婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第59回は、なぜか恋愛できないのは“非モテ”グセがあるからかもしれない、そんな非モテの特徴を3つご紹介します。あくまでも、男性にはウケにくいだけで、行動自体を否定するものではないことをご理解くださいね。1.自分磨きをしすぎる【結婚引き寄せ隊】vol. 59恋活や婚活をしていても空振りが続いたり、そもそも好きな人もできなかったり、「いい出会いがない」「努力しているのになんで彼氏ができないんだろう?」と思っている女性は、少なくありません。意外にも、実は“非モテグセ”があるから、恋が遠くなっていることも。たとえば、自分磨きをしすぎる人。向上心にあふれているタイプや努力家の女性は、相手にだけ求めるものが多いのではなく、きちんと自分自身もそれなりの資質を持っていようと、がんばることもあるようです。そのこと自体はとてもいいことですし、自分自身をブラッシュアップすることが、さらに魅力を輝かせることにつながることだって、あるでしょう。ただ、何事にも、ほどほどが一番。気合の入りすぎたヘアメイクやファッション、もしくは趣味にもよりますが、その世界に周りが見えなくなるほどのめり込む、などは、実はそんなに男性ウケはよくありません。自分を磨くことと、恋愛できることはイコールではないのです。恋愛は相手あってのもの。自分磨きや勉強のように、自分ががんばれば結果が出てくるものとは違って、相手の気持ちは移ろいやすいものでもあるかもしれないという認識を忘れなければ、彼氏ができない原因を自分磨きだけにぶつけることも少なくなるのではないでしょうか。2. 女性らしさを意識しすぎる出会いがなかったり、気に入った人とうまくいかなかったりするとき、「あまり女性らしくないから、彼氏ができないのかな?」と、考える場合もあるかもしれません。でもそんなときに、トレンドを取り入れた最先端のファッションや、いかにも女の子といったスタイルでまとめてしまうなら、よりいっそう男性との距離が離れてしまうかも。トレンドを意識しすぎた服装は、おしゃれに敏感な男性や同性にはウケるかもしれませんが、一般的にはそれほど男性は流行りを気にしません。むしろ、毎回トレンド感を出すためにお金をかけているのかな、とマイナスの印象になることも。そして自分の持つ雰囲気は、人それぞれ。かっこいい系の服装が似合う女性もいれば、ボーイッシュな服装のほうが良さが引き立つ女性だっているでしょう。間違った方向性でファッションやヘアスタイルをまとめてしまうと、実際の顔立ちなどとのアンバランスさが目立ってしまう可能性もあります。それに、どこかちょっと“ぶりっ子”してしまうような仕草が、女性らしさではありません。むしろ、どこか媚びた印象を与えてしまう可能性大。女性らしさを意識しすぎて迷ったときは、思ったことをストレートに言ってくれる女友達にアドバイスを求めるのもいいですね。きっと、役に立つ言葉を投げてくれるはず。3. 恋愛マニュアルに没頭しすぎる巷にあふれている恋愛についての本。わかりやすく書かれているものから、学術的にまとめられているようなものまで、バリエーションにあふれていますよね。そのときどきの恋愛の悩みに合わせて、そういった本をチョイスして、読んでみるのは参考になりますし、いいことに違いありません。なのですが、偶然出会った一冊の恋愛マニュアル本にハマってしまい、そのマニュアル通りに進まない恋愛を除外してしまうようにまでなると、ちょっとやりすぎ。素直な人ほど、書かれている通りに、恋を進めようとして、予想外の展開になると何もできなくなることも。本に書かれていることが、そのまま現実のすべてのパターンに当てはまるわけではないものの、つい鵜呑みにしてしまうと、恋愛に詳しくなるはずが“非モテ街道”まっしぐらという残念なことになってしまいます。本に頼りすぎずに、なるべくそのとき、その場で感じた対応を、その瞬間を大切にして過ごしていけるといいですよね。恋活や婚活をしていると、悩んだり迷ったりすることもあるでしょう。でもそれも、いつか来る幸せな未来のためのほんの序章。みなさんがすてきな未来を歩んでいますように!©Image Source/Gettyimages©Yifei Fang/Gettyimages©mediaphotos/Gettyimages
2020年12月25日【音楽通信】第64回目に登場するのは、インフルエンサーでありながらアーティストとしても活動している、現在19歳の竹内唯人(たけうちゆいと)さん!【音楽通信】vol.64この1年はひとつずつ音楽を積み重ねていった2019年7月、ABEMAの恋愛リアリティ番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演して、ティーンエイジャーから注目を集めた、竹内唯人さん。10月には、シングル「Only Me」でアーティストデビューし、LINE MUSICランキング2位を獲得しました。2020年2月、3枚目のシングル「ニビイロ」がドラマ『鈍色の箱の中で』(テレビ朝日系 2〜3月期放送)主題歌に抜擢され、Spotifyのバイラルチャート5位に連日ランクイン以降、コンスタントに楽曲を発表。そんな竹内さんが、12月10日に、1st EP『THE FIRST』を配信リリースされたということで、お話をうかがいました。ーー現在19歳の竹内さんですが、そもそもの音楽的なルーツから、教えてください。小さい頃は(アメリカの男性5人組グループの)バックストリート・ボーイズを聴いていたり、(アメリカの歌手)エリオット・ヤミンを聴いていたり、最初は洋楽からですね。日本の曲はあまり聴いていなかったんですが、もう少し大きくなると、コブクロさんなど日本のアーティストの楽曲を聴くようになりました。ーー2019年に『オオカミちゃんには騙されない』に出演されて話題となりましたが、そのきっかけは。最初は、人前で恋愛する姿を見せることに抵抗感がありましたが、男性が女性を騙す『オオカミくんには騙されない』ではなく、女性が男性を騙す『オオカミちゃん』だと聞いて。騙すより、騙される側がいいですし、女の子は全員かわいいから(笑)、出演することにしました。ーー同年10月には、シングル「Only Me」でデビューしましたね。もともと歌うことはお好きだったのでしょうか。『オオカミちゃん』に出演した際、ラッパーのRude-αくんに出会って、音楽のことを聞いたり、目の前でいろいろな刺激を受けたりして「アーティストになりたい」と思ったんです。彼の存在が大きかったですね。ーー実際にアーティストデビューされて1年経ちましたが、この1年間を振り返るといかがですか。音楽に関しては何もわからなかったので、とにかく自分のまわりにいるスタッフの人たちとひとつずつ、音楽を作って積み重ねていった1年でしたね。現場に入ってレコーディングして、さまざまなトラックで歌を歌って、出すか出さないかと話すことも楽しくて。毎月リリースすることが目標で、ファンのみんなからの反響もいっぱいきますし、どんどん新しい曲が増えていくから、うれしいなって思っていました。アーティスト活動を始めてから、コロナ禍と重なってしまい、決まっていたライブの予定も中止になってしまって。でも、ライブをする機会ができたときのために、自分の持ち曲が少ないと勝負ができないので、とにかくいろいろな楽曲を作って持ち曲を増やしていましたね。洋楽テイストもあるスタイリッシュなEPーー2020年12月10日には、1st EP『THE FIRST』を配信リリースされましたね。これまでのタイアップ曲に加え、安室奈美恵さんなどのプロデュースも行なっていたMatt Cab(マット・キャブ)さんを迎えて新たに制作した4曲を加えた全7曲収録のEPということですが、スタイリッシュな洋楽のような印象も受けました。新曲の4曲と、これまでに配信リリースしたシングル3曲という収録曲がありますが、楽曲制作をしてくれているMattくんに、洋楽っぽいけど日本でも聴きやすい曲を作ってもらって、ちょうどいいバランスで仕上がっています。今年の7月に配信リリースしたシングル「MOMENT」で、初めてMattくんとセッションしてからの、今回のEPへと続く流れですね。ーーこの曲はTBS系『スーパーサッカー』7月度エンディングテーマでしたね。ご自身でもサッカーがお好きだそうですが、サッカー番組のテーマ曲とは感慨深かったでしょうか。いやもう、すごくうれしかったですね。もともと幼稚園の年少組の頃から、高校2年生ぐらいまで、けっこう本気でサッカーをやっていたんです。でも高2の時点で、「このままサッカーをやっていてもプロになれない」と思って、やめて。やれることと、やりたいことは別だと思いました。ーー潔いですね。でもサッカーで培ってきた体感といいますか、リズム感のようなものは音楽にも役立つところはあるのでしょうか。勉強をずっとしていなくて、親に勉強しろと言われたストレスを、音楽を聴いて思いっきり床をたたいてストレス発散していたので、それがリズム感に繋がったところがあるかな(笑)。反抗期だったんですが、実際には反抗できない感じだったので、床に気持ちをぶつけていた経験も、いまは音楽に昇華できていることはよかったですね。ーー収録曲から、いくつかおうかがいいたします。「MY FRIENDS」は、友達との絆を感じさせる歌詞も印象的なナンバーですが、どのように生まれた曲でしょうか。トラックを聴いたときに、日本語で歌うと締まらない印象があったので、共作していたニューヨーク出身のバイリンガルラッパーのBBY NABE(ベイビーナベ)ちゃんに歌詞を英語で書いてもらって、日本語は自分で書きました。これは友達に向けて歌っている曲ですね。EPに入っているものは先に配信されている曲以外、コロナ禍でできなかったこと、会えなかったことなどを思って、いまだからできた曲が収録されていることがまず、ひとつ。それでも前を向いていこうというポジティブなメッセージと同時に、前を向くためには不安や悲しいこともあるよね、という裏テーマもあったりしますが、どれもプラスな楽曲になっています。ーー「ニビイロ」は、テレビ朝日系ドラマ『鈍色の箱の中で』の主題歌でもありますね。ピアノで聴かせるバラードですが、初のドラマ主題歌を振り返るといかがでしたか。主題歌という大きすぎるお話で、その次元がわからなかったんです、最初(笑)。でもやっぱりドラマの主題歌のお話をいただけたことがすごくうれしかったですし、本気で力を入れたくて、そのとき初めてUTAくん(BTSさんやAIさん、三浦大知さんなどのプロデュースでも知られる)に楽曲提供してもらって。めっちゃいい曲だなと思いながら、歌いました。この「ニビイロ」から、自分がどんな音楽をやりたいのかがだんだんわかってきたんです。3曲目のシングルなんですが、自分が一番地声で気持ちいいところと、声を張って気持ちいいところが、それまでは全然わからなかったんですよ。2枚目のシングルまでは、(声を加工する)オートチューンをかけていまっぽいのがいいんじゃないかとリリースしたものの、あまり手応えがなくて。3枚目の「ニビイロ」でずっと歌いたかったバラードを歌ったら、まわりからも「バラードもいいね」と言われるようになって、そこからいろいろと気づき始めました。ーー楽曲にはラブソングもありますが、理想のタイプの女性を思い浮かべて歌詞を書いているのでしょうか。2枚目の「CINDERELLA」という楽曲では、実体験や感じたことをそのまま歌詞にしていますね。2枚目をリリースした時期がちょうど『オオカミちゃん』に出演した後だったので、恋愛ソングを待ってくれている子が多いかなと思って作ったのですが、歌詞の内容がまっすぐすぎて。自分の恋愛感情をただ、人に聴かせているだけの歌のように思ったんです。それからいろいろな人たちと楽曲制作を重ねていくなかで、自分の歌詞をプロデューサーさんに投げて、それをアレンジしてもらうことによって、すべて自分の言葉ではなくても自分の気持ちが入っているうえでの、歌詞になる。そのほうが、より人に伝わりやすいということに、気づき始めました。それまでは、「全部自分で歌詞を書きたい、メロディも作りたい」という願望もあったのですが、それが完全になくなって。むしろ作家さんに「こういう楽曲を作りたいんです」と希望したものに対して、作ってもらったものを歌うのもアリだなと。だから、歌詞に関しては「CINDERELLA」以外の曲ではあまり考え込まず、友達から相談を受けた恋愛の話を膨らませて書いてみたりしているという感じですね。自分のまわりにいる音楽チームの人たちはけっこう優しくしてくれるので、曲作りはレコーディングの直前まで、やりとりさせてもらっています。自分に合わせてくれるので、ありがたいですね。一番新しい8枚目のシングル「Silence」は、同じ作家さんが作ってくれていて、「ニビイロ」の進化版のようなイメージです。「ニビイロ」から本当に意識が変わりましたし、変わったと自覚できる部分もありますし、この曲が一番多くの人たちに聴かれていますね。ーードラマ『鈍色の箱の中で』に、竹内さんがカメオ出演されたそうですね。出ました(笑)。「えっ、出ていいの?」みたいな感じでした(笑)。人前で何かをするといっても、『オオカミちゃん』は演技ではないから、本格的なドラマとなると雰囲気がまた全然違って、新鮮でした。ーー竹内さんのお芝居する姿をまた見たいという、ファンの方もいるかもしれませんね。そうですね……でも、この間ライブをしてからは、「やっぱり、お芝居をするよりも、歌いたい」という思いが強くなりました(笑)。ーーライブはいつ頃されたのでしょうか。つい最近ですね。大阪城音楽堂で、有観客の音楽イベントに参加したんです。もちろんコロナの感染拡大防止のために、完全にマスクもアルコール消毒もしますし、立っちゃダメですしという感じで、お客さんの前で、初めてライブをやりました。もう……超やりにくかったです(笑)! 緊張しました。お客さんも声を出してはいけないから、手を振るか拍手だけという、リアクションも限定されていて反応がわかりにくくて。でもすごく楽しかったです、ライブ。ーーリアルに目の前にお客さんの顔が見えると、やっぱり違いますか。そうですね。今年の9月にラッパーのNovel Core(ノベルコア)くんと組んだ4枚目のシングル「From Now On feat.Novel Core」という曲があって、1回だけCoreくんの配信ライブで一緒に歌ったことがあったんです。あのときは、目の前にお客さんはいないから、どれだけふたりで盛り上がれるかと思いながら、歌っていました。今回、実際にお客さんがいるとなったときに、やっぱりお客さんの顔を見ながら、歌を歌わなきゃいけない、MCもしなきゃいけないとなると大変でしたし、難しかったんです。自分はトップバッターでの出演だったんですが、僕のあとにたくさん経験を積まれている先輩アーティストの方々が登場して、ライブを拝見して勉強になることばかりで、すごかったですね。ライブで得るものがいっぱいありました。ーーところで、竹内さんはインフルエンサーでありながらアーティストということですが、音楽活動以外のアウトプットはまた、違う形でも今後見せていこうとお考えですか。『オオカミちゃん』に出てから、SNSのフォロワーも増えて、知名度が上がったなかで、歌手だけに限らずいろいろなことをやってみたいです。何でも、できることはやろうと。これからは、音楽活動をやりながら、インフルエンサーでもある、というイメージですね。「満足できるライブパフォーマンスを身に付けたい」ーーオフの日は、どのように過ごしていますか。ティーカッププードルを飼っているので、犬と遊んでいるか、ゲームをしているか、ドライブかですね。ひとり暮らしをしていますが、犬とお散歩に行って、遊んで、横で寝てという感じ。そして「口くさーっ!」って(笑)。なぜか犬の口臭がひどいんですが、かわいいからいいかなと(笑)。ーーそうなんですね(笑)。ではたとえば自粛中などは、お散歩に行くぐらいで外出はせず?自粛といっても、生活に必要な最低限のものってあるじゃないですか。だから、コンビニやスーパー、コストコには行っていましたね(笑)。でもやっぱり、外出は控えたいから、家でできるものと思って、初めてゲームに目覚めて。PS4を買って、『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』というゲームをいまもずっとやっています。ーーちなみに、竹内さんが思う「魅力的な女性」とは、どんな女性だと思いますか。僕、けっこう、女性の魅力を見つけるのが得意なんですけど(笑)。だから、何でも誰でもかわいく見えちゃうから、とくにコレというポイントはないですね。ただ、基本的に、顔がかわいければ大丈夫です(笑)。でもそれは、相手の魅力を見つければ、顔もかわいく見えてくるということですよ。ーー魅力を見つけるのが得意ということは、同性の良さもすぐ見つけるのですか。いや、同性のことはよくわからないですね(笑)。女の子に関してだけかもしれないです。やっぱりオスなんで、いい意味でも悪い意味でも。同性同士でも、気が合う人はもちろんいますが(笑)。Rude-αくんとかもそうですし、音楽をやってきている人は、どこかぶっ飛んでいるところがないとお客さんの前で披露できないだろうし、お客さんの前でも常に楽しむ心がないと無理だなと思うので。基本的に自分のまわりには、楽しいことをするのが好きな人が多いですね。ーー最後に、音楽活動においての今後の抱負をお聞かせください。少し前までは、「ライブに出演することがあったら頑張りたいです」と言っていたんですが、この前、実際にお客さんの前でライブして変わりました。いまは「お客さんに満足してもらえるようなライブパフォーマンスをしっかり身につけたい」と考えています。いつかEPに入っている曲をお客さんの前で歌うことを想定して、完璧に歌えるようになるまで、いまは次の楽曲をぽんぽん出さないようにしたいなと。いままで1年間通していっぱい楽曲を作ってきたんですが、いま全部で12曲ぐらい自分の曲ができて、ソロライブができる状態には整っています。これからは時間をかけて、ゆっくりと進んでいけたらいいなと思いますね。取材後記まだ19歳という年齢ながら、インフルエンサーとして、アーティストとして、さまざまなフィールドに活動の場を広げていっている、竹内唯人さん。すらりとした長身で大人っぽい表情を見せつつも、屈託のない笑顔を見せるところが、ティーンエイジャーからの人気のもとなのだろうなと思いました。そんな竹内さんの1st EPをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・北尾渉取材、文・かわむらあみり竹内唯人PROFILE2001年1月9日、東京都生まれ。インフルエンサー、アーティスト。2019年7月、ABEMAの恋愛リアリティ番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、注目を集める。10月、シングル「Only Me」でアーティストデビューし、LINE MUSICランキング2位を獲得。2020年2月、3枚目のシングル「ニビイロ」がドラマ『鈍色の箱の中で』(テレビ朝日系 2〜3月期放送)主題歌に抜擢され、Spotifyのバイラルチャート5位に連日ランクインした。以降、コンスタントに楽曲を発表。12月10日、1st EP『THE FIRST』を配信リリース。InformationNew Release『THE FIRST』(収録曲)01.MY FRIENDS02.Good Time03.Drive04.At That Place and Time05.MOMENT06.ニビイロ07.Silence2020年12月10日配信リリース
2020年12月14日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第58回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その19をお届けします。1. 香水のにおいが強烈な男【結婚引き寄せ隊】vol. 58それは飲むことが好きだという人たちが集まる飲み会に参加したときのこと。30代が中心となっていることもあり、飲み会は落ち着いた雰囲気で進んでいきました。はしゃぎすぎる人がいることもなく、変わった人がいることもなく、ほどよくバランスの取れた飲み会に、リラックスしていたのです。ですが、1時間ほどしてから、「遅くなってごめんね!」とやってきた男性がいました。奥のほうの席に座っていた私は、その男性が座った席とはもっとも遠い席に座っていたので、とりあえずの自己紹介が終わったあとはほぼ近くで話をすることもありません。しばらくして、遅れてきた男性の隣にいた女性が「……席替えしませんか?」と提案してきて、そのときはなんとなく流れに乗って席を代わったのですが……。におう! かなり強い香水のにおいがするではありませんか。遅れてきた男性の隣に座ることになった途端、なかなかの強すぎる香水のにおいが鼻をつきました。そうなんです。遅れてきた男性は、ものすごく強い香水をつけていて、隣に座っていると食事がまずくなるレベル。席替えを提案してきた女性は、この香水臭に耐えられなかったようで、いまではすっかり解放された表情に。そこからは適当に話をして、遅れてきた男性とは反対側の男性と会話していました。香水をつけている本人は気合を入れすぎてつけすぎたのか、それともにおいに強いのか不明ですが、少し使う程度なら良い香りのものも、やりすぎると避けられる原因になってしまうのになあと思ったのでした。2. あきらかにやる気のない男それは20代から30代までの男女が集まる婚活パーティに参加したときのこと。同じように年代別で区切るパーティは多数ありますが、婚活を行う会社によってカラーが違って、ここでは女性は20代のギャルっぽい雰囲気の人が多く、男性もギャル男もしくはちょっと遊びなれていますといったタイプが多いパーティとなっていました。初めてこの会社の婚活パーティに参加した私は、年相応の清潔感ある服装で参加していたものの、ショートパンツを履いていたり、ゴージャスな茶髪の女性がたくさんいるなかで、かなり地味。「ちょっと場違いだったかな」とまわりの様子を見ていました。そのうち、席に座ったままの女性のもとを男性がひとつずつ隣の席へと移動していく、回転寿司形式のフリータイムが始まりました。話す時間も数分とあって短いため、急ぎ足で自己紹介しなくてはなりません。すると、長い前髪をカチカチにセットしたギャル男風の男性が目の前に来て、チラッとこちらを見てすぐ名前を言ったら、その後はひたすらその長い前髪をねじねじとしているではないですか。こちらから話しかけるにしても、共通点がなさすぎて、なんと言っていいのか……と思っているうちに、前髪ねじねじ男性は、隣の席へ。隣の女性は盛った茶髪のギャルっぽい女性でしたが、目の前に座っていたときとは打って変わって、突然おしゃべりになっている様子を見て、「あ、やる気なかっただけか」と気づきました。似た者同士って、やっぱり外見にも出てくるものですよね。求めるものもなく、求められるものもなく、この会社のパーティはその後婚活リストから速攻外したのでした。3. パジャマで来る男それはある少人数での個室お見合いに参加したときのこと。年収万以上という括りで男性は参加していて、それなりにしっかりとした経済基盤のある人たちが集まる場所となっていました。区切られた部屋に待っている女性のところに、男性が順番に入って会話をしていく進行のため、まわりのことを気にせず会話できて本気度の高い人が集まるはずなのですが……。「どうも」と、笑顔で来たその男性は、トレーナーにジーンズ姿。髪は寝ぐせなのか、ピョンッと飛び出たハネた髪が気になります。トレーナーもよく見ると、首のあたりがゆるゆるしていて、けっこう長く着ているお気に入りの服なのかなと思ってしまうほど。ただ、その男性の会話の内容はちゃんとしていて、手がけている仕事のことをしっかりと話してくれます。ふと、カジュアルな服装ですねと話すと、「ああ、これですか? 今日パジャマで来ちゃって」と言う男性。へ? と思い聞き返すと、遅刻しそうだったからパジャマにしているトレーナーはそのままで、下だけジーンズに履き替えて急いで来たと発言。どおりで、寝ぐせがついているわけだ、と納得。人当たりはよく、無難な印象ではあったものの、さすがにパジャマで来る男性はちょっとなあと思ったのでした。婚活していると、普段は知り合わないようないろいろなタイプの人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけて、すてきな人を見つけてくださいね。文・かわむらあみり©SIphotography/Gettyimages©zodebala/Gettyimages©Damir Khabirov/Gettyimages
2020年12月11日【音楽通信】第63回目に登場するのは、ドラマ『M 愛すべき人がいて』でアユ役を演じて全国的にその名を広めたシンガーの、安斉かれんさん!【音楽通信】vol. 63この1年は全部が初めてのことばかりで楽しかった2019年、令和元日となる5月1日にデビューし、10月に「音楽通信」に登場してくれた、安斉かれんさん。その後、2020年7月に発表した5thシングル「僕らは強くなれる。」は音楽関連ランキングにチャートインし、Googleトレンド急上昇ワードで1位を2度獲得。音楽活動以外にも、90年代の音楽業界を描き、Twitter世界トレンドTop3入りしたドラマ『M 愛すべき人がいて』(4月〜7月、テレビ朝日系・ABEMA)にW主演のひとりとして大抜擢され、大きな話題を呼びました。そんな安斉さんが、2020年12月2日に、7thシングル「Secret Love」を配信リリースされたということで、お話をうかがいました。ーー以前ananwebに初登場いただいたときは、まだ20歳になられてすぐで、メディア展開される前だったこともあり、謎のベールに包まれていた安斉さんでした。あれから1年の間に、いろいろと変化があったと思いますが、1年を振り返っての心境をお聞かせください。昨年の5月にデビューはしていたのですが、全部が初めてのことばかりで、目の前のことに取り組んでいたらもう1年経っていました。最初は、「笑わない」というキャラクター設定などもあったのですが(笑)、それもだんだんと解除されて、この1年は少しずつ「安斉かれん」というものを世に出せてきたんじゃないかなと思っていて……すごく楽しかったですね(笑)!ドラマ『M 愛すべき人がいて』に出演したこともすごく反響をいただいて。放送が始まって、バラエティにも出させていただいたりする機会もあって、どこか不思議な感覚でいましたね。ドラマが盛り上がるにつれて、Twitterでもトレンドに入ってきたりと、反響の大きさを感じながらもどこか自分のことではないように思えて、ひたすら不思議な感じがしていました(笑)。ーー安斉さんがご出演されたドラマもバラエティも拝見しましたが、バラエティもお芝居も全部初めてというなかで、実際どう感じていましたか。どれも難しかったですね。「アーティストの安斉かれん」にはかたちがあって、でもお芝居となると、自分以外のほかのキャラクターになる場面がある。そしてバラエティとなると、歌でもなくセリフでもない、自分の言葉で自分自身の判断でやらないといけないところが、話すことが得意じゃないから一番難しかったです。ーー浜崎あゆみさんをモチーフにした原作がもととなる『M 愛すべき人がいて』は大きな話題となりましたが、アユ役へのアプローチはどうされていたのか、あらためて教えてください。ドラマのアユというのは、リアルと原作も違いますし、原作とドラマも違いますから、なんと言うんでしょうか。監督さんたちと「ドラマオリジナルのアユを作ろう」と考えていました。ご本人にあまり寄せないようにと。いまもまだお会いしたことはないですが、もちろん歌は聴かせていただいているものの、あえてライブ映像は観ないようにするなど、「ドラマのアユ」をどうやって作るのかをすごく考えて、演じさせていただいていました。ーーW主演の三浦翔平さんからは、当時演技アドバイスなどはあったのでしょうか。ありましたね。三浦さんは最初から「俺はマサになる!」と、すでに役に入り込んでいらっしゃったんです。でも、やっぱり私は初めてのドラマなので、収録が始まって1週間も経っていない、まだ自分のなかで役がつかめていない時期に、泣きのシーンがあって。でも、それが泣けなくて、監督さんに「泣くというよりも感情を入れてくれればいいよ」と言われていたんです。その様子を見ていた三浦さんから、いつもはすごく優しい方なんですが、現場で「そんなんじゃ伝わんねえぞ!」と怒鳴られました(笑)。それで悔しくて、泣いたんです。……この話をすると、三浦さんは「俺めっちゃイヤなやつみたいじゃん」と言ってくるんですが(笑)、もちろんもともと全然イヤな方ではないですよ。それ以外のときは、私が「コーラが好き」と言っていたら、いつも三浦さんはコーラを買ってきてくれましたし、優しい方です。ーートリッキーな役どころだった、田中みな実さんはどんな方でしたか。田中みな実さんも、普段はすごく優しい方です。でも、いざ「用意スタート!」と本番になったら、役に入り込んでいらっしゃいましたね。新曲は初めて書いたキュンキュンする恋愛の歌ーー2020年12月2日に、7枚目のデジタルシングル「Secret Love」をリリースされましたね。この曲は、現在放送中の特区枠『社内マリッジハニー』(TBS系 毎週木曜深夜00:59ほか)のオープニング主題歌のお話をいただいてから、原作を読ませていただいて作りました。私自身、恋愛の歌詞を書くことが初めてだったので、書きながらも照れくさくなっちゃうような歌詞を書かせていただいたんです。でも原作もひっぱりすぎず、いろいろなところからヒントをもらって、実体験というよりもこの物語で描かれている恋の始まりを表現したいなと。ドキドキ、キュンキュンする気持ちを込めたかわいい歌詞にしたくて、メロディもいままでと全然違います。たぶんいままでで一番アップテンポの曲ですね。ーー「Secret Love」の歌詞は、甘酸っぱさもあるラブソングですが、安斉さんは以前「書きためたメモからひとつの歌詞にしていく」とお話されていましたが、今回はどのように?ずっと日記やメモから探っていくことが多かったので、今回のシングルは、これまでの曲と比べて作詞が一番難しかったですね。キュンキュンしたような言葉なんて、普段使わないから、「え〜大丈夫かな、こんなこと言って」と言いながら、書いていました(笑)。ーー新たな一面が見えたような気がしました。では今後もラブストーリーの主題歌などのオーダーがこなければ、ご自身からラブソングを書くことはないのでしょうか。書いたとしても、ちょっと恋愛しているニュアンスを出すくらいのものを書きたいなと思っています。歌詞全部が恋する気持ちだけで終わってしまう曲よりも、「誰のこと歌ってるんだろうな?」と思わせるような、いろいろな意味にもとれるようにした意味での恋愛の歌詞は書くかもしれないですね。ーーでは今回の曲はファンの方にとって、貴重なラブソングになったのかもしれないですね。いやいや、でも、わかんないです(笑)。いまこんなことを言っていて、そのうちラブソングを書き出すかもしれないので、いまのところはという感じですね。ーードラマにW主演されている板垣瑞生さん、松井愛莉さんからは主題歌の感想などはあったのでしょうか。感想はとくにないですが、「Secret Love」に合わせた振り付けを作って“マリハニダンス”を踊ってくれています(笑)。とってもかわいいんですよね。ーーこのドラマは、婚活アプリで即日婚から始まるラブコメですが、安斉さんは婚活や婚活アプリについては、どのように思いますか。いいと思います、新しい出会いの形ですよね。でも、婚活アプリを使うなら、だまされないようにっていう感じはありますが(笑)。ーーでは、安斉さんが思う、結婚するならこんな人という理想はありますか。結婚は、人生で1回はしたいかな。まだ21歳なので、まだまだ全然考えていないですね。それに結婚となるとひとりだけの問題ではなくなってきちゃうので、だから若いうちに、いましかできないことをたくさんやって、やりきってからいつか結婚したいと思います。……でも、わかんない(笑)。4年後とかにポロっと「結婚します」という報告をすることもあるかもしれないですけど(笑)。ーー楽しみにしています(笑)。ところで、10月からはラジオ番組『てくてくかれんだー』(FMヨコハマ 毎週火曜日 18:20)が始まりましたが、初めてのラジオMCはいかがでしょうか。私は神奈川県出身なので、ずっとFMヨコハマさんのラジオをお父さんの車でもよく聴いて育ってきました。だから、「FMヨコハマでラジオをやりたい」とずっと言っていたので、夢が叶ってすごくうれしいです。これまではラジオにちょくちょくゲストで呼んでいただいたりはしていたんですが、自分がMCになって進行していくというのは、すごく楽しいです。ラジオでは、好きな音楽を語ったり日常の出来事を話したり、ゆる〜くやっています。ファンの方とはSNSでつながっているとしても、文字だけじゃないところでつながりたいから、ラジオでもコミュニケーションをとっていきたいなと。やっぱり、自分の声を届けることは大事じゃないですか。たとえば、いままで洋楽が好きだと言ってきましたが、ラジオでは直接自分の口から「この曲がおすすめ」と言って、聴いてもらうことができますよね。そうやって自分の好きなものを共有できる時間というのがすごくうれしい。これからもアットホームな時間にしたいと思っています。「アーティストの幅を広げていきたい」ーー以前、愛犬のゼロくんのお話をうかがいましたが、オフのときはいまどのように過ごしていますか。いまも家の近くだけですが、ゼロとよく散歩します。ゼロと過ごすこと以外だと、友達とごはんに行くこともありますが、基本的には家にいるかな(笑)。あとはゲームをすることもあります。PS4をしているとすぐ時間が過ぎちゃいますね。ーー昨年安斉さんの初ライブとなった、渋谷のイベントに行かせていただきましたが、ステージで安斉さんが見えないまま観客はミラー越しに見るという演出が斬新でした。コロナ禍で難しいかもしれませんが、今後ライブのご予定は。渋谷のイベント、ありましたね! 夏フェス「a-nation online 2020」にも出演させていただきましたが、今年はオンラインライブでしたし。デビューしてからいままで一度も、自分のソロライブをしたことがないんです。いつか、お客さんの前で自分のライブを披露できたらいいなと思います。ーーでは最後に、今後の抱負を教えてください。来年は、アーティスト活動を大切にしていきたいですね。楽器もいろいろとやりたいですし、いろいろなジャンルの歌にも挑戦したいと思っているので、楽器の練習や作曲の勉強もやっています。アーティストとしての幅を広げていければいいですね。取材後記歌にドラマにバラエティにと、初めてづくしの1年を駆け抜けた、安斉かれんさん。20歳でお会いしたときよりも、21歳のいまは、顔つきも凛々しく充実した時を重ねられたことを実感しました。勉強熱心な安斉さんのこれからのご活躍も楽しみですよね。そんな安斉さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・大内香織取材、文・かわむらあみり安斉かれんPROFILE1999年8月15日、神奈川県藤沢市生まれ。令和元日の5月1日に1stシングル「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」でデビュー。2020年7月に発表した5thシングル「僕らは強くなれる。」は音楽関連ランキングにチャートインし、Googleトレンド急上昇ワードで1位を2度獲得。世界的にも大きな潮流を生みつつあるリバイバル・サウンドをいち早く取り入れ、Jポップのニュージェネレーションを歌っており、もともと「ポスギャル」と呼ばれる次世代のひとりで、90代を意識した8cmシングルで作品をリリースしていた。それらの楽曲は全て「TRKKEI TRAX」や「Maltine Records」などの気鋭のトラックメーカーによるReproduceという新たな手法でも再発表され、世界中のニュージェネJポップファンや超大物の海外DJらからも大きな反響を得ている。90年代の音楽業界を描き、Twitter世界トレンドTop3入りしたドラマ『M 愛すべき人がいて』(4月〜7月、テレビ朝日系・ABEMAで放送)にW主演として大抜擢され、大きな話題を呼んだ。ファッション・アイコンとして、コスメティックブランドの「M·A·C」の店頭ビジュアルの連続採用やティーンから絶大な支持を受けるカラコンイメージキャラクターを飾るなど、そのルックスにも注目が集まっている。12月2日、7thシングル「Secret Love」を配信リリース。InformationNew Release「Secret Love」2020年12月2日配信(サブスクリプション音楽ストリーミングサービスのみ)
2020年12月10日【音楽通信】第61回目に登場するのは、ミュージカルはもちろん、ドラマやラジオなど多岐にわたり大活躍中のアーティスト、山崎育三郎さん!【音楽通信】vol.61『エール』の佐藤久志役は自分自身にも重なる役2007年に『レ・ミゼラブル』のマリウス役に抜擢され、その後も数々の名作に出演している山崎育三郎さん。2015年にはドラマ『下町ロケット』(TBS系)で一躍脚光を浴び、2020年のNHK連続テレビ小説『エール』(NHK総合 3〜11月放送)では、窪田正孝さん演じる主人公・古山裕一の幼なじみ、佐藤久志役として出演。ほかにもミュージカルはもちろん、ドラマや映画、吹き替え、ラジオなど、さまざまなフィールドで活躍しています。アーティストとしては、2018年7月にオリジナルアルバム『I LAND』をリリース。そんな山崎さんが、2020年12月2日に、ニューシングル「君に伝えたいこと」をリリースされるということで、お話をうかがいました。ーー12歳のときにミュージカルでデビューされましたが、小さい頃からミュージカルや音楽にふれる環境だったのですか。子どもの頃から、家族でよくミュージカルを観に行く機会がありました。その頃の僕は、ものすごくシャイで人前が苦手だったのですが、そのことを母が心配していたんです。お気に入りのミュージカルの主題歌を僕が歌っていると、その歌声を聴いた母が「音程もしっかりしているしきれいな声だな」と、「このまま音楽をやらせるといいんじゃないか」となって、小学校3年生のときに、近所の音楽教室に通うようになりました。小学校3年生から歌を歌い始めて、当時はミュージカルや童謡などを歌っていたんですが、歌っているときはとても開放的になれました。学校でも、先生から「育三郎くんは歌が上手らしいね。みんなの前でこれ歌ってみて」と言われて、本当はシャイなんですが、歌うときだけは自信を持ってできたんですよね。そうやって少しずつ、歌うことが特別なことになっていきました。あるとき、音楽教室の方から「オーディションがあるからチャレンジしてみない?」と言われて、オーディションを受けたら合格したのがきっかけで、ミュージカル俳優としてデビューすることにつながっていきましたね。ーー子どもの頃に、舞台のどこに魅力を感じたのでしょうか。もともと人見知りだったけれど、舞台では役を通して歌を歌ったり踊ったりして自分を表現することでより開放的になれる瞬間があって“自分らしくいられる場所”だと感じられたことが、魅力だったんだと思います。歌と同時に、小学校から野球もやっていて、舞台は野球と同じような“チーム戦”というか。ひとつの作品をチーム全体で挑んでいく感覚が、子どもながらにすごく好きだったことを覚えていますね。楽しかった思い出があります。ーー“ミュージカル界のプリンス”と名高い山崎さんですが、『エール』では、窪田正孝さん演じる主人公の幼なじみで、歌手になって歌声を披露する佐藤久志役を演じていますね。今回の役は、ご自身とも重なる部分はあるのでしょうか。佐藤久志という役は、子どもの頃にお母さんとの別れがあってすごく傷ついているときに、森山直太朗さん演じる恩師・藤堂清晴先生と出会い、「君には歌がある」という励ましの言葉をもらったことによって、また一歩踏み出せる自信が持てるようになったんです。そんな歌によって自分に自信を持てたというところは、とても自分自身にも重なりますね。久志は音大でクラシックを歌ったりピアノを弾いたりするのですが、そういった青春時代を僕自身も過ごしていたので、その面でも重なる部分があって、楽しんでやらせていただきました。ト書きに「ウインクをする」など、台本にいろいろと書いてあって、なのでキザなお芝居は僕のアドリブでやっているわけではないんです。台本を見たときに「何を求められているだろう?」と考えて、前半はとくにコミカルに楽しんで振り切ったほうがいいと思ってやってみました。久志は後半、挫折してボロボロになって家族まで巻き込んでしまって、戦争時代には戦時歌謡を歌った自分のことを思うところがあり、いろいろなことが重なった状態になっていきます。きっと、もともと彼は繊細なものを持っていて、それを隠すように明るく振る舞うところがあると思うんですよ。華やかに見える人ほど、ひとりのときはすごく悩んだり、考え込んでしまうところがあると思うんです。ひとつの役で「プリンスだ」と言われてキラキラしたり、面白いコミカルなお芝居をしてみたり、あそこまでボロボロになって髭を生やして泥臭くなって、そして最終的に復活するんですが、ここまで振り幅のある役をやらせてもらうことはなかなかありません。これまでは、たとえばプリンスだったら、キラキラしたまま、終わることが多かったから。シングルの2曲は全然違うものとして聴いてほしいーー2020年12月2日に、ニューシングル「君に伝えたいこと」をリリースされましたが、森山直太朗さんが作詞作曲されていますね。きっかけはなんだったのでしょうか。以前、直太朗さんに、僕のラジオ番組のゲストに来ていただいたことがあって。その際、ギターを持ってきてくださっていたので、直太朗さんの「さくら」を一緒に歌ったんです。初めて一緒に合わせたのに、すごくいいハーモニーが作れて、直太朗さんもそのときのことをよく覚えてくださっていました。今回『エール』で共演したときに、いろいろなお話をする機会が撮影の合間にあって、メイク室で直太朗さんに「育三郎くんはオリジナル曲は歌わないの? 機会があったら曲を書いてみたいな」と言ってくださって。僕も「直太朗さんに書いていただけるならぜひ書いていただきたいです」という話から、とんとん拍子に話が本格的になっていった感じですね。ーー山崎さんから曲についてのリクエストはなさいましたか。いえ、まずは直太朗さんが僕をイメージした曲を待ちました。それこそ今回のこの曲だけではなくて、実は一気に10曲ほど書いてきてくれたんですよ。直太朗さんは「育三郎くんのことを思っていたら、どんどん楽曲が浮かぶんだ」なんて言ってくださって。次から次へと曲を仕上げてくださって聴かせていただくなかで、この楽曲が一番自分に響いたので、リリースすることにしました。ーーしっとりと聴かせるバラードで、ピアノの音色も印象的です。以前、直太朗さんの劇場公演『森の人』(2005年)の書籍の編集を担当させていただいたのですが、その劇場公演ではピアノを紺野紗衣さんが担当されていて、今回「君に伝えたいこと」でも紺野さんがピアノで参加されています。今回組まれてみて、いかがでしたか。実は紺野さんは、僕が12歳のときに初めて主演をやらせてもらったときのミュージカルの音楽監督助手だったんですよ。20数年前から彼女と出会っていて、僕にとっては、お姉ちゃんのような存在。ピアノの技術もお人柄もすてきな方で、当時からかわいがっていただいていて。最後に稽古場でお別れするときも、子役のみんなで、寄せ書きもして、彼女に歌をプレゼントしたんですよ。印象的な出会いでした。でも今回はそことは関係なく、直太朗さんと楽曲の話をしたときに、ピアノをどの方に弾いていただくかとなった際、お互いに「紺野さんがいいね」と名前が出たんです。僕が彼女と20数年前に出会った直後くらいに、直太朗さんも出会っていて。偶然が重なって弾いていただくことになって、もちろんピアノは間違いないですし、子どもの頃からの付き合いもあるので、あうんの呼吸じゃないですけども、ふたりきりで一発録りしたレコーディングもうまくいきました。そして今回、僕がこの曲を選んだ理由はもうひとつあります。僕はミュージカルで育ってミュージカルの世界で生きてきたので、自分自身ではなく、役として、作品のなかでの表現をずっとやってきたんですね。でも、もっと「等身大な自分の楽曲を歌ってみたい」という思いもあったんです。今回はミュージカルで歌っているときとはまったく違う歌い方で、山崎育三郎としての歌声で「自分の思いを届けたい」と、チャレンジさせていただきました。ーーいまのリアルな山崎さんが詰まっている曲ともいえるのですね。そうですね。レコーディングの頃、『エール』でちょうど直太朗さん演じる藤堂先生が戦争で亡くなるエピソードがあり、歌詞の内容については藤堂先生から久志へのエピソードだととらえてグッときながら歌ったことを覚えています。僕もここまで生きるなかでいろいろな別れがあったり、学生時代に祖父母と3人で暮らしていた時期もあったりして、おじいちゃんおばあちゃんへの思いが重なったり。聴く人にとっても、自分の大切な人を思い浮かべて聴いてほしいという思いをこめて、より自分の心で歌えるような楽曲としてとらえました。あえて歌詞も、どの方の思い出にも寄り添えるように、言葉選びは意識しています。ーーカップリング曲は、佐藤久志として『エール』でも歌われていた古関裕而さん作曲の(劇中では古山裕一作曲の)「栄冠は君に輝く」です。劇中では、一升瓶をラッパ飲みしていた久志が立ち直って、伝統ある甲子園球場で同曲を歌唱するシーンはジンときました。あのシーンはどのような思いで歌っていらっしゃいましたか。あの瞬間は、『エール』の久志としてみんなへの感謝の気持ちをこめて、さらに全国の学生のみなさんやいろいろな人たちにエールを届けたいと思って、この歌を歌っていました。僕は小学校から高校まで野球をやっていて、甲子園というものが子どもの頃からの夢の舞台なんです。この曲は高校野球の歌ですから、子どもの頃から当たり前に聴いていた楽曲だったんですが、今年はコロナの影響で甲子園で開催する予定だった全国高等学校野球選手権大会が100年の歴史のなかで初めて中止になってしまいました。学生にとっては甲子園がすべてだったわけじゃないですか、全国の高校球児たちの悔しい思いもすごくわかるんです。それとは別に、古関さんの母校の福島県立福島商業高等学校の吹奏楽部のみなさんとコラボをする企画がNHKさんであって、コンサートをする予定もあったんですが、それもコロナの影響でなくなってしまいました。でも、企画がなくなっても、子どもたちが自発的に「山崎さんに送ろう」と、この曲をリモートで演奏して僕に送ってくださったんです。そのことにすごく感動して、「みんなとの演奏を形にしたい」と思ったとき、ちょうど「君に伝えたいこと」のシングルリリースを考えていたので、ここに収録しようと。そしてコーラスは、福島大学付属小学校の合唱部のみなさんなんですよ。直太朗さんもコーラスに参加しています。この曲は古関さんの母校の高校と、小学校のみんなに参加してもらってできた楽曲なんです。だからこれは、カップリングというよりも、特別な思いのある曲なんです。「君に伝えたいこと」も朝ドラをやっていたからできた楽曲ですが、「栄冠は君に輝く」は今年だからこそ生まれた楽曲で、この2曲は全然違うものとして聴いていただきたいですね。ーー『エール』のオフィシャルサイトで、主演の窪田さんとのオフショットも公開されていました。撮影の合間は、基本的には窪田くんもそうですが、みんなリラックスしていますね。本番までは、甲子園のシーンを撮る合間もふたりでキャッチボールしていました。本番になって「栄冠は君に輝く」を歌っていたシーンは、視聴者のみなさんには、久志がボロボロになってからやがて最終的に、あの歌のシーンになっていく流れだったじゃないですか。でも、実際は、あの「栄冠は君に輝く」を歌うシーンから撮影したんですよ。ドラマでは物語の順番通りに撮影しないことはよくあるんです。そこが一番のプレッシャーでしたね。台本を読み込んで「こういうことがあって、こういう感情で歌うだろうな」と自分で自分を追い込んでいったんです。そんななか、先ほどお話させていただいたような思いで歌わせていただいて、こみあげてくる思いがありました。誰もいない、無観客の球場のピッチャーマウンドにひとりで立ったときに、なんとも言えない気持ちになったんですよね。本当だったらここに、たくさんのお客さまがいて、野球も行われていたんだろうなと思ったり。僕もコロナの影響で、ミュージカル『エリザベート』が全公演中止になって、通常では考えられないことが起こった年。芝居を超える瞬間が自分のなかにあったので、いろいろな思いであのシーンに挑んでいけた。最終的には、ちゃんとお芝居がつながっていたので、良かったなと思いました。この瞬間を必死に生きると未来につながっていくーーオフの日はどのように過ごしていらっしゃいますか。実は、オフがまず、ほぼないんです。時間があったら分厚い台本や歌を覚えたり、どういうパフォーマンスをするかを考える時間になっていて、やることがいっぱい(笑)。あとは家族と過ごすだけですね。ずっとこんな感じで過ごしていて、基本的に仕事の現場に行くときは、もう全部できあがった状態にしています。ーー息抜きはされないのでしょうか。これが不思議なんですがしないんです。どこか仕事を仕事とも思っていないというか、どれも好きでやっているので、好きなことが息抜きでもあり、仕事でもあり。だから、毎日24時間ずっと仕事なんです。きっと、これを仕事と思ったらできないですね、好きでやっているから。どうやったらお客さまに喜んでいただけるかだけをずっと考えているんですが、それって、すごくワクワクするじゃないですか、学生の文化祭の前のような気持ち(笑)。それに近いんですよ。ずっとそんな感じで、なるべく楽しみながら、自由な心でいられるように意識して生活していますね。ーー11月には「山崎育三郎 THIS IS IKU 日本武道館」 が開催されましたね。これは僕のラジオ番組から生まれたコラボ企画のショーで、今年で3年目になります。僕自身がドラマ、映画、声優、バラエティ、コンサート、歌手とさまざまな仕事をしているなかでのいろいろな出会いが僕を成長させてくれています。「ジャンルを超えたい」といつも思っていて、僕はヒュー・ジャックマンさんが大好きなんですが、彼はブロードウェイの舞台に立ち、映画ではハリウッドスターでもあり、司会もやって、コンサートもやってCDも出しているんです。彼は自分がパフォーマンスできる場所ならどこへ行こうが表現できる人だからこそ、そこで求められている。それと一緒で、もうジャンルで区切る時代ではない気がしていて、ジャンルを超えたエンターテインメントを作りたいという思いがあって、毎年自分が出会った人たちとの、ここでしか見られないショーというのを作らせていただいています。これだけジャンルがバラバラな人たちと出会う機会があるのは、ミュージカル俳優をやりながら、いろいろな活動をさせてもらっている自分だからこそ、できていることだと思っています。ーー最後に、今後の抱負をお聞かせください。基本的に、明日が来ると思っていないんです。いまこの瞬間、何ができるか以外、何もできないと思っていて。たとえば今年、誰もコロナ禍になるとは思っていなかったわけじゃないですか。ですから、先を見るよりは、どれだけ与えられたこの瞬間を必死に生きるか、それが結果未来につながっていくだけだと思っています。目の前にあることに必死に挑むだけで、それが知らない間に、自分でも想像していなかった未来につながっていくから。数年前の自分にとっても、いまのように朝ドラに出て、武道館のステージに立つなんてことをやっているかといったら、そんなことは全然想像していませんでした。でもそれは、これまでの積み重ねでしかなくて、抱負と言ったら、「どれだけ目の前のことに集中して、本気でできるか」ということですね。あとはコロナの影響で、ミュージカルも公演中止になるなど、お客さまが客席にいない空間をたくさん経験しました。目の前にお客さまがいて、舞台に立てることが当たり前じゃないとすごく実感しています。僕たちの仕事は、お客さまがチケットを手にして、時間を作って、観に来てくださるということで成立しているので、あらためて応援してくださる方や劇場などに足を運んでくださる方々への感謝の気持ちはより強くなっています。また、お客さまがいる前で、パフォーマンスができる状態が戻ってくることを祈っていますね。取材後記先日放送を終えた『エール』では、全国のお茶の間へ楽しい時間を届けてくれた山崎育三郎さん。ミュージカルにドラマにラジオ、そして音楽活動と忙しいなかでも、自由な心でジャンルレスにご活躍される山崎さんからは、元気をもらえる人たちも多いのではないでしょうか。そんな山崎さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・宮﨑健太郎取材、文・かわむらあみり山崎育三郎PROFILE1986年1月18日、東京都出身。2007年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』マリウス役に抜擢され、その後も数々の名作に出演。2015年、ドラマ『下町ロケット』(TBS系)で一躍脚光を浴び、以降もドラマや映画、吹き替え、ラジオではニッポン放送『山崎育三郎のI AM 1936』(毎週土曜 午後9時30分)のパーソナリティも担当するなど、さまざまなフィールドで活躍中。アーティストとしては、2018年7月にオリジナルアルバム『I LAND』をリリース。2020年3月より放送中のNHK連続テレビ小説『エール』(NHK総合 3月〜11月放送)に、佐藤久志役として出演。12月2日、ニューシングル「君に伝えたいこと」をリリース。InformationNew Release「君に伝えたいこと」(収録曲)01.君に伝えたいこと02.栄冠は君に輝く03.君に伝えたいこと [Instrumental]04.栄冠は君に輝く[Instrumental]2020年12月2日発売(通常盤)UPCH-5975(CD)¥1,200(税別)(初回盤)UPCH-7570(CD+DVD)¥1,700(税別)
2020年12月05日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第22回は、今年に入りコロナの影響で、結婚にまつわる行事を中止にせざるをえない人たちや結婚式場が苦境に喘いでいるエピソードを3つご紹介します。1.「結婚式ができない」と嘆く新婚さん【ママライフばんざい!】vol. 222020年に入ってからというもの、新型コロナウイルスのことを意識しない日はありませんよね。全世界で猛威を振るうコロナがはやく収束することを祈るばかりです。そんなコロナの影響を受ける今日この頃ですが、まずは結婚式が延期になったエピソードからご紹介しましょう。都内のIT関連会社に勤務する20代後半のAさんは、かねてからお付き合いしている恋人と今夏結婚式を挙げる予定にしていました。結婚式場を決めるときは、まず式場もそうですが、日取りを気にすることも多いもの。式を挙げるのは「大安」など縁起の良い日に希望が殺到するため、人気のある式場だとさらに予約待ちとなり、1年前から申し込んでおくことも珍しくありません。Aさんの場合、昨年から式場を予約して着々と準備を進めていたのですが、今年に入りこのコロナ禍となって「結婚式ができない」と判断し、やむなく結婚式を延期することに決めました。Aさんカップルはふたりとも地方の出身で、現在東京に住んでいるため、結婚式には高齢のご両親や親戚に上京してもらう必要がありましたが、さすがに多くの人たちを呼び寄せる状況ではなくなったのです。コロナ禍のいまは、リアルに招待客を呼ばずに、割り切ってリモートで参加してもらう“オンライン結婚式”のサービスもできているようですが、Aさんのようにやはり目の前で結婚を誓いたいというカップルは、コロナ禍が明けるのを待つ選択となるようです。2.「新婚旅行がお預けになった」と残念がる夫婦OLで30代前半のBさんは、長く付き合う恋人とそろそろけじめをつけようということで、今年結婚式と新婚旅行を計画していました。しかし、コロナ禍となり、結婚式と新婚旅行の予定を再考せざるを得ない状態に。Bさんはそれほど結婚式にはこだわりがなかったため、式は小規模にしてささやかなお披露目会に変更するか、式自体を延期しようとすぐに決めたそうです。ただ、Bさんがずっと楽しみにしていたのは、新婚旅行。お互いに忙しくて、旅行自体ほとんど行っていなかったようで、晴れて結婚式のあとの旅行ということを心待ちにしていたのだとか。当初海外旅行の予定を立てていましたが、コロナ禍となり、せめて国内旅行にとも考えたようですが、どこに行ってもそれほどのびのびとできないかもしれないと旅行も断念。「新婚旅行がお預けになった」と切ない気持ちになっていました。ただ、世界的に影響を受けているコロナ禍の状況を過ぎてから、正々堂々とのびのび海外旅行を満喫するという、新たな目標ができたと考えると、楽しみがまだ先にあっていいのかもしれません。3. コロナ禍で大打撃を受けるブライダル業界コロナの影響が大きいのは、イベント事業や飲食業など、多岐にわたっている状況ですが、ブライダル業界もそうなんです。これまでご紹介してきたように、人が集まる結婚式などは、3密状態となってしまうため、結婚式の中止や延期を余儀なくされるカップルが増加中。自営業でアラフォーのCさんは、すでに入籍もして結婚式も挙げていました。新婚当時のラブラブな気持ちを忘れないようにと、「毎年結婚記念日にはここで食事をしよう!」と決め、結婚式場にあるレストランで毎年、アニバーサリーディナーをとることを楽しみにしていたんです。それが今年に入り、久しぶりに式場のレストランに予約を取ろうとすると、なんと「閉館のお知らせ」が。もともとその式場は閉館を計画していたという噂もありながらも、やはり今年になってから式のキャンセルが相次いだうえ、延期されるなどで影響を受けたようで、Cさんはとても残念がっていました。ブライダル業界にかかわらず、実際に仕事もリモートワークに切り替わっている方が多いなか、withコロナやアフターコロナの時代は、いろいろなことが変化していくものなのかもしれません。影響を受けることは多々ありますが、またきっとうれしい時間が戻ってくるはずだと信じて、前向きに過ごしていきたいものですね。文・かわむらあみり©Denkou Images/Gettyimages©urbazon/Gettyimages©TaPhotograph/Gettyimages
2020年12月02日【音楽通信】第59回目に登場するのは、豪華な4人のプロデューサーを迎えた“等身大の大人のポップ・アルバム”を発表される、女優・歌手の小西真奈美さん!【音楽通信】vol.59スゴ腕ラッパー陣からオススメされ曲作りを開始女優として数々のドラマや映画、CMでご活躍されている、小西真奈美さん。美しく凛とした印象のある小西さんの音楽活動は、2008年に映画『Sweet Rain 死神の精度』の主題歌「Sunny Day」を劇中の役名「藤木一恵」名義で発表したことが始まり。8年後の2016年には、舞台『KREVAの新しい音楽劇「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」』において、初めてラップに挑戦。さらに、KREVAさんのシングル曲のカバー「トランキライザー」を初めてご自身として「小西真奈美」名義でリリースし、iTunesのHIPHOPチャートで1位を獲得。インディーズでのリリースを経て、2018 年に全曲作詞作曲を手がけたメジャー 1stアルバム『Here We Go』を発表されました。そんな小西さんが、2020年11月25日に、亀田誠治さん、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さん、KIRINJIの堀込高樹さん、Kan Sanoさんをプロデュースに迎えたニューアルバム『Cure』をリリースされるということで、お話をうかがいました。ーーまずは小西さんが学生時代などによく聴いていたアーティストから教えてください。学生時代はJ-POPを聴くことが多かったです。THE BLUE HEARTSやZARDといった、その時代に流行っているものを聴いていました。ーー小西さんご自身の音楽活動としては、2008年にご出演された映画『Sweet Rain 死神の精度』の主題歌「Sunny Day」を劇中の役名「藤木一恵」名義でリリースされたのが最初ですね。このときはどのようなお気持ちで歌っていらっしゃいましたか。最初から、歌を歌う役だというお話をいただいていたので、それも踏まえて役の延長で歌っていましたね。ただ、歌うのは大変だと思いました。お芝居は自分で脚本は書いていないですが、自分の体を通して役を具現化していくということが、ある程度経験などで自分の中に入っています。反対に、歌の場合は、役だけれども自分の声で歌う、でも自分で歌詞を書いていないものに思い入れを込めてと言われても、役の思い入れなのか自分の気持ちなのか。自分の思い入れと言っても、自分で歌詞も書いていないですし……音楽に関しての引き出しのなさに愕然として、どうしたらいいのやらと(笑)。そのときは音楽のディレクターさんのディレクションに従って、やっていく感じでした。ーーその後、2016年に舞台「KREVAの新しい音楽劇『最高はひとつじゃない 2016 SAKURA』」で初めてラップに挑戦されましたね。KREVAさんの曲「トランキライザー」をカバー配信してiTunesのHIPHOPチャートで1位を獲得されています。当時は、トリビュートアルバムの発売が決まっていて「何か歌いたい曲はありますか」とお話をいただいたのですが、あまり制作期間がなくて、せっかく曲を作っていただいても自分のなかで消化できないまま歌うのは書いていただく方にも申し訳ないからどうしようかと悩んでいました。それならば、自分が好きな曲をカバーするといいなと思ったんです。事務所の先輩でもあるKREVAさんの「トランキライザー」は、よく口ずさんでいましたし、リスペクトもしているので、この曲を提案したら採用されました。ーー2018年には、ご自身で作詞・作曲を手がけ、KREVAさんがサウンドプロデュースしたアルバム『Here We Go』で、本格的に歌手デビューされましたね。やはり2016年のKREVAさんの舞台でラップに挑戦されたことが、現在につながっているのでしょうか。KREVAさんと2016年に舞台でご一緒したときに、RHYMESTERのMummy-Dさんと、AKLOさんが出ていらして、歌の練習の日があったんです。そのときに、Mummy-DさんとAKLOさんは先に練習が終わっていたのですが、私の番まで待っていらして、「何されているのですか?」とたずねたら、「聴きたいから」と言われて「えー!」と(笑)。ラッパーといえば名前があがるこの3人が待っていて、私のラップを聴いているわけですよ。終わった後に、みなさんが「真奈美ちゃんのラップは良いから、自分でも曲を作ったほうがいいよ」と言ってくださって。単純なので、褒められたら「やってみようかな」と思って(笑)、自分でも曲作りを始めました。ニューアルバムは「すごく新しくて面白い」ーー2020年11月25日に、ニューアルバム『Cure』をリリースされます。今回は、亀田誠治さん、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さん、KIRINJIの堀込高樹さん、Kan Sanoさんをプロデュースに迎えているのですね。はい。「ひとりのプロデューサーにつき、カバー曲とオリジナル曲の2曲を収録して、4人の方とアルバムを作りませんか」とお話をいただいて。私の音楽活動でのインディーズ時代が2017年にありまして、そのときに亀田さんとKREVAさんにも曲を作っていただきました。そんなふうにひとりのプロデューサーにひとつの作品を作っていただいたことはあったのですが、同時に複数のプロデューサーがいて洋楽のカバー曲もあるとなると、ご提案いただかなかったら自分では思いつかなかったので、今作は「すごく新しくて面白いな」と思い、チャレンジしてみようと思いました。ーープロデューサーさんはご自身のご希望で選ばれたのですか。亀田さんと後藤さんは、私から提案しました。亀田さんはインディーズ時代にご一緒して、人としてもプロデューサーとしても、とても素晴らしい方でしたので、「またぜひご一緒したいです」とお話ししました。後藤さんは、私がアジカンの大ファンでよくライブに行っていたのですが、一度もお会いしたことがなく。その後、私がラジオ番組をやっていたときに後藤さんがゲストで来てくださったことがあって、そのとき「私も音楽をやっているんですよ」と、CDをお渡しして。「いつか音楽でご一緒したいです」というお話をしていたのですが、今回オファーを差し上げたところ引き受けてくださいました。堀込さんとKan Sanoさんに関しては、レコード会社のスタッフさんが薦めてくださって、、すてきな方だなと思ったのでぜひと。ーー亀田さんは以前もご一緒されていますし、今回も制作しやすかったですか。亀田さんには3年ほど前に初めてお会いしたのですが、そのときは私、音楽に関しては、ほぼ素人の状態でした。いまもすごく技術があるわけでも音楽的な知識があるわけでもないですが、当時はもっとなくて。なのに、「この曲はこういう感じで」と思いを伝えることに対して、ものすごくキラキラした目でまっすぐに向き合ってくださいました。プリプロという、レコーディングに向けて音を選んだりする作っていく作業があるのですが、そのときに「本当にかっこいい! イェイ!」と、盛り上がりながら作品を作っていらして(笑)。亀田さんは情熱と紳士的なものを併せ持っていらして、全部できあがったあとも、「知識や経験は関係ないから、真奈美ちゃんのなかから湧き出るのを作ってください」と言っていただけたので、それで今回も「ぜひご一緒しましょうね」と。3年後にお会いしても、そのときの情熱はまったく薄れていなくて、あれだけ経験も技術も知識もある方なのに上から目線にもならず、相変わらず作った私の意志を尊重しようとしてくださって、今回もありがたい時間でしたね。ーーカバー曲についてですが、亀田さんがプロデュースされた椎名林檎さんの「ギブス」が選曲されていますね。実は「ギプス」が発売されたときにすぐCDを買って、すごく好きで聴いていました。そのブックレットのクレジットを見ていたときに、初めて亀田さんのお名前に出会ったんですよ。亀田さんにもそのお話をして、「ギブスが大好き」と伝えたら、「僕も好きです」と。だから、亀田さんにカバーのプロデュースをお願いするなら、絶対「ギブス」だと思っていました。2000年に「ギブス」が発売されてから20年経って、その間、この曲のカバーのプロデュースを依頼されたこともあったそうですが、今回「真奈美ちゃんだからいいかなと思って」と、オリジナル以降初めてプロデュースをしてくださることがわかって、感激しました。ーーオリジナル曲も、4人のプロデューサーのみなさんの個性が出ていると感じましたが、後藤さんとはどのような制作状況でしたか。後藤さんは、ソロ活動時のバンドのみなさんと一緒にやりたいということで、プリプロから私も参加しました。後藤さんが前に出て仕切るというよりも、私がやりやすいように後藤さんはうしろでサポートしてくださいました。レコーディングは初日から、全員の追い込み方が作品を作る者同士の空気感でいっぱいでしたね。バンドのみなさんと休憩中にお話ししていて、メンバーの方から「俺たち、テレビで見ている人と作ってるんだよね、よく考えたら(笑)」と言われて。でも私は、「私もみなさんのライブに行ってましたよ」という話をフラットにしたりと、みなさんが仲間として受け入れてくださったことが、すごく楽しかったです。ーー後藤さんの担当曲「Endless Summer」は、後藤さんもコーラスで参加されていますよね。「ちょっとここ、低い声がほしいよね」という話をしていて、最初私が低い声でやってみたのですが、無理があるなと。声を機械的に低くすることもできますが、せっかく生のバンドで演奏しているのだから、男性の声で歌ったほうがいんじゃないかということで、後藤さんが歌うことになりました。ーーアルバムのオリジナル曲については、ご自身で作詞作曲を手掛けていらっしゃいますが、今回はプロデューサーの方のカラーも考慮して曲作りをされたんでしょうか。はい。亀田さんは、プロデュースしていただくことを想定して書き下ろしました。後藤さんだけ共作なのですが、後藤さんが大元を作っていらして、歌詞を私が一緒に作る形でした。Kan Sanoさんと堀込さんはオンライン上でのやり取りのみだったのですが、おふたりの曲を聴いて、好きな雰囲気のものを作ってオファーしました。ーー1曲目「Cure」はSEのような、ドラマの幕開けのような短い曲ですが、笑い声などが聴こえてあたたかみを感じます。アルバムのタイトル曲でもありますね。もともとは、この曲を入れずに全8曲でリリースする予定でした。でも、アルバムタイトルを考えたときに、今回は4人の方がいてどれかの曲にフォーカスしてタイトルをつける方向ではないなと思ったので、別にタイトルがいるなといろいろ考えました。純粋に、自分にとって「音楽ってなんだろう」と考え、それをタイトルにできたらと。私にとって音楽は、子どもの頃からなくてはならない存在で、いつも心を助けられたり悩んだり迷ったりしたときに生きるヒントをもらったりするものです。心も体も、もしも何か薬が必要な状態だったとしても、音楽を聴けば元気になるというところがあって、私にとって音楽はある種の“治療薬”のようなもの。いま世の中がコロナ禍で、塞ぎ込みがちな時代でもありますが、遠くに行かなくても音楽はいつでも聴けるので、もしこのアルバムが聴いてくださる方にとって“Cure(治す、癒す)的”なものになればいいなと、このタイトルをつけました。音楽もCure的な効果がありますが、大好きな人たちに会って笑い合うのも同様の効果があると思って。アルバムがいきなり曲から始まるよりも、小西真奈美の人となりにちょっとだけ触れていただいてから本編になるほうが、聴いてくださる方とちょっとだけ距離が近くなるんじゃないかと思いました。それで、友達やいろいろな人たちの声を録らせてもらって、編集して収録しました。音楽で“楽しみの循環”ができたらいいなーーアルバムは『Cure』ですが、小西さんにとって、普段の生活のなかでのCureはなんですか。自然です。大自然のなかにいるのも素敵ですが、たとえその場所に行かなくても、朝焼けも夕焼けも、月でも星でも木々が揺れる音でもいいですし、何かに目を向けて感じようと思うとそのあたりにいっぱい自然を感じることができるんですよね。力強くて、やさしい。自粛期間でも、散歩はOKだったので、あらためてこの期間には自然の力を実感しました。ーーいまハマっているものはありますか。以前からですが、ずっとバレエをやっています。とくに自粛期間中はまったくバレエのレッスンに行けなかったので、いまは踊れたり運動できたりすることがすごく楽しいです。ときどき、しんどいなと思うこともあっても、行くとやっぱり「体を動かすことは素晴らしい!」と思います。ーー女優としてもご活躍されている小西さんですが、普段から美容面や健康管理で気をつけていらっしゃることは。まず早寝早起きが、絶対にいいですね。私たちの仕事はロケで朝早いことも多いので、早寝早起きにすると、それに慣れるんです。それに、午後10時から深夜2時が肌と体に良いゴールデンタイムだと聞いて。寝ている間に、体や肌を修復するのが10時から2時らしいんですよ。先輩の女優さんが、10時から2時まで寝て、起きてまた仕事して、また寝ると、細切れはどうなんだろうと思いつつそれでも肌が良くなったと聞いて、実践し始めたら健康状態も良いですね。朝日を浴びるのもすごく良くて、逆に言うとそのサイクルが狂って撮影が夜中までなどになると、たった3日間ずれただけで、4日目はお肌がぐったりしてダイレクトに影響があるんですよ。あとは朝起きて、水か白湯を飲んで、窓を開けて外の空気を吸うということを大事にしています。暑い夏だけじゃなく、雨の日も、いまは海外に行けませんがたとえ海外に行っても、寒い冬でも、地方に行っても、どんなときでもやっていますね。ーーそれはやってみたいと思います。私も早寝できるようになるまで、1年ぐらいかかりました。1、2か月で30分ずつ寝る時間を早くして、徐々に体を慣れさせるといいかもしれませんね。ーーでは最後に、今後の音楽活動の抱負を教えてください。音楽を作れば作るほど、出会えば出会うほど、どんどんやりたいことやアイデアが出てきて、すごく楽しいです。あと20年ぐらい続けられたら、私は還暦になる頃です。みなさんだいたい20周年ツアーというと、20歳前後でデビューされてから、いまの私ぐらいの年齢で20周年になりますよね。でも、還暦になってそういうことするのも面白いなと思っています。いまは会えないですが、いずれ私の音楽を聴いてくださるみなさんに会える時期が来たら、「この人の曲をもっと聴きたいな」と思ってもらえるようなライブをやりたい。そして、次はアルバムをまた楽しみにしてもらいたいというのが理想です。そんな“楽しみの循環”みたいなものができたらいいですね。取材後記女優として、歌手として、ご活躍されている小西真奈美さん。その美しい佇まいは誰もが知るところですが、繊細で透き通るような歌声が堪能できるニューアルバムは、4人のプロデューサーの方の色とりどりの楽曲がぎっしり詰まっていますよ。そんな小西さんのアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・大内香織取材、文・かわむらあみり小西真奈美PROFILE1978年10月27日生まれ。女優・歌手。1998年、つかこうへい演出の舞台『寝盗られ宗介』でデビュー。女優として数々のドラマ、映画、CMに出演中。歌手としては、 2016年、舞台『KREVAの新しい音楽劇「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」』にて初めてラップに挑戦。KREVAのシングル曲のカバー「トラキイザー」を初めて本人名義でリリース。同曲はiTunesのHIPHOPチャートで1位を獲得。2017年、インディーズでEP「I miss you」と、亀田誠治プロデュースのシングル「君とクリスマス」「クリスマプレゼント」をリリース。2018年、ビクターより全曲自身で作詞作曲を行ったメジャー 1stアルバム『Here We Go』を発表。2020年11月25日、ニューアルバム『Cure』をリリースする。InformationNew Release『Cure』(収録曲)01. Cure02. 君とはもう逢えなくても (Produced by 亀田誠治)03. ギブス (Produced by 亀田誠治)04. Endless Summer (Produced by 後藤正文)05. Ain’t Nobody Know (Produced by 後藤正文)06. アンリーシュ (Sound Produced by 堀込高樹)07. Lost Stars (Sound Produced by 堀込高樹)08. Again (Produced by Kan Sano)09. Don’t be afraid (Produced by Kan Sano)2020年11月25日発売*CD収録内容は全形態共通。(通常盤)UCCJ-2183(SHM-CD)¥3,080(税込)(初回限定盤)UCCJ-9225(SHM-CD+DVD)*ボーナスDVDにはMusic Video2曲を収録。01.「君とはもう逢えなくても」(Music Video)02.「君とはもう逢えなくても」(Music Videoメイキング+インタビュー)¥3,850(税込)
2020年11月20日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第57回は、年下男性が惹かれた「素敵な年上女性」のエピソードを3つご紹介します。1. 年齢を隠さない【結婚引き寄せ隊】vol. 57今回は、「年上女性が好み」だという年下男性に、年上女性の魅力を聞きました。「年齢を隠さない」女性に魅力を感じるという、20代半ばの営業マン、Aさん。さらにどういうことか聞いてみると、合コンなどに行っても、女性に年齢は聞きにくいから、まず自分の年齢を言うとだいたいは相手からも「〇歳」と返ってくるのだとか。でもそのときに、年上の女性はだいたいが年齢を聞き流したり、「内緒」と言ってきたりするのだそう。だからなのか、妙にかわしたりせず、「私は〇歳」と年齢を隠さず言う女性は好感度が高くなるというのです。また、「歳が上とか下とかより、話していて楽しいかどうか」しか見ないというAさんは、年齢自体ではなく、年齢を隠すうしろめたさのようなところが苦手なのだとか。アラフォーになっても婚活していた筆者からすると、若い女性もわんさか婚活市場に参戦していて年齢を言いにくい環境があることを知っているだけに、すすんで歳の話はしたくないよねえと思うんですが、どうせバレることなので聞かれたら隠さず堂々と言うほうが潔いのだなと思ったのでした。2. 包容力がある「包容力があるから大人の女性がイイ」と言うのは、20代前半のIT系に勤務する、Bさん。もともとは年下女性のほうが遊んでいて楽しいと思っていたそうなのですが、あるとき知り合った女性ととてもウマが合い、親しくなってから年齢を聞くとけっこう年上でビックリした経験があるのだとか。Bさん自体が自由奔放なタイプで、それまでに付き合った年下女性はけっこう束縛してくるタイプが多くてうんざりしていたところ、年上女性のおおらかさに触れてハマったそうです。確かに、ちょっとやんちゃな感じのする年下男性の行動は、大目に見てあげられるぐらいの余裕が年上女性にあるかもしれませんよね。これって、年下女性が年上男性に憧れる部分でもあり、男女が逆になっても「包容力」というのは、モテる要素のひとつなのだなあと思ったのでした。3. 自立している「自立している女性はカッコいい」と言うのは、20代半ばのサラリーマン、Cさん。Cさん自身、仕事が大好きだからか、男性同様にバリバリ働く女性はすてきだと言います。まわりにも颯爽と仕事をこなす年上の女性がいるそうで、ひとつのことにコツコツと打ち込む姿に魅力を感じるのだとか。また、以前は頼ってくる年下女性を彼女にすることが多かったというCさんですが、たまたまなのかこれまでは食事でもお茶でも、男性側のCさんがごちそうしてばかりだったとのこと。それが、とくに恋愛関係ではないちょっと年上の知人女性とお茶をしたときに、きちんとお会計を支払う姿が良かったそうです。経済的にも自分の足で立てて、自分のことは自分でできるという女性だと、一緒にいて居心地がいいことに気づいたのだとか。それからは、年上女性にばかり目が向いてしまうようになったと言います。以上、年上女性エピソードをご紹介しましたが、彼らの好きになった相手がたまたま年上だっただけであり、これら、特に2つ目、3つ目は年齢で括られるものではありません。年下の女性でも、包容力があり、さまざまな面で自立している人もいるでしょう。このような特徴の女性を好む男性もいる、ということをご承知おきくださいね。恋活や婚活をしていると、いろいろなタイプの男性に会うこともあるかもしれません。さまざまな人たちとの出会いを糧に、みなさんもよりいっそうの良い出会いがありますように!文・かわむらあみり©elenaleonova/Gettyimages©Jasmina007/Gettyimages©Luis Alvarez/Gettyimages
2020年11月18日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第56回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その18をお届けします。1. 身元をあやしむ男【結婚引き寄せ隊】vol. 56それは30代の男女を中心としたある飲み会に参加したときのこと。いかにも「出会いを探しています!」という人たちではなく、「飲むのも好きだし出会いもあったらラッキー」ぐらいのライトな感覚の人が多く、誰でも参加しやすいフレンドリーな会でした。そんななかで、しょっぱなから「何歳?」「なんの仕事やってるの?」「それってどういうことなのかな、具体的に知りたい」などと、けっこう相手の女性にグイグイ突っ込んで質問ぜめにしている、真面目そうな男性がいたのです。ゆるい雰囲気の飲み会だったため、ガツガツとしたその男性は目立っていました。あるとき、その真面目そうな男性が私の横に座ることになり、さっきまで横で聞いていた、質問ぜめを今度は体験することに。初対面にしてはがっつり聞いてくるんだなあと思いながら、聞かれたことにこたえていた私。ですが、やっぱり女性に年齢を聞いたりやたらと詳しく普段の様子を聞いてきたりするのは、ちょっとどうかなと思ったので、「なんでそんなに知りたいの?」とストレートに疑問をぶつけてみたのです。すると、しばらく下を向いて何かを考えたのち、意を決して顔をあげ、「だまされたから」とポツリ。絶賛婚活中のその真面目な男性は、飲み会で以前出会った女性といい感じになって付き合っていた(と思っていた)ものの、聞いていた仕事や年齢が嘘っぽいことがわかってきて、ある日突然音信不通になったという苦い経験があったそうです。だから相手のことを最初から細かく聞いてしまうのだとか。だから、相手の女性のことを怪しんで、最初からなんでも聞いてしまうんだなあと腑に落ちましたが、初対面から根掘り葉掘り聞きすぎると引いてしまう女性も多いのにと思ったのでした。2. ほぼ説教モードの男それはある婚活パーティに参加したときのこと。30代と40代がメインのそのパーティでは、落ち着いた雰囲気の男女がたくさんいて、真剣に結婚相手を探しに来ている人が多い印象でした。ひとりずつ自己紹介をしていく時間が過ぎ、フリータイムでそれぞれ自由に動いてよい時間になったとき、きっちりとネクタイを締めてスーツを着た40代後半ぐらいの男性と目が合い、なんとなくふたりで会話することになったのです。「今日はどこから来たんですか」などと、最初はたわいもない話をしていましたが、だんだんと顔が険しくなってくる男性。「休みの日は何をしてるんですか?」と聞かれて「友達と会ったり趣味の時間に使ったり」と言うと、「もういい大人の女性なんだから、遊んでる時間はないんじゃないですか」と言い出します。さらに「結婚したら仕事はどうしようと思ってるんですか?」と聞いてくるので、「仕事は好きなのでもちろんずっとやっていきたいです」とこたえると、「女性は家庭に入るべきでしょ」と吐き捨てるように言い、だんだんと説教モードになっていきます。うわ、これはちょっとと思い、適当に切り上げてそそくさとその男性のもとから逃げました。人それぞれ、結婚相手に求める理想や条件はあるでしょうが、ほんの短い時間でも自分の考えを押しつけるようなことをすると、印象が悪くなって逆効果なのになあと思ったのでした。3. 勢いで結婚したがる男それはある合コンに参加したときのこと。「シングル同士で飲もう」というかけ声のもと集まった、20代後半から30代後半までの男女で、おたがいの趣味や仕事のこと、恋愛話などでおおいに盛り上がっていました。そんななか、20代のサラリーマンの男性が、「やっぱり勢いしかないからね!」とお酒のせいもあるのか、大きな声で持論を展開していました。話を聞いてみると、その男性の親も若くして結婚したため「20代ですぐに結婚したい」ということのようです。そういった親の影響はあるとは思うので、なるほどなと思ったのですが……。続いて話した理由は「生活が楽になるからねー」と言っていて、目が点に。その男性の会社の給料が安いから、「なるべく働き者の女性を見つけて早く結婚したい」んだとか。いや、好きな気持ちがあふれて結婚したいといった純粋な思いは全然ないんだなあとシラケました。楽をさせてくれる女性探しをしているなんて、そしてそのために勢いだけで結婚しようとするなんて、どうかしてるなあと思ったのでした。婚活していると、普段は知り合わないようないろいろなタイプの人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけて、すてきな人を見つけてくださいね。文・かわむらあみり©RapidEye/Gettyimages©PhotoAlto/Gabriel Sanchez/Gettyimages©gradyreese/Gettyimages
2020年11月17日【音楽通信】第58回目に登場するのは、エレファントカシマシでの30年を超えるキャリアにして初挑戦、ひとりの歌い手としてカバーアルバムを発表する、宮本浩次さん!【音楽通信】vol.58幼少時代は家族の影響で歌が大好きになるロックシーンを代表する存在として異彩を放ち続けるエレファントカシマシのボーカル、宮本浩次さん。2018年、シンガーとして椎名林檎さん、東京スカパラダイスオーケストラさんの作品に参加。2019年にソロ活動をスタートしました。2020年3月には、1stソロアルバム『宮本、独歩。』を発表。その後、世界中がコロナ禍となるなかで、宮本さんは歌が大好きだった少年時代に親しんでいた楽曲を弾き語り、カバーする作業を行なっていたといいます。そこで録りためた弾き語り音源から精選された12曲が、2020年11月18日に、初のカバーアルバム『ROMANCE』としてリリースされるということで、宮本さんにお話をうかがいました。ーー今回、少年時代に親しんでいた歌をカバーされたアルバムをリリースされるということで、あらためて幼い頃に聴いたり歌ったりしていた音楽から教えてください。母親がすごく歌が好きだったものですから、 私が幼稚園の頃、母がよく歌っていたのを覚えています。私は1966年生まれなので、たとえば梓みちよさんの「こんにちは赤ちゃん」(1963年発表)や、ピンキー&キラーズの「恋の季節」(1968年発表)など昭和の名曲が多かったですね。家族が歌が好きだったから、自然と耳にする機会があって、まだ幼稚園の頃ですから、どういう人が歌っているのか知らないままに、自分でも「恋の季節」はよく歌っていましたね。とにかく歌うことが大好きだったんです。ーー宮本さんは合唱団にも入っていらっしゃったんですよね。小学生のときに、NHK東京児童合唱団に入っていました。NHKの音楽番組『みんなのうた』など、テレビ番組もたくさん出演しました。ーーその後時を重ねて、1988年に結成されたエレファントカシマシはデビュー30周年を超え、今年の3月にはソロアーティストの宮本浩次さんとして、初のソロアルバム『宮本、独歩。』をリリースされました。はい、自分の名前を冠した『宮本、独歩。』というソロアルバムを出しました。ーー「バンドのボーカル」としての宮本さんと「ソロアーティスト」としての宮本さんとは、やはりスタンスが違うものでしょうか。エレファントカシマシというバンドは、12歳で彼らと出会って、中学校の友人同士で組んだバンドです。そこで始めてRCサクセションというロックにも出会って。小学校から中学校にあがって、10代20代といろいろな変化が自分の歴史の中にあるなかで、新しい仲間に出会うというのは、ある種、大人への第一歩といえますよね。そういったときにRCサクセションやザ・ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンといった洋楽を聴いたり、坂本龍一さん、細野晴臣さん、高橋幸宏さんのイエローマジックオーケストラ(YMO)3人組の世界的なテクノユニットがあって、そいういう音楽にも出会いました。でも、歌謡曲が好きだという思いも変わらずあって。童謡を歌う少年からスタートして、エレファントカシマシというものになっていった自分と、一方で宮本浩次としての自分がいて。バンドの宮本浩次は、「エレファントカシマシの宮本浩次」なんですよ。そこでも30年、40年の歴史があるんです。一方で、歌の好きな宮本浩次という54歳のひとりの人間がいて、それはエレファントカシマシとは別の顔。人って、いろんな顔があると思う。友達と一緒のときの顔、恋人と一緒にいるときの顔、電車で他人と一緒にいるときの顔。自分の場合は、大きく分けて、ふたつの柱があるというのかな。エレファントカシマシよりも、歌の好きな自分のほうが古い歴史がある。だから、宮本浩次が好きな歌手、好きな歌を歌うソロ活動と、エレファントカシマシでのバンドとしての立場というのは、外から見るぶんには同じ歌手というふうに見えるかもしれないけれども、自分の中ではまったく違うものなんです。「宮本浩次を表現する」カバーアルバムーー2020年11月18日に、初のカバーアルバム『ROMANCE』をリリースされます。コロナ禍の影響を受けている緊急事態宣言の期間中に、毎日弾き語りでカバーしていたそうですね。実は収録曲の「あなた」(1973年年発表)、「恋人がサンタクロース」(1980年発表)は、すでに昨年レコーディングが終わっていました。以前からカバーを出そうとは決めていたんですが、今年に入って緊急事態宣言があり、自粛生活の中で「人に会わなくてもできることってなんだろう」と考えて「曲を録ろう」と、1日1曲カバーしていったんです。コロナ禍で自粛があるなかでも、古い自分の懐かしい曲と向き合えたことは幸いなことでしたね。エレファントカシマシになってから、音楽の勉強として聴いたレッド・ツェッペリンといったロックではなく、沢田研二さんやもんた&ブラザーズ、クリスタルキング、松田聖子さんは本当にかわいくて素敵だなという、子どものときに素直に感じたこと、幼少時からのルーツ音楽があって。それを「いつかやりたい!」というのが夢だったんです。ソロをやるというのは、「宮本浩次を表現したい」という意味と同じなんですね。ーー聴かせていただいて、宮本さんの歌の力がストレートに心に届き、歌声に感動しました。今回、女心を歌うというのは、自分のなかで封印していた部分というか、いろいろな面があって。もちろん男性にも聴いてほしいんですが、女性の歌なのでとくに女性に聴いてほしいと思っていて。女性の方にそう言っていただけてうれしいです、ありがとうございます。ーー録りためていた弾き語りの音源から、今回の12曲に絞るのは難しかったのではありませんか。レコード会社のみんなと会議をしたときに、まずエレファントカシマシのデビューが1988年だから、それより前のものにしようとなって。そして宮本浩次が生まれたのが1966年。バンド活動を始める以前、そして自分が生まれたあと、という期間の歌ということを原則として考えました。66年から88年までの間の22年間のもの。そうしないといい曲がいっぱいあるので、みんなに募って、友人やレコード会社やいろんな人とたくさん曲を聴いて。最終的には、88年より前の70年代の幼少期の曲も入れて、エレファントカシマシになる前の曲、小学校ぐらいまでの曲が中心に。選曲はどの歌も素晴らしい歌で、自分が慣れ親しんだものが中心になりましたね。だからそんなに選曲は難しくなかった。カバーした曲のなかには、「北の宿から」(1975年発表)という都はるみさんの演歌の名曲もありましたし、細川たかしさんの歌など、子どもの頃は演歌も好きだったから入っていたんですよね。ほかにも、泉谷しげるさんの歌やガロの「学生街の喫茶店」(1972年発表)も歌いましたし。本当にいい歌ばかりだったんですが、だんだん好きな歌っていうものになってきちゃったんです。ある種の女性の好みというか、独特の視点があると思うんですが、歌声がよく響く歌を選んだ気がしますね。ーー「赤いスイートピー」「白いパラソル」と、松田聖子さんの曲だけ2曲ありますね。そうですね(笑)。実は、中島みゆきさんの曲も、ご自身が歌われているものと作詞作曲されているものと3曲ぐらいあったんですが、最終的に1曲に絞って。聖子さんは、松本隆さんの歌詞と、聖子さんのマッチングの素晴らしさがあって、大好きなんです。ーーとくに「赤いスイートピー」はお好きな歌なんですよね。思い出の曲なんですよ。「赤いスイートピー」は、デートをしている大人の曲で、初デートという印象がすごくあって。昔、何していいからわからないから、ひたすら歩くだけというデートをしたことがあった。そういう思い出が、聖子さんの歌声でシーンが浮かぶんです。青春のきらめきを感じる曲で、すごく好きですね。ーー宮本さんのカバーされた曲を通して、たとえば中島みゆきさんの「化粧」という曲など初めて知った曲もあって、こんないい曲があったということを教えられた気がしました。私も「化粧」はまともに聴いたのは今回が初めて。曲、歌詞、歌と、原曲も本当に素晴らしい歌ですよね。中島みゆきさんの歌い方のすごさに虜になっちゃうくらい。中島さんの名曲を自分なりにどうやって歌おうかと何度も聴いて、号泣しつつ、歌詞の主人公に自分がなってしまいながら情景が電撃的に目の前に浮かんだし、女性の主人公にものすごく共感しました。ーー小林武史さんがアルバムのプロデュースをされています。小林さんとは、20年前ぐらいにバンドのアルバムや『宮本、独歩。』を作ったときに収録曲の「冬の花」「ハレルヤ」というふたつのドラマの主題歌も一緒に作っていて。2018年後半から小林さんと作業する時間が多く、2019年10月の時点で、自分のソロアルバムのあとに、カバーアルバムを出すからという話は小林さんにしていて。そういう流れの中で、20曲ぐらいまでを選んで、歌を聴いてもらいました。「アレンジ上がったよ」と小林さんから連絡があって、行ったらもう曲が選ばれて、曲順まで決まっていたんです。「赤いスイートピー」の1曲は、音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんにアレンジをお願いしたんですが、もともと3、4月に予定していた『宮本、独歩。』のツアーのメンバーに蔦谷さんがいたんです。すでに「赤いスイートピー」はツアーのリハーサルとしてやっていたり、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でも一緒にこの曲を演奏していたりしたから、この曲はお願いしました。アルバムのなかでも、モダンな面白いアレンジで彩りを添えていると思います。「コンサートを絶対成功させたい」ーー自粛期間に音楽活動以外で、おうちではどのように過ごしていたのでしょうか。まさに「何をやろうか」と考えて、カバーしながら並行して、日課として、インスタグラムをやっていましたね。自分のなかで生活リズムを作りたいという気持ちがあって、発表できるかわからないけれどカバーをやるというのと、インスタグラムで写真日記という名前をつけて日記にしてアップしていると、見る人もいるかなと。カバーをやってからインスタグラムをやるという生活サイクルにしていて、夜遅くまで、7、8時間かかっちゃったりもしてね。写真も、どうやって自撮りをうまく撮るのか、いろいろな角度を試して、けっこうプレッシャーでした(笑)。でも面白がりながら、緊張しながらも、写真をいっぱい撮って。どの角度でどの光で撮るといいかを考えるのが日課。本当に人に会わなかったから、一方的なコミュニケーションじゃないけれども、自分のインスタグラムを見てほしいなと。手書きで書いたものを出したりと、すごく力を込めてやりましたね。みんなに楽しんでもらえたかな。あとは、ビールを飲むのが楽しかったですね。そんなにお酒は強くないんですが、夜はビールを飲みながら、映画を観るのが楽しみでした。だから日課として、カバーをして、インスタグラムあげて、ビールを飲む(笑)。そして映画。衛星放送などで流れている、70年代前後の映画とかね。オードリー・ヘプバーンの『シャレード』という映画はすごく面白かったです。相当リラックスできました。ーーでは最後になりますが、今後の抱負をお聞かせください。コンサートを絶対成功させたいです。エレファントカシマシは毎年、日比谷の野音でコンサートを開催しているんですけれども、今年は31年目を10月4日にやって、それはとても充実していたんです。自分で言っちゃうのもなんですが、魅力的なバンドなんですよ、エレファントカシマシ。だから、このソロ活動も行いながらソロのコンサートをまずやって、バンドのコンサートとも両立させたいですね。取材後記エレファントカシマシのフロントマンとして、日本のロックシーンを牽引してきた宮本浩次さん。ソロとしてのカバーアルバム『ROMANCE』では、昭和の名曲の数々を宮本さんの魂のこもった歌声でカバーされていて、その熱量のすごさは圧巻です。どこか少年のようなピュアさを感じさせる宮本さん、取材時も真摯にご対応くださいました。そんな宮本さんのカバーアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・北尾渉取材、文・かわむらあみり宮本浩次PROFILE1966年生まれ。日本を代表するロックバンド、エレファント カシマシのボーカル&ギター。1981年、エレファント カシマシ結成。1986年、現在のエレファント カシマシとなる。1988年、THE ELEPHANT KASHIMASHIのボーカル&ギターとしてデビュー。以後、バンドで22枚のアルバム、1枚のミニアルバム、50枚のシングルを発表。2017年、30周年イヤーを迎え、NHK『紅白歌合戦』に初出場。2018年、シンガーとして椎名林檎、東京スカパラダイスオーケストラの作品に参加。2019年、ソロ活動開始。2020年3月、1stソロアルバム『宮本、独歩。』発売。6月、配信ライブ「2020 612 宮本浩次バースデイコンサート at 作業場「宮本、独歩。」ひきがたり」敢行。11月18日、初のカバーアルバム『ROMANCE』を発表する。InformationNew Release『ROMANCE』(収録曲)01. あなた02. 異邦人03. 二人でお酒を04. 化粧05. ロマンス06. 赤いスイートピー07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-08. 喝采09. ジョニィへの伝言10. 白いパラソル11. 恋人がサンタクロース12. First Love2020年11月18日発売(通常盤)UMCK-1676(CD)¥3,000(税別)(初回限定盤)UMCK-7089/90(CD+CD)¥3,500(税別)*28Pブックレット(歌詞・クレジットを含む)、スリーブケース仕様。[初回限定盤 ボーナスCD収録曲]「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」01. September02. 思秋期03. 私は泣いています04. あばよ05. 二人でお酒を06. 翼をください
2020年11月16日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第55回は「番外編」! 恋活&婚活女子に大人気のリアル婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』の男女逆転版『バチェロレッテ・ジャパン』の参加者、黄皓さん、杉田陽平さん、當間ローズさんと、番組ホストの坂東工さんに、番組のことや“男性が夢中になる女性”について直撃インタビューしました。その本音、見逃せませんよ!話題沸騰中『バチェロレッテ・ジャパン』から4人登場!写真左から、黄皓さん、杉田陽平さん、坂東工さん、當間ローズさん。取材現場は和気あいあいと賑やかでした!【結婚引き寄せ隊】vol. 55恋活女子や婚活女子に大人気のリアル婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』は大いに話題を呼び、シーズン3まで製作されていますが、そのスピンオフ番組である男女逆転版『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1が2020年10月9日から、Amazon Prime Videoで独占配信中です。すでにご覧になった方も多いのでは?『バチェロレッテ・ジャパン』は、セレブモデルでスポーツトラベラーの福田萌子さんが日本の初代バチェロレッテとなり、そのたったひとりのパートナーの座を獲得するために、個性豊かな17人の男性が争う内容に。本国アメリカでは『The Bachelor(原題)』の男女逆転版として2002年に放映されてから、計24シーズンも制作されてきた同番組の日本版なんです。エピソード1で萌子さんのもと、カクテルパーティに集う17人の男性たち。 (C) 2020 Warner Bros. International Television Production Limited「私の“推しメン”はこの人!」「なんでその展開!?」「バチェロレッテの萌子さんカッコいい」など、すでにSNSでも話題沸騰の『バチェロレッテ・ジャパン』。今回、恋活&婚活女子から熱視線を浴びる参加者の當間ローズさん、杉田陽平さん、黄皓さんと、『バチェラー』シリーズも通して番組の司会進行を務める坂東工さんに、番組のことや“男性が夢中になる女性”について直撃インタビューしました。最終話まで配信されたので結末を知っている方もいると思いますが、未見の方は内容がわかってしまう部分もあるので、そこのところご注意くださいませ。それでは、注目の男性4人の本音クロストークをお届けします!旅を終えたいまの素直な気持ちは……坂東工(ばんどうたくみ)さん。番組の司会進行役としても人気。俳優、アーティスト、ギャラリー経営など多彩な顔を持つ。ーーいま『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1のすべての配信が終わり、巷は騒然としていますが、まずはこの恋愛の旅を終え、参加者のみなさんは一段落されているのではと思います。ローズさん、杉田さん、黄さんは、この旅に参加する前と最中、そして終わった現在の率直なお気持ちをお聞かせください。當間ローズ(以下、ローズ)僕は最後まで旅を続けたかったので、寂しい気持ちでいます。ですが、旅のなかで学んだことが宝物になっていて、いまはそれを糧に頑張っているので、参加してよかったなと思っていますね。杉田陽平(以下、杉田)参加する前は、いいことだけじゃないだろうと思っていたのですが、それよりも「自分の知らない世界に行けるんじゃないか」という期待値のほうが高く、思い切って飛び込んだんです。ひとことで言えば「シャボン玉」みたいなイメージでした。要するに、シャボン玉を膨らませるときは、「こんな感じかな?」と予想して膨らませますよね。旅の最中も、少しずつ自分の行動を調整しながら、膨らませていくので、シャボン玉のようだなと。旅が終わったいまは、シャボン玉が弾けて、記憶しか残っていない状況です。ただ、それだけではない、以前とは何かが違うという感じ。黄皓(こうこう)さん。中国出身の実業家。初代バチェラー久保裕丈さん、2代目の小柳津林太郎さんともお友達のエリート。黄皓(以下、黄)参加前は「バチェラー」シリーズが大好きでずっと観ていたので、自分が参加者となったときに、まわりからどういう観られ方をするのか、どう立ち振る舞うのか、不安も自信も両方あったんです。なかでも、大きかったのは、ワクワク感でしたが、いろいろと複雑な感情を持って、参加させていただきました。そして参加している過程で、自分が持っていた不安がなくなっていくと同時に、持っていた自信が崩れ去ったり、それがまた再構築されたり、無我夢中でしたね。旅をしたのが1年前になってしまうんですが、終わったいまは配信を観て、福田萌子さんにもメンバーにも視聴者にも、「自分はこういうふうに見えていたんだ」と、自分を客観視するいい機会になりました。ある種、いまも少しずつその結果を得て、成長できるきっかけをもらったと思っていますね。ーー『バチェラー』だと女性同士が争いますが、『バチェロレッテ』は男性同士が争うということで、シリーズを通して司会進行を務める坂東さんは、どんなふうに旅の様子をご覧になっていましたか。坂東工(以下、坂東)スタンスとしては、僕は変わらず、バチェラーやバチェロレッテの選択を支持していくということがベースにあるんです。ただ、男性同士でもこれまでとあまり変わらない雰囲気だろうなと思っていたんですが……全然、違いましたね(笑)。黄全然違うんですか!?坂東全然(笑)。福田萌子さんとの初対面の印象も、バチェラーと初対面のときとは僕のなかで違いましたし、そのあとみなさんにルール説明をするときも、「なんだこの濃さは!」と感じていました(笑)。それは良い悪いということではなく、女性のエネルギーと男性のエネルギーが、全然違ったんですよね。そうして旅をしてきたわけですが、僕も男性なんだな、ということを改めて感じました。當間ローズさん。ブラジル出身の歌手。唇に手のポーズでセクシー! 愛の歌をスウィートに歌唱します。ーーどういう点でご自身も男性だなと感じたのでしょうか?坂東女性に感情移入するということはもちろんありますが、今回の参加男性の行動に、同じ男性として、経験からくる何かを彼らに投影してしまうことがあったんです。そんなふうに、自分自身の役目を超える瞬間というものが、正直なところ、ありましたね。ーー『バチェラー』では女性同士で火花を散らしていましたが、今回17人の男性が参加している様子は、どこか男子校の部活のような“青春”を感じました。みなさんは実際、参加されてどのように感じていましたか。ローズ場の雰囲気は良かったですよね。黄すごく良かった。ローズ僕は「学校みたいだな」って思っていました。雰囲気というよりは、ひとつの学びの場というか。17人の男性それぞれ自分の色があって、それぞれから学ぶものがあったので、とても成長できた2か月の撮影期間だと思っていますね。黄そういう意味では、お互いに目の前で言いたいことを言い合って、「お前うざいな!」とか「なんなんだよ」とハッキリ言い合える仲であったことはすごく良かったんですよね。それがいわゆるネチネチどろどろしてはいなくて、爽快なコミュニケーションがとれたんです。でも、やっている途中で、僕自身はすごくジレンマがあって。仲良くなっていく一方で、「これってちょっと待て」と。福田萌子さんとの旅にもかかわらず、男性同士の友情ばかりに走ってはいけないなと思い、途中から僕は距離を置くようにはしましたね。本当はみんなと仲良くしたいんですよ、これも人生のひとつの出会いだから。でもこの旅において、それを追求するべきではないと思ったので、あえて雰囲気を悪くした部分もあったんです。杉田陽平さん。三重県出身の画家。「愛は花びら」など名言多し。最後の勇姿は素晴らしかったです!!!杉田僕の場合、美術高校出身で、浪人して、美大へ行って、その後もその延長でアート系の仕事をしているんですが、まわりはほとんど女性なんですよ。女村のなかに自分がいるみたいな状態が15歳ぐらいから36歳ぐらいまでずっとあって、こういう男性の輪のなかで、なにかひとつの目標に向かってやっていくという経験を初めてして、学べることはすごく多いし、自分が考えもしない価値観があることも知れましたね。いろいろな憧れの形がみなさんにあって、敵なのに敵に見えなかったんです。自己愛があるから、自分を否定はしないけれども、尊重したいという気持ちは大きいんですね。尊重しながらなおかつ、やっぱり勝ちたいというのもあるし。その葛藤のなかで、戦いだけれど戦いじゃなく、尊重はするけれどでもそのなかでも、自分が成果を出したいというジレンマのなかで迷い、葛藤しながら旅を続けていました。最初のカクテルパーティで、ひとりで最後まで萌子さんのところに行けずにいたら、「後悔するぜ」と敵のはずなのにまわりの方に言われて、勇気を出して行けました。でも、助けてくれた人が、僕より先に落ちちゃうこともあって。僕なんか、みんなからエッセンスをもらいながら、取り入れながらいられたタイプなのに。だから、悲しさもありながら、うれしさもありながらという、ジレンマの度合いは高かったですよね。ローズ付け加えてもいいですか?黄くんが「雰囲気を悪くした」と言っていたことと僕はその逆で、場の雰囲気をなるべく和まそうと思っていたんですよ。それで番組が面白くないとなったら、仕方ないと。そういった雰囲気のほうが、本気で自分をさらけだせるんじゃないかなと思って、仲良くしているほうがいいんじゃないかなと行動していたんですよね。だから、黄くんとそこは考えがちょっと違う。黄だから、馬が合わない(笑)。杉田まだバトルが続いてんのかい(笑)!ローズ第2戦がこれから……(笑)。杉田視聴率取れそうだけどね、第2戦を録っといたら(笑)。福田萌子さんが男性たちに与えた影響日本版初代バチェロレッテの福田萌子さん。“心の目”で物事をジャッジする姿は潔い。©2020 Warner Bros. International Television Production Limitedーー福田萌子さんの印象は、参加前と後で変化がありましたか。坂東僕はあまり第一印象というものを持たないほうなんです。福田さんが人格を見るのと、僕もそこは同じ。今後福田さんがどういうことをやっていくのかなと思うぐらいで、とくに前後での見方は変わりませんね。その瞬間、瞬間で、リアクションしていくだけです。ローズ僕は旅のなかで、萌子さんへの思いを何度か言葉で表していたんです。萌子さんをアフロディーテやアフリカローズなどの花に例えたりしていたんですが、いま僕にとっての萌子さんは、「守護天使」ですね。というのも、実際に僕のそばにはいないですが、彼女が番組のなかで僕にかけてくれた言葉や、一緒に過ごした時間は、いまでも僕の心のなかでお守り代わりとしてあるので、そういった意味で「守護天使」だと思っていますね。黄実は参加前に先入観を持って臨みたくなかったので、例えばインスタを見ることもなく、特別な印象というものはなかったんです。旅に行って、目の前に現れた萌子さんの印象をある種の第一印象にしたかったんですよね。実際会ってみると、凛と立っていて、すてきな女性で、彼女は女神のような存在だったんですよ。旅のなか僕が感じた彼女は、とにかく人のことを見る。外見も内面も、まわりにまとうオーラもちゃんと見て、見る努力をする。“努力の福田萌子”と、愛を感じて涙をたくさん流す“愛の福田萌子”という、努力と感性のふたつを持っている彼女を旅で感じました。旅が終わってからは、僕らは連絡を取れないし、実際にインスタもたまに出てくるので拝見することもあるんですけども、いまの福田萌子さんは以前とだいぶ違う印象があって。いまの彼女は、素直は素直なんですが、女性をチアアップするために、私の背中を見てほしいというある種の使命を背負っている責任感を感じるので、ギャップはありますね。杉田萌子さんがスポーツトラベラーだという情報やちょっとした発言ぐらいは知っていました。スポーツする女性だと、僕はアート系なので “動と静”になるから、合わないんじゃないかな、自分のアイデンティティが伝わるかなということは最初、不安でした。でも、会うと言葉を大事にしていたり、スポーツの人だけれど“スポーツというツールを使って表現をしている人”という感じがするんですね。例えばスポーツというアプリケーションを使って女性に自信を持たせる、男性を成長させるとか。なので、僕も表現者ではあるので、ツールが違う“同じアーティスト同士”のような感じで、旅が始まってからは見方が変わりました。ツールが違うので、それが楽しいわけですよね。でもわかりすぎず、見つめる先はすごく似ていて、だけどアプローチは全然違って。それがパズルのピースじゃないですが、話していて、楽しいという思いがありましたね。ーー今回の旅を経て、みなさんはご自身の恋愛観や結婚観に影響はありましたか。黄僕はけっこうあったかもしれないですね。実は一番影響を受けたのは杉ちゃん(杉田陽平さん)で。僕は杉ちゃんみたいな女性へのアプローチをしたことがないんですね。どちらかというと自信家で、男らしく女性を引っ張っていくことで安心させてあげるというのが僕の恋愛、相手に対するアプローチだったんです。でも彼の場合は、まず相手の意見を聞いて、相手の考えを肯定して、そのなかで自分の意見を入れていく。器の広い感じなんですよね。そういうアプローチがあるんだ、素敵だなって。でも僕はやったことがないし、できるとも思えないんですが、参考にしたいと思いましたね。……ローズくんから学んだことはとくにないですが(笑)。一同(笑)杉田オチがついてんだよ、オチが(笑)。ローズ歌ぐらいは参考になるでしょ(笑)。黄俺のほうが歌がうまいんじゃないかな(笑)。ローズ僕は、客観的にまだまだ自分は優しくなれる、人を愛せると思ったので、これからの恋愛はもっと、いい男性になろうっていう方向で……って、あれ? 質問の趣旨に合ってますか(笑)!? (黄さんを見ながら)お前のせいで忘れちゃったよ(笑)!杉田やっぱり、まだサバイバルやってるかなあ(笑)。ーー恋愛観に影響ありますかというご質問でした(笑)。ローズまだあれから恋愛をしていないので変わったかどうかわからないですが、でもまだ自分に磨きをかけることはできるので、きっと素晴らしい出会いが待っていると思っています。杉田この番組に参加して、なかには「自信つけてもらって変わったでしょ?」みたいなことを言ってくれる人もいるんですよ。だけど、女性がみんな萌子さんのように、相手の価値観を尊重して中身を見ようとするならいいですが、現実にはそういうわけにはいかないですよね。この旅ではたまたま自分の深いところを見てくれるのが萌子さんだったから、学べたし、成長できたけれど、現実社会ですぐに自信がついて、誰しもが自分のコアな部分を見てくれるわけじゃないので、現実社会はカオスなところもあるじゃないですか。なので、変わらないんですよね。変わったかというと、変わっていない、自分の恋愛に影響はないというのが実際のところなんですよ。ただ、可能性として、萌子さんのように相手の内面をじっくり見る人がなかにはいるんだろうなって。だから、雑にはできないという意識は高まっていますね。ーー坂東さんは、番組に携わっている時間が一番長いですが、あまりご自身の恋愛観に影響されないような気がします!坂東そんな印象を伝えられてもねえ(笑)。でも、確かに恋愛観は影響されないです。ただ、この番組に4年関わっているなかで、人生観という面では、僕は人を応援できるようになりました。俳優業もやっていますから、草をわけてわけて、いかなきゃいけないわけですよ。自分本位でやってきていたところに、この番組で一歩下がって、人の人生を見させていただくということをやったときに、とくに今回は男性参加者ですから。老婆心が芽生えましたね。参加者の行動を見ながら「考えろよ」「そうじゃないよ」という思いになったり、でもそれはもちろん伝えないですが、年齢もあるんでしょうね。四者四様の「男性を夢中にさせる女性」像はこんな人ーーでは、情熱的でロマンチックな印象のあるローズさんが思う「男性を夢中にさせる女性」とはどんな女性だと思いますか。ローズやっぱり、素直な女性だと思うんです。僕がストレートに気持ちを伝えても、それがイヤならイヤで、良いなら良いで、ストレートに目を見て言ってくれる女性がいい。素直な女性って、男性をありのままでいさせてくれるから、僕は素直な女性が好きです。一般的にも、そういう女性のほうがモテると思います。素直に気持ちを伝えられる女性のほうが、男性は頑張れるし、強くなれるんじゃないかな。ーー感性が豊かで陽だまりのような人柄という印象のある杉田さんが思う「男性を夢中にさせる女性」とは?杉田こだわりを持つ、ということかなと思います。自分として、個として、こだわりを持つことが付加価値になるので、「NO」と言える女性ですね。自分独自の眼差しで、これは「NO」なんだって言える人は、男性としてはそれを「YES」と言わせてたくなるというか。そうすれば価値が上がるし、この人と一緒にいたいと思うし、幸福度が上がりますよね。その人と特別な人生を歩みたいと思うから。それはお金持ちとか見た目とか関係ないんですよ。萌子さんの場合も、ビジュアルの美しさや、お金持ちとかには何も関係なく、彼女の眼差しや価値観が素敵だと思いました。だから、自分の眼差しを持っている人には惹かれますし、多くの男性たちもそうだと思います。“自分”というブランドを作るということですよね。ーー頭の回転が速く男らしい印象の黄さんが思う「男性を夢中にさせる女性」とは?黄僕は昔からキラキラしている女性がすごく好きで、それは外見をかわいくするということも含めて、楽しそうに生きている女性がとにかく好きなんですね。ナルシシスト、ナルシシズムは男女ともに苦手なんですが、セルフラブにあふれていて、自分自身が楽しくて自分が大好きで「人生最高!」と思って生きている人は、男女問わずにすごく惹かれる。そういう女性であれば、一般的にも男性からは魅力的に映ります。一方で、福田萌子さんという女性から、新しい価値観を得たところがあって。僕がローズセレモニーで前を向いている理由は何かといったさまざまなところまで、彼女はちゃんと理解しようと考えてくれた。実は途中までは「大好き」という気持ちまではいかなかったんですが、次第に「こんなに自分のことを見てくれる女性だったら、僕も自分をさらけ出して一緒にいれるかも」と。やっぱり、特別視して内面を理解する努力をしてくれる女性は素敵だなと感じました。だから、いままで持っていた価値観と、福田萌子さんから得た素晴らしい女性像と、いまふたつ持っていますね。ーー坂東さんは日本の『バチェラー』『バチェロレッテ』両シリーズの旅をそばで見てきて、「男性を夢中にさせる女性」とはどんな女性だと思いますか?坂東一周まわって、元気な人じゃないでしょうか。元気があればなんでもできるじゃないですが、僕自身、元気な女性がいいなと思いますね。人間の理解というものは、タイミングもあれば、いろいろな糸が絡み合いますから。まずは、元気でいるということが前提かなと思います。ーーサバイバルを超えてきたみなさんがおっしゃる、男性を夢中にさせられる女性像に近づけたら、きっと新しい恋がつかめそうですね! では最後に、坂東さんから『バチェロレッテ・ジャパン』の見どころを教えてください。坂東実はこれまでのシリーズのなかで、一番面白かったんですよね。それはきっと男性陣の本気を見たから。男ってかっこ悪いんですよね、意気地ないし、作戦練れないし、言葉も下手でうじうじして。でもそんな彼らが自分の殻を破りながら、一歩でもアクセルを踏もうとする。もちろんこれまでの『バチェラー』でもそういった場面はありましたが、『バチェロレッテ』の場合はみんなそれをいっぺんにやるんです。だから、混沌とした状態になって、人の琴線に触れる。そのかっこ悪さが、かっこよく見える。不誠実とまでは言わないけれども、ちょっとでも自分のなかに嘘や隠し事があるとそれはつまびらかになってしまう、残念ながら男は本心を隠すこともできないんです。ピュアなのかな。「人間のピュアな物語を観ている」感覚があって、そこが見どころですね。取材後記『バチェロレッテ・ジャパン』の旅に出ていたみなさんのお話は、番組から派生するお気持ちはもちろんのこと、どんな女性が好ましいかといったためになるお話もたくさん! 取材場所にあったグランドピアノで、番組ではおなじみのローズさんのあの愛の歌をローズさんご自身がピアノで演奏し、なんと黄さんが熱唱する場面も! きらめく感性で魅了する杉田陽平さん、ウィットに富んでいる黄皓さん、思いやりにあふれる當間ローズさん、すべてを見守る不動の坂東工さん、ありがとうございました!そんなみなさんが出演している番組をチェックしてみてくださいね。写真・大内香織取材、文・かわむらあみり作品概要『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン12020年10月9日(金)より独占配信中※当番組は2019年~2020年3月に収録。制作:Amazon公式Twitter: @BachelorJapan公式Instagram: @bachelorjapan
2020年11月10日【音楽通信】第57回目に登場するのは、“JAPANESE R&E(リズム&演歌)”をテーマにロックを鳴らし、昨年バンド結成35周年を超えた怒髪天のフロントマン・増子直純さん!写真・北尾渉 取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol. 57ザ・ビートルズを弟と一緒にずっと聴いていた1984年に、ボーカル&ギターの増子直純さんを中心に札幌で結成されたロックバンド、怒髪天。その後メンバーチェンジなどの期間を経て、1988年より増子さんとギターの上原子友康さん、ベースの清水泰次さん、ドラムの坂詰克彦さんという、現在のメンバーで本格的な活動を始めました。1991年には、アルバム『怒髪天』でメジャーデビュー。“JAPANESE R&E(リズム&演歌)”をテーマに、オリジナルのロックンロールを鳴らし、2019年には結成35周年を迎え、アニバーサリーイヤーを駆け抜けました。そんな怒髪天が、11月11日にニューアルバム『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』をリリースされるということで、バンドを代表して、増子直純さんにお話をうかがいました。ーーそもそも増子さんは少年時代、どんな音楽を聴いていらっしゃいましたか。母親がザ・ビートルズが好きで、家では毎日曲がかかっていたから、弟(ロックバンド・DMBQのボーカル&ギターの増子真二)と一緒にずっと聴いていて。本来はものすごく深いけれど、一聴したときにはポップだしわかりやすい。あとは歌謡曲かな。われわれは『ザ・ベストテン』(1978〜1989年放送のTBS系列の音楽番組)世代。小学校から観ていたけど、あの頃の歌謡曲って、作詞も作曲も職業作家が本気で作ってるから、日本の音楽の最先端の曲を当時のアイドルで実験してたんだよね。ーー10年以上前にインタビューさせていただいた際、増子さんが高校を卒業後に自衛隊に入隊されたお話も印象的でした。地元の北海道にいた高校生の頃、素行が悪くてね。高校もほぼ行ってなかったし、勉強したくないから大学も行きたくないし。パンクバンドやってたから眉毛もないし、髪はモヒカンだし、就職もできるわけない。高校卒業後は、バイトしながらバンドをやろうと思ってたら、おやじに「半年だけ自衛隊で研修すれば、千歳の空港で働きながらバンドもやれるぞ」って。「まじか! さすが親父は俺のこと考えてるな」と思ったけど、だまされたね(笑)。ーー自衛隊では音楽も聴けないのでしょうか。そんなことはないよ。ただ、外出できないのと、体力的にきついから音楽を聴く余裕がなくなるというのはあるね。ーー高校時代に怒髪天を組まれた後、自衛隊に入られて、戻ってきてまたバンドを再開されたんですよね。そう、自衛隊はすぐにでも辞めたかったけど、未成年だと親のハンコがないと辞められないからね。逃げたら連れ戻されて外出できないし、1か月に1日しかない外出日を取り上げられたらたまらんから、2年弱ぐらいかな。18歳で入隊して、20歳になるまで我慢して、すぐ辞めた。ーーそれから怒髪天を続け、2019年は結成35周年でしたよね。おめでとうございます。いえいえ、こんなにバンドをやっているとはね。ニューアルバムは「かなりカオスな感じ」ーー2020年11月11日に、ニューアルバム『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』をリリースされます。今回は、かなりカオスな感じのアルバムだね。2011年の東日本大震災のときから、音楽に対する向き合い方って、俺に限らずみんな変わったと思うのよ。それでいまはコロナ禍。結局、自分がいままでやってきたことが封印されてしまったというか、必殺技といえるライブもできない状態になって。人を集めるためにこれまでやってきたわけで、それができない。震災のときは被災地を「なんともない俺たちが支える」という気持ちで音楽ができたけど、いまは世界中が閉塞してて、気持ちも重い。じゃあどうするか、こういうときに自分が聴きたいのはなにかなと思って、作ったアルバムだね。ーー現在のコロナ禍に対してのお気持ちが、歌詞には綴られていますね。そうね。なんでもそうだけど、あらゆる問題に直面したときに1回俯瞰で見てみる、でっかいスケールで自分を見てみると、解決策が見えてくる。「まあ、なんとかなるか」と思えるようなものを作りたいなと。言いたいことを伝えるときに、伝えたいことがシリアスであるほど、ユーモアって大事。ユーモアがないと伝わりづらいというか、そのシニカルな笑いがあるのがパンクロックだから。そういう部分も歌詞に入れつつ、聴いて「楽しいな」と思えるものがいまの自分にはほしいかなと思ったんだよね。ーー収録曲の3曲目「孤独のエール」はとても励まされる楽曲ですし、6曲目「や・め・と・き・な」や8曲目「ヘイ!Mr.ジョーク」といったユーモアのある楽曲もあって、バラエティに富んだ内容になっていますね。どれもライブを前提とした曲なんだよね。作ったときはライブが出来ないときだったから、ステージでやったら楽しいだろうなという曲を作った。ーーコロナ禍の最中に生まれたアルバムですが、もともとアルバムは出そうと思われていたんですか。そうだね。日記と同じで、そのときに思うことを歌詞にしていくんで。「孤独のエール」に関してはずっと思い続けていることをストレートに言えたね。俺は世に蔓延する、がんばれソングを聴いて、よしがんばるぞと思ったことが1回もないからね(笑)。「お前に何がわかるんだよ」と思うから。だから、自分発信で「がんばれ、俺」なんだよ。人に言われてがんばれるやつは、最初からがんばれるから。自分で自分を鼓舞していくしかない。これはひとつの答えであり、あきらめでもあるよね、自分でやるしかないんだっていう。ーー「H.M.A.」は、アルバムタイトルの『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』の略なのですか。そう、この時代ね、鋼の心が必要だから。今後のことも見えない今、世界中に必要なのは、ヘヴィ・メンタル・アティテュードだと思うんだよね。何がきても大丈夫という、鋼の心の精神。それは強い心ということじゃないんだよね。言いたいのは「でかい心」なのよ。強くなくても、俯瞰で見る、人類規模や宇宙規模で自分を見るというか。「まあ、たいしたことねっか」と思える精神力。いま音楽に何ができるかって考えたら、ほぼ何もできないようなもんだけど、音楽なんてラーメンで言ったらコショウみたいなもんでさ、なくても困らないけどあるといい。人生のなかで、そういうスパイスみたいなもんだから、音楽は。全部ひっくるめて楽しく、楽に考えたほうがいいのになって俺は思うんだよね。ーージャケット写真は、顔が入っているんですね。これは4人の顔のコラージュ。むかって右上が俺かな、左がベースのシミ(清水泰次)、鼻がドラムの坂さん(坂詰克彦)かな。口がギターの友康(上原子友康)なんじゃないかな。最初にこのジャケを見たときは、「これは誰?」って笑ったよね。ーー11月からは全国トークツアーを実施されますし、2021年には東名阪の「新春ツアー」が控えていますね。12月には京都と長野で恒例ライブ、1月には大阪、名古屋、東京だね。キャパはだいぶ少ないけど、とにかく今はやれる範囲で無理せず楽しみたいね。「健康で、1日でも長くバンドが続けられるように」ーー音楽以外の増子さんのご活動ですと、2016年に宮藤官九郎さんが作・演出された、ロックオペラ『サンバイザー兄弟』で、永山瑛太さんとダブル主演で初舞台に立ちましたね。前からクドカン(宮藤官九郎さん)とは仲良いから、「舞台やるとき出してね、チョイ役で」って言ってたんだけど、ある日「決まりましたー!」と連絡が来て。そしたら「ダブル主演で、もうひとりは瑛太くん」だって聞いて、「ダメだって、ほんとチョイ役でいいんだから」ってすぐ電話したもんね(笑)! 「すげえセリフあるじゃん」って言ったら「大丈夫です」って(笑)。1か月半ぐらい稽古期間があるから、だいたいどんな俳優さんでもできるようになるっていうことで、「絶対だな?」「絶対大丈夫です」というやりとりがあって、じゃあやるかと(笑)。ーー永山瑛太さんからはお芝居のアドバイスはあったのですか。いや、何を聞いても「兄貴、全然できてますよ」って言うから「ウソだろ!?」って(笑)。でも、細かいところを聞くと「それはこうやったほうがいいと思います」と返してくれる。たとえば相手としゃべるときに完全に横を向かずに斜めぐらいに体を向ける、目線もどうするかは聞くと教えてくれる。あとやっぱり、一緒に芝居した俳優たちは、びっくりするぐらいセリフを覚えるのが早いね!最初、本読みで台本を読むんだけど、結局一番最後まで本を持ってるのは俺だった。いまバンドをやっていて、音楽に関してダメ出しされることはほぼない。OKラインは自分のなかにあって、俺という人間を最大増幅させるのがバンドだから。でも舞台は、俺ではなく役になるわけだから「これこうですか?」とやってみて「違う」となると、その加減も難しい。俳優の友達や芝居をやっている人に聞いても、自分のOKラインと作品なり監督のOKラインが違う時が結構あるんだって。役者“あるある”なんだろうね。舞台は稽古の期間が長いし会話だから、意外と時間が長い作品でも、やりとりがあって覚えやすい。でもドラマは稽古がないから、現場に行って、演出家さんに「こんな感じでお願いします」と言われて、すぐやるからね。たとえば「悠然と階段を降りてください」と言われても、悠然と階段を降りたことないから難しいよね(笑)。ーー近年では、2019年のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺〜』、2020年はNEWSの増田貴久さん主演の連続ドラマ『レンタルなんもしない人』(テレビ東京系4〜9月)第1話にゲスト出演されましたね。すごいんだよ、増田さん。ドラマでは普段ぼんやりした人の役だから、芝居に入るとNEWSじゃなくなくなる。すげえなって。芝居が上手なんだね。ーーそういえば関ジャニ∞さんや、ももいろクローバーZさんといったアイドルの方に楽曲提供されたこともありました。楽曲提供っておもしろくて、自分たちが絶対に手が届かないところに、球が届くからね。関ジャニ∞のシングル曲「あおっぱな」(2012年発表)を提供したときに、東京ドームのライブを観に行ったけど、俺たちが作った曲を5万人が歌ってたもんね。本当にうれしかったね。それを観たときに「曲は間違ってないんだな」って。じゃあ演者の問題かって(笑)。役者仕事に関しては、いまも11月18日から始まる、山口紗弥加さん主演の連続ドラマ『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』(テレビ東京系 深夜0時58分)の収録をしていて。主人公がよく行くバーのマスター役なんだけどね。音楽で怒られることがないから、芝居ではすごく学びが多いよね。ほぼ初心者で入って勉強させてもらうということが多々あるから。ーーそんなお芝居の経験がまた、音楽に還元されたり?あるね。やってみて思ったのは、やっぱり、バンドは演じちゃいけない。リアルじゃないとね。そこがすごく大事で、芝居とはまったく真逆。けっこうみんな演じがちで、このバンドのこのキャラクターを演じてるなってわかるとスッと興醒めしちゃうよね。それはエンターテインメントとは別の話だから。ーー最後に、今後の抱負をお聞かせください。今年はいろいろあったからね。でも、都なり国のガイドラインのさらに内側を守るくらいの慎重さをもって「やっていいよ」と言われていることはやっていくよ。ツアーも決まってるしね。あとは、何しろ「健康で、1日でも長くバンドが続けられるように」ということのみ!取材後記さまざまなアーティストやミュージシャンからも慕われている、増子さんをはじめとする、ロックバンドの怒髪天のみなさん。増子さんの生きざまはそのままロックンロールを体現されていて多くの人たちから支持されるのも納得です! バンド活動はもとより、俳優業などでもご活躍中の増子さんが放つ、怒髪天のニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。怒髪天 PROFILE1984年に札幌で結成。増子直純(Vo)、上原子友康(G)、清水泰次(B)、坂詰克彦(Dr)からなる4人組ロックバンド。 “JAPANESE R&E(リズム&演歌)”を旗印に、オリジナルのロックンロールを鳴らす。2014年1月、日本武道館ワンマン公演を敢行し、満員御礼におさめる。2019年、バンド結成35周年を迎え、ミュージシャン、演歌歌手、俳優など怒髪天と親交のある総勢220名が参加した怒髪天トリビュート『オトナノススメ〜35th 愛されSP〜』をリリース。アニバーサリーイヤーを駆け抜けた。2020年、11月11日にニューアルバム『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』をリリース。11月7日から29日まで「怒髪天 爆音上映会&トークTOUR 2020 “4人いてライブせんのか~い!”」を実施。12月11日、「ライブ&ドキュメント 怒髪天 必要至急特別公演キャプテン野音2020 〜1/2の神話(キャパ)〜」DVD発売。2021年、1月9日に大阪BIG CAT、 1月10日に名古屋ボトムライン、 1月17日に東京神田明神ホールと、新春ツアーを開催する。InformationNew Release『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』(収録曲)01. SADAMETIC 20/2002. 駄反抗王03. 孤独のエール04. ポポポ!05. スキモノマニア06. や・め・と・き・な07. 憎まれっ子のブーガルー08. ヘイ!Mr.ジョーク09. タイムリッチマン10. H.M.A.2020年11月11日発売(通常盤)TECI-1709(CD)¥3,000(税別)(初回限定盤)TECI-1708(CD+DVD)¥4,000(税別)[DVD内容]2020年7月26日に京都磔磔で行われた配信ライブ「怒髪天 delivery 響都ノ宴“カラダ立ち入り禁止。第一回、タマシイ限定ライブ。カモン!俺達界隈(魂のみ)。”」のライブ映像全曲分を再編集して収録。(DVD収録曲)01. 酒燃料爆進曲 02. 欠けたパーツの唄 03. HONKAI 04. セイノワ 05. ポポポ! 06. ロクでナシ 07. 北風に吠えろ! 08. せかいをてきに… 09. GREAT NUMBER 10. NINKYO-BEAT 11. スキモノマニア 12. シン・ジダイ 13. クソったれのテーマ 14. ド真ん中節 15. 孤独のエール 16. 喰うために働いて生きるために唄え! 17. 歩きつづけるかぎり 18. オトナノススメ 19. 雪割り桜
2020年11月07日【音楽通信】第56回目に登場するのは、23歳にして初めてのウエディングソングを手がけた、沖縄発の新世代ラッパー、Rude-α(ルードアルファ)さん!写真・黒川ひろみ 取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol. 56ORANGE RANGEの曲で初めて音楽を認識した高校1年のときからストリートダンスを始めた、Rude-αさん。高校2年のときには、近所の公園でフリースタイルを仕掛けられたことをきっかけにラップを始め、翌年には「第6回全国高校生ラップ選手権」に出場して準優勝しました。2018年には、沖縄から東京へと上京後、初のEP『20』(Nijyu)をリリースし、iTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得。その後、初の海外ライブを敢行し、2019年にはAbemaTVの人気恋愛リアリティ番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、ティーンエイジャーの間で大きな注目を集め話題に。2020年3月には、1stアルバム『23』をリリースするなど、その後もコンスタントに作品を発表し、そのたびにファンを魅了。現在Instagram 13.8万人、Twitter 11万人を超えるほどの人気者です。そんなRude-αさんが、11月4日に、ニューシングル「マリーミー」を配信リリースされるということで、お話をうかがいました。ーー幼少時にどんな音楽を聴いていたのでしょうか。音楽を意識しだした出来事はあったのですか。普通に幼少時は童謡を聴いて育ちましたね。成長していくなかで、物心がついて初めて“音楽”というものを認識したのは、ORANGE RANGEの曲です。母親が車でORANGE RANGEの曲をかけていて、自然と耳にする機会があったから、いい曲だなって。メジャーデビューしているアーティストの音楽を聴いたのも、ORANGE RANGEが最初だと思います。ーーRude-αさんは沖縄ご出身ですし、同郷のORANGE RANGEさんの曲をよく聴いていたのですね。はい、曲を聴いたり、ライブを観に行ったりしていました。ーーではストリートダンスを始められたのはどのような経緯でしょうか。地元の街を歩いていると、いろいろな人が鏡の前でダンスの練習をやっていて、それを見て僕もやりたいなって。ダンスをしている人に「ダンスを教えてください、得意じゃないですか」とお願いして、その人からダンスを教えてもらったのが始めたきっかけですね。ーー翌年には「第6回全国高校生ラップ選手権」で準優勝されていますが、努力されたのですね。いえいえ、努力というよりも、当時はそれしかやることがなかったし、夢中になれるものがなかったから、好きでやっていただけなんです。だから、いまでも練習をしていたとは思っていません。「ラップ選手権」もたまたまやっていると知って、受けてみたら、受かっちゃってという感じなんですよ。ーー天性のものがあるのですね。新世代ラッパーとして注目されているRude-αさんですが、影響を受けたラッパーの方はいるのでしょうか。KDTという地元のラッパーにフリースタイルを仕掛けられたことから、ラップを始めることになったんです。だからそういう意味では、一番影響を受けたのは彼かもしれないですね。ライバルではなく、いまの自分を作ってくれた人、先輩のような存在です。ーー沖縄から東京へと上京後、インディーズでのiTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得した後も快進撃を遂げていますが、デビューされてから現在までの1年半、これまでに印象に残ったことは。デビューしたこと自体も印象深いんですが、昨年の7月にリリースした「LIFE」という曲で、TVアニメ『Dr.STONE』(TOKYO MXほか 2019年放送)のエンディングテーマをやらせていただいたんです。このアニメは、『週刊少年ジャンプ』(集英社)でいまも連載中の作品がアニメ化して放送されていたんですが、この曲を担当することで海外の方も僕の歌を聴いてくれて、すごく反応してくれました。もちろん言葉も違いますし、まさか日本以外の方にまで反響があるとは思っていなくて、その国に行ったことがなくても、海を超えてそういう人たちの日常のなかに自分の音楽が鳴っているなんて。これは音楽をやっていないと、なかなかできない経験だと実感しました。ほかにもいろいろな発見があるんですが、毎日の出来事が、明日の自分を作ってくれているという感じがしますね。ーー音楽以外では、デビュー後にAbemaTVの恋愛リアリティー番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演されましたが、歌とはまた違う環境はいかがでしたか。番組出演は歌うこととは全然違うものなんですが、人生1回しかないですし、人間いつかは死ぬから、こういった経験もいいんじゃないかなと出演しました。僕のように音楽をやっている人間が出ると、「そういうの出るんだ」と思う方も少なからずいたんですが、僕は雑音が気にならないんです。出演したおかげで、いままで思っていなかったことにも気づけましたし、いい夏だったなと思っていますね。ーーまたそれがご自身の曲作りにも良い影響があったり?そうですね。その経験をもとに作った歌もありますし、さまざまな友達もできましたし、恋愛をするということ以上に、出演していろいろなものをもらえた機会だったなと思います。年老いていく美しさも愛する初のウエディングソングーー2020年11月4日に、しっとりと聴かせるラブバラードのシングル「マリーミー」を配信リリースされます。今回は初のウエディングソングを手がけられましたね。この曲は、現在放送中の連続ドラマ『マリーミー!』(テレビ朝日系 毎週土曜深夜2:30、ABCテレビ 毎週日曜午後11:25)の主題歌のお話をいただいてから、作りました。ドラマの台本や原作の漫画を読ませていただいたりして、歌詞を書いていきましたね。ーーこういったラブソングでは、曲を作るときは、いつもご自身の体験から作られるのでしょうか。いつもはメロディから決めていくんですが、実体験はないですね。けっこう恋愛の曲を作っているんですが、たいした恋愛をしたことがないので、想像だったり、本を読んだり、日常で誰かが言っていた何気ない会話からインスパイアされて歌詞を書いたりしていますね。ーー「マリーミー」の「シワの増えた顔も 白く染まる髪の毛も全部 隣で見たい 愛しさを知った」というリリックに驚いたのですが、クラシカルな表現といいますかロマンチックな内容は、23歳のRude-αさんの結婚観も歌詞に反映されていますか。まだ結婚は身近ではないですよね?いや、地元の友達はすでに結婚していますし、沖縄では結婚が早い風習があるので、みんなすぐ結婚して、すぐ子どもを産みます(笑)。沖縄へ帰ると、おばあちゃんに「あんた早く結婚しなさい!」って言われるんですよ、「結婚しないと物事の分別がつかない!」とけっこう言われるんです。でも、東京で早く結婚しようとすると「早くない?」って、結婚しても30歳ぐらいじゃないですか。僕は内心、焦っていますけどね。23歳って、母親が僕を産んだ年齢なんですよ。それを考えたら、いま僕はまだ結婚していないから、そろそろお見合いしようかなと思います(笑)。ーー早い結婚もいいと思います(笑)。結婚していないやつがこんな歌詞を書いていますが、たとえば、いまのきれいな相手が好きだらかといった気持ちではなく、だんだんと年老いていくことやうれしいこと、それにいろいろな悲しいこととか、そういったすべてのことを一緒に背負っていくのが、僕は一番いい。年老いていく美しさがあると思って、こういう歌詞を書いたんです。ーーでは理想の家庭像はありますか。息子は野放しにして、娘は彼女みたいに育てたい(笑)。男の子は人に迷惑をかけなければ、好きなことをやったらいいと思っていて、でも女の子は……。渋谷とか歩いていると、たまに酔いつぶれている女の子とかがいたり、いつか「留学したい」とか言われたりして、どこかでチャラい男とかに当たってしまわないかといまから気が気ではないですね(笑)。ーーいいお父さんになりそうです(笑)。ちなみに、ドラマの『マリーミー!』にもカメオ出演されていましたが、現場の様子はいかがでしたか。カメオ出演って、何なのかもよくわからなかったんですが、当日現場に行ったらスタッフの方が「客役のRude-αさん入りまーす!」と言われて。そのときに初めて客の役だと知って、台本もそのときに渡されたものを見て、セリフも“お好きにお答えください”としか書かれていなくて。監督に「どうしたらいいですか?」と聞いたら、「いつもの感じで」と言われて、それをそのままドラマで実践したんですよ。ドラマ初演技とか言われるんですが、演技と言ってもいいのか戸惑います。ーー主演は、雑誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルでもある、久間田琳加さんですが、一緒のシーンにご出演されていましたが何かお話しされましたか。久間田さんに「曲が好きで、よく聴いてるんです」と言われたんですが、むしろ「聴かないでください」って言って(笑)。ーーなぜですか(笑)!?久間田さん、めちゃくちゃかわいかったんですよ! でもプライベートでは絶対会いたくない、ドラマの現場にあんなにかわいい人がいるんだったら、緊張してしまうのでもう行きたくないなと思いました! 遠くから見ていたいですね。ーーでは、久間田さんの相手役の瀬戸利樹さんは、主題歌のことは何かおっしゃっていましたか。瀬戸さんは「ドラマにぴったりな曲だね」とか、いろいろと感想を話してくれました。瀬戸さんと久間田さんには、僕のグッズなどを渡したんですが、おふたりとも喜んでくれて、良かったなと思いましたね。ーー今後も機会があれば、演技のほうも?ないですね(笑)。新しい可能性を見せちゃうと、事務所に依頼が届いて仕事が増えていくので、音楽だけでいいです。「ピースな感じで」人の悩みを吹き飛ばす存在になるーー現在、コロナ禍ではありますが、どんなふうにおうちで過ごしていますか。以前の自粛期間は、お店に行くことはなかったですが、その頃からけっこう散歩はしていましたね。僕、友達と4人でシェアハウスで暮らしているんです。最近は、朝起きてから、友達と4人で近所の弁当屋で弁当を買って公園で食べて、日中の予定が何もないときは公園でピアノの練習をして。夜は銭湯から帰った後に、公園でみんなとビールやチューハイを飲んだり。雨の日でも公園へ行って、雨を見ています。子ども用の雨宿りする場所があって、そこに誰もいないときは、雨宿りしながらピアノの練習をして、あとは鳩を見ていますね。「雨の日は鳩がどこにいるのかな?」と考えていたら、雨の日も鳩って濡れながら外にそのままいるんですよね、そういう発見が楽しいです。ーー今回の新曲のタイトルは「マリーミー」ですが、Rude-αさんの理想の女性像は。一番は、思いやりのある人がいいです。受け入れてもらうことを考えるよりも、まず相手を受け入れる人。愛されるより先に、自分から愛するということをわかっている人がいいですね。僕と同い年の女友達もいますが、自分に合うタイプの女の人は同世代よりも、もっと年上かも。心が広くて、ふたりで会話していると、自分の悩みなんてちっぽけに思えるような人というと、おばあちゃんですね。おばあちゃんとは、一緒にいるだけで、安心感を得られるというか。おばあちゃん以外では、そんな女の人には、まだ会ったことがないですけどね(笑)。ーーちなみにラブソングを書かれるときは、そういった理想の女性を思い描いて書かれたりするんですか。いやもう、わがままな女性たちを書いています(笑)。ラブソング書くときは、女性だったり、男性だったり、いろいろな人にその心情があてはまるように書いていますね。ーーでは最後に、今後の抱負をお聞かせください。ずっと公言していることは「武道館でワンマンライブやります!」ということで、一番はそれです。いまはこういう時期ですし、予定していたものがいろいろと止まってしまうことがあるなかで最近思ったのは、世の中で売れる売れないとか、メジャーやアンダーグラウンドとかは関係がないなと。一番大事なことは、人の気持ちを動かせる、悩んでいる人がいるときに、僕を見たら笑えるというような、人の悩みを吹き飛ばせるアーティストになれたらいいなと思っているんです。さっきお話しした理想の女性像もリンクしていますが、安心感を得られるような存在がいい。これからも、ピースな感じでいきたいですね。取材後記新世代ラッパーとしてさらに人気急上昇中のRude-αさん。沖縄の風を感じるパーソナリティはとてもあたたかく、和やかに、取材させていただくことができました。23歳にして手がけた初のウエディングソングには、等身大のRude-αさんの想いがこめられています。そんなRude-αさんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。Rude-α PROFILE1997年2月8日、沖縄県沖縄市出身。高校1年のときからストリートダンスを始め、各種ダンスバトルやイベントに出演。高校2年のとき、近所の公園でフリースタイルを仕掛けられたことをきっかけにラップを始める。翌年、「第6回全国高校生ラップ選手権」に出場し、準優勝。東京上京後、2017年からはバンド編成でのライブ活動をスタート。2018年2月、東京上京後初のEP『20』(Nijyu)をリリースし、iTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得。3月にはアメリカ・オースティンで行われている音楽フェスSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト) 、そして全米7都市を廻るSXSWジャパンツアーに参加し、初の海外ライブを敢行。2019年5月、メジャーデビューEP『22』(Nijyuni)をリリース。先行配信シングル「wonder」が、ストリーミング400万回、MV視聴250万回を突破。さらに7月からはAbemaTVの人気恋愛リアリティ番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、独特なキャラクターがティーンエイジャーの間で大きな注目を集め話題に。番組出演をきっかけに、わずか3か月の間でSNSフォロワーが激増。現在Instagram 13.8万人、Twitter 11万人を超えるフォロワーを持つ。2019年9月23日(水)、デジタルシングル「It’s only love」をリリース。本人直筆のリリックビデオが話題を呼び、MV本編公開前にも関わらずYouTubeを中心に35万回を再生。MV本編公開後には、わずか4か月でYouTube345万回再生、ストリーミングでは600万回再生を超え、いまだロングヒットとなり、自身最大のヒット曲となった。2020年3月、1stアルバム『23』をリリース。8月、自身初の書下ろしエッセイ「何者でもない僕たちに光を」(KADOKAWA)発売。11月4日、ニューシングル「マリーミー」を配信リリース。InformationNew Release「マリーミー」ABCテレビ ドラマL『マリーミー!』主題歌(収録曲)01.マリーミー02.マリーミー instrumental2020年11月4日配信リリース
2020年11月05日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第21回は、たとえばママ友のなかで孤立してしまうママがいても、多様化する現在はむしろあえて“ぼっちママ”でいるほうが「らくちん!」という声もあり、そんなママたちの気楽エピソードを3つご紹介します。1.「おしゃべりの輪に入らないほうが建設的」だと言うママ【ママライフばんざい!】vol. 21保育園や幼稚園、小学校など、子どもが成長していっても、ついてまわるのがママ友とのお付き合いです。子ども同士が仲良くないなら疎遠なままでもいいですが、子ども同士が仲が良くても親同士も仲良しだとは限りません。ママ友同士で交流したがるタイプの人ならいいのですが、そうではないタイプのママの場合、うわべだけのお付き合いが苦痛になってしまうことも。とはいえ、保育園や学校の行事などで、親の出番は必ずありますし、とりあえずは波風立てずに過ごしていくことが安全だともいえますよね。ママ友同士で多いのは、顔を合わせたときに「ちゃんは~らしい」「さんのところは~みたいだよ」といった“噂話”。噂好きなママは、そこで話した他のママの話を別のいろいろなところでまた話したり、詮索好きだったりすることも。小学生のお子さんを持つAさんは、そういったお付き合いに疲れきってしまい、「おしゃべりの輪に入らないほうが建設的」だと言います。そんなAさんは、あるとき体調を崩してしばらくママ友たちの前に顔を見せず、その後も挨拶程度で済ましていたら、徐々に距離を置いたお付き合いへとシフトしていけたのだそう。すると、ものすごく気が楽になって、「意外と挨拶だけでも大丈夫なんだな」ということに気づいたのだとか。いつもと違う視点で行動してみると、すんなり苦手なものから離れられることもあるかもしれません。ただ、ひとりで悩みを抱えてどうしても動けないような状態でいる場合は、家族や両親、親友など信頼できる人物に相談してみてくださいね。2.「年の差もあるから無理して合わせない」と言うママ保育園に通うお子さんと小学生のお子さんをもつBさんは、「ママ同士でも年齢差があるから、無理して合わせない」と言います。お子さんが小さい頃は、仕事と家庭の両立で大変だったそうですが、だんだんと同じクラスのママたちの年齢や性格なども把握していき、次第に“あえてぼっち”スタンスを好んでしているのだとか。ママ友同士で集まりたがるママもいるものの、最初の頃はママ友グループの会に呼ばれていたけれど仕事がに忙しくて行かなくなったら、そのうち呼ばれなくなり、悩んだ時期もあったけれどいまでは「さっぱりしていていい」のだそう。とくに保育園は働くママの家庭ばかりということもあって、どのママも家事に育児に仕事にと忙しいため、「あの人忙しいのね」とそれほど執着されずに済んでいると分析するBさん。確かに、人のことにそれほどかまっているヒマはありませんし、集まることが好きな人だけ集まって、ひとりのほうが行動しやすいママはそのスタンスでいいのではと思いますよね。3.「ママ友がいないことは恥ずかしくない」と言うママママになってからも、ひとりで行動するよりも、連れ立って行動したがるタイプはいるものです。また、一見いつもグループで行動しているママ友でも、なかにはママ友のマウンティング大会に辟易しているママや“とりあえず”の気持ちで一応グループに入っているだけ、というママも。保育園に通うお子さんのいるCさんは、もともとなんでもひとりで行動できるアクティブなタイプのママ。ママ友グループの集まりなどにも早々に見切りをつけたものの、顔を合わせることがあれば挨拶だけは欠かさず、役員もやってクラスのママたちと交流するときもあるそう。そういった必要最低限のことだけやっておけば、プライベートまでベッタリ付き合うような「ママ友がいないことは恥ずかしくない」と言います。ママ友のことを考えるよりも、一番大事なことは何かといえば、それはもちろんお子さんのこと。ほどよい距離感を保ちながら、 “ぼっちママ”で自由度高くいるのはいいですよね。まわりを見回してみると、意外と他にも“ぼっちママ”がいることに気づくこともあるでしょう。無理してグループに入るより、のびのび過ごすのも手。ですが、ひとりでいることがツライと感じる度合いが大きくなりすぎるようなら、勇気を出して信頼できる人に相談することも忘れないでくださいね。©skynesher/Gettyimages©Flashpop/Gettyimages©ONOKY - Pascal Broze/Gettyimages
2020年10月30日【音楽通信】第55回目に登場するのは、社会現象となっている『鬼滅の刃』のヒロイン・竈門禰豆子(かまどねずこ)役などの人気声優としても知られ、アーティストとしても活躍している、鬼頭明里(きとうあかり)さん!写真・黒川ひろみ 取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol.55声優になって以来いまは「未知の領域にいる」2014年に声優デビューした鬼頭明里さんは、一世を風靡している『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』近江彼方役、『Re:ステージ! ドリームデイズ』月坂紗由役など、数多くの話題作に出演している、人気声優です。とくに『鬼滅の刃』の禰豆子役は、子どもから大人まで、アニメファン以外の層からも圧倒的な人気を博し、国内外でそのキャラクターに魅了される人が続々。アーティストとしては、2019年10月にシングル「Swinging Heart」でデビューを果たし、2020年6月リリースの1stアルバム『STYLE』はヒットチャート7位を獲得。9月から10月まで開催された東名阪での1st ライブツアー「Colorful Closet」は大成功で幕を閉じました。そんな鬼頭さんが、10月28日に、3rdシングル「キミのとなりで」をリリースされるということで、お話をうかがいました。ーーまずは、鬼頭さんの音楽的なルーツから振り返らせていただきます。小さい頃はどんな曲を聴いていましたか。小さい頃から、アニメがずっと好きだったので、曲といえばアニメソングばかり聴いていましたね。お父さんはオタクだったんですが、お母さんはそうでもなく、TUBEさんなどそのときどきに流行っていた曲を聴いていて、私も一緒に聴くことがありました。小学生になると、近所のカラオケ店にものすごく通いつめて、アニメソングをよく歌っていましたね(笑)。親の車でおばあちゃんの家に行くときも、車の中で曲を流して、カラオケ大会のようにずっと歌っていました。ーーそんななかで、声優を目指すようになられたきっかけは。家ではケーブルテレビがつながっていて、アニメを視聴できるチャンネルがあって、80年代、90年代のアニメをずっと観ていて「やっぱりアニメが好きだな」と実感していました。中学生の頃になると、声優さんのいろいろなアニメのラジオ番組を聴き始めて、「アニメについて話している声優さんって、すごく楽しそうな人たちだな、これがお仕事だと楽しそう」と思ったことが、声優さんになりたいと思ったきっかけですね。でも、声優さんになるためにはどうすればいいか調べてみたら、とりあえずは上京しないと無理だということがわかって、その夢をしばらく諦めていました。ーーでは実際に2014年に声優デビューされましたが、どうやって夢をつかんだのですか。高校を卒業する前の進路を決めるタイミングで、一度は諦めていた声優さんになろうと決断したんですが、そう思う前までは、イラストレーターになろうと思ってずっと絵を描いていたり。地元の愛知のことも好きだったので、愛知の大学に通うことを考えていました。でも、それは親のお金で大学に通わせてもらえるなら行こうというぐらいの気持ちで、いざ親に大学の話をすると「お金ないよ」と言われて(笑)。「自分で奨学金を借りて、行きたいなら行きなさい」と親に言われ、「自分で借りてまで大学に行かなくていいな」と思って、じゃあ何をしようかなと。そこで、一度は諦めた声優さんになりたいと思って、行動したんです。今度は地元にこだわらないで、自分でお金を貯めて、声優養成所に通うために上京して、本格的に声優さんを目指すようになってからテレビアニメでデビューすることができました。ーー社会現象となっているアニメ『鬼滅の刃』のヒロイン・竈門禰豆子役として声を担当されていますが、鬼と人間との感情で揺れ動く禰豆子の葛藤が画面からも伝わり、物語にも大いに感動しました。役作りはいかがでしたか。作品にもよるのですが、声をあてるときに、棒人間みたいなものしかない状態のときもありますし、カラーのときも線画のときもあるんです。でも、“鬼滅”の場合は、線画でしたがしっかりと表情が描いてありました。その映像を見て、台本からも禰豆子の心情を読み取って、そして原作も読んで、「こんな表情をしているからこうかな」と、想像しながらやっていましたね。ーーまわりの方からの反響も大きかったのではないですか。これまで声優になってからも、常に「売れるぞ!」「ビッグになるぞ!」という気持ちではいたんですが、いまはそこを飛び越えて、「未知の領域にいる」と思うところにいて(笑)。まさか自分がここまでいろいろなお仕事をさせてもらえるようになって、アーティスト活動もさせていただけるようになると思っていなかったので、毎日未知の世界が広がっています(笑)。いろいろと楽しくお仕事させていただいて、すごくありがたいですね。私の目標のひとつに、親戚や家族など「まわりの人たちに恩返しがしたい」「自慢できる友達、娘、親戚になりたいな」という思いがあって。いまはまわりの親戚や家族もすごく喜んでくれているので、とてもうれしいですね。ーーさまざまなキャラクターで声を務めていらっしゃいますが、鬼頭さんのなかでも、禰豆子役は少し違う存在なんでしょうか。そうですね。私の地元の友人はあまりアニメを観ないんですが、そんな人たちでも「“鬼滅”すごいね」と言ってくれるようになりましたし、おじいちゃんもそうです。いままでアニメに出ていると言っても「ほうほう、よくわからんけどがんばっとるね」という感じだったのですが(笑)、『鬼滅の刃』のことはおじいちゃんのまわりのお友達からも「明里ちゃん、すごいね」と言ってくれるらしくて、「明里ちゃん、がんばっとるんですね」とようやく認識してくれました。だから、禰豆子はだいぶ、特別な存在なんじゃないかと思います。『安達としまむら』のOPテーマ&EDテーマを歌唱ーー2020年10月28日に、さわやかでドラマチックな3rdシングル「キミのとなりで」をリリースされます。表題曲は10月8日からスタートしたテレビアニメ『安達としまむら』(TBS系 深夜1時58分)のエンディングテーマで、同アニメの主人公・安達の声も鬼頭さんがご担当されていますが、オープニングテーマは“安達としまむら”が歌う「君に会えた日」なのですね。エンディングテーマとなっている今回の新曲は私名義のもので、鬼頭明里として、アーティストとして歌わせていただいています。オープニングテーマについては、アニメの“安達としまむら”として、キャラクターソングとして歌わせていただいていて、安達というキャラクターになりきって歌っていますね。キャラクターソングは、キャラクター目線で歌っている感じなんですけども、アーティストとして歌わせていただいている曲に関しては、作品や物語自体を俯瞰して見ているというか。なので、今回はふたつの視点から、オープニングとエンディングを歌わせていただいていて、作品への理解が深まった気がします。ーー「キミのとなりで」には、ロックテイストの2曲目「Dive to World」、ファンクな感じもある3曲目「トウメイナユメ」も収録されています。今回、3曲ともさわやかな感じの曲なので、どの曲もあんまり考えすぎずに歌うようにしてみました。ーー2019年10月から、アーティスト活動をこれまで1年間されてきましたが、いまはどのようなお気持ちでしょうか。役者として歌ったり踊ったりしているときは、キャラクターの気持ちだったり、キャラクターを表現したりという感じがあるんです。でも、アーティストとしては、自分を表現する、自分自身であるというところで、そこがすごく難しかったですね。自分を出すことが苦手ということもあって役者になったので、アーティスト活動は自分を出さなきゃいけない、自分を表現しなければいけないとなったときに「自分とはなんなんだろう?」とすごく考えました。ーー今年6月には1stアルバム『STYLE』も発表されて、ご自身の曲数が増えていくなかでも、自分とはなにかという葛藤もありながら、歌われていたのでしょうか。はい、曲が増えていくなかでもありましたね。いまだに、自分とはなにかが見つかっていないんですが、私は飽き性だし、いろいろなことをしたいタイプなので、これからも“新しい自分を見つけていく”気持ちでやっていけたらなと思っています。ーー9月から10月には初ライブツアーも行われましたが、実際にステージに立たれて、手応えのほどはいかがですか。初めてのライブでしたし、このコロナ禍というのもあって、ものすごく緊張しました。お客さまも声援を送れないので声を出せなかったり、マスクとフェイスシールドをしてもらったり、席もソーシャルディスタンスとなっていたり。いろいろな制限があるなかで、楽しんでもらえるんだろうかと不安もあったんですが、そんななかでも拍手してくださって、「すごく楽しかったです」と言って帰ってもらえたりしたので、すごく安心しましたし、ライブができて良かったと思いました。ーー大阪公演では、LiSAさんが歌うテレビアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマ「紅蓮華(ぐれんげ)」のカバーを披露されたそうですね。各公演で毎回違うキャラクターソングや私が出演したアニメの主題歌のカバーを歌わせていただきました。アーティストとしての自分の曲よりも、カバー曲のほうが、前々からカラオケで歌い慣れている曲なので、今回のライブでバンド編成になったときもすんなり歌えたかもしれません(笑)。ーー声優の方は、「声」がとても重要なものですし、アーティスト活動でも歌われることが多くなりますが、普段ノドのケアはされていますか。昔からノドが強くて、たとえば加湿器をたくようなこともしていないですね。朝もとくになにもしていないんです。ノドを甘やかさないで、強くするというか(笑)。ーーやはり声のお仕事は“天職”かもしれないですね。そうですね、昔から声を出すのは好きだったので、お仕事はすごく楽しいです。今後はおとなっぽい曲やコラボもやってみたいーーオフの日はどのように過ごしていますか。人が好きなので、誰かと話すことも好きで、おやすみの日などは友達とどこかへ遊びに行くことが多いですね。カラオケへ行ったり、おしゃれなカフェで写真を撮ったり。スマホでインスタ映えしそうな写真を撮るのが好きで、以前はよくカフェに行っていました。コロナ禍ですし、最近はなかなか外出できませんが、友達とは「ご飯に行きたいね」と連絡はしていますね。ーースキンケアやコスメなどでは、お気に入りのものはありますか。最近お気に入りなのは、ランコムの「ジェニフィック アドバンスト N」という美容液です。すごくいいらしいと耳にしていて、実際に自分でも使い始めたら、本当に肌の調子が良くなりました。いま5本目ぐらいですが、ずっとリピートしていますね。友達や知り合いにも、この美容液をプレゼントするぐらい、気に入っています。もともと気に入ったものをずっと使い続けるタイプなのですが、コスメだとディオールのクッションファンデーションもいま6個目になりましたし、気に入ると同じものをずっと使っていますね。ーーちなみに、細身なのでダイエットなどはされないですよね。めちゃめちゃしています(笑)! 昨年末ぐらいはすごく太っていて、そこからダイエットを頑張っているんですよ。でもやっぱり時間がないと痩せられないから、追い詰められて、いまはお金の力で痩せようかなと思っています(笑)。エステとか、トレーニングギアのシックスパッドを買ったり。あとは食事ですね。現場などでお弁当が出ても、おかずは全部食べますが、ごはんの量を減らして、炭水化物を減らすとか。ニンテンドースイッチのエクササイズゲーム『Fit Boxing』をやることも。リズムに乗ってパンチするんですが、10分ぐらいやるだけでも、けっこう汗だくになるんです。ーーでは最後に、アーティストとしての今後の抱負をお聞かせください。いままでロックな曲やさわやかな曲を歌わせていただくことが多かったので、今後機会があれば、大人っぽい、カフェでゆったり聴けるような曲やブラスバンドのパレードのような曲も歌ってみたいなと思いますね。あとは、同時期にすごく仲良い役者の友達もアーティストデビューしていて、和氣あず未さんという声優なんですが、その子といつか一緒にコラボレーションして歌ってみたいですね。一緒のステージにも立ってみたいなと思います。取材後記声優として、ソロアーティストとして、大活躍されている鬼頭明里さん。クールビューティな鬼頭さんは、撮影中もインタビュー中も、凛とした瞳が輝いて、取材陣を魅了。筆者が心から感銘を受けた『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役では、おじいちゃんからも認識されたというお話に、母のような気持ちでほっこりさせていただきました。声優だけでなく、アーティストとしても、きっと多くの人たちの心を灯してくれるはずです。そんな鬼頭さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。鬼頭明里 PROFILE10月16日、愛知県生まれ。趣味は、絵を描くこと、歌うこと。2014年より声優として活動。テレビアニメ『タイムボカン 逆襲の三悪人』にてヒロイン、カレン役を務める。他にも『鬼滅の刃』竈門禰豆子役、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』近江彼方役、『Re:ステージ! ドリームデイズ』月坂紗由役、など多くの話題作に出演している。2019年10月16日にシングル「Swinging Heart」でアーティストデビュー。収録曲の「dear my distance」はテレビアニメ『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』、2020年2月リリースの2ndシングル「Desire Again」収録曲「Tiny Light」はテレビアニメ『地縛少年花子くん』のエンディングテーマを担当。6月リリースの1stアルバム『STYLE』はオリコン週間ランキング7位を獲得。9月から10月まで東名阪での1st ライブツアー「Colorful Closet」を開催。10月28日、3rdシングル「キミのとなりで」をリリース。「ニュータイプアニメアワード2018-2019」声優賞(女性)では、1位を獲得。レギュラーラジオ番組、文化放送『超!A&G+』では『鬼頭明里のSmiley pop』(毎週水曜日19:30~20:00)を放送中。InformationNew Release「キミのとなりで」(収録曲)01. キミのとなりで02. Dive to World03. トウメイナユメ04. キミのとなりで (Instrumental)05. Dive to World (Instrumental)06. トウメイナユメ(Instrumental)2020年10月7日発売*全形態同収録曲。(通常盤)PCCG-01941(CD)¥1,300(税別)(初回限定盤)PCCG-01939(CD+BD+ブックレット)¥2,000(税別)(アニメ盤)PCCG-01940(CD)¥1,300(税別)New Release「君に会えた日」安達としまむら(CV:鬼頭明里と伊藤美来)(収録曲)01. 君に会えた日02. メリーゴーランド03. 君に会えた日 -TV size ver.-04. メリーゴーランド -Glocken Ver.-05. 君に会えた日 -instrumental-06. メリーゴーランド -instrumental-2020年10月28日発売(通常盤)PCCG.01929¥1,300(税別)ヘアメイク・Yuu.
2020年10月27日【音楽通信】第54回目に登場するのは、NMB48を卒業して2年経ち、シンガーソングライターとしてさらに飛躍を遂げようとしている、山本彩さん!写真・黒川ひろみ 取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol.54いろいろな音楽を作ることができてすごく楽しいグループ在籍中の2016年から、シンガーソングライターとして活動してきた山本彩さん。全国のライブハウスツアーを実施するなど、エネルギッシュに活動を展開。2019年4月には移籍第1弾シングル「イチリンソウ」を発表し、12月には全曲作詞作曲を手がけた3rdアルバム『α』が、オリコンウィークリー5位を記録しました。そんな山本さんが、2020年10月28日に4thシングル「ゼロ ユニバース」をリリースするということで、お話をうかがいました。ーーまず、山本さんの音楽の源となったものからお聞かせください。幼い頃や思春期の頃に好きだったり影響を受けたりしたアーティストの方はいますか。小さいときは家族の影響でロックを聴くことが多かったですね。そのなかでも、アヴリル・ラヴィーンを聴いたことがきっかけで、自分でも歌い始めたり、ギターを弾くようになったりしました。だから自分で作詞作曲しているいまがあるのも、もとはアヴリルさんのおかげかもしれません。あとELLEGARDENさんも好きですね。ーーロックがお好きなのですね。はい、バンドものが好きでした。“ロック好き”が染みついているので、ルーツはそこかなと思います。ーーでは現在、目標としているアーティストの方はいますか。椎名林檎さん、宇多田ヒカルさんですね。独自の世界観と曲作りをされていて、本当にこの人にしか作れない曲ばかりだと思います。そんな曲を書かれているという意味でも、個性として素晴らしいことだと思いますし、作詞作曲、さらに編曲までご自身でされている方々なので。私はまだ編曲はお願いしていたりするので、編曲、アレンジなどまで自分でできるようになったら、またさらに物作りの幅が広がるのかなと。そういう意味で、理想の方々です。ーー2018年にグループを卒業されてから、2020年の現在までで約2年となりますが、あらためておひとりで音楽活動をされての心境は。まずジャンルにとらわれずに、いろいろな音楽を作ることができる現在は、すごく楽しいです。やりたいことができるということは、そのぶん、多くの方にも携わっていただいているということなので、本当にいい環境に置かせていただいていると思いますね。いまも不安がなくはないんですが、2年前ほどではなくて。純粋に、自分がやりたいことをそのまま曲にできたり、ライブができたりするのが、すごく幸せだなと感じています。全曲の作詞作曲&大型タイアップ付きシングルーー2020年10月28日に、4枚目となるシングル「ゼロ ユニバース」が発売されます。全作詞作曲を手がけられたそうですが、まず表題曲から、どのような思いがこめられているのか教えてください。「ゼロ ユニバース」は、現在放送中のドラマ24『あのコの夢を見たんです。』(テレビ東京系 毎週金曜深夜0時12分ほか)の主題歌ということで、ドラマの台本を読ませていただいて、そこから書かせていただいたんです。ドラマの主人公が、日々のいやなことがあったときに逃げ道のように妄想するんですが、それが安らぎになっていて。妄想が自分にとって、安らぎとなるほどの存在になっているということが、このお話のキーなのかなと思いました。妄想するなかで自分のやりたいことを思いのままに繰り広げていって、それが現実の世界でも、妄想しているようなことができたらいいなぁという思いでこの曲を作らせていただいています。ーードラマの原作となったのは、南海キャンディーズの山里亮太さんの短編小説ですが、曲作りについて山里さんから何かリクエストはあったのでしょうか。それはなかったですね。山里さんと直接やりとりすることがなかったので、こちらで一生懸命、「こういう気持ちだろう」「こうなったらいいな」と考えながら、作りました。ーー主演は、仲野太賀さんですね。仲野さんは、ドラマで山里さんの役をされていますね。この曲は、爽やかな妄想のなかだったり、夢のなかにいたりするような、浮遊感のある曲。ドラマのなかで仲野さんが、妄想から現実に戻るとか、現実に戻ったらまたいやなことがあるという心の葛藤も、歌詞に描いています。ーー歌詞の最後には、「もう一度新しい自分と会うために ここから出て行くよ」とありますが、これは妄想から抜け出すということでしょうか。そうです! 妄想から抜け出して、妄想の世界だけでなく、現実の世界でも「なりたい自分になっていくよ」という意味をこめています。ーー2曲目「愛なんていらない」は、どのようなシチュエーションで生まれた曲ですか。これはモスバーガーさんのCM曲なのですが、コンセプトが“自立したひとりの女性にも気軽に食べてもらえる、よしがんばるぞ! という気持ちになってもらえるように”というイメージだったんです。そのテーマを汲み取りながら、自分も一応自立している女性として、等身大の27歳の女性の曲が書けたらと思いながら作りました。ーーレコーディングの際はいかがでしたか。「愛なんていらない」で描いている女性は、仕事や大切なものに打ち込んでいるという状態で、強がりな面もあるけれど、タイトル通りに「愛なんていらない」という思いで歌っていましたね。けっこう素直な気持ちで歌えたかなと思います。ーー通常盤に収録されている3曲目「against」は、どのように生まれた曲でしょうか。これは日本生命さんで、「ニッセイ青春エールプロジェクト」と掲げて、いろいろなエピソードやキーワードを募集していたんです。コロナ禍でできるはずのことができない、会えるはずなのに会えないというようなさまざまな悔しさを抱えている人がたくさんいるので、そんなみなさんの感情を言葉にして送ってもらって、それをもとにして私が歌詞を書いています。ここまでの2曲とはまったく違う、アッパーな疾走感のある曲。みなさんに元気を届けられたらいいなぁと思って作りました。ーー今年はコロナ禍の影響で、2月からの全国ツアーツアー「山本彩 LIVE TOUR 2020〜α〜」が中止となったそうですね。ただ、8月28日にそのツアーファイナル公演として無観客有料配信ライブを行いましたが、いかがでしたか。無観客での生配信ライブは、お客さんを入れるライブとはまた違った緊張感がありました。ライブハウスで配信ライブを行ったのですが、ライブハウスのステージも半年ぶりだったので、けっこう忘れてしまっていることや勘を取り戻すのに大変だったこともあったり。でも、歌うにつれて「やっぱりライブっていいなぁ」と実感しましたね。ーー今後も配信ライブはお考えになっていますか。たとえみなさんと一緒にライブ会場にいることはできなくても、それ以外の方法でできることは何かあると思っていて。だから、配信ライブもそうですが、そのときどきに何ができるのかを探しながら、やっていけたらと考えています。「音楽で何かできたら」という気持ちを忘れないーー山本さんはコロナ禍での「おうち時間」をどのように過ごしていますか。以前の自粛期間は、ほぼ家にいました(笑)。部屋を片付けまくったり、ずっとやっていなかった自炊をしたり。おうち時間は、音楽や映画のサブスクリプションをひたすらやることにも、ハマりましたね(笑)。時間があるので、いままでだったら観ることのできなかった「鋼の錬金術師」などの以前放送されていたアニメや長編作を観ていたことも。そういう意味では、自分にインプットする時間が増えましたね。ーー自炊もされているそうですが、得意料理は。まだ得意料理と言い切れるほど作っているわけではないですが、生姜焼きやホイル焼きなどですね。最近は、以前よりも自炊の時間は減りましたが(笑)。意外と台所には立っていて、数日間かけて食べられるスープを作り置きすることもあります。ーーおうちから外出するのも難しい時期ですが、お友達とはどのように過ごしていますか。地元の高校の友達に電話をするなど、常に連絡をとっていますね。芸能界の友達だとグループの後輩と連絡をとることもありますが、卒業してからは先輩後輩というより、友達という関係になり、そこがいい変化だなと感じています。ーーでは美容面などで気をつけていることは。若いときはけっこう思春期の肌荒れに悩まされたので、治すのに必死でした。だから、美容やスキンケアには、お金をケチらんとこうと決めて(笑)。それからは、お肌にいいものをなるべく使うようにしていて、自分に合ったものだったら高くても買うようにしています。ーー夜は早く就寝するとお肌にいいようですよね。曲を制作しているときは徹夜することもあって、夜型になってしまうので、夜は寝ないこともあるんですが、制作期間以外のぐっすり眠れる時期に12時間とか寝ています(笑)。だから、プラマイゼロかなという感じですね。ーー物作りに没頭されるのですね。それは楽しい時間なのでしょうか。いや、しんどいですね、眠くなるときもありますし。締め切りギリギリのときは焦ってプレッシャーにもなるので、大変だなとは思います。でも、曲が完成して、みなさんに聴いてもらえたときには、本当に達成感があるので、しんどいことも別にいいかなと思っていますね。ーーお話は変わりますが、山本さんが思う魅力的な人物像は。男女ともに、誠実な人です。人を思いやる心、人をないがしろにしない気持ちのある人だったら、いいなぁと思います。男性のタイプとしては、ゴリラみたいな人が好きなんです(笑)。ーーゴリラ!? というとワイルドな感じでしょうか(笑)。ワイルドで、筋肉も好きなんですが、全体的に男くさ〜い感じが好きなんですよ。お父さんがそんな感じで、野性っぽいというか。お父さんみたいな人がいいです(笑)。ーーお父さんはきっととてもうれしいと思います(笑)。では最後に、コロナ禍で活動しづらい時期だとは思いますが、今後のヴィジョンを教えてください。これからも1曲、1曲をしっかりと作っていきたいです。そして、もしライブが普通のかたちでできない状況が続くとしても、いろいろなかたちでやっていけたらと思いますし、また少しずつフェスやイベントが決まったりしているので、そういう機会も大事にしていきたい。やっぱり「音楽で何かできたらいいな」と思っているので、その気持ちを忘れずに、これからも活動していきたいと思います。取材後記キラキラとした大きな瞳に吸い込まれそうになるほど、キュートな印象の山本彩さん。大阪でのイベント出演が続々決定しているということで、有観客ライブで山本さんの歌声が聴ける関西のファンの方はとてもうれしいでしょうし、配信ライブでも、CDからでも、元気づけられる方は多いはずです。地元の大阪を盛り上げて、さらに全国に元気を届けてくれる山本さんがリリースするニューシングルをまずはチェックしてみてくださいね。山本彩 PROFILE1993年7月14日、大阪府生まれ。2010年に発足したNMB48に1期生として8年間キャプテンを務め、中心メンバーとして活動。2016年、自身の目標であったシンガーソングライターとしての活動を始動させ、10月にデビューアルバム『Rainbow』をリリース。2018年10月、大阪の万博記念公園東の広場で卒業コンサート『SAYAKA SONIC ~さやか、ささやか、さよなら、さやか~』を開催。NMB48史上最大規模、約3万人を動員した初の野外コンサートとなった。11月4日、この日の卒業公演をもってNMB48を卒業。2019年、2月からライブハウスツアー「I’m ready」を24会場27公演開催。4月にユニバーサル ミュージック移籍第1弾シングル「イチリンソウ」をリリース。8月、ラジオのレギュラー番組となるCROSS FM『山本彩 カケル』の放送開始。2ndシングル「棘」、3rdシングル「追憶の光」を発表。12月、全曲作詞作曲を行った3rdアルバム『α』をリリースしオリコンウィークリー5位を記録した。2020年2月より、全国ホールツアーの開催を予定していたがコロナ禍の影響により中止。8月28日にファイナル公演として配信ライブを行う。10月28日、4thシングル「ゼロ ユニバース」をリリースする。InformationNew Release「タイトル」(収録曲)01. ゼロ ユニバース02. 愛なんていらない03. against04. ゼロ ユニバース(Instrumental)05. 愛なんていらない(Instrumental)06. against(Instrumental)2020年10月28日発売(通常盤)UMCK-5694(CD only)¥1,200(税別)(初回限定盤)UMCK-7084(CD+DVD)¥1,800(税別)[DVD内容]・表題曲ミュージックビデオ、・メイキングムービー(レコーディング、アーティスト写真+ジャケット写真撮影、ミュージックビデオ撮影の様子)(FC限定版)PDCS-1916(CD+DVD+特典スマホ専用 VRグラス&オンデマンド視聴券+Photo Book)¥7,800(税別)[DVD内容]・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」番外編映像・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」ドキュメントムービー[特典スマホ専用VRグラス&オンデマンド視聴券]・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」ライブ映像※動画配信期間:2020年10月27日(火)~2021年10月27日(水)[Photo Book]・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」撮り下ろし豪華フォトブック(54ページ)
2020年10月26日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第54回は、これまで見聞きした恋愛下手ゆえにうまく恋を進められない女性の特徴を3つご紹介します。1. 言いたいことが言えず音信不通になる【結婚引き寄せ隊】vol. 54片思いの男性がいたり、いい出会いを探していたりしても、恋愛下手ゆえにうまく恋を進められないタイプの女性もたくさんいますよね。そんなどこか共感してしまうところがある女性の特徴として、ひとつめに「言いたいことが言えず音信不通になってしまう」こと。控えめな印象のAさんは、女友達同士で集まるときでも、いつもにこやかにみんなの話を聞いているような性格。お嬢さまで女子校育ちということもあってか、社会人になってからも、あまり男性とは接触しないようなところがありました。とはいえ、30代半ばとなり、「そろそろ婚活というものをしてみようかな……」と思い腰をあげたものの、もともと男性に慣れていないために会話がまったく弾みません。実際に会うまでのメールなどでのやりとりではスムーズに話が進むのですが、それは男性を目の前にしないから、あまり緊張しないで済むからなのだそう。でも、実際に会ってみると、相槌を打つぐらいで、男性のほうから質問されたら自分の話をする程度で、なかなか次のステップへと進むことができませんでした。さらに、「将来、この人と結婚するかもしれない」と思うほど、言いたいことも言えずどうやって説明すればいいのかも悩んでしまい、何度か音信不通にしてしまったのだとか。音信不通になるって、相手にとってはあまりいい印象ではないのかもしれませんが、根っからの遊び人で適当に付き合うから音信不通になる場合と、Aさんのように悩みすぎて適切な言葉を言えず苦渋の末に音信不通になる場合があるんですね。ただ、今後のことを考えても、たとえば「悩みすぎてしまうので今回はご遠慮しますね」などと、ひとこと相手に伝えるようにすると、また違った展開が待っていることもあるのかもしれません。もしくは、Aさんのように恋に不器用な女性のことをすべて包み込んでくれるような男性に、巡り会えるといいですよね。2. 意識をしすぎて逆にツンツンする女性だけでいるときは、明るくサッパリとした印象のあるBさん。どちらかというと、思ったことはストレートに発言するなど、男勝りな感じがありましたが、恋愛となると話は別のようでした。まったく異性だと意識しないような男友達だといつもの明るいBさんなのですが、そこに少しでも「いいな」と思う男性がいると、途端に無口になるんです。とくに誰と誰をくっつけようなどということもなく、気楽な飲み会の場だとしても、気になる男性がいるだけで、借りてきた猫のようになるBさん。さらに、気になる男性から話しかけられても、意識しすぎるがゆえに、「ああ」「うん」「そう」程度しか返事をしません。あげくに恥ずかしくて「目を合わせられない」とかでツンツンしている状態で、はたから見ているとちょっと挙動不審になってしまっているのだとか。でも、程度の差はありますが、まわりから見て特定の男性にだけ態度が違うと、「好きなのかな?」と勘づく人も多いですよね。そこに気づかない男性だと、本来のBさんの良さが伝わりづらくて、もったいない。こういうタイプの女性の場合、そんな性格を理解して、間をとりもってくれるような友達がいると交流しやすくなるはずです。3. 好反応があってもひよってしまう職場の先輩にずっと憧れていたCさんは、「ただ見ているだけで十分だから」と、女子高生のような気持ちで、片思いを続けていました。違う部署の憧れの先輩をどこかで見かけることがあると、ものすごくテンションが上がって、仕事もスイスイはかどるんだそうです。アラサーでちょうど仕事もノリにノッてきていたCさんは、テキパキとすすめる仕事のように、恋もどんどんすすめていくのかと思いきや、「仕事とプライベートは別」という感覚。あるとき、仕事をがんばるCさんに、憧れの先輩から「最近頑張ってるらしいね!」などと声をかけられると、喜びが爆発しすぎて、その好反応がむしろこわくてその場から逃げ出してしまったのだとか。せっかく憧れの先輩と会話ができるチャンスなのにと、同僚女性から言われても、「私なんて遠くから見ているだけのポジションで十分なのに」とひよってしまって、親睦を深めるチャンスも自ら遠ざけてしまう始末。その後また先輩と距離ができたらしいのですが、距離があるほうが安心するそう。これって、“憧れ”と本当に“好き”という気持ちとが混同しているのか、それとも心の準備がまだできていないだけなのか。自分のなかでも見極めながら、もし本当に好きなら、今度はチャンスをつかめるように心の準備をしておくと、うれしい進展があるかも。恋愛下手だからといって、うまくいかないとは限りません。「ここぞ!」というときだけはなんとか頑張って、すてきな恋愛ができるようになるといいですよね。©stock-eye/Gettyimages©lovro77/Gettyimages©Westend61/Gettyimages
2020年10月23日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第53回は、恋活や婚活をしているなかで見聞きした“女性のダメなクセ”エピソードを3つご紹介します。1. 男友達が多い女性【結婚引き寄せ隊】vol. 53出会いを探す女性のなかには、本人は決して遊び人ではないのに、密かに男性から軽く見られることをしてしまっていたという“ダメなクセ”を持つ女性がいるようです。そんな女性のひとりが、20代後半のAさん。スポーツインストラクターのAさんは、いつもハキハキとしていて笑顔が印象的な女性。職業柄もあってか、誰とでもフレンドリーに対応する性格のため、気づくと男友達がたくさんいたそうです。ただ、彼氏ができても「今度は誰と会ってくるわけ!?」と言われて恋は長続きしないという、Aさん。話を聞いてみると、彼氏が束縛しがちということでもなく、仕事終わりに職場の同僚男性と飲みに行ってデートの約束をつい忘れてしまったり、彼氏が休みの日でも、男友達に誘われるとすぐ出かけてしまったりしていました。彼氏ができても、女友達だけでなく、男友達に対しても対応がよすぎるAさんに、相手がうんざりしてしまうようです。それに、「女の子ならわかるけど、男にまでいい顔するなんて軽すぎる」と言われたこともあるAさんですが、まったく悪気がないため「べつに男女の関係じゃないからね」とあっけらかんと話すのです。でも、それを嫌がる大事な人がいるなら、せめてお付き合いしている人がいるときは、男友達との遊びの誘いを減らすほうがいいのではと思ったのでした。2. 誘われたらすぐ出かける女性それは営業職をしている30代半ばのBさんのこと。仕事柄、フットワークの軽いBさんは、もともと家でじっとしているのが苦手だという、行動派。それにひとりでいるより、誰かと一緒にいるほうがいいという考えがあるようで、毎日なにかしらのスケジュールが入っているという女性です。そんなBさんは常々「誰かいい人いたら紹介して〜」と言って出会いを探していたり、婚活にも精を出しているのですが、残念ながら出会いが結婚へと結びつくところまではいたらないのが悩みでした。とはいえ、アクティブなBさんのことを気に入る男性も多く、いろいろなところからお声はかかるのです。すぐ行動するBさんなので、たとえ夜遅くのお誘いであっても、「ま、いいか」とひょいっと外出。でもその結果、相手の男性から「呼んだらすぐ来るんだね」などと言われてしまうこともあったとかで、Bさんとしてはなんとか恋につなぎたい一心での行動が、知らないうちに“誘うといつでも会える”女性になってしまい、逆に本命から遠ざかっているようでした。そのフットワークの軽さは、お付き合いするまではちょっと控えめにしておいて、付き合ってから本領発揮すると、きっと彼氏もうれしいのかもしれないなぁと思ったのでした。3. ついボディタッチしてしまう女性それは事務職をしている30代後半のCさんのこと。職場ではベテランといわれるようになってきたCさんは、後輩の指導もする頼り甲斐のある一面を持ちつつも、寿退社に憧れているという、かわいらしい女性です。ただ、Cさんは、うっかりボディタッチをしてしまうところがありました。とくにお酒が入っている場合ではなくても、カフェで男女でお茶を飲んでいて「頑張ってね」と言いながら、ぽんっと男性の肩を触ったり、歩いているときでも横にいる男性の腕をつかんでしまったり。触られたほうの男性は、「気があるのかな」とちょっとドキッとしてしまうらしいのですが、Cさんはまったくそんな気はありません。そうです、本人にとってはただのクセなのですよね……。無意識だからこそ、止められないのか、飲みの席だとさらにボディタッチの頻度がアップ。もしも、気になる男性がCさんのそのボディタッチの様子を見ていたら、間違いなくドン引きするであろうことを忠告されたCさん。知らずのうちにうっかりボディタッチしてしまっていたCさんは、そのクセが縁遠い原因だとまずいと感じ、タッチしていたらまわりに教えてもらうようになり、少しずつ改善されているようです。真剣に結婚したい男性に「遊ぶだけならいいけど」と、見られてしまいがちなボディタッチ多めのクセは、なるべくなら封印できるといいのになあと思ったのでした。いい恋に巡りあえないのは、タイミングのせいかもしれないですし、もしかしたら“ダメなクセ”のせいかもしれません。でも、原因さえわかれば、傾向と対策を練って、よりよい出会いがすぐそこに待っているのではないでしょうか。©pixelfit/Gettyimages©Westend61/Gettyimages©GlobalStock/Gettyimages
2020年10月16日【音楽通信】第53回目に登場するのは、女優として、歌手として、いつの時代もわたしたちを魅了してやまない、原田知世さん!写真・北尾渉 取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol.5320代の半ばから音楽は本当に楽しいと知った1983年、オーディションで5万7,000人の中から選ばれ、大林宣彦監督の映画『時をかける少女』の主演として、鮮烈なスクリーンデビューを果たした、原田知世さん。映画はもちろんのこと、近年はNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018年)、異例の2クール放送となった『あなたの番です』(日本テレビ系 2019年)といったドラマなどでも数々の話題作にご出演されているのは、みなさんご存知ですよね。原田さんは、いつの時代も圧倒的な存在感と、あふれる透明感で、わたしたちを魅了し続けています。また、原田さんは歌手としても、デビュー当時からコンスタントにアルバムを発表。1990年以降は、ムーンライダーズの鈴木慶一さん、スウェーデンの音楽プロデューサー、トーレ・ヨハンソンさんを迎えてのアルバム制作、それに伴うオール・スウェディッシュ・メンバーとの国内ツアーなどで、新たなリスナーを獲得。近年はプロデューサーに伊藤ゴローさんを迎えて、オリジナルやカバーなど充実したソロ・アルバムを発表しているほか、高橋幸宏さんたちと結成したバンド「pupa (ピューパ)」にも在籍しています。そんな原田さんが、2020年10月14日に、ラブソング・カバーアルバム第3弾『恋愛小説3~You & Me』をリリースされるということで、お話をうかがいました。ーー以前のことから少し振り返らせていただきます。原田さんが幼い頃や思春期の頃に影響を受けた歌手の方はいらっしゃいましたか。私が子どものときは歌番組が全盛で、子どもたちはみんな歌番組を楽しみにして観ていましたし、本当にいい曲がたくさん生まれたいい時代でした。そのなかでも印象に残っている歌手の方というと、久保田早紀さんですね。アルバムも、レコード盤をずっと聴いていて、久保田さんの歌の世界やその歌声が好きで、いまも影響を受けている気がします。ーー1982年、映画『時をかける少女』初主演としてスクリーンデビューされ、主題歌もご自身で歌っていらっしゃいますね。当時はどのようなお気持ちで歌っていましたか。私は14歳で、映画のオーディションでこの世界に入り、『時をかける少女』で映画デビューさせていただきましたが、実は当時はそこまで「女優さんになりたい」「歌手になりたい」という夢があったわけではなかったんです。だからこそ、いただいた作品をただ一生懸命演じたり、歌ったりしていました。当初は女優の仕事のほうがメインでしたから、会社としても作品のイメージに合わせた曲を歌うというかたちでした。歌番組にも、女優として出演して、映画のプロモーションで歌うという意味合いのほうが強かったんですね。それから、だんだん大人になってきて、ある時期から、女優の仕事と歌手の仕事を切り離して考えるようになりました。歌の仕事は、女優のように役ではなくて、「そのときどきの自分の姿をそのまま投影できるものにしていきたい」と思うようになったんです。そのあたりから、歌うことへの意識が変わりました。いろいろなプロデューサーの方との素敵な出会いもありまして、いま振り返れば、その世代ごとの自分の足跡が、音楽というかたちで残せてきたかなと思いますね。役を毎回いただくという女優のお仕事だけできていたら、ここまで長くはやってこれなかったのかもしれない。女優、歌手というふたつのお仕事がバランスよく続いてきたなかで、いい出会いがあったから、これだけ長く続けてこられました。ーー歌うことへの意識が切り替わったのは、いつ頃だったのですか。20代の半ばぐらいに、鈴木慶一さんにプロデュースしていただいたときです。より音作りの面白さ、自分自身を表現する場として、音楽というのは本当に楽しいということを知ったあたりから、変わったと思います。1970年代から90年代の名曲を中心にしたカバー集ーー2020年10月14日に、ラブソングのカバーアルバム第3弾『恋愛小説3〜You&Me』をリリースされます。第1弾は洋楽カバー、第2弾はご自身の少女時代をテーマに、そして今回の第3弾はどんな作品になっていますか。今回は、1970年代から90年代のソングライターの方の名曲を中心に選んでいます。そして新しい試みとしては、4人の素晴らしいアーティストの方に参加していただき、デュエットで歌わせていただきました。ーーリードトラックの、大滝詠一さん、佐野元春さん、杉真理さんによるユニット「ナイアガラ・トライアングル」の「A面で恋をして」のカバーは、アルバムのオープニングとしてもふさわしい爽快なナンバーですね。この曲は、子どもの時代に聴いていて、確かCMソングだったと思いますが、ラジオから流れてきてほんとにワクワクした思い出があります。当時から大好きで。「いつかカバーできたらいいな」と思っていた曲でした。でもあまりにも名曲で、すべてが計算されて作られているので、歌うのに一番苦労したかもしれません。この曲を私なりに歌うためにどうしたらいいだろうと、すごく考えました。ーーそんなご苦労されているように感じさせない心地よさは、素晴らしいです。ありがとうございます(笑)。ーーやっぱり演技力も、歌う力につながっているんですよね。この「恋愛小説」シリーズは、1曲1曲を短編の恋愛小説のような感じで、ひとつずつ演じていくように歌うというのが、全体のテーマです。自分のオリジナルを作るよりも、“演じる”ということをとても大事にしています。ーー弾けるようなアップテンポのピアノやサビの希望に満ちた歌声が響く8曲目「ping-pong」は、2018年発表の原田さんのアルバム『L’Heure Bleue (ルール・ブルー)』収録曲ですね。今回は作詞を提供された土岐麻子さんとデュエットされています。この曲は土岐さんが物語を書いてくださったわけですが、土岐さんの歌も声も世界観も大好きなんです。「デュエット」というと、だいたいは男女の組み合わせが浮かびますが、今回、女性ともコラボレーションしたいと思って、大貫妙子さん、土岐さんのおふたりにお願いしました。もともとオリジナルは私ひとりで歌っていますが、デュエットをしたことでより豊かになった気がします。土岐さんの声も入り、女性同士のエネルギーを感じてもらえる作品になったのではと思います。ーー9曲目「ユー・メイ・ドリーム」は、シーナ&ロケッツの名曲ですね。今回、原田さんのスウィートなボーカルで、シーナさんのロックボーカルとはまた違う、まったく新しい「ユー・メイ・ドリーム」になっています。この曲は、全体の曲目が出揃ってきたときに、「少しポップな曲をもう少し増やしたい」と思って、私から提案しました。意外性のあるものにチャレンジするというのも、カバーの楽しみですから。ただ、そう言ってみたもののどうやって歌おうかとけっこう悩みました。英語のセリフの部分があるのですが、とくにそこをどういう感じにしたらいいのかなと。もちろん演じきってやる案もありましたが、「もっとみずみずしさがほしいな」と、私の姪っ子(10代)に英語のセリフの部分だけやってもらいました。すると、キラキラとした甘酸っぱい雰囲気があって、頼んでよかったなと思いました。ーー原田さんではなく、姪っ子さんの声だとは気づきませんでした(笑)。少し声の加工をしているせいかもしれないですが、私はうしろのコーラスにまわっているんですよ(笑)。もともとの声質が似ているんですよね。だから今回、ほかの曲のコーラスもいろいろやってもらいました(笑)。ーーほかにも、細野晴臣さんとのデュエット曲で、おしゃれで軽妙な6曲目「ア・ドゥードリン・ソング」が味わい深いです。あの曲は、参考音源を聴いたときに細野さんの歌っていらっしゃる声が聴こえたぐらい、ぴったりだなと。ただ、あとは自分が世界観にうまくのって、細野さんと楽しく歌えて、小粋な部分が出せればいいなと思いました。細野さんとは別々の場所でレコーディングしたのですが、あんなに息がぴったりな感じに仕上がって、想像以上に素晴らしい歌をいただいて、大満足ですね。ーー4曲目「二人の果て」では、小山田圭吾さんともデュエットされています。これこそ本当に、演じるような世界観の曲。でも、あまりにも歌で演じすぎるのもよくないと思って、むしろ淡々と歌いたいなと思ったときに、小山田さんの声が浮かびました。これも大貫妙子さんが詞を書いていますが、アルバムのなかでは彩りの曲になったと思います。ーーカメラのシャッター音のような音が何度か入っていますが。あの「カシャッカシャッ」という音は、プロデューサーのゴローさんのアイデアです。車で聴いていると、「あれっ?」とついシャッター音に振り向いてしまいます(笑)。ーー2曲目「ベジタブル」では大貫さんともデュエットされていて、土岐さんとはまったく違うテイストになっていますね。この曲も、当時化粧品のCMで流れていて、とても印象的でした。大貫さんの曲のなかでも、大好きな曲で「いつか歌いたいな」と思っていた曲です。ーー今回のアルバムリリース後は、ライブのご予定などありますか。通常はアルバムを作ってしばらくして、みなさんがアルバムを聴き込んでくださった時期を見計らってライブをやっているのですが、いまはこういう時期なのでいまのところはありません。ただ、今回のアルバムの「You&Me」というサブタイトルは、デュエットをやっているということもあって、「あなたと私で歌う」という意味がひとつ。そして、しばらくはファンの方に直接歌を届けることができないので、みなさんに向けての「あなた」、そして「私」ということで、「またお会いできる日を楽しみにしています」という気持ちをこめて付けました。今後も作品を大切に作って音楽の足跡にしたいーー音楽活動以外では、2019年にドラマ『あなたの番です』に田中圭さんとW主演され、多くの視聴者を惹きつけましたね。お話をいただいたときに、2クールのドラマというのは昔はあったものの、現在は新しい試みとして大作だと聞きました。しかも、ヒロインが1クール目で亡くなるというお話を聞いて、すごく面白いなと思ったんです。そして秋元康さんが企画されているということで、プロットも読ませていただいたら、止まらなくって、なんて計算されて良くできた話なんだろうと。この段階で引き込まれていくということは、視聴者の方も物語にはまっていくのかなと思いましたし、連ドラは久しぶりでしたが、「これは絶対やりたい」と思えたんです。想像以上の反響をいただいた作品だったので、こんなところでこういう出会いがあるとは自分自身も驚きましたし、いいタイミングで出会えた作品でした。ーー田中圭さんは、どのような印象でしたか。圭さんは、本当に、まっすぐな嘘のない人ですね。最初はシャイなところがあって、人見知りなところがあるそうなんです。だから、撮影中はそんなにゆっくりお話しする機会もなかったのですが、そばで見ていると、いい人なのかわかりましたし、信頼できる方だと感じていました。撮影が終わったぐらいから、すごく仲が良くなって、いまも圭さんが何かに出ていると、菜奈ちゃんのような気持ちで見守っています(笑)。家族のような親しみを感じますね。ーー視聴者側としては、菜奈ちゃんが亡くなって切なかったので、いまのお話はすごくほっこりします(笑)。素敵な方ですよ、大好きです。圭さん、お元気かな(笑)?ーーお話は変わりますが、今年に入ってから自粛期間などもありましたが、「おうち時間」をどのように過ごしていますか。今回のアルバムの準備期間と、コロナ禍が重なって、結果として、家で歌の練習をたくさんしました。当初の予定よりレコーディングが少し遅れることになったのですが、すでに曲は上がっていたので、ゴローさんからデモ音源を送っていただいて。自宅でそれを聴きながらiPhoneに歌を録音して、ゴローさんに送り返してという作業をしました。ただ、曲によっては、エコー感、リバーヴがないと歌うさじ加減がはかれない曲も何曲かあるので、「いいリバーヴだなあ」と思って、お風呂場で歌ってみたりもしました(笑)。録音している途中で、部屋に家族が入ってきて、「あと少しで歌い終わったのに」と、また最初から歌ったり。もともとあまり外に出るほうではないので、家にいることも全然苦ではなくて。コロナ禍に入る前から、カリグラフィーを習い始めていたのですが、レッスンにも行けなくなったので、家でひたすらペンを持って書いていたり、甥っ子や姪っ子とゲームをしたり。ーー原田さんがゲームをされる想像がつかないです(笑)。普段は全然やらないのですが、思い立って、姪っ子たちが生まれる前の昔のゲームを「一緒にやってみたら楽しいかな?」と思って、昔に買っていてしまいこんでいたチェスを出してきてやりました。振り返ると、きっと、いい思い出がそこにもできたかなという時間になりましたね。ーー普段、美容面で気をつけていらっしゃることはありますか。摩擦がよくないと聞いて、最近、できるだけコットンを使わずに、肌をやさしく洗ってあげようと心がけています。お仕事のないときは、肌を休ませたいので、お化粧はあまりしないで過ごしますし、お仕事のときはクレンジングをきっちりします。そういえば、足のマッサージ器を買ってみました。足がむくみやすいので、電動で足がきゅーっとマッサージされるものです(笑)。あとは、食事はバランスよく食べていますね。ーーでは今後のご予定ですが、2020年10月9日から公開中の映画『星の子』では、芦田愛菜さんの母親役でご出演されていますね。あの作品は今回のアルバムの制作に入る前に、昨年末から今年の年始にかけて撮影しました。『星の子』は愛菜ちゃん演じる主人公ちひろの成長の物語であり、家族の物語でもあります。原作もすごく面白いですし、「信じるってなんだろう?」「家族の愛ってなんだろう?」と、観終わったあとにすごく考えさせられる作品ですね。私と永瀬正敏さんは新興宗教に入ってしまう両親役で、ずっと緑のジャージを夫婦お揃いで着て、おしぼりを頭にのせているという、いままでにないユニークなキャラクターでした。難しい役どころでしたが、自分と違う部分が多いほど演じる楽しさもありました。ーー最後に、今後の女優としてのご活動や、シンガーとしての音楽活動の豊富を教えてください。女優の仕事に関しては、いい作品とこれから出会っていくのがすごく楽しみですし、いつどんな作品に出会えてもすんなりとそこに入れるように、常に心身ともにいい状態を保っておこうと思っています。音楽に関しては、プロデューサーのゴローさんはじめスタッフの方たち、ずっと同じ素晴らしいメンバーの方たちとともに積み重ねてきたこの10年ほどのものがあるので、今作を作っていてあらためて、物を作っていくことの大切さや素晴らしさをとても感じました。今後も自分のペースで作品をひとつずつ大切に作って、そのときに感じたことを全部出せるように、そしてそれがいつか音楽での自分の足跡になっていけたらいいですね。取材後記取材現場に可憐な花が咲いたような、ただそこにいらっしゃるだけでハッとしてしまうほどの魅力を放っていらっしゃった、原田知世さん。筆者は小学生のときから映画を拝見し、『あなたの番です』の菜奈ちゃんAIもダウンロードしていますが、原田さんの歌声にも魅了されました。みなさんも、きっと新しい原田さんを発見するかもしれません。そんな原田さんのラブソングカバー集を、まずはチェックしてみてくださいね。原田知世 PROFILE長崎県生まれ。1983年、オーディションで5万7,000人の中から選ばれ、映画『時をかける少女』の主演でスクリーンデビュー。近年は映画『サヨナラCOLOR』(2005年)、『紙屋悦子の青春』(2006年)、『しあわせのパン』(2011年)、『あいあい傘』(2018年)、NHK連続テレビ小説『おひさま』(2011年)や、NHKドラマ10『紙の月』(2014年)、NHK特集ドラマ『途中下車』(2014年)、CBCドラマ『三つの月』(2015年)、WOWOW連続ドラマW『海に降る』(2015年)、NHKドラマ10『運命に、似た恋』(2016年)、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018年)、WOWOW連続ドラマW「不発弾 ~ブラックマネーを操る男~」(2018年)など、数々の話題作に出演。歌手としてもデビュー当時からコンスタントにアルバムを発表。1990年以降は、鈴木慶一、トーレ・ヨハンソンを迎えてのアルバム制作、それに伴うオール・スウェディッシュ・メンバーとの国内ツアーなどで、新たなリスナーを獲得。近年はプロデューサーに伊藤ゴローを迎え、オリジナルやカバーなど充実したソロ・アルバムをコンスタントに発表しているほか、高橋幸宏らと結成したバンドpupa (ピューパ)にも在籍している。2019年は女優として、4月・7月期日曜ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系 2019年)で、田中圭とW主演を務め話題となった。そのほか、ドキュメンタリー番組等のナレーションを担当するなど幅広く活動。2020年10月14日、『恋愛小説3~You & Me』をリリースする。InformationNew Release『恋愛小説3~You & Me』(収録曲)01. A面で恋をして(ナイアガラ・トライアングル 1981年)02. ベジタブル duet with 大貫妙子(大貫妙子 1985年)03. 小麦色のマーメイド(松田聖子 1982年)04. 二人の果て duet with 小山田圭吾 (坂本龍一 1994 年)05. 新しいシャツ (大貫妙子 1980年)06. A Doodlin’ Song duet with 細野晴臣(ジャッキー・クーパー 1958年)07. 花咲く旅路(原由子 1991年)08. ping-pong duet with 土岐麻子(原田知世 2018年)09. ユー・メイ・ドリーム(シーナ&ロケッツ 1979年)10. あなたから遠くへ(金延幸子 1972年)*( )内はオリジナルアーティストと発表年。2020年10月14日発売*CD収録内容は全形態共通。(通常盤)UCCJ-2182(CD)¥3,300(税別)(初回限定盤)*初回限定盤のみボーナストラック「Winter Lullaby」あり。*初回限定盤のみミュージックビデオ2曲収録。「A面で恋をして」「A Doodlin’ Song」UCCJ-9224(CD+DVD)¥4,070 (税込)ヘアメイク&スタイリング・藤川智美(Figue)イヤリング ¥6,600(税込) 「UN CINQ -vintage & handwork-」UN CINQ -vintage & handwork 東京都目黒上目黒1-15-12 03-6277-5014
2020年10月12日【音楽通信】第52回目に登場するのは、80年代に数々のヒット曲を放ち「日本一忙しいアイドル」と呼ばれ、2020年にデビュー35周年を迎えた、浅香唯さん!写真・大内香織 取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol.52“浅香唯”として伝えなきゃいけない何かがある1985年6月に、シングル「夏少女」で歌手デビューした、浅香唯さん。翌年には、連続ドラマ『スケバン刑事III少女忍法帖伝奇』で、主役の三代目「麻宮サキ」役でブレイクし、「虹のDreamer」「C-Girl」「セシル」「TRUE LOVE」などがヒットチャート1位を獲得し続けました。その後もトップアイドルとして精力的に活動を続けていましたが、1993年、充電期間に突入。1997年、4年半振りのシングル「Ring Ring Ring」をリリースし、タレント、女優としての活動も再開されました。そんな浅香さんが、2020年6月にデビュー35周年を迎え、9月23日に『YUI ASAKA 35th Anniversary〜君がずっと見ている〜』をリリースされたということで、お話をうかがいました。ーー今年35周年ということで、以前のことから少しお話をお聞かせください。1985年にデビューされましたが、当時のことは覚えていらっしゃいますか。デビューのときのことは、鮮明に覚えていますね。最近のことのほうが意外と忘れます(笑)。デビュー後『スケバン刑事』に出演するまでは、いい曲に恵まれても、なかなか認知してもらえなかったんです。だから、ドラマ出演後の忙しさがすごくうれしくて、ありがたくて。当時は大変でしたが、そのぶん毎日が充実していて、よかったですね。ーーそもそもご自身にとって「歌うこと」はお好きでしたか。鼻歌は好きなんですよ。ただ、子どものときから学芸会や発表会でも、人前に出ることが苦手でしたね。子どもの頃を思うと、いま人前に出るお仕事をしていることが不思議ですが、たとえばステージに立ってドキドキしているときに「ほら、やっぱり苦手じゃん」と再認識することもあるんです。でも、なんだかんだいって30数年このお仕事をやっているというのは、きっと“言葉にできないかえがたい何か”があるんだろうなと。私は“浅香唯”として、伝えなきゃいけない何かがあるんだろうなと感じています。そう思いながらの35年を振り返ると、あっという間でした。35周年記念BOXは観て楽しんでもらえるアルバムーー2020年9月23日に、デビュー35周年記念BOX『YUI ASAKA 35th Anniversary 〜君がずっと見ている』がリリースされました。4枚組BOXになっていて、Blu-rayと3枚のCD、35周年スペシャル・ブックレット付きと豪華です。記念の節目ごとに何か発売しているのですが、この35周年記念BOXは、これまでのなかでも一番歴史が詰まっていますね。今回は、けっこう映像に力を入れていただいているので、「聴いてくださいね」と思うのと同じくらい「観てくださいね」と言いたくなるくらい、観て楽しんでもらえるアルバムになっています。ーーDISC2の1989年の大阪公演のライブCDでは、弾けるような歌声で、MCのときも声援が飛び交い、ライブの臨場感にあふれている内容です。MCで「20歳になる4か月前」と話していらっしゃる19歳のときの公演ですね。そうです。この頃は、もうすぐ「大人になっちゃうんだ」と、ある意味がっかりしている時期でしたね(笑)。どちらかというと私は「大人になりたくない」と思って10代を過ごしてきたので、「20歳までしか子どもの時代はないのになあ」と思っていた、とまどいの時期に行った公演でした。ーーDISC3の1993年の休業前となったクラブチッタ川崎での記念ライブのCDでは、艶やかな歌声を響かせています。休業された当時の心境は。この記念ライブの後に休業しましたが、結果、4年半お休みしたんですね。実はそんなに長くお休みするつもりはなかったんですが、体力的にも精神的にも「いったん止まらないと私自身が壊れちゃう」と思ったんです。お休みするにしても、事務所に在籍してレコード会社に残りながら休業に入るのが大人の考え方なのかもしれないんですが、私はいったん全部リセットしました。ファンのみなさんには申し訳ない気持ちでしたが、すぐ復帰するからという気持ちのほうが強かったんです。ーートップアイドルとして多忙を極めていらっしゃったので、お休み前は大変なこともあったのでは。経験したことのないことがたくさんありました。休業時、23歳なのに、信じられないことに公共料金を支払うということも知らなかったんです。全部事務所の方がやってくださっていましたし、電話料金ひとつとっても「え? 電話料金って払わないと止められちゃうんだ!」と(笑)。銀行でのお金のおろし方も知らないし、「23歳でこれか」と愕然としたくらい、世の中のことを知りませんでした。お休みしてからはとまどいの毎日でしたが、電車にもバスにも乗りましたし、八百屋さんや魚屋さんとか、そういうところにも行きたかったので買い物に出かけたり。そういう小さなことなんですが、ひとつずつ実際に行動していくことが、楽しかったです。ーーその後、1997年にYUI「Ring Ring Ring」でシングルを発表され、音楽活動も復帰されましたね。休業後、活動しようと思ったときに、どんなふうに私がみなさんの前に現れるのがベストかと考えて、自分が一番歌いたい歌や表現しやすいことで出ていきたいと思いました。自分で曲を作ったり、詞を書いたり、自分でデモテープを作って、レコード会社に行ってからがスタートだなと思っていたんです。だから、その作業をしているうちに、どんどん月日が流れていきました。本当に、いろいろなレコード会社を自分でまわらせてもらったんですよ。ーーご自身の力でチャレンジされてきたのですね。はい。チャレンジといえば、会う前にアポイントをとることも知らなかったんです。レコード会社に行くと「アポをとらないと入れない」と言われて、「アポってなんだろう?」って。それまでは私が知らなくていい世界を全部スタッフの方がやってくださっていたんだなと初めて気づいたこともありましたし、だからこそ自分でやらせていただいてからは、周りの方々への感謝の気持ちがより強くなりましたし、こうやって復帰させていただいてからはよりいっそう深くなりましたね。23歳から27歳という、お休みしていた4年半は、私にとっては長いようで、必要だった時間ですね。ーーDISC4には、軽やかで爽快な35周年記念の5年ぶりの新曲「LIGHT A SHINE 〜月はずっと見ている」が収録されていますね。作詞作曲とアレンジを手がけていただいたSUNNYさんから、第一案としてこの曲があがってきて初めて聴いた瞬間に、新しい自分が見えた気がしました。懐かしくもあって、これまでの自分にはなかったものが生まれそうな予感のする曲だったので「ぜひこれでいかせてください」と、一発OKしたんです。ーーでは、ここをこう直してほしいというリクエストもとくになく?全然なかったですね。作っていただく前に、SUNNYさんにお会いして、いろいろと希望を多少お伝えしていたんです。それを全部汲んでくださって、さらに過去の私の作品をものすごくたくさん聴いてくださって、ちゃんと“浅香唯”という私のキャラクターを忘れずに作ってくださったと感じました。ーーSUNNYさんは、Mr.Childrenさんやウカスカジーさんでもサポートメンバーとして活動されていますし、レミオロメンの神宮司治さんがドラムを担当されているなど、音楽界でご活躍の方々がリモートレコーディングされていますね。コロナ禍で全員が同じスタジオに集まることができなかったので、作業的には大変だったみたいですが、歌入れのレコーディングのときには、みなさん集まってくださいました。歌入れも「まだまだ全然歌える!」と思っていたんですが、SUNNYさんは何度も歌わせると申し訳ないと思っていたらしくて、ほどほどでOKに(笑)。あとはライブのときに自分らしさをプラスしていけばいいかなと思っています。ーーこうして今回新曲も入っていますが、過去映像もたくさん収録されていて、Blu-ray内容のミュージックビデオ集やライブ映像集にしても、80年代という時代の勢いのようなものも感じました。あの頃は気持ちもイケイケで、ライブ映像やライブ音源を聴くと、「若いな!」って私自身感じています(笑)。80年代は、みんな希望に満ちあふれて“イキイキきらきら”していたいい時代だったなと。ただ、あのときは良かったねと懐かしむのではなくて、その映像を見ることによって、みなさんのなかで忘れていた何かを呼び起こしてくれるものだとうれしいです。いつもライブをやるときに、過去の映像や音源を振り返って選曲するのですが、そこで新しいエネルギーをもらえることが続いているので、そういうもののアイテムのひとつになったらと。80年代の“イキイキきらきら”を心の中で生んでもらえたらいいな。ーーBlu-ray収録の『ONLY YUI』のなかで、「共働きで鍵っ子だけど母は手料理も食べさせてくれたし、尊敬できるし、絶対そういう母親になりたい」と語る場面も。実際にご家族を持たれ母となられましたが、お母さまのようになっていますか。うちの娘は「私はママがママでいてくれて、いつも良かったと思っている」と言ってくれるので、その言葉を信じていますね。私の母親のようになっているかは、娘に聞かないとわからないですが、でも私がこういう仕事をしていてお友達のお母さんとはちょっと違う仕事なので、それをどんなふうに受け止めているのかなあと、肩身の狭い思いしてないかなと気にしてはいます。結婚して、子育てしながら家事してみると、信じられないくらい大変で、あらためて母親はすごかったんだと。私の場合、「今日は大変だからご飯食べに行こう」「何か買って帰ろうか」となるんですが、うちの母親はそれがほとんどなかったんですよ。100パーセント手作り料理で、忙しくてもちょっとだけご飯の時間が遅くなるとか、夜遅くに次の日のご飯の支度をしていたりとか。子どものときはそれが普通だと思っていましたが、そうじゃなかった。だから、母親のことは、全然超えられてはいませんね(笑)。私の母親とは比べられないですが、それなりに私も負けじと、子どもに寂しさはみじんも感じさせたくないという思いがあって。私の母親もすごく忙しかったんですが、その寂しさを埋めてそれ以上のものをくれる人だったので、そんなふうに私もできていたらいいなと思いますね。何かに縛られずにずっと冒険していきたいーー今回、新曲はライザップとコラボレーションされて4か月間で体重-8.8kg、体脂肪-9.6%、ウエスト-13.3cmを達成されましたね。ライザップでトレーニングする様子が、新曲のミュージックビデオにおさめられている斬新な企画です。そうですね(笑)。いま私は“50歳”なのですが、この年齢が私のなかではすごく大きくて、ライザップさんでダイエットに挑戦したんです。40代後半から、私自身のなかで納得できる自分になれているのかなと考えることがあって。50歳というと“大人のかっこいい女性”というイメージがあったのですが、これから人生はまだ長いですし、このタイミングでちょうどライザップさんと縁があって、勇気を振り絞ってやってみようかなと(笑)。ボディメイクに限らず、いろいろなことに対して一歩踏み出せない人たちもいるなかで、私の場合はこの歳だからとダイエットを諦めずにやってみた経験を通じて、新しいことにチャレンジする楽しさを伝えたいと思いました。いままで守りに入りたがる私だったんですが、その殻を自分で破ってみたいなと。長かった髪も数十年ぶりに短く切って、初めてデビュー当時ぐらいの短さにもしてみたり。すべてを新しい自分にしたかったんです。ーー新しい、50代ですね。いま、子どもが大きくなって、ちょっと手が離れた時期というのも大きいかなと思います。50歳のいま「女性って楽しいんだ」と、あらためて思うことがたくさんありますね。ーーおうち時間や普段の生活はどんなふうに過ごしていますか?いまだにジムに通わせてもらっていて、筋トレをやっているんです。ボディビルダーを目指すわけではありませんが(笑)、筋トレの時間は大事。どれだけ短い時間の中で自分に向き合えるか、勝てるかという勝負をしている時間というのがあって、「よし! 今日は自分に負けなかった」「勝った!」という精神的なところで、すごく自分自身と向き合える時間が持てるから。その気持ちがおうちのなかでも、ずっと続いている感じはあるんです。体調によって、「ああ、皿洗いか」「洗濯物か」と家事をすることが大変になるときもあったんですが、それをトレーニングの一環として受け入れられるようになっている自分がいて、全然気持ちが変わったなあと。家事も楽しくできるようになってきました。ーー確かゲームがお好きでしたね。家族みんなゲームが好きなんですよ。いまは前の生活に戻りつつあって、なかなかゲームをする時間がとりづらいのですが、自粛期間中は家族でゲームざんまいの日がありました。『ゼルダの伝説』というゲームでみんなで冒険をして、1回終わっているんですが「もう1回ゼロからやろう!」と盛り上がって。実際にはどこにも出かけられなかったのですが、私たちはゲームのなかで暑いところ、寒いところ、どこかに旅をしていたので、家族で世界一周旅行に行った気分になりました(笑)。コロナ禍は大変ですが、そのなかでも見つけられた小さな幸せもあったなと、ゲームを通して感じられましたね。ーーきっと美人の娘さんなのでは。私が木登りをしていた頃のやんちゃな時期にそっくりなんです。おとなしいところもあるのですが、そこは主人に似ていますね。13歳になったので、私よりも精神的に成長しているなと、教えられることが日々多いです。ーーコロナ禍ではありますが、今後ライブのご予定はありますか。現時点で生ライブは厳しいですし、せっかくホヤホヤでできた新曲をみなさんライブで聴くことを楽しみにしてくださっているのが、ちょっとのびてしまうのは寂しい気もしますが、そのぶんワクワクが続くと思っていてもらえたら。新曲はコール&レスポンスで、みんなで歌えるようにということも意識して作ってもらったので、いつか絶対ライブで聴いていただきたいですね。ーーソロではもちろんですが、『スケバン刑事』で共演されていた大西結花さん、中村由真さんと“風間三姉妹”としてもライブのご予定は。一昨年、“風間三姉妹”としての公演が実現したので、現時点では予定はないですが、いつの日かもしかしたらやることはゼロではないですね。ーーでは最後に、今後の抱負を教えてください。私は若いときから、あえて夢を持たずに来て、未来はどんな自分になっていくのかが楽しみで、こんなふうになりたいというビジョンを持たずにきたんですよ。いきあたりばったりみたいなことが本当に好きで、「どうなるかわからないな」と思いながら生きてきたので、これからもそれは変わらないかなと思うんです。でも、50歳を機に、新しいことにチャレンジさせてもらって、年齢に縛られないで生きることはすごく素敵だなと思いました。「50歳らしくない」とか、「年相応」という言葉が好きではなく、それこそ「年相応ってどういうこと!?」って(笑)。勝手に、その人が作った年齢層であって、「いろいろな人がいていいじゃん!」と思うんです。これからも、何かに縛られずに、ずっと冒険していきたいです。取材後記トップアイドルとしてご活躍されてきた浅香唯さん。大人になっても新しいことにチャレンジしていく姿には、ポジティブなパワーがあふれていて、わたしたちもとても元気づけられますよね。「C-Girl」や「セシル」などのヒット曲の数々は筆者も当時からよく聴かせていただいたり、振り付けも踊ってみたりして、いま聴いてもワクワクしてしまいます。そんな浅香唯さんのデビュー35周年記念ボックスをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。浅香唯 PROFILE1969年12月4日、宮崎県生まれ。1985年6月21日、“フェニックスから来た少女”というキャッチフレーズで、シングル「夏少女」で歌手デビュー。1986年、フジテレビ系連続ドラマ『スケバン刑事III少女忍法帖伝奇』で、主役の麻宮サキ役でブレイクを果たす。その後、「虹のDreamer」、「C-Girl」(化粧品CMソング)、「セシル」、「TRUE LOVE」(主演映画『YAWARA!』挿入歌)と4曲ものヒットチャート1位を連発。“日本一忙しいアイドル”と呼ばれた。2020年6月、デビュー35周年を迎え、9月23日に『YUI ASAKA 35th Anniversary〜君がずっと見ている〜【4枚組BOX:Blu-ray+3CD+35周年スペシャル・ブックレット】』をリリース。現在は、ドラマ、バラエティ、舞台と幅広く活躍する。InformationNew Release『YUI ASAKA 35th Anniversary〜君がずっと見ている〜』【4枚組BOX:Blu-ray+3CD+35周年スペシャル・ブックレット】(収録内容)≪DISC1/Blu-ray≫下記5作品&特典映像を初Blu-ray化一挙収録(約178分)。(1)『ONLY YUI』 (1987年作品/約40分)*全14曲収録(2)『Candid Girl – 浅香唯 IN AUSTRALIA』 (1988年作品/約39分)*全10曲収録。(3)『Fun!Fan!Fun! Yuiグラフィティ』 (1989年作品/約19分) *全6曲収録。(4)『ロックンロール・サーカス’89 浅香唯スパークリング・ライブ』 (1989年作品/約52分)*全12曲収録(5.1chサラウンド音声も収録)。(5)『Self Control』 (1990年作品/約23分)*全4曲収録。【特典映像】雪印とってもゼリー’90 CM MAKING『YUI ASAKA in 7days Girl』(1990年作品/約5分)≪DISC2/CD≫【ライブCD】廃盤のレア・ライブを初復刻『1989.8.23 Yui Asaka Special Live in Osaka』(1993年作品)*全17曲収録。≪DISC3/CD≫【ライブCD】廃盤のレア・ライブを初復刻『ANNIVERSARY 2824』(1993年作品) *全14曲収録。≪DISC4/CD≫35周年記念新曲+未発表ライブ音源5曲収録のスペシャル紙ジャケットCD【35周年記念新曲】「LIGHT A SHINE ~ 月はずっと見ている」【Special Present(未発表ライヴ音源)】02.愛の元気主義 03.トライアル 04.GOAL 5.DREAM POWER 6.Don’t You Know?*M2&3:『1989.8.23 Yui Asaka Special Live in Osaka』《未発表ライヴ音源》*M4~6:『ANNIVERSARY 2824』(1993.3.14クラブチッタ川崎)《未発表ライヴ音源》≪35周年スペシャルブックレット(44ページ)の内容≫01.浅香唯本人セレクトの未公開含む写真で綴るスペシャルフォト集02.浅香唯35周年10,000字ライナーノーツ03.浅香唯×山本竜夫 対談(ハミングバード時代の制作ディレクター)04.35周年新曲プロデューサー:SUNNYインタビュー2020年9月23日発売WPZL-90201/4¥13,000(税別)
2020年10月11日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第52回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その17をお届けします。1. テンションが高すぎる男【結婚引き寄せ隊】vol. 52それは結婚前提の恋人募集中だった女友達が、「あんまり婚活が前面に出ていない場で相手を探したい」ということで、ふたりで異業種交流会に参加したときのこと。普段は“ザ・婚活”といったかたちで、婚活パーティ専用の会場などに足を運ぶことが多かったのですが、たまにはということで毛色の違ったものにも挑戦してみたんです。ビジネス目的の交流で参加している男女はほぼいないであろう、その異業種交流会は、都心のイケイケエリア(!?)と呼ばれているおしゃれエリア近辺のビル内で開催されていました。1階はバイキング形式でのビュッフェで食事ができるようになっていて、2階はお酒などのドリンクを提供するカウンターが設置され、3階以上は関係者のみで入れなかったつくりだった気がします。そこには、スーツ姿やポロシャツ姿の男性など、わりあいビジネスマンらしい20代から50代ぐらいの男性、おしゃれをした20代から40代ぐらいの女性がわんさか。「こ、これってライブのモッシュですか!?」と思うくらい、時間が経つにつれてどんどん人が増えて大賑わい。ドリンクのおかわりをしに行くのも至難の技というほど、参加者多数でした。そんななか、私たちに「なんのお仕事してるんですかー!」と、話しかけてきたベージュのジャケットを羽織った30代半ばぐらいの男性がいました。とりあえず会話ができる場所へと移動し、話していると、お酒の飲みすぎなのか、それとももともと陽気な性格なのか、とにかく明るい男性。「こういうところは初めて来たんですよー!」「べつの場所で飲み直しませんかー!」など、ありがたいお誘いを受けつつも、終始ものすごくテンションが高いその男性に、私たちはちょっと食傷気味に…。引き気味だった女友達の無表情さが増してきたので、ある程度会話したあと「もうちょっとまわってみます〜」と言って、ふたりでその場から去りました。いやあ、好意的な反応をいただくのはうれしいのですが、こちらの状況よりも、“とにかく一緒に飲みたいだけかもしれないモード”の一点張りでテンション高く来られても、なかなかついていくのが難しいなあと思ったのでした。2. やたらと家に送りたがる男それはある合コンで出会った男性のこと。その合コン自体は出会いを目的としたものではなかったものの、知り合いが多ければ多いほど、今後どこかでご縁もあるかもということで、さまざまな年代と職業の知り合いがいました。そんななか、合コンで一緒だった数人の男女で、「また飲みに行こう」という話となって再会。会うのは2度目とあって、以前より打ち解けている私たちでしたが、ひとつだけ違うことがありました。サラリーマンの30代の男性が、飲み会を開始してしばらく経った頃から「今日は思いっきり飲もう!大丈夫、帰りは送ってくから」と言ってきたこと。最初はみんなで盛り上がるために、あとのことは気にしないでといういたわりで一応言っているだけなのかと思っていたら、その後も何度も「もっと飲んだら? 家まで送るしさ」との発言。だんだんと、えっ? もしかして本気で家に送るつもりなのかな? とむしろ酔いが覚めてきました。とはいえ、自分だけにそう言っているのであれば、気があるのかなと思うところ、他の参加女性にも「いいよ、オレが家まで送って行くからさあ」と言ってお酒をすすめています。もしかして本当に、やたらと家に送りたがる男なのか?酔っ払わせて妙なことを考えているのか?と考え出すとなんだかなあと思い、さらに終電の時間も近くなっていたので、さくっと「お先にー!」と言ってその場をあとに。いずれにしても、家に送られてまでどうでもいい男性と飲み明かすことはないな、と思ったのでした。3. ゴルフばかりする男それはある婚活サイトで知り合った男性と、ふたりで会うことになったときのこと。なかなかの好条件の持ち主で、30代半ばの人柄の良さそうなその男性は、会うまでの連絡もソフトでしっかりとした人柄を感じさせる印象でした。約束の待ち合わせ時間が11時だったので、少し前には到着するために、10時45分には到着していた私。ですが、50分になっても、55分になっても、11時を過ぎても、その男性は来ません。でも何かあったのかもしれないしと思うところと、もしかしてこれはドタキャンなのか…と、ガッカリしかけた気持ちが交互にきていたそのとき、目の前に現れた真っ黒に日焼けした男性が出現。最初はそれが、婚活サイトの男性だとはわからないくらい、どちらかというと色白に見えたプロフィールの写真と全く違う、色黒の男性が目の前にいました。「お待たせしてすみません!」と、息を切らしながら、話しています。「ここ数か月ゴルフにハマっていて、今朝もゴルフに行っていたら、遠いところだったから待ち合わせに遅れてしまって、ハハ」と言い訳。ゴルフが趣味とは、やり取りしていたときにひとことも聞いていませんでしたが、ゴルフ焼けだと思われる肌色を見ると、なんと返してよいのか思考停止に。結局、とりあえずその日の予定をこなし、連絡することはなくなったのでした。婚活していると、普段は知り合わないようないろいろなタイプの人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけて、すてきな人を見つけてくださいね。©Nastasic/Gettyimages©Jean Paul Meyntjens / EyeEm/Gettyimages©Tom And Steve/Gettyimages
2020年10月10日【音楽通信】第51回目に登場するのは、世界66か国をひとりで旅して各地でLIVEを行い、世界の音楽と文化を体感してきた、シンガーソングライターのナオト・インティライミさん!取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol. 51もともと歌うこともサッカーをすることも好き世界66か国をひとりで旅して各地でLIVEを行い、世界の音楽と文化を体感してきたナオト・インティライミさん。自らのソロ活動のほか、コーラス&ギターとして Mr.Childrenのツアーサポートメンバーに抜擢され、2010年4月にシングル「カーニバる?」でメジャーデビュー。シングル「タカラモノ ~この声がなくなるまで~」「今のキミを忘れない」は100万ダウンロードを超え、2012年リリースの3rdアルバム『風歌キャラバン』は1位を獲得しNHK紅白歌合戦に初出場するなど、以降も数々のヒット曲を世に送り出し、ナゴヤドームなど大会場でのライブも大成功をおさめ、2019年には「Naoto」名義で世界デビューも果たしました。また、役者としても「コノウドリ」などに出演。南米インカの言葉で「太陽の祭り」の意味を持つ「インティ ライミ」という名前の通り、明るくポジティブな印象のあるナオトさん。2020年10月7日に、EP『オモワクドオリ』をリリースされたということで、お話をうかがいました。ーー音楽活動をされる以前のことから少しお話をお聞かせください。ナオトさんは、かつて柏レイソルのジュニアユースチームに所属されていたことがありましたが、サッカーから音楽へと、意識が切り替わったきっかけはなんだったのでしょうか。もともとサッカーも、歌うことも、どちらも好きだったんです。音楽でいえば、中学2年生のときから自分で曲を作っていたんですが、そのときも将来の夢はずっとサッカー選手でしたし、実際にサッカー中心の生活をしていました。でもそんなある日、高校1年生の春に、「音楽で飯を食っていこう」と決断をしたんです。サッカーがつまらなくなったわけではなくて、音楽への情熱が、それよりも勝り始めたというところですね。だから、まだサッカーへの思いは成仏できていなくて、いまも趣味とはいえない域でプレイするときもあって、やっぱり試合になると負けられないと思いますね。ーーナオトさんは以前、Mr.Childrenさんのサポートミュージシャンとしても活動されていたときがありましたが、ボーカルの桜井和寿さんもサッカーがお好きですよね。そうですね。もちろん桜井さんともサッカーをすることがありますし、いろいろな方と交流していますね。そしてこの数年間は、(ブラジル発のサッカーの一種で砂浜で行う)ビーチサッカーの日本代表を本気で目指していた時期もありました。今後も時間が許しさえすれば練習したいですし、心のどこかで、ずっと日本代表を目指す気持ちを持ち続けると思います。ーーすごいですね。ナオトさんは世界66か国の音楽の旅をされていたこともありましたし、いまも音楽活動をしながらビーチサッカーを本気でやっているそのバイタリティの原動力はどこからきているのでしょうか。なんでしょうかね……やっぱり、好奇心でしょうね。幼い頃から、好奇心旺盛な少年で、親を振り回していました(笑)。ーーナオト・インティライミさんとしては、2020年が10周年というメモリアルイヤーですね。はい、いままで、とんでもないことが起きた10年だと思っています。音楽活動でしたかったことがたくさんあって、ありがたくも携わってくださった多くの方々がいました。振り返ると、すべてのみなさまと作り上げてきた大きな足跡がありますよね。EPは1年作ってきた曲たちの「福袋」ーー2020年10月7日に、初のEP『オモワクドオリ』をリリースされましたが、ご自身ではどのような作品になりましたか。この1年作ってきた曲たちの「福袋」といった感じでしょうか。いまの自分の音をおさめました。ーーアルバムのタイトル曲でもあるファンキーな1曲目「オモワクドオリ」は“つきあっている男女の痴話喧嘩を3分間にまとめた歌”だそうですが、それは体験談ですか。もう生涯のなかでしてきたすべての喧嘩がモチーフになっています(笑)。何か他のところからアイデアを持ってくるのではないですね。恋愛経験は豊富なほうではないんですが、とくに多感な時期だった学生時代など、恋愛においての感情はたくさん持っている気がするんです。ーーそういったこれまでの実体験から曲作りをされているのですね。そうですね。想像ではなかなか書けないので、基本的には自分の体験をもとに曲作りをしています。ーー「オモワクドオリ」はバーチャル背景を利用した“ZOOMミュージックビデオ”もあって、拝見していて面白かったです。とんねるずの木梨憲武さんもご出演されていますね。木梨さんには、急遽、撮影の前日にお電話させていただいて、翌日に会いに行ってというようなスパンで撮らせていただきました。スペシャルゲストとして登場していただきましたが、本当にありがたい、兄貴の優しさですね。この数年間、普段から、仲良くしていただいております。ミュージックビデオは、コロナ禍というこの状況下で面白いことをやろうということで、最初から「こんなときだからこその映像を作りたいね」とみんなで話していて、今回完成しました。ーー3曲目「スタートライン」は、子どもの声のコーラスも入っていて、元気になれる明るい曲ですね。ピアノバージョンとインストも収録されていてアルバムの中でも存在感があります。「スタートライン」は、NHK『みんなのうた』(8-9月の歌)に抜擢していただいた歌で、そういう意味ではひとつ、アーティストとしての夢が叶いました。いままで、1stアルバムのときから、「この曲が『みんなのうた』になったらいいな」と思って作っていた曲もあって。たとえば輪投げの歌があったり、バルーンの歌があったり、これまでにも子ども向けの曲はたくさん作ってきましたね。ーーそれは子どもたちにメッセージを発信したいという気持ちが強くあるのですね。子どもが大好きですし、日本でもアフリカの奥地の民族の村に行っても、どこに行っても子どもたちとずっと遊んでいます。日本でも数年間、「ドリームキッズプロジェクト」といって、サッカーと踊りを全国でしていくというような“スポーツと音楽でカラダもココロも強くなろう”をコンセプトに、スポーツと音楽を通じて子どもたちの夢を応援するプロジェクトをやっているんです。僕らは先にいなくなってしまいますから、子どもたちに思いを伝えていきたいなと思っていますね。ーー他にライブではおなじみの「Ballooooon!!」のRemixバージョンも収録されています。この曲は、ワークアウト系YouTuberの「たけまり」こと竹脇まりなさんとのコラボレーションなんです。「何か一緒にできないかな」という話をしていて、「Ballooooon!!」のRemixバージョンを作って、その音源でたけまりさんが自分のYouTubeチャンネルで踊ってくれた動画が、あっという間にものすごい数の人たちに広まって。たけまりさんのYouTubeチャンネルを観てワークアウトしている知り合いからも、そこで僕の曲だと気づいて「一緒にやってるんだね」と連絡がくるぐらい、反響がありました。とくにステイホーム期間は外出できなかったので、家でワークアウトして鍛えながら、みなさん「Ballooooon!!」と接触してくれたみたいですね。こんなふうに新しいコラボのかたちを見出せました。いまSNSで活躍している方はすごい力を持っているんですよね。そういう過程を経て、自分でも今回のコロナ禍で、SNSをいろいろ試してみました。SNSをきっかけにいつかライブにも来てほしいーーお話は変わりますが、宝塚歌劇団雪組トップスター、望海風斗(のぞみふうと)さんに、ナオトさんが特別に書き下ろした楽曲「夢をあつめて」が望海さんの初コンサートで初披露されて話題となりましたね。この曲は、望海さんからお話をいただいたんですよね。宝塚を退団される際、「ソロとしての曲、ポップミュージックを作りたい」というお話をされていたときに、僕の名前があがったということで、本当にありがたいお話です。まさかそんなところからオファーをいただけるなんて、曲を聴いて知っていてくださったことは、うれしいですね。ーーさまざまなかたちで、ナオトさんの曲が多くの人たちのもとに届くといいですね。ではコロナ禍の現在、おうちではどのようにお過ごしですか。毎日必死でTikTokをあげていますね(笑)。この25年間、ほぼライブをやってきた人生だったので、何か自分の発表の場、表現の場を作れないかと探していたんです。TikTokを始める前までは、自分はSNSには疎いほうだったので、コロナ禍でライブもできない状況となり、どうしたらいいのか絶望的な感覚で悶々としていたんですよね。そんななか、インスタグラムやYouTube、TwitterといったSNSに強い方やSNS世代の方々がどんどん発信されていて、置き去りになっているような焦りがありました。自粛期間の最初の1か月半ぐらいは、焦りの気持ちが強かったんですが、でもさすがにそのままではいけないと。その頃、TikTokで医療従事者の方々にエールを送るチャリティ生配信ライブという企画があって、それをきっかけにTikTokを深く知る機会ができました。それまではTikTokというと、若い世代が元気に踊っているイメージしかなかったんですが、いろいろと知っていくと、すごくユーモアのある投稿が多かったり、まだ世間には知られていないけれど若い世代の素敵な曲や歌がざくざく眠っていたり。「これは面白いぞ」とやり始めたら、年甲斐もなく毎日投稿して、どんどんその魅力にハマっていきました。いまも投稿するときには、緊張しながら投稿ボタンを押して、頑張っています(笑)。そうやって、SNSでも僕の音楽を知ってもらえるきっかけが増えてくれたらと思いますし、自分自身でも多くのいい出会いがあります。ーーでは最後に、今後の抱負を教えてください。いままでナオト・インティライミのことを知らない人、存在は知っているけれど歌や曲をちゃんと聴いたことがないという方には、TikTokをきっかけに知っていただくという、コロナ禍の現在はSNSでのきっかけ作りも大事だと考えています。今回、ミュージックビデオをZOOMで全部撮ったという初めての試みもありましたが、SNSからなど何かのきっかけで音楽を聴いていただくこともうれしいです。いずれコロナ禍が開け始めて、ゆくゆくはちゃんとしたライブができるようになったら、そのときはみなさんにぜひ遊びに来ていただけたらなと思います。取材後記有観客ライブの開催が難しい現在、SNSであらたな音楽活動を展開されているナオト・インティライミさん。今年はデビュー10周年のアニバーサリーイヤーを迎える予定をコロナの影響で2021年に、まるっと1年延期することを発表しました。来年にさまざまな企画を実施される予定のようですので、楽しみにしていたいですよね。そんなナオトさんのEPをまずはチェックしてみてくださいね。ナオト・インティライミ PROFILE8月15日三重県生まれ、千葉県育ち。名前の「インティ ライミ」とは南米インカの言葉で「太陽の祭り」の意味。世界66カ国をひとりで渡り歩き、各地でLIVEを行い、世界の音楽と文化を体感。自らのソロ活動の他、コーラス&ギターとして Mr.Childrenツアーサポートメンバーに抜擢され、知名度を上げていく。2010年にメジャーデビュー。「タカラモノ ~この声がなくなるまで~」「今のキミを忘れない」では100万ダウンロードを超えるヒット。2012年リリースの3rdアルバム『風歌キャラバン』は自身初となるオリコン・ウィークリーチャート1位を獲得。同年にはNHK紅白歌合戦に初出場を果たす。年末には自身初となる大阪、京セラドームのLIVEで4万人の観客と共に大成功のうちに収める。2016年リリースのシングル「Overflows〜言葉にできなくて〜」は配信開始と共に主要配信9サイト・18部門で1位を獲得し、iTunes・レコチョク・歌ネットなどでは週間ランキング1位を獲得。2017年もう一度自分の原点に戻るための旅に出ると宣言し、世界19か国の旅を経て7月10日のスペシャルLIVE「ナオトの日」にて完全復活。2018年、「全国47都道府県弾き語りツアー」、約3年ぶりのドーム公演もナゴヤドームを開催。俳優活動としては、TBSドラマ「コウノドリ」などにも出演を果たした。2019年、世界三大レーベルのうちのひとつである「ユニバーサルミュージック ラテン」から「Naoto」名義で世界デビューした。2020年、予定していたデビュー10周年企画「10周年!アニバーサリーおまっとぅりYEAR」を2021年に、まるっと1年延期することを発表。10月7日、EP『オモワクドオリ』をリリース。InformationNew Release『オモワクドオリ』(収録曲)01.オモワクドオリ02.Invitation03.スタートライン04.Sunset Lovers05.きっかけはキッカケで06.Ballooooon!!(Remix ver.)07.スタートライン(Piano ver.)08.オモワクドオリ(Instrumental)09.Invitation(Instrumental)10.スタートライン(Instrumental)2020年10月7日発売*収録曲は全タイプ共通。(通常盤)UMCK-1667 (CD)¥2,200(税別)(初回限定ファンクラブ盤)PROS-1918 (CD+DVD)¥3,300(税別)
2020年10月08日【音楽通信】第50回目に登場するのは、日本語で鳴らすエモーショナルなサウンドが世代を超えて支持されているロックバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)!取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol.50アジカンはひとつの人格みたいなもの写真左から、山田貴洋(B、Vo)、喜多建介(G、Vo)、後藤正文(Vo、G)、伊地知潔(Dr)。1996年、大学時代に後藤正文さん、喜多建介さん、山田貴洋さん、伊地知潔さんにより、通称“アジカン”ことASIAN KUNG-FU GENERATIONを結成。2003年には、インディーズ時代に発表したミニアルバム『崩壊アンプリファー』のリイシューでメジャーデビューしました。同年から、ライブハウスの新宿LOFTでフェス「NANO-MUGEN FES.」を立ち上げ、2004年からは海外アーティストも加わり、日本武道館、横浜アリーナと会場の規模を拡大し、その他たくさんのステージでも多くのロックファンを魅了し続けています。そんなアジカンが、2020年10月7日、両A面シングル「ダイアローグ / 触れたい 確かめたい」をリリースするということで、バンドを代表してボーカル&ギターの後藤正文さんにお話をうかがいました。ーー後藤さんの音楽的なルーツから知りたいのですが、初めて買ったCDから教えていただけますか。中学1年生ぐらいのときに、THE BLUE HEARTSのCDを初めて買いました。それまではテレビや親の影響から音楽を聴くことのほうが多かったんです。でもそれ以前、小学生の頃だと、少年隊や光GENJIが好きでしたね。ーーそれは意外ですね。少年隊と光GENJIは、子ども心に、「曲がいい!」と思っていたんです。ーーすでに小学生の頃から、曲の良さを聴き分けることを無意識のうちにしていたんですね。だと思います。調べたら、光GENJIはCHAGE and ASKAさんだったり、少年隊は筒美京平さんだったり、名だたる作家の方が曲を担当していて。当時は小学生ながら、何か他とは違って聴こえたんですよね。ーーでは実際に、ご自身で曲を作ろうと思われたきっかけはなんだったんでしょうか。中学生の頃にUNICORNに憧れて、(ボーカル&ギターの)奥田民生さんがすごく好きで、民生さんの影響でギターを買って弾いてみたんですが、難しかったんです。UNICORNは、非常に複雑な音楽なんですよね。だから、指が痛くてギターをすぐやめて、そのあとだいぶ時間が進んで高校を卒業したあとに、イギリスの音楽に憧れるようになって。(イギリスのロックバンドの)オアシスに憧れてギターを再び買いに行って、そこからですね、自分で曲を作ろう、音楽をやろうと思ったのは。ーー人の作った音楽よりも、やはり自分の曲のほうが気持ちが入るものですか。そうですね。最初の頃、オアシスのコピーを自分で部屋でやってみたんですが、どうやっても彼らみたいにカッコよくできないんですよ。本人が歌うのがいちばんかっこいいなと思って。バンドを組むんだったら、自分で曲を作りたいなって、楽器を買ったときに思いました。コピーしても、本人たちを超えられないから。いまは人が作った曲でも、気持ちを込めることができますが、若い頃は「自分が作ったものこそが、感情移入できるものだ」と信じていました。アジカンのフロントマン、後藤正文(Vo、G)。Gotch名義でソロ活動も。ーー1996年にASIAN KUNG-FU GENERATIONを結成されて、2021年には結成25周年を迎えます。結成時から現在まで、アジカンはどのように変化されましたか。振り返るとあっという間でしたが、さまざまな時期を経て、いまがあるという感じがします。若い頃はエゴが強い時期もありましたが、アーティストとしてやりたいことがあるなかで、大人になってくると協調性が生まれてくるというか(笑)。とくに僕はフロントマンで、いろいろとワガママを通すことも多かった。そのあたりは、歳を取りながら、上手にメンバーが傷つかないやり方を覚えてきましたね。ーーそんななかで、後藤さん主催のインディーズレーベル「only in dreams」を立ち上げ、今年3月には後藤さんがGotch名義で活動されているシングル「Nothing But Love」も発表されましたね。バンドとソロとでは、ご自身のなかでどのようなスタンスの違いがありますか。バンドは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONという、ひとつの人格みたいなものがあると思っていて。バンドの回路というか、仕組みに曲を通すと、どうしてもASIAN KUNG-FU GENERATIONの音になってしまうんです。25年もやっているので、強烈な個性というのがあって、どうやったってバンドの音になる。そこでできること、できないこと。やってしまうと増幅されることと、スポイルされることとの両方があります。なので、そのバランスを考えると、僕もいい大人なのでこれだけ生きていると、また別の新しい仲間にも巡り会うこともあって。世の中にはいろいろと魅力的なミュージシャンがいるので、そういう人たちとも音楽を作っていきたいという気持ちも出てくるんです。だから、僕のなかでは「ソロはバンドと器の違うもの」として、分かれているんですよね。ーーたとえばファンの方からすると、バンドとソロとでは反応が違いますか。聴かれ方としては、ゼロがふたつぐらい違いますね。アジカンが100万回聴かれるとしたら、僕のソロは1万回ぐらいしか聴かれないぐらい差があります。端的に、海外まで音楽が届いているのかという背景もあると思うんですけれども。ファンの人としては、僕のソロが売れると、僕が「アジカンを辞めるんじゃないかな」という思いがあるのかもと言う人もいて、素直に応援できない気持ちもわからなくはないですよね。ソロが原因でバンドをやめはしないですが、僕の好きなバンドのフロントマンがソロに熱中すると、「バンドもやってくれよ」って思う気持ちはわかるんです。(イギリスのロックバンドの)レディオヘッドのフロントマンのトム・ヨークしかり。(アメリカのロックバンドの)ウィーザーのリヴァース・クオモしかり。そういうのは昔からあるので、あまり気にはしていないです。憧れの地、ロンドンでレコーディングした新曲ーー10月7日に、両A面シングル「ダイアローグ / 触れたい 確かめたい」をリリースされますが、ロンドンでレコーディングされたのですね。ロンドンの中心部にあるスタジオを借りることができました。ちょうどヨーロッパツアーを行なっていて、ロンドン公演とパリ公演の間の2日間で、レコーディングしたんです。それまで、アメリカではニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスでレコーディングしたことはあったんですが、ロンドンではなかなかスタジオに入る機会がなくて。ロンドンは、僕らの世代にとっては、憧れの地。とくに90年代のイギリスのロックはとてもかっこよかったので、そういうものに憧れたからこそいまがある。この歳になって、やっとスタジオに入ることができました。ロンドンでレコーディングするために、今回のシングルの曲は日本で作って、ある程度整理してから行ったんです。ーー日本で録るのとロンドンで録るのとでは、やはり気分は違いましたか。はい、これはanan読者には全然引っかからない話なんですが(笑)、電圧が高いという良さがあって。電圧なんか知るかよという話だと思うんですが、電気のエネルギー、電圧がロンドンはすごく大きいんです(笑)。240ボルトぐらいあって、日本は100ボルトなので、ロンドンだと機械もいきいきと動くというわけですね(笑)。ーーなるほどです(笑)。あとは歴史的な街でもありますから、スタジオで働く人だったり、スタジオの文化だったり、名残だったり、いまも続いているんですが伝統が染みついている。僕たちも作業すると、その伝統に触れられるというか。すてきな機材だったり、働き方だったり含め、他のメンバーも、自分たちの好きな音楽が生まれた街ということでテンションも上がるでしょうし、音がいいということで喜ぶメンバーも。街並みもすてきですからね、見たこともない、住んだこともない場所で、気分が違いますよね。ーー「触れたい 確かめたい」は、羊文学の塩塚モエカさんがゲストボーカルで参加しています。後藤さんと塩塚さんが掛け合う歌声が絶妙ですが、もともとゲストボーカルを呼ぶ前提で曲作りをされていたのですか。作っている段階から、デュエットになったらいいなというイメージはありました。ゲストボーカルは、いろいろなバンドの音を聴きながら考えていて。雰囲気的にも、イメージ的にも、羊文学もかっこいいバンドなので合うんじゃないかなと、彼女を選びました。ーー実際、デュエットされていかがでしたか。歌は上手でしたね、何テイクも歌わなくて大丈夫というか。若い人たちは、僕らの世代よりも、やっぱり上手ですね。ーー配信では、両A面の2曲のみとなり、CDでは3曲目「ネクスト」が収録されています。後藤さんが作詞を、ベースの山田さんが作曲をご担当し、リモート環境下で制作されたそうですね。コロナの自粛期間中に、初めてリモートで作ったんです。他のメンバーは3人で練習していたみたいですが、その場でアレンジして、コロナ禍で会えなくなってそれぞれが家で自分のパートを録音して、僕のもとに送ってもらいました。僕は自分のプライベートスタジオを持っているので、そこでミックス、最後まで作業ができるので、仕上げます。ーー今後リモートで制作することは増えていくんでしょうか。どうなんでしょうかねえ。でも基本的に、ヒップホップのミュージシャンやダンスミュージックの場合、自宅に近い作業スペースで完結するようにできているんですよね。ロックバンドだけ、どうしてもドラムを家で録ると大変なことになるので、スタジオで録るというだけの話なんです(笑)。ただ、ドラムって、それをよく録るためだけにわざわざロンドンに行くんですよ。なので、そこは文化として、僕らが守りたい気持ちがあります。ASIAN KUNG-FU GENERATIONとしては、リモートが向いているバンドだとはあんまり思わないから。ーーコロナ禍というと、恒例のライブツアーシリーズ「酔杯」が、約5年ぶりに今年5月から「酔杯2 ~The Song of Apple~」として開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、10月からの開催に延期になりましたね。今年は、ツアーもフェスもなかなか厳しい。みんな中止や延期になったり、大変です。配信ライブもいいのですが、観客の前で演奏する喜びのほうが強いですね。いちばんはやっぱり、コロナの問題が解決して、徐々にコンサートの現場が元どおりになっていくことを願うしかないです。ーー今回も中村佑介さんのイラストで描かれたジャケットのアートワークもすてきです。完全生産限定盤には、ジャケットのイラストTシャツが付いていますね。コロナの影響で、今年はリリースする作品自体も減っていますし、レコードショップは人が来ない状況が続いているなかで、何か売るものがないと困ると思うんですよね。みんなこれまではツアーをすることと、音源を売ることが連動していた時代なので、ツアーが延期になると僕らも4月からのリリースを見送ってこの10月になっていて、同じようなことをいろいろな現場でやっていると思うんです。だから、最初は配信だけにしようかと思っていたんですが、でもレコードショップやCDショップに売る物があるというのは、いまのこういう状況だと意味があると思ったんです。どうせ音源を出すなら、僕らはいろいろなことを考えて、今回のようなかたちでリリースしました。すてきな音楽を作れるような人間になりたいーーコロナ禍の現在、後藤さんはおうちでどのようにお過ごしですか。外食もできなくなって、買い物ぐらいしか行けなくなりました。家では、自粛期間はとくに自炊にハマりましたね。よく釜飯を焚いていました。うちのドラムで料理研究家の(伊地知)潔のように上手にとはいかないですが、外食ばっかりだとどうしようもないので、自炊していましたね。ーーでは音楽活動以外での、ご趣味は。音楽以外、ほとんど無趣味なんですが、読書はしますね。好きな作家はたくさんいますが、古川日出男さんは全作持っていますし、町田康さんも好きです。でもコロナのなかで、柴崎友香さんの新刊『百年と一日』(筑摩書房)は技術的な面で飛び抜けてすごいなと、驚いてしまいましたね。ものすごい小説でした。あとは、せっかく休みがいっぱいできたから映画を観に行きたかったんですが、映画館もやっていなくて。常日頃、映画館に行けないんですよ、2時間ほど拘束されるというのが難しいから。音楽を聴きながら映画を観れないし、音楽を作りながら映画を観れないじゃないですか。僕らの仕事って、拘束されると、耳も目もふさがってしまう仕事ですし、夜中も考えごとをすることもあって。だから映画館に行くなら、そのとき調べていちばんいいと思える映画を観るという感じですね。ーーでは最後に、今後の抱負を教えてください。独立した、かっこいい大人になっていきたいですね。たとえば、YMOのお三方は集まってもすごいですが、それぞれに素晴らしいじゃないですか。そういうお手本があるので、アジカンとしても頑張りたいですし、アジカンを離れてもひとりのミュージシャンとして、すてきな音楽を作れるような人間になりたいと思っています。取材後記ASIAN KUNG-FU GENERATIONのフロントマンとして、ソロアーティストとして、インディーズレーベルの主宰者としてなど、多彩な顔を持つ後藤正文さん。デビュー当時からアジカンのライブを拝見していますが、後藤さんが放つ世界観はこれからも多くのロックファンを惹きつけていくはずです。そんな後藤さんをはじめとする、アジカンのみなさんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。ASIAN KUNG-FU GENERATION PROFILE1996年、大学時代にバンド結成。後藤正文(Vo、G)、喜多建介(G、Vo)、山田貴洋(B、Vo)、伊地知潔(Dr)による4人組ロックバンド。2003年、インディーズ時代に発表したミニアルバム『崩壊アンプリファー』のリイシューでメジャーデビュー。同年、新宿LOFTより「NANO-MUGEN FES.」を立ち上げ、2004年からは海外アーティストも加わり、日本武道館、横浜アリーナと会場の規模を拡大。2016年、バンド結成20周年イヤーを迎え、自信最大のヒット作「ソルファ」の再レコーディング盤をリリースするなど話題を集めた。2018年、ベストアルバム第2弾となる『BEST HIT AKG 2(2012-2018)』および、Official Bootlegと位置づけた裏ベストといえる2枚のアルバム『HONE』盤と『IMO』盤をリリースし、6月からは全22公演の全国ツアーを開催。12月、オリジナルアルバム『ホームタウン』をリリース。2020年8月、『NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019』を発売。10月7日、両A面シングル「ダイアローグ / 触れたい 確かめたい」をリリースする。InformationNew Release「ダイアローグ / 触れたい 確かめたい」(収録曲)01. ダイアローグ02. 触れたい 確かめたい03. ネクスト2020年10月7日発売*配信は2曲目まで収録。3曲目はCDのみ収録。(通常盤)KSCL-3264(CD)¥1,200(税別)(完全生産限定盤A)KSCL-3260 〜 KSCL-3261(CD+Tシャツ)¥3,500(税別)(完全生産限定盤B)KSCL-3262 〜 KSCL-3263(CD+Tシャツ)¥3,500(税別)
2020年10月07日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第20回は、もしかしてモラハラかなと思うような夫の言動があったママの声から、関係悪化を防ぐためのコツを3つご紹介します。1. 夫の小言は華麗にスルー【ママライフばんざい!】vol. 20コロナ禍の現在、仕事がテレワークに切り替わった方もいるでしょう。そうなると、以前よりも夫婦で過ごす時間が長くなり、よりお互いのことを知る時間も増えているはず。そんなときに、「もしかしてモラルハラスメントかも」と思うような相手の言動があったとき、関係悪化を防ぐためのコツを3つお届けします。相手が「夫」でなく、「彼氏」におきかえても、同じように使えるコツかもしれませんよ。共働きをしていてお子さんがいる30代半ばのAさんは、仕事に家事に毎日大忙し。同年代の夫はというと、たまに少しだけ家事を手伝う程度でしたが、大変そうなAさんのことを気にかけてはいる様子だったそう。ですが、だんだんとお子さんのことに意識が向くAさんに、嫌味を言うようになります。疲れ果てて休日の朝にAさんが起きられないときに、「あれ?洗濯まだしてないの」と催促したり、「最近部屋が片付いてないんだけど」と掃除を促したり。自分でやれば、と思うAさんですが、言い返すと倍になっていろいろと言ってくる夫の性格がわかっているのでそうなるとよけい面倒なため、疲れた体に鞭を打ってなんとか家事をすることも。しかし、あるとき、あまりに疲れ果てていて、夫が話してくる内容がほとんど頭に入ってこないときがあったのだとか。そこからわかったのが、適当に相槌を打って夫の話が終わるのを待てば、“とりあえず言いたいことを話した”という満足感からか、夫はスーッとおとなしくなるのです。モラハラかと思うような言動があっても、そこでいちいちビクビクしたり、言い返したりしないで“スルースキル”を身につけると、それ以上はしつこく言ってこないことがわかり、それ以来は華麗に夫の小言をスルーするAさん。耐えているわけではなく、相手にしないスタイルでいくと、ストレスもたまらないのだとか。確かに、ふっかけてくる相手と同じ目線になるともめやすいので、うまくかわすことができればいいかもしれませんね。但し、このやり方は、言えばスッキリする自己完結型の夫にはいいですが、なかにはスルーにキレる夫もいるのでご注意を。また、Aさんが負担過多であることに変わりはありません。家事分担など、根本的な解決を求めるのであれば、お互いが冷静な時に気持ちを伝え、じっくり話し合うのがよさそうです。2. 高いプライドを満足させるアラフォーのBさんは、バリバリ働いていましたが、結婚を機に退職。エリートサラリーマンの年上の夫と二人暮らしです。結婚当初は、恋人時代と変わらずに、記念日があるたびに高価なプレゼントを贈ってくれたり、おいしいと評判のレストランに連れていってもらったりしていたのだとか。ですが、だんだんと夫は仕事のグチをBさんに言うようになります。もちろん、がんばって働いてきているのですから、グチぐらいいくらでも言っていいと思っていたBさんですが、次第に「俺がこんなにがんばっているのにお前は家でのんびりして……」などと、八つ当たりのような言動が出てきたそう。最初は申し訳ない気持ちもあったBさんですが、働くことの大変さをわかっているからこそ、あるとき、夫がなぜそんなグチを言うようになったのかを冷静に考えました。思うに、仕事がうまくいかないモヤモヤを話せる相手がいないからぶつけてしまう、甘えてしまうんだろうと分析。そこで、夫の激しい言動が出てきたときは、「こんなに努力しているのに周りは見る目ないよね!」「やっぱりその考えはスゴイわ」などと、高いプライドを満足させるような言葉をあえて言うようにしたところ、夫の態度が落ち着いてきたのです。仕事のスランプ時期を脱したのか、夫も以前のように優しくなってきたのだとか。相手が口撃してくるときは、冷静に対処をするというのは、ポイントなのかなと思いました。とはいえこのケースは、たまたま仕事が落ち着いたことも大きいです。再び仕事が大変になった場合を考えると、また暴言を吐かれるかもしれません。穏やかないまのうちに、「あの時、あなたにあんなことを言われて、私はこういう気持ちになった。あなたも同じことを言われたらどう思う?」と自分の気持ちを正直に伝えると、夫なりに気づきを得られるかもしれません。夫の心に余裕がある時に諭し、このような事態を二度と繰り返さないようにしましょう。3. 我慢も限界になったら別離も考える30代前半のCさんは、もともとおとなしい性格で、女友達といるときも、自分から何かを提案するというようなことはありません。Cさんをグイグイと引っ張ってくれる、頼もしい夫がいて、相性は良さそうに見えていました。ただ、リーダーシップを取りがちな夫は、家庭での発言権も強く、だんだんとCさんに対して傲慢になっていきます。あるとき、Cさんが女友達と集まったときに、そんな家庭の様子を話すと、まわりからはブーイングの嵐。Cさん自身も、実は「ちょっともう限界かな」と思っていたそうで、まわりの励ましもあって、別れることも考え出すようになりました。すると、いつもと違ってきているCさんの様子に気づいた夫が、「なんかいつもと違う?」などと顔色をうかがうようになります。「別に」とそっけなく対応していたCさんは、少しずつ、本音が言えるようになり、結果として夫との関係も以前より回復しだしたのだとか。それもやはり、「別れることまで考えなかったら夫に冷たくならなかったかもしれない」と、最悪のパターンを想定したからこそ、本音が話せるようになったそうです。いずれにしても、自分にとってマイナスとなる相手や原因には、できるだけうまく対処していけるといいですよね。いろいろなものを乗り越えて、みなさんもすてきな日々を過ごしてください。©GeorgeRudy/Gettyimages©GeorgeRudy/Gettyimages©g-stockstudio/Gettyimages
2020年09月23日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第50回は、婚活中に見聞きした、好みの男性に出会い即行動してうまくいった恋愛成就エピソードを3つご紹介します。1. じわじわ作戦でいく【結婚引き寄せ隊】vol. 50大なり小なり、いろいろな場面で異性と知り合う機会があるでしょう。でも、知り合った人のなかから、「この人いいな」と思うような心がときめく出会いは、そうそうあるものではありません。しかも、気になる男性がシングルだった場合、うかうかしているとほかの女性と仲良くなってしまう心配も。それに、告白するのは男性からと決まっているわけではありませんよね。そんなときは勇気を出して、女性からアプローチしていくことをおすすめします。30代前半のAさんの場合、まさに自分から恋をつかみにいき、うまくいきました。飲み会で好みの男性と知り合ったAさんは、連絡先を交換したその日から、数日おきに連絡。お互いに映画好きだという共通の趣味があったので、「あの映画レンタルされてるよ」「次はあの監督の作品がいいかも」といった具合に、短めのメッセージを送っていたのだそう。男性のほうも映画好きゆえに、おすすめの映画情報を交換し合うなど、一切ラブリーな雰囲気のない連絡だったものの、あるとき「じゃあ今度一緒に映画を観に行こう」という話に。それが初デートとなり、スムーズに距離が縮まり、付き合うことになりました。女性から行動する場合、加減がわからず、猛アタックしてしまう人もまれにいるようなのですが、それだとまだ距離感をつかめていない男性はドン引きする可能性も。一気に迫って一気に拒絶されるよりも、万が一縁のない相手だったとしても、適度な距離感を保ちながら押すほうが、ダメージは少なくて済むと考えたそう。じわじわ作戦を即実行し、恋愛成就したお話でした。2. いつも笑顔を心がける自分にとって、いいことがある日もあれば、悪いことがある日もある。だからいつも笑顔でいることなんてできないと思っていた、20代後半のBさん。職場の別の部署に好きな先輩ができてからは、気づくとその人のことを目で追っているという、思春期の少女のように恋する乙女と化していたそうです。そんなBさんは、Bさんなりに社内のネットワークをたどり、好きな先輩の情報を手に入れようと即行動。先輩の好みのタイプは、明るくて、いつもニコニコしているような女性だと判明。それを知ってからは、「いつも笑顔で」と心がけるようになったBさん。事情を知らないまわりの人からは、「なんかいいことあったの?」などと言われることもあったそうで、先輩好みになろうという努力が、結果的に職場の人たちにも好評。次第に“いつもニコニコしているBさん”として定着します。Bさんが先輩と社内ですれ違うときも、恥ずかしながらいつも笑顔で挨拶していました。ある日、先輩のほうから、「いつも笑顔がいいね!」と言われ、話す機会が増加。Bさんにとっては、好きな人と一緒にいるとなおさらニコニコしていて、ふたりでいると居心地の良さを感じた先輩も、次第にBさんが気になる存在に。そんなに時間がかからず、付き合うことになりました。3. 普段から身だしなみに気をつける職場の同年代の男性はすでに家庭を持つ人ばかりで、わずかにいる独身男性は年下女性ばかりを狙っていて、会社と家の往復ばかりだった30代半ばのCさんは、ため息まじりの日々を送っていました。ですが、このままではだめだと一念発起。Cさんは、女性誌を読んだりセミナーに参加したり恋愛中の女友達の話を聞いたりと、自分を高めて、出会いを探してみようと考えて即行動に移しました。それまでは「どうせ会社と家の往復しかしないし……」と手を抜いていたメイクやファッションを強化。ちょっと近所のコンビニに行くときも、身だしなみに気をつけていたそうです。あるとき、Cさんは職場の同期の男性から、「最近急にキレイになった気がする」と言われ、そんなCさんなら「お似合いの人がいるけど紹介しようか?」という話をされ、友人を紹介されたのだとか。それまでは「職場になんて恋愛につながるものは何もない」と思っていたCさんでしたが、身だしなみに気をつけるようになり、磨きのかかったCさんに、良い変化がもたらされました。紹介された男性とは、ゆっくりと愛を深め合っているようです。出会いを探していても、つい受け身になってしまうこともありますよね。ですが、それまではと少し違う、ちょっとの一歩を踏み出すだけで、待ち望んでいた結果が訪れることもあるかもしれませんよ。©Luis Alvarez/Gettyimages©Giuseppe Manfra/Gettyimages©Thomas Barwick/Gettyimages
2020年09月22日「ムーミン」をモチーフにしたドリンクスタンド「ムーミンスタンド」から、秋限定ドリンクが登場。「むらさき芋プリンミルク」&「えびすカボチャミルク」が、2020年9月18日(金)より期間限定発売される。「ムーミンスタンド」の秋限定ドリンクは、ハロウィンを思わせる鮮やかなビジュアルが特徴の2種類。「むらさき芋プリンミルク」は、沖縄県産のむらさき芋ペーストを使用したこっくり甘いドリンクと、とろりとしたカスタードプリンの二層から成るドリンク。口にふくむとむらさき芋ドリンクとプリンが混ざり合い、“むらさき芋プリン”のような味わいを楽しむことができる。「えびすカボチャミルク」は、北海道産えびすカボチャペースト入りのミルクに、チョコレートソースを添えたドリンク。濃厚なチョコレートの味わいが、かぼちゃの素朴な風味を引きたててくれる。どちらのドリンクにも、もっちりキャラメル味の“ニョロニョロのたね”をトッピング。また「ニョロニョロ」をモチーフにしたストローも付いてくる。【詳細】「ムーミンスタンド」秋限定ドリンク提供期間:2020年9月18日(金)~販売店舗:ムーミンスタンド コピス吉祥寺店、ランドマークプラザ店、サンシャインシティ店、浅草店、名古屋mozoワンダーシティ店、イオンモール岡崎店、土岐プレミアム・アウトレット店、天王寺ミオ店、神戸ハーバーランドumie店、イオンモール広島府中店、キャナルシティ博多店・むらさき芋プリンミルク(COLD) Rサイズ 667円+税・Lサイズ 787円+税・えびすカボチャミルク(COLD) Rサイズ 556円+税・Lサイズ 676円+税※ニョロニョロストローが付属。
2020年09月14日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第49回は、元カレと復縁してうまくいくのか、いかないのか、これまで見聞きしたエピソードを3つご紹介します。1.「復縁は悪縁の始まり」という女性【結婚引き寄せ隊】vol. 49それは30代半ばのAさんの場合。20代のときから別れたり、くっついたりしている同年代の彼氏がいました。もともと仕事関係で知り合った元カレのほうから、熱烈にアタックされて、付き合い始めたAさん。付き合った当初はラブラブで楽しい日々を過ごしていたそうですが、1年経つ頃になると、カレの様子に変化が起こります。なんだかそっけない日が続いたかと思ったら、「別れてくれ」という一方的なメールを最後に、音信不通に。突然の別れに動揺していたAさんでしたが、元カレの友人から「あいつは他に好きな女性ができて、いまは新しい彼女がいる」と知らされ、踏ん切りがついたのだそう。その後は仕事も充実してきて、やっと心の平穏が訪れた時に「オレが間違ってた」と、元カレから何度も連絡がきて、結局Aさんはヨリを戻しました。その後も、別れたり、くっついたりを繰り返し、いわゆる腐れ縁のような状態に。そしてまた、いまは別れているものの、思い出したかのようにまた連絡が来て復縁を迫られているのだとか。30代半ばになり、将来のことも考えるようになったAさんは、この彼との縁が本物かニセモノか、考えあぐねている様子。ただ、「復縁は悪縁の始まり」だと言うAさんですから、今度はヨリを戻さず、新たな良縁を探すことを選ぶかもしれません。ヨリを戻したときに、心からうれしい気持ちになるのか、それとも振られたから戻ってくるのがうれしいと思い込んでいるだけなのか、見極めることがポイントのようです。2.「復縁のおかげで愛が盛り上がる」という女性それは20代後半のBさんの場合。アウトドア好きの仲間が多いBさんは、豪快に飲んで食べて、その場を楽しく過ごすことが大好きだという、明るい女性です。そんな趣味の仲間のなかに、Bさん好みのワイルドな男性がいて、Bさんからのアプローチで付き合うようになりました。ところが、付き合って半年過ぎた頃に、なんと同じ仲間内で気になる男性ができてしまったBさん。豪快なBさんはハッキリとワイルドな彼氏に「好きな人ができたから」と言い、アッサリと破局してしまいました。それから新しく気に入った男性とは結局うまくいかなかったそうですが、ふたりが仲良くしている場面が見たくない元カレは、次第に仲間の集まりには参加しなくなったそうです。そんなある日、衣替えで部屋の整理をしていたBさんが、元カレの品が部屋に残したままになっていることに気づいて、連絡。未練があった元カレは喜んでBさんのところへ行き、そこで「やっぱり元カレといると居心地がいいかも」と思い、これまたアッサリと復縁したのだとか。Bさんいわく「復縁のおかげで前より愛が盛り上がるよ」ということで、以前よりもさらに大事にしてもらえる状況に、満足しているのだそうです。女性のほうから相手を振っていると、男性も相手を忘れられず気持ちを引きずっていたことや、へんな駆け引きをしないBさんだからこそ、復縁でさらに盛り上がるところもあるのでしょうね。3.「あえて静観すると答えが出る」という女性それは30代後半のCさんの場合。婚活していて知り合った、誠実そうなサラリーマンの男性と何度かふたりで食事に行くことがあったそうです。婚活では、だいたいが「3回までに勝負が決まる」といわれていて、3回会うまでに結論が出ないときは、見送りになることがほとんど。Cさんも同じく、そんな婚活の「3回説」に則って相手を見て、お互いに3回会っても好印象に変わりがなかったことから、正式にお付き合いすることになったのだそう。晴れて恋人同士になったふたりは、ともに30代後半ということもあり、恋愛気分はなく、「家庭を持ったらどうしたいか」という、具体的な話をすることが多かったようです。ただ、Cさんは結婚相手にふさわしいと思った彼氏とあまりにも順調にいきすぎて、マリッジブルーのようになってしまい、「一度冷却期間を置きたい」と伝えてしまいます。すると彼氏も同じ考えだったのか、同意した結果、別れることに。婚活では、次から次に出会う機会はあるものの、実際にそのなかで心に響く相手に出会うかどうかは、また別の話。Cさんは気持ちの整理がつかなくて、とりあえず「静観すると答えが出るから」と話していたある日、元カレからまた連絡が来たのだとか。ここからまた復縁するのか、しないのか、「会ったときの気持ちに素直に従う」ということでした。一度別れると一切会わない、連絡先も消去するという人もいれば、友達として違う関係性となる人もいて、さまざまな恋愛事情があります。どんな選択をするにしても、明るい未来が望めるほうを歩んでいけるといいですよね。©101dalmatians/Gettyimages©RgStudio/Gettyimages©jacoblund/Gettyimages
2020年09月12日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第48回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その16をお届けします。1. 甘えん坊の男【結婚引き寄せ隊】vol. 48それは個室で行われるプチお見合いのようなスタイルの婚活パーティに参加したときのこと。30代、40代の働き盛りの男女が集まり、個室に移動して、1対1でお互いのことを話し合います。何人かの男性と話した後に、その男性がやってきました。「はじめまして〜」と、頭を少しさげて笑顔を見せるポロシャツ姿の男性は、いい人そうな印象。こちらも笑顔で返し、自己紹介から始まります。お互いの仕事や趣味、結婚観などを短い時間の間に話さなくてはいけないため、どうしても駆け足で話すことになりがちな婚活パーティの場。とはいえ、短時間で相手を選んだり、選んでもらったりしなくてはいけないので、つい次々に話を進めようとしていたら、「そうやって話をリードしてくれる女性って、いいですよねえ」と言う男性。ちょっと前に出すぎたかなと心配する私をよそに、いい人そうなその男性は、「いつも僕は女性に甘えることが多くて」「僕がだらしないので何でもやってくれる女性を探しにきたんです」などと、こちらを甘えてもいい相手だと判断したのか、それまで無口だったのに、どんどん自分の気持ちを話してきます。話す時間終了ギリギリまで、「甘えられる女性が好み」と何度も話す男性に、そんなつもりのない私は「そうですか……」としか言えません。やっぱり、最初から依存することありきで話をすすめてくる男性は厳しい……と、やれやれと思ったのでした。2. 文面に(笑)が多すぎる男それはある婚活サイトで出会った男性のこと。名の知れた製造小売業で働くその男性は、年収も高く、いわゆる結婚相手としては、なかなかの好条件の持ち主でした。ただ、婚活サイトのプロフィール欄に提示されている写真はあまり写りがよくなく、さらにボケている写真で、いまいち外見がつかめません。とはいえ、趣味の部分などはこちらとも一致しているところが多く、コンタクトをとるようになると、その男性の対応はソツがなくスムーズ。かたすぎる文面でもなく、フランクすぎる文面でもなく、私にとって“ちょうどいい”感じだったんです、一点を除いては。その一点とは、メールの文面にやたらと「(笑)」が多かったこと。最初の頃はあまり気にしていなかったのですが、たいして面白い話をしていないときも、文末につけてくる「(笑)」に、「……あれ?」と少しずつ違和感が。たとえどんなに短い文章でも、必ず入ってくる「(笑)」。次第に「またか」と思うようになりました。実際に会う機会があり、会ったあとのお礼のメールを送ってくれるところはきちんとしている印象でしたが、「今日はありがとうございました(笑)」と、ここでも私にとってはつける必要がないと思う箇所に「(笑)」が…。ほかにもいろいろと気になるところがあり、結局は連絡することがなくなりました。気にならない人にはどうでもいいことだと思いますが、気になることが多くなると、なかなか難しいなあと思ったのでした。3. 同棲を推奨する男それはある飲み会に行ったときのこと。20代から40代まで、幅広い年代が集まっていたその飲み会では、「家にひとりでいてもやることないから」という出会いを求めるシングルの男女がわんさかいました。飲みながらみんなの恋愛観や結婚観を聞いていると、20代でも「早く結婚したい」という結婚願望の強い女性から、40代でも「まだしばらく落ち着きたくない」と話す男性など、さまざま。いろいろな視点からの話を聞くのも面白いなと思っていたら、まだ落ち着きたくないと言っていた40代の男性が、「やっぱりさ、絶対に同棲しないとお話にならないから」と言い始めました。みんなで話を聞いていると、その男性はこれまで恋人とは必ず同棲してきたのだとか。同棲メインで考えるから結婚していないのか、落ち着きたくない気持ちが強いから結婚を考えないため自由な関係を好むのかはわかりませんが、「同棲と結婚は似たようなもんだから」と言いいます。私は、そういう男性に引きずられて婚期を逃すことになったら大変だから同棲には賛成できないことを伝えました。すると、「まあそういう考えもあるよね。でも……」と、同棲すると見えなかった面が見えるしメリットばかりだと言い張る男性。結局のところ、年代問わず、同棲するかしないかはそれぞれ考えが違うものの、固定概念として同棲ありきで相手探しをする男性は、厳しいなあと思ったのでした。婚活していると、普段は知り合わないようないろいろなタイプの人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけて、すてきな人を見つけてくださいね。©DeanDrobot/Gettyimages©Ridofranz/Gettyimages©Antonio_Diaz/Gettyimages
2020年09月06日【音楽通信】第47回目に登場するのは、歌手としてはもちろん、声優やタレントとしても幅広いジャンルで活躍されている、中川翔子さん!取材、文・かわむらあみり【音楽通信】vol.47子どもの頃からの夢はアニメソングを歌うこと2006年7月、シングル「Brilliant Dream」でCDデビューした、「しょこたん」こと中川翔子さん。歌手としてNHK紅白歌合戦にも出場するなど、コンスタントに楽曲をリリースするなか、ディズニーアニメ『塔の上のラプンツェル』の主人公ラプンツェルの日本語吹替版ボイスキャストを務め、NHK連続テレビ小説『まれ』では女優デビューするなど、多岐にわたりご活躍されています。そんな中川さんが、2020年9月9日に、ニューシングル「フレフレ」をリリースされるということで、お話をうかがいました。ーー今日は『ananweb』の音楽インタビューとなります。『anan』さんでは、以前表紙巻頭でグラビアページに出させていただいて(2012年4月27日発売のNo.1805)すごく反響があって、人生の勲章になったと、ずっと感謝しております。ーーとても美しいグラビアでしたよね。今回は音楽活動について、中川さんの音楽的なルーツからお話をお聞かせください。音楽のルーツでいうと、幼い頃に母が働いていて夜はあまり家にいなかったこともあって、祖母とふたりで過ごしていた時間に、祖母の大好きなシャンソンを毎日童謡がわりに聴いていました。それとは別に、昭和歌謡も好きな子でしたね。寝る前に、NHKの深夜放送のラジオ番組『ラジオ深夜便』が流れていた影響で、昭和歌謡が好きになって、ちょっと渋い子だったかもしれないです(笑)。中学生のときは、学校生活がうまくいかず、スクールカーストになじめなかった頃、家に帰っていつも絵を描いていたんです。そんなときに救ってくれたのが、アニメソングでした。だから、アニソンと昭和歌謡の話は、ずっとしゃべっていられるぐらい大好きなんです。大人になってからも「アニメソングを歌う」という大きな夢が、自分の人生の真ん中にあります。シャンソンは自分のディナーショーで歌って、夢を叶えることができました。大人になってからは、ジャズに興味を持っています。ーー松田聖子さんもお好きでしたね。はい、高校生のとき、聖子さんしか聴いていない時期がありました。80年代の聖子さんが大好きなんですが、世代的にまわりの友達はギャルだったので、ギャルの友達から浜崎あゆみさんのCDを借りて、そのかわりに聖子ちゃんのCDを貸すという感じで、ハマってもらえたらうれしくて。聖子さんの曲は、松本隆さんの歌詞がすばらしいので、歌詞の世界を妄想してイメージイラストを勝手に描いたりしていました。とくに聖子さんの83年、84年ごろの歌唱が好きでまねして研究して、ずっと家で歌ってきたので、それがいま役に立つ経験値として、未来に繋がりましたね。ーー中川さんの歌唱力は折り紙付きですが、多彩なご活動をされるなかで「歌うこと」については、ご自身でどのように感じていらっしゃいますか。絵を描くことと歌うことは、空気のように自然とやってきたことですね。何にもせずに、何にも聴かずにという、無の時間が無理なんです。だから、歌うことはずっと大好き。ですが、まさか自分が歌を歌ったり、コンサートをしたりするようになるとは、夢にも思っていませんでした。初めてのコンサートのときは、ステージが始まる前に、「むりむり! 私なんてただのひきこもりなのに!」と、号泣したことも。「アニメソングを歌いたい」という一番の夢が叶ってから、「生きていてよかった」という気持ちをライブやコンサートからいただきました。いまはコロナ禍の影響で、ライブが尊いものになっている状況ですよね。でもやっぱり歌は、人と人とを出会わせてくれるから、素晴らしいもの。私のライブがきっかけで付き合って、結婚したという方が数え切れないほどいらっしゃるんです。そしてアニメソングは、海外でも、日本語のままで通じますよね。たとえばアメリカやフランス、中国、香港といろいろな国や地域でアニメフェスが開催されています。昨年は韓国のアニメフェスに出演させてもらったのですが、アニメソングが好きという気持ちは世界共通なので、初めましての場所でも「空色デイズ」という曲を歌うと日本語でみんなが合唱してくれて、泣けちゃいましたね。アニメソングは魔法のパスポートだと思います。30代となったいまは、「子どもたちにアニメソングを届けたい」という内容に、夢がスライドしました。自分の人生を振り返ると、本当に好きなものって、思春期や10代のときに出会ったものから変わらないと思うんです。それは大人になってからも自分を助けてくれているから、いまの子どもたちもそうなるのではと。私の歌が、子どもたちの思い出のどこかの一瞬でいてくれたらいいな。新曲は優しい楽曲の「心の応援歌」ーー2020年9月9日に、アニメ『ハクション大魔王2020』(日本テレビ系 毎週土曜午後5:30)のエンディングテーマとして話題のニューシングル「フレフレ」をリリースされます。キラキラとしたかわいいナンバーですね。アニメのエンディングテーマというものが、もともとすごく好きなんです。「今週が終わっちゃったー! でもまた、明日から学校が始まるなあ」という、ふとした瞬間は、誰しも記憶のなかに“名前のない思い出”として残っていくんじゃないのかなと。次のシングルは応援歌がいいなと思っていて、今回は「フレフレ」というタイトルがいいなと、メロディを聴く前から考えていました。本当だったら、今年は東京オリンピックやパラリンピックが行われているはずだったんですよね。たとえばいまインターネットでは誹謗中傷が問題視されがちですが、本当はどこにいても離れていても、好きなことで繋がり合えたり、「あなたいいね」「あなたも素敵だね」と言い合えるというのは、ネットがない頃はできなかったこと。オリンピックだけではなく、誰かを応援するのはすごくいいことだし、それを無理せずゆるく応援できる世界だったら素晴らしいので、「フレフレ」はそんな心の応援歌にさせていただきました。ーー「フレフレ」は、SNS総フォロワー500万人超えの“ねお”さんが振付を担当していますね。SNSで大人気のねおちゃんは、令和の若者を象徴する存在で、きっと子どもたちが憧れるキラキラしたものを持っている方だろうと思い、オファーしたら快諾してくださって。振付もとってもかわいくて、まねしやすいんですよ。歌詞にある「ハートで祈ってる」という部分は、『ハクション大魔王2020』に出てくるアクビちゃんぽい振りなんです。優しい楽曲ですが、ダンスはポップなので、すごく元気になれるんじゃないかなと思いますね。みなさんが踊るフレフレダンスをTikTokで募集したら、かわいい女の子たちがたくさん動画を送ってくれて、いまはインターネットが意味を持ついい時代になってきたと思うんです。離れていても笑顔で繋がれることが、「フレフレ」を通じて見えてきてくれたらうれしいですね。ーーわが家でも私と娘で「フレフレダンス」を踊っています。うれしいです。私と同じ世代の人たちはもう結婚してお子さんがいらっしゃって、子どもの頃に見つけたワクワクキラキラは心のなかに宝石として残っているので、それを次の世代の子どもたちに届けたい。アニメだけじゃなく、ダンスも親子で一緒に楽しめるのは、昔よりも共有しやすい時代になった気がします。テレビで流れないところの歌詞もすごく好きなんですが、私の原点回帰と言いますか、子どもの頃から憧れていたアニソンを歌う先輩方の優しい歌声を目指して歌っているので、いつか本編でこの部分も含めてフルサイズで楽曲が流れるかもしれないので、アニメのほうもご覧いただければと思います。ーーカップリング曲の「フライングヒューマノイド 2020Ver.」は、2010年にリリースされたシングルの2020年版なのですね。はい。10年前は、10年後も生きているとか、楽しくやっているということは想像できなかったので、「十年先の未来が見える魔法があったらな…」という歌詞の気持ちはぼんやりとしか思っていませんでした。でも、10年経ってみると本当にあっという間で、光の中のトンネルをばっと走って来たような感じ。だから続けてこられたことが、いかに尊くて大変でありがたいことかを非常に感じますね。10年前というと、私は24、5歳。けっこう暗かった10代を乗り越えて、一番無敵感があったころですね(笑)。anan世代の方も、20代になってから、ますますやりたいこととやれることとが広がっていく時期だと思うんです。10年先のことを意識しながら何かをしたり、10年前のことを抱きしめたりしながら、これからも一瞬一瞬を大事にしたい。こうやって歌を続けてこられているのも、聴いてくださる人だったり、出会ってくださったりした方々のおかげなので、心から感謝しています。ーーこの曲は、BiSHなどを手がける松隈ケンタさんの作品ですね。10年ぶりにお会いしましたが、松隈さんは売れっ子さんなのでお話を受けてくださってびっくりですが「懐かしいね」とお話ししていました。私もこんなに歌い続けてこられたことはうれしいですが、まだ歌っていることを知らない方にも届くように、これからもすべての活動が、歌う瞬間に報われるようにがんばりたいと思っています。ただ、自粛期間のなかではお仕事がすべてなくなったんですが、人生終わりかなと落ち込みそうになったときに、でも何かやっていないと無理だと思って、YouTubeを始めました。そこでゲーム実況をしてみたら、日本のいろいろな都道府県、そしてロックダウン中の海外、イギリスやアメリカや香港といったさまざまな国から実況に参加してくれた方がいて。離れていてもこうして繋がれるし、いつか本当に会えたらいいなという夢もできましたし、落ち込んでいるからこそ、見えた世界がありましたね。ずっと子どもたちに歌を届けていきたいーーいま自粛は解除されましたが、活発には活動できない時期です。中川さんは「おうち時間」をどのように過ごしていますか。もともと家での趣味が主なので、いろいろやっています。今回は新しい文房具に挑戦しました。海外のアーティストさんが色鉛筆でものすごくリアルな絵を仕上げていく動画が大好きで、その人が使っている高い色鉛筆を買って、自分でも練習してみたんです。あと映画を観たり、アニメを観たり、絵を描いたり。夜中にシュークリームを焼くとか、なかなかやらなかった料理に挑戦するのも楽しくて。いまは舞台の稽古をしたり、YouTubeの撮影も室内でできちゃうので、忙しい(笑)。ステイホームののんびりの時間でも、いろいろなことが発見できました。うちには猫もいっぱいいて、猫と一緒の時間を過ごしているので、おうち時間は全然苦じゃないですね。ーー中川さんは愛猫家ですが、猫の魅力はなんでしょうか。いま猫を9匹飼っていて、YouTubeでも猫の紹介動画を撮っていますが、みんな違って、みんなかわいいんですよ。全部雑種で、捨て猫や保護猫なのですが、みんな無償の愛をくれます。家族であり、兄弟であり、子どものようであり、親のようであり。猫がいない世界は考えられない。猫は、私が落ち込んだときにわかってくれるんです。一緒に腕のなかで寝るのが大好きな猫がいて、ステイホーム期間もずっと一緒に寝てくれたおかげで、落ち込まずに済みました。その期間に発見したのが、保護猫カフェから連れてきた、すごくビビりで地味な猫のみかんが、私に会いたいがために立ち上がってドアノブを開けるという特技を身につけたことです。びっくりして動画も撮ったんですが、すると、情報番組から、みかんにオファーが来て(笑)。テレビの仕事がなくなっていたときに、みかんのおかげでテレビの仕事がキター!と(笑)。猫の個性はそんな感じで、それぞれ違いますね。ーー私もいずれ保護猫を飼おうと思っています。かわいいですよ、保護猫。できれば多くの猫が救われる世界になってほしいといつも思うので、BEAMSさんと共同プロデュースしてコラボレーションした『mmts(マミタス)』というブランドをずっとやらせてもらっているんですが、その売上の一部を動物保護団体へ寄付させていただいたり、個人的にもキャットフードを保護施設へ支援させていただいております。雑種、おすすめですよ。ーー続いては、お気に入りのメイクのことも教えてください。いまは、マスクでメイクが落ちないものを誰か発明してくれたらなと思いますね。でも、アイシャドウやアイメイクで遊んだりできるかな。お気に入りのブランドは、ルナソルです。5色入っていて、アイブロウも、ノーズシャドウとアイラインも描けるものがあるので、とりあえずカバンにこれだけ入れておけば、なんとかなります。あとチョコレートの香りがするシャドウもあって、締め色がすごく目をしっかり見せてくれるので、マストアイテムですね。ーーちなみに、おこもり期間に愛が深まるカップルも多いようですが、中川さんが魅力的だと思う男性とは。私はやっぱり、根が真面目な人がいいですね。仕事をコツコツとやり遂げる、仕事が好きというのも大事だし。私は絵を描くのが好き、ゲームが好きという趣味はありますが、それを否定しない人だったら、すごくうれしいですね。でも、同じ趣味であってほしいまでは思わないんですが、同じだと一緒にできるから。あと、猫が好きな人! これだけは譲れないですね。あとはもう、収入などはどうでもいいや、働いていればいいですね(笑)。ーー声優をされているラプンツェルのアニメも観させていただいておりますが、今年の冬は、劇場版のポケモン映画の声優もご担当されますよね。私自身、落ち込んだらラプンツェルを見ると元気が出るので、大好きなんです。なるべく長くラプンツェルを演じられるように、声と健康を守ろうと思いますね。ポケモンの映画は2007年からずっと参加させていただいていて、昨年は主題歌も担当させていただいていて、今回また声優で復活できるなんて。子どもたちが笑顔になれる時間になったらいいなと思っています。ーー歌手活動においての今後の豊富を教えてください。壮大な夢としては、かっこいい熟女になったときに、ステージでかっこよくシャンソンを歌いこなせるシャンソン歌手になりたいんです。そう思うと、年齢を重ねることも楽しみ。たとえばシャンソン歌手のみなさんは、スパンコールの派手なドレスを着ているイメージなのですが、それはきっと年齢を重ねていくからこそ似合うはず。歌詞の説得力が、レベルが上がっていく(年を重ねていく)ことで増していくと思っていているので、私が憧れたレジェンド歌手のみなさんのように、ずっと歌い続けられる人になりたい。そして、コロナが収束したときに、いつか海外でも歌えたらいいなと。あと子どもたちに歌を届けていきたい気持ちは、ずっと変わらないんです。これからも健康で、なるべく長くアニメソングを歌い続けたいですね。取材後記抜群の歌唱力で、子どもから大人まで、国内外問わず歌を届けてくれる、中川翔子さん。「アニメソングは魔法のパスポート」だとお話しされていましたが、これからも私たちに、元気になれる歌声を聴かせてくれることでしょう。そんな中川さんがリリースするニューシングルをまずはチェックしてみてくださいね。中川翔子 PROFILE1985年5月5日、東京都出身。歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐に渡り、多数のバラエティ番組にも出演中。数々の人気アニメ・ゲーム等の主題歌を担当し、2019年12月には5年ぶりとなるフルアルバム『RGB 〜True Color〜』を発売。文化人としての活動も行っており、2019年夏には、自身の経験を元に書籍『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』を出版。以降は多数の講演会等に登壇し、多様化するいじめ問題に取り組んでいる。この他に、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた「マスコット審査会」委員を務め、聖火ランナーを務めることも決まっていた。2025年開催の万博に向けた「万博誘致スペシャルサポーター」としても活動している。最近ではYouTubeチャンネル『中川翔子の「ヲ」』を開設し、イラスト動画やゲーム実況の動画が話題となっている。InformationNew Release「フレフレ」(収録曲)01.フレフレ02.フライングヒューマノイド 2020 Ver.03.フレフレ -Anime edit-04.フレフレ -Instrumental-05.フライングヒューマノイド 2020 Ver. -Instrumental-2020年9月9日発売*CD収録曲は通常盤・初回限定盤共通。(通常盤)SRCL-11543¥1,182(税込)*CD only。(完全生産限定盤)SRCL-11540〜11542¥4,527(税別)DVD内容:1「フレフレ」Music Video、2 TVアニメ「ハクション大魔王2020」エンディング映像(ノンクレジットver.)*CD+DVD+Tシャツ。*完全盤封入グッズ:中川翔子とBEAMSが共同プロデュースする「mmts(マミタス)」 の中川翔子描き下ろし“アクビちゃん”イラストTシャツ(全3種のうちランダム1種封入)。
2020年09月02日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第47回は、本命女性になるための心がけ3つをお届けします。1. まわりの人たちに気遣いができる【結婚引き寄せ隊】vol. 47出会いを探していても、なかなかうまくいかないこともありますよね。そんなときに振り返ってほしいのは、いつもの自分で大丈夫? ということ。好きな人と付き合える女性というのは、性別関係なく人として素晴らしい魅力があるはず。では、どんな部分に多くの人は惹かれるのでしょう。男性の声を聞いてみました。1つめは、なんといっても、やっぱり“気遣いのできる女性”は、人気が高いものです。何か困っている様子を見たら、「何か手伝いましょうか?」とすすんで声をかけたり、押し付けがましくなく自然にサポートしてくれたりすると、相手に対する好感度がグッと上昇。気遣いができるということは、よくまわりのことを見ている人ともいえ、それは場の空気を読むことができる女性でもあります。そういった人は、恋愛に限らず、ビジネスシーンにおいても重宝される存在であることが多いはず。誰だって、優しくしてくれたり、サポートしてくれたりすると、うれしいですよね。そういうことがあると、「すてきだな」と好印象となり、心を掴むことができるのです。信頼関係を築くことができれば、本命彼女への近道となるでしょう。2. 外見だけでなく会話も好み“気遣いができる”といった性格の良さはもちろんですが、なんだかんだいって「外見が好みかどうか」もポイント。女性のほうでも、性格が良いならベストだけれど、やっぱりイケメンならなお良しと思うのと同じ感覚ですね。だからこそ、お気に入りの男性と会うときは、めいっぱいおしゃれをして出かけることがあるはず。ですが、ここで意外な落とし穴が待っています。それは、たとえ外見を装っていても、“会話をしているときの様子”も重要だということ。たとえ外見が相手の好みでも、いざ話してみると、ちょっとだらしない話し方だったり言葉が乱暴的だったりすると、あまり本命にしたいとは思わないものです。むしろ、流行のファッションに身をつつみ、おしゃれであるほど、外見はいいのに「話し方がちょっと……」とそのギャップが浮き彫りになってしまいます。とはいえ、なんでも相手に合わせて会話すればいいのではありません。お互いにムリをしなくても、自然体で話ができるのが理想です。心地よく話ができる人を目指したいですね。3. 意思表示してくれる女性を「自分の色に染めたい」という亭主関白タイプの男性はさておき、いまの時代はだいたいの男性が、一緒に肩を並べて歩けるような女性が気楽で良いようです。とにかく女性は黙って男性のあとをついていく……という時代ではなく、女性側も、きちんと意見が言えるほうがベストだといえそう。たとえば、言いたいことを言わずに、ひたすら“察してよオーラ”を出す女性は面倒くさい印象を男性に与えます。また、一緒に食事に行ったとしても「何が食べたい?」と聞いているのに「なんでもいいよ」と言っておいて、あとで「やっぱりが良かったかな」と言い出すなど、遠慮しているのかワガママなのかわかりにくい女性は扱いづらく、男性はニガテです。何をしたいのか、どう思っているのか、ある程度は意思表示したほうが、相手にとってもわかりやすいですし、気を遣いすぎなくていいですよね。それに、あまり意思表示のない女性は、一歩間違えると“都合のいい女”になってしまうことも。思っていることはきちんと言葉にして伝えましょう。出会いを探していると、思いがけずいろいろなタイプの人たちに会うこともあるかもしれません。気になる男性の本命彼女になって、すてきな恋愛をしてくださいね。©pixelfit/Gettyimages©Astarot/Gettyimages©ZoneCreative/Gettyimages
2020年08月30日