聴覚障害のあるアテンドとともに音のない世界で対話をするダイアログ・イン・サイレンス(静けさの中の対話)は、1998年にドイツでスタートし、フランス、イスラエル、メキシコ、トルコ、中国など世界中で100万人以上が体験したエンターテイメントです。日本では2017年より期間限定での開催を続けています。ダイアログ・イン・サイレンスは、音を遮断するヘッドセットを装着した状態で、音声に頼らず対話をする達人である聴覚障害のあるアテンドや、ほかの参加者と表情やアイコンタクト、ボディーランゲージなど、声を出さずにコミュニケーションをとります。いつも頼っていた言葉を使わない対話は、人を信じる心、助け合う心を育て取り戻していくことができる稀有な体験となります。今回は10ヶ月ぶりの開催となるダイアログ・イン・サイレンス「LOVE IN SILENCE」(2024年1月13日(土)~2月25日(日)開催中)をご紹介します。言葉を使わない対話からLOVEを発見しやりとりする「LOVE IN SILENCE」Upload By 発達ナビ編集部ダイアログ・イン・サイレンスで開催中の「LOVE IN SILENCE」。聴覚障害のあるアテンドに導かれて、いくつかの部屋を90分かけてめぐっていきます。参加者はヘッドセットを装着し、声、言葉、手話を手放す部屋へ入ります。こうしたコミュニケーション手段を使えない状態になることで、自然と相手の目をしっかりと見て、相手が何を伝えようとしているのかを受け取ろうと全身を集中させるようになります。日常生活ではなかなか使うことがない集中力、そして相手の目を見て相手の発しているものを受け取ろうとする力、それが新しい対話の入口となっていきます。Upload By 発達ナビ編集部その後、手で表現する、表情で伝えるなど言葉や手話をつかわないサイレンスの世界での対話を深め、楽しんでいきます。言葉を手放したことで行われる密度の高い対話は、体裁をつくろわずまっすぐに伝え合うことを恐れない心の強さと相手を信頼する力を育ててくれます。いくつかの部屋を終えたあと、1つ目の部屋に入る前の自分と比べると明らかに何かの変化が生まれているはずです。Upload By 発達ナビ編集部ダイアログ・イン・サイレンスは、聴覚障害の擬似体験ではありません。言葉や音を使わないコミュニケーションを育む中で、耳の聞こえない人を知り、その生活や文化を想像し思いを馳せることができる体験です。2024年1月1日におこった能登半島地震では、障害者への支援不足という問題が叫ばれています。聴覚障害のある人は音声情報を得ることが困難であるため、避難所での食料の配布時間などが伝わらないなど、命にかかわる情報が届きづらい状態です。また、手話などの自分の言葉を使ったコミュニケーションがとれず孤独を抱えてしまう恐れが高いため、同じ障害のある人同士など対等の立場で話し合う「ピアカウンセリング」の必要性も高まっています。「LOVE IN SILENCE」での対話によって生まれる“LOVE”は、こういった困りごとの多い世界で助け合う心へとつながる一歩となります。だからこそ、今、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。ダイアログ・イン・サイレンス「LOVE IN SILENCE」チケット絶賛発売中Upload By 発達ナビ編集部【期間】2024年1月13日(土)~2月25日(日)【体験時間】90分【会場】ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」東京都港区海岸1丁目10番45号アトレ竹芝シアター棟1F【チケット】大人:3,850円学生:2,750円小学生:1,650円(税込)※クリックすると発達ナビのサイトから『ダイアログ・イン・サイレンス「LOVE IN SILENCE」』のページに遷移します。
2024年01月21日視覚刺激で理解を深めるーー『会話力がおどろくほど育つ だれ?どこ?なに?カード』Upload By 発達ナビBOOKガイド会話のなかで頻繁に使われる、「だれ」「どこ」「なに」という疑問詞。それぞれの疑問詞が「人」「場所」「物」をあらわすということを理解していないと、質問に正しく答えられないことも。「だれ・どこ・なに」を区別し、適切な使い方を理解することは、知的障害や発達障害のある子どもたちのコミュニケーション力を高めるポイントのひとつです。本書は、楽しく遊びながら、会話でネックになりがちな疑問詞の理解を深めることを目的とし、特別支援教育士として発達障害がある子どもたちへ訪問療育サービスを行う八坂美穂先生が、ABA(応用行動分析)の理論に基づいて開発したカードゲームです。明るい色合いのかわいらしいイラストで構成されたカードは、7枚の「だれカード」、13枚の「どこカード」、32枚の「なにカード」と「場面カード」そして「だれ・どこ・なにシート」がセットになっています。ゲームは、ABA療育で行われる課題の一つ、支援者からの質問や見本に対して、子どもがいくつかある選択肢から対応するものを選んでいくという「見本合わせ(マッチング)」の理論に基づいて考案されています。本書の対象年齢は3歳から。絵カードなので、まだ文字が読めない子どもや、視覚優位の子どもにも取り入れやすいでしょう。さらに、理解度に合わせ、できることからスモールステップで進めるように工夫されています。親子でやりとりをするなかで、子どもの成長を感じられるのではないでしょうか。楽しみながら学べる本書は、家庭学習はもちろん、児童発達支援や放課後等デイサービス、学校や園など支援の現場にもおすすめの教材です。ちがいが分かれば、寄り添うヒントが得られるーー『発達障害の子どもたちは世界をどう見ているのか』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、発達障害がある子どもたちから見た世界がどのようなものなのか、豊富な精神医学的知見を有する精神科医、昭和大学医学部精神医学講座主任教授 岩波明先生が、優しく理解しやすい言葉で解説した一冊です。本書では、ASD・LD・ADHDの3つの障害ごとに「家庭」「学校」「社会」において発達障害がある子どもたちの言動や気持ちを深堀し、一つひとつ丁寧に解説されています。さらに、発達障害の特性が小児期、思春期、成人期にわたってどのように変化していくのか実際の症例をもとに紹介。そのうえで、子どもたちと関わる立場の人々が、彼らとどのようにコミュニケーションを図っていけばよいか、当事者たちのことを的確に理解するための対応方法がまとめられています。わが子や担任児童など、身近にいる発達障害がある子どもたちが、どのように世界をとらえ感じているのかを理解することができたら。「なんで?」や「イライラ」が減り、これまでより少しだけ肩の力を抜いて共に日々を過ごせるようになるかもしれません。当事者に関する事例紹介と、医学的知見に基づいたよりよい接し方を盛り込んだ本書は、保護者はもちろん、学校や塾などの教育現場などで日々子どもたちと接する方にとっても、手元に置いておきたい一冊となるのではないでしょうか。困りごとに向き合う育て方のヒントが万歳ーー『発達障害グレーゾーンの子の育て方がわかる本』Upload By 発達ナビBOOKガイド発達障害の特徴がみられるものの診断を受けるほど色濃くはない、発達障害の「グレーゾーン」といわれる子どもたち。発達障害の診断項目を満たすほど特性はなくても、発達に凸凹があり、そのために日常生活に困りごとがある状態です。本書では、発達障害のグレーゾーンの解説から、グレーゾーンの子どもへの発達支援の基本、さらに、幼児期の就学前にできるサポートと、就学後の学童期にできるサポートの4部構成でイラストを交えて分かりやすく記されています。監修は、横須賀市療育センター所長であり小児精神・神経科医の広瀬宏之先生。本書では監修に加え、専門家からの視点でのコラムも執筆されています。発達障害は目に見えにくい障害のため、周囲の理解を得にくいことがあります。グレーゾーンであればなおさらです。しかし、発達の凸凹からくる困りごとを見過ごしてしまうと、やがて周囲の環境とのミスマッチが高じて、本人が傷つき、結果として発達の遅れや2次障害に繋がることも。診断があってもなくても、毎日の生活では工夫が不可欠なのではないでしょうか。声かけやほめ方、適切な環境設定、就学準備や学習支援など、幼児期から学童期までの子どもとの関わり方や工夫が具体的に紹介された本書は、発達障害グレーゾーンの子どもたちの困りごとに向き合うヒントが詰め込まれた一冊です。苦手を減らして小学校につなげる工夫ーー『発達凸凹キッズがぐんと成長する園生活でのGood!なサポート』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、保育園、幼稚園、認定こども園などの集団生活の場面を取り上げ、多くの園で実際に起こりがちな「おしい!」対応と、ひと工夫加えた「Good!」な対応をそれぞれ4コマイラストで紹介。それらを比較しながら、なぜ「おしい!」のか、なぜ「Good!」なのかを分かりやすく解説された一冊です。著者の石川道子先生は40年以上にわたり、発達専門の小児科医として名古屋市立大学病院などで発達専門外来を担当しながら、診療室外では巡回相談や家族支援なども実地。NPO法人アスペ・エルデの会の統括ディレクターも務めています。また、同じく著者の三輪桃子先生はフリーランスの言語聴覚士として、保育園や幼稚園などでの巡回相談や療育機関での言葉の療育を担い、集団の場と個別の場、その両方から子どもの発達を支えているエキスパートです。第1章では、乳幼児期の集団生活が大切な理由を、第2章では乳幼児期に「人とよい関係を築く」ためサポート方法を、第3章では保護者とよい関係を築く対応方法、第4章では、幼児期の頑張りを就学後の生活に繋げる工夫が記されています。発達に特性がある子どもの関わり方だけではなく、その保護者との関係づくりや、小学校との連携についても丁寧に記されているのも本書のポイントです。保護者との情報共有や就学に向けたサポートについてなど、それぞれの場面で保護者にどのように伝えたらよいのか、また、何に配慮したら良いのかも具体的に解説されています。発達に凸凹がある子どもに関わる幼稚園や保育園などの保育者の方、療育関係の方、そしてこれから子どもたちを引き継ぎ受け入れていく小学校の先生にもおすすめの一冊です。できた経験を積み重ねてほしいーー『発達障害の子のためのできる道具自信を育てる』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、筑波大学付属大学特別支援学校で発達障害のある子どもたちに日々寄り添う佐藤義竹先生の監修のもと、「できない」を「できる」に変えるお助け道具満載のビジュアル図鑑のような一冊です。特別支援教育では、「手立て」をとても大事に考えられています。手立ては、言葉かけなどの関わり方や、教材教具までさまざまです。大切なことは手立ての活用を通じて、「できる」から「できない」に変わるということ。本書には、手立ての一つである教材教具の視点から、子どもたちに寄り添う道具がたくさん紹介されています。道具を使うことで「できた」という経験、その積み重ねを通じて、子どもたちが達成感を得て、自信を深め自己肯定感を高めることを意識して構成されています。本書では、「ちゃんと洗いなさい」の「ちゃんと」を見える化する道具や工夫、指に入れずに握って切るタイプのハサミの紹介や、親子の会話が生まれるゲームでコミュニケーションの手立て、持ちやすい鉛筆や書きやすくなるノートなど学習についてなど、道具の紹介と共に「できる!ポイント」や佐藤先生からの道具を導入する場合の一言コメントも、一つひとつ丁寧に記されています。身辺自立の手助けや学習面のサポート、コミュニケーションを楽にしてくれるお助け道具の数々。さまざまな道具の紹介を通じて、発達障害がある子どもたちの成長に寄り添う、新たな視点を感じる子育てサポートブックではないでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年01月21日「白いもの」以外の食べ物……ならば、大好きなピンク⁉娘の偏食っぷりはひどくて、食事は基本「白いもの」。白米、豆腐、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バナナは喜んで食べてくれますが、それ以外のものは、なかなか食べてはくれません。3歳の時に、便秘気味で小児科に受診した際、お医者さんから「しばらく玄米にしてください」と言われてしまいました。家に帰った娘は「みーちゃんは、はくまいしじょーしゅぎなの」と泣き続け、ハンガーストライキ。「白米至上主義」なんて言葉、いったいどこで覚えたんだか⁉ホントに夕飯は食べてくれず、翌日少しぐったりしている娘を連れて小児科に再受診したら、「子どもはおなかがすけばなにか食べます」とお医者さんに強くいわれたので、ひきつづき玄米をあげて様子見。しかし、結局「おなかちゅいたよぉ~ひもじいよぉ~」と泣きながらミルクだけで過ごしていたので、私が根負けして、白米を出してしまったこともありました。食べるものは白いものが好きですが、娘はピンクが大好きで、当時の服装は、ピンク色のものばかり。そこで、「ピンクならば食べるのではないか?」と、料理がピンクになる食べ物をあれこれと試してみたところ、ビーツ(大根のようなもの)には興味を持ってくれたのです。幸い、ビーツは「食べる輸血」といわれるほど栄養価が高いので、以来、ビーツはわが家でよく利用する食材の1つとなりました。今回は、娘が喜んで食べてくれて、しかも作るのもお手伝いできる時短レシピ「簡単ボルシチ」をご紹介します。感覚過敏の子どもが作れる&食べられる「簡単ボルシチ」●材料(大人2人分よりは少な目の、大人1人+子ども1人分)・牛肉100g・ビーツ(水煮されているもの小さめ2つ)・キャベツ・白菜・ほうれん草などの葉ものどれかを2~3枚・人参1/2本・玉ねぎ1/4個・ジャガイモ1個・お湯300ml・コンソメキューブ1個・塩少々【その他あると良い食材】・ニンニク少々・トマト1個、あるいはトマトの水煮大人だけだとニンニクも入れるとおいしいのですが、子どもも一緒に食べるので、ニンニクはなしでつくっています。入れたい方は、ニンニクを少々入れるともっとおいしくなります。娘はトマトが嫌いなので、トマトを使っていませんが、トマトやトマトの水煮を入れるともっとおいしくなります。水煮を入れる場合には、お湯の量を半分くらいにして、水分量が全部で300mlくらいになるように調節してください。保育園から帰宅してからスタート!30分で仕上げます!Upload By 秋山ゆかりUpload By 秋山ゆかりちょきちょきひたすら切ってもらいます。スープで煮込んでしまうので、わが家はバランスを考えて、しいたけなどのキノコ類を入れることも多いです(娘は絶対にキノコは口には入れませんが……)。仕上げにサワークリームやパセリをトッピングするとさらにおいしくなりますが、わが家は娘が偏食のため、サワークリームもパセリもなしのことが多いです。Upload By 秋山ゆかり1、水煮のビーツを使うこと。すでに柔らかいため、長時間の火入れが不要です。また、生から煮るよりもあくが抜けているため、味覚が敏感な子にも少しは優しい味のようです。2、小さめのサイズに切ること。火入れの時間が短くてすみます。ジャガイモは、洗って皮つきのままラップしてレンチンしておくと、火入れの時間が短くてすみます(うちは娘が電子レンジ調理のものを一切食べないので、この手が使えませんが……)。試行錯誤の末、水煮のビーツが定番に!最初娘のお手伝いは、はさみでチョキチョキと切ることでしたたが、すぐに大人の真似をしたがったため、子ども用の包丁を持って切るのを手伝ってくれるようになりました。最初は、手を切ってしまうのじゃないかとドキドキで、「自分でやったほうが早く終わるのに!」と思ったことも何度もありますが、「これは私の忍耐をつける修行だ!」「それよりも、この子が食に興味を持ってくれることの方が大事だっ!」と思い、ぐっとこらえていました。そのうち、ちゃんとできるようになるのですから、子どもの成長力たるやたくましいです。初めてお手伝いしてくれたボルシチは、「お手伝いをした!」という気持ちが強かったからか、あるいは、ジャガイモの味が安心だったのか、「みーちゃん、ごはんじょーじゅー」といいながら、半分近く食べてくれました。私は、娘が白ではない色付きのスープを食べていることに興奮しました(笑)。2回目につくったときは、生のビーツを使ったためか、薄切りにしてあったけれども、ほとんど食べてくれず……。あくが強かったのかもしれません。3回目は、ビーツパウダーを使ったのですが、コクがうまく出ず、味がぼやけていたこともあってか、娘は「うしゅーいピンク。ちょっとちがーう」といって、手をつけませんでした。Upload By 秋山ゆかり4回目以降は、水煮のビーツをスーパーで買うようになり、あくもそれほど強くなく、おいしくできあがったので、娘も「ピンクー、ピンクー」と喜んで食べてくれるようになり、わが家の定番となりました。ビーツといえば、この他にも、ビーツを使ったニョッキやサラダなど、いろいろとつくってきました。ニョッキは、ジャガイモをつぶしたものに、ほんの少しビーツの粉を混ぜ込んでつくって、白とピンクにして、ホワイトソースをかけて食べるのが一時ブームになりました。Upload By 秋山ゆかりほうれん草の粉も残っていたので、それを混ぜた緑バージョンや、カボチャの粉を入れた黄色バージョンもつくってみましたが、それらは食べてくれませんでした(涙)。なかなか手ごわいですね。よろしければ皆さんもお試しください!執筆/秋山ゆかり(監修:井上先生より)感覚過敏とこだわりは互いに関連することも多いです。秋山さんのようにお子さんと一緒に料理をつくることで、料理に入っている食材が何なのかも分かり、食べれるようになったお子さんもいらっしゃいます。また料理自体が楽しくなると食事も食べやすくなると思います。お子さんのリクエストを材料や調理方法に反映させていらっしゃるところはとてもすばらしいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月20日コロナ禍での休校がきっかけで見通し不安、昼夜逆転、家庭内暴力が始まった息子小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた息子は、小学校までは通常学級に所属していました。小学5年生の年度末にコロナ禍のため休校になったことをきっかけに、「いつから学校に行けるの?」と先の見通しが立たずパニックとなり、昼夜逆転生活がスタート。そして同時に他害が始まりました。できる限りのサポートをと向き合いましたが、暴力を抑えられず家族だけでは対応が難しい状況となり、きょうだいへの影響も大きかったことから、6年生になってすぐ半年ほど小児精神科への入院も経験しました。9月から小学校に復帰したのですが、マスク生活など今までの生活様式が一変してしまい、パニック症状が悪化しました。小学6年生の2学期に、小学校の先生、進学予定の中学校の先生と私たち保護者とで話し合う機会を持ちました。中学校の通常学級では教科ごとに先生が変わるので、息子へ細かなフォローアップができる特別支援学級が良いのではという意見がでました。息子に相談したところ、息子自身も特別支援学級がいいとなり、中学入学と同時に、特別支援学級(情緒学級)に転籍しました。これで息子も落ち着いた学校生活を送れるかと思ったのですが、環境の変化に弱いため特別支援学級の環境に馴染めず、孤独を感じたようです。授業内容もすでに習ったものであったそうで、勉強好きだった息子は学習意欲が低下。そして再び不登校となってしまいました。中学で再び不登校に。一日中ゲーム、子ども部屋はゴミ部屋に……。不登校後は昼夜逆転に戻り、一日中ゲームで遊んでいたり、近所のスーパーで買い物したものを食べたりしていたようです。片づけができないので、部屋はゴミ部屋状態でした。Upload By ユーザー体験談家庭内暴力もひどくなりました。夫はテレワーク中で、息子の暴力行為を目の当たりにしたためメンタルの調子を崩し、息子へ向き合うことができなくなりました。私一人で息子と話し合い、児童相談所との相談もしました。児童相談所より「自宅での療育が困難」と判断された息子。一時的に児童養護施設でお世話になることになったのですが、そこでも暴れてしまい受け入れ先がなくなってしまいました。そのため、以前から契約していたショートステイ施設でロングステイさせてもらい、しばらくは、そこから中学校へ週2、3日、半日登校するという生活になりました。そこで生活リズムを作ってもらえればと思ったのですが、ここでも昼夜逆転を直すことは難しく、相変わらず荒れた生活を送っているようだった息子。どうすればいいのか……私は悩みに悩みました。「息子の生活リズムが整えられるような施設はないでしょうか」児童相談所へ何度も相談し、全力で息子に合う施設はないか探しました。ですが、暴力行為のある息子は、県内の施設全てで受け入れを拒否され、行き場がありませんでした。しかし、ようやく県外の医療併設型児童養護施設が一枠あいていることが分かりました。ここへ入所することになると、施設内の学校へ通うことになります。息子のこれからの人生を考え、義務教育期間中に生活改善をしておきたいと思っていた私は、藁にも縋る思いで、施設入所への準備を始めました。「目標を立てて一緒に頑張ろう」最初息子は施設への入所を嫌がりました。ですが、日にちをかけて話し合い、「今のままでは、地元の中学に通い続けることが難しいよ。生活習慣を整えて中学3年生の4月からこちらに戻れるよう、目標を立てて一緒に頑張ろう」と、息子と一緒に目標を立てました。そして、息子とともに施設を見学し、本人も生活の乱れを自覚していて、なんとか立て直したいと思っていることから施設入所を承諾。中学1年生の1月から入所し、施設に併設されている中学へ通うようになりました。私は祈るような気持ちで見送りました。ここからが息子の踏ん張りどころなのです。Upload By ユーザー体験談一方、通っていた中学校の先生には都度報告、相談をしていたのですが、この施設入所については、先生方からはなかなか理解してもらえませんでした。「週に数日でも中学校に通えているのに、施設にいれるのですか?」「家庭で子どもの療育はできないのですか」「お子さんは見捨てられたと思わないでしょうか……」でも、どうすればいいのでしょうか。今のままでは息子の生活を立て直すことが難しいのです。私は先生に一生懸命説明しました。息子が納得したうえで入所することを。Upload By ユーザー体験談夫のメンタルが弱っている中、私自身の精神状態もかなり危うい状態でしたが、義務教育期間中に息子の生活リズムを整えなければ、彼は大人になってもずっとひきこもる可能性もあるかもしれない……。できるだけ早期に、息子の生活や精神面を整え、将来自立できるようにサポートしたい、それがかなう環境を息子に用意してやりたいという思いでいっぱいでした。その思いが、なんとか私を支えていたと思います。努力した息子は、生活習慣を整え目標通り退所。地元の中学へ入所中、息子は長期休暇などを利用して定期的に試験外泊し、寝る時間など自宅でのルールを取り決め実施しました。また、試験外泊の際は、地元の中学の先生と面談、また先生も息子の施設や施設内学校の訪問もしてくださり、施設と学校同士で情報共有してくださり、本当に感謝しています。そして息子は、目標通り中学2年生の終業式後に退所し自宅に戻ってきました。そして、中学3年生の4月から、地元の中学へ転入、特別支援学級へ再び通い始めました。先生方は、息子が戻ってくるまでに2年かけて、特別支援学級での指導の仕方について中学校と教育委員会と話し合い、改革をしてくださっていました。特別支援学級の生徒は30名程度いたのですが、息子は通常学級と同じ内容の授業を受けることができるクラスになりました。そのため、勉強好きな息子は不登校にはならず、通い続けることができ、なんと中学3年は皆勤賞。定期テストも通常学級と同じテストを受け、学外で行っている受験対策用の模試や9月以降は実力テストのみ交流学級で受験するようになりました。これは、息子の受験対策として、大勢の生徒に囲まれて試験をうけられるよう学校側が計画してくださいました。Upload By ユーザー体験談志望校受験に向けて頑張っている息子を支えていきたい家に戻ってきてからの息子は前向きで、障害受容もしっかりとできており、先日精神障害者福祉手帳3級を取得しました。息子は幼少期からの夢「設計士、建築士」への道を希望しています。学習能力は高いのですが、情緒が安定しないため公立高校への進学は断念し、丁寧に対応してくれる私立の専修学校・建築科を単願志望しています。一時期、家庭崩壊の一歩手前だったわが家ですが、息子は今、将来の夢に向けて前向きに勉強に取り組んでいます。悩んでいた数年前が嘘のように、落ち着いた生活を送れています。夫のメンタルも回復し、私自身の精神状態も成長した息子の姿が心の支えとなり回復してきました。息子はこれからどんどん成長していくと思います。自分のやりたいことに向かって、これからも頑張る息子を、私は支え続けたいと思います。イラスト/海乃けだま※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:鈴木先生より)自閉スペクトラム症のあるお子さんの対応には、ペアトレの基本である「傾聴と承認」が重要です。息子さんはまだ中学生なので児童相談所ではなく本来ならば小児科の神経外来を受診して相談すべきでしたが、該当するような小児科が近所にはなかったものと推測します。児童相談所は医療ではないので診断はできません。基本的にはかかりつけ医に相談して専門医へ紹介してもらうのが筋でしょう。中学校の先生がおっしゃるように、週に数日でも中学へ通えているならば一般的には施設に入れる必要はないと思われます。児童精神科医と小児神経科医との考えには多少ずれがありますが、医療へつなげることも忘れてはいけないことだと思います。そこには必ず答えがあるはずです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月19日いじめを避けて私立中高に入学した私ASD(自閉スペクトラム症)がある私は、公立小学校でひどいいじめを受けていました。兄が心配して両親に「義子は中学以降は私立に行かせてやってくれ、公立に進むともっとひどいいじめに遭うと思う」と頭を下げてくれたことから、中学受験をして中高一貫の私立の進学校に通うことになりました。進学校では好成績によってスクールカースト上位におっとりしたお嬢様の集まる女子校だったその学校では、スクールカーストはスポーツの得意さや言動のそつなさではなく、成績の良さで決まるところがありました。私はピタッといじめられなくなりました。「あの常に学年で3位以内の宇樹は私の友達なんだよ!」とほかの子に自慢する子や、いつも成績のいい◯組の宇樹ってどの子? と見にくる、他クラスの子もいるぐらいでした。コミュニケーションの面ではやはり浮いていたので、うっすら敬遠されて、同じグループの子たちが気づいたら休みの日にこっそり私抜きで遊びに行っていたとかはありましたが、それ以上のことはありませんでした。親や先生の期待×完璧主義・白黒志向で無理が加速仕方ないことなのですが、世間や周囲の大人の誰にも発達障害の知識がなかった30年前当時、両親には「学校の成績がいい = 有名大学に行って有名企業に入るか士業などに就いてエリートになる」といったイメージしかなかったようです。口でははっきり言わないものの、両親が私に「エリートになるに違いない」という期待を寄せているのはひしひしと伝わってきていました。また、父は幼稚園ぐらいの私に「世の中は戦場で、お前たちはそこで戦い抜いて生きていくんだ」と言って聞かせたり、小学校時代に学校に行きたくないと言ったら「いま学校に行かなくなったらお前の学歴は途絶えてしまう。そうするとお前は将来路頭に迷う。だから頑張って学校に行きつづけろ」と諭したりしました。ASD傾向のある幼い子どもだった私が、父の言ったこのようなことを鵜呑みにして恐怖し、「全力で努力しつづけて勝つ(良い大学に行くなどしてエリートになる)のでなければ生きていけない」と思い込んだのは自然なことです。私は本来の特性にもある完璧主義・白黒思考を加速させ、強迫的なまでに勉強に打ち込むようになりました。食べる寝る以外ほとんど勉強に捧げた青春と弊害中高時代は慢性的に過労状態でした。耳鳴りや口内炎、風邪がいつまでも治らないなどは日常茶飯事。いつも歩きながら眠り込んでしまいそうなほど眠くて、「思う存分眠れるなら思い残すことはない」と思うくらいでした。いま思えば学校まで片道で2時間近くかかる通学で毎日午前5時起きというだけでも体力的に無理がかかっていただろうに、高3になれば、午後4時ぐらいに学校が終わると予備校の始業に間に合わせるために文字通りダッシュして電車に飛び乗り、帰宅は午後11時近く。その後、午前0時過ぎまで復習をして、寝るのは午前1時半……。睡眠時間は慢性的に4時間前後でした。そして定期テストのときには徹夜に近いことをし、カフェイン飲料で心身に鞭を打っていました。自室を片づける気力体力が枯渇していて、部屋はいつも足の踏み場もないような状態。休日は夕方まで寝っぱなし、ニキビは顔じゅうに広がり、頭がクラクラしてくるほどの冷えのぼせに苦しめられ、毎度の生理痛はあまりの強さに時にはトイレで昏倒するほどになりました。部活を楽しむ余裕などもちろんなく、アルバイトや遊びで人間関係を楽しんだり学んだりする余裕もありませんでした(余裕もなかったし、「学生の本分は勉強だ」として父から禁止されていました)。幅広い経験を積んでたくさん勉強以外のことを学ぶべき時期に、あまりにも勉強、それも詰め込みの受験勉強ばかりに費やしてしまったこと、また、大事なこの時期にあまりに自分の身体を痛めつけてしまったことを、今深く悔いています。大学に入っての挫折、バーンアウトからのひきこもり傾向勉強も大学選びも自分の意志から出たものではなく、親の勧めや期待に盲目的に従うような形で300%ぐらいの無理を何年も続けていた私。親の言っていたとおりの有名私大に受かった時点で、すべてのモチベーションが吹き飛んでしまいました。バーンアウトです。入ったのは、有名作家を多数輩出している文学部でしたが、授業が始まってすぐに、「私はどうやら文学に興味がないらしい」と気づいてしまいました。ショックが大きすぎて、しばらくの間、頭が真っ白に……。高校までのように、「学校側が決めた時間割があって、何時から何時まできっちり授業に出なければいけない」といったような縛りがなくて自由なこと、どんな学生生活にするかを自分で選んで自発的に進めていかなければいけないことも、私の混乱に拍車をかけました。私はロクに大学の授業に出なくなりました。当時勃興期だったインターネットでチャットに没頭するなどして、だんだんに生活は昼夜逆転。昼間に出かけられなくなっていきました。この頃、悪いことに母の調子も悪くなります。私が出かけようとすると何かと妨害してきたり、私が日常の世話をしてやらねばならなくなったりしたことで、私はここから今の夫に出会って実家を出るまで10年間ほど、暗黒の準ひきこもり生活が始まることになってしまいました。ASDの私が今思うこと ーーまずは自立訓練、そして手に職が必要だった最近、ある自立訓練施設が「働き続けられる人間になるためには、スキルを身につける前に、心身の健康管理をして上手に日常生活を継続できるようにする『自立訓練』が必要」ということを発信しているのを見て、本当になるほどと思いました。誰もこのこと(世の中には生活の仕方について訓練が必要なタイプの人がいて、私がそのタイプだということ)を知らなかったのだから仕方ないのですが、私は子どもの頃から最近に至るまで、「私も当然、スキルを身につければ働けるようになるはずだ」と思って必死に勉強したり資格勉強したりしてきたのです。でも言われてみれば確かに、私に必要なのは、無理しすぎず適度に努力しつづけて結果的にものごとをやりとげることだったり、その前提としての無理しすぎないマインドセットだったり、そういうことだったのですね。また、やはり仕方がないことではありますが、「学校の成績がよい = 有名四年制大学に入るのがベスト」という、私の親世代の価値観も、結果的に私を苦しめてしまったなと思います。今となっては、私のようなタイプは、何か専門学校に通って「手に職」となるようなスキルや資格(特に、資格がなければその仕事に就けない「業務独占資格」)を身につけて早めに社会に出たほうがよかったのではとも思います。20代から30代は、定型発達の若者にとっても社会生活を送る上で大事な人生経験を積む時期。発達障害のある若者は人生経験から何か学んで自分のものにするのに時間がかかるので、この時期に何かしらの社会活動が継続できるようコンディションを保っておく(=ティーンのうちに本人にそぐわない無理をさせない)のが何より大事だと思います。私は自分に合う進路選択ができなかったため、この時期をひきこもってしまって学習機会を損失したり、立ち直るための治療に精一杯で過ごしてしまって充分なキャリアも積めなかったりしたので、次の世代の子どもたちにはもっと違った生き方をしてほしいと願っています。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)父親にもこだわりがあり、同じようなASD特性のある方だったのではないでしょうか。また、自分のやってきたことや、やってこれなかったことを、過剰に娘に押し付けて巻き込んだケースとお見受けしました。バイトや部活をして社会性を高めることも重要ですが、中には人間関係などでやめていく人も見られます。大学に入って自由が逆に混乱を招いたように、ASDの受け身型タイプの方は、人からやることを示されてその通りに行っていく方が楽なことも一方ではあるものなのです。中学高校の進学校で学んだことは決して無駄ではなく、将来に必ず役立つものと思います。プラス思考でやっていきましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月19日週2日保育園のお迎え&預かりをしてくれる両親現在6歳の息子がいます。実家の両親は、週2日、息子の保育園のお迎え&預かりに協力してくれています。父は息子と一緒に家庭菜園の収穫をしたり、外遊びをしてくれたりするので、息子は「じいじ大好きっ子」です。母も、息子が来る日は夕ご飯を用意してくれていましたし、教育熱心なところもあるので、パズルや塗り絵、簡単なドリルなどを息子のために買ってきてくれて、一緒にやってくれています。息子にとって、優しいじいじは安心して甘えられる存在、そして、勝ち気なばあばは良きライバル(ケンカ友達?)として見ているようで、どちらのことも大好きです。息子は3歳6ヶ月児健診で、できることとできないことの差があると指摘され、3歳9ヶ月で「新版K式発達検査」を受けたところDQが80で3歳0ヶ月相当、境界域であることが分かりました。Upload By ユーザー体験談息子を預かってもらっていますので、両親へは息子の発達に関することについてこまめに話していました。発達検査を受けたこと、その結果、療育に通い始めたこと、就学相談を受けること……。最初は両親とも「〇〇くんはちょっと落ち着きはないけど、あんたの気にしすぎじゃない?」という反応でした。特に母は発達検査の結果が出たあとも、「私たちには○○くんは発達に遅れがあるようには見えないけれど……」と納得がいかない様子。ですが私が読んできた発達に関する本を「私たちも読みたいから貸して」と言って、読んでくれました。Upload By ユーザー体験談前向きな選択として決めた特別支援学級。でも母は「通常学級がいいのでは?」と反対でそして就学を控えた今年、私たち夫婦は就学相談に行きました。息子には偏食が強い、服が濡れることや大きな音を嫌がる、初めての場所が苦手、じっとしているのが苦手、人の話をじっと聞けずに途中で話をさえぎってしまう、会話が一方通行になりがちといった傾向があります。また、人に筋道を立てて物事を説明することや、人が決めたルールや指示を正確に理解して、それに沿って何かをするといったことも苦手です。息子のこうした面が、小学校で集団授業で受ける際にしんどさとなるのではと感じていた私は、息子の就学先として特別支援学級を視野に入れていました。私と夫は、息子が学ぶことや人と関わること、学校という場所を好きでいられることが大切だと思っています。そしていつか社会に出たとき、臆せず人に助けを求めることができたり、他者と良好な関係を築けたりするようになってほしいと思い、息子にとってなにがいいか何度も話し合いました。そして、特別支援学級に進むことに決めたのです。息子にとって最善な選択だと前向きに決めました。ですが、母は「どうして通常学級に行かせないの?」と難色を示し、反対したのです。Upload By ユーザー体験談「発達障害の本の内容に当てはまらない」と息子の発達障害を受け入れない母「発達障害の本は読んだけど、すべてが○○くんに当てはまるわけじゃない。発達障害ではないんじゃない?」「認知面に苦手さがあるって言うけど、あの子は記憶力もいいし、口も達者でしょ」「○○くんは、癇癪を起こすとか、友達とトラブルになるとか本にあった体験談に出てくるようなことはないよ。協調性があるように見える」「空気が読めないって聞くけど、○○くんはそんなことないよ」「境界知能っていうけど、○○くんは理解力があるし、賢い子だと思う」母は読んだ本にあった発達障害の特性と息子の特性は必ずしも同じではない、特別支援学級ではなく通常学級にしたほうがいい、と頭ごなしに言ってきます。確かに息子はどちらかというとおとなしいほうで、対人トラブルとは無縁。園のお迎えに行っても、お友達と楽しく遊んでいます。また、息子は人の顔色などに敏感なほうで、特に相手がイライラしていると、その空気をすぐ察します。母はそうした息子の姿をよく見ているので、そう言うのでしょう。母との話し合いは平行線のままでした。その後も母からはいろいろ言われましたが、なかでも一番こたえたのが、「家系的に発達障害の人はいないし、高齢出産だったのが原因かしらね」でした。発達障害についていろいろと調べた私は、発達障害の原因は私が高齢出産だったからだとは考えていません。ですが、私は41歳で出産しましたし、フルタイム勤務でストレスフルな職場でした。関連はないと思っていても人から言われると結構傷つくものだなと思いました。そんな話し合いが続いたのち、ある日母がぼそっと言いました。「まあ、私が『あの子は発達障害だ』と認めたくないからそう思うのかもしれないけど」。その姿は、かつて私の姿でした。確かに私も息子は発達障害ではないと思いたい時期がありました。でも、やはりなにか違うと感じましたし、息子のためにできることはしなければと思いました。たとえ、今は困りごとがなかったとしても、いつかトラブルが起こることを防ぐため、息子にあった環境で過ごせるようにすることが、なによりも大切だと考えるようになったのです。母は障害受容の手前。少しずつ分かってもらえたら今の母は「まあ、あんたたちが決めたことやから反対はしないけど」と言うようになりました。ただ、「○○くんの能力が伸びてきたら、通常学級に戻るつもりやんな?」と完全には認めてくれていない様子です。母は障害受容の手前で葛藤している状態なのだと思います。息子は、まだ医療機関で診断を受けたことがないので、息子の障害にまだ名前がついていない状態なのも、母にとってはややこしいのかもしれません。一方父は、息子の発達に関して私に直接何か言ってきたり聞いてきたりすることはありません。先日私に「○○ちゃんは年齢とともにできることが増えてきたね。がまんもできるようになってきたし」と言ってくれました。他人と比べてではなく、息子だけを見て、良い変化を見つけて喜んでくれているのがうれしいですし、母のように「息子を発達障害ではないと思いたい!」という圧を出さないでいてくれるのも私にはありがたいです。Upload By ユーザー体験談完全に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、今後の私たち親子の姿を通して、いつか母にも息子に合った環境を選ぶことの大切さを分かっていってもらえたらと思っています。イラスト/まるエピソード提供/苗(監修:鈴木先生より)息子さんはあなたのお子さんです。いくら祖父母が子育てを手伝ってくれているにしても祖父母の子ではないのです。自分の子どものことは親が決めていいのです。発達障がいは症候名で具体的な病名としてはASDやADHDなどがあります。「発達障がい」という「障がい」だけが祖母の脳裏に刻まれており認めたくない気持ちがあるのかもしれません。今は発達障がいと言わず「障がい」がなくなり、神経発達症と言われています。「ASDは特性でADHDは慢性疾患で障害ではありません」と日頃私の外来では説明しています。具体的な診断をかかりつけ医に相談して早めに方向づけを行うのがよいかと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月18日「見た目」が変わっていると見失う?わが家の長男、タケル(ASD/自閉スペクトラム症・現在23歳)はASDの特性からか、物を見つけることがとても苦手です。タケルが机の上に置いていったものを、私がどこかに移動させたりすると、どんなに近くてももう見つけきれません。横向きに置いてあった財布を、自分でうっかり縦向きにしていただけで見失ったこともあります。Upload By 寺島ヒロタケルの記憶の中の「カタチ」が少しでも変わっていると、「違うモノ」と思い込んでしまうようです。だから、目の前にあるものでも、見つからないなんてことがしょっちゅうあります。帰省のついでに読まない本を持って帰ろうと……さて、昨年のお正月のことです。久しぶりに大分県の自宅に帰れることになったので(私たち家族は息子の通学のために大阪府に家を借りて普段はそちらで暮らしています)、大阪の家のリビングの本棚にあった、もう読まない私の本を持ち帰ることにしました。2段の棚に入っていた本は、中くらいの段ボール箱ちょうど1個分になりました。大分の自宅まではおよそ500キロ。車で8時間半の道のりです。私と夫で交代しながら、丸一日かけて帰省しました。大分の家では、長らく放っておいた部屋の掃除、そして近所の方へのご挨拶、地元でしか買えない調味料などを買いに行くなどして忙しく働きました。その間、子どもたちはそれぞれの部屋を掃除し、大阪に持って行きたいものを物色したりなどしていました。イリュージョン? ないはずの本が本棚に!?翌日また一日かけて大阪に帰宅しました。タケルといっちゃんは、2人とも重そうな紙袋を持っています。大分の家で見つけたもう一度やりたいゲームや本などを持って帰ったとのこと。大阪の家は借りている家ですから、あまり荷物を増やしたくないんだがなあ……とは思いましたが、気持ちは分かります。「仕方ないなあ、自分で置き場所を決めて片付けるのよ」と言い渡して、その日は寝てしまいました。翌朝、目を覚ますと……なんと! リビングの本棚に、私が大分の家に持って帰ったはずの本が詰まっているではありませんか!そう、タケルが大分の家で見つけて「めっちゃいい本があった!」と思い、大阪の家に持って帰ってしまったのです!タケル「ちょうど良い感じに棚が空いてた」って! 違うヨ!その本、以前からここにあったんだヨゥ……。Upload By 寺島ヒロ意識するかどうかの差?ほかにも持って帰ったり、持って行ったりしたいものがあったのに……。この本たちが往復1000キロも無駄に旅したのかと思うと、膝が抜けるくらいガックリしました。一度ちらっと見ただけの漢字やテレビCMを完璧に記憶していたりすることもあるのに、ずっと目の前にあった本の背表紙は覚えてないタケル。これもASD特有の感覚や、認知特性によるものなんでしょうか。発達障害、まだまだ謎なことが多いです。執筆/寺島ヒロ(監修:鈴木先生より)もしかしたら、ASDだけではなく不注意優勢に存在するADHDの要素もあるのかもしれませんね。物をなくしたり、見つけにくかったりする人はいつも同じ場所にしまう習慣をつけるか、透明のケースに入れておくような工夫が必要です。色で分けたりファイル化したりすることで見つけやすくなるかもしれません。これを逆に考えると、例えばテレビを過度に見すぎているお子さんの場合、テレビを大きな布で覆っておくのもよいかもしれません。布で覆うことで視界に入らなくなるため、テレビの存在に気付かず見ようとしなくなる可能性もあるからです。このように、ASDの特性を踏まえた発想ができるとよいかもしれませんね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月18日発達に特性がある子どもたちの中学受験体験談中学受験シーズンも本番です。ハラハラされている保護者さまも多いと思います。また、わが子の受験はまだ先のことだけれど、そもそも中学受験するべきか……と迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。発達に特性があるお子さんの中学受験、塾選びに勉強方法などみなさんどうされたのか気になりますよね。今回は、連載ライター陣などから寄せられた中学受験にまつわるエピソードをまとめてご紹介します。参考になる情報ばかりですので、ぜひご覧ください。私立大学附属中に合格も、実は本番3週間前に第一志望を変更した……!?全6話に渡る中学受験奮闘記私立の大学附属中に合格したスガカズさんご長男。受験勉強は小6の5月からスタートされました。コラムでは、私立進学を考えた理由や夏の天王山での勉強の様子、療育の先生と個別指導の先生の指導内容など盛りだくさんです。そして、本番3週間前に第一志望を変更……とハラハラが止まりません。声掛けの仕方も参考になります。LD・SLD(限局性学習症)のある長男が第一志望の中高一貫校に合格!発達の凸凹に合った勉強法や、しんどい時期の乗り切り方など本人が語る。志望校の選び方も『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者、楽々かあさんこと、大場美鈴さんのご長男も見事第一志望の中高一貫校に合格されました。LD・SLD(限局性学習症)があり学校の勉強が嫌いだった彼が、勉強が好きになるまでを、自身の言葉で語ってくれています。LD・SLD(限局性学習症)の傾向のあるお子さんの場合、は特にICTの導入状況も重要!?お子さんが私立中に進学し、「個性に合った環境で充実して過ごせるようになり、私はそこに『障害』を感じなくなった」という楽々かあさん。進学後に改めて感じた、学校選びの大切なポイントについてはこちらのコラムをどうぞ。わが子の中学受験、どうする?インタビューやセミナーもわが子は中学受験をしたほうがいいのか、どんなメリット・デメリットがあるのか迷われる保護者さまは多いと思います。そもそも椅子に座って試験を受けること自体に不安がある……という方は、「診断書」によって合理的配慮をしてもらえるかもしれません。発達に特性があるお子さんの受験について悩んでいる方は、ぜひ以下のコラムもご覧ください。さいごに山あり谷ありの発達に特性があるお子さんの中学受験。結果はどうであれこの経験によってお子さんはきっと大きく成長するでしょう。皆さんの体験談をぜひ参考にしてみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月17日発達支援教室に行けず……現在5歳の息子は1歳半健診で発語が遅れていることや意思疎通ができにくいことを指摘され、保健師さんから自治体が運営する親子通園の発達支援教室を紹介されました。しかし、そこはきょうだいの同伴が不可とのこと……。生後2ヶ月の娘は当時持病があり一時保育などの預け先がなく、また実家義実家などの親戚も遠方に住み、頼ることができません。結果、週1回の発達支援教室に行くことができませんでした。どうにもならない状況なので、発達支援教室に行くことは諦めてそのまま様子を見ることになりました。しかし、家の中にいても出かけてもすぐに怒られるようなことをする息子。合わせて持病がある娘に手がかかり、息子に十分に手をかけられる状態ではありませんでした。私自身もどうしたらいいのか分からない気持ちと、息子の発達に対する焦燥感で精神的に追い詰められていたのだと思います。いつの間にか私は息子に対してだけでなく、時にはまだ生後2ヶ月の娘にさえも、イライラと腹を立てることが多くなっていきました。Upload By ネコ山しかし子どもに当たり散らしたところで何かが変わるわけではありません。それどころか、罪悪感が重くのしかかってくるのです。誰かに助けてほしい……そう思い産後サービスなどを利用したりもしましたが、週に数時間程度の利用では焼け石に水状態……。そんな苦しい時期でしたが、さらに他の子の様子を聞きショックを受けました。息子と同じ歳の親交のあった子が療育に通い始めたそうなのです。その子も息子と同じように1歳半健診で発達支援教室をすすめられ、教室に通ったところ、そこで療育をすすめられたとのこと。「うちも発達支援教室に通うことができていたら……」と、まるで私と息子だけが取り残されてるような気持ちになり途方に暮れました。焦った私は、息子の発達を促すことができる場所を探すことにしました。そこで見つけたのが、2歳児対象の私立幼稚園のプレ教室です。幼稚園のプレ教室を経験して見えたことUpload By ネコ山幼稚園のプレ教室は、年少や満3歳クラスに入園する前に通う週1回の親子通園教室で、療育や発達支援を目的としている会ではありません。しかし、抱っこ紐を利用すれば下のきょうだいが同伴しても良く、評判も良かったので「少しでも息子が伸びれば……」との思いで入会することにしました。結果から言うと、息子には合わなかったかなと思います。大きな癇癪を起こすような事態には至りませんでしたが、最終的にはずっと先生に注意されている状態になってしまいました。息子の多動傾向が強く出ていたことが理由だとは思いますが、園のカラーと合わなかったのが一番の原因だと思います。しかし、このプレ教室に参加して良かったことがたくさんあります。1つは息子の得意なことが分かったことです。教室では絵カードを使ったレッスンがよく行われていました。その時、息子は果物や動物の絵や国旗、漢字が書かれたカードに強い興味を持ったのです。特に息子は国旗のカードを気に入っていたので、自宅でも国旗カードを購入してみました。するとたちまち国旗を見ただけで国名を答えられるように!Upload By ネコ山息子の意外な特技が発見できて私も驚きました。また、息子の苦手なこともプレ教室を通して見えてきました。息子の苦手なことは場面の切り替えやルーティン化したものが崩れることです。そのこと自体にはプレ教室入園前から私は気付いていました。しかし、それらの苦手なことの根源が、その時やりたいことを止められることだと分かったのです。このことから「息子が年少から入園する幼稚園は、比較的自由な時間が多い園にしよう」と決めました。入園説明会にて……プレ教室を利用した幼稚園は教育的にとても魅力的な幼稚園と思いましたが息子には合わないと感じたので、改めて息子と相性が良さそうな幼稚園を探すことに。まずは、知り合いのお子さんも通っている幼稚園の入園説明会に参加しました。この頃には既にインターネットで、「発達障害がある子が入園を断られたり、退園を言い渡されたりしたこともある」などの情報を聞きかじっていました。私は「もしかしたら息子もそんな事態に陥るのでは……」と、不安に思っていました。そんな背景もあり、入園説明会で園内を案内していただいた後に「誰でも入園できますか?入園面接などありますか」と幼稚園の先生に聞いてみると「職員が限られているので、自閉症(※自閉スペクトラム症)の子はご遠慮頂いています」とのこと……。息子について、発達障害の傾向があるかなどの話をまだ園にしていない状態での発言だったので、息子の入園を断られたわけではありませんが、嫌な予感がしたので入園候補からは外しました。Upload By ネコ山最後に入園説明会に参加したのが公立幼稚園です。正直なところ親としては、下にきょうだいもいるので通園バスや給食がある幼稚園だと助かるのですが、私が住む地域の公立幼稚園にはそれがありません。入園候補としては優先順位が低かったのですが、実際に入園説明会に訪れてみて印象が変わりました。園児数が少ないということもあるのでしょうが、園児ひとりあたりの職員数が多く、一人ひとりに目が届いているように見えました。そして、外遊びの時間が終わりなのに遊び続けている園児に対して、先生が丁寧に接していたことが印象的でした。また、園でのタイムスケジュールでは自由時間が多く、毎日好きな遊びや工作にそれぞれ自由に取り組んでいいとのことで、まさに息子にピッタリだと思いました。念のため「誰でも入園できますか」と聞いたところ「誰でも入れます!」と即答があり、この幼稚園に息子をお願いしようと決めたのでした。執筆/ネコ山(監修:室伏先生より)ネコ山さん、療育に通うことができなかった経緯、幼稚園選びの奮闘のご様子、その時のお気持ちなど共有くださり、ありがとうございます。療育や保育園幼稚園を選ぶにあたっては、実際に親御さんが足を運んで探さなくてはならず、療育に関しては空きがなかったり、保育園幼稚園については職員さんの人数や体制などによって断られてしまったりすることも多く、不安感や孤立感、焦燥感などのお気持ちを吐露してくださる親御さんは少なくありません。また、実際に通ってみると園のカラーや方針に合わなかったり、お子さんが馴染めなかったり、ということもあって、親御さんの苦労は絶えませんよね。なかなか現状としては難しいのかもしれませんが、自治体と園が連携して、支援を必要とするお子さんと親御さんがスムーズに、安心して、園を選べるような社会になっていくことを願います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月17日2歳目前、保健所へ発達相談の電話をした娘が2歳になる目前、発達に何かあると確信した私は、保健所へ発達相談の電話をかけました。数日後、家に保健師さんが来て、娘の様子を詳しく確認してくれました(もともと1歳半健診で要観察になっていたのでそこまでの流れはスムーズでした)。保健師さんに娘の今までのことや発達で不安なことを伝えたところ、市でやっている「親子教室」をすすめられました。ですが話をよく聞いてみると、親子教室へ半年通ったあと、さらに支援が必要なお子さんに対しては、発達支援センターでの約3ヶ月間の療育プログラムをすすめるということでした。わが家は転勤族で5ヶ月後に引っ越しすることが決まっていました。そのため、私は親子教室を飛ばして、発達支援センターへすぐに通えないか聞いてみました。娘の様子を見ていた保健師さんは、少し考えたあとに「お母さんにならお伝えしても大丈夫そうなので……」と前置きしてから「しぇーちゃんは、発達支援センターに通うことをおすすめします」と言って、発達支援センターのパンフレットをくれました。これ以上モヤモヤする期間を過ごしたくなかったので、保健師さんが柔軟に対応してくれたことには感謝しかありません。いよいよ発達支援センターへUpload By マミヤ私は翌日、保健師さんに教えていただいたとおり、さっそく発達支援センターに電話をかけました。発達支援センターでは、未就園児を対象にした親子通所の発達支援プログラムを提供しているとのことでした。週に1回2時間、全12回で構成されていて、最後の12回目は発達検査を受けた上で、医師が診察をするとのことでした。緊張と期待を込めて参加した初回は、娘の多動が大爆発し、とにかく室内を追いかけ回した日でした。親子で一緒に運動をするのですが、娘はたくさんの刺激に興奮して声を上げ、私のことは全く視界に入りません。ほかのお子さんが遊ぶおもちゃすべてに興味を示し、おやつの時間も少ししか座らず(偏食で食べない)、終わった時には親子で汗だくでした。ほかのお子さんもそれぞれ発達に不安な部分があるからこそ、ここに通っているのだと理解してはいましたが、正直なところ、娘はその中でもとんでもなく突出していると思いました。唯一の救いは、ここでは娘の大変さを誰もが分かってくれているということでした。先生方もフォローをしてくれるし、ほかのお母さん方も見守ってくれている気がしました。私は誰よりも激しく動き回る娘を追いかけながらも「ここで療育を受けたら、娘に何かいい変化があるかもしれない」という希望を捨てず通い続けました。発達支援センターでの娘の成長Upload By マミヤそれからも、発達支援センターではいろんな経験をさせてもらいました。初めは興奮して走り回っているだけだった娘ですが、だんだんと先生の指示が聞こえるようになり、ダンスなどにも参加するようになりました。そして、そんな娘の変化を先生方やほかの保護者の方が一緒に喜んでくれ、今まで孤独だった育児が変わりました。その日その日をなんとか過ごすのではなく、今日は家で娘と絵カードをやってみようとか、療育でやった体遊びをしてみようとか、娘との時間を意識した生活に変わったと思います。そして、発達支援センターの最後の療育の日、絵本の活動の時間に椅子に座ったことがない娘がしっかりと座って聞いていました。発達検査を受けた娘。医師から結果の説明を受けるUpload By マミヤそしてプログラムの最終日、娘は発達検査を受けました。検査が終わると医師から結果の説明と合わせて診察がありました。先生は療育中の娘の多動や目の合いづらさなどが気になるとのことでしたが、まだ2歳なので、現時点で診断するかどうかはあくまで保護者の希望を優先しますと言われました。引っ越し先で療育に通うためには受給者証が必要だったため(引っ越し先の自治体では、受給者証発行には医師の診断書が必要でした)、そのことを伝えると、その場でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。結果的に、2歳目前で自ら発達相談の電話をかけたことで、その後の早期療育や発達検査、診断へとつなげることができました。今回はわが家の娘が2歳4ヶ月という比較的早い段階で診断を受けた経緯を書きましたが、お子さんの発達に悩んでいらっしゃる方の参考になれば幸いです。執筆/マミヤ(監修:新美先生より)2歳前に発達に何かあると感じ、積極的に動いて早期療育・診断に結びついたエピソードを聞かせていただきありがとうございます。発達障害の概念自体、ここ10数年で急速に広まってきたため、保護者の方の認識は非常に幅広くまちまちです。地域のシステムとしては、あまりそういうことを感じていない保護者の方が戸惑わないように、ゆっくり、段階的に、マイルドに療育などにつなげていくような仕組みになっているところが多いかもしれません。なのでマミヤさんのように、すでに自ら発達に関する情報を求められて、お子さんに必要なことはなんでも早めに受けたい知りたいという場合は、記事にあったように積極的にこちら側の思いを伝えていくのは良かったと思いました。発達支援センターのように、お子さんのさまざまな特性に対応してもらえる場があると、余計な気をつかわず親も子も安心して、さまざまな経験を積むことができますよね。また発達検査や診断を受けることで、よりお子さんに適した情報や支援にたどり着くメリットも大きいと思います。そのあたりが詳しく伝わるエピソードを聞かせていただき、ありがとうございました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月16日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さんやご家族へ届けたい、オンラインセミナーが1/27(土)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラム登校渋りが続いている、いつも休み明けに学校に行きたくないと言う……そのようなお子さまもいらっしゃるのではないでしょうか。不登校のお子さまの心の状態から、家庭でどう向き合ったらいいのか?今後どうしたらいいのか?専門家などから詳しい情報を得られ、さらにその場で質問もできるオンラインセミナーを開催します。・日時:2024年1月27日(土)9:30~14:10(予定)・参加費:無料・形式:Zoomウェビナー配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください。・内容:専門家講演、すべてのお子さまを応援する企業によるセミナー※企画調整中のため、今後変更となる場合もございますオンラインセミナーの内容をご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム勉強したら?とは言わないほうがいい?学校に行きたいのに行けない、どうしてこうなっちゃったんだろう……と自分を責めてしまう……。不登校や登校渋りのあるお子さんと過ごす中で、声かけや接し方、将来を見据えた対応など、さまざまな不安や悩みが浮かんでくるかもしれません。必要なサポートはお子さんによって異なり、状態に合わせて考えていく必要があります。今回は、児童精神科医を務める三木先生にご登壇いただき、これまで多く寄せられてきた不登校に関するお悩みにお答えしていきます。セミナー当日も、視聴者の皆さまからリアルタイムで質問やお悩みを受け付けますので、ぜひご参加ください。講師:三木崇弘先生社会医療法人恵風会 高岡病院 児童精神科医兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了(医学博士)。早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程修了(経営管理学修士)。愛媛県内の病院で小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。愛媛時代は母親との座談会や研修会などを行う。東京に転勤後は学校教員向けの研修などを通じて教育現場を覗く。子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。2019年4月よりフリーランスとしてクリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、保健所などでの現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動を行う。2022年7月より地元にUターンし、社会医療法人恵風会 高岡病院で児童精神科医として勤務。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム文部科学省が定めている「出席扱い制度」をご存じですか?自宅学習の努力を認めることで、いつかまた学校に行きたいと思ったときのために、学習の遅れを最小限にしておけるようつくられた制度です。この制度を活用すれば、不登校で学校を休んでいても、家庭学習を出席扱いにして、その先の進路などの選択肢を広げていける可能性があります。制度を利用するには、いくつかの条件を満たした上で、在籍する学校と交渉・連携していくことが重要です。本セミナーでは、のべ1,200名以上が出席扱いになった実績のある、無学年式オンライン学習教材「すらら」の担当者が、本制度利用の具体的なルールや、すららを使って出席扱いとなった事例、最新情報などをご説明します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム子どもが「学校に行きたくない」と言うとき、どう関わったらいいのか・この先どうなっていくのか、不安な気持ちでいる保護者の方もいらっしゃると思います。前向きになってくれるサインを見逃さず、お子さまの自己肯定感を育みながら接していくことが大切です。不登校のお子さまが安心できる居場所を見つけて、楽しく過ごす事例も交えながら、お子さまとの関わり方について解説します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム「学校の仕組みが合わない」「冬休み明けで行き渋りになっている」そんなお子さまに向けたセミナーです。子ども一人ひとりのありのままを受け入れ、自信を育み、社会で活きる力を共に学んでいくオンラインフリースクール「SOZOWスクール小中等部」。500名以上の小中学生が在籍するスクールながら、学校が合わないと感じている子どもの個性に寄り添うスタッフが揃っており、地上波のテレビ番組で紹介されるなど、注目されています。4月には高等部も開校し、進路にも安心を持てる居場所です。当日は、学校に行きづらいお子さまの実際にあった事例も含めてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達が気になるお子さまの子育てをオンラインサポートする「発達ナビPLUS」。本セミナーでは、発達ナビPLUSの監修者でもある公認心理師・菅佐原洋先生が、不登校や行き渋りによって学習に遅れが生じたとき、保護者として何ができるか解説いただきます。・不登校で授業を受けておらず、勉強もできていない・将来も見据え少しはしてくれると親として安心だけど……・今の状況で勉強は何をどこまで頑張ればよいのかなどお子さまの勉強に関するお困りごとへの手立てについてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム不登校やひきこもりがちなお子さまがいるご家庭向けの勉強会です。・不登校支援の選択肢フリースクールや訪問教室など、不登校のお子さまへの支援の選択肢や選ぶ際のポイント・中学以降の進路の選択肢義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなど、不登校に理解のある進路・教育にまつわる準備教育資金やお子さまの自立後に必要になってくる費用など、現実的な準備など、復学や居場所など、学校に行かない選択をした子へのサポートや、中学以降の進路の選択肢について解説します。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2024年01月15日まずは利用可能な放課後等デイサービスの情報を集める!住んでいる地域によって放課後等デイサービスの数も種類もさまざまだと思いますが、私の住む地域には、近所に特別支援学校があるので、放課後等デイサービスの数は比較的多いほうだと思います。でも多いからこそ、どの施設を選べば良いのか分からず悩むことになりました。そもそも、どこにどのような施設があるのか?まずは情報を集める必要がありました。児童発達支援センターや、市役所の子ども課などで近辺の放課後等デイサービスのパンフレットや資料を集め、何十軒とある施設の中から行きたい場所を選ぼうとしたのですが、全ての施設を見学する時間も余裕もありませんし、どの施設がわが子に合うのか?どのような雰囲気なのか?は紙面上の情報だけでは全く分かりませんでした。Upload By みん数ある放課後等デイサービスの中からわが子に合う施設を選ぶポイントは?そこで、私はインターネットやSNSなどで気になる施設の情報を調べてみることにしました。写真やブログなどを見ることで、少しですがどんな施設なのかを知ることができました。また、すでに放課後等デイサービスへ子どもを通わせているママ友たちに話を聞いて情報を共有し、Pを通所させたいと思う施設をある程度ピックアップしていきました。それから、施設に直接電話をかけ見学の予約を入れようとしたのですが、施設によっては見学できたとしてもすぐには空きがなく、利用できるのは半年~1年は待たないといけないところや、希望する日数や曜日は定員がいっぱいで利用ができないところもありました。そうやって地道に電話をかけ続け吟味した結果、私はPが利用できそうな施設を4ヶ所見学することにしました。見学の時は学校と家からの距離、送迎の有無、安全面を重点的に確認しました。Pは施設で起こったことなどを私に話すことができないので、防犯カメラはついているか?ワンフロアでたくさんの人の目がある場所で過ごせるか?またP本人や利用者の誰かがパニックになった時にクールダウンができるような場所があるか?脱走できてしまいそうな窓やドアはないか?などを確認しました。見学の時は、同時に利用者の様子も見ることができたので、全体的な年齢層や障害の程度、どのようなことをして過ごしているのかも分かり、イメージしやすかったです。そしてPの障害の程度や特性などを施設側へ説明し、Pがどのような子か、ある程度理解していただいたうえで、契約する放課後等デイサービスを決めました。Upload By みん受給者証のひと月の上限日数をどのように利用するのかを考えるわが家の場合は受給者証のひと月の利用上限が23日なので、週に4〜5日放課後等デイサービスを利用することができます。23日全てを同じ施設で過ごすのではなく、預かり型の施設と療育特化型の施設の2ヶ所と契約をすることにしました。なぜなら1ヶ所だけだと、もしもその施設がPに合わなかった時や何かのトラブルがあって辞めないといけなくなった時、また施設自体が突然移転や閉鎖になった時に困るかもしれないので、2ヶ所に分けて通わせたほうが良いと思ったのと、違う施設を利用することで、療育もレスパイトもどちらも取り入れることができると思ったからです。Upload By みん現在Pは、この曜日はどちらの放課後等デイサービスへ行くのかも理解していて、両方の施設で楽しく過ごすことができています。私もスタッフの皆さんと連絡帳や面談、送迎時にPの支援に関することを話し、それらの情報を特別支援学校とも共有していただいているので、安心して預けることができています。預かり型、療育特化型、どちらにもたくさんのメリットがあるので、その話はまた次回詳しく書けたらと思います。執筆/みん(監修:初川先生より)Pくんが利用する放課後等デイサービスの選び方、実際利用してみての感想などのシェアをありがとうございます。就学後の生活を組み立てるにあたって、放課後等デイサービスについて情報を知りたい、何から検討を始めたらよいか悩ましいと考えている方にとってはとても参考になるお話でした。地域によって放課後等デイサービスの数や種類はだいぶ異なります。またどのような障害をお持ちのお子さんが利用する事業所かということもさまざまなので、まずはお住まいのエリアで情報収集をと思います。Pくんが利用しているところは、スタッフの方との連絡がスムーズで学校とも情報共有していただいているとのこと、そしてPくんが楽しく過ごせていること、何よりです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月15日2023年12月、インフルエンサーのぷちあや(プチプラのあや)さんが、再婚を発表しました。ぷちあやさんは、SNS総フォロワー数が200万人を越える人気インフルエンサー。自身の発達障害を公表していることでも知られています。結婚後、ぷちあやさん夫婦はとある動画をアップしています。“意図せず人を傷つけることを言ってしまう”という特性を持つぷちあやさんですが、夫婦仲はとても良いそう。その秘訣はーー。話題の動画では…ぷちあやさんがYouTubeにアップした動画は、Instagramに寄せられた質問に、ぷちあやさんと夫である安藤翼さんが回答するというもの。中には、発達障害に関する質問も寄せられていました。 近年、大人になってから発達障害に気づく人も少なくありません。自身や配偶者の発達障害がわかり、戸惑い、悩んでいる人からの質問もあったのではないでしょうか。 発達障害を打ち明けるのは怖くないのか? 相手の発達障害を親に伝えるべきか? そして、発達障害を持つぷちあやさん夫婦が気をつけていることとは? ぷちあやさん夫婦は、自分たちの出した答えを話していました。発達障害を持つ夫婦の家庭円満の秘訣ぷちあやさんは、自閉スペクトラム症(ASD)と多動症(ADHD)を持っているそう。自閉スペクトラム症の特性上、何気ない言葉で相手を傷つけてしまうことが多いと話します。もちろん悪気はありません。 そこでぷちあやさん夫婦は、『1日1褒め』をモットーに、傷つけてしまった分それを補うように相手を褒めるのだと言います。そして、ありがとうを必ず言うこと、相手からされて嬉しかったことはすぐに伝えることを大切にしているそうです。 これを実践するようになって、ぷちあやさん夫婦は喧嘩が減り、関係も良好になったと話していました。 ぷちあやさん夫婦の動画はこちらで見ることができます。発達障害を持つ人や夫婦の関係性に悩みのある人は特に、ヒントがあるかもしれません。 発達障害とは発達障害とは、生まれながらにある脳の発達の違いによるものです。自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如、多動症(ADHD)、学習障害などは、発達障害に該当します。 発達障害を持つ人は、脳機能の発達がアンバランスであるため、言動や行動に特性が見られます。決して本人のやる気が足りなかったり努力不足だったりするわけではなく、治るものでもありません。また、育った環境との関係性もないと考えられています。 発達障害の特性は、環境によって欠点になることも長所になることもあります。ぷちあやさんのように、苦手なことをカバーすることで人としての魅力になったり、生きやすくなったりするケースもあるのです。発達障害との付き合い方発達障害とどう付き合うかはもちろん、身近な人にどう付き合ってもらうかも、生活する上では大切なことです。ぷちあやさん夫婦のように、特性を無理やり矯正するのではなく、特性を受け入れた上で、それをカバーする方法を考えるのはとても素敵な方法ですね。 自身の発達障害や家族の発達障害で生きにくさを感じている人は、まねしてみるといいかもしれませんね。
2024年01月15日そもそもチックって……?それまでの私のチック症に対する認識子育てをしている方なら、一度は耳にしたことがあるんじゃないかと思うチック症。私は恥ずかしながら息子が発達障害と診断されるまで、「あー、聞いたことある。ストレスとかが原因やっけ?」くらいの認識でした。2~3歳頃から息子が目をぎゅっと目をギュッとまばたきするようになった時も、私はただただ「独特な癖だな~」くらいにしか思っておらず、それが“チック症”とは全く結びついていませんでした(この時が一番私の心が平和だったかもしれない……)。Upload By 海乃けだま息子が2歳半の時ASDと診断されたことをきっかけに検索魔になっていた私ですが、発達障害について調べれば調べるほど怖くもなっていました。"発達障害に合併しやすい疾患"とか"発達障害の二次障害"とか……インターネットって良くも悪くもいろんな情報が溢れてるじゃないですか……。もう見れば見るほど、読めば読むほど、「こうしちゃいけない、ああしちゃいけない」ばっかりに目がいって、そのうち「こうしたら二次障害になっちゃうかも!」と、"理想の母像"と"完璧な育児"を自分に課していたように思います(ま、思うだけで全くできてなかったんですけどね……笑)。もしかして……チック症?風邪をきっかけに出てきた症状で気づいた息子のチック。息子が療育に単独で通園するようになった夏(4歳9ヶ月頃)のある日、鼻水と咳がよく出るタイプの風邪をひきました。普段の息子は風邪をひいてもあまり鼻水や咳が出ないタイプだったので、その時の風邪は「珍しく鼻水も咳も長引いてるなぁ」と思っていました。痰が絡んだような"ゴホゴホ"の咳が、徐々に"コンコン"になり、治ってきたかなぁと思っていた矢先、"コンコン"の咳の後に"エ゛ーーーッヘン"という妙な咳払いがつくようになりました。治りかけで喉が痒いのかな~なんて最初は思っていたのですが、そのうち"コンコン"の咳もなくなりいよいよ全快しても"エ゛ーーーーッヘン"は治りません。『…………え?これ、もしかして……チックなんじゃ?』そう考え出したら最後、もうその"エ゛ーーーッヘン"が気になって気になって仕方がありません。息子がその咳払いをするたびに「またやってる……あ、また……え?10分おきくらいにやってないか??」と頭の中は咳払いでいっぱいになっていきました。Upload By 海乃けだま小児精神科の定期受診で相談してみると……一日中咳払いをする息子にいよいよ「やめてくれぇー‼︎」と爆発しそうになっていた頃、ちょうど小児精神科の定期受診がやってきました。診察室でも相変わらず"エ゛ーーーッヘン"を連発する息子。しかし先生は何も言いません。発達の状況、最近の困り事などを一通り聞かれた後、最後に「ほかに何か気になることある?」と聞かれ、思い切って先生に「この咳払いって、やっぱりチックですか?」と聞いてみました。先生からは「あーー、そやね。チックやねー。でも指摘せずに、気にしないのが一番よ。そのうち消えてくからね」と大事な感じはなくサラッと返答されました。『やっぱりチックやったんか……』と落ち込む一方で、先生のこのあっけらかんとした返答に少し気持ちが楽にもなったのを覚えています。息子のチック症のそれからと今……息子のチックに初めて気づいたのは4歳の頃の風邪がきっかけですが、思い返せば、2~3歳頃に「独特な癖だな~」としか思っていなかった目をギュッとまばたきする行動も、おそらくチック症状だったのだろうと思います。そのまばたきもいつのまにかしなくなっていました。"エ゛ーーーーッヘン"という咳払いのチックの行方はといいますと、夏の終わり頃にはいつのまにかしなくなり……新たに首をすくめるというチックが現れました(笑)。それまた首をすくめるチックも、冬ごろにはいつのまにかなくなり……代わりにしゃっくりのようなチックが現れ……というように、わが家の息子のチックはさまざまな症状へと変貌しながらも繰り返し出現しています。現在はというと、先月インフルエンザにかかり、またもや"エ゛ーーーーッヘン"の咳払いのチックが出ています(いや、戻ってくんのかーい!笑)。病院の先生に言われた、『気にしない』『注意しない』の姿勢で今も見守り続けています。Upload By 海乃けだま執筆/海乃けだま(監修:室伏先生より)息子さんのチック症に関して、ご共有ありがとうございました。チックは比較的よく見られる症状で、お子さんでは10人に1~2人ほどと言われています。けだまさんが共有してくださったように、チックは、少ない時期があったかと思えば、また増えてということを繰り返すことも多いですので、一喜一憂せずに長い目で見守っていただくのがよいと思います。特に学年の切り替わりやイベントの多い時期などに増えて、ひと段落すると落ち着くというお子さんも多いようです。症状は緊張している時に出やすいお子さんもいらっしゃれば、自宅のようなリラックスできる環境で増えるというお子さんもいます。発症は幼児期~小児期が多く、成人期までに軽快、消失してしまう方が多いとされています。一過性で1年以内に症状が消失してしまうこともよく見られるので、軽い症状であれば、指摘したり叱ったりせず、見守っていただくのがよいと思います。日常生活に影響が出るような場合(大きな声で叫んでしまったり汚言があり周囲への影響がある、チックによる体の動きが大きく苦痛がある、本人がとても気にしていたりチックのせいで自己肯定感が低下しているなど)や長期化する場合には、薬剤による対症療法や認知行動療法などが行われることもあります。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略
2024年01月15日「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」、いつから、どうやって探す?新年を迎え、障害があったり、発達特性があるお子さんの保護者の皆さんの中には、次年度お子さんが通うための発達支援施設を探していらっしゃる方も多いのではないでしょうか?また、そもそも「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」ってどんなところ?いつから、どうやって探せばいいの?と疑問に思っていらっしゃる方も多いかもしれません。児童発達支援とは、障害児通所支援の一つで、小学校就学前の6歳までの障害のある子どもが通い、支援を受けるための制度です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場が提供されます。放課後等デイサービスとは、障害のある6~18歳の就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通え、生活力向上のためのさまざまなプログラムが行われています。学校や自宅までの送迎がある施設もあります。発達ナビの連載ライターの施設探しリアルエッセイ発達ナビ連載ライターの皆さんの施設探しの体験談をまとめてご紹介します。発達に心配のあるお子さんを預かってもらう施設を探す際には、さまざまな不安があると思います。知的発達症を伴うASD(自閉スペクトラム症)のある息子さん・ほぺろう君の就学にあたり、放課後等デイサービス探しを経験したぼさ子さんに、利用可能日、送迎の有無、発達支援内容など、施設探しのチェックポイントを教えていただきました。「障害のある子どもを長時間預かってくれる場所はあるの?」「仕事をやめないといけないの?」と不安に思っている方も多いと思います。ASD(自閉スペクトラム症)のある太郎君の母・まゆんさんは、太郎君が保育園を卒園した後、学童に入れるのかと不安でした。そんな時知った「放課後等デイサービス」。発達支援のための福祉サービスですが、働く保護者の強い味方になる場合も多いのです。まゆんさんに6年間通ってみて思うことを教えていただきました。ゆきみさんのご長男・けんと君は発語がゆっくり、運動が苦手、周りに興味を示さないなど、発達に気になる点がありました。けんと君との関わり方に悩んでいたゆきみさんですが、2歳から療育に通いはじめ、お子さんの特性を少しずつ理解していくことができたそうです。まるさんの息子さん・リュウ君は2歳頃から療育に通い始めました。しかし全力で嫌がるリュウ君の様子に「通う意味はあるの?」と思っていたまるさん。通い出して1年半、どのように成長したのでしょうか?さいごに施設によって、支援のスタイルも千差万別です。お子さんやご家族のニーズに合った「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」を見つけられるように、ぜひ参考にしてみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月14日ダウン症の弟と兄がつくったYouTubeから生まれたベストセラーの映画化!『弟は僕のヒーロー』2024年1月12日(金)よりロードショーUpload By 発達ナビニュースダウン症がある弟とその兄がつくった5分のYouTube動画から生まれた大ベストセラー書籍の映画化作品「弟は僕のヒーロー」が2024年1月12日(金)より全国で順次ロードショーされます。イタリアの高校生ジャコモ・マッツァリオールさんは、ダウン症がある弟ジョーさんを主人公に据えて、5分のショートムービー『ザ・シンプル・インタビュー』を一緒に撮影し、2015年3月21日「世界ダウン症の日」に合わせて、You Tubeに公開しました。すると、瞬く間にイタリア国内外で反響を呼び、主要各紙が取り上げるなど大きな話題に。それが大手出版社の目に留まり、ジャコモさんが弟との物語を執筆することになりました。2016年に出版された小説『弟は僕のヒーロー』は、各国で翻訳出版され、日本でも装画を絵本作家ヨシタケシンスケさんが担当した邦訳版が刊行されるなど、現在までに25万部を超えるベストセラーに。そしてこの冬、待望の映画化が実現しました。主人公のジャックを演じるのは、「僕らをつなぐもの」(2022年)のフランチェスコ・ゲギさん。弟・ジョー役は、実際にダウン症がある俳優のロレンツォ・シストさんが演じています。5歳のジャックは初めてできた弟ジョーに大喜びしました。ずっと一緒に遊べる男きょうだいがほしかったのです。そして、両親から弟のジョーは「特別な子」だと教えられました。「弟はスーパーヒーローだ!」と思い描くジャックでしたが、成長とともに「特別」の意味をだんだんと知ることに。そして、思春期を迎える頃になると弟の存在を隠すようになりました。そんなある日、好きな子を前についてしまった嘘が、家族や友達、町全体を巻き込み、やがて取り返しのつかない事件となってしまい……。きょうだい児の葛藤や家族への愛を素直に明るく描かれた本作は、笑いながら自然と涙があふれてくるようなあたたかな気持ちを運んでくれます。ぜひ、家族でご覧になってはいかがでしょうか。<劇場公開>2024年1月12日 (金)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開※クリックすると、発達ナビのWebサイトから「弟は僕のヒーロー」のWebサイトに遷移します。障害者アーティストのさらなる活躍を応援!「アート&カカオ」第6弾、2023年12月11日(月)より発売中Upload By 発達ナビニュースウェルフードマーケット&カフェ「imperfect(インパーフェクト)」は、障害があるアーティストの所得支援を目指す「アートビリティ」と協業し、2022年9月からパッケージデザインに障害があるアーティストの作品を使用した「アート&カカオ」を発売。発売以降、人気を博した同シリーズの第6弾が2023年12月11日(月)より新たに発売されました。新発売しました。「アート&カカオ」シリーズ第6弾のパッケージデザインに使用されているのは、岡村陸矢さんの「シロクマのクリスマスツリー」。岡村さんは小学1年生の時、他の子どもたちがやっていた折り切り絵を見たことがきっかけで、ある日突然、自宅で器用に動物の切り絵を始めたそうです。2003年「第2回キラキラっとアートコンクール」にて優秀賞し、切り絵で表現されたユーモアあふれる作品はユーザーやデザイナーからも高く評価されています。また、imperfectでは「アート&カカオ」を通じて、森林の減少が進んでいるカカオの主要産地ガーナの、カカオを育てる森の保全にも取り組んでいます。岡村さんが描くふんわりと優しいシロクマたちのパッケージと、森林保全につながるチョコレートは、バレンタインや冬のギフトにもピッタリではないでしょうか。■商品詳細商品名:アート&カカオ内容:クランチチョコレート3種類×3粒 計9粒 入り販売価格:1,800円(税込)場所:新宿マルイ地下1F POPUP会場および公式ECサイト※クリックすると、発達ナビのWebサイトから<アート&カカオ>のWebページに遷移します。それぞれの日常を描く――展覧会「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」東京都渋谷公園通りギャラリーにて2024年2月10日(土)~5月12日(日)まで開催Upload By 発達ナビニュースアートを通して、一人ひとりの多様な創造性や新たな価値観に人々が触れる機会を創出する東京都渋谷公園通りギャラリーでは、2024年2月10日(土)~5月12日(日)の期間にて「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」展が開催されます。「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」展では、住む、暮らす、生活する、共に行うことを起点に表現する作家たちの作品や活動が紹介されます。出展作家の折元立身さんは、顔にパンを巻きつけ街中に繰り出すパフォーマンス「パン人間」や自身の母の介護を作品とした「アート・ママ」など、生活と芸術の境界を揺るがしながらユーモアある作風で国際的に高い評価を得る現代美術家。1996年から福祉施設「やまなみ工房」に所属し活動を行う酒井美穂子さんは、28年以上、片時も「即席麺」を手放さず、食べるわけでもなく、ただ握り、ビニールの擦れる音を聞き、わずかな反射を眺め続けているそう。出展作家3人目の村上慧さんは自作の発泡スチロール製の家を持ち運びながら国内外で移動生活を行うプロジェクト「移住を生活する」を行い、既存の住居や生活様式を問い直してきた現代美術作家。そして、スウィングは障害のある人ない人およそ30名が働く福祉施設。清掃活動「ゴミコロリ」、絵画や詩やコラージュの創作活動「オレたちひょうげん族」など、既存の仕事観にとらわれない仕事や表現活動を基軸とした事業を行っています。身近な家族との関係に迫るパフォーマンス、ある食料品に対する愛着、近隣地域のゴミ拾い、現代の住居や生活様式を問い直す試みなど、表現のあり方は作家それぞれにとてもユニーク。それらの表現は、生活と芸術の境界を揺るがし、問いかけるものでもあります。しかし、作品にはそれぞれにとって最も親密で、確かなものが共棲しています。本展では、数々の作品を通じて、その「確かさ」に触れることで、作家たちの文脈化することのできない日常と芸術の間合いを感じることができるのではないでしょうか。会期中、作家のパフォーマンスやトークイベントなどさまざまなイベントを実施するほか、本展をより深く楽しむための「ウォーミングアップ企画」として、2024年1月13日(土)から1月28日(日)、2月3日(土)にプレイベントも企画されています。<詳細>会期:2024年2月10日(土)~5月12日(日)会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室 1、2、交流スペース開館時間:11:00~19:00休館日:月曜日(2月12日、4月29日、5月6日は開館)、2月13日、4月30日、5月7日入場料:無料出展作家:折元立身、酒井美穂子、スウィング、村上慧※クリックすると、発達ナビのWebサイトから「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」展の公式Webサイトに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年01月14日再判定の発達検査は受けなくて良いの!?Upload By カタバミまちゃが特別支援学級の小学2年生の秋、児童相談所から電話が来て「そろそろ療育手帳の更新の時期です。再判定のために来所して発達検査を受けますか?」と聞かれました。今の等級のまま、あまり変動のなさそうなお子さんには検査受診の希望を聞いているとのことでした。更新のためには必ず発達検査が必要だと思っていたので驚いたと私が伝えると「では検査は受けるんですね」と少し素っけなく言われました。(本音を言うと行かないほうが楽なんだけど……)と思いつつ、少し迷いながら再判定の検査を受けることにしました。そして検査が終わった直後、心理士さんからの話では「今回の判定で療育手帳の等級は重度になるかもしれない」と言われました。検査中のまちゃは、テーブルの上に置いてあった物を手で払って落として喜んでいたと伝えられました。正式な判定は会議の結果にて、私たちには数週間後に知らされるとのことでした。療育手帳2度目の更新、判定はUpload By カタバミ発達検査から数週間後、わが家に封書が届いて、等級が「重度」になったと知らされました。その時、私は少しショックを受けました。実はまちゃは1番初めの手帳判定の発達検査の時に、検査直後には「中度」と言われたのに数週間後に「会議の結果、軽度になりました」と電話が来たことがありました。今回も同じように、結果はくつがえって「中度のままになるのではないか」と期待していた自分に気がついたのです。そして、療育手帳の等級が重度になると受けられる支援が増えると聞いていたので、新しい手帳を受け取りに市役所に行った時に、新たに受けられる支援の手続きも一緒に全て行ってきました。聞いていた通り中度から重度になって受けられる支援は増えました。中でも、とても助かるのが雨の日の学校の送迎です。まちゃの通う小学校には車を停車できるスペースはあるのですが、そこは駐車は禁止エリアになっています。ですので、天気が悪い日に車で送っても、まちゃは車から降りて、その停車スペースから1人で昇降口まで行くことができません。今回、療育手帳の等級が重度になったことで、その停車スペースに駐車できるようになりました。これは、大変助かるなと思っています。<参考>駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)の申請手続き及び使用方法について(警視庁サイトより)療育手帳が重度判定になり、周りの反応はUpload By カタバミ療育手帳の更新手続きを終えてすぐ、私の姉に電話をしました。「そっか。まちゃは重度になったんだね。でも、まちゃに毎日接している人から見ると、毎日ちゃんと成長してるんだからショックだよね」と姉。「でも客観的に見たらやっぱりできないことだらけなんだよね」と私。忙しいなかでも姉は可能な限りはよく私の電話に付き合ってくれます。「でもさ、望んでも支援に繋がれない人もいることを考えたら、母親のあんたとしては複雑だろうけど、そんなに悪いことだとは言い切れないかもしれないよ」と、姉。姉は、これまで私がまちゃの療育などを頑張ってきたことも知っています。それからしばらくして実家に行くと姉から報告を受けた父から「落ち込むなよ!」と何度も言われて、手づくりだというカチカチになった干柿をたくさん持たされました。母は5年前に他界していますが、私の実家はこれまで障害のある方とほぼ全く接しないで暮らしてきているので、分からないことだらけでみんな困っていると思います。目の前のまちゃだって自分が重度になったことなんて分かっていないと思われます。そして、父から「年末に高級なお節料理を注文したけれどお前にあげるから取りにきなさい」と言われました。甘える相手がいることは本当にありがたいと思っています。手厚い支援を得てUpload By カタバミショックを受けるなら電話だけで更新を済ませて、中度のままでいれば良かったのにと思います。私は重度になって手厚い支援もほしかったのですが、心の奥底では、きちんと再判定の検査を受けて、それで中度という結果で療育手帳を更新したかったんだなと思いました。われながら分かりにくくて面倒臭い気持ちだと思います。まちゃと暮らしていくことは確かに手がかかります。ですので、手厚い支援を受けながら、成長を促して、とても時間がかかったとしてもまちゃのできることを増やして、困ることは減らすようにやっていくしかないと思っています。執筆/カタバミ(監修:新美先生より)療育手帳の再判定に関してお話をお聞かせいただきありがとうございます。療育手帳は主に知的発達症(知的障害)の方に交付される障害者手帳です。自治体により交付基準や等級なども異なるのですが、知能指数(IQ)と日常生活の困難さの基準をもとに交付の有無や等級が判定されます。一度交付されても、年齢によって数年ごとに再判定が定められており、今回お伺いしたような再判定を数年ごとに受けることになります。判定の基準となる知能指数や日常生活の困難さは、年齢相応の平均水準が年齢ごとに上がっていくので、お子さん個人で見れば数年間の間にできることが増えて確実に成長を実感していても、相対的に判定が重いものになることはあるかもしれません。カタバミさんは、お子さんの療育手帳区分が中度から重度になり、受けられる支援サービスが増えるというメリットを知りながらも、心の奥ではショックで切ない気持ちを感じているということを聞かせて下さいました。そんな中で、実家のお姉さんやお父さんがさまざまに気づかいあたたかく見守ってくださっているのは頼もしい支えですね。療育手帳はあくまでも行政上のものですから、まちゃくんがマイペースに着実に日々の生活を重ねていくことの大切さに変わりはないと受け止めて、必要な福祉サービスを使っていけるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月14日5歳の息子は発達障害で、かんしゃくを起こすことが多いです。ある日そのことを実家の母に打ち明けると、心無い言葉をかけられました。さらに後日、運動会でまさかの言葉を言ってきたのです……。そんなこと言わないでよ……。わが家には5歳の発達障害の子どもがいます。自閉症スペクトラム障害で、見通しが立たないことがとても苦手。うまく気持ちが伝えられなくて、かんしゃくを起こすことも多いですが、療育を行って少しずつ自分の特性との付き合い方を学んでいるところです。 しかし、私の母からはなかなか発達障害への理解が得られず、発達障害であることを打ち明けた際には「母親がしっかり叱らないからじゃない?」と言われました。叱ることは逆効果になることがとても多く、かんしゃくをおこして子どもも私もしんどくなったことがあります。そのため、今では最低限しか叱りません。 運動会のときは、先生が配慮してフォローしやすい端っこにしてくれたのですが、母は「なんで端っこなのよ!」と私に文句を言ったのです。理解してもらうのは難しいと分かってはいるものの、悲しい気持ちになりました。 発達障害の子のパニックやかんしゃくを人に理解してもらうのは難しいと、日々感じています。しかしやはり身内には理解してもらいたいため、母には私から少しずつ発達障害について説明し、考え方を改めてもらうように頑張っている最中です。 ◇ ◇ ◇ 小児科医の松井先生は以下のようにおっしゃいます。 「自閉症のお子さんは叱るのではなくタイムアウト(小休止)して場所を変え、感情を出さないようにしたり、うまくできたときは褒めてあげましょう。このママさんのように、療育に通うとその子の特性にあった接し方を説明してもらえ、無理なく成長を促すことができ、そうしていくうちに、パパやママも安心できるようになるとのことです。 また、ご両親や周りの方からの理解を得られず悲しい思いをする方も多いですが、その場合は少しずつ発達障害について説明をし、それを繰り返してみてください。お子さんの成長を見て、周りも徐々に分かってくれるようになるでしょう」 周囲も少しずつ理解が深まっていくと良いですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/森田家著者:杉浦更紗監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生
2024年01月14日2歳過ぎまで発語ほぼなし。年長になった今でもおしゃべりは苦手な息子しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子。しのくんは2歳を過ぎるまで意味のある発語がほとんどなく、2歳半を過ぎても2語文が出ていませんでした。そのことがきっかけでことばの教室に通うようになり、たくさんおしゃべりをするようになったのは4歳頃でした。サ行とラ行の発音が苦手なことも相まって、同い年のお友達と比べると何を言っているのか聞き取りにくいしのくん。5歳になり、年長さんになった現在も、あまりおしゃべりが得意とはいえません。しのくんは、3歳くらいまでは一人遊びばかりで、お友達と仲良くできるのかな?と心配していました。しかし、4歳を過ぎて年中になってからは、ちらほらお友達の名前が出てくるようになり、通ってる保育園の様子なども教えてくれるようになりました!保育園の様子をしのくんから聞けることを喜んだ私は、しのくんが保育園から帰ると「今日は保育園で何したん?楽しかった?お友達と何して遊んだん?」と嬉々として質問するようになりました。Upload By keiko保育園で「お友達に意地悪された」!?そんなある日、いつものように保育園から帰ってきたしのくんに質問していたら……「今日、〇〇くんに、意地悪されたねん」と言ってきたのです。Upload By keikoUpload By keikoどうやら、お友達から嫌なことを言われたらしいしのくん。「それでしのくんはどうしたん?」と聞くと「先生に言うたったわ」とのこと……。なるほど!?と思った私……。小さい子ども同士のことなので、そりゃ嫌なこと言われたり、逆にしのくんがしたり言ったりすることもあるだろうなと思いました。しかし……果たしてこういう場合、「先生に言う」と言った告げ口のような対応は正しいのかな?とも思いました。「先生に言う」以外のお友達トラブルの対処法は?ことばの教室で聞いてみるとしのくんは話すことが得意ではないので、どうして嫌なこと言われたのか?その原因をつくったのはしのくんじゃないのか?それともちがうのか?などの詳しいことは聞いてもよく分かりませんでした。ちょうど翌日がことばの教室だったので、「お友達に嫌なことをされてしまったとき、どう対処したらいいのか?」をことばの先生に聞いてみることにしました。すると先生から、「『やめて』って大きい声で言ってごらん?」とアドバイスをいただきました。理由は、「相手にも、しのくんの『嫌だ』という気持ちを伝えられるし、大きい声で言い返すことで周りの大人にも気づいてもらえるから」だそうで、なるほどな!と勉強になりました。Upload By keiko早速家に帰って、嫌なことをされたら大きな声で「やめて」と言う練習をしました(同時に、自分がされて嫌なことをお友達にしてはいけないよ。というお話もしました)。幸いにも、この件以降、お友達に意地悪されたとか嫌なことをされたという話は聞いていないのでホッとしています。目前に迫った小学校入学と、これからのことしのくんは来年から小学校の通常学級に就学する予定です。小学生になると、お友達の関係もさらに見えにくくなってくるだろうし、自分で対処しなければいけない場面も増えてくるんじゃないかなと思っています。「困ったときにはどうすればいいのか?」をしのくんと一緒に考えて、これからも話し合っていきたいなと思います。執筆/keiko(監修:室伏先生より)keikoさん、お友達に嫌なことをされたときや困ったときの対処法についてのご経験を共有いただき、ありがとうございました。まずは、しのくん、困ったことがあったことをお母さんに言えただけでも素晴らしいですし、さらには先生にお話できたのも褒めてあげたいエピソードですね。困ったことがあったときに援助要求ができるということは、とても重要なことです。さらには、嫌なことをされたときに大きな声で「やめて」と言うことは、困ったことに自ら対処をするということですが、この練習を親子でされたということは、しのくんにとって、とても大切な経験になったと思います。自分で対処できることももちろん大事なことですが、それが難しいときには援助や支援を求めることができることも、自立にあたりとても大切な能力だと思います!しのくんが困ったときの乗り越え方を少しずつ身につけていく過程を、私も応援していますね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月13日活発で身軽すぎて失敗が多いのが心配Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。次女リスミーは、勉強、遊び、お家の手伝いなど、なにをやらせても身軽でハイスピードな子どもでした。リスミーは、活発に屋外で遊ぶことが好きな子どもでしたが、高いところや危ないことが好きで、洋服をよく汚したり、破いたりしていました。自宅のブロック塀をよじ登ろうとして手を滑らせ、前歯を折ったこともあります。ズボンやパンツに穴をあけることが多かったので「リスミーのお尻には歯が生えてるの?」とよく聞いたものでした。お手伝いをしてくれるのはいいのですが、私も多動なタイプなので一緒に家事をすると、いつの間にかスピード競争みたいになります。2人で餃子をつくるのにはまった時には、つい勢いあまって、毎週100個もつくってしまい、食べきれずに何度も腐らせてしまいました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ学習スタイルが独特。用意された机ではやらず、意外なところで勉強していた次女リスミーは、家庭学習のスタイルもユニークでした。ある日、私が台所で食事をつくっていると、頭の上のほうから「24+48は72だよね?」という声がします。声のしたほうを見ると、なんとリスミーが冷蔵庫の上に座って宿題を解いているではないですか。危ないので急いで下ろして注意しようとすると、リスミーは気配を察して、あっという間に逃げました。あまりの素早さに捕まえることも注意することもできません。宿題を済ませるのは早かったのですが、間違いや勘違いが多い子どもでした。リスミー専用の学習机は用意してあるのですが、本人はここで勉強することはなく、物置きのようにしか使いませんでした。なんとか落ち着かせる方法はないかと、いつも考えていましたが、よいアイディアが浮かびませんでした。ボールにぎにぎの工夫は卒業。集中力アップのために新しい工夫にチャレンジをUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ小学生の頃、授業中に走り回っていたリスミーは、担任の先生の計らいで、ボールをニギニギしながら勉強することで集中力がアップし、授業中に走り回ることはなくなりました。ところが中学に上がる頃には本人が飽きてしまったのか、ボールにぎにぎの工夫が効かなくなってきました。授業中に走り回ることはしませんでしたが、おそらく無意識のうちに椅子や机をガタガタ鳴らすことが増えるようになりました。注意すると止めることができるのですが、すぐにまた始まってしまいます。すると、成績が伸び悩むようになってきました。リスミーを含め、わが家の4人の子どもたちを通わせていたインターナショナルスクールで、私も職員として働いていましたので、リスミーの学校での様子はよく分かっていました。そこで同僚のA先生になにかよい工夫がないか相談しました。A先生は、アメリカ本土の小学校で長年勤務してきた、発達凸凹の工夫に詳しい方であり、なおかつ発達凸凹の当事者だったのです。A先生は「アメリカの学校では脚ブランコというものを使っているよ」とアドバイス。ネット通販で脚ブランコを取り寄せてくれました。アメリカから取り寄せたツールをやってみると、ドンピシャの学習効果で大変身!Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイA先生の取り寄せてくれた脚ブランコは、椅子の下に取りつけることで、脚でブランコをこぐものです。日本とアメリカの学習机とイスはサイズや構造が異なっているため、取りつけの際には金具を自作しなければなりませんでした。A先生と一緒になんとか取りつけてリスミーに試してみました。結果は大成功。リスミーは脚でブランコをこぎながら、勉強に集中することができるようになり、再び成績がぐんぐん伸び始めました。その後は成長につれて、リスミーの多動も徐々に落ち着いていったのでした。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:室伏先生より)リスミーさんの、小中学生の頃のご様子や集中力アップのための工夫について、具体的に共有してくださりありがとうございました。ご両親からするととっても心配も多かったでしょうけれど、ズボンの穴や、餃子づくり、冷蔵庫の上での学習のエピソード、可愛らしく拝見させていただきました!脚ブランコというのは、私も存じ上げませんでしたので参考になりました。学校では導入がなかなか難しい場合もあるかと思いますが、ご家庭などでも導入してみるとハマるお子さんも多いかもしれませんね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月13日避難生活で発達障害のある子どもがおかれる環境発達障害のある子どもの中には、慣れない環境や集団での行動に苦手さがあるなど、避難所生活が難しい子どももいます。また、感覚過敏や偏食などがあり、特別な配慮や対応が必要になる場合もあります。しかし避難するにあたって、障害のある子どもに対する配慮が難しい場合や周囲の理解が十分得られないなどの理由で、避難所生活をあきらめて車中生活を送る選択をすることもあるようです。避難所での配慮、知っておきたいポイント避難所での生活は、食べ物やトイレ、他人との距離感などが普段と大きく異なります。どんな子どもにとっても大変な状況であることは間違いありませんが、とりわけ発達障害のある子どもにとっては大きなストレスがかかる環境です。「走り回る」、「大声を出す」といった行動も、その子の不安の表れであることが少なくありません。限られたスペースのなか、少しでも不安やストレスを軽減するには、どのような配慮をすれば良いのでしょうか。以下では、発達障害のある子どもの避難所での配慮のポイントをご紹介します。発達障害は、見た目からは分かりにくい障害ですが、他人との関わりや集団生活で困りごとを抱えることも少なくありません。また、困っていても言葉で説明することが難しいこともあります。避難所を運営する方は、ご高齢の方や、病気や身体障害などのある方への配慮と同じく、発達障害によって特別な配慮が必要な子どもがいないかを、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。人が多く、にぎやかな所が苦手な子どももいます。そこで、パーテーションや仕切りを設置し、視界的にさえぎられる場所を作りましょう。パニックになった時に落ち着ける場所としても活用できます。参考:東京都 『東京防災』もしもマニュアル_生活 p.212特定の食べ物しか食べられない子どもやアレルギーのある子どもの場合、避難所で支給する食べ物の確認が必要です。避難所を運営する方は、食べ物への配慮が必要な子どもがいないか事前に確認すると良いでしょう。今後、避難所に食料を送られる場合は、食材や成分のリストを添えるといったことも心がけましょう。また、どんな食べ物か分からないときは不安が大きくなり、食べられないことがあります。パンは袋から出して、飲み物はコップに注いで、実物が見える状態で渡すことで安心して食べられることもあります。発達障害のある子どもの中には、長時間立って並ぶことや、順番を守ることが難しい子どももいます。また、目を離すことができない子どももいます。保護者が子どもをつれて列に並んで物資を受け取ることが難しい場合などは、直接手渡しをすることをおすすめします。また、発達障害のある子どものなかには、指示の内容が理解できない、困っていることが伝えられない、人とコミュニケーションをとるのが困難な子どももいます。そのような手助けが必要な子どもに対しては、一斉のアナウンスだけでなく個別に声掛けをしましょう。トイレやお風呂に強いこだわりがあり、みんなと同じ環境での排便や入浴が難しい子どももいます。避難所を運営する方は、簡易式トイレや洋式便座を用意する、入浴の際は付き添いの人がつくなど安心してトイレやお風呂に行けるように配慮すると良いでしょう。それでも、トイレに行けないという子どものために大人用のおむつを避難所で用意しておくこともおすすめです。発達障害の特性があること、配慮やサポートが必要であることが分かりにくく、周囲の人に誤解されてしまう可能性があるかもしれません。どんな配慮や理解が必要か、周りに知らせるかどうかなどをお子さん本人や保護者の方と相談した上で、周囲の人に理解を広げることも大切です。LITALICO発達ナビでは、災害時に避難所等で過ごす、発達が気になる子どもの保護者の方や周囲の方々へ向け、避難所などでサポートが必要な子どもの存在を知らせる「ヘルプマーク」を作成し、以下のリンクに設置しました(東京都申請済)。避難所での掲示などにぜひ、プリントしてご活用ください。Upload By 発達障害のキホンお絵かき道具、本、音楽プレイヤー、ゲームなど子どもが楽しめるものを用意できれば、不安やパニックを緩和しやすくなります。物資や電気・インターネットの通信環境が限られている状況では難しいことはありますが、身近なもので気をまぎらわせる方法がないか、お子さんとも相談してみましょう。水が不足しがちであったり、トイレの状況などにより水分摂取を控えることが多い避難生活では脱水症の危険性が高まります。■症状めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う。(重度:返事がおかしい、意識消失、けいれん、からだが熱い)■水分補給こまめな水分補給などの調節は通常でも忘れやすいことなので、のどが渇いていなくても意識的にこまめに水分・塩分・経口補水液の補給を促してください。発達障害がある場合は、体温調節が苦手であったり、触覚などの過敏性などから防寒をしたがらないことがあります。また、感覚鈍磨がある子どもは体調不良や痛みに気づきにくいといわれています。お子さんによっては、体調不良をうまく伝えられないこともあります。健康状態をこまめに観察し、毛布の使用、衣類の重ね着、床に直接座るのではなくマットや畳を敷いた上に座るなど、寒さ対策をしましょう。避難所生活を過ごされる方々の 健康管理に関するガイドライン | 厚生労働省感染症への注意も必要です。「手洗い」「マスクの着用を含む咳エチケット」で感染症対策をしましょう。手洗いの際は、爪や指の間、手首もしっかり洗うことが大切です。流水で手を洗うことができない場合は、アルコールを含んだ手指消毒液を使用しましょう。咳やくしゃみをする際にウィルスなどの飛沫を防ぐため、マスクは隙間がないように着用しましょう。マスクがない場合は、ティッシュや二の腕で口と鼻をおおいましょう。災害時における避難所での感染症対策|厚生労働省避難中のがれきや木片などでけがや切り傷がある場合、小さな傷であってもそこから感染症が広がる可能性があります。土砂災害の場合、破傷風の感染に注意が必要です。以下のリンクでは症状や注意点、対処法などが記載されているのでぜひ、参考にしてください。破傷風についてのお知らせ | 厚生労働省一般避難所が難しい方のための「福祉避難所」、「広域避難」「災害派遣福祉チーム」について障害などのさまざまな理由で一般避難所での避難生活が難しい方のために、「福祉避難所」が市区町村ごとに設置されています。ここでは、専門的なスタッフや物資・備品による支援を受けることができます。利用対象者は以下の通りに定められており、障害のある子どもも対象に含まれます。内閣府令で定める基準は、次の通り(災害対策基本法施行規則第1条の9)。・ 高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下この条 において「要配慮者」という。)の円滑な利用を確保するための措置が講じられていること。・ 災害が発生した場合において要配慮者が相談し、又は助言その他の支援を受けることができる体制が整備されること。・ 災害が発生した場合において主として要配慮者を滞在させるために必要な居室が可能な限り確保されること。石川県輪島市では2024年1月8日から福祉避難所での受け入れを開始、石川県珠洲市では福祉避難所7ヶ所開設予定ですが2024年1月11日時点で開設できていない状況となっています。水や電気などのライフラインが復旧していない地域の避難所では、非常に厳しい状況が続いています。現在、被害が比較的小さかった地域の宿泊施設やビニールハウスなどを活用した広域避難がすすめられています。また、高齢者、障害のある人、乳幼児への必要な行われないことが心配されており、全国では災害派遣福祉チームの派遣をすすめています。災害時における福祉支援体制の整備等|厚生労働省【専門家による解説】福祉避難所は、障害のある方だけでなく、高齢者や乳幼児などさまざまな配慮の必要な方が利用されます。慣れない環境の中で大きな声を出してしまったり、うろうろしてしまうお子さんもいれば、それらの刺激に反応してしまう感覚過敏のあるお子さんもいます。福祉避難所の運営にあたっては、それぞれのニーズを聞き取り、利用者同士の相互理解に加えて、部屋や居住スペースの配置などの工夫が大切になります。発達障害のある子どもの場合には、日中の居場所(避難所以外も含めて)や余暇も含めた活動の設定、視覚的な支援が必要になります。学校や施設などの日中活動の場を一日も早く復旧させていくことが大事になってきますが、復旧が長引くにつれて日中支援のニーズは高まると思います。過去の災害時には若くて元気のある方の中には福祉避難所での活動をスケジュール化してゴミ集めやお弁当配りなどの役割を担っていた方もおられました。日中支援はお子さんの保護者の方だけでは難しいことも多く、保護者の方が日中活動されるためにも、運営者は外部からの支援者の手を借りれるよう声をあげていただき、連携できるとよいと思います。また、保護者の方が孤立しないように、親の会やネットワークなどを活用して互いの居場所や状況を共有しあったり、励ましあったり、地域の避難所情報を把握しあったりできるよう、地域の団体の運営する情報サイトなどをすすめていただければと思います。お子さんや保護者の方、現場の支援者の方の不安やご苦労は言葉にはできないほどかと思います。そのような中大変かと思いますが、必要な支援についてはぜひ声をあげていただければと思います。Upload By 発達障害のキホン車中泊をする場合の注意点車中泊をすることになった場合は、配給リストから漏れたりする可能性があります。また、車中泊をしている家族の中には、配給の受け取りに行きたくても、子どもを置いて行けない、連れて行けないといった状況におちいる方々もいます。避難所を運営される方は、そういったご家族が近隣にいないかコミュニケーションをとり、直接配給するなどの配慮をご検討ください。多くの人がいる避難所や車中などにいる方は、思うように体か動かせなかったり一定の姿勢を強いられたりすることが多い状況です。軽いストレッチやマッサージを心がけましょう。以下のリンクに実践可能な予防策が載っています。エコノミークラス症候群の予防のために|厚生労働省適切な配慮で避難生活を乗り切りましょう発達障害のある子どもが避難生活を乗り切るためには適切な配慮が必要になります。避難所を運営される方や外部から支援に入られる方が、ここでご紹介した配慮のポイントをご参考にしていただければ幸いです。以下のリンクでご紹介しているマニュアルもご参照ください。みなさんのご無事と1日も早い復旧をお祈りしております。災害時 発達障害児・者支援エッセンス|国立障害者リハビリテーションセンター研究所避難所等における障害児者への配慮事項等について(令和6年能登半島地震について)|厚生労働省【質問募集】発達が気になる子どもの避難や防災障害や発達特性のあるお子さんや保護者の方も慣れない生活の中不安な思いを抱えていたり、報道を目にして不安になっているお子さんもいらっしゃるかもしれません。この度、発達ナビでは避難や防災に関する質問を募集します。避難生活でのお困りごとや防災に関する疑問など、お寄せいただいたご質問からピックアップし鳥取大学 大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にご回答いただき、記事での公開を予定しております。複数質問のある方は、何度ご回答いただいても問題ありません。以下、フォームよりご応募ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月13日災害が起きた時、障害のあるわが子をどう守る?2024年1月1日に発生した能登半島地震では甚大な被害が発生し、いまも懸命な救助活動や復旧作業が続いています。そして、避難所には多くの方が身を寄せていらっしゃいます。また、公的な避難所ではない場所や、電気や水道が通らない中自宅などで過ごしている方もいらっしゃいます。地震などによる災害に直面した時、障害のある子どもをどのように守ればいいのか、そんな「いざ」という時の備えに役立てていただきたいコラムをまとめてご紹介します。障害のある方やご家族にとって、災害時の避難所などでの生活は不安なものだと思います。そんな支援や配慮を必要とする方のために「福祉避難所」があります。いざというときのため、対象者や、避難の流れ、さらに事前に準備すべきことなどをまとめました。丸山さとこさんの息子さんのコウ君には、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)があります。幼児期には、感覚過敏による偏食があったり、パニックが起こりやすかったりしたコウ君。いざというときに備えて、コウ君の「苦手」を熟知する丸山さんが日常生活の中で取り組んでいるという防災ノウハウを教えていただきました。「避難行動要支援者名簿」を知っていますか?家族の中に、避難時に支援が必要な人がいる場合、この制度が大切な命を守ってくれるかもしれません。発達障害のあるお子さん2人を育ててきた寺島ヒロさん。お子さんたちはすでに大学院生と高校生になり、一人で出かける機会も増えてきました。家族がバラバラの場所で被災したら?そんな心配も子どもの成長と共に大きくなるもの。非常持ち出し袋の中身だけでなく、スマートフォンのアプリや日ごろ持ち歩くもの、普段の心がけまで、さまざまな工夫をシェアしていただきました。「障害のあるわが子と被災したら?」「何を用意しておけばいい?」「避難所で過ごせる?」など、保護者の不安や疑問はつきません。発達ナビの心強いサポーター・井上雅彦先生と一緒に「防災ノウハウ」について考えてみました。障害や発達特性のあるお子さんや保護者の方も慣れない生活の中不安な思いを抱えていたり、報道を目にして不安になっているお子さんもいらっしゃるかもしれません。この度、発達ナビでは避難や防災に関する質問を募集します。避難生活でのお困りごとや防災に関する疑問など、お寄せいただいたご質問からピックアップし鳥取大学 大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にご回答いただき、記事での公開を予定しております。複数質問のある方は、何度ご回答いただいても問題ありません。以下、フォームよりご応募ください。さいごに支援や配慮が必要な方のための「福祉避難所」や「避難行動要支援者名簿」、障害のあるお子さんのいるご家庭で実践できる防災ノウハウなどをご紹介しました。ぜひご家族で日ごろの備えについて改めて考え、話し合うきっかけにしてみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月12日「経過観察」ではなく具体的なアドバイスを!多職種連携の現場から26年以上、小児科医としてお子さんたちを診てきた本田真美(ほんだまなみ)先生。医療はもちろん、教育や福祉・行政などのさまざまな分野の専門家が互いに協力し合う多職種連携の推進を目指し、クリニックの院長として、「日本小児診療多職種研究会」の理事として取り組まれています。――2016年に開院された「みくりキッズくりにっく(東京都世田谷区)」では、まさに多職種連携を実践されていますね。本田先生:そうですね。「子どもの専門家集団」を掲げ、医師と看護師、事務のほか、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、公認心理師、保育士、幼稚園教諭、音楽療法士、管理栄養士、児童支援員という計13職種、70人以上の専門家 が在籍しています。――発達・小児神経外来とは別に、「発達サポート外来」を設置されていますが、どのような診療をされているのでしょうか。本田先生:専門の療法士が、心理療法、理学療法、作業療法、言語療法の面からアセスメントを行い、お子さんに合わせたプログラムを提供しています。発達障害や脳性まひ、染色体異常などのお子さんが多いですね。毎月1日~5日に翌月の初診予約を受け付けていて月に30人ほどの初診のお子さんを診ていますが、希望者はその4~5倍もいるのが現状です。私たちは、お子さんや保護者の方の困りごとに対して「もう少し様子を見ましょう」という経過観察ではなく、具体的で分かりやすいアドバイスをすること、保護者の方がご家庭で安心してお子さんに向き合えるようサポートすることを心がけています。よく、個性か障害か……という話がありますが、キーワードになるのが社会適応力だと思います。となると、医療だけでは限界があって、発達が気になるお子さんやその家族を支えるのは、「医療」「教育」「福祉・行政」のトライアングルだということです。診断がついたり、薬を処方されたりすれば解決するわけではないということですね。だから私は、医療での多職種連携はもちろんのこと、担当領域に縛られることなく「さまざまな分野の専門家が互いに協力し合うこと」を目指しているのです。Upload By 発達ナビ編集部情報過多で保護者の方が大変な時代だからこそ――日々、発達が気になるお子さんの保護者の方から話を聞いていて、どのようなことを感じられていますか。本田先生:情報過多の時代だからこそ、目につきやすい子育てのマニュアルや療育法に頼りすぎてしまう傾向があるように思います。例えば、「発達障害のチェックリストには当てはまらないけど、園の先生に受診をすすめられたから」と来院される方がいます。そこで、例えば「トイトレが進まない」「夜眠れない」「毎日のルーティン」といったお子さんのエピソードをもとに詳しくお聞きしてみると、お子さんの発達の特性が見えてきて、アドバイスをすることができます。――インターネットで調べたりチェックリストを試してみたりすることで、逆にお子さんの特性が見えにくくなってしまうこともあるのですね。本田先生:そうですね。そして、すべてのお子さんに共通した正解があるわけではないので、「わが子が困っている背景や原因」を知り、「わが子に合うもの」を選択することが大切ですよね。ただ、保護者の方が自分で見つけるのは難しくなっているように思います。だからこそ、専門職である一人ひとりが広い視野と経験や知識をもとに多くの手札を持ち、お子さんに向き合う必要があると考えています。お子さん自身が「ヘルプを出せる」「交渉できる」ように――保護者の方には、お子さんとの関わりについてどのようなお話をされていますか。本田先生:お子さんが「ヘルプコール」と「交渉力」を身につけられるようにしましょうということでしょうか。まずは就学までに、「助けて」「やりたくない」と言えるように。そうすれば、嫌なときに暴れたり癇癪を起したりしなくても良くなり、お子さん自身が楽になるでしょう。当院でも、就学までのプログラムを大事にしています。就学後はさらに進んで、「交渉術」を学んでほしいと思います。例えば、学校での合理的配慮。もちろん学校の先生と保護者の方を中心に話し合いをされると思いますが、小学校高学年ぐらいになったらお子さん自身が自分に必要なもの・不要なものを意思表示できると、ミスマッチを防ぎやすくなりますね。これは、服薬にも当てはまります。医師が処方した薬を、保護者の方がお子さんに飲ませることが多いと思いますが、いずれはお子さん自身が用法容量の範囲内で「この薬は、この量だと調子が良いから飲みたい」と言えるように練習していってほしいのです。――お子さんのために、意思表示できる力を育むことが重要なのですね。子どもに関わるすべての人へ「第10回日本小児診療多職種研究会」1/22(月)正午まで参加登録受付中Upload By 発達ナビ編集部――日本小児診療多職種研究会の役割や、本田先生が会頭を務める「第10回日本小児診療多職種研究会」の見どころについて教えてください。本田先生:特に発達障害の領域において、ずいぶん前に医師ができることの限界を迎えていると思います。だからこそ、医療がトップにいて教育や福祉がそのサポートということではなく、お互いにリスペクトし合い同じ立ち位置でお子さんをみていくことが必要です。「日本小児診療多職種研究会」は、多職種が一斉に集い、同じ立場で意見交換できる唯一無二の研究会だと自負しています。私が会頭を務める「第10回日本小児診療多職種研究会」は、私自身が話を聞きたい皆さんにお声がけし、快諾いただき実現したものです。お子さんの障害や年齢、取り扱う課題が幅広く、お子さんに関わっている方々へヒントや視野を広げるチャンスをお届けできるはずです。「もっと知りたい!」という好奇心のある方は、あまり気負わずに参加してもらえたらうれしいですね。――ありがとうございました。会期2024年2月10日(土)~2月11日(日)プログラム(一部)・小児在宅医療における多職種の無限∞力・発達障害児の乳児期の発達特徴と早期介入・新生児から療育にわたる多職種連携ケアへの挑戦・構音訓練セミナー、感覚統合セミナー、エコーセミナー・ワークショップ「医療的ケア児のためのホスピタル・プレイセラピューテックな遊び、マイスヌーズレンを作ろう」・教育シンポジウム「こどもたちに伝えたい『自分のモノサシ』と おとなたちに伝えたい 『評価のモノサシ』」参加登録期間2023年9月25日(月)12時~2024年1月22日(月)12時※ボタンをクリックすると発達ナビのWebサイトから「第10回日本小児診療多職種研究会」のWebサイトに遷移します1998年東京慈恵会医科大学卒。国立成育医療センター(現国立成育医療研究センター)や都立多摩療育園(現都立府中療育センター)、都立東部療育センターなどを経て2016年に「みくりキッズくりにっく」を開院。日本小児科学会専門医、日本小児神経学会小児神経専門医など。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月12日息子がいないお正月、実家と義実家へ息子の不在を説明しなければならず……公立中学の自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する中学3年生の息子と公立高校に通う高校2年生の娘がいます。2人とも小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。息子は小学校までは通常学級に所属していましたが、小5の時、コロナ禍による休校をきっかけに『いつから学校に行けるのか?』とパニックとなり、昼夜逆転や家庭内暴力が始まりました。自宅で過ごすことが困難となり、小児精神科に入院などもしましたが、今までの生活様式が一変してしまいパニック症状は悪化するばかり。中学校では特別支援学級に入るも環境に馴染めず、学習意欲も低下して不登校、昼夜逆転、家庭内暴力がさらにひどくなってしまいました。息子と話し合い「生活習慣を整えて、中学3年生の4月から家に戻れるよう目標を立てて、一緒に頑張ろう!」と一緒に目標を立てたうえで、息子は中学1年生の冬から児童養護施設に入所しました。息子の生活と精神面を整えるための決断でした。そして、わが家は息子がいないお正月を迎えることになりました。いつもでしたら、年始の挨拶で義実家、実家を訪問していたのですが、息子を連れて出かけることはできません。そのため、義父、義兄夫婦、実母、弟に息子の施設入所について伝えなければなりませんでした。「帰ってきたら鰻を一緒に食べに行こう」優しい義父義実家は、80代の義父と義兄の二人暮らしです。義母はすでに亡くなっています。義父たちへは訪問前に夫から電話で説明してもらいました。夫からの電話を義父は「うん、うん……」と穏やかに聞いてくれたそうです。分かってくれたようだよという夫の言葉にホッとしつつも、いつもより緊張して義実家へ訪問しました。久しぶりにあった義父たちは我々を温かく迎えてくれました。義父は息子の障害については全く触れず、「帰ってきたら、孫の好きな鰻を一緒に食べに行こう」と言ってくれました。その優しさに、私は涙ぐんでしまいました。義兄も特に何も触れず微笑んでいました。義兄の優しさを感じました。また後日、義姉からは「気がつかなくて、ごめんなさい。大変な子育てをしてきたんだね。困ったときは相談してね」とメールをもらいました。このような義実家の優しさは、いっぱいいっぱいだった私の心を支えてくれました。感謝してもしきれません。Upload By ユーザー体験談「なんてかわいそうなことをしたんだ!」激怒する実母私の実家は父は亡くなっており、母と私の弟が暮らしています。子どもたちが小学校低学年だった頃、私は子どもたちの発達障害について母に伝えたことがありました。ですがそれ以降、母は自分で調べた薄い知識や偏見で、「あの子たちがかわいそう」「おまえ(私のこと)の育て方が悪かったんだ」「テレビで発達障害の番組を観たけど、将来はどうするの?お先真っ暗じゃない」「仕事をするのは無理かもね」など、ことあるごとに、私や夫、子どもたちの前で言ってくるのです。そんな経緯があったため、年始の挨拶前までに私から実母に息子の入所について伝える勇気はでませんでした。さらに非難されるのが嫌で嫌でたまらなかったのです……。そして来てしまった訪問当日、私はとうとう息子がいない理由を伝えるしかありませんでした。案の定母は「施設に子どもを入れるなんて!なんてかわいそうなことをしたんだ!」「障害を持っているから、こんな事になったんだ!」と激怒。しかも、これを娘の前で言ったのです。自身も発達障害がある娘がどれだけ傷ついたか……。もう私は覚悟を決めるしかありませんでした。Upload By ユーザー体験談母からの謝罪。でも私が選んだのは……「今の私の家族を傷つける言動をするのは困る。家族を守るため、実家には行きません」母は黙って聞いていました。そしてその数日後、母から電話がありました。「私は人の気持ちが分からないの。あんたを傷つけているとは思っていなかった。ごめんね」と。それでも、私は今までの経緯があったため、母を許すことができませんでした。「今後は実家には帰省しない」と絶縁宣言をしました。Upload By ユーザー体験談努力した息子。今は将来の夢に向かって頑張っています!あれから3年ほど経ちましたが、母とは連絡をとっていません。義実家へは年始の挨拶やお盆など、定期的に訪問しています。義父は、変わらず子どもたちを大事にしてくれ、「一緒に外食に行こう」「孫の好きなものを食べさせてやりたい」と声をかけてくれます。毎回子どもたちへお小遣いもいただき、それは子どもたちの通帳に貯金しています。そして、息子はとても努力して生活習慣を整え、目標通りに退所し、現在は一緒に暮らしています。今は受験生として、幼少期からの夢をかなえるため奮闘中です。息子はまだまだ成長期です。さらに自分を高めて、どうか自身の夢を叶えて欲しいと願っています。そして安定した気持ちで就労できるよう、これからも支援し続けていきたいです。Upload By ユーザー体験談イラスト/SAKURA※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:森先生より)「お子さんを守ること」「お子さんの生活習慣を整えること」を最優先に行動できたのは素晴らしいですね。発達障害の支援の中で、家族や親族の理解を得られないという問題はしばしば見られます。「適切な支援を受けることを拒絶する」といったことも時にはあります。専門家とも相談しながらお子さんの生活習慣を整えるために出した結論に、親族の方から理解をしてもらえないこともあるでしょう。障害や支援に対して理解してくれない理由としては、気が動転してしまったり、お子さんへの愛情が強すぎるがゆえの不安な気持ち溢れてしまっているといったことがあります。ただし、その不安な気持ちを保護者の方が受け止める必要はありません。不安な気持ちをぶつけられることによって、お子さんや保護者の方が傷ついたり疲弊してしまっては本末転倒です。そういった場合は、「この子の親として、最も良い方法を探しているところだから、信じて見守って欲しい」ということを説明して、状況によっては一旦距離を置くことも必要なのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月12日コウは「立ったまま着替えること」ができませんでしたUpload By 丸山さとこ現在中学生の息子のコウが幼い頃を振り返ると、「今なら発達性協調運動症(DCD)と診断されたのかもしれないな」と思うことがあります。一番それを感じたのは、保育園年長の頃、床に座って着替えているコウを見た時でした。それまでも遊具や大き目の段差を怖がるなど不器用さを感じることはありました。ですが、それは不器用さによるものなのか性格によるものなのか分からないところもありました。それに対して服の着替えはシンプルに不器用さが目立つ状態だったため、大雑把な私でも引っかかりを感じたのだと思います。そうして、コウの不器用さを何となく感じつつも「小学生になれば変わってくるのかな……?」と思っていたある日、私は保育園の参観日にて衝撃的な光景を目にしました。教室から園庭に出ていく大勢の園児たちが、立ったまま靴を素早く履いて外に駆け出して行くのです。若干ゆっくり目なお子さんであっても、お尻は床につけずにしゃがんで靴を履いているのを見て、「やはりコウは年齢の割に動きが不器用な可能性があるな」とハッキリ感じました。不器用なような、そうでもないような?以前、滑り台やブランコで遊べなかったコウに対して、スモールステップを意識しつつ「どうやって体を動かすのか」を教えたら遊べるようになったことがありました。そのことを思い出し、立ったまま着替える練習をしてみました。すると、意外なほどスムーズにできるようになりました。Upload By 丸山さとこそれまでの様子から多分難航するだろうと思っていた私は、「あれ?教えただけでこんなにできるようになるものなの?」と首をかしげました。そんなコウの『不器用さ』を見ているうちに、私は「体を思い通りに動かせないことだけが不器用さの理由ではないのかもしれない」と感じるようになりました。不器用さに加えて『周囲の人を見ていない・同じ動きをとろうとしない』ことが影響している可能性はあるのではないかな?と思ったのです。あくまで私がコウを見た上での勝手な推測ですが、コウがASDであることをふまえれば、考えられなくはない要素かもしれません。周りを参考にして動くことも、少しずつ増えてきましたそんなコウも、小学校高学年辺りからは自発的に周りを参考にして動くことが増えてきました。学校から戻るなり「縄跳びが上手い子のやり方を見て研究してきた!」と言って突然上手な二重とびを披露したときには、大変驚きました。Upload By 丸山さとこ着替えに関しても、中学生になった今では、朝に急いで着替える時などには、立ったまま着替える姿が見られるようになりました。とはいえ、それでも靴下や靴は座って履くことが多く、彼にとっては『できるけど面倒なこと』のひとつなのかなと感じます。体幹の弱さは心配ですが、着替える度にヒョイヒョイと座っては立つコウを見ていると、『若さってすごいな~!』とその身軽さに少し感心してしまいます。私も「どっこいしょ」なしで立ち上がれるように、コウと一緒に筋トレを頑張っていこうと思いました。執筆/丸山さとこ(監修:鈴木先生より)立ったまま靴が履けなかったり着替えができなかったりするのはバランスが悪いからです。バランスを司る小脳の機能が低下している可能性があり、発達性協調運動症と診断されることが多いです。発達性協調運動症のお子さんにはOTが行う感覚統合訓練が効果的ですが、日常的には公園の遊具やアスレチックで遊ばせるのがいいと考えられています。音楽療法や乗馬療法などを試してみるのもいいかもしれません。縄跳びも、はじめのうちは縄が頭上を超えて地面についたところでその縄を見てジャンプするということしかできませんが、訓練すると手足の協調運動ができるようになり、ちゃんとした縄跳びができるようになってきます。小児科の神経外来で相談するといいでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月11日自閉症娘、中学入学で部活デビュー!広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、中学1年生。中学生になってから、自分の意志で部活を始めました。Upload By SAKURAいろいろと苦手が多い娘。初めは娘が入部することで、何かトラブルが起きないか、迷惑をかけるのではないか、心配していましたが、顧問の先生から話を聞いたり、娘の楽しそうな様子を見て、部活動を通じていろんな経験をしてくれるだろうと、私たちも嬉しく思っていました。Upload By SAKURAある日、ふとした疑問が……そして、入部してしばらく経った頃……Upload By SAKURA中学の2、3年生に「先輩」をつけて話す娘を見て、「あーさんも先輩後輩の関係に入ったんだな~」と感慨深いものを感じていたのですが……ふと思いました。Upload By SAKURA「先輩」はつけているけど……敬語は?使ってる?気になった私は、娘に確認してみることにしました。娘、先輩に対してタメ口なことが発覚!?Upload By SAKURA娘は察することが苦手。暗黙の了解で理解することはできないのです。周りを見ることも苦手なため……Upload By SAKURA同級生と先輩の会話を聞いて、合わせるということもできていませんでした。私たちは娘に話をしました。Upload By SAKURAUpload By SAKURAUpload By SAKURA中学生になり、「これはこう」という決まりきったことだけを教えるより、いろんな背景や事情も教えた方がいいと思っていましたが、娘にとっては混乱するようでした。様子を見て、教えていきたいと思います(笑)執筆/SAKURA(監修:初川先生より)中学生になったあーさん、部活に入ったのですね。中学生になると突然上級生の敬称として「先輩」がつき、敬語で話すことになりますね。小学校の時は「さん」「くん」づけで敬語もなく遊んでいたのに、途端に文化が変わる感じがありますが、よくよく考えると戸惑ってしまうのも無理はないなと感じます。そうした、昨日まではこれでよかったのに、今日から(中学生になったら)こうなるという変化も、誰もはっきりとは教えてくれないもの。多くの子たちはなんとなく状況を見ながら、中学生としてうまくなじむ流儀を身につけてゆくのでしょうが、暗黙の了解や空気を読むことが苦手なASD特性のあるお子さんにはそもそもそこに気づかずにいるかもしれません。そうした独特の文化、そして関係性のように深まったら砕けた言葉でも構わないといった“ルールに幅や変化の余白があるもの”の教え方の難しさがこちらのエピソードでよく伝ってきますね。まずはシンプルなルールから教えて、アドバンスなルールはその都度あるいは慣れてから教えていく。それで良いと思います。敬語を使わないことで不利益や誤解が生じる可能性が(残念ながら)あるので、まずは年上の人には敬語を使うのだと伝える。中学校生活のみならず、それ以降でも汎用性の高いスキルとして使えますね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月10日検索に検索を重ねる日々わが子を育てるなかで不安を感じたとき、またはわが子に障害や生きづらさがあると分かった後、保護者が必ずすることといえばインターネット検索ではないでしょうか。この子はなぜこのような行動をするのか、保護者としてどう対応していけばいいのか……。私もスマートフォンにかじりついて検索をしていました(その時にこちらのLITALICO発達ナビを見つけて、延々と記事を読んでいたことを思い出します)。難しい言葉で書かれた専門的なWebサイトはよく分からないけれど、発達ナビには、同じような特性を持った子どもを育てている人がいること、子育てをしていて同じような気持ちを共有できる人がいるということを知り、それは私の心の支えになりました。Upload By 吉田いらこ発達障害関連のセミナーに参加して私は長女が小学6年生の時に、「もっと子どものためにできることを知りたい」と考えて発達障害関連のセミナーに参加したことがあります。発達障害や生きづらさを抱えた子どもの保護者向けセミナーは、おそらくたくさんあると思います。私はインターネットで見つけたそのうちの一つに申し込みました。Upload By 吉田いらこセミナーの講師の方は発達障害があるお子さんを育てていて、一対一で私の話を聞いてくださいました。当時の私の悩みと言えば、目前に迫った長女の修学旅行でした。新しい場所が不安な長女のため、インターネットで宿泊先の画像を見せたりスケジュールを事前に確認したりと対策していましたが、長女の不安感は相変わらず残っていたからです。その話を講師の方にすると、さらりと「修学旅行、行かなければいいじゃないですか」と仰いました。私はその時本当に驚きました。今の今まで、「行かない」という選択肢を考えたことがなかったのです。学校行事は必ず参加するものだと思い込んでいた私はなんて狭い価値観を持っているのだと感じました。Upload By 吉田いらこ第三者に相談したことでもし、長女が本当に行きたくないと感じているなら修学旅行に行くのを辞めさせたと思います。このセミナーを受けたことで、私の固まった価値観を訂正してもらえた気がしました。長女の場合は、行きたいけれど不安があって行けないので、今回のアドバイスは当てはまりませんが、第三者に相談するのは大切だなと感じました。障害のある子どもについて相談に行ったり学校とやり取りをしたりしているのは、おそらくほとんどが母親だと思います。夫婦で子どもについての話し合いがうまくいかなかったり、ひとりで抱えてしまったりしている方もいるかもしれません。そいう場合に、学校や病院、知人などのほかにもなるべく相談できる場所、話を聞いてもらえる場所が必要だと、今回セミナーを受けたことで改めて感じました。(監修:森先生より)問題をひとりで抱え込むよりも誰かに相談するといいのは、客観的に問題を見ることができるからです。さらに拡げて、頼る先を行政や支援機関など複数持つようにすると、より広い視点で物事が見られるようになります。保護者の視点や学校の先生の視点からだけでなく、第三者である専門家の視点からのアドバイスをもらうことはとても大切ですね。アドバイスに従うかどうかは別として、「こんな視点もあるのだな」と思うだけでも、気持ちは軽くなるのです。今回のケースでは、「修学旅行に行かないという選択肢もあるけれど、自分が行きたいから頑張ろう」と思うのと、「行かなきゃいけない、どうやって耐えよう」と思うのとでは、困難にぶつかったときの気持ちや乗り越えた後の達成感がだいぶ違ってくるのです。さまざまな価値観があるということを知ると、解決策も浮かびやすくなるのではないでしょうか。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月10日「ううう」の始まりは2歳前2歳になるより前からだったと思いますが、スバルは時折こわい顔をして、手や肩に力を入れて「ううう」と声を漏らしながら歩き回ることがありました。Upload By 星あかりその頃のスバルはまだ「バイ(バイバイ)」「ばあ(いないいないばあ)」「あー(Car)」の3語と宇宙語だけでコミュニケーションを取っていたので理由を聞くこともできず、その異様な様子を見守ることしかできませんでした。1回の時間は5秒から20秒くらいで長くはないのですが、多い時期には1日に何度も何度も行われるので不安になりました。そもそもこの行動が何なのか分からない、インターネットで検索するにしてもキーワードが分からない、病気に関わるのであっても何科に相談すれば良いのか分からない……、何も分からない。かかりつけの小児科で相談したことがあるのですが「大きくなったら落ち着くでしょう」と言われました。スバルは1歳半健診時に言葉の遅れを指摘され、3歳で言葉が溢れるまで何度か発達検査を受けていたので、その時にも相談したのですが「爪を噛むようなものでしょう」とサラッと言われました。私が大げさに気にしすぎなのかなと思いつつも、どうしても気になってしまうのでした。「ううう」が出るタイミングは暇な時や不安な時だったので、怖い、嫌だなど負の感情の表現のように感じました。それだと「爪を噛むようなものでしょう」という説明もしっくりくるのですが、「もうすぐおやつだよ」「今度バスに乗ろうね」「またばあばの家に遊びに行こうね」などのスバルの喜びそうな話をした時に出ることもありました。私はますます理解できなくなるのでした。これって「常同行動?」3歳で言葉が溢れ、単語でコミュニケーションが取れるようになった同じ時期に、スバルは自閉スペクトラム症と診断されました。自閉スペクトラム症を勉強するために本をたくさん読んだり療育に通ったりするうちに私は「常同行動」と言う言葉を知りました。常同行動の具体例として、手をヒラヒラさせる、飛び跳ねる、爪を噛む、体を揺らすなどがありました。ピタリと当てはまるものはありませんでしたが、これらの仲間だろうと私は納得しました。常同行動を行う理由として「何かの要求を訴えている」「精神的な安定を求めている」「刺激を求めている」などがあげられており、スバルの「ううう」が出るタイミングとほとんどマッチしていると思いました。しかし「今度バスに乗ろうね」のようなスバルに最大級の喜びを与えたつもりの言葉が「ううう」のトリガーになる事もあったので、そこが引っかかっていました。先の見通しができないと不安になる……自閉症スペクトラム症の息子その後、幼稚園生活が始まり集団生活を送る中で、言葉もかなり増えました。スバルがつたないながらも自分の気持ちを説明できるようになった事で「先の見通しができないと不安になる」ことが分かりました。例えば、幼稚園生活の中で「10時になったら絵本を読むので座って待ちましょう」など具体的な時間を言われると落ち着いて待つことができるのですが、「絵本の時間までもうちょっと座って待ちましょう」などの曖昧な表現だと不安になって「ううう」が出てしまうことがありました。「ううう」の原因……答え合わせそこでようやく気づいたのです。私がスバルを喜ばせるつもりで言った「今度バスに乗ろうね」に対して、スバルは「今度っていつ⁉」という気持ちだったのだと。「もうすぐおやつだよ」「ううう(3時なら3時と言って)」「またばあばの家に遊びに行こうね」「ううう(日にちで言ってもらえます?)」くらいの気持ちだったのだと思います。スバルにとって「先の見通しができない」ことの気持ち悪さは相当のものだったようで、早々に時計の読み方とカレンダーの読み方をマスターし自分でスケジュール管理をするようになりました。幼稚園の先生の「ちょっと待っててね」に対して「いつ頃になりますかね」と聞いて自分で安心できる状況をつくるようになりました。集団生活の中では予期せぬことがたくさん起こり、最初に聞いたスケジュールの通りにいかないことも、そもそも時間が決められないこともありました。それでも時々「ううう」を挟みつつ気持ちを落ち着かせているようでした。Upload By 星あかり暇な時や「先の見通しができない」以外の負の感情でも「ううう」が出るので、参観日でスバルの苦手な工作の時間を参観した時には「ううう」の多さに、私は冷や汗が出ました。ただ、家にいる時と違って、スバルは席についたままこっそり「ううう」を出していたことに成長を感じました。小学生になった現在の「ううう」小学生になった現在、「ううう」はかなり落ち着きましたがなくなった訳ではありません。外で「ううう」が出ることはほとんどありませんが、家ではちらほら顔を出します。宿題の量が多い時、TVで登場人物がピンチになった時、晩ごはんが苦手なメニューだと気づいた時……。2歳の時に言われた「爪を噛むようなものでしょう」と言う解釈は、今となっては「確かにそのようなものだった」と思います。ただ爪を噛むよりかなり派手な動きなので、今でも久しぶりにみるとぎょっとしますが、私も慣れたもので「おっ!今日も派手にやってるね!」くらいの気持ちで見守ることができるようになりました。私も「ううう」とは10年弱の付き合いになりますので。執筆/星あかり(監修:森先生より)常同行動は、ストレスを緩和するためにしていることが多く、自分や他人を傷付けることでなければ基本的には無理にやめさせず見守りをして、不安の原因を考えてみるようにしましょう。今回のように、保護者の方がしっかりお子さんを観察して原因を考えてくれると、支援もしやすくなりお子さんの不安は軽減されますね。お子さん本人は不安の原因をまだうまく説明できないので、観察を続けてもなかなか原因が分からないということもあり得ます。成長してから、「あの時はこんな気持ちだった」と本人から話してくれてようやく意味が分かることもありますね。一般には、発達障害の傾向がある方は「もうすぐ」といった曖昧な表現だとイメージがつかめなかったり、手順にこだわりがあったり、頭の中で考え過ぎてしまったりして、「先の見通しがたたないこと」そのものに不安感をおぼえることが少なくありません。スバルくんが「楽しい予定」を伝えられても、不安になってしまっていたのはこのためかもしれませんね。お子さん一人ひとり、不安ポイントは異なります。あまり思い詰めずに、おおらかな気持ちで見守っていくことが大切ですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月09日弟ふーが発熱。解熱後兄弟同じ寝室に寝かせたら、長男も発熱して急に寒くなった秋の日、弟のふーが鼻水を出し始めました。やがて発熱したふーは、1週間保育園を欠席しました。幸いにもインフルエンザではありませんでした。ふーの熱も下がり明日から保育園に行こうという日、それまで隔離していたふーを、いつものようにミミの隣で寝かせました。翌日のことです。ミミが体調不良を訴え、高熱が出てしまいました!私は(ふーからうつっちゃったのかな……?もう少し隔離しておけばよかった……?でもミミのクラスでもインフルエンザが大流行してるし、どこからうつったかは分からないな……)と思いつつも、二人連続の発熱にガックリ。落ち込みつつも、子どもがいるとこれもよくあることですので、すぐ切り替えてミミを看病をしていました。「弟のせいだ」と高熱で苦しみながらブツブツ言い続ける長男のミミUpload By taekoミミの熱は高く、とてもつらかったと思います。苦しそうに寝込みながらミミは「ふーちゃんのせいだ」とブツブツ。つらい原因を弟のせいにしていました。私は、「ふーからうつったとしたら仕方ないよね。でもミミは学校に行ってるから、学校でうつったかもしれないし、私からかもしれない。これは分からないよね」と言いました。それでも納得がいかないミミは「ふーちゃんのせいだ!」。つらいのは分かるので多少は仕方がないことかもしれませんが、ただただ弟を責め続けるミミの様子を私は悲しく感じていました。インフルエンザ検査を嫌がり「弟なんていなければ良かった」とまたマイナス発言。その言葉を聞いた先生は?ミミの熱が高いので、かかりつけの小児科でインフルエンザの検査をすることになりました。Upload By taeko先生は手袋をはめ「お母さん、押さえてて!」とただならぬ雰囲気。女性の職員さんも一緒にミミを押さえてくれました。一方、過去にやったインフルエンザ検査の痛みを思い出したようで、本気でもがくミミ……。4年生になったミミは力強く、私と職員さんでは押さえきれず、ミミは床にずり落ちたりと、もうすったもんだでした。そんなドタバタを越えて、ようやく検査できました。ミミは検査が痛いことや羽交締めにされたことなどが悲しくて、ここでも「ふーちゃんのせいだ、弟なんていなければ良かった」とマイナス発言……。私はどうしたものかと溜息です。するとそんな私に気づいた先生が、私に(いつもこうなの?)と言うように目くばせしてくれました。こちらの先生は、ミミが赤ちゃんの頃から診てくれているので、ミミのASDの特性をよく分かってくれています。私が「つらいことがあるとマイナス発言するんです」と伝えると、先生はなるほどと納得したようで、ミミにこう言ってくれました。「弟がいて良かったんだよ、1人より楽しいことが増えたと思うよ。あと、弟くんはインフルエンザじゃないから、もしインフルエンザだったら、きっと学校でもらってきたね」さらに「よく考えてごらん?まだ弟くんが赤ちゃんだった頃、まだ免疫も弱くて風邪の経験もない赤ちゃんは、きみからいっぱい風邪をもらっていたと思うよ。病気は上の子から下の子へうつるほうが多いんだ。むしろ、下の子から免疫がある上の子にはうつりづらい。つまり、きみの方が弟くんにうつした回数のほうがよっぽど多いはずだよ」と冷静に伝えてくれました。Upload By taekoミミはこの先生の発言に納得したようでした。反論することもなく、検査結果が出るまで大人しく待っていてくれました。私は個室でミミを抱きしめて待ちました。ミミの検査の結果は?ミミの検査の結果はズバリ、インフルエンザでした!ふーからうつったのではなく、おそらく学校でもらってきたのでしょう。そして、その後はふーへマイナス発言することはありませんでした。きっとミミは熱を出したとき「ふーからうつったに違いない」と思い込み(無理はない状況ではありましたが)、熱でつらい状況を自分だけで抱えられず、自分以外を責めることでなんとか堪えていたのかなと思いました。そして、先生から理路整然と説明された内容に納得し、それで弟へのマイナス発言が消えていったのでしょう。自分で違うと納得できれば、むやみに相手を責めたりしないようです。やがてミミも熱が下がり、食欲も戻りました。朝ごはんにベーコンを出したところ、ベーコン大好きなふーはミミにスリスリ頬ずりをして、ミミにおねだり。ミミはふーに自分のベーコンをひとつあげていました。優しいミミに戻って良かったです。今後もマイナス発言をすることがあると思いますが、悲しい気持ちを聞いた上で、お互いの良いところを伝え続けようと思いました。Upload By taeko執筆/taeko(監修:鈴木先生より)困ったことがあると他人のせいにしてしまうなど、自己中心的であったり、マイペースさといったものは、ASDのあるお子さんに見られることが多い傾向にあります。このような発言は、学校など今後ほかの場面でも見受けられるかもしれません。マイナスではなくプラス思考になるように見方を変えていく必要があります。それには当院でもやっていますが、感情(アンガー)コントロールプログラムの受講をお勧めしています。怒りを他人にぶつけるのではなく、自分の中で消火していく方法を学ぶのです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月09日小学校入学直後から始まった「行き渋り」現在小学6年生のわが家の長女『姉子』は、赤ちゃんの頃から繊細なところはあったものの、幼稚園の時は楽しく園生活を送っていました。そして、いざ小学校に入学!「さあ、きっとこのまま楽しく小学校に通うはずだし、私も幼稚園の送り迎えから解放されるぞー!」と思っていました。最初の頃は、保護者や先生に見守られて集団で登下校して楽しそうにしていた姉子。しかし、入学から1週間ほど経つと、朝泣き出すようになり、登校前に腹痛や頭痛を訴えるようになりました。Upload By スパ山けれども、一旦登校してしまえば、そのまま学校で過ごして帰ってくるので、朝の登校は私がつき添い、校門まで先生に迎えに来てもらうという形になりました。当時はほぼワンオペ育児だったので、下のきょうだいたちの送迎もあり、姉子を送ったらすぐに家に戻らなければならず、校門で泣いている姉子を先生に半ば強引にお願いして帰ることもありました。第一子だし、まだ1年生だから「最初はこんなもんだろう」と、私は楽観的に思っていました。それが2学期になり、3学期になり……、もう他の同級生は一人で登下校するのがへっちゃらになっているというのに、姉子の行き渋りはずっと変わりませんでした。親としては放っておくわけにもいかないので、なだめたりすかしたり、あの手この手で登校させようと必死でした。ある日突然始まった「チックの症状」Upload By スパ山ある日突然、姉子が目をキョロキョロ動かすようになりました。さらに、まるで何かに引っ張られるように首を振るようになりました。それを見た私は、学生の頃に児童発達関係の専攻をしていた経験から、「あ、チックだ」と思いました。チックは癖のようなもので、幼児期から青年期にかけて現れる子がわりと多い症状だそう。原因など解明されていないことも多くありますが、決して育て方が悪いとか、愛情不足などではないと言われています。姉子本人も、出したくて出しているわけでもないので、止めることもできません。指摘すると悪化することもあるらしいので、「やめなさい」「またやってるよ」など言わず、そっと『あたたかい無視』をすることでほとんどの場合、自然におさまっていくと習いました。でも、いくら知識があったとしても、わが子にチックが出たとなるとやはり不安だったので、念のため、かかりつけ医に診てもらおうと思い、姉子に気づかれないように気をつけつつ、チックの様子を動画に撮っておきました。そして予防接種のついでに動画を見てもらうと、「チックが出やすい年齢だし、そのうちおさまるので指摘せず見守っていい」と、お医者さんからもアドバイスをいただき、待つことにしました。学校の先生方にも姉子のチックの症状について伝え、配慮していただきました。低学年だったからなのか、クラスメイトから指摘されることもなく、症状は良くなったり悪くなったりを繰り返したものの、姉子のチック症状は1年ほどで完全に出なくなりました。小学生になって初めての個人懇談で「発達検査」を薦められるUpload By スパ山姉子にチックの症状が出始めた頃とほぼ同じ時期に、小学生になって初めての個人懇談会がありました。その時に初めて担任の先生から姉子の学校での様子を聞いた私。それは、「本当に姉子のことなのか?」と、耳を疑いたくなるようなことばかりでした。例えば、「名前を呼ばれた人からプリントを取りに行く」のような全体指示が伝わりにくく、呼ばれていないのに取りに行ってしまい、別に叱られていないのに、嗚咽が止まらないほど大泣きしたり、ほとんどのテストが白紙だったり、授業中に教室から飛び出して校舎の外で泣いていたなど……。行き渋りはあったものの、登校さえしてしまえば、一日学校で過ごして下校できていたので、何も問題なく学校生活を送っているものだと私は思っていました。そして担任の先生から「発達検査(WISC)を受けてみてはどうでしょうか」と言われ、そこで初めて姉子にも発達障害があるのかもしれないと思いました(2歳下の弟のハジュがすでに発達障害の診断を受けていた)。まさに寝耳に水。いや、寝耳に氷水くらいの衝撃でした。正直なところ「あ、この子もか」と目の前が真っ暗になりました。発達検査で凸凹が分かった!Upload By スパ山すぐに発達支援センターへ相談に行き、2年生になってすぐWISCを受けました。発達支援センターはすでに弟が通っている所で、姉子も何度か付き添って行ったことがあるので、心理士さんも弟の担当をしてくれている顔見知りの方にお願いしました。姉子が私と離れることを激しく嫌がったので、発達検査に同席させてもらいました。姉子は緊張がとても強く、一つの質問に3分~4分ほど黙って考えこんでしまうので、だいたい90分程度だと言われていた検査に2時間半もかかってしまい、終わったときにはぐったりしていました(それに根気よく付き合ってくれた心理士さんには感謝しかありません……)。結果はかなり凸凹があり、知的能力についてはボーダーかどうかギリギリのところ。しかし、検査中の緊張の強さから正確に判断できないとのことで、しばらく様子を見ることになりました。検査の結果や検査中の姉子を見て、今まで本人は相当しんどい思いをしてきたことが分かりました。私は姉子に申し訳ない気持ちでいっぱいで、今まで気づかなかった自分をすごく責めました。行き渋りやチックは姉子から出ていたSOSだったことにやっと気づくことができたのです。そして、発達検査を受けたことで姉子の特性や困り事を知ることができたので、「上手にサポートできれば学校生活も楽しめるかもしれない」と、淡い期待を抱いていた頃、コロナ禍が始まってしまったのです……。コロナの影響でさらに大変な事態になってしまったわが家。そのお話は別の機会に書きたいと思います。執筆/スパ山(監修:初川先生より)姉子ちゃんの小学校入学した後のエピソードをありがとうございます。幼稚園保育園から小学校という場に変わり、朝校門や児童玄関で泣いてしまうお子さんは結構いらっしゃいます。保護者が玄関などまで送っても泣いてしまい保護者と別れがたいお子さんに対して、保護者が笑顔で去りながら先生方にお子さんを託すという方法はよく取られる方法です。それで朝の会や1時間目頃までに気持ちが切り替わり教室へ入れる、活動に参加できるのであればよいかなと思います。それ以降まで涙が止まらない場合などは別のやり方も検討してみるのもよいでしょう。そうして学校というものに慣れていくことが新入生の時期には通過するプロセスではあります。チックに関しては、どういう時にチックが出やすいか観察してみるのは有効です。家でも学校でも出るのか、緊張したときだけなのか、逆にリラックスしたときにでるのかなどです。いずれにせよ、何らかストレスが過度にかかっているのではないかなと気を配りながら、チック自体はスパ山さんがされたように本人には指摘せず、見守るのみにしていく。そうした対応が一般的です。頑張りすぎているサインかもしれないと思って生活を見直してみたり、先生に学校での様子を聞いてみたりするのもよいでしょう。個人懇談会にて、学校での姉子ちゃんの苦戦する様子を知ったとのこと。だいぶ驚かれたことと思います。学校、集団生活、一斉での指示理解、決められた活動に取り組むという設定……そうしたものの何かにつまずきが見られた、あるいはとても苦手としているということでしょう。帰宅するとほっとして、学校でのいろいろを良くも悪くも周囲に感じさせないという面もあったのでしょう。気になることがある場合(行き渋りもそうですし、そもそも幼少期の様子から学校や集団生活の中での苦戦が想定される場合など)は、連絡帳や電話などで、お子さんの学校での様子を(懇談会を待たずして)聞いてみてもいいですし、先生のほうで気になることがあったら教えてほしいと頼んでおくのも一つです。発達検査によって分かること・分からないことありますが、まずはざっくりとした知的レベルや得意不得意に関して客観的に掴むには有効です。検査受検にあたっても、姉子ちゃんの抵抗はなかなかのものだったのですね。新奇場面(新しく、珍しい場面)への苦手さ、見通しのつかなさなどが強いとなかなか検査者と二人きりで検査室に入れないことがあります。それでも検査の公平性を保つためにも基本的には保護者とは分離して実施できるよう、最大限工夫するのですが、なかなか難しかったからか保護者が同席した形での実施になったということですね。こうした場合は少数で、基本的にはお子さん一人で受検するものになります。そうした緊張の強さ、そしてなかなかに熟考・長考したというところで、分かっているのに答えられなかった可能性などが浮上するため、全体として参考値扱いになったのではと想像します。ただ、指示を聞いて、期待される回答や言動を取るということや初めての環境で良く知らない人と、というところの掛け合わせでかなり困難が生じやすいことがよく分かり、ということは学校生活もなかなかにしんどい思いをしながら過ごしている可能性が想定されたということですね。家庭での生活が姉子ちゃんにとって安心安全で、そこまでの不適応を家庭の中では出さずにやってこられたからこそ、学校のような集団の場では苦手さが重なっていたけれど家庭からは見えにくかったのでしょう。気づいてあげられなかったという後悔の思いも語られていますが、ただ、「家庭では楽しそうに過ごしていたんだよね」というところは姉子ちゃんにとって過ごしやすい環境を提供できていたからこそでもあります。行き渋りやチックがSOSであったのはそうかもしれませんが、気づくのに遅すぎることはありません。気づいてからの対応が大事です。検査の結果や検査時の様子もふまえて、学校での支援や家庭でのサポートが姉子ちゃんに合ったもので充実してゆくといいなと思いました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月08日笑いに変えて乗り切る!(願望) オタク母の育児日記
育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん