同じ疾患だとしても出てくる症状には、個人差があります。症状がない場合でも、定期的に検査を受けることで早期発見につながるかもしれません。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。33歳/栄養士Aさんの場合……32歳に受けた子宮頸がん検診で、自覚症状は全くありませんでしたが「要精密検査」と結果が出ました。かかりつけの婦人科で触診やHPV検査を受け、HPVは陽性、その後のコルポスコピー検査の結果と合わせ子宮頚部高度異形成の可能性があると医師から伝えられました。今後手術が必要となる可能性が高いとのことで総合病院への転院を指示され、そちらで再度触診、コルポスコピー検査を受けた結果、正式に子宮頚部高度異形成と診断され手術を受けることになりました。どんな治療を受けましたか?2泊3日の入院で子宮頚部円錐切除術を受けました。入院前に血液検査をはじめとした術前検査を一通り受けてから入院する流れでした。1日目はとくに行動制限はなく、2日目は朝食と昼食のみ絶食で午前中に手術しましたが、静脈麻酔で1時間もかかりませんでした。術後は出血と生理痛程度の下腹部の痛みのみで、食事は夕食から再開。翌日に異常はなかったため退院しましたが、大事をとって2週間程度仕事は休み、自宅でゆっくり過ごしました。世の女性陣へ伝えたいことは?私が受けた手術では、切除した細胞を検査し異形成部分を切除しきれているか、どこまで進行していたかを診るのがセットでした。手術を無事終えても最後的な結果を聞くまで気が気じゃなかったです。将来子どもを持つ意思がなくても選択肢を断たれるとなると、やはり辛いものがあります。多くの方は2年に1度子宮頸がん検診を受けていると思いますが、毎年受けて損はないと思います。定期的に自分の体と向き合おう自覚症状がないまま、子宮頚部高度異形成だと診断されたAさん。自覚症状が出た時点で症状が進んでしまっている場合があるので、定期的に検診を受けて自分の体と向き合ってみてくださいね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。不安なときは必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)公式Instagram公式TikTok
2023年05月31日婦人科疾患の症状には個人差があります。なかには自覚症状が全くなく、検診などで初めて判明する場合も……。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修医:新見正則新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。最新刊『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』はAmazonでベストセラーに。Dさんの場合……行政の子宮がん検診で腫瘍があると言われたのがきっかけです。後日改めて病院で検査を受けた結果、チョコレート嚢腫と診断されました。私自身、健康体でなにも症状がなかったので驚きました。どんな治療を受けましたか?手術の可能性も考慮して、大きな総合病院に行きました。先生からはピルをすすめられましたが抵抗があったため、経過観察で大きさなどを診てもらっていました。そして十数年経ち、無事腫瘍が全てなくなっていました。現在は年に1回、子宮頸がん検査で腫瘍がないかチェックしてもらっています。世の女性陣へ伝えたいことは?今回の疾患の原因として、不規則な生活をしていたのでストレス過多もあったと思います。健康でいなくてはいけないと思い、自分の生活スタイルに合った仕事に転職しました。それが良かったのかわかりませんが、腫瘍がなくなったときは嬉しかったです。早期発見のためにも健康チェックを欠かさずに自覚症状がないまま、子宮がん検診をきっかけにチョコレート嚢腫があることが判明したDさん。Dさんは行政の子宮がん検診で疾患が見つかりましたが、定期的な検診は病の発見に欠かせないと言えるでしょう。時には自分の体と向き合い、不安なことや気になる症状などがあれば早めに病院を受診してみてくださいね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:新見正則医院院長、新見正則※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。不安なときは必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年05月26日生理痛は、多くの女性が経験したことのある症状です。しかし、以前よりも強く痛むようになったら、不安になってしまいますよね。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修医:新見正則新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。最新刊『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』はAmazonでベストセラーに。Gさんの場合……20代後半から急に生理痛がひどくなり、私生活に支障が出るほど痛くて動けませんでした。何件か産婦人科に受診しましたが原因は分からず、ピルで対処していました。その後、妊娠の可能性があったので産婦人科へ行ったところ、子宮内膜症と診断されました。どんな治療を受けましたか?私の場合は、妊娠したことで生理をなくせたことが効果的な治療になり、出産後の検診では腫れは引いていました。1年経った今でも生理痛はありません。先生によるとピルを飲んでいたことが良かったんだろうと言われました。世の女性陣へ伝えたいことは?おかしいと思ったら、すぐ婦人科を受診してください。その時分からなくても、数年経って「あの時治療受けていれば……」と後悔してほしくないので。※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのも良いので、検討してみてください。つらい症状は我慢せずに病院へひどい生理痛の原因は、子宮内膜症だったというGさん。Gさんはピルを服用していたことで良い方向に向かったようですが、生活に支障が出るほどの症状は何かの疾患が原因である場合もあります。つらい症状があるのなら、我慢せずに婦人科を受診してみてくださいね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:新見正則医院院長、新見正則※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。不安なときは必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年05月26日婦人科疾患となると、何らかの症状が出るとイメージされている方は多いでしょう。一方、症状がない状態で疾患が判明する場合もあります。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修医:新見正則新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。最新刊『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』はAmazonでベストセラーに。Eさんの場合……子宮筋腫と判明しました。妊活のため排卵のタイミングを診てもらいたいと思い婦人科を訪れたのがきっかけです。自覚症状は全くありませんでした。確かに生理は周期が長く、不順気味ではありましたが、鎮痛剤を飲むほどの生理痛はここ何年なかったのでびっくりしました。どんな治療を受けましたか?私の場合、できたのは豆つぶ程度の小さな子宮筋腫でした。これくらいならすぐ摘出する必要はないとのことで、特別な治療はしていないです。痛みや出血などの症状もないので、今も普通に過ごしています。世の女性陣へ伝えたいことは?人によって、摘出する必要がある場合とそうでない場合があると思います。どちらにせよ、定期的に検診を受ける必要があると改めて実感しました。自分の体の変化に気づこう自覚症状のない段階で子宮筋腫だと判明したEさん。Eさんは妊活がきっかけで早期発見できましたが、病に早く気づくためにも検診は欠かせないと言えるでしょう。ぜひ定期的に検診を受け、自分の体と向き合う時間を作ってみては。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:新見正則医院院長、新見正則※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。不安なときは必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年05月25日同じ疾患でも、症状には個人差があります。なかには、自覚症状のないまま進行してしまう場合も。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。主婦Aさんの場合……子宮筋腫と診断されたことがあります。自覚症状は全くなく、子宮がん検診を受けた時に「筋腫があるね」と言われて初めて気づきました。どんな治療を受けましたか?検診の時に紹介状を出され、1番大きい病院に行きました。現在は3ヶ月に1回診察を受けて経過観察しているところです。先生は女性の先生の方が受診しやすいですが、男性の先生でも良い先生もたくさんおり、相性が大事だと思います。世の女性陣へ伝えたいことは?自覚症状がなくても健診は必ず行った方が良いです。婦人科の診察は、内診、がん検査、超音波検査があります。会社の健診や人間ドックなどは内診とがん検査しか行わないことがほとんどです。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などは超音波検査を行わないと分かりません。私の場合、たまたま分かりましたが、自覚症状が全く無くても症状が進行している場合があります。血液検査で「貧血がある」「月経痛が強い」「月経量が多い」「腹部の違和感がある」ような場合はきちんと婦人科を受診することをお勧めします。定期的な検診を受けよう子宮がん検診で、子宮筋腫だと判明したAさん。Aさんは自覚症状がないまま発見されましたが、自分の体を定期的にチェックする機会を持つことは大切かもしれません。忙しい生活を送っている方も多いでしょうが、年に1度は定期検診を受けてみてください。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:ひなたクリニック院長、三橋 裕一※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年05月10日婦人科系疾患の症状としては、生理痛などが挙げられます。一方で、自覚症状があまりなく、病院へ行った時に疾患が明らかになることも。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。※この記事は実話を元に作成されていますが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修産婦人科医:つづきレディスクリニック院長、吉岡範人。1978年生まれ。2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。16年間の医局勤務中、約2年間ブリティッシュコロンビア大学へ留学しがん研究に従事。2019年につづきレディスクリニックの院長に就任。現在は産婦人科×医療脱毛で産婦人科における医療脱毛、産婦人科×訪問診療で女性がん患者さんに特化した訪問診療、産婦人科×スポーツ医学で女性スポーツ選手のサポートなどで活躍。さらに産婦人科医としてフェムテックの業界にも参入中。フリーターDさんの場合……19歳のころ生理痛がひどくなり病院へ行ったところ、皮様嚢腫が見つかりました。症状はなく、「少し痛みが軽くなれば」と思い近くのクリニックでの診察。その後、総合病院に紹介され、詳しく精密検査した結果、親指の第一関節ほどの腫瘍があり、最終的に握りこぶし2つ分の大きさまで成長しました。それでも痛みなどの症状はなかったです。どんな治療を受けましたか?手術で取り除くしかなく、予約の空きが出るまでは定期検診を受けていました。人によっては腫瘍が茎捻転を起こして緊急手術する方もいるみたいですが、私の場合幸いそのようなことはなく無事腫瘍を摘出できました。婦人科は妊婦の他に婦人系の病気の方もたくさんいるので待ち時間が長めです。また大きい病院は紹介状が必須なところも多いので、入り口はクリニックでも大丈夫です。世の女性陣へ伝えたいことは?皮様嚢腫など卵巣に関する病気は症状がないことがほとんどで、「秘密の臓器」と呼ばれています。妊娠や生理痛で受診をして発覚するケースが多く、私もその1人でした。しかし、必ず治りますし、再発率も非常に低い病気です。私も経験して以来定期検診のみですが、4年経った今も健康に過ごせています。自覚症状のない疾患もある生理痛で婦人科を受診したところ、たまたま皮様嚢腫であることがわかったDさん。Dさんは偶然発見されて手術を受けることができましたが、症状がなかなか出ない疾患があることも覚えておいた方が良いでしょう。自覚症状のない病気を早期発見して治療を受けるためにも、健康診断を定期的に受けておくと安心かもしれませんね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:つづきレディスクリニック院長、吉岡範人※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年05月06日指定難病とは?種類は?どんな疾患が指定されている?厚生労働省は治療が確立されていないなど、一定の条件を満たした疾患を「難病」としています。さらにそのなかで、患者数が少ないなどプラスの要件を満たす疾患を「指定難病」としています。難病と指定難病にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの条件を比べることで、難病と指定難病の違いを確認していきましょう。難病の条件・治療法が確立されていない・発症の構造が明らかではない・希少な疾患である・長期の療養を必要とする指定難病の条件上記、難病の4つの条件に加えて以下の2つの条件が加わります。・患者数が一定の人数に達しないこと(現在の基準は、18万人未満あるいは人口の0.142%未満となっている)・客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している日本の難病政策は1965年ごろから始まりました。その発端となったのが「スモン(亜急性脊髄視神経症)」という疾患です。スモンは原因不明の奇病と社会問題になり、「難病」という言葉が社会に認知されるようになりました。1972年には政府が難病対策要綱を策定。難病は以下のように定義されています。(1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病(2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病引用:難病とは |厚生労働省政府は難病政策として「調査研究の推進」「医療施設の整備」「医療費の自己負担の解消」の3つを掲げ、研究などによる疾患の解明はもちろん、診療整備、医療費を公費負担なども目指すことになったのです。当時調査研究の対象だったのは、スモンを含む8疾患のみでした。しかし、その後疾患の数は増え続け、56疾患が特定疾患治療研究事業(医療費助成事業)の対象となったのです。2011年には対象患者数はおよそ78万人に。予算は400億円を超えました。その後、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が2014年に成立しました。これは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革推進に関する法律として成立したものです。その1年後、2015年に施行され、治療費の公費負担は都道府県と国が半分ずつ負担することになりました。特定疾患は、指定難病へと名称が変わり、その数は2015年から2018年で56疾患から331疾患にまで拡大したのです。2023年3月現在は338の疾患が認定されています。現在指定難病に認定されているのは338の疾患です。そのうち、患者数が多い上位5位の指定難病は以下の通り。それぞれの症状を紹介します。・潰瘍性大腸炎持続する血便、下痢、腹痛があり、発熱や体重減少、貧血などを起こすこともあります。・パーキンソン病ふるえや動作緩慢、筋固縮、転びやすいなど、体の動きに障害があらわれます。・全身性エリテマトーデス本来体を守る免疫系が自分自身を攻撃することで発熱、関節炎、湿疹などが起こります。・クローン病口から肛門までの全消化器管で炎症が起こり、下痢や腹痛、発熱、貧血、体重減少などを引き起こします。・後縦靱帯骨化症下肢の脱力やしびれなどが起き、重症になると歩行困難などの症状も出現します。指定難病医療費助成制度とは?限度額はある?助成内容、対象者、申請手続きなど指定難病医療費助成制度は、指定された疾患の医療費の自己負担分の一部を公費で負担するものです。その内容や対象となる費用、また申請手続きなどを紹介します。指定難病医療費助成制度は、指定された医療機関で行う医療費のみに適用されるものです。対象になるのは指定難病治療にかかった費用のみ。指定難病以外の疾患、たとえば風邪などの治療にかかった医療費は助成の対象にはなりません。対象となる費用・指定医療機関で難病の治療(保険診療)にかかった窓口での自己負担額・薬局(指定医療機関)での保険調剤の自己負担額・訪問看護事業者(訪問看護ステーション)を利用したときの利用者負担額など対象とならない費用・認定された難病以外の病気の医療費・指定医療機関以外の医療機関で受けた治療の医療費・入院時の食費、差額ベッド代など指定難病医療費助成制度を使う場合の医療費の自己負担上限額は、最低2,500円から最高30,000円です。全ての人が同一の限度額というわけではなく、加入している健康保険の世帯単位の市区町村民税の課税状況や申請の時期によりそれぞれ違いが発生します。ただし、人工呼吸器などの装着者の自己負担上限額は1,000円です。Upload By 発達障害のキホンまた、長い期間に渡って高額な医療必要な患者には、軽減された負担上限額が設定されています。指定難病の医療費が総額5万円を超える月が申請日の月以前の12ヶ月で既に6回以上ある患者が対象です。指定難病医療費助成制度を利用するには、以下の必要な書類を揃えて都道府県・指定都市に申請します。受付窓口は、都道府県によって異なる場合がありますので、事前の確認が必要です。Upload By 発達障害のキホン提出した書類を基に都道府県・指定都市による審査が行われるのです。症状の程度が認定基準に該当するとき、認定基準には該当しない場合でも、高額な医療の継続が必要と認められた場合に支給が認定されます。その後、特定医療費(指定難病)受給者証が交付されるという流れです。申請から医療受給者証の交付までは3ヶ月ほど。その間に指定医療機関でかかった医療費は、医療受給者証が交付された後で払戻し請求をすることができます。指定難病医療費助成制度について、よくある疑問を専門家に聞いてみました指定難病医療費助成制度について解説してきましたが、「より詳しいことを知りたい」「まだよく分からないことがある」という方も少なくないのではないでしょうか。今回は指定難病医療費助成制度についてよくある疑問を専門家に質問してみました。Q&A形式でその内容を紹介します。Q:指定難病医療費助成制度と小児慢性特定疾患の医療費助成制度の違いや関連を教えてください指定難病医療費助成制度は、「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づいて実施されていますが、小児の場合は、「児童福祉法」に基づいて小児慢性特定疾病の医療費助成制度が施行されています。Upload By 発達障害のキホンQ:小児慢性特定疾患は788疾患が対象ですが、指定難病医療費助成制度は338疾患です。小児のは助成対象でも、大人になって助成対象ではなくなってしまった場合、医療費の負担が大きくなってしまわないのか不安です。また、難病がありながら働けるのかも心配です。サポート体制などはあるのでしょうか指定難病のある方でも働いている方は多く、ハローワークなどで職業相談と職業紹介を実施しています。それぞれの症状や障害の特性に応じたきめ細やかな対応はもちろん、福祉や教育関連機関と連携したチーム支援により、就職の準備段階から職場定着までを一貫してサポートしています。そのほか、療養生活、日常生活の不安や相談がある場合には各都道府県にある「都道府県・指定都市難病相談支援センター」に相談をしてみましょう。参考:都道府県・指定都市難病相談支援センター一覧|難病情報センターじっくり相談に乗ってほしい、時間をかけて就職の準備を進めたいという方のために、ハローワークの障害者専門援助窓口に「難病患者就職サポーター」を配置。難病患者の就職準備のサポートはもちろん、就職した後に難病を発症した患者の総合的な就職支援なども行っています。また、地域障害者職業センターにおける職業リハビリテーションや障害に応じた委託訓練を行う機関も。希望する方は都道府県の窓口にお問合せください。まとめ今回は、「指定難病医療費助成制度」をさまざまな視点から紹介しました。難病に罹患すると、その症状に苦しむだけではなく、治療費などの負担も重くのしかかります。しかし、指定難病医療費助成制度の存在でその負担の一部が軽減され、自分の体や治療に向き合うことができるようになったという患者も多いはずです。該当するかもしれないという方は、都道府県・指定都市への申請のためにまずは主治医や、窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
2023年03月31日ご自身や家族が精神疾患かな?と思ったらUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン診察はどのように行われるの?精神疾患とは、なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。もしご自身や家族が精神疾患の症状が出ていたら専門機関の受診をおすすめします。診察では、医師はまず患者本人およびその家族から、主訴(何に困っているのか)、現病歴(いつからどのような症状があり今に至っているのか)、既往歴(以前かかっていた病気のこと)、家族歴(家族の精神疾患、ないし同じ症状の人がいるか)、生活史、家庭環境や職場環境などを聞き出します。次に、集めた情報や診察室で観察される症状、さらには病院によっては検査結果などから、総合的に診断を決めていきます。おおむね以上のような流れで進みますが、医師により異なる手順をとる場合もあります。各診療科の特徴精神疾患をみる診療科は精神科や精神神経科、心療内科や神経内科など、かなり名称にばらつきがあります。精神科と心療内科の診察の対象となる病気は、現時点では明確な区別はありません。ただ、心療内科には「内科」とついていることからも分かるように「身体症状」に対する対症療法などの経験が豊富な医師が多いようです。精神科、精神神経科、神経科は、名前が異なりますが診ているのは精神科医です。精神症状なら精神科医の方が経験豊富ですが、医師の資質・経験の差が大きい場合もあるので、自身にあった医師を見つけることが重要です。心療内科は、心理的な問題が原因で、頭痛、倦怠感、不眠、胃潰瘍などの身体的な症状が出ている場合(いわゆる心身症)を対象としています。神経内科(脳神経内科)は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を主な対象としています。認知症やてんかんなどは精神科だけでなく神経内科(脳神経内科)でも診ています。一般的には看板ごとに以上のような住み分けがされていますが、診療科名からどのような病気を対象としているのか確かめにくいこともあるので、あらかじめ電話やホームページで確認するとよいでしょう。どの科においても薬の「飲み心地」などについて話し合えるのが、「良医」であることの1つの指針となります。不安なことや、悩みがある場合、気軽に相談できる病院を選べるとよいでしょう。精神疾患の治療法精神疾患の治療法は、大きく分けて身体的治療と心理的治療の2つに分かれます。以下、それぞれについて紹介いたします。代表的なものが、薬物を用いた薬物療法です。他に、高照度光刺激療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう)などの身体に物理的に働きかける療法もあります。身体療法とは対照的に、心理的な手段を用いて患者の心身に働きかけるもので、さまざまな理論・アプローチがあります。たとえば、認知に働きかけて気持ちを楽にする「認知行動療法」、精神分析を基本として、患者の問題や時間、場所などの条件にあわせて行う「精神分析的心理療法」、重要な他者との関係を見つめ、その対処法を見つけていく「対人関係療法」などが代表的です。医療機関で精神科医が行う面接や心理的治療を「精神療法」、心理士が行うセラピーを「心理療法」と呼ぶことが一般的です。まとめ精神疾患の経過は人によってさまざまです。今はネットなどでいろいろな情報を調べることは出来ますが、悲観的になりすぎないことが必要です。ご自身が精神的な不調に長らく苦しまれているのなら、少し勇気をだして一度医療機関を受診することをおすすめします。自分だけでは分からなかった解決策が見えてくるかもしれません。また、家族がこころの不調で悩んでいると、周りの人、とりわけご家族は責任感を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、精神疾患の原因は複合的なもので、決して一つではありません。たとえ家庭内に少し問題があったとしても、それだけが唯一の原因ではないのです。ご自身を責め過ぎず、疲れを感じた場合は休むことも必要です。一人で抱え込まないためにも、医療機関や福祉サービス、家族会などに救いの手を求めましょう。
2022年10月16日精神疾患とは?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン精神疾患とは、なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。この意味合いで、一般に「心の病」や「精神病」「精神障害」などと呼ばれるものを、より医学的に言い表すときに使われることが多い用語です。ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。精神疾患の症状は?精神疾患の症状にはさまざまな種類がありますが、そのほとんどは精神疾患でない一般の人でも経験するよくあるものです。ちょっとした気分の落ち込みや漠然とした不安感を経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?疾患であるかどうか医師の診断によって決まるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。また疾患名ごとにそれぞれの度合いや組み合わせは異なります。以下において、精神疾患の代表的な症状の一部を紹介します。症状それ自体は健康な人にも生じうるものであって、これがあるから精神疾患だ、ということではありません。あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。・抑うつ気分:憂鬱・むなしい・もの悲しいなどの気持ちになり、気力がでない状態。・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的だが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類がある。・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくい。・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態。・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうこと。精神疾患の原因は?遺伝との関係はあるの?原因の一つとして挙げられるのが「本人の特性と環境のミスマッチ」です。精神疾患の成り立ちを説明するモデルとして、ほとんどの精神疾患にあてはまるといわれているのが、ストレス脆弱(ぜいじゃく)性モデルです。すなわち「その人が元来もっている病気へのなりやすさ(脆弱性)と、病気の発症を促す要因(ストレス)の組み合わせにより、精神疾患は発症する」という仮説です。ここでいう脆弱性とは、遺伝などの先天的な要素と、どのような環境でどのように対応してきたかという後天的な要素により決まるといわれています。一方、ストレスには家庭や職場、学校における人間関係といった日常的なものだけでなく、戦争、災害、家族の死などがありますが、個人により何にどの程度ストレスを感じるかは異なります。思春期という、身体が急激に変化する時期は思春期であること自体がストレスの要因にもなりえます。同じストレスを受けた場合でも、精神疾患を発症する人としない人がいるのは、その人がもつストレスへの脆弱性が低いか高いかによると考えられます。・遺伝のしくみ遺伝には、親から病気の遺伝子を受け継ぐ場合と、親から正常な遺伝子を受け継ぎながら子どもの代で遺伝子に変異が起こる場合(突然変異)があり大きく3つに分かれます。・メンデルの遺伝法則に従って遺伝する単一の遺伝子の異常・複数の遺伝子が作用した上に環境要因も加わり発症する多因子遺伝・突然変異によるもの精神疾患のなかでも遺伝が関与するもののほとんどは、多因子遺伝によるものと考えられています。言い換えれば、特定の病気を引き起こす遺伝子というものはなく、誰もが持っている複数の遺伝子の組み合わせにより、脆弱性が左右されるということです。・遺伝だけが発症を左右するわけではない脆弱性(病気のなりやすさ)には遺伝も関係しますが、環境も大きな要因の一つです。精神疾患のなかでも遺伝の影響が強いとされる統合失調症でさえ、遺伝だけが発症の原因というわけではありません。実際、双生児を対象にして、「一方が統合失調症を発症した場合にもう一方が発症する確率」を調べた研究では、遺伝子が完全に一致する一卵性双生児でも48%、遺伝子が通常のきょうだいと同じ程度に異なる二卵性双生児の場合は17%という結果が出ています。この結果は、遺伝の影響だけが発症原因ではないことを意味すると同時に、その人を取り囲む環境が発症に関係する場合もあることを示しています。参考:6.社会と精神医学|日本医学会 100 周年記念シンポジウム原因探しは必ずしも解決につながらない自分の病気の原因を探し求めても、解決につながるとは限りません。仮に、遺伝や、親の育て方などの環境が関与していることが分かったとしても、そもそも一つないし少数の要因だけで病気が発症するわけではありません。目立つ要因があったとしても、必ずそれ以外にもいくつもの要因が病気の発症には関与しているものです。まして、その要因が今更変えられないものであるなら、そこにとらわれていても解決にはつながらないのです。過去ではなく未来に向かい、今何ができるのかを考えることが必要なのではないでしょうか。
2022年10月15日《チョコレートを食べると、心臓疾患の発症リスクが低下する》先日、そんな興味深い調査結果がヨーロッパの学会誌で発表された。アメリカで行われたこの調査は、33万6,289人を約9年間にわたって追跡し、チョコレートの摂取頻度が週1回未満の人と週1回以上の人を比べて、冠動脈疾患の発症リスクを観察したもの。その結果、週1回以上のグループのほうがリスクが8%低かったという。冠動脈疾患は、心筋梗塞や狭心症などを招く重篤なもの。私たちが大好きなおやつがそんな疾患の予防につながるなんて!「健康のためにチョコレートを食べることは、私も日ごろから患者さんにおすすめしています。今回の調査では、チョコレートが心疾患の予防になるということが改めて立証された形です」こう話すのは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長だ。チョコレートの原料となるカカオには、ポリフェノール、ナトリウム、カリウム、食物繊維などの栄養が豊富に含まれている。「主な働きに、血圧を安定させる、血糖値や中性脂肪を下げる効果、血管をしなやかにする作用、脳の活性化、抗ウイルス、歯周病予防、リラックス効果などが挙げられます」(栗原院長・以下同)チョコレートの働きについては、これまで国内でも「蒲郡スタディ」と呼ばれる愛知県で行われた大規模研究がある。「蒲郡スタディでは、前述のようなチョコレートのさまざまな効果がわかりましたが、中でも抗酸化作用は、疾患の多くに関係する『酸化ストレス』を下げる働きがあり、それが動脈硬化の予防につながることがわかっています。この調査結果は今回のアメリカの研究とも符合します」意外なほど有能なチョコレート。主な成分には、ポリフェノール、テオブロミン、カカオプロテイン、食物繊維がある。ポリフェノールの含有量は、赤ワインやりんごと比べてもじつに豊富だ。「カカオに含まれるポリフェノールの一種であるカカオポリフェノールは、血圧降下、血糖値の改善、動脈硬化予防が期待されています。テオブロミンにはリラックス効果、血管拡張作用があり、カカオプロテインは腸内環境を整え、便秘の改善を助けてくれます。食物繊維は整腸作用があり、それによる免疫力向上の働きが期待されます」「女性自身」2020年12月22日号 掲載
2020年12月28日「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患を抱えて生まれたお子さんを持つママの体験談をお届けする連載企画です。横隔膜ヘルニアとは、本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。おなかの子が横隔膜ヘルニアであると診断された妊娠中から出産までのできごとやママが感じた不安、生まれたお子さんの様子やその後の治療についてご紹介していきます。 3人目の子を妊娠していたとき、私はおなかの子に「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患があることを告げられました。ショックだったものの、その場ではそれほどうろたえることがなく、冷静に対応して看護師さんに驚かれたのを覚えています。今回はそんな私の当時の心境や、落ち込まずにいられた理由をご紹介します。 上の子の世話で精一杯息子の横隔膜ヘルニアが指摘された妊娠28週目の健診のとき、私は当時未就園児だった上の子2人をつれて病院に来ていました。病気を確認するための念入りなエコーや、転院の手続きなどで待ち時間が長かったため、上の子たちはかなり機嫌が悪く、私は正直その対応でいっぱいいっぱい……。 あまりおなかの子のことを考えると、帰りの運転もおぼつかない気がしたので、なるべく考えないようにして帰路につきました。 うれしかった夫の言葉家について、私は仕事中の夫に今日の健診についてLINEを送りました。すぐに夫から電話がかかってきて、詳しく説明していきます。病名は横隔膜ヘルニア、県立こども病院へ転院になること、そして、医師の態度から察するに軽い病気ではないことを伝えました。 夫は一つひとつ冷静に受け止めてくれて、「とりあえず健診の日は全部有給休暇をとる」という現実的な対応策だけを言ってきました。励ますでも慰めるでもないこの態度は、複雑な心境だった私にとって本当にありがたかったです 自分の病弱だった経験が強みに横隔膜ヘルニアである息子は設備の整っている県立こども病院で出産することになったのですが、実は私も子ども時代、難病指定の病気になって他県のこども病院に入院していました。 それ以外にも喘息やアレルギーなど常に何かしらの体調不良と共に大人になった私にとって、病気は絶望するものではなく、向き合って一緒に暮らしていくものという認識があります。病弱な自分だからこそ、すぐにおなかの子の病気と向き合う覚悟ができました。 検索魔になった私だったけどそれ以降、時間ができたらおなかの子の病気について調べるようになりました。しかし、病気に関する情報は少なく、次第に私が調べるのは一時保育やファミサポといった方面に。これがかえってよかったのだと思います。 一時保育やファミサポの手続きなどでおなかの子の病気について話すと、頭の中がどんどん整理されていきます。ひとりで抱え込まず、いろいろな人に話を聞いてもらえたことで、落ち着いた状態で残りの妊娠期間を過ごすことができました。 妊娠中期におなかの子の病気がわかり、うつうつとした妊娠期間になるかと思いきや、上の子の世話など良い意味で忙しく、病気のことを考え過ぎずに済みました。出産後は凄まじいストレスだったので、妊娠中を穏やかに過ごして心身ともに力を温存しておけたのはつくづくよかったと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年08月17日全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルスは、基礎疾患のある人が感染すると重症化するリスクが高くなるといわれている。そんな中、希望をもたらすニュースが飛び込んできた。FOX Carolinaら複数メディアが、ある少年の母親が投稿したFacebookをもとに報じている。米テネシー州クラークヴィルに住むジョセフ・ボスティンくん(6)は、遺伝性の難病「嚢胞性線維症」を患っている。これは、肺や消化管に粘度の高い分泌物が溜まり、臓器の働きを妨げる疾病。アジア人の症例は少ないが、日本でも指定難病とされている。そんな病気と戦うジョセフくんが新型コロナウイルスに感染してしまったのは先月半ばのことだった。深刻な合併症を引き起こす可能性が高いため、母親のサブリナさんはFacebookに息子の病状を綴ってフォロワーに報告することにした。20日には「ジョセフがCOVID-19陽性と判定されてしまいました!熱と咳が出て倦怠感があるみたい。保健局に連絡したら1、2週間の自宅隔離をと言われました」。翌日には酸素吸入器を着けながらではあるものの、起き上がって勉強をしているジョセフくんの写真をFacebook上にシェア。その後、熱は上がったり下がったりを繰り返し、咳や頭痛は断続的に続いたようだが、27日には「今朝は熱もなく、笑顔で朝食を食べています!」、そして31日には「ほとんど以前と同じ生活に戻りました」と嬉しい報告が続いた。4月2日にはジョセフくん自身が、「ぼくは嚢胞性線維症の戦士!COVID-19を倒したよ!」と笑顔の”回復宣言”をFacebook上に投稿したビデオで見せている。コメント欄は祝福のメッセージが溢れている。
2020年04月06日「心臓疾患と脳血管疾患には、“突然”というイメージがありますが、じつは多くの場合、前兆ともいえるサインがあります。それが頭痛やめまい、いびき、夜中に何度も目が覚めるなどの症状です」そう教えてくれたのは、沖縄で“異色の歯科医”と呼ばれる宮城旺照先生。がんに次ぎ、日本人の死因の2位と4位を占めているのが、心臓疾患と脳血管疾患だ。「歯科医として歯のかみ合わせの不具合を治療・観察するうちに、睡眠中の歯の食いしばりなどによって“首がこる”と、首の左右両サイドにある血管(内頸静脈)が圧迫され、血液や脳脊髄液の循環障害が起こることがわかりました。この“循環の滞り”こそが、先ほど挙げた頭痛やめまい、不眠の原因となり、そのままの状態が続くと、脳梗塞や心臓発作、さらには脳の機能障害のひとつである認知症にも向かいやすくなるのです」(宮城先生・以下同)心臓と脳の疾患を引き起こす仕組みはこうだ。「かみ合わせが悪い」→「睡眠中に歯を食いしばる」→「首がこる」→「頭が後ろに反り返る」→「口が開きやすくなり、首の血管も圧迫される」→「いびきや無呼吸に陥る」→「心臓や脳の疾患につながる」。心臓と脳の疾患を防ぐためには、「首わしづかみ」が効果的だという。そのやり方は、左手を首の後ろにまわし、親指に力を入れて首をぐっと強めにつかむ。首の左側を刺激することで、血液や脳脊髄液の循環を促す。1回1分でいいので、気づいたらもむことを習慣づけよう。同様に右手で右側を刺激すれば、精神安定につながる。さらに「首わしづかみ」にプラスしたい、心臓と脳の疾患を防ぐ3つの習慣を宮城先生が解説。【1】ミネラル豊富な塩をしっかりとる「血圧を気にして過剰な減塩に走るのは、逆に危険。ミネラルやマグネシウム不足を招き、筋肉をケイレンさせてしまいます。特に足がつるのは、“次は心臓がつりますよ”という体からの警告であり、“塩をとりなさい”のサイン。ただし、化学的に作られたものは避け、海水から作られたミネラル分豊富な“いい塩”を選ぶことが大切です。足がつったら、塩小さじ1杯を溶かした塩水を、治まるまで毎日飲んでください」【2】点滴のようにつねに水を補給する「水分不足は、心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高める大きな要因に。市販の清涼飲料水(ペットボトルのお茶も含む)の多くは酸性なので尿として排出されやすく、やはり“水”で水分補給するのがベストです。じつは、のどがかわくのは、すでに体内の水分が不足しているサインで、危険な状態の一歩手前です。そうなる前に、のどがかわいていなくてもこまめ(理想は30分間隔)に水を飲み、水分補給を心がけましょう」【3】あごを引いた状態で寝る「首こりが原因で、頭を反り返した状態で寝ている人は意外と多いもの。これでは首が圧迫され、睡眠中に排出される脳の老廃物がスムーズに流れにくくなるうえ、副交感神経のスイッチがうまく入らなくなり、睡眠障害を引き起こします。さらに、口がぽかんと開きやすくなり、口呼吸が進んで、感染症や無呼吸症候群にいたるケースも。寝る際はやや高めの枕で、あごをちょっと引いた姿勢を保てるようにしましょう」【番外編】飲むべき薬は頭痛薬「頭痛の際は、我慢せず薬を飲むほうが脳にとってはいいのです。頭痛薬には血管の拡張を阻害し、血液をサラサラに保つ成分が含まれているので、脳の血管内圧を下げる効果があります。これにより、脳出血を防ぐことができ、血液や脳脊髄液の循環もスムーズになるため、脳疾患のリスクも回避できるといえます」
2018年09月06日「ゴールデンウイークが終わり、『やる気が出ない。五月病では?』と不安な方もいるかもしれません。うつ病などの精神疾患が増加というニュースを耳にすると、なおさらでしょう。’14年、精神疾患の患者数は約392万人にのぼり、’99年の約204万人から、15年間で約2倍と急増しています(厚生労働省)」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。環境が変化して、がんばった人ほど五月病になるそう。そんな精神疾患の増加を受け、民間保険では心の病いと診断された際、一時金が支給されたり、入院や自宅療養期間の“働けないリスク”に備える商品が登場している。 民間保険を「あれば安心」と思う人もいるだろう。しかし、その前に抑えておきたい点があると荻原さんは言う。心の病いをカバーした保険を頼る前に抑えておくべきポイントを荻原さんが解説。 【1】公的支援を確認する 「まずは、公的支援を受けることが大前提です。精神疾患で通院を始めたら、『自立支援医療制度』が利用でき、精神疾患にかかる医療費が1割負担になります。通常3割負担の方は、医療費が3分の1で済みます。そのうえ、所得や病状による負担上限も決まっています。一般的な所得で長期療養が必要な方は、医療費負担は毎月1万円までに抑えられます」(荻原さん・以下同) この制度は仕事を続けながらメンタルクリニックに通院する人も利用できるので、主治医に相談を。 「加えて、会社員の方は『傷病手当金』の対象です。休業中は健康保険から、給料の約3分の2が、最長1年半支給されます。治療が長期化し重篤な場合は『障害年金』も申請できますし、『生活保護』という選択肢もあります」 【2】保険金受給の確率を考える 保険を検討するときは「もし病気になったら……」と悪いことばかり考えがち。しかし、病気になる可能性はどれくらいあるのだろうか。 「厚生労働省によると、精神疾患の患者は、人口10万人当たり412人。確率にすると、0.4%です(’14年)。自分が0.4%に該当するかは予測できませんが、人生には病気や事故、災害などのリスクと、老後資金が枯渇する『長生きリスク』もあります。たとえば、病気より老後資金が心配という方なら、『保険は最低限にして、なにより老後資金の貯蓄に励む。万が一の際は公的支援を受け、不足分は貯金を取り崩す』というのも、ひとつの考え方ではないかと思います」
2018年05月11日精神疾患とは?出典 : 精神疾患とは、広義に解釈すると、 なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。この記事では、こころや脳のはたらき、または発達の過程における問題により引き起こされる、思考、行動、感情のコントロールにおける医療の介入が必要な状態について、ひとまず「精神疾患」という言葉を用いて説明していきます。精神疾患についての詳しい定義やどのような種類があるかについては以下の記事をご覧ください。精神疾患の代表的な症状出典 : 精神疾患には様々な種類の疾患があり、疾患ごとに症状も大きく異なります。また症状の種類も多種多様です。とはいえ、抑うつや不安などに代表されるように、精神疾患の症状のほとんどは一般の人でも経験するよくあるものです。疾患であるかどうかを決めるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。しかし、精神疾患ごとに、それぞれ症状の組み合わせも程度も、判断の目安となる期間も異なります。以下において、精神疾患の代表的な症状を紹介いたしますが、あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。・抑うつ気分:つらい・悲しい・憂鬱・むなしいなどの気持ちになり、気力がでない状態です。・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的ですが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類があります。・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくいものです。・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態です。・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうことを指します。精神疾患をチェックする方法はあるの?出典 : 全ての精神疾患をご自身でチェックする方法はありませんが、うつ病などの個々の病気を評価する尺度はあるので、以下に紹介いたします。ここで注意していただきたいのは、以下に紹介するチェックリストは、何点以上なら病気であると判断するものではないということです。あくまでも、その傾向があるということを示すだけなので、チェック結果の意味づけについては医師と話し合う必要があります。チェックして少しでも不安に思った場合は結果をもって医療機関に相談しましょう。以下のリンクでは、厚生労働省がストレスチェックを実施する際に推奨する「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基づいて制作されたテストが簡単に行えます。職場でのストレスレベルを約5分程度で測定することができます。リンク:5分でできる職場のストレスセルフチェック|こころの耳HPCES-Dは一般人がご自身でのうつ病を発見する目的で米国国立精神保健研究所により開発された自己評価尺度です。質問項目は20問で所要時間は10-15分、対象年齢は15歳からとなっています。リンク:CES-Dによるうつ病症状の簡易チェック|せせらぎメンタルクリニックHP精神疾患かな?と思ったら、どの病院の何科に行けばいいの?出典 : まず患者本人およびその家族から、主訴(何に困っているのか)、現病歴、既往歴(以前かかっていた病気のこと)、家族歴、生活史、家庭環境や職場環境などを聞き出します。次に、集めた情報や診察室で観察される症状から、患者さんが伝統的精神疾患の分類のどれに属するのか総合的に診断を決めていきます。おおむね以上のような流れで進みますが、医師により異なる手順をとる場合もあります。精神疾患をみる診療科は精神科や精神神経科、心療内科や神経内科など、かなり名称にばらつきがあります。◇精神疾患が心配なら精神科、精神神経科、神経科これらの科は、名前が異なりますが診ている病気は精神疾患で共通しています。◇心理的な問題が関与している身体症状を解消したいなら心療内科心療内科は、心理的な問題が原因で、胃潰瘍などの身体的な症状が出ている場合(いわゆる心身症)を対象としています。とはいえ、軽いうつ病などの一部のこころの病気を診ている場合もあるので、もし通いたい心療内科がある場合は、事前に電話して、自分が抱える悩みが対象かどうか調べる必要があります。◇認知症やてんかんが疑われるなら神経内科も神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を主な対象としています。認知症やてんかんなどは精神科だけでなく神経内科でも診ています。一部の神経内科では、こころの病気を診ている場合もあるので、気になる場合は電話して聞いてみる必要があります。一般的には看板ごとに以上のような住み分けがされていますが、診療科名からどのような病気を対象としているのか確かめにくいこともあるので、あらかじめ電話やHPで確認するとよいでしょう。参考HP:医療機関の探し方、選び方|厚生労働省HP精神疾患かな?と思った時に、病院を選ぶポイント出典 : どの医療機関を受診するか迷ったときのポイントを紹介いたします。医療機関により、どのような病気を専門としているか異なるので、まず、その医療機関が何を専門としているのか調べる必要があります。以下のリンクでは診療科目や診療日、診療時間、どのような疾患を治療しているかなどの全国の医療機関の詳細を検索できます。是非ご活用ください。医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について|厚生労働省HP精神科医にも、統合失調症に詳しい医師や発達障害の治療に慣れている医師など、それぞれ得意分野があります。受診前に、電話やインターネットのHPなどで問い合わせたり、どのような分野を得意としている医師が在籍しているのか調べたりすることをおすすめします。医療機関の専門性の他に、どのような治療プログラムがあるのかも調べることをおすすめします。医師の診察とは別に、カウンセリング、作業療法、その他様々な治療プログラムを行っている場合があります。また、その医療機関がどのようなスタッフを配置しているのかも医療機関の性質を知る上で参考になります。カウンセリングを通じて心理的な問題を解決に導く臨床心理士 、デイケアなどで心身のリハビリテーションに携わる作業療法士 、言語機能の回復や発達に関わる言語聴覚士、これらの多職種や外部機関との連携をとり社会復帰をサポートする精神保健福祉士など、精神医療に携わる職種は多岐にわたります。自分やご家族には今後どのようなサポートが必要なのか見極め、状況にあった医療機関を選びましょう。作業療法士ってどんな仕事?|日本作業療法士協会HP精神疾患は通院治療が必要な期間が長くなることが多いので、通いやすさを十分考慮する必要があります。駅から遠かったり、受診可能な時間が自分の生活と合わなかったりすると、どうしても通いづらくて治療中断してしまう可能性もあるので、自分が通い続けられる場所かよく調べる必要があります。診察・治療を担当する医師との相性は特に大切です。実際に医師と話してみて、ご自身がどのように感じるのかで相性の良し悪しを判断しましょう。医師に対して不信感を持ったまま診療を続けるより、信頼関係を構築できる医師を見つける方が、治療もうまくいきます。どうしても相性が悪いなと思ったり、医師の説明に納得が行かない場合は、セカンドオピニオンを求めてみるのもひとつの方法です。その場合、紹介状は必ずしも必要ではありませんが、新たに受診してみようとする医療機関に対し、セカンドオピニオン目的での診察を受けてくれるかどうか予め尋ねた方が良いでしょう。最初にかかった医療機関に全てお任せするのではなく、 医療を使いこなすという姿勢 が大切です。どの病院のどの診療科に行けばいいのか迷ったり、そもそも受診すべきか迷ったりすることもあるのではないでしょうか?そんな時は、お近くの精神保健福祉センターや保健所に連絡すると、専門家が相談に乗ってくれますので、気兼ねなく連絡してみましょう。以下のリンクで、全国の精神保健福祉センター、保健所を検索できます。全国の精神保健福祉センター一覧|厚生労働省HP保健所一覧|全国保健所長会HP夜間休日精神科救急医療機関案内窓口|厚生労働省HP精神疾患の治療法出典 : 精神疾患の治療法は、大きく分けて身体的治療と心理的治療の2つに分かれます。以下、それぞれについて紹介いたします。代表的なものが、薬物を用いた薬物療法です。他に、高照度光刺激療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう)などの身体に物理的に働きかける療法を指します。身体療法とは対照的に、心理的な手段を用いて患者の心身に働きかけるもので、さまざまな理論・アプローチがあります。たとえば、行動をよりよい方向に改善していく行動療法、患者のかたよって硬直した思考パターンを変えていく認知療法、無意識の葛藤や防衛を分析していく精神分析療法、クライエントの訴えを受容することに徹する来談者中心療法などが代表的です。それらの技法をさまざまに取り入れた折衷的な方法が、日本における「カウンセリング」の主流となっています。その他にも自律訓練法、箱庭療法、遊戯療法、森田療法などがあります。医療機関で精神科医が行う面接や心理的治療を「精神療法」、心理士が行うセラピーを「心理療法」と呼ぶことが一般的です。参考:メンタルヘルス関係|こころの耳HP日本精神神経学会では、精神科の入院が適応となる状態を以下のように記しています。・幻覚妄想状態・著しい興奮状態・躁状態・重症な自殺念慮・長く続いている重症うつ状態などです。(引用:Q.入院が必要となるのは、どのような時でしょうか?|日本精神神経学会HP)入院した場合、身体的治療や狭義の心理的治療に加えて、生活、社会機能の改善を目的に、集団精神療法やレクリエーション療法、作業療法、家族への心理教育プログラムなどがおこなわれます。精神疾患に苦しむ人への対応の仕方出典 : こころの不調に悩む方と接するときに基本となるのは、 話を真摯に聞くことです。その人が今どんな気持ちでいるのか、何に悩んでいるのかじっくりと時間をかけて話を聞きます。自分の価値観を押し付けたり、否定したりせず、ただただ聞き手に徹します。こころの不調に悩んでいるときは、ただ自分の気持ちを聞いてもらい、共感してもらうことで、いくらかでも癒やされるものです。その際、気をつけるべきなのは、本人の苦しみを完全にわかっていると思い込んでしまうことです。本人が味わっている苦しみを、その人と全く同じように感じることは不可能です。「わたしはあなたのことをわかっている」という思い込みは、一方的な価値観の押し付けにつながりやすく、本人を傷つけてしまうこともあります。本人が抱えている問題を完全に理解することはできないことを心に留めつつ 回復してほしいと願っていること、そして、その人が悩んでいる問題は、その人自身の弱さや性格によるものではなく、もしかしたら医学的な問題であり専門家による治療が必要かもしれないこと を伝えます。適切な援助を受けることがどれほど有益なのか具体的に伝え、信頼できる支援者を探す手伝いをすることが大切です。精神疾患に苦しむ方が受けられる経済的な支援出典 : 精神疾患にかかった場合、障害者手帳の交付や医療費助成などの支援を受けられます。自立支援医療(精神通院医療)とは精神疾患がある方で、かつ、通院による継続的な治療が必要な場合、その通院医療にかかわる医療費負担が原則1割になる制度です。詳しくは、以下のリンクをご参照ください。自立支援医療(精神通院医療)について|厚生労働省HPこの制度は、負担の上限金額を超えた高額な医療費を支払った際に、その超過分の払い戻しを受けることのできる健康保険制度です。以下のハンドブックの12-15ページをご参照ください。精神障がい者と家族に役立つ社会資源ハンドブック|厚生労働省HP重度の心身の障害がある方が、保険証を使って病院に受診した場合、自己負担金が助成される制度です。各自治体ごとに、対象となる障害やその度合い、支援内容がかなり異なります。また、この助成を受けるにあたり注意点が2つあります。1点目は平成27年8月1日以降に新たに障害者の診断を受けた場合には、助成の対象とならないことです。2点目は、所得制限が定められているため、生計を同じくしている人の所得が一定額以上の場合には助成の対象外となることです。詳しくはお近くの市役所などにご相談ください。精神障害者保健福祉手帳を取得した場合、等級にもよりますが所得税や住民税、贈与税などの控除や生活保護の障害者加算、各種手当てが受けられます。詳しくは以下の記事をご参照ください。「障害年金」とは、障害によって生活の安定が損なわれないように、働く上で、あるいは日常生活を送る上で困難がある人に支払われる公的年金の総称です。障害年金の障害認定基準は障害者手帳の障害認定基準と異なります。そのため障害者手帳で1級でも、障害年金では異なる場合があります。詳しくは以下の記事をご参照ください。精神疾患に苦しむ方が受けられる生活面の支援出典 : その方が何らかの行動をする際に生じうる危険を回避するために必要な援護を行うサービスです。外出時における移動中の介護や排泄、食事などの介護、その他日常生活での行動の援助が行われます。精神障害による行動上著しい困難があり、常時介護を必要とする場合に利用できます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。参考:行動援護|独立行政法人福祉医療機構HP生活介護では、介護を常に必要としている方に対し、入浴や排泄、食事などの日常生活の援助や、創作的活動や生産活動の機会の提供、各種相談などを、主に日中において行います。参考:生活介護|独立行政法人福祉医療機構HP家庭など、居住している場所にホームヘルパーを呼び、食事や入浴、その他日常生活の援助を受けることができます。利用対象者は、原則として精神障害者保健福祉手帳の保持者、あるいは障害者年金を受けている方で、かつ、日常生活に支障がある人です。施設入所支援では、主として夜間において、食事や排泄などの日常生活の援助や相談が行われます。日中の訓練などサービスも同じ施設で行われます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。障害福祉サービスの内容|厚生労働省HP共同生活援助とは主に夜間において少人数での共同生活を援助するサービスです。個別の支援計画を立てた上で、相談や入浴、排泄などの日常生活の援助を行います。詳しくは以下のサイトをご参照ください。共同生活援助|独立行政法人福祉医療機構HP在宅の精神障害者を対象に、介護者の事情で一時的に介護困難の場合利用することができます。夜間を含め施設で、入浴や食事などの日常生活の援助が行われます。利用が可能な期間は基本的に7日以内で、事情がある場合は必要最小限の範囲で延長可能です。グループホームなどの夜間のサービスは、自立訓練や就労移行支援、地域活動支援センターなどの昼間のサービスと組み合わせて利用するのが一般的です。精神科訪問看護/精神科デイ・ケア(通院以外の治療)出典 : いずれも在宅での生活を支えるサービスで、上記の自立支援医療(精神科通院医療)の対象です。自宅などの居住している場所で保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士などにより行われる療養上の世話または必要な診療の補助を行うことを指します。具体的には病状の観察と情報収集や日常生活の維持、対人、家族関係の調整や精神症状の悪化の予防、社会資源活用の補助等が行われます。詳細は以下のリンクでご確認ください。参考:訪問看護について|厚生労働省HP精神科デイ・ケアは、社会で生活するために必要な能力の回復を目的として、グループでの治療をおこなうものです。利用時間や利用開始時間に応じてデイ・ケア、ショート・ケア、ナイト・ケア、デイ・ナイトケアなどの種類があります。統合失調症やうつ病などの疾患別プログラムや、高齢者や思春期、青年期などの年代別プログラム、家事能力や復職支援などの目的別プログラムなど、様々な内容があります。施設により内容が異なります。保健所や精神保健福祉センターで行っている場合は費用はかかりませんが、医療機関の場合はかかります。とはいえ、自立支援医療(精神通院医療)を利用すれば、自己負担額は減ります。参考:精神科デイ・ケア等について|厚生労働省HP精神疾患に苦しむ方が受けられる社会復帰の支援出典 : 地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上などのため、一定の支援が必要な方を対象に、入浴・排泄・食事などの日常生活を営むために必要な訓練や相談などの支援を行います。たとえば、入所施設を退所した方や病院を退院した方、特別支援学校を卒業した方などが例に挙げられます。自立訓練(生活訓練)対象者のうち、就労移行訓練などの日中のサービスを利用している方が対象です。地域での生活に向けて一定期間、住まいの場を提供して帰宅後における生活能力などの維持・向上のための訓練その他支援を行います。一般企業などへ就職を希望する方に、一定期間就労に必要な知識及び能力の向上のための訓練を行います。詳しくは、以下の記事をご参照ください。一般企業などでの就労が難しい人に働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のための必要な訓練を行います。雇用型のA型と、非雇用型のB型があります。創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流などを行う通所施設です。まとめ出典 : 精神疾患の症状ははっきり目に見えるものではありません。症状のつらさだけでなく、周囲の方からの理解を得ることができずにつらい思いをされている方も多いのではないでしょうか?もし、長らく精神の不調に苦しまれているのなら、一度医療機関や相談機関に話を聞きに行くことをおすすめします。自身にどのような傾向があるか知り、その対処法を知ることで、自分だけでは気づけなかった突破口が見つかるかもしれません。良い専門家に出会うかどうかで、生活が変わります。自分の苦しさを理解してくれる相性の良い専門家に出会うまで、諦めずに探してみることをおすすめします。難しいことですが、気長に少しずつ、出来ることから着実に、ときには人の手を借りながら問題を一つひとつ解決していく心持ちが必要なのかもしれません。こころの不調は回復に時間がかかることが多いので、支える側の負担も無視できないものとなります。本人と良好な関係を保ち、その方と共に生きていくためには一人で抱え込まないことが大切です。家庭の中だけで解決しようとせず、少し勇気を出して、医療機関や支援サービス、経済的支援や相談窓口などを積極的に活用することをおすすめします。
2017年05月18日質問:「内臓脂肪型肥満」と言われました。このままではいつか病気になってしまうのではと不安です。夫は元々太っていたのですが、先日「内臓脂肪型肥満」と言われました。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて落ちにくいと聞きますが、このままではいつか病気になってしまうのではと不安です。子どももまだ小さいですし、もっと自分の健康にも気を配ってほしいのですが、なかなか生活習慣を改善しません。運動するにも身体が重くて億劫らしく、あまり動かず悪循環です。何か良い方法はないでしょうか?山形県:うさぎからすさん(39)回答:「内臓脂肪型肥満」についてお答えします。――内臓脂肪型肥満は運動で!ご主人の肥満、内臓脂肪型肥満を指摘されたことに関するご相談ですね。確かに内臓脂肪型肥満は男性に多く、女性に多い皮下脂肪型肥満に比べて、より糖尿病や高血圧、脂質代謝異常症といった生活習慣病との関連が大きいといわれています。また、内臓脂肪は、すぐ身体につきやすい一方で、比較的落ちやすい脂肪であるともいわれています。とはいうものの、すでに肥満があると、おっしゃるように身体も重く、運動をするといってもなかなか続きませんよね。そのような方に、おすすめできるのが「水泳」です。水の浮力の関係で、ひざや腰にも負担がかかりにくいですし、全身運動という点からもおすすめできます。カロリー消費量も比較的多く、肥満がすでにある方のダイエット用のスポーツとしてはぴったりなのではないでしょうか。改めてスポーツクラブに入会するというのはちょっと気が引ける、という場合は、毎朝一駅分余分に歩く、エレベーターをできるだけ使わず階段を使う、週末のたびにお子さんを公園に連れていく、といった小さなことでも継続することで、長期的には活動性の上昇、ひいては減量につながります。<食生活の改善>また、脂肪を落とす上で運動と並んで大切なのは、やはり食事です。特に仕事をしている方の場合は、日中は忙しいので時間ができた時に外でカロリーを気にせず食事、夜も付き合いや接待のために脂っこいものを食べながら飲み会、といった方も少なくありません。そのような食生活だとどうしても痩せにくいのですが、職場の環境によっては参加しないと仕事がしにくい、という側面もあるかもしれません。そういった場合、夜に飲み会のある日は、せめてお昼は野菜を中心としたお弁当を自宅から持参するなど、可能であれば一日、難しければ一週間のなかで調整するようにしましょう。飲み会の翌朝の朝食をノンオイルドレッシングの野菜サラダや、根菜を多く入れた雑炊などにして調整しても良いかもしれません。こういったダイエットはすぐに結果が見えるものではありませんが、年単位で見れば確実に違ってきますので、生活習慣病を避けるためにも、少しずつ、できるところから地道にやっていくしかないのではないでしょうか。どうぞお大事に。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:高血圧で太り気味の夫、ストレスもあり心臓病になるのではないかと心配です。今までは気ままな専業主婦だったのですが、年末に主人が定年退職し、ハローワークに行く以外は一日中家にいるためストレスがたまるようになりました。高血圧の薬を服用していて、太り気味でもあるのでストレスが原因で心臓病になるのではないかと心配です。それに最近は頭痛がしたり、ふらついたりすることもあります。ストレスをためない方法や日常生活で気を付けることなどがありましたら、ぜひ教えてください。東京都:ゆうこさん(53)回答:ストレスと心臓疾患の関係についてお答えします。――ストレスによる自律神経の乱れ高血圧をお持ちで、ご主人が定年退職されてからの生活の変化によってストレスを感じていらっしゃる状態ということですね。おっしゃるように、ストレスと心臓疾患の間には深い関係があります。そのメカニズムとしては、人間が精神的・肉体的ストレスを受けるとその情報が大脳を通じて、視床下部と呼ばれる脳の部分に伝わり、交感神経と呼ばれる「身体を戦闘モードにする」神経が優位になります。その結果、動悸や、末梢血管がキュッと締まることによる血圧の上昇が起こります。普通の状態であれば、こういった交感神経の興奮が起こると、副交感神経と呼ばれる「身体を休息モードにする」神経が働いて、興奮を鎮めます。この副交感神経の働きにより、動悸は落ち着き、血圧も低下することになります。ただ、このストレスがずっと続いたり、とても強いストレスがかかったりした場合、この交感神経と副交感神経(合わせて自律神経と呼ばれます)のバランスが崩れ、交感神経が興奮した状態が続いてしまうことがあります。この交感神経による身体の戦闘モードが持続すると、心臓は興奮し続けることになり、余分な負担がかかります。心臓本体には病気がないにもかかわらず、動悸や胸の圧迫感や痛み、息切れがしたり不整脈が出たりする状態を「心臓神経症」と呼んでいます。<定期的な医師の診察も受けましょう>ご相談者さまのご質問にあった、ふらつきや頭痛も自律神経の乱れによって出ることがある症状ですので、現在の症状はやはりストレスによる部分が大きいのかもしれません。ただ、ストレスによる体調の変化かと思っていたら、実は身体の病気が隠れていた、ということもよくあることですので、この点は十分ご注意され、定期的に医師の診察を受けられることをおすすめします。また、日常生活での注意とストレスの解消法ということですが、まず十分な睡眠を取ること、脂質や糖質のとり過ぎを控えバランスのよい食生活を心がけることは大切です。アルコールやたばこは控えてください。ストレス解消法としては、気の合う友人と話したり、スポーツをしたりといったこともおすすめできます。特にスポーツは、少し体重も気になっているということですし、ご主人と離れて自分の時間を持つという意味でもよいでしょう。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:疲労感が抜けません。両親が高血圧、心臓弁膜症を患っているので不安になっています。ここ2~3カ月のことですが、疲労感が抜けません。身体が重たく、自宅の階段を上るだけで息が上がり、動悸がすることもあります。そのせいで外出もおっくうになり、家族にも迷惑をかけており、そんな自分が嫌になってきました。病院に行くほどではないと思うのですが、思い切って受診した方がいいのでしょうか?両親が高血圧、心臓弁膜症を患っているので、余計に不安になっています。神奈川県:もけーれさん(43)回答:疲労感や息切れの症状についてお答えします。――「高血圧症」と「心臓弁膜症」の遺伝性について疲労感が抜けない、階段を上る時の息切れ、心配な症状ですね。健康診断は毎年受けていらっしゃいますか?今の血圧はいかがでしょうか?高血圧症を指摘されたことはありませんか?自宅でもよいので現在の血圧を確認してください。また、高血圧の一つの症状ですが、足にむくみはありませんか?すねの部分の一番骨ばっているところを親指で押してみます。指のあとが残れば、むくんでいることになります。一般に、高血圧症は遺伝的な要因が強いといわれています。目安として、両親のいずれかが高血圧症の場合は3人に1人、両親とも高血圧症の場合は2人に1人が高血圧症になるというほどです。一方で、両親とも高血圧症でない場合は10~20人に1人の割合といわれています。このように、高血圧症は遺伝的要因が強いことがわかりますが、もちろんそれだけで発症するわけではなく、遺伝的要因に生活習慣が加わって発症すると考えられています。要因となる生活習慣には、食生活の乱れなどを原因とする肥満、塩分の過剰摂取、カリウムなどの摂取不足、喫煙、アルコールの過剰摂取、運動不足などがあります。日本人の食生活は塩分が過剰になりがちなため、特に注意が必要で、肥満、喫煙に至っては高血圧のみならず心臓にも悪影響を及ぼします。ちなみに心臓弁膜症に遺伝素因はありません。以前はリウマチ熱の後遺症、細菌感染などが主な原因でしたが、抗生物質の発達で罹患率が減少しています。心臓弁膜症の発症は後天的なことが多く、原因は不明とされています。<早めに内科もしくは循環器内科を受診しましょう>最後に、ご相談の症状は心不全の症状によく似ています。現在の心機能を調べることはもちろん、高血圧症、高脂血症や糖尿病の合併がないかの検査も必要です。また、症状から、貧血の有無の確認、腎疾患や甲状腺疾患と見分けることも必要になってくるでしょう。病院に行くほどでもない、という楽観的な状態ではありません。早めに内科、もしくは循環器内科を受診し、検査を受けられてください。どうぞお大事に。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:心疾患・急性心筋梗塞と診断され治療後も手が時々しびれるため通院中ですが、今後状態が悪化しないか不安です。猛暑の昨夏、仕事で外出中に突然胸に激痛が出たので救急車で病院へ行き検査しました。結果は心疾患・急性心筋梗塞と診断され、緊急入院となり、翌日手術で再灌流治療(さいかんりゅうちりょう)をしました。現在も手が時々しびれるため通院中で、今後状態が悪化したらと思うと不安です。夫・子どもたちには迷惑をかけたくないので、今後どのようなことに気をつけて生活していくべきでしょうか?静岡県:Misamisaさん(41)回答:「心筋梗塞」についてお答えします。――「心筋梗塞」とは「心筋梗塞」とは、全身に血液を送るポンプである心臓をぐるっと冠のように取り巻いて、心筋に血液を送っている冠動脈が、動脈硬化によって狭くなったり、何らかの理由で血栓ができたりして完全に閉塞してしまう病気です。心筋に血液がいかないことでその部分の心筋が壊死してしまい、治療が遅れると命にかかわることも大いにあり得る病気です。<生活するにあたって覚えておきたいポイント>1.冠危険因子をできるだけ改善すること「冠危険因子」とは、冠動脈の動脈硬化を悪化させてしまう危険性のある因子のことです。例えば、糖尿病や高血圧、高脂血症、喫煙、肥満などが挙げられます。特に喫煙は本人の意志で今日からでも禁煙できます。肥満に関しても、食事のカロリーを下げる、運動を取り入れるなどして少しずつでも改善していきましょう。糖尿病や高血圧、高脂血症などの持病があれば、医師の指導のもときちんとコントロールしていきましょう。2.生活リズムの維持と適度な運動規則的な生活リズムを保つことは再発予防に役立ちます。また、心筋梗塞後の心臓の状態にもよりますが、軽い運動は主治医とよく相談の上行うとよいでしょう。冠危険因子の改善や、ストレス解消にも役立ちます。3.定期的な受診と薬物療法の継続年数が経過すると通院がとびとびになったり、薬の服用を忘れたりという患者さんが時々見受けられます。心筋梗塞の再発、心不全予防のお薬は、状況により減量することはあっても、基本的に生涯服用しなくてはならない薬です。辛い思いを繰り返さないためにも、通院・服薬は必ず続けましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:父が糖尿病と高血圧の既往歴あり。糖尿病などは遺伝性のものが多いと聞いたことがあり不安です。父が、糖尿病、高血圧の既往歴があり、現在も内服コントロールをしています。最近、これらの病気は心疾患のリスクも高めることを知りました。糖尿病などは、遺伝性のものが多いと聞いたことがあり、私も結婚して親になり、自分がかかる可能性の高い病気には気をつけていかなければと考えるようになりました。甘いものが大好きで、外食も多く食生活が偏りがちです。これから先、どのように気をつけていくべきでしょうか?静岡県:nocchiさん(27)回答:「糖尿病」の遺伝についてお答えします。――「糖尿病」とはお父さまが糖尿病、高血圧をお持ちで、内服でコントロール中ということですね。確かに、これらの病気は心筋梗塞など重篤な疾患を含む心疾患の大きなリスクファクターになることが知られています。お子さんであるご相談者さまも、遺伝的な面、あるいは生活習慣の面でお父さまがお持ちの傾向を受け継がれている可能性は十分に考えられ、お若いうちに気をつけていこうというお気持ちになられたことは非常によいことだと思います。さて、ご心配されている糖尿病の遺伝について、少しお話をさせていただきたいと思います。よく誤解されがちですが、糖尿病自体は遺伝性の疾患ではなく、あくまで遺伝するのは「糖尿病にかかりやすい体質」であると考えてください。2型糖尿病にかかりやすい遺伝子はいくつか同定されてはいるようですが、多くの小さな遺伝素因が複雑に組み合わさってできる「複合遺伝」の形式をとると考えられており、いわゆる「糖尿病のなりやすさ」も人によってさまざまであると考えられています。<日々の生活のなかでできることから始めましょう>2型糖尿病の発病には遺伝的な素因以外に生活習慣が大きく関係してきます。糖尿病を防ぐためには、まず肥満にならないことが大切です。BMIにして18.5~25.0の普通体重を目指しましょう。そのためにはまず、食生活の改善が必要です。甘いもの、脂っぽいものはできるだけ控え、味は薄味に調味するよう心がけます。できるだけ決まった時間に、ゆっくり食べることも大切です。野菜に多く含まれる食物繊維は肥満を防いでくれますので、一日350g(うち緑黄色野菜120g以上)を目標にします。また、肥満を防ぐもう一つの柱は、やはり運動です。運動は、カロリーを消費するだけでなく、筋肉をつけて脂肪を減らしたり、中性脂肪を低下させたりする役割もあります。もちろん、定期的に時間を決めて運動ができればそれもいいのですが、一日一万歩を目安に、少し早足で歩く、エレベーターを使わず階段を使用するといった心がけでも十分、糖尿病にかかりにくくする効果があります。お子さんもいらっしゃるということで、なかなかご自身の健康のためにまとまった時間はとりにくいかと思いますが、日々の生活のなかでできるところから始めていけるといいですね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:子育てでのイライラが多く、疲労感あり。胸の中央に違和感を感じることもあります。普段、特に子育てでいらいらすることが多く、身体がどっと疲れるのを実感します。子どもを叱った時などは胸の中央に違和感を感じることもあります。今はどんな時でも至適血圧(してきけつあつ:理想的な血圧の値のこと)で、血族にも血圧の高い人はいませんが、このようなことが続くと血圧が上がったり、さらに下がりにくくなったりするのでしょうか?また、高血圧になる前に、心臓の病気にかかることもあるのでしょうか?岩手県:あいす2119さん(35)回答:イライラしたときの胸の違和感についてお答えします。――心臓とストレスの関係子育て中でいらっしゃるとのこと、いろいろ手もかかるでしょうし、大変ですね。おっしゃるように、心臓とストレスの関係は深く、ストレスがたまった状態だと心臓にさまざまな不調が出ることがあります。そのメカニズムを簡単にご紹介しましょう。ヒトが肉体的、精神的にストレスを受けると、ストレスを受けたという情報が大脳を介して脳の視床下部という部分に伝わります。ここで、ストレスに対処するために交感神経と呼ばれる自律神経が興奮します。交感神経は「闘争と逃走の神経」などと呼ばれるように、身体は戦闘モードに入ります。具体的には、心拍数が増し、末梢血管が締まることによって血圧は上昇、瞳孔は拡がって緊張状態になります。通常であれば、この交感神経の興奮は、逆の働きをする副交感神経の働きによって心拍数は落ち着き、血圧も下がるものなのですが、ストレスが長期間続いたり、あるいは極めて強いストレスを受けたりすると、交感神経と副交感神経(合わせて自律神経といいます)のバランスがおかしくなってしまい、なかなか交感神経の興奮が収まらなくなることがあります。こうなってしまうと、常に緊張していて身体全体がリラックスできず、いつも戦闘モードになってしまい、心臓にも大きな負担がかかってしまいます。心臓本体には特に病気がないのに、胸が苦しくなったり、痛みが出たり、動悸や不整脈が生じたりするものを「心臓神経症」と呼びます。これは、自律神経の乱れによる心臓の働きの異常と考えることができます。<胸の違和感の原因は?>現在、ご相談者さまが経験されている胸の中央の違和感などは、この心臓神経症によるものである可能性があります。ただ、ストレスによる心臓神経症と思っていたら、実は心臓本体の病気が隠れていたということもあるので、胸の痛みが続くようであれば、念のため、一度病院で心電図の測定を含め、診察を受けられることをおすすめします。また、どんな時でも血圧が至適血圧で安定しているというのは非常に良いことですが、今後加齢に伴い動脈硬化などが進行して、同じ生活をしていても血圧が上昇しやすくなる可能性もありますから、定期的な血圧測定を続けていきましょう。精神的なストレスは、心臓だけでなく万病のもとになります。楽しめる趣味を見つけたり、たまには家族に協力してもらって、ご友人と外出する時間を設けたりして、うまくストレスを解消していきましょう。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:先日病院で血液検査をしたところ、血糖値が高いと言われました。ストレスの多い状態が続いていまして、先日病院で血液検査をしたところ、血糖値が高いと言われました。ちなみにその時はほとんど食事をしていない状況で、最後に口にしたものは無糖のお茶でした。体型はやせ形で、中性脂肪やコレステロールの値が高いと言われたことはないのですが、入院や通院が必要になるような心疾患など、何か他の病気と関係があるのでしょうか?鹿児島県:yuki412さん(32)回答:血糖値と心疾患の関係についてお答えします。――ストレスと血糖値の関連性ストレスと血糖値、および心疾患に関するご相談ですね。ストレスの多い状態が続いているとのこと、本当に大変ですね。ストレスと血糖値に関しては現在研究が進められ、関連があるという報告が上がってきています。そのメカニズムについてお話ししましょう。一つには、ヒトがストレスを感じると交感神経が興奮し、血糖値を上昇させるグルカゴン、アドレナリン、甲状腺ホルモンといったホルモンが増え、血糖値を上げることになります。また、ストレスが強くなると分泌されるコルチゾールも、血糖値を上昇させる働きがあります。ご相談者さまの場合も、このようなメカニズムが働き、肥満や生活習慣の乱れがないにもかかわらず、血糖値が上昇している可能性があります。また、ストレスの多い状況下では、糖尿病の発症率も上昇することがわかっています。一方、血糖値が高い状態が続くことで血管が傷つきやすくなり、動脈硬化も進んで狭心症や心筋梗塞、脳血管障害などをきたす可能性も高まりますが、こういった狭心症や心筋梗塞といった重篤な心臓の病気を起こしても、糖尿病にかかってしまうと、症状である胸の痛みを感じにくくなり、発見が遅れてしまうこともあります。<日ごろから血糖値を適正に保つ心がけを>このような深刻な事態を避けるために、日ごろから血糖値を適正に保つような心がけが必要です。食事の栄養バランスの乱れや運動不足などがあれば、それらを改善するのはもちろんですが、ストレスが血糖値上昇の主因と考えられる場合には、ストレスに対する対処が必要になります。ストレスに対する効果的な対処法としては、しっかりと休養をとること。忙しいとつい、自分のケアは後回しになりがちですが、心身の疲労を感じたら、まず休みましょう。また、自分が心から楽しめる趣味を持ち、週末などにそれに没頭できる時間を持つことも非常に大切です。スポーツも、体重の維持、ストレス解消、両方の側面からおすすめできます。オフィスの椅子で腹式呼吸をしたり、近くの公園でも構わないので緑に触れたりすることも、大きなストレス解消効果が期待できるでしょう。ストレスの対処が自分の手に余ると感じたら、ためらわずに精神科やカウンセラーなど、専門家の手を借りることも必要です。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:不整脈だと診断されました。悪化すると心筋症になると聞きましたが、どの程度の運動なら取り入れてよいのでしょうか?先生にお尋ねいたしたく相談させていただきます。ずっと健康で特に大きな病気はしてこなかったため、自分は健康なのだと思っていました。それが昨年、心臓のドキドキがひどく病院へ行ったところ不整脈だと診断されました。これが悪化すると心筋症になると聞き、塩分を控えた食事などを心がけていますが、心臓の鼓動が早まるのが怖くて運動などは避けています。どの程度の運動なら取り入れてよいのでしょうか?宮城県:さきさん(48)回答:「心筋症」についてお答えします。――塩分の制限は有効な手段昨年、心臓のドキドキがあって受診をされたところ、不整脈だと診断されたということですね。また、その不整脈の悪化により心筋症につながる可能性がある、という説明を受けた、ということでよろしいでしょうか。今まで健康だと思ってこられたということで、さぞ驚かれ、ショックを受けられたことと思います。さて、受診の際、主治医の先生から日常生活や運動についての具体的な説明はなかったでしょうか。心臓の病気の場合、個々の患者さんの状況(現在の心臓の状態や肥満や合併症の有無、今までの生活歴・運動歴、年齢など)によって指導内容が異なることが多々あります。今回の私の回答は一般的なことを述べるにとどめますので、あくまで参考程度に読んでいただけると幸いです。心筋症は原因のほとんどが未だに特定されていない、非常に難しい病気です。日常生活を送る上で、ご相談者さまがなさっているような塩分の制限は、体内の水分を増やし過ぎたり、血圧を上げ過ぎたりしないために、非常に有効な手段です。目安としては食塩量にして一日6g程度を目指すことで心筋症を防ぐ効果があるといわれています。ただ、日本人の平均食塩摂取量は多く、一日12gを超えているといわれています。ごく日常的に食べられている漬物や麺類の汁、かまぼこなどの加工食品類などにも多くの食塩が使われていますので、汁は残す、しょうゆをかけないといった工夫をするとよいでしょう。<適度な運動は心臓にも良い>また、ご質問にあった運動についてですが、軽度から中等度くらいの有酸素運動を習慣的に行うことは、心臓に対してよいばかりでなく、気持ちの面でもポジティブな気持ちになれるといった素晴らしい効果があります。目安としては、週に3回、30分程度の軽い歩行から始めてみてはいかがでしょう。改めて道具をそろえて、ウォーキングを開始するということでなくても、通勤途中にちょっと回り道をして歩いてみる、といったことでもよいかと思います。今までに運動経験をお持ちで、それ以上の運動を希望される場合は、主治医と個別に相談されることをおすすめします。肥満は心臓に負担をかけますので、体重維持の意味でも軽い運動は好ましいと思います。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:4人の祖父母のうち3人が脳血管疾患に。遺伝的に脳卒中などになりやすいのでしょうか?4人の祖父母のうち3人が脳血管疾患になっています。くも膜下出血が50代で一人、脳卒中が50代で一人と70代で一人です。私も身内に脳血管疾患の患者がいない人より脳卒中などになりやすいと考えておいた方がいいのでしょうか?また、脳ドックを定期的に受けるとしたら、どんな検査項目のものを、どれくらいのペースで受けておけばいいでしょうか?東京都:デルタさん(42)回答:脳血管疾患の遺伝性についてお答えします。――「くも膜下出血」の原因脳血管疾患の遺伝性に関するご質問ですね。くも膜下出血と、それ以外の脳卒中にかかられた近親者の方がいらっしゃるということですが、まず、くも膜下出血に関してお話ししましょう。くも膜下出血の原因は、脳の血管にできたコブ、つまり脳動脈瘤の破裂が約8割、動静脈奇形と呼ばれる血管の異常など、その他の原因が2割を占めるといわれています。 このうち、脳動脈瘤によるものは遺伝的な体質、つまり一般よりも高い頻度で一つの家系に発生する病気です。人口全体のなかでのくも膜下出血の発生率は0.015~0.02%程度と低いのですが、2親等以内(両親、子、孫、祖父母、兄弟姉妹がこれにあたります)にくも膜下出血の方が一人いると、2~8%前後の発生率になると考えられています。血管が二股に分かれる部分で、3層になっている血管の内膜のうち、真ん中の層に当たる中膜が生まれつき欠損している方がおり、ここに血圧がかかることにより、その部分だけふくらみが生じます。この動脈瘤にさらに小さなコブ(娘瘤といいます)ができると破裂を起こしやすくなるといわれています。ただ、動脈瘤そのものはあったとしても全体の1%以下しか、実際には破裂しないともいわれています。一般に、動脈瘤の直径が3mm以上のもの、娘瘤があって形がでこぼこしているものは破裂の危険が高いとされています。脳動脈瘤は脳ドックなどの検査項目にもあるMRA(MRIの技術を用いて簡単に血管撮影を行うもので、造影剤は使いません)で疑いがないかどうか見ることが可能です。疑わしい場合には3D‐CTA(三次元脳血管造影)などより詳しい検査を行って、脳動脈瘤の有無や形態などを確認していくことになります。<「くも膜下出血」以外の脳卒中について>一方、くも膜下出血以外の脳卒中に関しては、くも膜下出血ほどのはっきりした遺伝性はありません。しかし、脳卒中のリスクを上げてしまう高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症などは、生活習慣病であると同時に遺伝の関与も指摘されている疾患です。特に家系的に脳卒中になる方が多い場合は、これらの病気にかからないように食生活や運動習慣などに十分留意することが大切です。最後に、脳ドックに関してですが、脳ドックは脳内の血管の異常や腫瘍の有無、脳萎縮や梗塞を調べる目的で行われています。くも膜下出血の原因となる動脈瘤の発見にはとても役立ちますから、一度は受けておくとよいでしょう。もし、脳動脈瘤がなければ、一般的に5年に一回程度の検査でよいものと思われます。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:5年ほど前から胸が締め付けられる症状があります。突然やってくるので心配です。5年ほど前から胸が締め付けられる症状があります。突然やってくるので心配です。心不全になったらどうしよう、という思いが先に立ち、痛みが遠のくまで横になり、30分ほどでなくなるということを繰り返しています。1月末には救急車を呼びましたが、レントゲンを撮っただけで帰され、「精密検査を受けたほうがいい」とも言われました。子どももまだ小さいですし、どうしようかと迷っています。千葉県:みおママさん(45)回答:胸の痛みについてお答えします。―――「狭心症」と「心筋梗塞」について5年ほど前から、突然やってくる胸の痛みを繰り返しているとのこと、ご心配ですね。1月末に救急車を呼ばれたとのこと、かなりつらい痛みのようですね。心臓に痛みがある場合に、最初に気をつけなくてはいけないのは「狭心症」と「心筋梗塞」だと思います。まず、狭心症の症状としては発作的に胸の圧迫感や痛みなどを起こす疾患で、動脈硬化や血管けいれんのある患者さんに起こりやすいとされています。動脈硬化の多くは高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症によって起こるとされており、これらの病気をお持ちの場合は特にリスクが高くなります。通常、狭心症の発作は数秒から10分程度といわれていますが、ご相談者さまの発作は30分ということですので、狭心症の発作としては非常に長いといえるかもしれません。次に、心筋梗塞は、冷や汗や吐き気を伴うがまんできないほどの痛みが30分以上続くとされています。心筋梗塞の場合は、血の塊で完全に冠動脈が詰まってしまうことで起こり、詰まった血管より末端の心筋は壊死してしまいます。リスクファクターとしてはやはり、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症などが挙げられ、狭心症よりさらに深刻な、死に至ることも多い非常に重篤な病気です。<循環器内科での精密検査をおすすめします>今回のご相談者さまの症状の持続時間や、その後の経過を見ると、狭心症と心筋梗塞のどちらとしても典型的ではないのではないかと考えますが、可能性がないわけではもちろんありませんし、例えば危険な不整脈などを含め、何らかの心臓の異常がないか、循環器内科で精密検査を受けることはとても大切なことと思われます。また、心臓に異常が認められなかった場合には、例えばパニック障害などの病気の可能性もあります。パニック障害によって起こるパニック発作は、突然胸が苦しくなったり、息苦しさや震え、このまま死ぬのではないかという恐怖感が襲ってきたりして、10分から1時間程度持続することもあるものです。まず、心臓の精密検査を受けられた上で、特に異常が見つからなければ、こういった病気も考えなければならない疾患に上がってくるのではないかと思われます。ご参考になれば幸いです。どうぞお大事にしてくださいね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:子どもに不整脈が見つかり、出産後は投薬治療で経過観察中です。家庭でできる改善・予防法はないでしょうか?私の子どもの相談をさせてください。胎児期より不整脈が見つかり、出産後は投薬治療で経過観察中です。手術をする予定等は今のところありません。現状特に問題なく成長もしており、投薬のおかげか不整脈が出ることもないです。ただし、今後不整脈が全く出ないという確約もありませんし、万一手術になる可能性もあるかもしれません。食事や生活習慣の改善など、薬以外で何か効果的な予防法や、家庭でしてあげられることはないでしょうか?滋賀県:mihomihoさん(33)回答:お子さんの「不整脈」についてお答えします。――子どもの「不整脈」で気をつけることお子さんの不整脈に関するご相談ですね。胎児期からの不整脈があり、投薬治療中ということですね。現在は不整脈も出ず、順調に成長しているとのことで何よりです。ただ、もちろん親御さんとしては大切なお子さんのことですから、今後不整脈が出たらどうしようと不安になったり、食事や生活習慣などご家庭で何かしてあげられることはないかとお考えになったりすることも当然のことかと思います。お子さんの心臓の主治医の先生からは食事や生活上の注意点に関して、何か説明はありましたでしょうか?もし、特に説明や制限を受けていないということであれば、健康なお子さん同様、十分な睡眠時間を確保すること、規則正しい生活を送ること、バランスの取れた食生活を心がけること、肥満にならないこと、といったことを守るということでよろしいのではないかと思います。子どもの場合、大人とは違って発育段階にありますから、医学的に特に制限されていない場合に、食事内容や運動を制限すると、成長に思わぬ障害が出ることがあります。<周囲の大人で情報を共有し、観察してあげましょう>一方、不整脈があるとのことですから、もしものことがないよう、周囲の大人が十分に注意して観察をすることが大切です。ストレスが強くかかったり、過労があったりすると不整脈が起こりやすくなります。特に運動をする時など心臓に負担がかかることが予測できる場合には、ひどい動悸や息切れ、意識を失うようなことがないか、学校であれば担任の先生、プライベートであればお父さん、お母さんなどが必ず付き添って見てあげてください。また、学校や習い事などの先生とはお子さんの不整脈について、きちんと情報を共有し、いざという時の対応などについても十分に協議しておくことがとても大切です。お子さんの成長につれ、忙しくなってくることから、なかには不整脈が長期間ないとつい気が緩んで、お薬の服用を忘れたりする方もおられます。そういったことがないよう、お子さんが自分で完全に管理できる年齢になるまでは、不整脈のお薬は親御さんが管理して、必ず服用させるようにしてください。不整脈といっても、心臓の状態は人それぞれです。繰り返しになりますが、運動や食生活など不安に思うことは必ず主治医に確認し、指示を仰ぐようにしてください。どうぞお大事に。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:夫の父親が昨年夏に心臓のけいれんを起こして入院。遺伝の有無と予防策について教えてください。夫の父親に心疾患の持病があり、昨年夏に心臓のけいれんを起こして入院し、今はペースメーカーをつけて生活しています。現在、夫は健康体で、年一回の健康診断でも心電図に異常があったことはありません。しかし、夫の父親が患った病気が遺伝するのではないかと、とても心配しております。遺伝の有無と予防策について教えてください。島根県:トマトマさん(38)回答:心臓のけいれんの遺伝と予防策についてお答えします。――「心房細動」について義理のお父さまが昨年心臓のけいれんを起こされ、現在ペースメーカーをお使いになっているということですね。心臓のけいれんは一般に、心房細動に関して使われることの多い表現ですので、ここからは「心房細動」といい換えてお話ししたいと思います。心房細動は、心臓にある心房と呼ばれる部分がまるでけいれんのように細かく不規則に震える病気です。高齢者に多いことから、心房の筋肉の老化が原因の一つとして考えられています。心房筋に異常があると、そこから本来はないはずの電気活動が発生したり、異常な電気が伝わる回路ができてしまったりします。左心房の中にある肺静脈の周囲からは特に強い電気が発生しやすいことが知られていて、その部分から出た電気が心房の中に異常な電気の流れを起こして、1分間に300~500回にも及ぶ細かい不規則な震えを発生させると考えられています。ただ、この心房の異常な興奮(震え)は房室結節である程度調節されてから心室に伝えられますので、心室に伝えられる興奮は不規則に毎分60~200回程度となります。心室の興奮を伝える心拍数もやはり、不規則で速い脈になってしまうと考えられます。心房細動の治療はお薬によって行われることが多いのですが、効果が不十分であると考えられるときなどに非薬物治療として、高周波カテーテルアブレーション(心筋焼灼術=しんきんしょうしゃくじゅつ)やペースメーカー治療、心臓外科治療が選択されることもあります。ペースメーカーは心房細動とともに徐脈性(脈が遅くなる)の不整脈がある場合に用いられることがある治療法です。<「心房細動」の遺伝について>また、心房細動の遺伝については、心房細動は発症に遺伝子の関連もあると考えられていますが、原因遺伝子の多くははっきりしておらず、多因子遺伝も多いと考えられています。加えて、遺伝以外の因子として高齢や高血圧、虚血性心疾患のある方は心房細動になりやすいと考えられています。これらの点から、適正な体重を保ち、糖尿病・高脂血症などに気をつけ、動脈硬化を防ぐことは心房細動の予防にも役に立つといえるでしょう。ご参考になれば幸いです。お大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:特に発作の持病はないのですが、何の前触れもなく突然心臓発作が起きることはあるのでしょうか。特に発作の持病はないのですが、何の前触れもなく突然心臓発作が起きることはあるのでしょうか。自分の生活習慣で心配なのは「急な運動」、「食べすぎ」、「肥満」です。こういったことも原因になり得るのでしょうか?もし発作が起きた場合はどのような対処が適切でしょうか?また、普段は発作を起こさない人が発作を起こすということは、どのような病気の可能性がありますでしょうか?東京都:たもさん(32)回答:「心臓発作」についてお答えします。――「心臓発作」とは特に発作が起こる持病のない方に、前触れなく、心臓発作が起きることに関するご質問ですね。心臓発作とは冠動脈に突然異常が起きて、心筋梗塞や狭心症、重度の不整脈が続いたりする症状をいい、命にかかわる危険性もある大変に怖い状態です。確かに心臓発作というと、もともと心臓に持病をお持ちの方が起こすようなイメージがあります。しかし、実際のところそのようなことはなく、特に既往歴のない若者にも見られることがあります。また、いわゆる発作の前触れ、例えば胸の痛みや吐き気、冷や汗、左肩や背中の痛みなどに関しても、8割の人は何らかの兆候を感じているものの、残り2割の人は全く感じていなかったというデータがあるそうですから、怖いですね。心臓発作を起こしやすい原因としては、まず動脈硬化が挙げられます。動脈硬化はカロリーが高く脂質の多い食事、運動量の低下、お酒の飲み過ぎや強いストレスなどにより誘発されるため、ご相談者さまの生活には動脈硬化のリスクファクターがいくつかおありになるように思います。逆にこれらの点を改善することで、動脈硬化を防ぎ、結果として心臓発作を起こしにくくすることができると考えられます。<万一「心臓発作」が起こってしまったら>もし、万一心臓発作が起こってしまったら、まずただちに救急車を呼びます。発作を起こした人に意識があるときは、座った姿勢をとり、深呼吸をさせてください。発作を起こした人がニトロなど、医師から処方された発作止めを持っていたら、それを服用させるようにします。飲食はさせず、身体を温めて観察を続けます。意識を失ったら、一次救命処置の手順に従って、周囲の人が手当てをします。一次救命処置では、胸骨圧迫と人工呼吸からなる心肺蘇生法を行うことと、あれば除細動器(AEDなど)を使用することになります。また、普段は発作のない人が発作を起こした場合に考えられる疾患としては、狭心症の最初の発作や心筋梗塞をはじめ、心筋症や心筋炎、WPW症候群やブルガダ症候群といった数多くの病気があります。特発性といって特に原因がないのにいきなり起こるものもあります。普段からいかに生活に気をつけても、起こってしまう心臓発作というものも存在しますが、少しでも確率を下げるために、食生活の改善や定期的な運動、ストレスの解消などを心がけ、動脈硬化の予防に努めていきたいですね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:LDL値が要治療だったのですが、メタボと関係ありますか?日本では2人に1人はメタボの可能性があると騒がれています。主人のLDL値が要治療だったのですが、メタボと関係ありますでしょうか。こってり系のラーメンが好きで、運動不足なのでとても心配です。生活習慣病や心臓病などにつながるといわれていますが、実際は太った日本人のどのくらいの割合の人が治療の必要な病気になるのでしょうか?東京都:たもつさん(32)回答:LDL値とメタボリックシンドロームの関係についてお答えします。――「LDLコレステロール」についてまず、LDL値が高いことと、メタボリックシンドロームとの関係についてのご質問ですね。メタボリックシンドロームの診断基準の中の脂質の項目は、「HDLコレステロール」が40mg/dl未満、中性脂肪値が150mg/dl以上となっており、実は「LDLコレステロール」の値に関する基準はありません。なぜ、LDLコレステロールの基準値が盛り込まれていないかといいますと、内臓脂肪として蓄積される脂肪は中性脂肪であり、このことからメタボリックシンドロームになると中性脂肪は高値に、HDLコレステロールは低値になります。一方、LDLコレステロール自体は、内臓脂肪の蓄積とはあまり関係していません。このためLDLコレステロールは病名としてメタボリックシンドロームを診断する上では、考慮されないということになります。しかし、LDLコレステロールは単独で強力に動脈硬化を進行させてしまいますので、心疾患、脳卒中などを予防するために適正値にコントロールしていく必要があります。LDLコレステロールが上昇してしまう原因として、食事中の飽和脂肪酸のとり過ぎが挙げられます。肉の脂身、バターやラードに飽和脂肪酸は多く含まれますから、ご主人の好きなラーメンも、汁は残す、チャーシューメンでなくシンプルなラーメンにする、といった配慮は必要かと思われます。また、運動はLDLコレステロールを下げ、肥満を解消する非常に有効な方法ですので、一駅余分に歩く、階段を利用するといった身近なところから運動量を増やしていきましょう。<肥満と病気の関係>次に、太った日本人のうち、どのくらいの割合の人が治療の必要な病気にかかるか、というご質問ですね。これは非常に難しい質問です。一説によると、肥満の人は肥満でない人に比べて、糖尿病が5倍、高血圧が3.5倍、痛風が2.5倍、心臓病が2倍、関節の病気が1.5倍という高率でかかりやすくなるといわれています。もちろん肥満でも病気にかからない人はいますが、適正体重を保っておくに越したことはありません。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:父は動脈硬化で心筋梗塞を起こしています。この病気は遺伝するのか、これからの生活で気を付ける点を教えてください。夫が会社で受けた健康診断で、要検査と指摘されました。23歳で結婚して、約20年間で夫は13kgも体重が増加。それと比例して、血圧とコレステロールの値も徐々に上がってきています。特に大きな病気もなく安心していたのですが、今回の指摘を受け、どうすればよいか不安でいっぱいです。夫の父は動脈硬化で心筋梗塞を起こしていますので、この病気は遺伝するのか、夫はこれからの生活で何に気を付ければいいのか教えてください。神奈川県:さとみさん(43)回答:体重の増加と心筋梗塞についてお答えします。――「心筋梗塞」の遺伝性についてご主人の体重と健康診断の結果、および心筋梗塞の遺伝に関するご質問ですね。少し順番は前後しますが、まず、心筋梗塞の遺伝に関してご説明しましょう。確かに、近親者に心筋梗塞の方がいらっしゃると心配になってしまいますが、心筋梗塞そのものに関しては、特に遺伝性の病気ではないと考えられています。ただ、心筋梗塞のリスクを高める因子、いわゆるリスクファクターには遺伝性のあるものも含まれます。心筋梗塞のリスクファクターとして有名なものに、高血圧、脂質代謝異常症(かつて高脂血症と呼ばれていたもの)、糖尿病、肥満、喫煙やストレスなどがあります。高血圧や脂質代謝異常症、糖尿病にはある程度の遺伝性が認められますが、喫煙は個人の選択であり、肥満に関しても体質的なものはありますが、多くの場合、食生活や運動習慣の改善などによって解消することが可能でしょう。ご主人は現在、体重増加があり、血圧やコレステロール値の上昇も見られているということですので、少なくとも3つの要注意因子があるということになります。<まずは小さな一歩からはじめましょう>まず、これらのなかで、肥満はご本人の努力によりお薬を使わなくても解消できる可能性がありますから、肥満の解消を目指すことが心筋梗塞のリスクを下げる近道のように思います。体重が重くなると、身体を動かすのにより多くのエネルギーを要し、それだけで心臓に負担がかかり、心筋が肥大してしまいます。こうして心筋が肥大すると、冠状動脈を通じてより大量の血液を送る必要が出てきて、さらに心臓に負担をかけることになります。反対に、減量に成功すれば、こういった負担が減り、心臓を健康な状態に保てる可能性が高くなります。また結婚後、体重が増えた背景には、食事量や食事中の脂質の増加、塩分の増加といったことが隠れているかもしれません。体重を減らすためには、食事のカロリーや運動習慣に気を配るようになるかと思いますので、肥満の解消に伴って血圧やコレステロール値も下がってくる可能性も十分あると思います。一気にすべてを解消しようとすると無理なストレスがかかると思いますから、一駅手前で降りて余分に歩く、ご飯のおかわりをしないといった、小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日