1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第14回は、親子で遊べる“100円ショップ”の楽しいグッズ5つをご紹介します。100円ショップのお遊びグッズ5選【ママライフばんざい!】vol.14日々の暮らしに役立つアイテムが多彩な100円ショップ。一人暮らしでも、家族がいても、何かと生活を支えてくれる便利なものがたくさんあります。お子さんのいるご家庭では、お金をかけなくても十分楽しめる100円ショップのアイテムは、気軽に活用できてありがたいですよね。とくにいまの時期は、新型コロナウイルス感染防止にともなって休園や休校となり、ずっとお子さんが家にいるご家庭では、親子で過ごす時間が長いことも。今回は、そんなときにも活用できる『ダイソー』『キャンドゥ』『セリア』の複数の100円ショップで見つけた、お遊びグッズをご紹介します。1. セリア「たのしい 手芸セット」カンタンに手作りビーズアクセサリーができます(対象年齢6歳以上)。セリアの「たのしい 手芸セット」は、赤色、緑色、オレンジ色、水色、黄色、透明の合計6色の丸いビーズと、ピンクと透明のヒモが合わせて2本、リングが1個入っています。ビーズとヒモはポリスチレン樹脂でできていて、手芸セットがちゃんとトレイに入っているのも使いやすいポイントです。お子さんが女の子の場合、カラフルなものやカワイイものには目がないはず。小さいときからおしゃれにビンカンな子も多いので、きらきらしたビーズでブレスレットやリング、ネックレスなどのオリジナルアクセサリー作りができるのはうれしいでしょう。2. キャンドゥ「English Trump」遊びながら英単語も覚えられて便利。キャンドゥの「English Trump」は、その名の通り、英語を学べるトランプ。片付けやすいプラスチックのケースに入っていて、つるつるとしたポリ塩化ビニル素材のトランプカードは、丈夫で折れにくく、さばきやすく作られています。トランプカードには、通常の数字のほか、「英単語」と発音の仕方がわかる「カタカナ」、「日本語訳」と「それを表したイラスト」が描かれているので、ひと目で英語と日本語の意味を理解することができるスグレモノ。まだ文字が読めない年齢のお子さんでも、かわいいイラストを見せていくだけでも興味を引くはずです。3. ダイソー「3Dパズル 消防車」組み立てるとワクワクする立体パズル(対象年齢6歳以上)。ダイソーの「3Dパズル 消防車」は、消防車のパーツが描かれた発泡スチロールでできた、なんと63ピースもあるパズルです。それぞれのパーツを組み立てていくことで、知育玩具としても取り入れたくなる立体的なパズル。消防車以外にも、警察機動隊の車などの車シリーズのほか、宇宙シリーズなど種類は多そう。お子さんが男の子の場合、とくに立体的になる3Dパズルは、組み立てるとおもちゃとして遊べるのでほしくなるはず。ただ組み立てるには、お子さんひとりだとちょっと難しいかもしれないので、親子で一緒に作るのも楽しいですよね。4. ダイソー「プチブロック」いろいろなシリーズが欲しくなりそう(対象年齢12歳以上)。ダイソーの「プチブロック」には、ABS樹脂でできているプチサイズのブロックがたくさん入っています。写真のものは“犬・猫のなかまシリーズ”で、中に入っている説明書の通りにプチブロックを組み立てていくと、スコティッシュフォールドになるんです。ほかにも、車や海のなかまなど、さまざまなシリーズあり。プチブロックを組み立てている作業中は一生懸命、集中しているでしょうから、あっという間に時間が過ぎてしまいそう。手軽に購入できる100円グッズだからこそ、ひとつ完成するたびに、さらにもうひとつそろえたくなってしまうかも。手先を使うことで、楽しみながら脳にも刺激を与えられます。5. セリア「なわとび」木の持ち手で運動能力アップ(対象年齢6歳以上)。セリアの「なわとび」は、長さ約11.6cm、太さ約2.3cmの木の持ち手と、長さ約2.5mの綿のロープでできています。6歳以下でまだ握力や体力のないお子さんだと、持ち手がプラスチックでできている軽いなわとびのほうが飛びやすいと思いますが、6歳以上になると木の持ち手のなわとびでしっかり運動したいところです。家の中で遊ぶのも楽しいですが、時にはお庭や家の前などでも、手軽にできるなわとびで、遠出しなくても体を動かしたいですよね。お子さんの身長に合わせて、ロープに結ぶ目を作ると長さを調節することもできますし、親がそれぞれの持ち手を持って、大縄跳びをしたりにょろにょろさせて飛んだりして遊べます。あまり外出できないようなときは、お子さんが興味を持てるようなアイテムを揃えて、家の中で楽しく遊べるといいですよね。便利なお遊びグッズ5選をお届けしてきましたが、すべて100円(税別)だなんてうれしい限り。プチプライスで手に入れられる手軽なお遊びグッズは、今後もママライフを助けてくれそうです※2020年3月購入。時期や店舗により商品の有無は変わることがあります。
2020年04月03日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第33回目に登場するのは、歌手としてだけでなく、俳優やモデルなどでも幅広く活躍している5人組ボーカルダンスユニット、M!LK(ミルク)!写真・大内香織音楽以外にも多ジャンルで活躍する5人写真左から吉田仁人、山中柔太朗、佐野勇斗、曽野舜太、塩﨑太智。【音楽通信】vol. 332014年11月に結成され、2015年3月にシングル「コーヒーが飲めません」でデビューしたボーカルダンスユニット、M!LK。「何色にも染まることのできる存在に」という意味が込められたグループ名の通り、メンバーは音楽活動に留まらず、ドラマ、映画、舞台、モデルと幅広く活躍しています。2018年にリリースされた8thシングル「Over The Storm」でオリコンウィークリーランキング2位、2019年11月にリリースした結成5周年アニバーサリーシングル「ERA」はトータルセールス10万枚を超え、ゴールドディスク作品として認定されました。2020年2月から、佐野勇斗さん、塩﨑太智さん、曽野舜太さん、山中柔太朗さん、吉田仁人さんの5人編成となったM!LKが、3月11日に3rdアルバム『Juvenilizm(ジュブナイリズム)-青春主義-』をリリースされるということで、メンバー全員にお話をうかがいました。ーーまずはおひとりずつ、自己紹介からお願いします。佐野佐野勇斗、22歳です。特技は書道です。塩﨑塩﨑太智、19歳です。趣味はゲームです。曽野曽野舜太、17歳です。もうすぐ高校3年生になります。人に笑ってもらえたり、笑顔を見ることが好きです。山中山中柔太朗、18歳です。最近、ドライヤーの髪の乾かし方にハマっています(笑)。どうやったら効率良く乾かせるか、研究しています。吉田リーダーの吉田仁人、20歳です。特技はダンスと合気道です。蕎麦、アメフト観戦、盆栽が好きなんですが、最近はゴルフも好きです。5人になっていまはすごくいい現状のM!LKーーM!LKさんは2020年1月まで7人編成でしたが、おふたりが卒業されました。2月からは現在の5人編成となりましたが、心境の変化はありますか。佐野5人になってより一層、団結力を深めたいと思いますし、「後がない」という気持ちでがんばらなきゃなとは思っていますね。曽野“背水の陣”という感じですね!(静まり返るメンバー)佐野……よかった、言わなくて(笑)。山中その言葉、このために残しておいたの(笑)?佐野そう、(曽野)舜太が言うだろうと思って残しておいた(笑)。曽野ありがとう(笑)。もう僕らは、前しか向いていないんです。もし次に誰かが卒業するとなったら、解散するぐらいの気持ちでいるから。それぐらい5人で上を目指す気持ちがかたまっていますし、スタッフさんも含めての強い絆があるんです。吉田字面で“背水の陣”と見ると、危機感があるように見えるかもしれませんが、僕らはいつも笑っているというか。どんな状況になっても「いけるっしょ!」という気持ちで前を向ける5人なので、いまはすごくいい現状だと思いますね。ーー5人編成となって初のニューアルバム『Juvenilizm -青春主義-』を3月11日にリリースされましたね。吉田今回は“シネマティックアルバム”というコンセプトアルバムになっていて、1曲目から順番に聴いていくと、ストーリーが進んでいくように工夫されています。5人になって初めてのアルバムということで、「5人だとどういうものを最初に出すんだろうな?」と思っているM!LKを知っている方も、そして知らない方でも、聴きごたえのあるものになりました。「これが5人のM!LKですよ」と堂々と言える力作になっています。最新作では5人それぞれが主演のショートフィルムもーー“シネマティックアルバム”ということで、メンバーのみなさんがおひとり1曲ずつ、収録楽曲の5曲をそれぞれモチーフにしたショートフィルムも制作され、主演を務めています。佐野さんは、アルバムの14曲目に収録された「君がくれた宝物ならココにある」のショートフィルムでは、新人美容師を演じていましたね。佐野この役がけっこう難しかったんです。“佐野勇斗だけど佐野勇斗”じゃないから。普通は役で別の人物の人生を演じていますが、今回は佐野勇斗役。だけど、パラレルワールドといいますか、違う時間軸を生きている佐野勇斗なんです。この5人の関係も、メンバーではなく、幼なじみという設定になっていて。ショートフィルムの中で、僕は幼なじみのみんなにハサミをもらって、「一流の美容師になりたい」と希望を持つのですが、実際には大変な状況なんです。目指す場所にたどりつけていない自分にモヤモヤするという心情を今回演じてみて、世の中のみなさんのなかにももしかして壁に当たってしまった方がいるとしたら、悩む気持ちに共感することができました。そのあたりは繊細に演じています。ーー吉田さんは、収録曲の5曲目「晴れのち曇り時々虹」に連動したショートフィルムで主演を務めていますね。吉田この曲は、(山中)柔太朗くんとふたりで歌うユニット曲なんです。ストーリーで僕は就活生の役。実際に、就活生のみなさんが経験したことのあるかもしれない、就活があまりうまくいかないという設定です。現実的で、考えさせられる部分が多くて、いろいろな作品を読んで勉強しました。ストーリーでは、うまくいったら「みんなでビールを飲む」という夢があって、支えてくれる仲間がいるから、就活もがんばれるんだと思いました。そういう点では、支えてくれるメンバーがいる実際の自分自身と重なっている部分もあると感じましたね。自分だけど自分じゃないという役なので、「もしかすると自分はこういう人生を送ることもあったのかもしれない」と思うと、別の人生を送る“吉田仁人”を演じるのは難しかったけれど楽しかったです。ーー山中さんは、11曲目の「last moment」ですね。山中はい。「last moment」のストーリーのなかで、僕はフリーターで仕事もせず、ヒモというんですかね。年上の彼女の家にずっと住み込んでいるという男性の役で、面白いなと。でも監督さんと役について話し合うと難しい役だと思いましたが、演じていると、だんだんとこの役の気持ちがわかってきました(笑)。僕とはさすがに正反対だと思いたいんですが(笑)。世の中にいるこういうタイプの男性は、その人にはその人なりの魅力があるんじゃないかなと。年上の彼女が思わず世話したくなるような魅力があると気づいて、演じていて楽しかったです。ーー曽野さんは、6曲目の「DEAR LIFE」をご担当です。曽野はい。このストーリーをひとことで言うと、「運命のマドンナに再会……だが!?」というところです(笑)!メンバー爆笑曽野学生時代に好きだったマドンナに、デリバリーサービスの配達員をしていたら偶然再会するんですが、だが! しかし! という展開(笑)。そこにはマドンナが付き合っているダメ男もいて、しょんぼりしていたら、(塩﨑)太智くんたちと偶然出会って、運命の歯車が動き出していくというストーリーになっています。実生活では、運命のマドンナに再会という経験がなく、まるで夢の世界のストーリーなので、演じていて楽しかったですね。あと偶然この撮影現場で、小学校のときに一緒にサッカーをやっていた友達に出会ったんです。しかも僕、東京ではなく、三重県の出身なんですよ。三重県出身の男同士が、東京のスカイツリーの下で偶然出会うという経験をして、そのことに運命を感じました(笑)。ーー塩﨑さんは、9曲目「Don’t think Jump!」ですね。塩﨑僕は、友達の前で強がってしまう俳優志望という役柄でした。演じてみて、(曽野)舜ちゃんと一緒の場面も多くて、みんなが学生という設定での場面を撮ったときは、ナチュラルに普段の僕らの感覚で演技ができました。でも、大人になったときの場面を撮るときもついはしゃいでしまって、そこがちょっと難しかったところではありましたね。完成したアルバムを聴いてやっと安心ーーアルバムのレコーディングは順調でしたか。山中まあ順調でしたね。曽野いつもメンバーは別々にレコーディングするんです。吉田(佐野さんを見ながら)確か、レコーディングは主演舞台『里見八犬伝』(2019年10月~12月開催)のときだったよね?佐野そうだったね。舞台とレコーディングの日程が重なっているときがあったんですが、舞台で声を張っているから喉を壊してしまっていて。歌えなくて、初めてレコーディングの日程をずらしてもらいましたね。僕が歌う曲数は多いので、喉の調子を見ながら、メンバーのなかでは最後に歌録りをしました。吉田それぞれがレコーディングをしていて、まとめあげて完成された音源を聴いたときに、「おっ!」って思いましたね。「やっと出来上がったな」という実感がわきました。山中7人体制のときに、「5人になる」と決まってからのアルバム制作期間でした。曽野長期的な計画だったんです。吉田なんだその、ロケットを飛ばすような「長期的な計画」って(笑)。それはつまり、ちょうど今回のアルバムは、M!LKが7人から5人体制に移行するタイミングで、じっくりと時間をかけたという意味での長期的な計画です。だから、完成したアルバムを聴いて、やっと安心できましたね。個性豊かな5人のエピソードーーここで趣向を変えて、メンバーそれぞれの普段の行動を見て思う「さわやか」エピソードを本人以外のメンバーの方から、おひとりずつ教えてください。曽野今日カフェに行ったんですが、スコーンを(佐野)勇斗くんが買ってくれて、お礼を言おうとしたら「you’re welcome」って言われました(笑)。吉田ダサい(笑)!メンバー爆笑曽野さらっと「you’re welcome」なんて言葉が出てくるところが、さわやかだなと思いました!佐野文字にされると恥ずかしい(笑)。曽野なんていうか、「どういたしまして」をあえて英語で言うさわやかさが、ニュアンスだけでも伝わればいいなと思います(笑)!吉田あとのメンバーはさわやかさはない気がするんですが……(笑)。佐野僕らには、さわやかさが足りていないのかな(笑)。吉田そういえば、さっき車中でアルバムの曲をみんなで大合唱してきたんです。勇斗もめいっぱい歌っていましたし、これは“さわやか”じゃないでしょうか。曽野(吉田)仁人くんは、スタジオに入るときに「先にどうぞ」って譲ってくれましたね。山中そう、そういうところだね、さわやか!曽野あと仁人くんは、メイクをするときも順番があったんですが、先に譲ってくれました。佐野それはゆっくりしたかったのかも(笑)。吉田話を聞いていて思いました、こうやって人のいいところを見つけられる舜太は、さわやかですね。佐野太智は、アルバムの2曲目「Winding Road」のミュージックビデオで一生懸命自転車をこいでいて、その姿はさわやかです!塩﨑ぜひ見てほしいですね(笑)。曽野太ちゃん、この前ハワイに行って帰ってきてから、「ハワイの男性は常にレディファースト」だと教えてくれました。それ以来、僕も太ちゃんを見習って、レディファーストをまねしています(笑)。吉田意外とあんまり見せないけど、柔太朗は笑顔がさわやかですよ。山中そういえば、以前撮影していたときに、作り笑顔じゃなくて、自然といい感じの笑顔ができたこともありましたね。ーーさわやかエピソード、ありがとうございます。ところでみなさん、好きな女性のタイプも教えていただけますか。塩﨑これは盛り上がっちゃうな(笑)。曽野時間が足りないかもしれない(笑)。佐野好きなのは、笑顔ですね。でも、なんでも笑ってほしいわけじゃないんですよ。流す感じの「ははっ」という笑い方ではなく、ちゃんと僕の話を聞いて、自然と笑顔を見せてくれる人はうれしいですね。あとは家族や同性を大事にする人ですね。女の子同士でいるときに、まわりの女の子にも気をつかえる、優しいタイプの女性は、本当にいい子だと思います。吉田僕は、自分のままでいられる人が一番です。嬉しいときは嬉しい、悲しいときは悲しいと、素直に表現できる人が一番心が強いと思っているので、そういうありのままでいられる人が魅力的だと思います。あとは、笑ってくれる人がいいですね。山中うん、ささいなことでも笑い合える人がいいですよね。僕は、おしゃれな人が好きです。僕と価値観が合うようなセンスの人がいいですね。佐野じゃあ、外見も内面もめちゃくちゃタイプだけど、ファッションがイマイチの女性だと、どうなるの?山中それは……コーディネートを考えたりしたいですね(笑)。でも基本的には、おしゃれな人、服の価値観が合う人だと、うれしいですね。曽野僕はですね、一緒に笑ってくれる人。相手が「ありがとう」って言ったときに、歯が見えるくらいのニコッとした笑顔がいいですね。塩﨑確かに、まず笑ってくれるのは、僕も大前提ですね。そしてたとえばお金を払ったときに、ちゃんと感謝をする人。「あ、払ってくれるのね〜」と流すんじゃなくて、毎回「ありがとう」を言える人、気遣いができる人、料理ができる人がいいです。外見でいうと、清楚な雰囲気が好きですね。これからもどんどんM!LKを広げていきたいーー最後に、今後のM!LKさんとしての目標を教えてください。佐野ヒット曲を出したいですね。楽曲からもM!LKのことを知ってもらいたいので、代表曲がほしいですし、冠番組も持ちたいですね。吉田メンバーで夢を語り合うことがよくあるんですが、僕としてはずっと、「この5人で一生M!LKをやっていたい」と思っています。それぐらい大事なメンバーだし、日本中の人がM!LKを聴いてほしいですし、僕たちのことを知ってもらいたい。目標は、M!LKでドームツアーをすること、紅白歌合戦の司会をすること。日本中の人にM!LKを知ってもらえたら、目標にしていることもできるようになるのではと思っています。大きな夢を掲げて、一歩ずつ地道に進んでいきながら、まずはこのアルバムをみなさんに聴いていただきたいですね。そして2020年、2021年と、どんどんM!LKを広げていきたいと思っています。取材後記佐野さん、塩﨑さん、曽野さん、山中さん、吉田さんらメンバーそれぞれが多岐にわたってご活躍されている、M!LK。取材の合間にも楽し気に過ごす姿を見せてくださって、5人の仲の良さやチームワークの良さを強く感じました。それぞれが織り成すカラーをまとい、これからも全国の女性のハートをキュンキュンさせてくれるはず。まずはニューアルバムをチェックしてみてくださいね。M!LK PROFILE2014年11月結成。佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人からなる5人組ボーカルダンスユニット。スターダストプロモーション所属。“今この瞬間の感情”を収めた楽曲や、エモーショナルで強いメッセージ性が話題を呼び、注目を集めている。グループ名には「何色にも染まることのできる存在に」という意味が込められており、メンバーは音楽活動に留まらず、ドラマ、映画、舞台、モデルと幅広く活躍している。2015年3月「コーヒーが飲めません」でCDデビュー。8枚目のシングル「Over The Storm」で自身最高のオリコンウィークリーランキング2位、2019年にリリースした結成5周年アニバーサリーシングル「ERA」はトータルセールス10万枚を超え、ゴールドディスク作品として認定された。2020年3月11日に3rdアルバム『Juvenilizm-青春主義-』をリリース。InformationNew Release『Juvenilizm-青春主義-』01. Theme of Juvenilizm-青春主義-02. Winding Road03. かすかに、君だった。04. Searchlight-僕らが僕らになる方法-05. 晴れのち曇り時々虹06. DEAR LIFE07. Ordinary-最高の退屈-08. We’re Here!!!09. Don’t think, Jump!10. Lost and found-am 0:00-11. last moment12. 嫌い13. ERA14. 君がくれた宝物ならココにある(通常盤)2020年3月11日発売ZXRC-2061(CD)¥2,750(税込)(Limited盤)ZXRC-2059(CD+Blu-ray)*Juvenilizm-青春主義-Special Short Film+40Pフォトブック+身蓋箱¥4,950(税込)(初回限定盤)ZXRC-2060(CD)*40Pフォトブック+三方背仕様¥4,070(税込)※封入特典:Limited盤、初回限定盤、通常盤(初回生産分)共通全18種類(メンバーソロ各3絵柄メンバー全員3絵柄)のトレカから1枚ランダム封入
2020年03月27日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第34回は、婚活中に見聞きした、「2番目」を謳歌している女性のエピソードを3選お届けします。1.「1番は疲れる」という女性【結婚引き寄せ隊】vol. 34ある飲み会で知り合ったのは、お酒に強く飲むことが大好きな、派遣社員として働くAさん。仕事に対する熱意はあまりないらしいのですが、「おいしいお酒を飲むためにがんばってるの」という、ほぼ毎日飲みに行くというAさんの飲みっぷりは、見ていても気持ちのいいものでした。女性が何人か集まると、自然と恋話になるもので、それぞれ自分の状況を話していくなかで、Aさんは「もう長いんだよね」という自分にとって落ち着く彼氏がいるのだとか。付き合い始めのようなフレッシュさはないものの、すっかり夫婦のようになっていると言うので、毎日飲みに行くのには彼氏も一緒なのか聞いてみると首を横に振るAさん。とても寛大な彼氏だなと思い、「じゃあ飲みに行っても彼氏は怒らない?」とたずねると、「ああ、彼は本命がいるからねー」とあっけらかんと答えるAさん。そうです、実はAさんは何年も“セカンド女子”の立場なのだそう。それがいやにならないのかAさんにたずねてみると、「ちょうどいいんだよ。1番は疲れるから」とニコッと笑って、日本酒をグビッと飲み干しました。サバサバしているというか、達観しているというか、強がりではなく、Aさんの持つ独自の恋愛観にマッチしている付き合い方が“セカンド女子”という立場なのだったら、他人がとやかく言うこともないかなと思った夜でした。2. お金をかけてもらえる女性女友達が開く女子会に参加したときのこと。みんなある程度名の知れた企業で働く優秀そうな女性がそろっていました。そのなかでも、いかにも丁寧にケアをしているような絶妙なカラーリングのロングヘアを風になびかせて、体にフィットしたワンピースをまとい、美しさをかもしだしているBさんが目立っていました。その女子会では、私を含めてほぼ彼氏のいないシングルガールが多かったのですが、Bさんは「いるっていうか、まあちょっとネ」と、彼氏の話になるとなぜか含みをもたせた言い方。その返答が気になったので、さらに突っ込んで聞いてみると、Bさんの彼氏は“めちゃくちゃモテるエリートサラリーマン”なのだとか。こちらが突っ込んで聞くのを待っていたかのように、その後は「この間は海外出張で〇〇っていうブランドのお土産を買ってきた」という話や高級そうなお店で食事している話など、Bさんから彼氏の話が止まりません。ただ、最後にひとこと、「でも、2番目だけどね」と言って、彼氏の話が終了しました。沈黙が続いた後、まったく別の会話に流れて女子会は終わりました。その後女性たちは、美人のBさんをセカンドにしながらも本命にしない彼氏、そしてゴージャスな思いをさせてくれるけれどセカンドで甘んじているBさんの話で持ちきりに。「貢いでもらえたらセカンドでも満足できるだろうか」「貧乏でも愛情だけあればOKなのか」という議論が巻き起こり、結局のところ、「特別優雅なデートじゃなくても、そこそこのフツーの男の本命彼女として楽しく恋愛したいよね」という結論に達したのでした。3. 本命を目指すのが楽しい女性Cさんは、都内の企業に勤めるOLさんで、仕事終わりにいくつもの習い事に通っている意識の高い女性です。「月曜日は英会話、火曜日はフラメンコ、水曜日は休みで木曜日は……」といった具合に、ほぼ毎日どこかへレッスンに出かける日常を送っていました。「とにかく上を目指すのが好き」と語るCさんは、仕事でも習い事でも、なんでも貪欲に向き合う向上心の強いタイプ。そしてそれは、恋愛においても同じだったのです。だいたい「好きになる男には必ず彼女がいて」と残念そうに話しますが、なんとなく心底そう思っているようには見えません。「まあ私が魅力を感じるぐらいだから、ほかの女性も魅力的に思うのは当然よね」と言って、ほぼ彼女のいる男性に片思いしてしまうのだとか。しかも、「本命になろうとがんばることが意外と好きなのかもしれない」と本人もうっすら自覚はあるものの、山が高いほど燃えるという、向上心のあるCさんらしさがそこにも表れている気がしました。恋は“するもの”じゃなくて、“落ちてしまうもの”。いつ、どこで、誰のことを好きになるかなんてわかりませんよね。とはいえ、自分にとって一番ベストだと思える恋愛がしたいものです。婚活していると、男女ともに、いろいろなタイプの人たちに出会うこともあります。みなさんもすてきな恋愛を謳歌してくださいね。©JGI/Jamie Grill/Gettyimages©Flashpop/Gettyimages©Philipp Nemenz/Gettyimages
2020年03月21日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第13回は、両親や夫、ママ友につい依存するママ友エピソード3つをご紹介します。1. 実家が近くて頼りすぎる【ママライフばんざい!】vol. 13夫婦ふたりで生活するぶんには、大人のペースでいられるものですが、子どもが生まれると途端にそのペースは変わってくるものです。ひとりっ子のAさんは、実家のそばに、両親からの援助で家を建てました。家族仲がいいことは素晴らしいことではあるのですが、Aさんの場合、歩いてすぐのところに実家があり、とにかくなんでも両親に頼りすぎてしまう傾向があるよう。もともと独身時代も実家から出たことがないAさんは、結婚後も実家のそばで暮らすことをOKしてくれる心優しい男性を夫にしていました。Aさんは出産のときから、歩いて数分の実家に、里帰り。夫は毎日Aさんの実家に通うスタイルを続けていたようです。そのままの関係性が続いているため、何か困ったことがあったら、夫に相談する前に、まず実家の両親に相談するのだとか。Aさんの両親も、そもそも「娘の家もお金を出したから口も出させてもらう」という考えがあって、けっこう家庭の問題には入ってくることがあるようです。ここまでくると、さすがに夫の立場も弱く、一度家出騒動に発展するほどの大げんかをしたことがあったとのこと。ただ、その後慣れたのか、夫もしぶしぶそのライフスタイルに慣れ、いまではケンカすることもなくなったのだとか。どんな結婚生活が待っているのか、わからないものですね。2. 夫の色に染まりすぎる大手企業で働く夫を持つBさんは、とにかく夫のことが大好きで、ママ友同士で集まっても「うちの夫が〜」とよく口にしていました。ママ友の手前、家庭のことを話すときは、本当はそうでもなくてもだいたいが“ちょっと悪く言う”ぐらいのママが多いものですが、Bさんは違います。口を開くと、「夫が〇〇ってホメてくれて」「夫がいないと生きていけないから」と話し、子どものことよりも夫の話題を好んで話すBさん。確かに、バリバリと働いて経済力があるBさんの夫は頼り甲斐のある存在だとは思いますが、Bさんの場合はすべての基準が自分ではなく、夫にあるという感じ。恋人時代はBさんも自分の考えを主張したこともあったようですが、それで破局しかけたことから、以降は夫に頼ることにしたのだとか。どこかへ出かけるときのファッションも、夫が見立ててあげたり、買ってきてくれたりするものを喜んで着るBさん。そこに抵抗感はなく、夫の色に染まることが何よりもBさん自身がうれしいことなのだそうです。いつまでも夫婦仲が良いならいいのですが、たまには自分自身の感覚も大事にしてみてはと、大きなお世話を思うのでした。3. 親友やママ友に依存しすぎるおしゃれに敏感でかわいらしい感じのCさんは、年を重ねてママになっても、どこか頼りなげな雰囲気をかもしだしています。だいたいCさんと一緒に行動することが多いのは、彼女のことをついかまってしまうというお姉さん的なポジションの女性。ほぼそんな女友達に囲まれているからか、Cさんはいつも団体行動を好んでいて、「学生時代からひとりで行動したことはあんまりない」と言います。育児で困ったことがあったら、すぐにお姉さん的ポジションのママ友に「おねがぁい、助けてほしいの〜」と、連絡するのだとか。そんな依存しがちなCさんを敬遠する人もなかにはいるものの、そういうタイプをうまく嗅ぎ分けて、いつもつるんでくれるママ友を見つけるのが得意なCさん。その様子を見ている夫は「ひとりでなんとかできるようになれよ」と、Cさんに怒ったこともあったそうですが、最終的には甘え上手なCさんを許してしまうのだとか。子どもという、守るべきものがいるママになったら、少しは独立心もあったほうがよいのでは……と感じてしまうところもありますが、世の中には、いろいろな夫婦のかたち、家族のかたちがあるのでなんとも言えない点もありますよね。どのコミュニティにいても、自分に合うタイプのママ友と、楽しいママライフが送れることが一番。いつかママになる人も、いままさに育児中の人も、すてきなママライフを送ってくださいね。©Sam Edwards/Gettyimages©Foremniakowski/Gettyimages©Westend61/Gettyimages
2020年03月16日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第33回は、婚活中に見聞きした“恋人に振り回されがち”な女性たちのエピソードを3選お届けします。1. 「彼氏が他の女性と秘密を持つ」のはNGの女性【結婚引き寄せ隊】vol. 33恋人同士になると、なんでも話して、“隠し事をしない”という信頼関係がしっかりと築かれている場合もありますが、結局のところはどこまで自分が相手を信じられるかがポイントなのかもしれません。30代前半のAさんは、ずっと好きだった男性とやっとお付き合いすることができて、毎日ハッピーだったそうです。ただ、あまりにもAさんの気持ちが大きいからか、ちょっとしたことでも彼氏のことで「自分が知らないことがあるのは耐えられない」のだとか。もちろん他の女性と懇意になってしまうのは誰だって許せないところもありますが、たとえば「同僚に今日ペンを借りた」とか、「帰り道がたまたま一緒になった知り合いの女性と途中まで歩いた」といった意図しなかった出来事も、Aさんにとっては「浮気」なのだそう。しかもそれは、彼氏のお母さんとの秘密もNGだそうで、「え! おかんもアカンの!?」と思ったのは私だけではないでしょう。大好きな彼氏と付き合ったからちょっとしたことも気になる今回がレアケースなのか、いつもそうなのか不明ですが、逐一その日の出来事を彼氏に報告させている状態は、彼氏の性格によっては重荷になってしまいがち。Aさんの一途さが、ふたりの関係をしばっているところはありますが、末長くお幸せにと祈らずにはいられません。2. 「他の女性とふたりきりでランチ」はNGの女性「他の女性とふたりでランチなんて、問題外でしょ」と話すのは、30代半ばのBさん。付き合って1年になる彼氏がいますが、彼氏が自由人ぽいところがあって、放っておくと深く考えずに、ホイホイ他の女性とも遊びに行ってしまうのだとか。その事実を後から知って、激怒するBさんに平謝りする彼氏は、その都度猛省して、ひたすら尽くしてくれるそうです。ただそんなことがあったあとでも、しばらくすると激怒されたことをケロッと忘れ、うっかり女性の誘いに乗ってしまいがちな彼氏なので、関係が進展しないようにランチでも「絶対にNG」とのこと。まぁ確かに、彼氏が他の女性とふたりきりでランチに行くなんて、私も嫌悪感があります。自分も呼ばれて、おたがいに恋人も一緒に4人でランチなどなら、まだ健全かなと思うので、Bさんの考えに賛成。フラつきがちな彼氏を持つBさんが、今後もうまく手綱を握って、恋を成就させるよう祈っています。3. 「夜に他の女性と会うのは絶対NG」の女性たとえヤキモチ焼きの女性でないとしても、彼氏が他の女性と密会していたら、誰だって嫌な気持ちになりますよね。それが夜だったら、なおさらのこと、飲みに行かれたり、泊まりに行かれたりしたら最悪なパターンだといえます。だからこそ、「夜に女性と会うのは絶対NG」と話すのは、30代前半のCさん。たとえ口には出さなくても、恋人がいるのに、夜に他の女性と出かけるなんて普通は考えられません。ただ、Cさんはこれまで、なぜか女グセの悪い男性と付き合うことが多く、明らかに他の女性の影を感じるような彼氏が多かったのだとか。ある時期からは、事前に「夜遊び禁止」「他の女性との接触禁止」「とくに夜に他の女性と会うのは禁止」といったことを相手に話して、それがOKの人としか付き合わないようにしているそうです。本当はそんなこと、言わなくてもしない男性がいいのですが、それでもその条件に快諾してくれる男性なら安心ですよね。そもそもどこからが浮気で、どこからがセーフなのか、人によっての解釈も違うところがありますが、お付き合いするからには安心できる関係が一番。恋活や婚活をしていると、男女ともに、いろいろなタイプの人たちに出会うこともあります。くれぐれも、みなさん素晴らしい恋をしてくださいね。©Wavebreakmedia/Gettyimages©domoyega/Gettyimages©Juanmonino/Gettyimages
2020年03月15日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第32回目に登場するのは、“上地雄輔”として俳優やタレント活動も行うなかで、今年歌手活動12年目を迎える、遊助さん!写真・黒川ひろみ応援してくださる方が作ってくれた“遊助”【音楽通信】vol. 32俳優の上地雄輔さんが、2009年からソロ名義の「遊助」として行なっている歌手活動は、今年の3月で12年目を迎えます。時に役者としてシリアスな姿を披露し、時にバラエティ番組でチャーミングな表情を見せ、時に多くの人たちを勇気づける歌を歌う、遊助さん。そんな多彩な活動を展開している遊助さんが、2020年3月11日に9枚目のアルバム『遊言実行』をリリースします。今回は、アルバムでコラボレーションをした大人気YouTuberのフィッシャーズから、んだほさんも途中登場。遊助さんらにお話をうかがいました。ーーあらためて、「遊助」名義で歌を始めたきっかけから、教えてください。以前、『クイズ! ヘキサゴンII』という番組に出演していたときに、僕がいた羞恥心というユニットでのライブがあったんです。そのとき、ライブでひとり1曲ずつ歌うコーナーがあって、それぞれ歌を用意することになり、僕は事前に「ひまわり」という曲を作りました。当初「ひまわり」はライブ用に作った曲だったので、CDにしたいとはまったく考えていなかったんです。でも、SNSで話題になったり、番組への問い合わせもたくさんあって「CD化してほしい」という反響もあり、2009年3月にシングル「ひまわり」としてリリースして、遊助名義での歌手活動がスタートしました。ーー2009年以降から現在まで、コンスタントにCDリリースとライブ活動をされています。ご自身では、音楽活動についてどのようにお考えでしょうか。気づいたら、1年間のほとんどを音楽活動が占めているほど、大事なものになっています。昔は番組企画やユニットという傘の中に入っていましたが、いまは傘に入っていなくて、一本立ちしました。ひとりになると、制作時間や打ち合わせ、人選びやリハーサルなど、やらなくてはいけないことがいろいろとあるので、責任感がより増しましたね。2020年3月11日で、遊助の活動が12年目に入るんです。できるだけ続けようとは思っていましたが、ソロ活動を始めた当時はこんなに続くとは思っていませんでした。もともと歌を歌おうと思っていたわけではなかったですし、歌手になりたいとも思っていなかったから。でも、それはいまが楽しくないというわけではなく、歌手活動はもらった命といいますか、応援してくださる方が作ってくれた“遊助”だと思っています。与えられた場所がけっこう光り輝いているので、そのぶん自分でやらなきゃいけないこともたくさんありますし、背負わなきゃいけないものもたくさんあるからこそ、続けていって少しでもみなさんに恩返しがしたいんです。アルバムには第2ステージに行く気持ちを込めたーー3月11日に、9枚目となるアルバム『遊言実行』をリリースされますね。『遊言実行』は、遊助として10年が過ぎて、第2ステージへ行く気持ちを込めています。年齢も40歳になって、いろいろな人への恩返しはもちろん、聴いてくださるみなさんに向き合う気持ちで、さらに僕がみなさんの背中を押すことで、やりたいことを行動に移してほしい、勇気を出してほしい、そういうエールを込めて音楽を作り続けようとこのタイトルにしました。ーーアルバムでは、“遊turing”と題したコラボレーションをされています。今回、んだほさん(フィッシャーズ)、サイプレス上野さん(サイプレス上野とロベルト吉野)、MaRuRiさん(まるりとりゅうが)といった幅広い世代の3組が参加していますね。毎回、さまざまなジャンルの方とコラボレーションをやってきました。応援してくださる方は、同世代や年配の方はもちろん、10代や20代の方も多いので、そういった年齢の人たちなどともおたがいに高め合えるようなコラボをしています。歌手活動を10年もやっていると、どうしても方程式というか、「こうすればいいだろう」というものができてしまうんです。40歳になったこともそうですが、20年も芸能界にいると、「なんとなくこうやっとけばいい」という自分の言い訳がうまくなってしまうところもありますが、それはつまらないし、飽きちゃうんです(笑)。だから、いろいろな分野で活躍している人たち、さまざまな世代の人たちと組んで、刺激をもらわないといけない。やっぱりアーティストって、アウトプットしていくことが多いので、違う環境で育った人たちの感性が知りたいですし、話を聞いていかないと、視野が狭くなってしまうんです。僕のように、若くもない、ベテランでもないというポジションは、上の人たちからも下の人たちからもいろいろなものを学んでいかないと、いつかカラカラになってしまうので。視野を広く、いつも受け入れる余裕を持って、なんでも吸収できるスポンジのような状態でいることを大事にしています。コラボしたフィッシャーズ、んだほ登場写真左から遊助、フィッシャーズのメンバー、んだほ。ーーここで、今回コラボされたうちのおひとり、YouTuberのフィッシャーズのメンバー、んだほさんが取材に駆けつけてくださいました。んだほさんは、もともと遊助さんとお知り合いだったのですか。んだほもともと遊助さんのファンで、勝手ながら、応援させていただいていたんです。YouTuberとしての活動をやるなかで、遊助さんにたまたま僕のことを知っていただく機会があって、遊助さんのライブで楽屋にお邪魔させていただいたときに、そこから話がふくらんで今回のアルバム参加にまでつながりました。今回「よかったら一緒にやろうよ」と遊助さんから言っていただいて、僕からすると「いいんですか!?」という歓喜でしかないんですが、そうしてコラボが始まったんです。遊助さん、ですよね?遊助そうです! いつもひとりで取材を受けているから、ふたりだと自分が話さなくていいときがあるって、なんかうれしいなと思って話を聞いていました(笑)。ーー確かにソロインタビューとは違う感じですよね(笑)。遊助さんは、んだほさんがご自身のことをお好きだと、ご存知だったのですか。遊助最初はスタッフさんから、んだほのことを聞きました。YouTubeで活躍している人とはわかっていましたが、僕はSNSに疎かったので、んだほが応援してくれているという話を聞いてから、しっかりと動画を見させていただいたんです。んだほはがんばっている子で、僕も感化されましたし、刺激になって、インスタグラムからダイレクトメッセージを送らせていただいて。すると、んだほが、当時の彼女でいまの奥さんに「プロポーズしたんです」と、「今年もライブに行きます」と言うので、だったらお祝いが言いたいから、ライブでは楽屋に来てよと伝えたんです。んだほちょうどプロポーズしたその日に、遊助さんからメッセージをいただいたんですよ。そもそも遊助さんが、前はやっていなかったツイッターやインスタグラムを始めて近況をファンに聞かせてくれるようになったことも、すごくうれしかったんです。遊助マジ?んだほめっちゃマジです! 結果として、インスタがあったから、連絡もつながったので、さらにうれしい!ーーんだほさんは遊助さんの大ファンだそうですが、どのぐらい昔からお好きなのですか。んだほ普段アップしているYouTubeでも、遊助さんのグッズを持って紹介していたり、遊助さんのグッズのハーフパンツを履いて出たり。ツイッターに、遊助さんのライブに行った話もあげていて、それをファンのみなさんがご本人に伝えてくれたというか、つなげてくれたのかなと。僕からしたら、この展開は本当に不思議なことですね。遊助んだほの気持ちは、めちゃくちゃうれしかったです。ライブで楽屋に来てくれたときも、泣きそうな顔で来てくれて、本当にすてきな人だと思いました。そうやって僕を応援してくださる仲間、クルーのことは自分自身でも誇りに思っているので、恩返しできたらいいなと思ったんです。んだほうれしいですねえ(笑)。ーー実際にお会いできるようになって、遊助さんの印象はいかがですか。んだほ遊助さんは本当に、光っています(笑)!遊助光ってる(笑)?んだほ出会って半年経ちましたが、ずっと遊助さんは光っています! 遊助さんにお会いする日が来るまで、カレンダーを見ながら、日が近づくたびにドキドキしてしまいますし、前日の夜はさらにドキドキ。遊助実は、取材でこうして一緒に話すのは、初めてなんですよ。んだほだから今日も緊張しています。声がいつもより小さいです(笑)。コラボ曲は、遊助から、んだほへのお祝いソングーーではここであらためて、んだほさんが所属されている「フィッシャーズ」はどんなグループなのか、普段のご活動を教えてください。んだほ中学校の同級生で組んだチームで、変わらずみんなで遊んでいるところをたまたま動画に撮っていて、みんなで観れるようにYouTubeにあげていて、その延長が10年ぐらい続いています。毎回テーマは決めず、歌や運動など、いろいろなことに挑戦しながら“みんなで遊んでいる”という動画をあげているのが、フィッシャーズです。たまに休みますが、基本は1日、1本か2本は動画をあげていますね。遊助こうやって活躍しているYouTuberの人と一緒になるのは、普段ほとんどないんですよね。たまに音楽番組などで一緒になるときに、ご挨拶に来てくださったりということはあったとしても、話す機会がなくて。僕はすごくアナログ人間ですが、YouTubeなどのSNSで活躍している子たちが、どういう感性を持っていて、どういうふうに活動しているのかを知るのは刺激的です。それこそ、いまはさまざまなチャンネルが増えて、いろいろな媒体が増えるなかで、YouTubeで活躍するんだほの真っ直ぐさ、努力家だからこそのエネルギーで続けている姿勢が勉強になりましたね。んだほこの取材の音声をください(笑)!めっちゃうれしいです(照)!ーー今回、遊助さんとんだほさんは、アルバムの3曲目に収録された「HERO宴 遊turingんだほ」でコラボされました。遊助さんが、んだほさんへのお祝いの気持ちを込めて書き下ろしたメッセージソングになっているんですよね。遊助そう、奇跡が重なったから。んだほが楽屋に来たとき、んだほの彼女も一緒だったんですが、「遊助さんのライブでこの子と会ったんです」という話を聞いて、ビックリしました。人との出会いは一期一会ですし、そのときの高ぶった気持ちやうれしさ、お祝いの気持ちを「曲にして作らなきゃ」と思ったんです。そして、「こんなのないから一緒にやっちゃおうぜ」って。んだほその後、ご連絡先を交換させていただいて、「こういうテーマにしたいんだけどいいかな」と曲の相談をしてくださって、「HERO宴 遊turingんだほ」という、おめでとう! な感じの曲になりました。ーー実際に完成した曲を聴いていかがでしたか。んだほ毎日聴いてますが、「やった、できた!」という気持ちと、不思議だなという気持ちと、いろいろな気持ちがこの曲を聴くたびにあふれ出てきます。遊助さんのようにマルチに活動したいので、遊助さんを目標にして、3、4年前から僕も歌の活動をしているんですよ。遊助目標にする山が低い(笑)。でも、ありがたいですね。ーー今回、おふたりで歌っていますが、レコーディングはいかがでしたか。んだほ遊助さんはめっちゃ録るのはやいんですよ。僕が慣れてないのもあるんですけど。遊助それは「遊turering」でコラボした人みんなに言われる。「めちゃくちゃはやいね」って(笑)。んだほ遊助さんは役者もされているので、曲の世界観のイメージが固まっているといいますか、レコーディングでは集中力がすごいんです。「うわあっ!!」と感動して見ていました(笑)。遊助レコーディングはすごく楽しかったし、親戚や弟が急に現場に入ってきた感じもありましたね。んだほも緊張感を持って歌ってくれましたし、いっぱい練習してきてくれたんだろうなというものを感じました。歌には人柄が出てしまうものですが、んだほの場合、仲間や家族に愛情をたくさんもらってきているんだろうなということを感じて。親心じゃないですが、大きくなったねって、すくすく育ってよかったなって思いましたね(笑)。ライブは見えないところも含めての連携プレーーーんだほさん、貴重なお話をありがとうございました。ここでソロインタビューに戻りますが、「レコーディングがとてもはやい」というお話がありましたね。ほかの人たちがどうやって作っているのか、覗いたことがないからわからないのですが、けっこう言われますね(笑)。一気に歌詞の世界に入り込んで歌いますし、芝居もそうですが、何回も同じことをやりたくないんです。芝居だと、ドライやテストというものをやって、同じ芝居を何度も確認するんですが、僕は本番用にとっておくんです。相当、めんどくさいと思いますよ、共演者にとっては(笑)。でも、最初に「上地雄輔は本番でこういうことやるやつ」という取り扱い説明書を渡しておくというか、伝えておけばいい。さすがにまったく違うことを本番でやらないですが、“これをパッとやって、あれもパッとやって、はい次!”というリズムが体に入っています。バラエティもやらせていただくので、瞬間的に物事をとらえるといいますか、切り替えがはやいんです。ーーリリース後は、4月18日に横浜の山下埠頭でライブもありますし、7月4日からは全国ツアーが行われます。4月18日は誕生日なんですが、地元の横浜に帰って、山下埠頭で大きな野外ライブをやります。小さい子もおじいちゃんおばあちゃんも、久しぶりに来た人でも、一発で虜にさせられるような、いやなこと忘れてみんなで大騒ぎできるライブを考えています。さらに、今年のツアーはホールツアーをやらせていただきます。ちゃんと箱(ホール)があるので、そのなかでエンタテインメントとして、何十回観ても楽しいものにしようと。もしもライブがどういうものかわからない人でも、僕の曲を知らない人でも、盛り上がることができるショーにしたいと思っています。ライブは、連携プレーですよね。お客さんは、たとえば一緒に連れて来た彼氏が笑っていなかったら彼女も笑いにくいし、前に座っているおじさんが肩を揺らしていないと笑いにくいし。ステージだけがライブではないから、僕ひとりだけではなく、見えないところでスタッフさんががんばってくれていたり、警備員の人も、もぎりの人も、そういう見えないところも含めて連携プレーで、ひとつのライブだと思っているんです。そこを意識しておかないと、誰かひとりでも疲れたり楽しくなかったりすると、どんどん負の連鎖になりがち。リハーサルに入る前から、そこの意識は高めて、チームとして作り上げています。そんな“チーム遊助”として、どういうものを作り上げていくのか、スタッフやパフォーマーもどういう意識でいるかが大事なので、ツアーはそこから気合を入れていこうと思います。いつもインプットするために仲間と過ごすーーお休みのときは、どのように過ごしていますか。結局、休みの日も仕事しちゃうんですよね。「いまのうちに曲作んなきゃ」「いまのうちに台本読んどこう」って。趣味がないんですよ。ゴルフはたまにやるんですが、それは一緒に行くやつが楽しいから行くだけです。野球もやっていましたが、草野球チームを作っているわけじゃないし、波乗りもしますが地元の知り合いがいるから行くだけで。打ちっぱなしにひとりで行くわけでもないし、バッティングセンターでストレス解消することもないし、カラオケでひとりで歌うのもないんです。一緒にいるやつが楽しいから、どこかに行くだけです。友達と飲みに行くこともありますが、ひとりでは行かないので、そういう意味では、仲間に恵まれていますね。常に仕事を意識してしまうから、いつもインプットしないといけないと考えています。道で「この前、犬のうんち踏んじゃってさあ」ってバラエティで言おうとか、「この前振られたんだ」という話を聞いたら、「この役に活かせるな」と思ったり、ずっと何かの日常を描かなきゃいけないから。それを自分から出し続けてばかりだと、からっぽになってしまう。だから、どこの場所に行くにしても、誰かが行くなら行く。そこに行ったら、面白い話はありそうかなって、結局、仕事になってしまうんです。何もしないでいると、「ヤバい、家にいちゃダメだ! 外ならまだ面白いことがあるかも」って、その生活が当たり前になっています。自分のために生きている人がいいーー話は変わりますが、好きな女性のタイプを教えてください。自分のために生きている人がいいですね。冷たい言い方かもしれませんが、他人に「こうであってほしい」という期待をしていない人。それは女性に限らず、友達でもそうかもしれません。たとえばSNSが普及してから情報がいっぱい入ってくるようになって、その情報を自分のものと思いがちですよね。知らないうちに他人に期待していて、自分が思ってもいないことが書かれたり、反応されたりすると、怒ったり悲しんだりしやすい。でも人間は、そのときどきの感情があるから、自分の思い通りの答えが返ってこないときもあるし、以前とはまた考えが変わってしまうこともあると思うんです。なんでも自分の思った通りに相手が反応しないこと、期待をしすぎて違う反応をしたときに、悲しむ人は多い気がします。昔はテレビに出ている人はあこがれの対象でしたが、いまは親近感のある人がよくなってきて、さらに自分を肯定できる人、わかってくれる人ばかりを好きになるという風潮もありますよね。そういったことに流されずに、友達でも恋人でも家族でも、尊重し合うことが大事だから、自分のなかでの「こうであってほしい」という期待を押しつけない人が好きなんです(笑)。40歳になったいまがいちばん楽しいーー今後は、どのような未来を思い描いていますか。10年後も、こんな話をしていたいなって思いますね。実は30歳のときも、同じことを言っていたんです。「やっと30歳になった、何も成し得ていないけど、ここまで来たぞー!」と。なんとか生き延びたと思っていたんですが、30代は大変でしたね(笑)。もう1度自分を見つめ直すという、30代だった気がしています。とはいえ、30代ももちろん楽しいこともありましたが、40歳になったいまが、いちばん楽しいです。だから、50歳になっても同じことを言っていたいと思いますし、そうなれるように、37歳、38歳、39歳をがんばったんですよ。これは30代に限らず、10代なら17、18、19歳。20代なら27歳、28歳、29歳。30歳なら37、38、39歳。40代なら47歳、48歳、49歳といった具合に、どの年代でも後半の“7、8、9歳”の3年間をがんばればいいと思っていて。次の年代にあがったときも「絶対楽しくなる!」って勝手に言っています(笑)。だいたいこの3年間は、まわりでも自分を見つめ直すやつが多いんです。子どもの7、8、9歳だと、急に小学校のルールにとまどうようになったり、17、18、19歳も「あれ? 思ったより夢がかなわないぞ」って気づいてきたり、27、28、29歳も「結婚しなきゃいけないのかな」とか。僕も失敗をいっぱいしてきたんですが、なんだかんだで駆け抜けてこれたので、40歳になったいまも楽しいんです。だから、未来に「50歳になっても楽しい」と言っているように、まだ先ですが47、48、49歳もがんばりたいと思います(笑)。取材後記アーティストとして、全力で音楽に向き合う遊助さんは、自然体ながらも、とても熱いパッションを感じさせてくれました。きっと50歳になっても、ポジティブなオーラとさわやかな笑顔を絶やさず振りまいてくれるでしょう。フィッシャーズのんだほさんも、遊助さんへの愛いっぱいのお話をありがとうございました。ソロデビュー12年目を迎える遊助さんのニューアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。遊助 PROFILE遊助(上地雄輔)。1979年4月18日、神奈川県生まれ。俳優、タレント活動の他、歌手として、ソロ名義では「遊助」として活動。2009年3月11日、シングル「ひまわり」でアーティスト「遊助」としてデビュー。以降、コンスタントに作品リリースとライブ活動を展開。2020年3月11日、9枚目のアルバム『遊言実行』をリリース。4月18日に、遊助250回記念LIVE「宴」を横浜の山下埠頭の特設会場で実施。7月4日から「遊助 2019年全国ツアー」を開催する。InformationNew Release『遊言実行』(収録曲)01.JACKPOT02.千羽鶴03.HERO宴遊turingんだほ04.俺達には明日があるんだ05.Pom Pom06.Why7.砂時計8.場外HOMER 遊turing サイプレス上野9.wind10.桜遊turing MaRuRi(まるりとりゅうが)11.俺と付き合ってください。12.3分30秒のタイムカプセル13.ありがと。2020年3月11日発売(通常盤)SRCL-11437¥3,500(税別)※CDのみ。(初回限定盤A)SRCL-11433~11434¥4,500(税別)※CD+DVD。CD収録曲は通常盤の12曲目まで同じ。(DVD内容)1.HERO宴遊turingんだほ -Music Video–2.-Documentary of 遊言実行-(初回限定盤B)SRCL-11435~11436¥4,500(税別)※CD+DVD。CD収録曲は通常盤の12曲目まで同じ。(DVD内容)1.遊飯Special in 北海道2.Making of 北海道
2020年03月06日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第32回は、婚活していて出会った“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その11をお届けします。1. 年齢を聞くとフェードアウトする男【結婚引き寄せ隊】vol. 32それは20代から40代の男女が参加する婚活パーティへ参加したときのこと。その会場では、立食パーティのようなかたちで、飲み物や食べ物を各自で取りに行くスタイルでした。基本的には、フリータイムをメインとしていて、気に入った相手のところに自由に行き来できます。誰もがちょっとよそいきの格好をして、和気あいあいとパーティは進んでいきました。そんななか、何人かの男女が楽しげに会話をしている輪があったので、のぞいてみました。会話の中心になって、場を盛り上げているのは、スラリとした背の高い男性。言葉の端々から、関西方面の出身なのだろうと感じました。私のほかにもうひとり女性がその輪に入ったので、「あらためて挨拶しよう」ということになり、ひとりずつ簡単に自己紹介をしていた流れで横の女性が、「お仕事は?」とその男性に聞きました。「IT関係の仕事です」と男性も即座に回答。さらに女性が「お住いは? ご趣味は?」などと矢継ぎ早に質問すると、その男性もまた即答。ただ、「おいくつですか?」と女性がたずねると、とたんに無言に。再度年齢を女性がたずねると、「年齢は非公開なんですよ」と、関西弁で笑いを交えながら答える男性。それを見ていると、たとえば女性に年齢をたずねるのは失礼だったり、自ら言いにくかったりするのはわかりますが、男性で年齢を秘密にする人は珍しいなと思いました。その後、男性が年齢を「非公開」と答えたことを忘れた頃、またその女性が「で、本当はおいくつなんですか?」とたずねました。すると、男性は苦笑いをしていたかと思ったら、知らないうちにうまくその場をフェードアウトしてしまいました。もしすごく年上でも、大人の魅力でモテることもあるのにと思いながらも、いろんな人がいるもんだと思ったのでした。2. パンをくれる男それは大手結婚相談所のお見合いの場でのこと。そこは自分の「希望条件」を伝え、出会いから成婚までをフルサポートしてくれるスタイルです。マリッジコンサルタントも丁寧で、かつ大手企業の男性がたくさん登録していて、安心感たっぷりでした。あるとき、「希望する条件にマッチする男性がいらっしゃいます」というコンサルタントからのおすすめで、大手企業に勤めるサラリーマンの方を紹介されました。日本全国に支店があるその結婚相談所の室内で、まずは“初顔合わせ”というお見合い日程が組まれて会うことになりました。当日、小ぎれいな格好をして出かけると、そこにいたのは写真通りの誠実そうな男性。コンサルタントが「あとはおふたりで」と言って部屋を出ると、その男性は「あらためましてです。よかったらこれ……」と言って、カバンから取り出したのは、菓子パン。しかもキッズが喜びそうなチョコペンでスマイルマークが描かれたパンでした。婚活中に、パンを目の前に差し出されたことが初めてだったのでとまどっていたら、「僕、パンが好きで、来る途中に思わず買ってしまいました! よかったら食べてください」と言われ、受け取りました。気遣いのできる誠実な男性という好印象ではあったのですが、食べ物作戦をされたのが初めてで、いろいろな人がいるもんだと思ったのでした。3. 夜に終電がないと連絡してくる男ある異業種交流会に参加したときのこと。そこで知り合ったインパルスの板倉俊之さんに似た30代の男性は、自称「銀行員」と言っていました。なぜ“自称”だと思ったのかというと、連絡先を交換してから、妙なタイミングで連絡を寄こすので、生活時間に疑問を持ったからです。知り合ってから一週間ぐらい経ったある日の晩、もう寝ようかと思っていたら、その男性から電話が。「友達と飲んでいたら終電を逃してしまった。家が近いかもしれないから、泊めてもらえませんか」というのです。なんの親睦も深めていない男性に、急に泊めてと言われてもと、「急には難しいです」とお断りしました。すると、1か月後の夜中にまた電話が。出ると「終電が〜」と以前と同じことを言っているので、またお断り。そんなことも忘れた頃に、また夜中に着信がありましたが、今度はスルーしていたら、その後はもうかかってこなくなりました。この男性を知る人に探りを入れたところ、違う女性には「自分はトレーダーだ」と話していたとかで、なかなかに怪しさ満点。きっとこの男性の「泊めて」電話で、なかには実際に泊めてしまう女性もいて、味をしめて知り合った女性にいつもこうしてるんだろうなと、いろいろな人がいるもんだと思ったのでした。婚活していると、思いがけずいろいろなタイプの人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけてくださいね。©Sophie Walster/Gettyimages©Todor Tsvetkov/Gettyimages©sanjeri/Gettyimages
2020年03月03日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第31回は「番外編」! 雑誌『anan』が誕生してから2020年で50周年を迎えるにあたり、「音楽通信」にご登場された森山直太朗さん、Chuning Candyさん、ゴスペラーズさん、曽我部恵一さん、家入レオさん、中島美嘉さん、中村一義さん、シーナ&ロケッツの鮎川誠さんからコメントを頂戴しましたので、一気に8組をご紹介します!アーティスト8組の『anan』のイメージは?【音楽通信】vol.31 「番外編-50周年へのコメント」雑誌『anan』は、1970年3月3日に創刊してから、今年2020年で50周年を迎えます。そこで「音楽通信」にご登場いただいた一部のアーティストのみなさんに、50周年を迎えた『anan』に対しての貴重なコメントを頂戴しましたので、ここで一気に8組をご紹介します。※「音楽通信」掲載日の順番でご紹介しています。森山直太朗「若い女の子の本音が載っている雑誌」もう50年になるんですね。雑誌の『anan』といえば、“若い女の子の本音が載っている雑誌”というイメージです。雑誌創刊当時の70年代の若さと、現在の若さとは、時代とともに捉え方が違ってきていることもあると思いますが、時代ごとに独創的な発想を提案しているのが『anan』。女の子同士のいろいろな会話を雑誌というかたちで、ちょっとおしゃれに、本音で、発しているのではないでしょうか。Chuning Candy「すぐ手にとって見ちゃう雑誌」写真左から琴音、ソフィー、LILI、ゆうり、愛子。愛子『anan』の表紙がいつも楽しみです。ソフィー私たちからすると、ちょっと大人の雑誌という印象もありますね。琴音いろいろな話題が紹介されている雑誌だと思います。愛子『anan』さんを本屋やコンビニエンスストアで発見すると、ほかの雑誌とは違う雰囲気で、すぐ手に取って見ちゃいます!琴音、ソフィー、LILI、ゆうり、愛子50周年! おめでとうございます〜!ゴスペラーズ「インパクトと振り幅のある雑誌」写真左から、村上てつや、黒沢 薫。黒沢『anan』は大学時代によく読んでいて、憧れの雑誌だったんですよ。いつか『anan』に歌の記事で出ることができたら最高だと思っていました。だから、2000年だったかな。初めて出させていただいたときはうれしかったですね。村上僕たちが出させていただいたときはhydeさんが表紙の『anan』で、その号にちょこっとだけ載せてもらったんですが、うれしかったですよ(笑)。『anan』の“好きなミュージシャン特集”に出るのが夢だったから。黒沢男性にとっても憧れがある雑誌ですし、これからもそうあってほしいですね。女性にとっては、地に足のついた特集もすれば、キラキラした特集もしていて、とても振り幅の大きい雑誌だと思うので、これからもそのままで進んでいってくれると楽しいです。村上『anan』は世間にインパクトを残してきた雑誌だと思うんですよ。いまでも取ってありますが、1990年ごろに篠山紀信さんが素人女性のヌードを撮った号があって(※1)、とても衝撃的でした。※1. 1992年10月2日特大号で篠山紀信さんが撮影する企画に全国から応募が殺到し、選考の末、読者代表として19人の女性が登場。きっと宮沢りえさんの『サンタフェ』(※2)からきた流れですね。普通の本屋に並ぶ雑誌に、“24歳OLさん”などの一般人の女性のヌードが載っていて、当時20歳ぐらいの僕は衝撃を受けました。※2. 1991年に篠山紀信さんが出版したヌード写真集。その後も、めっちゃ保守的な回と、けっこう攻めている回があって面白い(笑)。人間もそうですが、どちらもあってそのコントラストがある人ほど面白いので、そのスタンスをずっと『anan』は続けていらっしゃるから、ドキドキします。黒沢振り幅があるのが魅力ですね。曽我部恵一「僕らの世代にとって特別な雑誌」50年はすごいですね。僕らの世代は、ぎりぎり男も『anan』を読むような世界観があったんですよ。「Olive」(1982年創刊、2003年8月号休刊マガジンハウス)などもそうですが、90年代のマガジンハウスの雑誌には、女性だけではなく男性も読む雰囲気がありました。その前は“もっとリベラルな新しいもの”というイメージです。以前は、マガジンハウスではなく平凡出版でしたよね(※3)。マガジンハウスの近くに、音響ハウスというスタジオがあって、僕はときどき録音をしていたので、「ここがあの平凡出版か」と思いながら眺めていました。僕らの世代にとって『anan』は特別な雑誌ですね。※3. 1945年に合資会社凡人社として設立、1954年から平凡出版株式会社、1983年に株式会社マガジンハウスと社名変更。家入レオ「いろいろなテーマを真正面から主張する雑誌」『anan』50周年、おめでとうございます。『anan』はその時代ごとに、女性にまつわる情報や話題にスポットを当てて作られていて、照れたり恥ずかしがったりするテーマでも真正面から主張している雑誌だと思います。みんなが持っている気持ちを代弁してくれている『anan』の姿勢はすてきですね。中島美嘉「常に読者を楽しませてくれる雑誌」『anan』は、昔から、きれいなお姉さんがたくさん出ている雑誌というイメージが強かったですね。私自身、『anan』の占い企画で鏡リュウジさんと対談させていただいたり、恋愛企画やファッションだったり、音楽記事以外でもいろいろな特集に出させていただいています。常に読者を楽しませてくれる雑誌だと思います。中村一義「みんなが手に取りやすいおしゃれな雑誌」50周年、すごいですね。『anan』は、みんなが手に取りやすい、すごくおしゃれな雑誌だと思います。大衆的なんですが、なんかちょっと違うという存在。僕もそういう存在を目指しています。妻も昔から『anan』を読んでいますよ。シーナ&ロケッツ 鮎川誠「等身大のスーパーファッション雑誌」『anan』50周年、おめでとうございます!僕のギターのレスポールも50年やけ、同い年やね。『anan』は、以前やっていたバンドのサンハウス時代に作った「もうがまんできない」という曲の歌詞に出てくるんです。男女が別れる曲なんやけど。その歌詞の中に出てくる知ったかぶりをする女の子がする話は“全部『anan』に載っていたことをネタにしていると俺はお見通しだ”っていうような歌です。この曲を作ったのは1972年ぐらいだから、雑誌『anan』が一番という時代。とてもバランスがよいし、品がよいし、みんなが興味を持つテーマを扱っている。女性が興味を持つものは男性も好きだからね。旅行やらグルメやらファッションも、すべて『anan』はリードしてきた、等身大のスーパーファッション雑誌。だから『anan』は見とかないかんのです。取材後記雑誌『anan』が創刊してから今年で50周年。「音楽通信」でコメントを頂戴した森山直太朗さん、Chuning Candyさん、ゴスペラーズさん、曽我部恵一さん、家入レオさん、中島美嘉さん、中村一義さん、シーナ&ロケッツの鮎川誠さん、ご協力いただきましてありがとうございました!1年限定の50周年スペシャルサイトもオープンしておりますので、ぜひご覧ください。雑誌『anan』そしてこちら『ananweb』ともに、今後ともよろしくお願いいたします!Information森山直太朗初のアニメ主題歌「ありがとうはこっちの言葉(TV version)」配信中。3月30日から始まるNHK連続テレビ小説『エール』に出演。撮影・大内香織、ヘアメイク・北島圭二、スタイリスト・上野真紀Chuning Candyニューシングル「STAND UP!!/アイのうた」発売中。4月26日、ワンマンライブ「Chuning Candy 2nd Anniversary LIVE!」を代官山UNITで開催。写真・角戸菜摘ゴスペラーズシングルコレクション『G25 -Beautiful Harmony-』発売中。4月11日から全都道府県ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2019〜2020 “G25”」開催。写真・大内香織曽我部恵一自主レーベルの音源のみで構成されたソロベスト盤が発売中。今春、サニーデイ・サービスのニューアルバムをリリース。4年ぶりとなる全国ツアーも5月よりスタート。写真・大内香織家入レオ月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系毎週月曜午後9時)の主題歌であるニューシングル「未完成」発売中。写真・大内香織中島美嘉ニューシングルMarie starring MIKA NAKASHIMA「イノサンRouge」発売中。写真・大嶋千尋中村一義ニューアルバム『十』発売中。3月1日から全国ツアー「中村一義 “十” acoustic Live tour 2020」、さらに5月10日からはバンド編成による「中村一義 “十” Band Live tour 2020」を開催。撮影:角戸菜摘シーナ&ロケッツアルバム『LIVE FOR TODAY ! -SHEENA LAST RECORDING & UNISSUED TRACKS-』、完全受注生産限定盤BOX『LOVE BOX -42nd Anniversary Kollection--』発売中。撮影:大内香織
2020年03月02日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第30回目に登場するのは、あふれる個性で多様性のある楽曲を生み出し、美しいファルセットボイスも聴かせるシンガーソングライターのビッケブランカさん!写真・土佐麻理子いまも小学生のときの延長線上にいる【音楽通信】vol. 30小学校の頃から作曲を始め、音楽活動を目標に大学進学のため上京後、2016年10月にメジャーデビューを果たしたビッケブランカさん。独創的なピアノスタイルで、一度聴いたらクセになるような多様性のある楽曲が注目を浴びています。2020年3月4日に、3rdアルバム『Devil』をリリースするビッケブランカさんに、お話をうかがいました。ーー影響を受けた音楽がバラエティ豊かなラインナップだそうですね。もともと両親が音楽好きで、家でも車の中でもいつも曲がかかっていたんです。幼少期にミュージックビデオを観てマイケル・ジャクソンにハマって、アイドルとして流行していたSMAPも好きになって。20歳ぐらいのときには、MIKAやエルトン・ジョンを好きになりましたね。ーーそんななかでご自身で音楽をやろうと思ったきっかけは何だったんですか。小学校の給食のときに、教室にあるテレビにSMAPが流れて、友達と当て振りをして遊んで目立つこと、まねごとをするのが好きだったんですね。クラスにいる変なやつでした(笑)。いまもその延長線上にいます。ーー以前はバンド活動をされたこともあるそうですが、バンドやソロ活動も、そのときどきの自然な選択だったのですか。そうですね。大学生のときに上京して、そのときは出演者とはいえ、まだライブハウスにお金を払ってやるライブをしていたんですよ。だからひとりよりもメンバーがいたほうがいいと思って、5人組のバンドを作りました。そこからライブをしたり、いろいろ経験したりすると、お金を払ってライブをやるのはどうかと思うようになって。バンドはメンバー全員の意見を聞かないといけないこともあって、いろいろと知っていくうちに、ソロ活動をするようになりました。ソロだと、うまくいったら自分の頑張りの結果、うまくいかなかったら自分の準備不足ですから、反省するのも自分を褒めるのも、ひとりのほうが簡単です。ーー2016年にミニアルバム『Slave of Love』でメジャーデビューされましたね。デビューはうれしいことではあったんですが、当時はデビューすることだけが目標ではなくなっていました。実は大学生のときにレコード会社にデモテープを送ったことがあって、大学3年生で1度、いまのレコード会社とは別のところと契約をして大学をやめているんです。だから、2016年の段階ではいろいろなことを知りすぎていたんですよね。子どものときは、メジャーデビューするだけですごいと思っていたんですが、それが何もすごくないことがわかりました。デビューした先にある、仲間と協力して、結果を出して、それを何年も続けていくことこそが成功だとわかってしまったのが25歳ぐらいのとき。だから、デビューしたこと自体はひとつの通過点だと冷静にとらえていたんです。ーー2019年には、サブスクリプションサービス“Spotify”のTV CM曲となった3rd シングル「Ca Va?」がヒットして反響があったと思いますが、ご自身ではやはり冷静にその状況を見ていたのでしょうか。いえ、とてもうれしかったですよ。ソロ活動を始めた頃は、例えばライブだったら、ひとりでステージをしてちゃんとやれたかどうか、失敗したとしたら自分の集中力が足りなかったとわかりやすい。でもそんな次元じゃないと考えるようになっただけなんです。ひとりで何かを成すなんて、どんな仕事でも不可能じゃないですか。「Ca Va?」の反響があったことで、自分ではよくわからない宣伝の仕事やアライアンスなど、それぞれプロの人にお願いして、もちろん自分でやることは任せてもらってという、協力体制を築けるようになっていましたね。アルバムは自分の年表としても信憑性のあるものーー3月4日に3rdアルバム『Devil』がリリースされます。1曲目「Devil」はインストで、アルバムの表題曲でもありますね。シングルをたくさん出したので、それをまとめたアルバムを出したかったのと、ツアーをやりたかったんです。毎回、1曲目はこういうアルバムタイトルのインストやショートソングを入れているんですが、「Devil」は、1番最後にできた曲なんですよ。毎回、アルバムの収録曲が全部できたあとに、アルバム名と、1曲目ができるんです。ーー今回集まった楽曲から『Devil』とアルバムタイトルを付けたのは、どのあたりがDevilなのでしょうか。なんかもう、悪いなっていうイメージから……そんなに深い意味はないんです(笑)。ただ、ひとことでバーンとくるインパクトを重視していますね。前作のアルバム『wizard』と比べたら、今作はより統一性がなくて、よりきちんとしようとしていない感じがあるんです。『wizard』は“魔法使い”という意味で、どちらかというと正義寄りだと思っているので、それに対抗するという意味でも今回は悪の『Devil』という感覚です。そういうことでいうと、さらにこの次のアルバムは、正義と悪の対決を見る人という意味で、“レフェリー”とタイトルを付けるかもしれないですね(笑)。ーー『Devil』はポップな楽曲やダンサブルなナンバーなど、いろいろな表情の見えるアルバムだと感じました。自分では「いろいろな表情を見せてやるぞー!」と意気込んで作っているわけではないのですが、そのときに好きな曲、曲調、瞬間のトレンドを大切に作っています。気づくと「昨日からこの曲しか聴いてないな」「このジャンルしか聴いてないな」という状況になって、「じゃあこんな曲を作ろう」と制作に入ります。だからこの制作期間での自分のブームがアルバムに詰まっている感じですね。面白く、意欲任せに作りきれるし、振り返ったときに「ああ、このときはこんなジャンルが好きだったんだな」と自分の年表としても信憑性のあるものにするために、一瞬の感覚で作っているんです。ーーすべてご自身で作詞、作曲、編曲をされていますが、いつもどのように曲作りをしているのですか。ポンとひらめいておりてきた曲はなくて、「作んなきゃ」という思いで、いろいろな音楽を無意識に頭の中に取り入れているんです。その状態でパソコンの前に座って、音楽制作ソフトに向き合っていますね。ポンポンと1個ずつキックを入れて、スネアを入れて、ピアノを弾いてみて、「違うな、ああでもない」と葛藤しつつ、勝手にスピードがついてもうそこから出られなくなっている間にアイデアがどんどん出てきて、曲ができあがります。インスピレーションを溜め込んで、出す場所は、パソコンの画面上にインプットという感じです。ーー今回のアルバムで、とくに思い入れのある曲は。「Ca Va?」を作ったときに音楽性に何もとらわれない状態だったので、そのときと同じような感覚で作ってみようと思ったものが、2曲目の「Shekebon!」です。そして4曲目の「Save This Love」は、日本を見ずに、世界標準を最低限たたきだす心意気で作りました。だから、歌詞も英語ですし、発音もちゃんとしています。初のホールツアーも自由度を高く柔軟に展開ーー最後に作った曲は1曲目の「Devil」ということでしたが、7曲目の「かたうた」は取材時の資料に歌詞がなかったので、こちらも最後のほうに作った曲なのですか。「かたうた」は、これからもずっと歌詞は載せないんです。歌っている内容が個人的すぎるから、わざわざそれを言葉にして伝えようなんて僕は思いませんよ、という設定なんですよ。実際に発売するときも、「恥ずかしいのでここには書いてません」とだけひとこと入れて、歌詞はありません。聴いていただくだけで十分です、という曲です。ーーそうだったのですね。他の歌詞では、「・」(なかぐろ)が多用されているのも特徴的だと思いましたが、こちらも意図して入れているのですか。以前、歌詞が改行されて明記されていることにデザイン的にうんざりしたので、歌詞を立方体に明記したくて、「・」で区切っています。むちゃくちゃ練って凝ってという感じでもないんですが、反射的に感じたことはなるべく伝えて、このように作ってもらいました。ーー4月からは全国ツアー「Tour de Devil 2020」が開催されますね。どのようなステージになりますか。初めてのホールツアーなんですよ。椅子があるところでは、自分でもどうなるかまだ想像がつかないんですが、多分楽しいだろうなと思いますね。すでに東京の中野サンプラザ公演はソールドアウトしているので、ありがたいことです。アルバムの曲は披露すると思いますが、制作のときと一緒で、当日のリハーサルの場で思いついたことをやると思います。最初にどうするのか考えるほど、臨む気持ちがこわばりそうですし、正解が狭まる気がするんですよ。だから直前ぐらいに、パッパッパッと、「楽しい! 面白い!」と瞬間的に思ったことを取り入れてやりたいですね、自由度の高い感じで。“ライブ”という言葉通り、本番中でも曲順も変えます。そのときに見て、感じたこと、思ったことをみなさんにも伝えるというスタイルで、なんとかこれまでかたちになってきているので、それをもっと柔軟にやっていけたらいいなと思っています。音楽活動もゲーム配信もさらに力を入れていくーーおやすみのときは、どのように過ごしていますか。家から一歩も出ずに、ずっとゲームをしていますね。世界で3本の指に入る「FORTNITE」という、ファンシーな戦争ゲームを外国人の友達と一緒にやっていて、もう気分転換でゲームをするという域を出て、ゲームをする様子を生中継してメディア化しているんです。Twitch(ツイッチ)というアメリカのプラットフォームがあって、アメリカだとゲーム配信ではYouTubeよりも大人気で、それが日本に来たのでTwitchでゲーム実況をしているんです。Twitchから認証マークをもらっていて、ある程度、プロとしてゲーム実況もやっています。ーーゲームのプロとはすごいですね。ところで、まったく違う話題で恐縮ですが、好きな女性のタイプはありますか。話の機微を感じてくれる、話のわかる女性がいいですね。ふたりで思い出を共有していくときに、同じ感覚でいろいろなことを話せるとうれしいから、賢い人がタイプです。ーー教えていただいてありがとうございます。では最後に、今後はどのような展開をお考えでしょうか。まず手始めに、きっと雑誌『anan』さんの連載を始めることになるはずです(笑)。そして音楽活動については自分で曲を作ったり、人に曲を提供したり、外国人のアーティストに歌ってもらってプロデューサーDJのように世界を一緒にまわったりしていきたいですね。ゲームについても、ちゃんとしたクオリティで、強さもデザイン性も高めたゲーム配信をしていければ。2020年はやることが増えるだろうなという予想をしているので、期待していてください。取材後記とても寒い冬のある日。びゅうびゅうと風が吹くなか、外のテラスでの撮影に挑んでくださったビッケブランカさん。インタビューでは、クレバーでユーモラスな顔も見せてくださいました。そんな変幻自在なサウンドと、艶やかなボーカルを聴かせるビッケブランカさんのニューアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。ビッケブランカ PROFILE2016年、ミニアルバム「Slave of Love」でメジャーデビュー。2018年、2ndアルバム『wizard』収録曲「まっしろ」がドラマの挿入歌に抜擢され、同アルバムツアーを全国7都市開催し、各地ソールドアウト。2019年にリリースした3rdシングル「Ca Va?」が音楽配信サービスのSpotifyのTV CMに起用され、2019年度6月度銘柄別CM好感度トップ10入り(CM総研調べ)。東名阪ライブツアーはすべてソールドアウト。夏の”Zoff”サングラスコレクションのビジュアルモデルに抜擢されるなど、音楽以外の分野でも活躍。12月、「白熊」をデジタルリリース。2020年、3月4日、3rdアルバム『Devil』をリリース。4月3日から全国ツアー「Tour de Devil 2020」を開催。InformationNew Release『Devil』(収録曲)01.Devil02.Shekebon!03.Ca Va?04.TARA - 2020 Mix05.白熊 - Main Version06.かたうた07.Black Catcher08.Save This Love09.Heal Me10.Lucky Ending11.Avalanche※収録曲は3形態すべて共通。2020年3月4日発売[CD only]AVCD-96459¥3,000(税別)[CD+DVD]AVCD-96457/B ¥4,500(税別)[CD+Blu-ray]AVCD-96458/B¥4,500(税別)
2020年02月29日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第29回目に登場するのは、聴くだけで癒やされるような“ボタニカルボイス”を持つシンガー、Wakanaさん!写真・土佐麻理子母の影響で音楽に触れる環境に育つ【音楽通信】vol.2912歳から声楽を学び、17歳より多数のイベントに出演していたWakanaさん。福岡県から上京後、2008年に「Kalafina(カラフィナ)」のメンバーとしてデビューし、本格的にシンガーとして活動をスタートされた後、2019年にシングル「時を越える夜に」でソロデビュー。その後、コンスタントに作品をリリースし、ワンマンライブでもたくさんの人たちにシルキーで心地よい歌声を届けているWakanaさんが、2020年2月26日に2ndアルバム『magic moment』をリリースされるということでお話をうかがいました。ーーWakanaさんは12歳から声楽を学ばれていたそうですが、もともと音楽に触れる環境にいらっしゃったのですか。母が小学校の音楽の教師だったんです。母のピアノの伴奏で歌うことが好きで、小学生のときに少年少女合唱団に入っていました。さらに歌の基礎を教えてもらうために、中学校の3年間はご近所の先生に歌を教えてもらっていたので、歌にはよく触れ合っていた生活でしたね。母がピアノ教室も行なっていて、高校1年生ぐらいまでは家のピアノの発表会に出ていました。発表会では、生徒さんたちみんながピアノを2曲演奏するところ、私は母のすすめもあり、歌1曲とピアノ1曲を披露していました。私だけ歌が入っていることに、多感だった当時の私は恥ずかしかったのですが、学校の先生が発表会に来て、歌を褒めてくれたことがとてもうれしかったことを覚えています。ーーその後、福岡県から上京後、「Kalafina(カラフィナ)」のメンバーとして2008年にデビューされ、2019年にはWakanaさんがソロデビューされています。2008年から約10年間、梶浦由記さんという作曲家でプロデューサーの方のもとで、歌い手として活動していました。そのぶん、ソロになって環境が変わり、自分自身がどういうものを発信していけばいいのか、自分の良さはなんなのかということをものすごく考えなければいけない場面になりました。デビューシングルでは、初めて作詞をさせてもらったのですが、恥ずかしさが先にきてしまって、悩みましたね。ただ、1年間ソロ活動をさせていただいたなかで自分の書きたい欲も出てきましたし、こういうものを書いてみようという意欲にもつながっていったんです。いままでの自分を認めてあげる気持ちになったーー今回、2月26日に2ndアルバム『magic moment』をリリースされますね。『magic moment』は、ソロデビューしてからの1年間を通して培った経験から、「すべての瞬間を音楽に変えられたらいいな」という思いを込めさせていただきました。今回のアルバムは、昨年の春に初めてのソロツアーをさせていただいた後、次に出すEPから2ndアルバムまでの活動を「同じコンセプトで統一させよう」と話し合って決めていたんです。最初は“magic hour”というコンセプトを立てて、それに沿っていこうと。昨年の11月にリリースしたEP「アキノサクラ」では、空を意識したmagic hour的なものが収録曲の中に入っていますし、例えば恋に落ちる瞬間もmagic hourなんじゃないかと思っていて。ということは、“hour”という時間だけではなく、ほんの一瞬のような瞬間も考えると、アルバムタイトルは「magic moment」にしようと思いました。12月のワンマンライブでも、「瞬き」というタイトルをつけたんですね。ライブという瞬きの時間と、CDという作品を聴く時間、それぞれ私にはとても大切な時間で、どの瞬きも一番でひとつは選べないというお話をいつかみんなにしたいと思っていたんです。ライブではライブの時間、CDに込めた思いはいつだってどこだって届く、ということをライブでも伝えていました。今回のアルバムは、いままでの自分を認めてあげようという気持ちにもなった作品です。曲が歌詞の世界に連れていってくれるーー11曲目はストリングスの厚い表題曲の『magic moment』ですね。この曲は、人生で最後の場所ぐらい自分で決めていこうという旅の歌。「magic moment」というタイトルも、他にもいろいろと案があって、実は最後の最後まで悩みました。わたしたちは普通になめらかに動けますが、瞬間で動きがつながっていて、その瞬間の大切な思い出を1つ残らず次に持っていきたいと思っています。自分が生まれるときにきっと場所を決めて生まれてきていますが、そのときの記憶は忘れているから。生きているということが、奇跡の積み重ねですが、宇宙からしたら人の人生なんて一瞬だと思っていて。でもそのなかで、その人の人生はぎゅっと詰まっているということをこの曲に込めたかったんです。「何処か遠く」という歌詞は、最後の場所と言いつつ、まだまだやりたいことがある状態。この曲を11曲目の最後に持ってきて、1曲目の「breathing」にまたつながれる世界観になっています。「breathing」には、生きていくうえで必ず誰しもが息をして、鼓動を鳴らしているという、思いが入っています。海の生き物も空の生き物も、見え方が違っても、息をして鼓動を動かしていることを私の意思では止められないのが、生き物の面白さだと思っていて。そんな自分の意思だけで止められないことが、“生かされている”という部分でもあると思うので、「breathing」も最後まで悩んでタイトルをつけました。呼吸にスポットをあてたときに、11曲目から1曲目はつなげて考えてもらっていいと思ったんです。ーー輪廻転生のようなイメージですね。Wakanaさんの歌詞は知的な印象がありますが、今回は7曲の作詞を手がけていらっしゃいます。まだ作詞を始めたばかりで、勉強中なんです。これからどんどんやり方も変えていきたいですし、もっとうまくやりたいとも思うこともあるのですが、曲から得たイメージで詞を書いています。曲のイメージが、私を歌詞の世界に連れていってくれると思っているんですよ。ライブで歌うことで曲の表現が変わってくるーーそれぞれの曲へのアプローチはどのようにされているのですか。曲へのアプローチは、曲のイメージを大事にしたいと思って向き合っています。どう表現するかということは、曲を作ってくださった方の思いが込められていると思うので、それを読み取りたいから、歌でどう表現するかをあまり悩んだことがないんです。曲以上のものはまだこれから生まれてくるものだと思っていて、それもライブで歌うことで変わってくるんですよ。レコーディングのときは、自分にとってそのとき求めていることを最大限にやっています。ライブでは、何よりも自分を変えてくれるのが、お客さんです。ーーライブではおなじみという8曲目「君だけのステージ」は、明るいアップテンポのナンバーです。作曲と編曲を担当されている音楽プロデューサーの武部聡志さんとは、ライブでもご一緒されているそうですね。ソロデビュー前のファーストライブで、武部さんが音楽監督を努めてくださって以来、ずっとライブは武部さんが音楽監督です。そのファーストライブ制作の際に武部さんが曲を何曲かあげてくださって、「歌詞を書いてみて」とすすめられて書いたうちの1曲なんです。そして「この曲もライブでやりましょう」と武部さんが言ってくださって。当時はリリース前で曲数が少なくて、武部さんの作ってくれた曲、カバー曲、Kalafinaの曲なども歌わせてもらってライブをしていました。その頃から「君だけのステージ」を歌っていることもあって、歌い込んでいるからすごく楽しかったし、アルバムのなかでも1番年季の入った曲です(笑)。ピアノはもちろん武部さんが担当で、ギターとベースの方もライブでお世話になった方で、ドラムの方は初めてだったんですが自分の歌の雰囲気もすぐ読み取ってくれて、歌の思いを汲んだドラムをたたいてくださって、みなさん歌を音としてとらえてくれるので、すごく気持ちのいいレコーディングでした。音楽監督の武部聡志さんがメンバー加入ーー3月14日には、リリース記念のワンマンライブ“Wakana Spring Live 2020 ~magic moment~”がヒューリックホール東京で開催されるそうですね。今回は、音楽監督の武部さんが、初めてミュージシャンのメンバーとして入ってくださるんです。これまでレコーディング以外で、武部さんがバンドのみなさんと弾いてくれるという経験をしていないんですよね。ライブに武部さんがゲストとして登場してくださるときはピアノ1本なので、今回はどうなるのか楽しみです。『magic moment』リリース後のライブになるので、バンドサウンドで生でお披露目できる曲たちをどういうふうにみんなのところに届けようかなと考えているところです。ーーWakanaさんの歌声は、シルキーで包み込むような高音がきれいですが、普段ののどのケアはどのようにされていますか。ケアは、秋からずっと寝るときにマスクをしています。昨年まではマスクなしで加湿器のみで夜は寝ていたんですが、加湿しすぎるのもどうかと思って、マスクに切り替えたらのどの調子が良いんです。最初はマスクが苦しくて自然と取ってしまうこともあったんですが、つけたまま眠れるようになると、朝はのどの痛みがまったくないんですよ。ーーところで、Wakanaさんはメイクのこだわりはありますか。メイクはいつもナチュラルにしたいと思っていますね。アイラインもブラウンが多いんですよ。冬はいつもマスクをするので、よれにくいファンデーションを研究することもありますし、メイクさんが使っているものを見て探すこともあります。春や秋に出る黄色や黄緑色のような発色がいいハイブランドのものも見ますが、ペンシルやマスカラなどのポイント使いでしか使用せず、アイシャドウでは色はいつもブラウンになっちゃいますね。ステージでは、ブラウンのメイクはパッと見なじんでしまうので、アイラインはブラックを使います。肌が敏感なので、オーガニックコスメのSHIROやTHREE、ジュリークは肌にやさしいとうたっているから安心して使っています。マスカラはお湯で落ちるタイプを使用していて、クレンジングもジュリークのミルククレンジングを使っていて。ダブル洗顔は乾燥するので、いつもミルククレンジングのみなんです。今後は狭いテーマでより内面が出る曲も作りたいーーおやすみの日は何をされていますか。お友達と約束して、食事に行きますね。それにもともと植物が大好きでお部屋にも緑がいっぱいあって、お休みの日は、さらに植物を探しに行きます。お店で球根を見つけて、球根の水栽培に挑戦したんですが、よく考えたらどんな花が咲くのかわからないまま買っていました(笑)。水栽培の仕方を調べると、最初は寒いところに置いて冬をイメージさせるとまず根っこが生えてくるそうで、根っこが生えたらお水の量を加減して、明るい場所に置くと「春かな」と思って咲くということで、その通りに栽培して無事にピンクの花が咲きました(笑)。春先は、お花や植物がお店に多くなるんです。お花は命が短いので、冬になると枯れた部分を切ったり枝だけになったりして、春に花が咲くのか不安になることもあってすごく育てるのが難しいですね。置く場所が重要だから、お部屋のなかの太陽が当たる場所がもう満席なんですよ。ーー最後に、Wakanaさんの今後の目標を教えてください。聴いてくれる方の気持ちをいつも大切にする音楽を作っていきたいですね。アルバム2枚を制作して、あらためて2枚を通して聴いた時に、曲間や1曲ごとにこだわりもありますし、レコーディングのときにいろいろと相談したこともいっぱい思い出していたんです。今回は「magic moment」というテーマで作ってきましたが、今後はもっと狭いテーマでスポットを狭くして、自分の内面がもっと出る曲を作ってみたいと思いました。自分の思い描く声やあこがれの声もあるし、好きな音もあるので、そういうものを表現できるよう、これからも追究していきたいなと思います。取材後記しなやかで心地よい歌声を持つWakanaさんは、お会いすると明るい笑顔を見せてくださる、エレガントな女性。東京の神宮外苑いちょう並木通りでの撮影は、Wakanaさんのナチュラルな一面が樹々と溶け込んで絶妙にマッチしていました。そんなWakanaさんのニューアルバムをチェックしてみてくださいね。Wakana PROFILE12月10日、福岡県生まれ。12歳から声楽を学び、17歳より多数のイベントに出演。上京後、FictionJunctionのプロジェクトに参加。その後、劇場版アニメ「空の境界」主題歌プロジェクトとしてスタートした「Kalafina」のメンバーとして2008年1月にデビュー。本格的にシンガーとしてのキャリアをスタート。2019年2月、シングル「時を越える夜に」でソロデビュー。3月に1stアルバム『Wakana』、11月に1stEP『アキノサクラ EP』をリリース。2020年2月26日、2ndアルバム『magic moment』をリリース。3月14日、ヒューリックホール東京で「Wakana Spring Live 2020 ~magic moment~」を開催する。InformationNew Release『magic moment』(収録曲)01.breathing02.揺れる春03.where04.44205.ひらり ひらり06.アキノサクラ(Acoustic ver.)07.myself08.君だけのステージ09.オレンジ10.Happy Hello Day11. magic moment2020年2月26日発売※収録曲は(通常盤)(初回限定盤)AとB全共通。(通常盤)VICL-65328¥3,000(税別)※CDのみ。(初回限定盤A)VIZL-1730¥4,000(税別)※LIVE CD「Wakana Winter Special Live 2019 ~瞬き~ at マイナビBLITZ赤坂」※2CD。(初回限定盤B)VIZL-1731¥4,800(税別)※LPサイズジャケット仕様。LPサイズフォトブックレット封入。ポスター(B2変型サイズ)封入。ボーナスディスク(全曲インストゥルメンタル収録)付き2枚組。高品質SHM-CD仕様※SHM-CD。ヘアメイク・丹羽寛和(maroonbrand)
2020年02月25日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第24回目は、5人組ロックバンドのBUCK-TICK(バクチク)が、代々木体育館で開催した「THE DAY IN QUESTION 2019」ファイナル公演のライヴレポートをお届けします!撮影:田中聖太郎、立脇卓、渡邊玲奈(田中聖太郎写真事務所)2019年「THE DAY IN QUESTION」最終日は代々木体育館【音楽通信】vol. 24櫻井敦司(vo)、今井寿(g)、星野英彦(g)、樋口豊(b)、ヤガミ・トール(ds)の5人からなるBUCK-TICKは、1987年のメジャーデビュー以降、メンバーチェンジをすることなくロックシーンの第一線で活躍し続けている。気高く、不動の存在といえるBUCK-TICKは、2020年にバンド結成35年、デビュー33年。いまもなお後続するアーティストたちに多大な影響を与え、誰もがリスペクトする唯一無二のバンドへと遂げている。そんな彼らが20年間開催し続けているのは、毎年12月29日に恒例となっている日本武道館公演。2019年は、12月3日に出身地でもある群馬県の高崎芸術劇場から、ツアー「THE DAY IN QUESTION 2019」がスタート。ファイナルとなる12月29日は、改修工事により武道館が使用できないため、会場を初となる国立代々木競技場第一体育館に移して開催された。国立代々木競技場第一体育館に着くと、アリーナ席からスタンド席まで約12,000人の満席。以前からBUCK-TICKを応援している支持者から、20代前後の男女や子どもを連れた親子まで、幅広い層のオーディエンスが集結している。BUCK-TICKの音楽が色褪せることなく、循環され、進化し続けているからこそ、新しいファンを常に獲得し続けているのだろう。会場が暗くなり、ステージ上のスクリーンに映像が映し出され、荘厳でゴシックな世界観の「夢魔-The Nightmare」からライヴがスタート。黒いベールをまとった黒衣装の櫻井が、圧倒的な存在感で一気にオーディエンスを惹きつける。今井と星野のツインギターが交差し、樋口とヤガミがボトムを支えていく。続いてハードなロックナンバー「唄」へ。ボーカルの櫻井敦司。そしてこの日の初MC。櫻井が「みなさん、こんばんは。代々木体育館は初めて舞台に上がります。こんなにたくさんの方がいらしてくれて、本当に幸せです。ありがとうございます。それでは最後まで楽しんでいってください」と伝えると、大きな歓声がわいた。次にダンサブルな「獣たちの夜」、アグレッシブな「Jonathan Jet-Coaster」、メロディアスで切ない「羽虫のように」を披露。前半ですでに場内のテンションは上がり続け、館内は熱気でいっぱいに。ギターの今井寿。さらにスパニッシュサウンドの「絶界」、今井が「メリーさんの羊」のフレーズを弾きながらの「細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」、インダストリアルな「PINOA ICCHIO-踊るアトム-」を放ち、センチメンタルな「月下麗人」を披露。櫻井が「どうもありがとう」と歓声に応え、スクリーンの雪景色を背に歌う「Snow white」では、雪が舞う演出がなんとも幻想的だ。続いて、今井がエレキギターで「きよしこの夜」を弾き、バックのスクリーンに教会が映し出されるなか、星野がアコースティックギターで「SILENT NIGHT」を鳴らす。ここまでのしっとりとした静寂を打ち破るかのように、ファンタジックでポップな「Alice in Wonder Underground」を演奏。緩急のついた構成でオーディエンスをまったく飽きさせない。そして「スピード」のイントロが流れ歓喜する場内はヒートアップ。たたみ掛けるように、続いてエレクトロなダンスナンバー「独断場Beauty-R.I.P.-」で会場を揺らす。ラストは、優しくて儚い「FLAME」で締めくくった。櫻井は何度も深いお辞儀をして、ステージをあとにし、メンバーも続いて退出。暗くなった会場では「アンコール!」の声が響き渡る。ギターの星野英彦。しばらくした後、メンバーがステージに再登場。アンコール1曲目は、2020年1月29日にリリースされるニューシングル「堕天使」。続いて、アンニュイでロマンティックな「RONDO」、ヘビーな「無題」を繰り広げ、会場をダークネスに染め上げた。メンバーがステージをあとにし、再度暗くなる場内。1度目よりもさらに力強い「アンコール!」の声が広がるなか、メンバーが現れ、明るくなる場内とオーディエンス。2度目のアンコールでは、アコースティックな「Coyote」、メランコリックな「ドレス」を披露。櫻井が「どうもありがとう。次は懐かしいエイトビートの曲をやりたいと思います」と言い終わるやいなや、ヤガミが「ワン、ツー、スリー、フォー!」とカウントし、疾走感あふれるナンバー「惡の華」へ。ベースの樋口豊。そして櫻井はスタッフ、生放送中継をしていたWOWOWの視聴者、代々木に集まった来場者に感謝の意を述べ、メンバー紹介。「まずは自己紹介。ボーカル櫻井です」と話し、「ギター!今井寿」「ギター!星野英彦」「ベース!樋口豊」「ドラムス!ヤガミ・トール」と紹介していき、ヤガミ以外のメンバーは退出。ここでヤガミはドラムソロを披露する。まずは素手でドラムをたたき、次にドラムスティックを持って、見事なドラミングをプレイ。会場から「おお〜っ!」という歓声が飛び、メンバーが再登場。ドラムのヤガミ・トール。櫻井は「良いお年をお迎えくださいませ。みなさんもどうか、お幸せに。では最後に1曲、みなさん、自分を愛しましょう」。そう言って、この日のライヴを締めくくったのは、1990年に発表されたキャッチーな「LOVE ME」。今井は童謡の「お正月」のフレーズをしのばせて、最後の曲を盛り上げる。この曲に限らず、彼らは新旧織り交ぜたナンバーを披露しているが、2020年間近のいま現在どの曲を聴いても、古く感じさせないどころか魅力的な楽曲ばかりだという事実に驚いてしまう。会場中にメンバーを呼ぶ声が響くが、女性だけではなく、野太い声の男性が「櫻井さーん !!」などと叫んでいるところも、BUCK-TICKのすごさのひとつ。女性ファンはもちろん、確実に男性のファンも新たに増加し続けていることは、彼らの魅力が多岐にわたって発揮され続けていることの証しだといえる。果たして、これほどまでに長年支持され続けているバンドはどれほどいるだろうか。彼らがステージから去ったあと、スクリーンには、2020年5月からオフィシャルファンクラブ会員とモバイル会員限定のライブハウスツアーを全国7会場8公演開催すること、夏にはニューアルバムがリリースされて秋には全国ホールツアーを、12月29日には日本武道館公演を行うことが発表された。けっして守りに入ることなく、常に進化し続けるBUCK-TICKの偉大さをあらためて実感した夜だった。取材後記筆者は、BUCK-TICKが1988年に『ミュージックステーション』に初登場し「JUST ONE MORE KISS」を披露した回を目にしたとき、その麗しくも尖ったビジュアルと楽曲に衝撃を受けたことをきっかけに、「将来は素晴らしい人たちを伝える仕事をしよう」と心に誓いました。そして現在、ライターや編集のお仕事を通して素晴らしい表現者のみなさまの作品を文字でお届けしております。こんなふうに、キャリアが長いバンドはそれだけ人々の人生の折々に触れることも。新旧の楽曲を披露されたBUCK-TICKのライヴに魅了された夜でした。セットリスト01.夢魔-The Nightmare02.唄03.獣たちの夜04.Jonathan Jet-Coaster05.羽虫のように06.絶界07.細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM08.PINOA ICCHIO-踊るアトム-09.月下麗人10.Snow white11.SILENT NIGHT12.Alice in Wonder Underground13.スピード14.独断場Beauty-R.I.P.-15.FLAME<アンコール1>1.堕天使2.RONDO3.無題<アンコール2>1.Coyote2.ドレス3.惡の華4.LOVE MEInformationNew Release「堕天使」01. 堕天使02. Luna Park2020年1月29日発売VICL-79005 (通常盤)¥1,000(税別)VIZL-1685 (完全生産限定盤A(SHM-CD+Blu-ray))¥2,380(税別)VIZL-1686 (完全生産限定盤B(SHM-CD+DVD))¥1,880+税[完全生産限定盤 (A/B共通)]・「堕天使」(「THE DAY IN QUESTION 2019」高崎公演)音源収録。・Blu-ray/DVD : 「堕天使」 MUSIC VIDEO収録。・スペシャルデジパック仕様New ReleaseBUCK-TICKトリビュートアルバム『PARADE III ~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』01. ICONOCLASM / BRAHMAN02. 青の世界 / 八十八ヶ所巡礼03. 形而上 流星 / minus(-) featuring 藤川千愛04. 天使は誰だ / GRANRODEO05. JUPITER / シド06. Lullaby-Ⅲ / 黒色すみれ07. 愛の葬列 / Der Zibet08. LOVE ME / Cube Juice09. 唄 / 椎名林檎10. NATIONAL MEDIA BOYS / DIR EN GREY11. ミウ / 坂本美雨12. 惡の華 / GARI13. JUST ONE MORE KISS / 藤巻亮太2020年1月29日発売VICL-70243¥3,000(税別)
2020年01月14日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第27回は、婚活中に私が見聞きした、出会ってすぐに恋人へと進展した女性のエピソードを3選お届けします。1. 恋人と別れたばかりの絶妙なタイミングに出会う【結婚引き寄せ隊】vol. 27それはAさんが2年つきあっている彼氏と別れそうになっている微妙な時期のこと。つきあっているときから彼氏にほかの女性のカゲが見え隠れしていて、恋人同士のはずなのに、いつも不安にかられていたAさん。それでも彼氏のことが好きだから、自分から別れを切り出せないと悩み続けていたことを女友達たちは知っていました。彼女を悩ませるような彼氏とは別れたほうが幸せになれるはずだと誰もが思いながらも、なんとなくつきあっていたAさんでしたがある日、「もう好きな子がいるから別れてくれ」と言われ、彼氏のほうからアッサリと2年の交際を断たれたのだそう。振られた当初はショックだったものの、Aさんは悩みのもとから解放され、まわりの女友達からも支えられて徐々に元気になっていきました。そんなある日、Aさんを含む仲間内で開かれた飲み会に、女友達の会社の同僚男性も参加。みんなで話をしていたら、たまたまその同僚男性も最近、彼女と別れたばかりだとわかりました。女友達はAさんと同僚男性に、「ここのふたりはちょうどシングルなんだし付き合っちゃえば?」と投げかけ、お互いにまんざらでもなかったようで、その後順調にふたりは交際に発展。同僚男性は、たまたま女友達と仕事帰りの時間が一緒になって、せっかくだからとそのままちょっと顔を出す程度のつもりで飲み会に参加してみたのだとか。Aさんも、いつもある女友達との飲み会のつもりで参加し、出会いなんてまったく期待していませんでしたが、シングルになった男女が絶妙のタイミングで引き寄せあったハッピーエピソードだと感じました。2. 婚活で希望条件同士がスムーズに発展それは社内恋愛に疲れて相手の男性を振ったBさんが、死んだ魚のような目をして黙々と仕事をこなしていたときのこと。自分から振ったものの、部署は違えどときどき元カレと会社で顔を合わせると気まずく、どちらかというと好きだったはずの仕事にも精が出ず、「転職しようかな……」とぼんやりと考えていたBさん。そんなとき、なんとなくSNSをしていたBさんは「結婚相談所」の広告が目に留まりました。いつもならスルーするところですが、ふと広告から結婚相談所のサイトへ飛び、“将来の理想的なパートナー探しをする”という趣旨を読んで「これかも」と思ったのだとか。次の週末にその結婚相談所へ足を運び、ひと通り説明を聞いて納得したのち、入会。その3日後には、Bさんの希望条件に適うお相手との顔合わせの打診が届いたそうです。最初からBさんの条件を伝えて選ばれた男性ですから、条件も申し分なく、顔もそこそこ好みだったため、実際に会うことになりました。結婚相談所のアドバイザーのもと、顔を合わせたふたりは、初対面とは思えないほど意気投合。その後スムーズに交際し、トントン拍子で結婚へと話が進んでいったのです。それまで婚活の「こ」の字も考えたこともなく、社内恋愛を含めてまわりの男性とのお付き合いが多かったBさんですが、ふとしたときのひらめきで入会した場所で、将来のパートナーに出会えたのは運命だったのかもしれませんね。3. 自分のことをよく知る女友達からの紹介それは片思いを繰り返してはうまくいかないCさんが、もう誰も自分のことを好きになってくれないんじゃないかと落ち込んでいたときのこと。いつもなぜかライバルの多い人気のある男性ばかりを好きになってしまい、そんなCさんのことを「大丈夫かな……」と心配していた女友達がいました。人気のある男性を好きになること自体は悪くないのですが、そのぶん女性側も選んでもらえるように必死になってアピールします。ライバルがわんさかいて、そのなかで抜きん出て勝ち抜くには、Cさんはあまりにも恋愛に消極的だったのです。自分から行動することはなく、かげからじっと片思いの男性を見つめるような控えめすぎるやり方しかできませんでした。その様子をずっと見てきたCさんの女友達は、「優しくていい子だけど、その調子だとずっと彼氏できないよ」と伝え、「私に任せて!」と落ち込むCさんをなんとかしてあげたい気持ちで行動。しばらく経ったある日、知り合いの男性を連れてきたそうです。彼はCさんの好みにぴったり合い、一方の男性も控えめな女性が好みだったそう。お互いに紹介された日から話が盛り上がり、付き合うことになりました。初めて出会ったのに、まるで昔から知っていたかのような安心感もあったそうで、それはつまり相性が良いということ。知り合った時期の長さに関係なく、ふたりの距離が縮まるのも縮まらないのも、お互いの波長が合っていたから仲良くなったに違いありません。婚活していると、男女ともに、いろいろなタイプの人たちに出会うこともあります。くれぐれも、みなさんは悔いのない恋愛を謳歌してくださいね。©Ascent Xmedia/Gettyimages©Jacobs Stock Photography Ltd/Gettyimages©Benzin/Gettyimages
2020年01月11日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第23回目に登場するのは、ロックバンド「サニーデイ・サービス」のフロントマンでもあり、ソロとしても多彩な活動をされているシンガーソングライターの曽我部恵一さん!写真・大内香織そのときどきでやりたいことをやってきた15年【音楽通信】vol.231990年代初頭から、ロックバンド「サニーデイ・サービス」のボーカル&ギタリストとして活動をスタートし、2001年からは並行してソロとしても活動している曽我部恵一さん。2004年12月には自主レーベル「ROSE RECORDS」を設立し、インディペンデント/DIYを基軸とした活動も展開しています。メジャーでもインディーズでもシーンを選ばず、プロデュースや楽曲提供、映画音楽やCM音楽、執筆、俳優など形態にとらわれない表現を続けている曽我部さん。2019年12月25日にリリースされたベスト盤『The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019-』について、お話をうかがいました。ーー今回、2004年に設立されたご自身のレーベル「ROSE RECORDS」の15年間を振り返るベスト盤となりますが、ソロもバンドもさまざまな活動を維持されているのはすごいことですね。15年前から、現在の状況を計画していたのでしょうか。いえ、何にも考えていないです(笑)。僕はいま成功しているとも何とも思わないのですが、こうしてやりたいことを続けてこれたことに、もし秘訣があるとしたら、適当にやっているからだと思います。ーー事業計画を立てたりすることは。全然ないです。企業と組んで何かやるようなこともないですし、とにかく失敗しそうなことは絶対しないぐらいですね。大きいことはやりたくないんです、怖いから(笑)。ーー音楽シーンにおいて曽我部さんは大御所の域に入りつつあるかと思いますが……。大御所とかになるのもいやなんです、責任が増す感じがあるじゃないですか(笑)。ブログやインスタで変なことは書けないし、変な自撮りとか上げられないし(笑)。そういうのはいやなんですよ。ーーでは、メジャーなレコード会社に所属していたときは窮屈な感じがあったのでしょうか。窮屈ではなかったんですが、結果を残せていないということですね。大会社でやってみましたが数字では結果を残せていないし、じゃあドラマのタイアップで売れるような曲を作れるのかと言われると、そこまでしてやってみようという気にはなれなかった。だから、自分で責任を持って「やりたい音楽をやりたいだけだ」ということに気づいて、独立したんです。自分がやりたいことをそのときどきでやりたいように、のらりくらりとやっていきたいなというのが心のどこかにあって、それをいまもやっているだけなんです。ベストアルバムをCDとアナログ盤と配信の3形態でリリースーー12月25日に、ベストアルバム『The Best Of Keiichi Sokabe-The Rose Years 2004-2019-』をCDとアナログ盤と配信の3形態でリリースされましたね。以前は2013年に、2001年から2013年の楽曲を収録したベスト盤をリリースされていますが、今回のベスト盤発売のきっかけは何でしょうか。2019年は弾き語りのライブでいろいろな場所に行って、演奏してきました。そういった場所で初めてライブを観た人に、僕は作品が多いのでどれを最初に聴けばいいかわかりやすく、ベスト盤を買ってほしいという思いがあるんですよ。前は2枚組だったので、もう少しコンパクトなベスト盤を作ろうと思って、1年ぐらい計画していたんです。今回は、前に発売したベスト盤に入っていなかった曲も入っていますし、ちょうど自主レーベルが15年になるので、いいタイミングだと思いました。ーーとくに録り直したりもしなかったのですか。もちろんミックスダウンし直したり、いまのテイストに仕上げたりはしました。ーー今回はどのような基準で選曲されたのでしょうか。CDは、だいたい曲が70分代後半ぐらいまで入るんですが、ぎりぎりまで入れようと思いました。「自分がCDで聴くんだったら、どういう選曲かな」という視点から、いいと感じたものを選んでいます。さらにアナログ盤の発売と配信もありましたが、それぞれ収録曲は違うものを選びました。いまスマートフォンなどで曲を聴く人も多いので、配信は配信用に、アナログはアナログ用にマスタリングもやっています。何か引っかかるポップな曲がおもしろいーー収録曲には、ラブソングから社会的なメッセージの強い曲までありますが、いつも社会的なことは意識されているのでしょうか。意識していますね。例えば、このベスト盤に収録している「街の冬」という曲は、新聞を読んで知ったニュースのことをテーマに曲を書いていますし、「汚染水」という曲も原発について思ったことを曲にしています。歌に社会的なメッセージを込めることは多々ありますね。ーー強いメッセージを込めた曲を発表されるときは、好意的な反応だけではないときもあるかとは思いますが、そういったことも覚悟して出していらっしゃるのでしょうか。僕の場合は覚悟までしていないですね。ただ、「これは曲にしておもしろいか、おもしろくないか」という基準で作っているかもしれません。何かのニュースを知ったからといって、ただそれを書けばいいというものじゃないと思っています。曲を作って、そこからみんなが共感なり反感なり、何か引っかかるポップなものじゃないとおもしろくないですから。ーーでは曽我部さんが曲を作るときは、ご自身の中のセンサーで「これはおもしろい、おもしろくない」と判断しているのですか。これは曲になるような気持ちだな、風景だなというときに曲を作ります。ラブソングも、この感情は歌にしておきたいな、聴いてほしいなというものを作っています。ーーそれはソロのときとバンドのときでは、同じなのでしょうか。やっぱりサニーデイ・サービスのほうがチームワークといいますか、バンドとしてやっているので、個人とはちょっとだけ違いますが、基本は同じですね。全国でライブを約100本も行った2019年ーー今日は曽我部さんのホームタウンといえる下北沢での取材ですが、撮影場所でお借りしたこのライブハウス『CLUB Que』に、よくライブ出演されていますね。そうですね。2019年に『CLUB Que』が25周年で、ライブハウスができたばかりの頃から出演しているので、25年前にサニーデイ・サービスのワンマンライブとして初出演してから、毎年何かしらで出演しています。ーー『CLUB Que』25周年企画では、12月に曽我部さんのソロライブ「それからlove 東京編」2daysを開催されていましたが、いかがでしたか。各地で弾き語りのワンマンライブを続けてきたので、ここが2019年の締めとなる弾き語りの2daysでした。ソロのライブでもサニーデイの曲を演奏しましたが、2019年はバンド自体をお休みしていたので、(サニーデイ・サービスのベースの)田中貴くんが「ゲスト」というかたちで入ってくれました。ーーそんな2019年は、曽我部さんにとってどんな年でしたか。撮ったのは2018年なんですが、2019年に公開された音楽と映画をテーマにした『アイムクレイジー』という映画に初出演しましたし、「ロロvol.15『はなればなれたち』」という舞台にも初出演して、お芝居に挑戦したりといい年でしたね。ライブではフィジカルな運動性が大事なんですが、お芝居に出たことで、筋トレやフィジカルなことに目覚めたこともよかったです。ーー劇団ロロの舞台は、なぜ出ようと思ったのですか。「出て」っていわれたから(笑)。もともと好きな劇団で2017年に音楽を担当したことがあったのですが、今回はオファーされたこともあり、舞台に出てしまいました。それに2019年は音楽活動でも、ライブを100本くらいやっていたから、ものすごく働いた年です。ライブが1日2本ある場合、京都と東京間で移動してライブをするようなことも平気でやっていました。ーー普通に移動するのも大変だと思いますが、さらにライブもするなんてタフですね。でも100本ライブをしてもお金が儲からないんですよね、怖い(笑)。レコーディングはお金がかかるんですよ。スタジオ代だけではなく、エンジニアやスタジオミュージシャンを呼んだりすると、どんどんお金が出ていってしまうんです。しかも録ったものがお蔵入りすることもあって、作品として世に出るわけでもなかったり。実は2019年、あまりリリースがなかったんですよ。新曲を作っていないし、新曲として出したのは後藤まりこさんとデュエットした「結婚しようよ」という曲のみだったんですが、これも吉田拓郎さんのカバーだから。実はサニーデイ・サービスの曲を1年かけてずっと作っていたというのもあるんですけどね。2020年はソロとしてもサニーデイとしても活動ーープライベートにおいて、曽我部さんはシングルファーザーで3人のお子さんがいらっしゃいますが、育児と仕事の両立は大変ではないでしょうか。子どもがちっちゃいときは大変でしたが、いまは大変じゃないですね(笑)。いま一番上の子が高校生、次が中学2年生、一番下が小学校5年生ですから。ーーこの15年で、一番変化を感じるのはどんなことでしょうか。生活は日々変わっていくので、子どもの成長に一番変化を感じますね。その一方で、音楽はそんなに変わっていないんですが、テクノロジーは15年の間に変わっていって、スタジオに入らなくても曲作りができるようになりました。あとは3年前ぐらいに車の免許を取得したことも大きな変化かもしれません。それからはどこ行くにも、車移動になって、とても便利になりました。ーーお休みのときはどうされているんですか。基本的には休まないんです。でも、この間久しぶりに1日だけ休みがありましたが、ひたすら寝ていました。いつもだいたいは制作や取材やライブなど、何かしら予定が入っています。ーー曽我部さんご自身はハードすぎてご負担はないのでしょうか。僕は大丈夫です。ただ、忙しくて家にいないと、子どもたちは寂しいかもしれませんね。でも、その寂しさや悔しさをバネに生きていってほしいと思っているんです。それで将来、子どもたちがどうなるかはわからないですが。ーーそうなんですね。お子さんのお話ありがとうございました。ではまったく違うテーマですが、曽我部さんが思う魅力的な女性像とはどんなタイプでしょうか。一般的には、魅力的だと思えるタイプには、いろいろなパターンがあると思うんです。モデルさんのように見た目がかわいい人やキレイな人というのもひとつあるだろうし、「この女性を自分のものにしたい」という征服欲や性的な欲求がわく人というのもひとつあるはず。でも、いま僕は48歳なので、ご飯を作ってくれる人がいいですね(笑)。お掃除してくれる人もいいかな。容姿よりも雰囲気。いまは子育てなども共有できる人がいいです。ーーでは、2020年はどんな年になりそうでしょうか。ソロだけではなく、サニーデイとしても動こうと思っています。アルバムをリリースしますし、ツアーで全国をまわります。ドラムもキーボードも入れてライブをしていく予定なので、楽しみにしていてください。取材後記音楽家として、経営者として、父として、さまざまな顔を持つ曽我部恵一さん。取材日の数日前に「家族にカレーを作っていたら指を切っちゃって」と話してくださった曽我部さん。音楽に生活が溶け込むなか、あふれる才能でこれからもたくさんの作品を生み出し、ソロでもサニーデイでも色褪せない音楽を聴かせてくれるはず。そんな曽我部さんのベストアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。曽我部恵一 PROFILE1971年8月26日生まれ。乙女座、AB型。香川県出身。’90年代初頭よりサニーデイ・サービスのヴォーカリスト/ギタリストとして活動を始める。1995年に1stアルバム『若者たち』を発表。’70年代の日本のフォーク/ロックを’90年代のスタイルで解釈・再構築したまったく新しいサウンドは、聴く者に強烈な印象をあたえた。2001年のクリスマス、NY同時多発テロに触発され制作されたシングル「ギター」でソロデビュー。2004年、自主レーベルROSE RECORDSを設立し、インディペンデント/DIYを基軸とした活動を開始する。以後、サニーデイ・サービス/ソロと並行し、プロデュース、楽曲提供、映画音楽、CM音楽、執筆、俳優など形態にとらわれない表現を続ける。最新作は、2019年12月にリリースされた『The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019-』。InformationNew Release『The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019-』(CD収録曲)1.キラキラ!2.愛ってやつを3.抱きしめられたい4.汚染水 (2019 Stereo Mix)5.街の冬6.碧落 -へきらく-7.コーヒーとアップルパイ8.満員電車は走る (Single Version)9.bluest blues10.スウィング時代 (Another Version)11.オーロラ12.春の嵐13.恋人たちのロック14.シモーヌ15.東京 2006 冬16.おとなになんかならないで (Shimokitazawa Concert Live)17.魔法のバスに乗って18.LOVE-SICK※レコード、CD、配信で収録内容は異なります。[ダウンロード・ストリーミング]2019年12月11日配信開始ROSE 242D[CD]2019年12月25日(水) 発売ROSE 242 ¥2,500(税別)[アナログ盤]2019年12月25日(水) 発売ROSE 242X ¥3,900(税別) ※2枚組/完全限定生産
2020年01月10日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第22回目に登場するのは、日本のヴォーカルグループのパイオニアとして第一線を走り続け、メジャーデビュー25周年を迎えた、ゴスペラーズ!写真・大内香織25年で多彩な切り口のあるグループに育つ写真左から、村上てつや、黒沢 薫。【音楽通信】vol. 22北山陽一さん、村上てつやさん、黒沢 薫さん、酒井雄二さん、安岡 優さんの5人からなるヴォーカルグループ「ゴスペラーズ」は、1994年にシングル「Promise」でメジャーデビュー。2000年発表のシングル「永遠(とわ)に」が43週にわたってロングヒット、翌年発表の「ひとり」はアカペラ作品としては日本音楽史上初のベスト3入りを果たしています。さらに同年発表のラブソングコレクションアルバム『Love Notes』もロングヒット、オリコン1位と初のミリオンセラーを記録し、「第16回日本ゴールドディスク大賞」ほかも受賞するなどの輝かしい実績の持ち主。以降も第一線で活躍し、他アーティストへの楽曲提供、プロデュースをはじめ、ソロ活動も展開し、アジア各国でも作品がリリースされています。シングル総数は全52枚、両A面シングルも合わせるとなんと全58曲。今回は、メジャーデビュー25周年を迎え、2019年12月18日に、25周年記念シングルコレクション『G25 -Beautiful Harmony-』をリリースされたゴスペラーズから、村上さんと黒沢さんのおふたりにお話をうかがいました。ーーもとは村上さんと黒沢さんが同じ高校で、3年生のときに初めてご一緒に歌われたのですよね。その当時は25年間もこうして第一線で続くことを想像できていましたか。黒沢当時はまったく考えていなかったですね。そもそも高校のときの学園祭で、「何か目立つことがしたい」ということで組んだアカペラグループで、そのときはまだゴスペラーズにもなっていませんでした。その後、大学に入学した際、うちのリーダー(村上さん)が早稲田大学に一浪して入っていて「アカペラのサークルがあるぞ」と教えてくれたのが、ゴスペラーズ結成のきっかけです。そのときはサークルにおもしろい人がたくさんいたんですよね。アカペラサークルなので、歌い上げることが好きな人、ハーモニーを構築してハーモニーの響きを突き詰めたい人などがいました。アマチュアなので両方いてもいいんですが、たまたま我々の代に、何人かすごく歌を歌いたい人がいて、その人たちで組んだのがゴスペラーズです。プロになるにあたって、進路のこともあって、就職するメンバーが抜けて、そこで後輩を入れたのがデビューのときのかたちなんですよ。黒沢 薫。1971年4月3日生まれ。カレー本の出版やプロデュースしたカレーを発売するほどのカレー好き。ーー当時はとくにデビューを目標にしていたわけでもなかったのですか。村上最初はもう、デビューする、しないという考え方もなかったですね。ただ、当時はアカペラグループがほとんどいなかったから、ちょっと歌うと、まわりからのリアクションがすごくよかったんです。だから、良い意味でも悪い意味でも調子にのったところがあって、バブルが弾けたか弾けていないかぐらいのときに、アルバイト感覚で営業をやらせてもらったらお金をはずんでもらえたことも。そんな、学生がつけあがるにはすごくいい条件だったんです。人から「お前らやってみるか」と言ってくれているんだったら、その話にのってみるかという感じでしたね。黒沢デビューしたとき、一番若いメンバーは20歳です。若いから、自分の年齢を超えた25年も続けることの重みなんて、わかっていなくて当たり前ですよね。でも、デビューするときにすぐ解散しようと思って始めることはないわけで、セールス的な結果が出るまでちょっと時間がかかったこともあって、もがいた時期もありました。みんな共通で興味を持つところもあるんですが、それ以外は意外とばらばらな趣向の5人なので、例えば楽曲ごとに方向性を決めるリーダーが変わったりして、その都度少しずつ意識が変わることであまり中だるみもしませんでした。常に目標や行きたいところを見ながら、みんなで走ってこれた25年だったということは大きいと思いますね。これが村上てつやの才能ひとつでやろうとなっていたら、ひとりでアイデアをひねり出し続けるのがすごく大変で難しかったかもしれませんが、いろいろなメンバーがいますから、5人でやってこれてよかったと思います。村上てつや。1971年4月24日生まれ。ゴスペラーズのリーダー。スポーツが好き。村上5人で一緒に続けてこれたというのは、チームワークの良さだとも思うので、トップダウンかボトムアップかというそんな単純なものではないと思うんですよね。瞬間、瞬間のイメージというのは、作る人間がいるほど、時には難しいこともあるかもしれないですが、最終的にはそっちのほうが面白いものになると思うんです。そういう意識が抜けてしまったら、ただのハモる人になってしまうから。アカペラをやることはたいして難しいことではないんですが、それを飽きずに聴かせ続けていくというのは、そんな簡単なものじゃないんです。ファンの人が何に魅力を感じるかだと思いますが、結果として、切り口がいろいろあるというグループに育っていったから、25年もったのかなというところはありますね。意図してこうしてきたというよりは、みんながんばっているうちにそうなったということだと思います。いまがシングルコレクションを出すベストタイミングーー2019年12月18日にシングルコレクション「G25 -Beautiful Harmony-」をリリースされました。25周年のタイミングでのリリースは、どのようなきっかけだったのですか。黒沢だいぶん楽曲がまとまってきたのと、フィジカルで出せるタイミングとしては、いまが最適かつフィジカルというものにあまり意味がなくなっていくのではないかという音楽業界の話もあったことがきっかけですね。村上実際、アメリカはほとんどCDよりも配信なわけですから。黒沢楽曲をまとめておくというのは今ぐらいがちょうどいいと、「シングルコレクションだ」と喜んでもらえるギリギリのタイミングではないかと、レコード会社の方にいわれて確かにそうだなと思ったんです。実際に作業してみて、最初の頃の音源は我々テープで録っているんですが、テープの対応年数がもうギリギリだったんですよ。一度動かなくなって、いろいろな行程をして、なんとか動くようになって録音してマスタリングしてというのは、たぶん今回が最後の作業だったので、危ないところだったんです。今回、マスター音源もデジタルになおすこともできました。最初の頃の楽曲は音量が全然違うので、ただ並べるプレイリストにしても、今回のアルバムのようにならないんですよね。でこぼこしちゃうんですよ。そういう意味でも、でこぼこしないものを今回出せたのはよかったと思っています。あとは25年経って、ダメな自分たちもやっと面白がれるようになったというか。それはそれで良さを見つけられるようになったということもありますね。10周年、15周年のときは「あれはもっとうまく歌えたのに」と後悔が勝っていたのが、25年経って、「あの頃はあの頃で頑張ってたよね」と思えるようになった。そういう意味でも、シングルコレクションを出すのならいまだと思いました。村上本当にベストタイミングです。黒沢これが30周年だったら、もう出さなくてもいいかなと思ったかもしれません。ーータイトルは、新元号「令和」の意味「Beautiful Harmony」もあるのですか。村上はい。昨年、夏フェスなど我々のことをそんなに知らない人がいる現場で歌うときは、全部この話から入ったんですよ。「今年は追い風が吹いていますよ、みなさん5月の菅さんの会見を見たでしょう」と。僕は本当に、あの会見をテレビで見ていて、膝を打つような気持ちになって(笑)。黒沢「ビューティフルハーモ二ー」なんて、僕たちの時代が来た! という感じ(笑)。ーーそうなのですね(笑)。今回、ディスクが5枚あってそれぞれに、リミックス音源がボーナストラックとして収録されています。ヒプノシスマイクなどを手がけるmaeshima soshiさん、yonkeyさん、空音さん、Momさん、長谷川白紙さんらのリミックスはいかがでしたか。黒沢25周年だから、25歳以下のアーティストがリミックスしていますね。そういう人たちが我々の楽曲をどういうふうに料理するのか、レコード会社の人から提案されて、それはおもしろいなと思いました。でもこれが20周年だったら「おもしろそうだね」って言えなかったと思うんですよ。「いやちょっと待って」と。でも、今回はそこもやってみようと言えるようになったのは、25周年だから。実際におもしろいものが上がってきたので、「我々は絶対こういうことはしないよね」というのも含めて、おもしろいです。村上ファッションなどでもそうだと思うんですが、ある程度年齢が離れると、前提としているものが違う。つまりリバイバルのときも知っていて乗る人と、新しいところから入ってくる人ということ。インプットが違う人たちのアウトプットの仕方を見てみるのは、すごくおもしろい。今回ちょっと度肝を抜かれるものもありました。黒沢こんな感じになるんだと思ったり、逆に我々が昔聴いてきた曲に近い感じにもなったり。すごく新しいけれど聴いたことがあるという感じもおもしろいですね。村上いまはアーティストというあり方も、25年前とはまた全然違って、どういうふうに楽しむのかも違っています。僕たちは無理して若い人たちに気に入られようとしていく必要はないんですが、知っていたら楽しまないと損だなとは思いますよね。黒沢若い人の音楽をいまからやってどうだではなく、我々は我々としてやっているときに、若い世代からも「おもしろいじゃん」と言ってもらえたらいいなと。ずっと長くやっている人は、そういう人が多い印象がありますね。ーーゴスペラーズさんも25年経って、遊び心や余裕を感じられるようになったということですか。黒沢やっとそういうところに来れたのかなと思います。村上制約の多い音楽ではあるので、ハーモニーって。基本的にはひとり1パートであったり、それぞれが自由にやったりすると、ハーモニーとして成立しないんです。そのなかでも遊びをちゃんと入れられてきたとは思うんですが、そこが心の余裕にもなってきたのかもしれません。25年間の出来事は前に進む力になっているーー25周年記念シングルコレクションのCMで、ゴールデンボンバーさんが、ゴスペラーズさんの代表曲「ひとり」を“エアーアカペラ”で歌う姿を拝見しましたが、爆笑しました(笑)。村上けっこう笑っちゃいますよね(笑)。黒沢ゴールデンボンバーのみんなは動きが多いですよね(笑)。以前、鈴木雅之さんのモノマネ芸人の方が、鈴木さんのモノマネをされていたときのことを思い出しました。本人よりも、モノマネするときのほうが動きが多くなるんですよね。ゴールデンボンバーの樽美酒研二さんは、「俺は口パクなのに声が枯れた」と言っています(笑)。村上それぐらい気合が入っていたんでしょうね(笑)。彼らに初めて会ったときも、「若いときはけっこう聴いてたんですよ」なんて言ってくれました。このCMも話題になってほしいですね。黒沢そうだね。CM出演も快諾してくれてうれしいね。ーー先日放送されていた阿佐ヶ谷姉妹さんの日本テレビ系の番組『阿佐ヶ谷姉妹のおばさんだってできるわよ』では、阿佐ヶ谷姉妹のおふたりにゴスペラーズさんが指導したり、コーラスをしたりする場面も拝見しました。村上阿佐ヶ谷姉妹さんはお笑い芸人という立場にいますが、ものすごく音楽を神聖なものとして自分たちのなかに持っている感じがありましたね。いろいろな企画のなかで、もちろん芸人的な笑いもとるものの、「今日ゴスペラーズと私たち歌えるんだ」という感情をすごく発してくれたのでそれはうれしかったですし、彼女たちは歌がうまかったですよ。黒沢僕たちあまり指導することもなかったです(笑)。村上そうなんですよ(笑)。テレビでは指導しているふうな映像が少し流れていましたが、あれは段取りを話していただけで、合わせたのも1回だけですし、実時間的にも全然時間がかかっていないんです。番組内のスタジオにいたゴスペラーズファンで、シングルコレクションの告知をしてくれた人もよかったですね(笑)。ーー阿佐ヶ谷姉妹さんやゴールデンボンバーさんなど、いろいろなジャンルにファンの方がいらっしゃいますね。村上最初の頃、僕らのこういうスタイルを面白がってもらってフジテレビ系のバラエティー番組『笑っていいとも!』にレギュラーで出させてもらったときもありました。そのときは大変だったんですが、当時のゴスペラーズのようにヒット曲を持っているアーティスト像が世の中に確立されていないときに、一種のネタのようなものをテレビでやるというのは、ある意味危険でもあるわけですよね。面白くない芸人だと思われる可能性もあるわけだから。でも、そうやって面白がってくれる人や場所に対して、もちろん25年間の中で拒絶したことやものもあるんですが、できるだけ5人全員がポジティブになって前に進んでいこうというスタンスできました。こうしてポジティブにチャレンジしてこれたのも、結果としていろいろな人とさまざまな絡みを25年間できたからだと思います。それはやっぱりグループとしての適応力が磨かれたのではないかなと。「僕たちはこういう音楽家だから」と殻に閉じこもっていたときに、果たしてこのスタイルがそんなに面白いものとして世の中に映っていたかというとわからない。もちろんからんでしまって失敗したこともあるんですが、トータルとしては、25年間の出来事は全部前に進める力になっています。危険なものもいっぱいあったと思いますが(笑)。黒沢危険なものもなんとかしのぎきったり、しのぎきれなかったり、いろいろあった25年だったと思います。たっぷり歌う大切な部分が見える全国ロングツアーーーお休みの日などはどのように過ごしていますか。黒沢休みがないんです。ありがたいことにこのプロモーションで忙しくさせていただいていて、休みの日は本当に休んでいます(笑)。前は映画に行ったり、ライブを観に行くこともありましたが、最近は外出することで風邪をひくといけないので、前ほどは外出していませんね。村上僕も同じですね。インタビューで言っちゃいけないけど、疲れは本当に早くなっていますからね(笑)。夜の8時でこんな辛いのか、目がしばしばするぞと。25周年を迎えて、僕も働き方改革です(笑)。ーーそうなんですか(笑)。ではまったく違う切り口のお話ですが、おふたりが魅力的だと思う女性像はどんな人でしょうか。黒沢いまは、女性像自体が変わってきている最中で、女性も変わっていく過渡期ではないかと思うんです。少し前までは「女子力」という言葉がありましたし、男性を立てる女性が男性にとってはラクではありますよね。でも、これからは主体的にバンバン行動していく女性がより活躍するでしょうし、僕としてもこちらからいくよりも、女性からグイグイ来られるほうがいいという感じになっています(笑)。村上それこそもう「男性」「女性」で語る時代でもなくなってきていますよね。少し話がそれますが、悩んでいるのは、コンサートで「男性—!」「女性ー!」という呼びかけをするのはもう封印だなと思っています。いままでなら、大多数のことを指しているんだからという話で済んだことが、済まなくなっていくから、いまの時代は「レディースアンドジェントルマン」という言葉じゃないなと。実際に、その言葉を使ってはいけないというわけではないですが、僕らのような立場の人が鈍感であるといけないじゃないですか。でもそんなことに忖度せずに言うと、黒沢と同じになりますが、女性はどんどん突っ走ればいいと思っています。だから、自分らしく進む女性がいいのではないでしょうか。ーーわかりました。ゴスペラーズさんは、7月5日まで25周年を記念した全都道府県ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2019~2020 “G25”」を開催中ですが、どのようなステージですか。黒沢たっぷり歌います。シングルコレクションからの曲を中心にしているんですが、かなり楽曲的には満足していただけるんじゃないかと思っています。さすがにシングル曲の58曲すべてはできないですが、かなりボリュームのしっかりした全都道府県ツアーです。村上すべてを見せるのは難しいのですが、いろいろな曲を演奏していくなかで、自分たちのやってきたことをシンプルに届けるというのもあるし、いままでツアーや制作の中でやってきたものを少し加えるというのもあるし。僕らが積み重ねてきたものの大きな部分、大切な部分ができるだけたくさん見えるようなツアーになっています。黒沢ロングツアーだから、体調管理だけは気をつけていきたいですね。楽しみにしていてください。取材後記インタビューの際も美声でこたえてくださったゴスペラーズの村上てつやさんと黒沢 薫さん。グレーのスーツ姿で大人の魅力を見せながらも、インタビューでは場を和ませるユーモアも見せていただき、楽しい現場となりました。25年間走り続けているゴスペラーズさんは、これからもビューティフルハーモニーをわたしたちに聴かせてくれることでしょう。まずは、シングルコレクションボックスをチェックしてみてくださいね。ゴスペラーズ PROFILE1991年、早稲田大学のアカペラ・サークルで結成。メンバーチェンジを経て、1994年12月21日、シングル「Promise」でメジャーデビュー。2000年にリリースしたシングル「永遠(とわ)に」、アルバム『Soul Serenade』がロングセールスを記録しブレイク。2001年リリースのシングル「ひとり」は、アカペラ作品としては日本音楽史上初のベスト3入り、ラブソングコレクション・アルバム『Love Notes』が大ヒットし、ミリオン・セールスを記録する。以降、「星屑の街」「ミモザ」など多数のヒット曲を送り出す。2014 年にデビュー20 周年記念のベストアルバム『G20』をリリース。オリコン初登場2 位を獲得。全66公演ゴスペラーズ史上最多公演数の全都道府県ツアーは大成功。2017年、アルバム『Soul Renaissance』をリリース。2018年はシングル「ヒカリ」「In This Room」をリリース。10月、アルバム『What The World Needs Now』リリース。2019年10月30日に25周年記念シングル「VOXers」を、12月18日に25周年シングルコレクションボックス『G25 -Beautiful Harmony-』をリリース。デビュー記念日の12月21日から2020年7月5日まで、全都道府県ツアー『ゴスペラーズ坂ツアー2019~2020“G25”』を開催中。InformationNew Release『G25 -Beautiful Harmony-』(DISC 1)1. Promise2. U’ll Be Mine3. Winter Cheers!~winter special4. Higher5. Two-way Street6. カレンダー7. 待ちきれない8. ウルフ9. 終わらない世界10. Vol.11. 夕焼けシャッフル12. BOO~おなかが空くほど笑ってみたい~13. あたらしい世界(DISC 2)1. 熱帯夜2. パスワード3. 永遠(とわ)に4. 告白5. ひとり6. 約束の季節7. 誓い8. Get me on9. エスコート10. 星屑の街11. Right on, Babe(DISC 3)1. 新大阪2. 街角 -on the corner-3. ミモザ4. 一筋の軌跡5. 風をつかまえて6. Platinum Kiss7. 陽のあたる坂道8. It Still Matters~愛は眠らない9. 言葉にすれば10. 青い鳥11. ローレライ(DISC 4)1. Sky High2. セプテノーヴァ3. 1, 2, 3 for 54. 宇宙(そら)へ ~Reach for the sky~5. ラヴ・ノーツ6. 愛のシューティング・スター7. 冬響8. NEVER STOP9. BRIDGE10. It’s Alright ~君といるだけで~11. STEP!(DISC 5)1. 氷の花2. ロビンソン3. 太陽の5人4. SING!!!!!5. クリスマス・クワイア6. Dream Girl7. GOSWING8. Recycle Love9. Fly me to the disco ball10. ヒカリ11. In This Room12. VOXers2019年12月18日発売KSCL-3217 ~ KSCL-3221(通常盤)6,000円(税別)KSCL-3210 ~ KSCL-3215(初回限定盤)8,000円(税別)※初回生産限定盤は5CD+1BD(特典Blu-ray)ほか豪華仕様あり。
2020年01月09日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第26回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その9をお届けします。1. 写真と別人の男【結婚引き寄せ隊】vol. 26それは婚活サイトでよき男性を探していたときのこと。「年収万円以上」「東京在住」など、希望するキーワードを入力した末、あぶり出された男性の中にいたのは、誠実そうな30代後半の男性でした。その男性のプロフィールに掲載されていた写真には、白いシャツの第一ボタンを開けて、笑顔を見せている姿がありました。「もしかしてちょっとヴィジュアル系のバンドが好きなのかも?」というような長めの前髪で、ななめ45度ぐらいの細面の顔の角度を自撮りしていると思われる写真は、まあまあかっこいい系に入るかなという印象。その後何度かその男性とメッセージを送りあって、話している感じも悪くなく、一度会ってみようという話になりました。待ち合わせの時間の少し前に到着したわたしは、時間になったのでまわりをキョロキョロと見回したものの、あの写真の男性は見つかりません。場所を間違ったか、時間を勘違いしたかと思い、メッセージを再確認しようとしたその時、右肩をトントンとたたかれて振り返ると、「お待たせしました!」とにっこり笑う見たこともないぽっちゃりとした男性がそこに。誰かと間違っているのか、なんだろうと思ってプチパニックになっていると、「です」と名前を名乗られました。そう、その男性はまあまあかっこいい系に入りそうだと思った、あのちょいヴィジュアル系好きだと感じたネット婚活の人でした。時間に遅れそうで走ってきたというその男性は、前髪が後ろに流されておでこが丸見えになっていたことと、細面の顔だけが掲載されていたサイト上では全体に細身かと思っていたら、顔以外はぽっちゃりさんだったことから、写真とはまったくの別人がやってきたような印象を受け、衝撃を受けました。こういう写真は、よく見える“奇跡の一枚”を載せるのが良いともいわれることがありますが、実際に会ったときのギャップが激しすぎてもびっくりするので、何事もほどほどがいいなと実感。結局その男性とは、のっけから写真と違いすぎて動揺してしまい、その後もぎくしゃくして時間が過ぎたのでした。2. 食べ物をシェアしたがる男それはまた別の婚活サイトをチェックしていたときのこと。こういった婚活サイトは各会社によってカラーが違っていて、その利用者の年代や職業にもばらつきがあります。そのため、「このジャンルの職業の人が多そうなA社も試しつつ、幅広い層の人が集まるB社でも登録してみよう」というふうに、身元確認がしっかりしていそうなところを利用していました。そんなとき、歳は少し下だけれど、しっかりしていそうなサラリーマンの男性が目につきました。その男性は昔から自然が好きで、海に泳ぎに行ったり、山にキャンプに行ったりするというアクティブ派。一方、わたしはあまり山には行きませんが、海は好きだったので、お互いに趣味の話で意気投合。そのアクティブな男性からランチの誘いを受け、休日の昼下がりに指定されたおしゃれなイタリアンへと出向きました。会ってみると、プロフィールで見たままのしっかりしていそうな男性で、気をつかいすぎることもなく、ほっとして食事が運ばれてくるのを待っていました。この日はアラカルトでメニューを注文していたので、それぞれ料理が運ばれてきて食べていると、その男性は「わあ! そっちのメニューでもよかったかな」とこちらのお皿をチラ見。さらに、「一緒に食べましょう!」とこちらの同意もなく、わたしのスプーンを取って自分の皿にあった食べかけの料理をすくい、笑顔で差し出してきました。その行動に引いてしまったわたしがかたまっていると、「遠慮しないで」とさらにスプーンを押しつけてきます。やんわりとそのスプーンを受け取って皿に置き、また別の料理が運ばれてくると、「シェアしましょうね!」と言ってくる男性。でも小皿に取り分けるのではなく、運ばれてきたお皿のまま自分は食べ、その半分をわたしに食べるように促してくる行動に完全にわたしはドン引きしてしまいました。やりとりしていたとはいえ、実際に会うのは初めての男性と料理をシェアしあうのには違和感があり、さらにまるで良いことをしているつもりで食事を強制してくるという、マイペースすぎる行動に疲れて、その日の食事はまったくおいしくありませんでした。3. 店選びがテキトーすぎる男婚活パーティで出会った男性と食事に行く約束をしたときのこと。外資系の企業で働いているというその男性は、話し方もなめらかで、物腰もやわらかい印象がありました。雰囲気がよさそうだったので、食事に行くことになったのですが、そのお店選びがなぜか難航。「何が食べたいですか」と聞かれたので、「洋食ならなんでもいいですよ」と答えると、「というお店を予約しようと思ったんですが、なかなか予約できませんでした。はどうですか」と代替案を出され、お店の指定はとくにないので、「いいですよ」と返事をするとまたしばらくして「ダメでした」という連絡が。二度もお手間をかけて申し訳ないと思い、「次はわたしが予約しましょうか」と言うと、「いえ、女性にそんなことさせられません!」と頑な。ではと予約を任せたら、「が予約できました!」と連絡がきて、お店を見ると、あれ? 居酒屋……。洋食のお店探しで難航していたのかと思ったら、なぜか3軒目で和食、そして居酒屋に決定。最初から居酒屋へ行こうと決めていたなら、もちろん居酒屋でも良かったのですが、洋食のお店を希望していたのに知らないうちに和食で、さらに初対面のデートであまり行かないであろう居酒屋に女性を連れていこうとする男性に違和感がいっぱいになりました。一応食事はしましたが、それきり会っていません。婚活していると、こんな普段の生活では会わないような人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけてくださいね。©volkovslava/Gettyimages©filadendron/Gettyimages©ajr_images/Gettyimages
2020年01月07日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第25回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「ステキな男性3選」をお届けします。1. 気配りができる男性【結婚引き寄せ隊】vol. 25それは絶賛恋活&婚活中の女友達から誘われていった、少人数での下町散策会でのこと。合コンというほどがっつりとした出会いを求める場とまではいかないものの、みんなでスカイツリーなどを眺めて楽しみながら、交流を深めようという健全な会がありました。そこで友達に紹介されたのは、物流会社に勤めているという、Xさん。散策エリアから勤務先が近く、下町の雰囲気が好きということも手伝って、参加者の誰よりも街に詳しく、女性陣に観光ガイドをしてくれました。それにちょっと歩いただけでも、「女性はヒールを履いているから疲れますよね。ちょっと休憩しますか」といった具合に、気配りを欠かさないXさん。参加女性からも「優しい人だね」と好評だったXさんは、その後も趣味でやっているというウクレレの弾き語りを披露してくれたり、食べ物の取りわけをしてくれたり、男性ですがかなり女子力の高い人。その会を通じてなんとなくお互いに好感触だということを確認でき、またどこかへ行こうという話も出ていました。ただ、私はひとりっ子のため、相手は兄弟がいる人で末っ子がいいと思っていたのですが、Xさんもひとりっ子だと判明。すごく気配りができるし、良い人だったのですが、出会うタイミングが違ったかもしれないと思い、なんとなく疎遠にしてしまいました。でも、いまも思い出すと良い印象ばかりのXさん。きっとステキな女性と幸せになっていることでしょう。2. エリートサラリーマンの男性それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。こういったネット婚活では、自分の希望する条件に絞って相手探しができるため、将来のパートナー候補かもしれない男性たちのプロフィールをちょこちょこ見ていました。すると、一流企業に勤務する関西地方出身のYさんがクローズアップされ、何度かメッセージでやりとりしたのちに、実際に会うことになりました。Yさんは、写真やメールでのやりとりと同じく、実物も実直そうで、結婚相手として信頼できそうなタイプ。言葉数は少ないものの、話のひと言、ひと言に重みがあって、真剣に将来を考えている様子が伝わってきました。いつも誠実に対応してくれる紳士的な振る舞いも素晴らしく、非の打ち所がないという印象で、このまま進めば、経済的にも何の心配もない未来が待っている……。のはずだったのですが、あまりにも完璧すぎる紳士のYさんに、まったく完璧ではない私はちょっと背伸びをしている感じがして疲れてしまい、非常に悩んだ結果、会わなくなりました。でも、いまも思い出すと良い印象ばかりのYさん。今頃はYさんと同じようによくできた、良妻賢母の女性と幸せになっていることでしょう。3. 超イケメンの男性あまりにも出会いがなく困り果てて、友達に頼んで紹介してもらった、Zさん。それまで「人に紹介を頼むなんて恥ずかしすぎる」と思っていたこともあったのですが、そうも言っておられず……。背に腹は代えられないとばかりに、身の程をわきまえずに「イケメンで、ちゃんと働いていて、大人の男性」というリクエストをして現れたのがZさんでした。紹介を頼まれた女友達は、私の好みを知っているので、「まさに!」といったちょっとビジュアル系のバンドマンのようなルックスのイケメンを連れてきて、3人で飲みに行くことになりました。自己紹介から始まって、仕事の話、趣味の話としていくものの、「いやああまり紹介とかもされたことがないし慣れなくて……」と終始控えめなスタンスのZさん。それにひきかえ、目の前のイケメンに興味津々でグイグイ質問してしまう私。連絡先を交換したものの、そもそもあまり紹介話には乗り気じゃなかったというちょっとオタク気質のZさんは、グイグイくる私にちょっとビックリしていたようで、そうこうするうちにお互い連絡が途絶えてしまいました。ほんのひとときの間でしたが、ドンズバの好みのイケメン男性との食事は、すっかり忘れていた美容やファッションに気配りする乙女心を思い出させてくれました。今ごろZさんは、趣味の合うステキな女性と幸せになっていることでしょう。出会いを探していると、思ったよりも大変なこともあれば、心がときめくようなすてきな男性に出会うこともあるかもしれません。みなさんが良い出会いに恵まれますように!©PeopleImages/Gettyimages©Chris Ryan/Gettyimages©franckreporter/Gettyimages
2019年12月27日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第21回目に登場するのは、平均年齢17歳の沖縄出身のガールズグループ、Chuning Candy(チューニングキャンディー)さん!写真・角戸菜摘沖縄発のカラフルな5人組、チュニキャンの個性写真左から琴音、ソフィー、LILI、ゆうり、愛子。【音楽通信】vol.212013年、沖縄で結成されたChuning Candyは、メンバーそれぞれが沖縄でTVCMや雑誌モデルとして活躍するティーンが集結したガールズグループ。2018年3月にメジャーデビュー後、「TOKYO GIRLS COLLECTION」のオープニングアクトに抜擢され、韓国の人気歌番組に日本人女性グループとして史上初出演を果たし、第60回「日本レコード大賞 新人賞」を獲得するなど、メキメキと人気と実力を上げてきました。今回、11月27日にリリースされた両A面シングル「STAND UP!!/アイのうた」について、Chuning Candyのゆうりさん、ソフィーさん、LILIさん、琴音さん、愛子さんのメンバー全員にお話をうかがいました。センターのLILI。 2002年9月11日生まれ。ーーまずは、おひとりずつ自己紹介をお願いします。LILIセンターを務めさせていただいています、LILIです。お寿司がすごく好きなので、最近ネギトロを食べたら、くちびるがとろけるような……あっ! ほっぺがとろけるような味でおいしかったです(笑)。特技は英語と、歩きながら寝ることです。ゆうりメインボーカルを努めさせていただいています、ゆうりです。歌うことが大好きです。特技は書道で、字を書くことが好きです。メインボーカルのゆうり。 2000年12月22日生まれ。ソフィーリーダーをさせていただいていますソフィーです。特技は琉球空手をしているのですが、黒帯です。そのキレがダンスにも活かされていると思います。琴音グループの中では、ムードメーカーだといわれる琴音です。特技は体がやわらかいことです。最近はファッションが好きで、いろいろなファッションを研究しています。愛子Chuning Candyでは、サブリーダーをやらせていただいている愛子です。ライブでは、いつも盛り上げ役をやらせていただいています。特技は、耳を動かすことができるのと、ツイッターのスクロール音の真似ができることです。リーダーのソフィー。 2000年4月29日生まれ。ーー2013年に結成後、2018年3月にシングル「Dance with me」でメジャーデビューされましたが、みなさん沖縄で活動されていたのですよね。愛子はい。全員沖縄県出身で、LILIとソフィーはハーフなんです。LILIわたしはデビューする前の1年半、アメリカのテキサスに留学していました。ソフィーわたしはアメリカ生まれの沖縄育ちです。ムードメーカーの琴音。2002年9月4日生まれ。ーーデビューにともなって沖縄から上京されたそうですが、東京に来てから沖縄との違いを感じたことはありましたか。ゆうりいまは慣れましたが、いろいろと違いは感じますね。LILI沖縄はモノレールしかないので、上京して最初の頃は、電車がたくさんあって乗り換えの仕方がわからなくて、困りました(笑)。最近はやっと区別がつくようになりました。愛子沖縄は車社会で雨が降っても移動するときに困らないので、あまり傘を使う習慣がないんです。だから、東京で生活しているいまも、小雨が降るくらいだと傘はささないですね。サブリーダーの愛子。2002年12月28日生まれ。ソフィーいままでは全然天気予報を見ていなかったんですが、東京に来てから、その日の天気を調べて家を出るようになりました。LILI傘の存在を忘れがちなので、雨が降るたびに傘を買うから、家にはたくさん傘があります(笑)。ソフィーそうだね(笑)。あとは東京の人の多さと、エスカレーターで東京は左、大阪は右に寄ることがびっくりします。ゆうりうん。確かにエスカレーターの立ち位置があることは、衝撃でした(笑)。ニューシングルに込めた思いとライブへの意気込みーーそんな東京生活を送るなかで、11月27日に5枚目となる両A面シングル「STAND UP!!/アイのうた」がリリースされましたね。まず「STAND UP!!」は、ダンサブルでアッパーな楽曲ですが、この曲の印象についておひとりずつ教えてください。愛子Chuning Candy自体はそれぞれの個性を大事にしているグループなんですが、「STAND UP!!」の歌詞も、自分の意思を大事にして前に進むという意味が込められているので、わたしたちと似ていると思いました。前進するわたしたちだからこそ、歌える曲だと感じています。ゆうり歌詞に感情移入できるところがたくさんあるので、歌うときには、感情を込めて歌いやすかったです。楽曲をいただいたときは、レコーディングでも「ここはこういうふうな思いを込めて歌おう」とすぐイメージできましたし、大切ですてきな1曲です。自分に自信のない人や素直な気持ちを言えない人などに聴いてもらって、自分をしっかり持ってほしいという思いもあります。LILI最初にこの曲を聴いたときは、EDMサウンドでのりやすい音楽だったので、はやく歌いたい気持ちでいっぱいでした。いままでとは違う雰囲気の曲でサビはテンポがはやいんです。わたしの歌うパートでは「ねぇ stand out,stand out,stand out,stand out」という歌詞があるんですが、その部分は音がなくなって、激しいサウンドと静かに聴かせる部分の温度差があるところがいいなと思いました。ファンの方にも聴いていただいて、元気になってもらえたらいいなと思っています。ソフィーいままでの表題曲はかわいい曲やポップな曲が多かったんですが、「STAND UP!!」は芯のある曲です。まわりに振り回されずに、自分の信じる道を突き進むという意味が込められた歌詞なので、かっこいい。若い人たちに向けて歌いたいし、自分たちもかっこいいチュニキャン(Chuning Candyの略称)を信じて、こういうチュニキャンも見てほしいと思っているので、今回こういう曲をいただいてすごくうれしかったです。琴音迷わない、自分の芯を持って突き進むという曲です。不安があるかもしれないけれど、自分を信じて進む。ダンスもかっこいい部分があって驚いてもらえるようなダンスだったり、自分に自信のない人に聴いてもらいたい曲になっています。ーーもうひとつの表題曲「アイのうた」は、三線や沖縄民謡の合いの手が入っているなど、沖縄テイストのおもしろい楽曲ですね。おひとりずつ、曲について教えてください。愛子沖縄っぽい曲で、この歌詞もいいなと思いました。わたしたちはファンの人たちに対する愛を直接伝える機会はないですが、だからこそライブでのパフォーマンスに思いを込めて、愛と勇気をみなさんに与えることを意識しているんです。いろいろな愛を込めて作られたこの歌は、愛にあふれた歌詞なので、それがファンの人に伝わりやすいのではないかなと思っています。ゆうり「アイのうた」は琉球音階が使われているので、いままでにない挑戦的な曲というか、チュニキャンで歌ったことのない曲なんです。わたしたちも楽しみながら歌っていますし、簡単な振り付けなので、やっぱりファンのみなさんと一緒に歌って踊れる曲がこうしてあるとうれしいなと思いました。ライブでは盛り上がる曲なので、大切にこれから歌っていきたいと思います。LILI初めて沖縄感を出した曲で、さらに初めて「チューニングキャンディー」とグループ名が歌詞に入っているので、「アイのうた」は特別感があります。愛といえば、沖縄では首里城の火災があってその再建支援をしたい気持ちがありますし、この愛にあふれた歌から、世界の人たちを笑顔で幸せにできたらいいなと思います。本当に簡単な振り付けで、盛り上がる曲なので、たくさんの方にライブに来てほしいです。ソフィーいろいろな愛の形があると思うんですが、それらをひっくるめて、みんな大好きだし大切だし、壮大になりますが平和を願うような曲にもなれる可能性があるんじゃないかと思っています。チュニキャンから平和への思いを発信していきたいですし、つらいことがあってもがんばっていこうという意味が込められた歌詞なので、これからも大事にしていきたいです。琴音ひとりじゃないよ、みんないるから大丈夫だよという、希望を持たせてくれる曲だと思っていて、恋も友情も愛情も全部のありがとうを届けたいですね。わたしたちもいっぱい愛を届けていきたいという曲だと思っています。ーー「アイのうた」の振り付けのビデオを拝見しましたが、パンチのような動きはファンの方も覚えやすそうですね。LILIそうなんです! パンチのような動きは、応援するようなイメージですね。愛子ライブのときも、この曲をやる前に1度、会場にいるみなさんと振りの練習をして、そこから曲に入るんです。するとチュニキャンを初めて観た人でも、楽しんでもらえていますね。ーーそんな楽しい「アイのうた」に比べると、「STAND UP!!」はダンサブルな楽曲でクールな印象の振り付けですね。ソフィー「STAND UP!!」のダンスは、いままで以上に力強くて、ダンスパートもあるんです。実はいままでの曲の中でも、けっこう顔もすまして踊っている感じです(笑)。それぞれの曲は、いい意味でのギャップがありますね。ゆうりそうだね。それぞれの曲にも、個性があると思います。ーー初回盤に収録された「snowflakes」はクリスマスにぴったりのかわいい曲ですが、実際に歌ってみていかがですか。ゆうり本当にすごくかわいい曲で、歌っているときも照れてしまいます(笑)。琴音振り付けも妖精のようなイメージでかわいいんです(笑)。ソフィーみんなこの曲が鳴った瞬間、曲の世界に入るのでなりきるんですけど……。愛子ほんとは恥ずかしい(笑)。LILI最近はこの振り付けも楽しくなってきましたが、照れます(笑)。ゆうり振りの中で何回もメンバーとアイコンタクトするんです。愛子ファンの人ともアイコンタクトするので、それも含めて盛り上がる曲かもしれないですね。ーー通常盤に収録された「GIRL’S PARTY!」は、女友達との楽しい雰囲気が伝わるポップな曲ですが、みなさんはどのような印象ですか。LILIこの曲は夏のイメージの音楽ですが、ライブではタオルを振るようなアクションをやってみたいと考えているんです。いまはピースを使った振り付けがあるんですが、定期公演やスペシャルなライブでは、お客さんとこの曲でタオルで暴れたいなと思っています。ソフィーこの曲は、タオルでみなさんと盛り上がる1曲になると思います。ゆうりこの曲は大切な友達に向けた気持ちが込められた曲です。普段なかなか言えない大好きやありがとうという気持ちが入っているので、歌詞にも注目してもらえたらと。チュニキャンのファンの方は中高生の女の子も多いので、歌詞にも共感していただけるのではないかなと思います。「チュニキャン」を流行語にして活躍したいーー平均年齢が17歳ということですが、学校とチュニキャンの活動との両立は大変ではないですか。ソフィーそうなんです。私とゆうりは大学生なんですが、がんばって卒業しようね(と言って、ゆうりさんを見る)。ゆうり(ソフィーさんと見つめあって)ほんとだね(笑)。ソフィー上京したばかりのときは、私とゆうりが高3、あとのメンバーは高1で、みんな慣れるのに必死でしたね。みんなで一緒に住んで、料理も洗濯も自分たちでしなきゃいけなくて、慣れるまでチュニキャンの活動と学校生活の両立は本当に大変でした。いまも共同生活をしていますが、やっと最近みんな慣れてきて、コミュニケーションも絆もさらに深まってきました……よね?(とメンバーにたずねる)琴音、LILI、愛子、ゆうりはい! 深まってます(笑)。ーーみなさんから仲の良さが伝わってきますが、メンバーそれぞれの普段の行動を見て思う「かわいい」エピソードをほかのメンバーの方から、おひとりずつ教えてください。琴音では愛子の話から。昔のメンバーの写真を見て「みんなかわいい〜!」とよく言うほど、メンバー愛が強くてかわいいです。愛子そう、メンバーの写真を見たり、動画を見たりするとついうれしくなって(笑)。というのも……って、自分から説明してもいいですか(笑)。この5人で初めて挑むデビューシングルを歌う動画を懐かしくなってしまって、ずっと見ちゃいました。メンバーのことが大好きなんです。LILIあと愛子は食欲がすごくて、この前ミルクティーとアイスを両方食べたら、おなかこわしてたよね(笑)。サブリーダーでいつもはしっかりしているのに、ときどき末っ子みたいな部分が見えて、かわいいです。愛子それはかわいい部分なのかな(笑)。ありがとう。ソフィー次はゆうりの話。ゆうりは、すごくおもしろいんですよ。この間、早朝の新幹線に乗ることがあって、朝から「あんたがたどこさ」って遊んでるんですよ(笑)。LILIそれも新幹線のど真ん中の席です!愛子大学生なんですよ(笑)。わたしより2歳年上なんですが、同い年のような感覚でいつも楽しいです。ゆうりなんか照れます(笑)。ソフィー次はLILI。言葉を間違えるときがかわいい。琴音うん、それに存在自体もかわいい。ゆうり撮影のときも、メイクして、おとなっぽい服を着ていると見惚れますね。LILIわぁ、ベタ褒めだぁ(照)!ゆうりでも、スキンシップが激しいときがあるからそれはちょっと……(苦笑)。LILIえ? いいよね!(と言って、ゆうりさんと腕を組む)琴音ソフィーは、スープを作ってくれるんですよ。ソフィー野菜スープだね(笑)。琴音まるで母のように母性があって、そこにも惚れていますが、本当に愛おしいですね。ゆうりそういえば、ソフィーがある撮影のときに、りゅうちぇるさんに似てました(笑)。ソフィーメイクを濃くすると、りゅうちぇるさんに似るんです。ゆうりモノマネとかもしてくれるし、そこもかわいいですね(笑)。LILI琴音は、あせって、すべったときがかわいいと思います。その反応や行動がおもしろくて好きです(笑)。愛子琴音はムードメーカーだから、おもしろいことも言うときがあるんですが、あせるとかわいい。琴音その日のコンディションによって、おもしろかったり、すべったりします(笑)。ソフィーあと甘えてくるのもかわいいよね。ーーメンバー愛が感じられました(笑)。最後に、今後の目標や豊富を教えてください。ソフィーいま計画しているのは、4月26日に東京で初めてワンマンライブをするので、成功させたいですね。そして、メディアにたくさん出させていただいて、みなさんにチュニキャンを知ってもらえる年にしたいです。琴音飛躍の年にしたいです!愛子もっとファンの方との交流も増やしたいですね。昨年はいまあることをやるのに精一杯だったんです。今年からだんだんとMCやファンの方とのコミュニケーションもがんばっている最中なので、2020年も引き続きがんばっていきたいなと思います。ソフィー「チュニキャン」というワードを流行にできるぐらい、活躍できるようにがんばります!取材後記取材現場でも、元気で明るい笑顔を咲かせてくれたChuning Candyのみなさん。上京後、共同生活をしながら、学校生活とチュニキャンの活動という、二足のわらじを履いてがんばる姿は頼もしい限りでした。5人それぞれの個性が光るチュニキャンのニューシングルをまずはチェックしてみてくださいね。Chuning Candy PROFILE2013年、沖縄のキャッツアイタレントスクール生で結成。“キャンディーのようにいろいろな個性を持つメンバーが、一体となって音楽を紡ぎだすこと”を表したグループ名は、略して“チュニキャン”として親しまれている。2年連続で九州・沖縄エリア代表を勝ち取って出場した「愛踊祭2017」決勝大会で審査員特別賞を獲得。2018年3月、シングル「Dance with me」でメジャーデビュー。「TOKYO GIRLS COLLECTION」のオープニングアクトに抜擢された他、韓国の人気歌番組に日本人女性グループとしては史上初出演を果たし、第60回「日本レコード大賞 新人賞」を獲得。2019年11月27日、5枚目の両A面シングル「STAND UP!!/アイのうた」をリリース。レギュラー番組として、ラジオ日本「Chuning Candy Tune Up Party!!」(毎週木曜23時)、エフエム沖縄「KIREIMO presents 週明け応援 Radio Chuning CandyのChear up!」(毎週日曜19時25分)、RCBテレビ「ジョブ・エンジン!」(毎週土曜午後16時、11月2日から全8回)がある。2020年4月26日、ワンマンライブ「Chuning Candy 2nd Anniversary LIVE!」を代官山UNITで開催。InformationNew Release(通常盤)01. STAND UP!!02. アイのうた03. GIRLS’ PARTY!04. STAND UP!! (Instrumental)05. アイのうた (Instrumental)06. GIRLS’ PARTY! (Instrumental)07. STAND UP!! (TAAR Remix)11月27日発売(通常盤)PCCA-048631091円(税別)(初回盤)はCD+Blu-ray。※03. Snowflakes、06. Snowflakes (Instrumental)に変更。(初回盤)PCCA-048621636円(税別)
2019年12月20日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第20回目に登場するのは、秀逸な歌声とパフォーマンスで人々を魅了し続けている、シンガーソングライターの森山直太朗さん!写真・大内香織120万枚の大ヒットとなった「さくら(独唱)」の存在【音楽通信】vol. 202002年10月、ミニアルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』でメジャーデビューした森山直太朗さん。このデビュー作にバンドアレンジで収録されていた「さくら」はシングルカットされ、ピアノのみでの独唱版として2003年3月にリリースされた「さくら(独唱)」はミリオンセラーを達成し、一躍注目を集めました。その後もリリースやライブ活動をコンスタントに展開し、音楽と演劇を融合させた劇場公演の実施や俳優としてのドラマ出演など、唯一無二の歌声と類稀なる表現力に定評のある直太朗さん。今回、デビューから17年を経たいま、再び「さくら」が新たなアレンジで生まれ変わり、10月30日に配信シングル「さくら(二〇一九)」としてリリースされました。そして昨年から今年の6月まで行われた全国ロングツアー「人間の森」を追ったドキュメンタリー映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』が12月13日に公開。長期間密着撮影されたこのツアーでは、直太朗さんの学生時代からの友人で、楽曲の共作者でライブ演出も手がけてきた御徒町凧さんとの関係性に変化があり、その姿も映画にはありのままに映し出されています。新曲「さくら(二〇一九)」と映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』について、直太朗さんにお話をうかがいました。ーー今回、リアレンジされた「さくら(二〇一九)」がリリースされました。シングルとしては2003年にリリースされた「さくら(独唱)」がもとですが、この楽曲は当時初回出荷枚数が1,200枚からスタートして、最終的に120万枚の大ヒットになりましたね。あらためて当時の心境から振り返ってみるといかがでしょうか。当時は、振り返っても思い出せないくらい、めまぐるしい状況にいた記憶があります。「さくら(独唱)」が2003年3月5日にリリースされてから、桜前線とともに、僕も北上していったんですよ。宣伝費もなかったので、ギター1本を持って、全国各地のラジオ局をまわったり、レコードショップの営業の人に挨拶に行ったりという草の根活動をしていました。そのうち少しずつ、ランキングのチャートが上がっていって、5月ぐらいには「さくら(独唱)」が1位になっていましたね。そこからまた慌ただしくなったので、2段階の混乱があったのですが、かなりすり減っていた思い出があります。ですがそれと同時に、まず持ち前の体力があったので、歌っていくことができましたね(笑)。楽曲が自分の想像をはるかに超えていってしまったーー「さくら」は、高校の国語の教科書にも掲載されているそうですし、卒業式でも歌われるなど、多くの人たちの感動の節目にも携わっている曲だと思います。直太朗さんご自身では、こんなに人々の間で曲が大事にされ、育っていくと思っていましたか。まさかそんなことは思っていなかったです。ただ、多くの人たちに僕の曲が届いて、響いてくれたらいいなという願望やイメージはありました。ーー先日、日テレ系朝の情報番組『スッキリ』の歌のコーナーに直太朗さんが出演されていたところを観ましたが、「さくら(二〇一九)」を歌ったら、MCの水卜麻美アナウンサーが感動して号泣されていましたね。そうでしたね。日テレの水卜さんや、ファンクラブに入ってくださっている山本紘之アナウンサーなど支持してくださる方がいたり、教科書に載っていたりと、もう楽曲が自分の想像をはるかに超えていってしまった感じがします。僕はかつて共作者の御徒町と一緒に、曲を作りながら路上で歌っていたインディーズ時代や、部屋でしゃべりながら曲を作っていたときに「ここじゃないどこかに早く行ってみたい」と常に思っていました。でも、同時に「どこに行くのかがわからないから不安」という気持ちもあったんです。それが曲を作り、歌い続けていくことで、自分では見たこともない景色、想像もしなかった人たちとの出会いがあるという不思議を実感しています。自分の作った曲がさまざまな場所で歌われるということは、無意識のうちに心のどこかで求めていたことだから、本当にありがたいですよね。ーー今回、「さくら(二〇一九)」はドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系 毎週水曜日午後10:00)の主題歌ですが、ドラマ制作陣からのオファーだったそうですね。そうです。僕は曲が評価されてオファーされるのはいいことだと思っていたんですが、当初は驚きました。なぜなら主題歌にするにあたって、以前リリースした「さくら(独唱)」をそのまま使用するのではなく、今回は「新録でいきたい」という、お話をいただいたから。「さくら」に関わらず、どの曲も“今の曲”として感じてもらえるシチュエーションを自分たちだけで発信していくのは限りがありますよね。だから、僕個人としては、新録することはうれしかったんですが、時間がなかったので慎重に進めないといけないと考えました。安易に自分の曲をカバーするのは、いままで「さくら」に向き合ってくれていたたくさんの人たちを裏切ることにもなりかねないので、実はハードルの高いことだと思ったんです。そこで、まずはオファーをくださったドラマのプロデューサーの大平太さんの話を聞きました。僕らの仕事は人の思いに応えていく仕事でもあるから、もしそこであまりにもとってつけたような理由や感じるものが何もないようなら、この話はやめておこうと。でも、実際に大平さんから、この曲に対する熱い思いが伝わってきたんです。大平さんにはドラマの強いビジョンもあったので、「さくら」は主演の高畑充希さんにカバーしてもらうほうがいいのではないかとも考えました。だから再びこの曲を自分で出すということに勝算はあまりなかったんですが、「ここでやらなきゃウソだな」って思ったんですよね。そう思った背景には、ツアー「人間の森」を経て、足もとを見つめ直して、さらに足もとのもっと奥にあるものを見つめ直すという“自立のとき”でもあったというタイミング。そしてデビューの頃、「さくら」を多くの人たちに知ってもらい、そのあとは混乱した季節があったものの、でも自分たちで得た経験を守りながら活動してきたら「人間の森」で、ある種のアーティスト活動の限界のようなものがあったということ。そこから“もう1回やり直せ”と言われている気持ちになって、思い切ってレコーディングをしたんです。高畑充希さんが「神さまみたい」と絶賛!ーー新録された「さくら(二〇一九)」をリリースするにあたって、いろいろな思いを抱かれたのですね。今回は劇伴作家でもある世武裕子さんが編曲とピアノを担当されています。はい。世武ちゃんは、「人間の森」の音源のピアノで参加してくれて出会いました。今回の「さくら」を新録することになった当初、僕がアレンジするのも面白そうだけれど、うかつに手を出せないから、「さくら」を知らない外国人がアレンジするほうが振り切った曲になるのではないかと思ったんです。これだけいろいろな人に聴いてもらっている曲を新しくアレンジするのは、本当に思い入れが強いか、良い意味でまっさらに曲をとらえて先入観のない人かと考えて、僕は後者を選びました。そうなったときに、規格外の発想をする世武ちゃんが良いのではと思いました。彼女は「さくら」に先入観がないけれど、音楽には良い意味で反応するし、劇伴作家もやっているから、この物語に寄り添いながらもどんどん引き上げてくれるようなアレンジをしてくれるんじゃないかと思ったんです。こういう仕事は対話で作っていくようなものじゃないですか。自分の中の価値基準がはっきりしている彼女とは対話がしやすいし、そこにすごく救われましたね。ーー歌唱の面では、ご自身で意識して変えられたところはあったのでしょうか。それはほとんどないですね。最初、大平さんからは「アカペラでもいい」と言われたんですが、さすがに「さくら(アカペラ)」は違うなって(笑)。でも、そんな話をしたと世武ちゃんに言うと、「まずアカペラで曲をもらっていいですか」と言われました。アカペラで歌った「さくら」を送って、このときにはドラマ『同期のサクラ』の台本が2話ぐらいまであったのでそれも見ながら、きっと世武ちゃんは物語の景色と曲の旋律をアレンジで繋いでいったんだと思います。ーー高畑充希さんは直太朗さんの声を「神さまみたい」と絶賛されていますが、お会いしたことはあるのでしょうか。ドラマの現場に、表敬訪問しました。高畑さんからは「この曲を新しく歌ってくださってありがとうございます」と言われましたね。物語では、彼女の演じている“北野桜”という忖度できない性格の女の子が、どんどんボロボロになっていくんです。でも、遊川和彦さんの脚本だから、超ハッピーエンドではないけれどバッドエンドにはしないと思っていて、ハラハラドキドキしながらドラマを観ています。心がざわざわしたドキュメンタリー映画ーーそして2018年10月から2019年6月まで全国51公演が実施された全国ツアー「人間の森」を追ったドキュメンタリー映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』が12月13日に公開になりました。映画を拝見すると、苦悩する姿や意見がぶつかるシビアな場面も出てきますが、そもそも映画にするご予定だったのでしょうか。違います。最初は、ツアーの事前番組として密着していました。ーーそうですよね。映画のなかでも、共作者でライブの演出家でもある御徒町さんが「バンバン(映画を撮影した番場秀一監督の愛称)まだ撮るんだって!」と、予想外に撮影が続いていることを伝えるシーンがありました。赤裸々な姿が映し出された映画が公開されるというのは、どんなお気持ちですか。すごく複雑ですよ。バンバンじゃなかったら無理だし、無茶だと思いました。僕はとにかくバンバンと竹内さんという制作の方を信じるしかなかった。僕も1回観たんですが、やっぱり心がざわざわしました。でも今後活動していくなかで、この季節がどれだけ意味があったのかを証明していかなきゃいけないと思うと、複雑でしたが背筋がピンとしましたね。別にダメな自分が映し出されていて恥ずかしいというレベルの話ではなく、もっと自分と向き合っていかなきゃ、乗り越えていかなきゃいけない意識があるんだと知れただけでも、複雑さの奥には感謝があります。ーーいろいろな思いが交差して、ご自身のドキュメントを観るのは大変だったのではないですか。途中本当にきついところもありました。ただ、それとは裏腹に、手前味噌なんですが、映画を観ていて音楽がとてもよく聴こえたんです。何事もなく、魅力的で感じも良くて、音楽もよく聴こえてなんて、そうは簡単に事は進まないわけですよ。実際には、さまざまな歪みや葛藤、楽しいだけではないことといった自分では見つめたくないものもあって、初めて本当に“音楽しだす”というか。そういう意味でいうと、理想としていることなんてたかが知れているし、最終的に自分が理想としている「作品至上主義」ということは、作品がよく聴こえてほしいということなんだと確信しました。近しい人たちは、映画を観て、「なんとも言えない気持ちになった」とみんな口をそろえて言っています。共作者で演出家の御徒町凧との新たな関係ーー映画で、直太朗さんが「最後の最後まで窮屈だった」と言っていた言葉が印象的でした。それはツアー「人間の森」にかかっているものじゃないんですよね。僕の活動全体にかかっている言葉です。僕と御徒町は、ユニットのように活動してきて、お互いがお互いに自立を求めているんだけれど、どちらかというと「人間の森」のときは御徒町色が強かった。今回、舞台上で、僕自身のアイデンティティや主体性を120パーセント求められるのであれば、僕は1度御徒町と決別しなきゃいけないという結論になったわけです。それはどこかで彼が望んでいた状況でもあったんですが、そういったこともあって、「人間の森」が終わってから、実は鬱々とした時期が続いていました。それこそ「さくら」のリリースなどの話も決まっていない空白の時期だったので、「このままだと死にはしないけれど、精神的にもおかしくなっちゃうかも」と思って御徒町に電話して、今まで一緒にやってきたこと、プロデュースや演出などを一度解消しようという話になったんです。ただ、彼との曲作りは友達としての延長線上にありますし、友達としての関係が終わるわけではありません。ーーでは今後も、曲作りについては直太朗さんと御徒町さんのおふたりで組むのですか。それはわかりません。「僕は自分なりの表現を探していくから、お前はお前で本当に好きなことをしたほうがいい」とは言いました。アーティスト活動に情で関与するのではなく、クリエイターとして、表現者として、創作者として、心底やっていけばいいということを話すと、「それはわかってる」と御徒町は言っていました。その後、彼は詩人の活動の一環として、ユーチューバーになったんですよね(笑)。ーー知っています。「オカチャンネル」を開設されましたよね。そう。そして精神的なものや、関係的なものを整理をすると、面白いもので空いたスペースに、表現者として試されるような「さくら」のお話やお芝居のお話が次から次へと入ってきました。ーーすごいタイミングですね。そうですよね。だからやっぱり、決断していくこと、どんどん手放していくことは、良い表現に向かうための基本なんだと思いました。今も活動の只中だから、これが正解だったのかどうかはわかりません。でも、これがひとつの答えだから、それに向かって突き進んでいくだけです。僕は表現を、御徒町は創作活動を、それぞれのやりたいことをやる。そしていつか彼が心の底から「森山直太朗のライブを演出したい」と思ったら、もしかしたらまた交わるときもあるかもしれない。この決断が良かったのか、悪かったのかは、いまの活動やこれから先の自分の佇まいを見てもらうしかないと思っています。結果的に、ドキュメントを作ったことは、自分の中では糧になりました。ーーそういった経緯を経て、2020年は1月18日から放送される土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』(NHK総合午後9時 毎週土曜、全4回)と、春に始まるNHK連続テレビ小説『エール』(午前8時 毎週月〜金曜)の2本に出演が決まっていますね。俳優活動を活発化される決め手は何ですか。きっかけは、背景にはちゃんと道筋があるんです。まず『心の傷を癒すということ』は、いきなりご指名ではなく、プロデューサーの方に以前からドラマの際は「絶対誘いますからね」と気にかけていただいていたという、ひとつの約束があったんです。その流れでいただいたお話だったので応えたいと思ったのと、「人間の森」を経て、表現者としてもっとヒリヒリすることをしようと思い、何かを演じることに好奇心はあるほうなので引き受けました。その後に『エール』の話をいただいたんですが、ドラマの制作に後輩がいるんです。以前、僕の劇場公演『あの城』を観に来てくれたときに、演技もできるなら何か一緒に仕事ができるんじゃないかと思ったようです。それから何年か越しに、『エール』が音楽にまつわる物語ということで、お話をいただきました。だから2本とも、急にふってわいた話じゃなかったということも、大きかったですね。ーー立て続けにドラマ出演が発表されたので、急にモードが切り替わったのかと思いましたが、以前からのご縁だったのですね。はい。ましてやこういう時期に話がきたということに、意味があると思っていて、その後に「さくら(二〇一九)」のお話へとつながってくるんです。今まであった安心のようなものと決別して手放していくのは、やっぱり大事なプロセスだったのかなと思いますし、それが良かったと思える表現活動をしていかなきゃいけないと実感しています。今後は本当にやりたいことを本気でやっていくーーご多忙のようですが、お休みの日はあるのでしょうか。ほとんどないですね。ドラマの大阪のロケだったり、福島のロケだったり、NHKだったり。いろいろなところを飛び回っています(笑)。リリースもありますし、ミュージックビデオやライブの打ち合わせもあるので、忙しく過ごしていますが、すごく楽しいですね。大変さと充実さのなかで、いま、転がる石のように活動しています。ーーじゃあ休みはいらないですね?え? いるよ(笑)! 1日でも休みがあったら、どこか静かな場所に行きます。僕が持っている山小屋に行くと、自分のことをフラットにしてくれるんです。大自然のなかにいると、情報量が少なく、人との関わり合いもなく、なんにもないから。ただ日が移ろって、また日が昇る。でもそんな1日が僕にとっては大切な時間です。僕が悩んでいることなんてちっぽけなことですが、でもそのちっぽけなことが創作の起源になっているから、否定はできないんですよね。悩みを抱えながら活動をしていく。そこは自分で認めて、外に行くときはその荷物は背負わずに行かないと自意識に負けてしまう。「人間の森」というツアーを経て、“限界”と“自信”の両方を得られたことが財産ですね。ーーわかりました。それでは最後に、直太朗さんの今後の抱負を教えてください。当たり前のことですが、本当にやりたいと思うことを自分なりの形で、本気でやるということですね。いま改めて「さくら」を聴いてもらうこともうれしいですが、「さくら」だけではない活動にも触れてもらえるようにしていきたい。今年は入り口を作る年。来年はさらにそこから広がった景色を見る年にしたいと思います。取材後記デビューのときから取材させていただいている森山直太朗さん。アーティスト活動において重要な位置付けとなる「さくら」が、ターニングポイントとなるツアー「人間の森」を終えた時期に、新録発表されるとは不思議なものです。御徒町さんとの関係の変化も含め、今後の“森山直太朗 第二章”を見守っていきたいと思います。歌にドラマにと活躍する直太朗さんの新曲と映画をチェックしてみてくださいね。森山直太朗 PROFILE1976年4月23日、東京都生まれ。少年時代より一貫してサッカーに情熱を傾ける日々を送るが、大学時代より本格的にギターを持ち、楽曲作りを開始。その後、ストリートパフォーマンス及びライブハウスでのライブ活動を展開。2001年3月、インディーズレーベルより「直太朗」名義でアルバム『直太朗』を発表。2002年10月、ミニアルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』でメジャーデビューを果たし、2003年3月、「さくら(独唱)」の大ヒットで一躍脚光を浴びる。2005年に音楽と演劇を融合させた劇場公演『森の人』を成功させ、2006年は御徒町凧の作・演出による演劇舞台『なにげないもの』に役者として出演。劇場公演としてはその後も2012年『とある物語』、2017年『あの城』を上演。2016年9月、デビュー15周年記念オールタイムベストアルバム『大傑作撰』をリリース。2018年8月22日には、オリジナルアルバム『822』をリリース。10月~2019年6月まで全51公演のロングツアー、“森山直太朗コンサートツアー2018~19「人間の森」”を全国各地で開催。10月30日「さくら(二〇一九)」を配信、12月13日ドキュメンタリー映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』公開。2020年1月9日から始まるTVアニメ『ソマリと森の神様』(TOKYO MXほか)のオープニング主題歌に「ありがとうはこっちの言葉」が決定。また、1月からNHK土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』、4月からNHK連続テレビ小説『エール』に出演する。InformationNew Release「さくら(二〇一九)」01.さくら(二〇一九)10月30日配信movie映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』12月13日公開監督:番場秀一( THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「THEE MOVIE-LAST HEAVEN 031011」、「BUMP OF CHICKEN “WILLPOLIS 2014” 劇場版」)出演:森山直太朗御徒町凧 ほか製作:WOWOW配給:WOWOW日活(C)2019 WOWOW INC.製作年:2019年尺:87分ヘアメイク・北島圭二、スタイリスト・上野真紀
2019年12月18日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第10回は、迫る年末の大掃除でも大活躍する、便利でお得な“100円ショップ”のお掃除グッズ5つをご紹介します。これ全部揃えたら、大掃除が楽しくなる!はず!写真・かわむら あみり100円ショップで手軽に揃えるお掃除グッズ5選【ママライフばんざい!】vol. 10日々の暮らしに役立つアイテムが多彩な100円ショップ。ひとり暮らしでも、家族がいても、何かと生活を支えてくれる便利なものがたくさんあります。今回は、「ダイソー」「キャンドゥ」「セリア」で見つけた、年末の大掃除はもちろん普段も便利に使える、お掃除グッズをご紹介します。1. ダイソー「ダイヤモンドクリーナー」「ダイヤモンドクリーナー」で鏡がピカピカに。ダイソーの「ダイヤモンドクリーナー」は、研磨部分がポリウレタン、ポリエステルで人工ダイヤモンドはエポキシ系樹脂、スポンジ部分はポリエチレンでできています。サイズは高さ約3.75cm、幅約1.25cm、奥行き2.5cm。あっという間にガラスや鏡がピカピカになると評判のお掃除グッズです。浴室や洗面台の鏡に付着したウロコ状の汚れや水アカは、この「ダイヤモンドクリーナー」を水につけてこするだけでキレイになるというスグレモノ。強力な研磨力ゆえに、ホコリなどがついたままこすったり、強くこすりすぎたり、鏡以外の場所に使ったりするとキズになるかもしれないので、ほどよい力加減でお掃除しましょう。2. セリアの「3wayサッシブラシ」「3wayサッシブラシ」は3通りの使い方があって便利。セリアの「3wayサッシブラシ」は、ポリプロピレンほかでできています。サイズは持ち手の頭からブラシの先までが約21cm、幅が約1.5cm。キャップは直径約3cm、高さ5.5cm。ブラシだけでなく、ペットボトル専用キャップが付いていることで、3通りの使い方ができるお掃除グッズです。ゴミがたまりやすいサッシの溝の部分の拭き掃除に使えるサッシブラシは、ハードブラシなのでホコリもキャッチしやすそう。取り外しできるキャップは、水を入れたペットボトルのフタの部分に取り付け、水圧で溝掃除ができます。さらにブラシの一部には、ペットボトルを直接取り付けられる穴があるので、水を入れたペットボトルをつければ、水洗いもできるので便利。3. キャンドゥ「お掃除スティック」「お掃除スティック」は何度も使える。キャンドゥの「お掃除スティック」は、スティック本体はポリプロピレン、スティックに巻かれた布部分はマイクロファイバーで、ポリエステルとナイロンでできています。長さは約46cm。手の届きにくいエアコンや家具の狭いすきま部分にサッと届いて、ホコリや汚れを取り除くことができます。スティックは自由に曲げられるのが特徴で、伸ばしたままでも、場所によって曲げて使ってもOK。スティックに巻かれたマイクロファイバー部分は、汚れたら洗濯して、繰り返し使用できるので、より経済的ですよね。4. ダイソー「おそうじ ミトングローブ」「おそうじ ミトングローブ」は5枚入りなのも経済的。ダイソー「おそうじ ミトングローブ」です。左右兼用となっていて、ポリエステルとポリプロピレンでできています。サイズは、タテ約23.5cm、ヨコ21cm。5枚入りなのがうれしいところ。ミトン表面がでこぼこしている不織布なので、細かい繊維がホコリや髪の毛などをキャッチしやすくなっています。お掃除しづらいブラインドカーテンやコンセントなどの配線に付着したこまかいホコリやチリも、この「おそうじミトングローブ」を手にはめて拭き取るだけでOK。手にはめて素手でお掃除しているような感覚で使えるのも簡単です。5. セリア「Grip! あみ戸洗い」「Grip! あみ戸洗い」は網目の汚れを一気にかき出す。セリア「Grip! あみ戸洗い」は、ポリウレタンフォームとナイロンでできています。サイズは、タテ約10.8センチメートル、ヨコ約6.5cm、奥行き約4.2cm。白い部分がスポンジで、黒い部分はにぎりやすいように持ち手になっています。スポンジ部分は、極細のブラシ状になっていて、あみ戸の汚れを一気にかき出す仕組みに。洗剤をつけても泡立ちやすく、強く力を入れすぎなくても汚れが落ちます。以上、便利なお掃除グッズ5選をお届けしてきましたが、すべて100円(税別)だなんてうれしい限り。プチプライスで手に入れられる優秀なお掃除グッズは、今後もママライフを助けてくれそうです※2019年12月購入。時期や店舗により商品の有無は変わることがあります。
2019年12月18日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第23回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その8をお届けします。1.「若く見える」ことを自慢する男性【結婚引き寄せ隊】vol. 23それはかしこまった結婚相談所ほどではなく、パーティほどオープンではない、少人数に絞られたプチお見合いに行ったときのこと。こういった場所では、初対面の男女がスムーズに会話が進むように、名前や年齢、職業や趣味などを記入する「プロフィールシート」を事前に用意します。そのプロフィールシートをそれぞれが持ちながら、個別に仕切られた小部屋に女性が待機し、10分ごとに男性が各部屋を移動。まわりの目を気にせず、ひとりひとりとしっかりと話せるシステムになっていました。私が座っている小部屋にまわってきたのは、パッと見たところ40代半ばぐらいの男性。ポロシャツの襟を立て、ジーンズをはいている、中肉中背のサラリーマンでした。お互いにプロフィールシートを交換し、共通の話題がないか探そうとしていると、その男性から「いやあ、僕ね、いつも若いって言われるんですよ」と話しかけてきました。記入されている年齢を見ると、44歳。一見して感じた年齢と実年齢は同じ。なんと返事しようか考えながら、とりあえず笑顔を返す私。そんな私の様子を気にしない男性は、「ジムに行くことが趣味で、いつまでも引き締まった体型を維持している」「後輩たちと飲むことが多くて、まわりからも年上には見えないとよく言われるし、自分でもそう思う」というような話をしてきました。この男性は、後輩が気をつかって言う「先輩! 全然44歳には見えません!」なんて言葉を鵜呑みにしてしまったのだな……と思うと、若く見られることはお世辞だとわかっていてもうれしいのは共感できるものの、やっぱり年相応に見えるのが現実なんだなと妙に納得。10分間のうち、ほとんどを“若く見られる話”に費やし、「お若く見えていいですねぇ」と返事をしながらトークが終了。ふとプロフィールシートのメッセージ欄に目をやると、「若く見られることが多く、気力も体力も自信があります」というアピール文が。私も若く見えると言われることがあったとしても、絶対にそれを人には言わないようにしようと思ったのでした。2. 同棲を繰り返す男性それは友達から誘われた飲み会に行ったときのこと。女子トークにも楽しく参加できる、コミュニケーション能力の高そうな男性がいました。不動産会社の営業マンだという男性は、営業で鍛え上げられたトーク力なのか、飲み会の席でも場を盛り上げていました。初めはそれぞれの仕事の話や趣味の話をしていましたが、だんだんと打ち解けてきて、“みんななんで彼氏や彼女がいないのか”という話に。「半年前に彼氏と別れて仕事ばかりしている」という女性や「片思いしていたけどフラれた」という男性など、参加者の恋愛事情に聞き入っていました。営業マンの男性の番になって話を聞くと、「いつも相手から愛想を尽かされる」とのこと。なぜそうなるのか突っ込むと、「すぐ彼女にベッタリするから重いみたい」という答えが。さらに話を聞いてみると、「ずっと彼女にくっついていたくてすぐ同棲してしまう」らしく、「実はいまも1か月前に別れたけど家が決まらなくてまだ元カノと一緒に住んでる」という事情が判明し、女子たちはドン引き。同棲するぐらいなら結婚すればいいのにと言うと、「お試し期間が必要」と言って懲りずにいつも同棲してしまい、「別れるときに困ることが多いんだよね」と笑顔で話す営業マン。いや、まずその彼女依存体質をなおしてヤドカリ生活をやめることと、お客さんより先に勤務先の不動産会社で、自分の家を見つけようよと思った私なのでした。3. アーティスト気取りの男性婚活サイトで出会いを探していたときのこと。ネット上では、婚活サイトに登録している全国各地の男女のプロフィールが閲覧できるようになっています。とはいえ、全ての人たちの情報を見ていくのは大変なので、「条件」ごとに相手を厳選。そのときは相手に希望する年齢や年収、居住先などで条件をしぼって、検索していました。すると、東京都内に住む30代の会社員の男性が出てきたので、詳しく内容を読むことに。情報の中には「学生時代はヨーロッパに留学経験があり、社会人になってからも、夏休みなどはだいたい海外旅行をします」とありました。そして趣味のところには、「クロード・モネが好きで、いろいろなアートを鑑賞すること」と書いてあったので、アート鑑賞も好きな私はコンタクトをとってみることにしました。何度かメッセージをやりとりしていると、その男性から「一度会ってお話ししませんか」と言われて、お茶をすることに。当日、サイケデリックで奇抜な服装で現れたその男性は、落ち着いたホテルのカフェラウンジでひときわ目立っていました。会話では「普通に生きていくなんてツマラナイ」とか、「もし僕がアーティストだったらこうする」「日本人にはクリエイティビティが足りない」といった発言があって、ちょっとビックリ。メッセージの文面では、どちらかというと控えめな印象を受けていたのですが、会わないとわからないものですね。この男性はアーティストを目指すわけではないものの、憧れが強すぎるようで、感化されやすいタイプ。自己主張が強すぎて、お茶の時間が長く感じた私でした。婚活していると、こんな普段の生活では会わないような人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけてくださいね。©Morsa Images/Gettyimages©izusek/Gettyimages©Matteo Contessi / EyeEm/Gettyimages
2019年12月16日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第19回目に登場するのは、4オクターヴを誇るツインボーカルと、キレのあるダンスが魅力の5人組ダンス&ボーカルグループ、Da-iCE(ダイス)!写真・大内香織インディーズ時代にライブを約130本!写真左から岩岡徹(Performer)、花村想太(Vo&Performer)、和田颯(Performer)、大野雄大(Vo&Performer)、工藤大輝(Performer)。【音楽通信】vol.192011年に結成し、インディーズ時代から精力的にライブ活動を展開。2014年にメジャーデビュー後、2015年には「第29回日本ゴールドディスク大賞」の“ベスト5・ニューアーティスト賞”を受賞。2017年には日本武道館公演を行い、2018年にはデビュー5周年を迎えたDa-iCE。デビュー6年目となる今年、初のベストアルバムを引っ提げ、約7万人を動員した全国ツアーを成功させたDa-iCEが、12月18日にニューシングル「BACK TO BACK」をリリースされるということで、工藤大輝さん(Performer)、岩岡徹さん(Performer)、大野雄大さん(Vo&Performer)、花村想太さん(Vo&Performer)、和田颯さん(Performer)のメンバー全員にお話をうかがいました。花村想太(Vo&Performer)。1990年8月15日生まれ。兵庫県出身。ーー渋谷VUENOSで初ライブをされて以降、多くのライブをされていたインディーズ時代を振り返るといかがですか。花村ライブ活動を積極的にしていましたが、実はライブしかやることがなかったからなんです。工藤CDを作ることができる状態ではなかったですし、雑誌の取材があるわけでもないという状況でした。岩岡ひたすら練習ばかりしてたよね。大野当時、自分たちでやれることといったら、ライブしかなかったから。和田どうやってライブをするか考える日々でしたね。花村最終的に、当時は年間130本くらいライブをやっています。工藤大輝(Performer)。1987年6月28日生まれ。北海道出身。ーーもともとデビューを目指していたのでしょうか。花村そうですね。目指していました。ーー2014年にメジャーデビューされてから、デビュー6年目を迎えて、これまでと現在のDa-iCEに違いを感じますか。工藤当時と違って、いまはこうして取材が入ることもあって、とてもありがたいと思っています。花村そうだね。忙しいのもありがたいです。大野“ライブが大事”という気持ちは昔から変わらないのですが、より楽しく活動できていると思いますね。年間でライブを100何本もやっていたことで、経験値が上がりました。工藤最近、ライブで音が止まるトラブルがあったんです。もしも僕らがライブをたくさんやってこなかったら慌てていたかもしれないのですが、これまでの経験があるから、そのトラブルもうまく処理できましたし、なんでもポジティブにできるようになれましたね。岩岡徹(Performer)。1987年6月6日生まれ。千葉県出身。ーーステージでの見せ方やパフォーマンスにおいても、レベルアップし続けているのですね。花村そうかもしれません。昔に比べると、のども強くなった気がしますね。前はすぐにのどが枯れてしまうこともあったのですが、いまは2時間半のライブを時には3日間やることもあるのですが、当時のままだったらきっと歌えなかっただろうなと思います。ーーどうやってのどのケアをされているんですか。花村ケアしたいんですが、ズボラな性格なので、結局のところとくにケアはしていないんですよ(笑)。でも、僕と同じボーカル担当の(大野)雄大くんは、なるべくしゃべらないようにしていたり、加湿をしっかりしているみたいですね。僕は家に加湿器もないんです。ただ、次の日に絶対にのどを壊しちゃいけないというときだけ、前日にマスクをします。そうすると、ちょっと良くなる気がするんです(笑)。大野わかる気はするね(笑)。Da-iCEの新しい一面が見えるニューシングルーー今年の6月にはベストアルバムをリリースされ、25都市31公演の全国ツアーをされましたが、新たな手応えはありましたか。工藤新しいお客さんが増えたことは、手応えとしてありますね。いままで、どこの公演に行っても来てくださるお客さんもある程度いて、「あったかいなあ」と思っていましたが、今回はさらに全国各地に新しい人も増えてきたことを感じました。花村後ろの席や二階席が、ほぼ新しいお客さんで埋まっていました。とくに久しぶりに行く地方の公演だと、新しい方がたくさんいらっしゃいましたし、行った甲斐があったと思いましたね。和田本当に、その通りです。初めての人に見てもらえたということが、目の前で実感できることによって、「ああ、こういうふうに全国をたくさんまわっていてよかったな」と思いました。大野雄大(Vo&Performer)。1989年4月1生まれ。愛知県出身。ーー12月18日に、17枚目のシングル「BACK TO BACK」をリリースされます。タイトル曲は工藤さんがスウェーデンで作ってこられたものだそうですね。工藤はい。ベストアルバムを出して、ツアーも終わった時期でのシングルリリースということで、「新しい一面を見てほしい」という思いで作りました。楽器でいうと、これまでシングルでは使ったことのないエレキギターを使用しているのがポイントですね。これを用いたことで、かっこいいサウンドに仕上がっていると思います。今年はいろいろな対バンライブやフェスもできて、僕らの表現力も上がって、個人的にこういう曲を作ったほうがいいと思って作りました。ふたりのボーカルが掛け算されて、楽しい楽曲になっています。花村デモ段階でこの曲を聴いただけで、誰が作った曲かは知らずに、めちゃくちゃかっこいいと思ったんです。みんなでシングルの候補曲を10曲ぐらい続けて聴いて、そのときの印象で、最終的にはこの「BAK TO BACK」か(収録曲の)「Damn it!」か、どちらかとなって、やっぱりこの曲がいいって満場一致で決まり、初めて大輝くんが作った曲だと知りました。メンバーが作詞作曲した曲が表題曲になるのは初めてなので、ベストアルバムを出した後の1曲目としては、意味のあるシングルだと思います。和田颯(Performer)。1994年2月3日生まれ。群馬県出身。ーーいつもリリースする候補曲を実際にみなさんで聴いてから、表題曲を決めるのですか。花村そうなんです。みんなで決めていますね。工藤視聴会があるんです。スタッフの方とメンバー全員で聴いて、多数決で曲を決めています。ーーシングルに収録された2曲目「Damn it!」は、花村さんが作詞されたんですね。花村詞を書かせていただきました。実はこの曲、僕が別でやる(2020年1月始動の)バンドプロジェクト「Natural Lag」の曲作りに煮詰まっているときに、「ちょっと気分転換に違う曲を書いてみよう」と思って取り掛かったら1、2時間でできた曲で、かなり満足しています。2020年1月にはアリーナツアーを開催ーー3曲目の「Only for you」は、大野さんが作詞されたそうですね。大野はい。この曲は、2020年1月からスタートするTVアニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』(TOKYO MXほかで放送予定)のエンディングテーマになることが決まったので、アニメのストーリーを読ませていただいて、作詞しました。これまでの作詞では、リアルに自分の思うことを書くことが多かったのですが、今回はアニメの主人公や自分の気持ちを交差させながら、空想で物語を思い描いて、いろいろなフレーズを入れてみたんです。そんな書き方は初めてだったのですが、まるで図画工作をやっているようで、新しく世界を作る感じがして、楽しくできました。ーーエンディングテーマになるにあたって、アニメの製作側からリクエストはありましたか。「生きた宝石」という言葉を入れてほしいと言われましたね。主人公が「生きた宝石」といわれているので、歌詞の中にも、どこかにそのワードを入れてほしいというリクエストでした。そこから考え始めたときは、難しかったですね。自分だけでは普段使わない言葉を辞書で引いてみたり、調べたりしながら作詞をしていきました。ーー4曲目の「VELVET EYES」は、シンガーソングライターのさかいゆうさんがプロデュースされた楽曲だそうですね。花村そうなんです。さかいさんにはディレクションをしていただきましたが、とてもアーティスティックな方でしたね。工藤曲は大人っぽくて、新しい層にアプローチできそうな予感がする曲になっています。大野さかいさんとは初めてご一緒したのですが、個性的な方でしたね。レコーディングスタジオにさかいさんは自転車で来られていたんですが、スタジオまでの道順を携帯のマップに入れて、自転車につけていらしたんです。さかいさんが到着してからすぐにはそのことに気づかなくて、だいぶ時間が経ってからさかいさんの自転車を見たら、ずっとそのまま携帯がつきっぱなしになっていました。「携帯ナビで来られました?自転車につけ忘れてますよ」とお伝えしたら、「あ、そっかー!」って言いながら、さかいさんは全然焦っていませんでした(笑)。ーー来年1月には、アリーナツアー「Da-iCE BEST TOUR 2020 -SPECIAL EDITION-」を開催されますね。東京は1月10日、11日に初の代々木第一体育館で、大阪は2月29日と3月1日に大阪城ホールで、それぞれ2日間ライブを行います。アリーナツアーは、今年11月に終えた全国ツアーの延長線上のような位置づけなのでしょうか。花村そうですね。ただ、“SPECIAL EDITION”と題されたアリーナツアーですし、全国ツアーよりも曲数は超えます。工藤キャパシティも全然違うので、今回のような見せ方もあると思いますが、ステージの作りはまったく違うので、もう1度練り直します。花村もしかすると、このアリーナツアーのほうが、僕らを身近に感じてもらえるかもしれません。もう発表されているのですが、中央に丸いステージがあって、それを囲むようにARENAのステージが正方形になっている“サイコロの形”をしたステージになるんです。大野その中央の丸いステージから、STAND席への花道が作られているので、ステージの場所によって、お客さんと近くなる位置もあるかもしれないね。工藤あとはどうやって誰がどの位置に行くか、これからリハーサルしていきます。知られざる5人の男前エピソードと女性の好みーーここで趣向を変えて、みなさんの「男前エピソード」があれば、ご本人以外の方から「1人1つ」ずつ、エピソードを教えてください。花村じゃあ僕から。(岩岡)徹くんの男前エピソードです。それは……朝、リンゴを食べていました(笑)!メンバー一同爆笑花村どこが男前かというと、スタジオで、リンゴを丸かじりする人、見たことないですよね!?今朝、うしろで「カシャッ」って音がするから、何かなと思って振り向いたら、でっかいリンゴを徹くんがひとりで食べていて驚きました(笑)。ーーそれは男前ですね(笑)。花村男前です!岩岡たまたま差し入れで置いてあったリンゴを食べただけだよ(笑)。では次は僕が(大野)雄大の男前エピソードを。アレ言っちゃおっかな〜。それとも、コレ言っちゃおっかな〜。大野どれもやめてー(笑)!!岩岡言えない話もいっぱいあるからね(笑)。その中からひとつ。新幹線に乗るときに、自分がほしいものを買いに行くとき、必ず僕にも「何かいりますか?」と聞いてくれるところが男前ですね。ーー気配りされるのですね。岩岡はい。しかもそれをサラッとやるんです。すごいなぁと思います!大野次は僕が(工藤)大輝くんの男前エピソードを。いろいろな意味で、何事にも動じないところが男前ですね。ーーたとえば、どのようなことに動じないのでしょうか。大野以前、イベントがあったのですが、そのときに披露する曲の中で、みんなで左を向くフリがあったんです。そのところで、大輝くんが一番端に立って、僕が大輝くんの背中を見ることになるんですが、大輝くんいつまでも堂々とこちら側を向いてるんですよ。左を向くところを右向きのままでいることがありえなさすぎて、でもあまりにも堂々としているので、ツボにハマってしまって。次第に、大輝くんが正しくて、僕らが間違ってるのかなって思えてきましたから(笑)。動じない。これはもう男前だな。花村それが衝撃的で、歌い出しが歌えてなかったよね(笑)。大野ほんと(笑)。花村そういえば、昔、大輝くん、めっちゃ雨が降ってたステージで転んだことがあったんです。でも、2秒後に、何食わぬ顔でスッと踊ってましたからね。ーープロフェッショナルですね。花村はい。いやもう、男前です!僕なら、「こけたわ〜っ!」てすぐ言っちゃいますからね。工藤この話、何回もされてるんです(笑)。では(和田)颯の男前エピソードといえば、ライブで家を空けて久しぶりに帰るとき、ものすごく急いで家に帰っていたことがあったよね。和田うん、飼い猫に早く会いたくて。工藤猫に関しては行動が早いんですよ。和田ほかは行動が遅いみたいな言い方しないでくださいよ(笑)。工藤そんなことないよ(笑)。猫は家族ですからね、猫に対する愛情が、すごいなと思います。和田一人暮らしだと外出したときに、家にいる猫が気になると思うんですが、うちは妹が近くに住んでいるから猫を見ていてくれるんです。最近、猫が好きすぎて、2匹に増えちゃいました!ーー続いては花村さんの男前エピソードをお願いします。和田集中力がすごいです。好きなこととかもそうですし、なんでもとことん突き詰めていくのはすごいですね。そこが男前だと思います。ーーエピソード、ありがとうございました。これまで、Da-iCEには女性への思いを込めた曲もありますが、みなさんの女性のタイプを教えてください。花村会話能力の高い女性がいいですね。僕の話をちゃんと聞いて、理解してくれる人です。岩岡芯がある人がいいですね。これだけは譲れないということが、何かひとつでもある人。大野芯があるけど、やさしくて、器が広くて、笑顔がすてきな人がいいですね。岩岡それ、オールスターじゃない(笑)。工藤健康的な人です。筋トレをしているような引き締まったボディの人もいいですよね。和田やっぱり、顔です。花村好みの顔ってことね。和田そう。大事です(笑)ーー最後に、今後のDa-iCEとしての目標を教えてください。大野まずはアリーナツアーをしっかりと成功させることですね。ananwebの読者のみなさんにも、ぜひライブで僕らのパフォーマンスを観てほしいと思います。取材後記新曲やライブのお話はもちろん、“男前エピソード”などではメンバーの意外な素顔が垣間見えて、5人の仲の良さが伝わってくる和やかな雰囲気で取材させていただきました。アリーナツアーを控え、着実に進化し続けているDa-iCEさんは、これからも全国の乙女の心を鷲掴みにしてくれるはず。まずはニューシングルをチェックしてみてくださいね。Da-iCE PROFILE工藤大輝(Performer)、岩岡徹(Performer)、大野雄大(Vo&Performer)、花村想太(Vo&Performer)、和田颯(Performer)からなる5人組ダンス&ボーカルグループ。2011年1月17日に結成。渋谷VUENOSでの初LIVEを皮切りに、年間100本以上のLIVEを行いインディーズでの活動をスタート。2014年1月15日に1stシングル「SHOUT IT OUT」でメジャーデビュー。2015年、「第29回日本ゴールドディスク大賞」“ベスト5・ニューアーティスト賞”を受賞。2016年7月、初の全国ホールツアーを開催。2017年1月には悲願の日本武道館公演を成功させる。6月、全国ツアーを開催し、11月、12月に神戸と幕張でアリーナ公演4DAYSを実施。2018年、大阪城ホール公演2DAYSを含む全国ツアーを開催。2019年、4月に16thシングル「FAKE ME FAKE ME OUT」、6月6日には自身初のベストアルバム『Da-iCE BEST』とLIVE DVD&Blu-ray『Da-iCE 5th Anniversary Tour -BET-』を続けてリリース。ベストアルバムを引っ提げ自身最大規模の全国ツアーも開催。12月18日には、現在放送中のドラマ『あおざくら防衛大学校物語』(MBSほか 木曜深夜0:59)の主題歌でもある17thシングル「BACK TO BACK」をリリース。2020年1月より初の代々木第一体育館公演を含むアリーナ公演4daysを開催予定。InformationNew Release「BACK TO BACK」01.BACK TO BACK02.Damn it!03.Only for you04.VELVET EYES12月18日発売UMCK-5686(通常盤)¥1,430(税込)
2019年12月16日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第24回は、婚活中に出会った“同性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「年末年始に失敗してしまった女性」3選をお届けします。1. 合コンで意気投合して持ち帰られた女性【結婚引き寄せ隊】vol. 24それは出会いを求める男女が開いた年末合コンでのこと。20代と30代の男女が集まり、ざっくばらんにそれぞれの恋話を語る飲み会がスタート。職場で気になる同僚がいた30代のAさんは、なかなか振り向いてもらえない日頃の悩みを吐露し、隣りに座っていた20代の男性になぐさめられていました。気になる男性がいるうえに、Aさんよりも年下だったこともあって、まったく恋愛対象ではなかった隣りの年下クンと話し込むように。そんな様子を気にもせず、各自近くにいる参加者同士のコミュニケーションも盛んになっていた頃、ふと「あれ? そういえば、Aさんと〇〇クンってどこに行ったんだろう?」と、ふたりがいなくなっていることに気づいた人がいました。「トイレかな」「いや、トイレにはいなかったよ」なんていう会話が飛び交い、ざわざわした頃、年下クンの友達の携帯に「Aさんと先に出ています」という連絡が。「抜けがけだねぇ」なんて顔を合わせて話しながらも、その飲み会は和やかに終わったその翌日。Aさんに年下クンとどうなったかたずねると、「なんか優しくされてお持ち帰りされちゃった。はは」とバツが悪い様子。さらに、「昨日のことをもっと話したいと思って連絡しても、メールの返事がないし、電話も留守電なんだよね……」と、遠い目をするAさん。その後も年下クンはつかまらず、どうやら一晩だけの関係にされてしまったようです。本命の女性なら、嫌われたくないので出会ったその日にお持ち帰りすることはありません。ニセモノの優しさに惑わされてしまったことをシラフになったAさんは反省していました。2. 慣れないクラブで頭痛が止まらない女性それは年明けに、30代前後の音楽好きが集まった食事会でのこと。けっしてモテないほうではないものの、そのときは彼氏がいなくて参加したBさんは、まわりの人たちと共通する話題で盛り上がっていました。「今度あの曲聴いてみてよ」というような会話が飛び交うなか、参加者の男性が、すぐ近くのクラブで好みのDJが出演することを話すと、「せっかくだからみんなでクラブに行こう!」と満場一致で決定。全員でクラブに足を運ぶことになりました。ゴキゲンなパーティピープルが集うクラブでは、Bさん含め、みんなお酒を片手に思い思いのダンスを披露。楽しい夜が過ぎていく……かと思いきや、実はあまりお酒が飲めないBさんは、クラブの雰囲気にのまれてしまい、ついお酒を飲みすぎて「頭が痛い」とフロアからロビーへと抜け出しました。まわりもBさんを気にかけつつも、踊りたそうにしているため、「私のことは放っておいて大丈夫だから、みんな踊ってきて」と送り出します。ひとりになったBさんに何度かイケメン男性が声をかけにきますが、頭痛がひどくて誰にも笑顔を返せないBさん。つい飲み過ぎて、さらに踊ってお酒が体にまわりすぎたのか、せっかくの出会いのチャンスも逃してしまったBさんは、「慣れないことはするもんじゃない」と後悔していました。3. 緊張のあまり酔いが回りすぎた女性ある年の暮れに行われた異業種交流会でのこと。さまざまな職業の男女が集まる異業種交流会では、仕事の目的だったり、恋愛での出会いを求めたりする人たちがたくさんいました。立食パーティのスタイルで開催されていた交流会では、それぞれが好きなように食べ、気に入った人と話し、適当な時間で帰ることができるという場に。この会に参加したCさんは、医療関係に勤める30代の女性。何年も彼氏がいないので、仕事というよりは恋愛でのパートナー探しで参加していました。そんなCさんの目に留まったのは、ルックスもなかなかいい感じの同じ医療関係者の40代だという男性。勇気を出して男性に話しかけたCさんは、緊張もあってか喉がカラカラに乾いていたそうで、すぐ横のテーブルに置かれていたシャンパンを何杯もがぶがぶ飲んでしまいます。男性とひととおり自己紹介や仕事の話を終えて、無事連絡先も交換できたところで、「ちょっとお手洗いに行ってきます」と男性が立ち去ってしまいました。気に入った男性と連絡先を交換できた達成感を抱きながらも、ふとひとりになって我に返ったCさんは、緊張して飲み過ぎたシャンパンのせいでかなり酔っ払いモードに突入していました。戻ってきた男性から、「この後、よかったらふたりで飲みにいきませんか」とお誘いを受けたものの、酔って眠くて仕方がないCさんは「次回ぜひ」と行って帰宅。その後、男性と連絡を取っていたけれど、お互いの都合のつく日が合わなくて、そのまま自然消滅したそうです。ご縁が結ばれるかどうかは、タイミング次第でもありますから、ふたりで飲みに行けなかったのもそういうご縁だったのかもしれません。婚活していると、男女ともに、いろいろなタイプの人たちに出会うこともあります。くれぐれも、みなさんは悔いのない恋愛を謳歌してくださいね。©nd3000/Gettyimages©Aja Koska/Gettyimages©Motortion/Gettyimages
2019年12月15日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第18回目に登場するのは、Jr.EXILE世代のなかでもさわやかでスタイリッシュなダンス&ボーカルグループ、FANTASTICS from EXILE TRIBE(ファンタスティックス・フロム・エグザイル・トライブ)!写真・大内香織メンバーの思いが詰まった「FANTASTIC NINE」の成功写真左から澤本夏輝(PERFORMER)、中島颯太(VOCAL)、佐藤大樹(PERFORMER)。【音楽通信】vol.182016年12月、EXILE TRIBEの新グループとして、EXILEの世界さんと佐藤大樹さんをリーダーに、EXPG STUDIOから選抜された澤本夏輝さん、瀬口黎弥さん、堀夏喜さん、木村慧人さん、中尾翔太さんを加えた7人組のパフォーマー集団として結成されたFANTASTICS from EXILE TRIBE(以降、FANTASTICS)。2017年、「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 5 〜夢を持った若者達へ〜」の応募者約3万人の中から選ばれた八木勇征さん、中島颯太さんがボーカリストとして加入して9人組に。2018年、デビュー目前に急逝された中尾さんの思いを胸に、12月にシングル「OVER DRIVE」でメジャーデビューを果たしました。デビュー作はオリコンデイリーチャート1位を獲得し、第33回日本ゴールドディスク大賞ベストニュー5・アーティスト賞を受賞するなど飛躍を遂げるなか、2019年、4月と8月にもシングルをリリース。そんなFANTASTICSから、パフォーマーの佐藤さん、澤本さん、ボーカルの中島さんの3人に、12月4日にリリースされた4枚目のニューシングル「Time Camera」についてお話をうかがいました。グループのリーダーでもある佐藤大樹(PERFORMER)。1995年1月25日、埼玉県生まれ。ーー10月と11月は、12都市17公演の初ホールツアー「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」を開催されましたね。“音楽と演劇による新体験エンタテインメント”と銘打たれたツアーですが、実際にどのようなステージだったのでしょうか。佐藤今回は、EXILE TRIBEのなかでも初の試みで“半分演劇、半分ライブ”という形のツアーでした。普段のライブだとパフォーマーはMCのときぐらいしかしゃべらないのですが、初の挑戦として自分たちがステージでやりたかったことを、ひとりずつ提案し舞台上で実現していくストーリーをメンバー全員で、ドラマパートでは表現させていただきました。僕たちがこのライブで伝えたかった9人でFANTASTICSというメッセージを踊って伝えるだけではなく、自分の口から発信していくことを提示して、タイトルに「FANTASTIC NINE」というタイトルを掲げ、全員で発信する機会を設けて頂いた気がします。中島颯太(VOCAL)。1999年8月18日、大阪府生まれ。中島このツアーは初めて自分たちだけで表現するエンタテインメントになるので、リハーサルの段階から何が正解なのか、どうなるのかわからない状態で、僕たちが伝えたいことを相談しながら進めていきました。新しい挑戦なので、逆に自分たちの好きなことができるという考えもありました。実際にやってみて、お客さんの反応もありがたかったですし、お芝居をするドラマパートがあることによって、ライブパートもまた映える構成になっていました。よりメッセージ性も強くなり、一体感も感じられたので、すごく良い経験になりました。澤本夏輝(PERFORMER)。1994年1月19日、長野県生まれ。澤本今回、僕たちはいままでにないことをやらせていただきました。リハーサルでは「ドラマってどういうものなのだろう」と考え、ただ演技するだけではお客さんに伝わらないですし、お客さんにどうしたらもっと僕たちのカラーを伝えられるかなと思いながらやっていました。お芝居は、俳優としても活動している(佐藤)大樹くんが先頭を切って、いろいろとみんなにアドバイスをしてくれました。ステージに立つと、リハーサルの段階では想像もしていなかったお客さんの反応がわかることもあって、本番を迎えたときに初めてこの「FANTASTIC NINE」が完成に近づいたのだと感じました。僕たちの思いが詰まった「FANTASTIC NINE」というテーマが掲げられてのツアーなので、ひとりでも多くの方に思いが伝わるとうれしいですし、実際に観て感動してくださる方がたくさんいたので、この挑戦をした結果、FANTASTICSの新しい一面となる僕らの武器ができたと感じました。新曲はFANTASTICSの決意や意欲が込められた曲ーー12月4日に、4枚目のシングル「Time Camera」がリリースされました。爽快でキャッチーな楽曲ですね。佐藤はい。この曲は「FANTASTIC NINE」のライブパートの1曲目に披露していた曲です。曲を作るにあたって、まずは1曲目にふさわしい曲を作るということで、FANTASTICSはいままで頭サビの曲があまりなかったのですが、「Time Camera」は頭サビから始まってガッツリ踊ります。今回ライブでは「時」をテーマにしていましたし、この曲からドラマパートもサウンドパートも始まるので、僕らにとっても大切な曲です。作詞はいつもお世話になっている小竹正人さんが手掛けてくださいました。「過去、現在、未来」という3つの時間軸において、僕たちがいままでやってきたことは間違いじゃないし、ひたすら目の前のことに向き合っていれば新しい未来が見えてくるということ、そして僕たちが今後また新たな扉を開けるというイメージの歌詞とジャケット写真になっています。僕らの決意や意欲が込められた曲になっています。澤本時の大切さをテーマにした曲なので、この「Time Camera」は、曲調的にもまさにいまのFANTASTICSを表現していると思います。中島FANTASTICSらしいキャッチーな曲で、何度聴いても全員が一緒に盛り上がる曲になっていますし、歌詞も時間軸を用いた深い表現をしています。ボーカルとしても、レコーディングのときにいまを大切に等身大の僕たちを歌わせてもらいました。でも、実はレコーディングを一度終えてから、「もう少しスピード感があったり、芯があったりしたほうがいいね」と話して、録り直したんです。特に、最初の「Can you hear it now?」という歌詞の部分は、再チャレンジしたおかげで、さわやかに、かつ聴いた方全員が拳をあげられるような勢いのある歌い方になれたと思います。スピーディさや勢いを考えて歌い方を変えながら、レコーディングに向き合いました。芯を持ちながらも、力強い歌声になっているのではないかなと思います。ーー「Time Camera」のミュージックビデオはレトロな洋館で撮影していましたね。コンセプトや撮影のときのエピソードがあれば教えてください。佐藤“メンバーや知り合いがパーティに来た”というおおまかな設定と、「時」「カメラ」というキーワードがありました。ミュージックビデオでは、ひとりひとりストップモーションになるシーンがあるのですが、いまはCG技術を使うことも多いなか、僕らの場合は実際にダンサーやエキストラの方に協力いただいて、その場で動きを合わせてもらいました。チームワークが求められた現場でしたがスムーズに撮影ができて、僕らもコミカルな動きを以前から踊りに入れていたので、すごく好みの振り付けでした。中島今回、初めてエキストラのみなさんと一緒の撮影で、すごくモチベーションが上がりました。裏話でいうと、ボーカルのリップシーンといいますか、全員がいるパーティ会場でのリップシーンで、世界さんがうしろですごく歌っているシーンがあるんです(笑)。よく見たら気づくと思うので、チェックしてみてください。澤本初めてエキストラの方がいたので、確かにメンバーだけでやるのとは違う感覚でした。パーティをテーマにした撮影だったので、本当にパーティをしているような雰囲気の中での、ダンスのソロシーンがありました。今回はボーカルも一緒にいるので、見ていて一緒の空間でパーティをしているような気持ちになれると思います。そういえば、ボーカルは初めてのアイデアで、車に乗りました。中島オープンカーです。撮影当日は雨が降っていたのですが、オープンカーに乗った途端に晴れたんです。佐藤晴れ男ですね。中島無事に撮影できました。ーー2曲目「Tumbling Dice」は、1曲目とはガラリと曲調の違うクールで力強い楽曲ですね。佐藤そうですね。この曲はライブが一番似合うと思っていて、ツアーではアンコールでも歌わせてもらいました。パフォーマーからすると、こういうガシガシ踊れる曲調は、ダンスの面でも「待ってました!」という感じなんです。「Time Camera」とは打って変わってすごくダンサブルで、でも歌詞はすごくストレートで、自分たちも歌詞を聴きながらこの振り付けを踊っている部分もありますし、あの歌詞のところ……(と隣りに座っている澤本さんを見る)。澤本Bメロの「苛立ち不安なんか 笑い飛ばしていこうぜ」。佐藤そこがすごく好きですね。僕らもまさにそういう気持ちで踊っているというか、ライブをやるにあたって、こういう曲がすごくほしかった。やっとできたし、メジャーデビュー曲からお世話になっているZEROさんという方が作詞してくださっていますし、だからすごく僕らのリアルなことも歌詞に綴ってくれているので、やっていてすごく気持ちいいです。ーーやっぱり曲の振りですとか、気持ちにもピタッとはまる感じがあったのでしょうか。佐藤はい。世界さんが振り付けしてくれました。しかも今回、かなり時間のないなかでこれを作り上げて、当初はライブでやるかやらないかも迷っていたのですが「やろう」と決めて。本当にそう決めてよかったと思いますし、ライブで一番育った曲です。「Time Camera」と同じぐらい、全国で初日から披露していました。中島また新しい曲ができましたし、ボーカルとしても、「パフォーマーが踊りたいと思った曲を歌いたいね」と話していたんです。それに自分たちの歌った曲を聴いて「かっこいいね」と言ってくれるのもすごくうれしかったですし、いままでで一番時間をかけたんじゃないかというくらい、歌詞の一行、一行に向き合いました。こういう曲はリズム感やグルーヴで力強さを出すのが相当難しくて、そこも勉強になりましたし、ライブでやっていてもお客さんが盛り上がってくれることがわかってうれしかったです。澤本「Tumbling Dice」では初の音サビがあって、パフォーマーもそのパートは気合を入れて踊ります。「手を挙げろ 胸を張れ」という歌詞があるのですが、それも耳に残りやすいと思いますし、この曲を聴くと心が奮い立たされます。ほかにも「Ya ya ya」という歌詞があったり、初めて聴いたときは斬新でしたし、ダンサーも好きな曲だと思いました。僕たちがパフォーマー集団の時期にやっていた、パフォーマーの思いやイメージをこの曲の中にも取り入れて、踊って面白い曲にもなっています。EXILE SHOKICHIが作曲に参加したナンバーも収録ーー3曲目の「Tarte Tatin」はポップな楽曲ですが、甘酸っぱいリンゴのスイーツのタルト・タタンがタイトルなんですね。佐藤歌詞にある「毎日が甘くて酸っぱくて」というワードから「Tarte Tatin」というタイトルになったと思います。小竹正人さんが作詞を担当してくださり、この曲について小竹さんに聞いたときに「ファンの方と一緒に何もかも忘れて踊って歌おう」というメッセージがあると僕たちに教えてくれました。ライブでも、この曲は後半戦から披露させてもらいましたが、初めて聴いたときからファンの方もすごくノリノリで聴いてくれましたし、サビでは(瀬口)黎弥がみんなで一緒に踊れるような振り付けをしてくれたので、ダンスもすごくはまっています。今後もっと育っていく曲だと思っています。ーーボーカルは、サビのファルセットが印象的です。中島サビのファルセットは、聴いた方もすごくさわやかな気持ちになるのではないかなと思っていて、ファルセットで細かく歌うのが難しいので、聴いていてどういう声がいいんだろうということを意識しながら録りました。逆にサビの後半では、ローなところもあって、歌詞の「Higher! Higher!」「Yeah! Yeah!」などはお客さんと一緒に言えそうな部分になっています。聴いていただいて、そしてライブでも一緒に盛り上がっていきたいですね。澤本この曲は、EXILEのSHOKICHIさんも作曲に参加いただきました。とてもはまりやすい曲なので、たくさんの方に聴いていただいて、自然とノッてほしい曲です。ーーSHOKICHIさんと曲についてお話しされる機会もあったのでしょうか。中島事前にSHOKICHIさんから「こういう歌い方をするといいよ」とアドバイスをいただいたので、そこを意識しながら歌いました。ーー2019年の最後の月にリリースする新曲になりますが、今年を振り返ると、みなさんにとって2019年はどのような年でしたか。佐藤毎年、「早い、早い」と言っていますけども(笑)。今年こそ本当に早かったです。デビューしてから1年という年だからというのも理由だと思うのですが、年明けからEXILEのライブにもFANTASTICSは帯同していましたし、「OVER DRIVE」というデビュー曲もずっと披露していたし、2枚目の「Flying Fish」、3枚目の「Dear Destiny」と立て続けにシングルをリリースしましたし、リリースイベントで全国もまわらせてもらい、何よりも単独公演もやっていたので、ノンストップでした。中島ツアーの間にシングルを出させていただいたので、レコーディングですごく歌力といいますか、歌の勉強にもなりました。今年は“歌”というものに向き合えた年ですし、8月には20歳になった年でもあるので、大人の第一歩にもなりました。ーー10代と20代では何か違いはありますか。中島はい。気持ちが違いますし、お酒が飲めるようになったので、メンバーと乾杯できたことが一番うれしかったです。澤本早すぎる1年でした。1月、2月とライブをして、7月もライブをして、10月、11月も……うれしい限りですね。本当にありがたいです。自分たちだけでは絶対につかめなかった環境でもありますし、先輩方に感謝して活動していきたいということをより強く思った1年でした。2020年は新しい段階に行く年になるーー音楽活動が忙しそうですが、お休みはあるのでしょうか。佐藤あります。休みの日は人それぞれなのですが、不思議とメンバーといることが多いです。僕もそうですが、(澤本)夏輝くんも神社にお参りに行ったりします(笑)。澤本はい、ただ最近はあまり行っていません(笑)。中島それと、お城の写真を撮りに行ったり(と澤本さんを見る)。ーー建物を見るのがお好きなんですか。澤本はい(笑)。自分じゃ絶対建てるのは無理なことなので。佐藤そういう観点なんだ(笑)!中島そういうことか(笑)。澤本歴史を感じるものが好きなんです。「これ、どうやって作ったんだろう」ってつい立ち止まって見てしまって、「うわ! この柱ヤバい」とか思って(笑)。まず建物の全体を写真に撮って、さらに気になる部分だけを撮ったり。だから僕のカメラロールには、わけのわからない写真がいっぱいあります(笑)。ーー楽しい趣味ですね(笑)。佐藤さんはお休みをどのように過ごしていますか。佐藤僕は映画を観るか、買い物に行くか、舞台を観に行くかが基本ですね。絶対家にいないです。中島しかも大樹くんはオフの日のスケジュールが分刻みで、細かいんですよね。僕はよく大樹くんのところに遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりするのですが、次の予定と次の予定が細かく決まっているんです。ーースケジュールがびっしり入っていると、休んでいる感じがしないのでは。佐藤いえ、びっしり予定のあるほうがいいんです。僕は休みの日に、したいことをひたすらします。ーー映画はメンバーともご一緒に行くことはありますか。佐藤(木村)慧人がよく映画に誘ってくれて、僕は基本断らないタイプなので、一緒に行くこともあります。なっちゃん(堀さん)とか(中島)颯太とも、洋服を買いに行ったりします。ーーでは最後に、来年の抱負を教えてください。中島来年は、6年に一度のLDHの大イベント「PERFECT YEAR」がある年で、LDHに所属する全員が日本中を巡って盛り上げていく年なので、FANTASTICSとしてもFANTASTICSらしく盛り上げていきたいです。曲もどんどん増えていくと思うので、みなさんを楽しませられるようなボーカリストになりたいですし、ひとりの人間としてもしっかりとした人間になって、たくさんのことを届けられるようになりたいです。佐藤来年は僕たち、初の単独アリーナツアー「FANTASTICS LIVE TOUR 2020 "FNT"」が3月から控えているんです。EXILEのツアーの最中にリハーサルがスタートしますし、すでにやりたいことがたくさんあるので、来年は楽しみで仕方がないです。あとは僕たちとしても、2月に初めてアルバム『FANTASTIC 9』をリリースできるので、アリーナツアーはすごく面白いことになると思っています。今回、「FANTASTIC NINE」で新しいことを提示できたので、2020年は新しい次の段階に行く2年目になると思います。澤本来年はアリーナツアーを開催させていただけるので、今回のホールツアー以上に、もっと新しいものを求めて見に来てくださる方もたくさんいると思うんです。その期待を裏切らないように、僕たちメンバー、スタッフさんと話し合って、最高のツアーにしていきたいと思います。取材後記朝早くからの取材でしたが、みなさんキリッとしていながらもとってもさわやか。凛とした佇まいでインタビューに応えてくださった佐藤さん、真摯な姿勢の澤本さん、ボーカル愛にあふれる中島さんたちの“FANTASTICSへの熱い思い”が垣間見えました。これからも飛躍し続けていくであろうFANTASTICSさんのニューシングルをまずはチェックしてみてくださいね。FANTASTICS from EXILE TRIBE PROFILE2016年12月29日、EXILE TRIBEの新グループとして、EXILEの世界さんと佐藤大樹さんをリーダーに、EXPG STUDIOから選抜された澤本夏輝さん、瀬口黎弥さん、堀夏喜さん、木村慧人さん、中尾翔太さんを加えた7人組のパフォーマー集団として結成されたFANTASTICS。2017年、約3万人動員をした武者修行後、ボーカルオーディションで約3万人の応募者から選ばれた八木勇征さん、中島颯太さんがボーカリストとして加入。2018年、約7.5万人を動員した「夢者修行 FANTASTIC 9」後、デビュー目前に急逝された中尾さんの思いを胸に、12月にシングル「OVER DRIVE」でFANTASTICS from EXILE TRIBEとしてメジャーデビュー。デビュー作はオリコンデイリーチャート1位を獲得し、第33回日本ゴールドディスク大賞ベストニュー5・アーティスト賞を受賞するなど飛躍を遂げるなか、2019年、初のホールツアー「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」を開催。12月4日には4枚目のシングルをリリース。3枚のシングルをリリース。2020年、2月に1stアルバム『FANTASTIC 9』をリリース後、初のアリーナツアー「FANTASTICS LIVE TOUR 2020 “FNT”」を行う。InformationNew Release「Time Camera」(CD)01.Time Camera02.Tumbling Dice03.Tarte Tatin04.Time Camera (Instrumental)05.Tumbling Dice (Instrumental)06.Tarte Tatin (Instrumental)(DVD)「Time Camera(Music Video)」「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE ライブ映像」「ツアー密着ドキュメント映像」12月4日発売※曲は2形態共通。※DVDはRZCD-86971/B(CD+DVD)のみに付属。RZCD-86972(CDのみ)¥1,273(税別)RZCD-86971/B(CD+DVD)¥1,818(税別)
2019年12月13日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第17回目に登場するのは、日本のみならず海外でも高い評価を得て、ワールドワイドに活躍しているジャズバンドのSOIL&“PIMP”SESSIONS(ソイルアンドピンプセッションズ)!写真・大嶋千尋結成時から世界を視野に入れてバンド活動開始写真左から社長(Agitator)、タブゾンビ(Tp)。【音楽通信】vol.172001年、東京のクラブイベントで知り合ったミュージシャンで結成された5人組のジャズバンド、SOIL&“PIMP”SESSIONS。2005年にイギリスのBBC RADIO1主催「WORDLWIDE AWARDS2005」で「John Peal Play More Jazz Award」を受賞以降、海外での作品リリースや世界最大級のフェスティバルといった数々のイベントに出演し、卓越した演奏力とエンターテインメント性で、国内外のリスナーを魅了し続けています。ワールドワイドな活動を行いながら、日本では映画やドラマの劇伴も手がけるほか、これまでにRADWIMPSの野田洋次郎さん、三浦大知さん、椎名林檎さんなど多数のアーティストともコラボレーション。そんなSOIL&“PIMP”SESSIONSから、アジテーターの社長さん、トランペットのタブゾンビさんのおふたりに、12月4日にリリースされたニュー・アルバム『MAN STEALS THE STARS』についてお話をうかがいました。ーー以前のことから少し振り返らせてください。バンドを結成されるまでは、それぞれ別のバンドで活動されていたそうですね。社長はい。タブゾンビは学生でありながら、ミュージシャンとしても仕事をしていました。タブゾンビ社長はウェブデザインの仕事もしていたよね。ピアノ担当の丈青(じょうせい)はプロのジャズミュージシャンだったし、みんないろいろなことをやっていました。バンドのスポークスマンでもある社長(Agitator)。1月18日、福井県生まれ。ーーこれまでに世界31か国で公演を行っていますが、バンド結成当初から、日本だけではなく海外での活動も視野に入れていたのですか。社長そうですね。タブゾンビですです! あの、鹿児島県出身なんですが、「ですです」は鹿児島弁で「そうなんです」という意味です(笑)。結成当初から、世界を視野に入れて、バンド活動をしていました。ーーあらためて、社長さんとタブゾンビさんのお名前の由来はなんですか。タブゾンビ僕はいつから、タブゾンビなんだろうね。社長ずっとタブゾンビじゃないかな。僕ら大学の同級生なんですが、出会った時からタブゾンビと呼ばれていましたから。ーーアメリカのミュージシャンの「ロブ・ゾンビ」は関係がありますか。タブゾンビはい、名前をいただきました(笑)。もともとロブ・ゾンビがやっているようなハードな音楽が好きだったことと、本名が椨(たぶ)なんです。それにゾンビ映画が好きで、ゾンビにも詳しいんですよ。社長基本的に、この人が名前を考えます。タブゾンビ当時は、インパクトをとても大事にしていたので、どうやったら人に忘れられない名前になるだろうと考えました。「社長」は絶対に忘れられないじゃないですか。タブゾンビも、「タブ」は忘れられるかもしれないですが、「ゾンビ」という言葉は印象的だから、心に残ると思ってつけたんです。社長そうだったねえ。でも、僕は「社長」というのもねぇって、当時は複雑に思っていました(笑)。タブゾンビ(Tp)。4月13日、鹿児島県生まれ。ーー今年の10月にはヨーロッパツアーを実施されていましたが、ロンドンでのワンマン公演もありましたね。タブゾンビはい。わりと毎年、ヨーロッパツアーをやっているんですが、今回は3日間にわたって『Ronnie Scott’s』という、イギリスで1番の伝説的なジャズライブハウスでワンマン公演を開催しました。毎回、海外公演もソールドアウトすることが多くて、今回も3日間とも完売しています。ーーすごいことですね。タブゾンビそんなことないです(笑)。社長今回、ヨーロッパに行っていたのは1週間くらいで、いつもはもっと長く滞在するので、期間が短かかったですね。タブゾンビ僕ら歳なので、長い海外ツアーはダメなんです(と小声になる)……。社長なんで小声になっていくの(笑)! でもまあ、いいライブができたね。タブゾンビですです。社長ジャズクラブで1日2公演を3日間やって、その翌日は、アムステルダムでエレクトリックなクラブミュージックでのフェスティバル最終日に出演させてもらったんです。タブゾンビ「日本人のお客さんは多いんですか」とよく聞かれるんですが、日本人の方は少ないんですよ。ほとんど現地の方が来てくれています。ーーSOILさんの音楽が、海外の方に受け入れられている1番の魅力は何だと思いますか。社長僕らの音楽は、ほかにはない感じのジャズだと思うので、面白がって聴きにきてくださる、楽しみにしていてくださるんじゃないかと思います。本当に、たくさんの方に毎回楽しんでいただいています。タブゾンビやっぱり、カッコいいからじゃないですかね(笑)!社長いやいやそれは(とタブゾンビさんにツッコミを入れる)。タブゾンビいや、音楽がカッコいいからという意味です。だって、そうじゃないとお客さんは来ないでしょ。社長そうねえ。とくにトークはすべってるしねぇ(笑)。タブゾンビ社長のトークはねぇ。自分の紹介のときだけ、すべってたね。ーーロンドンとアムステルダム、そして日本と、オーディエンスの様子はどのように違いがありますか。タブゾンビライブとその特性にもよりますが、ロンドンでは音楽を聴かせることに集中していますね。若い子もいれば、おじいちゃんも来てくれていますが、より音楽的なライブをやると反響があります。日本ではパーティっぽい感じで攻めることが多いですね。“架空の詩人”というキャラクターが時空を超える物語ーーそして、ニューアルバム『MAN STEALS THE STARS』は、どのような思いで作られたアルバムでしょうか。社長アルバムを作ると決まった最初の段階で、各々が曲を作ってくるんです。今回はタブくんが「こういう方向性はどうかな」と何曲か持ってきまして、それが本当にすばらしいクオリティで、すぐに世界観が伝わるようなものでした。タブゾンビ持っていった曲を聴いて、丈青さんが「『ブレードランナー』(1982年公開のSF映画)みたいだね」って言ったんだよね。社長そう。その例えを聞いてなるほどと思って、よりアルバムの世界観がかたまりました。丈青も制作の初期タームからかなり曲を書いていましたし、タブくんのビジョンと丈青の曲が骨格となって、アルバムの物語となる世界観の基礎ができあがって、そこから制作が加速していった感じですね。丈青は、このアルバム全体を通しての音楽監督としても緻密にディレクションしてくれました。ーー私はタイトルを拝見し、アルバムを聴かせていただいて、星新一さんのSF小説のような世界を思い浮かべました。タブゾンビ星新一さん、いいですねぇ。近い世界観ですね。社長やっぱりこの“宇宙”というテーマであったり、時空を超えた多次元の世界の物語だったり、そこを自由に超越して行き来することができる“架空の詩人”というキャラクターができあがったりと、そういうキーワードもタブゾンビくんが出してくれました。タブゾンビですです(笑)!社長タイトルに関しては、1曲目でポエトリーリーディングとしてフィーチャーさせていただいた音楽家で詩人の山崎円城さんが、タブくんのテーマを受けて、すばらしい詞を書いてくださったんです。その中の一節に「MAN STEALS THE STARS」という言葉がありました。タブゾンビ最初、僕がさまざまな言葉を山崎さんに送って、そのなかにあった「星を盗むもの」という言葉を使って英語にしてくれたのでよかったです。社長その詞の中には、最後に「last of the poets」という言葉があって、架空の詩人というキャラクターの持つテーマが、音楽とカチッとハマりました。アルバムを聴くと、ひとつの映画を観ているような作品に仕上がっています。タブゾンビですです。ーータブゾンビさんはトランペッターですが、いつもどのようにして曲作りをされているのですか。タブゾンビパソコンで作ります。丈青さんはピアノで作っていますね。社長僕もパソコンで曲作りをしています。ーーアルバムのなかで「とくにこの曲を聴いてほしい」というおすすめの曲はありますか。タブゾンビ全曲を通して1個のストーリーなので、全部聴いてほしいかな。サブスクリプションの時代ですから、1曲ずつでも聴けますが、全曲を通して聴いていただけるアルバムになるといいですね。社長ストーリー性を置いておいて、もし僕らのことを知らない方が、「入り口」として1曲聴いていただくとしたら、4曲目の「Reptilian’s Dance」がおすすめですね。スタジオでの一発録りでできた曲で、みんなで有機的に録れた曲なので、ワクワクします。あと10曲目「Space Drifter」は、リード曲的な扱いになりそうな“操縦不能の宇宙飛行士”のようなイメージの曲なので、このへんから入っていただいて、そこから全体を通して聴いていただくと深く知ってもらえるかなと思いますね。映画を楽しむように聴けるアルバムが完成ーー来年は1月、2月と全国ツアーがあります。どのようなステージになりそうでしょうか。社長アルバムの曲を演奏すると思うんですが、タブゾンビくんの頭の中にライブのビジョンがあると思うので、それを実際にどう落とし込んでいくかというところですね。タブゾンビステージングについては、みんなでアイデアを出すので、いずれプレゼンしようかなと思っている状況です。ーーアルバムをリリースされて、ツアーをされたあとは、また制作期間に入られるのですか。タブゾンビアルバムを出して、ツアーをしたら、フェスが始まりますね。社長も自分でフェスをやっていますし、僕もフェスをやっています。そして制作をして、終わったら夏フェスが始まり、海外フェスがあり、ジャズのライブハウスツアーもあって、そしてまた制作に入ってとやっていたら、あっという間に1年経ちますね。社長その合間にサントラなどの外仕事もあって、その先もまたお仕事をいただけたらいいなと思いながら、あっという間に1年です。ーーお忙しいかと思いますが、お休みのときはどのように過ごしていますか。タブゾンビ家族とどこかに行ったりしますね。社長隙をみては動画配信サービスなどで映画を観ています。車も好きなので、車をいじったり、洗ったり、ドライブしたりもします。ーーでは最後に、アルバムをどのようにみなさんに聴いてほしいでしょうか。タブゾンビananwebの読者のみなさんにも聴いていただきたいんですよ。そのためには、何て言えば心に刺さってくれるかな。社長「アルバムを聴くときれいになります!」と言いたいですが、それはウソだし(笑)。タブゾンビそうだね(笑)。社長みなさんそれぞれ、好きに聴いていただいていいんです。でも例えば、みなさんが映画を1本観るお時間を少しいただいて、このアルバムを2回聴いてくださると、SF気分が味わえます! って、これどう(笑)?タブゾンビSFに興味ないかもしれないよ(笑)。このアルバムは、映画を楽しむ感じで聴けるので、おすすめです。画を観るのではなく、“画を思い浮かべながら聴く音楽”ということで、脳内映画が楽しめます。社長ぜひ聴いてください。取材後記圧倒的なパフォーマンスと作品性で知られる姿とはまた違った、取材時の社長さんとタブゾンビさんの様子は、なんともユーモアにあふれていらっしゃいました。SOIL&“PIMP”SESSIONSさんは、これからも国内外で活躍されることでしょう。まずは、インストゥルメンタルを中心としたオルタナティブなジャズを展開する、ニューアルバムをチェックしてみてくださいね。SOIL&“PIMP”SESSIONS PROFILEタブゾンビ(Tp)、丈青(P)、秋田ゴールドマン(B)、みどりん(Dr)、社長(Agitator)からなるジャズバンド。2001年、バンド結成。ライブを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気を漂わせながらも、ラフでエンターテイメント、バースト寸前の爆音ジャズを展開。2005年、英BBC RADIO1主催の「WORLDWIDE AWARDS 2005」で受賞以降、海外での作品リリースや世界最大級のフェスティバル「グラストンベリー」、「モントルージャズフェスティバル」、「ノースシージャズフェスティバル」など、数々のビッグフェスに出演。これまでに31カ国で公演を行うなど、ワールドワイドに活動し、国内でも数々のアーティストとコラボレーション。2017年、TBS系ドラマ『ハロー張りネズミ』の劇伴や主題歌を担当、2018年は三浦大知をはじめ豪華ゲストが参加したアルバム『DAPPER』をリリース。2019年、フジテレビ系ドラマ『スキャンダル専門弁護士QUEEN』、『妖怪人間ベム』の新作アニメ『BEM』(テレビ東京系毎週日曜深夜1時35分)のオリジナルサウンドトラック『OUTSIDE』をリリースするなどドラマの劇伴楽曲も手がけ、多岐に渡り活動の幅を拡大している。12月4日、アルバム『MAN STEALS THE STARS』をリリース。12月23日には恵比寿The Garden Hallで、2020年1月17日からはアルバムを引っ提げた全国ツアー「TOUR 2020“MAN STEALS THE STARS”」を3月4日まで開催する。InformationNew Release「MAN STEALS THE STARS」01.Man Steals The Stars02.Monad03.In The Twilight04.Reptilian’s Dance05.Galaxy Lady06.Tell A Vision07.Lost Memories08.Lyra’s Attack09.Chill 1610.Space Drifter11.Go Ahead12.Bach13.Utopia Traces<初回限定盤DVD>SOIL&”PIMP” SESSIONS in London 〜Live at Ronnie Scott’s 20191019〜12月4日発売VIZL-1672(初回限定盤)¥3,800(税別)VICL-65274(通常盤)¥2,900 (税別)
2019年12月07日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第16回目に登場するのは、ライブでの熱いパフォーマンスが話題の4人組ロックバンド、BLUE ENCOUNT(ブルーエンカウント)!写真・大内香織学生時代から続く4人でバンド結成15年&デビュー5周年写真左から江口雄也(G)、田邊駿一(Vo、G)、高村佳秀(Dr)、辻村勇太(B)。【音楽通信】vol.16BLUE ENCOUNT は、2004年にバンドを結成、2014年9月にメジャーデビュー、ライブでの熱いパフォーマンスが話題を集めている4人組。今年、メジャーデビュー5周年、バンド結成15周年というアニバーサリーイヤーを迎え、作品リリースとライブ活動も活発に展開しています。9月にリリースしたシングル「バッドパラドックス」は、ドラマ『ボイス110緊急司令室』(日本テレビ系)の主題歌としてオンエアされ、今もなお注目を集めるなか、11月20日にニュー・シングル「ポラリス」をリリース。今回、田邊駿一さん(Vo、G)、江口雄也さん(G)、辻村勇太さん(B)、高村佳秀さん(Dr)のメンバー全員にお話をうかがいました。ーー今年はバンド結成15周年ですが、みなさんの出会いを教えてください。田邊もともとこの3人(田邊、高村、江口)は高校の同級生です。僕らが20歳のときに上京して、音楽専門学校に入学後、辻村と出会いました。辻村とも今年で10年の付き合いになります。ボーカル&ギターの田邊駿一。熊本県出身。高村バンドとしては15年ですが、友人としてはもっと長いですね。僕と江口は高校1年生のときに同じクラスでした。江口付き合いは長いですね。ーーみなさんそれぞれ、学生時代はどんな音楽を聴いていたのですか。田邊当時はそれぞれバンドをやっていたので、それぞれの持つカルチャーがあって、好きな音楽も違いましたね。僕はELLEGARDENが好きで、バンドサウンドが大好きなんです。学生時代は、そういうライブバンドをやりたいと思って、音楽をやっていました。ベースの辻村勇太。神奈川県出身。辻村学生時代はずっと洋楽を聴いていましたね。3人と出会った頃は洋楽のカントリーやR&B、クラブ系のEDMといったさまざまなジャンルを聴きあさっていました。アメリカのバンド、フーバスタンクやスリップノットが好きでよくアルバムを聴いていたんです。ドラムの高村佳秀。熊本県出身。高村僕はブルエン(BLUE ENCOUNTの愛称)を結成するまで、ジャズオルガンをやっていたので、ジャズばかり聴いていましたね。それからヒップホップ、R&Bを好きになって、バイト代全額をR&BのCDのジャケ買いに注ぎ込んで、よく聴いていました。ギターの江口雄也。熊本県出身。江口ブルエンを始めてからは、175RやJUDY AND MARYがクラスですごくはやっていたので、ひたすら聴いていましたね。ーーそれぞれまったく違う系統の音楽を聴いていて、どうやってブルエンの音楽に集約されていったのでしょうか。高村4人の共通する好きなバンドが、ELLEGARDENなんです。その存在をお手本にして、自分たちのバンド像を描きながら、でもそれぞれ好きな音楽は違っていて、それを集約していきました。だから、僕らの音楽にはいろいろなタイプの曲がありますし、ジャンルを絞らずにやるというスタイルになっています。ーー今年は6月にミニアルバム、9月にドラマ主題歌となったシングルをリリース、ホールツアーやライブハウスツアーも実施されています。15周年を意識されているのでしょうか。田邊そうですね。僕らを支えてくれるチームのみなさんのご尽力があって、いろいろなタイアップ曲をやらせていただいていて、さらに今、新作も水面下で作っているものがあるんです。楽曲制作においても、今年は一番忙しいですね。メジャーデビューしたときが一番忙しいと思っていたし、レコード会社の人たちもそう言う人は多いんですが、それを超えるぐらい精力的に活動させていただいています。前は忙しいと疲弊して終わっていたのに、今は「ありがたい」と思うようになれましたし、4人でも「ここからさらに気持ちを引き締めていこう」と話し合いました。ーーインディーズ時代が約10年続いた後、2014年にメジャーデビューされました。今年はデビュー5周年でもありますが、現在、実感されていることはなんでしょうか。田邊アーティストとして、ひとつ何かをレベルアップしなければいけないと感じています。もちろんインディーズを10年経たからこその地力があってメジャーでやれているとは思うのですが、今年は初めてホールツアーをやらせてもらって、そしてライブハウスツアーもやらせてもらって、全国をまわったときに予想外のことがありました。毎回、MCで「初めて来た人、手をあげて」とお客さんにたずねるんですが、どの会場も半分ぐらいは新しく来てくれた人たちだったんです。今年は新作をたくさんリリースしているので、今年、僕らの音楽を知った人が多かったということ。今まではライブ活動で僕らを知ってくれた人が多いと思っていたんですが、今年はドラマ主題歌から知ったという人も多くて、2階席には今までなら来てくれなかった層の年配の方もいらっしゃっていて、楽曲先行でライブに来てくれたお客さんが多くてびっくりしました。目の前の状況を打破するために勢いだけで、ライブというプラットフォームをメインに活動してきたんですが、ずっとやみくもにライブばかりしていろいろなものに迎合したものをやり続けると、僕たちは終わってしまう。これからは“誰もが納得できるアーティストとしてのライブショーをして、作品を世の中に提示していかないといけない”と思っています。辻村今まで培ってきたことが、当たり前のようで、それが当たり前じゃないと思えるような何かをしなきゃないけないと実感しています。毎年ツアーをしてアルバムを出して、自分たちがどういう状況かを見つめ直すんですが、よりいっそうメンバーそれぞれ、バンドの未来を見極めていかなくてはいけないと思っています。4人の意識が形になって、曲になっていかないと、ブルエンが進化していかないから。やっぱり聴き手に飽きられたくないとも思いますし、また新たなスタート地点に立っている気がします。高村年々、バンドに向き合う意識は変わっています。好きなものも年々変わっていて、僕の中ではそれを肯定的にとらえています。以前好きだったものを嫌いになるわけではなく、「これも好き」「あれも好き」と好きなものが年々増えていくので、「これ面白そう」「あれやってみたい」と、今が1番いろいろなものに興味を持っていますね。そういった意識は、バンドにも前向きに取り組める一因になっていると実感しています。江口デビューしてから変わってきた心境の変化は、みんなが言ったこととだいたい同じです。でも、変わらないものは、常に綱渡りする感覚でバンドを続けていることですね。自分たちもそうですし、まわりのバンドも、いつ音楽で飯が食えなくなるかという心配はあります。デビューしてから5年経つ今も、安心して、太い柱を渡っているという感覚はありません。最初は、デビューして3年、5年と経っていけば、安心してバンドを続けていられるのかなと思っていたんですが、そんなことはありませんでした。でも、そういう気持ちが変わらないからこそ、作る音楽は尊い。危機感を持つ人たちが作る音楽をみんなが聴いてくれていて、逆に安心感を持っていると輝けなくなるのかなと思って、日々を大事に生きているんです。危機感があることが、悪いことだとは思わない。それが当たり前なのかなと感じています。ニューシングル「ポラリス」は約30曲から選んだ曲ーー11月20日にシングル「ポラリス」をリリースされます。コミックスのシリーズ累計発行部数が2300万部を突破した大人気コミックが原作のアニメ『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ系 毎週土曜日17:30)の第4期オープニングテーマでもありますね。田邊アニメの主題歌になることがきっかけで作った曲です。春にそのお話をいただきまして、そのときはドラマ主題歌の楽曲制作が佳境になっていて、さらにホールツアーが始まったタイミングでした。僕らの中では、音楽にどっぷりはまって走り続けている時期にお話をいただいたので、脳が音楽にシフトされていて「ポラリス」の制作ははかどりましたね。すぐにアイデアもわいてきましたし、メンバーともスムーズにやりとりできました。歌詞に関しては、アニメの世界観を踏襲したうえで書いたのですが、内容自体はブルエン15年を経た集大成の意味合いが強いんです。ずっとブルエンを聴いてくれている人、これからブルエンを聴く人に聴いてもらえたら、その人が安心して過ごせるだろうなという言葉を詰め込みました。ーー曲を作るにあたって、アニメの製作側からのリクエストはあったのですか。田邊それがなかったんです。自分の書きたいように書かせてもらって、一発OKをいただきました。でも、メンバーも原作は読んでいますし、僕も大好きですし、曲とアニメが逸脱しない方向で作りました。ーーいつも作詞作曲を田邊さんが担当されているようですが、メンバーのみなさんとはどのように曲を完成させていくのでしょうか。田邊まず僕がギターの弾き語りなどで曲を作りまして、それをデータでみんなに送り、曲出しをするんですね。僕、1回の曲出しにつき、候補曲を20~30曲作るんです。ーー例えば「ポラリス」だったら、「ポラリス」候補になる曲を20~30曲も作るのですか。田邊そうです。これだけ作りましたと、20、30曲をみんなに送りまして、仮タイトルは「ポラリス」と書き出していって。それから「江口はどれがいい?よっちゃん(高村さん)はどれがいい?」という感じで、1曲聴くごとに「正」の字をつけていって、多かった曲に決まります。あとは、僕の意向を少しプラスして、そこから肉付けをメンバーがしていって、最終的に全部のオケができあがってから、僕が歌詞を書くんです。ーーそんなに多くの曲を一度に作るのは昔からなのですか。田邊はい。高校生の頃から、誰にやれといわれたわけでもなく、ずっとそうしています。好きなんです、曲作りが単純に。同じようなやり方で作曲をする人は、あまりいないみたいなんですが。メンバー一同(深くうなずく)ーー田邊さん以外のみなさんは、「ポラリス」についてはどのような印象で、どうサウンド面で肉付けされていったのでしょうか。辻村サビを聴いたときに、ストレートな曲だと思いました。例えば、前作「バッドパラドックス」は、4人の線をタテにパッと引いたイメージがあって、だから各々の楽器の絡み方も前面に出てくる多彩な曲なんです。一方、「ポラリス」は、4人の色を出すのではなく、ひとつにまとまって太い線でボンと音を出すイメージ。それだけ歌詞に伝えたい言葉が多かったし、メロディも刺さるし、メロディやボーカルが最大限に活きるようなアレンジにしたいと思ってベースラインを組みましたね。高村僕もそうですね。あとで「やりすぎたな」と思うフレーズはやりたくないと思っていたんです。最近、過去曲を聴いていて、ボーカルがわからなくなる瞬間があって、やりすぎたと思ったときも。ただ、その曲はそれも良さではあったんですが、今回「ボーカルをちゃんと聴きたい」と思うようになりました。もちろんサウンド面での柱となるギターやベースのアレンジを聴いたうえでの、ドラムの差し引きはありますが、後々やりすぎた後悔をしないよう、自分がやりたいことよりも、その楽曲の中でドラムとして縫える隙間を探しました。江口僕は高村とは逆で、ドラムをどっしりと響かせてくれているので、そのぶんギターで攻められるところをひたすらに攻めました。でもやっぱり、聴かせなくちゃいけない大事なサビの部分は控えめに。曲の第一印象となるイントロは、ガッツリとブルエンの色が出て名刺がわりになるようにということも、意識して曲を作りました。ーーカップリング曲の「girl」はどのようにできた曲なのでしょうか。田邊「girl」は、6月に出した『SICK(S)』というミニアルバムを制作しているときにできた曲です。そのときは40、50曲作ったんですが、ミニアルバムの制作に熱心になりすぎていたので、いったんデトックスしたいと思って、ストレスを解消したくてまた曲を作ったんですね。そのときにスタジオで高村と一緒に作業していたのですが、「ちょっとドラム叩いて」と頼んで、全体構成が10分でできた曲です。次のアルバムに入れないとしても、しかるべきときにやろうと話していたら、早くもそのタイミングが来て。「ポラリス」はアニメの世界観のあるポップな楽曲で、「girl」は洋楽らしさがほしくて作った曲です。ーーこれまでも日本語詞の曲と英語詞の曲がありますが、今回は洋楽らしさを意識されたから「girl」は英語詞なのですね。田邊そうです。「ポラリス」とは真逆のものを作りたいと思ったんですね。もちろん日本語を入れることもできたのですが、あえて英語にしました。みんなで夢を叶える“青春”をやっていくーー曲の中にはいろいろなタイプの人物が登場しますが、例えば女性の場合、みなさんはどのような女性が魅力的だと思いますか。田邊2時間ぐらいかかるな〜、カフェのテラス席で話したいです(笑)。この前、ちょうどシンガーソングライターの高橋優くんと「どんなタイプが好き?」という話をしていたのですが、ふたりとも同じだったのが、“僕のことを自分のことのように喜んでくれる女性”がいいということ。僕にうれしいことがあって、相手に話したら、一緒に喜んでくれるような人が好きですね。例えば「ライブでこういうことがあって」とか、「仕事でこうだったよ」と話して、その喜びを分かち合える人。高橋優くんとは、「こちらが女性にサプライズをしたら、素直に喜んでほしいよね」という話もしていました。あと家にふたりでいるようなときに、「今日、洗い物するよ」と僕が言ったときに、「いいよ、それ私がやるから」と言わない人がいいです。「じゃあ、お願い」と言ってくれる人がいいですね。そうじゃないと、僕は「じゃあ、やれば」ってふてくされちゃうから。プレゼントをあげる場合も、「いいよ、いいよ」と遠慮しない人がいいですね(笑)。辻村あるね。ご飯に行って支払おうとしたら、「私、払うから〜」と言わない女性がいいかも(笑)。田邊そうだね。もし女性から支払うと言われたら、「この店の全員分の支払うんだったら、出してね」と言うと思います(笑)。辻村僕は、イエスマンすぎない子が好きですね。イエスマンの子は正直、一緒にいてつまらなくなってしまいます。例えば、女性が年下だったり、女性側が男性を尊敬していたりすると、なんでも言うことを聞いてしまうんですよね。僕としては、等身大の意見をなんでもいいから聞きたいなと思ってしまいます。時には、イエスばかりではなく、イレギュラーな意見を言うような女性がいいです。ーーでも、反発ばかりする女性もいやですよね。辻村そうなんですよ、そこが難しいところなんです(笑)。田邊洗い物をしているときに、「私がやるからいいよ、いいよ」みたいなこともね。辻村そこは大丈夫(笑)。高村僕は甘えてくれる女性が好きです。辻村僕らとは逆だね。高村うん。甘えられたら、「ありがとう」と思うタイプだから(笑)。田邊そうだよね、我が強い女性は苦手だよね。高村苦手ですね。別に僕を転がしてもいいから、上手に甘えてほしい。江口僕は、襟付きのシャツワンピースが似合う女性が好きです。田邊性格じゃなくて、外見の好みだね(笑)。江口うん(笑)。昔はそんなに思わなかったんですが、最近はシャツワンピースが似合う女性が一番いいと思っています。ーーそれはファッションセンスの良い女性ということでもありますか。江口そうとも言えますね。自分の好きな服を相手も好きだといいなという意味もあります。こちらが強要して好きになってもらうのは違うと思うのですが、自分と相手のセンスが自然と合っていて、僕の好きな服を自分で選んで着てくれるのが一番いいですね。ーーでは最後に、今後の抱負を教えてください。田邊4人のマインドとしては、「来年1年、青春しようぜ!」ということですね。僕たち、デビューしてからの5年間、この4人で経験を積んできたなかでできることも増えてきたし、できなかったこともあるからこそ、できないことの先読みの能力もついてきたんです。だからなのか、今年は頭でっかちになって活動していたところが多かったかもしれません。でも、最初に頭で決めつけてしまうと、もう楽しくないんですよね。ライブ中も「あ、今、頭で考えてる」と気づいて、するともう楽しくなくなってしまう。振り返ると、僕らが音楽を始めたときは、楽しくないこと、楽しいことは関係なしに、「やべえ今が最高!」って音楽をやっていたんです。だから、4人で「ちゃんと全員で無垢な音楽の楽しみ方をしよう」と話し合いました。ライブ会場も、アリーナ公演をやりたいですし、地元の九州に向けて新しいことができないかと考えることもあります。自分たちの夢をチームのみんなで共有して、みんなで夢を叶えていくという“青春”をやらなきゃなって、話し合ったんです。とにかく今は計画を立ててやるというよりも、やみくもに青春しようという話に落ち着いて、いい意味でみんな肩が軽くなった気がしましたね。このデビュー5周年、バンド結成15周年という大事な年を経て、みんなで青春した先に、新たな一歩が待っているんだと思っています。取材後記エモーショナルなバンドサウンドを放つBLUE ENCOUNTさんは、学生時代からの友情を音楽に紡ぎ、アニバーサリーイヤーを迎えました。取材中も和気あいあいとした仲の良さを見せてくださった彼らの音楽は、これからも勢いよく全国に発進していくことでしょう。まずは、ニューシングルをチェックしてみてくださいね。BLUE ENCOUNT PROFILE田邊駿一(Vo、G)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)からなる4人組ロックバンド。2014年9月にEP『TIMELESS ROOKIE』でメジャーデビュー。2015年1月にリリースしたファーストシングル「もっと光を」は、新人ながら全国35局でのパワープレイを獲得。5月にはアニメ『銀魂(第3期)』(テレビ東京系)のオープニングテーマとなるシングル「DAY×DAY」、7月に1stフルアルバム『≒』をリリース。2016年1月、第94回全国高校サッカー選手権大会の応援歌にもなった「はじまり」、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(日本テレビ系)のオープニングテーマ「Survivor」、「だいじょうぶ」、ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)の主題歌「LAST HERO」と4枚のシングルをリリース。10月には日本武道館ワンマン公演を開催。2017年1月には2ndアルバム『THE END』をリリースし、幕張メッセ公演を含む全国ツアーを実施。2018年3月、3rdアルバム『VECTOR』、11月にはTVアニメ『BANANA FISH』(フジテレビ系)第2クール オープニング・テーマとなったシングル「FREEDOM」を発表。2019年、6月から初の全国ホールツアーを開催。6月にミニアルバム『SICK(S)』、9月にドラマ「ボイス110緊急司令室」(日本テレビ系)の主題歌となったシングル「バッドパラドックス」を発表。9月から全国ライブハウスツアーを実施。11月、シングル「ポラリス」をリリース。InformationNew Release「ポラリス」01.ポラリス02.girl11月20日発売KSCL-3202(通常盤)¥1,100(税別)
2019年11月29日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第22回は、婚活中に出会った“同性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「結婚を焦らない女性」3選をお届けします。1. 思う存分仕事や趣味を謳歌する女性【結婚引き寄せ隊】vol. 22出会いを探す人がいる反面、ひとりだからこそできる生活を満喫している人だっています。女性も仕事で活躍する時代ですし、多様化する現代では、必ずしも結婚しなくてはいけないわけではありませんよね。そこで、今回は必死に婚活するよりも、あえて独身でいることを望み、結婚を焦らない女性たちが「シングルライフが最高!」と感じたエピソードを3選お届けします。Aさんは、イベント会社に勤めるキャリアウーマン。学生時代に海外への留学経験があり、仕事でも得意の語学を活かしてバリバリと働いています。イベントが行われるのは平日だけとは限らず、土日祝日も仕事になることもしばしば。多忙になるほど、やりがいを感じるのだそうです。そんなAさんは、白黒ハッキリとした性格で、人によってはキツイ女性だと思われることもあるのですが、裏表のないところが彼女の良さでもありました。仕事ばかりしていて出会いがない彼女は、婚活をしていたこともあったのですが、物怖じしないAさんに男性側がたじたじになるのか、あまりうまくいかない様子。Aさんも、婚活で知り合うサラリーマンたちについて「出会う男性には全然興味が持てない」と言って、スッパリと婚活をやめてしまいました。そこからはさらに仕事にまい進し、趣味のヨガを楽しんでいます。シングルライフを謳歌し、「やっぱりひとりが最高だわ」とのこと。いやいや婚活しても良い結果にはなりませんし、楽しく毎日を送れるなら、シングルライフを満喫したいですよね。2. 恋愛至上主義の女性Bさんは、一見、地味でおとなしそうな雰囲気です。自分からすすんで話をするタイプではありませんが、周囲に合わせて行動することができる女性。そんな控えめなところが気に入られやすく、飲み会などでは、男性からのアプローチも多いようです。明らかに美人で派手なタイプの女性は、男性の視線を集めやすいぶんライバルが多いこともあって、意外と地味なBさんのほうが親しみやすくてモテることを、実はBさん自身が心得ています。自覚がないなら、自然体でモテているわけですが、Bさんはどこか“地味さを演出”しているような節も。いろいろな人からの誘いにも気軽にのるBさんは知り合いが多いのですが、一緒に飲み会に参加していた女性たちは次第に婚約したり、結婚したりと、まとまっていきました。そんななかで、男性と付き合っては別れてを繰り返し、いつまでも“飲み会のレギュラーメンバー”として君臨し続けるBさん。付き合った男性が結婚の話を出してくるとすぐ別れるそうで、「できれば結婚しないで、ずっとドキドキしていたいの」と話すBさんは、根っからの恋愛至上主義のようです。恋愛で得られるときめきは女性をキレイにしてくれることもありますから、Bさんのように、恋愛に特化してみるのも潔いかもしれません。3. 人に合わせたくない女性「絶対結婚しなくちゃいけないなんて、誰が言ったの?」と、そもそも結婚すること自体に、まったく興味のないCさん。会社ではそれなりのポジションで後輩に指導する立場のCさんは、なんでもテキパキとこなす優秀な女性です。頭の回転がはやすぎるからか、Cさんが話したことに対して、すぐに返事をしない相手だと、その反応の遅さにあきれてもう相手にしなくなってしまうのだとか。Cさんにとっては、スピード感も重要なようで、公私ともに一緒に過ごす相手は吟味するのだそうです。そんな常に人を選んでしまうCさんは、とにかく“人に合わせたくない”女性。相手のペースに合わせて自分を変えていくのは疲れてしまうようで、貴重なプライベートの時間を共に過ごす男性のだらしないところを見るのもいやなのでしょう。Cさんは老後のことも計画して貯金し、「生涯ひとりでも大丈夫」という万全の体制を考えているそうです。人に合わせてストレスをためるよりは、自分に合わせてくれる人か、もともと波長の合う人といるほうが、自分らしくいられるというのは理解できますよね。婚活していると、結婚したい人ばかりではなく、時には「結婚したくなくなった」「結婚しなくてもいい」と考える女性に巡りあうことも。どんな人生を選択するかは、自分次第。楽しく毎日が送れるなら、それが一番ですね!©BartekSzewczyk/Gettyimages©monkeybusinessimages/Gettyimages©encrier/Gettyimages
2019年11月24日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第9回は、忙しい女性やママたちが、季節の変わり目に必要になる「衣替え」が簡単にできる段取りやコツを4つご紹介します。1. 着るものと着ないものを仕分ける【ママライフばんざい!】vol. 9独身でばりばり働く女性も、家庭のママも、男性も、誰もが季節の移り変わりを感じるはず。そんなときに必要になってくるのは、「衣替え」です。掃除や整理整頓が趣味というタイプではない限り、用意周到に衣替えをする人は少ないのではないでしょうか。衣替えをしようと決めたら、まずやりたいのは、「仕分け」です。お気に入りだからと、なんとなく何年も取っておくものの実際には出番のない洋服は、すでに流行から外れていたり、人によっては体型が変わって着れなくなっていることも。ここでは迷いなく、キッパリと仕分けることが肝心。洋服は増えやすいものなので、衣替えのタイミングで、本当に必要なものなのか見直すことは大切です。着るものと着ないものを仕分けたうえで、衣替えすると、部屋も気分もすっきり。2. 置き場所を確保して工夫する洋服の仕分けをしていくうちに、タンスや収納ケースなどに、空きが出てくることもあるでしょう。片付けがしやすくなってきたら、まずはクローゼットやタンスの中をきれいに掃除します。密封された場所は湿気があるので、除湿剤を置くのもいいですし、新聞紙を敷くと湿気対策にもなりますよ。もしクローゼットの奥に空きができたときは、そこにどのくらいの高さのタンスや収納ケースが入るのか計算しましょう。どのようなものに入れて洋服を収納しておくのか、そして取り出しやすい入れものは何か、どんな収納アイテムが適切なのかを考えます。洋服を重ねて置くのか、小さいハンガーラックを置いてかけて収納するのかなど、空き場所によって置き方も変わりますよね。そうして置き場所を整えたら、たとえばクローゼットの奥のほうにしまうのならキャスター付きの収納ボックス、手前には出す可能性の高い洋服を入れる浅めのボックスを用意するなど、工夫してみましょう。3. 衣装ケースごと入れ替える洋服の仕分けや置き場所の工夫をしてみても、そこからさらに収納アイテムを考えて用意をしていくというところまで手が回らないときもあるでしょう。そんなときにおすすめなのが、「衣装ケースごと入れ替える」方法です。春夏秋冬にわけて、シーズンごとの収納ケースを用意しておくと、こまごまと洋服を入れ替えずにケースだけしまったり引っ張り出したりすればOK。これなら、ケースごとにその季節に必要な洋服がそろっているわけですから、便利ですよね。四季にわけるほど洋服がない場合、「春夏用」「秋冬用」などで、収納ケースをわけるだけでも、衣替えがしやすくなるでしょう。また、ケースに貼るラベルやケースそのものの色を変えるなど、パッと見てすぐにわかるようにしておくのもポイント。なるべく手間をかけずに、衣替えができるといいですね。4. “1日衣替えDAY”を作って一気にやる人によって、いつ衣替えをする時間があるのか違いがありますから、できるときに、できるタイミングで行うのも良い方法。ですが、ものぐさなタイプや忙しい人ほど、1日で一気にやってしまったほうが集中できて、達成感があるかもしれません。「また今度やろう」と思って放置していると、気づくと半月過ぎているということもあり得るので、「この日に絶対に衣替えをしよう!」と決めて、一気に段取ってしまったほうがラク。できれば朝からやり始めて、休憩しながら、整えていけるといいですね。とくにご家族が多いと、衣類もそれだけありますから、衣替えにけっこう時間がかかるのではないでしょうか。小さいお子さんのいるご家庭は、ママ、パパで子守りを交代しながら、今回ご紹介したコツを試してみてくださいね。©bymuratdeniz/Gettyimages©urfinguss/Gettyimages©tenkende/Gettyimages©Marisa9/Gettyimages
2019年11月19日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第21回は、婚活中に見聞きした、好きになったり付き合ったりすると不幸になる男性のエピソードを紹介します。1. 「彼女と別れる」と言いながら絶対別れない男性【結婚引き寄せ隊】vol. 21理想のパートナーを追い求めるシングル女性たちで、よく女子会を開いていたときのこと。参加女性のひとりであるAさんは、「いま気になっている男性がいるんだけど……」と言いながらも、ちょっと話しづらそうに恋バナを始めました。気になっている男性とは「多いときは週に1、2回会う」「おしゃれなレストランやバーに連れて行ってくれる」「何かしらプレゼントをくれる」という、ちょっと自慢かな? と思えるほどのラブラブな話を告白。ほかのシングル女性たちは「それって、恋人でしょ? いつの間にか彼氏できてたんだね!」と、Aさんに先に彼氏ができてちょっと寂しい気持ちもありながらも、祝福していました。ところが、「……でもね。実はまだ彼氏といっていいのかわかんない。彼女がいるから」と話すAさん。それを聞いて、ほかのシングル女性たちは「何それー!」「二股じゃん!」「別れてから来いって言うべき!」などと憤慨。ただ、当のAさんは、怒りを通り越して無の境地に達しているような雰囲気です。その彼の口癖は、「もうすぐ彼女と別れるから」だそうで、言われ続けてもう半年以上も二股されているとのこと。なんでも、会うととても優しくて別れられないのだとか。一度ハマると抜けられないタイプの男性に二番手扱いされ、だめだとわかっていても、ずるずると貴重な時間を無駄にしてしまうAさんでした。この手の男性には、ハマりそうな予感がしたら冷静に判断しなおして、逃げるが勝ちです。2. 博愛主義者の男性ちょっとパーティピープル的なところのあるBさんは、週末になると彼氏とどこかのクラブに出没して、賑やかに夜を明かすのが定番になっていました。そんなときに行われた、朝早くからの河原でのバーベキューの場に、彼氏と一緒に現れたBさん。休日は昼ごろまで寝ているというBさんカップルは、とても眠そうで、あくびを連発。ふたりで暮らし始めてもう1年以上になり、夜型の行動スタイルがずっと続いているのだとか。河原に集まった男女何人かで食材を切って準備をしていると、Bさんの彼氏の横にいたロングヘアの女性が、うっかり手を切ってしまいました。指先から少し血が出ている程度とはいえ、痛がるロングヘアの女性を見て、Bさんの彼氏は「僕が隣りにいたのにケガさせちゃってごめん!」となぜか管理不行き届きを詫びて、なんとロングヘアの彼女をギュッとハグしたのです。ロングヘアの女性自身も驚き、まわりにいたメンバーも「へ?」とハグした光景を見てよく理解できなかったものの、彼女であるBさんはちらっとその様子を見て、また何事もなかったかのようにバーベキューの準備に戻ります。動揺しながらも、他の女性メンバーがロングヘアの女性をBさんの彼氏から引き剥がし、ケガをした手に処置をしました。女性メンバーが、Bさんに「彼氏が他の女性をハグしても怒らないの?」とたずねると、「ああ、いつものことだから。あいつ博愛主義者なんだ」と言って、「よくあることだから」と気にもとめていないようだったとか。その後も、その場にいたBさん以外の女性をデートに誘うなど、野放し状態だったBさんの彼氏。なんとも特殊なBさんカップルの関係性ですが、本命の彼女がいても他の女性にもちょっかいをかける彼氏なんて、最悪だと思うのは私だけでしょうか。Bさんのように、そんな博愛主義者の男性を許せる女性以外は、関わらないに越したことがない男性だといえるでしょう。3. ネガティブスパイラルに陥っている男性飲み会の席に参加したときのことです。30代の男女何人かが集まっていたなかで、上場企業に勤めているというスーツ姿のキリッとした男性がいました。いわゆるしょうゆ顔のその男性は、飲み会の中盤までは最初の“キリッ”とした印象のまま、和やかに会話が進行。ですが、参加女性のひとりが「最近、仕事がうまくいかなくて落ち込んでるんだ〜」という話をした途端、しょうゆ顔の男性は何かのスイッチが入ったのか、突然下を向いて頭を抱え始めたのです。けっこうな長い時間、下を向き続けているしょうゆ顔の男性に、他の参加者がザワザワし始めた頃、涙声になりながら男性は「僕も……仕事がつらいんだ」と激白。話を聞くと、最近部署が変わって、なかなか仕事を覚えられずにまいっているから、今日は「そんな自分を支えてくれる穏やかな女性との出会いを探しにきた」と言うのです。さらに、「前の部署ではすごく活躍していたのにいまは窓際扱い」「今後も先はない」など、とにかくネガティブスパイラルに陥っていて、発言は後ろ向きなことばかり。聞いているだけでも、どよーんとした暗い雰囲気が漂い、中盤以降は暗い飲み会となってしまいました。参加した男女でしょうゆ顔の男性を励ましながらも、悩みを吐き出してラクになったのか、男性はスッキリとした顔で帰っていったのでした。つきあいが深くなってからの重い話なら心の準備はできていますが、初対面でのディープな話は、時と場合を選んでほしいものです。恋活や婚活をしていると、いろいろなタイプの人に出会うことがあります。すてきな男性ならご縁をつないで、「これはないな」と思ったNG男性とはご縁を遠ざけて、みなさんもすてきな恋をしてくださいね!©skynesher/Gettyimages©Tom Werner/Gettyimages©Tinpixels/Gettyimages
2019年11月17日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第20回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その7をお届けします。1. 自営業を手伝わせたい男性【結婚引き寄せ隊】vol. 20それはプチお見合いのときのこと。プチお見合いとは、仲人がつく本格的なお見合いではないものの、少人数の男女が個室でふたりきりで話し合い、時間がきたら次の人と順番に交代していくスタイル。ざっくばらんな婚活パーティよりも、本気度の高い人が集まります。30代後半から40代の自立した男女が集まっていたなかで、私はさわやかで好印象だった自営業の男性と話が弾みました。プチお見合いの場では時間が限られているため、「もう少しお話ししましょう」とその男性にお茶に誘われて、そのまま近くのカフェへ移動。席に着くとすぐ、自営業の男性は「さっきはあまり仕事の話をしなかったんですけど、親子二代でやっている家の仕事を本格化させるためにも、嫁に来て仕事を手伝ってくれる女性を探しているんです」といきなりの本音告白。どうやら「仕事をすることが好き」と言った私なら、家業を手伝ってくれそうだと踏んだようでした。ただ、私にはずっとやっている好きな仕事もあって、相手の男性の家業を支えるために自分の仕事を手放すことは考えられません。そのことを率直に伝えても、「うちの仕事を手伝ってくれれば、家族全員が団結できるし、毎日一緒にいられます」などと、とにかく家業を手伝うといいことがあると力説する男性。お茶が出てきて最後のひとくちを飲み干しても、まだ「家業を手伝うことを考えてほしい」と話が平行線のため、やんわりと断りながら、お茶を飲んですぐ退席しました。家庭の事情もあるかもしれませんが、相手ときちんと向き合わず、自分の都合を押し付けて条件に合う人を探してもうまくいかないだろうと、自営業の男性を見ながら我が振り直そうと思った午後なのでした。2. 連絡先を知りたがる自称・医者の男性それは大人数が集まる立食パーティでのこと。ひとりの男性と連絡先を交換し合う複数の女性たちがキャッキャと色めき立っていたので、カッコいい人でもいるのだろうかとのぞいてみると、そこにいたのは、お世辞にもカッコいいとは言い難い40代後半か50代ぐらいの男性。地味なシャツをズボンにインするその男性に、20代ぐらいのかわいい女性が「今度ごはんに行く日を絶対連絡してくださいね」と言っていたのを聞いて、何がそんなに魅力的なのか、興味本位で男性を取り巻く女性たちの輪に入ってみました。すると、その男性がなぜ人気なのかが判明。話を聞いていると、「今日は珍しくオフで。明日は朝からオペが立て続けに入ってるんだ」「医者なんて意外と出会いはないんだよ」などと、その男性が医者だから、そのステータスに惹かれる女性が集まっていたのです。ほぼ会話していない私にも、すかさずその男性は、「きみも連絡先を教えておいて。ワインのおいしい店があるから」などと話しかけてきましたが、医者にもワインにも興味のない私は、苦笑いをしながら、スーッとその輪から脱出。“俺は医者だ”自慢をしていたその男性ですが、複数の女性とご飯の約束をしていて、そんなに医者は暇があるのかなあと、怪しんだ夜でした。3. 不気味な話ばかりをする男それは婚活サイトで知り合った公務員の男性と初めて会ったときのこと。ネット婚活では、事前にお互いの趣味嗜好や結婚への意欲などがプロフィールで確認できるようになっていて、私は彼と何度かメッセージのやりとりもしたうえで、まじめに結婚を考えているであろうと思い会うことにしたのです。日曜日の昼下がり、レトロな雰囲気のある喫茶店で「こんにちは」と顔を合わせました。プロフィールの写真通りの誠実そうな男性は、海外旅行が趣味だと言っていたので、「最近はどこに行ったのですか」と聞くと、ポーランドに行ったと話しました。なかでも強制収容所を見学しに行って「ゾクゾクした」と笑顔で話す公務員の男性は、次第に「世界のいろいろな負の場所を見てみたい」と言い出し、話を聞いているだけで怖くなる私。その後も延々とどの国にどんな悲惨な場所があるかという話をされ、「絶対にこの人とは感性が合わない」と思い、早々に話を切り上げてその場をあとにしました。婚活していると、こんな普段の生活では会わないような人たちに会うこともあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけてくださいね。©Daisy-Daisy/Gettyimages©Ranta Images/Gettyimages©SIphotography/Gettyimages
2019年11月14日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第15回目に登場するのは、60年代から70年代の洋楽をベースに、スモーキーなボーカルを響かせる松尾レミさん(Vo/G)と、エモーショナルなギターを鳴らす亀本寛貴さん(G)のおふたりからなる男女ロックユニット、GLIM SPANKY(グリムスパンキー)さん!写真・大内香織もとは文化祭に出るためのバンドだったGLIM SPANKY写真左から松尾レミ(Vo/G)、亀本寛貴(G)。【音楽通信】vol.15聴き手によって、懐かしくもあり、新しくもあるGLIM SPANKYの音楽。ロックやブルースをベースにしながらも、20代のおふたりの現代感がプラスされたサウンドを放つGLIM SPANKYさんが、11月20日にニューシングル「ストーリーの先に」をリリースされるということで、松尾レミさん(Vo/G)と亀本寛貴さん(G)にお話をうかがいました。ーーおふたりは長野県の同じ高校のご出身で、松尾さんが高校1年生、亀本さんが2年生のときに結成されたバンド(当時は4人組)が活動の始まりですね。当時のお互いの印象を覚えていますか。松尾しゃべったことはなかったのですが、当時サッカー部に亀(亀本さん)がいて、その勧誘によく1年生の教室に来ていたので、「うるさい人だな」と思っていました(笑)。その後、文化祭用のバンドだったGLIM SPANKYに入ることになって、ある教室に楽譜を届けに行ったら、男子たちが集まってカードゲームをしていたんですよ。その中で一番うるさい人がこの人だったんです。松尾レミ(Vo/G)。1991年12月7日、長野県生まれ。亀本うるさいって、おい!(と隣りにいる松尾さんにツッコむ)最初からうるさいと思ってたの?松尾そう。最初からさわがしいイメージだったのですが、バンドの練習でスタジオに入ったら、ひたすら真面目なんです。ギターの練習もちゃんとしてくるし。亀本そう! 真面目なんです、僕(笑)。松尾その姿を見て、音楽を一緒にやるうえでは、信頼できると思いました(笑)。亀本僕は最初、松尾さんは見た目のイメージでおとなしそうだと思っていたんですよ。でも、話していくうちに、男勝りというのはちょっと違うかもしれませんが、「勝ち気な人」だという印象を持ちましたね。亀本寛貴(G)。1990年8月24日、長野県生まれ。ーー現在のおふたりは、どのような印象ですか。松尾亀は精神年齢が小学校5年生ですね。どんどん幼くなってる。亀本そんなことないだろ!松尾アメリカのアニメにも出てきそうなキャラクターですね。亀本『スポンジ・ボブ』とか?松尾そう、『スポンジ・ボブ』にも出てきそうなイメージです。でも、当時と印象はあまり変わっていないかもしれません。亀本松尾さんの印象も変わってないかな。でも、僕を怒るようになったのが変わったところかも。昔はそんなことがなかったからね。だからいまは、僕が変なことを言ってしまったら、とっさに「ヤバい」と思うようにはなりました。松尾昔は「亀本先輩」って呼んでいたんです。ーーそれがいつから変わったのでしょうか。松尾高校を卒業してからですね。もう先輩じゃないし、「先輩」って呼ばなくていいなと。ーーそうなのですね。おふたりとも長野県ご出身ですが、亀本さんは関西の雰囲気があります。おふたりの会話のテンポ感が面白いですね。松尾ほんとですか! 関西だって、都会人だね。亀本うん! 確かに、大阪に行くと僕のテンションの高さが浮かないよね。みんなわりあい元気だから。松尾浮かない。大阪の人は、すごくしゃべるのが早いからね、ぼんぼん言ってくるんです。長野県民は、もう少しおっとりしているかも。ーーところで、おふたりがロックに触れたきっかけはなんだったのでしょうか。松尾ロックにハマったきっかけは、ザ・ホワイト・ストライプスやザ・ビートルズ、バッファロー・スプリングフィールドといったバンドや、60年代後半から70年代の音楽、それをリバイバルとしていまバンドをしているジャック・ホワイトを聴いたことからですね。亀本僕は、親が洋楽ロックを聴いてる環境ではなかったので、普通にその時々にはやっている音楽を聴いていて、それでギターを始めて、その流れで洋楽も聴くようになったんです。初めて聴いた洋楽はレディオヘッドでしたね。それからギターを練習していくなかで、60年代のロックも聴くようになって、それらに影響を受けました。ーー松尾さんは、もともとお父さまが音楽とサブカルに精通していて、たくさんの音楽や文化にふれる環境だったそうですね。ご自身でもお父さまの影響は大きかったと思われますか。松尾いま振り返ると影響を受けていたと思うのですが、物心ついたときからそういう環境だったので、当時は影響を受けてるとはわからず、知らないうちに教え込まれていましたね。たとえば中学生の頃、私はビートルズの音楽だけでなく、彼らのファッションも好きになったのですが、普通だったら自分でいろいろと探していくと思うんです。でも、私の場合は、好きなことを父親に言うと、父親はビートルズのレコードをすでに持っていて、音楽とともにその周辺のカルチャーシーンや映画も一緒に教えてくれたんですね。すごく恵まれた環境だったと思うし、それらがいまの知識に役立っていると思います。ーー亀本さんはサッカー少年だったそうですが、音楽へ移行する違和感はありませんでしたか。亀本そのときは、「音楽をやっていくぞ」というよりも、「趣味を増やしていこう」と思って音楽を始めたんです。ギターの練習をやっていくうちに楽しくなってきて、それからハマりました。毎日学校が終わってから一目散に家に帰って、1、2時間ギターの練習をする生活を送っていたので、「バンドを始めるからサッカーをやめよう」という考えもなく、趣味として始めたのが性に合っていたのか、続きましたね。ーーその後、おふたりで音楽活動をされていくなかで、音楽で生活をする、メジャーデビューを目指すという考えで活動されていたのですか。亀本デビューを目標には、全然考えてなかったよね。松尾「私たちのことを音楽業界が見つけないわけがないだろう」と、勝手に思っていました。でも、実際にはライブのお客さんは0人だったのですが、根拠のない自信だけはあったんです。だから、「メジャーデビューを絶対する!」と意気込んだり、CDを送ったり、会社に売り込んだりしようということもまったくなくて、「見つけたいやつは見つけろ!」くらいに思っていました。亀本僕らの時代は、メジャーデビューしたから売れるという感じでもなかったから。大きなレコード会社や大きな事務所に入ると、お給料をもらえてバイトしなくても生活できるじゃないですか。それって母体がデカいから、上の人たちからのピラミッド式分配で下のほうにもお給料がもらえているわけですが、一定期間が終われば、終了することもある。学生時代からそういうものだとわかっていたんで、デビューを目標にすることは全然なかったですね。松尾そうですね。音楽業界でデビューしても1年、2年で契約解除になる人が当たり前にまわりにいましたし、そういう人たちがまたメジャーデビューしてもライブハウスに戻ってきて、対バンすることもありました。そういう光景を目にしていたので、デビューしてから、いかに自分を貫いてかっこよくやり続けていくかのほうが大事だと思っていたので、その信念だけは曲げないでいきたいと思いながら、「誰か見つけろ」と思っていました。ーー2014年6月に1st ミニアルバム『焦燥』でメジャーデビューされて、日本武道館、FUJI ROCK FESTIVALでは一番大きいGREEN STAGEでも演奏されるなど躍進されていますが、ご自身での手応えはありますか。松尾手応え……まだ全然だと思っているので、満足はまったくしていないですし、昔から「やってやるぞ!」と思っている気持ちは変わっていないです。GREEN STAGEはほかにもいっぱいバンドも出ているし、武道館でライブできたことはとてもうれしかったですしみんなありがとうと思いますが、そこで満足したらいやだなと思うので、手応えはあまり感じていないかもしれないですね。時代とともにかっこいいサウンドや自分の好きなものは変わっていきますし、“そのときにいいものを作る”というのが、ミュージシャンの仕事だと思うので、ふたりで確認し合いながらやっています。亀本常に不足感というか、すごく満たされない感じとか、嫉妬心とか、向上心とかがあって。でもそれはモチベーションを高めるのに必要なものだと思っているので、デビューするまでは他のバンドを見て「なんであいつら人気があるんだろう」と思っていたこともありましたし、いまも「なんでこいつら売れてるんだろう」と思うこともあります。その反対に、家でスポティファイなどを検索していて「めっちゃいい曲だな。自分もこんないい曲を作ろう」と思うことも。なんかそういう気持ちは昔からずっと続いていて、どこに行ったところで、自分より上の人って絶対いるじゃないですか。FUJI ROCK FESTIVALのメインステージでトリをやる人もいるし、さいたまスーパーアリーナや東京ドームでライブをやる人もいるし、さらにワールドツアーをやる人もいる。商業的な面や世間の評価、文化的な価値などで自分よりも上の存在は絶対あるので、不足感を持っていることも原動力になればと思って活動していますね。年齢や世代、国籍も関係なく、かっこいいものがロックーーそして今回、11月20日に5枚目のシングル「ストーリーの先に」がリリースされますね。ドラマ『Re:フォロワー』の主題歌として書き下ろされています。松尾そうですね。ドラマ側からは「どこかしらに希望がある感じで」とリクエストがありました。それって、GLIM SPANKYがいつも作っているものであり、ロックンロールって、どれだけ批判的なものを歌ったとしても、絶対どこかに希望のようなものがあると思って作っているので、私たちの思いとうまく合致していると思いました。「ストーリーの先に」は、目の前にあるものはリアルに感じてしまうけれど、その先にあるものをよく目を凝らして見ると希望の抜け道があるということを伝えています。自分にとっての応援歌でもあるし、みんなにとっての応援歌でもあって、どういうとらえ方をしてもらってもいいような曲にしようと思って作りました。ーードラマのダブル主演の西銘駿さんと塩野瑛久さんらとはお話しされたのですか。亀本話したことはないです。男前なんだよね、一緒に写真とか撮りたいでしょ(と松尾さんを見る)。松尾……(苦笑)。今回の曲は、Aメロは歌とピアノ、ギターだけとシンプルで、歌を聴かせる感じにしました。リードがたくさんあるわけでもないし、その歌心があるけれどアンニュイなウェット感を残しつつ、Aメロで始まってサビに少しの信念が見える歌い方にするという、歌い分けをしています。のどの使い方だったり、ひずみ成分をどこで出すかを考えて歌っているんです。ーーそれは自分でコントロールできるものなのですか。松尾いままではできなかったんですが、だんだんと歌い込んでいくにつれ、のどの地声と裏声の中間にある「ミックスボイス」という微妙な音域を使いこなせるようになってきました。そこを取り入れて、裏声じゃ出せない力強さで、でも裏声にぎりぎり近いけれどひずんでいるという微妙なところを、心は弱いけれど強い、という歌詞にかけあわせて表現したつもりです。ーー難しくはなかったでしょうか。松尾ツアーを30本くらいたくさんやっていると、だんだんとのどの操作ができるようになってきたので、楽しく挑戦できましたね。ーー新曲のミュージックビデオは、AI技術の顔認識システムを使用して、歌詞の世界観に通じる“多重人格”を表現した女性がひとりで登場しています。ドラマとは違う世界観ですね。松尾いままでのミュージックビデオは、全部自分たちが出演していたので、今回のように出演していないものを作るのが初めてで、新しい挑戦でした。(AIで)顔を塗りかえていくという、現代の技術のまだ誰もやっていない試みをミュージックビデオのチーム「PERIMETRON」のみなさんとコラボレーションできたのでよかったです。亀本僕らが出ていないのは初めてだから、どういうリアクションがあるか楽しみですね。ーーなぜ今回のタイミングでおふたりが出なかったのでしょうか。亀本撮ってくれた人たちが若い世代の人たちで、かっこいい映像を撮っているからお願いしたら今回のように撮りたいということで、やってもらいました。松尾同い年だね。亀本そう。もしかしたら観ている人は「なんで亀本が出ていないんだ!」ってなりそうだけど(笑)。まあ全然、そういうことも関係なく、楽しみに思ってくれる人もいるかもしれないしね。松尾でも、スタイリングは私がやっています。いままでは自分たちが出ることで、CDのジャケットとの世界観もぶれないし、共通点を作ることができたんです。今回のように自分が出ないミュージックビデオは、どう世界観をつなげたらいいだろうと考えて、画面の中に共通点がほしいと思ったときに、自分のアイデンティティでもある洋服を着てもらうことがいいのではないかと思いました。言わないとわからないことだけど、もし私たちとは全然違うスタイリングをされたら、自分たちのミュージックビデオじゃなくなる気がして、私の洋服を貸しました。ーー収録曲の3曲目「Tiny Bird」は、内藤剛志さん主演ドラマ『警視庁・捜査一課長新作スペシャル』の主題歌です。以前同ドラマがレギュラー放送されていた際、3度、GLIM SPANKYさんが主題歌を担当してゲスト出演もされていましたが、ドラマに出られたときの印象はいかがでしたか。亀本ドラマの中でライブをしちゃったんだよね。松尾そう。とくに演技指導はなく、内藤さんも「そのままでいてくれたらいいから」と言ってくれたんです。亀本まあ、演技指導されたところでできるかどうか。松尾内藤さんも、ご出演されているキャストのみなさんも、スタッフさんも、すごくあたたかくて。「普通でいいからね」と言ってくれて、演奏もしちゃったし、自分たちとして出たという感じでしたね。亀本そうだね。ただ、今回は同じドラマの主題歌を担当したのが3回目だったので、そこは難しかったですね。音作りやアレンジは、これまでとどこでどう違いを出そうかと考えました。ドラマ側からのリクエストも、「基本的に3回とも曲調を変えない感じがいい」ということで、余計に悩みましたね。「捜査一課長」シリーズは、毎回、同じことが繰り返されることに意味があるから。松尾全部「あたたかいバラードで」というリクエストで、バラードはバラードでも、ちゃんと自分たちのかっこいいと思うルーツのあるロックサウンドを取り入れつつ、みんなに届くメロディであることにもこだわって作りました。ーー2曲目「Breaking Down Blues」は、どのようなメッセージが込められているのでしょうか。松尾私は音楽で生きていて、音楽で世の中を少しでもいい世の中にしたいと思ってやっているわけなんですが、なかなか自分がかっこいいと思う世の中にならないと感じます。たとえば違う視点で、社会でも会社でも学校でもいいですし、そういうところに対して常に挑戦をして、「みんな目を覚ませ」という歌詞を書くことをインディーズの頃からやってきて、今回もいろいろな比喩を入れています。亀本普段いろいろなものを聴いているなかで、ストレートなロックソングを聴くこともあるのですが、60年代、70年代当時のロックのリアルタイムのようなザ・ホワイトストライプスや、ブラックキーズといったものもかっこいいですが、地味だなとも思っていて。最近のすごくシンプルでかっこいいロックをやっているバンドの音楽を聴いたら、かっこいいなと思って、そういうのもやりたいなという、エネルギーだけで作った曲ですね。ーー曲はいつもおふたりでテーマを出し合って作られているのですか。亀本僕は最近、アイデア出しをすることが多いですね。松尾たとえばリフとか、リズムとか、弾き語りだと一辺倒になるんです。たとえば3曲目だと、楽器のバリエーションがほしいですし、ドラムやリフから作ると、より自分たちの聴いているロック的ビートになるというところがあります。亀が最初にリフを作ったり、イントロのリズムで、「ドン、ドン、ドン」からいこうとかアイデアを出してきて、そこから私がコードと、Aメロと、その曲の流れなどを考え、できたらまた亀に投げて、バンドのアレンジにしていくという感じですね。ーーGLIM SPANKYさんの音楽は、60年代・70年代が青春時代だった方から、20代のおふたりと同じ若い世代の人たちまで、幅広い層の方々に支持されていると思いますが、ご自身ではどの世代に響かせたいといった狙いはあるのでしょうか。亀本それは考えていないですね。松尾あまり聴き手を限定したくないと思っています。ザ・ビートルズは60代の人も大好きだし、私たちより年下の人でもファンがいますよね。それこそ、時代に関係なく、いいものはいいとずっと受け継がれていくもので普遍的です。ロックは「年齢や世代、国籍も関係なく、かっこいいものであれ」と思っています。大人の方は懐かしいなと思うかもしれないし、若い人が聞いたら新しいなと思うかもしれないし。そういうところに希望を持って、年代はあまり考えずに、音楽を作っています。かっこいいサウンドを自分たちで作っていきたいーー初回盤には、松尾さんデザインのボディバッグがついていますね。松尾ボディバッグは、亀がけっこう使うんです。亀本松尾さんはトートバッグが好きなんですけど、僕はトートバッグを肩にかけると落ちることが多くて、斜めにさげるボディバッグがほしいと思っていたんです。いまはCDだけを出しても、曲はYouTubeやインターネットでも聴けますし、アップルミュージックやスポティファイなどでも聴けますから、単純に曲を出すだけでは価値がおぼつかない存在になっていると思っていました。僕らだけではなく、ほかのアーティストもやっていることもありますが、こういったグッズ付きCDはフィジカルの新しい形ですよね。フィジカルパッケージのあり方が非常に変わってきているから、ひとつのスタイルです。ーーデザインは松尾さんがされていますね。松尾そうです。シングルレコードの盤面になっているんです。亀本僕は、爬虫類が好きだから、遠くから見ると、このボディバッグの模様が蛇のアナコンダに見えてくる。どう?松尾わかんない(笑)。あと「ストーリーの先に」のジャケット写真の衣装は、いろいろな国を飛び回って探してきたので、個人的にはそこに注目してほしいですね。亀本今日の洋服と似てない?松尾似てる。どっちも70年代ぽいのですが、ジャケット写真のほうがより70年代らしい。ーー松尾さんはファッションを含めた世界観を大事にしていらっしゃいますが、お休みのときはやはり洋服を見にいくことが多いのですか。松尾常に衣装探しをしていますね。あとはコスメも大好きなんです。基本的には、古着を探しに原宿、中目黒、吉祥寺などのヴィンテージショップに行きますね。長期間お休みがあるときは、歌詞のインプットのために海外に行くのですが、その合間も衣装探しのために時間を費やすことが多いです。ーーレトロなものがお好きなのですね。松尾そうですね。レトロといえば、純喫茶も好きで、疲れたらよく行っています。ーーまた、コスメもこだわっているとか。松尾国内コスメも海外コスメも好きなんです。亀本爆買いしてるよね。松尾してないよ。コスメはとにかくいろいろ試して、研究しています。亀本YouTubeとかすごく見てるよね。ある日、松尾さんが携帯をずっと見てるなあと思って、「何見てんの?」と画面を見るとYouTubeで、おねえさんが出てきてメイクグッズの説明をしているという(笑)。松尾海外コスメの紹介動画を見ていますね(笑)。日本のデパートに行ってもわからないコスメ情報とか、プチプラでもいいものはいいし、いろいろと情報収集しています。ーー亀本さんはお休みのときはどうされているのですか。亀本フットサルをしたり、ゲームをやったりしていますね。でも、多くは音楽に関することをやっています。昨日も、ギターを持って、お昼ぐらいから何パターンか短い四小節くらいのアイデアをためておいたり。夕方ぐらいからレコード屋に行って、レコードと写真集を買って、帰ったらまたスポティファイでいろいろな人の曲をチェックして、1日が終わります。松尾レコード屋はお互いによく行きますね。ーー最後に、今後の目標を教えてください。亀本昨年の秋にアルバムを出したんですが、次のアルバムはさらにすごいやつを作ろうとがんばっている最中なので、それがいまの目標ですね。松尾年代は関係なく、みんなに届くロックをやっていくことですね。国籍も問わず、「かっこいいサウンドをちゃんと自分たちで作っていきたい」ということが一番です。普通のことですが、こういうせわしない業界にいると、それを見失うこともあるかもしれないので。見失わないよう、そこだけはちゃんと、いつもデビュー前の自分に戻れるような感覚でいたいですね。取材後記少しハスキーで深みのあるボーカルの松尾さん、存在感のあるギターの亀本さんが放つサウンドからクールな印象を持っていましたが、お会いするとなんとも表情豊かで息の合ったかけ合いをされていたおふたり。地に足をつけて活動するGLIM SPANKYさんの音楽は、これからも幅広い層に浸透していくのでしょう。まずはニューシングルをチェックしてみてくださいね。GLIM SPANKY PROFILE松尾レミ(Vo/G)、亀本寛貴(G)からなるロック・ユニット。2007年、高校1年生だった松尾がメンバーを集め、同じ高校内で初期メンバー4人により結成。2010年、メンバー2人が脱退し、松尾は東京の芸術大学へ進学、亀本は名古屋の大学へ通っていたがバンド活動のために上京を決め、新たに関東の大学に進学。上京後、サポートメンバーを加え、その後、精力的にライブ活動を展開する。2014年6月、1stミニアルバム『焦燥』でメジャーデビューし、以降もライブ活動やリリースをコンスタントに行う。2016年、映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌「怒りをくれよ」、映画『少女』の主題歌「闇に目を凝らせば」などを新人では異例の大抜擢で担当。2018年、映画『不能犯』の主題歌「愚か者たち」がiTunes総合アルバムチャート1位を獲得。5月、初の武道館ワンマンライブが大成功。7月、FUJI ROCK FESTIVALのメインステージとなるGREEN STAGEに出演。2019年、3月から7月にかけて、全国24都市28公演+アジア(香港・台湾)2公演による全国ワンマンツアーを開催。2017年、2018年に続き、ドラマ『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)の『新作スペシャルⅠ・Ⅱ』主題歌を担当し、「Tiny Bird」を配信リリース。10月から11月まで東名阪4公演ワンマンライブを実施。11月20日、ドラマ『Re:フォロワー』(ABC テレビ/テレビ朝日ほか)書き下ろし主題歌 5th シングル「ストーリーの先に」をリリース。InformationNew Release「ストーリーの先に」01.ストーリーの先に02. Breaking Down Blues03. Tiny Bird11月20日発売TYCT-30099(通常盤)¥1,300(税別)
2019年11月14日