付き合い始めた彼女の影響で起業を考えていたトクサ。彼女との結婚を考え始め、親に紹介することに…。母親は卵アレルギーの彼女のために卵不使用の手料理を出すも、彼女の反応はイマイチ。トクサと彼女の運命はいかに…。今回は、<母に激怒した性悪カノジョの末路>を紹介します!母の反対出典:Youtube母と息子の衝突出典:Youtubeすれ違う2人の意見出典:Youtube母の考え出典:Youtubeそれじゃあ遅い出典:Youtube貧乏のまま出典:Youtube母のごめん…。出典:Youtube母の後悔出典:Youtube(イラスト/エトラちゃんは見た!)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2024年02月07日付き合い始めた彼女の影響で起業を考えていたトクサ。彼女との結婚を考え始め、親に紹介することに…。母親は卵アレルギーの彼女のために卵不使用の手料理を出すも、彼女の反応はイマイチ。トクサと彼女の運命はいかに…。今回は、<母に激怒した性悪カノジョの末路>を紹介します!卵を使わない料理出典:Youtube色々考えてみる出典:Youtube母の想い出典:Youtube任せて!出典:Youtubeパソコンしてくる出典:Youtube母の不安な顔出典:Youtube起業の準備?出典:Youtube睨む息子出典:Youtube(イラスト/エトラちゃんは見た!)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2024年02月06日私は夢だった国家資格のクリーニング師を取得し、クリーニング店を起業&経営しています。さらに、高校時代からの友人アツミが大企業での営業経験を生かして協力してくれることに。幸い付近に競合店もなく、彼女も本領を発揮して、新規顧客を続々と獲得し出したのですが……。友人の態度にモヤッ営業経験のない私は、仕事を取ってきてくれるアツミに頭が上がりません。その営業能力は素晴らしく、大口受注が見込める製造工場などの法人顧客も獲得するように。起業して3年もたつと受注が倍増し、私はうれしい悲鳴を挙げていました。ところが、そのころからアツミの様子が変貌。率直に言えば、態度が尊大になってきたのです。「これだけ顧客を取ってきてやったんだから、もっと給料上げてくれない?」もちろん彼女のことは毎年昇給していましたし、他の従業員の給料や設備投資のために資金がかかるのですぐには難しいと伝えると、「誰のおかげでこの小さな店がもっていると思う?」と高飛車な言い方です。彼女に感謝しているからこそ申し訳ない一方で、その上から目線にモヤッとしたのです。いきなり退職届「あの電気器具メーカーの女社長、ムカつく! 法人顧客獲得は連戦連勝だったのに、私の営業を断るなんて何様のつもり?」ある日私は、アツミが休憩室でこんなふうに愚痴っているのを聞いてしまったのです。以前は取引を断られた相手の悪口を言うことはなかったのに……。誰に対しても傲慢(ごうまん)になっているアツミを見て、何かよからぬことをするかもと心配になった矢先、私の不安は的中してしまいました。それから数日後……。「私、こんな店は今日で辞めるから!」なんとアツミが、いきなり即時退社を申し出て、ポンと退職届を私に手渡してきたのです。裏切られた私…聞けば、業界大手のライバルチェーン店から引き抜かれたのだとか。おまけに、「私がとってきた大口の法人顧客は全部いただくわ」と豪語する始末……。優秀な彼女へのヘッドハンティングは仕方がないにしても、店の大口顧客を奪うのはルール違反では? それに、いくら最初は営業のおかげだとしても、わが社のサービスに満足してくれていた法人顧客が、簡単に他社に乗り換えるとは思いたくありませんでした。しかし、アツミは勝ち誇ったように言いました。「このクリーニング屋には将来性がない。顧客を連れて大手に移るのは当然のこと。ビジネスだから割り切ってね」あっさり裏切られた私は「終わった……」と大ショック。しかし残った社員とお客様のために、たとえ大口顧客を失っても閉店するわけにはいきません。前を向こうと顔を上げて店内を見回したそのとき、思わぬ人物がやってきました。救世主の登場!現れたのは、アツミが営業を断られたと憤慨していた電気器具メーカーの女社長でした。ぼう然としていた私に彼女はこう切りだしたのです。「つかぬことをお聞きしますが、こちらにいたアツミという営業の方が転職すると伺って……」彼女がまさに今日付けで退職したことを伝えると、女社長は喜色満面に。「実は、彼女が辞めるのを待っていたの。傲慢な態度で信用できなかったから。でも、こちらのお店がクリーニングの質もサービスも素晴らしいということは前から知っていました。だから、あなたと直接契約させてください」捨てる神あれば拾う神あり! 大感激の私に、女社長はここ数日間のアツミの言動を教えてくれました。なんと彼女、取引先に私の店が近々つぶれるとウソをつき、転職先と契約するよう促していたそう。人脈の広い女社長の話は信ぴょう性があり、妙に過信していたアツミの様子にも納得がいったのでした。「事実無根のウソで自社をおとしめ、転職先に顧客を移すなんて卑劣な手は認められません。転職先のクリーニングチェーンにもこの話は伝わっている。今ごろ大変なことになっているはずよ」舞い戻ってきたけれどそんな話をしていた直後、本当にアツミが舞い戻り、「入社が取り消された……。謝るから私を戻して~」と泣きついてきたのです。さらに、衝撃の真実も発覚。彼女は、例の大手チェーンの営業部長と不倫関係になっていて、うちから法人顧客を奪うよう頼まれていたのだとか……。転職内定も実は彼の独断でおこなわれたもので、正式採用ではなかったようです。もちろん、わが社のお客様は取引先の変更に至らず、これまで通りクリーニングをお任せいただけることに。公私混同・虚偽による営業妨害・裏切り行為……。どんなに謝られても、お客様にまで迷惑をかけた彼女の行為を許すわけにはいきませんでした。その後、既存顧客を取り戻した上、女社長のメーカーからも受注が入るようになったため、私たちは一層多忙に。アツミが去ったわが社は新たな従業員を雇って最新設備を導入し、地域密着型のクリーニング店として高評をいただいています。--------------ウソをついての顧客の持ち逃げは、ビジネスルールに反していますよね。相手を不快にさせる尊大な態度や裏切り行為も、結局は自分に返ってきます。友人も、これに懲りて改心してくれるといいですね。著者/ウーマンカレンダー編集室/スカッと読者からの体験談をお届けします。
2023年12月27日2023年10月6日、俳優の榮倉奈々さんが、アパレルブランド『newnow(ニューナウ)』を立ち上げることを発表。それに伴い、株式会社LAND NK(ランドエヌケー)を創設し、CEOに就任したことを報告しました。榮倉奈々「起業しようと奮い立たせてくれたのは…」榮倉さんといえば、同じく俳優の賀来賢人さんと2016年に結婚。同月現在、2人の子供の母親でもあります。今回アパレルブランドを立ち上げたきっかけについて、榮倉さんは『newnow』のInstagramアカウントで、次のようにつづっていました。新会社を設立したのですが、起業をしようと奮い立たせてくれたのは、紛れもなく子どもたちの存在です。何事にも好奇心を持ち挑戦し続ける子どもたちと6年間過ごしていると、私も新しい場所で、奮励したくなった...というのがブランドの立ち上げに対する素直な気持ちです。newnow_jpーより引用子供たちの存在が、起業を決心したきっかけだという、榮倉さん。「何事にも好奇心を持ち、挑戦し続ける子供たちと過ごしていると、新しい場所で奮励したくなった」といいます。榮倉さんは、洋服に対する思いを、次のように明かしていました。着心地がよく、買っただけでもドキドキする、クローゼットに並べるだけで胸が高鳴る、コーディネートを考えたらすぐにでも着替えたくなる、そんな洋服が好きです。かつてそんな純粋な気持ちで洋服を眺めていた自分を、再び思い出したくなりました。newnow_jpーより引用また、同アパレルブランドの起源が『家族』にあるため、撮影には夫の賀来さんにも協力してもらったのだそう。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る newnow(@newnow_jp)がシェアした投稿 『newnow』は、スタイリストの上杉美雪さん、デザイナーの福屋千春さんと3人で、『変わりつづける今を生きる服』というテーマのもと、洋服を提供するとのことです。榮倉さんの突然の発表に、ファンからはお祝いのコメントが多数寄せられました。・ずっとファンだった私にとって、とても嬉しいニュース。涙があふれて止まらない。・おめでとうございます!起源が家族なんて、最高じゃないですか…。私も榮倉さんが手掛けた洋服を着てみたいです!・子供たちがきっかけって、なかなかないことですよね。勇気ある決断、本当にすごいと思います。尊敬する!俳優業やファッションモデルなどの仕事はもちろん、子育てをしながらも、新たな挑戦へのスタートを切った、榮倉さん。きっと賀来さんと子供たちと支え合いながら、素敵な洋服を世に発信していくのでしょう。榮倉さんの決断と行動力は、多くの人に勇気を与えてくれました。[文・構成/grape編集部]
2023年10月06日取材・文:ミクニシオリ撮影:洞澤佐智子編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部経営者やマネージャーなどのいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でもリーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて、そして仕事をしていて……私たちと同じように生活を送る、ビジネスパーソンの一人でもあります。そんなリーダーたちの素顔や、これまでを探る本企画。今回の「リーダー」は、シニア向けWell-being事業で注目される株式会社AgeWellJapanの代表取締役・赤木円香さん。株式会社AgeWellJapanでは、シニア訪問サービス「もっとメイト」を中心に、シニア世代を明るくサポートするサービスを展開し、福祉やヘルスケアの業界で注目されています。経営者の両親のもと、幼い頃から挑戦を惜しまないよう育てられた起業家サラブレッドの赤木さん。しかしそんな彼女にも、起業家としての歩みを始めるまでに様々な苦難がありました。正義感の強いギャルだった学生時代には「他者からのラベリングへの疑念」や「周囲に対するコンプレックス」など、誰しもが経験する壁に何度もぶち当たります。それでも彼女が人生のハードルを乗り越えることができたのは、幼い頃からの起業への憧れと、苦難から学んだ「本質を見抜く力」のおかげでした。赤木 円香さん東京都渋谷区生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2013年に人材コンサルティング会社に参画。法人向けのコミュニケーションやホスピタリティ研修の企画・営業を担当。2017年に味の素株式会社に入社。財務経理部にて決算および原価計算業務を担当。2020年、「シニア世代のわくわくを創造する」を掲げ、株式会社MIHARU(現在の株式会社AgeWellJapan)を創業。シニア世代のウェルビーイングを実現する孫世代の相棒サービス「もっとメイト」の運営。法人・自治体向けに、多世代交流の場づくりを支援。カンファレンスイベント「AgeWellJapan」を主催。渋谷のラジオ「誰でもスマートフォン講座」レギュラー出演をはじめメディア出演多数。■大好きだったギャルメイク。けれど外見やイメージからの「ラベリング」には違和感Q.1 幼少期はどんな性格でしたか?子どもの頃から活発だったと思われることが多いのですが、双子の妹と比べると実はとても人見知りでした。年齢とともに改善はしましたが、正直、幼少期は妹に守ってもらってばかりの頼りない姉でした。ちなみに、その後もお世話になり続けた妹への感謝を込めて、起業時の社名は、妹の名前である「MIHARU(みはる)」と名付けました。Q.2 どのようなご家庭で育ちましたか?父母ともに経営者で、いつも惜しまず挑戦をさせてもらえる環境でした。そのおかげで今の自分らしさがあると思いますし、同じ女性の身で経営者として働き続ける母のことはずっと尊敬しています。起業してからの苦しい時、いつも母が背中を押してくれました。Q.3 思春期は学校でどんな存在でしたか?中学時代は、評議会長だけどヤンキーの彼氏がいる、そんな学生でした(笑)。高校は私立の学校に進学しました。金髪エクステのギャルだったので、クラスではその見た目もあって浮いた存在になり、先生にも目をつけられてしまいました。その頃から、見た目だけで判断されたりラベリングされたりすることに違和感を覚え、自身は他者を勝手に解釈せず、本質を見抜ける人でありたいと思うようになりました。それが原体験となって「ギャル」だけでなく、「シニア」や「障がい者」など、それぞれの人生経験を無視して弱者と見立てる文化を変えたい思いが強くなっていきました。Q.4 大学はどのように選びましたか?受験期にマザーハウスの創業者である山口絵理子さんの本を読み、感銘を受けたことがきっかけで、彼女の出身校である慶應大学SFCキャンパスを選びました。25歳で起業して、裸一貫で社会を変えようとした彼女の人生を知り、私もそんなビジネスがしたいと強く思いました。ちなみに、高校時代に読んだ本はたった2冊で、1冊が山口絵理子さんの本、もう1冊はヤンキーの彼氏に借りた矢沢永吉さんの『成りあがり』だけです(笑)。Q.5 学生時代に注力したことは?高校時代は、児童館でボランティア活動をしていました。起業家になると決めていたため、大学時代は「どの領域で起業するか」を見極めるために、様々なことにチャレンジしました。インターンや留学もしたけど、AO推薦で入学したこともあり、自分より優秀な人が多くいることを知り、コンプレックスが強くなっていった時期でもあります。周りには帰国子女も多く、英語が喋れないことにもコンプレックスを持っていました。父には留学を反対されましたが、母が金銭的援助や助言をしてくれたおかげで、1年の留学に行くことができ、語学力を養うことができました。■「おばあちゃんを笑顔にしたい!」大好きだった祖母の変化が起業のきっかけQ.6 就職先はどのように決めましたか?学生時代に起業したい分野を見定めることができなかったので、大企業の経営を間近で経験できる就職先に進むことに決めました。経営企画部や財務経理部で就職できる会社を探し、大手食品メーカーに就職。毎日17時退社のホワイト企業で、人生で初めて暇を持て余すようになりました。空いた時間は、今までできなかった家族とのコミュニケーションに使うようになり、大好きだった祖母の家に頻繁に遊びに行くようになりました。Q.7 起業のきっかけはなんでしたか?私が幼い頃は、一緒にケニア旅行をするほどアクティブで、チャーミングだった祖母。そんな彼女が、私が新卒2年目の時に体調を崩して背中が曲がってしまい、家族に対して「申し訳ない」と口にするようになりました。時代を築いてきたシニア世代は、知識も人生経験もある人たちなのに、できないことが増えるからといって謝るなんておかしい。なんとも言えない憤りを感じました。そんな祖母の姿を見て、「これだ」と思いました。ずっとやりたいことが見つからなかったけど、孫としてだけでなく、時代を生きる若者として「おばあちゃんのために何かしたい」と強く感じ、シニア向けWell-being事業での起業を決意しました。ずっと探し続けていた人生を賭けることが見つかった瞬間は、知的好奇心で震えたのを覚えています。Q.8 創業当初、大変だったエピソードがあれば教えてください。2020年1月に創業して、3月にサービスをリリースしてすぐ、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が始まりました。訪問サービスなど行えるわけもなく、最初のお客様に会うことができた時、起業からなんと半年も経っていました。そうした経緯もあって、最初の半年間はお金が出ていく一方でした。新聞折り込みのチラシで広告活動を行った時は、1円でも無駄にしたくないという思いから、各エリアの販売店に直接電話して、実際に配っている枚数を聞きたこともあります。現在はコロナも落ち着き、事業も波に乗っていますが、今も道に落ちているチラシを見ては「あ、7円の広告宣伝費が落ちている」と当時の自分の気持ちを思い出すこともあります。Q.9 創業してから一番うれしかったことは何ですか?創業期にお電話をくれて、お客様になってくれたケイコさんというおばあちゃん。子どものいない85歳の彼女のもとに訪問するようになって、ある日こんな感想をいただきました。「人生で初めて、折込チラシから電話をしました。赤木さんが毎週来てくれるようになって、人生がみるみる明るく、賑やかになりました。人生の最後に、一緒にいてくれてありがとう」その日の帰り道は涙が止まりませんでした。ケイコさんと撮った写真を会社のHPに載せているのですが、「メンバーを紹介するページに、クライアントを載せている会社なんてないよ」とよく言われます。でも、いいんです。私にとってはケイコさんを含めて、今後関わる可能性のある3,600万人のシニア全員が、会社のメンバーと同じように大切な存在ですから。Q.10 毎日のタイムスケジュールを教えてください。お昼の時間は、基本的にないです。22時くらいまで打ち合わせが入るか、夜の会食も多く、合間を縫ってお客様の訪問にも伺います。訪問は土日に入ることもあるので、休みは不定期……というか、ほぼないです。私自身は仕事が生きがいなので、つらいと感じることはありません。ただメンバーたちには、私のことは気にせず、適切なライフワークバランスを実現するよう伝えています。■クライアントだけでなく、自分や家族含め「全員ハッピーな未来」を描くQ.11 プライベートの悩みはありますか?現在、結婚5年目なのですが、子どもをいつ持つかを悩んでいます。おばあちゃんに孫を見せてあげたい気持ちも強いのですが、夫の拠点は岡山なので、自分中心の育児に不安を感じています。今は会社にとっても大切な時期でもありますし、35歳くらいまでは仕事に全力を注ぎたい。だけど女性には身体的なリミットもあるので、難しいですよね。周りにも同じ悩みを抱えている友人が多くいます。Q.12 忙しい日々の中で、息抜きになる瞬間は?4カ月に1度は沖縄に行きます。沖縄出身の友人が多く、彼らに流れているゆっくりした雰囲気が好きなこともあり、息抜きは沖縄と決めています。沖縄は気候だけでなく、そこに住む方の人柄も温かく、気に入っています。沖縄では大好きなお酒をたくさん飲んで、経営者の赤木ではなく、素の自分を過ごしています。Q.13 どんなところに住んでいますか?都内のマンションで、妹や母、祖母たちと別々に部屋を借り、家族みんなで暮らしています。忙しい日々の中でできる、私なりの親孝行です。経営者一家とは言っても、経営悪化で貧しい暮らしを強いられたこともありました。それでも母は一貫して自立し続けてきた人です。そんな母の影響力があってこそ、今のマンションに家族みんなが集結しているので、母には頭が上がりません。Q.14 将来の夢を教えて下さい。起業家としての夢は、3,600万人のシニアたちが、全員ハッピーになれる世界を作ることです。無謀と思う人もいるかもしれません。けれど、無謀な挑戦を口に出して言えるのは起業家の特権です。だからこそ、どれだけ無謀であっても、明るい未来の展望をみんなに伝え続け、賛同してくれる仲間を増やし続けることが私の使命だと思っています。個人としては、子どもを持つことで、私自身や私の家族を笑顔にすることが夢です。お客様であるおばあちゃんたちだけでなく、自分も、自分の家族もハッピーにし続けたいです。
2023年09月13日■前回のあらすじ夫・智宏には、これまで義母が敷いたレールに乗ってきただけだというコンプレックスがあることが判明。そんな中、智宏は自分のやりたいことができる仕事への転職を考えていると言い出して…。 >>1話目を見る 次回に続く(全6話)は毎日21時更新!原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ニタヨメ
2022年08月14日起業家の尾崎美紀氏(崎はたつさき)が、Amazon Prime Video『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2の2代目バチェロレッテに選ばれたことが9日、明らかになった。才色兼備の独身女性(バチェロレッテ)が主役となり、多数の男性候補の中から未来の結婚相手を選び抜く同番組。2020年にシーズン1が配信され、約2年ぶりとなる最新作が7月7日から配信される。今回、2代目バチェロレッテに選ばれた尾崎氏は、愛知県名古屋市出身の28歳。大学卒業とともに起業し、コスメブランドと美容メディア運営を行う会社を設立した。わずか2年で年商15億円を達成し、経済誌『Forbes』が発表した「Forbes 30 Under 30 Asia」で“世界を変える30歳未満の30名”の起業家に選出されたカリスマ経営者だ。今回公開されたインタビュー映像で尾崎氏は、「(経営する会社が軌道に乗り)やっと自分の幸せを考える時間ができた」と参加に至るまでの思いを話したほか、過去の恋愛についても「モテてきました(笑)。でも好きな人からモテないと意味ないので、自分がいいなと思う人からモテたい」と語った。また、理想のタイプは「私のことを好きでいてくれる人。見た目では選ばないようにしてます」と明かした。同番組は、7月7日(22:00)に第1話から第3話の配信を開始し、7月28日まで毎週木曜22時に順次配信される。コメントは以下の通り。■尾崎美紀こんなに自分と向き合って恋愛だけに没頭したのは起業して以来、久しぶりのことです。男性メンバー達それぞれとの出会いを大切にし、“幸せになること”を最後まで諦めずに、旅をやり切れたらいいなと思っています。仕事を日本に置いて、1人の女性として真剣に愛に向き合っている私の旅を通して、何か感じていただけるものがあれば嬉しいです。ぜひたくさんの方に楽しんでいただけますように。
2022年06月09日[PR]アドビ職場でもプライベートでも、ステキだなと思う人はさりげないところでセンスがいい。たとえば、SNS投稿や誕生日にもらったバースデーカード、子どものアルバムやお手製の名刺など。じつは最近、写真や動画を使って自分でデザインしている人が増えています。「でも、スキルがない私が、センスよく作るなんてとても無理!」そんな風に諦めていませんか?「内心はすごくうらやましい…わたしにもできたらな…」そんな想いを持っている初心者さんにおすすめなのが「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」という無料でスタートできるデザインツール。技術や知識がなくても全然OK! プロがデザインしたテンプレートをもとに、誰でも手軽にSNS投稿用の画像やカード、アルバムやポスター制作などができるんです。スマホならアプリで、パソコンならブラウザ上で使えて、プライベートからビジネスシーンまで幅広く利用できます。豊富なテンプレート! 簡単操作で誰もがクリエイター無料でも選べるテンプレートはなんと数千種類! しかも、すべてプロのデザイナーによるオシャレなものばかりなので、知識やセンスがなくても大丈夫。テンプレートはサンプル画像や一覧からもチョイスが可能。操作もドラッグ&ドロップするだけというシンプルなものがほとんどで、日頃からスマホアプリを使い慣れている人ならまったく問題なしです。カテゴリ一覧を見ているだけで「こんなこともできちゃうの?!」とワクワクする!また、テキストフォントも3千種類以上、自由に使える写真※も約100万点ほどあるから、オリジナリティもきちんと出せます。ロゴやチラシなど、新しく何かを始めるときにもプロのクオリティをベースに、人とカブらないモノができるのはうれしいですよね。(※Adobe Stockというストックサービスから使用できる写真)ただ、そんなときに意外と悩むのが色。「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」がスゴイのは、AIによって自動で色の組み合わせをレコメンドしてくれること。迷わず、短時間でセンスよく仕上げることができるんです。活用範囲が広いので、さまざまなシーンで大活躍! ここではその一部をご紹介します。 その1:子どもの園でアルバム制作係に…どうしたらセンスよく作れる? その2:ピンチ! 仕事で画像や動画加工をする必要に迫られた…(涙) その3:独立した! 宣伝ツールやバナー制作…経験も時間もない(汗) その1:アルバム制作係になった! どうしたらセンスよく作れる?!「子どもの園でアルバム制作係に。専用のソフトも持ってないし、お金も時間もかけられないし、どうしたらいいの!? そういえば、もうすぐ義父が定年退職だ。直接会えないからこそ、何か特別なものを送りたいけど…」ハロウィンやクリスマスといった季節の行事はもちろん、誕生日や卒入園など子どもや家族のイベントごとって案外多いですよね。そんなときにも便利なのが「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」。「卒業アルバムカバー」「誕生日のフォトコラージュ」「誕生日ビデオ」のテンプレートを使えば、写真をセレクトするだけでオリジナルのフォトアルバムや動画が無料で簡単に制作できます。複数のお気に入りの写真をコラージュして1ページにまとめるのもスペシャル感があってかわいい! また、先生や祖父母など周囲の方へありがとうを送りたいときは、「感謝状」のテンプレートがおすすめ。「母の日カード」「クリスマスカード」「出産報告」といった気持ちを伝えるためのテンプレートもたくさんあるので、季節や状況に合わせてチョイスできます。そして、意外なところでは、子どもの知育に使える「フラッシュカード」「算数ドリル」、パーティで盛り上がる「ビンゴカード」といったテンプレートも。思い立ったらすぐに無料で使えるので、子どものお家時間やほかと差別化したいパーティにもぴったりです。チュートリアル動画(操作の説明動画)もあるので、初心者ママでも安心して使えますよ。子どもの写真をフォトカレンダーにして祖父母に送ったら大喜び! ただプレゼントをあげるだけでは味気ないけど、これを添えただけで一気にスペシャル感が出ていいですね!テキスト入りの写真をSNSにアップしているママ友に密かに憧れていたんです。写真加工もやってみたらすごく簡単だし、生活感も隠せて一石二鳥(笑)眠っていた子どもの写真ももっと楽しめそうです。その2ピンチ! 仕事で画像や動画加工をする必要に迫られた…(涙)「仕事で新プロジェクトがスタート! 資料作成にSNSにバナー広告に…デザインや画像加工が必要な場面が増えそうだけど、予算の関係で外注できなそう。フォトショップ(※デザイナーが使うデザインツール)なんて使ったことないし、どうしよう…」“急に上司にSNS担当を命じられた” “もっと見栄えのするプレゼン資料が作れないかな”など、仕事をしていて、急にデザインの必要性に迫られることってありませんか? とくに最近はビジネスシーンでもSNSなどの発信スキルは必須。ビジュアル的にわかりやすいことも重要です。そんなときに「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」は大活躍! テキスト入りのSNS投稿用素材は、「Instagram投稿」「Instagramストーリー」など各SNSのテンプレートが一通りあるから、おしゃれなものがささっとできます。投稿先に合わせたサイズ変更もOK。さらに、「バナー広告」テンプレートを使えば、マーケティングが専門でなくても惹きのあるバナー広告が作成できるので、デザイナーさんにいちいち依頼しなくても大丈夫!また、「マインドマップ」「ペルソナ」「フローチャート」など、資料作成やミーティングで使えるテンプレートも豊富。色味のセレクトは自動でレコメンドしてくれるので、自然と統一感のある資料が作成できます。イチから「フォトショップ」を学ぶのは大変! でもこれならデザインが未経験の私でもすぐに使いこなせました。仕事のクオリティが一段上がったみたいでうれしい。SNS担当になってから画像加工に苦戦していたけれど、「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」を使うようになってからはかなりの時短に!いまは楽しく作業できてやりたいことが増えました。その3独立した! 宣伝ツールやバナー制作…経験も時間もない(汗)「趣味で活動していたハンドメイド作家としてついに独立することに! ロゴや名刺、パンフレットやショップカードなど用意しなくちゃいけない制作物がたくさん。センスよく見せたいけれど、プロに頼む費用までは出せなくて…」多様な働き方が推奨されるようになり、副業を始めたりフリーランスに転身したり、新しいチャレンジをする人が増えていますよね。何かをスタートするときにも頼りになるのが、「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」。プロがデザインしたテンプレートの中には、「ウェブサイト」「かっこいいロゴ」「チラシ」「パンフレット」といった最初に準備したいものから、「クーポン」「スタンプカード」などリピーターに向けた販促物まであるから、デザイナーさんなしでも気軽に一歩を踏み出すことができます。商用利用ができる写真も豊富だし、テンプレートを眺めているだけでもイメージが膨らんできて楽しい! 手持ちの写真を使用する場合でも、背景の削除などが直感的な操作で迷わず作業できますよ。ウェブサイトはもちろん、ロゴにポスターにメニューに、画像加工が必要なものばかりで困っていました。それが、知識がない自分にも簡単にできたんです! 紹介動画まで作れて本当に助かりました。 シーズンごとにものすごくお金がかかっていたパンフレットの制作。それが、テンプレートがあるので費用もかからず自分で満足いくものが作れたんです!感激! 仕事でもプライベートでも、可能性広がる!「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」を使えば、仕事でもプライベートでも工夫次第で世界がグンと広がるはず! オシャレで有名なインフルエンサーさんも、資料作りが上手な先輩も、夢を実現させた友人も、もしかしたらデザインセンスが特別に優れていたわけではないのかも?! 必要なのはきっと、好奇心や一歩を踏み出す勇気。明日を少しでもワクワクさせるために、まずは無料版から気軽に試してみてはいかがでしょうか。 無料で始める! プロ級の仕上がりAdobe Creative Cloud Express を見る デザイン未経験でもできる!「Adobe Creative Cloud Express」「Adobe Creative Cloud Express(アドビ クリエイティブ クラウド エクスプレス)」は、デザインスキルがない人でもクオリティの高いコンテンツを作成することができるソフト。プロのデザイナーによる豊富なテンプレートや、商用利用ができる画像やフォントを用いて、スマホやパソコンで直感的に操作するだけでセンスのいいクリエイティブを仕上げることができます。\ こんなことができる! 夢が広がる!/・初心者でもできる! プロがデザインしたテンプレートで素早くデザイン・直感的な操作で、写真やビデオをすばやく編集してカスタマイズ・チュートリアル動画もあるから、迷わず作業が進められる・PC版のほかモバイル版もあるので、スマホでもラクラク作業・背景の削除やテキストのアニメーション化も、サクッと簡単・Instagramのストーリーなど、デザイン性の高いSNS投稿が可能・高品質エフェクトの追加も、ほんの数タップで完了・追加料金でビジネス向けの幅広いコンテンツも作成できる テンプレート、カテゴリ一覧を見る >> 無料から始める! 料金プラン一覧 >> \今すぐ無料で始めよう/Adobe Creative Cloud Express を見る ※本記事に登場する人物とストーリーは、商品特長をお伝えする目的で作られたフィクションとなりますイラスト:ちょっ子 文:佐々木彩子編集・運営:エキサイト株式会社(記事に関する問い合わせ:womanpr@excite.jp)
2022年03月01日仕事で辛いとき、ふと「私のやりたいことって本当にこれだったっけ…?」と迷うこと、ありませんか? そんなときに支えとなるのが、“好き”という気持ち。大変なことも好きが原動力なら、乗り越えられるものです。そんな自分の「好き! やりたい!」を叶えて仕事にした人が、実はいま増えています。コロナ禍で人によって働き方がフレキシブルになり、在宅で趣味を活かしたビジネスをスタートさせたり、会社に勤めながら得意なジャンルでダブルワークをしたり。おうち時間が増えたことで、“わたしらしく働く”ことについて向き合う人が増えたのかもしれません。夢の第一歩を踏み出した3人の女性のストーリーでも、趣味で独立したりスキルを活かした副業に興味はあっても、一人でお金の管理までやるのはちょっと…と躊躇してしまうことも。とくに確定申告は、お給料以外の収入を得る場合には避けて通れないもの。専門知識を身につけないと難しくてできなそうなイメージですよね。すでに個人事業主として働いている方や副業を始めた方はどうやって解決しているの? 尋ねてみたところ確定申告ソフトを使っているという声が多数。なかでも「マネーフォワード クラウド確定申告」は初めての確定申告でも安心してできるそう。夢の第一歩を踏み出した3人の女性のストーリーから、「マネーフォワード クラウド確定申告」の活用方法をご紹介します。・あかりさん(32歳)の場合 ハンドメイド作家・かおるさん(36歳)の場合 会社員・パーソナルカラリスト・みちるさん(41歳)の場合 コミックライター\あかりさん(32歳)の場合/ハンドメイドの通販サイトでアクセサリーを販売マイペースに趣味を活かしたビジネスをスタート「新型コロナの影響で、パートをしていたカフェのシフトが激減。おうち時間が増えたので、趣味のアクセサリー作りに冒頭するように。コロナ禍で人に会うこともできないし作品は増えていく一方だし、チャレンジのつもりでハンドメイドサイトで販売してみたら、予想外に反応が良くて。“ほかにないデザインが可愛くてお気に入りです”というお客さまのメッセージが励みになり、ハンドメイド一本でいくことを決意」「最初の確定申告は不安だらけで、先輩の作家さんに勧められるがままに『マネーフォワード クラウド確定申告』を使ってみることに。使い方はメールやチャットで質問できたし、返答も早かったので本当に助かりました。材料はネットで注文してカード決済することがほとんどなのですが、さまざまなサービスと連携できるので入力の手間が省けてるし、経費として仕訳するのもスマホでポチッとするだけで自動化できて楽ちん。仕事で使っているMacに対応しているのもいいですね」\かおるさん(36歳)の場合/オンラインのパーソナルカラー診断で副業スキルを活かして隙間時間に念願のダブルワーク!「勤めている会社が、働き方改革の一環で副業がOKに。もともとコスメが好きで、いつか自分のサロンを開きたいとカラーコーディネーターの資格を取っていたので、就業後にオンラインでパーソナルカラー診断をしてみることに。SNSで募ったところ、いまでは月に3~4万円ほどの収入を得られるようになりました」「会社員でも給料以外の副収入が年に20万円以上あれば確定申告が必要。『マネーフォワード クラウド確定申告』は、月880円(税込)※年額プランの月割り の『パーソナルミニ』という副業などで確定申告をする必要がある人向けのプランがあったので手軽にスタートできました。初めてなので申告がよりシンプルな白色申告にしましたが、画面に従って入力するだけで自動で必要な書類が作成できて簡単! 税務署に行かなくてもスマホアプリ一つで電子申告までできるのも会社員にはありがたいですね。もっと副収入が増えたら青色申告にもチャレンジしたい!」\みちるさん(41歳)の場合/コミックライターとして個人事業主で独立子育て絵日記の連載決定で開業申請!「得意だったイラストを活かして我が子の成長をブログに綴っていたところ、子育てサイトでの連載が2本同時に決定! 描くことが大好きだし、夫から確定申告は青色申告にした方が特別控除などで節税になると聞いたので、コミックライターとして開業申請することにしました」「マネーフォワードには利用料が0円の 『マネーフォワード クラウド開業届』 というサービスがあったので、迷わずこちらを利用。開業後は『マネーフォワード クラウド確定申告』で月々の収入や経費を管理。何の知識もない私でも開業手続きから青色申告までできたのは、メールやチャットでしっかりサポートしてくれたおかげ。子育て中もスマホ片手でできたので、隙間時間を有効に使えて良かったです」\ここが嬉しいポイント!/・スマホアプリとパソコン、どちらからでも利用OK! Macにも対応・銀行やクレジットカード、電子マネーとも連携。データ入力の手間を省ける!・スマホアプリ一つで電子申告までできるのはマネーフォワードだけ!※・画面に従って入力するだけで必要書類を自動で作成!・メールやチャットなどサポート体制が抜群で初めてでも安心!・確定申告だけでなく、開業届も無料で支援してくれる!※マイナンバーカードとICカード読み取り対応のスマートフォンをお持ちの場合。いつかやりたいことを仕事にできたら…と思っていたその“いつか”が、コロナ禍がもたらしたプラスの変化によって、実現しやすくなっているのかも。新しいことを始めるときはほんの少し勇気が必要ですが、いまは「マネーフォワード クラウド確定申告」のように背中を後押ししてくれるような便利なサービスがたくさん。上手に活用しながら始めの一歩を踏み出してみては。 \確定申告もらくらく安心!/マネーフォワード クラウド確定申告 を見る はじめてでもかんたん確定申告マネーフォワード クラウド確定申告趣味でお金を稼げるようになった人、副業で年間20万円以上の副収入を得た人、フリーランスで独立開業した人など、確定申告が必要な人に。「マネーフォワード クラウド確定申告」は、白色・青色申告どちらの確定申告にも対応した、確定申告ソフトです。Webとアプリで同じデータを共有でき、アプリから確定申告書の提出もできます。確定申告書Bや青色申告決算書、収支内訳書など、必要書類をスマホアプリ一つで自動で作成。銀行やクレジットカード、電子マネーなどの外部サービスと連携し、面倒な入力作業を大幅カット。取得したデータをもとに勘定科目を自動提案、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」との連携で家計簿データを利用した入力も可能です。 まずは気軽に試せる【1ヶ月無料トライアル】プランから。無料会員登録ですぐに利用開始できます。 詳しい料金プランはこちら >> \確定申告もらくらく安心!/マネーフォワード クラウド確定申告 スマホアプリをダウンロード! \確定申告がラクになったお客さまの声/ 導入事例をもっと見る! >> [PR] 株式会社マネーフォワード ※本記事に登場する人物とストーリーは、商品特長をお伝えする目的で作られたフィクションとなりますイラスト:ちょっ子文:佐々木彩子
2022年02月03日シリーズ累計15万部を売り上げた『起業の科学』の著者 田所雅之が、2021年9月17日(金)朝日新聞出版より書籍『超入門 ストーリーでわかる「起業の科学」』を出版しました。Amazonでの予約販売開始以降、起業家関連カテゴリーでは売れ筋ランキング1位となりました。(Amazon全書籍で売上21位を記録)9月17日(金) 朝日新聞出版より発売Amazon販売ページはこちらです。 ◆「起業/新規事業のプロ」田所雅之について田所雅之は、日本の大学を卒業後、渡米して哲学を修めました(単位取得し帰国)。帰国後は、同時通訳等を経て外資系コンサルタント企業に入社しましたが、2011年より、再び渡米しスタートアップを起業するも、大きく成長させることはできずに帰国しました。その後、シリコンバレーのベンチャーキャピタルのベンチャーパートナー/グローバルスタートアップイベントの責任者を務め、2,000社以上を評価/アドバイスしてきました。この間も米国での手痛い体験を深く内省し、「自分と同じような失敗をする起業家を減らしたい」という思いからスライドStartup Science(2,550ページ)を作成します(日本語英語で5万シェア)。さらに「失敗の99%は潰せる」を標語に『起業の科学』を執筆しました。『起業の科学』は起業に関わる人々のバイブルとなり、全世界で累計15万部以上を売り上げています。現在は、大企業・スタートアップのアドバイザーも務め、講演回数は年間120回に及びます。著者:田所雅之◆本書について七転び八起きの物語(ストーリー)を読み進めるうちに新規事業(企業内起業・スタートアップ)の「リアルな勝負所」が頭に入る!新規事業部に配属された主人公・山田創太郎。最初に課された使命は「3カ月以内での新規事業立ち上げ」だったが……。未経験の壁を越え、いかに成功をたぐり寄せるのか。ストーリーの合間では57の「新規事業でハマりやすいワナ」もコラム形式で解説。これらのワナの存在を知っておくだけでも、新規事業の成功確率を格段に上げることができる!☆頻出用語の解説つき! ☆【目次】第1章 山田さん、初めての「新規事業」で失敗する第2章 山田さん、「勝負する市場」を再検討する第3章 山田さん、再び「顧客不在」のまま突っ走る第4章 山田さん、「仮説検証」の方法を学ぶ第5章 山田さん、「初めての顧客」に出会う第6章 山田さん、「事業の持続可能性」を検証する第7章 山田さん、ついに「課題解決策」を見つける第8章 山田さん、「事業計画」を立てる◆書籍概要タイトル :ストーリーでわかる「起業の科学」出版年月日 :2021年9月17日(金)ISBN :978-4023319608取扱店舗 :全国書店、Amazonほかネット書店判型・ページ数:単行本・312ページ価格 :本体1,870円出版社 :朝日新聞出版※購入用リンクAmazon ◆田所雅之プロフィール『起業の科学』『起業大全』著者株式会社ユニコーンファーム CEO関西学院大学経営戦略研究科 客員教授大学を卒業後、米国に渡り哲学を学ぶ(研究分野は認知哲学と科学哲学)帰国後、外資系コンサルタント企業に勤務し、大手起業のBPR/DX案件に従事。その後独立して2社起業(企業研修会社と経営コンサルティング会社)2011年よりシリコンバレーに渡り3社目を起業(領域はECのプラットフォーム)帰国後、4社目であるed-techのスタートアップを立ち上げる。一方で、2014年から2017年までシリコンバレーのベンチャーキャピタルのベンチャーパートナー/グローバルスタートアップイベントの責任者を務め2,000社以上を評価/アドバイスを行う。現在は、unicorn farmというスタートアップ支援/事業会社新規事業支援の会社のCEOを務める一方で、2019年より、関西学院大学経営戦略研究科の客員教授も兼任している。大企業数社の新規事業戦略アドバイザーも務め、講演回数は年間100回を超える著書『起業の科学』(日経BP)は、2017年発売以降115週連続でAmazon経営関連書売上1位。その他の著書に、『御社の新規事業はなぜ失敗するのか? 企業発イノベーションの科学』(光文社新書)、『起業大全』(ダイヤモンド社)などがある。<書籍、講演等に関するお問合せ先>株式会社ユニコーンファーム広報担当:羽幡咲嬉( hanetata@unicornfarm.co )080-5055-4056 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月17日もうすぐ配信スタートするParavi オリジナルドラマ「ネット興亡記」の予告編が到着。各話の内容も明らかになった。本作は、IT起業家たちの壮絶な物語を描いた日経電子版の連載企画「ネット興亡記」が原作。今回、その企画の中から厳選した回を、ドラマ初主演の「オリエンタルラジオ」藤森慎吾が新聞記者・杉山を演じドラマ化。まず第1話は、サイバーエージェント社長の藤田晋やUSEN-NEXT HOLDINGSの宇野康秀社長、堀江貴文らの交流と、サイバーエージェント創業期の苦闘を描いた「ネットバブルの攻防」編。第2話は、日本初のインターネット接続事業を始めたIIJの鈴木幸一会長が、立ちはだかる国の規制を乗り越える「インターネットの夜明け」編。第3話は、メルカリの山田進太郎社長を描いた「メルカリの野望」編。第4話は、LINEとライブドアの関係をLINEの出澤剛社長と舛田淳CSMOが明かす「逆襲のLINE」編。そして第5話は、Yahoo!JAPAN誕生の裏側と孫正義に迫る「孫正義とYahoo!」編を放送する。到着した予告編では、初めて新聞記者役に挑戦した、いつもとは違った雰囲気を放つ主演の藤森さんの映像とともに、今回発表されたIT起業家たちの姿も映し出されていく。Paravi オリジナルドラマ「ネット興亡記」は4月29日より毎週水曜日配信(全5回)。(cinemacafe.net)
2020年04月26日これから起業しようと考えている場合に、一番気になる問題とは何だろうかと考えた時、「資金の問題」と答える人が多いです。確かに、今までサラリーマンなどのように毎月決まった収入のある人が、自分自身の力で収入を確保しなければならなくなると考えると、お金の問題は避けられない問題と言えます。さらに、創業期は設立に要する費用や経費が何かと多く発生します。そんな創業期における費用について、国がサポートしてくれる制度として「創業補助金」があります。今回は、具体的に「創業補助金とはどのような制度なのか?」「受給するまでの流れがどのようになっているか?」について、解説していきます。ベンチャー起業家や新規事業者をサポートする「創業補助金」とは?平成28年度 創業・第二創業促進補助金【募集要項】事業計画書の作成、申請書の提出資格審査が行われ、補助金を受けることが出来るかどうかが判定される審査結果の通知事業計画の実施検査を経て、その結果で支給の有無が決定1.事業計画書の作成、申請書の提出毎年4月から創業補助金の申請に関する募集がスタートしますので、その時期に合わせて「事業計画書」の策定を行っておく必要があります。補助金ですから、早い者順で受付が行われます。そのため、なるべく早い時期から「事業計画書」を策定する準備を行っておくことが重要になると言えます。さらに、申請の通過率が約3割ほどであることも考慮すると、しっかりと準備をすることが望ましいでしょう。なお、創業補助金の募集が開始しましたら、申請書と事業計画書を認定市区町村の窓口にて受付をします。事業計画書で記載しなければならない主な内容創業補助金の申請において提出する「事業計画書」の中で、記載しておかなければならない主な内容は以下の通りです。事業計画書は提出先の目的によって記載すべき内容が多少変わりますが、根本的には、どのような事業展開をしていくかということを明確に打ち出しておくことが大切です。事業計画(内容)具体的に、会社設立をしてからどのような事業を展開していくかについて書く必要があります。創業した事業の骨格部分とも言えます。創業形態「従業員を何人雇うのか?」や、「法人」または「個人事業主」のどちらで事業活動を行う予定なのかをはっきりさせます。収支・資金計画創業してからの収入源をどのように確保するのか?資金繰りはどのように行うのか?(銀行からの融資なのか、公的機関からの支援なのかなど)を明確にする必要があります。年間のスケジュール創業補助金が受給されるまでには、約1年かかります。そのため、1年間の年間計画を出すことはもちろんのこと、3年後や5年後といった中長期的な計画があるならば、そこも明確に示しておくことが望ましいです。2.資格審査を行い、補助金を受けることが出来るかどうかが判定される申請書と事業計画書を窓口で受け付けたら、その申請書と事業計画書を基に、補助金の支給をするべきかどうかについての審査が行われ、その審査に通過した事業主が補助金を受ける権利を有することになります。あくまでも書類審査となるため、審査結果が出るまでには約1~2か月ほどの時間を有することになります。例年では、7月ごろには補助金の受給者が告知されています。創業補助金の採択を受けるためのポイント採択を受けるために押さえておきたいポイントは以下の通りです。事業の独創性これから行う事業が、今までにないような独創性に富んでいるかどうかということです。事業計画の実現可能性事業計画の内容を計画通り行うことが出来るかということです。実現可能性が低いようなことを書くと、実現可能性が低いとみなされて、採択される可能性が低くなってしまいます。比較的、実現できるイメージが出来るような内容であることが必要です。事業の継続性と資金調達の見込み事業が安定的に行うことが出来るかということです。開始して間もなく終わってしまうような事業に対して投資しようと考える人はいないでしょう。また、継続できるかどうかについては、資金調達がしっかりできるかという部分もとても重要な要素と言えます。3.審査結果の通知審査の結果については、書面にて申請者に対して通知されますが、審査を通過した場合(採択された場合)は実施している自治体のホームページなどでも掲載されますので、そちらからも審査に通過したかどうかが分かる仕組みになっています。採択されてからは、補助金交付規定を確認したうえで「補助金交付申請書」を事務局に提出しなければなりません。この時に、事業計画における「経費の見積もり」についてもセットで提出しなければなりません。これらの書類を提出した後に、正式に「交付決定通知書」が事業主のもとに郵送で通知されますので、交付決定通知書が送られてから正式に事業を開始することになります。4.事業計画の実施創業補助金が採択されて交付申請書を提出したら、事業計画書に従った事業を開始することになります。この事業を開始した日から6か月間については「経費補助期間」いい、実際に支給される補助金の額を決定するための期間です。そのため、採択された事業計画の通りに事業展開をしているか、発生した経費は適切なものであるかといったことなどの審査対象となる期間とも言えますので、領収書等の証明祖類の保存をしなければなりません。原則として、事業計画書の内容を経費補助期間内に変更することはできないですが、変更を余儀なくされてしまった場合は「計画変更申請」を行わなければなりません。その時に、それまでの期間について適切に行われていたかについての審査(中間審査)が行われます。5.検査を経て、その結果で支給の有無が決定する。経費補助期間の6か月を経過したら、実績報告書とその期間に発生した経費の額を集計したうえで、経費エビデンス(証跡)を作成します。事務局では、この提出された実績報告書と経費エビデンスを基に、実施状況についてヒアリング等を行い、正式に補助金の支給をすべきかの検査を行います。そして、検査を経て正式に支給が決定したら「補助金確定通知書」によって補助金の正式な支給額が決定通知されます。補助金額が確定したら、実際に掛かった経費を基に請求書を作成して事務局に提出します。事務局に請求書が届いたら、事務局からその請求書に記載された金額の補助金の支給が行われます。補助金が支給されるまでには、請求書が届いてから約1~2か月ほど期間を要します。創業補助金の申請をサポートしてくれる「認定支援機関」などを活用しよう創業補助金は人気の高い補助金の一つで、個人が経営計画書を1から作成して申請書を作成するとなると多大な時間がかかってしまいます。そうした手間を解消するために、認定支援機関による経営相談などを活用することが望ましいです。認定支援機関は、商工会議所や商工会などの公的な団体や税理士、会計士、弁護士といった経営に関するスペシャリストが認定を受けています。創業補助金の支給を受けるために必要な事業計画書の作成サポートなども認定支援機関で行っていますので、そういった支援サポートをしっかり活用していくことが、創業補助金の申請を通過させるために必要なことと言えます。事業計画書の作成以外にも、創業に関する相談や資金繰り対策といった経営に関するあらゆる問題や疑問を解決するためのサポートを行っています。また、中小企業庁が行っている「ミラサポ」という中小事業主の支援サイトのサービスなどにおいても、創業補助金の電子申請のサービスなどを行っているので、併せて活用することで、経営に関する課題を解決できるでしょう。[adsense_middle]創業助成金・創業補助金に関するまとめ創業して間もない時期は、様々な場面においてサポートを受けなければ、続けることもままならないところがあります。そして、新しいことを始めるときは多額の費用が掛かるため、創業補助金を活用することでその費用をカバーすることもできます。最初の関門とも言える「創業補助金の採択」を受けるためには、「事業計画書」をどのようにして作成するかがポイントになります。認定支援機関などが行っている創業支援制度は、補助金の受給サポートだけでなく、金融機関などの融資を受ける際などの資金繰り対策など、様々な経営における問題点を各分野の専門家がサポートしてくれるのでぜひ活用しましょう。昔よりも創業に対するリスクは少なくなってきましたが、今の時代においても、いかに準備を徹底的にしておくべきかという点は、昔と変わらず重要な要素であると言えます。創業補助金の申請を通すことは、創業間もない事業主にとっては今後の事業拡大などにつながる重要な要素ですので、万全な準備をしましょう。
2020年02月07日アフリカ・欧州中心に世界の都市を訪れ、オルタナティブな起業家のあり方や次世代のグローバル社会と向き合うヒントを探る、ノマド・ライター、マキです。Maki & Mphoという会社を立ち上げ、南アフリカ人クリエイターとの協業でファッション・インテリア雑貨の開発と販売を行うブランド事業と、「アフリカの視点」を世界に届けるメディア・コンテンツ事業の展開を行っています。筆者も昨年ナイロビを訪問した時に彼のレストランを何度か訪れました。もともとはナイロビで出会ったフォトグラファーの同級生ということでレスを紹介してもらったこともあり、彼の料理に対する思いや、おすすめメニューについて直接話を聞くことができました。ナイロビでも食の選択肢が増えてきてはいるものの、ローカルフードとなるとカジュアルなものが多かったり、少しおしゃれな空間のレストランとなると欧米風になりすぎていたりと、ローカルとグローバルの2つの要素をバランスよく組み合わせて提案している場所は、まだ多くありません。そういった提案をしながらシェフとしてのキャリアを積んでいるレスは、パイオニア的存在の一人です。彼がなぜナイロビ、ケニア、アフリカの食にこだわるのか。モダンなアフリカ料理という新しいフィールドを切り開こうとする彼の、これまでの軌跡や価値観は、日本でも新しい挑戦をしたいと考える人にとってのインスピレーションになるのではないでしょうか。シェフは天職。6歳のときにはすでに料理に惚れ込んでいたマキ:素敵だね。最初に出会ったシェフ以外にもロールモデルはいたのかな。レス:キャリアのいくつかのステップにおいて、ロールモデルがいたよ。シェフを真剣に志し始めてからいろんな師匠に出会ったけれど、その中でも特に僕にとって重要な人物は、当時ケニアでフェアモントホテルグループ(カナダに本社があるラグジュアリーホテルグループ)のレストランの総料理長を務めていたシェフ、カラン・スリ氏。マキ:ケニアの外食産業は、まだまだ成長期にあると思うけれど、著名なシェフたちも増えているのかな。レス:ケニアにも卓越したシェフたちはいる。ただ、グローバルには知られていないというのが現状。つまり、グローバルレベルで、影響力がある「インフルエンサー」の域にはいない。「単に欧米のやり方を追随することはしない」他のシェフとは違う道をマキ:若くして料理長を務めるシェフという意味で、ナイロビにおけるレスの活躍はパイオニア的にも思えるけど、自分ではどう思っているの。レス:自分のことはパイオニアだとは思ってないよ。どちらかというと、業界におけるキープレーヤーだと思っている。自分がケニアやアフリカの食における革命を起こしているという意味において。他のシェフたちがやっているみたいに、いわゆる主流のフレンチとかイタリアンとかの欧米のジャンルを追いかけることはしない。マキ:グローバル化した市場において、人々が自らのカルチャーではなく他のものに惹かれるというのは、稀な現象ではないとは思う。ただ、過去に話したケニアのファッションブランドの起業家たちも言っていたけれど、ケニアにおいては、ケニアブランドやローカルのものよりも外国のものの方がいいとする傾向がまだ強いみたいだね。でもレスが手がける「Nyama Mama」のメニューは、ローカルの人々にも受け入れられ始めているよね。レストランの代表的なメニューについて、説明してもらえるかな。レス:ウガリ・フライというメニューは典型的なフュージョン。(ウガリとは、トウモロコシの粉とお湯で茹でて、マッシュポテト状にしたもので、東アフリカや南アフリカの主食として親しまれている。日本食における白米のような位置づけ)つまり西洋料理の影響とローカルな素材を組み合わせて、誰もが親近感を持てるような料理にした。一方で、ケニアの伝統素材を使っているとはいえ、現地の人にとってもユニークな提案になってると思う。ウガリは、そのままウガリとして食べるのが普通で加工されたことはなかったからね。ピューレ状にして、チーズを混ぜて、揚げるといったように、ウガリをまったく違うものにして提案するということが、新しい。Instagramより他にも、ケニアで伝統的に食されているフラットブレッド「チャパティ」をトルティーヤの代わりに使って、南アメリカのラップやケサディア風にした料理もある。Instagramよりマキ:結果としては単純なことかもしれないけれど、今までになかったものを作るというのは挑戦であり、エキサイティングなことだね。最後に、ケニア料理をもっと世界に広めていくには、どうしたらいいと思う?レス:まずはケニアを訪問してもらうこと。そして地元の人たちが食べているものを見てもらうことかな。そして「Nyama Mama」のようなレストランに来てもらって、地元の料理を、新しい形に変えて、もっと親しみが持てて、面白い、楽しい料理として提案しているというやり方を見てもらいたいな。マキノマド・ライターMaki & Mpho LLC代表。同社は、南アフリカ人デザイナー・ムポのオリジナル柄を使ったインテリアとファッション雑貨のブランド事業と、オルタナティブな視点を届けるメディア・コンテンツ事業を手がける。オルタナティブな視点の提供とは、その多様な在り方がまだあまり知られていない「アフリカ」の文脈における人、価値観、事象に焦点を当てることで、次世代につなぐ創造性や革新性の種を撒くことである。
2018年08月22日アフリカ・欧州中心に世界の都市を訪れ、オルタナティブな起業家のあり方や次世代のグローバル社会と向き合うヒントを探る、ノマド・ライター、マキです。Maki & Mphoという会社を立ち上げ、南アフリカ人クリエイターとの協業でファッション・インテリア雑貨の開発と販売を行うブランド事業と、「アフリカの視点」を世界に届けるメディア・コンテンツ事業の展開を行っています。マキ:自分に合っている。アーティストとして自分ならではの媒体を見つけたってことなのかな。Brikicho:デジタル写真をやっている時は、なぜか自分の作品に思い入れを持つことができなかった。でもフィルムを始めてからは、構図とか写真そのものについてももっと真剣に考えるようになった。そして自分の作品にも思い入れを持つようになった。それが自分がフィルム写真から得られた価値だと思う。フィルム写真だと、自分が頭の中で想像したものとより近いものが表現できるんだ。マキ:なるほど。普段はどういったものを撮っているの?Brikicho:人物と風景。まぁ自分では、なんでも撮っていると思うんだけど、よく知られているのは人物、特にミュージシャンと風景かな。アーティストとよく仕事していて、その中でもミュージシャンをよく撮影しているんだ。マキ:ミュージシャンを撮るときに意識していることってある?つまり、彼らはサウンドを作っているわけだけど、Brikichoは音のないスティル(静止画)で表現している。どうやってミュージシャンの雰囲気を捉えているのかな。Brikicho:彼らを撮るのはとても楽しい。僕のやり方は、ステージ上などで彼らを撮るのではなくて、自分のセットの中に呼び込むこと。彼らの雰囲気やサウンドは、写真という媒体においては、光と色に置き換えることができる。どちらも同じアート。ただ媒体が違うだけなんだ。つまり、音からビジュアルへと変換するという作業は結構スムーズにできるものなんだよ。マキ:非常におもしろい見方だね。色覚障がいをきっかけに、色を音に変換するアンテナを頭蓋骨に埋め込んで、色を聴き、さらに世の中の音をビジュアル化することで、音を色として「聴く」という体験をさせてくれるビジュアルアーティストのニール・ハービソンのアート表現と何か共通点を感じる。Brikichoの今の話、例えば具体的な写真で説明してもらえる?Brikicho:例えばこれは最近のプロジェクトで、アーティストのThe Red Acapellaを撮ったもの。Instagramより彼らの音楽は、ゆっくりで、イージーな感じで、クール。だからちょっと寒色系をベースを使ったスタイリングをしたりした。マキ:とてもクールな写真だね。風景のほうはどんなプロジェクトに取り組んでいるの?Brikicho:自分のクリエイティブ・プロジェクトとしては2つあって、一つは、自分の故郷であるキリニャガ(ナイロビの北東約100kmに位置する地区)に関するもの。自分の故郷に敬意を示すような意味をもっている。キリニャガの日常や、友人を撮っている。もう一つは、「City of Dreamers(夢見るものたちの街)」というプロジェクト。これはFits Collectiveとしてやっているんだけど、ナイロビの街や人を記録している。ケニア、そしてアフリカは自分の故郷。自分を形成してきた要素。だからこそ、このアフリカ大陸を記録し続けたい。マキ:大きな存在になれることの意義ってなんだろう。Brikicho:自分たちの挑戦は小さくない。フィルム写真をアフリカ全体に広めたいと思っているんだ。まずは、ナイロビから、ケニアから、フィルム写真を広めていきたい。一緒にやっているセレナも言っているけど、、写真がいま(ケニアで)ブームになりつつあるからこそ、写真の基礎を改めて見直したり理解したり、周囲の環境や被写体の美しさを認識する必要がある。何か(結果だけ)が即座に評価されて、そのプロセスが見落とされてしまっているような、変化の激しい世の中におかれているからこそ。あとこれはマガティが言っていることだけど、(フィルム写真は)人々と都市の対比を表現するのであれ、人物のポートレート写真であれ、すべてが瞬間瞬間の微細なところに近づくことを可能にする行程(journey)なんだ。マキ:想いを共有する3人が作るコレクティブだからこそ、大きな挑戦ができるのかもしれないね。「Brikichoは、写真で物語を紡ぐ『作家』になるんだ」Brikichoが発する、フレッシュで荒削りな言葉、素直な回答には、何かアーティストがものを生み出すことの作業の本質的な部分があるように感じました。フィルム写真という媒体を使って生み出される彼の作品そのものも素晴らしいですが、フィルム写真に向き合うことで、自分自身と向き合っている彼の生き方そのものに、わたしは心を動かされました。そして何よりも彼は仕事や人生を楽しんでいるように見えます。BrikichoとFits Collectiveの存在が、これからもっと大きくなっていくその過程を観察し続けたいです。BrikichoInstagram(Brikicho)|Instagram(Fits Collective)フィルム写真にこだわり、ナイロビを拠点に活動する若手写真家。他2名の写真家とともに、フィルムでキャプチャーしたストリート写真を展開する、Fits Collectiveのメンバーでもある。▶︎ノマド・ライター マキが届ける『ナイロビ、クリエイティブ起業家の肖像』・#004 「アフリカンファッション=カラフル」は時代遅れ。ケニアの若者が“白黒”のアパレルブランドを始めた理由・#003 「物理は一番アーティスティックな学問」。“理系ジュエリーデザイナー”に聞く、想像を創造に変える方法・#002 誰もが知っている「ハンバーガー」で、アフリカのネガティブなイメージを刷新する起業家姉妹・#001 「正しいことをしているという確信」。選択肢がありすぎる現代でも道に迷わない観察者、ヴェルマ・ロッサ▶︎オススメ記事・ノーメイクで自然光。「リアルな女性の写真」で女性差別に立ち向かう愛に溢れるアクティビスト・カップル。・「男なら筋肉をつけるべきなの?」21歳の写真家が“男性解放”をテーマに写真展を企画した理由All photos via Brikicho Text by MakiーBe inspired!
2018年07月20日アフリカ・欧州中心に世界の都市を訪れ、オルタナティブな起業家のあり方や次世代のグローバル社会と向き合うヒントを探る、ノマド・ライター、マキです。Maki & Mphoという会社を立ち上げ、南アフリカ人クリエイターとの協業でファッション・インテリア雑貨の開発と販売を行うブランド事業と、「アフリカの視点」を世界に届けるメディア・コンテンツ事業の展開を行っています。マキ:まずは、2人の出会いやバックグラウンドについて教えてもらえるかな。クリス:ムサと僕は、もともと高校ぐらいからの親友で、いつも一緒につるんでいるような仲だったんだ。2人ともファッションが大好きだった。とはいえ、当時(10年以上前)はあまり選択肢がなかったんだけどね。それでもカッコイイアイテムが欲しかったんだ。マキ:高校卒業後は、どんな進路を歩んだのかな。ムサ:僕は、ナイロビ大学に行ってデザインを学んだ。卒業後は、グラフィックデザイナーとして3年ぐらい広告代理店で働いた後、Made with Loveというデザイン会社を立ち上げた。クリス:僕は、大学には行かなかったんだ。当時は、大学という4年間のコミットメントはちょっと違うかなと思って。なんか教室で座って講義を聴くというスタイルが自分には合わないと感じたんだ。今もその考えは変わってはいないけど、若かったし、楽観的に考えていた。進学しなかったことを後悔することもなくはないけど、自分にとっては毎日が学びであるし、いまの自分を形成してくれたまわりに感謝しているよ。キャリアとしては、コピーライターの仕事を中心にやってきた。マキ:BONGOSAWAというブランドについて教えて。ムサ:ナイロビという街を体現したブランド。ナイロビを盛り上げるブランド。自分にとってナイロビはホームであり、すべて。クリス:ナイロビという都市、スラムに至るまでの街のエネルギーや鼓動を伝えるブランド。マキ:わたしもBONGOSAWAのTシャツなどを何枚か持っているけど、基本的に黒ベースに、白のグラフィックデザインというモノトーンなストリート・スタイルが特徴的だよね。ムサ:アフリカのファッションというと「カラフル」というステレオタイプがある。でもBONGOSAWAはあえて、黒が基本。特徴的なグラフィックで、メッセージ性を大切にしている。例えば、「The Courier」というテーマのカプセル・コレクションでは、実際に「The Courier」というタイトルのオンライン雑誌を自分たちで作って、そのグラフィックやコンテンツをTシャツなどのアパレルにした。雑誌の第1号のメッセージは「解放」だった。次のコレクションでは、「ナイロビ、労働者回帰」をテーマにガテン系の労働者たちにインスピレーションを受けたストーリー展開を予定している。「ナイロビ発グローバル」という挑戦マキ:わたしは、何度かナイロビを訪問しているし、ナイロビのクリエイティブシーンが盛り上がってきているのを肌で感じている。でも、日本を含めて、世界にはまだまだ伝わりきれていないと思う。BONGOSAWAというムーブメントは、どのようにしたらもっと世界に広まっていくかな。クリス:ナイロビという地元で活動していても、グローバルな視野やマインドセットを持ち続けることは絶対に必要。ただ、それだけでは足りないんだ。世界のカルチャーシーンに対してもっとプレゼンスを発揮していかなくてはならない。そのためには、オーセンティック、つまり本物・信頼できるものであることが重要。それから、ナイロビのクリエイティブ業界がもっと持続可能なものになっていかなくてはならない。マキ:持続可能というのはどういう意味かな。クリス:個々のビジネスが育っていくだけでなくて、産業を作って行く必要がある。さっきコラボレーションという話をしたけど、クリエイティブ業界にいるみんなが協力しあって、もっと団結して、世界にアピールできるようなものを作りあげていかなくてはならない。マキ:いままでは残念ながら限られていたけれど、特に欧米の文化的な領域においてアフリカのプレゼンスは少しずつ高まってきていると、個人的には思っている。賛否両論あると思うけど、一度も植民化されずにテクノロジー先進国として発展した仮想のアフリカの国ワカンダを舞台にしたスーパーヒーロー映画で、全世界で記録的なヒットを起こした『ブラックパンサー』についてはどう思う?BONGOSAWAのムーブメントにとって追い風になるのかな。クリス:ブラックパンサーは、個人的には、必ずしも、最高に優れた表現方法だったとは思っていないけど、アフリカをテーマにして、もしくはアフリカにインスピレーションを受けた映画として、一つの大きな通過点だといえると思う。黒人プロデューサーやライター含め様々な人々が協力しあって、(アフリカ人が)待ち望んでいた、アフリカ人が主人公のアフリカが舞台になっている未来志向の物語を、世界中の観衆に対して伝えたという意味では、非常に勇気付けられるものだった。ぼくらは、あまりにも長い間、蚊帳の外に立たされてきた。アフリカには素晴らしいものがある。しかし、それがどれだけ奥深いものであったとしても、世界の関心は低く、その価値が世界に知られていないのは、もっとも悲しいことだ。マキ:ブラックパンサーは、一つのハリウッドの成功事例でしかないけれど、世界がアフリカにより注目していくという動きは、今後ますます増えていくだろうし、そう願いたいね。クリス:一人の起業家として、アフリカの成長、アフリカ人の活躍、アフリカの経済成長をリアルなものとして感じている。一方で、若者に与えられたツールやリソースは非常に限定的なんだ。若者に機会がないというのは、アフリカの機会を捨てているようなもの。多くの人々がより豊かな生活を送れるようになる機会をね。一方で、ポジティブなマインドも持ち続けている。クリエイティブ業界の様々なチャレンジはあるけれど、ぼくらはよりよい状況をつくっていけると思っている。マキノマド・ライターMaki & Mpho LLC代表。同社は、南アフリカ人デザイナー・ムポのオリジナル柄を使ったインテリアとファッション雑貨のブランド事業と、オルタナティブな視点を届けるメディア・コンテンツ事業を手がける。オルタナティブな視点の提供とは、その多様な在り方がまだあまり知られていない「アフリカ」の文脈における人、価値観、事象に焦点を当てることで、次世代につなぐ創造性や革新性の種を撒くことである。
2018年05月29日アフリカ・欧州中心に世界の都市を訪れ、オルタナティブな起業家のあり方や次世代のグローバル社会と向き合うヒントを探る、ノマド・ライター、マキです。Maki & Mphoという会社を立ち上げ、南アフリカ人クリエイターとの協業でファッション・インテリア雑貨の開発と販売を行うブランド事業と、「アフリカの視点」を世界に届けるメディア・コンテンツ事業の展開を行っています。マキ:ハジラは、今は主にジュエリーデザインを手がけているけれど、元々は、理系で研究所でも働いていたんだよね。簡単に今までの経歴を教えてもらえるかな。ハジラ:OK。わたしは、ケニアの中流家庭に生まれて、ナイロビで育った。元々、理系的なものに興味があって、高校の時から生物学、化学、物理学などを学んでいて、大学は米国のボストンにある大学に留学をした。そこでは、最初、生物学を専攻していたんだけど、途中で、ちょっと違うかなと感じて、化学に転向したんだけど、最終的にはやっぱり物理学がおもしろいと思い始めて。ただ、物理学の勉強を始めたころには、もう卒業間近だったんだけどね。それで、卒業後の3年間は、そのままアメリカで生物医療関係のラボに就職して、生化学研究員として商品開発に携わっていたの。マキ:アメリカで研究員をしていたとは知らなかった。わたしが始めてハジラにあったのは、2015年だけど、そのときは、ハジラはジュエリー制作もやっていたけど、メイクアップアーティストの仕事もしていたよね。ハジラ:生化学研究員の仕事は楽しかったんだけど、実は副業もし始めて。それが、たまたま化粧品の代理販売の仕事で、その仕事を通じて、化粧品のこととかマーケティングのこととかを学んだ。でも、そうこうしているうちに、米国での研究員の仕事がなくなってしまって、ケニアに帰国した。マキ:それはとても面白い視点だね。今のハジラのジュエリー・デザインに繋がる筋が少し見えた気がする。物理学に想像力が必要という部分をもう少し詳しく教えてもらえるかな。ハジラ:物理学は、目に見えない力を扱う学問。実際は見えないものや、見たこともないものを可視化して、理解するには、イマジネーションが必要になってくる。結構、「解釈不能」みたいなことも多いから。例えば「ある分子が、ある空間に存在して、ある動きをしている…」みたいな概念を習って、それを想像のなかで、可視化することが求められる。ジュエリー・デザインに置き換えると、どうやって顧客のイメージを形にするかということにとっても非常に重要な要素。特にわたしはカスタムデザインのジュエリーをよく作っているので、例えば顧客がどんなものを欲しているのかとか、彼らの感情とかを汲み取って、それをビジュアルにして提示する必要がある。想像力がなかったら、カスタムジュエリーは作れないと思う。マキ:起業のセオリーでも、MVP(ミニマル・ヴァイアブル・プロダクト:実用最小限の製品)をまず作ることを目指すという考え方があるけど、まずやってみて、手を動かして、形にするというプロセスは、想像力と現実化したり、クリエイティビティを活発化させる上で、一番重要なことかもしれないね。スケッチがない場合、顧客とのイメージ共有はどうやってやっているのかな。ハジラ:だいたいヒアリングをして、わたし自身が完成イメージを可視化できたら、オンラインでそれに近いような画像を探して共有したり、すごく簡単にサンプルを作ってみたりするかな。たまに簡単なスケッチをすることもあるけど、基本は既存の画像でイメージ共有をしている感じ。ちょっと難解で「意味不明」なデザインマキ:アフリカとかケニア的なカルチャーは、影響しているのかな。ハジラ:アクセサリー作りにあまりアフリカらしさはないかな。色、テクスチャー、材料は特徴的だけれど、必ずしもアフリカのカルチャーが影響しているわけじゃない。両親は地方出身だけど、欧米的な影響を受けて、都会で育ったし。サイエンスのバックグラウンドのほうが、ジュエリーに影響している。アフリカの文学もあまり知らないし、あまり興味もないけど、サイエンスはすごく興味あるし、確実に自分のクラフトに影響していると思う。「想像力」を「創造力」に変えるヒントマキ:他人の目を気にしないというのは、日本やケニアのようにコミュニティ重視で、非個人主義的な社会のなかでは、必ずしも簡単なことではないけれど、そういったバリアを超えて、自分のイマジネーションをもっと形にしていくことができる人が増えるといいね。最後に、ハジラの今後のビジョンを聞かせて。ハジラ:アフリカン・ジュエリーを、アフリカ人たちの間での主流ジュエリーにすること。真珠やゴールド、ダイアモンド以外にも、同じように素晴らしいアフリカ大陸産の素材があるということを、もっと広めていきたい。アフリカ人発のデザインが、欧米産のもの以上に素晴らしいものとしてみてもらえるようにしたい。少なくとも、マサイ・ビーズは、それなりにグローバルな位置づけを確立させている。アフリカ人が手がけるアフリカン・ジュエリーを、公式の晩餐会などの重要な場にもっと露出させていきたいと思う。Photo by Photo via Phowzieマキノマド・ライターMaki & Mpho LLC代表。同社は、南アフリカ人デザイナー・ムポのオリジナル柄を使ったインテリアとファッション雑貨のブランド事業と、オルタナティブな視点を届けるメディア・コンテンツ事業を手がける。オルタナティブな視点の提供とは、その多様な在り方がまだあまり知られていない「アフリカ」の文脈における人、価値観、事象に焦点を当てることで、次世代につなぐ創造性や革新性の種を撒くことである。
2018年04月27日アフリカ・欧州中心に世界の都市を訪れ、オルタナティブな起業家のあり方や次世代のグローバル社会と向き合うヒントを探る、ノマド・ライター、マキです。Maki & Mphoという会社を立ち上げ、南アフリカ人クリエイターとの協業でファッション・インテリア雑貨の開発と販売を行うブランド事業と、「アフリカの視点」を世界に届けるメディア・コンテンツ事業の展開を行っています。Mama Rocksを立ち上げたサマンサとナタリー筆者は、ナイロビで出会った知人の紹介で、Mama Rocksを訪ねたのがきっかけで、それ以来ナイロビを訪問するたびに必ず訪れています。その魅力は、こだわりの素材と独自のフレーバーが特徴のグルメバーガーそのものだけでなく、Mama Rocksブランドの背景にある、サマンサとナタリーのビジョンやミッションなのかもしれません。UK出身の二人が、どういったきっかけで、なぜナイロビで起業したのか、なぜバーガーなのか、なぜ地元のクリエイターたちと連携したブランド作りを行うのか。彼女たちの想いや起業のストーリー、そして人生設計に、私たちが「本当にやりたいこと」を見つけるためのヒントが隠れているかもしれません。「どんなレガシーを残したいか」。時間をかけて、じっくり自分と向き合うことで見えてきた、歩むべき道マキ:まずは起業に至るまでのストーリーを教えてもらえるかな。サマンサ:イギリスの大学を卒業した後、わたしもナタリーも人事系の仕事をしていたの。ナタリーはメディア業界、わたしはチャリティー業界で就職していた。マキ:今のバーガーショップのフィールドとは全く違うところからスタートしたんだね。サマンサ:そう。チャリティー業界で何年かキャリアを積んで、生活は充実していた。一方で、かなり残業もして忙しかった。でもあるとき、ふと立ち止まって振り返ってみる機会があって、あることに気がついて…。仕事に投資している自分のエネルギーや努力を、もっと自分のためになる何かに使いたいっていう気持ちが芽生えてきた。それから、自分の道を切り開くという選択肢が魅力的に思えてきたのもある。マキ:何か具体的な影響やきっかけがあったりしたのかな。サマンサ:共に起業家である両親の影響は強いと思う。常に「自分のボスになれ」と言われ続けてきた。両親には、いつもそういう風に鼓舞されてきたかな。マキ:身近に起業家のロールモデルがいるのは心強いね。でも、なんらかのロールモデルがいたとしても、本当に自分のやりたいことを明確にして、決断をしてキャリアを進めていくというのは、誰にとっても難しいことだと思う。サマンサ:両親の影響だけじゃなくて、すごく長い時間をかけて、自分自身についてもじっくり考えた。それによって自分のことを理解することができた。何によって自分が突き動かされるのか。あとそれから重要だったのは、自分が残したいレガシー(後世に残すもの)は何なのかについて考えたこと。つまり、より広い世界に対して、わたしはどのような影響を残せるのかということ。マキ:バーガーを一つのメディアとして捉えている点は面白いね。ナタリー:メディアとしてのバーガーは、わたしたちの価値観を表現するのに適切だっただけでなくて、アフリカ料理の様々なフレーバーを凝縮させて、発信するのにも好都合だったと思う。アフリカ料理は、まだまだグローバルに知られていないという事実もあるので。マキ:起業の場所として、ナイロビを選んだのはなぜ?サマンサ:父がケニア人で、両親も13年以上ケニアに住んでいるという影響は一つある。それから、わたしとナタリーもケニアを頻繁に訪問するなかで、明らかな経済成長を目にして、ビジネス機会としても魅力的だった。東アフリカの中では、もっとも大きい市場だし、中産階級の人口も拡大している。こうした中産階級の人々は、旅に慣れていて、食べ物やサービスに対する期待値も高い。それにもかかわらず、わたしたちがMama Rocksを立ち上げた当時は、彼らのニーズを満たすサービスは限られていた。それからナイロビは、アートシーンも盛り上がっていて、すごくエキサイティングな都市だったから、むしろナイロビじゃなかったらどこ?という感じもあった。マキ:生まれ育ったUKを離れて、ケニアでの起業というのは大きな変化だと思うけれど、どんなことが特に大変だった?サマンサ:個人的には、起業のために親元に戻らなければならなかったということが大きいかな。自立した社会人として今まで生活してきたのが、いきなり逆戻りして子どもになるような感覚は、あまり気持ちいいものではなかった。それから、文化的ギャップも経験した。男性は、ビジネスとなると、大概、他の男性に向かって話を始めて、なんか脇に追いやられる感じを味わったのも不快な経験。自立した強い女性としてやってきたという経験があるからね。実務的なチャレンジとしては、市場に高品質・高価格というグルメバーガー(Mama Rocksのバーガーは、900円前後)の位置づけを理解してもらうことや、そもそも高品質な食材を提供してくれるサプライヤーを探すことなどが大変だった。マキ:起業というと「自分のボスになる」という要素が強調されるけれど、そのプロセスにおいては、実際に経済的にも精神的にも、ある意味、自立とは逆に、人に頼らなくてはならない場面も多々あると思う。姉妹での起業というのは、強みになっているのかもしれないね。サマンサ:ナタリーと一緒に起業しようと思ったのは、自分たちの背景や影響が似ているから。わたしたちは大親友で、一緒に働くのは楽しいし、絶対的な信頼関係がある。ほかのビジネスパートナーは考えられないかな。「わたしたちも、Mama Rocksも主人公じゃない」。世界の若者を鼓舞し続けるためのドミノエフェクトをつくるマキ:「アンダーグラウンド」というのは、あまり大々的には発信しづらいということなのかな。ナタリー:文化的にも歴史的にも、アフリカにおいて、アート、芸術分野はあまり賞賛されたり、推奨されたりしてこなかった。生計を立てるのに適切な領域ではない、というのが上の世代の考えだった。若者がそういったフィールドに進むことも、推奨されない。自分が何にパッションがあって、どうやって自己表現するか、家族に自分が何者かをどう表現するかはアフリカの人にとってプライオリティではなかった。マキ:クリエイティブ業界のキャリアが、応援されづらいというのは、必ずしもアフリカに限ったことではないと思う。経済成長の過程にある国においては、より実務的なキャリアが優先されるのかもしれないね。クリエイティブにこだわるのはなぜ?ナタリー:わたしたちは、クリエイティビティや自己表現こそが、アフリカ大陸の成長や変化をもたらす要素だと思っていて。恥ずかしがらずに、才能を忌憚なく発揮させることが必要だと思う。同時に、若者がパッションに従ってやりたいことをやる、というのを推奨していきたいとも思う。若者、そして彼らのクリエイティビティが、アフリカを変えると思っているから。彼らのパッションに火をつけるブランドになりたい。サマンサ:クリエイティブな考え方の重要性は、必ずしもクリエイティブ業界とかクリエイターに限定される話ではなくて。既存の枠組みに囚われずに、新しいやり方を提案するっていくこと。例えばケニアではM-Pesa(エムペサ)というモバイル・マネーのサービスが普及していて、銀行口座を持っていない層にも普及している。クリエイティビティがなかったらこういったサービスが生まれたり、普及したりしなかったと思う。長い時間をかけて、自分の生い立ちや価値観にじっくり向き合う、そしてそこから自分がどんなレガシーを残したいかを考える。グルメバーガー事業というビジネスの表層からは想像できない、サマンサとナタリーの深い思いやパッションが非常に印象的でした。自分自身を深堀しつつ、最終的には自分自身やキャリアを超えたより広い世界に、情熱の矛先があるからこそ、揺るぎない信念のもと、自分の好きなことを継続し続けられるのかもしれません。Mama RocksWebsite|Facebook|Twitter|Instagramケニア人の父とナイジェリア人の母を持ち、UKで生まれ育った姉妹起業家ナタリーとサマンサが、ケニアの首都ナイロビで始めた、コンテンポラリーなアフリカンテイストのグルメバーガーショップ。 ▶︎ノマド・ライター マキが届ける『ナイロビ、クリエイティブ起業家の肖像』・#001 「正しいことをしているという確信」。選択肢がありすぎる現代でも道に迷わない観察者、ヴェルマ・ロッサ▶︎オススメ記事・15店目:「ポテトとジンジャーで世界を平和にする」。駒澤大学に佇む、他社と手を組みクラフトマンシップを発信するお店、Brooklyn Ribbon Fries。|フーディーなBi編集部オススメ『TOKYO GOOD FOOD』・保守的な国ケニアで“出る杭”として活躍する姉弟クリエイティブ起業家から学ぶ「日本人に欠けていること」All photos via Mama Rocks unless otherwise stated. Text by MakiーBe inspired!
2018年03月28日アフリカ・欧州中心に世界の都市を訪れ、オルタナティブな起業家のあり方や次世代のグローバル社会と向き合うヒントを探る、ノマド・ライター、マキです。Maki & Mphoという会社を立ち上げ、南アフリカ人クリエイターとの協業でファッション・インテリア雑貨の開発と販売を行うブランド事業と、「アフリカの視点」を世界に届けるメディア・コンテンツ事業の展開を行っています。連載第1弾のゲストは、昨年末初来日し、Be inspired!でも取り上げたクリエイター・ユニット2ManySiblingsの一人、ヴェルマ・ロッサ。ヴェルマは、ナイロビを拠点にヴィジュアルコンテンツの制作・編集・配信や、地元のクリエイティブ起業家を集めたイベント開催などを手がけるマルチなクリエイター姉弟ユニット2ManySiblingsのクリエイティブ・ディレクションを担当。筆者とは、2015年にナイロビで開催されたイベントで出会って以来の関係で、昨年末には、弊社ブランドのビジュアルの制作を依頼したりと、協業も始めています。2ManySiblingsは、2013年に、拠点であるナイロビのクリエイティブシーンやストリートスタイルなどの記録、Tumblrへの投稿を開始。米国VOGUEにも取り上げられるなど、今や欧米を中心に世界的に注目されています。ヴェルマ個人のInstagramのフォロワーは、約3万人。ナイロビ拠点のクリエイターとしては、無視できない存在になりました。独自スタイルが注目されてモデルとして被写体になることも多いヴェルマですが、決してセレブリティになることはなく、謙虚に自分の人生に向き合っています。そして、未だマスメディアからは(多くの場合ネガティブに)断片的な情報しか発信されていないアフリカの、ポジティブなストーリーを発信したいと使命を持って活動しています。今回はそんなヴェルマのあり方と、その生き方に結びつくに至った考えやエピソードを通じて、ある一人の「クリエイティブ起業家の肖像」に迫りたいと思います。「わたしはキュレーター、地球の花、観察者、そしてスポンジ!」。ヴェルマ・ロッサって何者?マキ:そうだね。最初に聞きたいのは、ずばり、ヴェルマ・ロッサは何者なんだろう。ヴェルマ:わたしは、キュレーター。わたしは、地球の花!マキ:(笑)ロッサ(ローズ)は、花の名前だしね。ヴェルマ:ミドルネームはローズだけど、「地球の花」というのは、もうちょっと比喩的な意味。つまり、成長して、素晴らしいものとして開花するという自分自身の進化の過程かな。マキ:なるほどね。キュレーターとしてのヴェルマがどう形成されたのか、とても興味があるんだけど、生い立ちを教えて。ヴェルマ:いろいろな事に対して、関心や意識が高い子どもだったかな。成長の過程における自分の経験に影響されたと思う。夢のように素敵な生い立ちだった。ヴィンテージの電化製品のコレクターでもあった叔父がいて、いつも母親がホームメイドジャムを作ったり、ベーキングしたりして、父親は60年代のアフリカン・ジャズを毎日かけたりしてた。家の前には、線路があって、コーン畑が一面に広がっていた…。10代は割と普通だったかな。髪を剃りあげて青に染めたりはしたけど!マキ:素敵すぎる生い立ちだね。今のキュレーターの活動に結びつくような要素もありそう。ヴェルマ:わたしは、観察者であり、スポンジなの。自分自身に、ある種の感情をもたらすようなこと、人々、時間や空間を捉えるのが好き。自分の経験や学びの進むべき方向性をより多く得られたり、オルタナティブなあり方を吸収できる機会を探求し続けているだけ。視覚的なものに対しての感覚が強くて、写真も独学で習得した感じ。「ナイロビの断片をシェアしたいと思った」。アフリカにおけるクリエイティブ先進国、南アフリカからから自国にクリエイティブ活動を持ち込んだパイオニアマキ:2ManySiblingsの活動を表面的に見ると、SNS発信やイベントのプロデュースなど、アウトプットがメインという感じもするけれど、ヴェルマの活動の本質は、周囲を観察し、学ぶというインプットなのかもしれないね。いまの活動(ビジュアル・ストーリー・テリング)を始めるきっかけとかってあったのかな。ヴェルマ:7年間過ごした南アフリカでの生活が直接のきっかけかな。時間もあって、何か刺激が必要だった。アーティスティック表現を求めてた。ヨハネスブルグでの、最高にクリエイティブな表現者たちとの出会いも大きかった。マキ:前回、東京で対談イベントを開催した際に言っていたけど、2013年から今に至る間に、TumblrやInstagramというツールが、一気に普及したのはヴェルマの成功につながっているよね。インターネットやスマホ、SNSで個人が発信するのが簡単になって、特に画像は言語の壁を超えることができるからメリットも大きいけど、デジタルツールが「クリエイティビティ」そのものや、自分の生き方にどう影響していると思う?ヴェルマ:奇妙な感じ。作品のライフスパンが非常に短くて、人々は常に次なる何かを期待している。つまり、すぐに忘れて次のものに飛びつく。実際に、生のアート作品を見たりするのに比べて、芸術的価値も下がる。ネット上に存在するものとしては、永久に存在するわけだけど、注目されるのは一瞬のこと。ものによって、例えばGURLS TALK(英国モデルのアドワ・アボアが立ち上げた、女の子が安心して自分たちの経験を共有するためのプラットフォーム)とかは、メンタルヘルスとか、セクシャリティ、アイデンティティなどのトピックについて有意義なディスカッションがされたりしているけどね。みんなすごく本音を言っている感じはある。今は、どうやってもっとIRL(In Real Life=現実の世界)での存在価値を高められるかを考えているところ。少なくとも1週間に2回とかは、スマホから離れてデトックスしたりもする。SNSによって、自分自身が認知されたり、活動の幅が広がったり、評価されたりして、海外での仕事が増えたりしている一方、不健康な側面もある。ラブ・ヘイトの関係だね。マキ:ポスト・インスタグラム時代もいずれやってくるだろうし。ヴェルマ:SNS以前の時代のほうが、自己表現の方法は優れたものがあったと思う。芸術家たちは、より現実世界と向き合っていた。バスキアとかピカソとか、ある意味、これまで以上に今っぽさがある。マキ:素晴らしい芸術家たちは、しばしばその評価が付いてくるのは死後という問題はあるけどね。そういう意味では、今の時代は、クリエイターたちが、即時にキャピタライズできる可能性があるという意味では、テクノロジー活用のメリットがあるようにも思う。「常に次のプラットフォームを模索し続けている」。変化する世界において、自分も進化し、よりよい世界をつくるマキ:悪いニュースのほうが、ニュースになりやすいというは一般的にも言えるけどね。ヴェルマ:ただ、CNNがやっているAfrican Voicesというセグメント(旅、ファッション、アート、音楽、テクノロジー、建築など様々な領域において、独自のサブカルチャーを創出している、今最も輝くアフリカ大陸の逸材を紹介するコーナー)は、そういったマインドセットの変革に向けてのいい動きだと思う。マキ:ヴェルマたちのような個々のクリエイターたちが活発化すると同時に、影響力のあるCNNのようなプラットフォームが、少しずつ多様化していくのはいい動きだね。ヴェルマ:あと教育カリキュラムも重要。現状、欧米教育においてアフリカ大陸に関する情報が組み込まれていない。きちんとした情報と仕組みに基づいて教育されない限り、人々の意識は変わらない。未だに、アフリカ大陸が一つの国だと思っているような人もいるというのは、信じ難い!マキ:そういった現状に対する、ある種の反発のようなものも、ヴェルマのクリエイティブな活動のエネルギーになっているのかもね。ヴェルマは、自分のやりたいことをできている(もしくは見つけた)という感覚があると思うけど、世の中で自分のやりたいことをそこまで明確にもって、かつ突き進めていける人たちばかりではないよね。自分のやりたいことはどう明確になったと思う?ヴェルマ:うーん…。「天使の啓示」みたいな一つの出来事はないかな。自分が発信する画像に対してポジティブな反応をもらうことは、自分が正しいことをしていると証明される感覚。でも自分自身は、常に変化し続けていて、進化し続けている。今何かパッションを持ってやっていることが、必ずしも来週、来年に同じかどうかわからない。常に次のプラットフォームを模索し続けている。世界に対して、より影響力があって、かつ自分自身もより満足できるようなプラットフォームをね。マキノマド・ライターMaki & Mpho LLC代表。同社は、南アフリカ人デザイナー・ムポのオリジナル柄を使ったインテリアとファッション雑貨のブランド事業と、オルタナティブな視点を届けるメディア・コンテンツ事業を手がける。オルタナティブな視点の提供とは、その多様な在り方がまだあまり知られていない「アフリカ」の文脈における人、価値観、事象に焦点を当てることで、次世代につなぐ創造性や革新性の種を撒くことである。
2018年02月19日転機をチャンスにする人生の変え方を、ポテンシャル経営研究所代表、「ひとり起業塾」主宰・滝岡幸子さんに聞きました。起業の心得「10年後の自分を設計するための起業を」【起業のどんなところがおすすめ?】「“スマホ1台で起業できる時代”といわれていますが、実際、起業のハードルは昨今、低くなっています。例えば何かを販売しようとする場合、Webショップを設けさえすれば店舗を持つ必要がなく、注文に合わせて生産すればいいので、大量の在庫を抱える心配もない。商品の宣伝も、SNSを通して行える。特に30代前後の女性は、デジタルネイティブの世代なのでアドバンテージがある。会社に勤めて生活費を確保しながらでも、自分の好きなペースで、ローリスクで起業できる時代です。好きなことを、自分の好きな裁量で行ってお金を稼ぐことのハードルが、低くなっている。やり方を選べば“やって損はない”とさえいえますね」(「ひとり起業塾」主宰・滝岡幸子さん)【最初に準備するべきことは何ですか?】「自分が心からしたいことは何か、そしてそれをいかにしてビジネスに結び付けるかを考える必要があります。新しい可能性を探すために、ぜひ社外の趣味サークルやセミナーに足を運んでみて。本を読んだり、ネットで起業家を探して参考にしてみるのもいい。職場の外に出て、普段自分が触れていない情報を得ることで、方向性が見えてきます。理想のスタートアップは、食うに困らない収入源を別に持っておくこと。少ない資金で、軽い設備投資で始めること。そして自分が熱中して、長く注力できるテーマを見つけることです。抽象的なようですが、その点が最も重要なポイントなので、時間をかけて考えてみてください」【この選択に向き不向きはありますか?】「挑戦が好き、営業力がある、社交性がある、アイデアマン、人と違うことが好き、あるいは、一人で働くのが好き、組織で自分が浮いていると思う。これらのうちいくつかでも当てはまれば、向いているといえそうです。ただ、起業で大切なのは、たとえ細々とでも形を変えながら地道に活動を続けて、チャンスを待ち続けられること。情熱を持って突き進むタイプの人も、自分のペースを見つけてコツコツやる人もいるかと思いますが、“辞めないこと”がひとつの才能です。そのうちに、チャンスが回ってくるかもしれない。時期によって活動に波はあっても、続けていくだけの意志と、それを可能にする土壌を整えることを目指してください」【この選択を実行する際の注意点は何ですか?】「起業をしたからといって、一気にブレイクすることは稀。すぐにうまくいくとは限らないとともに、かけた時間や労力のすべてが返ってくるわけじゃありません。目に見えるリターンにこだわることももちろん重要ですが、“10年後の自分とその仕事を設計するための起業”というふうに捉えてみてほしいです。子育てや介護、家事と両立しながら、時間を有効活用できる起業。あるいは全力で注力して、人生の目的を叶えるような起業……。ひとくちに起業といっても、その形はさまざまです。自分にとって理想的な働き方の形を考えるとともに、それを実現するツールとして、起業を視野に入れてみてはいかがでしょうか」滝岡幸子さんポテンシャル経営研究所代表、「ひとり起業塾」主宰。中小企業のコンサルティングや、起業家のスタートアップ支援を行う。著書に『マイペースで働く!女子のひとり起業』(同文館出版)ほか多数。※『anan』2018年1月31日号より。イラスト・吉田トキオ取材、文・若山あや(by anan編集部)
2018年01月27日仕事をするも辞めるも、今までは自分の思いひとつで自由に選択できていたはず。けれど、子どもを持つと環境を替えたいと感じていても、いろいろな絡み合う事情により、一歩を踏み出せる人は多くはないようです。今、ママにとって大きなハードルとなっている「転職」。さまざまなケースのママたちの転職ストーリーを連載で紹介していきます。■酒井桃子さんの「転職するとき」酒井桃子さん プロフィールアヤキッチン合同会社「もぐもぐ子ども調理室」企画運営担当。10年間勤めた会社を2016年退社し、代表の潮田彩さんが出張型の子ども向け料理教室として活動していたもぐもぐ子ども調理室に参画し、新たにキッチンスタジオという拠点を設けてレギュラーレッスン形式での料理教室にシフトさせた。約1年間かけ新しく事業化した「もぐもぐ子ども調理室」は2017年4月にオープンしたばかり。 【酒井桃子さんの出産後の転職歴】▼1社目 クリーク・アンド・リバー社 正社員2010年9月第1子出産 → 2011年4月復帰2013年3月第2子出産 → 2014年4月復帰▼退職後、フリーランスに約1年をかけてアヤキッチンの合同会社化と、キッチンスタジオオープンに向けて奔走▼アヤキッチン合同会社を立ち上げ「もぐもぐ子ども調理室」事業化2017年4月にアヤキッチン合同会社を立ち上げ、小金井市にキッチンスタジオを構え、定期的に通える子ども向け料理教室をスタートさせた部内初の産休育休、時短勤務取得は、子どもと後に続く人のため30歳を過ぎた頃、正社員登用で長く勤められて納得できる仕事をしたいと思うようになり、友人の紹介で、クリエイティブに特化した人材派遣や制作請負を行っているクリーク・アンド・リバー社へ転職しました。当初は大手広告代理店のアウトソーシング事業を行っている部門に所属し、部門役員のもと、部門係数や工数管理など、社内メンバーの環境づくりを主に行っていました。役員が優秀な方だったので仕事範囲がどんどん広がり、サポートする私も必然的に多忙になっていきました。2009年に結婚しましたが、それまでと変わらず夜遅くまで残って仕事をするような毎日でした。そんな中で妊娠を知り、2010年9月に長女を出産しました。勤めていた会社には産休育休制度はありましたが、私が働く部署は若いスタッフが多く、実際に出産して制度を取得した人が今までにほぼいませんでした。そこで妊娠や出産について自身でもいろいろな情報を集めながら、同時に会社の制度についても問い合わせたりして、バタバタと出産準備を進めていきました。9月に出産するために7月から産休に入り、翌年3月まで育休を取得しました。部署で初めての産休育休取得者となったので、これから子どもを持つことになるだろう後輩のためにも、子どもを持っても頼りになると言われるような仕事をしたかったのですが、ただでさえ時短勤務の形態でちゃんと仕事ができるだろうかと、復帰前はすごくプレッシャーを感じたことを覚えています。 実際に復帰してみると、想像以上に子どもは熱を出したり具合が悪くなったりするので、仕事中に鳴る携帯電話にビクビクすることもありました。保育園からの電話になかなか出られなかったり、出ても仕事を誰かに任せて帰らなくてはいけない心苦しさから、上司に報告するまでに時間がかかったりすることもしばしばありました。 ■保育園の父母会長を引き受けたことが、「転職」のきっかけに仕事復帰をして2年後の2013年には2回目の産休を取得し、3月に長男を出産しました。翌年4月、二人の子どもは同じ保育園に通えることができたので、時短勤務で仕事を再開し、子育てと仕事の毎日は繰り返されていきました。そんなとき、子どもたちが通う保育園のママ友に、2015年度の父母会長を勧められ、安請け合いで引き受けたことが、今回の転職へと繋がっていったのです。私たちの暮らす市では、市、NPO団体、保育園など公立施設の三者で実行する、アートに親しむことを目的としたイベントを行う取り組みがあるのですが、それが2015年度は子どもたちの通う保育園で実施することが決まっていたんです。ただ単に父母会長を受けるのは躊躇があったのですが、そのイベントがあることでおもしろそうだなと思い、なんとなく引き受けてみました。父母会というものは、保護者同士の間に分かりやすい上下、利害関係がなく、そこに集まる人たちはみんな純然たるボランティアの精神でやってくれています。そんな人たちに、いかに気持ち良く参加し、協力してもらうには……と、普段の仕事とは少し違うところの気遣いや進め方を学んだ思いがしています。結果、イベントは成功をおさめ、年度の役員会自体も滞りなく終了し、役員をやってくれた保護者の方たちは「楽しかった」「やってよかった」と言ってくれました。私自身もボランティアで私の大事な時間を使うのだから、子どものためではなく、まずは自分が楽しまなきゃと思ってやっていました。そんな役員の仲間の一人に、今回一緒に事業をすることになった潮田(※編集部注:代表兼講師を務める潮田彩さん)がいたんです。もともと潮田は出張型の子どもの料理教室をやっていて、事業を拡大したいという思いを持っていました。そんなときにちょうど父母会の集まりの後に二人で話をしていて、「酒井さんのような人に私の仕事の営業的なサポートをしてもらえたらいいのにな~」と伝えられて。そのときは「いつか一緒に仕事をしたいですね」と終わったのですが、家に帰り一人で考えてみると、それはとてもありがたい話でぜひ行きたいと思うようになってきて。それで翌日夫に「やってもいい?」と相談すると「いいよ!」と言われ、すぐに潮田に「一緒にやろう」と連絡したんです。潮田はたった1日でこんな展開になってびっくりしていました(笑)。 ■辞める理由のなかった会社を辞めたのは「やりたいことを見つけた」から転職への動機は、実は潮田から誘いを受ける少し前からありました。それは長女の小学校入学が現実的になってきたころからです。昨年夫の仕事のポジションが変わり、週に1~2日は出張をするようになりました。今でさえふたりの子どもを迎えに行って帰宅するのはなんだかんだ19時になります。でも小学校へ入ると、今の仕事内容や勤務形態では19時に保育園から学童へと迎えに行くようになることがどうしても難しいと思うようになりました。私自身、勤続10年になりますが、その半分が母であり時短勤務で働く期間となりました。仕事を続けるうえで上を目指したい思いもありましたが、今の仕事からキャリアアップすると、次はマネージャー職になります。そうなれば下にメンバーを抱え、より密に時間を過ごすことが想像されますし、私自身もメンバーと一緒にいたい!と思うだろうと予測できたので、時短勤務でマネージャーになっても自分の理想とするマネジメントができないのではないかと思っていました。そんな時の潮田の誘いだったので「これだ!」と思い、乗りました。そうと決まればすぐに会社に報告をしました。上司には「辞めてほしくないけど、すっごく楽しそうだね」と言ってもらいました。10年も勤めた会社をそんな理由で辞めるの? と思う人もいたかもしれませんが、時間に制限があるからとかではなく、「ほかにやりたいこと見つけちゃった。じゃあね、お先!」って楽しそうに辞めていったらカッコいいかなと思って(笑)1年経った今、合同会社化してスタジオキッチンも作り、定期開催のクラスも走り出しました。今は始まったばかりですが、一人でも多くの子どもたちに定期的に通ってもらい、自分自身の成長を感じてほしいです。そしてその成長をお父さん、お母さんにもシェアして、たくさんの自信をつけていってほしいと思っています。「もぐもぐ子ども調理室」はどの企画に参加しても「とにかく楽しい!」がモットーです。「なんかあそこ、いつも楽しそうなことしている!」って大人にも子どもにも思われるような、そんな場にしたいと思っています。<ママの転職 Q&A>Q:転職をして家庭環境は変わりましたか?A:朝の登園でゆっくり歩いてあげたり、医者にこまめに通ったり自由に使える時間は少しできたと思います。でもスタジオができるまでは自宅が仕事場だったので、子どもとの時間にもPCに向かったりすることも多く、子どものとの時間が単純に増えたかといえば、そうではないかもしれません。でも、子どもたちが撮影のモデルになったり、ワークショップに参加したり、親が働く姿を間近で見られることが、この先いい経験に繋がるといいな、と思っています。Q:仕事をする上で気にかけていることはありますか?A:以前の上司に言われた「今の会社の業務だけでなく、どこへ行っても重宝される人間になれるよう、自分のマーケットバリューを常に考えながら仕事をしなさい」ということを意識しています。自分が市場に出たらどのくらいの価値があるのかを考えるというもので、この転職でも「アヤキッチンには営業、広報が必要で、且つ運営、実行部隊も足りていない。もし私が参加したらそのすべてに応えられるかも」と思えたから、すぐに飛び込めたんだと思います。Q:これから転職する人へのアドバイスをお願いします!A:「ここが嫌だからこっちへ行きたい」ではなく、「こっちがいいから行く!」というように、無理矢理でもいいからポジティブな理由に変換したほうがいいと思います。あとは「子どものため」が理由の転職もオススメしません。本当のことをいうと小1の壁とかいろいろ事情があるんだけど、そうではなく自分のための転職、としたほうが、後々子どものためにも自分のためにも気持ちがいいと思います。Q:具体的に転職をしたい人にオススメすることはありますか?A:自分には今何ができて、この先1年後、何年か後に何をしたいとか、頭の中でだけでも自分自身のレジュメを作ってみることをおすすめします。年に1度くらいやっておくと頭の中を整頓するのに良さそうです。そうすることで転職したいと思ったときにすぐに行動に移せると思います。皆が躊躇する父母会長を引き受けてみたことが、すべてにつながったんだと言った酒井さん。何よりも自分が楽しみたいという雰囲気と自信は、周りの人に連鎖し影響していくのだと思いました。この転職に対しても「先見の明があると思うんです」と言い切ったその自信が、結果的に理想とする仲間や場所を引き寄せているようでした。
2017年05月31日話題のスーパーフード「フリーカ」の輸入代理を務める「edit JAPAN」代表の堺あゆみさん。小学校3年生と保育園に通う2歳、2人の女の子を育てるお母さんです。そんな堺さん宅のセンス溢れるインテリアとともに、仕事と子育ての両立についてもお話を伺いました。▼堺あゆみ さんファミリー プロフィール・家族構成:夫、妻、9歳&2歳の女の子との4人暮らし・居住エリア:東京都・住宅形態:マンション 2LDK+SHP: Instagram: @editjapan ■2人目を出産してふと考えた「私の人生、このままでいいの?」現在、フリーカの輸入代理を中心に「edit JAPAN」の代表として活躍する堺さん。有機栽培、そしてフェアトレードでの輸入にこだわり、その活動の場を広げています。以前はフリーランスの編集者として仕事をしていた堺さんが、この会社を立ち上げたのは、まだ2人目のお子さんが1歳の頃でした。独立型ながら、光が差し込み、ゆったりとしたスペースのおかげで明るいキッチン。「40歳を過ぎて2人目を出産し、体調を崩しがちだったときに人生の棚卸をしてみたんです。私の人生、このままでいいのかな? 何かやりたかったことはないのか、あきらめていたことはないのかな? って。それまでも、“自分の手で何かをやりたい”、“発展途上国支援につながる仕事がしたい”という思いはあったのだと思います。そんなときに、パレスチナに住む、長女が小さい頃に仲よくしていたママ友が、現地の、あるひとりの女性が立ち上げたオーガニックコスメを日本で展開してみない? と声をかけてくれたんです。これだ! と思い、7歳の長女と、当時まだ0歳だった次女をおんぶして思い切って出かけたのが始まりです」シンクの背面に取りつけた棚は自作のもの。「よく使う食器や小物を置けたら便利だなと思い、板を買ってきて取りつけました」。脇にフックをつけているので、マットなどをさげられ便利。0歳といえば、2人目の育児とはいえ、たいていのお母さんはまだまだ「オムツ替えどうしよう? お出かけにはあれとこれを持って……」と大わらわになってしまう時期。ましてやパレスチナ、日本からの所要時間はトルコでの経由を含め、ドアツードアでなんと24時間!「長女がだいぶん助けてくれる年齢になっていたことも大きかったですし、一度行ったことのある国であったこと、現地へ行けば友人がいるという安心感もありました」そこで最初はコスメの視察をする予定だったのが、思いがけずスーパーフードの「フリーカ」に出合います。玄米やキヌアを超える食物繊維の多さ、そして低GI値で注目されている「フリーカ」。右は、より親しみやすく手軽に食べられるフリーカグラノーラ。「フリーカは、現地では主食のひとつとして食べられている青麦をローストした穀物です。短時間で炊いてリゾットのようにして食べたり、スープにして赤ちゃんの離乳食にもなっています。日本のお米のような存在ですね。次女は、白米にフリーカを加えて炊いたごはんで作るおにぎりが大好きなんです」10分ほどで炊き上げたフリーカと、トマトやクレソン、アボカドなどお好みの野菜を混ぜ、塩こしょうとオリーブオイル、レモンでさっぱりと和えたサラダ。その栄養価の高さと手軽さ、何より和食にもマッチする香ばしい美味しさに心を奪われた堺さん。折しも日本は、キヌアやチアシードといったスーパーフードブームです。そこからは猪突猛進、未経験ながら輸入業の勉強をし、イベントでの販売などを経て、現在へとたどり着きました。その間、約1年半ほど。子育てをしていたらあっという間に過ぎてしまう時間です。「ある人に教わったんです。“やれるかやれないかではなく、やるかやらないか”だと。夫から、“失敗したら、そのフリーカはうちで食べればいいよ”と背中を押してもらえたのも大きかったと思います。もし輸入して売れなかったとしても、その抱えるリスクと、やらずに終わる後悔を比べ、私は“やる”という方を選ぶことができました」 ■子どもにも伝えたい「毎日なにかひとつ、新しいことをやってみよう」「私も、お迎えで時間は限られていたり、子どもは熱も出すし、先の見通しが立たないこともたくさん。急に何か大きなことを始める必要はないと思います。子どもたちにも、意識して伝えているのが“毎日小さくてもいいから、なにか発見があるといいね”ということ。保育園へ行くとき、毎日違う道を通ると見える景色が変わります。そうしたら、交わす会話、考えることも少しずつ変わっていくと思うんです。大人も同じかもしれません。いつかアロマの勉強をやってみたいなと思っているのなら、まずは本屋さんへ行ってみる。ずっと気になっていた人に、メールを送ってみるだけでも小さな一歩だと思います。なんでもいいから、ひとつ、一歩、半歩でもいいから新しいことをやってみると、ほんの少しだけ世界が変わるような気がします。まずはそこから、その積み重ねなんだと実感しています」友人から譲り受けた籐の木馬は、雰囲気たっぷりでインテリアにもマッチ。“新しいこと”のひとつとして、最近お姉ちゃんは編み物を始めたのだそう。「私が教えてあげられたらよかったのですが、どうしても苦手で(笑)。調べると、シルバー人材センターの方が家に来て教えてくれるというので、お願いしています。同じセンターで掃除を請け負ってくれる方も見つかり、毎週金曜日にお願いするようにしたら、すごく気持ちがラクになりました。帰宅後、きれいなお部屋で気持ちがいいし、今まで土曜日の午前中はずっと掃除・洗濯・お料理で終わってしまっていたのが、ゆっくり家族で過ごせるように。気持ちにゆとりができたのか、週末、子どもたちにやさしくなった気もします(笑)。あれもこれもと頑張りすぎず、誰かの手を借りるのを厭わない、というのも大切かもしれませんね」女性のパッチワークを施したクッションは、パレスチナのアーティストによるもの。リビングにディスプレイした旅のかけら。スタンドの上に置いているのは、ヨーロッパのアンティークマーケットで見つけた鳥籠時計。幼い子を抱えながらの起業……と聞くと、まるで遠い世界のスーパーウーマンの話を聞いているようです。堺さん自身、双方のご実家も遠方、頼る親せきが近くにいるわけではありません。ご主人と協力しながら、子どもを保育園に預け、時にはシッターさんなどの手を借りながら、今の道を歩んできました。「結婚、出産、育児、仕事……女性は昔に比べて、人生での選択肢が多いと思います。“仕事か育児”など、“どちらか”を選ぶ社会ではなく、女性があきらめずに楽しめる社会になっていくといいですよね」取材/文:藤沢あかり 撮影:田所瑞穂
2017年02月28日9月に「4カ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ」というタイトルのブログ記事がネットでバズり、多くの反響を呼んでいました。内容としては、愛知県に住む(元)大学生の男性が退学と起業を公表したもの。数日間にわたって話題になり、しまいにはブロガーや起業家などの著名人が自身のブログで見解を述べるほどに。世間からは「卒業してから起業しても遅くないんじゃない?」「そんな考えは甘い」「頑張ってほしい、応援している!」など賛否両論の声が出ています。ところで、彼のように在学中から起業を志す若者は増えているのでしょうか?■若者企業家が増えている…わけではなかったネットで自分の情報を発信しやすくなっている現代。だからこそ若い企業家を目にし、「最近の大学生って、起業する人多くない?」なんて思いがちです。しかし総務省の「就業構造基本調査」によると、起業の希望者は97年以降から減少傾向に。決して大学生での起業家が増えているわけではありません。アメリカでは25歳以下で起業する若者が増えていますが、日本ではまだまだ少数。特に、産まれたときから不景気の時代を生きている現大学生にとって、起業は想像以上にリスクを背負うもの。安定的な雇用を求める意識が高いリスクに対する意識が強い起業に伴うコストや手続きが面倒くさいこんな理由から、容易に起業を目指す大学生は昔以上に少ないようです。特に日本は海外以上に、社会経験や実績のない人は認められにくい傾向があります。若者の発想は、新しい技術や面白いアイディアを生み出す一方で、それを実行するまでのハードルが高いもの。現実的に「起業」という形に辿りつくのは難しいのです。■一方で「将来的には独立したい」と思っている在学中に起業する!という人はごくまれですが、卒業後に何年か社会人をやり、そこで得たスキルやノウハウを活かしていずれは起業したい……。そんなふうに考える若者は多いです。年功序列と終身雇用がなくなりつつある時代だからこそ、「このままではいけない」といった気持ちが芽生えるのでしょう。若い人たちは安定的な雇用を求める一方で、「それって難しいかも」と気づきはじめているので、社会人経験を通して多様なスキルを身につける傾向があります。「パラレルキャリア」といって、本業を持ちながら、プライベートでも個人活動をする形で働いている人が増えているのもそのひとつ。最近では小学生に対して起業家教育を行うこともあり、起業塾も増えています。この先何があるかわからないという不安と、いろんな働き方ができるという希望。その両方をもちながら、今の若者たちは自分の生き方や働き方について向き合っているようです。アクションを起こすときは、何にせよ少なからずリスクを背負うもの。若いうちから、「この先自分がどう生きていきたいのか」に向き合い続けることが、将来の道につながるのかもしれません。
2016年11月03日『稼ぎたければ、捨てなさい。―起業3年目までに絶対知っておきたい秘密の裏ルール』(船ヶ山哲著、きずな出版)の著者については、その名を聞いたことがあるという人もいらっしゃるかと思います。心理を活用したマーケティング手法により「人脈なし、コネなし、実績なし」の状態から急成長を遂げた起業家。起業後3年にして、上場企業から町の小さな商店まで300社以上のクライアントを獲得したのだといいます。つまり、そんな実績をベースとして、「永続的にビジネスを成功させるための秘密」を明かしたのが本書だということ。■価値にフォーカスすれば失敗しないビジネスとは、「価値と価値の交換」で成り立っているもの。著者は本書で改めて、その点を確認しています。商品という価値をお客様に届け、お金という価値を対価として受け取る。それこそが、ビジネスの本質だということ。だから、もし手元に資産や貯金がないのだとしたら、それはこれまで価値を届けてこなかった証拠だというのです。そして、その価値にさえフォーカスしておけば、大きな間違いを犯すことはないともいいます。なぜなら、「商品=価値=お金」だから。いいかえれば、価値が商品とお金を生み出してくれるということです。■価値の量が最終的な価格に比例するお金儲けが下手な人は、一生懸命やることと、売り上げは比例すると信じているもの。しかし、それが勘違いなのだと著者は指摘します。ビジネスがお客様に価値を届けるものである以上、それは自分のエゴを満たすことではないはず。だからビジネスを行う際には、お客様の価値にフォーカスしなければいけないというのです。そして、そのお客様が期待する結果の大きさや価値の量が、最終的な価格に比例する。すなわち、大きな売り上げを目指すのであれば、労働に頼らない仕組みや考え方を取り入れていく必要があるのだそうです。なお、それを叶えてくれるもののひとつが、著者のいう「秘密」に隠されているのだとか。■話していいor話すべきでないことその真実とは、「『what to(なにをやるか)』は話してもいいが、『how to(どうやってやるか)』は話してはいけない」といことだといいます。さらに、もうひとつ気をつけなければならないポイントがあるといいます。それは、「what toを聞くと、知った気になってしまう」ということ。そうなってしまった人は、自分の能力を過信してしまうというのです。でも、それは仕方がないと。「平均以上効果」という心理が働いてしまうため、自分の能力を過信してしまうのが人間だから。多くの人はなにかを行う際、「自分は最低でも平均以下になることはない」と信じているもの。そして、そのような“錯覚する行為”が自分を過信させ、失敗に導いてしまうというのです。しかし、それはあくまで幻想でしかなく、本当の答えなどそこにはないと著者は指摘します。なぜなら大切なのは手段ではなく、本質だから。しかし多くの人は、そのことに気づいていないというのです。■どうやってやるかを説明しない理由では、販売者はなぜ「how to(どうやってやるか)」をいわないのでしょうか?それは、「目的の違い」なのだそうです。販売者の最終目的は、商品を売ること(how to)です。しかし購入者の目的は、お客様を増やすこと。だとすれば、商品の先にある結果がそもそも違うのですから、成果が出なくても当然。だからこそ、本気で成功を望むのであれば、その目的の違いに気づき、これらの手法を知ることが大切だと著者はいうのです。ビジネスですから、目的の違いがあるのは仕方がないこと。たとえば、デパ地下で試食を延々と続ける人はいないでしょう。試食はあくまでお試しであって、信用を得るための手段にすぎないからです。大切なのは、目の前に来た情報をチャンスと捉えるのではなく、お互いの目的の違いに気づくことだといいます。なぜなら現代のビジネスは昔と違い、「仕組み」が成否を分けるから。■仕組みの裏側に潜む本質を知るべしいい商品さえつくれば売れるという過去の時代とは違い、現代では「いわれたことしかできない人=使えない」ということになります。いわれたことだけをきちんとやっていても、勝てる時代ではないということ。逆にいえば、いまは個人であっても、気軽に仕組みを構築できてしまう時代であるわけです。そこで、目先のものだけにフォーカスするのではなく、裏側に潜む本質を知ることが重要。それを知ることで、販売者の真意や本当の目的を知ることができるのだと著者は主張します。*著者の言葉はときにシリアスですが、だからこそ訴えかけるものがあるのも事実。稼ぎたいという思いを持っているのなら、その糸口をつかむためにも読んでみて損はないかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※船ヶ山哲(2016)『稼ぎたければ、捨てなさい。―起業3年目までに絶対知っておきたい秘密の裏ルール』きずな出版
2016年09月24日いま、誰でも起業できる時代と言われています。もしかすると、具体的なアイデアを持っていて、今すぐ事業を立ち上げたいと考えている人もいるかもしれません。しかし驚くべきことに、起業して10年後に生き残っている会社はたった5%しかないという残酷な現実があります。なぜこのような事態に陥ってしまうのでしょうか。『失敗をゼロにする 起業のバイブル』(中山匡著、かんき出版)は6,000人以上の起業支援を行っている著者が、起業で絶対に失敗しないための「方程式」を解説したもの。起業で成功するには能力や実力よりも、「何をテーマにするか」が何より大切であるといいます。今回は本書の中から、起業の失敗でよくある3つのパターンをご紹介します。■1:なかなか前に進まない「堂々巡りタイプ」「いいアイデアを思いついた!」と思って起業しようとしたのに、既に同じような事業をしている人がいた。どうしても諦めきれず考えていると、さらに良いアイデアが浮かぶ。しかし今度は友人に「それは無理じゃない?」と言われて落ち込む……。そんなことを繰り返しているうちに数年が経ってしまうというのはよくある起業の失敗パターンだといいます。考えが同じところを堂々巡りして、一向にゴールにたどり着かないのです。このようなパターンに陥りやすいのは、「自分のやりたいことを大切にしている人」や、「起業する際に理念をとても重要視している人」です。最初に理念を考えるところで停滞してしまうと、なかなか次の行動に移せません。そもそも理念は最初から決められるものではなく、起業活動が軌道に乗ってから自然に見えてくるものなのです。活動をしていないのに理念が明確になっているとしたら、それは独りよがりなものである可能性が高いでしょう。また、視点が「自分」に向いてしまっているため、競合の相手がたくさんいたり、需要のないマーケットで起業してしまったりすることにもなりがちです。起業において大切なのは、アイデアが素晴らしいかどうかではなく、そのアイデアで勝てるかどうか。しっかりと現実を見据えた上で、実現可能な戦略に落とし込んでいきましょう。■2:切り替えが早すぎる「放射型タイプ」「堂々巡り」のパターンとは反対に、とにかく行動が速いタイプ。勝てるマーケットを見抜く力も持っているのになぜか軌道にのりません。その理由は、競合に勝つための「強み」を持っていないから。そして、切り替えがとても早いので、少し手を出してはうまくいかず、また新しい分野にチャンレジするもののうまくいかず……というように「放射型」に様々なことに手を出しては失敗してしまうのです。表面だけを見ると簡単そうに見える事業も、現実には相当な強みが必要となります。例えばオシャレな焼肉屋がこれから流行りそうだと思っても、飲食店未経験の人が何のノウハウもなしに参入することは不可能です。それなのに、このタイプの人は「自分にできる」と勘違いして参入してしまうのです。チャンスがあっても、自分がそこで戦えるだけの強みを持ち合わせていない限り、それを活かすことはできません。またこのタイプの人は、うまい話に騙されやすい傾向にあります。「どうしても独立起業したい!」という思いが強すぎて資金を使い果たしてしまうというケースもあるので要注意です。絶対に失敗しないためには「一か八かのような決断」をともなう起業はやめましょう。■3:自信があだとなる「人脈依存型」新規事業ではなく、会社員として行っていた業務を独立して行うケースでも、失敗することはよくあるそう。それは円満退社となり、抱えていたクライアントを独立後もそのまま連れていった場合に起こります。このような方法で起業した場合は、1年目は安泰です。ゼロから起業した場合はなかなか顧客が増えず、軌道に乗るまでは最低1年はかかります。しかし、初めからクライアントがいる上での起業はこの心配がありません。独立1年目から食べていけるので、自分の自信にもつながります。しかしここが落とし穴。2年目以降に、少しずつ「顧客の流出」が始まります。例えば美容師なら、顧客は引っ越したり、転職して最寄り駅が変わったりするだけで、別の美容院へ行くようになります。税理士なら、相手の会社が廃業してしまうこともあります。少しずつであっても顧客が減ることは不安へとつながります。3年目以降、さらにこの流れが進むと、このまま顧客がいなくなるのではないかという恐怖心が出てきてしまうのです。そうなると目の前にある仕事にも出がつかなくなり、今いる顧客にも全力を尽くすことができなくなってしまいます。このような事態を防ぐには、1年目、2年目に新規開拓を行うこと。しかし、順風満帆な1年目は危機感がなく新しいことをやる気は起きません。そして2年目は日々の仕事が忙しいのに加え、いざ新規開拓をしようと思っても経験がないためやり方がわからないという事態に陥りがちです。ビジネスの原則として、新規開拓は広告費をしっかりかけることでうまくいくケースが多いもの。それを知らずに本やセミナーで学ぼうとしてもなかなか成果は出ないでしょう。*本書は全336ページとかなりのボリューム。勝てるマーケットの探し方から、強みを活かした「事業フォーマット」の選び方まで細かく解説されているので、これから起業を考えている人は参考にしてみてください。よくある失敗の罠に引っかかることなく、10年後も生き残れる5%を目指しましょう!(文/平野鞠) 【参考】※中山匡(2016)『失敗をゼロにする 起業のバイブル』かんき出版
2016年08月24日今、女性の起業がトレンドになっているのはご存知でしょうか。「起業」というと、とても大変なことで、従業員を雇って事務所を借りる……そんなイメージですが、それだけが「起業」ではないんです。今や、事務所がなくても一人でもノマドで開業できるやり方がトレンドになっているのだとか。何か特別なスキルを持っていなくても、自分の得意なところを伸ばして、ユニークな事業をしている人が多いのです。ここでは、そんなユニークな事業の内容に迫ってみました。■愛もビジネスの一環?「愛され女性になるためのコンサル」コンサルタントといえば、専門的な勉強を重ね、大企業を相手に高度な話をする……そんなイメージではないでしょうか。ですが、それだけがコンサルタントではないんです!世の中には「愛されるように女性をコンサルタントする」という事業があります。こんな内容をコンサルタントするとは、と驚く人も多いはず。モテるためのレッスンや、男性に長く愛されるためのコーチングがビジネスとして成立しているのです。しかも、月に100万円以上の売り上げが立つそう。それだけ、愛されたくてもどうしたらいいかわからなくてSOSを出している女性がたくさんいるということですね。モテる女性は、恋愛をテーマにした事業を考えてみては?■OL向け!「副業生活スタートをカウンセリング」こちらも大企業向けではなく、個人の女性をコンサルティングする起業。決まった時間に会社で仕事をしているけれど、現状に満足していない。環境を変えるために、まずは副業からはじめたい……。そんな女性のために、どんな副業がその人に合っているかをカウンセリングし、始め方をレクチャーしてくれるのです。一人ではなかなかきっかけが掴めず行動に移せなくても、自分をコンサルティングしてくれる人がいると、なんだか変われそうな気がしてきますよね。同じ女性ということで、気軽になんでも相談できるという点もウケているようです。■毎日がガラリと変わるかも?「時間管理のコーチング」時間は誰にでも等しく与えられているもの。しかし、有効活用できずに悩んでいる人は少なくないようです。そこで人気なのが、「時間管理をコーチングする」事業。社会人になって「周りの人より時間を使うのがうまいかも?」と気付いたのが創業のきっかけなのだそう。その長所を他の人にコーチできるまでに磨き上げ、ビジネスとして成り立たせたのだとか。時間の管理なんて人から習うものなのか、と思う人もいるかもしれませんが、自分では気づかなかった新しい視点を得られるかもしれません。時間をうまく使えるようになれば、毎日が劇的に変わりそうですよね。このように「一見ビジネスっぽくないけれど、一定の需要があるコト」を見つけるのが成功する事業の共通点といえるでしょう。上記の例はどれも、特別にものすごいスキルを持っている人が起業したものではありません。自分の長所をしっかり把握した上で、ビジネスにできるくらいに育てているのです。会社勤めの毎日はもう飽きた、何か自分で事業をしたい!そう思っている人は、こんな選択肢があることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
2016年08月14日書店に足を運んでみれば、あるいはアマゾンでビジネス書をチェックしてみれば、「起業」に関する書籍はいくらでも見つかります。そしてそれらは、起業の素晴らしさをアピールし、読者をその気にさせようとやっきになっているようなものが大半。でも、起業したら本当に、その先にあるのはバラ色の未来なのでしょうか?そんなことはあり得ないと考えるほうがいいのではないでしょうか?そう思わずにはいられないからこそ強い説得力を感じさせるのが、きょうご紹介する『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(大賀康史、苅田明史著、ソシム)。著者は、「本の要約サイト」として知られる「フライヤー」の代表取締役と取締役。(1)「筆者の経験にもとづいた起業ノウハウ」、(2)「先輩起業家からの生々しいアドバイス」、(3)「起業家必読といえる名著の要約・紹介」という3つの要素で構成されています。■起業家は「天才」ばかりではない起業には特別な人にしかできないことのようなイメージがあり、最近の起業家は、ロックスターのようにも見えるもの。しかし、起業とはごく一部の天才だけが行えるものではないと 著者はいいます。起業家の世界に身を置いてみると、たしかに天才的な人もいるそうです。たとえば大学生時代に起業して、20代後半でベテラン社長としての風格を身につけ、特有のオーラを放つような人など。しかし決して、そのような人がすべてだというわけではないということ。起業家同士で話をしてみると、その多くは悩みを山ほど抱える普通の人間だというのです。数々のトラブルに直面しながら努力を重ねるなかで、名声を手に入れて行っているわけです。だからこそ、「遣り抜くという覚悟さえ決められるなら、起業家には誰でもなれる」と著者はいいます。■起業がしやすくなった3つの理由昔の起業のイメージは、「一世一代の大博打」というようなものだったかもしれません。しかしいま、起業環境は大きく前進したといいます。誰にとっても起業をすべきかどうかについては、もちろん簡単にいい切れない部分はあるでしょう。しかしそれでも、さまざまな要因から、起業にチャレンジしやすい環境へと変化しつつあるのは事実だというのです。そして最近の起業環境については、次の3つのポイントがあるのだとか。(1)借入金の融資の際に、必ずしも連帯保証を求められなくなってきたかつてスタートアップが借入をする際には、ほぼ例外なく社長の連帯保証が入り、万一資金が返せなくなった場合には、個人資産で返すか自己破産しか道がなかったそうです。もちろんいまでもその慣習は残っているものの、日本政策金融公庫の制度融資など、一部のローンは無担保・無保証(連帯保証人なし)で提供されるようになっているのです。(2)投資家に厚みが出てきており、資金の調達手段が広がってきた投資家は、数・質ともに、いままでになく充実してきているといいます。たとえば過去にベンチャーを成功させている「エンジェル投資家」、アイデアとメンバーだけの状態のスタートアップを育成する「ベンチャーアクセラレーター」、小規模から大規模のファンドを運営する「ベンチャーキャピタル」、新規事業の種を探してスタートアップへの投資に積極的な事業会社などがそれにあたるそうです。(3)スタートアップを支える支援組織が充実してきた最近はスタートアップと大企業をつなぐイベントが盛況。経済産業省も近年、『TOKYO イノベーションリーダーズサミット』というイベントで、スタートアップと大企業がマッチングできる機会を提供しているのだそうです。他にも、証券会社、監査法人の組織や、スタートアップと大企業のマッチングを担う企業が主催するイベントも増加傾向。大企業との事業提携の機会が得やすい環境になってきているというわけです。また、テレビや新聞などのメディアもスタートアップに注目しており、サービスの露出の機会も増加傾向にあるといいます。■起業家は金銭的な困難に直面するこのような企業環境のなか、誰もがうらやむような大企業から転じて企業したり、スタートアップに転職したりする人が増えているということ。そして著者は、こうもいいます。もしも起業のアイデアがあって、それは何度検証しても有効だと思え、自分がやり遂げたい「志」にも沿っている。そして、一緒に起業してくれそうな仲間もいる。だとすれば。起業に必要なのは、腹を決めて一歩を踏み出すことだと。ただし冒頭でも触れたとおり、本書ではやみくもに起業を勧めているわけではありません。それどころか、「起業すると、ほとんどの起業家は金銭的な困難に直面する」という、多くの人が触れたがらない現実にもしっかりと目を向けています。単なる机上の空論ではないからこそ、強い説得力が生まれているわけです。*起業を本気で考えている人にとって、とても意義ある内容。また「要約サイト」の著者であるだけに、読む価値のある多くのビジネス書も紹介しています。密度の濃い内容であるだけに、ぜひ読んでおきたい一冊だといえるでしょう。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※大賀康史、苅田明史(2015)『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』ソシム
2016年02月26日弥生は1月15日、法人起業検討者を対象とした、起業の直前直後に役立つ情報をまとめたWebサイト「弥生の起業家応援プロジェクト」を公開した。同サイトでは、起業の準備・手続きから起業直後の経理・業務管理までの情報が紹介されている。コンテンツは大きくわけて「起業の基礎知識」「起業と経理」「起業に役立つ製品・サービス」の3つが用意されている。「起業の基礎知識」では、起業前後に必要な情報にフォーカスし、法人設立の検討時に役立つ「会社設立のメリット・デメリット」や「設立費用、法人設立後に必要な届出書類」、起業後にすぐ決めておくと後々のお金の管理が楽になるという「請求・支払の期日 決め方の原則」や「現金と預金の管理方法」などが紹介されている。「起業と経理」では、主に起業後の経理にフォーカスし、起業家アンケートから割り出した、「業界ごとの売上に対する理想比率」や「黒字化経営企業の経営状態」が紹介されており、業界ごとの健全経営を把握することができるという。また、日々の経理の流れや決算の説明も紹介されている。「起業に役立つ製品・サービス」では、起業時に、個人事業主としてスタートするか、最初から法人として会社を設立すべきか迷う場合に、事業の売上と経費、希望する年収などを入力することで、概算の税金(法人税・所得税)がわかる「かんたん税金計算シミュレーション」が用意されている。これにより、個人事業主と法人で納める税金の差額や売上の多寡による変動額を把握することができるようになっている。
2016年01月15日起業家と一口に言っても、実にさまざまなタイプがいる。若い頃から使命感に燃えていた人、虎視眈々と機会を狙っていた人などはイメージしやすいが、あるとき運命の歯車が回り、偶然にも起業家の道を歩むことになった人物もいる。グルメチャットアプリ「ペコッター」を開発・運営するブライトテーブル 代表取締役 松下勇作氏がその一人だ。大学院でバイオテクノロジーの研究に励んでいたものの中退し、金融機関向けシステムのコンサルティングや開発、保守・運用業務を行う会社に入社した。3年半ほど勤務したころ、転機が訪れた。インキュベイトファンドに転職した知人から、インキュベーションプログラム「Incubate Camp」(2011年)の存在を聞き、松下氏は「面白そうだから行ってみたい!」と伝えた。しかし知人からは、「ダメだ。ビジネスのアイディアを持った人だけが、Incubate Campに参加できるんだ」と告げられる。そこで松下氏は、A4用紙にWebサービス「テーブルシェア」のアイディアを書いて知人にプレゼンし、プログラムの面接に潜りこませてもらう。その後、早朝7時からのプラン改善ミーティングを重ねた結果、キャンプへの出場権を獲得。今も継続した支援のあるインキュベイトファンドの代表パートナー赤浦氏に見いだされ、投資対象に選出される。その後の準備期間を経て、2012年2月、同サービスを開発・運営する組織としてブライトテーブルを立ち上げた。○「どんなときでも明るいですね!と言われます」松下氏 : 2011年夏、僕がまだ会社員だったときのことです。当時はFacebookのイベント機能を使う人が増えていて、僕も頻繁に活用しつつ、社内外問わず食事会を開催していたんです。その食事会が「テーブルシェア」の原型になりました。そもそも、なぜ食事会を積極的にやっていたかというと、みんなで悩みを打ち明けたり、近況報告したりできるような場を作らなければと思ったんです。入社1年目は内定者同士でよく食事に行っていたのですが、2~3年くらい経つと、皆それぞれ役職に就いたこともあり同期との交流が減っていきました。そんな中、仕事が忙しく、同期と話したり相談したりする機会もなく、心が疲れてドロップアウトしてしまう人が出てきていました。食事会は、こういう人を助けることができる場になるのではと思ったんです。とはいえ、同期は60人ほどいたので、全員が一度に集合するのは無理ですし、半分程度でも厳しい。では、5~6人の小規模な集まりならどうかと考えてやってみると、密に交流できる良さがあると気づいたんです。―― 人力でやっていた食事会を仕組み化したのが、テーブルシェアだったというわけですね。立ち上げは順調にいきましたか?上手くいきませんでしたね。当初、僕はプログラミングができなくて、友人が組んでくれていました。何度も手直しを重ねてようやくリリースできたのは、開発に着手してから1年後です。時間を要した理由としては、友人が仕事仲間になったこともあり、何か不満があったとしてもあまり強く言えなかったり、隣で並んで開発していて、ついダラダラしてしまったりと、僕自身、甘えみたいなものもあったと思います。また、「世界中の食卓を明るくにぎやかにする」というサービスのコンセプトはあったものの、課題解決における具体的なアイディアがなかったんです。結果、1年半運営を続けたものの、2013年夏にサービスを終了しました。―― とはいえ、1年半で見切りをつけるには、相当な覚悟も必要だったのではないでしょうか投資いただいた資金が底をつき、私有財産をつぎ込んで、さらには借金をしたこともありました。周りの人に食事を奢ってもらったり、当時の恋人と一杯のラーメンを分け合ったりと、ギリギリの生活をしていた時期もあります。ですが、落ち込んだりはしなかったです。むしろ、新しい価値を創る仕事が楽しくて、ファンドとのミーティングの際にも「どんなときでも明るいですね」と言われていました(笑)。というのも、30代の僕がやりたいことの実現を目指して2~3年がんばって、最終的に失敗したところで、世界は微動だにしないと考えているんです。逆に、万に一つでも世の中に残るような仕組みを残せたらいい。自分が死ぬときに、後悔したくないという気持ちが強くあったんです。そんな中、ファンドの方が「新しいサービスを考えてみたら?」と言ってくださり、2014年1月にリリースした2つ目のサービスが「ファイブシート」でした。こちらも食をテーマにしたサービスで、コンセプトは「仕事帰りの新習慣」。見ず知らずの人が集まって、1時間でサクッと食事して解散できるサービスで、開始時間と場所(店)を選ぶと、その日の食事メンバーになる5人が集まり、コース料理をシェアします。1時間きっかりでタイマーが鳴って、会計・解散という仕組みです。テーブルシェア運営時に「誰かと食事はしたいけれど、幹事はやりたくない」と思う人が多いと気づき、ただボタンを押すだけで参加できる食事会として設計しました。ファイブシートの開発時は、起業してから2年間のプログラミング経験のおかげもあり、3週間でリリースできました。参加者のリピート率もとても高かったですね。ただ、「見ず知らずの他人同士で食事すること」にハードルの高さを感じた人も多かったようです。今度はサービス継続か否かの判断を早めにしようと思い、サービス開始5カ月ほどで開発を中断しました。○サービス公式キャラクターの被り物で「自分を広告化」―― その後生まれるのが現在のサービス「ペコッター」ですね2014年夏ころ、会社と家の行き帰りに人間観察をしながら、事業のヒントを探していました。そのころはスマホの普及率がぐんと上がり、駅のホームを歩くと、ほとんどの人がスマホをイジっているような状況で、そのときに気づいたのが、スマホでグルメ系のクチコミサイトを見て、複数の店舗から比較検討するのは意外と大変だなということ。多くの人が、スマホの画面の中で複数店舗のクチコミを並べて選ぶ、いわば「PCのころの探し方」を続けていたんです。スマホの小さな画面であれば、たとえば「銀座で蕎麦」と希望を打ち込むと、グルメに詳しい人から「◯◯が良いよ」と1店舗だけおすすめを教えてもらえる……そういうサービスが向いているのではと考えました。行けるお店は一度に1店舗ですからね。そこからiOSアプリの開発に向け勉強を開始し、2015年3月にサービスをリリースしました。―― 認知拡大のための施策は展開していますか?いろいろと実験的な取り組みもやっています。中でも独特なのがTwitter上で「渋谷 ごはん 教えて」などのキーワードで検索し、お店を探している人に向けて、ペコッター公式キャラクターの「はらぺこ君」から「それなら◯◯というお店が良いよ」と教えるというもの。完全に手作業です。Twitter上でお店を探している人のニーズと、ペコッターアプリ内で探している人のそれには、違いがありません。自ら検索するのが面倒で、教えてほしくて質問を投げかけているわけなので。彼らはペコッターのユーザーになり得るので、積極的に声をかけています。ほかにも、初期に最もユーザーを獲得できたのは、羊のかぶりものを身に着けてペコッターのパネルを持って移動するという、いわば「僕自身が広告化する」施策でした(写真参照)。その格好で電車に乗っていると話しかけられ、「写真に撮ってSNSに投稿して良いですか?」と聞かれるんです。5,000フォロワーほどいる方がつぶやいてくれたこともありました。○レッドオーシャンでも、軸をズラせば勝てる―― ビジネスモデルはどう作っていく予定ですか?ユーザー数を増やすことが先決ですから、今すぐマネタイズしようとは思っていません。が、可能性としては3種類のマネタイズを考えています。1つ目はとてもシンプルですが、アプリ内に広告を配信すること。2つ目は店舗へ課金、3つ目はユーザーへ課金することです。はじめの2つのマネタイズ方法は、サービスのスケールが必要になりますが、3つ目のユーザー課金は短期的にスタートできます。それが、今ユーザーに大好評な機能が「ペコッター予約」です。ペコッター予約とは、ユーザーから予約依頼を受けると、僕たちが店に架電して席を確保するというものです。たとえお店の席が空いていなくても「◯時からは空いていませんでした。△時なら空いているようです」では終わりません。そのお店と同じジャンル・金額感などの店を探し、空席の有無まで確認した上で、「こういう店もありますよ。ここなら◯時から△人で入れます」とユーザーに伝え、そこでOKであれば予約を入れます。コンシェルジュのようなものですね。―― ペコッター予約は無料で提供しているんですよね。相当大変なのでは?1日数十件以上の予約依頼をいただきますからね。もちろん、僕たちも人力での検索・電話予約ではスケールできないと考えています。実は、予約業務を行うなかで「そのお店がダメならここはどうか……と検索し何件も架電して、空席を探して……」といった一連のデータをすべて記録し続けていると、知見がたまります。たとえば「恵比寿で焼き肉、予算は一人5,000円」と依頼がくると、以前受けた相談と同じように紹介していけば良い。近い将来、予約依頼の受付や店への架電、ユーザーへの提案までプロセスを自動化し、スタッフ一人でも回せるようにするつもりです。今のまま人力を続けていると赤字ですが、自動化すると黒字転換できるでしょう。ですから、まず1年くらいは人力で検索・架電し、データを蓄積しつつ提案のクオリティーを上げていきます。ペコッター側から提案する店に加え、ユーザーが他のユーザーに店を提案することもあります。こういった生きたデータが膨大にたまっていけば、ほかのサービスは追随できなくなるはずです。いずれ、人工知能を用いて店を紹介するサービスも出てくるでしょうが、リアルなお店についてのデータがなければ意味を成しません。アルゴリズムを作れたとしても、それだけでは不十分なんです。「先んじてユーザーに価値を提供することで膨大かつ使えるデータを収集し、その後アルゴリズムを適応していく」というサービスの進化を2~3年のスパンで考えているんです。―― 最後に、起業家を目指す人へ、アドバイスをお願いしますよく「競合は多いけれど、どうしてその分野に挑戦したんですか?」といった質問を受けます。でも、僕たちとしては、ほかのグルメ系アプリ・サービスとは「共生関係・仲間関係にあって、ライバル関係ではない」と捉えています。情報の海で溺れそうになりながら、なんとか情報を持ち帰るという「検索」という行動をペコッターに置き換えていきたいんです。検索する代わりに「~な店を教えて」と悩めるユーザーに対し、グルメに詳しいユーザーが情報の海を上手く泳いで、適切な良い情報をピンポイントで提示してくれる ―― そんな世界を実現したいなと。その際に、ほかのグルメ系アプリ・サービスのリンクを紹介するわけです。繰り返しになりますが、やはり僕たちにとって彼らは仲間。たとえライバルが多い分野で挑戦する場合でも、戦い方を少しずらせば上手くいくと思います。僕たちが着目したのは、ユーザーは「店を探したいのではなく、店を決めたいと考えていること」。情報が多ければ多いほど、人は決められなくなります。その悩みをどう解決しようかと考えたときに、決めるためのサービスを作れば良いのだ、と気づいたんです。起業して新しい価値を生み出したいなら当然、時代に即したものを創り出す必要があります。変化の多い今の時代に起こる不自由なことや不便なことを見つけ出して、ソリューションを上手く提示できる起業家が、成功を手にすると信じています。
2016年01月15日「起業したい」と思ったことはありませんか?しかしその一方で、「私にはムリ」とあきらめている人、「どうすればいいか分からない」なんていう人も多いのではないでしょうか?そんな人の背中を「大丈夫だよ」って押してくれるのが、『1年目から無理なく年収1000万円稼ぐ「起業一年目の教科書」』(今井孝著、かんき出版)です。著者は、WEBセミナーだけでも延3万人以上にノウハウを伝える起業支援の専門家。自身が起業当初はセミナーを開催しても閑古鳥が鳴き、数百万円投資して制作した商品は、ほとんどが在庫の山に。ネット広告につぎこんだ資金は一瞬で消えるなど、胃の痛みと闘いながらの1年目で、散々なものだったといいます。そうした自らの経験を生かして考案したのが「段階思考」。一気に駆け上がるのではなく、一歩一歩、段階を踏みながら上がっていくという考え方です。起業し成功している人は、この段階思考を用いているのだそうです。本書では、起業し成功した人が持つ、段階思考「こんな時はこう考える」という事例63項目が紹介されています。いくつかを見てみましょう。■1:起業を思いついたら-「最初の1歩」を踏み出す起業しようと思っているけれど、「ビジネスのアイデアが思いつかない」「なにを商品にすればいいのかわからない」と悩んでいる人も多いはず。でも、悩むのは起業家として正しい姿勢で、もっともっと悩むほうがいいのだそうです。最初からやり方を知っていて、なにかを成し遂げた人はいません。考えて悩んで計画を立て、まずは最初の一歩を踏み出すのです。最初の一歩とは、本や雑誌を読んだり、ビジネスセミナーに参加したり、人に会ったりとなんでもいいようで、こうして情報と情報が結びついたとき、いままで見えなかった道が見えてくるのだといいます。■2:起業までの準備-時間の確保とお金の不安を最小化する「起業したいけど、5年ぐらいなにも進んでいない」という人に対しては、まず時間を確保することが大事だと著者はいいます。起業のための時間をつくれば、少しずつでも準備が進むもの。そのためには現在やっている仕事を8割の時間で終わらせ、起業の準備時間に当てればいいのだそうです。また、起業するうえでもっとも大きな不安は「お金」。まずは固定費、準備に必要な経費などの計算を明確にしましょう。「これだけは必要」だとお金を明確化すれば、現状の家計を考え、予算を組むことが可能。これで起業に対する不安の半分は解消するようです。■3:商品をつくるには-お金をかけずに試作してみる「ビジネスを始めるには、しっかりと商品をつくらなければ」と考える人は危険。逆に最初はしっかりした商品を作らないほうがよいことのほうが多いとか。著者は自身の苦い経験から、「テストせずにいきなり完成品をつくるな」と訴えています。つまり試作品を作ってスタートし、何度もやりなおしていけば、最後には必ず売れる商品が生まれるのだということです。■4:価格設定するには-自分の都合で価格を決める「安くないと買ってくれない」と、価格に対して弱気な人は少なくありません。価格に対する弱気を解消するには、「価格を上げられない2つの心理的要因」があることを知ることが大切。まずひとつは、売ったあとに「この値段で満足してもらえるだろうか?」という不安です。そしてもうひとつは、売る前に「この値段でこの商品が売れるだろうか?」という不安。しかし多くの人は、「売る前」と「売った後」の不安をごちゃまぜにしているので対処できないのだとか。売ったあとの不安を解消するには「お客様に満足してもらえるまで価値を提供しよう」と覚悟することが大切。クオリティーを上げ、価格を高く設定したほうがいいというわけです。売る前の不安も「この価格で商品を広めるために、価値を伝える。価値を感じてくれる人を見つけるぞ」という覚悟が大事なのだとか。■5:マーケティングとセールスを行うには-まず仲間を増やすビジネスをスタートしたものの「どうやってお客様を見つければいいのだろう?」と悩んでいる人がいます。解決法としては、最初は家族や友だちにお客になってもらうのがいいそうです。著者自身もビジネスをはじめたばかりのころは、ほとんど知り合いが買ってくれたとのだとか。つまり、どれだけ助けてくれる人が周りにいるか、ということが初期のマーケティングのカギ。営業力は知らない人を引っぱる力ではなく、応援される力なのだといいます。ビジネス系のセミナーや交流会などに参加して知り合いを増やし、仲間を広げていくことが重要。すると、やがて人や仕事の紹介につながることもあるそうです。*このように起業1年目で成功した人たちの段階思考を、「第1章起業を思いついたら」から「9章起業家のチームづくり」まで、9つのテーマに分けて紹介しています。本書を読んだからといって、すぐに年収1,000万円になるわけではないでしょうが、起業に際してのストレスや恐怖を軽減してくれるのは確か。起業しようという人、はじめたばかりの人が感じる悩みや不安を和らげ、問題解決へと導いてくれます。どの項目をからも読めるようになっているので、本棚に保管して、悩んだとき、迷ったときにページを開くことも可能。起業を考えている人は、一度は読んでおきたい一冊です。(文/森美奈)【参考】※今井孝(2015)『1年目から無理なく年収1000万円稼ぐ「起業一年目の教科書」』かんき出版
2015年12月18日世界各地の大学で「知的財産」と「起業」について講義を行っている、イタリアの靴メーカー、ジェオックス(GEOX)グループの会長、マリオ・モレッティ・ポレガート氏が早稲田大学での講演のために来日した。マリオ会長は北イタリア・トレヴィゾのワイン生産家の三代目として家業を継ぎながら、90年代初めにあることをきっかけにシューズブランドを創業。カジュアルシューズメーカーとしてまたたく間に売り上げを拡大。ベネトン、デロンギなどグローバルなブランドを生み出すトレヴィゾ特有のブランディング戦略にも注目が集まっている。ジェオックスグループは創業10年足らずの04年にミラノ証券取引所に上場を果たした。マリオ会長の起業力、急成長させたビジネスリーダーとしての資質が話題を集め、00年代に入ってさまざまな大学の客員教授として招聘。これまでに伊ヴェネツィアのカ・フォスカリ大、ボストンのMIT、ケンブリッジ大、コロンビア大、北京大、香港大、モスクワ大などで講義やカンファレンスを行っている。「そもそものきっかけは米国ネバダ州リノの砂漠。ワインの展示会でリノを訪れ、散歩していたときにゴム底のスニーカーが蒸れてあまりに暑くて不快だったので、持っていた旅行用のスイスのアーミーツールのナイフで靴底に穴を空けたんだ。それがすべての始まりさ」とマリオ会長は楽しそうに話し出す。その効果が快適でゴム底に通気口を空け、防水機能を持たせた“呼吸する靴”の特許を世界100ヶ国で登録。「その当時は靴を売ろうとは思っていなかった。アイデアを売ろうと思っていた」(マリオ会長)が、3年経ってもそのパテントに興味を持つ企業は現れず、それならと自らヴェニスにシューズメーカーを設立。5人の仲間と数人の大学生でスタートしたシューズメーカーは、現在イタリアのカジュアルシューズメーカーとしては業界トップの地位を確立。現在、世界115ヶ国で1,250店舗を展開しており、14年度の売上高は前年比109.6%で約1,200億円。世界中で約2,000万足を販売し、その内イタリア国内では700万足を販売し、イタリア国民の8人に1人が購入している計算になる。「我々の成功の要因はテクノロジー、イタリアンモード、コンフォータブル(快適さ)の3つ。コレクションのモードはアーバンスタイルだが、我々はデイリーなアーバンでの快適さを求めた結果だ。ゴム底シューズの国内シェアは95%に達しているが、今後は革底靴、ウェアへとテクノロジーを広げていく」とマリオ会長は意欲的。自身もルーマニアやイタリアで農業、獣医学、化学、経営学、経済学と次々に博士号を取得し、欧州の各大学の生徒との共同開発を進めており、最新テクノロジーを活用した生徒とのコラボ企画などにも意欲的。一方で、デザイナーラインとしてパトリック・コックスも展開し、ファッションアングルでの視野の広さや、イタリア、スペインでスタートしているダウン症児との協業など企業活動も、講師として認められる所以だ。家業のワイン農家は7つのブリュワリーを持ち、年間約3,000万本以上を販売しており、その盤石なる歴史があってのジェオックス成功秘話ながら、「一つのアイデアは一つの工場より価値がある。イノベーションに投資したい人は世界中に多数いる。日本のテクノロジー、企画力には世界中から注目が集まっており、若い世代のパワーに期待している」と同会長は話している。Text:野田達哉
2015年11月25日編集部の「これ、気になる!」
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