3月18日、錦戸亮(34)主演ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)が放送された。科捜研の法医研究員・真野礼二(錦戸)と新人研究員・沢口ノンナ(新木優子)が、捜査一課の虎丸良平(船越英一郎)と共に事件の“トレース”(痕跡)から真相を追求するドラマ。ついに最終回を迎える。前回の10話では、兄の義一(倉悠貴)をいじめていた主犯格の佐保(袴田吉彦)に辿り着くも何者かに殺害されてしまう。虎丸とノンナの協力を得て、事件当時妊娠していた姉・仁美(夏子)の交際相手を探す。そして、当時近隣の高校に通っていた警視総監の父を持つ刑事部長の壇(千原ジュニア)の存在が浮かび上がる。さらに、あるきっかけから仁美の父親が捜査に協力していた早川(萩原聖人)だったことが判明する……というのが今回のあらすじ。全ての真相が明らかにされた最終回だが、それはあまりにも悲痛で救いのないものだった。25年前の武蔵野一家殺人事件は、全て壇が裏で仕組んでいたもの。街中で偶然見かけた義一の笑顔を踏みにじってやりたいという思いに駆られた壇は、佐保と新妻の犯罪をもみ消す代わりに義一をいじめるよう命令する。そして義一が不登校になった矢先に、壇のもとを仁美が訪れる。早川の子を身籠った挙句捨てられた彼女は、なんと壇に「義一をいじめたように早川をいじめてほしい」と依頼していたのだ。激しいいじめによって精神を病んだ早川のもとに現れた壇は、仁美を殺すよう唆す。追い込まれた早川は仁美だけでなく、父と母の3人を殺害する。そして壇は「断れば真野を殺す」と脅し、生き残った義一に罪を被って自殺するよう命令。警視総監である父の力を使った壇によって、事件の真相は闇に葬られていた――。最後には逃亡したと思われた早川が壇を刺したことによって、武蔵野一家殺人事件も再調査が及ぶこととなった。ハッピーエンドかと思われたが、結局直接手を下していない壇は逮捕されず仕舞い。さらに姉が早川をいじめるよう依頼していたことなど、救いようのない真実に気持ちが沈んだ視聴者が続出。放送直後から《これは間違いなく月9の歴史に残る鬱ドラマ》《ストーリーは本当に辛すぎるけど、錦戸くんの演技が唯一の救いだった……》といった声で溢れていた。昏睡状態だった早川が目覚める意味深なラストで幕を閉じたドラマ。続編があるならば、真のハッピーエンドが見られることを祈りたい。
2019年03月20日「なんで同じようにできない?」まわりと比べて自信をなくした子ども時代出典 : 私は物心ついたころからまわりと違う自分が嫌いでした。例えば、真夏の晴天の日。元気に外で遊ぶほかの子に対して、まぶしくてほとんど目も開けていられない私。プールで遊ぶときに、楽しそうなほかの子たちと、水に顔をつけるのが怖い私。当時は、みんな自分と同じ感覚なのだと思っていました。なので、「みんなこんなつらい状態で頑張ってるのにどうして自分は同じようにできないんだろう」と考えてしまい、どんどん自分がダメな人間だと思うようになっていきました。小学生で不登校になってからは自分の将来を悲観してしまい、さらに自分を嫌いになっていきました。そんな私も中学校に入ったころに、プログラマになりたいという気持ちを強く持ちました。「こんなに楽しくて、ずっとやり続けたいことが見つかるなんて!」。将来を悲観していた私にとって、大きな前進です。このとき、少し自分を好きになれました。それからは、もう自分を嫌いにならないよう、プログラミングに関してかなりの勉強をして努力してきました。…一見とても前向きな話のようにも思えるかもしれません。でも、今振り返ってみると、「こんなにダメな自分が唯一、人並み以上にできるのがプログラミング。これを頑張らなかったら自分には価値がなくなってしまう」と思い必死になっていた気がします。そんな気持ちでいたためか、相変わらず、まわりと自分との比較は続き、気分が落ち込んだり、ちょっと褒められると嬉しくなって調子に乗ってしまったりを繰り返していました。社会に出てうつ病に…。同業種への転職で「まわりからの評価」に変化出典 : 社会人になって、ずっとやりたかったプログラミングの仕事に就くことができました。でも、同期の人たちや先輩たちとは馴染めず、せっかく鍛えたプログラミング能力を活かすこともあまりできませんでした。当然、会社からの評価も散々でした。その後、うつ病になってしまったこともあり、失意のうちに退職。それでも、中学生のころから努力してきた思いは捨て切れません。しばらくの療養を経て、「これでダメならプログラマをやめよう」と思い、同業種の会社に転職。するとその会社では、それまでの経験からは想像できないくらい高い評価をしてもらいました!私がやっていることはそれほど変わっていないのに、周囲の反応や関係については本当に劇的な変化があったのです。■例1: 自分が最善だと思うプログラムを組んだとき1社目の場合: 「勝手なことをするな!」とか「ほかのところと同じようにすればいいから」と言われた。転職後の場合 : 「おお!その手があったか!」とか「神!」「先生!」みたいなことを言われた。■例2: 飲み会の場であまり話さなかったとき1社目の場合: 「なんだよあいつ、愛想悪いな」と先輩が言っているのを耳にした。転職後の場合: 特に陰口を言うわけでもなく、たまに話をしてくれるくらいでそっとしてくれた。これらの経験から、同じような対応や行動をとっていても、環境によって人が言ってくることや反応が全然違うんだ!ということに気づきました。「不確かなまわりの評価をずっと気にして自分を嫌いになってしまっていたのか…。なんだかバカバカしいな」と思うようにもなりました。それからは徐々に、自分が人と違うことや、どう思われているのかを気にしないようになりました。いつの間にか自分を好きになっていた出典 : 「人の評価を気にしなくていいや」と思えるようになってから、いろんな面で自分がやりたいように振る舞えるようになってきました。(まわりの人を不快にさせる言動を意図的にするようなことはもちろんありませんが。)例えば、職場の人たちからランチに誘われたとき、気分が乗らなかったら断れるように。また、自分の意見を話すとき、堂々と言い出せるようになりました。これらは単に、社会人になってから経験を積んだことで、私自身の振る舞いが、人に受け入れてもらいやすいものになっていったという側面もあるかとは思います。いろいろな歯車がようやく噛み合ってきただけなのかもしれません。でも、こうして自分が自然に振る舞える時間が増えてきたら、いつの間にか、まわりと違う自分を認めることができるようになり、自信が持てるようになっていました。自信を持てた今の私が、かつての私に伝えたいこと出典 : ありのままの自分が受け入れられていると確認できたり、自然なままの自分を誰かに否定されないことで自分は自分のままでいいんだと感じることができました。これが、自分を好きになり、自信を持てるようになった理由だと考えています。自分のことが嫌いで自信も持てなかったころの私に対して、今の私から何か伝えることができるなら、「自分が嫌いでいろいろともがいているかもしれないけど、自分が自然なままに振る舞っても普通に接してくれる人たちはいるよ。今磨いている技術力を高く評価してくれる環境がみつかるよ」と言葉をかけたいです。
2019年02月24日【今週の悩めるマダム】中学生の娘が定刻に学校に行けなくなり、数カ月が経過しました。しかし、明確な理由がいまだにわかりません。夏休みに精密検査を受けさせましたが、血圧が少し低いこと以外は、まったく問題がありませんでした。娘とどう向き合っていけばいいのかわからなくなっています。辻さん、どうかご指南くださいませ。(岐阜県在住・50代主婦)中学生は本当に難しい年ごろですね。うちも腫れ物に触るように過ごした時期がありました。ちょうど9歳から10歳にかけて、思春期のもっともセンシティブな時期に突然父子2人暮らしになったので、彼の心の状態がまったく見えなくなったのです。うちの場合はそうした明確な理由があったので、いいアドバイスになるかわかりませんが、とにかく心が見えない子どもとどうやって向き合えばいいのかを考える毎日でした。息子の同級生のお父さんから呼び出され「専門の先生に相談したほうがいい」と説得されましたが、それは違うと思って、まずは僕なりに息子と向き合うことにしました。フランスの場合、少しでも心の問題があるとすぐに専門医に頼ることが多いのです。でも、親が自分のことを第一に考えているということを子どもが知ることが大事じゃないか、と思います。僕は父親ですけど、自分がそばにいるから安心しなさい、というメッセージを送り続けたのです。伴走する感じです。返事を期待してはいけません。無人島からビン詰めにした手紙を海に投げるような毎日でした。「愛してる」と言っても彼には届かないし、愛が信じられなくなっている状況でしたから、とにかく寄り添うしかありませんでした。「うざい」と思われても毎日お弁当を作り、彼はバレーボール部員でしたから毎日学校から帰ってきたら近くの公園で青春ドラマばりにコーチをやりました。一緒にYouTubeを見て、返事がなくても会話を続けました。息子は離婚の直後、落第の危機に陥ります。担任に呼び出され、このままでは進級できないと宣告されました。手を握り、肩を抱きしめ、一緒に勉強をしよう、と励まし続けました。YouTubeが好きでしたから、学校の先生がやっているYouTubeの番組を探して一緒に見たのです。フランス語でしたから僕にはちんぷんかんぷんでしたけど……。「学校はどうだった?」と毎日、帰ってくるたびに聞きました。最初は「うん」とひと言つぶやくだけでした。でも、それを続けていたら、「よかったよ」とか「テストで100点とった」とか返事をしてくれるようになったのです。少しずつ少しずつ言葉が増えていきました。笑顔が戻ってきて、料理をしていると横にやってきて、今日の出来事をしゃべってくれるようになりました。そういうときは頭をさすってやります。肩を抱いてやります。恥ずかしがってはいけません。スキンシップも大事です。子どものシグナルを見分けるのは非常に難しいことですが、どんなに厳しい状況にあろうと、愛情を送り続ければ、子どもには伝わります。諦めないで、どうか娘さんの心の中を見続けてください。ある日思いがけず、無人島に「ありがとう」という手紙入りのビンが届くことでしょう。【JINSEIの格言】息子は先週、15歳になりました。留年危機もありましたが、無事志望校に合格。きつい中学時代を走り抜けられました。ここに至るまで、ひと言では表せない地道な愛がありました。この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします!お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピを毎週火曜日に更新中!
2019年02月19日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(71)が、読者からの相談に答える!【Q】「中2の娘は不登校です。クラスでいじめられ、担任に訴えても親身になってくれません。不登校でもいいけど、社会ではもっと厳しいことも。甘やかしていいのか悩んでいます」(ペナペナさん・51・パート・熊本県)【A】「いじめからは逃げるべし。自分の居心地がいい世界で生きればいい」(蛭子能収)骨折した右手が治り、漫画を描き始めました。画風に「切なさ」が出始めたと言われますが、漫画はギャラが安いので、テレビの仕事だけを待っています!オレも中2のときにいじめられていました。しかも担任はオレを不良グループの一員と見ていて、学校がすごく嫌でした。でもクラス替えがあって、いじめがやんだんです。ツラいときは、自分がいる世界しかないと思い込んで、ずっといじめられると考えていたんですよね。オレはツラいことに耐える必要はないと思っています。いじめも逃げたほうがいいし、無理して学校に行ったり、友達と付き合ったりする必要もないと思っています。たしかに大人になると、人間関係が面倒くさくなります。我慢して生きていってもいいけど「別の世界があるや」と、考えられることも大事だと思いますけどね。自分の居心地がいいと思える世界で生きるのは、そんなに悪いことではないですよ。オレにとってテレビの世界みたいに……てへっ!
2019年02月18日映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』が、2019年11月1日(金)に公開される。帚木蓬生のベストセラー小説『閉鎖病棟』を実写化原作は、精神科医を務めながら、珠玉の人間ドラマを生み出してきた帚木蓬生による山本周五郎賞受賞作『閉鎖病棟』。とある精神科病院を舞台に、様々な過去を背負い、家族や世間から遠ざけられながらも明るく生きていた患者たちの日常を遮るように起こった殺人事件と、その事件を巡って交錯する様々な想いを描いた作品だ。ストーリー長野県小諸のとある精神科病院。それぞれの過去を背負った患者たちがいる。母親や嫁を殺めた罪で死刑となりながら、死刑執行が失敗し生き永らえた梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。サラリーマンだったが幻聴が聴こえ暴れ出すようになり、妹夫婦から疎んじられているチュウさん(綾野剛)。不登校が原因で通院してくる女子高生、由紀(小松菜奈)。彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こった。加害者は秀丸。彼を犯行に駆り立てた理由とはーー?主演・笑福亭鶴瓶主演を務めるのは、落語家、タレント、俳優と多岐にわたって活躍する芸人・笑福亭鶴瓶。刑の執行が失敗し生きながらえた死刑囚・梶木秀丸を演じる鶴瓶は、役作りの為に7キロを減量、トレードマークの庶民的な顔とは異なる、危うい存在感を要する役柄に挑む。笑福亭鶴瓶 コメント「平山監督から、長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。素晴らしい作品を数多く手がけた平山監督がそこまでおっしゃるならと、お引き受けしました。とにかくいい脚本なんです。クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でも台詞を言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています。」綾野剛、小松菜奈らが共演また、秀丸と心を通わせる患者・チュウさん役として綾野剛が出演。幻聴が聴こえるようになり、家族から疎まれたことで強制入院となった元サラリーマンのチュウさんは、精神科病院の中で秀丸と心を通わせていくキーパーソンだ。そして、不登校が原因で精神科病院に通院する女子高生・由紀役を小松菜奈が演じる。メインキャラクターを取り巻く実力派キャストメインキャラクターを取り巻く主な登場人物達たちの配役は以下の通り。井波(小林聡美)看護師長。患者たちを優しくも厳しい態度で常に見守る。重宗(渋川清彦)患者。衝動的に暴力を振るい、周囲から煙たがられている。丸井昭八(坂東龍汰)患者。話すのが不自由な一方で、カメラが得意。チュウさんを慕っている。大谷(高橋和也)医師。たび重なる病院内の事件にも冷静に対応する。石田サナエ(木野花)患者。折々家族のもとへ外泊し、他の者たちから羨望の眼差しで見られている。『エヴェレスト 神々の山嶺』の平山秀幸が監督・脚本監督・脚本を務めるのは、『エヴェレスト 神々の山嶺』『愛を乞うひと』などで知られる平山秀幸。2011年に原作と出逢ってその物語に惚れ込んだ平山監督は、本作で初めて自ら脚本を執筆して映画化を打診、今回9年越しでその想いが実現することとなった。主題歌に韓国出身アーティスト・K主題歌「光るソラ蒼く」を担当するのは、韓国出身のシンガーソングライター・K。日本での活動を開始した当初、お笑い番組を観て日本語を学んでいたというKだが、その中でも特に“教材”として参考にしていたのが鶴瓶の日本語。その後番組をきっかけに鶴瓶と意気投合したKは、いつか鶴瓶の出演する作品で自分の歌を歌ってみたいと願っていたという。そんな彼の念願の叶った今回の主題歌は、撮影現場に実際にKが足を踏み入れて作成した一曲。作品の世界観を投影した歌詞が綴られている。作品情報映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』公開日:2019年11月1日(金)キャスト:笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈、坂東龍汰、 平岩紙、綾田俊樹、森下能幸、水澤紳吾、駒木根隆介、大窪人衛、北村早樹子、大方斐紗子、村木仁、片岡礼子、山中崇、根岸季衣、ベンガル、高橋和也、木野花、渋川清彦、小林聡美原作:帚木蓬生『閉鎖病棟』(新潮文庫刊)監督・脚本:平山秀幸■ムビチケ情報発売日:9月20日(金)~販売場所:各劇場特典:数量限定特製クリアファイル付き
2019年02月07日精神科医である作家・帚木蓬生による、山本周五郎賞受賞のベストセラー小説「閉鎖病棟」が映画化決定。主演を約10日間で7kgも減量した笑福亭鶴瓶が務め、綾野剛、小松菜奈が共演する。原作「閉鎖病棟」は1995年に発売され、「丸善」お茶の水店に掲げられた「感動のあまりむせび泣きました…」というPOPが起爆剤となり、累計80万部を超えたベストセラーミステリー。とある精神科病院を舞台に、様々な過去を背負い、家族や世間から遠ざけられながらも明るく生きていた患者たちの日常を遮るように起こった殺人事件――。事件を巡り、登場人物たちの交錯する様々な想いを描いた本作は、その結末が感涙を誘うと絶賛された。■笑福亭鶴瓶&綾野剛&小松菜奈が共演!主演は、落語家、タレント、俳優と多岐にわたって活躍する国民的芸人・笑福亭鶴瓶。本作で演じるのは、死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し生き永らえ、現在は精神科病院にいる男・梶木秀丸。『ディア・ドクター』以来、10年振りの主演作となる本作では、役作りのため炭水化物をとらない食事制限や腹部にサランラップを巻くなどして、約10日間で81.6kgから73.8kgもの減量を成功させ、お馴染みの庶民的な顔とは異なる姿に挑戦する。また、秀丸と心を通わせる患者役として、『そこのみにて光輝く』『新宿スワン』などで個性溢れる演技を見せ、『破陣子』で中国映画にも進出を図る綾野剛が出演。サラリーマンだったが、幻聴が聴こえるようになり、精神科病院に強制入院となったチュウさん役を演じる。そして、不登校が原因で精神科病院に通院する女子高生・由紀役には小松菜奈。『渇き。』『来る』のエキセントリックな役柄から、『坂道のアポロン』『恋は雨上がりのように』の恋する女子高生役まで、幅広い演技力を備えた若手女優の参加にも要注目。メガホンをとるのは『愛を乞うひと』『エヴェレスト神々の山嶺』の平山秀幸監督。2011年に出会った原作に惚れ込み、初めて自ら脚本を執筆して映画化を打診。今回、9年越しで映画化が実現することになった。■精神科病棟で撮影!ドキュメンタリー以外では初の試みすでに1月7日、長野県松本市でのロケにてクランクインしており、その後、独立行政法人国立病院機構が運営する精神科の専門医療施設・小諸高原病院の多大なる協力を得て、2週間にわたるロケ撮影を敢行。ドキュメンタリーを除いて、国立の精神科病棟を使用し、精神科病棟を舞台とした日本国内の映画撮影は、本作が初めて。ほかに関東近郊や都内での撮影を経て、2月中旬ごろにクランクアップ予定という。笑福亭鶴瓶、脚本に「涙が止まらず」平山監督から、長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。素晴らしい作品を数多く手がけた平山監督がそこまでおっしゃるならと、お引き受けしました。とにかくいい脚本なんです。クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でも台詞を言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています。綾野剛「誰一人、自分に嘘がない人たちの物語」鶴瓶さんは深く潔く、小松さんは繊細で瑞々しく、平山監督は愛で現場を包み込んでくれる。 私はこの作品の中で、本当を見つける事を捨て、嘘をつかない事を手に入れた。本当とは観念だ。嘘をつかないとは心念だ。平山監督のまなざしに魅せられ気づかされました。誰一人、自分に嘘が無い人たちの物語です。優しく強く抱きしめて頂けたら幸いです。小松菜奈「化学反応を楽しみながら、日々挑戦」今回、私が演じているのは、自分ならば決して耐えられない程の壮絶な過去を背負いながら、強い覚悟で生きていく少女の役です。共演者の方々とお芝居の化学反応を楽しみながら、日々挑戦しています。特に長野ロケでは、演技に集中出来る環境が整い、鶴瓶さんや綾野さんという諸先輩がオープンに接して下さるので、オンとオフを切り替えながら、現場で落ち着いて撮影に取り組めているのを実感しています。平山秀幸監督、鶴瓶師匠に「新しい顔を見せてもらえる」原作が書かれた20年以上前と比べて、今ではスマホやパソコンで生活は便利になったけれど、むしろ、自分の荷物を抱えきれずに、心の病にかかる人が増えた気がする。自身もどん底で苦しいのに、他人の痛みを思いやる――原作で、秀丸がみせる“自己犠牲”に圧倒され、どうしても映画化したいと脚本を書き始めた。笑福亭鶴瓶さんは、きっと新しい顔を見せてもらえるとお願いした。そこに綾野剛さん、小松菜奈さんという、才能溢れるキャストが加わって、芝居の応酬を見ていて楽しい現場となった。■ストーリー長野県小諸のとある精神科病院。それぞれの過去を背負った患者たちがいる。母親や嫁を殺めた罪で死刑となりながら、死刑執行が失敗し生き永らえた梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。サラリーマンだったが幻聴が聴こえ暴れ出すようになり、妹夫婦から疎んじられているチュウさん(綾野剛)。不登校が原因で通院してくる女子高生、由紀(小松菜奈)。彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。そんな日常を一変させる殺人事件が院内で発生する。加害者は秀丸。彼を犯行に駆り立てた理由とは…?『閉鎖病棟(仮)』は11月、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2019年02月04日【ニュース】2019年10月から、就学前の障害児の発達支援を無償化へ!出典 : 年10月から就学前の障害児の発達支援が無償化されます。就学前の障害児の発達支援を含む、幼児教育の無償化については、2017年から検討を進められてきました。2018年12月には関係閣僚会合で制度の具体化に向けて「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」がまとめられました。対象は、満3歳になった後の最初の4月から小学校入学までの3年間。具体的には、・児童発達支援事業所・医療型児童発達支援事業所・居宅訪問型児童発達支援事業所・保育所等訪問支援事業所・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設の利用料が無償化されます。また、幼稚園や保育所、認定こども園をこれらの発達支援と一緒に利用する場合は、ともに無償化の対象となります。認可外保育施設等の場合は上限額があります。就学前の障害児の発達支援には、現行の障害児福祉サービスの制度と同じく、一般財源があてられます。自治体によっては、すでに独自の制度として一部で無償化しているところもありますが、全国的な動きとして、地域間の差がなくなっていくことで、どこで暮らしていても子育てしやすい環境が整えられていくといいですね。幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針 | 文部科学省【ニュース】厚労省が「ゲーム依存」の実態調査を実施中!結果から予防や対策を検討出典 : 年1月17日から「ネット・ゲーム使用と生活習慣」についてのアンケートが実施されています!この調査は、2018年6月に世界保健機構(WHO)が、ゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす依存症を「ゲーム症・障害」という疾患として認め、2019年5月の総会で正式承認する見通しとなったことを受けて計画されました。WHOは、■ゲームをする衝動を止められず、コントロールできない■ゲームを最優先する■日常生活に支障が出てもゲームを続けるといった症状が、12か月以上に渡って続くことを「ゲーム症・障害」という疾患とみなすとしています。2019年度にはネット使用、ネット依存、ゲーム依存等に関するさらに大規模な調査が行われる予定で、今回はその予備的調査の位置づけとされています。今回の実態調査は、厚生労働省依存症対策全国センター調査研究事業の一環で、久里浜医療センターが実施。無作為に選ばれた全国の6,000人が対象です。事前に依頼ハガキが送付され、調査員が直接訪問して行われます。対象となった人は、調査票に記入後、調査員に手渡すか、郵送、またはオンラインで回答することもできます。調査結果は、厚生労働省の政策企画・立案の基礎資料として活用され、予防や治療対策に役立てられます。【期間】2019年1月17日(木)〜2月中旬ごろ【対象】全国の10〜29歳の6,000人「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート調査」を実施いたします | 久里浜医療センター【ニュース】専門家に相談できる!オンラインの「育児発達相談窓口」を 経済産業省が福利厚生制度として導入Upload By 発達ナビニュース2019年1月から、株式会社WOODYが提供するオンライン育児サービス「育児発達相談窓口」を経済産業省が従業員向けの福利厚生制度として導入しました。「育児と仕事の両立の難しさ」を抱える従業員をサポートし、退職減に取り組むもので、WOODYでは、福利厚生制度として、年内に30社での導入を目指していくとしています。このサービスでは、従業員が周囲に相談しづらい育児の悩みをオンラインで気軽に相談できる機会を提供。臨床発達心理士、作業療法士、言語聴覚士、療育士、子ども向けワークショッププロデューサーといった専門家のカウンセリングを受けられます。WOODYは、発達障害のある子どもが興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、対面やオンラインでカウンセリングなどを行い、一人ひとりの可能性を伸ばすWEBサービス「Branch」を運営。これまでの経験をいかして、育児や子どもの発達に悩む従業員を対象に、この「育児発達相談窓口」を開設しました。株式会社WOODYの中里祐次代表取締役のコメント「育児に関してすべて相談できる場所というのは中々なく、一人で悩んでいる方が多いです。このサービスを始めたきっかけは、私個人宛に様々な方から育児や発達に関する相談をもらっていたからです。家庭の中の内容なため勤めている場所には相談しづらく、何も伝えないまま転職してしまったり辞めてしまったりということがこれまで多かったです。そういった一人ひとりの悩みをお聞きして、従業員の方を大切にしたい法人様の課題解決の一助となれば幸いです。」【お問い合わせ】Email: contact@thewoody.jp サービスサイト【イベント】自閉スペクトラム症の知覚をVRで体験できるワークショップが開催出典 : 年3月2日(土)と3月3日(日)に、自閉スペクトラム症(ASD)知覚体験ワークショップが開催されます。ワークショップでは、自閉スペクトラム症(ASD)当事者の知覚を、VR装置を用いて疑似体験できます。また、ASD当事者における知覚過敏・鈍麻のメカニズムについての講義や当事者の体験等に関する映像紹介、座談会を通じて、当事者への理解を深めていくプログラムが組まれています。【日時】3月2日(土)13:00~17:30(12時40分受付開始)3月3日(日)12:00~16:30(11時40分受付開始)※いずれの日程も同一内容です。※いずれか1日のみご参加いただけます。※過去に同一内容のワークショップにご参加いただいた方は、お申込みいただけません。ご了承ください。【場所】大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)5F大会議室2京阪「天満橋」駅、Osaka Metro(旧大阪市営地下鉄)谷町線「天満橋」駅 ①番出入口から東へ約350mJR東西線「大阪城北詰」駅下車。②号出口より土佐堀通り沿いに西へ約550m大阪シティバス「京阪東口」からすぐ()【内容】1.講義「自閉スペクトラム症の視覚世界を体験~なぜ対人コミュニケーションが難しいのかを考える~」(情報通信研究機構長井志江 主任研究員)2.ASD視覚シミュレータの体験3.ASD当事者の体験および海外の支援設計事例についての映像紹介4.座談会:学びや気付きの共有、議論【対象】ASD当事者のご家族や支援者、障害者雇用を担当されている方など【参加費】無料【定員】両日ともに60名(抽選)【応募締切】2019年2月11日(月)※当選者の方にのみ、応募期間終了後1週間以内(2月18日(月)まで)にご連絡いたします。【主催】JST CREST「認知ミラーリング」情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野株式会社LITALICO【応募方法】下記のフォームよりお申し込みください。参考:CREST特設ページ【イベント】「世界ダウン症の日」「ダウン症啓発月間」直前!キックオフイベントへ参加しよう!(東京都)Upload By 発達ナビニュース3月21日は国連の定めた「世界ダウン症の日」、また3月は日本ダウン症協会(JDS)が定めた「ダウン症啓発月間」です!日本中でさまざまな啓発イベントが開かれるのに先立って、キックオフイベントが開かれます!ステージパフォーマンスやトークセッション、チャリティTシャツのお披露目ファッションショー、さらに関係団体による体験ブースなどなどさまざまなプログラムが予定されています。総合司会は、朝のテレビ番組でおなじみの笠井信輔アナウンサーと、ダウン症のイケメンタレントあべけん太さんが務めます。生き生きと活動するダウン症の人たちに触れながら3月の本番に向けて理解を広げるために、会場へ足を運んでみませんか?【日時】2019年2月11日(月)13:00〜16:00【場所】東京都新宿区立四谷区民ホール(東京都新宿区内藤町87)【対象】どなたでも参加可能【参加費】 1,500円 ※未就学児で大人の膝の上に乗せられるお子さんは無料【内容】・ステージ「TEAM RAMI DREAM TEAM( ゴールデンホークス)」によるチアダンスパフォーマンス玉井邦夫JDS代表理事がダウン症のある人とトークセッションパリコレモデル髙木真理子先生(スマイルウォーキング倶楽部代表)ディレクションのチャリティTシャツお披露目ファッションショー世界ダウン症の日、ダウン症啓発ポスター発表JDSからのアピール文採択・ブースNPO法人アクセプションズハンドスタンプアートプロジェクトによるハンドスタンプ体験東京都自閉症協会による自閉症啓発ブース新宿区手をつなぐ親の会知的障害疑似体験キャラバン「Winds」JDSによる書籍販売、子育て手帳「+Happyしあわせのたね」配布世界ダウン症の日 | 公益財団法人日本ダウン症協会【イベント】障害のある人たちが生み出す作品の"記録"と"伝えること"をゲストと語る座談会「かすかなしるしに耳をすます 」(東京都)Upload By 発達ナビニュースみずのき美術館(京都)、鞆の津ミュージアム(広島)、はじまりの美術館(福島)の合同プロジェクトによる障害のある人の創作物を記録し伝えることについて考える座談会です!各美術館は、障害者支援施設が運営母体となっています。このプロジェクトでは昨年度から、施設利用者の方をはじめ、各地域で生活されている障害のある方や人知れず表現活動を続ける方によって生み出された作品・創作物の調査を三館合同で行ってきました。そして作品をデジタル・アーカイブとして記録・保存・公開しています。これまで三者三様の「アーカイブ」を探りながら合同でプロジェクトを進めてきましたが、よりオープンな議論ができる場として、今回の座談会を開催。ゲストは医学書院で「ケアをひらく」シリーズを編集する白石正明さん。あらゆる領域で「ケア」に向き合ってきた人たちの技法や知を書籍として編み上げ注目されている編集者です。また、プロジェクト設計者である須之内元洋さんがモデレーターを務め、「生きること」の多様さや複雑さを記録し伝えていくための方法や可能性について語ります。【日時】2019年2月16日(土) 14:00〜16:30【場所】日本財団ビル8階(東京都港区赤坂1-2-2)【内容】ゲストスピーカー: 白石正明(医学書院『ケアをひらく』シリーズ 編集者)スピーカー: 奥山理子(みずのき美術館)、津口在五(鞆の津ミュージアム)、 大政愛(はじまりの美術館)モデレーター: 須之内元洋(プロジェクト設計者)【参加費】無料【定員】100 名※要申し込み。定員になり次第締め切り※文字支援のアクセシビリティサービスあり各美術館のアーカイブスは次の通りです。※みずのき美術館は美術館内で「みずのきアーカイブ」として公開福六アーカイブズ | 鞆の津ミュージアムはじまりアーカイブスunico file | はじまりの美術館*みずのき美術館のページに遷移します【ニュース】専門家の講演内容も見られる「サイエンスアゴラ2018公開シンポジウム」開催報告ページを開設!Upload By 発達ナビニュース2018年11月に東京都で開かれた、サイエンスアゴラ2018 公開シンポジウム「地域での発達障害支援を考えよう〜うちの子、少し違うかも...Final」。当日の様子を報告するウェブページが開設されました!当日、会場に行けなかった人も、いつでも専門家の講演やパネルディスカッションの内容を見ることができます!開催報告ページでは、発達障害支援について医療・療育・教育などの様々な視点で、研究者や現場支援者から、エビデンスに基づいた地域支援の実践例が紹介されました。当日の内容を見ながら、さまざまな分野の専門的支援と地域住民の生活支援が、『地域』の中で提供されるための方法について一緒に考えてみませんか。【内容】・講演資料(PDF及び動画)・パネルディスカッション映像及び主な議論・イラストを利用したまとめ(グラフィックレコーディング)・関連情報など*社会技術研究開発センターのページに遷移します【イベント】不登校ライブフェスが開催出典 : 年2月15日(金)、4月の新学期に向けて、「不登校」をキーワードにしたフェスが開催されます。新しい環境で新しい自分に出会うきっかけを、音楽を通して感じてほしいと企画されたイベント。「不登校だったことが、よかった」と思える居場所を見つけた、国立音楽院の生徒たちによる渾身のステージも。生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さんや、子どものSOSシンガーソングライター・悠々ホルンさんのステージも予定されています。【日時】2019年2月15日(金)15:00開場、 15:30開始【会場】KMAパラダイスホール(〒154-0001東京都世田谷区池尻3-28-8 国立音楽院B1F)【参加費】500円【内容】15:00 開場15:30 弾き語りライブ生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さん16:05 トーク + ライブ国立音楽院 中等部在校生の本人&お母様16:45 トーク + バンドライブ 不登校経験者としての悠々ホルンさん17:40 参加者全員にプレゼント抽選会 + テーマ曲を合唱【主催】国立音楽院
2019年02月01日我が子の未来が順風満帆で輝かしいものとなるように……親であればそう願っていますよね。しかし実際には、他人からの心ない態度に傷ついたり、自分の能力に限界を感じたりするでしょう。そんなとき、「前を向く力」があれば、もう一度立ち上がることができるのです。いま、どんな困難な状況にあってもめげることなく前を向いていける力が求められています。お子さまの「前を向く力」を育てるために、親ができることを考えてみました。やり場のない気持ちは「切り替える」「やりすごす」子どもは、自分ひとりで解決できない困難を目の前にしたとき、親や先生などの身近な大人に「なぜ悩んでいるのか、苦しんでいるのか」「どうしたいのか」を言葉で伝えられないことがよくあります。原因がいくつも絡み合って、自分の中で整理がうまくできないために言語化できないのです。私たち大人の社会においても、似たようなことは起こります。すべてを白黒はっきりつけて解決できればいいのですが、そうとも限らないのが現実です。傷つき悩む子どもたちは、困難な状況をうまく乗り越えられないでいると、頭痛や腹痛など身体の不調を訴えることもありますし、不登校になってしまうこともあります。または、抱えているストレスをいじめや暴力で発散するケースも考えられます。この時代を生きていくには、困難に立ち向かう方法だけでなく、やり場のない気持ちをうまく切り替える方法ややりすごす方法を身につけて、前を向いて進む力が求められています。この力を「レジリエンス」といいます。海外では40年近く前から「レジリエンス」について研究が進んでいましたが、国内でレジリエンスが注目されたきっかけのひとつは、2011年3月11日の東日本大震災だといわれています。そのため、防災や減災といった意味合いで使われることもありますが、心理学では「逆境やトラウマ、惨事、脅威、もしくは重大なストレス源に直面したときにうまく適応するプロセス」(アメリカ心理学会)と定義されています。前を向く力「レジリエンス」が高い人の特徴「レジリエンス」は、誰もが元々もっている力で、大人になってからでも高めることができます。逆に、心身の疲労によって衰えることもあります。人によってレジリエンスの程度には差がありますが、高めていくには次のようなことがカギになると埼玉学園大学の小玉正博教授は述べています。【レジリエンスを高める考え方や行動】●気持ちや感情をコントロールする力●変化する状況に順応できる柔軟性●自分は大切だという感覚●必要な時に助けを求められる力●自分を犠牲にしない●楽観的であること●嫌なことを割り切る力これらをご覧になっていかがでしょうか。「前を向く力」といっても、困難へ正面から立ち向かうパワーや、限界まで粘り強く向き合うためのガッツではなく、「しなやかさ」「融通が利く」「受け入れる」に近いものが多いですね。困難な状況にあってもパニックを起こさず、また怒りや悲しみ、悔しさを自分でコントロールすること、状況に応じて順応すること、自分のことを大切に思いひとりで問題を抱え込まないことが「前を向く力」をつけるための大切な要素となります。子どものレジリエンスを育てるために親ができること3つ上記にレジリエンスを高める考え方や行動をご紹介しましたが、実際に私たちは、どのようなことを意識すれば、子どものレジリエンスを育てられるのでしょうか。臨床心理学者で東京学芸大学名誉教授の深谷和子先生は、次の5つが大切だといいます。レジリエンスを育てるために大切なこと1.自己肯定感(自尊感情)を育てる2.愛し愛されることができる子どもに育てる3.友だちとのかかわりをもてる子に育てる4.多様な体験をもつ子に育てる5.目標(志)をもつ子に育てる(引用元:Z会さぽナビ|特集 折れない心を育てる(1) 【インタビュー】「レジリエンス」こそ 親が子に残せる最高の資産(1))この中で最も重要なのは「自己肯定感(自尊感情)」で、自己肯定感が育っていれば2~5に連動してプラスの効果があるそうです。自己肯定感とは、「自分ならできる」「自分は愛されている」「ここにいてもいい存在だ」と思える気持ちです。また、自己肯定感が高い子どもは学力も高いという調査結果もあり、子どもの教育を考える上で注目されています。これら5つの観点で子どもを育てるために親ができることを3つご紹介します。それは「結果よりプロセスを褒める」「チャレンジを援助する」「人とのつながり感じさせる」です。(1)結果よりプロセスを褒める「上手にできたね」「やればできるじゃない」といった結果を褒めるよりも、途中でどんなふうに頑張っていたのか、以前に比べてどれくらい成長しているのかというプロセスを褒めます。たとえ、うまくいかず失敗に終わってもそこまでに至る意欲や頑張りを褒めることで、「またがんばろう」という気持ちが芽生えます。【プレセスを褒める声かけ】・「このあいだの日曜日よりも10回も多く縄跳びが飛べたね!」・「毎日漢字の練習を頑張ってるもんね、すごいよ!100点おめでとう」・「(点は入らなかったけど)たくさんパスがもらえるようになったよね!かっこよかったよ」(2)チャレンジを援助するわが子が失敗して傷つかないように、あれこれ先回りして手を差し伸べることを控えます。とても無理なことに無謀なチャレンジをさせるのではなく、ちょっと頑張れば手が届きそうなことに「チャレンジしてみよう」と思わせることがポイントです。子どもが多様な経験をし、必要なときには「助けて」と言える環境を作り、助けを求めてきたら必要な分だけ援助するようにします。【チャレンジをうながす声かけ】・「上り棒、半分登れるようになったんだね。一番上まで登れるようになったら、遠くに何が見えるか教えてね!」・「顔を水につけられるなんてすごい!じゃあ、目も開けられるかな?」・「補助なしでも逆上がりができそうだね。来週もお父さんと一緒に練習しよう!」(3)人とのつながりを感じさせる不安や心配事など何でも話せるように、「私たちはあなたのことをいつでも守っている」というメッセージを子どもに繰り返し伝えましょう。自分が守られていることで安心でき、自己肯定感も高まります。また、周りの人や社会の中で自分が大切にされていることに感謝の気持ちをもつように意識させることも大切です。【人とのつながりを意識させる声かけ】・「お父さんとお母さんは〇〇ちゃんのことをいつも大切に思っているよ」・「どんなことでも相談にのるからね。〇〇くんが大好きだから、いつでも〇〇くんを見ているよ」・「おばあちゃんは〇〇ちゃんのことが本当に大好きなのね。早く会いたいな、って言ってたよ」・「先生が〇〇くんの体調を心配して電話をくれたよ。うれしいね」子どもの前に困難が立ちはだかったとき、その悩みや苦しみを乗り越えるのは子ども自身。親は心配のあまり、つい手を差し伸べたり口を出したりしたくなりますが、励ましや援助を続けることが大切です。子どもが「自分は少しずつ成長している」「失敗しても、また頑張れる」「周りにいる人は自分の味方だ」と思うことが、前を向く力につながります。***失敗したとき、行き詰ってしまったとき、そのままつぶれてしまわず、気持ちを切り替えて感情をコントロールしながら目標に向かって行けるような、しなやかな心を育ててあげたいですね。(参考)Z会さぽナビ|特集 折れない心を育てる(1) 【インタビュー】「レジリエンス」こそ 親が子に残せる最高の資産(1)ベネッセ教育情報サイト|乳幼児期から育む、折れない心【前編】困難に負けない、レジリエンスとはベネッセ教育情報サイト|乳幼児期から育む、折れない心【後編】レジリエンスを伸ばす保護者の働きかけNPO法人 青少年こころの悩み支援センター|困難を乗り越える子どもに久世浩司著(2014),『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?』, SBクリエイティブ.久世浩司著(2015), 『マンガでやさしくわかるレジリエンス』, 日本能率協会マネジメントセンター.ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー・イーべン・ディシング・サンダール著、鹿田昌美訳(2017),『デンマークの親は子どもを褒めない 世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方』, 集英社.
2019年01月30日子どもの心身の健康に欠かせない「睡眠」。必要な睡眠時間は、幼児期(3〜5歳)で11〜13時間、学童期(6〜12歳)で10〜11時間といわれています。しかし、不足している子どもが多いのが現状です。みなさんのご家庭ではいかがでしょうか?子どもの睡眠が足りているかどうか、きちんと把握し、十分な睡眠時間を確保してあげられていますか?今回は、子どもの睡眠不足の危険性についてお話ししたうえで、寝不足な子に共通してよく見られる傾向と、十分な睡眠をとらせるための秘策をご紹介します。睡眠不足は「学力」や「人格形成」にも影響する!睡眠不足は健康にはもちろんのこと、学力や心にも影響をおよぼすことがわかっています。具体的には、どんなことが懸念されるのでしょうか。【健康への影響】睡眠不足は、体に様々な症状を引き起こします。その一つが、免疫力の低下です。通常、睡眠中は様々なホルモンが分泌され、それらが体の機能を整えるうえで重要な働きをします。それが、睡眠不足になると少なくなり、体のバランスが崩れてしまうそうです。また、睡眠不足は体温や交感神経、副交感神経の異常を招くといわれています。それらの異常は、朝起きれなくなったり、肥満や高血圧を引き起こしたりする、非常に厄介なものです。さらに、幼少期の睡眠不足は、その後の生活習慣にも影響するといわれています。手遅れにならないうちに改善しないと、大人になってから健康に支障をきたすこともあるのです。【学力への影響】学力への影響も無視できません。ある調査では、成績が上位の子ほど早い時刻に寝ていることがわかっています。睡眠には、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があり、およそ90分おきに訪れるレム睡眠の間に、脳が記憶を整理するといわれています。ですから、睡眠時間が短ければ短いほど、そのチャンスが減ってしまうのです。つまり睡眠不足は記憶が定着せず、せっかくの学習努力が無駄になってしまうかもしれません。勉強したことをしっかり身につけるには、十分な睡眠が欠かせないのです。【心への影響】子どもが睡眠不足になると、感情のコントロールが難しくなるということが指摘されています。遊んでいてもイライラしてしまい、友だちと喧嘩してしまうことも。気づかないうちに友人関係を悪化させてしまうかもしれません。昌仁醫修会瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子先生は、「夜型の幼児は攻撃性が高く、不注意が多い。夜型の5歳児は三角形が書けない」と話しています。このように、睡眠が不足すると、心にも影響がおよびます。小さな子どもが、コントロールのきかない感情を抱え、心を痛めてしまうのです。寝不足な子が出している3つのサインさて、こうした様々な危険にさらされている寝不足な子たちは、共通して何かしらのサインを出しています。それを親御さんが敏感に察知することで、早期に睡眠不足を解消させてあげられるかもしれません。そこで、下記に寝不足な子によく見られるタイプや行動、様子を挙げていきたいと思います。【寝不足のサイン1:自己肯定感が低い、イライラしている】子どもの態度や発言に注目してみてください。理由やきっかけもなく常にイライラしていたり、「どうせ自分なんか」「頑張っても無駄だし」といった投げやりな言葉を口にしたりしていませんか?文科省の調査から、睡眠不足の子どもには、自己肯定感が低く、イライラしやすい子が多いということがわかりました。自己肯定感が低いということは、自分の能力に自信がなく、自分の存在価値が見出せないということ。自分で自分のことを好きになれないのです。子どもの態度や発言に「あれ?」と思うような点があれば、それが要注意のサインと考えられるでしょう。【寝不足のサイン2:昼間の居眠りが多い、休日に遅くまで寝ている】日常的な行動にも、睡眠不足のサインは潜んでいます。昼間に居眠りをしていることが多かったり、休日に寝溜めをしたりする行動は、まさに普段の睡眠が足りていない証拠です。授業中も居眠りしてしまい、授業の進度についていけなくなってしまうことも。対応が遅れると、不登校になるケースもあるといわれています。こうした行動は、周囲から「怠け者」と誤解されることが少なくありません。せめて親だけでも、子どもの睡眠が足りていないということに気づいてあげたいところです。【寝不足のサイン3:毎日忙しい、何事にも頑張りすぎてしまう】何事にも真面目に、一生懸命取り組む頑張り屋さんは、睡眠不足になりやすいといわれています。学校や塾、習い事など、忙しい毎日を送る子どもは少なくありません。それらを無理矢理すべてこなそうとすれば、睡眠時間を削るしかない、ということになってしまいます。子どもの様子を見て、「ちょっと頑張りすぎているな」と気になるなら、それが要注意のサインといえるのではないでしょうか。まずは親の睡眠時間を確保するべき我が子の睡眠が足りていない――。その事実に気づいたとき、親はどのようにして、子どもの睡眠時間を確保すればいいでしょうか。実は、親だからこそできる秘策があるのです。睡眠文化研究所が行なった調査「都市生活における家族の睡眠の現状」によれば、親子が同じ部屋で眠る家庭は全体の80%で、子どもの睡眠は親の睡眠と密接に関係しているそうです。そして、「夜型の母親が夜型の子どもをつくる」「両親の睡眠の健康が悪いと、子どもの睡眠健康も悪い」ということが明らかになっています。つまり、子どもの睡眠時間を確保するなら、その前に親の睡眠時間を確保するべきなのです。とはいえ、家事や仕事で忙しい親にとって、睡眠時間を増やすことは大変なことでしょう。その場合は、親子で寝る部屋を別々にしてみたり、夜行なっていた家事を朝に回してみたりと工夫してみましょう。子どもの未来を決めかねない「睡眠」。家族で話し合い、できることから少しずつ試してみてくださいね。***子どもの睡眠不足に気づき、それを改善できるのは、親だということがわかりました。これを機に、ぜひ家族で睡眠について話し合ってみるのはいかがでしょう。部屋の環境を整えたり、就寝時間を調整したりなど、家庭ごとに異なる最適な改善策が見つかるかもしれませんね。(参考)ALL About暮らし|子どもの夜型化には危険がいっぱい!オークローンマーケティング|子どもの睡眠に関する調査結果東洋経済オンライン|「成績のよい子」は、だいたい何時に寝るのかダイヤモンドオンライン|睡眠不足で脳に恐ろしい影響が?子どもの最適な勉強・読書時間とは睡眠屋オンラインショップ|理想の睡眠時間で子供の成長の手助けをヤフーニュース|大人よりも深刻――子どもの「睡眠負債」その実態とは文科省|睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果(概要)産経WEST|「早く起きることが苦痛」塾通い・スマホで体内時計リズム“崩壊”、寝不足の子供続出…睡眠教育の効果は睡眠文化研究所|都市生活における家族の睡眠の現状
2019年01月25日冬休みが終わり、久しぶりの学校。子どもたちもしっかり準備していたものの…。本日は登校初日あるある(!?)なお話です。 休み明けは要注意! 登校初日の出来事今日は4コマです。「あ」じゃない、「あ」じゃ(笑)。こまめはわりと心配性なところがあるので、学校が始まる数日前から「忘れ物大丈夫かな」って不安になってて、何回も持ち物見直ししてたのに(笑)。体操着は初日じゃなくて2日目にもってくるものだったらしく、危うく全部忘れてしまうとこだったよ!
2019年01月12日マルコメ君でおなじみのマルコメが新商品発表会を開催しました。会の冒頭で行われた糀甘酒PRイベントに、同社がスポンサー契約を結んでいる川崎フロンターレのキャプテンかつエース・小林悠選手が登場しました! 壇上では力強い書初めを披露したほか、その後の取材では、糀甘酒にちなんであま~い思い出とともに、切なすぎる初恋話もお話ししてくれました♡文・伊藤順子2019年の新ユニフォームで小林悠選手がお目見えです!1月10日、都内某所で行われたマルコメの糀甘酒PRイベントでは、人気糀甘酒シリーズで初となる無塩タイプの糀甘酒と、糀ジェラートをPRするために、同社のCMに出演中のミランダ・カーさん、小林悠選手のおふたりが揃って登壇しました。小林選手は、昨年よりライトブルーを全面に打ち出した今シーズンの新ユニフォームに身を包んでの登場です。「この明るい青が僕はすごく好きなので、とても気に入っています。また、ストレッチが効いていて動きやすい。今年も優勝できそうです!」と頼もしいお言葉。そして、「2連覇できて大変充実していました」と昨年を振り返ったあと、新年にふさわしく書初めを披露してくれました。小林選手が書いたのは…。堂々たる「王」の一文字!小林選手 (隣のミランダ・カーさんが「愛」を書いたのに対して)僕、日本人なのに簡単な字ですみません(会場笑)。得点王の「王」と、クラブとして再び「王者」になるという意味を込めて書きました。ご指導してくださった鈴木啓水先生による評は「最初は緊張しているな、という書き方でしたが、最後の1筆が素晴らしい! チームを支えるぞという気合と、力強さを感じますね」とべた褒め。小林選手は恥ずかしそうに笑みを浮かべていました。その後に告知された、川崎フロンターレ2連覇を記念して販売される、特別デザインの味噌汁を「毎朝飲みたい」と話し、「この1年戦うために、糀甘酒を飲んで怪我なくやりたい」とPRした小林選手。実際に米糀甘酒は、疲労改善効果が確認されたのだそう(同社と大妻女子大学家政学部教授・川口美喜子さんとの共同調査により)。今回、糀甘酒を使った3種のジェラートの試食もあり、その後の囲み取材では、「甘いものは好きなのですが、職業柄控えているので、健康によく罪悪感なく食べられるのはとてもいいですよね」とお話してくれました。そして、素の小林選手を探るべく、こんな質問を。ーー甘酒にちなんで、あまい思い出を教えてください。小林選手 え~、あまい思い出!? (と困惑しながらも…)奥さんと付き合った当初、料理を作ってくれたことが嬉しかったですね。体のことを考えたメニューを用意してくれました。あと、バレンタインや誕生日などは、自分の食べたいものを作ってくれますね。ーーバレンタインって、手作りチョコレートですか?小林選手 いえいえ、チョコじゃなくて。なんだろ、毎年違うからなぁ。よく覚えているのは、カボチャのケーキかな。僕、カボチャが好きなんです♡ーーでは、逆にしょっぱい思い出はありますか?小林選手(上を向いて考えながら)初恋の女の子が不登校になっちゃったのがショックでしたね。お互い好き同士(!)だったんですけど、部活動が原因で、学校に来なくなっちゃって……ショボンとしましたね。彼女とはそのまま終わってしまったそう。切なすぎる恋バナでした…。また、他記者からは、次のような質問もありました。ーー今年挑戦したいことは何ですか?小林選手 サッカーでは、自分の得意とするターンが一番うまい選手になりたいですね。プライベートでは、コーヒーが好きなので、ソムリエの資格を取りたいです(笑)。プライベートの意外な目標もお伺いできて、時折笑いが起こる和やかな取材となりましたが、最後に来月2月16日に行われる「FUJI XEROX SUPER CUP 2019」への意気込みを問うと「昨年は負けてしまい、ズルズルとACLも残念な結果に終わったので、今年は必ず勝って、いいスタートにしたいです」とキッパリ宣言してくれました。今年も小林選手のさらなる活躍を期待しましょう!Information『プラス糀 糀甘酒LL 糀リッチ』オープン価格 4月上旬発売予定1000ml『糀ジェラート』柚子バジル、アーモンドチョコ、バナナキウイの3種類各オープン価格 春発売予定内容量未定小林悠1987年9月23日生まれ。東京都町田市出身。2010年、拓殖大学から川崎フロンターレに加入。一瞬の動き出しでDFの視界から消え、ラストパスのタイミングでゴール前に入り込むストライカー。得点を奪うだけではなくチャンスメイクにも長け、アシストに回ることもできるオールラウンダー。2017年シーズンからキャプテンとなりチームを引っ張る。2017年、Jリーグ最優秀選手賞、J1得点王、Jリーグ ベストイレブンを獲得。
2019年01月11日節電とは無縁の生活冬や夏といえば光熱費がかかるシーズン、頑張って節電に取り組んでおられるご家庭も多いのではないでしょうか?わが家は、娘が学校へ行かず引きこもるようになってから、節電という言葉とは無縁な地球にやさしくない生活をしています。マンションに1台しかないエアコンはよほど快適なシーズン以外は24時間稼働しっぱなし。電力自由化までは、真夏や真冬には2万を超える電気代を払っていました。引きこもりと空調の問題出典 : 不登校や引きこもりに関する講演で聞く話ですが、当事者である子どもたちは親が思っている以上に、引きこもっている自分の存在を否定し親に申し訳ないと感じているのではないかと思います。そんな子どもたちにとって大切なのは「あなたはここにいていいんだよ」と態度で示してあげること。空調もその一つで「寒かったらエアコンをつけてね」と一言かけるだけで子どもの気持ちも変わります。「自分のせいで電気代がかかって申し訳ない」って思っていますので…。娘も最初は「クーラーつけてもいい?」と毎日遠慮がちに聞いてきていました。感覚過敏で洋服での調整が難しい娘は感覚過敏が強く、それは小学校3年生のときに完全に学校に行けなくなってから一気にひどくなりました。肌の感覚が鋭くなり、今まで身につけることができた靴下や靴、長袖・長ズボンをまったく受けつけないようになりました。室内では一年中、ヨレヨレになったTシャツとパイル地の短パンしか身につけません。それでいて、ちょっと寒かったり暑かったりしたらエアコンをつけたがるし、湿度にも敏感になって加湿器を出して欲しいと言うし、正直に言うと腹が立つこともありました。その頃はまだ、娘に発達障害があるとはゆめにも思っていなかったからです。親からしてみれば、「まだそれほど暖かくもないのに、そんな恰好をしていたら寒いに決まっているじゃないか。暖房をつけるくらいなら上に何か着てほしい」と言いたいところですが、発達障害と診断され、娘には感覚過敏という特性もあることを理解してからはイライラすることもなくなりました。娘はわが家のエアコン奉行現在、わが家の空調は娘に合わせて完璧になるよう、「娘が」管理しています。基本的にシーズン中は24時間稼働、マメな調整も欠かしません。エアコンが止まるのは外気が20℃前後、湿度40~55%程度になる快適なシーズンだけです。ちなみに湿度にも敏感で「空気が乾いているから加湿器をつけるね」と素早く調整します。去年の真夏にエアコンが故障したのですが、そのときはすぐに実家に避難したにもかかわらず、環境が変わったのがストレスになったのか体調を崩して病院行きに…。加湿器も故障したので、エアコンと一緒に、できるだけ電気代が安くつき、自分で設定がカスタマイズできるものを選んで購入しました。加湿器の説明書を熟読した娘は、月に一度のフィルターのクエン酸洗浄もやってくれるように。本当に働き者のエアコン奉行です!意外な人たちにも喜ばれた出典 : うちにはヘルパーさんが週3回来てくれているのですが、いつも部屋に入ったとたん喜びます。「ヨーコさんの家は一年中快適やわ~」って。お年寄りの家は夏場は暑いし、冬場は使ってない部屋は寒いしで大変なんですって。しかも、普段ヘルパーさんが来ているときは、加湿器が置いてある寝室のふすまを閉めて閉じこもっている娘も、ヘルパーさんが風邪をひいて咳をしていると、ふすまを開け放して湿度を調整してくれます。自分が喘息で苦しんだ経験があるから優しいんですよね。意外な人にも喜んでもらえて何よりです。
2019年01月11日不登校の親子にとって帰省や親戚づきあいは鬼門不登校当事者やその親からこの時期よく出る話題が「お正月どうするか」ということ。私のまわりでも、不登校の子どもたちは「祖父母や親戚から学校のことを聞かれるのが嫌」「お説教をされるのが苦痛」と語っています。また心身のエネルギーが不足しているので長距離の移動に耐えられない、昼夜逆転している場合が多いので他の人のリズムに合わせるのがつらい、という事情もあります。母親からすると、自分の親や義理の親から「お正月なのに孫の顔も見せに来ないの」と責められ、「行きたくない」という子どもと自分の親の板挟みになるつらい行事となりがちです。シングルマザーであるわが家も例外ではありませんでした。娘と私のお正月お正月に私の実家に集まるのは母と私の兄弟、そして娘と私だけです。小学2年生の2学期から娘が不登校になってからは、せっかく集まっても不登校に理解が全くない兄弟と理解できない母に責められてばかり。特に兄弟が厳しく冷たい口調で、一度にごはんを食べられない娘に「なんだそのごはんの食べ方は!行儀が悪い!」と声を荒げたり、「お前はまだ学校へも行けないのか」とチクチク言うようになってお正月気分どころではありません。娘は食欲も失ってトイレや別室にこもりきりになり、私も怒り狂って喧嘩別れするように娘を連れ帰ることが続くように。それでも我慢して元旦は顔を出していたのですが、娘が中学2年生のとき、ついにはっきりと「お正月、実家に行きたくない」、「お腹の調子が悪い」と言いました。そして、その年のお正月は娘は一度も実家に行きませんでした。私だけ義理を立てるために顔を出したのですが、母と兄弟に娘のことや私たちの生活についてさんざん非難され、帰ってから何日も寝込む羽目になったのでした…。本当にお正月は帰省するもの?みんなでおせちを食べるもの?娘が不登校を始めた当時は、私自身「正月くらい自分も実家でのんびりしたい」という気持ちが強く、「ママ、おうちに帰りたい」という娘を叱り飛ばしていました。今から思うと、食事も喉を通らず、落ち着ける場所もなく、どれだけつらかったでしょう。母子で何度も苦い思いを重ね、娘が中学生になってからようやく「実家にこだわらず娘と二人でのんびり平和にお正月を過ごせたらいいんだ」と気づいてからは、自宅でおせちを用意して自分がのんびりできるような体制を整えるようになったのです。特に凝ったことはせずに娘の大好きなローストビーフを奮発し、後は簡単なお惣菜を作り置くだけのお正月。生活リズムもバラバラなので改まって挨拶することもなく、各自のペースで好きなものを食べるだけだけど、娘はホッとした笑顔で私もなんだか幸せで「これでよかったんだ」と心から思いました。「お正月は帰省してみんなでおせちを食べる」という常識に縛り付けられていたのは私だったのです。一番守らなければならなかったのは娘の心だったのに。現在高1の娘、お正月を語る高校1年生となった娘に「お正月についてどう思う?」と聞いてみました。「お正月って一家集合、一族集合っていうビッグイベントだよね。ママがそれをストレスに感じてることは見てたらわかる。嫌なことがあっても強制的に行かなければならないってつらいだろうなって思う。生きていると情報がどんどん記憶されていくの。自分の嫌な記憶とか、人から聞いて「こういうことが起こるんだな」って思ったこととかが。私にとってお正月は緊張要素として普段は無意識化に置かれている感じ。そして緊張が重なるとバーンってなっちゃう。私の精神科の先生が言っていたよね。『電車が怖い』という症状は『大丈夫』が重なると減っていくけれど、イヤなことの積み重ねだとしんどくなるって。それと正月も一緒だと思う。今までの経験で嫌になるんだよね」とても冷静に分析できていてびっくりしました。そして、「ああ、やっぱり”忘れることができない”特性があるんだな」と心が痛くなりました。これからのお正月は「今年は叔父さんがいても行くよ」という娘。「無理しなくていいんだよ」と思いますが、お年玉などいろいろなことを天秤にかけて娘が決めるのなら任せようと思います。他のご家庭でも、歳を重ねるとともに家族の関係性って変化していくと思いますし、子どもも成長していきます。祖父母とも二度と会えないわけではないし、行事に関係ない時にふらりと自分から会いに行くこともあるかもしれません。わざわざプレッシャーのかかるときに無理をさせるメリットはないのではと私は考えます。本人の気持ちを第一に、細く長く無理なくつき合っていければいいですよね。
2018年12月14日編集部:学研キッズネット編集部人気連載「教えて!陰山先生」で、数々の悩みを解決してくれる陰山先生。その的確なアドバイスに力をもらい、子育てにはげんできた読者の方も多いのではないでしょうか。今回は、みなさんから寄せられた質問を通して先生が感じたこと、子育てにがんばるお母さんたちへの思いを語ってもらいました。母親が「わたしが守らなきゃ」と思いこみすぎている――これまで連載に寄せられた質問から、どんなことを感じましたか。陰山:ずっと気になっていたのは「母親が神経質になりすぎているのではないか」ということ。今の時代は情報過多であり様々なできごとが耳に入ります。一方、子どもの状況が事細かに見えすぎていて、「わたしが子どもを守らなきゃ」という思いが強すぎるように思います。心配するあまり、かえって問題を大きくしてしまっているところもあるのではないかと思っています。――具体的には、どういうことでしょうか。陰山:テレビや本、ネットなどのメディアは、不安や心配事を取り上げることが多い傾向があります。少しでも心配事がある人は、解決策を求めてそれを読みますよね。でも読むことで、余計に不安になってしまう人も多いんです。たとえば、学校でいじめ問題が起きたとします。確かに、保護者が出ていかないといけない場面はあるのですが、決してすべてに関わる必要はないんです。相当レアなケースだからこそメディアに取り上げられている、すべてがそれと同じくらいの内容ではないと考えてほしいですね。自分たちの子ども時代を思い出してもらえばいいと思うのですが、子ども同士、考え方や意見の違いがあるのは当然のことで、トラブルは日常的に起きています。そこで、おたがい言いたいことを言い合ってケンカをしても、数日経てば仲直りするのが普通です。子どもはトラブルをくりかえして成長していくものですから。心配性の保護者は、早い段階で子どもたちの問題に入っていく傾向があるのですが、そうなると子どもたちはどう対応したら良いのかわからずじまいで、戸惑ってしまいます。結果的に、その保護者の子が避けられてしまうこともあり、あまり良いことにはならないのです。――保護者が関わる必要がある場合とそうでない場合とは、どうやって見極めればいいのでしょうか。陰山:子どもの体に異常なあざがあるとか、そういうことを隠そうとするとかですね。あきらかに内緒ごとがあるときは、注意してみておく必要があります。子どもが「○○くんとケンカして、ああしてこうなった」と言っている分には、問題はないと思います。――それでも不安になってしまうときは、どうすればいいですか。陰山:母親が不安に思うと、その不安感は子どもの中で増幅されます。先ほどのいじめ問題のように、早い段階で母親が動いてしまうと、子どもは安心するのではなく、さらに不安になります。母親がどう思うかを基準に行動してしまうからです。そうすると、子どもの心は不安であふれ、自信がなくなり、自己肯定感が低くなってしまいます。それが不登校の原因のひとつにもなっていると、わたしは見ています。――親が心配しすぎると、子どもが不安になってしまうんですね。 陰山:そうです。うまく育てていらっしゃるなと思うお母さんには、朗らかな方が多いですね。一切心配せず、動じないんですよ。毎日みている母親が「この子は大丈夫!」と思ったら、それが正しいんだと思います。「母親が不安になると、子どもはもっと不安になってしまう」と陰山先生心配しすぎると、子どもはどうしても自信が持てなくなるので、情緒不安定になり、お菓子をたくさん食べたり、夜中に目が覚めてしまうなど、生活習慣が不適正になってきます。またその逆で、不適正な生活習慣が原因となって、友だち同士のトラブルや成績不振など、子どものさまざまな問題が起きているケースも多いです。たとえば、中学生が部活で疲れて帰ってきて、いったん眠る。夜に起き出して夕食をとり、12時ごろにまた眠る。こういう生活習慣は、ものすごく子どもの体力を奪うんです。不登校の生徒が多い、ある中学校を調べた結果、睡眠の不適正が原因であることが分かったという事例もあります。――生活習慣って、本当に大事なんですね。陰山:毎日、質の良い睡眠をとることと、食事をきちんととることはとても大事なことです。生活習慣がちゃんとしていれば、心配ごとは減ると思いますよ。子育ては、方向性が明確になると楽になる――たとえば優秀な同級生に対して、「なんでウチの子はできないの?」と劣等感を持つことが、親の心配の一因になっている場合もありますよね。陰山: 誰かの価値観や、社会で用意された価値観にはまってしまうと、どこかで劣等感を持つことになります。でも、自分自身の価値観が定まっていれば、人と比較することが減り、親子ともに劣等感を感じることが少なくなります。ほかの人の価値観をわが子に持ってきてしまうのは、マイナス面が大きい。自分がしたい子育ての方向性がある程度明確になれば、必要以上に不安にならずにすむものです。――方向性を決めるのはなかなか難しいので、とりあえず良い学校に入れたいという考えの人は多いと思うのですが。陰山:それ自体は間違いではないと思いますが、ではいつの時点でその先の進路を決めるのかということですよね。子どもの学力は十分についた。いろいろな職業につく可能性は広がったけれど、何をしたいか分からないという状況は困りますよね。――確かに、それは困りますね。なりたい職業を自分で決められる子に育てるには、どうしたらいいのでしょうか?陰山:小さいころから、自分自身で考えさせる場面を多く持たせることが大事です。ベストな答えを出そうと思うと決められないので、どっちでもいいから、とりあえず決めさせること。正解を探すのではなく、自分自身の心に決めさせるのです。そのためには、いろいろなところへ連れて行って、さまざまな体験をさせることです。博物館に行ったり、旅をしたり、ワクワクするような体験をさせると、やりたいことが増えていって、可能性が広がります。――なかなか決めない子どもを見ていると、つい口を出したくなりますが、親もがまんが必要ですね。陰山:そうですね。子育ては、子どもがなりたい職業につけるようにサポートできたら、合格点だと思うんです。わたしの3人の子どもたちは、それぞれが小さいころの夢を実現させています。だから、自分自身の子育ては、100点満点中110点くらいの感覚を持っていますね。たとえば次女は、就職活動で悩んだこともありましたが、最終的には、小さいころからの夢だった仕事を選びました。これは、自分の価値観がしっかりしていたからだと思います。自分なりの価値観をつくってあげることは、子どもの自己肯定感を高めることにもつながります。子どもを信じることと、笑顔を忘れないこと!――子育てで、大事にすべきポイントは何でしょうか。陰山:この子はきっと良い方向にいく。最終的には絶対なんとかなると信じて、ポジティブでいること。わたし自身の子育てでは、激しく親子で対立したこともありました。でも、必要な場面では、こちらが絶対折れない。ここで子どもとの関係が壊れるんだったら、それもやむなしというくらいの気持ちで立ち向かったこともあります。子どもたちは、親の背中をよく見ていますから、親自身が自分を信じることも大事ですね。もうひとつは、母親の笑顔です。子どもと対立したときも、わたしの妻は「お父さんは、あんなふうに言ってるけど、大丈夫だから」と笑顔で子どもをフォローしてくれていました。何があっても笑顔の妻には、いままで本当に救われてきました。それは妻の性格というより、「笑う努力」「まわりを笑わせる努力」をしていたんだと思うんです。 ――やはり子どもにとっては父親より、母親なんでしょうか。 陰山:一般的に、子どもと長く接しているのは母親なので、母親の影響を受けやすいものです。その場合父親の役割は、そんな母親に安心感を与えることだと思います。そして、母親もたまには独身時代のように、自分が楽しむ時間を持つといいですね。そのときには、父親はもちろん、まわりの人にフォローしてもらえる環境があるとベストです。親だけで子どもは育ちません。子どもがいろんな人とふれ合って、仲良くなることも大事です。わたしの子どもたちが悩んでいたときには、祖父母や叔母、友人たちが的確なアドバイスをしてくれました。いろんなタイプの応援団が身近にいる環境にしておくことも大事です。「父親の役割は母親に安心感を与えること」と語る陰山先生――身近な人たちの存在は、親にも子にも大切だということですね。最後に、子育て中のお母さんにエールをお願いします!陰山: 「わたしがかんばらなきゃ!」と肩に力を入れないことです。「できないことがあるのは当たり前!」と、開き直るくらいでちょうどいいと思いますよ。子どものころの成績が悪くても、多少やんちゃでも、立派な社会人になっている人はたくさんいます。お母さんの笑顔でお子さんを包んであげてください。子育ての期間は思っているよりも短いのです。楽しみましょう。――本当にそうですね!ありがとうございました。子育てでは、他人からみたらなんでもないような小さな悩みもあれば、心が折れそうになるほど大きな悩みに向き合うこともあるでしょう。でも、「信じれば、きっとなんとかなる」という先生の言葉にパワーをもらいました。陰山先生の、子どもたちへのやさしいまなざしから生まれる言葉の一つひとつは、子育て中のわたしたちにとって、深く心に響くものでした。「子どもが18歳になるまでにあと何年だろう?」と考えると、そんなに長くないことに改めて気づきます。実はそれほど長くない年月、子どもたちを見守りながら、子育てをいっしょに楽しみましょう。 (まとめ永瀬紀子/亀井惠美子)学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年12月07日ときには3時間も。食事に時間がかかる娘娘は昔から食事に時間がかかる子でした。少しだけ食べては席を立ち、しばらく遊んだりトイレに行ってからまた少し食べるというのを繰り返し、ひどいときには3時間くらいかけて食べていたのです。叱ってみたり、保育園の先生のアドバイスに従ってみたりと、いろいろ試してみたのですがどうしても治りませんでした。16歳になった今では、ヘルパーさんがつくり置いてくれるおかずを、親子それぞれ自分のタイミングで食べるという生活に落ち着いています。娘は冷凍食品や自分で作ったものを食べることもあります。配膳を自分でするわけですから、自分が食べたいものを食べられる量だけよそっているはずですが、今でも食事を中断してパソコンに向かったり、トイレにこもったりする行動は変わりません。どうしてなのか?ふとした会話の中で、その答えを本人の口から聞くことができ、私は自分の考えの至らなさを思い知らされることとなりました。周りのアドバイスで親子ともにつらかった幼児・小学生の頃娘が3歳くらいの時のことです。娘の食事の様子について保育園の先生に相談したら、「お母さん、そんな食べ方を許していたらダメですよ。少しずつよそって、30分たったら片づけてしまって下さい!」ときつい口調で言われてしまいました。ちょっと悲しくなりながらも実践してみたのですが、娘の食べ方は変わらず、後からお腹が空いたとグズグズいうことが続きました。しつけのためだけに毎日何時間も時間をかけるのは私の精神が削られたので、1週間もしないうちにギブアップ。「お腹が空いた」とぐずる娘を見るのがつらかったということも大きかったですね。「私が甘すぎるからダメなのか?」と悩む日々が続きました。小学生になってからは、お盆やお正月に実家で家族が集まって食事するときに、私の弟(娘にとっては叔父)に「お前の食事態度はふざけている!」と怒られて、よけいに食事が喉を通らなくなってしまうことも。そのせいで実家で会食することを嫌がるようになり、高校生になった今でも私の弟とは顔を合わせようとしなくなりました。祖父母にも食事中に何度も席を立って戻らないことはいい顔をされず、「どうしてなのかねぇ」と困惑されていました。私も含め、娘に発達障害の診断がつく小学4年生になるまでは、誰も娘の食事がスムーズにいかない理由を理解できずにいたのです。感覚過敏やこだわりのせいだと思っていた娘が発達障害とわかってからは、感覚過敏やこだわりのせいかと思うようになりました。娘はご飯の食感にとてもこだわりがあり、よそったご飯は「すぐ」食べてしまわなければ気が済みません。冷めたご飯やおにぎり、冷凍ごはんを解凍したものも嫌がり、出来合いのお総菜も「変な味がする」と言い、食べないのです。今でもそれは基本的には変わっていません。だから家ではよそいたてのごはんと主菜だけ食べていったん食事を終えます。そしてしばらくたってからおやつ感覚で副菜を食べるのです。それが、食事に時間がかかる一因にはなっていると私は考えています。でも、原因はそれだけではありませんでした。鍵は"胃腸"にあった!16歳になった娘の口から語られた真実ある日、私が糖尿病の食事指導の一つとしてよく噛むように言われていることを話しているうちに、「あなたは昔から食事に時間をかけすぎると言われていたんだよね」という話題になりました。すると娘は、「私は一度に食べたらお腹が一杯になって苦しくなるねん。そんな状態で食卓に座り続けているのがつらいからパソコンしたりして気を紛らわせているだけど。小さなころのことは覚えてないなぁ」と言ったのです。保育園の頃「30分たったら食事を下げてください」と先生に言われた話をすると、「食事を始めるとすぐに便が出そうになってトイレにこもってしまうんだけど、ママはそんな時に戻ったら食事を下げられていたらどう思う?悲しいやろ?」と言っていました。「でも、給食はちゃんと食べられていたよね?どうして?」と聞くと、「あの頃はなぜか適応できていたんだよなぁ。どうしてかは自分ではわからないけど」とのこと。そういえば小学校の給食試食会で娘のクラスの給食風景を見たのですが、いただきますの前に「減らしてほしい人は来てください」と先生が声を掛け、みんなぞろぞろと配膳のところに並んで食べきれない分を自分で戻しているのです。これにはびっくりしたとともに、「何ていい時代になったんだ」と感動すら覚えました。そういう配慮もよかったのかもしれません。心と胃腸は結びついている思い出してみると、娘は小さなころから排便に難がある子でした。おむつは小は3歳になってすぐに取れましたが、大は5つ近くになるまではいたままでしかできない。おむつがとれても、絵本を読みながら私がトイレのそばにいないと出ない。外出先では個室に一緒に入って物語を語ってやるか、歌を歌ってあげないと出ない。ショッピングセンターのトイレや駅のトイレで歌ったこともありました。小学校に上がってからも、小1のとき先生に「先生、私、本を読みながらじゃないとうんちできない」と自分で訴え、特別に服に隠して本を持ち込ませてもらっていたようです。小学2年生で担任が変わってからは、その配慮を受けられなかったのかも知れないと思って本人に聞いてみたのですが、覚えてないと言われてしまいました。ひょっとしたら、それも不登校の理由の一つなのかもしれないと思ったのですが…。彼女の心は胃腸と常に結びついていて、今も腹痛を安定剤と胃腸科の薬とを使いこなしながらコントロールしています。どちらが効くかは本人にはわかるそうで。それでも、映画に行ったときは両方飲んで真っ青になりながら鑑賞してました。外出用のカバンにはいつもあらゆる薬が入っています。ちなみに娘が通う通信制サポート校の先生も「うちの生徒たちは腹痛持ちの子がすごく多いです」と仰ってました。心のSOSは真っ先に身体に出るもので、特に胃腸にくることが多いように思います。先生の言葉には大きく頷かされるものがありました。最後に私は娘に発達障害の診断がついた時点で思考停止して、「ああ全部発達障害のせいだったのか」と考えてしまっていたように思います。子どもの困った行動は「子どもの困っている気持ち」を表現していることが多いと気づきだしたのは最近のことです。今回のことも発達障害という切り口からだけでは見えてこないこともあると思うのです。確かに根底には発達の凸凹があるのかもしれません。だけど、本人が生まれついた体質や気質、それからきた困り感に周りがどう応えてきたのか、必要な配慮は受けられたのか、ということの方が大切なのではないでしょうか。原因は一つとは限らないし、その時分かるとは限りません。親だって判断を誤ることもあるでしょう。だけど、「まずは目の前の子どもの困り感を減らしてあげること」を一番に考えてあげたいと思いました。
2018年11月27日発達障害がある10代対象のイベントを開催!先日、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou」を展開する朝日新聞withnewsとの共催で、発達障害のある10代向けにトークイベントを実施しました。中高生には10代ならではの悩みがありますが、発達障害がある場合、その特性ゆえの悩みやしんどさを、なかなか周囲の友達や保護者と共有できないことも。そこで、同じく発達障害がある「センパイ」たちからのメッセージを、今を生きる10代に伝えよう、という趣旨から、今回のイベントが企画されました。今回は、自分の個性を活かしてそれぞれに活躍する発達障害当事者3名をゲストにお招きし、語っていただきました。会場には、約50名の10代当事者やその保護者が参加、また、Youtubeでのリアルタイム配信では120名以上の方々にご視聴いただきました。熱のこもったイベント当時の様子をレポートします!イベント「10代のハッタツトーク!センパイ当事者3人の『ワタシ』的生き方」当日の動画(YouTube)連載:「できる」を広げる 発達障害を自分らしく(withnews)「苦手」を受け止めてくれる人がそばにいるUpload By 発達ナビ編集部Ayanoさんは、子どもの頃からコミュニケーションに困難を感じていました。「相手の言葉の真意もわからないし、主語が抜けると、そもそも何の話をしていたのかわからなくなってしまう。他意のない表現で相手をひどく傷つけて、自分も傷ついてしまって。自分自身では誰よりも人の気持ちに敏感なつもりだったのに、仲良くなった人もいつの間にか離れていってしまいました」小5から不登校になったAyanoさん。中学校は入学式だけしか参加できず、高校は通信制に通いましたが途中でやはり不登校に。18歳になったAyanoさんは、アスペルガー症候群を取り上げたテレビ番組を目にして、お母さんに「私もアスペルガーかもしれない」と言うも「障害なんてない」と一蹴され、病院に行きたい旨を伝えることができなくなりました。そんなAyanoさんがアスペルガー症候群とADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されたのは2017年の3月、彼女が28歳のときのことでした。「言葉でのコミュニケーションが苦手」とはっきりわかったことにショックはなく、むしろ大きな転機になったといいます。「障害をフラットに語れる相手がいなかったので、ブログを作って発信を始め、発達障害のある人たちとの当事者会を主催するようになりました。いろいろな人と語り合うことで、悩みを共有できたり、安心感を与え合えることを知ったんです。身体と心を傷つけてまで仕事を続けるよりも、発信や表現の道に生きてみようと素直に思えたので、勤めていた会社は今年の1月に退社、発信を通じて知り合った人からプロポーズを受け3月に結婚と、人生も大きく変わりました」彼女の得意も苦手もそのまま受け止めてくれるパートナーが身近にいることで、安心してYouTubeなどを使った発信活動や、もともと好きだったダンスや絵に打ち込めるようになったとAyanoさんは語ります。この後のトークでも「できないこと」ではなく「できること」でどうやって社会とつながるかが、大きなテーマとなっていきました。「空気読めないね」と言われて…発達障害の私が顔出しできる理由さんのYoutubeチャンネル凹凸の「凸」だけで生きたっていいUpload By 発達ナビ編集部「この会場まで来るの、疲れたでしょ?」参加者へのこんな語りかけから、池田誠さんのトークは始まりました。現在41歳の池田さんは2年前に仕事での過労がたたってうつ病になり、受診した病院で医師からADHDと診断されました。それまでまったく自覚はなかったそうですが、診断を受けて思い返してみると、小学校のときの池田さんの机はいつも教壇の横で、中はプリントでぐちゃぐちゃ。大人になっても「空気が読めない」「言われたことを忘れる」など、周囲から指摘され続けてきたことが、診断を受けたことで一本の線につながったと言います。池田さんは現在、医療系の企業経営に携わりながら、発達障害当事者を支援するNPOを立ち上げ、代表を務めています。団体の理念は、国連で「障害者権利条約」が締結される際の合言葉になった“Nothing About Us Without Us”(私たちのことを私たち抜きに決めないで)。そんな池田さんが「疲れたでしょ?」と問いかけた真意はどこにあったのでしょうか。「毎日、すごく疲れるよね。でもどうしてなんだろう?僕らは凸凹が多い人間だけど、社会は凹の側しか見てくれない。凸の部分への支援が全然ないんだ。でも本当は、凹の部分ではなく凸の部分をどんどん発揮していければこんなに疲れなくてすむし、どの部分で生きていくかは自分たちで決めていいんだよね」この「疲れるよね」という言葉に、Ayanoさんが「感動して泣きそうになった」と応えた姿も印象的でした。凹を埋めようとして疲れ切ってしまうのではなく、凸を発揮するために、当事者とその周囲はどうすれば良いのでしょうか。ここで、3人目のゲスト、岩野響さんのお話へと移ります。「得意だけでも武器だ」大人になって発達障害と知った男性から君へ「小さな成功」を積み重ねるUpload By 発達ナビ編集部15歳でコーヒー屋さん「HORIZON LABO(ホライズンラボ)」を開業した岩野響さんは、小さい頃から研ぎ澄まされた味覚と嗅覚の持ち主でしたが、その反面、教室ではじっとしていられない、黒板に書かれたことをノートに書き写すことができない、そんな子どもでした。 LABO「自分ではできると思っているのに、やってみるとほかの子が当たり前にできることができない。その繰り返しで八方塞がりになっていました」ノートが取れない響さんに、担任の先生は「友だちのノートをコピーさせてもらって貼ればいんじゃない?」と提案します。親の応援だけでは足りず、友だちの手まで借りなければいけない。ショックを受けた響さんは次第にうつ傾向を示すようになり、10歳のときにアスペルガー症候群と診断されました。中学に入学し学校生活に苦しむ響さんに、お父さんが「もう学校に行かなくていいよ」と声をかけ、響さんは不登校の道を選びます。ご両親は何も強制はせず、響さんがやりたいことをするためのサポートに徹してくれたといいます。「自分は何もできないし、どうやって生きていけばいいんだろうとすごく苦しかった。でも自分のできることってなんだろう。お皿一枚洗うことから始めて、家事をするようになりました。お皿一枚でも、何かの役に立てるし人と交流することができる。今振り返れば、ささいな成功を繰り返し積むことで自信が芽生え、徐々に自分の好きなものが見つかり、打ち込めるようになったんだと思います」皿洗いから始まり家族の夕食を作るようになった響さんは、気がつけばタイカレー作りにはまっていました。毎晩タイカレーを食べさせられる日々が1か月以上も続いたときは家族もさすがに音を上げたそうですが、カレーの隠し味にコーヒーを入れたことから、響さんはしだいにコーヒーに没頭していきます。そしてある人との出会いからコーヒー焙煎を始め、自宅内に「HORIZON LABO」を開店します。とはいえ響さんもご両親も、ほかに好きなことが見つかったらコーヒー屋でなくなっても構わないと思っているそうです。実際に現在の響さんは写真を撮ったり、洋服を作ったりと興味あることにはどんどん挑戦しています。凸のタネを「どうせできない」と簡単に捨てるのではなく、軽い気持ちで育ててみることも、「疲れる」生き方から脱けだす一つの道なのかも知れません。歳コーヒー焙煎士として生きる「できない」が多かった中学時代たった一つの答えがないからこそ、語り合うUpload By 発達ナビ編集部実は、イベントに対する感想や質問は、「#ハッタツトーク」のハッシュタグをつけTwitterで投稿を呼びかけていました。3人のトークが熱を帯びていくなか、会場の参加者から「もっと10代どうしで語り合えると思っていた」というツイートが発せられて、急遽10代と保護者に分かれての、それぞれが車座になって語り合うセッションが始まりました。登壇者たちはその輪には入らず、テーマを投げかけることもしません。10代グループが気恥ずかしそうにしていたのは最初だけ、あっという間にそれぞれが自分の経験や思いを語りだします。保護者グループも教育や子どもとの接し方について、率直に話し合っていました。保護者グループのお母さんから10代グループにこんな質問がありました。「ADHDの子どもが中学で授業についていけなくなってしまい、診断を受けたらLD(学習障害)だと言われました。成績が急に落ちて、ノートを見せてもらったら真っ白だったのでわかったんですが、本人は『大丈夫』としか言いません。もしうちの子の気持ちがわかれば教えてもらえませんか?」10代グループからは「僕もなぜか勉強する気が起きない」「私も中学になったら授業中に突然眠ってしまうようになって、ノートが取れなくなった」など、体験に基づいた声が挙がりました。そのなかで、「なんで勉強をさせたいんですか?」とお母さんが逆に質問を受ける場面もありました。「勉強だけでなく人間関係を体験する意味でも、高校までは最低限行ってほしい」というお母さんの答えには、生きていく上での「凹」をなるべく減らしてあげたいと願う親心が滲んでいました。質疑応答だけでなくイベント全体を通して、結論を導き出すことよりもまずは話し合うことを大事にしようという暗黙の了解があった気がします。イベントのスポンサー紹介今回のイベントには、以下の企業の皆さまにご協賛いただきました。それぞれの企業のサービスをご紹介します!◆株式会社リクルートマーケティングパートナーズUpload By 発達ナビ編集部5教科4万本の授業動画が月額980円(税抜)で見放題の「スタディサプリ」。発達に凸凹があるお子さまに嬉しいポイントが、前の学年の戻り学習も、上の学年の先取り学習も自由自在なこと。ご自宅のパソコンやスマホで好きな時間に好きな分だけ利用でききます。分かりやすくて面白い、一流の先生による「神授業」を試してみては?◆イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社Upload By 発達ナビ編集部世界50拠点以上で語学学校を運営する他、高校交換留学、大学留学を提供するEF。EFでは英語で自分を表現する姿勢を尊重し、間違えることはむしろ歓迎されます。発達障害への理解や合理的配慮の制度が進んでいる国際環境だからこそ、伸び伸びと個性が育めるかもしれません。親子で参加できるプログラムも!ご相談(無料)はお気軽にどうぞ。◆株式会社AXTUpload By 発達ナビ編集部「個別指導のコーチング1」は発達障害・グレーゾーン専門の個別指導塾・家庭教師を提供しています。自立して学習を行うためのコーチングのノウハウを発達障害のあるお子さまの学習指導に応用しています。授業中だけでなく、授業外での週間計画を作成し、お子さまの学習習慣を築き上げていきます。中学受験・高校受験対策を行う発達障害専門の進学塾です。今回のイベントを共催させていただいた朝日新聞withnewsでは、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou」を展開しています。発達障害にまつわる特集も組まれているので、ぜひご覧ください。「#withyou」~きみとともに~記事一覧2019年5月頃まで視聴可能ですイベント「10代のハッタツトーク!センパイ当事者3人の『ワタシ』的生き方」当日の動画(YouTube)取材・文/柳瀬徹撮影/鈴木江実子
2018年11月21日直木賞作家・西加奈子氏の同名小説を原作とする映画『まく子』(2019年3月公開)に、女優のつみきみほ、お笑いコンビ・しずるの村上純らが出演することが8日、明らかになった。同作は、ひなびた温泉街の旅館の息子である小学5年生のサトシ(山崎光)が主人公。思春期を生きるサトシの葛藤と、美しい少女・コズエ(新音)とのせつない初恋を軸に、家族を愛しつつも浮気をしてしまう父・光一(草なぎ剛)、それを知りながら明るくふるまう母・明美(須藤理沙)、道ならぬ恋をする若い女性、訳あり親子・・・小さな町のどこか不器用な人々を映し出す。このたび、主人公・サトシの実家の旅館で住込みの仲居として働くことになるコズエのオカアサン役につみきみほが決定。つみきは「『つみきさんにぴったりの役がある』と言っていただき、電話で端的に役どころを聞き、『面白そう! やりたいです!』と即答しました。今まで演じたことのないキャラクター設定でしたので、現場に入っていろいろ考え、やれる限りやらせていただきました。娘役の新音ちゃんは可愛いだけでなく、スケール感があり、役にぴったりだなと思いました。共演出来て、楽しかったです!」と語る。また、大人なのに子供たちとばかり一緒にいる青年・ドノ役にはしずるの村上純。映画2作品目の出演となる村上は「西さん原作、鶴岡さん監督の映画『まく子』はとても優しく柔らかい作品で、“まく”と言ったら“くだ”くらいしかない僕がこの世界にお邪魔させてもらえるなんて、未だに身に余る思いです」と喜びのコメントを寄せている。そして、サトシのクラス担任・小菅役を橋本淳、生徒たちを優しく見守る校長役を小倉久寛、旅館のベテラン仲居・キミエおばちゃん役を根岸季衣、ドノと心を通わす不登校児の類役を内川蓮生が演じる。
2018年11月09日「アメリカでは、各家庭のマネープランについて、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談することが一般的と聞きます。目先の費用はかかりますが、トータルで見ると得をするためでしょう」そう語るのは、行政書士やFPなど、587もの資格を持つ“資格マスター”の鈴木秀明さん。確かに、人生には家を買う、遺言を残すなど、プロのテクニックや情報力に頼るべきポイントがある。そんなとき、誰に相談して、費用がいくらかかるのか――。こうした疑問に、「レイ法律事務所」松下真由美さん、「東京法務司法書士事務所」岡部美里さん、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんら“その道のプロ”が答えを教えてくれた。■家計の見直し保険の見直し、節約ポイントの洗い出し、住宅ローンの返済計画など、お金に関する相談事は、FPの専門分野だ。FPは大きく分けて2種類。フリーランスの立場で活動する独立系と、保険会社の代理店や不動産業などに所属している企業系だ。「独立系であれば中立性があり、幅広い商品や物件の相談ができます。企業系は、自社が扱う商品を勧めることになりますが、商品知識に関しては非常に深いというメリットがあります」(風呂内さん)全般的なお金の悩み相談から、具体的数値で示した資金計画作成まで、依頼によって費用も異なる。「1時間の相談で5,000~5万円が目安。企業系の場合は、自社商品を販売して収入を得るので、無料相談をされている方も多いです。まずは、東京や大阪など大都市圏で行われている、日本FP協会の無料体験相談を利用してみてはいかがでしょうか」■男女問題や離婚手続き夫の不倫に逆上して、探偵に浮気調査を依頼。何の準備もしていなかったので、張り込みも長時間にわたり、証拠集めに170万円もかかってしまった――。こんな実例もあるというが、まずは裁判で有利な証拠や必要な情報を集めるため、専門家のアドバイスは必要だ。とくに当事者間に感情的なもつれがあり、慰謝料の支払いで激しくもめているケースは、弁護士の領域。どこまで依頼者の感情に寄り添ってもらえるかが、ポイントだ。「男女問題や離婚に関しては、初回相談を無料で行っている弁護士も多くいます。離婚手続きの費用は、着手金が20~30万円、解決時にも同等の成功報酬を支払うケースが多いのです。慰謝料や財産分与を有利にできたら、その分の10%を成功報酬としてプラスしたり、依頼者が経済的に困難な場合は、着手金を低くして成功報酬の割合を多めにするなど、費用は弁護士によって違いがあります」(松下さん)■いじめによる子どもの不登校いじめで子どもが不登校になった、“学校への影響力を持つ”ママ友とのトラブルが発端で、学校から不当な出席停止処分を受けた。こんなときは、学校問題を専門とする弁護士に依頼すると、解決の糸口が見えてくる(相談料は30分5,000円ほど。費用は案件による)。「学校側に本格的な調査依頼をしたり、不当な処分を取り消したりできることがあります。出席が足りず進級できないといった問題も交渉します」(松下さん)■ご近所トラブル「近所の飼い犬にかまれた」「隣の木が生い茂って、うちの庭まで枝葉が入ってくる」といったご近所への不満を抱えていても、わざわざ弁護士に依頼するほどではないと、我慢している人も多いはず。弁護士も、140万円以内の少額の民事訴訟となる案件をあまり受けたがらないことがある。そこで、頼りにできるのは、法務大臣の認定を受けた司法書士だ。「着手金数万円に成功報酬20%、着手金ゼロ円で成功報酬30%など、費用設定は依頼先ごとに異なります。ご近所トラブルに限らず、救急で緊急入院した結果、病室も選べず請求された高額の差額ベッド代を取り戻したケースまで。いずれも法廷闘争まで発展せず、早期解決が期待できます」(岡部さん)弁護士は「法テラス」「日弁連」、司法書士は「日本司法書士会連合会」、FPは「日本FP協会」の公式HPなどから全国支部や相談窓口を探すことができる。誰もが遭遇する、人生の岐路。プロの知恵で乗り越えよう。
2018年11月07日発達障害のある人が気をつけたい「二次障害」とは出典 : 発達障害は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)や、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)などの先天的な脳機能の障害のことを言います。これらの障害のある人の中には、その人にあった支援やサポートが受けられない、自分の特性に合わない環境などの影響によって、二次的な合併症や行動の問題に至ってしまうことがあります。心身の症状や精神疾患、不登校や引きこもりなど、どんな二次障害が起きるかは人により異なります。また、大人になってから二次障害がきっかけで発達障害と診断されるという場合もあります。発達障害の二次障害が起きる原因出典 : 発達障害の二次障害は、家庭や学校、職場などの環境とのミスマッチによるストレスが原因で起こるものと考えられています。発達障害のある人は、その特性をまわりに理解してもらえないことが珍しくありません。そのため、発言や行動に対して、叱られたり否定的な対応をされたりすることもあります。また、感覚過敏やコミュニケーションの障害などがある人は、合わない環境で我慢を強いられたり、日常生活でも大きなストレスを感じていたりする場合もあります。このような対応が積み重なると、発達障害のある人が自分に対して否定的な考えを持ってしまったり、自尊心を低下させたりしてしまいます。それが原因で、気分の落ち込みや不安、引きこもり、暴力的な行動などが二次障害として現れることもあるのです。発達障害のある人すべてが二次障害を発症するわけではありませんが、あまりにストレスが大きかったり、ストレスへの対処がうまくいかなかった場合に発症しやすくなります。発達障害の二次障害、具体的な症状は?出典 : 二次障害の具体的な症状としては、引きこもりや暴力といった行動面の問題、不安や抑うつなどの精神的な問題、身体の不調として現れる心身症などが挙げられます。これらの症状は、「内在化障害」と「外在化障害」の2つに大きく分類されます。それぞれ詳しく見ていきましょう。自分に対するいら立ちや精神的な葛藤が、自分に向けて表現される症状のことを言います。分離不安障害、気分障害、強迫性障害などが典型的なケースとしてあり、具体的には、以下のような症状が当てはまります。・不安・抑うつ・引きこもり・対人恐怖・心身症中でも抑うつ症状は、発達障害がある青年にもっとも多い二次障害だといわれています。また、義務教育を終えた年代以降で引きこもりを続ける人には、発達障害が隠れている場合が多いことも指摘されています。これらの精神的な葛藤や問題が不登校などにつながることもあります。精神的な葛藤などが他者に向けられる形で現れる症状のことを言います。反抗や暴力、家出、ときには非行などの反社会的な行動として現れることもあります。特徴としては、思春期になってからこれらの問題を起こす子どもよりも、比較的小さいうちからそうした行動が目立つ子どものほうが多いことです。小学校低学年の頃から、他者への反抗が目立ったり、家出などを繰り返したりする子どもが一定数いるといわれています。発達障害の二次障害は、年代によって出やすい症状が異なるといわれています。・幼児期:軽度な適応行動の問題が見られることもある。・学童期:適応行動の問題が中心。学業面での問題、集団活動や対人行動における問題が目立つようになる。その他、情緒面の不安定さなどが見られることもある。・青年期:情緒面の不安定さ、精神面や行動面の問題、心身症が中心となる。適応行動の問題も見られる。・成人期:適応行動の問題、精神面や行動面の問題が中心。情緒面の不安定さなどが見られることもある。学童期において、対人関係などの問題が現れ始めた時点で適切な対応が得られないと、思春期以降になって二次障害としてさまざまな問題が前面に出やすくなると考えられています。参考書籍:齋藤万比古 (著)『発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート』(学研プラス,2009)発達障害の二次障害は予防できる?出典 : 発達障害の二次障害を予防するためには、まずはまわりにいる人が発達障害に対して理解をすることが大切です。二次障害の原因となるストレスの多くは、家庭や学校、職場といった環境やそこでの人間関係から発生しています。そうしたストレスを軽減するためには、発達障害そのものの一般的な知識や、その人の特性、対応方法などを周囲が知っておく必要があります。また、本人が過ごしやすいよう環境調整を行うことも大切です。このような周囲の理解が、小学生までの早い段階で得られることによって、二次障害の予防につながるのではないかとされています。小学校に進学すると、学校の教員がどう対応するかも大きな影響を与えます。家庭だけでなく、学校の担任教員にも理解を求めることが重要です。しかし、どんなにまわりが丁寧に対応したとしても、すべてのストレスをなくすことはできません。本人の心の発達をサポートすることも大切です。・まわりの人たちに受け入れられているという安心感や信頼感を持てること・他者と接する中で学びの機会を得ること・トラブルへの対処方法を学ぶこと・自分自身の障害の特性について知ることこれらのサポートを早い段階から周囲が行っていくことで、ストレスに柔軟に対応できるようになり、二次障害も起こしにくくなるといえます。発達障害の二次障害は治るのか?出典 : 発達障害は先天的な脳機能の障害であるため、発達障害そのものを治すことはできません。しかし、生育環境によって引き起こされた二次障害については、症状に合わせて医療機関などで治療を行う場合もあります。抑うつや不安といった内在化障害の場合、認知行動療法や精神療法といった心理療法、家族に対する家族療法、薬を使った薬物療法などが、必要に応じて行われます。また、暴力などの外在化障害に対しても、攻撃性をコントロールするために薬物療法が行われることもあります。状況によっては、入院して治療する場合もあります。しかし、医療機関だけで二次障害をすべて解決できるわけではありません。家庭や学校、児童福祉機関などで連携して対応していくことが必要です。発達障害の二次障害のある人や家族が利用できる相談先出典 : 発達障害の二次障害の症状や対応について、本人や家族が誰にも言えずに悩んでいることも少なくないかもしれません。そうしたときに利用できるサポートがいくつかありますので、ご紹介しましょう。まずは相談先として、以下のような支援機関があります。・精神保健福祉センター・児童相談所・子育て支援センター・発達障害者支援センターなど各機関では、本人や家族から発達障害や育児全般に関する相談を受けたり、必要時には医療機関を紹介したりもしています。このほか、各自治体では、引きこもり・不登校に対して相談や家庭訪問を行っていたり、教育委員会でも不登校に対する教育相談を実施したりしています。また、障害者福祉施設では、強度行動障害に関する研修を終えた相談支援専門員が、相談を受けつけている場合もあります。まだ医療機関にかかっておらず、発達障害と診断を受けていない場合、医療機関に行くのはハードルが高いかもしれません。まずはこのような場所で、困っていることについて相談してみると良いでしょう。また、症状によっては障害者手帳の交付を受けたり、障害福祉サービスが受けられたりする場合もあります。地域によっては、発達障害の当事者の会や保護者の会がありますので、そうした場所で交流したり、情報収集したりするのも良いかもしれません。発達障害の二次障害がある人への対応方法出典 : では、二次障害がある人には具体的にどのように対応したら良いのでしょうか。家庭と学校、それぞれで必要な対応について見ていきましょう。親が子育てに対する自信や、子どもへの愛情を持てなくなる場合もあります。そのまま子育てに対する意欲を失ってしまうと、子どもは親から見捨てられたように感じ、二次障害から不登校などにつながっていくことも考えられます。また、子どもが自分の行動によって親や周囲の大人をコントロールできるという感覚を抱き、それが外在化障害につながる場合もあります。こうした問題に対応する方法として行われているのが、ペアレントトレーニングです。ペアレントトレーニングでは、親が子どもとの関わり方やその子の特性に合った子育ての方法を学びます。これが、子どもの過ごしやすい環境や、人間関係づくりに役立ち、二次障害の防止になるといわれています。学校での対応については、担当する教員だけではなく、他クラス・学年の教員や保健教諭、カウンセラーなど学校全体で連携して、支援を行っていくことが大事です。・本人に対し問題行動以外の部分に注目するつい問題行動ばかりに目がいってしまい、叱責が多くなることも少なくないでしょう。しかし、叱責ばかりが増えると自己評価の低下につながってしまいます。できていることをそのまま伝えたり、ほめたりすることも大切です。それによって、望ましい行動が増えたり、信頼関係を得たりすることにつながります。・本人以外の学級全体にも配慮する発達障害のある子どもが学級にいると、その子にばかり注意が向いてしまいがちになります。そうすると、ほかの子どもが不満を抱き、さまざまな問題が生じるきっかけとなることもあります。ほかの子どもにも、きちんと目を向けていることが伝わるような関わりを普段からしておくことが大切です。・学校全体で取り組む対応方針を教職員全員で共有し、実施していくことが重要です。一部で方針が違う対応をしてしまうと、本人の状態を悪化させたり、関係性が悪くなったりしてしまいます。・いったん対応方針を決めたら、しばらく続ける支援する方針を決めたら、効果を見るためにも2〜3週間は続けることが大事です。まわりの対応方法が変わるということは、本人にとってストレスであり、一時的に問題行動が増えてしまうこともあります。しかし、慣れればそうした行動が少なくなってくる場合もあるので、子どもの状態を見ながら継続するようにしましょう。対応方法について、ときには専門家に意見を求めることも大切です。まとめ発達障害の二次障害は、さまざまな形で現れますが、それらの多くは家庭や学校など周囲の人との関わりの中で生まれるものです。周囲の関わり方によって発生を予防していくことがまずは重要です。また気づいた段階でできるだけ早期に適切な対応を取ることができれば、悪化を防ぐことも可能だといえるでしょう。しかし、なかなか発達障害に気づくことができず、二次障害を発症して診断に至る人もいます。医療機関や支援機関などを利用しながら、日常生活における対処方法を学んだり、適切な生活環境を整えたりしていくと良いでしょう。宮本 信也 (編集), 日本発達障害福祉連盟 日本発達障害学会『発達障害医学の進歩〈23〉発達障害における行動・精神面の問題―二次障害から併存精神障害まで』(診断と治療社,2011)齋藤万比古 (著)『発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート』(学研プラス,2009)古荘純一 (著, 編集), 磯崎祐介 (著)『神経発達症(発達障害)と思春期・青年期――「受容と共感」から「傾聴と共有」へ』(明石書店,2014)
2018年11月06日こどもを育てるのは、想像以上に大変なもの。子育ての中で、いったい何が原因で、旦那さんと溝が出来てしまうのか、いくつか例をあげたいと思います。母親と父親の赤ちゃんに対する温度差女性は、子育ては赤ちゃんがお腹にいると分かった日から始まっています 。赤ちゃんのために栄養のある物を食べ、来るべき陣痛に備え運動をし、お酒もたばこも控え、つわりにも耐え、出産の日を迎えるのです。妊娠6か月頃からは胎動も感じますし、赤ちゃんの存在を体で感じます。徐々に大きくなっていくお腹をなでて、お腹のなかの赤ちゃんに話しかけ、出産するころにはすでに「お母さん」になっているのです。では、旦那さんはどうでしょうか。奥さんから妊娠検査薬の陽性反応を見せられたり、産婦人科に付き添って医師から「おめでとうございます」と言われたりして、赤ちゃんの存在ははっきりと認識するでしょう。段々と奥さんのお腹が膨らんで、出産間近になると外からも赤ちゃんの動きが分かるようになります。「ああ、自分も父親になるんだな 」と自覚も芽生えてくると思います。ですが、女性のように赤ちゃんを体で感じることはできません。個人差があるとは思いますが、赤ちゃんが誕生する時点で、奥さんと旦那さんにはすでに生理的な温度差があるのです。将来、夫婦のトラブルになりそうな火種がこの時点で発生しているとも言えます。初めての育児はてんてこまいこどもが産まれ出た瞬間から、ハードな子育ての日々が始まります。特に初めてのこどもの場合、親のほうも神経質になりがちです。育児本やインターネットで情報を集めながら、手探りの状態で育てていかなければいけません。夜中の授乳もありますから、奥さんは毎日寝不足の状態で、24時間気が抜けない日々が続くのです。そんな時、旦那さんの対応によっては、その後の夫婦関係に大きな亀裂を生じさせてしまい、これが後々離婚につながってしまう ことがあります。旦那さんが、奥さんの愚痴の聞き役に徹すると、夫婦関係に良い影響を及ぼします 。しかし、赤ちゃんにばかり気を取られている奥さんに不満を抱く旦那さんもいますし、奥さんが愚痴を言っても、そこでお説教を始めてしまう旦那さんもいます。そうすると奥さんのほうも、旦那さんにイライラしたり、旦那さんを当てにしなくなり、ますます赤ちゃんの世話に没頭するという、悪循環に陥ってしまいます。教育方針の違いこどもは日々、確実に大きくなっていきます。この間生まれたと思ったら、もう幼稚園や小学校に入学する時期に。このとき夫婦のどちらかが「こどもにはエリート教育を受けさせたい。」と考えているとします。そしてもうひとりは「こどもは伸び伸びと育てたい。」と考えていたとしたら。夫婦でこどもの教育方針をめぐって対立するのは、火を見るより明らか です。ここまで極端な例でなくても、夫婦の価値観が違う場合、子育てしていくなかで、言い争ったり、お互いの考えていることが分からなくなりがち。子どもが思春期や反抗期を迎えた時の対応の仕方を巡っての対立子育てをしていると、必ず迎えるのがこどもの思春期や反抗期です。場合によっては、こどもがいじめにあったり不登校になったりすることもあるかも知れません。そのときに、夫婦でこどもへの対応の仕方が違うと、こどもも混乱しますし、夫婦の関係にもひびが入ることが。思春期や反抗期は成長過程には必ず訪れるもの 、と大らかに構えて動じない親、昔とはすっかり変わってしまった親、または叩いてでも言う事を聞かせようとする親など、様々なパターンが考えられます。夫婦で真逆の考え方を持っている場合、お互いに不信感を抱く結果になりかねません。こどもが絡むと感情的になりやすいですから、思わぬ大ゲンカに発展してしまう こともあります。まとめこどもを間に挟み夫婦のトラブルになりそうな事例をいくつか挙げました。家庭内別居に陥った夫婦にアンケートを行った結果、原因が「こども」と答えた夫婦が一番多かったのです。お互いに何を考えているのか分からない状況を避け、夫婦で意識的に話し合いの場を持ってください。●文/パピマミ編集部
2018年10月31日20代のときは出会いだらけだったのに、いつの間にか男性との出会いがなくなった……。そんなふうに嘆いていませんか?30代の出会いは、ある・ないではなく、こちらから掴みにいくもの。仕事場と自宅の往復だけでは、ドラマのような出会いなんてなくて当然。まずは、できることから実践あるのみです!■ フィーリング重視の「街コン」まずはお友達から! フィーリングが合う男友達を作るなら、出会える人数が圧倒的に多い街コンがおすすめ。アニメコン、フォトコン、ゲームコンなど、特定のテーマで開かれるイベントもあり、遊びながら相手を吟味して、その場で連絡先を交換することができます。注意点は、イベントが開催されなかった場合に、返金保証制度がある団体を選ぶこと。また体目的で参加する男性もいるので、雰囲気でお持ち帰りされないよう気をつけましょう。■ 30分直感勝負の「相席カフェ」初対面の男女が相席し、お茶しながら会話を楽しむ相席カフェ。参加者が探している相手(結婚、恋人、合コン、友だちなど)を、リストバンドの色で公開しているお店なんかもあるようです。明快なシステムのうえ、30分前後で席移動があるので、直感的にデートを決めたり、連絡先を交換したりといった決断力が重要。このほか、友達と一緒に行ける相席バーや、相席居酒屋というのもいいかもしれません。■ 運命の出会いは「ご近所」で気になる相手とバッタリ出会う確率は、生活エリアがダントツ。ご近所の居酒屋、ショットバー、スポーツクラブ、図書館、スーパー、駅など、自分のテリトリーの中で「これは!」とひらめく男性を見つけ、何気なく彼の視線に入り込む作戦です。中でも、居酒屋は出会いと情報収集に絶好の場。大将を介して距離を縮め、「よく会うね」と偶然の出会いを演出するのもおすすめです。彼がダメでも、彼の背後には何十人もの男性もターゲットが待っているもの。くれぐれもストーカーと勘違いされないよう、適度な間隔を保ってくださいね。■ 使命感を共有するなら「ボランティア」ひとつの目標に向かって力を合わせると、同志という特別な感情が芽生えるもの。もちろん、出会いを求めるだけの軽い気持ちで参加することは不謹慎ですし、意味がありません。人として成長の糧になる経験を積んだ……その共通体験こそが、その後の進展に大きく影響してくるからです。ボランティアは災害現場ばかりではなく、障害者支援、高齢者支援、不登校の子どもたちの支援、環境問題のNPOなど、さまざまな募集サイトがあります。自分が貢献できそうなものを選んで参加してみましょう。■ 意外にヒット率が高い「お見合い」恋愛からずっと遠ざかっているあなたには、あえてのお見合いがおすすめ。親、親戚のおばさま、友人、上司と、片っ端から頼んで、男性を紹介していただきましょう。いまどきお見合いなんてナンセンス! と侮ることなかれ。あなたの良い点も悪い点もよく知っている人達が「この人なら!」と選び抜いてくれる相手ですから、大きく外れることも最小限だとか。事実、筆者の友人もさんざん婚活した挙げ句、結局、地元のツテでお見合い結婚。「子どもができても恋愛中よ」とのろけるほど、相性ばつぐんの大ヒットだったそうです。日本伝統のお見合いは、世界に誇るマッチングシステムなのかもしれません。■ まとめ運命は動くことで開かれるもの! フィーリングが合うか、ビビッとひらめくか、そればかりは直に会ってみないとわかりません。男を見極める第六感が錆びついていて自信がないならお見合いもアリ。とにかく外へでかけましょう!(恋愛コラムのプロ集団・5656/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2018年10月29日子どもの様子に「あれ、なんだかいつもと違う?」と感じたことはありませんか? いつもと同じように見えるけれど、なにかが違う気がする…。それは子どもの心のなかにちょっとした変化があらわれているのかもしれません。もしもそれが親への「助けて!」「気づいて!」というSOSサインだったとしたら? 発見が早ければ早いほど、対応も素早くできるのではないでしょうか。今回は、子どもからのSOSの見つけ方、その対処法について考えていこうと思います。■子どものSOS「心が不安定になりやすい時期は?」助けを求めるSOSサインというものは、そもそも、タイミングが予想できる類のものではありませんよね。けれど、子どもの場合は「変化があらわれやすい時期」というものがあり、この時期に注意深く見守ることでよりSOSに気づきやすくなると思います。変化があらわれやすい時期というのは、「生活環境などが変わった時」。新学期や引っ越しのあとなど、毎日見ていたクラスの顔ぶれが変わる、街の風景が変わるなど「いつもの暮らし」が変化した時、子どもの気持ちは不安定になりやすいんですね。また、夏休みや冬休みなど、長いお休みが終わりを迎える時にも要注意です。大型連休の終わり頃は、大人ですら「ああ、明日からまた仕事か…」と、どんよりした気分になるものですよね。それは子どもも同じ。それも、お休みの期間が長ければ長いほど、休み明けは心が不安定になりやすくなるようです。長期休みが3カ月に及ぶアメリカでは、休み明けにうつを発症する子どもが多くなるともいわれています。■子どものSOS「どんなふうにあらわれる?」では、子どもからのSOSは具体的にどんなふうにあらわれるのでしょうか。実は、その内容によって第1段階、第2段階…と分けられ、だんだん深刻さを増していきます。初期のSOSとなる第1段階を放置してしまうことで、子どもの言動は第2段階へと進行。気づいた時には、対処に時間がかかる状態へおちいっていることも少なくありません。子どもが不安を抱えた時に発せられるSOSの行動について、年齢を2~5歳までの幼児期と、6歳以降の学童期に大きく分けて説明していきましょう。【2~5歳:幼児期のSOSサイン】話ができるようになるものの、まだまだ社会や他人との関わりのなかで「自分」という認識が薄い2歳~5歳の年代は、親との結びつきが強い時期です。この時期に見られるSOSの段階は下記の2つに分けられることが多いようです。第1段階 出かけようとすると「イヤ」とだだをこねる、逃げる。第2段階 泣く。最初はイヤイヤをしたり、逃げ回って自分の感情を表現します。そして、その気持ちを理解してもらえないことで第2段階の「泣く」という行動に変化します。5歳までのこの言動や行動はある意味分かりやすいですが、6歳以降になるとSOS行動は一気に複雑化します。【6歳以降~:学童期のSOSサイン】6歳以降になると、集団のなかで自分の気持ちを言葉にして表現することができるようになります。また、集団生活に慣れることで、ある程度の社会性が培われてくる年齢でもあります。この年齢になるとSOSの言動は下記のような4つの段階に分けられます。第1段階 張りきる、頑張るなどの行動で「見て! 見て!」と自分に注目を集めようとする。第2段階 わざと遅刻したり騒いだりしていたずらをする。第3段階 教室を飛び出す、意地悪をする、極度に反抗する。第4段階 無視する、不登校になる。6歳以降の子どもからのSOSはまず「僕(私)を見て!」という行動が見られます。そして、親や周囲から理解されず放置されると「いたずら」などの行動へと移ります。たいていの場合、第1段階ですでに、いつもと違う様子に気づくケースが多いでしょう。けれど、うっかり見過ごしてしまうと第2、第3段階へと進んでしまう可能性もあるのです。■子どものSOS「深刻度別 親ができること」SOSの発見は、早ければ早いほど素早く親も対処でき、子どもが長く深く悩まずにすみます。しかし、もし段階が進んでしまってから気づいたとしたら、どのような対応をすればいいのでしょうか?各段階に応じてどのような対応をすればいいのか、年齢別に解説していきましょう。【2~5歳:幼児期の対応】2~5歳の子はイヤイヤをしたり、だだをこねたり、逃げたりして親を困らせることで「行きたくない」「ママといたい」という気持ちを表現します。この状態に気づいたら「気持ちを吐き出させること」「楽しいことに転換すること」で対処していきましょう。例えば、わが子が幼稚園や保育園に行くのをいつも嫌がる、とします。事前にできる対処として、30分くらい早めに準備をすませておきましょう。そうすれば時間の余裕が持て、だだをこねられてもきちんと対応できますよね。そして、だだをこねだしたら「行きたくないよね。ママも○○と一緒に遊んでいたいよ」と共感しつつ「外の電信柱のところまで競争しようか」「○○公園で虫を見ていこうか」などと誘い、遊びながら園やバスの集合場所などに向かってみるといいでしょう。第2段階の行動となる「泣く」は、子どもに思う存分泣かせてあげます。と同時に、ギュッと抱きしめてあげてくださいね。そして、子どもが落ち着いて、ある程度話せるタイミングになったら「なにが悲しい?」と聞いてみます。「ママと離れるのがイヤ」なら、だだこねと同じ対応を。もし「幼稚園の○○がイヤなの」といった話が出てきた時は、園の先生に話して様子を見てもらうなどの対応をしましょう。【6歳以降~:学童期の対応】子どもが6歳以降の場合、第3段階のSOS行動である「極度な反抗」になる前に、なるべく早く気づいてあげてほしいですね。この段階までなら、子どもに寄り添う対処で不安を解消できる可能性があるからです。第1段階で「見て見て!」と話しかけてきたら「あとでね」などと後回しにせず、すぐに話をじっくり聞いてあげてましょう。その時「頑張ったね」「うれしいね」といった言葉をかけると子どもは「気持ちが通い合っている」という感覚になり、不安感が落ち着いてきます。わざと遅刻をしたり、目立つ行動をする第2段階の場合は「かまってもらいたい」という気持ちに気付いてあげましょう。「この子はかまってもらいたかったんだな」と受け止め、「勉強時間が減って困るから遅刻しないようにしようね」「騒いでいると先生の声が聞こえなくなるから静かに聞こうか」などと、怒らずに「教える」スタンスを保つようにすると良いでしょう。第3段階に入り、極度に反抗したり意地悪をしたりする場合も「そんなことしちゃダメ」と頭ごなしに否定から入らないようにします。子どもにはどんな出来事があったのか、その出来事があってどんな気持ちになったのかを聞きます。そして「そうなんだね」と一度共感をし、そのあと「どうしようか?」「どうしていく?」と聞いてみたり、一緒に考えたりすると良いですね。不登校などの第4段階となった場合は、親と子どもだけで解決するのは非常に難しくなります。こじれて長期化し、親子ともども傷つき疲弊することもあるので、第三者の力を借りることをおすすめします。すべてに共通していますが、子どもの心の中には「自分のことを気にかけてほしい」という気持ちがあるので焦りは禁物。いちばん大切なのは、時間を十分とって子どもに向き合っていくことです。「学校に行きたくない」「おなかが痛い」などといった子どもからのサインを決して「根性がない」「我慢が足りない」などと否定しないでほしいのです。そのサインは裏には、子どもの「親に認めてほしい、分かってほしい」という気持ちが隠されている場合があるからです。子どもは「行きたくないんだね」「痛いんだね」と認めてもらえると、親は自分の理解者なんだと安心できます。安心できれば「仕方ない、頑張るか」と子どもなりに気持ちを切り替える場合もあります。早急に答えを見つけようとしなくても大丈夫です。子どものSOSにはそれぞれの段階に応じて「ほめる」「教える」「受け止める」などの対処が大切です。なによりも子どもを「勇気づける」。自分は大丈夫なんだと自信を持たせてあげると良いですね。
2018年10月23日フリースクールに通う子どもたち、合宿を計画!?理由は「楽しいIFラボを、もっと知ってほしいから!」2018年4月から発達に個性のある子たちのフリースクール「IFラボ」を開いています。前回までのコラムで、息子が不登校になって素敵な居場所を見つけ、フリースクールをたちあげようという気持ちにいたるまでや、実際にフリースクールを運営するようになってからの子どもたちとの日々を紹介しました。今回は、フリースクール「IFラボ」に通う子どもたちが計画した合宿でのエピソードを紹介します。この合宿は、「楽しく過ごせるIFラボを宣伝したい」という子どもたちの思いからスタートしました。参加者募集開始!でも、申し込みが来ない合宿は2泊3日。子どもたちたっての希望で、1日目はフリースクール泊。屋内でできるワークショップを開いたり、夜ごはんをつくったりして過ごします。2日目からは軽井沢に場所を移して、テントを広げてアウトドアキャンプの予定です!しかし!肝心の参加者が集まりません(汗)不登校の子どもたちのなかには、外出に不安を抱えている子や、母子分離不安のある子など、外泊が難しい子がいることも関係しているかもしれません。合宿に興味はあるけれどやはり外泊はできないと、興味を持ってくれたものの参加を断念する子もいました。それでもIFラボの子どもたちは、どうしても合宿を実行したいと、以前体験に来てくれた子や、他の学外プログラムで出会った友だちを誘うなど、積極的に勧誘。IFラボに通う子のきょうだいや、私の息子のチー坊なども含め、最終的には子ども9人という大人数でキャンプを行うことに決定♪合宿当日の朝、みんな来ないそして迎えた夏の暑~い朝、IFラボ合宿が始まりました!ワクワク!がっ!合宿当日の朝!子どもたちが来ない…時間通りに来た子どもは1人だけ(笑)「オレは行けるぜ」と余裕を見せていたのに、当日朝に「やっぱり行かない。疲れている」と家ですったもんだして、3時間以上遅刻してくる子。「遅刻したから部屋に入りづらいんじゃないか」とお母さんと一緒に心配しながらやってくる子、などなど…。みんなにとって、初めて会う友だちとの合宿。知らないことに飛び込むのには少し時間がかかるようです。計画してくれたYくんとSくんも、家では「俺は準スタッフだから」と準備を頑張っていたようなのですが…やっぱり来ません(笑)実は、YくんとSくんは学校でケンカをしてしまい、IFラボで仲直りの場をつくって解決はしたものの、やはり気持ちの切り替えができないでいるのも原因のようでした。Yくんは「もう一生仲直りはできないから、あいつが来るなら合宿には行きたくない」と、朝どうしても家を出られず、結局夕方から参加することに。Sくんも「俺が行くとYくんがいやがるかも」と不安を抱えていながら、1時間半ほど遅刻してやってきました。本当は仲良くしたいのに「うまく仲直りできなかったら」という心配で、一歩前に踏み出せない2人。実は合宿前の活動日も「あいつが来るならIFラボには行かない」とお互いが来る日にはIFラボをお休みしていたのです。でも仕方なく顔を合わせてみたら、2人の心配はどこへやら!?いつの間にか一緒にいるではありませんか。そっと見守っていると、なんの問題もなく笑い合いながら楽しく遊んでいました。Yくんは「僕は絶交という言葉はもう使わない」とお母さんに話したそうです。ワークショップやみんなで入るお風呂に大興奮だった初日Upload By 赤沼美里初日は、ワークショップにカレーづくりにみんなでお風呂と盛りだくさん。午後には「スペシャルな人に会おう!」ワークショップを行いました。IFラボはシェアオフィスの一角を間借りしていて、オフィスではいろんな業種の方が仕事をしています。今回はデザイナーの方にお願いして美術のワークショップをしてもらうことにしました。ひとつのものも、視点やアイディアを変えればいろんなものになることを学んだあとは、お絵かきタイム。初めて目にする本格的な色鉛筆やペンにみんな興味津々です。いつもの色鉛筆よりずっと塗りやすく、思い思いの絵を描きました。ワークショップ中、Wくんはそばにお母さんがいることに気づきました。するとWくん「なんでお母さんがいるの。早く帰って!」…お母さん、びっくり(笑)1年前のWくんは、お母さんがそばにいないと不安で、お母さんのそばを片時も離れたことがなかったそうです。「キャンプに参加したい」と自分から希望してきてくれたWくん。友だちとの遊びに夢中になって、お母さんが帰っていくのを見送りもせず、お母さんを嬉しくも寂しがらせたのでした。Upload By 赤沼美里とにかくみんな、楽しくて仕方がないみたい!お風呂の順番決めのじゃんけんも大絶叫と大笑いの嵐。最初は新しいことに飛び込む勇気が必要だったけど、今、すごく楽しいんだろうなぁと、こちらまで笑顔になりました。カレーづくりや、お風呂、寝袋での就寝もスムーズ!こんなに計画通りに進むとはスタッフは思っていませんでした。みんな楽しみにしてくれていて、しおりも熟読してくれたのかしらと嬉しい気持ちで合宿1日目が終わりました。しかし興奮しすぎて、眠れない様子。音が気になってしまう子もいるため、寝つきは悪かったよう。これは次回の課題になりそうです…。合宿2日目、みんな朝からハイテンションUpload By 赤沼美里夜寝られずに苦労した子もいたはずなのに、みんな時間通りに目覚めて朝から走り回っています。なんて元気なの…しかも、こちらから伝える前にすでに、2日目の目的地・軽井沢のキャンプ場へ出発するための荷造りが完了している子もいました!駅までの道のり、重い荷物を背負いながら歩きます。小学2年生で、体も一番小さな私の息子・チー坊は、寄り道しながら進むこともあって集団からおくれがち。すると6年生の男の子が、遅れるたびにチー坊のところまで戻って「大丈夫?荷物もってあげようか」と声をかけて一緒に歩いてくれました。チー坊の通うフリースクール(※)の先生は、「異年齢・異質な集団」が教育の大切な要素だと常々おっしゃいます。その良さって、きっとこんなところなんだろうなと胸が温かくなりました。チー坊も優しくされた分、大きくなってこんなふうに誰かに手を差し伸べられるといいな。(※)チー坊は通常、「IFラボ」とは別のフリースクールに通っています。子どもたちは信じられないくらいに元気です。道中の新幹線では、1両目から最後尾まで車内観察に出かけ、しばらく帰ってこない子もいました。キャンプ場に到着しても、その元気は続きます。キャンプ場では、インターハイ出場の学生スタッフDがオニとなりどろじゅん(どろけい・けいどろ)が開始されました。私は、もちろん見学です(笑)。東京よりも涼しくて、段違いにおいしい空気を吸いながらが延々と続くどろじゅん。みんな本当に元気でした!さて、めでたくスタッフDに全員捕まった後は、テント設営です。設営にも個性が光ります。・まず説明書を熟読し、幕をピンと張って見た目もキレイなAチーム・とりあえず広げてみて、試行錯誤を繰り返すBチーム・他のチームの完成を横目で見ながら、効率よく張っていくCチーム・最後みんな面倒くさくなって、幕がゆるくなっているDチーム(私のチームです)無事テントまで完成しました~!「マイペースがいいね」と言ってくれる大人に見守られてUpload By 赤沼美里テントが完成したら、いよいよ今日のビッグイベント「薪のお風呂に入ろう」です。みんな薪のお風呂は初めて!興味津々で薪をくべます。そして男の子全員でザブン!気持ち良さそう~!お風呂というより、芋洗いプールのように1時間近く遊んで、彼らが遊びに遊んだあとのお湯は濁っていました(笑)屋内の活動と違って外では子どもたちの遊びが広がり、時間になってもバーベキューが始まりません…。でもお世話をしてくれた方も、「みんなそれぞれにマイペースなところが良いねぇ。バーベキューの時間だけど放っておいていいんでしょ?」と微笑んでしました。「マイペースが良い」って素敵な表現です。きっと学校ではその「マイペース」でうまく周りに合わせられなかった経験があるはず。チー坊も学校でみんなに合わせられずに怒られてばかりでしたから。でもこうやって、その子の「マイペース」が素敵だと認めてくれる人もたくさんいるのです。いろいろな機会を通じて、たくさんの大人に出会い、成長を見守られる環境を大切にしていきたいなと思っています。友だちがいたから挑戦できたアドベンチャーUpload By 赤沼美里最終日の午前中は、アドベンチャーに挑戦!初めての人も、そうでない人も3人組になって2時間以上のコースをまわります。Sくんは、キャンプ3日前に左手首を骨折。キャンプも来られるか分からない状況でした。ところが、今日のアドベンチャーには左手首を負傷したまま挑戦!友だちに手伝ってもらいながら、無事コース完了しました!いつも少し偉そうにしゃべるYくんが、今朝はちょっと違います。腰が引けて、動きもかなり緩慢(笑)。でもすべてのコースに一生懸命、挑戦するYくんがかわいらしかった。実は3月に家族旅行で別のアドベンチャーに挑戦していたYくん。今回よりも難易度がずっと低く行程も短かったにもかかわらず、怖くて途中でリタイヤしたそうです。今回は前にも後ろにも一緒に挑戦する友だちがいました。後ろから愛あるヤジ「何やってんだよ、早く行けよー!」が飛んできたことで頑張れたそう。Yくんに聞くと「来年はアドバンストコースにチャレンジする」と宣言!来年が楽しみです。子どもたちの個性、「見方」を変えてみるとUpload By 赤沼美里最終日、「あぁ、帰りたくない」と何度も口にする子どもたち。本当だね、すっごく楽しい合宿だったね。みんなの笑顔がキラキラ輝いていたよ。私はみんなを眺めているだけで、なんだか涙が出そうになったよ。帰りの電車に向かう途中、エスカレーターでSくんと話していたら、急に黙るTくん。しばらくすると「ねぇ!今のアナウンス聞いた?〇〇線は7を【しち】って言ってたでしょ。〇×線は【なな】って言ってたんだよ!」と大興奮で教えてくれました。ワタクシ生まれてウン十年、まったく気づきませんでしたよ。Tくんはいつもいろんなことに興味がうつり、実際に行動に移しては新しい発見をしていて楽しそうにしています。残念ながらTくんの好奇心は、学校では座っていられないという問題行動としてとらえられていました。でもIFラボの活動では、ずっと座っていないから問題になることはありません。それに、見方を変えれば、Tくんはほかの人が気づけないことに気づける力があるってこと。合宿中にも、困っている人にすぐ気づいて、さりげなく助け船を出すのは、いつもTくんでした。Tくんに限らず、私たちスタッフは素敵な個性を見逃さず「素敵だよ」って声をかけていきたいなと再確認するきっかけとなりました。来年も合宿したいね!Upload By 赤沼美里子どもたちが声をそろえて「楽しかった!来年も行きたい!」と答えてくれた2泊3日の合宿。1泊をIFラボ、1泊をキャンプ場で過ごした子どもたちに「やっぱりIFラボに泊まっちゃうとテント泊が短かったね。来年は2泊テントが良いんじゃない」と聞くと「IFラボに泊まるのも超楽しかったから、来年はIFラボ1泊、テント2泊にしたらいいんじゃない!?でも3泊4日でも少ないから、5泊6日にしよう」「いいね!いいね!」という答えがかえってきました。来年はどうなっちゃうんでしょうか?大人の体力が持つかしら(笑)今回の合宿で子どもたちはどんな風に成長したんだろうって、ずっと考えていました。とりたてて大きな事件も出来事もなく、みんな笑顔で元気に終えられたキャンプだったから。何か成長はあったかな、といろいろ考えるうち「子どもたちが合宿に参加できたってこと、それ自体が大きな成長だったのではないだろうか」ということに気づきました。IFラボを宣伝したいといって計画を立ててくれたSくん。お母さんから「すぐに興味がうつってやり始めるけど、最後まで頑張れない」と聞いていました。だけど、骨折をおして参加してくれました。怪我をしているから、リュックの紐を結べず友だちに頼むのは恥ずかしいと行きしぶってもいたSくん。最終日には、躊躇せず友だちに頼むことができていました。修学旅行を楽しみにしていたのに、うまく眠れないためにドクターストップがかかって行けなかったTくん。キャンプに参加できるのがうれしくて楽しくて、2日間ともみんなと一緒に寝られました。アドベンチャーで思いっきり体を動かして帰宅した夜も、ぐっすり眠れたそうです。エネルギー不足でほんの1年前にはキャンプなんて考えられなかったWくん。話の合うお兄ちゃんと一緒にいつも笑顔で過ごしていました。本当に元気がなかったのかな、と思えるほど元気いっぱいに走りまわり3日間を過ごしてくれました。IFラボキャンプには、子どもたちのいろんな状況と思いがつまっていました。参加の一歩を踏み出せたこと、笑顔で3日間を過ごせたこと、楽しい気持ちを子どもたちで共有できたこと、気の合う仲間がいるんだって思えたこと、帰りたくないって思えたこと…そんな小さな一つひとつが、IFラボキャンプに参加したみんなの成長だったのではないかなと思っています。
2018年10月16日不登校のきっかけ「よくわかりません」出典 : 私は小学4年生から6年生になるまで学校に行けませんでした。それは中学生になってもたびたび続きました。自分で不登校になった原因について、今でも考えることがあります。集団生活を送ることに苦手意識を持っていたことや、両親の期待がとても大きいと感じていたこと、単純に学校に通う意味を見出せなかったことなど、いろいろと原因になりそうなことは思いつきます。でも、それらが不登校の決定的なきっかけかと言われるといまだに確信を持てません。不登校を経験してから20年近くたちますが、今後もきっとわからないのだと思います。不登校の当事者の中には、私のように自分でも理由がよくわからない方が、少なからずいるのではないかと思っています。出典 : 周りに不登校の当事者がいる方は、本人に対して不登校になったきっかけや原因を聞くことが多いのではないかと思います。実際に私が不登校当事者だったとき、両親・教師・親戚・友人など、さまざまな人から不登校になったきっかけや原因を聞かれていました。社会人になってからうつ病にかかったときにも同様に、いろいろな人から原因について質問され、共通のものを感じました。話を聞こうとしてくれる人たちは、それぞれに「苦しんでいる原因を取り除いてあげたい!」「だからその理由を教えてほしい!」という想いを抱いているのだろうと思います。しかし前述したとおり、私は不登校の原因が自分でもはっきりとはわかっていませんでした。相手の「何とかしてあげたい」という気持ちを感じていても、答えようがありません…。正直に「よくわからない」と答えると、ほとんどの人は、がっかりした顔をしたり、もっと食い下がって質問してきたり…。より気をつかわせてしまっているなと感じることが多かったです。そういうとき、場合によっては、"いかにもそれらしい内容"を考えて答えていたこともありました。出典 : もしかしたらこの記事を読んでくださっている人の中にも、当時の私の両親・教師・親戚・友人などと同じような立場の方がいるかもしれません。不登校の子が原因を話してくれないことについて、自分は信用されていないのではないかと考えてしまったり、いろいろな不安を感じたりしている方もいるでしょう。しかし、私のように理由がわからないから説明できないとう可能性もあるかもしれないので、あまり悲観する必要はないと思います。周囲の人の様子に、本音ではないことも口にしていた当時の私でしたが、うれしかったことがあります。それは、両親から「あなたを傷つける気はなくて、あなたがどんなことを考えていても受け入れる準備ができているよ」と伝えてもらったことでした。両親は私の考えに反論せず、じっくり話を聞いてくれたり、その都度、私の力になりたいと言ってくれたのです。不登校の渦中にいる当事者というのは、自分を守ることでいっぱいいっぱいで、そういった大切なメッセージを受け取る余裕がなかったりします。両親が私にしてくれたことは、じっくり向き合って何度も同じことを伝える必要があるので、とても根気がいることでした。ですが、両親の想いを感じとれるようになったことで、私の生活は少しずつ変化していきました。登校を再開!これで不登校は解決…とはいかなかった出典 : 不登校当時の私も、当時の両親も、おそらく学校の関係者や親族も、学校にさえ行けるようになれば不登校は解決だ!と考えていたように思います。確かに、全く学校に足が向かなかった状態からは区切りがつきますが、実体験からすると、学校に行けるようになってからが本当の闘いでした。この感覚は、一般的にゴールインと言われる結婚が実際には新しい生活の始まりにすぎず、夫婦生活を円満に続けていくことが本当に難しいのとよく似ているのではないかと感じています。さて、学校で次々と襲いかかった問題…。それは、不登校経験があって内申点が低い中、志望校に行くために勉強の遅れを取り戻さなければいけなかったり、同級生とのコミュニケーションもどうすればいいのかまったくわからなくなっていたり…課題は山積みでした。私がそんな問題を乗り越えられたのには、2つの要因があったと感じています。出典 : 粘り強く向き合ってくれた両親が、学校に行くようになった後も私を信頼し応援してくれているという実感があったのは大きかったです。なので、学校で何か困ったことがあったら両親に相談していました。たとえば、同級生とうまくやれなかった日は夕飯を食べながら両親に相談しました。そうすると母親が「私なんかいまだにそうだよ。全員と仲良くなんてしなくていいんだよ」なんて言ってくれたり、父親も「大人の世界だって同じ。誰もがうまくできるわけじゃないから無理しなくていい」とアドバイスをくれたりしました。それで気持ちが楽になり、また次の日から頑張るための勇気になっていました。両親を信頼していろいろ話せる間柄になっていなければ、私は問題に対応できず、また不登校を繰り返していたかもしれません。不登校が始まった当初は言い合いになり気まずい思いをした時期もありましたが、関係はあとからでも築いていけるのだと思います。出典 : 不登校期間中、幸運にも私はプログラマーになってゲームをつくるという将来の夢を見つけることができました。プログラマーを目指すのであれば、地元でも偏差値が高い学校に通い、みっちりと情報系の勉強をする必要があると知りました。これが、最初のうちは勉強についていけなくても、あきらめずに続けていこうという強い動機になりました。志望校に進学してからも、明確な夢があったからこそ自分のペースを保ちながらに勉強を続けることができました。そして今、実際にプログラマーとして仕事ができているのです。実際には不登校の経験がなくても、将来やりたいことを明確に見つけられる人はそれほどいないかもしれません。社会人になってからもいろいろな困難を経験した当事者としては、苦手なことやできないことをどうにかするよりも、好きなことや得意なことを伸ばしたほうが自分の力で道を切り開くための強力な武器になると感じています。文章や物語を書くことも子どものころから好きだったことの一つです。それが社会人になってから技術的な文章を書くときに役に立ち、さらにこうして、この記事を書くことにもつながっています。ちょっと面白いですよね。もし周りにいる不登校の子が将来を思い描けずにいるなら、本人の好きなことや興味を突き詰める道を一緒に考えてみるのはいかがでしょうか。それが直接、将来の職業にならなくても、そのときに出会った人や身につけたスキルが新しい道への突破口になるかもしれません。身近にいる不登校の子に、自分は何をしてあげられるだろうと悩んでいる人へ出典 : 本当に大切なのは学校に通えるかどうかは抜きにして、幸せな人生を歩むことだと私は考えています。そのために、不登校の間はその子とわかり合うことを重要視すると、とても有意義な時間の過ごし方になるのではないでしょうか。社会に出るまでの期間に、幸せな時間を過ごすことはとても大事なことだと思います。それは必ずしも「普通の学校生活」を送らなければ手に入らないというものではありません。もし身近に不登校の子がいて、自分に何ができるか迷っていたら、すぐに学校や同等の施設に通うことを目指すのではなく、その子との信頼関係を強くするために時間を使うのが良いのではないかと思います。強固な信頼関係を築いた人がいることは、本人にとって前に進むための勇気になります。将来、不登校よりも大きな困難にぶつかったとしても、相談できる人がいると思えばどっしりと構えていられるのです。人生で待ち受けている困難にも対応していくために、勇気をくれるような人との関係があることが、不登校の当事者のかけがえのない財産になると思います。
2018年10月12日みんな超絶マイペース。居心地のいい不思議な空間先日、娘が通う、通信制サポート校(※)の個人懇談に行ってきました。一番に聞かれたのが「お子さんはどんな時に体調が悪くなるのですか?」ということでした。体調の悪さが心理的なものからきていることを理解したうえで、具体的にどんな症状で苦しんでいるのか知り、学校で症状が出れば本人の負担にならないようにサポートしてあげたいという配慮からきた質問だったのです。懇談以外でも娘のために配慮してもらったことがいろいろあります。「体幹が弱く椅子に座って勉強するのが苦痛」と言えば、校長の自宅からちゃぶ台を持ってきて娘のためのスペースを作ってくれました。「漢字を書き写すのにスマホで漢字辞典を見ないとやりにくい」というと、「いいよ」とその場で認めてもらえました。今まで学校の先生からそこまで娘に関心や配慮の気持ちを持った質問をされたことはなかったのでびっくりしました。「ここまで娘に心を寄せてくれるのか」と思うと、中学までのつらい日々を思い出して少し泣きたいような気持になりました。娘の通う通信制サポート校は、本校は遠方にある通信制高校で、その分校のような形となっています。授業、レポート、スクーリングといった卒業に必要な全てのことはサポート校で行われます。一対一の指導が基本なので、不登校期間が長く学力に自信がない、娘のような子も安心して学ぶことができます。このサポート校には、フリースクールも併設されていて、施設は共同。広さは小学校の教室2つ分くらいで、サポート校とフリースクールの生徒は混じりあって同じように過ごしています。子どもたちは、登校する時間もまちまちで、過ごし方も自由そのもの。勉強する子もいればオセロに興じる子、好きな模型作りをしていたり、先生に進路相談する姿も。みんなでおやつを買いに行くこともあります。生徒が「ハンバーガー買いに行くけど~」と声をかけると、校長自ら「僕の分も買ってきて」と頼んでいたのには笑いました。人と話すのが好きな子もいれば目を合わすのもしんどい子もいます。だけど不思議なことに誰も居心地が悪くなることもなく共存しているのはなぜでしょうか?(※)通信制サポート校は、通信制高校に通う生徒に対して、3年間で卒業ができるよう単位取得・進級などに必要とされる勉強や精神面での支援を行う役割を担っています。通信制サポート校で勉強したとしても、高校卒業資格を取得することはできません。大半のサポート校は通信制高校と提携し、サポート校入学の際には通信制高校への同時入学が必要です。無理をさせない、追い詰めない娘が通うサポート校の主な教員は、校長・教頭夫婦です。二人とも元小学校の教員で塾講師。自分たちの子どもが不登校になり、無理やり学校に戻そうとして家出されたという経験があります。そのとき、カウンセラーの元で不登校の子ども対応について猛勉強されたので、「無理をさせない」「親子を追いつめない」といった対応は見事なものがあります。生徒たちのことも家庭環境を含めてとてもよく見ています。娘がフリースクールに入学したてのとき、少し勉強しただけで疲れてしまう様子をすぐに見抜いて「よく頑張ったね!今日はもう終わり。帰って家でゆっくりしてね」と声をかけてくれました。なかなか続けて通うこともできず間が空いても、顔を出せば笑顔で「よく来たね」と声をかけてくれ、おやつの時間に誘って他の生徒と話す時間をとったり、ピアノのレッスンに誘ったりと工夫して関わり続けてもらううちに、娘の表情もどんどん柔らかくなって学校での滞在時間も少しずつ伸びていったのでした。先生の目配りの対象は生徒だけに限りません。つき添いの私に「いま、つき添いのお母さんが来てるんだけど話してみない?」と声をかけて親同士の交流を促したり、私がほかの生徒と話せるようにおやつに誘ってくれたりしています。おかげで娘の同級生の親御さんとも親しくなれたり、フリースクール生の親御さんの相談相手になったりと有意義な時間を過ごさせてもらっています。先生が信頼してくれるから、子どもたちは心を開くもう一つ印象深かったのは、先生方が私に生徒を紹介するときは必ず「この子にはこんなに素晴らしいところがあるんです」と本当に嬉しそうに伝えてくれるということ。娘のことも、「お母さん、ほらこのレポート見てください。フリースクール生の頃よりずっとたくさんの文字をきれいに書けるようになっていますよ」という風に伝えてくれるので嬉しくなります。この学校に来ている子どもたちは不登校経験者がほとんどで、入学したての子やフリースクール生を見ていると、大人と目を合わせることのできない子がとても多いです。きっと、それまでにいっぱい傷ついてきたのでしょう。そんな子どもたちが、学年が上がるにつれて先生方にはタメ口で辛辣なことを言ったりすることがあります。ビックリしている私に後で先生がそっと教えてくれたことがありました。「あの子は家では親に決して逆らわないんです。ここで発散できるならいいんですよ」って。先生方は子どもたちのことをよく理解し、深い信頼をもって接しているのだなと感じました。別に勉強するわけでもなく、フラッと立ち寄って先生とひとしきり軽口を叩きあって「また来るわ」と帰っていく子どもたちを見ていると「ここが安心できる居場所の一つとなっているのだな」と腑に落ちたのでした。娘もいつの間にか先生方に信頼を寄せるようになっていました。サポート校1年生になって、最初は私につき添い登校を頼んでいたのに、夏休み前には時々一人で登校するように。怖がりで安心できる場所じゃないと私が一緒でも行きたがらない娘がです。また、こんなこともありました。家で「学校でも年金や社会保障の教育は必要だと思う」という話になったときのことです。娘が「校長に頼んでみようかな」と言ったのです。学校の先生に何かを望むこともなくなり、完全に学校から背を向けていた娘が先生に提案するなんて!本当にサポート校のこと、そして先生方のことを信頼して安心できる存在だと思っているのだなとうれしくなりました。痛みを知っているからお互いに優しくできる先生に頼まれて、先輩が後輩の相手をすることもこの学校ではよくあります。もともと心優しい子どもたちばかりですし、人の痛みに敏感で相手の心を思いやれる力を持っているので、新しく入ってきた子に関わるときは注意深く、その子に負担をかけないよう、怖がらせないように上手に接してくれます。その様子はカウンセラーや教師もかなわないくらい。娘は誘われたらそつなく応対しているようですが、「私はそういうこと(人間関係)に煩わされずに勉強できるからこの学校にきたんだ」とも言っています。その言葉に「この子には友達ができないんだろうか」と心配しましたが、それもまた一つの信念で、尊重すべき考えと思い直しました。この学校には人の輪には入ろうとしない子もいますが、どんな個性を持っていても尊重される校風にはどの子も救われているだろうなと思います。7年間の不登校の末に出合えた、通信制サポート校に思うこと正直、小2から不登校になってしまった娘が通信制高校に進学してちゃんと卒業できるのかかなり不安でした。だけど、月に2回(※)ほど、本校と連携している通信制サポート校に登校して、ちゃんとレポートも提出し1年前期の定期試験も無事クリアすることができました。どうやら今のところ彼女は最小限の省エネモードで卒業を目指しているようです。「月2回しか行けないのか」とがっかりしたこともありましたが、よく考えてみると7年間ほぼ学校に通ったことのない子が月2回も通学していることが奇跡で、それは先生方の寄り添いのおかげだなと感じています。つき添い登校の際にはずいぶん学校の様子も見せてもらいましたし、他の生徒やその保護者とも楽しく交流できたおかげで私も得るものがたくさんありました。私自身、学校にいると落ち着くし楽しいんです。そんな学校に出合えたことを本当に感謝しています。(※)出席日数はスクーリングを入れて普通の高校の約10分の1ですみます。スクーリングに行けなかったり、学校に来られない場合も個別に対応してもらえるので卒業は可能です。
2018年10月12日編集部:学研キッズネット編集部子どもが集まる場所として注目されている「子ども食堂」。どんな子どもたちのための食堂で、何を目的にしている場所なのか?今回は、東京都内にある、まだできたての子ども食堂におじゃまして、その現場を見てきました。取材したのは、東京都中野区にある中野友愛ホーム(特養老人ホーム)で月1回開催されている子ども食堂。取材時(8月下旬)が2回目で、まだ名前が決まっていないくらいできたてホヤホヤの子ども食堂です。みんなで遊んで、食べて、楽しんで!18時スタートということでしたが、15分以上前に到着。玄関を入ると、子ども食堂の看板と、スタッフの方、早くから来ている子どもたちの姿がありました。まずは、受付で参加費(大人300円、子ども無料)を払い、番号札をもらいます。受付で名前と人数を書き、お金を払います食堂の横には遊び場ブースがあり、そこで子どもたちは、ゲームをしたり、絵を描いたり、折り紙を折ったり、ボランティアの方にバルーンアートを作ってもらったりして楽しんでいました。ママたちの明るい話し声も聞こえて、わきあいあいとした雰囲気です。ゲームやお絵描きなどで遊ぶ子どもたち楽しく遊ぶ子どもたち。友愛ホームに入所しているお年寄りで、お子さんとふれ合っている方もいましたみんなで考えた食堂の名前は?受付でもらった番号順に、食堂に入り、好きな席に座ります。メニューは、ソース焼きそば、ポテトのチーズ焼き、中華スープ、あんみつ♪この日集まったのは、子どもと大人合わせて90人ほど。前回は初回とあって、150人近い人たちが来たそうです。スタッフの方のやさしさがたっぷり入ったメニュー食事を楽しむ参加者と、あいさつをする主催者の伊藤由宏(いとうよしひろ)さん食事が終わった子どもたちは、かき氷へ直行!ボランティアのおねえさんがシロップや練乳をかけてくれます食後は、子どもたちはかき氷(無料)、大人は地元の喫茶店のコーヒー(200円)を飲みながら、雑談&遊び。ボランティアの方のバルーンアートや手品も大人気でした。そして、帰る前には「この食堂の名前を考えよう!」というアンケート用紙が配られ、みんなで考えました。「何にしようかなぁ……」。名無しだった食堂の名前をみんなで考えましたさて、その結果は数日後に発表されたのですが「にこにこカフェ」に決定!!小さい子でも覚えやすいいい名前ですね。20時になり閉店となった食堂。みなさん満足そうに、 “にこにこ”笑顔で帰っていきました。老人ホームで子ども食堂を始めた理由この子ども食堂を主催している伊藤由宏さんは、同じ中野区内で「野方みんなの食堂」という子ども食堂も主催しています。ここは2号店ということなのですが、どうして子ども食堂を2カ所で開こうと思ったのでしょうか?こども食堂が終わったあとに、伊藤さんに話を聞きました。伊藤由宏(いとうよしひろ)さんNPO法人ここからプロジェクト代表。日本大学卒業後、障がい者施設職員、養育困難家庭ヘルパー等を経て、現在も一時保護所で働きながら、子ども食堂をはじめ、児童養護施設でのワークショップほか、さまざまな社会活動を行なっている。――いつから子ども食堂を始めたんですか?伊藤:実は、野方みんなの食堂より前の2014年に、別の場所で子ども食堂と無料塾をしていました。そこは別の人に任せて、2016年から「野方みんなの食堂」を始めました。ここはその2号店として、同じ中野区の江古田で友愛ホームさん(特養老人ホーム)の場所をお借りして始めることになったんです。――この2つの食堂の違いは、ありますか?伊藤:野方みんなの食堂は、小学校の近くにある児童館などに声をかけていることもあって、小中学生が多いです。こちらはそれよりも小さいお子さんが多いですね。時間が経つとまた変わってくるかもしれませんが。野方は、区民活動センターを借りて運営していますが、ここは特養老人ホームをお借りしているのも大きな違いです。――どうして、この場所で子ども食堂をすることになったのですか?伊藤:おじいちゃん、おばあちゃんと子どもたちが触れ合ってくれたらいいな、と思ったんです。まだ始めて2回目なのですが、ここのホームのお年寄りの方たちも何人か参加してくださっているので、じょじょに触れ合う機会が多くなってくれるといいなと思っています。地域のコミュニティーとしての「子ども食堂」――伊藤さんが、子ども食堂を始めようと思ったきっかけは何ですか?伊藤:15年くらい前から、引きこもりや不登校、発達障害の子どもたちなどのボランティアをしていました。でも、子ども食堂を始めた直接のきっかけは、2011年の東日本大震災で、福島の児童養護施設でボランティアをしたことです。震災で親を亡くした子どもだけではく、なんらかの事情から親もとで生活できない子どもは、世の中にたくさんいます。そんな子どもたちをみていて、「子どもたちのために、何か自分にできることはないか」と考えました。福島から帰ってきてから、まずは自分が住んでいる地域で、困っている子どもたちの力になりたいと思い、子ども食堂を始めました。「お母さんたちの息抜きの場にもなってほしい」と話す伊藤さん。――子どもたちのためという思いが、ここまで広がったんですね。伊藤:最初は貧困の子どもたちのためだったのですが、今は子どもたちを中心とした、地域のコミュニティーづくりがメインになっています。実際に、ママ友同士で誘い合って来てくださっている方も多いんです。毎日の子育てに苦労しているお母さんが、月1回でもごはんを作らない日として、息抜きの場になってくれるといいと思っています。――ボランティアの方も多いですよね。伊藤:調理は、友愛ホームの方の人脈でこの地域の方たちが担当してくださっています。そのほか、配膳やかき氷などのボランティアは、インターネットで募集を見て、連絡をくれた高校生たちです。今日は高校生だけで10人ほど集まりました。そのほか、地元の喫茶店の方が、東ティモール産のコーヒーを1杯200円で提供してくださったり、手品やバルーンアートのイベントをしてくださる方もいます。とてもありがたいですね。――これからの課題はありますか?伊藤:まだ、ここは2回目なので、今はすべて試行錯誤している状態です。初回は参加者70名の想定でしたが、その倍の150名近い人が来てくださったため準備が足りず、みなさんには、ご迷惑をおかけしてしまいました。今日は、事前に約80名分の食事を用意していると告知していて、実際は90名くらいでした。余分に用意しておいたこともあって、ちょうど良い感じでした。――食事の際の番号札は、今回から導入したのですか?伊藤:そうです。今回は受け付けで番号札を配り、食事のスペースには順番に入ってもらいました。配膳もボランティアスタッフと事前に打ち合わせをして、先にテーブルに置くようにしてもらったことで、みなさんにスムーズに食べてもらうことができました。こうやって、いろいろと試しながら、みなさんに喜んでもらえるように運営を軌道にのせたいと思います。――地域のコミュニティーづくりをメインとして、お年寄りと子どもが触れ合える場所というコンセプトはとてもいいですね。これからどんな場所になっていくのか楽しみです。伊藤:そうですね。みんなが楽しんでくれるような内容を、どんどん企画していきたいと思います。――これからの展開が楽しみですね!今日はありがとうございました。ひと口に「子ども食堂」と言っても、運営の形態はさまざまです。伊藤さんのように同じ人が運営していても、場所が違うと、そこに集まって来る人たちの年齢層などが変わってくるということもあります。今回、実際に子ども食堂を体験して感じたのは、子ども食堂は人々の善意で成り立っているということ。「みんなに何を食べてもらおうか」というメニュー決めから、低価格で食事を提供するために安くておいしい材料を調達したり、早くから料理の準備をし、配膳の準備をするスタッフたち。子ども食堂が開かれる前、そして開店してからも、どれだけの人々が時間と労力を費やしているのかを感じることができました。地域のコミュニティーとして、これからどう発展するかが楽しみです。※「にこにこカフェ」は、現在諸事情によりお休みしています。学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年10月11日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「エドテック」です。教育格差や不登校、地方創生など、諸問題の解決にも。エドテック(EdTech)とは、Education(教育)とTechnology(科学技術)を組み合わせた造語で、教育分野にイノベーションを起こそうと、世界中に広がっている取り組みです。アメリカでは、貧困問題、教育格差を解消するために、10年以上前に政府が貧困地域にノート型パソコンを配布し、授業カリキュラムを配信しました。現在では、スタンフォード大学やハーバード大学がインターネットで授業を公開するなど、遠隔地に高等教育を届ける仕組みを作っています。エドテックの最たるものとして、人気を集めているのが、アメリカのミネルバ大学。この学校にキャンパスはなく、全寮制なのに授業はすべてオンライン。サンフランシスコを皮切りに、学期ごとに学生は世界の7都市を巡って授業を受けます。世界中の教師が参加し、オンライン・ミーティングの形で授業を進行。学生の発言はすべて記録され、AIによって個々の弱点などを検出。一人一人に適切な指導が行われるのです。教室内で生徒のレベルに差があることや、不登校や引きこもりの問題は日本でも深刻化しています。平成28年度の不登校を含む引きこもりは、小学生で約7万人。中学生は約14万人、高校生は約8万人です。ニートの大人の2割は元引きこもり児だったという統計もあり、減少する労働人口を補う上でも、インターネットを使って、家にいながら安心して学べる仕組みを作ることは重要です。ネット環境さえ整えば、都市の学校に行かずとも、離島でもどこでも最新の授業を受けられますから、地域による格差もなくなり、地方創生にも一役買うことができるでしょう。これからは単純な仕事はAIやロボットが担いますから、暗記した知識より、それらに適切な指示を与えられる、そんな人材が必要になります。そこで、経済産業省はIT企業やNPOと協力し、「未来の教室」という名を掲げ、効率的な知識習得と、課題の発見・解決能力を育成する学習プログラムの開発を行っています。エドテックは学校教育にとどまらず、人生100年時代のリカレント教育、ITや医療などの専門分野の学習にも生かされています。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年10月10日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年10月09日2018年6月27日から7月16日に、LITALICO発達ナビでは「子どもとゲームのつきあい方についてのアンケート」を行いました。ゲームを使用するお子さんを持つ683名の保護者の方々が回答し、うち618名が「子どもがゲームをすることで困っていること・悩んでいることがある」と回答しました。この記事では、アンケートによる調査結果の一部を抜粋し、専門家による対応策についてのアドバイスも加えて、お伝えします。<調査対象について>「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害の保護者の中から「子どもがゲームをすることで困っていること・悩んでいることがある」618名の回答を集計しました。(調査期間:2018年6月27日~7月16日)※設問によっては618名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。ゲームの使用が心配な子どもの年齢は?Upload By 発達ナビ編集部小学生が約55%、中学生が約29%で多くをしめました。8割以上の子どもが小学校高学年になる以前にゲームを始めているUpload By 発達ナビ編集部8割以上の子どもが小学校低学年や未就学であるときからゲームの使用を始めているとの回答でした。Upload By 発達ナビ編集部また、保護者の半数以上は、小学校高学年になる以前から子どものゲーム使用について問題に思い始めていることが分かりました。7割以上が、問題が1年以上続いていると回答Upload By 発達ナビ編集部ゲームに触れるきっかけとして多いのは、1位周囲の人の影響(親、兄弟、友達など)2位プレゼント3位空き時間(不登校、入院中、移動時など)が挙げられていました。周囲の人の影響では、「親が遊んでいるのを見て」、「学校でみながゲームの話題をし始めたから」、「周りのお友達もゲームを持ち始めて、自分も欲しいと言い出した。」、「上の子が使っているのを見て一緒にやっていた」などがありました。プレゼントでは誕生日やクリスマス、子どもが何かを頑張ったご褒美としてゲームをあげる方が多くいました。さらに、空き時間でのゲーム使用に関しては、不登校や、引っ越しや移動の際の暇つぶし、病院での空き時間などで子どもが手にしているという回答がありました。また、ゲームの種類は、インターネットにつないで使用するオンラインゲームが約70%、ネットを介さない家庭用のゲーム機の使用が約60%と多くの方がこの2つを使用していることがわかりました。ゲーム使用の頻度は8割以上が「ほぼ毎日」、1日あたりの使用時間は「1~3時間以上」が約4割Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部約85%の子どもたちが、ほぼ毎日ゲームを使用していることが分かりました。さらに使用時間は、■1~3時間が約38%■3~6時間が約33%と、多くの時間を費やしていることが分かります。ゲームへの没頭度合いは?Upload By 発達ナビ編集部1.自分でゲームとの関わりをコントロールできている、2.長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている、3.ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている、いずれの状態かを聞いたところ約55%が「長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている」、約36%を超える子どもが「ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている」というアンケート結果でした。没頭するようになったきっかけ・心当たりとしては、学校でのストレスや不登校、友人関係がうまくいかないことやオンラインでの交流の方を好む傾向があるため、という回答が多くみられました。また、過集中などの発達障害の特性が影響していると考えている保護者もいるようです。ゲームに熱中することで、勉強や生活に問題が出ている子どももUpload By 発達ナビ編集部上記のグラフにある通り、「勉強が手につかない」が383人と最も回答数が多く、朝起きられない、お風呂に入らない、食事をとらない、昼夜逆転など、基本的な生活習慣に影響があるという回答も多く挙げられました。ものに当たる・壊す、家族への暴力などの問題が挙げられている点も無視できません。保護者の悩みごととは?Upload By 発達ナビ編集部子どものゲームの使用に関して、保護者の方々は上記のような悩み・心配ごとを抱えています。具体的なエピソードとしては次のようなものが寄せられました。〇本人に問題意識がない「1年前までは、ネット依存外来に半ば強引に通院させていましたが、本人の否認が強く、医師も治療の手立てが無く、悪化するばかりで、現在大学も休学して、家族とも話さず昼夜逆転でゲームしているので、通院もさせる事も出来ず、途方に暮れています。」「タブレットを触っていると、会話もなくなります。でも本人はそれを問題だとは思っていません。」〇将来が不安「どうやったらゲームの優先順位を下げれるでしょうか。やるべき事を終えればゲームしてもいいと言っていますが、ゲームが最優先で勉強をしなければならないと思っていない様子で心配しています。」「ゲームを生活の最優先にしていることが悩みです。一方で、ネットゲームの仲間とスカイプで楽しそうに会話しているのを見ると、学校にはない、本人にとっては心の許せる大切な友達なのだとも思います。来年は中学3年生で受験と向き合わなければいけませんが、このままでは志望校に合格するのは難しいです。本人の気持ちも大事にしたいですが、どうしたら勉強にも向き合ってくれるかが悩みです。」〇目が悪くなる「家族が寝静まるまで待ってからゲームを始めます。寝たふりをしているので真っ暗な部屋でゲームをしていて、これはマズイと思いました。」〇言葉が乱暴になっている「そろそろゲームをやめる様に声かけすると暴言をはきます。」「ゲームで勝てないと本気で泣いて暴言を吐いて暴れだします。」〇食事睡眠をとらず健康に影響が出ている・出そう「土日になると前日遅く寝ても朝、早く起きてゲームをします。私が何も言わなければ飲食もせずにゲームを一日中続けています。ゲーム時間をどのように減らしていければよいのか悩んでいます。」家庭ではどんな対策をしている?Upload By 発達ナビ編集部約76%が現在ゲームの使用に関して対策や工夫をしています。また、行っている対策は、次のような結果でした。Upload By 発達ナビ編集部具体的な対策の内容として寄せられたものの中から、一部を紹介します。■ルールの決め方の工夫「ゲームの時間を決めても辞められないため、勉強の時間を決めてその時間はやらないようにしました。自分で決めた時間なので、声をかければ何とか時間内に宿題に取り掛かれるようになりました。」「本人も交えて話し合い、守れそうな時間制限をルールにしたので、自分から意識して止めることがほぼ定着しました。」■専門家に指摘してもらう「子どもがゲームをやり過ぎているために、生活の管理ができていない事をカウンセラーの方から話していただき、元々の不登校の原因である起立性調節障害の回復が遅れる事を指摘していただきました。家族からの指摘より、専門家にお話ししていただく方が具体的でピンポイントだったので、子ども自らが進んで生活表を作って頑張ろうとしています。」「病院で決められたことなので、子ども自身がタイマーを使って時間を守っています。」■ゲーム以外に興味を引き出す「学校へはいけないので、放課後等デイサービスで体を動かすようにお願いしています。するとデイサービスが本人にあっていたのか、その時間はゲームから離れられるようになりました。」「月に2回程度スポーツ教室に通い始めました。本人なりに楽しそうに取り組んでおり、体を動かした日の夜は朝まで熟睡しています。」■家族も一緒にやる「一緒にゲームをすることで、親もキャラクターを覚えました。その上でゲームとのかかわりについて注意をしました。親も一緒にゲームを楽しみ、コミュニケーションを取ってから、決まりについて話したところ、徐々に子どもも聞いてくれるようになりました。」■気づかせる「ゲームをしている時間を細かく書き、本人に知らせるとすんなりゲームをやめられました。ただ、1分でも間違えたら怒ったりもします。ゲームを使用している時間を細かく書いて知らせることで、子どもは長い時間使用していると理解し、一定の時間でやめてくれるようになりました。毎回ではないですが、すごい進歩です。」6割以上が相談相手がいるUpload By 発達ナビ編集部7割近くが子どものゲームの使用に関して誰かに相談しています。Upload By 発達ナビ編集部具体的な相談相手としては次のような結果となりました(複数選択あり)。■医者、専門家(235名)■家族(207名)■友達(112名)■スクールカウンセラー(96名)医者や専門家、学校などで子どもを見守るスクールカウンセラーなどの第三者に相談をしている方が多くみられました。専門家によるアドバイスを紹介!「ゲームにまつわる悩み」どう対処する?Upload By 発達ナビ編集部医者や専門家に聞いてみたいこととして、上記のような内容が希望として挙げられました。すでに改善しようと多くの保護者が取り組んでいますが、それぞれのお子さんに合う解決策が分からないという人も少なくありません。そこで、具体的な質問内容から、鳥取大学の井上雅彦先生に対応策を伺いました。時間制限がしづらいスマートフォンとのつきあい方に悩んでいるという場合については「コミック本やテレビと違い、ゲームやスマホは終わりがないので依存が生じやすくなりがちです。依存しすぎる前に、自分の力で管理できるように環境を整える必要があります。ルールの決め方の基本は1. 子ども参加でつくる2. 無理のない具体的な使用時間を決める3. ゲーム機やスマホは親の目の届くところで使う4. (ルールを適用する)期間を設定する(例:1日間、1週間など)5. 守れたらほめるでも、ゲームをやめて、その分勉強をしろというのはハードルが高すぎるかもしれません。まずは、ゲーム以外の趣味を増やす、ゲームと少し距離を持つことができるようにしましょう。刺激を求める子どもの場合は、ゲーム以上にワクワクできる体験(アウトドア体験、映画館で映画を観る、一人旅、高校生以上ならアルバイトなど)の機会をつくるのもいいですね。好きなことが増えることで、ゲームがなくても大丈夫な時間が生まれ、その時間を勉強に向けることもできるようになっていきます。また、頭痛や不眠など、ゲーム依存による身体症状が出てしまっている場合は、それを話し合いのチャンスとし、主治医や専門家の協力を得て、ルールづくりをできるとよいでしょう」ゲームによる勉強への影響に悩んでいる場合については「まず、志望校合格までの計画づくりを一緒にします。そのために、ゲームの時間をどう管理すべきかを考えさせます。ゲームを一方的に取り上げるのではなく、自分で管理できるようにする必要があります。目の前にあるとどうしても手に取ってしまうと本人が考えるのであれば、保護者が管理するとか、子どもの部屋には置いておくけれどカバンに入れて部屋の隅に置くなど、すぐには手に取れない状態にします。少しずつ離していけるようにしてみると、管理ができるようになっていくと思います」子どもに対してだけでなく、夫への対応や、夫から子どもへどう接してもらったらいいかについて悩んでいるという場合については「夫に対して、感情的にコミュニケーションすると、夫はゲームをしている自分を責められているように感じてしまいがちです。”子どもはゲームを毎日○時間やっている”という現状があり、そのため”勉強をまったくしない”というように、何が起きていて、どう支障が出ているのかを具体的に伝えることが大切。父親が子どものゲーム仲間になること自体はいいけれど、子どもが勉強する時間に横でゲームをやるのは控え、自室で楽しむなど、子どもへの影響を考えた具体的な関わり方を話し合う必要があります」また、「母親もゲームをやってみて、”なかなかやめるのが難しい”ことを実感し、子どもの立場に立って”どうしたらやめられるか”を一緒に考え、約束をつくっていくのもいいでしょう」とのアドバイスもいただきました。まとめ今回アンケートをとってみて、ゲームが身の回りにあるのが当たり前な環境にいるお子さんに対して、ゲームとの適切な関わりの示し方に悩まれている保護者の方々が多く見受けられました。LITALICO発達ナビでは、今後子どもとゲームとの関わりについて記事を掲載していきます。専門家の視点やすでに取り組まれている方々の声も取り入れながら、子ども一人ひとりに合った関わり方ができるようになることを願っています。
2018年10月09日専門家・プロ:藤田由美子今回は、特別活動で社会参画する力、安全を守る力をどのようにはぐくもうとしているかに焦点をあてて紹介します。学んだことを成長につなげる特別活動の内容は大きく3つに分かれます。(1)学級(高等学校ではホームルーム)や学校における生活づくりへの参画(2)日常の生活や学習への適応と自己の成長および健康安全(3)一人一人のキャリア形成と自己実現次期学習指導要領では、小学校、中学校での特別活動の内容を下図のように示しています。小学校における特別活動の内容 (出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29 年告示)解説特別活動編」をもとに作成)中学校における特別活動の内容 (出典:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29 年告示)解説特別活動編」をもとに作成)学級活動を通して社会参画を学ぶ「(1)学級や学校における生活づくりへの参画」とはなんのことでしょうか。次期学習指導要領では、特別活動全体を通して、自治的能力※1や主権者として積極的に社会参画する力を育てることを重視しています。具体的には、学級や学校の課題を見いだし、課題を解決するためにみんなで話し合って合意形成すること、主体的に組織をつくり、役割分担して協力し合うことの重要性を明確にしました。この背景には、子どもたちの社会参画意識を高めなければならないという社会的なニーズがあります。※1所属する集団が決定した総意にもとづいて、教師の支援を得ないで行動する力「(1)学級や学校における生活づくりへの参画」は、次の3つの内容に分かれています。ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決イ 学級内の組織づくりや役割の自覚ウ 学校における多様な集団の生活の向上「ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決」は、たとえば入学や進級のときに新しい学校生活に慣れること、学級での生活を見直す活動、いじめや不登校の未然防止や暴力のない学級づくりなどが想定されます。子どもたちが個々に学級や学校における課題を見いだし、おたがいの意見を認め合いながら、くふうして諸問題の解決に取り組みます。「イ 学級内の組織づくりや役割の自覚」は、次のような活動のことです。子どもたちが話し合って決めた学級の目標をふまえ、目標を実現するために必要な組織をつくる。仕事の役割分担やルールをつくる。学級内の組織の意義や活動について話し合って合意形成を図る。分担した役割の計画や成果を学級で共有する方法について話し合う。活動について振り返り、改善策について話し合う。「ウ 学校における多様な集団の生活の向上」は、生徒会や部活動など、学級の枠を超えた集団での活動や学校行事を通して、学級としての提案を話し合って決める活動のことです。こうした活動を通して、子どもたちは社会に参画し、主権者としてどのように行動したらいいかを学びます。生きる力をはぐくむ「(2)日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全」には、防災教育、安全・健康教育、食育、よりよい人間関係の形成などが含まれます。いろいろな内容が盛り込まれているのは、複雑で変化の激しい社会のなかで求められる多様な能力を育成する必要に迫られているからです。特別活動と各教科を関連づけながら、資質・能力を育成します。次期学習指導要領では、事件や事故、災害から身を守ることの重要性について明示しています。災害などから身を守り、安全に行動するためには、具体的な場面を想定した訓練を体験することが重要であると強調しています。防災に関しては、地理で地域の地形の特徴や過去の自然災害について学び、理科で自然災害につながる自然の事物・現象の働きや規則性などを学びます。また、災害からどのように身を守ったらいいのかを実地訓練します。安全に関しては、日常生活に潜むさまざまな危険を予測したり、問題解決の方法を話し合ったりして、安全な生活を送るためにどうしたらいいか、理解を深めます。たとえば、生活習慣の乱れやストレスへの対処、インターネットでのトラブル事例、自転車を運転するときの交通安全、事故の発生状況や危険箇所の調査結果などについて話し合いを通じて学びます。学校での特別活動を通じて子どもたちが生きる力を身につけ、多くの問題を乗り越えられるようになってほしいものです。藤田由美子(ふじたゆみこ)株式会社ユーミックス代表取締役社長。1993年の創業以来、コンピューターリテラシー教育を数多く手がける。「生きる力」「社会力」の育成をめざして、子ども向けICT教育のカリキュラム作りにも力をいれており、大手携帯電話会社のケータイ安全教室の企画立ち上げ、ネット安全利用推進プログラムの開発など、実績多数。
2018年10月08日本に登場する著名人から、不登校の子どもの保護者へ。心のこもったメッセージを話題の本『学校に行きたくない君へ』。日本で唯一の不登校専門紙「不登校新聞」に掲載された著名人への取材記事から20記事を厳選し紹介されています。前回の記事では、「不登校新聞」石井志昂編集長にお話をうかがい、取材の裏側や、不登校や引きこもりへの想いを紹介しました。さらに『学校に行きたくない君へ』に登場し、不登校や生きづらさへのヒントを与えてくれた方々へアンケートを実施。「保護者へ伝えたいメッセージとは」、そして「”不登校”という言葉を、もっとポジティブな言葉につくりかえるとしたら?」――そんな発達ナビからの問いに、不登校新聞の編集長をはじめ、田口トモロヲさん、宮本亜門さん、茂木健一郎さん、山田玲司さんが熱いメッセージを寄せてくれました。また、本書に掲載された心に沁みる「言葉」から、一部をご紹介します。不登校新聞 石井編集長「その子自身の学校に行かない理由を大切にして」Upload By 発達ナビニュース――不登校のお子さんの保護者に向けて、メッセージをいただけますか。石井さん:学校は命がけで通うべきところではないということを伝えたいです。子どもが学校に行けなかったとしても、それはその子が弱いからでも、怠けているわけでもないということ。もしかしたら今は不登校の理由を言えないのかもしれないけれど、その子なりの理由があって学校に行かないんですね。だからその行かない理由を大切にしてあげてほしいなと思います。私の場合は「学校に納得できなかったから」。「納得」を私はすごく大事にしているなという気がします。――「不登校」という言葉を、ポジティブな違う言葉につくりかえるとしたら、どんな言葉にしたいですか。石井さん:確かに不登校って差別用語だなと思いますね。たとえば女性のことを「不男性」といったらどれだけの差別なのかというのが分かりますよね。そうはいっても「不登校新聞」という名前をつけちゃってるんですけどね(笑)。不登校以外の言葉でつくりかえるとしたら、「生徒・学生」でいいんじゃないかな。海外では家で教わっている子はホームスクーラーの子も、イギリスで100年続くフリースクール「サマーヒル・スクール」に通っている子も「student:生徒」って呼ばれているんですよね。だから「生徒」がいいと思う。不登校の子だけを特別な呼び名で呼ぶ必要はなくて、学校に頼らないで生きる生き方が一般化される必要があると思っています。不登校新聞田口トモロヲさん、宮本亜門さん、茂木健一郎さん、山田玲司さんら著名人からの熱いメッセージ!今回、俳優・映画監督の田口トモロヲさん、演出家の宮本亜門さん、脳科学者の茂木健一郎さん、漫画家の山田玲司さんにアンケート取材をしました。4名から、不登校のお子さんを育てる保護者に向けていただいたメッセージをご紹介します。――不登校のお子さんの保護者に向けて一言メッセージを。田口さん:自分なら、たとえ世界中を敵にしても味方だと思える人に近くに居てもらいたいです。生き続けるために一つだけ好きなこと(支え)を見つけて、人生=生活をこじ開けてほしいと思います。田口さんはまた、本書の中で次のように話しています。一番近くにいる保護者が肯定し、味方になってくれることは、とても大切なことです。あきらめると言うと、ネガティブに聞こえますが、肯定することと同じ勇気だと思うんです。僕は自虐的な人間だから「自分を肯定する」という言い方より「ダメなんだから仕方がない」という言い方の方が安心するんで(笑)。『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、田口トモロヲさんの言葉より田口トモロヲ(俳優・映画監督)――不登校のお子さんの保護者に向けて一言メッセージを。宮本さん:親子であっても、以心伝心はありません。それぞれが違う人格をもった人間なのです。だから、親自身のたどって来た人生で、これが正しい、間違っていると判断したものを言われても説得力がありません。お互い、対等で冷静に、この情報過多の時代を生き抜くために、何を選び大切に生きていくか、考え話し合ってください。――「不登校」という言葉を、ポジティブな違う言葉につくりかえるとしたら、どんな言葉にしたいですか。宮本さん:「その子どもにしかできないオリジナル性の模索」。「個性を生かし、社会に生きていくための大切なブレイクタイム」。――その理由・言葉に込めた想いとは?宮本さん:人は全員違う考えと違う才能を持っています。しかし、学校は知識を入れ込むことで忙しくなかなか教えてくれません。むしろ、それは親だからできる、子どもと親しくなれる素晴らしい役目。焦らず、それぞれの個性や特性を引き出して、将来大きく花開くように、準備をしてください。もう一つ、宮本さんが本の中で伝えてくれた、勇気が出る「言葉」を紹介します。だってこれまで痛みを経験してきたはずです。職種はちがうかもしれませんが痛みを経験してきた役者さんはいい仕事をします。もう一つ、つけ加えるならば、新しいことを始める際に「不安がっている自分」を否定しないでください。「怖いけどやってみたい」、その思いに自分が後押しをされたときには素直に気持ちに従ってみてください。『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、宮本亜門さんの言葉より宮本亜門(演出家)――不登校のお子さんの保護者に向けて一言メッセージをお願いします。茂木さん:お母さん、お父さんは、お子さんの「安全基地」になるのが一番よいのです。安全基地とは、お子さんが挑戦したいことを、見守り、応援するということです。お子さんが学校に行かないという選択をしたということは、つまり、そのような挑戦をしているということです。その挑戦を、見守ってあげてください。学ぶために、学校に行くことは必須ではありません。今の時代、いくらでも他の方法はあります。もちろん、ふたたび学校に戻るという選択をしてもいい。でも、戻らなくてもいい。「普通」であることと、学びはまったく関係ありません。お子さんは、賢い。自分の人生を、切り開こうとしている。そんなお子さんを、信じてあげてください。――「不登校」という言葉を、ポジティブな違う言葉につくりかえるとしたら、どんな言葉にしたいですか。茂木さん:「もう一つの学びへの勇気ある挑戦」――その理由や、言葉に込めた想いは?茂木さん:学校に行かないことを選択したこと自体勇気あることですし、それは必ずもう一つの学びにつながるのです。茂木さんはまた、本書の中で「多様性に上下はない」と語っています。脳科学の見地から言えば「不登校は脳の個性である」というのが結論です。毎日、学校に通っても苦痛を感じない個性もあれば、1日だって学校に行けない個性もある。脳には多種多様な個性があり、その差に上下はありません。『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、茂木健一郎さんの言葉より茂木健一郎(脳科学者)――不登校のお子さんの保護者に向けて一言メッセージをいただけますか?山田さん:「不登校」はまともなことで、それで人生がダメになることはありません。「そんなことはない、学校くらい行かないと世の中ではやっていけない」と思う親は明らかな「思考不足」なので、自分がまず「何が正しいのか?」を深く考えてください。学校へ行くのは「絶対的な正解」ではありません。どんな子どもでも無条件に認めてあげてください。狂っているのは大人達の方なのです。――「不登校」という言葉を、ポジティブな違う言葉につくりかえるとしたら、どんな言葉にしたいですか。山田さん:「考え中」「さなぎ期間」「防空壕避難中」「修行中」「自主練」山田さんは、インタビューでも「絶望を知ること」で跳ね上がっていくことについて語っています。本書(※)に登場してくれたみなさんが言っていたのは「絶望に効くのは絶望を知ることだった」と。絶望するとそこを機に跳ね上がっていく。もちろん、そこまでいけないときが本当にきつい。「夜明け前の夜が一番暗い」という言葉もあるぐらいですから、真理でしょう。でも「明けない夜はない」というのもまた真理だと思っています。※編集部注:『絶望に効くクスリ』(山田 玲司著/小学館)のこと『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、山田玲司さんの言葉より学校に行かないという選択をした子どもたちが経験している「今」だけでなく、その先へのまなざしも感じられます。山田玲司(漫画家)本書に収録、樹木希林さん、西原理恵子さん、リリー・フランキーさんなどの「言葉」を、ちょっとだけご紹介しますUpload By 発達ナビニュース一緒に住んでいる人はホントにたいへんだと思いますが、結局、親はその子の苦しみに寄り添うしかないです。言って治るようならとっくに治っています。最初の話に戻りますが、自分が成熟するための存在なんだと受け取り方を変えるのがいいのではないでしょうか。『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、樹木希林さんの言葉よりこの先、あなたはなぜ自分がこんな状況になってしまったのか、考えるときがくるでしょう。でも、その原因究明はするべきじゃありません。原因を究明しても、誰かを悪者にして終わるだけ。誰も助からない。明日、どうやって飯を食うかのほうが、よっぽど大事です。だって、立ち止まったらかならずよどむんです。よどむときついんだ。自分を苦しめてきた存在が3Dになって、いつでもよみがえってくる。『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、西原理恵子さんの言葉より西原理恵子(漫画家)不登校・ひきこもりを生きる、というのはたいへんな苦悩を伴いますが、じつは私が教えている東大生も、内面の苦悩は、ほとんど同じだと感じています。前者は「自分自身じゃないもの」になろうとしてなれずに苦しみ、後者はなりきって苦しんでいる。でも「自分自身じゃないもののフリ」をすることをやめないかぎり、自分の人生は始まらないんです。『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、安冨歩さんの言葉より安富歩(東京大学東洋文化研究所 教授)不登校もひきこもりも、好きなだけやればいいと思うのは、みんな自尊心も強いんだから、美意識を持ちながらやっていれば、自然と外に出ることも働くことも、なんでもなくなると思います。それに、その時間が糧になるときがきますから。オレなんか、いま物を書いてる内容はそのときに考えていたことばっかり。だから、みんな留学してると思えばいいんじゃない。『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)、リリー・フランキーさんの言葉よりここでご紹介したのは、『学校に行きたくない君へ』に詰め込まれた、心に沁みる「言葉」の、ほんの一部です。そして、一つとして同じメッセージはありません。読者の人それぞれの胸に響くメッセージが、本のどこかにきっとあるはずです。不登校やひきこもりの当事者・保護者だけでなく、生きづらさを抱えるすべての人に読んで欲しい一冊です。リリー・フランキー(俳優・文筆家・イラストレーター等)樹木希林、荒木飛呂彦、西原理恵子、リリー・フランキー、辻村深月ら総勢20名の先輩たちが語る生き方のヒント。企画から取材まで、不登校の当事者・経験者が、人生の大先輩たちに体当たりでぶつかり引き出した本音のメッセージを収録。社会に出たくない人、人生に迷っている人など、中高生からシニア層まで幅広い世代に突き刺さる言葉が詰まった一冊です。2018年8月発行。全国不登校新聞社編、ポプラ社刊。撮影:鈴木江実子取材・文:赤沼美里
2018年10月04日