ときには3時間も。食事に時間がかかる娘娘は昔から食事に時間がかかる子でした。少しだけ食べては席を立ち、しばらく遊んだりトイレに行ってからまた少し食べるというのを繰り返し、ひどいときには3時間くらいかけて食べていたのです。叱ってみたり、保育園の先生のアドバイスに従ってみたりと、いろいろ試してみたのですがどうしても治りませんでした。16歳になった今では、ヘルパーさんがつくり置いてくれるおかずを、親子それぞれ自分のタイミングで食べるという生活に落ち着いています。娘は冷凍食品や自分で作ったものを食べることもあります。配膳を自分でするわけですから、自分が食べたいものを食べられる量だけよそっているはずですが、今でも食事を中断してパソコンに向かったり、トイレにこもったりする行動は変わりません。どうしてなのか?ふとした会話の中で、その答えを本人の口から聞くことができ、私は自分の考えの至らなさを思い知らされることとなりました。周りのアドバイスで親子ともにつらかった幼児・小学生の頃娘が3歳くらいの時のことです。娘の食事の様子について保育園の先生に相談したら、「お母さん、そんな食べ方を許していたらダメですよ。少しずつよそって、30分たったら片づけてしまって下さい!」ときつい口調で言われてしまいました。ちょっと悲しくなりながらも実践してみたのですが、娘の食べ方は変わらず、後からお腹が空いたとグズグズいうことが続きました。しつけのためだけに毎日何時間も時間をかけるのは私の精神が削られたので、1週間もしないうちにギブアップ。「お腹が空いた」とぐずる娘を見るのがつらかったということも大きかったですね。「私が甘すぎるからダメなのか?」と悩む日々が続きました。小学生になってからは、お盆やお正月に実家で家族が集まって食事するときに、私の弟(娘にとっては叔父)に「お前の食事態度はふざけている!」と怒られて、よけいに食事が喉を通らなくなってしまうことも。そのせいで実家で会食することを嫌がるようになり、高校生になった今でも私の弟とは顔を合わせようとしなくなりました。祖父母にも食事中に何度も席を立って戻らないことはいい顔をされず、「どうしてなのかねぇ」と困惑されていました。私も含め、娘に発達障害の診断がつく小学4年生になるまでは、誰も娘の食事がスムーズにいかない理由を理解できずにいたのです。感覚過敏やこだわりのせいだと思っていた娘が発達障害とわかってからは、感覚過敏やこだわりのせいかと思うようになりました。娘はご飯の食感にとてもこだわりがあり、よそったご飯は「すぐ」食べてしまわなければ気が済みません。冷めたご飯やおにぎり、冷凍ごはんを解凍したものも嫌がり、出来合いのお総菜も「変な味がする」と言い、食べないのです。今でもそれは基本的には変わっていません。だから家ではよそいたてのごはんと主菜だけ食べていったん食事を終えます。そしてしばらくたってからおやつ感覚で副菜を食べるのです。それが、食事に時間がかかる一因にはなっていると私は考えています。でも、原因はそれだけではありませんでした。鍵は"胃腸"にあった!16歳になった娘の口から語られた真実ある日、私が糖尿病の食事指導の一つとしてよく噛むように言われていることを話しているうちに、「あなたは昔から食事に時間をかけすぎると言われていたんだよね」という話題になりました。すると娘は、「私は一度に食べたらお腹が一杯になって苦しくなるねん。そんな状態で食卓に座り続けているのがつらいからパソコンしたりして気を紛らわせているだけど。小さなころのことは覚えてないなぁ」と言ったのです。保育園の頃「30分たったら食事を下げてください」と先生に言われた話をすると、「食事を始めるとすぐに便が出そうになってトイレにこもってしまうんだけど、ママはそんな時に戻ったら食事を下げられていたらどう思う?悲しいやろ?」と言っていました。「でも、給食はちゃんと食べられていたよね?どうして?」と聞くと、「あの頃はなぜか適応できていたんだよなぁ。どうしてかは自分ではわからないけど」とのこと。そういえば小学校の給食試食会で娘のクラスの給食風景を見たのですが、いただきますの前に「減らしてほしい人は来てください」と先生が声を掛け、みんなぞろぞろと配膳のところに並んで食べきれない分を自分で戻しているのです。これにはびっくりしたとともに、「何ていい時代になったんだ」と感動すら覚えました。そういう配慮もよかったのかもしれません。心と胃腸は結びついている思い出してみると、娘は小さなころから排便に難がある子でした。おむつは小は3歳になってすぐに取れましたが、大は5つ近くになるまではいたままでしかできない。おむつがとれても、絵本を読みながら私がトイレのそばにいないと出ない。外出先では個室に一緒に入って物語を語ってやるか、歌を歌ってあげないと出ない。ショッピングセンターのトイレや駅のトイレで歌ったこともありました。小学校に上がってからも、小1のとき先生に「先生、私、本を読みながらじゃないとうんちできない」と自分で訴え、特別に服に隠して本を持ち込ませてもらっていたようです。小学2年生で担任が変わってからは、その配慮を受けられなかったのかも知れないと思って本人に聞いてみたのですが、覚えてないと言われてしまいました。ひょっとしたら、それも不登校の理由の一つなのかもしれないと思ったのですが…。彼女の心は胃腸と常に結びついていて、今も腹痛を安定剤と胃腸科の薬とを使いこなしながらコントロールしています。どちらが効くかは本人にはわかるそうで。それでも、映画に行ったときは両方飲んで真っ青になりながら鑑賞してました。外出用のカバンにはいつもあらゆる薬が入っています。ちなみに娘が通う通信制サポート校の先生も「うちの生徒たちは腹痛持ちの子がすごく多いです」と仰ってました。心のSOSは真っ先に身体に出るもので、特に胃腸にくることが多いように思います。先生の言葉には大きく頷かされるものがありました。最後に私は娘に発達障害の診断がついた時点で思考停止して、「ああ全部発達障害のせいだったのか」と考えてしまっていたように思います。子どもの困った行動は「子どもの困っている気持ち」を表現していることが多いと気づきだしたのは最近のことです。今回のことも発達障害という切り口からだけでは見えてこないこともあると思うのです。確かに根底には発達の凸凹があるのかもしれません。だけど、本人が生まれついた体質や気質、それからきた困り感に周りがどう応えてきたのか、必要な配慮は受けられたのか、ということの方が大切なのではないでしょうか。原因は一つとは限らないし、その時分かるとは限りません。親だって判断を誤ることもあるでしょう。だけど、「まずは目の前の子どもの困り感を減らしてあげること」を一番に考えてあげたいと思いました。
2018年11月27日近日こどもまなび☆ラボでスタートする連載『ジュニアのためのスポーツごはん』。この連載では、スポーツを頑張る子どもたちを支える親御さんに向けて、シチュエーション別のおすすめメニューをご紹介します。さらに、栄養面でのワンポイントアドバイスをもとに、成長期における食事面でのサポートの重要性をわかりやすく説明していきます。お楽しみに!連載に先立ち、すでに刊行されている書籍『かんたん! おいしい!ジュニアのためのスポーツごはん栄養満点パワーチャージレシピ』(金の星社刊、以降『ジュニアのためのスポーツごはん』)で監修を担当されたお一人である株式会社明治広報部の管理栄養士/公認スポーツ栄養士・高梨麗さんにお話をうかがってきました。この本を作ることになった経緯や制作の裏話、また明治が考える食育とは?盛りだくさんの内容でお届けします!スポーツを頑張る子どもと食事づくりを頑張る親御さんのために子どもが成長するにつれて、スポーツの習い事も本格的になっていきます。幼いころは遊びの延長のような気持ちでスポーツを楽しんでいた子どもたちも、次第に「もっとうまくなりたい!」「パフォーマンスのレベルを上げたい!」と、ライバルや自分自身に打ち勝ちたいという思いが高まっていきます。その姿を見て、親として全力でサポートしてあげたくなるのは当然のことですよね。スポーツを頑張る成長期の子どもたちにとって、親ができるサポートのひとつは栄養バランスが整った食事づくりです。この『ジュニアのためのスポーツごはん』で紹介されているメニューは、どれも栄養満点でおいしそう!それになんといっても簡単!毎日の食事づくりにお悩みの保護者の方が参考にしたくなるメニューばかりです。はじめに、この本ができたきっかけを高梨さんに聞いてみましょう。「出版元の金の星社さんから、「スポーツをしている子どもをサポートする親御さんのために、栄養満点で簡単にできるレシピを本にしたい」というお声がけをいただきました。さまざまな競技のアスリートの栄養サポート活動や、小・中学生への出前授業など、食育活動を広く実施している明治だからこそ、お伝えできることがあると思いご協力させていただきました」この“簡単にできる”というのは非常に重要ですよね(笑)。毎日の食事づくりが負担になってしまわないためにも、手に入りにくい材料や複雑な行程はできるだけ避けたいものです。「できるだけ馴染みのある食材を使い、工程を簡単に、しかも美味しく仕上がるようなレシピであることを心がけています。基本的な考え方は、毎食、①主食、②主菜、③副菜、④果物、⑤牛乳・乳製品、この5つを揃えること。そうすることで、成長やスポーツに必要な栄養素を満遍なくとることができます。加えて、色鮮やかになることも心がけました。色がきれいということは、たくさんの食材を使っているということです。使用している食材が多いとさまざまな栄養が集まって、「色がきれい」=「たくさんの栄養が含まれている」ということにつながります」情報があふれるこの時代、健康や栄養についての知識を簡単に得られるようになった反面、難しく考えすぎて不安になる親御さんも多いように見受けられますね。「実際に保護者の方からお話をうかがうと、みなさん、栄養のことをよく考え、お子さんの食事を作られていると感じます。ときには、頑張りすぎて疲れてしまっているというお話も聞きます。そういうときはもう少し肩の力を抜いて考えても良いのではないかとお伝えします。食事づくりというのは毎日のことですので、難しく、複雑に考えるとつくる側はもちろん、食べる側もそのプレッシャーを感じ取って負担になってしまうことも……。ですので、献立を考えるときに「①〜⑤をとりあえず揃えよう」、「色がいっぱいあったらいいな」と考えると、自然に使う食材も増えて、結果栄養満点に近づいていきます。この本はそんな考え方がベースになっていますので、本を手に取っていただいた方々から、「参考になる」との声をいただきました」子どもの健康や成長を誰よりも心配しているからこそ、親御さんたちは手を抜けずに悩んでしまうものです。だからこそ、まずは気持ちをラクにして、食事づくりを負担に感じないようにするべきですね。「たとえば外食をしたとしても「①〜⑤のうち足りないものがあったかな」と考えて、おやつでその番号を補ったり次の食事で多めに取り入れたりと、家に帰ってから不足した番号をプラスして栄養バランスをとることができます。1食単位で考えることはありません。1日単位、もしくは3日単位でもいいくらい。そのなかでうまくバランスを保つ意識をして、自分で何ができるかを考えることが大事です」スポーツ栄養学のエビデンスをバックボーンにした解説・コラムたくさんの食材を使った色鮮やかなメニューが印象的な『ジュニアのためのスポーツごはん』ですが、他にも気をつけた点などはありますか?「子どもたちの好き嫌いについてリサーチをしました。どういう食材が苦手か、その食材を好きなメニューの中に入れられないか?といったことなどを考え相談しました。また、成長期に必要なカルシウムを多く含む食材を取り入れることも心がけました。牛乳やチーズ、ヨーグルトを使ったメニューも充実しています。以前からみなさまに情報提供させていただいていたメニューを本の中に組み込んだり、現場で選手に提供して好評だったメニューを入れたりもしています。また、“冷凍食品でもOK”“めんつゆを代用してもOK”と、気軽に挑戦できるようなご提案をさせていただいています。市販のお惣菜をプラスするレシピもあります。「できるだけ簡単にしたい」という方もいれば、「やっぱりそこはこだわりたい」という方もいるので、大さじ3杯といった細かい表記をしているものもあります。どちらでも、ご自分に合った方法でレシピを活用していただければと思います」時間があれば手間をかけたい、でもちゃちゃっとつくりたいときもある……そんな親御さんにとってもありがたいですね。またこの本では、メニューに添えてある専門家ならではの解説がとても勉強になります。知っているのと知らないのでは大違い、スーパーで食材を選ぶときにも覚えておいて損はありません。「成長期の発育・発達の面とスポーツ栄養学のエビデンスをバックボーンにして、解説やコラムを書かせていただきています。難しい専門用語ではなく、一般の方にもわかりやすい表現で解説することを心がけました」たとえば試合前のメニューについて、2種類の炭水化物を取り入れたり野菜は少なめでよかったりと、一般的にはあまり知られていない「スポーツ栄養学の常識」が盛り込まれていて新鮮でした。成長期を過ぎたアスリートの方も、このような食事を取り入れているのでしょうか?「そうですね、たとえばJリーグの選手も同様に『試合前食』では炭水化物多めの食事を摂ります。試合の前日の夜から始まり、試合スタートに一番近い食事(お昼にキックオフだったら朝ごはん)にはうどん、もち、パスタ、カステラ、果物などを食べます。これはどの競技でも基本的には同じです。一般的なご家庭でも同じように考えることができます。たとえば明日、小学生が運動会で、中学生のお兄ちゃんは部活の試合があるとします。翌日のパフォーマンスのためにも、前の晩から兄弟ともに炭水化物を多めのメニューを心がけるといいでしょう」プロのアスリートをサポートする明治だからこそ伝えられること野球やサッカー、水泳など、競技によって鍛えたい能力は異なりますよね。持久力、瞬発力、足の筋力、腕の筋力……。意識して取り入れるべき栄養素にもそれぞれ違いがあるのでしょうか?「これは「競技によって」というよりも、「目的に合わせて異なる場合がある」という回答が適していると思います。まず大前提として、どんなスポーツ、どの状況でも、栄養バランスのとれた食事を3食、場合によっては補食をつける、という基本は忘れずに。成長期のお子さんはそれを継続することが大切です。人間は生まれてから2回、急速に発育・発達する時期『発育急進期』があります。第一発育急進期は乳児期・幼児期に、第二発育急進期小学校高学年から中学生くらいまでの期間なのですが、それが終わっていよいよ本格的に体づくりをする段階になり、「筋力を増やしたい」「減量したい」といった目的に応じて栄養素を強化したり減らしたりしていく、という方法をとっていきます。そのため、小学生のうちに「サッカーをやっているから」「野球をやっているから」という理由で強化するべき栄養素はとくにありません。ただし、成長期は骨が一番発育する時期ですので、骨の材料であるたんぱく質とカルシウムは不足しないように気をつけましょう」近年、若いスポーツ選手たちがめざましい躍進を遂げています。科学的な根拠に基づいたトレーニング方法が話題になることも多く、昔に比べて情報や知識が豊富であることがパフォーマンス向上に結びついていますよね。食事面においても、スポーツ栄養学に基づいた食事が何らかの影響を与えているという実感はありますか?「難しいご質問ですね、○○を食べたからといって、シュートがバンバン決まるわけではありませんので。ただ、栄養や食事をトレーニングに見合ったものにすることによって、日々、体調が良い状態で質の高い練習を継続することができ、パフォーマンス向上につながります。日本代表として活躍するような選手のみなさんは、その重要性を理解して、各々、高い意識を持ち実践されています。スポーツ選手が目標を掲げて、そこに向かうための体づくりとして、食事の重要性に気づき、実践し、その取り組みを続けている様子を見ていると、スポーツ栄養学に基づいた食事を摂ることは大切だと感じます。逆に言うと、その意識がなければトップ選手としては残れない。当然ながらトレーニングはみなさん一生懸命されます。トレーニング以外の部分、食事や睡眠といった生活全般に対して、いかに気を遣うことができるか、その差は大きいと感じます」一生懸命スポーツに打ち込む子どもが「もっと強くなりたい!」「もっとうまくなりたい!」と思ったとき、親である私たちは、技術的なことを教えられなくても食事面で大きなサポートができますね。「目標ができ、栄養バランスを考えた食事にしていこうと考えたときに、大切なことは正確な知識をもっているかどうかということです。今はSNSなどの普及で、「この栄養素は○○に効く」などたくさんの栄養・食事にまつわる情報を耳にすることが多いと思います。それが果たして正しい情報なのか判断できないまま取り入れたり、悩んだりすることも出てくるかと思います。そんなときに改めて思い出していただきたいことは、あるひとつの栄養成分だけで、何か効果が出るのではないということです。食事から摂る5大栄養素を日常的に取り入れて、バランスの良い食事①主食、②主菜、③副菜、④果物、⑤牛乳・乳製品を毎食揃えることを心がける。この知識を実践する習慣こそが、元気にスポーツを続けていく、ひいては目標達成のために重要なことなのです」***インタビュー前編では本の制作秘話やスポーツ栄養について詳しくお聞きしました。後編は多くの親御さんがお悩みの「朝食」についてです。子どもが朝食を食べない、朝起きられない……そんなお悩みにズバッとお答えいただきます!
2018年11月25日こんにちは!ぴよととなつきです。幼稚園に通う長男(5歳)と次男(3歳)の育児日記をInstagramに投稿しています。先日、夫が休みの日に家族4人で近所の公園に出かけました。息子たちと和やかにサッカーボールの蹴り合いをしていたのですが、そのすぐそばで小学生の男の子5人が同じようにサッカーをしていました。そのうち成り行きで一緒にサッカーをすることになり、【小学生】vs【ピヨトト家】のゲームが始まったのですが……結果は、大人2人でかかってもコテンパンにやられました…子どもたちが幼稚園児の今はまだスポーツでイニシアチブを取れていますが、小学生になったらついていける自信がない…!!!このままでは母の威厳が保てない…!!!小学生男子に一目置かれる存在となるためには体力で勝とうと思ってはいけないことを早々に悟り、方向転換を決めました。子どもたちが小学校に上がる頃に向けて、私の目指す母親像はこちら。子どもが小学校に行っている間にゲームをやりこんでレベル上げに専念し、体力では勝てない子どもたちに「お母さんには敵わない」ということを示していきたいと思います(笑)●ライター/ぴよととなつき
2018年11月20日こんにちは! イラストレーターのにわゆりです。先日キーちゃんが、けがをして血が出てしまったときのこと。私も小さいころ、血のことを「ちが」と言ったり、蚊のことを「かが」と言っていたそうなのですが、こういう子どもの言い間違いって本当にかわいいですよね~!とくに3〜4歳くらいのころは、いろいろな言葉を覚えてきて、それを一生懸命話す姿にかーちゃんはいつも癒やされちゃいます。一方、モン太は4月に小学生になったのですが、いまだに「やわらかい」を「やらわかい」と言います(笑)。最近は動画などで覚えた言葉を自信満々に言い間違えるので、そのたびにクスクスしてしまうかーちゃん。先日も家族でお出かけをした帰りに、あまりにも月がきれいだったので、みんなで空を見ながら歩いていると…「満月」と「満足」って言い間違う!?(笑) 照れ笑いするモン太を見て、小学1年生もまだまだかわいいなぁと思ったかーちゃんなのでした。みなさんのご家庭での言い間違いもぜひ聞かせてください!
2018年11月17日モータースポーツ大好きな息子。楽しみにしてたバイク教室の日に発熱…!Upload By かなしろにゃんこ。息子は車や電車などモーターとタイヤがある乗り物が大好きです。小学校2年生の冬、大手バイクメーカーが小学生向けにバイク教室を開催しているのを知り、参加することにしました。しかし!当日になって熱を出してしまった息子。「楽しみにしていたのに残念だけどキャンセルしよう」と言ってみたものの、「ヤダ!絶対に行く!」と言って耳を貸さず、着替えだしました。学校に行く準備はウダウダとして着替えないのに、このときは飛び起きてサッサと仕度するじゃありませんか。一度言い出したら聞かない頑固な息子です。その熱意に負けて「ヤリタイようにやらせてみるか」と、親も息子に任せることにしました。集中してマジメに参加する姿に、母びっくりUpload By かなしろにゃんこ。バイク教室は、小学校1年生から6年生くらいまでの男の子や女の子と保護者が一緒に決められたコースをバイクで走るというプログラムです。小学生でも乗れる小さいバイクと肩や肘膝のプロテクターやヘルメットまで貸し出ししてくれて、小学生でも安全に講習を受けることができます。子どもたちだけで乗り方や注意事項の説明を受けてから練習していきます。意外だったのは、普段学校では先生の説明などろくに聞かない息子がマナーよく説明に耳を傾けていたことです!「なにー!?アイツが大人しく話を聞くなんて……」お母さん驚いちゃいましたヨ!さっきまで熱でフラフラしていたのにやればできるじゃない。バイクをブイブイと爽快に走らせて、勝手な行動も一切なく集中して参加しています。私の子じゃないみたいにカッコいい(笑)バイク教室は、夢のような体験に。いつの間にか熱も下がっていた!Upload By かなしろにゃんこ。途中でダウンするかしら?と心配していましたが、休憩中に体調を確認すると、どうやら楽しくて楽しくて脳から良いホルモンでも分泌されまくったんでしょうか?熱もすっかり下がり「スゴイ楽しいー」を連発。充実して、元気な様子です。キラキラした笑顔に「あら、いい顔するじゃない」と一安心。人間本当に楽しいことをすると熱も吹っ飛ぶんでしょうかね?それとも、バイク教室が楽しみだったから、興奮のあまり熱まで出しちゃったのかも!?将来の夢にもつながった?帰り道はルンルンUpload By かなしろにゃんこ。2時間のお教室はあっという間に終わり、フラフラだった足取りもしっかりしてスキップするほど回復しました。「ボク大きくなったら絶対にバイクとか車に乗るんだ!」とルンルン♪してモータースポーツの空気にどっぷりハマったようでした。小さいころから何でも体験させたくてローラーリュージュをやってみたりヘリコプターに乗ってみたりと、ワクワクすることに挑戦してきたわが家。中でも、小学生時代のバイク体験は、特別いい思い出になったようでした。ADHDがあっても、好きなことを学ぶときは、マナーもばっちりで参加できることにも気づけました!興味のあるものには全身全霊で集中できるんですね~♡嬉しい発見でした♡息子と一緒に乗ったバイク、いいところ見せようと思ったけれど…Upload By かなしろにゃんこ。参加したのは親子教室なので、一緒に参加した私もバイクに乗ったのですが…運転するのは15年ぶり。「ははは、若いときに乗っていたから運転はお手の物だよ」と自信たっぷりだったのに、いざ乗るとなると…「アレ?このエンジンかからない!なんでだろう?」と慌ててしまいました。ブレーキをかけていないとエンジンがかからないのが基本なのに、スッカリ忘れていて慌てまくる母(笑)息子はそんな母のテンパった姿を見ていたかはわかりませんが「まぁ~お母さんの運転なかなか上手だったよ」と上からのご意見いただきました。「あざーす!」ワクワクはやる気の原動力!整備士の夢に向かってUpload By かなしろにゃんこ。ところで、息子はこのときの体験が原動力になってなのか!?車の整備士の学校に進むことに。高校生になるころには、壊れたバイクをもらってきて庭で汚れながら修理したり古い車をいじったりして楽しむ姿も。成長しても好きなことへの情熱は変わりなく続いています。興味があること・大好きなことへ触れる機会を、親が少しだけ手助けをしてつくり、「やりたい」気持ちをかなえてあげることが、子どもの力になるんじゃないかな。20歳となり、整備士を目指す息子の姿を見ていて、そんな風に感じている今日このごろです。参考:YAMAHA親子バイク教室
2018年11月12日肌寒くなるこの季節。持久走大会が開催される小学校も多いですよね。しかし、持久走といえばつらくて苦しくて、できれば走りたくない……と、大半の人がネガティブなイメージを抱いているのではないでしょうか。今回は、走ることが苦手なお子さんでも楽しみながら速く走れるようになる「とっておきのトレーニング方法」をお教えします。小学校低学年に向いているトレーニング方法今も昔も、「持久走が好き!」という子より、「苦手だな……」と感じている子のほうが圧倒的に多いですよね。大会に向けてトレーニングをする前に、まずは持久走への抵抗感や苦手意識を払拭することが大切です。【1. スロージョギング】大人が趣味や健康のために行うランニングやジョギングは、楽しみながら自分のペースでできますよね。一方、小学生が体育の授業の一環として持久走を行う場合、たとえ「無理のないペースで」と指示されても、周囲に遅れをとらないようにと、つい速く走ってしまうもの。そのため、すぐに息を切らし、「しんどい、つらい」といったネガティブなイメージにつながってしまうのです。そこで取り入れたいのが「スロージョギング」。隣の人と会話ができるくらいの運動の強さで行うジョギングを意味します。小学生を対象に、岡山大学がこのスロージョギングを取り入れた研究を行ったところ、子どもたちの持久走に対する意識の変化が見られました。方法:低学年でも余裕を持って歩くことができる速度である時速4kmで、8分間スロージョギングの持久走を行う。ゆっくりだけど歩かず続けて同じペースで走るように指示。工夫:できるだけ単調にならないようにBGMを流す、走行中にすれ違うことができるコースを設定し、ハイタッチなど児童たちがコミュニケーションを図りながら楽しく走ることができるようにした。結果:すべての学年においてスロージョギングの授業の前に比べ、持久走に対する意識が「楽しい」「気持ちいい」といった肯定的なものに変化した。(引用:岡山大学大学院教育学研究科研究集録|小学生を対象にしたスロージョギング持久走についての実践的研究)無理のないゆっくりとしたペースで、まずは「走るって楽しい!」というイメージづけから始めてみるといいですね。【2. 5分間走】日本陸上競技連盟が承認している「小学生の長距離・持久走についてのガイドライン」で示した10項目の中には、「持久的体力向上の運動処方として「5分間走」が勧められる」という項目が含まれています。その理由として、「心肺への負担(苦しい時間)が短いことと同時に、フォームが崩れない時間(距離)であること」が挙げられています。箱根駅伝王者・青山学院大学陸上部の原晋監督も、著書『1日10分走る青トレ』(ゴルフダイジェスト社)で、大人向けとして「10分・1,500m」走ることを推奨しています。これもやはり、フォームが崩れない時間・距離を目安としています。5分や10分と聞くと短いように感じますが、負担を減らして合理的に走ることが結果に結びつくのなら、ぜひ試してみたいですね。【3. 正しい走り方】持久走も徒競走も同じ「走る運動」。でもそれぞれ速く走るためのフォームや注意点は違います。持久走では長い距離をラクに走るために適した走り方があるのです。<持久走の正しいフォームと大切なポイント>1.姿勢を良くして走る!姿勢が悪いと呼吸をしにくくなったり、疲れやすくなったりする。しっかりと背中を伸ばして走ろう。2.苦しくなったら息を大きく吐き出す夢中で走っていると呼吸がおろそかになってしまいがち。息を大きく吐くことでたくさん吸うことができるので、呼吸がラクになる。3.腕は力を抜いて軽く振る徒競走の時のように大きく速く振るとすぐに疲れてしまう。力を抜き、足のリズムに合わせて軽く振るのが◎。正しい知識をもとにした効果的なトレーニングは必ず結果に結びつきます。速く、ラクに走れるようになることで、つらくて苦しい持久走を少しでも楽しめるようになるのではないでしょうか。「外遊び」で体力アップ!おすすめは鬼ごっこ!?持久走に必要なものは“体力”です。しかし、体力をつけるために毎日トレーニングをすることは、子どもだけではなく親にとっても大きな負担になります。だからこそ、普段の遊びの中で自然に体力がついてくれたらいいですよね。オリンピック選手にも指導しているゆめおり陸上クラブの松原薫コーチによると「小学生の持久走の練習では、「無理をしないこと」が一番のポイント」とのこと。だからこそ、遊びの中でたくさん身体を動かして、徐々に体力をつけていくことがおすすめなのです。公園を走り回る、お友だちと鬼ごっこをする、それだけでも体力アップにつながります。StudyHackerこどもまなび☆ラボでも、たびたび「外遊び」の重要性についてお伝えしてきました。『体力の向上だけではない外遊びのメリット!子どもが外遊びで伸ばせる力5つ』『一生に一度のゴールデンエイジに運動能力を一気に伸ばす!幼児期に重要な3つの外遊び』外遊びをする機会がめっきり減った現代の子どもたち。しかし、外遊びをすることで得られるメリットは計り知れません。1. 鬼ごっこ・基礎体力がつく・体を動かすことの楽しさと意欲を生む・瞬間的な判断力、先を読む力が養われる・素早く動きを切り替える瞬発力「走る、歩く、よける」などが含まれる鬼ごっこは、子どもが楽しく体を動かせる遊びのひとつ。思いきり走って逃げてもよし、緩急をつけながら逃げるのもよし。短時間でもかなりの運動量になりますね。2. ボール投げ・体のバランス感覚が養える・手足を巧みに動かす「巧緻性(こうちせい)」が身につく・「空間認知能力」の習得・スピードに対する認知力どのタイミングでどのように手足を使えば相手にボールが届くのかなど、体全体の動作コントロールが身につきます。大きさの違うボールをいくつか用意して遊ぶほうが効果が高いそうですよ。3. 砂場遊び・「立つ」「座る」という動作を繰り返すのでいい運動になる・「運ぶ」「積む」「持つ」「掘る」ことで体のバランス感覚が養える砂を詰めたバケツを運ぶ、そのバケツを逆さにして、そーっと中身を出す。山を崩さないようにトンネルを掘るなど、微妙な力の加減が必要となってくる砂場遊び。運動能力ではありませんが、社交性や想像力の向上にもつながりますよ。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|一生に一度のゴールデンエイジに運動能力を一気に伸ばす!幼児期に重要な3つの外遊び。)走る・跳ぶ・ボールを投げて受ける・ぶら下がる・つかむといった動きは、神経機能の発達を促して運動能力を向上させます。また、走る・歩く・よけるといった瞬発力が必要とされる「鬼ごっこ」は、体力向上にもってこい!そしてなにより、日頃から身体を動かしていることで持久力がアップして、長い距離を走り抜く力を養うことができます。子どもが自信を手に入れる「魔法の言葉」とは?最後に、子どもの心と身体の健康のために、私たち親が日頃から気をつけておきたいことをお伝えします。メンタル面では、励ましの言葉やポジティブな思考を育むためにどうしたら良いか、また健康面では、規則正しい生活と朝ごはんの大切さについて考えていきましょう。【1. 「〇〇君ならできるよ!」】普段から子どもを褒めていますか?多くの日本人は我が子を褒めることが照れ臭く、他人から褒められても謙遜しがちだといいます。しかし、子どものやる気を削ぐのも、やる気を育てて実力以上の力が出せるようになるのも、実は親の声かけが大きく関係しているのです。教育・子育てアドバイザーの鳥居りんこ氏は、中学生100人を対象に「親に言われてうれしかった言葉」を調査しました。それにより導き出した『子どもに繰り返し言ったほうがいい言葉』の中に、「オマエならやれる!」という言葉があります。心配のあまりつい「大丈夫?」「本当にできる?」「難しいんじゃない?」といった言葉をかけてしまいがちですが、本来ならば、子どもを信じて励まし、背中を押してあげるのが親の役目です。もし子どもが「ちゃんと最後まで走れるかな……」と不安がっていたら、ぜひ「〇〇君ならできるよ!」と声をかけてあげましょう。それだけで子どもは自己肯定感と自信を手に入れて、本来持っている力をさらに伸ばすことができるのです。【2. 朝食メニューは炭水化物+炭水化物】持久走大会当日の朝。緊張のあまり食欲がなかったとしても、最後まで走りきる体力を維持するためにはきちんと食べさせましょう。逆にあまりたくさんの量を食べてしまうと苦しくて走れなくなってしまうので、適量を食べさせる工夫が必要です。プロアスリートも取り入れているスポーツ栄養学をもとにしたメニューでは、試合当日の朝ごはんは集中力を高め、身体を動かすためのエネルギーを補給することを重視しています。たとえば「おもち」と「雑炊」、「うどん」と「おにぎり」など、普段の朝ごはんとは少し違う組み合わせになりますが、即効でエネルギーに変わる炭水化物の量を増やすことが効果的です。また前出の松原コーチによると、胃腸内の炭酸ガスを抑えるヨーグルトもおすすめとのこと。特別なものを作る必要はありませんが、普段の朝ごはんにちょっと変化をつけることを心がけましょう。【3. 規則正しい生活】健康を維持して体力をつけるには、規則正しい生活を送ることが一番です。しかしその習慣は簡単に身につくものではありません。朝すっきり目覚めるには、前日から生活リズムを整えておく必要があります。文部科学省が推奨している『早寝早起き朝ごはん』運動は、たくさんの自治体や企業が賛同して大きな活動へと広がりを見せています。生活習慣の乱れは学習意欲、体力、気力の低下の要因のひとつとして指摘されており、社会全体の問題として考えなければなりません。まずは家庭でできることとして、生活環境を整えてあげましょう。夜更かしせずに、早く寝るためにはどうしたらいいか?朝なかなか起きられないのなら何を改善したらいいか?今抱えている問題点を親子で一緒に考えてみましょう。「元気な1日」を毎日過ごしていれば、それが習慣になります。すると、持久走大会のような「ここぞ!」の時にも力を存分に発揮できますよ。以前のコラム(学力低下を招く「睡眠不足」を改善しよう!子どもがスッキリ起きられるポイント7つ)でご紹介した「気持ちのいい朝を迎えるためのポイント」をおさらいします。1.寝る時間・起きる時間を親子で決める2.朝日を浴びる3.寝る前の環境を整える4.昼寝の時間を見直す5.前日の夜に準備をする6.正しい姿勢で寝る7.家族みんなで(同じ時間に)寝る持久走大会を楽しむためには、日々の暮らしを見直して生活リズムを整え、しっかりと最後まで走り抜く体力をつけることが大切です。本番当日までにできることを積極的に取り入れたいですね。***持久走大会に向けてトレーニングすることは、体力や運動能力のほかに、「最後までやり抜く力」も養います。走っているときは苦しくても、ゴールした後に得られる達成感や清々しさは何ものに代え難いでしょう。きっと将来、困難な状況に打ち勝つ強さにもつながるはずです。(参考)一般社団法人日本スロージョギング協会|スロージョギングとは岡山大学大学院教育学研究科研究集録|小学生を対象にしたスロージョギング持久走についての実践的研究小学生長距離・持久走検討プロジェクト|日本陸上競技連盟「小学生長距離検討会議(プロジェクト)」が示した「小学生の長距離・持久走についてのガイドライン」原晋著(2017),『1日10分走る青トレ』,ゴルフダイジェスト社学研親子のための運動・遊び方情報誌ソトイコ!2018年度秋号|千葉真子さんの走り方教室正しいフォームはこれだ!!ベネッセ教育情報サイト|【小学生のマラソン大会】どんな練習をするといい?本番に勝つための戦略は?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|体力の向上だけではない外遊びのメリット!子どもが外遊びで伸ばせる力5つStudyHackerこどもまなび☆ラボ|一生に一度のゴールデンエイジに運動能力を一気に伸ばす!幼児期に重要な3つの外遊びPRESIDENT Online|子供が見違える「短い声かけフレーズ10」明治監修(2017),『かんたん!おいしい!ジュニアのためのスポーツごはん:栄養満点パワーチャージレシピ』,金の星社「早寝早起き朝ごはん」全国協議会|「早寝早起き朝ごはん」運動についてStudyHackerこどもまなび☆ラボ|学力低下を招く「睡眠不足」を改善しよう!子どもがスッキリ起きられるポイント7つ
2018年11月10日今やすっかり定着した「食育」という言葉。ここ日本では2005年に「食育基本法」が制定され、急速に「子どもと食」についての意識が高まってきました。この「食育基本法」は日本独自の法律であり、国民一人ひとりが食育の推進に取り組むことを目的としての制定されたものです。一方で、海外ではどうでしょうか。生活環境の違い、食文化の違い、食料自給率の違い……あらゆる点で日本との違いがあるにせよ、世界中どの国であっても“健康な人生を送りたい”“子どもに食の大切さを伝えたい”という願いは同じはずです。ここでは、世界各国の食育事情から見えてくるものや、日本でも取り入れられそうなアイデアをご紹介します。今回は、言わずと知れた美食の国・フランスです。グルメ大国フランス。その食育の歴史をひもとくヨーロッパで初めて食と健康についての政策を打ち出したフランスは、まさに食育先進国といえるでしょう。活動の中軸となる国の機関「フランス国立食文化評議会(CNAC)」(1989年設立)は、食の問題に取り組むだけではなく、文化としての食を広める役割も果たしています。その食育活動の中でも重要な位置を占めるのが『味覚週間』と呼ばれる国民的な食育イベントです。1990年にスタートしたこのイベントは、毎年10月の第3週目にフランス全土で開催されます。その目的は、「バランスの取れた食生活を促進する」「食体験を通じ、味覚や風味について様々な提案を行う」といった消費者目線のものから「安全で良質な食品の生産者を勇気づける」「食品の産地、生産方法、質について信頼できる情報を提供する」などと生産者のメリットを考えられたものまで多岐に渡っています。近年では数百もの自治体が参加し、国立食文化評議会や農業・食品・水産省なども加わるまでに発展した結果、国民の8割以上に認知される国民的食育活動へと成長を遂げたのです。この『味覚週間』で実施される取り組みの中で最もフランスらしさを感じさせるのが「味覚のアトリエ」と呼ばれるイベントです。<味覚のアトリエとは?>フランス全土で行われる食のイベント活動。有名な星付きレストランなどの飲食店は、この期間のためのメニューを用意し、学生には学割を利用した特別価格で料理を提供する。この取り組みにより、日頃そのようなレストランを利用できない層が新しい味覚を発見する機会になる。「子どもが有名店で食事なんて」「大人になってからでいいじゃない」と“本物の味”から遠ざけるのではなく、有名店の本格的な味覚に触れることを推奨する、というのがなんともフランスらしいですよね。フランスの学校は食堂も学びの場日本のように給食がないフランスでは、子どもたちは昼休みに自宅に戻って昼食をとっていました。しかし近年では共働きの家庭が増え、ほとんどの子どもたちは食堂(cantine:カンチーヌ)でランチをいただきます。フランスは学校食堂を「食育の場」として考えています。そのため、生徒にきちんと座りきちんと食べることを体験させ、食のバリエーションを伝えることを大切にしているのです。さらに、教育省や経済・財政・産業省、農業・水産省といった関係各省の大臣が連名で「学校食堂での食事と食の安全」と題する指令を出し、あらゆる方面から学校食堂をサポートしています。たとえば、推奨される摂取エネルギーの配分を【朝食2割、昼食4割、4時の間食1割、夕食3割】とし、「昼食はこの割合に従って用意すること」と定めるなど、かなり細かく制定されています。どうしてここまで細かいかというと、しっかりとした理念に基づいたうえで学校食堂を「食育の場」としているからです。この学校食堂に関する指令では、次のような点を教育活動の軸として掲げています。1.生徒の味覚を育て、伝統の料理を評価し、質の良い農産物を推奨すること2.味覚をはっきりと表現できない生徒に対し、味覚に関する正確な言葉遣いや表現力を養わせること3.食品製造の方法や食物の成分について説明すること4.その土地の特産物を賞味すること5.香り、香辛料、エキスを発見すること(引用元:国立国会図書館|ISSUE BRIEF NUMBER 450|欧米の食育事情)香辛料やエキスを自分の舌や鼻で感じ取ることは、繊細な味覚を養ううえで非常に重要です。フランス人のグルメな舌は、こうやって小さいうちから鍛えられているのかもしれませんね。ここで注目すべきは「2」の項目について。味覚と言語能力や表現能力の関係性について、次で詳しく説明しましょう。味覚を言語化する→味覚が研ぎ澄まされる→さらに言語表現が豊かになる!フランスでは食育の要である『味覚教育』と『栄養教育』の授業に多くの時間を割いています。独自のメソッドに基づいたその内容は、基本的なことを子どもにもわかりやすく教えるだけはなく、食を通じて五感を研ぎ澄まし、言語表現にまでつなげることを目的としています。ここでは、ベネッセが2008年に現地で調査した授業内容の一例をご紹介します。8歳~10歳、180人の小学生を対象とした味覚授業は非常に興味深い内容です。まず、子どもたちに五感について説明したあと、さまざまな感覚機能を言語で表現できるように促します。具体的には、以下のような方法で学びます。・匂いを嗅ぎ分け、なんの匂いに似ているか言葉で伝える・何枚かの違う布を触らせた感触を言語で表現させる・料理や飲み物の感触(ねっとりしている、サラサラしている、バリバリしている、など)を表現させるフランスでは自分の思っていることを論理的に、相手にわかるように表現することを小学校から徹底して教育されます。それは食育の一環である味覚教育でも同じです。子どもたちが“味覚の言語化”を学ぶことは、味覚をより研ぎ澄ます効果があり、その鋭敏になった味覚が言語表現をより豊かにする、という感覚と言語との相互作用効果が期待できるといいます。さらにもうひとつ。味覚を言語化できるようになることで思わぬ利点も生まれます。それは「食わず嫌い」が減るということ。見ただけではその味が想像しにくい食べ物への抵抗感は、未知のものに対する恐怖と似ています。その恐怖を払拭するには、言語表現を介した想像力が有効です。自らの想像力により先入観を取り払い、新しいものや知らないものにも挑戦してみようというチャレンジ精神が芽生えるのです。より実戦的な栄養教育を取り入れる効果とは同じくベネッセが現地調査した『栄養教育』では、どのような授業が行われているのでしょう。ここでご紹介する実例は、9歳の小学生24名を対象としたもの。まず、子どもたちには昼食前にメニューを渡し、「栄養アドバイスマシーン」という機械で食べたいものを選ぶように促します。フランス料理らしく前菜→メイン料理→デザートの順番で選ぶよう指示されますが、面白いのは選んだメニューによって与えられるポイントが異なるということ。栄養バランスの良し悪しによってポイントが進呈され、子どもたちは自分が選んだメニューを食べながら「自分のポイントがどのような理由で少なかったのか」などを栄養士を交えて話し合います。このようにゲーム感覚で楽しみながら実践的に学ぶことは、子どもたちにとって深い理解につながることが期待できます。日本に比べて早い段階から「自分で考え、自分で選ぶ」ことに重点を置いた教育をしているのは、食文化の違いも大きいのかもしれませんね。ご存知の通り、フランスの食事はスープ、前菜、メイン料理、チーズやデザート、果物、というように一皿ずつ順番に運ばれます。そのため、味のバランスや栄養の偏りを頭の中で考えてからメニューを決定しなければなりません。つまり、子どもたちの将来の食生活に直結するからこそ、授業の一環として時間をかけて取り組んでいる様子がうかがえます。***美食の国フランスでは美味しい食べ物があふれ、人々は食べることを楽しんでいます。ただしそれは、フランスが国として自国の食文化を守り、受け継いでいくことを前提として制定された教育プランの賜物でもあるのです。「味覚を確立する」という教育、ここ日本でも積極的に取り入れてほしいですね。(参考)農林水産省|食育の推進StudyHacker こどもまなびラボ|「食育基本法」とは?以外に知らない基本理念と内容をまとめてみた国立国会図書館|ISSUE BRIEF NUMBER 450|欧米の食育事情benesse|若手研究者現地調査レポート|フランスの小学校教育における食育TOKYO GAS|ウチコト|【食育】フランス生まれの味覚教育「味覚の一週間」とは?著名シェフによる特別料理教室もご案内!
2018年11月08日トップライター:中森かなめ1994年から毎年開催され、今年で25回目を迎えた『工学院大学わくわくサイエンス祭 科学教室』。今年の夏も工学院大学八王子キャンパスで開催されました。科学の面白さが体験できる多摩地域最大級の科学イベントに、娘(中1)といっしょに行ってみると、娘をひきこむ科学体験テーマがたくさんありました。サイエンスに対する意識が変わる!小学生のときから、理数系科目に苦手意識がある娘。学校の定期テストでは点数こそとれているものの、苦手意識は払しょくできずにいました。そんな娘に担任の先生は「授業で教科書とにらめっこして先生の説明を聞いているだけでは、理数系科目に対する意識は変わりませんよ。科学館や水族館などに行って、実際に自分の目で科学現象や動植物の生態を見てきたほうがいい」と助言をしてくださいました。先生から言われると「そうかも!」と思える素直さが娘のいいところ。さっそく夏休みに娘はお友だちと新江ノ島水族館を訪れ、水の中で暮らす生物を観察し、海や川の中にはいろんな生物が棲んでいることを楽しく学んできました。そして、夏休みも終盤にさしかかったところで、工学院大学で科学教室が行なわれると聞きつけ、誘ってみると「面白そうだね」との反応があったのです。紙で学ぶ、完成するまであきらめない気持ちこうして訪れた科学教室は、テレビのお天気キャスター気分を体験できる『お天気コーナー』や、自分だけのろうそくを作ってものが燃える仕組みを学ぶ『カラーアロマキャンドルをつくろう!!』をはじめ、84個もの演示テーマがありました。この中から、まず娘が興味を示したのが、建築を学ぶスタートとして紙を使ってモノづくりの楽しさを体験できる『紙から建築をまなぼう!』です。『紙から建築をまなぼう!』ブースでは、五重塔や自由の女神など、国内外の有名建築物を工作できました『紙から建築をまなぼう!』ブースで使うものは、“カッター”“カッターマット”“型紙”そして“完成するまであきらめない気持ち!”とあります(笑)。型紙に記されている実線をカッターナイフで切り、点線を山折りし、破線を谷折りすれば、折り紙建築ができ上がり。難易度中級レベルのエッフェル塔を選んだ娘は、作業に取りかかってしばらくして、「完成するまであきらめない気持ちは本当に大事!」と笑っていました。難易度中級レベルに挑戦し、根気よく作業を進める娘各ブースでは、大学生や大学院生、附属中高の生徒のみなさんが「教える側」として活躍していて、娘は建築学専攻の女子大学院生とお話しながら、作業を進めていきました。細かい作業は嫌いではないという娘の作業ぶりを見て、院生のおねえさんは「去年、大学の卒業制作で建築模型を作ったんですけど、わたしは細かい作業が苦手で……。助手として手伝ってほしかったな~」と、ほめてくれて娘もうれしそうでした。完成したエッフェル塔。細かい作業だったので、制作に1時間ほどかかりました身の回りのものは科学が関係している!?次に向かったのは『CAD/CAMとNC工作機械を操作してネームプレートを加工しよう』ブースです。実は、娘の祖父は長年工作機械メーカーで主に海外営業を担当していて、昨年引退したばかり。ここで工作機械と対面するのも何かの縁かもしれません。ネームプレートに加工する文字や大きさをコンピューターでデザインし、自分がデザインした名前の加工のようすや、工作機械に命令するプログラムをコンピューターの画面を見ながら確認した娘。コンピューターが加工しやすいように文字を削っていくので、漢字の書き順どおりに文字ができ上がっていくわけではないということが、娘には新鮮だったようです。大学生に教えてもらいながらコンピューターにプログラムしていきますその後、『チタン製のカラフルなしおりを作ろう』ブースで、化学実験をしつつ軽い金属製のしおりを作り、『缶バッジを作ろう』ブースでてこの原理を利用してオリジナルの缶バッジを作った娘。身の回りの物は、科学が関係していることが多いということを実感することができました。『チタン製のカラフルなしおりを作ろう』ブース。リン酸の液にチタンのプレートを浸し、電流を流すことでプレートの色が変化します娘が参加したプログラムのほかに、『巨大シャボン玉に入ろう』や『液体ビー玉を作ろう』など、興味深い科学体験テーマがたくさんありました。同イベントは毎年8月最後の週末に行なわれるそうなので、来年の夏休み前にウェブサイトをチェックしてみてください。中1の娘は、「小学生のときにこのイベントの存在を知っていれば、夏休みの自由研究にきたのに!」と悔やみつつ、工学院大学をあとにしたのでした。イベント情報施設名 工学院大学八王子キャンパス 住所 東京都八王子市中野町2665番地1 問い合わせ E-mailksec@sc.kogakuin.ac.jp電話042-628-4835 工学院大学Webサイト 中森かなめ(なかもりかなめ)東京都在住・40代夫と娘(中1)と3人暮らし。大学卒業後、出版社勤務を経て、渡仏。1年弱遊学した後、フリーランスライターとなる。結婚して出産後、しばらく休業するも、娘が5歳のときに復帰。現在も細々と執筆業に励む。
2018年11月07日専門家・プロ:遠藤美季あとの祭りにならないために。ネットの世界を知って備える今回から、大人は見過ごしがちな子どものネット利用をとり上げていきます。仕事、生活、学習でも必要不可欠な存在になっているインターネット。年齢や立場で利用のしかたに違いがみられます。とくに子どもは、大人にはとても思いもつかないようなネットの使い方をしたり、まさか子どもが?と思うような行動をして親や教師を驚かせることがよくあります。社会に役立つアプリや動画での自己表現など、常識の型にはまらない子どもたちが、次にどんな視点で新しいものを生み出すのだろうと、わたしは楽しみと期待に胸がはずむ思いです。しかし、子どもの思いがけないネット利用が深い闇への入り口になることもあります。次は君の番かもしれない……わたしが監修した『次は君の番かもしれない……本当は怖いスマホの話』(金の星社)という本では、実際にあったスマホのトラブル事例について解説と対策を紹介しています。この本を知りあいの小学校の養護の先生に保健室に置いてもらったところ、子どもたちに大人気で常に貸し出し中とのこと。子どもたちを魅了しているのはタイトルなのではないかと思っています。「本当にあった」「怖い話」など、子どもたちの興味あることばが並んでいます。子どもは怖い話が大好きです。まだネットのなかった時代でも「口さけ女」や「トイレの花子さん」は全国の子どもたちが話題にするほど広まりました。この記事を読んでいる保護者のみなさんのなかには「こっくりさん」に夢中になった経験がある方もいるのではないでしょうか。当時は口コミで広がりましたので、現実とはちがう想像のなかの怖さでした。ですがネットの時代になり、それらの想像の恐怖は具象化され、パソコンやスマホの画面から画像や動画で子どもの目にダイレクトに飛び込んできます。大人は予測して避けることができますが、子どもは怖いもの見たさにアクセスしがちです。以前、保護者向け講座で、子どもが見ているネットの世界として、ホラーサイトや子どもがアップした自傷行為の写真を紹介したところ、前置きをしておいたにも関わらず、見て具合が悪くなったというお母さんがいました。そんな世界を子どもたちは親の目の届かぬところで見ているかもしれないのです。フィルタリングは確かに子どもたちを有害情報などから守るものですが、完ぺきとは言えません。友だちのLINEやSNSで拡散された画像を見ることもあれば、友だちのスマホから見てしまうこともあります。あるいは友だちがいたずら目的で見せてくることもあります。親としては悩ましいところです。友だちがいっしょに見ようって言ったんだもんさて、わたしの子どもが小学生のときに「赤い部屋」というものがネットではやりました。サイトにアクセスするとポップアップ広告が出て、何度も消しているといきなり怖い画像がフルスクリーンで表示されるという、たちの悪いおどかし系のサイトでした。わが家はパソコンがリビングにあり、親がいないときに子どもだけでは立ち上げないという約束があったことと、怖いものが苦手な娘だったので、自宅からこういうサイトにアクセスすることはありませんでした。また、なにかのはずみでアクセスしてしまってもすぐ消すという習慣付けをしておきました。心配なのは、自由にネットを使うことができる友だちの家でのネット利用。友だちの家にお邪魔してそのようなことがあった場合どうするかということを親子で考えました。そのときに出てきた案は怖いサイトにアクセスしそうになったら、ちがう遊びに話題を変える「ホラーサイト苦手なの。マンガ貸して」といってマンガを読んでやり過ごす「そろそろ家に帰らないと」と言って帰るといったものでした。ホラーサイトの問題はわが家だけの問題ではないので、うちに友だちをよんで、なぜ子どもが怖いサイトを見てはいけないのかということを話したこともあります。びっくりしてしまうコンピュータウィルスがしかけられていて感染するとパソコンが使えなくなる夜、夢に見てしまいトイレに行けなくなる現実のことじゃなくてうそが多い……こんな話をして子どもたちが自ら有害サイトを避けて欲しいと考えました。SNSやゲームの影響力は大きく見過ごせない状況も……悲しいことにローティーンの事件のなかには、ネットが引き金となった自殺やリストカットがあります。また、静かに子どもたちに広まりつつある「自殺チャレンジゲーム」という恐ろしいものもあり、海外では自殺例まであって問題になっています。ゲームのなか、もしくはSNSでさまざまな課題が与えられ、クリアしていくうちに自殺に追いやられていくという、とんでもないものです。なんだか怖そうだけど、面白そう。どんなものかな?という好奇心だけで子どもがアクセスするのは本当に危険です。ネットはいろいろな人と出会うことができる素晴らしいツールではありますが、現実世界で「危険なところには行かない」というのと同様、ネットでも「危険な情報とつながりをつくらない」という選択が、実は子どもにとっては大切なことなのです。遠藤美季(えんどうみき)任意団体エンジェルズアイズ主宰、情報教育アドバイザー・ネット依存アドバイザー。保護者・学校関係者に対し子どものネット依存の問題の啓発活動を展開するため、2002年にエンジェルズアイズを設立。学校講演、Web上での普及啓発活動、メールによる相談活動などをおこなっている。著書に『子どものネット依存小学生からの予防と対策』(かもがわ出版)、『ネット依存から子どもを救え』(墨岡孝氏との共著、光文社)など。
2018年11月01日専門家・プロ:牧野直子日本人の食生活で、大人も子どもも足りていないのが野菜。小学生以上になると、大人同様1日350g以上の野菜をとることが目標になります。350gの野菜といってもピンとこないと思いますが、料理にして5皿分が目安です。現在、成人の1日あたりの野菜の摂取量の平均は約290gなので、あと1皿足りないということになります。大人でも足りていないのですから、同じ食卓でごはんを食べている子どもも、当然足りていません。子どもの場合は、食べられる量に個人差があったり、野菜の好き嫌いもあるので、大人以上に工夫して料理をする必要があります。そこで今回は野菜を使ったおやつの提案です。野菜の中でもかぼちゃは甘みがあるので、おやつに使いやすい食材。それに、緑黄色野菜なのでβカロテンが豊富なのもうれしいポイント。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに代わり、のどや鼻の粘膜を丈夫にしたり、乾燥を防ぐ役割があるので、風邪やインフルエンザの予防に欠かせないビタミンです。さらに、免疫力を高めるビタミンCも含まれ、便通を整える食物繊維も多く含まれます。子どものおやつ摂取量の目安は総エネルギー量の約10%で小学生なら150~200kcalくらい。ハロウィンには、たくさんお菓子をもらいますが、市販のお菓子の食べ過ぎは気になる人も多いのではないでしょうか。そんなときのおやつにも、今回のかぼちゃ団子はおすすめです。小学生の場合6~7個くらいを目安にしてください。黒みつをメープルシロップに替えると、洋風になって、また違う風味で楽しめますよ。栄養まとめ食事だけでは不足しがちな野菜。おやつにすれば不足分を補いやすい。甘いかぼちゃがおやつにはぴったり。かぼちゃに含まれるβカロテンは、風邪やインフルエンザの予防に欠かせない。免疫力を高めるビタミンC、便通を整える食物繊維も含まれる。かぼちゃ団子1人分195kcal 塩分0g材料(4人分・24~28個)白玉粉150gかぼちゃ150g水適宜黒蜜、きな粉適宜作り方1)かぼちゃは、ワタをとりひと口大に切ってラップでつつみレンジで2~3分加熱して、フォークなどでつぶす。2)白玉粉とかぼちゃを混ぜ、水を少しずつ加えて、手でこねる。3)耳たぶくらいの固さになったらまとめる。4)一口大に丸め、沸騰した湯に入れる。団子が水面に上がってきたら、水を入れたボールにとって、ざるにあげる。5)盛り合わせ、黒蜜、きな粉をかける。牧野直子(まきのなおこ)管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。
2018年10月26日今年次男が小学1年生になったのですが、入学前に学校から説明された「入学までにできるようになっておいてほしい事」はだいたい大まかにこの3つ(地方の公立小学校です)。「自分の名前が書ける・分かるようにしておくこと」「自分で服が脱ぎ着できること(整理整頓含め)」「規則正しいリズムで生活すること」ひらがなが読めるようにしておいてください、とか、足し算ができるようにしておいてくださいなど学習面においては特に何も言われません。主に身の回りの事とか、生活のことについて親が気を付けるように言われる程度です。ですが、今時は就学前から習い事をやっている子も多いですし、小学校に入った時点でひらがなが1文字も分からない、数字が一切書けない子は少ないと思います。■次男と過ごす時間が足りなかった…? 宿題をみながら気づく我が家もやはりある程度は「読み」「書き」「数字」が分かったほうが1年生の壁にぶつからなくて済むだろうと思い、なんとかひらがなが読める・数字が分かる、ぐらいのところまでは仕上げてから入学しました。しかし、様子見の1学期が終わり、2学期に入ったらぐんと学習スピードがあがってきて、あ~~~、あの幼稚園時代にもっとできたことがあったなぁ~~~と今になって後悔する毎日です。私は「小学校に入るまでに親が教えておくべきこと」が言いたいわけではありません。なぜなら、そんなことを言えるほど専門的な知識もないですし、何よりまだ現在進行形で子育て中の身だからです。でも私、今、次男の宿題に付き合いながら驚いているんです。当然知ってるだろうと思ってたのに「こんなことも知らなかったんだ…」「こんなことも分からなかったんだ…」という気づきが日々ボロボロと出てきて、いかに次男とじっくり向き合って会話する時間が少なかったのかということを思い知らされています。机に座って勉強するべきだったと言ってるのではありません。むしろ机に座って勉強なんてしていないで、日々の会話や体験からきっともっと語彙力や経験値を身につけられたはずなのに、次男には全然足りていませんでした。もちろん私1人のせいではないですが、母親である私がもう少しじっくりと次男の話を掘り下げて聞いてあげればよかったなと思っています。ですから私の経験をもとに、今未就学児をお持ちのママ達は「あ。ちゅいママがこんなこと言ってたな…」とどこかで頭の隅に入れていただければ幸いです。実は1学期と2学期で私が「教えておけばよかった」と感じた内容は変わってきています。 ■私が「入学前に教えておけばよかった」と感じたこと<1学期編>1学期の時点では・簡単な時刻が読める・曜日が分かる・季節が分かるこの3つが「私は理解してると思っていたけれど次男は全然理解できていなかったこと」でした。学校の時計はデジタルではなくてアナログです。しっかりとした時計の見方は2学期に入ってから勉強するのですが、入学する時点で「今、8時半だな」とか「次は10時になったら休憩だな」とか時計を見て時間がわかっているべきだったなと思いました。そして曜日感覚も…次男は全然分かってなかったんですね~…。これは時間割を見る時にも必要ですし、そもそも学校に通う平日5日と休日2日の把握の大前提として必要になってきます。「これはマズイ」と思って矢継ぎ早に教え込みましたが、今でもまだ「今日金曜日?」って聞いてきてます(今日は水曜日!)季節は、春が来て、梅雨が来て、夏が来て、秋が来て…とその季節の順番と特徴。…なんか書いててすごく基本的なことのような気がしてきましたが、大人からしたら「当たり前」のことでも、子どもからしたら「分からない」ことなんですよね。ムリもないんです。大人は今まで何十回も春夏秋冬を迎えてますけど、生まれてまだ数年の子どもからしたら「経験」が足りてないですから。しかし、上記の3つどれにしても、机に座って紙に書いて覚えるようなことではなく、生活している中で親子で会話したり、幼稚園の先生のお話を聞いたり、コミュニケーションを取っていれば自然と身につけられたはずの知識です。私はそこを怠ってしまっていました。次男は言葉を話し始めるのも遅くて、語彙力も足りてなかったので、「どうせ話してもよくわからないだろう」と深く掘り下げて話をすることをしてこなかったように思います。2学期の今、「これも分かってなかったのか…!」と驚き、そして後悔したのはこちらです。■私が「入学前に教えておけばよかった」と感じたこと<2学期編>数字にはいろんな2通りの数え方がありますよね。1こ・2こ・3こ・と数える方法もあれば、ひとつ、ふたつ、みっつ…と数える方法もあります。次男、この数え方が分かってなかったんです。日常会話の中で「そこのみかん、みっつ取って」などといった指令はもちろん通じてましたよ。みっつは3個ってちゃんと分かっていました。でも、問題はそれ以降。いつつ、むっつ…やっつ・ここのつ…ともなると全然分かっていませんでした。たしかにいつつ、むっつ、ななつ、やっつ、ってあんまり使わない言い回しですし、「ここのつ」や「とお」にまでなると…全然使わないですよね。ひとつ…ふたつという数え方の絵本も何回か読んだことはあったんですけど、それは絵本の中の単なるストーリーとして捉えていたようです。もちろん!わかってなかった次男がダメというわけではないですよ!ちょうど今国語の教科書で学んでいるところなので、事前に分っていなくても大丈夫です(だって知らないことを勉強するのが学校なのですから)!ただ、母親である私にとっては「これってもっとコミュニケーションの中でなんとかできた事だよね…」っと気づかされました。■私自身の育児の傾向が子どもの伸びに影響してしまうこともあと、私の育児の傾向として「『子ども時代にしかない間違い』を訂正しない」というクセがあるんです。言い間違いをそのまま楽しんでいたり(三男はトンカチをタンコチと間違えてるんですけど、かわいいからそのままにしている)、字を間違えて書いていても、今しかないからと思って訂正せずにそのままにしておいたり、それはそれでいい部分もあるのですが、私の場合、もう少し正しいものを教えてあげることも必要だったかなと思っています。それで苦労したのが、長男です。長男はひらがなへの興味が薄く、年長さんになって字が書けるようになりました。ようやく書き始めたつたないひらがなの中には鏡文字が混ざっていました。曲げる方向が反対だったり、回転させる方が反対だったり。しかし、私はどうせ学校に入ったら正しい書き方を教えてもらえるし…と、そのままにしておいたんですよ。そしたら、まぁ~~~~その後めちゃくちゃ苦労しました!!2年生になっても鏡文字が続き、いよいよ学校の先生からも字の特訓指令が出ました。さっきまでちゃんと書けていたのに、ページが変わったら反対向きに書いてたりするので、一体どういう脳の構造をしてるんだろうと不思議でしょうがなかったのですが、3年生からピタリとなくなりました。そして現在、当時の事を振り返ると長男曰く、自分ではどこかがおかしいっていう感覚はあるらしいのですが、「どこがおかしいのかは分からない、なんだかちょっと違うような気もするけどこれで合ってるようにしか思えない」と感じていたそうです。本人もどこが間違ってるのかわからないけどなんか違うような気もする状態だったのなら、なおさら正しい書き方を早くから教えてあげたらよかったなと思いました。■国語力のなさを改善するための「日記」そして、最後にもうひとつ。1年生の授業で最も時間を割かれるのは、国語なんです。1年生のカリキュラムのほとんどを国語に費やすといっても過言ではないほどです。それもそのはず、どんな教科においても必ず読解力や語彙力は必要になってきますから。次男の国語力のなさに頭を抱えている私は、今、家庭学習のひとつとして今日がどんな1日だったかの日記を書くように取り組んでいます。語彙力も少ないですし、文法も幼い次男ですので、本当に簡単な文章の日記です。「きょうのきゅうしょくがおいしかった。しゅくだいするのがいやだった」とかその程度です。でも、よく見ると「おいしかた」になっていたり、「しゅくだいするのがいやだ」になってるんですよね。そこを放置せずしっかりと添削してやり直しさせて、さらに、会話をしながら話を広げていくようにしています。「今日の給食のメニューは何だったの?」と聞くとその日の献立を教えてくれますので、「きょうのきゅうしょくがおいしかった」のあとに「メニューはスープとサラダとおさかなでした」と足したり、宿題が嫌な理由も聞いてみて、しゅくだいをするのがいやだったのあとに、「なぜなら~~~だからです」と足せるよね? といった具合に文章を膨らませてより詳細な状況を伝えられるように促しています。感想や思考を書けるレベルには全然至ってないので、まずは事実を詳細に伝えるところから始めています。でも、私はこれを次男が1年生になってから始めましたが、会話の中で、もっと膨らませて話を広げて聞き出してあげれば、文法や語彙力がもう少し育っていたかな…と思っています。何も勉強って机に座ってすることだけじゃないんですよね。子どもの話にもっと耳を傾け、ふーーん、へーーで流すばっかりじゃなくて、もっと詳しく踏み込んで興味を示してあげればよかったと今深く反省しています。でもまだ全然間に合う時期なので、後悔するのもほどほどにして、今できる事を地道にやっていきたいと思っています。【お知らせ】第93話 「日本の義務教育で本当に教えて欲しいことは? 夫婦で話し合ってみた」 の記事下アンケート「Q1. 「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」についてのご意見をお書きください」のアンケート結果はこちら↓≫ 「個性をつぶす日本の教育を見直して! 親が望む“義務教育”のあり方とは」
2018年10月18日こんにちは。寒暖の差が激しすぎて季節感ごちゃまぜなクローゼットがストレスなtomekkoです。のんびりマイペースな三男もそろそろ寝返りしたり、日中眠る時間も間隔が空いてきていよいよ気の抜けない日々となってきていますが、平日の夕方から寝かしつけまでは何度言っても言い足りないぐらい、ドタバタです。本気でもう1人自分が欲しい…夕方、夕飯準備と子どもたちの対応が重なることは想定していました。でも、長男はもう1人である程度のことができるし、次男はお兄ちゃん大好きで2人で遊んでくれているし、三男は最悪泣かせながらでも家事ぐらいはどうにかできる…そう思っていたんですが。ここに、未経験ゆえの大きな思い違いがありました。そう、小学1年生の長男には、毎日宿題があります。それも、タイムを計ったり丸つけをしたり…と親が関わりながらやることが多いです。それがなくても1年生のうちは、問題文の読み取りなどにまだ不安があるので、できるだけ一緒にサポートしながらやった方が良いみたい。つまり、実際には長男につきっきりになってしまうんです。そんな中、三男は抱っこしていればある程度落ち着きます。でもお兄ちゃんと遊びたい次男はそうはいきません。次男をおとなしくさせるためにテレビをつけてしまうと、事情により一旦勉強部屋を作ることを諦めた我が家はリビング学習のため長男が集中できないし…結局ぴったりの解決策は見つけられないまま(これだとみんなかわいそうだな…)と悩みながらこの時間帯をやり過ごしていたんですが… ある時、長男の宿題指導に熱が入りすぎ、次男の相手を全然できないまま結構な時間が経ってしまいました。でも、ふだんは声も大きく足音も響く、まるで存在感でできているかのような次男が構ってコールもせずに気配を消しているなんて…不思議に思ってあたりを見まわすと、廊下の向こうから1人楽しそうな次男の笑い声が!ボール好きな次男、お祭でもらったテニスボールくらいの柔らかいボールを、プラレールの長い線路を2本使って転がして遊ぶというホッケーっぽいオリジナルのひとり遊びを発明し、夢中になってボールを追い回していました…!!いつもお兄ちゃんのやっていることを一緒にやって遊ぶことが多く、ひとり遊びをしている姿をあまり見たことがなかった次男、なかなかの発想でびっくり!!その後も時々静かだなぁと気付いてふと見ると、プラレールをジャングルジムやソファと組み合わせてすごいアドベンチャーな世界を作り上げていたりジャングルジムを電車の車両に見立てて運転したり車掌業務をしたりと、長男とはまた違った能力を発揮していました。真ん中っ子になった次男は、ちょうど年齢的にもオムツ以外に最優先で対応すべきお世話が無いので、どうしても後回し気味になってしまいワタシもついつい申し訳無いな、かわいそうだな、と引け目を感じていました。でも見方を変えれば、次男にはひとり遊びをする機会というのもめったに無いわけで。自分なりに考えて遊びを作り出す力がこんなにもあることを知れたのはとても新鮮だったし、こういう時間もきょうだいそれぞれに必要だな、と思いました。もちろん、あとで次男を抱っこして作った遊びのことを聞いてみたり、寝る前の絵本を読む時間にスキンシップを兼ねたりと、次男が母を独り占めできる時間も意識的に作るようにしています。まだまだ慣れたとは言えない3人育児、毎日反省する暇もないですが、子どもたちと一緒に少しずつでも成長していけたら…と思って頑張ります!(頑張りついでに手がもう2本ぐらい生えてこないかな…)
2018年10月18日専門家・プロ:野﨑誠第3回社会に出ると湿疹ができるの法則秋の湿疹のお話3回目は、「社会生活と湿疹」についてです。社会生活が関係するのは学童期以降であって、それ以前の年齢は関係ない?いえいえ、そうとも言い切れないのです。皮膚科外来をのぞけば湿疹の予測ができる秋になぜ湿疹が悪化するのか?その答えは9月上旬の皮膚科外来にヒントがあったりします。その時期の皮膚科では、一部の年齢層の子の来院が一時的にガタッと減ります。そして、9月下旬から10月にかけて戻ってくるんですね。さて、どの年齢の子たちでしょうか?答えは幼稚園児から小学生にかけてです。とくに小学生にその傾向があります。原因は学校。夏休みが終わると急に慌ただしくなります。通学という生活習慣に慣れるまで、どうしても病院に行く時間が取れなくなってしまうんですね。とくに湿疹の治療は緊急性はあまりありませんので、どうしてもあと回しにされてしまいます。え、夏休みの宿題が終わっていない子もいるのか?さすがにそういう子は耳にしませんが・・・幼稚園児に比較的その傾向が少ないのも同様の理由から。小学生に比べて自発的に生活を組み立てているわけではなく、家族に連れられての受診になりますので、9月になったからといって小学生ほど大きな生活の変化はないようです。ただしお母さんがバテてしまい受診できない子はいるようですね。つまり、夏休みが明けてすぐの時期には皮膚科の受診は減り、その間に湿疹が悪化してしまうパターンが結構多く見られることになります。子どもだってストレスフルなんだ子どもの側から見ていきましょう。夏休みが終わると、どうしてもバタバタします。程度の差はあるでしょうが、夏休みのマイペースな生活習慣を学校生活に合わせて修正していかなければなりません。そしてまた、学校の社会関係の中で長い時間を過ごしていくという、非常に大きなストレスを抱えることになります。ときには眠れない夜を過ごす子もいるでしょう。これは小学生だけではなく幼稚園児にもその傾向はあります。家族と離れて生活する時間が増えるのですから。この生活の変化がストレスとなり、結果として湿疹を悪化させてしまうということも十分に起こりうるのです。いや、子どもたちも大変です。学校行事も湿疹を悪くする秋の学校行事も9月末ごろから続々と入ってきます。その筆頭となるのは運動会でしょうか。最近は春に行なうところも多いようですが、2学期が始まってから運動会の練習がスタートするところも多いようです。運動会の練習は湿疹に対してはくせものです。大汗をかき、泥だらけになります。この時期だけは他の科目の時間まで体育の時間にあてて運動会の準備や練習に取り組んでいる小学校も多いようです。こうした環境は湿疹を治療する立場からすると非常に憂慮すべき状態です。先に述べた行為はすべて湿疹を悪化させる要因となるからです。だからといって練習をやめなさいとは言えないですし・・・皮膚科医にとって悩ましい時期となるのです。また、遠足だったり、おいも堀りだったりといったイベントも汗と汚れから湿疹を悪化させます。とくに指先の湿疹ですね。やっと治ったと思った翌週に遠足に行って指の湿疹を悪化させた子も数多くいます。はあ。治療はすごく大変なのです実は最も治療に苦労するのが、この社会的活動からくる湿疹です。まず厄介なことは、予防がほとんどできないこと。今までのお話のように汗にはシャワーで対抗し、乾燥には保湿剤で対抗するというような単純な対策が取れません。湿疹を治すためだけに運動会に出るなとは言えませんしね。なので、皮膚科医としてはできるだけこのようなイベントで皮膚が悪化しないように願う限りだったりするのです。練習のとき、暑くなりすぎないように、さりとて乾燥しすぎないように。太陽にも程々に隠れてもらって、かといって雨に降られても困ります(スケジュールが遅れてしわ寄せがきて、湿疹も悪化するのです)。ヤキモキする毎日です。と、このように社会活動がダイレクトに影響してくるのが湿疹の特徴ともいえるでしょう。皮膚科医って、実はこんなところにも目配りをしているんです。というお話でもありました。ここ3回は体の外の原因についてお話をしてきました。最終回となる4回目は、体の中の原因について触れていくことにしましょう。ではでは。おまけ気象・社会生活と皮膚についてちょっとだけこぼれ話をしましょう。「手湿疹」という病気があります。子どもたちも結構な頻度で手先や指先が剥けたり割れたりする病気です。この原因はいろいろありますが、その1つが汚れること、力がかかることです。実はこの手湿疹、今年の7月から8月にかけて、比較的良くなる子が多かったです。例年は悪くなる子のほうが多いにもかかわらずです。なぜでしょうか?答えは熱波です。熱波が直接湿疹に作用したわけではありませんよ。気温があまりにも高くなりすぎたので、みんな外で遊ぶことを止めたんですね。子どもの手湿疹の原因は想像の通り、砂遊びからの汚れなので、外遊びに行けなくなったことが湿疹を良くしたのでしょう。また、あまりの暑さのためにうんていや鉄棒で遊べなくなり、結果的に湿疹が良くなったと言っている子もいました。気象条件って、これだけ皮膚に影響してくるんですね。勉強になった今年の熱波でした。関連記事秋 -季節の変わり目‐ になぜ湿疹が悪化するのか第1回夏の戻りが湿疹を呼ぶ第2回冬の始まりが湿疹を招く野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年10月16日ランドセル問題については、多くの親たちが声をあげたおかげで、社会が動きを見せています。ランドセルに詰まっているたくさんの教科書や体操着などの重さで、体に負担がかかっている子がいるため、対策を講じなくてはならないという動きになっているようです。子どもたちのために、今すぐにできることがあります。それは、体と心へのフォローです。■ 我が家の中学生は8キロ、小学生は4キロもの荷物を背負っていた!筆者宅には、小学生と中学生の子どもがいますので、毎日、どの位の重さのものを背負っているのか調べてみました。こちらは小学5年生の娘のランドセルの中身です。ご覧のようにびっちり入っています。重さを量ってみたら、4キロありました。本人に「重たくないの?」と聞いたところ、「もう慣れた」とのこと。試しに娘のランドセルを背負ってみましたが、肩にずっしりときて驚きました。そこへ中学2年生の息子が帰宅したので、スクールザックを見せてもらいました。カバンの中は、当日の学習道具しか入っていない状態だというのですが、かなりの量です。重さを量ってみたところ、なんと8キロです!中学生になると、小学生の倍の荷物を持って登校しているのかと本当に驚きました。■ 負担を少しでも軽くするためにできる4つのことランドセルと学習道具の重さを少しでも軽くすると体が楽になりますね。そのためにできることを4つ紹介します。1. 肩パッドや肩ストラップをつける現在、体に痛みが出てしまっている場合は、肩パッドや肩ストラップをつけることで、くい込んでしまうことを防ぐことができます。これらの品は、ランドセル売り場やネットショップなどで取り扱っています。痛みを訴えている子には痛みの軽減に一役買ってくれるはずです。2. ランドセルを体にフィットさせるランドセルと背中の間にすき間ができてしまうと、後ろに引っ張られ、重心がズレてしまうことがあります。また、重いために反ってしまうこともあるでしょう。余計なところに力がかからないようにしてあげるために、背中にすき間がないか、横から見てあげてこまめに調節してあげることが必要です。3. 筆箱などは軽い物にする教科書や資料集が重いのは、今はどうすることもできません。しかし、それ以外は軽い物に変えることが可能なはずです。kuro3 / PIXTA(ピクスタ)娘の友達は、筆箱を2つ持っていく子や、筆箱自体が重い子もいました。少しでも軽くするために持ち物の見直しをすることも必要ではないでしょうか。4. ランドセル自体を軽めの物にするsasaki106 / PIXTA(ピクスタ)入学前に購入するランドセルは、極力軽くてしっかりしているものを選ぶようにしましょう。肩ひも部分が可動式になっている物も成長によって肩ひもが背負いやすいように動くので子どもには楽に感じるようです。■ 「褒める」「励ます」ことで、やる気を出させるチャンスに!?メンタルケア心理士からすれば、この事案は子どもを褒める絶好のチャンスになると考えています。「ランドセルを背負って登下校することは当たり前」と思っている子どもたちだからこそ、ここは自覚していない部分です。そこをあえて褒めることで、子どもたちは喜びますし、認められたと感じて、さらにやる気が出てきます。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)ここでのポイントは、親に認められたことが心のフォローになるということです。例えば、以下のような言葉をかけてあげると、子どもは親が自分のことをちゃんと見てくれていると認識できます。「重いのをがんばって背負っているから、体力や筋力がついてきたのかな。すごいね」「毎日がんばってすごいね。でも、肩が痛くなったら言ってね。調節してあげるから」「重くてもへっちゃらなの!お母さんにはできないわ。○○くん(ちゃん)は力があるね」これが安心に繋がり、頑張れるようになるのです。子どものがんばりに寄り添って、大切に思っている事を伝えていきましょう。マハロ / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか。社会が動き出していますが、今は各家庭でできることを対処するしかありません。「重いからかわいそう」や「これでは体を壊す」という怒りを感じることが多いでしょう。しかし、見方を変えてみることも大切です。子どもに必要な体と心のフォローが、今は大切な部分となるはずです。
2018年10月09日こんな丁寧な育児なんてできない!専門書を読んではブルっていた、息子の小学生時代Upload By かなしろにゃんこ。息子リュウ太が発達障害の診断を受けたのは小学校4年生のときでした。その頃の私は、発達障害とはなんなのか?どうやって向き合っていいのか?知識不足もあり、息子への接し方が分からず苦しかったのでした。ADHDの特性はなんとなくわかったものの、広汎性発達障害(息子の場合、自閉症スペクトラムの特性)がイマイチ謎で。独特の自分ルールや、え?そんな風にとらえちゃう?という変わった解釈をする傾向にあるところなど、理解できないことばかり(泣)専門書を読んでは不安になるばかりの毎日。本に書いてある「困り感がある子にはこうしてあげましょう」の言葉に、「こんな丁寧な育児ができるかな?」「すごい手がかかるんだ大変そう」とブルってしまい怖気ずくばかりでした。「授業中は廊下で寝ながら過ごしている」担任の言葉に気分はズドーンUpload By かなしろにゃんこ。発達障害がある子を育てるときって…■障害理解しなくちゃいけない■怒りすぎず、のびのび育てなくちゃいけない■周りの人の目に脅えなきゃいけないと、心をすり減らす毎日なのです。なかでも私が困っていたのが、「息子が授業中に廊下で寝そべる」ことでした。理解したいけどできない、のびのびホメる育児をしたいのに怒りたくなる、周りの目が気になるの三重苦です。先生から、「教室にいたくない時は廊下で寝ながら過ごしてますよ。廊下から黒板を眺めることもありますよ」と聞かされる度に、気分はズドーン。恥ずかしいし、いたたまれなくなって、「そんなことをしたら周りから変な目で見られるよ!」「廊下で寝るのはやめて!」と息子にお願いしても、「廊下の床が好きなんだよね、周りのことは気にしない」と言うばかり…。世間のルールを基準に考えてたら、スレ違うばかりUpload By かなしろにゃんこ。とにかく息子は、集団生活のルールから外れたことに注意を受けても「僕の行動があなたの人生を大きく変えるほどの何か悪いことをしましたか?」的な受け答えをして反省もしません。息子に言わせれば「やりたいことをやりたいときにやりたいし、やりたくないことをさせられると気分が落ち込む」んだそうです。先人が勝手に考えたルールなんかクソくらえな自由な子です。恥ずかしいとか、空気を読むとかは息子の辞書にはありません。世間のルールや常識を知っていて当然だと思っているから、話のすれ違いが起こったり、息子が逆ギレしてしまったりする。どれもこれも、息子が世間のルールの意味や必要性を分かっていなかったことで発生するのだとようやく気づきました。たくさん迷ったり考えたりした中で行きついた答えは、「この子は不思議な子、自由な星から来た宇宙人」だと思っておこう、ということでした。世間のルールも何も知らない自由星人なんだから私も丁寧に教える必要があるんだということ。診断を受けてしばらくたち、私も肝が据わってきました。できること・できないことの凸凹が大きすぎるUpload By かなしろにゃんこ。そこで、学校で問題が起こっても怒りを抑えて仏の心で接するように心がけてみたりもしました。「みんなは授業中に先生の指示でこうしているよ」とか「こんな受け答えをすると嫌がられるよ」とか集団生活の中で必要なノウハウを一つひとつ丁寧に伝えます。他人に興味がない子ですから、他の子がどう過ごして、どううまく立ち回っているのか気がつくことはありません。他人をお手本にして見て自然とその行動を取り入れるというパターンがないので、集団生活を少しでもうまく生きられる方法は、一つひとつ手取り足取り教えなければいけません。また、着替えや歯磨きなどルーティンなことはきちんとできるのに、毎日持ち物が変わる時間割や宿題などは全くできません。できることもある分、全くできない苦手なことだって「本当はやれるんじゃないかな?」「今度こそやれるんじゃないかな」と期待してしまうこともありました。最初から「全くできないだろう」と思えることなら仏の心で接することができるのに、がんばればできそうなんじゃないかと思えることだと、「なんでこんなこともできないの?」とアホみたいに責めてしまい、さらに「怒っちゃダメじゃない」と自分も責めはじめ、もうグチャグチャ(涙)…。頑張ってはいたものの、本当の意味で息子の困難さを理解することは、できていませんでした。廊下がお友だち状態、数年後、その真相が分かったところで、床が友達だった小学生時代の真相を、数年後に知ることになります。教室にいると様々な音が耳に響いてきて情報処理しきれなくなって疲れてしまう。疲れてくると視界が真っ白になってしまう。だから息子は少しでも楽になれる廊下に逃げていたというのです。そうです、「聴覚過敏」が原因だったのです!体がこうなってツラかったと教えてくれたのは、高校生になってからのこと…。廊下の床がお友だち状態だった小学生時代、私は、息子が授業を受けたくなくて怠惰な行動をとっていると思いこんでいて、適切な対処法をとってやれなかったと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。イイ意味で「期待しない」と、うまくいくUpload By かなしろにゃんこ。発達障害のある子を育てる親の心構えは、すぐには育ちません。「きちんとやれる!」と期待して、やっぱりダメだった、荒れた、パニクったをくり返す。「あぁそうだった、この子はコレができないんだった!」と、息子が20歳になった今も、日々自分に刷り込んでいる最中です。できないことに子ども自身も困っているし、なんでできないのかもよく分からず混乱しているかもしれない。だから、今も息子に対して心がけていることは次の二つ。■できないことはお手本を何度も見せて覚えさせる。ある程度手助けが必要■どうしたらできるようになるか子どもと一緒に考えたり、お互いにイライラしないで生活できる方法を話し合うちなみに、20歳になった息子、現在は自由星人から地球の日本人になろうと頑張っています。お互いの意見を尊重したり話し合いができるところまで成長したのです!和を尊ぶことを知る、それだけでも万々歳です。自由星人だけあって、クリエイティブなすばらしい面もあるし、できないことが全部できるようにならなくたっていいかも。イイ意味で「期待しない」のです。できないことを認め、必要な手助けはなにかを探る方が、仲良く暮らせるな~♥なんて感じる今日この頃です。
2018年10月05日将来の夢ランキング上位にユーチューバー!小学生の将来の夢ランキング上位に「ユーチューバー」がランクインするようになって久しい今日この頃。念のためどういった”職業”なのかを簡単に説明しましょう。「YouTube(ユーチューブ)」という動画サイトでは個人でも自由にアップロードできるプラットフォームがあり、ブログのように好きな動画を投稿、公開することができます。内容は法や公序良俗に反しないものであればなんでもよく、おもしろければ世界中から数万、数千万という閲覧者を集めることも可能。動画には広告バナーをはりつけることができ、閲覧者数や視聴時間数に応じて広告収入を得ることもできるのです。もちろん、数万という閲覧者数を稼がなくては生活できるほどの収入にはなりませんが、継続的におもしろい動画を投稿する人気のユーチューバーの中にはこの動画投稿だけで年に数億も稼ぐ人もいて、子どもたちから見れば“おもしろいことをして大金が稼げる仕事”に見えるのが、人気の理由かもしれません。さて、動機はどうあれ、ユーチューバーとして自分のチャンネルを持ち、動画を制作・配信するのはけっこうおもしろそうです。実際にユーチューバーデビューしたばかりのマレーシア在住のレオくんと、制作を手伝うお母さんのAYAさんにお話を聞きました。今年の5月にユーチューバーデビューしたばかりのレオくんとお母さんのAYAさん。マレーシアでの生活の様子をほのぼの配信中(写真:AYAさん提供)ゲームに没頭する息子を憂い、番組づくりを提案実はユーチューブ用の動画制作をレオくんにすすめたのはAYAさん。11歳のレオ君はマインクラフト(マイクラ)などのゲームにハマるお年頃。ゲームやネットに没頭することが多く、あまりほかのことに興味を示さなくなったことを憂えてのことでした。レオくんが日本の人気ユーチューバー・ヒカキンさんに憧れていたため、「ユーチューブ番組を作ってみようか?」と提案したのです。それまで本も読まず、ひたすらネットにかじりついていた息子が、きらきらと目を輝かせ、「やってみたい!」と飛びついたことは言うまでもありません。まずは2人でどんな番組を作るかを相談しました。ありきたりなマイクラ中継や工作といったものはやめて、マレーシアに住んでいるレオくんらしいものはなにかをじっくり話し合い、レオくんの希望を最優先に、無理のない範囲で続けられる、マレーシア生活の様子を紹介するほのぼの番組に決定。タイトルの『ごくもじゃTV』は、家で買っているプードルの毛が「すごくもじゃもじゃ」、つまり“極もじゃ”だからだそうです。ウケ狙いではない、ホンモノのほのぼの動画さて、初めての投稿は「ニトロパフを食べてみる!」に決定。パリパリの小さなケーキのようなパフに液体窒素(のようなもの)がしみこませてあって、食べるともくもくと煙が…という、日本では見かけたことのないお菓子「ニトロパフ」。どうやらこちらはロサンゼルスの人気店の看板メニューのようですが、なぜかマレーシアでは屋台で気軽に食べられます。レオくんがそのおもしろお菓子にトライした体験記でした。インターナショナルスクールに通うレオくんゆえ、おしゃべりは主に英語で、AYAさんが日本語の字幕をつけています。たとえばフルーツの王様といわれるドリアンを食べる動画では、ドリアンの味や食感について、地元のフルーツ屋さんで食べながら紹介。ドリアン動画というと大げさに「うわぁ~っくさい!!」というリアクションのものがほとんどですが、レオくんは食べ方の注意や「匂いは最初びっくりするかもしれないけど、おいしいからぜひ食べてみて」という内容で、淡々としています。オーバーリアクションでウケを狙う番組が多い中、実にほのぼの。ふつうにパクパク食べている様子から「ちょっと食べてみようかな…」という気持ちにもなりそうです。1本の長さは4~5分程度と短くまとめますが、見た目ほど簡単ではなく、せりふを考え、音楽を決め、と1か月に1~2本作れればいいほう。著作権にもきっちり配慮し、音楽やアニメーション、動画なども有料アプリからダウンロードできる著作権フリーのものを使用しています。撮影はAYAさんが担当しますが、“ネタ”を仕込んでいるわけではないのでハプニングなどを撮りそこなうこともしばしば。なかなかうまくいかないことも多いのだといいます。『ニトロパフを食べてみる!』からの一コマ。屋台で気軽に買えるお菓子、あやしげなニトロパフの作り方も撮影。なにこれ気になる!おお、これおいしいのね?ぐっ、とイイネな表情、が、次の瞬間…一転、「ぶわっあちちちち!」子どもらしい表情豊かなところもかわいらしい!仕込み一切なし!の自然な表情だからいい(上記3枚ともに『ごくもじゃTV』のスクリーンショット)しばらくすると息子に劇的な変化が…ユーチューブ番組作りを始めてから、レオくんは生活を惰性で過ごすことがなくなり、一瞬、一瞬に気を配るようになったそう。ネタ探しのため、積極的にいろいろな人の話を聞くようになり、楽しいことはなにか、やりたいものはなにか、自分の気持ちを“共同制作者”であるAYAさんによく話してくれるようにもなりました。以前と比べコミュニケーションがぐんと増え、互いに向き合えるように。いつもなにげなくしていることも、番組制作を通して見てみるととても新鮮に感じることもあると言い、生活が楽しくなった、とAYAさんも話します。ユーチューブは主に学校の友だちなどが閲覧してくれていて、話題になるのも楽しい様子。「アナリティクス(分析)」を見ると、どの国から閲覧されたかがわかりますが、マレーシアや日本だけでなく、インドやアメリカなど世界中からその動画を見にきてくれていることがわかり、それもうれしいことのひとつ。反面、「Dislike(“いいね”の反対)」がついたときはちょっと落ち込んでしまったそうですが、これも「すべての人に好かれるということは世の中ではありえない、いろいろな反応があるものだ」ということをレオくんが身をもって知るいい機会になっているとAYAさんは考えています。「親子の思い出として、いつかレオが大人になった時に2人で懐かしく、笑いながら観られたらすてきだろうな。こんなコトやったね!と達成感を感じられたらいいなと思っています」というAYAさん。確かに、高学年になり、反抗期を迎え、中学生になると部活などで忙しくなり一緒に時を過ごすことが少なくなってくる子どもたち。親が教えるのではなく、子どもの自主性に任せながらもここまでじっくりとお互い向き合って一緒に作業をするということは貴重な時間に違いありません。人気ユーチューバーの番組内容はとかく奇をてらったものが多く、実はあまりいい印象がなかった筆者。しかしこんな効果があるのなら、子どもにもおすすめかもしれない、と思ったのでした。もともと楽しく明るい性格のレオくん。小学生男子の使う生の英語が聞けるのも楽しみどころのひとつ(写真:AYAさん提供)<文・写真(特記以外):フリーランス記者岩佐 史絵>
2018年10月01日どんな子も受け入れられる施設を。保護者のニーズにこたえ、2015年にオープン障害がある子どもの中でも医療的ケアが必要だったり、知的・身体の重複障害がある場合、通える施設が少なく、生活の場が家と園や学校に限られがちです。子どもたちがさまざまな経験をする機会を得られにくいことに加え、保護者も常に子どものケアのために働くことができなかったり、家事や買い物などの日常生活にも困難を感じていることが少なくありません。施設代表の松田さんは、そうした重度障害のある子どもの家族の状況を知り、2015年に重症心身障害児を受け入れるチャイルドケアハース、2016年に知的障害がある子どもを主に受け入れるラーニング、2017年10月にチャイルドケアハース2号店となるアカデミーをオープンさせました。(チャイルドケアハース、アカデミーは医療的ケア児対応施設です)医療的ケア児にマンツーマンの支援を――「チャイルドケアハースアカデミー」での1日Upload By 発達ナビ施設インタビューチャイルドケアハースアカデミーの建物に一歩足を踏み入れると、パステルカラーの壁や建具、壁面に描かれた空の絵が目に飛び込んできました。福祉施設だけれど、おしゃれなかわいいカフェのよう。子どもたちが過ごす空間が、より豊かなものとなるように――支援へのこだわりが、随所にちりばめられています。ここでは、医療的ケアが必要な子ども、重度重複障害がある子どもたちが、指導員とマンツーマンでゆったりと過ごしていました。気管切開をしている子には看護師がつき、体勢を変えたり、吸引をしたりと細やかにケア。定員は5名ですが、登録は35名。天白区にはほかに重症心身障害児や医療的ケア児を受け入れる施設があまりないことから、近隣の区からの利用者もいて、常に定員いっぱいだそうです。Upload By 発達ナビ施設インタビュー訪れた日は夏の終わりの蒸し暑い日。1人ずつ水着になり、自宅ではなかなか難しいプール遊びも。指導員と1対1で、水の感触をゆっくりと楽しみます。それぞれの子どものペースに合わせて過ごせるよう、無理のないプログラムが組まれています。休日はお昼ごはんをみんなで食べます。子どもに合わせて、ペーストにしたり、哺乳瓶を使ったりと、オーダーメイドの対応。また、入浴施設もあるので、通所中にお風呂にも入れます。体力的な負担も大きい入浴介助を施設で行えることで、家族も子どもも生活の質を上げることができます。当事者家族の「こうだったらいいな」に寄り添う姿勢が、そこここで感じられます。重度障害のある子どもたちが過ごす「チャイルドケアハース」、元気いっぱいの子どもたちのもうひとつの家「ラーニング」Upload By 発達ナビ施設インタビュー重度心身障害がある子どもたちを多く受け入れているのが「チャイルドケアハース」です。この日は、大きなテーブルを囲み、小学生から高校生までがトランプに興じていました。高校生のお姉さんは、やさしく小学生をフォロー。児童発達支援と放課後等デイサービスが一緒になった多機能型だからこその、年齢を超えたやりとりが生まれます。フロアで横になり、スタッフからケアを受ける女の子も。ほかの子どもたちのにぎやかな声を聴きながら、リラックスして過ごしています。車いすを利用している男の子2人は、Wiiで対戦。仲良く車いすを並べ、ゲームに夢中です!1日利用の日は、1時間以内と決めてゲームを楽しむこともできるのだそう。「どんなゲームなの?」と声をかけると、ゲームの種類やどんな対戦をしているかなど嬉しそうに話してくれました。Upload By 発達ナビ施設インタビュー同じビルの2Fには、主に身体障害がない子どもたちが過ごす「ラーニング」が。こちらも、幼児から高校生までがアットホームな部屋で一緒に過ごしています。この日は、「お部屋で虫とり大会」が催されていました!段ボール製のかわいい虫を、虫とり網でつかまえて、点数を競います。とれた虫の数をスコアボードに記入するときは、「5匹と6匹だね、合わせて何匹?」とさりげなく計算を促す指導員。高校生の男の子が、ゆっくりしっかり計算します。「11匹だね!」「ぼくが先にやりたい!」と主張する小学生の男の子に、高校生がやさしく諭す場面も。年下の子と関わることで、年長の子どもたちの自己肯定感も自然と育まれるよう。「それがうちの施設の大きな特徴です」と代表の松田さん。代表の松田さんに聞く、設立の背景と、これからの展望Upload By 発達ナビ施設インタビュー施設の代表を務める松田さんは「うちの会社は、必要とされること、つくってほしい・やってほしい・困っている、と言われることだけをやっていきたい」と言います。松田さんは、7年前から、高齢者向けのデイサービスを運営しています。その利用者の家族の「子どもにも重度障害があり、おばあちゃんと子どものW介護で働くこともできない。子ども向けの施設もつくってほしい」という願いが、チャイルドケアハース設立のきっかけ。そのころ、重度心身障害のある子どもが通える施設は、この地区にはなかったからです。現在は、待機が多い「ラーニング」の2店舗目を準備中だそう。重度知的障害や多動性が強い子どもたちもストレスなく過ごせる、広々した施設を年度内にオープンさせる予定です。はたらく人にも寄り添うから、ニーズに合わせた増設も可能にUpload By 発達ナビ施設インタビュー施設の「人を思う気持ち」は、従業員にも向けられています。子どものいるスタッフも無理なく働けるように、「アカデミー」のある建物には、企業主導型保育サービスも併設されています。10人の子どもたちが、9時から17時まで過ごしています。保育士や看護師、児童指導員、PT・OT・STなどの専門性を持っている優秀なスタッフも、子育てとの両立がしやすいから無理なく働ける。だから、質の高いスタッフがそろいやすく、ニーズに合わせた施設の増設もできるのです。「ここだけの常識の中で働いてほしくない」。外資系アパレル出身で、異業種から転身してきた松田さんは「社外研修には積極的に参加してほしい。そのあと押しはできる限りしたい」と、社員のスキルアップにも貪欲。スキルの高い、知見のあるスタッフが子どもたちの支援を担うことで、子どもたちにも保護者にもより満足してもらいたいと願うからです。広い視野を持ち、常に「困っている人」の想いや願いに寄り添い、必要とされる支援をすぐに形にしていく。社会の中でも取り残され、孤独に頑張らざるを得なかった重度障害のある子どもと家族の、強い味方。「チャイルドケアハース」を訪れて、これからの福祉に新しい風を吹き込む、強くて優しいまなざしを感じることができました。撮影/角野 杏早比(FINDFLaG)
2018年10月01日家族で外食をすると、ちょっとした特別感がありますよね。大人も子どももワクワクして、いつもより笑顔が増える食事時間。そんな時間をもっと楽しく、もっとお得に過ごすために、素敵なサービスを提供してくれるお店をご紹介します。お財布に優しい! 未就学児無料のお店外食の際、やっぱり料理の値段は気になりますよね。けれど、お金の心配を吹き飛ばしてくれるのが、子ども無料のお店。しゃぶしゃぶ温野菜は、大人が食べ放題コースを注文すれば、小学生未満の子どもは食べ放題コースが無料になります。更に、キッズドリンクが無料だったり、子ども専用の甘めのタレがあったりと、非常に子連れで訪れやすいお店です。和食より洋食が好き! という子には、グラッチェガーデンズがおススメです。小学生未満の子どもであれば、大人がピッツァ食べ放題セットを注文すれば、ピッツァ食べ放題とドリンクバーが無料になります。※「ピッツァ食べ放題セット」をご注文された大人の方1名につき、お子さま2名まで対象となります。子どもが喜ぶ! プレゼントが貰えるお店料理のお値段には興味のない子どもには、現物支給が1番!和食さとの「さとキッズくらぶ」に入会すれば、キッズドリンクが無料になったり、来店頻度に応じてデザートやプレゼントが貰えたりと、嬉しい特典がいっぱいです。ガストやバーミヤンなどのすかいらーくグループのお店では、「すかいらーくグループげんき100ばいアンパンマンクラブ」というものがあります。対象のキッズメニューを注文するとアンパンマンのポイントつきスクラッチカードとミニグッズが貰え、更にスクラッチカードのポイントが貯まるとお店で景品と交換できます。先に紹介したグラッチェガーデンズも、すかいらーくグループですよ!特別な日のお祝いに! 誕生日特典のあるお店1年に1度の誕生日は、やっぱり子どもをたくさん喜ばせてあげたいですよね。各地のアンパンマンこどもミュージアムの中にあるアンパンマン&ペコズキッチンは、バースデーパックとして、キャンドルサービス、記念写真、ハート ふうせん、お名前入りデザートでお祝いをしてもらえます。ファミリーレストランのココスでも、バースデーサービスを受けることができます。記念写真とデザート、更に、オリジナルのドラえもんグッズをプレゼントしてもらえます。それぞれ、そのキャラクターが好きな子どもには嬉しいサービスです。ファミリーや子ども向けの特典があるお店は、他にもたくさんあります。色々なサービスを上手に活用してくだいね!【参考】しゃぶしゃぶ温野菜【参考】グラッチェガーデンズ【参考】さとキッズくらぶ【参考】げんき100倍アンパンマンクラブPHOTO/Fotolia
2018年09月28日専門家・プロ:高橋大洋子どもがネット動画を見ている保護者に共通の悩みに、「やめられない」「止まらない」があります。保護者はどうすればよいのでしょうか。軽く考えると一生後悔する?長時間利用問題最新の全国調査※1によれば、中学生の56.7%が、平日1日あたり2時間以上ネットを利用しています。小学校高学年でも、33.4%が2時間以上利用するなど、低年齢化も進んでいます。Photo by Mpho Mojapelo on Unsplash小学生の段階から人気が高いネット利用は、「動画」と「ゲーム」です。とくに、「動画」の長時間利用に悩む家庭は少なくありません。ネット利用が長くなったとき、最初に犠牲になるのは睡眠時間ですから心配も当然です。睡眠は、健康や発達の大切な基礎です。低年齢の時点での睡眠不足の慢性化は、成長後の睡眠障害などの原因にもなります。長時間利用は、子どもたちの一生に関わる問題なのです。つい長時間になるのはうちの子の意思が弱いから?動画の視聴がほどよいところでやめられないのは、わが子の意思が弱いからでしょうか。よその子たちは上手に切り上げられているのでしょうか?もちろんそんなことはありません。ネット動画の多くが、掲載広告と引き換えに無料で楽しめます。運営会社は、より多くの人に、より長く広告を見てもらえるよう、さまざまな工夫をこらします。たとえばYouTubeでは、目あての動画を見終わると必ず、「次の動画」が表示されます。推薦されるのは、自分自身の好みにぴったり合った動画です。自制心がまだ弱く、好奇心おうせいな子どもたちは、そうした働きかけにあらがえません。運営会社の思惑どおり、次々に動画とそれに付随してくる広告を見ることになります。まずは「終わりの時間」に集中してみようどうしたら動画視聴の長時間化に歯止めをかけられるのでしょうか。家庭での取り組みの第一歩は、ネット利用に使える時間帯を親子でいっしょに計算するところからです。個人差はあっても、小学生(6〜12歳)段階での望ましい睡眠は9〜12時間※2です。起きる時間は、学校に行く時間と身支度や朝食にかかる時間で決まるので、簡単な引き算で就寝の時間が決まります。睡眠の質を保つため、就寝1時間前をネット動画視聴の「終わりの時間」とします。※3まず保護者が集中すべきは、睡眠や「終わりの時間」の大切さを子どもとよく話し合い、理解させたうえで、毎日守らせることです。「一晩くらい大丈夫」、「寝るときにベッドで動画を見たい」、「友だちもみんな遅くまで起きている」などの反論には、寝だめはできないこと寝る直前の光の刺激は睡眠の質を下げるので同じ睡眠時間でも効果が下がること人間の身体は適切な睡眠なしで能力を発揮できないので、ロナウドや大谷翔平など有名なスポーツ選手はだれもが睡眠をとても大切にしていることなどを説明しましょう。Photo by Simon Matzinger on Unsplashまた「子どもがなにを見ているか」の不満は、いったん切り離して考えることが大切です。保護者は、「子どもにはヘンなもの、クダラナイものは見せたくない」と考えます。しかし、その動画の価値を、わたしたち大人が将来を予見して判断することなどできません。「見たい」「分かる」「価値がある」という子どもなりの判断を頭ごなしに否定する方がマイナスと考えましょう。「終わりの時間」さえ動かなければ、いずれ子どもの側も見るものに優先度をつけるようになるのです。Windows10など、パソコンの基本ソフトには利用時間帯を制限する機能が備わっています。この秋以降、スマホやタブレットにも同様の機能が標準装備される見込みです。そうしたツールを使えば、さらに確実に「終わりの時間」を守らせることができるでしょう。ネット動画について考えるうえでは、家庭学習時間や他の遊びとのバランスなども気になります。しかし、睡眠リズムが守られていなければ、学習や遊びは充実させられません。まずは睡眠の確保に集中しましょう。次回は、まだあまり知られていない、「子ども専用のYouTubeアプリ」についてご紹介します。※1平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査※2米国睡眠医学会(AASM)※3子どもたちのインターネット利用について考える研究会高橋大洋(たかはしたいよう)株式会社ミヤノモリ・ラボラトリー 代表取締役。2008年より、「子どもとインターネット」領域での保護者や学校支援に取り組んでいる。「ネットとのつきあい方をオトナにもわかりやすく」をモットーに研修講師、教材開発、執筆、自治体の会議委員など幅広く活動中。子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)事務局。ピットクルー株式会社インターネット利用者行動研究室 室長。一般社団法人セーファーインターネット協会 主席研究員。2児の父。
2018年09月28日子どもが小さいうちは当たり前のように行っていた絵本の読み聞かせも、小学生になり自分で本を読めるようになった頃から行わなくなるというご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、小学生以降も継続的に読み聞かせを行っておくことが、将来の子どものためになるのだそう。今回は、長年にわたり“子ども”と“本”に関わってこられた海沼栄造先生に、読み聞かせの大切さを教えていただきました。読み聞かせは、親の愛情を感じる大切な時間――絵本の読み聞かせについて伺います。読み聞かせは子どもが何才ぐらいまで続けるといいのでしょうか?「読み聞かせは、子ども自身が『もういいよ』と拒否するまで、できるだけ長く続ける方がいいと思います。字が読めるようになって、自分で本を読みたいという子どももいるでしょう。もちろん、それはそれで読ませてあげましょう。でも、“子どもが自分で読むと言い始めたからお母さんはもうやらなくていいわ”と思うのではなく、どこかの時間で、『じゃあ、今度はお母さんが読もうか』と声をかけて、膝の上に抱っこしながら読んであげてください。お母さんに抱かれて読み聞かせてもらうのは、子どもがお母さんの愛情を体全体で感じられる時間です。自分で本を読むのは自立につながること、読み聞かせは親の愛情を感じること、その両方が子どもにとって必要なことなのです」――長く読み聞かせを行っていた子とそうでない子では、なにか違いはでてきますか?「私の塾に通ってきている中学生の中に、小学校4年生ぐらいまでお母さんに本を読んでもらっていた子がいます。『大草原の小さな家』などの長いシリーズものを、じっくりお母さんに読んでもらっていました。その後、自分だけで本を読むようになってからも、読書を愉しみながら、じっくりと考え、他者の意見にも熱心に耳を傾ける子に育っています。これはあくまでも私の経験上ですが、本が好きで、たくさん本を読んでいる子は、結果として成績も優秀な子が多いと思います。たぶん、数学以外の科目は、ほとんど心配ないでしょうね。数学的ものの考え方は国語力だけではどうにもならないものがあるのですが、それ以外の科目は基本的に大丈夫です。また、本をずっと読んできた子と、本を読んできていない子では、考える力と書く文章に差がでます。本を読むと、想像力が膨らみ語彙が勝手にたまるので、物語を作ったり批評文を書いたりするときの言葉の使い方が上手になるのです」読み聞かせの継続が、本好きな子を育てる――最近では本離れも進んでいますが、子どもを本好きにさせるにはどうすればいいと思いますか?「今の時代、テレビやゲームなど、本がなくても楽しいと思えるものが山ほどありますが、そこはやはり、親がひと踏ん張りしないといけないところだと思います。子育てにおいて、子どものあるがままにさせるだけが良いとは限らないのです。子どもを本好きにするには、読み聞かせを続けるのが一番良い対策です。小さい頃から読み聞かせが続いている子であれば、本の面白さ、お母さんと本を読む喜びを知っているので、たとえ他のものに夢中なときがあっても、絶対に本に戻ってくると思います。また、お母さんたち親も、少しでいいから自分の好きな本を読む時間を取りましょう。今のお母さんたちもネットの世界で生きているし、忙しくてなかなか時間がとれないかもしれませんが、親が本を読む姿を見せることも大切なのです」――なるほど、親の背中を見せなければいけないのですね。では最後に、おすすめの絵本などがあれば教えてください。「小学校低学年のうちは、絵本をできるだけたくさん読んであげてください。絵本の中の美しい絵を見て楽しむ感覚は、想像力を育むのにとても大事なことです。そういう点では、吉田遠志という絵本作家の『アフリカの動物絵本シリーズ』や、バーバラ・クーニーの『にぐるまひいて』『オーパルひとりぼっち』、ユリー・シュルヴィッツの『よあけ』などは、子どもの美的感性を磨き、心の部屋を膨らませる最高の贈り物だと思います。小学校に入ったからと言って、文字だけの本へ移行しなくてはと急ぐ必要はまったくありません。山ほど絵本を読んで、同時進行で、『くまの子ウーフ』や『エルマーのぼうけん』といった児童書も混ぜていけばいいのです」――大変勉強になりました。引き続き、読み聞かせを行っていこうと思います。この度はありがとうございました。(※ご紹介いただいた絵本の中には絶版になっているものもございます。図書館などで所蔵している可能性もありますので、探してみてください)お話を伺ったのは…海沼 栄造(かいぬまえいぞう)先生【プロフィール】1967年に東京学芸大学入学。1989年~1999年の間、経堂で子どもの本屋「もみの木」を営業。1995年に学習塾「悠愉学舎」を開き、現在に至る。遊びを取り入れながら学ぶことによって五感を通じた学ぶ面白さや、自然・社会の中に潜むたくさんの不思議さに気づいてもらい、自分で考えて判断し行動する人間に育ってほしいという想いで子ども達と一緒に学んでいる。子どもの本(現在は大人の本も)を読む「エヴァの会」を約20年、子どもの教育などの本を読む「樹の会」を約10年、塾の現役・OBのお母さん達、地域の方々と一緒に続けている。【参考】悠愉学舎PHOTO/Fotolia
2018年09月25日発達障害とは?発達障害とは、「生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹と、その人が過ごす環境や周囲の人とのミスマッチから、生きづらさや困難が生まれる障害」です。発達障害は特性やあらわれる困りごとによって、大きくASD(自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)・LD(学習障害)の3つのグループに分けられます。Upload By 発達障害のキホン発達障害特性が目立ってくる時期は、障害のタイプによっても異なります。比較的就学前から気づかれやすいASDに比べ、ADHDやLDは就学後に気づかれることが多いといわれています。ADHDは、小学校入学後落ち着いて授業が受けられなかったり、忘れ物が多いなどがきっかけで気づかれやすくなります。文部科学省の定義では7歳前、DSM-5によると12歳前に症状があらわれるとされています。勉強において特定の科目が苦手な場合や読み書きに困難がある場合、LDの可能性があると指摘され、気づかれやすくなります。ですが、発達障害と定型発達の境目は明確にはありません。そのため診断基準は満たさない、あるいは未診断だが発達障害の傾向のある「グレーゾーン」と呼ばれる人もいます。グレーゾーンの場合、外見からも分かりにくいので、理解や支援につながりにくいこともあります。通常の学級に在籍する知的発達に遅れはないものの発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする小学生は7.7%いるといわれています(文部科学省調査/2012年)。特別支援学級や特別支援学校に在籍する子どもも含めると、発達障害がある子どもの総数はさらに多いといえます。参考:通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児 童生徒に関する調査結果について |文部科学省発達障害のある小学生に目立つ特徴とは?発達障害による特性は個人差もありますが、ライフステージによって目立ったり問題になりやすい部分などが異なります。そこで次に、小学生のころに目立つ特徴を紹介します。■集団になじむのが難しい・年齢相応の友人関係がない・周囲にあまり配慮せずに、自分が好きなことを好きなようにしてしまう・人と関わるときは何かしてほしいことがあるときなだけのことが多い・基本的に一人遊びを好む・人の気持ちや意図を汲み取ることが苦手■臨機応変に対応するのが苦手・きちんと決められたルールを好む・言われたことを場面に応じて対応させることが苦手■どのように・なぜといった説明が苦手・言葉をうまく扱えず、単語を覚えても意味を理解することが難しい・自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり想像するのが苦手で、説明がうまくできないという傾向があります■忘れっぽく、注意力散漫・注意力が散漫で、興味の対象が次々と変化する・物を忘れたり、なくしてしまうことが多い・他の人に話しかけられてもぼーっとしてうわの空に見られる■じっとしていられず落ち着かない・授業中でもじっと座っていることができず、歩き回ったりする■衝動的に行動してしまう・突然話しかけて他の人の邪魔をする・突発的な行動をおこすことがあり、自分の怒りの感情をコントロールできない・友達と仲良くできずトラブルを引き起こしてしまうことが多いという傾向がありますLDがあると、授業を真面目に聞いていても勉強が苦手、ついていけないという状態になりがちです。次に、読字障害・書字障害・算数障害ごとに、LDがある小学生にあらわれやすい特徴を紹介します。■ディスレクシア/読字障害・ひらがな・漢字が読めない・たどり読み・推測読みになってしまう・行を飛ばして読んでしまう・文章を読むのを嫌がるなど■ディスグラフィア/書字障害・うまく文字を書くことができない(線を抜かしたり、鏡文字を書いてしまう)・板書ができない、時間がかかる・行やマス目からのはみ出しが大きい・文字を書くのを嫌がるなど■算数障害/ディスカリキュリア・数が数えられない、とばして数えてしまう・時計が読めない、時間が分からない・計算ができない・筆算をするときに数字がずれて間違えてしまう・計算を嫌がるなどという傾向があります発達障害のある小学生に起こりやすいトラブル集団生活に入り、学習が始まる小学校時代は、それまで目立たなかったトラブルが目立つようになる時期です。具体的には、次のようなトラブルが起きがちです。■友達関係でのトラブル・同世代の子どもたちとうまく遊べない・気持ちをコントロールできず喧嘩になりやすい・空気が読めないことなどが原因でいじめられる■不登校・集団生活になじめず学校生活が苦痛になる・授業についていけず学校に行きたがらなくなる・生活リズムが崩れ登校できなくなる■学習でのつまずき・頑張っても授業についていけなくなる・授業態度が悪いと注意されやすい・忘れ物が多く学習に支障が出る■暴力・嫌なことがあるとかんしゃくを起こして暴れる・衝動的に友達や親に手を出す、物を壊す子どもの発達障害に悩んだときの相談先発達障害がある子どもの保護者・まわりの人が、適切な支援につながることで、子どもに必要なサポートをすることができます。「発達障害かな?」と悩み・不安があるときは、早めに専門機関に相談しましょう。子どもへの支援の方法が分かったり、公的なサポートを受けやすくなります。相談先としては、発達障害がある人が相談できる支援センターや医療機関、学校のスクールカウンセラー・特別支援教育コーディネーター、教育センターなどがあります。■発達障害がある人の相談窓口全国の相談窓口の情報を調べる|発達障害・支援センター■発達障害の診療が可能な医療機関一覧発達障害診療医師名簿|一般社団法人 日本小児神経学会■スクールカウンセラースクールカウンセラーについて発達障害のある小学生へのサポート■分かりやすく伝える具体的に、簡潔に伝えましょう。■頑張りを認める、ほめる苦手なことが多く学校生活では怒られる場面も多くなり、自己肯定感が下がってしまうと二次障害を起こしてしまうことも。できないことではなくできたことを見つけてほめましょう。■叱るときはその場で後から注意されても理解しづらいため、ダメなことはその場で簡潔に注意します。■苦手をサポートするツール耳からの情報が弱い場合は視覚的なツールを併用する、忘れっぽいならチェックリストを用意するなど、子どもの特性に合わせて苦手な部分をフォローするツールを活用しましょう。発達障害がある子どもは、子どもの状況に合った場所で学ぶことで、力を伸ばしたり、二次障害が起きるのを防いだりすることも大切です。通常学級での学び以外にも、さまざまな機会や場所があります。■特別支援学級小学校の中に設けられた特別支援学級で、子どもの特性に合わせた課題に取り組んだり、交流級で学習することもできます。特別支援学校ってどんなところ?教育環境から入学への流れまで■通級普段は、通常学級に所属し、週に何時間かある通級による指導の時間だけ通級指導教室に移動して、それぞれの困りごとや課題に合わせた支援・指導を受けます。通級指導教室とは?対象は?通級による指導の内容や通い方、ほかの特別支援教育との違いを紹介します■特別支援学校特別支援学校とは、心身に障害のある児童・生徒が通う学校です。1クラスの人数は平均3人と手厚く、障害のある児童・生徒の自立を促すために必要な教育を受けることができます。参考:少人数の学級編制 | 文部科学省■フリースクールフリースクールは、主に不登校の子どもたちを受け入れる教育機関です。公的な学校ではないため、その目的により規模や形態、費用はさまざまです。フリースクールとは?不登校の子どものための授業内容、費用や利用方法、在籍校の出席認定について解説■放課後等デイサービス放課後等デイサービスは、障害のある就学児向けの学童保育のようなサービスです。設備、目的、提供されるサービスは多岐にわたり、預かり型のほか、療育や運動に特化したところなどさまざまです。放課後等デイサービスとはどんな施設?サービス・利用方法・費用・受給者証手続きの流れをご紹介発達障害や対処法、体験談をもっと知りたい!リンク集発達障害の原因について知る発達障害の診断・検査について知る子育ての対処法やヒントを知るさんのコラム(広汎性発達障害)シュウママさんのコラム(自閉症)かなしろにゃんこ。さんのコラム(ADHD)林真紀さんのコラム(発達障害)楽々かあさんのコラム(発達障害)
2018年09月18日トップライター:ヤナトモ「宿題は成績向上に効果なしという研究結果」こんな見出しの新聞記事が、SNS上でバズっていました。もとをたどれば実は、「宿題は多すぎない限り、子どもの成功を助ける」という研究結果※で、それによると、学年×10分が家庭学習の目安。高校生でも2時間以上の家庭学習は、高い効果が期待できないのだとか。しかし、現実は。息子2号(小5)の学校から配布された「家庭学習の目安」には、5~6年生は90分という、研究結果の目安より、かなり長い時間が記載されています。息子2号の毎日の宿題はプリント表裏「自主学習」ノート算数1ページ+漢字1ページそのうち漢字は、千マス以上の方眼ノートに隙間なく漢字を書き、マスの谷間に読み仮名をふるというルールがあるんだそうで。これが相当に嫌らしく、毎日毎日、大きなため息をつき、ボヤきながらやっているのです。ボヤキがあまりにしつこく、うるさいので、「そんじゃあ、どんだけうざいのか、やってみようじゃあねえか!」と、実際に宿題……改め「自主学習」ノートにチャレンジしてみることにした母。「大人の実力見したるわ!ドヤ!!」とばかりに、超高速かつ雑に書き取りしてみました。結果は……1ページ20分以上かかったうえに、ものすごい疲労感。手が疲れる。そして何よりもつまらない。これを来る日も来る日もやるかと思うと、確かにうざいですね。とはいえ、この宿題…改め「自主学習」がなくなることはなさそうなので、「どうせやらなきゃいけないなら、自分の身につくメリットのあるやり方にしたら?」「テストで間違った漢字とか、自分が覚えたい漢字だけ選んでやったら?」「読み仮名は1回でいいんじゃないの?」などと、さまざまなアレンジを提案してみますが、「そんなのダメなんだよ!やり直しさせられるんだよ!」と、あくまでもルールを守ろうとする2号くん。先生の言うことは絶対です。「たまにはさ、すき間を開けてスカスカで提出してみたら?」「そうだ!今日は漢字さぼっちゃえ♡」と、だんだんふざけた発言をするお母さん。お母さんの言うことはテキトーです。「自主学習」という名前が付いているのに、何をやるかの選択はできない。時間や、やり方に基準がある。もはやそれは「課題」ではないのかな。イヤイヤやる、面白みのない勉強に意味はあるのかな?せっかくなので、夏の個人面談で担任の先生に相談してみました!結果は……親子で相談したことならアレンジしていい。ルールは絶対ではない。とのこと。(自由があるなら、はじめから子どもたちに伝えてくれたらいいのになぁ……)宿題の量は学年で統一して決めるらしい。状況に応じて量を加減することもあるようで、ほかのクラスの宿題情報を聞きつけた子どもたちは、「自学ノート1ページに減らしてもらったらしい」「ずるい」「隣の先生は優しい」などと、隣の青い芝生をのぞいては、苦々しい思いをしているよう。息子1号(高3)「おいおい。誰のための宿題か?って話だよ。そこ考えろ」母「ほおほお。考えた結果、あえて宿題をやらなかったってわけだね?」息子1号(高3)「そうそう。そういうこと(ニヤニヤ)」ちなみに2号くん、漢字の書き取りはもうだいぶ慣れてきたそうで。母にグチることで、やる気を奮い起こしているんだとか。わかるわー。グチを吐き出すことで、がんばれるところってあるよねぇ~。あっ!そういえば、彼のため息小芝居劇場にいちいち反応して助言したらダメだったんだ。以前にお話した気ままに営業中!バーBBAの行方は……ひたすら同意してうなずいて聞き役に回る……これこそが、わたしが自らに課した「自主学習」ですよ。がんばるぞ、あたし!チェストー!※ 2006年 米Duke大学 Harris Cooper教授の研究結果よりヤナトモ宮崎県在住/40代高3、小5の男児の母。趣味は哲学。
2018年09月13日■息子の勇姿を撮影するつもりが…!?幼稚園は少人数制だったので同じ格好をしててもわかったわが子。しかし小学生になって人数も50人から10倍に増え、校庭も広くなり団体競技になったら、もはや判別不能状態…! そして去年ついにやらかした「よその子を我が子と勘違いして撮る」という事件…!せっかく息子が頑張ってくれてたのに…とショックでした( ノД`) ■二度と同じ失敗はくり返さない!そこで、今年は目立つようにと、ど派手な色の靴下を履いていってもらいました。(ちょうどサッカーを習っていたのでいい色のものがあった)そしたらどれだけ遠くにいようが団体競技になろうがひと目でわかりました! おかげでシャッターチャンスを逃すことなく撮れました! 今年のミッションは大成功でした(^▽^)/服や帽子は指定のものなのでどうしても変更できませんが、靴下や靴を派手な色にするとひとめでわかりますよ!秋の運動会や来年の運動会にオススメです!
2018年09月07日お子さんの歯並び、キレイですか? 実はわが家の長男(現在小4)は歯並びがガタガタだったので、1年前から歯列矯正を開始したのですが、この夏ついに終了したのです!子どもの教育費や養育費にお金がかかるのは想定内でしたが、 歯並びにお金がかかるとは私たちにとっても予想外でした。今や、歯科医院はコンビニより多いと言われているのをご存じでしたか!? すごい数ですよね。ということはその数だけ歯科医がいるということですし、歯医者さんそれぞれの歯列矯正についての方針もあります。わが家がかかった歯医者さんでは、「とりあえず前歯8本を綺麗にしていれば歯並びが悪いという印象は受けにくい」という考えで、もちろん将来的には奥歯もキレイにしていくのですが、大人の歯が全部生えそろうまでは今既に永久歯になっている前歯8本を綺麗に揃えていこうという方針でした。トータル金額に驚き! 歯の矯正が高額だった…そして、何とその額……ざっと40万! 将来的にはトータル100万円だそうです。現状、前歯8本で40万ですから1本当たり5万円の歯ですね(笑) 。いやぁぁぁ、歯並びがいいっていうだけでも親孝行ですよ。歯並びは遺伝しがちなので(わが家は夫が矯正歴あり。私はなし)、仮にわが家の三兄弟全員が矯正するとなると……車1台買える金額になります(遠い目)。それでも、やはり歯並びは整えてあげられるのなら整えてあげたいですし、お金に替えられない価値があると思うので、迷わず始めることにしました。さて、実際の矯正はどんな感じだったかというと、あくまでわが家の長男の場合ですが……。1年前、長男の前歯はガタガタでした。前歯二本が両サイドにパカーッ!と開いてしまっているため、隣の永久歯が生えて来れるスペースがなく、半年以上全く生えてくる気配がありませんでした。下の前歯は4本が重なり合って生えてしまい、本来なら横一列に並んで生えるべきところが、上下二列の凹の形に生えてしまっていました。 あごを広げる? その矯正方法とはそこで、まずは上あごに装置をつけて、あごそのものを広げていくことになりました。すごいですねぇ……! あごって広げられるんですね。驚きました。しかし、その広げ方は原始的と言えば原始的。上あご装置についている穴に棒を差し込んで一日1回ずつネジを回して少しずつ少しずつあごの骨を広げていくのです。長男曰く、1年間頑張った全行程の中で、この最初の上あご装置が一番きつかったそうです。やはり最初に付けた日の違和感が忘れられないようで、今でもその日のことを鮮明に覚えていると言っています。喋りにくいし、なにより食事が食べづらい! 上あごと装置の間に食べ物が入り込んでしまって、中でも素麺はものすごく食べづらかったようで、この1年ですっかり苦手な食材になってしまいました。矯正中に素麺が食べづらいっていう話は他にも聞いたことがあります。 意外ですよね。麺類ってツルツルって食べれそうなイメージでした。あ、でも、痛みはなかったそうです。1ヶ月ほど上あごのネジを回してあごを広げたあとには、下あごも広げていくことになりました。お……おおお…………上も下も大変だ……。ベロの下の部分に装置をつけていくので、見ているこちらのほうが違和感でした。そして最終的には、よく見るあのワイヤーをはめて、全部乗せ~~~~~!!!!もう、あっちもこっちも口の中全部器具だらけ!! この子のためだとはいえ、見ててちょっとかわいそうでした……!当然のことながら、虫歯になってしまっては元も子もないので、日々の歯ブラシも気をつけなければいけません。磨き残しがあると汚れがたまってきて、歯茎が腫れて器具が食い込み、痛みが出てきてしまうのです。しかし、努力の甲斐あって当初の予定では1年半を目処に矯正していく予定でしたが、実質1年2か月でキレイになりました!!1年間頑張った矯正の結果は?日々見ていると実感が湧きにくかったですがビフォーアフターの写真を見てみたらその差は歴然! 見違えるほどキレイになりました!!いやぁぁぁ、子どものあごって柔らかいんですね! 1年でこんなにあごが広がって、歯がまっすぐになり、 しかも痛みがないだなんて。これはもう、大人になってから始めるより小さいうちのほうが断然いいんじゃないかな?と個人的には思いました。本人に歯並びがよくなってどう思った? と聞いてみたところ……「どうも思ってない!(ニコッ)」でした。ズコォオオオオッ!!!!!!ま、まぁね……息子からしたら歯並びとか今はどうでもいいかもしれませんね(汗)将来いつか気づいてくれる時が来れば…………40万円も浮かばれることと思います(笑)。というわけで、1年間矯正を頑張ってみた結果報告でした!
2018年09月06日専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)第4回親子で科学館を120%楽しむ方法とは渡邉:科学館での体験をより豊かに、子どもの未来にいつか芽吹くようにするために、保護者ができることはありますか?持永:お子さんを連れてきたときに、保護者の方もいっしょに体験してほしいと思います。子どもだけに「やってごらん」とやらせるのではなく、保護者もいっしょにやってみる。そのときに「おもしろいね」と声をかけるだけでなく「なんでだろう」と子どもに伝えてほしいと思います。渡邉:なるほど!持永:そのときに保護者がしくみをわからなくてもいいんです。保護者が子どもといっしょに体験して、なんでこうなんだろうねと言えば、子どももただ楽しいだけではなく、なんでだろうと思ってくれるんです。その疑問は、その場で解決しなくてもいいんです。ただ、子どもには「なんでなんだろう」という気持ちをもって帰ってほしいんです。そうしたら、いつかどこかで発見があるかなと。「あのときの“なんで?”の答えはこれだ!」というように。「なんでだろう」と子どもに伝えてほしいと話す持永館長持永:だからわたしは、子どもたちが帰るとき、「科学館で体験したことは科学館で終わりにしないでね」と言っています。身近なところにいろいろな科学があるから、自分なりの科学を発見してほしいというメッセージを毎回伝えるようにしているんです。渡邉:子どもが科学館から家に帰ってきて、体験したことや得た知識を家族に話しているようなとき、どんな態度をとるのがいいのでしょう。持永:子どもを先生にするのがいいと思います。子どもが科学館でなにか学んできて、話したそうにしている状況のときは、保護者は「ちょっと教えて」という姿勢で聞くのがいいと思います。そうなると子どもは得意になって話しますので、自分はそのことにくわしいんだと自信をもつ。そうするとその分野がちょっとでも好きになる、という流れができますので。渡邉:その後、その子がたとえばカブトムシをすごく好きになって、もっと知りたいと思ったけれど、イベントはもう終わってしまっている。そういうときに、保護者は次のイベントを探したりするほかに、どんなことをしたらいいでしょう。持永:イベントをやっていなくても、まずは科学館に聞いてみるといいと思います。渡邉:それはおどろきです。「カブトムシのこういうことについてくわしく教えてください」なんて、科学館に聞いていいものなんですか?持永:たとえば、プラネタリウムでは、実際に星空を見たいのだけれどどこに行けばいいの?とよく聞かれますし、昨日の夕方、空にすごく明るい星があったけれど、あれはなんですか?なんて電話もあります。そんなふうに、なにか疑問があったら、科学館に聞いてみる。そこでは解決しないかもしれませんが、こういう施設があるから聞いてみたらどうかとか、こちらの施設に行くとこんな体験ができるかも、といった答えが得られるかもしれません。渡邉:科学知識の普及が目的の科学館だからこそ、そういう疑問にこたえてくれるんですね。施設によって対応が違うかもしれませんが、まずは足を運んだ科学館にもっと聞いてみたら、なにか新しい情報が得られそうです。科学館には近隣の科学展示などのチラシが置いてあることもさて、長い休みなどを利用して、1日科学館ですごすとしたら、どんなプランがオススメですか?持永:大きい科学館だと回っているだけで1日すごせるところもありますが、わたしたちのような小さい科学館では、来るまえに情報を調べておくといいと思います。どういう順番で行けばなにが体験できるのか調べたり、イベントやワークショップの受付時間や、お目当てのプラネタリウムの投影時刻といったことを、ぜひホームページで調べてみてください。渡邉:先着順とか、開催時間が決まっているものを事前に調べておけば、足を運んだけれど体験できなくて残念ということがなくなりますものね。最後に、理想として、小学生にはどんなふうに科学館とつきあってほしいと考えているか、お聞かせください。持永:理想としては、科学館を、ただ遊びにくる場所ではないと意識してほしいと思います。ただ楽しいだけの場所ではなく、なにかがある場所ということに気付いてほしいなと思います。ほかにも興味が出たら、別の場所にも行ってステップアップしてほしい渡邉:そのなにかというのは、科学的な気付きだったり、知的好奇心をくすぐるものだったりするわけですね。持永:そうです。そこに気付いてほしい。そして、気付いた子には別の場所に行って、さらにステップアップしてほしいです。わたしはプラネタリウムで解説していたとき、プラネタリウム好きの子どもになってほしくないと思っていました。もう1回プラネタリウムに行きたい、それはそれでうれしいことですが、次は空を見に行ってほしいと思っていました。これちょっと不思議だな、なんでなんだろう、と気付いて、ほかにどんなことがあるのかなと興味が出たら、ほかのところに行ってみてほしいですね。渡邉:保護者が自分だけでその気付きを広げるのが難しそうだったら、科学館の人に聞けばいいのですね。とても力強く背中を押してもらったように感じました。本日は本当にありがとうございました。第1回科学館ってどんなところ?第2回科学館展示の舞台裏第3回イベントや実験教室で、もっと科学にふれる第4回親子で科学館を120%楽しむ方法とは板橋区立教育科学館科学に関する知識の普及・啓発を推進し青少年の健やかな成長をはかること、科学情報・教育情報を集めて学校教育・社会教育の充実に貢献することを目的に設立された東京都板橋区立の科学館。株式会社学研プラスが指定管理者となり運営している。2018年9月に開館30周年を迎える。■板橋区立教育科学館ウェブサイト渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。
2018年08月31日最近ニュースで見かける「小中学校のカバンやランドセルが重すぎる問題」。量ってみたところ、我が子のカバンの重さは10キロオーバーでした!なんでそんなに重いのか?母が、中1息子のカバンを「大解剖」してみました。きっとみなさんも、帰ってきたお子さんのカバンを覗きたくなっちゃいますよ。■ 往復4キロを歩く息子の体は大丈夫なの?息子は毎日学校から帰ってくると「だぁぁ~!」っと大きく息を吐いて、カバンごと後ろ向きにソファ倒れ込みます。「カバンが重い」「学校までの距離が長すぎる」と毎日文句を連発。学校までの距離が長いのは諦めるとして、なんでそんなにカバンが重いのか?少し前に、夕方のニュースで「小中学生のカバンが重すぎる問題」が取り上げられているのを見ました。子どもが肩こりや腰痛を訴えるので、整骨院に通っている小学生もいるとか。とはいえ、「重いのはしょうがないんでしょ?」と、母は軽く受け流していたのです。■ 10キロオーバーのカバンの中には何が入ってるの?「だぁぁ~!」いつものようにソファになだれ込む息子のカバンを、さっそく拝借。体重計にのせてみました。カバン自体がかなりの大きさ。大人の胴体と同じくらいの大きさです。10キロオーバーの「11.2キロ!!」驚く母に「いつもはもっと重いんだよ!」と、自分の苦労をアピールする息子。どんなアイテムが入っているのか、さっそく中身をチェックしてみました。教科書や部活道具など。一見、何の問題もなさそうに見えますが、ひとつずつ、チェックを入れてみます!ジャージと運動靴総重量:1.6キロ。全体の14%。息子の学校は基本、制服登校なので部活で着るジャージを毎日持参します。サッカーをしているので、スパイクは必須。これらのアイテムは特に問題なさそうです。筆箱・本・リコーダー・折り畳み傘総重量:1キロ。全体の約9%折り畳み傘は、急な雨用に入れっぱなしのアイテムですが、絶対雨が降らないような晴天の日も入れたまま。備えるに越したことはないですが、ただでさえ重いので、常に持ち歩くリスクの方が高い気がします。実際に雨が降った日は、別の傘を差して折り畳み傘をカバンに入れたままという、無意味さが不憫でなりません。朝読書用の本は2冊ありました。なぜ2冊必要なのでしょうか?息子「前に読み終わったの、そのまま入れてた~」だそうです。リコーダーも必要ないのに入れっぱなし……。無駄がいくつも見つかりました。はち切れそうな筆箱をチェック。中には黒ボールペンが4本も入っていました。教科書・ノート・資料ほか総重量:8.6キロ。全体の約77%積み上げた高さが20センチに届きそうな教科書類が「重すぎるカバン問題」の一番の原因です。教科書がデカい!自分が小学生低学年だった頃のサイズと同じです。そして全ページがカラー刷り!イラストが多く図解が多い!ページ数が増えてしまうのもわかります。教科書の厚みは平均1センチ。紙質もしっかりしているので、重いのも当然です。特に社会は副教材が多く、地図帳やワークなど教科書以外に持参するものが多く、カバンが重くなってしまう教科です。この日のカバンには「歴史」と「地理」の両方が入っていました。これは両方持っていかなければならないのでしょうか?息子「いや、間違えたら嫌だから一応入れておいてるー」ですって……。毎日、ちゃんと時間割を確認しましょうね。他にもプリント類や、ちょっとした参考教材のような冊子類。入れっぱなしの物を、複数発見しました。下の写真は、その日には必要ないはずだった教科書類です。このほかリコーダーや折りたたみ傘など、削減できたトータル重量は2.2キロ!約20%を削減できました!とはいえ残り9キロです。それでもまだ十分に重いですよね。■ ダイソーの「カバン用ショルダーパッド」が使える!肩紐が細く薄いカバンだと、ヒモが肩に食い込んでしまい、痛みや重みを感じます。100均ダイソーで、すぐに問題を軽減してくれそうな、いい商品を見つけました。「かばん用リバーシブルパッド(滑り止め付き)」です。カバンの肩紐にくるりと巻いて、ボタンを2か所留めるだけ。これで肩への負担が軽減されて、ベルトのズレ落ちを防ぐという商品です。息子に感想を聞いてみたところ、ベルトにクッションが付いているので食い込みが和らいで、肩があまり痛くないそうですよ。いかがでしたか?学校で使うもののせいで、お子さんが腰痛や肩こりになってしまっては大変です。「重いカバンを背負う子どもが不憫だわ……」と思っているお母さん!ぜひ一度、お子さんのカバンをじっくりチェックするところから始めてみてはいかがでしょうか。
2018年08月27日子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、親はどのように対応すればいいのでしょうか。一度学校を休ませると不登校になってしまうのではと心配してしまうママも少なくないと思います。小学生の不登校の実情について伺った前回に引き続き、今回は、子どもの不登校に対して親ができることについて、不登校新聞の石井志昂編集長に話を聞きました。 「学校行きたくない」と言われたら(前編):子どもが追い込まれる危険日は夏休み明け の続きです。■不登校の原因特定より大切なことがある――前回、不登校の理由は複数あり、子ども自身もはっきりわからないことがあるとお聞きしました。親としては、ついその理由を特定させて学校に戻してあげたいと思ってしまうのですが…気持ちはよくわかるのですが、子ども自身も自分が学校に行けない理由がはっきりわかっていないのに、そこで「なぜ行きたくないの?」ときつく問われると、ますます追い込まれてしまいます。当事者のなかには、不登校の理由は不問でもいいのではないかという声もあるくらいなのです。――それでは、親にはまず何ができるのでしょうか。原因を特定させることよりも、まずは子どもを甘えさせてあげることが大切だと言われています。不登校というのは、よく子どもの甘えだと言われがちですが、親に甘え足りないからなるのだという専門家の意見もあるくらいなのです。親は子どもたちが頼れる心の安心基地でもあるのですが、ここが揺らいでしまうと、その先子どもが進んでいく道のなかで、いつかもっと大きな問題になってしまうこともあります。小学生のうちに甘えさせてあげれば、傷が深くないうちに子ども自身が満足して、成長につながるとも言えます。■「学校に行きたくない」サインを見抜くには――子どもが「学校に行きたくない」と言い始める前に、そうなりそうなサインというのはあるのでしょうか。小学生くらいの子どもの場合、必ず何かしらのサインを出していると思います。不登校の子をもつお母さんたちも、「そういえばあのときは…」と、あとから何かしらのサインを出していたことに気づく人が多いようです。不登校というのは、不登校になってからが問題なのではなくて、その前に子どもたちはすでに追い込まれて危険な状態になっているんですよね。だれにも言えない苦しみを、複数抱え込んでしまっている。そして、原因となっている学校から離れたいと、SOSを出して不登校になるんです。――具体的に、どのようなサインを出す子が多いのですか。「今日は学校やだな」とか、「もう無理」とか、何かしらの言葉を発している子もいます。また、落ち込んでいる表情をしている子も多いようで、学校が始まる月曜日と、休みの日の表情を比べると顔つきが全然違うというようなこともあります。――そのサインに気づいたら、どのように対応すればいいのでしょうか。まずは、「どうしたの?」と率直に聞いてあげることが大切です。その聞き方が重要で、親が子どもをなんとか学校に行かせようとコントロールしようという気持ちが働くと、子どもたちはそれを敏感に感じ取って、返事をしてくれないことが多いのです。親としては、まずは子どもを心配して「心配だな」と思いますよね。そしてその次に、「待てよ、この子不登校になってしまうのでは」と不安になり、先を見越して何とかそうならないようにと打算が働いてしまいます。その親の心の動きを子どもたちはすごく敏感に読み取ってしまいます。自分の心配する気持ちのままに、子どもたちに尋ねてみてください。■「学校に行きたくない」と言われたとき――では、子どもに「学校に行きたくない」と言われたときは、どのように子どもに声をかければいいのでしょうか。さきほどのサインが見られたときと同じで、心配して、「どうしたの」と聞いてあげましょう。そして、本人からつらいことを伝えてきたら、いっしょに悲しんであげましょう。じつはこれだけで十分なのです。――何か行動するというわけではなく、いっしょに悲しむだけでいいのですね。これは、子どもの気持ちの前に出てはいけないという鉄則に基づいています。「子どもの気持ちは今こうだろう」、「こうアドバイスしてこうさせよう」とすると、子どもたちは自分の気持ちをますます言えなくなってしまいます。不登校になる子どもたちは心が傷ついた状態なので、まずはその心が救われないといけません。いっしょに悲しんでくれる人がいて、それも自分の心の拠りどころである親がそうしてくれるということが大切です。――その先はどうしていけばいいのでしょうか。あとは、本人が必ず自分の幸せな道はどこにあるかと考えて、提案を出してきます。その提案を親は支えてあげて、いっしょに歩んでいってもらいたいですね。その道はおそらく紆余曲折あり、大変なこともありますが、子どもが自分で決めたことなので、しっかり進んでいけると思います。 ■「学校に行く」「行かない」どちらが正しい?――学校に行かせる、行かせない、どちらが正しいのでしょうか。ついこの2択で考えてしまいますが、じつは選択肢はいろいろあります。そして、子どもたちが自分で決めることが大切です。不登校の子も、中学校卒業と同時に、85%の子が高校に行くのです。私が知っている子で、小学校、中学校とずっと不登校だったけれど、フリースクールでできた友達が高校に行くから自分も行くと決めた子がいます。そんな単純な理由だけで、学校に戻ろうとする子もいます。ですから、学校に行く、行かないということにはそこまでこだわる必要はないのではないかと思っています。――文部科学省でも学校復帰にのみこだわらない対応の必要性にもとづいて、これまでの方針を見直す動きがありますね。そうなんです、教育支援センターやフリースクールへの通所は、これまであくまで学校復帰を目的としたものだとされてきました。それにより、学校の先生や親は子どもたちを学校に何とか戻そうとする、そして学校以外の受け入れ先は見つけにくいという不登校の子たちにとってつらい状況が続いてきたのです。これを見直して、学校復帰のみにこだわらない不登校対応を行っていこうという方針が決まったのは、とても重要なことです。学校に行かせないという選択肢がもっと普通のものとなっていけば、楽になる子どもたちもいるのではないかと思っています。――とくに夏休み明けは、子どもたちが学校へ行きづらくなる時期です。子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、どのようにすればいいですか。これまでにお話したとおり、まずは心配して聞いてあげる。そして緊急性が高いと思ったら、思い切ってその日は休ませて、子どもといっしょにいてあげてもいいと思います。夏休み明けは、統計的にも突出して18歳以下の子が自殺する可能性が高く、子どもが追い込まれる危険な日だと言えるので。不登校になる前には、夏休みの宿題にも手がつかないということが多いそうです。言いづらいとは思いますが、親が「もういいんじゃない」と言ってあげてもいいのではないかと思うんです。そして、どうしても苦しそうだったら、先生に連絡して相談するのもひとつです。親はできるだけ子どもを追い込まないであげてほしいと考えています。■担任よりも適した親が相談できる場所がある――子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親が相談できる場所はありますか?担任の先生に相談する親が多いのですが、不登校の子に対応した経験が少ないことも多く、あまりおすすめとは言えません。不登校については、フリースクールに聞くのが一番いいと思います。不登校の子どもたちをたくさん見てきた経験をもとに、相談に乗ってくれるはずです。また、不登校の子の親が集まる場に行くと、客観的に自らの状況が整理できますよ。あとは、信頼できる医師やカウンセラーに相談するのもいいと思います。――親たちに伝えたいことはありますか。不登校になることに対して、不安を感じている親も多いと思います。そして、実際になってしまって困っている人もいるでしょう。不登校は、子どもが弱い、怠けているなどと言われがちですが、そうではないのです。説明できなくても、本人にとっては学校に行けない理由があり、どうしても自分にとって曲げられない大切なことであります。不登校になると、本人も心に傷がつくが、それが癒えていく過程でたくさんのことを学びます。不登校は子どもの成長過程のひとつでもあるのです。その日々もたった一度きりのものなので、親と子どもで有意義に過ごしていってもらいたいと思っています。●相談先一覧 ・フリースクール全国ネットワーク ・NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク ■石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。 【同じテーマの連載はこちら】 樹木希林からの命のバトン この連載の全話を見る >>
2018年08月27日まもなく9月、小学生ママたちにとっては長い夏休みが終わりますが、一方で子どもたちは、楽しかった毎日が終わってしまうと嘆いている子もいるかもしれません。そしてなかには、夏休み明けの学校生活に対して憂鬱(ゆううつ)な気持ちを抱えている子もいるのではないでしょうか。夏休み明けは、子どもたちが学校に行くハードルが上がり、不登校になりやすい時期だと言えます。今回は、小学生の不登校の実情について不登校新聞の石井志昂(いしい しこう)編集長に話を聞きました。不登校新聞とは1998年に創刊された不登校に関する専門誌。当事者の視点を大切に、不登校についての情報を発信し続けている。不登校とは文部科学省は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による事案を除いたもの」と定義している。■小学生での不登校になる、不登校の実情とは――小学生で不登校となる子はどれくらいいるのですか。2017年に文部科学省が発表した調査結果によると、小学生の不登校者は31,151人いて、割合としては0.4%、208人に1人だということがわかっています。学校に1ケタという数字で、けっして多いとは言えません。ですが、これまで20年ほど取材を続けてきて感じるのは、小学生の不登校というのは人数が少ないからこそ、親が孤立しやすく、なかなか対策が講じられないという問題があると感じています。――不登校の小学生数は、年々どのように変化しているのでしょうか。しばらく0.3%台を維持してきたのですが、この数年で0.4%台に増えてきています。20年前は0.24%だったことから比べると、かなり増えてきている印象ですね。■小学生が不登校になる原因――なぜ、小学生で不登校になってしまうのでしょうか。私は、その主な原因には5つあると考えています。それは、「いじめ」、「発達障害」「集団生活が合わない」、「人一倍敏感な気質」、「学校の管理の厳しさ」です。▼いじめ――小学校でのいじめとは、どういった内容なのでしょうか。驚かれるかもしれませんが、小学校1年生でもいじめは起こります。小学校低学年でも、腕力が支配しているような旧時代のいじめは起きていて、子どもたちの見た目から想像するような平和な世界ではないのです。ただ、子どもに「いじめを受けたか」と聞くと、クラスの半分くらいが受けたと言ったという話もあって、まだ意地悪といじめの区別はついていないように思います。――学年によって、いじめの質も変わるのですか。そうですね、小学校3~4年生くらいからは、現代的ないじめに切り替わってきます。クラスカーストがあって、女の子を中心にコミュニケーション操作が行われ、特定の子が孤立させられていくようないじめです。大人からはけっして見えない高度ないじめが行われている場合もあり、いじめられた子どもにとってはつらい経験になります。そうして、小学校から学校に行けなくなった、行かなくなったという話はよく耳にします。▼発達障害――発達障害があると、支援学級などでケアがあるのではないでしょうか。たとえば、発達障害があってもグレーゾーンと言われる状態で、支援学級に行くほどではない子も多くいます。その場合、ケアは十分に受けられるとはいえず、集団生活になじめないということがあるのです。――たとえばどのようなことが起きてしまうのでしょうか。私が聞いた事例では、ある発達障害のグレーゾーンだった子が、消しゴムの使い方がわからなかったんですね。その子は空気を読んで周りの子の使い方をまねすることが苦手でした。書いたところを消せないので、二重線で消していたら、先生に怒られてしまった。しかし、消しゴムの使い方はわからないままなので、何度も繰り返して…。先生の怒りがどんどん膨らんでしまったのです。そしてパニックを起こしてしまい、学校に行けなくなってしまった。こうした事例もよく見られます。学校がそうした子への関わり方を工夫できたらいいのですが、その受け皿ができていないのです。▼集団生活が合わない――集団生活が合わないとは、発達障害などの「合わせらない」こととは違うのですか。小学生でも大人びている子がいて、その中でも集団生活がばからしく感じてしまうという子がいます。お遊戯をさせられたりするのが屈辱でたまらないと感じ、学校から離れて行ってしまうことがあります。▼人一倍敏感な気質――敏感な気質で学校に行けないということもあるのですね。人一倍敏感な気質の子どもを、「ハイリー・センシティブ・チャイルド」という言葉で表します。略して「HSC」と言われることもあるのですが、ここ近年、こうした子どもたちの存在がわかってきて、私たちも何度か取材して記事にしてきました。すると、「やっと言葉にしてくれた。自分はHSCだったんだ」という反響があったのです。――「HSC」とは、たとえばどのようなことに敏感になるのでしょうか。典型的によく見られるのは、音に敏感になる子です。先生がだれかに大きな声で怒っていると、まるで自分が怒られているような感覚になって体が動かなくなってしまう、教室のザワザワした音が苦痛に感じるといいます。研究者の中では、5人に1人がこうした気質を持っているとされていて、病気や障害ではないのですが、本人たちにとってはかなり大きなダメージを受けると聞いています。そのほかにも臭いや気圧など、それぞれに敏感になる対象が違い、それが原因で学校生活が送れないという子がいるのです。そういう子は、虚弱体質だとか、臆病だとか言われがちなのですが、そうではなくて、変えることのできない気質なのだと、ぜひ周りが理解してあげたいところですね。▼学校の管理の厳しさ――学校の管理というのは、校則や決まりといったことでしょうか。取材を通じて、小学生に守らせる決まり、日々の細かい指導が近頃どんどん厳しくなっているんではないかと思っています。子どもたちの管理体制が厳しくなっているように感じ、それに対して子どもたちは合わせることが難しく、双方の亀裂が大きくなっているように思います。学校側が子どもたち1人ひとりに合わせて指導する余裕がなくなっていて、ある種の慢性的なパニック状態になっていると言えるかもしれません。 ■夏休み明けは一番注意が必要!――1年をとおして、不登校になりやすい時期というのはありますか。厚生労働省が発表している「自殺対策白書」によると、9月1日に18歳以下の日別自殺者数は突出して高くなっています。「自殺」というと大げさだと感じるかもしれませんが、これまで数多くの不登校の人たちと出会ってきて、この時期というのは不登校が始まる時期に限りなくイコールだと思っています。――この統計では、夏休みやゴールデンウィーク、冬休みなどが明ける時期に、自殺者が多くなっていますよね。不登校が始まるのも、休み明けの時期が多いということですか。そうですね、とくに夏休み明けは注意してあげてもらいたいです。■不登校になる理由はひとつじゃない――なぜ子どもたちは「学校に行きたくない」というのか、その理由は特定できるものなのでしょうか。それは難しいと思います。なぜなら、子どもたちが不登校になる理由はひとつだけではなく、3つくらいの理由が重なり合っているからです。子どもたち自身が、学校に行きたくない理由を説明するのが難しいと同時に、いじめられている場合は親に言いたくないと感じるものです。ですから、子どもの不登校の理由を見つけるのはなかなか容易なことではありません。――子ども自身も理由がわからないということがあるのですね。私が取材したなかで、小学生から不登校だった子がいるのですが、その人は話を聞くたびに不登校だった理由が変わったんです。約5年おきに取材をしていたのですが、初めは「雷が怖かったから」、次は「いじめられていたから」と話していて、いじめられていたと言いにくかったのだなと思っていました。しかし、その後「やっぱり雷が怖かった」と言っていて、よく話を聞くと彼はいわゆる「HSC」で、雷の音に敏感に反応していてパニックを起こし、それが理由でいじめにも遭っていたことがわかったのです。このように、子どもたちが学校に行けない理由は複数ある可能性があります。まずはそのことを知ってあげることが大切ですね。次回は、子どもの不登校に対して親ができることについて、引き続き石井編集長にお話をお伺いします。具体的な子どもとの向き合い方についても、ご紹介します。■石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。【参考サイト】・文部科学省: 平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」 ・厚生労働省: 平成26年度自殺対策白書 [PDF:234KB] 【同じテーマの連載はこちら】 樹木希林からの命のバトン この連載の全話を見る >>
2018年08月26日専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)内閣府の定点観測調査から、子どもが家庭でネットをする際のルールづくりの現状を読み解きます。保護者の取り組みは変わらず平成30年発表の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)※1から、子どもが家庭でネットをする際の保護者の取り組みについてみていきます。小学生・中学生の保護者は、子どもがスマホを利用するときにどのような配慮をしているのでしょうか。子どもがスマホを利用している保護者の84.4%は、なんらかの方法でネット利用に関する取り組みをしていると回答しています。この割合は、平成26年度から現在までほぼ同じような値で推移しています。どんな取り組みを行なっているのでしょうか。もっとも多いのは「フィルタリングを使っている」(44.0%)、次いで「子供のネット利用状況を把握している」(36.1%)です。この数値も、この4年間あまり変化していません。スマホを使ったネット利用に関して、保護者の取り組み状況があまり変わっていないようすが見えてきます。内閣府「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果(概要)」よりスマホ・ノールール、小中学生は約6割そんななかスマホについて「利用時間等のルールを決めている」との回答は、平成26年度比で10.6ポイント増えています。しかし、その割合はまだまだ低いのです。利用時間等のルールを決めている保護者の割合は、直近の30年度調査でも、小学生の保護者41.5%、中学生の保護者39.6%、高校生の保護者18.5%にとどまっています。小学生と中学生の保護者の約6割、高校生の保護者の8割以上は、子どもにスマホをノールールで使わせているのが現状です。子ども、とくに小学生・中学生のスマホ利用率が上がっているなか(第55回参照)、ルール作りをして子どもにスマホを使わせる保護者の割合は大きく変化していない。このことが示すのは、ルールなしでスマホを使う小学生・中学生の絶対数が増えているということです。スマホの使い始めの時期にあたることからも、家庭での保護者の取り組みがさらに広がることを期待したいところです。 ルールについての認識ギャップが親子間で広がるしかしここで、保護者と子どもの間にある意識ギャップが課題となります。スマホにかぎらず、いずれかの機器※2でネットを使っている子どもと保護者を対象とした設問をみてみます。インターネットを利用するときの家庭のルールについて「ルールを決めている(計)」と回答した保護者は83.5%なのに対して、子どもは65.1%。18.4ポイントの差があります。保護者は「ルールを決めている」と認識しているのに、子どもはそうは思っていないということです。内閣府「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果(概要)」より作成とくに気になるのは小学生の保護者と子どもの認識ギャップの広がりです。「ルールを決めている」とした小学生の保護者は91.5%(前年度比+0.9ポイント)なのに対して、小学生は72.7%(同-5.2ポイント)。保護者と子どもの認識ギャップは18.8ポイントで、前年度より7.1ポイント拡大しています。保護者のネットルールへの関心の高さが、小学生には伝わっていないことが見えてきます。小学生はネットの使い始めの時期ですから、無鉄砲な利用に走らないよう、子どもの個性に合わせた保護者のきめ細かな対応がいります。家庭で確実にネットの使い方のルールを身につけていけるよう、根気づよく子どもと話し合っていきましょう。※1 内閣府青少年のインターネット利用環境実態調査※2スマートフォン、いわゆる格安スマートフォン、機能限定スマートフォンや子供向けスマートフォン、携帯電話の契約が切れたスマートフォン、携帯電話、機能限定携帯電話や子供向け携帯電話、ノートパソコン、デスクトッパソコン、タブレット、学習用タブレット、子供向け娯楽用タブレット、携帯音楽プレイヤー、携帯ゲーム機、据置型ゲーム機、インターネット接続テレビの15機器渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。
2018年08月23日提供:Panasonic夏休みが始まったときは「1ヶ月以上もある」と思っていたのに、あっという間に8月も半ば。そう、夏休みは短いのです! この時期、とくに小学校に通う子どもがいるママにとって自由研究の存在が気にかかってくる頃ではないでしょうか?ある調査によると、自由研究に負担に感じている親は7割もいるのだそう! そこで今回は、「まだ何をするかも決まっていない!」とお困りのご家庭におすすめの自由研究「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」をご紹介します。 ■無料でダウンロード! 絶滅危惧種について学べる自由研究「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」は、子どもの自由研究を負担に感じている家庭向けにパナソニックが提供している、手軽で楽しい自由研究コンテンツです。 子どもが絶滅危惧種動物について学びながら、ウェブサイトからダウンロードできる専用のペーパークラフトと折り紙で、動物が暮らす自然世界を再現できるスグレモノ。監修は環境保全団体のWWFジャパンが担当しています。今回は、4人目のお子さんを出産したばかりのママリーダーズのasacoさんと小学校3年生の理財くんに体験してもらいました!asacoさん息子さん:理財(りざい)くん(9歳)モデルとして、雑誌や書籍、CMなどで活躍。2013年からはオリジナルテキスタイルを用いたキッズブランド「kitutuki」をスタート。また2015年からはフードユニット「マフィオ」も始動し、ケータリングやフードスタイリングも手がける。理財くんは、相撲とプロ野球(広島カープファン!)が大好きな小学3年生。HP: FOLIO MANAGEMENT 、 kitutuki 、 マフィオ Blog: kitutuki Instagram: @hiratoko_asaco Facebook: kitutuki 、 マフィオ Twitter: @asaco asacoさんによれば、0歳の末っ子もいることから、普段なかなか理財くんの夏休みの宿題を見てあげることができないとのこと。今日は親子で楽しみながら、自由研究を完成させましょう!■1. サイトで絶滅危惧種について学ぼう!さっそく 「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」 のサイトを見てみましょう。「熱帯林」「サバンナ」「つめたい海」の3つのエリアから好きなものを1つ選びます。理財くんは「つめたい海」に決定。 ミナミイワトビペンギンやキタオットセイの写真を見ながら、動物たちがどんなところで暮らしているのか、どんなことに困っているのかを学んでいきます。理財くん:こんなペンギン見たことないな~! 顔がかっこいいね。初めて見る動物の姿に、理財くんは興味しんしん! 親子の会話もはずみます。asacoさん:絶滅危惧種ってわかる? ミナミイワトビペンギンたちはえさがなくて困っているんだって。なにができるかな?理財くん:ペンギンがいなくなったらいやだなあ。うーん…えさを持っていってあげる!asacoさん:ほかには? キタオットセイは人間に毛をとられちゃうんだって。理財くん:キタオットセイの毛はとらないようにする!理財くんはじっくり考えながら、サイトからダウンロードしたレポート台紙に、絶滅危惧種にしてあげられることを書き込みます。レポート台紙には、動物たちの特徴や困っていることを記入する欄があり、埋めていくと地球環境や動物保護のための知識が身についていきます。■2. 動物の折り紙を折ってみよう!動物について学んだら、貼り付け用台紙に貼るための動物を折り紙で作ります。兄妹で、よく折り紙をして遊ぶという理財くん。得意なのは、紙飛行機だそう。イワトビペンギンやオットセイも上手に折れるでしょうか?理財くん:いままで折った折り紙のなかで一番難しい!そう言いながらも一生懸命、細かい折り目を作っていきます。サイトでは動画で折り方を説明していますが、難易度の高い動物もあるので、お子さんが困っていたら助けてあげましょう。理財くん:できた~! ペンギンの折り紙は妹がすきそうだから、見せてあげたいな。ミナミイワトビペンギンやキタオットセイの折り紙が完成です! 細かいところまで再現されていて、子どもが折り紙を完成させれば達成感もひとしお。親子でコミュケーションを取りながら挑戦してみてもいいかもしれません。■3. 台紙に貼る動物の折り紙が完成したら、貼り付け用台紙に貼付けましょう。波や氷の形に折り紙を切って貼れば、動物たちが暮らしている環境を再現した台紙が完成します。理財くん、のりやテープを使って、器用に折り紙で作った動物を貼っていきます。■4. 完成!ついに 「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」 の出来上がり! 最後にレポート台紙を貼り付けて、完成した作品をさっそくasacoさんに見てもらいます。理財くん:できたよ〜!asacoさん:すごいね! 自由研究できたね〜!自由研究を終えた理財くんとasacoさんに感想を聞いてみました。理財くん:最初は大変で難しそうだと思ったけど、やってみたら楽しくなった!asacoさん:自由研究と言うと、まずお膳立てをする親が大変そうなイメージですが、こちらはサイトを見ながら進めていけるので、親は子どもの隣でにこやかに見守っているだけでOKというのがサイコーでした。絶滅危惧種と言葉で聞くと難しく感じるのが、実際手を動かして工作をすることで、息子にはより身近な問題に感じられたようです。asacoさんは、普段から界面活性剤の入っていない洗剤を使ったり、買い物のときにはエコバッグを持参したりするなど、環境に気を使っているそう。理財くんも普段からそんな両親の様子を見ているから、今日学んだことをきっかけに、自然環境や動物について、もっと興味がでてくるかもしれませんね。■「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」の入手方法この自由研究コンテンツは、パナソニックのコミュニティサイト 「CLUB Panasonic」 に会員登録をして、パナソニック商品の 「愛用者登録」 を行えばだれでも無料で楽しめます。登録方法はかんたんです!パナソニックの商品についているQRコードを読み取るか、製造番号を入力すると登録画面に進みます。今回は、asacoさんが最近購入されたという音波振動歯ブラシ「ポケット ドルツ」で愛用者登録をしてもらいました。ご愛用者登録をすると、自由研究コンテンツをはじめ、賞品やイベント招待の抽選応募などに使えるポイントがたまったり、パナソニックをより身近に感じられるさまざまなサービスが受けられます。また、親子で絶滅危惧種をモチーフにしたキャラクターを集めて楽しめるゲーム 「パミーゴパーク」 も公開中。ここではよりカジュアルで絶滅危惧種の動物について知ることができます。「楽しい!」とasacoさんと理財くんも盛り上がっていました。動物や環境のことを知るきっかけ作りに遊んでみては?テーマを決めるのが難しい自由研究。今年は、絶滅危惧種や地球環境について楽しく学びながら宿題を完成させることができそうですね。もちろん、折り紙アート単体として楽しむのも◎。ぜひ親子で挑戦してみてくださいね。 「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」の詳細はコチラ ※2018年9月2日まで公開 エキサイト株式会社 会社概要 取材/文:いずみかな 撮影:タドコロミズホ
2018年08月15日ヲタママだっていーじゃない!
4人の子ども育ててます
子育て楽じゃありません