人生に欠かせないものといえば恋愛、そして音楽。そのどちらも堪能できる映画としてご紹介するのは、まもなく公開の注目作『さよならくちびる』です。そこで、こちらの方に作品の見どころや秘話についてお話しいただきました。写真・黒川ひろみ(成田凌)話題作への出演が続いている成田凌さん!【映画、ときどき私】 vol. 235今回は、小松菜奈さんと門脇麦さん演じる人気デュオ「ハルレオ」を支える付き人となるシマを演じている成田さん。青春音楽エンタテインメントとなった本作を通して感じた音楽への思いや青春時代の思い出、そして恋愛観までを語っていただきました。―まずは、シマを演じてみていかがでしたか?成田さん脚本を読んだときに少しセリフが言いにくいと感じるところもあり、最初は難しいなと構えるところもありました。でも、監督からは言われたのは、「キザな感じだけど、ナチュラルにやって欲しい」ということ。なので、気負わずにそのあたりを意識して演じていました。―この役と向き合って、影響を受けたり、感じたりしたことはありますか?成田さん自分のためだけに生きるということは、辛いなとは思いましたけど、そういう生き方や意志の強さはカッコイイなとも感じました。僕の場合は、どうしても家族とか友達とか、大切な人に何かひとつでも恩返ししたいなと考えたうえでの行動になってしまうので。―逆にシマと自分で似ている部分もありましたか?成田さんちょっと異性にいじられがちなところは似ているかなと思いました。だから、ハルとレオみたいに意志の強い2人と行動していたら、僕も板挟みになるんじゃないですかね。―監督は「あの人のようになりたい」という憧れをテーマのひとつに挙げていますが、成田さんが登場人物3人のなかで憧れた人はいますか?成田さん僕は門脇さんが演じていたハルかな。自己犠牲みたいなところもありますけど、自分の才能を差し置いて人のためにできることはすごいことだと思います。しかも、相手を引っ張るだけでなく、支えることもできるし、よくないことはよくないと判断もできる人。もちろん本人としては葛藤もあると思いますけど、勇気があるし、うらやましくも感じます。僕もそういう人になれたらいいなと思うところもありますね。どちらかというと同性よりも異性に憧れることが多い―ご自身の周りで成田さんが憧れを抱く人はいますか?成田さん実は同性に憧れることは少なくて、意外と異性に対して思うことはよくあります。それこそ小松さんと門脇さんにも憧れますが、それは僕がふたりとまったく同じことをしても、同じにもならないし、プラスにもならないかもと感じるからです。それは、「異性だから」ということだけではない部分もあると思っています。ないものねだりかもしれませんけど、そういう異性には憧れを持っていますね。―門脇さん演じるハルと小松さん演じるレオについてはどのような女の子だと感じましたか?成田さん僕個人としては、奔放なレオにちょっと構ってしまいたくなる気持ちはあります。しかも、弱みをたまに見せられると、それが体のなかでろ過されて、きれいな尊いものに見えてしまうところがあるので。ズルいですよね。一方、ハルみたいに自分を犠牲にしてまで人に愛情を持てる人は本当に魅力的だなと思います。僕としては、自分を大切にしている人が好きですけど、そこまで人に対して愛情を持てるほうがかっこよさはあるのかなと。でも、2人とも全然違うタイプの魅力なので、僕としては選べないです。―ちなみに、劇中で描かれているような三角関係に巻き込まれた経験はありますか?成田さんこういう三角関係はないですね。もしかしたら、あったのかもしれないですけど、意外とわからないものだと思います。―今回はそれぞれが報われない相手を追いかけていますが、もし成田さんがその状況なら、諦めるタイプですか?それとも果敢に攻めるタイプですか?成田さんあまりそういう経験はないですけど、どちらかといえば果敢に攻めるほうですかね。なかなか手に入らないほうが燃えますし、追いかけているほうが楽しいのかなとは思うので。―小松さんと門脇さんとの撮影で印象に残っていることを教えてください。成田さん撮影前から演奏の練習を一緒にしていましたが、最後のライブのシーンの前に空き時間があったので、3人でステージに上がって1曲演奏しました。別に言葉を交わすわけでもなく、なんとなく演奏が始まって、なんとなく1つ完成したみたいなことにすごく感動したんです。誰も見ていなかったですけれど、そのときは何とも言えない喜びみたいなものを感じましたね。函館での忘れられない味とは?―各地で行われたライブシーンについてはいかがでしたか?成田さんエキストラで来てくださったお客さんやライブハウスの雰囲気もありますが、それぞれの地域によって、違うんだなというのは感じました。そのなかでも、函館でお客さんが歌うシーンはすごかったですし、ノリノリで楽しんでくれていたので、記憶に残っています。僕たちにとっても最後のライブということで気持ちが乗るところもあったので、おもしろかったですね。―いろいろな場所を巡りながら、オフではその土地のおいしいものを食べたりもしましたか?成田さん今回は、函館の市場で食べたウニいくら丼がおいしすぎてびっくりしました(笑)。朝早くにマネージャーさんをたたき起こしたら、最初は「いまですか?」みたいに言われましたけど、マネージャーさんも帰りには僕に感謝していましたから。どんなお寿司屋さんよりもあのウニいくら丼が一番ですね。あとは、大阪で小松さんと門脇さんと3人で焼肉を食べに行って、帰りにタピオカを飲みながら歩いて宿まで帰ったこともありました。―本作では秦基博さんやあいみょんさんが手がけた楽曲が大きな役割を果たしていますが、それらの曲を聴いたときの印象を教えてください。成田さんハルの気持ちがギュッと詰まっていて、いい曲だなと思いましたし、感じたのは今回の映画が凝縮されているのがこの音楽なのかなということ。撮影の1か月くらい前に、ハルとレオが歌っているのを聞かせてもらいましたが、そのときに「この作品は大丈夫だ」と思いました。―そのなかでも、成田さんがお気に入りの曲はありますか?成田さんやっぱり主題歌の「さよならくちびる」ですよね。今回、音楽というものに密に接してみて、改めて音楽を作る人に尊敬しました。すばらしいものをゼロから作り、そこで思いを伝えることができるのは、やっぱりすごいなと思います。―ご自身は忘れられない音楽との思い出はありますか?成田さんメンズノンノのモデルに決まったとき、高校のみんながサプライズで集まってくれて「もし困ったことがあれば……」といってみんなの名前と電話番号だけが書いてある寄せ書きをもらったんです。そのときに友達がRIP SLYMEさんと MONGOL800さんの「Remember」を歌ってくれて、その曲が好きになりました。すごい愛情だなと感じたと同時に、「これがエモーショナルな気持ちなんだ」というのを知った経験でもあります。30歳になっても病気の話より未来のことを語りたい―「まさに青春!」というステキなエピソードですが、成田さんの青春時代はどのようなものでしたか?成田さん子どものころからずっとサッカーだけをやってきて、高校時代は苦しい思いもしていたので、部活を引退したあとは、解き放たれてしまい、みんなではちゃめちゃに遊んでいましたね。といっても、放課後に水鉄砲を買って土手で本気で遊ぶとかです(笑)。そのときは真夏なのに台風が来てしまったので、ビショビショになったんですけど、それでもガタガタ震えながらみんなでおでんを食べたりしていました。あとは高校の入口に飾ってあった制服の人形のふりをするとか。本当にわけわからないことばっかりなんですけど、僕らは本気でした。(笑)―学生時代ならではの感じがいいですね。今回は青春という要素もありましたが、成田さんが演じたシマは30歳という設定。実年齢よりも上の役を演じてみて、ご自身の30歳の姿も想像されましたか?成田さん5年後ということは、おそらくいろいろなことが急激に変わっていると思うので、明確には言えないですけど、20歳超えたあたりから感じているのは、30歳というのは実はまだまだ若いんだなということです。なので、友達同士で病気の話ばっかりするのはやめたいなと思っています(笑)。すでに最近もそういう話が増えてきたなと感じているので、もう少し未来を持って生きていきたいですね。―いまは多忙な毎日だと思いますが、休みの日はどのように過ごしていますか?成田さんつい寝すぎてしまうので、最近は一回起きたらちゃんと起きようと思っています。なので、「明日これをやるぞ!」と心に決めてから寝るようにしているところです。でも、結局ソファでダラダラしちゃって意味なかったりするんですけどね(笑)。あと、僕も実践していて働く女性たちにもオススメしたいのは、どんなに疲れていても、お風呂にちゃんと浸かることですね。―ということは、家で過ごすことが多いのですか?成田さん友達と動物園に行ったり、映画を観に行ったりもしますけど、休みの日は基本的に家にいるので、バラエティ番組を見て、そのあとにスーパーに行って買い物して、家でご飯を作る、みたいな感じです。―お料理はお好きですか?成田さん自炊はよくするので、好きですよ。作り置きしたいときはミネストローネとかをまとめて作りますけど、あとはお肉を焼いたりとかですね。何かを諦めた人の希望になって欲しい―それでは最後に、作品を通して伝えたい思いをお聞かせください。成田さんもちろん誰にでも観て欲しいですが、たとえば20代を超えた人だと、何かを諦めたことがある人もいると思うので、そういう人たちには希望の映画として観てもらいたいですね。一度諦めたあとの“美しさ”みたいな部分がとてもうまく描かれていますし、終わりから始まるものはなんだろうとか、いろんな愛のカタチも見ることができるので、そういう部分が届けばいいなと思います。インタビューを終えてみて……。一見クールな印象ですが、青春時代の楽しいエピソードを冗談交じりで聞かせてくださった成田さん。劇中では、さらに大人の色気も感じさせてくれているので、成田さんオススメのライブシーンとともにお見逃しなく!自分にしか奏でられない未来がある!心に響く音楽とともに、切ない三角関係に思わず胸が痛くなる青春ストーリー。それぞれの思いを乗せた美しいメロディは、きっと新たな人生の扉を開いてくれるはずです。ストーリーずっと孤独を感じていたハルとレオは、出会った瞬間から心が共鳴し、一緒に音楽を始めるようになる。路上からスタートし、いつしかライブハウスを埋めるまでの人気デュオとなった「ハルレオ」。そんな2人の前に元ホストのシマが現れ、付き人として名乗りを上げる。ところが、予期せぬ恋心が芽生えてしまったことがきっかけとなり、3人の関係は少しずつこじれてしまう。そして、これからというときにハルとレオが出した答えは解散だった。ついにラストツアーへと向かう3人だったが、事態は思わぬ方向へと転がっていくことに……。音楽が心に染みる予告編はこちら!作品情報『さよならくちびる』5月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー配給:ギャガ© 2019「さよならくちびる」製作委員会ヘアメイク:NOBUKIYOスタイリスト:伊藤省吾(sitor)ニット¥96,000/パンツ¥135,000/シューズ¥124,000/以上全てプラダ(プラダ クライアントサービス)/その他スタイリスト私物衣装問い合わせ先:プラダ クライアントサービス(tel 0120-45-1913)
2019年05月26日「音楽って、人を幸せにできる。それって本当に素敵なこと。私の歌で誰かが少しでもそう思ってくれたら、本当に嬉しい」。“偶然”歌手になったきゃりーぱみゅぱみゅが、10年を経て、今思うこと。新しい年号の時代、もっと頑張って、もっとかっこよく生きたいです。‘90年に、“原宿で話題の派手な女の子”として雑誌に登場し、今年で10年というきゃりーぱみゅぱみゅさん。ガールからレディへと変貌を遂げた10年を振り返りつつ、令和の時代への展望について、熱く語っていただきました。――高校生時代に原宿で声をかけられ、雑誌のスナップページに登場して、その約2年後にメジャーデビューとなりましたね。当時から、ミュージシャンになりたいとか、芸能界に入りたいとか、そういう気持ちはあったのですか?きゃりー:いやいや、何も考えてなかった、というのが一番正しいかも。いわゆる読者モデルになったんですが、バイト感覚でしたし。好きな洋服を着て写真を撮っていただいて、アルバイト料金みたいなのをちょっともらえて、「ラッキー!」という感じでした。――将来の夢とかは?きゃりー:そういうの、昔も今も、あんまりないんです。あ、でも、とにかく洋服が好きだったので、ファッション系の専門学校に願書を出しつつ、どうしようかなぁとぼんやりしていたときに、今の事務所の社長と中田ヤスタカさんに声をかけてもらって、「なんか楽しそうだから、やってみようかな」って感じで、始まったというか。――雑誌に初めて出てから10年。きゃりー:ねぇ、あっという間でした。たぶん社長も、中田さんも、もちろん私も、こんなに長く続くとは思ってなかった気がします。楽しいね、楽しいねって、遊び心をもってやってきたら、10年経っていたっていう。でも特別な経験をたくさんさせてもらったし、いろんな人のおかげで今の私があると思うので、感謝しかないです…と言うと、「辞めるの?」とか言われそう(笑)。辞めませんよ(爆笑)。――とはいえ大変なことも多かったのではないかと…。きゃりー:そうですね…、私は18歳でデビューしたんですが、その頃は若かったので、10代特有の“突き進んでいく!”みたいなパワーに満ちていて、新しい課題をもらって、それをクリアしていくのがすごく楽しかったんです。ゲームみたいな感覚っていうのかな。だからプレッシャーとかもなかったし。いきなりワールドツアーとか言われて、正直「はぁ?!どうしたらいいの?」って感じはあったけれど、「無理、できないよ」みたいな気持ちは、なかった気がします。――その仕事に対するいい意味でのゲーム感覚は、今も変わらず?きゃりー:チャレンジして、それをクリアすること自体は楽しいんですが、仕事の仕組みややり方などが分かるようになってきたので、気持ちだけで突破、みたいなことはできなくなったかな…。昔に比べて、いろんな提案をさせてもらっているので、楽しさもおもしろさも増えてはいるんですが、そのすべてが通るわけではないんですよね。予算など、現実的な問題がある。ただ、提案が実現不可能ってなったとき、「じゃあもういいです!」って、萎えたりすねたりするところがある。その辺りは、まだ子供だと自分でも思うので、もうちょっと成長したいですね。大人として仕事をするって大変ですが、そういう人たちに支えてもらえているからこそ、自分があるということを、日々実感しますね。――あえて言うなら“ゆる~っ”と今の仕事に就いたわけですが、仕事への思いみたいなものは、この10年で変化はありましたか?きゃりー:変わりましたね。例えば、宇多田ヒカルさんの曲とか聴くと、昔は「歌、上手いな。最高!」って思って終わりだったんですが、今はそこに、「で、自分って…」って思って沈んだり、自分以外の方の素晴らしいライブを観て、「最高!リスペクト!」って気持ちになりつつ、同時にすごくイヤになっちゃったり(笑)。なんだろう、特にこの3年くらい、悔しいなと思ったり、「自分とは?」みたいなことを考えるようになりました。――“ザ・個性の塊”みたいな感じでデビューしたきゃりーさんが、自分の存在に悩むって、なんか不思議ですね…。きゃりー:なんだろうなぁ、私、もともと、“今が楽しけりゃいいじゃん”って感じなので、むかしばなしだと痛い目に遭うタイプなんですよ。――え、むかしばなし…?きゃりー:「うさぎとかめ」で言うなら、私はうさぎなんです。「イェーイ!」ってタイプ。コツコツ努力系ではない。かめのように積み重ねて…みたいなことができないんです。努力系の人たちから、「デビューしてすぐ武道館で早10年、トントン拍子で羨ましい」って言っていただくこともありますが、確かにそういう部分もあるけれど、でもコアなファンをつけずにここまできちゃったなぁ、とか、結構デリケートな悩みを持ってるんです、私も(苦笑)。でも、いわゆる“きゃりーぱみゅぱみゅ”のイメージと少し違うことをすると、「変わった!どうした?!」って詮索されたりするし…。――今回撮影させていただいた写真を見ても分かるのですが、実はきゃりーさんって、デビュー当時と比べると、変化してますよね。きゃりー:そう、そうなんですよ。でも一般的な目で見ると、私はやっぱりいまだに、ド派手で原宿ガールで、サメが好きで大きなリボンを着けてる女の子、なんですよね。もう5年くらいそういう格好してないのに!(笑)また、シックなビジュアルにすると、「どうしちゃったんですか?結婚ですか?」とか、「ホントはああいう派手な格好、したくなかったんですか?」とか言われるし…。あ~、もう、難しいいい!!って感じ(笑)。ただ私自身も、誰かが髪を切ったりすると、「どうした?なんかあったのか?!」とか勘繰っちゃうところがあるから、まずは私がそういう思考をやめよう、とは思ってるんですけどね。令和の時代、今までとは違うことにいろいろ挑戦したいと思っているので、ぜひみなさんには温かく見守っていただけると嬉しいです(笑)。――世の中の人のほとんどがスマホを持ち、見たこと、聞いたことをすぐにネットで世界に拡散できる今。ご職業柄、恋愛がしづらかったりするのでは…と思うのですが、プライベートな意味では、この10年どうでした?きゃりー:恋愛は、私に関しては、見えてもいいと思ってます。だって恋っていいことだと思うし。まあ発表することでもないとも思いますけど(笑)。でも、“お泊まり愛”って言葉だったり、白黒の隠し撮り写真だったり、なんか、取り上げ方が、おじさんぽくてあんまり好きじゃないっていうか…(笑)。海外の場合、カラー写真だし、そもそも雰囲気が明るい!少なくとも私がマスクしたり帽子を深くかぶったりしてるのは、生々しく書いてほしくないからだけなんですよ。そこも、ぜひ令和から変えてほしいところです(笑)。ただ、めっちゃくちゃ仕事頑張ってるんだから、恋愛くらいしてたっていいじゃん、大目に見てよ…っていうのが、私を含め、働く女子たちの願望だと思いますけどね。――好きなタイプとかって、あったりします?きゃりー:あんまりないです。好きになった人が好きなタイプ、みたいな感じなので。でも、「俺が、俺が」って人は苦手かな…。どちらかというと引っ張ってほしいけれども、でもお互いにいろんなことを吸収したいし、関係性はフェアでいたい。でも、なんか、女性が仕事を頑張ったり、そこで評価されたりすると、関係性のバランスが悪くなる感じって、ありませんか?これ、“働く女子あるある”だと思うんだけどな…。彼女が頑張ったことに対して、“俺だってこんなにやってる!”って言われると、癒されるどころか疲れちゃうし、もうそういうの面倒くさい…。あー、好みのタイプ、わかりました、CMの、〈ビューネくん〉ですよ。「頑張ってね、よしよし」ってしてくれる人がいい(笑)。きゃりーぱみゅぱみゅ1993年生まれ、東京都出身。‘09年ストリートスナップで雑誌に登場し、読者モデルとしての活動を開始。‘11年、中田ヤスタカ氏プロデュースの曲「PONPONPON」のMVをYouTube上に公開、世界的に注目を浴びた。同年7月にメジャーデビュー、日本のKawaii文化のアイコン的地位を確立した。現在はアーティスト活動に加え、テレビのMCなどでも活躍中。日本テレビ系で放送中のドラマ『向かいのバズる家族』の主題歌でもある、ニューシングル『きみがいいねくれたら』が、配信リリース中。また、5/25に、ゲストに清水翔太、コレサワの2組を招いての対バンイベント「KPP CAMP」を沖縄の宜野湾海浜公園 屋外劇場で開催。ジャケット¥85,000パンツ¥50,000(共にHOPE/DELTA TEL:03・3485・0933)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年5月29日号より。写真・野呂知功(TRIVAL)スタイリスト・山口絵梨沙ヘア&メイク・カワムラノゾミ(by anan編集部)
2019年05月25日学生から社会人になったり、結婚や出産を経験したり、キャリアを追い求めたりと、20代、30代は人生においてもあらゆることを考えさせられる年代。そこで、さまざまな生き方を選んだ女性たちを描いた注目作をご紹介します。それは……。女性たちのリアルを描いた感動作『パリの家族たち』!【映画、ときどき私】 vol. 2345月のパリ。女性大統領となったアンヌは職務と母親業の狭間で不安に陥っていた。シングルマザーでジャーナリストのダフネは、仕事を優先するあまり子どもたちとはうまくいかない日々。いっぽう、独身の大学教授ナタリーは教え子との恋愛を楽しみ、小児科医のイザベルは実母との関係にトラウマを抱え、花屋のココは連絡の取れない恋人の子どもを妊娠してしまう。そんな悩みを抱える彼女たちが幸せになるために下した決断とは……。本作では、職業も年齢も違う女性たちが、それぞれの問題と向き合いながらも幸せを手にするために奮闘する姿が描かれている話題作。今回は、こちらの方に作品への思いについてお話を伺ってきました。マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督!前作『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』で数々の賞に輝いたマリー=カスティーユ監督ですが、本作では自らと同じ働く女性たちにフォーカスし、高い評価を得ています。そこで、悩める女性たちに対するアドバイスや自身の経験についても語ってもらいました。―今回は、「母性」や「母と子」というテーマに挑まれましたが、普遍的ではあると同時に非常に複雑な問題でもあるだけに、難しさを感じることはなかったでしょうか?監督確かに、やりがいというよりも、ストレスを感じることもけっこう多かったわ。というのも、世の中には何十億人という人がいて、その全員が誰かの子どもであるわけだから、何十億通りの異なる親子関係が存在しているということよね。だから、これだけたくさんのキャラクターを持ってしても、描き切れないんじゃないかというフラストレーションを感じていたの。それくらい複雑なことだと思ったけれど、観てくれた方々は男女問わず、自分の母親や子どもとの“いい関係”について思い出したと言ってくれたのよ。そんなふうに観客たちの琴線に触れることができたというのを知ったときは、やりがいのあることだったんだと感じたわ。―さまざまな状況に陥っている女性たちが登場するので、観る人によっては、自分を重ね合わせるキャラクターも変わってくると思いますが、監督自身が共感しているのはどの人物ですか?監督私は男性も含めて、どのキャラクターにも共感できたし、それぞれに自分の分身がいるようにも感じているの。でも、近いという意味では、シングルマザーでジャーナリストのダフネかしら。あと、私自身は母親ではあるものの、独身女性のナタリーが「母親は偉いのよ」と思っている世の母親たちに対して反感を抱くような気持ちも理解できたわ。パズルのようにしてキャラクターを作っている―私もナタリーと同じ子どもがいない独身女性として、共感する部分は大きかったです。そんなふうにリアルに感じられるキャラクターを作りあげるうえで、どのような作業をしていったのでしょうか?監督キャラクター作りは、いつもパズルみたいなものなの。つまり、自分の友人や親戚、あるいは街の人たちを観察した結果を組み合わせて作り上げているのよ。たとえば、劇中で子どもがバスでボタンを押そうとしているのに、ナタリーが押して母親が激怒するシーンでは、実際に私に起きたことがもとになっているの。そのときはバスではなくてホテルのエレベーターのなかだったんだけど、子どもがボタンを押そうとしていることに気がつかなくて、つい押してしまったのよ。そしたら、その母親から怒られたんだけど、殺されるんじゃないかと思ったわ(笑)。だから、子どもを王様扱いしているような母親は、ときにモンスターにもなり得るんだと感じたので、あのシーンを描くことにしたのよ。―私も監督と似たようなことがあったので、お気持ちはよくわかります(笑)。ちなみに、ナタリーは子どもを持たないという選択を自らしている女性ではあるものの、社会的にはそういう女性に対する理解がまだ十分とは思えないのですが、監督はどのように感じていますか?監督女性に対して「子どもを産むべき」というようなプレッシャーは、何世紀にもわたってあるものではあるけれど、自分がしたいと思うことをするのが一番大事。ほかの人がこうすべきと言っていても、それは自分にとってはあまり意味がないことなのよ。もし、そういうプレッシャーに悩んでいるのなら、「人生は一度しかないものだから、自分が心地よいと思う生き方をすることが大切なんだ」と毎日思い出すことが必要だと思うわ。いい母親とは、自分らしく自然でいられること―そのいっぽうで、母親になったとしても、子どもをうまく愛せなかったり、誰にも相談できずに追い詰められてしまったりする女性もいます。本作でもそういう女性たちの姿が描かれていますが、監督からアドバイスはありますか?監督友達や周りの人がみんな自分よりもいい母親に見えたりするものなのよね。私も「自分はあまりいい母親ではないのかも」と感じることがあったわ。そうやって自分を責めてしまうこともあるけれど、実際は何がいい母親かというのはわからないものよね。そこで私が思ったのは、「自分らしく自然でいられることがいい母親なんじゃないかな」ということ。たとえば、働くことが好きで楽しんでいるなら、その姿を見せることもいいことよね。そういう母親を見ていれば、子どもが大きくなったときに「仕事を楽しむことはいいことなんだ」というお手本になると思うわ。―とはいえ、仕事を極めることと母親業を両立することは、なかなか大変なことも多いと思いますが、フランスではどのような状況ですか?監督働くことと母親であることの両立に関しては問題ないと思うけれど、問題があるとすれば、そういう女性たちに対して援助の仕方がわかっていない人が多いということ。たとえば、雇い主のほうが「子どもがいる女性は何時に帰らないといけない」とか、「子どもが病気になるかもしれない」といった懸念からいい仕事を与えないということが起きているわよね。そういう部分については、まだまだ課題があると感じているわ。女性大統領が与える変化とは?―劇中では、仕事と育児に悩む女性大統領の姿も印象的でした。日本でもアンヌのような女性が国のトップになってくれたらいいなとも思いましたが、もしフランスで女性が大統領になったらどのような変化があると思いますか?監督女性というのは、一般的に男性よりも現実とより密接な関係にあると思っているの。だからこそ、「命とは何か」「人生とは何か」といった問題について、よりリアルに理解しているんじゃないかなと私は感じているのよ。そういう意味でも、女性が大統領になったとしたら、彼女は決断する内容というのは、彼女を選んだ人たちの考えに近いものにできるんじゃないかなと思うわ。―ちなみに、監督は政治の世界に興味がありますか?監督そうね、ぜひ政治もやってみたいわね。―監督としていろいろな複雑な要素を取りまとめたりする能力がおありなので、将来フランスの大統領を目指すという可能性もありますか?監督それはわからないわね(笑)。人は何回も生きると言われている文化もあるけれど、私の文化では1回しか生きられないから、もし人生が何度でもあればいろいろできるんだけど。いまでも、やりたいことはすでにいっぱいあるのよ!―パワフルなお姿は見習いたいと思います。それでは、最後にフランスのライフスタイルに憧れている女性も多いので、ananweb読者へ向けてメッセージをお願いします。監督もし、フランスに憧れているなら、いますぐフランスに引っ越すべきね(笑)!私たちのライフスタイルのどこに憧れてくれているのかわからないけれど、良いと感じてくれているのなら、その部分をぜひ日本に輸入して欲しいわ。そのうえで、フランスと日本でネットワークを作ってお互いに教え合うことができたらいいわね。実際、私は世界中の女性のネットワークがあったら、本当に素晴らしいものが作り上げられると思っているのよ。どんなときも前向きに生きていきたい!多くの女性たちに立ちはだかるであろうさまざまな問題を描き、国境を超えた共感を呼んでいる本作。“幸せの答え”は決してひとつではないと感じるはず。女性としての生き方や家族との在り方に新たなヒントをくれる珠玉の物語です。大切な人に会いたくなる予告編はこちら!作品情報『パリの家族たち』5月25日(土)、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開配給:シンカ© WILLOW FILMS – UGC IMAGES – ORANGE STUDIO – FRANCE 2 CINÉMA
2019年05月24日井浦新さんの最新主演作は、京都の四条大宮、嵐山、北野白梅町を結ぶ路面電車「京福電気鉄道嵐山線」、通称“嵐電(らんでん)”を舞台に繰り広げられる物語。学生たちとひとつの映画を作り上げた経験が一番の宝物。メガホンを取ったのは、映画『楽隊のうさぎ』でも井浦さんとタッグを組んだ鈴木卓爾監督。「僕は卓爾監督の作品と人柄の一ファン。京都は仕事でも旅でもよく行っていた場所でしたし、もともと僕は電車に乗るのも見るのも撮るのも大好きなので、京都に行くたびに嵐電にもよく乗っていたんです。そんなこともあって、卓爾監督からこういう映画を撮りたいんだというお話をいただいた時に、ぜひ参加させてくださいとお返事しました」井浦さんが演じるのは、鎌倉から来たノンフィクション作家・平岡衛星。物語はこの衛星を中心に、嵐電の街に紛れ込んで、まるで出られなくなったような男女3組の恋が互いに共振を起こすように進んでいく。「この映画は鈴木卓爾監督作品なだけあって、結構緻密にいろいろなレイヤーがかけられているんです。なので、きっと観る人の年齢やその時の状態などによっても、捉え方は変わってくるだろうと思います。素直にキラキラした恋愛映画としても楽しめるでしょうし、見方によっては人間の生と死について考えさせられるような作品にもなっている。僕は個人的に、完成した作品を初めて観た時、3組それぞれの命のきらめきを感じたので、大切な人の手をしっかりと握りしめたくなる、そんな映画だなと。電車が好きな人、京都が好きな人はもちろん、そうでない人も自分が大切に思っている人と一緒に観に行って、お互いにどう感じたか、何を思ったか、語り合っていただけたらいいなと思います」映画『嵐電』には鈴木監督が教鞭を執る、京都造形芸術大学の学生たちがキャストや制作スタッフとして参加。この学生たちとひとつの映画を作り上げた経験こそが「作品に参加して得た一番の宝物」だと井浦さんは言う。「映画を作りたいという純粋さや情熱、思いの強さは、年齢が若ければ若いほど、予算をぎゅっと絞っていけばいくほど、凄まじいものがあるなと感じました。学生たちは素直で無垢で不器用。とくに地元の少年・子午線役の石田健太くんの芝居は、そばで見ていて心が動かされました。何色にも染まっていなくて、頭で考えていることと心と体が全部バラバラで。でもそれが、とても人間らしくて。まるで、デビュー当時の自分と対峙しているような感覚でした。キャリアを積んでいくと、必然的にいい意味でも悪い意味でも器用にならざるを得なくなってきます。でもそういう不器用さは、やっぱり絶対に忘れてはいけないなと思いました。まさに、汚れのない水をバサーッと頭から浴びて、知らず知らずのうちにこびりついてしまったものが洗い流されたような感覚。この経験は、僕にとって宝物になりました」『嵐電』衛星は京都に来て嵐電に関する取材を始めるが、そこにはかつて妻・斗麻子(安部聡子)と経験したある出来事を呼び覚ます目的があった。監督/鈴木卓爾出演/井浦新、大西礼芳ほか5月24日(金)より全国順次公開。©Migrant Birds/Omuro/Kyoto University of Art and Designいうら・あらた1974年9月15日生まれ、東京都出身。俳優。NHK連続テレビ小説『なつぞら』に出演中。主演映画『こはく』は6月21日より長崎先行、7月6日より全国順次公開。※『anan』2019年5月29日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年05月24日人気K-POPアーティストが一同に集結するビッグイベント「KCON 2019 JAPAN」が幕張メッセで開催されました! 5回目となる今年は、例年以上に大盛り上がり! その理由は…!?5月19日に行われた、 TWICEやSF9、PENTAGONなど総勢10組によるアツいパフォーマンスの詳細をお届けします!取材・文 尹 秀姫【ペンになってもいいですか!?】vol. 99日本では今年で5回目を迎えた「KCON 2019 JAPAN」。今年は5月17日(金)、18日(土)、19日(日)の3日間に渡って幕張メッセで開催され、延べ8万8000人を動員するビッグなイベントとなりました。「KCON 2019 JAPAN」は韓国で放送されている音楽番組「M COUNTDOWN」によるライブを含め、「M COUNTDOWN」に出演するアーティストたちが出席したレッドカーペットやMEET&GREET、「TSUNAGARU」ステージでのトークや今年からスタートした新企画「KCON GIRLS」など、今まで以上にアーティストとファンのふれあいを重視した企画が充実。時にはアーティストがコンベンションセンターのブースに顔を出すなど、これまでありえなかった距離の近さに、ファンは大歓喜でした。そして夜には連日「M COUNTDOWN」でK-POPアーティストによる本格的なステージが堪能できるライブが開催。最終日にはTWICEをはじめIZ*ONEやfromis_9、GWSN(公園少女)にNATUREといった人気ガールズ・グループらが一堂に会し、奇跡のコラボも! その最終日のライブの模様をレポートします!5月19日の「M COUNTDOWN」ライブは、今年1月にデビューしたばかりの新人ボーイズ・グループONEUSのステージからスタート。17日にはコンベンションのKCONステージに、18日にはTSUNAGARUステージでのトークも経験し、早くも日本でファンを獲得しはじめている彼らが「Valkyrie」「TWILIGHT」で息の合ったダンスを披露しました。続いて登場したVAVは、黒をベースにした衣装で与えるクールな印象どおり、「Thrilla Killa」「Senorita」と華やかかつ男性らしいパフォーマンスでファンを魅了。GWSN(公園少女)は、最新曲「Pinky Star」とデビュー曲「Puzzle Moon」で彼女たちらしい世界観を見せ、新人離れしたステージングを見せてくれました。日本人メンバーMIYAが所属していることで、日本のファンには早くから注目されている彼女たちですが、カバーダンスの経験者であるMIYAはこのKCONのコンベンションステージで踊っていたこともあり、まさに凱旋ステージとなりました。そしてここで早くもTWICEが登場! ステージ下の通路から、はたまたセンターステージのヘリから、そして花道と、至近距離で現れるメンバーたちに、会場のファンは大歓声! 昨年9月に日本で発表したこれからの季節にピッタリのサマーチューン「BDZ」で、早々に会場を熱狂させます。TWICEの余韻が覚めやらぬ中、新人ボーイズ・グループD-CRUNCHが登場。「Are you ready?」「Panorama」ではずば抜けた身体能力を活かしたキレのあるダンスを見せつけてくれました。続いて登場したのは、9人組ガールズ・グループのfromis_9。実はこの日、TWICE、IZ*ONEに次いで大きな歓声を受けたのは彼女たち。キュートなルックスに女子でも思わずキュンとするかわいらしいダンス、そしてさわやかな楽曲と、レベルの高いパフォーマンスで観客の視線を集めました。SF9は今年で3年連続KCON JAPAN出演を果たしたKCON常連グループ。昨年も客席を大いに盛り上げた彼らですが、今年は新曲「Play Hard」に象徴されるように、昨年よりさらに客席を盛り上げ、また彼ら自身も大いにKCONの大きなステージを楽しんでいました。続いて登場した新人ガールズ・グループのNATUREは、「Dream About U」をはじめ3曲を披露。日本人メンバーのHARUが「もっとたくさんの方に知っていただけるようがんばりますので応援してください!」と日本語でメッセージを届けると、客席も元気な応援で応えていました。韓国で一大ブームを巻き起こした人気ドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』のOST「Beautiful」をSF9のロウンとインソン、PENTAGONのフイとジンホの4人が歌うスペシャル・ステージもあり、ライブ中盤ですでに会場の熱気は最高潮に。満を持して登場したIZ*ONEは、17日の初日に引き続き2度目の登場。この日は黒とギンガムチェックの揃いの衣装でシックな雰囲気をまとっていました。日本デビューシングル「好きと言わせたい」からはじまり、韓国で4月にリリースされた「Violeta」では待ち構えていたファンの大きなコールが場内に響き渡ります。美しく揃ったダンスに圧倒されている間もなく、「UP」と「La Vie en Rose」「RUMOR」と一気に畳み掛け、場内を圧倒!PENTAGONは最新曲「SHA LALA」からはじまり、GLAYのTERUが楽曲提供した日本メジャーデビュー曲「COSMO」、さらに昨年韓国で大ヒットした「SHINE」で完成度の高いパフォーマンスを見せてくれました。一方、ゲームコーナーではPENTAGONのバラエティ能力の高さを見せつける一幕も。ヨウォンとシンウォンの尻相撲対決や10秒で女性を魅了するためにカメラに向かってポージングをし続けるなど、さまざまな角度からPENTAGONの魅力に迫ったトークコーナーも新鮮でした。続くステージでは、TWICEの登場にさきがけて、NATUREが「CHEER UP」を、GWSNが「KNOCK KNOCK」を、そしてfromis_9が「LIKEY」をカバー。思わぬサプライズに会場が熱狂したところで、この日のヘッドライナーを務めたTWICEがいよいよステージに登場!新曲「FANCY」を歌うと、盛り上がりは最高潮! さらに昨年の大ヒット曲「Yes or Yes」「Dance The Night Away」などを元気いっぱいに披露したかと思えば、「What is Love」ではトロッコに乗り込み、会場の後方にいるファンにも挨拶へ。最後まで会場を盛り上げ、3日間に渡って開催された「KCON 2019 JAPAN」のラストを飾りました。「KCON 2019 JAPAN」 © CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved
2019年05月24日恋とは楽しいのはもちろんのことですが、痛みや障害もつきもの。そこで、自らがついたとんでもない嘘によって、思いがけない展開を引き起こしてしまう大人たちが主人公のラブストーリーをご紹介します。その作品とは……。フランス発の話題作『パリ、嘘つきな恋』!【映画、ときどき私】 vol. 233パリにある大手のシューズ代理店でビジネスマンとして働くジョスラン。イケメンでお金持ちということもあり、女性たちからモテていたが、彼が恋愛に求めているのは一時的な楽しさだけという軽薄な男だった。ところがある日、美しい女性ジョリーと出会い、彼女の気を引くために「自分は車いす生活だ」と嘘をついてしまう。そのことを信じたジョリーが紹介したのは、同じく車いす生活を送っている姉のフロランス。魅力的な彼女にジョスランは本気で恋に落ちてしまうが、本当は歩けることを打ち明けられずにいた。一方のフロランスにもある隠しごとがあったが、嘘から始まった恋の行方とは……?本国フランスでは1位に輝くだけでなく、5週連続トップ10入りするほどの大ヒットとなった本作。そこで、“愛の国”フランスを魅了したラブストーリーを生み出したこちらの方にお話をお伺いしました。監督・脚本・主演を務めたフランク・ デュボスクさん!今回、主人公であるジョスランを自ら演じているフランクさんは、フランスではコメディアンとしても大人気。それだけに本作にもユーモアが散りばめられていますが、記念すべき初監督作となった本作への思いや自身の経験についても語ってもらいました。―今回は、「障害を持つ人と恋に落ちたら?」という問いに惹かれて作ったということですが、障害者との恋愛に興味を持ったきっかけはどのようなことですか?フランクさん実は若いときに、僕自身がハンディキャップのある人に片思いをしていたことがあったんだ。彼女のハンディキャップは肉体的なものではなかったけれど、そういう自分の経験を推し進めてみようと考えたのがきっかけだよ。つまり、僕が言いたかったのは、人はみな同じなのに、相手のことを知る前にまず他人との違いというものに目がいってしまいがちということ。そこで、何か違う状況にある2人のラブストーリーを書こうと思うようになったんだ。―そのなかで、ヒロインが車いすという設定を思いついたのは、なぜですか?フランクさん実は、最初はカルチャーや年齢が違うような、とにかく全然違う2人というものに興味を持っていたから、肉体的な障害ということは考えていなかったんだ。でも、そのあとに母が車いす生活をすることになり、そこで気が付いたことは母にとってつらいのはハンディキャップそのものよりも他人の視線。それで、こういったテーマにしようと思いついたんだよ。―劇中では、ジョスランが女性の気を引くためにとんでもない嘘をついてしまいますが、ご自身も好きな人の気を引くために、嘘をついたことがありますか?フランクさんそういう誘惑はあったけど、女性に嘘をついたことはないよ!ただ、僕は子どもの頃に、空想ばかりしていて、飼ってもいない犬の話をしたり、自分のおじいさんが山に住んでいるとか、さまざまなことをでっち上げてはいたかな(笑)。でも、それは自分がまだ小さかったし、友達の気を引きたくてしていたんだ。―では、演じていたジョスランとご自身は正反対ということですか?フランクさん女性に嘘をつくという意味では違うけど、彼と僕に共通点があるとすれば、自分に嘘をつき、自分を偽っていた人ということかもしれないね。彼は自分を愛せなくて、自分に腹を立てている部分があるんだけど、僕の人生においても、そんなふうに自分に満足できない時期があったから、そういうところは似ていると感じていたよ。ロマンティックなシーンは妻のアイディア―とはいえ、そういった陰の部分にも女性たちは惹かれてしまうのかもしれませんね。そんなジョスランが演出する自宅デートはロマンティックで印象的でしたが、どのようにして思いついたのでしょうか?フランクさん実は、あれは私の妻のアイディアなんだ。だから、フランス人男性がロマンティックなのではなく、フランス人女性がロマンティックなんだと思うよ(笑)。今回、どうしたらキレイに撮れるかということを考えた結果、プールでラブシーンを撮ることを思いついたんだ。ただ、「障害のある人たちはどのように愛を交わすんだろう」みたいな覗き趣味のようにだけは決してしたくなかったから、そこは一番気をつけていたよ。―女性である奥さまの案ということもあり、女性がキュンとするような素敵なシーンになっていたと思います。フランクさん実は最初に妻と自宅のプールで、実験してみたんだけど、そのときは全然ロマンティックじゃなかったんだ(笑)。そこで、妻が「可動式のプールならうまくいくはずだから」と教えてくれて、最初は信じられなかったけど、結果的に素晴らしいシーンになっているよね。―ちなみに、ご自身が考えたロマンティックな演出を実践したことはありますか?フランクさん残念ながら僕はそういうことをしたことがないんだよね(笑)。でも、今回のプールでのアイディアがウケたから、機会があったら次にやってみようかなと思っているよ。ただ、問題なのは映画で使ってしまったから、「なんだ自分の映画のコピーをしているだけじゃないか」とみんなに言われてしまうことかな(笑)。―確かにそれは恥ずかしいですね……。では、いま奥さまのためにしたいこともありますか?フランクさん実は妻の誕生日のために考えているアイディアがあるんだ!彼女は船が好きなので、目隠しをしたまま港まで連れて行って、目隠しを取ったときには船の上で出航しているというのはどうかなと思っているよ。ただ、船のエンジンをかけるとガソリンの匂いがしちゃって、その時点でバレるし、子どもも一緒だから、ロマンティックな雰囲気にはならないかもしれないけどね(笑)。自分自身を信頼している人こそチャーミングな女性―奥さまがうらやましいですね。本作では、障害を抱えながらも仕事にもオシャレにも趣味にも前向きなフロランスの姿が非常に魅力的でしたが、フランクさんが女性に魅力を感じる瞬間はどのようなときですか?フランクさんまずは外見に関係なく、自分を信じている女性というのは魅力を発しているものだよね。やっぱりちゃんと自分自身に信頼を持てている人というのはチャーミングだと思うよ。というのも、それは内面からくる美しさだからね。僕自身の好みで言うと、黒っぽい髪のブルネットの女性がタイプなんだけど、不思議なことに、今回のフロランス役にキャスティングしたのは、ブロンドのアレクサンドラ・ラミー。自分の好みと反対の女性をヒロインに選んだことは、自分でも興味深いことだなと思っているんだ。ただ、好みとは違う僕にとってもチャーミングなヒロインになるのであれば、それはどの観客にとっても魅力的に映るだろうと確信したよ。なぜなら、それは彼女が内面的な魅力も持っているからなんだ。実際、アレクサンドラは素晴らしかったよ。―現場ではアレクサンドラさんと共演者でもあり、監督と俳優という立場でもありましたが、監督として演出したことはありましたか?フランクさん彼女に言ったのは、車いすでターンするときでも、『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラがドレスを着て振り返るような立ち振る舞いをして欲しいということ。そのなかでも大事なアイテムだったのは、フロランスの靴。立つことができない女性にとってハイヒールは必要ないものかもしれないけれど、それでも威厳のある美しさを持った女性であることを表したかったんだ。アレクサンドラはまさに輝くような美しさで演じてくれたと思うよ。欠点でも人と違うことを伸ばせば長所にもなる―そんなフロランスの姿に、自分なりのコンプレックスや社会的な状況に縛られて恋愛に臆病になっている女性は背中を押されると思うので、ananwebを読んでいる女性たちに向けてメッセージをお願いします!フランクさんさっきの話と繋がっているけれど、やっぱり自分を信頼することがまずは大事だと思うよ。つい自分の嫌いなところばかりを見てしまって、ネガティブに考えることもあるかもしれないけれど、そうではなくて、まずは自分で自分を好きになるということ。そうすれば、きっと他の人もあなたを好きになるものなんだ。あとは、すべてではないけれど、欠点のなかには長所になり得るものもあるはず。それは肉体的な欠点も含めてだから、とにかくいいほうに考えること。そして、人と違うところを自分で伸ばすことが大切なんだと僕は思っているよ。自分の気持ちには嘘はつかないことが大事!大人になると、つい偽りの姿を相手に見せてしまうこともあるけれど、真実の愛に出会えたとき、人はありのままの自分でいることの大切さに気がつけるはず。ウィットに富んだフランスならではの会話も楽しみつつ、いくつになっても恋することの喜びを味わってみては?思わず恋する予告編はこちら!作品情報『パリ、嘘つきな恋』5月24日(金)新宿ピカデリーほか全国公開!配給:松竹株式会社© 2018 Gaumont / La Boétie Films / TF1 Films Production / Pour Toi Public
2019年05月23日出会った女性がネタの源という横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、お肌のケアを怠らない皮膚科を頼る女性、「顔の吹き出物を放置しない女」になりきり。“ブツ”は疲れのサイン。しっかり治しましょう!私は“ブツ”と呼んでいるのですが、顔に吹き出物ができることって、誰しもあると思うんです。私はこれまで、面倒くさくて“放っておけば治るでしょ~”と、そのままにしておくタイプでした。でも、このあいだ、仕事のスタッフさんで、おでこに大きなブツができた人がいて、絆創膏のようなものを貼っていたんです。「本当は嫌だけど、貼ったほうが早く治るから」と話すのを聞いて、“ちゃんとケアをすると早く治って恥ずかしい期間が短くなるんだ”“クリームとか薬を塗れば治るのに、なぜ、我慢しているんだろう”と、今さらながらハッとさせられました。そもそも、顔は自分の看板みたいなものだからこそ大事にしなきゃいけないし、特に、口回りにできるブツは、健康状態が原因ともいわれています。そうして自分の印象を左右するものだから、自然治癒するまで放っておくのではなく、食事や生活リズムを見直し、しっかりとお手入れをして、治すことが必要だと思いました。そんなふうに肌を大事にする人の中には、定期的に皮膚科に通っている人も多いはず。お医者さんに処方してもらった薬のほうが早く治ることが多いし、顔の皮膚に合った刺激の少ない薬をもらえたりと、いいことがたくさん。ビタミン剤を処方してくれるなど、肌のことをさまざまな角度からサポートしてくれるところもあります。そんな皮膚科に頼らない手はないですよね。肌への意識を高めるためには、基本ですが、ちゃんと化粧を落としてから寝るようにする。また、“お肌のために生きる週間”を作り、その期間はお酒を減らしたり、夜中のラーメンをやめるなど努力してみるのもよさそう。顔のブツは、体が疲れている証拠。いたわって、早く治してあげましょう!よこさわ・なつこ芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。※『anan』2019年5月22日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2019年05月21日今年2月に惜しまれつつ閉店した東京・世田谷のテレビスタジオ・東京メディアシティ(TMC)内のカフェ「今昔庵(こんじゃくあん)」が、新店オープンに向けて準備を進めている。多くの芸能人や業界関係者に親しまれたマスターの福田起弘氏も、再びホールに立つ予定だ。そんなマスターに、生まれ変わる今昔庵への意気込みや、あらためて旧今昔庵への思いなどを聞いた――。オーナーである井上博之氏によると、新生今昔庵はまず、横浜・みなとみらい地区にオープン予定。従来のカフェ&レストランに加え、焼き肉(2店舗)、鉄板焼き、海鮮料理も今昔庵ブランドで開設するほか、漢方ブティック、バストケアのエステと、1つの建物で7店舗を展開し、高級車による送迎サービスも計画しているという。井上氏は、建設業や不動産業など複数の会社を経営する実業家で、今昔庵の事業を一気に拡大させる考えだ。マスターは、カフェ&レストランをメインに見ながら、他の店舗も統括店長として担当。TMC時代は、白のワイシャツを腕まくりし、胸ポケットにたくさんのボールペンを入れるスタイルでおなじみだったが、新店舗ではバージョンアップし、半袖ながらタキシードを着用、その胸にはやはりボールペンを差すという。カフェ&レストランのメニューは、名物の今昔庵オムライス、木村拓哉が愛したナポリタンをはじめ、豚の生姜焼き、バナナジュースなど、従来のものを継続。調理スタッフは代わるそうだが、マスターがレシピを伝授し、味は守られるそうだ。そんな定番に加え、観光客も意識して、ふわふわのかき氷、パンケーキといった流行りのメニューも導入するとしている。店舗面積は、カフェ&レストランだけで以前の約4倍になる見込み。これまでホールはマスター1人で仕切っていたが、従業員も大幅に増えることになる。マスターを前面にアピールする内装にして、TMCでの閉店時に脚本家の三谷幸喜からプレゼントされた似顔絵をはじめ、多くの有名人からもらった思い出の品も飾る予定だという。この急激な環境変化に、マスターは「スゴすぎるよね(笑)。個人でやってたのに、いきなりホテルの総支配人になるようなものだもん」と苦笑い。親しい客が来店すると、席にやってきて雑談しながら接客してくれていたが、今後は一般客がメインのターゲットになることから、「今までのようにやりたいけど、どこまでできるかが課題だよね」と悩ましい。みなとみらいの後には、年内に東京・青山にも店舗をオープンする予定で、マスターはこちらの専属になるという。立地的にも、今まで親しんだ芸能人や業界関係者は、より訪れやすくなりそうだ。TMCの閉店後、マスターは、BSスカパー!『田村淳の地上波ではダメ!絶対!』(2月28日)、フジテレビ『ENGEIグランドスラムLIVE』(3月30日)と番組出演。『ENGEI』では、マスターの扮装をした次長課長の河本準一とともに随所に登場し、エンディングではテンションが上りすぎた爆笑問題の太田光が転倒するハプニングもあったが、マスターは「太田くんは2人が漫才を披露する前に舞台裏で顔を合わせたんだけど、その時からいつも以上にテンションが上ってて、エンディングで(石橋)貴明が入ってきたから余計に盛り上がっちゃったんだよね」と、興奮のスタジオを振り返る。マスターも、最後にお祝いのケーキに顔を突っ込むなど体を張っていたが、「あれは全然想定外(笑)。じゅんじゅん(河本)に背中押されて、あの状態になっちゃったからしょうがないやと思って(笑)」と、自身もかなりハイテンションになっていたようだ。こうしたテレビ出演はあったものの、旧店舗閉店後はほとんど自宅待機状態だそう。それでも、「出かけた帰り道の途中で渋谷の人混みをプラプラ歩くと、業界の関係者から声をかけられることもありました。この前も、ハチ公前で街頭インタビューを受けたよ(笑)」と明かす。一方、TMCの今昔庵がなくなってしまったことで、「ルーティーンで使ってた人たちには、場所を提供できなくなったので申し訳ない」という思いも。「浜ちゃん(浜田雅功)はスタジオに来たらうちに入って打ち合わせして、一段落したら楽屋は着替えに行くだけだったのが、今はずっと楽屋にいるっていうし。TMCのそばに住んでるから、タレントさんのマネージャーさんに会うと『早く復活できなの?』と言ってくれる。そういう話を聞くとつらいよね」と本音を漏らした。新しい店舗は「一般の方がメインになるけど、その中でも今までの雰囲気でやりたいと思うので、(木村)拓哉とかもまた来てほしいね。(TMCの)閉店前に櫻井(翔)も来て『寂しいじゃんかよ』って言ってくれたから、番組のロケでも来てくれたら場所を提供したいね」と、交流のあったタレントたちの来店を期待していた。新店舗の詳細は、開設される専用サイトで公開される予定だという。TMCの今昔庵は、立ち退きという形で閉店となってしまったが、オーナーの井上氏は「こちらに非はないと思っていますが、福田がやってきた27年間を終わりにしてしまったのは申し訳ないと思ってるので、力を入れて新しい店舗を作ります」と意気込んでいる。
2019年05月21日10連休からの社会復帰で、疲れが出やすいこの時期。そんななか、あらゆる感情を刺激するオススメの衝撃作『貞子』をご紹介します。ということで、本作で姉弟役を演じたこちらの方々に撮影秘話などの見どころについてお話いただきました。写真・角戸菜摘(池田エライザ、清水尋也)池田エライザさん&清水尋也さん!【映画、ときどき私】 vol. 232今回、茉優として主演を務めた池田さんと弟の和真を演じた清水さん。話題作への出演が続いているおふたりですが、ホラーへの出演は初で、共演するのも初めて。そこで、お互いの印象やおふたりの意外な素顔を語っていただきました。―まずは、清水さんとご一緒されると聞いたとき、池田さんはどのように感じましたか?池田さん周りの役者さんから「清水くんのお芝居がいい」というのを聞いていたので、まずは純粋に楽しみにしていました。写真のイメージだと少し近寄りがたい雰囲気もあったんですけど、私の弟と似ていたこともあって、接しやすかったです。―ということは、すぐに打ち解けられたのですか?池田さん私も人見知りなところがあるので、多少時間はかかりましたね。なので、最初はなるべく遠いところからジーっと観察していました(笑)。でも、物語が進むにつれて、茉優と和真の絆が見えてくるので、それに合わせて打ち解けていった感じです。最初は仲良くなれないと思った(笑)―清水さんは、池田さんに対してどのような印象を受けましたか?清水さん僕は人見知りしないほうなのですが、初めて会ったときに池田さんから「清水くんって天才なんですよね?」と言われて、「仲良くなれないかも…」と正直思いました(笑)。言葉通りのプレッシャーがすごかったので……。―それは確かにすごいプレッシャーですね(笑)。では、それをどうやって乗り越えましたか?清水さんといっても、あとで普通に話すようになったら、本気ではなくて、コミュニケーションとしての冗談だったというのがわかったので大丈夫でした。池田さんそうですよ。「天才の方ですよね?」みたいなふざけた感じで言ったので(笑)。清水さんただ、最初はそれを読み解けるほどの親密さがなかったので、「どうしよう…」と思っていてきつかったです。池田さんでも、いまでは冗談も言い合える仲になったけどね!怖がりで台本を開くのにしり込みしてしまった―今回は、ホラーへ初挑戦となりましたが、出演のオファーが来たときはどのように感じましたか?清水さんすごく楽しみでした。やったことのないことに挑戦できるのは、純粋に新鮮でうれしかったです。池田さん普段はお話をいただいて、台本を受け取ったらその日のうちに読むようにしているんですけど、『貞子』に関しては開くのに2~3日はしり込みしてしまいました……。というのも、私は本当に怖がりなんです。でも、勇気を出して読んでみたら、ホラーではあるけれど、怖いという以上にヒューマンドラマの部分が丁寧に描かれていたので、ぜひ挑戦してみたいなと思いました。―では、ホラーは普段ご覧にはならないですか?池田さん私は見られないですね。昔、兄弟4人で一緒にホラーゲームをやっていたことはありますが、ソファに並んで座りながらお化けが出るとなったらみんなで毛布の中に隠れたりしていたくらいなので(笑)。清水さん僕は平気なので、じゃあ今度一緒にホラーを観に行きましょう!池田さん絶対に嫌です!お化けやホラーよりもとにかく虫が苦手―ということは、清水さんは得意ですか?清水さんそうですね、虫以外は大丈夫です。なので、海外版の『リング』を映画館で見たとき、虫が出てきたシーンは本当にヤバかったですね。いま思い出すだけでも汗が出てくるくらい。この作品も、虫が出てきたらお断りしていたかもしれないですね(笑)。池田さん洞窟で撮影したとき、外にはフナムシがうじゃうじゃいたよ。清水さんフナムシが一番ダメだから、そういうこと言わないでください!貞子はホラー部門の日本代表―本当に虫がお嫌いなんですね(笑)。では、貞子はどういう存在でしたか?池田さん私たちの世代は、なぜ貞子がそうなってしまったのかを知らずにきたので、ただホラーのアイコンという印象ですね。でも、そのおかげで「テレビは怖いものだ」というのが自分のなかに植え付けられてしまい、私はテレビに布をかけるようになりました。なので、私にとっては意識していなくても意識している存在かもしれないです。清水さんもし、「お化けを想像してみて」と言われたら、最初に貞子が思い浮かぶので、僕にとってもそれだけ強いイメージがついていると思います。そういう意味でも、「ホラー部門日本代表」みたいな感じですよね。だからこそ、参加できてうれしかったです。演じるうえでうそだけはつきたくなかった―おふたりとも怖がっている顔は“ホラー映え”していましたが、意識していたことがあれば教えてください。池田さん技術的に怖がっている顔をすることはできますが、「うそだけはつきたくない」というのがありました。つまり、このくらい目を見開いてと言われれば、本当にその気持ちになるくらいじゃないと嫌だったんです。なので、今回はカメラが回ってないところでも、隅っこでずっと泣き続けたり、洞窟のシーンでは誰もいない水に向かって話しかけたり……。結果、「貞子よりも私が一番怖い」みたいな感じでしたね(笑)。清水さん僕は「自分がおびえているときはこんな顔しているんだな」と思いました。初めて見る顔だったので、ちょっと笑っちゃいましたね。自分のああいう顔は見たことがなかったです。SNSは自分の立場を理解して使うべき―この作品では、デジタル社会に対する警告の部分もあると思いますが、SNSに対して怖さを感じたことはありますか?池田さんいまは情報過多な社会になってきているなとは感じています。たとえば、公式の情報ではなく、私見で書かれた記事で善悪を下してしまうこともありますし、自分の物差しで考える前に、正解を得てしまいますよね?そういうことが起きやすいのがSNSなのかなと。だからこそ、SNSを使っている人たちは、自分が発言している言葉が本当に自分の言葉なのかということをきちんと見定めて欲しいなというのは、常に思っているところです。清水さん僕は自分の家族や友達、好きな人が幸せだったらそれでいいので、他人のSNSにはあまり興味がないんです。でも、ネットリテラシーというか、自分の立場を理解したうえでちゃんとSNSを利用していかないといけないなとは思っています。―ご自分のことを検索することはありますか?清水さんそれはありますね(笑)。「かっこいい」と言ってくれる方がいればうれしいですし、ありがたい意見はありがたく頂戴しています。ただ、それ以外は受け付けないという都合のいいタイプです(笑)。いまハマっている意外な動画とは?―今回、和真は動画クリエイターという設定ですが、おふたりが思わず見てしまう動画やお気に入りはありますか?池田さん私は小鳥を飼っているので、小鳥やおしゃべりインコの動画はずっと見ています。あと、シベリアンハスキーの動画も好きですね。友達は私が好きなものを知っているので、そういう動画を見つけるとみんながどんどん送ってきてくれます。それだけでメッセージの未読が何件も溜まってしまうことがあるくらいです(笑)。清水さんホラーや海外のおバカなアクシデント動画とか、僕はけっこうなんでも見ますね。たとえば、ゲテモノ系の料理を食べているものを「無理、無理!」と言いながら見るのも好きです(笑)。あとは、スコティッシュフォールドみたいに足が短い猫が好きなので、癒し系の動物チャンネルとかも見ています。―では、この作品のために怖い映像も見ましたか?池田さんネット配信で「心霊スポットに行ってみた」という系統の動画はだいたい見ましたね。でも、なるべく昼間に見るようにしていましたし、そのあと怖くなって同級生を家に呼んでしまいました(笑)。昔から寝る前に電気を消すのが怖くて豆電球はいつもつけていますし、もともと毎日ビビッてばかりなので、それを見たことによって大きく変わったことはなかったですね。実は女性のほうが共感できる作品―池田さんのように、ホラーが苦手な女性も多いと思うので、ananweb読者へ向けて、オススメのポイントや誰と観に行くのがいいかなどアドバイスがあればお願いします。池田さん茉優は母性が強い女性ですし、家族の話でもあるので、意外と女性のほうが共感してもらえる作品だと思います。友達同士とか、グループで観て盛り上がるというのもいいですし、彼氏に甘えるきっかけを作るためのデートムービーとして観るのもいいかもしれないですね。みなさんぜひお誘いのうえ来ていただけるとうれしいです。インタビューを終えてみて……。取材中も本当の姉弟のように仲良しで、とにかく楽しそうに冗談を飛ばし合っていた池田さんと清水さん。作品とは正反対に笑いあふれる取材となりました。普段は笑顔がステキなおふたりですが、劇中では見たことのないような恐怖におののくリアルな表情を見せており、こちらも必見です!最後の最後まで容赦ない!現代ならではの問題を描きつつ、ホラーファンの期待も裏切らない本作。じりじりと迫りくる貞子の存在感に、“真の恐怖”とは何かを突き付けられるはず。劇場という最高の環境で、衝撃の最恐体験を存分に味わってみては?ストーリー心理カウンセラーとして病院で働く秋川茉優。ある日、警察に保護された記憶障害の少女が入院してくるのだった。その後、ある事件に関係があった子どもであることが判明するが、茉優は彼女に特殊能力があることを目の当たりにする。そんななか、茉優の弟である和真は動画クリエイターを目指していたが、アクセス数が激減していていたため、肝試しの動画を撮りに行くことを決意。ところが、貞子が映り込んだ恐ろしい動画を撮影したあと、和真は消息を絶ってしまうことに……。鳥肌モノの予告編はこちら!作品情報『貞子』5月24日(金)全国ロードショー配給:KADOKAWA©2019「貞子」製作委員会
2019年05月20日作家の朝井リョウさんが早稲田大学在学中に、実在する男子チアリーディングチーム「SHOCKERS」に触発されて書いた『チア男子!!』が映画化。演技力はもちろんのこと、極真空手の国際大会で優勝するなど、その身体能力の高さが見込まれた横浜流星さんが、中尾暢樹さんと共にW主演を務める。「これはハルだけではなく、7人全員の物語です」「空手を通して精神力は鍛えられたので、チアリーディングの過酷な特訓も不安はなく、“よし、やってやろう!”という感じでした」こうして、撮影の約3か月前からチアリーディングの特訓がスタート。「最初は週に2~3回の練習だったので、7人の息を合わせるのが大変だったんです。でも、撮影1か月くらい前に毎日8時間の集中合宿をしたことで、ようやく形が見えてきて。撮影後にみんなでごはんに行って、そこでいろいろ話をしたり、少しずつ団結力も高まって、これはいいものができそうだなと思えました。チアリーディングは、人に応援されるのではなく、人を応援するスポーツ。クライマックスのパフォーマンスの撮影時も、たくさんのエキストラの方が僕たちを応援してくれていたんですけど、僕は逆に皆さんの背中を押せたらいいなという気持ちでやっていました。だから待ち時間が長くて大変だった皆さんが、僕たちのパフォーマンスで笑顔になってくれた時はすごく嬉しかったです」横浜さんが演じるのは、幼い頃から続けてきた柔道をやめ、いちからチアリーディングに挑戦するハル。「僕も大学へ進学せず、この仕事一本で生きていこうと決めた時はかなりの覚悟が必要だったので、ハルが“柔道をやめてチアをやる”と決意したところはとても共感できました。この映画はハルだけじゃなくて、7人全員が葛藤を抱えているんです。ちゃんとそれを言葉にして前に進んでいく姿に僕自身もグッときて。これは7人の物語だと思っています」劇中でのチーム名“BREAKERS”には、7人の悩みや葛藤を壊したいとの思いが。ちなみに、横浜さん自身が壊したいものとは…?「自分へのイメージ(笑)。ドラマ『初めて恋をした日に読む話』の影響で、今まで以上に気にかけてくださる方が増えたのはとても嬉しいんです。でも、由利匡平のイメージが強いみたいで、役が変わって黒髪になったらどう思うのか、この先も皆さんがついてきてくれるのかを考えると怖くて…。だからこそ、ここからが勝負。いろんな役をやって“実際はどういう人なの!?”と思ってもらえるようになりたいです」才能に限界を感じ、柔道を続けるか悩むハル(横浜)。そんな時、親友のカズ(中尾)が男子チア部の創設を提案し…。監督/風間太樹出演/横浜流星、中尾暢樹、瀬戸利樹、岩谷翔吾、菅原健、小平大智、浅香航大ほか公開中。よこはま・りゅうせい1996年9月16日生まれ、神奈川県出身。俳優。前クールのドラマ『初めて恋をした日に読む話』の“ゆりゆり”こと由利匡平役で一躍大ブレイク。主演映画『いなくなれ、群青』は9月公開予定。©朝井リョウ/集英社・LET’S GO BREAKERS PROJECTジャケット¥18,000(ワイルド ライフ テイラー/ジュンカスタマーセンター TEL:0120・298・133)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年5月22日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・伊藤省吾(sitor)ヘア&メイク・永瀬多壱(ヴァニテ)インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年05月20日今年デビュー10周年を迎える池田エライザさん。モデルとしてキャリアをスタートし、いまや、女優として映画やドラマに欠かせない存在に。『リング』シリーズの最新作『貞子』では主演をつとめます。――今、さまざまな作品に引っ張りだこですが、ご自身の魅力はどこにあると思いますか?魅力かどうかはわからないですが、“ぽい”ことはやりません。たとえば学園ものなら、“学園ものっぽいな”と思う選択肢は切り捨てる。女優を始めた頃は、そういう“ぽい”ものが思い浮かばず自由にやって、それが私の個性だと褒めていただいていたんです。でも、ある程度いろいろな現場を見させていただき、選択肢が増えてくると、“あ、こういう感じね”とこなそうとする自分が出てくるので、それはやらないようにしています。あくまで日常のなかで、池田エライザとして得たものを使ってやろうとはしています。もちろん、監督に「それは違うよ」と言われたら変えますけどね。――以前のインタビューで、「こうなりたいと思うような人は作らないようにしている」とおっしゃっていた意味がわかりました。その人はもういるわけだし、自分がいかに自分を面白くしてあげられるかということに忙しいから、真似をするのは時間がもったいないなって。でも、その代わり、いろんな人のことが好きだし、どんな景色を見ているのか気になって、話を聞きたいって思います。このあいだは、YouTubeでメイク動画を配信している子に声をかけてお話をしました。かわいい子だった…!そこには、自分を過信しないように知識を得ているという感じもあります。そう、いつかは、もっと自分のことを褒めてあげたいですね。疲れた時に自分に対して頑張ったねと思うことはあるけど、“成し遂げたね~!”というのは一度もありませんから。――ご自身で編集を担当した本を出版したり、また、来年には監督をつとめる映画が公開されます。作り手の立場はいかがですか?振り返ると楽しいですけど、本当に地獄みたいな時間を過ごしますよね。モデルブックを作った時も、“今、湧いている意欲を逃したくない!”と思っていつも遅くまで作業していました。でも、それが好きなんだと思います。「手を抜いていいのに」と言われたら怒っちゃうと思う。世に出すもの、もし自分が死んだ時に残るようなものは手を抜きたくないんです。それは、お芝居をする立場としても同じ。劇場にお金を払って来ている方がいて、いろいろなことができる人生の2時間をいただいているのだから、少しでも“まあいいや”と思った作品は見せられないなと。お金を払ってもらって恐縮ですっていう気持ちがあるので、観た人を充実させるものでありたい。「申し訳ございません」から発展していったクリエイティブです。そういうところでも、すごくシャイなんだと思います。――シャイな性格は変えたい?プライベートでは、はい。だって、飲みにも行けないし。私がいないほうが場が上手く回ると思うから誘われても断っちゃうんです。――えっ!めちゃくちゃネガティブですね(笑)。間が悪いので、食い気味にしゃべったりとか、話しかけられていることに気づかなかったりして、みんながズデッとなっちゃうから。まだまだ勇気が出ないですね。偏食だし、普段は一人で同じお店の同じメニューばっかり食べています。最近は磯辺揚げとお米、前は週5~6日で鶏もも肉と柚子胡椒とお米を食べていました(笑)。――いろいろ挑戦されていますが、やってみたいことはありますか?映画監督の夢は叶ったので、編集まで駆け抜けたいです。怖がっていたバラエティも頑張りたいし、音楽も、もうちょっとちゃんと作ってみたい。楽しかったらなんでもいいです(笑)。私がやると面白くなりそうなものを、みなさんから募集したいですね。ただ、ボルダリングとかは無理です、引きこもりなので(笑)。家かスタジオでできることでお願いします!いけだ・えらいざ1996年4月16日生まれ。福岡県出身。2009年に雑誌『ニコラ』のモデルとしてデビュー。その後、映画『みんな!エスパーだよ!』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、ドラマ『ぼくは麻理のなか』をはじめ、女優としてさまざまな作品に出演。’19年は『映画 賭ケグルイ』などに出演。5月31日にはファースト写真集『pinturita』が発売。コート¥89,000パンツ¥56,000(共にAOI WANAKA TEL:03・6805・0029)靴はスタイリスト私物『貞子』ジャパニーズホラーを代表する映画『リング』シリーズの最新作『貞子』が登場。心理カウンセラーの秋川茉優(池田エライザ)は、記憶喪失の少女(姫嶋ひめか)を担当することに。しかし、ある投稿動画をきっかけに彼女の周囲で不可解な出来事が起こり始めて…。5月24日(金)から全国公開。監督は中田秀夫。※『anan』2019年5月22日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・福田春美(pinko)ヘア&メイク・豊田千恵インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2019年05月18日ドラマ『東京独身男子』で、ハイスペックでありながら、自ら独身を貫く“AK男子”(=あえて結婚しない男子)を演じる高橋一生さん、斎藤工さん、滝藤賢一さん。自由に生きる大人男子ならではのちょっぴりこじらせた恋愛観、演者はどう感じてる?劇中で3人が演じているのは、没頭できる仕事と趣味、そして高い家事能力まで持ち、友達とも充実した日々を過ごす“あえて結婚しない”男子=AK男子たち。そこで、すでに話題沸騰中のドラマの撮影裏話と、大人男子ならではの“こじらせ恋愛”について、ホンネで語っていただきました。――『東京独身男子』は、3人の独身アラフォーが巻き起こす、結婚をめぐるラブコメディ。毎回、愛すべきAK男子たちにキュンキュンさせられています!高橋:ありがとうございます。今回の現場に関しては、脚本家の金子ありささんをはじめ、女性スタッフの方が多いというのが特徴でもあるので、彼女たちの意見を完全に信じ切ってやらせていただいています。ただ、「ここがキュンポイントです!」と言われても、僕は正直あまりわからないのですが(笑)。――撮影中は、いつもどんなお話をされているんですか?斎藤:3人でわちゃわちゃ話すシーンが多いので、だいたい少年のようにはしゃいでいます。お芝居の話は皆無です。滝藤:すでに放送されましたが、第2話での温泉旅行は、楽しかったですよ。枕投げたり、温泉入ったり。斎藤:いくらナイトドラマとはいえ、放送ギリギリの危険なシーンもいろいろありました(笑)。滝藤:この3人だからこそ作り出せている空気感というのがあるんだと思います。僕は既婚者ですが、3人でいると、「独身もいいかも」とも思うことがあります。そのバランスが面白いですよね。――それぞれのキャラクターの個性もこのドラマの魅力の一つですが、ご自身の中で“AK男子”に共感できる部分はありますか?滝藤:最高峰独身男子、楽しくてしょうがないです(笑)。自分とは真逆のタイプの役柄を疑似体験できるのは、俳優という仕事のやりがいの一つだと思います。斎藤:僕もそうですね。結婚に憧れる気持ちもあるし、同時に独身の居心地の良さも知ってしまっている。個人としては、どちらにも転がれる感覚を持っていたいと思っているなかで、演じている三好のように「あえて結婚しない」という意志を固めている人間を演じさせてもらう楽しさは日々感じています。高橋:太郎を演じるうちに、少しずつ彼に引っ張られている気がするんです。とても不思議なのですが、自分の中に太郎的な感覚がどんどん入ってくるたびに、人との対話もどこか雑に…というか、“俗っぽい”感じになっている気がして。つい先日、監督から「どうしてかずな(※三好の妹)は太郎ちゃんを好きになったんだろうね」と言われた時は、まるで自分のことのようにショックを受けてしまいました(笑)。――確かに、太郎が料理上手だったり、高橋さんとリンクする部分も多いですよね。高橋:かといって、視聴者の方が“太郎=高橋一生”だと思って見てしまうことを想像すると、複雑な気持ちになる。これからもっと振り回してやろうと思います。――AK男子のみなさんのように、男性も普段から友達と恋バナをするものでしょうか?斎藤:僕は男同士でそんなに恋の話をしてきた記憶はないのですが、「自分のプライベートな事情をシェアすることで、気持ちが楽になることがある」というのは、今回の役を通じてはじめて知りました。今までは、女性がなぜ人に見せない部分をあんなに共有しているのか、ずっと謎に思っていたので。これは新しい発見でした。高橋:恋愛の話は僕もしないです。ついでに言うと、女性を口説いたこともないんです。この話を以前、別の場所でしたら、そこにいた男性陣から大バッシングを受けたんですけれど…。滝藤:ははは(笑)。斎藤:確かに、何を基準に“口説く”と言うかにもよるかな。高橋:僕の中の“口説く”とは、女性を落とすという目的のために、わざわざ普段とは違うシチュエーションを作るというイメージなんです。なんだか、それってズルくない?と思いまして…。滝藤:まあ、ムードを作るということなんでしょうけどね。高橋:ストレートに好意を伝えるだけなら、僕の中では“口説く”に入らないので、そういう意味で、僕は口説いたことがないと言っているんです。斎藤:僕もお酒は得意ではないので、異性と二人きりで飲みに行くシチュエーションになっただけで、ある程度のことを想定しているのかなとは思います。それはお互いにですけど。――ちなみに、恋の駆け引きはしますか?斎藤:相手の受け止め方というか、スタンスによりますよね。僕はむしろ、男性が口説く、口説かないというよりも、女性がすべてをわかったうえで操作しているような気がしています。滝藤:確かに、そのほうが絶対にうまくいくと思います。女性上位を常に心がけることが男としての器になってくる気がしますね。高橋:なので、女性には常に玉座に鎮座していただき…。斎藤:そうすれば、無駄な労力も使わなくて済む。本音を言えば、この年で傷つきたくないだけなのかもしれませんが(苦笑)。『東京独身男子』メガバンクに勤務する主人公の石橋太郎(高橋さん)と、審美歯科クリニック院長の三好玲也(斎藤さん)、大手弁護士事務所のボス弁である岩倉和彦(滝藤さん)はある時、それぞれの身に起きた出来事から、“結婚”を強く意識するように。順風満帆な独身人生から一転、人生の岐路に立たされた“AK男子”たちを待ち受けていたのは…?毎週土曜23:15~テレビ朝日系列で放送。たかはし・いっせい1980年12月9日生まれ。東京都出身。自身が歌う『東京独身男子』の主題歌「きみに会いたい-Dance with you-」が、6月5日にリリースされる。さいとう・たくみ1981年8月22日生まれ。東京都出身。主演映画『麻雀放浪記2020』が公開中。企画、プロデュースもした主演映画『MANRIKI』の公開が控える。たきとう・けんいち1976年11月2日生まれ。愛知県出身。数々の映画やドラマで活躍。2019年は出演映画『決算!忠臣蔵』『影踏み』などの公開が控える。※『anan』2019年5月22日号より。写真・佐藤航嗣(UM)スタイリスト・本田博仁(HirohitoHondaスタイリングオフィス)ヘア&メイク・田中真維(MARVEE/高橋さん)赤塚修二(メーキャップルーム/斎藤さん)那須野 詞(Bellezza Studio/滝藤さん)インタビュー、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年05月18日誰もが憧れる大都会にして、大人気の観光地といえばニューヨーク。そんな世界随一の街で、市民たちの生活を陰ながら支えている場所があることを知っていますか?今回はその一部始終が映し出されている話題のドキュメンタリーをご紹介します。オススメの作品とは……。注目作『ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス』!【映画、ときどき私】 vol. 231世界でもっとも有名な図書館のひとつであるニューヨーク公共図書館。92の図書館ネットワークからなる本館と分館は、まさに世界最大級の「知の殿堂」と呼ぶにふさわしいところ。市民のみならず、数々の芸術家たちを育ててきたが、本の所蔵だけでなく、デジタル社会の普及や就職活動のサポートなど、図書館という枠を超えた幅広い活動を展開している。しかし、その裏ではスタッフたちの惜しみない努力が積み重ねられていた……。みなさんのなかには、「大ヒットドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』でキャリーが結婚式を挙げようとした場所」と言えばわかる人もいるかもしれませんが、ここは人気の観光スポットとしても知られているところです。そんなニューヨーク公共図書館の実情と知られざる魅力に迫っているのが本作ですが、図書館という概念を覆される驚きと発見で満ちています。そこで今回は、舞台裏のさらに裏側を知るこちらの方にお話を伺ってきました。その方とは……。ドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマン監督!2016年にはアカデミー名誉賞を受賞し、89歳のいまなお現役で第一線を走り続けているワイズマン監督。本作は監督にとって41作目の作品となりますが、これまで傑作ドキュメンタリーを数々誕生させてきた原動力やオススメの本などについて語っていただきました。―図書館とは「ただ本が置いてある場所」という印象でしたが、ニューヨーク公共図書館は社会や地域と密接に繋がっており、その幅広い活動には驚かされました。監督も撮影するなかで印象に残っていることはありますか?監督実は私も同じように驚かされたよ。というのも、撮影を始める前はニューヨーク公共図書館の活動がこれほどまでに幅広く、多様であることを私自身も知らなかったからなんだ。幼稚園生から高校生までの子どもたちやシニア向け、さらにはビジネスのプロ向けなど、提供されているのは何千ものプログラム。図書館が本やアーカイブの保管以外に、さまざまな人種、年齢、ジェンダーに向けてこれだけのサービスをしているというのは、本当に驚きだったよ。まさに巨大な大学のような場所であり、コミュニティセンターとも言えるんじゃないかな。―監督はこれまでの作品でも、構成を決めるのは編集の最後の段階ということですが、素材もかなり膨大に集まったと思うので、そのなかで苦労されたことがあれば、教えてください。監督今回撮影して集まった素材は約150時間。それを3時間25分に編集しているけれど、長い尺の作品だけに、入れたくて入れられなかったものはないよ。私は撮影させてくれた人に対しての義理を感じているから、なるべくたくさん入れたいと思うほうなんだ。それに、彼らの仕事を正直に誠実に映し出すことができる作品を作りたかったからね。結果的に、その複雑さと多様性を映しているシークエンスはすべて取り込むことに成功したと思っているよ。規制もなくあらゆるものを撮影できた―撮影では、監督が録音も担当し、カメラマンさんと2~3人という少人数の体制でいつも行われているそうですが、撮影中に大変だったことは?監督唯一の困難といえば、ラジオがつけっぱなしになって音が邪魔するとかかな(笑)。あとは照明が足りないとか技術的なことくらいだよ。―作品では幹部の白熱したミーティングやお金の話をしているところもすべて映されていましたが、「映さないで欲しい」と言われたことはなかったですか?監督それは一切なかったよ。すごく素晴らしいことに、図書館の代表はすべてにおいて透明性を確保したいと考えるタイプの人なんだ。だから、現場で起きるあらゆることを撮影させてもらえたし、何の規制もなかったよ。それだけでなく、映画が完成するまで、関係者がチェックするようなこともまったくなかったんだ。―撮影期間は12週間とのことですが、1日どのくらい撮影していましたか?監督撮影時間は日によっても上下するけれど、平均してだいたい2~3時間ほど。ただ、図書館が開いている限りはそこにいたから、毎回10~12時間は図書館に滞在していたよ。―監督も図書館は大好きな場所でよく利用されていたということですが、いまは本離れが進んでいるので、もしananweb読者に向けて読んでおいたほうがいい文献などがあれば教えてください。監督私が好きなのは、19世紀のアメリカの小説。たとえば、ハーマン・メルヴィルやナサニエル・ホーソーン、ヘンリー・ジェイムズといったところだけど、なかでもオススメは1857年に出版された『詐欺師』。メルヴィルの小説で、『白鯨』ほど有名ではない作品ではあるけれど、現代のアメリカの生活を知りたいと思うならば、これを読んでおくべきだね。なぜなら、主人公がまるでドナルド・トランプそのもののようなキャラクターなんだ!非常に笑える作品だし、アメリカの典型的な男が描かれているから、ぜひ読んで欲しいなと思うよ。デジタルでもアナログでも結局は人間がしていること―図書館や本にはアナログなイメージがありますが、劇中ではデジタル化を進めるにあたってのやりとりも見られました。監督もアナログ編集からデジタル編集へと移行されたということで、この問題についてどのように感じていますか?監督私はアナログの編集やフィルムを使うのが大好きだったから、デジタルに変えてよくなったということはあまりないかな。作業的に少し早くできるというくらいで、作業内容としてはそれほど変わらないんだ。なぜなら、どんなツールや機材を使おうが、アナログでもデジタルでも、編集というのは人間の頭のなかでしていることだからね。―アナログのほうがお好きということは、やはり本を読むときは電子書籍ではなく、実際に本を手にするほうですか?監督そうだね、私は自分の手のなかに本を持つのが好きなんだ。自宅の書斎には5000冊もの本が置いてあるくらいだからね。読みたい本がある場合はすぐに買うようにしているんだけど、本を集めることが好きなんだ。もちろん、集めるだけではなくて、ちゃんと読んでもいるけどね(笑)。89歳でも現役でいられる秘訣とは?―数年前のインタビューでは朝は5時半頃に起きて、自転車エクササイズをしてから、10時間以上の撮影をするとおっしゃっていましたが、それだけハードな生活を続けられる秘訣を教えてください。監督健康である限りは、ただやるしかないよね(笑)。健康でなければ頭も働かないけど、逆に健康さえあれば一日中働いていても大丈夫なんだ。―その心と体の健康はどのようにして維持しているのですか?監督いま話にあったように、私は毎朝40~50分くらい自転車に乗って、腹筋などの筋トレをしているんだ。―すばらしいことですね。ちなみに、どのくらい続けているんですか?監督そうだね……、400年くらいはやっているよ(笑)!―さすが監督です(笑)。いつまでもお元気でいらっしゃる理由がよくわかりますが、これまで50年以上にわたって、ほぼ1年に1本のペースで作品を制作されているのは驚異的でもあると思います。監督を駆り立てている原動力となっているものはなんでしょうか?監督僕にもわからないけど、この仕事のおかげで悲観的にならないで済んでいるというのは、やっぱり自分の仕事が好きだということなのかな。私は自分の100%を作品に力をつぎ込むタイプで、そういう方法でしか映画作りに取り組まないんだ。自分なりの仕事の仕方や忙しくしていることが好きなんだろうね。―そのなかで、映画監督としてのやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?監督それは、「1年間で自分ができる限りの努力を尽くし、最大限に仕事をやり遂げた」と自分に対する満足感を得られたとき。そして、それを世に放つ瞬間だね。スタッフのレベルの高さには驚かされた―ちなみに、作品では図書館で働いている一人ひとりが責任と情熱とプライドを持って仕事されている姿が印象的でしたが、彼らの仕事ぶりから触発されたことはありましたか?監督私も同じところに一番感動したけれど、献身的で、知性を兼ね備えたスタッフのレベルの高さには驚かされたよ。しかも、彼らは本当に人を助けたいと心から思っている人たちなんだ。だからこそ、誰に対しても平等に向き合って、重要なサービスを提供しているんだけど、私が深く感心したのはそういう彼らの姿。そして、ニューヨーク公共図書館というのは、「アメリカが持つ最高の精神を代表している存在なんだ」と改めて感じたよ。―すでに次の作品も発表されていますが、そのほかにも新たに取り組まれている題材はありますか?監督いまはないけれど、秋ごろに1つ動き出すかもしれないかな。ちなみに、その前は舞台を演出する予定になっているから、いまはその準備をしているところなんだ。―それでは最後に、これから観るananweb読者へ向けてメッセージをお願いします。監督まず伝えたいのは、「映画を観て、自分で判断して欲しい」ということ。決して、商業的な意味だけで観て欲しいと言っているわけではないんだよ(笑)。なぜなら、ひと言では語り切れないから映画を作ったわけで、だからこそ観てもらうしかないよね。アメリカを支える“精神の源”を知る!図書館の持つ可能性や重要性に気づかされるだけでなく、仕事への向き合い方、そして文化の大切さを教えてくれる本作。まるで何冊もの本を読んだあとのように、学ぶことが多い作品であり、ニューヨークにいるかのような臨場感と感動を味わえる珠玉のドキュメンタリーです。心に響く予告編はこちら!作品情報『ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス』5月18日(土)、岩波ホールほか全国順次公開配給:ミモザフィルムズ/ムヴィオラ© 2017 EX LIBRIS Films LLC – All Rights Reserved監督写真 © John Ewing
2019年05月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「オマージュ」です。今年1月にオリジナルサードアルバム『SAITAMA』をリリースしました。たくさんの方に聴いていただき本当に感謝しています。で、いろいろレビューなどもしていただいたのですが、その中で気になる言葉があり、それを今回の議題にしたいと思います。その言葉とは「オマージュ」です。僕はいろんなタイプの楽曲を作るので、曲ごとに“これはクラブミュージックのオマージュ”“これはラウドロックのオマージュ”と、1曲ごとにっぽいと言われがち。でも、オマージュってなんなん?と思います。確かに以前、星野源さんにも「岡崎体育は、いろんな音楽ジャンルのおいしいとこ取りをするのが上手」と褒めていただいたことがあるし、浅く広くですがいろんなジャンルの音楽を好きで聴いてきたから、その影響を受けていることは間違いないです。でも、楽曲を作るときに「よし、今回はこの感じをオマージュしたるぞ!」と作るわけではないです。現代のミュージシャンで、聴いてきた音楽に影響を受けていない人などいないと思うので、すべてのミュージシャンはオマージュの塊であると言えると思うんです。パンク一筋のパンクバンドも過去にいたパンクバンドのオマージュをしているはずです。でも、ことさらに「それはオマージュだ!」とは言われない。そんな中で、僕が「オリジナル」と言われずに「オマージュばっかり」と言われてしまうのは、やはり手広くいろんなジャンルの音楽をやっているからなのでしょうか。だって、パンクバンドの方はアルバムの中にわざわざ1曲ヒーリングミュージックを挟んだりしませんから。僕のそういうメタ的な制作スタイルが、批評をする多くの方たちに、岡崎体育は常に他者を強く意識して音楽を作っていると勘違いさせているのかもしれない。でも、実はそんなことはないんです。“こういうの、ちょっとやってみよ”くらいのテンションです。以前、ある音楽評論家の方に「岡崎体育は新しいパンク精神を持ったアーティストだ」と言っていただいて腹にすっと落ちたことがありました。そうなんです。僕は過去をトレースしたいんじゃない。ネタ元があるならもっと自由に裏切りたいし、ジャンルにだって縛られたくない。オマージュと言われるより、これ、岡崎体育らしいねと言われるものをもっと確立したいんです。…で、オマージュってどういう意味?おかざき・たいいく6/9(日)、さいたまスーパーアリーナにて単独公演「JINRO presents 岡崎体育ワンマンコンサート『BASIN TECHNO』」を開催。5/27には、マイナビBLITZ赤坂で公開リハーサルも開催!※『anan』2019年5月22日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年05月17日世の中には、ときに目を疑うようなニュースも駆け巡りますが、今回ご紹介するのもまさにそのひとつ。アメリカで起きた驚くべきある強盗事件の全貌を完全映画化したオススメの話題作です。それは……。まさかの衝撃が走る『アメリカン・アニマルズ』!【映画、ときどき私】 vol. 230アメリカのケンタッキー州で退屈な大学生活を送っていたウォーレンとスペンサー。“普通の大人”になりかけていることを感じていた彼らは、大学の図書館に時価12億円もの巨大な画集「アメリカの鳥類」が保管されていることを知り、盗み出すことを思いつく。「本が手に入れば、最高の人生になる」と確信したら彼らは、犯罪映画を参考に強奪計画を立て始めることに。はたして、彼らは成功を手にすることができるのか。待ち受けている運命とは……?普通の大学生が実際に起こした驚愕の事件がもとになっている本作。ストーリーも普通ではなければ、映画としても稀有な作品となっており、注目必須の1本です。ということで、こちらの方に舞台裏などについてお話を伺ってきました。その方とは……。イギリスのバート・レイトン監督!ドキュメンタリー作家としても才能を発揮し、高く評価されているレイトン監督ですが、長編ドラマを手がけたのは今回が初めて。「ハイブリッド・クライム・エンタテインメント」と名付けられた本作では、事件を起こした本人たちを随所に登場させるというドラマとドキュメンタリーを掛け合わせた斬新な手法を取っています。そこで、実際に事件の“標的”となった画集のレプリカとともに、制作過程での苦労や監督が伝えたい思いについて語ってもらいました。なぜ若者たちが事件を起こしたのか知りたかった―まずはこの事件を知ったきっかけと、どのようなところに興味を持ったのかを教えてください。監督アメリカからイギリスへ向かう飛行機のなかで雑誌を読んでいて、そこでたまたま目にしたんだ。でも、読んだ瞬間におもしろいなと感じて魅了されたよ。僕が何よりも興味を持ったのは、犯人である若者たちには多くのチャンスがあり、教養もあって、恵まれた環境で育っていたのに、なぜいかにも大失敗に終わりそうな計画に挑んだのかということ。しかも、それによって人生の選択肢が狭まってしまうかもしれないのに、そこまでのリスクを冒してでも、この事件を起こそうとしたところに関心を持ったんだ。―本作には本人たちも登場しますが、彼らとはどのようにして接触することに成功したのですか?監督いまから6~7年くらい前、まだ彼らが刑務所にいた頃に初めて手紙を送ったんだ。そして、そこでやりとりした手紙の内容をもとに書いたのが、最初の脚本。その後、プロデューサーがアメリカに行って刑務所で彼らに会ったんだけど、そういうことを数年は続けていたかな。インタビューの映像は、刑務所から出てきて初めて撮らせてもらったんだけど、今度はその映像をもとに脚本を修正していくという形を取ったんだ。本人たちを説得するのには時間がかかった―もし私だったら、犯罪に関わる過去を映画化されることも、自分が映画に出ることにもかなり躊躇すると思いますが、本人たちはどのような反応でしたか?監督もちろん、彼らを説得するのにはある程度の時間は必要だったよ。というのも、彼らにとっても、彼らの親にとってもつらい過去だったからね。特に、親は「大切に育ててきた自分の子どもがまさかこんな犯罪をするなんて……」というショックがあったと思うよ。実際、犯罪が起きた当時、事件のことがテレビや新聞で報じられても、彼らの両親は自分の子どもが犯人だというのは知らなくて、知ったのは事件から数か月後。だからこそ、ショックもかなり大きいものだったんじゃないかな。―そんななかで、どのようにして説得していったのか教えてください。監督彼らもどんな映画に仕上がるのかわからなかったから、最初は不安を抱いていて、懐疑的だった。だからこそ、時間をかけて信頼関係を築いていくように心がけたよ。出演に承諾してくれたあとは、「ヒーローとしては描かない」「真実をそのまま伝える」「反面教師的な作品にする」という僕の意向も理解してもらうことができた。それに、コメディ要素の多いいわゆるハリウッドのような作品には仕上がらないという部分も気に入ってもらえたのがよかったと思っているよ。ギブアンドテイクで信頼関係を築いていった―そういった努力の甲斐もあり、彼らからリアルな表情を引き出していらっしゃったと思いますが、信頼関係を築くために、具体的にどのようなことをしていったのでしょうか?監督僕はドキュメンタリーを作っていたというバックグラウンドがあったから、どうすれば人の心を開くことができるのかというのは経験上なんとなくわかっていたんだ。たとえば、相手に心を開いてもらうためには、まず自分が心を開かないといけない。だから、僕がどういう人生を歩んできたのか、家庭やプライベートがどういうものなのかというのをすべて明かしたうえで、彼らに話を聞くことが必要だった。つまり、ギブアンドテイクのような感じだね。そうやって信頼し合える関係を築いていったんだ。ただ、彼らにとってはすべてを吐き出すことで楽になれるから、セラピーのようだったかもしれないね。とはいえ、セラピストが僕と違うのは一線を引いているところ。セラピストは自分のことは明かさないからね。―そのような方法を取ったからこそ、彼らと密なやりとりができたとは思いますが、実はいま日本では死刑囚とジャーナリストが獄中結婚したことが非常に話題となっています。少しケースは違うとは思いますが、監督も取材対象者に心を開きすぎるあまり、相手に共感しすぎてしまうようなことはなかったですか?監督それはすごく興味深い話だね。僕も彼らのことを知っていくうちに感情移入をしていったけれど、必要以上に同情的な視点で描こうとはならなかったよ。もしこれがドキュメンタリーだったらプロセスが異なるから、もう少し違った結果が生まれたかもしれないけどね。というのも、今回は「実話を伝える新しい手段」というのを求めていたからなんだ。自分もその場にいたら計画に参加していた―では、彼らに対してはどういった思いを抱いていますか?監督彼らはバカげた行為によって人生を無駄にしてしまったところもあるけれど、刑務所で7~8年も過ごして十分に代償は払ったと僕は思っているよ。実際に彼らも後悔していたから、僕もそういう人間的な部分はできるだけストレートに描くように意識していたんだ。あと彼らに求めたことは、「言い訳をさせない」「偽りのことを言わせない」ということ。でも、事件から10年経っていることもあって、彼ら自身も変わったところがあるんだなとは感じたよ。―観客が彼らに共感できる部分といえば、お金だけが目的ではなく、「退屈な生活から逃げ出したい」とか、「特別になりたい」といった彼らの心情ですが、もし監督が彼らの友達で事件に誘われていたら参加していたと思いますか?監督この質問は初めて聞かれたけど、おもしろいね!やっぱり「彼らに加わりたい」という衝動に駆られていたとは思うよ。なぜなら、彼らが描くファンタジーの世界にも、秘密を持つということにも、ああいった計画を企てていくゲーム感覚の部分にも、惹かれてしまうだろうなと想像できるからね。とはいえ、願望としては、スペンサーのように行き過ぎる前にストップをかける強さが欲しい。ただ、夢想家のウォーレンはワクワクした人生を求めている人物で、周りを魅了する力があるから、僕も彼に引き付けられてしまったんじゃないかな。それに、彼らのように何も起こらない郊外の町という環境で暮らしていたら、そこから逃れる方法やそれを変える何かを求めてしまう気持ちになってしまうだろうね。だから、何らかの形で参加していたかもしれないだろうなとは思うよ。大切なのは自分のために生きること―その後、彼らは刑務所で「あらゆる期待から解き放たれて自由だった」と語っていたというのには驚きました。つまり、いい子だった彼らも周囲からの“見えない力”に苦しんでいたのかなとも思いましたが、同じように感じている人に向けてアドバイスなどがあればお願いします。監督いまの時代は、インスタでどれだけ“いいね”をもらえるかとか、Twitterでいかに自分がおもしろい人生を送っているかをアピールできるか、みたいなことに意識が集中してしまっているよね?でも、それによって生まれる危険性は、「自分に正直に生きられない」「人に注目されて、好かれるために生きている」「ステータスを上げることだけを考えている」といったこと。そういう風潮になってしまっているからこそ、“普通であること”を受け入れられない社会が築かれてしまったんだ。それだけでなく、SNSで有名人やお金持ちがより身近な存在になっているだけに、自分もそこを目指すことができるし、目指さなければいけないといったプレッシャーを感じてしまうんだよね。でも、実際そうやって手に入れたステータスというのはあくまでも幻。それよりもプレッシャーを跳ね返し、自分のために生きることが大切なんだ。ぜひ、それに気づくことの必要性も伝えたいなと思っているよ。普通じゃない展開から目が離せない!実話とは信じがたい展開とスタイリッシュな映像や音楽によって、見たことのない作品が誕生。さらに、ツッコミどころ満載な登場人物たちにも、思わず虜になってしまうはずです。退屈な生活から逃げ出したいと思うなら、まずはこの前代未聞の事件の目撃者になってみては?圧倒的な予告編はこちら!作品情報『アメリカン・アニマルズ』5月17日(金)より、新宿武蔵野館/ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開配給:ファントム・フィルム© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018
2019年05月17日昨年だけで7本の作品に出演するなど、映画を中心に女優として快進撃を続ける池田エライザさん。演技力はもちろん、肌を見せるような色っぽい役柄も演じるなどチャレンジングな姿勢でも注目を集め、さまざまな表情で私たちの心を魅了している。そんな彼女が、ジャパニーズホラーの金字塔ともいえる『リング』シリーズの最新作『貞子』で、主演をつとめることに。――20年以上の歴史を持つ人気シリーズの主演です。いつもはお仕事をいただくとすぐに作品の内容に目を通すのですが、今作は書かれていた「貞子」という文字が怖くてなかなか読めず…。普通なら翌日にはお返事をするのに、2日もかかりました(笑)。中田(秀夫)監督には「お会いしてお話ししたいです」と伝え、オファーしてくださった理由や、物語で伝えたいことなどを伺って、最終的に演じることを決めました。――中田監督がオファーをされた理由は何だったのでしょう。演じる秋川茉優は貞子に立ち向かっていくのですが、そうして逞しくなっていく女性を描くということを考えて、声をかけていただいたと。あと、「おめめが大きいね」と言われました(笑)。――たしかに、作中ではエライザさんの大きな瞳から、恐怖をはじめ茉優のさまざまな感情が伝わってきました。ホラー作品だからこそ気にしたことはありましたか?監督に本読みの段階で言われた、“セリフを立てる”ことです。音楽も強く入ってくる中で、観ている人の心が沸き立つように意識しました。ほかにも、このアングルに対してこのくらい目を見開くとか、その都度、監督が細かく言ってくださいましたね。これまでは、自然体で演じているところを切り取るという、日常の延長のような作品が多かったので、慣れるまでに時間がかかりました。どうしたらみなさんがドキドキするかなとか、“やめてやめて!”って思うのかとか、観る人が恐怖で心を高ぶらせるような演出を考えて、あれこれやって。悪趣味ですよね(笑)。監督が指揮をとって現場をまとめているんですが、その熱量についていく形で、スタッフもみんな魂をかけて撮っていたんじゃないかな。それぞれが、作品と雑に向き合うことは絶対にあっちゃいけないと、自分のことを顧みずにやっていた。でも、それこそが映画や何かを作る上で一番、楽しい瞬間かなと思うし、私はそういうことが好きだと感じました。――モデルや女優として表現することは好きですか?クセですね、好きというよりも。エゴかもしれないけれど、何かを吸収したら発信したいなって思っちゃう。インプットをためておけない気質で、この仕事をしていなかったら爆発しちゃうんじゃないかって思います。脳みそで思ったり感じたことを消化するために、いろんなことをするというか…。脳みそに支配されてる(笑)。もともと母が歌を歌っていたり、フィリピンのおじいちゃんおばあちゃんも役者をやっていたりと、表現することが否定されず許される環境があったからだと思います。ただ、本当は表現したいのにすごくシャイだから、真っ先になりたいと思ったのは表に出なくていい小説家でした。いまだに、映画に出る時に名前を出すのがすごく恥ずかしくて、エンドロールで自分の名前が流れるとビクッてしちゃう。ふとした時に、“あれってエライザだったんだ”と思ってもらえるくらいがちょうどいいです。でも、素の自分を見せるよりも、お芝居をしている時のほうが、呼吸は楽。――呼吸が楽、とは?たとえば22歳の役を演じるのであれば、台本が来てから演じるまでの期間で、22年の人生を埋めていきます。それができた時には突き詰められた喜びがあるし、ピュアに嬉しい。でも、舞台挨拶とかは、どんな声でしゃべればいいのかさえわからなくて…。“低い声のほうがいいのかな、でも低いと怖いから高いほうがいいかな”とか考えてしまう。最後は“まあいいや”ってなるんですけど(笑)。――役割が与えられたほうが動きやすいんですね。お芝居は楽しいものですか?簡単に楽しいと思えないところが好きです。楽しいと思っているうちは不安かもしれません。余裕があるのは素晴らしいことだけど、余裕もなくワーッとやって、あとで振り返った時に楽しかったと思えるくらいがちょうどいい。安易な楽しみと言うのはおかしいけど、そういうのはプライベートでいいと思うんです。趣味で陶芸教室に行くんですけど、そういう時は難易度の高いものに挑んだりせず、初心者コースを選びます。ガラスを使うような大変な工程は、先生に「やってやって!」って言うし(笑)。でも、お芝居はやっぱりお仕事だから、もっとチャレンジしてもいいのかなって。残機はたくさんあるから、何度穴に落ちたとしても“マンマミーア!”って頑張れます(笑)。――強い!(笑)タフな性格は昔からですか?いえいえ、全然全然!“私だけが大変な思いをしている”と思い込んでいたザコキャラのような時代は、打ったら折れちゃうみたいな感じでした。でも、映画に携わるようになり、撮影部さんも録音部さんもみんな、ある種、命を削りながら物作りをしているのを見て、みんな同じ方向を見て同じものを作っているんだなと気づいた時にタフになったというか…。みんなが同じようにしんどい中で脳みそを動かして、自分ができることをやっている環境がすごく好きでドキドキする。そこからは割と逞しいです。私、仕事では、好きになるとどこまでも尽くしたくなっちゃうみたいで。“私にできるなら!”って。1ミリでも心が動いたら、そこに便乗したいと思う。自分がやりたいとか、いいなと思ったことを、自分の物差しで判断してやっていけたらいいなと思っています。いけだ・えらいざ1996年4月16日生まれ。福岡県出身。2009年に雑誌『ニコラ』のモデルとしてデビュー。その後、映画『みんな!エスパーだよ!』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、ドラマ『ぼくは麻理のなか』をはじめ、女優としてさまざまな作品に出演。’19年は『映画 賭ケグルイ』などに出演。5月31日にはファースト写真集『pinturita』が発売。コート¥89,000パンツ¥56,000(共にAOI WANAKA TEL:03・6805・0029)靴はスタイリスト私物『貞子』ジャパニーズホラーを代表する映画『リング』シリーズの最新作『貞子』が登場。心理カウンセラーの秋川茉優(池田エライザ)は、記憶喪失の少女(姫嶋ひめか)を担当することに。しかし、ある投稿動画をきっかけに彼女の周囲で不可解な出来事が起こり始めて…。5月24日(金)から全国公開。監督は中田秀夫。※『anan』2019年5月22日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・福田春美(pinko)ヘア&メイク・豊田千恵インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2019年05月16日シリーズ累計2000万部を突破した佐伯泰英氏の人気時代小説『居眠り磐音(いねむりいわね)』が映画化された。凛々しい侍姿で主人公の坂崎磐音を演じたのは、松坂桃李さん。じつは時代劇主演は初めてだというが、自身の胸中には、ある思いがあったのだそう。好きな人と一生会えない悲しさはある種美しい。「俳優デビュー作のドラマ『侍戦隊シンケンジャー』からちょうど10年で、時代劇で侍をやることになったので、1周回って不思議な縁を感じました(笑)。もう1回、侍に戻るというのがうれしくて、最初はそんな意気込みから入りましたね」物語の舞台は江戸時代。ある事件により琴平(柄本佑)と慎之輔(杉野遥亮)の2人の大切な幼なじみを失ってしまった磐音は、許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩し、すべてを失って浪人の身となった。長屋の主人の紹介により昼は鰻屋、夜は両替屋の用心棒として働き始める中、幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれていく。「磐音は、普段はおっとりした性格で周りに流されやすい男。でも、守るべきものに危険が及ぶと、剣客として腕前を発揮する。磐音を演じるにあたり、その空気がガラリと変わる緩急をまず大事にしなければいけないと思いました。それから、佑さんとは8年ぶりの共演になるんですが、日頃からプライベートの付き合いがある中でこうやって共演できてうれしかったですね。立ち回りのシーンでは、剣のひと振りがひとつのセリフになっているように感じて、言葉はなくてもこんなに会話できるのかと知れたのも、相手が佑さんだったから」時代劇映画と聞くと、アンアン世代は難しそうだと思うかもしれない。「僕もはじめは、距離があるかも…と思いました。携帯電話がない時代、気軽にやりとりができないからこそ、感情が高まる瞬間があったり、危ないことがあったら剣で斬るしか手段がなかったり。いつでも死と隣り合わせだという葛藤は、現代劇にはないですから。でも実際に演じてみると、今の僕たちにも共感できる感情も多いし、例えばお互いに生きているのに好きな人と一生会えない悲しさみたいなものは、ある種美しいし素敵だなあと憧れました。それから、言葉の使い方もそうなんですが、ひと言を発するまでの“間”に、緊張感や思いの強さが込められているというのがわかると、ますます時代劇って面白いんです」磐音は、時代劇の新たなヒーロー像にもなりうると松坂さん。「武士や侍って、剣を抜いていなくても鋭さが漂っているイメージだったから、普段はなかなかのお人好しで、一度剣を抜けば優秀な剣客だという磐音のギャップは新しいと思います。時代劇とはいえ、物語もシンプルでわかりやすく、テンポもいい。時代劇初心者にもきっと楽しんでいただけると思います。僕自身も、この先40代になっても時代劇に参加できる役者でいたいですね」『居眠り磐音』普段は温厚な磐音は、独特なスタイルながら剣の腕前は一流。浪人となり江戸で出会った大切な人々を守るため、悪に立ち向かう。出演/松坂桃李、木村文乃、芳根京子ほか5月17日より全国公開。©2019映画「居眠り磐音」製作委員会まつざか・とおり1988年10月17日生まれ。ドラマ『パーフェクトワールド』(CX系)放送中、映画『新聞記者』は6月28日、『蜜蜂と遠雷』は10月4日公開予定。ジャケット¥48,000(オーラリー TEL:03・6427・7141)シャツ¥48,000パンツ¥58,000(共にフランクリーダー/マッハ55リミテッドTEL:03・5413・5530)シューズ¥44,000(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティックTEL:03・5808・7515)※『anan』2019年5月22日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・小林 新(UM)ヘア&メイク・高橋幸一(Nestation)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年05月15日人生には大きな決断を迫られる瞬間は、誰にでも起こりうるもの。そこで、激動の時代のなかで、人生を左右する重大な分岐点に立たされたある学生たちを描いた話題作をご紹介します。その作品とは……。衝撃の実話『僕たちは希望という名の列車に乗った』!【映画、ときどき私】 vol. 2291956年、東ドイツの高校に通っていた青年テオとクルト。ある日、列車に乗って訪れた西ベルリンで、自分たちの国と同じくソ連の影響下に置かれていたハンガリーのニュース映像を目の当たりにする。自由を求めて立ち上がるハンガリー市民に共感した彼らは、授業中に2分間の黙とうをすることをクラスメイトたちに提案するのだった。純粋な哀悼の気持ちで実行した彼らだったが、東ドイツでは「社会主義国家への反逆」とみなされ、国家を敵に回す一大事へと発展してしまう。彼らを待ち受ける未来とは……?本作は、ディートリッヒ・ガルスカ氏の実体験を綴ったノンフィクションをもとに映画化された注目作。そこで、完成までに緻密なリサーチを重ねて作り上げたこちらの方にお話を聞いてきました。ドイツ映画界の気鋭ラース・クラウメ監督!前作『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』でも高い評価を受けているクラウメ監督は、今回も実話に挑戦。制作過程で感じた思いや自身の若い頃の経験などについてなどを語ってもらいました。―未成年の若者たちがたった数分間の黙とうを捧げただけで、ここまでの政治的弾圧を受けたという事実に観客は衝撃を覚えると思いますが、監督が最初にこの話を聞いたときはどのように感じましたか?監督僕が初めて知ったとき、実はあまりショックはなかったんだ。というのも、ドイツの歴史にはもっと恐ろしい出来事もたくさんあったから、ドイツ人としては正直言って「そういうこともあるよね」くらいの感じだったよ。実際、ドイツ中で作品を見せて話を聞いてみると、「自分の学校や職場でも似たことが起きました」といった反響がたくさんあったくらい。ただ、僕にとって興味深く感じたのは、学生たちが連帯したこと。こういう経験をしたとみなさん話してはいたけれど、劇中の学生たちのように独裁的な体制に対して立ち上がったという方がとても珍しいことだったんだ。たから、僕もこのストーリーのなかでも、その部分が一番強いところだと感じているよ。観客のリアクションは面白いものがあった―ドイツでは歴史的な実話を描いた作品は数多くありますが、1950年代はあまり注目されて来なかった時期。それにも関わらず、監督は前作と本作でいずれもこの年代を描いていますが、その理由を教えてください。監督映画ではなかなか50年代が描かれることがなかったからこそ、どちらの作品もドイツの観客のリアクションはとてもおもしろいものがあったよ。というのも、戦後のドイツが東と西それぞれでどのように社会再建をし、どうやって政治的な秩序を作り直したのかということが知られていなかったからなんだ。それがこの2作品のテーマでもあるけれど、特に今回は生徒たちが大人の社会の決まりみたいなものを破ったことがみなさんに響いた部分もあったと思うよ。今回は批判を受けることもなかった―本作の舞台は東ドイツですが、監督は西ドイツの出身。リサーチをされるうえで、これまで西ドイツから見て感じていた東ドイツと印象が変わることもありましたか?監督社会における「個」の概念が違うというのは、非常に興味深かったところかな。というのも、やはり自分は西側で育っているから資本主義的な考え方にのっとった「社会における個人とは何か?」という考え方に慣れているけれど、劇中で描かれているのは社会主義国としての社会。実際、ドイツが分断されたとき「東ドイツは社会主義国になりました」と突然言われて、東ドイツの人たちは「自分で選んだわけではないけれど、新しい政治的体制がそういうものであれば個人よりも社会という集合体に重きを置くやり方を試してみよう」と思っていたんだ。僕はリサーチをするまでは、彼らがそんな葛藤を持ちながら向き合っていたことは知らなかったから、そういう姿を見ることができたことは一番の驚きだったよ。ちなみに、東ドイツの題材を西ドイツ出身の監督が作ると、批判を受けることもけっこうあるんだけど、原作者のディートリッヒさんと密にコラボレーションしていったおかげか、今回はそういった声を聞くことはなかった。それだけ旧東ドイツの人たちにとっても、リアルに感じてもらえたということじゃないかな。タイムレスなものを目指していた―本作では、ドイツが恐ろしい過去から新しい未来に移行しようと模索する話であり、世代間にある価値観の違いといったものなどが描かれていますが、いまの時代にそういったことを描きたかったのはなぜですか?監督すべては『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』から始まっていることでもあるけれど、どちらの作品にも共通している映画のモチーフとしては何かに対する反抗心や抗議すること。ナチス政権のあとにどんなふうに社会を再建していったのかということについても、深く洞察できる内容だと思ったんだ。ただ、歴史的な物語をそのまま描くだけでは単なる歴史の授業のようになってしまい、映画にするまでもないよね?だからこそ、そこに人間的な価値観や言論の自由、さらには連帯することという普遍的なものをプラスして、タイムレスなものを目指したんだ。監督が自らを投影したキャラクターとは?―まさにその“普遍性”という部分がいまの観客にも響くところであり、「自分だったらどうするか?」と考えさせられました。監督も共感できるような自分に近いキャラクターなどもいたのでしょうか?監督僕の分身と言えるのはテオ。実は、僕も17歳くらいのときに政治的な抗議活動に参加していたことがあるんだけど、その理由はそうすれば好きな女の子が僕に関心を持ってくれると思ったから(笑)。本当は政治には興味がないサッカー青年だったんだ。だから、劇中のエピソードには僕の体験から来ているところもあるんだよ。自分だったらどうするかは、「彼らと同じように連帯感を持って立ち上がっただろう」と言うのは簡単だけど、やっぱり実際にその場にならないとわからないと思うよ。たとえば、頭でよくないとわかっていることでも、僕もスマホを使いまくってしまうし、必要のないものを消費してしまうことも多いからね。数日間で自分の未来像が変わったことがある―本作ではたった2分が彼らの人生を変えてしまいますが、監督にとってもひとつの出来事で人生や考え方が変わったしまった経験があれば教えてください。監督もちろん、人生においてそういう瞬間はたくさんあったよ。彼らと同じくらいの年齢の頃、僕は写真家になりたいと思っていたんだ。そんなとき、ベルリンの壁が崩壊して、ルーマニアから来た先生にルーマニアの状況がよくないことを教えてもらい、学校で寄付を募って、それをトラックに積んでみんなで運んだことがあった。僕は記録係として写真を撮っていたんだけれど、そこでルーマニアの人たちがどんな状況で暮らしているのかを初めて自分の目で見て、すごく心に刻まれたんだ。それがフォトジャーナリストになりたいと思うようになったきっかけ。たった数日間の滞在だったにも関わらず、そこで自分の未来像が完全に変わったんだけど、そういった瞬間は誰にでもあるものだと思うよ。希望を胸に未来へ走り出す!日本人にとってはあまり知ることのできない歴史的背景を舞台にしているものの、描かれているのは人として正しい行いとは何かという時代を超えた価値観や仲間との絆。実話だからこその心揺さぶる展開と、それを体現する若手俳優たちの熱演からも目が離せない1本です。胸がザワつく予告編はこちら!作品情報『僕たちは希望という名の列車に乗った』5月17日(金)、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス©Studiocanal GmbH Julia Terjung
2019年05月15日女優・葵わかなさんの「うちのにゃんこ自慢」。こちらまで思わずキュンとしてしまうような、仲睦まじい様子をお届けします。「この独特の丸いフォルム、ふわふわの毛、人間にはない耳の位置、しっぽ…もう、全部がたまりません。親バカ的視点ですけど、猫である時点でかわいくて仕方がないんです」メロメロの様子で自身の“猫愛”を語る葵わかなさん。中学2年生の時に実家で猫のちゃろさん(今回は家でお留守番)を飼い始めたのがきっかけで、無類の猫好きに。「もちろん1匹でも楽しいですが、私はずっと多頭飼いに憧れていたので、母に『もう1匹飼わないの?』と常々プッシュしていました(笑)。その念願が叶って、去年の秋に知り合いが保護した子猫を譲り受けることになったんです」それが、今回登場してくれた三毛猫のみろさん。まだ生まれて10か月と子どもであるものの、成猫と見間違えるほどの体格で貫禄たっぷり!「みろは本当に食べるのが大好きなんです。2匹のごはんを同じ場所に置いていたんですが、ちゃろは痩せていくのにみろがどんどん太っていって…。気づいたら、みろがちゃろの分まで食べていたんです!」そういういたずらっ子なところも愛おしく思ってしまうのが親心。「今は一人暮らしをしているので、実家で猫に会うのが楽しみ。いつか私も自分の家で飼いたいですし、老後もずっと猫といたいです(笑)」あおい・わかな1998年6月30日生まれ、神奈川県出身。趣味は「猫を愛でること」。今秋より全国公開予定の映画『任侠学園』に出演。みろ三毛猫。生後約4か月の時に保護される。いたずらが大好き。ブラウス¥20,000(メゾン ド ソイル/メゾン ド ソイル 恵比寿店 TEL:03・5773・5536)スカート¥35,000(オニール オブ ダブリン/ビューカリック&フロリック TEL:03・5794・3553)サンダル¥81,000(フラテッリ ジャコメッティ/ビームスハウス 丸の内 TEL:03・5220・8686)靴下はスタイリスト私物※『anan』2019年5月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・岡本純子(アフェリア)ヘア&メイク・竹下あゆみ取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年05月14日女優として、ドラマや映画、CMと大活躍の夏帆さんの日々を癒すのは、愛する猫さまでした。凛とした美しい顔立ちに、ふさふさの毛並み、まるで白い靴下を履いたような小さなあんよ…。ノルウェージャンフォレストキャットのもちこさんが夏帆さんの家にやってきたのは、1年と少し前のこと。「ずっと猫と暮らす生活に憧れていたんです。それで、ノルウェージャン専門のブリーダーさんのところで何匹か見せてもらいました。他の猫ちゃんは抱っこすると怖がって逃げてしまうのに、もちこだけはギュッと私に抱きついてきたんです。すぐに『この子だな』と決めました」物怖じしない性格で、順応性の高さは人(猫)一倍だそう。確かに、撮影前は緊張で動けないほどだったのが、気づけば意気揚々とスタジオ内を闊歩。リラックスした表情で日向ぼっこをするまでに!「家でも、ぱっと見るとお腹を出して寝ているんです。あと最近は、私が髪をブラッシングしていると、自分もしてほしいのかすり寄ってきたり。その姿が本当にかわいくて…」昨年の秋には、同じノルウェージャンの女の子・こむぎさんを迎え入れ、より家の中が賑やかに。「こむぎはもちこが大好きみたい。いつも2匹でじゃれあって遊んでいます。ずっと見ていても飽きないし、日々癒されています。猫たちのおかげで生活が豊かになりました」かほ1991年6月30日生まれ、東京都出身。5/22~26に5夜連続で放送されるドラマスペシャル『白い巨塔』(テレビ朝日系)に出演。もちこノルウェージャンフォレストキャット。流れる水を見るのが趣味。シャツ¥49,000デニム¥29,000(共にアンスクリア/アマン TEL:03・6805・0527)サンダル¥120,000(ジャコメッティ/ブラミンク TEL:03・5774・9899)※『anan』2019年5月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・清水奈緒美ヘア&メイク・石川奈緒記取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年05月14日男と女はわかり合えない!?大人男子の“こじらせ恋愛”。ドラマ『東京独身男子』で、ハイスペックでありながら、自ら独身を貫く“AK男子”(=あえて結婚しない男子)を演じる高橋一生さん、斎藤工さん、滝藤賢一さん。お三方に「結婚」についてお話を聞きました。――高橋さん、斎藤さんは独身ですが、結婚を意識する瞬間はありますか?高橋:やっぱり、滝藤さんを見るたびに「家族っていいな」とは思います。お子さんのお迎えに行ったり、一緒に遊園地に行ったり、という話を聞くたびに滲み出る“いいお父さん”感がたまらないんです。斎藤:素晴らしいお父さんだし、素晴らしい旦那さんですよね。僕は、まだ優先順位がどうしても“自分”になってしまうのですが、自分以上に優先するべき対象がいる人の底力みたいなものを感じます。理想的な夫像を近くで見させていただいているというか。高橋:僕は“あえて結婚しない”とは言いません。ストレートにKD(結婚できない)男子です。僕には無理だなと思いました。――そこまで言わなくても(笑)。滝藤:それを言うなら、僕もKD男子かな。“子だくさん男子”の意味ですけど。斎藤:さすが、4児の父!でも滝藤さん、少し前にテレビ朝日の入社式に3人でゲスト登壇させていただいた時も、「奥さんと改めて恋愛がしたい」と仰っていましたよね。それを聞いて、男性としてもやはり素敵な方だなと思いました。高橋:ただその時、「“恋愛”がしたい」と言ってしまったから、会場が少しザワついて(笑)。滝藤:何度も恋に落ちるみたいに、どんどん好きになっていきたい、という意味でね!そういう夫婦でいたいと僕がいつも思っていることは、ぜひ太字で書いておいてください(笑)。――ちなみに、滝藤さんが結婚相手に求める条件とは何だったんでしょうか?滝藤:僕は単純に、家庭に入ってくれる人がよかったんです。だって、耐えられないですよ。奥さんが外で自分以外の男としゃべっているのなんて。高橋:かっこいい…。斎藤:キュンときました。滝藤:もちろん恋愛している時はそんなこと考えなくていいですけど。結婚したら、彼女は僕のものであって、僕自身も今は彼女のものです。――結婚すると、自由度が下がったりしませんか?滝藤:それはあると思います。ただ、独身でも結婚していても、犠牲になるものはいっぱいあるので、結局はないものねだりなんじゃないですかね。それよりも、“男と女は根本的に違う生き物だ”ということを理解しておくことのほうが大事だと思います。斎藤:人間にとって、“本気で人を好きになる”ことって、僕はいちばん輝かしい瞬間だと思うんです。だから、僕のまわりの友人たちを見ていても、相手の条件とか、現実的なことにこだわって作戦を立てていた人ほど、まるで別次元に誘われるかのように結婚へと羽ばたいていくことが多いんです。それはこのドラマにも言えるのかなと、僕は思っていて。もちろん中には、粘りに粘って“作戦勝ち”みたいな人もいますけど(笑)。高橋:僕は恋愛も結婚も相手を条件で考えたことはないですが、やっぱり滝藤さんみたいに言える相手ならそれは理想です。「僕のものだから、他人としゃべってもらいたくない!」って。本当にそうであってほしいなと思います。滝藤:まさかこんなに褒められると思わなかったから、ドキドキしちゃうな(笑)『東京独身男子』メガバンクに勤務する主人公の石橋太郎(高橋さん)と、審美歯科クリニック院長の三好玲也(斎藤さん)、大手弁護士事務所のボス弁である岩倉和彦(滝藤さん)はある時、それぞれの身に起きた出来事から、“結婚”を強く意識するように。順風満帆な独身人生から一転、人生の岐路に立たされた“AK男子”たちを待ち受けていたのは…?毎週土曜23:15~テレビ朝日系列で放送。たかはし・いっせい1980年12月9日生まれ。東京都出身。自身が歌う『東京独身男子』の主題歌「きみに会いたい-Dance with you-」が、6月5日にリリースされる。さいとう・たくみ1981年8月22日生まれ。東京都出身。主演映画『麻雀放浪記2020』が公開中。企画、プロデュースもした主演映画『MANRIKI』の公開が控える。たきとう・けんいち1976年11月2日生まれ。愛知県出身。数々の映画やドラマで活躍。2019年は出演映画『決算!忠臣蔵』『影踏み』などの公開が控える。※『anan』2019年5月22日号より。写真・佐藤航嗣(UM)スタイリスト・本田博仁(HirohitoHondaスタイリングオフィス)ヘア&メイク・田中真維(MARVEE/高橋さん)赤塚修二(メーキャップルーム/斎藤さん)那須野 詞(Bellezza Studio/滝藤さん)インタビュー、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年05月14日轢き逃げ事件をモチーフに、加害者と被害者家族、真相を追う刑事たちの群像劇を描いた映画『轢き逃げ―最高の最悪な日―』。毎熊克哉さんは新米刑事・前田俊を演じている。人のプランに乗っかったほうが面白くなることを知った。「ただ事件を解決するような作品ではないので、最初からあえて刑事を演じないようにしようとは思っていました。仕事というより、正義感の強いひとりの男が、人生で偶然出合ってしまった事件と向き合っているような雰囲気が出せればいいなと」作品の監督・脚本を手がけているのは、劇中にも被害者の父親・時山光央役で登場する俳優の水谷豊さん。「それまで水谷さんにお会いしたことがなかったので、キャスティングしていただいた時は本当にびっくりしました。水谷さんはこれまでチャーミングな役を演じられることが多かったと思うんですけど、前田俊という男には、どこか似たような可愛らしさが漂っていて。自分の短い俳優人生の中で、ここまでチャーミングな役をやることがなかったので、演じることも、水谷さんがどんな演出をされるのかも楽しみでした」実際に現場では、水谷さんによる細やかな演出があったそう。「僕はボロが出やすい人間なのですが(笑)、そういうマヌケな部分をうまいこと水谷さんに引き出していただいて、役に反映できたような気がします。役者にしかわからない微妙なニュアンスも、“くまかっちゃん、こうさ、こんな感じだよ!”と、実際に演じてみせていただくことが多くて。監督が水谷さんではなかったら、普通に自分で考えて動いていたと思うんですけど、人のプランに乗っかったほうが面白い場合もあるということを初めて知りました」監督の強い要望で、今作は日本映画初となるドルビーシネマ対応に。最先端の映像技術とリアルな音響で、作品に臨場感をもたらしている。「描かれているのは普通の日常。誰もが巻き込まれてしまう可能性を孕んだ事件だからこそ、台本を読んだ時からとてもいやな感じがしたんです。その生々しさがドルビーシネマならではの映像や音で後押しされていて。完成した作品を観た時は、ただただ人の恐ろしさを感じました」『轢き逃げ―最高の最悪な日―』結婚式を控えた青年が車で女性を轢き殺し、親友と逃げてしまう。娘の死を受け入れられない両親は…。監督・脚本・出演/水谷豊出演/中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、岸部一徳ほか5月10日公開。(C)2019映画「轢き逃げ」製作委員会まいぐま・かつや1987年3月28日生まれ、広島県出身。俳優。主演舞台『後家安とその妹』が5月25日よりスタート。主演映画『いざなぎ暮れた。』も年内公開予定。※『anan』2019年5月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・西村佳苗子(WEST FURIE)インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年05月14日いまだかつて、こんなに出演者が言いたいことを言いまくる番組があったであろうか…いやない!!と、思わず反語を綴りたくなるこの番組。昨年5月に特番で始まり、10月から深夜のレギュラー放送で着実に人気を獲得。この4月にゴールデンのレギュラー番組に。装いも新たに『ザワつく!金曜日』としてスタート。今回収録の合間に取材をさせていただいたのですが、石原良純さん、長嶋一茂さん、高嶋ちさ子さんのお三方、トークが全然止まらない!!石原:以前ちさ子さんが言ってたんですが、この番組って、会話のキャッチボールをしているようで、まったくしてない。投げっぱなしで全然捕らない。捕らないの。長嶋:3人それぞれが、勝手にバット振ってる感じだよね。高嶋:そう、ここは会話のバッティングセンターなんです。この番組に出るようになって思うんですが、私も相当正直に生きてきた人間ですけれど、私以上にこのお二人は嘘がない。自分以上に変わった人がいるって、安心感を得てます(笑)。石原:僕はちさ子さんとは、この番組でほぼ初めて会ったんですが、すごく頑張り屋さんだと思う。僕と(長嶋)一茂さんは、あんまり頑張り屋さんって言ってもらえないタイプの人間だから、ちょっとね、いいなぁって思いますよ。長嶋:そんなのいいんだよ、120%の力で頑張ったってダメな場合もあるし、逆に言えば5%の力でやったのに評判が良いこともある。力の入れ方はあんま関係ないよ。高嶋:そうだそうだ~!大事なのは結果だ~!!石原:え~、でもそこはそこそこ頑張らないとマズいよ。好感度下がっちゃうじゃない。長嶋:ごめん、俺は、頑張りとか結果とかどうでもいい。ついでに好感度とかもどうでもいい(笑)。自分が思ったことを公共の電波に乗せて放送してくれるってことで、承認欲求が満たされるわけで、それで十分(笑)。ていうか、でもすごい番組だよね、好き勝手言ってることで、番組ができちゃうんだよ?高嶋:それでゴールデンのレギュラーだもんね…。私、それを聞いて、もう逃げられないなって思った。片手間ではもうできない(笑)。石原:いやいや、その気楽さとかおもしろさがウケてるんじゃない?高嶋:でも私は、この番組で好感度上げたいんだもん。石原:それは無理だよ(笑)。長嶋:好感度なんていらないって。疲れるよ、そんなの。石原:僕は疲れないよ?ワイプのカメラにニコッてできるよ。一瞬遅れたりするけど。高嶋:それみっともない(笑)。石原:で、ちさ子さんはなんでそんなに好感度上げたいの?高嶋:私のコンサートのチケットを売りたいの(笑)。秋のコンサートのチケット、売れなかったら、客寄せパンダとして来てよね。長嶋:いいよ、二人でマラカス振りに行くよ(笑)『ザワつく!金曜日』テレビ朝日系にて毎週金曜20:57~放送中。怖いもの知らずの3人が集結し、いま世間をザワつかせている社会現象について独自トークを繰り広げる。司会進行はサバンナの高橋茂雄さん。最新情報は公式Twitter(@zawatsuku_ex)にて。たかしま・ちさこヴァイオリニスト。現在、葉加瀬太郎さん、古澤巌さんと3人で、「3大ヴァイオリニストコンサート 2019」を開催中。秋にはツアーも決定。いしはら・よしずみ俳優、気象予報士。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)月曜コメンテーターとして出演中。また『NHK高校講座 地理』(NHK Eテレ)のMCも。ながしま・かずしげ元プロ野球選手、タレント。『羽鳥慎一モーニングショー』の金曜日にコメンテーターとして出演中。また極真空手を20年以上続けている。※『anan』2019年5月15日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2019年05月13日いま話題の演劇作家、マームとジプシーの藤田貴大さんの舞台『CITY』に出演する俳優・井之脇海さん。今までは映像畑での仕事を優先してきたという。――映画がお好きだとおっしゃっていましたが、いつ頃からですか。この仕事を始めてからです。9歳の時に劇団に通い始めたんですけれど、当時は習い事感覚だったんです。でも、12歳の時に『トウキョウソナタ』という映画に出合って、そこからどんどんのめり込んで、結局、映画の大学に行ったくらい。あの映画に出合わなかったら、今頃、消防士か何かになっていたと思います。――えっ…消防士!?カッコいいじゃないですか。いまもそう思っていますし。――話が逸れましたが、『トウキョウソナタ』で何が?一番大きかったのは、それまでずっと遊びの延長で撮影現場に行っていた僕を、皆さんが子供ではなく、プロの役者として扱ってくださったんです。黒沢(清)監督も香川照之さんも…。その時、認めてもらった嬉しさと同時に、それまで浮ついた気持ちで現場にいたのを反省しました。そこから、現場でいろんな人の話を聞いたり、香川さんや共演者の方々の立ち居振る舞いを観察したりするようになって。そのうち、作ることが楽しくなっちゃったんですよね。中学生になって、自分でレンタルビデオ店に行けるようになってからは、観るのも楽しくなって、目が悪くなりました(笑)。――そんなに観てたわけですか。中高生の頃は、1週間で25本くらい借りて、休みの日は1日に4~5本は観てました。全部観られずに返すこともありましたけど。――どんなジャンルが多いですか。今回の舞台は、「マーベルっぽい作品」と伺っていますが…。マーベルも観ますし、好きですよ。映画が好きになった理由のひとつが、その幅の広さなんです。だから、ジャンルを問わず映画そのものが好き。ただ、やっぱり(レオス・)カラックスの監督作品は好きですね。――すでに俳優として活躍されていながら、あえて大学に行かれたのはなぜなんでしょう。アメリカの俳優は、学校で演劇を学びますけれど、日本にはそのシステムが確立されていない。自分はアメリカには行けないけれど、せめて勉強はしたいと思って。その時間は無駄にならないと思ったし、事実、無駄になってないし。もちろん、行かなければもっと仕事はできたし、映画の勉強は大学に行かずに本からでも学べたかもしれない。でも僕は、人から学ぶっていうことが大事な気がするんです。単に技術や知識だけでなく、人から人へと受け継がれた物語も一緒に継承することで、それこそが一番の財産じゃないのかなって。僕もいつか、それを自分の子供なのか後輩なのか、誰かに教えてあげられたらと思うんです。ドラマ『中学聖日記』を見て、オフィス恋愛いいなって(笑)――井之脇さんご自身は、自分をどんな人だと思っていますか。真面目…ですかね。何をするにも考えてから行動に移すタイプです。例えば、友達とごはんに行く話になった時、いま本当に行っていいのか、その時間に映画を観て勉強したほうが自分のためにはいいんじゃないか、とか考えちゃうんです。…こう言うと人付き合いの悪い人みたいですけど…生活が芝居に影響するんです。自分にストレスがあると、役にもうつっちゃうんで、できるだけストレスをかけない生活を優先したくて…。真面目からはズレてますけど(笑)。――役者としてのあり方に真摯なんだと思いました。じつはもっとクールな方をイメージしてました。斜に構えた人だと思ってたとか言われますけど、そんなことないんです。シャイではありますけど。――友達は?大事にしてますよ。数は多くないけれど、お酒の場が好きなんで、学生時代の友達とはよく飲みに行ますし、彼らには心を開いているんで、結構陽気に飲んでます。――ちなみに、恋愛についてはいかがですか。恋愛映画もたくさんご覧になると思うんですが、こういう恋愛がしたい、とか。ありますよ。僕、ちょっと前まで、オフィス恋愛に憧れていたんです。ドラマ『中学聖日記』の吉田羊さんと町田啓太さんを見て、いいなって。職場で、周りに気づかれないようにさりげなく合図を送り合ったりする…ふたりだけの秘密系。たぶん、オフィスが縁遠いから余計に憧れるんでしょうね。――好きな女性のタイプは?恋愛を生きがいにしない人、ですね。僕がそういうタイプじゃないので、自分のために何かを犠牲にされるのが耐えられないんです。例えば、晩ごはんを作って待っていられたら、明日は自分が作らないといけないかなって思っちゃうんです。お互いに夢を追いかけて、サポートし合う関係性が理想です。――オフの日の過ごし方を伺ってもいいですか。1日オフと1週間で違うんですけれど、1~2日だと半日寝て、いっぱい食べて、映画観て、晩酌て寝る。まとまった休みがあると…あれ?変わんないかも?でも僕、ずっと山以外、旅行に興味がなかったんですけれど、最近ちょっと日帰り旅行に興味が出てきたんです。絶景を見ながら、温泉に入りたいなっていのわき・かい1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。子役として活動を始め、黒沢清監督の映画『トウキョウソナタ』でキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞。ドラマ『おんな城主 直虎』や『ひよっこ』のほか、昨年の『義母と娘のブルース』などで注目を集めるように。現在、ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)に出演中。井之脇さんが出演する舞台『CITY』は、5月18日~26日まで彩の国さいたま芸術劇場にて上演。作・演出はマームとジプシーの藤田貴大さん。藤田さんが「新たなフェーズ」と位置づける今作は、現代の都市を舞台に「ヒーロー」とは何かを描き出す。主演は柳楽優弥さん。兵庫、豊橋公演あり。SAFチケットセンター TEL:0570・064・939ニット¥34,000パンツ¥34,000(共にオーラリー TEL:03・6427・7141)※『anan』2019年5月15日より。写真・山崎泰治スタイリスト・檜垣健太郎(little frends)ヘア&メイク・小林雄美インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年05月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「校歌」です。みんなで一緒に歌を歌うと気持ちがひとつになれる。まあ、そんな簡単に人はひとつにはなれんやろ!という本音もありつつ、でも、やはり高校野球で校歌斉唱をしている場面を見たりなんかすると胸にグッとこみ上げるものがあります。僕、甲子園は毎年見ているので、智辯学園和歌山高等学校の校歌は完璧に歌えます。もちろん、自分の出身小学校、中学校の校歌も覚えていますし、高校の校歌も今でも歌えます。僕の出身高校は公立だけど新設校だったので、新しいことへのチャレンジを前面に出すタイプの学校でした。校歌もちょっと斬新でサビが英語詞だったんです。当時はそれがすごく恥ずかしくて。ほかのみんなも同じだったようで、朝礼で全校生徒で歌っていてもサビになるとぐっと声量が下がっちゃうんですよね。いちばんええとこやのに、みんなちょっと口ごもる。サビが英語って、なんかええやん!と今なら言えるんですが、現役の子たちはどうなんやろ。恥ずかしがらずに歌えているのかな。気になります。でも、そういう新しい感覚の校歌が今、増えているみたいです。それこそ2011年夏と2017年春に甲子園に出場したときに話題になった、愛知県の至学館高等学校の校歌「夢追人」とか。まるでJポップのような歌詞、メロディです。そういう校歌らしくない校歌が流行るというのも今の時代っぽいですよね。それはそれでいいと思いますが、僕はいわゆるベタな校歌がやっぱり好き。校歌を卒業生やその土地にゆかりのあるミュージシャンが作るというのもよく聞く話ですが、もし僕の出身校からオファーがきたら前向きに考えたいところです。そのときは作るとしたらやはりゴリゴリのトラディショナルな校歌にしたい。EDM入れてノリノリの校歌とか作って、サビ前で校長が「飛べー!」とかいうのも面白いかもしれませんが、僕は意外と伝統を重んじるタイプです。それに、校歌を歌うのなんて、本当に学生時代だけのことですから。校歌というジャンルを歌える時代に、きっちり歌っておくのもええ経験やと思います。大人になってからは本当に歌いませんから。以前に、同じ中学出身のヤバTのこやまくんと「中学のときの校歌を思い出すインスタライブ」をしたことがあって、そこで歌ったくらいかな。同窓会でみんなで肩組んで歌うとか、まだそういうのもちょっと恥ずくてできないですね。おかざき・たいいく6/9(日)、さいたまスーパーアリーナにて単独公演「JINRO presents 岡崎体育ワンマンコンサート『BASIN TECHNO』」を開催。5/27には、マイナビBLITZ赤坂で公開リハーサルも開催!※『anan』2019年5月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年05月11日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、日本国内に詳しい会話上手な女になりきり。訪れたからこそわかる土地の魅力があります!47都道府県すべてを訪れ、日本各地のことをしっかり知っている人は、コミュニケーションにおいて強いと思うんです。というのも、老若男女、相手を選ばず話せるネタのひとつが出身地。実際、婚活パーティで一番盛り上がる話題でした。でも、話を広げるためには、ちゃんと土地の情報を知っておく必要があるし、その場所へ行ってみないとわからないことだってたくさんあると思うんです。そう、このあいだ仕事で大分県へ行ったのですが、私はそれまで湯布院の温泉くらいしか知りませんでした。でも、地元の人で知らない人はいない、へそくり入れに使えそうな、豪華な箱に入っているお菓子のお土産があったり、湯布院の近くになると高速を走っていても温泉の香りがすること、霧ですぐに通行止めになる道があるなど、訪れたからこそわかったことがありました。名所や気候、「牛が有名だよね!」というような名産品のことを知っていると、出身地を聞いた瞬間に相手に寄り添うことができますよね~。それに、「長野に行ったときはおそばを食べたな…」と、思い出が知識として身につくというのも素敵だなって思います!まして47都道府県すべてに行くというのは、どんなスタンプラリーをクリアするよりもすごいこと。だって、戦国時代の武将だって、全国制覇を目指していたわけですから…!最初は、自分の地元をとりあげた旅行雑誌や本を開いてみるのはどうでしょうか。読むと、“地元をこんなに褒めてくれるんだ”と思えて嬉しいし、“こんな場所があったんだ!”という再発見もできる。観光大使になったような気持ちで周りの人にアピールできるものを調べて知るうちに、ほかの土地にも、だんだんと興味がわくようになるはずです!よこさわ・なつこ芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。※『anan』2019年5月15日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2019年05月10日映画『64-ロクヨン-前編/後編』をはじめ社会派の名作を数々生み出してきた名匠・瀬々敬久監督が、『連続ドラマW悪党 ~加害者追跡調査~』でメガホンをとった。主演に抜擢されたのは、東出昌大さん。連ドラの主演は、意外にもこれが初。わかりやすいお芝居はせずやりたいように散々やらせてもらいました。「僕が演じるのは、松重(豊)さん演じる木暮が所長を務める探偵事務所で働く佐伯という男。犯罪がらみの依頼を受けては解決していくのですが、じつは佐伯自身も幼いころに姉を殺された被害者遺族で、犯人への復讐心を抱えながら生きてきた。だから最初にこの作品のお話をいただいた時は、身を削りながら演じることになるだろうな、と覚悟しました。その後、クランクインするまでに様々な事件を記録したノンフィクションや、被害者側、加害者側の手記などを読み漁って思ったのは、このドラマを佐伯のような境遇の人たちに見てほしいとか、何かを伝えたいなんて簡単に言えるわけがないってこと。やるからには腹を据えて、堂々とぶち当たっていかないといけない。そのために佐伯でいる間は、姉が殺され人生が一変してしまったという事実を忘れずに居続けようと意識していました」撮影は、リアルを追求する瀬々監督ならではの手法で進められた。「たとえば、台本に書かれた“睨みつける”ひとつとっても、睨むではなく睨みつけちゃうと“お芝居”になっちゃう。そんな不自然な行動やセリフ、セリフのあとに勢いでつけた『!』のマークは斜線ですべて消して“お芝居をさせない”のが瀬々さん。言い回しが変わっても、その人物の言葉になっていることを優先するんです。ドラマって映画とは画面サイズが全然違うから、わかりやすく見せたり、時には大きな表現を求められるけど、今回は僕も“わかりやすいことはしない”という、やりたかったお芝居を散々やっちゃって、大丈夫だったかなって心配(笑)」瀬々×松重のベテランコンビの実力も目の当たりにしたという。「20年以上前から一緒に作品を作ってこられたお二人なので、瀬々さんは松重さんの心の奥に住みついている悪魔的な部分を相槌一つでひゅっと顔出させたりもする。またそんな松重さんのお芝居が非常に恐ろしくもあり、間近で見ることができて嬉しく思いました。探偵ものだからって、わかりやすいハードボイルドではありません。もがき苦しむ中に差す一筋の光を描いた、瀬々さんならではの描写が大きな見どころです」薬丸岳の傑作ミステリーを連続ドラマ化。主人公・佐伯が自らの過去と、忘れることのできない犯罪に向き合い、葛藤する様を描く。出演/東出昌大、松重豊、新川優愛ほか5月12日よりWOWOWにて放送開始(毎週日曜22時~。全6話。第1話無料放送)。©2019 WOWOW INC.ひがしで・まさひろ1988年2月1日生まれ。昨年4月クールに放送されたドラマ『コンフィデンスマンJP』が映画化。5月17日より公開ほか、SPドラマが5月18日21時~放送。※『anan』2019年5月15日号より。写真・森山将人スタイリスト・及川泰亮ヘア&メイク・AMANOインタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年05月08日落ち着いた知的な雰囲気からかクールに見えるけれど、じつは真っすぐピュア。そして馬鹿がつくほど映画好きで真面目。そんな素顔は、ほっこり度120%の俳優・井之脇海さんにインタビューしました。まだ少し肌寒さの残るなか、住宅が密集する路地を歩きながらの撮影。ずんずん歩いてゆく撮影スタッフのあとをついて、穏やかな表情で歩いていた井之脇さん。ふとカメラマンがレンズを向け、シャッターを切り始めると、恥ずかしくなったのか照れ笑い。どうやら、かなりシャイな方のよう。そんな井之脇さんが、いま話題の演劇作家、マームとジプシーの藤田貴大さんの舞台『CITY』に出演する。――藤田さんといえば、演劇界にとどまらず、アートや音楽、ファッションなどの分野からも注目を集める存在です。その舞台に出演するのはどんなお気持ちですか?以前から存在は知っていて、おしゃれなカリスマのイメージを持っていました。舞台を拝見したのは出演が決まってからなんですが、僕がこれまで観てきた演劇とは違う、いい意味ですごく写真的な舞台だと思いました。平面を大事にしていて、それを積み重ねて奥行きを作っている。空間の使い方に長けている印象を受けました。――その藤田さんの舞台に出るということで、いま井之脇さんが期待していることはありますか。演劇はほとんどやってきていませんから、単純に自分がやってきたことだけでは通用しないだろうと思うんです。楽しみですが、それ以上に不安も大きい。ただ、映像畑でやってきた僕が、いい意味で演劇らしくない藤田さんとやることで、何か溶け込める部分も…あれ?何の話でしたっけ?――期待していること、です。ああそうでした(笑)。藤田さんに新しい自分を引き出してほしいと思いますし、僕自身もまだ知らない、触れていない分野に踏み出してみたいと思っています。――これまで映像畑でやってこられたというのは意識的にですか。もともと映画がすごく好きで、それをやりたいという気持ちが強くて、スケジュール的にそっちを優先してきたというのはあります。ただ、いま演劇に挑戦して、もっと自由に演じられたらとか、自分の芝居を見つめ直す機会になれば…って、質問って何でした?――えっと…(笑)、映像畑でやってきたのは、という…。そうでした…(笑)。舞台のお仕事を避けていたわけではなく、チャンスがあれば、やりたいとはつねづね思っていたんです。舞台ってライブですから、お客さんの反応がじかに返ってくるわけで、映像では体験できないこと。今回ならば600~700の人が一緒の時間を共有するわけで、怖くもあるけれど、楽しめたらと思います。――人前は、平気なほう?素の自分で人前に出るのは緊張しちゃいますが、お芝居している時は、たぶん大丈夫だと思うんです。あっ…や、でも…セリフが飛んじゃう可能性もありますよね…。これ、余談なんですけれど、いままでセリフが飛んだことってなかったんです。でもこの間の『集団左遷!!』のクランクインで、福山(雅治)さんが主演ということもあって、報道のカメラの数が尋常じゃなくて、緊張して、セリフが全部飛んじゃったんです。皆さんは笑ってくださったけれど、僕の中でトラウマになってしまい…。――長いキャリアの中で、これまではなかったのに。これまでは、いくらスタッフさんがいても問題なかったんです。でもその時は、支度場で支度していた時から異様な雰囲気で…。もうあれ以上悪いことは起こらないと思いたいです(笑)。いのわき・かい1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。子役として活動を始め、黒沢清監督の映画『トウキョウソナタ』でキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞。ドラマ『おんな城主 直虎』や『ひよっこ』のほか、昨年の『義母と娘のブルース』などで注目を集めるように。現在、ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)に出演中。井之脇さんが出演する舞台『CITY』は、5月18日~26日まで彩の国さいたま芸術劇場にて上演。作・演出はマームとジプシーの藤田貴大さん。藤田さんが「新たなフェーズ」と位置づける今作は、現代の都市を舞台に「ヒーロー」とは何かを描き出す。主演は柳楽優弥さん。兵庫、豊橋公演あり。SAFチケットセンター TEL:0570・064・939ニット¥34,000パンツ¥34,000(共にオーラリー TEL:03・6427・7141)※『anan』2019年5月15日より。写真・山崎泰治スタイリスト・檜垣健太郎(little frends)ヘア&メイク・小林雄美インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)(by anan編集部)
2019年05月08日最近はバーチャルの世界も、よりリアルになってきているのをご存知ですか? 仕事に疲れたときや落ち込んだときにチェックしたくなる、いま話題のバーチャルイケメン3人をご紹介します!文・椎原茜「でも、それバーチャルでしょ?」と侮ることなかれ、今は昔とうって変わって、バーチャルでも実際に話せたり、ツイートしてくれたりと、思わず本気で胸キュンしてしまうほどリアルなんです。SNSで私たち大人女性の心をほぐしてくれる、話題のバーチャルイケメン3人の魅力に迫ります!1.Liam Nikuro(リアム・ニクロ)身長180cm、体重72kg、ロサンゼルス出身で、アメリカ人の父と日本人の母のハーフ。職業はファッション・音楽・エンターテインメントのマルチプロデューサー…と、ここまで読んで「どこがバーチャル?」と思う人もいるでしょう。でも彼、実は顔は「3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)」の完全バーチャルで、身体は実写の、バーチャルインフルエンサーなのです。この3DCGの男性バーチャルインフルエンサーは彼が日本初だそう。アップの写真で見られる肌には、そばかすもちらほら見え、とってもリアル!彼の発言によると、今後はAI(人口知能)との融合で新たなクリエイティブコンテンツを生み出すことも視野に入れ、さまざまな作品作りに挑戦していくとか。現時点のフォロワー数はInstagramで約5,500、Twitterでは約2,000。彼の投稿を見ると「週末も楽しいけど、月曜日も楽しんで行かなきゃね」など意外と癒し系であり、かつ仕事も遊びも全力なリア充キャラのよう。自分の考え方が周りから否定されることってない? コンプレックスを笑われたことってない? でもそれらが実は新しい時代のイノベーションに繋がるかもしれないし、新しい発明に繋がるかもしれない。僕もリアルには存在しないけど、バーチャルの自分が世の中にできること、常に考えてる。 pic.twitter.com/ageC4wFaDj— Liam Nikuro (@liam_nikuro) 2019年4月19日ちなみに、一風堂のラーメンが好みだそう(笑)。新しいバーチャルイケメンの形として、今後どんな活動をしていくのか注目ですね。2.七瀬 大空(タク)彼は、今、どんどん増えている人気のバーチャルイケメンのひとり。血液型はO型で、身長182cm、体重72kg。結婚相手探しのためにバーチャルで活動を始めたという大胆不敵なキャラクター。強みは歌と顔、そして「長身を生かしたバックハグ」といいます。見た目や発言の通り、クールで少しナルシストでフェミニストな王子さま気質。とはいえ、親や友達を大事にする情に熱いキャラでもあるそう。でも映画やゲームなど、自分の好きな分野の話になると一変し、空気を読まずにしゃべりすぎてしまうという天然の一面もあるとか。とにかく歌がうまく、2018年11月リリースしたカバー曲「シャルル」は20万再生超えを果たしました。現時点でYouTubeのチャンネル登録数は13,000人近く、Twitterのフォロワー数は1,514人と人気上昇中です。シャルル/バルーン(cover)まさに次世代のバーチャルイケメンといえそう。3.ミカ・エルハインド彼は夜間営業限定のお店、『Café and Bar Dante’s Peak(カフェアンドバー ダンテズピーク)』のバリスタとして働く27歳。AB型で、身長179cm、体重は67kg。趣味はオリジナルスイーツの研究、映画鑑賞、自転車での散策。YouTube Liveを通じたラジオ番組やアプリ「REALITY」上での生配信、Twitterのほか、リアルイベントなどにも登場し、私たちにとっても密な距離感で活動している彼。甘~いルックスと語り口で、私たち大人女性に限らず、お店を訪れる『お客さま』の疲れ切った心を癒してくれる存在です。凛とした見た目に対して、Twitter上での「(ˊᵕˋ)」などの顔文字使いがめちゃキュート! そのギャップにメロメロです。おはようございます今日は実際にお会いして直接お話できるかと思うと早々に目が覚めてしまいました(ˊᵕˋ)非常に楽しみです(˘ᵕ˘)お越しになる貴方はぜひともお気を付けてお越しください👋では、また後ほど#cb_dp #ダンテズピーク #おはようVtuber— ミカ・エルハインド (@dp_micha) 2019年4月19日特に注目なのは、公式YouTubeチャンネル上の『女性向けシチュエーション動画』。同僚でバーテンダーのアモン・フロックハートと共に、日常シーンを想定した動画を配信しています。例えば3分間、ミカがつきっきりで心配して、もてなしてくれる内容のものもあり、ハードな仕事で疲れたときに観るのがおすすめ!【女性向け】3分間、貴方を心配する彼 ミカver.【オトメタイマー】2019年4月20日に開催されたリアルイベント『1st Secret』では個室でトークができるなど、もはやバーチャルの枠にとどまらない存在です。この3人のうち、どのバーチャルイケメンに惹かれましたか? バーチャルだとわかってはいても、思わずのめりこんでしまいそう。今後もさらにリアルになっていくであろうバーチャルイケメンから目が離せません!Information
2019年05月05日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「コラボ」です。MONKEY MAJIKがいろいろなアーティストとコラボするアルバム『COLLABORATED』に僕も「留学生」という楽曲で参加させていただきました。現在、YouTubeで350万回再生くらいいっていて、話題になっています。そもそもは、MONKEY MAJIKのプラント兄弟とNHKの連続テレビ小説『まんぷく』で共演させていただいたことがきっかけ。そこで意気投合して一緒にやろうとオファーをいただき、実現しました。彼らは当然、英語ネイティブ。それと、僕の英語風日本語を組み合わせたら面白いんじゃないかという発想で生まれたのがこの楽曲です。究極の空耳ソングで、それぞれの特色を生かしたこれぞコラボという意味のある作品に仕上がっています。曲作りの土台はMONKEY MAJIKが用意してくれたので、僕はそこに乗って楽しむだけ。すごく充実した環境で制作できました。今回のコラボをきっかけに気づいたんですけど、僕ってコラボ映えするんですよね。岡崎体育を単体で見たときのミュージシャン力って著しく乏しい。でも、誰かと組んだときその相手を際立たせる力がすごくあるんじゃないかという、僕の新しい才能に気づきました。僕といるとみんな“映え”ちゃうんです。それは昨年から、うすうす気づいていたんですよ。w‐-inds.とツーマンライブをやった際に、アーティスト写真を撮ったんですよね。あの3人の中に僕が入るとw-inds.の美しさが映えること、映えること!自分が芋虫かと思いました。…って、そこまで卑下することはないんですけど、でも、僕ってすごいワンポイントになれるみたいなんです。ちょっとバンドに差し色ほしいな、とか、甘いスイカに塩振りたいわ、みたいなときに、ぜひ岡崎体育とのコラボをご検討ください。また、一方で僕が主体で誰かを招いてコラボをしてみたいという気持ちも強まりました。今の僕の目標は、さいたまスーパーアリーナにたった一人で立つことなので、そこまでは一人でがんばるつもりですが、たまアリが終わったら、より自由に音楽を追求しようと思っています。だから、コラボもアリなんじゃないかなと。一応、構想があって「フィーチャリング」って曲だそうかなって。歌姫的な人を招いてフィーチャリングするんですけど、歌姫が歌おうとすると僕が邪魔して延々ラップとかして、歌姫まったく歌えへんって曲。みなさん、聴きたいですか?『COLLABORATED』MONKEY MAJIK英語詞はラブソングとして成立していて空耳部分も日本人留学生の心情とマッチする、相当練りこんだ高度な仕上がり。僕のラップ部分にも空耳で“モンキーマジック”と聞こえる仕掛けが。繰り返し聴いてほしい。おかざき・たいいく6/9(日)、さいたまスーパーアリーナにて、単独公演「JINRO presents 岡崎体育ワンマンコンサート『BASIN TECHNO』」を開催。5/27には、マイナビBLITZ赤坂で公開リハーサルも開催!※『anan』2019年5月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年04月29日