子どもたちに「好きな遊びは?」と聞くと、必ず上位に入ってくるレゴブロック。最近ではレゴ(R)スクールも街中でよく見かけるようになりましたし、レゴ(R)を使ったロボットプログラミングなど、教育の分野でも注目されています。筆者はレゴ(R)世代ではないのですが、10年ほど前に幼児教育関連の仕事で「レゴ(R)×英語」のコラボに出合いました。レゴ(R)のデザイン性、そしてバリエーション豊富な色や形は子どもたちに英語を教える上でぴったりの教材です。今回は知育玩具としても人気のレゴ(R)を使って、自宅でできる英語遊びを紹介します。どのタイプのレゴ(R)を使うの?レゴ(R)にはたくさんの種類がありますが、今回の英語遊びにおすすめは、「レゴ (LEGO) デュプロ 基本ブロック (XL) 6176」です。対象年齢が1歳半~となっており、ブロックが大きめなので、子どものレゴ(R)デビューにはぴったり。対象年齢4歳~のレゴ(R)クラシックが使えるようになるまでのつなぎかと思いきや、レゴ(R)クラシックとの互換性もあり、現在小学4年生になる息子も長くお世話になりました。上記製品ではなくても、デュプロシリーズであれば、組み立てやすく、はずしやすいので、英語の指示にすぐに対応できます。まずは色からはじめよう!レゴ(R)デュプロの基本ブロックには赤、オレンジ、黄色、黄緑色、緑色、青、白、黒の8色+スカイブルー(透明)(red / orange / yellow / yellow-green / green / blue / white / black + transparent blue)が含まれています。[caption id="attachment_710762" align="alignnone" ][/caption]まずは“What color is this?” (この色は何色?)“It’s red!”(赤!)のQ&Aでリズムよく色の単語のやりとりをしましょう。次に数を覚えてみよう!実際に指示を出す時にブロックの数を指定しなくてはいけないので、数の数え方を練習します。1~10までの数でしたら、子どもは歌であっという間に覚えてくれます。軽快なリズムの"Seven Steps"やジェスチャーが楽しい"Five Little Monkeys"などがおすすめ。動画サイトで検索すると色々なバージョンの数え歌が楽しめます。最後に大きさを覚えてみよう!ひと通りの色と数を英語で覚えたら、今度は大きさを覚えます。形は大、中、小(large / medium / small)の3種類。“What size is this?” (この大きさは?)“It’s small!”(小さい!)こちらも色と同様にリズムよく覚えましょう!準備ができたらお花作りスタート!まずは使うブロックの指示をします。今回使うブロックはこちらです。[caption id="attachment_710763" align="alignnone" ][/caption]"Let’s pick up 1 medium green block, 3 small green blocks, 2 medium red blocks, 2 small red blocks, and 1 small yellow block."(中くらいの大きさの緑色のブロックを1個、小さい緑のブロックを3個、中くらいの大きさの赤いブロックを2個、小さい赤いブロックを2個、小さい黄色いブロックを準備しましょう)ゆっくりとわかりやすく、ジェスチャーを交えながら、ブロック選びの指示を出していきます。"Connect 2 small green blocks."(小さな緑色のブロック2個をくっつけて)慣れてくれば、"Connect"や"Add"などの指示を出してもよいですが、初級編としては、シンプルに次に使うブロックの色と数、大きさを教えて、あとはジェスチャーで伝えるのがおすすめです。[caption id="attachment_710764" align="alignnone" ][/caption]ゆっくりと色と数、大きさを伝えながら組みたてていくと…お花の完成です!わが家では3歳から英語でのレゴ(R)遊びをスタートさせ、お花から、ゾウ、キリン、トラック、カメラ…小学校入学前には家やドラゴンなどの超大作も作っていました。息子は、英語で会話をする際に必要とされる基本の単語も、英語でのレゴ(R)遊びで覚え、4歳でアメリカへ行った際も、筆者の友人たちと英語でしっかりコミュニケーションがとれていました。ちなみに作品の作り方は親が動画サイトなどで調べて、先に英語で覚えなくてはいけないので、大人の脳トレにもぴったり。そして、作品が完成したら、その作品で子どもとたっぷり遊ぶことがまた大切!レゴの楽しさも英語の楽しさも広がります。レゴ(R)と英語のコラボで子どもも大人も楽しく遊んで学びましょう!<参考商品><文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年05月01日エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出す。コドモ連載の第22回が始まります~。第21回はるちゃん(8歳)英語塾の帰りにカフェで待ち合わせた、はるちゃん。赤いメガネがキュートな小学2年生です。この日、生まれて初めてのベルトを腰に巻き、おしゃれをしてお父さんとやって来てくれました。まほ:はるちゃんは、何月生まれ?はる:11月です。まほ:自分が何座か知ってる?はる:さそり座。まほ:占いとか、見る?はる:うん。しいたけ占いとか、動物占いとか、フルーツ・フォーチュンとか。まほ:おっ、詳しいねえ。はる:しいたけ占いは、お母さんが見てる。YAHOO!の占いも見てる。まほ:好きなんだねえ。信じてる?はる:点数がいいと、嬉しい。まほ:あ〜占いの結果がいいと楽しくなるもんね。お父さんとお母さんの星座はわかるかな?はる:うーんと、お父さんはおとめ座。父:正解。はる:お母さんは……どっちか覚えてないんだよなあ。おうし座?父:正解。はる:バァバは……なんだっけ?まほ:バァバもわかるの!?はる:たしか、おとめ座。父:バァバって、妻の母です。星座は俺も知らないなあ。はる:ジィジはねえ、おうしか、おひつじ。父:「おうし」じゃないかな、たしか。はる:おじいちゃんとおばあちゃんは……わかんない。まほ:お父さん方のおじいちゃん、おばあちゃんは「おじいちゃん、おばあちゃん」って呼び方を分けてるんだね。はる:若い方が「ジィジ、バァバ」。まほ:あ〜ソレ、わからなくもないな。父:いや、そういえば……妻の両親は以前から孫が出来たら「ジィジ、バァバ」と呼んでほしいって言ってたんですよね。まほ:なるほど、リクエストでもあったんですね。犬の写真を見て名前をつける遊び。はる:ねぇねぇ……犬の本とってー。父:あーはいはい。はるちゃんのお父さんがキャンバス地のトートバッグから分厚い犬種図鑑を取り出しました。はる:知らないのがあるからさぁ、調べようと思ってさぁ……。まほ:立派な本だねえ。はる:これさぁ、後ろのページから覚えようと思ったんだけど、「エロ」って犬の種類があって……ンフフフフ……。まほ:エロって犬の種類があるんだ。はる:そうそう……へへ。みんな知らない犬だからさ〜。まほ:この本はどんな風に読んでるの?はる:えっとねえ、こうやってパラパラ見て「わたしはコレ」とか決めて、名前をつける。まほ:写真を見て?はる:そう〜。わたしが好きな子はぁ〜。父:ずっとこうやって遊んでるんですよ。はる:あった!この子。まほ:ジャーマンスピッツ……。はる:ジャーマンスピッツミッテル。まほ:名前は?はる:サッカーボール。まほ:サッカーボール?はる:あの、後ろが、サッカーのところみたいだから。まほ:……?ああ、背景?犬自身じゃなくて、芝生とネットが背景に写ってるから?はる:で、このふたりは結婚してて、この隣のと、ライバル関係にある。まほ:同じページの中で犬同士の物語を作ってるんだ。はる:なんかさ〜そういうの、やりたくなっちゃうんだよねえ〜。まほ:(笑)。父:ぬいぐるみでもなんでも、名前をつけて遊ぶんですよね。まほ:おもしろい。可愛いー。はる:あとねえ、警察っぽい人もいる……。まほ:人?はる:あ、犬。まほ:(笑)。はる:ポリスって名前つけてる。あ、これ。まほ:べルジアンシェパードドッグダービュレン。はる:で、姉と夫が他のページにいて……。まほ:犬種は全然違うのでもいいんだ。血縁関係も。はる:うん。警察っぽい人を選んでる。まほ:人?はる:あ、犬。まほ:(笑)。おうちでは犬、飼ってないの?はる:飼ってない。でも、名前はもう決めてる。まほ:そうなんだ(笑)。はる:「ふうせん」と「ふろしき」。まほ:ほほぅ……犬種は?はる:「ふうせん」はモコモコ。「ふろしき」は柴犬系。まほ:おもしろい名前つけるねえ。はる:名前って、人それぞれだと思う。まほ:おっしゃる通り(笑)。中間反抗期?お父さんへのイラっと感。はる:……。まほ:なに考えてるの?はる:ああ〜? あは〜。なんにもかんがえてなあ〜い。まほ:習い事をいくつかされてるんですよね。父:本人がやりたがって。今やってるのはバレエと、英語。最近はプログラミングの塾に通いたいって言い出してます。はる:(はるちゃんを見つめるお父さんに)なに見てるの〜。やだ〜めっちゃ見られてる〜やめて〜あっちいって〜。まほ:勉強好きなの?はる:うーん(首をかしげる)。ねえ、パパ、なんか英語しゃべってよ。父:え〜?ちゃんとインタビューに答えなさいよ。はる:これは?父:フォーク。はる:これ。父:ナイフ。はる:これ!父:ディッシュ。はる:発音がわるい。なんかダメ!父:いま、中間反抗期?っていうヤツらしいです。まほ:ちょっとわかる気がする。お母さんが同じことしてもイラつかないのに、お父さんだとなんかイヤ!っていうね。はる:(深くうなずく)父:そうなの〜?まほ:英語塾は楽しい?はる:うん。まほ:先生は……外国の人?はる:うん。ソマイエ・メヘリ先生。まほ:犬種図鑑、ずっと開いて眺めてるね。はる:うん。まほ:2年生だと……漢字が難しくない?はる:うん。読めないのはママに聞いたりして読んでる。父:でも、字を覚えるのは早かったんですよね。まほ:そうなんだ。はる:うん、3歳くらいで絵本読んでた。まほ:早い!ウチの子、もうすぐ4歳だけどまだまだだよ〜。お絵かきも得意です。はる:ねえねえ、絵、描いてみて。まほ:えーなに?急に?はる:なんでもいいから〜。女の子とか。まほ:じゃあ……(カキカキ)できたよ。はる:身体も描いて!まほ:え〜身体苦手なんだよな〜。はる:わかるよ〜。顔は描けてもね〜。あるあるだよね〜。まほ:(カキカキ)はる:あ、うまいうまい。まほ:こんな感じでいいかな?はる:いいねー。じゃあ、今度わたし描くね。まほ:絵も好きなんですね。父:好きですね。自信あるみたいで。まほ:習ってるの?はる:習ってない!……けど、ウマイよ!まほ:自信たっぷり。はる:目の中の光がね……こっち向いてるから……こっちに……。まほ:こだわるねえ。はる:できた!まほ:お。うまいうまい。はる:へへへ……。じゃ〜あ〜、今度はぁ、漫画描こ!まほ:漫画かあ。お話作ったりするのも好きなんだ。よくするの?はる:しますよ〜、します、します。ふつうに描きますよ〜。まほ:(笑)。はる:じゃあ、4コマ一緒に描こ。順番に一コマずつ描く。まほ:え〜!難しいよ〜。お題は?はる:うーんとね、「遅刻」!……こうして、はるちゃんとの共作4コマ「遅刻」が完成しました。はるちゃん、これだけでは物足りないようで「もっと描こう〜!」とノリノリ。でも、時刻は夜の9時になろうとしています。「また今度遊ぼう!」と言って別れました。楽しかった〜。また遊ぼうね、はるちゃん!つづくPROFILEしまおまほMaho Shimao1978 年生まれ。エッセイスト、イラストレーター。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)などがある。Text・Illustration:Maho ShimaoComposition:Tomoko OgawaDesign:Shinji Nemoto
2019年04月30日グローバル化が進む昨今、私たちの日常生活も徐々に変化してきました。街中で見かける外国人観光客の数は明らかに年々増加していますし、コンビニや飲食店の店員が外国人であることも今や全く珍しくありません。海外出身の方と一緒に働く職場も増えてきているのではないでしょうか。もちろん、子どもたちを取り巻く環境も同じように変化を続けています。園や学校のクラスメイトに外国人のお友だちがいるというケースも増えていることでしょう。このような社会の流れを受け、子どもたちにも「グローバル人材」の資質が求められています。とはいえ、やみくもに英語だけを学べばいいというものでもないようです。家庭内でどのようなことに気をつければ、子どもをグローバル人材に育てることができるのでしょうか。今回は、子どもがグローバル人材になるために大切なことについてご紹介します。これからのグローバル人材の3つの要素とは?これからの時代に求められるグローバル人材になるためには、どのような能力が必要になるのでしょうか。2020年から小学校でも英語が必修化されることもあり、多くの方が語学力の必要性は理解されていることでしょう。しかし、単にネイティブスピーカーのように英語が操れるだけでは、真のグローバル人材として不十分。大切なことは、「英語を使ってどんなはたらきかけをするか」です。官邸主導のグローバル人材育成推進会議が定義した「グローバル人材」の要素は次のとおりです。「グローバル人材の要素」要素I:語学力・コミュニケーション能力要素II:主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感要素III:異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー(引用元:首相官邸|グローバル人材育成戦略(グローバル人材育成推進会議 審議まとめ))海外の相手とコミュニケーションを図るには、語彙力だけではカバーできない部分もあります。自分とは異なる価値観や文化的バックグラウンドを持つ人々のことを理解する柔軟性や、失敗を恐れず積極的にチャレンジするタフさなど、幅広い力が必要とされるのです。このような能力は、かつては一握りのエリートやリーダーに求められていたものですが、これからの時代は多くの人に求められるようになっています。では、基本的な要素である語学力・コミュニケーション力を除いた要素II、要素IIIは、どのようにして身につけることができるのでしょうか。グローバル人材に必須なのは「自己肯定感」グローバル人材の要素IIにあたる「主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感」は、あらゆる能力を身につけなければ得られないような印象を受けますよね。しかし、実はこれらに共通するのは「自己肯定感」、つまり「自分は価値のある存在だ」「自分ならできる」という気持ちです。自己肯定感が育まれている子どもは、要素IIの能力を楽に伸ばすことができるでしょう。家庭で自己肯定感を高めるのに効果的な「言葉がけ」の仕方を考えてみましょう。例をいくつかご紹介します。■子どもの気持ちに共感する子どもが習い事のレッスンなどでうまくいかず悔しがって泣いているときには、子どもの気持ちを受け止めてあげることが大切です。自分のことを分かってくれているという安心感が自己肯定感アップにつながります。【NGワード】「悔しいんだったらもっと練習していけばいいでしょう」「泣いたってどうしようもないよ」【OKワード】「今日はうまくできなかったから悔しかったんだね」「実はお母さんも昔できなくて泣いたことがあるんだよ」■過保護になりすぎない親は、子どもが失敗して辛い思いをしないようにあれこれ先に手を回したくなるものですが、過保護になりすぎているようなら要注意。子ども自身に考えさせる声かけを心がけるのがおすすめです。【NGワード】「ほら、○○を忘れずに持っていきなさいね」「いいわよ、ママがやってあげる」【OKワード】「何を持っていけばいいんだっけ?」「あなたはどうすればいいと思う?」■人と比べないうまくいかないときでも、他の子と比べるような発言をすると、子どもは「友だちと比べて自分は劣っているのだ」と受け取ってしまいます。子どもが自分に自信を持つには、子ども自身の成長ぶりを少しずつ認めて褒め「今の自分を認められた」と感じさせることが必要です。【NGワード】「〇〇くんはテストが100点ばかりなんだって」「△△ちゃんはもう自転車にスイスイ乗っているのに」【OKワード】「前よりも10点上がったね」「もうすぐ補助輪も取れそうだね」このように、子どもを否定したり自立心を奪ったりすることなく、「自分ならできる」と感じさせるような言葉がけをすることによって、子どもの自己肯定感を高めることができます。グローバルな人材教育は、まず日本を知ることからでは、要素IIIにあたる異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティーは、どうしたら身につけられるのでしょうか。外国人とのコミュニケーションでは、「あなた自身はどう考えるのか?」と意見を聞かれることがあります。これは、「あなた自身=日本人」としての意見を期待されていることが少なくありません。みなさんも、普段は「日本人としてのアイデンティティー」について考えることはほとんどありませんよね。そのため、外国人と交流した際に、日本について質問をされて答えに困ってしまったり、自分たちよりも日本のことを詳しく知っている外国人に出会ったり……。という経験はないでしょうか?そこで、将来を担えるグローバル人材になるために、教養としてお子さんが「日本らしさ」を知る機会を増やすことをおすすめします。お子さんが小さいうちから、四季折々の日本の自然にふれたり、年中行事や習わしを一緒に体験したりして、身近な「日本の文化」を学べるように環境を整えることが大切です。さらに、自分の国について知っていることで、相手の国を理解しやすくなることもあります。東京都教育委員会は、異文化理解の心は自国の文化理解のもとに育まれるため、日本の伝統や文化を通して日本人というアイデンティティを確立する教育を推進することが必要だと述べています。異なる文化や風習などの「多様性」を受け入れられる許容性や柔軟性は、グローバル人材として成長するための基礎となるのです。***グローバル人材に育てるためには、特別な何かを与える必要はありません。むしろ、子どもの「自己肯定感」を高める言葉がけと、私たちの身近にある「日本らしさ」の経験の豊かさが大切だといえますね。(参考)首相官邸|グローバル人材育成戦略(グローバル人材育成推進会議 審議まとめ)河合塾Kei-NetGuideline4・5月号|特集2 グローバル人材の育成-こどもまなび☆ラボ|「自己肯定感の高い子どもは学力も高い」は本当?自己肯定感アップに効果的な3つのこと。東京都教育委委員会|日本の伝統・文化理解教育の推進こどもまなび☆ラボ|英語学習だけで大丈夫?子どもがグローバル社会で活躍するために本当に大切なこと|日経DUAL|「リスクを取れて、前向き」が世界を生き抜ける子
2019年04月23日この連載のタイトルは「ものがたりが開く世界への扉」ですが、ちょっと目を上に向けていただけるとサブタイトルが見えるかと思います。「子どものための英文学」となっていますね。一番最初の記事ではこんな風に書きました。実は「英文学」というくくりには数多くの問題があるのですが、とりあえず、今の段階では「英語で書かれた」「主にイギリスの」文学、としておきましょう。堅苦しく考えることはなく、ピーター・ラビットも、不思議の国のアリスも、ハリー・ポッターも英文学の世界の住人です。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|英語をただ学ぶだけでは身につかない?英文学から得られる文化的な読解力「文化リテラシー」)ここで言っている「数多くの問題」について、今日は「英」の部分を取り上げて、少しだけ考えてみましょう。お父さんとお母さんが気付いているかどうかで、物語を読んだ後の子供への声がけが変わってくるでしょうし、そもそもどんな本を子供と読むべきかという判断も変わってくるだろうと思うからです。「国」と「言葉」と「物語」は一直線ではつながらない?「英文学」の「英」とは、「英語」なのでしょうか、「英国」なのでしょうか?さらにいえば、「英国」はいつの時代のことをさしているのでしょう?かつて大きな帝国を持っていたイギリスの国境は、時代によって大きく動きます。そのうちの、どの国境が「英文学」について話をする時に適用されるのでしょう?今年2月に公開されたディズニー映画『メリー・ポピンズリターンズ』を親子で観に行ったという方もいるかもしれません。その原作となった、古典的な児童文学の名作『メアリー・ポピンズ』を例にあげてみましょう。ロンドンを舞台にした、とてもチャーミングで人気のある物語です。けれども、原作の作者のP.L. トラヴァースは、オーストラリア生まれです。子供時代をオーストラリアで過ごし、大人になってからイギリスに移住しました。イギリス生まれの父親を持ち、オーストラリアとイギリスの二重国籍者です。さて、『メアリーポピンズ』は英文学でしょうか、それとも、オーストラリア文学でしょうか?英語話者=50数ヶ国語話者!?○ヶ国語という表現の落とし穴「英文学」という言葉の中には、「国」や「言葉」や「文学」に関わる概念が複雑に入り混じっています。この国と言葉と物語の関係性について、子供達にできるだけ柔らかい態度を持っていてもらいたいのです。多くの日本の人は、なんとなく漠然と「言葉」と「国籍」と「住んでいる国」がきれいな形で繋がっていると思っています。けれども実際は、言語と国籍と居住国は、必ずしも一致するとは限りません。日本語が使える外国人は数多くいますし、日本語しか使えない外国籍の人も数多くいます。私も含め、日本の外に住んでいる日本人も少なくありません。生まれた時の国籍と、大人になった時の国籍が異なる場合だってあるでしょう。英語という言語は一つですが、英語を公用語とする国は現在50を超えるはずです。つまり、英語と日本語を話す私は基本的には2言語話者ですが、屁理屈を言えば50数ヶ国語話者でもあるのです。「○ヶ国語」のように、「国」と「言葉」を一本の線で結びつけて言語や社会を理解しようとすることに、そもそも無理があるのかもしれません。「単なる日本語の表現の問題じゃないの?」と思われるかもしれませんね。確かに、「2言語」というのか「2ヶ国語」というのかは、とてもささいなことです。けれど、国や言葉、文化について考えていく、とても身近なきっかけでもあります。それを潰して欲しくはないなあ、とも思うのです。言葉と文化と国の関係に柔軟な姿勢を、幼少期から育むためにこれから先、子供達が暮らしていくであろう世界は、必ずしも国と言葉と文化や文学が一本の線で単純につながっていくような世界ではないだろうと予想がつきます。「イギリスに住むイギリス人が、母語である英語を使ってイギリス人の心を描いたのが英文学」と単純にくくることができないように、「日本に住む日本人が、母語である日本語を使って日本人の心を描いたのが日本文学」と言うことが適切でない世界に、子供達は育っていくでしょう。細かいことを言えば、これからの子供達がそういう世界に育っていくのではなく、もともと世界はそういうもので、今まで私たちの多くが気づかなかっただけなのかもしれませんね。「英文学」「英語の物語」という言葉を聞いた時に、「イギリスの」あるいは「アメリカの」物語だけを思い浮かべるのではなく、もう少し、広い世界を想定できること。そして、「国、言葉、文学(文化)」が一直線で繋がらない、という、シンプルだけれどとても重要なことを理解していること。言葉と文化と国の関係に柔軟であることは、やがて子供達が、自分の暮らす社会や、もっと広い世界を理解しようとする時に、手助けになるだろうと思うのです。英語の物語の世界の広がりを味わえる絵本様々な歴史のせいで、世界のあちらこちらで使われている英語は、国と言葉と文化は多元的・流動的だという実感を育むために、良い下地を作ってくれるのではないかと思います。英語で書かれた物語の世界の広がりを感じさせる作品を、いくつかご紹介しましょう。まずはオーストラリアの子供だったら、誰でも必ず読んだ事のある絵本、Possum Magic(『ポッサムの魔法』本邦未訳)。オーストラリアの記念硬貨にモチーフが使われたことがあるくらい、よく知られた作品です。ポッサムはオーストラリアの動物です。日本の方にはあまり馴染みがないかもしれませんね。おばあちゃんポッサムが魔法を使って孫娘を透明にするのですが、元に戻すことができなくなってしまいます。孫娘をもう一度見えるようにするために「人間の食べ物」を食べるのです。オーストラリアの動物たちとオーストラリアの名物料理がたくさん並ぶ、楽しいお話です。数多くの読み聞かせ動画もあります。台湾系アメリカ人作家によるA Big Mooncake for Little Star(『小さなお星さまの大きな月餅』本邦未訳)も可愛らしい物語です。舞台は空。お母さんが作った大きな月餅を、本当は食べちゃいけないのに、食べてしまいたい小さなお星さま。月餅は、台湾では重要な民俗行事、中秋節(旧暦8月15日)に、お月見をしながら食べるもの。なんとも微笑ましいお話です。中国やアフリカの赤ずきんちゃん!?日本語訳もある絵本中国生まれの作家、エド・ヤングによる『ロンポポ——オオカミと三人のむすめ』は、中国に伝わる民話を元に、英語で書かれたお話です。1990年、アメリカで出版されたもっとも優れた児童文学に授与されるコールデコット賞を受賞しました。英語版では「中国の赤ずきん」という副題で愛されています。南アフリカの作家ニキ・ダリーによる『かわいいサルマ』。こちらの副題は「アフリカのあかずきんちゃん」。原色の挿絵が美しいだけでなく、街角の様子も楽しいのです。英語の読み聞かせもネット上で見つけることができます。文化や言葉は国境を超えていきます。最初から難しいことを子供に説明する必要はありません。世界のあちらこちらで描かれている物語を楽しみながら、いずれ、大きくなってきたときに、ほんの少し、言葉と文化と物語の関係を考えてもらえるといいな、と思うのです。英語で書かれた物語の中には、世界の様々な地域へと扉を開いていくものが確実にあるからです。(参考)映画.com|メリー・ポピンズリターンズMem Fox, Possum Magic, (LindfieldL Scholastic Australia, 2018., 初版1983)Grace Lin, A Big Mooncake for Little Star (New York: Little, Brown and co., 2018)エド・ヤング『ロンポポ——オオカミと三人のむすめ』(古今社、1999年)ニキ・ダリー『かわいいサルマ——アフリカのあかずきんちゃん』(光村教育図書、2007年)
2019年04月18日「将来、子どもが英語を話せるようにするためにはどうしたらよいですか?」これは私が幼児の英語教育に携わってから、一番よく聞かれる質問です。2020年度に全国の小学校で英語教育が必修化することを受け、英語教育を重視するママが増えています。そんな教育熱心なママたちからの質問の中には「あれ?」と感じてしまうものも。今回は私の経験も含めながら、みなさんが勘違いしているかもしれない英語教育のいろいろをQ&A形式で紹介したいと思います。Q. 英語耳・英語脳は6歳までしか育たないの?A. 幼児期(1~6歳)は「聞く」と「話す」がとても得意な時期です。そして、リスニング能力については、やはり早い時期から英語を始めた子どものほうが発音が良いと感じます。でも、6歳を過ぎても英語耳、英語脳を育てることは可能です。私の経験の範囲内ですが、年齢に関わらず、良い耳を持つ人は日本語にない"R"と"L"の聞き取りもできますし、聞き取りができれば、その音を自分で作り出すこともできます。英語と日本語は周波数が違う、音節が違うから聞き取りづらいなどと言われますが、大人になってから環境や勉強法で克服し、ネィティブ並みの発音を身につけている人が私の周りにはたくさんいます。Q. 英語に興味がないわが子。英語を学ばせるのはムリ?A. 子どもが英語に興味がないと悲しんでいる人は、まず自分が英語に興味があるかを考えてみましょう。私が英語を学ぶ上で一番大切だと思うのは、子どもだけでなく、大人も一緒にやってみること。一番効果的なのは、で以前にお伝えした、子どもが好きな遊びを英語で大人が一緒にやることです。でも、それが難しい場合は、自分が好きな海外アーティストの曲を子どもに聴かせたり、海外旅行に行ったときのエピソードを話してあげるだけでも大丈夫。家庭で身近に英語の存在を感じられる環境が子どもの言語感覚を養います。Q. 日本人の親が英語を教えるのはよくないの?A. 発音を重視される保護者にはネィティブの先生とのレッスンをおすすめしています。しかし、「英語を嫌いにならない子ども」を育てたいのであれば、日本人のママやパパが英語を教えることに私は大賛成です。幼少期から英語に触れておけば、子どもが成長してやる気になった時にぐんと伸びます。そのためにはやはり子ども本人が楽しめる形を大人が一緒になって作り上げることが一番。幼少期は「大好きなママやパパ」と一緒に「遊びながら学ぶ」ことが、子どもの心も育てます。Q. お金をかけているのにちっとも上達しない!A. レッスンに通わせているのに、英語が身についていない!」という相談もよく受けます。そのような相談に限って「レッスンにさえ通わせていれば大丈夫」と家庭でのサポートがない場合がほとんど。週に1度、1時間程度のレッスンに通わせているだけでは英語は身につきません。家庭で習い事と連動している教材のCDを聴かせ、DVDを見せるのは大切な親の役目。子どもと一緒にCDを聴いて、DVD鑑賞ができればなおよしです。私が教えているクラスの子どもたちも家庭でのサポートのあるなしで、あきらかに習熟度に違いが見られます。英語教育は年齢があがると、子どもの努力も親の努力もより必要になりますが、幼児期に種まきをしておくと、この努力が軽減されます。「大人も一緒に楽しむ」をキーワードにこの春から親子で英語を楽しんでみませんか。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年04月15日私自身、16歳のときにカナダに留学し、ホストファミリーに助けられた思い出があり、いつか私もホストファミリーとして外国の子どもを受け入れたいという思いがありました。そして、昨年8月にブラジル人の17歳の女の子がわが家にやってきました。彼女は6カ月の留学生活を終え、今年1月末にブラジルへ帰国しました。私たち家族は、ホストファミリーの役割を終えひと段落。嵐のように過ぎ去った日々が遠い昔のようです。5か月間という短い間でしたが、ホストファミリーになって気づいたことや、わが家の変化を紹介します。わかっていたけど、食文化の違いはストレス!私自身、英会話には自信があったのですが、今回留学生と生活を共にしてみて言葉だけではない、いろいろな違いを感じました。たとえば、アジア圏だとそこまで違わない食文化ですが、ブラジルと日本となるとそうはいきません。ブラジルでは、豆と肉の煮込み料理とライスを食べる機会が多いそう。はじめての日本食に戸惑うこともあるだろうなと思ってはいましたが、予想以上の食の違いに驚きました。外国では、鶏皮や脂身を食べる習慣がないとはわかっていたのですが、留学生も例外ではなく、肉選びには苦労しました。次にブラジルにもあるけど、個人的に生魚、タコ、イカ、ツナ、貝などの魚介類が好きじゃないと言われ、頭を悩ませることに。海藻は食べる習慣がなく、焼き魚や味噌汁も好きじゃない様子。朝食は、オートミールやパンとシリアルがいいと言われ、お互いに別々のものを食べるなど、食の悩みは最後までつきることがありませんでした。結局、留学生が好きだった食事は、カレーライスとシチュー、餃子、ラーメン、パスタ、オムライス。食べ慣れたものや、味がはっきりしているものが好きなようでした。心のモヤモヤは、話し合いでしか解決しない出したものを食べてくれない、好き嫌いが多いことにストレスに感じていると、コーディネーターの人に相談したところ、正直にその気持ちを伝えてみてほしいと言われました。日本では避けがちですが、お互いの気持ちを正面からストレートに伝えて話し合うことが大事だとのこと。「せっかく日本に留学しているのだから、食べてみないのはもったいない。出されたものを食べてみる努力は必要だし、日本ではそれが作った人へのマナーでもある。食べた上で生理的にムリだったらしょうがない」ということを伝えました。すると「わかった、努力する。だけど朝はパンかシリアルがいい」という返答が。モヤモヤ悩んでいたことも、相手に伝えるだけですっきり。不満やモヤモヤは、話し合わないと解決しないということがわかりました。日本人特有の言いまわしや、相手に遠慮して控えめに伝えるのでは、留学生には伝わりません。ストレートに気持ちを伝えることはことは、決して悪いことではないことだと気づかされました。ただし、話し合ったからといって、その問題が解決するかは別の話ですが…。息子にとって英語が身近に。サッカーにも興味留学生に対する悩みは、SNSばかりする、毎日部屋で英語で電話するなどいろいろとありました。その姿を見て、自分がホームステイしていた頃を振り返ると、私自身決してほめられるような態度でなかったこと、ホストマザーに苦労をかけていたことに気づきました。親になってはじめて親の気持ちがわかるように、ホストマザーになってはじめてホストマザーの気持ちがわかった瞬間でした。留学生を受け入れたことで、5歳の息子が英会話教室へ通いはじめるきっかけになり、苦手意識があった英語も楽しいと言っています。それに、スポーツが苦手だった息子が、留学生とサッカーをしたことがきっかけで好きになりました。プレゼントに買ってもらったサッカーボールで元気に遊んでいます。苦労したことも楽しかったことも含めて、過ぎてしまえばいい思い出。今後もメールしたり、交流が続けられたらいいなと思っています。<文・写真:フリーランス記者三浦麻耶>
2019年04月06日育児も仕事も楽しむママを紹介するシリーズ。今回は、2016年にニューヨークで人材育成会社『New York Career Academy』を起業し、留学支援、キャリア支援、国際研修支援、講演活動などを展開しているグローバルキャリアカウンセラーの大澤直美さんを取材。群馬県で生まれ、海外とは無縁の家庭に育ったにもかかわらず、独学で高い英語力(TOEIC満点)を身につけた努力家でもあります。直美さんにキャリア、子育ての信条、仕事との両立などについて話を聞きました。長女5歳、長男3歳のときに「今しかない」と会社を設立小学生の時に、原爆の写真集を目にしたり、戦争の話を聞いたりしたことがきっかけで、「社会をよくしたいと思った」という直美さん。高校卒業後は、国際平和のために国連で働くことを目標に、ニューヨークの大学に進学し、国連やNGO、NPOでインターンを経験。国連本部での内定もいただいたそうですが、「働き方が自分に合わないかもしれない」と感じ、コンサルティング会社に就職しました。日本企業や教育機関のアメリカ進出を手伝うプロジェクトに携わった縁で、その後、マイナビUSAの現地責任者に就任。グローバルキャリアカウンセラーとして全米150以上の大学をまわり、日本の就活の現状について講演をするなど活躍し、やりがいを感じていたそうです。2011年に長女を、2013年に長男を出産したのちも、子育てへの理解を示してもらえる恵まれた環境だったそうですが、組織の中でできることに限界を感じた直美さん。「キャリア支援の幅を広げ、母親業もより充実させるために、もっと自由になりたい」という気持ちが高まり、2016年に『New York Career Academy(NYCA)』を起業。その時、直美さんは32歳、子どもは5歳と3歳。「今アクセルを踏まないと、独立の機会を逃すかも」と思ったとか。そのうえ、独立1年目からさっそく小学校の役員を引き受けてしまい、ビジネスが軌道にのるまでは、睡眠時間を削る生活だったそう。それでも独立したからこその自由を感じられたそうです。子育て優先。でも、子育てを言い訳にはしない「子育ても仕事もとても好きなのですが、いま優先するのは子育て」と直美さん。「とはいえ、ビジネスに『子どもがいるから』という言い訳は通用しませんから、クライアントさんに迷惑をかけないように仕事量を調整したり、体調管理にも気を配っています」。直美さんは子どもの頃から、時間の使い方を工夫してきたそうで、高校生の時は、通学時間に英語を独学。進学したニューヨークの大学では、英語教授の推薦をうけ、アメリカの学生に英語ライティングの指導をしていたという驚きのエピソードも!「確かに、ムダな時間はあまり過ごしていないと思います。隙間時間には体幹トレーニングをしたり、SNSもタイミングを決めて活用するようにしています。リラックスする時は思い切りリラックス!それぞれの時間を全身で享受し、すベての時間に意味をもたせるようにしています」とのこと。参考にしたいですね!自分の人生をしっかりと歩める子にそんな直美さんはどんな子育てをしているのでしょうか。驚いたのが、お子さん達の習い事の多さ。「子どもたちが『やりたい』と思うことを大前提に、自分のコアになるものを極めつつ、興味があることはなるべく体験させたい」とのことで、長女はバレエを中心にピアノや水泳、書道、ガールスカウトなど、長男はテコンドーをコアに、バレエ、水泳など、アメリカ人のご主人と手分けして、送り迎えに励んでいるそうです。「その年齢でしか吸収できないことがあるので、習い事はたとえ借金をしてでもさせる価値があると思っています」と直美さん。また、直美さんご自身が、幼少期に母親と図書館に通っていたことから、同じように「世界観を広げてほしい」と、寝る前の読み聞かせは欠かさないそうです。バイリンガル育児を実践しているため、直美さんは日本語の本を担当、ご主人が英語の本を担当。本は、「愛や道徳、正義など人として大事にしてほしいことをメッセージとして伝えてくれるものを中心に選んでいる」とのこと。「子ども達の心の健康がとても大事だと思っているので、出張前は直筆の手紙を渡し、出張中は、毎日1分であっても、ビデオ通話で顔を見るようにしています。子どもには、愛されていることをなによりも実感してもらいたいです」。母としての愛があふれる直美さん。子どもには、どんな人に成長してほしいのでしょうか。「人は幸せになるために生まれてきたと思っています。私が考える幸せとは、お金や名声、人との比較ではなく自己実現。生きたい人生を生きられるよう、コミュニケーション力や情報収集力を養い、本当の意味で幸せな人生を送ってほしい」。いずれは2拠点生活で、故郷への恩返しがしたい夏休みには、子ども達を連れて実家のある群馬県に戻り、地元の保育園や小学校に通わせている直美さん。故郷・群馬への愛も深く、『ニューヨーク群馬県人会』の代表を務めるなど、故郷の活性化活動にも積極的です。「私を育ててくれたのは両親、学校の先生たち、そして群馬県の人々と自然です。子育てが一段落したら、2拠点生活にシフトし、もっともっと故郷への還元活動がしたい」と語ってくれました。最後に、日本のママにメッセージをもらいました。「日本のママは特に、自己犠牲というか、ひとりで抱えて頑張っている人も多いかもしれません。ぜひ、もっと”マイタイム(自分時間)”をもってみてはいかがでしょうか。マイタイムをもつための調整だけでも大変ですが、ママがリフレッシュできると、家庭や仕事にもよい影響が期待できて、全体的に上手くいくことが多いように思います。また、世間体や固定概念から抜け出せず、自分が本当に求めていないことにエネルギーを使ってしまっているママも多いようです。しっかり自分と向き合い、自分が本当は何をしたいのか、どんな子育てをしたいのか、見極めながらママとしての人生を謳歌していきましょう!」。New York Career Academy, Inc. ホームページ<文・写真:フリーランス記者鯰美紀>
2019年04月05日将棋のように勝負する習い事では勝って嬉しいという気持ちも大事プライベートでは、大の将棋ファンとしても知られる木村草太さん。基本的に子どもたちの習い事の教室などを決めるのは奥様の担当だが、こと将棋の習い事に関しては、木村さん主導で進めてきた。現在は娘、息子ともに将棋道場に通っている。「将棋道場っていうのは、すごく弱い子どもでも、ちゃんと敬意を払われる場所なんですよ。というのも、将棋道場に通っているおじいちゃんたちは、最初は本当に弱かった子どもが、あっという間に自分を追い抜かして、場合によってはプロになる、みたいなことを体験している。目の前にいる子が1年後には先生になっているかもしれない、という世界なので。子どものことをまったくあなどらないんです。それがけっこうおもしろいですね。これがスポーツだと体格の問題があるので、1年や2年で子どもが大人を追い抜かすっていうことはまずない。でも、将棋は強い子は本当に強いですから。負けて悔しいと感じることも大事ですけど、やっぱり子どもにとっては勝って嬉しいという気持ちも大事ですね」習い事というのは奥が深いものだ。単純に向いている、向いていないではなく、その習い事の場所にどんな意味を見出すかは、子ども個人によって違ってくる。「ここ1本に賭ける!という気持ちで真剣にやっている習い事と、趣味として楽しんでいる習い事とではだいぶ違うので。うちの娘は将棋道場に通っていても、自分で本を読んで勉強したりしないから、あんまり好きじゃないのかな?と思って見ていたんです。でもあるとき、道場に向かう途中で、娘が武者震いをしながら『あー、楽しみだ~』と言っていて。あ、この子はこの子なりに、将棋の時間を楽しんでいるんだなと思いました。で、やっていることも、けっこうおもしろいんですよ。娘がある日『新しい戦法を考えたので、やってみたら勝った』と。そうしたら『まわりの男の子たちが、みんなでその戦法の破り方を会議したから、翌週は負けてしまった』と話してくれたことがあって。これ、非常にプリミティブなんですけど、プロがやっていることと一緒なんです(笑)。もちろんプロや、プロになるような子から見ると、本を読めば1時間で分かることだったりするんですけど。そういうことを自分で考えて、何日か、何週間かというスケールでやっていることに、私はすごく意味があるなと思うんですよね。自分で道なき道を歩むっていう体験。子どもには時間があるので、その時間を大切にしてほしいと思いますね」親の苦手を補うようなことも子どもの習い事を選ぶときのポイント木村さんの娘にとって、純粋な楽しみの時間であり、のびのびと自分のやりたいようにできる習い事が将棋だとすると、その一方で「プレッシャーがかかり、自分のベストを尽くそうとガチンコでやる習い事」はピアノとフランス語とのこと。あらゆる種類の子どもの習い事が存在する中で、これ!と親が選ぶときの決め手は何なのだろう。「自分たちの子どもなので、自分たちの性格がある程度、受け継がれますよね。将来何で困るか、自分の体験を通して予測できるじゃないですか。だから、子どもの習い事を選ぶとしたら、好きなこと、得意なことだけじゃなくて、それを補うようなこともポイントです。運動が苦手だろうから、バレエをやらせるとか。娘の場合、妻も私も外国語がそれほど好きではないので、早めに語学をやらせてあげようとか。ただし、英語を習うと、学校の授業がつまらなくなりすぎる気がしたんです。たとえば、今は小学生で英検2級とか準1級を取る子いますよね。でも、その子、中学校の英語の時間、何やるんだろう?って思うんです。その点、フランス語なら、中学校の英語の時間が無駄にはならない。あと、フランス語やドイツ語は、英語と文法構造が似ているので、実は英語を勉強するときにプラスになるんですよ。しかも、フランス語は女性名詞と男性名詞があって、第一人称、第二人称、第三人称、かつその複数の6項目で動詞が変化するなど、英語より文法がずっと複雑です。それに慣れていれば、きっと英語の勉強はラクになるんじゃないかなと(笑)」子どもの権利を守るためには学校側の管理の都合に流されない木村さんが研究している憲法の役割とは、強大な権力を持っている人々から、私たちの自由や権利を守るためのもの。木村さんは著書『子どもの人権をまもるために』の中で、貧困、虐待、指導死、保育不足など、現代の子どもたちに降りかかる困難から、子どもを守るために何をすればよいかについて論考している。子どもが小学校に通うようになって、学校という場所が抱える問題点も、よりリアルに浮かび上がってきた。「たとえば、小学校では掃除を子どもにやってもらっていますけど、それはちょっと問題があるな、と最近は思っていて。教育としてやるなら、家庭科の授業でやれば十分です。しかも、ちゃんと技能検定もやらなくちゃいけない。でも、掃除の技能が身についたかどうかは見ていないということは、完全に学校の利得のためにやっているんですよね。『でも、掃除をする人を雇うと、すごくお金がかかるんです』って反論されることがあるんですけど、その反論って、致命的だと思うんですよ。だって『お金がかかるから、子どもたちにやらせています』っていう主張になるわけですから。経費節減が目的なら、児童酷使とか、意に反する苦役とかになるんです。そういう視点がないと」また、他の先進国と比べると、小学校だけでなく、中学や高校でも学級制度が導入されているのが日本の大きな特徴だ。「私は “学級” というものが、あまりよくないと思っています。それは、『学校とは勉強するところだ』という大前提に照らして、不合理だからです。今も昔も学級の中で学力の差がすごくある。そうした環境で、みんなで一律に授業をやるのはなかなか大変なんですよ。しかも、今の学校教育では、校則を守らず髪を金髪にする子と授業に追いつけずに勉強をやらなくなる子とでは、『風紀が乱れるから』という理由で金髪の子を問題視する風潮にある。学校=勉強する場所なはずなのに、これっておかしいですよね?全ての子がしっかりと学べるようにしようという目的を置いたときには、どこに基準をおくか、が大事な話だと思います。勉強が得意な子を基準に学校制度を組み立てても、全体としてはあまり学習効果が上がらないと思います。それぞれの子どもに適した学習を目指すなら、できる子にはどんどん自習をしてもらって、本当にできない子に学校の先生のコストを割いていく、というようなことをしたほうがいいんじゃないかなと思います。担任制も、学級制度の弊害ですよ。学級というのは、基本的に1年間、その先生だけに任されます。これをやっちゃうと、変な担任とか、相性の悪い担任にあたったときに、1年間が地獄になってしまうんですよね。だから、学級制度をやめて、大学のような単位制にして、子どもたちが先生も選べるようにする。教える人と成績評価をする人を分けるということもしていくといいですよね。学校側の管理の都合に流されず、“子どもは権利の主体である” という出発点を私たちが意識として強く持つことが大事だと思います」PROFILE木村草太 Sota Kimura1980年、神奈川県生まれ。2003年、東京大学法学部卒業、同年、同大学大学院法学政治学研究科助手に就任。現在、首都大学東京法学部教授。専門は憲法学。首都大学東京の法科大学院での講義をまとめた『憲法の急所――権利論を組み立てる』(羽鳥書店)は「東大生協で最も売れている本」と話題を集めた。立憲主義を重視する立場から、各種メディアで積極的に発言を続ける。著書に『自衛隊と憲法――これからの改憲論議のために』(晶文社)、『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『AI時代の憲法論人工知能に人権はあるか』(毎日新聞出版)など。Photo:Shin HamadaText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年03月22日日本に住んでいた頃、上の子供の英語教育は、頭痛の種でした。お父さんがイギリス人だから、苦労しなくても英語が話せるようになっていいねとよく言われましたが、子供だって必ずしも苦労せずに言語を覚えるのではないのだなあと、そばで見ていてしみじみ思ったものです。現に一才からイギリスで育っている下の子も、会話で “I buyed” などと言ってしまうのを、何度も “I bought” と言い直したものです。今ではさすがに減りましたが、それでも時々、不規則動詞の過去形はミスが出ます。話し言葉でもそうですから、読み書きはさらに工夫が必要です。日本の子供達が長い時間をかけて漢字を覚えていくように、イギリスの子供は例外が多い英語のスペルを、時間をかけて覚えていきます。私たち家族にとって難しかったのは、ちょうど日本語の読み書きに興味を持ち始めた上の子の、日本語に対する好奇心を潰すことなく、どうすれば英語の読み書きを導入できるか、でした。英語圏の小学校で使われるフォニックス教材最初に購入したのは、フォニックス教材のJolly Phonicsでした。英語圏の小学校などで使われる教材で、アルファベットと音をうまく組み合わせて教えていくのには非常に向いています。動画の14秒あたりから見るとわかるように、子供達にアルファベットと音、それに体の動作を教えていきます。CDやビデオも併用して使う、基本的には学校用の教材です。小さな子供の興味を引くように作ってあり、とても助かったのですが、我が家には一つだけ問題がありました。これは、親がつきっきりで見ないとならないプログラムだったのです。フルタイムで働いていた当時の私には、子供が保育園から帰ってくる7時過ぎから、夕飯、お風呂、翌日のしたくと、やるべきことが山積みでした。その中でこの教材を使うのは、とても難しいことでした。優れた教材ですから、もっと時間があったら活用できたのに、と残念に思っています。オンライン識字教育プログラム “Reading Eggs”そんな時、同じように日本で子育てをしているニュージーランド人のお母さんから勧められたのが、オンラインの識字教育プログラム、Reading Eggsです。対象は2歳から13歳まで。英語圏の小学校で公式に使われることもあるプログラムですが、ゲームのような感覚で英語が読めるようになっていきます。あまり小さいうちからコンピューターに触らせるのはどうかな、とも思ったのですが、これはとても使いやすいプログラムでした。7時過ぎに保育園にお迎えに行き、帰ってきてご飯のしたくをしている間、数十分、遊び感覚でやってもらうのに最適だったのです。ちなみにReading Eggsを開発した会社(3P Learning)は、子供向け算数のオンラインプログラム、Mathseedsも出しています。簡単な計算をゲーム感覚で楽しみながらマスターすることができるので、こちらも一時期、併せて利用していました。まさに英語「を」学ぶだけでなく、英語「で」学ぶことができる、貴重な教材だったのです。オンラインプログラムは、イギリスの小学校の宿題でも大活躍イギリスに引っ越してきてから気づいたのですが、イギリスの小学校の宿題は、こういったオンラインプログラムを使うことが多いのです。算数の計算のような単純な問題は、オンラインプログラムに任せてしまえば先生は採点をしなくても良いですし、それでいて、それぞれの子供の弱点がわかりますよね。学校から出される宿題だからといって、クラスの子供たち全員が一斉に同じ問題を解くのではなく、それぞれ違う問題に取り組むこともあります。オンラインプログラムを活用することで、前回お話ししたオックスフォード・リーディングツリーを使った識字教育と同様に、子供のレベルに合わせた教育をすることができるのです。家庭にコンピューターがない子供のために、休み時間に学校のコンピューターを使って宿題をやってしまう「ホームワーククラブ」もあります。どこの国でも先生は大忙しですが、機械に任せられるような単純作業を機械に任せられる、良いシステムだと思います。英語圏にはきちんとした教育目的のオンライン教材がたくさん!オンライン識字教育プログラムReading Eggsや算数プログラムMathseedsは、会費がかかりますが、家庭で手が出せない金額ではありませんし、非常に良いプログラムだと思います。※識字・算数プログラム合わせて、年間購読で一ヶ月あたり7.92ドル(約880円)、識字プログラムのみだと一ヶ月あたり6.70ドル(約750円)。子供が自分である程度読めるようになると、多読教材がオンラインで読めるのも魅力的です。図書館で英語の本を借りることも日本国内ではそう簡単ではありませんから、絵本を一冊買う程度の金額で、ある程度の読書量を確保することができるのはいいですよね。実は英語圏にはかなりの数、しっかりとした教育用のオンラインサービスがあります。そして多くが、比較的利用しやすい価格帯で提供されているようです。例えば、全世界の子供たちと、算数の競争ができるサイトMathleticsは、先ほどご紹介した3P Learning 社の開発したもので、会費は年間約60ポンド、日本円で8,700円前後でしょうか。こうした教材が開発される背景には、小学校での宿題に使われるだけでなく、一定人数ホームスクール(ホームスクーリング)をしている子供がいることも挙げられるでしょう。学校に通うのではなく家庭で教育を受けるホームスクーリングは、アメリカやオーストラリアのように国土が広い国では、場合によっては必然的なチョイスです。病気であったり、家庭の方針でホームスクーリングを選ぶケースもあります。これは海外に限ったことではありません。インターナショナルスクールに通わせると年間300万円を超える学費がかかることもあり、東京に住んでいる外国人の親御さんの中には、経済的な事情からホームスクーリングを選ばざるをえない方もいます。日本に住んでいた頃は、日本の保育園に通う上の子のために、「ホームスクーリング」と「小学校」をキーワードに、オンラインサイトをかなり探しました。まだまだある!低年齢向けオンライン教材識字だけでなく、様々な科目を教えてくれるサイトもあります。現在下の子供が小学校で使っているサイトはPurple mashといい、英語だけでなく科学や算数、ITやアートなど、イギリスのカリキュラムに沿った様々なトピックを扱っています。残念ながら、学校向けの事業展開ですが、似たようなサイトで家庭教育に使われているものもあります。たとえば上の子の小学校が使っていたのはEducation Cityと呼ばれるサイト。イギリスやスコットランドのカリキュラムをカバーしており、ホームスクーリングをしている家庭向けのサービスは年間89ポンド、日本円で約13,000円で利用することができます。英語だけでなく算数や科学、IT、フランス語やスペイン語も。そして英語を外国語として学んでいる子供向けの教材もあります。アメリカのカリキュラムを念頭においたものですが、英語や算数、理科や社会、ITに加え、ヘルスやアート&ミュージックなどの様々な科目を扱っているBrain Popは、家庭ごとに利用することができます。現在はアメリカの小学校の約4分の1が利用しているとされているサービスです。同様にStarFallもアメリカのカリキュラムに沿った識字教育のサイトです。フォニックスを学べるアニメーションや、音声付のウェブ絵本、ダウンロードしてワークシートとして活用できる紙ベースの教材をはじめとして、多岐にわたった学習コンテンツを楽しむことができます。一部有料コンテンツもありますが、無料で楽しめる教材も豊富に用意されています。幼稚園生向け、小学生向けに分かれ、会員登録の手間なく、子供の学習レベルに合った内容にアクセスできます。子供の負担にならない程度、ゲーム感覚でイギリスやアメリカの小学生たちの使っている教材に触れることは、実は日本にいても、昔よりずっと簡単になっているのです。(参考)Wikipedia|BrainPopJolly Phonics UK Catalogue
2019年03月21日「わが子には将来グローバルに活躍してほしい!」そんな思いから、子どもをインターナショナルスクール(以下インター)に通わせる親が増えています。インターというと真っ先に英国式やアメリカ式が頭に浮かびますが、フランス式や中華式なども人気です。その中でも最近よく話題になるのが、インド式インター。今回は都内のインド式インターに子どもを通わせる筆者の友人に話を聞きながら、その人気の秘密をお伝えします。インド式教育とは?インド式教育と聞いてピンとこなくても、「小学1年生から2ケタのかけ算ができる」といわれると、「聞いたことがある!」と思う人も多いはず。インド式インターでは幼稚園からたし算、ひき算とともに、かけ算を学びます。インドでの義務教育は、Grade1と呼ばれる5歳から始まり、Grade2(日本の小学1年生)ではわり算、Grade3(日本の小学2年生)になると3ケタのかけ算も学びます。IT学習もGrade1からスタートし、友人の子どもはGrade4(日本の小学3年生)でプログラミングを学び、授業内ではパワーポイントを使用してプレゼンテーションを行っています。ここまで聞いただけでも驚きですが、算数の早期学習や高度なITスキル学習以外にも、インド式教育が人気の理由を見つけました。プレゼンテーション能力が鍛えられる授業の前に開かれるアセンブリーと呼ばれる集会で、子どもたちは興味や関心がある出来事を自分自身でリサーチして、その結果を生徒や先生の前で発表します。聞く人を意識したスピーチを繰り返し行うことで、プレゼンテーション能力を高めるというものです。また、アセンブリーでは成績優秀者の表彰式も行われます。スポーツ分野も含め、金、銀、銅のメダルがあり、何かと生徒同士を競わせるのも、インド式インターの特徴のようです。飛び級も留年もありスクールでは中間、期末、進級テストがあり、テストに受かれば飛び級もありますが、落ちてしまうと進級できずに留年となります。学年が年齢とともに自動的に上がっていく日本人からすると驚きのシステムですが、欧米では「能力に応じた学年に子どもを配置する」という考え方が一般的。幼少期から、海外のスタンダードな制度に慣れさせることが可能です気になる学費は…学費は学校によっても違いますが、友人の子どもが通う学校では年間144万円(制服代やスクールバス代など諸費用含む)程度とのことでした。欧米式インターは年間200万円程度、学校によっては年間400万円というスクールもあるので、インド式インターは比較的リーズナブルな学費設定になっているようです。いいことづくめに聞こえるインド式インターですが、日本の幼稚園や小学校と比べると学習内容のレベルが非常に高いため、親のサポートは必須のようです。逆に親のサポートがないと、どんどん進められる英語での授業についていけず、日本の小学校に転校する子ども少なくないそう。また、社会の授業に関してはインドのことしか学ばないため、少々困るという話や、キャンパス内ではヒングリッシュと呼ばれるヒンディー語のアクセントが強いインド英語が話されるため、ネィティブの家庭教師が必要という話も。インド式インターのメリットとデメリットを理解した上で、子どもの教育のひとつの選択肢として考えてみるのもよいですね。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年03月07日ビフとチップ、それにキッパーという3人の子供が出てくる物語があります。日本では決して有名な作品ではありません。けれどイギリスの子供だったら、誰でも知っているでしょう。実はこの3人、イギリスの子供達が学校で文字を読む練習をするために使う、オックスフォード大学出版社の「リーディングツリー」シリーズの登場人物です。英語圏を一歩出たら、知っている人はあまりいないでしょう。けれどイギリスでの知名度は、『ハリー・ポッター』にも劣らないかもしれません。検定教科書のないイギリスの小学校での「国語」教育前にもお話ししましたが、イギリスの小学校には検定教科書がありません。クラス内でディスカッションをするために、英語の授業ではクラス全員が同じ本を読みますが、日々の宿題や音読課題には、それぞれの子供のレベルに合った本が渡されるのです。字の読み方に慣れていない子供が、少しずつ新しい単語に出会い、読むのに慣れていくようにデザインされた、オックスフォードの「リーディングツリー」シリーズ。英語を母語とする子供にとって、いわゆる「国語」の副読本として、イギリスの約80%以上の小学校で採用されています。「オックスフォードリーディングツリー」の中でさらにシリーズ分けがされており、冒頭でご紹介した3人の子供が登場するお話に加え、ドキュメンタリーや、過去の名作の書き直し版、詩や科学、歴史など、取り扱われるトピックも多彩です。ビフとチップ、そしてキッパーが出てくる物語は、だいたい4歳から6歳ぐらいまでの年齢の子供が、よく学校で手渡されて家に持って帰ってきます。我が家の下の子供は、7歳になってからビフやチップと別れて、SFのシリーズやスポーツ選手の伝記を持って帰ってくるようになりました。下の子の読書のペースは最近までゆっくりだったので、私も下の子供の宿題に付き合っているうちに、この3人の様々な冒険を何度も耳にすることになりました。日本でも購入が可能です。8つのレベル別のストーリーがまとめて紹介されているガイドブックもあります。教科書がないことの大きなメリット科目によっては教科書がないことを不便だと感じることも多いのですが、こと英語に関しては、このシステムはとてもうまく機能しているように思います。様々な家庭から、全くバラバラな能力を持って子供達が集まってくるとき、画一的に授業をするのではなく、その子供のレベルに合った本を読み進められるというのは、大きなメリットです。読むのが苦手な子には低いレベルの本が、読むのが得意な子には高いレベルの本が手渡されます。家で数回読んで満足したら先生にチェックしてもらって次に進むので、本を読むのが好きな子はどんどん先へ進んでいきます。最初は低いレベルで始まったはずなのに、次々に読み進めていき、気づいたらクラスで一番高いレベルの本を読んでいた、というような子供もいます。逆にそうでない子は、ゆっくりと自分のペースで読書を進めることになります。英語の授業内で週に2度ほど、先生やティーチングアシスタントさんが、一人一人音読と理解度をテストしてくれます。日によっては上級生が下級生のクラスに来て、リーディング・バディ(Reading buddy・読み仲間)としてペアを組み、ちゃんと読めているか確認してくれることもあります。小学校の音読の宿題、こんなに違う!日本 VS. イギリス実は上の子は、日本の小学校で出される、国語の音読の宿題がとても苦手な子供でした。読むのは上手だったのですが、毎日同じ内容を何度も声を出して読むのがとても苦痛だったようです。その後、小学3年生でイギリスに来て、様々な本が週に何冊も手渡され、どんどん音読の課題図書が変わっていった時には、あまり嫌がることもなく読み進めていくことができました。数日ごとに異なるお話に出会うことで、好奇心が刺激されたのでしょう。そういえば私も、小学1年生の国語の教科書を、手渡されたその日に読み終えてしまうような子供でした。渡されてすぐに読み終えてしまい、「半年間これで勉強するの?」と呆然としたことを覚えています。教科書による制限がある日本の学校の音読では、比較的少ない量の文章が与えられ、それを完璧に仕上げていきますね。一方、イギリスの識字教育では、一度一度は完璧でなくてもいいから、飽きない程度に、近いレベルの本がたくさん手渡され、少しずつ難易度を上げていきます。そのうちに、どんどん読めるようになっていくのです。日本では、教科書で足りない読書量を図書室が補っていました。もちろん、イギリスの小学校でも、学校の図書室や街の図書館を使って、学校の読み物に限らない読書教育も施されています。それを考えると、小学3年生の下の子供は、クラスで渡される多読教材と図書館で借りた本を合わせて、少なくとも週に3冊から4冊の本を学校から持ち帰っていることになるでしょうか。この量は、教科書が「貸し出し」されるものであるからこそ、財源的に可能なのでしょう。本は「まるまる一冊」、そして「大量に」読むもの「リーディングツリー」を使った識字教育には様々な利点があるのですが、私が最も評価しているのは、実は個別のレベルに合わせた教育ができるという点ではありません。むしろ、子供達が早い段階で本を「まるまる読むもの」「たくさん並べて読むもの」と認識できるという点を、一番高く評価しています。小学校低学年の子供でも、最初から最後まで、本をまるごと一冊通して読むのが当たり前になっているのです。また、週に何冊も読むので、大量の文章を読むことに対する抵抗感がぐんと減ります。さらに、同じトピックについて書かれた様々な本に出会う機会も多いので、「同じ物事を扱っていても本によってちょっとした違いがある」ことに気づくのも早いようです。実は以前、日本の大学で英文学を教えていた頃は、学生さんの英語力を上げるために多読教材(学習者のレベルに合わせて、単語や文法の難しさが調整されている薄い書籍)を使っていました。学校の教科書や、問題集の「切れ切れになった英語の文章」を読むことの方が圧倒的に多い日本の学生さんに、どれだけ薄っぺらくても、「最初から最後まで」「大量に」読む経験を積んで欲しかったからです。実際に多読教材を多く読んでいくにつれ、英語を読む能力は上がっていきます。並行して、授業で扱う原著も読んでいたのですから、負担でなかったはずはないのですが、それでも原書だけでなく大量の英文を読む訓練は遠回りではなかったはずです。私が日本の大学で使っていたものは英語学習者のためのグレーデッド・リーダー(Graded Reader)であり、下の子供が通うイギリスの小学校で使われている読み物はネイティブの子供達のためのものですから、内容も難しさのポイントも違いますが、基本的な考え方は同じです。少ないものを完璧にするのではなく、好奇心やワクワクするような感情が死なない程度の難しさで、数多くの文章に触れること。子供達が成長していくうちに、現実の世界で触れる英文は多岐にわたるものですから、広く雑多な文章の世界への入り口として、イギリスの小学校に「リーディングツリー」のような教材があることは、素直に羨ましいことだなあと、私は思うのです。Roderick Hunt, Oxford Reading Tree Read with Biff, Chip and Kipper: Level 11 First Chapter Books: The Strange Box (Read with Biff, Chip and Kipper. First Chapter Books. Level), (Oxford University Press, 2014)Oxford University Press|オックスフォード・リーディング・ツリー古川 昭夫, 宮下 いづみ(2007),『イギリスの小学校教科書で楽しく英語を学ぶ』, 小学館Roderick Hunt, STAGE 1+ FIRST SENTENCES PACK (Oxford Reading Tree), (Oxford University Press, 2011)
2019年03月07日こんにちは、ユキミです。3歳の息子ユキタと、息子に日々振り回されている母の日常をお送りしています。1歳3か月から今日まで、親子で週1回楽しくレッスンに通っています。習い事を始めたきっかけは本当に些細なことなのですが、「親子で一緒に楽しめるものが欲しいな~」なんて思ったことからです。リトミック、体操、幼児教室などなど、他にも色々候補はありましたが英会話の体験教室で息子が楽しそうだったのと、私もとても興味があったので英会話教室に決定!1歳から習い事なんて、ちょっと早いんじゃないの!?なんて思う方もいらっしゃるか思いますが、しり込みすることなかれ。以外にも、早くから始めていてよかった点が結構あります。まず!「親子で共通の趣味ができる」教室は母子同室コースだったので、ベビークラスからはもちろんキッズクラスに進級後も息子と一緒にレッスンを受けています。帰宅後は授業で使った教材で遊んだり、習った歌を歌ったり(主に私が(笑))家でも楽しめるのがよかったです。次に「母も小さな成功体験で日々に活力が!」週に1回英語に触れることで、今までより格段に生活に張りが出てきました。レッスンで習う英語の歌が歌えるようになると、めっちゃ嬉しいですし母の発音も誉められたりすると、ますます嬉しい…!!育児中ってどうも、達成感や成功体験が得られにくいですし仕事をしているときはそんなこともなかったのになぁ…、なんて日々失われていく活力や自信を取り戻すのに親子で楽しめる習い事はとてもいいチャンスでもあります!週1のレッスンですが、非日常が味わえるというのも楽しい点です。そして私は今、大好きなトー●スの歌を英語で歌えるように、目下自主トレーニング中です…!!こんな目標ができたのも、英語に触れるきっかけがあったならでは。そして次に「親以外に子どもの成長を共有してくれる場所がある!」もう私はこの理由が未就学児に習い事をさせる、最大の醍醐味だと思います!楽しく通っているとはいえ、息子もやる気がない日や、もうイヤイヤグダグダどうしようもない日もあります。レッスン中に床に寝ころんでしまったりなんて日も…。もう息子の悪態に穴があったら入りたいし、なんなら自分で落とし穴を作ってハマりたいくらい落ち込む日もありました…。そんな日でも先生は息子のことをキチンと見てくださっていて母のことも励ましてくれる…!!(涙)息子はイヤイヤ期が本格的に始まる前に習い事を始めたので、イヤイヤ期で一番辛い時期は毎週先生方に励まされ(母が)、イヤイヤ期ピークを乗り切りました。(母が(泣)英会話の先生たちなくしては、私はきっとここまで息子の成長を健やかに見守ることはできませんでした。両親の共々実家が遠方の我が家は、息子が父と母以外の大人と触れ合う機会がすごく少ないです。なので、息子にとっても近くに自分を見守ってくれる大人がいる、ということはすごく嬉しかったと思います。本当に感謝しかないです。これから先英会話は、息子が幼稚園や学校に行っても続けられる習い事なので、本人の意思で長く続けてくれたら嬉しいな、と母は思います。園や学校、そして自宅以外にも居場所があるって大切ですもんね。そして母は、息子が幼稚園に通いだして英会話が母子分離クラスになったら、同じ時間か息子が幼稚園へ行っている間にレッスンへ習おうかな、と思っています♪さて、ベビークラス、キッズクラスで培った私の英語力が活かせるのでしょうか!?そして…息子と私、どちらの成長が早いでしょうか!?(って、多分100%抜かれます)楽しみです♡●ライター/ユキミ
2019年03月06日「木の上に秘密基地を作りたい」多くの人にとってはぼんやりとした夢のままで終わるであろう発想を、話し合いや調べ学習を何度も繰り返し、クラウドファンディングという形で見事に叶えたのはなんと小学生の子ども達。彼らが自分達の力で夢をかなえることができた理由は、教育方法にありました。クラウドファンディングで「夢」を叶えた子ども達茨城県つくば市にある英語学童保育「Kids Creation Afterschool」は「自分で人生を切り拓く実践力のある子どもを育てること」をモットーに、子ども達に主体的に考えさせる授業を中心に真の国際人を育むための教育を行っているアフタースクールです。そんなKids Creation Afterschoolの行っている授業の一つが「探求プログラム」です。テーマを設定し、子ども達で意見を出し合って探求することによって「考える方法」や「問題解決能力」を身につけることを目標としています。ある日のテーマは「学童の庭を楽しくするには?」。話し合いの結果「木の上に秘密基地を作りたい」という夢を抱いた子どもたちは、なんと実際にクラウドファンディングで集めた資金で園庭にツリーハウスを作ってしまいます。完成したツリーハウスに登った子ども達。眩しい笑顔です!小学生の子ども達が、何度も話し合い、調べ学習を繰り返し、時に大人のアイデアや協力を求めながら自力で夢を叶えられたのはまさにKids Creation Afterschoolの教育モットーの通り「自分で道を切り拓く力」が身についていたからだと言えますね。―いったい子どもたちはどのように「道を切り拓く力」を身につけることができたのでしょうか。Kids Creation Afterschool代表の宮嶋さやか先生に詳しくお話を伺いました。「道を切り拓く力」とは?なぜ今必要?――そもそも、「道を切り拓く力」とはどのようなものなのでしょうか?なぜ今、「道を切り拓く力」が必要なのでしょうか?「AI時代の到来により、今ある職業の半分はいずれなくなると言われています。明確な答えのない不確かな時代だからこそ、『道を切り拓く力』がとても重要です。仮に自分の職業が無くなっても、絶望したり時代のせいにしたりするのではなく、新しい職業を作ってしまえばいい。そのように自分の手で困難な状況を打破するのが『道を切り拓く力』です。『道を切り拓く力』を持つ前提として、自分がどう生きたいのかを知っている必要があります。幼児期からたくさんの経験をし、他者とだけでなく自分とも対話を重ねてきた人は、自分の強みと弱み、好きなことと嫌いなことがよく分かっているため、自分の歩むべき方向もよく見えています。その道を歩むうえで障害物があった時には、登るのか、壊すのか、迂回するのか、空を飛んでゴールに近道するのか、あらゆる方法を考え、実践します。上手くいかなくても絶望せず、考え得ることを実践し続ければ必ず状況は好転します。これが『道を切り拓く力』なのです」夢を叶えた子ども達を育てた極意とは――『道を切り拓く力』を鍛えるには『発想力』と『考える力』そして『問題解決能力』を身につける必要があると思います。幼少期に具体的に何をすればこれらの力が育つのでしょうか。「まず『発想力』は自由な発想が認められる場でないと育ちません。例えば絵を描くことで言うと、髪の毛は黒、唇は赤、と指導するような教育環境では子ども達の発想力はどんどん失われていってしまいますよね。でも、”何色に塗るべきか”ではなく、”何色に塗りたいのか”を尊重すれば、子ども達はのびのびと自由に創造していきます。例えば、髪を緑色に塗っても、虹色に塗っても認められ、褒められる環境にいると、他人と違うことを恐れる気持ちがなくなります。そして『お友達と自分が違う』ということが当たり前になっていきます。そして、自身が自由な発想で表現することに加え、自分とは違う友人の発想にも毎日触れていく中で意識せずとも自然と発想力が育っていくのです。『考える力』を培うためには、日頃から子ども達にたくさんの問いかけをすることが大切です。2~3歳の幼児の場合、例えば「靴を自分で履けない」と訴えてきたらすぐには手伝わずに、「どうしたら履けるだろうね」と問いかけをします。すると子どもはどうしたら靴を履けるのか「考える時間」を持つことができます。もう少し大きくなると、「なんで水は氷になるの?」「この虫は何を食べるの?」「赤ちゃんはどうしてご飯を食べないの?」と子どもから質問されることが増えてくると思います。そんな時は「あなたはどう思う?」と問い返すことで子ども自身が「考える時間」を作ることができます。もちろん答えが間違えていても叱ったりはしません。時間があれば、図鑑やインターネットを使って一緒に調べてもいいですね。子どもから質問がなくてもこちらからさりげなく問いを投げかけるのも面白いです。「夕焼けがきれいだね。夕方になるとどうして空はオレンジになるんだろうね」などという日常の中での会話が、考える習慣をつくり、子どもの考える力を鍛えます。日常は考える力を育む機会の宝庫です。特別な訓練もワークブックも必要ないんです。何度も話し合いながら、協力してポスターを作る子ども達です。『問題解決能力』は経験でしか得られないものです。そのためには子ども達を信じてある程度のリスクをとらせることも必要です。当校の子ども達は木登りをしたり、山からジャンプしたりと非常に活発に遊ぶため、当然ケガのリスクを伴います。ですが、禁止事項を設けなくても不思議と大けがをする子はいません。子ども達が自分で考え、リスク回避をしているからです。考えながら遊び、たくさんの経験をする中で、子ども達は自然に問題解決することを学んでいます。ここで、お友達とコミュニケーションを取ることも重要な要素になってきます。一人ではなく、仲間と協力したほうが上手くいく場合も多くありますし、友達と話し合い協力することで、自分一人ではできなかった解決法が可能になることも、遊びの中で学ぶことができます。問題解決の方法は一つではありませんので、大人が望む答えとは違う選択をする場合もあります。その場合には「それも一つの方法だ」と尊重した上で、大人の考えを伝えることも良いでしょう。焦らなくても、挑戦できる環境、選択できる環境をつくっていけば、問題解決能力は必ず育つものなんです」子ども達の将来はどうあるべき?――「道を切り拓く力」を身につけた子どもたちは、将来どのような活躍ができると思われますか?「子ども達の将来は、十人十色で良いと思っています。自分が生きたいように生きることができれば、それが一番幸せなことです。一般的に世の中の人がいう「活躍」の定義に当てはまらない自己流の生き方をする子もいるかもしれません。それでも、それはそれで素晴らしいということを前提にしてお話しますね。私は『道を切り拓く力』を身につけた子ども達は、大きく言えば、世界を平和にするような大きな働きができる人になるのではないかと思っています。『大きな山は一気に登ることはできなくても、一歩一歩、歩みを進めることで登りきることができる』ということを経験している人は、小さな一つ一つの問題解決の積み重ねの先に何が待っているのかをイメージすることができます。途方もないことのように思える日々の繰り返しにも、明るい希望を持つことができるのです。これは机上では学べない大切なことです。道を切り拓く力を身につけた子ども達は、世の中の多くの課題を好転させていけると思います。活躍の場は、日本を超え、世界を超え、きっと宇宙にまで広がっていくはずです」***「ツリーハウスを作りたい」という大きな夢を自分達の力で叶えることのできた子ども達にとって、今回の成功体験は糧と自信に繋がったことと思います。道を切り拓く力を身につけた子ども達はきっとこれからも希望を見出しながら人生を歩んでいけるはずですね。【プロフィール】宮嶋さやか(みやじま・さやか)茨城県ひたちなか市出身。 茨城県立医療大学看護学科卒。小児科看護師として勤務した後、自分の子どもを通わせたい保育環境が見つからなかったため、看護師を退職し、2007年につくば市でプリスクール Kids Creation TSUKUBAを開講。0歳から小6を対象に、「人生を切り拓く、しなやかで折れない心を育てる」ことをモットーに、独自の教育を行っている。【Kids Creation Afterschool】〒305-0003茨城県つくば市桜1-18-1029-869-5830日本の子ども達を対象にした英語で学ぶアフタースクール・学童保育。英語を第二言語として学ぶ子ども達のためにデザインされた指導カリキュラムに、日本語で学ぶ「探求プログラム」を組み合わせることでグローバル時代に必要とされる真の国際人へと育てる教育を行っている。
2019年02月24日「秘密基地を作りたい」、「ツリーハウスで遊んでみたい」多くの人が、幼い頃に一度は思い描く夢ではないでしょうか。筆者も幼少期にツリーハウスの出てくる小説を読み、未だ見たことのないツリーハウスを想像して「いつかツリーハウスで遊んでみたいなあ」とぼんやり夢見ていた記憶があります。そんな憧れのままで終わりかねない夢を「クラウドファンディング」という形で叶えたのは、小学生の子ども達でした。「自分の力で道を切り拓く」子ども達の挑戦グローバル化が進み、人工知能時代にも突入している昨今、私たちの身の回りは絶え間なく変化し続けています。英語ができることはもはや必須条件。勉強ができても、発想力の弱い人は淘汰されかねない。そんな激動の時代を生き抜くために大切なことこそ「自分の力で道を切り拓く力を身につける」ことではないでしょうか。茨城県つくば市の英語学童保育「Kids Creation Afterschool」は日本の子ども達を対象にした、英語で学ぶアフタースクールです。「自分で人生を切り拓く実践力のある子どもを育てること」をモットーに、子ども達に主体的に考えさせる授業を中心に、真の国際人をはぐくむための教育を行っています。今回は、そんなKids Creation Afterschoolで行われる「探求プログラム」という授業を通して生まれた、子ども達の「挑戦」に迫りました。子ども達の作ったツリーハウスのポスターです。「考える力」を身につける授業から発生した夢探求プログラムの様子。真剣な眼差しで取り組んでいます。Kids Creation Afterschoolでは毎回一つのテーマを設定し、子ども達で意見を出し合って探求することによって「考える方法」や「問題解決能力」を身につけることを目標としている「探求プログラム」という授業を行っています。今回の探求プログラムの議題は「学童の庭をもっと楽しくするには?」。「秘密基地があったらおもしろいんじゃない?」「でも、園庭に秘密基地なんか作ったら遊び場が狭くなっちゃうよ」まだまだ、話し合いと調べ学習は続きます。みんなとっても楽しそう!そんな話し合いと、本やインターネットを使った調べ学習の末に、子ども達はツリーハウスを作ることを思いつきます。しかし、子どもだけの話し合いではどうしてもツリーハウスの作り方や資金の集め方が分からず、先生に相談することに。そこで「クラウドファンディング」というシステムの仕組みを教わり、「仲間が増えれば夢が叶うかもしれない」と世界に向けて自分達の夢を発信することを決意しました。子ども達の挑戦の始まりです!クラウドファンディング開始そして「夢」が「現実」にCAMPFIRE × Tsukuba 主催のイベント「クラウドファンディングで最高の仲間をみつけよう」にて、子ども達が壇上に上がってプレゼンをしました。沢山の人の前で緊張しながらも頑張りました!緊張しながらも懸命に思いを伝えた甲斐あり、公開直後から少しずつ支援者が増えていきます。しかし、目標には簡単には届きません。もっとたくさんの人に活動を知ってもらうにはどうしたら良いか、子ども達で調べ学習や話し合いをした結果、マスメディアに情報を伝えてもらうための文書である「プレスリリース」という言葉を発見。マスメディアに向けて自分達の夢を伝えるべく、みんなで悩み、真剣に話し合いながらプレスリリースも作成しました。その他にも、ポスターを作って貼り出したり、チラシを配ったり、自分達で活動報告を更新したりと努力を重ねた結果、ついに目標金額に達成!みんな飛び跳ねて大喜びです。その後も話し合いを続け、「ハンモックを下げたい!」「ブランコを作りたい!」と新たなネクストゴールを設定します。新たな目標金額にも着々と到達していきましたが、そんなさなかの9月6日、北海道胆振東部地震が発生。緊急のこども会議を開き、先生から被災地の現状について説明を受けながら真剣に考え、話し合いました。その結果、元々は先生側から提案するつもりでしたが、子ども達自身が「今度は自分達が北海道の人たちの仲間になって助けたい」と支援金の寄付を即決。9月8日以降に集まった支援金は全額義援金として寄付するという決断をしました。仲間と力を合わせれば大きな力になり得ることを体感した子ども達だからこそ生まれた決断ですね。クラウドファンディングが終了!最終的な支援者数はなんと197名。目標の1,300,000円に対し、総額2,035,900円の支援金が集まり、そのうちの9月8日以降に集まった279000円を被災地に送金しました。満を持してツリーハウス建築工事の始まりです。ツリーハウス建設のリターンイベントに応募してくれた支援者や保護者と共に、プロの丁寧な指導を受けながらみんなで少しずつ建築作業を勧めます。初めての経験に子ども達も真剣な眼差しに。大人も子供も、それぞれのできることを役割分担しながら力を合わせて汗を流しました。そして、ようやく念願のツリーハウスが完成!オープニングパーティーを開催し、クラウドファンディングの参加者の方々と共にツリーハウスの完成をお祝いしました。可愛いツリーハウスに子ども達も大はしゃぎ。理想のツリーハウスを完成させることができました。みんな眩しい笑顔です!「学童の庭を楽しくするには」というテーマで話し合いを始めてから7カ月。ついに子ども達は「園庭にツリーハウスを作る」という大きな目標を自分達の力で達成することができました。このクラウドファンディングを通して、子ども達は新しい資金調達の方法だけでなく、想いの伝え方、あきらめないこと、仲間の大切さなど、様々なことを学びました。この経験はきっと大きな自信になり、心の糧になったことでしょうね。***自分達の力でクラウドファンディングを大成功させた子ども達。自力で考え、実行し、夢を叶えた彼らの「道を切り拓く力」はどのように身につけられたのでしょうか。次回の記事では、Kids Creation代表宮嶋さやか先生に子ども達の「道を切り拓く力」について詳しくお伺いします。【Kids Creation Afterschool】〒305-0003茨城県つくば市桜1-18-1029-869-5830日本の子ども達を対象にした英語で学ぶアフタースクール・学童保育。英語を第二言語として学ぶ子ども達のためにデザインされた指導カリキュラムに、日本語で学ぶ「探求プログラム」を組み合わせることでグローバル時代に必要とされる真の国際人へと育てる教育を行っている。
2019年02月23日イギリスの小学校は4歳から始まります。4歳から1年生になるのではなくて、「レセプションクラス」(Reception class、入学準備学級)に入るのです。4歳ではまだ日本のような入学式で静かにしていることなどとても無理ですから、登校初日は先生と顔合わせをして校長先生とご挨拶をし、学校に慣れるための日、といった位置付けのようです。もっとも、日本のような、みんなが座って長い時間お話を聞く形の入学式は、イギリスでは一般的ではありません。ケンブリッジ大学に入学した時も、所属カレッジの「入学式典」は、一人でカレッジ長の部屋を訪れ、今までの全ての学生がサインをしてきた大きな本のページに自分の名前を書き加え、カレッジ長と握手をする、というものだったように記憶しています。とにかく、自分の所属する学校の先生たち、そして校長先生とちゃんとお話をするのが大切、といったスタンスのようで、一方的に先生のお話を聞いているだけではないというのが、違いを感じて面白いところです。さて、生まれて初めて制服を着て、小学校に行った下の子は、とても興奮して帰って来ました。教育目的のおもちゃがいっぱいあり、たくさんの同い年の子供がいる環境がとても刺激的だったのでしょう。校長先生と一対一で言葉を交わしたのも嬉しかったようで、たくさんお話をしてくれましたが、彼が大興奮していた理由はもう一つありました。なんと!「クラスのぬいぐるみ」を一番最初に手渡されたのです!毎週ぬいぐるみがクラスメイトの家を旅して回る!?クラスのぬいぐるみ(Class teddy)とは、特に小学校低学年のクラスで、学期の最初に先生たちが用意してくれるぬいぐるみです。そのぬいぐるみは一年間、毎週クラスのお友達の家を旅して回ることになります。ぬいぐるみと一緒についてくるのが「クラスぬいぐるみ日記」。ぬいぐるみが子供達と一緒にどんなことをしたのか、文章を書いて写真を貼ります。下の子供の学年の先生が選んだのは、ジュディス・カーの古典的な名作『おちゃのじかんにきたとら』のトラのぬいぐるみでした。『おちゃのじかんにきたとら』(The Tiger Who Came to Tea)は 1968年に出版されて以来50年以上、イギリスの子供達に愛されてきた名作です。日本語にも訳されていて、長く親しまれてきました。ある日、ソフィーという小さな女の子がお母さんとお茶を飲んでいると、玄関のベルがなって、トラがやってきます。そしてトラは、お茶菓子だけでなく、家にあるものを全部食べてしまうのです。本当だったら困った話のはずなのに、ソフィーはいろいろなものをパクパク食べていくトラを、なんだか嬉しそうに見つめています。そんな主人公の表情や絵柄もとても可愛らしい作品です。食べるものがなくなっちゃった!と説明するママとソフィーに、パパが出す解決策もまた素敵なのです。英語版の読み聞かせ動画も多くあります。『おちゃのじかんにきたとら』は、上の子供が3歳くらいの時に、イギリスの祖父母から日本に送られてきたため、我が家にも一冊ありました。何度も読み聞かせようとしたのですが、入学するまでは下の子供は全然興味を示していませんでした。ところが、ぬいぐるみがやってきた途端、本棚から引っ張り出してきて「よんで!」とリクエスト。一緒に本を読んで、それから「トラの週末」にどんなことをするべきなのか話し合うことになりました。絵本はトラが色々なものを食べてしまうお話ですから、お寿司やサラダを作ってぬいぐるみと一緒に食べている写真を撮り、公園で一緒に遊んでいる写真を撮りました。まだ字は書けなかった時期ですから、私が写真を貼り付けて、日記を書いている間じゅう、隣でそわそわ「これ書いて!」「あれ書いて!」とリクエストを繰り出していました。後で一人でトラのぬいぐるみと遊んでいるところをこっそり覗いてみたら、「ぱくぱく」と、トラが色々なものを食べていました。どうやらお話の内容もちゃんとわかっていたようです。「クラスのぬいぐるみ」の効果とメリット4歳という年齢は、小学校に上がるには早く、入学準備学級は半分日本でいう保育園のような空気を残したまま、小学校での生活に慣れていくための1年間になります。けれど、そうした早期教育はとても大切なものだと考えられています。たとえば、移民の家庭からきて、英語の本があまり家庭にないような場合、まだまだ挽回が容易な4歳から、必ず学校で英語の読み聞かせに出会うわけです。家庭というのはそれぞれ違うものですから、4歳時点では子供の英語力も知識量もみなバラバラです。そんな中、先生たちは、子供達が勉強は楽しいものだと思えるように、色々と考えてカリキュラムを組みます。まだ字が読めない、書けない子供も多い4歳児のクラスで、絵本のぬいぐるみがクラスメイトの間を旅することには、幾つものメリットがあります。実は親の間では「あー!ぬいぐるみが来ちゃった!いったい今週末は何をしよう!」と悲鳴が上がることもあるのですが、それでもクラスのぬいぐるみがやってくると、子供達は大喜びです。ぬいぐるみの元になる絵本を読んでもらったり、お話の内容を考えて週末の計画を立てたり。お母さんやお父さんが文章を書いているのをそわそわ覗き込みながら「字が書けるっていいな」と思ったりもします。もっと年齢が高い子供達だと、今度は子供達自身が文章を書くので、クラス全体の交換日記のようになります。我が家はトップバッターだったので、残念ながら私は他の家庭の日記を読むことができなかったのですが、学期が進んでからぬいぐるみをもらった家庭では、トラがいったい他の家庭ではどんな冒険をしたのか、今までの軌跡をたどるための読み聞かせも発生していたようです。入学して数ヶ月くらいした頃には、下の子はクラスメイトのお母さんやお父さんに「○○くん、トラの日記読んだよ!お寿司美味しそうだったね!」と話しかけられていましたから、そんな効果もあったようです。お話の主人公のおもちゃは、絵本への興味を高めてくれるクラスのぬいぐるみがやってくるまであまり意識していなかったのですが、自分のための絵本が一冊一冊、目の前で増えていった上の子と比べ、気づいた時にはすでにたくさんの本が周りにあった下の子は、あまり絵本に興味を示さない子供でした。もちろん、読み聞かせは同じように行っていましたし、上の子が本を読む様子も目にしていたのですが、上の子の時と違い、本を欲しがったり、自分から「読んで」とリクエストしたりすることが、少なかったように思います。けれど以前、イギリスでこよなく愛されている絵本としてご紹介した『グラファロ』だけは別格で、何度もリクエストをされました。さすがベストセラーだな、と思っていたのですが、考えてみると、下の子が『グラファロ』の絵本に積極的に反応し始めたのは、3歳ぐらいの頃、おもちゃ屋さんで、グラファロのモチーフのついたお皿やスプーン、ぬいぐるみなどを目にしてからのことでした。たくさん本が周囲にありすぎて、どれに興味を持っていいのかわからない状態になっていたのかもしれません。街角で見かけたぬいぐるみに何かのセンサーが反応したのでしょう。グラファロも、はらぺこあおむしも、ピーターラビットも、古典的に愛されている絵本のキャラクターには、ぬいぐるみやおもちゃになっているものが数多くあります。おもちゃへの興味と、絵本への興味がうまく噛み合った時、子供の文字への欲求がぐっと高まるのだ、ということを、クラスのぬいぐるみは教えてくれます。本のキャラクターのぬいぐるみは、読書と無関係なおもちゃではないのです。(参考)ジュディス・カー, 晴海 耕平 訳(1994),『おちゃのじかんにきたとら』,童話館出版.Judith Kerr, The Tiger Who Came to Tea, (HarperCollins, 2006)Official Gruffalo Shop|Gruffalo Sitting PlushDonaldson Julia, The Gruffalo, (Macmillan, 1999)ジュリア・ドナルドソン, 久山太市 訳(2001),『もりでいちばんつよいのは?』,評論社.Amazon|The Tiger Who Came to Tea Plush
2019年02月21日親にとって、子どもの習い事に関することは大きな悩みごとの一つ。春の新学期に向けて、子どもに新たな習い事をさせたいと思っている方は少なくないでしょう。子どもが興味を持つことをさせるべきか、将来役立つことをさせるべきか、スケジュール調整はできるのかなど、悩ましいポイントはたくさんあります。今回は子どもの習い事についての親の意識や悩みについてリサーチしてみました。■ 理系の習い事に興味を持っている親は多い進学塾の栄光ゼミナールでは、2018年6月6日~6月20日に小学1~6年生の子どもを持つ保護者467人を対象に小学生の習い事に関するアンケート調査を実施。今回は、その調査結果をもとに、子どもの習い事についての親の意識を見てみましょう。調査ではまず、水泳、英語・英会話、ピアノ、体操、サッカー、そろばん、ダンス、空手・剣道などの武道、バレエ、書道、理科実験、プログラミング、塾以外の学習系教室の13の習い事のうち、小学生の半数以上が経験しているものを調べました。すると、「水泳」(83.2%)、「英語・英会話」(60.8%)、「ピアノ」(53.7%)が上位3位という結果に。akiko / PIXTA(ピクスタ)また、習ったことはないが「機会があればやってみたい(やってみたかった)」習い事で多かったものは、「プログラミング」(59.8%)、「理科実験」(57.0%)、「書道」(54.0%)でした。ocsa / PIXTA(ピクスタ)水泳、英語、ピアノは、今ではお馴染みとなっている“三大習い事”といえますね。また、プログラミングや理科実験など、理系の習い事に興味がある人が多いことがわかります。■ 習い事を選ぶ時に親が最も重視することは?小学生の間に習った(習っている)習い事を選ぶ際に重視したことについては、81.8%が「子どもがやりたがっているかどうか」と回答し、最も多い結果に。よっしー / PIXTA(ピクスタ)また、「子どもの将来に役立ちそうかどうか」「曜日や時間帯の都合が合う」も、それぞれ過半数以上の回答が得られました。さらに、子どもが小学生の間で一番長く続いている(続いていた)習い事について、その理由を聞いたところ、「子どもが続けたいという気持ちがあるから」と回答した保護者が最も多く、66.3%でした。新しく始めるにせよ、長く続けるにせよ、子ども本人の気持ちを最優先している保護者が多いことがわかります。■ 家庭内で方針やルールを決めることが大事最後に、習い事についての方針や悩みを聞いてみました。習い事を選ぶ際には「種類が多様化していて、どれも魅力的に感じてしまう」「苦手の向上をはかるか、得意を伸ばして苦手をカバーするか悩みます」といった理由から、何を選んだらいいのかわからない保護者は少なくないようです。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)一方で、「自分で『やりたい!』と思う気持ちが芽生えてからでも遅くないと思う。好きこそものの上手なれだと思う」「運動系で一つ、学習系で一つ、本人希望で一つというのを方針としています。増えすぎないように、新しいことをやる場合は、 どれかやめます」といった回答も。ocsa / PIXTA(ピクスタ)周りが始めていたりたくさんの情報を耳にしたりすることで、悩みがちな習い事ですが、それぞれの家庭でしっかりと方針を決めることが重要だとわかります。習い事を続けたり辞めたりする上での悩みについては、「継続させるための親のフォローが大変」「運動系の習い事は辞め時が難しく、親子で揉めました」といった回答が得られました。Anjie / PIXTA(ピクスタ)また、「習い事と中学受験の勉強を両立するのが難しい」という声も。Ushico / PIXTA(ピクスタ)習い事を継続して頑張ることは、貴重な社会経験となるだけでなく、勉強にも生かせます。また、子どもの習い事は親にとって、金銭面以外の負担になることもありますが、家庭内で方針やルールを決めたり話し合いで乗り越えたりすることによって、子どもの成長だけでなく、親子のコミュニケーションや愛情表現にもなるでしょう。子どもの習い事に悩んでいる方は、ぜひ今回の調査結果を参考にしてみてください。【参考】※栄光ゼミナール小学生の習い事に関する実態調査
2019年02月20日幅広い世代に人気のムーミン日本でもおなじみのムーミン。フィンランドの首都ヘルシンキ生まれの作家、トーベ・ヤンソンによって描かれた小説シリーズで、最初の出版は1945年、第二次世界大戦が終わったその年のことでした。その後、ヤンソンによって挿絵が描かれた絵本版が出版され、瞬く間に世界の子どもたちの人気ものに。日本でも1969年に世界に先駆けてアニメシリーズが放送。1972年、そして90年にも日本で制作・放送されました。現在では日本各地にムーミンカフェがあり、また、ムーミングッズが買えるお店もたくさんあります。そして今年3月には埼玉県に「ムーミンバレーパーク」がオープンするとあって、その人気はますます高まっているといえるでしょう。ヘルシンキでのワールドプレミアにて、製作者全員が登壇。ムーミンバレーの新作お披露目はフィンランドはもちろん、英国でも大きなニュースになったムーミンの故郷フィンランドでは、今もテレビでのアニメシリーズが放送されていることもありムーミン人気は絶大です。日本で『アンパンマン』や『ドラえもん』を知らない人がいないように、フィンランドではどの世代の人にとってもムーミンが子どものころの思い出のアニメなのです。新作の登場に伴い、ワールドプレミアイベント開催そんなムーミンファンに朗報です。2019年、長らく愛されてきたムーミンのアニメシリーズが一新され、新シリーズがお目見えします。フィンランドと英国の制作会社の合同制作で、絵柄も変わり3Dのアニメーションとして生まれ変わる新シリーズ。そのお披露目となるワールドプレミアイベントが1月25日にヘルシンキで開催され、筆者も取材に!世界中のメディアが取材に殺到しました。なにしろ新作ムーミンテレビシリーズの初披露の場であったこともあり、招待客の中にはフィンランドの前首相夫妻の姿も。ムーミンが今も国民的スーパースターであることがうかがえます。声優陣も、フィンランド語版、スウェーデン語版、そして英語版とそれぞれ違い、各国でも有名な俳優さんばかり。特に英語版ではムーミンママの役にロザムンド・パイク、ムーミン役にトロン・エジャトンといった超有名俳優を起用するなど、かなりのプロジェクトであることがよくわかります。そしてこのテレビシリーズ、近く日本でも放送予定とのこと!いつから、どの局で?というのは日本サイドの正式発表が待たれるばかりですが、次世代の子どもたちに、新エピソードを見せてあげられる日が来ると思うとウキウキが止まりませんね!ムーミンに会いに、ヘルシンキ&タンペレを散策!さて、ワールドプレミアのためフィンランドまでやってきた筆者。せっかくなので、ムーミンハントをしてきました!まずはヘルシンキ市内の美術館「HAM」こと「Helsinki Art Museum(ヘルシンキ美術館)」へ。ここにはトーベ・ヤンソンがヘルシンキ市内の公共の建物に遺した壁画などが展示されていて、都会と田舎のパーティー風景を描いた作品にはよ~く見ると、小さなムーミンが描きこまれています。じっくり探してみましょう。ヤンソンが小児病院に遺した作品のレプリカ。子どもたちが病院にいることを忘れ、楽しく検査などに向かうことができるように、との配慮がなされていたそう次に向かったのは、ヘルシンキから車で北へ約2時間の街、タンペレ。ここには世界でただひとつのムーミン博物館があります。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンが原画を寄贈した唯一の美術館で、館内には原画はもちろん、立体作品や初版の絵本の大きな模型などがあり、ムーミン谷の世界が再現されています。日本語の解説もありかなり見ごたえがあり、じっくりひとつひとつ観てまわれば半日以上かかることは請け合い。それぞれの立体作品にはそのシーンの朗読がついていますが、スウェーデン語の朗読はトーベ・ヤンソンご本人の肉声です。言葉はわからなくとも、作品に込められた想いは十分伝わってきますので、ぜひ聞いてみてください。世界でたったひとつのムーミン美術館。原画を数多く収蔵しているだけでなく、インタラクティブな楽しみ方もできるとあって、大変な人気がある※撮影許可を得て撮影しています。一般には館内はすべて撮影禁止ですムーミンの世界はまだまだ続くこのタンペレの美術館は、音楽ホールなども併設した複合施設です。中にはムーミングッズを豊富に取りそろえたお土産ショップもありますが、ぜひトライしてほしいのは、併設のカフェ「TUHTO」。ここではムーミンをテーマにしたセットメニューをいただくことができます。コンセプトは、“ムーミンママが作りそうな料理”。タンペレ付近の地産の食材を用いた3コースで、スープ、メイン、デザートの構成。かなりお腹がいっぱいになります。フィンランド産のサーモンやビーフ、ワイルドマッシュルームなどを堪能できますが、気分がアガるのはなんといってもデザートのパンケーキでしょう!鉄板にのせられたそのプレゼンテーションがかわいらしく、まさしく“インスタ映え”の一品です。ムーミンキャラクターのクッキーカッターがついてきますが、これはお土産に持ち帰ることができます。イチゴジャムとホイップクリームもついて、これだけでもいただきたいくらい。スープ、パン、ステーキのセットで39ユーロムーミン散歩のあと、街のスーパーマーケットでムーミンの絵がついた商品を眺めていたら、通りすがりの買い物客が「知ってる?ムーミンのアニメが新しくなったのよ。息子が楽しみにしちゃってね」と話しかけてくれました。アニメ放送が始まるまで待ちきれないのはフィンランド人も同じ。子どもと一緒に楽しみたいものです。取材協力:(写真はすべて©岩佐史絵 © Moomin Characters™)
2019年02月08日下の子が1歳に届くかどうか、という時期に、心不全を起こしました。まだ小さな子供の体に2度の心臓の手術が行われ、集中治療室に2ヶ月ほど入ることになりました。命の保証はできないと、お医者さんが難しい顔をするようなコンディションで、私と夫は交代で電車を乗り継いで、1時間以上かかる病院へほぼ毎日通うことになりました。下の子供のことも心配でしたが、ちょうどその頃小学校2年生になるかならないかの年齢だった上の子供のことも、心配でたまりませんでした。集中治療室に入れるのは、親と祖父母だけ。たとえ兄弟であっても、就学年齢にあたる上の子供は入ることができません。学校で病気をもらっていたりしたら、集中治療室の他の子供達の命が危ないからです。ある日突然弟が入院したかと思ったら、一度も顔を見ることができず、生死が危ぶまれる。7歳の子供には理解をすることも難しいですし、とても「怖い」経験でもありました。本当だったら生や死については、もっと年齢が行ってから、ゆっくりと話し合おうと考えていました。けれど、そんなことができないくらいのスピードで、下の子の病状は悪化していきます。弟が死ぬかもしれないということ、死ぬとはどういうことなのか、話をしないわけにはいきませんでした。親が毎日帰りが遅くなるのも、子供にとっては辛いことでした。どんなに頑張っても、家庭の空気は緊張してしまいます。そんな時にイギリスの家族のもとから届いたのがパトリス・カーストのThe Invisible String、『目に見えない糸』(本邦未訳)です。そばにいなくても、遠く離れていても、愛情が伝わる糸が人の間にはあるのよ、と絵本の中でお母さんは子供たちに言い聞かせます。もしも、死んでしまったとしても。派手に売れているわけではありませんが、長い間、苦しむ子供たちを支えてきた、隠れたベストセラーなのだと知ったのは、幸い下の子供が健康を取り戻した後のことでした。著者パトリス・カーストは、学校へ行くことを怖がっていた息子のために、この本を書いたといいます。親と離れるのが怖い小さな子供の不安を、やさしくほぐしていくこの本は、結果的に入学だけでなく、引っ越しや親の離婚、死別など、子供が出会うかもしれない多くの「別れ」の不安と悲しみを和らげてくれる本として、多くの子供たちを癒してきました。昨年の冬に、新装版が出版されました。今まではハードカバーだけだったのですが、新装版にはペーパーバックもあり、手に取りやすくなりました。大きなハート型のピンク色の風船と、そこから届く糸が印象的な表紙です。子供を取り巻く世界と「危機」正常な状態であれば、大人は子供を守ろうとします。けれど、大人がどれだけ手を尽くしても、子供が「子供の手に余るような難しいこと」と直面することはしばしばあることです。離婚、引っ越し、いじめ、死別。親としては、本当はあまりにも小さい時期に、子供にそんな思いをさせたくはありません。けれど、不幸にして、子供にとって理解が難しいような困難に直面してしまうことも、残念ながらあるのです。大人にとっても向き合うのが難しい、こういった感情を子供たちが乗り越えていくための手助けになるような本があります。先日『みんな違って、みんないい。違いを恐れない子に育てるための「多様性」を学べる絵本』でご紹介した『いろいろいろんなかぞくのほん』では、本当にさりげなく、幸せでない家族もいるんですよ、というメッセージが入っています。同じ著者が書いたThe Great Big Book of Feelings (『いろいろいろんなきもちのほん』本邦未訳)もまた、様々な感情について、子供たちにサポートを与えてくれます。怒りや、嫉妬はどんな感情なのか。気持ちを持て余した時にはどうすればいいのか。たとえば図書館の閉鎖への抗議運動のように「良い怒り」もあるんですよ、と説明した後で、手短に「怒りで人を傷つけないためにはどうすればいいのか」が載っています。非常に初歩的な、感情のコントロールの手ほどきになっているとも言えるでしょう。親の別離を経験した子供の心に寄り添う絵本離婚率の高いイギリスでは、親の離婚、別離にまつわる絵本も豊富です。日本でも現在、1000組の結婚で、約5組が離婚するということがわかっています。1960年代には1000組に2組程度でしたから、2倍以上です。イギリスでも日本でも、親の離婚や離別は、子供にとって珍しいことではなくなってきているのかもしれません。もちろん、離婚が一概に子供にとって悪いことだとは言えません。イギリスでは、親の離婚や別離を経験した子供達の実に82%が、「親は自分のために一緒にいるよりも離婚してよかった」と考えているという調査結果もあります。それでも、親の別離は、子供にとって大きな変化をもたらします。親が別れた場合、両親が共同親権を持って、2つの家を行ったり来たりしながら育つことが多いですから、子供にとっては今までの生活がぐらりと変わることになります。こうした子供達の心に寄り添うための本が必要ですし、それなりの数出てきています。Mum and Dad Glueという絵本をご紹介しましょう。主人公の少年は、両親の別離を受け止められずに、接着剤を探しにいきます。ママとパパの関係を直したい!別れて欲しくない。一生懸命接着剤を探す少年に、接着剤やさんのご主人は声をかけます。パパとママは一緒ではなくなるかもしれないけれど、パパとママのあなたに対する愛情は壊れないのよ。ずっとずっと。独特な絵柄が可愛らしいだけでなく、お父さんとお母さんが別れることで世界が全部壊れてしまっているように見える子供の気持ちをよく表しています。離婚した親の子供がよく抱きがちな「自分が悪い子だったから、お父さんとお母さんは別れちゃったんじゃないか」という気持ちにも触れています。比較的平易な英語で書かれているので、英詩のリズムも楽しめます。英語読み聞かせ動画はこちら。テレビで放送されたのではないでしょうか。読み聞かせの時に「この子のせいなの?」「もちろん違うわ」といったような会話も入ります。イギリスの国民的絵本作家×谷川俊太郎さん訳の名作以前『もっとも “英語らしい音” は絵本の中に。読み聞かせで味わう英語の「リズム」と「イントネーション」』にて、イギリスの子供たちに愛されている絵本We’re Going on a Bear Hunt『きょうはみんなでくまがりだ』をご紹介しました。その作者であるマイケル・ローゼンによる、Sad Book『悲しい本』という作品があります。著者本人の息子、エディーが18歳で亡くなった後の悲しみを切々と綴った本です。子供向けに売られてはいますが、ローゼン本人は「すべての人のための本」だと言っています。にっこり笑っている絵に「こうしている時も悲しい」と説明がついていたり、と悲しみを持て余してしまう苦しさを淡々と描いていきます。児童書作家のローゼンが子供たちと自分の息子の死について話した後に生まれた本で、英語版は5歳から7歳向けとなっていますが、題材が重いものですから、子供によっては辛いと感じるかもしれません。お子さんに与えるのであれば、一度確認したほうがいいと思います。とはいえ、非常に優れた絵本です。日本語訳は詩人の谷川俊太郎さんが手がけています。みんなと同じことができなかったとしても最後にもう一冊、水が苦手なワニの子供が主人公である、The Crocodile Who Didn’t Like Waterをご紹介しましょう。みんなと同じことができないワニの子は、心配したり悲しんだりしますが……。『みにくいあひるの子』の現代版と言ってもいいようなこの本。みんなができることができない、というしょんぼりとした気持ちを勇気付けてくれます。わくわくドキドキするような物語も素敵ですし、ハッピーエンドの物語もとても素晴らしいものです。頑張って、自分だけできなかったことが、できるようになった、という物語も素敵ですね。けれど、どんなに頑張ってもどうしても苦手なものがある時には、この本がそっと子供を支えてくれることでしょう。「みんなと一緒」ではない子供の個性が肯定される物語が必要な子供も、クラスに何人かはいるはずです。悲しいのにうまくSOSを出せなかったり、辛いのに笑ってしまったり。大人と同じように子供の世界も、波風から守られているわけではありません。今は必要ないかもしれません。けれど、もしも何かが起きた時、実は子供を助ける本も数多く書かれています。そばにある辛さとむきあっていけるように。子供の手助けをする本は、すぐそばにあるかもしれません。(参考)Patrice Karst, The Invisible String, (Devorss & Co, 2000)メアリ ホフマン 著, 杉本 詠美 訳(2018),『いろいろいろんなかぞくのほん』,少年写真新聞社.Mary Hoffman, The Great Big Book of Feelings, (Frances Lincoln Children’s Bks, 2017)Kes Gray, Mum and Dad Glue, (Hodder Children’s Books, 2010)Michael Rosen, Sad Book, (Candlewick, 2008)マイケル・ローゼン 著, 谷川 俊太郎 訳(2004),『悲しい本』,あかね書房 .Gemma Merino, The Crocodile Who Didn’t Like Water, (Macmillan Children’s Books, 2013)May Bulman, “Divorce rate for heterosexual couples hits 45-year low, figures show”, Indipendent 26 September 2018.,厚生労働省、平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況、平成30年9月7日、Owen Bowcott, TChildren of divorce: 82% rather parents separate than ‘stay for the kids’, Guardian, 22 Nov., 2015.国立社会保障・人口問題研究所「表6-11 性,年齢(5歳階級)別有配偶者に対する離婚率:1930~2015年」『人口統計資料集2018年版』
2019年02月07日小学校に入学したら、学習の進みに合わせて辞書が必要になります。かつては紙の辞書を使うのが主流でしたが、最近は小学生から電子辞書を使うご家庭も多くなってきているようです。でも、紙の辞書と電子辞書を比べてみて、子どもにとってどちらの学習効果が高いのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。親世代に馴染みのある紙の辞書か、最新機能の電子辞書か!?学生の頃、一冊の辞書をボロボロになるまで使ったという経験はありませんか?お子さんが小学校に上がり、そろそろ辞書が必要かなというときに、まずは紙の辞書を購入するご家庭がほとんどでしょう。しかし最近では、中学受験で推奨されていることもあり、小学生から電子辞書を使うお子さんも増えてきています。CASIOが2015年に行なった調査によると、電子辞書を使っている子どもの70%以上が小学4年生~中学1年の間に使い始めているという結果が出ています。中学受験を始めるタイミングか、入学祝いなどのタイミングで購入して使い始めるというご家庭も多いのかもしれません。しかし、親御さんの中では、電子辞書に頼りすぎてしまうのを懸念する方もいるよう。そこで、紙の辞書と電子辞書のメリットとデメリットを比べてみましょう。紙の辞書は引く過程の中でも学び、使いこむ達成感も!国語辞典、漢和辞典、英和辞典、和英辞典など、子どもにとって必要な辞書は、学年が進むにつれて増えていきます。学校の授業でも辞書の引き方を学びますし、子どもに最初に買い与える辞書は、やはり紙の辞書が最適です。家庭学習をしていて、子どもが「〇〇ってどういう意味?」と質問してきたときも、親がすぐに意味を教えてしまうのではなく、「国語辞典で調べてみたら?」という声掛けをして、辞書を引かせる習慣をつけることも大切です。本棚にある紙の辞書であれば、サッと取り出してサクッと調べられるなど、手軽に引くのに便利ですね。また、ご両親世代にも馴染みがあるというのもメリットのひとつです。ネットで引いて意味を見つけることは、「他人の持っている情報を見せてもらった」ことと同じです。でも、紙の辞書ならば、情報と情報を結びつけて、自分のものにする力もつけてくれます。紙の辞書を繰り返し使うことによって、探す過程で間違ったり、思わぬ発見をしたり、行ったり戻ったりしながら、知識を自分のものにすることができます。(引用元:ベネッセ 教育情報サイト|中学生の英語辞書選び。紙の辞書と電子辞書の違い)太字は編集部にて施した電子辞書はボタンひとつで目的の単語に行き着くのに対し、紙の辞書はパラパラとページをめくって、行ったり来たりしながら、やっと目的の言葉にたどり着きます。その時間は一見無駄なように思えますが、そのように探す過程こそが、自分のものにするために必要なのです。そのほうが、より記憶にも残りやすいとも言われています。また、紙の辞書の場合、パッと開いたときに、自分が調べたい単語のほかにも、綴りが似た単語が前後にあるので、あわせて覚えることもできます。一度調べた言葉を蛍光ペンで印をつけたり、書き込みをしたり、付箋を貼ったり……。紙の辞書であれば足跡を残すことで達成感が感じられるでしょう。その積み重ねも決して無駄にはなりませんね。<紙の辞書>■メリット・辞書を引く手順をすることで、単語や意味を覚えやすい・機械のように壊れることがないので、長持ちする・使いこんでいく達成感がある・ラインを引いたりと直接書き込みができる・価格が電子辞書に比べて安い■デメリット・かさばるので持ち運びに不便・単語を引くのに時間がかかる・音声利用ができないので、発音などが確認できない辞書を引くだけじゃない、プラスアルファな機能も充実一方で、スマホやタブレットが身近にある子どもたちにとって、電子辞書は見た目にも魅力的。直感的に操作ができて、画面やボタンを押せば知りたい言葉や漢字、英単語が一瞬で出てくるので、遊び感覚で辞書を引くことができます。紙の辞書を引くのとは違い、時間をかけずに意味を知ることができるので、勉強時間が貴重になってくる受験時期には最適です。さらに、タブレットの操作などに慣れているお子さんであれば、電子辞書の操作もすぐに覚えることができるでしょう。また、「辞書で単語を引くのが面倒……」というお子さんでも、電子辞書なら喜んで使ってくれる場合もあります。「もっといろいろ調べてみたい!」というように、調べることへの意欲を持続できる、という点でも優れているでしょう。電子辞書のメリットは、たくさんの辞書を一つにまとめ、串刺し検索できること。いろいろな解釈を一度に学べるほか、紙の辞書とは違い、英語などの発音まで確認できる。また、英検などの問題集や図鑑も入っているのにコンパクトで軽く、子どもでも気軽に持ち運びができる。(引用元:日経トレンディネット|新学期、子どものための電子辞書の選び方英語が重要)電子辞書の最大の魅力は、ひとつの機器に複数の辞書が搭載されていること。国語辞典に漢和辞典、英和辞典など、何冊も持ち歩く必要はありません。また、英語学習でも活用できるのも魅力のひとつ。音声機能があるので、紙の辞書ではできない発音の確認などもできるのです。小学校で英語の授業が必須科目になったこともあり、これからますます取り入れるご家庭も増えてくるでしょう。ただし、選び方や与え方には注意点も。電子辞書は小学生低学年・小学生高学年・中学生など年代に合わせてラインナップが揃っているので、年齢に適したものを選ぶようにしましょう。さらに、電子辞書は2万円〜3万円ほどと高額なので、取り扱い方をきちんと伝えて、大切に使わせることも重要です。<電子辞書>■メリット・コンパクトで持ち運びが便利・いろいろな辞書が入っている・ボタンひとつで辞書を引くことができる・発音などが確認できる・子どもが楽しみながら辞書を引くことができる■デメリット・機械なので壊れることもあり、寿命がある・価格が高い・対象の年代があるので、将来的に買い換える必要がある***まずは、紙の辞書を買い与えて基本的な辞書の引き方を学んでから、子どもの性格や年齢に合わせて電子辞書を選んであげるのもいいでしょう。地道に辞書を引いて学習できる子もいれば、電子辞書で辞書を引く楽しさを実感する子もいます。どちらが子どもに適しているかは、そのご家庭の考え方や環境、そして子どもの性格によっても変わってきます。まずは、必要な時期に必要なアイテムを揃えてあげるのが、親としてできること。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、辞書選びをしてみてくださいね。文/内田あり(参考)日経トレンディネット|新学期、子どものための電子辞書の選び方英語が重要CASIO EX-wordベネッセ 教育情報サイト|中学生の英語辞書選び。紙の辞書と電子辞書の違い早稲田ウィークリー|なぜ「電子辞書」より「紙の辞書」なのか?
2019年02月04日思いがけない心の支え妊活をするレズビアン女性と出会い、とても強い衝撃を受けた私。動揺もしましたが、彼女との出会いから “子どもを持ちたい” と願うレズビアン女性について知るようになりました。よく一言で “レズビアンマザー” と括られますが、我が家のようなステップファミリーもあれば、カップルで子どもを迎える、(ノンケカップルで言うところの)初婚ファミリーもあります。このようにタイプが異なると、悩みも違うし、お互いのことを知らないものです。私がレズビアン女性の妊活の大変さについて、何も知らなかったように、血の繋がらない娘を育てる戸惑いを、彼女に共感してもらうのは難しいことなのです。自分と同じような家族を探したくて始めた「にじいろかぞく」ですが、そこに集まってきてくれるLGBTの家族というものが多様すぎて、自分と同じような家族になかなか出会わないのです。これにはちょっと焦っていました。そんな焦りを抱えていたのは、「にじいろかぞく」が想像よりもずっと肯定的な雰囲気で受け止めてもらえて、ホッとしていた時期でもありました。今から8年ほど前のことですが、世間のLGBTへの偏見は今よりもずっと色濃く、それに比例するようにLGBTコミュニティの内部でも、LGBTの人が子育てをすることに、戸惑いの空気が漂っていたのです。だから「子育てをするLGBTの集まり」なんていったら、バッシングを受けるんじゃないか?とドキドキしながらスタートしたのです。例えば、妊活をしていたレズビアン女性も、妊娠をとても喜んでくれた人がいた一方で、仲間内のレズビアン女性から「子どもが生まれたら、大人ばかりの場に子どもを連れて来てほしくない」と言われたそうです。その空気は、私もヒシヒシと感じていました。LGBTのイベントは、子どもを連れていけるような雰囲気ではなさそうだったし、子どもがいるなんて言ったら、ギョッとされたり、子どもは大丈夫なの?と心配されたり、さらには「前に男性と結婚してたのね」なんて冷たい反応もされたものです。世の中の偏見が減ると同時に、LGBTコミュニティ内に漂う緊張感も緩和されてきたように思います。こういうことって地続きなんですね。特に「にじいろかぞく」を歓迎してくれたのは、若い世代でした。「将来、自分は畳の上で死ぬことはない。誰にも看取られず、一人でのたれ死ぬ将来しか思い描けない」と、泣きながら打ち明けてくれた大学生に、「私、同性のパートナーと子育てをしてるんだよね」と言った時の、あの驚いた顔。今でも忘れられません。「子育てをするなんてこと、あるんですか!」と喜ぶその大学生に、これまで出会ったいろんな家族のこと、自分の家族のことを話せて、とてもうれしかったのです。自分たちのような家族の存在を、若い人が喜んでくれている。それは思いがけない支えになりました。さらには、ちょっとしたイベントや大学の授業で、同性カップルで子育てをしている様子を聞かせてほしいと、声を掛けていただくようになりました。最初は、本当に信じられませんでしたよ。一人ぼっちで作っていたホームページにも、連絡してくれる方が一人増え、二人増え、少しずつ仲間が増えていきました。妊活していた、例のレズビアンの友人にも子どもが生まれ、LGBTファミリーはもちろん、子どもを持ちたいと思っている若いカップルも遊びに来てくれるようになりました。そうすると「みんなで交流したい!」という声があがるようになりました。私はもともと下戸で、新宿2丁目にもなかなか縁がありませんでした。子どもがいて夜に出かけづらいので「できれば昼間、子どもを連れて集まれるようなことをしたい!」という、小さな野望を抱いていました。「子連れで楽しめて、みんなが気軽に交流できて……、そうだ!ピクニックがいい!」。このピクニックには、すっかり仲良くなった、前述の大学生も仲間たちと参加して、子どもたちの遊び相手になってくれました。そんな交流は、いつの間にか新聞の取材を受けるようにまでなっていました。徐々に会の“ような”形にはなり始めたものの、「会にしたい」とは長く言い出すことができませんでした。みんな子育てや妊活に忙しいし、なんといってもボランティアなわけです。「そんな面倒なこと、嫌だろうなぁ」と思って言い出せないまま、何かイベントをする時は手伝ってくれる仲間が、なんとなく固定化していきました。アメリカ(大使館)への道そんな頃でした。私が同性パートナーと子育てをしていることを知るゲイの友人と、くだらない話をしていたところ、彼がふと思い出したように「ねぇ、小野ちゃん。アメリカに研修に行くなんてどうよ?」と言ったのです。さして本気そうでもなかったし、子育てをするようになってから、私の狭い行動範囲はますます狭くなって、本当に半径数キロ以内で生活していました。海外どころか東京を出ることだってほとんどなくなっていて、アメリカに行くなど、あまりにも非現実的な話。だから「またぁ、夢を語ろう的なやつ?」と、気にも留めませんでした。それから数ヵ月後。その彼から「こないだ話した、アメリカの話。あれ、いけそう?」という連絡が来たのです。「ん?アメリカ?」と、すっかり忘れていた私に「ほら、こないだ話したじゃない。アメリカに研修に行く話!覚えてないの!? あの話に推薦しといたから、面接を受けてきて!」。へ?となる私に、彼は驚くべきことを言いました。なんと、アメリカの国務省が主催するIVLP(International Visitor Leadership Program)という研修プログラムに私を推薦したから、アメリカ大使館に行って面接を受けてこい、と言うのです!な、なんかえらいことになってる!?アメリカ大使館!?大使館なんて入ったこともないのに、しかも面接!?英語かな?英語だよね、大使館だもんね……。私の英語って、ディス・イズ・ア・ペン レベルなんだけど、面接受けられるの?っていうか、研修ってなに!?なんで私みたいなオバちゃんに、そんな大きすぎる話が!?っていうか、子どもは?仕事は?目を白黒させていると、間もなくアメリカ大使館の担当者から、面接の案内メールが届きました。覚悟を決めるしかありません。物々しい警備のアメリカ大使館に、一人で向かうことになりました。当日は、ものすごく厳しいセキュリティチェックで、アメリカ大使館の中に入るまでが、まず大変。アメリカ大使館に入るために横断歩道を渡るのでさえ、複数いる警備員に呼び止められるのです。「どちらに行かれますか?」、「どなたとお約束ですか?」といった具合。たかが数メートルの道を渡るのも大騒ぎ。横断歩道を渡ったら、今度は入り口のチェックでまた足止め。受付を通った後は、IDもケータイも全部預けなければなりません。大使館の中はもうアメリカそのもの。その雰囲気にがっつり飲み込まれました。職員に案内されて、部屋で待っていると、アメリカ人男性と日本人女性が現れました。堂々とした二人の様子に、こちらの緊張はピークです。まずは二人から、詳しい説明がありました。このIVLPというのは、アメリカ国務省が主催する、社会人向けの研修プログラムで、およそ3週間にわたり、アメリカ国内の企業やNPOを訪問し、視察するものだということ。研修テーマは多岐にわたり、私たちのチーム(どうやら複数の人間で視察に行くようでした)はHuman Rights、つまり“人権”がテーマであることも説明されました。あまりに珍しい状況に、緊張はピークであるものの、そもそもなぜ私なんかが呼ばれているのか全然分かりません。ただ、こんなところで面接を受けられているだけでも棚からぼた餅。通るはずもない面接だと思えば「まぁ、そんなに緊張することもないな」という気持ちが湧いてきました。こんな体験も、そうそうすることはないし、「ここは率直に話すまで」と思い、自分の家族のこと、LGBTファミリーについて思うこと、アメリカに行ったら知りたいことを話しました。一人でホームページを作っていた頃は、日本ではなかなか知ることのできないLGBTファミリーの情報に飢え、読めない英語を辞書を片手に、なんとか探しているような状態でした。アメリカに行けるようなチャンスがあるなら、LGBTファミリーについて聞きたいこと、知りたいことは山ほどあります。インターネットで見つけたLGBTファミリーの団体のこと。LGBTファミリーを扱った絵本が、いろいろあるらしいこと。さらには日本では入手できない、レズビアンのステップファミリーについての指南書があるらしいこと。LGBTファミリーのサマーキャンプがあるらしいこと。など、など、など。最後に、思い切ってこんな質問をしてみました。「なぜ、私のような専門家でもない普通の人間に、こんな面接のチャンスをくれたのか?」。すると、こう答えられたのです。「アメリカは今、同性婚で揺れています。この同性婚の問題は、家族の問題そのものです。ですから日本のLGBTファミリーの方に、今のアメリカの運動の様子を見てもらえたらと思って」。全米で同性婚が認められるようになったのが2015年6月のこと。その2年ほど前のことでした。(つづく)Composition:Yoshiyuki Shimazu
2019年02月02日論理的思考力は、英語でのプレゼンや英作文だけでなく、どんな教科においても重要な力です。将来、お子さんが仕事をするときにも、高い論理力を持ち合わせていれば、様々な分野で活躍できることでしょう。幼いうちから育てておきたい能力の一つである「論理的思考力」。実は、英語でのプレゼンテーションの仕方を学ぶことで、訓練することができます。なぜなら、英語でのプレゼンテーションでは、論理展開が非常に重視されているから。前回に引き続き、プレゼンテーションの仕方、中でも論の展開の仕方をご紹介しましょう。1. 定義し、例を示す「例えば」プレゼンテーションでは、「鍵となる概念」がよく導入されます。「正義」や「平和」、「人間の尊厳」などがその例です。こういう概念は、定義しなければ、話の内容が曖昧になってしまいます。そこで、定義付けをする必要があるのです。「ここでは『この言葉はこのような意味で用いる』」というのが、定義です。・……をこのように定義します。I’ll define “…” this way.しかし、定義だけでは、なかなか実感を持ちづらいものですね。そこで、実際の例を示すといいでしょう。・例えば……For example, ….「平和とは、例えば……な状態」と具体的にイメージできるように話すことで、自分が本当に届けたいメッセージを聴衆に的確に伝えられるでしょう。2. グラフや表を見せる「調査結果によると」説得力を持たせるために重要なのは、証拠を示すこと。ここで活躍するのが、データです。グラフや図、表などを見せるときは、こんなフレーズが使えます。・……を見てみましょう。Let’s have a look at….データから何がいえるかを示す表現はこちら。・我々の調査結果では……。Our findings show….・この数字は……を示している。The figure indicates….信頼できるデータをもとに話を展開することで、「なるほど!」と納得してもらいやすくなるでしょう。3. 因果関係を示し、予測する「その結果として」データをもとに、自分なりの考察を加えることで、あなただけのプレゼンテーションができるようになります。考察をするときに大切なのが、因果関係を説明すること。【結果→原因】の順で話すときは、次のような表現が便利です。・AがBによって引き起こされているA was caused by BA resulted from B【原因→結果】の順で話すときはこうなります。・BがAを引き起こすB leads to AB causes Aまず原因について話した後に、こんな一言を加えてもいいですね。・その結果として……As a result, ….このような考察をふまえ、将来の予測をたてることもあるでしょう。・……を予測しています。We expect(predict / forecast)….因果関係を明確にしたり、将来の予測をたてることは、プレゼンテーションだけでなく、記述式のテストをはじめとして、様々な分野で大切になります。ぜひ幼少期から鍛えておきたいポイントです。4. 言い直す「つまり」何か大切なことを話した後、聴衆に伝わりにくいかな、と感じたときは、言い直しをするといいでしょう。・言い換えると……。In other words,….・つまり、……。That is,….別の言葉に言い換えることで、よりわかりやすく表現することができるはずです。5. 話しながら要点を示す「私が言いたいのは」日常会話だと、いろいろな話をした後に「つまり、私が言いたいのは……」といった表現をすることがありますね。話が混乱してきたときは、論点を明確にすることが必要になります。これは、プレゼンテーションでも同じです。・私が言っているのは……。What I’m saying is….・要点は……。The point is….このような表現を使いこなせるようになると、話にメリハリをつけることができて効果的です。6. 話題を変える「……に移りましょう」プレゼンテーションでは、1つのテーマについて、複数の観点から話すものですね。でも、いきなり話題を変えると、唐突に聞こえてしまいます。そこで、このような慣用表現を知っていると便利です。・……に移りましょう。Let’s move on to….・……に戻りましょう。Let’s go back to….次の話題に移ることもあれば、前の話題に戻ることもありますね。そんなとき、一言加えてからトピックを変えると、自然な形で話を進めることができるでしょう。7. 要約し、結論を述べる「まとめると」プレゼンテーションの最後に、今までの話を要約し、結論を述べ、そして締めくくる必要があります。要約するときは、今までの話の中におけるポイントのみを、改めて伝えるといいでしょう。・まとめるとTo sum upTo wrap up結論を述べるときは、文字通り「最後の一言」を伝えます。・結論としてTo conclude締めくくりでは、感謝の意を表すと同時に、通常は質疑応答に入るシグナルを送ります。・ありがとうございました。Thank you.・質問はありますか?Do you have any questions?定義付けに例示、データに基づいた因果関係の解明、将来の予測、そして要点の整理……。どれも、論理的に話を展開するために、とても大切なことばかりです。これらを意識して英語のプレゼンテーションを準備する経験を重ねることで、論理的思考力を訓練できるはずです。ぜひ、お子さんと挑戦してみてくださいね。
2019年01月18日子どもが就学年齢近くになると、気になってくるのが「習い事」。楽しいのはもちろん、できれば将来子どもが勉強や仕事をするうえで役に立つような習い事をさせたいものです。そして、習い事を始めるなら新年が明けたばかりの今が最適!そこで今回は、イー・ラーニング研究所が子どもがいる20~50代の親世代に聞いた「年末年始の子どもの習い事アンケート」の結果から、今はどんな習い事が人気なのかをご紹介しましょう!■ 2018年の習い事1位は「学習塾」! 興味がある習い事は?調査ではまず、「2018年、学校以外に習い事をさせましたか」と質問。すると、「はい」が65%、「いいえ」が35%で、去年は大多数の子どもたちは何らかの習い事したという結果となりました。習い事の内容は、1位が「学習塾」(54人)、2位が「スポーツ系」(49人)、そして3位が「英会話スクール」(34人)という結果でした。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)しかし、実際に去年子どもがした習い事と、「本当は気になっていた」習い事には大きな差があるようです。ocsa / PIXTA(ピクスタ)「2018年、保護者間で話題になった習い事は何ですか?」と尋ねると、1位は何と圧倒的に「プログラミング教室」(59人)という結果でした!以下、2位は「英会話スクール」(45人)、3位は「スポーツ系」(24人)という結果となりました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)みなさんは「実はプログラミングを習わせてみたい」と思いつつ、無難な学習塾に通わせている……というのが現実かもしれません。■ 2019年に子どもに挑戦させたい習い事1位は?調査では61%の親が「2019年に新しい習い事をさせたい」と答えています。今年親が子どもにさせたい習い事1位は「プログラミング教室」と「英会話スクール」が並んで58人という結果に。よっしー / PIXTA(ピクスタ)以下、「スポーツ系」(34人)、大差で「音楽系」(17人)が入っています。m.Taira / PIXTA(ピクスタ)次に、「なぜその習い事をさせたいのですか(させる予定なのですか)」と尋ねると、1位は断トツで「将来のためになると思ったから」(79人)。2位は「2020年の教育改正に向けて」(39人)、そして3位は「本人が希望したから」(30人)という結果でした!2020年からは大学のセンター試験が廃止されることもあり、親たちも「学習塾ではなく、もっと将来役に立つ実用的なスキルを深く学ばせたい」という気持ちが強いようですね!よっしー / PIXTA(ピクスタ)■ プログラミング教育を重視する文科省調査の結果、多くの親たちが「2020年の教育改革に先駆けて、子どもにプログラミングを習わせたい!」と興味津々なようです。文部科学省、総務省、経済産業省ではプログラミングのポータルサイトを開設し、2020年から小学校で必修科目となるプログラミング教育の重要性と内容について発信しています。同サイトによると、2020年からはこの教育改革の一環として、小学校ではプログラミング教育が必修化されます。Greyscale / PIXTA(ピクスタ)21世紀は「IT」の時代。コンピューターやインターネットを熟知し、それをビジネスに応用している人々が経済的な大成功を収めている場合が多く、世界の大富豪もアマゾンやマイクロソフト、フェイスブックなどの創業者・最高経営責任者(CEO)で占められています。また、子どもが将来どんな道に進もうと、世界に通用する舞台では英語習得が必須。2020年になる前に、今からプログラミングと英語に親しませておけば、もしかしたら将来「第二のビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)」になれるかも……!?【参考】※子どもがいる親世代に聞いた「年末年始の習い事アンケート」2018年に話題になった子どもの習い事、2019年にさせたい習い事の第1位は、どちらも「プログラミング教室」に※文部科学省・総務省・経済産業省小学校を中心としたプログラミング教育ポータル
2019年01月17日こんにちは。2歳の息子を育てているすずかと申します。パパのアメリカ転勤に帯同するために去年の12月に退職するも、大統領の政策によりなかなか渡米が難しく、じりじりと待ち続けること数ヶ月。この冬、ついにアメリカのアリゾナにやってきました。とりあえず英語だ!!習慣も言語も全く違う世界に連れて行かれることになる息子。事前に少しでも英語に触れておけば渡米後の不安が軽減されるかもと思い、近所の英語教室へ通わせることにしました。「えーごいきたくないの」とベソをかいていましたが、ママと別れた後はけろっとしていたみたいです。内容は英会話だけじゃない数ある英語教室の中で私がこの教室に決めた理由は、保育園や幼稚園のように生活に沿った過ごし方ができるということ。渡米後は現地の幼稚園に通わせようと思っていたので、まさにぴったりな教室でした。ママと別れた後は挨拶をして、みんなの前で自己紹介。近くの公園へお散歩に行ったり、トイレもしっかりさせてくれます。すべて英語なので最初は戸惑ったようですが、歌を歌う、散歩のために靴を履く、トイレに行くなどという行動は、英語で言われていても普段とやることは同じです。しばらく通うと、「日本語」と「英語」という言語が存在することを理解し、周りの子の動きと先生の言っている事がリンクしたようで、「えーごきょうしつたのしい!」と言うようになりました。アメリカに到着英語教室に5ヶ月通った経験をひっさげ、いよいよアリゾナにやってきました。家の外へ出るとそこは英語の世界です。最初はもじもじしながら小さな声で「はろー」とだけ言っていましたが、数日経つと慣れた様子。通わせて良かった!2歳児でもしっかり日本語で思考し、日本語を話しています。教室に通う前、息子の知っている言語は日本語しかありませんでした。英語の単語は知っていましたが、「猫」は「ねこ」とも言うし「キャット」とも言う、くらいの認識だったと思います。英語という言語があり、それを話す人がいる、自分の知っている日本語では伝わらない、ということを先に体感できたのはとても良かったと思います。ぺらぺらにはなりませんでしたが、自分の要求を伝えるワードは覚えてくれました。こちらで飛び交う英語を聞いて、教室で習った事を思い出したようで「これはえーごでこういうんだよ」「こーゆーときはえーごでこーいうんだよ」と教えてくれたりもします。英語が苦手な私にとってとても心強い存在です。また、私にとっても良い点がありました。現地の子が話しかけてくれた時に、教室で先生方が話していた幼児向け英語を必死に思い出しながら、なんとか、本当になんとかですが対応することができました。英語教室は息子にとっても私にとっても、今後に活かせるとても良い経験となりました。●ライター/すずか
2019年01月17日「ドルトンプラン」という言葉を聞いたことがありますか?1910年代に米国で始まった、自主学習を重視する教育方法です。モンテッソーリ教育やシュタイナー教育と比べて日本での知名度は低いかもしれませんが、いま日本でじわじわと注目を集めている様子。ドルトンプランとはどのような教育なのか、そして東京都で2019年に開校する、ドルトンプランに基づいた学校をご紹介します。ドルトンプランの発祥ドルトンプラン(Dalton Plan)を考案したのは、米国の教育者ヘレン・パーカースト(1887~1973)です。教育方法史を専門とする宮本健市郎教授(関西学院大学)によると、パーカーストはワシントン州の小学校で1年生の担任を務めた際、読書の時間にフォークダンスを行ったり、地理の時間に子どもを外に連れていったりなど、斬新な授業で注目を集めました。1910年に地元で大規模な競技場が完成した記念の祭典では、生徒のダンスを指揮して大成功に導き、教育委員会から表彰されたそうです。このことから、パーカーストが子どもの身体表現を重視していたことがうかがえます。同年、パーカーストは「実験室案(laboratory system of education)」という実験的な教育を実施しました。これは、教科ごとの「実験室」を設け、それぞれの部屋に担当教師を配置するというもので、のちのドルトンプランにつながっています。イタリア発祥のモンテッソーリ教育について学び、米国での普及活動を熱心に行ったあと、1919年、パーカーストはニューヨーク市に4年生~8年生を対象とした学校を設立しました。これが、2019年現在は幼児から高校生までが通う「ドルトン学校」の前身なのです。そして1920年に、マサチューセッツ州のドルトンという町で、上述の「実験室案」を実施しました。このときの教育法は、1922年に出版された『ドルトンプランの教育(Education on the Dalton Plan)』にまとめられました。ドルトン学校によると、この本は14の言語に翻訳され、世界的に受け入れられたそう。そして今でも、その独自性は高く評価されているのです。ドルトンプランの原則『ドルトンプランの教育』によると、ドルトンプランには「自由(freedom)」と「協働(co-operation)」という2つの原則があります。自由ドルトンプランにおいて、子どもには、邪魔されることなく自分の勉強に没頭できる自由が与えられなければいけません。子どもが物事に深い興味を抱いているときは意欲に満ちているのであり、勉強の過程で出現する困難さも乗り越えやすいからです。そのため、ドルトンプランにおいては、ベルによって授業時間を強制的に区切ることはされません。協働パーカーストの考えによれば、旧来の教育において、子どもは同じ教育課程の仲間と過ごすあいだ以外は集団で生活しないため、学校を卒業したら非社交的になりがち。しかし、社会生活とは「協働」および「相互作用(interaction)」なので、学校の成績がよいだけで生きていけるわけではないのです。そのため、ドルトンプランでは、子どもが意識せずとも社会の一員として動き、それを楽しめるような環境が整えられています。ドルトンプランの方法論実際、ドルトンプランは具体的にどのような教育を行っているのでしょう?パーカーストによると、ドルトンプランは固定のカリキュラムやメソッドではなく、時代を経て変化するもの。なので『ドルトンプランの教育』に書かれていることとは異なる点もありますが、現在のドルトン学校におけるキーワードと特徴を紹介しましょう。1.ハウス(House)ドルトン学校において、ホームルームのクラスは「ハウス」と呼ばれています。これは、ドルトンプランの原則である「協働」の精神を養う大事な基盤です。担任は「ハウスアドバイザー」といい、子どもひとりひとりの学習状況をサポートします。ドルトン学校のハイスクール部門(9~12年生)では、ハウスは学年混合で編成されます。実際の社会では、年齢が異なる人と共に活動するのが当たり前なので、より本物の社会に近い状態だといえるでしょう。2.アサインメント(Assignment)「アサインメント」とは、先生と子どものあいだで交わされる「契約」の意味。大学におけるシラバスをさらに詳細にしたような、授業で扱われる主な内容・宿題・レポートの規定・評価基準などが記されている冊子です。子どもはアサインメントを参照し、自分に何が求められているか把握しつつ学習を進めます。たとえば、ドルトン学校が公開している、8年生の歴史のアサインメントは、以下のような内容です。日本の学校や大学で、ここまで詳しい学習のガイドラインを提示してくれることはほとんどないのではないでしょうか?主要な問い:このユニットを読み進める際、以下の問いについて考えてください。これらはアメリカ独立もしくは現代にどう当てはまりますか?教室でのディスカッションや自分のノート、課題レポートなどで、これらの問いについて自由に言及してください。・「権力」や「力」を与えるのは誰ですか?いつ、どのようにして、権力は正当に(不正に)行使されますか?・権力を疑うことは、どのようなときに正当化されますか? 権力が尊重されるべきなのは、どのようなときですか?・すべての人間に共通しているのは、どのような「自然権」ですか?・暴力の行使は常に正当化されますか?暴力を避けるのであれば、変化を生み出すのにほかにどのような方法が可能ですか?(後略)課題読書についての説明:・それぞれの課題読書は、規定の締切日までに終わらせる(正確な締切日については、ムードル[※学習管理システム]またはホワイトボードの掲示を参照)。・自由に読み、先に進んでよい。・課題読書のメモをとる際、リーディング・クエスチョン(※)を使う。自分にとって最もよいやり方でメモをとる。・社会科の宿題に使うのは、30~45分のみ。(後略)(※「英仏間の戦争が『世界大戦』だとみなされうるのはなぜですか?」など、テキストの内容についてより深く考えるきっかけとなる質問)(引用元:The Dalton School|Assignment: Revolutionary Argument)3.ラボ(Lab)「ラボ(ラボラトリー)」とは、子どもと先生が1対1もしくは小グループで行う話し合い。課題について相談したり、授業内容について発展的な質問をしたりできる、貴重な時間です。9~12年生の場合、ラボは各教科専用の部屋で行われます。これは、生徒がいつでも使えるよう、専門的な本を並べた場所。パーカーストはこれらの部屋を「Laboratory」と呼び、生徒が勉強に没頭できる場所として重視していました。そもそも、ドルトンプランの元の名称は「ドルトン・ラボラトリー・プラン」。理科の実験を重視していると誤解を受けないよう、「ラボラトリー」が外されたという経緯があります。ドルトンプランのなかでも特に核となるのが、ラボだといえるでしょう。日本にドルトンプランの学校はある?モンテッソーリ教育やイエナプランのように、異なる年齢の子どもたちを一つのクラスに編成するオルタナティブ教育は珍しくありませんが、ドルトンプランの「アサインメント」「ラボラトリー」はかなり独特ですね。このような教育課程を経た子どもは、自主性や学習に対する意欲を育みそうです。ニューヨークに留学することなく、このような教育を受けさせたいと思ったら、どうすればよいのでしょう?実は2019年4月、東京都調布市に「ドルトン東京学園中等部・高等部」が開校するのです。ドルトンプランを全面に押し出し、「主体的に学び、探究・挑戦し続ける」「多様性を理解し、他者と協働する」などの生徒像を掲げています。ドルトン東京学園では、ドルトンプランの重要な3要素であるハウス、アサインメント、ラボラトリーが実施されます。まず、クラスとは別に、中等部1年~高等部3年のそれぞれの学年から編成されるハウスが組まれ、「異なる学年の生徒集団が、主体的に活動内容を考え、協働して実践していく」コミュニティとなるそう。また、学習内容ごとに作成されるアサインメントには、学習の流れや評価方法などが書かれており、生徒が計画的に学ぶ姿勢を身につける手助けとなるのだとか。そして、ラボラトリーは生徒が自由に使える時間。中等部1年では週に2時間程度ですが、高等部では増えます。生徒はこの時間に教員からアドバイスを受けたり、グループ学習をしたり、一人で学んだりと、自分で設計した学習計画に沿って勉強するそうです。ドルトン東京学園では、生徒がさまざまな経験をし、主体的に発信を行える機会を持てるよう、多くの個性的な行事が予定されています。仲間と協力し、努力した成果を大勢の人の前で見せることを通じ、コミュニケーション能力や主体性が養われることは間違いありません。-スポーツフェス:ハウスの一体化を目的に、ハウス対抗の団体種目を行う。-STEAMフェス:個人およびハウスで科学技術を研究し、発表する。-アートフェス:本格的な舞台装置のある講堂で、演劇や演奏を発表する。また、ドルトン東京学園は「グローバル市民」の育成を目指しており、英語教育にも力を入れています。中等部・高等部の6年間で生徒全員が2回の海外研修を経験するほか、英語を日常生活だけでなくビジネス、アカデミックの分野でも使えるように授業が行われるのだとか。一般的な日本の学校で行われている画一的な詰め込み教育とは、何もかもが違うといえますね。***自主性と、他者との協働。ドルトンプランは、まさに21世紀のグローバル社会で必要とされているこれらの能力を伸ばしてくれる教育だといえるでしょう。意欲を持って自ら勉強に取り組み、さまざまな立場の人たちとの交流を楽しみ、自分の活動を積極的に発信できる人間になってほしい――。そんな願いを持つ親御さんは、ぜひチェックしてみてください。(参考)Helen Parkhurst (1922), Education on the Dalton Plan, New York City, E. P. Dutton.The Dalton SchoolDalton 100|22. Education on the Dalton PlanJ-STAGE|ドルトン・プランの成立過程とヘレン・パーカーストの思想形成ドルトン東京学園中等部・高等部
2019年01月13日9歳で「子どもの環境団体」に興味を持ち、12歳でリオデジャネイロの環境サミットに団体の代表として参加し、子どもの視点から環境問題についてスピーチをした少女、セヴァン・カリス=スズキを知っていますか?1992年、「世界を5分間沈黙させた少女」として世界中で有名になり、その翌年にはUNEP(国際連合環境計画)の「世界の尊敬すべき500人」の勲章を受けました。物怖じせず、自分の考えを強く、はっきりと話す姿は、とても印象的でしたね。彼女ほどでなくても、海外では、自分の意見を持ち、それを的確に周囲に伝える力が非常に重視されます。欧米の小学校では、生徒一人一人が特定のトピックについてスピーチをしたり、調べ学習をした上でプレゼンテーションをしたりする機会もたくさんあります。そこで求められるのは、論の展開です。論理展開には、問題発見、現状分析、物語展開、問題解決など、その目的によって、いくつもの展開方法があります。幼少期から、効果的な論理展開ができるように練習しておくと、記述式の試験や、入試の面接、英語4技能試験のスピーキングテストなどでも有利になるでしょう。ここでは、英語のプレゼンテーションを例にして、論の展開の仕方をご紹介します。今回注目するのは、冒頭部分。慣用表現を使って、プレゼンテーションにおける思考の流れをナビゲートするのがポイントです。1. 開始のシグナル「はじめます」日常会話では、「あのさあ」「ねえ、聞いて」「ほら」のような言葉を使って、話し出す前に相手の注意をひきますね。英語では “Hey” “Listen” “Now” “Look” “Well” などにあたります。しかし、プレゼンテーションのような改まった状況では、これらは礼を失した表現と受け取られてしまいかねません。そこで、次のような表現で口火を切るのが普通です。・では、そろそろはじめましょうか。OK, now, shall we begin?・そろそろはじめさせていただきます。OK, I’d like to start now.司会者がいる場では、司会者が使う言葉でもあります。2. 謝辞「話をする機会をいただき、光栄です」開始のシグナルの次に、感謝の意を表すことがあります。・この会議にお招きいただき、感謝しています。Thank you so much for inviting me to this conference.・ここでお話しする機会をいただき、光栄です。I’m honored to have an opportunity to talk here.政治家の演説などでは、冒頭で謝辞を述べる場面がよく見られますね。3. エピソードや有名な言葉の引用「……によると」何かを発表する際に肝心なのは、プレゼンテーションの狙いを述べること。時にはいきなり目的が何なのかを明らかにすることもありますが、多くの場合、その背景について述べてから目的に入るでしょう。そんな時は特に、聞き手を意識した語りをする必要があります。そのためには、聴者を巻き込むために、次のような表現を使います。・(皆さん)ご存じのように。as you (all) know・もちろん、皆さんお気づきのことですが……。I’m sure you are all aware of …あるいは、エピソードから始めることもあります。第7代国際連合事務総長コフィー・アナンがノーベル平和賞受賞の際に行った有名な演説は、あるエピソードで始まりました。今日、アフガニスタンで女の子が生まれるでしょう。彼女の母親は彼女を抱き、授乳し、彼女をあやし、彼女の世話をするでしょう。それは、ちょうど、世界中のどこにあっても母親がやっているように。こうした人間の本性ともいえる最も基本的な行為において人間に区分はありません。その後に、貧困をはじめとする、アフガニスタンが直面する状況の厳しさについて語ったのです。また、これから話したい話題の背景を述べる時に、有名な人物の言葉を引用する方法も、よく用いられます。・ジョン・デューイによると、教育は人生のための準備ではなく、それは人生そのものである。According to John Dewey, “education is not a preparation for life; it is life itself.”・ネルソン・マンデラは「教育は世の中を変える最も強力な武器である」と述べたことがある。Nelson Mandela once said, “Education is the most powerful weapon one can use to change the world.”権威ある知識人や著名人の言葉を引用することで、説得力が増しますね。4. 話の目的を述べる「今日の狙いは……」ここで本題に入るわけですが、まずは話の目的を明らかにすることが大切です。聴衆は、最初に告げられた話の目的が、今後どう展開していくかに期待を寄せるのです。・今日私がここにいるのは、……について話すためです。I’m here today to talk about ….・私のプレゼンテーションの目的は……です。The purpose of my presentation is to ….まずおおまかに、その後に細かく、目的を伝えることもできます。・大きなテーマとしては……についてお話ししたい。Generally, I’d like to discuss….・もっと具体的に言うと……に焦点を当てたい。More specifically, I’d like to focus on….どこに着目するつもりかをあらかじめ伝えることで、聞き手も重要なことを聞き逃さずに、話に集中できるようになりますね。5. 話の順序を伝える「3つの話をします」トピックの数や話の順番を事前にはっきり伝えることは、とても大切です。なぜなら、聞く側が話の道筋を予想でき、プレゼンテーション全体の内容を理解しやすくなるからです。スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行った有名なスピーチにも、この手法が用いられています。世界最高の大学の1つの卒業式にこうしてみなさんとご一緒できることを光栄に思います。正直に言いますと、私は大学を卒業していません。これが、大学の卒業式というものに私が一番近づいた瞬間です。今日、私の人生経験から3つのお話をしたいと思います。私がお話するのはまさにそれです。大げさな内容ではありません。たった3つの話です。感謝の意を示し、簡単なエピソードを入れて、話の目的を述べた後、3つの話をすることを伝えています。さて、このように「3つ」と述べたら、それが何であるかを明らかにしなければいけません。順序立てて話をするためにジョブズは、それぞれの内容をこのように一言で説明しています。・1つ目の話は、点と点をつなぐことです。The first story is about connecting dots.・2つ目の話は、愛と喪失についてです。My second story is about love and loss.・3つ目の話は、死についてです。My third story is about death.話のポイントと話す順序を明確に示すことで、話全体の「構造」が明らかになるのです。トピックが2つであれば、“One is”(1つは) “The other is”(もう1つは)と、列挙するまでもありません。しかし3つになると、スティーブ・ジョブズのように、助数詞などを使って列挙する方法が有効です。・まずはじめにTo begin(start)with・第1に・First / Firstly / First of all・第2にSecond / Secondly・第3にAnd third / Thirdlyトピックが4つ以上ある時は、上記の表現に加え、「最後に」 “Finally” で締めくくるといいでしょう。これらの5つの点を押さえれば、英語でのプレゼンテーションはぐっとわかりやすいものになるはずです。それだけでなく、様々な分野で活用できるポイントがたくさんあります。特に、常に目的を意識することは、試験や学校の授業において、とても重要です。さらに、これからどんな話をするのかを事前にまとめて伝える力は、英語4技能テストや入試の面接でも、効果を発揮するでしょう。
2019年01月11日『男の子も、女の子も、ステレオタイプにはまらない生き方を。子どもの本棚のバランスを考える』という記事で以前、男の子が主人公の物語は、女の子が主人公の物語よりも多く出版されていることをお話ししました。ジェンダーバランスと同様、物語におけるバランスの悪さが指摘されている分野がもう一つあります。それは、家族のあり方や性自認、人種や障がいのあるなしなどの様々な「多様性」です。多様性を子供の本棚に子供達は本を読む時、単純に字を読むことを覚えるだけでなく、社会規範も学んでいきます。「これがふつう」「これはめずらしいこと」「それはいいこと」「あれはわるいこと」といった規範は、必ずしも本の中に直接的に現れるとは限りません。本の中心となるテーマが友情や勇気だったとしても、出てくる主人公たちが全員お父さんとお母さんと一緒に暮らしている白人の男の子ばかりだったら、子供達はそういった「背景」までひっくるめて、メッセージを受け取ってしまいます。現実の世界には、片親の家庭もあれば、障害を持つ子供や大人もたくさんいます。子供たちはきっといつか、様々な背景や事情を持つ人々に出会うでしょう。今後、今よりもっと多様性が重要視されるようになると思います。そんな社会を生きる子供たちにとって、「様々な人々のあり方」をあらかじめ知っておくことは、とても大切です。幼少期から楽しめる絵本を通して、親子で考えてみませんか。多様な家族のあり方を描く絵本小さな子供にとっては、自分の家族だけが「ふつうの家族」です。お父さんがお仕事をしていて、お母さんが専業主婦の家庭の子供にとっては、それが「ふつう」。お母さんが会社で働いていて、お父さんがフリーランスで一人っ子の子にとっては、それが「ふつう」。昔だったら、絵本に出てくるのは、お父さんとお母さん、そして子供が2人ぐらいまでがスタンダードだった、と言っても良いでしょうか。けれど、今の社会において、現実の家族はもっともっと多様なものです。ここでは、多様な家族についての絵本をご紹介しましょう。■『タンタンタンゴはパパふたり』パパが2人のペンギンの家庭の子供、タンゴの物語。ニューヨークのセントラル・パーク動物園での実話が絵本になりました。米国図書館協会の Notable Children’s Book(注目すべき子供のための本)に選定され、数々の賞を受賞した話題作 And Tango Makes Three の邦訳版です。■『いろいろいろんなかぞくのほん』まさに家族の多様性をテーマにした本。大家族もいれば片親家庭もあり、離婚の結果、兄弟が違うお父さんやお母さんを持っていて、それでも一緒に暮らしているケースもある。お父さんとお母さんの肌の色が違う家庭もあるし、養子として受け入れられた子供達のいる家族もある。こうした多様な家族のあり方を明るく描いているのが特徴的な一冊です。人と違って大丈夫——様々な個性が許される社会を描く英語絵本■Here Comes Frankieフランキーは、とても静かな家に暮らしています。お父さんもお母さんも、音がないほうがいいと言います。そんな家で育ったフランキーが初めてトランペットを吹くと「汚れた皿洗いの水の色と、玉ねぎの漬物の匂い」の音が飛び出してしまうのです。フランキーのトランペットから出てくる音は、どんどん綺麗なものや大胆な柄に変わっていって……。まるで空想の世界の物語のように感じられますが、実はこれは「共感覚」というコンディションを持っている子供達の世界を描いた絵本です。共感覚とは、色が「聞こえて」しまう、音の「味がして」しまう、というように、複数の感覚が一つの刺激に反応してしまうコンディションのこと。「モダン・ジャズの帝王」と呼ばれる、アメリカのジャズトランペット奏者のマイルス・デイヴィスや、フィンランドの作曲家シベリウス、そして抽象絵画の創始者とされるロシア出身の画家、カンディンスキーも共感覚者でした。本書の最後のページには共感覚の説明があり、このような共感覚者の有名人が挙げられています。■Mixed中国系アメリカ人作家のアリー・チャンによる Mixed(まざっちゃった)。三原色の青・赤・黄色たちは、お互いにどの色が一番優れているのかで対立します。でも最後には、お互いを認め合うことに。混ざった時に生まれてくる色の華やかで美しいこと!人種のメタファーとして読むこともできますが、母親でも父親でもない、独特の個性を持って生まれてくる「子供」の独自性を、とても強く肯定する物語にもなっています。■Freddie and the Fairy「もはやイギリスの子供で聞いたことがない子供はいない!」というほどの知名度を誇る絵本、『グラッファロー』については、前にもご紹介しました。その『グラッファロー』の作者、ジュリア・ドナルドソンによる可愛らしい絵本です。ある日、妖精を助けたフレディはお礼に願いを叶えてあげると言われるのですが、妖精は実はあまり耳がよくなくて……。フレディのお願いは変な形で叶えられてしまいます。さあ大変!ジュリア・ドナルドソンのトレードマークとも言えるリズムの良さと、ユーモラスなストーリーラインが印象的。さらに、耳がよく聞こえない人たちと話すときに気をつけなくてはならないことが自然とわかる内容になっています。どれも日本語訳はまだないのですが、英語でのよみきかせの際に、ぜひ手に取っていただきたい絵本です。ジェンダーの問題と同様、多様性についても、様々な取り組みが進められていますから、書籍そのものはそれなりに出ています。今必要とされているのは、読み手がそういった本を、積極的に手に取ることなのです。(参考)ジャスティン リチャードソン, ピーター パーネル 著, 尾辻 かな子, 前田 和男 訳(2008),『タンタンタンゴはパパふたり』, ポット出版.メアリ ホフマン 著, 杉本 詠美 訳(2018),『いろいろいろんなかぞくのほん』,少年写真新聞社.Tim Hopgood, Here Comes Frankie, (Macmillan Children’s Books, 2015)Arree Chung, Mixed, (Macmillan Children’s Book, 2018)Julia Donaldson, Freddie and the Fairy, (Pan Macmillan, 2012)
2019年01月10日「子どもには英語を話せるようになって欲しい…。英語教室に通わせた方がよいのかしら…」これからの英語教育に不安をもつママは多いと思います。2020年度からセンター試験に代わる「大学入学共通テスト」が導入され、英語の試験では「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能が問われます。それにともない、小学校では高学年から英語が教科として正式にスタート、中学校では英語の授業を英語のみで行い、高校では生徒自身が英語で発表・討論・交渉などの活動を行う予定です。幼児期からの英語教育が当たり前になりつつある社会ですが、何から手をつけるべきか悩みますよね。そんなお悩みママに手軽にできる自宅での英語遊びを紹介します。英語遊びは何歳から?自宅での英語遊びには年齢制限がありません。0歳からでも、幼稚園に入ってからでも大丈夫。思い立ったが吉日で、親子で楽しむことが何よりも大切です。なぜなら、将来的な目標は「バイリンガルな子どもを育てる」なんて大それたものではなく、「英語を嫌いにならない子どもを育てる」ですから。ゆったり構えましょう。具体的に何をするの?幼児期はこれから問われる英語の4技能のうちの「聞く」と「話す」がとても得意な時期です。まずはわが子が好きな絵本を用意しましょう。日本語、英語、どちらでも構いませんが、ひらがなが読めると日本語の絵本だと読み始めてしまうので、英語の絵本がおすすめ。「私には英語での読み聞かせはムリ!」というママ、ご安心ください。読み聞かせではなく、絵本を使って質問遊びをしましょう。"What’s this?"から始めよう!"What’s this?"(これなーんだ?)"It’s an elephant!"(ぞうさん!)絵本に出てくる動物やモノを指さして、お子さんに問いかけてみてください。最初は「ママ、何言ってるの?」と思っているお子さんも回を重ねるうちに「エレファント!」と元気よく答えてくれると思います。ここでママがやらなくてはいけないことは、"What’s this?"の正確な発音を覚えること、そして、絵本に載っているモノをすべて英語で覚えること。子どもは数回聞けば、あっという間に覚えてしまいます。お子さんに負けないように頑張りましょう!慣れてきたらほかの質問もしてみよう!"What color is this?" (この色は何色?)"It’s red!"(赤!)お子さんが好きなモノを英語で言えるようになったら、色も一緒に覚えてもらいましょう。これは絵本がなくてもできるので、おやつの時間、お風呂の時間などを利用して遊ぶこともできます。色を覚えたら、次は形(shape)という感じで、日本語と同じように英語でもどんどん質問遊びをしましょう。子どもは大好きなママと英語でコミュニケーションをとることで、「英語って楽しい」と思ってくれます。英語遊びのポイントは「続けること」!子どもが大好きな遊びを英語でやる、ただそれだけです。でも、ここで重要なポイントは「続けること」。幼児期は覚えるのも早いですが、忘れるのも早い時期。自宅で英語遊びを続けることで、「英語=遊び=楽しいもの」と脳に記憶され、小学校からの英語教育にも抵抗なく取り組めると思います。そして、「英語を嫌いにならない」子どもは将来的に英語力を身につけることができます。これは私の実体験からの感想ですが、長くなるのでまた今度。お手軽な英語遊び、ぜひ一度親子で楽しんでみてくださいね。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年01月10日子どもがいるとどうしても気になるのが、習い事の問題。小学校の勉強や部活ではできない体験をさせられますし、就学前にスポーツやアートに親しむことで、子どもの発達によい影響を与えたいと望む親御さんは多いことでしょう。とはいえ、「習い事なら何でもいい」と考えている人は、そういないのでは?最近は「東大生の多くが子どもの頃にやっていた習い事」が注目を浴びるなど、「脳の活性化」という観点で習い事を検討する保護者もいます。それに、「ほかの家庭ではどんな習い事をさせているんだろう?」と気になったり、勉強との兼ね合いも悩みどころです。そこで今回は、ちまたで人気の習い事と、習い事を選ぶ際のポイント、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部オススメの習い事をご紹介します。お子さんの習い事を決める参考になれば幸いです。子どもの習い事人気ランキングベネッセ教育総合研究所は2017年3月、「3~18歳(高校3年生)の子どもを持つ母親」16,170名を対象に「第3回 学校外教育活動に関する調査」を行いました。その結果によると、就学前の子どもの多くがやっている習い事などの活動トップ10は以下のとおり。なお文字をクリックすると、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」の関連記事をお読みいただけます。幼児に人気の習い事などの活動ベスト10第1位 スイミング(23.0%)第2位 体操教室・運動遊び(15.5%)第3位 英会話・英語教室(10.5%)第4位 楽器の練習・レッスン(9.6%)第5位 音遊び/リズム遊び(音楽教室)(8.2%)第6位 リトミック(5.9%)第7位 サッカー/フットサル(4.5%)第8位 ダンス(3.3%)第9位 計算や漢字などのプリント教材教室(2.9%)第10位絵画/造形(2.5%)水泳が習い事として人気なのは有名ですが、小学校に上がる前の子でも5人に1人が習っているというのは驚きですね。スイミングが心身に与えるよい効果に期待を寄せる保護者が多いのかもしれません。英会話やプリントによる勉強をすでに始めている子が一定数いるというのも注目ポイントです。次に、小学生の習い事について見てみましょう。広告代理店の博報堂が2016年3月、「小学生の長子がいる母親」1,428名を対象に実施した「『子どもの習い事・身につけさせたいスキル』レポート」によると、多くの小学生がやっている習い事は以下のとおり。小学生に人気の習い事ベスト10第1位 水泳教室(31.1%)第2位 通信教育、宅配教材(29.3%)第3位 ピアノ、音楽教室(25.6%)第4位 そろばんなどの自習型学習塾(22.8%)第5位 野球やサッカー等の運動クラブ(20.9%)第6位 英語教室(20.4%)第7位 その他(13.7%)第8位 受験対策用の学習塾、教室(10.2%)第9位 水泳、ダンス以外の体育教室(9.5%)第10位ダンスなどのパフォーマンス教室(バレエ含む)(7.7%)水泳は相変わらず、圧倒的な人気です。そして、4人に1人が通信教育で勉強したり、音楽教室に通ったりしています。体や知能が発達したためか、就学前と比べて習い事にチャレンジする子が多いようです。習い事を選ぶポイントどの習い事が人気かは大体わかりましたが、こんなにも選択肢があると迷ってしまいますね。習い事を選ぶ際、どのような点を考慮して決めればよいのでしょう?ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと読売新聞が2006年、3歳〜中学生の子どもを持つ1,026名を対象に実施した「子どもの習い事に関する調査」によると、保護者たちは以下のような理由で習い事(学習塾含む)をさせているようです。習い事をさせる理由ランキング第1位体力や運動能力の向上(46%)第2位子どもが自分で行きたいと言ったから(45%)第3位音楽や美術、書道など文化的な能力の向上(30%)第4位受験を目的としない学力向上(29%)第5位受験対策(15%)子どもの意欲を重視しつつ、やはり「子どもの能力を伸ばしてあげたい」と考えて習い事をさせる親が多いのですね。ひととおりの運動や文化的活動は幼稚園や学校でもできますが、その時間はごくわずか。体育がずっと苦手だったという人や、音楽の授業をまじめに受けても楽譜が読めるようにならなかったという経験を持つ大人は多いはず。学校以外で何か特別な活動に取り組ませ、得意分野を作ってあげたいと思いますよね。さて、多様な習い事のなかから「これをやらせよう!」と決めたとしても、考慮すべきことはまだあります。世のなか、特に都市部にはあまたのスイミングスクールやピアノ教室が展開しているからです。どの施設・団体で習わせればよいのでしょう?ベネッセ教育総合研究所が2009年3月、「3歳~17歳(高校2年生)の子どもを持つ母親」15,450名を対象に実施した「第1回 学校外教育活動に関する調査」の結果によると、親たちは以下のことを重視しているそうです。習い事選びで重視することランキング第1位子どもが楽しんでいる(94.3%)第2位費用が安い(61.2%)第3位家から近い(57.3%)第4位指導者が信頼できる(53.8%)第5位子どものレベルに合っている(49.2%)やはり、子どもが楽しんで活動できることがいちばんのようですね。また、第2位~第5位の要素は、習い事の続けやすさに関わっています。これらの要素がひとつでも欠けると、習い事を続けるのが物理的に難しくなったり、子どもの意欲が低下したりしかねません。検討している施設・団体が上記の要件を満たしているか確かめるため、いくつか体験授業を受けて比較してみるのがよいのではないでしょうか。習い事を選ぶ際に考慮するポイントは、人によって異なります。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部が重視しているのは「脳の発達」という観点。子どもが小さいうちにさまざまな体験をさせると、脳の神経が刺激され、よりよく発達すると考えられています。脳の発達が大いに期待できる、オススメの習い事を3つ、ご紹介しましょう。おすすめの習い事1:そろばん日本人にとって定番の習い事、そろばん。地域にいくつか教室があるのではないでしょうか?そろばんは、右脳を刺激してくれる習い事として知られています。ふつう、私たちが計算をするときには論理的思考をつかさどる左脳を主に使いますが、NPO法人・国際総合研究機構の副理事長であり脳科学を専門とする河野貴美子氏によると、そろばんの有段者は暗算をする際、右脳を用いているのだとか。彼らの頭のなかではそろばんの珠(たま)が動いているので、イメージをつかさどる右脳が活発になっているそうです。右脳を活発にすると、記憶力や直感が磨かれると考えられています。ほかにも、そろばんには以下のようなメリットがあります。詳しくは「子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!」をご覧ください。●自信が養われる●集中力がつく●費用が安め●資格が取れるおすすめの習い事2:ピアノみんなが憧れる習い事・ピアノ。東大生の多くが習っていることでも知られるようになりましたね。一般社団法人・日本子ども音楽教育協会の理事長である滝澤香織氏によると、ピアノの演奏は右手と左手を同時に使うため、右脳と左脳の両方が活性化されるそう。これによって、右脳と左脳のあいだにある神経の束「脳梁」が太くなり、右脳・左脳間の伝達がスムーズになるそうです。また、精神医学を専門とするジェームズ・ハジアク教授(米バーモント大学)らの研究により、楽器を練習した子どもほど、集中力をつかさどる脳の部位が発達していることが明らかになりました。ピアノをはじめとした楽器を演奏するには、指先を精密に動かし、リズムを正確に刻み、楽譜を素早く読めなければいけません。多くのことを一度にこなさなければならないため、集中力がつきやすいのかもしれませんね。ピアノには以下のように、ほかにも多くのメリットがあります。詳しくは「ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。」をご覧ください。●音感が養える●外国語が得意になる●自己制御や問題解決能力など「人間指数(HQ)」が養えるおすすめの習い事3:スイミング子どもの習い事として人気ナンバーワンなのがスイミングです。最近は、ピアノと並んで多くの東大生が経験した習い事としても有名ですね。スイミングは体だけでなく、脳も鍛えると考えられています。特に育つとされているのが「空間認識能力」。方向や位置関係を正しく理解し、目の前にないものを頭のなかで再現できる力です。この能力が高いと、自動車を運転しやすくなったり、スポーツで活躍しやすくなったり、設計関連の仕事に就きやすくなったりします。心理学者のデイビッド・ルビンスキー氏によると、空間認識能力は「人間のなかで眠っている潜在能力のうち、最大の部分かもしれない」とのこと。創造力やイノベーションとも関係しているそうなので、スイミングを通して子どもの秘めた能力が開花するかもしれませんね。ほかにも、スイミングには以下のようなメリットがあります。詳しくは「東大生の幼少期の習い事の第1位は『スイミング』!そのメリットとは?」をご覧ください。●集中力がつく●風邪をひきにくくなる●全身の筋肉を鍛えられる●ケガをしにくい「子どもの習い事をやめさせたい」と思ったら子どもがやりたがったし、将来のためになれば……と思って始めた習い事。しかし、さまざまな事情により、「そろそろやめ時かな」と感じることがあるかもしれません。習い事をやめさせたいと思うのには、以下のような場合が該当するでしょう。-子どもの意欲がなくなり、練習しなくなった。-習い事よりも勉強に注力させたい。-月謝を払いつづけるのが厳しい。「子どもの意欲がなくなった(ように見える)」場合最初は楽しそうだったのに、今ではいやいや通っているみたい……。子どもがこんな様子だったら、まずは「最近、習い事はどう?」「今はどんなことをやっているの?」と話を聞いてみましょう。そしてもし、「先生が好きじゃない」「同じクラスに嫌な子がいる」のように環境に不満を持っていることがわかったら、別の教室を検討するか、大きなスクールであれば曜日・時間を変更してクラスを替えてみては。また、「今やっていることが難しすぎて、ついていけない」のであれば、先生と相談してみましょう。環境に不満があるわけではなく、「もう充分にやった」「ほかのことに時間を使いたい」と思っているのかもしれません。今の習い事について「次の目標はある?」「どれくらいまで上達したい?」と聞いてみて、あまりポジティブな答えが返ってこないのであれば、やめてしまってよいでしょう。「やめる」といってもけしてネガティブなことではなく、ひとつのことを終えて、次のことに挑戦するというだけの話です。友だちと遊んだり、別の趣味に熱中したりする時間が生まれて、それもまた素晴らしい経験となるでしょう。一方、楽器のように自宅での練習が求められるにもかかわらず、練習の意欲を失っている場合は、少し難しいです。練習したがらない理由が「その習い事に飽きた」というものであれば、やめてしまってもよいでしょう。しかし、習い事自体は好きなのに、地道な練習を面倒に感じてしまう時期はあるもの。練習しないからといってすぐにやめさせてしまうのは早計かもしれません。子どもを信じてしばらく様子をうかがってみましょう。その際、たとえば楽器の習い事なら「久しぶりに○○ちゃんの演奏聞きたいな」と促して、演奏が終わったら褒めたり、親子でコンサートに行ったりなどのアプローチをとってみてはいかがですか。「もっとうまくなりたい」と願う気持ちがよみがえるかもしれません。習い事より勉強を優先してほしい習い事をやめて、その分の時間を勉強に使ってほしい……。そう考える保護者は少なくないようです。上述したベネッセの「第3回 学校外教育活動に関する調査」によれば、「運動やスポーツをするよりももっと勉強してほしい」と考えている小学生の親は37.5%、「音楽や芸術の活動をするよりももっと勉強してほしい」だと45.2%でした。この割合は調査のたびに増えています。けれど、机での勉強では得られない経験ができるのが習い事ですから、できればやめさせたくないものです。「家でも学校でも全く勉強をせず、通知表の数字がひどい」といった極端な状況でなければ、習い事はぜひ続けるべきだといえます。子どもがなかなか勉強をせずに悩んでいる場合、「子供が勉強しないときの対策。イライラはNG、親子で勉強計画を立てよう!」を参考にしてみてください。子どもが勉強しないときに役立つ6つのアドバイスを掲載しています。金銭的に厳しい……最初の頃はなんとかなったけれど、今は習い事の費用を払うのが家計的に厳しい場合。弟・妹が生まれた、子どもの習い事が増えたなどの背景があるかと思います。子どもが続けたそうにしているのに、お金の都合でやめさせなければいけないのは辛いですよね。まずはできるだけ、習い事を続けられる方法を模索してみましょう。子どもが複数の習い事をしている場合、率直に家計の事情を伝え、最も続けたい習い事を1つに絞ってもらいます。「あれも、これもやりたい」と子どもは思うでしょうが、複数の物事を比較して決定するよい機会です。金銭教育だと思うことにしましょう。子どもの金銭感覚を養う方法については「『お金教育』は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ」をご覧ください。習い事が1つでも、まだ厳しいという場合、今よりも安価に習える教室・団体を探してみるという手もあります。上に挙げた「第3回 学校外教育活動に関する調査」によると、小学生のスポーツ系の習い事に関して、「民間経営」の団体で習っている場合の平均費用は月に6,000円台でしたが、「地域ボランティア運営」だと2,000~3,000円台、「自治体・公益法人運営」だと3,000~4,000円台でした。習い事の教室を開いている団体の見つけやすさは地域によって異なりますが、諦めずにできるだけ安い運営母体を探してみましょう。***子どもの習い事について、悩みは尽きないかもしれません。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」は今後とも、習い事に関する知見を発信してまいります。(参考)ベネッセ教育総合研究所|第1回 学校外教育活動に関する調査 2009ベネッセ教育総合研究所|第3回 学校外教育活動に関する調査 2017(データブック)博報堂|【博報堂こそだて家族研究所】「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」レポートNTTコム リサーチ|子どもの習い事に関する調査StudyHacker こどもまなび☆ラボ|子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!StudyHacker こどもまなび☆ラボ|ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。StudyHacker こどもまなび☆ラボ|東大生の幼少期の習い事の第1位は「スイミング」!そのメリットとは?StudyHacker こどもまなび☆ラボ|空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!
2019年01月04日英会話力を身に付けるのに不可欠なものは、何でしょうか。漠然と英会話ができるようになりたいといっても、ターゲットがはっきりしませんね。会話では、会話の流れを作り出し、その流れに乗り、そして流れを変えることが求められます。相手の主導権に任せて、一方的に話を聞くだけでは、対等の立場で会話を進めることができません。ここで重要なのは、積極的に会話の流れを調整する能力なのです。英語に自信がない人は、そんなの無理だと思うかもしれませんね。でも相手は、あなたの英語ではなく、あなた自身に関心があるのです。そこで、相手にきちんと向き合うには、英語力の有無にかかわらず、積極的に会話を調整していくことが求められます。これを英語教育の分野では「会話管理能力」や「コミュニケーションの方略」と呼びます。流れを調整する時はもちろん、英語を使って行うのですから、まずはそのための慣用表現を覚えることが肝要です。今回は、話題を調整するのに便利な慣用表現ネットワークをご紹介しましょう。1. 話題を導入する「ねえ、知ってる?」「こんなことがあったんだよ!」「ねえ、知ってる?」新しい話題について話し出す時、日本語ではこう口火を切りますね。話題を導入するという行為は、会話の流れを作る上で必要不可欠です。もちろん、英語でも同じことが言えるでしょう。・よい知らせがあるよ。I have some good news for you.・何があったか当ててごらんGuess what.・信じられないかもしれないけど……。You may not believe this, but ….・想像できないかもしれないけれど(こんなことがあったんだ)。You’ll never guess what happened.例えば「宝くじに当たったんだ!」と伝えたい時、いきなり話し出すよりも、「信じられないかもしれないけれど」という一言で始めたほうが自然ですね。また、まず相手の注意を喚起してから話題を導入することもよくみられます。・聞いて!Listen!・見て!Look!・えーと……。Well, ….・ねえ、……。You see…,・で、……。So …。日本語で言えば、「あのー」「ねえ」「えーと」「で」に近い感覚の表現ですね。2. ひらめきを伝える「いいこと思いついた!」何かをひらめいた時は、なんて伝えたらいいでしょうか。ねえ、いいアイディアを思いついたよ。Hey, I’ve got an idea.ちょっと思ったんだけど。I just thought of something.これってどう思う?What do you think of this idea?こう話し始めれば、聞き手もちゃんと耳を傾けてくれることでしょう。3. 提案する「こんなのどう?」相手に尋ねられ、それに対する自分の考えを話す時、日本語ではまず「こんなのどうかな?」と言いますね。英語でも同様のフレーズを使うと、会話がスムーズになります。・こうしたらいいんじゃないかな。I know what we can do.・じゃあ、こんなのどうでしょう。I’ll tell you what.・これはどうですか?how does this sound?しばらく考えてから、ある考えを話し出す前に使える、便利な表現です。4. 途中で脱線する「ところで」ある話題について話し出したら、しばらくはそれに関するやりとりが続くはずですね。しかし普段の会話では、話題の変更や脱線がしょっちゅう起こります。あるトピックについて徹底的に話し合うというよりも、むしろ思いつくままに話題を展開させていくのが日常会話というもの。もちろん、いきなり話題を変えてもルール違反ではありません。しかし、「話題を変更するよ」という言語によるシグナルを送ることができると、より親切ですね。・ああ、ところで……。Oh, by the way….・ちょっと話題は逸れるけど……。To get off the subject a moment, ….・それで思い出したことがある。That reminds me of something.好きな時に自然な形で話題を変えることができるようになりますよ。5. 元の話題に戻す「いずれにせよ」話題を変更した後に、元の話題に戻したい。そんなこともあるでしょう。・いずれにせよ……。Anyway ….・何を話していたんだっけ?Where was I?・冗談はさておき……。All jokes aside….・まじめな話……。Seriously, though,….話の軌道修正ができるようになると、自分から積極的に会話を進めやすくなること間違いなしです。6. 話題が変わるのを防ぐ「最後まで聞いて!」会話では普通、話題がどんどん変わっていくものですね。しかし、例えばミーティングのように、話題がコロコロ変わるのが望ましくない場面もあります。そんな時は、こう言えるといいですね。・話題から離れないようお願いね。Let’s not get off the subject.・もう少しこの話題について話してもいいですか?Would you mind staying with the subject?・最後まで聞いてください。Hear me out, please.自分が話している最中に他の人に割り込まれた時は、最後の表現が便利です。7. 話題を避ける「別のことを話そう」難しそうな話題になり、英語に自信がない時はどうするべきでしょうか。ある調査によれば、日本人学習者の場合、黙ったままで苦笑いをして、曖昧な反応をする人が少なくないようです。これでは相手は、無視されたと考えるかもしれません。暗黙の回避は、誤解の元です。話題を避けたい時は、その意図を明確に言葉で表現することが大切になります。・それについては話したくないな。I’d rather not talk about it.・その話題に入るのはやめよう。Let’s not go into that.・そのことは持ち出さないようにしよう。Let’s not bring that up.・何か別のことを話そう。Let’s talk about something else.会話の流れを自ら作り出し、上手に調整するために、このような表現を練習してみてください。続けていくと、英会話力の向上が実感できるはずです。
2018年12月28日小学校からの英語授業が始まったりと、グローバル教育が叫ばれる中、英語教育に関心をもつママやパパも多いですよね。また、自分自身が英語を学びたい!と思っている人も多いのでは。今回は、子どもの英語教育と自分の英語の勉強、両方を叶えることができる「親子留学」を紹介します。フィリピン・セブ島での親子留学って何が魅力?2018年9月、私と3歳の娘の2人でフィリピン・セブ島へ3週間の親子留学に行ってきました。最近人気のセブ島での語学留学。その理由は…・安い。物価がまだまだ安く、学費も滞在費も安い・近い。直行便なら4時間半で到着・英語の先生の質が高い。フィリピンの公用語は英語。発音も綺麗でネイティブレベルの授業が可能。マンツーマンレッスンが充実・フィリピンの中でもセブ島は年中温暖で、ショッピングやスパ・プールなど遊び場も充実また、「親子留学」が現実的な理由は、・家政婦さん(滞在中の家事とベビーシッターどちらもやってくれる)がいる・なんといっても日本からの近さ。子連れで海外に行くとなると、飛行機に乗ってる時間は極力短い方がいいフィリピン・セブ島での親子留学手配の方法と内容は?今回は私自身も初めての留学ということもあり、資料請求をした留学エージェントを通じて手配してもらいました。・親子で留学する学校(親子留学専門の校舎を持つ日本人経営の学校)私も娘も午前中のみレッスンで、親4コマ・子ども3コマでお願いしました(1コマ50分)。親は4コマすべてマンツーマンレッスン、子どもはグループレッスンです。・滞在するコンドミニアム親子留学では学校から徒歩3分ぐらいの高級コンドミニアムが滞在先でした。セキュリティも厳しく、駐車場も入口もガードマンが常に警備しています。・家政婦さん基本の勤務時間は8時〜17時、月~金が出勤日で土日はお休み。掃除や洗濯、ご飯作りなどの家事全般に加え、ベビーシッターもお願いできます。料金は、選ぶ学校やコマ数、コンドミニアムのレベルや広さによって変動しますが、私たち親子の場合あ、3週間で約35万円でした。それとは別に、航空チケット代や空港税、あとは学生証の発行手数料など現地で学校に払う費用、毎日の食費や生活用品などの雑費が必要になります。学校に通っている間の1日のスケジュール6:00起床7:00朝食・着替え8:00家政婦さん出勤→学校へ出かける準備9:00家政婦さんと一緒に登校11:00娘のレッスン(3コマ)終了。家政婦さんと一緒に帰宅※私と娘のレッスン中は、家政婦さんはコンドミニアムに帰って家事12:00私のレッスン(4コマ)終了※午後はフリータイムなので、娘を家政婦さんに任せて1人で買い物に行ったり、娘とお出かけしたり。家政婦さんは食事の準備17:00家政婦さん帰宅→作ってもらったご飯で夕食18:00シャワー・就寝準備・親子の遊び時間20:00 娘就寝親子留学してよかったこと同時期に同じ学校に通っていた親子8組は職業も年齢もさまざまでしたが、母親ひとりで子どもと海外生活している共通点もあり、すぐに仲良くなれるのも親子留学の特徴かもしれません。2〜6か月の長期滞在者もいれば、仕事の休みを取って1〜2週間来ている人や育休期間を使って来ている親子もいましたが、普段知り合うことのない人たちと知り合えるのも、留学の醍醐味ですね。肝心の英語のレッスンの方ですが、親子ともに3週間でも変化が得られたと思います。私の場合は、何といっても発音でした。実際に発音がしっかりできるようになるには3週間は短すぎましたが、初めて「正しい発音」を学び、自分のどの発音が「間違っている」かを知れたことは、大きな収穫でした。そして、英語をまったく知らない状態で英語レッスンに放り込まれた娘は、レッスンの中で毎日歌う「お片づけの歌」や「天気の歌」「曜日の歌」を口ずさむように。英語にも興味をもったようで、日本に帰ってからもアルファベットの歌を歌ったり、書こうとしたりしています。親にとっても子どもにとっても、世界が広がる親子留学でした。すっかり魅力にはまってしまい、また時間を見つけたら、同じ学校へも、そしてほかの国にも行ってみたい、と毎日のように思っています。<文・写真:フリーランス記者自由気ままにサラリーマン>
2018年12月25日うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々