■前回のあらすじ長女が低学年の頃を思い出してみると、学校から持ち帰ったプリントでは漢字が苦手なため平仮名ばかり、テストは低い点数で、ずっと勉強が苦手だったと思う。しかし、当時の私はこのことをあまり気にしていなくて…。■クラス替えがキッカケに■新しい友だちができず…クラス替えで仲良しの友だちと離れてしまったゆいは、極度の人見知りのため新しい友だちができませんでした。すると、さらにテストの点数が下がっていき…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月16日■前回のあらすじカウンセリングで自分だけが焦っていたのだと気づいた主人公(母)は、今度行き渋りがあったら休ませようと思うが、それ以降長女ゆいの行き渋りはなくなる。どうやらゆいはこの件で、「親に言ってもムダ」と思ったようで…。■思えば勉強が苦手だった…■でも私は…思い出してみると、ゆいはずっと勉強が苦手で…。しかし、学校から持ち帰ったテストやプリントを見ても私は、「困った子だねぇ」と言いながらもあまり気にしてこなかったのです。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月15日■前回のあらすじ初めてのスクールカウンセリング。先生はゆいに質問するが何も答えないため、母親である自分が説明。すると先生から「困っているのは誰でしょうか」と聞かれ、自分が困っていて、ゆいの気持ちを考えていなかったのだと気づくのでした。■行き渋りがあったら休ませよう…■しかし行き渋りはなくなり…カウンセリングを受けて、ゆいの気持ちをよく聞いて優先させた方がいいのかも…と思った私。一方ゆいは、どうやら親に言ってもムダだと思ったようで、この後行き渋りはなくなるのですが…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月14日■前回のあらすじ嫌がるゆいを遠足に行かせた私は、自分が甘やかしたのが原因かなと推測。遠足から帰ったゆいは元気だったが、この先も行き渋りをするのではと悩む。そんなある日、スクールカウンセラーの案内を見つけ…。■スクールカウンセリングに■困ってるのは誰?「このことで困っているのは誰でしょうか?」スクールカウンセラーから質問を受け、私は気付くのです。「私だけが焦ってる」「この子の気持ちを何も考えてない」と…!次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月13日■前回のあらすじ遠足の朝、「行きたくない」とゆいが泣き出してしまう。さらに到着が遅れているゆいを心配した学校から電話がかかってきてどうすればいいのか迷うが、「今すぐ行かせます」とゆいを学校に行かせることにしました。■私が甘やかしたから…?■あるお知らせに目が留まり…ゆいが遠足に行きたくないと言った原因は、自分が甘やかして育てたからだろうと思いました。そして「これからも行き渋りがあるかも」と不安になったところに、スクールカウンセラーの案内を見つけて…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月12日■前回のあらすじ参観日での長女の行動に不安を抱き、保育園の先生に相談。すると先生から長女を「徹底的に甘やかすことをおすすめします」と言われ、次女より長女を優先し、なんでも褒めるようにしようと決意したのでした。■長女をたくさん抱っこ■やがて起きた変化先生のアドバイスに従って、長女ゆいをたくさん抱っこして、甘やかしてみることに。しばらくすると、ゆいはいつも保育園に持って行っていたミニ図鑑セットなしでも登園できるようになるのでした。あの行動の原因は赤ちゃん返りだったのだろうと思い、ホッとするのですが…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月05日■前回のあらすじ長女が年少の頃、保育園の参観日に行くと、先生が「外で鬼ごっこをしよう」と誘っても「行かない」と言い張り、昼食ではお箸を使わず手づかみでご飯を食べる娘の姿を見て、「なんで?」とショックを受けたのでした。■先生に相談してみると…■徹底的に甘やかす!?先生から提案されたのは、長女ゆいを「徹底的に甘やかす」というもので…。次女よりゆいを優先させ、なんでも褒めるという方法に取り組むことにするのですが…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月04日■前回のあらすじ長女の療育手帳を取得。療育手帳とは知的な障害がある人に交付される手帳で、さまざまなサービスを受けられる。この日を迎えるまでどんな出来事があり、どんな思いを持って行動したのか。当時を振り返ると…。■いわゆる育てやすい子だった?■3歳の頃困っていたこと長女ゆいは健診で発達について指摘されることもなく、特に気になるところもなく成長してきました。しかし3歳の頃、困っていたことを思い出し…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月01日こんにちは、吉田いらこです。今回のお話は、長女ゆいが療育手帳を取得するまでのお話。私の不勉強と配慮のなさに腹立たしく思われることもあるかと思いますが、お付き合いいただければと思います。■申請したものとは?■ついに取得しちゃった…療育手帳とは、児童相談所または知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方に交付される手帳。取得すれば、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供するサービスを受けることができます。その療育手帳をどのような経緯で取得することになったのか。私の体験談をお届けします。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!参考: 障害者手帳について/厚生労働省
2023年05月31日ADHD(注意欠如・多動症)とはADHD(注意欠如・多動症)は発達障害の1つで、不注意、多動性、衝動性などの特性があり、日常生活に困難を生じます。特性の多くは12歳以前にあらわれますが、幼い子どもにみられる特徴と区別することが難しいため、就学期以降に診断されることが多いと言われています。また、個人差はありますが、成長に伴って多動性が弱まるなど、特性のあらわれ方が変化することもあります。ADHD(注意欠如・多動症)に見られる特徴は、「人の話に集中できない」「落ち着きがない」「ものを良く壊す」「順番が待てない」「なくしもの・忘れ物や遅刻が多い」などです。ADHDの特性があらわれ始めるのは2歳ごろで、幼稚園~小学校に入学するころから目立つようになることが多いと言われています。さらに、特性のあらわれ方によって、多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプの3つに大別されます。ADHD(注意欠如・多動症)は生まれつきの脳機能障害です。乳幼児期の育て方によって発症するものではありません。ADHDのある人の脳では、前頭葉や線条体と呼ばれる部位において、ドーパミンなどの神経伝達物質の機能障害が起きていると考えられています。また、遺伝的要因も関連していると言われています。参考:e-ヘルスネットADHD(注意欠如・多動症)の診断基準には、アメリカ精神医学会の「DSM-5」(「精神疾患の診断・統計マニュアル」第5版)が多く用いられています。ADHDには、話を集中して聞けない、作業が不正確、なくしものが多いといった「不注意」、体を絶えず動かす、離席する、おしゃべり、順番を待てないなどの「多動性」「衝動性」の特性があり、日常生活に困難を生じます。また、これらの症状が12歳になる前に出現します。しかし、定型発達の場合でも、2~3歳ごろまではじっとしていられず、集中力も長くは続かない子どもが多いため、上記の条件を満たしていても就学期ごろまで診断がつかないこともあります。ADHDの診断は、医師が診察において患者の行動特徴を観察し、その結果と診断基準を照らし合わせ、ほかの精神疾患と鑑別された上で行われます。参考:厚生労働省「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」ADHD(注意欠如・多動症)の治療には、療育や教育などの心理・社会的アプローチと、薬物療法などの医療的アプローチがあります。療育では、環境調整・ソーシャルスキルトレーニング・ペアレントトレーニングといった手法が用いられます。このような発達支援は、発達障害専門の病院や公立・民間の「児童発達支援」「放課後等デイサービス」などで受けることができます。現在、ADHDを完全に治癒させる薬はありません。しかしながら、不注意・多動性・衝動性の症状を緩和する対症療法としての薬物治療はしばしば行われています。ADHDの治療に主に用いられているのは、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)です。また、2019年12月からは、リスデキサンフェタミン塩酸塩カプセル(ビバンセ®)が使用可能になりました。それぞれの薬剤は用量、用法や、効き方、副作用などが異なるため、状況に応じて使い分けられます。障害者手帳とは、障害のある人が取得できる手帳の総称です。身体障害者手帳(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など)、療育手帳(知的障害)、精神障害者保健福祉手帳などの種類があります。障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じてさまざまな福祉サービスを受けることができます。ADHD(注意欠如・多動症)や、二次障害としての精神障害が原因で日常生活へ支障がある人は、精神障害者保健福祉手帳を取得できる可能性があります。また、知的障害を伴う場合、療育手帳の対象となることもあります。精神障害者保健福祉手帳の申請には医師による診断書が必要ですが、療育手帳の申請には医師による診断書は不要です。詳しくはお住まいの市町村にお問合せください。ADHD(注意欠如・多動症)と併存しやすい障害や疾患と、症状の例ADHD(注意欠如・多動症)はさまざまな併存症があると言われています。自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害・限局性学習症(LD・SLD)、発達性協調運動症(DCD)、知的発達症(知的障害)、うつ病、双極性障害(躁うつ病)なども併存することがあります。自閉スペクトラム症(ASD)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の1つです。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)は、学習における技能に困難さがみられる発達障害の一つです。読むことやその内容を理解することの困難さ、書くことの困難さ、数の理解や計算をすることの困難さなど大きく3つの分類があります。これらの困難が、知的発達症(知的障害)によるものでないこと、経済的・環境的な要因によるものでないこと、神経疾患や視覚・聴覚の障害によるものではないこと、学習における面のみでの困難であること、という場合に限り診断されます。学校教育が始まる就学期になって診断されることがほとんどですが、就学前の段階で言語の遅れや数えることの困難、書くことに必要である微細運動の困難などがあることでその兆候に気づかれることもあります。参考:学習障害(限局性学習症)|e-ヘルスネット参考:学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について|文部科学省発達性協調運動症(DCD)とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。別名、不器用症候群とも呼ばれていました。知的発達症(知的障害)とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力・社会適応能力の発達が全般的に遅れた水準にある状態を指します(発達期とはおおむね18歳までを指し、それ以降に事故や病気などで知的機能が低下しても、知的障害とは言いません)。うつ病とは気持ちが落ち込み、その感情を抑えることができずいつも通りの生活を送ることができなくなる精神疾患です。双極性障害(躁うつ病)は、気分が著しく昂揚した状態の「躁状態」と、そもそも楽しさを感じない、楽しい出来事に興味がわかない状態の「うつ状態」の2つの精神状態が繰り返し現れる病気です。ADHD(注意欠如・多動症)のある子どもとの生活の様子は?特選連載コラムADHD(注意欠如・多動症)のあるお子さんをもつ発達ナビの連載ライターさんの厳選コラムをご紹介。「あるある」と共感したり、今の悩みを解決するヒントが見つかるかも…?大人のADHD(注意欠如・多動症)関連コラム大人の場合は、ADHD(注意欠如・多動症)の症状と考えられる特性によって日常生活や仕事にさまざまな支障をきたしてしまい、自分自身では解決できないという状況がおこりえます。その他のADHD(注意欠如・多動症)関連コラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月21日発達が気になる子どもの悩み、ギモンに専門家が回答!発達が気になるお子さんを育てる中で、悩みやギモンがわいてくることもあるのではないでしょうか。発達ナビでは、保護者の方々のさまざまなギモンに専門家の先生が回答する企画を行ってきました!これまでのテーマは「癇癪」「睡眠障害」「就学」「二次障害」「不登校」「療育手帳」。専門家の先生に事例ごとに具体的にご回答いただいています。ぜひ参考にしてみてください!発達が気になるお子さんの悩みでも多い「癇癪」。日々の対応に困っていながらも、「病院にいっていいもの?」「薬を服用させるのが心配」という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.発達障害のある子どもの癇癪(かんしゃく)にはどう対応したらよいでしょうか?事前にできる対策はありますか?Q.子どもが毎日ちょっとしたことで癇癪(かんしゃく)を起こし、親もヘトヘトです。どの程度から病院を受診してよいのでしょうか?Q. 癇癪(かんしゃく)がひどく、薬が処方されました。服用にあたって気をつけることはありますか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生の回答はこちらから!赤ちゃんの夜泣きがつらい、幼児期になっても寝つきが悪くて毎日寝かしつけが大変、小学生・中学生の昼夜逆転が心配…など睡眠に関してさまざまなお悩みがあると思います。また、起立性調節障害、ナルコレプシーなど睡眠障害に関わる診断名を耳にすることがあっても実際どういうものなの?とギモンに思う方もいらっしゃるかもしれません。睡眠の問題は生活習慣の問題だと思われることもあるかもしれませんが、発達障害と睡眠障害は併存していることが多く、眠れない原因の背景に睡眠障害が隠れていることもあります。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q:子どもが寝ないという理由で、病院にかかるとしたら小児科でいいのでしょうか。どんな小児科でも相談できるのでしょうか。Q:発達障害があり、睡眠障害を併存している場合、どのような治療法がありますか。必ず薬が処方されるのでしょうか。Q:中学生の子どもは、昼夜が逆転してしまっているような状態です。睡眠のリズムを取り戻すには、家庭でどのようなサポートができるでしょうか。さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!保護者も子どもも選択を迫られる就学先の問題。地域によっても通える学級・学校の種類や制度などが違ってくるため、就学先の基準や相談の仕方などに悩む方も多いかもしれません。発達ナビQ&Aコーナーでも全国からお悩みの声が寄せられています。発達ナビQ&Aコーナーに寄せられたギモンQ:情緒学級がある小学校が、住んでいる地域にありません。通常学級+通級、知的障害の特別支援学級、情緒学級のある小学校などで迷っています。何を基準に選んだらよいでしょうか。こちらの質問に対する発達ナビ会員の方の実体験をもとにした回答と、発達障害のあるお子さんの支援、臨床心理学の専門家である井上雅彦先生が解説する就学先を選ぶポイントはこちらから!発達障害の特性を理解されない、失敗して叱責される、不安な経験を繰り返すなどの経験を重ねることで、次第に自己肯定感が下がり、うつ病、不安障害などの精神疾患の合併や、不登校やひきこもりなどにつながることがあり、これを二次障害と呼ぶことがあります。子どもが二次障害の状態であるとき、保護者はどのように理解し対応していったらよいのでしょうか。例えばこんなギモンを児童精神科医の先生に質問!Q.落ち着いていられない・気が散ってしまう子への関わり方を教えて下さい(小学2年生・ASD、ADHD)Q.小5の男子(ASD、ADHD)です。登校の行き渋りがあります。同級生とのコミュニケーションが上手くいかない、勉強が楽しくないなどの理由があるようです。無理にでも学校に行かせるのか、休ませるのか、どちらが良いのでしょうか?Q.専門医に助言を求めたいのですが、本人が病院に行ける状況にない(行きたがらない)場合どうしたら良いでしょうか?(高校生、未診断。対人恐怖、睡眠障害あり)代官山やまびこクリニックの千村浩先生の回答はこちらから!「学校に行きたくない」子どもがこう口にしたとき、保護者はどう対応したらよいのでしょうか。また、不登校になったときの学校や社会とのつながりや、学習について、ゲーム依存への心配など悩みは尽きないと思います。例えばこんなギモンを臨床心理士・公認心理師の先生に質問!Q.子どもが不登校になった場合、学校とはどのように連携したらいい?Q.不登校が長期間にわたっている。保護者側もサポートに疲弊、このまま学校に行かなくていいのか、ひきこもりになるのではと将来が不安ですQ.不登校になり家でゲームをずっとやっているわが子。依存症にならないか心配臨床心理士・公認心理師であり東京都内のスクールカウンセラーでもある初川久美子先生の回答はこちらから!みなさんは療育手帳を取得していますか?発達ナビ会員のみなさんに療育手帳の取得の実態についてアンケートを実施しました!療育手帳を取得するとよいと聞いたけど、分からないことだらけ…という方もいらっしゃるかもしれません。例えばこんなギモンを行政書士・社会保険労務士の先生に質問!Q.発達障害がある場合は「精神障害者保健福祉手帳」しか申請できないのでしょうか?療育手帳は取得できますか?Q.療育手帳の対象は?取得に年齢やIQは関係ありますか?Q.療育手帳を取得するメリットってなんですか?親なきあと相談室主宰であり、行政書士・社会保険労務士の渡部伸先生のご回答はこちらから!医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類「診断書」。発達ナビ会員のみなさんにも診断書についてアンケートを実施しました!診断書は、どんなときに必要になるのでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?Q.診断書の費用は大体どのくらいですか?Q.診断書を作成してもらえない場合もあるのでしょうか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!みなさんのギモンをお待ちしていますこんなときどうしたらいいの?どこに相談したらいいの?ほかの人はどうしてる?など、これからも発達が気になるお子さんを育てるみなさんのギモンに具体的にお答えしていきたいと思っています。発達ナビ会員同士が質問・回答ができる発達ナビQ&Aコーナーでの話題の投稿に対して専門家の先生からコメントをいただくこともあるかもしれません。気になるギモン、お悩みなどぜひ発達ナビQ&Aコーナーへの投稿や、こちらの記事へのコメントでお待ちしております!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月03日療育手帳(愛の手帳)とは?「療育手帳」とは、知的障害がある人に発行される障害者手帳です。療育手帳を持つことで、療育や支援をはじめとしたさまざまな障害福祉サービスを受けることができます。療育手帳の判定基準等の運用方法は「療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)」というガイドラインに基づき、各自治体に委ねられています。そのため、各自治体により療育手帳の区分や判定基準、受けられるサービスなどが異なります。また、療育手帳には交付から一定期間後に再判定・更新などがあります。再判定・更新期間も自治体により違います。具体的な内容が知りたい場合には、それぞれの市区町村の福祉担当窓口に問い合わせるのが良いでしょう。療育手帳制度について|厚生労働省療育手帳は取るべき?取得のきっかけや、取得で変わったことは?発達ナビ会員に療育手帳についてアンケートを取りました!発達ナビでは2023年3月27日から4月9日の期間、「『療育手帳』取得していますか?療育手帳について知りたいことなどエピソードを大募集!」として療育手帳についてのアンケートを実施しました。結果は「療育手帳を取得している(41%)」「療育手帳を取得していない(取得する予定がない)(39%)」と僅差で「療育手帳を取得している」方が多い結果となりました。また、「療育手帳を取得したかったができなかった」という方も19%と数多くいらっしゃるようです。参考:『療育手帳』取得していますか?療育手帳について知りたいことなどエピソードを大募集!(アンケートは終了しています)Upload By 発達障害のキホン5歳?4歳?で取得。IQ74(田中ビネー)8歳で更新。(夢野途中さん)支援級の先生から、学校での様子を書いてもらった手紙と検査中の様子から低学年の今は、必要な支援を受ける上でも取得した方が良いと判断され小1で取得。(さぁしぃとゴリラままんさん)療育園に通う事になってすぐ、取得しました。そちらでSTを選択していて、心理は併用不可だった為、検査は出来ずでしたが、取得の際に検査するので、目安になって良かったです。(りるるさん)就学や療育のタイミングなど、必要な支援を受けるために療育手帳を取得される方が多いようです。IQが規定を超えているので取得できなかったと思われます。(二年前)今年は、精神障害者保健福祉手帳を申請するべく、療育園の主担任、及びリバビリの先生方、主治医と4月末に合同面談予定です。(対策を話し合います。)(hisaeさん)発達外来で、取得出来ないと言われました…。IQが取得するには高すぎるとか…。実際困っているのは事実なんですがね…と。(しのっぺさん)2歳のときに一度取得。ですが、IQが上がったことで5歳で対象外となり、返納となりました。重度の自閉症ですので、「支援がなければ生きていけない」と、小2のときに精神障害者保健福祉手帳を取得しています。(中略)手帳があることで、たくさんのチャレンジが可能になりましたし、学校等へ合理的配慮を申し出るときも「手帳の威力」というのを痛感しました。(あまだれさん)療育手帳を取得できなかったという意見の中では「IQが高く、対象外だった」という方が多いようです。あまだれさんのように、知的な遅れがなく、発達障害の診断がある場合には、「精神障害者保健福祉手帳」の取得を早めに検討したほうがいいのでしょうか?行政書士の渡部伸先生に伺いました。A:知的障害を伴う発達障害の場合は、療育手帳の対象となることがあります。知的障害を伴っていない発達障害の場合は「精神障害者保健福祉手帳」が対象になることが多いです。療育手帳の申請には申請には医師による診断書は不要ですが、精神障害者保健福祉手帳申請の場合には医師による診断書が必要となりますので、詳しくはお住いの市町村にお問合せください。Upload By 発達障害のキホン心理士さんから療育手帳の提案をされました。今まで発達検査や診断をされていませんが、私自身は知的障害があると思っています。でも、療育手帳を取得する勇気というか決断ができません。(キビドラさん)療育手帳を取得するとさまざまなメリットがありますが、心理的な面で取得を悩んでしまうことも少なくありません。療育手帳は知的障害があるからといって必ず取得しなければならないものではありません。また、取得した場合もその後返納することも可能です。受けたい支援やサービスをふまえて取得を検討されるのが良いと思います。ここまではアンケートの結果や、アンケート結果にまつわるQ&Aを紹介しました。ここからは療育手帳についての気になる疑問を、先のQ&Aと同様に行政書士の渡部伸先生に伺いました。Q:「愛の手帳」「愛護手帳」なども療育手帳?なぜ名前が違うの?全て「療育手帳」となりますが、名称が違うのは、ほかの障害者手帳とは異なり、法で定められておらず、「療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)」というガイドラインに基づいて各自治体が発行しているからです。自治体により制度が違うんですね。「愛の手帳」は東京都、「愛護手帳」は青森県と名古屋市の療育手帳の名称になります。Q:療育手帳の対象は?取得に年齢やIQは関係ありますか?後天的な事故などではなく、18歳くらいまでに知的障害と診断を受けた方が療育手帳取得の対象となります。ただ、18歳までに申請しなければいけない訳ではなく、18歳をすぎてからでも申請は可能です。基準IQは知的障害と診断される70~75前後となりますが、取得についての判断基準は自治体によって違います。Q:療育手帳の区分と判定基準は?IQで変わりますか?B1とB2の違いは?例えば、千葉県などはIQ21以上35以下をAの1、IQ36以上50以下で身体障害者手帳を所持しているとAの2、IQ36以上50以下をBの1、IQ51以上75以下をBの2と区分しています。参考:千葉県療育手帳制度実施要綱東京都などはIQのほかに、年齢に応じた社会性、日常の基本生活などを総合的に判定し、1度(最重度)、2度(重度)、3度(中度)、4度(軽度)の4つに区分されています。参考:愛の手帳|東京都福祉保健局Q:療育手帳と障害者手帳の違いってなんですか?身体障害者手帳は視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある人に交付される手帳、精神障害者手帳は総合失調症、うつ病、薬物依存症、高次脳機能障害、てんかん、発達障害などなんらかの精神障害のある人に交付される手帳です。Q:療育手帳を取得するメリットってなんですか?療育手帳を取得することで保育・教育面での援助や就労に向けての支援、各種サービス・割引を受けられます。また、税の減免や控除など税制上の優遇措置が受けられます。・保育、教育:自治体によっては保育園の入園の優先度が高くなったり、特別支援学校への入学の際の証明書になったりなどします。・就労支援:特定求職者雇用開発助成金、障害者トライアル奨励金、障害者雇用奨励金などの支給対象者にもなるので、障害者雇用枠や特例子会社で就職が可能になり、就労の可能性が広がります。・各種サービス、割引:交通機関(電車・飛行機・バス・タクシー・高速道路など)の割引やNTTふれあい案内という無料の電話番号案内の利用、博物館、美術館、動物園、水族館、その他レジャー施設なども割引のサービスを展開しているところが多くあります。療育手帳についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月22日20代で「うつ病」の診断私が発達障害を自覚したのは30歳。それまでずっと生きづらさはあり、いろいろな精神症状を経験しました。20代前半、第二新卒で働いていたとき、気分の落ち込みと気力の低下、希死念慮がひどく、ほとんど寝たきりのようになってしまいました。それまで精神科にかかったことはなく、インターネットで調べた、うつ病の診断もできるというクリニック(内科だったと思います)に行ったところ、うつ病との診断が。抗うつ剤を処方されて1錠飲んだところ、興奮状態になり、頭痛、下痢、幻聴という副作用が出て、パニックを起こして救急車を呼んでしまいました。※発達障害の診断が下りたあとになってわかったのですが、発達障害者への抗うつ薬の投与は慎重にすべきという意見もあるようです。このときの医師は精神科医でなかったので、私の症状には適さない処方だったのかもしれません。10年以上前のことなので、詳細はあまり覚えていないのですが、そこから大学病院の精神科にかかるようになり、31歳で実家を出て関東を離れるまで、そこの精神科の先生を主治医としてずっと面談を続けていました。32歳で発達障害と二次障害の診断31歳で実家を離れて今の夫のもとで暮らし始めた私。しばらくは夫に世話してもらいながら静かに暮らしていたのですが、翌年の夏、改めて気分の落ち込みや神経過敏に悩まされるように。やはり再び精神科に通いたいと、近所の精神科医院(標榜は心療内科でした)に行って発達障害の自覚についても話したところ、高機能自閉症(現在の分類ではASDに該当します)の診断が降りるとともに、それによる二次障害としてのうつ傾向が指摘されました。手帳取得への動き先に精神障害者保健福祉手帳と障害年金を取得していた友人に上記の診断の話をすると「福祉ともつながれるし、メリットも多いからぜひ精神の手帳を取得するといい」と勧められて、まずは手帳を取得するために動くことになりました。主治医とソーシャルワーカーさんの意見を総合すると、まだ発達障害単体で精神障害者保健福祉手帳の申請は通りづらいとの判断でした。※これは2012年当時の宮崎県での状況です。地方によっても違うとのことでしたし、現在では発達障害単体でも通ることもあると思います。地域のソーシャルワーカーさんに相談してみるとよいと思います。そこで、二次障害としてずっとうつ傾向が続いているし、手帳申請時の書類上の「初診」にあたる診療(上記の20代でかかった内科医の診療)で「うつ病」の診断が出ているのにも矛盾しないということで、「うつ病」の診断で申請してくれることになりました。診断書の内容への工夫診断書の病名自体は「うつ病」なのですが、主治医は、二次障害のうつ傾向がよくなっても矛盾が起こらないように、症状のところに「易刺激性の亢進(感覚過敏傾向の表現)」「感情コントロールの困難(コミュニケーション障害の表現)」などといった表現を入れるなど、できる限りの工夫をしてくれたようです。主治医やソーシャルワーカーさんのおかげもあり、無事、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得することができました。手帳を取得して変わったこと何よりも経済的に助かるというのが、障害者手帳の最大のメリットです。自立支援医療制度を使って医療費が1割負担になるとか、交通機関によって運賃が割引になったりするのはとてもありがたいです。美術館などの施設も割引がある場合があります。同じく「うつ病」で同時に申請して取得した障害年金には本当に助かっています。人に自分の障害を説明するときに「私は実は障害者で、障害者手帳を持っているんです」と言えるので、説明がしやすくなりました。デメリットとしては、一つぐらいしか経験がありません。一度、タクシーで手帳での割引を使おうとしたときに差別的なことを言われて不快な思いをしたのです。私の住む自治体ではタクシーの割引金額はごくわずかだったので、その後は割引を利用しないことに決めました。障害者手帳は、自分にとって開示するメリットが大きいときに開示すればいいだけで、開示することにデメリットがあったりして隠しておきたいときには隠しておけるので、そこがありがたいなと思っています。発達障害があると症状のコントロールのために人より医療費がかかったり、特性のためになかなか思うような収入が得られなかったりと、経済的に苦労する人も多くいます。手帳はそこの負担を軽減してくれます。また、手帳を持っていると障害者雇用枠で就職・就労することもでき、働く場の選択肢も広がると思います。取得していない人は一度検討してみるのをお勧めしたいです。文/宇樹義子(監修・渡部先生より)精神保健福祉手帳の取得に際しては、心理面での抵抗もあったのではと想像しますが、決断されて本当に良かったと思います。今回のエピソードで紹介されている自立支援医療制度は、精神通院医療や薬にかかる費用の自己負担が、通常の3割から1割に軽減されるという大きなメリットがあります。その他の経済的なメリットとして、所得税や住民税、相続税の控除が受けられる、携帯電話料金の基本料金の割引きなどがあります。一方、タクシーで不快な経験をされたという、残念なお話もありました。福祉に携わる者として、障害理解、共生社会という考え方をもっと広めていかなくてはいけないのだなと、改めて考えさせられました。手帳の具体的なメリットをお話しいただき、取得を迷われている方にとっては、背中を押してくれるようなエピソードだったと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月12日療育手帳の判定結果は「中度」知的障害、落胆して泣いた自閉スペクトラム症のある息子は、1歳ごろから「なんだか怪しい…」と感じる行動をすることが多かった。母である私は、息子が3歳になるとすぐ、療育手帳(障害者手帳)を申請した。療育手帳は、3歳をすぎないと申請できなかったからだ。療育手帳の申請は児童相談所が窓口だった。Upload By 立石美津子息子は児童相談所で検査を受けた。結果は3度(中度)の判定で「4度(軽度)ではないんだ」とショックを受けた。障害児向けの福祉サービスを受けるため、療育手帳が欲しくて自ら出向いたのにも関わらず…。児童相談所からの帰り道、駅まで泣きながら歩いたことを思い出す。1ヶ月後、療育手帳が郵送されてきた。交通機関の割引制度を利用するには、手帳を提示する必要があったが、当時の私はものすごく抵抗があったので、しばらく使うことができなかった。東京都の場合、療育手帳(愛の手帳)は知的障害の重さで4つの度数に分かれている。最重度1度…知能指数19以下重度2度…知能指数20~34中度3度…知能指数35~49軽度4度…知能指数50~75参考:対象者(愛の手帳Q&A)|東京都福祉保健局軽度の目安が、IQ75未満の自治体もある。IQ70〜75が、療育手帳がもらえるギリギリの、ボーダーラインで、IQが70〜75より高く、日常生活の能力に問題がない場合は、療育手帳の認定基準に満たないので、療育手帳はもらえない。療育手帳がもらえるかもらえないかの境界は、自治体によって異なる。療育手帳交付のボーダーラインは、IQ70が基準の自治体もあれば、IQ75が基準の自治体もある。療育手帳の再判定、結果は変わらず「3度」で中度の知的障害だった息子が18歳になり、療育手帳の成人更新をすることになった。結果は今までと同じ3度だった。少しホッとする。福祉サービスが今までと変わらず受けられるからだ。児童相談所からの帰り道、駅まで泣きながら歩いた昔と比べると、自分も随分変わったものだ。療育手帳を持っていても使うのに抵抗があった昔に比べると、持っていくのを忘れたら家に取りに戻るくらい変化した。タクシーに息子と乗ったとき「障害者手帳持っているんですけれど、持ってくるの忘れてしまいました。でも障割にしてくれますか?」と図々しく聞くくらいだ。親として成長したのか、諦めたのか、悟ったのか…。Upload By 立石美津子特別支援学校高等部時代、学校のママたちとランチした。あるママ友が呟いた。「療育手帳の成人更新で3度が4度になっちゃった~(=軽度になったこと)『3度が4度に上がりました』と担任に話したら、『そうでしたか…』複雑な表情をされて、こちらも複雑な気持ちになったよ~。」「あるあるだよね。」そんな会話が交わされる。愛の手帳が3度から4度(中度→軽度)になって本来喜ばしいことなのだろうが、それによって利用できなくなる福祉制度があるからだ。私が住んでいる自治体では、“緊急介護人制度”というのがあって、愛の手帳(療育手帳)が1度から3度だとこれを利用できる。しかし、4度だと利用できなくなる。ほかにも、一般企業の障害者雇用枠では、療育手帳の1度や2度だと、ダブルカウントされる。つまり1人雇うと2人分とカウントされるのだ。手帳の判定が変わるのは、親と嬉しくもあり、利用できる福祉サービスが減るのではと不安になることもあり、複雑な気持ちになるものだ。そして、それくらい親と一心同体になってくれる特別支援学校高等部の先生方はありがたい存在だった。「残念だ」とは決して口には出さないが、表情から、わが子のことを深く考えてくれいることは読み取れるから。障害区分認定は?療育手帳の成人更新とは別に、19歳になったら、区分認定も受けた。これは知能指数による判定ではなく、日常生活するのにどれくらい困難があるかを示す度数である。療育手帳(愛の手帳)は「1・2・3・4」と数字が上がるほど軽度ということだが、区分認定は「1・2・3・4・5・6」とあり、数字が上がるほど重く、福祉サービスは手厚くなる。逆なのだ。ややこしい!!Upload By 立石美津子当時、ママ友との会話はもっぱら…「成人更新で療育手帳は何度になった?」「区分指定は何度?」だった。成人を前にやらなくてはいけない申請も多く、何しろいろいろ難しい。経験者としていえるのは、17歳になる前くらいから、いろいろ調べておくとよいということだ。執筆/立石美津子(監修・鈴木先生より)療育手帳のボーダーラインはいつも疑問に思います。IQ69と71で何が違うのか?自治体で差がないように医師の診断書を添えて70以上でももらえるようなシステムがいいのではないかと常々思っています。IQ49と51でも同様です。中にはIQ51でも中等度の知的発達症にしてくれる児童相談所の方もおられます。そのためには、いかに生活で困っているかを保護者が児童相談所に伝えられるかどうかにかかっているようです。発達障がいは以前、軽度発達障がいと言われていました。障がいに軽度も重度もないことからスペクトラムという領域という意味の言葉が用いられ、軽度という言葉は診断名から消えました。知的発達症もいずれ軽度や重度の枠がなくなってスペクトラムとなり、みんな同じ福祉サービスが受けられる時代が来ればいいですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月02日娘は言葉が遅い?…でも1人目が未だに喋らないので「普通」が分からないUpload By べっこうあめアマミ娘の発達に関しては、これまで特に健診等で問題を指摘されたことはありませんでした。1歳から保育園に通っていましたが、4歳の今まで、園側からも何か娘の発達について指摘されたり、療育を勧められたりしたことはありません。しかし、私は上の子どもに重度知的障害があることから、いわゆる「普通の子どもの成長」がいまいち分からず、娘の発達が本当に問題なく進んでいるのか、ずっと心配でした。私が娘の発達で何に一番ひっかかっていたかというと、言葉の発達が遅いことでした。娘は、身体の発達状況は定型発達の範囲内で、対人関係でも気になる点はなく、これといった問題行動もありません。成長していくにつれ、身の周りのことも人並みに自分でできるようになっていきましたし、息子と比べると、驚くほど成長が早いようにも思えました。しかし、唯一言葉の発達においては、同年齢の子どもたちよりぎこちない気がしていました。そして、それを決定的に感じる出来事があったのです。これはなんとかしてあげたい...!娘を療育につなげたいと思ったきっかけUpload By べっこうあめアマミ娘が2歳のある日、保育園にお迎えにいくと、玄関で娘のクラスのお友だち数人と一緒になりました。人懐っこい娘はお友だちに何か話しかけていましたが、話しかけた女の子にバッサリと「〇〇ちゃん、なにいってるかわかんない!」と言われてしまったのです。正直、娘が何を言いたかったのかは私にも分かりませんでした。私が分からないということは、2歳の女の子にも分からなくて当然です。しかし、女の子に言われた言葉を受け、しゅんと下を向いて静かになってしまった娘を見て、私はいたたまれない気持ちになりました。このことがあって、やはり娘の言葉の力をもう少し底上げして、お友だちとスムーズにコミュニケーションがとれるようにしてあげたい。娘がこんな風に悲しい思いをしなくてすむように、なんとかしてあげたいと思うようになりました。こんなとき、私の頭にパッと浮かぶのは、息子が通っていた発達支援センターです。発達支援センターは私にとって馴染みの場所だったので、先生たちも娘のことは赤ちゃんのころから「妹ちゃん」としてよく知ってくれていました。こうして私は発達支援センターに相談し、それからは娘のことで時々通うようになりました。かつて息子が通った療育施設、でも娘と息子で療育内容は全然違うUpload By べっこうあめアマミ娘は最初の1年間は、年齢や必要度などの関係から集団療育は勧められず、発達相談と個別療育での対応となりました。数ヶ月に一度発達支援センターに行き、先生に娘の様子を見てもらいながら一対一でいくつかの課題をして、最後にその日の振り返りの面談をします。その中で、やはり娘は言葉以外の日常生活のことはちゃんとできているけれど、実年齢に比べて言葉の面で遅れがみられるため、丁寧に見ていったほうがいいと言われました。具体的には・語彙が少なく、ものの名前の認識が弱いので「これ」「それ」などの便利な言葉を使いがち・言葉を違う意味で捉えていたときに修正するのが難しく、何度も伝える必要がある・数字は言えるけれど、概念としての把握はできていないなどの課題が挙げられました。これらの課題を克服していくために、年少になる次の1年はもう少し頻度が多い、月2回の集団療育に通うことになったのです。ここで、息子の療育を振り返ってみます。息子の場合は、後に重度知的障害と診断されるほど明らかな発達の遅れがあったので、療育の主な目的は身辺自立でした。必然的に療育の頻度も多く、週の半分くらいは通いました。療育の内容も、言葉を交わさなくても気持ちを伝えられることや、身辺の自立を生活の中で少しずつ進めていくことが主な目的で、発語がないお子さんも多かったです。幼稚園や保育園には通っていないお子さんもいましたし、子どもたちにとって安心できる居場所としての意味合いも大きかったように思います。対して娘の療育のクラスは頻度も少なく、あくまで生活の中心は保育園でした。保育園では学びきれないことを補う形の、お勉強や習い事に近い療育だったように思います。娘の集団療育のクラスに通うお子さんはみんな、ぎこちなさがあっても話すことができましたし、机を前に椅子に座って課題に取り組んだり、集団でルールのある遊びをしたりしていました。娘と息子、2人の療育を見てきて、ひとことで「療育」といっても本当に幅広いと感じたものです。1年が経ち、目覚ましい成長を見せた娘、療育は卒業?Upload By べっこうあめアマミ今、娘は4歳となり、この春には年中になります。1年間の集団療育を経て、大きな成長が見られました。まず、この1年でたくさんの言葉を覚え、一気に語彙が増えました。時々「そんな言葉どこで覚えたんだろう?」と思うほどです。これまで勘違いして捉えていたと思われる物の名前や言葉の意味も、かなり修正されていったように思います。そして、以前はただ数字を唱えられるだけだったのが、小さい数字なら量の把握ができるようになりました。ごはんのおかわりなどを「1たべたい」「2ほしい」などと量を指定して求めたり、みかんを1房ずつはがしてテーブルに並べ、1つずつ数えて「ぜんぶで10こ!」などと教えてくれるようになりました。このように、数字や言葉の概念の把握が進んだことで、娘との会話が成立しやすくなったと感じています。今でも会話の中で、伝えたいことがはっきり分からないことは多々ありますが、1年前と比べると確実にステップアップしていると思います。言葉が上手に扱えるようになって、お友だちのことも家でよく話してくれるようになりました。保育園生活にプラスし、細かい専門的な指導を療育で補えたことで、めざましく成長できたのかなと思います。療育のハードルはそんなに高くない、「ちょっと気になる」くらいの子どもこそ飛び込んでみては?療育になんとなく抵抗がある人の中には、「一度療育の世界に入ったらやめられない」と思う人もいるかもしれません。でも、娘はこの1年間の成長を受け、来年度は今の療育とは別の形での支援を勧められています。今より頻度を抑えた、数ヶ月に1度の発達相談と個別療育のスタイルに戻り、もっと保育園中心の生活にしていくことを提案されています。娘の今後はまだ分かりませんが、このような形で徐々に療育を卒業していく人だってたくさんいると思います。療育にはさまざまな種類がありますし、障害の有無だけで必要か不要かを判断できるものでもありません。そして、重度の障害がある息子と、障害というわけでもないけれど発達の遅れがあった娘、2人を療育に通わせて思うのは、娘のような「ちょっと気になる」くらいの子どものほうが効果が見えやすいということでした。どちらも確実に成長はしていますが、もともとの成長速度のベースが早い分、娘の成長のほうが分かりやすかったように感じます。療育はどこも待機が多く、必ずしも入れるとは限りませんが、あまりハードルを高く考えず、ちょっとでも気になることがあれば飛び込んでみるのもいいかもしれません。執筆/べっこうあめアマミ(監修:鈴木先生より)療育とは、「心と科学」です。優しい心で接してあげて最新の正しい知識を持った人々が担当するので、安心してお子さんを預けることができるのです。障がいの有無にとらわれず、困ったことがあれば遠慮なく利用したほうがいいと思います。それと同時にかかりつけの小児科医にも相談するのがいいでしょう。何かの病気が隠れていて言葉が遅れている可能性もあるからです。発熱などで混んでいる小児科外来で気軽に相談するのは難しいかもしれませんが、知識のある先生ほどきちんと話を聴いてくれます。障がいのあるお子さんだけでなく、そのご家族やきょうだい児の事情も気遣って日々診療したいと心がけています。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月24日良いことだらけと聞いていた療育手帳Upload By カタバミ療育手帳を取得するということに身構えてしまう方は多いと思います。でも私は、まちゃが2歳10ヶ月で正式に自閉スペクトラム症と診断されてから週に1回発達センターで療育を受けつつ、発達障害のあるお子さんがいる友人がSNSで「療育手帳を取得したら良いことがたくさんある」と発信しているのを読んでいました。でもそのときはまだ発達障害に関して、特に制度に関することは分からないことだらけで「療育手帳というものがあるのか」とぼんやりとしか分かっておらず、すぐにまちゃに療育手帳を取得させようとは思っていませんでした。思い返すと、発達センターにも通い始めたころで、これからメキメキと成長するかもしれないと考えていたと思います。療育手帳と受給者証って何?Upload By カタバミ2歳の後半から週に1度、まちゃは発達センターで少人数での療育を受けるようになり、私は療育に集まるお子さんたちが児童発達支援事業所というものにも通っていることを知りました。そして児童発達支援事業所に通うには受給者証というものが必要だということも教えてもらいました。児童発達支援事業所に通うには必要なものがあることがだんだん分かってきたころ、まちゃの2歳年上のお姉ちゃんの幼稚園の同じクラスにきょうだいに障害のあるお子さんがいるママがいて、お話をする機会があり、思い切って質問をしたら受給者証と療育手帳の取得についてとても丁寧に分かりやすく説明してくれました。また同じころにほかのママが「療育手帳を持っていると利点がたくさんある」と話しているのも聞きました。私はまずは受給者証がほしかったのですが、療育手帳についても持っていた方がまちゃのためになると聞いていたので、療育手帳の取得と受給者証の取得を同じ時期に決心しました。取得のための相談窓口というところに緊張して電話をしたら、いつもの発達センターにつながったのでホッとして脱力したのを覚えています。すぐにまちゃの担当の臨床心理士に話がいき「まちゃくんなら取得できるだろう」と言われて、許可が必要だったのかと意外に感じたことも覚えています。児童相談所での発達検査Upload By カタバミ療育手帳の申請をしてから約2ヶ月後に児童相談所で発達検査がありました。まちゃと同室か別室で待つか聞かれて私は同室を選びました。優しい声の若い女性が問題を出してくれたせいかまちゃはリラックスしていて、パズルの問題などは前のめりになって考えて応じていました。しかし「これをこうしてください」など、言葉で説明される問題に入った途端、まちゃは困ったようなはにかんだ表情になりました。このころは今よりもっと発語もなかったため、私にはしゃべることができないまちゃが『問題を解きたいんだけど、何を言ってるのか分からないよ〜』と言ってるように見えました。まちゃは機嫌も悪くなく、やる気もあるけど本当に分からないようで、そこからあとの時間は私へのまちゃに関する長い質問タイムになりました。私は「まちゃはこんなこともできる」「あんなこともできる」と、無意識にまちゃはいろいろ理解していてできることも多いと説明したと思います。発達検査のあとUpload By カタバミ発達検査によってまちゃには知的障害があることが分かり、小児科医から知的障害の程度は「軽度よりの中度」と言われました。今から考えると遅過ぎてあきれますが、そのときになってようやく私は療育手帳の重みを感じてショックを受けた気がします。「まだ幼いので今後言葉が出れば結果はガラッと変わりますから落ち込まないように」と言われました。そのあと、発達センターの療育の先生からも「療育手帳の取得のための検査は言葉が出ていないと低く出るんですよ」と言われました。でも、数週間後にかかってきた児童相談所からの電話では「身辺自立などできていることも多いので軽度です」と言われました。良かったのか悪かったのか分かりませんでしたが、とにかくまちゃは軽度の知的障害があるということで、療育手帳を取得し、私は2年後の更新のときまでになんとかまちゃから言葉が出るようにしようと思いました。私は前もって情報があったのでそんなに構えずに療育手帳を取得しました。夫も止めませんでしたが、親戚は驚いて悲しむかもしれないと考えて黙っていました(今は話しています)。私は自分の経験から、療育手帳を取得するのは特に制度の面では良いことが多いですが、結果を受け止めるのは人によっては大変なので、親御さんと場合によってはご本人がいろいろな情報をよく聞いて調べて決めるのが良いと思います。執筆/カタバミ(監修:藤井先生より)療育手帳の取得の際の発達検査だけでなく、病院や療育センターで行われる発達検査の結果を聞いて、ショックを受けたというお声を聞くことがあります。しかし、小児の発達検査は、年齢が幼いお子さんの場合は特に、将来的な発達指数と直結するとは限りません。療育やご家庭での働きかけ、お子さんの特性によって、変わっていくこともあります。療育手帳を取得することでのメリットもありますので、事前に調べて決められることをおすすめしております。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月09日特別障害者手当をもらうには?申請方法や必要書類を解説特別障害者手当の対象は、20歳以上で身体または精神に重度の障害があり、常に特別な介護が必要な在宅で生活をしている人です。身体障害者手帳1、2級程度、または療育手帳1、2度程度の障害が重複している状態、もしくはこれらと同等の疾病・精神障害がある状態が目安といえます。手帳を持っていなくても申請できます。医師の診断書など申請書類にもとづき、自治体が認定します。基準は厚生労働省の「障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準」に準じます。以下の方は申請できません。・20歳未満・医療機関に3ヶ月以上継続して入院している・施設等(グループホームは除く)に入所している成人年齢は18歳になりましたが、特別障害者手当の申請は20歳以上で変わりません。月額は27,980円で、障害の重さによる金額の差はなく、一律です(令和5年4月より。手当の額は、物価変動等により毎年見直される)。申請月の翌月分から支給されます。原則として毎年2月、5月、8月、11月にそれぞれの前月分までの3ヶ月分がまとめて振り込まれます。例:5月の支給額=2・3・4月の3ヶ月分83,940円住んでいる市区町村の福祉担当窓口で申請します。医師の診断書などは所定の用紙が必要なことがあるので、事前に窓口に問い合わせておくとよいでしょう。Upload By 発達障害のキホン受給中は施設への入所状況や入院状況などを伝える「現況届」を毎年8月に提出します。この手続きは8月以降も受給するために必要です。また障害の程度が変わることがある場合は通常1~5年の範囲の「有期認定」となります。その場合、再認定期月の約1カ月前に診断書などを再度提出します。提出期限前に市区町村から案内があります。特別障害者手当の注意点はありますか?所得制限や、障害年金をもらっている場合はどうなる?特別障害者手当には所得制限があり、本人の前年の所得が一定額を超える場合、または配偶者や扶養義務者の前年の所得が一定額以上の場合、特別障害者手当は支給されません。Upload By 発達障害のキホン障害年金は所得に算入されるので、所得が一定額を超えていなければ、両方をもらうことは可能です。障害がある子どもが対象の手当って何があるの?特別障害者手当は子どもは対象ではありません。障害がある20歳未満の子どもを育てる家庭が対象の手当には、「特別児童扶養手当」、本人が対象の「障害児福祉手当」があります。特別児童扶養手当特別児童扶養手当の対象となるのは、おおよそ身体障害者手帳1~3級(一部4級程度)、療育手帳A・B、愛の手帳1~3度程度の場合です。手帳を持っていなくても、障害や疾病により日常生活が困難で、常に介護が必要な場合は対象になります。特別児童扶養手当は、障害の程度によって支給額が変わります。1級は月53,700円、2級は月35,760円です(令和5年4月より)。支給されるのは4月、8月、11月の年3回で、それぞれ前月までの4ヶ月分が受給者(家族)の口座に振り込まれます。所得制限があり、受給者もしくはその配偶者、または扶養義務者の前年の所得により、支給されないことがあります。受給中は「現況届」を毎年8月に提出します。前年の所得とその年の6月1日時点の児童の養育状況(施設に入所しているか等)を報告します。この手続きは8月以降も受給するために必要です。障害児福祉手当障害児福祉手当の対象となるのは、身体障害者手帳1~2級、療育手帳A・B、愛の手帳1~2度程度です。手帳がなくても、同じぐらいの程度の障害があると認定されると対象となります。支給額は月15,220円です(令和5年4月より)。5月、8月、11月、2月にそれぞれ3ヶ月分ずつ障害児本人の口座に振り込まれます。支給制限があり、児童施設に祐書しているときや、本人や扶養義務者の所得が一定以上の場合は支給されません。このほかにも親に障害があったり、ひとり親の場合などに支給対象となる「児童扶養手当」や、各自治体独自の支援制度があります。まとめ特別障害者手当は、20歳以上の重度の障害がある方の日常生活における経済的負担を軽減するための制度です。該当するかどうか、住んでいる市区町村の福祉担当窓口に問い合わせてみましょう。申請には医師による診断書など、多数の書類が必要になるので、窓口で確認しましょう。
2023年02月23日■前回のあらすじ長男のことを詳しく知るため発達検査を受けることに。結果は精神年齢2歳、IQ52。人より物への興味が高く、ボディイメージが弱いなどが判明。私は長男のためになることをやっていこうと心を新たにするのでした。■療育施設の見学へ行くと…■何を重視する? 選んだ結果は…ということで…長男の療育先が決まりました! たまたま空きがあって、早めに通い始められることになって本当に運がよかったです…!見学に行って思ったのは、同じ療育施設でもそれぞれ違うということ。そんな中で、教室の雰囲気や内容、先生たちの資格の有無、個別療育か集団療育か、私たちの通える時間に空いているか、などなど検討する項目を整理して決めました。療育に通って長男がどう変化していくのか? またお伝えできたら嬉しいです。今回の連載はこちらでひとまず終了となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月21日■前回のあらすじ年中になった長男。新しく担任になった先生はやさしく丁寧で、長男も大好きに。しかし幼稚園への行き渋りが始まり、長男に変化が。先生に聞くと、物事を敏感に感じ取るようになってストレスを抱えているみたいで…。■療育に通うまでの手続きを知り…■診断書をもらい、療育先を探す発達支援センターにて、療育に通うまでの流れを説明してもらいました。しかし、受給者証を取得するための診断書もすぐに書いてもらえる病院とそうでない病院があること、療育先も自分たちで探さなければならないこと…。初めてのことばかりの中、療育に通えるようになるまでには道のりが長そうだなと思いました。流れに関しては自治体によって異なりますので、参考程度にご覧ください!次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月19日■前回のあらすじ前回から約1ヶ月後、再び幼稚園の面談へ。担任から、長男の様子に変化がないことや発達専門の先生からのアドバイスもあり、「療育に通ってほしい」と言われる。療育の知識がなかった私は頭が真っ白になってしまう。■主任の先生の話で前向きに…■早速支援センターに連絡!そんなこんなで発達支援センター通いを始めることになりました! 実際の会話はとても描き切れないので、かなり省略させていただいております。あまり上手に描けず、ちゃんとお伝えできていないかもしれませんが、私自身療育について全然知識がなく、先生の話を聞いていろいろ知ることができ、今はとてもポジティブに捉えています!息子のために何が1番良いのか、今回のことをきっかけに見つけてあげられたらいいなと思っています。次回は、ついに発達支援センターへ相談に行きます。次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月16日療育園では保育中どんなことをする?療育園へ入園する前は、週2回の母子登園の療育に通っていたため、私は自家用車で送迎し、ずっとPのそばで一緒に過ごしていました。それが療育園に入園すると毎日登園になり、Pはバスに乗って1人で登園し、クラスで過ごして、またバスで帰ってくるという生活になりました。最初の方は園での生活に慣れるまで本当に大変で、集団でのルールにも従えなかったし、お友達とのトラブルもあったし、給食もほとんど食べられないなど、多くの困りごとがありました。でも療育園での生活は、障害のある子一人ひとりに合わせた保育をしてくれながらも、それだけにとどまらず、園での生活の中にABA、感覚統合療法、視覚支援などの療育をたくさん取り入れて実践してくれます。そして保育士だけではなく、週に1度は専門の療法士や心理士もクラスに入って関わってくれます。そのような手厚い環境で毎日過ごすうちに、Pもだんだん療育園に慣れ、生活も落ち着いてきたので、私も安心して通わせることができるようになってきました。Upload By みん療育園へ通わせると親も忙しい?そのように言うと、急に手が離れたかのようにも聞こえますが、Pの通った療育園は長男が通っていた幼稚園と比べると、保護者が園へ出向く機会がとても多かったです。クラス懇談、個別懇談、個別療育、勉強会、行事など、保護者が参加するような場面がたくさんあったし、普段の日でもいつでも自由にクラスを見学できたので、子どもの様子が気になったときや療育を見たいときには見学しに行っていました。でもそうやって何度も園へ行くからこそ、先生と親密になれるし、ママ友もできやすいので、私自身も相談できる人と場所が一気に広がり、知識も増えたように思いました。Upload By みん療育園は子どもだけではなく親にとっても成長できる場所そして何より、個別療育を受ける時間は子どもにとっての療育だけではなく、親にとっても子どもへの関わり方を学ぶ時間となります。私は障害のあるわが子にどうやって関われば良いのか?今こんな困りごとがあるんだけどどうすれば良いのか?などを先生に相談し、一緒に考えてもらい、対処法などを教えてもらったり、アドバイスをもらったりしていました。また、こんなことができるようになった、こんな言葉が出るようになったなど、Pの成長を先生と報告しあえるのもうれしくて良い時間となっていました。療育園へ通うことで、Pの成長はもちろん、私自身にとっても成長と学びの場になり、母子ともに本当に救われたと思っています。Upload By みん私にとって療育園は今まで足を踏み入れることのなかった知らない世界でしたが、実際に通ってみるとこんな暖かく素晴らしい園があるんだな…と実感し、とても充実した3年間になりました。今、子どもを療育園へ通わせるか?行く必要があるのか?と悩んでいる人も中にはいるかもしれません。でも、1度見学へ行ってみてください。療育園へのイメージが変わるきっかけになるかも?しれません。そして、母子ともに安心できる居場所となるような場所を見つけることができますように。執筆/みん(監修:鈴木先生より)以前学会で「療育」とは何ですかと聞かれたことがありました。単純に考えると医療と教育の造語かと思われますが、私は「科学と心」と答えました。最新の知識をもって優しい心で接することではないかと。そしてこれは療育園に限らず保・幼・小・中・高・大とその子の人生においてすべての場所で通じなければいけないことだと思っています。しかし、残念なことに現実は必ずしもそうではありません。保・幼と小学校の間には溝があり、切れ目のない療育が行われているとは言い難い現状があります。小学校からは各市町村の教育委員会が管轄になるからです。特別支援学校に進学した場合にはその限りではありませんが、一人ひとりに合わせて手厚い保育を受けていた療育園とは違い、地域の小学校ではカリキュラムと集団の中に埋もれてしまうお子さんが多いのです。理解してくれる先生にもばらつきが出てきます。そのため、未就学の時期から療育へ通っていたお子さんたちが地域の小学校へ進学する場合には、特別支援学級を利用するケースが多く見受けられますが、そこも担任次第となりがちです。校内連携がうまくいっていて、「科学と心」を持った担任に出会えれば、スムーズにいくのです。
2023年01月23日今回はさやこさんが娘さんの療育に夫を誘ったときのお話です。以前に比べると、娘さんのことに対して、かなり積極的になってきた夫でしたが、さやこさんが「次の療育ついてくる?」と尋ねてみると……?夫を療育に誘ってみると…? 「次の療育ついてくる? 先生と話す機会あるし……」 さやこさんが夫を誘うと、「いや、ちょっと忙しいんでっ」と断られてしまいました。 「とりあえず聞いといて」 夫の言葉を聞いて、"こういう所はまだまだかぁ~"と、モヤッとするさやこさん。 (本を読んだり、話を聞いてわかったつもりになられても……) 心の中でそう思ってしまうのでした。 休みの日が療育に行くことでつぶれてしまうのが嫌だったのでしょうか? 娘さんのことに対して、積極的になってきたなと思っていただけに、少し残念な言動ではありましたが、夫も少しずつ変わってきているようなので、少しずつ一緒に参加してくれるようになるといいですね。著者:マンガ家・イラストレーター さやこ娘と夫の3人暮らし。自閉症スペクトラムの娘との日常を中心にいろいろと過去の出来事などエッセイマンガを描いてます。
2023年01月03日厚労省が「母子健康手帳」の見直し検討会を開催1965年(昭和40年)に母子保健法に基づいて誕生した母子健康手帳は、社会の変化や子どもの発達状況に合わせて約10年ごとに改正されてきました。前回の改正は2011年(平成23年)に行われており、この改正から10年が経過した2021年(令和3年)に厚生労働省で「母子健康手帳等に関する意見を聴く会」が開かれています。ここでは名称や内容、電子化などについての意見が取りまとめられました。意見を聴く会で集まった声をもとに開催されたのが「母子健康手帳、母子保健情報等に関する検討会」です。検討会は2022年(令和4年)の5月から11月にかけて計5回実施されています。ここで議論された内容に基づき、2023年(令和5年)からの衣替えを目指す予定です。見直されるポイント母子健康手帳の電子化母子健康手帳には、予防接種の接種状況や成長の記録を記載します。こうした情報を電子化すれば自治体や医療機関との連携がスムーズになると考えられていて、母子健康手帳のデジタル化に向けた環境整備が進められているところです。すでに妊婦健診や乳幼児健診、予防接種などの母子保健情報については一部で電子化されており、2020年(令和2年)からマイナポータルを利用した閲覧が始まっています。母子健康手帳のデジタル化に向けては、引き続きマイナンバー制度を活用する方向で議論されていて、今後はマイナポータルで閲覧できる項目を拡充していく予定です。父親の育児を推進厚生労働省は「産後パパ育休」など、パパの育児参画を促すためのさまざまな取り組みを進めてきました。こうした観点からたびたび議論されているのが「母子健康手帳」の名称変更をはじめとした記載内容の変更です。現在はパパの氏名や職業について記載する欄が設けられていますが、パパが利用しやすいように、パパが記載する項目をさらに増やすことが検討されています。現行の制度でも「母子健康手帳」以外の名称で表記することは可能です。自治体によっては「親子手帳」などの名称を使用しているところもあります。多様な家族の形に配慮し、誰もが使いやすい妊娠・子育ての手帳となることが求められます。多様性に配慮した情報厚生労働省では、すべての子どもが健やかに育つ社会を目指して「健やか親子21」を推進しています。社会的にもダイバーシティ&インクルージョン(多様な人材を受け入れていかすこと)への取り組みが一般化しており、母子健康手帳でも多様性に配慮した見直しが進められています。具体的には、現行の母子健康手帳で手薄になっている多胎児や低出生体重児、障害がある子どもに配慮した情報提供の充実です。また、記載欄を学童期以降まで延長し、子ども自身が活用できる手帳にするなど、切れ目のない支援を届けるための方策が検討されています。新母子健康手帳は2023年以降に使用開始予定母子健康手帳は、妊娠の経過や子どもの発達状況を確認するうえでとても大切なツールです。しかし、妊娠の経過や子どもの発育は個人差が大きいため、記載されている内容に不安を感じるママも少なくありません。新しい母子健康手帳はママたちに寄り添い、不安を取り除けるよう配慮されています。適切な支援につなげるため、自治体の窓口や医師への相談を促す文言も追加されます。改正された新母子健康手帳は、2023年度以降に使用が開始される予定です。電子化によりサービスの連携が進めば、さらなる利便性の向上が期待できるでしょう。※この記事は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2022年12月20日特別支援学級の見学と体験Upload By カタバミ自閉スペクトラム症と知的障害のあるまちゃが年長のころ、就学先は特別支援学校と特別支援学級、どちらがまちゃに合っているのかで迷っていました。まずは特別支援学校に見学と体験に行きました。今回は特別支援学級の見学と体験です。初めにまちゃの就学先にと私が考えた特別支援学級の条件は「1、知的障害児用のクラスがあること」と「2、歩いて通える距離なこと」と「3、まちゃが過ごしやすい雰囲気であること」でした。連絡してみるとまず保護者だけで見学のみな学校と、保護者の見学とまちゃの体験を同じ日に行う学校がありました。実際に見学してみると当たり前ですが校舎はそれぞれ造りが違っていて、下駄箱から特別支援学級の教室までが遠い学校も近い学校もあり、私はまちゃの能力を考えて下駄箱から特別支援学級の教室までが近い学校がいいと思いました。それから実際に行ってみて天気が悪い日のことを考え、なるべく短時間でも駐車できる学校がいいなと思いました。でもどの学校も住宅地にあり、大体どこも有料の駐車場に停めてもらった方がよいとのことでした。特別支援学級でのまちゃの反応Upload By カタバミいくつかの特別支援学級に体験・見学に行きましたが、まちゃは人数が極端に少ない特別支援学級では広く空いている空間で走り回りふざけてしまいました。でもいろいろな学年が一緒になって大人数で勉強していた特別支援学級では、その様子を見て何かを感じたらしく、私の隣の席で静かに座っていました。これはお子さんの特性にもよると思いますが、視覚優位のまちゃには大勢の子どもが机に向かっている環境の方が合っているのかもしれないと思いました。席に座ったまちゃが騒がないようにと私が紙と鉛筆を渡したら、まちゃは文字らしきものを絵と混ぜて書いて、私に得意そうに渡してくれました。まちゃは普段いくつかの単語をしゃべるくらいですが、私にはまちゃが「学校ってこういうことをするんでしょ?僕知ってるよ」と言っているように感じました。その様子を見た年配の先生が「じゃあこれはできるかな」とすぐに平仮名のなぞりがきのプリントを数枚持ってきてくださり、まちゃがそれを得意気に完成させると「もうまちゃくんは小学1年生になれますね」と言ってくださいました。いつも表情の少ないまちゃですが、うれしそうだなと感じました。まちゃは自分の気持ちをしゃべることがほとんどないので、小学校に対してどんな気持ちでいるのか私には全く分かりませんでしたが、私が思っているよりも張り切っているのかもしれないと思いました。こんな時期に…療育手帳の更新のための再判定Upload By カタバミまちゃにやる気があるのなら特別支援学級に入れてみようかと思い始めたころに、療育手帳の更新のために発達検査を受けることになりました(前回の療育手帳のための発達検査は3年前でした)。再検査の結果、等級は前回の軽度から中等度になりました。覚悟はしていましたが成長も感じていたのでやはりショックでした。終わってから発達検査をしてくださった臨床心理士の方と話すと、数値は低く出ましたが学ぶ意欲と姿勢があるのは本当にいいところですと褒めてくださり、特別支援学級でもいいのではないかと言っていただけました。私も発達検査の結果だけが全てではないと思っていたのでうれしかったのですが、その後短い期間で専門職の方数人とお会いすることが続き、まちゃの発達検査の数値を知るとみなさん、私の特別支援学級という選択にいったん顔を曇らせました。まちゃをよく見て、いろいろな方の話を聞いてUpload By カタバミ本当にこの時期はたくさんの方のお話を伺いました。1年ほどお世話になっていた言語聴覚士の方からは「特別支援学級ではみんな普通にしゃべっていますから苦労すると思います」と言われました。でも、少しまちゃを診た行動療法の先生からは「この子は発達検査の数字は低く出ますができることは多いタイプですから数字を気にしないことですよ」と言われ、少しまちゃを診た作業療法士の方からは「この数値なら特別支援学校です。でも挑戦させてみることは自由ですよ」と言われました。そして、いつも頼りにしていた地域の相談支援機関の方からは「入学してみて合わなかったきには学校を変えることもできます。ただ特別支援学校から特別支援学級に移動することは難しい場合もあります」と言われました。この機関が主催した、教育センターの方と複数の先輩ママ達から就学先の話を伺う会にも出席しました。熟考した結果、まちゃは「もう1年生になれますね」と言ってくださった特別支援学級に通わせてみることに決め、教育センターからもその決定を認めていただけました。実際に入学したあとで何が起こるのかは分かりません。毎日通う場所から自己を否定され続けて深刻な二次障害を起こしてしまった話も聞きますし、無理をさせて今のまちゃの穏やかさが消えてしまったら取り返しがつかないと思い心配もしていますが、たくさんいろいろな方の話を聞き、まちゃの様子もよく見て考えたので、ひとまずこの決定で悔いはないと思っています。執筆/カタバミ(監修:鈴木先生より)お子さんがどこに通うかどうかは最終的には親御さんが決めることになっています。もちろん本人の意見も大事です。療育手帳が中等度の場合、特別支援学校を選択される方が多いのは事実です。ただ、一旦、特別支援学校に通い始めると地元の特別支援学級には戻れないことが多いです。それならばまずは入学した1年間だけでも地元のお友達と一緒に勉強してみることも一つの手段です。特別支援学校は地元から離れたところにあり、バスで通学するため地元の子どもたちにまちゃさんを知ってもらえる機会がとても少なくなります。地元の子どもたちにまちゃさんが同じ地域にいるということを知ってもらうには最初の1年間だけでも地元の小学校へ通うことはよいと思います。一方で、地元の学校では教員の人数の関係で密に面倒を見られないこともあるので、環境を変えたほうがよいと感じたら早めに特別支援学校へ移る決断も必要です。社会的な教育を受けることで就職につながることも多く、実際特別支援学校は就職率がよいという面があります。
2022年12月09日発達グレー長男が年少から通い始めた「療育センター」での流れについて長男が療育センターに通い始めたのは、年少の終わりごろ。きっかけは保育園で受けた面談で発達の遅れを指摘されたことでした。療育センターの存在は以前からなんとなく知っていましたが、何をするのか、どんな先生たちがいるのか、何も分からなくてとにかく不安でした。けれどもそこに通えば、長男のゆっくりな発達を促してくれるのではないか、というひとすじの希望を感じていました。【療育センターでの流れ(一例)】1.心理士による発達検査2.専門医による発達診断、療育指導、相談3.理学療法士・言語聴覚士・作業療法士による各種検査4.医師による今後の療育プログラムの提案5.子どもに合った療育プログラムの開始(自治体や施設により異なるかもしれません。ご参考まで)最初の1年目(年中のころ)は療育センターへ毎月1度通い、担当のソーシャルワーカーや臨床心理士の方のお世話になりながら療育プログラム(※)を受けました。※長男の場合は、つみき遊び、間違い探し、迷路、すごろく、かるた、トランプの神経衰弱など遊びながらできるトレーニングを行いました。ちなみに保護者は隣の部屋から、トレーニングの様子をマジックミラー越しに見学ができました。そこでは臨床心理士の方と長男のやりとりもスピーカー越しに聞こえて来ます。いつもちょっとわくわくしながら見学していました。2年目(年長のころ)になると、これまでの毎月1度の療育プログラムに加えて、隔週での集団療育が始まりました。長男が通っていた療育センターは平日のみだったため、当時私は会社に頼んで月曜と火曜を週休にしてもらって通いました。私が仕事の都合で連れていけないときは、夫や実母に頼んでやりくりしました。Upload By 星河ばよ集団療育で、母の膝の上に丸くなって座る長男長男が年長になった4月から始まったのが集団療育でした。集団療育では「小学校入学を見すえた活動を行う」というコンセプトのもと、長男を含め8〜10人くらいの子どもたち(長男と同程度の発達特性がある)が毎月2回集まって、お絵かきや工作、ちょっとした運動などを1時間半程度行いました。またその合間にはあいさつやちょっとした休憩もあり、毎回子どもたちの中から号令係や配布係を決めます。つきそいの保護者は同じ部屋のうしろのほうで見学しました。長男は臨床心理士の方との個別トレーニングはなんとかこなしていましたが、この集団療育では毎回気乗りしない様子で、いつも興味なさそうな顔をしていました。今でも忘れられないのが、ほかの子どもたちが活動に熱心に取り組んでいる中、いすに座って見学していた私のところに長男がたびたびやって来て、膝の上で丸くなるように座っていたことです。Upload By 星河ばよ今ではもう笑い話ですが、当時の私はとにかく周りの保護者の目が気になってしまい「もう帰りたい…」という気持ちでいっぱいになってしまいました。そんな私たちに集団療育の先生はいつも優しい声かけで、長男の気持ちを上手に切り替えてくれて…。長男が私の膝の上に座りにくるのはほぼ毎回でしたが、私も数ヶ月経過してようやく慣れました(笑)。Upload By 星河ばよちなみに、そのときのことを最近になって長男に聞いたところ、「(みんなの前で自己紹介したり、活動したりするのが)恥ずかしかったんだよね〜」と照れくさそうに言っていて。なんだか謝りたくなったと同時に、「いやむしろそっちの方が目立ってるような…」と笑ってしまいました。ほかの保護者の方々とは仲良くなれなかったけれど隔週の集団療育で毎回顔をあわせる中で、何人かのほかの保護者同士は親しくなっていた様子でした。私は少し「いいなあ」とは思いましたが、相変わらず心が閉じたままで、もともとの性格もあって自分からほかの保護者の方に声をかけることはしませんでした。集団療育では長男以外の子どもはみんな先生の指示を聞いて活動したり発言したりしているように見えました。(一体ほかのお子さんはどこに困りを抱えているんだろう…)と疑問に思うばかりで、私は正直わが子のできないところばかりが気になっていました。あるとき保護者だけの懇談会がありました。隣の部屋では子どもたちが集団療育の真っ最中で、賑やかな声が聞こえています。懇談会のテーマは「今悩んでいることについて」。保護者が順々に、わが子の悩みを語っていきました。ほかの保護者の方々の悩みは、普段の集団療育で見ている様子から私はまったく気づいていませんでしたが、思わず「分かるー!」と共感せずにはいられないものばかりでした。Upload By 星河ばよ私は今まで自分ばかりがつらさを抱えているようで、なんとなく孤独だと感じていたけど、この日はほかの保護者の方たちと見えない絆で結ばれたような、あらためて同志になったような、自分は一人じゃないんだという心強い気持ちになりました。療育センターでの2年間を振り返って思うこと長男に発達障害があるかもしれないと知った当時、私はその事実を受け入れることができていませんでした。そのため療育センターに通っていても、いつもどこか心ここにあらずでした。でももっと心を開いて臨床心理士の方に自分の気持ちや悩みを打ち明けていれば良かったのかなと思っています。療育センターに通う2年間の中でなかなか前向きになることはできませんでしたが、もっと心を開いていれば、もしかしたら少しずつでも心が軽くなれたかもしれないし、臨床心理士の方ともっと濃い連携が取れたかもしれない。子どもの発達について悩む日々の中で、振り返るとこれ以上の心強い存在はいなかったのではと、2年間の中でなかなか心を開けなかったことを今になって後悔しています。療育センターに通っていた当時は、先が見えなくて前に進んでいるのかも分からないような不安な気持ちでしたが、当時の臨床心理士の方やソーシャルワーカーの方、集団療育の先生方の温かさが、長男だけでなく私までも成長させてくれたのではと感謝の気持ちでいっぱいです。Upload By 星河ばよ執筆/星河ばよ(監修:初川先生より)2年間の療育センターへの通所の思いをシェアしてくださりありがとうございます。3歳児健診や保育園や幼稚園などの集団生活の場を通して、療育センターへ行ってみることをすすめられることが多いので、その当初のばよさんのお気持ち、「分かる、分かる」と思いながら読まれた読者の方も多いのではと思います。そして、療育センターって何をするんだろう?と思っている方にもとても情報量の多いお話でしたね。最後にばよさんが語られていたように、療育機関や相談機関での支援職へ、子育てで困っていることや保護者の方ご自身の気持ちなどを語れる場合にはぜひ語っていただきたいなぁと支援職の立場からすると思います。療育の場面は毎日の生活に比べたらわずかな限定的な時間です。それ以外の時間でどのようにお子さんが過ごしているのか、保護者の方がどう心配されているのか、困っているのか、そのあたりをうかがうことで逆に支援場面に活かせることもあります。話せる場合には(短い時間だとは思いますが)いろいろと話したり聞いたりしていただければと思います。集団での療育場面や、幼稚園や保育園の参観日などで、集団の中でお子さんの様子を見ていると、お子さんの様子が気になり、ほかの保護者の方の目が気になったりすることもあると思います。療育場面は特にそうですが、保護者の方は基本的に「自分の子」を見るのに集中されていることが多いので、意外と周りはそんなに気にしていないこともあります。とはいえ、自分の子が逸脱行動をしていたり、集団に乗り切れなかったりするといたたまれない気持ちになることはありますね。今回のエピソードでは保護者の懇談会があり、みなさんが何を心配されているのか語ってシェアする時間があったとのこと、何よりです。話してみると(聞いてみると)、自分と同じようなことで心配していたということが分かると、まさに「見えない絆」で結ばれた「同志」のように心強く感じますね。そういった横のつながりをもたらしてくれる可能性も、療育センターのような支援機関の持つ良さの1つである場合もあります。
2022年12月04日療育での進路面談Upload By まる息子は現在、週に1回集団療育に通っている。年度末も近づいてきた3月、進路面談を行うこととなった。息子の成長したところなどの話をしつつ、最近個別療育も気になっていることを先生に相談したところ、「リュウちゃんできることも増えてきたし、うちとは違うタイプの施設に通ってみてもいいかも…」と先生に言われた。今通っている集団療育は毎回動きが決まっていて、登園→朝の支度→自由遊びと設定遊び(その日によって平均台が出ていたり、鉄棒が出ていたりと変わる)→リトミック→椅子に座っての作業(お絵描きや工作)→園庭遊び→お弁当→帰宅といった感じだ。1年以上通っている息子はこの流れを熟知し動けるようになっている。リトミックが嫌いだとか、椅子に座っていられない、集中力が続かないなど問題もあるが、去年より息子本人の理解能力も上がっているため、そのあたりを個別療育で強化したほうがいいのではないかとのことだった。漠然と未就学のうちはここに通うものだと思っていたので私はハッとさせられた。確かに成長に合わせて施設を変えた方がいいかもしれない、集団での動きは保育園に通っているのでそこで学ぶこともできる。今の息子なら先生と一対一でやりとりをする環境の方が伸びるのではないか?ただ、ちょうど今まで通っていた保育園が2歳児までの園だったため、翌月から転園することが決まっていた。保育園も療育も一気に変更となると息子が疲れてしまうので、とりあえず療育はこのまま通わせてもらい、夏ごろに個別療育に移ることを先生と話した。個別療育の見学へUpload By まる新しい保育園に慣れてきた6月ごろから、個別療育を行っている施設の見学に行くことにした。1件目は、息子の友人も通っている施設。見学に行きたいと思い、予約の電話をかけた。すると、現状教室の空きがなく、このまま予約して順番が回って来たら見学に行ける、しかしいつになるかは分からないとのこと。ちなみに放課後等デイもやっているが、そちらは今5年待ちと言われて衝撃を受けた。ここで嫌な予感がし始める。…もしかして…動くの遅すぎた…?現在通っている集団療育の見学へ行ったのは、夏~秋くらいだった。4ヶ所ほど見学に行ったが、どの施設も曜日さえ選ばなければ入ることはできそうだったから油断していた。集団と個別はこんなに違うのか。2件目は、施設の見学予約が取れたので訪問し、息子を交えていろいろお話を聞けた。とてもいい雰囲気だったのでぜひ入れたら…!と思ったのだが、体験授業を受けてからの申し込みとなり、その体験授業が今予約待ちでいっぱいらしく、順番が来たら連絡を入れますと言われ帰ってきた。ちなみにいまだに連絡は来ないので、常に満員の状態のようだ。3件目は、見学予約も体験授業もすんなりいけ、どの曜日でも空きがあり、通わせることが可能だった。しかし気になったのがそちらの療育、個室での授業ではなく一室をパーテーションで区切って4組くらい同時に授業を受けている。話を聞くと未就学児から高校生まで幅広い層が通う場所のようだ。集中が途切れやすい息子にとってこの空間はあまり良くない気がする…。そして体験授業を見ていると、今行っている集団療育とあまり変わらないことをしている気がして、せっかくだがやめておくことにした。個別療育の体験授業Upload By まる普段仕事もしつつの毎日なので、家から通いやすい施設…となると数も限られてくる。ここがダメなら4月まで待つしかないな…と思い電話をかけた4件目の施設は、いきなり体験授業を受けさせてもらえた。個室で先生と一対一、その様子を親はマジックミラー越しに外から見る。すぐに飽きる息子に先生も次々と教材を変えて対応してくれ、約30分間ほぼ座ってやりとりをしている姿が見れて、環境によってこんなに違うんだと驚いた。普段の集団療育では30秒座っているのが限界なのに…!ぜひ通わせてもらいたいと思い話を聞くと、ある曜日の1時間1枠しか現在空きがないとのこと。ちょうど今通っている集団療育と同じ曜日と同じ時間だった。同じ時間なため、仕事には支障はない。今乗り換えるでもいいかな…と思ったのだが、息子が現在通っている集団療育へ行くのをとても楽しんでいるのでためらってしまった。空きが出るのを待つことにUpload By まる新しく通い出した保育園へは行きしぶりをするのに、今通っている集団療育へはウキウキで行くのだ。息子が毎週楽しそうに通うので、私の仕事との兼ね合いが大変だが、今年度は週一集団療育、週一個別療育へ通えたらいいなと思っていたところだったのだ。私も慣れた先生、お友達がいて悩み相談ができる環境を急に手放したくなくて、「他の曜日に空きが出たら連絡をください。」と苦渋の決断をしてきた。療育は一度入ったら卒園まで辞める人はほぼいないだろう。実際に個別療育に入れるのは次の4月かなと思っている。個別療育でこんなに入れないなら、小学生になったときにひとり親でできればフルタイムで働きたい私は、放課後等デイなんてどうなってしまうんだ!? 今から見学予約をした方がいいのか!? と頭を抱えている。執筆/まる(監修:鈴木先生より)療育先を変えることでお子さんの環境が変わります。本来は療育先を変えるのではなく、それぞれのお子さんの成長に合わせて療育の仕方を変えてあげるのが理想です。療育の中にも特別支援学級があればいいのです。療育とは少し違いますが、学校の特別支援学級も同じです。初めはサポートするために特別支援学級を利用していたお子さんも、学年が進むにつれてADHDの治療などで落ち着きを取り戻して通常学級でも可能になった場合には特別支援学級をやめてもいいのです。逆に、通常学級で途中から授業についていけなくなったり、感覚過敏などで集中できなかったりする場合には、特別支援学級の利用もありなのです。小学校からは各市町村の教育委員会が主導となるので就学前とは状況が異なります。そのギャップで小1問題が浮上するわけです。お子さんの成長に合わせて学校を変えることはほとんどありません。療育の規模や内容と先生との相性(知識と経験)の問題もありますが、まるさんが検討されているように、集団と個別と併用するのもありかと思います。事務手続きの煩雑さや分かりにくさ、施設側のキャパシティの問題などさまざまな要因により、子どもに必要な療育や教育がなかなか受けづらいことも多くありますが、こどもファーストの考えで、その子に合った療育や教育ができるようにしていかなくてはいけないと思っています。
2022年10月25日取得する?しない?夫婦でもめた日わが家が手帳取得したのは、ほぼ私の意思です。夫は「そんな大げさな」「別に急がなくても」と渋っていたので、いかに手帳を取るメリットがあるか力説して押し切りました。私は手帳取得のデメリットはないと考えています。手帳を持っていることはわざわざ他人に言わなくてもいいし、不要と感じればいつでも返還OKだし、障害があるとハッキリした証明になるのが日常生活において大きいなと感じています。Upload By 吉田いらこどんなメリットがある?ゆいが療育手帳を役所で取得した時、手帳と一緒に分厚い冊子を渡されました。これには手帳を持つ人が使えるサービスが載っています。娘の手帳の等級はB2で、三段階あるうちの一番軽いものとなりますが、一番等級の低い娘の場合でも受けられるサービスはありました(等級も地域によってそれぞれ形式が違います)。例えば文化施設や映画、テーマパークなどの利用料の割引サービスがあります。私は関西圏在住なので関西の大型テーマパークのパスポートが割引になるのはありがたいです。そのテーマパークに家族で遊びに行ったときに、窓口で療育手帳を提示するとチケットと一緒に「サポートブック」という冊子が貰えました。なんとそれが大活躍!これにはすべての乗り物の写真や演出効果が掲載されていて、何が起きるのか見通しが立てられるのです。私にとってはネタバレ冊子ですが、見通し不安のある娘にとってはかなりのお助けアイテムになりました。Upload By 吉田いらこさらに子ども向けですと就学支援のサービスもありました (自治体によって違います) 。娘はすでに小学校に入学していたので使えませんでしたが、ランドセルや学用品の購入に関して補助が出るそうです。障害についてネット検索しているとよく見かける「未就学児の保護者の方へ、入学用品の領収書を保管しておいてください」というメッセージもこのことを言っていたのだと分かりました。また、手帳の等級によっては年金受給や税金の減免など経済的なサービスを受けることもできます。少し先になりますが、中学卒業後の進路にも手帳の有無が影響する場合があります。Upload By 吉田いらこ冊子をパラパラとめくっていると行政サービスの多さに驚きました。特に手帳の等級が高い方に限りますが、多くの生活支援や自立支援が受けられます。障害がある子どもの保護者として一番不安なのは自分がいなくなったあとのことですが、行政の手を借りてなんとかやっていけるのでは?と心強さを感じました。ただ、これも自分から調べて問い合わせない限りどんな支援があるか分からないので、情報収集の大切さを感じます。Upload By 吉田いらこ迷っているなら手帳を取った方がいい?障害があると診断されても、障害者手帳を取得するかしないかは自由です。手帳を取得することでわが子が定型発達ではないと認めることになるのも事実です。けれども手帳の取得によって行政とつながり支援を受けられることは、私たち保護者に何かあったときに強力なサポートになってくれると感じています。Upload By 吉田いらこ執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)見通しの立てられる冊子、素晴らしいですね!テーマパークのサポートも素晴らしいですが、自治体のサポートにも目を見張るものがあります。文中にもあるように自治体ごとに詳細が違ってはいるのですが、どの自治体も基本的には障害のある方の暮らしが楽になるようなメニューを用意しています。手帳を取ることで「自分は/うちの子は障害なんだ」とより実感するという面があるのは確かですが、得られるメリットに目を向けてみるのも良いと思います。
2022年10月04日都市部はとにかく施設の数が多い!でも、子どもの数も多くて…Upload By べっこうあめアマミ息子が3歳のとき、私は娘の出産のため、実家に里帰りをしました。その里帰り中の5ヶ月ほどの間、息子は私の地元の発達支援施設に通っていたのですが、里帰り後は自宅がある東京に戻らなければなりません。里帰り中は、妊娠後期の動きづらさと産後の新生児育児であたふたしながら、東京に戻ってから通う療育先探しをしていました。私の実家がある自治体には、未就学児の療育を行っている発達支援施設は1ヶ所しかありませんでした。でも、里帰り後に暮らす東京の自治体は、調べても調べきれないほど、たくさんの発達支援施設があったのです。「これならどこかに入れるだろう」と思いましたが、現実はそんなに甘くありません。東京に限らず都市部はどこもそうかもしれませんが、施設の数が多いということは、それだけ必要とする子どもの数も多いということです。施設の数が多くても、空きがある施設はなかなか見つかりませんでした。「里帰り後、息子はどうしたらいいのだろう…」半分泣きながら、児童発達支援センターに電話で相談しました。すると、そこの相談支援員さんがすごく親身になってくれて、片っ端から心当たりのある施設に受け入れの相談をしてくれたのです。それでも、なかなか希望条件に合う施設は見つかりません。ですが、最終的にその相談支援員さんが在籍している発達支援施設で、なんとか枠を確保し、息子を受け入れてくれることになりました。療育を続けられることに感謝し、相談支援員さんが神様のように思えました。息子が通った発達支援施設、どんなところだった?Upload By べっこうあめアマミ息子が通うことになった発達支援施設は、児童発達支援を行う施設としては、おそらくその地域で最も大きな規模の施設でした。障害の程度や年齢などによっていくつかのクラスに分けられており、息子が通うことになったのは、中でも最も長時間を過ごせる、手厚いクラスです。療育は親子分離だったので、乳児を連れて療育に付き添うことが難しい私には、とても助かりました。そして、おそらく息子と同じくらいの発達段階のお子さんたちで構成されたクラスだったため、親同士の会話でも共通する悩みが多く、親子共にすぐに打ち解けることができました。臨床心理士さんや作業療法士さんなどのリハビリ専門職の先生が多く在籍しており、クラスで日常的に子どもと接してくれます。療育スケジュールや各種療育のねらいなども、おたよりで丁寧に教えてくださり、定期的に「言語・コミュニケーション」や「認知・行動」の個別指導も入りました。面談もけっこうな頻度でありました。子育てや息子の発達についての悩みを悶々と抱え続けることなく、すぐに気軽に相談できる専門家がいてくれる、という安心感は大きかったです。息子のことだけでなく、私の精神状態なども気にかけてくださり、とても行き届いた支援を行っている、良い施設にご縁をいただいたと思っています。幼稚園と療育の併用で、大きく成長した息子Upload By べっこうあめアマミ息子は幼稚園との並行通園で、この発達支援施設に通いました。幼稚園と療育に通う生活を卒園まで続ける中で、できることがたくさん増えました。中でも目覚ましい成長を見せたのは、身辺の自立に関することです。この施設に通いはじめた当時4歳だった息子は、靴や衣類の着脱を自分でやろうとすることはあるけれど、消極的で、完璧にはできない状態でした。排泄はほぼオムツで、パンツへの移行は全く考えられない状態でした。でも卒園のころには、靴の脱ぎ履きは完全に自立し、衣類の着脱も簡単な声掛けでできるようになったのです。排泄の面でも、トイレでの排泄にかなり慣れ、調子がよければ幼稚園や療育に行っている間だけパンツで過ごせる日もありました。Upload By べっこうあめアマミ人とのコミュニケーション面でも、大きな成長が見られました。息子は結局卒園まで言葉を発することはありませんでしたが、お辞儀や手をたたく、といった簡単なジェスチャーで自分の意思を示すことができるようになりました。そして、人に対して極端に興味が薄かった息子が初めて、「お友達」を意識するようになったのです。関わり方は不器用ですが、「同じクラスのお友達」と認識してじっと目で追ったり、手をつないだりすることができるようになりました。さまざまな療育プログラムに取り組む中で、「実は手先が器用」という息子の得意分野にも気づくことができました。親の私も気づけなかった息子の長所を、先生たちが見つけてくれたのです。ゆっくりだけど確実に成長していった息子の姿に、 うれしさがこみあげました。都市部の療育、ネックになるのは施設の狭さと送迎手段?Upload By べっこうあめアマミ息子が通った発達支援施設は、その地域では規模が大きな施設でしたが、駐車場はありませんでした。その施設に限らず、都市部の発達支援施設で送迎のために使える駐車場があるところは、非常に少ないのではないかと思います。私の経験則になってしまいますが、息子はこれまで、東京で4ヶ所の児童発達支援に通ってきましたが、そのいずれの施設にも駐車場はありませんでした。これは後に利用することになる放課後等デイサービスにも通じますが、自家用車で送迎という選択肢は、基本的に考えられません。そのため、徒歩や自転車で通えるか、送迎サービスが利用できる施設しか、選ぶことが難しかったです。また、先に通っていた地方の発達支援施設に比べると、どうしても敷地の狭さは否めません。広い園庭がある施設はなかなか見かけることがありませんでしたし、お散歩や公園遊びもあるとはいえ、室内活動が中心でした。療育に限らず、幼稚園や保育園、学校などもそうですが、敷地の狭さや駐車場がないところが都市部の施設のデメリットと言えるかもしれません。多彩な療育の種類と選択肢の多さ、人が集まる場所の利点東京で暮らしていると、日常的に通える範囲に発達支援施設が多数あることが多いです。専門的な病院でのリハビリや、専門家の個別療育を受けようと思えば、選択肢はいくつもでてきます。療育の種類もさまざまで、その選択肢の多さは魅力的です。冒頭に書いたように、子どもの数も多いことから利用待機になることもありますが、「選べる」ことは人が集まる場所の利点だと感じます。本来であれば、どこに住んでいても等しく選択肢があるべきだとは思いますが、実際はそうもいかないのかもしれません。もっと世の中に療育の必要性が広がり、より多くの子どもたちが、求めるような支援サービスにつながりやすくなるといいなと思います。執筆/べっこうあめアマミ(監修:初川先生より)地方と都市部、両方の療育機関を利用されたご経験からの都市部での療育機関の特徴をお知らせくださりありがとうございます。東京は特に選択肢の多いエリアです。交通網も発達しているので、遠くから通う方もいらっしゃり、いつも満員御礼状態で稼働している機関も多くあるのが現状ですね。アマミさんがされたように、まずは居住する自治体の発達支援センターなどに問い合わせ、地域の似たようなお子さんを持つ方々がどのような機関を使っているかを聞いてみることが良いかと思います。民間機関の情報は最終的には保護者の方が動いて情報を集めることも出てきますが、地域のつながり、横のつながりからそうした情報が入ってきやすくなるようにしておくと良さそうです。アマミさんのお子さんは幼稚園との並行通所で、出来るようになったことがたくさんあったとのこと、何よりです。子どもの発達が著しい時期に、専門家の働きかけや助言を活用しながら子育てできることはとても心強いですね。
2022年09月22日■前回のあらすじ発達の検診の結果、実年齢より半年から1年ほど遅れていることを指摘された娘。心理士からは市の集団療育を勧められて…!?■その場で集団療育の申込書を書いたワケは「どんちゃんのためになるのならば!」と、私はその場で利用希望の申込書を書きました。というのも…以前、ママ友との雑談の中で「療育に行けるなら早いほうが良いらしいよ」と聞いていたからです。 ■初めて療育園って何?じつを言うと、私は療育園の存在を知りませんでいた。療育園とは、知的などの障害がある子向けの幼稚園・保育園のような場所です。そして今回は、療育園の建物の一室を借りて行われている市の親子通園事業「おちびさん教室」を見学することに。「一体どんなところなのだろう?」と期待する反面、どんちゃんがなじむことができるのだろうか? といった不安でいっぱいでした。次回に続く(全21話)毎日10時更新!※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2022年09月03日息子が通った地方の療育、どんな所だった?Upload By べっこうあめアマミ私は、知的障害を伴う自閉スペクトラム症がある現在7歳の息子と、きょうだい児の3歳の娘の母です。娘を出産するとき、私は里帰り出産のため、少し長めに5ヶ月ほど実家で過ごしました。その間、息子は療育のため、私の実家がある地方自治体の発達支援施設に、里帰り期間限定で通いました。私の実家があるのは比較的田舎で、交通の便はよくないけれど、車で少し走れば山や川があり、自然といっぱい触れ合える場所です。息子が通った施設も、敷地がとても広く、施設の中でも園庭でも、子どもたちが思いっきり走り回れるスペースがありました。周りはのどかな景観で、広い田んぼや畑、山などに囲まれています。そして、東京などの都市部ではなかなかありえないことですが、広い駐車場もありました。保護者も職員も、みんなが車で来ていても埋まらないほどの広さの駐車場には驚きました。5ヶ月の療育期間で息子に変化が!たくましく成長した息子Upload By べっこうあめアマミ息子が通っていたのは親子分離の療育だったので、主に私の母が実家から息子を送迎してくれました。こうして息子は、週4日から5日、朝から夕方くらいまでの時間を、発達支援施設で先生やお友だちと一緒に過ごしたのです。息子はもともと内向的な性格で、外に出るのもそれほど好きな子ではありませんでした。里帰りする前はなかなかベビーカー移動をやめられず、歩くこともよく嫌がりました。公園に行ってもどの遊具にもあまり興味を示さず、ただ座っているか、階段を上り下りするだけで帰ってくることがほとんどだったのです。それが、こちらの療育に通い出してからは変化が見られるようになりました。息子は毎日砂遊びをして、泥だらけ砂だらけで帰ってくるようになったのです。滑り台や大型の室内遊具も豊富にある施設だったので、そういったものを日常的に見慣れていくうちに、大型遊具にも取り組めるようになりました。里帰り中の夏の期間は、毎日プールの時間がありました。施設には2種類くらいのプールがあり、とても恵まれた環境でしたが、息子はしばらくの間、たらいにしか入れませんでした。息子はとても慎重な性格なので、海やプールに極端な苦手意識があるようです。しかし、そんな息子も毎日プールに誘われていくうちに、プールに入れるようになりました。このように、こちらの療育に通ってから、内向的でインドアな性格だった息子の世界が、大きく広がったように思います。良いことばかりではない、地方の発達支援の現実Upload By べっこうあめアマミ息子を大きく成長させてくれた里帰り先の発達支援施設は、施設の環境としては、非常に恵まれていたと思います。先生方も気さくで話しやすく、私も息子も母も、気持ちよく通うことができました。ただ、もともと東京で療育に通わせていた私は、地方の発達支援施設を利用してみたことで、都市部と地方の発達支援をとりまく状況の違いをまざまざと感じることにもなりました。その一つが、療育やリハビリに関する専門職スタッフの人数の、圧倒的な差です。息子が通っていた施設で働く先生方は、ほとんどが保育士の先生でした。看護師資格のある先生は常駐していましたが、リハビリの専門職の先生は、数ヶ月に一度訪問がある程度だと聞きました。そのためか、療育というよりは「手厚い保育園」という印象が強かったです。それでも、クラスの人数は少なく、先生も十分な配置でついて下さるので、安心して息子をお願いすることができました。必ずしも、専門的な療育スケジュールが組まれた施設が良い施設、とも言い切れないと思うので、この辺りは子どもによって適性が分かれるのかなと思います。ただ、東京の療育では、何人もの臨床心理士、作業療法士、理学療法士などの資格を持っている先生が常駐している発達支援施設も数多くあります。個別にリハビリや言語療法の指導を受けられる場合もあり、このような専門職の先生からの指導の受けやすさという意味では、地域差は大きいと感じました。また、都内に比べて療育を受けられる施設が圧倒的に少ないのも衝撃でした。もちろん地方でも施設が充実しているところもあり、その逆で都市部でも施設が少ない地域もあるとは思います。しかし私が過ごした地域では、市内に発達支援施設は1ヶ所しかなかったため、「選択肢が少ない」という地方の実情を知ることにもなりました。かけがえのない思い出をくれた先生たちに感謝、そして次の療育へUpload By べっこうあめアマミ息子が里帰り先の発達支援施設で過ごしたのは短い期間でしたが、私と息子にとってはかけがえのない大切な思い出となりました。東京ではなかなかできなかった経験をさせていただき、息子の発達過程において貴重な時間だったと思います。私たち家族の状況を理解し、限られた期間でも快く受け入れてくれた先生方にはとても感謝していますし、お別れの日にみんなで門の前まで来て見送ってくれたことも忘れません。そして、息子の成育歴をまとめるファイルを用意してくださったことにも感謝しています。入園した時に、「関わる支援者や施設が変わっても、情報を共有できるように」と、園長先生から手渡されたのです。Upload By べっこうあめアマミそのファイルには、息子が生まれてから、どのタイミングでどんな施設や病院に関わったかという記録、それぞれの施設での個別支援計画や、その後受けた発達検査や診断書などをまとめています。療育を受け始める際に、まずはそれまでの情報をファイルにまとめて息子の状況を共有しました。そしてそのファイルは、その後東京に戻ってからも、新たに利用することになった施設や幼稚園に持っていき、重宝されました。こうして、息子が積み上げていった一つひとつの経験は、次の場所に引き継がれていったのです。療育や発達支援をとりまく環境は、過ごす場所によって大きく異なるけれど、どの経験も息子にとって必要不可欠なものだったと思います。自分の言葉で思い出を語ることはできない息子ですが、きっと当時の先生たちとの思い出も、今の息子の心に残っていると信じています。執筆/べっこうあめアマミ(監修:井上先生より)都会と里帰り先の地方、両方の支援機関を利用された貴重な経験談だと思います。地方と言ってもかなり差があるとは思いますが、施設や事業所の選択肢の多さは都会の有利な点かもしれません。専門家の数は地方でも都会でも各々の施設の特性によって違います。べっこうあめさんが通われたような施設は、さまざまな障害のある子どもたちを保育し比較的長時間見て頂けるところだったのではないかと思います。選択肢があれば、療育に特化したところと、預かり重視のところと、その時々のニーズに応じて選べるとよいですね。
2022年08月23日育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん
うちの家族、個性の塊です