学級とは、上記の3つの学級、学校以外の学級を指します。通常学級では、通級、支援学級よりひとクラスの人数が多く、さまざまな子どもと触れ合うことができます。しかし、一方で通級や支援学級のような手厚い教育サポートが受けられないという面もあります。国立の特別支援学校は、その地域の国立大学付属の特別支援学校になります。教育機関でありながら、研究機関でもあります。ですので、研究の先端をいく教育が受けられる反面、入学には面接があり、定員も限られているため、希望しても入学できるとは限りません。就学相談の際に気をつけたいこと出典 : さまざまな就学先の中からどこに行くことが子どもにとって一番良いのか、検討するためにはどうしたら良いのでしょうか。就学相談をする際に準備ができるか考えてみましょう。一般的な就学相談は年長の春または秋から始まり、翌年1、2月頃には最終的な就学先が決まります。ですが、就学相談が始まる前にも、年中の時期や、年長の春に上記のそれぞれの学校へ見学へ行くことはできます。また、就学相談の過程でも、見学や体験の機会が設けられることも多いです。子ども本人にどんなところへ行きたいか聞いてみるのも大切です。「お友達がいっぱいいたほうがいい?」「先生がいっぱいのほうがいい?」など、各学級の特徴を子どもにわかりやすい言葉で説明したり、実際に見学や体験に行った場合は、「今日の学校どうだった?」「どっちの学校がすき?」など、一つ一つの学校・学級に対する本人の気持ちを確かめてみましょう。家族や夫婦で、子どもの就学先について積極的に話し合いましょう。家族や夫婦の間で、それぞれが子どもの教育についてどのように考えているのか、何を大切にしているのかを共有し、就学先の方向性を前もって話し合っておくことが大切です。また、予定が合えば、学校見学や体験にも家族で一緒に行ってみましょう。実際に見学や体験に行った上で話し合うと、より議論も深まります。就学相談の過程では、発達検査や知能検査をすることが多いです。ですが、あらかじめ発達検査や知能検査、医師の診断書、意見書などを用意しておくと便利です。子どもにとって一番良い選択とは?出典 : 以上のように、就学相談では市区町村の教育委員会が子どもの様子を見極め就学先を判断します。では、保護者はどのように就学先を考えたらよいのでしょうか。就学先で同じように悩まれた先輩パパ・ママの経験談をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。地域のピアサポートグループにも参加しており、そちらの先生に言われたのは『ベストの選択は難しいが、ベターの環境を選ぶために何が必要かを見極める』というお話を頂いていました。判定会議を経た決定は、夫や私の方針とは違いましたが、夫婦間でもたくさん話し合い、納得したうえで決定に従いました。子どものことを思う保護者としては、「完璧な選択」はとても難しいことでしょう。しかし、今ある選択肢の中からベターなものを選ぶために、子どもをよく観察し、何が必要か考えることが大切かもしれません。通学方法、学校の評判、学校の受け入れ方針。うちの場合、就学希望先の学校が差別なく快く受け入れてくれる方針だったこと、入学式の予行練習、当日の席の配慮、ベテランの先生を担任にしてくれたこと、担任とは入学前に面談をしてもらえたり、こちらの要望を聞き入れてくれたことなど対応がとても良かったので決めました。上記は、通常学級に決めた方の体験談です。”通学方法、学校の評判、学校の受け入れ方針”という明確な軸を決めて就学先を選ぶ事もよいでしょう。病院のDrの話で「入学から低学年時代をいかに支援してもらうかが大事よ」と言われピンとこなかったものの、学習は出来ても何かあった時に支援はほしいと思い選びました。特別支援教育が始まった頃で普通学級でも必要な子には支援をするということでしたが、先生の数が増えるということではないということもポイントでした。上記は、支援級に就学することを決めた方の経験談です。医師等の専門家から、詳しく意見を聴くことは、就学先決定の参考となるでしょう。まとめ出典 : 就学相談は、お住まいの市区町村によってその方法や内容が大きく違います。それだけでなく、通級、支援級、特別支援学校で受けられる支援も地域によって大きく異なります。市区町村によって違いがあり、さまざまなことが異なるからこそ、保護者の方は主体的にいろいろな情報を集ることが就学先を決める第一歩です。就学先に見学にいったり、医師や心理士だけでなく普段の様子を知っている幼稚園・保育園の先生に聞いてみたり……。お子さんにとってどんな環境で学ぶことがよいのか深く考える機会となるでしょう。
2016年09月28日塾といえば、一昔前は高校生が大学受験のために行くものがメインでした。ところが今では低年齢化しているようです。もっとも塾に行っているのは中学生。そして、驚くことに小学1年生でも20%の子どもが塾に通っていることがわかりました。Q.現在、子どもを塾に行かせていますか?1.行かせている 31.5%2.行かせていない 68.5%子どもの年齢に関係なく全体としてみると、3割の子どもが塾に行っているという結果になりました。3人のうち2人が塾に行っていないことになります。では、小学生・中学生・高校生別だとどうなるのでしょうか?■なんと小1でも20%が塾に行っていた!小学1年生でも塾に行っている子どもが20.5%も。小学生全体では27.1%が塾に通っていることがわかりました。学年による急激な増加は見られず、1年生から6年生まで一定数が塾通いをしているというのが、今どきの小学生のようです。通っていない人の多くの意見は、「学校の勉強で十分」「まだ早いと思う」というものでした。「出来るという自信を持たせたい。それによって、学校での授業も余裕をもって受けられると思うから」(福島県 40代女性)「英語の塾に行かせてます。これから授業に英語が入るので、早めに英語を習わせました」(埼玉県 30代女性)「両親共働きで送迎困難なため、本人が通いたい意志もないためいかせていない」(岩手県 30代女性)■中学生になると約半数が塾通い高校受験が目の前に立ちはだかる中学生時代は約半数の51.8%が塾に通っており、世代別にみてもっとも塾に通う子どもが多いことがわかりました。学力を上げるということだけでなく、入試情報や、受験対策として塾にメリットを感じているようです。「今の高校入試が自分たちの時と全然違うので偏差値や対策を知るために必須だと考えてます」(神奈川県 40代女性)「受験生なのに勉強に対する頑張りどころか危機感がまるでないので、頑張っているお友達の頑張りが刺激になるといいなと思った。」(千葉県 50代女性)「本人の自己診断で勉強に付いていけなくなった時か、成績が目に見えて落ちてきたら考え様と思ってます」(埼玉県 50代女性)■意外!高校生の塾通いは3割に高校生になると塾通いは一気に減って29.9%まで減少。子どもの意思が優先されるようで、やる気がある子は通っているが、やる気がない子に通わせても無駄ということも。「行かせても効果がないから。結局のところ子供のやる気次第なので、やる気のないものにお金を出しても無駄」(千葉県 40代女性)「行かせていた塾が中学生までの塾だったので、高校受験が終わって、そのまま塾は卒業。高校では義務教育ではないので、本人の頑張りに任せますが、塾代が高くて、もう塾はこりごりと思っています」(神奈川県 30代女性)勉強の習慣づけや受験情報など塾に通うことのメリットを感じつつ、金銭的な理由で通わせていないという人が多数いました。必ず希望校に合格できるという保証がない中で、塾代にどこまでお金をかけられるかはかなり難しい問題です。Q.現在、子どもを塾に行かせていますか?集計期間:2016.08.30〜2016.09.06アンケート回答数:6578件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年09月26日働くママの多くが、子どもの預け先として保育園を選びます。でも、最近では預かり保育などの充実もあり、あえて幼稚園を選ぶ働くママも増えてきました。共働き家庭がほとんどの保育園とは違い、幼稚園に子どもを通わせながら仕事をするには、選ぶ際に大切なポイントがあります。働くママが幼稚園を選ぶとき、チェックすべきポイントを知っておきましょう。■幼稚園の預かり保育 費用はどうなっているの?保育時間が9時から14時くらいまで、というイメージのある幼稚園ですが、最近では預かり保育を行っている園も増えています。中には早朝の預かり保育に対応してくれたり、夜も19時頃までOK、という幼稚園も。ただし、このとき気をつけなければいけないのが、預かり保育にかかる費用です。一般的に3歳以降は保育料が安くなる保育園と比べ、幼稚園では通常の保育料に加えて預かり保育の費用がかかります。たとえばフルタイムで、平日全て預かり保育を利用するとなると、かなり費用がかさんでしまうことも。保育園よりも割高になるケースもあるため、トータルでの費用を事前にシミュレーションしておきましょう。■平日開催の行事をチェック幼稚園は平日開催の行事が多いもの。問題は、その行事に、保護者の参加や手伝いが必要かどうかです。バザーへの出品や運動会の準備などのお手伝い、親子遠足、保育参観といった保護者参加行事。そのような平日のイベントがあまりに多いと、仕事に支障をきたしてしまうことにもなりかねません。行事への保護者の参加の頻度は、園によってバラつきがあります。できるだけ事前にリサーチしておくとよいでしょう。■習い事をさせたい場合は課外教室に注目働くママの悩みのひとつが、子どもの習い事問題です。仕事のある平日に習い事の送迎をするのは難しく、かといって休日に習い事を集中させると、家族で過ごす時間が少なくなってしまいます。そんなときに注目したいのが、幼稚園の課外教室です。園によっては外部の講師を招くなどして、通常の保育時間後に課外教室を開催しているところがあります。その内容は、体操、絵画、英語、バレエ、ピアノ、サッカー、習字などさまざま。保育時間終了後にそのまま参加できるので、子どもを送る手間も省けます。子どもの習い事を考えるなら、幼稚園にどんな教室があるのかに注目して、上手に活用してみてはいかがでしょうか。■幼保一体型の認定こども園とは?幼稚園と保育園、両方の機能をあわせもつのが認定こども園です。入園にあたっては3つの認定区分があり、「保護者の就労などにより保育を必要とする子ども」の場合は、2号(3歳以上)または3号認定(3歳未満)という保育認定になります。保育認定の場合は入園手続きも保育園と同じく市役所等の自治体で行い、就労証明書などの書類も必要になります。ただし園によっては直接入園申込みを行うケースもあるため、事前にお住まいの自治体に問合せをしておきましょう。また、「認定こども園は働くママが利用しやすいはず」と安心してしまいがちですが、保育園に比べれば、やはり行事やイベントが平日に行われることは多いようです。園のカラーはさまざまなので、幼稚園を選ぶとき同様、できるだけ事前にリサーチしておきたいですね。
2016年09月23日わが子に中学受験をさせるかさせないか。子どもが小学4年生くらいになると、ふつふつと頭に浮かんでくる思いがあります。「もし、第一志望に入れなかったら?」実際、初めての挫折を味わったわが子にどう接すればいいのかと頭を悩ませる親も少なくありません。でも、 第一志望には不合格だったものの、結果的には中学受験自体を「成功だった」と感じている親もいるようです。なぜママたちは「わが子に中学受験をさせてよかった」と感じたのでしょうか。中学受験をさせたママたちの“第一志望不合格”に関するエピソードをご紹介します。■子どもが相談や悩みごとを打ちあけてくれる機会が増えた「中学受験をきっかけに、成績のことや受験に関する不安などを少しずつ話してくれるように。受験をしたことで親子の会話が増えて、関係が深まったと思います」(40歳 13歳男の子のママ)小学中高学年になると、成長の過程もあり、親と真面目な話をするのが恥ずかしいと思う子も増えてきます。学校や塾の成績の話を通して親子の会話がじょじょに増え、子どもの悩みや不安を知ることができたという親は以外と多いのです。コミュニケーションをとる機会が増えたおかげで、その後の学校生活の不安も、親に打ちあけられるようになったそう。■「1番じゃなくていい」と知って勉強が好きになった「娘は幼いころから成績が良かったため、“つねに1番でないといけない”と自分を追いつめるところがあったようです。中学受験に向けての勉強中はつらそうなときもありましたが、いまは“1番じゃなくていい”という安心感から、前より勉強が好きになったようです。自分の学力に合った私学に通い、いまはバレー部の活動に夢中。学校生活も楽しそうです」(41歳 12歳女の子のママ)勉強が得意な子どもほど、成績やテストの結果に対してプレッシャーを感じることは少なくありません。第一志望に不合格となり、第二志望の学校に通うことになったことで、“必ずしも1番でなくてもいい”ということを学ぶことができたようです。■「現状でがんばる」という気持ちを教えることができた「中学受験は本人が希望していました。でも、第一志望校は残念な結果に…。直後はひどく落ちこんでいましたが、すぐに気持ちを切りかえて受験を続行し、第二志望校は合格しました。受験によって心が強くなったのではと感じています」(43歳 13歳男の子のママ)自ら望み、努力もしたけれど、必ずしも結果が伴うとは限りません。大人になればそのようなことが山ほどありますよね。挫折を経験してもすぐに気持ちを切りかえ、与えられた場所で精一杯がんばるということを、身を持って経験することができたようです。■子どもが「本当に行きたい」と思う学校に入学できた「娘は親の期待に応えようと、圏内で最もレベルの高い学校を第一志望に決めました。しかし、オープンキャンパスで見た楽しそうな雰囲気やかわいい制服などで第二志望の学校にも未練があったようでした。第一志望は不合格でしたが、いまの学校生活にとても満足しているようで親としても満足です。偏差値重視で学校を決めさせていたら、入学後に勉強についていけず、さらに塾通いになっていたかもしれません。本人が生き生きと学生生活を送っていることがなによりのよろこびです」(42歳 13歳女の子のママ)中学受験をする子どものなかには、親の期待に応えようと受験をがんばる子もいます。学校のレベルだけで判断するのではなく、実際に通うわが子が楽しんで学校生活を送れるかを親も見極める必要がありそうです。第一志望に合格することはあくまでも目標です。不合格となったことが、決して人生のまちがいや失敗ではないということを、中学受験を通して感じてもらえたら、その受験は「成功」といえるのかもしれません。もちろん、中学受験を選択するしないに関わらず、習いごとや好きなことに集中できる環境を作ってあげるなど、子どもが成長するきっかけは他にもあるはずです。たくさんある選択肢の中で、子どもの意思を尊重しつつ、サポートしてあげたいものですね。(マムズラボ)
2016年09月21日子どもの特性に合った習い事、どう選べばいい?出典 : 発達障害のある子どもを育てていると、凸凹はあっても得意なことは伸ばしてあげたい!と考える親御さんも、多いのではないでしょうか?そんな時に思いつくのが、習い事だと思います。今回は、様々な習い事を通して、どんな学習環境が息子に合っているのか?考えたいと思います。息子には、自閉症スペクトラム、ADHD、協調性運動発達障害の診断が下りています。その特性には、●注意欠陥(注意が逸れやすい)●視覚優位(見て理解しやすい)●聴覚言語に弱い(聞いて理解しにくい)が、あります。診断が下りる前から体操教室に通っていた息子は、その後、ピアノ、水泳、英語、公文、絵画、算盤とさまざまな習い事に通いました。自分で興味を持って始めたものもあれば、指先が少しでも器用になれば、得意なことが1つでも増えればと、私が勧めたものもあります。子どもがたくさん習い事をする地域で暮らしていたので、いろいろな教室があり、チャレンジしやすい環境でもありました。今現在、すべての習い事を続けているわけではありませんが、どの教室でも楽しく過ごしていたようです。息子自身が気に入っていたかどうか?を基準にすれば、全て合っていたと言えるのですが、特性を考えると、合うかどうか話は別です。では、息子に合っていたのは、一体どの習い事だったのでしょうか?息子に向かなかった習い事から順に、5段階で評価出典 : まず、注意の逸れやすい息子に1番向いていなかったのは公文教室でした。公文の教材そのものの問題はなく、自由な時間に多くの生徒が出入りするという環境が問題だったのです。誰かが出入りすれば手を止め、その人を観察し、誰かが質問すれば、話が終わるまでそちらに注目する息子。もちろん気がつけば先生が声をかけて下さるのですが、プリントに向かう時間よりも、手が止まっている時間の方が長く、結局教室に通うのはあきらめ、自宅の静かな環境で学習する方法に切り替えました。出典 : レッスンの時間が決まっていた英語教室は、授業中に人の出入りがない分、授業に集中できていたように思います。ただし、目で見る情報よりも、耳からの情報量が圧倒的に多いため、習熟度でいうと、合わなかったようです。次に英語を習うときは、英文を確認しながらレッスンができるところを、選ぼうと思っています。出典 : ピアノ教室は話し言葉での指示が多く、聴覚言語に弱い息子には合わないかもしれない…と心配していました。しかし、1対1のレッスンでは、指示が通っているかの相互確認がきちんとできています。先生もきちんと息子の個性を把握して下さるので、マンツーマンのレッスンというのは、先生との相性が合えばとても良い選択だと思います。絵画教室では、ボーっと他のお友だちを眺めている時間も多いのですが、他の習い事と比べると「こうしなければならない」というノルマが緩いため、気楽に通えているようです。出典 : そして、息子の特性に1番合っていた習い事の1つが、水泳教室です。息子が通う水泳教室では、次の級に進む条件が細かく定められています。それをクリアしないと次へは進めないため、息子に今何が足りていないのかを、ワンステップずつ指導してもらえるのです。いきなり「クロールの練習をします。右手はこう、左手はこう、息継ぎはこう、バタ足はこの感じで」と見せられても、息子には絶対に覚えられませんが、①クロールをするために、バタ足の練習をします!(やってみる)②膝を伸ばしてやってみよう!(できない)③こうやって、膝を伸ばしてみて!(意識できる)④その調子!ずっと膝を伸ばして!(少しずつできてくる)このように、1つひとつの動作ができるまで、とても細かくそのポイントだけを指示してくれるので、聴覚言語に弱い息子にも「膝を伸ばす」というフレーズが届き、習得しやすいのです。出典 : 体操教室も、合っている習い事の1つでした。前転を行う際は、まず「マットの端に両足をそろえて立つ」というところから始まって、それができたら次は「両手を伸ばしてマットにつける」「おへそを見る」と続きます。こうして、1つずつ課題をクリアしていく方法で、いつの間にかきれいな前転ができるようになっているのです。洞察力の高いお子さんや、身体能力の高いお子さんの場合は、1つひとつ説明されるとまどろっこしいかもしれません。しかし、息子のように、何においても習得するまでに時間がかかる子どもにとっては、このスモールステップの方法がぴったりと合っていたのです。時間はうんとかかりましたが、体幹が弱く、片足立ちもジャンプもできなかった息子が、逆上がりができるまでになったのは、このスモールステップで、課題をクリアできたからだと思います。スモールステップで習得できる環境の他に、息子にとって大切なこと出典 : 沢山の習い事を経て、スモールステップで学習できる環境が、息子には合っていることがわかりました。その他に、習い事を選ぶポイントとして押さえておきたいことがあります。息子の特性の1つに、「1度頭に入ってルーティン化したものは、律儀に守り続ける」というものがあります。まず始めにきちんとした手順・方法が入りさえすれば、後は同じ手順で同じ作業をこなすことができるのです。この初めの1歩を間違えると、延々と間違った手順を繰り返すことになってしまうので、こうなると修正はとても大変。ですから、習い事で専門家の正しい知識を教えてもらうことは、息子にとってとても大切なのです。お金も時間もかかる習い事だからこそ、お子さまの特性に合ったいい教室が見つかるといいですね。
2016年09月20日突然言われた「特別支援教室」への変更。長男の自信を培った通級はこれからどうなる?出典 : 子どもに合っていた学習環境が、行政の方針で急に変わることになったら、どうしますか?一方的な行政の方針に、私たち親はどう向き合えばいいのでしょうか?「来年から3年かけて、今までの通級学級は『特別支援教室』へ変わります。」この言葉を、通級の先生から初めて聞いたのは、去年の4月の保護者会でのことでした。東京都にあるいくつかの小学校には現在、「情緒障害等通級指導学級」というクラスがあります。この学級は主に、発達障害(自閉症またはそれに類する障害、情緒障害、ADHD、LD)が理由で、通常学級での授業や活動、友だち関係に困難を感じている児童のためのクラスです。私の長男も、学区内の小学校へ籍を置きながら、1年生の途中から定期的に通級教室に通い始めました。1人ひとりのペースに合わせた、少人数の学習指導やソーシャルスキルトレーニング、そして何より先生方が、子ども1人ひとりを丁寧に見て、深く理解して下さり自信を持たせてくれる。そんな通級教室は、長男にとっての「居場所」となり、そこで培われた自信が、在籍学校でも彼を支えてくれているのがよくわかりました。だからこそ、この突然の方針変更に驚きを隠せませんでした。これまでと一体何が違うの?子どもにとってのメリットはあるのだろうか?出典 : 詳しく聞くと、長男のいる通級学級は、2学期からモデル事業を始め、来年度には新体制でスタートするとのこと。ということは、新しい体制まであと1年もありません。戸惑いつつも、まずは具体的にどのように変わっていくのか?整理してみました。今までは、限られた小学校にだけ「通級教室」があり、児童がそこに通っていたのですが、都内の小学校全てに「特別支援教室」ができて、児童は自分の学校にある特別支援教室に通うことになります。メリットとして、自治体から出た資料には次のようにあります。●一人でも多くの児童を、適切な指導・支援につなげることができる●保護者の送迎の負担が軽減できる●在籍校の担任と巡回指導教員の連携が深まり、指導内容の充実が図られる●他校への移動時間がなくなり、在籍学級の授業をより多く受けることができる確かに、保護者が送迎できずに通級をあきらめた、という話もよく聞くので、送迎の負担がなくなるのはメリットでしょう。教室が増えることで、通級を待ち望んでいた子どもたちも、指導が受けられるようになるのかもしれません。また、校内に支援クラスと在籍クラスがあれば、担任同士の密な連携も可能であり、それが結果として子どもたちへの、より良い支援につながるかもしれません。私だけではなかった!新体制への不安を露わにする保護者たち出典 : メリットはわかりましたが、それでも不安は残ります。それは、「教員数は増えないのに、数校を巡回指導することになるなら、今までより授業数が減るんじゃないの?」という不安です。今までの授業では5時間だったのが、今後は週に2,3時間になり、案の定、内容も今まで通りとはいかないのだそうです。その他、私の所属する親の会でも意見が出てきました。それには、●教室の環境変化:引き続き、静かで安心できる環境を整えてくれるのだろうか?●先生の数:巡回指導になることで、これまで通りの情報共有や継続指導、安全確保ができないのではないか?●信頼関係の構築:急に特別支援教室ができても、その学校の先生や保護者に、すぐには子どもを理解してもらえないのではないか?など、やはり不安の声が大多数でした。学校との話し合いでは解消できなかった不安。これがきっかけで行政へ働きかけることに出典 : 私たち親の会は、学校側へこうした不安をぶつけてみました。すると、返ってきた答えは「これは、もう東京都全体で決まったこと。市にいろいろ言っても、もう変えることはできない。」とのことでした。「ここであきらめたら、今後も保護者不在のまま、学校が変わっていってしまう。変わっても変わらなくても、ちゃんと保護者の声を、行政に届けよう!」そんな声が挙がり、当時代表をしていた私が、他の代表のお母さんたちと、動き始めることになったのでした。出典 : まずは、保護者の声を「要望書」として提出しよう、ということになりました。最初は「先生たちにもっと研修を受けてもらおう!」「先生たちがどのぐらい発達障害のことを理解しているかアンケートを取ろう」など…親の要求が前面に出ていた私たち。地元の市議会議員へ相談を持ちかけたところ、以下のようなアドバイスを頂きました。「要求をただ出すだけでは、今までのように『無理だから』ではねのけられる可能性が高いです。それよりは、『今までの通級学級の指導で、子どもがどんなふうに成長したか、親はどんなことに感謝しているか』を伝えたほうが良いでしょう。行政は、成果があがっていることは切り捨てにくいものですから。」この市議会議員の方には、親身に相談にのって頂き、教育支援課の課長さんと直接お話できる機会も、セッティングして下さいました。教育支援課との話し合いの場では、上記アドバイスで出た意見と合わせ、●今まで通り、特性に応じた必要な指導・支援が受けられるように●教員・支援員の増員●在籍校の全教員と児童保護者が発達障害について理解を深める機会を設けてほしい●学習支援員の増員と研修制度の充実を●各校の教室環境を、発達障害の子どもたちが安心して学べる環境に整えてほしいそして、「計画実施の前に、具体的な計画を行政から保護者に説明する機会を設け、保護者の意見をプランに取り入れてほしい」とお願いしました。出典 : 要望書を出してから、約半年後。私たちの希望を受け入れていただき、行政による説明会が、各通級学級で行われることになりました。今までほとんど、今後の指導のイメージがわからず不安だった多くの保護者に、きちんと説明の場が用意されたことは、とても大きかったと思います。しかし、その他の要望書の内容については、「都で方針を決めていることなので、市としては変えることができない」「できることは努力していく」「詳しい指導内容についてはまだ検討中です」ということで、保護者の不安を払拭できる内容では、とてもありませんでした。教育支援課からの電話で知ったのは、要望が通ったことだけじゃなかった出典 : それから数週間たったある日。突然、教育支援課の課長さんから、はずむような声でお電話をいただきました。「教員の増員は叶わなかったのですが、特別支援教室専門員の増員をかけあって予算が通り、専門員が増えることになりましたよ!」課長さんの本当に嬉しそうな声を聞き、私は胸が熱くなりました。今まで私たち保護者は、行政を「戦う相手」として見ていた気がします。ですが、実は違うのだと気が付きました。行政の皆さんも、限られた予算や制度の中で、精一杯子どもたちのために、努力して下さっているんですね。専門員のこと以外に、通った要望はほとんどありません。ですが、私たち保護者は「行政に保護者の声を届けることができる」と知ったこと、そして行政と保護者とが、協力して子どもたちがのびのびと学ぶことができる環境を、整えていくことができる、第1歩となったこと。それが、とても大きな成果だったと思います。学校や行政に求めるだけで終わらせない。共に協力しながら実現したい「合理的配慮」出典 : 年4月施行の「障害者差別解消法」により、1人ひとりの困りごとに合わせた「合理的配慮」の提供が行政・事業者に義務化されました。私たち親はあきらめることなく、また、学校や行政に要求ばかりを突き付けるのではなく、共に努力、協力していきましょうという姿勢で伝えていくことが、子どもたちのために求められているのではないかと、感じています。
2016年09月19日【ママからのご相談】子育て評論家の方々が「子どもはほめて伸ばしましょう」と言っていますが、うちの子どもは、ほめると調子に乗ってしまうところがあります。親族に小さい子どもがいないため、周りから甘やかされており、みんなからほめられて育ったせいなのか、ほめられないと拗ねてやる気をなくしてしまうことも……。子どもをやる気にさせて自信をつけるためにほめているわけですが、なんだか逆効果に思います。ほめる以外に、いい方法はありませんか?目次1 ほめるよりも勇気付けが大事2 人をほめるのも叱るのもいけない理由2つ3 ほめるのではなく、感謝する●A. ほめるよりも勇気付けが大事ご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木です。ほめることは確かに効果がある方法ですが、それだけではいけないと感じたのですね。ベストセラー本『嫌われる勇気』でその名を知らしめたアドラー心理学では、人をほめるのも叱るのもいけない と言われています。その理由は大きく2つあります。●人をほめるのも叱るのもいけない理由2つ●(1)上下関係ができてしまうたとえば、こんな場面を想像してみてください。部下が、あなたにこう言います。「よく頑張りましたね」と。ほめ言葉を部下から言われたら、どうでしょう?正直、ちょっとイヤではないですか?あるいは、尊敬できない上司からほめられて、何ともいや~な気持ちになったことがありませんか?ほめるという行為の裏には、上下関係があります。ほめた時点で相手との上下関係を無意識のうちに作り上げてしまうことになるのです。すべての人間は対等であるという考えのもと、上下関係をつくる“ほめ”ではなく、対等であることを前提とした“勇気づけ ”をすべきだとアドラーは主張しています。●(2)承認欲求を刺激してしまう人間には、人から認められたい欲求『承認欲求』があります。たとえば、子どもが勉強しているときにほめてしまうと、子どもの承認欲求が満たされます。これを続けていくと、子どもは“ほめられるために勉強する”ようになってしまうのです。承認を与えることによって、相手は承認なしでは動けなくなってしまう危険性がある とアドラーは警鐘を鳴らしているのです。質問者さんのお子さんは、この状態かもしれませんね。●ほめるのではなく、感謝する相手をほめる目的は何でしょうか?きっと、相手にやる気になってもらうためですよね。それでは、相手をやる気にするために、何を言うべきなのでしょうか。上下関係を作らず、承認欲求を過度に刺激しない言い方。私を主語にする、『Iメッセージ(アイ・メッセージ) 』が有効です。たとえば、「えらい!」というほめ言葉。「えらい」の主語は「あなた」です。「あなたはえらいね」と伝えると、評価する言い方になります。主語を「わたし」に変える言い方だと、「私は、うれしい」ですね。「宿題やったんだ、えらい!」ではなく、「宿題やったんだ、うれしい! 」と言ってみましょう。こうすることで、お子さんの貢献感を育てることができます。ほめられるために動くのではなく、相手を喜ばせるために何かをすることを教えるのです。お子さんも、感謝されることを喜ぶでしょう。ほめて評価したり承認したりするのではなく、感謝して貢献感を育てる 。これがお子さんに自信を与える言葉がけです。ぜひやってみてくださいね。【参考文献】・『嫌われる勇気自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎・古賀史健(著)・『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』小倉広(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年09月17日子どもを持つ親の心配事のひとつに「いじめ」があります。いじめられるのはもちろんのこと、万が一いじめる側になってしまったらと思うと、気が気ではありません。人の気持ちのわかる、やさしい子どもになってほしい…。先輩ママの経験を踏まえて、思いやりの育み方を紹介します。■頭で理解するよりも、“見て”“感じて”思いやりを学ぶ「思いやりって何?」と子どもに聞かれたら、なんと答えたらいいでしょうか。あるママが「自分以外の人や動物にやさしくすることだよ」と返したところ、子どもは理解できなかったそう。「やさしくするってどういうこと?」「人の気持ちはどうやったらわかるの?」と延々と質問され続け、ママはお手上げ状態に。目に見えない気持ちを教えるのは大変だと痛感したそうです。思いやりとは、他者に気を配ること。相手の気持ちになって行動すること。ただそう言われても、子どもには何のことやらさっぱり。まだまだ経験が乏しいため、抽象的な言葉ではきちんと理解できません。思いやりの学習は、“見て”“感じて”学ぶもの。ママが具体的なお手本をたくさん見せ、そのつど子どもが実感することで、少しずつ理解できるようになるのです。まさにこのことを実感したママたちのエピソードを紹介します。「電車の中でお年寄りに席を譲ったり、あとから来る人のためドアを開けて待っていたり…。そんな私の振る舞いを見て、『何でママが立つの?』『どうして開けっぱなしにするの?』と、いちいち聞いてくる娘。きちんと説明すれば納得して、自分もマネしようとするのですが…。子どもって、わからないことだらけなのね」(30代前半)「休日、たまにはのんびりしたいだろうと、夫を置いて外出。そうしたら息子に、『パパをひとりぼっちにしてかわいそう』と怒られてしまいました。パパをひとりにすることもやさしさなんだと息子に力説しました」(40代前半) ■思いやりの要は「想像力」やさしさの実感とともに重要になるのが、想像力。どうしたら相手の役に立てるか、どうやったらよろこんでもらえるかなど、先々に思いを馳せるためには、普段から考える訓練が必要です。「『お友だちを叩いたらどうなる?』『泣いていたらどうしたらいい?』などと、さまざまなシチュエーションを題材に、子どもに質問しています。とんちんかんな答えも多いけれど、訂正すれば理解してくれるし、このやり取りのおかげか、ちょっと立ち止まって考えてから行動できるように」(30代後半)「絵を描いているときは『赤と青を混ぜたら何色になるのかな?』、宅配便が届いたときは『おばあちゃんから送られてきた箱の中身は何?』などと、いろいろなことをクイズにして楽しんでいる我が家。子どもは真剣になって、必死であれこれ考えます」(30代前半)このように日ごろから思考をフル稼働させていると、想像力はどんどん鍛えられるそうです。■母の愛で我が子を満たす!他人を思いやるために重要になるのが、自分が満たされているかどうか。自身の心がすさんでいたら、とてもじゃないけれど、思いを馳せることなどできません。それは、子どもだって同じこと。いくらママに口うるさく言われたって、自分のなかに温かな感情がなければ、人にやさしくなどできないでしょう。ありったけの愛で我が子を包んであげること。それこそが、ママが果たすべき重要な役割といえます。しっかりとやさしさで満たしてあげて、思いやりある人間へと成長してくれるといいですね。
2016年09月16日保育園とは雰囲気や制度も違う学童。来年から小学生になる子どもを持つママなら気になることだと思います。今日は学童について緊急調査。通わせてよかったことや安心だったことについて、先輩ママが教えてくれました。Q.お子さまを放課後児童クラブ(学童保育)に通わせてる?1.通わせている・通わせる予定 39.7%2.通わせていない・通わせる予定はない 54.5%3.その他 5.8%やや通わせていない人が多い結果に。でも、これは母親が働いていないからという理由がほとんど。共働きの家庭では預けなければ仕事ができないので、必然的に通うことに……。さて、その実態とは?■家ではできない体験が学童でできる季節の行事や将棋に一輪車。どれも親がやってあげられればいいですが、時間的にもそうはいきません。また、大勢でやるからこその楽しみや、みんなで競争して上達するということもあります。「迷わず入学と同時に入室しました。一輪車など普段時間がなくて付き合ってあげられないことも、学童で練習してなんでもできるようになって帰ってきます。学童様様です」(東京都 40代女性)「共働きなので、預けています。近くに遊ぶ公園などがないため、学童クラブが幼稚園と兼ねているので、友達と思っきり遊具で遊んだり、先生方から昔の遊びを教えてもらったりと子供は楽しんでいます」(千葉県 30代女性)「私立の学童に通わせています。帰宅時間が7時なので私立の学童ではないと間に合わないから。いろんなイベントを企画してくれてありがたいです。外で身体を動かしたり、将棋やオセロ、トランプなどで遊んでゲームなどできないようになっています。」(神奈川県 50代女性) ■子どもが一人で家にいる不安も解消家と職場が遠ければ遠いほど気になるのが、「もし子どもに何かあったら」ということです。事件や事故に巻き込まれたり、災害のときなどは大人がいる施設にいると安心です。「この物騒な世間、一人で家に居させるのは心配でした。いろいろありましたが、家庭ではできない経験ができたかと思っています」(広島県 40代女性)「通わせていた。東日本大震災の時は、自宅で一人で待っていたらかなり心配だったけど、学童にいたので、避難する・待機するなどの大人の判断が仰げる場所なので安心だった。普段よりお迎えが遅くなったけど、先生も残って待っていてくれたし、おやつを夕飯代わりに出してくれたので子供は一人ぼっちにならず、少しお腹も満たせ、大変ありがたかった」(神奈川県 40代女性)■料金が安ければ預けたい!そしてもっとも気になるのが料金。自治体によっても違うようで、月に2000円というところから、1万円以上というところまでバラつきがありました。「もっと、安くあずけられたらいいですよね。がんばって、働いても、学童に1万円以上かかっては、働いてる意味がないとおもいます」(千葉県 40代女性)「放課後利用のみ利用したいので利用料金を見直してほしい。料金を考えるとなかなか預けにくい」(滋賀県 40代女性)------Q.お子さまを放課後児童クラブ(学童保育)に通わせてる?集計期間:2016.04.14〜2016.04.21アンケート回答数:11177件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年09月16日お風呂タイムは、親子の大切なコミュニケーションの時間。毎日20~30分でも、子どもの成長を育むポイントがたくさんあります。「浴育」を通じて楽しく入浴することで、子どもがお風呂を好きになってくれるかもしれません。今回は、そんな浴育を手助けしてくれるおすすめグッズを紹介します。■お風呂の壁は大きなキャンパス「お風呂クレヨン」浴育で特におすすめしたいのは、定番の「お風呂クレヨン」です。お風呂の壁にお絵描きができて、スポンジで洗い流せるので、簡単に繰り返し遊べます。ノートや画用紙と違って、壁一面に好きなだけお絵描きできるから、子どもも大喜び! のびのびと遊ばせることで、思わぬ才能が開花するかもしれません。■スポーツへの興味を育む「ミニバスケットゴール」親としては体を動かして遊んでほしいものですが、最近では公園に行ってもゲーム機で遊ぶ子が増えてきているようです。小さいころからボールに触れ合うことで、スポーツへの興味をもつきっかけになるかもしれません。吸盤式のミニバスケットゴールは、簡単にお風呂の壁に取り付けられます。まずはボール遊びをして、成長とともにゴールへ投げ入れる楽しみを覚えていくことでしょう。親子でキャッチボールをしたり、ゴールを狙いあいっこすれば、子どもの挑戦意欲が育めそうです。 ■記憶力がUPするかも!? 「おふろでペタペタ!」シリーズトミカやプラレール、トーマスなど、子どもに人気のキャラクターが絵柄の「おふろでペタペタ!」シリーズは、お湯にぬらしたパネルをお風呂の壁や窓にはって遊べるオモチャです。付属のおふろシートを壁に貼れば、シートの図柄とパネルを合わせながら遊べるので、パズルのような図形遊びの入門編に。パズルは想像力や観察力、集中力、思考力を高めてくれるそう。子どもの脳を刺激する要素が盛りだくさんです。■お風呂でも読み聞かせを「ビニール素材の絵本」お風呂で楽しめる、ビニール素材の絵本もあります。赤ちゃんのときから楽しめる絵だけのものや、ストーリーがある絵本ももちろんあり、お風呂のなかでも読み聞かせができる優れものです。なかには、温度の変化によって絵の色が変わる面白い本もあります。浴育グッズがあれば、お風呂が苦手な子も、ゆっくり湯船につかるようになるかもしれません。浴育をきっかけに、親子のコミュニケーションの時間を増やしていけたらいいですね。
2016年09月14日ディスレクシアの症状・特徴とは?出典 : ディスレクシアは「字を読むことに困難がある障害」を指す通称で、読字障害、読み書き障害、難読症、識字障害などとも呼ばれます。知的な遅れはなく、会話は問題なく理解することができるのに、知的水準や教育段階に見合わない読みの困難があるのが特徴です。ディスレクシアとは、通常、会話(話し言葉の理解や表現)は普通にでき、知的にも標準域にありながら、文字情報の処理(読み書き)がうまくいかない状態を指します。ディスレクシアである人は、文字を読む為に必要な脳の情報処理に問題があると考えられています。主な文字認識の問題は、大きく以下の2つです。1.「文字の読み方の認識が難しい」音韻処理の不全音韻機能とは最小の音単位を認識・処理する能力を指しますが、ディスレクシアの人の脳の特性として、音韻の処理に関わる大脳基底核と左前上側頭回という領域の機能異常があるという説が主流となっています。そのため音を聞き分けたり、文字と音を結びつけて「読む」ことが難しいと言われています。・文字を音に変換して読むのが苦手・単語のまとまりを理解するのが難しい・耳から聞いて記憶するのが苦手2.「文字の形の認識が難しい」視覚情報処理の不全ディスレクシアの人の中には、視覚認識や眼球運動に偏りがあり、普通の文字の見え方とは違った見え方をしている人もいると言われています。・文字がにじんだり、ぼやけた状態で見える・らせん状に文字がゆがんだり、3Dのように浮き出て見える・鏡に映したように文字が左右反転して見える・文字を点で描いているような点描画に見える以上の状態から文字が読み取りづらく、語句や行を抜かしたり、逆さ読みをしたり、音読が苦手な傾向にあります。また、読みだけでなく、読めないことで書くことにも困難があらわれる場合もあります。ディスレクシアの人は文字が全く読めないわけではなく、文字を理解するのに非常に時間がかかるのがその特徴です。一方、音声にすると理解することが多く、会話能力は問題ないことがほとんどです。ディスレクシアはいつ分かる?診断の年齢は?出典 : ディスレクシアは先天的な脳機能障害ですが、知的な遅れがなく、見た目にも分かりづらいことから症状に気づくまでに時間がかかることがあります。一般的には文字を習い始める頃に気づくことが多いとされ、小学生以降の診断がほとんどです。就学前の乳幼児期には文字に興味を示さなかったり、言葉の発達が遅れるなどの症状が現れますが、専門機関に行っても経過観察になることがあります。日本でのディスレクシアの認知度はまだまだ低く、最近になって少しずつ知られるようになりました。そのため、障害に気づかずに成長し、大人になってからディスレクシアの診断を受ける人もいます。また、ADHDや自閉症スぺクトラム障害などと合併している場合もあり、それらの診断や治療の過程でわかることもあります。専門機関でディスレクシアの診断を受ける目安は?出典 : ディスレクシアの症状のあらわれ方は一人ひとり違います。そのため困りごとの解決法も一人ひとり異なり、ただ単純に勉強量を増やすだけでは読めるようにはなりません。ところが、本人は頑張っていても読めないのに、怠けていると思われることも多く、先生や親から叱られることもあります。そこからうつ病や不登校などの二次障害を引き起こすことがあるため、早めにディスレクシアと気づいて適切なサポートにつなげることが大切です。今現在、ディスレクシアを医学的に根本治療する方法は確立されていません。診断は必ず受けなくてはいけないものではありません。ですが、検査によって何に困難を感じているかがわかることがあり、それが支援や解決のきっかけになることも多くあります。ディスレクシアと思われる症状が見られたら、まずは専門機関で相談だけでも受けることをおすすめします。ディスレクシアの診断基準出典 : 日本では標準化された診断基準が存在せず、医学的な診断ではディスレクシアという名称は使用されません。同じような症状として医療機関では世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)における特異的読字障害(Specific Reading Disorder)やアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)における限局性学習障害(Specific Learning Disorder)として診断されます。近年使用されることが多い最新の診断基準『DSM-5』では、ディスレクシアもディスグラフィア(書字障害)やディスカリキュリア(算数障害)などとともに「限局性学習症・限局性学習障害」という名称で診断されます。この診断基準に多くあてはまり、特に「読字の正確さ」「読字の速度または流暢性」「読解力」に困難がある場合は、ディスレクシアとして考えることができます。以下が『DSM-5』の診断基準です。A.学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6ヶ月間持続していることで明らかになる:(1)不的確または速度が遅く、努力を要する読字(例:単語を間違ってまたゆっくりとためらいがちに音読する、しばしば言葉を当てずっぽうに言う、言葉を発音することの困難さをもつ)(2)読んでいるものの意味を理解することの困難さ(例:文章を正確に読む場合があるが、読んでいるもののつながり、関係、意味するもの、またはより深い意味を理解していないかもしれない)(3)綴字の困難さ(例:母音や子因を付け加えたり、入れ忘れたり、置き換えたりするかもしれない)(4)書字表出の困難さ(例:文章の中で複数の文法または句読点の間違いをする、段落のまとめ方が下手、思考の書字表出に明確さがない)(5)数字の概念、数値、または計算を習得することの困難さ(例:数字、その大小、および関係の理解に乏しい、1桁の足し算を行うのに同級生がやるように数字的事実を思い浮かべるのではなく指を折って数える、算術計算の途中で迷ってしまい方法を変更するかもしれない)(6) 数学的推論の困難さ(例:定量的問題を解くために、数学的概念、数学的事実、または数学的方法を適用することが非常に困難である)B.欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢に期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別施行の標準化された到達尺度および総合的な臨床消化で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は標準化された評価の代わりにしてよいかもしれない。C.学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは完全には明らかにはならないかもしれない(例:時間制限のある試験、厳しい締め切り期間内に長く複雑な報告書を読んだり書いたりすること、過度に思い学業的負荷)。D.学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または聴力、他の精神または精神疾患、心理社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。(日本精神神経学会/監修『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院/刊p65より引用)ディスレクシアの診断に関する相談先出典 : ディスレクシアかな?と疑問を持った場合、いきなり専門の医療機関に行くのは難しいので、まずは身近な専門機関の相談窓口で相談するようにしましょう。児童相談所や発達支援センターなどで知能検査や発達検査を受けられることもあります。発達障害の疑いがある場合には専門医を紹介してくれます。子どもか大人かによって、行くべき専門機関が違うので、以下を参考にしてみてください。【子どもの場合】・保健センター・子育て支援センター・児童発達支援事業所・発達障害者支援センターなど【大人の場合】・発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所など知能検査や発達検査は児童相談所などで無料で受けられる場合もありますし、障害について相談することも可能です。その他、発達障害者支援センターで障害についての相談ができます。自宅の近くに相談機関が無い場合には、電話で相談に乗ってもらえることもあります。以下は小児神経学会が発表している、発達障害診療医師の名簿です。この他にも、児童精神科医師や診断のできる小児科医師もいます。日本小児神経学会 「発達障害診療医師名簿」ディスレクシアの診断の流れ、必要な持ち物は?出典 : ディスレクシアの場合、ディスレクシアがあるかどうかを調べて診断するだけでなく、どのような特性や困りごとがあり、どのような支援を必要としているかアセスメントを行うことが重要だと言われています。医療機関によっても異なりますが、まずは問診で現在の症状や困りごと、赤ちゃんの時から今までの生育・養育歴、既往症や家族歴などを調べていきます。脳波検査、頭部のCT、MRIなどでてんかんや脳の器質的な病気といった異常がないかを検査します。そして知能検査や認知能力検査などの心理検査を行います。知能検査では「WISC-Ⅳ」が代表的です。「WISC-Ⅳ」では本人のもつIQ水準をチェックし、言語理解、知覚推理などを検査します。(3歳10ヶ月〜7歳1ヶ月の幼児の場合は「WPPSI」、5歳から16歳11ヶ月の子どもは「WISC」、16歳以上の成人の場合は「WAIS」という知的検査を受けることによって検査結果がでます。)認知能力検査には日常生活や学校で習得できた知識や情報を認知的に処理する能力を調べ、神経心理学的な立場から認知的な処理能力と習得度を評価できる「KABC-Ⅱ」や「DN-CAS」などもあります。また、読むときの流暢性など読みに関する検査や、サッケード反応など視覚機能に関する検査が実施されることもあります。これら様々な情報を元に、総合的に学習障害やディスレクシアがあるかを判断するのです。また、こうした過程でADHDや高機能広汎性発達障害などが合併していないかも確認します。診断に必要な持ち物は診断する専門機関によって多少異なりますが、学習にどのような困りごとがあるかわかるように、学校や家庭で使ったプリントやノート、宿題帳、作文などを持っていくとよいでしょう。WISCやK-ABCなどの知能検査では基本的に持参するべき持ち物はありません。病院などの場合は保険証を持っていく必要があります。また、生育歴(子どもの発育記録)を聞かれることもあるため、気になった点などをメモしていくとよいでしょう。心配な方は事前に電話して必要な持ち物を聞くこともおすすめです。検査が困りごとを解決するきっかけになります出典 : 読み書きが困難であることは共通していますが、ディスレクシアの症状は様々で、一人ひとりに合う支援方法も異なります。自分の子どもは怠けている、自分の子育て方法が間違っていると思わず、ディスレクシアの特徴が現れていないか観察してみてください。少しでも兆候があるようであれば、専門機関で相談したり、検査を受けることをおすすめします。早めに気づいてあげることが、今後の学習支援や子どもの心のケアの面でも大切です。参考:ディスレクシア・ツールキット参考:一般社団法人日本ディスレクシア協会HP
2016年09月12日はじめまして。NPO法人「Collable(コラブル)」の山田小百合です。私たちは障害があってもなくても、遊んだり学んだりできる環境づくりに挑戦しているNPO法人です。多様な人たちが集う場において、関係性をケアするという視点で、活動を行っています。誰しも一度は悩む「人と関わる」ということは、一体どういうことなのか出典 : 最近は「コミュ障」という言葉を耳にする機会が増えました。この言葉を、なにかコミュニケーションに齟齬があった時に、とっさに使っている人が多くなったなと感じています。自分の気持ちを言葉で伝えることが難しい。相手の気持ちを読むことが苦手。一緒に遊びたいのに相手を困らせてしまう。そうしたことで悩んだ経験がある人は、決して珍しくないと思います。ですが、そもそも「人と関わる」とか「繋がる」ということは、どういうことなのでしょうか。コミュニケーションは、当たり前ですが2人以上で成立するものです。それにもかかわらず、やりとりに齟齬が起こると、「あいつはコミュ障だ」「あの子意味わかんないよね」と、片方が弱者にされがちです。誰しも、伝えたいことをスムーズに伝えられるときもあれば、あまり上手く伝えられないときもあります。自分なりにうまく振る舞える場面もあれば、苦手な場面だってあると思います。今日は、そうしたご自身の経験を少し頭に思い浮かべながら読んでいただけると嬉しいです。ある親御さんが教えてくれた一言「支援級には息子の望む遊びの機会が少ない」Upload By 山田小百合私たちは「遊ぶように人と関わる場」を用意し、人間関係を育む機会としてのワークショップ活動を行っていますが、遊びながら考えたり、つくったりする活動を通して、子どもたちが人と自然に関わりいきいきと変わっていく姿を多く見てきました。活動の内容は、造形活動、ダンスや演劇などの身体表現、音楽、iPadなどを使うデジタルな制作活動など、様々。そこには、知的能力や発達に関する障害の診断がある子も、そうした診断のない子もやってきます。ひとつ、ワークショップで出会ったある男の子のお話をご紹介します。当時、特別支援学級に所属していた小学校2年生の男の子。ここではAくんとしましょう。Aくんは怪獣が好きで、ごっこあそびも大好き。好きなことを通してお友達と一緒に遊びたい、そんな関心が高まっている時期でした。しかし、親御さんに見せてもらった保育園の頃のビデオには、行事で並んだり一緒に行動したりする場面で、集団の中に入っていけずに、ポツリと座り込んでいる姿が。集団行動はとても苦手なようで、当時のAくんは、人の会話に文脈を無視して割り込んでしまうこともあり、小学生になってからは、学校で嫌がらせを受けたこともあったそうです。そんなAくんでしたが、ワークショップに来てくれたときには全く違う姿を見せてくれました。初めて出会う子ばかりなのに、ワークショップが始まる前から同世代の男の子たちと仲良くおしゃべりをしているのです。Upload By 山田小百合その日の活動は、2人1組で架空の植物を作るというもの。3時間ほどの長丁場でしたが、2人は笑顔で、かつ真剣に制作をしていました。途中、自閉傾向のある本人の特性か、A君が自分のこだわりを譲れずに、ペアの男の子がため息をつく場面もありましたが、ほとんど大きな介入は不要でした。私はファシリテーターとしてAくんのこだわりを活かせるような声かけをしただけで、後は子どもたちが自分で解決していったのです。ワークショップの最後には、作品紹介のためのシートを書きました。Aくんは字を書くのが苦手な様子で、自然と「これ書いてもらえる?」とペアの男の子に自分から声をかけていました。2人は、できる部分は一緒に考えつつ、難しいところは役割分担をするということを、大人が教えるでもなく自ら行っていたのです。発表の際には2人で爆笑しながら作品を紹介、ワークショップ全体の雰囲気を温めて帰ってくれました。まさに、彼らのおかげでワークショップが成功したと言える出来事でした。Aくんの親御さんは、「本当は、本人の気持ちとしてはいろんなお友達と関わりたいのに、支援級にいることで、その機会が格段に減ってしまった」というジレンマを教えてくださいました。後日、「ワークショップの中で、他人への関心が生まれた」「ワークショップでの経験を生かして、今では学校でお友達と遊んだり関わったりする様子がみられ、楽しく学校に通っている」と、嬉しい感想を送ってくださいました。中学生のころに感じた同級生と自分の温度差、そして違和感出典 : 私たちは、日々このようなワークショップを行っていますが「障害があってもなくても、遊んだり学んだりできる環境づくり」への挑戦が始まったのは、私自身の家庭環境からの気づきからでした。私は年子の兄と3つ下の弟がいますが、どちらも知的障害と自閉症を併せ持っています。大学進学を機に私は親元を離れましたが、それまではずっと家族と暮らしていました。違和感に気づいたのは、中学生の頃、兄と同じ特別支援学校にいた子が、交流及び共同学習の一環で私のクラスにやってきた時です。それは、まさにクラスの同級生との温度差を感じた瞬間でした。特別支援学校の生徒を「お客様」として招き、誰も別に面白くもないゲームをやり、一緒に給食を食べて終わるという一連の時間に、「一体何の意味があるのかな」と疑問に思ったのです。中には心ない悪口を言い放つ同級生もいて、ショックを受けました。しかし、その同級生の姿になぜショックを受けてしまう自分がいたのかといえば、私の家庭の特殊性があったからだ、と気づいたのです。そして同時に、同級生に「差別はいけない」と正義感を振りかざすことも違うと感じました。交流及び共同学習の目的は、障害のある本人が、社会性を育む重要な機会です。人と関わるためのスキルを学ぶ機会は増えてきましたが、実社会で生かせる場面がどれほどあるのかといえば、社会の準備はまだ整っていない状況ではないでしょうか。あの頃の違和感が、今、子ども達との「ワークショップ」に繋がっている出典 : 誰しも小さい頃、お友達を作る時は何気ない遊びからスタートしていました。あの経験は、大人になった今でも生かせるはず。「関係性を作る学習」を遊びの延長のように用意することはできるのではないか、と思っていたところ私はワークショップに出会いました。もちろん、全てのワークショップの場が万能なわけでもありません。当日の活動内容や、参加者同士の相性、お子さんのその日の調子などによって、その会の進み方も様々です。それでも、一人ひとりの可能性をただ信じて場を用意する。それも人との関わりを育む1つの選択肢なのだろうと思っています。「本当は関わりたいけど関われない」そんな子どもたちが、楽しくつくる活動を通して、人との関係性を育んでいく。スキルを教えることも大切だけど、経験こそ力を伸ばしてくれる。そうした小さな嬉しい経験を多くの人に届けるべく、私たちはこれからも活動を続けていきます。毎月ワークショップを行っています。よかったらぜひ遊びにきてくださいね。Upload By 山田小百合
2016年09月12日ヲタママだっていーじゃない!
ムスメちゃんとオコメちゃん
猫の手貸して~育児絵日記~