こんにちは、なきりエーコです。今回は、幼稚園の進級にともなって「初めてのクラス替え」を経験した娘のエピソードです。娘なりにお友だちとの関わり方を模索していたようで…。■進級した娘がひとり遊びばかりのようで心配!「たまにはひとり遊びもいいよね!」って思って、あまり深刻にとらえないようにしていたんですが…「女の子の友だち関係は難しいことがある」となにかで聞いたことがあり、不安で不安で仕方なくなりました。■幼稚園の先生に相談したら意外な答え!幼稚園児なりに、いろいろ考えてやってたらしい!家ではベタベタに甘えん坊なのに、外では子どもなりにがんばっていたことを知りました。すごいよ、娘!いまではなかよしのお友だちがたくさんできたようで、毎日「誰と遊んだ」と伝えてくれるようになりました。
2019年06月28日こんにちは! コストコガイドの浜美です。週1ペースでコストコに通う私が、ママたちにおすすめの商品をご紹介します! だいぶ暑い気候になってきましたね。夏は、楽しい行事もたくさんありますが、蚊も発生する時期。虫よけグッズを、検討しなくてはですね。そんな時期にピッタリの、コストコ「オーガニック虫よけスプレー」をご紹介します。 まずはシールタイプの虫よけを購入虫刺されは防ぎたいけど、子どもの肌に関わること。どのような虫よけグッズが良いか、悩むママは多いのではないでしょうか。私も子どもが生まれてから、悩みました。最初は、「虫よけパッチα」など、衣服に貼るタイプの虫よけシールを購入。 特に年齢制限がなかったので、0歳代からよく使用していました。ですが、1回のシール使用目安は4~6枚なので、消費が早かったんですよね。 次にスプレータイプの虫よけを購入もう少しコスパの良い虫よけグッズはないかな?と思い、次に購入したのが天然成分で作られている、自然派虫よけスプレー「パーフェクトポーション アウトドアボディスプレー」です。 一般的な虫よけスプレーに含まれる、忌避剤「ディート(※)」は不使用。シールタイプよりは長持ちするものの、125mlで1,500円ほどです。こだわりのある製品ですので、その分お値段もします。 ついに出合った…! 理想の虫よけもう少し手ごろな価格で、気軽に使えるものはないかと探していたときに出合ったのが、コストコ販売の「オーガニック アウトドア ボディスプレー」でした。 こちらは、120ml×2本と60mlが1本の、計3本セットで1,498円です。単価計算するとかなりお得で、さきほどの製品の半額以下! (2019年は上記サイズですが、以後、サイズや価格がリニューアルする可能性があります) スプレータイプで、中身は白色。(注意:よく振ってから使用しましょう!) 手で広げると、肌に馴染み、白浮きなどもありません。この商品も「ディート」不使用。虫が苦手な香り「コウスイガヤ油」「レモングラス油」「アトラスシーダー樹皮油」を配合することで、虫を寄せ付けない効果があるそうです。 アメリカ製品で、アメリカ農務省のオーガニック認証や、遺伝子組み換え原料不使用のマークもついています。 生後6カ月から使用可能で、使用回数の上限も特に記載はありません。安心できる成分ではありますが、香り自体が弱まると効果も薄れるので、こまめにつけ直す必要があります。 香りについてレモンを中心とした爽やかな香りで、樹皮のような香りやハーブ系の香りも混ざっているので、好みはかなり分かれるかもしれません。私と子どもは、アロマ系の香りが好きなので、嫌な香りではありませんでしたが、夫は苦手な香りのようです。 香りの好みが分かれることや、こまめにつけ直す点を除けば、安全性やコスパ的にも納得できる製品なので、わが家では、日常生活で子どもに頻繁に使用しています。 ディートについて(※)高い虫よけ効果を期待するとき(森林に行くとき、蚊を媒介とした病気の流行時)は、ディート成分配合の虫よけも、検討してもよいのかなというのが、浜美的見解です。ちなみに、厚生労働省では、ディート使用基準を以下のように示しています。 ・6か月未満の乳児には使用しない・6か月以上2歳未満は、1日1回・2歳以上12歳未満は、1日1~3回引用/厚生労働省「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」 他にも、必要時のみ使用することや、目に入ったり、吸い込んだり、飲んだりなめたりするようなことがないようにとの注意書きもあります。基準内の使用であれば問題がないとのことなので、場所やご家庭の方針で、臨機応変にご検討いただければと思います。 コストコでチェックしてみて♪コストコで購入できる「オーガニック アウトドア ボディスプレー」は自然派の虫よけスプレーのなかでは、かなりお得で品質も良い、おすすめ商品です。香りが特徴的なので、最初はシェア買いでお試しすると良いかも。虫よけ対策をして、ご家族で楽しい夏の思い出を作ってくださいね。 参照/厚生労働省ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 著者:ライター コストコガイド 浜美静岡県在住の二児の母。コストコ浜松倉庫店オープンをきっかけに、その魅力にどっぷりハマり、ブログを開設。コストコ出現率は、週1以上!ブログでは、子連れコストコのコツから、お得情報や商品レビューなど、ニッチなコストコ情報を発信中。BLOG:コストコガイドInstagram:@costcohamami
2019年06月17日こんにちは、保育士の中田 馨です。雨の日に赤ちゃんと過ごす1日。いつもならお外に出て遊ぶこともあると思いますが、雨の日はお外に行けないので時間が進むのが何となく遅いのではないでしょうか? 保育所でも同じです。雨の日は「何をしようか?」と先生も考えます。そこで、0歳の赤ちゃんとお家でできる遊びを紹介します。 絵本雨の日は、ゆったりと絵本を読む時間が取れる日でもあります。いろいろな絵本を読んでもいいですし、ママと赤ちゃんが好きな絵本を繰り返し読むのもOK。 文章が長くて「まだ赤ちゃんには早いかな?」という絵本も、文章を読まなくても絵を楽しみながらページをめくっていってもOKですよ。 ふれあい遊び赤ちゃんが大好きな遊びはママとのふれあい遊び。マッサージやコチョコチョをして、いっぱい肌を触れ合って遊ぶといいですね。歌に合わせたふれあい遊びはたくさんありますが、私は自分で作った歌や替え歌でもよく遊んでいます。子どもの名前も入れ込んで歌うと、赤ちゃんも大よろこびです。 また、「いないいないばあ!」遊びも定番のふれあい遊び。手で顔を隠して「ばあ!」と出すだけの単純な遊びですが、ママの顔が隠れているときのドキドキ感と「ばあ!」と出てきたときのワクワク感。何度もすることで、赤ちゃんは身震いするくらい喜んでくれます! 手遊び歌に合わせてする手遊びは、赤ちゃんが好きな遊び。たくさんの手遊びを知っていなくても大丈夫。ママが知っている手遊びを何度も何度も繰り返して遊んでみましょう。 繰り返しすることで、赤ちゃんも簡単な振り付けをできるようになってきます。赤ちゃんと向い合わせになってするのもいいですし、膝に抱っこして、赤ちゃんの手を持って一緒にするのもいいですね。 風船遊び風船も赤ちゃんの好きな遊びの1つです。カラフルな風船を何個も膨らませて、ポーンと投げて遊んでみましょう! 段ボールでトンネル遊びハイハイができるようになったら、段ボールでトンネルを作って遊んでみましょう。ママも一緒にハイハイしてトンネルをくぐってみましょうね。 雨の日だからこそ、赤ちゃんと一緒に楽しめるお部屋遊びはたくさんあります。このような遊びは、赤ちゃんの五感を刺激して感情や身体能力の発達も促してくれます。遊びに「こうしなければいけない」というルールはありません。ママも赤ちゃん目線で楽しんでみましょうね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年06月17日生後9カ月ごろになると、赤ちゃんの行動範囲も日に日に広がっていきました。テーブルクロスを引っ張るなど、ヒヤリとする場面も。また、おもちゃなどの物を投げる、手や腕を噛むなど、いろいろな悩みが出てきました。 悩み①危険なものや場所にあとから気づく誤飲の危険性があるものを除去するなど、対策をとったつもりでも「これも危なかったんだ……」と、あとから気付いた経験はありませんか? 私もそのひとりで、赤ちゃんと過ごし始めて気付く危険がわりとありました。 わが家の場合、赤ちゃんの力では開けられないだろうと思い込んでいたキッチンの引き出しをわが子が開けていたことがありました。ちょっと目を離したすきに、洗剤を取り出していたことも。危ないと気付いたところは、その都度対策をとるようにしました。 悩み②赤ちゃんがおもちゃなどの物を投げるもともと活発なわが子。この時期になると、おもちゃの扱い方が乱暴になってきたことが気になりました。ブロックなどのおもちゃを投げて遊んでいます。やめさせようとしますがなかなか聞いてくれませんでした。 そこで、投げてぶつかってもそこまで痛くない“ソフト素材のおもちゃ”を与え、しばらく様子を見ることにしました。1歳を過ぎるころには、おもちゃを投げることが減ってきてひと安心。乱暴な遊び方は将来の人間性に影響するのかと心配でしたが、今では一時的なことだったのかも、と思っています。 悩み③赤ちゃんが手や腕を噛むこの時期にもう1つ気になったのが、私の手や腕を噛むこと。抱っこをしていると、不意にガブッ! なかなかの痛さで、思わず大声を出してしまうほどでした。 どうやらわが子は、私の大きな反応をおもしろがっている様子。このままでは、ますます噛むことに興味を持ってしまうと思い、噛まれそうなときは手を遠ざける、噛まれても大きな反応をしないよう努めました。そうすると次第に噛むことが減っていきました。 赤ちゃんの目まぐるしい成長はうれしいことですが、育児の悩みもつきもの。周りの先輩ママや保健師さんに相談をすると解決策が見つかることもありました。悩みをひとりで抱え込まないようにしながら、赤ちゃんの成長を見守りたいですね。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月15日わが家には双子の娘がいます。3歳近くになり、赤ちゃんのころから寝る前の習慣にしておいてよかったなと思うことが3つあります。その習慣によって、子どもたちも寝る時間だと認識しやすいようで寝つきが良いです。また親としても、忙しい毎日のなかで子どもと一緒にいられる幸せを感じられる瞬間になっています。わが家で子どもが寝る前におこなっている3つの習慣をご紹介します。 パパとママで絵本を読んであげる0歳のねんねのころから、寝る前にパパとママで絵本を1冊ずつ読んであげていました。最初は親のセレクトで子どもたちもただ見ているだけでしたが、歩けるようになり本が持てるようになると好きな本を選んでくるようになりました。今では毎日お布団に入る前に本棚の前でお気に入りの本を選んで持ってきて、読んでもらうのをとても楽しみにしているようです。私に余裕のある日は3冊ずつ、遅くなった日でも1冊は読むようにしています。 電気を消したら今日のできごとを話す赤ちゃんのころは、親がその日にあったことをおしゃべりして聞かせていました。2歳を過ぎて少しずつ話せるようになってきたら、私が「今日は何して遊んだの?」と聞いてあげると、「○○はね、きょうはふうせんしたの!」「おもちたべたの!」などと楽しかったことを教えてくれるようになりました。 やがて「ママは何して遊んだの?」などと返してくれて、会話になることも増えてきました。保育園でのできごとなど、私が知らない話もしてくれます。「明日は〇〇しようね」などと予定を話すと、翌日も覚えていて楽しく1日が始まることも。ゆったりと良い親子の時間が持てています。 「○○ちゃん、大好き」と言ってハグとキス最後のおやすみなさいの前に「○○ちゃん、大好きだよ」と言ってハグとキスをしています。大きくなってくるとだんだん恥ずかしくなってくるのでしょうけど、2~3歳くらいの間は「ママ大好き~」とかわいく返してくれることが多く、とても幸せな時間です。「幸せ~」とうれしそうに話すと、子どもたちも「しあわせ~」と言ってくれて、とてもかわいいです。 忙しい毎日だと、ついつい寝かしつけることだけに集中してしまいます。私も仕事が忙しい日はそうなりがちです。でも3つの習慣のおかげで、「幸せだね、楽しかったね」と子どもたちとゆっくり関わる時間が持てているなと感じています。大きくなっても一緒に寝てくれるうちは続けていきたいと思っています。 著者:小川かなえ2歳の双子姉妹の母。東京郊外在住。元保育士、不妊治療を経て妊娠出産。子連れハイキングやキャンプなどアウトドアも再開。現在は親子の森のようちえんを運営し、地域や自然とともに子育てをしている。
2019年05月06日エスカレーターは、ショッピングセンターや駅などの施設内の移動に大変便利な設備です。ほとんどの場合、エレベーターよりも設置場所が多く、待ち時間が短いことが魅力といえるでしょう。しかし、ベビーカーでの利用は「正しい乗り方をしないと危険な状況が起こり、死亡または重傷を受ける可能性があるもの」として“禁止”行為になっています。それはエスカレーター特有の理由によって、危険性が高まるためなのです。 ベビーカーが関連したエスカレーターの事故事例ベビーカーでエスカレーターを利用することは、大変危険な行為です。もちろんエスカレーターの乗り口付近にも注意書きが必ずあります。しかしながら消費者庁には、ベビーカーに子どもを乗せたままエスカレーターを利用したことによる事故情報が寄せられています。実際の事故例を見てみましょう。 「ベビーカーに子どもを乗せたまま下りエスカレーターに乗ったところ、子どもが前に放り出され10~15段下に転落した。」(3歳)出典:子ども安全メール from 消費者庁 当事者以外にも危害が及ぶ可能性がある!ベビーカー使用時のエスカレーターの利用は、ベビーカーに乗せた子どもやその保護者が怪我をするだけではなく周囲の人にも危害が及ぶ可能性があり、非常に危険な行為です。消費者庁にも、以下のようなケースが報告されています。 「他の客のベビーカーが上りエスカレーターに引っかかり緊急停止したため、自分と子どもが前のめりになって首や背中を痛めた」(年齢不明)出典:子ども安全メール from 消費者庁 エスカレーターには作動時の危険を防止するために、非常停止させる安全装置が設置されています。上記のケースでは、エスカレーターの乗降口に異物が挟まることで作動する安全装置が異常を検出し、緊急停止したと考えられます。 エスカレーターではベビーカーを使用しない!ベビーカーのエスカレーターへの乗り入れは非常に危険です。タイヤがうまく乗らずにバランスを崩すと、ベビーカーの重さを支えきれずに転倒する恐れがあります。エスカレーターを利用する場合にはベビーカーを折りたたみ、子どもは抱っこします。ベビーカーに子どもではなく荷物を載せている場合も転倒の可能性があるので危険です。ましてやベビーカーに子どもを乗せたままの利用は言語道断! ベビーカーで移動する場合は、エレベーターなどを利用しましょう。エレベーターがない場合には、駅員さんや店員さんなどに補助してもらえることもあります。無理せず、声をかけてみてください。 ベビーカーでのエスカレーター利用はわが子のみならず、周囲の人をも危険にさらすことがあり大変危険な行為です。絶対にやめましょう! 少し面倒でもエレベーターを利用したり、店員さんなどに声をかけたりするなど、危険回避の行動を心がけてくださいね。 参考/子ども安全メール from 消費者庁
2019年05月01日リーズナブルで良質な家具や日用雑貨がそろうIKEA。みなさんも一度は行ったことがあるかもしれませんね。筆者が住む地域にはIKEAがないのですが、片道車で4時間かけて足を運ぶ友人が数多くいます。今回は、ママたちがIKEAにまた行きたくなる理由をリサーチしました。 IKEAは離乳食がなんと無料!筆者が子どもを連れて出かけたのは、IKEA神戸。到着してすぐ、まずはランチタイムをとることにしました。IKEAのレストランは好きな料理を選んで最後に会計をするカフェテリア方式。そこで驚いたのが、会計時に離乳食をお願いすると“無料”でもらえることです。時期や店舗によって異なるかもしれませんが、瓶タイプの離乳食がもらえるようでした。 また、希望すればお食事用のエプロンをもらえます。周りを見渡すと小さな子どもを連れたファミリーもたくさん。レストラン目当てでIKEAに来る価値もあると感じました。 IKEAなら子どもが退屈しない!お得にランチを楽しんだあとは、もちろん買い物です。小さな子どもが遊べるコーナもありましたよ。IKEAで販売されているボールテントが置かれていて、楽しそうに遊ぶ子どもたちの姿が見られました。 パパが子どもたちを遊ばせている間に、ママがお買い物を済ませることもできそうですね。また、子ども部屋のショールームなど、見ているだけでも楽しい気持ちに! 親子ともに退屈することなく買い物ができる点はIKEAの魅力ですね。 必見! 居心地のいいIKEAの授乳室IKEAへ行ったときにぜひ利用したいのが、授乳室です。利用したことがある方はご存知かと思いますが、扉を開けた瞬間にテンションがあがる方も多いのでは!? IKEAの商品でコーディネートされた授乳室は、ショールーム? と思ってしまうほどオシャレな空間が広がっています。ベビーカーのまま個室利用ができてとっても便利。調乳用のお湯やソファ、仕切り、カーテンもあり、居心地のいい空間で授乳ができる点もIKEAの魅力的だと感じました。 子連れにやさしいIKEAの魅力を存分に感じることができました! おむつがとれた4~10歳のお子さんを対象に、預かりサービスを利用することもできます。お子さんが大きくなったら、こうしたサービスも利用してみると良さそうですね。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2019年04月25日新年度をむかえ、新鮮な気持ちで毎日を過ごしている人も多いことでしょう。新学期やクラス替えをむかえた園や学校では、新たな顔ぶれと環境に慣れるため、子どもたちもさまざまな思いを抱いている時期です。 そんな中「いつも家にひとりでいる」、そんな子どもの様子に不安を感じるお母さんがいます。どこにもいかず、友だちと遊ぶ様子も見せず、いつも家でひとり遊びをする姿に「大丈夫かな?」と心配になってしまうようです。 ■「うちの子、いつもひとり…」友だちと遊ばないわが子が心配 「うちの子、いつもひとりで家にいるけど…大丈夫?」と心配になったことはありますか? 例えば、近所の子どもたちが大勢で遊んでいるのを近くの公園で見かけとき。道端で子どもたち2~3人が楽しそうにおしゃべりしているのを見かけたとき。ほかの子どもたちはたくさん外で見かけるけれど、わが子は外に出ようともしない…。 あるいは保護者会の席で、ほかのママたちが「先日はうちの子がお邪魔させてもらって。いろいろお世話になりました」といったあいさつをかわしているが、うちには誰も遊びに来たことがないし、ほかの友だちの家へ遊びにいっている様子もない…。 まわりの子は外でたっぷり遊んでいるのに、わが子はいつも家でひとりで遊んでいる。この事実に「何か悩みがある?」「友だちがいない?」「いじめられてる?」といった不安がママの心に押し寄せてきてしまうようです。 ■「家にひとりでいる」のはなぜ? 本当の理由 では、わが子は悩みがあったり、友だちが少なかったり、いじめられたりしているのでしょうか? そのため、家にひとりでいるのでしょうか? 実はこの問題は「子どもの性格」が少なからず関係していると思います。新学期など環境の変化があった場合、子どもの性格によっては順応するのに時間がかかることがあるのです。 もともと慎重な子、内向的な子は、これまでとは違う新しい環境に慣れるのに時間がかかります。大人だって引っ越したり職場が変わったりすると、慣れるまでに一定の時間がかかるものですよね。子どもは今、順応期間、様子を見ている期間なのだと受け取ってはいかがでしょうか。 また、いろいろな子と関わりを持ち、外交的だけれど本当はすごく気をつかっている子、頭が良く周囲の様子をよく観察している子も、打ち解けるのに時間がかかる場合があるようです。外で気疲れしている分、落ち着きたい、様子が分かってから関わっていきたいという思いから、最初のうちは家で過ごすこともあるでしょう。このように、子どもの性格によって、ひとりで家にいる理由は異なります。必ずしも、ママが妄想してしまうような「悪い」理由ばかりではないのです。あるいは、お絵描きが好き、本を読むのが好き、ゲームが大好き! など、家の中で夢中になれる楽しいことがある場合も「ひとりで楽しみたいだけ」というケースでしょう。■心配なひとり遊び、大丈夫なひとり遊び、見極めは?ただ、なかには本当に心理的な苦痛を感じていて、仕方なくひとりで過ごしている場合もあるでしょう。ひとりが心地良いからひとりでいるのか、心理的な苦痛からひとりでいるのか。見極める方法として、下記の項目があげられます。わが子の様子に当てはめて、チェックしてみてください。 ・よく眠れているか。・食欲があるか(おやつを食べるか)。・園や学校のことを、聞けば話してくれるか。 眠れない、食欲がない、園や学校のことを聞いても話さない(話してくれた内容に問題がある)… という場合は心に悩みを抱えているのかもしれません。遠慮せずに先生などに相談し、解決策を考えていきましょう。 よく眠れている様子で、食欲もあり、自分からは話さないけれど「今日どんな遊びした?」「どんな本を読んだ?」「何を習った?」など、質問すれば話してくれる。このような場合は、心理的な苦痛があるのではなく、ただひとりでいたいだけということが多いでしょう。 ■「友だち100人できるかな?」同調圧力の功罪 みんなと同じが良いことである、と同調圧力の強い時代を過ごしてきた世代は「友だち100人できるかな」という言葉もあったように、友だちは多ければ多いほど良いと思ってしまうかもしれません。だからこそ、子どもがひとりでいると不安になってしまうのでしょう。しかし、「家にひとりでいる」ことは環境変化に順応しようとしている、ひとりでいる楽しさを学んでいる場合もあります。今まではクラスのみんなや周りの環境に合わせていたけれど、ひとりで自分の好きなことができるようになった。それはある意味、成長とも考えられますよね。 ひと昔前なら、「みんなと仲良くすべき!」と親や先生から教えられ、嫌いな人、苦手な人ともムリして一緒にいなければいけない風潮でしたが、今は個人個人が自由に生きられる社会に変わってきているのかもしれません。家にひとりでいる子どもたちは同調圧力を感じず、自分だけの世界を楽しんでいる、といえるのではないでしょうか。
2019年04月03日こんにちは、とまぱんです。桜…咲いてますね。学生のころはクラス替えやら入学式やらのことを考えてドキドキしていた時期でした。今はドキドキすることもなく娘とおうちで平穏な日々を過ごしております。(平穏じゃない日もありますが笑)今回は娘と昼間の過ごし方について書こうと思います。みなさんはまだ小さいお子さんと平日どのように過ごしていますか?正直、1日なっっっっがいですよね。本当は1日中布団でゴロゴロ漫画を読んでいたいのですが、そうもいきません。娘の成長のためにも一緒に遊んだり、お出かけしなければいけません。今日はなんか疲れてるから外に行かずに家で過ごそう~ってとき。まるでやることないですよね。そんな私が最近見つけた、自分も子どもも楽しめるグッズを紹介したいと思います。■自分の幼少期を思い出す「幼児向け雑誌」娘が1歳ちょうどのとき、伯母さんから「幼児向け雑誌」をいただきました。N●Kに出ているおなじみのキャラクターが載っていて娘も食いついて見ていました。シール初対面の娘はやはり口に入れてしまいました笑よだれで粘着力の弱まったシール…。次に組み立て式の付録を作ってみました。小学生のころ、少女向け漫画雑誌の付録を組み立てるのが好きだった私。なんだか昔を思い出しワクワク…。やっぱり食べちゃいますよね。しかし、シールを貼るそぶりを何度か見せたらだんだんと貼ってくれるように…!!すんごい重なってる…現在娘は1歳半になりまだうまく遊べないこともありますが、対象年齢は1歳からなので本人はとっても楽しんでる様子。しょっちゅう私のところに持ってきて読んでと催促してきます。付録も電池式の音がなるおもちゃだったりで結構豪華なんですよね。子どもだけじゃなく大人の私でも毎回ちょっとワクワクしてます(笑)やることなくて暇だなってとき、ぜひ本屋さんに立ち寄ってみてください~!
2019年03月30日都会では子どもたちの遊ぶ場がどんどん減っているなか、さまざまな「遊び」をしかけている人たちがいます。それが、2010年に設立された「一般社団法人TOKYO PLAY」。活動の主な目的は、子どものために遊びを大事にする大人を増やすこと。お話を伺った代表理事・嶋村仁志さんは「プレーパーク」のエキスパートでもあります。プレーパークで遊ぶことが、子どもにどんな影響を与えるのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)冒頭写真提供:嶋村仁志モットーは「自分の責任で自由に遊ぶ」デンマークで生まれ、イギリスで発展した冒険遊び場(インタビュー第1回参照)は、日本でも「プレーパーク」という名称で徐々に広がりつつあります。公園の一角や河川敷、里山など私有地を使わせてもらって不定期で設置する、あるいは月に1回、年に数回といった具合に定期的に設置するものについてはだいたい400カ所くらい。常設のものは20〜30カ所といったところでしょうか。国内初の常設プレーパークが、東京・世田谷の羽根木プレーパークです。開園は1979年。そこで、プレーパークについての重要な考え方が根づくきっかけとなった出来事が起こりました。開園間もない羽根木プレーパークで子どもが怪我をしてしまった。運営者と地域住民の話し合いのなか、ルールをきちんと看板にして掲げようという話になりました。当初は「自由に遊ぶ」ということだけを掲げるという案もありました。でも、本当に自由に遊ばせるためには、大人から子どもに「責任」を返してあげないとならないのです。大人の世界でもそうですが、なにかにチャレンジするというときに「失敗したら責任は誰が取るの?」なんて言われたら、それは「チャレンジするな」と言われていることとほとんど同じですよね。そうなると、チャレンジしたい、「やってみたい」という気持ちが奪われてしまうのです。であるなら、子どもに責任を返していこうという表現をした方がいい。そういう経緯があり、「自分の責任で自由に遊ぶ」という看板を掲げました。これこそ、プレーパークのモットーです。自由な遊びで「責任」を学んだ子どもたち「責任」についての話をもう少ししましょう。あるプレーパークによく遊びに来ていた小学生の兄弟が泥だらけになって帰ったときのこと。お母さんが帰宅したら、ふたりで仲良くお風呂に入っていたのだそう。しかも、洗濯機には脱いだ服がちゃんと入っている。いつもはお風呂にはなかなか入らないし、服は脱ぎっぱなし。でも、このときはちがった。兄弟は、泥だらけになって服を汚してしまったことに対して、小学生なりに「責任」を感じたようだということを、次の日になってお母さんが教えに来てくれたことがあります。別のプレーパークでは、ちょっとした怪我をした子どもがいた。「念のため、おうちの人に連絡しようか?」と聞くと、「嫌だ」と言う。これはよくあるパターンなんです。怒られたくないとか、「もうプレーパークに行っては駄目」と言われるかもしれないとか、子どもはそう思うんですね。でも、あまりにも頑なに拒絶するので、その子に理由を聞くと、「僕がやりたいことをやって怪我をしたのに、プレーパークの人に謝らせたくない」と言うではありませんか。ちょっとびっくりしましたね(笑)。自分のやったことを人のせいにせず自分で責任を持つというのは、あたりまえですが、大人になったときにすごく大事な価値観ですよね。でも、それは誰かに言われてできるようになるものではありません。遊びを通じて実際に泥んこになったり、怪我をしたりするなかで、実感として感じることで「責任」がどういうものかを学ぶわけです。遊びは、体力や発想力、想像力といったものを育てるものでもありますが、もっと「心の奥行き」みたいな部分を深めるものなのだと思います。写真提供:嶋村仁志子どもと一緒にリスクを考えるもちろん、「子どもに責任を返す」とはいえ、本当の危険は取り除いてあげないといけません。そこでわたしたちは「リスクとハザード」という考え方を基本にしています。リスクは、挑戦につきものの危険です。株投資はリスクを伴うものですが、そのリターンはお金ですよね。子どもの遊びの場合、リターンは達成感や友だちと協力した思い出などになるでしょう。それらは大いに味わわせてあげなければなりませんが、一方でハザードという危険もある。これは、子どもの目には見えない隠れた危険、子どもが自ら選びようがない危険のこと。たとえば、子どもがいかにも走り込みそうな場所にある柱から飛び出ている釘などです。そういったものは、大人がきちんと排除しなければなりません。また、「リスク・ベネフィット・アセスメント」という考え方もあります。リスクに対してベネフィットとは「利益、効果」といった意味。いわゆるデメリットとメリットと考えてもらったほうがわかりやすいかもしれませんね。いま、目の前で子どもがある遊びに挑戦しようとしている。それに伴うリスクはどれくらいのものなのか、どんな工夫をすればどれだけ減らせるのか。そして、子ども自身がどれだけ「やりたい」と思っているのか、やったことでどんなものを得られるのか。それらを総合的に判断し、子どもにチャレンジさせるかどうかを決めるのです。もし、本当にやめたほうがいいものであれば、子どもと話をしながら「今回はあきらめよう」と伝える。ある程度の年齢になれば、子どもでもしっかり話せばわかってくれるものです。本人抜きで大人が一方的に判断するのはやっぱり良くありません。写真提供:嶋村仁志遊びを大事にする大人を増やさなければならない子どもにとっての危険という点では、いまは高まっている時代だと感じますね。それは、危険な場所が増えたというような外因的なものではありません。あるプレーパークで出会った子どもなのですが、段ボール箱に入って、なんと7、8メートルもある急斜面の崖から滑ろうとしていたのです。なぜそんなことをするかといえば、もっと小さい頃から、より軽い危険を伴う経験を積み重ねていないからなんですね。いわゆる「恐怖心」が育っていないのです。高さの感覚は5歳までに80%が育つのだそうです。公園に登り棒などの遊具があるのも、高さという感覚、高いことが怖いという感覚を育てるためです。でも、そういう感覚を持てないまま中高生になったとしたらどうでしょう?幼い子どもより力があるだけに、悪ふざけのつもりで命が危険にさらされるようなことをやりかねません。ところが、いまは子どもからどんどん危険を遠ざける傾向にありますよね。放課後児童クラブなどの子どもを預かる場では、とにかく危なそうなものはすべて「なし!」。「ジャングルジムは2段目まで」「ブランコの立ちこぎは2年生から」といったルールがいくつもある。これは、雇用の問題も関係しています。職員は嘱託社員やパートなど雇用形態がバラバラですから、子ども教育に対するモチベーションもバラバラ。結果、親御さんからクレームを恐れて、少しでもリスクがあれば「やめておきましょう」ということになってしまうのです。そんな環境で育った子どもは、チャレンジできないまま体だけが成長し、本当の危険や恐怖を実体験のなかで得ることができない。そうなると、自分の痛みを知らないばかりか、他人の痛みにも共感することができないのです。それは、子ども自身はもちろん、その周囲の人間にとっても危険なことでもあります。子どもたちだけでしっかり遊べる世のなかであれば、わたしたちのような大人は必要ありません。ただ、これだけ子どもが遊べない社会になると、遊ぶことを大事にできる大人を増やさなければなりませんね。そして、大人たちには、遊んでいる子どもの表情にぜひしっかり注目する目線を持ってほしい。子どもはなにか面白いものを見つけると、口を開けたまま顔が固まります。これが最大の関心を示している表情なのです。この表情こそ、挑戦したい気持ち、失敗してもへこたれない気持ち、発想力、集中力といった、遊びをとおして得られるものの原点です。その芽生えを見逃してしまうのは、親としてすごくもったいないことですよ。『子どもの放課後にかかわる人のQ&A50 子どもの力になるプレイワーク実践』嶋村仁志 他 著/学文社(2017)■ TOKYO PLAY代表理事・嶋村仁志さん インタビュー一覧第1回:遊具なし、プログラムなし。異例だらけの“ガラクタ遊び”が欧州で大人気の理由第2回:大切にしたい遊びの“リスク”。子どものチャレンジを支える遊びのルールとは?第3回:子どもの工作が“失敗作”でも、親はアドバイスしてはいけない(※近日公開)第4回:中高生では遅い。子どもが体験すべき「小さな危険」と「小さないたずら」(※近日公開)【プロフィール】嶋村仁志(しまむら・ひとし)1968年8月6日生まれ、東京都出身。子ども時代は野球と自転車と缶けりざんまいの日々を送る。英国・リーズ・メトロポリタン大学社会健康学部プレイワーク学科高等教育課程修了。1996年に羽根木プレーパークの常駐プレーリーダー職に就いて以降、プレイワーカーとして川崎市子ども夢パーク、プレーパークむさしのなど各地の冒険遊び場のスタッフを歴任。その後フリーランスとなり、国内外の冒険遊び場づくりをサポートしながら、研修や講演会をおこなう。2010年、「すべての子どもが豊かに遊べる東京」をコンセプトにTOKYO PLAYを設立。2005年から2011年までIPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)東アジア・太平洋地域副代表を務め、現在はTOKYO PLAY代表理事、日本冒険遊び場づくり協会理事、大妻女子大学非常勤講師。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年01月13日子どもに外遊びをさせる身近な場所としては、まず公園が挙げられるでしょう。とはいえ、最近の公園は禁止されている遊びも多いもの。そんななかで、どのような遊びをさせれば、子どもの成長を促すことができるのでしょうか。アドバイスしてくれたのは、「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者・石﨑一記先生です。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)「なにかで遊ばせる」という発想をやめる公園遊びをするにも、最近の公園ではいろいろと規則が多くてできない遊びも多いですよね。であれば、「なになにで遊ぶ」という考え方をなくせばいい。そもそも、外遊びは基本的になにもないところからはじめるほうがいいのです。いまの子どもの多くは、「なになにで遊ぶ」に慣れてしまっていて、「どこどこで遊ぶ」ことが苦手です。なにもない公園に行ってもなかなか遊べない。でも、放っておけばいいんですよ。そうしたら、子どもは自分で遊びを見つけますから。そういうときに、親がなにかを用意してしまうと、結局は「なになにで遊ぶ」を助長することになる。だって、子どもなら、葉っぱ1枚あればずいぶん遊べるものですよ。それなのに、親が「公園に行くんだったらフリスビーがいいかな、バドミントンがいいかな」なんて言い出すから、子どもが遊べなくなる。子どもが「ボールがほしい」なんて言っても、そこらにある松ぼっくりでも与えればいいんですよ。そうしたら、子どもはキャッチボールなんかよりよっぽど面白い遊びを考え出します。親は子どもに「なにかで遊ばせる」という発想をまずやめること。そんなことよりも、子どもと一緒にその場にいてあげることに、すでにものすごく価値、意味がありますから。生き物を殺した罪悪感がもたらす道徳性遊具なんてなにもなくても、花を摘んだり、四つ葉のクローバーを探したりするようなことだってできる。アリの行列をずっと眺めているような子どももいるでしょう。子どもにとっては、それは大冒険なのです。そして、なかにはアリなどの生き物を殺してしまう子どももいる。親御さんのなかにも、虫眼鏡でアリを焼いたり、他の虫や生き物を殺してしまったりした経験を持っている人もいるはずです(苦笑)。でも、この残酷さにも意味がある。生き物を殺した後の罪悪感が、やがて小学生以降に発達する道徳性の基礎になるのです。「かわいそうだからやめなさい」と頭から禁止してしまうと、子どもは実感としての「かわいそう」という感覚がわからないまま育ってしまう。ただでさえ、いまは家のなかでおじいちゃんやおばあちゃんが亡くなるといった死に触れる機会がすごく少ない時代です。だからこそ、生き物の死はとても貴重なものとなる。子どもがせっかく捕まえたクワガタが死んでしまったとしましょう。「なんで死んじゃったんだろう」と、子どもはショックを受けてボーッとしてしまう。この体験は、「命は大切だ」と100万回聞かされることよりもよっぽど意味があるものなのです。もちろん、積極的に子どもに生き物を殺させなさいというわけじゃありませんが、生き物を殺した、ペットが死んでしまったというような経験をしている子どもの場合、生き物の死に直面するとそのときの胸の痛みがよみがえってくる。その感覚は、子どもにとって財産と言っていいものですよ。親が与えるべきものは環境と安全話が少し脱線してしまいましたね。公園遊びの話に戻しましょう。幼い子どもの場合、それこそ公園に遊び道具を持っていく必要なんてありません。幼い子どもは、知能の原型となる「感覚運動的な知能を使う」段階(インタビュー第1回参照)。感覚を使って公園の環境自体を味わうことが大切です。たとえば、風や光、植物。あるいは硬さ、柔らかさ。歩くにしても、地面と砂場、落ち葉がたまっているところではその感触がちがいますよね。それから、遊具などに登ったときの視点のちがい。いわゆる、高さですね。そういう豊かな感覚をつかむことがポイントとなります。もう少し大きくなって小学生になると、「目標を決めて挑戦する」とか「目標達成のために工夫する」ということにテーマが変わってくる。でも、この年齢になれば、子どもは自分で自分にいちばんふさわしいテーマを選びます。親が与えるような必要はありません。親が与えるべきは環境であり、安全です。環境という意味で他に親ができることといえば、子どもに合わない公園だと思ったら、別の公園に連れて行ってあげるということ。自分の子どもより大きなお兄ちゃんたちが自転車でワーッと遊んでいるようなところなら、子どもは落ち着いて遊べませんからね。「遊ぶ」ということのイメージを広げるまた、「遊び」という言葉に縛られず、イメージを広げてみるのもいいと思いますよ。たとえば、家のなかでやっていることを外でやる。日曜の朝、ちょっと遅めに起きて冷蔵庫の残り物をバスケットに詰めて持って行って、外で食べる。それだけでも、子どもにとってはすごくスペシャルな体験です。遊ぶと言ったときに、遊び道具を持って行ってレジャーシートを広げて、「さあ、遊ぶわよ!」というのではなく、もっと気軽に考えていいのです。「面倒くさいな」なんてぼやいているパパと、張り切っているママと、はしゃいでいる子どもが一緒にご飯を食べる。その後は夫婦で会話しながら、すぐそばを子どもがたったか走りまわっている。こういうものも含めて、外遊びと考えたらどうでしょうか。そして、なによりも親が子どもと一緒に楽しんであげることです。親が楽しんでいる姿を見て、子どもは「こうやって楽しむんだな」「こういうものに価値があるんだな」と感じる。体験の共有には、話を聞いてもらうことと同じ意味があります。人は誰かに認められたり受け入れられたりしないと生きていけません。子どもの発達には、認められる、受け入れられる体験が絶対に必要なのです。それから、親が楽しむことで親自身のストレス解消にもなる。当然、子どもに優しくできる。そして、「公園に行ったときのママ、大好き」なんて子どもに言われる(笑)。最高じゃないですか。『人と自然をつなぐ研究 ネイチャーゲーム大学講義録』石﨑一記 他 著/日本シェアリングネイチャー協会(2016)■ 心理学者・石﨑一記先生 インタビュー一覧第1回:「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」第2回:「公園遊び」に道具は必要ない――外遊びは「なにもないところ」から始めよ第3回:意外すぎる自然遊びで一番大事なこと――“外遊び”の専門家が語る「シェアリングネイチャー」入門(※近日公開)【プロフィール】石﨑一記(いしざき・かずき)1958年7月18日生まれ、埼玉県出身。東京成徳大学応用心理学部教授。専門領域は発達心理学、カウンセリング、環境教育、キャリアコンサルティング。動機づけ、自然体験が子どもの発達に及ぼす影響、キャリア発達を研究テーマとする。日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員でもあり、目指す指導は「体験した人が活動を振り返ったとき、そこの自然や参加者同士の表情は覚えているのに、指導者の印象はない」というもの。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月25日編集部:学研キッズネット編集部学研キッズネットfor Parentsの記事からわかった、すくすく伸びる子どもたちのために本当に大切なことをふり返る特集第2回は、睡眠と食事、遊びが子どもたちに与える影響についてとりあげていきます。人生は毎日の小さな積み重ね。伸び盛りの子どもたちにとって、1日のもつ意味合いは大人よりも大きく、また周囲にいる大人に左右されがちです。だからこそ日々の小さな習慣や体験を大切にしてあげる必要があります。このページの目次眠りと「自尊感情・自己肯定感」には深いつながりがある!自分の体は自分の食べたものでできている100%やりたいように遊ぶ時間、夢中になる時間がその子の強みを育てる夢中になっている時間と同じくらい大切なのがぼーっとして過ごす時間1.眠りと「自尊感情・自己肯定感」には深いつながりがある!何時に就寝するのか、何時間眠るのかという睡眠サイクルと、ありのままの自分を受け入れるという自己肯定感とは密接なつながりがあり、ひいては子どもの日常生活(落ち着きや情緒の安定性)や学力にも関係してきます。このことは脳の成長の仕方から考えていくとよくわかります。脳は「古い脳(姿勢を保つ、呼吸、睡眠など【からだ】に関する脳)」→「新しい脳(記憶や思考、指先の微細な動きや言語、感情など、いわゆる【脳】)→「前頭葉(人間らしさなど【こころ】の脳)」の順番で発達していくそう。日中活動をする昼行生物である人間は、朝起きて夜暗くなったら寝るのが当たり前で、早寝早起き朝ごはんという生活習慣を身につけることが、この正しい発達のために大切になってきます。睡眠や食事などによって、まずは土台となる「古い脳」をしっかり育てるべきときに、「新しい脳」を育てようと習い事などを詰め込んで睡眠時間を削ってしまっては本末転倒。このあたりのくわしい話を、発達脳科学を研究している成田奈緒子先生の話を交え中曽根陽子さんがわかりやすく教えてくれています。■寝る子は育つ!正しい睡眠の習慣を身につけよう1■寝る子は育つ!正しい睡眠の習慣を身につけよう2「子どもが伸びる家庭の10の習慣」(中曽根陽子さん)「子どもにとっては生活習慣を身につけることがもっとも重要なことであり、とりわけ睡眠の習慣は、小学校時代においてなにより重要だと考えているからです。」生活習慣を崩さなければできないような勉強が必要になることは本末転倒であると陰山英男先生は読者の質問に答えます。■中学受験で深夜まで勉強する娘に夫が怒り「教えて!陰山先生」(陰山英男先生)「物を考えるのに最適な時間は睡眠時である」自身の経験からそう断言するのは宮本哲也先生。脳の意識の領域と無意識の領域を比べると、無意識の領域の方がはるかに大きいのですが、この無意識の領域にアクセスできる時間が眠っている時間です。ここを入り口として「学力差は睡眠時につく」と考える宮本先生の話はこちらです。■子どもの学力差はここでつく!「『賢い子ども』の育て方」(宮本哲也先生)みなさんは眠りに就くとき、どんなことをイメージしながら横になっていますか?入眠するときのイメージトレーニングの大切さを説くのは親野智可等先生で、人生を左右することさえあると言います。このイメージトレーニングは大人のわたしたちがやってみて、自ら経験しつつ、子どもたちにも教えてあげることをすすめます。毎晩布団に入るときに、うれしいこと、楽しいこと、達成したいことを思い描きながら眠りにつくだけ。「一度コツを覚えれば一生の財産」。そこまで言われたら、やってみないわけにはいきませんね!■眠りにつくときのイメージトレーニングで人生が決まる「子どもが伸びる親力」(親野 智可等 先生)↑目次に戻る2.自分の体は自分の食べたものでできている「早寝早起き朝ごはん」という生活習慣が大事であることから、次に取り上げるのは食事。スポーツ栄養アドバイザー・石川三知さんは、「わたしたちの体は自分が食べたものでできているということを意識してほしい」、「自分の体は自分でしか作れない」と言います。石川さんは食べ物が成長期の子どもの体を支える大切な材料になっていること、「かむこと」の大切さ、味覚や食感が子どもの感性を高めることなどをやさしく教えてくれます。石川さんおすすめレシピも手軽なものばかりなので、ぜひ作ってみてください。■スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんに聞くチャレンジできる体のつくりかた第2回「シリーズ専門家にきく!」石川三知さんインタビューより子どもの好き嫌いのなくし方や、子どもにうまく手伝ってもらって食に関心を持ってもらう方法を教えてくれるのが、フードスタイリストのダンノマリコさん。「子どもの好き嫌いに寄り添わず食卓に料理を出し続ける」という考え方も参考になります。■忙しくても、子どもといっしょにごはんを作って食べるコツダンノマリコさんこれからの寒い季節、風邪やインフルエンザの流行に少しでも対抗したいですね!牧野直子先生の風邪対策メニューは、日頃の食事作りを考えるうえでもヒントになります。■寒い冬に負けない!風邪対策メニュー「元気な子どもが育つ毎日のごはん」(牧野直子先生)最近、多いと言われる子どもの「低体温」は、意欲の低下にもつながります。改善には規則正しい生活が大切で、食生活の見直しも大いに役立つはず。牧野先生のレシピをもう1本紹介します。■子どもに急増中!低体温を防ぐ「辛くないチリコンカン」「元気な子どもが育つ毎日のごはん」(牧野直子先生)食事は「何を食べるか」も大切ですが、「誰と食べるか」「どんな雰囲気の中で食べるのか」も同じくらい大切ですよね。家族の生活時間帯が合わずひとりで食事をする子どもや、家事育児を抱えてつかれてしまった保護者のために、居場所を提供する活動をしている人たちもいます。「こども食堂ネットワーク」の事務局長を務める釜池雄高さんは、「子ども食堂」は“「子ども」と「食」を中心にした地域みんなの居場所”だと考えているひとりです。「子ども食堂」とは、子どもがひとりでも食事ができ、地域の人たちが、無料または低額で食事を提供する場を指しています。核家族化が進む現代では、自分のためにも子どものためにも、ときに地域の力を借り、人間関係のネットワークを広げるきっかけにするのも良い方法ではないでしょうか。■いま話題のキーワード「子ども食堂」ってなんだろう?こども食堂ネットワーク事務局長・釜池雄高さんインタビューより大人の健康にとっても食生活は重要な問題ですが、子どもは体が大きく変化する時期であるうえに、自分で食事を選べないという点で保護者の責任は重大だと改めて感じます。眉間にしわを寄せるほど深刻になりすぎず、それでもできるだけ子どもの体に役立つ食べ物を選んで、子どもといっしょに食事の時間をおいしく楽しく過ごしたいものです。↑目次に戻る3.100%やりたいように遊ぶ時間、夢中になる時間がその子の強みを育てる子どもが大好きな「遊び」の時間。でも、子どもが好きな遊びは、大人がハラハラするものばかり。高いところから飛び降りてみたり、火や水を使いたがってみたり、木登りや泥遊び、ひみつ基地なんていうのも好きですね。一方、最近は公園に禁止事項が増えてきました。そんななか、「自分の責任で自由に遊ぶ」ことのできる冒険遊び場プレーパークは「本当にやりたいように遊んでいい」場所です。火を使ってもいい、泥だらけになってもいい、ぼーっとしていたっていい。「自分が100%やりたいようにやるのが『遊び』。大人から見て遊んでいるように見えなくてもいい」と話すのはNPO法人こがねい子ども遊パーク・代表理事の邦永洋子さん。「失敗も含めてすべて自分の手でやってみるという経験の積み重ねが、自分のことを大好きだと思える気持ちや相手を尊重する気持ちにつながると思う」と話してくれました。■自分の責任で自由に遊ぶ、冒険遊び場「プレーパーク」~‟こがねい子ども遊パーク“インタビュー~子どもが「自発的に」「思いっきり遊ぶ」という経験は、創造力や学びの力を育むことにつながると教えてくれるのは中曽根陽子さん。時間を忘れて遊びに熱中しているような状態を体験した子どもの方が、そうでない子どもより学習の効率もあがるし、思いも寄らないような力を発揮することがあるそうです。■よく遊んだ子は賢くなる!?~子どもを伸ばす遊びの力~「子どもを伸ばす10の習慣」(中曽根陽子さん)「何かに没頭できる子は強い」と宮本哲也先生も言います。「子どもが何かに没頭している時間は自分の意志で生命力を磨いている宝の時間なので、どれほど親の趣味とかけ離れていても決して邪魔をしてはいけません」。■没頭力を鍛える「『賢い子ども』の育て方」(宮本哲也先生)「もしかしたらいまの学校でほめられるポイントと、20年後の社会で役立つことは違うんじゃないかって思うんです。いまは、ほめられないなと思うようなことも、ひょっとしたら将来、その子の役に立つことかもしれない。だから、夢中になれる強みを見つけてあげて、伸ばしていくことが大事なのかな」と語るのは株式会社LITALICO(リタリコ)の執行役員CTOの岸田崇志さんです。■多様性を力に変えて 障害のない社会をつくる 株式会社LITALICOインタビュー第4回子どもが意に染まない遊び方をしていると、大人はついつい手出し口出しをしがちです。けれど、こんな時間こそ子どもにとって大切な育ちとなっているのですね。↑目次に戻る4.夢中になっている時間と同じくらい大切なのがぼーっとして過ごす時間子どもがぼーっとしていると、「何してるの?」「〇〇はやったの?」「宿題は終わった?」そんなふうに声をかけてしまったことはありませんか。意外にも、「脳科学の研究で、ぼーっとしている時間のほうが、脳の活動が盛んになるということがわかっています」。「そのときに使っているエネルギーは、意識的に頭を使っているときの20倍にも達する」というのは驚きです。■ぼーっとしている時間に頭は育つ「AI時代を生き抜くために『失敗力』を育てる6つの栄養素」(中曽根陽子さん)もちろん、だからといって、お子さんに「たまにはぼーっとしなさい!」なんて言ってはいけません。わたしたちが親としてできることは、子どもの予定を詰め込み過ぎず「遊び時間やぼうっとする時間を含めて、もっと子どもたちに自由時間を保障してあげ」ること。自由時間に主体的に生きることが、子どもの自己実現力を育てていくのです。■仕事でもプライベートでも、主体的に生きられる人にするには?「子どもが伸びる親力」(親野 智可等先生)↑目次に戻る次回は、土壌ができた上に育まれる、「学び」と「やる気」について深く考えていきます。子どものやる気を引き出すために、保護者にできることとは?次のページ子どもの「学び」には、没頭力と失敗を恐れない気持ちがあればいい学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年12月20日トップライター:辻内史佳大きな風車は「ふなばしアンデルセン公園」のシンボル。デンマークに実際にある、1800年代に建設された風車を手本にして、デンマークの職人によって組み立てられたのだとか!千葉県船橋市にある「ふなばしアンデルセン公園」はデンマークをイメージしたテーマパーク。ある旅行サイトで、日本の人気テーマパーク第3位を獲得して話題になったこともある場所です。魅力の秘密は、東京ドーム8こ分にもおよぶ広大な敷地内で体験できる数々のアクティビティ。本格的なアスレチックに、子どもが大好きな大すべり台やボール島、ポニー乗馬に夏場の水遊び、さらには多彩なアトリエプログラムも常時開催されています。小1のわが家の娘も、1度訪れて以来やみつきに!ある日の1日を例に、その魅力をほんのちょこっと紹介します。大すべり台とボール島はいつも大人気!「ふなばしアンデルセン公園」の南ゲートを入ると見えるのが大きな風車。春はチューリップ、夏はひまわりなど、四季折々の花に囲まれ、季節によって違う表情を見せてくれます。50mの長いすべり台はいつも大人気!園内に入ってまず向かったのは芝生広場にある「ワンパク城大すべり台」。ローラー式の大すべり台は、大人が見てもワクワクするほどダイナミック!すべり台まで向かう途中も、小さなすべり台があったり、長い階段を上ったりと楽しめるようになっています。考え抜かれた遊具は遊び方もさまざま弾むボールを使って作られたワンパクボール島となりには、アスレチックを交えた遊具も。網をくぐりぬけて登ったり、つり橋があったりと小さな子も夢中です。ボールを並べて作った「ワンパクボール島」も人気。跳ぶたびに違った方向へジャンプする感覚がおもしろいらしく、娘はここで、1時間近く跳び続けたこともあるほど。4つのコースがある本格的アスレチックすべり台とボール島のあとは、アスレチックコースへ。「ファミリーコース」や、「じゅえむの冒険コース」など、レベルに合わせて4つのコースが。この日娘は、「力だめしの森コース」へGO!1回転しているアスレチック遊具。頭を使って慎重にクリアを目指します夏には水車を回してひと味違った水遊びを堪能夏場ににぎわうのが「にじの池」と「アルキメデスの泉」です。水がはられた浅い池は、水遊びを楽しむファミリーの楽しそうな声であふれます。ここで目を引くのが、水車や水を使った遊びが楽しめる遊具。実際に水車の上に乗って足で回すことで、水の流れる仕組みを学ぶこともできるのです。夏の間は「アルキメデスの泉」の、水車を使った水遊びが大人気!水遊びのあとは、「牧場のあいす屋さん」でおいしい牛乳アイスを食べながらひと休み。お弁当を持って行って芝生広場で食べるもよし、園内のレストランでランチをとることも可能です。そのほかにも、ポニーの乗馬や変形自動車、ミニ鉄道、ミニパターゴルフなど多彩なアクティビティが。緑に囲まれた「太陽の池」で、ボートに乗ることもできます。版画、染物、陶芸などのアトリエプログラムを常時開催もうひとつオススメなのが、園内の「子ども美術館」で常時開催されているアトリエプログラム。「ワークショップ室」、「アンデルセンスタジオ」「食のアトリエ」、「版画のアトリエ」、「染のアトリエ」、「織のアトリエ」、「陶芸のアトリエ」、「木のアトリエ」の8つがあり、版画や染物、織物や陶芸、工作などのラインナップから、好きなものを選んで体験することができます。料金も、500円~1000円ほどでお手ごろ。この日は、「染のアトリエ」を選択。自分で染めて作るオリジナルTシャツを体験することに。受け付けにはカラフルに染まった布が♪まずは、自分に合ったサイズのTシャツを選びます。そして、好きな位置に輪ゴムを巻きつけます。輪ゴムの縛り方で、模様が変わる。どんな模様になるかな?好みの色を選んでボウルに入れ、ゴム手袋をしてTシャツを入れて染めます。色を混ぜたり、部分的に色を変えてみたり、自由にできます。アトリエスタッフがていねいに教えてくれるので、はじめてでも安心。オリジナルのTシャツが完成しました。それぞれ個性あふれるTシャツにアトリエプログラムは毎月ラインナップが変わるので、いつ行っても飽きません。工作や陶芸など、夏休みには自由研究にもオススメです!これだけ遊べて入園料は大人が900円、小・中学生は200円とリーズナブル。1日中楽しめること間違いなしです。施設情報施設名 ふなばしアンデルセン公園 住所 千葉県船橋市金堀町525番 営業時間 9:30~16:00(7月20日~8月31日は17:00まで営業) 料金 一般900円、高校生600円、小・中学生200円、幼児(4歳以上)100円 ホームページ 電話番号 047-457-6627辻内史佳(つじうちふみか)出版社勤務を経て、娘の出産を機にライターに。主にエンタメ誌でインタビュー記事を執筆中。春から娘が小1になり、慣れない日々に奮闘する毎日です。最近できた老後の夢は、ハワイ永住(笑)。
2018年12月13日編集部:学研キッズネット編集部東京学芸大学構内にある「いけとおがわプレーパーク」「プレーパーク」を知っていますか?子どもが自由に遊べる野外の冒険遊び場のことで、ヨーロッパに始まったとされ、日本でも各地で運営されています。今回は、東京都小金井市で2つのプレーパークを運営しているNPO法人こがねい子ども遊パーク・代表理事の邦永洋子さん、理事でプレーリーダーの松下直子さん、プレーリーダーの遠藤優子さんに、「いけとおがわプレーパーク」(東京学芸大学構内)で話を聞きました。快晴の真夏日の昼下がり、子どもたちの歓声とセミの鳴き声の中、木陰で心地よい風に吹かれての取材となりました。自分の責任で自由に遊ぶ――こがねい子ども遊パークで運営されているプレーパークはどのようなところですか。遠藤:わたしたちがプレーパークを運営するうえで特に大事にしているモットーは、「自分の責任で自由に遊ぶ」ということです。現代の社会では、子どもたちが遊ぶ場所や時間に制限が多くなってきています。そのような状況の中で、子どもがやりたいようにやってみることができる、そういう時間や場所を地域に残していこうという考えが根底にあるんです。松下:ボール遊び禁止とか、たき火はだめとか、やりたいことがあってもできない場所が多いですからね。遠藤:遊び方についても、「まだ小さいからだめ」とか「これはこうして遊びましょう」という指示はしません。本当にやりたいように遊んでいい場所ですね。邦永:池でザリガニやメダカをとる子もいれば、鬼ごっこをしたり、木に登ったり、ロープで手づくりしたブランコやモンキーブリッジで遊んだりする子もいます。大工道具もあるので工作もできますよ。ボールなども置いてありますし、暑くない時期にはたき火もします。松下:中にはお気に入りの場所でずっと家から持ってきたゲームをしている子もいます。蚊にさされながらもひたすら(笑)。邦永:遊ぶ場所といっても、大人から見て必ずしも遊んでいるように見えなくてもいいんです。何気なく来て話をしたり、ただボーっとしたりしていてもいいんですよ。「いけとおがわプレーパーク」に2つある池のひとつ。手前に見えるのは遠藤さんが一から手がけた大作(?)「ペットボトルいかだ」。はじめは遠巻きにしていた子どもたちが最後はみんなで手伝って仕上げたと言う。邦永さんや松下さんたちがロープワークを習って作ったブランコとモンキーブリッジも子どもたちに人気の遊具だ。――どのような子どもたちが利用していますか。松下:「いけとおがわプレーパーク」は地域の小学生も来ますし、小さい子ども連れの保護者も来ますね。お孫さんを連れた方が散歩がてら来られることもあります。多い日で50人弱かな。ここは、学芸大学でプレーパークやプレーワークを研究していらっしゃる先生とのご縁があって大学構内にあるのですが、大学が地域に開かれているいうこともあり、いろんな人が来ますね。もう1つの「くじらやまプレーパーク」は未就学児と保護者の方が多いです。――利用するのに何か条件はありますか。遠藤:特にありません。市内外のどなたでも利用できます。登録制でもないですし、参加料も不要です。子どもだけでも保護者同伴でもいいし、好きなときに来て好きなときに帰ってかまわない、野外の児童館みたいなイメージですね。松下:ただ、けがをしたときの対応や落し物の連絡などが必要な場合もありますから、連絡先は書いてもらっています。また、幼児は保護者同伴で来るようにお願いはしています。――手づくりのウォータースライダーで遊んでいる子たちがいますね。そういうものはあらかじめ設置しておくのですか。遠藤:時間の関係で設置しておくこともありますが、準備する時間も子どもに経験させてあげたいということもあって、できるだけいっしょにつくるようにしています。プールもいっしょにつくったりしますよ。あとかたづけもそうで、楽しいイベントにしちゃう。松下:保護者にも手伝ってもらったりしながらね。子どもたちは、喜んで誇らしげに手伝ってくれますね。「自分が100%やりたいようにやるのが『遊び』。大人から見て遊んでいるように見えなくてもいい」と邦永さん。子どもの経験の時間を邪魔しない――プレーリーダーはどのような存在ですか。邦永:遠藤なんかは若くてお姉さんのような存在かな、「ゆうちゃん」って呼ばれたりして。わたしなんかは「くにばあ」と呼ぶ子もいて(笑)、わたしも孫だと思っています。――子どもや保護者とどのようにかかわっていらっしゃいますか。松下:遊びをしかけたりすることもありますが、危険なことをしていなければ、手出しや口出しをせずに見守っています。中には子どもの遊ばせ方がわからない様子の保護者もいらっしゃるので、そういうときには声をかけたりもしますね。遠藤:例えば、子どもが泥遊びをしたがっていても、どうしていいかわからなくて戸惑う方もいらっしゃるんですよ。松下:保護者自身が泥遊びをしたことがなかったり、子どものことを考えて泥まみれになっても大丈夫なのか不安に思ったりするみたいですね。遠藤:そういうときには、「ほら、泥っておにぎりにもなるしお料理にもなるでしょ?いっしょにやってみましょうよ」って誘っていっしょに遊ぶんです。「いっしょに遊びながらお子さんとやりとりすることで信頼関係も育ちますよ」って。最初はぎこちなくても、子どもがいい顔してるな、うれしそうだなってわかってくると保護者もどんどん楽しめるようになっていきますね。本当にうれしいです。――プレーリーダーは手出し口出しをしなくても、保護者がついついあれこれ言ってしまうことはありませんか。松下:保護者の方は、プレーパークのような自由な遊び場に共感して来ているのでおおらかに見守ってくれることが多いですが、たまにはありますね。遠藤:子どもが好きなように遊びたい気持ちも保護者が心配な気持ちもわかりますよね。でも子どもの経験の時間を大人が邪魔してしまうことは避けたいと思っているので、「お子さんはこうやって遊びたいみたいですねー、ちょっと見守りませんか」というような形でお話しすることはあります。松下:一方で何もしていないように見えても、子どもは実はじっと観察していていろんなことを考えていたりしますよね。ですからじれったくても見守ってほしいと思います。――自由に遊ぶことでどういうことが育まれるのでしょうか。松下:例えば泥遊びでも、泥で遊ぶから良いというわけではなくて、自分の思うように自由に変えていけるからいいんですよね。そうすることで自分の中で創造力が育つというか。邦永:子どもは「遊ぶ人」であり、遊ばされている状態ではなく自分で主体的に選んでいる状況が大事。失敗も含めてまずは自分が何かをやってみることで手に入れられるものがあるし、そういう経験の積み重ねが自分のことを大好きだと思える気持ちや相手を尊重する気持ちにつながると思うんですよね。「何もしていないように見えても、実はいろんなことを考えているのが子ども。だから、じれったくても見守ってほしい」と松下さん。遊びを通して育まれる自然な思いやり――プレーパークで遊ぶようになった子どもたちに変化はありますか。松下:お互いに影響しあいますね。ほかの子の遊びを見て興味をもってやり始めたり、「こんなこともできるんだ」って知って新しい工夫をしたり、できなくてもできる子に教えてもらって挑戦しているうちに、身体の能力があがってできるようになったり。邦永:自然と年下の子たちの面倒を見るようになりますね。遠藤:自分も遊びを通して痛い思いをしたりしていろんな経験をしているからか、さりげなく年下の子をフォローするようになるんです。たぶん自然と体が動いちゃうんだと思います。松下:自分も以前はさんざんやっていたようなやんちゃをする子に「こんなことしちゃだめじゃん」なんて言うようになったりね(笑)。邦永:大人とは違う子どもの視点から上手に注意するんですよ。遠藤:夕方、ひと通り遊んで疲れたら、年上の子が自分の持ってきたおやつを広げて、「おやつタイムをやるぞ。1人1個ずつ、○年生から取っていいからな」なんて言いながらわけあっていたりすることもありますね。松下:その輪に入れない子に気を遣って声をかけてあげる子も出てきます。遠藤:集団で遊ぶうちに、共感する力が育っていくのだと思います。けがをした小さい子に「痛かったよねー」などと言いながら寄り添ってあげたり、子どもたちの自然な思いやりを見ていると本当に癒されます。地域の中の大きなきょうだいという感じかな。邦永:誰かが「面倒見てやりなさい」なんて言うわけじゃないんですけどね。自分もそうしてもらってきたのでしょうね。松下:影響しあうということでは保護者の方もそうで、他の子どもや親子を見て「もう少し大きくなったらああいうこともできるんだな」などと自分の子が育っていく様子を知って安心したり、気が楽になったりする感じがあります。「遊びを通したいろいろな経験が共感する力を育てるのだと思う」と遠藤さん。地域の中で安心できる場に――プレーパークを始められたきっかけは何だったのでしょうか。邦永:現在のNPO法人の前身を立ち上げたのが2002年、NPO法人になったのが2009年です。公民館で子育てに関する10回の講座があって、そこに参加していた人たちでプレーパークをつくろうということになりました。現在は「いけとおがわプレーパーク」を火~木、土曜日、「くじらやまプレーパーク」を金曜日に開設していますが、当初は常設ではなく、毎月やるようになったのも1、2年経ってからです。松下:自分の子どもが小さかった頃、遊ばせるときにいつも窮屈さを感じていました。わたし自身、木登りが大好きだったのですが、子どもたちにさせてあげる場所もない。そんなときにプレーパークの話を聞いて、ぜひやってみたいと思いました。――どんな点に苦労しましたか。松下:あまり苦労と感じたことはないのですが、強いて言えば市からの受託やNPO法人の認可を受ける際の手続き的なことが一番大変でした。邦永:活動を続けるうちに、自分の子どもをどう育てるかというところから、地域の子どもをどう育てるかというふうにだんだんと視点が変わってきました。同じような思いをもつ方々とプレーパークを通して出会い、協力し合ってきたことで続けられていると思います。今の一番の課題は運営費です。委託費だけでは十分とは言えないので、NPO法人として成り立つ事業を常に模索しています。――プレーパークの良さ、やりがいは何でしょうか。遠藤:五感を使って遊び、いろんな経験をすることはとても大事ですよね。わざわざ野外遊び体験教室といったイベントに出かけなくても、地域の中にあるプレーパークで日常として遊べるのは本当にいいなーと思います。完成された場所ではなく、近所の人もいっしょにつくっていけるところがすごく面白い。邦永:何より楽しいよね。活動をしながらいろんなことを勉強させてもらったし、子育ても楽になりました。子どもが育っていくのを保護者といっしょに楽しめる場づくりができて、子どもや保護者が喜んだり楽しんだりしているのを見られると本当にうれしいです。松下:そうですね。子どもたちが喜んでいるとうれしいし、どんどん成長する姿を見ていると頼もしくやりがいを感じます。今は社会のスピードが速くてやらなければならないこともどんどん増えてきているからか、保護者も子どもたちも疲れているのかな、と感じることもあります。プレーパークをいろいろな子どもにとって安心できる居場所にしていきたいし、そのためにはまだまだ勉強が必要で、それも大きなやりがいだと感じています。――ありがとうございました。施設情報■こがねい子ども遊パーク「いけとおがわプレーパーク」場所:東京学芸大学構内東京都小金井市貫井北町4丁目1-1時間:毎週火水木土10:00~17:00ただし毎月最終火曜日は休み(4月、8月を除く)「くじら山プレーパーク」場所:都立武蔵野公園東京都府中市多磨町二丁目時間:毎週金曜日10時~17時※2018年8月は11~25日は休み。活動の詳細はWebサイトでご確認ください。学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年09月13日歳が近いこともあり、日頃何かと一悶着ある次男&三男。先日、新しいハッピーセットのおまけで遊んでいた次男を、三男がうらやましそうに見つめていました。(自分の分は別であるのに(笑))しばらく見つめていると、次男がトイレへ。三男、その隙を見逃しませんでした。ネコのようにシャッとおもちゃに飛びつき、いないのをいいことに遊びはじめました。しかし、すぐに戻ってきた次男。三男、持っていたおもちゃを投げ捨ておでこをビタン! と床につけて…なんと寝たふり!!もちろんバレバレ。しかし、めげません。次男が私に報告しようと背を向けた瞬間にまたおもちゃに手を伸ばし… 当然それもすぐに見つかり(笑)次男にめちゃくちゃ怒られた三男でした。
2018年09月05日わが家は子どもとトランプ・かるた・ドンジャラ等でよく遊ぶのですが、子ども相手でも手を抜かず全力で勝負するのがわが家の方針(笑)。(本当はパパンが大人げないだけですが…)でも、いつも娘に泣きつかれて…結局“かるた”を全部取られちゃうんですけどね。こんなご家庭、わが家だけでは無いはず。テレビゲームもいいけれど、たまには子どもと一緒にテーブルゲームもいいものですよ。考える力を育みよりコミュニケーションが深まる気がします。
2018年08月17日男の子が好きな遊びの代表と言えば、プラレール、トミカ、戦隊ヒーロー系。幼稚園内でも男の子遊びと女の子遊びに分かれていることが多いようですが、最近になって我が家の男の子2人が最近夢中になっているのが“おままごと遊び”。実は男の子もしっかりと楽しめます。実体験を通じて感じることができた、おままごと遊びが子どもにもたらす効果を3つ紹介します。おままごと遊びに夢中になったきっかけ長男が1歳を過ぎたころに、木製の野菜や包丁、まな板などのおもちゃを少しだけそろえていたのですが、しばらくすると興味が別の遊びに移り、一時はしまった状態に。やっぱり男の子は身体を動かす遊びの方が好きなのだとずっと思っていました。その後、次男がキッチンの調理器具に興味を持つ月齢になり、私の調理中にあれこれと出してひっくり返す(1~2歳のあるあるですよね)ので、子ども用のキッチンを用意してみよう!とキッチンおもちゃを購入。一度はおままごとから離れた年中さんの長男も再び遊ぶようになったのです。IKEAのキッチンおもちゃがすごい!我が家が使っているのは、イケアで販売されている「DUKTIG ドゥクティグおままごとキッチン」です。別売りのキッチン用品を付けると、本物さながらのクオリティ。自分用のキッチンができた子ども達は大喜びでした。子ども部屋ではなく、あえてリビングダイニングに置くことで、私の料理中に真似がしやすいようにしています。子ども達が遊んでいる間に見せてくれた仕草や聞こえてくる言葉を観察していると、面白いポイントが見えてきました。おままごと遊びで鍛えられる3つのポイント1.観察力の確認調理器具を使ってママの真似をし、作り方、盛り付け方、彩りのこだわりなどをよく観察していること。プラスチックのお皿に赤や緑、黄色の食材のおもちゃを並べて、「ママいつもこうやってるよね」と真似をしてくれました。軽くプレッシャーにもなりますが(笑)、よく見てくれていることがわかり、うれしくなります。2.応用力のアップキッチンが家庭内のシチュエーションなのか、お店屋さんのものなのかによって役回りに変化があるので、その立場になったときにどういう行動をするのかを考える力が鍛えられること。例えば、お店屋さんのキッチンのシーンだとすると、「いらっしゃいませ」の挨拶から始まり、注文を聞く、調理をして「お待たせしました」と持って来る、そして最後にお会計をするという流れの一連をおままごとで学ぶことができます。1の観察力にも通じることですが、真似をすることで人がどういう動きをしているのかを理解するチャンスになります。3.本番を迎える前のイメージトレーニング本当の料理をするにはまだ早いかなというメニューは、遊びながら作り方を説明することでスムーズに本番を迎えやすくなります。「このお野菜で何が作れると思う?」と質問すると、いろいろな答えが返ってきて面白い! 想像力のトレーニングになるはずです。“まね(真似)ごと”が学ぶことの始まり。おままごとは最適な遊びです。将来の料理男子育成のためにも、今からおままごと遊びを取り入れてみませんか?<文・写真:フリーランス記者郡司佳奈>
2018年07月31日夏に毎年発生する水辺で子どもたちが亡くなる事故。万が一溺れたり、沈んだりしてしまっても、対処法を知っていればその生還率は大きく上がると言われています。もしも溺れてしまったら、何をすれば命が守れるのでしょうか。水の事故から子どもたちを守る予防策について伺った前回に引き続き、今回は水の事故に遭ったときの対処法について、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。【水の事故から子どもを守る!】 第1回 水の事故の危険は通学路にも? どこで、なぜ起きるのか 第2回 水の事故から命を守るためにライフジャケット以外に必要なモノとは ■「浮いて待て」で生還率が高まる――もしも溺れてしまったときは、どうすればいいのでしょうか。何よりも「浮いて待て」というキーワードが重要です。「浮いて待て」とは、背浮きになってプカプカ浮いて、救助が来るまでの間、呼吸を確保するための方法のことです。流されてしまったら、一度落ち着いて体の力を抜き、息を吐くのを我慢して背浮きになると、プカプカと浮き上がるのです。慌てて手をバタバタして息を吐いてしまうと、どんどん沈んでしまいますが、体の浮力を使えば、簡単に浮くことができます。――背浮きとはだれでも自然にできる姿勢なのですか。そうですね、背浮きをするときに体に息をためて、じっとしていれば自然とそのような姿勢になります。もし沈んだり、深みにはまったりしても、息を吐かないようにして、10秒くらい待っていれば、自然と浮いてくるんです。注意するのは、呼吸をしばらく吐かないように我慢することですね。浮いてから姿勢を安定させるためには、「あごを上げる」、「手足をバタバタさせずに大の字にする」も効果的ですが、基本的には自分が楽な体位でいいと思います。――口と鼻が水面に出るようにするのですね。息を体にためているとき、人の体はだれでもその2%が水に浮きます。その2%の部分として、口と鼻だけを水面から出しておくことが大切です。ですから、「浮いて待て」のポーズをしている間は、基本的には息をためておいて、苦しくなったら素早く吐いて吸うのを繰り返します。呼吸法のコツも大切なので、その点も覚えておいてください。――靴は履いておいた方がいいのですか?靴を履いてれば、その浮力を利用して、足を浮かすことができます。人間は足から沈むため、背浮きになっていても、足が浮いてくれれば、岸面に浮いていられるのです。こうすれば、水のベッドに寝転がるような感じで、体力を消耗せずに水面にずっと浮いていられるので、救急隊が来るまでの間、ゆったりとした気持ちで待てばいいだけです。夏は水も冷たくないので、呼吸さえ確保できれば生還率は高まります。――背浮きの姿勢は、どんな水辺でもできるのでしょうか。どこでもできるのですが、海は塩分濃度が高いので、ほかの場所よりも浮きやすいという特徴があります。「浮いて待て」で重要な息をためておく呼吸法も、じつは海では必要ないくらい、浮く力が大きいのです。 ■もしも子どもが溺れたら、親がすべき行動とは――もし子どもが溺れてしまったら、親はどのような手順で対処すればいいですか。1.まずは子どもに「浮いて待て」と声を掛ける2.素早く119番に通報する子どもがきちんと「浮いて待て」の姿勢を取れて、安定して呼吸を確保できていれば、これだけで十分です。――浮く物を投げるといいという話も聞きますが…私は背浮きの姿勢がきちんと取れていれば、何が何でも物を投げる必要はないと考えています。投げた物を取ろうとしたりして、せっかく安定して浮いている子どもがバランスを崩したら却って危険だからです。また、投げた物が当たって衝撃を受けて姿勢を崩してしまう可能性もあります。しかしその場にランドセルやペットボトルがあれば抱きかかけることで、浮力体として利用でき、より楽に「浮いて待て」が行えます。一番重要なのは、子どもに「浮いて待て」と声を掛け続けること。子どもが不安にならないよう、救助が来るまで「がんばれ」などはげましの声を掛け続けてあげましょう。■大人の方が子どもより生還率が低い!――子どもが溺れたときに周りの大人が助けに行ってはいけないのですか。飛び込んで助けに行くことは絶対にしてはいけません。素人には水辺に落ちた人を救うことは非常に難しく、あとから飛び込んだ人が亡くなってしまうこともよくあるのです。2017年の警察庁のデータでは、水の事故に遭った中学生以下の子どもの生還率は87.3%でした。一方で大人は53.5%で、子どもよりもかなり低い数字なんです。じつを言うと、50%を超えたのは初めてで、これでも徐々に上がってはきています。私たちは、全国の小学校で「ういてまて教室」を開いていて、服を着たままどのようにすれば水に浮かぶことができるか子どもたちに教えています。こうした教室の効果もあって、溺れたら浮いて待つことの重要性を認識している子どもたちが増えているように感じています。今後は、親子向けの「ういてまて教室」を開催し、大人にも教えていくことが大きな課題ですね。――子どもが危険なとき、どうしても助けに行きたい場合はどうすればいいですか。親としては、助けに行きたいと思うのはあたり前ですよね。子どもの近くまで行ったら、そこで親子一緒に浮いていてください。助けようという考えは捨てて、近くで一緒にプロの救助を待つのが賢明です。子どものところに行く前に、119番に電話をするのを忘れないようにしてくださいね。――子どもを持つパパやママに伝えたいことはありますか。とにかく、「水辺で親子の時間を楽しんでください」と伝えたいですね。水の事故があるからといって水を避けるのではなく、ぜひ予防策や対処法を頭に入れた上で充実した水遊びの時間を過ごしてほしいと考えています。人間は呼吸さえ確保できていれば、そうそう亡くなることはありません。「浮いて待て」を知っているということを強みに、みんなで海や川、プールを楽しんでくださいね!斎藤秀俊さんプロフィール米国ペンシルベニア州立大学材料研究所博士研究員や茨城大学工学部助手を務めたのち、2003年から長岡技術科学大学教授。2009年から2015年まで同大学の副学長を務め2016年から現職。2011年から同時に水難学会会長として多角的に活動している。
2018年07月25日夏になると川や海など水辺での遊びが増えるため、水の事故への予防策が必要になってきます。しかし、何から始めればいいのかわからないという人も多いかもしれません。子どもが遭いやすい水の事故について伺った前回に引き続き、今回は、子どもたちを水の事故に遭わせないための予防策について、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。【水の事故から子どもを守る!】 第1回 水の事故の危険は通学路にも? どこで、なぜ起きるのか 第3回 もし溺れたら「浮いて待て」。次に親がすることは? -->■水遊びで必要なものとは――水の事故の予防のためにはどんな服装をすればいいのですか。砂浜でも川でも、水辺に行くときはライフジャケットを着るのが一番です。溺れたときには体を浮かせて呼吸を確保することが重要となりますが、ライフジャケットであれば、着ているだけでそれができるので、ぜひ着せるようにしてください。また、大切なのは靴を履いておくことです。溺れてしまったときに、靴やサンダルの浮力が体を浮かす助けになります。普通のサンダル、ビーチサンダルでもそうした効果が期待できるので、もし溺れてしまっても靴は絶対に脱がないよう子どもに伝えてください。――ライフジャケットを着る目安はありますか。できればどんなに浅い水辺でも、ライフジャケットを着てもらいたいです。スポーツ用品店に行くと、いろいろな種類のものがあり、安く買えるものあります。とくに、浮くことが難しい小さな子どもたちには、できるだけ着せてもらいたいですね。■海と川で異なる予防法――海では危険な波以外にも、注意すべきこととは何でしょうか。子どもを浮き具に乗らせてそのままにしていたら、あっという間に沖に流されてしまうことがあります。大人が浮き具の紐を持っておく、側に付き添うなどしてしっかりと見ているようにしましょう。地面が冷えてきて海水の温度が高くなる夕方の時間帯は、陸から海に向かって風が流れ始めます。夕方になって肌寒くなってきたら、できるだけ早く上がりましょう。また、波が荒いかなと思ったら、波打ち際でも近づかないことが大切です。――川では、どのようなことに気を付ければいいですか。そこまで大きくない川でも、大きな岩の下流や橋脚の周辺などは、浅いところから急に深くなることがよくあります。そうした川の構造について、しっかりと親子で認識して、足元に注意することが大切です。また、水かさや水の流れの速さが普段と違わないかきちんと確認して、天候の悪いときは川に近づかないことが重要ですね。■親も子どもと同じくらい危険――子どもたちへの声掛けはどのようにすればいいですか。子どもたちには、「危険なところには近づかない」ということを徹底して教えましょう。前回、雨で水かさが増した用水路が危険だと話しましたが、大人も子どもも普段の状態しか知らなかったら、そこが危険な場所だとなかなか気がつかないですよね。親子でいっしょに雨の日の通学路を歩いてみて、危険なところがないか調べてみるといいかもしれません。また、雨の日は遊ばないでまっすぐ家に帰ってくるよう伝えることも大切です。さらに、子どもだけで水辺に行かないように声掛けしましょう。自分の家の近くでは、「どういったとき」に「どういったところ」で水の事故の危険性があるのか、親子で認識をひとつにすることが重要ですね。――子どもだけではなく、親も一緒に注意することが大切なのですね。そうです、そこが重要です。水の事故では、親も子どもも同じくらい危険なので、予防についても親子でいっしょに行う必要があります。たとえば、子どもが溺れてしまって、親が助けに行って亡くなってしまった場合、残された子どものつらさは測り知れません。一生「自分のせいだ」という十字架を背負い、たとえ命が助かっても心は深く傷つきます。大人は子どもたちの危険を予防するばかりでなく、自分の危険にも注意を払ってもらいたいですね。――危険だと思っていなかった場所でも、水の事故は発生してしまいます。予防するとともに、対処法をしっかり知っておくことが重要そうですね。そうですね、「危険なところには行かない」ということを伝えても、じつは大人も危険なところがどこかわかっていないことが問題なんです。大切なのは、万が一流されてもきちんと呼吸が確保できる準備をしておくことです。水の事故については予防も重要ですが、危機管理をしておくことが非常に重要です。――怖がることによって、水辺に遊びに行くこと自体をやめてしまう人もいるそうですが…それは私が一番懸念していることです。せっかく水遊びできる場所がたくさんあるのだから、「怖がらずにぜひ遊びに行きましょう!」と言いたいですね。水辺での遊びは、人間の本能に基づいてすごく満足度の高いものになると言われています。やみくもにただ怯えて、水辺に近づかないのはもったいない話ですよね。ライフジャケットを持ち、携帯電話で119番かけられるようにしていれば、不幸な事故が起きることはめったにありません。ぜひ、できる予防策を取って、水辺での遊びを楽しんでもらいたいですね。次回は、水の事故に遭ったときの対処法について引き続き斎藤教授にお話をお伺いします。もし溺れてしまったらどのような体勢をとればいいのか、親がすべきことについても、ご紹介します。斎藤秀俊さんプロフィール米国ペンシルベニア州立大学材料研究所博士研究員や茨城大学工学部助手を務めたのち、2003年から長岡技術科学大学教授。2009年から2015年まで同大学の副学長を務め2016年から現職。2011年から同時に水難学会会長として多角的に活動している。
2018年07月24日全国的に暑い日々が続く中、川遊びや海水浴、など水に触れ合う遊びがめじろ押しの夏休みが始まりました。しかし、毎年水の事故で死亡したり、行方不明になったりする子どもは後を絶ちません。また西日本豪雨など、大雨によって起こされる災害では、普段安全な場所も危険なエリアとなってしまう可能性があります。なぜこのような重大な事故が起きてしまうのでしょうか。水の事故でこれ以上悲しいニュースが起きないようにするために、今回は、水の事故が起きる理由やどういった場所で事故が多いのかなど、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。水難学会とは「ういてまて」を中心とする水難救助を推進し、また「誰もが水難から生還するにはどうしたらよいか」の答えを出すために学問として普及することで、水に親しむ社会の発展に寄与することを目的として設立。■水の事故は、「通学路」でも起きている――とくに子どもが遭いやすい水の事故はどのようなものですか。まず、子どもだけで行動して水の事故に遭う場合と、大人がいる場合と、2パターンあります。そして、それぞれに遭いやすい事故というのは変わってきます。・子どもだけなら、近くの川や側溝で起きる事故が多い・大人がいると行動範囲が広がり、海で起きる事故が多いという傾向にありますね。じつはプールでは、近頃事故はめっきり少なくなりました。――子どもだけで事故に遭ってしまう理由について聞かせてください。最近よく起きているのは、用水路や側溝で流されてしまうという事故です。その多くが通学路で発生しています。普段は水が流れていない用水路や側溝が、雨水がたくさんたまっていると、その中に子どもが足を入れて遊んでしまうんですよね。それが平らなところであれば、水の流れも強くないので、とくに何も起きません。しかし、坂道にある場合には流れが強くなり、足をとられてしまいます。こうしたところでは、秒速1メートル程度の速さとなることが多くあります。これはウォータースライダーよりも速いのですから、予想以上に流れは速いと思っていただきたいです。――子どもたちだけで川に行って起きる事故はどのようなものが多いですか。川の構造として、浅いところが続いていても、急に深くなることがあります。プールに慣れている子どもたちは、一般的に徐々に深くなっていくと思っているので、そういった川の構造が理解できにくく、また上から見てもわかりにくいんです。そうするといきなり深みにはまってドボンと沈んでしまいます。そのとき沈みやすい垂直の姿勢だと、そのまま上がってくるのは至難の業です。さらに、「助けて!」と叫んで手を挙げてしまうと、ますます深く沈んでしまうのです。その後1人目が沈むと、2人目が「どうしたの」と言って近づいてきて沈み、3人目も同様に沈んでしまうことがあります。川で子どもたちだけで事故に遭ってしまうと、3人くらいが同時に亡くなってしまうことが多いのです。■大人が溺れると、子どもも一緒に溺れてしまう――大人が一緒にいても、被害に遭うのはやはり子どもが多いのでしょうか?けっして子どもの方が水の事故に遭いやすいというわけではありません。大人がいると行動範囲が広がるので、川やため池、海など、いろいろな場所で事故が起きますが、大人が流されてしまう危険性もじつは高いのです。もしも親が溺れてしまって姿が見えなくなったら、子どもも後を追って一緒に溺れてしまうことがあります。親は、自分が溺れる危険性をしっかりと認識する必要があります。――大人と子どもが一緒の場合、どういった事故が起きやすいのでしょうか。川や海では水に沈んでしまう事故が多く、海では転落事故もよく起きます。防波堤から転落してしまうと、護岸は多くがコンクリートで固められているので、上がる場所がないんですね。そして助けを呼ぶうちに、力尽きてしまうのです。また、最近クローズアップされている、「ため池」での事故もあります。ため池は護岸が斜めに切ってあって、水の中に入ってしまうと、なかなか上がってこられないのです。見た目ではそれほどきつい傾斜に見えないのですが、水中では陸上よりも摩擦力が小さくなってしまうため、非常に上がりにくい。慌ててパニック状態になって一生懸命上がろうとすると、反動でもっと深いところに落ちて行ってしまうということがあります。■安全と思える場所にも危険がある!――海の事故で「離岸流(りがんりゅう)」という言葉をよく聞きますが、実際に離岸流による事故は多いのですか。離岸流とは、海岸の近くで岸から沖に向かって一方的な速い流れのことですが、じつは水難事故を直接引き起こしたと科学的に証明された例はあまりないんです。怖いのは、子どもが浮き輪やボートに乗っているときに流されて、親がそれを追いかけて沈んでしまうことです。それは、風によって海が流れる「吹送流(すいそうりゅう)」が影響していることもあります。この「吹送流」は、「離岸流」よりもよほどスピードが速くて危険です。――砂浜で遊んでいても、波にさらわれることがあるそうですね。2014年に新潟県上越市の波打ち際で遊んでいた子どもを含む5人が亡くなる事故が起きました。その調査をした結果、「戻り流れ」が発生したということがわかりました。戻り流れは、汀線(ていせん)(海面と陸地が接する線)に対して、砂浜が垂直に波打っているような海岸で発生します。波が戻ってくるときに、低いところに全部集まってしまうので、水の勢いがとても速くなってしまうんですね。その流れに巻き込まれると、波打ち際にいてもあっという間に波に飲み込まれてしまうのです。――事故に遭うはずがないと思っていても、水辺ではどんな状況でも油断はできませんね。そうですね、まず事故が起きるはずはないと軽く見ている、怖さがわかっていないという前提が大きいですね。そして、実際に溺れたり転落したりしてしまうと、焦ってパニック状態になり、大きな事故になってしまうことが多いのです。急流や高波がある場所ではみんな怖がって近づきませんから、水の事故はほとんど起きませんが、安全そうに見える場所に落とし穴があるのです。危険だということに気づいた瞬間にはもう遅いということもありますから、けっして軽く見ないということが重要です。次回は、水の事故から子どもたちを守る予防策について引き続き斎藤教授にお話をお伺いします。あらかじめどのような準備をして行けばいいのか、声掛けの方法についても、ご紹介します。斎藤秀俊さんプロフィール米国ペンシルベニア州立大学材料研究所博士研究員や茨城大学工学部助手を務めたのち、2003年から長岡技術科学大学教授。2009年から2015年まで同大学の副学長を務め2016年から現職。2011年から同時に水難学会会長として多角的に活動している。
2018年07月23日せっかくの夏休み、目的を持って予定を立てたいところですよね。東京近郊で子どもたちのさまざまな好奇心を満たすことのできるイベントをご紹介します。2回目となる今回は、芸術に関わるさまざまなイベント情報をお伝えするアート編です。≫ 夏休み知育イベント情報【サイエンス編】子どもの「なぜ?」を育てる! ■チームラボのデジタルアートミュージアムで五感を刺激●MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless今年6月のオープンからすでに多くの人が来場し、大人気となっているのが、森ビル株式会社とチームラボが共同で運営するデジタルアートミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」。520台のコンピューターと470台のプロジェクターが使用され、その面積は1万平方メートルを超える圧倒的なスケール。ミュージアムは5つの空間で構成され、世界初公開の作品も含む約60作品が展示されています。コンセプトは、“Boderless”。「作品と作品との境界」、「作品と鑑賞者との境界」、そして、「自分と他者との境界」というさまざまな境界のない世界を自分の体で実際に体験してもらいたいというメッセージが込められているそう。その「Boderless World」空間では、いくつかの作品が混ざり合う世界を体験できます。人が触れたり、そこに存在したりすることで、作品が変化する様子も楽しむことができます。また「チームラボアスレチック 運動の森」という空間では、「身体で世界をとらえ、世界を立体的に考える」というコンセプトを基に、さまざまなアスレチックが用意。「光の立体ボルダリング」や「高く飛び跳ねたり沈んだりする空間」など、複数の作品に自ら入っていき、身体で感じ取る体験ができます。動き回るのが大好きな子どもにとって、五感を刺激する貴重な経験となるでしょう。そのほか、自分が描いた絵が作品に入り込む『お絵かき水族館』などのある「学ぶ!未来の遊園地」、人に反応して光り音色を響かせるランプがある「ランプの森」、そして茶器の中に花が咲いていく体験ができる「EN TEA HOUSE」など、あわせて5つの空間を楽しむことができます。人気が高く混雑が予想されますが、子どもたちにとって貴重な体験をすることができそうですね。「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」会場:森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス(お台場パレットタウン)入場料:一般/高・大学生 3,200円、子ども(4歳~中学生) 1,000円(税込)公式サイト: MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless ■人気番組『デザインあ』と『びじゅチューン』の展覧会NHK Eテレで放送中の番組の作品が楽しめる展示を2つご紹介します。●企画展「デザインあ展 in TOKYO」(日本科学未来館)NHK Eテレで放送中の『デザインあ』は、私たちの身の回りに当たり前に存在しているモノを、「デザイン」の視点から徹底的に見つめなおし、斬新な映像手法と音楽で表現する番組。子どもたちに、「デザインの面白さ」を伝え、「デザイン的な視点と感性」を育む一歩を目指して、制作されています。その『デザインあ』の世界を体感できる企画展が、日本科学未来館で開催。「観察のへや」、「体感のへや」、「概念のへや」という3つの部屋に分かれ、さまざまな作品と触れ合うことができます。そのうち、「観察のへや」にある作品「梅干しのきもち」は、お弁当に見立てた大きな箱にある穴に顔を入れることで、梅干しの気持ちを想像してもらおうというもの。また「体感のへや」では、番組オリジナルソングなどの音楽とぴったりとシンクロする4種の映像が順に展示室の4つの壁面いっぱいに映し出され、360度映像と音に囲まれます。実際にアートと直接触れ合うことで感性が刺激されそうですよね。企画展「デザインあ展 in TOKYO」会場:日本科学未来館会期: 7月19日(木)~10月18日(木)入場料: 大人(19歳以上)1,600円、中人(小学生~18歳以下)1,000円、小人(3歳~小学生未満)500円、2歳以下無料公式サイト: 企画展「デザインあ展 in TOKYO」 ●トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館(東京国立博物館)同じくNHK Eテレで放送中の『びじゅチューン』とのコラボレーション展示もこの夏に開催。『びじゅチューン』は、アーティストの井上涼さんが独特のセンスで世界の美術作品を解釈し、すべて自作の歌とアニメで紹介する番組。難しい美術作品をわかりやすく解説するとともに、解釈の仕方は人それぞれ自由でいいのだと気づかせてくれます。この番組の企画展示「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館」は、東京国立博物館で開催。葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」に出てくる波をモチーフにした作品「体感! ザパーン ドプーン 北斎」では、高さ約7.5メートルの特大スクリーンに、絵の中の人物が原寸大になるように「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を拡大映像化。絵のなかの人物になりきってみると、大きな波が大迫力で迫る様子を想像でき、声の大きさで波がどんどん大きくなるインタラクティブな仕掛けによって、波の大きさを実感できるのだとか。子どもにとって難しい作品も、実際に体感することで自然な理解につながることが期待できそうです。「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館」会場:東京国立博物館会期:7月24日(火)~2018年9月9日(日)参加費:一般620円、大学生410円、高校生以下および満18歳未満・満70歳以上の人無料(高校生以下および満18歳未満の人と一緒に来館した人は子ども1人につき同伴者2人までは、団体料金で観覧可能)公式サイト: 親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館 ■歴史ある本物の音楽を子どもたちに!●第44回日本フィル夏休みコンサート2018日本フィルの夏休みコンサートは、1975年に始まった歴史あるイベント。「初めてクラシック音楽を聴く子どもたちに、家族と一緒に本物のオーケストラをお聴きいただきたい」という願いから、本格的なプログラムと親しみやすい演出が魅力です。44回目となる今年の夏休みコンサートは、バッハやモーツァルトによる耳なじみのある音楽や、『ゴジラのテーマ』(SF交響ファンタジーより)などが演奏される予定。オーケストラの演奏とともにみんなで歌えるコーナーもあるとのことなので、音楽が好きだという子は、ぜひ連れて行ってあげたいですね。「第44回日本フィル夏休みコンサート2018」会場:相模女子大学グリーンホール、東京芸術劇場など全国のホール期間:7月21日(土)~8月5日(日)参加費:<料金>全席指定・消費税込 S席:子供3,200円/大人5,200円、A席:子供2,500円/大人4,200円、B席:子供1,800円/大人3,200円対象: 4歳以上(※4歳未満は入場禁止)予約:要予約公式サイト: 第44回日本フィル夏休みコンサート2018 ■夏休みアートイベント情報一覧●MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless五感を刺激する新しいデジタルアートミュージアム会場:森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス会期:常設公式サイト: ●企画展「デザインあ展 in TOKYO」デザインの面白さがわかる、体験型の企画展会場:日本科学未来館会期: 7月19日(木)~10月18日(木)公式サイト: ●トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館古典的な日本美術作品の世界に飛び込める企画展会場:東京国立博物館会期:7月24日(火)~2018年9月9日(日)公式サイト: ●第44回日本フィル夏休みコンサート2018伝統ある子ども向けの本格的オーケストラコンサート。会場:相模女子大学グリーンホール、東京芸術劇場など全国のホール期間:7月21日(土)~8月5日(日)公式サイト: ●MOMAT サマーフェス子ども向けに工作などのワークショップが開催。会期:2018年7月20日(金)~9月17日(月・祝)会場:東京国立近代美術館公式サイト: ●特別展「縄文―1万年の美の鼓動」縄文のはじまりからおわりまで「縄文の美」が集結会場:東京国立博物館 平成館会期:7月3日(火)~9月2日(日)公式サイト: ●TOKYO MIDTOWN KIDS WEEKS 2018工作などのワークショップやスタンプラリーもできる期間:2018年7月13(金)~8月28日(火)会場:東京ミッドタウン各所公式サイト: ●ものづくり・匠の技の祭典2018子どもも参加できるものづくり体験プログラムがある会場:東京国際フォーラム日時:8月8日(水)、9(木)、10日(金)公式サイト: ●としまアート夏祭り豊島区内11会場でアートプログラムを多数用意会場:豊島区内日時:2018年7月28日(土)~9月2日(日)公式サイト: ※この記事は、2018年7月10日時点のものになります。会期、チケットなど最新の情報は、必ず公式サイトなどにてご確認いただいてから、お出かけいただけますようお願いいたします。
2018年07月22日夏休みには、子どもたちの「知りたい」気持ちを満たし、知識が豊かになるような場所へのお出かけはいかがでしょうか?子どもたちのさまざまな好奇心を満たすことのできるイベントを2回に渡ってお伝えしたいと思います。1回目となる今回は、「サイエンス編」! 理科に関わるさまざまなイベント情報をお伝えします。≫ 夏休み知育イベント情報【アート編】子どもの感性を磨く! ■世界最高レベルのリアルな恐竜に会える!●世界一受けたい授業THELIVE恐竜に会える夏!人気テレビ番組『世界一受けたい授業』による、ステージで恐竜が見られるイベントが開催されます。実物大リアル恐竜ライブショー「DINO-A-LIVE」で注目されている会社「ON-ART」とコラボレーションして、ティラノサウルスやトリケラトプス、ステゴサウルスなど、誰もが知っている有名な恐竜を実物大の大きさでリアルに再現。ステージ上で進むストーリーに引き込まれて、恐竜好きではなくても、その世界観に引き込まれてしまうかもしれません。子役から大人気の芦田愛菜ちゃん、俳優の八嶋智人さん、山崎樹範さんたちが出演し、愛菜ちゃんのダンスや歌も披露。子どもから大人までドキドキ、ワクワクできそうな新型アカデミックライブが体感できそうです!「世界一受けたい授業THELIVE恐竜に会える夏!」会場:横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナなど、全国の会場期間:7月21日(土)~8月19日(日)の各土日に開催観覧:大人:6,500円 子ども(3歳~小学生):4,900円公式サイト: 世界一受けたい授業THELIVE恐竜に会える夏! ■昆虫はやっぱりスゴイ! 驚きいっぱいのイベント●特別展「昆虫」(国立科学博物館)「カマキリ先生」として人気を博している俳優の香川照之さんがオフィシャルサポーターを務める特別展「昆虫」。昆虫好きな子どもがいたら、絶対に連れていきたいと思える内容の展示が数多くあります。会場には膨大な量の昆虫標本、2メートルの「巨大模型」もあり、虫好きの子どもが見たら、大興奮間違いなさそうです。また、日本初公開の、琥珀に閉じ込められた「絶滅目の昆虫」も。これはアリエノプテラ目という種類で、人類よりもはるか昔から存在していた昆虫の姿を垣間見れます。きわめて小さな昆虫の細部を知るために必要な技術の発達を学ぶコーナーもあり、カブトムシのマイクロCTスキャン画像と、再構成された3D画像などが展示。また、会場では昆虫採集のテクニックも学べるので、実際に昆虫採りに行く準備もできそうですね。学んで、知って、採り方までわかるという、昆虫好きにはたまらない展示です。特別展「昆虫」会場:国立科学博物館会期:2018年7月13 日(金)~10月8日(月・祝)入場料:一般・大学生:1,600円、小・中・高校生:600円、未就学児は無料、その他セット券もあり。公式サイト: 特別展「昆虫」 ■理科力を鍛えよう! プログラミングも学べるイベントプログラミング、サイエンスなど体験できるイベントがあります。2020年度から小学校で始まるプログラミング教育について、不安な気持ちを抱えているママたちもぜひ一緒に体験してみませんか?●丸の内キッズジャンボリー 2018(東京国際フォーラム)子どもたちとその家族に、さまざまな体験を通じて感動や発見、驚きを届けたいと、今年で12回目となる「丸の内キッズジャンボリー2018」が開催されます。プログラミング教室やサイエンス教室など、直接先生から学ぶことができる体験も数多く用意されています。「プログラミングの可能性と楽しさを体験! NTTドリームキッズ プログラミング教室」のブースでは、NTTで開発された、誰でも簡単にプログラミングを楽しめるプログラミング言語を使ってその可能性を知り、楽しさを体験することができます。また、「理科っ子になる夏! バイエル サイエンス・ファーム」では、顕微鏡を使った観察や、獣医の体験、そしてバナナなどからDNAを取り出す実験、理科実験のサイエンスショーなど、さまざまなワークショップが体験可能。理科が好きな子はもちろん、苦手な子も、理科が好きになるきっかけになるかもしれません。「丸の内キッズジャンボリー 2018」会場:東京国際フォーラム会期:2018年8月14日(火)、15日(水)、16日(木)10:00~17:00対象:未就学児、小学生、中学生とその保護者入場料:無料(プログラムにより材料費等の実費あり)※セミナーやワークショップへの参加は事前申込または当日整理券が必要な場合あり。公式サイト: 丸の内キッズジャンボリー 2018 ■イベントに参加すれば、自由研究ができる!子どもたちの自由研究がひとりで解決できそうになければ、イベントに参加してそこで終わらせてしまうのもひとつの手ですよね。自由研究にまつわるイベントをご紹介します。●夏休み 2018 宿題・自由研究大作戦!(東京ビッグサイト)毎年大人気のイベント「夏休み宿題・自由研究大作戦」が、今年も東京、大阪、仙台の3都市で開催されます。小学生とその保護者を対象に、夏休みの宿題や自由研究に役立つさまざまなプログラムが準備されていて、好きなものを選んで参加することができます。このうち、ダスキンが提供するプログラムでは、栽培キットを使って水耕栽培された野菜を収穫することができます。農作物がどのようにできるのか、どんな環境で育つのか考えるきっかけとなるかもしれません。また、ライオンが提供するプログラムは、洗剤や柔軟剤の仕組みや効果について学ぶことができます。実験を通して洗剤による洗浄力を体験し、タオルの触感を比較することで柔軟剤の効果を体験できるのだそうです。このように、身近なものを通して、サイエンスの世界を垣間見ることができるプログラムが数多く用意されているので、気になったらまずは参加方法を調べてみてくださいね。「夏休み2018自由研究・宿題大作戦」会場:東京ビッグサイト期間:7月26(木)~28日(土)9:00~16:00入場料:無料(プログラムは参加料が必要なものもあり)予約:入場には登録が必要。(プログラムによって要予約、当日券、整理券配布のものなどさまざまな参加方法あり)公式サイト: 夏休み2018自由研究・宿題大作戦 ■夏休みサイエンスイベント情報一覧●世界一受けたい授業 THE LIVE 恐竜に会える夏!恐竜について学べる実物大のリアル恐竜ライブショー。会場:横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナなど、全国の会場期間:7月21日(土)~8月19日(日)の各土日に開催公式サイト: ●特別展「昆虫」珍しい展示や虫の採り方など昆虫にまつわる企画展。会場:国立科学博物館会期:2018年7月13 日(金)~10月8日(月・祝)公式サイト: ●丸の内キッズジャンボリー 2018会場:東京国際フォーラム会期:2018年8月14日(火)、15日(水)、16日(木)10:00~17:00公式サイト: ●夏休み 2018 宿題・自由研究大作戦!多くの企業が参加して、多彩な体験型のプログラムを実施。会場:東京ビッグサイト会期:7月26(木)~28日(土)9:00~16:00公式サイト: ●2018夏休みサイエンススクエア科学に触れ、楽しめる体験が数多く集まるイベント。会場:国立科学博物館会期:2018年7月24日(火)~8月12日(日)※期間中月曜日は閉室公式サイト: ●サンシャイン水族館 特別展 化ケモノ展何かに化ける「擬態」を特徴とする生き物が見られる。会場:サンシャイン水族館会期:6月28日(木)~11月25日(日)公式サイト: ●すみだ水族館 危険な生きもの大作戦!猛毒、凶暴、豪腕などの特性を持つ生きものが集合。会場:すみだ水族館会期: 2018年6月29日(金)~9月2日(日)公式サイト: ●よこはま動物園ズーラシア ナイトズーラシア開園時間が延長され、夜の動物たちの様子が観察できる。開催日:8月 4日(土)~8月26日(日)の土日場所:よこはま動物園ズーラシア公式サイト: ●夏休み子ども科学実験ショー2018実験など、化学が学べる集まる参加体験型。会場:科学技術館日時:8月4日(土)、5日(日)公式サイト : 子どもがすでに興味のあるものに参加するのもいいですが、まったく知らなかったことを知るチャンスとしても、夏休みのイベントが一躍買ってくれそうですよね。次回は、アート編として、芸術にまつわるイベントをご紹介します。 ※この記事は、2018年7月10日時点のものになります。会期、チケットなど最新の情報は、必ず公式サイトなどにてご確認いただいてから、お出かけいただけますようお願いいたします。
2018年07月21日外遊びが大好きな子どもたちですが、発達するにつれて、その遊び方は変わっていきます。発達に合わせて遊び方はどのように変わっていくのでしょうか。そしてその発達に親はどのような対応をしていけばいいのでしょうか。前回までは、外遊びが子どもの発達にもたらす効果と、親のかかわり方について聞いてきました。今回は引き続き、年齢別の外遊び方法について東京成徳大学の石崎一記教授にお話を伺います。【発達の専門家に聞いた外遊びの効果】 第1回 子どもの発達に外遊びは影響がない!? トータルで考える大切さ 第2回 ママのために遊ぶんじゃない、外遊びでの親のNG行動とは 外遊び、子どもの年齢別でどう変わる? -->■0~1歳の子が自然に触れる意味とは――0~1歳の赤ちゃんが、外で時間を過ごすことに意味はあるのでしょうか?発達にはもちろん影響がありますよ。3歳の子は0歳から1歳、2歳を経て、3歳になる…つまり連続性がありますから、必ず何か影響してくるはずですよね。この時期は、自然のある世界を味わうということだけでいいと思います。いっしょに木陰で気持ち良い風に吹かれる、鳥の声を聞く、気温の変化を肌で感じる、光を感じる、花を見る、水を触るなど、それだけで十分です。――家族で自然のなかで過ごす時間を楽しむだけでいいということでしょうか?そうです、家族で美しい自然の中で過ごすことによって、お母さんやお父さんたちに癒やされてほしいんですよね。0~1歳は一人では遊べないので、外遊びでは親子でいっしょに過ごしますよね。平日働いて忙しいお母さんたちも増えていて、なかなか家族でゆっくりと時間を過ごせないと思います。だから週末に1時間だけでも幸せで穏やかな時間を外で過ごしてもらいたいです。1週間のなかでそういった時間が少しでもとれるかどうかというのは、重要だと思います。■2〜4歳の「なぜ?」に親はどう受け止めればいいのか――2歳から4歳の子どもの外遊びには、どのような特徴がありますか?2~4歳の子どもたちは、「なんで?」とよく聞いてきますが、その不思議な気持ちにどうやって付き合うかが大切なんです。子どもたちが「なんで?」と聞いてくるのには、2つ理由があります。1つ目は自分が不思議に思ったということを知ってほしいから。2つ目は、本当になぜなのか答えが欲しいからです。1つ目の知ってほしいという気持ちは、必ずきちんと受け止めてもらいたいですね。そして、2つ目については、“本当に正しい答え”を教えてあげる必要はじつはないんです。――なぜ、正しい答えを教える必要はないのですか?子どもたちにとっては、本当の答えを知ることより、答えが出るまでになぜなのかを考えることが大切だからです。「なんで?」と聞かれたら、「何でだろうね、何でだと思う?」と聞き返してしまえばいいんです。そのあと子どもからデタラメな答えが返ってきたとしても、否定はせず、親もその答えを楽しんでしまえばいいんですよ。子どもたちのなかに不思議だなという穴のようなものがたくさん開いていると、知りたいという欲求につながり、理解できたときの喜びも大きくなります。長い目で見て、この時期に自然をいっぱい体験して、不思議な気持ちをたくさん持つことは大きな意味を持っていると思います。■5歳以上になると外遊びは変化する――では5歳以上の子どもたちは、どういった遊び方に変化していきますか? また、親のかかわり方は変わってくるのでしょうか?5歳以上になると、何かに挑戦するという遊び方が増えてきます。この時期になると、親がいっしょに遊ぶことは次第に減ってきて、寂しいと感じる人もいるかもしれませんね。安全確保はしっかりととり、共感してあげることも重要です。子どもに自分を重ねてしまい、ついつい心配しすぎてしまう人もいるかと思いますが、子どもには子どものやり方があるので、これくらいの時期からは自主性を伸ばしてあげることに注力してあげてください。その子らしい発達を促していかれるように、子どもが今何を感じているかということを一番に考えてあげてください。■外遊びにおいて一番大切なこととは――外遊びで持って行くといい道具があれば、ぜひアドバイスをお願いします!5歳くらいまでの子どもたちにとって“自ら遊びを作り出す力”が奪われてしまうので、ボールやラケットといった遊び道具は必要ないと思います。虫メガネは自然を観察するときにとても便利ですし、子どもも喜ぶと思うので、おすすめです。また、スケッチブックなどのお絵かき道具も、外遊びの時間を有意義にしてくれますよ。ビニール袋を持って行って、拾ったものを入れさせてあげるといいですね。拾ったものは、その日楽しかった体験の象徴です。安全かどうか確認したうえで、持ち帰らせてあげてほしいと思います。――石崎先生は外遊びで一番大切なのはどんなことだと考えていますか?外遊びというとお母さんにとっては大変なイメージがあるかもしれませんが、身近で気軽に行うのが一番です。無理に遠い公園に行こうなどと考えず、普段から遊んでいる近所の公園でも、工夫することで十分楽しく過ごすことができますよ。家族で自然の中で幸せな時間を過ごして、ぜひ外遊びを癒やされるような時間にしてもらいたいと思います。石崎一記さんプロフィール東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。※「石崎」の「崎」は正しくは「たつさき」)
2018年07月11日日々、何となく公園に行って子どもの外遊びに付き合っているというママやパパは多いのではないでしょうか。子どもとどのようにかかわっていけばいいかわかれば、もっと外遊びの時間は楽しくなるかもしれません。外遊びが子どもの発達にもたらす効果について聞いた前回に引き続き、今回は外遊びにおいて「親がすべきこと、してはいけないこと」について、東京成徳大学の石崎一記教授にお話を伺います。【発達の専門家に聞いた外遊びの効果】 第1回 子どもの発達に外遊びは影響がない!? トータルで考える大切さ 第2回 ママのために遊んでるのではない。外遊びで親がしてはいけないこと 外遊び、子どもの年齢別でどう変わる? -->■親の役割の8割は外遊びの環境を整えること――前回、外遊びで子どもたちの発達に与える影響についてお話を伺いましたが、親のかかわり方について教えてください。外遊びにおいて親の一番重要な役割は、子どもたちが安全に外遊びの良さを味わえるような環境を整えてあげることなんです。それで、もう親のすべきことの8割ほどは終わったと言ってもいいくらいです。外遊びをする環境というのも、特別なものではなくて、普段からよく行く近所の公園や庭があれば、そこでもまったく問題はありません。何よりもまず安全に遊べること、そしてできれば前回お話したような4つのポイント(感覚が豊かになる、試行錯誤ができる、達成感や満足感を得られる、命のつながりを学べる)が抑えられているとなおいいと思います。■外遊びで親にしてほしいこと――では、具体的に親はどのようなことをすべきなのでしょうか?“すべき”というよりも、“できたらいい”くらいに考えてもらいたいのですが、まずは子どもに共感すること。子どもが「お花だ、キレイだね!」と言ったら、「そうだね」と言って一緒に見てあげたら、それだけでも子どもは安心できます。さらに、共感するだけでなく、一緒にするというのもいいと思います。たとえばスケッチブックを持参して、子どもだけに書かせるのではなく、ママやパパも一緒に隣で描いてみるのもいいですよね。一緒にした経験というのは、親子にとってスペシャルな思い出になるし、親にとっても新しい発見があるはずです。そして、外遊びのときは子どもの実感を大切にしてあげてください。親が目標を決めてしまったり、見たらどうする、聞いたらどうすると先を見過ぎたりしない方がいいでしょう。見るために見る、聞くために聞くのだと考えて、結果を求めすぎないことが大切です。――子どもの実感をシンプルに受け止めてあげることが大切なんですね。ほかにも親ができることはあるのでしょうか?思い切り試行錯誤させてあげてほしいですね。何かうまくいかないことがあっても、すぐに失敗だと決めつけずに、子どもたちが失敗から学ぶことは何だろうという考え方をしてもらいたいです。たとえば、子どもがよそ見していて溝に落ちて泥だらけになってしまった場合、「もう! 泥だらけじゃない! どうするの!?」と怒らずに、そこから子どもたちが何を学んだのか、体験から何を得たのか考えてみてください。そのために親ができることは、失敗したときの手立てを考えること。汚れては困るような服や靴を履かせない、着替えを持って行くなど、きちんと準備をしておくと、余裕を持って子どもとかかわり、思い切り試行錯誤させてあげられると思います。■なぜ子どもたちの気持ちを代弁することが大切?――では、子どもたちに対して、親はどのような言葉かけをすればいいでしょうか?子どもの気持ちを代弁してあげるような言葉かけをしてもらいたいですね。親は、つい「できたかできていないか」で褒めたり叱ったりしてしまい、大人の基準で良いか悪いかを判断してしまいがちです。子どもが喜んでいるときに「うれしいね」、子どもができないときは「悔しいね」と言ってあげられるといいでしょう。子どもたちは自分の気持ちを自覚しにくいため、感情を言葉で表現するのが苦手です。気持ちを代弁してもらうことで、親が自分の気持ちを理解してくれていることに気づき、そして自分の気持ちにも自覚できるようになります。■外遊びのときに親がしてはいけないこととは――一方で、外遊びで親がしてはいけないことは何ですか?知識を教えようとしたり、手取り足取りやり方を教えてあげたりすると、子どもたちが試行錯誤するチャンスを奪ってしまうことになりかねません。子どもができなくても、自分で工夫してやり方を作り出すように、見守ってもらいたいですね。また、親が「成功はいいこと、失敗は悪いこと」という考え方を持っていると、子どもたちが敏感に感じ取ってしまい、失敗を恐れてチャレンジしなくなってしまいます。成功や失敗という軸で、子どもたちとかかわらないでほしいです。また、子どもたちへの声かけとしては、親の気持ちを押し付けるようなことは言わないようにしましょう。たとえば、「ママを困らせないで」などと言いがちだと思いますが、子どもはそもそも、ママのために遊んでいるわけではありませんよね。子どもの気持ちに寄り添うことを一番大切にしてもらいたいです。――親たちに対して、外遊びを一緒に楽しむためにアドバイスを教えてください大切なことは、親も自然のなかで癒やされることです。公園に行って外遊びすることをストレスに感じないで、楽しんでもらいたいです。親がイライラすると、子どもはその気持ちを敏感に感じ取ってしまい、安心して発達もできませんよね。子どものためと思って外遊びをしても、逆に子どものためにならなくなってしまいます。親子で時間を共有するということを一番に考えて、何よりも自然を楽しんでもらいたいですね。次回は、年齢別に子どもたちの発達にいい外遊びについて、引き続き石崎教授にお話をお伺いします。0歳から5歳以上の子まで、オススメの遊び方についてご紹介します。石崎一記さんプロフィール東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。※「石崎」の「崎」は正しくは「たつさき」)
2018年07月10日最近は、「ゲームばかりで外遊びをしてくれない」といった声も聞かれます。反対に外遊びが大好きで、洋服は泥だらけ、ポケットが砂ばかりでため息ついているママも多いのではないでしょうか。筆者自身は、5歳と3歳の男の子の母ですが、「公園! 公園!」コールが始まると、「またか…」と内心ちょっとうんざりすることも…。なんとなく外遊びが大事だと聞いてはいるけれど、具体的にどんな効果があるのでしょうか。外遊びが子どもの発達に与える効果について、東京成徳大学の石崎一記(いしざき かずき)教授(「崎」は正しくは「たつさき」)に話を聞きました。■子どもの発達に外遊びは影響がない!?――子どもの発達において「外遊び」はどんな影響を与えるのでしょうか?そもそも子どもの発達は、「これをしたからこれができるようになる」という因果関係の中では起こりません。たとえば薬を飲んだら熱が下がるというような、わかりやすく結果が出るものではなく、さまざまな関わりのなかで子どもたちは発達していきます。外遊びについても、実際にそこで何かをしたから子どもたちがこうなるということではありません。そういう意味では、外遊びで何をするかというのはそこまで大きな問題ではないのかもしれません。――それでは、外遊びをさせることに意味はないのでしょうか?そういうわけではなく、外遊びをすることに十分意味はあります。ただ、外遊びをしたから、すぐに子どもがこうなるという考えは持たないでもらいたいんですね。お母さんたちが「外遊びをさせたい」と思う背景には、子どもの可能性を伸ばしてあげたいとか、子どもの笑顔を見たいとかいうことがありますよね。それ自体が、子育てにおいて重要なことなんです。「今日は天気がいいね、外にお出かけしようか」という語りかけのなかで、外遊びした日は子どもにとってスペシャルな日になるんです。実際に子どもと一緒に何かをするということ、一緒に過ごすことにこそ意味があります。そして、一緒に体験したあとでも思い出としてずっと共有できるのです。計画を立てることから、行くこと、そして思い出として大切にすることまで、トータルで外遊びは子どもにとって意味があるといえます。また、外遊びをすると、長期的に見てのちのちその効果が出てくることも多くあります。■外遊びの体験が子どもに与える効果の4つの視点――それでは、具体的に外遊びでどのような効果が得られるのでしょうか?視点は4つあります。まず、1つ目は感覚が豊かになるということ、2つ目は試行錯誤ができるということ、3つ目は、達成感や満足感を得られるということ、そして4つ目は、命のつながりを学べるということです。<1.子どもの感覚が自然のなかではより豊かになる>――1つ目の感覚が豊かになるということですが、具体的にはどういうことですか? また子どもの場合はとくに顕著だということでしょうか?感覚には、視覚や聴覚、嗅覚や触感、そして味覚などがありますが、自然のなかではとくにそれらが活性化される傾向にあります。たとえば、花を見てどんな種類だというように知識としてあれこれ考えるよりも、ただきれいだと感じるようなことが、感覚をより活性化するのです。そして、感覚というのは同時にいくつも使うほうが、より記憶に残るということがわかってきています。自然はそうした環境にはぴったりです。家にいるよりも、子どもたちにさまざまな感覚を体験させてあげることができます。<2.正解、不正解がない世界で試行錯誤ができる>――2つ目の試行錯誤ができると、どのような力が身につくのですか?自然は、公園の遊具のように子どもたちの体に合わせて作られていないため、工夫をして遊ぶ必要がありますよね。試行錯誤をすることで自分のやりたいことがはっきりして、子どもたちの意欲が引き出されていきます。教わったとおりにすることでは得られない、生き生きとした子どもたちの姿が見られるでしょう。こうすれば正解、不正解ということもなく、ゴールも決められていませんから、子どもたちの自主性も身についていきます。<3.達成感や満足感を得られると、自己肯定感につながる>――達成感や満足感が得られると、子どもたちのどのような部分が伸びるのですか?試行錯誤して遊ぶなかで、自然と目標が作られていき、できたときに達成感や満足感が得られます。やり方や遊び方が決められているおもちゃなどではなかなかそれが育ちにくいのですが、自然のなかだと自分自身で目標を決めやすく、それはより大きな達成感につながります。そして、それが最終的には自分のことを大切で好きだと感じる自尊心や自己肯定感にもつながっていくのです。<4.安心感の源になる、命のつながりが学べる>――4つ目に命のつながりという言葉がありましたが、これはどういった意味ですか?外遊びをすると、虫や植物など、さまざまな命と触れ合う機会があります。たとえば虫を捕まえたら、自分と虫だけでなく、虫とそのほかの自然とのかかわりについても考えるきっかけになります。その虫はどこから来たのか、その虫は何を食べているのか、その虫を食べるのはどんな生き物なのかなど、命が網目のように重なり合っていて、その仕組みのなかに自分がいるということを、無意識の中で感じるのです。ただ、それは今すぐに子どもたちが認識するわけではなく、理解できるのは小学校や中学校になってからになるかもしれません。小さいうちは、まずそのための材料をそろえていくということ。自分の存在に関しても、安心感の源のようになり得るでしょう。これは自然体験の圧倒的に素晴らしい部分だと感じます。次回は、外遊びをする子どもたちへの親のかかわり方について引き続き石崎教授にお話をお伺いします。親のするべきこと、してはいけないことはどんなことなのか、ご紹介します。石崎一記さんプロフィール東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。
2018年07月09日わが家の第一子イチコは4歳、第二子の二太郎は1歳。3歳差のきょうだいです。その2人と同時に楽しめる家遊びを紹介します。そう、二太郎に崩されず積み木を高く積む遊びです。だいたい私が二太郎の近くに積むので負けます。…が、ときどきイチコの積み木が崩されることも。(そしてイチコ激怒。)ちなみにこれ、イチコとの対決に見えて、じつは自分との戦いです。二太郎が崩す前に何個積めるかという…コツは、高く積む前に倒されるので、キレイに積むことはほぼ意識せず、とにかくスピーディーに積むことです。(いらん情報)さて次の遊びは…子ども番組のCM、大体何かしらバックに曲が流れます。それに合わせてみんなでダンスダンス!踊るの大好きなイチコはもちろん、二太郎もノリノリで踊ってくれます。この間は私もいままでの遊びから解放されて、ちょっと気分転換♪私のダイエットにも良いかも…!?
2018年07月09日こんにちは!イラストレーターのにわゆりです。普段は仲の良いモン太とキーちゃんですが、兄弟げんかもしょっちゅう。けんかになると勢い余って突き飛ばしたり、ギャーギャー泣き喚いたり、収集がつきません。けんかの原因の大半はモノの取り合い。まったく見向きもしていなかったモン太のおもちゃでキーちゃんが遊んでいると「それモン太の!」と奪い返してけんか…というパターン。人が持っていると欲しくなってしまうのか…使ってないなら貸してあげればいいのに! と思うのですが、そこで素直になれないのが兄弟なんですよね。そしてまたある日、激しいモノの取り合いでけんか!もう勘弁して~!!!あまりにも激しいので、一体何を取り合っているか確認したところ…よくわからないおもちゃのフタ~!!なんでこれでけんかになるの~!と、かーちゃんにはまったく理解できませんでしたが、子どもにとっては、例えフタでも魅力的に見えるんですね(笑)その後も、この謎のフタを大事に持ち歩いていたわが家のモンキーズなのでした。いつ何が原因でけんかが始まるのか…。かーちゃんはいつもヒヤヒヤです。
2018年05月26日全国12万人以上の子どもたちが投票した『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』の結果発表が行われ、『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』が第1位を獲得しました。本作は“生き物の残念な部分”に光を当てた初めての本。第4位にランクインした続編と合わせて、160万部突破の大ブームとなっています。「ウーマンエキサイト」では、同シリーズの監修を手掛けた動物学者・今泉忠明さんにインタビュー。本制作の裏側とともに、子どもの「なぜ?」、「どうして?」を伸ばす方法を教えてもらいました。■『ざんねんないきもの事典』大ヒットの理由とは?――『ざんねんないきもの事典』はベストセラーとなりました。初めからこの盛り上がりを予想されていましたか?いえいえ、まったく考えていませんでした。でも、これが売れたと聞いて「子どもたちのことは侮れないな」と思いました。テレビゲームだけじゃなく、本を読む力もすごくあるんだっていうことが証明された感じがします。だから留守番をさせるときなどにも、「ゲームでもやってなさい」と言わないで欲しいですね。ぜひそこは「本でも読んでなさい」にしていただきたいなと(笑)。――肝に銘じます(笑)。今泉先生は、なぜこの本がこれほどまでに支持されたと思われますか?おそらく「残念でもがんばって生きている生き物がいるんだ」というところかな。この本は“残念”であることをテーマにはしていますが、進化の話をしているんです。優れた進化をしなくても、生き延びている動物がたくさんいるっていうところを感じてくれたのかなとも思いますね。「優れていること」ばかりが注目を集めますけど、優れていなくても生きる価値は十分ある。そんなことが伝わればいいなと思います。――『こどもの本総選挙』表彰式で、子どもには“うんち”や“おしり”がウケるという話もありましたね。そうですね。やっぱり幼稚園から小学校の低学年のうちに、そこを越えていかないと大人になれないんですよ。だから大人は「汚い」などと止めては絶対にダメ。いずれ必ず卒業しますから、心配しなくても大丈夫(笑)。みんなが通るべき通過点なのだと思いますよ。――そんな子どもの興味を引く内容が盛り込まれていることも、人気の秘密かもしれませんね。「子どもたちに読んでもらうには、どうすればいいのか」というのは常に考えていますね。だから、100コ以上ネタがあれば、どこか引っかかるのではないかなって。「すべて興味がある」ではなくても、「ひとつ気になること」が入っていれば、それでいいと思うんです。そうすれば「ほかもちょっと読んでみようかな」と広がって、おもしろさを発見することにつながるんだと思います。■大人の感覚で“子どもの好奇心”を止めちゃダメ!――今泉先生ご自身は、小さな頃から「なぜ」と疑問を抱くお子さんでしたか?その気持ちは、子どものみなさんは全員持っていると思うんです。でも、僕はその疑問の持ち方が少ししつこかったのかもしれませんね(笑)。(疑問に思ったら)自分で「バラしてみよう」と考えるような子でした。――「なんでだろう?」で終わらないということですね。そうそう。当時は、まだそれほど“動物愛護”という流れもなく自由自在でした。だから、たとえばトンボを捕まえたら、おなかを抜いて代わりにわらを入れてしまう。そうなってもバランスよく飛べるのかというのを観察していました。トンボがどういう風にバランスを取って飛んでいるのかということが知りたかったんですよね。ですから、子どもが興味を持ったら、親としては止めないでやらせることが大事です。“残酷な子”になるんじゃないかと親は心配するけれど、そんなことはありません。僕は小さな頃、「アリの巣穴に水を入れ続ける」ということもしました。そういった子どもの好奇心を大人の感覚で「やめなさい」と言うのは、よくないんじゃないかと思います。――親としては、どうしても「かわいそうだからやめなさい」と声をかけたくなってしまいます…。そうかもしれないですね。でもそこを通過することで、足が折れちゃったアリを見て、いつしかかわいそうだと思えるようになるんです。子どもは、大人と違って“残酷”という概念がありません。それを理解した上で、一生懸命育ててあげた方がいいと思います。そうすれば、きっと曲がることなく大きくなってくれるはずですよ。■子どもに「なぜ?」と聞かれたら…?――子どもから「なぜ?」、「どうして?」と聞かれたとき、親としてどう返すべきかというのも難しいところです。そういうときには「一緒に調べよう」というのがいいと思います。教えようとせずに、レベルを子どもに合わせればいいんです。子どもにとって大事なのは、調べる方法。だから、「私なら図書館で本を調べるわ」とか調べ方の手順を教えてあげて、一緒に調べることが大切ですね。――いまはスマートフォンなどですぐに検索できてしまう時代です。それでもやはり図書館に行くことが大事ですか?指は脳とつながっているので、紙の感触やめくるっていう作業が重要なんです。スマートフォンは画面をなぞるだけですから、進歩はしないですね。“皮膚感覚から書物を知る”ということが大事だと思います。――たしかに、同じ知識でもスマホで観ると「そうなんだ」とその場で終わってしまうような気がしますね。そうですね。もちろん、大人になってから仕事で調べ物をするときにはいいと思うんです。ただ子ども時代には、やっぱり本がいいですね。■「生き抜く知恵」を付けるために親ができること――今泉先生も、小さな頃から本を読まれていましたか?『シートン動物記』や『ファーブル昆虫記』を読んでいました。家にそれしか本がなかったというのもあるんですけどね(笑)。気づいた時には、パラパラとよく本をめくる子どもだったと思います。ただ、僕は「鉄砲玉」とも呼ばれていたんですよ。一回家を出たら、暗くなるまで帰って来ない(笑)。毎日、秘密の小屋を作ったり、田んぼや原っぱで遊んだりしていたので、いざというときに「生き抜く知恵」が付いたと思います(笑)。遊びをとおして「これは危ないぞ」と予測がつくようにもなるんです。だから本だけでなく、外遊びも大事でしょうね。――親は先回りして注意してしまいがちですが、子どもの好奇心や行動力を大人が抑えつけてはいけないということですね。そうです、そうです。子どもの頃のケガは当たり前で、ケガをして痛さを知るんです。そうすることで、思いやりもわく…全部がつながっているんですよ。それなのに、思いやりだけを育てようとするから無理がある。痛みがなければ、思いやりの心は生まれませんからね。――それでは最後に、読者へのメッセージをお願いします。いまのお母さんは時間がなくて大変だと思うけれど、できるだけアナログで子育てすることが大切だと思います。すべては本人のヤル気が問題なので、どうすれば子どものヤル気が出るかを親は考えなくてはいけません。たとえば子どもに本を読んでほしければ、自分が本を読んで笑ってみたり、おもしろさを伝える演技をしてみる。そうすれば、陰で見ていた子どもがその本を手に取るかもしれません。子育てには、子どもと接する時間、そして、子どもをだます演技力も必要だと思いますよ!■お話を伺った今泉忠明さん監修書籍『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(左)、『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』(右)● 『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』 今泉忠明/監修 高橋書店生き物の“ざんねんな進化”にスポットを当てた事典。「どうしてそうなった!?」と思わずつっこみたくなる、愛おしき「ざんねんないきもの」122種を紹介する。『こどもの本総選挙』第1位。● 『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』 『ざんねんないきもの事典』第2弾。オールカラーで、恐竜などの絶滅種についても紹介する。笑えて、ちょっとためになる“ざんねん"な生き物の真実がたっぷりつまった1冊。『こどもの本総選挙』第4位。今泉忠明さん1944年東京都生まれ・動物学者。東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。国立科学博物館でほ乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加。上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。
2018年05月24日絵本が大好きな長男と次男。私も昔から絵本が好きなので読み聞かせは大歓迎なのですが、たまに読み聞かせには向いてない本を本棚から持ってきます。はっきりと「つまる!!」と言われました。(※「つまらなくない」の意)仕方がないので引き続き目次ページを読み進めていたのですが、案の定2人で違う遊びを始めたのでした…。
2018年05月23日うちの兄弟が家の中で遊ぶ時はもっぱら「怪獣ごっこ」。毎回私が怪獣役で子どもたちに倒されるのですが、すぐにやられてはいけないしヒーロー役の子どもたちに勝ってはいけないし…なかなか面倒くさい役どころ。この遊びがいつもワンパターンで面白くないので、ある日気弱な怪獣を演じてみることにしました。気の毒に思ったのか、ご丁寧にヒーロー直々にヒーローの倒し方をアドバイスしてくれました。(そんなヒーローはおらんやろ…)まだまだ怪獣ごっこブームは続きそうなので、私の中の怪獣バリエーションを徐々に増やしていきたいと思います。
2018年05月09日謎の痛みで救急外来に駆け込んだ話
育児に遅れと混乱が生じてる !!
こどもと見つけた小さな発見日誌