夏の帰省時は実家の片付けをするチャンス。これから実家の片付けを始めようと思っている方が参考になるよう、具体的なプロセスやちょっとしたコツをご紹介します。【準備編】 【実践編】に続き、2日間かけて取組んだ実家の片付け。いよいよ「完結編」です。■ 45リットルのごみ袋が15袋も!両親と筆者の3人で行った片付けは、とても実りのあるものでした。ごみの量は45リットルの袋が15袋とカゴや突っ張り棒!これらがほぼクローゼット内に収められていたことに家族一同驚くばかりでした。おかげで3か所のクローゼットはスッキリし、妹と赤ちゃんが使う部屋のクローゼットに関しては、空きスペースをたっぷりと確保できました。ハンガースペースを全幅確保!下段は何もなし!【片付け前】無造作収納の掃除用具【片付け後】コロコロ&ワイパーはヒモとS字フックで吊り収納実家の片付けレポート最終回は、小さな工夫や気配りで片付けを成功させる秘訣をご紹介します。■ 昼食、おやつの準備と時間の確保はマスト!おさらいになりますが、片付けは日中におこない、作業時間は多くて5~6時間にとどめておきましょう。意識して準備したいのは、昼食とおやつやお茶の支度です。Fuchsia / PIXTA(ピクスタ)片付けに注力できるよう、温めるだけなどの簡単な食事が良いでしょう。作らない場合は事前に買っておけばすぐに食事ができ、作業で疲れた気持ちとお腹を満たしてくれます。デリバリーを頼むのも良いですね。ちなみに筆者は片付けの日、朝食後にポテトサラダを作り置き。ピザトーストを焼いてワンプレートランチにしました。昼食の時、午後はこの場所をやろう、などと打合せを兼ね親が疲れていないかを忘れずに確認しましょう。母は疲れたようなので、午後は愛犬と見守り役にさらに、おやつの時間を設けることもオススメです。お茶やおやつを口にしながら小休止することで、もうひと踏ん張りできますよ。おやつタイムに母がいつもより高級なコーヒーゼリーを用意してくれました。■ 親のパーソナルスペースには口を挟まないのも気配りこれまで成功談を記してきましたが、実は母と揉めそうになったシーンが2回ありました。1度目は「もう着ない服を処分するか決める時」。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)母のコート類を整理していた時、30年物のコートが出てきました。母は何年も着ていないけれど、気に入っていたので処分できないと言います。着ないものは処分したほうが良いと思った筆者はそのことを母に伝えたのですが、思いきれない様子。母は久々にコートに袖を通して見せてくれましたが、今の母の体型には大きすぎると思い、率直に「サイズが合っていないよ」と言いました。ですが、母はこの先いつか着る!と強く思っていたため処分せずに残すことにしました。2度目は片付け2日目の出来事。リビングにあるサイドボードを片付け中に、空き缶とノートに挟んだ書類が大量にあるのを発見してしまいました。母に聞くと、支払い明細書や家計簿代わりに残しているレシートの束でした。母は家計簿を付けていませんが、「とりあえず」レシートを残しています。筆者が「家計を管理できているなら家計簿をつける必要はないので、レシートはどんどん処分したらどうか」と提案しましたが、母は捨てたくないようでした。「着ない服を捨てない」「要らない書類を捨てない」という、どこのご家庭にもありがちな些細なことですが、これらは母の「パーソナルスペース」であることに気がつきました。実家には十分に置けるスペースがあったので、母の思いを尊重しその後の管理は母に任せることにしました。近しい間柄だとついつい踏み込み過ぎてしまいますが、個々の心のスペースは適度な距離を取るのが大切だなと強く感じた出来事でした。■ 実家の片付けは余白を残し、この先どうするかは親にゆだねるのも手farmer / PIXTA(ピクスタ)キッチンにいる時間の多い筆者の母。収納に関してお直しポイントをすでにたくさん見つけている筆者ですが、今回キッチンはあえてノータッチ。それは、クローゼット収納の見直しを通じて、母自身にベストな収納方法を少しでも見つけてもらえたら良いなと考えていたからです。事実、母はキッチンに「赤ちゃん関連グッズ置き場」をひとまとめに作り、洗面所の棚の一部を空けて妹のコスメを入れるコーナーを設けるなど、自ら工夫して収納しています。大掛かりな片付けを敢行したことで、母の片付け力は確実に向上しています!いかがでしたか。高いハードルと思われがちな実家の片付けですが、家族が一緒ならきっとクリアできるはずです。家族みんなが健やかに暮らすためにも、この夏トライしてみることをオススメします。
2018年07月25日夏の帰省時は実家の片付けをするチャンス。これから実家の片付けを始めようと思っている方が参考になるよう、準備から作業の手順、処分品まで一挙公開します!前回に続き、2日間かけて取組んだ実家の片づけ。今回は親のお悩みを解消しながら収納スペースを片づける「実践編」です。■ 住む人が使いやすい収納を考えよう筆者の実家は3LDKのマンション。5年前に一部リフォーム済みなので、年季の入った家具はすでに処分しています。大型家具の処分は、事前に自治体へ処分の申込が必要なので、帰省前に親御さんに手配してもらうなどの段取りが必要になります。筆者の実家の見える部分はとてもスッキリ片付いています。しかし、各部屋のクローゼットが今ひとつ機能的でないと感じていた筆者。今の収納法で「使いづらくないか」両親に聞いてみたところ、「出しにくい、使いにくい」と即答。ここで実家にありがちな収納パターンを下記にまとめてみました。モノがカテゴリー別に収納されていない掃除用具を取り出しにくい場所に収納している客布団が出し入れしづらい未開封の贈答品、不用品が収納スペースで幅をきかせているみなさんのご実家にも当てはまることはありませんか?筆者が定期的に整理していますが、なかなかキレイをキープできません。それは両親が悪いわけでなく、実家のライフスタイルに合っていないのです。その家に住む人が使いやすく、リバウンドしない収納にすることが重要です。では実際に、実家の困った収納を解決する方法をご紹介していきます。■ 客用布団、掃除機、孫のおもちゃ…。スムーズな出し入れを考えて収納!画像は実家のメインのクローゼットです。リフォーム前は押入れで現在も上下に仕切りがあります。実家のメインのクローゼットの問題点は2つ。1. 客用布団が出し入れしづらい2. 奥行きがあるため、ついつい奥にものを押し込んでしまう順番に解決していきます。実家の客用布団は現在2組。布団は筆者が月1回泊まる程度なので、普段は1組しか使いません。毎回父と2人掛かりで布団を出し入れし、意外と手間のかかる作業でした。片づけにあたり、クローゼット内部を観察すると、上段の脇に布団をちょうど1組置けそうなデットスペースを発見。布団を立てれば入るかも?筆者は2組の布団を一箇所にしまうよりも、1組だけ出し入れしやすければ良いと考えました。そのことを親に提案し布団の配置換えの許可がおりたので布団を移動。デットスペースに出番の少ない布団が1組収まりました。モノの配置を大きく変えたい場合は、小さなことでも親に相談するのがオススメです。お互い気持ちよく作業できるよう、住人である親の意見を尊重しながら進めてくださいね。配置換え後、布団の出入れがとても楽になりました。不用品の処分もしたので、意外に重い愛犬の「トイレシート」や、別室にあった掃除機を下段に収めることもでき、掃除機があった場所には床置きの健康器具を収めてどんどん良い収納サイクルが生まれてきました!■ 備え付けの棚以外に平置きしないルール作りに着手次に、とりあえず奥に見せたくないものを押し込んでしまうのを止める策として、備え付けの棚以外に平置きしないルール作りに着手。筆者が譲ったセリアのPlentyBoxは「孫の小さなおもちゃ箱」に変身しました。以前はまさかのレジ袋収納でした専用箱に入れることで甥や姪のお片付けが身に付くかもしれない、と期待を込めたアイデアです。未開封の贈答品は譲るか、手間でなければリサイクルショップへ持っていきます。自分が使えそうなモノは遠慮なくいただきましょう。今回の片づけで筆者がもらった品々。祝儀袋を溜め込むのは実家あるあるの1つですね■ 作業員は子ども、親は監督兼助手?軽作業は親に協力してもらおう実家の片づけは役割分担が大切ですが、重労働を親に任せるのは禁物です。今回、吊り下げ収納とハンガーを買ったので、パッケージ剥がし、ゴミ袋用意、ゴミの分別などの軽作業は父にお願いしました。筆者はクローゼットの入れ替え作業を進めながら、手の空いた父に「文具」の仕分けを依頼。左のペン立てに収まった文具以外は処分同時に母にはメイク道具の仕分けを依頼しました。事前に筆者のメイク道具画像を見てもらい、使うものだけを選んでもらいました手前が残すメイク道具。母が常々「重い」と嘆いていた箱も処分して半分以下になりました。「いつか使うもの」「予備」「使わないもの」に分けてもらい、同じものが重複していることに二人とも驚きながら、どんどん仕分けしてくれました。筆者は作業中何度も「今使うもの」「今必要な物」と今という事を連呼していた気がします。片づけることは、「今」という日常をより大事にすることなのかもしれません。次回は実家の片付けが上手くいくための小さな工夫やヒントをご紹介します。
2018年07月23日片付けを続けていると、作業がマンネリ化してくることもあるかもしれません。最初の頃は綺麗になっていくお部屋にテンションが上がっていたのに、一度綺麗になったお部屋を「キープする」のが難しい。目に見えた変化が起こらないというのは、モチベーションが上がりにくいですよね。そんな時に試してもらいたい、簡単なテクニックがあります。■ 人間の感情は操作できる?体を使って心を操る方法。ドイツのフリッツ・シュトラックという社会心理学者が、大学生を対象にある実験を行いました。それは「漫画を読んでもらって、面白さに点数をつけてもらう」というものです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)非常に単純な実験ですが、ひとつだけ変わった点がありました。鉛筆を用意して、被験者全員に口でくわえてもらうのです。masa / PIXTA(ピクスタ)学生を2つのグループに分けて、鉛筆のくわえ方を変えてもらいます。Aグループ…鉛筆を横にくわえるBグループ…鉛筆の先をくわえるすると、Aグループの学生の方が「この漫画は面白い!」と判断したのです。同じ漫画を読んだにもかかわらず、なぜ違いが出てしまったのでしょうか?■ 鉛筆をくわえると、口はどうなる?理由は、鉛筆をくわえる動作をしてみると分かります。実際にくわえなくても良いので、くわえた時の口の動きを再現してみてください。Aグループのように横にくわえると、「い」の発音をしている口になります。ICHIMA / PIXTA(ピクスタ)Bグループのように先をくわえると、「う」の発音の口になりますよね。polkadot / PIXTA(ピクスタ)それは、そのまま「楽しんでいる時(笑っている時)」と「不満がある時(すねている時)」の表情そのものなんです。■ 表情が先か、心が先かこの実験から分かるのは、「同じ作業でも、笑顔でやると楽しく感じてしまう」ということ。しかも「鉛筆をくわえる」というのは、「感情を伴わない完全な作り笑い」です。hanack / PIXTA(ピクスタ)それでも、人は「楽しい」と感じてしまうんです。古くからある「笑う門には福来る」ということわざは、実は心理学的にも証明されていたんですね。■ せっかく片付けをするなら、笑顔でやるだけで本当に楽しめる!片付けがマンネリ化してきたら、「音楽を聴きながらやる」「新しい掃除の方法を試す」というのも面白いでしょう。ただ、今すぐにできて効果抜群の方法も思い出してください。それは「笑顔でやる」ということ。kou / PIXTA(ピクスタ)単純なことですが、同じ作業でもきっと楽しめるようになるはずです。【参考】※クラウス・ベルンハルト『敏感すぎるあなたへ緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』
2018年07月22日自宅の片付けがある程度できてくると次に考えたいのが実家の片付け。実家に帰った時、キッチン、水回りや至る場所で「こうしたほうが良いのに」と片付けのお直しポイントを見つけることはありませんか。今回は筆者が実家帰省中に2日間かけておこなった「実家の片付け」の体験レポートです。これから実家の片付けを始めようと思う方が参考になるよう準備から作業の手順や処分品まで一挙公開します!■ 片付けによい時期や期間は?Blue flash / PIXTA(ピクスタ)片付けの時期は、これから始まるお盆休みや9月のシルバーウイークがオススメです。冬は寒いので体が動きにくく、リビングに「こたつ」「ストーブ」などの暖房器具が出ていると生活動線が悪くなり、作業中つまずいて怪我をする可能性があります。さらに「片付けを一度の帰省で終わらせる」と意気込むのはオススメできません。モノを大切にする親世代はモノが多いケースが大半で、1日で完結するのは厳しいと思います。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)片付けは体力と気力を消耗しますので、「1~2日間」「作業時間は1日最大5時間程度」を目安におこなってください。それ以上作業すると、自宅へ戻った時に疲れが出てしまいます。また、帰省中の外出は家族にとっても楽しみのひとつなので、無理なく片付け計画をしてください。また、5月のゴールデンウイークも活動しやすい時期なので片付けによい季節です。■ 「ライフスタイルの変化」が片付けのタイミング実家の片付けは親御さんにとって、「大イベント」として受け取る方が多く、「引っ越し」や「年末の大掃除」以外に大がかりな片付けの必要はないと考える方が多いと思います。kou / PIXTA(ピクスタ)しかし、どんなご家庭にも下記のようなことがきっかけでライフスタイルの変化が訪れます。子どもの独立親御さんの定年退職介護子どもの出産前後の里帰りペット趣味(はじめる、やめる)などライフスタイルの変化と共に身の回り品が増えたり、不要なものが出てきます。筆者の実家の場合、妹が出産後の里帰り中です。里帰り予定の2か月前、両親に「妹と赤ちゃんが来て荷物が増えるのでクローゼット内の整理をしてはどうか」という提案をしました。「片付け」という言葉を聞くだけで両親は「大変そう」と尻込み気味でした。そして、母から「クローゼットに入らなかったら床に置けばよい」との声がありました。【片付け前】両親の寝室(健康器具の床置き発見!)妹の部屋と他の部屋を日に何度も行き来する母や妹を思い浮かべると生活動線である床にモノを置くことは賛成できない筆者。特に慌てやすい母が転倒でもしたら……と思うと、スッキリした部屋は必要不可欠だと感じました。【片付け前】帰省前の妹の部屋(赤ちゃんグッズがスタンバイ)床に整頓せずにモノを置くことは、家族が転倒するなど室内事故の原因にもなるので、老後の家庭内事故のリスクについても話し合うことをオススメします。■ 収納グッズや片付け方法の成功体験をシェアするのがコツ片付けを提案した際、親にお気に入りの収納用品や片付け方法を事前に伝えました。例えば「ニトリの省スペースハンガーで統一したら、収納スペースが増えた」「カバン専用ホルダーを付けたら、散らかりにくくなった」など、取り入れて上手くいった収納用品や方法をシェアすると、親が片付けに興味を示してくれました。実家用に買ったニトリのハンガーとバッグホルダー会話だけでは想像しにくい場合、実際に自宅で使っている様子を事前にスマートフォンで撮影し、画像を見てもらうとよりイメージしやすいと思います。いかがでしたか。画像のようにメインクローゼット収納の入れ替えが完成しました。【片付け前】遠目だとキレイですが、出し入れ困難品が多数……【片付け後】上段はバッグホルダーで仕切りました。右が父用、左が母用次回は実際の様子やポイントをご紹介します。
2018年07月19日「フット・イン・ザ・ドア」という言葉を聞いたことはありますか?直訳すると「ドアの中に足」という意味ですが、ビジネスの現場で頻繁に使われる心理学テクニックです。たとえば、セールスマンと顧客の交渉の場面。顧客の承諾を得る確率を、一気に引き上げる方法があるとしたら……。こんな話、自分と関係ないように思えますよね。いえいえ、実は片付け習慣を身につけるためにも効果があるんです。■ イメージは訪問販売?ドアの中に足を入れたら勝ち!スタンフォード大学の社会学者であるスコット・フレーザーとジョナサン・フリードマンによって、こんな実験が行われました。戸建住宅を訪問して、庭に「安全運転をしましょう!」という看板を設置させてもらえるよう家主に依頼します。森さん / PIXTA(ピクスタ)グループAいきなり看板の設置を依頼する。グループB「カリフォルニア州を美しく保つ」という嘆願書に署名してもらう→2週間後に看板の設置を依頼する。グループC「安全運転するドライバーになろう」という小さなシールを玄関先に貼らせてもらう→2週間後に看板の設置を依頼する。それぞれの家庭で看板を設置させてもらえた確率は、以下の通りとなりました。グループA:17%グループB:50%グループC:76%この差は、一体なぜ起きたのでしょうか?■ 「小さなお願い」を承諾すると、「大きなお願い」も断りにくくなる「あなたの家の庭に看板を設置させてください」というのは、心理的になかなかハードルの高い依頼です。ところが、前もって簡単に承諾できること(嘆願書への署名や、玄関先のシール)をやってもらうと、ハードルの高い依頼も受け入れてもらえる確率が上がるということが分かっています。wizard / PIXTA(ピクスタ)「小さなイエス(承諾)を積み重ねると、大きなイエス(承諾)を得やすくなる。」これが、「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックです。営業や交渉など、相手の承諾を得ることが必須とされるビジネスの現場では非常によく使われています。■ 自分に使っても効果がある?人間心理の不思議な現象!実は、このテクニックは自分自身に使っても効果があります。「片付けするの面倒だな……」と思った時は、まずは一瞬で完了する作業をしてみましょう。倒れている本を戻したり、テレビのリモコンの位置を整えたり。tadamichi / PIXTA(ピクスタ)「やらないよりは、やった方がマシ」という程度の、呆れるくらい簡単な作業で大丈夫です。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)そして、自分に「もう少しだけ片付けできるかな?」と聞いてみましょう。いきなり「片付けしなきゃ……!」と思って動き出すよりも、「やってみよう」と思う確率が上がるはずです。「頭で分かっていても効果がある」というのが、心理学の不思議なところ。面倒な時は、小さなお願いを自分にしてみる。ぜひ、実践してみてください。【参考】※ロバート・チャルディーニ『影響力の武器[第二版]-なぜ、人は動かされるのか-』
2018年07月11日「今月は頑張ったから、自分へのご褒美に新しいバッグ買っちゃお!」というシチュエーションを、あなたも経験したことがありませんか?片付け習慣についても、モチベーション維持のために「自分へのご褒美」を設定している方もいらっしゃるのではないでしょうか。よく耳にする、「自分へのご褒美」という方法。これは心理学的に見て効果があるのでしょうか?■ 「自分へのご褒美」で幸福度はどのくらい持続する?オランダにあるブレダ応用化学大学にて、ジェーレン・ナウィンという研究者が興味深い発表をしています。旅行を計画している被験者を対象に、旅行前から旅行後にかけて「どれくらい幸福度を感じているか」を調査しました。cba / PIXTA(ピクスタ)通常、私たちは「楽しい経験をするため」「満足感を得るため」に旅行に出ます。ということは、「旅行のあとの方が、幸福度も高く長続きする」と考えたくなります。しかし研究によると、一概にそうとも言い切れないということが分かったのです。■ 人間は忘れっぽい?幸福度も例外ではない旅行前後の幸福度調査では、以下のような結果が得られました。計画段階では平均8週間、幸福度が高い状態が続く旅行終了後にはすぐに幸福度が元に戻る(最長でも2週間しか続かない)なんと、旅行から帰ってきてしまうと幸福度はすぐに通常の値に戻ってしまうというのです。それに比べると計画している時には平均8週間、2か月も幸福度が持続するということが分かりました。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)つまり「自分へのご褒美」は、「ご褒美自体を想像している時」がもっとも幸福度が長く続くということです。これを、片付け習慣を身につけるためにうまく使うにはどうしたら良いでしょう?■ 思いつきのようなご褒美は無意味かも。ご褒美は計画的に。毎日片付けを続けるのが辛くなる時もあるでしょう。プラナ / PIXTA(ピクスタ)そんな時には自分へのご褒美を設定してあげると、続けるモチベーションが維持しやすいのは確かです。ただ一つ、注意点があります。それは「あらかじめ計画しておく」ということ。「なんだか最近やる気が出ないし、頑張ってきたご褒美にバッグでも買っちゃおうかな」では、意味がありません。そのご褒美の幸福度は瞬く間に消えてしまい、モチベーションの維持には役立ちません。せっかくご褒美を設定するのであれば、2か月先の予定に組み込んでみましょう。bwinds / PIXTA(ピクスタ)そうすれば、その間にも幸福度が高い状態が続いてモチベーションも高まるはずです。KAORU / PIXTA(ピクスタ)自分へのご褒美は、衝動的にではなく計画的に設定していきましょう。【参考】※『図解 モチベーション大百科』(池田貴将・著)
2018年07月08日「やる気があればできる!」「気持ちが大事!」何かに取り組もうとしたとき、こんな言葉をかけられたことはありませんか?例えば、学生時代の部活動や会社でのプレゼン準備などで、先輩や上司から喝を入れられた経験がある方も多いでしょう。「やる気」というのは魔法の言葉で、まるですべての問題を解決してくれそうな響きがあります。この「やる気」とは、一体なんなのでしょうか?■ 当然、やる気は大事!でも、やる気とは何かを考えてみると……。「やる気」とは、具体的に言えば「意思力」です。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)一般的に「あの人は意思の力が強い」という使われ方をしていますね。この「意志力」をさらに詳しく説明すると、「自制心(セルフコントロール能力)」ということになります。通常、意思の力が必要なのは、次の2つの場面です。やりたいことを我慢するやりたくないことをやる「お腹が減っている時に、美味しいものを食べる」という場面では、意思の力は必要ありませんよね。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)「お腹が減っているのに、美味しいものを我慢する」ときにこそ、「自制心」という意思の力が必要になります。では、この「自制心(セルフコントロール能力)」というのは、無限に引き出せるものなのでしょうか?■ 目に見えない「自制心」の仕組みを解明した、意地悪な実験。フロリダ州立大学の心理学者であるロイ・バウマイスターは、学生を対象にちょっと意地悪な実験を行いました。「味覚の調査をします」と言って集めた被験者を、2つのグループに分けます。そして、目の前に美味しそうなクッキーを置きます。Aグループ:クッキーを食べてもらい、その後パズルを解く。Bブループ:クッキーを我慢してもらい、その後パズルを解く。ささざわ / PIXTA(ピクスタ)ちなみに、実験では絶対に解けないパズルを使いました。そして「どのくらいの時間パズルを解こうと努力したか」を計測します。その結果は、「自制心(セルフコントロール能力)」の正体を明らかにしてしまいました。■ 体力と同じく消耗する!「自制心」は使えば使うほど減ってしまう。Bグループの被験者(クッキーを我慢した人)は、Aグループ(クッキーを食べた人)に比べて、パズルに取り組んだ時間が60%近くも短くなったのです。utoi / PIXTA(ピクスタ)なんと半分以下……。Bグループの中には、実験中に文句や愚痴を言う学生も多かったそうです。このように「何か(クッキー)に対して自制心を消耗すると、まったく別の何か(パズル)に対して自制心を保てない」という現象は、「自我消耗」と呼ばれています。つまり、人間の自制心は無限ではないということです。個人差はありますが、使い続ければいずれなくなってしまうものなんですね。■ 片付けられないのは、他の何かを我慢しすぎているからかも。片付け習慣も、身につけるには「自制心(セルフコントロール能力)」が必要です。それは一般的に「やる気」と呼ばれていますが、実験が明らかにしたのは「やる気」の量にも限りがあるということ。なかなか片付けに手がつけられない方は、どこかで「やる気」を使い切ってしまっていませんか?A_Team / PIXTA(ピクスタ)「ダイエットしている」「仕事がハードな時期」などの場合は、「やる気」の残高が底をついているのかもしれません。そんな時はまず優先順位をつけて、「やる気を片付けにも残しておける環境を整える」ということを意識してみてはいかがでしょうか。【参考】※ロイ・バウマイスター『WILLPOWER 意志力の科学』
2018年07月04日片付け習慣を身につけようと思って頑張っていても、どうしても長く続かない。そんな悩みを持っているのは、あなただけではないはずです。「ひょっとしたら、私は片付けに向いていないのかも?」と思っている方に、お伝えしたい心理学の理論があります。ペンシルベニア大学のポジティブ心理学センターにてセンター長を務める、マーティン・セリグマンの研究から導き出された「学習性無力感」という理論についてのお話です。■ 片付けが長続きする人と、長続きしない人にはどんな差がある?あなたの周りで、片付け上手な人はいますか?mits / PIXTA(ピクスタ)その人は、もしかしたら片付け習慣をうまく身につけられたのかもしれません。テキパキと片付けをこなしていて、しかもそんなに苦労しているようにも見えない。そのような人と、片付け習慣が身につけられない人の差はどこにあるのでしょうか?■ 不気味な実験が明らかにした、人間の学習理論。1960〜1970年代にかけて、前述した心理学者のマーティン・セリグマンによってある心理学の実験がさかんに行われました。以下のような、少し不気味な雰囲気を帯びた実験です。被験者をグループ分けして、2日間に渡ってわざと大音量の不快な音楽を聞かせます。GARAGE38 / PIXTA(ピクスタ)そして目の前にボタンを置いておくのですが、被験者には何のボタンかは説明しません。ボタンの役割は次の通りになっていました。Aグループ:押すと音楽が止まるボタン。Bグループ:押しても音楽が止まらないボタン。音楽を流し始めると、Aグループはすぐにボタンの役割に気づきます。そしてボタンを押して、不快な音楽を止めることができました。Bグループの被験者もとりあえず押してみるのですが、音楽に変化がないのでそのまま我慢し続けます。■ ここからが実験の本領発揮!あなたならどうする?翌日にも、やはり被験者に大音量の不快な音楽を聞かせます。すると、今度はグループごとに行動に違いが見られました。Aグループ:ボタンを押して、すぐに音楽を止める。Bグループ:ボタンを押そうとせず、ただ我慢し続ける。Bグループの被験者たちは「押しても、どうせ止まらない」と、諦めてしまっていたのです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)実はこのとき被験者には内緒で、Bグループのボタンも押せば音楽を止められるように付け替えてあったんです。押せば不快な音楽を止められるのに、押そうとしなかった。これが、マーティン・セリグマンによる「学習性無気力」という理論を実証した実験です。■ 全員がボタンを押さなかった……わけではない!ところが、Bグループの被験者のうち2日目にもボタンを押した人もいました。0120 / PIXTA(ピクスタ)話を聞いて分析してみると、「挫折は一時的なもので、いずれ克服できる」という楽観主義的な傾向が強かったそうです。割合としては3分の1程度とのことなので、「意外と多いな」という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。「私はボタンを押さない方だろうな……楽観主義者とは違う」と思っても、悲観するのは早すぎます。誰でも楽観主義的な考え方を身につけられる、簡単な方法があります。■ 片付け習慣を身につけたいなら覚えておきたい、「楽観主義的」な考え方とは?片付けは毎日できれば理想ですが、普通に生活していればできない日も当然でてきます。そんな時は「今日できなかった」と落ち込むのではなく、「次にできるまでに何日かかるか」に目を向けてみましょう。例えば、忙しくて10日間片付けができなかったとしましょう。悲観的に考えれば「10日も片付けをサボってしまった私はダメ人間だ……」となりますが、こう切り替えて考えてみます。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)「最後に片付けをした日から、何日で復帰できるかな?」そして見事片付けに復帰できたら、「11日目に復帰できた!」と自分を褒めてあげます。これが12日だろうが、30日だろうがあまり関係ありません。大事なのは「いつ復帰しようかな?」と、片付け習慣への復帰を前提にして考えることです。■ 「片付け習慣を身につける」というボタンを押し続けてみる。あなたが片付けをできなかった日というのは、たまたま片付けができなかっただけなのではないでしょうか。それをつい「もう片付け習慣は身につかないんだ」と考えがちです。それはあなたが悪いのではなく、単純に人はそういう習性を持っているというだけのこと。片付け習慣を身につけた人たちだって、最初から今まで1日も欠かさず片付けをしてきたとは限りません。kou / PIXTA(ピクスタ)そして「1週間くらいできなかったけど、今日はやってみよう!」と、何度もチャレンジしてきたのかもしれませんね。散らかった部屋の中で、あなたの目の前に用意された「片付け習慣を身につける」というボタン。Graphs / PIXTA(ピクスタ)もしかしたら、昨日までの「片付け習慣は身につかない」というボタンと入れ替えられてるかも。今日のボタンは効果があるのか、押してみるまで分からないと思いませんか?【参考】※マーティン・セリグマン『学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論』
2018年07月03日忙しい毎日を送る中で、片付け習慣を身につけるのは難しいものです。とくに子育て中の方や共働きの方などは、不意に発生する用事も多いですよね。子どもが熱を出したり、仕事のトラブルで帰宅が遅れたり……。そんな時には、「片付けをしよう!」というやる気自体はあっても、「なんでだろう?結局できなかった……」ということもあるのではないでしょうか。「やる気がないわけではないが、なぜかできない」という現象が起こる原因と、その対策をお伝えします。■ 「なぜかできない……」その原因は、やる気不足ではありません!アリゾナ州立大学で心理学とマーケティングの名誉教授をしている、ロバート・チャルディーニという学者がいます。彼によると、「やる気がないわけではないが、なぜかできない」ということは誰しも頻繁に起こるそうです。ダイエットをしているのにレストランでデザートを頼んでしまったり、運動のために階段を登ろうと決めたのにエレベーターを使ってしまったり……。Key West / PIXTA(ピクスタ)こうなってしまうのは、まだまだやる気が足りないからでしょうか?一概にそうとも言い切れないという、興味深い心理実験の報告があります。■ 薬物中毒患者にも効果抜群だった!「〇〇したら、〇〇する」作戦アメリカでは薬物中毒が深刻な社会問題となっており、中毒患者の更生施設もたくさんあります。施設では退院後の就職のために職務履歴書を書くように勧めていますが、なかなかうまくいきません。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そこで、以下のような実験が行われました。Aグループ:「職務履歴書を書いて下さい」とだけ伝えます。Bブループ:「昼食後に食堂の席が空いていたら、そこで職務履歴書を書いてください」と伝えます。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)つまりBグループには、職務履歴書を書くために必要な条件を付け加えたのです。■ 心理学の実験でも稀に見る大差をつける結果にただ「職務履歴書を書いてください」と伝えただけのAグループは、一人も書きませんでした。いつでもどこでも書けるにもかかわらず、一人も書けなかったのです。ただ、この結果自体は被験者の属性を考えれば不思議ではないかもしれません。驚くべきはBグループです。「食堂の席が空いていたら」と条件を加えるだけで、なんと8割の被験者が職務履歴書を書くことができたのです。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)■ 日常の動作の一つをスイッチにして、記憶を呼び起こす。「やる気はあるが、なぜかできない」その理由は、単に忘れているだけ。より具体的に言うと、「行動するのに適切なタイミングを逃しているだけ」の可能性が高いとロバート氏は分析しています。日常の中で適切なタイミングを逃さないように捕まえれば、物事は習慣化することができます。たとえば、「朝食を食べてお皿を洗ったら、すかさずハンディモップを持つ」「夜の歯磨きを終えたら、そのまま水回りを掃除する」という具合です。mits / PIXTA(ピクスタ)片付けは、空いた時間を使ってやろうとするとついつい忘れがち。日常の動作に組み合わせて、「〇〇したら、〇〇する」という一連の流れで覚えてみましょう。そうすれば、難しく思える片付け習慣も意外とすんなり習慣化できるかもしれません。【参考】※ロバート・チャルディーニ『PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間』
2018年06月25日片付けを進めようと思っても、手につかないこともありますよね。「自分でやろうと決めたのに、今日もダメだったなぁ……」こんな日が続くと、片付けのことを考えること自体が嫌になってしまいます。今回はそんな悩みを抱える人の多くに共通する片付けが陥りがちな問題点と、ビジネスやスポーツの現場でも積極的に取り入れられている「目標勾配仮説」からその対策を解説します。■ 片付け初心者が陥りがちな大きな間違いとは?まず、片付け習慣を身につけようと考えた時のことを思い出してみましょう。その時、あなたはどんな気持ちでしたか?雑誌で素敵なお部屋の写真を見た直後かもしれませんし、誰かが遊びにくると決まったタイミングだったかもしれませんね。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)そんな時には、やはりテンションが上がっているものです。そしてその状況では、人はどうしても思い切った目標を立ててしまうことが多いのです。片付けでいえば「この写真みたいなお部屋を目指す!」とか、「友達に羨ましがられるようなお部屋にしよう!」といった感じでしょうか。つまり、現状からゴールまでの距離があまりにも遠すぎるのです。■ 1世紀近く前から実証されている「目標勾配仮説」とは?1884年にアメリカのニューヨーク州で生まれた心理学者のクラーク・ハルは、若くして腸チフスやポリオに感染してしまいます。一命はとりとめますが、視力の低下や肢体不自由といった後遺症が残りました。しかし、彼は学者としての半生を諦めることはありませんでした。SK Photo / PIXTA(ピクスタ)他人から見れば過酷な状況ですが、その中でも彼は「人のモチベーションはどこから生まれるか」という研究に没頭します。そして数ある心理学の中でも非常に有名で、現在でも有効性が証明されている研究を発表しました。これは「目標勾配仮説」と呼ばれ、ビジネスやスポーツの現場で積極的に取り入れられています。■ 「もう少しで目標達成だ!」という感覚が行動意欲を刺激するこの仮説を分かりやすく一言で言うと、「人は目標までの距離が近くなるほど頑張れる」ということです。逆に言えば、「目標までの距離が遠すぎると頑張れない」ということにもなります。有名な24時間テレビのマラソンの例を考えてみましょう。「24時間で100キロを完走する!」と言うと、とてつもなく困難な作業に思えます。imacoconut / PIXTA(ピクスタ)しかし、こう言い換えてみるとどうでしょう?「普通の速度で24時間歩く」人の歩行速度は平均で時速4〜5km程度。つまりこれは、計算してみるとほぼ同じことを言っています(24時間×5km=120km)。Kazpon / PIXTA(ピクスタ)つまり、休憩時間を考慮しても実は小走り程度で十分クリアできる目標なのです。丸1日寝ずに歩くのは確かに大変ですが、「平均で1時間に5キロ歩けばゴール」と考えてみれば自分でも実践できそうな気がしてきませんか?これが、目標を小分けにした時の効果です。■ 意欲が湧きやすくなる「スモールゴール」とは片付けも同様で、「この部屋を見違えるように綺麗にしよう!」というよりも「まずはテレビボードの周辺を整頓しよう」という方が達成意欲が湧いてきます。このように小分けにされた目標は「スモールゴール」と呼ばれています。先の例で言えば、人によっては「テレビボード周辺」というのも少し大きすぎるかもしれません。kouchan / PIXTA(ピクスタ)もっと細かく、「今日はビデオデッキが入っているスペースを掃除する」「明日は引き出しの中身を確認して、いらないものを捨てる」という目標でも十分です。「綺麗なお部屋」という大きな目標を達成するためには、達成意欲の湧きやすい「スモールゴール」の積み重ねが大事だということを意識してみてはいかがでしょうか。【参考】※Ran Kivetz『The Goal-Gradient Hypothesis Resurrected』
2018年06月18日「片付けをしたい気持ちはあるんだけど、なかなか手がつけられなくて……」という相談をいただくことがあります。この記事を読んでいただいている方にも、身に覚えはないでしょうか?片付けの本を読んだり、道具を買ってみたり……。だけど、いざ片付けをしようとなってもなかなか重い腰が上がらない。そんな時に参考になる心理学の実験が、スタンフォード大学の心理学者であるエイモス・トベルスキーによって行われました。片付けのような作業を進める際に使える、「当たり前のようだけど、実は忘れがち」なテクニックをお伝えします。■ つい忘れがちな「期限」。これがないと片付けは始まらない?「片付けを習慣として身につける」というのは、長期間にわたる作業になります。もしあなたが、「いつも使っているデスクの上を片付けよう」と思ったとします。すると、「今日の夜のうちにやってしまおう」という計画も立てやすいですよね。しかし、これがダイニングルームの場合には事情が変わります。たとえ大掃除のように丸一日かけたとしても、なかなか満足に片付けることができない人も多いはず。しかも、日々の暮らしの中で実践していくには数日〜数週間かけて一部屋を片付けるというケースも多くなります。FUTO / PIXTA(ピクスタ)こんな時に、つい忘れてしまうもの。それは「期限」です。■ 「期限」の効果を明らかにした、スタンフォード大学の実験とは?前述のスタンフォード大学で行われた実験では、学生を2つのグループに分けて、各自レポートを提出してもらいました。Aグループ:無期限で提出を受け付けたBグループ:期限付きで提出を受け付けたtkc-taka / PIXTA(ピクスタ)この2つのグループを追跡調査すると、レポートの提出率に明確な差が出ました。「無期限の方が好きなタイミングで取り組めるから、提出率は高くなるのでは?」と考えたくなりますが、やはりそこは心理学の実験。直感に反する、意外な結果が得られました。■ いつでもできることは、いつまでもやらない!それが人の心理上記の実験では、提出期限がないAグループは25%の学生がレポートを提出しました。これに対して、期限を設けたBグループではなんと66%もの学生がレポートを提出したのです。freeangle / PIXTA(ピクスタ)この種の「期限の有無による目標達成度」を比べる実験はいくつか行われていますが、どれも同様の結果が得られています。レポートの提出に限らず、割引クーポンの使用率でも同様の結果になりました。無期限のクーポンは使用率が低く、期限付きクーポンの方が高い確率で使用されました。これらの実験で判明したのは、「人は期限を設けていないことには時間を使えない」ということです。言い換えると、「いつでもできることは、いつまでもやらない」のが私たち人間の性質なのです。■ もちろん片付けにも応用できる、ジャンル不問のテクニック!期限を設けることを、心理学用語では「ピリオダイゼーション」と呼んでいます。スポーツ選手のトレーニング目標などにも使われているため、体育会系の部活動に所属していた経験がある方は聞いたことがあるかもしれませんね。このテクニックは、短時間で終わる作業よりも長期間にわたる作業にこそ効果的です。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)当然、レポートやトレーニングだけでなく片付けにも効果は抜群。たとえば「今月の31日までにダイニングルームを整頓する」というように、期限を明確に決めることで行動に移せる可能性が高まります。自分自身で期限を設ける「ピリオダイゼーション」というテクニック。「ここまでやったら終了」という明確な終わりが見えにくい片付けですが、期限を区切ることを意識すればきっと習慣化もしやすくなるはずです。【参考】※池田貴将『モチベーション大百科』
2018年06月07日散らかっているお部屋にうんざりして、「ちゃんと片付けなきゃ」と思う時ってありますよね。そんな時、あなたならどうしますか?「よし、今日から片付けをするぞ!」と意気込んで掃除用具を買いに行ったり、まずはインターネットで掃除方法を調べたり……。でも、ちょっと待ってください!このように「やるぞ!」という心構えでは、作業の途中で挫折する傾向が非常に高いということをご存じでしょうか?今日はアメリカにあるイリノイ大学の研究者、イブラヒム・シネイの実験により判明した意外な事実をご紹介します。■ なぜ片付け習慣は身につかず、途中で挫折してしまうのか床に散らかった週刊誌やホコリだらけの部屋を見て、あなたはすぐにでも片付けを始めたいかもしれません。Pinkomelet / PIXTA(ピクスタ)しかし、片付けを日々の習慣として身に付けたいのであれば、少し落ち着いてください。実は、これまで意識してこなかった習慣を身につけようとするときに、多くの人がやってしまいがちな行為があります。それは「よし、やるぞ!」という気合いを入れる行為であったり、「わたしは必ずできる!」という自己暗示のような決意を固める行為です。ところが、この「気合いを入れる」「決意を固める」という行為は、心理学的には無意味であることが実験により分かったのです。■ 決意の無意味さをあぶり出した、驚きの実験結果イリノイ大学にて、イブラヒム・シネイ氏はアナグラム(文字を入れ替えて単語をつくる課題)を用いた実験を行いました。タカス / PIXTA(ピクスタ)被験者はAグループとBグループに無作為に分けられます。Aグループ:「僕はやるぞ!」と気合いを入れて、決意を固めてもらいます。Bブループ:自分自身に対して、ある質問をしてもらいます。この2つのグループでは、なんとBグループの方が1.5倍も多く問題を解くことができたのです。この実験により、「決意を固める」という行為が心理学的にいかに無意味かという結果が判明しました。ではBグループの被験者には、一体どんな質問を自分自身に投げかけてもらったのでしょうか?■ たったひとつの質問で、結果がまったく変わる!実験で判明した事実は、もちろん片付け習慣を身につけるためにも応用できます。そのためには、無理に気合いを入れる必要はありません。ひとつだけ、自分自身に質問を投げかければいいんです。その質問は、とても簡単。タカス / PIXTA(ピクスタ)「わたしは、片付け習慣を身につけることができるだろうか?」という質問です。ちなみに前述の実験で、問題を1.5倍多く解けたBグループが自分自身に問いかけたのは「僕はこの問題を解けるだろうか?」という質問でした。一見したところ、なんとも気弱な感じがしますよね。なぜ、このたったひとつの質問が効果を発揮するのでしょうか?■ 自分の脳から、最大限の効果を生み出すその理由は、疑問形式の問いかけに対して人は反射的に「問いに対する回答」や「実行するための戦略」を脳内から引き出す性質があるためと考えられています。つまり片付け習慣でいうと、このような流れです。elise / PIXTA(ピクスタ)「わたしは片付け習慣を身につけることができるだろうか?」という質問をした直後から、「いつ片付けるか」「どうやって続けるか」ということを脳が勝手に考え出すということです。「気合いを入れる」「決意を固める」と行った行為では見えてこない、「現実的な手段」を考えるきっかけになるのが「わたしは、〇〇できるだろうか?」という質問なんですね。片付け習慣を身につけたいあなたも、がむしゃらに意気込むより、ぜひこの質問を自分自身に問いかけてみてください。きっと、良いスタートが切れるのではないかと思います。【参考】※ダニエル・ピンク『人を動かす、新たな3原則』
2018年06月02日綺麗なお部屋をキープするためには、片付け習慣を身につけることがとても大事。でも時には「面倒だな〜」と感じてしまって、思うように片付けが進まない日もあるでしょう。そんな時には、「どうして片付けをしたいのか」ということを振り返ってみるのも大切なことです。これは、習慣化を扱う書籍などではお馴染みとなっている「目的を再認識する」「初心に戻る」という作業です。ところが、この作業は一歩間違うと逆効果になってしまうことはあまり知られていません。今回は、心理学の実験で判明した「正しい片付け習慣の身につけ方」をお伝えします。■ どうして片付けをするの?その理由を書き出してみよう!xiangtao / PIXTA(ピクスタ)あなたが片付けをしたい理由はなんでしょうか?「友人を招いても恥ずかしくない部屋にしたいから」という人もいれば、「いつも探し物が見つからなくてイライラするから」という人もいるでしょう。この「目的や動機」を思い出すのが、冒頭にお伝えした作業です。Mr.Jub / PIXTA(ピクスタ)用意するのは紙とペンだけでOK!パソコンやスマホのメモ機能でも良いのですが、実物の紙に書いた方が頭の中が整理されるという研究があります。できれば紙とペンを使いましょう。■ 「理由や動機は、数が多いほど良い」というのは間違った思い込み清十郎 / PIXTA(ピクスタ)いざ書き出してみると、パッと思いつくのは2つか3つ程度の人が多いのではないでしょうか。もしかしたら、1つしか思い浮かばない人もいるかもしれませんね。でも、そこで「動機がこれだけしかないなら、そもそも自分は片付けなんてしたくないのかも……」とは思わないでください。これは「理由や動機は、数が多いほど良い」という、間違った思い込みが原因なのです。ましてや、「理由をもっとたくさん探さなきゃ!」と考えてはいけません。それを実証する、興味深い実験をご紹介しましょう。■ 課題は多いほど良いわけではない!? 経営者対象の実験で出た意外すぎる結果とは?saki / PIXTA(ピクスタ)ペンシルバニア大学の組織心理学者であるアダム・グラント氏は、会社の経営者を集めて2つのグループに分けました。そして、「自分の会社の強みを書き出す」という課題を与えます。Aグループには、強みを3個だけ書いてもらいます。そして、Bグループには12個書いてもらいました。そして課題を終えたあとに、「自分の仕事にどれくらい満足しているか」というアンケートを取りました。繰り返しになりますが、彼らは全員が会社の経営者。当然ながら、自社の強みについてたくさん書けた方が満足度が高くなりそうだと予想できます。ところが、結果は意外なものでした。■ 数が増えると、「書き出したもの」が重要に思えなくなる。polkadot / PIXTA(ピクスタ)なんと、自社の強みを3個だけ書き出したAグループの方が、12個書き出したBグループより仕事に対する満足度が10ポイント中で平均2.5ポイントも高くなったのです。理由としては、「人は直感的に思い浮かぶもの以外にはあまり価値を見出せない」ということがあるようです。つまり、12個も書いていくうちに「うちの会社の強みって、大したことじゃないかも……」と感じてしまったということです。これを片付けに当てはめて考えると、次のようなことが言えます。■ 最初に思いついた数個の動機を、何度も思い出して大切にする。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)部屋を片付けるのに、いくつも理由や動機を考える必要はありません。それどころか、数が多すぎると逆効果であることも心理学の実験で分かっています。なので、最も効果的なのは「パッと思いつく理由や動機を、何度も思い出す」ということなのです。あなたは、どうして部屋の片付けをしようと思ったのか。Graphs / PIXTA(ピクスタ)片付けが面倒になってきた時は、紙とペンでその理由を書き出してください。2〜3つあっても良いですし、1つだけでももちろん大丈夫!その1つだけの動機を忘れないようにすれば、きっと片付け習慣も身につけることができます。【参考】※THE WALL STREET JOURNAL.『あなどれない「手書き」の学習効果』※アダム・グラント『ORIGINALS誰もが「人と違うこと」ができる時代 』
2018年05月30日突然ですが、あなたの隣に今日からダイエットをしたいと考えている友人がいるとします。その友人があなたに向かって「わたし、今日からダイエットするね!」と宣言すると、友人は実際にダイエットに成功する確率が高くなるという話を聞いたことはありませんか?これは心理学者のクルト・レヴィン氏が提唱した「パブリック・コミットメント」と呼ばれる行為で、「周囲の人に向かって目標を宣言すると、達成率が高くなる」というものです。自分の目標を達成するために他人の目を使うというのは、心理学では常套手段です。今回はパブリック・コミットメントについて解説します。■ 実は危ない?使い方によっては逆効果になる、諸刃の剣xiangtao / PIXTA(ピクスタ)この「パブリック・コミットメント」は、もちろん片付けの習慣化にも応用できます。周囲の友人や同僚に「最近は部屋の片付けを頑張っている」「1日10分は部屋を片付けるようにしている」と公言するだけで、習慣化できる可能性が高くなります。しかし実は、このテクニックには大きな落とし穴があります。■ 人間の思考回路は、想像するだけで満足してしまう!?A_Team / PIXTA(ピクスタ)片付けの習慣化を公言すると、「頑張ってね!」「私も見習わなきゃ」などと言われることもあるでしょう。片付け習慣を身につけようと思っても挫折する人が少なくないので、おそらく前向きな言葉を投げかけられるのではないでしょうか。すると、意外なことが起こります。なんと「片付けが得意な自分」というイメージが先行してしまい、実際に片付け自体をしなくても満足してしまうケースが出てくるのです。■ 一人暮らしで、部屋に他人を招く機会がない人は要注意polkadot / PIXTA(ピクスタ)「片付け」というのは、自分以外に成果を検証しにくい目標です。一人暮らしで、かつ部屋にあまり人が来ない方の場合は、誰からも「嘘じゃん!」と突っ込まれずに済んでしまう可能性もあります。このような場合は、本当に自己満足で何もせずに終わってしまうことも考えられます。おもしろいことに、これも「パブリック・コミットメント」を提唱したのと同じクルト・レヴィン氏によって「代償行為」という名称で証明されています。では、どうすれば他人の目を上手に使いながら実際に片付けを習慣化することができるのでしょうか。■ SNSでリアルタイムで見せることも有効!zak / PIXTA(ピクスタ)想像するだけで満足してしまうという現象を避けるためには、「リアルタイムで、具体的に伝える」というのが有効です。この条件が揃ってこそ、「パブリック・コミットメント」が本来の効果を発揮します。しかし、部屋の片付けは一人ですることが多い作業。なかなか他人にリアルタイムで見ていてもらうことはできません。SNSで片付けの進捗状況を発信するのも一つの手段ですが、「片付けはしたいけど、部屋を見られるのは嫌だ」という方もいらっしゃるでしょう。そこで、筆者が一番オススメする方法をご紹介します。■ 電話に出られない理由と一緒に、片付け習慣を公言する!Graphs / PIXTA(ピクスタ)以前に「20秒の我慢がポイント!? 心理学を応用した片付け習慣・その1」でお伝えした、スマホの位置を工夫する方法と組み合わせてみてください。スマホを離れた場所に置いておくと、当然その間は電話に出たりLINEに返事を返すことはできません。そこで、友人などに「最近は片付けを習慣化するためにスマホをその時間は遠ざけているから、○時〜○時は電話に出られない」とあえて公言しておくといいでしょう。■ LINEの機能を上手に使うのも、手軽でオススメ!shimi / PIXTA(ピクスタ)もしくは、LINEのひとこと機能や自己紹介にその旨を書いておくのも手軽なのでオススメです。さらに余裕があれば、「今日はキッチンの掃除をしている」「いま、リビングの掃除をしています」と書いてもいいでしょう。具体的であればあるほど効果的です。こうすることで、「友人や同僚は、今の時間帯は私が片付けをしていると思っている」という意識を持つことができます。すると、実際に片付けをしなければならないという感覚が強まるのです。これが、「パブリック・コミットメント」の正しい使い方です。他人の目を上手に使うのも、片付け習慣を身につけるには大切です。使い方によって、良くも悪くも片付け習慣に効果を与えてしまう「パブリック・コミットメント」というテクニック。ぜひ、良い効果を得られるように使ってみてください。【参考】※ロバート・チャルディーニ『影響力の武器』※Derek Sivers『Keep your goals to yourself.』これまでの記事をよむ「心理学を応用した片付け習慣」・その1「20秒の我慢がポイント!?」・その2「片付けた場所を写真に撮ると効果的って本当?」
2018年05月25日「片付けを習慣にして、綺麗な部屋を目指そう!」と思っても、なかなか一朝一夕にはできないのが現状です。「私はなんでできなのか…。そもそも片付けができない人間なんだろうか。」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。前回は、片づけが、つい先延ばしになる原因を解説しました。今回は、ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビール教授が発表した「進捗の法則」を参考に、片づけの習慣に応用できる方法を紹介。原因解消には、モチベーションの維持と進捗状況の確認が秘訣のようです。プラナ / PIXTA(ピクスタ)■ 片付けは続けることが一番大切!心理学に基づく「続けるテクニック」とは?kou / PIXTA(ピクスタ)気分が落ち込んでしまうと、片付けそのものに対するモチベーションが低下してしまいます。結果として、お部屋は散らかったままに。モチベーションはさらに下がるという、まさに負のスパイラルです。そこで、ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビール教授が発表した「進捗の法則」という考え方に基づくテクニックをご紹介します。片付けは「一度の作業ですべて綺麗になる」というものではないので、日々続けるためのモチベーションが一番大事。モチベーションを維持するための、効果的な考え方を身につけましょう!■ どこに意識を向けるかで全然違う!モチベーションを維持する秘訣とは?TATSU / PIXTA(ピクスタ)「今日も片付けをするぞ!」と思うと、つい「今から片付ける場所」に目を向けがちです。片付けるべき場所は、リビングのソファ周辺や脱衣所の棚の中など、考えただけでもたくさんあります。そうなると、やっぱり片付けをするのが億劫になりますよね。そんな時は「今から片付ける場所」ではなく、「すでに片付けた場所」に意識を向けましょう。最初は書類や郵便物が散らばって手狭になっていたダイニングテーブルが、今では食事だけで広々と使えるようになっている。使いかけの備品が散乱していた洗面所が、必要最低限の物だけになってすっきり整頓されている。そんな「すでに片付けをした場所」に注意を向けてみてください。そうすると、「最初から考えれば、少しは片付いたかな。よし、続きをやろう!」という気持ちになれるのではないでしょうか。■ 目標に対しての「進捗状況を実感」できると、モチベーションが上がる!タカユキ / PIXTA(ピクスタ)これは、「目標に対してどの程度の進捗状況かが把握できると、人の生産性は高くなる」という理論に基づいています。登山やマラソンで「ゴールまで残された距離よりも、今まで進んできた道のりを振り返ったほうが楽になる」という経験をしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。片付けも一緒で、「すでにこれだけの場所を綺麗にできた」という感覚を持つことができれば、手付かずの場所の片付けに対してもモチベーションを上げやすくなるのです。■ 片付けた場所を、成果として写真で記録しよう!freeangle / PIXTA(ピクスタ)「進捗の法則」をより効果的に利用するのにオススメなのは、「小さな範囲でもいいから、片付けた場所を写真に撮る」ということです。誰かに見せるためではなくて記録用なので、スマホのカメラでも十分です。そして、片付けのモチベーションが下がりそうな時に振り返ってみてください。きっと「よし、他の場所もやってみよう!」と思えるはずです。少なくとも、「片付けられない自分」というマイナスな考えに悩まされる心配はありません。注意点としては、そのままスマホいじりに熱中してしまわないこと!それは前回の記事を参考にしてみてください。そこだけ注意していただければ、写真に撮っておくという方法にはもう一ついい効果があります。■ 人間は忘れっぽい!なので、写真であとから振り返ることができるようにしようさわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)いくら片付けをしっかりしても、暮らしているうちにお部屋はまた散らかっていくことがあります。時間が経ってからまた片付けようと思っても、「ところで、前回はどんな風に片付けたんだっけ?」と記憶が曖昧になっていることもあるでしょう。そんな時でも手元に写真データがあれば、どこに何を収納するのかすぐに思い出せます。あるいは、前回よりも効率の良い収納方法を思いつくかもしれません。つまり、過去の自分を参考にできるということです。せっかくの片付けの機会を一度きりのものにせず、毎回アップデートしていくことができるんです。【参考】※テレサ・アマビール『マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力』
2018年05月14日「お部屋の片付け、習慣にしたいなぁ……」と思っているあなたにも、こんな経験がありませんか?polkadot / PIXTA(ピクスタ)いざ片付けをしようと思ったところに、ちょうどLINEの着信が……。返事をした手で、そのままなんとなくFacebookを開いて友達の投稿に「いいね!」をしたら、「そう言えば、行ってみようと思っていたレストランのランチ、明日もやってるかしら?」と気になり始めてGoogleを起動。ついでにTwitterで口コミをチェックしていたら、気づけば1時間近くが経過し、結局、今日も片付けはできずに先延ばしに……。どうして、「やらなければ!」と分かっている片付けでも先延ばししてしまうのでしょう?今回は、その原因について考えてみましょう。プラナ / PIXTA(ピクスタ)■ 人なら誰もが持っている!? 先延ばしの原因とは?sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)カナダにあるカルガリー大学のピアーズ・スティール教授の研究によれば、人が先延ばしをする大きな原因として「衝動」というものがあるそうです。目の前に魅力的な何かがあると、つい衝動的にそちらに気を取られてしまうという経験、ありますよね。例えば、つい、美味しそうなお菓子を食べてしまうつい、新しい洋服を買ってしまうつい、スマホでSNSを見てしまう実はこの「つい、〇〇してしまう」のが、いろいろな物事の習慣化を妨げる要因になっているんです。■ 衝動的な気持ちは20秒我慢すればおさまる!セーラム / PIXTA(ピクスタ)人なら誰しも持っている「衝動性」ですが、じつは簡単に抑える方法があります。研究によると、人は衝動を感じてから20秒間我慢できれば「〇〇したい」という気持ちを抑えることができるそうです。20秒と聞くと短そうですが、実際にじっとしていると意外と長い時間です。そして、いつも20秒間我慢できるとは限りません。肉体的、あるいは精神的に疲れていたりすると衝動を抑えるのはとても難しくなります。そこでオススメなのが、「衝動を感じた物事に対して、アプローチするのに20秒以上かかる環境を強制的につくる」という方法です。■ 「スマホの置き場所」は少し面倒な所にする!Graphs / PIXTA(ピクスタ)現代人が、「つい時間を使ってしまう」という代表格がスマホです。そこで、本気で片付けの習慣を身につけたい人にオススメの方法です。スマホの定位置を、すぐ手に取れない場所にしてしまいましょう。普段リビングで過ごしているなら、少し離れた部屋に置いてみてください。クローゼットの中や洗面所、2階にある廊下の突き当たりも良いかもしれません。「立ち上がってわざわざ取りに行く」という行動が必要になる場所であれば、どこでも大丈夫。いつも充電器をそこにセットしておき、帰宅したらそこで充電するという癖をつけるのも効果的です。■ スマホを置く場所を変えられなければ「機内モード」に!「充電場所まで変えるのはさすがに面倒だな……」という方は、機内モードでも良いでしょう。実際、筆者は家に帰ってからは特別な用事がない日は基本的に機内モードにしています。それだけでも、「不意に届いた通知に気を取られて、つい時間を奪われる」というリスクを抑えることができます。通信機能が使えないだけなので、カメラやメモが使えるという点では便利な方法です。もちろん、いっそのこと電源を切ってしまってもOK!です。再起動までに20秒程度はかかるので、そもそも電源を入れる気すら起きなくなります。■ 掃除道具は20秒以内に手に取れる場所に!遥花 / PIXTA(ピクスタ)スマホとは逆に、掃除道具はすぐに手に取れる場所に置くことが大切です。できれば、20秒以内に取れる場所が理想です。使う道具はすべてでなくて構いません。とにかく「片付けを始める」きっかけにさえなればいいので、ハンディモップ1個や雑巾1枚でも全然OK!いつも座っているソファの近くに収納があれば、一番手の届きやすい引き出しに入れましょう。そして「あ、片付けしなきゃ」と思ったら即、行動に移すのがコツ。脳が「やらない言い訳」を考える時間を与えないのも、習慣化にはとても大事なことです。【参考】※ピアーズ・スティール著『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』※CTV NEWS『Procrastinate much? How 20 seconds could help keep you on task』
2018年05月09日前編につづき、心理学で片付けが週間づく方法を、ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』を参考にご紹介しています。後編では、論文を参考に応用した、片付けのテクニックです。誰でも簡単に実践できますので、ぜひ試してみてくださいね。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)■ イラストの方がインパクト大!文字はあまりにも身近にありすぎて注意を引かないGraphs / PIXTA(ピクスタ)まず【前編】で出した問題の答えからご紹介いたしましょう。出題は以下になります。無作為に選んだ人を対象にして、「コーヒーショップのクーポンを渡して、忘れずにそれを使ってもらう」という課題を与えます。そして、コーヒーショップのレジには以下の2つの方法をリマインダーとして設置しておきます。A.レジの横に、「クーポンを使う」と書いた紙を貼っておく。B.映画『トイ・ストーリー』に出てくるキャラクターの写真を見せて「この写真を見たらクーポンを使う」と覚えておくようにあらかじめ伝えておく。そして、その写真をレジの横に貼っておく。どちらのグループが、クーポンを忘れずに使う確率が高かったでしょう?Graphs / PIXTA(ピクスタ)「そりゃ文字で書いてあるAグループでしょ!Bグループの写真なんて、なんの意味もないじゃない」と思うところです。しかし実験の結果、なんとBグループの方がクーポンを使う確率が36%も高くなったのです。500人の被験者を対象に行われたので、信頼性はとても高い数字です。これは多くの人にとって意外な結果だったと思いますが、それが心理学の面白いところ。「普通」や「常識」というものを心理学で研究してみると、実はあまりあてにならないこともあります。現代人にとって文字はあまりにも身近にありすぎて注意を引かず、見てもすぐにその場で忘れてしまう傾向があるようです。スマホのカレンダー機能やリマインダー機能も同様で、文字で通知されるため「重要性」が認識されにくいのでしょう。■ なんでこれがここに?目を引かす、注意を引かせることが大事!TATSU / PIXTA(ピクスタ)それに比べて、「目を引くもの」のリマインド効果は非常に高くなります。「なんでこんな場所に、これがあるの?」という注意を引いてくれて、それから「あ、そういえば〇〇をしなきゃ!」と思い出すことで脳の中で意識を連結させた方が、人は実際の行動に移しやすくなるということです。では、この「Reminders Through Association(邦訳:連想リマインダー)」と呼ばれるテクニックを、お部屋の片付け習慣を身につけるために活用するにはどうすれば良いのでしょう?いま、お部屋を見渡してみてください。「これ、なんでこんなところにあるんだっけ?」というものがありませんか?それを、リマインダーとして設定してみるといいでしょう。■ できるだけ「変なモノ」を!その環境に似つかわしくないモノで習慣づける実験によると、あまりにも周囲の環境と馴染んだものには「連想リマインダー」は向いていないようです。例えば、キッチンの中で食器をリマインダーにしようとしても、それはあまり効果がないということです。そのような場合は、数年前の旅行でお土産に買った奇妙な色の人形でも、抽選でもらった変なロゴが入っているマグカップでもなんでも構いません。大事なのは、「その環境に似つかわしくなくて、なるべく目を引くモノ」ということです。違和感があればあるほど効果的なので、あえて目を引く変なものを探してきて置くのもアリです。ちなみに、筆者の場合は100均で買った「だるま」を使っています。真っ赤で目を引いて、そこに存在する必然性がまったくないのでリマインダーとしては最強です。そして、それを見たら「10分だけ片付けをする」と決めてください。片付けの場所は、決めなくても大丈夫。最初のうちは、とにかく10分だけ時間をとって片付けをすることを習慣にしてみましょう。■ 目を引くモノだけに、悪目立ちを避けるにはどうしたらいい?Ryu K / PIXTA(ピクスタ)「連想リマインダー」の欠点としては、リマインダー自体が変なものであるが故に、どうしても普段から目を引いてしまうことです。そこで、「毎日視界に入るけど、自分しか見れないような場所」に置いておくのがオススメです。女性なら毎朝使う化粧品を入れた棚の中でもいいですし、男性ならスーツをしまっているクローゼットの中でもいいでしょう。そして、それを見たら「そうだ、10分間掃除をするって決めたんだ!」と思い出してください。紙のメモやスマホのカレンダー機能より、片付け習慣を身につけられる可能性がグッと高まります。片付けを習慣化するテクニックはいくつかありますが、その中のひとつとしてぜひ試してみてはいかがでしょうか。(おわり)【参考】※Todd Rogers『Reminders Through Association』※Todd Rogers(ハーバード大学 公共政策大学院HPより)
2018年04月26日「よし、今日からお部屋の片付けを習慣にしよう!!」と思い立つ時ってありますよね。そんな時に「何かいい方法ないかな?」と考えてインターネットで調べてみたり、本を探して読んでみる人も多いでしょう。「よし、頑張ろう!」と決心はするものの、なかなか続けるまではいかないのが現状です。そこで、ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』に、とても参考になるものを見つけました。この論文を応用したお片付けテクニックを、前編・後編に分けてご紹介します。前編では、片付けができない原因で起こりがちな考え方についてお話します。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)■ ほかの用事でつい後回し!どうしても思い通りに進まない片付けUshico / PIXTA(ピクスタ)「あ、もう子どもを迎えに行かなきゃ!」「そういえば、そろそろお醤油がなくなりそう。スーパーに買いに行こう!」このように、いろいろな用事に時間を取られて、気づけばもう夜。Ushico / PIXTA(ピクスタ)「今日はもうできないから、明日やろう……」と、仕方なく諦めて就寝。朝起きれば、次の日には別の用事が目白押し。部屋の片付けはすっかり忘れてしまって、「また今度の週末にでも……」と思ったまま、やっぱり週末も予定で埋まって片付けができないまま。そこで忘れないようにと思って紙のメモやスマホのスケジュールを使っても、その場では「そうだよね、やらなきゃな。」と思いながら、ついつい先延ばしにしてしまう。toronoco / PIXTA(ピクスタ)この状態が続くと、人はこう考えがちです。「自分は、もともと片付けができない人間なんだ。やろうと思っても、すぐ忘れてしまう。きっと性格の問題だからしょうがない」そして片付け自体を諦めてしまい、世の中でたくさん紹介されている片付けのノウハウも活用されません。でも、「片付け習慣が身につかないのは性格のせい」というのは大間違い!それは性格のせいではなく、ただ単に片付けを習慣化するテクニックを知らないだけなんです。■ 心理学を応用すれば、どんな人でも片付けができるようになる?Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)日本はもちろん、世界各国の大学をはじめとした機関では心理学の研究が盛んに行われています。有名なものでは「囚人のジレンマ」や「ラベリング効果」というものがあり、経営書や自己啓発書ではよくこれらの単語が登場します。しかし、心理学で研究された内容は経営や自己啓発だけにしか使えないわけではありません。心理学は、人間の精神や行動を研究する学問です。当然、片付けの習慣化にだって応用できます。それでは「片付けが習慣化できない」と悩むあなたのために、心理学的に実証されている方法をご紹介します。■ ハーバード大学院の教授による常識と反するテクニックとは?Graphs / PIXTA(ピクスタ)ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』で、面白い研究成果が報告されています。その報告をご紹介する前に、ひとつ問題をお出しします。無作為に選んだ人を対象にして、「コーヒーショップのクーポンを渡して、忘れずにそれを使ってもらう」という課題を与えます。そして、コーヒーショップのレジには以下の2つの方法をリマインダーとして設置しておきます。A.レジの横に、「クーポンを使う」と書いた紙を貼っておく。B.映画『トイ・ストーリー』に出てくるキャラクターの写真を見せて「この写真を見たらクーポンを使う」と覚えておくようにあらかじめ伝えておく。そして、その写真をレジの横に貼っておく。さて、2つのグループのうち、どちらがコーヒーショップのクーポンを忘れずに使う確率が高かったでしょう?後編では、実験結果と実際の活用例をお伝えします。(つづく)【参考】※Todd Rogers『Reminders Through Association』※Todd Rogers(ハーバード大学 公共政策大学院HPより)
2018年04月25日ひと口に「整理収納」「お片付け」といっても、一人一人悩んでいるポイントは異なります。ご自身のこと、ご家族のこと……。それこそ“汚部屋”でお悩みの方から、よりキレイに、より美しく収納を構築したいという向上心の高い方まで様々です。そのため、筆者のお片付け講座に来ていただいた方からは、講座の後にピンポイントで悩みを相談されることが多いんです。今回は、講座に参加されていた「よりキレイに」を求める方が悩んでいた「家族が服を脱ぎっぱなしにする」問題の解決法についてご紹介したいと思います。Graphs / PIXTA(ピクスタ)■ 自分に向いている「収納の構築法」や「片付けルール」を探すRina / PIXTA(ピクスタ)ある相談をされに来た方の話です。整理収納に関する意識が高く、片付いていない状況にストレスを感じる方で「仕事から帰ってくると、家族の衣類などがソファーや床に乱雑に置いてあってストレスになる」と悩んでいらっしゃいました。片付けの仕方については「モノを使ったらすぐに定位置に戻せる」人もいれば、「まとめて定位置に戻す」方が習慣化しやすいという人もいます。でも、筆者は無理に最初から定位置に戻さなくても良いと考えています。日常行う単純作業は、ほとんどの方が「ルーティーン化(決められた一連の動き)」していて、それをすぐに変えることにストレスを感じる方の方が多いからです。ストレスを解消する生活を送るための整理収納なのに、ストレスを増大させては意味がないですよね。■ すぐ片付ける気になれない人には「モノの一時保管場所」を!MN4 / PIXTA(ピクスタ)このように、すぐに片付ける気になれない方にオススメしたいのは「モノの一時保管場所」を作ることです。脱ぎっぱなしにするご家族がいるなら、脱ぐ場所の近くに一時保管用のカゴを置いておきます。クローゼットのある部屋に行くとき、あるいは寝る前にカゴを持って行くようにすれば、自然と片付ける習慣が身に付きます。Graphs / PIXTA(ピクスタ)他にも、例えば旦那さまが帰ってきてカバンやスーツをリビングに脱ぎ捨てる……なんて行為が日常的であれば、スーツの一時置き場をリビングや玄関に作りましょう。衣類をサッと掛けられる「ウォールハンガー」や「ポールハンガー」などを置くのがおすすめです。お子様の上着などであれば、カゴでも良いでしょう。いかがですか?「家族が片付けてくれない」「協力してくれない」とストレスを感じるよりも、どうしたら片付けられる習慣がつくようになるのか考える方が前向きですし、ストレスも軽減されますよ。ぜひ試してみてくださいね!(written by 伊東隆志)
2018年04月09日私筆者土居彩は14年間勤めたマガジンハウスを辞めて、まずは幸福心理学を学ぶためにアメリカへやってきました。英語も心理学もわからない私に奇跡が重なりバークレー大の研究室で学ばせていただいたり、街のさまざまな人に助けられ3年が経ちました。その大好きなバークレーを離れて、住所を持たない生活を始めることにしたんです。そのきっかけは大きくふたつあるのですが…...。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、こうなった。】vol. 71みなさんこんにちは!突然ですが、カリフォルニア大学バークレー校・心理学部で学ぶために長らく住んでいたカリフォルニア州のバークレー市を離れ、しばらく住所を持たない生活をします。ところで現在バークレーで住んでいる家は8人でシェアしています。ということもあってカルマを作らないために(笑)、次に私の部屋に住む人を責任持って決めてから出て行くことにしました。まずバークレー大の学生が利用するFacebookグループFree & For Saleで募集し(見よ、この私のテンションの高い投稿を! アメリカヴァージョンです笑)、すべてのやりとりを窓口となって行い(私の部屋は相場から考えると激安だったので、毎日何十通とFacebookメッセージが)オープンハウスをして一人ひとり面接し、契約まで立ち会って……。そしてついに次の入居者が決まりました! いい人が決まって、今はホッとしています。ハウスマネージャーもいまだかつてここまで徹底的にやってから退居する人がいなかったようで、「ものすごい、助かったよ!!」と笑顔で感謝され、最後に握手。どことなくクールでシャイな彼の笑顔を見たのは8か月間ここに住んでこれが初めてだったので、「やってよかったな」と心から思いましたね。自分の行き先はまだ決まらないけど、とりあえずは立つ鳥跡を濁さず!“ホームレス” を選んだワケ。さて大好きなバークレーを出て、住所を持たない生活をしてみようと決めたきっかけは、大きくふたつあります。ひとつめは、ヴィパッサナー瞑想合宿でボランティアをしたこと。12日間朝の5時半から夜10時まで80人分のご飯を作ってセッティングしたり、先生に食事を届けたり、合図の鐘を鳴らしたり、ダイニングホールやキッチンを掃除したり、生徒のみなさんのお問い合わせに答えたりしていました。男性と女性がわかれて奉仕するというルールがあるのですが、女性のキッチンサーバーは私ひとり。かなりの肉体労働だったので、肉体的にも精神的にも追い込まれました。ゴミ出しの合間に見る美しい風景にどれだけ救われたことか。©Tony Antonio Nateraとはいえ実は2日目の朝まではもうひとり女性サーバーがいたんです。彼女はメインディッシュを作るけれど、生徒さんが助けを求めてベルを鳴らしても一切応えない。皿洗い、ダイニングホールやキッチンの掃除といった後片付けはせずに、自室に帰ってしまう……という人で。キッチンマネージャーには愛想を振りまきますが、他の人たちを強い命令口調で、アゴで使うところもあって。5人の男性サーバーのうち3人に至っては「耐えられない」「気分がすぐれない」とキッチンに出てこなくなってしまったんです……。いまだかつてここまでの強烈キャラ、会ったことないよ!存在を含めて全否定される。そこで思い切って彼女に直接話してみました。心を込めて話せば、理解し合えるはず。「私ひとりでは力不足でできないから、できれば、後片付けを手伝ってくれないかな」と。すると大激怒されたのです。「私は奉仕の経験があなたよりもあるのよ! 今後バカなことを言ったり、質問したりするのもやめてちょうだい。私はキッチンでは聖なる沈黙を実践しているの。あなたの存在はその妨げになるのよ」と。ガーン、言った言葉だけじゃなくて存在を含めての全否定だよ。これからの10日間どうやっていこうかと思い悩んだ末、先生にインタビューの時間をもらいました。彼女の貴重な時間にわざわざ愚痴を聞いてもらいたいわけじゃないし、ありのままを正しく見るというヴィパッサナー瞑想を実践する人の前で自分を正当化するほどアホらしいこともありません。そこでゆっくり座って呼吸を整えてから、「どうやったら思いやりを持って働けるのか、そしてそれをどうヴィパッサナー瞑想に落とし込んで捉えたらいいのでしょうか?」とシンプルに質問します。自分の内面を整えると、世界が変わる。すると先生が言います。「山積みの仕事に追われて心がせわしなく落ち着かなかったり、人の心ない言葉や理不尽な態度に怒りや憤りを感じたりしたら、まずあなたの感覚を感じてみて。それは熱さ、冷たさ、硬さ、重さ、それとも麻痺した感じ? 今のあなたは実際にどう感じているの? 手と足は神経系が多く走っているから、感覚を捉えやすいと思うわ。そうやって感覚を研ぎ澄まし、加工したり抑圧せずに今そのままの感覚を受け入れていくとしだいに思考が洗われてきます。あなたの内側がクレンジングされていくと、おのずと外側の環境も癒されていきますよ」。大興奮して、「キッチンにいてもヴィパッサナー瞑想の実践なんですね! さっそくやってみます」というと先生がにっこりと微笑みます。「それからこれも大切。夜の慈悲の瞑想では、まずあなた自身に優しい気持ちを贈ってあげてね」と言われました。休憩時間を終えてキッチンに入り、「あの人またサボっている」と意地悪な感情が沸いたらそれを否定せずに受け止め、野菜を切る手の感覚に集中。「で、私なんで人生の瀬戸際にここでひたすら掃除しているんだろう?」と疑問を抱いたらそれを受け止めつつ、ほうきで床のごみを集めることだけに向き合ってみる。ティク・ナット・ハン師と過ごしたマインドフルネス瞑想合宿での実践を思い出します。そんなふうに過ごしているとマネージャーから彼女が合宿所を出て行ったことを知らされます。その後はより少ない人数になったことで、本当にみんなで助け合いました。助けられ続ける喜びと、その辛さ。実は女生徒さんのなかに塩を含んだものが一切食べられないという人がいて、彼女のためにスペシャル食も作っていたんです。いつものように彼女に食事を届けると、「ただでさえ忙しいあなたに余計な負担をかけてしまって、罪悪感を感じるわ」と言われてしまいました。「とんでもない! お役に立てるのは私の喜びなんですよ」と答えるけれど、彼女の心の痛みが伝わってきます。ただただ世話になることを受け入れるというのはとても有り難いいっぽうで、辛くもあるのです。会社を辞めてからそれを体験し続けてきたので、今はすごくよくわかります。実は彼女から食事の後の掃除を手伝いたいと何度か言われていたんです。でも生徒さんは瞑想に集中する必要があるので、お断りしていました。でもこの状況では何が正解なのかがわからない。そこでこのセンターに長らく住むという先生に相談してみることにしました。すると「彼女が心から手伝いたいというのなら、そうさせてあげなさい。昔センターは今ほど大きくなくて、普通の家のガレージだったんだよ。当時は奉仕する人間もすごく少なかったから、それこそこちらから頼んで生徒さんに手伝ってもらっていたんだ。だからそれが本当に彼女がしたいことなら、手伝ってもらいなさい」と。彼女がテーブルを拭きだすと、今度は無言で料理を一緒に片付けだす女性も現れて……。本当にいろんな人に助けてもらいました。女性側の先生をアシストする瞑想マネージャーのジェイも頻繁にキッチンに立ってくれました。歪んだモノの見方、誤解に気づく。今まで自分は人を頼るのが下手な人間だと思い込んでいたんです。頑張りすぎてしまうと。でもあるときテーブルを拭こうと清潔なクロスを取ったときに気がついたんです。「これをきちんと洗って乾燥機にかけて、畳んでここにおいてくれた人がいた。だから、私はこのクロスでテーブルを拭けるのだ」と。私の努力や頑張りは全て、必ず誰かの支えのもとで初めて成り立つことにようやく気がついたのです。ひとりぼっちで戦っている気分でいたとしても、何もひとりではできないのです。サポートを受けている自覚がなくても、生きるということは必ず誰かに助けられているということ。それを体験を通じて腹に落とした瞬間、言いようもない感謝の気持ちと、世界と自分に対する絶対的な信頼感が胸の奥から熱いエネルギーのような形で湧き上がってきて…。その力に圧倒され、もっと謙虚にならなければと思いました。そして自分が無意識に設定してきたコンフォートゾーン(自分が心地よいと思う領域)を超えたいと感じたのです。エネルギーヒーリングの世界。もうひとつのきっかけは、瞑想合宿から帰ってからのこと。バークレーの街を歩いているとどうしても気になる店があって入ってみたんです。『The Wisdom of Heart』という名前のお店で、ああいう経験を合宿でしたばかりだったので店名も気になって。中に入るとエンジェルカードやペルーの神木のパロサントを用いたお香、セージのスプレーなどが販売されています。するとオーナーらしき男性からまっすぐな目で「もしよかったら、これを受けに来なさい。初回は無料ですよ」と一枚のカードを渡されます。それはエネルギーヒーリングのセッションカード。©The Wisdom of Heart実はアンアンやハナコで編集者をしていた頃からエネルギーヒーリングやボディワークには興味があって、そういった特集を編集させてもらったり、さまざまな施術も受けてきました。けれどもアメリカに来てからはちょっと封印していたところがあって。ひとつは経済的な理由です。そして “スピリチュアル” とされるものの科学的な根拠をまずは学ばないと、広く深くは伝えられないはずだ、と意識的に遠ざけていたところもあります。そのうえヴィパッサナー瞑想を始めたことでプラクティスの方向性が異なる部分もあって中断せざるを得ないところもありました。©The Wisdom of Heartけれど、これも何かのご縁だとエミリオ(カードを渡してくれた男性。写真上)のセッションを受けてみたんです。彼はペルーのクランデロ(ラテンアメリカ土着の男性精神治療医、祈祷師)の末裔で、レイキ、エンジェルヒーリング、ビオマグネティスム、フラワーエッセンスなどさまざまなエネルギーワークも一緒に用いてヒーリングをしていきます。セッションの後で、これはすごいとわかりましたね。頭の中のザワザワが止んで、からっぽになるんです。ヴィパッサナー瞑想合宿8日目の夜にいつも抱くあの感じです。もっとわかりやすく言えば、夢の記憶がない朝、目覚めたばかりのちょっとまどろんでいるときのような感覚でしょうか。今の私は将来に対する不安でいっぱいなので、いつもどこかしら未来への漠然とした恐れとともにあります。ところがセッションの後はそれがスカッと飛ぶというか。抱えていた問題などがある意味どうでもよくなって、「なんとかなる」という世界と自分に対する絶対的な信頼感が増すんです。ちょっと危ないですか?(笑)。エミリオが言うには、自分は何も教えていないし、何も加えていない。ただ、私本来のエネルギーに戻るための手助けをしているだけだと。彼自身自分のことをヒーラーだとは捉えておらず、みんなそもそも自分自身を癒す力がある。自分は彼らのヒーリングの過程を助ける友達だよ、と。ではそれを踏まえると、そもそもの私は、根拠のない自信と好奇心が強い、ちょっとクレイジーな人間なのかもしれませんね、苦笑。「今後続けて行く場合はどれくらいの費用がかかるのですか」とたずねるとセッションは90分で$60〜100。その人の経済状態に合わせて一緒に決めていくのだそうです。非常に良心的な施術料です。それでも今の私には払えない。そこで「あなたのやっていることを考えるととても良心的な金額だと思います。すごいパワフルなのもわかる。今の私には難しいけれど、違った状況でいたら絶対に受けていたと思います」とお返事すると、エミリオは全部わかっている。「実は新しいヒーリングの技術もみなさんに届けたいと思っていて、その体験をして率直なフィードバックをくれる人が必要なんだ。週に二度、何度か受けてもらって、正直な感想や体験を教えてくれたら、研究の治験者のような形であなたに無料セッションをしばらく受けてもらいたいと思うのだけれど」と私が受け取りやすい形で助けることを申し出てくれたのです。私の答えは当然、イエス。そしてエミリオに「セッションで心をオープンにして、前に進むために自分を信じられるようになりたい」とリクエストしました。2度目のセッションの後でしょうか。「バークレーを出よう。旅に出よう」と強く思って、ハウスマネージャーに退去の意志を申し出ました。行き先も決まっていないのに、出るってどういうこと? 頭で考えてもわかりません。でもこれは瞑想中にも何度も思ったことと同じで、勇気が持てずに決められなかったこと。エミリオのセッション後には、その直感を信じてみようと強く思ったのです。直感を信じると、扉が開きだす。とはいえ「決めたはいいけど不安だな」と4度目のセッションを受けた後に「セッションルームを掃除させてもらえないか」と、恐縮するエミリオに頼み込みます。ギブアンドテイク信仰が染みついている私には、無償で与えてもらってばかりではエネルギーがうまく循環されない気がしたからです。すると掃除を終えて店を出た直後にエサレン研究所から連絡が。エサレン研究所とはスタンフォードの卒業生二人が始めたエッジィなスピリチュアルセンターで、雑誌ブルータスでCEOの方を取材させてもらったこともあるのですが、あいにくの天候不順で道路が閉鎖されており(太平洋を臨む崖の上にあるので)、当時訪ねることができず苦い思いをしました。振り返ればアンアン編集部に在籍していたころ、8年ほど前でしょうか。山川紘矢・亜希子ご夫妻に取材させていただいたときにも「あなたはエサレンに行ったほうがいいよ!」と言われたことがあったっけ。エサレン研究所へ。そこでバークレーを出ると決めてすぐ、働きながら1か月間住んで勉強するというプログラムがエサレンにあったので、志望動機エッセイなどのアプリケーションフォームを提出したのです。ところがエサレン側からの返事がこず、うなだれていました。それが無事に受け入れてもらえるとの連絡だったんです。そこでとりあえず1か月間は行き先が決定! あとは依然として真っ白ですが、笑。エサレン研究所で学ぶのは、生活のバタバタや人間関係のアレコレのなかでも体感覚を鋭くして体の声を聞きながらプレゼンス(存在感)を高め、自分の内側の声を聞く方法。驚くことに、これはエミリオから言われていた私の課題ズバリ。つまり「思考だけで人生をコントロールしようとする傾向があるね。体には独自の叡智があって、いつも私たちに語りかけているんだ。それを私たちは無視しがちだけど。だから肉体感覚ともっと繋がってみると驚くことが起きるよ! 体の声に注意を傾け、聞いて、対話し、感謝を示してみて」とずっと助言されていたのです。エミリオのエネルギーワーク中に、思考と感情のブロックが取り払われると、物質ではないもののはずなのに何か石のようなものが胸の真ん中から動いていく感覚がしたり、呼吸を用いて体のエネルギーを巡らせていくと、いつも冷たい手先足先がびっくりするほど熱くなっていくのを体感して、「すごい!」と感動していました。アメリカに来てから大学や研究機関の自然科学の世界では真理を追究するうえでの客観性の重要性を学び、計測、計算できるものだけを現実と認めると教わってきました。でも、それはあくまでも現実の一部。もしかしたら一番重要な部分ですらないのかもしれません。点が線になり始める。少しづつではありますがバラバラだった断片が繋がり始めました。バークレー大学では心理学の基礎と自分のなかに強いアカデミックコンプレックスがあったことを学びました。そしてUCSF Osher Center for Integrative Medicineという研究機関で体内感覚と感情の繋がりについての研究のお手伝いをしたきっかけで、ヴィパッサナー瞑想やマインドフルネス瞑想の世界により深く入りこんでいって。その結果、感覚を鋭くすると信念体系が変わって外側の現実も変わることを実体験。エミリオのエネルギーワークではその感覚をエネルギーレベルで捉えることを経験させてもらいました。次はそれをどう実生活に落とし込んでいくかをエサレン研究所で学んでいく……。まだまだいろんなことが起こりそうで、ワクワクします。もっと言えばマガジンハウスに採用してもらってアンアン編集部で働いていなければ、今ここでこんなふうにみなさんとお話することもできなかったでしょう。全ては意味があって、ベストなタイミングに必要なことが起こるのだなと強く思います。それにはいいことも一見悪いこともあります。今後住所も持たないし行き先もはっきりしない。正直不安です。でも不思議といずれ全てが繋がって全体になるときがくるのだと信頼しています。SEE YOU!©Tony Antonio NateraInformationエミリオさんの詳しいインタビューはOur Giftismでも!『The Wisdom of Heart』
2018年04月07日「anan」2097号4/4水曜日発売「恋の心理学」特集、表紙にはNEWSの皆さんが登場。今回の表紙撮影の様子を紹介します。anan編集部祝・15周年! NEWSの皆さんが表紙にご登場。4人の仲の良さにすっかり癒されました。今回NEWSの皆さんのページを担当させていただいて感じたのは、「4人が、ほんっとに仲良し!」ということでした。anan編集部で働くこと10年あまり、いろいろなグループを取材させていただいていますが、こんなにメンバー同士の会話が多いグループは記憶にないかも…というくらい、NEWSの皆さんは撮影中も待ち時間中も、お互い自然に突っ込みあったり、笑いあったり、気遣いあったり。おかげで、現場は終始明るい雰囲気に包まれていました。例えば。取材がちょうど夕飯の時間帯だったこともあり、お弁当やケータリングを何種類かご用意したのですが、あるお弁当が皆さんに大人気で、加藤さんが取りに行くころにはなくなってしまいました(もっと多めに用意すればよかった…ごめんなさい!)。かなり残念がる加藤さん。でもそれに気づいた増田さんが、静かにご自身のお弁当からおかずを何種類も紙皿にとりわけていらっしゃるな…と思ったら、ごく普通に「はい」と加藤さんに。 小山さんも、「食べる?」とおすそ分け。加藤さんだけでなく、私たちもびっくり&感動した1シーンでした。また、全員集合カット撮影中、手越さんの脚にご自身の脚を乗せるなど、ちょくちょくいたずらを仕掛ける増田さん。手越さんが「ちょっとー(笑)」と軽く抵抗する姿が何とも温かく、そのやり取りの息がぴったりすぎて、さすが大人気ユニット! と密かに心癒され、笑顔になってしまいました。そうかと思えば、加藤さんは待ち時間中に校正チェックやanan連載小説についての打ち合わせを綿密に行ったり、小山さんは何かの資料を読み込んでいらっしゃったり。しっかり個々の仕事に集中する姿も素敵でした。それぞれの個性がくっきり表れつつ、4人全員がしっかりと同じ方向を見ていることが分かるコメントが次々と飛び出したインタビュー。そして大人の色気とNEWSらしい明るい空気感あふれる撮りおろしグラビア写真。その両方を本誌でお楽しみいただければ幸いです。(Y)
2018年04月03日家賃10万円の賃貸で、部屋の1/5を不要品が占拠しているとしましょう。すると、ひと月2万円の無駄遣いになっていますよね。このようにお片付けと家計を結びつけた考え方をしてみると、効率よくお片付けするにはどうしたら良いかが見えてきます。今回はプロのファイナンシャルプランナーでありお片付けアドバイザーの橋本絵美さんに、お片付けと家計管理の観点から上手なお片付けの方法を教えていただきました。「モノ」は増えているのに「お金・時間・空間」は減っている快適な暮らしは、何で決まるのでしょうか?普段からファイナンシャルプランナーとしてさまざまなご家庭の相談を受けている橋本さん。幸福を決める要素は4つあるそうです。それはズバリ、「お金、空間、時間、モノ」。これらはお互いに関わりあっているのです。例えばお金で道具を買う(お金が減る)と、管理しなければいけない(時間が減る)、置き場所が必要になる(スペースが減る)、モノは増えるなどです。大切なことは、モノが増えると「お金・時間・空間は減る」こと!物はたくさん持っているのに、とても暮らしづらい……。そんなことはありませんか?取材にご協力頂いた、橋本絵美さん。ファイナンシャルプランナーとして活動するほか、お片付けと家計を結びつけたセミナーを開催しています。「モノ」は循環させるべき実はモノにはライフサイクルがあるんです。今日必要なものも、明日には必要なくなっているかも知れません。自分にとって不必要になったモノが、次の日には友人にとって必要なモノになっているかも知れませんね。必要なモノは惜しまずそろえる!不要になったら手放す!ということを実践すれば、モノもお金も循環し、それらに執着することがなくなります。その分豊かな暮らしに気持ちを向けることができる。これほど幸せなことはありませんね。「使うかも」「高かったから」「買ったばかりだから」は禁物橋本さんのご自宅の現在の冷蔵庫とキッチン高価なお買い物だったとしても、必要性が欠けたなら手放すことが大切です!橋本さんも高価な家電を手放した経験があるそうです。橋本さん宅では、500リットルサイズ(20万円クラス)の大家族用冷蔵庫を購入。将来使うことを予想しての購入でしたが、大きくて掃除しきれなかったり、子どもが自分でモノを取れなかったりと、ストレスになることも多かったそうです。橋本さんは思い切って新品の冷蔵庫を買い換えたそう。7人家族になった今でも、270リットル(5万円)を使用しているとのこと。この冷蔵庫によって、掃除がしやすくなり、サイズダウンでキッチンのスペースが空いたり、子どもたちが自分でモノをとれるようになりました。購入する食材が厳選されるのでムダもなくなりますよね。ちなみに、もともとの冷蔵庫はフリマアプリで、7万5000円で売れたそうです。新たな手出し0円でコストを削減できることがあるんですね♪最も効果を感じやすいのは……キッチン!キッチンはお料理で一番時間を割く場所です。それだけに時短ができているか、ストレスなく家事ができているか最も顕著に表れてしまうところ。キッチンの掃除をスイスイ進めるにはポイントがあります。まず食材を処理することです。賞味期限が切れているかどうかでサクサクお掃除を進めましょう。毎日使うスペースなので使っている・いないもわかりやすいですね。食材はすべて冷蔵庫へしまってしまえば、管理が楽になります。レシピも思い浮かび安くなり一石二鳥です♪調理器具は、用途ごとに一つに絞ってしまいましょう!おたまとレンゲ、ボールをどんぶりで代用、ひとつに絞っては?こういった家事の中心になる場所を整理すると、圧倒的に効率が良くなったのが実感しやすいとのことです。収納グッズが解決するのはそのときだけ大きくお片付けをしたいなら収納を整理しちゃいましょう。基本テクニックは「全出し」!「服が入らないから収納グッズを買おう」で解決するのはそのときだけです。「友だちが来るからちょっとキレイにしたい」なら、収納グッズでお片付けもオッケーです。ですが、収納グッズを買うと、スペースが埋まる、着ていないはずの洋服が処理できない、設置・利用・スペースにコストがかかるなど、あとで大変になってしまう可能性が高くなります。「住みやすく、暮らしやすくしたい」なら、中身をきちんと選別しましょう。例えばこの押し入れは、0.5㎡ほどの空きスペースとなってしまっています。35㎡の賃貸だとすれば0.01%が使われていないことになります。つまり、家賃10万円なら月々1,000円のムダ遣いと言えないでしょうか?手放すときも、気持ちよく!おトクに!お片付けをしていると、手放そうか迷うモノもあるでしょう。でも、悩んでいる時間にも、コストがかかっています。決断しにくいモノは、思い切って手放しちゃいましょう。捨てることに抵抗がある人は、「売る」と「譲る」がオススメ!基本は「売る」。中古買い取りショップやオークションなど、中古品を待っている人がたくさんいます!家電の付属品などは、キレイな内に手放してしまうことで買い手が付きやすくなります。もちろん、高価なモノは高く売れることもあります。「譲る」のも重要なポイント。利用しやすいのは病院や学校、幼稚園に「寄付」することです。また、ご近所さんで「ご自由にどうぞ」コーナーをつくると、廃棄しにくいモノも意外と持って行って貰えることがあります。橋本さんが大切にしているのは、ママ友ラインでの呼びかけ♪普段から自分のモノを譲っていれば、自分が欲しいときに譲って貰えるようになります!片付けもやりくりも上手につきあっていきたいお片付けをすることは、家計管理にも繋がっているんです。お片付けとの上手な付き合い方を知ることで、快適な暮らしを手に入れていきたいですね。●取材協力橋本絵美ファイナンシャル・プランナーお片づけ・プランナー慶應義塾大学商学部卒。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。2種証券外務員。子供10人の幸せ大家族を目指す、1男4女を育てるママFP。子供=お金がかかるという考え方ではなく、子供は宝であり、ママたちが安心してもう一人子供を産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。貯まる家計の仕組みづくりと子どもがいてもすっきり片付く部屋づくりのアドバイスを得意とする。幼少時より蓄えてきた知恵と自身の経験を生かし、幸せな家庭を築くための提案を行っている。明日から使える節約コラムやママ向けセミナーも好評。
2018年03月19日そろそろ子どもの入学の準備を・・・という方も多くなる季節。ランドセルは購入したものの、それをしまうことまで想像されている方は少ないのでは?大きくかさ張るランドセルは、収納という意味ではお悩みの種になりがちなアイテム。でもこんなアイテムがあれば、インテリアの邪魔をすることなくスッキリと収納ができますよ。■省スペースが叶う!優秀ランドセルハンガー 「smartランドセルハンガー」 は、リビングや玄関にすっきりと置けるようなスリムな佇まい。シンプルなデザインで、インテリアの邪魔もしないランドセルハンガーです。T字部分にサッとランドセルと掛けることができ、その下には5つのフックがあるので登校に必要な学用品をまとめて掛けておくことができますよ。必要なものの住所作りができるから、子どもたちの片付け上手の近道にもなりそう。<リビングにランドセル置き場を>親の目が届くリビング学習は子どもの学習習慣のためにもまず身につけさせたいもの。その習慣をつけるためにも、リビングにランドセル置き場を作ることは大切です。リビングに置いておけば、宿題をするときもわざわざ子供部屋に勉強道具を取りに行かなくても大丈夫。勉強のハードルを低くすることができる秘訣です。パパやママも気軽に勉強のお手伝いが出来ますよ。T字は向い合せでランドセルがかけられるので、兄弟・姉妹で一緒に使えます。<ごちゃごちゃ物を置きたくない玄関に>お客さまの目に触れることも多い玄関はいつだってすっきりしておきたいもの。でもそんな玄関ほど、コートやマフラー、子どもたちのバッグなどを置いておきたいものですよね。「smartランドセルハンガー」はランドセル以外の色々なものも引っ掛けられるので、保育園などの制服やバックの収納にも役立ちます。パパのジャケットだってシワにならずに吊るすことができますよ。家族のお悩みがすっきり解決する、 「smartランドセルハンガー」 。ぜひこんなアイテムで春の入園・入学準備を万端にしてみませんか?【ご紹介したアイテム】 ⇒ smartランドセルハンガー/スマート 5,940円(税込) 暮らしのはなし こどもと暮らす お片付け
2018年02月15日毎日使うキッチン。お料理好きであればあるほど道具も多くなりますし、どうしても散らかってしまいがちですよね。そこで、今回はお片付けのプロ「インブルーム」のお片付けコンシェルジュのテクニックを伝授していただきました。プロならではの視点は、「なるほど」と納得させられることもたくさん。実体験しないとわからないことも、いっぱいありました♪使いやすくて、散らからないキッチンにするためにヒアリングお片付けをレクチャーしてくれたのは、個人宅から企業まで幅広く整理・収納サービスを手掛けている「インブルーム」の須田木実さん。専門の研修を受けた「お片付けコンシェルジュ」で、いわばお片付けのプロ中のプロです。モデルのキッチンは、東京都中野区にお住まいの30代主婦、マユさんのご自宅です。共働きで、お片付けをする時間がなかなか取れないそう。ダイニングキッチンが狭く、食器棚を置くスペースがありません。須田さんのヒアリングの様子。最初はマユさんも緊張気味です。お片付けコンシェルジュの須田さん(右)が、「料理は毎日しますか?」といった基本的なことから「お片付けの頻度は?」といった項目をヒアリングしていきます。驚いたのは、マユさん(左)の勤務体系までヒアリング項目があったことです。その理由は、後でわかりますよ♪キッチンビフォー状態は…こちらはお片付け前のキッチン。食器や調味料があちこちに散らばって収納されている上、さらに入り切らない食器がカウンター上に散らばっています。全部、出しちゃいましょう!キッチンのお片付けの基本は、吊り戸棚やキッチン下収納にあるモノを「一度全部出す」ことです。写真はキッチン下収納にあったモノだけですが、この量です。不用品もいっぱいありそうです。取捨選択しましょう!フレンドリーな須田さんに、マユさんの緊張もほぐれていきます。収納の中のモノを全部出すことによって、不用品がいっぱいあることに気付きます。ここで、お片付けコンシェルジュの須田さんがマユさんに質問します。「使う」「使わない」「迷う」の3択でモノを振り分けていくんです。ひとつのモノについて考える時間は「5秒」。じっくり考える必要はありません。上の写真の100均の水切りシートは4つも同じものがありました。「使うかと思って買ったんですけど、一度も使ってないですね」とマユさん。つまり不用品ですね。「これからは試しにひとつ買ってみて、活用できると思えばまた買うといいですね」と須田さんからアドバイス。単に片付けを教わるだけでなく、今後の買い物の参考にもなりますね。賞味期限の切れた調味料もたくさんありました。スペースを無駄にしてしまっていたんですね。引き出しの中には、菜箸が4本もありました。メラミンスポンジもいっぱいありすぎです。いつの間にか増えてしまったものです。お片付けをすることによって、「あれ、スポンジどこにいっちゃったかなぁ。また買おうかなぁ」といった不要な買い物を避けることができるようになりますね。プロの使えるノウハウ♪両方とも100均で買えるプラのバスケットですが、左のほうがすっきりして見えませんか?右の丸空きのほうは、中身が丸見えですよね。「バスケットは、四角いメッシュのほうがスッキリ見えます」と須田さん。また、〔セリア〕や〔キャンドゥ〕で取り扱っている〔イノマタ化学〕の100均グッズは、メイドインジャパンでクオリティが高いそうです。四角いバスケットもイノマタ化学製。インブルームとコラボ開発しているグッズもあります。排水口に放り込んでおくタイプのパイプ洗浄剤は、いらない部分をハサミでカットしてスペース効率を高めます。同じようなアイテム、ほかにもありますよね。左がよく使うタッパー、右があまり使わないタッパー。こうしてよりわけておけば、調理時間の短縮にもつながります。バスケットにモノを収納する際には、何が入っているのか細かく書いておきます。面倒に思うかもしれませんが、あとで書いておいてよかった!と思うはずです。お片付けコンシェルジュは、マユさんの仕事が夜勤もありハードなことも考慮に入れて、「使いやすさを」をポイントにお片付けをアドバイスしてくれます。それでは、細部のビフォーアフターを見てみましょう!「不要なモノは捨てる」「よく使うものを手前に」という効率面も考えられたビフォーアフターを見ていきましょう♪吊り戸棚は…ビフォーアフタータッパーなど、マユさんがよく使うもモノは吊り戸棚の下側に、上側には身長のあるご主人のモノを収納しています。引き出しは…ビフォーアフター「どこに何があるかわからない」状態の引き出しが、すっきりしました♪キッチン下(流し下とカウンター下)ビフォーアフター食器棚がないためモノがまだ多めではありますが、使いやすさでは以前と雲泥の差があります。ポイントは「縦の動線」です。流しの下にはスポンジやケミカル類など流しに使うモノを収納。カウンターの下には、料理に使う調味料が収納されています。キッチン下(コンロ下)ビフォーアフターマユさんが一番感動していたコンロ下の収納部分。ファイルボックスを使うことで、フライパンや鍋を縦に収納するというプロ技が光ります。お片付けにひとりで悩むことはありません♪実は最初マユさんは、お片付けを人に教えてもらうのにやや抵抗があったそう。「自分がダメ主婦みたいで」……その気持ち、わかります。でも、共働きであったり、子供の世話が忙しかったり……今の世の中、お片付けに集中できないのも仕方がない場合もあるでしょう。そんなとき、ちょっぴり勇気を出してプロのお片付けコンシェルジュに相談してみるのはいい手かもしれませんよ。今回のキッチンお片付けによって、「よく考えれば、ダイニングキッチンにある三段ボックスの中身っていらないものばっかりだなぁ。三段ボックスを捨てれば食器棚が置ける!」と新発見があったそうです。お片付けをきっかけに、モノや整理に対する考え方そのものが変わるかもしれませんね。プロの技が光る収納インブルームって?インブルームは、個人、法人のお片付けコンシェルジュと整理収納アドバイザーなどの資格講座を行っている会社です。東京に30名、大阪に20名のお片付けコンシェルジュが在籍しています。今回のキッチンお片付けでお願いしたのは、プチコンサルティングと作業代行を合わせてスタッフ1名、2.5時間/12,000円のお試しコースです(取材時は撮影の時間短縮のため、2名での作業をお願いしました。通常はお試しコースだとキッチン下収納くらいまでということです)。リピーターも多く、そのほかのコースもたくさんあります。キッチンに限らず、クローゼットや洗面所のお片付けに関しても定評があります。カリスマお片付けコンシェルジュの中山真由美さんは、雑誌や書籍、「ヒルナンデス!」などのTVでもお馴染みです♪お片付けに悩んでいる人は、まずはお試しコースをお願いしてみるのがオススメです♪問い合わせ先・サービスエリア■電話での問い合わせ0120-954-150(平日10:00〜18:00)■サービスエリア・関東エリア東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県(1都3県)にて、東京メトロ青山一丁目駅(弊社最寄り駅)より、片道1.5時間以内で移動が可能な場所・関西エリア大阪府、京都府、兵庫県、奈良県にて、梅田駅より片道1時間以内で移動が可能な場所上記エリア外の場合は、実費交通費と別途出張料金(1名5,000円税別)になります。インブルーム公式HP
2018年02月13日「今日こそは大声で叱らないと決めていたのにな…」天使のような子どもの寝顔を見ながら思ったこと、ありませんか?「夫にうまく言いたいことが伝わらなくてケンカになってしまう」「義両親とうまく付き合えない」「ママ友とランチしたけど、みんなの本音がわからなくて不安…」ひとりになると、いろいろなことが頭を駆けめぐり、相手に対してモヤモヤ…そして、そんな自分に対してもイライラ。そんな子育て中のママのお悩みに、ジワジワと効くのは、ズバリ、学問です。え?学問? そう、学問なのです。勉強なんて苦手…と思う人も多いかもしれません。でも、社会人になり、実社会でいろいろな経験をした今は、実のところ「学生の頃にもっと勉強しておけばよかったな」と思う人も多いのでは?学問とは、理論に基づいて体系化された知識と方法を学ぶこと。大人になった今だからこそ、その「体系化」された「知識の地図」を理解できることも。「心理学」とは心を理解するための地図のひとつそんな学問の中でも、人間関係や心が出発点となるお悩みを抱えているママにおすすめなのが「心理学」です。心理学とは、ズバリ、文字通り「心」の「理(ことわり/物事の筋道)」の学問。曖昧ではっきりしない人の心を、長い間多くの研究によって科学的に分析し、心と行動・身体のメカニズムを体系化したもの。心を理解するための地図のひとつとなります。何を考えているのかいまいちよくわからない乳幼児期の子どもを育てているママならば、乳児期の心理的発達を学ぶことで、「なるほど、この行動には、こんな能力を育てようとする目的があったのね」と理解が深まるでしょう。子どもの教育に興味があるのであれば、学習支援の心理学を学ぶことで、学習意欲を育てる手助けになるでしょう。子育てだけでなく、働き盛りのパパのことを支えたかったり、年齢を重ねていく親の心を知りたかったら、心理学で新たな視点を学ぶことで、相手がどんな状態にあるのかのヒントをつかむことができるでしょう。また、自分の仕事や、職場で起きる問題のアレコレ、さらに、自分の人間関係の悩みについても心理学がきっと活かされることでしょう。入り乱れた路地をただ闇雲に歩くよりも、その道の専門家が作った地図を片手に歩いたほうが目的地には確実にたどり着けると思いませんか?心理学を学ぶなら、何歳になっても自由に学べる「開かれた大学」で!その地図のありかのひとつが「放送大学」です。放送大学は、学びたい人が「いつでもどこでも」学べる「開かれた大学」です。何歳になっても、どんなライフステージの人でも、学びたい気持ちがあれば入学できて、その上、何度でも再入学できます。授業の科目を調べてみると「乳幼児の発達心理学」「子どもの発達に与える電子メディアの影響」「科学的思考力を育てる」など子どもに関するものだけでなく、「人格心理学」「偏見の心理」「自分を知り、自分を変える」など自分自身に役立ちそうなものまで、興味をそそられる内容がたくさんあります。 どんな授業があるの? 授業科目例を見てみる 学習方法は大学の名前の通り「放送授業」がメインです。テレビで放送大学のチャンネルがあるのをご存知の方も多いと思いますが、テレビ以外にラジオやインターネットで学ぶ方法もあります。もちろん、オンタイムにテレビ視聴できればそれでいいですし、録画しておけば、好きな時間に学習することも可能。学生専用サイトにアクセスすれば、ほとんどのテレビ科目とすべてのラジオ科目をネット配信しているから、パソコンやスマホ、タブレットとネット環境があれば、学ぶ場所も時間も選びません。自宅で勉強するだけなのが不安ならば、キャンパスで学ぶ方法もあります。放送大学のキャンパスは「全都道府県に設置」された学習センターやサテライトスペース。見逃した授業をCDやDVDで視聴できます。さらに、放送大学の隠れた人気&楽しみのひとつは、スクーリング。全国50カ所の学習センターと7カ所のサテライトスペースで、年間3,000以上のクラスが開講されているので、実際の教室で、同じ授業を受ける仲間たちと一緒に学ぶこともできるのです。また気になる授業料も1科目11,000円から学べます。好きな科目だけ選択する場合は、その科目の授業料だけを納入すればいいので、無駄がありません。※別途入学金が必要となります。金額は、学生の種類によって異なりますが7,000~24,000円です学び始めて面白いと思ってさらに本格的に学びたい気持ちが高まったら、資格も取れます。専門家への第一歩となる「認定心理士」。この「認定心理士」の資格、実は放送大学では、これまでに、7,900人以上もの人が資格取得要件を満たしています。そして、さらに臨床心理学の知識や技術を用いて、心理的な問題を取り扱う専門家「臨床心理士」、放送大学大学院修了生の合格率は、2016年度73.5%です!※臨床心理士の資格を取得するには大学院修士全科終了と1年以上の実務経験が必要となります最後に。私自身、子育てをしながら仕事をしているママとして、声を大にして、全国のママに伝えたいのは、放送大学の講師の方々は、本当に、本当に、一流だということ。現役のときには到底、入れる学力がなかった(涙)私にとっての、あの憧れの大学、大学院で教鞭をとったこともあるキャリアのある先生方が教員紹介のリストに、ずらずらと並んでいるのです。本屋や図書館で読んだ、あの有名な専門家の先生が教員紹介のリストに、いっぱいいるのです。そんな一流の先生を独り占めにするかのような贅沢な環境で学ぶこともできるのが放送大学の魅力のひとつです。これでも受講を迷うようならば、一回、気になる授業をテレビで見てください。45分の授業を見終えた後、きっと、少しだけでも、自分が成長したのを感じられるはずです。 まずは1科目から! はじめてみませんか?心理学 PR:放送大学
2018年02月06日キレイなお部屋にはあこがれるけど、片付けはちょっと苦手……。いつでも片付けられるように、整理整頓はやはり簡単にできるようにすることが大切です。今回はラベリングから写真整理まで、片付けがはかどるアイテムをご紹介します!ラベリングだってスタイリッシュに!《ピータッチキューブ》収納するときに、中身がわかるようにラベリングしておくだけで後々がとてもラクになります。ラベルライターはいかにも業務用というような見た目をしているイメージがありますが、実はこんなにコンパクトでおしゃれなものもありますよ!__________7hm7_____さんのアイデアでは使い方をとても分かりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。ピータッチキューブで整理整頓♪ラベリングは楽しくわかりやすく♪《pomini》「ラベリングするなら中身を一目瞭然にしたい!」という方にはこちらがおすすめ。収納ケースに入れる前に中身の写真を撮るだけで、その場でラベルができあがります。しかもかわいくデコレーションもできるから、片付けが楽しくなりそうですね☆スマホの写真をその場で印刷!《pomini》でできる収納整理術かわいいタグで仕分けをしよう♡《ガーリー「テプラ」》かわいいものが好きな方におすすめしたいラベルライターがこちら♡フォントや囲みなどが種類豊富で、別売りりぼんと《お名前タグメーカー》を使えば子どもの持ち物に便利なネームタグも作れます。そして、タグに二次元コードを付けて専用アプリで読み取れば、収納の中身を確認することもできる優れもの☆これは大活躍してくれますよ!絶大な人気《ガーリー「テプラ」》がパワーアップ♡気になる新機能などを徹底解説思い出もこれで整理整頓☆《Omoidori》写真は意外と整理整頓のお悩みポイント。アルバムにしてしまい込む方が多いと思いますが、せっかくの思い出はやはりすぐ出せる場所に置いておきたいものですよね。《Omoidori》は写真をキレイにデータ化するのにとっても便利!家に写真がたくさんある方はぜひ参考にしてみてくださいね☆写真を整理整頓!《Omoidori》でアルバムに入れたまま簡単・キレイにデータ化!最後に毎日の整理整頓を助けてくれるラベリング用と写真整理用アイテムをご紹介しましたが、気になるものはありましたか?忙しい毎日だからこそ、お片付けは上手に楽しくラクしたいものですよね☆便利なアイテムを活用して、あこがれのお部屋を目指しましょう!
2017年12月31日ちょっぴり面倒なお片付けも、ちょっとしたコツを知っているだけでぐっと楽チンに。どなたでも簡単に取り入れられる収納アイデアをご紹介。今回は子どもが自分でできる!を作る楽しいルール作りをご紹介します。毎朝の習慣付け。自分で登園の準備ができるルール作り。朝は、自分の準備に、朝ごはんに、何かとバタバタしがち。そんな時、小さな子どもも自分で登園の準備ができるようになると親はとても助かります。3歳頃から自分で準備をする習慣づけを促すと、朝の時間にも余裕ができますね。バッグに上着、帽子など、帰宅したらわかりやすい場所に自分でかけられる場所を作ってあげましょう。自分では届かない場所、親と共通のラックではなく、「自分専用」の場所を作ってあげるだけで、子どものやる気はぐっとあがります。専用の家具を買うのは小学校ぐらいから…と考えている場合は簡単にとりつけることができるフックを使うのがおすすめ。自分の使うものに「住所」を作ってあげることが、お片付け習慣化の第一歩です。天然木とスチールを組み合わせた北欧風デザインなのでインテリアに馴染みます。プチスツールをひとつ玄関においておくだけで、靴の脱ぎ履きも手間取りません。▼ご紹介したアイテム⇒ toscaキッチンツールフック ⇒ 北欧風プチスツール 保育園に来ていく服も、自分で準備ができる習慣を。この箱に入れる、というワンクッション作ってあげるだけで、子どももトライしやすくなります。前日の夜、明日の天気と気温を教えるなどの声がけも忘れず、最初はアドバイスしながら一緒に楽しみましょう。Tシャツ、ズボン、下着、タオル…、自分で組み合わせを考えられるようになっていきます。取っ手のあるボックスにすればリビングや寝室への移動も簡単です。樹脂製なのにソフトな質感と色合いのフランス収納ボックス。籐よりも子どもに安心の手触りと使い勝手です。▼ご紹介したアイテム⇒ Life Storyクラフトオブロングシリーズ収納ボックスL 増え続けるおもちゃ対策、まずは入れるだけの収納ボックスを成長と共にどんどん増えるおもちゃ類。移り気な子どもたち、次から次に新しいおもちゃを出しては収拾がつかなくなることも日常ですね。きちんと分類して収納することが理想ですが、まずはざっと大分類をして、「車は水色!」「ブロックは黄色!」などのように一旦入れるだけでいい場所を作ってあげるのが小さな子どもにも分かりやすい収納です。用途によって、大きさと色を選べるボックスなら見た目もすっきり。とりあえずボンボンいれて重ねるだけで片付きます。特に使用頻度が高いのに雑多になりがちな「ブロック」「ミニカーや電車」「おままごとセット」などをザッと入れておくのが便利です。Lサイズは高さと収納力もあるので、中を小分けしても。おままごとに必要なものを一式!という収納も可能ですね。お気に入りの色とおもちゃの住所を作ってあげて、とりあえず入れるだけの収納は、小さな子どもにも習慣化しやすいお片付け方法です。子供部屋のお片づけが楽しくなる、蓋付き収納、スマイルボックス。ブロックや車などのおもちゃをガサッと収納しておくのにピッタリです。▼ご紹介したアイテム⇒ スマイルボックスS(フタ付き収納ボックス) ⇒ スマイルボックスM(フタ付き収納ボックス) ⇒ スマイルボックスL(フタ付き収納ボックス)
2017年12月24日大掃除をツラくする原因の1つが、家中にあふれたモノ。片付けに疲れ、肝心の掃除が適当になる場合も。大掃除の前に余計なモノを抜くことがラクしてキレイな家にするコツだという。 「『抜く』というのは“譲る”“売る”“支援物資にする”“捨てる”のどれかで家の外へ出すこと。ほかの収納場所にしまうのでは意味がありません。不要なモノを抜かずにいるとモノは増える一方です」 こう語るのは関西のシニアブロガー・ごんおばちゃまだ。 「『いただきものだから』『高かったから』と処分できないモノは多いですね。迷ったら捨てないでいいんです。抜くべきときは自然に訪れます」(ごんおばちゃま・以下同) ごんおばちゃまの片付け法は、1日わずか30分。決めた場所のモノを吟味し、いらないモノを抜いていくだけ。整理整頓は後回し、迷ったら抜かないでいい。何度も同じ場所を見るうちに、だんだん抜くべきものがわかってくる。 「『まだもったいないと思う?』『本当に使う気持ちがある?』と自分問いかけるうち、自然と抜けるようになります。そうすると、今度は家中の『抜くべきモノ』が見えてくるんです」 ごんおばちゃまの“抜き”メソッド3原則は次の通り。 (1)1日絶対30分まで! キッチンタイマーを使ってきっちりはかる。それ以上は絶対NG! (2)いらないモノを「抜く」だけ 移動も掃除もしない。迷ったら取っておいてOK。 (3)人のモノには手を付けない リビングで家族のモノを抜いた場合はひとまとめにして1週間はキープしておく。 また、「壊れている」「期限切れ」「使えるけど使っていない、使う気がしない」……こんなモノはスグ抜こう! モノがなくなれば掃除もしやすくなり、家事もラクに。そんな“抜くだけ” 片付け法を場所別に紹介。 【キッチン】 モノが多いキッチンは1度では終わらない。まず1巡目はシンク下の調理器具類から始め、次に棚や冷蔵庫などを回って、食器棚は最後に。シンク下は、使っていない調理器具を潔くどんどん抜いていく。ふだんの調理に、鍋は3サイズあれば事足りる。焦げ付いたり取っ手が取れたりして使っていない鍋はすぐに抜く。 【クローゼット】 まずハンガーにつるしてある服から着手。最初に「絶対に着ない服」を抜き、次に「いつか着るかも」を着てみて、現時点で似合わなければ抜く。衣装ケースも同じ方法で行う。 【リビング】 家族のモノが集まるリビングも1回では終わらない。リビングボードやテレビボードなど引出しの多いところから着手。「なぜここに?」と思うモノや不要なモノをばんばん抜く。自分以外のモノは捨てずに「とりあえずケース」に入れ、1週間たったら処分すると家族に宣言しよう。 モノを減らすのは大変だからこそ、一気にはやらない。キッチンやリビング、クローゼットは30分ずつ何回にも分けて抜く。 「片付けは心も体も疲れます。もうちょっとやりたいと思うくらいが、継続するコツなの」
2017年12月06日毎日掃除や片付けをしても、エンドレスで散らかす子どもたち。イライラしてつい「早く片付けなさい!」なんて怒ってしまうことはありませんか? しかしその言葉が、子どもをますます「片付け嫌い」にさせているかもしれません。「片づけ嫌い」を克服した元インテリアコーディネーターで、現在は心屋認定講師のおむらちもさんが、「子どもの片付け嫌い」について、心理面からアプローチします。こんにちは。心屋塾認定講師のおむらちもです。私は、インテリアコーディネータになる前も後も、片づけが大の苦手で部屋をきれいに保つことができませんでした。しかし今では、「心」にアプローチし、思い込みのブロックを外すことで、小さい子どもがいても楽に片づけができるようになりました。子どもを片付け上手にするには、「片付けが苦手」「めんどくさい」などの“思い込みのブロック”を作らせないことが大切です。しかし、普段ママがしている“声かけ”の中には、思い込みのブロックを作ってしまう可能性がある言葉もあります。そこで今回は、子どもに伝えるときに気をつけたい“NGワード”と“おすすめワード”をご紹介します。■「片づけなさい」は大人の都合私は、たくさんの片づけが苦手な人の相談に乗ってきました。そんな人たちの中で「小さい頃から親に片づけなさい! と厳しく言われてきたけど、できないんです」という方がよくいらっしゃいます。この仕事をしているとつくづく思うのですが、我が子であっても相手をコントロールすることは、とても難しいです。「片づけなさい!」と言われて、身につく場合もあると思いますが、いつもしつこく言われることで、余計にやる気がなくなってしまう子どももいます。「宿題しなさい!」と言われて「今やろうと思ってたのに…。そんな風に言われて、やる気がなくなってしまった」なんて経験がある人も多いのでは? いつも厳しく言われることで、子どもの片づけに対しての印象が、“嫌なもの”になってしまうと、余計に行動する気がなくなってしまうのです。そして、実は「今、片づけてほしい」というのはこちら側の都合なんです。子どもにも子どもの都合やペースがあって、今そう言われても、やりたくない理由があったりします。考えてみれば、子どもには散らかす動機はあるけれど、片づける動機がないのです。このおもちゃで遊びたいと思ったら、取りにくい場所にあっても頑張って取る。やりたいと思ったことは手間と時間がかかってもやるんです。しかし、子どもには片づけたいと思う「動機」がないから片づけないんです。でも、それはとても自然なこと。あなたも望んでもいない面倒なことをわざわざやりたくないですよね。「片づけて」と声をかけても、効果がなかったり、子どもがすごく嫌そうに行動する場合は、子どものやる気が出るように“声のかけ方”を見直してみてください。■「ちゃんとしなさい」 じゃ伝わらない片づけを促すときに「ちゃんとしなさい!」と声をかける人もいますが、「ちゃんとする」というのは、曖昧で意味が伝わりにくい言葉です。子どもは「よくわからないけれど、自分は認めてもらえてないんだ」というメッセージとして受け取ってしまうこともあります。「ちゃんとしなさい」と言われて私が想像するのは、「家にいる時も気を抜かず、だらしなくしてはいけない」というイメージ。そうだとしたら大人の私でも、ちょっとしんどいなぁと思ってしまいます。人が生活する上で、物が出てしまうのは当たり前ですし、人それぞれ、心地いい状態も違います。そして、子どもが大きくなってきて、自分の部屋で過ごすようになったら、ある程度子どもの自由にさせてあげることも大切です。子どもには自分のスペースを散らかす権利もあるのです。プライベートスペースまで管理されることは、大人でも子どもでもすごく窮屈なことです。学校や外で、学びや人間関係を頑張っているのだから、家は羽を休ませる場所にしてあげたいですよね。ママ自身も片づけたくない時は片づけないと決めて、自分を休ませてあげることが大切です。「いつもちゃんとしてるママ」をやめることで、家の中の空気がゆるみ、子どもが困った時に悩みを相談したくなるような、温かい雰囲気づくりができるかもしれませんよ。■「恥ずかしい」はマイナスイメージの植え付け片づけられないことを「恥ずかしいわよ!」と言う人がいますが、これはとても影響のある言葉だと思います。言われた側は「自分は恥ずかしい人間なんだ」と考えるようになってしまい、片づけができるようになっても、できない人を見ると、心のどこかで見下すようになってしまうでしょう。こういう言い回しをする人は、片づけ以外にも「恥ずかしい」を使っている傾向が多いようです。実はそれは、自分と周りにバツをつけて評価をしていることになります。周りの人にバツをつける思考の癖があると、自分も人からどう思われるかを気にしないといけないし、自分と他人をつい見張ってしまい、楽な心の状態にはなれません。私は、雑誌などで部屋を紹介していただけるようになった今でも、片づけができない人を恥ずかしい人だとは思っていません。そして、片づけが苦手でも素晴らしい人をたくさん知っています。片づけができるかどうかと、人間的な価値は関係がないのです。バツをつけていた「事」や「人」にマルをつけるだけで、心がゆるまって、人生が明るくなってきますよ。■片付け嫌いにさせない、おすすめワード子どもを片付け嫌いにしてしまうNGワードをお伝えしてきましたが、ではどのように声をかけたらいいのでしょうか。私は「片づけると気持ちいいね」と声をかけることをおすすめしています。子どもが「気持ちいい」という感覚をしっかり認識できて、その感覚を好きになれば、自然に片づけようという動機につながりやすくなります。ママが「気持ちいいなぁ」と声をかけながら片づけていきましょう。子どもと一緒に片付けができた時も「あなたの行動のおかげで気持ちよくなった」と伝えてあげてください。そうすることで、「片づけは面倒で嫌なことだ」というイメージが少しずつゆるまってきます。そして、ママさん自身も「片付けるべき」と自分を追い立てるのをやめて、「気持ちいい」と言う気持ちを大切に行動することで、イライラした気持ちも自然と少なくなってくると思いますよ。
2017年11月30日’17年のノーベル経済学賞を受賞したのは、「行動経済学」の権威、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授(72)だ。行動経済学とは、経済学に心理学などの要素を加えて読み解く学問。その彼が提唱する「ナッジ理論」が、いま世界中で大きな注目を集めている。 「“ナッジ”には、『人の脇腹を肘で優しく突いて、人に注意を喚起する』という意味があります。これは強制するわけでも、自由に任せるわけでもなく、その中間。人間の心理をうまく利用して、有利な方向へと“緩やかに誘導”するというものです」 こう語るのは、行動経済学に詳しい、経済コラムニストの大江英樹さん。ボーナスが支給されたり、バーゲンセールがあったりで、財布のひもが緩みがちな、これからの季節。この「ナッジ理論」をはじめとする行動経済学を、ちょっと知っているだけで、ムダ遣いや衝動買いは防げると、大江さんは言う。 「まずバーゲンセールというのは、お店が儲かるからやっている。損をするための商売など、どこのお店もやりません。これが大前提です。バーゲンには消費者心理を利用した“落とし穴”がいくつも潜んでいます。たとえば、バーゲン会場でありながら、定価で売られている“セール対象外商品”というのは、セール品の安さを際立たせるための、“おとり商品”。店側が多くのセール品を買わせるために、客を“緩やかに誘導”しているのです」(大江さん) そこで、今回のノーベル賞を受賞した「行動経済学」の観点から、ムダ遣いや衝動買いをしないための賢いお買い物術を、大江さんにアドバイスしてもらった。 ■ふだんから買い物リストを作るべし 「バーゲンセールをやっているのを見ると、“買わなきゃ損!”と思うことがありますよね。それは、『認知バイアス』といって、“お店が損をしてまで大サービスをしている”と思い込んでいるからなんです。これがあると、いらないものまで買ってしまう可能性があるので要注意です」(大江さん・以下同) それを防ぐには、“必要なもの”“買わなければいけないもの”をふだんからリストアップしておくことだという。 「たとえば、衣替えの時期などに定期的に、足りないもの、捨てていいものを取捨選択して、バーゲンまでに、どのアイテムが必要かをリストアップする。これをしておかないと、バーゲン商品をパッと見ただけで、あれもこれも欲しくなる。必要なものだけを必要なときに買う癖を、ふだんからつけることが大切です」 ■夫や恋人……異性を連れて行こう 「同じ嗜好を持った女性同士で買い物に行くと、互いにあおり合って歯止めが利かなくなる。これは周囲と同じ行動をしたくなる、『ハーディング(群れ)現象』という集団心理の表れの一つです。できれば、買い物は男女2人で行くべきです」 ■買い物は午前中にしよう! 「海外旅行に行って、『観光と買い物をいつしたいか』と聞くと、多くの人は『午前中に市内観光、午後に買い物』と答えます。ところが人間の脳は、体と同じで疲れます。いろんなものを見たり聞いたりすると、頭の中で処理しないといけないためです」 疲れた状態で買い物に行くと、冷静な判断ができにくくなり、ついいらないものまで買ってしまう。これを防ぐためには、脳が疲れていない午前中に、買い物をすることがベストなんだそう。 「どっちを買おうか迷っても、冷静に判断できます。しかも午前中の買い物だと、荷物になるのが嫌だからたくさん買わないようにする意識も働く」 最後に大江さんはこう語る。 「消費者にとって大切なのは、『知識より常識』です。売り手側は儲けようとしているという前提=常識に沿って考えると、見えてくることや気づくことも多いと思います」
2017年11月10日私、「サレ妻予備軍」になりました。
兄の連れてきた婚約者は…
妻は看病してもらえないのが普通ですか?