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時に、コミュニケーション障害と言われることもある、発達障害。「空気が読めない」「相手の気持ちがわかりにくい」などの特性は、人づきあいでのトラブルを招きやすく、「愛想が悪い」「気が利かない」など、性格の問題にされてしまうことも少なくありません。また、発達障害は男性に多いとされてきましたが、実は、大人になってから発達障害が表面化する女性は少なくありません。発達障害のこうした特性は、男性よりも女性同士のつきあいに重視されがちだからです。女性のコミュニティは、より「空気を読みあう」ことで成り立っていることが多いため、子どもの頃から女同士の友だちつきあいがうまくいかず、ずっと悩んできたという女性も多いそうです。女性の発達障害特有の生きづらさとは? どうしたら少しでも楽に生きられるのでしょうか?発達障害当事者であり、言語聴覚士として支援者でもある村上由美さんに、発達障害の女性特有のコミュニケーションにおける苦労や悩み、周囲とうまくつきあっていくためのポイントをうかがいました。お話をうかがったのは…村上由美(むらかみ・ゆみ)さん言語聴覚士。上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院(現・国立障害者リハビリテーションセンター学院)聴能言語専門職員養成課卒業。重症心身障害児施設や自治体などで発達障害児、肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。著書に『アスペルガーの館』(講談社)、『声と話し方のトレーニング』(平凡社新書)、『ことばの発達が気になる子どもの相談室』(明石書店)、『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』(翔泳社)などがある。■女性の発達障害「就職、結婚、子育て…」人生の転機に生きづらさが表面化――今まで、発達障害は男の子が圧倒的に多いと言われてきました。実際、私が息子の療育センターに通っていた頃も(息子は自閉スペクトラム症)、グループのお友だちは男の子ばかりでしたが…。 村上由美さん(以下、村上さん):発達障害は男の子の方が発生率が高いとされ、療育センターなどに通う子も、男の子の方が圧倒的に多いのは事実です。その理由は、男の子に表れる発達障害の特性の方が見えやすく、問題視されやすい傾向にあるからです。例えば、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の男の子の場合は、「多動性」や「衝動性」が目立ちます。教室で立ち歩いたり、衝動的に暴力をふるったり、周囲に迷惑をかける行動が多いので、早めに気づかれるケースが多いのです。――これが女の子だと、どう表れるのでしょう?村上さん:同じADHDでも、女の子の場合は「不注意」が目立ちます。ミスが多かったり不器用だったり、本人はできないことを悩むのですが、周囲に迷惑をかけるようなことが少ないので、問題が表面化しにくいのです。また、最近になって、そもそも発達障害の診断基準が少し男性寄りにできているのではないか? という議論も出てきています。男性と違って、女性の発達障害の場合は「受動型」の特性が多いので、現在の診断基準となる症状に当てはまりにくいのではないか、と。最近は変わりつつありますが、少し前の教育では、女性は控えめであることが美徳とされていました。「受動型」という女性に多い発達障害の特性と、社会が求める理想の女性像が重なり、さらに見えにくくなってしまった面もあると思います。そのため、発達障害の女性はひとりで悩みを抱えたまま、大人になってしまうケースも多いのです。――幼い頃から感じてきた違和感が、明らかな生きづらさとして表面化するのは、いつ頃なのでしょう?村上さん:就職、結婚、子育てなどの時期です。それまでの学校生活は、ある程度の枠組みが用意されていて、先生に言われた課題をこなしていれば、そこそこうまくやっていけるのですよ。でも、自分の意思を持って主体的に行動しなければならないライフステージにくると、うまくいかないことが増えてきます。また、特に女性は、結婚などのライフステージの変化によって役割が増大します。妻として家事をこなし、夫のサポートをし、義理家族と良好な関係を維持し、仕事をし、母親として子育てをし、園の父母会や学校のPTAの役割をこなし、ママ友やご近所づきあいもそつなくこなす…。さらに、介護まで加わってくるケースも! つまり、女性はものすごいマルチプレーヤーになることを求められるわけです。――確かに、結婚後、男性に比べると、女性は求められる役割の幅が広がる気がします。村上さん:でも、そもそも発達障害の特性として、複数の作業を並行して行うマルチタスクは苦手なのです。また、一般的に女性は「愛想がいい」「気が利く」「何でもそつなくこなす」ということがよしとされている風潮があり、家庭でも職場でも、煩雑で細かい仕事を任されるのは女性の方が多い傾向にあります。しかも、それをにこやかに、周囲へ気を配りながら行うことが評価されます。ですが、発達障害の特性はこれらとも真逆。男性よりも女性の方が、この特性が問題視されてしまうのです。不公平だと思いますが、残念ながら、ジェンダーの差があるのが現実なのです。――社会が求める、いわゆる「女性らしさ」が、発達障害の女性をますます苦しめているのですね。村上さん:さらに、男性より女性に対しては、生活のこと(家事全般)ができて当たり前という期待値が高いのです。それもまた、発達障害の特性とは真逆なのに…。加えて、日本の家事レベルはものすごくハイレベルですよね。子どものお弁当ひとつとっても、栄養のバランスを整えて、彩りもきれいに、さらに子どもが喜ぶように…と。さらに、おやつも園グッズも手作りで、などなど…!最近は、家事代行サービスを利用する方も増えてきましたが、ひと昔前は「そんなの子どもがかわいそう! 手抜きはダメよ!」というような風潮がありました。発達障害の方は基本とてもまじめなので、周囲の言葉通りに「全部やらなければ」と追い込まれてしまいます。でも、うまくできず、燃え尽きてしまうのです。■「できないこと」より「できること」 苦手から逃げる勇気――ちょっとマイナスな面ばかりうかがってしまいましたが、プラスの面はありますか?村上さん:見方を変えれば、その特性が良い方向に向かうこともたくさんあります。例えば、「空気を読まない発言が多い」ということも、「慣習にとらわれず、世の中の動きにあった提案ができる」というふうにとらえることもできます。もし今、生きづらさを感じている方がいたら、できないことではなく、できることに目を向けてください。もし、周囲にあなたを責めたり攻撃したりしてくるような人がいるなら、そういう人とは距離を置くのもひとつの手段です。また、自分を知ることもとても大切です。発達障害の人は、自分への信頼がとても低いという傾向があります。ですから、「自分がどれくらいできるか」という見積もりを、社会が求めている尺度では考えないこと。「がんばればできる」という見積もりは、実はすごく危険です。がんばり続けたら、たいていの人は燃え尽きてしまいますから。特に発達障害の人は、「がんばらなくてもできる」「がんばらなくても続けられる」というところを探っていくという発想が必要になります。――専門家などの相談機関とつながっておくことも大切でしょうか? 村上さん:相談機関とつながりを持つことは心強いと思います。お子さんが小学生なら学校のスクールカウンセラー、就学前なら保健センターなど、身の回りに専門機関はたくさんありますから、上手に人を頼りましょう。最近では、「自己責任論」がよく取り沙汰されるので、福祉などに頼るのは恥ずかしいことと思ってしまう方もいるかもしれません。でも、もともと人間はひとりでは生きられない生き物なのですから。診断を受けて合理的配慮を得るには、自分の障害を開示しなければならないので、抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、それを上回るメリットはあると思います。まず、自分が楽に生きられることを探しましょう。診断を受けるのも、合理的配慮を受けるのも、自分が楽に生きるため。最近、楽に生きると言うと「なまけているんじゃないか?」などと非難される風潮もありますが、人生は修行ではないのですから。もちろん、がんばることは悪いことではありませんが、そもそも何のためにがんばっているのか? それは自分にとって大事なことなのか? そこをしっかり考えることも大切なのだと思います。■「生きづらい…」苦手が多いママ、3つのケースと対応法――村上さんが支援現場で、ママからよく聞く悩みはなんですか? また、それぞれ上手な伝え方や対応法を教えてください。村上さん:ママ友、子ども、夫、それぞれに対して、よく聞くお悩みを3つあげてみました。「これならできそうかな?」と思うものから、少しずつ無理ない範囲で試してみてください。ケース1:ママ友との雑談が苦手。何を話したらいいのかわからなく、その場にいるのが苦痛…。村上さんの回答:発達障害当事者にとって、実は一番難しいのが雑談です。話が飛んで主語がなく、時系列も変わる会話を文脈に落とすのは、定型発達の方には想像がつかないくらい、非常にハイレベルな作業なのです。これはもう、自分がどのくらいそこに参加したい状況なのかを見極めることが大切。社交辞令レベルの関係なら、ヘンなことを口走るよりも、黙っていた方が無難な場合も少なくありません。むしろ、人間観察のつもりで参加していても良いかもしれません。そのうちに、中には自分のつきあいやすい人が見つかるかもしれませんよ。ケース2:仕事や家事や学校の雑用が山積みで…。いつも余裕がなく子どもにあたってしまう。村上さんの回答:子育てにかかる手間は、以前よりずっと増えていると感じています。課されていることのすべてを完璧にするのは、まず無理と心得ること。得意と苦手を把握し、苦手なことには目をつむり、赤点ギリギリでいいと割り切りましょう。もし、子どもを相手に感情がエスカレートするようなら、トイレにこもる、近所を一周散歩するなど、クールダウンする方法を決めておきましょう。自分だけが背負い込まず、夫やほかの家族に頼り、周囲に助けてもらうことも大切です。ケース3:夫に対してつい感情的になって、いつも夫婦ゲンカに。自分の感情をうまくコントロールできない。村上さんの回答:感情的になるには、たいていステップ(段階)と一定のパターンがあります。家事がたまっている時、仕事が忙しい時など、自分がどういう状況で感情的になりやすいのかのフローチャートを作ってみると良いでしょう。そして、甘いものを食べるなど、自分がイライラした時に感情をうまく逃せる方法を、日頃からリストアップしておいてはいかがでしょうか。イライラしたときこそ、切り替えることを意識して。また、もともと夫婦は他人なので、気持ちをわかりあうのはとても難しいものだと思った方が気楽です。「自分を知ること」「できることに目を向けること」、これらは発達障害の取材をしていると、必ず言われる言葉です。そして、これは自分自身に対してだけではなく、他人を見る時も同じなのだ、と。「いろいろあるけど、でも、あの人のここはすごい」というふうに、常に人の得意なところ、良いところを見つける姿勢は大切だと感じるインタビューでした。次回は、もし身の回りに発達障害傾向のママがいた場合、どう対応するのが、自分のためにも相手のためにもベストなのか? お互いを尊重して生活していくための対応法についてうかがいます。参考図書: 『発達障害の女性のための人づきあいの「困った!」を解消できる本』 (PHP研究所)発達障害当事者である著者が、発達障害を持つ女性特有のコミュニケーションにおける苦労や悩み、問題の原因を解説し、周囲とうまくつきあっていくためのポイントを場面別に紹介。著者が医療や福祉、発達相談の現場などで相談を受けた中で、特に多かった日常の場面を取り上げ、うまくいかない原因と上手な伝え方や切り抜け方のポイントを掲載し、発達障害を持つ方の支援者や家族に知っておいてほしいことについて解説。※本記事は、発達障害と診断された方を前提とした記事であり、登場する例に当てはまる方がすべて発達障害とするものではありません。取材・文/まちとこ出版社N
2019年06月22日先行き不安だった、2人の育児広汎性発達障害の小学校3年生の娘(あーさん)には、2歳の弟(きーさん)がいます。弟が生まれた時は、弟の泣き声に、娘がパニックを起こしたり…弟のイヤイヤと、娘のパニックが同時に起きたり…私が頭を抱えることもありました。しかし、この2人…最近面白いことになってきたんです。Upload By SAKURA「息子」対「父」壮絶バトル勃発イヤイヤ期が少し落ち着いてきた息子ですが、まさにThe男の子!という感じ。遊びも動きもダイナミックで激しく、色々やらかすことが多いです。父親にその行動を叱られた時も、気の強い性格のせいか、意地を張り、素直に謝ることができません。Upload By SAKURA弟の味方、救世主の姉我が家では、いちばん怖い父親と互角に張り合うのは、恐れ知らずの弟だけ。そんな様子を見ていた娘が、慌てて動きました。Upload By SAKURAUpload By SAKURA言葉にならない「んー」を「ごめんなさい」に咄嗟に変換し、叱られている弟を助けようとしたのです。そんな娘に、父親も呆れて怒りを忘れてしまうほど。娘が弟をかばう状況が面白く、思わず笑ってしまいそうになりました。姉の理解者、優しい弟娘の優しさは少し空回りでしたが、そんな思いは弟にも伝わっているようで…。Upload By SAKURAおしゃべりが苦手な娘は、日常会話でもなかなか言葉が出てこず、会話でつまってしまうことがよくあります。しかし、息子は姉の言葉を遮ることなく、話が終わるまでじっと待ちます。姉弟の中で、お互いを尊重した関係を築けていることを、嬉しく思います。姉弟で助け合いながら、毎日を積み重ねて欲しい娘のおしゃべりを見守る息子ですが、娘の支度が遅かったり、間違っていた時は…Upload By SAKURA注意したり、誘導してくれる時もあり、この2人…すごくバランスがいいなと感じました。困っている時には、2人で足りない部分を補い合って、協力して前に進もうとする姿に、頼もしささえ覚えるようになりました。Upload By SAKURA当初はどうなることかと思った姉弟関係でしたが、現状、こんな感じでございます(笑)これからがさらに楽しみです!
2019年06月12日子育てをする中で、母親と父親の関わり方や考え方は違う?発達障害の子にとって、親の理解と協力は不可欠です。その子の特性を理解し、療育に取り組むことが重要になってくるからです。とは言え、実際、育児をしている母親の方が負担が多いのが現実…。普段仕事をしている父親は、子どもと関わる時間も少なく、つい楽観視してしまうのかもしれません。子どもの特性や、母親の負担を理解するのが難しい、そんな話も聞きます。Upload By SAKURAうちの夫は、そこのところ(妻の私が言うのはなんですが…)完璧です。わが家の場合、どうして発達障害を理解できたのか…療育に協力的になったのか…夫に聞いてみました。Q1.娘の発育遅れがわかった時、どう思った?Upload By SAKURA初めて発育の遅れを指摘された時、夫は驚かなかったそうです。Q2.どうして驚かなかった?Upload By SAKURA昔、接してきた子どもたちとは少し違う行動をしていたので、気になり、行動パターンをネットで調べた夫。障害のある子どもたちと似ている行動だったので、薄々「障害があるのではないか…」と感じていたといいます。それを聞いて、「知らない間に、この人はこの人で悩んでいたんだ…」と、私は気づけなかったことを少し申し訳なく感じました。Q3.妻が動揺して、落ち込んでる姿を見てどう思った?Upload By SAKURA夫が、娘の障害に気づいた時、私に相談せずに黙っていたのは「医者による正式な診断結果が出るまでは、余計な事を言って落ち込ませたくない」という思いからだったのです。娘の障害の可能性に悩みながら、私のことを考えてくれていた夫。素直に嬉しく思いました。Upload By SAKURA次回に続きます。
2019年03月13日《診断結果は突発性パニック障害です》(松島聡のFAXより)昨年10月、アイドルグループ「King&Prince」のメンバー岩橋玄樹(22)がパニック障害の治療に専念するため休養。翌11月には「Sexy Zone」の松島聡(21)も、同じ病で療養に入ることを発表した。相次ぐ休養宣言でにわかに注目が集まった「パニック障害」だが、過去には多くの有名人が病と闘っていたことをカミングアウト。決して、珍しい病気ではないのだ。「がんのように明確な診断基準がないため、患者の特定が難しいのが、この病気の厄介なところです。ただ、ストレスや自律神経の乱れが発症の引き金になることが少なくないため、ストレス社会の現代では『予備群』も含め、患者は増えているのでは、と考えられます」そう語るのは、あゆみクリニックの宮沢あゆみ院長。アメリカの調査でもパニック障害の有病率は増えていると推測され、100人のうち5人近くがなるというデータも(NSC調査)。しかも女性の患者数は男性の2.5倍に上るというから(同調査。いずれも厚生労働省ホームページより)、決して人ごとではない。そこで、この病気について宮沢先生に解説してもらった。そもそもパニック障害には、大きく3つの特徴があるという。「1つ目は『パニック発作』。代表的な症状は激しい動悸や息切れ、発汗などです。場合によっては『このまま死んでしまうのではないか』という恐怖感にも襲われ、救急車を呼ぶことも。しかし、多くは30分ほどで治まるほか、血液検査や心電図検査でも異常が見つからないので、『気のせい』『詐病』と言われてしまうこともあるのです」(宮沢先生・以下同)2つ目の特徴が「予期不安」。「こうした発作を繰り返すと、『また発作が起きたらどうしよう』と強い恐怖感を抱くようになります。これが『予期不安』です」予期不安が続くと、エレベーターや電車など、閉鎖空間に身をおくことが難しくなり、人が集まる場所にも行きたくなくなってしまうという。「これが3つ目の『広場恐怖症』です。これらが悪化するとひきこもりがちになるため、日常生活に支障をきたし、やがてうつを併発しかねません」さて、パニック障害は女性に多いというが、その発症と女性ホルモンは関係しているのだろうか。「いいえ。詳しくははっきりしていないことも多いのですが、発症には脳内神経伝達物質が関わっているといわれています。なかでも、不安や恐怖に対抗するノルアドレナリンと、『幸せホルモン』といわれるセロトニンのバランスが崩れるとなりやすいようです。ただ、パニック障害はストレスや自律神経の乱れから誘発されますので、子どもの巣立ちや親の介護、老後に対する不安など悩みが多い更年期の女性には、パニック障害の予備群が多いと考えられるでしょう」そのため、もともとストレスをためやすい人や悲観的になりやすい人は要注意。また、動悸やめまい、手足の震え、息苦しさなどが現れたら、病気の前兆という可能性も。「いずれも自律神経失調症や更年期障害の症状と似ていますが、パニック障害の場合は『このまま死んでしまうのではないか』といった切迫感があることが少なくありません。おかしいなと思ったら、医師の診断を受けましょう」宮沢先生は、まずは女性外来や更年期外来で「全人的」にみてもらうことを提案する。「同じような症状でも、更年期障害とパニック障害では治療法が異なります。女性外来や更年期外来ならその交通整理ができ、適切な治療に早く到達できるのです」そして、日常生活ではやはり自律神経を整え、不安を排除した環境を作ることが重要。「家庭の問題や職場環境など、自分では変えられないことも多いものですが、だからこそオンとオフを切り替えて、ストレスに苛まれる時間を短くしていきましょう。そのうえで、自分がパニック障害かも?と思ったときは1人で抱え込まないこと。『迷惑をかけることもあるので、よろしくね』といえば、『実は私も』ということも。閉鎖空間が苦手な人は、思った以上に多いですよ」キラキラ輝くアイドルでもなりうる病。私にも起こりうるとおおらかに構えることが、パニック障害と向き合う第一歩かもしれない。
2019年03月01日発達障害のある長女と5歳年下の長男、どこが違う?広汎性発達障害のある7歳(小2)の娘には、2歳の弟がいます。おしゃべりも上手で、着替えや食事といった自立も早い息子。5歳の歳の差がある二人ですが、息子がすごい勢いで娘に追いつきつつあります。同じことを何度も教える必要がある娘と、気がついたらできるようになっている息子…。Upload By SAKURA何故ここまで違うのか…普段の過ごし方に、何か基本的な違いがあるのではないか…そこから娘に何か活かせることはないか…。そう思い、現在7歳の娘と、2歳の息子の違いを、よく観察してみると、あることに気がつきました。マイワールド全開な娘、一方息子は?普段娘は…Upload By SAKURA目線は、テレビや本、ゲーム機にあり、用事があるときか、呼ばれた時しか私のことを見ません。さらに、何かを教えている時も私の手元を見ていなかったり、違う方を見ているので、「こっちを見ないとわからないよ?」と促さなければいけません。一方息子は…Upload By SAKURAテレビがついている時も絵本を読んでいる時も、私をチラチラ確認していて、私が何かを始めると「なにしてるの?」と聞いてきます。そして私の動きをじーっと見つめるのです。そうやって息子は、吸収しているのです。わからない言葉に出会った時、二人の反応はさらに言葉に関しても二人には大きな違いがありました。Upload By SAKURA娘は、質問しても聞くまでで満足しているのか、私の答えをほとんど聞いていないことがあります。結局、教えた言葉は使うことはなく、その後もまた同じことを聞かれることもよくあります。Upload By SAKURA一方息子は、教えた言葉を必ず繰り返し、その説明を最後まで聞きます。そして教えた言葉を、不確かな状態でも使おうとします。そこで私がまた訂正して教えることで、息子はどんどん言葉を覚えていくのです。コミュニケーションが苦手な娘に、ちょうどいい見本娘は、人とのコミュニケーションや言葉が苦手な特性があります。自分以外の人の動きに目を向けないのも、説明を最後まで集中して聞くことができなかったり、教えた言葉をなかなか覚えられないのも、その特性からくるところなのでしょう。それは十分理解している私ですが、だからと言ってこのままでいいというわけではありません。他の人がなぜ、色んなことを自分よりも覚えるのが早いのか…それを意識させ、学ばせる必要があります。その他の人…として、身近で、ちょうどいい見本になるのが息子です。Upload By SAKURA今はなるべく意識して、息子の行動を見せるようにしています。「あぁ!そうやるんだ!」と思ったり「悔しい!私もできるようになりたい!」という気持ちが生まれたり、少しでも成長する刺激になるかもしれない…と思ったのですが…きっといい影響がある!今はきょうだいの成長が楽しみ今はまだ、弟の行動を見ても悔しいという気持ちにはならない様子の娘。これからどんどん息子の言葉が成長して、もしかしたら娘の言語能力を追い抜く日も来るかもしれません。でも私はその日が怖いとは思っていません。私は、息子の存在はきっと、娘に必ずいい影響を与えてくれると信じています。だから、追い抜かれそうになった娘がその時どう感じるのか、ちょっと期待しているのです。姉として弟の見本になろう!って思ったり、弟の行動からヒントをもらえたりする関係になればいいな~と思っています。今は娘同様、息子の成長も楽しみにしています。
2019年02月27日久々に発達障害の娘との家族旅行を計画!広汎性発達障害の娘は、現在小学2年生。娘が小さい頃、私たちはよく旅行をしていました。発語がない期間が長かった娘は、旅行中も騒ぐことなく、まったくと言っていいほど手がかかりませんでした。Upload By SAKURA娘が3歳の時、沖縄に引っ越して来た私たち。県を出るのは飛行機が必須で、旅行のハードルが上がってしまい、なかなか行けずにいました。息子を妊娠してからは、さらに旅行に行きにくくなり、一切沖縄から出ていませんでした。しかし、息子も2歳になり、そろそろ行けるんじゃないか?というとこで、去年の年末から、今年の年始にかけて、4人家族になって初めての旅行に行くことになりました。イヤイヤ期の息子を連れて、頼りにしてますお姉ちゃん正直、今回の旅行で、私たちが最も手がかかるであろうと思っていたのは、イヤイヤ期真っ盛りの息子でした。今までの旅行で全く手のかからなかった娘も、小学生になり、姉として弟の面倒も見れるようになってきたこともあって、今回の旅行では戦力になると思い、内心頼りにしていました。Upload By SAKURAパニック対策で、娘にはギリギリまで伝えないことに行き先は、東京に決定!前々から関東のテーマパークに行きたがっていた娘のための計画です。でも、娘には、事前に伝えないようにしました。それは、こだわりが強く、予定変更が苦手な娘がパニックになることを避けるためでもありました。Upload By SAKURA当日の朝、旅行を娘に伝えると、娘はとても喜び、ハイテンションになりました。いつもはなかなか起きてこないのに、「東京」という言葉を聞いただけで飛び起き、着替えもあっという間に完了!それを見ていて、私たちはとても嬉しい気持ちになりました。いざ出発すると、予想外だったのは…しかし、いざ出発してみると、楽しみな気持ちが空回りしてしまったのでしょうか、娘は初日から普段やらかさない失敗を繰り返しました。Upload By SAKURA息子に振り回されると予想していたのですが、実際は、娘の情緒不安定さに振り回されることになりました。「いつもと違う」旅行に興奮状態の娘一方、警戒していた息子は、状況をよく見ていて、話もちゃんと聞いてくれたので、順応も早く、よく食べ、よく歩き、良く寝ていました(笑)しかし娘は、普段はちゃんと聞ける説得や話も、上の空。Upload By SAKURA耳からの情報収集より、目で見たものを優先する娘。視覚優先の娘ならではのパニック状態なのだと、私たちは思いました。初めての地…そして嬉しすぎる場所…視覚情報の多さと興奮が重なり、いつもの状態を保てなかったのだと思います。やってみないとわからない。家族旅行から学んだこと今回の旅行で、私たちはまた娘の特性を学びました。そして、『もう小学生だから大丈夫』と勝手に決めつけてしまっていたことも、反省しました。しかし、同時にこれも、娘にとっても私たちにとっても経験。大変な家族旅行ではありましたが、娘が行きたかった所に行けたこと、娘や息子の楽しそうな顔を見れたことは、とてもいい思い出になりました。娘が旅行で起こりうるパニックを学ぶことができたので、次回に活かせるようにしていきたいと思いました。Upload By SAKURA
2019年01月16日発達障害と個性はどう違う?私はこれまで、発達障害の当事者やそのご家族の方たちから、こんな質問をよく受けてきました。「発達障害と個性」「自閉スペクトラム症とオタク」「注意欠如・多動症とうっかり屋」…これらはどう違うの?と。私はその違いについて、詳しくは『発達障害生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』という本にまとめました。まずは、簡単に発達障害の特性について説明しましょう。発達障害には、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症、学習障害などの種類があります。自閉スペクトラム症には「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という特徴があります。そういう特徴を講演会などで説明すると、話を聞いた方のなかには、「私のまわりにそういう人がいます。こだわりがとても強い人ですが、その人のこだわりは障害というより、個性だと思います。発達障害と個性はどう違うんでしょうか?」と質問をくださったりします。ときにはもっと具体的に「自閉スペクトラム症の人は、個性的な人、たとえばオタクとは、どう違うんですか?」と聞かれることがあります。また、注意欠如・多動症には「不注意」と「多動性・衝動性」の特性があります。「不注意」は「気が散りやすい」に、「不注意」は「うっかり屋」に言い換えができそうです。発達障害は、個性とどう違うのでしょうか?次から、その違いについてご説明していきましょう。Upload By 本田秀夫発達障害と「オタク」の違いって?出典 : ここでは、ゴルフ好きな男性を例に解説しましょう。彼は休日になると、同僚や取引先の人たちとゴルフの練習やコースに出かけて、楽しんでいます。テレビのゴルフ中継やゴルフ雑誌、ゴルフ関係のインターネットを見るのも好きです。ゴルフ好きな友人と食事やお酒を共にして、熱い「ゴルフ」談義をすることも増えてきました。最近では周囲に「ゴルフ好き」として知られ、「接待ゴルフ」にも呼ばれるようになりました。熟練の腕前で、相手に合わせてレベルを調節することも、お手のものです。この方は「ゴルフオタク」と呼んでもけっして間違いではないでしょう。しかし、自閉スペクトラム症の特徴が見られるかというと、それは見られなさそうです。確かにゴルフにある種の「こだわり」を持っているようですが、この方はゴルフ仲間と良好な関係を築いています。「対人関係が苦手」な様子は見られません。じつはこの方のように、ある種のこだわりをもっていても、それを対人関係のなかで柔軟に調整できる場合には、むしろ「対人関係が良好」だったりします。この「対人関係」に着目すると、自閉スペクトラム症の人と「個性的な人」(いわゆる「オタク」)との微妙な違いが浮きぼりになっていきます。自閉スペクトラム症の人は、こだわりと対人関係を天秤にかけたとき、こだわりを優先する傾向があります。対人関係のために、大好きなことの優先順位を下げることには抵抗があるのです。そのため、「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という様子が見られるわけです。しかし、先ほど「微妙な違い」と表現したように、とても微妙な話です。発達障害の特性と個性の間に、境界線はない対人関係やこだわりの調整は「できる」「できない」の2つにはっきりと分けられるものではなく、あいまいなものです。調整できることが多ければ「個性的な人」や「オタク」に近く、調整の難しいことが多ければ自閉スペクトラム症の特徴に近いというふうに考えるのが自然かもしれません。発達障害と個性、自閉スペクトラム症とオタクには、明確な違いはないといってもよさそうです。私は、「個性」や「オタク」、発達障害は地続きのもので、そこには境界線はないと考えています。発達障害の特性がある人の交流スタイル出典 : 私はNPO法人などで、幼児から成人まで、発達障害の方たちの余暇活動を支援しています。そこに集う方たちの活動には、一般的な交流とは違った様子がみられることがあります。たとえば、アニメが好きな人たちの集いでは、みんなで集まってアニメをみたりアニメの話をしたりして、時間になったらそれぞれに帰っていきます。趣味についてはよくしゃべりますが、趣味以外の話や交流は別にしなくてもよいというつき合い方をしているのです。同じアニメを好きな人どうしが、アニメ映画をいっしょに見にいくということはあります。でも、そういう人たちが「今度いっしょにお茶でもしようよ」と誘いあう姿は、あまり見たことがありません。発達障害(とくに自閉スペクトラム症)の特性がある人たちの社交の仕方は、そういうスタイル――微妙な対人関係よりも自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいスタイルだとしかいいようがありません。あるとき、自閉スペクトラム症の人から「親友がいる」と言われたことがあります。親友どうしはいっしょに映画を見にいくのですが、映画館までの道すがらは無言だそうです。別におしゃべりをしていなくても仲間なのだから、それでいいのだそうです。一般の人は、映画を誰かといっしょに見にいったとき、相手がまったくしゃべらなかったら、親近感がないように受けとり、相手とよい関係が築けていないと不安になるかもしれません。でも、自閉スペクトラム症の特性がある人は、そのような不安をもたずに仲間と交流しています。そしてこれは,どちらがよいか悪いかという話ではなく、それぞれにスタイルがあるということなのです。もうひとつ、余暇活動のなかで「黒ひげ危機一発」で遊んだときのエピソードを紹介しましょう。「黒ひげ危機一発」というと、一般には「誰が刺したときに、黒ひげが飛び出すだろうか?」というスリルを共有して楽しむゲームです。この「黒ひげ危機一発」を使って、自閉スペクトラム症の子どもたちが、ユニークな遊び方をしていたことがあります。ひとりずつ順番に剣を刺すのではなく、ひとりが剣を刺し続け、人形が飛び出したら次の子に渡すという遊び方です。その子たちが興味をもったのはゲームのしくみであり、ほかの子とスリルを共有することは、二の次だったのでしょう。一般の人からすると、ひとりだけが剣を刺し、まわりではそれぞれ好きなことをしている光景は、楽しそうにみえないかもしれません。でも、子どもたちは「みんなで『黒ひげ危機一発』ゲームをして楽しかった!」と語り合っていました。では、「黒ひげ危機一発」の独特な遊び方をしているときに、ひとりだけ、「ふつうのやり方で遊ぼうよ!」と提案する子がいたとしたら、どうでしょう?そのひとりは、居心地が悪かったかもしれません。通常とは違う遊び方で「黒ひげ危機一発」ゲームを楽しんだからといって、別に「通常のやり方を楽しむ能力の欠損」とはいえません。ましては、能力が劣っているわけでもありません。もしも、楽しみ方に優劣があると考える人がいるとすれば、それは多数派のおごりでしょう。自閉スペクトラム症の人たちの楽しみ方は、ただ少数派というだけです。発達障害の特性を「選好性」としてとらえる少し専門的な話になりますが、私は発達障害の特性を「〜が苦手」という機能の欠損として考えるよりも、「〜よりも〜を優先する」という「選好性の偏り」として考えたほうが、自然なのではないかと思っています。ここでいう「選好性」とは、Aというものではなく、Bというものを選ぼうとする生来の志向性のようなもの。好き嫌いの「嗜好性」ではなく、心が特定の方向に向かうという「志向性」です。たとえば「雑談が苦手」という特性を「雑談よりも内容重視の会話をしたがる」という選好性としてとらえることができます。ほかにも、「対人関係が苦手」という特性を「対人関係よりもこだわりを優先する」、また、注意欠如・多動症の特性を「じっとしていることが苦手だが、それは思い立ったらすぐに行動に移せるという長所でもある」といったとらえ方ができます。発達障害は、少数派の「種族」私は、発達障害の人が向き合う困難は、マイノリティ問題と共通していると考えています。人種や民族、性的志向などの少数派(マイノリティ)といわれる人たちは、偏見や差別の目にさらされることがあります。では、なぜ偏見や差別が生じるのかというと、マイノリティの人たちがマジョリティ(多数派)を知るほどには、マジョリティはマイノリティのことを知らないという現実があるからです。発達障害は、病気というよりも、少数派の「種族」のようなものと考えるべきです。多数派が少数派のことを理解して、お互いに助け合っていくことによって、偏見や差別が少しでも減らせるのではないかと思います。そうすれば、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症の特性があっても「障害」とは言わなくてよい人たちが、今よりも増えていくのではないでしょうか。このコラムによって、少しでも多くの方たちが、発達障害に関心を持ち、理解を示すことにつながれば幸いです。
2018年12月26日《診断結果は突発性パニック障害です。病名もですが、自分のこの状況に正直大変戸惑いショックを受けております》パニック障害を発症し、一定期間の療養に入ることを11月28日に発表したSexy Zoneの松島聡(21)。報道各社に届いた直筆FAXの几帳面な文字からは、彼の辛苦が痛いほど伝わってきた――。パニック障害といえば、つい最近、同じ事務所で活動するKing&Princeの岩橋玄樹(21)が闘病中であることをテレビ番組で告白したばかり。「松島さんと岩橋さんは同い年で、プライベートでも大の仲良しなんです。松島さんの誕生日に、岩橋さんは自分とお揃いのティファニーのネックレスを贈ったというほど。松島さんはそのネックレスをいまでも肌身離さず大事にしているそうです。彼らが親友なのは、共通点が多いから。年齢だけでなく、幼いころに芸能界入りしているところや、ファン思いなところなど、そっくりなんです。『俺らって似てるよね』と話していたといいます」(前出・テレビ局関係者)先のFAXには“1年前から体調を崩し始めた”とあるが、実は、本誌も同時期に彼の“異変現場”を目撃していたのだ。それはちょうど1年前の昨年末、本誌が特別編集した『Sexy Zone Calender』の香港ロケでのことだった。亜熱帯の香港だが、この日は急に冷え込んだという。屋外プールでの撮影にほかのメンバーが躊躇するなか――。「撮影スタッフたちも『無理しないでね』と気遣うなか、松島さんは文句ひとつ言わず、真っ先にプールに入っていました。取材でも、記者のことを考えて答えてくれて、とにかく努力家なんだなって感激していたんです。でも、今思えば無理してたのかなって……」(スタッフ)また、彼は周囲に“できすぎた気遣い”を見せていたという。「天然な松島さんはメンバー内でも“イジられキャラ”なんです。その自分の役割を彼は必要以上に気にして、周囲を盛り上げるためにイジられ役を演じていたようなところがあって……。4年くらい前も、『考えすぎるんですよねぇ、僕』と漏らすことがありました。人に気を遣い過ぎることで、心身ともに疲弊してしまったのかもしれません」(前出・スタッフ)そんな松島は8月の『24時間テレビ』(日本テレビ系)で芸人のサンシャイン池崎(37)とコラボし、一躍注目を集めたのだが――。「10月に放送された同局の『幸せ!ボンビーガール』でも、松島さんは池崎さんのモノマネをハイテンションでこなしていました。でもその姿が、ちょっと心配になるくらいの頑張り方で……。さらに休養発表前日に放送された同局の『ヒルナンデス!』でも、松島さんは志村けんさん(68)風の食レポをして頑張っていたのですが、放送直後、ファンたちから“聡くん無理しすぎじゃない?”と心配の声が上がっていました」(前出・テレビ局関係者)1年前に20歳の誕生日を迎えた松島は、テレビ誌の取材に自分の性格をこう語っている。《ジャニーズに入って、“真面目すぎる”って言われてびっくりした(中略)気にしぃの性格も変えられない》心療内科『岡田クリニック』の岡田尊司院長は、パニック障害の特徴をこう解説する。「まずパニック障害とは、過呼吸や動悸とともに、強い不安に襲われる病気です。またなるという予期不安が特徴です。 だれでもなりうる病気ですが強いて言うなら、敏感で不安感の強い人と自分の身体感覚に無頓着な人がなりやすい。後者は、口に出して『怖い』とか『辛い』と言えず頑張ってしまうタイプです」今年7周年を迎えたことについて、ファン限定のブログに《8周年に向けて、皆様と一緒にいろんな景色を見れたらいいな》と綴っていた松島。心からの笑顔でステージに立つ日を願うばかりだ――。
2018年12月05日「発達障害って何だろう」。テーマは、発達障害を多くの人に知ってもらうことUpload By 発達ナビニュースーーNHKでは、昨年から継続的に、発達障害について取り上げています。今回のキャンペーンでは、11月中旬を中心に、さらにたくさんの番組が放送されると伺いましたが、どんな番組がありますか?NHK 齋藤真貴さん(以下齋藤さん):「今回は、11月の中旬から、約20の番組を集中して放送します。NHKラジオ第一の「すっぴん!」や、「所さん!大変ですよ」「今夜も生でさだまさし」など、バラエティ豊かな番組で、発達障害を取り上げていきます。」ーー特集番組や「あさイチ」や「ハートネットTV」などで今までも発達障害について取り上げてきたNHK。今回のキャンペーンであえて「発達障害って何だろう」をテーマとして選んだ理由は?齋藤さん:「改めて原点からスタートしようと考えました。まず、多くの人に、『発達障害とはどんなものなのか』を知識として知っていただきたいということ。そして、知ったうえで、『発達障害って何だろう』ということを考えるきっかけになれば…という思いです。」ーーLITALICO発達ナビのユーザーさんは当事者や、家族、支援者が多いのですが、発達障害を取り上げる番組があると、たくさんの方が視聴し、感想をタイムラインにあげている実感があります。齋藤さん:「これまで発達障害に関する番組を放送すると、当事者の方々やご家族から大きな反響をいただくこともあり、大変ありがたいと思っています。しかし、当事者の方の「生きづらさ」を軽減するためには、「あまり発達障害を知らない」という周囲の人に、いかに理解をしてもらうかが大切です。そこで、今回は、普段、発達障害に関心がないという人にも、幅広く知っていただくことに挑戦したいと考えました。そうした人に、いろいろなタッチポイントを作って、何らかの形で「発達障害」に触れていただき、考えるきっかけになれば…。キャンペーンのテーマでもある「発達障害って何だろう」と考える過程に、意味があると思っています。そのために、あえて今回は一般の当事者だけでなく、エッセイストの小島慶子さんや、落語家の柳家花緑さんなど、多くの著名人に番組に参加していただいています。そういった方々の力も借りて、より多くの人たちに、繰り返しでも地道に発達障害について伝えることが重要だと考えています。」テレビ番組は、まだよく知らない、関心がない周りの人の認知度をあげて、一緒に暮らしていくために何が必要かを考えるための接点となりやすいと言えます。確かに発達障害のある方の困りごとは、本人の努力では解決しないことも多い。周りの人が知らないことで、軋轢が起きているケースもあるのではないでしょうか?困っている人を街中や職場、学校で見かけたとき「テレビで見たあの特性で困っているのかもしれない」と思い当たることができれば、どうしたらよいか、その糸口になるかもしれません。そしてそんな人が社会に増えることは、発達障害のある人にとって支えとなる場合もありますね。キャンペーンの見どころは?Upload By 発達ナビニュース番組は、キャンペーンに参加する各番組の制作チームが企画しているとのこと。キャンペーン事務局でも企画の相談を受けたり、情報を紹介したりしますが、それぞれの番組らしい切り取り方も楽しみの一つです。テレビ番組を集中的に編成することで、幅広い視聴者に出会っていただける可能性が高くなります。ひとつの番組だけでなく、様々な角度から「発達障害について」知るチャンスは貴重です。齋藤さん:「このキャンペーンは、一時的なものではなく、息の長い取り組みを目指しています。11月に集中的に番組を放送するのは、言ってみればキャンペーンのスタートをお知らせする「号令」のようなものです。その後も、例えば、2分アニメシリーズ「ふつうってなんだろう?」などは、スポット的に放送されるので、いろいろな曜日、時間帯で目にするかもしれませんね。インターネットやイベントなどでも、NHKの番組や取り組みに触れていただき、それをきっかけに、みなさん一人ひとりが、発達障害について考えていく、というようなキャンペーンにできたらいいなと。これからも多面的にキャンペーンを展開していきたいと思っています。」発達障害は外見からはわかりにくいと言われています。特に、関心や接点のない人の理解を得ることは簡単ではありません。そんな時、テレビ番組で多様な角度から発達障害について映像で伝えてくれたなら…「発達障害とは何だろう」その言葉は、きっと多くの人の考えるきっかけとなってくれるのではないでしょうか。キャンペーンの概要Upload By 発達ナビニュース24日の特番「発達障害って何だろうスペシャル」を始め、さまざまなラインナップで番組が放映されます。番組放送日時はリンクからご覧ください。Upload By 発達ナビニュース放送予定・ハッシュタグで感想をつぶやこうツイッターのハッシュタグ「#発達障害って何だろう」も展開しています。Twitterをご利用の方は、ハッシュタグ「#発達障害って何だろう」でぜひ感想をご投稿ください。・発達障害の情報を集めた特設ページも開設発達障害の情報を集めたウェブサイトも展開しています。発達障害の基礎的な情報や、当事者から集めた困りごとの対処法「困りごとのトリセツ」を紹介。その他関連番組の放送予定や番組内容の詳細についても情報を掲載しています。【キャンペーン】発達障害ってなんだろう(1)「発達障害って何?」Upload By 発達ナビニュース「困りごとのトリセツ」キャンペーンや関連番組の詳細は今後も随時決定していくとのこと。最新情報は上記ウェブサイトに更新されます!どうぞお楽しみに!画像提供:NHK
2018年11月20日今までの障害を扱う番組とは違う!?「u&i」の企画に共感して監修委員に2018年にNHK Eテレで始まった「u&i」。私は民間企業にて障害児者支援をする立場から、多様性をテーマにした教育番組の監修委員を担当しています。「u&i」は感覚過敏や身体障害、発達性協調運動障害、そして今週は学習障害をテーマに、生きづらさを感じている人と周りの人の気持ちを対話しながら探る番組です。Upload By 野口あきな「多様性を大切にする社会づくりのための番組を本気でつくるんだな」それがu&iの企画について、NHKのディレクターさんにお話をお伺いした時に思った印象です。この10年間、実際の就労支援や教育現場において多くの「障害のある人」と日常的に関わる中で、社会の側にある「差別」や「偏見」というものに何度も何度もぶつかってきました。それをなくすためには、障害のある人を取り巻く社会環境の変革していく必要がある。障害のある人に日々接する機会がない人、これまで出会ったことのない一般の人に障害を広く知る機会を提供するためには、メディアの存在が重要であることは言うまでもないでしょう。一方、これまで「障害」に関する番組やメディアは、「障害のある人も頑張っている」「理解をして助けてあげよう、応援しよう」といった趣旨のようなものが多かったように思います。それに対し私自身、嫌悪感を持つことも少なくありませんでした。「障害のある人は困っているから、理解して助けよう」的なメッセージの番組だったら嫌だな、と思っていたのですが、企画を聞くとu&iは私がこれまで目にした番組とは趣旨が異なることがわかりました。多様性やちがいを大切にする社会は、綺麗なことばかりではない。その難しさに真正面から向き合い、それもそれを子どもに伝えるための番組を本気でつくるつもりだ、と思い、その気概に感激し私も監修委員としてかかわることになりました。「障害」について描くことの難しさUpload By 野口あきなメディアはその時代の人が持っている「障害者像」を反映しているように思います。あるいは、逆にメディアが時代の「障害者像」をつくっているという見方もあります。いずれにしても、多くの人が目にするメディアで「障害」が扱われる時、その番組の趣旨や描き方により、誰かが深く傷ついたり誤解を招いたりする可能性が大きくあります。例えばコメディアンのステラ・ヤングさんは健常者の感動を呼ぶために障害者をメディアに取り上げる風潮を批判し、「自分たちを『感動ポルノ』として消費しないで」と社会に投げかけました。たとえメディアをつくっている側としては、差別や偏見をなくそうという趣旨でいたとしても、日常的に障害のある人と接することのない人がその番組を見ることで、障害者像を固定化してしまったり、視聴者の感動を誘うような描き方が誰かを傷つけたりします。一言で「障害者」と言っても、実際には一人ひとり本当に異なります。例えば、車いすにのっている、同じ診断名の身体障害のある人でも、身体的な障害の状況は異なり、そして当然その人の持っている価値観や思い、感じている困難さは異なります。しかし、これまで身体障害のある人に出会ったことのない人がテレビでとある身体障害のある人を見て、その人しか知らなかったら、「すべての身体障害のある人はこういう生活をしている」と過度な一般化をしてしまう可能性があります。目に見えづらく、かつ本当に一人ひとりによって異なる「発達障害」についてあつかうことは、偏見をなくしたり必要な支援につながったりするよりも、「あの人も発達障害じゃない?」などと逆に新たな偏見を生んだり助長したりしてしまう可能性もあります。「障害」は描き方によって、それは「その場限りの感動ストーリー」で終わってしまったり、固定的なイメージをつくってしまったりします。そうなってしまうと差別・偏見をなくすような、多様性を大切にするような意識改革や行動変容にはつながりづらい。メディアに「障害」を描くことにはこのような難しさがあります。私は、それによって傷つく当事者がたくさんいる可能性を認識した上でメディアでの発信をしていかなければならない、と強く思っています。そんな中、u&iは絶妙なバランスで「障害」や「ちがい」を描いています。以下は私が思っているu&iのこだわりポイントです。「障害名」ではなくそのひとりが困っている状況とその理由にフォーカスUpload By 野口あきなu&iには、ユウとアイという登場人物が出てきます。アイはユウとの関わりや困難な状況に悩んでいます。例えば第1回の「授業に集中したいのに…(感じ方のちがい)」では、ユウの落ち着かない授業中の様子が気になり、授業に集中できないことにアイは悩んでいます。夢の世界に住むサルの妖精、シッチャカ・メッチャカと共にユウのこころの内を聞くことができる「ココロの電話」で、ユウがなぜ困っているか?を聞いてみると、ユウには画鋲がものすごく光って見えたり、太陽の光がまぶしすぎると感じることで、授業中落ち着きがなくなってしまうことが分かります。教室にいる落ち着きのない子。学校でよくある場面です。実際にはこのような状況が起きたとき、「この子は発達障害だから落ち着きがない」とその子にラベルを付けて、その子の障害を原因においてしまいがちです。そして、そのようにその子の障害に原因を置いてしまうと、具体的な解決策につながりづらくなってしまいます。しかし、u&iには障害名は出てきませんし、その子を「〇〇障害」とラベルを付けることはしません。そのため、障害名にフォーカスされず、アイとユウが実際に困っている状況、そしてその理由にフォーカスが置かれます。このような描き方により、「発達障害=〇〇」のような過度な一般化はされません。そして、アイとユウの悩んでいる状況とその理由が具体的に提示されることで、どのような工夫をしたら困らなくなるか?の具体的な解決策を考えることができます。ユウとアイは「ちがう」けど「同じ」u&iでは、ユウとアイにはちがいがあるけれど、かけ離れた存在ではないことを描いています。たとえば、第1回では、アイが悩みの解決策を考えているとき、人間の子どもに詳しいジローはかせが出てきて、「感じ方は人それぞれ」であることを「同じカレーを辛いと感じる人も甘いと感じる人もいる」と自分にも当てはまる身近な例で伝えています。ここでもし「障害」の言葉を使って説明をしたり、自分とはかけ離れた例で伝えてしまうと、あまりにもかけ離れた存在であるという印象を持つでしょう。感じ方は一人ひとり違う。そしてそれぞれ苦手なことも得意なこともある。お互いのちがいを知ることで、お互いにきもちよく過ごすことができる。「普通の人」と「普通じゃない人」がいるのではなく、だれもがちがっていて、なおかつ同じ存在であるというメッセージがちりばめられています。ユウとアイは対等で、流動的な関係性Upload By 野口あきな社会の中には障害のある人は「助けてあげるべき存在」と思っている人はすくなくないでしょう。私はそのような番組や学校の授業に非常に違和感を持っています。「助けてあげるべき存在」という考え方そのものが障害のある人を下に見ているからです。みなさんがもし街中で困っている障害のある人に出会ったとき、「助けよう」と思うと思います。それは、「困っているから」助けるのでしょうか。もしくは「障害があるから」助けるのでしょうか。たとえば障害のない、困っている人がいたらどうしますか。私は、困っているその人に障害があってもなくても助けたい、と思います。そして自分が困っていたら誰かに助けてもらいたい、と思います。私はこれまで多くの障害のある人に助けられてきました。u&iはアイとユウの対等な関係性を描いています。状況によってアイがユウを助け、ユウがアイを助ける。ユウがアイを困らせることも、アイがユウを困らせることもある。どちらかが「助ける側」、どちらかが「助けられる側」という固定的な関係性ではなく、状況によって、流動的で対等な関係性を描いています。解決策を考え続けることこそが一番大切な解決方法Upload By 野口あきなu&iの特徴的なところは、「このように接したほうが良い」や「こうするのが正しい」のように、断定的に解決方法を提示しないことです。シッチャカ・メッチャカとの会話の中で解決方法はたくさん提案されますが、「唯一の正しい答え」は提示されません。障害のある人もない人も、当然一人ひとり違う思いや考えを持っています。そしてそのときの状況や相手によって望んでいることは異なります。そのため、相手が困っているときに勝手に解決方法を決めつけてしまうのは失礼です。困っている理由も解決策も一人ひとり違う。それを前提としたとき、唯一の解決方法は、どうすればいいか、共に考え続けることではないでしょうか。キャラクターが生み出すコミカルさと親しみやすさUpload By 野口あきな「障害」や「ちがい」による困難さについてのトピックや番組は、どうしても「感動」や「重い」雰囲気に描かれがちですが、u&iでは非常にカジュアルに描かれています。冒頭からシッチャカ・メッチャカがユーモアを交えた会話をしており、見ている側はくすっと笑ってしまいます。コミカルな会話の中にさりげなく「ふつうって何?」のような本質的な問いが出てきたりします。「夢の世界」という設定や、シッチャカ・メッチャカやジローはかせの存在が、親しみやすさを感じさせているのでしょう。そして、声優をきゃりーぱみゅぱみゅさん、伊野尾慧さんがしてくださることにより、これまでこのようなテーマに触れることのなかったたくさんの方たちが見てくださっています。さいごにu&iは大人が見ても感じることがたくさんあります。そして、子どもたちには、大人の考えや感想に邪魔されずに見てほしいです。その上で、感じたことを対等にお話してもらえると嬉しいです。私は本当はこのような番組がなくても、日常的に多様なちがいと接し、知ることのできる機会がある社会をつくりたいです。そして、テレビにも映画にも障害のある人が特別ではなくふつうに出演していることが当たり前の社会にしたいです。そのために自分ができることを、u&iの監修を通じて考え続けたいと思います。【放送】Eテレ 毎週水曜 午前9:00~9:10(全10話)【声の出演】伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)、きゃりーぱみゅぱみゅ、笹野高史【脚本】西田征史(朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」などで知られる人気作家)【音楽】サキタハヂメ(Eテレ「シャキーン!」をはじめ、ドラマ、CM、舞台などで活躍)毎週水曜日の放送後はインターネットの「NHK for School」でも配信されます。下記リンクをご参照ください。 | NHK for School第4回サブタイトル「なんで覚えられないの?」(放送日:2018年11月21日、28日)テーマは「読み書きの苦手」。知的に問題がないにも関わらず、文字を読んだり書いたりすることに苦手を抱える子どもは少なくないが、努力が足りないと勘違いされることも。アイは学芸会の劇で、ユウがセリフを覚えないことにいらだっていた。だが、ユウの特性や努力などを知り、一緒に苦手を克服する手立てや、ユウの得意なことをどう活かすかを考えていく。
2018年11月19日長男に「イヤイヤ期」が到来!Upload By SAKURA広汎性発達障害の娘には、2歳の弟がいます。息子は、1歳半を過ぎたころから自己主張が始まり、イヤイヤ期は日を追うごとに激しくなっています。「あれはイヤ!」「これはイヤ!」「自分でやる!」「こうしてくれ!」イヤイヤと、自分でやるというこだわり、そして自己主張が炸裂している、まさに魔の2歳児です!第二子である息子ですが、実は私はちゃんとしたイヤイヤ期は初めての経験です。なぜなら、娘はイヤイヤも自己主張もほとんどない子だったからです。自己主張が少なかった広汎性発達障害の娘の場合は娘が今の息子と同じ2歳のころは全くしゃべらず、騒がず…無の境地でした。お出かけしても大人しかったので、旅行や外食に連れて行っても困ることはありませんでした。しかし、手がかからない反面、ほぼしゃべらず、自己主張もしなかったので、娘が何を望んでいるのかが、なかなかわかりませんでした。Upload By SAKURA私たちの言葉を理解することも、自分の気持ちを話すこともできなかった娘。泣きだしたときなどに、なぜ泣いているか聞いても答えがわからず、泣き止むように説得することも難しかったのです。私たちは、そんな娘に合った育児をと、言語訓練や療育を通じて、どういうやり方をすれば娘とコミュニケーションが取りやすいか、試行錯誤してきました。耳から聞き取るのが苦手な娘に、視覚優位な特性を利用して絵カードで意思の疎通を図ったりしてきました。思い返すと、第一子の娘の子育ては、少し特殊だったのです。Upload By SAKURA二人目育児にして初めての「全力イヤイヤ」に母、苦戦!しかし息子は、とにかく一つひとつをイヤイヤしないと気が済まない状態。家を出る前から、服が違う、靴が違う・・・とイヤイヤしています。まさにマニュアル通りのイヤイヤ期!娘には見られなかった息子の様子に「これが噂のイヤイヤ期か~!」と初めのうちは新鮮な気持ちでした。Upload By SAKURAしかし、外へ出れば、自分の行きたい方へ行かないと気が済まず、外食なんてゆっくり食べられたことがありません。息子のイヤイヤは…予想以上!!私の一回目の子育て経験が、全くもって役に立たない!!頭を抱えてしまうことも度々あります。長女と長男、全く違う子育てができるって…楽しいかも!?激しくイヤイヤ期を爆発させている息子ですが、おしゃべりが上手になってきて、自分の思いはちゃんと言ってくれます。イヤイヤされると手がかかるように感じますが、実はある程度、言葉での説得が通じるため、楽な面もあります。発育状態が、娘と対照的に違う息子。娘のときのやり方は通じないので、気分は初めての子育てです。しかし、全く違う子育てを経験させてもらっている私は、運がいいのかもしれない…Upload By SAKURAそう考えると、娘とは違う息子の反応一つひとつに「そういうことするんだ~」と受け入れられるようになってきました。Upload By SAKURA子育てで、子どもを比べてはいけない…といいますが、私の場合、「娘はこうだったけど、息子はこうなのかぁ~!」と感心したり…それぞれにいい所を見つけられる、そんな今の子育てを、純粋に楽しいと感じています♡
2018年11月14日Q. 発達障害にはどんな種類がありますか?A. 発達障害にはいくつかの種類があり・ADHD(注意欠陥・多動性障害)・自閉症スペクトラム(ASD)・学習障害(LD)の3つに大きく分けられます。Upload By 井上 雅彦3つの発達障害の関係はこの図のように示すことができます。Upload By 井上 雅彦それぞれ次のような特徴があります。・ADHD(注意欠陥・多動性障害):ケアレスミスが多い、じっとしていられない、考える前に行動するといった「不注意」「多動性」「衝動性」がある。・自閉症スペクトラム(ASD):人とうまく関われない社会的コミュニケーションの困難。狭い範囲の興味、行動などに強いこだわりがある。他人の感情が理解できないなど。・学習障害(LD):読む、書く、計算するなど、特定の分野の学習に困難がある。ほかにも、トゥレット障害や言語発達遅滞、発達性協調運動障害などが含まれることがあります。こういった発達障害による特性は、人によってあらわれる程度が違い、一つだけではなく、いくつか重なってあらわれる場合もあります。【図解】発達障害とは?もし「発達障害かも」と思ったら?分類・原因・相談先・診断についてイラストでわかりやすく解説します!【図解】学習障害(LD)とは?イラスト図解でポイントを解説!自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?年代別の特徴や診断方法は?治療・療育方法はあるの?(注意欠陥・多動性障害)とは?症状の分類と年齢ごとの特徴 、診断方法や治療まとめトゥレット障害(トゥレット症)とは?症状や治療法、ほかの発達障害との合併は?言語発達遅滞とは?言葉の遅れ、言葉が出ない原因、家庭でできるトレーニング、相談先まとめ大公開!発達性協調運動障害とは?ただ不器用なだけではない?症状、困りごと、相談先、家庭での対応まとめ
2018年11月07日発達障害のある人が気をつけたい「二次障害」とは出典 : 発達障害は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)や、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)などの先天的な脳機能の障害のことを言います。これらの障害のある人の中には、その人にあった支援やサポートが受けられない、自分の特性に合わない環境などの影響によって、二次的な合併症や行動の問題に至ってしまうことがあります。心身の症状や精神疾患、不登校や引きこもりなど、どんな二次障害が起きるかは人により異なります。また、大人になってから二次障害がきっかけで発達障害と診断されるという場合もあります。発達障害の二次障害が起きる原因出典 : 発達障害の二次障害は、家庭や学校、職場などの環境とのミスマッチによるストレスが原因で起こるものと考えられています。発達障害のある人は、その特性をまわりに理解してもらえないことが珍しくありません。そのため、発言や行動に対して、叱られたり否定的な対応をされたりすることもあります。また、感覚過敏やコミュニケーションの障害などがある人は、合わない環境で我慢を強いられたり、日常生活でも大きなストレスを感じていたりする場合もあります。このような対応が積み重なると、発達障害のある人が自分に対して否定的な考えを持ってしまったり、自尊心を低下させたりしてしまいます。それが原因で、気分の落ち込みや不安、引きこもり、暴力的な行動などが二次障害として現れることもあるのです。発達障害のある人すべてが二次障害を発症するわけではありませんが、あまりにストレスが大きかったり、ストレスへの対処がうまくいかなかった場合に発症しやすくなります。発達障害の二次障害、具体的な症状は?出典 : 二次障害の具体的な症状としては、引きこもりや暴力といった行動面の問題、不安や抑うつなどの精神的な問題、身体の不調として現れる心身症などが挙げられます。これらの症状は、「内在化障害」と「外在化障害」の2つに大きく分類されます。それぞれ詳しく見ていきましょう。自分に対するいら立ちや精神的な葛藤が、自分に向けて表現される症状のことを言います。分離不安障害、気分障害、強迫性障害などが典型的なケースとしてあり、具体的には、以下のような症状が当てはまります。・不安・抑うつ・引きこもり・対人恐怖・心身症中でも抑うつ症状は、発達障害がある青年にもっとも多い二次障害だといわれています。また、義務教育を終えた年代以降で引きこもりを続ける人には、発達障害が隠れている場合が多いことも指摘されています。これらの精神的な葛藤や問題が不登校などにつながることもあります。精神的な葛藤などが他者に向けられる形で現れる症状のことを言います。反抗や暴力、家出、ときには非行などの反社会的な行動として現れることもあります。特徴としては、思春期になってからこれらの問題を起こす子どもよりも、比較的小さいうちからそうした行動が目立つ子どものほうが多いことです。小学校低学年の頃から、他者への反抗が目立ったり、家出などを繰り返したりする子どもが一定数いるといわれています。発達障害の二次障害は、年代によって出やすい症状が異なるといわれています。・幼児期:軽度な適応行動の問題が見られることもある。・学童期:適応行動の問題が中心。学業面での問題、集団活動や対人行動における問題が目立つようになる。その他、情緒面の不安定さなどが見られることもある。・青年期:情緒面の不安定さ、精神面や行動面の問題、心身症が中心となる。適応行動の問題も見られる。・成人期:適応行動の問題、精神面や行動面の問題が中心。情緒面の不安定さなどが見られることもある。学童期において、対人関係などの問題が現れ始めた時点で適切な対応が得られないと、思春期以降になって二次障害としてさまざまな問題が前面に出やすくなると考えられています。参考書籍:齋藤万比古 (著)『発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート』(学研プラス,2009)発達障害の二次障害は予防できる?出典 : 発達障害の二次障害を予防するためには、まずはまわりにいる人が発達障害に対して理解をすることが大切です。二次障害の原因となるストレスの多くは、家庭や学校、職場といった環境やそこでの人間関係から発生しています。そうしたストレスを軽減するためには、発達障害そのものの一般的な知識や、その人の特性、対応方法などを周囲が知っておく必要があります。また、本人が過ごしやすいよう環境調整を行うことも大切です。このような周囲の理解が、小学生までの早い段階で得られることによって、二次障害の予防につながるのではないかとされています。小学校に進学すると、学校の教員がどう対応するかも大きな影響を与えます。家庭だけでなく、学校の担任教員にも理解を求めることが重要です。しかし、どんなにまわりが丁寧に対応したとしても、すべてのストレスをなくすことはできません。本人の心の発達をサポートすることも大切です。・まわりの人たちに受け入れられているという安心感や信頼感を持てること・他者と接する中で学びの機会を得ること・トラブルへの対処方法を学ぶこと・自分自身の障害の特性について知ることこれらのサポートを早い段階から周囲が行っていくことで、ストレスに柔軟に対応できるようになり、二次障害も起こしにくくなるといえます。発達障害の二次障害は治るのか?出典 : 発達障害は先天的な脳機能の障害であるため、発達障害そのものを治すことはできません。しかし、生育環境によって引き起こされた二次障害については、症状に合わせて医療機関などで治療を行う場合もあります。抑うつや不安といった内在化障害の場合、認知行動療法や精神療法といった心理療法、家族に対する家族療法、薬を使った薬物療法などが、必要に応じて行われます。また、暴力などの外在化障害に対しても、攻撃性をコントロールするために薬物療法が行われることもあります。状況によっては、入院して治療する場合もあります。しかし、医療機関だけで二次障害をすべて解決できるわけではありません。家庭や学校、児童福祉機関などで連携して対応していくことが必要です。発達障害の二次障害のある人や家族が利用できる相談先出典 : 発達障害の二次障害の症状や対応について、本人や家族が誰にも言えずに悩んでいることも少なくないかもしれません。そうしたときに利用できるサポートがいくつかありますので、ご紹介しましょう。まずは相談先として、以下のような支援機関があります。・精神保健福祉センター・児童相談所・子育て支援センター・発達障害者支援センターなど各機関では、本人や家族から発達障害や育児全般に関する相談を受けたり、必要時には医療機関を紹介したりもしています。このほか、各自治体では、引きこもり・不登校に対して相談や家庭訪問を行っていたり、教育委員会でも不登校に対する教育相談を実施したりしています。また、障害者福祉施設では、強度行動障害に関する研修を終えた相談支援専門員が、相談を受けつけている場合もあります。まだ医療機関にかかっておらず、発達障害と診断を受けていない場合、医療機関に行くのはハードルが高いかもしれません。まずはこのような場所で、困っていることについて相談してみると良いでしょう。また、症状によっては障害者手帳の交付を受けたり、障害福祉サービスが受けられたりする場合もあります。地域によっては、発達障害の当事者の会や保護者の会がありますので、そうした場所で交流したり、情報収集したりするのも良いかもしれません。発達障害の二次障害がある人への対応方法出典 : では、二次障害がある人には具体的にどのように対応したら良いのでしょうか。家庭と学校、それぞれで必要な対応について見ていきましょう。親が子育てに対する自信や、子どもへの愛情を持てなくなる場合もあります。そのまま子育てに対する意欲を失ってしまうと、子どもは親から見捨てられたように感じ、二次障害から不登校などにつながっていくことも考えられます。また、子どもが自分の行動によって親や周囲の大人をコントロールできるという感覚を抱き、それが外在化障害につながる場合もあります。こうした問題に対応する方法として行われているのが、ペアレントトレーニングです。ペアレントトレーニングでは、親が子どもとの関わり方やその子の特性に合った子育ての方法を学びます。これが、子どもの過ごしやすい環境や、人間関係づくりに役立ち、二次障害の防止になるといわれています。学校での対応については、担当する教員だけではなく、他クラス・学年の教員や保健教諭、カウンセラーなど学校全体で連携して、支援を行っていくことが大事です。・本人に対し問題行動以外の部分に注目するつい問題行動ばかりに目がいってしまい、叱責が多くなることも少なくないでしょう。しかし、叱責ばかりが増えると自己評価の低下につながってしまいます。できていることをそのまま伝えたり、ほめたりすることも大切です。それによって、望ましい行動が増えたり、信頼関係を得たりすることにつながります。・本人以外の学級全体にも配慮する発達障害のある子どもが学級にいると、その子にばかり注意が向いてしまいがちになります。そうすると、ほかの子どもが不満を抱き、さまざまな問題が生じるきっかけとなることもあります。ほかの子どもにも、きちんと目を向けていることが伝わるような関わりを普段からしておくことが大切です。・学校全体で取り組む対応方針を教職員全員で共有し、実施していくことが重要です。一部で方針が違う対応をしてしまうと、本人の状態を悪化させたり、関係性が悪くなったりしてしまいます。・いったん対応方針を決めたら、しばらく続ける支援する方針を決めたら、効果を見るためにも2〜3週間は続けることが大事です。まわりの対応方法が変わるということは、本人にとってストレスであり、一時的に問題行動が増えてしまうこともあります。しかし、慣れればそうした行動が少なくなってくる場合もあるので、子どもの状態を見ながら継続するようにしましょう。対応方法について、ときには専門家に意見を求めることも大切です。まとめ発達障害の二次障害は、さまざまな形で現れますが、それらの多くは家庭や学校など周囲の人との関わりの中で生まれるものです。周囲の関わり方によって発生を予防していくことがまずは重要です。また気づいた段階でできるだけ早期に適切な対応を取ることができれば、悪化を防ぐことも可能だといえるでしょう。しかし、なかなか発達障害に気づくことができず、二次障害を発症して診断に至る人もいます。医療機関や支援機関などを利用しながら、日常生活における対処方法を学んだり、適切な生活環境を整えたりしていくと良いでしょう。宮本 信也 (編集), 日本発達障害福祉連盟 日本発達障害学会『発達障害医学の進歩〈23〉発達障害における行動・精神面の問題―二次障害から併存精神障害まで』(診断と治療社,2011)齋藤万比古 (著)『発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート』(学研プラス,2009)古荘純一 (著, 編集), 磯崎祐介 (著)『神経発達症(発達障害)と思春期・青年期――「受容と共感」から「傾聴と共有」へ』(明石書店,2014)
2018年11月06日白紙の日記帳に呆然…!苦手な作文を何とかしたい!広汎性発達障害の娘は、文章を書くのが大の苦手。宿題の日記や感想文、作文…どれも最後まで一人で書くことが難しい状態です。小学生になって、この文章を書くという課題に度々つまずいてきました。少しでも書けるようになるため、私たちにできることはないかと考え…小学1年生の時、学校から帰宅後、学校の先生にあてた「先生あのね」という日記を書くことを始めました。Upload By SAKURA「先生あのね」のルールは2つだけ!娘が嫌がらないギリギリのところを考え、はじめに2つだけやり方を決めました。Upload By SAKURA「。」が2つ付いたら終わりにするルールです。「好きなことを書いて」では、自力では書けない娘。何を書いたらいいかは、娘と話しながら、私が誘導するようにしました。Upload By SAKURA2文目の「感想」の部分は娘に考えてもらい、娘が言った感想を、また私が紙に書きます。2つそろったらそれが見本になります。書いた見本を娘に見せ、最初はそれをただ写してもらうという簡単なものでした。それでも、続ければ何かしら変わると信じて、続けていました。続けていくうちに、口頭で文章を作れるように!続けて数か月経つ頃…1文目は出来事、2文目は感想のパターンに慣れ、私が紙に見本として文章を書く前に、内容を口頭で言うようになりました。試しに一人で書かせてみると、この2文のパターンなら、もう娘一人で書けるようになっていました。Upload By SAKURA2年生になって、文字数も課題の難易度もアップUpload By SAKURA2年生になると、感想文や作文を書く機会も多くなり、日記の宿題でもらう用紙のマス目は細かくなりました。2文なら書けるようになっていた娘ですが、長い文章を前に、一気に苦手意識を持ってしまいました。幼稚園の先生と続けていた文通のおかげもあって、言いたいことをどんどん書いていくことはできていましたが、文章の構成を考えながら書かなければならない作文は、娘にとって、難しかったようでした。インタビュー形式で聞き取り!こうすれば難しくない!そこで、長い文章にも慣れてもらうため、国語の授業で習った、文章の構成…「いつ」「だれと」「どこで」「何をした」「どう思った」の通りに、インタビュー形式で、私が聞いていくようにしました。Upload By SAKURAUpload By SAKURAまず娘に題材を決めてもらいます。「それはいつの話?」などと会話のような流れで質問に答えてもらい、それを私が紙に書きます。そしてそれを見て、娘が写していきます。私はまず『順番に書けば、長い文章も難しくない』と教えたかったのです。苦手なことも、成長を信じてスモールステップで進もうねそれから数か月経った今、娘は見本がなくても、私がする質問に答えながら、少しずつ自分で書けるようになってきています。「て・に・を・は」の間違いはまだまだありますが、少しずつ減ってきています。Upload By SAKURA集中力はなかなか続かないし、他の子より時間はかかりますが、娘はゆっくり確実に進んでくれています。数年後はもっと成長できていると信じて、引き続き娘のサポートをしていきたいと思います。
2018年10月31日Q. 自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?A. 自閉症の特徴のある障害概念のグループです。それまで自閉症やアスペルガー症候群など様々な名称で呼ばれていたものが、「DSM-5」という診断基準で「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」として統合されました。Upload By 井上 雅彦アメリカ精神医学会が策定した最新の診断基準「DSM-5」で、それまで、アスペルガー症候群、高機能自閉症、早期幼児自閉症、小児自閉症、カナー型自閉症などさまざまな名称で呼ばれていたものが、この診断名に集約されました。診断や支援において、これらには明確な線引きがないことから、それぞれの障害に明確な境界線を設けない考え方が、医療の現場で使われることが多い「DSM-5」で採用されたことが経緯としてあります。そして、「連続体」という意味の「スペクトラム」という言葉が使われることになりました。これからこの概念が一般化していくと考えられています。「DSM-5」では、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害について、主に以下が特徴として挙げられます。■アメリカ精神医学会の診断基準の「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」A. 社会的コミュニケーションの障害B. 限定された反復的な行動様式C. 症状は発達早期に存在している診断ではA、Bの2つの症状を3段階の重症度で評価していきます。(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)について詳しく知るもっと詳しく知る自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?年代別の特徴や診断方法は?治療・療育方法はあるの?広汎性発達障害(PDD)とは?年齢別に症状の特徴を解説!アスペルガー症候群(AS)とは?症状と年齢別の特徴を詳しく解説します。カナー症候群(カナー型自閉症)とは?アスペルガーとの違い、症状、年齢別の特徴、子育て・療育法を紹介!自閉症 | 文部科学省
2018年10月25日発達障害のある子ども達の存在は、人類のためにも意味があるのでは?出典 : こんにちは。「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、いつもとは少し違った視点から、発達障害について考えてみたいと思います。学校などでは、集団行動が苦手で何かと注意・叱責されたり、出る杭が打たれたり、時にトラブルを起こしては「問題児」のレッテルを貼られがちな発達障害のある子ども達。もちろん、いずれは自立し社会の一員として、周りの人たちと助け合いながら共に生きていけるように、大人達が根気よく一つひとつ教えながら導いていく必要のあることは、他のお子さん達よりも多いと思います。でも、毎日実際に子育てしていると、子ども達のユニークで斬新な発想に驚かされたり、予想だにしなかった出来事に出会うことも多く、それまでの私の常識や固定概念をひっくり返されることばかり。これって、本当に「脳機能の障害・欠如」なのだろうか?こういった個性豊かな子ども達が存在すること自体、人類にとって何か意味があるんじゃないのか?…と、私は世の中に問い直したい気持ちになるのです。(※現在、こういったものの見方は「ニューロ・ダイバーシティ(神経多様性・脳の多様性)」というキーワードを軸に、海外では自閉権利運動(autism rights movement, ARM)などが展開され、さまざまな立場からの議論があるようですが、本記事ではあくまで発達障害のある子を育てる一人の母親・地域の子ども達を見守る一人の大人としての実感を基に、筆者個人の見解を述べています。)ニューロ・ダイバーシティニューロ・ダイバーシティ|ウィキペディアでは、学校などの小さな社会から離れ、もう少し視野を広げた「人類目線」だと見えてくる、「発達障害のある子ども達は、人類の未来にとって必要」と私が考える理由を7つ、以下に挙げます。出典 : 「なんで校長先生は髪の毛がないんですか?さわっていいですか?」「ハナゲ出ているよ、〇〇さん。とってあげようか?」「ねえ、おばさん?おばあさん?どっちなの?」…正直すぎて容赦なくタブーに斬り込む、恐れ知らずの子ども達(悪気はないんです、すみません)。実は、その場の状況や相手の表情などから判断し、「空気を読む」「本音と建前を使い分ける」「忖度する」ことが苦手な子は、少々デリカシーに欠け、見たまま、思ったまま、感じたままを率直に口に出してしまうことも。鋭い言葉は諸刃の刃。時に皆から一斉に冷ややかな視線を浴び、時に思わぬところにも敵を作り、時に集団の批判の的になってしまい、本人も痛手を負った経験だってあるかもしれません。でも、考えてみれば…。非合理的な古い慣習や旧態依然とした組織の体質、権力者による閉鎖的な管理・支配体制、一部の人だけがずーっと得をするシステムなどが、いつの間にか出来上がっている時。それでも、その小さな社会では誰もが「常識」「そういうもの」と疑問を持たずに受け入れ、たとえ「何かがおかしい」と感じても空気を読んで言いたいことが言えずにいる中…。「こんなのはオカシイ!」「なんでこんなことしなきゃならないの!?」「アホらしい」「ムダ」と、ブラックな常識に根本から疑問を投げかけ、エライ人に面と向かってバッサリと異を唱えられる、貴重な人材になれるのではないでしょうか。空気なんて読んでいたら、できないこと、成し遂げられないこと、いつまで経っても変われないことは、いくらでもあります。出典 : 皆が並んでいる時に並ばない、皆が座っている時に立ち歩き、皆が立っている時に座り込む…こんな天邪鬼な行動をして先生方の手を焼かせ、独り離れたところでプイッと顔を背けているお子さんを、小学校でも時折見かけます。大人にすれば「言うこと聞かない子」「反抗的」のように映るので、きっと、彼は毎日怒られてばかりでしょう。でも、もしも、自然災害や大きな事故などの非常事態で、皆が同じ方向に逃げたとしたらどうでしょうか。全員助かる可能性もありますが、反対の結果になる可能性だってあるんです。「皆が同じ行動をとる」ことは、人類が生き延びていく上では大きなリスクと言えるでしょう。「皆がどうしようと、おれはこうする!」と、自分の直感力を信じて単独行動をとり別方向に逃げて助かることもあるかもしれません。「人と違う行動をする子」が集団の中に1人くらいいることは、人類にとってはリスクヘッジの一つと言えるのではないでしょうか。出典 : 感覚の過敏さなどがあると、特定の音やニオイ、味や食感、色・形、触感、過去の経験等による極端な苦手さや恐怖心・不安感から、こだわりが強くなってしまう場合もあります。そのため、偏食家でテコでも給食を食べなかったり、体育館やエアータオルのあるトイレなど、特定の場所に入ることに抵抗したり、通学路で絶対に通りたがらない道があったりで、親や先生が困り果ててしまうこともあるでしょう。反面、そういった子達は恐るべき直感力と鋭敏さを持ち合わせてもいます(例えば、味覚が鋭いうちの長男は、水道水が家のどこの蛇口から出たのか「利き水」できます)。そして強い信念で、誰も気にしないような些細なことがどうしても気になったり、一つのことにとてつもなく興味を惹かれて、納得ゆくまで没頭できるのです。その強いこだわりと粘り強い意志は、他の人がとっくに諦め投げ出すような無理難題にも、不屈の精神で最後まで諦めずに立ち向かえる力になるかもしれません。「自閉症者が人類社会に「不可欠」である理由 〜実は障害ではない! 最新研究が明かした驚きの真相」(正高 信男)|gendai.ismedia.jp出典 : 教室の机の中や、ランドセルやロッカー、道具箱…そして頭の中までグッチャグチャ!短期の記憶力の相対的な弱さや、感覚の敏感さから受け取る情報量が多くて処理が追いつかない、などの理由で情報の取捨選択や、モノや記憶の整理整頓が苦手な子もいます。すると、テキパキと物事を片付けられずに、見かねた隣の席の子が置きっ放しの体操服をたたんでくれながらも、「ちゃんとしなよ」「もう!だらしないんだから…」とため息をつかれては、少々肩身の狭い日々を過ごしているかもしれません。でも反面、「いいこと思いついた!」と一見無関係の情報同士が結びつき発想の飛躍が起こって、イタズラな笑みを浮かべて突然のひらめきが舞い降りることもあるんです(さらに大人に怒られる結果を招く場合もありますが…)。こんな子ども達は、斬新な発想や柔軟なアイデアで新しいものを生み出して、時代を切り拓く力を持っています。そして、この力は逆境にとても強いようにも思います。行動範囲や使える物資の限られた困難な窮地の中でこそ、創意工夫は生まれてくるからです。もしも人類のライフラインが途絶え、電波も宅配サービスも届かないサバイバル生活に突入したら…その辺にある材料で火を起こしてお湯を沸かし、不安な子ども達を手作りのおもちゃで笑わせてくれるのは、小学生の頃、道具箱がゴミだらけだった少年かもしれない、と思うのです。出典 : もしも本当に、人類が火星に移住することになったら、真っ先に手を上げて飛び込んでいくのは、人一倍好奇心が強く行動力のある人達でしょう。強い好奇心や行動力は、裏目にでると「落ち着きがない」「じっとしてられない」と注意や叱責を受けがちです。エネルギッシュで計画的に先を見通すことが苦手な子は、周りの人たちをハラハラさせ、学校ではトラブルも多かったかもしれません。しかも、小さな頃から本当に危なっかしくて親は片時も目が離せず、気の休まる暇のない育児をしながら育て上げた、大事な命です。でも、そんな周りの心配や苦労をよそに、やっぱり、チャンスがあれば行っちゃうんでしょうねえ…火星。「危ないから」って止めたって、親の言うことなんて、聞きゃあしないんでしょうねえ…火星。危ないことだと分かっていても、好奇心のほうが勝ってしまう。大人が何度口酸っぱく注意しても懲りずに同じ失敗を繰り返す。リスクを冒してでも、新しい世界に飛び込んで開拓していける、生まれながらのチャレンジャー。…私はそれを「欠陥・欠如」だとは、とても思えないのです。この果てしないエネルギーが溢れる子ども達を、一体何がこんなにも突き動かすのでしょう。人類のために、この子達に与えられた役割があるように思えてなりません。「ADHDの進化論:ADHD的性質が人類にグレートジャーニー(生存圏の拡大)をさせたのかもしれない」(荒川泰之)|“好き”を”学び”に。”学び”を"仕事"に。出典 : うっかりさん・あわてんぼさんは、多動性・衝動性・不注意性が高いのでミスや失敗が多くなりがちです。ガチャガチャとモノを壊したり、調理実習や科学実験の手順や量を間違えるので、「手を出さないで」「余計なことしないで」なんて、クラスの班行動の蚊帳の外に置かれてしまう経験も多いかもしれませんね。でも実は、人類の生活を一変させるような大発明や大発見には、うっかりミスによる失敗からの偶然の産物も驚くほど多いのです。例えば、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんのタンパク質をイオン化して分析計測できる方法の発見も、間違った試料同士をうっかり混ぜてしまい、しかも、それを「もったいないから」と実験を続けた結果起こったミラクルの結果です。それに、将来もしもAIが暴走した時に、「つい、うっかり」つまずいて電源を引っこ抜いたり、精密機器にコーヒーをこぼしてしまって、人類を奇跡的に救出できるのは、誰も予測できない行動が取れる多動性・衝動性・不注意性の高い人物かもしれません。そして、偶然から生まれるミラクルは、「失敗」という名のクジを引く回数が多ければ多いほど、当たる確率が高くなるのではないでしょうか。社会全体が些細なミスや失敗を責め続けていたら、当たるものも当たりません。日本にできることはたくさんある 島津製作所 田中耕一記念質量分析研究所長、2002年ノーベル化学賞 受賞者 田中耕一 氏|サイエンスポータル出典 : 「どうして自分はこんなにみんなと違うんだろう…」「どうしてこんなに簡単なことが、当たり前にできないんだろう…」…実は、個性の豊かな子ども達は、少しづつ、周りと自分の違いに気づき始めるお年頃になると、自分のアイデンティティについて思い悩みもするようです(かつて、私自身もそうであったように…)。そして、親や先生と衝突したり、友達とうまくいかなかったり、上級生に生意気だと目をつけられたり、勉強や部活で努力がなかなか実を結ばなかったり…と、孤独感や挫折を多く経験したり、ストレスから心身の体調を崩したり、学校に行けなくなる子もいるようです。また、せっかくの素敵な個性を抑えて、出る杭が打たれないように、努力で「フツーにする」ことで自分に負担をかけながら、一見問題なく集団に適応しているように見える子もいます。でも、発達障害に限らず、どんな子でも、どんな個性でも、人間の多様性を確保することは、人類の未来のために必要なことです。イレギュラーな存在がなければ遺伝子の進化も、文明の進歩も起こらず、人類はとっくに滅亡していたことでしょう。必要だから、そこにいるんです。「ちゃんと並ばないから」と、大量に廃棄される曲がったキュウリのように、少しでも「規格外」のものを切り捨てていたら、人類は自らの首を締めることになり兼ねません。だってそれは、あらゆる可能性の芽や貴重な資源を捨てているのと同じだと、私は思うからです。発達障害のある子は人類に必要。だから、胸張って生きろ!!出典 : 「みんなと同じ」が求められがちな環境では特に、発達障害のある子も、そんなお子さんを育てるお母さん・お父さんも、マイナス面ばかりがクローズアップされて、つらい経験やしんどい想いが続いて、すっかり自信をなくしているかもしれません。「みんなと違う」ことで、不安になったり、苦しくなったり、イヤな思いをしたり、孤独を感じることもあるでしょう。大人になっても、社会の側に余裕がなければ風当たりが強くて、少々生きづらいかもしれません。つまずいてばかりだと「いつでも、前向きに」なんていかないかもしれません。でも、私はそんな豊かな個性の、愛すべき子ども達に伝えたい。「あなたたちは人類に必要なんだから、胸を張って生きるんだよ!!」と。
2018年10月23日発達障害のある子と定型発達の子の子育ては、天と地ほどの差がある私は息子が生まれてすぐに、発達障害のある子どもと定型発達の子どもの子育てには天と地ほどの差があると知りました。・抱っこしても海老反りせず身を任せてくる・発語のない0歳の時でもこちらの言っていることは解っている・長時間泣かない・外出時、自ら手を握ってくる定型発達の子どもを育てている親御さんには当たり前のことでも、1人目の子どもが発達障害だった私にはすべてが新鮮でした。そして「世間一般の人が体験する子どもの夜泣きや迷子、発語の遅さはこの程度なのか。何て楽なんだろう」と感じたものでした。まだ小さいのに、気遣いができるなんて!息子にとって「お姉ちゃん」は生まれたときから「傍にいて当たり前」の存在でした。小さいころはゲームの取り合いなどで喧嘩もよくしましたが、自分より知識があり色々なことを教えてくれる姉を尊敬していました。息子が小学校に上がったころからでしょうか、娘が近くに来ると、それまで私の横に座っていた息子が遠い席に移動するようになりました。後で理由を聞くと、「僕とお母さんが仲良くしているとお姉ちゃんが寂しく思っちゃうから」と言いました。小学校低学年なのにそんな気遣いをするものなのかと、驚いたものです。息子8歳、高校生の娘は反抗期真っ盛り娘が高校生だったころ、何を言っても全否定!という時期がありました。いつものように、私と娘がバトルをしていたときのこと。息子が険悪な母娘の横で、お笑い番組をつけたのです。Upload By 荒木まち子息子がテレビをつけたことで、娘は気持ちの転換ができ、落ち着いたのでした。息子に話を聞くと…Upload By 荒木まち子息子10歳、深刻そうな顔をして…息子が深刻そうな顔をして、話しかけてきました。息子「今日、学校で友達が『障害者ってウザいよね』って言ったんだ。その言葉がすごく嫌だったんだけど、俺そのとき、黙っちゃったんだ」私「そうなんだ」息子「ムキになって『そんなことない』って言うのもどうかと思ってさ。でも友達のその言葉が心に突き刺さってホント嫌な気持ちになったんだ」私「うん、その気持ち分かるよ」息子「…お姉ちゃんってさ、障害あるんだよね?検査とかしてるの?」私「発達検査のこと?しているよ」息子「してたんだ。診断名は何?」私「自閉症だよ」息子「ふうん、自閉症か。俺、実は本とかで調べたんだ。いつからそうなの?」私「生まれたときからだよ。小さいころから周りの子と違うと感じてたんだ」息子「へぇ、お母さんは分かってたんだ?俺、ずっと気づかなかったよ。何が原因なの?」私「脳の伝達機能の問題らしいけど、まだはっきりとは解明されていないんだよ」息子は娘が病院に通っていることを知っていましたし、私が娘と進路や将来のことなどを話すのを聞いていました。でも生まれてからずっと一緒に暮らしてきた彼は・計算は苦手だけど絵が得意・本が好きで色々なことを知っている・泣いたり怒ったりもするけど、一緒に笑ったり冗談を言い合える・不器用だけどサボらず真面目・寂しがり屋で優しいという“個性”を持つ姉として彼女を受け入れていました。成長するにつれ、姉が自分や周りの友達と違うことに気づき始めた息子は、内緒で図書館やネットで姉の症状について調べたのでしょう。思春期の入り口に立った息子に私は息子の話を聞き彼の気持ちを受け止めます。質問に答えます。でも私は娘に関することについて「息子にはこうして欲しい」などの要望は言わないようにしています。なので、この日私は息子に「5、6年になると、そういうこと口にする子もいるよね」「それってどうなんだろうね」とだけ言いました。初めての発達障害児の子育ては分からない事ばかりです。それは、きょうだい児の子育ても同じです。私がしていることが正しいのかは分かりません。先日私は会話の中で息子にあるヒントを出しました。「私が『障害者の親の会』に参加しているのは知ってるでしょ?そこで私は経験した人にしか分からない悩みや情報を共有したり、笑い話をしたりして元気をもらっているんだ。世の中には他にも『認知症の親を持つ子の会』とか『がんの当事者会』とかいろいろな会があるんだけど『きょうだい児の会』っていうのもあるんだよ」障害がある子の親がそうであるように、きょうだい児にはきょうだい児にしか分からない悩みや苦労があるはず。苦しくなったり、壁にぶち当たったり、一人で抱え込めなくなったとき。そこに足を運べばきっと気持ちが楽になる、そんな場所があるんだよ、と。これから本格的な思春期を迎える息子の悩みが少しでも軽くなれば良いな、という願いを込めて。
2018年10月19日Q. 学習障害(LD)の定義はどんなものですか?A. 学習障害(LD)は、知的発達に遅れはないのに、主に「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった能力の習得や使用に著しい困難があることを言います。Upload By 井上 雅彦定義は一つではありませんが、日本でよく使われる定義は、主に学校教育に関係する文部科学省のものです。文部科学省の学習障害の定義は以下の通りです。学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。ほかにも、医学的な診断基準「DSM-5」「ICD-10」における定義や概念があります。使われるシーンや状況、立場によって、定義を始め、含んでいる困りごとの種類や名称などには、少しずつ違いがあります。Upload By 井上 雅彦■医療:アメリカ精神医学会の診断基準の「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)について詳しく知る■医療:WHO(世界保健機関)の医学の診断基準の「ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10版)」、ICD-11とは?ICD(国際疾病分類)の概要について詳しく知る■行政・法律:日本でのさまざまな法制度の根拠となる「発達障害者支援法」発達障害者支援法では、「ICD-10」に基づいて学習障害が発達障害の定義に含まれています。困りごとの内容は、一つだけでなく複数あらわれたり、一人ひとり状態は異なります。定義にぴったり当てはまることはむしろ少ないとも言えます。もっと詳しく知る参考書籍 :(日本精神神経学会 (監修), 高橋 三郎 (翻訳), 大野 裕 (翻訳), 染矢 俊幸 (翻訳), 神庭 重信 (翻訳), 尾崎 紀夫 (翻訳), 三村 將 (翻訳), 村井 俊哉 (翻訳)『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014年・医学書院)(8)LD、ADHDの教育 | 文部科学省
2018年09月28日マイペースな広汎性発達障害の娘、幼稚園の運動会で毎年親はドキドキ…幼稚園入園時、言葉がほとんど出なかった娘。年少さんのときは、先生の指示もほとんど聞き取れず、補助の先生に手を引かれながらの運動会でした。感想を聞いても、会話にならず、運動会というのをわかっているのか?というような状態でした。Upload By SAKURA年中さんになると運動会というものをしっかり理解した様子の娘。1年前とはうって変わってやる気満々。整列、行進、競技などは、笛の合図にきちんと反応し、想像していたより頼もしい姿を見ることができました。Upload By SAKURAしかし、たびたびマイワールドに入ってしまう状態で、先生の声掛けはまだまだ必要でした。年長さんの運動会では組体操に挑戦するのに、大丈夫なの⁉︎そして、幼稚園最後の運動会。娘の幼稚園では、年長さんが運動会で必ず『組体操』をすることになっていました。この組体操…娘が年少さんのときに初めて見た私は、難易度に驚きました。Upload By SAKURA「これを…2年後に…あーさんが…」と想像してみたものの…「指示に従えず、みんなの足を引っ張ったりするのではないか」という考えばかりが浮かび、できるわけがないと思いました。それから2年…ついに娘が、組体操に挑む日がやってきました。Upload By SAKURA事前に先生から「あーさんの横には、補助が付きます」と言われていたので、少し安心していたのですが、実際出番になり、娘を見ると、補助の先生がいませんでした。一人で笛の指示だけで動けるの!?と動揺していた私をよそに、演技は始まりました。不安的中、泣き出した娘にハラハラ私は、ハラハラしながら見守りました。娘は笛の合図だけで、移動、技をこなし、隊形移動も迷いなく動いていました。途中、集団技のときに、前の子が倒れこんで来て、娘にぶつかりました。Upload By SAKURA泣き出した娘を見て、私は娘が演技をやめてしまうと思いました。しかし、娘は顔をしかめ、涙を流しながらも、自分でその涙をぬぐい、立ち上がって演技を続けました。気がつくと…私は、泣いていました。Upload By SAKURA私の頭には、年少さんの頃の娘の姿が浮かんでいました。指示が聞き取れず、フワフワしていた娘。あの頃の娘は、目の前にはもういません。他の競技でも娘は、一人で動いていました。少し離れたところから見た娘は、とても大きくたくましく見えました。演技終了後、先生に話を聞くと、「練習のときは補助が付いていたのですが、補助が全然必要なく、しっかりしていたので、本番は補助なしにしました!」と言われ、先生からも信用してもらえたことに、さらに成長を感じました。「娘には無理」と思う日もあったけど年少さんの頃、できるわけがないと思った『組体操』でしたが、2年後、娘は、突然のアクシデントあっても、肩を震わせながら…涙を流しながら…演技を最後までやり切りました。それまでで私が一番、娘の成長を感じた瞬間でした。痛かっただろうに、やめたかっただろうに…それでも演技を続けた娘の姿を見て、胸が熱くなりました。娘の成長が嬉しくて、涙が出ました。運動会のことに限らず、幼稚園でのことや、家でのこと…いつになったら会話ができるんだろう…と今までいろんな心配ごとで頭を抱え、「できるわけがない」と思ったこともたくさんありました。しかし、娘は「できるようになった姿」を何度も何度も私に見せてくれました。Upload By SAKURA「できないの壁」にぶつかったとき、心を軽くしてくれる合言葉今現在も、娘には難しい…できない…ということ、たくさんあります。何度繰り返してもできずに、気持ちが沈んでしまったとき、私はあの日、成長を実感し、嬉しくて泣いた日を思い出すようにしています。そして、「できるわけがない…」と思ってしまったとき、"今は"とつけ足します。"今すぐ"を期待するのをやめ、今は難しいけど、2年後は?3年後は?と、考えることで、焦りをなくすように心がけています。「今やっていることは、数年後にきっと生きる」。それが、娘の子育てと療育の中で、私が学んだことです。Upload By SAKURA
2018年09月12日学習障害(LD)とは?学習障害の特徴をまとめると、以下のようになります。Upload By 発達障害のキホン例えば、通級による指導の対象を示す場合など、教育現場で使われることの多い、文部科学省の学習障害の定義は以下の通りです。基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。他にも、医学的な診断基準による定義と行政的な定義などで若干の違いがあります。以下の図に示すように、使われるシーンや困りごとの傾向によってさまざまな名称が使われる場合があります。Upload By 発達障害のキホン「読めるのに書けない」など苦手や困りごとは、人によって一部だけに極端に表れることもあれば、いくつか重複していることもあります。自閉症スペクトラム障害やADHD、協調性運動障害や感覚過敏などの他の障害を合併している人もいます。特定の学習にだけ困難がある場合、周りから理解されにくく、「怠けている」などと誤解され、苦しんだり、不登校やうつなどの二次障害に陥ってしまう子どもも少なくありません。障害の名称や診断の有無などにこだわりすぎず、一人ひとりどのような特性や困りごとがあるか理解し、対処していくことが非常に重要になります。学習障害(LD)の3つのタイプと特徴・症状学習障害の困りごとには以下の3つのタイプがあります。症状や困りごとが全てあてはまる人はかえって少なく、特徴は人それぞれです。年齢によって困りごとや特性が変化したり軽減することもあります。複数のタイプが混じっていることもあります。※以下で紹介する症状・困りごとは年齢や学習の習熟度などによって、誰にでも見られるものもあります。当てはまるからといって学習障害であるとは限りません。学習障害と診断された人の中で一番多く見られるタイプで、見た文字を判別して読んで理解したり、音にするのが苦手です。読むことに障害があると、結果として文字を書くことにも困難を感じる場合が多いため、読み書き障害と呼ばれることもあります。Upload By 発達障害のキホン読字障害(ディスレクシア)を詳しく知る「文字が書けない」「書いてある文字を写せない」などの書く能力に困難があるタイプです。文字が読めるのにもかかわらず書けない場合もあります。Upload By 発達障害のキホン書字表出障害(ディスグラフィア)を詳しく知る数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手な学習障害のタイプを算数障害・ディスカリキュリア(dyscalculia)と呼びます。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合がほとんどです。「1」「2」「3」などの基本的な数字や、「x」「+」などの計算式で使う記号を認識することに困難をもっていることもあります。Upload By 発達障害のキホン算数障害(ディスカリキュリア)を詳しく知る学習障害の原因は?学習障害の原因は、医学的にはまだはっきりとは解明されていませんが、以下のようなことが研究から分かってきています。Upload By 発達障害のキホン中枢神経は脳や脊髄、体のさまざまな部分の働きを指令する部分です。学習障害の症状は、情報を伝達し処理する脳の機能がスムーズに働いていないことで引き起こされると考えられています。学習障害の症状・困難の理由を理解しようじっと見つめたり、視線を上手に動かすことが困難で、行を飛ばして読んだり黒板の文字を写すのが苦手な場合があります。見た情報を脳が処理する視覚認知の機能が弱く、文字を認識するのが難しいこともあります。また見え方に特性があり、文字がぼやける、黒いかたまりになって見える、逆さまに見える、歪んで見えるなど違った見え方になってしまう人もいます。Upload By 発達障害のキホン文字と音を結びつけるのが難しいため、音声を聞いて文字を書いたり、文字を見て即座に読み上げるのが難しいことがあります。文字を書くという動作自体が苦手です。脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだという説が有力です。文字を揃えて書く、バランスを考える、筆圧を調整する、文字間の距離感を取るなどが苦手です。そのため、筆算の際に桁がずれることも多くなり、間違えやすくなることもあります。一度にいろいろなことをするのが苦手で、聞きながら書く、読みながら意味を考えるなどが難しいこともあります。記憶するのが苦手な場合、漢字の形や読み方をなかなか覚えられないこともあります。記憶や推論することが苦手だと、数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識するのが難しかったり、文章題を読み、意味を理解することや、グラフや表、図形などからイメージすることが苦手だったり、算数障害につながることもあります。Upload By 発達障害のキホン視覚過敏があって紙の白さが眩しく見えるなどで、文字が見えづらいことも。聴覚過敏・鈍麻のために話が聞き取りづらかったり、集中できないケースもあります。その子の困難の背景を考え、寄り添ってサポートを苦手さの理由や原因は一人ひとりのケースで違います。その子がどこに困難を感じているのか、またその理由はどこにあるのかを観察してみるとよいでしょう。環境を調整したり、やり方を工夫したりすることで対処法が見つかることがあります。現在は、見分けやすいチョークやユニバーサルフォント、音声読み上げ機能のある電子教科書、タブレットやキーボードなど、学習障害のある子をサポートする道具や機器もあります。その子がうまくいきやすい方法があれば、学校での合理的配慮を求めることもできますので、ぜひ、学習障害について理解を深め、サポートしていきましょう。学習障害をもっと知るためのリンク集学習障害についてもっと詳しく知る学習障害の診断・検査通級指導教室について知る障害者手帳の取得法、利用できるサービスを知る障害児が受けられる福祉サービスを知る障害者が受けられる福祉サービスを知る合理的配慮の受け方、具体例を知る学習障害の子どもへの接し方親子のヒント発達障害者支援法、ADHDの教育|文部科学省参考書籍:『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』(医学書院)参考書籍:『ICD-10精神科診断ガイドブック』(中山書店)参考書籍:「怠けてなんかない!ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち」品川 裕香
2018年09月06日家で悩んでいるくらいなら…何はともあれ学校見学!発達障害のある子どもの進路についてはいろいろと悩みます。公立なのか私立なのか。通信制高校なのか、サポート校なのか。特別支援学校という進路もある…。進路を選ぶときには、やはり現場を訪れて雰囲気を肌で感じることが一番だと私は思っています。インターネットや書籍で発達障害の子ども向けの学校を探すこともできます。私はそれに加えて、学校の先生、通級の先生、支援級の先生、放課後等デイの先生、コーディネーターの先生、行政の教育相談担当者など、直接会って話を聞ける方からの情報を元に学校探しをしました。進路先選びは大変です。全部下見をしていたら、娘は疲れてしまうので、まずは保護者だけでチェック。・家からのアクセス・学校の雰囲気(校舎、先生、生徒)・学費・卒業生の進路先などを確認します。下見をした学校の中から、子どもに合いそうな学校かな?と感じたら、今度は一緒に・授業見学(公開授業や学校を開く週間など)・オープンスクール(夏休みや春休み)・文化祭などに行きます。授業見学やオープンスクールだと子どもが緊張しやすいので最初は文化祭がおすすめです。文化祭では部活の様子なども知ることができるので同じ趣味の仲間を探すこともできます(余暇充実は社会に出てからもとても大切です)。娘のチェックポイント普段の掲示物や落書きに、学校の雰囲気があらわれます。娘もけっこう細かくチェック!Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子娘の興味がある分野の部活があるのかも大切なポイント。気になる部活のブースはかならず足を運びます。Upload By 荒木まち子在校生の雰囲気も、実際に学校に行くとリアルに感じられます。Upload By 荒木まち子中学校生活のモチベーションアップにも義務教育の間は「皆と同じように」しなければならないことが多く、辛い思いをする発達障害の子ども達。それは娘も同じでした。わが家では娘に「高校はこんなに自由で楽しいんだよ」「希望の高校に入るために、この教科は勉強しておいた方が良いよね」など伝え、「高校見学」を中学3年間ドロップアウトせず乗り切るための娘のモチベーションアップに役立てていました。学生のイキイキした姿に触れられる文化祭高校や大学の文化祭は「先生にやらされている感」が少なく、生徒の自主性を感じることができます。学校という守られた環境の中で少し背伸びをする生徒達。その自由な雰囲気に触れ、娘も進路について前向きに考えられるようになりました。文化祭めぐりは親も楽しめます。これからの時期、文化祭が開かれる学校が多いと思います。皆さんもぜひ足を運んでみて下さいね。
2018年09月05日不安いっぱいだった去年の夏休みの宿題、なんとか完成…!広汎性発達障害の娘は、現在小学二年生。去年初めて夏休みの宿題というものを経験しました。娘も初めてですが、私も親として小学生の夏休みの宿題に挑むのは初めてでした。まず、自分の頃と違うその量に驚きました。ちゃんと終わるのか…娘にやらせることができるのか…。不安いっぱいで挑んだ一年生の夏休みは、私が娘の横にぴったりとくっつき、どれをやるか指示することに。娘の調子や機嫌を探りながら、私が何ページやるかを決めると、娘は素直に言われた分を着々とこなしてくれました。順調に宿題は進んでいき、8月に入った頃、全部終わりました。Upload By SAKURA成長しているはずの娘、まさかの抵抗!?今年はなんだか手強いそして、今年もやってきた夏休みの宿題。去年の経験もあったので、同じような方法でいこうと思っていたのですが…今年の娘は一味違いました。Upload By SAKURA去年よりも自分の意志が強くなった娘は、宿題をすることに反抗するようになったのです。ここは予想外だった私。自分の意志がなく、フワフワしていると思っていた娘が、「やりたくない」と反抗したことは、うれしい成長ではありましたが、宿題が無事終わらないかもという不安もありました。宿題はやりたくないけど、何をしたらいいかもわからない宿題をしたくないというので、じゃあ好きなことをすれば?と言うと…Upload By SAKURA"好きなこと"という「自由」が苦手な娘は、「何したらいい?」と何度も聞きに来ます。そこで私たち親子は、夏休みの一日のスケジュール表をつくることにしました。スケジュールは私が娘に提案しながら、二人で相談しながら作っていきました。スケジュールに宿題の時間を入れることは、意外にも嫌ではない様子。そうして、スケジュール表が完成しました。スケジュールがあれば、自分で動ける!それから娘は、毎日スケジュールを確認しながら過ごしました。Upload By SAKURA私がやらせようとしたら嫌がっていた宿題も、時間になれば仕方なくですが動きます。せっかくの夏休みに窮屈なものを作ってしまったかと思いましたが、娘にとっては先の見通しが立つ安心につながったようでした。スケジュールを見ながら娘が自分で考えて動く姿は、一年前からは想像できないほど、しっかりしていました。いつまでやることを一つ一つ指示しないといけないのだろうか…と心配していましたが、娘は、その心配を吹き飛ばす成長を、見せてくれました。「イヤ」の裏側に成長があった。これからも親子で一緒に方法を考えよう宿題に関して反抗を見せた時、どうなることやらと不安でしたが、同時に娘は、自分で決めて一人で取り組むということができるようになりました。他のことに関しても、娘は私の言ったことに少しずつ反抗し始めています。Upload By SAKURAちょっと頭を抱えていた私ですが、「イヤ」という言葉の裏側には、何かしらの成長があると今回で学びました。反抗に対して、叱るばかりではなく、その真意を探ることもしつつ、臨機応変に対応できたらいいなと思います。
2018年08月29日発達障害とは?発達障害は、発達障害者支援法では「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。具体的にわかりやすく言うと以下のような状態です。Upload By 発達障害のキホン発達障害はその発達過程やライフステージなどで困りごとや特性が強く現れ、初めて分かるケースがほとんどです。外見からはわかりにくく、大人になっても気づかない人もいます。その特性から「困った子」と捉えられてしまうこともありますが、その子が「困っている」ことに早く気づき、周りが理解し、一人ひとりに合った対応をすることがとても大切です。発達障害は特性や現れる困りごとによって、大きくASD(自閉症スペクトラム)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)・LD(学習障害)の3つのタイプに分けられます。Upload By 発達障害のキホン発達障害の症状・特性と困りごとUpload By 発達障害のキホン診断基準によっては広汎性発達障害・自閉症・アスペルガー障害などの名前で呼ばれることもあります。知的障害や、言葉の遅れ、感覚過敏・鈍麻がある人もいます。子育ての違和感や園や学校、乳幼児健診での指摘で気づくケースが多いと言われています。自閉症スペクトラムについてもっと詳しく知るUpload By 発達障害のキホンこれらの特性は、幼い子どもには多く見られますが、成長するにつれ同年代の子に比べて特性が目立つようになります。そのために園や学校での集団生活が難しくなってしまったり、本人の努力不足や親のしつけの問題と誤解されることも少なくありません。についてもっと詳しく知るUpload By 発達障害のキホン全体的な知的発達に比べて、学習面で大きく目立って不得意なことがあります。読めるのに書けないなど、一部だけに困りごとが表れることもあります。授業についていけなくなる、宿題をこなせないなど、小学校に進学し学習が始まって明らかになるケースが多いと言われています。学習障害についてもっと詳しく知る発達障害は、その特性や症状が一人ひとり大きく違うことが特徴です。特性や疾患、合併症が重なっていることもあります。Upload By 発達障害のキホン上記のほか、てんかん、チック、トゥレット症候群、場面緘黙、吃音などが合併することもあります。「感覚過敏があって、音に耐えられず教室を飛び出してしまう」「言葉の遅れがあって気持ちをうまく伝えられず、癇癪を起こしてしまう」など、これらの合併症と特性は密接に関係し重なり合い、困りごととなってしまうこともあります。発達障害と定型発達の境目は明確にはありません。そのため診断基準は満たさない、あるいは未診断だが発達障害の傾向のある「グレーゾーン」と呼ばれる人もいます。診断がつかない=症状や困りごとも軽度だと考えられがちでが、明確な診断名がなく、外見からもわかりにくいので、理解や支援を受けにくいこともあります。分類や定義、診断の有無にこだわらず、一人ひとりの特性の傾向を知り、本人の生きづらさを減らすことに注力できるとよいでしょう。グレーゾーンについてもっと詳しく知る発達障害の原因は?発達障害は、生まれつきの脳の機能障害が原因となって現れると考えられます。以下に、発達障害に関係のあるのではないかと考えられている脳の機能を紹介します。Upload By 発達障害のキホン発達障害のある人の脳の場合、これらの部位が小さかったり、血流が弱かったりしてうまく機能しない傾向が報告されています。この機能障害を引き起こすメカニズムは、まだはっきりとは分かっていません。発達障害に関連がある遺伝子の発見や研究も進められています。ただし、遺伝子を持っていても必ずしも発症するわけではありません。また、親から子へ必ず遺伝するものでもありません。現在「様々な遺伝的要因と環境要因が相互に影響しあって発達障害の症状が表れる」という説が有力で、すべての方にあてはまるようなただ一つの原因はないといわれています。「親のしつけ方・育て方が悪い」「親の愛情不足」といった心因論も医学的に否定されています。発達障害かもと思ったら?症状チェック・検査・診断までの流れ発達障害のサポートは、家族や本人、周りの人が「特性のために困っている」「違和感がある」などに気づくことが、最初のきっかけになります。Upload By 発達障害のキホン専門機関の中には発達検査を行っているところもあります。相談や医療期間受診の後、療育的なサポートを受けたり、医療機関で治療を受けたりするなど、必要に応じた個別の専門的なサポートを受けることになります。診断を受けなくても発達相談や子育て相談、発達支援やペアレントトレーニングなどを受けることもできます。全国の相談窓口の情報を調べる|発達障害・支援センター発達障害診療医師名簿|一般社団法人 日本小児神経学会・子育ての違和感や子どもの困りごとに早く気付くことで、より早い支援につながる・自己診断は絶対にNG。その先の対処法や支援を知るためにもまずは専門家に相談を・専門機関に相談することで、必要であれば医療機関につないでもらえる・もし発達障害ではなかったとしても、子育て相談や発達相談などの支援を受けることもできる・検査で子どもの苦手と得意を把握することで、その子にあった対処法が見つかることがある・発達支援や療育を受けることで、症状や困りごとが改善する可能性がある・診断は必須ではないが、診断があることで受けられる公的サポートもあるなどが挙げられます。発達障害は治るの?発達障害は現在、根本から治療することは難しいとされています。ですが、症状を和らげるための薬物療法や、対処法を知るための応用行動分析学に基づく療育的アプローチなどを受けることで、困りごとが改善する可能性があります。発達障害を完全に治す薬はありませんが、症状を和らげるための薬がいくつかあります。人によって合う薬と合わない薬もあり、副作用などもあるなど、現在のところ、すべての人に必ず効果があるような薬はありません。また処方は6歳以上で、成人には認可されていない薬もあります。そのため、薬物療法を進めるときは医師の判断のもと、その人の症状や状態を慎重に見ながら行うことになります。薬で症状が和らいでいる間にスキルトレーニングなどを合わせて行うとよいでしょう。Upload By 発達障害のキホン子ども自身が何に困っているかやその背景などを探り、トレーニングをしてうまくいく方法を見つけ、得意な部分を生かします。また周囲の人の理解や環境の工夫によって、症状や困りごとの改善を図ります。そうして失敗体験を減らし、成功体験を増やして適応能力を伸ばしていきます。療育方法は様々なものがあります。子どもの場合、クリニックや発達障害外来などのほか、児童発達支援や放課後等デイサービスなどで療育的支援を受けることもできます。発達が気になるお子さまが利用できる施設を調べる|LITALICO発達ナビ施設情報発達障害の生きづらさと二次障害発達障害の特性が理解されないまま生きづらさが強くなると、心の病や行動の問題など、二次的な障害を引き起こすことがあります。以下に二次障害に陥りやすいプロセスをご紹介します。Upload By 発達障害のキホン二次障害を引き起こさないためにも、その子が困っていることに早く気づき、専門機関やサポートにつながることが大切です。発達障害の特性を理解し、その子に合った対処法と過ごしやすい環境を考えサポートしていきましょう。発達障害をもっとくわしく知るリンク集発達障害の診断・検査について知る発達障害の原因について知る障害者手帳の取得法、利用できるサービスを知る障害児が受けられる福祉サービスを知る障害者が受けられる福祉サービスを知る合理的配慮の受け方、具体例を知る親子のヒント参考:発達障害とは|LITALICOジュニア参考書籍:『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』(医学書院)参考書籍:『ICD-10精神科診断ガイドブック』(中山書店)
2018年08月28日親子が大好きな幼稚園の先生との出会い広汎性発達障害がある娘は、幼稚園入園時、無言で、表情もない状態でした。しかし、園で出会った先生は、無言の娘にたくさん声をかけてくれ、表情がない娘にたくさん笑いかけてくれました。Upload By SAKURAそして、みんなが当たり前にできることでも、嫌な顔一つせず対応してくれ、娘が一つできるようになると、一緒に喜んでくれました。当時の娘は、私の通訳がないと、言っていることを周りの人に理解してもらえない状態だったのですが…先生と娘はなぜか分かり合えていました。前回のコラムでその出会いについてご紹介しましたが、実はそのあとも、私たち親子は先生にとても助けられています。Upload By SAKURA3年間、一緒に悩み、一緒に成長を喜んでくれた先生に、親子共々支えてもらいました。卒園式は、私の方が寂しくて泣きそうでした。卒園後も、娘の中で先生の存在は消えず、「先生、元気かな?」「私、先生大好き!」とたびたび言っていました。卒園後、大好きな先生とばったり再会!先生から意外な提案がそして、娘が一年生の夏休みのこと。偶然、買い物に行った先で、先生とばったり会いました。娘と先生は再会を喜び、たくさんお話をして大盛り上がり。私も、卒園してから今までの学校生活や娘の成長を、先生に話していきました。私たちの話を、先生はうれしそうに聞いてくれました。Upload By SAKURA「もっと、あーさんの話を聞きたい」と思ってくれたのでしょうか。先生は私に「あーさんと文通させてくれませんか?」と言いました。娘は「やる!やる!お手紙書く!」とやる気満々。娘と先生は文通をすることになりました。読み書きが苦手な娘、はじめての文通にチャレンジ!しかしこの時、娘は文章を読むのもたどたどしく、まだ自分で文章を書くことができませんでした。今まで手紙を書くといっても、私が手伝いながら、頑張って書かせても一行程度。とても時間もかかっていました。先生からの申し出を、うれしいと思うと同時に「娘に文通なんてできるのだろうか」と心配な気持ちにもなりました。しかし、大好きな先生との手紙のやり取りは、「娘にとっていい影響を与えるに違いない!」そう考え、チャレンジしてみることにしました。Upload By SAKURA先生から届いた手紙を読む時、そして娘が返事を書く時は私がサポートしながら、二人は文通を続けました。娘の誕生日の時は、バースディカードも送ってくれました。「4歳、5歳、6歳、7歳と、あーさんに誕生日カードを書かせてもらえてうれしい」と書かれてあり、私は涙が出るほどうれしかったです。そして娘は、やり取りの中で少しずつ、少しずつ…先生の手紙をスムーズに読めるようになり、少しずつ、少しずつ…一人で返事を書けるようになっていきました。娘は私が想像していた以上に、楽しみながら手紙を書いています。どんなことを書こうか…先生に何を伝えようか…自分で考え、私のアドバイスなしで書く姿は、急にお姉さんになったように見え、とても成長を感じます。直接支援が終わっても、つながる気持ちに支えられている文通を始めてもうすぐ一年。娘は手紙が届くのを、そして返事を書くのを、毎回楽しみにしています。幼稚園の先生が、小学校に上がった今も娘のことを気にかけ、話を聞きたいと思ってくれるだけでもありがたいのに、「相手のことを考え、自分のことを伝える」そんなコミュニケーションを楽しく学ばせてくれる先生。卒園しても、娘を成長させ続けてくれています。Upload By SAKURAこの先生との出会いに、私たち夫婦は本当に感謝しています。これからもずっと、二人のきずなを深めていってくれたらうれしいです。私自身も先生とLINEのやり取りをしています。私とも是非、末永くつながっていてくれたらなーと思います(笑)
2018年08月15日幼稚園生時代、夏休みの帰省で。「孫に障害はない!」と完全否定する祖母Upload By 荒木まち子私は娘が1歳頃の時から、周りの同世代の子どもとの違いや育てづらさを感じていました。健診時に指摘などはされていませんでしたが、娘の幼稚園入園前から療育機関などに相談をしていました。娘は人見知りをしなかったので、年に数回しか会うことがない祖父母は「本やテレビが好きな大人しい孫」「歌やお絵描き好きなおっとりさん」と感じていたのかもしれません。出典 : おじいちゃん、おばあちゃんっ子だった娘娘自身もおじいちゃんとおばあちゃんが大好きで、帰省の時は親ではなく祖父母と一緒に寝たがる程でした。電車に乗れるようになると一人で祖父母の家に泊まりに行ったり、旅行好きな祖母と一緒に旅にも行ったりしていました。高校生になるとPC検定の資格を持つ娘が祖母にパソコン操作を教えることなどもありました。おおらかで優しいお年寄りと過ごす時間は娘にとっても心地良かったのだと思います。出典 : 初めて、娘のパニックに遭遇した祖母娘が高校3年生の時、たまたまわが家に泊まりに来ていた祖母は娘のパニックに遭遇しました。この頃の娘は、就職活動中だったこともあり、とても不安定でした。「学校から配布された資料が見つからない」と家中の引き出しを開けて探しまわりました。私が「学校に電話して同じものをもらえば良いんじゃない?」と言っても「それは絶対ヤダ!」「あの先生は怖いんだ」と全く聞く耳をも持ちませんでした。同じ引き出しを何度も開けたり閉めたりすることを止められない娘。しまいには弟の机の引き出しやランドセルの中まで探し始めました。その時、祖母は…Upload By 荒木まち子祖母が娘をなだめている間に私は学校に電話をし、先生に娘の様子を伝え、翌日同じ資料をもらうことになりました。パニックは1時間ほどで治まりましたが、孫のパニックを目の当たりにした祖母はショックを受けたようでした。孫の将来を案じてその後、就職がなかなか決まらなかった娘を心配した祖母に「知り合いの会社を紹介しようか?」と勧められたことがありました。私は「いつまでも親が子供を守り続けられるわけじゃない。私たちは娘のことを理解して支援してくれるような人(ジョブコーチ)がいる会社を探している」と伝えました。祖母の思う幸せとは、違うかもしれないけれど就職後、娘は祖父母のところに行くことはほとんどなくなりました。孫のことが心配な祖母は、しょっちゅう電話を掛けてきます。「会社には休まず通っているの?」「会社の先輩とはうまくいっている?」「身だしなみはきちんとしているのかしら?」「お金は足りてるの?」「親としてちゃんと悩みを聞いてあげてる?」「また一緒に旅行に行きたいんだけど…」私はその一つひとつに丁寧に答えます。「会社は無理して毎日通うより、休み休みでもいいから彼女のペースで長く続いた方が良い」「娘は人間関係は時間をかけて築き上げていくタイプ」「完璧でなくても他人を不快にさせない程度の身だしなみはできていると思う」「まだ職場になれるのに精一杯でお金を使う暇もあまりないみたい」「職場の悩みを聞くのは親ではなくてジョブコーチという会社の上司なんだよ」「休みの日は趣味や友達と過ごす時間に充てているよ。もう家族と一緒に出掛ける年じゃないし」“おばあちゃんの思う『幸せ』とは少し違うかもしれないけれど、本人が辛いと感じることなく毎日を過ごせていれば、それが彼女にとっての幸せなのだ”と時間をかけて伝えていこうと思っています。
2018年08月10日起立性調節障害(OD)とは?出典 : 起立性調節障害(OD)とは、思春期に起こりやすい自律神経機能不全のことです。人が立ち上がると、血液が下半身に集まり、血圧の低下や心拍数の増加が起こります。通常、これらの変化ができるだけ少なくなるように、自律神経が働くようになっています。しかし、それがうまく行かないためにさまざまな症状が現れるのが、起立性調節障害なのです。具体的な症状としては、立ちくらみや失神、朝起きられない、倦怠感(だるさ)や動悸、頭痛といったものがあります。軽症であれば治療が必要ないことも多いのですが、重症になると日常生活に支障が出て、不登校やひきこもり状態になることもあります。症状が長く続くと、その後の社会生活にも大きな影響を及ぼすため、早い段階で適切に対処することが重要です。しかし、一部ではまだ理解が進んでおらず、周囲に「ただのなまけ」「気持ちの問題」と誤解されてしまう場面も多いといわれています。起立性調節障害の主な症状出典 : 日本小児心身医学会によると、起立性調節障害には主に以下のような症状があるとされています。・立ちくらみ、朝起床困難、気分不良、失神や失神様症状、頭痛など。症状は午前中に強く午後には軽減する傾向があります。・症状は立位や座位で増強し、臥位にて軽減します。・夜になると元気になり、スマホやテレビを楽しむことができるようになります。しかし重症では臥位でも倦怠感が強く起き上がれないこともあります。・夜に目がさえて寝られず、起床時刻が遅くなり、悪化すると昼夜逆転生活になることもあります。実はこれらの症状は、生活習慣の乱れや、不登校でも起きうる症状です。そのため、体の病気ではなく気持ちの問題だと誤解されることが多くあるのです。日本小児心身医学会が定めたガイドラインでは、起立性調節障害の診断方法が定められています。1)立ちくらみ、失神、気分不良、朝起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪いなどのうち、3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害を疑います。2)鉄欠乏性貧血、心疾患、てんかんなどの神経疾患、副腎、甲状腺など内分泌疾患など、基礎疾患を除外します。3)新起立試験を実施し、以下のサブタイプを判定します。(1)起立直後性低血圧(軽症型、重症型)(2)体位性頻脈症候群(3)血管迷走神経性失神(4)遷延性起立性低血圧起立性調節障害が疑われる場合、まずは他の病気が原因になっていないかを調べる必要があります。貧血や心臓の病気などでも、立ちくらみなどの似たような症状を起こすことがあるためです。病気の有無を調べるためには、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などが必要に応じて行われます。この時点で原因となっている病気が分かれば、適切な治療を行うことで改善する可能性があります。他の病気でないことが分かった場合、起立性調節障害と確定するために新起立試験が行われます。新起立試験とは、起立前後の血圧や心拍数がどのくらい変化するかを見る検査のことです。この変化の度合いによって、起立性調節障害の中でどのサブタイプに属するか、重症度はどのくらいかを見ることができます。起立性調節障害の4つのタイプ新起立試験によって分類されるサブタイプは4つあります。それぞれのサブタイプについて、以下で説明していきましょう。起立直後性低血圧は、立ち上がった直後に血圧低下や血圧回復の遅れが見られる状態のことを言います。通常、人間は立ち上がったときの血圧低下を予防するため、交感神経が活発になってノルアドレナリンという物質が出るようになっています。しかし、起立性調節障害の子どもは、このノルアドレナリンの分泌量が少ないために、血圧を維持することができないのです。起立直後性低血圧と診断する具体的な値として、以下のような条件が定められています。・起立後血圧回復時間≧25秒または、・起立後血圧回復時間≧20秒かつ、非侵襲的連続血圧測定装置で求めた起立直後平均血圧低下≧60%軽症型の場合は、起立中に徐々に血圧が回復していきますが、重症型の場合は血圧低下が一定時間持続すると言われています。体位性頻脈症候群の場合は、立ち上がるときに血圧低下が見られません。その代わり、心拍数に著しい増加が見られるのが、体位性頻脈症候群です。立ち上がったときに、下半身に血液がたまっていると、上半身の血液量が少なくなるため、心臓の動きは遅くなります。この動きを維持しようとするため、心拍数が速くなってしまうのです。具体的な数字としては、以下のように定められています。・軽症〜中等症: 起立時心拍数≧115または心拍数増加≧35・重症: 起立時心拍数≧125または心拍数増加≧45起立直後性低血圧や遷延性起立性低血圧といった、別のサブタイプと合併していることもあります。血管迷走神経性失神は、起立中に突然血圧が下がって意識レベルが下がったり、意識を失ったりする状態を指します。立ち上がったときに、静脈を流れる血液量が少なくなって、心臓が激しく動くようになると、反射的に自律神経が興奮し、活動を止めてしまうことがあります。その結果起こるのが、血管迷走神経性失神なのです。ひどい場合には、心停止することもあるとされています。軽症であれば、約4割の人が大人になるまでに経験すると言われており、治療をする必要がないことも多いです。しかし、起立直後性低血圧や体位性頻脈症候群と合併していることもあり、その場合には治療が必要となります。遷移性(せんいせい)起立性低血圧は、起立直後の血圧や心拍数は正常であるものの、3〜10分たってから血圧低下(収縮期血圧が横になっているときの15%以上、あるいは20mmHg以上の低下)が見られるというものです。軽症であれば日常生活への影響は少ないものの、中等症ではやや影響が見られるようになり、重症ではほぼ毎日支障をきたすようになります。起立性調節障害の多い年代出典 : 起立性調節障害は、思春期特有の病気と言われています。発症する年齢は10〜16歳が多く、小学生の約0.5%、中学生の約10%にこの病気があるとされています。男女比で見ると女子の方が多く、男子よりも1.5〜2倍多いです。出典:起立性調節障害(OD)|日本小児心身医学会起立性調節障害の合併症出典 : 起立性調節障害の合併症としては、以下のようなものが挙げられます。・身体面: 睡眠障害、ときに痙攣を伴う失神、著しい頻脈・心理面、行動面:: 集中力や思考力の低下、日常生活の活動量の低下、長期間にわたる欠席また、発達障害のある子どもが起立性調節障害を発症することも少なくありません。発達障害のある子どもは、ストレスを感じやすい傾向があると言われています。これが原因で自律神経に影響を及ぼし、起立性調節障害を起こしやすいと言われています。起立性調節障害と似た病気出典 : 起立性調節障害と似た症状が現れる病気がいくつかあります。その中から、「うつ病」と「脳脊髄液減少症」についてご紹介します。起立性調節障害では集中力の低下や活動量の減少などが見られるため、しばしば心の病気=うつ病と診断されることがあります。しかし、うつ病は昼夜問わず無気力などの症状があるのに対して、起立性調節障害では夜になると元気になるという傾向があります。起立性調節障害ではなくうつ病だと診断された場合、抗うつ薬の服用によって起立性低血圧が起きてしまうこともあり、症状が悪化する可能性もあります。起立性調節障害と間違えられやすい病気として、脳脊髄液減少症も指摘されています。脳脊髄液減少症とは、脳や脊髄のまわりにある脳脊髄液が、何らかの原因で漏れることを言います。脳脊髄液が減少すると起こる症状の中に、起立したときの頭痛やめまい、血圧・脈拍の異常などがあります。このような症状があることから、起立性調節障害と間違えられやすいのです。発症する原因には、交通事故でのむち打ちといった外傷などがありますが、原因不明な場合も少なくありません。病気としてはまだ広く知られておらず、発見されるのに時間がかかることも多いようです。起立性調節障害が疑われるとき、病院はどこを受診したらいい?出典 : 起立性調節障害は思春期特有の疾患であることから、診察は主に小児科で行われています。診断は、日本小児心身医学会が定めたガイドラインに沿って行われます。ただし、サブタイプを診断するために必要な機械が備わっている医療機関は、まだ全国でも数ヶ所しかありません。そのため、機械がない医療機関では簡易的な方法を用いて検査を行っています。診断か可能かどうか、事前に医療機関に確認してみても良いでしょう。起立性調節障害は治るの?出典 : 起立性調節障害は、軽症であれば適切な治療によって2〜3ヶ月程度で改善すると言われています。しかし、中には学校生活や日常生活に支障をきたす重症例もあり、その場合は社会復帰に2〜3年以上という長期間を要することもあります。起立性調節障害の治療と対処法出典 : 起立性調節障害の治療と対処法は、大きく以下の4つに分けられます。・疾病教育・非薬物療法・学校との連携・薬物療法これらに加えて、必要に応じて心理療法が行われることもあります。それぞれの内容について、以下で具体的に見ていきましょう。起立性調節障害を治療する上で重要なポイントは、本人と保護者が「起立性調節障害は体の病気である」と理解できることです。本人がいくら不調を訴えても、保護者が「夜更かしするからだ」「なまけているだけだ」として叱ったり、無理やり起こそうとすることも多く、親子関係が悪化している場合も少なくありません。まずは、起立性調節障害がどのような病気なのか、治療して改善するには時間がかかることなどを説明します。本人と保護者が治療が必要であることを理解した上で、正しい治療が行えるようにしていきます。起立時に症状が起こる起立性調節障害では、日常生活の中で動作や食事に気をつけることで、症状を起こしにくくすることができます。▪️体を起こすときの動作に注意する寝た状態や座った状態から急に立ち上がると、脳の血流が一気に低下して気分不快などを生じやすくなるため、ゆっくりと体を起こすようにします。特に、朝は脳の血流が悪い状態なので、注意が必要です。頭を起こさず、下げた状態でゆっくりと立ち上がることが大切です。▪️水分と塩分をしっかりととる水分摂取量が少ないと、体の中の血液量が少なくなり、血圧を維持することが難しくなってしまいます。塩分は通常であれば控えた方が良いとされていますが、起立性調節障害の子どもは塩分摂取量が少ない傾向にあります。塩分を摂取すると体は水分を維持しようとするため、血圧低下を防ぐことができるとされています。水分は1日1.5〜2リットル、塩分は1日10〜12gを目安に摂取します。▪️生活リズムを整える起立性調節障害の子どもは、朝起きられないために起床が遅くなり、寝る時間も遅くなりがちです。寝る時間が遅くなりすぎないよう、毎日23時には布団の中に入るようにしましょう。できるだけ入眠しやすくなるよう、環境を整えることも大切です。寝る前には早めに部屋の明かりを落としたり、朝は早い時間にカーテンを開けて、日光に当たるようにします。▪️適度な運動を行う毎日の適度な運動も、起立性調節障害を治療する上で大切です。筋力が低下すると血圧が下がりやすくなるほか、自律神経のバランスを崩しやすくなって、症状が悪化してしまいます。▪️暑い場所を避ける気温や室温が高いと、血管が広がって血圧が下がりやすくなります。さらに汗をかくと体内の水分が少なくなり、より症状を悪化させてしまいます。外にいる場合は日影にいるようにしたり、空調を調節したりといった工夫をするようにします。起立性調節障害と診断された場合、学校との連携も大切なポイントです。教師も起立性調節障害について十分な知識がないために、「なまけている」「気の持ちようだ」と思われてしまうことも少なくありません。起立性調節障害は体の病気であること、いつ体調不良が起きてもおかしくないことを理解してもらい、子どもが適切なサポートを受けられるよう、協力を仰ぎましょう。学校側に依頼する具体的なサポート方法としては、以下のような項目が挙げられます。・体調不良が起こったときには速やかに横にする・静止した状態での立ちっぱなしの姿勢を3〜4分以上続けない・暑さは避け、水分補給を欠かさないようにする・登校する時間は本人の体調に合わせるようにする・登校を促すために、教師やクラスメートが迎えに行くことはストレスとなる可能性があるので、本人と保護者の希望を聞く・欠席が何日も続くようなときは、毎日の連絡は保護者の負担になることがあるため、行ける日の朝に連絡をするようにする適切なサポートをすることで、起立性調節障害を持つ子どもの精神的な負担は軽減することができます。実際にどのようなサポートを依頼するかについては、担当医とも相談して、学校側に伝えると良いでしょう。薬を使った治療は、非薬物治療を行った上で進めていきます。起立性調節障害の治療に使用される薬にはいくつか種類があり、ガイドラインではサブタイプごとに適した薬剤が掲載されていますが、効果は個人差があるので、必ずしもこれでなければならないというわけではありません。薬の種類は、主に以下のようなものがあります。・ミドドリン塩酸塩: 血管を収縮させて、血圧を上げる薬。起立直後性低血圧と対位性頻脈症候群の第1選択薬・アメジニウムメチル硫酸塩: 交感神経の機能を亢進させる薬。副作用として、起立時に頻脈を起こすことがある・プロプラノロール: アドレナリンなどの作用を弱め、心拍数を低下させて、血管を収縮させる薬。起立性調節障害では、対位性頻脈症候群だけに使われる効果が現れるまでに1〜2週間かかることもあるため、その点を子どもにも理解できるように説明しておきましょう。ミドドリン塩酸塩アメジニウムメチル硫酸塩プロプラノロール塩酸塩子どもが起立性調節障害と診断されたら、どんなことに気をつけたらいい?出典 : もしもご自身の子どもが起立性調節障害と診断された場合、まず気をつけたいのが「平常心を保つ」ことです。起立性調節障害の治療には時間がかかるため、「どのくらいで良くなるのか」「学校に行けるようになるのか」など、保護者が不安になってしまうことも少なくありません。起立性調節障害は体の病気であると分かっていても、不安を感じることはあると思います。しかし、不安から子どもを叱ってしまったり、イライラした気持ちを表に出したりしてしまうと、子どもとの関係が悪くなってしまうかもしれません。まずは平常心を保つという心構えを大切にした上で、日常生活のサポートをしていきましょう。毎日の生活の中では、起立性調節障害の治療の中で説明した、「非薬物療法(日常生活における注意点)」を工夫して行っていくことが大切です。起立性調節障害の子どもは朝起きるのが苦手なので、生活リズムの改善は難しいことが多いです。すぐに改善することはできないと理解した上で、子どものサポートを行っていきましょう。また、家族全体でルールを共有し、一定の生活パターンを送ることも有用です。テレビを見る時間を決める、夕食は全員で食べるなど、家族と話し合って可能なものからルールを作ってみると良いでしょう。それらの生活パターンが、子どもの体のリズムにも良い影響を与えてくれます。起立性調節障害を持つ子どもは、脳の血流量が少なくなっているため、授業に集中できずに学力が低下したり、欠席が続くと授業に遅れてしまうこともあります。起立性調節障害の場合、夕方から夜は比較的元気に過ごせることも多いです。学業面が心配な場合、学校に放課後の補習をお願いしたり、塾や家庭教師を活用したりしても良いでしょう。起立性調節障害の子どもをサポートする上で、子どもに無理をさせないこと、家族でしっかりと話をすることも大切なポイントです。保護者が良かれと思って、朝無理に起こしたり登校を促したりすることが、反対に子どものストレスとなってしまうことも考えられます。また、保護者が心配しすぎないようにしましょう。起立性調節障害の治療には時間がかかりますし、考えすぎると保護者も精神的に疲れてしまいます。治療やサポートは、子どものペースに合わせて進めていくことが大切です。まとめ出典 : 起立性調節障害は、気持ちの問題だと誤解されやすい病気ですが、体の病気です。人によっては治療が必要なこともあり、回復するまでに時間を要することも少なくありません。病気そのものの認知度もまだ低いため、起立性調節障害と診断されずに、苦しい思いをしている子どもや保護者も多くいると考えられています。適切な治療をすることで、起立性調節障害の症状は改善する可能性があります。もし該当する症状や心配な症状があるようであれば、診断が可能な小児科のある医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。起立性調節障害(OD)|日本小児心身医学会
2018年07月22日その言葉…可愛すぎ!「あーさんのマイワールド」にママはメロメロ広汎性発達障害の娘は、小学2年生。言葉が出るようになってきた幼稚園のころから、「そう受け取ったの!?」「そんな考え方!?」というような、娘ならではの発言が炸裂していました。私たち家族は、その世界を『あーさんのマイワールド』と呼んでいます。Upload By SAKURA私たちは娘の、ユーモアと愛がいっぱいな世界が大好きです。例えば、雨上がり…Upload By SAKURA特に虹を見て言う言葉は、私たち家族の中では、幼稚園のころからおなじみの発言でした。小学生になった娘、「虹ってなんで出るんだろう」…?親子二人で買い物へ出かけたある日のことです。虹を見つけた娘。おっ、例の名言、出るかな出るかな?Upload By SAKURA嬉しいような、寂しいような…ちょっとショックな親心Upload By SAKURA内心、いつものお決まりの言葉を期待していた私。予想もしていなかった娘の言葉に、驚きました。と、同時に、「もう2年生だもんね。たくさんの経験から、また変わった見方ができるようになったんだ…」ちょっぴり大人になった、娘を感じました。ところが、私が感傷に浸っていると…しばらく考えた娘…やっぱり出ました「あーさん語録」!Upload By SAKURAが…結局、「あーさんのマイワールド」は健在でした(笑)揺れる親心。変化を喜びつつ、今の娘の姿もしっかり残しておこう♡長く娘ならではの発言と世界観につかっていた私たちは、オリジナルな表現方法を、個性として受け止められるようになりました。その一方で、娘がだんだん一般的な考え方や言葉遣いをするようになってきて、物足りないと感じるようになってしまったのかもしれません。独特の目線で物を見て、周りが想像していなかったようなみずみずしい表現は、大きくなるにつれて、きっと落ち着いていってしまうのかな…。普段、娘の言葉の発達を促すため、発育を追いつかせるため、あーでもないこーでもないと療育している私ですが、「成長が嬉しい!」と感じる反面、親としては「寂しい!」と思ってしまいます。きっと、娘はこれからどんどん成長し、変わっていくでしょう。この時期の表現を、今のうちに思う存分楽しんでおこうと思いました。Upload By SAKURA
2018年07月18日小学校入学のタイミングで子どもの学習障害が明らかになることがあります。そもそも「学習障害」とひと言でいっても、その内容は様々です。学習障害とはどんなものなのか?改善するためにはどんな方法があるのかを探ります。学習障害を持っていても活躍をしている人は沢山います。子どもの将来を考え、子どのを育てる時なにが一番大事なことなのか、ママテナの記事から「学習障害」についてまとめました。●学習障害とは?学習障害とは、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、発達性協調運動障害というおもな4種類の発達障害のひとつです。「聞く、話す、読む、書く、計算する」など、特定の「学習」の基礎的な能力に困難を示す状態で「ただの勉強不足」と誤解されてしまうことも多いようですが、本の朗読でどこを読んでいるのかわからなくなるなどの詳しい症状です。▼続きはこちら▼●日本語では気が付きにくい「ディスレクシア」では学習障害はどのような状況で発覚するのでしょうか?その一つとして「小1プロブレム」があります。これは保育園や幼稚園から小学校への環境が大きく変わったタイミングで、小学校への不適応が見れらた事をキッカケに知能テストなどを受け、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害などと診断されるケースがあると専門家は指摘しています。▼続きはこちら▼●学習障害の疑いがわかるキッカケ小1プロブレムでは学習障害はどのような状況で発覚するのでしょうか?その一つとして「小1プロブレム」があります。これは保育園や幼稚園から小学校への環境が大きく変わったタイミングで、小学校への不適応が見れらた事をキッカケに知能テストなどを受け、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害などと診断されるケースがあると専門家は指摘しています。▼続きはこちら▼●学習障害改善のための方法発達障害と診断された場合、「療育」という障害をもつ子どもが社会的に自立することを目的として行われる治療と保育があります。医師の診察後、検査などでお子さんの状態を把握し、診断が出てから、作業療法士や言語療法士などによる訓練を療育センターで受けることになります。学習障害の対応は早い対応が大切です、学校に行ってもわからないことだらけになってしまい、だんだんと学ぶ意欲をなくし、「どうせ自分なんか」と自己評価も低くなってしまいます。中には学校に行きたくなくなってしまう子もいます。気になる事がある場合は、早い段階で相談し、子供の能力を伸ばしてあげたり、関わりを変えてあげた方が絶対にお子さんのためになる、と専門家は指摘します。▼続きはこちら▼●道具の利用学習障害を抱える子どもにとって黒板に書かれた事をノートに書き写すのが苦手な場合があります。このような場合、授業終わりに黒板をデジカメで撮影し、家でプリントアウトしてノートに貼る、などによって問題を解消する方法もあります。「できない」事を、道具の力を借りて「できる」ようにする方法にです。▼続きはこちら▼●学習障害をもった子どもを育てる一番大事なことアインシュタイン、トム・クルーズ、スティーブン・スピルバーグ、ジョン・レノンはディスレクシアでした。ミッツ・マングローブさんが「暗記が苦手だった」と告白しています。大きな功績を残してる人や第一線で活躍している人でも学習障害を持っている人はいます。学習障害を持った子供を育てる上で一番大事な事はなんなのか?専門家の意見です。▼続きはこちら▼
2018年06月11日「みんなが当たり前にできていることが自分にはできない」「ママ友とよく原因不明のトラブルになってしまう」…。発達障害が広く世間に認知されるようになり、「もしかして自分も?」などと感じている方も少なくないのではないでしょうか?そんな大人の発達障害(グレーゾーン含む)に悩む人のために、日常生活を上手に過ごすための具体的なノウハウを紹介したのが 「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本」 (翔泳社)。著書の村上由美さんは現在、言語聴覚士として活躍されていますが、実は4歳まで音声言語を話さなかったASD(自閉症スペクトラム)当事者です。そして、村上さんの旦那さんは、ASDに加えてADHD(注意欠陥・多動性障害)やLD(学習障害)の傾向もあり、大人になってからようやくそのことに気づいたそうです。そんな、当事者でもあり、家族でもあり、支援者でもある村上さんが、3つの視点から編み出した、発達障害の人が日々の暮らしがラクになるためのアイデアをうかがいました。お話をうかがったのは… 村上由美さん上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター(現・国立障害者リハビリテーションセンター)学院聴能言語専門職員養成課程卒業。重症心身障害児施設や自治体などで発達障害児、肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。現在は、自治体の発育・発達相談業務のほか、音訳研修や発達障害関係の原稿執筆、講演などを行う。著者に「声と話し方のトレーニング」(平凡社新書)、「アスペルガーの館」(講談社)、「ことばの発達が気になる子どもの相談室」(明石書店)、「仕事がしたい!発達障害がある人の就労相談」(明石書店、共著)、「発達障害の人が活躍するためのヒント」(弘文堂、共著)がある。■断捨離「モノが捨てられない」悩みを解決!――著書を読んで、「発達障害と長くつき合うのは、愛情じゃなくてスキルが必要」という言葉に「なるほど!」ととても納得しました。そのスキルをまとめたのが、本書というわけですね?村上由美さん(以下、村上さん):私は、かねてから、発達障害者の自立のカギは「時間、モノ、お金の管理ができること」と思っていて、最近ではそれに加えて「他人と協力できる場を持てること」「生き延びるための体力」も必要だと思っています。これらは、発達障害の人がこの三次元の世界で生きるための接着剤のようなもの。これらを介さないと、この世界の人やモノとは繋がれないので、それぞれの苦手項目を解決するためのスキルをまとめました。――今回はその中から、「モノの管理(片づけ)」についておうかがいします。というのも、発達障害グレー気味というママからは「片づけができない」というお悩みが圧倒的に多かったからです。村上さん:発達障害の人は、空間やモノへの捉え方が一般の人とは感覚的に異なるので、「片づけが苦手」という方がとても多いです。片づけについては、まず、自分にとってどういう状態が片づいているのかを明確にすることが大事です。例えば、ホテルのような整然とした部屋が良いのか、多少散らかっていても日常生活に支障がない状態なら良いのか、などというふうに。――確かに、人によって定義が全然違いますものね。でも、自分の片づけのイメージ通りに「モノを捨てられない(減らせない)」という悩みも多いようですが、これはどうしたら?村上さん:発達障害の人はモノの判断基準があいまいで、自分にとってのモノの役割を認識できていないため仕訳が苦手です。例えば、ADHDの傾向が強い人は、興味や関心に惹かれてつい使わないモノに手を伸ばしてしまいがちですし、ASD傾向が強い人は、そもそも片づけの意味や必要性を認識していないことや、人から押しつけられるとうまく断れず不要なモノが増えてしまうことも多いのです。発達障害の傾向が強い人は、自分の好みに合わないモノとつき合うのがそもそも苦手という特性を認識して、ある程度試してみて不要だとわかったら手放す覚悟が必要だと思います。――具体的な対処法としては?村上さん:まず、似たようなモノ同士をまとめます。集めたモノを比較すると、モノ本来の目的や自分の判断基準が明確になります。そこから不要なモノを間引きするのですが、判断に迷ったらいったん保留にし、モノ本来の評価と自分の感情を表などに書き出して整理しましょう。例えば、「使いにくいけど高価なモノ」は、モノ本来の評価は「使いにくい」、自分の感情は「高いから捨てるのがもったいない」になり、どちらが勝っているかがわかりやすくなるので決断しやすくなります。また、「〇〇したら使うかも」などと、条件つきで判断に迷うモノは、実際に使ってみることで結論がでます。例えば、「修理が必要なモノ」は「お金をかけて修理してまで使いたいのか?」「そこまでするのは面倒なのか?」で判断ができるはず。また、捨てるにはもったいないけど自分では使わないモノを処分するには、リサイクルショップや寄付などを利用するのが良いでしょう。 ■子どもの大量プリントやスケジュールはIT管理――家の片づけに加えて、子どもの片づけや学校の用意も加わって、お手上げ状態のお母さんもいたのですが、子どものモノの片づけはどうしたら良いでしょうか?村上さん:基本はどの片づけもだいたい同じなのですが、まず「この部屋で何をするか?」というルールを決めることが大事です。例えば、リビングは家族のパブリックスペースで、たくさんの個々人のモノが持ち込まれるので散らかりがちですが、「ごはんを食べる」「仕事をする」「勉強する」「遊ぶ」などと目的を決めると、だいたいの作業エリアが決まるので、そのために必要なモノを配置しやすくなります。子どもが勉強するなら、テーブル回りに筆記用具の引き出しや勉強本の棚を設置したり、それにまつわるモノが回る仕組みをつくります。また、子どもが片づけやすい状況になっているかも大事です。引き出しにラベルを貼って中身をわかりやすくしたり、きょうだい児がいる場合は棚を色分けするなど工夫しましょう。…とはいえ、子どもがいる場合は、そもそも整然としたホテルのような部屋を目指すのは難しいので、ある程度の妥協は必要だと思いますよ。――なるほど。また、子どもの片づけといえば、学校からの大量に配られるプリントの管理もありますが、こちらの対策は?村上さん:どんどんデジタル管理して、用済みの紙は捨てることです。紙情報は、処理して捨てるまでの流れを仕組みにしないと、どんどん積み重なって“地層化”になる一方ですよ。また、紙は検索できませんが、データなら検索できるのでとても便利。ちなみに、私はクラウド・サービス「 Evernote(エバーノート) 」を利用していますが、ほかにもプリント管理に便利なスマホのアプリなどたくさんあるのでぜひ検索してみてください。きょうだい児ごとにタグづけすれば簡単ですよ。また、IT管理は子どものスケジュール管理にも便利です。家族行事は、夫婦でGoogleカレンダーを共有し、子ども用には、プリントアウトしたモノを目につきやすいところに貼っておくことをおすすめします。子どもには、情報をITで理解するのはまだ難しいので、紙という具体化したモノで見せることが大事です。――スマホのアプリで管理するのは便利そうですね。村上さん:パソコンやスマホ、インターネットは、発達障害者にとっては三種の神器のようなもの。世の中のIT化により、社会の仕組みが発達障害の人たちが苦手とする三次元の世界から、得意な仮想空間の世界へとシフトしてきています。これらの情報機器をうまく活用すれば、生活の質を上げていくことができるでしょう。――ちなみに、ITオンチのお母さんはどうしたら良いでしょう…?(汗)村上さん:ITが苦手なお母さんは、トレイで管理することをおすすめします。目につきやすいところに「ママに渡すモノトレイ」を設置して、そこに子どもにプリントを入れてもらい、見たら即仕分けたり返事を書く、手帳やカレンダーに記入するというルールを決めましょう。また、子どもがちゃんとプリントを出せたら、たとえ内心、当たり前と思っていても、ちゃんと言葉に出してほめることが大事。できなかった時に叱るのではなく、できた時にほめることで、子どもにプリントを出す行動が定着します。■「お客様」意識のパパ、「私がやらなければ」意識のママ――なるほど。でも、いろいろお話をうかがって、これらを全部お母さんひとりでやるというのも大変ですよね…?村上さん:本当にその通りです。お母さんがやるのが大前提になってしまっていますが、これはお母さんだけの課題ではありません。協力して助け合うのが、家族の大事な役割なのですから。でも、日本の家庭は、たいてい奥さんが「プログラマー」になって細かくプログラムを組まないと、夫がうまく動いてくれないですよね(苦笑)。だから、「そんなの面倒くさくてやってられない!」と全部自分でやってしまうから、夫婦ケンカになってしまう。――おっしゃる通り(笑)。村上さん:私が思うに、多分、大半の夫は家庭に対して「お客様」感覚でいるのだと思いますよ。でも、夫は家族の一員なのだから、それは違いますよね? ですから、夫に家庭での「お客様」意識を改めてもらうことが必要です。そして同じように、お母さんも育ってきた環境や社会に求められて、家のことはすべて自分がやるものだと思いがちですが、そういう意識も変えていく必要があると思います。で、先ほどの、子どもができたらちゃんとほめるという話は、自分に対しても同じ。できて当たり前ではなく「できた私ってえらい!」と自分をきちんとほめてあげてくださいね。片づけや家事は「できて当たり前」と思われがちなうえに、消耗する行為が多いもの。でも、できて当たり前ではないこと、できたら自分をほめてあげる習慣をもつことで、自分自身にも片づけの習慣が定着するかもしれません。後編では、ママ友との「コミュニケーショントラブル」についておうかがいします。参考図書: 「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本」 (翔泳社)大人になってから発達障害の症状に悩む人が増加しています。ここ10年で「発達障害」の知名度が飛躍的に上がったことで、「もしかして自分も…」と成人になってから気づく人が増えたのが最大の要因と思われます。発達障害の人には、「同時並行作業力が弱い」「段取りが取れない」「ケアレスミスをする」「コミュニケーションが苦手」といった特徴があり、そうした症状に悩む人のために、上手に日常生活を過ごす方法を解説。イラスト/高村あゆみ取材・文/まちとこ出版社N
2018年05月24日発達障害があるなしに関係なく、子どもの就学は親にとって大きなイベントですが、障がいのある子を持つ親にとっては、就学先を考えることに加えて、さらにもうひとつ大きな問題があります。それは、放課後の過ごし方。学童に問題なく通える子はいいけれど、障がいの程度によっては、学童利用が制限されることがあります。そこで代わり通うのが放課後等デイサービス(※)です。筆者の息子(自閉症スペクトラム)も、来年は小学生。就学先と並行して、いろいろな施設を見学に行っている最中です。そんな中で知ったのが、パソコンを学んだりサッカーができるという 放課後デイサービス「あいだっく」 。普通の施設とは一風変わったプログラムを実施していることに興味を感じ、取材に行ってきました。代表の上田宏樹さんにお話を伺いました。※放課後等デイサービスとは、障がいのある就学児(小・中高校生)が放課後や長期休暇中に通うことができる施設のこと。対象は、障がいのある子ですが、障がい者手帳がなくても、専門家などから必要が認められれば通うことができます。単に預かるだけでなく、子どもが楽しんだり成長したりできる場所を提供したい―― 御社はもともと福祉系ではなく、様々なサービス業をしていますが、放課後等デイサービス(以下、放課後デイ)事業に参入したきっかけを教えてください。上田宏樹さん(以下、上田さん):私はサービス業が大好きで、世の中に独自の新しいことを作っていきたいという思いがあります。ある時、ふとしたきっかけで、放課後に行き場がなくて困っている子どもたちがいることを知り、「じゃあ、我々で居場所を作ろうよ」と、この事業に参入しました。―― はじめの放課後デイで、絵を描く「アトリエあいだっく」を始めたのはなぜですか?上田さん:それまで放課後デイ事業は、単なるお預かり事業のような側面がありましたが、弊社がやるならば単に預かるのではなく、子どもたちが楽しんだり成長したりできる場所にしたい、と思ったからです。そして、働くスタッフもやりがいを感じられるような働き方をしてほしいと思いました。もともと弊社がデザイン会社からスタートしたというのもあり、「子どもたちが自由に楽しく絵を描ける場所をつくろう!」と。民間独自のアイディアで福祉業界に新しい風を吹き込んでやろう! という意気込みもありましたね。―― 子どもたちは絵を描くことが大好きですものね。上田さん:それが、私たちの予想に反して、最初の頃はみんなぜんぜん絵を描かなかったんですよ(笑)。でも、スタッフの情熱と子どもへの上手な働きかけ、子どもたちの成長で、少しずつ興味を持ってくれる子が増えてくれました。「アトリエあいだっく」で子どもたちが描いた作品。ここでは絵画や工作などの作品作りを通し、時間や決められた流れに沿った集団行動を継続して行えるよう、サポートしている。 「アトリエあいだっく」詳細はこちら >> とはいえ、やっぱり絵には興味を持てず、体を動かす方が好きな子もいます。そこで、そういう子も楽しめるように、歌やダンス、楽器が楽しめる「スタジオあいだっく」を設立しました。「スタジオあいだっく」では、通常活動や年二回の発表会を通し、歌、ダンス、楽器を集団行動で行うことをサポート。仲間たちと協力し合いながら活動することで、他者との関わりや集団で行動することの楽しさ、思いやりの心を養う。 「スタジオあいだっく」詳細はこちら >> その後、パソコンが好きな子もいたので、生徒全員がパソコンに触れられる「パソコンあいだっく」も設立しました。「パソコンあいだっく」では、いろいろなソフトやハードを使用して、子どもたちが自分自身で「やりたいこと」を見つけて、タイピングの技術向上につながるようサポート。長時間課題に取り組める集中力も養える。また、作品発表や質問をすることで、自己主張や表現力の向上にもつながるという。 「パソコンあいだっく」詳細はこちら >> ―― 子どもたちのニーズに応えて、どんどん進化しているのですね! 月曜から金曜日まで、ワンパッケージで子どもたちはさまざまな体験ができますし、「あいだっく」として全体で情報共有して支援体制を考えられるのも、保護者にとっては心強いですね。上田さん:「はじめると決めたら赤字になってもつぶさない!」という覚悟で運営していますよ。飲食業のような他のサービス業と違って、運営が立ちいかないからといって、子どもたちを追い出すようなことは絶対にしたくないですからね。チャンスは、すべての子どもに平等であるべき―― 放課後デイの運営にあたって、「あいだっく」が大切にしていることは何でしょうか上田さん:子どもの表現方法の幅を広げることを大事にしています。障がいがある子たちは、いろんなことが制限されがちですが、そこを広げて、今までできなかった表現方法を見つけられる機会を提供できたらと思っています。例えば、パソコンに関しては、よく保護者から「パソコンの練習するんですか?」と聞かれるのですが、そうではなくてパソコンはあくまでツール。パソコンで小説を書く子もいますし、絵を描く子もいますし、動画を作る子もいますし、話すのは苦手だけどチャットならコミュニケーションがとれる子もいます。パソコンは “自己表現の幅を広げるきっかけ” にしてほしいと思っています。――なるほど。上田さん:他の子どもたちは、放課後は自分で自由に遊びにいけますし、習い事にも行けます。でも、障がいがある子たちは、行動が非常に制限されてしまいます。でも、同じ人として、それは違う。チャンスはすべての子どもに平等にあるべきだと思うのです。―― 本当にそうですね。お友達のお子さん(自閉症スペクトラム)で、水泳教室の入会を断られた方がいました。水泳は命に関わる危険もあるので、受け入れ側も体制が整っていない場合は難しいのかもしれませんが、こうして様々なチャンスが奪われてしまうのは非常に悲しく残念でして…。上田さん:だから、弊社は「サッカーあいだっく」も作ったのです。オリンピック開催が決まってこれからスポーツが盛り上がるという時に、他の子と一緒になって盛り上がれるように、と。また、サッカーをはじめたもうひとつの理由は、保護者のためです。自分の子どもの試合を観戦することは、親の最大の楽しみ。そんな機会がないことも、親にとっても機会損失です。試合をした時に、私が何より感動したのは、お母さんたちの熱狂具合でしたよ(涙)。ルールを守り、集団の中の一員という意識を持ちながら運動活動することを学ぶ「サッカーあいだっく」。サッカーを通して、探求心や協調性、コミュニケーション能力の向上を目指す。 「サッカーあいだっく」詳細はこちら >> いろんな人がいて当たり前な世の中になってほしい――「あいだっく」では、文化祭や卒業式などのイベントもしているそうですね?上田さん:成果がわかる発表の場があるというは、子どもにとってもスタッフにとっても、やりがいのあることだと思います。みんなとても張り切って楽しそうでした。卒業式では、毎年号泣してしまいますね。今、卒業後もみんなが生き生きとしたつながりを持てる場を作れればと、例えば劇団なんかどうだろう? といろいろ考えているところです。――「ただのお預かり施設にはしたくない」という上田さん思いが、ここにも表れているのですね。上田さん:正直、僕はこの事業をはじめるまで、障がいのある方と身近に接する機会がなかったんです。だから、みんなにはもっと外に出て欲しいし、まわりの皆さんにも知ってほしいです。隣にいろんな人がいて当たり前、そんな世の中になってほしいと思います。最近、盲目の方がR-1で優勝しましたけど、あんなふうに、障がいを持った人がどんどんいろんな場に出て、本人も笑いのネタにしちゃうくらいの自信を持って生きてほしい。そのために弊社ができることは何だろう? と、常に自分に問いかけています。取材に同席してくださった、現場責任者である柴岡康大さんからは、「『あいだっく』では障がい者手帳のあるなしにかかわらず、専門の相談支援員がさまざまな相談に電話でお答えしているので、いつでも気軽にお問い合わせくださいね」との心強いお言葉もいただきました。実際、診断が出ていないグレーゾーンの方からのお問い合わせはとても多いそうです。「すべての子どもに平等のチャンスを提供したい」という「あいだっく」の熱い思い、福祉業界の枠を超えて、世の中にどんどん広がっていってほしいと思います。 放課後デイサービス「あいだっく」 >> 相談支援事業所「あいだっく」 >> 取材・文:まちとこ出版社N[PR] 放課後デイサービス あいだっく
2018年05月23日