こんにちは!HugMugブロガーのかみじょうです。日本科学未来館ってみなさん行かれたことありますか...? 広い施設の中に、楽しみながら学べる展示はもちろん、プラネタリウムや無料で遊べる広場、カフェもあって、家族みんなで楽しめる施設なんです!今回はそんな日本科学未来館の新常設展『老いパーク』についてご紹介したいと思います!『老いパーク』ってどんな展示?!日本科学未来館の常設展が2023年11月に7年ぶりにリニューアル。新設された4つの展示の1つが『老いパーク』。実は『老いパーク』は我が家の父ちゃんがディレクションを務めた展示なんです...!『老いパーク』では「人は老いるとどうなるのか」を疑似体験できるゲームを通じて学べる展示になっています。老いを知ることは、老いと向き合う方法を模索することに繋がり、きっとこれからの人生をより豊かにしてくれる。父ちゃんいわく、この展示には『老いは必ずしもネガティブではない!』というメッセージが込められているそうです!大人も子供も思わず夢中になる!老い体験ゲーム『老いパーク』では目、耳、運動器、脳の4つの老化現象を疑似体験することができます。今回は、実際に老いを感じ始めているであろう、私の両親、義理両親と一緒に見に行きました♪<耳の老化を体感>「サトウさん」を聞き分けられる?!まず体験してみたのは「サトウの達人」。老いるとどんな風に耳が聞こえづらくなるのかが体感できます。「アトウさん」「カトウさん」「サトウさん」と呼ばれていく中で、どれが「サトウさん」か聞き分けるゲーム。老化で聞こえづらくなっている耳の設定で音を聞き分けるのですが、これがとっても難しい!なんと呼ばれても全部同じに聞こえます。つまりそれが耳の老化、ってことなんですね!老いていくと、自分の名前が呼ばれても気付けないときもあるのかも。じぃじたちも聞き分けに大苦戦!<運動神経の老化を体感>体が思うように動かない?!次にやってみたのは「スーパーへGO!」。体が老化すると、近くのスーパーに行く道がどう感じるようになるのか、を体感することができます。実際は足に重りをつけてやるゲームなのですが、5歳児には重すぎたので、つけずにやってみることに。カートを押しながら横断歩道を渡ったり、坂を登ったり。一生懸命足踏みをして、急ぎたくてもなかなか前に進まない...!若ければ5分で着くスーパーも、老いると20分かかってしまう。そういえばうちのマンションにも、ゆっくりカートを押しながらスーパーに行っているおばあちゃんがいるなぁ...とそんな事を思い出しました。老化が進むと、自分が思っている以上に運動神経も落ちる。だからこそ今維持する努力をしなければ!と思わされたゲームでした...!<目の老化を体感>ぼやけた視界で運転できる?!次にやってみたのは「3つの◯◯なテレビゲーム」。目の老化が進むと、視界はどのように映るのか、色々なテレビゲームを通じて体感できます!テトリスやドライビングゲームなど、いくつか種類があるのですが、いずれも途中で「老化モード」になり画面が見えづらくなります。このまま行けば順調にクリア!と思いきや、急に視界がぼやけたりして、思うようにできない...!目が見えづらくなると、そんなフラストレーションもあるのかもしれませんね...!この3つのゲーム以外にも、頼まれたものを全部忘れずにお買い物ができるか試すゲームや、表情の老化を体感できるプリクラ機など。全部書いてしまうと楽しみが減ってしまうので、私からのご紹介はここまで!大人も子供も思わず夢中になってしまうゲームばかりなので、気になった方はぜひ一度遊びに行ってみてください♪お・ま・け日本科学未来館の1階に、各展示の紹介ムービーが流れているのですが、『老いパーク』のムービーには太郎さんも出演中!両端は私の両親です(笑)映っているのはほんの数秒ですが...見ることがあればぜひ見つけてみてください〜!(笑)★☆★☆★日本科学未来館の常設展入館料 は大人630円、18歳以下210円、6歳以下の未就学児無料(※特別展等やドームシアターは別料金)!良心的な価格なのに、施設はとっても充実しています!なんか子供とお出かけする場所ないかな〜と思ったときにおすすめですよ♪それではまた次のブログでお会いしましょう〜!
2024年01月18日健全な青少年の育成を目指し設立された一般社団法人 DAC未来サポート文化事業団(事務局本部:東京都台東区、代表理事:石川 和則、以下 みらさぽ)は、文部科学省後援「第11回 みらさぽ 絵画・作文コンクール」を主催し、2023年は1,689点の応募作品(絵画:1,142点、作文:547点)が集まりました。募集した作品テーマは「家族の絆」と「冒険・挑戦・チャレンジ」。2023年から佳作が10名増え、24作品が入賞しました。詳細: ■「みらさぽ 絵画・作文コンクール」についてみらさぽが設立された2013年から毎年実施しているコンクールです。みらさぽの活動テーマである「勇気を出して挑戦する冒険心」「感動する心」「人と自然を慈しむ心」を育み、グローバルに活躍する健全な青少年の育成を目指して開催してきました。開始当時は応募可能エリアを限定し、写真または作文を募集していましたが、今では全国に対象エリアを拡大し、小中学生から絵画または作文を募集するようになり、今回で11回目の開催となりました。2019年からは文部科学省の後援事業となり、現在は、文部科学大臣賞を絵画と作文それぞれの部門から1名ずつ選出しています。■「第11回 みらさぽ 絵画・作文コンクール」結果応募総数1,689点の中から、文部科学大臣賞2作品、未来サポート賞2作品、佳作20作品を決定。文部科学大臣賞には北海道仁木町家族旅行、未来サポート賞には東京もしくは大阪の親子旅行、佳作には電子ギフト券が贈られます。<文部科学大臣賞 受賞作品について>第11回コンクールの文部科学大臣賞は、絵画部門では静岡県浜松市・中3の松本 絹士郎(まつもと・けんしろう)さんの「祖母と精霊馬作り」、作文部門では福岡県北九州市・小4の能美 にな(のうみ・にな)さんの「それぞれのきずな」が受賞しました。~「祖母と精霊馬作り」(絵画)作品概要~「今年の夏、祖母が大切に育てた野菜で初めて精霊馬を作った。祖父は僕の生まれた年に亡くなったから、全く記憶にはないけれど、喜んでもらえただろうか。「家族の絆」・・・漠然とした気持ちでこの作品を始めたが、一筆一筆置いていくうちに、描く前よりも分かったような気がする。」「祖母と精霊馬作り」【審査員講評】多くの作品の中で一際印象に残る作品でした。細かいところまで良く描けていて、まず描写力に感心しました。おばあちゃんの手作り野菜で亡くなったおじいちゃんの為に作った精霊馬。そんな三人の粋をこの作品の中に感じ取ることができました。~「それぞれのきずな」(作文)作品概要~「5月にそう祖母が亡くなりました。そのときに、悲しさやさみしさは、泣くことだけではないこと、家族のきずなにはいろいろな形があることを知りました。読んだ人にも、この絆がわかってもらえるとうれしいなと思います。」【審査員講評】実にうまい作文で、小学校4年生が書いた作品とは思えないほどです。祖父母と祖母、母の作者の繋がり、そして周りの大人の様子が、きちんと自分の視点と言葉で描かれており、家族の絆の連鎖が良く示されています。<受賞作品について>●文部科学大臣賞能美 になさん(福岡県北九州市・小4) 「それぞれのきずな」(作文)松本 絹士郎さん(静岡県浜松市・中3) 「祖母と精霊馬作り」(絵画)●未来サポート賞柴田 大和さん(愛知県蒲郡市・小1) 「ぼくのこころのいろ」(作文)寺田 晴名さん(茨城県土浦市・小3) 「音色よ、とどけ!」(絵画)●佳作大和田 悠真さん(茨城県常陸太田市・小4)/久保 咲楽さん(北海道帯広市・小4)大内 なるさん(宮城県仙台市・小3)/七海 航輝さん(神奈川県相模原市・小5)棟方 有紀さん(宮城県仙台市・中2)/木嶋 日南乃さん(群馬県沼田市・中1)吉田 桜さん(東京都杉並区・中3)/後藤 結衣さん(東京都大田区・中3)川崎 咲智さん(東京都杉並区・中1)※/笠井 凜心さん(東京都杉並区・中3)藤森 志歩さん(埼玉県さいたま市・小1)/仲川 璃子さん(福岡県北九州市・小2)縄 乃々香さん(北海道札幌市・小4)/森岡 皆美さん(愛知県北名古屋市・小4)岩木 美璃さん(愛知県稲沢市・小3)/牧山 空未さん(長崎県壱岐市・小5)園木 芯さん(熊本県荒尾市・中1)/水野谷 有美さん(東京都稲城市・中3)大友 莉心さん(秋田県秋田市・中2)/許田 海羽さん(沖縄県名護市・中3)※「崎」は正式にはたつさき■DAC未来サポート文化事業団について広告会社DACグループの企業理念、行動指針を基盤とし、青少年の未来に向けた社会貢献活動を行う一般社団法人。青少年や子どもたちに生きる勇気や感動、感謝の心を伝えていくための活動として、文部科学省後援の全国小中学生を対象とした「みらさぽ 絵画・作文コンクール」や、文部科学省の教育プログラムに認定されている「DACセブンサミッツ冒険教室」、他各種親子向けのワークショップ等を行っています。名称 : 一般社団法人 DAC未来サポート文化事業団代表理事: 石川 和則所在地 : 〒110-0015 東京都台東区東上野4-8-1 TIXTOWER UENO 13F設立 : 2013年6月7日活動目的: 健全な青少年の育成URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月06日ファイナンシャルプランナーの大野先生が子どもの教育費について教えてくれました。文部科学省が調査している「子供の学習費調査」について詳しくマンガで解説。 文部科学省では、子どもを通学させている保護者に対して、子どもの学校教育・学校外活動のために支出した費用の実態を把握するための「子供の学習費調査」を1994年度より隔年で実施しています。最新のデータは2019年12月に公表されたものです。 調査は2018年度中のため、幼児教育無償化の影響は反映されていませんが、今後のお子さんの教育費を考える上で参考となるデータですので、内容を抜粋してお伝えいたします。 1年間あたりの教育費文部科学省が実施した、平成30(2018)年度「子供の学習費調査」によると、全国29060人を対象とし、24748人から回答のあった、1年間あたり教育費(学校教育費、学校給食費、学校外活動費)の平均は以下の通りとなりました。 なお、公立高等学校、私立高等学校はいずれも全日制(定時制・通信制除く)となっています。 公立幼稚園…22万3647円 私立幼稚園…52万7916円 公立小学校…32万1281円 私立小学校…159万8691円 公立中学校…48万8397円 私立中学校…140万6433円 公立高等学校… 45万7380円私立高等学校…96万9911円 また、文部科学省・令和元(2019)年度 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果・国公私立大学の授業料等の推移によると、初年度の納付金(入学金、授業料、施設設備費の合計)の平均は、以下の通りとなりました。国立大学…81万7800円公立大学…92万8493円私立大学…134万723円また、私立大学の分野別の初年度納付金の平均は、以下の通りです。 文科系学部…177万2582円 理科系学部…154万9688円 医歯系学部…480万3378円 その他学部…145万1302円 ライフプランから考える教育費の準備ご家庭や地域に差はありますが、最も割合の多いお子さんの進路は、私立幼稚園、公立小学校、公立中学校、公立高等学校、私立文科系学部ですが、上記の統計をベースにすると、合計すると約1000万円かかります。そのうち、大学4年間で約400万円かかります。ご家族構成や年齢等で差が出ることもありますが、お子さんの進学費用を準備しようと思った場合、まずは大学4年間の教育費を準備するところから考えるご家庭が多いです。 お子さんが現在0歳で、18歳になるまでに400万円を貯めようとすると、利息や追加の積立がない場合には、月に18,519円を貯める必要があります。アメリカドル建ての養老保険やジュニアNISA口座等での積立であれば、普通預金と比べると利回りが期待できる反面、想定額を下回る可能性もありますので、ご自身の経験やお考えに基づいて資産運用を検討しましょう。自分には向いていない、理解できないと感じた場合には、無理をして資産運用をしないといった判断も必要です。 私立や医歯系の場合はより多くの金額が必要また、早い時期から私立学校に通わせる場合や大学は医歯系(医学部・歯学部)にする場合は、より多くの金額の準備が必要です。毎年の収入で教育費がカバーできれば事前準備の必要性は低くなりますが、毎年の収入で教育費がカバーできず、事前の準備ができていない場合には、お子さんが奨学金を借りるか、親御さんが教育ローンを組む必要があります。 返済計画ができれば、奨学金や教育ローンも選択肢となりますが、現在の家計に無理のない場合には、事前に教育費の準備ができないか検討することも大切です。目の前の保育園や幼稚園の費用だけでなく、社会人になるまでの教育費を考えたことのない方は、上記の統計をご参考にされるとよいでしょう。幼児教育の無償化や私立高校の授業料支援など、以前と比べて支援制度も拡充していますが、賃金が増えなかったり、消費税が上がったりと家計にとっては厳しい状況も続いています。お子さんの将来のためにも、今後かかる教育費を把握しつつ、準備できることは早めに準備できないか確かめるきっかけにしていただければと思います。 作画/山口がたこ 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志<p><span style="font-size:12px;">1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。</span></p>
2023年02月21日通常学級に在籍する小中学生の8.8%に発達の特性がある小中学生のうち、特別支援学級や特別支援学校でまなぶ子どもたちは、2019年度の調査で42万人、小中学生全体の4.3%となっています。ですが、特別な支援を必要とする子どもたちは、地域の学校の通常学級にも在籍しています。2022年12月、文部科学省は10年ぶりに「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」を発表しました。その調査によると、小中学校の通常学級に在籍する子どものうち、8.8%が「学習面又は行動面で著しい困難を示す」ということが明らかになりました(※)。なお調査では、下記のツールをもとに作成された質問票に基づいて調査されました。・LDI-R-LD診断のための調査票(学習面)・ADHD評価スケール(行動面)・高機能自閉症スクリーニング質問紙(行動面)(※)学級担任等が回答した内容から知的発達に遅れはないものの学習面や行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒数の割合を推定している調査であり、医師の診断や専門家による判断による調査ではない通常学級に在籍する、発達に特性がある子どもが受けている支援の現状この調査では、この「知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた子どもたちが受けている支援についても報告がされています。担当教員は特性があると考えているが、実際に特別な教育的支援が必要だと校内委員会において判断されている子どもは、28.7%にとどまっています。Upload By 発達ナビニュース今回の報告で、通常学級に在籍しながら「学習面又は行動面で著しい困難を示す」ととらえられている子どものうち、通級指導を受けている子どもは、過去に受けていた場合を加えても、12.6%という報告でした。Upload By 発達ナビニュースまた、そうした子どものうち、現在、もしくは過去に作成していた割合は2割弱で、子どもの特性に合わせた計画が立てられている割合は5人に1人となっています。Upload By 発達ナビニュース補習や宿題の工夫などの配慮については、現在もしくは以前に行っていた場合も含めて32.3%でした。Upload By 発達ナビニュース以前に比べると、通常学級における発達の特性がある子どもたちについての認知は高まってきていますが、十分な配慮が受けられていない子どもが一定数いることが、今回の報告からも読み取れます。参考:通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について | 文部科学省参考:文部科学統計要覧(令和2年版)| 文部科学省特別支援教育行政の現状及び 令和3年度事業について| 文部科学省
2022年12月17日株式会社DACホールディングスが社会貢献活動の一環として運営する一般社団法人 DAC未来サポート文化事業団(代表理事:石川 和則 以下、みらさぽ)が、文部科学省後援「第10回 みらさぽ 絵画・作文コンクール」を主催し、今年は過去最多1,718点の応募作品(絵画:1,284点、作文:434点)が集まりました。募集した作品テーマは「家族の絆」と「冒険・挑戦・チャレンジ」。コロナ禍で感じた家族の絆など、引き続き社会情勢も感じられる作品も多く集まった中で、14作品が入賞しました。詳細: ■「みらさぽ絵画・作文コンクール」についてみらさぽが設立された2013年から実施しているコンクールです。みらさぽの活動テーマである「勇気を出して挑戦する冒険心」「感動する心」「人と自然を慈しむ心」を育み、グローバルに活躍する健全な青少年の育成を目指して開催してききました。開始当時は応募可能エリアを限定し、写真または作文を募集していましたが、今では全国に対象エリアを拡大し、小中学生から絵画または作文を募集するようになり、今回で10回目の開催となりました。2019年からは文部科学省の後援事業となり、さらに昨年からは文部科学大臣賞を絵画と作文それぞれの部門から選出できることとなりました。■「第10回 みらさぽ 絵画・作文コンクール」結果応募総数1,718点の中から、文部科学大臣賞2作品、未来サポート賞2作品、佳作10作品を決定。文部科学大臣賞には北海道仁木町家族旅行、未来サポート賞には東京親子旅行、佳作には電子ギフト券が贈られます。<文部科学大臣賞 受賞作品について>文部科学大臣賞受賞作品第10回コンクールの文部科学大臣賞は、作文部門では愛知県名古屋市・小1の藤本 千尋(ふじもと・ちひろ)さんの「140メートルのぼうけん」、絵画部門では東京都品川区・小1の飯田 新平(いいだ・しんぺい)さんの「ぼくたちのチームはつよいぞ!」が受賞しました。~「140メートルのぼうけん」作品概要~小学校の登校時に、集合場所まで一人で向かう140メートルの間で見たり感じたりしたことや感情の変化を表現した作品。~「ぼくたちのチームはつよいぞ!」作品概要~チームの仲間と共にサッカーをする姿を表現した作品。「夏休みは、みんなよりも速く走って、左足で蹴る練習もがんばってたくさん点数をきめました。」~審査員講評~【作文】家から集合場所までの140メートルを初めて一人で行く大冒険。さみしさやこわさを乗り越え、思い切って外に出たら、様々な音やにおいなど、思いがけない世界が広がりました。ワクワクする楽しみを見つけるのは、正に冒険の魅力です。音やにおいと心の動きなど、魅力的な描写がとても新鮮で素晴らしい作品となりました。【絵画】一番感心したのは、構図のとり方です。地面を平らに描かずに空を大きく、円をかくことで、遠近感と迫力を表現しています。ボールを蹴る男の子がこちらに迫ってくるような躍動感とチャレンジと元気が伝わってくる作品です。<受賞作品について>●文部科学大臣賞藤本 千尋さん(愛知県名古屋市・小1) 「140メートルのぼうけん」(作文)飯田 新平さん(東京都品川区・小1) 「ぼくたちのチームはつよいぞ!」(絵画)●未来サポート賞岸原 凛々子さん(福岡県福岡市・中2) 「下手の横好きの挑戦」(作文)宮本 慎也さん(徳島県徳島市・中3) 「祖母の誕生日「バアバ!88歳おめでとう」」(絵画)●佳作辻 陽希さん(岡山県岡山市・小1)伊藤 紗月さん(茨城県取手市・小2)岡本 一真さん(神奈川県相模原市・小1)成田 紗理さん(福岡県福岡市・小2)能美 になさん(福岡県戸畑区・小3)天野 ナビィさん(北海道釧路市・小2)中村 唯歩希さん(東京都江東区・小5)佐々木 真睦さん(福岡県福岡市・小5)西村 多香音さん(兵庫県西宮市・中1)武田 南穂さん(高知県高知市・小6)■DAC未来サポート文化事業団について広告会社DACグループの企業理念、行動指針を基盤とし、青少年の未来に向けた社会貢献活動を行う一般社団法人。青少年や子どもたちに生きる勇気や感動、感謝の心を伝えていくための活動として、文部科学省後援の全国小中学生を対象とした「みらさぽ絵画・作文コンクール」や、文部科学省の教育プログラムに認定されている「DACセブンサミッツ冒険教室」、他各種親子向けのワークショップ等を行っています。名称 : 一般社団法人 DAC未来サポート文化事業団代表理事: 石川 和則所在地 : 〒110-0015 東京都台東区東上野4-8-1 TIXTOWER UENO 13F設立 : 2013年6月7日活動目的: 健全な青少年の育成URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月06日「インクルーシブ教育システム」のよいところインクルーシブ教育とは、障害のある子どもと障害のない子どもに別々の教育を行うのではなく、全員が共に学べるような形で教育を行うことを意味しています。文部科学省では、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学べる環境と、障害のある子どもが個別に学べる環境をどちらも整備し、すべての子どもがどちらの環境も活用できるようにしていこうと提唱しています。これは合理的な考え方で、そのような環境設定をすることに対して、私は全面的に同意しています。学校に多様な学習環境が用意されていて、子どもたちが自分の状態に合わせて環境を選べるようになれば、誰もが学びやすくなるでしょう。「一度しか言わないから」は多様性を否定する指導方法文部科学省はインクルーシブ教育システムの確立に向けてさまざまな取り組みを実施していますが、現在の学校教育にはまだ課題もあります。例えば、学校で先生が子どもたちに「いいですか、一度しか言わないからよく聞いてくださいね」と呼びかけることがあります。これは、インクルーシブ教育システムの定義にある「人間の多様性の尊重」を否定する指導方法です。このような指導では、「口頭の指示を一度で完全に理解できる」という子どもしか学習できません。それ以外の子どもは、学習する機会を失います。現在の学校教育にはまだ課題がある人間には、口頭の指示を理解するのが得意な子どももいれば、聞くことよりも視覚的な文字などの指示を理解するのが得意な子どももいます。それ以外の方法が得意な子どももいるでしょう。どのようなタイプの子どもも学習できるように指導方法を工夫するのが、先生の仕事であるはずです。指導が上手な先生は、口頭で一度指示するだけではなく、黒板に同じことを書いて示したり、指示を繰り返したり、手本を見せたりして、子どもたち全員が学習できるように工夫しています。そのようなちょっとした工夫で、学習環境を整えていくことは大切なことです。「学校の標準」をゆるやかにして、みんなが学びやすい環境をつくっていくのです。出典 : 「学校の標準」が狭すぎるのではないか?発達の特性がある子どもは学校生活において、何かと困りごとに直面しがちです。ほかの大多数の子どもよりも、困難が多いように感じます。それはなぜでしょうか。私はその要因の一つに「学校の標準が狭すぎること」があると考えています。いまの日本の学校には、子どもが「標準的にやるべきこと」が多すぎます。私は、いまの学校では子どものやるべきこと、守るべきことが多すぎて、「標準」が狭くなっているように感じます。その「標準」をこなせる子どもはよいのですが、発達の特性がある子どもは、すべての活動を「標準」に合わせるのは難しい場合もあります。ローカルルールは少ないほうがいい学校には多くの子どもたちが集まっています。集団で活動するためには、一人ひとりが一定のルールを守ることが欠かせません。ですからなんらかの「標準」は必要です。子どもたちが学校で集団行動のルールを学ぶことには、意味があると思います。しかし、ルールが細かくなりすぎると、それがいじめの温床になることもあります。例えば「校舎内の廊下は左側を歩きましょう」という決まりをつくることは、衝突を避け、人の流れをスムーズにするためには有効です。しかし、それを破ったら罰を与えるような厳しいルールにしてしまうと、ある子どもが右側を歩いたときに、ほかの子どもがそれを強く注意したり、先生に言いつけたりすることが出てきます。ルールから少しはずれただけで、非難するような風潮ができていくわけです。私は、学校内のローカルルールは、少なければ少ないほどよいと思っています。「学校の標準」に苦しむ子どもたち「学校で、みんなと同じようにできない」ということに悩み、登校できなくなった子どもたちを、私は大勢みてきました。私は「学校の標準」が狭いこと、大人たちが学校をきっちりとつくりすぎてしまったことが、一部の子どもたちを苦しめているのではないかと思っています。また、学校のように大勢で集まって活動する場所では、「一緒に遊ぶと楽しいよ」「全員一丸となってやれば、必ずうまくいく」というふうに、「みんなで一緒にやるのがいいこと」という価値観を強く押し出し、しかもそれを目標にしてしまうことがあります。出典 : 学校で「みんなで一緒に」を目標にしないグループをつくってお互いに協力し、それぞれの長所を生かして一人ではできないことをするというのは、よいことだと思います。しかし、そこで大事なのは「なんらかの成果を上げる」ということであって、「みんなで一緒に」「全員一丸となって」行動することではないはずです。集団に対して「みんなで一緒に」という目標を立てると、その集団に「標準」が生まれ、そこから外れることをよしとしない風潮ができていきます。学校のように、子どもたちが一人ひとりのびのびと学習していく場には、そぐわないものだと思います。学校を小さな「共生社会」にするために私は社会全体が、多種多様な人たちが共存できる「共生社会」になっていくことを願っています。学校も一つの小さな共生社会になっていってほしいと思います。ただし、私が共生社会としてイメージするのは、先ほど述べたような「みんなで一緒に」を目標とする社会ではありません。世の中には「みんなで仲良くできるように努力しよう」「立場が違っても分かり合える」と考える人もいますが、私は現代の社会をそんなに甘いものではないと思っています。「相性が最悪の人とも共存できる社会」に私が思う共生社会とは、「相性が最悪の人とも共存できる社会」です。そのくらいのことができないと、本当の意味での共生社会はつくれないと思います。人間誰しも、「この人とは合わないな」という相手がいます。見るのも嫌だという相手もいるわけです。共生社会をつくるためには、きれいごとではなく、そういう相手とどうやって共存できるかを考えていくことが必要です。自分とは違う人への恐怖心や攻撃心を認めたうえで、その人とも共存できる仕組みを、理性的な社会の枠組みとしてつくっていく。それが、共生社会をつくる道です。「理解しきれない相手もいる」という現実多くの場合、人は他人のことを理解しようとするとき、過去のさまざまな経験から相手の立場や考えなどを想像します。しかし、人のあり方は多様です。自分が「ふつう」だと考えていることが、相手にとっては「ふつう」ではないこともあります。だからこそ、人が分かり合うのは難しいわけです。「世の中には、自分には理解しきれない相手もいる」という現実をきちんと認識し、そういう相手がいることを認めたうえで、その人とどうやって共存するのかを考えること。それが共生社会をつくるということだと思います。「みんなで一緒」よりも「お互いにリスペクト」私は、共生社会をつくるために必要なのは「みんなで一緒に」ではなく、「お互いにリスペクト」という姿勢だと考えています。相手の考えをすべて理解できるわけではないけれど、認めてはいる。けっして無視をしない。そのような関係性をつくっていけば、どのような相手とも共存していけるのではないでしょうか。学校のように大勢が集まる場でも、発達障害のある子どものような少数派の論理を認め、けっして軽視しないこと。その姿勢が共生社会や真のインクルーシブ教育の実現へとつながっていくはずです。
2022年09月28日株式会社サイバーセキュリティクラウド(本社:東京都品川区、代表取締役社長兼CEO:小池 敏弘)は、文部科学省策定の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が改訂された背景やポイントがテーマの、学校法人向けセキュリティ対策オンラインセミナーを2022年6月21日(火)に開催することをお知らせいたします。6/21開催 学校法人向け 文部科学省策定「教育情報セキュリティポリシーガイドライン」改訂をテーマにしたセキュリティ対策セミナー■開催背景教育業界でクラウド化が急速に進む中、サイバー攻撃を受けた際の危機に備えて今までより一層、万全な対策を施す必要性が高まってきています。特に、大切な個人情報や機密情報を外部に漏えいさせないためのセキュリティ対策は必須と言えます。そんな背景の中、本セミナーでは文部科学省ガイドライン改訂検討会の座長を務める高橋 邦夫氏と、明治大学サイバーセキュリティ研究所所長の齋藤 孝道氏をお招きし、学校法人における情報セキュリティへの取り組み方や実際の対策案についてお話をお伺いする機会を設けました。また、ICT化が進む中で、学校法人が情報漏えいインシデントやサイバー攻撃による被害にあうことを防ぐために実施すべき具体的な対策についても解説いたします。■開催概要・セミナータイトル文科省策定の「教育情報セキュリティポリシーガイドライン」改訂のポイントを解説!クラウド化が加速する中、いま教育業界が取り組むべき「セキュリティ対策」とは・日時 : 2022年6月21日(火)13:00-14:30・開催場所: オンライン(ご登録者に視聴用URLをお伝えいたします)・参加費 : 無料(事前申込み要)・参加登録: ■登壇者情報<基調講演>教育情報セキュリティポリシーガイドラインの改訂ポイントを解説!~学校法人に必要なセキュリティ対策と意識改革~合同会社KUコンサルティング 代表社員電子自治体エバンジェリスト文部科学省ICT活用教育アドバイザー高橋 邦夫 氏豊島区役所に29年間勤務。情報管理課長やCISOを務める。平成25年総務省情報化促進貢献個人等表彰にて「総務大臣賞」受賞令和元年度情報通信月間記念式典において「関東総合通信局長表彰」を受賞令和4年情報通信月間において「総務大臣表彰」を受賞<セッション1>サイバー攻撃者が狙う教育現場個人情報・機密情報を保護するために必要なセキュリティ対策とは?株式会社サイバーセキュリティクラウド セキュリティ技術戦略アドバイザー明治大学サイバーセキュリティ研究所 所長レンジフォース株式会社 代表取締役齋藤 孝道 氏明治大学理工学部情報科学科教授、レンジフォース株式会社 代表取締役、情報処理技術者試験委員・情報処理安全確保支援士試験委員。専門は情報セキュリティ技術。特に、Webセキュリティ、ブラウザのトラッキング(ブラウザーフィンガープリント)技術や、AI技術を用いた脆弱性検査手法などを研究テーマとする。2021年5月に株式会社サイバーセキュリティクラウド セキュリティ技術戦略アドバイザーに就任。<セッション2>簡単・安価にサイバー攻撃から個人情報を守る!クラウド型の“WAF(Web Application Firewall)”とは株式会社サイバーセキュリティクラウド 営業部 ソリューションセールス藤村 雄太【株式会社サイバーセキュリティクラウドについて】会社名: 株式会社サイバーセキュリティクラウド所在地: 〒141-0021 東京都品川区上大崎3丁目1-1 JR東急目黒ビル 13階代表者: 代表取締役社長兼CEO 小池 敏弘設立 : 2010年8月URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月14日ライオン株式会社(代表取締役社長・掬川 正純)は、内閣府男女共同参画局、文部科学省総合教育政策局、一般社団法人 日本経済団体連合会が推進する「理工チャレンジ(リコチャレ)~女子中高生・女子学生の理工系分野への選択~」の取り組みに賛同し、「夏のリコチャレ2022~理工系のお仕事体感しよう!~」に参加します。当社では2022年7月29日(金)、8月16日(火)にオンラインで『Girl's Summer Labo』を開催します。ライオンの製品づくり職場「Girl’s Summer Labo」■ライオンの製品づくりの職場を見てみよう! 『Girl's Summer Labo』イベント概要ライオンでは、「理工チャレンジ(リコチャレ)」の取り組みに賛同し、ライオンの製品づくりの職場を見てみよう!『Girl's Summer Labo』を、2022年7月29日(金)、8月16日(火)にオンラインで開催します。今年もAコース「汚れを落とす“サイエンス”を知ろう!」、Bコース「お口を健康にする“サイエンス”を知ろう!」の2コースを設定し、文理選択前の女子中高校生を対象に、当社の研究所や工場で活躍する女性社員の多様なロールモデルを紹介することで、理工系進路の選択(チャレンジ)を支援する機会を提供していきます。具体的には、実験教室や工場見学を通して、当社が製造している製品の理解を深めていただくと共に、現場で活躍している女性社員との座談会で、様々な疑問を投げかけることで将来の自分の姿をイメージしてもらう内容となっています。■イベントの内容や参加申込み方法を掲載したオリジナルWEB サイトを開設「ライオンの製品づくりの職場を見てみよう!『Girl's Summer Labo』」イベントの詳細な内容について、オリジナルWEBサイトを開設しました。イベントの申込みについては、2022年5月12日(木)から開始いたします。URL: ■リコチャレ(理工チャレンジ)内閣府男女共同参画局が中心となり、理工系分野に興味がある女子生徒等の皆さまに、将来の自分をしっかりイメージして進路選択(チャレンジ)していただくことを応援するための取り組みです。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月12日みなさんは、お子さまといつまで手をつないで買い物に行きたいと思っていますか?小学校高学年以降、どんな親子関係を望んでいますか?文部科学省が公開している「子どもの育ちをめぐる現状等に関するデータ集」(2009)によると、「どういう親でありたいか」という質問に対し、約8割の母親が「なんでも話し合える友だちのような母親」と答え、約6割の父親が「なんでも話し合える友だちのような父親」と答えています。どうやら、「できるだけ子どもの自由を尊重する親でありたい」と考える保護者が増えているようです。もちろん、家族の仲がよいのは決して悪いことではありません。しかし、親と子の距離感を間違えてしまうと、のちのち深刻な問題が生じることも……。今回は「友だち親子」の危険性と、親子の適切な距離感について考えていきます。「友だちのような仲良し親子」がじつは危険!「中学生、高校生になっても親と一緒にお風呂に入る」「毎日の洋服も進路も結婚も、迷ったときは親のアドバイスに従う」など、精神的距離が近すぎる親と子が増えていると、教育評論家の尾木直樹氏は述べています。尾木氏は著書『親子共依存』のなかで、ここ数年「うちの子、反抗期がありません」という保護者の声が増えたことに言及し、次のように指摘します。最初のうちは、このことを不審に思い、心配する親御さんも少なくありませんでしたが、いまや「うちの子は手のかからない、本当にいい子!」「とっても仲良し親子なんです」と誇らしげに言う人のほうが多数派になったようにも思います。(引用元:尾木直樹(2015),『親子共依存』, ポプラ社.)なかには、中学生の息子といつも一緒に買い物に行くことを嬉しそうに話す母親や、思春期の子どもと手をつないで歩く母親もいるそう。こうした現状を、「親子仲がよくてうらやましい」「ほほえましい」と肯定的に評価する風潮に対して、尾木氏は「非常に深刻な問題をはらんでいる」と苦言を呈します。名門校である鷗友学園女子中学高等学校の名誉校長・吉野明氏も、同様の問題を指摘しています。吉野氏によると、多くの女子学生とその母親に接するなかで、近年特に気になるのが「擬似姉妹」のような母娘の関係だそう。娘の側は、「友だちといるよりも母親と遊ぶほうが楽しい」と感じており、母親は「私は娘を一人前と認めている」と思い込んでいる――。一見、いい親子関係のようですが、実際はお互いに依存し合う「共依存関係」にあるのだと言います。そして一度、「友だち親子」のような共依存の関係に陥ってしまうと、子どもが成長するにつれてさまざまな問題が表面化するようになるようです。「友だち親子」の恐ろしい弊害3つ異常なまでに精神的距離が近い「友だち親子」は、子どもにとっても親にとっても、さまざまな弊害をもたらします。なかでも顕著なのは次の3つです。弊害1:「親子共依存」になるわが子にべったり依存してしまう親が増加している背景には、不安定な社会情勢や地域のつながりが希薄になっていることなど、複合的な要因が考えられますが、「子どもにとって “ものわかりのいい親” に見られたい」という親側の願望も見え隠れします。そして “ものわかりのいい親” になるために、親は子どもとの距離を必要以上に縮めようとするのです。すると、子どもは「自分のことを一番理解してくれる親」に対して、安心してすべてを委ねてしまいます。その結果、いざ自立すべき年齢になっても判断力や決断力がないため、親への依存度がさらに増してしまう――。これではいつまでたっても親離れ・子離れができません。「『友だち親子』になると、親子が同質化する傾向が深まる」と、共依存状態にある親子関係を別の角度から分析しているのは、目白大学教授の黒沢幸子氏です。同質化した親子は「境界線がない=ボーダレス」の状態になり、子どもの感情の揺れに対して親も共鳴してしまう「親子共振状態」を招くのだそう。つまり、子どもの感情に寄り添いすぎて、本来ならば大人としての適切な指導やアドバイスをすべき場面でも、子どもと一緒になって教師や友だちを攻撃するモンスターペアレントになりかねないと、黒沢氏は指摘します。また北海道にある篠路光真幼稚園のウェブサイトでは、共依存状態の親について、「子どもの自我を受け止めきれなかったり、ほかの子どもとわが子を比較したりと、親自身が子育てを楽しむことができなくなる」と書かれています。親子共依存は、子どもにとっても親にとっても、まわりが見えなくなる危険な状態と言えるでしょう。弊害2:「反抗期」がないまま成長してしまう「反抗期がない」と聞くと、「いい子に育ってうらやましい!」と思う方もいるかもしれませんが、子どもが大人へと成長する過程において、親に反抗心を抱くことは大事なステップです。ちなみに、親子問題が専門の心理カウンセラー・平岡亜紀氏によると、個人差はあれど「 男の子なら10歳、女の子なら11歳が反抗期スタートの目安」とのこと。また脳科学者の中野信子氏は、「反抗期は脳の発達段階のサイン」だとし、「子どもが外の世界を求め、親の価値観に逆らってみせる反抗期は脳の発達において重要」だと述べています。そして「仲良し親子のように、単調な刺激しかない状態、自分が知っているのと違う世界に触れる機会が少ない環境にいると、知能の発達に必要な知的刺激を十分に受けることができない」と警鐘を鳴らしています。そして、「いい子のまま大人になる若者が増えた背景には、親子の密着がある」と述べるのは、精神科医の大下隆司氏。就職しても実家で暮らしたがる子や、子どもを手元に置いて抱え込んでしまうというパターンが少なくないようです。ですが、あまりにも居心地のいい家庭は、子どもの自立の妨げになることもあるので要注意。大下氏は、「そもそも反抗期は、親の考えや価値観が自分とは違うと気づくことから始まる」と述べます。もちろん親はショックを受けますが、それはわが子が自分の力で人生を切りひらくための第一歩。物理的にも精神的にも離れることができて初めて、子どもは自立するのです。弊害3:「生きづらさ」を抱えるようになる適切な時期に反抗期を迎えなかった子どもは、自立すべき年齢になっても親との共依存から抜け出せず、「生きづらさ」を抱えてしまうことも。たとえば、引きこもりになってしまったり、仕事が長続きせずに転職を繰り返したり、友人関係でトラブルを起こしたりと、さまざまな面で苦労するケースが考えられます。日本メンタルアップ支援機構代表理事を務める大野萌子氏によると、「成長過程で、なんでも親に話すことを良しとされてきた子どもは、(大きくなっても)親に報告しないという選択肢はない」のだそう。その理由として、「親の強い圧力をはねのけることにエネルギーを費やすよりも、迎合して丸く収めることで家庭内での生きやすさを獲得してきた」ことを指摘しています。つまり、自分で考えることを放棄しているのです。親もまた、子どもが大きくなってからも、長年の癖でつい口出ししてしまうと言います。小さい頃から親の意見に従ってばかりいた子どもは、大きくなっても自分で決断することができず、不安を抱えたまま社会生活を送るようになります。その結果、うまく社会に適応できなくなり、「生きづらさ」を強く感じるようになるのです。「友だち親子」にならないための親の心得とはいえ、わが子を愛するがゆえに、つい口を出したり手助けしたりしたくなるのが親心です。「友だち親子」になるのを回避して、つかず離れずの関係を構築するためにはどんなことを心がければいいのか――。3つの「親の心得」をご紹介します。親の心得1:子どもと親は一心同体ではない。自分の人生を楽しもう!前出の吉野氏によると、「擬似姉妹」状態に陥っている親は、娘の友だちを悪く言ったり、娘が買ってきた洋服に「ちょっと派手じゃない?」と言ったりと、自律的に動き出した子を無意識のうちに引き止めようとする傾向があるそうです。それは、子どもと自分を一心同体だと思い込んでいるから。もしくは、子どもを自分の「分身」だと勘違いしているのです。子どもの手が離れていくのは寂しいものですが、子どもと自分の人生は別のもの。親自身もまた自分の人生を楽しむことで、お互いにとって充実した人生を送ることができます。新しい趣味を見つけたり、習い事を始めたりするなど、視野を広げることで自分の新しい可能性に気づくこともありますよ。子どもだけに向けていた目と心を、自分自身に向けてみましょう。親の心得2:悪ノリの友だちトークはNG。親は指導する立場である心理学者の植木理恵氏は、カウンセリングに来る親子の会話が「友だちトーク」になっているケースが多いことに言及しています。たとえば、子どもが「○○ちゃんが一緒のクラスにいるから嫌なんだ」と言ったら、親はまるで友だちのようなノリで「ああ、わかる……。○○ちゃんとは気が合わなそうよね」などと同調する様子をよく目にするそう。植木氏は、「子どもの話に悪ノリするのは、ただの育児放棄」と厳しく指摘しています。親であれば、「そう。だけど○○ちゃんにだっていいところがあるんじゃない?誰とでも仲良くできることも大事だよ」と、あくまでも大人として常識的な対応をするべき。“わが子に嫌われたくない” という気持ちを優先するのではなく、子どもの意見に共感を示しながらも、親は指導する立場であるということを忘れないようにしましょう。親の心得3:友だちではなく「子どもという選手のコーチ」になる友だち親子にならないほうがいい理由として、「相手のよくない点を指摘できなかったり、信頼関係が育めなかったりと、正面から向き合えない関係性になってしまう」ことを挙げているのは、子育てコーチングの専門家でNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子氏。友だちでいるためには、相手に好かれるような振る舞いをしてしまいがちです。しかし、親が子どもに対して遠慮して、正しい指摘ができなくなると、子どもは親への尊敬や信頼を失ってしまうでしょう。そこで菅原氏は、「子どもという選手のコーチになる」ことを提案しています。「コーチは選手の自由意思や自発性を大事にしながら、どうすれば、より早く走れるか、より高く飛べるかを考えて伝えます。選手に自発的な選択をさせながら能力を引き出すような枠組みを作ります。提案されたことを実行するのは選手自身です。親は、必要なときにさっとコーチの帽子にかぶり変える意識で子どもと向き合うのがお勧めです」(引用元:日経xwoman|反動子育てで友達親子に「誤った自由さ」のリスクとは)スポーツ選手が大きな大会やオリンピックを目指すように、子どもが自分自身で自分の「心」や「行動」をコントロールできるようになることを、子育ての最終目標として設定するといいそうです。わが子の「生きる力」を育むためにも、選手の能力を最大限に伸ばすコーチとしての役割を全うしましょう。***「自分の親が厳しかったから、わが子とは友だちのような関係でいたい」と望む保護者も多いかもしれません。ですが、友だちには友だちの、親には親の役割があります。子どもの精神的な成長のためにも、親自身が共依存に陥らないようにするためにも、そのことを忘れずに子育てをしていきたいですね。(参考)文部科学省|子どもの育ちに関する現状等に関するデータ集尾木直樹(2015),『親子共依存』, ポプラ社.東洋経済オンライン|「姉妹みたいな母娘」が危険である深いワケベネッセ教育総合研究所|2「友だち親子」の光と陰ー危うい「よい子」と「乙Men現象ー集英社 学芸編集部|思春期の頭の中はどうなってる?〈その2〉明治安田生活福祉研究所|親子の関係についての意識と実態ーー親1万人・子ども6千人調査ーー東洋経済オンライン|「子どもを潰してしまう親」には共通点があるあなたは「不幸アピール」をしていませんか?ダイヤモンドオンライン|「友だち親子」になってはいけない日経xwoman|反動子育てで友達親子に「誤った自由さ」のリスクとはお金のキャンパス|脳科学者中野信子が語る!第3回子どもの可能性を育てる脳育を考える(後編)ベネッセ教育情報サイト|反抗期はいつから始まるの?具体的な年齢と親の心構えについて篠路光真幼稚園|入園の時期で迷っている方へ
2022年03月31日株式会社グローバルアジアパートナーズ(所在地:東京都杉並区、代表取締役:塚本 英二)は、文部科学省が発表した教育改革案を基にAR地球儀「Shifu Orboot(シーフオーブート)」( )を使ってみたい学校を募集いたします。応募は2022年3月1日(火)から4月30日(土)まで。小中高の学校関係者、及びその他教育関係者を対象に、協力いただける学校には、1クラス4個の地球儀を提供いたします。応募ページ: AR地球儀「Shifu Orboot」を使ってみたい学校を大募集●「Shifu Orboot(シーフオーブート)知育地球儀」提供募集の経緯昨今「日本の学校教育におけるICT(情報通信技術活用)は、海外と比べ遅れている」と言う意見が多く聞かれます。そのため文部科学省は、教育改革案GIGAスクール構想の中で、「児童生徒1人1台の学習用端末やクラウド活用を踏まえたネットワーク環境の整備を行い、個別に最適化された教育の実現」を目指しています。一方で、子どもたちは毎日スマホやタブレットで遊ぶのに夢中です。そこで私たちはAR(拡張現実)技術を用いた「Shifu Orboot(シーフオーブート)知育地球儀」によって、子どもたちがスマホやタブレットで遊びながらも学習でき、学校の教室をより楽しく最適化できる可能性があると考え、この度の募集を行うことに致しました。(※)●「Shifu Orboot(シーフオーブート)知育地球儀」とはShifu Orbootは発売以来、学校の先生方からも学習ツールとして活用したいという声が多く届き、キッザニアやABI-STA・玉川聖学院、パソコン教室等に導入され、子どもたちの好奇心を刺激して注目をされています。また海外35カ国100万人以上の教育関係者から高い評価を受けていることに加えて、こうした教育現場とのやりとりを受け、AR地球儀が学習キットとして教育現場の一助となるのではないかと考え、この度の募集を行うことにいたしました。小中高の学校関係者の方、インターナショナルスクール、院内学級・フリースクール・学童保育・科学教室・学習塾など、「学びの場」でクラスを受け持っている方はすべて対象とし、50クラス程度を想定して募集します。使い方は自由で、言語・理科や社会、生活、図工など、教科や学年も問わずに好きなように使っていただき、実際にクラス内での使用後、意見・感想をまとめていただきます。●募集の詳細◎募集クラス数:50クラス(※)先着50クラス子どもたちの地球儀に対する素直な反応、貴重な意見をシェアしていただき、実際にクラス内での使用後、意見・感想をまとめて最後に提出をお願いいたします。◎スケジュール応募期間 :2022年3月1日(火)~2022年4月30日(土)選考結果のご連絡 :5月末地球儀お届け日 :6月上旬頃教室にて使用後の感想:10月上旬頃迄◎ご提供するもの「Shifu Orboot(シーフオーブート)知育地球儀」を1クラスにつき4個ずつ提供いたします。◎応募の際の注意点対応機器・スマホやタブレットは付属していませんので、必要分をご用意いただく必要があります。・アプリのダウンロードにはWi-Fi環境が必要です。・お届けした地球儀を返却する必要はございません。対応デバイス◎応募情報の取り扱い個人情報使用の目的は以下の項目のみとなります。・応募者様へのご連絡目的(選考結果のご連絡等)・地球儀の発送◎応募ページ: ●主なアプリコンテンツOrbootアプリの教育プログラムは、6つのカテゴリー(世界の希少動物、知っておきたい世界の文化、有名な記念碑、偉大な発明、最新の地図、郷土料理)で、400以上の重要知識と1000を超える世界の面白い事実を探究していきます。●製品仕様【価格】 6,960円(税込)※台座付き【本体サイズ・重さ】直径 約26cm・1.2kg【対象年齢】 6歳以上【生産国】 中国【企画制作】 株式会社グローバルアジアパートナーズ【本体製造】 MobilizAR Technologies Pvt Ltd【アプリ開発】 MobilizAR Technologies Pvt Ltd●株式会社グローバルアジアパートナーズの会社概要本社所在地 : 〒167-0051 東京都杉並区荻窪4-12-10代表者 : 代表取締役 塚本 英二会社URL : 主な事業内容: 日本未発売の新商品の輸入・販売●参考URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月23日ファイナンシャルプランナーの大野先生が子どもの教育費について教えてくれました。文部科学省が調査している「子供の学習費調査」について詳しくマンガで解説。 文部科学省では、子どもを通学させている保護者に対して、子どもの学校教育・学校外活動のために支出した費用の実態を把握するための「子供の学習費調査」を1994年度より隔年で実施しています。最新のデータは2019年12月に公表されたものです。 調査は2018年度中のため、幼児教育無償化の影響は反映されていませんが、今後のお子さんの教育費を考える上で参考となるデータですので、内容を抜粋してお伝えいたします。 1年間あたりの教育費文部科学省が実施した、平成30(2018)年度「子供の学習費調査」によると、全国29060人を対象とし、24748人から回答のあった、1年間あたり教育費(学校教育費、学校給食費、学校外活動費)の平均は以下の通りとなりました。 なお、公立高等学校、私立高等学校はいずれも全日制(定時制・通信制除く)となっています。 公立幼稚園…22万3647円 私立幼稚園…52万7916円 公立小学校…32万1281円 私立小学校…159万8691円 公立中学校…48万8397円 私立中学校…140万6433円 公立高等学校… 45万7380円私立高等学校…96万9911円 また、文部科学省・令和元(2019)年度 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果・国公私立大学の授業料等の推移によると、初年度の納付金(入学金、授業料、施設設備費の合計)の平均は、以下の通りとなりました。国立大学…81万7800円公立大学…92万8493円私立大学…134万723円また、私立大学の分野別の初年度納付金の平均は、以下の通りです。 文科系学部…177万2582円 理科系学部…154万9688円 医歯系学部…480万3378円 その他学部…145万1302円 ライフプランから考える教育費の準備ご家庭や地域に差はありますが、最も割合の多いお子さんの進路は、私立幼稚園、公立小学校、公立中学校、公立高等学校、私立文科系学部ですが、上記の統計をベースにすると、合計すると約1000万円かかります。そのうち、大学4年間で約400万円かかります。ご家族構成や年齢等で差が出ることもありますが、お子さんの進学費用を準備しようと思った場合、まずは大学4年間の教育費を準備するところから考えるご家庭が多いです。 お子さんが現在0歳で、18歳になるまでに400万円を貯めようとすると、利息や追加の積立がない場合には、月に18,519円を貯める必要があります。アメリカドル建ての養老保険やジュニアNISA口座等での積立であれば、普通預金と比べると利回りが期待できる反面、想定額を下回る可能性もありますので、ご自身の経験やお考えに基づいて資産運用を検討しましょう。自分には向いていない、理解できないと感じた場合には、無理をして資産運用をしないといった判断も必要です。 私立や医歯系の場合はより多くの金額が必要また、早い時期から私立学校に通わせる場合や大学は医歯系(医学部・歯学部)にする場合は、より多くの金額の準備が必要です。毎年の収入で教育費がカバーできれば事前準備の必要性は低くなりますが、毎年の収入で教育費がカバーできず、事前の準備ができていない場合には、お子さんが奨学金を借りるか、親御さんが教育ローンを組む必要があります。 返済計画ができれば、奨学金や教育ローンも選択肢となりますが、現在の家計に無理のない場合には、事前に教育費の準備ができないか検討することも大切です。目の前の保育園や幼稚園の費用だけでなく、社会人になるまでの教育費を考えたことのない方は、上記の統計をご参考にされるとよいでしょう。幼児教育の無償化や私立高校の授業料支援など、以前と比べて支援制度も拡充していますが、賃金が増えなかったり、消費税が上がったりと家計にとっては厳しい状況も続いています。お子さんの将来のためにも、今後かかる教育費を把握しつつ、準備できることは早めに準備できないか確かめるきっかけにしていただければと思います。 作画/山口がたこ 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志<p><span style="font-size:12px;">1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。</span></p>
2022年02月24日明治学院大学経済学部の犬飼佳吾准教授が代表を務める研究課題「デジタル身体性経済学の創成」が、文部科学省の科学研究費助成事業で、革新的な研究領域創成を目指す2021年度「学術変革領域研究(B)」に採択されました。この度、12月7日(火)にオンラインでキックオフシンポジウムを開催します。文部科学省 科学研究費助成事業「学術変革領域研究(B)」2021~「デジタル身体性経済学の創成」「学術変革領域研究(B)」は、次代の学術の担い手となる研究者による少数・小規模の研究グループが提案する研究領域です。挑戦的かつ萌芽的な研究に取り組むことで、学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを先導し、日本の学術水準の向上・強化につながる研究領域の創成を目指しています。また、将来の「学術変革領域研究(A)」への展開なども期待される研究です。文部科学省「令和3年度科学研究費助成事業「学術変革領域研究(B)」新規の研究領域について」 ◆「デジタル身体性経済学(Digital Embodied Economics)」とは 情報通信技術の発達によって人間の身体が生み出すさまざまな情報が時空間を超えて流通するようになったとき、人間の社会活動、営みとしての経済活動がどのように変容するのか、また拡張した身体や自己がどのような未来を歩むのかについて、学術的な視点から解明しようという新たな学術領域です。行動経済学、心理学、脳科学、情報学などの専門分野を持つ研究者が領域を横断し、「行動経済学班」「脳科学班」「身体性情報ネットワーク班」の3チームとして、有機的に融合したアプローチによって未来の人間社会のあり方を探求します。身体の情報が時空間を超えて流通する次世代情報通信環境における人々の社会経済的意思決定を、延べ約1万人規模の大規模生態学的ライフログ研究、脳科学実験、扱うべき身体性情報から検討するなどしています。身体・時間・信頼を自在に超えた新たな価値を創出することが期待されます。◆「デジタル身体性経済学の創成」チームが探究する内容とメンバーA01 行動経済学班 ー大規模行動実験と生態学的ライフログ研究によるデジタル身体性経済学のモデル化「身体性情報の流通は人類をより良い未来に導くか」個人の利己性ゆえに社会全体にとっての最適解に到達することが難しい現状を、「デジタル身体性」によって克服することができるのか。身体感覚の共有や大規模な実証研究で、デジタル身体性が歩む未来の行動経済学モデルを検討しています。デジタル身体性経済学の根幹となる、デジタル身体のもたらす効果や身体の利己/利他性を探求します。研究者(敬称略):犬飼佳吾(明治学院大学)、塩澤康平(高崎経済大学)、中山義久(東京都医学総合研究所)●B01 脳科学班 ー自己感の変容をもたらすデジタル身体性神経基盤の解明「個体間の身体性情報の共有によって身体性はどこまで拡張するのか」個体間の身体性情報の共有は、他者の経験や感覚を自己のものとして捉える自己感覚の拡張を引き起こすと考えられています。このような技術が発展した際、人のもつ情動や意思決定はこれまでのものとどのように異なるのでしょうか。脳科学、神経科学的見地から、デジタル身体性社会における個人レベルでの影響を探求します。研究者(敬称略):細田千尋(帝京大学)、田中由浩(名古屋工業大学)●C01 身体性情報ネットワーク班 ー自己感の変容をもたらすデジタル身体性ネットワーク基盤の設計「デジタル身体性はどのような技術でかたちづくられるのか」デジタル身体性情報の流通や共有は、情報通信技術によって可能となります。近未来に起こりうる身体性情報を扱う技術はどのような姿をしているのか、どのような技術によって、身体の何を伝送するでしょうか。さらには、デジタル身体性が歩む未来はどのような姿をしているのかについて探求します。研究者(敬称略):渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、南澤考太(慶應義塾大学)、伊藤亜沙(東京工業大学)◆12月7日(火)にキックオフシンポジウム「Digital Embodied Economics Kickoff Symposium -デジタル身体性経済学の創成-」をオンラインで開催します「デジタル身体性経済学」の創成に向けて、プロジェクト推進者とともに一歩先の未来社会を考えるオンラインシンポジウムを開催します。「デジタル身体性経済学」とは何か、プロジェクトで生み出される未来の射程、遠いようで近い未来に起こるデジタル身体性経済を取り巻く社会像について議論します。「デジタル身体性経済学」が生み出す未来について、ともに考え、探求しましょう。日時 : 2021年12月7日(火) 15:30-18:00 ※オンライン開催人数 : 300名(先着順)参加費 : 無料詳細・申込サイト: スピーカー : 犬飼佳吾(明治学院大学)、細田千尋(帝京大学)、渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、田中由浩(名古屋工業大学)、伊藤亜沙(東京工業大学)、南澤考太(慶應義塾大学)、村田藍子(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)モデレーター : 小原和也(株式会社ロフトワーク、MTRLプロデューサー)対象者(こんな方におすすめです):「学術変革領域研究(B)」の取り組みに関心がある、本プロジェクトとのコラボレーションに関心がある、未来をつくり出すテクノロジーに関心がある、認知・行動・臨床などの心理に関する学術・研究開発に従事、情報・通信などの学術・研究開発に従事、社会学・経済学などの学術・研究開発に従事、脳科学・神経科学などの学術・研究開発に従事◆犬飼佳吾 経済学部 経済学科 准教授明治学院大学経済学部 犬飼佳吾 准教授2010年北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。エコール・ポリテクニーク(仏)客員研究員、大阪大学社会経済研究所講師を経て、2018年より現職。専門分野は行動経済学、実験経済学、神経経済学。経済学を軸に、ゲーム理論・心理学・神経科学などを融合しながら、人間の行動選択や意思決定のメカニズムに関する分野横断的な研究に取り組む。犬飼佳吾研究室 : 「明学の理由。」: 【研究に関するお問い合わせ】明治学院大学経済学部実験経済学研究室E-mail: embodied.econ@gmail.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月01日文部科学省の科学研究費助成事業(2019~2022年度)の一環として国際日本学部の横田雅弘教授、佐藤郡衛特任教授、山脇啓造教授、岸磨貴子准教授が立ち上げた「なかのダイバーシティ・プラットフォーム(NDP)」が主催するオンライン・セミナー「なかのダイバーシティDAY」が11月13日(土)に開かれます。これは、11月13日(土)~14日(日)の2日間にわたって開催される「中野にぎわいフェスタ2021」のプログラムの1つでもあります。同フェスタは、中野区最大級の複合イベントで、新型コロナウィルスの影響などによって、3年ぶりに開催されることになりました。■「なかのダイバーシティDay」は、3つのプログラムで構成されています。オンライン講演「ダイバーシティと教育」(11:00~12:00 担当:佐藤、岸)ダイバーシティと教育をテーマとし、佐藤特任教授は国内の事例を、岸准教授は海外(特にトルコとギリシャ)の事例を紹介し、共生のための教育的アプローチについて対談します。外国にルーツを持つ子どもたちが社会の一員として活躍することができるために私たちができることは何か、一緒に考えます。「オンライン・ヒューマンライブラリー」(14:00~16:15 担当:横田)差別や偏見を受けてしまいがちないわゆるマイノリティの方が、自らの意思で「本」となって貸し出され、読者と対話する世界的なイベントです。多様な方々と会って話してみることで、自分の偏見に気付いたり、世界の見方がちょっと変わるかもしれません。やさしい日本語「私たちがミュージック・ビデオを作った理由」(14:15~15:30 担当:山脇)「やさしい日本語」をテーマにラップで歌ったミュージック・ビデオ「やさしい せかい」。再生回数が17,000回を超え、各方面で話題になっています。ビデオ制作の目的と背景を制作関係者や出演した学生たちが語ります。▽プレスリリース:明治大学・山脇ゼミが電通ダイバーシティ・ラボに協力し「やさしい日本語」をテーマにしたラップ動画を制作( ) プログラムの詳細は、なかのダイバーシティDayの公式ホームページをご覧ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月29日国際日本学部の岸 磨貴子准教授とゼミ生の楠本 幸生さん、田 ジウンさんは、10月31日(日)14:45~15:45に、全国大学生活協同組合連合会が主催し文部科学省と朝日新聞社が講演する「全国大学生サミット」に登場し、全国の大学生と“オンライン授業とどううまく付き合うか”をテーマに語り合います。岸ゼミナールでは教育工学を専門とし、「共生を拓く学習環境デザイン」をテーマに研究と実践を行なっています。新型コロナウィルスの影響を受け、教員も学生も前例のない困難に直面しましが、一方で新しい経験や挑戦ができる環境でもありました。岸ゼミでは、1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4月7日(火)の翌日8日(水)から、オンラインでの自主的なゼミ活動を開始しました(※1)。そして、その後、さまざまな新しい活動を生み出していきました(※2)。コロナ禍でこその新しい活動をつくり実践する中で、次々とやりたいことが生まれ、また実践していく。これを繰り返す中で、オンライン授業とうまく付き合うノウハウを蓄積していくことができました。そして、それらの知見を映像で配信したり(※3)、国際学会で実践研究の成果を発表したり(※4)しました。このサミットでは、ゼミ生を見守り指導しながら岸先生と、コロナ禍でも充実した時間を過ごし、困難を強みに変えていった学生たちがその経験を語ります。参加は無料で一部のみ参加も可です。参加方法や詳細は全国大学生協連のホームページでご確認ください 参考(※1)【プレスリリース】4月8日よりZoomを用いてゼミ活動を開始~明治大学国際日本学部 岸ゼミの継続した教育活動の取り組み~ (※2)岸磨貴子(2020)教育の転換期とコミュニケーションオンライン授業で、学生が育くむものは何か? (※3)動画「オンライン授業plus 離れていてもできること」動画1: (※4)ニュース「岸ゼミの学生が国際学会にて研究発表を行いました!」 (配信:2020年8月20日) 岸先生紹介アニメーション「場のデザイン×ICTで、誰もが輝ける世界に」(3分1秒)動画2: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月21日法政大学(総長:廣瀬 克哉)では、文部科学省「大学の国際化促進フォーラム」に選定された「大学間協働による学生国際交流プラットフォーム構築プロジェクト」の基盤となる「e4square(イーフォースクエア)」をスタートします。コロナ禍でリアルな交流が制限され、先行きの見えないなか、本プラットフォームでは、オンラインの特性を最大限生かし、「国境や大学の垣根を超えた、学生の創造的な交流の場の形成」、「海外大学生との交流を“日常”にすること」を目指します。日本そして各国から集まった学生プランナー・学生特派員が、自由で柔軟な発想に基づくオンライン交流会の開催、学生生活をテーマにしたVlog(ビデオログ)の発信を行います。【本件のポイント】・プラットフォームには、国境・大学の垣根を越えて学生が結集。まずは、日本、中国、韓国、ベトナムからスタートし、今後他の国や地域に展開予定。・学生プランナーは、創意あふれるオンライン交流会を企画実施。・学生特派員は、学生生活のリアルな様子をVlog(ビデオログ)で発信。◆e4square(イーフォースクエア)とはe4squareはオンラインプラットフォームの名称です。e4には、everybody(だれもが)、everyday(毎日)、exchange(交流する)に加え、学生自身が4つ目のeを決めるという意味が込められています。プラットフォームサイト( )では、オンライン交流会イベント情報やVlog(ビデオログ)の発信、学生プランナー・学生特派員の紹介を行います。◆個性豊かな学生プランナーによるユニークな企画が満載学生プランナーは、オンライン交流会を企画実施する学生です。日本からは、法政大学のほか、千代田区キャンパスコンソーシアム大学の大妻女子大学、共立女子大学、東京家政学院大学、そして関西大学の学生が参加しています。また、海外からは、釜山外国語大学(韓国)、日越大学(ベトナム)の学生が参加しています。今後、アジアを中心に国や大学を拡充していく予定です。トークやセミナー、体験型企画(ダンス、料理など)、様々な企画の立案、当日の司会進行、開催報告の記事を執筆という一連の作業の実施を通じて、プロジェクトマネジメント力、チームビルディング力を涵養します。なお、第一弾の企画として、以下が予定されています。9月28日 日本人学生企画「働きかたについて話そう」10月1日 韓国人学生企画「秋といえば思い浮かぶ食べ物、ことわざは?」◆Vlog(ビデオログ)では、学生生活の一コマを発信学生特派員が、学生生活の様子をショートムービーで投稿します。学生の創造性、表現力、取材力の向上はもちろん、各国の学生生活を共有することで、将来的な留学など学生生活のモチベーションアップにもつなげます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月17日株式会社オートバックスセブン(代表取締役 社長執行役員:小林喜夫巳)は、令和3年度大分県スマート農林水産教育推進事業の業務を受託しました。これは文部科学省が推進する最先端の職業人材育成にかかる教育課程等の改善に取り組む「マイスター・ハイスクール事業」の一環で、今後、大分県立久住高原農業高等学校にて年間を通してスマート農業を切り口とした授業支援を実施するとともに、生徒と一緒に実証実験を進めていきます。ここがポイント!●2019年3月に大分県と締結した包括連携協定に基づき、農業の活性化や青少年の活躍促進に取り組みます。●これまで蓄積したノウハウに基づく独自の授業支援内容、実証実験による体験の場をご用意します。●農林水産業の課題を深堀りし、デジタル技術を活用したスマート農業で、生徒と共に課題解決に向けた取り組みを進めていきます。当社はこれまで、大分県立国東高等学校双国校と商品開発プロジェクトや、大分県立情報科学高等学校で授業支援、大分県内の小学校・中学校・高校への出前授業支援などを行っており、その実績・好事例を基に「スマート農業」という切り口で久住高原農業高等学校にて授業支援を行います。久住高原農業高等学校【授業支援概要】表1: 今後も「常にお客様に最適なカーライフを提案し、豊かで健全な車社会の創造を使命とする」という当グループの経営理念に基づき、新たなライフスタイルを提供してまいります。以上 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年08月31日個別の教育支援計画ってなに?個別の教育支援計画とは、障害のある子どもに対して関係機関と連携し、切れ目のない教育支援を継続して実施するために学校が中心となり作成される個別の計画です。個別の教育支援計画では、子ども本人や保護者の現在の困りごとや願い、将来に向けた希望、教育上必要な合理的配慮などについて、学校のみでなく、家庭、 医療、福祉などが共通理解を図り、それぞれの場における支援目標や内容と関連づけながら計画に記載をします。「平成15年度から実施された障害者基本計画 においては、教育、医療、福祉、労働等の関係機関が連携・協力を図り、障害のある児童の生涯にわたる継続的な支援体制を整え,それぞれの年代における児童の望ましい成長を促すため、個別の支援計画を作成することが示された。この個別の支援計画のうち、幼児児童生徒に対して、教育機関が中心となって作成するものを、個別の教育支援計画という」(小学校学習指導要領(平成29年告示)開設総則編より引用)個別の教育支援計画の対象者は誰?現在、通級による指導を受けている子ども、特別支援学級や特別支援学校に在籍している子どもについては作成が義務付けられています。通常の学級に在籍している子どもについても、作成することが推奨されています。このことについて、平成29年及び平成30年に改訂された小中学校や高等学校の学習指導要領では、次のように示されています。「今回の改訂では、特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童に対する二つの計画の作成と活用について、これまでの実績を踏まえ、全員について作成することとした。また、通常の学級においては障害のある児童などが在籍している。このため、通級による指導を受けていない障害のある児童などの指導に当たっては、個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し、活用に努めることとした」(小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編より引用)参考:小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編 | 文部科学省なぜ個別の教育支援計画が必要なの?障害のある子どもの生活の場は学校のみでなく、家庭や地域があります。例えば放課後等デイサービスなどの福祉施設、さらに、医療による支援を受けている場合もあります。個別の教育支援計画を作成することで、それぞれがバラバラの支援をするのではなく、生活場面全体を視野にいれた包括的かつ一貫した教育支援を実施することが必要です。作成の際には、現在の困りごとや制約のみに焦点を当てるのではなく、例えば3年後どうありたいか、何ができるようになっていたいか、など長期的な視点を持つことで、 子ども本人、ご家庭、 学校、各種関係機関で目指す方向性を共通理解することができます。また、個別の教育支援計画を進学時・進級時に引き継ぐことで、切れ目のない教育支援を実施するために活用していくことが大切です。なお、個別の教育支援計画の作成にあたっては、多くの関係者が関与することから、保護者の同意を事前に得るなど個人情報の適切な取扱いに十分留意した上で、情報共有をすることが必要とされています。個別の指導計画との違いは?通級による指導を受けている子どもや特別支援学級に在籍している子どもについては、個別の教育支援計画と共に、個別の指導計画の作成も義務付けられています。個別の指導計画とは、子ども一人ひとりの実態に応じて、きめ細やかに各教科等でどのような目標に基づきどのような指導をするか、またどのように教えるか、などを記載している計画です。個別の教育支援計画は関係機関と連携を図り、長期的な視点を持ちながら作成しますが、個別の指導計画は、子どもが在籍している学級の教育課程に基づいて、1年ごと、1学期ごとの学校における学びを具体的に記述する計画です。個別の教育支援計画の項目令和3年に文部科学省から「個別の教育支援計画の参考様式について」各自治体に通知が出されました。本通知においては、統合型校務支援システムなどのICTを活用して、学校内外で必要に応じて個別の教育支援計画のデータを蓄積や共有ができる仕組みの必要性を踏まえ、個別の教育支援計画の参考様式を示しました。Upload By 野口あきな参考:参考資料(「障害のある子供の教育支援の手引」関係) p.422 p.424-425個別の教育支援計画作成のポイント1.本人、保護者と共に本人を中心とした計画を作る計画は学校が中心となり作成するものの、計画の主体者は子ども本人と保護者です。そのため、子どもや保護者の願いや困りなどを置いてきぼりにした計画にならないことが大切です。子どものわかる方法でご本人のニーズを聞き、計画に反映しましょう。例えば言葉でのやりとりが難しい場合は、絵や写真、選択肢などを活用することで、子ども本人の希望を聞くことができます。2.関係機関と連携し作成・共有する平成30年に、家庭・教育・福祉の連携を推進する「トライアングルプロジェクト」の報告がなされました。このプロジェクトにおいて、学校と放課後等デイサービスが連携する方法の一つとして、個別の教育支援計画を通して連携をすることが明記されました。Upload By 野口あきな放課後等デイサービスなどの関係機関における支援内容を確認し、学校での支援内容についても共有をすることで、連携や役割分担をしながら、一貫した教育支援をすることができます。前述の通り、情報共有の際はご本人・保護者に希望を尋ねた上で連携をする必要があります。3.合理的配慮について記載する2016年に施行された障害者差別解消法において、合理的配慮を提供することが義務付けられました。教育における合理的配慮とは、学校で過ごしたり学んだりする上での困難さがある場合に必要な個別の配慮や調整することを指します。子ども本人が学校生活を送る上でどのような配慮や調整があったらより過ごしやすく、学びやすくなるかについて子ども及び保護者と話し合い、合意した合理的配慮の内容を個別の教育支援計画に記載しておきましょう。合理的配慮は障害のある人の権利として、学校のみでなく、受験時や就労時にも使える制度です。特に受験の際などは、これまでにどのような配慮を学校で受けてきたか?が根拠となり、そのような根拠がない場合は配慮を受けることが難しい場合もあります。そのため、個別の教育支援計画において、どのような合理的配慮を現在受けているか、を記載し引継ぎをすることが大切です。4.定期的に見直して更新する個別の教育支援計画は1回作って終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。1年に1回は変更点がないか見直すことをお勧めします。例えば子どもの状況が変わったり、支援機関が変わったりすることがあります。その場合は修正を加えることで更新をしましょう。5.進学先に引き継ぐ障害のある子どもや保護者は、学級や学校が変わるとまた0から情報共有をしなければならないことが負担になっていることがあります。過去の支援内容に関する記録がないために、これまで受けてきた支援が継続して受けられない場合もあります。切れ目のない支援のためにも、本人及び保護者の意向を尋ねた上で、進級先・進学先に計画を引き継ぐことが望ましいとされています。おわりに本記事では個別の教育支援計画の定義やどのような内容が含まれていることが望ましいかについて書きました。子どもを中心とした一貫した支援のために、個別の教育支援計画を活用してみてください。執筆/野口あきな
2021年08月06日子育てや教育にまつわる情報を探していると、「10歳までに◯◯すべき」という説をよく目にします。それはなぜでしょう?どうやら「10歳までの子ども」は、親子の関わり方によってぐんと伸びる可能性を秘めているらしいのです。今回は、子どもの未来のために「10歳までにしておきたいこと」について考えていきます。「10歳までに〇〇すべき」の科学的根拠そもそも「10歳まで」という年齢に根拠はあるのでしょうか?小学校高学年に差しかかる10歳の子どもは、大人に比べるとまだまだ幼稚な面が多いものの、子どもっぽさが抜けつつある変化の過渡期です。ここでは、脳や心の成長と教育面における10歳までの変化を見ていきましょう。■脳の発達における「10歳」とはまずは脳科学の面から、10歳までの子どもの脳の成長について解説していきます。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家である加藤俊徳氏は、子どもの脳の成長には段階があり、その年齢に適した脳の発達を促すことが大切であると述べています。具体的には、3~7歳くらいまでは体を動かすことを重点的に、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)で脳に情報を取り入れることを意識するといいそう。目的は右脳の成長を促すこと。「感性脳」と呼ばれる右脳の発達は、相手の気持ちを汲み取るなど、他者と上手にコミュニケーションをとるのに欠かせません。続いて7歳以降、小学校に入ると教科書を使ってたくさん勉強をするようになり、言葉の情報を理解する能力が鍛えられます。これにより「論理脳」と呼ばれる左脳が著しく成長し、自分自身を理解するのに役立ちます。加藤氏によると、「10歳以降にぐんと伸びるのは、体験を言葉にしたり、文字情報を読んで深い理解につなげたりする能力。だからこそ、それまでに言葉以外の体験を十分にしておく必要がある」とのこと。満点の星空を見上げる、炎天下でかき氷を食べる、虫の声に耳を傾けるなど、五感を通したさまざまな体験をさせてあげましょう。■心の発達における「10歳」とはよく「10歳の壁」という言葉を耳にしますが、発達心理学の観点からも、10歳は精神的な不安定さが顕著に現れる難しい時期だと言われています。「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」(文部科学省)によると、10歳前後の子どもは「自分のことを客観的にとらえられるようになる反面、自己に対する肯定的な意識をもてず、劣等感をもちやすくなる」という特徴が見られるようになるそう。このような内面の変化は、親にとっても子ども本人にとっても深い悩みにつながる可能性がありますが、決して悪いことばかりではありません。「10歳は子どもにとって大きな飛躍の年」と話すのは、発達心理学・学校心理学の専門家である渡辺弥生氏。この時期の子どもは急激に大人に向かって成長します。悩みの内容も大人と同じように複雑化されるでしょう。しかしそれこそ、自分を客観視できるようになった証であり、将来のことをしっかりとイメージして考えられるほど成長した、ということなのです。大きな変化の渦中にいる子どもは、親が考える以上に強いストレスを感じています。ときには反抗的な態度をとってしまうこともありますが、将来大きく羽ばたくために必要な過程なのです。10歳前後の子どもの心は、急激に成長している最中と言えるでしょう。■学力面における「10歳」とは最後に、10歳を境にした変化について、教育における観点から解説します。花まる学習会代表の高濱正伸氏は、「子どもはおおむね10歳(小学4年生)くらいを境に、大きく変わります。親は小学校低学年と高学年では “生態がまったく違う” ことを認識すべきです」と述べています。私の長年の観察によると、小学3年生(9歳)までが「オタマジャクシ」の時代で、小学5年生(11歳)から「カエル」の時代がはじまります。その間の小学4年生(10歳)は、「オタマジャクシ」から「カエル」に変わる転換期であり、「オタマジャクシに足が生えた状態」といえるでしょう(もちろん成長には個人差があります)。(引用元:高濱正伸(2014),『本当に頭がいい子の育て方』, ダイヤモンド社.)学力面において「10歳」は分岐点になります。高濱氏は、「8、9歳くらいまでに “頭のよさ” の核心部分が育つ」と言い、「低学年で基礎力を完成させ、高学年以降にさらに発達させる、というプロセスが一般的なので、10歳までに基礎力が身についていないと、それ以降の “あと伸び” が難しくなる」と指摘しています。このように、子どもにとって非常に重要な時期として「10歳」が挙げられるのは、それなりの理由があるのです。長い人生のなかでたった10年でも、その時期の経験や生活の基礎が人生の土台となることを考えると、「10歳までに」してあげたいこと・させてあげたいことが見えてくるはずです。10歳までにしたほうがいい4つのことでは具体的に、10歳までに何をしたらいいのでしょうか?ここでは押さえておきたい4項目をピックアップしました。■10歳までに「生活習慣を整える」12年間、5万人以上の「勉強ができる子」の学習パターンを調査してきた朝日大学マーケティング研究所所長の中畑千弘氏は、「勉強ができる、できない子の差は10歳までの生活習慣にある」と断言します。中畑氏によると、いわゆる「勉強ができる子」は、「10歳までに机に向かって5分でも10分でも何かをするという習慣」が身についていることが多いそう。また、勉強に限らず、同じ時間に起きる、同じ時間に食事をとる、同じ時間に寝る、など規則正しい生活を送る習慣が身についているという点も重要です。文部科学省による「全国学力・学習状況調査」(平成28年)では、朝食を毎日食べている子どものほうが、学力調査の平均正答率や体力合計点が高い傾向にあるという結果が出ました。朝起きて食欲が出ないなら、具沢山のスープやフルーツなどを少量でも食べる習慣をつけましょう。また、教育ジャーナリストの清水克彦氏は「正しい生活習慣に加えて、お手伝いや整理整頓の習慣も身につけるべき」と述べています。なぜなら、お手伝いや整理整頓が習慣づいている子どもほど、頭のなかの考えを整理しやすく、上手に感情のコントロールができたり、自分から率先して行動できたりと、学力では測れない能力が身につくからです。10歳までによい習慣を身につけさせたいですね。■10歳までに「考える経験をさせる」「思春期になんらかの問題を起こすかどうかは10歳頃までの親子関係で決まる」と話すのは、青山渋谷メディカルクリニック名誉院長の鍋田泰孝氏です。10歳までの学童期は、子どもが精神的に安定していてまだ頭が柔らかい時期。それゆえ外界から多くのことを取り込みやすく、「基本的な性格ができあがる時期」でもあるのです。基本的な性格ができあがるというのは、対人関係のスキルや物事のとらえ方、主体性といった「基本的なライフスタイル」ができあがることでもあります。この時期に自分で考える経験をせず、すべて親に決めてもらっていたら、思春期にぶつかる壁を乗り越えるのは困難になるでしょう。わが子が心配なあまり、つい過干渉になってしまう人も多いかもしれませんが、その弊害についてはよく知られるところ。そうならないように、「子どもをひとりの人間として尊重することが大切」と話すのは公認心理師の佐藤めぐみ氏です。親が意識すべきは「質問をする」「相談をする」「意見を聞く」の3つ。子どもの決断や判断の機会を奪わないように、まずは子どもに「どうしたい?」「○○くんはどう思った?」と聞いてみてください。子ども自身が考え、自分の気持ちを正直に言えるようになるといいですね。■10歳までに言語能力を伸ばす開成中学校・高等学校校長を経て現在は北鎌倉女子学園学園長を務める柳沢幸雄氏は、「人間としての基本形ができあがる10歳までに、幅広い経験をさせる必要がある」と話します。ただしそれは、習い事をたくさんさせるという意味ではありません。この時期に培いたいのは、学力や特定のスポーツの能力ではなく、「総合的な生活力」いわゆる「生きる力」です。なかでも「言語能力」を伸ばしてあげることを意識してあげるといいそう。というのも、人から何かを教わるときにも、自分で物事を考えるときにも、人間は言語を使うから。つまり、「言語能力こそが学びの基礎」なのです。子どもの言語能力を伸ばすには、「子どもの話をきちんと聞くこと」が基本です。成長過程にある子どもはボキャブラリーが少なく、話を組み立てることがまだ苦手。柳沢氏は、「話すのに時間がかかっても、親は辛抱強く待って、子どもに考える時間を与えてほしい」と述べています。「子どもがしゃべる時間が2、親がしゃべる時間を1」を意識するよう心がけましょう。■10歳までに思い切り遊ばせる「10歳くらいまでに思いきり遊べていない人間は、将来的に伸びない」と断言するのは、教育改革実践家の藤原和博氏。これからの時代に求められるのは、正確な答えをすばやく導き出す能力ではなく、「正解がない問題に対して多くの仮説を立てられる力」だと藤原氏は説きます。その力は、遊びのなかで育まれるのだそう。遊びというのは決まった正解がなく、想定外のことも起こります。だからこそ、その場の状況を踏まえて仮説を立てて乗り越えたり、みんなが楽しめるように臨機応変にルールを変更したりする柔軟性が求められるのです。実践教育ジャーナリストの矢萩邦彦氏も同様に、「小学2年生まではできるだけ外遊びをして、ものを観察したりつくったりする時間を確保する必要がある」と述べています。習い事に追われて遊ぶ時間がない子どもも多く見られますが、できるだけしっかりと外遊びをさせることが、その先の学びの基礎づくりになるのです。どこか特別な場所や整備された遊び場へ連れて行かなくても、近所の公園でいつもとは違う遊びを取り入れたり、散歩コースを変えてみたりと、日常のなかで工夫して変化を楽しむことはできますよ。10歳までに高めたい「自己肯定感」と「非認知能力」最後に、STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ(編集)× おおたとしまさ氏(監修)の書籍、 “10歳までに一生ものの土台ができる” 『究極の子育て』をご紹介します。本書は、「変化の激しい現代社会において、必要とされる知識やスキルを不足なく身につけるためにどうするべきか」を問う一冊。そのカギとなるのは、「自己肯定感」と「非認知能力」です。自己肯定感は、無条件に自分にOKを出せる感覚。非認知能力は、テストの点数では表せない幅広い力。どちらもこれからの時代に求められる力です。「これだけは大切なこと」をぎゅっと絞ってまとめています。「育児や教育に悩んでいる」「子どもの未来への漠然とした不安を抱えている」といった保護者にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。 ***とはいえ、「10歳までに絶対に身につけさせなきゃ!」と焦る必要はありません。ひとりひとりのお子さんのペースに合わせて、無理なく能力を伸ばせるようにサポートしてあげましょう。たとえ10歳を過ぎてしまっても、親御さんの愛情と熱意があれば、いつでも軌道修正することは可能なのです。(参考)PHPのびのび子育て 2020年8月特別増刊号, PHP研究所.高濱正伸(2014),『本当に頭がいい子の育て方』, ダイヤモンド社.文部科学省|3. 子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由ダイヤモンドオンライン|勉強ができる子を育てる「黄金の時間割」教えます!「早寝早起き朝ごはん」全国協議会|「早寝早起き朝ごはん」運動について清水克彦(2010),『頭のいい子が育つ10歳までの習慣』, PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|思春期の問題は学童期からはじまっている?10歳までの親子関係が大事な理由STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「過干渉、ヘリコプターペアレント予備軍」親の意外な特徴。もしかしてあなたも?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|生きる力をつくる「10歳までの幅広い経験」。子どもに勉強は教えるな!?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|過剰な受験勉強よりも大切な、「10歳までに思い切り遊ぶ」という経験AERA with Kids 特別編集,『自己肯定感を高める本』, 朝日新聞出版.
2021年06月08日文部科学省が「GIGAスクール構想」として、全国の小中学生1人に1台のタブレットやPCと、高速インターネットの整備を目指しています。実際に、どれほど導入は進んでいるのでしょうか。今回はアンケートをもとに、教育現場へのタブレットやPC導入の現状について調べてみました。■「導入済み」はわずか18.2%今年3月の文部科学省の発表によると、昨年度末までには97.6%の自治体で、ICT環境の納品が完了し、4月から全国のほとんどの義務教育段階の学校において、児童生徒の「1人1台端末」での学びが本格的にスタートすると言われていました。今年2月から3月の間に実施したアンケートで、学校で1人1台のタブレットやPCの導入が進んでいるかどうかたずねたところ、「まだ導入されていない」と答えた人が34.4%となりもっとも多い結果になりました。また、「状況がわからない」が23.3%、「導入を進めている」が22.6%と続き、「導入済み」と答えた人はわずか18.2%でした。Q.学校の1人1台タブレット・PC、進んでる?まだ導入されていない 34.4%状況がわからない 23.3%導入を進めている 22.6%導入済み 18.2%その他 1.5%(アンケート募集期間:2021年2月17日〜3月3日)■「全く話が進んでいない…」導入が進まない学校3月時点でのアンケート結果では、「まだ導入されていない」という回答が最も多くなりました。また、「状況がわからない」という回答も多く寄せられていました。「導入するという話はあるみたいですが、実際に行き渡るまでには時間がかかりそうです。そもそもネット環境が整っていない家庭が多いらしいです」(千葉県 30代女性)「家にWi-Fiがあるかなどのアンケートがあったが、それ以来話が進んでいない」(東京都 30代女性)「早く整えてほしいのですが、小学校ではまだのようです。個人的に通信教育講座を受けているため、それで安心しているところはあります。教育格差が心配なので自分から動き出すしかありません」(長野県 40代女性)「まだ導入されていません。学校はとりかかりが遅いため期待はせず、自分で通信教育を受講しています。お金はかかりますが不安だ不安だ言っても現状なにも変わりません。動いた者勝ちです」(東京都 40代女性)「タブレットは既に学校に到着していますが、まだ使用にまでは至っていません。ただ、使えるようになったとしても、学校でのみ使用との事。私立の小学校のように、持ち帰ってそのタブレットで宿題や日々の連絡事項を共有とまではできないようです。持ち帰れなければ意味がない気がするのですが…」(神奈川県 40代女性)「一時はすぐに導入されるかのような勢いでしたが、全くどのような状態になっているのかもわかりません。喉元を過ぎれば熱さを忘れる、ということなのでしょうか」(大阪府 50代女性)全く導入のめども立っていない学校や、端末はあるものの使用に至っていない学校など、その状況はさまざまなようです。また、学校には期待できないから、自分で習い事や通信教育など、ICT教育の環境を整備しているという声も寄せられていました。筆者の子どもが通う公立小学校からは、前年度に家庭でのWi-Fi環境やタブレット、PCの所持についてのアンケートが届きました。今年5月になってから、ようやく試験的にオンラインの出席確認が行われましたが、いまだにタブレットなどの機器は配布されていません。インターネット上で情報を集めたところ、市内の小学校全てでiPadの導入が決まり、昨年度末には納品されていることがわかり、驚いています。実際に子どもたちが授業で使い始める日も、そう遠くないのかもしれません。■ICT教育は順調に進んでる?それでは、実際に「導入が進んでいる」もしくは「導入済み」と答えた人のコメントから、どのようなICT教育が進められているのか、みていきたいと思います。「公立小、感染症対策で導入が前倒しになり、12月には全小中学生に配布されました。まだ学校からの持ち出しはしていませんが、今後の長期休みや休校などあれば持って帰るそうです」(茨城県 40代女性)「公立ですが、小中学校ともに導入済みです。4年生ですが、プレゼンテーションの作り方などを授業で習っています」(三重県 40代女性)「1年生息子が『授業でタブレットを使ったー』と言っていました。4年生はタブレットに加えパソコンの授業があり、タイピングを習っているようです」(神奈川県 30代女性)「うちの小学校では、結構な頻度で調べ物をしたりワークをしたりと使用しているみたいです。宿題もネット上のワークが出ています。各個人のページがあるため、先生の方で、どの位学習をしたか確認がとれるようです」(神奈川県 30代女性)タブレットやPCの導入は、プレゼンテーションの作り方やタイピング、調べ物にワークなど、子どもたちの学習の助けとなっているようですね。ただ一方で、保護者からは、不安の声も寄せられていました。「公立中学校で、4月から1人1台タブレットを使って授業するそうです。先生たちが使いこなせるように頑張っていると言っていました。年配の先生が大変らしいです」(神奈川県 50代女性)「この4月から小学校で1人1台タブレット授業になるそうですが、なぜか私が不安です。宿題もタブレットを持ち帰ってするようですが、スマホもろくに操作できない自分が、子どもたちに教えられるのかが不安です」(三重県 40代女性)「小中学ともタブレットが配布され、学校で使用したそうですが、クラスで半数以上がネット接続ができずにいったん回収されました。配布されても接続環境などの不具合ですぐに利用できるわけではないので、まだまだ時間がかかりそうですね」(奈良県 40代女性)「中学生がタブレットを受け取り、ケースにも入れず、そのままカバンに入れて持って帰ってきたので、取り扱いが心配です。また、冬休みの間だけ持ち帰ってきましたが、家で全く使っていなかったです。せっかく導入されたんだから、もっと活用するように学校もパソコンの課題を出してほしい」(千葉県 40代女性)実際に導入が始まった学校では、先生や親の知識不足やインターネット接続の不備、機器の取り扱いへの不安など、うまくいくことばかりではないようです。新たに始まったばかりの取り組みだからこそ、保護者が不安になるのは当たり前のように思います。■ICT教育によって変わること…親の本音は?ここまで、タブレットやPCの学校現場への導入の現場についてみてきました。同じ公立の小中高でも、現状は積極的に導入を進めている現場や、導入が遅れている現場など、千差万別なようです。そもそも政府が意欲的に進めている「GIGAスクール構想」について、保護者はどのように感じているのでしょうか。▼保護者のホンネ1、対面や紙媒体の良さも残してほしい「どのような使い方になるかはまだ未知の状況ですが、今の時代に合った方法を取り入れてもらいたいですね。ただ、紙媒体の教材を使ったり、直接読み書きをする方法も全くゼロにはしないでいただきたいです」(東京都 40代女性)「私の息子達も高校や大学で使用していますが、デジタル機器を加速化するのも良いですが、本を手にして読んだり、頭で考える事も忘れないでやってほしいです」(神奈川県 40代男性)▼保護者のホンネ2、視力低下やコミュニケーション不足への懸念「『ゲームで目が悪くなる!』と散々言ってきて、学校でまでタブレットを使い出すと、『子どもたちの視力は?』と不安になる」(鳥取県 40代女性)「パソコンは 目がわるくなりそうだし子どもたちのコミュニケーション不足が出てくると思います。 頭でっかちの子供ばかりが増えそうです あまりすきじゃないです」(静岡県 50代女性)▼保護者のホンネ3、時代に合わせた教育環境の整備を期待「公立校での1人1台タブレット導入は、まだ先になりそうですが、現在通わせている塾は、緊急事態宣言下の学習環境の対応がたいへん早かったです。ただ映像を流すだけの授業ではなく双方向のコミュニケーションも取れるため、緊張感をもって自宅で受けられました。時代に合わせ、緊急事態にいつでも対応できるよう学校でも指導方法を整えて今以上に良いものにしていってもらいたいですね」(京都府 40代女性)ここまで、学校へのICT教育の現状についてみてきました。導入が進む学校と、なかなか進まない学校、それぞれに異なる環境の中で、保護者と子どもたちは戸惑いを抱きつつ、新しい教育を受け入れ始めていることが伝わってきます。ただ先進国に比べてもオンライン教育への遅れが目立つ日本。今回の感染症の蔓延によって多くの国がいち早くオンライン教育に切り替えたのに比べて、1年経った現時点でも1人1台の導入が完了していないことに危機感も覚える保護者の方も多いことでしょう。また私立の学校が早くオンライン教育に切り替え「学びを止めない」としたことに比べて公立の遅れが顕著となり、私立中学への希望者が増えたともいわれています。親世代が子どもだったときに比べて大きく様変わりしてきた教育。今後ICT教育は加速していくと思われますが、重要なのはツールではなく生きていくために身につけるべき知識や力をどう子どもたちが学んでいくのかだと思います。またインターネットによって先進的な教育や専門の教育をより気軽に受講できるようになっていくようになるでしょう。今回の「学校の1人に1台のタブレット・PCを」という動きによってパパママも家庭でのタブレットやPCといったツールをどう活用すべきなのか、また正しい使い方をどう教えればいいのかといったことも今一度考えてみるとよいのかもしれません。そして子どもたちの夢への実現に向かって、変わっていく教育の状況にあわせてどんなサポートができるのか思いを馳せてみるチャンスといえるかもしれません。Q.学校の1人1台タブレット・PC、進んでる?アンケート回答数:3703件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ ■参考サイト文部科学省: GIGAスクール構想の実現に向けた調達等に関する状況について
2021年06月05日特別支援教育コーディネーターとは?特別支援教育は、発達障害を含めた障害のある幼児・児童・生徒の自立や社会参加に向けて、校内外の関係機関のネットワークやチームワークによって一人ひとりのニーズに合わせた支援を実現するという教育の考え方です。改正学校教育法の施行に伴い、平成19年4月1日より全国の学校・園で特別支援教育が本格的に実施・推進されています。特別支援教育コーディネーターは各学校や園に配置され、特別支援教育の推進のため、主に以下の役割を担っています。・校内委員会の企画・運営・関係諸機関・学校内関係者との連絡・調整・保護者からの相談窓口特別支援教育コーディネーターは、教諭が兼ねています。小学校・中学校の場合は担任をしている先生、養護教諭の先生、特別支援学級の先生が、こども園・幼稚園の場合、役職上の主任である教諭が特別支援教育コーディネーターを担当することが多いようです。自分の学校や園における特別支援教育コーディーネーターがわからない場合、学校や園に問い合わせてみてください。特別支援教育の推進について(文部科学省)特別支援教育コーディーネーターの具体的な仕事内容は?出典 : 特別支援教育コーディネーターは、保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担う者として位置付けられます。(1)学校内の関係者との連絡調整・校内委員会の推進特別支援教育コーディネーターは校内委員会(※)の企画・運営を担い、協議を円滑にできるようにしていきます。また、支援を必要とする児童・生徒の情報を収集し、必要に応じて特別支援教育支援員 、スクールカウンセラー等、学校内の専門スタッフとつなげる連絡調整役を担います。保護者や担任の先生とともに具体的な支援内容や方針の確認等を行うケース会議を実施したり、児童・生徒の個別指導計画を作成し、実施、評価、改善を行う役割も担います。※校内委員会:児童生徒の担任の先生のほか、校長、教頭、学年主任等、養護教諭などで組織され、効果的な指導や対応に向けて情報を共有し、全校的な支援体制をとるもの(2)外部の関係機関との連絡調整特別支援教育コーディネーターは、外部の専門家チームや、医療・福祉の関係機関等との連絡調整が必要になった場合の窓口となります。地域の医療・福祉の関係機関等やそれらが提供している支援内容について情報を収集・整理し、必要に応じて教員や保護者へ情報を伝えます。(3)保護者に対する相談窓口保護者に対する学校の相談窓口となり、保護者を支援します。併せて、通常学級の中で教育上特別の支援を必要とする児童・生徒に効果的な教育的支援を行うために、対象児童の保護者だけでなく全ての保護者に対して特別支援教育の重要性についての理解の推進を図っていきます。(4)担任への支援・進級時の引き継ぎ調整担任の先生に対して相談に応じたり、助言したりするなどの支援を行います。また、児童・生徒の進級時には、新旧の各学級担任間で教育上特別支援を必要とする児童などに対する指導方針が異なることのないよう、校長の指示のもと、その調整を行います。(5)巡回相談員や専門家チームとの連携巡回相談員及び専門家チームとの連携を図り、支援内容の改善につなげていきます。特別支援学校においても特別支援教育コーディネーターは、保護者や関係機関に対する学校の窓口、また、学校内の関係者や福祉、医療等の関係機関との連絡調整の役割を担います。加えて、各学校の教員の専門性や施設・設備を活かし、地域における特別教育に関する相談を受けるセンター的役割があります。地域の小・中学校への支援や、地域内の特別支援教育の核としての関係機関との連絡調整を行い、ネットワークの構築や協力関係を推進するための情報収集・情報共有を行います。特別支援教育コーディネーター実践ガイド(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 )発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン(文部科学省)保護者から相談してもいいの?合理的配慮を受けたいときは?出典 : 特別支援教育コーディーネーターには、保護者からの相談窓口を担う役割があります。子どもの学校の様子が気になるときや支援内容を相談したいとき、担任の先生以外にも、特別支援教育コーディーネーターに直接相談するという方法があります。通常学級に通っていても、発達の気になる子どもへの配慮や支援、特別支援学級への移籍についての内容等も特別支援教育コーディーネーターに相談することができます。また「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」(文部科学省)には、以下のような記載があります。特別支援教育コーディネーターは、各学級担任とともに、児童本人や保護者等から、現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明を受けるなど、合理的配慮の提供に当たっての相談窓口としての役割も果たします。特別支援教育コーディーネーターは保護者から合理的配慮についての相談を受けると、その内容を担任の先生へと共有し、配慮を受けられる環境づくりを助言することになります。合理的配慮を受けたいが担任の先生に相談しづらい、どのように伝えるべきかわからない、などあれば、特別支援教育コーディネーターに最初に相談してみると良いでしょう。まとめ出典 : 特別支援教育コーディーネーターは保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担い、子どもたちのニーズに合わせた支援をサポートします。発達の気になる子に対する支援や合理的配慮について、保護者から相談を受ける窓口でもあるため、必要に応じて相談してみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年05月30日教育支援センター(適応指導教室)ってどんなところ?「教育支援センター(適応指導教室)」(以下、教育支援センター)は、主に小中学校を長期で休んでいる子どものために、学籍のある学校とは別の場所に教育委員会等が用意した公的機関です。一部高校生を受け入れているところもあります。市町村や都道府県の教育委員会等によって設置されているもので、文部科学省のデータでは1142ヶ所、全国の自治体の63%が教育支援センターを設置しています(平成29年度調査 ※)。もともとは「適応指導教室」という名称が用いられていましたが、平成15年より標準的な呼称が「教育支援センター」とされました。指導にあたるのは、教員免許を保持する職員が多く、他には臨床心理士や社会福祉士等の資格を保有する職員がいる場合もあります。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの心理、福祉の専門家が配置または派遣されている場合もあり、子どもや保護者がカウンセリングを受けるなどの機会を用意している教育支援センターもあります。参考:「教育支援センター(適応指導教室) に関する実態調査」結果 | 文部科学省令和元年10月25日の文部科学省による「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」の中で、教育支援センターの定義は以下のように表記されています。2 設置の目的○ センターは,不登校児童生徒の集団生活への適応,情緒の安定,基礎学力の補充,基本的生活習慣の改善等のための相談・指導(学習指導を含む。以下同じ。)を行うことにより,その社会的自立に資することを基本とする。以前は学校に戻ることが不登校の子どもたちへの支援のゴールとされていましたが、平成28年の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」において、不登校支援の視点として「不登校児童生徒への支援は,『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること」が明記され、不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保のための場の一つとして、教育支援センターも位置づけられています。そのため、未設置地域での設置や、体制整備、機能拡充等が進められているのです。参考:義務教育の段階における普通教育に相当する 教育の機会の確保等に関する法律施行後の取組 | 文部科学省参考:平成28年「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」文部科学省どんな子どもが利用している?情緒的混乱や人間関係の不安を抱える子どもが多い出典 : 令和元年度の調査では、義務教育課程の不登校児童者数は18万人を超えています。不登校の理由は子どもによってそれぞれ。「友人関係」「勉強が分からない」「先生との関係」「クラブ活動に関する問題」など、学校生活を巡る問題が不登校のきっかけとなった子どもたちが多い一方で、「不安感」「生活の乱れ」「家庭の状況」などを挙げる子どももいることから、不登校の理由が複雑化していることが分かります。参考:令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 P.17 | 文部科学省その中で、教育支援センターに登録している児童・生徒の傾向としては、不安など情緒的混乱で「学校に行きたくても行けないタイプ」、人間関係がうまく築けない「人間関係によるタイプ」が多くなっています。参考:「教育支援センター(適応指導教室) に関する実態調査」結果 P.14在籍者の状況 | 文部科学省また、不登校の子どものなかに、発達障害がある児童が増えているという指摘もあります。特性のある子どもに対する理解は社会全体として進みつつあるものの、一般的な小学校や中学校では適切な指導や支援がまだまだ不十分なこともあります。そのため、それぞれが抱える課題を克服できず、友達関係がうまく築けなかったり、勉強についていけなくなったりなどの問題が生じ、不登校になってしまうケースが増えています。参考:不登校児童生徒による学校以外の場での学習等に対する支援の充実 ~個々の児童生徒の状況に応じた環境づくり~P.4 | 文部科学省このように、不登校の子どもたちにはさまざまな背景があるため、教育支援センターでの支援も個々にあわせた内容で実施され、学校復帰に限らないそれぞれにあったサポートの在り方が求められています。利用スケジュールや具体的な指導内容は?全国の教育支援センターは、終日で活動している施設がほとんどですが、なかには午前のみや午後のみで活動している教室もあるため、ホームページなどで確認が必要です。1日の過ごし方は子どもにあわせて調整がされることが多いですが、基本的なスケジュールは決まっているところが多くあります。例えば東京都武蔵野市「チャレンジルーム」の場合、1日の流れは以下の通りです。9:15~朝の会・読書9:30~個別学習学習はそれぞれで進め困ったことがあったら相談員に声をかける12:00~昼食13:00~集団活動スポーツ、調理など14:15~掃除・帰りの会14:45~帰宅通室スケジュールも、個々にあわせて調整される場合が多いようです。少ない頻度から通い始めたり、午後から通室したり、体調にあわせて早退したりなど、職員と相談し、無理のないペースで通うことができます。活動内容も施設によって異なりますが、学習支援、社会体験、自然体験、調理やスポーツなどが実施されており、季節行事を取り入れている施設もあります。学習支援に関しては、ほとんどの施設で個別指導が行われており、授業形式の学習支援をしているのは30%未満となっています(平成29年度調査 ※)。決まったカリキュラムに沿って学習を進めるところと自習を主に行っているところがあり、教材は学校の教科書や持参した市販教材などが使用されます。また多くの施設で子どもとの個別のカウンセリングを取り入れており、相談やカウンセリングが不登校の子どもたちのサポートに欠かせないものとなっていることが分かります。同時に、保護者に対しての相談・カウンセリングも多くの施設で実施されています。子どもが不登校になったのは、自分の責任であると考える保護者も少なくないため、カウンセラーが話を聞きながら子どもへの対応のあり方を共に考えていくのです。必要に応じて家庭訪問が実施される場合もあります。施設によっては保護者会やグループカウンセリングなどがあり、同じ境遇の子どもを持つ保護者同士が話をすることで気持ちが楽になるなどの効果があったと話す保護者も多いといいます。保護者同士で互いの子どもへの対応について学び合う機会を提供している施設もあるようです。参考:「教育支援センター(適応指導教室) に関する実態調査」結果 P.18 | 文部科学省参考:学校適応指導教室「ひかり」| 長崎市教育委員会このほかにも、発達障害のある子どもに対しては、ソーシャルスキルトレーニングなどのプログラムを実施している教育支援センターもあります。障害の有無に関わらず、子ども一人ひとりの特性や興味関心に沿って、社会性や自信を高めるサポートをするのが教育支援センターの役割の一つです。参考:慢性疾患、心身症、情緒及び行動の障害を伴う不登校の経験のある子どもの教育支援に関するガイドブック | 国立特別支援教育研究所在籍する学校との連携も教育支援センターに通う中でも、やはり在籍する学校のことは気になりますよね。支援についての連携はしてもらえるのでしょうか。「教育支援センター整備指針(試案) 」の中では、教育支援センター(適応指導教室)と学校との連携について以下のように記されており、子どもの様子や支援の方向性、学習の成果などについての連携はもちろん、該当児童生徒が学校に復帰したあとも在籍校と連携して継続的なサポートを実施していくことが大切な役割の一つとなっています。8 学校との連携○ 指導員等は,不登校児童生徒の態様に応じ,その支援のため,在籍校との緊密な連携を行うものとする(定期的な連絡協議会,支援の進め方に関するコーディネート等の専門的な指導等)。○ 指導員等は,不登校児童生徒の学校復帰後においても,必要に応じて在籍校との連携を図り,継続的に支援を行うことが望ましい。○ 指導員等は,児童生徒の実情等の的確な見立て(アセスメント)にそった児童生徒の個々の回復状況を把握し,守秘義務に配慮した上で,本人,保護者の意向を確かめて在籍校に学習成果等を連絡するものとする。○ 指導員等は,不登校に関し,学校に対する専門的な指導・助言・啓発を行う。文部科学省のデータによると、連携方法としては、定期的に文書にて情報共有を行っている施設が約90%となっています(平成29年度調査 ※)。文章でのやりとり以外にも、教育支援センターの職員が在籍校の校長や子どもの担任などと定期的に面談を行ったり、定期的に子どもの面会のために教育支援センターを訪問したりするケースもあります。また、該当の児童生徒の支援会議に教育支援センター職員と在籍校教職員が同席し、ともに支援の方向性を検討することも。ほかにも、学校復帰を望む子どもに対しては、学校からの配布物やプリント教材を適応指導教室に届けたり、行事の案内の連絡をしてもらったりなど、少しずつ学校との接点を増やす関わりをする場合もあります。参考:適応指導教室との連携 |東京都教育相談センターなお、教育支援センターに通うことで、文部科学省が定める「出席扱い等の要件」を満たす場合、在籍校での出欠席について「出席」扱いにすることができます。この点も教育支援センターへ通室する大きなメリットと言えるでしょう。教育支援センターに通う公立学校在籍の小学生のうち約90%に、在籍校での出席扱いとする措置が適用されています。(平成29年度調査 ※)「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日別紙 | 文部科学省参考:「教育支援センター(適応指導教室) に関する実態調査」結果 | 文部科学省利用を検討するときには?対象となる条件や必要な手続きについて教育支援センターの利用には、自治体ごとに対象者の条件が定められています。例えば東京都目黒区の場合は、以下の通りです。対象区立小・中学校に在籍する長期欠席児童・生徒で、本人及び保護者が入級を希望し、在籍学校の校長が必要と認めるものです。また、沖縄県宮古島市の場合は、以下のように入室判定基準が設けられています。入室条件本人に「まてぃだ教室」に通室する意思がある。保護者が教室への送迎が充分に可能である。入室判定基準学校へ行く意思があるが行けない。登校時になると、腹痛・頭痛・嘔吐・発熱などの身体症状を呈する。家に閉じこもり、ほとんど外出しない。対人的な接触を避ける傾向にある。精神的な疾患ではない。本人に「まてぃだ教室」に通室する意思がある。自治体によって異なる基準もありますが、大切にしたいのは「本人の意思を確認すること」です。不登校の子どもがいる場合、保護者や周囲の支援者が支援のステップを焦ってしまいがちですが、見学などを通して子ども自身が通いたいと思うか、通えそうかなど、気持ちを確認しておけるとよいでしょう。教育支援センターに通うには、いくつかのステップを踏む必要があります。具体的な手続きは自治体によって異なりますが、代表的な流れを見てみましょう。市町村によって「教育支援センター」「教育相談センター」「学校サポート教室」など異なる名称で相談窓口が設置されていることがありますので、まずはお住まいの地域の相談窓口を確認してください。代表的な手続きは以下の通りです。1.「教育支援センター」などへ面談を申し込む本人、保護者、そして学籍のある学校の考えが考慮されます。2.保護者が「入室願書」を記入・提出する保護者が「入室願書」を記入し、在籍学校長へ提出します。3. 在籍学校長が「入室申込書」を作成・提出する保護者から提出された「入室願書」を元に校長が「入室申込書」を作成し、「教育支援センター」に提出します。4.「入室決定通知書」が送付される「教育支援センター」から学校と保護者へ「入室許可通知書」が送付されます。通室が決定したら、職員と本人や保護者が相談しながら、通室スケジュールや取り組む内容などを決定していきます。個別の支援計画を作成し、支援内容などについて利用継続の必要性などについて定期的な検討を行う施設もあります。不登校の子どもが利用する「フリースクール」とはどう違う?不登校の子どもが利用する施設として「フリースクール」の名前を聞いたことがある方も多いと思います。教育支援センターとフリースクールはどう違うのでしょうか。教育支援センターは公的な機関ですが、フリースクールは個人や民間企業、NPO法人等の団体が運営しています。そのためフリースクールの場合、支援の方針やカリキュラム等は運営団体によって異なります。また、公的な機関である教育支援センターは利用に費用が発生しないのに対し、フリースクールは各施設ごとにかかる費用が異なります。身近に教育支援センターもフリースクールも両方ある場合には、見学などを通して支援内容、費用、施設の雰囲気等を確認して検討できるとよいですね。なお、フリースクールへ通う場合に出席扱いとされるかどうかは校長による判断となるため、相談しておく必要があります。不登校の子どもたちが自分に合ったサポートを受けられるように不登校の子どもをサポートする「教育支援センター(適応指導教室)」では、さまざまな方法で子どもたちを支援していることが分かりました。通うことで「出席扱い」になることが多く、学校とも連携してサポートしてくれることから、子どもも保護者も安心して毎日を過ごせるようになるのではないでしょうか。活動内容や利用頻度も個々にあわせて調整されるため、発達障害のある子どもの場合も、相談しながらそれぞれに合ったサポートを受けることができます。不登校の子どもが抱える不安や課題はそれぞれに異なります。それらを乗り越え社会のなかで自立できるよう、焦らずに日々を過ごすための手段の一つが、教育支援センターの活用です。教育支援センター以外にも、不登校の子どもをサポートする制度やサービスはさまざまです。不登校の悩みを抱えている子どもや保護者はまずは抱え込まずに、市町村の相談機関に連絡してみてはいかがでしょうか。※は平成29年度調査、令和元年発表の「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果データを引用しています。
2021年04月30日インターネットが普及し、バーチャルな世界が珍しいものでなくなっても、絵本の読み聞かせは家庭教育の定番として認知され続けています。絵本にはそれだけの魅力があり、必要とされる理由があるということでしょう。今回は、絵本の読み聞かせについて深掘りしていきます。子どもたちが絵本の世界に浸るために、読み聞かせをする大人が気をつけることについてもご紹介しましょう。絵本の読み聞かせのとてつもない効果絵本の読み聞かせについて、数多くの専門家がそのメリットを挙げています。『1日15分の読み聞かせが本当に頭のいい子を育てる』の著者で教育学者・齋藤孝氏もそのひとり。どんな社会になっても生きていける “本当に頭のいい子” を育てるには、幼児期までの7年間を大事にしなければならないとし、「幼児教育の中心には絵本の読み聞かせを据えるべきだ」「絵本の読み聞かせにはとてつもない効果がある」と断言しています。それでは、絵本読み聞かせの効果を詳しく見ていきましょう。読み聞かせ効果1:豊かな心を育む「絵本の世界で体験する心の動き、感情の表れ、その自覚といったものが、人間の心を育てる」と齋藤氏が言うように、絵本は子どもの人格形成に大きな役割を果たします。絵本スタイリストの景山聖子氏によると、8歳くらいまでの子どもは現実と空想の境目が曖昧なため、絵本のなかの出来事も自分の体験の一部になるのだそう。ですから、主人公が笑っていれば、子どもも「楽しい」と感じ、おいしいクッキーを食べている場面であれば、「おいしい!」と感じます。実際には経験していないことであっても、「仲間外れにされると、こんなに悲しい気持ちになるんだな」などと学ぶことができるのです。読み聞かせ効果2:学力がアップする文部科学省の平成28年度の調査で、「読書好きの子どもは国語と算数の成績がよかった」ことがわかりました。さらに、イギリスの大学・University College Londonが2015年に行なった読書に関する調査では、「家庭環境や遺伝よりも、本をたくさん読む読書習慣のほうが、学力に与えるよい影響は4倍大きい」と結論づけられています。また、教育環境設定コンサルタントで『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』の著者・松永暢史氏も、読み聞かせと学力の関係について次のように述べています。「高い学力を持つ子は例外なく小さい頃からたくさん本を読んでいる」。このことを私は、教育コンサルタントとして、多くの子と接している中で、身を持って感じてきました。特に「読み聞かせ」は、まだ自分で字が読めない子が「読書量の貯金」を積むために唯一、親ができることだと思います。早い段階からたっぷり読み聞かせをすることで、脳に刺激を与え、日本語の音になじんでいきます。そうすると本格的に勉強がスタートしたとき、その子が元々持っている能力の、はるか上までレベルアップさせることも可能になります。(引用元:EhonNavi|『将来の学力は10歳までの読書量で決まる!』松永暢史さんインタビュー※太字による強調は編集部が施した)絵本を通して出会うたくさんの言葉と、そこで育まれる想像力や読解力が、その後の学力につながるのは間違いないようです。読み聞かせ効果3:親子の絆が深まる読み聞かせは生後すぐからでもOK。赤ちゃんはまだ絵本の内容を理解できませんが、絵本タイムが親子のコミュニケーションの貴重な時間となるからです。また読み聞かせの際、親子の肌が触れ合うことで脳内では「愛情ホルモン」といわれるオキシトシンが分泌し、親子の心の絆がより深まるという効果も期待できます。「一緒に読んだ絵本の世界は、親子の共通言語になります。共有した時間や経験が多ければ多いほど、絵本の世界で過ごした時間が長ければ長いほど、芯の強い、どんな変化の時代にも強い人間が育つのです」と齋藤氏も言うほど、親子の絆は大切なのですね。このように、絵本の読み聞かせは、子どもの成長にとても大きな役割を果たします。そしてその効果を最大限に生かすには、子どもたちに絵本の世界を、ただ素直に、自由に、楽しんでもらうことが絶対条件です。そのために、親は何に気をつけたらよいのでしょうか。次項で詳しく説明しましょう。絵本の読み聞かせでやらないほうがいい、6つのこと子どもたちのピュアな心に「絵本の世界」は、すーっとしみこんでいきます。だからこそ、読み聞かせのときに、大人の下心や思惑を紛れこませてはいけないのです。大人の下心をなくすことで絵本の効果は最大限に発揮されるでしょう。そこで、齋藤氏、景山氏など “教育のプロ” たちのアドバイスを参考に、「読み聞かせでやらないほうがいいこと」をまとめました。1. 勉強のつもりで読み聞かせる「絵本を『勉強のつもり』で読み聞かせるのは避けてほしい」と、景山氏。知育として学ばせたい親の気持ちはわかりますが、そんな大人の下心に子どもは敏感です。特に、「十二支というのはね……」などと内容の解説に走るのはNG。子どもを “本嫌い” にしてしまうかもしれません。子どもから何かを質問してきたとき以外、絵本解説はやめましょう。子どもが絵本を楽しんでいれば、それだけでOK!学習効果はあとからついてきます。まずは、親子で絵本の世界を純粋に味わってくださいね。2. スラスラ読む・過剰な演出をする松永氏は、「一音一音ハッキリ読み」を提唱しています。同じ音程、同じ強さで、一音一音区切るようにハッキリ読むことで、子どもは絵本に集中できるようになり、助詞・助動詞への理解が強化されるとのこと。また、ゆっくり淡々と読むほうが、国語力アップに効果的だそうです。一方で景山氏は、「棒読み」と「自然な感情を込める読み聞かせ」の両方を使い分けることを提案しています。前者では想像力が育まれ、後者では感受性が育つのだそう。とはいえ、過剰な演出の読み聞かせでは効果は出ないそうなので注意してくださいね。3. 読み聞かせのあとに感想を聞く齋藤氏は、絵本は “目覚めたまま見る夢” だと言っています。絵本の世界の余韻に浸っているときこそ、子どもたちの想像力や感受性が育まれているのです。そこに大人の「どう思った?」「猫さんはなんで悲しい顔をしていたのかな?」などの現実的な問いかけが割り込むと、せっかくの子どもの空想の世界が消えてしまいます。読み聞かせのあと、子どもに感想を聞くのはやめましょう。4. 親のペースで読む「親の都合で、時間がないから早く読もうとする」「子どもが眠そうでも最後まで聞かせようとする」など、読み聞かせを親のペースで進めていませんか?「子どもが前のページに戻りたがったら、好きにさせる」「考え込んでいるようだったら、何か言うのを待つ」など、読み聞かせでは子どものペースを守ってあげることが大切です。子どもに気に入ったページがあるのであれば、何度でも反復させてあげましょう。5. “しつけ” のために読むよい “しつけ絵本” ももちろんあります。しかし、しつけのためと絵本を読み聞かせ続け、「絵本=お説教」という構図ができてしまうのは避けたいところ。そもそも絵本は、子どもたちの人間性を育むものです。たくさんの絵本に出会うことが、思いやりや道徳心など人としての基礎を築き、その子の “芯” を育むことになると、齋藤氏は言っています。しつけ絵本ばかりに偏らないように気をつけしましょう。6. 寝る前に読み聞かせをする『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』の著者・立石美津子氏は、読み聞かせに効果的な時間帯は、「子どもの脳がフレッシュな朝」だと言います。寝る前の時間帯は、お話を聞いているうちに心地よくなって寝てしまうので読み聞かせには向かないのだそう。さらに、寝る前に怖いお話を聞くと、嫌な夢を見てしまうことも。また、景山氏も6種類の「寝かしつけに向かない絵本」を挙げています。わくわくする絵本スピーディーな展開で、頭を使って考えさせる絵本おいしそうな食べ物の絵本個性的で、独創的に電車や車の写真絵本起承転結のある感動的なお話の絵本しかし景山氏は、「寝かしつけ用の絵本は、刺激の少ない、穏やかで幸せな気持ちになれる絵本の中から選びましょう」と述べているので、「寝る前の読み聞かせ絵本」については専門家によって意見が違うようです。前述したような教育効果を求めるのであれば「朝の読み聞かせが効果的」で、寝かしつけることが目的であれば「寝かしつけに効果がある絵本を選ぶ」のがよいでしょう。最後に景山氏がおすすめする「寝かしつけ絵本」を3冊ご紹介します。絵本から子どもたちが得る豊かな学びのチャンスを、親は邪魔しないように気をつけたいものですね。***ニュージーランド人のクシュラさんという女性をご存じですか?重い障害をもって生まれながらも、絵本と出会ったことで、医学の常識を超えた驚異的な成長を遂げた方です。その成長記録を著書に残した、祖母であるドロシー・バトラーさんの「読書に関する3つのアドバイス」をみなさまにお伝えします。「本を子どもの周囲に置くこと」「いきなりストーリーに入らず、表紙や見返しをゆっくり見せて想像をふくらませ、本に注意を向けさせること」「怒らずにほめること」絵本の読み聞かせは、人生を実り多きものにする “本好き” への入り口――。大切にしたいですね。(参考)齋藤孝(2020),『1日15分の読み聞かせが本当に頭のいい子を育てる』, マガジンハウス.ドロシー・バトラー 著, 百々佑利子 訳(2006),『クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々 普及版』, のら書店.立石美津子(2013), 『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』, あさ出版.松永暢史(2014),『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』, すばる舎.ウチコト|【教育研究家に聞く】子どもに絵本を読み聞かせる効果&年齢別のコツは?七田式公式オンラインストア|こころを育てる七田式えほんシリーズSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「勉強が勉強でなくなる」のが絵本の魅力!でも「勉強のつもり」で読み聞かせてはダメEhonNavi|『将来の学力は10歳までの読書量で決まる!』松永暢史さんインタビューSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「絵本の読み聞かせ」から、子どもが学ぶもの。そして、親が手に入れるもの。STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「上手に読んであげて、感想を聞く」のは絶対に避けて。絵本の読み聞かせの鉄則ですSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの「感受性」と「想像力」。絵本の読み聞かせ方を変えるだけで、その両方が同時に育つ?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|ミルトン博士の「ミルトンモデル」で最高の寝かしつけ!我が子に幸せな夢を、親御さんに自由な時間を。UCL|Reading for pleasure|Research impact case study March 2015文部科学省|平成28年度 全国学力・学習状況調査 報告書
2021年04月21日生まれたばかりのころは泣くことしかできない赤ちゃん。そんな赤ちゃんが徐々に大人の言っていることを理解しているようなしぐさをするようになり、言葉でのコミュニケーションが取れるようになるのを見るのは、とても楽しく喜ばしいですよね。一方でなかなか言葉が出てこないと、とても心配になります。 今回は、赤ちゃんがどのようにして言葉を理解し、言葉でコミュニケーションを取れるようになるのか、そして言葉が出てくるのが遅いときの対応法について解説します。 赤ちゃんが言葉を理解するのはいつごろ?赤ちゃんが言葉を理解するようになるのは、1歳前後です。のちほど詳しく解説しますが、大人のしゃべる声の特徴を理解することから始まります。例えば、リズムや声の高さ、長さ、アクセントなどです。そこから、言葉と言葉の区切りが少しずつわかるようになり、1歳前後には大人のしゃべる言葉を理解するようになります。 どのように赤ちゃんの言葉は発達していく?赤ちゃんの耳は生まれる前の在胎20週ごろから音を聞けるようになり、在胎30週ごろから大きく発達して、お母さんの声を聞き取れるようになります。生まれてからは、母語(人間が幼少期から自然に習得する言語) のリズムや音の高低、長さなどの特徴を認識し、生後2カ月ごろから「あ~あ~」「あーうー」など、まだ言葉にならない喃語(なんご)を話すようになります。 そして生後6~9カ月ごろには、耳で自分の母語を聞き分けられるようになり、母語に似た発音をまねるようになります。このように成長しながら、少しずつ大人が話す言葉と言葉の区切りがわかるようになります。例えばおもちゃを渡されながら「おもちゃ」と言われると、渡された物と「おもちゃ」という言葉を結び付けられるようになります。このように言葉をどんどん覚えていくことで、1歳を過ぎたころには、言葉の意味を理解しながら、言葉を言うようになるのです。 赤ちゃんとのコミュニケーションの取り方生まれたばかりの赤ちゃんとは、最初のうちは、大人が子どもの仕草を見たり声を聞いたりして、それらから質問を投げかけたり、赤ちゃんの気持ちを代弁するような声かけをして、コミュニケーションを取っていきます。 例えば、赤ちゃんが泣いているときには「おなかが空いたのかな?」「眠いのかな?」と声をかけますよね。また、ミルクを飲んでいると「おいしいね」と言ったり、あくびをしていると「眠たいね」と言ったりします。 これは、赤ちゃんとのコミュニケーションで、1歳を過ぎたころまで続きます。一方、赤ちゃんが言葉の意味を理解し始めると、徐々に「やりとり」ができるようになります。つまり、少しずつ大人同士のコミュニケーションに近づいてくるのです。 もし赤ちゃんの言葉に関して悩みごとがあったら自分の子どもがほかの子どもに比べて言葉が出てこなかったり、会話ができていないと感じたりすると、とても悩む方は多いのではないでしょうか。言葉の遅れは、その後の成長にも影響してくることがあるので、とても心配になると思います。言葉の遅れについては、正常範囲の遅れ、知的障害や自閉症に伴う遅れ、難聴による遅れの3つがあります。 難聴による言葉の遅れは緊急性がありますので、耳が聞こえていないと感じたら直ぐに耳鼻科や小児科に相談する必要があります。新生児期に聴覚スクリーニングをしてパスしていれば聴覚に関しての心配は軽減しますが、検査を受けておらず、言葉の遅れがある場合は受診を急いだほうがよいでしょう。言葉の発達には赤ちゃん一人ひとりの成長スピードや環境の違いが影響するので、必要以上に心配することはありません。しかし、「言葉の発達がほかの子どもよりも遅いかも」と心配になったら、医師や保健師さんに相談してみましょう。 まとめ赤ちゃんは大人が話す言葉から徐々に言葉の音を覚え、意味を理解できるようになり、1歳を過ぎたころから意味を理解した言葉を話すようになります。もし言葉が出てくるのが遅いと感じたら、心配しすぎず、かかりつけ医や保健師さんなどに相談してみましょう ※参考:文部科学省「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2021年03月21日最近は、ひとりっ子の家族も増えています。ひとりっ子を選択した夫婦、何らかの原因で2人目を希望しても授からなかった夫婦、シングルマザーなどさまざまな背景があるかと思います。「きょうだいがいないとかわいそう」「2人は産んでおいた方がいい」など、周りからのプレッシャーで悩まれている方もいるかもしれません。ひとりっ子は、本当によくないのでしょうか? 今はひとりっ子は意外と多い2015年の「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、一人っ子家庭の割合は18.6%になっています。調査より6年経った今は、さらに増えているかもしれません。2人の子どもを持つ家庭は54.1%・3人の子どもを持つ家庭は17.8%・4人以上の子どもを持つ家庭は3.3%であることと比べると、一人っ子家庭は2人の子どもを持つ家庭に次ぐ2番目に多い結果です。 1997年の同じ調査では、一人っ子家庭は9.8%であり、2015年までの20年で2倍ほどに増えています。背景としては、核家族で子育てを手伝ってくれる人が少ない、晩婚化と出産の高齢化などがあるといわれています。年齢が上がると、妊娠率が徐々に低くなり現実的に2人目が妊娠しにくいというのもあるかと思います。妊娠の確率は25歳までで約30%、35歳で約18%、40歳で約5%といわれています。 ひとりっ子の親としてのメリット【1】教育費や生活費など経済的負担が1人分ひとりっ子を選択した家庭の中には、経済的理由をあげている方もいます。具体的な教育費用負担を文部科学省の統計からみると、1年間の教育費は、幼稚園から高等学校まで公立で、大学のみ国立に通った場合には、約1,147万円かかります。仮に、小学校だけ公立で、あとはすべて私立とすると、約1,817万円かかることになります。兄弟や姉妹が多ければ多いほどかかる教育費は増えますが、ひとりっ子であればかかる教育費は1人分のため経済的に負担が少ないといえます。子どもにかかる費用は、教育費だけではありません。食費、娯楽費、衣服費などさまざまな費用が1人分となります。 【2】ママの仕事復帰がしやすいママが仕事をしている場合、保育園に預けたりする必要があります。都市部に保育園は、激戦区であることが多く入園が厳しいこともあります。また、お子さんが増えれば、産休・育休で仕事をお休みする期間も増えるため、仕事によってはスキルのステップアップが難しいこともあります。 ひとりっ子の子どもとしてのメリットわが家は、5歳の娘1人のひとりっ子家庭です。ひとりっ子は、甘やかされるのでわがままに育ちやすいなど否定的なことを言われることがありますが、私はそうでもないかなと思います。反対に、1人に親の目が行くので厳しくしてしまっているかなと思います。家に帰れば、こども1人なので、保育園での友達との遊びを大切にして楽しんでいる印象があります。その中で私が感じているメリットは大きく3つあります。 【1】ひとり遊びの達人!わが家の娘の場合、人形や色々なおもちゃを使いひとりで楽しく遊んでいます。人形遊びもさまざまな役を1人でこなし、ブロックやビーズ、折り紙などを料理に見立てて人形たちに振る舞っています。その使い方の工夫など大人がみても感心します。一緒に遊んであげようかなと思うときもありますが、1人で完結しているようであまり歓迎されないこともあります。ひとり遊びを通して、創造力も高まるのではないかと思います。 【2】自分のペースで生活できるきょうだいがいるとそれぞれのペースに合わせて生活することもあるかと思います。時には、行きたくない場所に付き合っていかなければならないかもしれません。ひとりっ子であれば、親も子どものペースに合わせて行動しますし、自分の希望が通りやすく周りに振り回されることが少ないかと思います。 【3】親の愛情が1人に集中するいくつになっても、親に甘えたい、自分の話を聞いて欲しいなどあるかと思います。私は、娘と2人でよく話をします。「パパとママとどっちと寝る? 遊ぶ?」と聞くと、そのときの気分で選ぶことができます。5歳になっても、時々は甘えて抱っこして欲しいと要求してくることがあります。そんなとき、弟や妹がいて抱っこしていたらしてあげられないので、要求にすぐに応えられるのはひとりっ子ならではかなと思うことがあります。 自分や夫婦間の考えが大切子どもがひとりっ子の場合「きょうだいがいないと寂しいかな」と悩んだりしてしまうママもいるかもしれません。祖父母や世間からのひとりっ子への否定的なプレッシャーを感じている方も多いかもしれません。 私自身も、出産前は子どもは2人ぐらい欲しいかなと漠然と思っていました。しかし、実際に出産してみて、娘と一対一の関係に充実感があり、今はひとりっ子のメリットを多く感じています。子どもの有無や人数で幸せを図ることはできません。 たくさんのきょうだいの中で育てたい、1人と向き合って育児したいなどさまざまな考え方があるかと思います。今は多様性の時代で、周りに影響されることなく自分や夫婦間での考え方で決めていくことかと思います。 <参考>●内閣府ホームページ「育児・教育費用負担の重さ」●2015年「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2021年02月21日外国にルーツを持つ子どもの人口変移日本に暮らす外国人は、年々増え続けています。2020年12月に法務省が公開した統計によると、2012年12月時点で約203万人だった在留外国人の総数は2019年12月時点では約293万人となり、7年間で約90万人増えていることが分かっています。そして、在留外国人の人数は今後も更に増える見込みだと言われています。そんな中で、外国にルーツを持つ子どもたちの、特別支援級・特別支援学校への在籍率の高さについて指摘されることが増えてきました。ある調査では、全児童生徒のうち特別支援学級に在籍する日本人児童は2.25%程度であるのに対し、外国人の子どものみで見た場合は5.01%と、日本人児童生徒の約2倍の割合で外国人児童生徒が特別支援学級に在籍しているというデータが示されています。私は、人口の8人に1人(総数およそ4400万人)が移民であるアメリカに、私自身も移民として長年住んでいました。アメリカの国家資格である Speech-Language Pathologist (CCC-SLP)という資格を取得し、言語病理学の専門家として発達障害、先天性の疾患、後天性の脳障害によるコミュニケーション障害や嚥下障害を抱える子どもや成人の検査・評価を行い、訓練や指導も実施していました。また、言語心理学も専門としており、アメリカの大学で外国語としての日本語教育にも携わっていた経験があります。現在は、LITALICOジュニアでシニアスーパーバイザーとして、支援のスーパーバイズや研修を行っています。そしてまた、外国にルーツを持つ子どもたちの支援に特化したプログラムの開発なども行っています。このコラムでは、言語的・文化的に多様なバックグラウンドを持ち、発達障害の可能性も疑われる子どもの支援について検討していきます。外国にルーツを持つ子ども達の抱える困難さ現在日本に住んでいる在留外国人のうち、20歳未満の子どもは約35万人ということが分かっています。2018年に実施された文科省の調査では、今現在日本に住む外国にルーツを持つ子ども達のうち、約5万人が日本語での日常会話が十分にできなかったり、日常会話ができても学年相当の学習言語が不足していることで学習活動への参加に困難さが生じており、特別な日本語指導が必要な児童生徒とされています。言葉の分からない異国の地で学校に通い、現地で生まれ育った同級生と一緒にさまざまな活動に参加することの困難さは想像に難くないでしょう。また、外国にルーツを持つ親御さんにとっても、自分自身が受けた母国の教育システムとは異なる日本の学校に自分の子どもを通わせるとなると、日々の学校生活の中でどんな活動が行われ、お子さまがどのように毎日を過ごしているのか想像しにくく、大きな不安を抱えている人が多いのではないでしょうか。そして、外国にルーツを持つ児童生徒を取り巻く環境として顕著なのが、冒頭でも触れた特別支援学級・特別支援学校の在籍率の高さです。これは移民の多い諸外国でも見られている傾向で、米国でも、英語を第二言語として話す児童生徒の中で特別支援を受けている児童生徒の割合は、ネイティブスピーカーで特別支援を受けている児童生徒の割合よりも高くなる傾向が知られています。なぜこういったことが起こるのか。それは、バイリンガルの児童の言語スキルや知能を正確に測ることの難しさにあります。ある研究では、発達心理検査の一つであるWISC-IVを外国にルーツがある子どもに対して施行したところ、対象児童の第二言語(日本語)で施行した場合は、母語(ポルトガル語)で施行した場合に比べて低いスコアが算出されたという結果が出ています。このように、第二言語で発達心理検査を受けた結果、誤って発達障害の診断を受けてしまう「過大診断」と言われるケースが多く存在します。一方で、発達心理検査の結果子どもが抱える困難さは認められたものの、検査の結果が振るわなかったのは第二言語で検査を受けたことの影響だと考えられ、適切な診断に繋がらないという「過少診断」のケースもあると言われています。こういった背景もあってか、外国にルーツを持つ子どもの支援に関わる際に、ほとんどのご家庭が直面する問題に「家庭内で何語を使うべきか」という疑問があります。子どもに発達障害の診断が下っている場合はもちろん、診断がない場合でも、子どもの発達に不安を抱えている家庭において、「子どもの言語発達を促し、スキルを育むためには、一つの言語に絞った方が良いのではないか」という疑問を持つことは、ごく自然なことだと言えるでしょう。また、ご家族が今後長きに渡って日本に住むことを予定している場合は特に、今後の居住地となる日本で話されている言語である日本語が一番重要だという想定のもと、日本語力を最優先で伸ばすべきなのではないかと考える方も多いようです。しかし、現地語である日本語の獲得を優先させるあまり母語を蔑ろにすることは、長期的な目で見ると、外国にルーツを持つ子ども達と親の間の絆である母語をなくすこと(母語喪失)につながります。母語喪失により、親子間のコミュニケーションが難しくなり、親子の関係構築にネガティブな影響があることも指摘されています。世界規模でみると、人口の約半数が複数の言語を話す「マルチリンガル」であると言われており、複数言語環境下で育つことが子どもの言語発達にどういう影響があるのかは、世界各国のさまざまな言語の組み合わせで研究がされてきています。ここでは、そういった研究で分かっていることを紹介していきます。参考:外国にルーツをもつ児童の発達アセスメントと言語の問題について | 松田真希子・中川郷子(著),(2017)複数の言語を聞いて育つことで子どもが「混乱」することはない複数の言語を聞きながら育つと、今何語を話されているのか理解できず複数の言語を切り分けて理解することができないのではないかという説がよく聞かれますが、複数言語下で育つ子どもがさまざまな言語を聞いているときの行動や脳波を分析した研究では、新生児や幼児であっても、複数の言語を聞き分けており、異なる反応を示していることが分かっています。また、バイリンガルの子どもや大人が二つの言語を混ぜて使う「コードスイッチング」という現象がありますが、これも、どちらの言語を使ったらよいか分からないから混同しているというわけではなく、一方の言語では伝わりにくい概念などを他方の言語で的確に伝えるために、複数の言語をうまく使い分けているという解釈が実情に近いとされています。参考:Evidence of Early Language Discrimination Abilities in Infants From Bilingual Environments | Infancy, 2(1), 29-49. | Bosch, L.&Sebastián-Gallés, N. (2001)発達障害のある子どもの言語発達においても、複数言語環境の悪影響はないASD(自閉症スペクトラム)、発達性言語障害、知的障害のあるモノリンガルの子どもとバイリンガルの子どもの言語発達を比較した複数の研究で、バイリンガル環境自体が発達障害を持つ子どもの言語発達に悪影響を及ぼすことはないという結果が出ています。これは音声言語だけでなく、社会的コミュニケーションの点においてもバイリンガル環境自体が不利に働くことはないとされています。例えば日本語と中国語を使用する環境で育った子どもと日本語だけを使用する環境で育った子どもを比べたとき、語彙数などには差が見られることも多いです。しかしこれは、多くの場合一時的な差と言われています。また、比較している語彙数に関しても、バイリンガル環境で育った子どもの日本語語彙数とモノリンガル環境で育った子どもの日本語語彙数を単純に比べると前者の方が少ない傾向があっても、バイリンガルの子どもが第一言語と第二言語のそれぞれで知っている語彙数を合計した場合、バイリンガルの子どもの方が語彙数が多いという結果が見られています。このことから見ても、言語発達をさまざまな観点から包括的に分析すると、バイリンガル環境で育つことが悪影響を及ぼすことはないというのが、多くの研究で立証されている結果です。参考:Comparative language development in bilingual and monolingual children with autism spectrum disorder: A systematic review | Journal of Early Intervention, 39(2), 106-124. | Lund, E. M., Kohlmeier, T. L., & Durán, L. K. (2017)参考:Bilingual children with primary language impairment: Issues, evidence and implications for clinical actions. | Journal of communication disorders, 43(6), 456-473. | Kohnert, K. (2010)参考:The language abilities of bilingual children with Down syndrome. | American journal of speech-language pathology. | Bird, E. K. R., Cleave, P., Trudeau, N., Thordardottir, E., Sutton, A., & Thorpe, A. (2005).親の第一言語で子どもに話しかけることが、子どもの言語発達に良い効果をもたらす子どもの将来を考えると居住国の言語を習得することが最優先なのではないかという認識のもと、家庭内での使用言語を日本語に絞るようアドバイスされるケースが少なくありません。しかし、親が得意としない第二言語のみを家庭内で使うことは、期待されている第二言語の上達には繋がりにくいとされています。第二言語で話すとなると、親から子に語りかける自然な発話の量が減り、使う語彙や文型も限られてしまい、子どもが触れる言語のモデルが量・質ともに下がってしまうからです。一方で、親の第一言語を家庭内で育んでいた場合、親から得る言語のインプットがより豊かになり、言語発達だけでなく、認知的能力にも良い効果が見られています。また、家庭内で親の第一言語を使ったコミュニケーションを促すことで、親子関係の向上にも繋がり、情緒面のサポートにも繋がるとされています。更には、家庭内で第一言語を使って第一言語の土台を強くすることで、読み書きのスキルが上がり、学齢期以降に学習面で必要となる複雑な概念などの理解もしやすくなり、学習によって得た知識は第二言語へも汎化されるという研究結果が出ています。このように、親の第一言語を家庭内で使用し外国にルーツを持つ子どもの母語支援をすることがさまざまな良い影響を及ぼすということが分かっており、居住国の言語のみに絞る減算型支援ではなく、加算型支援が諸外国でも進められているバイリンガル児童の支援の方向性と言えます。外国にルーツを持つ子ども達の持つ背景や成育歴は非常に多種多様です。何語をどのぐらいの割合で、どんな場面で使っているのか、周りにいる大人の言語習得度はどれぐらいなのか、生まれたときから二言語に触れていた「同時バイリンガル」なのか、それとも後から第二言語に触れるようになった「後続性バイリンガル」なのか…というように、一口に「バイリンガル」と言っても、さまざまな状況が複雑に絡み合って子どもの発達に影響を与えています。外国にルーツを持つ子どもや家族のルーツはアイデンティティそのものです。彼らのアイデンティティを否定することなく、育みサポートしていく方法を、それぞれの家庭の環境に合わせて考えていけると良いでしょう。このシリーズでは、今後複数回にわたって、外国にルーツを持ち発達障害の疑いがある子ども達やその家族の支援について、異文化理解、言語発達理論、第二言語習得論といった観点から検討していきます。参考:What clinicians need to know about bilingual development. | Seminars in speech and language (Vol. 36, No. 2, p. 89), NIH Public Access. | Hoff, E., & Core, C. (2015)参考:在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表| 総務省参考:「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成 28 年度)」の結果について | 文部科学省参考:外国にルーツをもつ特別支援学級在籍児童の複言語能力に関する調査研究|松田真希子(金沢大学 国際機構 准教授)
2021年02月19日子どもにお金のことを教えたことがありますか?「こんな小さいうちから必要?」「そもそもきちんと教えられるかしら」というママたちへ。幼児期のマネー教育について、キッズマネースクールで講師を務める太田伸子さんに聞きました。イラスト/杉浦さやか■太田伸子さんキッズマネースクール(一般社団法人日本こどもの生き抜く力育成協会)理事、認定講師。前職の銀行員時代、息子へのマネー教育をきっかけにキッズマネースクールの活動に参加。イベントやセミナーを通じて、日本各地で親子の金銭教育普及に取り組んでいる。あんふぁんママに聞きました幼児にマネー教育って必要なの?「マネー教育って言われても…」と困惑する人もいるでしょう。まずは幼児のマネー教育の必要性や、教え始めるタイミングについて紹介します。文部科学省も力を入れる「お金の教養」。アメリカやオーストラリア、香港などでは、子どもたちが楽しみながら理解できるように、ボードゲームや課外学習など、授業の中にマネー教育が組み込まれています。日本も諸外国に後れを取らないために、金融庁や文部科学省がお金の教育に力を入れ始めています。日本のマネー教育が遅れているのは、昔はお金の知識がなくても、郵便局や銀行に預けておくだけでお金が増えたから。さらに、日本には「お金は汚いもの」「お金の話をするのは下品」とする風潮もありました。でも今は金利0・001%の時代。貯蓄では物価上昇率に対応できず、実質「損」をしている人もいると聞きます。これからの時代、年金や社会保障制度だけで暮らすのは難しいのかもしれません。未来を生きる子どもが暮らしていくために、「お金の教養」は必須なのです。お金の意味や大切さ、管理の方法、使い方、稼ぎ方、ため方、増やし方…。幼児期から親がお金について教えていくことは、そうした教養の最初の一歩になります。「買って!」が始まったらマネー教育をスタートマネー教育は「何歳から」と区切れるものではありません。買い物に行ったとき、お菓子やおもちゃを「買って!」とねだるようになったら、「お店のものはお金を払って買わなければ、自分のものにならない」と理解できている証拠。お金の価値や大切さを伝え始めるタイミングです。例えば100円のおもちゃをねだるときも、「100円ならいいか」ではなく、そのおもちゃが本当に欲しいのか、大事にするのか、しっかり考えさせましょう。そして会計はできれば子どもに現金を渡して払わせ、「お金を払って買ったんだ」と実感してもらうのです。また、お金は「ありがとう」と交換するものです。店員さんはお金を受け取って、自分は欲しいものを手に入れて、そのことに対してお互いに「ありがとうございました」と言い合う。こうした感謝の気持ちと、お金を使う喜びを結び付けて、お金の使い方を伝えていけるといいですね。キャッシュレス決済でお金の価値を伝えるのは難しいキャッシュレス決済は便利ですが、幼児に仕組みを理解してもらうのは難しいですね。幼児期には、まずお金の概念を現金で学んでもらうことが先決。ただ、キャッシュレス決済を「無限に使える魔法」だと誤解しないように、「カードに入っているお金を全部使うと、なくなっちゃうんだよ」「パパやママが働いたお金があるから使えるんだよ」といったことは折々で伝えてみてください。少し大きくなったら、親子で一緒に交通系ICカードやスマホにチャージしてみると、「お金がここに入る」がイメージしやすいでしょう。お小遣いってどうすればいい?金銭感覚や管理方法を身に付けてもらうために、将来的にお小遣い制にしようと考えているご家庭は多いでしょう。お小遣いは、子どもがお金について学ぶチャンス。幼児期〜小学生にかけて、金額やルールはどのようにするとよいのでしょうか?お小遣い額に正解ナシ! わが子に合わせて設定をお小遣いは、お金の管理方法や使い方を実践で学ぶ、いわば練習のお金。わが子の性格や理解力に合わせてスタートし、成長に合わせて仕組みを更新していくことが必要です。幼児期はお小遣い制の前段階として、親が子どもと一緒に、お小遣いを管理しましょう。例えば、毎週100円を10円玉10枚であげ、3つの瓶に分けて入れます。お金がたまったらお店に持って行き、お金を使ってみましょう。もう少し大きくなってお金の管理に慣れてきたら、お小遣い制をスタートします。親は「相場」が気になりますが、金額に正解はありません。他の子の額にそろえても、実際には「何にお金を使うのか」で妥当な額は変わります。「かわいい文房具は?」「スイミング帰りのアイスは?」など、お小遣いから出すものと、親が出すものを話し合って、金額やルールを決めましょう。決めたことは「おこづかい契約書」に書いて、親も必ず守るようにしてください。[お小遣い制の主な種類]■報酬タイプ「お手伝いをしたらいくら」とすると、「お金は労働の対価」ということを学べます。「何かお手伝いをしたら必ずお金をもらえる」という考え方にならないために、あらかじめ「◯◯したら◯円」と、報酬が発生するお手伝いと金額を決めておくのがポイント。幼児にも向いている方法です。■定額タイプお金の計算やお小遣い帳の記入ができるようになり、欲しいものが増えて「◯円欲しい」という要望が出てきたら「毎月(毎週)いくら」という定額制がいいでしょう。子どもはお金の計画や管理がしやすいですし、親は金額と渡す日が決まっていてラクです。■ミックスタイプ毎月定額をもらいつつ、さらに欲しいときはお手伝いをして報酬をもらうことができる、というのがミックスタイプ。幼いうちは少額の報酬でいいのですが、成長すると必要額を稼ぐのは大変です。報酬タイプから定額タイプに移行するときにおすすめの方法です。お小遣いは3つの瓶で管理しようお金は財布などにしまうのではなく、目に見える状態で管理すると良いでしょう。透明な瓶を3つ用意して、用途別に分けて入れておくと、お金の「見える化」ができます。■貯金半年〜1年以上かけて頑張ってためるお金。いつかのために備えておく習慣付けは大切です。「新しい電車の本が欲しい」というとき、全額貯金から出すのは無理でも「じゃあ1000円まで頑張ってためよう。そこまでためたら足りない分はママが出してあげるよ」などとするといいでしょう。■ありがとうのお金家族やお友達へのプレゼントなどに使うお金です。自分のお小遣いを使って人に感謝される経験は、子どもの財産になります。例えば、祖父母への誕生日プレゼント。孫がお小遣いから買ったものなら感激も倍増で、「ありがとう」の言葉も重みを増すでしょう。また、街頭募金などに寄付するのも良い経験になります。■自分で使うお金お菓子やジュースなど、自分が欲しいものを買うお金です。この枠の使い道は子どもに任せます。親には無駄遣いに思えても口出しは厳禁。お金がなくなって、本当に欲しいものが買えなくなれば、お金の使い方を考えるようになります。ちょっとした無駄遣いや失敗から学ぶことは、とても大切です。case study■Aさん親子の お小遣いヒストリーお小遣い制はそれぞれの家庭で異なるもの。幼児期から成長に合わせた活用の一例として、Aさん親子のケースを見てみましょう。〔 年少・年中 〕月300円を親子で管理毎月1日に、300円を100円玉1枚、50円玉2枚、10円玉10枚で渡し、3つの瓶に分けて管理。コインの表裏の模様を観察したり、10円玉が増えたら100円玉に両替したり、お金の基礎知識に触れました。たまに自分のお金の瓶から、好きなお菓子を買うことも。〔 年長〜小学1年生 〕お手伝い1回30円の報酬タイプ食卓準備、お風呂掃除、洗濯物畳み、各1回30円で設定。お手伝い表を作って、やった日にはマークを付けていき、月末に集計して払いました。カプセルトイ代もお小遣いから出すルールにしたら、「お手伝い10回分なら、他のものを買いたい」と言って、やりたがらなくなりました。〔 小学2〜4年生 〕月400円の定額+報酬のミックスお小遣い会議をして、お友達と遊んだときのお菓子代として月400円を定額に。足りないときは働いて補えるように報酬も残しました。リビング掃除、靴洗い、皿洗いなど、仕事の難易度を高めて1回50円に賃金アップ。計算ができるようになったので、お小遣い帳も付け始めました。家事のやり方も教えることができて、一石二鳥でした。〔 小学5〜6年生 〕必要なお金が増えて月1000円の定額にお友達の誕生日プレゼントを買うなど、交際費もかかるようになったので、5年生から月1000円の定額に変更。報酬はなくしましたが、風呂掃除と靴洗いは子どもの仕事として定額の中に含むことにしました。5年生の冬から1200円、6年生からは塾の軽食代も含めて2000円にアップ。Pointルール変更時は必ず「お小遣い会議」をお小遣いの額やあげ方は、その子の性格やお金の使い道などによって、どんどん変わっていきます。ですから、きょうだいでやり方が違ってもOK。ルールは親が決めるのではなく、親子の「お小遣い会議」で話し合いましょう。ルールを変えたいときや、無駄遣いが目に余るときなども会議を。そうした会話は「お金の教養」を蓄積できるとともに、親子のコミュニケーションを深めることにもつながります。
2021年01月14日いまもなお、世界で猛威を振るう新型コロナウイルスは、医療の現場のみならず、教育の現場にも大きな影響を与えています。いまでこそ、ほとんどの学校で通常授業が再開し、子どもたちは学校で授業を受けることができるようになりましたが、緊急事態宣言が発令された2020年4月から5月にかけては、多くの子どもが各家庭で学習を進めなければなりませんでした。長引く休校期間中、「子どもに勉強をさせる難しさ」に直面し、頭を悩ませたおうちの方も多かったのではないでしょうか。そんななか、私が経営しているRISU Japan株式会社では、4月27日から5月27日までの約1ヶ月間、Youtube上で無料の「RISU小学生オンラインスクール」を開講しました。これは、新型コロナウイルスの影響で自宅学習を余儀なくされた子どもたち、とりわけ小学校1・2年生を対象に、無償でオンライン授業を提供するサービスです。ありがたいことに、チャンネル登録者数5,000人以上、合計視聴回数は約13.9万回と、大変なご好評をいただきました。社会が落ち着きを取り戻すまでの期間限定サービスであるオンラインスクールは、5月末に配信を停止しました。その際には、「今年いっぱいは開講してほしい」「長期休みに期間限定で復活してほしい」など、閉校を惜しむ声もたくさんいただきました。今回は、そんなオンラインスクールの経験から見えてきた、「未来の子どもの学び」の姿についてお話ししたいと思います。オンライン授業の実施率、アメリカは83%。日本はたったの5%!まずは、RISU Japanがオンラインスクールを開講した背景からお話ししましょう。2020年2月28日より始まった新型コロナウイルスによる休校期間。感染の恐怖と隣り合わせながら、いつ休校が明けるのか先も見えない状況のなか、多くのおうちの方から、子どもの学習機会の減少や学習の遅れ、学習内容の定着を心配する声をうかがいました。「新型コロナウイルスによる学習機会の減少で、子どもたちの貴重な才能を失いたくない」そう強く思った私たちは、この状況下で、私たちができることはなにか、必死に考えました。RISU Japanの強みを最大限活かしながら、子どもたちの才能を伸ばす方法ーー。ベストアイデアを求めて社内での検討は続きました。そこで考え出されたのが、「RISU 小学生オンラインスクール」でした。私たちは、デジタル教材に専門で携わってきたこともあり、動画制作や配信などのノウハウがあります。また、それだけではなく、10億を超える学習データを分析しながら自社サービス「RISU算数」のカリキュラムを作成したことから、子どもの学習に効果的なカリキュラムを作成することも得意分野でした。加えて、少し視点を広げ、コロナ禍での世界の学習状況にも目を向けてみました。たとえば、中国は国家単位で、無償の教育ツール(教材等)を提供しています。あるいはアメリカでは、「学校が提供するオンライン遠隔教育で子どもが学習している」と答えた親が2020年4月初旬ですでに83%おり(ギャラップ社調べ)、小学校から高校生まで、教師と生徒はオンラインで授業や課題のやりとりをするようになっていました。一方日本はというと、2020年4月16日時点で、休校中または休校予定の1,213自治体のうち、双方向型のオンライン授業を行なっていたのはわずか5%(文部科学省調べ)。諸外国と比較すると、日本の学習状況は明らかに遅れをとっていました。こうした状況を少しでも打破したい、という思いが社内での意見としてまとまってきたのです。そのようにしてやっと、「RISU小学生オンラインスクール」の構想が生まれました。どんな時代でも生き残る人材になるための「基礎力」とは?急ピッチでオンラインスクールの準備を進めるなか、私たちは、オンラインスクールの構想に興味を示してくれるひとりの人物と出会うことになります。それが、RISU小学生オンラインスクールで校長を務めることになる佐藤雅巳さんです。東京大学在学中から、長年にわたって大学受験の予備校講師を務めていたという、佐藤校長。担当した受験生のなかには、算数レベルの計算でつまずく生徒や、簡単な漢字が書けない生徒も少なくなかったと言います。そして彼らを見ているうちに、「本当に必要な『基礎力』を、早いうちから子どもたちに提供したい」という思いが芽生えたのだそう。佐藤校長のそのような思いと、RISUオンラインスクールの構想が結びつき、RISU Japanは佐藤さんをオンラインスクールの校長として迎え入れることとなりました。「コロナ禍で変容しつつある社会において、『どんな時代にあっても生き残れる人材』を育成するには、ひとりひとりに寄り添った低学年教育こそが必要だ」以前、佐藤さんがおっしゃったこの言葉が、私の頭を離れません。小学校1・2年生の子どもたちを対象に、算数と国語の授業を提供したRISU小学生オンラインスクールでは、そんな佐藤さんの「学習における『基礎力』を」という考えも大きく反映されています。たとえば、授業を見ながら自分で問題を書き取るような活動を入れたり、自分で問題や文章をつくったりする活動も授業では行ないました。「オンラインスクール」は受動的になりやすい授業形態です。だからこそ、自分で考え、アウトプットするという「学習にとってもっとも基礎になること」を勉強する時間を設けたのです。しかし、オンラインスクールというかたちでアウトプット主体の授業をつくるのはなかなか難しい作業でした。配信を開始してからも、受講者の声を聞きながら難易度やカリキュラムを調整し、一方的な配信にならないよう、注力し続けました。オンラインスクールで最も力を入れたのは、こうした「アウトプット主体」型の授業とオンラインという形態にどのように折り合いをつけるのか、ということでした。こうした苦労が功を奏したのか、RISUオンラインスクールは開校当初から、多くの好意的な反応をいただきました。TwitterなどのSNSでは、「休校中にもかかわらず、学び続けることができた」「動画での授業なのに、子どもが熱心に取り組んでいた」などの反応をいただきました。「教室での集団授業」ばかりが正解ではない最後に、コロナ禍での教育を見つめたひとりの人間として、withコロナ/アフターコロナ時代の教育について、私がいま考えていることをお話ししましょう。コロナウイルスの影響で、私たちの生活スタイルは以前とは異なるものになりました。それにともない、子どもたちの教育のあり方も大きく変わるに違いありません。西洋で近代教育が始まってからの200年間、「学校」は社会で役立つ人材を効率よく育てる組織として機能してきました。しかし、時代は複雑化し、個人が選択しうる職業やライフスタイルの幅は格段に広がりました。そうした社会状況のなかで、子どもたちの幸せ、あるいは将来を考えたときに、「教室での集団授業」ばかりが正解ではないと私は考えています。以前の連載でもお話ししましたが、これからの時代は、集団ベースの一斉指導ではなく、個人の個性に最適化された学習が教育の主流になっていくでしょう。私たちが提供するタブレットサービス「RISU算数」の学びは、そうしたものに近いと思います。タブレット学習の利点を活かして、それぞれの子どもが各自のペースで学習を進められ、自分の苦手をしっかりとカバーしてもらえる。そしてその過程で、社会で生きるために必要な論理的思考力なども、個人に最適化された形で身についていく。それこそが、私たちが目指す教育の姿なのです。また、現状では教育サービスに最も適したデバイスとして、タブレットが導入されていますが、私は今後、デジタルペーパーなどの紙の代替品が、教育と関わっていくのではないかと注目しています。未来の子どもの学習スタイルは、きっと、いまとはずいぶん異なるものになるでしょう。たとえば、リビングの机に座ると、机そのものがデジタルになっていて、声で呼び出すと机にRISUの画面が現れる。あるいは、自分の勉強部屋に行ったときも、同じように机の上にRISUの画面を呼び出し、勉強することができる。そんな世界が来る日も、そう遠くはないかもしれません。そしてそんな世界では、子どもたちの学びは各自のペースで、それぞれが好きなやり方で進めるものになっているかもしれません。もちろん、これはとても先の、未来のお話です。しかし私たちRISUJapanは、「才能あふれる社会を創り出す」をモットーに、教育でこんな未来を実現するひとつの手助けになれれば、と思っています。『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2020年12月11日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子どもを子育て中の3児の母です。今回は子どもの睡眠についてです。日本は睡眠不足大国とも言われるほど睡眠が少なく、それは子どもも同じです。どうやって睡眠時間を確保するか、睡眠不足じゃないかを判断するかをお話しできたらと思います。 子どもはどのくらい寝たらいい? 子どもの睡眠時間の目安は、乳児期(生後6カ月から1歳)で13-14時間、1歳から3歳で11-12時間、幼児期で10-11時間です。睡眠時間が短くなり体内時計が狂ったりすると、 脳や身体の発達に影響を与えると言われています。具体的には、肥満のリスク因子であることがわかっています。さらに、集中力・記憶力の低下、抑うつなど意欲の低下、イライラといった攻撃性の高まり、落ち着きのなさなどメンタルにも影響します。 身体的には頭痛・肩こり、食欲低下、便秘なども引き起こします。文部科学省の調査では、学生の休日の起床時刻は、平日よりも2時間以上遅いことと、成績不良が関連することが指摘されています。 子どもの情緒や生活習慣に苦労している場合、睡眠時間を見直すというのもいいかもしれないですよね。 どんなときに睡眠時間の見直しをする?とはいえ、睡眠時間の目安はあくまで目安なので、できれば守った方が安心ですが、絶対に守らなければならないものではありません。なかなか睡眠時間を確保できないとき、睡眠時間を見直す目安にして欲しいことがあります。 ①月曜日は元気だけど、金曜日(週末)に向けて疲れてしまう様子がある。週後半になると熱が出るなど風邪症状が現れる ②週末(園が休みの日)に寝坊する こんな時はもう少し睡眠時間を確保した方がいいなと思ってください。 わが家の睡眠時間のためにしている工夫私の育児で大事にしていることの一つに「睡眠時間の確保」があります。私はフルタイムで働いていて、夜勤などもあるので帰宅時間が遅くなることもあるのですが、睡眠のために工夫していることがあります。 夕食を作っておく帰宅が遅くなる日の夜や、子どもがまだもっと小さかったときの夕食は、帰宅したらすぐ出せるようにしていました。前日の夜中や朝に作っておいて、冷蔵庫から出せばあげられる、温めたらあげられる、という感じです。 メニューはシンプルになりますが、帰宅後おなかが減った子どもに余計なお菓子などをあげなくても済みますし、調理時間を時短した分だけ、睡眠時間を長くすることができます。帰宅が20時以降になるようなおうちでは、夕食を軽食にして、朝食などに重点を置いてもいいかもしれません。 家事は溜めてOKというマイルールまた、子どもを早く寝かせるために「皿洗い、洗濯物などの家事を寝る前にやらなくてもいい」と自分の中で決めました。できたらやるけど、やれなかったら皿洗いや洗濯物はそのまま放置! 寝かしつけのあとにしたり、家族にやってもらったりしました。 夕食と入浴を帰宅後にマッハで済ませて、入浴後少しまったりしたら「はい、寝るよ~!」というスピード感。しつけは全然厳しくないのに、寝ることにだけは厳しいママです(今でも)。 育児で何を大切にするかを決めよう何度もこの連載で書いていることですが、育児や生活の上で、自分が大事にしたいことを優先順位をつけてみて、ぜひそこを大切にして欲しいなと思います。 私は子どもの睡眠時間を大切にしたいので、調理時間や家事のタイミングを工夫して、子どもがしっかり睡眠できるようにしています。 ほかにも「調理時間を時短して、家族とおいしいごはんをゆっくりお話ししながら食べたい」、「家事を家電にまかせて、家族とのコミュニケーションを重視したい」など、ご家庭によって大切にしたいポイントはさまざまだと思います。 「自分の大切にしたいことをきちんと大切にする生活」が、心も体も落ち着くのではないかと思っています。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2020年11月26日特別支援学級、実際はどんなところ?「特別支援学級」とは、障害のある子ども一人ひとりに応じた教育を行うために小・中学校に設置されているクラスです。最大8名の少人数クラスで、子どもの発達や障害の程度に応じた指導を受けることができます。(呼び名は特別支援学級やなかよし学級など、さまざまです)■特別支援学級のメリット・手厚い指導を受けられる可能性が高い・発達や障害に応じたカリキュラムが受けられる可能性が高い■特別支援学級のデメリット・集団行動を学びにくい・通常学級と学習カリキュラムが異なるため、学習の差が出やすい学級の選択は、お子さまの発達や特性に合わせて考えることが大切です。しかし、特別支援学級は全ての小学校・中学校に設置されているわけではなく、なかには遠くの学区に通学しなくてはならないケースもあります。指導内容や体制についても、学校ごとにばらつきがあるのが現状です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方は下記のようなことで悩まれることが多いようです。【子どもが特別支援学級に在籍している、検討している方の悩みごと】・学区をまたいででも在籍するべき?・指導・学習内容を具体的に知りたい・サポートや要望(合理的配慮)はどこまで求めていいの?・友だちづくりや、人間関係を学ぶことはできる?・内申がつかないと聞いたけど、卒業後の進路はどうなる?実際のところ、どうなのでしょうか。特に中学校卒業後の進路は、義務教育が中学校までのため、自ら選んでいく必要があります。特別支援学校と高等学校の進学率、半々にUpload By LITALICOライフ小学校に入るとき、「手厚い学級が良い」と思い特別支援学級を選択。そのまま中学校も特別支援学級…と進んでいくと、高校進学を考える時期に、内申がなく高校受験が難しくなる…という話があります。すべてがそうではありませんが、実際にそういった経験をした方もいるようです。実際のところ、特別支援学級に在籍した子どもの中学卒業後の進路は、どうなのでしょうか?上の図は文部科学省の「学校基本調査」より、中学校が特別支援学級だった子どもの卒業後の進路をまとめたものです。ここから、この10年間で卒業後の進路が大きく変化したことがわかります。10年前の2010年は、7割の子どもが特別支援学校に進んでいました。高等学校に進む子どもは約2割と、少数派でした。しかし2019年になると、特別支援学校に進む子どもと高等学校に進む子どもは、約5割ずつと半々になりました。高等学校に進学する特別支援学級の子どもは、この10年間で約2倍になりました。中学卒業後の選択肢は広がってきています。高卒の資格をとれる通信制高校も増えてきています。10年前と比べて選択肢が増えてきているからこそ、お子さまの将来の可能性も視野に入れながら、最新の情報をもとに学級選択をすることが大切です。文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」令和元年度版、平成22年度版とはいえ、うちの子の場合は?最新の情報が得られる勉強会も活用してここまで、特別支援学級にまつわるよく耳にするお悩みや、実際の数字データをご紹介しました。しかし、特別支援学級の体制や選択できる進路は、住んでいる自治体やご家庭によってさまざまです。お子さまの特性や好み・考え方もそれぞれです。進学予定校の特別支援学級の現状や、お子さまとの相性など、実際の見聞も参考にしながら考えていきたいところです。将来の可能性もふまえた総合的な判断について、相談しながら整理するのも一つの方法です。そこで、LITALICOライフでは、特別支援学級についての情報や、卒業後の進路の選択肢まで、最新の情報がわかる勉強会を開催します。また、勉強会参加後に希望を出すと、後日、個別相談をすることもできるので、「わが子の場合は?」についての疑問や不安もご家族だけで抱え込まずにすみます。就学時の学級選択、進路相談、お子さまの将来の自立まで、相談経験豊富なスタッフがおりますので、ぜひ勉強会後にお申し込みを検討してみてください。特別支援学級卒業後の情報や、いま準備しておきたいことが勉強会でわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「支援級卒業後の進路(全国版)」は、特別支援学級に在籍する方の卒業後の進路の選択肢について、広く知ることができる勉強会です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方にとって、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてお話ししています。【特別支援学級 卒業後のこんな情報がわかる!】・高校進学に内申点が必要か・公立高校での特別支援教育の取組み・通信制高校/サポート校とは・高等専修学校とは・特別支援学校 高等部とは・進路選択するときに手帳が必要か・高校卒業後の生活に関して(仕事やお金)【通級】が気になる方は…⇒無料勉強会『「通級」の活用と進路の選択肢』LITALICOライフは、お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。ぜひ皆さまにご活用いただきたいと思っています。
2020年11月13日親子で学校がしんどかった頃、支え続けてくれたスクールカウンセラー出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。現在、新型コロナウイルスによる影響下で、登校をしぶりがちだったり、学校生活に戸惑いや負担感を感じるお子さんも、少なからずいるでしょう。また、親だって、子育ての悩みや不安があっても、他の人には気軽に相談しづらい方もいるのではないでしょうか。そんな「学校、しんどいな」「子育て、大変だな」という時、うちでは長男が小1の頃から現在まで、スクールカウンセラーを親子で活用し、支え続けて頂きました。そこで、今回はスクールカウンセラーの基本的な利用のしかたと、相談できることや活用法などを、うちの親子の実体験からご紹介します。出典 : 「スクールカウンセラー」は、学校の中で、児童・生徒、保護者、教員などの心のケアを中心に支援をしてくれる身近な相談役です。一般的に、臨床心理士・公認心理師・精神科医などの専門の資格がある先生が配置されることが多く、子どもの発達面についても詳しいことが多いようです。ただし、現在その配置数は年々増加傾向にあるとはいえ、各学校専属のカウンセラーはまだ少なく、大抵は自治体ごとなどで複数の学校を巡回している先生が多いかと思います。うちでお世話になったスクールカウンセラーの先生も、公立小学校も私立中学も、複数校のかけ持ちです。スクールカウンセラー等活用事業:文部科学省こういった事情から、スクールカウンセラーの利用は「第2・第4の○曜日」など、決まった回数、決まった曜日が相談日になっていることが多いでしょう。また、自治体によっては、在籍校ではなく、近隣の他校に訪問する必要があることも(あえて、他校での相談を希望する方もいるようです)。ですので、もし、「ちょっと相談してみようかな?」と思ったら、まずは学校のお便りなどをチェックしてみるといいでしょう。うちの小学校では、月に一度配布される「スクールカウンセラーだより」に、先生の来校日や予約のしかたが書いてあります(分からなければ、管理職の先生等にお問い合わせを)。うちの小学校の場合、予約は予約担当の先生(教頭先生、特別支援コーディネーターの先生)か、事務職の方に電話で希望日時を伝えて調整していただきましたが、「利用日時を在籍校の先生方に知られたくない」などの場合は、カウンセラーの先生の来校日に電話をして、本人に直接予約を取ることもできるようです。また、一度利用すると、次の予約を相談時間内に口頭で取ることもできました。うちでは長男にも小学生の頃から「予約の取り方」を電話の横で一つひとつ教え、自分で予約をして1人でも相談できるようになり、中学でも(勝手に)活用しているようです。スクールカウンセラーって実際どう?話聴くだけ…?出典 : 「スクールカウンセラーって、実際どうなの…?」「話を聴いてくれるだけじゃないの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。でも、スクールカウンセラーの相談内容は、子どもの心のケアはもちろん、発達面の心配や不登校の悩み、学校の先生や友人関係のこと、いじめ対応、進路や就学の相談、家庭問題や親自身のこと…など多岐に渡り、実は「話を聴く」以外の働きかけも沢山あるんですよ。実際に、うちでは主に…・子どもの発達のこと・学校との連携や仲介・子ども自身の相談・代理相談と親のケア…などを相談してきました。また、最初に、「ここで話したことには『守秘義務』が課され、本人から希望しない限り、学校の先生なども含めて、他人に知られることはありません」と、(子どもにも)説明がありました。では、それぞれ、うちではどう相談し、学校生活に活かしてきたのか、可能な範囲で紹介しますね。出典 : 「子どもの発達のことが気になるんだけど、専門の医療機関は敷居が高い」「初診の予約がなかなか取れない」などや、「発達障害の診断はついたものの、その後どうしたらいいのか分からない」「検査結果が上手に学校生活に活かせない」などでお悩みの場合、スクールカウンセラーが助けになってくれるかもしれません。私は、長男が小1で発達障害の診断がついた頃、初めてスクールカウンセラーを利用しました。担当してくれた先生は、臨床心理士の資格もあり、発達面についても詳しい方でした。当時の私は「発達障害」という言葉を知ったばかりで、右も左も分からない状況の中、知能検査の結果などを持参しながら、「専門病院でこんな風に言われたのですが…」と、恐る恐る相談しました。すると、カウンセラーの先生は、数字だけではよく分からなかった知能検査の結果を見立てながら、「この数値が高いので、〇太郎君はこういうことが得意で、こういうことが苦手だと思います」「こことここの差がこんなに開いているので、学校では〜することが、かなり負担なんじゃないかな」など、ひとつひとつ詳しく解説してくれ、「あー、そういう意味だったのか!」と、ストンと納得できたことを覚えています。そして、当時の長男は漢字書き取りの宿題を泣くほど嫌がり、「国語のある日は学校行きたくない」と、毎朝登校しぶりが続いていました(国語って、毎日ありますよね…)。私も親としての自信をすっかりなくして抑うつ的な気持ちが続き、外出するのもつらく感じていました。こんな悩みは、幼稚園からの長いつき合いでも、普通に元気に学校に通えているお友達のママ友さんにも打ち明けられず、私は1人で抱え込み思いつめていたので、話を否定せずに聴き、一緒に「どうしたらいいか」考えてくれる存在がいたこと自体が、何よりの助けになった気がします。私も、カウンセリングの最初の数回は泣いてばかりだったように思いますが、相談を重ねるうち、次第に気持ちや頭の中が整理され、長男に対しても、学校に対しても、なんらかの前向きな行動につなげる力を頂きました。また、長男のことが落ち着いてきてからも継続的にカウンセリングをお願いし、その際、「発達障害の診断が出るほどではない」グレーゾーンの次男や長女のことも、最近の様子などを報告しながら一緒に成長を見守って頂きました。Upload By 楽々かあさん「担任の先生のやり方が我が子に合わないようだけど、モンスターペアレントだと思われないか心配」「配慮をお願いしたいけど、先生も忙しそうで言いづらい」「学校に理解を求めたいけど、口下手で上手に伝えられない」…などでお悩みの場合も、スクールカウンセラーを頼ってみてはどうでしょうか。私は子どものことで、学校に配慮や理解をお願いしたい時に助言を頂いたり、時には、スクールカウンセラーの先生が直接、担任の先生などに「カドが立たないように」上手にこちらの要望を伝えて下さったり…と、親と学校の間の仲介役となって調整して下さいました。また、私は長男が小学生の時、毎年担任の先生に「サポートブック」を作って連携をお願いしてきたのですが、その際も、担任の先生に渡す前に、スクールカウンセラーの先生に一旦チェックしていただきました。第三者の客観的な視点から、「学校に過剰な要求をしていないか」「担任の先生の負担にならないか」…などへのご意見を頂けたのは(お互いのためにも)助かりました。そして、子どもと担任の先生やクラスメイトとの関係が気になる時などは、スクールカウンセラーの先生が、実際に休み時間や授業中に教室の様子を見に行くことも。うちでは、校内で長男に声をかけてくれたり、クラスの子や他のクラスの先生からもそれとなく様子を聞いてくれたりしました。親は大抵、わが子の話からしか学校の様子が分かりませんし、また、一見その子の個性の問題に思えることでも、クラス全体の雰囲気や子ども同士の関係などが影響していることもあります。そこを、「〇太郎君は、クラスで全く孤立しているワケでもなさそうですよ」「今、教室が結構騒がしいようで、〇次郎君にはきついかも…」など、第三者の視点から様子を教えて頂き、私も安心できたり、家での接し方を変えたりすることができました。また、教室の状況次第で、管理職の先生方などにも連携を取って頂けるように働きかけてもくれました。出典 : こうして、なにかある度に、私はスクールカウンセラーの先生に相談してきたのですが、長男が小学校高学年になった頃、前述のように「自分で相談できるように」徐々に慣らしていくことにしました。その理由は、改善傾向にあるとは言え、発達障害・グレーゾーンの子に対する公的な支援体制は、(特に地方では)まだまだ十分とは言えず、また、子どもの成長に伴い、「なんでも親が解決!」とはいかなくなるからです。そして、思春期の子には、親には話しにくい悩みもあれば、時には親への不満だって出るのも健全な成長の証でしょう。だから、子どもが自分で、親以外の誰かに助けを求めたり、相談したりできる力を、親が間近でフォローできるうちから、ゆっくり身につけておこうと思ったのです。そこで、長男の場合、最初は親子面談で予約しました。私は「初回は挨拶程度でも十分」と考えていたのですが、まあ、よく喋ったこと!(笑)とにかく言いたいこと、誰かに聞いて欲しいことが沢山あった長男は、親以外でそれを否定せずに受け止めてくれる存在が身近にいたことが、すごく嬉しかったようです。それ以来、相談時間をとても楽しみにしていました(ちなみに、カウンセリングは授業中の時間帯でも可能なので、正当に教室を抜け出せるのも良かったようです)。そして、長男が自分1人で相談できるようになると、カウンセラーの先生は、中学受験前の面接の練習にもつき合ってくれたり、時には一緒に給食を食べてくれたりもしたようです。後日、お礼を伝えると、「〇太郎君と話すの、私もすごく楽しいんですよ。素直でユニークで、いろんなこと考えてて…」なんて聞き、私もなんだか嬉しくなりました。出典 : でも、カウンセリングに積極的になれる子ばかりではありませんよね。うちの次男もそうでした。次男は、5年生の頃、登校前になるとお腹が痛くなって、学校に行けない時期が続きました。そこで私は長男同様に、次男も一度、親子でカウンセリングを受けてみたものの、控えめで繊細な次男は「うーん、僕は『さあ、どうぞ、悩み事を何でも話して下さい』ってカンジが、どうも苦手なんだよね…」とのこと。なので、次男の場合、それ以降は無理に本人をカウンセリングに連れて行くことはせず、親だけでの代理相談で続けてもらいました。そこで、家での次男の様子や、お医者さんから聞いたことなどを詳しく伝えると、カウンセラーの先生は、「おうちではこんな風に接してみてはどうでしょうか?」と助言してくれたり、担任の先生や保健の先生などともやりとりしてくれ、いろんなことが複雑に絡まっていた当時の次男への「支援の中継地点」のようになって、働きかけて下さいました。そして、突然「不登校の子を支える親」となった私の心のケアも同時にして頂きました。子どもが学校に行けなかったり、その子の個性や親の育て方などに何か問題があるかのように周りから思われたりすることが続くと、親はどうしても自分を責めがちになりますから、同じようにつらい思いをされている方もいるでしょう。私自身も事態が長期化してくると、「一番つらいのは子ども」だと分かっていても、正直かなりストレスや疲労を溜めがちに…。こんな、親のほうもしんどい時期に、「自分を気にかけてくれる人がいる」「大変さを分かってくれる人がいる」というだけでも、かなり違うのではないでしょうか。どんなに大変な時でも「自分を孤独にしない」努力だけは、したほうがいいように思います(私の経験上!)。親子でスクールカウンセラーを利用してきて…出典 : こうして、小学校時代、私達親子は長い間継続して、スクールカウンセラーのお世話になってきました。そのおかげもあり、長男は「自分の言葉で、自分のことを説明する」のが、かなり上手になりました。そして、中学でも自分で定期的にスクールカウンセラーを利用しているようです(ほぼ、雑談をしに行っているだけみたいですが、本人は「超楽しい!」そうです)。そして、次男のことの相談時間の終わりに、私は中学で自分らしく過ごしている長男の近況などを伝えると、スクールカウンセラーの先生は目を細めながら、(少々手のかかる子だった)長男の成長を「〇太郎君、本当に良かったですね〜」って、一緒に心から喜んでくれました。でも、そのカウンセラーの先生はコロナ休校中の間に、いつの間にか転任されていきました。お別れのご挨拶もできなかったけれど、その後、心配をかけた次男も回復し、無事小学校を卒業して、「おかげさまで、お兄ちゃんと一緒に、毎日元気に中学に通ってますよ」って、いつか報告できたらいいな…と思っています。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年09月14日めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
こどもと見つけた小さな発見日誌
育児に遅れと混乱が生じてる !!