『キャロル』のプロデューサーが豪華英国俳優陣を迎えて贈る『帰らない日曜日』。その衣装を手掛けたのはアカデミー賞常連スタッフのサンディ・パウエル。その時代を反映した豪華絢爛な衣装を、以前組んだことのあるコリン・ファースとオリヴィア・コールマンが絶賛するインタビュー映像とメイキングカットが解禁となった。衣装を担当したサンディ・パウエルといえば、アカデミー賞を3度受賞し、『キャロル』や『シンデレラ』など数々の話題作の衣装デザインを手掛け、アカデミー賞史上最多の15回ノミネートという記録をもつ。本作のプロデューサーであるエリザベス・カールセンとスティーヴン・ウーリーとは長年の友人関係にあり、キャストからの信頼も厚い超一流スタッフである。その仕事ぶりは『女王陛下のお気に入り』でパウエルとコラボしたオリヴィアも「本当に天才」と絶賛するほど。「衣装のうち少なくとも2着は彼女の家にあった生地を使っています。私にはカーテンみたいに見えたのですが、彼女がアレンジしてピンで止めると、驚き!1920年代の衣装が出来上がったのです!」と、機転を利かせた職人技に驚きを隠せなかったという。また、コリンは昼食会のシーンで着用した緑色のウェストコートがお気に入りだそうで、「衣装は役を理解するのに非常に役に立ちます。プロジェクトの始めからサンディとよく話し合い、ニヴン氏というキャラクターの理解を深めました。彼女との会話のなかで、ニヴン氏は出版業者だというアイデアがでて、想像を膨らませました。彼女のように洞察力のある人と一緒に組むと、物事がよりクリアに見えてきます」と明かし、役作りの上で衣装が大きな役割をもたらしたと語っている。本作では、1920年代~1980年代に渡り、オデッサ・ヤング演じるメイドだったジェーンが小説家となって成功するまでの生涯を描いているが、どの年代のジェーンも赤を基調とした衣装を着用しているため、大ベテランであるグレンダ・ジャクソンが演じる後年の姿でも、ひと目で昔の彼女と同一人物だと観客に認識させることができる。豪華キャストと一流スタッフの才能が集結した愛の傑作には、観る者を魅了する煌びやかな衣装も必見だ。『帰らない日曜日』は新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:帰らない日曜日 2022年5月27日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開© CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS SUNDAY LIMITED 2021 All rights reserved.
2022年05月27日Netflixの大ヒット作「アンブレラ・アカデミー」シーズン3の予告編が初公開された。アンブレラ・アカデミーのメンバー、ヴァーニャを演じていたエレン・ペイジが、トランスジェンダーを公表し、エリオット・ペイジとして俳優生活を再スタートさせた今シーズン。Netflixはエリオットをサポートする姿勢を示し、同ドラマの中でヴァーニャをヴィクターに変更することを発表していた。今年3月、短髪のヴィクターを演じるエリオットの場面写真が公開されたが、今回お披露目された予告編でもヴィクターが登場。その一方で長髪のヴァーニャらしき人物も登場しており、劇中でどのようにヴァーニャがヴィクターとして紹介されるようになるのか、楽しみにするファンの声が上がっている。「アンブレラ・アカデミー」シーズン3 Netflix © 2022予告編によると、「アンブレラ・アカデミー」のメンバーは、養父が「スパロー・アカデミー」を結成した別のタイムライン(時間軸)に行くことになる。そこでは亡くなったベンが生きていて、前の世界では死者が見えて霊のベンと一緒にいたクラウスが、思わず「ベンが見えるよな?」とメンバーに確認する。予告編の最後にはあの人(!?)も登場!ワクワクさせる展開に「待ったかいがあった!」「いますぐ観たい!」とファンが歓声を上げている。(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年05月20日今年、『The Long Goodbye』でアカデミー短編映画賞を受賞したリズ・アーメッドとアニール・カリアが、現代版「ハムレット」で再びタッグを組むという。「Deadline」が報じた。『The Long Goodbye』では、2人は脚本を執筆し、リズは主演、カリアは監督も務めた。今回2人が挑むのは、シェークスピアの悲劇「ハムレット」。舞台は現代のロンドンで、リズはハムレットを演じる。監督はカリア、脚本はマイケル・レスリー(『マクベス』)。ほかのキャストには、オフィーリア役にモーフィッド・クラーク(『セイント・モード/狂信』)、レアティーズ役にジョー・アルウィン(『女王陛下のお気に入り』)が決定しているとのこと。リズとカリアは「私たちのハムレットは、裕福なイギリス系インド人の家庭のアウトサイダー」と語っており、「人種、メンタルヘルス、不平等を描く『ハムレット』で、物事を正すことは古い秩序に火を放つことなのかと問いかける」という。「多様なキャスト、現代のロンドンという舞台、それに私たちが長年取り組んできたジャンルのラップのエネルギーを古典に注ぎ込むことによって、より多くの人のためにこの不朽の物語を切り開いていきたい」と意気込んでいる。(Hiromi Kaku)
2022年05月12日英国アカデミー賞(BAFTA)テレビ部門の授賞式が現地時間5月8日(日)に行われ、スターチャンネルEXにて国内独占配信中の英国ドラマ「絶叫パンクス レディパーツ!」と「ランドスケーパーズ 秘密の庭」がテレビ部門最多となる3部門受賞を果たし、そのほかの配信作品と合わせて監督賞、脚本賞を含む計8部門を受賞した。「絶叫パンクス レディパーツ!」脚本賞、衣装デザイン賞、キャスティング賞昨年2021年に英国内で放送されたテレビ番組が対象となるBAFTA賞。「絶叫パンクス レディパーツ!」は、現代ムスリムの多様性とリアリティを軽快なコメディ作品として描き、初放送後わずか半年でシーズン2の製作が決定するほど話題を呼んでいる青春音楽コメディ。今年自身初のノミネートを果たしたクリエーターのニダ・マンズールが脚本賞(コメディ部門)を受賞したほか、衣装デザイン賞、キャスティング賞の計3部門を受賞した。「ランドスケーパーズ 秘密の庭」撮影&照明賞など3部門また、1998年の英国で実際に起きた殺人事件を、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞を受賞したオリヴィア・コールマンと『ハリー・ポッター』シリーズのルーピン先生役でお馴染みのデヴィッド・シューリス主演で描いたクライムドラマ「ランドスケーパーズ 秘密の庭」が、オリジナル楽曲賞、撮影&照明賞、美術賞の計3部門を受賞。「IT’S A SIN 哀しみの天使たち」監督賞&編集賞(フィクション部門)HIVの感染が拡大し始めた80年代ロンドンのゲイ・コミュニティに生きる若者の友情と苦悩を爽快に描いたドラマ「IT’S A SIN 哀しみの天使たち」は、監督賞(フィクション部門)、編集賞(フィクション部門)の計2部門の受賞。「ドクター・フー」を手掛けたラッセル・T・デイヴィスがHIV/エイズに関する正しい知識が少ない時代に支え合い明るく生き抜いた若者たちを描き出した。「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」作品賞などノミネートなお、惜しくも受賞を逃したが、昨年の放送作品で原子力潜水艦内で発生した乗組員の死を巡り、疑惑や陰謀が渦巻く中、真相解明に翻弄する警察の捜査を描いたミステリードラマ「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」は、作品賞(ドラマシリーズ部門)、美術賞の計2部門のノミネートを果たしている。(text:cinemacafe.net)
2022年05月09日米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(略称:SSFF & ASIA)2022の各部門ノミネート作品および特別上映作品が発表された。今年は6月7日(火)のオープニングセレモニーを皮切りに、6月20日(月)のアワードセレモニーまでの期間、東京の複数会場で開催。本日4月28日(木)からはオンライン会場もスタートしている。今年のテーマ「Meta Cinema~超える・見つける・始まる」を体現すべく、オンライン会場オープニング作品の1つには、日本では初となるAI脚本家によるショートフィルム『少年、なにかが発芽する』が登場。同じく本日から、VR空間「DOORTM」シアターsupported by NTTでのバーチャル映画館もスタートする。映画祭では、世界126の国と地域から集まった5,720点の中から選びぬかれた約200作品がノミネート作品として発表された。アカデミー賞につながるオフィシャルコンペティションsupported by Sonyのジャパン部門には、黒木瞳、前田敦子、玉城ティナなど、監督にも挑戦した俳優たちのショートフィルム作品も含まれている。『閉塞』また、今年の映画祭の特別上映作品として、コリン・ファースがコロナ禍のエンタメ業界復興をテーマに制作参加した『閉塞』、アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門受賞の『バスケの女王』。『ひかり探して』で注目を集めた韓国の新鋭女性監督パク・チワンによる『ハイスクールガールズ』。『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキーがプロデュースするロボトミーを描くアニメーション『ヴァンダル』など、日本初公開となる秀作が勢ぞろい。【4月28日(木)~先行配信】濱口竜介監督に続くのは?「今注目の日本人監督」特集ベルリン、アカデミー賞と世界の映画祭を賑わす濱口竜介監督に続くべく「今注目の日本人監督」13名によるショートフィルム特集も本日よりオンライン会場にて世界に向けて一斉配信。奥山大史、落合賢、齋藤俊道、Yuki Saito、中江和仁、中村真夕、針生悠伺、平林勇、藤井道人、真壁幸紀、松居大悟、HIKARI、籔下雷太(五十音順)のショートフィルム作品21点を配信する。【6月4日(土)~配信開始】『閉塞』【インターナショナル部門 特別上映】コリン・ファースとイタリアの名優ステファノ・アコルシが贈る、コロナ禍からのカルチャー復興へ熱いエール。ステファノ・アコルシがリハーサルの直前舞台に立つと、突然辺りは暗くなり劇場が空っぽに。扉には鍵がかかり、スタッフは何処へやら。何が起こったのか理解できないステファノの前でセットが突然変わり、今度は衣装を身につけ俳優のコリン・ファースと舞台に立っているではないか。情緒あふれる月夜の下で台詞を交わし合う二人。研ぎ澄まされた空気が二人を包むが、魔法は突然解けステファノは現実世界に戻る。『ハイスクールガールズ』【アジア インターナショナル部門 特別上映】キム・ヘス主演『ひかり探して』の新鋭パク・チワン監督による女性の生きざまを描くショートフィルム。女子高生のA、B、C、DとEはポーカーで遊んでいる。テストの点数のことで口論するSとT。Yは教育実習の先生と奇妙なひとときを過ごす。彼女たちの過ごすこの一瞬は誰もが通ってきた道なのだ。『カラスたちの夜』【アジア インターナショナル部門 特別上映】香港初のカンヌ映画祭パルム・ドール受賞、ニューヨーク大学在学中の学生による作品。18歳の主人公ションナンはいとこに誘われ、ちょっと不思議なパーティーに参加する。参加者の大半は油ぎった中年男性だが、ジェングォだけは違う雰囲気を醸し出していた。『犬島犬子』【ジャパン部門 特別上映】俳優・監督・文筆家としても知られる小川紗良が主演、HOPPY HAPPY AWARD受賞監督による特別制作作品。※リアル会場のみ岡山にある小さな島、犬島に住む星砂は、島の写真をSNSに投稿し続けている。ある日カナダで生活をしている日本人女性はるのからSNSを通じて「思い出の犬島の風景を見たい」と頼まれ、その風景を探すことになるが…。『ヴァンダル』【アニメーション部門 特別上映】『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキーがプロデュース。ロボトミーが主人公となる実験的なアニメーション作品。男はロボトミー手術(前頭葉切断術)を受け、回復中だった。そんな矢先に介護者でもある最愛の妻を亡くし、精神が錯乱する。『バスケの女王』【ノンフィクション部門 特別上映】先日行われた2022年・第94回アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門受賞作品。女子選手で唯一NBAからドラフト指名を受けた選手の物語。ルシア"ルーシー"ハリス、女子バスケ初のオリンピックの試合で初ゴールを決めたプレイヤーだ。彼女は唯一、女子選手でNBAからドラフト指名を受けた選手でもある。輝かしい経歴を持つ彼女の名は、1月18日に突然この世を去ったいまも無名のままだ。『隠された歌声』【ノンフィクション部門 特別上映】『タクシー』のジャファル・パナヒ監督がスマートフォンで撮影。パナヒ監督自身が、イラン政府から歌うことを禁止された黄金の歌声を持つ女性を探す。【5月19日(木)~配信開始】『ラッキーフィッシュ』【Shibuya Diversityプログラム (ピックアップ)】人種、宗教、移民、LGBTQ…世界のDiversityを考えるドラマの数々。中華料理店でそれぞれの家族と夕食をとる、2人のアジア系アメリカ人の少女たち。2人はレストランのトイレで出会い…。【5月26日(木)~配信開始】『ベール』【Ladies for Cinema Project(ピックアップ)】世界の女性フィルムメイカーを応援するプロジェクトには、日本の同性婚を描いた作品が登場。あゆみと紗香は、交際5年の記念に結婚写真を撮ろうとしている。「LGBTQ対応可」のフォトサロンに問い合わせるが、届いた返答に落胆と怒りを隠せない。2人の幸せが満たされる場所はあるのか。VRショートフィルム『オデッセイ1.4.9』【DOORシアター上映ラインナップ(ピックアップ)】スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』にトリビュートされた作品。キューブリックの名作の裏に隠された真実を描く。(text:cinemacafe.net)
2022年04月28日アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019)の続編となる『Spider-Man:Across the Spider-Verse』(原題/スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース)』の全米公開日が2023年6月2日に延期、それに伴い、日本公開も2023年になることが発表された。『スパイダーマン:スパイダーバース』のフィル・ロード&クリストファー・ミラーコンビが再び脚本を手がける本作。今回、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが全米公開日を2022年10月7日から2023年6月2日に変更。日本の公開も2023年となり、公開日は決定次第、発表されることになった。また、その続編となる『Spider-Man:Across the Spider-Verse Part II』(原題/スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース パート2)の全米公開日は、2024年3月29日となっている。『Spider-Man:Across the Spider-Verse』は2023年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2022年04月21日先日発表された「第94回アカデミー賞」で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3冠に輝いた映画『コーダ あいのうた』。これを記念し、4月11日に映画コメンテーターのLiLiCoと、映画プレゼンターの赤ペン瀧川が登壇する「『コーダ あいのうた』コーダは最高だ!トークショー」が都内劇場にて開催された。劇中のクライマックスを飾る涙腺崩壊曲「青春の光と影」をBGMに、巨大赤ペンを担ぐように息ピッタリで登場したLiLiCoと赤ペン瀧川。アカデミー賞受賞式を思わせる真っ赤なドレス姿のLiLiCoは、すでに本作を3回鑑賞し、各所で本作をPRしていることから「あれ!?自分出ていたっけ!?」と自らを出演者の一人だと妄想し、早くも場内を爆笑させた。本作を鑑賞した際には「自分の涙の量にビックリ!でも悲しい涙ではなくて優しい涙だからいいの!」と大号泣報告のLiLiCo。アカデミー賞作品賞を受賞したことについては「いらないシーンもなければ、足りないシーンもない。上映時間もちょうどいい。これで2時間半くらいあったら涙腺がもたない!」と太鼓判。赤ペン瀧川も「ノミネート作品の中で『コーダ あいのうた』が万人に勧められる映画でした。アカデミー賞はいい作品に賞を与えることもそうだけれど、アカデミー会員が世界に何を求めているのかということもわかる。その意味では明るくて希望を持てる作品を世界に広げたいと思っていた人が多かったということかも」と分析した。実は、2014年に公開されたフランス映画『エール!』のリメイク版でもある本作。LiLiCoは「リメイク版は上手く行かない場合が多いけれど、観終わった瞬間に『超えちゃったよ…』と言葉を失いモゴモゴした。フランス版もいいけれど、ヨーロッパとアメリカの違いを上手に打ち出していた」と脚色賞受賞も納得。赤ペン瀧川も「フランス版と見比べると、今回の監督・脚本のシアン・ヘダーの凄さがわかる!しかも長編はこれで2本目。もう天才か!」と類まれなるセンスに脱帽していた。本作はサンダンス映画祭で4冠を受賞し、史上最高額の26億円でアップル・スタジオが落札された。LiLiCoは「映画館でみんなで笑ってみんなで泣くのがいい。閉めては漏れ、閉めては漏れる、涙腺崩壊。涙活にもいいし、気持ちも優しくなるので、すべてにいい!」と猛プッシし、合わせて「サントラもいい!」と音楽面もおススメするLiLiCoは劇中歌をワンフレーズを生熱唱。「やっぱり私、この映画の端っこの方に出てたかも!」と再び出演を妄想し、「笑えるし、感動できるし、すべてが素晴らしい!まだ観ていない人がいたら『え?どうしました?』と言いたい。是非とも映画館で楽しんでほしいです!『コーダ』はサイコーダー!」と、改めて必見作であること強調して締め括った。■映画『コーダ あいのうた』予告『コーダ あいのうた』公開中
2022年04月12日第94回アカデミー賞の授賞式で、司会のクリス・ロックに平手打ちをした、ウィル・スミス。同賞を主催する『映画芸術科学アカデミー』は、この件に対し、ウィル・スミスの資格停止や除名などを検討していました。アカデミー賞授賞式で、司会者を平手打ちしたウィル・スミス理由に「かっこいい」「正しいと思う」ウィル・スミスへの処分が決定FNNプライムオンラインによると、『映画芸術アカデミー』は2022年4月8日、ウィル・スミスへの処分を決定。今後10年間、授賞式への出席を禁止するとのことです。また、アカデミー賞だけでなく、授賞式を含む関連行事への出席を禁止。一方、ウィル・スミスが受賞した主演男優賞のはく奪は行われません。ウィル・スミスは同月2日、『映画芸術アカデミー』から退会する意向を表明していました。ウィル・スミス『平手打ち』でアカデミー退会を表明「それでいいのか」「考えさせられる」日本では、ウィル・スミスの行動に理解を示す人が多い一方、アメリカでは、彼を批判する声が多く上がっています。そのため日本では、ウィル・スミスの行動に対する賛否のほか、国や文化によって考え方が大きく異なることにも注目が集まっていました。今回の処分に関しても、ネットからはさまざまな声が上がっています。・ウィル・スミスへの処分は、「暴力はだめ」という意味で理解できる。でもやっぱり、「言葉の暴力は許容していいの?」って思うんだよな。・ウィル・スミスだけ、処分が下されるのか。アメリカでのクリス・ロックを擁護する声の多さに、結構驚いている。これが文化の違いか。・「暴力はだめ」という、ウィル・スミスへの圧力自体がいきすぎた暴力に感じる。こう感じているのは、私だけ?・暴力は絶対にだめという姿勢に、私は賛成。たくさんの人が注目する機会だからこそ、「暴力反対」という強いメッセージを示すべき。妻への許しがたい発言を受けたウィル・スミスが、どのように対応すべきだったのか…。人によって意見が分かれそうです。[文・構成/grape編集部]
2022年04月09日米国時間4月8日、アカデミー賞授賞式でクリス・ロックを平手打ちしたウィル・スミスへの処分が決まる。映画芸術アカデミー理事会が、スミスに授与した主演男優賞を返上させるか否かに注目が集まっているが、アカデミー内の意見は五分五分で割れているという。英Sun紙が報じている。Sun紙は、ロサンゼルスの情報筋の話として、過去10日の間に様々なメンバーと理事がオンライン会議を行ったと伝えている。だがそこで結論は出なかったといい、その情報筋のコメントをこう続けている。「9千人以上いるメンバーが、何百ものWhatsAppグループに分かれて紛糾しています。完全に分裂状態なんです。理事の中でも意見は割れています。しかし、レイプなどの罪で有罪判決を受けたハーヴェイ・ワインスタインや、幼児への性的暴行で訴追され米国外に逃亡中のロマン・ポランスキーも賞を取り上げられていないことを考えると、ウィルからオスカーを剥奪するのはやり過ぎだし、明白な偽善だという意見が多いですね」米Yahoo NewsとYouGovが1618人の成人を対象に、3月31日から4月4日にかけて行ったアンケート調査によると、67%が「スミスの行為は間違っている」と回答。16%が「正しい」と答え、「よくわからない」と回答したのは17%だったと報じている。アカデミー賞の翌日に実施された同様のアンケートでは、スミスに非があると回答した割合は47%だったことから、10日ほどでスミスの立場が悪化していることがわかる。しかし、前出の3月31日から4月4日に行われた調査では、オスカー像を剥奪すべきだという回答は28%にとどまったという。
2022年04月08日アニメ界のアカデミー賞とも言うべきアニー賞で、ディズニーやピクサーなど競合ひしめく中、今年最多8部門に輝いたNetflixオリジナル映画『ミッチェル家とマシンの反乱』。他のアニメにはない本作のユニークさとはーー。コロナ禍の影響も受け、劇場公開ではなくNetflixオリジナルとして配信となった『ミッチェル家とマシンの反乱』は、あの大ヒット作『スパイダーマン:スパイダーバース』のフィル・ロード&クリス・ミラー製作。監督マイケル・リアンダ自身の体験をエッセンスに、親子関係の再生をロボットたちの反乱に立ち向かう姿を通して描くコメディアニメーションだ。主人公ケイティの視点で描かれるポップな世界『スパイダーマン:スパイダーバース』もコミックとアニメの融合が印象的だったが、本作でも冒頭SONYのロゴからすでにコミックから飛び出して来たような、随所に散りばめられた手書きアニメのような効果が何といっても印象的。虹やハート、恐竜など、3Dアニメでありながら敢えて「手書き感」を追求しているのが本作の特徴だ。VFX部門のマイケル・ラスターによれば、キャラクターや背景も、細部に筆で描いたような影等の効果を付けることで温かみのある質感を演出し、できるだけ手書きの原案に近づけたそうだ。また、映画製作者を目指す主人公ケイティの感情が動くシーンでは、ケイティから見える世界を視聴者も感じられるような創りになっているのも面白い。楽しいことや悲しいことがあれば、ケイティ視点のポップな世界にぐんぐん色付けされていくのも観ていて楽しいポイントだ。変わった家族が世界を救う!?ストーリーとしては変な家族が、ひょんなことからマシンの反乱に立ち向かうというというのは一見「クレヨンしんちゃん」シリーズのような展開だが、「クレヨンしんちゃん」の野原家とは違うのは家族間の関係、特に父親と主人公ケイティの仲があまり良くないこと。父親はいつまでもケイティの事を子ども扱いしがちで、ケイティは自分のやっている映画製作を父親にも認めてほしいがそれが叶わずできるだけ早く家から出たいと思っている。母親と弟もそれぞれコンプレックスを抱えており、機能不全家族とまでは言わないものの、どうにも歯車がかみ合わないバラバラな家族…。何か華々しい取り柄があるわけでもない、そんな家族が、人類最後の砦としてマシンの反乱に挑むのだが、闘い方も破天荒!後半のブサカワな愛犬マンチの思いがけない活躍にも注目だ。オリヴィア・コールマン演じるヴィランに共感この作品が単なる「家族だからこそやっぱりいいよね」と言うだけに留まらないのは、オリヴィア・コールマン演じるヴィランことAIの「パル」の存在が大きいとも言える。新型マシンに挿げ替えられ、これまで長らく愛されてきたと思っていたパルはお役御免に…。そんなことをするなら、AIとマシンたちで人間をお役御免にしてやる!と反乱を起こすのだが、この行動論理そのものが何とも人間的。家族であろうとなかろうと、親しき仲にも礼儀あり。相手の尊厳を守ることの意義も間接的に伝えてくれる。そして、テクノロジー=悪という二項対立ではなく、その価値も充分描く奥深さも面白さの一つだ。スマホに夢中で家族のだんらんが台無しだと嘆く父親、Wi-Fiが無ければ暴動レベルで混乱する人類など、テクノロジーに依存する姿を皮肉たっぷりに描きつつも、ストーリーが進むに連れテクノロジーのポジティブな可能性にちゃんと触れる点も見どころだ。単なるドタバタアニメではなく、幾重にも工夫されたディテールに唸る。片時も視聴者を飽きさせない工夫が随所に散りばめられており、気づけば約2時間夢中で観てしまうこと間違いなしだ。(キャサリン/Catherine)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年04月08日2022年3月27日、アメリカのロサンゼルスで世界最高峰の映画の祭典『第94回アカデミー賞』の授賞式が開催されました。アカデミー賞の授賞式では、過去1年間に他界した俳優や映画関係者を追悼するコーナーがあります。その追悼コーナーで、注目を集めた1匹の子犬がいます。動物を愛した故ベティ・ホワイトを偲んでこの1年で亡くなった人たちの名前と顔写真がステージに映し出される中、ひときわ大きな拍手が上がったのは、女優のベティ・ホワイトが紹介された瞬間でした。そこに、女優のジェイミー・リー・カーティスが子犬を抱いてステージに登場します。生前のベティは女優として大きな成功を収めただけでなく、動物愛護精神にあふれた人としても有名でした。動物保護活動に熱心だったベティを称え、彼女の遺志を引き継ぐため、ジェイミーは『マック&チーズ』という名前の保護犬を紹介。「このマック&チーズのような保護犬をぜひ、あなたの家に迎えてください」と呼びかけました。 View this post on Instagram A post shared by Jamie Lee Curtis (@curtisleejamie) ※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 View this post on Instagram A post shared by Jamie Lee Curtis (@curtisleejamie) アカデミー授賞式の日、マック&チーズは里親を募集中でしたが、この後すぐに里親が決まったのです。里親になったのは…俳優のジョン・トラボルタ!実はジョンはジェイミーと友達で、授賞式にも出席していました。舞台裏でマック&チーズを見たジョンと彼の息子のベンくんは、このかわいい子犬に一目ぼれしたのだそう。そしてその場で里親になることを決め、マック&チーズはトラボルタ家の一員になったのです! View this post on Instagram A post shared by Jamie Lee Curtis (@curtisleejamie) View this post on Instagram A post shared by John Travolta (@johntravolta) この報告に、マック&チーズを保護していた団体『Paw Works』も「昨夜の授賞式での最大の勝者はマック&チーズです!」とコメント。ジョンの投稿にも、喜びの声が寄せられています。・ラッキーな少年と、ラッキーな子犬ね!・『マック&チーズ・トラボルタ』って、最高じゃないか!・このかわいい子犬の家族になってくれて、ありがとう。世界には、家族を必要としているたくさんの動物がいます。誰か1人が1匹の命を救うことができたら、家族の愛情を受けて生きられる動物はうんと増えるはずです。保護犬からハリウッドスターの愛犬へ。一夜にして運命が変わったマック&チーズ。自分の遺志を早速引き継いでくれたジョンとベンくんを見て、天国のベティ・ホワイトもきっと喜んでいることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年04月06日様々な波乱があった第94回アカデミー賞。中でも主演女優賞はまれにみる混戦といわれ、ノミネートされている俳優たちの出演作が、いずれも作品賞にはノミネートされていないという異例の事態となった。その混戦を制したのが、初受賞となったジェシカ・チャステインだ。出演作は軒並み高評価を受け、いまや何作もの待機作を抱えるプロデューサーにして、女性の地位向上の活動家としても知られるジェシカ。各国の女性スパイたちが大活躍するアクション映画『355』の記憶も新しい中、社会的マイノリティへの愛と純粋な信仰心や献身をある意味利用された『タミー・フェイの瞳』で大変身を見せて、ついにオスカー像を手にした。そんなジェシカの軌跡をふり返った。『タミー・フェイの瞳』で訴えたかったメッセージとは?主演女優賞プレゼンターのアンソニー・ホプキンスも語ったように、今年はそれぞれが圧倒的な演技でキャリアを築いてきた「最強の存在」で「屈指の顔ぶれ」ばかり。ニコール・キッドマン、オリヴィア・コールマン、ペネロペ・クルスと5人中3人が過去の受賞者で、クリステン・スチュワートはダイアナ元妃の苦悩を演じて初ノミネート。ニコール、クリステン、そしてジェシカと5人中3人が(受賞しやすいといわれる)実在の人物を演じ、その中でもジェシカはメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したチームの尽力もあり、パッと見では彼女と気づかないほどの迫力でタミー・フェイになり切った。『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』(2011)で助演、『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)で主演と2度のノミネート経験があったジェシカは、3度目のノミネートで初受賞を果たした。『タミー・フェイの瞳』は、1970年代から80年代にかけて、キリスト教福音派のテレビ伝道師として全米で最も成功を収めたタミー・フェイとジム・ベイカー夫妻がスキャンダルにより失墜していく様を描いた、実話に基づく物語。"PTLクラブ”(PeopleThatLove)という彼らのテレビ番組では信仰心に基づく愛にあふれたメッセージが反響を呼び、彼らの番組中は視聴者からの“献金”を受け付ける電話が鳴りっぱなし!タミーお手製のマペット“スージー”は子どもたちの心を掴み、彼女の特徴的な口調や歌声も人気となった。しかし、その栄光は長くは続かない。献金の不正流用や、彼らの人気を妬む他の団体の陰謀、ジムの性的スキャンダルなどにより、夫婦が築いた帝国はやがて崩壊していく…。極めて単純に言えば、タミーは博愛主義で、自身が信仰によって救われたように誰もが救われてほしいと願っていた。神が作られた人間を等しく愛す、という彼女のあつい信仰心によるメッセージや寛容さは、80年代に社会問題化したHIV/エイズ患者やゲイ・コミュニティにもとりわけ響くこととなった。そして、テレビ伝道師として人気を博したことや数々の賛辞と、誰かに認められ必要とされることの喜びが、慎ましく生きてきた彼女の平常心や金銭感覚を鈍らせてしまったのだろう。タミー・フェイについて10年間リサーチを重ね、「彼女と彼女の物語にはぶっ飛ばされた」というように強い思い入れがあったジェシカは、プロデューサーとして映画化を実現させ、受賞スピーチでは「おかげで役に入り込めた」とメイクアップチームやマイケル・ショウォルター監督らにも感謝を語った。何より、授賞式ではその直前、主演男優賞を受賞したウィル・スミスが、妻に侮蔑的な発言をしたクリス・ロックに平手打ちした件について自らを戒めるようなスピーチをしたばかり(後に公式に謝罪したが、彼の暴力は世界中が知ることとなり余波は広がっている)。“言葉の暴力”に続いて、“有害な男らしさ”にも繋がるような実際の暴行を世界が目の当たりにしただけに、差別や偏見、暴力、ヘイトクライムが蔓延し、さまざまなトラウマや孤立、絶望感に苛まれやすい現在こそ、「私たちに必要なのはタミーの思いやりの心です」と語ったジェシカのスピーチが余計に胸に迫るものとなった。「みながありのまま受け入れられ、自由に人を愛せて、暴力に怯えることのない世界を築くために、実際にいま、絶望や孤独を感じている人がいたら知ってほしい。あなたは唯一無二であり、無条件に愛されている」。そう語るジェシカの姿は、まさしく尊敬に値するものだった。ちなみに、ジェシカとクリス・ロック、ウィルの妻ジェイダ・ピンケット・スミスは『マダガスカル3』(2012)で声優として共演したことがある。ホラーから社会派、アメコミ、スパイアクションまで縦横無尽ジェシカは1977年、カリフォルニア・サクラメント生まれ。ニューヨークの名門ジュリアード学院に学び、舞台で活躍しながら「ER緊急救命室」「ヴェロニカ・マーズ」などの人気TVシリーズにゲスト出演し、2008年の『Jolene』(原題)でスクリーン・デビュー。TV映画の「名探偵ポワロオリエント急行の殺人」ではメアリー・デベナム役を演じ、ドイツ語やイスラエルの格闘技クラヴ・マガにも挑んだ『ペイド・バック』(2010)では冷戦下の工作員としてヘレン・ミレンと2人1役を演じた。キャリアが大きく花開いたのは2011年。『Salome』(原題)で共演したアル・パチーノがテレンス・マリック監督に彼女を推薦したという『ツリー・オブ・ライフ』は第64回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝き、レイフ・ファインズ主演・初監督作『英雄の証明』(11)、マイケル・シャノン主演によるサイコスリラー『テイク・シェルター』(11)、マイケル・マンの娘アミ・カナーン・マン監督のもとで強気な女性刑事を演じた『キリング・フィールズ失踪地帯』(11)が相次いで公開され、大きく注目を集めることに。そして『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』で無邪気な陽気さと柔和な美しさ、その影にある悲しみを見事に表現したシーリア役でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。続き、キャスリン・ビグロー監督がアカデミー賞監督賞を受賞した『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)ではCIAの女性分析官マヤを演じ、第18回放送映画批評家協会賞で主演女優賞を受賞、第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。『欲望のバージニア』(2013)以来、クリストファー・ノーラン監督『インターステラー』(14)からギレルモ・デル・トロ監督『クリムゾン・ピーク』(15)、リドリー・スコット監督『オデッセイ』(15)、アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(19)、サイモン・キンバーグ監督『X-MEN:ダーク・フェニックス』(19)など、ジャンルも様々な作品に出演。崖っぷちのギリギリに立ちながらも凛として踏みとどまり、決して諦めない、たとえ奈落の底に突き落とされたとしても自力で這い上がる、そんな女性の強さも、そして弱さも体現し続けてきた。『スノーホワイト/氷の王国』(2016)LAプレミアまた、主演作『ラブストーリーズ エリナーの愛情』『ラブストーリーズ コナーの涙』(14)ではプロデューサーも務め、性的人身売買の温床になっていたオンライン広告サイトに切り込み、被害者の少女たちを追うドキュメンタリー『私はジェーン・ドウ:立ち上がる母と娘』(17)では製作総指揮とナレーターを担当。その後、自身の製作会社フレックル・フィルムズ(FreckleFilms)を立ち上げている。『ツリー・オブ・ライフ』(2011)1950年代のアメリカ、ブラッド・ピット演じる父親は元軍人で挫折した音楽家。信心深く、成功のためには“力”が必要だと息子たちを厳しく育てる。ジェシカが演じたのは、その“有害さ”を少しでも中和するべく、萎縮する息子たちを包み込むような慈愛満ちた母親。ときに観念的な生命観による映像が挟み込まれ、マリック監督は家族であることの苦悶も描いた。クローズアップされるジェシカがその都度美しい。『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』(2011)黒人メイドに育てられた裕福な白人女性が黒人メイドたちを救うかのような描き方は批判の的ともなったが、今作に出演した俳優たちがいずれも素晴らしいのは事実。保守的なコミュニティの“新参者”シーリアの繊細な一面を好演したジェシカは、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサーとともに助演女優賞にノミネートされ、結果オクタヴィアが受賞。その後、ヴィオラが『フェンス』で、エマ・ストーンが『ラ・ラ・ランド』で、アリソン・ジャネイが『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でオスカーを手にし、さらに黒人俳優のパイオニア、故シシリー・タイソンも2018年にアカデミー名誉賞を受賞、そして今回のジェシカと、『ヘルプ』はオスカーを呼び込む作品なのかとちょっとした話題となった。なお、『ドリームプラン』で助演女優賞にノミネートされたアーンジャニュー・エリスもキャストの1人。『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)9.11後、情報収集と分析に秀でた20代半ばのCIA女性分析官マヤが、オサマ・ビン=ラディンの追跡チームに参加する。「若い」「まだ子どもだ」と“現場”から懸念を示す声があがり、問題視された拷問による取り調べも彼女の想像をはるかに超えるもの。しかし、テロ行為は相次ぎ、ついには同僚や自身の命も危険にさらされたことでマヤの執念は加速していく。ラストシーンの涙をどうとらえるかがポイント。『MAMA』(2013)「ゲーム・オブ・スローンズ」ニコライ・コスター=ワルドーと共演、森の中の小屋で“人ならざるもの”に育てられた幼い姉妹を引き取ることになる、売れないバンドのベーシストを演じた。次第に育まれていく母性と怨念のような母性の対決が見どころ。後に製作総指揮のギレルモ・デル・トロとは『クリムゾン・ピーク』、監督・原案のアンディ・ムスキエティとは『IT/イット THE END』で組むことに。今作が縁で、監督の姉でプロデューサーのバルバラ・ムスキエティとも親しくなったジェシカは『IT/イット』の“少女ベバリー”ソフィア・リリスの要望もあり、大人になったベバリーを演じた。『ラブストーリーズ コナーの涙 | エリナーの愛情』(2013)ジェシカは役に対する献身さや誠実な人柄ゆえか、俳優や監督との再タッグに大変恵まれている。男女それぞれの視点から壊れゆく関係性を追った今作では、『IT/イット THE END』や『X-MEN:ダーク・フェニックス』でも共演するジェームズ・マカヴォイと夫婦役を演じ、ヴィオラ・デイヴィスも出演している。悲しみの共有は人間関係において最も困難なことの1つだ。N.Y.の街並やジェシカのファッション、音楽などにも注目。『アメリカン・ドリーマー理想の代償』(2014)今作で夫役を演じるのは、ジュリアード学院の同窓生でともに演劇を学び、マーベルの「ムーンナイト」も話題のオスカー・アイザック。『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』のJ・C・チャンダー監督のファンだったジェシカが脚本を読み、出演を快諾。コーエン兄弟監督作『インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌』で世界的に名が知られる直前のオスカーを、移民から成り上がった夫役に推薦したという。80年代初めが舞台だが、いまも起こり続ける銃による暴力、その連鎖は何も変わらない。なお、ジェシカとオスカーは、スウェーデンの名匠イングマール・ベルイマンによる同名ドラマをリメイクしたHBOのリミテッドシリーズ「ある結婚の風景」(5時間余りの映画のよう)でも共演、ある夫婦関係の破綻と再生を演じている。今度はTV界の栄誉、エミー賞も期待されているところだ。「ある結婚の風景」(2021)『オデッセイ』(2015)火星有人探査の最中に嵐に巻き込まれたマーク・ワトニー(マット・デイモン)を1人残し、地球に帰還することを決めた宇宙船ヘルメス号の女性船長メリッサ・ルイスを演じたジェシカ。頭脳明晰なリーダーで、規律を重んじ、自制心が強く、苦渋の決断でほかの乗組員の生命やミッションの安全な遂行を優先する勇気はただ者ではない(ただし、ワトニーによれば「音楽の趣味は最悪」)。ジェシカ自身は「“私も火星に行きたい”と女の子が思えるような役を演じたかった」と明かしている。『女神の見えざる手』(2016)ジェシカを見出した1人、『ペイド・バック』のジョン・マッデン監督のポリティカル・サスペンス。「銃規制法案」という生々しいトピックを題材に、政権の決断に影響を与え世論も左右するプロ集団“ロビイスト”の知られざる実態を描いた。休まず眠らず、常に頭脳をフル回転させて先の先を読む花形ロビイスト、エリザベス・スローンは目的のためには手段を選ばず、ときには非情に味方さえも欺く。ジェシカにしかできない人間の強さも、弱さも合わせ持つ主人公だ。『ユダヤ人を救った動物園アントニーナが愛した命』(2016)母親がヴィーガンのシェフであり、自身もヴィーガンとして知られるジェシカ。『ヘルプ』のフライドチキンも実は中身が大豆の加工品だったという。そんな彼女が製作総指揮にも名を連ね、第2次世界大戦下、ユダヤ人をワルシャワ動物園に匿った実在の人物を演じた。今作のPRのため、2017年11月には初来日。「政治家やセレブリティじゃなくても、誰かの人生をより良きものにできる。自分にも何かができるはずと気づいてほしい」と訴えるとともに、当時の#MeTooの盛り上がりについても触れ「いまはSNSで、性別も人種も宗教も性的指向も問わず、誰もが情報発信できる時代。こうした問題がうやむやにならず、公にされることは重要なこと」と語る姿が印象的だった。『モリーズ・ゲーム』(2017)今作も実在の人物で、オリンピック候補のトップアスリートからセレブが集う高額ポーカールームの経営者へと転身を遂げたモリー・ブルームを好演。ハリウッドの都市伝説的なポーカールームにはスター俳優や大物プロデューサー、大企業の経営者らが集まってくる。モリーの回顧録を脚色し、初監督に挑んだのは『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソーキン。自身で運命を切り拓く、強い意志を持った肝の据わった女性はジェシカにハマる。『AVA/エヴァ』(2020)フレックル・フィルムズ製作作品。ジェシカが演じた暗殺者エヴァは、揺れ動いている。かつては優等生だったがアルコールの依存症となり、やがて闇の組織に雇われる。命じられるまま完璧に任務をこなしながらも、「なぜ標的たちは殺されるのだろうか」と自問自答し、つい標的に尋ねてしまうことも…。そんな彼女は危険分子と見なされ、最強の殺し屋(コリン・ファレル)が彼女を追う。彼女の人生に何が起こったのか、家族との関わりなどにも迫った暗殺者ものとしては異色作。監督を務めるはずだったマシュー・ニュートンが暴行・DVの告発により降板、『ヘルプ』のテイト・テイラー監督が代わりに起用された。ジェシカも裏切りにあったような気持ちだったのではないだろうか。『355』(2022)第94回アカデミー賞授賞式では批判もあったエイミー・シューマーら3人の女性司会陣。ただ、冒頭の「私たち3人のほうが男性1人を雇うより安い」というジョークは的を得ていた。ハリウッドの男女のギャラ不均衡をいち早く問題視したのもジェシカだ。「もう、共演俳優の4分の1しかギャラがもらえないような仕事は受けない」と、米「Variety」に語ったこともある。フレックル・フィルムズ製作の今作では、これまで男性俳優たちが演じてきたスパイアクションを自身とペネロペ・クルス、ルピタ・ニョンゴ、ダイアン・クルーガー、ファン・ビンビンで実現。ギャラは5人同額で均等に支払われたという。今後は、マイケル・シャノンと再タッグ、カントリー・ミュージック殿堂入りを果たした女性シンガー、タミー・ワイネットを演じるTVシリーズ「George&Tammy」(原題)、レイフ・ファインズと再共演となる『TheForgiven』(原題)、エディ・レッドメインと共演するNetflix映画『TheGoodNurse』(原題)ほか、ジェイク・ギレンホールとSF作品『TheDivision』(原題)に挑むなど、休む暇もない。ジェシカの“やりたいこと”は、まだまだ道半ばに過ぎないのだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reservedヘルプ〜心がつなぐストーリー〜 2012年3月31日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.ゼロ・ダ−ク・サーティ 2013年2月15日より全国にて公開Jonathan Olley © 2012 CTMG. All rights reservedユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命 2017年12月15日よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国にて公開© 2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.AVA/エヴァ 2021年4月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開©2020 Eve Nevada, LLC.355 2022年2月4日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2020 UNIVERSAL STUDIOS. ©355 Film Rights, LLC 2021 All rights reserved.
2022年04月03日現地時間2022年3月27日にアメリカのロサンゼルスで行われた、第94回アカデミー賞の授賞式。式典の最中、俳優のウィル・スミスが突然壇上に上がり、司会者を務めるコメディアンのクリス・ロックに平手打ちをする騒動が勃発しました。スミスの妻であるジェイダ・ピンケット・スミスについて、髪を刈り上げた女性将校が登場する映画『G.I.ジェーン』に絡めた発言をしていた、ロック。ジェイダは脱毛症を公表しており、スミスは後に「ジェイダの病状についてのジョークは耐えがたいものであり、感情的に反応してしまった」と謝罪を行っています。アカデミー賞授賞式で、司会者を平手打ちしたウィル・スミス理由に「かっこいい」「正しいと思う」ウィル・スミス、『平手打ち騒動』を受けアカデミー退会を表明同年4月2日、スミスが映画芸術科学アカデミーから退会する意向を明らかにしたことが、報じられました。サンケイスポーツによると、今回の騒動についてスミスは「衝撃的で苦痛を与え、許されない行為だった」「アカデミーの信頼を裏切った」とコメント。また、「自身の行いに伴う、いかなる結果も全面的に受け入れる」と思いを明らかにしています。アカデミー側はすでに懲戒手続きに着手しており、辞任を受け入れた上で、スミスに処分を下す可能性が出ているとのこと。世界各国に中継が行われるビッグイベントでのトラブルであったことに加え、言葉の暴力と肉体的な暴力が含まれるため、いろいろな意見が上がっている今回の騒動。日本国内でも議論が展開され、「大切な人を公衆の傷付けられたら、怒るのは仕方がない」という擁護の声や、「どんな理由があっても暴力はいけない」と批判する声が上がっています。きっと、今回の騒動に対する考えに、正解はないのでしょう。しかし、スミスの妻への想いは、多くの人に伝わっているはずです。[文・構成/grape編集部]
2022年04月02日アメリカのロサンゼルスで開催された、第94回アカデミー賞授賞式のレッドカーペットにて、セレブリティがピアジェのクリエイションをまとって登場しました。イギリスの女優のリリー・ジェームズは、ホワイトとイエローのダイヤモンドをあしらったハイジュエリーネックレスと、ブリリアントカットダイヤモンドのイヤリング、そしてピンクトルマリンが輝くリングを身につけ、華やかな輝きで圧倒的な存在感を示しました。「ポセション」 イヤリング 18KWG、ブリリアントカットダイヤモンド184個(計約1.48ct)「ピアジェ ローズ」 リング 18KWG、ペアシェイプカットピンクトルマリン8個(計約1.36ct) ラウンドカットダイヤモンド154個(計約1.69ct)、オーバルカットピンクトルマリン1個(約4.94ct)アメリカの女優で歌手のソフィア・カーソンは、ペアシェイプのダイヤモンドを配した美しいハイジュエリーのブレスレットに、イエローダイヤモンドが輝くイヤリングとリングを組み合わせて登場しました。「ウィングス オブ ライト」 ハイジュエリーブレスレット 18KWG、ペアシェイプカットダイヤモンド60個(計約10.32ct)「ゴールデン オアシス」 ハイジュエリー イヤリング プラチナ、18KG、ダイヤモンド38個(計約9.11ct) マーキスカットイエローダイヤモンド24個(計約5.52ct) ファンシービビッドイエローダイヤモンド2個(約3.10ct、約3.05ct)「ゴールデン オアシス」 ハイジュエリー リング 18KWG、ラウンドカットダイヤモンド34個(計約0.87ct) マーキスカットダイヤモンド46個(計約5.02ct)、オーバルカットファンシービビッドイエローダイヤモンド1個(約2.77ct)同日に開催された、エルトン・ジョン・エイズ財団の第30回アカデミー賞ビューイングパーティでのソフィア・カーソンは、美しいロングドレスとダイヤモンドのハイジュエリーで登場し、気品あふれる存在感で会場を魅了しました。「ウィングス オブ ライト」 ハイジュエリー リング 18KWG、ラウンドカットダイヤモンド105個(計約1.55ct) マーキスカットダイヤモンド6個(計約0.91ct) クッションカットダイヤモンド1個(約1.15ct)「ピアジェ ローズ」 ハイジュエリー イヤリング 18KWG、ラウンドカットダイヤモンド332個(計約4.54ct) ペアシェイプカットダイヤモンド2個(約1.18ct、約1.19ct)(C)Piaget 2022不許複製・禁無断転載商品に関するお問合せピアジェ コンタクトセンター0120-73-1874ピアジェ オフィシャルサイトwww.piaget.jpwww.twitter.com/piagetwww.instagram.com/piagetwww.youtube.com/user/Piaget企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2022年03月30日2022年3月27日 (現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて 第94回アカデミー賞授賞式(Academy Awards)が開催されました。同授賞式ではティモシー・シャラメ、アラナ・ハイムらセレブリティがルイ・ヴィトンを着用しました。ティモシー·シャラメ ©LOUIS VUITTON俳優のティモシー・シャラメは、ウィメンズ アーティスティック・ディレクター ニコラ・ジェスキエールが手掛けた2022年春夏コレクションから、刺繍レースをほどこしたタキシードジャケットとパンツを着用。ブラックのレザーブーツとあわせて。アラナ·ハイム ©LOUIS VUITTONミュージシャン兼女優のアラナ・ハイムは、グラスビーズとスパンコールをちりばめた、カスタムメイドのマーメイドガウンをセレクト。ハイジュエリーコレクションから、ホワイトゴールドにダイヤモンドをセッティングしたイヤリングとリングをまとって。カトリーナ·バルフ ©LOUIS VUITTON女優のカトリーナ・バルフは、シルクキャディとタフタで仕立てたカスタムメイドガウンをまとって登場。スワロフスキーのクリスタルとスパンコールをちりばめたショルダーストラップが印象的。シンシア·エリヴォ ©LOUIS VUITTON女優のシンシア・エリヴォは、カスタムメイドのタキシードジャケットに、サテンのブラトップとウールのロングスカートをあわせたルックで登場。レナーテ·ラインスヴェホヨン ©LOUIS VUITTON女優のレナーテ・ラインスヴェは刺繍をほどこしたシルクドレスと繊細なレースのパンツを着用。ハイジュエリーコレクションから、ホワイトゴールドにダイヤモンドをセッティングしたネックレスとリングをコーディネート。エイヴァ·デュヴァーネイ ©LOUIS VUITTON映画監督のエイヴァ・デュヴァーネイは、ボリューミーなスリーブが特徴のカスタムメイドガウンで登場。メゾンのアイコンバッグ、エピ・レザーの「プティット・マル」をあわせて。【ルイ・ヴィトンについて】1854年の創業以来、ルイ・ヴィトンは、革新とスタイルを組み合わせた独自のデザインを常に最高級な品質で提供し続けています。現在もトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーなどの製品を通じて、クリエイティブでありながらエレガントで実用的という、創業者ルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」という精神を忠実に受け継いでいます。ルイ・ヴィトンというストーリーを作り上げたのは「大胆さ」でした。伝統を重んじ、歴史の中で建築家、アーティスト、デザイナーに門戸を開き、プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ & ファインジュエリー、フレグランスなどの分野を開拓してきたのです。これらの丁寧に製作された製品は、ルイ・ヴィトンがクラフツマンシップにいかにこだわりを持ってきたかという証となっています。詳細は、ルイ・ヴィトン 公式サイトwww.louisvuitton.comをご覧ください。【お問合せ先】ルイ・ヴィトン クライアントサービス0120-00-1854企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2022年03月30日現地時間2022年3月27日に、アメリカのロサンゼルスで行われた、第94回アカデミー賞の授賞式。式典中、俳優のウィル・スミスが、司会者を務めるコメディアンのクリス・ロックに平手打ちをするトラブルが発生しました。スミスが怒った原因は、脱毛症で苦しんでいる妻のジェイダ・ピンケット・スミスの髪型を、ロックによってジョークのネタにされたこと。その後、スミスは「妻の名前を口にするな!」というと、自分の席に戻った後も、放送禁止用語を発していました。アカデミー賞授賞式で、司会者を平手打ちしたウィル・スミス理由に「かっこいい」「正しいと思う」ウィル・スミス、アカデミー賞での平手打ちを謝罪同月29日、スミスは自身のInstagramに謝罪文を掲載。ロックや会場にいた人たち、そして中継を見ていた世界中の人に謝罪するとともに、今回の騒動についての想いをつづりました。ありとあらゆる暴力は毒であり、破壊的です。昨夜のアカデミー賞での私の行動は、確かに許されないものでした。私をだしにしたジョークは仕事のうちですが、ジェイダの病状についてのジョークは耐えがたいものであり、感情的に反応してしまいました。クリス、あなたにこうして公の場で謝罪したいと思います。私の行動は一線を越えたものでしたし、間違っていました。自分のことが恥ずかしく、私が理想とする男性像とは、ずれた行動でした。そして、アカデミー賞の関係者やプロデューサー、参加者のみな様、そして式典を見ていた世界中の人たちに謝罪したいです。ウィリアムズ一家と、映画『キング・リチャード(邦題:ドリームプラン)』のメンバーにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。私の行動によって、みな様にとっての素晴らしい旅を汚してしまい、深く後悔をしています。本当に、私は未熟者です。willsmithーより引用(和訳)隣に座っていた妻の表情が曇るのを見て、その時のスミスは怒りを抑えることができなかったのでしょう。公共の場で大切な人が言葉の暴力によって傷付けられたら、冷静さを失ってしまうのは無理もないかもしれません。スミスの平手打ちの件が拡散され、ネットからは「確かに暴力はいけないけれど、今回のスミスの行動には拍手を送りたい」という声が相次ぎました。また、今回の謝罪文についても、「このコメントも含めてかっこいいと思う」「自分の行動をちゃんと反省するのは、当たり前なようで素晴らしいこと」といった声が上がっています。スミスがいうように、確かに今回の行動は感情に支配されたものであり、至らなかった点もあったかもしれません。しかし、彼の行動から伝わってくる妻への愛は、多くの人の心に響きました。[文・構成/grape編集部]
2022年03月29日ロサンゼルスで行われた第94回アカデミー賞のレッドカーペッドに今年もディオールを纏うセレブリティが大集合。ドゥニ・ヴィルヌーヴや、スティーヴン・スピルバーグといった映画界の巨匠たちが、キム・ジョーンズによるディオールのメンズコレクションを纏い、レッドカーペットに登場しました。Denis Villeneuve ©Getty映画監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは、ホワイトのピークドラペルタキシードジャケットに、ブラックのパンツ、ホワイトのタキシードシャツ、ブラックのボウタイにレザーのダービーを合わせた装いで登場。Grooming by Dior BeautyJ.K. Simmons ©Getty俳優のJ・K・シモンズは、ネイビーのピークドラペルタキシードに、ネイビーのベスト、ボウタイを合わせた装いで登場。Steven Spielberg ©Getty(写真左)映画監督のスティーヴン・スピルバーグは、ブラックの「テイラー オブリーク」タキシードにホワイトのコットンシャツ、ブラックのボウタイとレザーダービーの装いで登場。Bill Murray ©Gettyコメディアンで俳優のビル・マーレイは、グレーのピークドラペルタキシードにホワイトのコットンシャツの装いで登場。Herbert Nordrum & Anders Danielsen Lie ©Getty(写真左)俳優のハーバート・ノードラムは、ブラックのピークドラペルタキシードにホワイトのシャツとブラックのボウタイを合わせた装いで登場。(写真中央)俳優のアンデルシュ・ダニエルセン・リーは、ブラックベルベットのピークドラペルタキシードにホワイトのシャツ、ブラックのボウタイにレザーダービーを合わせた装いで登場。@Dior #ディオール #Dior #StarsinDior【お問合せ先】クリスチャン ディオールTEL:0120-02-1947企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2022年03月29日2022年3月27日(日)に開催された「第94回アカデミー賞」に、ニコール・キッドマンがハリー・ウィンストンのジュエリーを着用し登場しました。Nicole Kidman(Photo by Kevin Mazur/WireImage)主演女優賞にノミネートされたニコール・キッドマンは、ハリー・ウィンストンの「ニューヨーク・コレクション」より、鳥の羽ばたく姿を無色透明なダイヤモンドとイエローダイヤモンドの見事な組み合わせで表現した「イーグル」を着用。「イーグル・ネックレス」には約5.8カラットのペアシェイプ・ファンシーイエローダイヤモンドと、250個(計約27.5カラット)のペアシェイプ及びマーキースカット、ラウンド・ダイヤモンドをセッティング。「イーグル・リング」には約1.3カラットのペアシェイプ・ファンシーイエローダイヤモンドのセンターストーンに、33個(計約3.0カラット)のペアシェイプ及びマーキースカット・ダイヤモンドがあしらわれています。また、耳元にはイエローダイヤモンドにブランド独自のクラスター・デザインを施した「クラスター・イヤリング」を、手元には様々なシェイプのダイヤモンドを組み合わせた「クラスター・ブレスレット」と「ウィンストン・クチュール・ブレスレット」を纏い、その至高の輝きでレッドカーペットに華やぎを添えました。【ハリー・ウィンストンとは】1932年に米国ニューヨークで創業したハリー・ウィンストンは、高級ジュエリーやハイエンドの腕時計製造の分野において先駆者的な存在です。ハリー・ウィンストンは、ヨンカーやホープ・ダイヤモンドなど世界有数の宝石を収集することで、「キング・オブ・ダイヤモンド」と称されてきました。また、1944年に初めてレッドカーペットでハリウッド女優にダイヤモンド・ジュエリーを貸し出した時から、「スターたちのジュエラー」という名声も手に入れます。現在はニューヨーク五番街に本店を置き、ビバリーヒルズ、ロンドン、パリ、東京、香港、上海を含めた、世界中の主要都市で直営店を運営しています。≪読者問合せ先≫ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーションTEL:0120-346-376 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月29日世界最大の映画の祭典である『アカデミー賞』で、前代未聞の出来事が起きました。プレゼンターを務めたコメディアンのクリス・ロックが、ジェイダ・ピンケット・スミスのスキンヘッドをからかうような発言をしたことに対し、ジェイダの夫であり俳優のウィル・スミスが激怒。壇上に上がったウィル・スミスは、そのままクリス・ロックに平手打ちをくらわし、席に戻った後も放送禁止用語を口にし抗議するなど、怒りをあらわにしました。アカデミー賞授賞式で、司会者を平手打ちしたウィル・スミス理由に「かっこいい」「正しいと思う」クリス・ロックの度が過ぎた冗談に対する批判の声、手をあげたウィル・スミスの対応の是非を問う声など、今回の一件に注目が集まる中、俳優のデンゼル・ワシントンの『助言』に称賛の声が寄せられています。ウィル・スミスが明かした、デンゼル・ワシントンからの助言クリス・ロックとのトラブル後、映画『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞し、スピーチを行ったウィル・スミス。スピーチの中で、「悪口をいわれても、自分が見下されても、ニコニコしなくてはならない」と語ったウィル・スミスは、続けて、直前にデンゼル・ワシントンから「人生最高の時こそ、気を付けろ。悪魔の誘惑に負けるな」という助言を受けたことを明かしました。騒動後には、ウィル・スミスに声をかけるデンゼル・ワシントンの姿が目撃されており、助言はこの時に受けたものと思われます。デンゼル・ワシントンの助言は日本でも注目を集め、「かっこよすぎる」「深みのある言葉」と称賛の声が寄せられました。・ウィル・スミスの思いには理解をしめし、一方で暴力をいさめるような言葉。さすがです。・あの状況で、なかなか出てくるような言葉ではない。・フォローを忘れないデンゼル・ワシントンの人柄が素晴らしい。長年、親交のあるウィル・スミスとデンゼル・ワシントン。お互いのことをよく理解し、尊敬しあっているからこその言葉かもしれません。デンゼル・ワシントンの助言は、ウィル・スミスだけでなく、多くの人の心にも響いたようです。[文・構成/grape編集部]
2022年03月28日第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』。作品の大部分でロケ地となった広島は 、2つの世界遺産を有し、旅行先としてもオススメ。広島出身のライターがロケ地を中心に広島の魅力をお伝えします。ドライブ・マイ・カーのロケ地巡り映画『ドライブ・マイ・カー』は、西島秀俊さん演じる舞台俳優兼演出家の家福悠介が、広島で三浦透子さん演じる寡黙な専属ドライバー渡利みさきと出会い、彼女との静かな会話の中で、これまで目を向けることのなかったことに気づかされていく、というストーリー。要となるシーンで、広島の美しい光景が多く登場します。その中から、特にオススメのスポットを3か所を厳選。また、広島の定番の観光スポットを3か所、ニュースポットを1か所紹介します。絶対に行くべき『ドライブ・マイ・カー』ロケスポット3選ロケ地巡りにオススメのスポットを紹介します。中工場(広島市環境局中工場)スタイリッシュで近未来的なこちら、一体何の工場だと思いますか?答えは、ごみ処理場。建築家の谷口吉生さんによる設計で、2004年に竣工されました。2階部分は吹き抜けがある設計になっています。筆者は、映画内でその理由を初めて知り、胸がアツくなりました。広島平和記念公園広島にある2つの世界遺産のうちのひとつ、原爆ドームがある公園。建築家の丹下健三さん設計です。敷地内には、広島平和記念資料館や、映画内で演劇祭の練習場となった広島国際会議場があります。映画の出演者全員が登場するこちらも、広島平和記念公園内にあります。新天地公園物語が大きく動く出来事の発端となる場所。公園周辺エリアは、古くから飲み屋街として知られています。何度でも行きたい広島の定番観光スポットロケ地以外の、広島の定番観光スポットを紹介します。宮島広島の観光スポット第1位といえば、やはり宮島ではないでしょうか。修学旅行で行ったことがある、というかたも多いかもしれません。世界遺産である厳島神社をはじめ、千畳閣、水族館、もみじ饅頭屋、眺めの良いカフェ、工芸品の店など、魅力的な観光スポットが多数あります。オーソドックスなアクセス方法は、JR山陽本線宮島口駅または、広島電鉄広電宮島口駅から宮島行きのフェリーに乗車し、島に上陸というもの。フェリーから宮島のシンボルである大鳥居(2022年12月末まで工事の予定)が見えると、いよいよ宮島だ!と広島に住んでいても胸が高鳴ります。この経路ももちろん良いのですが、一度宮島へ行ったことがある人は「世界遺産航路」がオススメ。その名の通り、広島にある2つの世界遺産を結ぶ航路。広島のもうひとつの世界遺産である原爆ドームすぐ横を流れる元安川から出航しています。乗船時間は約45分。原爆ドームから公共交通機関を乗り継いで宮島へ行くには、何度か乗り換えが必要なので、とてもアクセスが楽なルートです。ちなみに、この世界遺産航路では、先に紹介した中工場を船から眺めることができます。尾道市大林宣彦監督による尾道三部作の舞台で、近年はサイクリストの聖地として有名です。尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約60kmの道「瀬戸内しまなみ海道」は、日本で初めて海峡を横断できるようになった自転車道。瀬戸内海の島々を眺めながらサイクリングが楽しめます。海沿いにある、ホテル、飲食店、自転車店、雑貨店の複合施設が人気です。坂道が多い町で、山あいにある千光寺からは、尾道の町が一望できます。優しく輝き、穏やかな瀬戸内海は、非常に心が癒されます。また、町猫が多く、尾道市立美術館の警備員さんと猫さまとのやり取りはSNS上でしばしば話題になっています。呉市かつて軍港として栄えた町。大人気アニメ映画『この世界の片隅に』の舞台としても有名です。大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)が人気観光スポットになっています。ちなみに、呉市で一番高い山、灰が峰の標高と呉市の郵便番号は、どちらも「737」です。広島市内の新たな観光スポットここ数年で、広島市内には新しい観光スポットがいくつか誕生しています。おりづるタワー2016年にオープンした、広島の新たな観光スポット。原爆ドームからほど近く、展望台、物産館等ある複合施設。屋上の展望台からは、川の多い広島の街を一望できます。展望台から1階までは、エレベーターだけでなく、ゆっくりとスロープで行き来することも可能。なんと、スロープの中央にはすべり台が設置され、すべりながら降りられるようになっています。また、広島駅西側の飲み屋さん街(通称エキニシ)、広島東洋カープの本拠地であるMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島もオススメ。食に関しては、ソウルフードの「お好み焼き」はもちろんのこと(広島において「広島風お好み焼き」はNGワード)、夏限定で毎年6月10日に漁が解禁される小イワシの刺身は、ぜひ一度食べていただきたい名物です!見どころ満載の広島ここ数年で、広島の観光スポットはかなりパワーアップしています。『ドライブ・マイ・カー』のロケ地や、定番のスポットを巡りにぜひ広島へ行ってみんちゃい!文・小田原みみ文・小田原みみ
2022年03月28日パンデミックはまだ収束せず世界情勢も不安な中、それでも今年は従来のドルビー・シアターに戻って開催された第94回アカデミー賞。感染対策に留意しながら極力、かつてと同じ晴れやかな舞台の再生に努めた今回、大きく貢献したのは華やかに着飾ってレッドカーペットを歩いた参加者たちだ。それぞれの個性が光るセレブたちの装いを紹介する。アリアナ・デボーズ Photo by Mike CoppolaGetty Imagesセレモニーで最初に受賞した助演女優賞のアリアナ・デボーズ(『ウエスト・サイド・ストーリー』)は赤のパンツスーツ。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のオートクチュールに「デビアス(DE BEERS)」のダイアモンドのジュエリーを合わせた。アフリカ系ラティーナの女性として、クイアとして史上初の受賞者となった彼女は、アイデンティティについて悩む人々を勇気づけるスピーチで感動を呼んだ。ジェシカ・チャステイン Photo by Jeff KravitzFilmMagic主演女優賞に輝いたジェシカ・チャステイン(『タミー・フェイの瞳』)は「グッチ(Gucci)」のドレス。トップの赤みがかったゴールドからラベンダーへのグラデーションが美しく、裾のフリルもアクセントになっている。ポニーテイルの髪に映えるイアリングもグッチ製だ。ペネロペ・クルス Photo by Jeff KravitzFilmMagic主演女優賞のノミニーたちは5人中3人が過去の受賞者で、レッドカーペット経験も豊富。ゴージャスなスタイルで魅せた。ペネロペ・クルス(『Parallel Mothers』原題)は「シャネル(CHANEL)」のホルターネック。前部がメタリックな蝶ネクタイ状にしてあり、ベストのようにボタンがウエスト下あたりまで付けてある。ニコール・キッドマン Photo by Jeff KravitzFilmMagicニコール・キッドマン(『愛すべき夫妻の秘密』)は「アルマーニ・プリヴェ(Armani Prive)」のブルーグレイのベアトップのドレス。ローカットのVネックラインとバルーン状のウエストまわりのデザイン、後ろでリボンのように結んだトレーンの裾にもビーズがちりばめてある。「ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)」のダイアモンドのネックレス、イアリング、ブレスレットを合わせた。オリヴィア・コールマン(『ロスト・ドーター』)は「ディオール(Dior)」のオートクチュールのメタリックなドレスにショパールのジュエリーを合わせた。ジェーン・カンピオン Photo by Jeff KravitzFilmMagic監督賞を受賞したジェーン・カンピオンはビッグシルエットでプレーンなデザインの「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」のブラックドレス。自然に下ろしたシルバーヘアと黒縁のメガネも美しくマッチした。シアン・ヘダー監督 Photo by Jeff KravitzFilmMagicシアン・ヘダー監督(『コーダ あいのうた』)は「マイケル・コース(Michael Kors)」のメタリックなロングスリーブ・ドレス。脚色賞の受賞スピーチでは「ミラーボールみたいなドレスを着て来てよかった」と会場の笑いを誘った。ディラン・マイヤー&クリステン・スチュワート Photo by Momodu MansarayGetty Images今年のトレンドは肌見せのデザイン。主演女優賞候補のクリステン・スチュワート(『スペンサーダイアナの決意』)はアンバサダーを務める「シャネル(CHANEL)」のパンツスーツ。超ショートのパンツで足を見せ、テイラードジャケットの内に着た白いシャツの胸元をウエストあたりまではだけ、ダイアモンドとルビーのネックレスを合わせた。婚約者のディラン・マイヤーと共にレッドカーペットを歩いていた。ゼンデイヤ Photo by Jeff KravitzFilmMagicゼンデイヤは「ヴァレンティノ(Valentino)」の白のショート・トップでウエストを肌見せし、スパンコールのロングスカート。彼女と『DUNE/デューン 砂の惑星』で共演したティモシー・シャラメは素肌に「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の黒のスパンコール・ジャケットを羽織って登場。袖口にはレースのディテールもある。ティモシー・シャラメ ABC via Getty Images『コーダ あいのうた』のエミリア・ジョーンズは「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」のシークィンのドレス。ウエストの片側がカットしてあり、シルバーからゴールドの色のグラデーションが美しい。エミリア・ジョーンズ Photo by Jeff KravitzFilmMagicプレゼンターとして登場した『リトル・マーメイド』実写版で主演を務めるハル・ベイリーもウエストの片側の肌を見せ、腰までの深いスリット。共にプレゼンターを務めたリリー・ジェームズの薄いピンクのレースのドレス(アトリエ・ヴェルサーチ/Atelier Versace)にも腰の辺りまでスリットが入り、メタリックピンクの厚底サンダルを合わせて、パンク風テイストを感じさせた。ハル・ベイリー Photo by Jeff KravitzFilmMagic一方で、布をたっぷり使ったボリューミーなデザインも目立った。歌唱曲を受賞したビリー・アイリッシュ(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)はレッドカーペットでは「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の黒のオフショルダーのティアード・ドレス。長いトレーンが印象的で、髪もドレスと同じ漆黒だ。ビリー・アイリッシュ Photo by Momodu MansarayGetty Images助演女優賞候補のアーンジャニュー・エリス(『ドリームプラン』)の「ヴァレンチノ(VALENTINO)」のオレンジのドレス、夫のウィル・スミスと参加したジェイダ・ピンケット・スミスの「ジャン・ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)」の深緑のドレスはタイトな身頃にスカート部分は長いトレーンまで全面にシャーリングがほどこされた存在感あるデザインだ。レイチェル・ジグラー Photo by Mike CoppolaGetty Images『ウエスト・サイド・ストーリー』に主演しながら、授賞式に招待されていなかったレイチェル・ゼグラーは数日前にプレゼンターとしての参加が決まり、「ディオール(Dior)」のオートクチュールの黒のドレスで登場した。ゴールドのチョーカーは「ティファニー(Tiffany & Co)」のもの。リタ・モレノ Photo by David LivingstonGetty Images現在90歳のリタ・モレノの「キャロリーナ・ヘレラ(Carolina Herrera)」の黒のワンショルダーのドレスもグラマラス。「Adrienne Landau」のヘッドドレス、「ロジェ・ヴィヴィエ(Roger Vivier)」のフラットシューズもシックだ。アンドリュー・ガーフィールド Photo by Mike CoppolaGetty Images男性では、助演男優賞候補のコディ・スミット=マクフィーが全身ペールブルーのスーツで登場。スーツは「ボッテガヴェネタ(Bottega Veneta)」でタイの代わりに「カルティエ(Cartier)」のダイアモンドのチョーカーを付け、新たなファッション・アイコンとして存在感を放った。アンドリュー・ガーフィールドのバーガンディのベルベット・ジャケットは「サンローラン(Saint Laurent)」。プレゼンターのシム・リウは赤のタキシード、素足にローファーというスタイルで登場した。ベネディクト・カンバーバッチ Photo by Jeff KravitzFilmMagic主演男優賞候補のベネディクト・カンバーバッチ(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)は胸にウクライナの国旗と同じブルーとイエローのバッジを付けていた。2年ぶりに従来の様式に近い形で開催された第94回アカデミー賞授賞式。主演男優賞のウィル・スミスが授賞式半ばでプレゼンターのクリス・ロックが妻を侮辱的なジョークのネタにしたことに激怒するという衝撃の瞬間もあったが、それぞれが心を込めて作った候補作を祝福するにふさわしい、鮮やかなスタイルの数々が花を添えた。(text:Yuki Tominaga)
2022年03月28日第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され『コーダ あいのうた』が作品賞をはじめ3冠に輝き、幕を閉じた。同作は劇場公開とApple TV+での配信が同時に行われており、配信サービスの映画が初めて作品賞を受賞する快挙となった一方、同じ配信サービスが提供する作品として、注目を集めていたNetflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は11部門12ノミネートにも関わらず、ふたを開ければジェーン・カンピオンが監督賞を受賞するのみに留まる結果に。ノミネートされた3部門(作品賞、脚色賞、助演男優賞)すべてを受賞した『コーダ あいのうた』とは対照的な結末となり、両者の映画製作に対する戦略の違いが浮き彫りになった。授賞式の主役はウィル・スミス第94回アカデミー賞授賞式の主役は、ウィル・スミスだったと断言したい。過去2回にわたり、主演男優賞候補となっていたスミスが、渾身の主演作『ドリームプラン』で“3度目の正直”となる悲願の初受賞を果たしたのだ。オスカー像を手にしたスミスは、自身が演じたリチャード・ウィリアムズについて「本当に強く家族を守った男だった」と涙ながらにコメント。「悪口を言われても、軽蔑されても、笑顔を絶やしてはいけない。自分は愛情を引きつける船のような存在でありたい。これは受賞の涙ではなく、人々に光を射すことができる喜びから来ているのです」と感無量の面持ちだった。しかし、受賞コメントの中に“謝罪”の言葉も含まれていたことは、残念なことだった。生中継ゆえ、世界中の視聴者が目撃することとなったが、自身の妻であるジェイダ・ピンケット・スミスを侮辱したクリス・ロックに対し、スミスが強烈なビンタをお見舞い。席に戻ると“Keep my wife’s name out of your fxxking mouth(妻の名前を二度と口にするな)”と抗議の声をあげたのだ。スミスの行動には、放送直後からSNSなどでさまざまな反応が見られ、おおむね勇気ある行動として賛同する声が多いようだ。何より、ことの発端はロックの侮辱的発言にあるのだが、結果的にアカデミー賞の歴史に良くも悪くも名を残す事件となってしまったのは事実。それも含めて、今宵の主役がウィル・スミスだったことは間違いない。ジェシカ・チャステインが投げかけた感動のメッセージ『タミー・フェイの瞳』で主演女優賞を初受賞したジェシカ・チャステインのスピーチは、ひと際感動的だった。喜びと感謝を伝えると同時に、国内外で絶えることのない暴力や分断、それに伴う差別と偏見、さらに高い自殺率に言及し、「(役柄を通して)前進することができると信じています。絶望や孤独を味わっているすべての人へ、誰もがユニークであり、無条件に愛される存在と知ってほしい」とメッセージを送ると、会場は大きな拍手に包まれた。チャステインのスピーチが示した社会的少数者への誠実な姿勢は、今年の受賞結果にも少なからず反映されることになった。『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァーが助演男優賞に輝き、男性のろう者の俳優として、初めてアカデミー賞の俳優賞を受賞。また、『ウエスト・サイド・ストーリー』で助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズは、オープンリークィアの有色人種として、初めて俳優部門のオスカー像を手にした。「アイデンティティを疑問に思ったり、闇の存在を感じたりしたとしても、私たちの場所は必ずどこかにあるはず」という力強い受賞スピーチが印象的だった。ウクライナ侵攻に対する静かなる抗議ウクライナ出身の俳優ミラ・クニスは、主題歌賞にノミネートされた「Somehow You Do」を紹介の際、ステージに登場。具体的に祖国の名をあげる代わりに、「今、世界で起きている出来事には、失望させられます。しかし、荒廃と向き合う人々の強さと尊厳を目の当たりにすると、心を動かされずにはいられません」とメッセージを発信。楽曲のパフォーマンスが終わると、「#standwithukraine」というハッシュタグとともに、犠牲者への黙とうと現地への支援を訴える声明が画面に映し出された。また、レッドカーペットや授賞式では、青いリボンを身に着けた出席者の姿もちらほら。これは難民支援を訴える意味合いがあり、やはり現在のウクライナ情勢を鑑みたスターたちの意思表明だった。セレモニーを通して、声高な反戦メッセージが発信されることはなかったが、こうした静かなる抗議によって、視聴者の関心を喚起させる姿勢はやはり重要だ。結局、司会は必要なの?時短効果は思ったほどでは…『コーダ あいのうた』のおかげで、基本的には“愛にあふれた”ハートウォーミングな授賞式となった第94回アカデミー賞。ただし、あえて言わせてもらうと、全体的に間延びし、散漫な内容だった。クリス・ロックの侮辱発言を例に挙げるまでもなく、プレゼンターのおしゃべりに時間を使いすぎで、肝心の受賞者スピーチが短くカットされそうになることも(濱口竜介監督の受賞スピーチが、オーケストラに寸断されそうになった場面は、その一例)。そもそも今年はアカデミー賞会員の反発を買ってまで、放送時間の短縮を目的に、美術賞、音響賞、作曲賞、編集賞、メイクアップ&スタイリング賞、短編アニメ賞、短編映画賞、短編ドキュメンタリー賞を事前収録にしたにも関わらず、その効果は思ったほどではなかった。何より、司会者って必要なの?画期的な受賞結果で歴史的一夜となった第94回アカデミー賞授賞式だが、“テレビ番組”としての限界も垣間見え、課題は山積だ。(text : Ryo Uchida)
2022年03月28日「第94回アカデミー賞」授賞式が28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ドリームプラン』のウィル・スミスが主演男優賞を初受賞した。主演男優賞をはじめ、助演女優賞(アーンジャニュー・エリス)、歌曲賞(ビヨンセ)、脚本賞、編集賞の主要6部門にノミネートされた本作。オープニングアクトとしてエンディングテーマを手掛けたビヨンセが登場。製作を務めたビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹の紹介でコンプトンのテニスコートから“Be Alive”を熱唱し、圧巻のパフォーマンスで授賞式を盛り上げた。ウィル・スミスは『ALI アリ』(01)、『幸せのちから』(06)に続くノミネートとなった『ドリームプラン』の演技で見事オスカー像を手にした。壇上に上がり、「リチャード・ウィリアムズは本当に強く家族を守った男です」、「ビーナスとセリーナ、ウィリアムズ一家が自分たちのストーリーを私に任せてくれたことに感謝を申し上げます。彼らの愛情のための大使のような存在になれたらと思います」と続けた。そして瞳に溢れる大粒の涙について、「受賞したから涙を流しているわけではありません。私の受賞でアーンジャニュー、サナイヤ、デミらキャスト全員、そしてスタッフ、ビーナス、セリーナ、ウィリアムズ一家全員に光が射すことができたことを心から嬉しく思います」と語った。本作は、世界最強のテニスプレイヤー姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズの破天荒な実父リチャードの驚きの実話を映像化。テニス未経験のリチャード(ウィル・スミス)が、独学で生み出した「計画書=ドリームプラン」にもとづき、2人の娘を世界チャンピオンに育て上げる様を描く。(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
2022年03月28日27日(日本時間28日)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた第94回アカデミー賞授賞式。日本の作品では濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を受賞し、’08年公開の映画『おくりびと』以来、13年ぶりの快挙を成し遂げた。そんななか、ある“ハプニング”が注目を集めている。映画『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞したウィル・スミス(53)が、「長編ドキュメンタリー賞」の発表を任されたコメディアンのクリス・ロック(57)を激しく平手打ちする場面があったのだ。「ロックは、同席していたスミスの妻・ジェイダ・ピンケット・スミスの短く刈られたヘアスタイルを坊主頭の女性が主人公の映画『G.Iジェーン』と揶揄したのです。ジェイダは’18年に脱毛症を患っていることを公表しており、昨年7月にスキンヘッドにしたことをSNSで報告していました。大切な家族を侮辱されたスミスは激昂したのでしょう、壇上に行きロックの左頬をビンタ。席に戻ってからも『妻の名をその口から出すな!』と、放送禁止用語をまじえながら連呼していました」(映画関係者)プレゼンターという立場でありながら、自身の発言で出席者を激怒させたロック。実はこのような出来事は今回が初めてではないという。前出の映画関係者が言う。「’16年のアカデミー賞授賞式で司会者を務めた際、ロックはアジア系アメリカ人をネタにしたことで批判を浴びました。“投票を集計する会計係”としてスーツ姿のアジア系の子供3人をステージに登場させ、『アジア系は数学が得意』とステレオタイプを助長するようなジョークを飛ばしたのです。さらにロックはこのジョークが批判されることを想定していたようで、『あのジョークに腹を立てる人がいるなら、スマホでツイートすればいい』とも発言。このことを受けてアン・リー監督や俳優のジョージ・タケイら25名のアジア系アカデミー会員たちが、連名でアカデミーに抗議する事態となったのです」再び繰り返された舌禍騒動。スミスが激怒した一連の様子はTwitter上でも拡散され、様々な反響が寄せられている。《そりゃ怒るよ。暴力は良くないが言葉の暴力も同時に許されない》《ウィル・スミスは病気に苦しむ奥様を一番近くで支えてきただろうからジョークにされたらそらぶちギレるよ暴力は良くないけど…平手でそんなダメージ無さそうだしこれは不問にしてあげてほしいな》《なんか前も表彰式でやらかしてなかった?言ったらダメな事をわかんないかなぁ…》《言っていい事とダメな事が分からん人をプレゼンターにしてはアカン》
2022年03月28日2022年のアカデミー賞作品賞のほか、助演男優賞、脚色賞の計3部門を受賞した『コーダ あいのうた』。今年初めに行った、シアン・ヘダー監督の単独インタビューをお届けします(2022年1月20日配信記事)。『コーダ あいのうた』【映画、ときどき私】 vol. 448豊かな自然に恵まれた海の町で、耳の不自由な両親と兄と暮らす高校生のルビー。4人家族のなかで唯一耳が聞こえるルビーは、家族のために幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期に入り、ルビーは秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択。ルビーに歌の才能があることに気がついた顧問の先生から、都会の名門音楽大学への受験を強く勧められる。ところが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じることができず、家業のほうが大事だと大反対。家族を選ぶ決断をした娘に対し、父は意外なある行動を取ることに……。2014年に製作され、大ヒットとなったフランス映画『エール!』をリメイクした本作。昨年開催されたサンダンス映画祭では史上最多受賞に加え、映画祭史上最高額となる約26億円で配給権が落札されたことでも大きな話題となりました。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。シアン・ヘダー監督本作の脚本と監督を務め、その実力が高く評価されているヘダー監督。今回は、取材を重ねるうえで得た気づきや手話から学んだこと、ろう者と作り上げた現場で感銘を受けた出来事などについて、語っていただきました。―最初は、脚本家として本作の依頼を受けたそうですが、監督も手掛けることになったいきさつから教えてください。監督私はもともと監督も脚本も手掛けるフィルムメイカーなので、脚本家として雇われた当初から監督もしたいという思いはありました。製作陣としては、私がどんな脚本を出すかで監督も任せるか検討しようと考えていたようですが。その後、脚本の出来に満足していただけたので、監督も任せてもらえることになりました。―この作品に惹かれた理由はどんなところですか?監督オリジナルの作品を観たとき、物語をより深く掘り下げるポテンシャルがすごくある作品だなと感じました。たとえば、家族の描かれ方やそれぞれのキャラクターをより立体的に描けると思ったんです。特にこの家族というのは、聴者とろう者の両方に属しているようで、両方ともに属していないような存在なので、そんな彼らの道のりをしっかりと見せたいと考えました。取材を通して、いろいろな発見があった―タイトルのコーダ(CODA)とは「Children of Deaf Adults」のことで、⽿の聴こえない両親に育てられた⼦どものことを指していますが、今回は実際にコーダと呼ばれる子どもたちにも取材を行ったそうですね。彼らと出会ったことで脚本に影響を与えた部分もあったのではないでしょうか。監督すごくいい質問なので、この話ができるのはうれしいです。脚本を書き始めたころ、まずはSNSや友人を通じてコーダの経験がある人たちを探したんですが、話を聞いていくと、人によってまったく違う経験もあれば、共通点もあり、いろいろな発見がありました。そのなかでも、興味深かったのは、大人同士の会話の通訳をしなければいけなかったので、まだ心の準備ができてない年齢からかなり大人な話題に触れなければいけないということ。彼らは早く大人になることを求められてしまうんですよね。ときには「どうして自分だけこんなに頼られなければいけないんだ」とコーダであることを重荷に思うこともあるそうですが、同時に「自分は家族にとってすごく重要な人間なんだ」という誇りも持っていると感じました。そういった彼らの心にある矛盾はおもしろいと思ったので、キャラクターにも反映させています。劇中でも描いているように、性的な話を何でもはっきり言ってしまう親がいる人や家のなかの音がうるさくて大変だったという人など、リサーチのなかでは笑える話もたくさん聞かせてもらいました。手話は人と人をつなげてくれる言語だと感じた―劇中では手話の持つ表現力の美しさも感じましたが、監督ご自身も手話を習得されたとか。実際に体験してみていかがでしたか?監督手話で話すときは、中身のない話をする余地がないように感じました。というのも、いまそこで起きている真実だけを話し、それを心から信じて伝えるので、社交辞令や沈黙が怖いから意味のないことを口にする、みたいなことがない言語というのが私の受けた印象です。あと、手話ではスマホを見ながら話したりできないので、人の目を見ながらでないと話せないという意味でも人と人とをつなげてくれる言語なのではないかなと。100%相手と向き合うこと、しっかりと考えてから自分の思いを伝えること、言葉の選択など、いろいろなことを手話から学びました。―なるほど。本作は超高額で配給権の争奪戦が行われたり、各賞レースでも有力候補として注目を集めたりしていますが、いまの状況をどう受け止めていますか?監督とにかくワクワクして興奮しています!今回の作品を通して、現場の作り方やコミュニケーションの取り方も変わりましたし、聴者とろう者が一緒になって作品づくりをする過程もとても誇らしく思っていたので。実は映画が完成した時点で、「私は人生で最高の経験をしてしまった」と感じていたので、そこがピークだと思っていたんです。なので、そのあとに起きたことは予想もしていなかったことばかりで、本当に奇跡のような出来事。こんなふうに評価をされ、作品がさらに成長していくとは思っていなかったので、いまはただ喜びでいっぱいです。うれしかったは、ろう者の俳優たちが評価されたこと―出演者のみなさんも、同じお気持ちだと思います。監督あとは、自分の作品に出てくれた俳優たちが称賛を受けているというのが、何よりもうれしいです。母親を演じたマーリー・マトリンは、オスカーの受賞経験がありながらいままであまり多くの機会が与えられていませんでしたし、父親役のトロイ・コッツァーと兄役のダニエル・デュラントもあまり知られていない俳優でしたから。いろいろな賞にノミネートされていて、感動しました。いままで苦労してがんばってきた彼らがこの作品で報われてよかったです。―本当に、素晴らしい演技でした。耳の聞こえない人の役は聴覚に障がいのある人に演じてほしいというのが、監督の当初からのこだわりだったとうかがっています。実際に彼らと現場をともにして、気づかされることもあったのでは?監督最初は、現場に手話の通訳を入れて彼らと話をする計画でしたが、初日の撮影をした際、彼らが私ではなくて通訳さんのほうしか見ていないことに気がつき、うまくつながれていないように感じてしまったんです。そこで、できれば通訳を介さずに進めたいと彼らに相談をしました。当時は私の手話もまだ流暢ではなかったので、表情や目を使ったり、お互いの体を触れ合わせたり、照明で合図をしたり、いろいろな形でコミュニケーションを取ることに。撮影を進めながらやり方を探していくような感じでしたが、それはとても親密なプロセスとなりました。彼らとは手話や言葉を使わなくても理解できるほどになったので、さまざまな発見とともに楽しい現場でしたね。自分が思うほど、他人との違いは大きくない―まもなく公開を迎える日本には、どのような印象をお持ちですか?監督実は日本にはまだ行ったことがないんですが、すごく行きたい場所のひとつではあります。日本の文化や食事が大好きなので、ぜひ日本を訪れてさまざまな経験をしたいです。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督この映画では、ある家族を中心に描いているものの、普遍的な物語になっているので、ろう者でも聴者でも、誰でも共感していただける作品になっていると思います。あとは、この作品がきっかけで、ろう者の方々とコミュニケーションを取ってみたいと手話の勉強を始めていただく方が増えたらうれしいですね。いまの時代は自分と違うものに対する恐怖心が大きくなっており、他者とつながれないと感じている人も多いと思うので、この映画を通してそういった“バリア”を少しでも壊せたらいいなと。誰もが同じ人間で、同じような葛藤や家族の問題を抱えているものなので、自分が考えているほど他人との違いは大きなものではないというのも知ってほしいと思っています。家族の愛に、胸も目頭も熱くなる!理想と現実という名の“荒波”にもまれながらも、夢が広がる大海原へと飛び込む少女から勇気をもらえる本作。そして、家族がお互いを想う涙あり笑いありの愛には、誰もが魅了されてしまうはず。耳も心も虜にする美しい歌声とともに、爽やかな感動に包まれてみては?取材、文・志村昌美心が震える予告編はこちら!作品情報『コーダ あいのうた』1月21日(⾦)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー※バリアフリー字幕版も上映決定(詳細はHPの劇場情報欄にて)配給:ギャガ© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
2022年03月28日2022年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』で寡黙な専属ドライバーみさきを演じた三浦透子さん。作品の裏話を明かしてくれた、2021年夏の取材の模様をお届けします(2021年8月18日配信記事)。三浦透子さん【映画、ときどき私】 vol. 4042002年にサントリーのCMで“2代目なっちゃん”としてデビューしたのち、さまざまなドラマや映画に出演し、アニメーション映画『天気の子』ではボーカリストに抜擢されたことでも注目を集めている三浦さん。『ドライブ・マイ・カー』で三浦さんは、舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)が演劇祭で出会う、寡黙な専属ドライバーみさきを演じています。そこで、現場での様子や本作を手掛けた濱口竜介監督の演出、将来の自分について語っていただきました。―以前、濱口監督作『偶然と想像』のオーディションに行ったことがきっかけで、本作のオファーがあったそうですね。お話があったときはいかがでしたか?三浦さん最初に脚本を読ませていただいたとき、みさきがとても魅力的な女性だと思いました。特に、相手に対して的確な言葉選びができるところや仕事に対する哲学がかっこいいなと。なので、この役を私にと思っていただけてとにかくうれしかったです。ただ、運転がものすごく重要な役にもかかわらず、免許を持っていない私にオファーするなんて、濱口監督はすごいなとも思いました(笑)。―その後、この作品のためにすぐに免許を取られたそうですが、大変でしたか?三浦さん撮影前にたくさん乗っておきたかったので、朝から晩まで毎日教習所で練習して、17日間でマニュアルの免許を取りました。けっこうハードでしたけど、すごく楽しかったです。―それはすごいですね。劇中では、見事なドライバーぶりを見せていましたが、ご自身は運転に向いていると感じましたか?三浦さん実は、もともと車はすごく好きで、ガソリンスタンドでバイトしていたこともありました。車内や運転の仕方に乗っている人の人間性が出るところがおもしろい。車が好きなだけに、運転が苦手だったらどうしようかと心配しましたが、乗ってみてもやっぱり好きだったのはうれしかったです。―ただ、劇中の車は左ハンドルなので、初心者には難しかったのでは?三浦さんそうですね。免許を取ったあと、練習用に左ハンドルの車を用意していただいたんですが、左ハンドルなのでどれも高級車ばかり。練習のためとはいえ、初心者マークをつけた高級車が走っているのは、周りの方は嫌だったかもしれません(笑)。初めてが多い現場で、西島さんの存在は心強かった―慣れない運転をしながら演技もしなければいけないという状況で、どのようなことを意識されていましたか?三浦さんマルチタスクをこなさなければいけない難しさはありましたが、私にとっては「それができるみさきはどういう人なんだろう」と考える作業こそが役作りに直結すると思いました。みさきは、顔を見なくても空間から相手のことを感じ取れる繊細な人。それを表現するのは難しかったですが、かっこよく運転している姿を見せることが、いちばんみさきを表すことに繋がると思ったので、運転には一生懸命取り組みました。―車のなかでは、西島秀俊さんとほぼ2人きりでの撮影が続いたと思いますが、共演されてみていかがでしたか?三浦さん西島さんはとてもフランクな方で、いつも笑顔でお話をしてくださいました。かと言って、準備と本番とでオンオフがあるわけではなく、リラックスしているときと集中しているときが地続きにあるような感じ。すごく不思議な方だなという印象です。それはこれまでいろいろな経験をされてきた西島さんだからこそのたたずまいだと思いますが、おかげで私は安心していることができました。今回一緒にお芝居をさせていただいて、すごく勉強になりましたし、とても心強かったです。―そのなかでも、印象に残っているやりとりなどもあれば、教えてください。三浦さん今回の現場では、私にとって初めてのことがたくさんありましたが、西島さんは細かいところで本当にさりげなく声をかけてくださいました。車のなかで西島さんと2人でいる時間もけっこう長かったですが、沈黙があっても緊張することなく、落ち着いていられたのも、劇中の家福とみさきの関係性に通じていたように思います。―そういうお二人の雰囲気は、スクリーンにも表れていたように感じました。三浦さんあれだけの狭い空間に2人だけでいるというのは、会話をしていなくても相手の存在を気にせざるを得ない状況。そんななかでも、緊張感が解けていく瞬間を感じることができました。それは家福とみさきの間にもあった瞬間だと思うので、実際に現場で体験できたのは大きかったです。濱口監督の書く言葉には覚悟があると感じる―そして、この作品は何と言っても脚本の素晴らしさがあると思いますが、三浦さんはどういったところに惹かれましたか?三浦さんまずは、セリフのおもしろさですね。一度読み出すと、最後まで手放せなくなるような緊張感がありました。その空気感は、完成した映画からも伝わってくる部分だと思います。これは特にみさきに感じたことですが、しっかりと思考してからちゃんと言葉を選んでいるところも、すごく印象的でした。言葉というのは、人を救うこともあれば、殺してしまうこともある、そういう恐ろしさがあると思います。良くも悪くも強い力を持っている。そういったことを濱口監督は普段から意識されているんだと思います。実際、濱口監督とお話していると、ものすごく丁寧に言葉を選んで話されているかがわかるので。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、濱口監督の書くセリフには、これは発するべき言葉である、という覚悟を感じるというか。キャラクターたちに魂を感じます。だからこそ、声にしたときに言葉の持つパワーに背筋を正されるような感覚があるのかなと。それでいて、すごく繊細で丁寧に私たちに語りかけてくれているような印象も受けました。―そういったところも、世界で評価された理由かもしれませんね。ご自身が役作りで特にこだわったのはどのあたりでしょうか?三浦さんこれまでの役だと、わからないことをわかるようにする作業を通して役に近づこうとしていましたが、みさきには共感できる部分ばかりで、わからないことがないような状態でした。極端なことを言うと、することがないと思ったくらい。でも、撮影の前に濱口監督ともその話をしたら、それでいいですと。「特別なことはしなくていいので、ただ運転の練習だけしてください。それがみさきの役作りです」と言われました。なので、とにかく運転練習を一生懸命やりました。いま思えば、運転している最中に考えていたことがみさきへの理解にもつながっていたと思います。原作の魅力がきちんと残った作品に仕上がった―現場では、濱口監督ならでは演出などもありましたか?三浦さん映画のなかでも、感情を入れずに淡々と読んでいく“本読み”という作業をしていますが、実際の現場でも行なっています。こんなにも本読みに時間を使うことは、私にとっては初めての経験でした。濱口監督は、「その声で語られるだけで、心を動かされる。そんな声がある。役者からそういう声で台詞を聞きたい」とおっしゃっていました。本読みはその声を探す時間だったと思います。みんなでその“音”を探しているような感覚。とても不思議で素敵な体験でした。濱口監督の現場じゃないと味わえないものだと思います。―そんな時間を過ごすなかで、忘れられない監督の言葉もあれば、教えてください。三浦さん監督と話していて興味深かったのは、「歌はメロディも歌詞も決まっているけど、そのままを何度歌っても人の心を動かすことができる。セリフでもそれができると思う」と言われたことです。その言葉を聞いたとき、私のなかではすごくしっくりくるものがありました。濱口さんの演出には新鮮で驚く部分も多い反面、点と点が繋がるような瞬間もあってとても楽しかったです。―原作者である村上春樹さんの作品の魅力については、どうお考えですか?三浦さん私が村上春樹さんの作品と出会ったのは中学生くらいの頃で、短編集の『レキシントンの幽霊』が最初でした。そのあと長編もいくつか読ませていただきましたが、村上さんの作品は、自分に対する深い考察を感じるというか、キャラクターの心の中に沈んでいくような感覚になります。最初はそういった部分をどうやって映像化していくんだろうとか、ファンの方々に自分のみさきがどういうふうに受け取られるんだろうかと心配もありました。設定も原作とは変わっていますし、追加された部分も多いので。ただ、できあがったものを読むと、原作にある言葉の緊張感や匂いといった小説の魅力がちゃんと脚本にも残ってるどころか、むしろ増幅しているようにすら感じました。村上さんの文体と濱口監督の文体のマリアージュもとても魅力的でした。数字と触れ合うと気持ちがリセットできる―これから観客のみなさんの反応も楽しみですね。現在は、女優としても歌手としても活躍されていますが、今後チャレンジしてみたいことはありますか?三浦さん実は、私はこの歳でこういうことをしたいとか、こうなりたいみたいなビジョンがまったくないタイプなんです(笑)。だからこそ、思ってもいなかったことにも挑戦できるのかなと。私が歌を歌うことになるなんて、昔の私は想像すらしていなかったと思います。そういう意味では、これからもいまの自分が想像できない何かをやっていけたらいいですね。―では、プライベートでやってみたいことは?三浦さんこれはかなり先の話になりますが、おばあちゃんになったら近所の子どもたちに勉強を教えたりしたいなと、ぼんやり考えています。以前、家庭教師のバイトで小学生に算数を教えていて、それがすごく楽しかったので。―そのために準備していることもありますか?三浦さんセンター試験の問題を解いてみたりとか、勉強はするようにしています。―すごいですね。そんな多忙の日々で素に戻れる瞬間といえば?三浦さん素に戻れるというのとは違いますが、数字と触れ合っているときは頭の中をリセットできる時間だと思います。余計なことを考えずにいられるので。頭は使っているんだけれど無というか。考えているけど考えていないみたいな感じ。―意外な一面を教えていただき、ありがとうございました。それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。三浦さんこの作品を観ると、もしかしたらみさきは苦しく見えるかもしれません。でも、人との関わりのなかで傷ついた経験を持つ彼女が自分の人生をポジティブに捉え、仕事も含めて誇りを持って生きて行こうとする姿を見るだけで私には感じるものがありました。みなさんにも、ぜひみさきのかっこいい生き様を感じてもらえたらと思います。インタビューを終えてみて……。劇中のみさき同様に、ミステリアスな雰囲気をまとっている三浦さんですが、話し始めると明るい笑顔が印象的で、その魅力に心をわしづかみにされました。先のことは決めていないという三浦さんだけに、これからどんなふり幅で私たちを魅了してくれるのか、ますます楽しみです。唯一無二の物語が魂に訴えかける秀逸な脚本に、俳優陣の見事な演技が重なり、圧倒的な力で観る者を引き込む本作。孤独と秘密を抱えた男女が葛藤の先に見つけた再生の道は、誰にとっても希望を与えてくれるものとなるはずです。さまざまな感情が渦巻く忘れがたい経験は、ぜひ劇場で体感を。写真・北尾渉(三浦透子)取材、文・志村昌美ヘアメイク・秋鹿裕子(W)、スタイリスト・白山春久ベロア素材のシャツ¥36,300/ロク(エイチ ビューティ&ユース 03-6438-5230)、2タックパンツ/マメ クロゴウチ(www.mamekurogouchi.com)ショートブーツ¥85,800/アクネ ストゥディオズ(アクネ ストゥディオズ アオヤマ 03-6418-9923)、右耳につけたシルバーイヤーカフ¥22,000/ラッツェル アンド ウォルフ(ザ・ウォール ショールーム 03-5774-4001)、左耳につけたシルバーイヤーカフ¥93,500/ラッツェル アンド ウォルフ(アディッション アデライデ 03-5786-0158)、右耳につけたシルバーイヤーカフ¥16,500/フェノメナ コレクション(ザナドゥ 東京 03-6459-2826)、シルバーチェーンネックレス¥77,000/ララガン(ララガンデザイン/info@ralagan.com)、パールのついたチェーンネックレス¥107,800/ソフィーブハイ(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター 0120-137-007)、シルバースネークチェーンネックレス¥13,200/カルペディエム(カルペディエム/シルバーチェーンブレスレット¥52,800/ジジ(アパルトモン 青山店 03-5778-4919)、シルバーリング¥35,200/アン バイ トモヨ ヨシダ(アン・デザインズ/info@un-designs.com)ストーリー舞台俳優で演出家の家福悠介は、愛する妻・音と満ち足りた日々を送っていた。ところが、音は家福にある秘密を残したまま、突然この世からいなくなってしまう。それから2年が経ち、演劇祭で演出を任された家福は、愛車のサーブで広島へと向かうことに。そこで家福が出会ったのは、寡黙で優秀な専属ドライバーのみさき。喪失感を抱えたまま生きていた家福は、みさきと過ごすなかであることに気づかされていく……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『ドライブ・マイ・カー』8月20日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー配給:ビターズ・エンド©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会写真・北尾渉(三浦透子)
2022年03月28日現地時間2022年3月27日、アメリカのロサンゼルスで第94回アカデミー賞の授賞式が行われました。この日の式では、受賞される作品や著名人も発表。映画界を代表する式典ですが、あるトラブルが発生しました。ウィル・スミス、『妻への侮辱』を受け取り司会者に平手打ち式典中、俳優のウィル・スミスが突然壇上に上がり、司会者を務めるコメディアンのクリス・ロックに平手打ちをお見舞いする事態が発生。ロックはこの時、スミスの妻であるジェイダ・ピンケット・スミスについて、髪を刈り上げた女性将校が登場する映画『G.I.ジェーン』に絡めた発言をしていました。脱毛症に悩まされ、短髪にしているという、スミスの妻。その苦しみを知っているからこそ、スミスはロックの発言を侮辱と感じたのでしょう。スミスは平手打ちを食らわせると、ロックに「妻の名前を口にするな!」と発言。その後も、自分の席で放送禁止用語を発するなど、怒りをあらわにしていました。「どんな理由があっても、他人に暴力をふるってはいけない」と思う人もいるはず。しかし、妻を想うがゆえに、スミスは我慢ならなかったのでしょう。スミスの行動はネットで拡散され、日本からも称賛の声が上がっています。・確かに暴力はいけない。でも、自分はスミスをかっこいいと思った。・いっていい冗談と悪い冗談がある。大切な家族のことなら、なおさらです。・愛する妻の病気の話題だもんね。スミスは正しいと思います。騒動があった後、スミスは映画『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞しました。俳優としてだけでなく、夫としてのスミスの姿に、多くの人が心打たれたようです。[文・構成/grape編集部]
2022年03月28日第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、作品賞に仏映画をハリウッドリメイクした『コーダ あいのうた』(シアン・ヘダー監督)が輝いた。同作は脚色賞、助演男優賞にもノミネートされており、そのすべてを受賞。見事3冠を達成した。最多部門を受賞したのは『DUNE 砂の惑星』で6部門(撮影賞、音響賞、視覚効果賞、作曲賞、編集賞、美術賞)。また、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞に輝き、日本映画の同賞受賞は『おくりびと』以来13年ぶりの快挙を達成した(『おくりびと』は外国語映画賞)。一方で、作品賞をはじめ、最多11部門12ノミネートで“本命”と目されていた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、ジェーン・カンピオンが監督賞を受賞するのみという結果に。今回もNetflix映画が作品賞に輝くことはなかった。『コーダ あいのうた』は2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイク。家族の中で唯一の健聴者である少女が、歌の才能を見いだされ、ろう者の両親の大反対を受けながら、名門音楽大学への進学を目指す。題名の“CODA”は、“Children of Deaf Adults”(耳の聴こえない両親に育てられた子ども)のこと。主人公の父親を演じたトロイ・コッツァーは男性のろう者の俳優として、初めて助演男優賞を受賞。手話による感動的なスピーチで、授賞式は一度目のピークに達した。主演男優賞は大本命だった『ドリームプラン』のウィル・スミス。過去2度同賞候補になっており、“3度目の正直”で悲願の初受賞を果たした。世界最強のテニスプレーヤー姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ誕生に隠された驚きの実話を描く同作で、テニス未経験ながら、独学で二人の娘を世界チャンピオンに育てあげた破天荒な父親を熱演。かつて主演男優賞にノミネートされた『ALI アリ』『幸せのちから』に続いて、今回も実在の人物を演じている。一方、主演女優賞に輝いたのは『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステイン。1970年代から80年代にかけて、愛あふれたメッセージと寛大な人柄で視聴者を熱狂させた実在のテレビ伝道師、タミー・フェイを演じ、初受賞を飾った。本人そっくりに変ぼうした姿も注目を集め、同作はメイクアップ&ヘアスタイリング賞も同時受賞している。なお、今年の主演女優賞はチャステインをはじめ、候補者5人の主演作すべてが、作品賞候補に挙がっていない異例の事態となり、近年まれに見る混戦となった。助演女優賞に輝いたのは『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ。ヒロイン・マリアの兄のベルナルドの恋人、アニータを演じ“アメリカにおける自由と不平等”を男女の掛け合いで歌う名曲「America(アメリカ)」では、抜群の歌唱力とダンスで圧倒的な存在感を放った。劇場とApple TV+での配信が同時に行われた『コーダ あいのうた』が作品賞に輝いたほか、多様性の観点から画期的な結果を生み出すことになった第94回アカデミー賞。会場も例年通りドルビー・シアターに戻るなど、映画業界全体がアフター・コロナを見据え、新たな一歩を踏み出した。一方で放送時間短縮を目的に、美術賞、音響賞、作曲賞、編集賞、メイクアップ&スタイリング賞、短編アニメ賞、短編映画賞、短編ドキュメンタリー賞が“事前収録”となり、反発を招いた点は大きな課題(結局、3年ぶりに司会者が復活したせいもあり、放送時間の大幅な短縮につながらなかった)。ウィル・スミスの“激おこ”事件については、愛する家族を守ろうとしたスミスの勇気に賞賛が集まると同時に、後味の悪さが残ったのも事実だ。【第94回アカデミー賞】◇作品賞『コーダあいのうた』◇監督賞ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』◇主演男優賞ウィル・スミス『ドリームプラン』◇主演女優賞ジェシカ・チャステイン『タミー・フェイの瞳』◇助演男優賞トロイ・コッツァー『コーダあいのうた』◇助演女優賞アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』◇脚本賞ケネス・ブラナー『ベルファスト』◇脚色賞シアン・ヘダー『コーダ あいのうた』◇視覚効果賞『DUNE デューン砂の惑星』◇美術賞『DUNE デューン砂の惑星』◇撮影賞『DUNE デューン砂の惑星』◇衣装デザイン賞『クルエラ』◇長編ドキュメンタリー賞『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』◇短編ドキュメンタリー賞『The Queen of Basketball(原題)』◇編集賞『DUNE デューン砂の惑星』◇国際長編映画賞『ドライブ・マイ・カー』(日本)◇音響賞『DUNE デューン砂の惑星』◇メイクアップ&ヘアスタイリング賞『タミー・フェイの瞳』◇作曲賞ハンス・ジマー『DUNE デューン砂の惑星』◇長編アニメーション賞『ミラベルと魔法だらけの家』◇短編アニメーション賞『The Windshield Wiper(原題)』◇主題歌賞“No Time To Die”ビリー・アイリッシュ『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』◇短編実写映画賞『The Long Goodbye(原題)』文=内田涼
2022年03月28日第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、作品賞にシアン・ヘダー監督の『コーダ あいのうた』が輝いた。『コーダ あいのうた』は本国ではAppleが配信・配給しており、アカデミー賞で配信作品がオスカーを獲得するのは初となる。CODA(コーダ)とは、Children of Deaf Adults=“聴覚障がいがある親を持つ聴こえる子ども”の意。また、音楽用語としては、楽曲や楽章の締めを表す=新たな章の始まりの意味も併せ持つ。本作は、2014年のフランス映画『エール!』のリメイク作品で、家族の中でたった一人の聴者である少女ルビーの物語だ。サンダンス映画祭で観客賞・最高賞・監督賞・アンサンブルキャスト賞の史上最多4冠を達成。その後もゴッサム賞、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、全米映画俳優組合賞など数々の賞にノミネートが続いていた。今回のアカデミー賞では、作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞と3部門にノミネートされ、作品賞と助演男優賞と脚色賞の3部門受賞となった。作品賞には、本作のほかに『ベルファスト』、『ドント・ルック・アップ』、『ドライブ・マイ・カー』、『DUNE/デューン 砂の惑星』、『ドリームプラン』、『リコリス・ピザ』、『ナイトメア・アリー』、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、『ウエスト・サイド・ストーリー』の10作品がノミネートされていた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:コーダ あいのうた 2022年1月、全国にて公開© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
2022年03月28日第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、主演女優賞に『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステインが輝いた。近年まれに見る大混戦となった今年の主演女優賞には、ジェシカをはじめ、オリヴィア・コールマン(『ロスト・ドーター』)、ニコール・キッドマン(『愛すべき夫妻の秘密』)といった同賞受賞経験者、スペインを代表する国際派スターのペネロペ・クルス(『Parallel Mothers』)、亡きダイアナ元妃を演じたクリステン・スチュワート(『スペンサーダイアナの決意』)がノミネート。5人の主演作すべてが、作品賞候補に挙がっていない点もアカデミー賞では異例の出来事で、非常に予想が難しい部門となった。『タミー・フェイの瞳』でジェシカが演じたのは、1970年代から80年代にかけて、夫とともにテレビ伝道師とした活躍した実在の人物、タミー・フェイ。愛あふれたメッセージと寛大な人柄で視聴者を熱狂させ、伝説的な存在となるが、やがて金銭的な不正、ライバルの陰謀、夫の性的スキャンダルに見舞われ、夫婦で築き上げた帝国は崩壊していく。ジェシカ自身が、タミー・フェイについて10年間リサーチを重ねており「彼女と彼女の物語にはぶっ飛ばされた」と強い思い入れ。本人そっくりに変ぼうし、波乱の人生を生きたカリスマ伝道師をスクリーンによみがえらせた。ジェシカは『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』で第84回アカデミー賞助演女優賞、『ゼロ・ダーク・サーティ』で第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたことがあり、今回が初のオスカー受賞となる。受賞コメントアカデミーに感謝します。ヘアメイクアップチームも素晴らしい、彼女を見出すことができました。いま苦難の時期です、さまざまなトラウマ、孤立があります。多くの人が絶望感を味わっています。差別があります。偏見があります、暴力があり、ヘイトクライムがあります。このような時期に私はタミーのことを考えます。絶望感を感じている人にメッセージを送ります。ユニークであるあなたは素晴らしい。(text:cinemacafe.net)
2022年03月28日