憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「骨」です。体表にある器官と違って、直接目にする機会がないのが骨や内臓です。とりわけ骨は、大きなケガなどをしない限り、普段は意識にのぼることすらないのではないでしょうか。けれど、日々私たちの体重を支えていて、活動のためにはなくてはならない存在。今回は骨について考えてみましょう。骨が属しているのは歯と同じ「腎(じん)」のシステム。腎は五臓の中でもとりわけ重要な働きを担うところです。ストーブのように熱を起こして体を温めるほか、水分の分配をコントロールするなどさまざまな役割を持ちますが、同時に発育や成長、生殖を司る場所でもある。つまりエイジングと密接に関係しているところなのです。よって腎が弱ると、熱配分のアンバランスによる足腰の冷えやのぼせのほか、やる気や記憶力の低下など、いわゆる「老化」と呼ばれる現象が起きてきます。骨が弱ることもそのひとつ。高齢者は転倒で骨折しやすくなりますが、これも腎の力の衰えによって骨がもろくなるからなのです。将来の体のことも考え、腎の養生を習慣に。人は腎のエネルギー「腎精(じんせい)」を先天的に持って生まれてきますが、何もしなければそれは、年齢とともにどんどん減っていきます。腎を健康に保つには、この目減りしていく腎精を補うことがカギ。いくつか方法がありますが、腎の衰えは下半身から現れるので、まずは腰から下を冷やさないようにします。通勤途中のウォーキングなどで適度な刺激を与えるほか、夜は湯船に浸かって一日の冷えを取り除くようにします。デスクワークで座りっぱなし、という人はぜひ習慣に。そして、補腎(ほじん)に欠かせないのがやはり食養生です。筋や骨を強くする「強筋骨」の作用がある食べ物を摂りましょう。山芋、カリフラワー、キャベツ、ぶどう、いわしにうなぎ、たこ、牛すじ。変わったところではクジラ肉もいいでしょう。いずれも腎精を増やすのに有効ではありますが、腎の補強は短時間ではできないので、日々コツコツと食べることを心がけましょう。年齢とともに腎は確実に弱っていきます。とくに女性のほうが骨粗鬆症のリスクが高いことは、西洋医学でも指摘されているとおり。若いからまだ大丈夫と油断せずに、腎を養う生活は早めに始めるのが得策です。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年9月23日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年09月21日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「喉の痛み」です。9月になりました。まだ暑さの厳しい日が続きますが、季節は少しずつ秋へと向かっています。空気が乾燥し始めるにしたがって、この時期からだんだんと増えてくるのが喉のトラブル。今回は喉の痛みの原因と対処法について、お話ししたいと思います。喉の痛みは何らかの炎症が起きているサインですが、漢方では炎症を「熱」として捉え、熱が過剰になるのは体内の潤いを表す「陰(いん)」と、「衛気(えき)」が不足しているためと考えます。陰が不足する要因はさまざまで、辛いものの食べすぎや過度なストレスによっても消耗しますし、陰は夜作られるため、睡眠不足も原因のひとつです。さらに夏は汗によって水分が失われがちですし、熱帯夜によって睡眠の質も悪くなりやすい。猛暑を経た夏の終わりは、実は非常に乾燥しやすい時期なのです。もうひとつの「衛気」は、生命エネルギーを表す「気」のひとつで、体表をバリアのように覆っている存在。食べ物の偏りや疲労によってこの衛気が不足すると、炎症を起こす邪気が体に入り込みやすくなってしまいます。この「気」を全身に巡らせるのは肺の役目なのですが、肺もまた乾燥に弱い部分。衛気=バリア力にとっても、乾燥は大敵だと心得ましょう。漢方薬に匹敵する、炎症を鎮める果物とは。ということでこの時期喉がいがいがしてきたな、と感じたら、まずは体内の乾燥を防ぐ養生を。中医学では喉の痛みには「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」という漢方薬を使うのですが、これと同じパワーを持つのが、これから旬を迎える梨。熱を抑える「清熱(せいねつ)」作用があるうえ、呼吸器系を潤す「潤肺(じゅんぱい)」の効果もあって、一石二鳥のフルーツです。生のままだと体を冷やすことがあるので、食養生的には蒸して食べるのがおすすめ。蒸し器で数分加熱すると、甘みも増しておいしくなります。ほかに菊花茶やミント、緑茶にも清熱作用が。香りの良いものにはストレスを鎮める効果もあります。熱をこもらせる辛いものや脂っこい食べ物は、喉が痛い時は避けたほうがいいでしょう。潤いが足りていない「陰虚(いんきょ)」体質の人は、たいてい舌が赤く、時にひび割れていたりするのが特徴。舌苔(ぜったい)もほとんどありません。当てはまる場合は乾燥しやすい体質であることを念頭に、ふだんから潤いを補う生活を心がけてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年9月9日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年09月08日年々、過酷さを増している夏の猛暑。体にじわりとしみる養生スープで、夏に溜まった疲れをデトックス。薬膳のエキスパートが伝授してくれました。身近な食材を使うスープで、熱や水分、ストレスを排出。涼しくなってきて体もラクに…と思いきや、なかなか疲れが抜けないという声が多いこの時期。国際中医師の資格を持つ料理研究家の石澤清美さんに、夏の終わりの疲労、いわゆる秋バテの原因と、ケアのための食養生を教わります。「まず、体に残った夏の暑さによって、活動の原動力である“気”が損なわれているのが大きな原因。緩和には、体に潤いを与えて熱を鎮める、とろみのある食べ物が効果的です。また、冷たいものの摂りすぎで気を作り出す役割のある消化機能、“脾(ひ)”が弱ってしまうことも原因のひとつ。水分代謝機能も低下するため、むくみなど重だるい疲れを感じるのが特徴です。この場合は豆など粒状の食材で、水分代謝を良くします」そして長引く猛暑に加え、自宅にこもりがちな生活によって生じたストレスも、疲労の一因に。「気の巡りが妨げられ、活動する気力が低下してしまいます。解消にはハーブなど香りの良い食材が有効。熱、水分、ストレス対策のいずれの食材も、秋口のこの時期は温かい料理、とりわけ消化の良いスープで摂るのが理想的です」「とろみ」で、熱を抑える。顔や手足がほてり、何だか落ち着かない…。そうした状態のときは、熱疲れの可能性大。体の中で水を生み出して熱を打ち消してくれる、オクラやモロヘイヤ、チーズなどのとろみのある食材を使ったスープで養生を。体を冷やしすぎないよう、必ず温かくして。オクラ、山芋、納豆の豆乳スープ熱を冷ましながら体を潤すオクラと山芋に、消化吸収を助けて気の補強にもなる納豆をプラス。少し温めた豆乳スープを加えてよく混ぜ、全体をとろりとさせてどうぞ。材料(2人分)オクラ…1パック(80g)長芋…150gひきわり納豆…50g鶏むねひき肉…100gA・水…100ml・酒(あれば)…大さじ1・おろししょうが…小さじ1・薄口しょうゆ…大さじ1/2豆乳…250ml作り方オクラは熱湯にさっとくぐらせ、へたを取って粗いみじん切りにする。長芋はスライサーなどで細切りにし、オクラ、納豆とともに器に盛る。鍋に鶏ひき肉を入れてAを注いでほぐし、中火にかける。煮立ったら弱火にしてあくを除き、2分煮る。豆乳を加えて煮立てない程度に温め、1にかける。よく混ぜてとろみをつけていただく。丸ごとトマトのモロヘイヤスープ暑熱を取り去る“解暑”効果が高いトマトは、やや火を入れてその効果をマイルドに。補気作用のある豚肉、水分を蓄えるねばり野菜と合わせてバランスよくいただきます。材料(2人分)トマト(小)…2個(200g)豚こま切れ肉…100g玉ねぎ…1/2個(75g)モロヘイヤ…1袋(80g)オリーブ油 または 好みの植物油…小さじ1A・水…400ml・白ワイン(あれば)…大さじ1・塩…小さじ1/3作り方トマトはへたをくりぬき、反対側に十字の切り目を浅く入れる。豚肉は1cm幅に刻み、玉ねぎはみじん切りにする。モロヘイヤは軸を除き、葉の部分を細切りにする。鍋に油を熱して豚肉と玉ねぎを炒め、肉の色が変わったらAを注ぐ。煮立ったら弱めの中火にし、あくを除く。トマトを加え、皮がはぜるまで、1分ほど煮る。モロヘイヤを加え、しんなりしたら器に盛る。トマトを崩しながら混ぜていただく。鮭と三つ葉のチーズスープ血行を良くして熱の偏りを防いでくれる鮭を、水分を補うチーズとエリンギ、玉ねぎ、気持ちを落ち着かせる三つ葉と一緒に。チーズはモッツァレラチーズを使っても。材料(2人分)生鮭…1切れ(150g)玉ねぎ…1/3個(50g)エリンギ…1パック(100g)三つ葉… 1袋(50g)オリーブ油 または 好みの植物油…小さじ2A・水…400ml・白ワイン(あれば)…大さじ1・コンソメ顆粒…小さじ1/3・塩…小さじ1/3シュレッドチーズ…20g作り方鮭はひと口大に切って塩(分量外)を軽くふる。玉ねぎは薄切り、エリンギは3cm長さに切ってから薄切りにする。三つ葉はざく切りにする。鍋に油の半量を熱して鮭の表面を焼きつけ、いったん取り出す。残りの油を熱して玉ねぎとエリンギをさっと炒め、Aを注ぐ。煮立ったら鮭を戻し、3分煮る。三つ葉を加えてひと煮し、器に盛る。チーズを散らし、余熱で溶かしていただく。石澤清美さん料理研究家、国際中医師、国際中医薬膳師。『ちょっと不調を感じたときのスープとドリンク』(誠文堂新光社)など、著書多数。※『anan』2020年9月9日号より。写真・中島慶子取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年09月03日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「秋バテ」です。冷温へ、体もそろそろシフトチェンジを。アイスクリームやアイスラテ、そばにそうめん。蒸し暑い日が続くと、冷たくて喉越しのよいものが欲しくなりますよね。一日の終わりの冷えたビールが格別、という人も多いことでしょう。これらも時々ならいいのですが、毎日となるとちょっと心配です。冷たいものは一時的に爽快感を与えてくれますが、実はそれ以上に体にダメージを及ぼすものでもあります。消化を司って、体を働かせるエネルギー、「気」を生み出す大事な場所である「脾(ひ)」は、冷えることが大嫌い。冷たいものの摂りすぎは、てきめんに脾を弱らせます。ただでさえ夏は、暑さに抵抗しようと体がエネルギーを消耗し、気が不足しやすい時期。一方で冷房によって外側から冷やされる時間も長く、それが脾をさらに失調させてしまいます。こうした生活が続くと体は徐々に元気を失い、気づくとだるさや疲れがいつまでも抜けない状態に。秋口に体調を崩すいわゆる「秋バテ」は、知らない間に積み重なった夏のダメージが大きな原因です。今のうちに汗をかいておくことも大事。秋のだるさや疲れを防ぐには、夏の間に気を回復させておくことがカギ。まずは気を作る工場、脾を弱らせる冷たいものを控えることが先決です。朝一番の冷たい水を白湯に替える、もりそばを頼みたいところを具入りの温かいそばにする、アイスラテは今日は我慢…。そんなちょっとした心がけで、脾は調子を取り戻していきます。そして毎日の食卓に、気を補う食べ物を増やしましょう。米や芋、大豆のほか、えびやかつお、まぐろなどの魚介類、きのこもいいですね。この時期においしいものは全般的に補気の作用が強く、おすすめ。よく噛んで食べることも、脾を休めるために大切です。また、冷たいものを好む人は、汗をかくことを嫌う傾向にあります。適度に発汗できていないと体には熱がこもり、その熱が陰(いん/潤い)を浪費するため、かえって乾燥しがちに。喉や肺が乾燥すると、秋に風邪をひきやすくなります。今のうちに、入浴で汗をかく習慣をつけておきましょう。8月もそろそろ終わりです。まだ暑いのでつい夏の感覚で過ごしがちですが、自然界では秋への準備が始まっています。体もそれに合わせて徐々に「秋支度」を。冷やさない生活を、早めに始めてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年9月2日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年08月26日“身につける養生”をコンセプトに、自然な身体の在り方と、こころに作用する美しさを大切にした、女性のためのプロダクトブランド「RELIEFWEAR」が2020年8月1日にデビューします。(所在地:東京都小金井市、代表:鳥羽由梨子)第1弾のプロダクトは、ゴムの入っていないしめつけない履き心地のKAIHŌSOCKS(カイホウソックス)。全ラインナップを公開しました。■第1弾プロダクト発売KAIHŌSOCKS第1弾は、ゴムの入っていない、身体を「ゆるめる」ための靴下KAIHŌSOCKS。新潟の「くつ下工房」の職人がご両親の介護用に制作した独自の仕様をべースに制作した、しめつけのない心地よさを追求した靴下。KAIHŌSOCKSは3種類、各7色展開。糸の風合いを生かすため、昔ながらの低速の編み方で、効率的とは言えない方法をあえて取り、制作しています。だからこそ、他にはない特別な履き心地が生まれています。一度履くと足がその心地よさを覚えているような、手放せなくなる靴下です。KIHON/¥1,800+税【むくみ・冷えやすい人に】しめつけない製法に、二重仕立てで足首を温めます。一度履くと手放せない、ストレスのない履き心地です。まずこの履き心地のよさを味わってほしい1足。TSŪKI/¥2,000+税【ムレ・冷えやすい人に】しめつけない製法をベースに、前面を汗や水分を放出しやすいメッシュ編みにすることで、吸湿性・放湿性があります。SHINSHUKU/¥2,200+税【リラックスしたい人に】たっぷりの糸で凸凹編みすることで、伸縮性と空気の層を生み、よりゆったりした履き心地と自然な保温力があります。お風呂上がりやおやすみ前のひとときに。3TYPESET/¥5,500+税KIHON、TSŪKI、SHINSHUKUの3タイプの靴下が各1足ずつ入っています。どの靴下の履き心地も試してみたい方に、おすすめのセットです。■RELIEFWEARの特徴1“身につける養生”がコンセプト。日本古来からの身体観に基づいた独自の衣服の在り方を提案。2ととのえる・ゆるめるを製品開発の軸に、着ることで自然な身体の在り方を意識でき、すこやかな状態へ導く。3製品販売だけでなく、身体とこころの養生法を紹介するWEBメディア『養生通信』にて、セルフケアに繋がるヒントや情報を提供し、すこやかな日々を過ごせることに貢献。■立ち上げ背景“人生100年時代”に代表される健康寿命への関心の高まりや、誰もが予期しなかったコロナウィルス禍による暮らし方・働き方の変化により、心身への価値観や幸福感は、“より自分らしいすこやかさ”の在り方を見つめ直す転機にあると感じます。代表である私自身も含め、特に大人の女性たちには、心地よく解放的でいられる製品や、自分自身ですこやかさを保つセルフケアの情報が求められていると考え、「身につける養生」をコンセプトにしたRELIEFWEARを立ち上げました。■今後の展開第2弾発売は、身体を「ととのえる」ため、体幹を意識できる仕様のボトムスを今秋発売予定。また、RELIEFWEARのWEBメディア『養生通信』では、忙しい現代女性たちが、日々すこやかに、自由にみずみずしく過ごすための養生法や身体とこころにまつわるコラム・インタビューなどのコンテンツを今後お届けしていきます。WEB サイト公式インスタグラム企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年08月06日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「疲れ目」です。長時間パソコン作業をしたあと、ひと休みしようと手に取るのがスマホ。そんなふうに、一日じゅう目を酷使している現代の私たちにとって、目のかすみや疲れ、乾きなどのトラブルは、つきものといえます。目の疲れからくる頭痛や肩こり、不眠などに悩む人も少なくありません。中医学では、目をたくさん使うことは体を構成する「気血水(きけつすい)」のうちの「血」の消耗を招くと考えます。血は体に栄養を巡らせて潤し、また精神を安定させる働きもある大切な要素。足りなくなると皮膚や髪などの乾燥だけでなく、イライラなどメンタル面にも影響を及ぼします。さらに、目は五臓のうちの「肝(かん)」とつながっている器官。肝は、血を一時的に溜めて浄化すると同時に、血によって養われている場所でもあります。したがって、目の酷使によって血を消耗すると肝も弱り、それに関連したトラブルが起きやすくなる。お腹にガスが溜まる、生理前に胸が張る、などは代表的な肝の不調のサイン。目の疲れとともにこうしたトラブルがあるようなら、肝からのSOSと考えましょう。菊花茶とクコの実をデスクに常備して。血の消耗を防ぎ、肝を養うためにも、目の疲れを感じたら放っておいてはいけません。少しでも目を休めるのが先決です。無意識にスマホを手にするクセのある人は、食事の間や夜のリラックス時には電源をオフにする、といったことから行動を。シンプルなことですが、画面を見る時間を減らすことが、何よりの目の養生になります。そして、パソコン作業中の疲れ目におすすめなのが菊花茶とクコの実。どちらも目に栄養を巡らせて養う力があり、「飲む目薬」といわれる漢方薬、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」にも使われています。菊花茶は、最近は通販などでも手に入るよう。飲みにくく感じたらウーロン茶などと混ぜてもいいでしょう。クコの実も、コンビニで売っているドライフルーツミックスに入っていたりと、身近になりつつある食材。デスクワーク中のおやつにいかがでしょう?また、ホットタオルで目を温めたり、目頭にある「晴明(せいめい)」やこめかみの「太陽」というツボを刺激したりするのも、血を巡らせて目を休めるのに有効。日頃、気づかないうちに負担をかけているのが目です。こまめな養生を心がけてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年8月5日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年08月04日俳優の常盤貴子さんがつけているバングルが『養生テープ』にしか見えないと話題になった、2020年7月23日。きっかけは、同日放送のバラエティ番組『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)での常盤さんの出演シーンが、Twitter上に投稿されたことでした。画面越しに見るバングルは、光沢感や形が確かに養生テープにそっくりだったためネット上で話題を呼び、「似ている」と指摘した投稿は1万件以上もリツイートされたほど。ついには本人の耳にも届き、翌日の24日、常盤さんが自身のInstagramで驚きの投稿をし、再び話題を呼んでいます。常盤貴子のノリのよさに「ジワる」「すごい笑った」の声CMの衣装合わせ中の様子をInstagramに投稿した常盤さん。その腕には、なんと話題になった養生テープそっくりのバングル…ではなく、本物の養生テープが! View this post on Instagram A post shared by 常盤貴子 (@takakotokiwa_official) on Jul 24, 2020 at 12:54am PDTファンからの「右腕にはめているものは?」というコメントに対して、常盤さん自身が「お借りした養生テープです。イヒヒヒヒっ」と返信しており、これは完全に狙ってます…!【ネットの声】・常盤貴子さん本人が本当に養生テープをはめてくれているので、すごい笑ってる。・常盤貴子さんのInstagramの写真は、養生テープが話題になったのを知っているからあげてくれたのか。・常盤貴子さんが、養生テープを自らネタにしてるの最高。茶目っ気たっぷりのジョークを飛ばした常盤さんに、多くの人が心をわしづかみにされてしまった様子。本人公認となったことで、しばらくの間、養生テープを腕にはめるブームが続く…かもしれません![文・構成/grape編集部]
2020年07月27日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「食欲減退」です。つい増えがちな冷たいものと早食いが原因。夏になると食欲がなくなる、という悩みをよく聞きます。でも、高い気温が直接食欲を抑えるわけではないし、そもそも暑くても食欲がなくならない人もいますよね。中医学では、夏の胃腸=脾(ひ)の不調は、まずは水分や冷たいものの摂りすぎで起こると考えます。さらに冷房による冷えが重なり、ますます胃腸は動かなくなります。異変に気づいたら、すぐに“温める”生活にスイッチしましょう。冷たいものは摂らない、お風呂でお腹を温める、冷房の影響を受けない服装を心がける。どれも地道ですが、徹底することで、胃腸は自然と良い状態を取り戻していきます。それでも、冷たい麺を食べたい日もあるでしょう。そんなときは、体を温めるしょうがやねぎ、しそなどをたっぷり添えるようにしてください。そして、よく噛むこと。実はこれがとても大切なんです。基本的なことですが、消化器のうち、食べ物を細かく刻むことができるのは歯だけです。胃の中の消化液はあくまで化学物質なので、入ってきたものをすり潰す作業はできない。食べ物をよく噛まないで飲み込むと、胃は粘膜と筋肉を一生懸命動かして消化液と混ぜ合わせなければなりません。水と一緒にビニール袋に入れた固形物を混ぜることを想像すると分かりやすいのですが、固形物が大きいほど、混ぜ合わせるのに時間も労力も必要ですよね。早食いは胃腸に負担をかけるだけでなく肥満にもつながり、体にとっていいことはありません。口はミキサーの役割を担うところ。そんな意識で、ゆっくりと噛むようにしてください。脾を養う力がある、あの野菜を積極的に。そうして食欲が戻ってきたら、普段から脾を丈夫にする「健脾(けんひ)」の働きがある食材を摂るのもよいでしょう。代表格はキャベツ。有効成分の名がついた胃腸薬が有名ですね。もちろん生ではなく、火を通して食べるようにしてください。さつまいもやにんじんも、脾を養ってくれる食べ物です。反対に、脾が弱りやすい人におすすめできないのは、海藻以外のねばねば食材。おくらや山芋は生で食べることも多く、避けるのが無難です。暑いときこそできるだけ温かいものを選び、よく噛んで食べる。シンプルな養生ですが、続けることで胃腸の調子は上向きになっていきますよ。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月29日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月23日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「低気圧」です。低気圧が近づくとだるい、眠い、頭が痛いといった不調を訴える人が時々います。こうしたトラブルは「気象病」とも呼ばれ、最近注目されているようですが、中医学的にも気圧の変化は外界からの刺激のひとつ。体調を左右する要因と考えられます。気圧が高いときは体にも圧がかかるため、体はタイトに保たれます。反対に、低気圧が来ると圧が弱くなって、体はゆるむ傾向に。このとき、健康であれば体表にあるエネルギー=気が圧着タイツのように体を守ってくれるので不調は起こりませんが、気が足りないと体が外へと膨らみ、むくみや疲れなどのトラブルを生じます。この体表にある気、「衛気(えき)」が少ない人は、その他の外界の変化にも敏感です。風邪をひきやすい、アレルギー気味である、汗をかくといつまでもダラダラと止まらない。普段からそうした傾向があるようなら、衛気が低下している可能性大です。また、水分を過剰に摂っている人も低気圧の影響を受けやすいようです。体に余分な湿気=湿邪(しつじゃ)が溜まると、体は当然むくみやすくなり、それが重さやだるさなどの不調に。水分の摂りすぎは胃腸にも負担をかけるため、エネルギーを作り出す力が弱くなり、さらなる気虚(ききょ)につながります。餅やおこわ、えのきで、体のバリア力を高める。気圧の変化によって調子が悪くなるという人は、衛気が不足していないか、体の水はけが悪くなっていないか、その2点をチェックしてみてください。その上で、衛気が足りないと感じたらまずはエネルギーを取り込む生活にシフトチェンジ。疲労を払拭するために、少しでも長く眠りましょう。とくに夏は明るくなるのが早いので、睡眠時間を確保するためには早めにベッドへ。そして、餅やおこわ、えのきなどで気を補います。とくに餅は、胃腸に問題がなければ、気を補強する効果が高いのでおすすめです。水分コントロールは、水を飲みすぎないことも大切ですが、水分を発散できているかどうかにも注目を。一日中エアコンが効いた室内にいた日は、お風呂で発汗するようにします。むくみによる冷え解消にももちろん有効です。夏は台風の季節です。最近は大型台風も頻発していますし、油断大敵。気候によるトラブルを抱えている人は、どうぞ体調も早めの備えを。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月22日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月15日中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「スポーツ」です。筋肉を整えるなら、胃腸=脾(ひ)の養生を。薄着の季節になりました。体を引き締めるべく、運動を始めたいと思っている人も多いのではないでしょうか?今回は、筋肉を整えるための養生について考えてみましょう。以前、中医学では体の働きを「肝」や「心」などの「五臓」に分けて考えるとお伝えしました。それぞれ西洋医学の概念とは少し異なる働きがあって、体の各器官も五臓のいずれかに属すると考えられています。中医学では筋肉を「肌肉(きにく)」という言葉で表しますが、この肌肉が属しているのは「脾」。何度か出てきましたが、脾は消化・吸収を司る場所です。つまり、筋肉の健康には、胃や腸が重要な役割を果たすというわけです。胃腸と筋肉がつながっているとするところがユニークですが、思えば当然のことかもしれません。例えば筋肉を作るにはタンパク質が必要ですが、いくらいい食材を摂っても消化・吸収ができなければ、ただの不要物。かえって体の負担になってしまいます。筋肉をつけて体を引き締め、肌も整えたいというなら、胃腸がしっかり働ける食べ方が大切なのです。いつもお伝えしているように、脂っこいものや味の濃いもの、辛いもの、甘いものの食べすぎに気をつけて、火を通した野菜を多めに摂る。その基本を、ぜひ思い出してください。消耗を避けることも、大切な養生のひとつ。気や血の巡りが良くなり、汗をかくことで邪気を追い出す効果もあったりと、中医学でも、適度に運動することは日常的に取り入れたい健康法です。しかも、秋や冬が体の内側にエネルギーを溜め込むべき季節であるのに対し、春と夏は発散のシーズン。今は運動に向いている時期といえます。一方で何ごともニュートラル、中庸であることが望ましいとするのが漢方です。激しい運動はかえって気や潤いを消耗し、健康を損ねると考えます。とくに暑さ、「暑邪(しょじゃ)」に狙われやすい夏場に運動する際は、事前の備えを忘れずに。芋や豆、牛肉など気を補う食材を摂るように心がけ、すいかやきゅうり、豆腐など陰=潤いを生む補陰(ほいん)食材を運動前に摂りましょう。テレワークの浸透などで運動不足気味の人が増えつつある昨今です。胃腸を整え、暑さに気をつけながら、無理のない範囲で。この3つを念頭に、気持ちよく体を動かしたいですね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月15日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月09日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「辛いもの」です。暑いときほど、なぜかカレーやタイ料理など辛いものが無性に食べたくなる。そんな声をよく聞きます。これはある意味、理に適った行動なのですが、ちょっとした注意点もあります。今回は、夏の気候と辛い食べ物のお話を。中医学では、味わいは「酸(さん)・苦(く)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん)」の、五味(ごみ)と呼ばれる5つのカテゴリーに分けられ、それぞれに働きが異なると考えられています。例えば甘には緊張をゆるめたり痛みを和らげる作用があり、酸とともに摂ると潤いを生んでくれるものでもあります。また、苦みは熱を冷ます効果を持っています。辛の働きはおもに、「発散させる」こと。温度も湿度も高いときは体に水分が停滞しやすく、だるさや下痢などの原因になりますが、その余分な水分を発汗で追い出してくれるのが唐辛子などの香辛料です。ピリ辛料理は、夏の体が自然と求めるものといえます。ただし、だからといって辛いものをむやみに摂るのは考えもの。中国には激辛で有名な四川料理がありますが、四川省は亜熱帯地域に属する盆地で、高温多湿な土地です。夏の過酷な気候を乗り切るために、昔から唐辛子をたっぷり使った料理が欠かせなかったのです。日本、とりわけ都市部で同じように食べるのは、少々ゆきすぎ。辛は過剰になると体に熱をこもらせ、ほてりを生じたり、潤いを消耗して乾燥体質を招いてしまいます。五味は本来、バランスを考えながら摂ることが大切です。顔の上気がなかなかおさまらない、肌がかさつく…。辛いもの好きでそんな不調がある人は、頻繁に食べすぎていないか見直しを。香辛料+補陰(ほいん)食材が。麻婆豆腐は理想の一品。辛い料理を上手に楽しむには量の加減ともうひとつ、熱を冷ましつつ陰(いん)=潤いを補給する食材を組み合わせることがコツです。代表的なのがトマトや、きゅうりなどの瓜類。豆腐などの白いものにも、補陰効果があります。そう考えると四川料理の代表格である麻婆豆腐は、実は理想的な料理。唐辛子に豆腐を合わせているうえ、豚肉も陰を補う食材です。麻婆茄子に使われる茄子も、同じく体を冷まして潤いをもたらすので、おすすめです。水分を発散させる利点を生かしつつ、ブレーキをかけてくれる食材も上手に取り入れる。そんな食べ方が、夏の辛い料理のポイントです。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月8日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月04日プレゼント付きの漢方養生講座7月8日、千葉県習志野市谷津にあるLoharu津田沼の1階にて、誠心堂薬局による女性のための中医学健康セミナー「紫外線対策 ~夏のお肌の日焼けやシミ対策に夏肌養生~」が開催される。誠心堂グループは、体質に合った漢方薬をオーダーメイドで提案している漢方相談薬局、薬店、鍼灸院を東京都内、千葉県内に20店舗展開しており、公式通販サイトでも顧客の健康と美容を支えている。セミナーでは、アジアンヨガインストラクターで中医学アドバイザーの譚克菲(タンケイフェ)氏が講師を担当。先着4名の予約制で、参加費は500円であり、テーマに合わせたお土産付きとなっている。「漢方的紫外線対策」で肌のターンオーバーを促進紫外線の量、強さともにピークとなる7月。紫外線対策にはUVケアや日傘などが必要となるが、紫外線の刺激により生成されたメラニン色素がスムースに排出されないと、シミの原因になってしまうかもしれない。この日のセミナーでは、「漢方的紫外線対策」がレクチャーされる。ツボやストレッチなどで、肌のターンオーバーを促進、肌質改善を図る。なお、主催者は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、当日に検温の上、37.5℃以上の発熱がある場合には参加を控えるよう求めており、会場では、手洗いやマスクを着用するなどの一般的な感染症対策に努めてほしいとしている。なお、会場には消毒液が用意される。日時: 7月8日(水) 15:00~16:15(開場14:50)場所: 誠心堂津田沼店千葉県習志野市谷津7-7-1 Loharu津田沼1階費用: 500円定員: 先着4名申込: 受付中(誠心堂薬局のサイトより引用)(画像は誠心堂薬局のサイトより)【参考】誠心堂薬局 開催・協賛・漢方養生セミナー
2020年06月29日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「ほてり」です。今年も暑い夏がやってきますね。考えただけでぐったり…という人も多いのではないでしょうか。夏の暑さは漢方では「暑邪(しょじゃ)」といって、自然界に存在する「熱邪(ねつじゃ)」のひとつ。長くさらされると体に熱がこもり、ほてりやのぼせなどを生じます。涼しいところで休めばたいていの場合は対処できるのですが、このとき体を守る「気」が弱っていたり、不調があるのに無理に活動を続けると、より強力な「火邪(かじゃ)」の侵入を招いてしまうことがあります。こうなるとさらに熱がこもり、最悪の場合はオーバーヒートが起こることも。これが、いわゆる熱中症と呼ばれる状態です。実は、夏はもともと体内に熱が溜まりやすい時期でもあります。中医学では体の働きを「肝(かん)」や「腎(じん)」など「五臓」で表しますが、五臓にはそれぞれ呼応する季節があり、夏に元気になるのは「心(しん)」。心は、気や血を体に巡らせるポンプのような存在です。これが活発に働くことで熱がたくさん生産され、体にこもりやすくなるのです。天然の「白虎湯(びゃっことう)」、スイカを食後の習慣に。内側でも熱がたくさん作られるうえ、高い外気温によっても熱が増えやすいのが夏の体。熱がこもった状態が続くと、熱中症のような疾病につながることもあります。熱を溜めない養生を、早めにスタートさせましょう。まずは、体を極力熱邪にさらさないようにすることが基本です。帽子や日傘で太陽の熱をシャットアウトする、室内の温度調整が難しいときは無理をせずにエアコンを使う。どれも、夏になると必ず言われることですね。プラス、漢方的養生として心がけてほしいのは、脂っこいものや甘いもの、味の濃いものを控えること。「肥甘厚味(ひかんこうみ)」と呼ばれるこれらの食べ物は体に熱をこもらせる作用があるからです。反対におすすめしたいのがスイカ。体の熱を取るのによく使われる「白虎湯」という漢方薬があるのですが、スイカはそれに匹敵する「清熱(せいねつ)」作用があり、“天然の白虎湯”と呼ばれることも。朝出かける前や、食後の熱がこもりやすいときに口にしておくとよいでしょう。ただしキンキンに冷えたものは胃腸の負担になるので、なるべく常温に近い状態で食べてくださいね。今年の夏至は6月21日。それを過ぎるといよいよ夏本番です。熱邪を寄せ付けない養生で、どうぞ健やかに。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年6月24日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年06月17日中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「汗っかき」です。今年も汗が気になる季節がやってきました。体温調節のために必要不可欠なものですが、一方で中医学では、必要以上に汗をかくような場合は、体のどこかに不調があると捉えます。漢方的に注意するべき汗のかき方は、大きく分けて2つあります。ひとつめは「自汗(じかん)」といって、だらだらと汗が止まらなくなる状態。暑いところから涼しい場所に移ってもすぐに汗が引かず、いつまでも出続ける…などが典型的な症状です。これは「衛気(えき)」と呼ばれる、体表にある気の活動が低下していることが原因。衛気は体を守るバリアのような働きをしていて、毛穴を閉じたり開いたりする役目も担っています。この衛気が働かないと汗腺が開いたままになり、体液がどんどん出ていってしまう。同時に外からの邪気も入りやすくなるため、風邪をひきやすくなったり、花粉症がひどくなるなどの不調も起こり得ます。衛気を養うには、体全体の「気」を底上げするのが早道。少しでも早めに眠るようにして、まずは体をしっかり休めましょう。その上で気を補う食材であるしいたけなどのきのこ類、さばやいわしといった青魚を。今が旬のさくらんぼやさやいんげんのほか、甘酒にも「補気(ほき)」の作用があります。実は寝汗も要注意。体の潤い不足を疑って。もうひとつ、不調の兆候として挙げられるのが「盗汗(とうかん)」。睡眠中にかく汗のことで、いわゆる寝汗を指します。夏は寝汗をかきやすいシーズンですが、室温調節をしてもびっしょりと汗をかくようなら要注意です。盗汗が生じる原因は、「陰虚(いんきょ)」。これまでも何度か出てきましたが、潤いが不足している状態です。熱を抑える陰が足りないために熱が体内にこもってしまい、過剰な発汗につながる…というのがその仕組み。汗のトラブルとともにほてりやのぼせがある場合は、この陰虚を疑います。陰を補うには、いかや、ほたての貝柱、かきなどの貝類のほか、アスパラガスやおくらがおすすめ。ふだんは体を冷やすために控えたいトマトやきゅうりといった夏野菜や、ヨーグルトも、盗汗対策には良いでしょう。汗を大量にかくことは、「水分代謝がいい」など健康なイメージがあるようですが、必ずしもそうとは限りません。汗とともに他の不調にも悩んでいるなら、どうぞ早めの養生を。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年6月17日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年06月10日中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「夏冷え」です。体の中心を温めて、夏の冷えを撃退。気温も湿度もさらに高くなるこれからの時期、一気に増えてくるのが「夏冷え」の悩みです。かつては夏の健康問題といえば暑さから来る「夏バテ」がメインでしたが、いまは一日を通して冷房が効いた空間で過ごす時間のほうが長い時代。加えてコンビニや自販機などで、冷たいものがいつでも手に入ります。外気温が高くても体は冷える一方なのが、いまの生活です。手足の冷えを自覚する人が多いようですが、実は内臓も相当冷えています。内臓の冷えは疲労をもたらすだけでなく、体の抵抗力を下げて夏風邪などを引き起こす「邪気」を呼び込む一因にも。本格的に冷房シーズンに突入する前の対策が肝心です。夏冷えを自覚している人は早めに養生を始めましょう。冷え冷えの室内では、お腹と腰にカイロを。まずはできるだけ体を冷気から守ることが必要ですが、なかでも大切なのがお腹を冷やさないこと。中医学で腹部は「血」が集まる「血府」のひとつであり、ここを温めることで体じゅうに温かな血を巡らせることができます。冷房の効いた部屋に一日いる必要があるときは、お腹にカイロを。このとき、熱の生産を司る「腎(じん)」がある腰にもカイロを貼るとさらに良いでしょう。体全体を効率的に温めることができます。一日の終わりには、短時間でいいので湯船で体を温めるのがおすすめ。冷気は、放置すると徐々に体に溜まっていきます。その日の冷えはその日のうちに取り除くのが養生のコツです。ナイトウェアも、お腹を冷やさないものを。腹巻きはお腹も腰も温められる、夏冷え予防にぴったりのアイテムです。ぜひ習慣にしてみてください。そのだるさや疲れは、冷たいものが原因かも?そして、冷えた飲み物などはやはり控えるのが賢明。胃腸を司る「脾」は体を守る気を作る工場でもあるのですが、冷たいものの摂りすぎはこの脾をてきめんに弱らせます。結果、最初にお伝えしたように、抵抗力が落ちて邪気が入りやすくなってしまうのです。人間の体は本来、自然界にある季節の食べ物を欲するようにできています。アイスクリームやキンキンに冷えたビールは、いわば人工物。つい手が伸びる時期ではありますが、毎日となると胃腸には大きな負担をかけてしまうことを、どうかお忘れなく…。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年6月10日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年06月03日中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「歯と歯茎」です。毎日きちんと歯を磨いているのに虫歯になりやすいという人が時々います。お話を聞いてみると、必ずしも甘いものを食べすぎているというわけではない。こうしたケースではまず、「腎(じん)」が弱った状態、「腎虚(じんきょ)」を疑います。中医学では歯は、骨と同じカテゴリーに属します。骨は腎の管轄なので、歯の状態も腎が司っているということになります。歯を健やかに保つには、腎を丈夫にすることが大切なのです。以前、「髪の傷み」のときにもお伝えしましたが、腎には水分を体内に適切に配置して冷ます作用(腎陰[じんいん])と、体を温める役割(腎陽[じんよう])いう、拮抗する働きがあります。この2つのバランスがうまくとれていないとさまざまな不具合が生じることになりますが、最も象徴的なのがのぼせと冷えです。腎陰が不足すると体に熱がこもり、一方で腎陽が足りないと冷えてしまうのです。虫歯になりやすく、のぼせまたは冷えがある、あるいは両方を繰り返すというなら、まずは腎を養生することが先決です。黒い食べ物とお散歩で、腎を養って歯を丈夫に。腎を養う食べ物はいろいろありますが、とくにおすすめしたいのが種実類です。黒ごまや黒豆、小豆、くるみ、栗。しっかりと噛んで食べられる点でも、歯を丈夫にするのに役立ちます。また、腎の衰えは主に下半身に表れます。ウォーキングなど適度な運動で刺激を与えるほか、腰から下を冷やさない心がけもぜひ。夏も湯船に浸かることが大事ですが、時間がなければ足湯をしたり、ふくらはぎを丁寧にマッサージをするのもよいでしょう。脾(ひ)をいたわる食事で、歯茎の炎症を予防。歯肉の炎症など歯茎の悩みに対する養生法は、歯と少し異なります。歯茎は筋肉の仲間であり、胃腸と同じ「脾」に属するもの。脾を弱らせるのは、生ものや冷たいものです。それらが過剰になると胃腸の働きが低下して代謝エネルギーが作られず、ねばねばとした不要物が溜まって、歯茎にも悪い作用を及ぼすのです。心当たりがある人は、まずは胃腸ケアを。朝はヨーグルトやスムージー、お昼にサラダ…という食生活を見直しましょう。いつもお伝えしているように、温かく水分を含んでいて、やさしい味付けの料理。それを基本にしてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年6月3日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年05月28日中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「ニオイ」です。疲れているときや、不摂生が続いたとき。いつもより体のニオイが強いな、と感じることはありませんか?ニオイも、体からの大事なサイン。今回は中医学から見た「体臭」と、その養生法についてお話しします。不快なニオイは多くの場合、体の中に不要物が溜まり、それが熱と結びついて生じる「湿熱(しつねつ)」によって引き起こされます。その一番の原因は、これまでも何度かお伝えしてきたように、食生活の偏りです。「肥甘厚味(ひかんこうみ)」といわれる脂っこいものや甘いもの、味の濃いもの、それにお酒。これらを摂りすぎると体内に熱と不要物、湿気が溜まって発酵のような状態になり、ニオイのもとであるどろどろとした病理産物、「痰湿(たんしつ)」を作り出してしまうのです。さらに、ストレスによって気の巡りが鈍くなると、痰湿が体に停滞する時間が長くなり、より強いニオイを生むことに。これが、食事の偏りやストレス、疲労によって体臭が強くなってしまう仕組みです。あっさり味の食事を、毎日のベースに。予防するにはやはり、食べ方を見直すことが先決。先に挙げた肥甘厚味を避けることが一番です。でもそれはラーメンや牛丼、カレーを絶対食べてはダメ、ということではないのです。必要なのは、普段の食事のベースを整えること。普段は温かくて消化が良く、さっぱりした味のものを中心にしながら、時々はお酒や甘いもの、味の濃いものも楽しむ。そんなふうにうまくバランスがとれるとよいですね。熱を鎮めて痰湿を取り除いてくれる「化痰(かたん)」食材も、体臭予防に有用です。たけのこやえのきのほか、海苔やわかめなどの海藻類、あさりやはまぐりといった貝類もよいでしょう。口臭が気になる場合は胃に熱が溜まっている可能性があるので、胃熱を冷ますトマトやきゅうりもおすすめです。そしてもうひとつ、汗をちゃんとかけているかどうかもチェックを。体内の過剰な湿気も痰湿の一因です。空調が効いた部屋で一日過ごしたあとは、軽い運動とお風呂で、適度に汗をかくようにしましょう。じわりと額に汗をかく程度でOK。疲労が取れ、気の巡りを改善するのにも役立ちます。気温が上がり、何かとニオイが気になる季節になりました。体臭に気づいたら、消臭製品に頼る前に、まずは生活習慣を見直してみてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年5月27日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年05月22日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「シミ・シワ」です。日差しが強くなり、紫外線が気になる季節です。シミやシワを作らないためにはUV対策ももちろん大切ですが、同時に重視したいのが、体の中のケア。中医学では、シワは、肌の中身=水分が足りずにしぼむことで起こると考えます。水分、つまり潤いは「陰」のカテゴリーに分類されますが、この陰が不足する「陰虚(いんきょ)」が続くと肌の乾燥のほか、喉の渇きやほてり、便秘などさまざまなトラブルが。爪の縦皺も、体が陰虚に傾いているサインです。陰が足りないときは、体内の水分を守ることが一番。発汗は肌にいいと考える人もいますが、中医学で汗をかくのを勧めるのはカゼの初期で寒気や悪寒があり、汗をかいていない状態のときと、体内に不要な水分が溜まっているときだけ。乾燥するときは、岩盤浴やホットヨガは控えるのがベター。また、陰は夜、眠っている間に蓄えられるものなので、睡眠時間を確保することも重要。なるべく早く眠ることが、肌に潤いをもたらします。さらに、白い食材には陰を補う力があることも知っておきましょう。いかや豆乳、白キクラゲなどがおすすめです。気の流れをスムーズにして同時に血も押し流す。一方、シミを引き起こすのは「血」のトラブル。血の巡りが滞った状態、お血(※)が原因です。お血は痛みのもととなるだけでなく黒ずみも引き起こすのですが、これが肌に現れることでシミに。肌がくすむ、歯ぐきや唇の色が悪くなる、などもお血の典型的な症状です。冷えて固まる「寒凝(かんぎょう)お血」に陥っている、あるいは食べすぎによって病理副産物が溜まり、ドロドロとした状態になっている。お血の原因はいくつかあるのですが、いずれにも効果的なのが、ストレッチによって物理的に押し流すケアです。手足を気持ちよく伸ばすことで体を流れるエネルギー「気」の巡りが良くなり、それにつられる形で血も循環を始めます。夜に行えば入眠がスムーズになり、陰を補うのにも役立って一石二鳥です。ぜひ眠る前の習慣に。血の巡りを良くする食材として挙げておきたいのは、うなぎや鮭、さばなどの魚類のほか、酒粕や黒砂糖など。夜のリラックスタイムの飲み物は、肌のことを考えるなら甘酒がよいかもしれませんね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。(※)「お」はやまいだれに於※『anan』2020年4月15日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年04月08日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「緊張」です。4月が始まりました。学校や職場など、新しい環境での生活がスタートした方も多いのではないでしょうか。この時期注意したいのが、緊張からくる「こわばり」です。人前に出たり、慣れない仕事に携わるなど気が張る状況が続くと、体に力が入り、それが抜けなくなってしまうことがあるのです。肩こりやイライラ、大量に汗をかく、気付くと歯を食いしばっている、顎が痛い。そんな状態は、緊張気味の体からの、SOSサインかもしれません。体のこわばりが取れず、痛みやメンタル面でのトラブルが起きている場合、中医学では「肝」に不調があると考えます。肝は、西洋医学が指す肝臓とは役割が少し違っていて、筋や筋肉をコントロールするとともに体のエネルギーである「気」を巡らせ、血行を促す働きを持っています。さらに大きく異なる点が、精神の安定も司っていること。ストレスのクッション役として体を守っているのですが、負担がかかる状態が続くと機能が低下し、それが情緒の不安定や憂鬱感につながります。肝の働きを整えるのは、吸うより「吐く」呼吸。こうした不調の緩和に効果的なのが、深呼吸です。肝に気血を巡らせる働きがあることは先ほど述べましたが、呼吸によって体内に対流が起こり、気血の巡りがスムーズになるのがその理由。気血の流れに沿って、肝の働きも次第に整っていくのです。このとき、息を「吐く」ことを意識するのがポイント。最初に吸おうとすると力が抜けず、かえって逆効果です。まずは口からゆっくりと空気を吐き出す。すべて吐ききると、空気は自動的に入ってきます。呼吸の自然の流れを感じながら力を抜き、落ち着くまでゆっくりと繰り返しましょう。そしてもうひとつ試してほしいのが、頭の側面のマッサージ。体には気の通り道「経絡」が無数にあり、体側には肝の経絡が通っているのですが、頭にある経絡は比較的分かりやすいのです。こめかみに3本の指を当て、耳の後ろ、後頭部に向かって滑らせてください。これだけでもすっきりするはずです。そのほか、真いわしや牛すじ、ぶどうやプルーンなどの果物も、肝を養うのに役立ちます。こうした「養肝食材」も取り入れながら、深呼吸とマッサージでリラックス。こまめな養生で、緊張の季節を元気に乗り切ってほしいと思います。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。中医学の心得や養生法をゆるくつぶやくツイッターが人気。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書・著書多数。※『anan』2020年4月8日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年04月03日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「肩こり」です。日々デスクワークをこなす人にとって、肩こりは切っても切れない悩み。首の痛みや頭痛などに発展してしまう前に、しっかり養生しましょう。中医学では肩こりは、血(けつ)の巡りが悪くなった状態、「お血(※)」によって起こると考えられています。血は体に潤いや栄養を運ぶ物質ですが、食事の偏りや疲労、寝不足、血自体の不足によって流れが滞ると一部に溜まり、それが筋肉を圧迫して凝りの原因に。血と血液は本来は少し違う概念ですが、この場合はほぼ同じと捉えると分かりやすいでしょう。そもそも人間の肩の筋肉は、腕の重量に対してかなり小さめ。かつて四足歩行だった時の名残と考えられていますが、その少ない筋肉で重い腕を支えているために血流が滞りやすく、もともと凝りやすい場所なのです。お血を流して肩こりを解消するには、肩から上に腕を上げて、腕の重さから肩を解放する時間を増やすことが第一。この動きは意識しないとなかなかできないものなので、デスクワーク中も気づいたら伸びをするなど、まめに動かすように心がけてくださいね。僕もセミナーを始める時は、参加者のみなさんにまず伸びをしてもらっています。肩甲骨の間を温めて、血の巡りをスムーズに。その上で、お血対策には体を温めるのも有効です。背中のやや上部・肩甲骨の間は肩の筋肉の働きに関係するだけでなく、体を元気にするエネルギー「気」の取り入れ口がある大事なところ。首筋からここまでを冷やさないように心がけ、家なら熱めのシャワーを当てるという方法も。もちろん、余裕があれば湯船に浸かって全身を温めるのが一番です。また、血を巡らせるための「活血食材」もしっかり摂りましょう。あずきや黒豆、黒砂糖などの黒っぽいものやプルーン、クランベリーなど赤みのあるものには血を押し流す力があります。うなぎや鮭、さば、酒粕や甘酒にも同じ効果があり、おすすめです。肩こりに限らないことですが、多くの不調はちょっとした不摂生の積み重なりが原因。つまりそれは、好転させるカギは常に身近にあるということでもあります。肩が凝る前に、腕を高く上げてリラックス。調子が悪かったら少しだけ早く寝て、血をゆったりと巡らせる。小さな心がけで、長年の肩こりを解消しましょう。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。中医学の心得や養生法をゆるくつぶやくツイッターが人気。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書・著書多数。※「お血」の「お」は病垂れに於※『anan』2020年4月1日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年03月25日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「めまい」です。ふとした拍子にめまいや立ちくらみが生じる。すぐに治まるけれど、頻繁に起きて気になる――。こうした相談を、20代、30代の女性から受けることが時々あります。原因にはさまざまなことが考えられますが、その多くは「必要なものが足りない」か、反対に「余計なものが溜まっている」状態のどちらかに大別することができます。まず、足りていないケース。これはエネルギーである気や、栄養を運ぶ血(けつ)が不足している状態で、全体に活力が落ちるためにふらつきやすくなります。いつも疲れていて元気がない人は、このタイプの可能性大。西洋医学的には貧血と診断されることもよくあります。もうひとつは、体内に「痰湿」が過剰に溜まってめまいや立ちくらみが引き起こされているパターン。痰湿は、このコラムでも何度か解説しましたが、食べすぎによって生じるヘドロのような病理物質のこと。これが大量に増えると体全体が重くなり、頭もぼんやりと霞がかかったように重く感じ、めまいを生じます。特に雨の日にそうした状態になりやすい場合は、この「痰湿」が溜まっているサインといえます。気血不足?痰湿タイプ?舌の状態で原因を判断。このように、一見同じ症状でも人によって原因が異なると考えるのが中医学。対策もそれぞれに違うため、不足か過剰、どちらのタイプかを見分けることが大切です。その目安となるのが、舌の状態。通常、舌は赤みのあるピンク色で全体に引き締まり、ごく薄く白っぽい苔状のものが付いているのが正常な姿です。これが、色が薄かったりむくんで締まりがないようなら、血虚・気虚のしるし。エネルギーや栄養不足を解消するために睡眠を取って体を休ませ、血のもととなるレバーやまぐろ、なつめなど、赤や黒い食べ物を摂りましょう。気を補うには芋類のようにほくほくした食べ物もおすすめです。痰湿過剰タイプの舌は、もとの色が見えないほど、厚い苔が全面に付いているのが特徴です。舌がこうした状態で、めまいや立ちくらみが起こる人は、体にこれ以上余分なものを取り込まないことが先決。お酒や甘くて冷たい飲み物、脂肪分が多いものや味が濃いもの、生ものは控えましょう。そして痰湿を排出するきのこや豆類、海藻などを意識して食べるようにしてください。日々の行動を少しずつ変える。これが、不調の解消には一番効果的ですよ。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。中医学の心得や養生法をゆるくつぶやくツイッターが人気。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書・著書多数。※『anan』2020年3月25日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年03月20日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「お酒」です。もうすぐ4月。年度が替わるこの時期は、歓送迎会でお酒を飲む機会が増える時ですね。漢方相談でもよく「お酒はどれくらいなら飲んでいいのか」と聞かれます。けれど結論から言ってしまうと、お酒は、中医学的には体には必要のないものなのです。お酒は体に「湿熱」をもたらし、極寒の中で暖を取ったり、寒さから来る肩こりを緩めるためにほんのひと口飲むのは有効なのですが、それを過ぎると今度は体に余分なものを溜める原因になってしまいます。その余分なものとは「痰湿」。ヘドロのような病理副産物で、むくみやだるさ、肌荒れなどを招くやっかいな存在です。左党のみなさんには残念なお知らせなのですが、中医学の視点で考えると、やはりお酒は控えるべきものといえます。「解酒毒」効果がある、柿やりんごなどの果物を。とはいえお酒には、みんなで楽しく飲むことでストレス発散になったり、コミュニケーションに役立つという一面も(僕も時々飲みます)。そんな時のために今回は、なるべく体に負担をかけない飲み方をお伝えします。まず第一に心がけたいのが、冷たいお酒は避けること。冷えたビールや氷入りのサワーは湿熱をもたらすだけでなく、内臓を冷やして脾や胃の働きを弱めてしまいます。氷なしの飲み物か、温かい日本酒や紹興酒などを選ぶようにしましょう。ちなみに中医師が集まる宴席ではみんな、常温のお酒も、手で酒杯を包んで温めながら飲んだりします。さらに、しばらくお酒を口に含んで温めてから飲む人も。体にダメージを与えないお酒の飲み方として、ぜひ参考になさってください。また、お酒と一緒に食べるおつまみにも注意を。体に負担をかける揚げ物や味の濃いもの、刺し身などの生ものは避け、火が通った野菜料理を中心に少しずつ食べるようにしましょう。悪酔い防止効果がある、しょうがやあさり、里芋、緑豆もやしが入ったメニューもおすすめです。そしてお酒を飲んだ翌朝には、「解酒毒」作用のある柿やグレープフルーツ、りんごなどの果物を。ただし果物には体を冷やす作用もあるので、ほどほどに。お酒の選び方や養生食の知識を持っておきつつ、やはりお酒の量を過ごさないことが一番の予防策であることを、忘れないでくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。中医学の心得や養生法をゆるくつぶやくツイッターが人気。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書・著書多数。※『anan』2020年3月18日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年03月13日「春」の養生をご存知ですか?養生とは、病気にならないようにするための予防をすること。健康を保つことをいいます。そのためには、どのような生活をしていくことが大切なのか。春の養生ポイントをみていきましょう。中医学でいう「春」の過ごし方とは?出典:byBirth春は、二十四節気(節分を基準に一年間24等分に約15日ごとに分けたそれぞれの季節)の「立春」から「立夏」までの三か月を指し、これを「発陳」と呼びます。中医学では、春になると少しずつ「陽」という気が上昇するため、冬の間に潜んでいた古い気が発散し、宇宙に存在するすべてのものが発生すると考えます。秋冬は「陰」という穏やかなイメージを持ちますが、春夏の「陽」は活動的になるイメージです。つまり、春の養生をまとめると、「冬の間に発散してこなかった思いや行動を外にあらわして、のびのびと行動していきましょう」ということです。春の間にこの法則に逆らうと、夏に体調不良を引き起こすと考えられています。春は、のびのびとゆるく生活をしていくことが大切です。春の養生ポイントとは?出典:byBirth早起きをしよう春は、植物が芽吹きはじめ、動物たちも活動的に動き出す季節です。今まで外に出さなかったものを発散することができます。中医学では、春は「生長・発育の季節」と考えられているため、すべてのエネルギーも高まると考えられています。この季節は、早起きをしてゆっくり少しずつ活動することが大切です。遅い時間に就寝しても早く起きるように心がけてくださいね。体内リズムを整えるためには、毎朝同じ時間に起床するようにしましょう。体調の悪化に気をつけよう春とはいえ、まだまだ風も強く寒暖差が激しい季節でもあります。中医学では、体や心に悪影響を与えることを「風邪(ふうじゃ)」といいます。とくに、上半身や皮膚に影響を与えるため、体調を見ながら過ごすことが大切です。おもな風邪の症状は、頭痛や花粉症、皮膚のかゆみなどがあります。これらの悪化を防ぐためには、衣類を調節したり、手洗いやうがいなど、基本的なことですが気をつけるようにしましょう。ストレスを溜めないようにしよう春は、新生活の始まりや自律神経が乱れやすいなど、心身ともに不調があらわれることが多くなります。とくに、精神的な不調が目立つ時期でもあるため、ストレスを溜めないこと、ストレスにならないように上手に受け流す、ことがポイントです。春の養生では、深呼吸をしたり、散歩やストレッチを取り入れたり、香りなども活用していきましょう。気のめぐりも良くなり、思いや考えなども良い方向へと変わります。「ゆるく」を心がけよう中医学では、春は「肝」へのダメージが大きくなるといわれています。肝は、西洋医学と同じく肝臓のことを指しています。おもな肝の働きは、自律神経のバランスを調整したり、解毒や排毒の調節などを行っています。一年のなかで春の時期は、心身のバランスをコントロールするのが難しい季節でもあります。そのため、春は言動や服装などに注意しましょう。例えば、きつい言葉を言ったり、きつめの服を着たりすることは避けるようにしてください。「ゆるく」「のびのび」を心がけながら過ごしていきましょう。食の養生ポイントとは?出典:byBirth春を快適に過ごすためには、「食事」も大切な養生のひとつです。食べたものから身体はつくられます。その土地のもの、旬のものを食べることが身体のバランスを整えると考えます。穀物は60%、野菜や海藻は30%、動物性食品は10%とるのがよいとされています。では、春におすすめの食材をご紹介していきましょう。①苦味食材を食べよう春は、山菜などの苦味のある食材が旬です。中医学では、春は苦味を楽しむことが大切であると考えます。春は陽の気が高まり活動的になることから、エネルギーが過剰になり興奮状態になります。苦味食材は、過剰なエネルギーを鎮静する作用を持つため、食事に取り入れることをおすすめします。ただし、やる気がない、気分が優れない場合は、かえって鎮静すると不調につながるため、心身のバランスを見ながら取り入れてくださいね。また、苦味食材は、自律神経を整え、体内の毒素や不要物を排出する働きもありますよ。苦味食材の例ふきのとう/セロリ/春菊/菊花など②酸味食材を食べよう酸味食材は、食べても適度に少なめに食べるとよいでしょう。酸味は、「肝」の働きを促します。気分が優れないときなどに食べることをおすすめします。ただし、肝が働き過ぎてしまうと、消化を行う脾(胃)の働きを抑制してしまうため、食べすぎには気をつけましょう。酸味食材の例イチゴ/キウイ/柑橘類など③甘味食材を食べよう甘味食材は、脾(胃)の働きをサポートしてくれます。自然な甘味を多めに食べることがおすすめです。甘味食材の例粟/大豆/大麦/玄米/タケノコ/キャベツ/にんじんなど春の生活は夏につながる出典:byBirthいかがでしたか?養生は、けして難しいことではなく、日常生活のなかで何かを意識したり、心がけることで達成できる簡単な健康ケアです。春に適した思いや考え、言動などに気をつけながら過ごしていくことで、素敵な夏を迎えることができるでしょう。ぜひ、日々の生活に取り入れてみてくださいね。
2020年03月04日中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「食べすぎ」です。“胃熱”を取り除き、食欲をコントロール。寒さの中にも春の気配が感じられる今日この頃。薄着の季節に向け、ダイエットを始めようという人も多いのではないでしょうか?今回はダイエット成功を阻む「食べすぎ」について考えてみたいと思います。ストレスから熱が溜まり、食べすぎるという仕組み。必要な量を食べているはずなのにもっと食べたい、しばらくすると甘いものが欲しくなる。中医学では、こうした「食べすぎ」は胃にこもった熱、「胃熱」によって引き起こされると考えます。熱は基本的に亢進(こうしん)状態を作り出す要素であり、食欲も熱によって増幅されるもののひとつなのです。胃熱の原因としてまず挙げられるのは、偏った食べ方。脂っこいものや味の濃いもの、辛いものは胃に熱を持たせ、必要以上に食欲を刺激します。さらに熱が溜まる大きな原因となるのが、ストレス。緊張や不安は気の巡りを滞らせますが、一方で体はそれを押し流そうとするため、摩擦熱のような熱が生じます。何かにひっかかって止まっている送風ファンの羽根を無理に回そうとして、モーターが過熱気味になっている。そんなふうにイメージすると分かりやすいかもしれません。トマトやセロリなどで、胃の中をクールダウン。こうした熱による食べすぎ状態に気づいたら、まずは先ほど挙げた熱のもととなる脂っこいものや辛いものなどを避け、同時に胃を冷ます食べ物を摂りましょう。冷却作用があるのはトマトなどの夏野菜全般と、セロリやグレープフルーツなど。野菜は生だと体を冷やすので、普段は火を通して食べることをおすすめしていますが、胃熱によって食欲が止まらないときはあえて生のままでOK。ちなみにアイスクリームなどの冷たいものは胃を冷やしすぎ、働きを妨げるのでおすすめできません。ほどほどにクールダウンするなら、生野菜がベターです。食べすぎは消化を担う「脾」や「胃」を疲弊させますが、脾胃は気や血、潤いのもととなる「津液(しんえき)」を作り出すところでもあります。この働きが乱れると皮膚の乾燥や目の疲れ、頭痛などの不調のほか、憂鬱感などの原因にも。ダイエットの観点からだけでなく、心身の健康やアンチエイジングのためにも食べすぎは禁物。胃熱を溜めない生活を心がけたいですね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医師。中医学の心得や養生法をゆるくつぶやくツイッターが人気。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書・著書多数。※『anan』2020年3月4日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年02月27日再春館製薬所にて2020年1月31日までの期間限定販売株式会社再春館製薬所は、2020年1月31日(金)までの期間限定で、「養生薬湯(5包)」を販売する。人気の入浴剤が、初めての人も取り入れやすい“お試しサイズ”で登場だ。6種類の生薬で心と体を癒やす入浴タイムを「養生薬湯」は痛みに役立つ「ボウイ」、モグサとしても使われる「ガイヨウ」と、「センキュウ」、「トウキ」、「チンピ」、「サンシシ」の6種類の生薬を処方した生薬100%の薬用入浴剤である。入浴は、体を温め、血のめぐりを良くするなどの“体の養生”と、香りにリラックスし、ほっとして体が落ち着くなどの“心の養生”の効果があるとされている。「養生薬湯」を使用することで、毎日の入浴を“養生時間”に変えることが出来る。特別企画として今回限定販売される5包入りは、1,650円(税込み)。通常7,700円(税込み)で販売されている30包入りも、同じく2020年1月31日(金)までの期間限定で、プラス3包となっている。注文・問い合わせは再春館製薬所(TEL:0120-305-305)まで。(画像は再春館製薬所ホームページより)【参考】※再春館製薬所ホームページ
2019年12月10日お土産付き漢方養生講座4月6日、東京都千代田区有楽町にある東京交通会館8階のイセ食品株式会社内イベントスペースにおいて、誠心堂薬局が「働く女性のための漢方養生講座2019 ~女性に優しい漢方ライフ~」を開催する。誠心堂薬局は一年を通して「漢方養生講座」を開催しており、テーマに合わせたお土産付き。この日のテーマは「春肌作り」である。対象となるのは、中医学や漢方に興味のある人で、参加費は500円(税込)。本場で中医学を学んだ講師がレクチャー温かくなる春は気持ちが華やぐものであるが、肌がカサついたり、ニキビが出やすくなったりといった肌のトラブルを実感する季節でもある。肌トラブルは気候の変化などの影響が原因となることも多いが、体の内側のホルモンバランスが原因となることもある。この日の漢方養生講座では、中国の黒龍江省中医薬大学などで中医学を学び、来日後には鍼灸学校でも学んだ譚克菲氏が春肌作りのためのツボやストレッチなどをレクチャーする。なお、この講座には12歳未満の子どもの同伴はできないことになっている。日時: 4月6日(土) 11:00~12:15(開場10:40)場所: 東京交通会館8階 イセ食品株式会社内イベントスペース東京都千代田区有楽町2丁目10-1費用: 500円(税込)定員: 先着30名申込締切: 4月5日(金) 22:59(誠心堂薬局のサイトより引用)申し込み方法など、詳しい情報は以下リンク先の誠心堂薬局のサイトで確認を。(画像は誠心堂薬局のサイトより)【参考】※2019/4/6(土)漢方養生講座 春肌作り 漢方薬誠心堂 オンラインショップ
2019年03月22日こんにちは。コソダテフルな毎日のちゅいたんママです。長男小3ちゅんたん、次男年長ゆいたん、三男年少ほーちゃんの三兄弟の母です。産後…。床上げするまではとにかくゆっくり体を休めて、まずは赤ちゃんのお世話に専念して、布団のあげおろしや、水仕事、読書などは慎んだほうがいい。さもないと、更年期がどえらいことになる…。産後養生? あまり信じていませんでしたまことしやかに囁かれる産後養生説。わたしは、「またまた~大袈裟な~」ってあまり信じていませんでした。 その証拠に、次男出産後、退院してきた日にその日の昼食を、自分で自炊しはじめたんです!あ。わたし、諸事情により長男の時から里帰り出産はしてないのです。(なぜそうしたのかはまたいつか書きたいと思います。)よって、次男の時も里帰りはせずに、産後に実母に手伝いに来てもらっていました。(住んでた場所山口県、実家大阪)入院期間が6日あったので、すっかり元気になり、早く家に帰りたくてしょうがなかった私。二人目ということもあり、赤ちゃんのお世話に関してはもう慣れているし、早くいつも通りの生活に戻りたくてウズウズ!退院当日から食事は作るわ、オムツは布オムツだわ、長男の入浴、次男の沐浴、あっちこっち動きまくり。次男出産直後は即平常運転! 調子に乗っていた…あぁっ! もう、全然平気! 当初、産後一ヶ月までは手伝ってもらう予定だった実母を、なかば強引に一週間も経たない間に帰ってもらうことにしたのです。当時、父が闘病中だったこともあり、母には早めに実家に帰ってもらったのですが、それはあくまで建前で、本音は調子に乗っていたのです。私、一人でもやれる! って思ってました。現に元気モリモリで過ごしていました。冬になり、冷えを感じるように…しかし、産後初めての冬。今まで感じたことないような、冷えに苦しみました。とにかく冷えるんです。もともと冷え体質ではなく、冬でも薄着と言われてきたこの私が!!この冬はとにかく寒い。体の芯が常に凍ってるんです。いくら温めても温まらない! あわててかたっぱしから温める衣類を買いました。でも、どんなに部屋を温めても、どんなに着込んでも、とにかく下半身が冷たい。ぎりぎり20代だった私。やはり前回の出産から年齢も重ねているし、衰えるもんなのかな…とこの時は年齢のせいにしていました。結局、何をどうやっても体が温まることはなく迎えた夏。夏は風邪がぶり返し続く…今度は、夏休み中ずっと風邪をぶり返し続けました。 もともと風邪なんてほとんどひかない健康体なのに、この夏はとにかく風邪&発熱。せっかくの幼稚園の夏休みも、ろくに遊びに連れていってあげれませんでした。この他、免疫力が落ちているのか、子どもがもらってきた病気は必ずうつり、風邪だけでなく、胃腸炎、溶連菌、しょっちゅううつりました。そして、その後、発症したのが…辛い、副鼻腔炎にまで! 副鼻腔炎。いわゆる「ちくのう」です。この副鼻腔炎! 私の周りだけかもしれないけれど、とにっっっかく産後にかかる女性が多いんです!ちなみに私も、今までの人生で副鼻腔炎になんてなったことすらなかったです。ちくのうなんて、新聞の片隅に広告が出てて、お爺ちゃんやお婆ちゃんがなる病気だとばっかり思っていたら、まさか自分がなるだなんて…! (そして、こんなにもたくさんの経産婦が経験してるだなんて!)あなどるなかれ、ちくのうです!産後、鼻水が続くなと思ったら早めに耳鼻科に行くことをおススメします(本気)やはり、産後の養生は必要なのかも…この一連の不調をずっと年齢のせいだと思い込んでいました。人間一人産み出して、血液を放出して育ててるんだから、そりゃボロボロになるもんだわと思っていました。でも、三男を生んだあとは、一か月間できるだけおとなしく過ごしました。そしたら、やっぱり不調は起こらなかったんですね! 冷えもないし、風邪もひかないし、次男の産後とは全然違ったんです。このときにようやく、あの不調スパイラルが産後動きすぎたことによる弊害だったのでは? と気づきました(遅)昔から言い伝えられていることは、あながち大袈裟じゃないんだって、ようやく思いました。これから出産を控えているみなさん! 特に二人目。慣れてるし、余裕と思われるかもしれませんが、その気持ちをぐっと押さえておとなしくしてください。さもないと、私のように一年間ずっと不調が続きますよ~!って脅かしてみました(笑)
2017年04月13日DIYメディアを運営する小屋女子DIYカフェと塗料・ステンシルメーカーのビビッドヴアンから、昨年9月に発売したデザイン養生テープ「YOJOTAPE」に新柄10種類が追加され、2月8日より発売開始されます。本商品は2月8日~10日に開催される「第83回東京インターナショナルギフトショー春2017」(東京ビッグサイト東1ホールT9-13ブース)にて展示・発表されます。水に強くて丈夫・手でまっすぐ切れる・貼って剥がせる弱粘着昨年9月に誕生したデザイン養生テープ「YOJOTAPE」。本来養生テープの持つ「水に強く手で真っ直ぐ切れる」要素をそのままに、マスキングテープのようなお洒落な柄がデザインされているのが特長です。そんな「YOJOTAPE」に、2月8日から新たに10種類柄が仲間入りして、さらに使い勝手や用途が広がります。たとえば、伝言を書いて貼れる「メッセージ」や「メモ」柄、迷彩を施した「カモフラージュ」柄、可愛い「マルチストライプ」柄、ダウンタウンやワンちゃんの写真が入った「ネガ」柄、1mまでメモリがあって便利な「定規2」柄などなど。従来の10種類柄に新柄10種類を加えた20種類の柄がラインナップしました。◆サイズ幅45mm長さ5m◆商品素材基材:PEクロス粘着剤:アクリル系◆商品価格1巻540円(税別)◆日本製Graffito S.A.
2017年02月02日『YOJO TAPE』ってご存知ですか? マスキングテープが持つ「おしゃれで多様な使い方」と、養生テープが持つ「水に強くて丈夫・手でまっすぐに切れる切れ味の良さ・貼ってはがせる弱粘着」がひとつに合体! そんな画期的アイテムなんです。今回は、このテープを使って私のお部屋をDIYしてみました♬ YOJO TAPE、Hey!Yo!!「YOJO TAPE」ってなあに? 水周りもOK、お部屋をおしゃれに変身させることができるデザイン養生テープです貼るだけで室内のイメージチェンジができてしまうマスキングテープは手軽にDIYができるアイテムとして大人気。でも、水に濡れると色が落ちることがあるんですよね。それに、剥がしたい時、下地を痛めてしまったり……。「貼りたいけど貼れない。」そんなお悩みを解決してくれるのが、この『YOJO TAPE』なんです。養生テープというと、塗装現場や内装工事、引越しの現場で主に使用されているテープ。水に強く、丈夫だけどおしゃれ感は無い……。いたって見た目は普通のテープです。『YOJO TAPE』は、養生テープの長所をそのままに、マスキングテープのおしゃれ感をプラスしたというわけ。よって、マスキングテープでは不可能だった水周りのデコレーションも可能になりました。水に強く、丈夫。そして貼ってはがせる弱粘着。失敗を恐れずに気軽に色々なところに貼ることが出来ちゃいます♬しかも、なんということでしょう。ほら、手で簡単にまっすぐ切れるんです。ハサミいらずで便利でしょう?YOJO TAPEは、まさに、マスキングテープと養生テープのイイトコ取りなアイテムです!!早速、このYOJO TAPEを使って、不器用な私がお部屋をクイックにDIYしてみました。秘密のベールに包まれた、私のお部屋もさらけ出しちゃいます❤︎(←誰もそこ興味ない)まずはウォーミングアップ☆ フェイクグリーンにYOJO TAPE何度も繰り返し言います。私、なかなかの不器用です。なので、まずはウォーミングアップ的に、小さめなものから始めましょうか。そんなわけで、フェクグリーンの鉢にYOJO TAPEを貼ってみました。どうですか、流行りのインダストリアルな雰囲気が生まれたような気がします。キッチンをメイクアップ♬ 調味料入りの瓶にYOJO TAPE調味料や香辛料を入れた瓶に色々な種類のYOJO TAPEを貼ってみましょう。キッチンに並べるだけでインテリア的要素も発揮してくれてお洒落度アップします。私は今回、コーヒー、はちみつ、コーヒーミルク、レッドペッパーを入れた瓶をデコってみました。サッとはがせるYOJO TAPEなら、表面がベタベタしてきたら張り替えも簡単。油が飛びやすいキッチンに置いても安心です。ちなみに、熱には弱いので、キッチンで使用する際は火の回りは避けてくださいね。グッバイ・殺風景。食器棚にYOJO TAPE白いシンプルな食器棚にポイント使いで貼ってみたら、良いアクセントになりました。白いと汚れがつきやすく、汚れた場合とても目立つものですが、YOJO TAPEを貼ることで棚自体の汚れ防止にもなって一石二鳥です♬失敗したって剥がせるもん☆ 壁にYOJO TAPE下地が痛む場合もあるので、壁など広い範囲に貼るときは目立たない場所で試すのが必須ですが。弱粘着で剥がしやすいYOJO TAPEなら、大胆に貼っても大丈夫。曲がっちゃった!ってなっても貼り直しが自由自在です。壁紙って部屋の雰囲気を大きく変えますから、気分に合わせていろいろチェンジできるのは良いですよね♬このファスナーがデザインされたYOJO TAPE、個人的にお気に入りです。塩系のインテリアにも合いそう!!子供部屋の壁には、こんな風にキュートなデザインのYOJO TAPEを選ぶと、お部屋の雰囲気も明るくなって素敵。成長にあわせて、こどもらしいデザインから大人っぽいデザインへチェンジできるのも魅力的ですね☆思い出をさらに美しく。フォトフレームにYOJO TAPEフォトフレームをYOJO TAPEでお洒落にカスタムして飾るのもオススメです。美しい思い出をさらに美しくメイクアップしちゃいましょう♬限られたスペースだって大変身☆ トイレにYOJO TAPE家の中で一番無機質な場所と言えるのが、ここ。トイレ。雰囲気も暗くなりがち……。でも大がかりなDIYはしたくないの。そんなあなたに、声を大にして言いたい。「YOJO TAPEの出番ですよ!!」トイレ掃除のブラシをYOJO TAPEでDIY。トイレの脇役として密やかに佇むだけの掃除用具が、ちゃんとインテリアとしての能力も機能します。トイレ本体と壁、トイレットペーパーホルダーに貼ってみました。そこへ、先にDIYしたトイレブラシを設置。木目調のデザインと塩系のデザインを組み合わせることで、空間をスッキリさせつつ温かみも感じる仕上がりに☆トイレを綺麗にカスタムすると、使い方も綺麗になって、日々のお掃除が楽になるかも。生活感が丸出しになっちゃうのはこいつのせい!? …ならば、コンセントカバーにYOJO TAPEいろいろ工夫しても、なんだか生活感を消しきれないのよね。そんな時、実はコンセントカバーが邪魔しているのかも。「生活感」をできるだけ排除したいのなら、そこにYOJO TAPEを貼って生活感を封印しちゃいましょう。コンセントカバーのサイズにあわせて貼った後、カッターナイフで中の部分を切り取れば美しい仕上がりになります。結構目に付くアイテムに気をつけろ。ダストボックスにYOJO TAPEコンセントカバー同様、結構目に付くものといえば、ダストボックス。こいつも部屋の雰囲気作りを邪魔する厄介なヤツです。起きたくないけど、ゴミは毎日出るし……。それなら、ダストボックス自体をお洒落に変身させちゃえばいいじゃない!トイレのDIYにも使用した木目調のデザインを使用しました。この木目調YOJO TAPEのいいところは、ただ順番に貼っていくだけでバランス良く木目の雰囲気が出せるところ。色味も微妙に変化するので、単調にならずに格好良く貼ることが可能です。おうちを飛び出して、外でもYOJO TAPEしてみた「これは使える!」そう確信した私は、家を飛び出しました。もちろん、手にはYOJO TAPEをぎゅっと握りしめて……。突撃! YOJO TAPE!!向かった先は、私自身がプライペートでよく行く串焼き屋さん。木のぬくもりを基調とした作りの店内。絶対にここなら、このYOJO TAPEが似合う!と思い、駆けつけてみました。突然の申し出に、快くOKくださった店主さんとスタッフさんに感謝。では、さっそく店内のアイテムにYOJO TAPEを施していきましょう。ターゲットとなったのは、この串入れ。単なる筒状だったシンプルな串入れに、アジアンテイストな柄のYOJO TAPEを貼ってみました。サッと簡単に貼れるのに、大きくイメージチェンジできるのが魅力的♬訳も分からないままに勝手に乗り込んできた私が始めたYOJO TAPE DIYですが、これにはスタッフさんも「おお!」と歓声をあげてくださいました。「私もやってみます」と、スタッフの方がショップカード置き場になっている棚にYOJO TAPE。誰でもすぐ使いこなせるのも、素敵ポイント。木目調のYOJO TAPEを棚に貼ったことで、木のテイストがいっぱいの店内ともしっかりマッチするように。耐水性なので、劣化しずらいですが汚れてきたらすぐ新しいテープに張り替えられるので、ストックさえあれば汚れてきてもへっちゃら♬思い立ったが吉日とばかりに始まった『突撃! YOJO TAPE』ですが、アポなし訪問DIY、大成功に終わりました。こうして、家庭だけでなくお店で店内のイメージチェンジとして使うのも、有りですね☆どうですか、我がROOMを晒してやりきったYOJO TAPE DIY。いかがでしょう、お店を巻き込んでやりきったYOJO TAPE DIY。不器用な私でも、こんなに手軽にお部屋をDIYできてしまうことが証明された!と信じています。いつの間にか、夢中になり白熱してきて、最終的には目に入るもの何にでも貼りたくなってしまう衝動に駆られていました。でもね、それぐらい楽しいんです。手でテープを切るあの感触も気持ち良くって快感❤︎よし、次はどこに貼ろうかな……♬(すっかりハマってしまった人)YOJO TAPE 公式ホームページ✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎筆者profile名前:ayataso(あやタソ)東京在住・LIMIA公式ライター。小4の娘の方がしっかりしている1978年7月29日生まれで、まだ伸びると思っている身長147センチ(自称151センチ)。映像制作からスタートした職歴でしたがいつの間にかライター業に落ち着いたのは、書く事が楽しいから。ドライブと街散策でいろいろなものを見て回ったり、新しモノ好きなので新商品チェックは欠かさない。お気に入りの情報やニュースを発信する事が好きなのでInstagram、Facebook、Blogは大切なライフパートナー。毎日、じゃ◯りこと言う某お菓子を食べないと機能停止する持病を抱えている。[LIMIA] ayatasoのページ
2016年09月23日最近よく耳にする「気」。東洋医学でいう「気」とは、生きるものすべてを作っている“命のエネルギー”のこと。人間が持って生まれた本来の「気」があり、深呼吸や正しい食事によって体内に取り入れる「気」もある。外からの「気」を上手に養い、生きるパワーをよみがえらせるのが、この冬、「星のや 軽井沢」で行われる「氣巡り養生」だ。この養生は、3泊4日。まず初日は専門講師・青木朝子先生により、「気巡り」の理論を学ぶ。カウンセリングによって症状を6つに分類する「証」の診断を行う。当日の夜は、日本料理「嘉助」で、その診断によって人それぞれに合った「薬飯」を食べることで、その人に必要な栄養素を正しく取り入れることができるという。青木先生は、長野県内の大学病院や赤十字病院で産婦人科医として勤務したのちに独立。女性の不調や悩みと日々接する中で、病気の前の「未病」の段階から信号を受け取って養生することを勧めている。食事療法や漢方を使って自然治癒力を高め、それぞれが自分に合った養生スタイルを構築できるように指導しているのがポイントだ。滞在期間中は、毎朝ののびのび深呼吸、心の気の巡りをよくする香薬の調合、朝食は薬飯を食べ、ウォーキングや終身深呼吸の指導もあり、すべてが自分の身体にとって正しいこと。トリートメントも2回含まれており、身体を温める「翠」のオイルトリートメントと指圧をそれぞれ受けられ、身体をゆるめていく。滞在中に気持ち良く過ごすだけでなく、自分の体質を知ることで、その後の食事や睡眠、運動など生活の気を付けるべきことをしっかり学べるというのがこの滞在プランのうれしいところ。毎日疲れをためている人、気付かないうちに身体が弱っている人にもおすすめな“養生”滞在だ。お問い合わせ:星のや 軽井沢 tel.050-3786-0066 公式サイト 取材/北條芽以
2011年12月01日