トップスター・珠城(たまき)りょう率いる宝塚歌劇月組公演『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』が8月24日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。宝塚歌劇月組 三井住友VISAカード ミュージカル『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』チケット情報1992年にウィーンで誕生した本作は、オーストリア=ハンガリー帝国皇妃エリザベートの数奇な生涯を、彼女を愛する黄泉の帝王トート(死)との愛憎を軸に描いたミュージカル。観劇後も耳に残る楽曲の数々も魅力で、1996年に宝塚歌劇団雪組が日本初演し、宝塚歌劇では今回が10回目の上演となる人気作だ。“死”を擬人化した黄泉の帝王トートは、常にエリザベートの近くに存在する。父の自由な生き方に憧れを抱き、活発だった少女時代。綱渡りに挑戦しようとしたエリザベートは足を滑らせて落下し、意識不明の重体に陥る。その生と死の狭間で出会ったのが、黄泉の帝王トートだ。トートは死の口づけをしようとするが、エリザベートの生命力あふれる瞳に心を奪われ、愛されたいと願う。そして彼女がトート=“死”を求めるまで、どこまでも追い続けようと、元の世界へと帰すのだった…。歴代のトップが演じてきたトートは、それぞれで印象がまったく異なる。今回演じる珠城も、自身の持ち味を活かしながら表現。妖しく冷ややかなオーラを漂わせながら、時には不敵な笑みを浮かべ、時には内包する熱を激しくあらわにしてエリザベートの愛を求めるなど、繊細に作り上げている。作品世界を包み込むような存在感を感じられるのも、珠城トートならではだろう。エリザベートを演じるのはトップ娘役・愛希(まなき)れいか。無邪気な少女時代から、皇妃となった後の苦悩、孤独、もろさ、強さ、気品など、年老いていくまでを丁寧に表現している。1幕ラストから2幕前半にかけての、生きる意味を見出したエリザベートの自信に満ちた表情、凛とした美しさにも目を奪われる。トップ娘役就任から約6年半。集大成らしい円熟した演技、歌唱で魅せている。皇帝フランツ・ヨーゼフを演じるのは美弥(みや)るりか。終始感情を抑えた役ではあるが、エリザベートを真っ直ぐに愛する思い、見守る優しさ、皇帝としての葛藤などを滲ませながら演じている。エリザベート暗殺犯ルイジ・ルキーニ役の月城(つきしろ)かなとは、表情や眼差し、声色でルキーニの狂気を表しながら、狂言回しとして物語をリズムよく展開していく。皇太子ルドルフは暁千星(あかつき・ちせい)と風間柚乃(かざま・ゆの)の役替わり。この日演じた暁は儚げな雰囲気をまとい、ルドルフを好演。歌唱力も高く、『闇が広がる』でのトートとのハーモニーも美しく響いている。兵庫・宝塚大劇場公演は10月1日(月)まで。チケットぴあでは9月14日(金)13時公演のプレリザーブを9月3日(月)11:00まで受付中。東京宝塚劇場公演は10月19日(金)から11月18日(日)まで。9月16日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2018年08月31日タレントの伊集院光が、28日に放送されたTBSラジオ『伊集院光とらじおと』(毎週月曜~木曜 8:30~)にて、フジテレビ系アニメ『ちびまる子ちゃん』の原作者で15日に乳がんのため亡くなった漫画家・さくらももこさんとの思い出を語った。伊集院は「なにより昨日ビックリしたのは、『さくらももこさんが亡くなりました』って突然、携帯のニュースで見たのかな。やっぱり『えっー!』って声出ましたね。闘病中という話も全然聞いてなくて、突然だったんでビックリしましたね」と突然の訃報に驚きを隠せない様子だった。伊集院がニッポン放送で番組をやっていた時期に、さくらさんも同局の『オールナイトニッポン』(91年~92年)のパーソナリティを担当していたこともあり、交流があった両者。「アニメの『ちびまる子ちゃん』のまる子役はTARAKOさんという声優さんがやってるんだけど、喋り方もそっくりで。もちろん丸々ノンフィクションではないものの、自分の少女時代の話を書いているので、『ある程度自分に似た人を選んだ』とご本人も言ってたんだけど」と語り、「落語がお好きだったり、年代もそんなに離れていなかったから話が盛り上がって、『へーこういう人がいるんだ』と思った」と振り返った。さらに伊集院は、さくらさんについて「なんかアンバランスな人だったんですよ。大ヒット漫画の作者であると同時に、ちょっと世間知らずなあか抜けなさとか、だからこそ着眼点が面白かったり。それが何度かお会いするたびに、売れっ子作家のたくましさみたいのを持ってく感じをすごいなと思ったのが、さくらももこさんの思い出かな」と語っていた。さくらさんは乳がんのため、8月15日に亡くなった。53歳だった。27日、さくらプロダクションがメディア向けの書面や公式サイトで発表した。
2018年08月28日韓国の4人組ガールズグループ「BLACKPINK」が8月24日、初の日本ツアー追加公演となるライブを千葉・幕張メッセで行った。同グループは「BIGBANG」の妹分として、2016年8月に韓国でデビュー。昨年7月には、日本デビュー前の海外女性アーティストとして初めて日本武道館公演を成功させていた。各スポーツ紙によると、ライブは新曲「DDU-DU DDU-DU(トゥドゥ トゥドウ)」でスタート。22日に発売された日本初シングルとなる同曲は、韓国語バージョンの動画再生回数が公開からわずか68日で3億回を突破。韓国の男女グループで最速の3億回突破を達成した。また世界的なチョコレートブランド「キットカット」が、日本発売45周年を盛り上げるパートナーに起用するほどの人気だという。「若い世代を中心に動画が人気。メンバーの4人はスタイル抜群で、ファッションもハイセンス。かつて日本中で人気となった女性グループの少女時代、KARAのブームを超える勢いとなりそうです」(芸能記者)実際、日本でブレークするため韓国の事務所もかなり力を入れているようだ。「幕張メッセでの公演は26日まで3日間開催されますが、その期間中は韓国事務所のトップが来場するそうです。事務所のトップ来場はかなり異例なことだそうで、日本の関係各所も気合いが入っているようです」(レコード会社関係者)12月24日に京セラドーム大阪で初のドーム公演を行うことも決定。このままの勢いだと、そのころまでには日本中で大旋風が巻き起こっているかもしれない。
2018年08月25日ピアニストのフジコ・ヘミングの14歳の頃が詰まった一冊、『フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記』。まるで映画だというその内容とは。フジコ・ヘミングという遅咲きのピアニストのことを私たちはどのくらい知っているだろう。デビューCD『奇跡のカンパネラ』がクラシック界では異例の200万枚の大ヒット。現在もコンサートチケットは即完売と絶大な人気を誇る一方で、個性的なファッションや動物愛護家としての顔にも注目が集まる。80代にしてなお刺激的な存在なのである。現在公開中のドキュメンタリー映画『フジコ・ヘミングの時間』で2年にわたりツアーやプライベートを追いかけた小松莊一良監督は、撮影中にとある衝撃的な出会いをした。その人は14歳のフジコさん。本書の書き手である。本人から手渡されたのは、終戦から1年後の夏に母、弟と親戚の家に身を寄せる日々を描いた絵日記。一目見たときから、たちまち引き込まれたそう。お手伝いやピアノの練習に明け暮れる毎日、ささやかにおしゃれを楽しむ一方で飢えや弟への気遣い、反発しながらも母を慕う心も綴られる。そして祖母の死。「まるで1946年の時代を描いた少女の青春映画のよう」。映画の重要なキーになると直感した。「当時の空気感や気分が蘇って、フジコさんの全てがここにある、今も変わらず14歳のままなんだと」。絵日記の中の少女に恋したようだったと笑う小松監督。撮影が進むにつれ、ボロボロのわら半紙に描かれた日記を本にしたいという思いが強くなっていったのだとか。「ある評論家の方の言葉ですが、フジコさんのコンサートで多くの人が涙するのは『魔法をかけて少年少女の心に戻してくれるから』と。イノセントに立ち返らせてくれる音楽の力がある。そのフジコさんの夢見る力、現実を超えていく力、人生を貫く美意識が詰まったのがこの本だと思います」。全編カラーの美しい装丁。映画とともに味わえば物語の豊かさが増す。映画の先に、それとも後に。さてどちらを選ぶ?フジコ・ヘミングスウェーデン人の父、日本人の母の間に生まれる。聴力を失う不遇の時代を経て1999年、60代でデビュー。世界各地でコンサートを行う。『フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記』終戦間もない頃を描いた少女時代の絵日記が半世紀以上を経て美しい装丁で蘇った。企画は小松莊一良監督。MVや安室奈美恵のライブDVDなどを監督。一貫して音楽、ダンスを主題とした作品作りにこだわる中でフジコさんと出会う。暮しの手帖社2315円※『anan』2018年8月29日号より。写真・小川朋央インタビュー、文・松本あかね
2018年08月25日日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」では「夏のスーパーアニメ祭り第2弾」と銘打って「3週連続夏はジブリ」をお届けする。初週となる8月10日(金)今夜は巨匠・宮崎駿監督によるファンタジー超大作『ハウルの動く城』をオンエアする。超特大の興行収入を記録した『千と千尋の神隠し』に続いて世界中が注目するなか2004年に公開された本作。ベネチア国際映画祭でオゼッラ賞を受賞したほか、アメリカのアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされるなど、本作も世界で高い評価を受けた。主人公・ソフィーは父が遺した帽子店で働く地味で恋にもオシャレにも消極的、華やかな妹や義母から心配されている少女。ソフィーはある日、町で兵士に絡まれているところを美しい青年に助けられるのだが、彼こそ人の心臓を食べるとうわさされている魔法使いのハウル。そうとは知らずソフィーはハウルに恋心を抱くのだが、その夜、突然訪ねてきた荒れ地の魔女に魔法をかけられ、90歳の老婆に姿を変えられてしまう。このままの姿では家にいられないと旅に出たソフィー。彼女の前に巨大なハウルの動く城が現れる…という物語。ソフィー役には『男はつらいよ』シリーズ、『幸福の黄色いハンカチ』などの倍賞千恵子。ソフィーの少女時代から90歳までを演じきったその声の演技は圧巻。美しい魔法使い・ハウルを演じたのは「HERO」シリーズや『無限の住人』など数々の作品に主演、8月24日(金)からは『検察側の罪人』の公開も控える木村拓哉。声優としての木村さんの“美声”ぶりにも聞き惚れてほしい。また荒地の魔女役で『もののけ姫』でも存在感抜群の声優ぶりをみせた美輪明宏。マルクル役には本作と『千と千尋の神隠し』と『君の名は。』で邦画歴代興収TOP3作品いずれにも出演している神木隆之介。かかしのカブ役には『思い出のマーニー』など声優としても数々の出演作を誇る大泉洋。カルシファー役には我修院達也といった面々が顔を揃えた。なお次週8月17日(金)には『となりのトトロ』が放送される。『ハウルの動く城』は8月10日(金)21時~日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」でオンエア。(笠緒)■関連作品:リズと青い鳥 2018年4月21日より全国にて公開© 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会ハウルの動く城 2004年11月20日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にて公開©2004二馬力・TGNDDDT
2018年08月10日フェンディ(FENDI)の2018年プレフォールから、アイコンバッグ「ピーカブー(PEEKABOO)」の新作を紹介。アイコンバッグ「ピーカブー」新作「ピーカブー」は、ミニマルなフォルムでありながら、コンパートメントやジップポケットなどの高い機能性を兼ね備えたバッグ。2018年は、記念すべき誕生10周年を迎える。2018年プレフォールでは、ミディアムサイズの「ピーカブー」から、ブラックのカーフレザーを使用し、スカラップの縁取りにゴールドに輝くスタッズを散りばめた新作が登場。スモールサイズの「ミニ ピーカブー」には、断ち切りの風合いを活かした縁や、ハンドステッチが特徴のピンク色のバッグを用意。内側には上品なベージュカラーを採用し、コントラストを効かせている。一枚の上質なレザーを用いたスモールサイズの「ピーカブー エッセンシャリー」には、内側に配した温かみのあるピンクがちらりと覗く、グレーのカーフレザー製バッグを取り揃えている。10周年を祝したムービーなおこれらのバッグは、ピーカブーの誕生10周年を記念したプロジェクト「#MeAndMyPeekaboo」第2章のムービーに登場する。キム・カーダシアン一家が登場ムービーには世界中のアイコニックな血縁関係のある女性たち5組が参加。たとえば、クリス・ジェンナー(Kris Jenner)、その娘のキム・カーダシアン(Kim Kardashian)、孫にあたるノース・ウェスト(North West)の3人が、自然で気取らないファミリーショットを披露している。サウンドトラックには、キム・カーダシアンの夫であるカニエ・ウェスト(Kanye West)のシングル「Love Lockdown」を採用。家族の強い絆を感じさせる魅力的なフィルムに仕上がっている。また、少女時代の元メンバーであるジェシカ・チョンと、その妹のクリスタル・チョンのムービーも公式サイトにて公開されている。【詳細】フェンディ 2018年プレフォール 新作バッグ発売中 ※2018年7月現在価格例:・ピーカブー 552,000円+税・ミニ ピーカブー 431,000円+税・ピーカブー エッセンシャリー 431,000円+税■「#MeAndMyPeekaboo」第2章フェンディ公式サイトにて7月11日(水)より順次公開【問い合わせ先】フェンディ ジャパンTEL:03-3514-6187
2018年07月21日今年2月にも大成功を収めた森山良子と東京フィルハーモニー交響楽団のサントリーホール公演が、9月に再度開催される。2013年に初のクラシックアルバム『Ryoko Classics』を発表した彼女は、さらに一歩前進した第2弾『Ryoko ClassicsⅡ』を8月にリリース予定。公演のプログラムはその収録曲が中心で、プッチーニ『私のお父さん』、ヴェルディ『乾杯の歌』、『オー・ソレ・ミオ』など、誰もが知る珠玉の名旋律が厳選されている。【チケット情報はコチラ】「今私が歌いたい11曲を選んだ欲張りなアルバムを予定しています。オペラ・アリアやカンツォーネはせっかく挑戦するのだから、キーを変えず、歌詞も原語で歌うことにしました。現在はそのためにプロの先生にレッスンを受けている真っ最中。私は両親がジャズ・ミュージシャンの音楽一家に生まれましたが、歌の道に進みたいならば基礎をしっかり学べと言われて、この先生に14歳の時からずっと師事しているんですよ」今回はクラシック以外にも、『タイム・トゥ・セイ・グッバイ』『サウンド・オブ・ミュージック』より『私のお気に入り』など、ポップスやミュージカルの名曲もバランスよく選ばれているのが嬉しい。「『タイム・トゥ~』は、私なりの解釈で訳した“希望のある明日への別れ”がテーマの歌詞でお届けします。『サウンド・オブ~』は、少女時代、母親になってから、そして娘に孫が生まれてからと、3世代に渡って何百回も観続けている大好きな作品。え、息子とは?直太朗はサッカーばかりしていたので、一緒に観た記憶はありませんね(笑)」さらに、レコード大賞に輝いた代表作『さとうきび畑』や、森山が作詞を手がけた『涙そうそう』なども予定演目に並ぶ、まさに“欲張り”な当公演。共演は2月と同じ、鈴木織衛指揮・東京フィルと、ピアニストの中島剛、ホールも日本クラシック音楽の殿堂サントリーホールという盤石の環境で、森山の美しい歌声を存分に堪能できそうだ。「東京フィルも、鈴木さんも、中島さんも、数えきれないくらい共演してきた本当に息の合う方々。今回の録音でもご一緒したので心強いですし、ふたたび共演できるのが楽しみでなりません。サントリーホールの温かく洗練された空間と音響に包まれながら、皆さんどうぞリラックスしてお楽しみください!」公演は9月20日(木)東京・サントリーホール 大ホールにて。チケット発売中。取材・文:渡辺謙太郎(音楽ジャーナリスト)
2018年07月04日『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』の続編『IT : Chapter Two』(原題)で大人になったビルを演じるジェームズ・マカヴォイが、キャストと撮ったポラロイド写真をInstagramで公開した。ジェームズは「ルーザーズ・クラブ」の紅一点のベバリー役のジェシカ・チャステインやリッチー役のビル・へイダー、前作の子役たちとにこやかにフレームに収まっている。残念ながらペニー・ワイズ役のビル・スカルスガルドは写っていない。続編では前作の子役たちも回想シーンに登場することが発表されている。ジェームズの写真の位置情報に「トロント」とあるように、撮影はすでにトロントでスタート。ジェシカは昨日、少女時代のベバリー役のソフィア・リリスと自分の顔を半分ずつ合成した顔写真をSNSに掲載し、撮影初日であることを伝えた。ソフィアが、大人のベバリーは「ぜひジェシカに演じてほしい!」と熱望したのも納得なほど、2人はそっくりであることがわかる。ファンのみならず、女優仲間のセルマ・ブレアが「うっとりしちゃう。素晴らしいわ」、ミンディ・カリングが「とってもクールね!」とコメントしてしまうほどだ。『IT : Chapter Two』(原題)は2019年9月6日(金)に全米公開予定。(Hiromi Kaku)■関連作品:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 2017年11月3日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2018年06月29日「自分に自信がない」と不安になったりしていませんか?でも大丈夫、あなたにも映画の中のヒロインのような輝く魅力が眠っているんです。この連載では、映画のヒロインをピックアップ。「ダーリン完全マニュアル」を監修するフォーチュン・ナビゲーター阿雅佐が、12星座別の「ヒロイン度」を分析します。さらに、隠れたあなたの魅力を映画のヒロインのように輝かせるセルフプロデュースのポイントも伝授します!第11回ジュヌヴィエーヴ『シェルブールの雨傘』『シェルブールの雨傘』監督: ジャック・ドゥミ出演: カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ公開:1964年◎ジュヌヴィエーヴってどんな女性?・17歳で出会った相手と結婚を誓う、純粋で夢見がちな少女時代・彼との“遠距離”に不安を抱き、直面している現実を見始める・求婚してくれた、身近な富豪の男性に心を開く現実性を持つ今回のヒロインは、1964年のフランス映画『シェルブールの雨傘』のジュヌヴィエーヴです。昔の作品ですが、2017年『ラ・ラ・ランド』がオマージュしたことで話題になり再び注目が集まりましたね。◎気になるストーリーは?舞台は、フランス北西部の港町シェルブール。結婚を誓い合った恋人同士、自動車修理工ギイと傘屋の娘ジュヌヴィエーヴが、戦争で引き裂かれ、別々の人生を歩むまでを描くミュージカルです。17歳と若く純粋なジュヌヴィエーヴは、ギイとの恋に夢中になり、ついに彼の子供を身ごもります。しかし、妊娠がわかったとき、彼は遠く離れた戦地で兵役についており、なかなか来ない彼の手紙を待つジュヌヴィエーヴは、次第に不安を募らせ……。恋した相手と結婚を夢見る、まっすぐで純粋なジュヌヴィエーヴ。一方でやみくもに彼を待ち続けるのではなく、想いを寄せてくれる身近な男性に心を開いていく現実的な感覚も兼ね備えています。あなたにもジュヌヴィエーヴのような恋と現実のバランス感覚が眠っている?12星座別に分析してみましょう。■牡羊座ジュヌヴィエーヴ度40%牡羊座は意志が強く自立したタイプ。1人でいることの不安から他の男性に行くことはまずありませんが、恋の熱が冷めると、将来設計を考え、社会的成功へと関心をシフトしていくでしょう。結婚後は持ち前の手腕で社会に進出。旦那様のビジネスを事実上引き継ぐことになる場合も。【セルフプロデュースのポイント】恋という不確かでキラキラしたものを楽しんでみる■牡牛座ジュヌヴィエーヴ度90%牡牛座は夢より現実を大切にするタイプ。少女の一時期、恋に恋することはありますが、成長するに従って、日々の生活がいかに大事かを考えるようになります。求婚してくれた男性が富豪だったなら答えは一つ。いつ帰るかわからない初恋の相手より、目の前の穏やかな安定を選ぶでしょう。【セルフプロデュースのポイント】恋は人生に必要なことだと考えてみる■双子座ジュヌヴィエーヴ度15%双子座は人とのコミュニケーションを楽しみながら人生を泳いでいくタイプ。17歳で結婚を誓ったとしても、所詮その時のノリと考えるでしょう。連絡もろくに取れないまま遠距離期間が長引けば、他の男性へと興味が移るのは自然なこと。ただし経済力よりフィーリング重視で相手を選びます。【セルフプロデュースのポイント】好きになった相手との特別なコミュニケーションを大事にする■蟹座ジュヌヴィエーヴ度75%蟹座は12星座中、最も母性の強いタイプ。遠恋で連絡の取れない彼への想いより、お腹の中に宿った命をどうやって育てるか、その一点に意識が集中します。彼を信じて待ち続けたい気持ちはあるものの、富豪の男性からプロポーズされたなら、子供のためにまず環境を確保しようとするでしょう。【セルフプロデュースのポイント】愛を信じた経験こそが命を育むのだと考える■獅子座ジュヌヴィエーヴ度35%獅子座は人生という一幕限りのドラマを演じ抜く女優。遠恋もドラマなら、初めての恋で命を授かったことも、自身に課せられた役割だと考えます。熟考の末、他の男性からのプロポーズを受ける可能性もありますが、それと同じくらい、「こんなものすごい申し出を敢えて断る」自分を選ぶ可能性も。【セルフプロデュースのポイント】本当に悔いのない生き方とは何かを考える■乙女座ジュヌヴィエーヴ度70%乙女座は慎重で思慮深いタイプ。初恋、しかも17歳でいきなり命を授かる確率は、他の星座と比較してもかなり低そう。とはいえ万が一授かってしまったら、プロポーズしてくれた男性が生理的に無理でない限り、遠恋の彼にいつまでも思いを残すようなギャンブルはまずしないでしょう。【セルフプロデュースのポイント】恋に身を殉じる喜びを受け入れる■天秤座ジュヌヴィエーヴ度55%天秤座は社交上手な優等生タイプ。17歳でイチかバチかの恋はまずしないし、仮にしたとしても、そのまま人生を決断する可能性は低いでしょう。万が一、子供を授かって遠恋になってしまった場合、いつまでも彼に執着はしないはず。目の前の富豪男性のプロポーズを断る理由はありません。【セルフプロデュースのポイント】女性として一番輝ける瞬間についてイメージする■蠍座ジュヌヴィエーヴ度80%蠍座は全てか無かの極端な決断をしやすいタイプ。たとえ若くても一世一代の恋に身を投じる可能性は十分あるし、結果的に命を授かるケースも。彼を宿命の相手だと感じれば、何があっても帰りを待ち続けますが、家族に事情が生じた場合は、恋心より目の前の生活を優先します。【セルフプロデュースのポイント】運命は自分が選びとるものだと考える■射手座ジュヌヴィエーヴ度30%射手座はその時々の自分に正直なタイプ。たとえ17歳でも、好きになったら臆さず相手の胸に飛び込みます。熱し易く冷め易いので、連絡がほぼない状態での遠恋はちときついかも。目の前の男性からのプロポーズに押されてというより、新たな出会いに胸をときめかせて次のステージへと移りそう。【セルフプロデュースのポイント】大人になるとはどういうことなのか、自分なりに考えてみる■山羊座ジュヌヴィエーヴ度25%山羊座は時間をかけて人との距離を縮めていくタイプ。たとえ怖いもの知らずな10代であっても、大胆な恋に身を投じることはしないでしょう。約束を守るという意味で彼を待ち続けることはありますが、事情が変われば現実に適応するのも山羊座の特徴。家族のために尽力する使命を受け入れそう。【セルフプロデュースのポイント】自分の気持ちに素直になってみる■水瓶座ジュヌヴィエーヴ度20%水瓶座は現実より感覚を大切にするタイプ。17歳という若さだからこそ、誰もやっていない冒険に飛び込もうとします。一度結婚を約束したとしても、それに縛られて人生を貫くことは稀。気持ちは移ろうものだし、連絡もない遠恋の彼を待つには水瓶座の好奇心は旺盛すぎるからです。【セルフプロデュースのポイント】変わっていく自分を楽しむ■魚座ジュヌヴィエーヴ度95%魚座は感受性豊かで情緒的なタイプ。一旦心に火が付いたら、たとえ17歳であっても自分を止めることはできません。将来を誓う気持ちは本物でも、遠恋で連絡が取れなくなってしまったなら話は別。目の前に別の相手が現れれば心は動くし、プロポーズが魅力的ならOKするでしょう。【セルフプロデュースのポイント】嬉しいことも悲しいことも、すべて人生のスパイスだと考えるジュヌヴィエーヴのような、恋に恋する純粋さと現実性のバランス感覚を身に着けたい…そう思ったら、「セルフプロデュースのポイント」を試してみて!隠れたあなたの魅力を輝かせてみましょう☆監修者紹介阿雅佐-agatha-(あがさ)古今東西の占いと心理学を駆使し、迷える子羊たちをナビするフォーチュン・ナビゲーター。会った人が皆幸せになるという風評から、幸運配達人の異名を取る。交友関係は多岐に渡り、有名人の“駆け込み寺”としても知られる。NTV「スッキリ!!」、CX「新堂本兄弟」、TX「スカ☆J」他テレビ出演多数。多数の著書をはじめ、「PASH!」「anan」「JUNON」などの雑誌記事・Webコンテンツを執筆する恋占いのエキスパート。テレビ・ラジオなど幅広いメディアで活躍中。今までに鑑定した人数はのべ1万人に及ぶ。また、小説『魔女たちの占いゲーム』(イースト・プレス)、『モデル♡マジック』(学研教育出版)を上梓するなど、作家としても活動している。阿雅佐著『おそ松さん占い』TVアニメ『おそ松さん』公式ファンブック「われら松野家6兄弟!」を発行したPASH!編集部より、『おそ松さん』の占い本を発売♪阿雅佐の完全書下ろしによる本格占い本です。メインの占い以外にも、『おそ松さん』式心理テストや行動心理学コラムなども充実。早くも話題沸騰中!大人気の心理テスト連載がパワーアップして書籍化!『それ、男はこう見ています。だからあなたは選ばれない』異性、友人、職場、SNS…関わるコミュニティがどんどん増えていく現代社会の中、「他人からどう思われるか」を気にかける女性が増えています。フォーチュン・ナビゲーター阿雅佐さんの緻密な心理分析で、あなたが「どんな女」だと思われているのかを徹底解説。
2018年06月15日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「K-POP」です。これまで、その時どきで流行していた少女時代とかKARAの楽曲なんかは耳にしていましたが、きちんとK-POPを聴くことはありませんでした。ところが、去年のMステスーパーライブでBTS(防弾少年団)さんとご一緒してそのパフォーマンスに圧倒されたんです。それ以来、気になっていたところで見たのがNHKの『SONGS』での彼らの特集。なかでも「MIC Drop」にガツンと打ちのめされました。だって、なにあの曲!?ヤバすぎません!?なにがヤバいって、その歌詞(日本語訳)です。「俺らのコンサート空席皆無」とか「トロフィーでカバンパンパン」とか「もう光る光る俺の成功」とか、これ、王者にしか歌えないかなり強めのリリックです。アジアのトップに立つ彼らだからこそ歌える一曲。それが、かっこよすぎてえぐいくらいです…。この歌詞をメンバーたち自身で手がけているっていうのにも驚きました。『SONGS』で披露されたのは、番組だけのオリジナル・バージョンだったそうです。日本語バージョンもあるのに、あえて彼らの母国語である韓国語で歌いたいとこだわりや意義を持って歌っているというのもすごくいいですよね。そして、圧巻のパフォーマンス!ダンスも表情も、ひとつひとつが魅力的で、彼らのここまでに至る努力や強い信念、ストイックさを感じます。最後に、マイクを落とす演出もめっちゃ決まってた~。ひゃ~かっこいい~。今年の上半期でもっとも胸に刺さる一曲になりました。そもそも、韓国は自国だけだとどうしてもマーケットが小さい。だから、音楽や芸能活動をする上で常に日本をはじめとするアジア諸国や世界進出を意識して戦略を立てることになる。それで、日本でもK-POP人気は衰えずにずっと続いているんだと思います。でも、それはアーティストたちの努力や向上心があってこそ実現するもの。僕は、売れたものこそが正義だと思うので、国や国籍だけで良し悪しを判断するようなことはしたくないですね。日本語のネタ曲だけで日本のみでしかできない活動をしている、真逆のタイプのミュージシャンである僕でもそう思います。あ、でも、前述のMステでのライブを観た韓国の方々に僕のパフォーマンスが意外と好評だったらしいという噂を聞きました。BTSさん、僕と対バンやってくれへんかな?おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月30日2018年5月9日、女優の石原さとみさん(31)の熱愛が週刊文春にスクープされました。お相手は今注目の若手IT社長と名高い、「SHOWROOM」社長の前田裕二氏(30)。芸能界とIT界から注目が集まる2人とあって、報道には驚きや嘆き、そして落胆や謎の“マウンティング”まではじまる始末です。 石原さんは以前、ジャニーズタレントの山下智久さん(33)との熱愛も噂されていました。ただ当時は正直、今回ほどの盛り上がりはありませんでした。IT社長と女優。その組み合わせはよくあるカップリングですが、なぜこうも私たちの心を揺さぶるのでしょう。 ■スキのない組み合わせが呼び起こすコンプレックス 石原さんといえば「なりたい顔」の上位に名前が上がるほどの美女であり、前田さんは「若手イケメン社長」と呼ばれるほど注目を集める人物です。いうなれば「美男×美女」というカードも「女優×金持ち」というカードも持ち合わせた“最強勝ち組カップル”といえるでしょう。 2人の組み合わせのインパクトが強すぎると、蚊帳の外すぎる一般人からしてみればネタとして語らないと気持ちの整理がつかないのかもしれません。その証拠に今回の報道後は、多くの男性陣から「結局さとみもカネかよ!」「俺もIT社長になろうかな」といった苦しい反論が聞こえてきます。 また港区女子と呼ばれる一部の女性からは「私、石原さとみと“姉妹”だわ」といった、謎の恋愛マウンティング宣言がSNS上で繰り広げられました(※この場合の姉妹とは、同じ男性と性交渉をした経験があるといった意味)。 石原さとみと間接的に“姉妹”だとしても、いったその女性にどんなメリットがあるのか理解に苦しみます。ただ「顔」という優位性だけを誇示されると諦めもつきますが、財力という誰もが努力で手にできる優位性がチラついたことで一気にこの恋愛が身近で破壊力あるものになった。それが今回の過剰な反応につながったのかもしれません。 ■石原さとみはいつの間に“聖女”になっていたのか 落胆の声のなかには「彼女はIT社長に行くと思ってなかった」といった声も多かった今回の報道。女優と社長の組み合わせはよくあることなのに、なぜ石原さんだけはそうではないと多くの人が思っていたのでしょう。その理由を考えてみると、今の彼女のイメージの多くは“努力”と“素朴さ”が占めているからかもしれません。 石原さんは15歳でデビューするも、当時のビジュアルは素朴。今ほど洗礼されたものではありませんでした。しかしここ数年は自らメイクを研究し、演技や英語力に磨きをかけているようす。唯一無二の女優になろうと努力していることが広く知られています。 そういった素朴な少女時代と並々ならぬ努力で成長したイメージが強かったのです。だからこそ「カネ目当て」に見える相手を恋人に選んだ彼女に、違和感を覚えた人が多かったのかもしれません。 しかし冷静に考えてみれば、前田さんだって若くして成功した人物。並々ならぬ努力をしていることは明白で、努力したモノ同士だからこそ気があった可能性も考えられるのです。 美貌に注目が集まった2014年ごろは「ぶりっこ」とも言われていた石原さん。気づいたら「努力の人」と認知され、今回IT社長との熱愛でまたしても認知が変わるかもしれない。そんな彼女がこれから先どう変化するのでしょうか。 実は恋愛を通して女優としての深みを生み出すタイプとの噂もある彼女、今後の変化と活躍を楽しみにしたいと思います。
2018年05月15日男性エンタテインメント集団・BOYS AND MENの田中俊介が14日、東京・新宿武蔵野館で行われる、映画『名もなき野良犬の輪舞』(5日より全国順次公開中)の公開記念トークショーに出演する。同作は犯罪組織でナンバー1に成り上がるという野望を持つ受刑者のジェホ(ソル・ギョング)と、刑務所へ入所してきた野心的な新入りヒョンス(イム・シワン)の姿を描くハードボイルド映画。2人は出所後チームを組んで犯罪組織を乗っ取ろうとするが、次第にそれぞれの秘めた動機が現れ始める。昨年のカンヌでの上映を皮切りに、第54回大鐘賞映画祭、第37回韓国映画評論家協会賞、第38回青龍映画賞など主要な映画賞を席巻した。俳優としても活躍する田中は、1日1本映画生活を続けるほど無類の映画好き。観た映画はブログで紹介しており、同作主演を務めるソル・ギョングのファンだという。また田中は、中村明日美子原作の映画『ダブルミンツ』に俳優の淵上泰史とW主演し、犯罪と暴力の中で男たちの愛憎入り混じるドラマを経験。さらに今後は、吉本ばなな原作の日韓合作映画『デッドエンドの思い出』で、少女時代のスヨンとW主演するなど、韓国との縁もある。イベントでは、司会の西森路代とともに、様々な視点から同作を深めるトークを繰り広げる。開催は新宿武蔵野館、同作の14日18時10分の回上映前で、オンライン予約販売は11日24時から。新宿武蔵野館の公式サイトより購入できる。
2018年05月09日4月13日にスタートした金曜8時のドラマ『執事西園寺の名推理』(テレビ東京系)で、上川隆也演じる執事の西園寺がお仕えする、優雅で上品な“奥様”の伊集院百合子を演じている八千草薫さん(87)。 ドラマの会見では、初共演となる主演の上川が、「“奥様”の八千草さんのかわいらしさをぜひ見てほしい」と、八千草さんの愛らしさを絶賛。今回本誌では、女優として輝き続ける八千草薫さんに、変わらない美と健康の秘訣を語ってもらった。 八千草薫さんは’31年生まれ。戦後、宝塚音楽学校に入学。宝塚歌劇団の清楚で可憐な娘役として大人気となり、映画界にも進出。昨年、女優デビュー70年を迎えた、日本が誇る大女優だ。 至近距離で見ても、八千草さんの肌はつやつやで透明感があることに驚かされる。そのケア方法を聞いてみると、意外な答えが返ってきた。 「昔から美容には無頓着です。ずっと使っている化粧水と乳液だけ。いろいろつけすぎるのはお肌によくない気がします。毛穴も詰まってしまうでしょう。ですから私は寝る前には固形せっけんで洗顔して眠ります。それだけだと乾燥するともいわれますが、なるべくつけすぎないほうがいいと思います。お化粧もファンデーションはつけずにBBクリームだけ」 食事には好き嫌いなく、1日3食、何でもいただく。 「嫌いなものがないんです。お肉もお魚も大好き。でもお野菜は、煮物にしたり炒めたりと温野菜をとっています。3食食べていますが、本当は5回ぐらいに分けて食べるといいといいますよね」 87歳の今も女優として忙しい日々を送るため、毎日運動も欠かさない。 「トレーナーさんに、筋肉トレーニングの運動を考えていただいて。腕や肩を回したり。肩が凝ったと思って少し動かすと、あくる日はぜんぜん大丈夫です。片足立ち、つま先立ちなどの体操も眠る前、15分ほどの習慣にしています。血の巡りもよくなり、ぐっすり眠れます」 若々しさを失わない理由は、“心の持ちよう”にもあると、八千草さんは語る。 「女学校時代の素敵な先輩にお会いしたんですが、その先輩から、『少女の心を忘れないでね』と言われたのです。少女時代はいろいろなことに感動し、前に向かい進んでいく、みずみずしい気持ちを持った時代。若いころの素直で柔らかな気持ちを思い出し、持ち続けるのは、とても大事なことだなと思っています」 それから八千草さんも、日々、感動を味わうことも忘れないようにしているという。繊細な少女の心を持ちながら「ちょっと無理をすること」が、最近のテーマだ。 「私がうんと無理をすると、周りに迷惑をかけてしまいます。数年前から何をするにも『気をつけてください』と言われるようになりました。でもそのとおりにしていたら、つまんないなって。ちょっと無理をしないと、生きている実感も得られませんでしょ」 そう言うと、いたずらっぽく笑みを浮かべた八千草さん。「どんなふうにちょっと無理をするのですか?」と問いかけると、じっくりと考えて、一語一語、丁寧に言葉を紡ぎだした。 「そうねえ……何事も無関心ではいけないと思うんです。好奇心を持って、何かちょっと、一歩まで行かなくても、半歩でも、ということかしら。『ちょっと無理』することは、停滞しているのではなく前進になる気がするんです。体を動かすこと、人に会うこと、特に改めて何かしようということではないけれど、いろいろなことを、そのとき、そのときの時間を大切にしたい。『今』を大切にして生きる、ってことかしら」
2018年05月02日どんなに人気俳優であっても、韓国の男子は30歳になるまでに約2年間の兵役を務めなくてはならない(いまのところ)。その2年という期間は短いようで長く、現在は時勢の移り変わりも著しいため、“入隊前”にどんな作品を選び、ファンたちに何を残していくのかは重要だ。そんな中、いまや韓国のみならず“アジアの貴公子”とも呼ばれるチ・チャンウクは、初挑戦したラブコメ「あやしいパートナー」でかつてないほど真剣に恋するピュアな男の姿や、お茶目でユーモラスな姿を見せ、話題を呼んでいる。2017年夏に入隊した際には、日本はもとより世界中のファンが見送りに殺到したチ・チャンウク。これまでの出演作とともに、その軌跡をふり返ってみた。■初のラブコメ「あやしいパートナー」で新境地2作のドラマ「ヒーラー~最高の恋人~」(2014)や「THE K2~キミだけを守りたい~」(2016)、初主演映画『操作された都市』(2017)でアクションを華麗にやってのけるイケメン実力派というイメージが定着しつつあったチ・チャンウク。しかし、彼が入隊前最後の主演作として選んだのは、俳優人生で初めてとなるラブコメドラマ「あやしいパートナー」。演じたのは、“悪縁”ともいえる偶然の出会いを繰り返す女性ウン・ボンヒに翻弄されながらも、いつしか恋に落ちていくクールな完璧男子の検事ノ・ジウク。法廷を舞台に、自身の幼少期に関わる事件の真相を追うミステリーの要素も交えつつ、ときにツンデレ、ときにド直球な言動を見せる姿が実に新鮮。キュートすぎる丸メガネ姿も反則ワザだ。愛嬌たっぷりのヒロイン・ボンヒ役のナム・ジヒョンの好演もあり、注目度が急上昇中。■「視聴率王子」と呼ばれ、スター俳優の仲間入り!1987年7月5日生まれの現在30歳。その正統派イケメンな甘いマスクと、カリスマ性たっぷりの演技からコミカル演技までこなす多才さ、182cmのモデルのような体格から繰り出されるキレキレアクション。そんなチャンウクは、まさに“貴公子”という言葉がぴったりくる。2008年、独立系映画『スリーピング・ビューティー』でデビュー。まず、世間的に知られるようになったのが、日本ではWOWOWなどで放送された国民的ホームコメディ「ソル薬局の息子たち」(2009)。“結婚できない”ソル薬局の4人の息子のうち、兄たちとひと回り以上も年の離れた末っ子の四男ソン・ミプンを演じた。ミプンは浪人生ながら、趣味は手芸や料理、兵役に行く親友ヨンチョルからまだ赤ちゃんの娘ハナを託されてしまうというキャラクター。韓国では放送されるたびに話題を呼び、最高視聴率48.6%を記録、イ・ミンホら韓国版「花より男子」の“F4”に対抗して(?)4人の息子たちは“S4”と呼ばれて人気となった。翌年の「笑ってトンへ」ではドラマ初主演に抜擢。チャンウクはアメリカ育ちのショートトラックの選手トンへを演じ、自らの境遇をものともせず、明るく前向きで爽やかなキャラクターがハマリ役に。ドラマは幅広い世代から人気を集め、瞬間最高視聴率51%超えを記録、2011年上半期視聴率No.1ドラマとなった。「宮廷女官チャングムの誓い」や「イ・サン」など数々の大ヒット作を生み出してきた時代劇にも、2011年に「ペク・ドンス」で初挑戦。朝鮮王朝時代の王イ・サンに護衛として仕えた実在の武人を元にした主人公で、華麗な剣術アクションを披露。王の命を狙う暗殺集団の刺客を演じた、かつての“国民の弟”ユ・スンホ(「善徳女王」「太王四神記」)との対決も話題を呼び、チャンウクは「視聴率王子」とも評されるようになっていく。そのほか、「超新星」ジヒョクや「CROSS GENE」のSHINことシン・ウォンホなど、次世代イケメン俳優が集結した「僕らのイケメン青果店」でも熱血青年役で主演。2012年の「蒼のピアニスト」では、これまでの明るく親しみのある役柄から一転、初の悪役に挑んだ。名家の血縁関係に端を発するドロドロ愛憎劇で、楽器メーカーの御曹司のピアニストだが、チュ・ジフン(除隊後復帰作)演じる異母兄の主人公に激しく嫉妬し、劣等感を抱える弟イナ役を演じてみせ、美しすぎるピアニスト兄弟とも言われた。■ファン増殖中!重厚な時代劇からサスペンスアクションまで続く「奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い-」(2013)は、実在した“奇皇后”の激動の人生を大胆に脚色した一大スペクタル史劇で、NHK BSプレミアムでも放送されて高視聴率を獲得、チャンウクの大ブレイクを確実なものにした1作だ。高麗に生まれた女性ヤン(ハ・ジウォン)が自身を守るため男性スンニャンとして生きるも、高麗王のワン・ユ(チュ・ジンモ)と大国・元の皇太子タファンと出会い、単なる三角関係では済まない大きな時代のうねりに巻き込まれていき、やがては元の皇后となっていく。タファン役を演じたチャンウクは、コミカルな演技でわがままな甘えんぼ皇太子に扮していたが、やがて権力闘争に翻弄されながら皇帝となり、皇后となるヤンを愛し抜くキャラクターで大きな注目を集めた。ときには臆面もなく弱さと脆さを見せる姿は、1つの新境地でもあった。もう1つチャンウクの代表作といえるのが、闇の便利屋に扮した「ヒーラー~最高の恋人~」だ。放送局のスター記者キム・ムンホ(ユ・ジテ)が依頼した案件をきっかけに出会ったWEB新聞「サムデー」の熱血記者チェ・ヨンシン(パク・ミニョン)に、知らず知らず惹かれていくソ・ジョンフを好演した。現在と過去が交錯する重層的なストーリーにおいて、逆三角形のスタイルから繰り出されるアクションのみならず、便利屋らしい変装ぶりやインターン記者・ボンスに扮した際のギャップ、さらに正体を明かすことのできない“ヒーラー”であるため、ヨンシンとの帽子“目隠しキス”や背中合わせで手をつなぐ“秘密の映画館デート”など、甘くロマンチックすぎるラブシーンも話題に。さらに、「THE K2 ~キミだけを守りたい~」では「少女時代」ユナと共演。ある出来事をきっかけに、次期大統領候補の大物議員チャン・セジュンの妻にして、大企業JBグループの長女でもあるチェ・ユジン(ソン・ユナ)のボディーガードを務めることになる傭兵出身“K2”ことキム・ジェハ役で、さらにパワーアップした華麗なアクションに挑戦した。「少女時代」のユナもセジュンの隠し子である娘アンナを熱演し、クセ者の冷血キャラ・ユジンの策略の中で、アンナを懸命に守るジェハの姿にもキュンとさせられた。■『君の名は。』の声優から意外なカメオ出演も!?その一方、ミュージカル界でも、2013年に韓国「ザ・ミュージカル・アワード」で新人男優賞を受賞するなど活躍を見せていく。2016年には中国のドラマに出演し、アジアでの知名度をいっそう確固たるものにした。なお、『君の名は。』が韓国公開された際には初日興行収入&動員数で第1位となる大ヒットとなったが、韓国版で主人公・瀧の声を務めていたのもチャンウクだ。日本では、今年1月に初主演映画『操作された都市』も公開された(7月4日ブルーレイ&DVDリリース)。空白の3分16秒の間に何者かによって殺人犯に仕立て上げられてしまうフリーターのゲーマー役で、パク・クァンヒョン監督(『トンマッコルへようこそ』)やアクション監督チェ・ボンロク(『アシュラ』)からも絶賛される超絶アクションにより、韓国映画ファンの間にも強い印象を残している。映画といえば、『新感染 ファイナル・エクスプレス』で妊娠中の妻を守るため、素手でゾンビたちに立ち向かっていく男を演じて日本でも人気者となったマ・ドンソク出演『ブラザー』(2017/Netflix配信中)では、まさかのドンソクの父親役(!)でカメオ出演を果たしているという。同作は本国で『マイティ・ソー バトルロイヤル』とランキング争いをしたヒットコメディで、何でも、監督チャン・ユジョンとミュージカルでタッグを組んだ縁があるためとか。こうして俳優として着実に実力を重ねてきたことへの評価はもちろん、いまの不在の間にも多くのファンを虜にしているチ・チャンウク。イケメン俳優、次世代アクション俳優などといわれてきたが、本人としては、もしかしたらそれは本望ではないのかもしれない。彼の次なるステップを、期待して待っていよう。(text:Reiko Uehara)
2018年05月01日弁護士・湯川久子さん(90)は’57年、29歳のときに福岡市で開業。九州で第一号の女性弁護士だった。それから60年余り。離婚問題や相続問題を中心に、扱った事件は優に1万件以上。卒寿を迎えたいまも現役で仕事を続けている。 湯川さんは’27年、熊本県に生まれた。8人きょうだいの次女で、父はやり手の弁護士、母は専業主婦だった。両親にかわいがられ、無邪気に少女時代を過ごしてきた。ところが10歳になるころ、その天真爛漫な表情に影がさす。母が急逝したのだ。 「前年の末に妹を出産したのですが、産後の肥立ちが悪く、そのまま亡くなってしまった。私はまだ4年生でした」 家の中は、たちまち火が消えたようになった。時を同じくして、日本も暗い時代に突入する。同年、日中戦争が勃発したのだ。 「大人も子どもも皆、日本が絶対勝つと信じてましたよ」 湯川さんが女学校に進学して間もなく、一家は中国・上海に移住。大都会の上海は、戦争景気に沸いていた。しかし、日本の戦況悪化とともにバブル景気は衰退。日本は負け、湯川さんは家族とともに故郷・熊本に引き揚げた。 「戦争に負けたのはショックでしたが、アメリカさんのおかげで日本も男女共学が始まって。私は父に『東京の大学に行きたい』と宣言しました。父は『法学部に行って弁護士か裁判官になるなら大学に行ってよし』と」 湯川さんは中央大学法学部に進学。女子学生は、わずかに4人だった。大学を卒業した湯川さんを待っていたのは、鬼教官と化した父のもとでの、司法試験の猛勉強だった。 「司法試験合格が大学に行く条件でしたからね、1日10時間、机に向かわされました。さらに、福岡の大学の研究室でも勉強を続け’54年、やっと司法試験にパスしました」 この試験勉強の最中に、運命の出会いがあった。 「大学の先生の助手に、ひと目ぼれしちゃったんです」 相手は5歳年上の洋さん。彼もまた法曹界を目指し、司法試験に挑んでいた。湯川さんが司法試験をパスした翌年の夏、2人は結婚。湯川さんは27歳だった。 「でも夫はまだ試験に通っとらんかったから、結婚も『合格するまで待ってくれ』と言われたんやけど、私は『待てん』と答えて(笑)。でも結局、待たんでよかったです。夫はそれから10年受け続けたのに、通らんかった。私と違って頑固なんが、いかんかった(笑)」 やがて長男、長女と2人の子宝にも恵まれた。 「夫は司法試験を諦めてから、恩師の口利きで大学で法律を教えましたが、それまでの10年間は、私が大黒柱。きつかったですよ。新米の私の、弁護士報酬だけですからね」 夫は、イクメンやカジダンとは程遠い“ザ・九州男児”。たとえ収入がなくても家事や育児はしない。弁護士の仕事に加えて、家事育児の一切を湯川さんが担った。 「でも、休日にはドライブに連れて行ってくれたり、いい夫でしたよ。その車ももちろん私が買いましたけど(笑)。友人や親戚に愚痴をこぼすと『それはほれた弱み、しょうがないよ』って、逆に冷やかされました。なんといっても、いい男やけん(笑)」 ’57年、弁護士として開業すると、湯川さんは地元のちょっとしたスターになった。“九州初の女性弁護士”には取材が殺到。地元紙ではコラムの連載も持った。その土地柄か、九州第二号の女性弁護士の登場まで、10年がかかった。湯川さんの30年後輩で、長年の仕事仲間である稲村鈴代弁護士が言う。 「女性弁護士が出始めてから、湯川先生は毎年、女性の新人に声をかけて一緒に仕事をしていました。私もそうやって経験を積ませてもらったんです。母に『湯川先生と一緒にやらせてもらえる』と伝えたら、大喜びでした。先生と同世代の九州女にとって、弁護士第一号の湯川先生は、憧れの存在だったんです」 稲村弁護士は湯川さんの「じっくり聞く」姿勢が、大いに勉強になったと話す。 「離婚の相談に来られる方は、混乱状態にあります。伴侶の浮気発覚の直後だったり、暴力を振るわれていたりで、パニックを起こしている人もいます」 概して、依頼者の最初の相談は、話が堂々巡りになる。 「そんなときでも、じっくりと聞くのが、湯川先生の素晴らしいところ。男性ベテラン弁護士のなかにはそうじゃない方もいるようですが……」 言いよどむ稲村弁護士の言葉を湯川さんが継いだ。 「男性弁護士に『“せからしかね、あんた、さっきから同じことばかり言いよろうが!”と怒られて……』と、泣きながら来た依頼者もおったね」 湯川さんは、同じ話が何度続いても、そのまま語らせる。 「男性は、理詰めの話は上手よ。でも、依頼者は説教を聞きたいわけじゃない。もともと、女の人の話というのは、話が出たり入ったり、いろいろありますでしょ。私はそういう話に慣れているから、ずっと聞いてられるのね。でも、男も女も、依頼者はそうやって、何度も同じ話をしながら、自分の気持ちに徐々に整理をつける。こちらは聞いているだけで、依頼者はおのずと結論にたどり着くとです」 離婚や相続といった“家事事件”では、結論を依頼者本人が出すことが重要と、湯川さんは考える。そして、依頼者の長い話に付き合ったのち、彼女はこう声をかける。「あなた、自分がどうしたいか、もうわかってるじゃない」。 「私たちが先回りして結論を示してしまえば、時間は短く済むかもしれません。だけど、本人が本心から受け入れていなければ、本当に幸せな解決にはならない。だから、まずはこちらが、相手を信用して話を聞く。それが依頼者のかたくなな心を解きほぐす、そう私は信じているんです」
2018年04月23日「あなたも、もっと早う、来とったらよかったのにねぇ」 取材の夜。九州最大の繁華街・天神のステーキ店で、カウンター席に並んで座る記者に向かって、彼女はこう言って笑った。 「90歳を過ぎたら、おしまいね(笑)。もうね、どんどん、忘れちゃうの。だから、私を取材するなら、せめてあと5年、早く来とかな、だめよ」 目の前の鉄板で、200グラムの肉の塊がジュージューと音を立てはじめた。シェフから焼き方を問われると、にっこり笑って、「中くらいで!」。 弁護士・湯川久子さん(90)は’57年、29歳のときに福岡市で開業。九州で第一号の女性弁護士だった。それから60年余り。離婚問題や相続問題を中心に、扱った事件は優に1万件以上。卒寿を迎えたいまも現役で仕事を続けている。 湯川さんの声は、喧騒に包まれる店の中でも、よく通った。湯川さんの趣味は能楽。弁護士になってすぐ宝生流の先生について、「仕舞(踊り)」や「謡(歌)」の稽古を始めた。高じて自宅に能楽の稽古場まで作り、能舞台にも何度も立ってきたほどの熱の入れようなのだ。 張りのある声に、ピンと伸びた背筋……とても90歳には見えない。きれいにそろった白い歯は、すべて自前。少しグレーがかった黒髪も地毛のままで、染めてすらいないという。 湯川さんが弁護士になったのは昭和30年代のこと。男尊女卑が当たり前の時代、なかでもその風潮が強い九州だ。完全な男社会の法曹界に、女性として初めて飛び込んだ苦労は、並大抵ではなかったはずだがーー。 「言ったでしょ。昔の苦労なんて、もう全部、忘れちゃったのよ」 こう言って、ぺろっと舌を出して笑うと、焼きあがったばかりのステーキを、自慢の歯でペロリと平らげた。 湯川さんは’27年、熊本県に生まれた。8人きょうだいの次女で、父はやり手の弁護士、母は専業主婦だった。両親にかわいがられ、無邪気に少女時代を過ごしてきた。ところが10歳になるころ、その天真爛漫な表情に影がさす。母が急逝したのだ。 「前年の末に妹を出産したのですが、産後の肥立ちが悪く、そのまま亡くなってしまった。私はまだ4年生でした」 家の中は、たちまち火が消えたようになった。 「生まれたばかりの赤ん坊を含め、子どもがごろごろおりますから、父は相当困っとったのでしょう。親戚の勧めで、夫を亡くしていた母の妹が、母が死んですぐ、私からしたら叔母が、新しい母になったんです」 継母には2人の子がいた。いとこたちが湯川さんの新しい姉と妹になった。 「新しい母はどこか冷たい感じがしたし、一つ違いの新しい妹は勝ち気で私とよくぶつかって。わがままいっぱいに育った私は、だんだん暗くなっていきました」 時を同じくして、日本も暗い時代に突入する。同年、日中戦争が勃発したのだ。 「大人も子どもも皆、日本が絶対勝つと信じてましたよ」 湯川さんが女学校に進学して間もなく、一家は中国・上海に移住。大都会の上海は、戦争景気に沸いていた。しかし、日本の戦況悪化とともにバブル景気は衰退。日本は負け、湯川さんは家族とともに故郷・熊本に引き揚げた。 「戦争に負けたのはショックでしたが、アメリカさんのおかげで日本も男女共学が始まって。私は父に『東京の大学に行きたい』と宣言しました」 向上心に燃えていたわけではない。折り合いの悪い新しい母や姉妹がいる家から、逃げ出したかったのだ。 「父は私のもくろみを見抜いていたんでしょう。文学少女だった私に、『法学部に行って弁護士か裁判官になるなら大学に行ってよし』と」 家を出ることを優先し、しぶしぶながら中央大学法学部に進学。女子学生は、わずかに4人だった。大学を卒業した湯川さんを待っていたのは、鬼教官と化した父のもとでの、司法試験の猛勉強だった。 「司法試験合格が大学に行く条件でしたからね、1日10時間、机に向かわされました。さらに、福岡の大学の研究室でも勉強を続け’54年、やっと司法試験にパスしました」 この試験勉強の最中に、運命の出会いがあった。 「大学の先生の助手に、ひと目ぼれしちゃったんです」 相手は5歳年上の洋さん。彼もまた法曹界を目指し、司法試験に挑んでいた。湯川さんが司法試験をパスした翌年の夏、2人は結婚。湯川さんは27歳だった。 「でも夫はまだ試験に通っとらんかったから、結婚も『合格するまで待ってくれ』と言われたんやけど、私は『待てん』と答えて(笑)。でも結局、待たんでよかったです。夫はそれから10年受け続けたのに、通らんかった。私と違って頑固なんが、いかんかった(笑)」 やがて長男、長女と2人の子宝にも恵まれた。 ’57年、弁護士として開業すると、湯川さんは地元のちょっとしたスターになった。“九州初の女性弁護士”には取材が殺到。地元紙ではコラムの連載も持った。その土地柄か、九州第二号の女性弁護士の登場まで、10年がかかった。湯川さんの30年後輩で、長年の仕事仲間である稲村鈴代弁護士が言う。 「女性弁護士が出始めてから、湯川先生は毎年、女性の新人に声をかけて一緒に仕事をしていました。私もそうやって経験を積ませてもらったんです。母に『湯川先生と一緒にやらせてもらえる』と伝えたら、大喜びでした。先生と同世代の九州女にとって、弁護士第一号の湯川先生は、憧れの存在だったんです」 昨年秋、湯川さんは長年の弁護士生活で培った生きる知恵を1冊の本『ほどよく距離を置きなさい』(サンマーク出版)にまとめた。すでに12万部を超えるベストセラーだ。湯川さんは本の中で、長生きで得た歳月を「ご褒美の時間」と呼んでいる。それは、「長生きは楽しい」という単純な意味ではない。 「年を取るのは、やっぱりつらいよ。体はしんどいし、聞いたそばから忘れてしまうし。でも、みんなそうなんだから。しょうがないと思えば、大丈夫なものよ。それにね……」 湯川さんは、継母から「長生きのご褒美」を受け取ったという。長年のわだかまりが、継母の晩年に解けたのだ。 「厳格な父の後妻となった継母の苦労は並大抵ではなかったはず。でも、子どもだった私は自分のことばかりで、ずいぶんひどいことも言ったでしょう。それでも、私が司法試験に合格したときは誰よりも喜んでくれた。いまとなっては『母』といって思い浮かぶのは実の母ではなく、2番目の母の顔なんです」 湯川さんは継母にずっと仕送りを続け、時間が許せば顔を見に出かけた。継母が長生きしてくれたおかげで「関係を結び直すことができた」と、湯川さんはいま、とても心穏やかだ。 そして、湯川さんが長生きしたことで、6年前に他界した最愛の夫から、いまも“ご褒美”が届けられている。 「大学教授だった夫の遺族年金に、ずいぶん助けてもらっています。あと4年生きれば、私が養っていた新婚時代と、夫の遺族年金をもらう期間が、おあいこになるとですよ」 こう言って、湯川さんは無邪気に笑う。 「だから私、あと4年は、長生きせんといけんの!」
2018年04月23日人なつこく、素直で、偉ぶらず、素朴。デビュー作で芥川賞を取った若竹千佐子さん(64)は、およそ作家らしからぬ人だ。そんな“平凡な専業主婦”が作家になれたのは、最愛の夫の死の裏に“自由の喜び”を見つけたから。そして、主婦のタブーを小説にした。「人のために生ぎるのはやっぱり苦しいのす」と――。 「不思議、不思議、本当に不思議……いまでも『これは夢だべか?』と思います」(若竹さん・以下同) 昨年、デビューした64歳の新人作家・若竹千佐子さんは昨秋、新人作家の登竜門・文藝賞を史上最年長で受賞。それを機に出版されたデビュー作『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社)は、年が明けると今度は、第158回芥川賞を受賞した。 小説の主人公は、子どもが独立し、夫に先立たれた74歳の“桃子さん”。「どうすっぺぇ、この先ひとりで何如にすべかぁ」と、自らの内側に響いてくる生まれ故郷の言葉たちと向き合いながら、孤独をかみしめる日々を描く。特筆するような事件は、何も起きない。若竹さんいわく「出来事としては、なんもないの、なんにも起こらないんです。ぜーんぶ頭の中だけのこと」。 主な登場人物は桃子さんひとり。頭の中から彼女の本音とも思える東北弁が次々にあふれ出し、本体の桃子さんと、脳内の声たちが、ああでもない、こうでもないと、かしましい議論を交わすのだ。単行本は、すでに50万部を突破。賞の審査員を務めた先輩作家らをうならせ、数多の読者のハートをつかんだ若竹さんのデビュー作は、ミリオンセラーへの道をひた走る。 若竹さんは’54年、桃子さんと同じく、東北は岩手県遠野市で生まれた。本を読むのが大好きだった子ども時代。図書館のたくさんの本が並ぶ書棚に、自分が書いた本も1冊加えたい。小説家になりたい。それが夢だった。高校卒業後は岩手大学教育学部に進学。 28歳のとき、3歳年上の見合い相手で父親が経営する会社を手伝っていた和美さんと結婚。新婚生活は遠野で始まった。長男を授かったが、若夫婦は故郷での暮らしに息苦しさを覚え、’85年に家族は上京。世はバブル景気。夫・和美さんが就いた建築関係の仕事は順調で、生活も軌道に乗り、長女も誕生する。 当時を振り返り、自然と笑みがこぼれる若竹さん。「幸せな家庭の主婦だったんですよ」と何度も繰り返す。 「ただね、ひとりになったときに、ふと寂しくなることがあって……」 徐々に子どもの手が離れ、時間に余裕がでてくると、どこか遠くから声が聞こえてくるような気がした。少女時代は寂しいとき、いつも図書館に行っていた。不惑手前の若竹さんは、寂しさの答えを求め、近所の図書館に通うようになる。そこで心理学や女性学の本に出合い、むさぼるように読んだ。 「私の心根の中に『わかりたい』という気持ちと『わかったことを、面白おかしく表現したい』という強い気持ちがありました。その2つができれば、私は満たされるということが、だんだんわかってきたんです。図書館で読んだ本の中身を私の中に取り込んで、私の血肉にしたい。そして、今度は自分の言葉で表現したい。それはつまり、やっぱり小説を書きたいということだった」 試行錯誤を繰り返し、やっと書きたいテーマが見つかってきた。本腰を入れて小説に取り組みたいと考え始めたちょうどそのころ――57歳の若さで夫・和美さんが急逝する。 「夫は図書館に本を返しに行く、と家を出たんです。でも『肝心の、返す本を忘れてしまったよ』と戻ってきて。それで『もう、忘れんぼなんだから』とかなんとか、冗談言って、2人で笑って、改めて送り出しました。それが最後の会話。その直後、あの人は脳梗塞で倒れてしまって……」 和美さんの生前、2人は近所でも評判のおしどり夫婦だった。現在は会社員の若竹さんの長男(35)は、当時をこう振り返る。 「父の死後、母は放心状態でした。葬儀は私が手配し、なんとか乗り切りましたけど、父が死んでからもかなり長いこと取り乱していましたね。私がいつ実家に帰っても、ずっと泣いてました」(長男) 長男や長女(29)が母を心配するたび、若竹さんは涙をこぼし、こう問いかけた。「ねえ、お父さんは、幸せだったよね?」。そう確かめずにいられなかったのには、理由がある。 「夫が亡くなる直前、小説を本格的に書き始めた私がつねづね思っていたのが……自分のすべての時間を、この小説を完成させるために使いたいということだったんです」 しかし、家事や夫の身の回りの世話など、主婦である若竹さんは夫婦の暮らしの維持に時間を割かなくてはならない。それが、もどかしかった。 「もちろん、夫が嫌いということじゃない。けれど、“私は私で生きたい”と思い始めてたんですよ。そしたらば、夫が突然、死んだ。だから、夫が死んだのは、私がそんなふうに思ったせいなんじゃないかと……」 夕飯の買い出しに出れば、夫の好物に手が伸びる。そのたびに、胸がキリキリと痛むほどの孤独と自責の念に駆られた。その日も、そんな思いにさいまなれた午後だった。 「仏壇の前で、何もやる気がおきなくて、ゴロンと横になって目を閉じたんです。やっぱりめそめそと泣きながらね。どれくらい、そうしていたのかわかりませんが、不意に目を開けたら強い光がバーッと目に飛び込んできたんです。障子の桟のくっきりとした影が畳に延びていました。その光を『わ、きれいだな』と思った瞬間、頭の中にはっきりとした声が聞こえたんです。『自由だ!おらは自由だ!』って」 驚いた。悲しみに暮れるあまり、おかしくなったと思った。そして、ひとりぼっちの部屋で、声に出して聞いた。「誰なの?おめだば、誰だ?」(お前は誰だ?)。心の中の声は答えた。『おらだば、おめだ』(私はお前だ)。 「その直前まで、めそめそ泣いて、ひとりぼっちの寂しさにどっぷりとつかっていたのに。光が見えて、その声が聞こえた途端『そうだ、私は何をやっても自由なんだ!』って。絶望のなか、私は喜んでいる私の心を見つけてしまったんです」 家庭の主婦として、若竹さんは幸せだった。けれど、妻というのは、いわば副班長で、決して班長ではない。夫を立てる応援団として生きていたことを、若竹さんはこのとき、まざまざと知ったのだ。 「人は、本心では、誰も脇役の人生なんて生きたくないんですよ。自分が主人公の、自分の人生を生きたいと思ってる。でも、私の世代の女の人っていうのは、夫のため、子どものために、羽を縮めてるところがある。いくら夫や子どもを愛していても、どこかに『自分はもっと自由に空を飛びたい』という気持ちを持ったまま、自分の羽を小さく畳んでいる。それが、子どもがひとり立ちし、夫が亡くなって、なんでも自分で決めて自分で動かないといけなくなった。それはとても寂しいことだけれども、逆から見れば、自由ということなんです」 夕方6時になっても、まだ好きな本を読んでいられる。本当はあまり好きではなかったテレビの野球中継を消しても、誰にも文句を言われない。そんなささいなことでも、自分で決めたことを自分で実行できる喜びに、若竹さんは気づいてしまった。 「夫が死んだことを『うれしい』だとか『自由だ』なんて言っちゃうのは、タブーですよね。でも、そういう気持ちを抱いた私がいるということを、ちゃんと書いてやろうと思ったんです。そうしないとフェアじゃない。私の心を本当に表現したことにならないから」 自らが主人公の人生を歩む――若竹さんは力強く爽快な宣言とともに、小説家として、第二の人生を歩み始めた。 「小学生のころから『図書館の本棚に私の本が1冊あればいいな』とずっと思ってきました。でも、1冊だけだと倒れちゃうよね。だから、並べても本が倒れない程度に、あと何冊かは、書かなくちゃ」
2018年04月21日「私は今年で漫画家としてデビュー50周年。女性自身さんも今年創刊60周年を迎えるとあって、記念に何かできたらうれしいなと思っていました。そこに届いた原作が本当に面白くって。芸能界や梨園の表と裏、政治、財界、夜の銀座からハリウッドまで登場するスケールの大きさと華やかさ。私が少女時代に夢中になって読んだ漫画そのものでした」 そう語るのは、漫画界の巨匠・いがらしゆみこ氏。名作『キャンディ・キャンディ』から39年。4月24日より女性自身で、4年ぶりとなる週刊連載『エレクトラ!〜罪深き聖女たち』を始めるのだ。 物語は、学生時代の同級生だった女優2人と社長令嬢が織り成す“華やかな復讐劇”。主人公は行方不明になっていた天才子役・遠山エレナ(30)で、親友の松ヶ枝薫子(30)が主演女優賞を受賞した映画賞の授賞式から始まる。 「初めて原作を一読した際、勝手に右手が主人公のエレナを描き始めていたんです」 そう目をキラキラ輝かせるいがらし氏の姿は、デビューした17歳当時の少女そのもの。だがなぜ50周年記念作品の連載を漫画誌ではなく、週刊誌で発表することになったのか。 「展開も早くて、ドロドロありサスペンスあり。現在と過去の事件もからんでいるので、その社会性は週刊誌ネタそのもの。漫画誌よりも週刊誌、特に芸能記事が多い女性週刊誌にはピッタリな連載だと思ったんです」 現在9話まで描き進めているといがらし氏だが、「これは当たる」と手ごたえを感じているようだ。 「展開が面白くて勝手に右手が動いている感覚ですね。心はもう半年先の話が描きたいくらい。私は、この新連載を最後の作品にするようなつもりで挑んでいます。私の漫画作品の中でみなさんの記憶に残る作品に育てあげたいと思っていますね」
2018年04月19日韓国芸能事務所「SMエンターテイメント」が、ペ・ヨンジュン(45)の大株主を務めるマネジメント会社キーイーストを買収したという。3月14日、韓国メディアTV REPORTが報じた。 SMエンターテイメントは、東方神起や少女時代など人気アイドルが所属する韓国最大手のエンターテイメント事務所。韓国メディアTV REPORTによるとSMエンターテイメントはキーイーストの大株主であり最高戦略責任者(CSO)であるペ・ヨンジュンの持株を購入し、買収を進めたとのこと。ペ・ヨンジュンもSMの新株を購入し、SMの主要株主となったと伝えている。 今回の買収を通じてキーイーストは、SMエンターテインメントグループに統合。さらにキーイーストの子会社である日本のデジタルアドベンチャーまで保有することになったという。 またSM新株買収を通じてSMエンターテイメントの主要株主となったぺ・ヨンジュンは、SMグループのマーケティングおよびキーイーストのグローバル戦略アドバイザーとして活動する計画だと報じている。
2018年03月14日スキンヘッドをニット帽で包み、寒そうに駅に向かって歩いていたのは栄和人氏(57)だった。愛知県にある至学館大学(旧・中京女子大学)のレスリング部監督であり、日本レスリング協会強化本部長も務める栄氏。だが、前々日の2月28日から続く報道のために疲れ切っているように見えた。それでも本誌記者が問いかけると、少し笑顔を見せた。 「この騒動には参ったよ。もうヘトヘトだよ。やっぱり私を陥れたいグループがいるんだろうね。そっちのほうが問題だと思うけどね」 金メダリスト6人を育てた“名将”を追い込んでいるのは、2月28日に週刊文春の報道により明らかになった告発状の存在だ。 「内閣府に告発状を提出したのは、貞友義典弁護士です。貞友弁護士は、元五輪出場選手らの依頼を受け、栄氏ら日本レスリング協会幹部たちの“パワハラ”を告発する文書を作成したのです。文書には栄氏らが伊調馨選手(33)の練習場所を不当に奪ったこと、伊調選手が師事しているコーチへ『伊調の指導をするな』といった圧力をかけていたことなどが記載されています」(社会部記者) そもそも栄氏にとって、伊調選手も少女時代から育てた“弟子”だったはず。だが’09年に伊調選手が栄氏のもとを離れ、田南部力コーチ(42)の指導を仰ぐようになってから、その関係は悪化の一途をたどったという。スポーツ紙記者は言う。 「栄氏は独自の指導哲学を持っています。選手たちのために4千万円のローンを組んで一軒家を購入して寮にしたというエピソードはよく知られていますが、行きすぎた愛情になってしまうこともあるようです」 《(選手を)好きにならないと本気で指導できない》と、栄氏はスポーツ紙のインタビューや対談では指導哲学について語っているのだ。栄氏は’93年には臨時コーチとして指導していた10歳年下の女子レスリング選手と結婚。さらに’08年には、またも19歳年下の教え子と再婚している。 「結婚にはいたらなかったものの、栄氏にとっての“最愛の教え子”といえば、吉田沙保里選手(35)でしょうね」(前出・スポーツ紙記者) 再婚から2年後の’10年、栄氏と夫人は至学館大学にも近い新築マンションを購入している。そして、その隣の部屋を購入したのが吉田沙保里選手だった。’16年に栄夫妻はさらに大きいマンションに転居したのだが、同時に隣室を購入したのは吉田選手。8年も隣室に住み続けるという、その師弟の絆には驚くばかりだ。レスリング協会関係者は嘆息する。 「栄氏は昔から嫉妬深いところがありました。教え子が誰かほかのコーチに教えてもらおうとすると激怒するのです。彼は伊調選手が男子選手と練習していることを注意したそうですが、嫉妬にほかなりません。彼のもとを離れた伊調が偉業を成し遂げたのも許せなかったのでしょうね」 本誌が栄氏を目撃した3月2日、吉田選手や伊調選手との関係ついても質問した。 ――吉田選手と、ずっと隣同士で生活しているのはなぜでしょうか? 「昔から吉田は、うちの女房が作った料理を食べているんです。まぁ、家族ぐるみの付き合いということです」 ――伊調選手とは“家族ぐるみ”になれなかったということですか? 「ああ、彼女は大学を卒業した後は、僕のところから出て行って、別の練習場所を求めたから……。僕や吉田とは進む道が違ったのだろうね」 日本レスリング協会からの事情聴取に備えるため、改札口を通るその背中はとても小さく見えた。
2018年03月06日やりたいことができなかったり、物事がうまくいかなかったりしたとき、ついネガティブな思考に陥っていませんか?とはいえ、どんな人にでも自分にしかない才能を秘めているものです。そこで、自らの可能性を信じ続けることで幸せな人生を歩んだ実在の女性を描いた感動作をご紹介します。それは……。『しあわせの絵の具愛を描く人 モード・ルイス』!【映画、ときどき私】 vol. 147絵を描くことと自由を愛する女性モード。幼い頃から重いリウマチを患っており、厄介者扱いされていたが、自立するため仕事を探し始めることに。そんななか、魚の行商を営んでいるエベレットが家政婦を探していることを知り、モードは彼のもとを訪ねるのだった。孤児院育ちで学もなく、頑固者のエベレットとモードというはみ出し者同士の同居生活はトラブルの連続。しかし、いつしか2人はお互いを認め合い、結婚することになる。そんなある日、エベレットの顧客によって絵の才能を見出されたモードは、徐々に評判となり、ついにアメリカのニクソン大統領からも依頼が来るほどの人気となるのだった……。カナダの美しい四季と動物を色彩豊かに描き続け、「カナダでもっとも愛された画家」といわれているモード・ルイス。その魅力を探るため、今回は彼女の波乱と愛に満ちた人生を見事に再現したこちらの方に、お話を聞いてきました。それは……。初来日となるアシュリング・ウォルシュ監督!自身も学生時代にはアートを学んだ経験もあるという監督だけに、同じ女性としても、同じクリエイターとしても、モードに共感したはず。そこで、本作の見どころや日本の女性たちに伝えたい思いを語っていただきました。一般的に、日本ではモードはあまり知られてないようですが、監督の地元アイルランドではいかがですか?監督実は私も全然知らなくて、脚本を送ってもらってから初めて彼女の存在を知ったくらいなのよ。ただ、仲のいい友だちにカナダのアート作品を集めている人がいて、そこには当然彼女の作品も入っているので、作風はなんとなく目にしたことはあったけど、モードだという意識は特になかったわ。では、映画にしたいと惹かれた部分はどこですか?監督脚本を読んだ後、すぐにウェブで検索をしたら、モードとエベレットの2人がドアのところに一緒に立っている写真を見つけたの。私は写真を見るとき、「その裏にあるものはどんなものなんだろう?」と考えるタイプなんだけれど、彼らの写真からはストーリーを感じたのよ。だからそういう意味では、惹かれたところは2人の夫婦としての絆といえるかもしれないわね。でも、それと同時に彼女のアーティストとしての人生にも同じくらい魅了されたわ。しかも、人里離れたあんなに小さな家に暮らしてるなんて。美術館に移築されている実際の家を見に行ったとき、あまりにすごい状況で「これは絶対に映画にしたい!」と思ったんだけど、どうやってこの家を再現しようかと悩んだわ。実際にカナダのニューファンドランド島に家を作ったそうですが、こだわったところは?監督私にとってはリアリティというのがとても重要なこと。だから、もともと4.1m×3.8mだった家を4.2m×4という撮影可能な大きさにして複製したんだけど、それ以上大きくしてしまうと空間のサイズ感が損なわれてしまうと思ったから、そこは意識したわ。ただ、家の内装を4段階に変えなければいけなかったから、プロダクションデザイナーと一緒に何度も美術館に足を運んでは、写真を撮りまくって、サイズを測りまくって作ったのよ!では、できあがった家で撮影をしてみて感じたことはありますか?監督この映画を作るうえで、オープンセットで家を作ったことは最良の選択のひとつといえるわね。なぜなら、ドアを開けたときに吹き込んでくる風や雨といったものが、このストーリーをすごく助けてくれたと思っているからなの。とはいえ、当時と同じような場所を探すのはいまの時代ではすごく難しかったわね。飛行機も飛んでなくて、遠くに高層ビルも映らないような場所じゃないといけなかったから。でも、監督としてすごく重要なのは、「ここが自分の作品を作るべき場所だ」と感じられるかどうか。それを見つけられると、いろんな意味で飛び込んでいくことができるようになるのよ。そんなふうに監督を駆り立てているものは何ですか?監督駆り立てるものは、自分が作るべきだと感じる映画を作り続けることじゃないかしら。この作品も間違いなくそうだったわ。作品によっては、「自分じゃなくてもいいんじゃないかしら?」と思うときはやっぱり何か違うから、自分の作っているものに、惚れ込まなければいけないわね。あと、私は少し怖いなと思っているときのほうがいいものができたりするので、そういうのも必要だとは思っているわ。挑戦でもあるけれど、やっぱり楽しいし、この仕事ができて本当にラッキーだなと感じているからなの。だから、もしこの先1本も映画を作ることができなかったとしても、この作品を作ることができたということは、私にとっては幸せなことだったわ。しかも、この映画を通して、みんなが彼女の作品をまた好きになってくれていることもうれしいわね。この作品を通じて伝えたい思いとは?監督いまと時代は違うかもしれないけれど、自分のやりたいことを貫く強い気持ちを持つということと、それを達成することができるんだということは同じだから、そこを感じて欲しいと思っているわ。ミュージシャンであっても、アーティストであっても、何でもいいんだけれど、夢は叶うんだと信じることをこの映画からインスピレーションとして受け取ってもらいたいわね。モードもつらい少女時代を過ごしていたにも関わらず、自分なりの道を見つけることができたわけだし、読者のみなさんも自分の夢を見つけて、自分の道のりを進んでいく自信を感じるはずよ。それと、たとえ自分が周りとちょっと違っていたとしても大丈夫なんだということも気がついてもらえたらうれしいわね。最後に、ananwebを読んでいる日本の若い女性たちにメッセージをお願いします!監督私の場合は、もちろん運もあったとは思うけれど、「女性だから映画を作るのは無理だ」なんて一度も思ったことはないのよ。だから、何を目指していたとしても、できないと思わないで、できると思うこと。いまは何でもルックスで判断したりするような時代だけど、みなさんは惑わされずに自分の夢を見極めて、叶うんだと信じて欲しいし、そういう部分がこの映画からも伝わることを願っているわ。自分の幸せは自分にしか決められない!さまざまな障害に見舞われながらも、道なき道を自ら切り開いたモード・ルイス。彼女の生き方からは、自分の好きなことを続ける喜びと支えてくれる人への愛、そして何よりもあきらめない気持ちが人生をより彩り豊かにしてくれるものだと感じるはずです。心が満たされる予告編はこちら!作品情報『しあわせの絵の具愛を描く人 モード・ルイス』3月3日(土)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、東劇ほか全国ロードショー配給:松竹©2016 Small Shack Productions Inc. / Painted House Films Inc. / Parallel Films (Maudie) Ltd.“Winter Sleigh” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.“Oxen Team Winter” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.“Snowball” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.
2018年02月28日「アルプスの少女ハイジフェア」が、2018年2月15日(木)から23日(金)まで町田マルイで開催される。以前開催し好評だった「アルプスの少女ハイジフェア」が再びカムバック。期間中は『アルプスの少女ハイジ』の世界観を感じられる商品が大集結する。ハイジと羊のユキちゃんが描かれた真っ赤な陶器にはプリンが入っている。フレーバーはヤギミルク味、とろ生味、かぼちゃ味の3種類だ。このほか、お菓子や陶食器、ぬいぐるみ、タオル、文具、ジグソーパズル、生活雑貨などがラインナップする。また、ハイジのおじいさんであるアルムおんじが、渋さはそのままに軽いノリになった人気のキャラクター“ちゃらおんじ”のグッズも並ぶ。ファンは是非足を運んでみて。【詳細】アルプスの少女ハイジフェア期間:2018年2月15日(木)〜23日(金)場所:町田マルイ 2F JR側イベントスペース住所:東京都町田市原町田6-1-6時間:10:30〜20:30 ※最終日は19:00閉場
2018年02月16日いわさきちひろ生誕100年を記念した「Life展」が、ちひろ美術館・東京、安曇野ちひろ美術館にて、2018年3月1日(木)から2019年1月31日(土)まで開催される。期間中は、様々なアーティストとコラボレーションする。第1回目となる開催は、現代アーティストの大巻伸嗣を迎え、「まなざしのゆくえ」を、ちひろ美術館・東京にて開催。期間は、2018年3月1日(木)から5月12日(土)まで。いわさきちひろの描く"いのち"とはこの世を去ってもなお、愛され続ける日本を代表する画家、いわさきちひろ。生前、少女時代を過酷な戦時下で過ごしたことで、生命や生活の儚さに触れた、いわさきちひろは、"いのち"を映し出した数々の作品を世に残している。その中でも、主にに描き続けたものは、生命力に満ち溢れる赤ちゃんや子どもたちの姿。特徴的なみずみずしい色彩で描かれる作品は、観る者を引きつけ、その生涯を終えるまで、数々の賞も受賞している。「Life展」は、そんないわさきちひろの生誕100年を記念し、新たなプロジェクトとして立ち上げた企画展。「人生、生涯、生活、暮らし方、活気、生きがい」といった、広義的な意味を持つ"Life"という言葉をテーマに、新たな視点から、いわさきちひろ作品の魅力を発信していく。現代美術家・大巻伸嗣とコラボ「まなざしゆくえ」「Life展」の開催のスタートを切る、「まなざしのゆくえ」は、現代美術作家、大巻伸嗣とコラボレーション。草花を象徴的なモチーフのひとつとして描く彼の作品は、"生"と"消えゆくものの儚さ"の両極を捉え、無機質な造形のなかにも、その場に内在するイメージを鮮明に表現する。水彩のにじみを生かして、日常の何気ない生命を描く、いわさきちひろの作品とは、まさに対照的な立ち位置だ。異なるアプローチを行う大巻伸嗣とのコラボレーションだからこそ、いわさきちひろ作品を新たな視点で鑑賞することができる。大巻伸嗣のインスタレーションさらに、大巻伸嗣は、自身が手掛けるインスタレーションによって、いわさきちひろが描いた"いのち"の作品に新たな世界観を加える。期間中は、ちひろ美術館・東京全館を利用し、各フロアで異なるテーマを持った空間を仕掛ける。会場は、水面下に広がる記憶や傷跡、いのちの連なりをイメージした1階部分と、水面上の大海原から広がるイマジネーションの旅をイメージした2階部分に分けて構成。いわさきちひろ作品「まなざし」と共に、来場客を異空間へと誘う。【詳細】いわさきちひろ生誕100年「Life展」展示会期:2018年3月1日(木)~2019年1月31日(土)■「まなざしのゆくえ」大巻伸嗣展示会期:2018年3月1日(木)~5月12日(土)開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日 (※4月30日(月)と5月7日(月)は開館)開催場所:ちひろ美術館・東京住所:東京都練馬区下石神井4-7-2入館料:大人800円/高校生以下無料※10名以上の団体、65歳以上、学生証の提示者は100円引き※障害者手帳所持者は半額、その付添者1名まで無料、視覚障害者無料■ほかコラボレートアーティスト詳細・「あそぶ」plaplax(アートユニット) 2018年3月1日(木)~5月7日(月)/安曇野ちひろ美術館、7月28日(土)~10月28日(日)/ちひろ美術館・東京・「ひろしま」石内都(写真家) 5月12日(土)~7月16日(月・祝)/安曇野ちひろ美術館・「着るをたのしむ」spoken words project(ファッションブランド) 5月19日(土)~7月22日(日)/ちひろ美術館・東京・「子どものへや」/トラフ建築設計事務所(建築家) 7月21日(土)~9月25日(火)/安曇野ちひろ美術館・「みんないきてる」谷川俊太郎 (詩人) 9月29日(土)~12月16日(日)/安曇野ちひろ美術館・「作家で、母でつくる そだてる」/長島有里枝(アーティスト) 11月3日(土・祝)~2019年1月31日(木)/ちひろ美術館・東京【問い合わせ】TEL:03-3995-3001(テレホンガイド)TEL:03-3995-0612(代表)
2018年02月12日(写真:THE FACT JAPAN) 韓国の人気女性グループ・少女時代が31日、各自のインスタグラムで完全体の写真をアップ。昨年10月にスヨン、ティファニー、ソヒョンが事務所との契約満了を理由にグループを脱退して以降、はじめて8人が一堂に会した。 この日は2月に誕生日を迎えるスヨンのお祝いをしたようで、スヨンは自身のインスタグラムに「2月生まれの特権で末っ子が買ってきたケーキでお願いをした」とケーキと8人の集合写真をアップ。 サニーは8人で撮った動画とともに「SONE(ファン)元気かな」「私たちも元気だよ」「久しぶりの完全体」とハッシュタグをつけ、ファンに呼びかけた。テヨンも「私の自慢私のパワー」と楽しそうに映る6枚の集合写真を公開した。 脱退後も事務所の垣根を越えて集まったメンバーに対し、ファンからは「ソシの絆はこれからも永遠」「完全体最強!」「涙溢れてきた」「嬉しすぎて普通に泣いた」と感動のコメントが寄せられている。
2018年02月01日伝説の恋愛SF漫画『電影少女』がドラマ『電影少女‐VIDEO GIRL AI 2018‐』に。乃木坂46メンバー・西野七瀬さんが姿も心も、なりきります!伝説の恋愛SF漫画『電影少女』が初のドラマ化。恋に悩む青年・洋太と、ビデオデッキから飛び出してきた“ビデオガール”の恋を描いた原作。今回はその25年後を舞台に、洋太の甥・弄内(もてうち)翔と天野アイの共同生活が展開する。男子の夢を詰め込んだ美少女・アイ役は、乃木坂46の西野七瀬さん。原作を読んだ時は大胆な露出に思わず「おおぅ…」とのけぞってしまったそう。「肌多めで驚きましたが(笑)、作者の桂正和先生が描く登場人物の女の子が全員かわいくて、質感もリアルでドキドキ!その質感を表現したいから、今はボディクリームで念入りにスキンケアしています」美少女を描かせたら天下一。そんな桂ワールドを完璧に再現したビジュアルも見どころ。例えば素肌にメンズのシャツといった衣装も、原作さながらの萌え具合。なかでも注目は髪型!自慢の髪をばっさり切って、人生初のショートヘアで臨む。「切る時はとにかくワクワク。ハサミの音とともに髪が床に落ちた瞬間、笑ってしまいました。髪型に関しては、ただ原作に近づきたい一心で」と女優魂をのぞかせる。半面、演技の面では戸惑いも。ヒロインの特徴となる男の子言葉と元気なキャラは、西野さんとは真逆のようで…。「アイちゃんは喜怒哀楽がはっきりしていて、翔を振り回してばかりの子。私とは正反対のタイプだけど、いつもよりワントーン高めの声で演じると自然とテンションも上がって、役になりきれるんです」今は慣れない口調のセリフを、自宅の壁に向かって特訓する日々。「お隣に聞こえないよう小声で(笑)。お風呂でも復唱しています」お相手となる野村周平さん演じる翔は、殻にこもった奥手な高校生。そんな思春期男子をどう思う?「じれったいです!原作の洋太同様、もんもんと考えて、結局行動できない人。私が優柔不断だから、男の子にははっきりしてほしい…!女子にはそんな思いも共感して観てもらえたらうれしいですね」ビデオガールは理想の女子であり、人生に悩む人を励ましてくれる存在。もし西野さんが乃木坂46メンバーから、自分のビデオガールを選ぶとしたら?そう尋ねてみると、ふふっと笑って即答。「すぐに(秋元)真夏が浮かんじゃいます。料理上手だし、メンバー同士で出かける時のお店の予約とかもテキパキできる人だから“やってください派”の私は助けられっぱなし。何よりコスプレ好きだから、喜んでやってくれるんじゃないかな?」にしの・ななせ1994年5月25日生まれ、大阪府出身。乃木坂46メンバー。女性誌の専属モデルとしても活躍中。愛称「なーちゃん」。1989年から週刊少年ジャンプに連載された名作を、設定を現代に変えた続編としてドラマ化。普通の高校生・翔とビデオデッキから出てきた美少女・アイの期限付きの共同生活を描く。西野七瀬さん、野村周平さんのW主演。テレビ東京系列、毎週土曜24:20~。(C)『電影少女2018』製作委員会※『anan』2018年1月31日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・大澤千穂(by anan編集部)
2018年01月29日(写真:ロイター/アフロ) 英王室のハリー王子(33)が昨年11月27日に婚約を発表した。お相手は、人気ドラマ『スーツ』でブレークしたアメリカ人女優メーガン・マークル(36)。5月19日、ウィンザー城で結婚式を挙げる2人のため、英国はすでにお祝いムードに。新プリンセスには、世界中の注目が集まっている。 婚約発表後の初公務で持っていた「ストラスベリー」のバッグ、ミディ・トート(日本円で約7万5,000円)はテレビ放送の11分後に完売。婚約発表でまとった「ライン・ザ・レーベル」のホワイトガウンコート(同約7万円)は、販売元のウェブサイトにアクセスが殺到、サーバーがダウンした。いまや、メーガンが着用後に即完売する現象を“メーガンエフェクト”という。 そんな彼女の魅力とは?英国で長く王室を取材してきたジャーナリストの多賀幹子さんが解説してくれた。 ■王室に染まらない!自己肯定ファッション 婚約発表で着用したコートは即完売となったものの、「英王室にふさわしくない」との批判も。ロイヤルファッションに忠実なキャサリン妃のコートは、かっちりベルトを締めるコンサバなスタイルで、ストッキングもマストだ。 「婚約発表時のコートはバスローブのようと評され、素足だったのも批判に拍車をかけました」(多賀さん・以下同) ハリー王子主催のチャリティイベントでは、ダメージデニム姿をパパラッチされた。 「このときも非難されましたが、メーガンさんは揺るぎません。この自己肯定感の強さが、王子を惹きつけているのでしょう」 ■注目上等!パパラッチは有効利用 「“注目を浴びてこそ”と、肯定的にとらえている。パパラッチに追いかけられる宿命の王室には向いているでしょう」 メーガンの強さを象徴するエピソードがある。11歳のころ、食器用洗剤のテレビCMの「アメリカ中の女性がしつこい油汚れと戦っている」という文言を見て、「女性だけが洗い物をすることになっているなんて、おかしい!」と憤慨し、当時のファーストレディ、ヒラリー・クリントンに手紙を書いたのだ。 「少女の手紙に、ヒラリーさんは『あなたの言うとおりです。これからはそんなことのない社会にしていきましょう』という返事を書きました」 この出来事がテレビに取り上げられたことで、CMは「アメリカ中の女性」を「アメリカ中の人々」と改めた。 「『注目を浴び、世の中を変える』という意志は少女時代からあったのです」 パパラッチのレンズに悠然とほほ笑んでいられるのもこの勇気があってこそ。その勇気に、王子はホレているのかも。 ■亡き母を彷彿とさせる熱心な慈善活動 王子はメーガンの中に’97年に亡くなったダイアナ元妃の面影を見ていると考えられる。 「メーガンさんも男女差別の撤廃やインドの少女たちに教育の機会を与える活動に尽力しています。弱い立場の人たちに心を寄せるメーガンさんの姿に、王子はダイアナさんと同じものを見たのでしょう」
2018年01月18日昨年12月19日、さいたま市にある相撲の名門校・埼玉栄高等学校の会場。納谷幸之介さん(17)の入門記者会見には100人を超える報道陣が詰めかけていた。身長190センチ。体重160キロ。圧倒されそうな巨体ながら、その表情はどこか優しくあどけない。 祖父は、あの流行語「巨人・大鵬・卵焼き」の一角を占めた昭和の国民的スター、故・大鵬(享年72)である。父は、元関脇の貴闘力忠茂さん。男ばかり4人兄弟の三男である幸之介さんの、大嶽部屋(前身は大鵬部屋)入門が決まったのである。 幸之介さんは、初場所の前相撲(新入門の力士などによる初土俵の場所の番付を決める取組)からスタートする。大相撲デビューは春場所だが、しかし、なんといっても“大鵬の孫”の注目度は高い。気の早いファンやマスコミからは「白鵬を倒して世代交代を」との声も上がり、この記者会見も、ワイドショーはこぞって大きく伝えた。 日馬富士による暴行事件を発端に、揺れに揺れている現在の相撲界。横綱審議委員会は事件現場にいた白鵬の「横綱の品格」について言及した。 現在の力士と比較してか、「大鵬は、横綱というより王者でした」と話すのは、子ども時代の幸之介さんを指導した相撲クラブ「江東青龍館」監督の森富士夫さん(65)だ。 「どんな力士が相手でも悠然と仕切り線に向かい、相手のよさも引き出し、最後には勝つという横綱相撲でした。連勝記録がかかった取組で、勝ったはずが負けとされても、決して軍配や相手を責めない。それどころか『こんな相撲を取った自分が悪い』と自分を責めた。倒れこんだままの力士には、必ず手を差し伸べる優しさもあった。まさに横綱の『気品と風格』を兼ね備えていました」(森さん) ただ勝てばいいのではない。勝ち方が大事だ--当時の子どもたちはそんな凜とした大鵬の姿に憧れ、大人も夢中になった。 そんな美徳が失われてしまった現在の相撲界。それだけに“大鵬3世”の角界入りは、明るいニュースとして華々しく取り上げられた。記者会見で、「大鵬の孫といわれるプレッシャーは、特にないです」と答えていた幸之介さんには、大物の片鱗がうかがえる。 会見終了後、報道陣から息子との撮影を何度も求められても、大鵬の三女で母の美絵子さん(43)は固辞した。その理由を美絵子さんは、「まだ結果も出ていないし、部屋のおかみさんでもない私が出ていくのはふさわしくないですから」と語る。そして、美絵子さんは勝ち続けても謙虚だった父・大鵬をこう振り返る。 「誰に対しても偉ぶらない人でした。逆に目の前でたばこを吸う人や、横柄な態度の人には、たとえ初対面の目上の人にでも、『あなたね、それはおかしくないですか』と。人を選ばず、言うべきことは言っていましたね」(美絵子さん・以下同) 大鵬は現役時代から老人ホームや児童養護施設へ支援活動をするなど、チャリティ活動にも熱心だった。’69年からは30年にわたって浴衣の反物などを販売し、その収益を元に、日赤に血液運搬車を毎年2台ずつ寄贈。弱者をみれば放っておけない優しさがあった。 とはいえ、少女時代の美絵子さんは、多忙な両親のもと、「構ってもらえない」寂しさがいつもあったという。 「外に出れば、『大鵬の娘だ』といろいろ言われるし、父も、自分の娘だということで私たち姉妹が優遇されるとすごく怒るんです。大相撲も桝席で見たことがない。私は、うちでゲームばかりしていましたね。部屋のお相撲さんたちが優しくて、居心地もよかったんです」 前相撲は見に行かないという美絵子さんだが、息子に託したいことがある。 「父は、たたき上げで横綱になり、どんなときも人として礼儀を忘れませんでした。息子にも、人間的に応援したいと思わせる力士になってほしい。正々堂々と相撲を取ってほしい」
2018年01月12日戦後の大スター・越路吹雪の波乱万丈の人生を綴る、帯ドラマ劇場「越路吹雪物語」が、1月8日(月・祝)より放送スタート。この度、そのナレーションを同じく宝塚歌劇団で男役トップスターとして活躍した真矢ミキが務めることが決定した。今回、ドラマのナレーション初挑戦となる真矢さんは、「非常に光栄です。台本が面白く、自分がナレーションだということを忘れて一気に読んでしまいました」とコメント。また、ナレーションを担当する上で最も大切にしたのは、“ヒロインへの愛しい思い”だそうで、「人よりも何十倍も何百倍も好奇心いっぱいな少女時代の越路さんが、本当にかわいらしくて…。そんな愛しさや温もりを込めて読みたいなと思いました。戦争が影を落とす時代の物語でもあるので、歴史的な事実については感情をこめずに淡々と読むべきなのかもしれませんが、越路さんの熱、明るさ、力が感じられるようにナレーションを入れたいなと考えました」と語り、収録中は監督と声のトーンについて確認しあいながら、作品のナビゲーションを務めたという。宝塚退団後、しばらく不遇の時代があったと言う真矢さん。そのとき越路さんの活躍にヒントを求め、越路さんの映像を借り集めて片っ端から鑑賞したそう。「好きすぎて困る越路さんを、これまた大好きな大地さんが演じられるなんて…本当に困ってしまいます。ナレーションを担当するのに当たって第1話を拝見しましたが、冒頭のステージシーンからたまらない空気が流れてきました!」と興奮気味に語る。ドラマの見どころについては、「越路吹雪さんをご存知の方もそうでない方も、古きよき時代にこういうスターが存在したという“灯”が心にともると、とても楽しいと思います。時代によってスターは変わっていくのでしょうが、“不動とはこのことよ”という力強さが感じられますし、どんな時代もパイオニアとして発信してきた人は魅力的。そういうことがひとりでも多くの皆さんに伝わると思うとうれしくて仕方がないですね。いま私の心は、少女時代の越路さんのように躍っています!」とコメントを寄せている。ドラマは、昭和の歌姫・越路吹雪(本名・河野美保子、愛称“コーちゃん”)がたどった波乱万丈の人生と、盟友の作詞家・岩谷時子との濃密な友情を綴っていく物語。“落ちこぼれ”といわれた宝塚時代、生涯の友・時子との運命的な出会い、戦争を乗り越えた2人が新しい歌の世界を切り拓き、二人三脚でトップスターへと駆け上がっていく軌跡。昭和という激動の時代を背景に、誰もが耳にしたことのある名曲の数々をちりばめながら、華やかなるものの“光と影”を紡いでいく。そんなヒロイン・越路さんの青年期を瀧本美織が、絶頂期を大地真央が演じる。帯ドラマ劇場「越路吹雪物語」は1月8日(月・祝)より毎週月~金曜日12時30分~テレビ朝日にて放送。再放送は毎週月~金曜日7時40分~BS朝日にて放送。(cinemacafe.net)
2018年01月05日第21回ファンタジア国際映画祭にて「最優秀アクション賞」を受賞した、2017年上半期韓国動員数ナンバー1メガヒットアクション『コンフィデンシャル/共助』。この度、本作で主演を務め、スタイリッシュなアクションを披露しているヒョンビンの場面写真が、いち早くシネマカフェに到着した。『愛してる、愛してない』『王の涙 イ・サンの決断』や、「シークレット・ガーデン」で日本でも圧倒的人気得るヒョンビンが本作で演じるのは、上司の裏切りにより妻と仲間を殺され、復讐に燃える北朝鮮の最強エリート刑事イム・チョルリョン。公開された場面写真では、まず史上初の南北“共助捜査”に挑んだチョルリョンと刑事カン・ジンテ(ユ・ヘジン)のはずが、なぜかチョルリョンがジンテに手錠をかけられている場面が収められている。早くも仲間割れ…!?と思わせる一枚だが、続いて2枚目では、車にしがみつくシーンが切り取られ、派手なアクションで傍若無人にソウルを駆け回るチョルリョンを止めるには、こうでもしないといけないのかも。そして、熱血刑事ジンテの勇ましいシーンも公開。銃の玉をすべて落としてしまう(!?)まさかのミスの後、銃を片手に敵を威嚇!果たして、このピンチをどう切り抜けるのか…。また、今年10月に突然死去したキム・ジュヒョクの姿も。本作ではチョルリョンを裏切る上司ギソンを演じ、第1回ザ・ソウルアワードの助演男優賞を受賞した。さらに、チョルリョンに一目惚れするジンテの姪ミニョン役の「少女時代」ユナの場面写真も公開。チョルリョンに色々な手でアプローチする一生懸命なミニョンの姿には、思わず応援したくなるはず。ほかにも、ヒョンビンが低い姿勢で銃で狙うシーンや、敵を追いかけ街を激走する場面も公開された。『コンフィデンシャル/共助』は2018年2月9日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年12月22日「シークレット・ガーデン」『愛してる、愛してない』『王の涙 -イ・サンの決断-』のヒョンビンが、ハリウッド級のアクションに挑むことでも話題の『コンフィデンシャル/共助』。このたび、本作の日本公開日が2月9日(金)に決定、待望の予告映像と本ポスターが到着した。本作は、ヒョンビンと名優ユ・ヘジンが南北の境を超えてコンビを組み、“共助捜査”を行うアクション・エンターテインメント。2017年上半期韓国映画動員数ナンバー1となり、第21回ファンタジア国際映画祭で最優秀アクション賞を受賞している。このたび到着した予告映像では、北朝鮮と韓国の“共助捜査”の素となる緊迫の北朝鮮での冒頭シーンからスタート。そこには北朝鮮の制服姿のヒョンビンが、裏切り者の上司役で今年10月に急逝したキム・ジュヒョクと対峙する姿が。そして、ヒョンビン演じる北朝鮮のエリート刑事イム・チョルリョンとユ・ヘジン演じる韓国の熱血刑事カン・ジンテが韓国で出会うシーンへ。静と動、水と油のような彼らが挑む“南北共助捜査”が幕を開ける!制限時間3日間の中でイムは激走!飛び蹴り!ド派手なカーチェイス!そんなイムに翻弄されながらも、カンは徐々に最高の相棒として戦いに挑んでいく。そして今回の予告映像で注目は、カンの義理の妹役で出演する「少女時代」のユナの姿。本作ではカン宅に居候中のユナ演じるパクが、家にやってきたイムにひと目ぼれ!あの手この手で彼にアプローチ!予告の最後には彼女がイムに対して「かっこいい~」とメロメロになっている姿が。全女子の言葉を代弁する萌えシーンで締めくくられている。また、同時に解禁となった本ポスタービジュアルでは、北と南で真逆なタイプの2人の刑事がそれぞれ銃を構え、“世界の運命は、北と南の刑事に託されたー。”の文字があしらわれ壮大な戦いを彷彿とさせている。この史上初の型破りな“南北共助捜査”に挑む2人のりりしく、男らしい表情が印象的。北のエリート刑事と南の熱血刑事が繰り広げるハリウッド驚愕のアクション・エンターテインメントに期待が高まる仕上がりとなっている。『コンフィデンシャル/共助』は2018年2月9日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月20日うちのダメ夫
あの日、私はいじめの加害者にされた
私の愛すべき家族