住宅ローン控除は、金融機関などから住宅ローンを借入して住宅購入をされた方が、一定の条件を満たし、確定申告など、所定の手続きを行うことで受けられる税金の優遇制度です。一定の条件や所定の手続きは、後程紹介させていただきますが、住宅ローン控除は、手続きが難しくないほか、制度を受けるためのハードルが極めて低いため、住宅を購入されたほとんどの方が適用できると言っても過言ではありません。そこで本記事では、初めて住宅ローン控除を受ける方を対象に、確定申告で住宅ローン控除を受けるために必要な手続きから必要書類まで幅広く解説を進めていきます。住宅ローン控除とは住宅ローン控除は、正式名称が住宅借入金等特別控除と言い、金融機関などから住宅ローンを借入して住宅購入をした場合、12月31日時点における住宅ローン残高の1%を最大で10年間に渡って税金控除できるといった税金優遇制度です。住宅ローン控除は、購入した住宅が新築なのか、中古なのかによって適用できる条件が異なっているほか、住宅ローンを単独で借入するのか、夫婦で収入合算して借入するのかによっても適用される金額が異なります。新築住宅を購入した場合の住宅ローン控除新築住宅を購入した場合に住宅ローン控除が適用できる条件は、以下の通りです。新築または取得の日から6か月以内に購入した住宅に住み、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで引き続いて住んでいる住宅ローン控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下新築または取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が住宅部分であること住宅ローンの返済期間が10年以上で分割返済であること居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など、特殊な税制度を一定期間に渡って受けていないこと中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除中古住宅を購入した場合に住宅ローン控除が適用できる条件は、以下の通りです。建築後、使用された住宅であること建物が、建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、または、耐震基準に適合する建物であること購入した中古住宅が、親族や特別な関係のある者などから購入した住宅ではないこと贈与によって取得した中古住宅ではないこと住宅ローンを組んで新築住宅を購入する場合は、さほど大きな注意点は見受けられないのですが、中古住宅を購入する場合で住宅ローン控除の適用を受けられる予定がある方は、購入した中古住宅の築年数や耐震基準など、注意しなければならない点が多いため、あらかじめ気を付けておく必要があります。リフォームをした場合も住宅ローン控除が受けられる住宅ローンを借入して中古住宅を購入される方は、リフォームやリノベーションも住宅ローンやリフォームローンといった借入で行われる方も多いと思いますが、このような中古住宅の購入とリフォームなどをした場合でも住宅ローン控除をそれぞれ受けることができます。なお、リフォームやリノベーションをした場合に住宅ローン控除が適用できる条件は、以下の通りです。住宅の所有者がご自身で、所有している建物について行うリフォームやリノベーションであること以下、いずれかの工事に該当するものであること①増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模の模様替えの工事②マンションの場合は、ご自身が区分所有する部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事③居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事④バリアフリー改修工事⑤一定の省エネ改修工事⑥地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事リフォームやリノベーションの日から6か月以内に住み、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで引き続いて住んでいること住宅ローン控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下リフォームやリノベーションをした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が住宅部分であることリフォームやリノベーションをした工事費用が100万円を超えており、その2分の1以上の額が住宅改修にかかる工事費用であること住宅ローンの返済期間が10年以上で分割返済であること居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など、特殊な税制度を一定期間に渡って受けていないこと中古住宅を購入してリフォームやリノベーションも合わせて行った場合で住宅ローン控除を受ける場合は、すまい給付金や地方自治体からの補助金が絡む兼ね合いも十分考えられるため、工事費用には、特に注意が必要と言えます。住宅ローン控除の適用は、初年度のみ確定申告が必要住宅ローンの借入をして新築住宅や中古住宅を購入した場合をはじめ、リフォームやリノベーションをした場合で、初めて住宅ローン控除の適用を受ける年は、確定申告をしなければ住宅ローン控除の適用を受けることはできません。また、確定申告の際には、作成した確定申告書のほかにも、住宅ローン控除を受けるための必要書類も忘れずに添付する必要があります。なお、確定申告は、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に行わなければならないことになっているため、上記の確定申告期間中に確定申告を間に合わせるためにも、後述する必要書類をあらかじめしっかりと確認して準備することが大切です。確定申告で住宅ローン控除を受けるための必要書類確定申告で住宅ローン控除を受けるための必要書類は、以下の通りです。確定申告書(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書住宅ローンの残高証明書土地や建物の登記事項証明書土地や建物の売買契約書の写し住民票の写し給与所得者の場合は、源泉徴収票マイナンバーおよび運転免許証など身分証明書の写しなお、中古住宅を購入した場合は、耐震基準適合証明書または、住宅性能評価書の写しが紹介した書類に加えて必要なほか、リフォームやリノベーションを行った場合は、工事業者からの工事証明書や工事請負契約書の写しも必要になります。また、新築住宅、中古住宅に関わらず、すまい給付金や地方自治体からの補助金(助成金)を受けた場合は、それらを受けた明細書(無ければ支給を受けた通帳の写しなどでも可能)も添付しなければならないため、確定申告をする際は、やはり、時間と余裕を持って計画的に必要書類を準備することがとても大切になります。2年目からの住宅ローン控除は、確定申告不要住宅ローン控除の適用を受ける上で、初年度は、必要書類を添えて確定申告をしなければならないため、時間や手間がどうしてもかかってしまうのですが、2年目から10年目までの期間は、確定申告をしなくても年末調整で住宅ローン控除の適用が可能です。そのため、会社員や公務員のように勤務先が行う年末調整で1年間の税金の精算が終了する方は、税務署から郵送される(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書と金融機関が発行する住宅ローンの残高証明書を添付して年末調整をすることで、引き続き、住宅ローン控除の適用がなされることになります。住宅ローンを夫婦で収入合算した場合は、それぞれ確定申告が必要住宅ローンを夫婦で収入合算した場合で、夫婦それぞれが住宅ローン控除の適用を受ける場合は、それぞれ、必要書類を添えて確定申告が必要になります。そのため、先に紹介した住宅ローン控除を受けるための必要書類も夫の分、妻の分といったように2部必要になりますので、業者などが発行する必要書類で写しではなく、原本の提出が必要なものにつきましては、あらかじめ時間の余裕を持って準備と対策をしておくことがとても大切になります。住宅ローン控除の金額は、住宅などの持分によって按分される住宅ローンを夫婦で収入合算した場合は、夫婦が住宅ローンの連帯債務者であれば、それぞれ住宅ローン控除の適用がなされることになりますが、登記をした持分割合に応じた住宅ローン控除が適用となる点に注意が必要です。たとえば、夫婦それぞれが2分の1ずつ土地や住宅の持分があったと仮定し、12月31日時点で2,500万円の住宅ローン残高があったとします。この時、夫の債務および妻の債務は、それぞれ1,250万円(2,500万円×2分の1)ずつとなり、住宅ローン控除の金額もそれぞれ12.5万円(1,250万円×1%)となります。初めて確定申告をして住宅ローン控除の適用を受ける場合、確定申告書に添付する(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書には、ご自身の持分のみの金額を記入することになりますので、この辺には注意が必要と言えるでしょう。確定申告で住宅ローン控除を受けるための方法まとめ確定申告で住宅ローン控除を受けるための方法を解説させていただきましたが、以下、要点をざっくりまとめます。住宅を購入した年の翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行わなければ住宅ローン控除が適用できない購入した住宅の種類によって、住宅ローン控除の適用条件や必要書類が異なるため注意時間に余裕を持って確定申告や必要書類の準備をする住宅ローン控除の適用を受ける方の中には、確定申告も住宅ローン控除の手続きも初めてという方も多いと思いますが、わからない場合や不安な場合は、ご自身が住んでいる地域を管轄している税務署へ尋ねてみるのも効果的です。直接話を聞きながら手続き方法を教えてもらうことで、安心で確実な確定申告ができることにつながるとも考えられます。
2019年01月12日「住宅ローン借り換え」という言葉を皆さんは少なくとも聞いた事はあるのではないでしょうか?実際に借りている方が行う事になりますが、一体どんな事をやるのでしょうか?そしてどんなメリット、デメリットがあるのかを今回の記事で解説していきたいと思います。住宅ローンの借り換えとは?本題に入る前に住宅ローンの借り換えについて触れておきたいと思います。住宅購入は人生で最も高額な買い物と言われており、殆どの方が35年の長きに渡って支払いを続けていきます。人生100年時代と言われるようになった昨今で考えると約3分の1は支払い続けなければなりません。そうなると、支払いをどうにか安くしたい!負担を軽減したい!と考えるのは当然です。しかし「金利」という数字によって皆さんの負担は変わります。購入のタイミングによっては高い金利だった方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今借りている金利水準より低い金利で「借り換える」方が先々の負担も軽減できる様にする為、銀行各行は借り換えの商品を並べている訳です。住宅ローン借り換えのメリットとデメリットは何?将来に渡る金利負担を軽くする為、借り換えという方法がある訳ですが、メリットデメリットがあります。これからご紹介していきますので、しっかりと押さえておきましょう。借り換えのメリットまずメリットからお話します。最大のメリットは支払い総額の軽減に尽きます。こちらの図をご覧ください。図の借り換えの条件を書いておきます残り2,300万円残り返済期間25年借入金利2%借り換え後金利0.6%上記試算は極端かもしれませんが、以前固定金利で借りた方が、変動金利に変更した場合をシミュレーションしました。ご覧のように、支払いの軽減額が約420万円も軽くなりましたね。軽くなるのであれば是非やった方がお得だという事が分かります。次なるメリットですが、固定金利型や変動金利型への選択変更が可能になります。上記シミュレーションは固定から変動へ切り替えたものです。選択肢の自由があるのは有難いですよね。そして、例外的な対応ではありますが、場合によって返済期間の延長を行ってくれる銀行もあります。(殆どが対応はしていないようです)返済額を軽減したいなというお考えであれば、延長に対応してくれる銀行での借り換えも視野に入れておいても良いのではないでしょうか?逆に返済期間を短縮する事も出来ます。(こちらは対応可能な銀行多数です)月々の返済額を変えず、返済期間が短縮になればその分、支払いも軽減されますね。以上が借り換えのメリットです。借り換えのデメリットでは、逆にデメリットはと言いますと、借り換え前よりも返済総額が増える事も考えられます。というのも、単純に金利が今より低くなればいいのでは?と思ってしまいがちですが、先程の図に「諸費用」という項目を入れていました。今回諸費用を少なめに(概算シミュレーションで)入れましたが、金融機関によって諸費用は異なります。ここが膨らんでしまうと折角の負担軽減も意味が無くなってしまう事もありますので、借り換えを検討する前にしっかりと諸費用をチェックしておいて下さい。他にデメリットで言えば、最近は少なくなったかなと思いますが、借り換え手数料を取る銀行もあります。これは先程の諸費用とは別になりますので、ある意味負担です。負担を増やさない為にも、事前にチェックしておいて下さいね。住宅ローン借り換え時のポイントを解説しますさて、借り換えの概要はお話してきました。ここでからは借り換えのポイントに触れていきますね。「1・1・1」の法則よく住宅ローンの借り換えを検索すると出てくる言葉でもありますが、これは何を意味するのか?これは、借り換えをする際にメリットになる方の条件を簡単に表したものです。具体的には借入残高が1,000万円以上借り換え後の金利差が1%以上返済期間が10年以上という3つの条件を満たせば恩恵は受けられますというものです。皆さんの借入を行っている住宅ローンは上記に当てはまりますか?当てはまらない方も一度シミュレーションしてみて下さい。これはFPとしての意見ですが、金利が1%以上無くても、返済期間が10年以下でも、シミュレーションして返済総額が安くなる条件もあります。最近ではネット銀行が増え、手数料や諸費用等0円で済む銀行も出てきました。借り換える側にとってみれば朗報です。何度も言うようですが、法則に当てはまっていなくても、まずはシミュレーションしてみて下さいね!私が良く利用するサイトのURLですので参考になればと思います。みかローン(高機能住宅ローンシミュレーション)借り換え時も新規借入時と書類は変わらない住宅ローンを借りた事がある方はお分かりかと思いますが、手続きに中々時間を要した事と思います。どなたに聞いても「面倒だ」といった回答が多く、その書類の多さには正直うんざりする方も多いのではないでしょうか?準備書類だけでなく、記入書類や捺印箇所も多く本当に大変だと思います。借り換えは同じように書類や手続きが必要になる為、思わず思い出して嫌になる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、先程の図で示した様に、仮に400万円以上の負担軽減ができるのであればと考えると、多少は我慢も必要かもしれませんね。借り換え時も審査はあります新規借入同様に審査は必須です。事前審査、本審査と進まなければならず、当然借入を起こした当初と債務状況や、勤務状況等変化が大きく生じていた場合、借り換えすら難しくなる事もあり得ます。例えば、新規借入して数年後、転職した場合。勤続年数もそうですが、年収も異なっているでしょう。また他ローン関係も増えていたりするかもしれませんし、先々で借り換えを視野に入れていらっしゃる方は、審査対策も必須となりますので、注意しておきたいポイントです。借り換えても団信加入は必須です!住宅ローンを借りる際は必ずと言って良いほど団信(団体信用生命保険)に加入を義務付けられます。過去記事に書いてはきましたが、新規借入時は健康で団信に加入出来ても、借り換えする際に何かしらの事情で健康状態が悪い場合、団信に加入すらできないケースもあるかもしれません。そうなると融資そのものが出来ない為、要注意ですね。住宅ローン控除はどうなるの?皆さんご承知の住宅ローン控除ですが、借り換えするとどうなるのか?ですが結論から言えば「要件を満たせば問題ありません!」となります。国税庁HPでは「できませんよ」と書いてある様に思えるかもしれませんが、ポイントとしては、借り換え後の住宅ローン返済期間が10年以上ある事、新規借入の住宅ローンを借り換えますといった事が分かれば要件を満たすと解釈してください。注意すべきは、控除対象の期間は絶対に10年間だけになります。例えば5年間控除を受けて借り換えた場合は残り5年間は控除対象になるという事です。過去にこんなご質問がありました。「住宅ローン控除が終わった10年後に借り換えしたら、また控除期間が10年間ありますか?」という内容でした。答えは追加で10年間はできませんとなります。あくまでも、新規借入から10年間が対象になっていますので、借り換えをする度に延々と控除を受けられる事はありません。控除対象期間内の範囲内での借り換えをご検討の方は金利を下げる事が借り換えの目的であると同時に控除の恩恵も軽減してしまう可能性もありますので、何度も言いますが事前にシミュレーションはやっておいて下さいね。まとめ今回は借り換えに関するポイントをご紹介しました。新規で借りる際も、比較検討は必要である事と同じで借り換え時もどうすれば損でどうすれば得なのかをシミュレーションして実行に移すことをお勧め致します。是非、今より良い条件で借り換えが出来るといいですね。
2019年01月09日団体信用生命保険(団信)への加入は、住宅ローンを借りるためには欠かせません。中には、加入しなくても大丈夫なところもありますが、ほとんどが加入は必須です。団信は、住宅ローンを契約した人に万一のことがあり、返済できなくなったときに保険会社から金融機関へローンの残高分が支払われます。さらに団信には特約があり、3大疾病保障特約付きや8大疾病保障特約付きなど、その種類はさまざまです。今回はその中でも「がん50%保障」についてピックアップしてご紹介していきたいと思います。「がん50%保障」とは?がん50%保障は、ローン契約者が所定のがん(悪性新生物)と診断確定されたときにローン残高の50%が保障されます。ミック / PIXTA(ピクスタ)就業不能になったら残りのローンが支払われるものもありますが、このがん50%保障はがん(悪性新生物)と診断確定されただけで、その後のローン残高が50%(1/2)となります。「がん50%保障」に入ることの必要性とは?2012年までの調査によると、人口の高齢化ということもあり、がん罹患数は年々増加傾向にあります。「自分は健康だから大丈夫」とは思わずに、自分にもがんにかかってしまうリスクがあるかもしれないと常に考えるべきです。天空のジュピター / PIXTA(ピクスタ)加入するにも50歳未満までなど年齢制限もあるため、住宅ローンをこれから借りる・住宅ローンを借り換える予定がある人は早めに検討することをオススメします。「がん50%保障」のメリットがん50%保障のメリットはまず、がんと診断確定されただけで残りの住宅ローンが1/2になるところです。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)がんで働けなくなったといったときではなく、診断されただけで残りのローンが半分になるのは、とても安心です。そして、この特約を取り扱っている金融機関も増えており、さらには保険料の負担が軽いところも魅力です。金融機関によっては上乗せされる金利がゼロでこの保障を付けられます。もし100%保障されるものも検討したいということであれば付けることもできますが、上乗せ金利は高くなります。「がん50%保障」の注意点がん50%保障の注意点は、先述したように加入するのに50歳未満などの年齢制限があることです。また、がん以外では保障されないので、他の病気についても不安がある場合は三大疾病などの特約も付けるべきです。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)また加入するのに、ローン実行日から90日以内にがんと診断確定された場合は保障対象外になってしまう、などの条件もあるので注意しましょう。自分が借り入れる金融機関にがん50%保障の特約があるのか、またその加入条件や保障内容、保険料なども確認する必要があります。まとめがん50%保障についてご紹介しましたが、いかがでしたか?年々がんのリスクが高まる中、いつどうなるかわかりません。CORA / PIXTA(ピクスタ)何かあったときでは保険に加入することはなかなか難しいでしょう。万が一のときのために、あらかじめ備えておくことも必要です。特にがん50%保障はがんと診断された時点で50%が保障されるので、心配な人は特約を付けておくことをオススメします。【参考】※団体信用生命保険がん団信(がん50%保障プラン)被保険者のしおり※国立がん研究センターがん情報サービスがん登録・統計年次推移
2019年01月07日一般的に、返済期間が30年前後に渡る住宅ローンについて、一番心配なのは「本当に返済し続けられるだろうか」ということではないでしょうか。今回は、安心して住宅ローンを利用するためにとても重要な「返済率」について解説します。■ そもそも「返済率」ってなに?すでにご存じのかたも多いと思いますが、返済率とは「年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合」のことです。もとくん / PIXTA(ピクスタ)例えば、年収が500万円の場合、年間返済額が100万円なら返済率は20%となります。この返済率は、住宅ローンを長期に渡り確実に返済していくための「大事な指標」となります。■ 住宅ローンの審査でも重視される「返済率」MaCC / PIXTA(ピクスタ)返済率は住宅ローンの審査でも重要なポイントとなります。審査を行う金融機関によって、そしてローンの申込みをする人の年収等によっても基準は異なりますが、多くの金融機関では返済比率の上限を25~35%前後で設定しています。ただし、審査時には実際の融資金利ではなく、各金融機関が独自の「審査金利」を用いて、返済率を計算しています(フラット35以外)。■ 返済率はどう決めればいい?KY / PIXTA(ピクスタ)では、住宅ローンを利用する場合、この返済率をどの程度に設定すれば良いのでしょうか?たとえば金融機関などで住宅ローンの相談をしたとき、「○○様のこの返済率でしたら何の問題もありません」といわれたとしましょう。ただし、ここで「何の問題もない」のは、あくまで金融機関から見た返済率についてです。返済率を考えるうえで重要なことは、「金融機関が考える最適な返済率」と「自分にとっての最適な返済率」は違うということです。まず、「自分は年間収入をどれくらい住宅のために支出できるか」を考えてみましょう。tsukat / PIXTA(ピクスタ)■ 自分にとって最適な返済率とは?stpure / PIXTA(ピクスタ)人によって、「日常生活上の支出」の項目やその割合は千差万別です。もちろん、「家」を購入するうえで日常生活の支出バランスについて変えざるを得ないこともあるでしょうし、そうする努力も必要でしょう。しかし冒頭で示したとおり、住宅ローンは長期に渡り返済を続けなければなりません。万が一、その返済が滞ってしまうと、これまでの平穏な生活に重大な支障がでてしまいます。安心して住宅ローンの返済を続けるためには、自分が住宅のために毎月、毎年どれくらい支出できるのかを知ることが重要なのです。現在、賃貸住宅にお住いの場合は、支払っている家賃を目安に住宅費(住宅ローン+維持費)としての支出可能額を算出してみましょう。■ 現在の住宅費との比較現在の家賃が高い(住宅費の割合を減らしたい)と感じているなら、住宅ローンの返済額を現在の家賃以下に設定する必要があります。makaron* / PIXTA(ピクスタ)逆に、現在の家賃を安い(住宅費の割合を増やせる)と感じているなら、その程度に合わせて住宅ローンの返済額を設定してみてください。そして、その返済額から借入額を算出してみましょう。例えば、現在の家賃が8万円として、その家賃が自分の住宅費として適正だと感じている場合、そこから逆算した借入額は約2,960万円です(変動金利0.725%、期間35年、元利均等払の場合)。仮に年収が500万円だとすると、返済率は約19.2%となり、一般的には「問題のない返済率」といえます。しかし、購入する住宅がマンションだった場合、上記8万円の住宅ローン返済額のほかに、住宅の維持費として「管理費・修繕積立金」が毎月必要となり、これまでより住宅費はアップします。また、マンション・戸建問わず、不動産を所有すると「固定資産税や都市計画税」が毎年課税されます。■ 「どれくらい借りられるか」ではないhilite / PIXTA(ピクスタ)これ以外にも、家族構成や車のローン、子どもの学費など、その家庭ごとに支出の中身は様々です。「融資審査が通る返済率」や「一般的に問題ない返済率」についてはあくまで目安程度として捉え、「どれくらい借りられるか」ではなく「自分が住宅費として支出できるのはいくらか」を把握して住宅ローンを利用しましょう。
2018年12月14日今回のお話は住宅ローン本審査を通過し、いよいよ融資!しかし、そこまでに、やってはいけない事をご紹介致します。ひょっとすると、「融資出来ません!」と言われてしまう事もありますので、是非ともチェックしてみて下さいね。融資実行までにやってはいけない事とは?まず、やってはいけない事を纏めました。退職転職新規借入が増える支払いが遅れる法的手続きを行う虚偽の申告がばれる病気となって団信に入れなくなる死亡してしまうなぜやってはいけないのでしょう。それぞれ理由をお話していきますね。1.退職してはいけないこれは事前審査から本審査と勤務していた会社を退職してしまった場合です。理由は明白ですね。支払い能力が無いと判断されてしまいます。職業選択の自由はあるかもしれませんが、融資実行前に退職は出来る限り避けたい所です。2.転職してはいけない上記退職よりも問題無さそうではありますが、実際には融資が出来ない事例になります。事前審査、本審査の書類には今までの勤務実績や年数、年収が記載されていました。しかし、勤務先や年収が変わる事により支払いに関する懸念が出てくる訳です。勤続年数もリセットされ1年未満となりますし、勤務先の規模も場合によっては大手から中小へと変わるかもしれません。また何より年収も以前よりも低くなる可能性も高い。もちろん貰っていないお給料をアバウトに申告しなければなりません。つまり返済能力に変化が生じた為、実行は難しくなるという理由です。3.新規借入が増える前回記事でも書きましたが、信用情報に数字の変化があった場合です。これまでの残高が減っていれば何ら問題はありませんが、逆に事前審査、本審査時よりも借入が増加している場合は要注意です。過去に住宅を購入するとご相談のあったお客様ですが、事前審査、本審査は何事も無く通過しました。しかし、次にお会いした際に??あれ?車が変わってる??代車でも無く、住宅ローン通ったから、車を購入されたとの事でした。購入方法は何とローン!!誰が見ても高級車に入る車両でしたので、そこそこ良いお値段だと思われますが、結果、融資出来ない事態になってしまったという訳です。あくまでも、審査を通過したタイミングでの借入残高で問題無いのに、そこから、上乗せで別ローンは返済能力、返済負担率に変化が生じますので、厳しいものになります。またクレジットカードでのお買い物も注意が必要です。これも借入と見なされるケースもあります。金額が少額だから大丈夫!と思っていても、何かの間違いで引落しが出来なかった場合、信用情報に異動情報が載る事も考えると、融資実行まではお買い物も控えておいた方が無難だと筆者は思います。4.支払いが遅れるこれまでに組んでいるローン等の返済が遅れ、異動情報が載ってしまったケースです。事前審査、本審査までは問題無い取引であっても、引落日を間違えていたとか、残高不足で一部引落できなかった、といった遅延情報が発生すると融資にはかなりマイナスイメージとなります。異動情報もどんな内容が記載されるかにもよりますが、払拭するまでは時間と労力を要しますので、どんな金額でもくれぐれも引落だけはきちんとしておきたいですね。5.法的手続きを行うこれは、破産や債務整理、差し押さえといった、法律に則った手続きを行ったケースです。さすがに破産や債務整理となれば、ある程度の借入がある為、事前審査で通らない事が殆どかと思いますが、場合によっては自分の借入ではなく、他人の連帯保証で返済できない為、着手するといった方もいらっしゃいます。また再三に渡る督促を無視してしまい、給与や資産等の差し押さえが実行されると、確実に融資はして貰えません。これらの情報は当然信用情報に紐づきます。結果お金に関してルーズと思われ、返済が滞る可能性は極めて高い、または出来ない為、融資直前でストップがかかってしまう事になります。6.虚偽の申告がばれるこれは事前審査の段階でやってはいけない事に該当しますが、時として、誤った情報で事前審査に臨んでしまい、後日「誤ってました」となるケース、または銀行側からの指摘です。借入を行うに当たって「金銭消費貸借契約」という契約を結びます。契約ごとに於いて、相手方を欺く行為は犯罪となってしまいます。(もちろん最初から欺く為に申し込む方はいらっしゃらないと思います)軽微なものから、重大なものまで、様々ですが、貸出金融機関は「マネーロンダリング」等にも細心の注意を払う義務があります。例え軽微であっても、重大な事態に発展させない為にも徹底的に2重3重とチェックされます。その上での指摘となると、心証も悪くなってしまいます。これくらいバレないだろうと思っていても、虚偽の申告は絶対に止めておきましょう。7.病気となって団信に入れなくなる団信とは団体信用生命保険の事で、住宅ローン債務者は加入が必須(義務)となります。これが融資条件なくらい絶対重要なんです。(住宅支援機構での借入の場合は必須ではないです)そもそも団信とは、借入している方が、万が一亡くなった際、住宅ローンの残債を保険で全て賄うものになります。大変有効な保険だと言えますが、「保険」ですので、健康状態が良好でなければ、引受すらできない事もあります。団信に入れない=融資出来ないという事になってしまします。金融機関は確実に融資金額を回収する為にこの保険加入を義務付けるわけですね。筆者も保険代理店で仕事していますが、健康状態はコントロールできません。別の話ではありますが、住宅を購入するご相談を受け付ける際に「住宅を買うタイミングはいつが良いですかね?」と聞かれる事もあります。その際には「健康であるうちに買いましょう」とお伝えします。銀行は病気した方には融資してくれません。もしかしたら、明日、大きな病気が見つかるかもしれませんし、何が起こるか分かりません。ご相談のお客様には「病気は選べません」と常々お伝えしています。いつ病気になるのか、なりたい病気はといった事は選択できないのです。だからタイミングを見計らっても、健康が阻害されていれば、住宅ローンすら通らない事もあり得ますので注意しておいて下さいね。8.死亡してしまうこれは融資実行前に亡くなるケースです。やってはいけないと言うより、予期せぬ出来事でしょうか。当然契約になりますので、契約のお相手方がいなければ契約自体成立しません。残念ながらこのケースですと融資は難しいですね。デメリットって何?ここまで、本審査での承認が覆るケースを書いてきました。余程の事が無い限り覆る事はありませんが、極めてレアなケースだと言えます。逆に上記の事が無ければ問題無いと思って頂いても構わないと思います。もしも「やってしまった!」となった場合どうなるのでしょうか?融資実行前の落とし穴!まずはハウジングメーカーや工務店さんを決めて、話はスタートします。具体的な打合せ等はここでは割愛します。お金の動きとしては、事前審査、本審査も承認、最後に金銭消費貸借契約を交わし、融資実行となります。この融資実行の前にストップがかかる訳です。もう読んでいてお分かりになった方もいるかと思いますが、住宅は完成してしまっています。つまり、ハウジングメーカーさんや工務店さんに支払いが出来なくなってしまう訳です。家は完成したのに、借りる事が出来ず、支払えない!!!!!これは大変な事ですね。こうならない様にする為にも、一事が万事だとお考え頂ければと思います。まとめ今回は審査通過後のお話を書いてきましたが、実際にあったお話でもあります。こうならない様にする為、ハウジングメーカーさん、工務店さんはアドバイスとして一言添えて下さいますが、中には担当者が経験不足で、アドバイスもままならない事だってあります。「知識は身を助ける」といった格言がある様に、知っておいて頂きたい事例でした。参考になればと思います。
2018年12月13日今回も住宅ローン審査に纏わるお話ですが、審査に出してみて、「落ちた・・」「通らない・・」といった結果を受けた方もいらっしゃるかもしれません。今回のお話は何故通らなかったのか?という理由等を解説していきたいと思います。今回記事は、これまでに審査が通らなかった方やこれから臨む方もご覧ください。通らなかった理由は何?住宅ローン審査に通らなかったケースではその理由を教えてくれると大変助かるのですが、実は金融機関は教えてくれません。これは筆者自身、金融機関に勤務していた頃にも上司から、口酸っぱく言われていました。開示には中々協力的ではないのは致し方ありませんが、納得はいきません。筆者の所にもご相談に来る方もいますが、私は過去の経験からこの様にお伝えします。「なぜ通らなかったのか、思い当たる節を考えてみましょう」と。借入が引っかかる場合思い当たる節を考えて頂く訳ですが、ひょっとすると、現在や過去の借入状況が引っかかっているケースも少なくありません。ここで借入が引っかかるポイントをいくつかご紹介致します。現在の借入状況が引っかかっているこれは、住宅ローンと並行して借入がある場合です。例えば自動車ローンや教育ローン等返済がある場合、全てのローンを返済するとなると、返済負担率が圧迫されてしまします。また、簡単に借りられるカードキャッシング等の借入まで調べられます。簡単に借りられるので、つい手持ちが無い時は借りてしまいがちですが、これも審査ではマイナスポイントになりますので要注意です。しかも、このカードキャッシングは配偶者には言えない内緒のケースもありますよね。この結果を金融機関が開示すると、とんでもない事になるのは想像がつきます。まずは借入などが無いかを良く洗い出してみて下さい。過去の借入状況が引っかかっている既に返し終わっている借入に関してですが、ここも要注意です。借入状況を調べる時に、過去どんな返済だったのかまで分かる場合があります。特に分かり易いのは今回借入を行う銀行で過去に借りている場合です。これは取引履歴を見れば一目瞭然ですが、以前の借入の返済が遅れていたり、若干滞っている場合は履歴に残っています。金融機関ですので、履歴は10年以上保管されているものと考えて間違いありません。もしも過去の借入で遅れた事がある場合などは要注意です。信用情報に異動情報がある先程は、今の借入と過去の借入について触れました。ここでは、借入を調べる際に利用される信用情報について解説していきます。皆さんは「信用情報」というものを聞いた事はありますか?借入をする際に、貸し手側はこの「信用情報」を必ず参照します。ここで少し「信用情報」について触れますね。「信用情報」とは?信用情報とは、クレジットやローンなどの信用取引に関する契約内容や返済・支払状況・利用残高などの客観的取引事実を表す情報です。信用情報には、クレジットやローンなどを利用した際の契約内容や返済・支払状況(期日通りに返済・支払したかなどの利用実績)、利用残高などに関する情報が記録されており、新たにクレジットやローンなどの利用を希望する際にクレジット会社やローン会社などが皆さまの「信用力」を判断するための参考情報として確認しています。この様に、クレジットやローン等の借入や支払いに至るまでの情報が記録されています。なお、記録は完済(全額返済)後から5~7年は保存の対象となります。「異動情報」って何?借入情報に「異動情報」という項目があります。ここでも用語解説しますね。異動情報とは、クレジットカード、ローン、キャッシング、信販会社、保証会社、消費者金融等の支払いに際し、遅延等が発生した場合、上記「信用情報」にマイナス情報を記録する事。たった1日の支払い遅れでも異動情報が記載される事もありますので、支払い日や引落日は確実に守るべきです。この異動情報には次の様な内容が記載されます。遅延・延滞(返済が支払期日に行われていない場合)債務整理(法的に借入を整理している場合)代位弁済(借入した本人以外による弁済が行われた場合)強制解約(カード契約等で返済能力等が無くなった場合)上記は代表的な異動情報ですが、他社での借入事情もしっかりと記録が残ってしまうのです。また、遅延、延滞等は各会社によって報告の目安が異なるケースもあります。例えば1日遅れで信用情報に遅延報告する会社もあれば、3ヶ月以上で報告する会社等様々です。しかし返済が遅れている事に何ら変わりはありませんので、審査にとってのマイナスポイントと同時に、ここに情報記載があればほぼ一発アウトだと考えて下さい。また各信用情報機関には開示請求ができますので、不安のある方等は、前もって開示請求してみるのも良いと思います。借入じゃない情報も!?意外な落とし穴!!先程までは借入に対する情報を解説してきました。確かに、他の借入の返済が遅れていると、どこも見逃してはくれません。また借り過ぎとなっても審査に響いてしまします。しかし、借入も無い、借入があったとしても、返済は遅れた事が無いにも関わらず、審査に引っかかってしまう方もいらっしゃいます。しかも意外な事で。未使用のクレジットカードの大量保有は引っかかり易い!?見出しにも書きましたが、実はクレジットカード。これ意外な盲点なんです。クレジットカードは今や誰もが利用している大変便利なカードです。当然ポイントや頼まれて作った等で保有枚数もいつの間にか増えてしまう事も。年会費が掛からなければ持っていても問題は無いと思います。しかし、クレジットカードにはある機能が備わっています。それが「キャッシング機能」です。お買い物だけでなく、借入機能まで備わっているのはご存知かと思いますが、この「キャッシング枠」を審査対象にしている事もあります。例えばAカード、B信販、Cファイナンスと3枚程クレジットカードを持っていたとします。Aカードには100万円、B信販には50万円、Cファイナンスには70万円とキャッシング枠が付いていれば、合計220万円までは借入が出来る訳です。いつでも簡単に借りられるので、利用する側は便利だなと思っていても、審査する側は「懸念材料」と捉える訳ですね。当然借入が増える事を嫌うので、審査上不利になるのです。またカード自体、勝手にキャッシング枠が上がる事もあります。これは取引が優良な方のみに実施されますが、頼んでもいないのに枠が上がる。結果審査に引っかかり易くなりますよね。今手持ちのカードですが、利用しないのであれば必要最低限の枚数にしておくのも大事なポイントです。携帯電話料金が引っかかる!?携帯電話料金。意外に引っかかってしまう方多いんです。電話料金なのに?とお思いの方いらっしゃるかと思いますが、最近ではスマホの普及に伴い殆どの方が、スマホを所有していますよね。機種変更等する際に、本体価格の高さに驚いた事はありませんか?でも何故か保有していますよね。理由は「携帯電話本体の割賦販売」が可能になっているからなんです。具体的には、毎月引落されている携帯電話料金に一部ですが「機種本体のローン分」も含まれているって事になります。では電話使用料が引落できなかったらどうなるでしょう?ご想像の通り、「ローンの滞り」に直結する事になります。あまり意識する事は無いかもしれませんが、1日の遅れでも信用情報に返済遅れとして記録が残れば、理由はどうあれ審査の心証は悪くなりますので、皆さんも携帯電話の引き落としは注意をしておいて下さい。まとめ今回は借入や信用情報、それに紐づく身近で意外な落とし穴について触れました。便利な世の中になり、生活も豊かになりましたが、無意識の内に携帯電話のローンだったり、キャッシング枠だったりと、住宅ローン審査に響く要素が溢れています。しかし、審査に通らないとなっても、時間が経過すれば、信用情報も記録の期間が決まっていますので、解消されます。決して諦めずに憧れのマイホームを手にしてほしいと思います。
2018年12月13日今回は筆者の勤務時代の実体験を基に、どんな点をチェックするのかを解説していきたいと思いますので、住宅ローンを検討中の方は是非ご覧ください。確実に聞かれる「ヒアリング7項目」まず、住宅ローンを申し込む際に「事前審査」があると前回記事では書きました。その際に、申込用紙に記載していく項目(ヒアリング項目と筆者は呼んでいました)に必ず書かなければならない必須項目があります。まずそこを押さえておきたいと思います。確実に見ておかなければならない項目がこちらになります。借入時年齢健康状態担保評価勤務先(就業形態・役職含む)年収勤続年数連帯保証少なくとも7項目は確実に見られます。というか記入しなければなりません。ここから一つずつ「なぜこんな事記入しないといけないのか?」を貸し手側の理論で説明していきますので、ご覧になっている皆さんも「貸し手側」になったつもりで見て下さい。1.借入時年齢原則、住宅ローンは完済時の年齢が80歳と決められている銀行が殆どです。よって借入をする際に年齢を記入しますが、最長35年で組んだ場合、完済の年齢が見えてきます。35歳の方であれば70歳に完済、40歳の方であれば75歳といった具合になります。昨今定年退職の年齢が引き上げられる様になってきていますが、一般的に65歳以降も支払いは可能かを判断する為でもあり、住宅ローンはなるべく若い年齢で組む事の方が有利と言えそうです。2.健康状態筆者が勤務していた時代に「貸付規定」と呼ばれる、融資に際してのルールブックのようなものがありました。その中に「入院中の方には貸出禁止」と記載があったのを記憶しています。理由はお察しの通りですが、健康でなければ仕事ができない=返済できないという懸念が出てくる訳です。入院中などは論外でした。また、銀行で住宅ローンを借りる際に「団体信用生命保険(通称:団信)」という保険に入らなければ、お金を借りる事が出来ないのです(住宅支援機構で借入の場合は任意加入となります)。この保険は、ローン契約者が返済中に万が一亡くなった場合などに、残りの残債を保険で一括清算するもので、借り手側からすると、住宅ローンを遺族が払わなくて良いというメリットと、貸し手側は融資金額の回収が確実に出来るというメリットが発生します。但し「保険」という文字が付いていますので、加入に際して健康状態が良くなければ「保険」に加入できません。健康でなければ、融資も難しいですし、保険にも加入できない。こんな所まで銀行は見る訳です。3.担保評価これは、今回購入予定の物件や土地の事を調べます。融資する際、建物や土地に「抵当権」という権利を設定します。ここで簡単に「抵当権」について解説しておきますね。抵当権とは、お金を借りた人が返さない等、返済が滞ってしまった場合に「抵当権」の付いてある物件を競売にかけて売却し残債を回収する権利の事何とも物々しい権利ですが、これも融資実行の際には必須となります。建物と土地に対して付けるのが一般的です。しかしながら、最近では担保評価自体あまり重要視されない傾向にもあります。なぜなら、建物自体は購入直後から担保価値が下がるからです。自動車でもそうですが、一旦新車で手に入れても、すぐに売却するとなると価値が下がっていますよね。これと同じ理屈です。つまり、残債が満額回収できるとは考えにくいと考える訳です。とは言え設定は必須となります。銀行はあらゆる貸し倒れリスクを軽減しなければなりません。重要視されないのであれば見る必要あるのか?という解釈もできますが、決して見ていない訳ではありませんし、担保評価に代わり重要に見る項目が次の勤務先です。4.勤務先(就業形態・役職含む)これは、借りる方がどの会社に勤務しているのか?を調査します。サラリーマンなのか?自営業なのか?会社経営者なのか?です。サラリーマンですと、会社名を聞けば誰もが知っている会社かもしれませんし、中小、零細企業かもしれません。ここで重要なのは、就業形態です。就業形態とは主に「正社員・嘱託・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト」を指します。筆者が勤務していた時代は「正社員」のみが対象となっていました。今でも同じく「正社員」が住宅ローンでは必須の様です。理由は書類上、安定した雇用である事の判別を付ける為です。(もちろん転職等考えられますが、そこまでは審査範囲ではありません)嘱託、契約社員や派遣社員、パート、アルバイトは審査する上で非常に厳しいと言わざるを得ません。見るべきポイントは返済能力です。たとえ大手の勤務先でも契約社員や派遣社員であればいつまで在職できるのか?と思われ35年に渡って雇用されるかどうかシビアに見られます。貸し手側に立つと回収の判断が一つのポイントと言えそうです。また、役職とありますが、係長や課長、部長といった形で年収や今後の勤務において長くいるのかどうか?という判断にヒアリングしてもいました。後述する年収にも直結する部分でもあります。ここで、先程「担保評価」で触れた関連性ですが、審査は担保評価と人物評価共に行われます。担保評価は先程記載した通りです。人物評価とは勤務先の知名度や役職における地位等を考慮し返済出来るかどうかを重要視する傾向が高くなっているという事です。担保価値は年々下がる事もあり、先々返済が難しくなった際の回収リスクを考えると、人物評価に重きを置く傾向であるという事を覚えておいていただければと思います。貸し手側の考えでは担保も人物もどちらも回収を考えると重要で、序列を敢えて付けるなら、人物⇒担保という順番です。5.年収年収は絶対に見られます。年収に対しどれ位まで融資可能なのかを判断しますが、一般的に年収の8倍までは融資可能と判断する銀行は多い様です。また年収に対する住宅ローンの返済割合(これを返済負担率と言います)も合せて見られます。貸し手側にもある一定のルールがあり、年収に応じて返済負担率が決まっておりその範囲内でしか融資はできません。参考までに住宅支援機構と民間の銀行の返済負担率を表にまとめてみました。表の見方ですが、例えば銀行で借りる場合、年収600万円以上だったら、600万円×40%=240万円以下が1年間に返済可能であるとみなされます。240万円を12ヶ月で割ると1ヶ月20万円のローン負担は問題ないと判断されます。年収で判断される事は致し方ありませんが、最近ではご夫婦での合算年収で審査してもらったり、夫婦それぞれが借主になる事もあります。ご希望の融資額を得る為に貸し手側からのアドバイスもありますので、前もって聞いてみるのも良いでしょう。ここで1点注意頂きたいのは、筆者が金融機関に勤務していた頃は、あくまで希望融資額の貸出が出来るかどうかに尽きました。つまり、貸した金額が返ってくる可能性だけを見て審査に出す訳です。ところが、その他支払い関連等はあまり見られなかった事を思い出します。何かと言うと、お子様の学費や生涯通じて大きなお買いもの(例えば自動車等)の事は見ていませんでした。住宅ローンの返済だけでなく、学費や自動車購入など、トータルの支払いを考えて物件価格の設定はしておいた方が得策だと思います。住宅ローン通った!これで家を購入できる!と思っていても、学費の捻出が厳しい等の状況に陥らない様にする為にも、事前に支出の想定をライフプランで算出してみて下さい。6.勤続年数勤続年数は転職を繰り返していたり、短かったりすると審査に通りにくくなります。銀行側としては、「長続きしない」などの憶測で見てしまい、結果返済が滞る可能性に繋がります。少なくとも勤続年数は2年以上が望ましいと言えます。また必要書類に健康保険証の提出がありますが、これは勤務先や入社年月日を確認できる書類でもあります。記入するだけの書類に勤務年数を偽って書いても、裏付け書類で確認が入りますので、気を付けておきましょう。7.連帯保証最後の項目ですが、これは「保証人」の意味ではなく、「保証会社」から保証を受けれられるかどうかの事です。審査がほぼ問題無く通るケースで、最終的に保証会社の審査もある訳です。これは返済が滞ったら、代わりに保証会社が返済を立て替えてくれる、有難いものです。それに伴い保証料を支払わなければなりません。但し、立て替えてくれるから助かった!ラッキー!では済まないんです。なぜか?あくまでも、支払いの肩代わりを行っただけで、返済が免除になる訳ではありません。結果銀行から、保証会社へ債権者が代わり、保証会社から返済の督促等がやってきます。いずれにせよしっかりと返済は行わなければならないという事ですね。まとめ今回、筆者の経験を基に貸し手側の理屈、理論で審査項目を細かに説明してきました。大きなお金を貸すという事は、それだけ審査も厳しくなります。しかし絶対に通らない訳ではありません。購入をお考えの方は前もってチェックされるポイントがクリアできるか、確認してみましょう。
2018年12月13日家を購入する、もしくは建てる場合はほとんどの方が住宅ローンを利用されるのではないでしょうか。金利が低い今、ローンを利用するのは当たり前になってきています。ただ、全員が全員、住宅ローンをスムーズに借りられるのかといえば、それはNOです。実は住宅ローンの審査に引っかかってしまう人は意外に多いのです。借りられるだけの年収は十分にあるし、普通に働いているのに、なぜ?と思う方も多いのではないでしょうか。そのことを事前に知らず、そしてそれがローンの審査に引っかかるものだと思っていないため、ハウスメーカーや不動産会社の営業マンに伝えない方がたくさんいます。それ故に、ローンの審査に引っかかってしまい、家づくりの計画が狂ってしまうことも多いのです。今回はそうならないためにも、「ローンを借りる前に確認しておきたいこと」を3つご紹介します。1.「車のローン」を抱えていませんか?まず、車のローンを抱えている方が審査に引っかかるケースが多くあります。pixelcat / PIXTA(ピクスタ)最初に車のローンを抱えている方のケースをご紹介します。世帯年収が700万円であれば5,000万円くらいのローンは組めそうだと思い、それに合わせた家探しをするとします。ただ、車のローンを抱えていると本来借りられる金額よりも下がってしまうため、その金額に合わせて再度計画をしなければいけません。もとくん / PIXTA(ピクスタ)なかには「車のローンを上乗せしてしまう」なんてことも聞きますが、基本的にそれはできませんし、してはいけませんので注意してください。もしすでに車のローンがあるという方は、現金で支払ってしまうか、親に一時的に借りるのもありでしょう。まだ購入前でしたら、現金で購入するか、家を建ててから借りるようにしましょう。2. クレジットカードやキャッシングに注意住宅ローンを借りる際に、クレジットカードやキャッシングの利用歴も見られます。あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)滞納していたり、借りすぎてしまっている履歴が残っていると、その人自身の信用度が落ちてしまい借りられなくなるケースもあります。また、過去に家族に内緒でキャッシングしてしまい、いざローン審査に入ったときに発覚するケースがよくあります。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)それがきっかけで夫婦で揉めてしまう、なんてこともあります。せっかくの楽しい家づくりなのに、お金のことで険悪なムードになりたくありませんよね。それに、クレジットカードなどが原因で借りられなかったり、希望額よりも減額されてしまうことなんてことは避けたいところです。カードの使い方には注意しておきましょう。3.「糖尿病」で団体信用生命保険に入れないことも糖尿病だと、その症状によっては、団体信用生命保険(以下「団信」)の審査に落ちてしまう場合があります。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)民間の住宅ローンだと、団体信用生命保険に加入できなければ、ローンを借りられない銀行が多いです。なのでその場合は団体信用生命保険に加入しなくても借りられるところを探すことになります。団体信用生命保険の審査の際には、しっかり告知しましょう。■ まとめNaoaki / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを借りるには、その人の「信用度」が大切です。今までクレジットカードを何度も滞納してしまっていたり、高額なキャッシングしていた方などは、こうした大事な時に借りられなくなってしまうので、気を付けておくべきです。また車のローンなども、「つい欲しくて買ってしまった」ということもありますが、将来的に住宅購入を検討されているのならば、計画的にお買い物をするようにしましょう。この機会に、ご自身は大丈夫か確認してみてはいかがでしょうか?
2018年12月06日これまで、住宅ローンに関する「金利」や「返済プラン」等を数回に渡ってご紹介してまいりました。今回からは実際に借りる段階のお話に触れていきます。タイトルにもあるように、何を審査されるのか?気になりますよね。これから借りようかな?と計画されている方は是非ご覧ください。住宅ローン審査とは?住宅ローンを借りる際、いきなり「貸して下さい!」「はい!分かりました!」という訳にはいきません。なぜなら「高額」であるから他なりません。また個人間でのやり取りでもありませんので、少し時間がかかる訳です。時間がかかる訳は「この方に貸して返済してくれるかな?」という点において細かくチェックします。これが「審査」なんですね。では住宅ローン審査に追ってみます。本審査の前に事前審査まず最初に「事前審査」というものがあります。住宅ローンを借りる場合はこの「事前審査」に臨まなければなりません。何を調べるのかと言いますと、「年収から判断し、物件購入できるのか?」「融資した金額に対して返済余力は十分あるのか?」「融資実行しても問題ないのか?」等調べていきます。何だか尋問みたいですが、当然銀行も大きな金額を融資するので、「貸したお金が返ってこない!」なんてリスクを負うわけにはいかないのです。この段階で、申込した方の返済能力や信用力、借入に対する返済プラン等が確認される事になります。必要な書類って何?事前審査に必要な書類をまとめてみました。こちらになります。源泉徴収票(1年~2年分)※サラリーマンの場合確定申告書(3期分)※自営業者の場合決算書(3期分)※会社経営者の場合本人確認書類(免許証等)健康保険証物件に関する書類他ローン明細等(他に借入がある場合)大体こんな感じですが、就業形態によって提出書類も異なります。ここからは就業形態別に触れていきます。サラリーマンの場合サラリーマンの方であれば源泉徴収票が必要になります。この書類には年収が記載されていますので、口頭での申告でなく裏付けが取れますよね。銀行によっては2年分提出を求める所もあるようです。2年分請求されても大丈夫にしておくために、しっかり保管しておきましょう。自営業者の場合次に自営業を営んでいらっしゃったり、歩合給や保険外交員報酬での就業形態の方は確定申告書が必要になります。しかも3年分必要になります。理由は、サラリーマンと違って、毎月、毎年の売り上げが異なるケースが多いからです。返済が出来るかどうかを判断する為には少なくとも3年分は必須の様です。ここで、筆者の所にご相談に来られた実際のケースをご紹介します。自営業者の気を付けておきたいポイント相談者(以下Aさん)は確定申告するに当たって経費をどれだけ申告して、納税を安くするのか?等、先々を考えずに申告していました。(それが決して悪いという事ではありません)ところが、最近になってお子様が大きくなってきた事、個室が欲しい等の環境が変化した為、家を購入しようとなった訳です。そこで、物件を見ていざ銀行に!確定申告書の3年分提出を求められました。ここで、事前審査に通らなかったんですね。理由は、先程も書きましたが、経費をかなり申告していた為、所得を著しく低くし過ぎていたからなんです。家を買う事が分かっていれば・・・3年前からきちんと考えて申告したのに・・・・。残念ではありますが、家を買うのはもう少し先延ばしになりました。実はこの様なケースは実は少なくありません。確定申告は、自分で出来るので、意外とざっくりやってしまう方も少なくないんです。(過去筆者も自分でやっていた事はありました)しかし、ざっくりすぎて審査に影響が・・・とまで考えないですよね。住宅購入においては、これまで何度も言いましたが、「ライフプラン」を立てて、お子様の成長や、将来の計画や予測を立てて考えた方がいいと思います。会社経営者の場合次に決算書3期分ですが、会社経営者の方に求められます。上記と同じ内容ではありますが、会社経営の売り上げや役員報酬などを見て判断されます。やはり自営業や、会社経営となると、シビアに見られます。これは貸し手側からすると、回収できるかどうかを判断する材料になりますので従わざるを得ませんね。その他書類は共通他の書類は共通です。本人確認書類や健康保険証等は必須となりますので、しっかり提出できるようにしておきましょう。また引っ越しなどで、免許証の裏書(住所書き換え)等もやっていなければ突っ込まれますので、審査前にはしっかり済ませておきましょう。筆者の経験上のお話をさせて頂きます今回は「審査」をテーマに話を進めていますが、私自身、過去に金融機関に勤務しておりまして、主に融資業務を担当していました。その時の経験や、貸し手側の考え等をお話させて頂きたいと思います。雑な書類や性格は審査に響く!?私が勤務していた時代も同じくローン申し込みはありました。しかし、今ほどネットが普及していませんでしたので、店頭に来て、申込書等を記入して頂く必要があった訳です。そこで、見ていたポイントですが、書類の数字だけでなく、人物評価も行っていました。例えば、横柄な態度だったりすると、もし貸した後に返済に関してトラブルがあったとしたら、スムーズに回収できるだろうか?といった懸念に代わる訳です。また、申込書の字が乱雑な場合等も(ここでは走り書きをイメージして下さい)若干マイナスポイントではありましたね。金融機関はクリーンで健全なイメージですので、ちょっとした書類の不備や、フリガナ漏れ等、何度も取り直しを行った記憶もあります。この繰り返しによって、審査が完全にダメだといった事はありませんでしたが、審査部に出す仲介役でもあるので、「このお客さんは大丈夫なの?」と何度か言われた事もありました。また、先程も書きましたが、免許証の裏書。これも行っていなければ、印象は悪くなります。裏書自体必須ではないのかもしれませんが、無いというだけで、「詐欺」というとんでもなく飛躍した考え方に行き着いてしまうんです。もちろん、ちゃんと現住所と一致さえしていれば何の問題もありませんので、引っ越し等した際には、きちんと裏書を行っておいて損は無いかと思います。他ローンの申告は嘘をつかない事!先程、必要な書類に他ローン明細等と書きました。これは他にローンがあるのか、無いのかを判断する為ですが、自動車ローンや教育ローン、またはカードローン等も審査対象に含まれます。これも経験談ですが、自動車ローンや教育ローンの申告は正しいのですが、カードローン(キャッシング)等の申告は結構アバウトだったりもするお客様は多かったです。借入を人に知られたくないからなのかもしれませんが、実は、申告した数字と他社借入を調べた結果が一致しなければ、ほぼアウトだと考えても良いと思います。借入の件数や残高等、たとえ1件でも違っていれば厳しいです。事前審査でローン明細を求める事はほぼ少なかったですが、今どれくらいの残高があって、いくら毎月返済して、何年残っているという事も織り込んで住宅ローンと合わせて審査します。いくら口頭で言ったとしても、調べた結果と一致しなければ、金融機関を欺く行為と見なされてしましますので、一気に心証は悪くなります。ローン審査に臨む場合は、決して嘘偽りない様にしておかなければ、審査を通る事は難しいとお考え下さい。まとめ今回は審査に関してお話をさせて頂きました。今回のお話はほんの一部に過ぎません。大事なことは、高額なお金を借りるのだから、きちんと正確にお話お伝えする事が最も大事だという事です。次回も審査に纏わるお話をさせて頂きたいと思います。今回はここまでといたします。
2018年12月06日住まいを購入する際には、住宅ローンを組む人が大半です。そして、住宅ローンには控除があります。住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちの少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されるというものです。控除は入居した年分の所得税から適用されます。申請には要件がありますので、すべての条件を満たしていないと控除が受けられません。売買契約が終わってから、要件から外れている物件だと分かり、慌てる人もいます。どんな場合だと控除が受けられないのか、チェックポイント3つをご紹介いたします。■ 1. 床面積は何平米か?住宅ローンは控除が適用されるのは、延床面積、または専有面積が50平米以上、240平米以下までです。IYO / PIXTA(ピクスタ)少しでもここから外れてしまうと控除は受けられません。物件を購入するときは、あらかじめ何平米あるのかをチェックしましょう。面積は登記事項証明書に記載されている広さで判断します。吉野秀宏 / PIXTA(ピクスタ)店舗や事務所と併用の住居の場合は、床面積の1/2以上は居住用であることも要件に加わってきますので、図面等で確認をしましょう。マンションの場合は、要注意です。購入するときにもらう、物件資料に記載されている面積と、登記事項証明書に記載されている面積が異なるケースが多いからです。面積の違いは、面積の測り方の違いにより起こります。freeangle / PIXTA(ピクスタ)床面積の表示方法は「内のり面積」と「壁芯面積」によるものがあります。「内のり面積は」は、壁の内側から水平方向の壁の内側までを測り、「壁芯面積」は、壁の中心から水平方向の壁の中心までを測ります。登記事項証明書に記載されている面積は、内のり面積です。■ 2. 築何年の物件か?耐用年数を超えている物件は、住宅ローン控除にならないので気を付けましょう。木造は20年、それ以外の鉄筋コンクリートは25年となっています。ABC / PIXTA(ピクスタ)自分が購入しようとする物件がどちらに当てはまるかわからない人は、建物の登記事項証明書の「構造」欄に記載されていますので確認を。中古マンションを購入して、リノベーションを考えている人は要注意です。ABC / PIXTA(ピクスタ)安いからといって、あまりに古い物件を購入すると住宅ローンが使えないばかりか、固定資産税評価額が下がるため、あまり融資してもらえなくなります。■ 3. 「居住開始期間」と「税制優遇措置」を確認!居住開始時期と居住期間も控除を受けるための要件になっています。住宅取得の日から6か月以内に居住し、適用を受ける各年の12月31日まで居住し続けていることが必要となります。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)また、ほかの税制優遇措置を受けていると控除が受けられない場合があります。この特別控除を受ける年分の合計所得金額が3,000万円(給与収入で3,230万円)を超える、買い換えの人は、居住年の前後2年間の計5年、以前住んでいた自宅の売却について「3,000万円特別控除」や「居住用財産の買換え特例」の適用を受けていると控除が受けられません。■ まとめこの他にも、「取得する不動産は自己の居住用である」「ローン返済方法は10年以上である」「連帯保証人は住宅ローンを受けられない」「親族から個人的な借入れをしてない」など、基本的な条件も確認しましょう。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)中古住宅の場合は、親族などから購入したり、贈与で取得したりすると要件から外れます。チェックポイントが多すぎて分からない人は、銀行や不動産会社だけでなく、ファイナンシャルプランナー、税理士などの専門家に相談してみるものよいでしょう。多面的に住宅購入を検討することをオススメします。【参考】※国税庁マイホームの取得や増改築などしたとき
2018年10月28日住宅ローン控除の歴史は、1972年に導入された住宅取得控除までさかのぼります。一方の住まい給付金は、平成26年から始まった新しい制度です。どちらも住宅購入者には嬉しい制度です。これらの制度を最大限に活用するために、制度の内容をおさらいしましょう。■ 住まい給付金と住宅ローン控除の違いGraphs / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン減税は、控除金額を所得税から差し引く制度です。控除金額は、ローン残高をもとに計算するため、融資金額が少ない収入が低い人は、収入が多い人に対し、節税効果が少なくなります。2019年に消費税率の引き上げが予定されています。それにより、同じ住宅なのに、購入金額は消費税率上昇分だけ高くなり、低収入の人にとっては、金銭的負担が増えます。負担軽減させるためにできたのが、住まい給付金です。目的が違う2つの税制優遇制度は、条件さえ満たせば、同時に受けることができるのです。■ 住宅ローン控除とは?ABC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン控除は、年末のローン残高の1%を所得税から控除する制度です。10年間継続して控除を受けることができるため、節税効果も大きくなります。所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税から一部控除することも可能です。控除を受けるには…取得する不動産は自己の居住用であるローン返済方法は10年以上である連帯保証人はなくローンを借り入れた本人であること住宅取得の日から6か月以内に居住し、適用を受ける各年の12月31日まで居住し続けていること親族から個人的な借入れをしてない床面積の合計は50平米以上240平米以下である床面積の1/2以上は居住用であるその年の所得金額が3,000万円以下居住した年の前後にほかの税金の優遇措置を受けていない耐用年数を超えていない。または超えた場合耐震基準を満たす親族などから購入していない贈与で取得していないというすべての要件を満たす必要があります。■ 住まい給付金とは?住まい給付金とは、消費税率引上げによる金銭的負担を緩和するために創設された制度です。給付額は、収入額によって異なります。給付金額は「給付基礎額×登記上の持分割合」により算出します。給付基礎額は、市区町村発行の個人住民税の課税証明書により決定します。すまい給付金を受け取るためには、給付申請書を作成し、確認書類を添付して申請することが必要です。新築住宅の場合ABC / PIXTA(ピクスタ)床面積が50平米以上(床面積は登記事項証明書に記載してある平米数)住宅ローンを利用している場合は、新築なら、検査を受けている住宅(住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅または住宅性能表示制度を利用した住宅など)住宅ローンの利用がない場合は、新築なら、施工中に検査を受けていることに加え、フラット35Sと同等の基準を満たす住宅中古住宅の場合TATSU / PIXTA(ピクスタ)床面積が50平米以上(床面積は登記事項証明書に記載してある平米数)売主が宅地建物取引業者である中古住宅。売り主が個人の場合は、消費税が課税されないので除外既存住宅売買瑕疵保険への加入など、売買時に検査を受けている住宅ローンの利用がない場合、年齢が50才以上の者が取得する住宅が対象。年齢は、引き渡しになった年の12月31日時点の年齢で判別する消費税が10%になったときは、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加される予定■ 制度を受けるときの注意点は?ふじよ / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン控除も住まい給付金も、受けるための要件が細かく規定されているので、契約前に購入しようとする物件が適用になるかをチェックすることが大切です。また現在のところ、平成26年4月1日以降、平成31年6月までに入居完了した住宅が対象となっています。住まい給付金は収入が一定以下であることが要件となります。消費税が8%のとき収入額の目安は510万円以上、10%のときは775万円以上の人は、住まい給付金の給付対象外となるので自分の課税所得を確認しておきましょう。これらのことに注意して、上手に物件選びを行い、両方の制度を利用しましょう。【参考】※住まい給付金国土交通省
2018年10月13日住まいを購入する際、多くの方が「住宅ローン」を利用することになります。住宅ローンについては様々な分類ができますが、ここでは「提携ローン」(以下「提携」)と「非提携ローン」(以下「非提携」)の2つに分けます。今回はその違いを改めてご説明しようと思います。■ 「提携」と「非提携」とは?saki / PIXTA(ピクスタ)「提携」とは、住まいを供給する不動産会社と各金融機関が「提携」している、ということです。この提携によって、各金融機関から金利優遇などを受けることができます。その提携を利用し、不動産会社を通じて金融機関から融資を受けるのが「提携」です。一方の「非提携」とは、直接金融機関に申し込みをするなど、不動産会社を通さずに融資を受けるものです。この2つには細かい点で様々な違いがありますが、ここでは重要なポイントを3つ挙げたいと思います。■ 違いその1.「ローン特約」の有無khukri / PIXTA(ピクスタ)「ローン特約」とは、買主の責によらずに住宅ローンの借入ができなかった際に、売買契約を白紙解約できる契約条項です。白紙解約ですので、それまでに支払った手付金や中間金は返還されます。一般的に「提携」を利用すればこの「ローン特約」を利用することができます。しかし、「非提携」の場合は利用できないことが多いです。なぜなら「非提携」は不動産会社を通さないため、不動産会社が内容を把握できないことがあるためです。内容が把握できないのに、「ローンの審査が通らなかった」という理由で解約になることを避けたいのです。特にローンの審査に不安があるという方は気を付けましょう。■ 違いその2. ローン手続きの主体と「手数料」KazuA / PIXTA(ピクスタ)どちらも最終的には「買主」と「金融機関」がローン契約を結ぶのですが、その手続きの進め方に違いがあります。「提携」の場合、基本的には不動産会社が両者の間に立って手続きを進めます。一方「非提携」は原則、買主自身で銀行とやりとりをする必要があります。つまり、「提携」であれば手続きにかかる手間を省くことができ、「非提携」であれば自分で自由に商品を検討することができるわけです。また、「提携」の場合は、不動産会社が間に立つことで、「事務手数料」などの名目で費用が発生することが多いです。金額は3万円だったり、10万円だったりと業者によって差がありますので注意が必要です。■ 違いその3. 最終決済の方法コーチャン / PIXTA(ピクスタ)「非提携」の場合、物件の引き渡しと同時にローンが実行され、買主の口座に振り込まれます。それを買主は、改めて売主の口座に振り込む必要があります。しかし「提携」の場合は物件の引渡し前に、金融機関から融資金を直接売主(提携先)に振り込むことができます。金融機関からすれば、「提携」ではまだ引渡しが行われていないのに融資金を振り込むというリスクを負います。これも「提携」による不動産会社との契約による保証があるためです。したがって「提携」の方が手続きを簡略化できます。「提携」だと、金曜日にローン実行し、土曜日に物件の引渡しを受けることも可能です。しかし「非提携」の場合はローンの実行と物件引渡しは同時に行います。なので、銀行の平日の営業時間内で決済を行う必要があります。■ それぞれの違いを理解して、ベストな選択を!makaron* / PIXTA(ピクスタ)そのほかにも細かな違いがたくさんある「提携」と「非提携」ですが、ここでは特に大切な点を3つ挙げました。不動産会社は手続きを自分たちで進めたいので「提携」を勧めてくることが多いです。しかし、それぞれにメリット・デメリットがあります。担当営業や金融機関にも積極的に質問し、吟味することをオススメします。
2018年09月05日一生で一番大きな買い物となる住宅ローン。知識があるのとないのとでは、将来の返済額に大きな差が出る可能性があります。上手に住宅ローンを組むには、どんな点に注意を払えばよいのでしょうか。「これだけは知っておきたい!」住宅ローンに関する基礎知識をまとめて紹介します。住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである寺岡孝さん著、『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』から、そのポイントを解説していきます。あわせて、人には聞けない”ローンが通らない人に共通している3つの項目”もチェックしてみてくださいね。■ 借り入れ額、頭金の目安は?知っておくと心強い裏技も!MaCC / PIXTA(ピクスタ)住宅をキャッシュで購入できる人はほんのわずか。ほとんどの人が利用するのが、住宅ローンです。しかし、一口に住宅ローンといっても、種類や金利、借入期間などによって、月々の返済額や総返済額などが大きく変わってきます。人生設計や生活スタイルに合わせて最適な返済プランが選べるように、事前に基礎知識を頭に入れておきましょう。こちらの記事では、住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである、寺岡孝さん著の最新刊『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』を参考に、住宅ローンの基礎知識を紹介しています。ローンの借り入れを行うとき、まず最初に考えるのは予算決めですが、「いくら借りられるか」で決めてしまうと、後々の返済で困る可能性が高くなります。「いくらなら払えるか」という視点で計画的にローンを組むと安心ですよ。このほか、「頭金の目安は住宅購入額の○%以上」や「40代、50代でローンを組む裏技」、「お得な借り換えのテクニック」など、気になる情報が満載です!「「住宅ローン」の選択や知っておきたい仕組みのポイント」はこちら■ 営業マンのトークに要注意!賢い消費者になるために必要なことsasaki106 / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを検討するとき、営業マンに翻弄され、冷静な判断ができなくなるケースがあります。このとき営業マンが使うのが「ポジショントーク」です。これは「自分の立場で自分に有利(有益)になる発言」のこと。営業マンが商品を売りたいために公平性を欠いた論理を展開し、商品の良さを引き立たせるトークテクニックで、その話に素直に耳を傾けると、あたかも自分にとって必要な商品のように思えてしまいます。ポジショントークに乗せられないためには、やはり知識をしっかり持つことが大切です。知識の数が多いほど判断材料が増え、客観的に物事を見つめることができるはずです。契約したあとで「あれはポジショントークだった」と気づくとショックですが、その場合もご安心を。こちらの記事では、一度契約してしまった住宅ローンの軌道修正の方法もご紹介しています。大きな契約となる住宅ローンでは不安を感じることも多いですが、自信を持って進めていくためにも、ローンや業界の仕組みを積極的に学んでいきましょう!「仕組みを知ることで、ポジショントークに促されないポイント」はこちら■ 携帯料金の支払いが住宅ローン審査に響くってホント!?money/pixabay住宅ローンには審査があり、それに通らないと家を購入するための資金を得ることができません。では、その審査の内容とは一体どんなものなのでしょうか?実は、住宅ローンの審査は、普段の生活の中身に大きく左右されます。そのひとつが「携帯電話の分割支払い」です。携帯電話の分割支払いは一般的に行われていることで、多くの人が該当すると思います。しかし、あまり知られていないことですが、「銀行口座の残高が少なくなっていて、携帯電話料金の引き落としができなかった」なんてうっかりミスが「支払いの延滞」として履歴に残ってしまい、住宅ローンの審査に影響を与えてしまうことがあるのです。気になる、ローンが通らない人に共通している3つの項目とは?ぜひチェックしてみてくださいね!「「住宅ローン」が通らない人に共通していることって?」はこちら
2018年07月28日たくさんの物件を見学して、オンリーワンの住まいが見つかったら、次は「住宅ローン」の申し込みです。住宅ローンにはいくつかの種類がありますが、どれを選ぶのが一番「お得」なんでしょうか?■ 金利の種類を知ろう!MaCC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利の2種類があり、さらに固定金利には、一定期間の金利を固定する「固定金利特約型」と、完済まで固定の「全期間固定金利型」の2種類があります。ここでは全期間固定金利型についてご紹介します。まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットをみていきましょう。■ 「変動金利」ってどんなもの?変動金利のメリット変動金利の大きな魅力は、固定金利より低い金利設定です。「変動」と聞くといつも金利が変わって返済額が安定しないイメージがありますが、変動金利の仕組みを知ると、実はそうではないことが分かります。saki / PIXTA(ピクスタ)変動金利の場合、その利率は年2回(4月1日、10月1日)見直されますが、しかし、その都度毎月の返済額が変わるわけではなく、返済額は5年間一定となります。5年後、年2回ずつ見直された金利がトータルで上昇または下降していれば、それが返済額に反映されます。そこで大幅に返済額が増えてしまうとその支払いが困難になる場合もありますので、金融機関はどんなに金利が急上昇しても5年後の返済額は、「現在の返済額×125%」を上限にするというルールを設けているのです。変動金利のデメリットKY / PIXTA(ピクスタ)固定型より安い金利、返済額が5年間一定、125%ルールなど、メリットの多い変動金利ですが、デメリットもあります。さまざまなルールを設けていても、金利の上昇はやはりリスクです。たとえば金利の急上昇が続き、5年後の返済額を125%まで上げても、払いきれない利息が発生した場合、それは「未払い利息」となり、元金の残高が減らない・通常の返済が終了しても未払いの利息ローンが続く・ローン期間終了後に未払い分を一括返済しなければならない、などの可能性もあるのです。■ 全期間固定金利型の代表「フラット35」TOSHI / PIXTA(ピクスタ)全期間固定金利型住宅ローンの代表といえば、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している「フラット35」ですが、このローンにもメリット・デメリットがあります。フラット35のメリットフラット35の最大のメリットは全期間固定金利で返済プランが安定することに加え、融資利率が「低利」であることです。また、保証人が不要で保証料や繰り上げ返済手数料が無料なのも大きな魅力です。フラット35のデメリットさわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)変動金利の基準金利は現在2.475%ですが、多くの金融機関では基準金利から-1.7%や-1.85%の金利を優遇し、実際の貸し出し金利は0.7%前後で推移しているのが現状です。フラット35の金利は2018年7月現在、返済期間15年~20年が1.290%、返済期間21年~35年が1.340%(融資割合90%以下、いずれも最頻金利)と、変動金利の倍近くで推移していて、この傾向が続くようなら最終支払総額は変動金利の方がかなり少なくなる可能性があります。makaron* / PIXTA(ピクスタ)また、多くの金融機関ではフラット35の融資にあたり融資手数料を徴収しており、それを融資金額の2%前後に設定している金融機関もあったりします。保証料無料のメリットをうたっているフラット35ですが、融資手数料がかかることでその分が相殺されてしまっているのです。■ 結局、お得な住宅ローンはどれ?日本銀行の公表データによると、変動金利の基準となる短期プライムレート(企業向け最優遇貸出金利)は1.475で、2009年1月から変わっていません。さらにさかのぼって1995年までの短期プライムレートを見ても最高で1.875(2007年3月~2008年11月)となっていますのでその変動幅は大きくありません。変動金利型住宅ローンの基準金利は短期プライムレートに連動しており、その短期プライムレートが約22年という長い期間あまり変動していないことを考えれば、融資実行金利が0.7%前後という超低水準で推移している変動金利型住宅ローンが「今なら」お得といえるかもしれません。しかし、この短期プライムレート、1990年にはなんと「8.25」まで上昇したこともありますので、変動金利を選ぶリスクがゼロではないことも覚えておきましょう。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)金利上昇のリスクを「最重要視」するなら全期間固定金利型住宅ローン以外に選択肢はありません。「どっちがお得か」だけではなく「自分に向いているのはどちらか」を考えて住宅ローンを選びましょう!
2018年07月24日気に入った物件が見つかり、いざ「契約に進もう」とする前に不動産業者(仲介業者等)から住宅ローンの事前審査を促されることがあります。実はこの事前審査がとても重要で、この事前審査が通ればかなりの確率で本審査も通ります。まずは、「事前審査」の具体的な内容と審査を通過するポイントを解説。また、事前審査が通過しない人の共有ポイントもあわせてお伝えします。■ 事前審査でのポイント1. 「審査金利」euro/Pixabay住宅ローンの事前審査で金融機関がチェックするポイントはまず、年収に占める返済額の割合である「返済比率」です。この返済比率の算出方法は金融機関によりさまざまで、多くの金融機関は実際に適用される金利で返済比率を算出するのではなく審査のために設定した金利(審査金利)で算出した返済額によって審査します。例えばA銀行の住宅ローン金利適用が1.5%だとしても、その審査金利は3~4%等と「高く設定している」場合が多いのです。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そのため住宅ローンのパンフレット等に「返済比率20%以内であれば融資可」と記載されている場合に、実際の適用金利で算出した返済比率はその範囲内であったとしても、審査金利で算出した返済比率はそれをオーバーしている場合があります。事前に返済比率を確かめたい場合は、利用したい金融機関の審査金利を不動産業者を通じて確認してください。ネット上には無料で利用できる「返済シュミレーション」のサイトがたくさんあり、そこで各項目を入力すると返済率を自動的に計算してくれるものもありますので一度利用されてみてはいかがでしょうか?■ 事前審査のポイント2. 「個人信用情報」money/pixabay事前審査のもうひとつのポイントは個信(個人信用情報)です。これはローン借り入れ時などに利用される情報(クレジットカード等の借入状況、借入金額、最終返済日等)ですが、ここでの審査基準も金融機関によってまちまちです。一般的には既存の借り入れが多額であったり、返済金の延滞が続いているような場合はここで落とされてしまう場合が多くみられます。最近は携帯電話を分割払いで購入するケースが増えており、この支払いが延滞するとその履歴が登録されることもあるようです。この個信が心配な方は、次の3つの個人信用情報機関でそれぞれ個人情報の開示請求ができますので各ホームページでその方法等を確認してみてください。(株)シー・アイ・シー全国銀行個人信用情報センター (株)日本信用情報機関■ ローンが通らない人に共通している3つのことこれまで住宅ローン申し込みのお手伝いをさせていただいたなかで、事前審査・本審査ともに通らなかった(通りにくかった)のは下記のような人です。1.クレジットカードをたくさん持っているSatoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)意外と知られていませんが、キャッシング機能がついているカードの場合、そのカードを持っていれば「いつでも」キャッシングが可能です。なので、実際に借り入れしていなくても借入金があると判断され、既に借り入れをしていることと同様の評価となってしまう場合があります。2.高額なカーローンが残っているmuku / PIXTA(ピクスタ)カーローンの返済金額は住宅ローン審査時の「返済比率に組み込まれてしまう」ため、高額なカーローンの残債がある場合、住宅ローンの審査にはかなりのマイナスになります。3.現在借り入れ金等がある場合、その内容をあまり把握していない、もしくは正直に申告しない住宅ローン審査の申込書には、現在の借り入れ金等を記入する欄があり、ここに正確な記入がされなかったり、その内容を正直に申告しないと審査が通りづらくなる場合がありますのでご注意ください!money/pixabay住宅ローンは金融機関ごとに審査の基準があり、その内容は不動産業者がおおまかに把握しているはずなので、物件の情報だけでなく、住宅ローンについても分からないこと・不安なことがあれば不動産業者に相談されてみると良いと思います。
2018年06月19日住宅ローンを借りるとき多くの人はメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などで金利面などを比較して住宅ローンを検討する人が多いでしょう。しかし、多くの人が見過ごしている住宅ローン借入先があります。実は、見過ごされがちなのは「地方銀行」なのですが、地銀で契約すると、人によってはメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などよりも有利に住宅ローンを契約することができます。地銀は見過ごされがちな、優良な住宅ローン提供業者そもそも地方銀行とは、そのそれぞれのエリアに本社を構える銀行となっており、「横浜銀行」や「千葉銀行」「京都銀行」や「静岡銀行」など銀行の名前にも地域名が付されているような銀行になります。これらの地方銀行から住宅ローンを借りる場合には、他のメガバンクなどと同様に、まずは銀行の窓口に赴き、そこで住宅ローンの相談を行うことができます。実はファイナンシャルプランナーである筆者も関西の地方銀行である「京都銀行」で自身の住宅ローンを契約しています。筆者の例ではネットバンクはもちろん、メガバンクから住宅金融支援機構まで様々な銀行や金融機関の住宅ローンを検討しましたが、総合的に最も良いと考えたのが地方銀行である「京都銀行」であったため、京都銀行で契約をすることになったのです。それでは、具体的に地方銀行の住宅ローンがどのような点でメリットがあるのかをご紹介します。【メリット1】対面でコミュニケーションができるので、安心&便利地方銀行の一つ目のメリットとしては対面でのコミュニケーションが出来る点です。もちろん、これはメガバンクや住宅金融支援機構などでも同じように対面でコミュニケーションができるため、地方銀行に限ったメリットではありませんが、これは大きな点です。特に住宅ローンの契約などの場合、審査に必要な書類だけでなく、抵当権を入れる際の手続きや火災保険に関する書類など住宅ローンを契約する際に必要な書類は非常に多くなっています。これらの膨大な書類を一つ一つ揃え、確認をするためには対面でコミュニケーションをする方が便利です。ネットバンクの場合には、郵送などで書類のやりとりをすることが多くなりますが、「どこに判子を押すのか」「どの書類が必要なのか」を随時メールなどで確認をするのはストレスにもなります。そういった意味ではまず、対面で住宅ローンのやりとりが出来るという点が大きなメリットとなります。【メリット2】臨機応変な対応をしてくれるそして、二つ目のメリットが地方銀行ならでのメリットである「臨機応変な対応をしてくれる」という点です。具体的な臨機応変メリットとしては、不動産会社などへの支払いのタイミングを分けて融資をしてくれる点にあります。特に筆者の場合だと注文住宅を建築したため、支払いのタイミングが数多く分断されてしまっていました。まず「土地を購入したとき」に土地の支払い、注文住宅を契約したときに「契約金」を払うだけでなく、住宅が半分程度できあがったときに「上棟金(中間金)」。そして、建物が完成したときに支払う「完成金」、庭などの外構を作ったときに支払う「外構費」そして最後に引き渡しを行うときの「引き渡し金」と合計で6回も支払いを行わなければならなかったのです。このような場合、メガバンクなどの場合には建物に抵当権を入れてからでないと、住宅ローンを下ろせないため、最後の「引き渡し時」しか住宅ローンを支払ってくれなかったのです。そのため、メガバンクで契約を行う場合には、正式な住宅ローンが決裁される前に各支払毎に「ブリッジローン」が必要となり、そのブリッジローンの金利や手数料などが割高となってしまったのです。しかし、地方銀行であれば全ての地方銀行が対応してくれる訳ではありませんが、住宅ローンに積極的な地方銀行であれば、ブリッジローンの必要がないようにその都度ローンを決済してくれる銀行もあります。実際に筆者はこの地方銀行の柔軟な対応のおかげでブリッジローンの会社に支払う手数料や割高な金利分を含めて100万円近くの金額を圧縮することに成功しました。【メリット3】金利も低めで手数料も安いまた、柔軟な対応だけが地方銀行のメリットではありません。実際に金利も低めで手数料も安くなっていました。筆者の例ではメガバンクの提示してきた金利や手数料よりも地方銀行の方が安くなっていました。ただし、ネットバンクの金利や手数料と比べるとネットバンクの方が安かったのですが、中間金決裁などの臨機応変な対応や対面で住宅ローンの手続きが出来る手軽さを考慮して、地方銀行と住宅ローンを契約することになりました。最後にこの記事では、多くの人が見過ごしがちな「地方銀行」の住宅ローンについてを解説しました。地方銀行の場合、銀行によっては住宅ローンなどに力を入れていないような銀行もありますので、本記事で紹介したメリットを全ての地方銀行が実現出来るわけではありません。ですが、地域によってはメガバンクよりも強い地方銀行などであれば、この記事で紹介をしたようなメリットを得ることができるケースもあるため、現在住宅ローンを検討している人は地方銀行も選択の一つに検討してみはいかがでしょうか。
2018年03月07日住宅ローンの繰り上げ返済とは、住宅ローンを契約していた返済計画を前倒して返済をすることで利息の支払額を抑える方法のことです。 この住宅ローンのの繰り上げ返済の方法には2種類の方法があります。それぞれの方法によって、利息の削減の効果が異なる一方で、今後の返済計画も大きく変わりますので、自分自身のライフスタイルにあった方法を選びましょう。まず、一つ目は、月々の返済額は同じ額のまま、残りの返済期間を短くすることによって利息の支払い額を抑える「期間短縮型」があります。 そして二つ目が、残りの返済期間は同じ期間のまま、月々の返済金額を少なくすることで利息の支払額を抑える「返済額軽減型」の2種類があります。どちらの場合でも、当初住宅ローンを契約していた際に予定されていた支払利息よりは金利負担を減らすことができます。それでは具体的に「期間短縮型」と「返済額軽減型」のそれぞれの繰り上げ返済の方法を解説し、どちらの方がより多くの利息の支払い額を減らすことができるのかや、それぞれの繰り上げ返済の方法のメリット・デメリットを解説していきます。月々の返済額がラクになる「返済額軽減型」返済額軽減型は、繰り上げ返済をした金額を毎月の返済額に充当する方法になります。つまり、毎月の返済額が少しずつ安くなるようになるため、利息の減少額も少なくなるのです。例えば、住宅ローンの金額が1,000万円で10年のローンがあった場合、100万円の繰り上げ返済を返済額軽減型で行ったとします。その場合1年目の返済額から10年目の返済額までが毎月均等に安くなるのです。そのため、実質的に「前倒し」で返済できている期間や金額としてはあまり多くはありません。返済額軽減型のメリットとしては、やはり月々の返済が楽になるという事で生活面が楽になるのが最大のメリットです。特に住宅ローンの返済は毎月固定の金額になるため、その返済額を少しでも低くすることができれば生活面でも余裕が出てきます。また、繰り上げ返済を行ったばかりの場合は貯金を取り崩しているケースもあるため、生活に余裕がないケースが多くなっています。そのようなことを踏まえると、返済額軽減型は月々の返済額をラクにしてくれながら、住宅ローンの利息の総支払額も軽減される、バランスの良い繰り上げ返済の方法といえます。大きく返済額を減らせる「期間短縮型」次に月々の返済額は変えずに期間を短縮する期間短縮型について解説をします。期間短縮型については繰り上げ返済分を残りの借入期間から短くする方法です。例えば、住宅ローンの金額が1000万円で10年だと仮定した場合、繰り上げ返済で100万円を「期間短縮型」で返済した場合には、毎月の返済額は変わらい代わりに約1年ほど返済期間が短くなります。つまり、この「期間短縮型」の場合は繰り上げ返済を行った100万円の金額の約10年分の金利を丸ごと支払う必要がなくなるのです。その結果、小分けで毎月少しずつ安くする「返済額軽減型」と比べると利息の支払い額を大きく減らせるため、期間短縮型の方が有利になるのです。次に期間短縮型のメリット・デメリットについて解説します。期間短縮型のメリットについては何といっても金利の削減効果が大きいことです。大きく利息の支払い額を減らすことができるため非常に有利に住宅ローンの返済を進めることができます。一方で期間短縮型のデメリットとしては、月々の返済額は変わらないことから繰り上げ返済をしているにもかかわらず生活面での余裕はあまり生まれてきません。むしろ、住宅ローンの繰り上げ返済をする際に貯金を取り崩すことがあるため、期間短縮型で返済をすると一気に家計に余裕がなくなってしまうデメリットがあります。繰り上げ返済をするときは住宅ローン減税のタイミングも考えよう!また、繰り上げ返済をするときにはここで紹介をした繰り上げ返済の方法だけではなく、繰り上げ返済のタイミングも考えましょう。というのも、繰り上げ返済を行った場合には期間短縮型や返済額軽減型のどちら場合でも「住宅ローン減税」の減税額が少なくなってしまうため、注意しましょう。住宅ローン減税は、その年末の住宅ローンの残額が減税の基準になります。そのため住宅ローンの残高が多ければ多いほど減税額も多くなり、住宅ローンの残高が少なければ少ないほど減税額も少なくなるのです。これらの点を踏まえて、住宅ローン減税を使うといくら減税されるのか、そして繰り上げ返済をすることでいくら金利の支払額が減るのかをシミュレーションを行って、繰り上げ返済を行うようにしましょう。また、一般的には住宅ローン減税には10年間という期間がありますので、その10年を超えたタイミングで一気に繰り上げ返済をするのが最も有利なタイミングと言われています。ただし、人によっては住宅ローン減税の減税額をフルに使えていない人などもいるため、自身がどれだけ住宅ローン減税の恩恵を享受出来ているのかなどを確認するようにしましょう。最後にこの記事では繰り上げ返済の方法である「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類を解説しました。また、「期間短縮型」の方が金利の支払いを大きく減らせて有利に繰り上げ返済ができると解説してきました。ただ結局のところ、期間短縮型の方が支払計画が大変になりますので、どちらの方法がトクするのか、損をするのかと言うわけではありません。「期間短縮型」の方が早く多額の住宅ローン分を返済しているため、利息の減少額も多額になっているに過ぎません。そのため、どちらがトクなのか、損なのかではなく、自分の人生設計においてどちらが良いのかという軸で「期間短縮型」と「返済額軽減型」を選ぶようにしましょう。
2018年02月23日「念願だったマイホームをいよいよ購入したい!」そんなときに考えるのが住宅ローンですよね。もともと、住宅ローンの借り主の多くは夫でした。しかし共働きが一般的である今、さまざまな借りかたがあるのをご存知ですか?今回は「共働き夫婦のため」の住宅ローンについてご紹介します。 1. 共働き夫婦の住宅ローンは3種類共働き夫婦の住宅ローンには、「連帯保証」・「連帯債務」・「ペアローン」があります。主の債務者を「夫」としたこの3つの特徴は以下のとおり。連帯保証夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が住宅ローンを組む債務者となり、妻が連帯保証人になります。夫の返済が滞った場合は、妻に返済の義務が生じます。連帯債務夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が主債務者となり、妻が連帯債務者となります。住宅ローンを夫婦で借りる形になるので、夫婦どちらも同額の返済義務を負うことになります。ペアローン夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを組みます。夫のローンの連帯保証人は妻となり、妻のローンの連帯保証人は夫となります。返済が滞った場合は、連帯保証人に返済の義務が生じます。 2. それぞれのメリット・デメリット3種類の借りかたのメリット・デメリットをご紹介します。 連帯保証メリット一人では借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられるデメリット住宅ローン控除は債務者だけが受けられる団体信用生命保険は債務者だけが加入できる住宅ローンを借りた分の所有権は債務者のみ※団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のことです。債務者が返済中に死亡したり、高度障害状態(介護が常に必要など、日常生活が極めて困難になった状態)の際に、保険金として住宅ローンの残額分が金融機関に支払われます。つまり、この場合は連帯保証人に万が一の事があっても、保険金は支払われません。 連帯債務メリットひとりでは借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられる住宅ローン控除が夫婦ともに受けられる所有権はそれぞれ持つことができる必要な書類や手数料は1人分だけデメリット団体信用生命保険は債務者だけが加入できる(夫婦加入が可能のローンもある)民間金融機関では取り扱っている金融機関が極めて少ない ペアローン メリット夫婦それぞれ住宅ローン控除が受けられる団体信用生命保険も夫婦それぞれ適用される所有権はそれぞれ持つことができるデメリットローンを2本組むため、作業と諸費用が倍になる離婚したときに、名義や残高処理等が複雑・片方が死亡した場合、自分の分のローンは残る(※ただし、団体信用生命保険に特約をつけることで、夫婦どちらかが死亡した際に住宅ローンの残高がなくなることも可能。金利等や名称は取扱金融機関によって異なります) 3. 「片方の収入がなくなった」「離婚した」ときは住宅ローンは30年近くも一緒に払っていくもの。一方で、暮らしていく上で必ずしも収入が一定とは限らないのが「夫婦」ですよね。夫婦で住宅ローンを考えているのなら、必ずそういったことも話し合った上で決めるようにしましょう。子育てに専念したいから仕事をお休み、またはパートなどにしたいとき、はたまた離婚したら、それぞれの借りかたはどのように変化するのでしょうか。妻が育休・仕事を辞めた「連帯債務」と「ペアローン」の場合妻が税金を納めていないと住宅ローンの控除が受けられません。育休の場合は復帰すれば再び受けられるようになりますが、仕事をセーブすると控除額も少なくなります。さらに妻が退職した際には、夫が妻名義の分も返済することになるため、贈与税の課税対象となる恐れも。それを避けるために登記の持分変更をしたり、住宅ローンの借り換えをすることも可能ですが、手間も費用もかかります。離婚した離婚をしても、住宅ローンの契約に変更はありません。連帯保証の場合元夫の支払いが滞ると、連帯保証人である元妻に返済請求が届きます。連帯債務の場合元夫と元妻どちらも、借り入れ全額の債務を負うことは変わりません。また住宅ローン名義は解消されないため、家を独断で売却できません。ペアローンの場合自分がローンを支払っていても、元夫もしくは元妻の住宅ローンの返済が滞ると、連帯保証人である自分に返済請求が届きます。離婚が決まったら、上記のことを避けるために家を売却して住宅ローンを完済させる、ペアローンは1つのローンに借り換えをするなど、夫婦で話し合っていく必要があります。 ひとりでは希望額が借りられなかったとしても、共働き夫婦で住宅ローンを契約することで借入額を増やすことができます。ただし、「妻が働けなくなる」「離婚する」などの理由で、多く借りられたローンによって支払いが苦しくなってしまうといったリスクがあることを忘れてはいけません。「夫婦で住宅ローンを」と考えているのなら、さまざまなパターンを想定しながら、夫婦に合った借り入れ方法を選択してくださいね。 参照: 共働き夫婦のための住宅ローン講座(1)我が家はどうする?基本編共働き夫婦が賢く住宅ローンを借りる方法団体信用生命保険(団信)の特約は付けるべき?扶養に入っても住宅ローン控除は受けられる?退職の可能性視野に選択共働き夫婦の住宅ローン共稼ぎ世帯に人気の収入合算・ペアローン。デメリットが多いって本当?
2018年02月20日民間の金融機関でローンを組む際に“必須”となっている団信(だんしん)への加入ですが、団信には種類があることをご存じでしょうか?ここでは、そもそも団信とはどういうものか、種類や保険料、また団信に加入できない場合の対策などを解説します。全額弁償してくれる、団信(だんしん)とは?住宅ローンを組んだ際は長期に渡りローンの返済をすることになりますが、長年の間には万が一の不幸に襲われる可能性も考えられます。ローン債務者に万が一のことがあった場合に、保険会社が債務者に代わって残債の全額を支払う制度が団体信用生命保険(通称:団信)です。銀行はこの保険によって債務を回収することができ、残された家族にとってもローンの負担がなくそのまま住み続けることができるため、双方にとって有意義で重要な保険でもあります。民間銀行の住宅ローンは、融資の際に団信加入が条件となっていますから、持病などがある場合は審査によって団信に加入できないこともあり、ローンが組めなくなる可能性があります。団信の種類と保険料団信には、一般的な「団信」のほかに、「ワイド団信」「ガン保障特約付き団信」「3大疾病付き団信」「7大疾病、8大疾病付き団信」などがあります。以下は団信の種類別保障内容や保険料などのご紹介です。・団体信用生命保険(一般的なもの)保障内容は保険期間中(住宅ローンの返済期間と同じで35年ローンの場合は保証期間も35年になる)の死亡と所定の高度障害状態になった場合です。保険料は銀行側が負担することになっているため、加入者は無料です(実際はローン金利に含まれている)。・ワイド団信加入条件が緩和された団信です。糖尿病や高血圧症などの持病を持っていても比較的加入しやすくなっています。保障内容は一般的な団信と同じ死亡と高度障害状態になった場合ですが、保険料は基準金利に0.2%~0.3%程度上乗せされます。・ガン保障特約付き団信一般的な団信の保障にガン保障がプラスされた保険(保障期間は借入日より91日目から)になります。ガン診断給付金が支払われるのは生まれて初めてガンに罹患し、医師によって診断確定された場合です。保険料は基準金利に0.2%~0.3%程度上乗せされます。・3大疾病保障付き団信3大疾病付き団信は、一般的な団信の保障にガン・急性心筋梗塞・脳卒中を罹患し、所定の状態となった場合にも保障がプラスされた保険です。保険料は基準金利に0.3%程度上乗せされます。・7大疾病、8大疾病保障付き団信7大疾病保証付き団信は、3大疾病のガン・急性心筋梗塞・脳卒中に加え高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変など、4つの生活習慣病に罹患した際にも保障される保険です。8大疾病保保障付きの場合は、上記の疾病に慢性膵炎が含まれています。保険料は借入時の年齢や借入の条件、また金融機関によって異なりますが、基準金利に0.3%程度上乗せになります。団信に加入できない場合はどうしたらいい?健康に問題があり一般的な団信に加入できない場合は、加入条件が緩和されたワイド団信を検討してみましょう。審査基準は明らかにされていませんが、糖尿病や高血圧・肝臓機能障害などの持病がある人でも審査が通りやすくなっています。また、団信加入が必須ではないフラット35を利用する方法があります。フラット35は団信加入が任意になっているため、加入しなくてもローンを組むことができます。しかし万が一のこともあるため、健康状態が良好な時期に加入している借入金額相当の生命保険がある場合などが望ましいでしょう。他にも、連帯保証人を立てる(連帯保証人に返済能力が必要)とか、配偶者が正社員の場合は配偶者名義で住宅ローンを申し込むなどの方法があります。団信にはいくつかの種類があり、特約付きはほとんどが0.3%程度の金利上乗せになります。0.3%の金利の上乗せは月々の支払いはわずかのように感じるかもしれませんが、総額となると数百万円になります。ご自分でかけている他の保険なども無駄がないか見直してみて、本当に必要だと思われる保険を賢く選択することをおすすめします。
2018年02月06日住宅ローンを利用して家を買う場合、無理のない返済計画をもとに購入予算を設定することが重要です。しかし、いざ物件を見ているともう少しだけ予算をアップさせたい、という場面に出くわすことがあるかもしれません。そんなときの対処法を紹介します。まずは頭金を使った予算アップの方法です。1.購入予算の算出方法と、頭金購入予算の算出方法を確認してみましょう。図にあるように、頭金+住宅ローンの借入額が購入予算です。(図1)購入予算の設定方法(住宅ローン利用時)住宅ローンの借入額は、無理のない返済額の上限まですでに借りていることが前提です。この場合、予算を増やすには頭金を増やすほかに、方法はありません。現在の貯蓄額など家計の中身を改めて確認し、頭金を増やせないか計算してみましょう。頭金が準備できるまで、購入時期を見直すというのも考え方のひとつです。頭金を増やす方法として、親からの資金援助を得るやり方があります。平成33年までは「住宅取得等資金の贈与税の非課税」という特例で、一定額の贈与に対しては非課税とする措置がとられていることもあって、頭金を増やすメジャーな方法のひとつになっています。2.頭金があると、借入額が増えることも物件価格に対する住宅ローン借入額の占める割合を融資率と言います(例:3,000万円の物件に対し2,700万円借り入れする場合の融資率は90%。残り300万円が頭金に該当)。住宅ローンの中にはこの融資率によって金利が変わる商品があります。代表的なものはフラット35で、融資率が9割以下か9割超かによって適用金利が異なります。2017年11月現在でその差は0.44%(※)で、融資率が低い9割以下のほうが低金利で住宅ローンを借り入れることが可能になっています。※新機構団信付きの【フラット35】等の借入金利水準(2017年11月)より、【フラット35】 借入期間:21年以上35年以下の「取扱金融機関が提供する金利の最も多い金利」で融資率9割以下と9割超の場合を比較。金利が低い住宅ローンでの借り入れが可能になれば、同じ毎月返済額でも借入額は大きくなります。具体的な数値で見てみましょう。(図2)頭金と金利、借入額の関係上の例では、購入予算を増やすことを分かりやすくするため、毎月返済額は変えずに借入額を増やしましたが、購入予算を変えない場合であれば、頭金を入れたメリットは借入額の減少と低金利の2つの効果から、毎月返済額が減るという形であらわれます。例の場合、購入予算3,513万円に対して、Aの毎月返済額は11.3万円(借入額3,513万円)、Bの毎月返済額は9.1万円(借入額3,013万円)になります。3.頭金の計算は諸費用・予備資金を差し引いて頭金は無理のない返済額を維持しながらも購入予算をアップできるという意味で非常に魅力的です。しかしながら、自己資金のすべてを頭金として使ってしまうと、住宅取得に必要な諸費用の支払いができなくなったり、不測の事態に対して予備資金が全く残らないという問題が生じます。それぞれ必要な金額を算出したうえで、頭金がいくら用意できるのかを確認してみましょう。
2018年02月01日住宅の購入予算を算出するためには、毎月返済額と住宅ローンの借り方(条件)がそれぞれ必要になります。この記事では、実際の住宅ローンのシミュレーションを行い、購入予算を設定・確認していきます。1. 住宅ローンシミュレーションを使ってみよう今回はフラット35のホームページにある、「毎月の返済額から借入可能金額を計算」するシミュレーション機能を使います。まずは次のページを開いてください。フラット35「毎月の返済額から借入可能金額を計算」(図1)フラット35の住宅ローンシミュレーション①毎月返済額小数点第1位まで入力できます。今の住宅費などから考えて、返済に無理のない金額を入力しましょう。②融資金利適用金利のことです。ここでは①の毎月返済額が完済時まで変わらない場合の借入可能額を算定したいので、「全期間固定型」の金利を入力しましょう。③返済期間返済期間は、それぞれの状況に応じて変わってきます。定年時の年齢から今の年齢を引いた年数を入れてみるのもひとつの方法です。まだ決まっていない段階であればとりあえず「35」を選択しましょう。④返済方法特に理由がなければ、「元利均等」のままにしておきましょう。上記項目をすべて入力・選択したら、「計算する」をクリックすると、図のように計算結果が表示されます。(図2)試算結果※各種数値は次の条件をもとに設定しています。毎月返済額:9.7万円/金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※シミュレーション結果の詳細は、こちらのフラット35のページをご確認ください。借入額のシミュレーションはできたでしょうか。大切なのは「毎月返済額」と「金利」を自分で判断し、入力できているかどうかです。2. 購入予算=「頭金」+「住宅ローン借入額」借入額が分かれば、後は頭金分をプラスすれば購入予算が算出できます。(図3)購入予算の設定方法(住宅ローン利用時)頭金についてはこれまで説明をしてきませんでしたが、購入予算を決定するうえで、非常に重要になります。また、これまで「購入予算=物件価格」という前提で話をしてきましたが、家を買う場合は、物件価格とは別に住宅取得にかかる諸費用・税金が存在します。頭金は、これらの費用を除いて算出するようにしてください。3. 住宅ローンは「借りられる額」ではなく「返せる額」まず、知っておいてほしいこととして、住宅ローンは「借金」であり、利息がつく分、総返済額は借入額よりもかなり高くなるということを忘れないでください。実際に家探しを始めると、どんどん条件のいい家に目がいって、これまでに経験したことがない数千万円という単位の買い物ゆえに冷静な判断ができなくなり、高額なローンを組んでしまいがちです。現在の仕組みでは高額なローンを借りることも意外とできてしまいます。しかし、住宅ローンは「借りられる最大額」ではなく、「返せる額」を借り入れるということを、基本的な考え方としてください。ここまで、家探しを始める前に最低限必要と思われる住宅ローンの知識・情報を、購入予算の設定と関連付ける形で説明してきました。実際の物件を探し始める前に住宅ローンを学んでおくことの大切さが、多少なりとお分かりいただけましたでしょうか。まだまだ、住宅ローンのすべてを説明できているわけではありません。物件探しをしながらも、さらに住宅ローンへの理解を深めて、納得のいく商品プランを見つけていただければと思います。また、今から金融機関のホームページを見ることやシミュレーションの使い方に慣れておくこともお勧めします。
2018年01月30日住宅ローンを利用して家を買う場合に必要な住宅ローンの条件のひとつである「金利」が総返済額や毎月返済額にどのような影響を与えるのか、実際の数値を使って見ていきたいと思います。1. 総返済額に占める利息の割合まずは、住宅ローンを利用する場合の総返済額に占める元金と利息の割合を見てみましょう。(図1)「住宅ローンの借り入れと返済の内訳」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。図を見ると分かるように、3,000万円を金利1.800%、35年返済で借りた場合の総返済額は4,046万円です。利息額は1,046万円なので、総返済額の25.9%。つまり、返済額のうち4分の1は利息分ということになります。このように長期間借り入れをする住宅ローンの場合、総返済額に占める利息額の割合はかなり大きくなります。金利が高くなればさらにその割合はさらに増すので、わずかな金利差も無視できません。2. 金利でここまで変わる!借入額別の総返済額一覧下の図は、借入額別・金利別の総返済額を計算したものです。総返済額から借入額を引いたものが、利息額になります。同じ借入額でも、金利によって総返済額がずいぶん違うことが分かります。(図2)「借入額別・金利別の総返済額(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3. 総返済額を毎月返済額に置き換えて確認金利による総返済額への影響を体感できたでしょうか。次は、実際に自分が住宅ローンを利用することを前提に、この表を活用してみましょう。総返済額(借入額+利息額)だけを見ても、無理なく返済できるかどうか判断は難しいので、上の表の総返済額に毎月返済額を追記しました。今度は、現時点で想定している毎月返済額を中心に表を見てください。(図3)「借入額別・金利別の毎月返済額(上段)と総返済額(下段)(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。毎月返済額がほぼ同じでも、金利との組み合わせ次第で借入額・総返済額に様々な可能性があることが分かったでしょうか。この表を見て、「とにかく金利が低いにこしたことはない」と考える人も多いと思います。「住宅ローン=金利の低い商品」を求めることは、あながち間違いではありません。ただし、金利の低さだけを追い求めて住宅ローンを選ぶと大きなリスクが生じます。このリスクは購入予算の設定にも影響するため、家探しの最初の段階で把握しておかないと、後戻りができなくなるほど危険をはらんだものなのです。【訂正】サブタイトルの一部に誤りがありましたので修正いたしました。
2018年01月19日家を買う場合、ほとんどの人は住宅ローンを利用しますが、住宅ローンについて調べ始めるのは、家探しの終盤、物件がほぼ決まってからというケースが多いようです。結論から言うと、これでは遅すぎます。住宅ローンの知識・情報は家探しの最初、購入予算を決める段階から必要です。1. 借入額よりも重要な返済額住宅ローンを利用して家を買う場合、購入予算は「頭金」と「住宅ローンの借入額」の足し算によって決まります。考え方として初めに購入予算があって、それを「頭金」と「住宅ローンの借入額」に分解していくのではなく、まず「頭金」と「住宅ローンの借入額」を明確にし、2つを足したものが購入予算になるというものです。家探しはその予算をもとに行います。住宅ローンは、端的に言ってしまえば借金です。借りた金額(借入額)に対し発生する利息額を合わせて返済しなければなりません。つまり、住宅ローンではいくら借りたかよりも、いくら返すのかという「返済」の指標が重要になるのです。返済額には、返済する総額(総返済額)と毎月の返済額があります。(図1)「住宅ローンの借入額と総返済額の違い」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。借入額:3,000万円/金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3,000万円の住宅ローンを借りる場合を例に考えてみましょう。金利と返済期間については一般的なものを使用していますので、現段階ではそういうものとして考えてください。上図のように金利1.800%、返済期間35年でローンを組んだ場合、借入額は3,000万円でも、利息が約1,046万円上乗せされ、実際に返済する金額(総返済額)は4,046万円にもなります。今、現金ならば3,000万円で買える家でも、全額ローンだと4,046万円で購入することになってしまうということです。そして、その返済は35年など、かなり長期にわたって行われるものです。さて、例では借入額3,000万円、利息額1,046万円、総返済額4,046万円という3つの金額が分かりました。住宅ローンを借り入れる場合、その返済を無理なく行えるかが重要なポイントになります。では、この3つの金額を見て、無理なく返済できる金額かどうかを判断することはできるのでしょうか?2. 返済の程度を判断できる「毎月返済額」借り入れた住宅ローンが無理なく返済できるかどうかを判断するには、どのような数値があればよいのでしょうか。借入額3,000万円は、「みんなそのくらい借りているような気がするけど、自分たちに適切かどうかは分からない」といった認識でしょうか。総返済額が4,046万円と言われても、すぐにはピンと来ませんね。では、毎月の返済額が97,000円と言われたらどうでしょう。それなら今の住宅費と比較できるので、毎月払えるかどうか分かりやすいのではないでしょうか。住宅ローンを利用して家を買うときは、自分にとって無理のない毎月の返済額がいくらなのかをはっきりさせ、借り入れにあたっての判断基準として使えるようになっておくことが大切です。(図2)「無理なく返済できるかを判断するために必要な数値」3. 毎月返済額は同じなのに借入額が減る?住宅ローンの借入額が適正かどうかは、毎月の返済額を基準に判断すべきであることを説明してきました。ところが、毎月の返済額が同じでも、住宅ローンの選び方によっては借入額自体が変わるということが起こります。住宅ローンの借入額が変わってしまったら、購入予算の設定にも影響が出てきます。(図3)「住宅ローンの違いによる購入予算の変化」※各種数値は次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。この図は毎月の返済額を97,000円とし、返済期間35年でローンを借りた場合に、借入額がいくらになるかを計算したものです。金利が1.800%の場合の借入額は3,020万円になります。では、金利が2.400%になるとどうなるでしょうか?借入額は2,754万円と、266万円もの差が生じることになります。この例では毎月の返済額が同じでも、金利2.400%の住宅ローンBで借り入れをした場合、購入予算が266万円もマイナスになってしまう可能性を示したものです。いったん整理をしてみましょう。家を探すには購入予算の設定が不可欠ですが、その購入予算の設定に必要なのが住宅ローンの借入額です。借入額を算出するには「毎月返済額」と「住宅ローンの諸条件(返済方法・金利・返済期間等)」の2つの情報を前もってそろえておかなければなりません。この順番を間違えると、物件価格ありきで返済計画に無理があるようなローンを組んでしまう、不動産屋さんに勧められるままに提携ローンを組んでしまうケースも出てきてしまうのです。
2018年01月18日住宅ローンは一般的に借り入れの金額が大きくなることから長期間の返済を余儀なくされてしまいます。例えば、住宅金融支援機構が提供するフラット35などは35年間返済を行うことになりますが、それだけの長い間安定して返済を行わなければなりません。病気、リストラ、減給などの予期せぬ理由によって、返済計画に支障が生じてしまうようなこともないとは限りません。住宅ローンを延滞・滞納してしまった場合にはどうなってしまうのでしょうか?住宅ローンの延滞・滞納後の流れ延滞・滞納を行ってしまった場合の流れは以下のようになります。住宅ローンの返済期間中には、一時的に住宅ローンの返済用の口座の残高が少なくなってしまっていて引き落としが行われないなど、返済の滞りが生じてしまう場合があります。最初の1回程度の滞納に対しては銀行などの金融機関も「入金が確認できなかったので、確認してくださいね」というような入金が行えていないことに対する支払い請求程度で済みますが、その通知を無視して延滞・滞納から2~3ヶ月経過すると請求書から催告書へと変わります。催告書に変わるとどうなるのでしょうか?催告書では、これ以上延滞・滞納を行うと期限の利益といって住宅ローンの分割返済を認めないという内容になります。この催告書を無視して延滞・滞納から3~6ヵ月経過してしまうと期限の利益喪失通知が届き、返済期日が先であったとしても一括返済を行わなければなりません。期限の利益喪失通知が到着してからは、代位弁済通知といって住宅ローンを契約した際の保証会社が銀行に対して代わりに返済を行ったという通知書が届きます。保証会社が返済を行ってくれたからといって返済がなくなるわけではなく、返済先が銀行から保証会社に変わることになります。保証会社が代位弁済を行ってしまうと、保証会社は建物を競売にかけることによって返済を肩代わりした分を回収しますが、いきなり競売が行われるわけではなく、まずは保証会社から競売を開始するための競売開始決定通知が届きます。競売開始決定通知が届くとどうなってしまうのでしょうか?競売と競売を防ぐための任意売却とは?競売開始決定通知が届くと、いよいよ住宅ローン対象の物件が競売にかけられることになってしまいます。競売にかけられてしまうと以下のようなデメリットがあるので注意が必要です。・普通に売却する場合によりも安く買いたたかれてしまう。・競売が行われてしまうと出ていかなくてはならなくなる。競売開始決定通知が届いてから実際に競売が行われるまで6ヵ月程度の期間がありますが、その間に何とかして競売を防ぐ方法はないのでしょうか?競売を防ぐ方法として任意売却を行うという手段が挙げられます。任意売却によるメリットは以下の通りです。・リースバック方式によって住み続けることができる。・競売よりも高い価格で売却できる可能性が高い。任意売却によって購入した人が同意してくれた場合には、賃料を払うことによって住み続けることが可能になります(リースバック方式)。任意売却は保証会社の許可を得る必要があるので、なるべく早く申し出た方が良いでしょう。まずは銀行に相談してみる住宅ローンは契約当時の世帯年収などを基準にして返済計画を立てますが、必ずしも返済計画通りに返済が進むとは限りません。体調を崩してしまったことによって一時的に返済が滞ってしまったり、出産による産休や退職して育児に専念するために専業主婦になったりなど様々な理由によって返済計画に支障が生じる可能性があります。一時的に支障が生じた場合にはどうすればいいのでしょうか?まずは銀行に現状を伝えることをおすすめします。銀行からすれば信頼して住宅ローンの契約を行ったにもかかわらず、独断で延滞・滞納を行われてしまった場合には、後から理由を伝えたとしても配慮の余地がありません。しかし、返済計画の支障が一時的な理由である場合には、返済計画の見直しによって一時的に返済額を引き下げてくれるなど、競売を免れることができる可能性があるため、まずは銀行に相談してみましょう。まとめ住宅ローンの延滞・滞納を続けた場合には、住宅ローンの対象の物件を競売で失ってしまうことを覚悟しておかなくてはなりません。しかし、延滞・滞納を行ってしまったからといって即座に競売が行われるわけではありませんので、延滞・滞納に陥ってしまったとしても放っておかずに、任意売却やその他の解決策を模索するようにすることができるので、まずは銀行に相談など解決策を検討するようにしましょう。
2018年01月12日マンションを買い替えたいと思っても、ローンが残っている場合は誰もが慎重になるでしょう。マンションを売却した後に住宅ローンの残債が出てしまうケースがあるからです。しかしこうした事態を解消してくれる金融商品があります。それが金融機関で取り扱っている「住み替えローン」です。今回はこの住み替えローンについて掘り下げていきましょう。マンションの住み替えローンって何?買い替えを検討する場合、不動産会社にマンションの査定をしてもらうのが一般的です。その際、ローン残高を完済できる査定金額が出ればいいのですが、残債が出そうといったケースでは「売りたいが売れない」という状況に陥ります。通常、抵当権が設定されているマンションを売却する場合、売却によって得られるお金でローン残債をすべて返さなければ抵当権を外すことができないからです。こうした状態を専門用語では「担保割れ」と言いますが、ローン返済期間の半分を過ぎていない場合、多くの方が「担保割れ」の状態になります。しかし「住み替えローン」を上手に活用すれば、こうした担保割れの状態でもマンションの買い替えがスムーズにできるのです。住み替えローンとは、その名の通り、マンションの買い替えの際に利用できるローン商品です。各金融機関によって内容は異なりますが、マンション売却時のローン残債と、諸経費を含む新しいマンションの購入資金をまとめて貸してくれるのが一般的です。この住み替えローンを取り扱っているのは主に都市銀行や地方銀行などの金融機関です。マンションを査定してもらった不動産会社に相談し、住み替えローンの利用を告げ、手続きなどの準備を進めてもらいます。ちなみに住み替えローンを利用できるのは、現在居住中のマンションを売却したとしてもローン残債が出る場合だけです。マンションの価格を無料査定してみる自己資金がなくても買い替えができる?住み替えローンを利用するメリットは、担保割れの状態でも「自己資金なしでマンションの買い替えができる」ことです。住み替えをすることは新しい生活を始めることですから、借金を若干多く抱えてしまってもいいという人にとっては非常に使い勝手のいいローンです。ちなみに、国土交通省の「平成25年住生活総合調査(確報集計)結果」によると、過去5年間に実施した住み替えの目的の上位は、1:就職、転職、転勤などに対応(21.7%)2:親、配偶者などの世帯からの独立(21.2%)3:住宅を広くする、部屋を増やす(17.7%)4:子育て・教育の環境を整える(17.6%)5:通勤、通学などの利便の向上(13.3%)となっています(複数回答可)。この結果を見ると、人生の中では思いがけず住み替えの必要に迫られることが多いのが分かります。住み替えの理由の1位が「就職、転職、転勤など」ですし、2位も「親や配偶者などの世帯から独立」となっています。しかし、こうした場合でも新しい生活をスムーズに始めることができるのが住み替えローンの大きなメリットなのです。借入金が膨らむなどデメリットにも注意!マンションの買い替えを希望する方にとっては非常に便利な住み替えローンですが、一方でデメリットやリスクもあります。買い替えたいという気持ちが強いと、無理をしてしまいがちですので、的確に判断するようにしましょう。まず無理な返済プランを立ててしまいがちになることです。どうしても借金が増えてしまいますが、それでも「ボーナスは全部返済に回そう」「レジャーは少し控えよう」といったように返済額を増やすために少々無理をしてしまいます。住居は生活の拠点として重要ですが、生活自体が楽しめなくなるのはいけません。これでは高級な財布を持っていても、中に入れるお金がないのと一緒です。また、マンションの売却が決まるまで、新しいマンションを購入できないのもデメリットのひとつです。それは住み替えローンを利用するには、マンションの売却と新居の購入を同時に行わなければならないからです。正確な住宅ローンの金額を把握するために必要なことですが、そのために「新居をゆっくり選べない」「現在のマンションを早く売るために価格を下げてしまう」などデメリットが新しいデメリットを生んでしまうといった危険もあるのです。利用者からすると便利な住み替えローンですが、金融機関からすると担保評価以上の資金を提供することになります。そのため通常の住宅ローンよりも金利の条件が悪くなる傾向があります。またローンの返済能力も厳しく見られますので、審査のハードルが高くなるのが一般的です。これらもデメリットのひとつになります。まとめ住宅ローンを利用している場合は完済後に買い替えるのが鉄則ですが、住み替えローンを活用する手もあります。どうしても買い替えをしたいという方にとって便利な金融商品ですからぜひ覚えておきましょう。ただし借入額が大きくなってしまうなど、デメリットやリスクもあります。専門家に相談するなどして適切に活用するようにしましょう。まずはマンションの価格を無料査定してみる
2017年11月15日マンション購入にローン返済はつきものです。しかし、突然の転勤や家族が増えて手狭になってしまったなどの事情で、ローンを残した状態でマンションの買い替えが必要になる人は多いのではないでしょうか。そんなときに気になる、「ローンを返済してなくてもマンションの買い替えはできるの?」という疑問に、注意点とともにお答えします。マンションはローンを完済してからの買い替えが基本マンションの買い替えは現在のローンを完済してから行い、その上で新たに購入した物件のローンを組むのが通常です。ローンの完済が間に合わない場合は、マンションの売却で得たお金を返済に充てることになります。例えば20,000,000円のローンが残っていて、マンションが25,000,000円で売れた場合は、ローンを完済した上で、差し引いた5,000,000円を新規住宅の購入費用に充てることができます。ほとんどの人は、このような形で買い替えできるのが理想と考えるでしょう。しかし、20,000,000円のローンが残っていた場合に売却で15,000,000円しか得られなかった場合は、逆に5,000,000円のローンが残ってしまいます。さらに貯蓄などの自己資金をプラスしてもローンを完済できないと、抵当権を外すことができなくなります。抵当権とは、住宅ローンなどを組む際に金融機関が確保しておく担保のことです。「抵当権がついている=ローンを完済していない」と判断されてしまい、新たなローンを組むことができません。買い替え自体ができなくなってしまうことになるのです。また、仮にローンを完済できたとしても、子どもの学費や万が一のための貯金など、手元に残しておきたい資金まで支払いに使ってしまっては意味がありません。そんな時のために、実はローンが残っている状態でも新たにローンを組む方法が用意されています。ローンが残ったままでも買い替えをする方法とは?ローンが完済できない場合に利用できるのが、「買い替え(住み替え)住宅ローン」です。新しく購入する=買い替えるマンションの金額と現在残っているローンを合算して組むことができるローンのことで、居住中のマンションの住宅ローンを完済していなくても利用できます。先程の例でいけば、20,000,000円のローンが残っていた場合に、売却で15,000,000円しか得られず5,000,000円のローンが残った場合も、その5,000,000円を含めてローンを組むことができることになります。新しく購入したマンションが30,000,000円であれば、合計35,000,000円の借り入れです。買い替え住宅ローンは、担保割れした費用だけでなく引っ越しにかかる諸費用に対しても有効なため、実質的には購入マンションの価格の1.5~2倍の融資が可能になります。ここで覚えておかなければいけないのは、決してローン負担が軽くなったり、優遇措置があったりするものではないということです。利用する際にはいくつか注意が必要です。マンションの価格を無料査定してみる買い替え住宅ローンの利用には十分な資金計画を!【注意点1】審査が厳しい通常の住宅ローンよりも借入総額が高くなるため、金融機関の審査は当然厳しくなります。年収はもちろん、勤務先の規模、勤続年数、健康状態、団体信用生命保険への加入など、あらゆる要素が審査基準になることを覚えておきましょう。【注意点2】返済期間を延ばすと危険住み替えを検討するのは、マンションを購入してから少なくとも10~20年以上経過してからという人が大半でしょう。30代前半でマンションを購入したとしたら、住み替え時には40代以上ということになります。初めて購入した時の感覚でローンの返済期間を30年や35年に設定してしまうと、返済完了時には70代を迎えることになってしまいます。定年退職後もローンが続くと経済的負担はかなり大きくなるので、安易に返済期間を延ばすのは危険が伴います。【注意点3】毎月の返済額が高くなるかといって、返済期間を短くすれば毎月の返済額は割高になります。逆に言えば、ローンの返済額が高くなることによって支払いに支障をきたすようであれば、購入するマンションを見直すか、なんとか現在のローンを完済するなどの対応が必要ということです。例えばマンション購入時よりも世帯年収が増えているなど、経済的な余裕がある場合は返済額が増えても支払い自体には問題ないでしょう。ただし、支出が増えることは間違いないので、せっかくより良いマンションに住み替えたのに生活が苦しくなってしまった……という事態になっては本末転倒です。「買い替えローンがあるから大丈夫」と安易に買い替えを決めるのではなく、現在の家庭の経済状況を鑑みた慎重な資金計画を立てるようにしましょう。まとめ住み替えの際に、ローンを一括で完済できることに越したことはありませんが、必ずしも住宅の売却だけで賄えるとは限りません。住み替え住宅ローンは、そうした一人ひとりの状況に合わせて選べる選択肢のひとつ。住み替えで担保割れしてしまう場合は、一度検討してみると良いでしょう。まずはマンションの価格を無料査定してみる
2017年11月13日こんにちは、ママライターのましゅままです。住宅ローンの借り換えは、住宅ローンの返済をうまく減らしていくための重要な手段。しかし、せっかく借り換えをしたのに、やり方を間違ったために大きく損をしてしまった……なんてこともあるのです。今回は、住宅ローンの借り換えのポイントと注意点についてご紹介します。●住宅ローン借り換えポイント住宅ローンは以下の条件3つを満たす方に効果が出るといわれています。・新規借入との金利差が年1.0%以上・借入残存期間が10年以上・ローン残高が1,000万円以上現在は歴史的低金利となっており、必ずしも3つの条件を満たしていなければ損、というわけではないので、現在借りている金利より安いようなら検討の余地があります。まずは、借り換えることで経済効果がわかる、“借り換えシュミレーション”をしてみましょう。毎月の支払いが万単位で低くなり、総支払額が数百万単位で節約できる 効果が期待できることもあります。●住宅ローン借り換えの注意点3つ●(1)1つの債務に対して、債務残高が500万以上ないと借り換えられない銀行もあるペアローンで組まれている方は特に注意。銀行によっては、借り換えの際債務残高の上限を設けている ところがあるのです。たとえば、夫が債務残高500万・妻が300万という場合、妻の残高が500万に満たないため、借り換えを断られてしまう銀行が多くなってしまうのです。●(2)団信の補償は借入時より手厚く借り換えをするということは団信や火災保険もすべてリセットされることになります。当然健康状態は借入時よりも懸念材料が多くなり、疾病に対する現実味も増していますよね。金利ももちろん重要ですが、団信を借入時より手厚く、最低でも現状維持の条件 の銀行を選ぶようにしましょう。●(3)銀行のシュミレーションを鵜呑みにしない銀行は自分の銀行に借り入れをしてもらうために、借り入れ当初はとても安い金利を提示してきます。しかし、当初優遇が終わったのちは前の銀行のほうがお得な金利だった、なんて事態もありうるのです。とくに安い変動金利は、いつまでも続く保証はない ので、そのリスクも加味する必要があります。●住宅ローン借り換え体験談『ガン特約があった銀行から、金利の安さにひかれて借り換えをしましたが、借り換え先はガン特約がありませんでした。なのに、借り換え後に主人に悪性腫瘍が見つかり、ショックを受けました。借り入れ当初から20年経っていて、健康状態がまるで違う ということを思い知らされました』(50代/主婦)現在、金利はどこの銀行も安く、融資金利以外のメリットもよく検討する必要があります。また、現在借り入れている銀行に、安い他行へ借り換えるようとしていることを話し金利交渉をすると、借り換え先よりも優遇された条件に恵まれることもあるようです。『借り換える際、諸費用がいることはわかっていましたが、借り換え先の諸費用ばかり気にして、前の銀行にし支払う諸費用が盲点 でした。数万円程度ですが、完済手数料や抵当権抹消の手数料などです。購入の際同様に事前審査があり、提出する必要書類がとても多く疲れました』(40代/営業)借り換え先の銀行からは、前の銀行に支払う金額のことまでは説明してくれることは少ないので、忘れずに計算に入れておきましょう。また、単に借り換えと言っても、事前審査の手続きを踏んだのち、前の銀行のローンを借り換え先の融資でいったん全額返済するという流れをこなすので、たくさんの書類を用意し、記入し、いくつも印鑑を押す手間がかかります。『少しでも返済を楽にしようと、当初優遇金利の低さにひかれて、飛びつくように借り換えをしました。しかし、優遇金利の期間はごくわずか。それが終わると前の銀行のほうが返済額が安く済んだ 、ということが分かってしまいました』(30代/主婦)銀行の提示する当初優遇金利は、とても安く謳ってあっても、その期限が切れてからはどのように金利が上がるのか確認しておく必要があります。また、固定金利から安い変動金利に借り換えた場合、上がってしまった金利に備えられないという事態も考えられますので要注意です。●住宅ローンの借り換えは労力が必要いかがでしたか?住宅ローンの借り換えは多くの時間と労力を要します。そこまでしたのに「結局、総支払額は前のほうが少なく済んだ……」ということは防ぎたいですね。長い住宅ローンの返済は、少しでもラクにしたい!という心理が働くものですが、慎重にすすめるようにしましょう。【参考リンク】・住宅ローンの借換えをご検討のかたへ | 住信SBIネット銀行()●ライター/ましゅまま(ママライター)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年09月18日自分たちの理想の住宅を作りたいという方には、一から相談しながら作れる注文住宅が向いています。しかし住宅は人生で最も大きな買い物といっても過言ではありません。実際にどのくらいの値段がかかるのか、気になるところですよね。今回はそんな方向けに、注文住宅の費用感やローンの注意点などについて解説します。■注文住宅の費用の相場とは?「注文住宅には相場がない」とさえいわれます。これはフリーオーダーならではの特徴で、好きなだけこだわりを入れられるためです。営業担当者も顧客の要求がわからないうちは「ケースバイケースです」としかいえません。とはいえ、顧客は家づくりの専門家ではありません。「ケースバイケースです」といわれても「平均的にはどのくらいなのか」気になるところですよね。つまるところ知りたいのは「自分たちにとってベストなオーダーをした大多数の人たちの家は、どのくらいのお金がかかったのか」ということでしょう。【地域別・注文住宅に使っている費用】住宅金融支援機構が実施している調査「平成25年度フラット35利用者調査」によると、地域別の注文住宅費用は以下のようになっています。全国平均:(費用総額)32,450,000円(坪単価)362,000円首都圏:(費用総額)35,510,000円(坪単価)536,000円近畿圏:(費用総額)32,890,000円(坪単価)45,9000円東海圏:(費用総額)33,680,000円(坪単価)396,000円その他地域平均:(費用総額)30,320,000円(坪単価)281,000円抜きん出て高いのが東京都(費用総額38,930,000円、坪単価812,000円)です。敷地面積が狭いためと(全国平均のおよそ2分の1)、その一方で延べ床面積は全国平均とほぼ同等であることから、階数が増える傾向があるためと考えられます。さらに東京都は土地取得費用も全国一の高さで、2015年4月から2016年3月まで、土地の売買が行われた14件の平均取得費用は41,320,000円になります。最も低いのが鳥取県(費用総額26,490,000円、坪単価257,000円)です。東京都と比較すると、平均敷地面積は2.1倍、坪単価はおよそ3分の1です。最も坪単価が低いのは、愛媛県(費用総額28,720,000円、坪単価184,000円)でした。土地が広いのが特徴で、平均敷地面積は東京都と比較すると3.2倍、全国平均の1.74倍です。鳥取県と愛媛県では調査期間中に合わせて131件の事例がありましたが、土地の購入費用はすべて「ゼロ」つまり土地代がかかっていませんでした。【注文住宅の「値切り」は原則不可能!】建売住宅と違って、注文住宅は基本的に「値引き」はできません!もし見積もりを見て「高いかも…」と感じるのであれば「何を削るか」を考えます。大抵の場合、工数や材料費を落とすことになるでしょう。特注をやめて標準仕様の中から選択するか、建材や壁紙のグレードアップを諦めるといった方法もあります。具体例としては、以下のようなコストカット案が挙げられます。・玄関前の植栽や敷石の種類を変更する(50,000円~)・寝室の床材は節有にする(100,000円~)・壁面作り付けの収納を諦める(200,000円~)・廊下を天然無垢材からフローリング材にする(300,000円~)・お風呂を在来工法のフルオーダーからセミオーダーのシステムバスにする(500,000円~)変更前後のグレードによって、調整される価格は大きく変動します。しかし唯一確実にいえるのは「安くなるのには必ず明確な理由がある」ということ。価格を調整するときは、仕様と見積もりをよく読んで、理解した上で計画を進めましょう。ちなみに「なぜ建売住宅は値引きが可能か」というと、入居者が決まっていない完成済み物件はハウスメーカーの「在庫」になっているためです。企業は一刻も早く在庫を現金化して次の商売に投資したいと考えています。売れないまま古くなっていく物件は放っておくとどんどん価値が落ちてしまうため、ある程度値引きをしても手放したい商品というわけです。一方で注文住宅は極端な話、お金で揉めたら工事をストップすることさえありえます。職人はいつでも「よい仕事」としたいと考えているものですが、それは仕事に対して正当な評価と対価をくれる人に対しての話。技能に払うお金を渋るお客様にはシビアです。■住宅ローンは間に合わない!注文住宅のローンの流れとタイミングとは?注文住宅は契約から入居まで、数ヶ月から数年単位の時間がかかります。そこで気になってくるのが「住宅ローンのタイミング」つまり「いつお金が必要になり、その借り入れや返済の準備はいつから始めるべきか」という点です。【注文住宅のローンは完成後にしか借りられない】住宅ローンは住宅の抵当権を担保にして借り入れます。ローンが返済できない状態が続くと、抵当権が実行され、住宅が競売にかけられます。そして売却したお金で借金の返済をするという仕組み。いわゆる「借金のかたに家をとられる」という状況です。金融機関ではローンの申し込みをうけると担保があるかを確認し、それが審査に通って、初めてお金を貸し出してくれます。つまり住宅ローンは、完成済みの住宅がないと借り入れることができないということです。注文住宅の場合、住宅ローンの借り入れをうけられるのは、物件が完成し、引き渡しが終わったあとということになります。【資金は住宅完成前から必要】しかし注文住宅を建てるときは、契約や着工の時点である程度の金額を支払う必要があります。具体例として、よくあるパターンを紹介します。・土地契約時に、土地の手付金(10%)を支払う・建築契約時に、建物の手付金(10%)を支払う・土地の決済(土地代の90%を支払う)・住宅の着工時に20%の手付金を支払う・上棟の時点で建物金額の30%を支払う・引き渡しのときに残金精算(建物金額の50%やその他諸費用を支払う)例えば土地代10,000,000円、建物20,000,000円の注文住宅を購入する場合、住宅ローンを使った支払いができるのは、住宅が完成してローンの本審査を通ったあと、最後の「引き渡し」のときになります。しかし実際は住宅ローンを組む前に、土地代や建築の中間費用として20,000,000円の資金が必要になるのです。すべて自己資金で支払いができる人であれば問題ありません。しかしそこまで潤沢な余剰金を持っていない人にとっては、土地や住宅の購入が決まってから、実際に担保となる建物が完成して住宅ローンの融資をうけるまでの間に必要となる資金を、どこからか調達する必要が出てきます。そこでよく利用されるのが、住宅の担保なしで借り入れができる「つなぎ融資」です。【つなぎ融資とは】つなぎ融資とは住宅ローンで返済することを前提にした融資です。住宅の契約から実際の引き渡しの期間に限ってうけることができます。住宅ローンと違って担保が不要で、融資期間中に支払うのは利息分のみ。顧客にとっては多額の中間費用を貯めなくとも家を建てることを可能にする嬉しい仕組みです。【つなぎ融資を利用した住宅ローンの流れ】つなぎ融資を利用した場合、住宅ローンの流れは、以下のようになります。1、土地を決める(土地を購入する場合はローンを組んで購入)2、注文住宅を建てる業者を決め、契約を結ぶ3、相談しながら家の設計をする4、家の間取りや形、仕様が決まったら住宅ローンとつなぎ融資を申し込む(土地のローンと同じ金融会社)5、つなぎ融資で住宅完成前に必要なお金を支払う6、工事開始(工事中に請求される金額も、つなぎ融資で支払う)7、住宅が完成する8、完成した住宅を担保に住宅ローンの審査が行われる9、審査通過後、住宅ローン開始10、住宅ローンでつなぎ融資の返済をしていく(元金のみ)11、つなぎ融資を完済したら、残った住宅ローンの返済をする上記は土地がない場合の流れです。すでに持っている土地に住宅を建てる場合、土地の部分は省きます。【つなぎ融資の注意点】つなぎ融資は、住宅ローンよりも金利が高く設定されています。現在住宅ローンの金利は非常に低く、変動金利で0.6%、35年間の固定金利でも1%程度です(2017年4月時点)。一方でつなぎ融資の金利はおおむね3%前後です。上記の具体例であった20,000,000円を金利3%のつなぎ融資で調達し180日間借りると、精算のときには利息分がおよそ300,000円になります。なお同額の20,000,000円を金利1%、35年返済の住宅ローンで借り入れた場合、180日間で支払う金利はおよそ53,000円です。実際の計算方法はもう少し複雑で、単純に比較することはできません。しかしわずかな金利の違が大きな差になることはわかってもらえるでしょう。またつなぎ融資と住宅ローンは、基本的に同じ金融機関で申し込みます。そのためつなぎ融資を取り扱っている金融機関を選ばなければなりません。もし土地を購入する際にもローンが必要なら、土地のためのローンを借りるのも同じ金融機関である必要があります。さらにつなぎ融資は住宅ローンとは違うローンなので、申込事務手数料や印紙代は別にかかります。【つなぎ融資不要の住宅ローンもある】一部の金融機関が提携している金融商品に、住宅の完成前にローンを組めるものがあります。銀行と消費者の間を取り持つサービスで、銀行に対しては「住宅の完成を保証」し、消費者に対しては「住宅の完成前に金利の低い住宅ローンを利用する」ことを可能にしたものです。利用のための手数料がかかり、提携する銀行を探す必要がありますが、つなぎ融資による日割りの利息よりも安く済む場合が多く、一考の価値があります。また物件の完成前に分割して融資をうけられる「分割実行」が可能な住宅ローンも存在します。これは一部の金融機関が取り扱っているサービスで、住宅の完成前から住宅ローンの低金利が適用されます。審査基準は厳しく、提出資料も多いため消費者の負担は増えますが、分割実行によってつなぎ融資を不要にできれば、数十万円単位での節約が可能になります。■まとめ注文住宅は考えることも決めることも非常に多く、労力のかかる一大事業です。しかし自分にとって最高の家を建てられたときの感動と愛着は素晴らしいものになるでしょう。後悔や不満の残らない家づくりのために、注文住宅の特徴やお金について理解を深め、計画的に建築を進めましょう。
2017年05月12日車両盗難や車上荒らしなど、車を狙った被害は後を絶ちません。このような被害では貴重品や車が盗まれるだけでなく、ローンだけが手元に残ってしまったり、盗まれた運転免許証やクレジットカードを悪用されたりなど、さらに被害が拡大する可能性もあります。今回は近年の車を狙った被害について、狙われやすい車種や被害件数の多い場所、時間帯など様々な観点からご紹介します。ご自身が被害者にならないためにもぜひ参考にしてみてください。車両盗難被害の多い車種は?被害に遭いやすい車種には傾向があります。以下では、2014年に盗難被害件数の多かった車種のワーストランキングを見てみましょう。【ワースト1位】トヨタハイエース2014年時点で7年連続のワースト1位は、海外で人気の高いハイエースでした。海外の窃盗団による被害が非常に多く、盗難されたハイエースが海外現地でバスとして使用されていることも少なくありません。【ワースト2位】トヨタプリウスハイエースと並んで盗難被害の定番になっているのが、プリウスです。近年はハイブリットカーやコンパクトカーの人気が高まり、ランキング翌年の2015年には1位のハイエースの盗難被害件数を上回りました。【ワースト3位】トヨタランドクルーザーこちらも海外で非常に人気の高い車種で、これまでに何度もワースト1位を記録しています。高級車でもあるため、十分な防犯対策が必要な車です。【ワースト4位】トヨタセルシオ現在は販売が終了していますが、人気が衰える様子はなく未だ盗難被害が頻発している車種です。【ワースト5位】トヨタクラウン知名度の高さからも人気をうかがうことができます。盗難件数が毎年比較的多く、今後も被害が高いと予想されている車種です。上記のランキングを見て、盗難被害は圧倒的にトヨタメーカーが多いことにお気づきでしょうか?トヨタは特に海外で人気が高く、ランキング6位以降にも「マークX」や「ハリアー」などトヨタ車の名前が挙がっています。そのほか、「スバルインプレッサ」「いすゞエルフ」「ホンダインテグラ」も盗難件数が多く、「インプレッサ」は車体だけではなくパーツが狙われることもあるほど人気があります。ただし、上記のランキングにご自分の車種が無かったからと言って油断は禁物です。ハイブリットカーやコンパクトカーをはじめ、軽自動車やミニバンの盗難被害も近年は増えつつあるので、車種に関わらず防犯対策はしっかりと行いましょう。愛車が盗まれるかも?!車両盗難の手口を知ろう車両盗難は、無施錠などによって車の鍵を挿した状態で盗まれる「キーつき盗難」と、鍵を抜いて施錠した状態で盗まれる「キーなし盗難」に分けられます。盗難の被害に遭う車のうち半数以上が「キーなし盗難」とされており、その被害件数は年々増加傾向にあります。犯行はグループで行われていることが多く、盗難の計画から実行、盗難後の車体修理や改造、転売まで多くの段階を踏んでいます。盗難車はナンバープレートを替えたり、車体番号や車検証を偽造したりして国内で転売されることも多いようですが、海外への不正輸出も増えています。では、キーなし盗難には具体的にどのような手口が見られるのでしょうか?以下で詳しく見てみましょう。【手口その1】持ち逃げクレーン車やレッカー車などで狙った車を吊り上げ、移動するという非常に大胆な手口です。この手口は、防犯装置が備わった車に使用されるケースが多くなっています。【手口その2】ピッキングドアのキーシリンダーに金属でできた特殊なヘラのようなものを2本差し込み、開錠する手口です。さらに特殊な工具を使えばエンジンを作動させることもできるので、車の鍵が無くても持ち去ることが可能です。同じ手口でターゲットの玄関を開錠して侵入し、あらかじめ車の鍵を盗んでおく場合もあります。【手口その3】合鍵を作成トランクに備わっているキーシリンダーを取り外し、それを利用して合鍵を作る手口です。別の場所に合鍵を作りに行く方法が主流ですが、その場で合鍵を作って車を盗み出すケースもあります。上記のような車両盗難を防ぐためには、「イモビライザー」の装備がおすすめです。イモビライザーとは、車の鍵に内蔵されたIDと車体内部のコンピューターが一致することでエンジンが作動する仕組みです。電子的な照合が必要なので、たとえ不正に車のドアを開けることができても、正しいIDが内蔵された鍵が無い限りエンジンはかかりません。そのため、車両盗難の防止装置として非常に安全性が高いと評価されています。これまでは、高級車やスポーツカー以外は後付けタイプを購入するのが一般的でしたが、最近では新車の約7割がイモビライザーを標準装備しています。しかし、近年では上記でご紹介した持ち逃げによる犯行や、イモビライザーの機能を無効にする「イモビカッター」を使用した犯行もあるため、イモビライザーを装備しているからといって過信してはいけません。GPS機能の搭載や防犯カメラの設置など、防犯対策は常に怠らないようにしましょう。車上荒らしの傾向を知ろう近年の車上荒らしの発生件数は、2004年が約440,000件だったのに対し、2015年は約97,000件と4分の1近く減少しています。この数字は社会全体での防犯意識が高まったことを表しています。主な要因としては街に防犯カメラが増えたことや、車の持ち主による防犯対策が挙げられます。また、2006年の道路交通法改正によって、路上などの違法駐車に対する取り締まりが強化され、路上での犯行が減ったことも大きく影響していると言えるでしょう。しかし、被害件数が減少しているとは言え、車上荒らしの被害は毎日のように全国各地で報告されています。そのような被害の傾向を知ることも防犯対策のひとつではないでしょうか?そこで、近年に発生した車上荒らしの被害について様々な傾向を見てみましょう。【車上荒らしの多い都道府県】2015年の車上荒らし被害のうち最も件数の多かったのは大阪府で、被害件数は約17,000件でした。次いで被害が約9,000件の愛知県、約7,000件の東京都と続きますが、この2つと比べても大阪府の被害件数の多さがうかがえます。反対に同年の被害件数が最も少なかったのは、被害が約180件の島根県でした。【車上荒らしに狙われやすい場所】車上荒らしの被害が多かった場所は、「自宅以外の駐車場」「自宅の駐車場」「道路上」の3ヶ所でした。中でも、長時間側を離れることが多い飲食店など、店舗の駐車場での被害が多く、同じ理由で屋外にある月極の駐車場でも被害が目立ちました。また、魚釣りやサーフィンの盛んな場所では、路上に停めた車に貴重品などを置いたまま海辺へ移動してしまい、被害に遭う方が多いようです。「ここは安全」「自分は大丈夫」と油断せず、狙われるかもしれないという意識をいつも持っておいた方が良いでしょう。【車上荒らしで盗まれやすい物】盗難の被害に遭ったものとして、金銭や携帯電話、カバンなどの貴重品をイメージされる方が多いのではないでしょうか?ところが2015年に起きた車上荒らしの報告では、最も多く盗まれたものはタイヤやドアミラー、バンパーなどの「外装部品」でした。外装部品は高く売れるため、転売目的で盗まれることが多いようです。金銭類などと違って犯行に時間を要する場合が多いため、駐車場に防犯カメラやライトを設置しておくと防ぎやすくなるでしょう。【車上荒らしに狙われやすい時間帯】被害に遭う時間帯は0~6時が約1,600件、6~12時が約3,200件、12~18時が約5,500件、そして18~0時が約4,400件であるのに対し、時間帯が不明というものが約98,000件もありました。「朝仕事に行こうとしたら車上荒らしの被害に気がついた」「被害には気がついたけれど、いつ被害に遭ったか分からない」など、明確な犯行時間が分からないケースは多く見られます。長時間車から離れた場合には、乗車時にいつもと変わった所がないか、無くなったものはないかなど異変をチェックすることが大切です。【車上荒らしの曜日別発生件数】2014年の被害報告をもとに、車上荒らしの被害を曜日別に見てみましょう。・月曜日…約6,400件・火曜日…約6,400件・水曜日…約7,000件・木曜日…約6,600件・金曜日…約6,500件・土曜日…約7,000件・日曜日…約7,000件曜日による件数の差はあまり無いように思えますが、実は「被害に遭った曜日が分からない」といった被害が約66,000件もあります。時間帯より大きな単位であるにも関わらず、なぜいつ車上荒らしの被害に遭ったのか分からないのでしょうか?それは犯行の手口が関係しています。車両盗難と同じく、車上荒らしの手口もとても巧妙です。窓ガラスが割られたり、ドアを壊したりなどして被害に遭った場合には早い段階で被害に気付くことができますが、ピッキングや合鍵による被害の場合は数日経って初めて異変に気付くこともあります。特にトランクやダッシュボードなど、あまり開閉しない場所が荒らされていたために発見が遅れ、いつ被害に遭ったのか分からないという方は多く見られます。防犯対策のポイントを押さえよう大切な愛車を被害から守るためには、徹底した防犯対策が重要です。防犯が習慣になるよう、日頃から意識しておくようにしましょう。以下では、車上荒らしに遭わないための対策をご紹介していきます。【対策その1】確実に施錠をする施錠は防犯の基本です。車を離れる時にはキーを抜いてハンドルロックやドアロックをするのはもちろん、窓も完全に閉めましょう。コンビニなど車を離れるのが短時間の場合には、つい油断をして無施錠のまま店に入ってしまう方も見られますが、車上荒らし犯はどこでチャンスを狙っているか分かりません。少しの隙が被害の原因になってしまうかもしれないので、気をつけましょう。【対策その2】車内に貴重品を置かない短時間だからといって、車内に現金やカバン、パソコンなどの貴重品を置いたまま離れるのは危険なので止めましょう。また、金品でなくても個人情報が記載された書類なども要注意です。【対策その3】防犯グッズを活用する次はホームセンターやインターネット通販などで手に入る、便利な防犯グッズをご紹介します。・ロック(ハンドル/タイヤ)安い費用で防犯対策になるのが、ハンドルやタイヤのロックです。防犯対策をしていることが見た目で分かるので犯罪の抑止力になります。ハンドルロックは3,000円程度、タイヤロックは10,000円程度で購入できます。・防犯カメラ駐車場に防犯カメラを設置する方法も効果があります。犯罪の防止になるだけでなく、万が一被害に遭ってしまった場合にも、犯人や車の早期発見につながる可能性が高まります。無線LANで映像をパソコンやスマートフォンに送って確認できるタイプもあり、7,000円程度で購入できます。防犯性に優れていますが電源の確保が必要なので、駐車場によっては設置が難しい場合があります。カメラの設置が難しい場合には、ダミーカメラや「防犯カメラ作動中」などのシールによる警告も効果的です。ダミーカメラは2,000円程度で販売しています。・防犯アラーム車の振動やドアを開けられた時などに大きな音が鳴る防犯アラームは、相手を威嚇するという面でとても効果があります。車両盗難はもちろん車上荒らしの対策としても使え、費用も3,000円程度と安く抑えられるのでおすすめです。【対策その4】スペアキーを置かないスペアキーをバンパーの裏やダッシュボードなどに隠す方も見られますが、車上荒らしだけでなく車両盗難につながる可能性もあるので、この行為は非常に危険です。スペアキーは自宅に保管しておきましょう。【対策その5】安全な駐車場を選ぶできるだけ防犯カメラのある駐車場や、警備員のいる安全な駐車場を選びましょう。長時間車を離れる時には路上駐車もリスクになります。自宅のガレージにはライトを付けるのも良いでしょう。ホームセンターなどでは、1,000~5,000円程度で購入できるものもあります。【対策その6】防犯情報の配信メールを活用する各都道府県警が配信している防犯情報メールの配信サービスに登録をしておくと、住んでいる地域の犯罪情報や防犯情報などをメールで受け取ることができます。各都道府県警のホームページから簡単に登録できるので、積極的に活用してみましょう。まとめいかがでしたか?どれだけしっかりと防犯対策をしていても、被害に遭ってしまう可能性はゼロではありません。もしもの事態に備え、車のナンバーや車台番号、車種、車の特徴をすぐに伝えられるよう手元に控えておいたり、車検証のコピーを取っておいたりすると良いでしょう。大切な愛車を守るために、できることから始めることが大切です。
2017年03月30日住宅ローンの借入を検討している人であれば、「団信」あるいは「団体信用生命保険」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。団信とはどのような生命保険なのでしょうか。またどのようなことに注意すればいいのでしょうか。今回は住宅ローンと深いかかわりのある団信について解説します。■団体信用生命保険とは?団体信用生命保険、通称「団信」は、住宅ローンの返済中に、ローンの契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を支払う制度です。民間金融機関の多くは、団信の加入を住宅ローン借入の条件としています。団信の加入が住宅ローン借入の条件である場合は、保険料は金利に含まれることが一般的です。保険料として、0.3%程度金利が上乗せされます。掛け金が安く、また年齢によって保険料が変わらない点が特徴です。ただし、別途保険料を支払う必要のある金融機関もあるため、よく確認しましょう。たとえばフラット35の場合は、住宅ローンの返済額とは別に保険料を年に一度支払います。保険料はローン残高によって決まり、10,000,000円あたり年間36,000円の割合で計算される仕組みです。したがって、繰り上げ返済をして元金が減れば、団信の保険料も下がります。さらに早期にローンを完済した場合には、支払い済み保険料のうちで未経過の保障月数があれば、払い戻しがある点も特徴です。なお団信の保険料は保険金の受取人が金融機関であるため、生命保険料控除の対象にはなりません。年末調整や確定申告の際には申告できませんので注意しましょう。【団信に加入できる条件】団信に加入できるための条件には、「満15歳以上満70歳未満であること」および「生命保険会社の加入承諾があること」が挙げられます。「生命保険会社の加入承諾」は、契約者の健康状態が良好であるかによって可否が決まります。病気をしていて通院、投薬をしている場合は団信に加入できないことがあります。たとえば高血圧症やがん、糖尿病といった生活習慣病にかかっていると団信に加入できない可能性が濃厚です。またうつ病といった精神疾患についても、通院中・投薬中の場合は団信加入の支障になります。【ワイド団信】もし健康上の理由から通常の団信に加入できない場合には、引受基準が緩和された「ワイド団信」に申し込んでみるのも手です。金利が0.2~0.3%程度高くなりますが、加入できる場合があります。ワイド団信の告知項目は通常の団信とほぼ同じです。「3か月以内に医師の診察を受けていないか」、「3年以内に2週間以上の治療をしていないか」、「障害はないか」といったことを問われます。「一般の団信に比べてこの程度入りやすい」というはっきりとした基準はありませんが、引受範囲が広いため通りやすいという認識を持っていてよいでしょう。ワイド団信は、年齢制限が50歳までと狭まっている点が特徴です。条件が合えば活用してみるとよいでしょう。【団信と連帯債務者の関係】夫婦共働き世帯や親子で住宅ローンを借りる際は、ローン契約の仕方と団信の入り方に注意が必要です。夫と妻、または親と子がそれぞれ住宅ローンを借り、それぞれが団信に加入した場合は、たとえば夫に万が一のことがあった場合、夫の分のローンは団信で完済されますが、妻の分のローンは残ってしまいます。親子の場合も同様です。夫または妻がローンを借り、もう片方が連帯債務者となって、主債務者のみ団信に加入している場合は、主債務者に万が一のことがあった場合は、住宅ローンは団信で完済されますが、連帯債務者に万が一のことがあっても住宅ローンはそのまま残ります。親子の場合も同様のことがいえます。以上2つのケースでは、収入合算などをして多めのローンを組んでいる場合、片方の収入がなくなるとローンの返済が苦しくなったり、生活が圧迫されたりする可能性があります。共働き世帯でローンを組む際のリスクとして認識しておきましょう。夫婦共働き世帯でローンを組み、団信に加入する場合のリスクについては、フラット35を借入れ、機構団信の「デュエット(夫婦連生団信)」に加入することで対処可能です。この場合だと、主債務者・連帯債務者のいずれかに万が一のことがあった際には、不動産の持分や返済額にかかわらず、住宅ローンがすべて相殺されます。ただし、保険料は単独加入の約1.56倍になる点は留意しておきましょう。以上2つのケースでは、収入合算などをして多めのローンを組んでいる場合、片方の収入がなくなるとローンの返済が苦しくなったり、生活が圧迫されたりする可能性があります。共働き世帯でローンを組む際のリスクとして認識しておきましょう。【他の生命保険との兼ね合い】すでに他の生命保険に加入している場合は、そのなかに住宅資金の保障額が含まれているかどうかをチェックしましょう。もし含まれている場合は保障が重複していることになります。住宅ローンの借入を機に、生命保険の見直しも行っておいてください。■就業不能状態になった場合はどうする?団信で気をつけるポイント冒頭で述べたとおり、住宅ローンの契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合は、団信が支払われてローンは完済になります。ただしその他の理由で長期間働けない状態になった場合には、団信は支払われません。就業不能状態にあっても住宅ローンを返済し続けなければならない点に注意が必要です。以下で、就業不能状態になった場合の住宅ローン対策についてご紹介しましょう。【疾病特約付きの団信】最近では、通常の団信の保障に加え、特定の疾病に対する特約付きの団信も多く出ています。たとえば、三大疾病保障は「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」になった場合、住宅ローンの残高を団信が支払ってくれるものです。ほかにも七大疾病特約や11大疾病特約といったものがあります。保険金の支払いについてはいくつかのパターンがあります。ひとつは、指定の病気になったらすぐに保険金が支払われ、住宅ローンが完済されるものです。一方、一定期間は毎月のローン返済額分だけ保険金が支払われ、その状態が続いたらローン残高が清算されるものもあります。なお一般の生命保険とは違い、あくまでローン残高を支払ってもらえる制度ですから、入院や手術の際に保険金は出ません。一般の生命保険・医療保険における補償内容との違いをはっきりさせておきましょう。【傷病手当金】協会けんぽや共済組合の加入者であれば、病気やケガで仕事を4日以上休んでいる場合に、傷病手当金を受け取れます。生活費を工面しつつローンを返済するのに役立つでしょう。傷病手当金の受取額は、以下のように計算します。1日当たりの金額=(支給開始日の以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額)÷30日×3分の2なおひとつの病気やケガについての傷病手当金支給期間は、支給を開始した日から最長1年6か月間です。やや期間が短い点には注意しておくべきでしょう。【債務返済支援保険】債務返済支援保険とは、病気やケガのため長期間就業不能状態になった場合、住宅ローンの契約者を被保険者として、一定期間、契約で定められた金額を補償する制度です。保険契約者は銀行などの金融機関、被保険者は住宅ローンの契約者であり、団体契約であることから、保険料が割安になっています。なお、「就業不能状態」とは入院の場合だけでなく、医師の指示による自宅療養の場合も指します。債務返済支援保険は、一般的に保険の対象外となる免責期間が30日程度設定されています。したがって保険金が支払われるのは、就業不能状態になってから30日を過ぎたあとです。支払われる保険金の額は、契約時に被保険者が設定し、それによって月々の保険料も変わってきます。なお団信の疾病特約とは違い、保険金はローンの返済以外の生活費などにあてても問題ありません。債務返済支援保険は住宅ローン加入時だけでなく、返済の途中でも加入が可能です。健康であることが必須ですが、家計が落ち着いてから加入を検討してもよいでしょう。【就業不能保険】一般の保険会社が展開している就業不能保険も、傷病による就業困難状態に備える対策として有効です。就業不能保険における就業不能状態については、入院または自宅療養している期間の指定などが保険会社によって異なります。よくチェックしてから加入するようにしましょう。就業不能保険の特徴は、最長支払期間が65歳までとなっていることが一般的です。最長支払期間が2年程度の所得補償保険よりも支払期間が大幅に長い点がポイントだといえるでしょう。就業不能保険では、60日程度の支払対象外期間ののち、保険金の支払いが開始されます。保険金の額は契約時に設定しましょう。返済額が増えた場合にも備えて保険金を設定しておくのがおすすめです。■住宅ローンを団信なしで借りる方法はある?健康状態などが理由で、団信に加入できないこともあるかと思います。その場合にも住宅ローンは借りられるのでしょうか。以下で、団信なしで住宅ローンを借りる方法とその注意点をご紹介します。【フラット35など】一部の民間金融機関とフラット35では、団信への加入が任意となっています。つまり加入が必須条件ではないということです。フラット35には、団信加入が不要であるほかにも、借入者の勤続年数などが問われなかったり、年収が低めでも借りやすかったりするという特徴があります。また借入に際して保証人および保証料は必要ありません。ただし、一般的な住宅ローンよりも担保評価が厳しくなっています。建物の土台・基礎の安全性や住宅の耐久性といった、住宅金融支援機構の技術基準をクリアしなければなりません。フラット35を借入れることを検討する場合は、購入を予定している物件が技術基準を満たすかどうか、不動産業者や施工業者に確認しておきましょう。なおフラット35の技術基準に加え、耐震性や省エネルギー性などにすぐれた住宅を購入する場合には、「フラット35S」が利用できます。一定期間フラット35の金利を引き下げられるため、基準をクリアできそうな場合は活用してみるとよいでしょう。【団信に加入しない場合の注意点】団信に加入しない場合は、万が一のことがあっても、住宅ローンは相殺されない点には注意しておきましょう。ローン契約者が死亡または高度障害になった場合にも、住宅ローン遺族が返済し続けなければなりません。団信に加入しない場合に、万が一に備えるための対策としては、まず加入済みの生命保険が十分あるかを確認することが必要です。万が一のことがあった場合も、生命保険の保険金で住宅ローンを返済できるでしょう。団信なしで住宅ローンを借りる場合は、どれだけの保険があるかを確認してから申し込むようにしてください。また返済にあてられる貯蓄をしておく必要もあるでしょう。さらに世帯で収入を増やせるよう考えておくことも必要です。このような対策に加え、誰が責任を持って返済の継続を行うのかといったこともはっきりさせておくべきでしょう。■まとめ今回は、住宅ローンを借入する際に加入が条件となっていることの多い団体信用生命保険(団信)について解説しました。いかがでしたか。団信は加入できないこともありますし、また加入してもすべてをカバーしてくれるわけではありません。今回ご紹介した内容を参考に、団信にきちんと入れるかどうか、団信がカバーしてくれない部分にどう備えるか、また団信には入れなかった場合はどうするかといったことを考えて、住宅ローンの借入に臨んでください。
2017年03月16日