作業療法士(OT)とは?出典 : 作業療法士(OT)とはOccupational-Therapistの略で、看護師、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)などとともに活躍するコ・メディカルスタッフの一員です。作業療法士は、理学療法及び作業療法士法が制定された翌年の1966年に、国家資格として認可されました。主に作業を通じた人々の身体機能回復・獲得に加えて、学校や職場、地域活動といった社会参加のサポートや、いきいきと生活していくための精神面のサポートまで行う役割を担っています。作業とは、工芸、手芸、園芸、絵画、おもちゃの操作などの手作業から、食事や入浴などの日常生活にかかわる作業まで、すべての活動のことを指します。作業療法士は様々な機関で活動しているため、人生のあらゆるステージでかかわる可能性があります。特に発達障害に関しても、療育施設で作業療法士の作業療法を受ける人も多く、生活面の機能の発達をうながしてくれる心強いスタッフです。理学療法士及び作業療法士法作業療法士の役割出典 : 作業療法士の役割は、人々の基本動作能力、応用的動作能力、社会適応能力を維持・改善し、仕事、趣味、遊びなど元気な日常生活を送ってもらうための支援をすることです。基本動作能力とは、食事やトイレ、家事など、日常で必要となる活動をする能力のことを言います。また、応用的動作能力とは、より高度な運動や感覚・知覚、認知・精神などの心身機能のことを指します。一方社会適応能力とは、基本動作能力や応用的動作能力などの心身機能と違い、対人関係を構築し、社会性を身につける能力です。主に、地域活動への参加、就労、就学などが挙げられます。これらの能力を維持・改善するために「日常生活活動(ADL: Activities of Daily Living)」の治療や援助を行うことはもちろん、工芸、手芸、園芸、絵画、おもちゃの操作などを通して、人々が社会に適応できるように支援します。作業療法士とよく混同されやすいものに理学療法士というものがあります。両者とも国家資格をもつ専門家ですが、どのような違いがあるのでしょうか?理学療法士は、からだの基本的な機能回復・獲得をサポートします。基本的な機能回復とは、寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基礎となる動作の改善のことを言います。例えば患者が脚を骨折したとき、理学療法士は運動療法や物理療法などを用いて、その部分を曲げたり、伸ばしたりできるよう、身体の基礎的機能の回復をサポートします。一方作業療法士はまず、その人がどのような生活をしたいのかを考え、障害のない日常生活を送るために必要な機能回復・獲得を考えます。その上で、着替える、入浴をする、散歩するなどの作業を通して脚の機能回復を支援します。作業療法士になるには?どんな人が向いているの?出典 : 作業療法士になるためには、毎年1回行われる国家試験を受験し、国家資格を取得する必要があります。試験の合格率は例年約80%であり、2015年実施の試験の合格率は77.5%でした。受験には高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成施設で3年以上学ぶことが必須です。養成施設として、4年制の大学、3年制の短大、3年制または4年制の専門学校があり、講義と実習を通じて学んでいきます。習得する内容は、解剖学、生理学、運動学、病理学、臨床心理学、リハビリテーション医学など多岐にわたります。作業療法士には主に2つの適性が求められます。1.コミュニケーション能力: 面談を通じて患者の心身の状態や気持ちをしっかりと把握し、最適なプログラムを考えるためにコミュニケーション能力が必要です。特に、相手の話をしっかりと聞き、ちょっとした反応から相手の感情を読み取ることが求められます。2.温厚な人柄: 作業療法を行う上で大切なのは、患者に安心してもらい心を開いてもらうことです。そのためには常に温厚な気持ちで患者に寄り添う姿勢が求められます。作業療法士の支援対象と、支援の対象期間出典 : 作業療法士はこころとからだの機能回復・獲得を担当し、年代を問わず、なんらかの障害や疾病によって生活に困りごとを抱えている人すべてをサポートします。主に4つのタイプに分類されます。・身体に障害がある人: 脳卒中/パーキンソン病/リウマチ/脊髄損傷/その他・こころに障害がある人: 統合失調症/躁うつ病/アルコール依存症/認知症/その他・発達期に障害がある子ども: 脳性麻痺/ADHD/精神発達遅滞/自閉症/知的障害/その他・高齢期に障害がある人: 認知症/脳卒中/骨折/その他急性期から、回復期、生活期まで通してずっとサポートしていきます。また、支援内容はその時期によって異なります。・急性期: 病気やけがの直後から将来の生活を見越したリハビリを開始し、初期段階の支援を行います。基本的なこころとからだの機能改善、新たな機能の低下の予防が目的です。病気やけがの直後は機能訓練や日常の基本的な動作の訓練を行います。サポート内容の例として、自分で食事ができる、自分で移動できる、自分でトイレを使えるようになる練習などが挙げられます。・回復期: より具体的な生活をイメージして機能や能力の改善をしていく支援を行います。急性期を経て病気やけがの状態が安定した後、患者が生活していくために必要な能力などを人それぞれに応じて提案していきます。主に服や靴を着脱する練習、調理や掃除などの家事、買い物など外に出る練習など、日常生活において応用的な動作ができるように支援します。・生活期: 一人一人が生きがいを持ち、豊かに生きるための生活を支援します。住み慣れた場所で、その人がありのままの姿でより良い生活を送るために、散歩など外に出る練習、地域コミュニティへの参加の援助、就労支援、趣味やレジャーを楽しむ支援などを行います。作業療法士のサービスを受けるには出典 : 作業療法を受けられる場所として大きく分けて、医療機関、福祉施設、教育・療育施設、企業・就労現場が挙げられます。病院やリハビリセンターなどの医療機関では、患者の回復状態に応じた作業療法をリハビリテーションチームの一員として行います。そこでは患者が新たな生活の第一歩を踏み出す手助けを担っています。福祉施設とは主に、保健所、福祉関連相談所、老人福祉施設、障害者福祉施設のような施設を指します。老人福祉施設では高齢者が新しい疾患を発症しないように予防したり、地域生活の質の向上をサポートしたりすることで、その人が日々の暮らしを健康に送れるように支援します。作業療法士は、障害のある子どもが通う特別支援学校などの教育・療育施設にも所属します。将来的に障害がある子どもが、地域の中で自立して生活できるように、医療や福祉教育の知識を生かして必要な学びの習得をサポートします。作業療法士はすべての企業ではありませんが、様々な企業や就労現場にも存在し、病気や障害があるが働きたいと思っている人の支援をします。状況に応じて企業の人事担当者や就労支援を担当するジョブコーチ、就労支援施設担当者と協働しながら、障害がある人が職場に適応し、継続して働くことができるように支援を行います。発達障害がある人への作業療法出典 : 発達障害のある人のなかには、協調運動障害のある人も多く、手先が不器用であったり、日常の動作の獲得を苦手とする場合があります。また、他人とコミュニケーションをとることに困難があり、人との距離感をうまくつかめない場合もあります。作業療法士はそのような人困りごとのある人に対しても支援を行います。発達障害における作業療法も子どもの成長ステージごとに分かれています。■乳児期(0~1歳): はいはいや歩くなどの運動発達を遊びを通して促します。保護者に対する子育て支援も行います。子どもがかんしゃくをおこす、抱っこを嫌がる、こだわりが強いなどの育てにくさがある場合。そして、保育所で集団活動ができずすぐに席を立ってしまう、寝つきが悪いなどの問題がある場合があります。そのような問題が起こる理由として、部屋が明るすぎる・暗すぎる、テレビや話し声、エアコンなどの気になる音が耳障りになるなどの、部屋の環境に問題がある場合があります。睡眠の問題に対しては寝具の肌ざわり・重さなどが合わなかったり、睡眠前にしっかり遊べていないため、元気があり余っていたりするときがあります。そこで作業療法士は、面談や調査を通じて問題を見つけ出し、問題に応じて部屋の環境調整や寝具の適合を行います。■幼児期、学童期、思春期(1~19歳): 主に発達障害がある子どもの園や学校でのサポートをします。学生生活で発達障害がある子どもが直面する問題は主に2つあります。席にずっと座ることができない、科目の得意・不得意の差が激しいなどの“授業面での問題”、そして、友達に自分の意見を言いすぎたり、全く言えなかったりするなどの“対人関係での問題”です。なぜこのような問題が起こるのでしょうか?授業面での問題が起こる理由として、姿勢が安定していないため座り続けることが難しいということや、文字を書くのが苦手、計画を立てることが苦手であるという可能性があります。対人関係での問題においては、子ども自身の認知した考えが行動と一致するように活動できない場合が多く、相手の発言を理解したとしても、相手に誤解を与えてしまうよう行動をとってしまうことがあります。すぐに席を立ってしまう場合には、いすに滑り止めシートをはる、机やいすの高さの調整をするなどの環境を整える支援をします。文字を書くのが苦手な場合、なぜ苦手なのか原因を探りながら書きやすい筆記具に変えたり、文字の形を覚えやすくするなどの工夫をします。計画を立てることができず作業をやり続けてしまう問題に対しては、スケジュールや活動の量を口頭ではなく、図や文字などの目に見える方法で掲示し、やるべきことを明確にします。また、考えと行動が一致しないときは、子どものケース別の適切な活動をサポートします。■成人期(20歳~): 主に発達障害がある人が健やかな社会生活を送るための支援を行います。多くの発達障害がある人は、明文化されたルール以外の決まりを理解することを苦手とし、相手の表情から感情を読み取ることを困難とする場合があります。こういった問題から、本人が就職することを難しいと感じたり、就職した場合でもうまくなじめないと感じてしまう場合があります。このような場合、作業療法士は対人交流スキルを向上させるプログラムの開発、メモ・レコーダーを使用した記憶の補強などを通じて、発達障害がある人のスキル改善を支援します。また、職場の人に障害がある人の苦手な部分を理解してもらい対応方法を共有するという、周囲の人のサポートを促すジョブコーチの役割も作業療法士は果たします。出典 : 発達障害における作業療法の流れは主に5つのステップにより構成されています。1.主訴・依頼: 現在の困っていることをもとに、病院や各施設に相談し、必要と判断された場合は作業療法が始まります。2.アセスメント(評価): 対象者・保護者との面談や、活動の中で行っていき、場合によっては検査を行うこともあります。作業療法士はアセスメントで得られた情報を整理し、困りごとが起こる理由を見つけます。評価する主な内容・はしる、あるく、すわる、などの、粗大な日常的な動き・スキップ、自転車、縄とびなどの、応用的な運動・食具、はさみ、鉛筆の利用などの、手先の器用さ・触覚過敏、偏食、感覚の処理能力・知覚 認知能力・育ってきた環境、自尊感情の度合いなどの心理社会的側面・コミュニケーション能力支援プログラムの立案と実施: 困りごとを解決するために必要な方法を考えます。大きく分けて3つの対応方法があります。■本人に対する介入本人に対する理解を深めることで、発達をサポートし、能力の改善・拡大を図ります。■周囲の人に対する工夫周囲の人が本人へよりよい言葉かけができるようになる方法、接し方のコツを教えることで、本人が過ごし易くなるように支援します。■環境調整家具を変えるなどの環境を変化させたり、道具の利用を図ったりすることで、本人が気持ちよく生活できるように支援します。4.再アセスメント: 本人・保護者への面談、活動の中での再調査から支援の結果を確認し、困りごとやつまずきの変化をとらえます。5.プログラムの変更: 再アセスメントの結果、支援プログラムの変更が必要なときは変更し、3に戻ります。もしくは、日常生活を送る上で必要な機能の回復・獲得ができたと評価された場合、状況に応じて作成されたプログラムを継続・終了します。作業療法の体験談出典 : では、実際の作業療法では具体的にどのようなプログラムが行われているのでしょうか?一人ひとりの個性、得意・不得意をみてプログラムを立案していくことが作業療法の特徴です。そのため全ての人に当てはまるものではありませんが、以下に一例として、お子さんやご自身が作業療法を受けた際の体験談をご紹介します。感覚過敏がある、我が子に出された宿題はぎゅっとたっちという遊びでした。ちょっと痛いくらいの力で腕や足を握り、スライドさせていくやり方です。ポイントは、静かに集中しているときを狙ってやり、にぎってるとこに注目させることと、一回3分を限度にやることです。3分以上やると親の方が疲れるからだそうです。逆に疲れないようだと、やり方が甘いんだそうです。うちは、これで、目がいくらか合うようになりました。あと、耳かきを嫌がるのを相談したら、布団です巻きにして、耳回りを圧迫する課題がだされました。楽しくやるのがポイントです。体幹をしっかりさせるために、バランスボールの上をとぶ課題もでました。部屋のすみにバランスボールをもっていき、親の足で固定し、歌に合わせて跳ばす。大きなたいこがおすすめですが、子どもが好きな歌なら何でもいいと思います。我が家ではバランスボールを椅子やソファで固定して、いつでも跳べる状況にしたら、体幹が鍛えられた気がします。このように遊びの中で作業療法を行うことで、子どもの興味を考慮しながら、応用動作ができるよう支援します。また、パパ・ママが作業療法に関わる場合は、お互いのストレスがかからないように楽しく行うことがポイントです。折り紙がキレイに折れるようになりました。力が弱い娘です。OTの先生が真ん中が穴のあいた分度器を100均で買ってきてプレゼントをしてくれました。分度器の丸い所を使ってキレイに折ります。作業療法士としてからだのサポートをするだけではありません。発達障害がある人が社会的に適応し、いきいきと生活していけるように相談できる身近な専門家として“こころのサポート”をすることも重要な仕事のひとつです。上肢に障害がある私は、お料理の便利グッズを紹介してもらったり、工夫の仕方を教えてもらいました。日常生活で困ったことを一緒に考えてくれる仲間という感じで、なんでも相談してました。発達の面では、人との距離感や、言葉の使い方、感覚統合をサポートしてもらいました。協調運動も苦手なので、ふとした行動や遊びから、手の使い方、体幹の使い方を教えてもらいました。作業療法士と他機関の連携出典 : 作業療法士はあらゆる場所で、障害のある人の暮らしやすい生活を取り戻すための支援をしています。そのため培ってきた高い専門性をもとに、様々な専門職と協力して働いています。医療現場では理学療法士や言語聴覚士などのリハビリ専門職、医師、看護師と一緒に働きます。保健・福祉現場では、介護職員、保健士や児童相談所の職員、ケースワーカー、介護福祉士、介護支援専門家などと協働します。そして教育現場では、保育士・教師、心理専門職などと連携しながら仕事を進めていきます。まとめ出典 : 作業療法士とは作業を通じて、障害のある人がその人らしい生活を送ることを支援する専門家です。作業とは、手芸や園芸などの手作業だけではなく、食べたり、トイレに行く、などの日常生活に欠かせない行為のことも指します。発達障害の場合、一人一人特性が違ったり、コミュニケーションが苦手だったりして、困りごとがあっても援助が難しいこともあります。そんなとき、本人の気持ちに寄り添って、その子に合った解決法を見つけてくれるスペシャリストが作業療法士です。子どもの作業療法士の方によって花開く姿を見たことがあります。2歳半。保育園ではヒモにお花のビーズを通す遊びが流行っていたけれど一切やらない。教室の隅で所在無げな視線でボーッとしていました。園の先生は、「全然やりたがらないとんですよねぇ」と。その話を作業療法士さんにすると、「やりたくない訳ではなくてやり方がわからないだけだよね !」と言って丁寧に指の使い方を説明しながら教えてもらうと、なんと出来ました。その瞬間、子どもが療法士さんを見て、出来た!ニコッとした表情をしたんです。いっぱい褒めてもらえました。その後、保育園で明るい表情になり紐通しを始めた姿に園の先生もびっくりして、「私達にも出来ることを教えて下さい」と。作業療法士の方によって園での生活から全てを変えることが出来ました。今でもあの方に出会ってなかったらどうなっていたか、と思います。その後、子どもはDQ70からウィスクで平均値となりました。子どもに、自信をつけてあげる事。親でもなかなか出来ません。むしろ、他人だから喜びがあったと思います。とても感謝しています。また、日頃何気なく生活していても、突然の怪我や病気などで、いつ、どのタイミングで作業療法士を必要とするかはわかりません。社会の作業療法に対する認知・理解が深まり、からだとこころに困りごとのある人が、いつでも適切なサポートを受けられるようになることを願っています。一般社団法人日本作業療法士協会
2016年07月28日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日●連載の目次は こちら から●私立小学校受験を前提に話を進めてきたが、「国立大付属小学校を受験って、どうなんだろう?」と、気になるご家庭もあるだろう。幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにお話を伺った■「受験対応校ではない」ということを念頭に!「国立小学校は、準教科担任制を採用している学校も多く、質の高い先進的な教育を受けることができます。そのため、教育熱心なご家庭に、とても人気がありますね」(浅木さん)ただし、国立小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけのため、受験に対応することよりも先進的な教育の研究が優先されている。「小学校入学時、併設中学、併設高校の高い進学実績を知り、学校のカリキュラムをこなすことで受験に対応できると考えているご家庭もあります。ですが、授業は受験に直結しない試験的なカリキュラムも多くあるということは、まず知っておいていただきたいことです」(浅木さん)■中学進学時に外部進学を検討するならとりわけ、小学校は国立でも、中学進学時に外部進学を検討する場合は、中学受験との両立について覚悟しておいたほうが良いだろう。なぜなら国立小学校の児童は、公立の小学校のカリキュラムよりも、調べ学習やレポートなど、中学受験に直結しないが質・量ともに負担が大きいものをこなしながら、中学受験の勉強をしなければいけないからだ。また、通学に時間がかかる(ことが多い)のも、ひとつ、ネックだと思う。この記事を書いている私は長男の中学受験を体験しているが、中学受験は、ある意味、時間との闘い。塾で出された課題をするには相当な時間がかかり、睡眠時間を削って勉強する子もいる(塾のない日の夕方~就寝までの時間管理は、多くの中学受験ママの関心事だ)。 ■教育実習生の授業が多い「また、教育実習生の授業が多いことに不満を訴える保護者もいますが、そもそも、国立大学付属小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけ。実習生の授業が多いのは、当然です」(浅木さん)■国立大付属小学校に合格していくのは、どんな子?「まずは、くじ引きで受験する権利を手に入れなければいけませんから、運が強い子ですね。そして行動観察やペーパー対策をしっかりした子、つまり私立小学校の受験対策をしていた子が、国立大付属小学校にも合格していっているという印象です。または幼児としての基礎力(6本目リンク貼る)がしっかりある子が、半年間くらい集中的に試験対策をして合格していくパターンが多いですね」(浅木さん)■教育熱心な家庭の子が通っているのが魅力学校のカリキュラムが受験対応ではなく、ハードルも私立小学校並みに高いとはいえ、教育熱心な家庭の子どもが通っているのは事実。意識の高い友達と、勉強や課外活動を通じて切磋琢磨できる環境が整っていることは、国立小学校の魅力と言えるだろう。次回は、いよいよ最終回。「早期英才教育は有効なの?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月26日小学校受験のための「お受験」が幼児の受験すべてではありません。実はお受験が乳児期から始まっているという事実が、最近の専門家分析であるそうです。乳児期からの受験勉強って? いったい何を見るの? というママへ、英才教育への将来展望を踏まえて情報をお伝えします。■乳幼児の脳トレーニングは、有名幼稚園受験にも対応できる?京都大学名誉教授の久保田競さんの著書『赤ちゃんの脳を育む本』でも、赤ちゃんの頃から脳に刺激を与えることは、脳の発達=お受験脳に役立つとされています。乳幼児期に脳のトレーニングをしていくと、お受験体制に入りやすくなるというわけです。また、『赤ちゃんの頭がよくなる育てかた』(主婦と生活社)の著者であり東京大学を卒業した櫻井正孝氏も、まず0歳から3歳時は脳を活発にするトレーニング、知能のトレーニングが大切ということで、ご自身も幼児教育のトレーニング所を開設しています。(参考)東京知育研究所 同書によれば、五感活用の「親子あそび」をすることで、乳幼児の才能がグングン伸び、丈夫に育つという理論が展開されています。このころは知識を養うというトレーニングよりも、五感を活用することに尽力すると、その後の幼児期に形成される脳が受験にも役立つということになります。 ■日常生活の中で、「考える力」の準備を乳幼児に養いたいのは、思考力・推理力・想像力・集中力・発見力です。好奇心をどんどん養って、脳を活発にする、右脳を使うなどのトレーニングで子どもはグングン発達していきます。速読の先生にインタビューをしたときに、「利き手ではないほうで字を書く練習をする、歯磨きをする」「画をさかさまから描く」などで右脳が刺激され、記憶力や集中力がアップすると聞きました。乳幼児の場合ですと、日常生活の中で「毎日同じことをする、くり返す」という刺激を与えるだけでも、神経回路の定着、脳の発達を促すことになります。たとえば赤ちゃんの時の座り方。首が座ってきたら、きれいに座らせたり、立たせたりする運動。はいはいも、正しい姿勢できれいにさせると、骨や筋肉の発達も兼ねて脳をうまく働かせることにつながります。■うまくできたらほめてあげる、スキンシップするいろいろなことができたら、ほめてあげることもトレーニングの一つです。ほめられると赤ちゃんでも脳が反応し、次はもっとうまくやろうとポシティブな気分になるものです。ほめることは赤ちゃんのモチベーションをアップします。また、ママとのスキンシップが多ければ安心感を持ち、落ち着いた子になるといわれています。授乳が親子のスキンシップに良いと産科で言われるのはそのためでしょう。乳幼児のお受験前のトレーニングといっても、数式を解いたり漢字を書いたりするわけではありません。日常の動作をメインに、きちっとした姿勢や動きを身に着けることは、後々のお受験キッズを形成する上でも役立ちます。また、お受験をしない場合でも、元気で頭の回転が良い子を作る基盤に。健やかな子どもの成長のために、乳幼児期から脳に刺激を与えて、適応能力が高い子の発展を目指しましょう。(高城あすか)
2016年07月26日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは言う。「志望校が決まったら、願書作成・面接の準備と並行してお子様の対策を始めましょう。でも、具体的な対策を始める前に、下記をチェックしてみてください」■幼児としての基礎力があるか?チェックする項目は、いわば幼児としての基礎力だ。この基礎力なくして、ペーパーテストや絵画の対策をしても、なかなか合格できない。習慣として定着させるのに時間を要することばかりなので、小学校受験を思い立ったら、まずはチェックしてみて、「わが子の現状」を把握したい。■チェック1 幼児のような言葉づかいはしていないか?「ご家庭で、子どもを赤ちゃん扱いせず『きちんと教育する意思があるか?』という部分がチェックされています」(浅木先生)<チェック項目>□幼児語(ワンワン、にゃんにゃんなど)を使わない□自分のことを名前で表現せず「私、僕」と言える。(例:私は音楽が好きですと言える)□語尾を「です」「ます」と最後まで正しく聴き手に聞こえるように話せる■チェック2 人の話を聞くことができるか?「お話しが聞けるというのは、学習の基本になることです。ですから、とても重要視される項目です」(浅木先生)<チェック項目>□人の話を最後まで聞くことができる□幼稚園・保育園で先生のお話をきちんときくことができる ■チェック3 生活リズムが整っているか?「生活リズムが整っていることが、すべての生活のベースになります。また、最近は、椅子にきちんと座っていられないお子さんが増えているのが、すごく気になっています」(浅木先生)<チェック項目>□早寝早起きをしている□平均的な幼児としての体力がある□よい姿勢をこころがけている□椅子に座ったときに足をブラブラしない(自宅で、常に足が床につく子ども用の椅子に座らせている)■チェック4 基本的な生活動作が身についているか?「ここにあげたものは、就学前に身につけておきたい基本的な生活動作です。」(浅木先生)<チェック項目>□着替えが1人でできる□脱いだものを1人でたためる□靴の着脱ができる(左右正しく履ける)□靴の紐をむすぶことができる□自分の荷物を所定の場所に置くことができる□帰宅後、自分が脱いだ履物をぬぎちらかさずに整えることができる□帰宅後、自分の荷物を所定の場所に置くことができる□帰宅後、手を洗うなどの衛生習慣がついている ■チェック5 集団生活になじむことができるか?「集団の中で遊ぶことができるというのは、学校生活を送る上でとても大切な要素です」(浅木先生)<チェック項目>□集団の中で遊ぶことができる□お友だちと遊んでいるときの言葉遣いが乱暴でない□ケンカを親に報告できる□お友達とおもちゃをめぐってケンカしたときなど、話し合いで解決することができる■チェック6 場をわきまえることができるか?「小学校受験では、お行儀はとても重要視されます。公共の場できちんとしたふるまいができることは大切です」(浅木先生)<チェック項目>□「待ちなさい」と言われたら待つことができる□公共の場を認識し、場をわきまえることができる□公共交通機関を日常的に使用している結果のほどは、いかがだっただろうか? ちなみに私の下の息子は小学校6年生だが、「チェック4 基本的な生活動作」がまだ危うい(涙)。このチェックは、子どもの基礎力を確認するためにも本当に有効だと思った。次回は、「国立大付属小学校を受験するなら知っておきたいこと」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月25日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいのは志望校をどこにするかということです」と言う。志望校が決まったら、いよいよ本格的な受験対策が始まる。小学校受験の「もっとも大切な対策」とは? ■「学校が求めている子」とは?「小学校受験とは、いわば学校とご家庭のお見合いのようなものです。学校が求めている子とは、端的に言えば『学校の教育方針と一致したご家庭のお子さま』です」(浅木さん)。小学校受験が親の受験といわれる所以(ゆえん)は、家庭の教育方針や雰囲気が、さまざまな考査や面接を通じて試され、合否が決定されるところにある。「ですから、志望校が決まり次第、志望校の教育理念と家庭の教育理念の一致点を明確にし、一致点を意識しながら、お子様の教育をしましょう」(浅木さん)。■家庭の教育方針を明確化させる 浅木さんが主宰する柊会では、毎月、保護者に願書・面接対策となる作文を提出してもらっているそう。入試直前ではなく、入試の数年前から家庭の教育方針を明確化することで、「こんな子どもに育ってほしいけれども、今、わが子はこういうことができていない」「わが家の教育方針では、○○を子どもにしてあげたいけれども、時間的にしてあげる余裕がない。その代わりに、△△をしてあげよう」など、さまざまな思いが出てくる。これがとても効果的な面接対策となるようだ。「志望校を決定し、家庭の教育方針を深く考える作業は、幼児教室に通うより早く始めても良いくらいで、早すぎるということはありません」(浅木さん) ■両親の教育方針のすり合わせも大切願書作成や面接対策のために考え抜いた教育方針で子どもに接することで、入試当日の子どもの言動と、面接での保護者の回答が一致する。家庭の教育方針を明確化する時には必ず、パパとママの意見のすり合わせも必須だ。両親の意見が異なると、子どもは混乱する。特別な時間をとらずとも、仕事の合間にメールでやりとりをするなどして、できるだけお互いの負担にならない工夫をしよう!次回は、「小学校受験をするならチェックしたい6つのこと」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月24日【ママからのご相談】小学生と中学生の子どもがいます。頭のいい子がいるご家庭の母親たちは、「勉強しろなんて一度も言ったことがない」とよく言っています。これは、嘘なのでしょうか。それとも本当なのでしょうか?●A. 「勉強しろ」とは言わないが、子どものやる気を引き出す方法を工夫している。こんにちは。ライターのakiです。私も教員時代、東大をはじめとする超難関校に合格するお子さんのいらっしゃるご家庭をみてきました。確かに親御さんは教育熱心ではあるのでしょうが、「勉強しなさい」などと頭ごなしに勉強をさせるイメージはありませんでした。むしろ、子どもの感受性や心を育てながら、やる気にさせるのがお上手……。そんな方が多かったです。ということで今回は、ご相談者さまの質問に答えるべく、PICASOさんの著書『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方やる気を引き出す親のヒケツ50』より、東大生のご家庭でされていた親から子どもへの接し方の具体例を挙げてまいります。●東大生の自分の成績が伸びた・やる気が出たきっかけエピソード●日常生活編『小2から旅行のプラン(行き先、宿、レストランなど)を決めさせてもらえ自主性を鍛えられた』(東大文科1類男子)『幼稚園から高校まで塾通いをしていた。苦にならなかったのはいつも母親がおやつを用意してくれて、お喋りしながら書き取りや計算を見てもらって勉強の習慣をつけてくれたから』(東大理科3類男子)『両親は共働きで忙しかったけど、本の読み聞かせと博物館や美術館にはよく連れて行ってくれた』(東大人文社会系修士男子)『母からの教育方針は「勉強しなさい」「生活態度を改めなさい」という漠然とした言い方ではなく、「門限を守らなければお小遣いを渡さない」のみ。具体的でわかりやすかった。守ってるうちに生活習慣がきちんとしたものになっていった』(東大経済学部女子)共通しているのは、無理に何かをさせられるのではなく、親から興味のきっかけを与えてもらったり具体的な指針を教えてもらっていたりするということです。「勉強しなさい」「きちんとしなさい」と言うのは簡単ですが、このようにまず具体的な方法 をお子様に示すことが大切です。●勉強編『幼稚園前からフラッシュカードや本の読み聞かせを両親がしてくれた』(東大文学部女子)『5歳まで海外にいた。帰国後は英語の本を親からどんどん与えられた。ハリー・ポッターの原書など何十回も繰り返し読んだ』(東大文科1類男子)『中学校のころ、母が問題集の中から何題か選んで手書きドリルを作ってくれた。問題集をこなすよりやる気が出た』(東大文科3類男子)『英語の音読とシャドウイング(英語を聞きながら少し遅れて発音していく訓練)のやり方を父親が教えてくれてやっていた』(東大人文社会系修士男子)ある東大生の言葉で印象に残っているものに、「親も自分と一緒に勉強していた」 というものがあります。これは別に親も一緒になって受験問題を解いていたという意味ではありません。何をどうすればいいのかを提示してあげ、並走しながらわが子の勉強を見守っているのです。まさに上記の具体例そのものです。難関大に合格する子どもを持つ親御さんの場合、このように一歩踏み込んで子どものやる気を引き出す工夫をされている方が多いのです。●その他『幼稚園のころから「どこの大学に入るかで人生は重要になってくる」とわかりやすいように説明してくれていた』(東大工学部男子)『受験前日にカラオケに連れて行かれたり、ほかの受験2日前も温泉に連れて行かれたり。父親はいつも無理にでもリフレッシュさせてくれた』(東大薬学部男子)臨機応変に子どもに対応するというのもひとつのポイントかもしれません。子どもの性格や状況に合わせて上手に向き合うのです。素直なお子様には大学に入る意味を小さいころから説明して勉強を前向きにさせたり、プレッシャーに弱いお子さんには率先して気分を盛り上げたり。子育て同様に教育方法にも決まったやり方はありません 。お子さん一人ひとりに合わせた導き方を親がきちんと把握していくといいでしょう。----------以上です。「勉強しなさい」と言わずとも見事にお子さんのやる気を引き出してやる気にさせているエピソード。ぜひ、その手法を参考にしてみてください。【参考文献】・『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方やる気を引き出す親のヒケツ50』PICASO・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年07月23日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「受験をするかどうかを決めるのはご家庭ですが、その判断をできる限り後悔のないものにしていただくために、小学校受験のメリットとデメリットを事前にお伝えしています」と言う。メリットとデメリットをしっかり把握した上で、小学校受験を決意したら最初にすべきことについてお話を伺った。■志望校により選抜形式が違う「志望校をどこにするか? これは、小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいことです」(浅木さん)小学校受験は、学校によって入試の選抜方式が違う。選抜方式と入試傾向を知ることにより子どもにかかる負担を軽減することができるからだ。 ■志望校の選抜形式にそった対策を立てるたとえば、慶応幼稚舎を第一志望にするのであれば、行動観察と絵画制作に特に力を入れ、余力を巧緻性(こうちせい:第2回<※リンク貼る>を参照)と運動、知識補充を目的とする簡単なペーパー対策にまわす。暁星小学校が第一志望なのであれば、まずはペーパー(分量、速さに対応できるレベルまで)を徹底的に仕上げ、その後、行動観察、制作、運動に取り組む。このように効率良く対策を立てることで、子どもへの負担を軽減できる。「志望校の選抜形式にそった対策を取りつつ、様々な実体験をさせ、場をわきまえられるお子様にしてあげることが合格への近道になります」(浅木さん) ■志望校が決まらない場合はペーパー対策からとは言え、なかなか志望校が決まらない場合もあるだろう。「そんな時は、ペーパー対策から始めましょう。以前に比べ、多くの学校でペーパーテストのウェイトが低くなりました。けれども、ペーパー対策をしておくと併願校を選びやすくなります。また、入試直前の志望校変更が可能になります」(浅木さん)いよいよ小学校受験対策が始動した。次回は、「小学校受験における、もっとも大切な対策とは?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月23日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんが見てきた中では、小学校から高校までの一貫教育をしている90%以上の学校で、主席は小学校からの内部進学者だそう。小学校受験を「人生の糧」にしているご家庭もある一方で、小学校からの内部進学者の学業成績が平均以下となることも珍しくない。■小学校の内部進学者の成績低迷理由「内部進学者の成績低迷の理由は、ほとんどが、その子の地頭の悪さではありません。ご両親の教育熱心さが良くない影響を与え、学力が下がったケースが多く、そういうケースを相当数見るにつけ、本当に心が痛みました」(浅井さん)生まれ持った学力のポテンシャルがあるにも関わらず、学業不振に陥ってしまう。それはなぜなのだろうか?■幼少期の自己否定感は負の連鎖を引き起こす「小学校受験のリスクは、両親や講師が、指導中に望ましくない態度で子どもに接した結果、子どもに自己否定感を受け付けてしまうことです」(浅木さん)模試の結果や勉強の進み具合で親の機嫌が頻繁に変わったり、子どもが問題を間違えた時に叱責(しっせき)したり、志望校にご縁をもらえなかったときに親が落ち込んでしまったりすると、子どもは自己否定感を強めてしまう。「人格の基礎を形成する幼少期に、子どもの自己否定感を強めないよう、ご両親や指導者は、配慮をしなければいけません。ゆったりとした気持ちで子どもに接し、ご家庭は『子どもが安心できる居場所』であって欲しいと思います」(浅木さん) ■合格だけでは不十分「志望校にご縁をいただけるように指導することは当然ですが、それだけでは不十分です。幼児教育指導者は、長期的スパンで、子どもの健やかな成長により良い影響を与える必要があります」そのためには、小学校受験のリスクをきちんと伝えていくことも、幼児教育指導者の一つの仕事だと考えている。「受験をするかどうかを決めるのはご家庭ですが、その判断をできる限り後悔のないものにしていただくために、小学校受験のメリットとデメリットを事前にお伝えしています」(浅木さん)次回は、「小学校受験を決意したら最初にすること」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月22日●連載の目次は こちら から●「皆さまが考えているほど小学校受験は難しくありません。難関と言われる幼稚舎、早実、青山学院、暁星、雙葉でも同様です」と言うのは、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さん。子どもの現状を的確に把握し、正しい対策を行えば、おのずと志望校からご縁をもらえる確率は上がるという。■小学校受験の特徴「小学校受験は、模試の合否判定があてにならないという点で、ほかの受験(中学、高校、大学)に比べると特殊です」(浅木さん)。小学校受験の場合、入試の合否判定は、ペーパーテストだけでなく、巧緻性(こうちせい)や行動観察、親子面接などが含まれる。巧緻性というのは、一般的には手先の器用さや指先を使う能力のことだが、小学校受験の場では箸の扱いが正しいか、雑巾をきちんと絞れるか、のりやはさみの扱いが正しいか? といったことを指す。また、行動観察というのは、友だちと仲良くできるか、自分の意見を明確に言えるか、ゲームを楽しみつつもルールが守れるか、などだ。学校ごとに合否基準も異なるため、一概に模試の結果が合否の判定材料にならない。このように合否基準が曖昧なので、親がさまざまな噂に振り回されてしまいがちなのだ。■小学校受験をして得られること浅木さん自身、中高生の受験指導をしていた頃は、そんな小学校受験に対して良いイメージを持っていなかったそう。「でも、実際に小学校受験の指導をしてみて、考えが変わりました。小学校受験は正しいアプローチで取り組めば、子どもは学ぶ喜びを知ります。また、人格の基礎を形成する幼少期に『自分はやればできる』という自信をもつこともできます」(浅木さん)。この記事を書いている私は、長男の中学受験を体験したことがある。受験は、ともすれば「志望校に合格できるか?」が唯一最大の関心事になりがちだ(もちろん、『合格』は大事なことだが)。けれども、「受験という体験」を、もっと有意義なものにするためには、「知ること、経験することは楽しい」「努力すれば自分は前に進むことができる」といった感覚を子どもが感じられるようにしないと、もったいないと思う。 ■主席卒業生は、大抵、小学校からの内部進学者ちなみに浅木さんが見てきた中では、小学校から高校までの一貫教育をしている90%以上の学校で、主席で卒業する生徒は小学校からの内部進学者だったそう。おそらく、主席で卒業していった生徒は、「小学校受験という体験」を、合否という枠だけにとらわれず、人生の有意義な経験値として糧にできるご家庭で育ったのではないだろうか?次回は、小学校受験のリスクについて考えてみます。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『名門小学校受験 合格する「家族力」(浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月21日小学校受験。そんな言葉に、あなたはどんなイメージを持ちますか? 今回は、「小学校受験って、どうなの?」という素朴な疑問について、幼児教育研究所柊会・代表の浅木真里さんにお話を伺いました。■浅木さんが幼児教室を始めた理由浅木さんは、灘、ラ・サールなどの難関私立中学受験指導や医学部受験をメインとする学習塾の教務部長、役員を経て、幼稚園・小学校受験指導を行う柊会(ひいらぎかい)を設立した。「思春期以降の子どもを指導して感じていたことは、幼少期の親子関係は、その後の人生に大きく影響するということです。ですから、少しでも多くの親子に小学校受験対策を通じて、より良い親子関係を育んで欲しいと思い、柊会を設立しました」(浅木さん)■オリジナル教材が必要だと思っていたが…小学校受験と聞くと、「お受験」という言葉で揶揄(やゆ)されるように、高額な幼児教室に通わせないと合格しないのではないか? というイメージがある。「私自身、小学校受験に携わっていなかった頃は、『合格するためには幼児教室の特殊なオリジナル教材が必要だ』と考えていた時期もありました。けれども、実際に指導に携わってみると、そのようなことはありませんでしたね」(浅木さん) ■大切なのは子どもの現状把握と正しい対策「皆さまが考えているほど、小学校受験は難しくありません。大切なのは、お子さまの現状を的確に把握し、正しい対策を行い、志望校からご縁をいただける確率を限りなくあげていくことです」(浅木さん)過去の入試情報については、大手幼児教室が毎年夏に発行する私立小学校の入試問題集にすべて掲載されているそう。また、学校の求める児童像については、学校のホームページや学校説明会で知ることができる。幼児教室の先生から聞いた、学校が求める児童像を鵜呑みにするのではなく、保護者が学校説明会、公開行事の日程を自ら調べ、足を運び、学校を知ろうという姿勢を持つことが合格につながるとのことだ。「過去の入試問題と学校が求める生徒像を正確に知ることできれば、わが子を志望校に合格させるために何をすべきか? という問いの答えは、おのずと導き出されます」(浅木さん)次回は、「小学校受験で得られるメリットとは?」です。今回取材を受けてくだ下さった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月20日【パパからのご相談】娘が中3で、受験を控えています。娘は明らかな文系で、国語、社会、英語の勉強は順調ですが、どう頑張っても数学の成績が伸びません。私はもともと理系で数学が得意なほうでしたので、妻から数学を教えるようにと言われ教えていますが、教えたその場ではできても、テストになると途端にできなくなり、努力が点数につながっていない状態です。全ての科目の中で最も数学に時間を費やしているのに、全く成果が出ない現状……。公立高校を志望しているので受験が心配なのもありますが、親として、この状況を何とかしてやりたいです。●A. 数学が苦手な子には、見直すべきポイントがあります!こんばんは。教育アドバイザーの佐々木です。勉強嫌いのお子さんの指導を得意としています。一生懸命やっているのに成果が出ない。これほどつらいことはありませんよね。周囲の人間は間接的にしか関われないので、もどかしい気持ちもあろうかと思います。とくに文系女子にとって、数学ってほかの科目と勉強方法が全く違うので、やりにくい部分も多いかもしれません。数学、算数が苦手な子にありがちなこと。“計算が遅い” という問題です。計算が遅すぎるゆえに、全然進まずに、嫌になって折れてしまうのですよね。数学でなかなかな伸びないとき、確認すべき点は2つです。●(1)計算のやり方を、理解できているか?計算の方法を理解していないと、足すべきところで掛け算してしまうなど、得意な人にとっては理解できないような計算 をやってしまうことがあります。もちろん、本人に悪気はありません。中学生なら、プラスマイナスの計算や文字式の計算でつまずく子がとても多いです。数学でなかなか成績が振るわないのであれば、ここの理解を確認します。特に文字式では、文字が出てくると途端にわからなくなる子がいます。文字式が苦手な子は、文字を数字に置き換えて、具体化して考える ことがコツです(たとえば、30円の品物をa個買ったときの代金を求める問題では、aを具体的な数字にします。「a個じゃなくて、3個だったらどう計算する?」と聞いてあげれば、答えられるでしょう)。●(2)単純計算を「考えずに」やれているか?計算するときに、「えーっと」と考えていたり、指で計算していたりしませんか。計算で考えてしまう ことが、遅さとミスの原因です。たとえば、歩くときに「次は右足?」と考えたら、転びますよね。自転車に乗るときに「よし!ここでブレーキ!」「ここはペダルを踏んで~」と、いちいち考えないはずです。計算のやり方を考えずに、手が勝手に動く状態。脳科学ではこれを、作業記憶 といいます。計算が作業記憶化されているかどうか、チェックしましょう。----------数学・算数については、「文章題の出来」が気になる方もいるかと思います。とはいえ、文章題いかんの前に、数学のつまずきはだいたいこの2つが根本原因です。普段はできているのであれば、この2点が定着しきっておらず、参考書等が近くにある、教えてくれる人がいるから、それをマネしてできているだけの可能性が高いです。数学って、できるようになると、とても楽しいのです。問題を解いて答えにたどり着く喜びを味わえるのは、5教科のなかでは数学だけ 。しかし、この(1)(2)ができていない状態だと、問題の答えまでたどり着けないので、まったく面白くありません。どうしても成果が出ないのであれば、思い切って戻ってみるのです。こういうときこそ、急がば回れ 。まだ受験まで時間があります。ぜひ、夏休みの時間を使って、不安なところをやり直してみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年07月01日【ママからのご相談】受験直前、子どもが一生懸命頑張っているのですが、どうしても不安です。不安から、怒鳴ってしまいます。怒鳴ってしまったあと後悔するという悪循環を、もう何度もしています。どうすれば、この不安な気持ちを解消し、 子どもを応援してあげられるでしょうか?●A. お金をかけず、不安が解消できて、合格率が上がる方法があります。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木恵です。これまで勉強嫌いの子どもを専門に学習支援を行い、全員を第一志望に導いてきました。受験に限らず、子どもにとって大切なイベントの前。受験をする本人はもちろんですが、支える側のお母様も、心配で夜も眠れないのではないでしょうか。でも、自分が代わりに受験することもできないので、見守るしかなく、子どもがダラダラしているのを見るとイライラして怒鳴ってしまうこともあるのではないでしょうか。成績が志望校に足りなくて、不安で仕方がない……。そんな気持ちを抱えておられる方、多いのではないかと思います。イライラしたり不安になったりするのは、お子さんに受かってほしいからですよね。しかし、イライラをそのままぶつけたら、間違いなくお子さんは傷ついてしまいます 。そこで受験生を持つ親の皆さまに、不安が軽くなって、なおかつ子どものやる気も上がる方法をお伝えします!●お子さんに手紙を書きましょう受験など、ここ一番の直前に不安な気持ちになったら、お子さんに応援のお手紙を書きましょう。「いつも頑張っているね」「こんなに頑張ったんだから大丈夫だよ」そばでお子さんを見守ってきたお母様だからこそ、書ける言葉があると思います。温かい応援メッセージで、お子さんを励ましてあげましょう。●なぜ、紙に書くのか紙に書くことで、お母様の気持ちがお子さんに伝わります。しかし、メリットはそれにとどまりません。騙されたと思って一度書いてみてください。受験直前の不安な気持ちがスっと落ち着くのを感じるはずです。不安や悩みなどのマイナスな感情を抱えているとき、頭は混乱状態にあるものです。紙とペンを使って書くとき、言葉の意味やつながりに始まり、文字を書くときの手の動きや強弱、バランスなどを考えます。そのため、脳に大量の刺激が与えられ、理性的に考えることができるのです 。書き終えたものを見れば、頭の中にあった思考が客観視できます。さらに、それを読んだお子さんは、やる気200%アップ間違いなし。特に中学受験においては、多くのお子さんが中学受験を自分のためにやってはいません。子どもたちは親の喜ぶ顔のため に、一生懸命勉強しているものです。年齢が下がれば下がるほどこの傾向は強くなるでしょうが、「受かって、親を喜ばせたい」という気持ちは、小学生だろうが高校生だろうが同じなのです。●手紙を書く効果では、実際にお子さんに手紙を書いてみた親御さんの声を聞いてみましょう。『受験前日、子どもは寝る前に布団の中で私の手紙を読んでいたようです。受かったらラッキーくらいに考えていましたが、子どもも不安だったんだなと思いました。手紙があったから緊張せずに当日を迎えられたようで、無事に第一志望に合格できました』(中学受験生の母親)『手紙作戦は効果絶大でした。実は、書くことを最近しなくなりましたが、娘からのリクエストで手紙が欲しいとのことでしたので、短いですが、したためてみました。受験生は、勉強もですがいろいろな不安な気持ちとも戦っているのですよね』(高校受験生の母親)『受験前は私の方が不安でしたが、書くことで気持ちの切り替えができました。私も子どもたちの支えにならなくてはいけないので、母として、あらためて、強く構えようと思うことができました』(中学受験生の母親)お子さんからの声も紹介しましょう。『受験が不安でしたが、手紙をもらって「ひとりじゃない」と思うことができ安心しました』(高校生)いかがでしょうか。手紙を書くのは恥ずかしいかもしれません。しかし、親子の絆が強まり、不安が解消され、合格率も上がるなら……やってみる価値があります。ぜひ、受験にあたり、お子さんにお手紙を書いてあげてください。最高のお守りになるはずです。【参考文献】・『大人の脳科学常識 頭が冴えわたる脳の鍛え方』トキオ・ナレッジ(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年06月19日いまやSNSは、私たちの生活にすっかり浸透し、一つの大切なコミュニケーションツールとなっています。そんなSNSを通してママ友とつながっている、という方も多いはず。子育ての悩みや不安を共有して励まし合ったり、有益な情報を交換し合ったり、便利なツールとして活躍しているのではないかと思います。でも、そんな便利なことばかりではないですよね。時には見たくない情報や知りたくない情報を目にしてしまったり、関わりたくなくても付き合いで関わらなければならなかったりすることもあるのではないでしょうか。そこで今回は、“イラッとしたママ友のSNS投稿” についてインタビューした結果をご紹介したいと思います。●(1)鼻につくセレブ自慢『ジムに通って体を鍛えてるとか、豪華なランチを食べたとか、子どものお受験ネタ とか、イラッとします。うちにはそんなことする経済的な余裕はないので、格差を感じて嫌な気分になります。ホント、やめてほしい』(30代ママ/パート)『大学時代の友達がお金持ちと結婚して、セレブっぷりを自慢するかのような投稿ばかりしていて腹が立ちます。自分で稼いだ収入ならいいけど、旦那の稼ぎで贅沢してるだけ でしょって感じ』(30代ママ/事務)豪華ランチの写真や海外でバカンスを楽しむ家族写真、子どものお受験ネタ……セレブ生活が垣間見える投稿はイラッとされやすいもの。本人にその気がなくても、見ている方はやはり良い気はしないでしょう。そういった写真や投稿は、生活レベルが同じママ友のあいだだけで公開した方が良いのかもしれません。●(2)親バカっぷりが炸裂の子ども自慢『自分の子どもを中学生にもなって「○○ちゃん」って“ちゃん”付けで呼んでるママ友。SNSに子どもの写真ばっかりバンバン上げて、子ども自慢がすごくて、ちょっと気持ち悪い。毒親ってやつ?』(40代ママ/専業主婦)『うちの子自慢がすごいママ友は嫌ですね。挙げ句の果てに、自分の子育て論とか教育論 とか語っちゃってて。引きます』(30代ママ/パート)自分の子どもはそりゃかわいいでしょう。でも、SNSは不特定多数の人の目にふれるもの。多くの人は、他人の子どもの自慢話を聞いてもおもしろくありませんし、あまり子どもの写真やプライベートな情報まで載せるのも防犯上よろしくない気がします。子どもの話ばかり書きたい方は、日記を活用した方がいいかもしれませんね。●(3)対面で言えない文句をネチネチ投稿『「今日の保護者会でこんなことがありました」なんて調子で文句や愚痴をわざわざSNSで投稿する ママ友がいたんですけど、気分が悪かったです。文句があればそのときに直接言えばいいのに、ネチネチSNSで投稿するなんて、非常識だと思います』(40代ママ/販売)『「○○ちゃんのママはお仕事で参加できないそうです」って、わざわざ私が参加できなかったママ友のランチ会写真にコメントをつけていたママ友にはイラッとしました』(40代ママ/営業)SNSを使って文句を言うとは、なんとも卑怯な気がします。言われたほうはかなり傷つくし、「いいね」がたくさんついていると、みんな敵のような気がして怖くもなりますよね。●(4)他人の写真や情報を公開するプライバシーの侵害投稿『私はSNSをやっていないんですけど、子どもの友達の親から、「おたくの○○ちゃんの写真と名前、住んでる地域名まで公開されてるよ」と聞いて、ビックリ!ママ友が私に無断で、「今日は○○に住んでる○○ちゃんと遊びました」 って、うちの子の写真をSNSにあげていたんです。他人のプライバシーを侵害するなんて、ひどすぎます』(30代ママ/美容師)プライバシーに無頓着なママ友、困りますね。自分自身がいくら気をつけていても、ママ友から情報をネットにさらされてしまったら、たまったもんじゃありません。このような場合は、ママ友に危険性をよく伝えた上で、二度と同じようなことをしないよう注意しておきましょう。----------いかがでしたか?中には「イラッとした」じゃ済まされないようなものもあるように思いますが、みなさんは心当たりがないでしょうか。もしも心当たりがある方は、友達をなくしかねないので、今すぐ自分のSNSでの言動を見直しましょう。●文章/パピマミ編集部
2016年06月07日「中高一貫校で、のびのびと思春期を過ごしてもらいたい」「内気な性格で内申点が心配だから、学力だけで判断してくれる私立中学も視野に入れたい」など。わが子を地元の公立中学ではなく、私立中学に通わせたいと考える親は少なくありません。中学受験をするなら、それなりの対策が必要です。私立に行きたいのか、公立がいいのか、小学生の本人には判断がつけられませんから、親がわが子の資質を見極めてあげる必要がありますよね。でも、どうやって? そこで、わが子の中学受験を経験された先輩ママふたりにお話を伺いました。■私立中学のメリットは?まずは、私立中学のメリットを聞きました。ひとり目は、損愛保険会社にお勤めのBさん。中学1年生女の子のママです。ご本人も中学受験の経験者だそう。「夫も私立の中高一貫校出身です。だから、娘が生まれたときから中学は私立、という選択肢が漠然と頭のなかにありました。決め手となったのは、地域の公立中学の評判があまりよくなかったことですね。私学は、それぞれ教育に関する考え方の打ちだしがあり、それに共感した家庭の子どもが通っています。また、通っているうちに、子どもの考え方や発想の生みだし方も似てくる。家族や友だちと話が合いやすいというのは大きなメリットだと思います」中学2年生の息子さんがいるCさんも、「中学受験をさせる家庭は、教育に対する考え方が似ていると思います」と言います。「子どもにしても“勉強して当たり前”という感覚が身についている。そういうお友だちと生涯を通して付きあえるというのはメリットですよね。うちの子は、わりと周囲の環境に流されやすいタイプ。わが家では、いいお友だちと出会えそうな場所として、私立中学を選択しました」(Cさん)■受験勉強をスタートさせたのはいつごろ?では、いつごろから中学受験の対策を始めたのでしょうか。高学年から、というのが一般的なようですが…。「わが家の場合、3年生の終わりの春休みに大手の中学受験塾に通わせました。でも、授業についていけず、4年生の春には別の塾へ。ひとクラスあたりの人数が多い塾は娘に合わないようだったので、最終的には少人数制の個人塾を選びました。6年生の追いこみの時期になると、土日はお弁当を持って塾に通い、塾が終わると家庭教師にも来てもらって勉強漬け。そのおかげで普通の成績だった娘の成績はメキメキとあがり、学校の通知表もオール5になりました」(Bさん)Cさんも、正式な入塾は3年生の終わりの春休みだったといいます。「ただ、早くから塾というものに慣れさせたほうがいいと思い、その塾が小学低学年を対象に行っていた1日体験講座や、理科実験プログラムに2年生のころから参加させていました。先生とも顔なじみになり、親身になってくださったので、息子も居心地がよかったようです」■志望校選びのポイント「やはり、子どもと学校の相性は大切ですよね」というのはCさん。「少なくとも中高6年間は通う場所です。大学の付属校に入学し、エスカレーター式で大学まで進学すれば10年間ですから、そこが本人の学生生活のメインになります。その学校の建学精神や校風がわが子と合っているのか、は熟考しました」(Cさん)退学率も調べたそう。「万が一、学校の勉強についていけなかった場合、どういうフォローをしてくれる学校なのかを親が事前に知っておくことは大切だと思います」(Cさん)Bさんは、自宅から1時間以内で通える範囲の私学の学園祭や体育祭を娘さんとめぐり、本人が行きたいと思った学校を志望校に決めたそうです。「娘が選んだ学校は5つありました。受験日が重なってしまったので、実際に受験をしたのは、そのうちの2校です。どちらも合格をいただくことができましたが、最終的に本人がより入学したい学校を選びました。学校生活は充実しているようです。同級生のお友だちも、口をそろえてこの学校に通ってよかったと言っています」(Bさん)子どもの資質を見極めるのと同時に大切なのは、本人の意見を尊重すること。子どもの「これから」を考えるにあたって、心に留めておきたいことですよね。(マムズラボ)
2016年06月02日【ママからのご相談】以前、ネットの記事で3人の息子さんを東大に合格させたお母さんが、「紙の辞書より電子辞書がいい」と言っているのを見ました。しかし、人によっては紙の方がいいという人もいらっしゃいます。わが家の中学2年の息子も紙の辞書は重いからと学校へ持っていきたがらず、自宅に置きっぱなしで、辞書はもっぱら電子辞書を使っているようです。実際のところ、紙の辞書と電子辞書はどちらの方が勉強に向いているのでしょうか?●A. 目標が決まっていて時間を有効活用したいときは電子辞書が便利です。ご相談ありがとうございます。ライターの渦マキです。筆者が学生だったころは電子辞書がまだなかったので、重い辞書を持ち歩くのがおっくうで自宅用と学校用の2冊をそろえていたものです。今思い返せば、ネットがない当時はこまめに辞書を引いていた気がします。筆者の子どもは中学生になりますが、電子辞書は持たせていません。筆者と同様に紙の辞書を自宅と学校に一冊ずつ置いています。同級生の母親4人に聞いてみたところ、電子辞書を使わせているご家庭はありませんでした。まだ中学生なので辞書の使用頻度が少ないことが理由のようです。●息子3人を東大へ入れた“佐藤ママ”が電子辞書をすすめる理由息子3人を東大に入学させたことで有名な佐藤亮子さんですが、ご自身の著書のなかで、「中学に入ると即、子どもにそれぞれ電子辞書を持たせた」という主旨のことを書いています。佐藤ママが電子辞書をすすめるのは、以下のことが理由だそうです。・紙の辞書はペラペラめくっているうちに疲れる 。調べたい単語がすぐに出てくる電子辞書が効率的である。佐藤さんは、『受験は時間との戦い』ともいっておられます。限られた時間をいかにムダなく有効活用するかが大切になってくるのですね。ちなみに、3兄弟でもそれぞれ電子辞書の使い方が違うようで、3番目の息子さんは高校卒業までに3回も壊れたそうです。●紙の辞書の方がいいと言われる理由3つ世間で紙の辞書の方が良いとされている主な理由については、以下の3つが挙げられます。・調べたい単語の前後の単語も目に入る・書き込みができる、付箋を活用できる・成句や例文が豊富にでているさきほど、筆者の周囲のママ4人は子どもに電子辞書を使わせていないとお伝えしましたが、筆者の住む地域は田舎なので、単純に大学受験を中学の段階で意識する家庭が少ないということが一つの原因でもあると思います。彼女たちに佐藤ママの話を出してみたところ、「高い目標がすでにあって、それに向かって一刻もムダにしなくない状況下であれば、電子辞書は有利だと思う」という意見が出ました。●紙か電子かはケースバイケースご相談者さまも、佐藤家のようにお子さんがすでに進学する高校や大学を決めており、それに向かって進んでいるのであれば紙の辞書よりも電子辞書の方がムダなく学習できることと思います。しかし、そういう状況にあるわけではなく、単純に学習の一環として持たせてあるのであれば、筆者は紙の辞書をオススメいたします。なぜなら、紙の辞書は電子辞書に比べて少々調べるのに時間がかかりますが、その分“自分で調べる”というプロセスを実感しやすい ため、頭の中にしっかり取り込まれるからです。筆者が子どものころ、国語辞典を引くと他の言葉が次々と目に入って読みふけっているような状態になっていましたが、それが漢字をいち早く知る手だてになっていたように思います。面倒であっても、辞書を引くというプロセスを繰り返すことによって、調べる早さも向上し、探究心も旺盛になってくるはずです。電子辞書は便利ですが、どんな状況においても紙より有利、というわけではありませんし、値段も安くはありません。紙か電子かはケースバイケース 。お子さんの状況に合わせて、必要がどうかをよく考えましょう。【参考文献】・『受験は母親が9割灘→東大理Ⅲに3兄弟が合格!』佐藤亮子・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年05月25日前回に引き続き、2013年開校の「駿台・浜学園」をご紹介。「算数の実力差が受験を制す」と、4教科の一般コース以外に算数のみの特訓コースもあり、テストの回数が多いのが特徴だ。今回はさらに詳しい塾の体制と、関西トップ塾が関東に進出した理由をご紹介する。○家庭学習しやすい仕組みが充実中学受験において、親の関わりが難しいと感じることの1つに、「家庭学習」があるのではないか。その点頼りになるのが、授業のポイントやアドバイスを示した同塾の「学習計画表」だ。ポイントを記した箇所には、テキストのページ数も書かれているため、復習しやすい。インターネットも活用しており、欠席時の講義や公開学力テストの解説、テキスト全問題の講義などがオンライン上で視聴可能。塾がないときでも子どもたちが自ら勉強できる環境を作るためのサポートがしっかりしている。テスト結果も随時見られるので、保護者も安心。また、学力に即した講義と少人数指導を徹底させているのも特徴だ。一般コースでは学力に応じたクラスが3種類あり、復習テストと公開学力テストの総合成績で2カ月ごとにクラス分けされる。クラスが上がれば頑張りの評価に、クラスが落ちても、次回への目標につながるとともに、学力に即した講義が受けられる。1クラスの人数は10名程度と少ないので、一人一人に先生の目が行き届く。講師については現在、関東だけでなく実績のある関西からも3分の1以上呼び寄せているという。さらに、オリジナル教材も学習内容を深く理解させるための工夫が満載だ。教材には、繰り返し学習した単元を、学年をまたがって内容を高度にしつつも再度学習する「スパイラル方式」という仕組みを採用している。この教材を使うことによって、ただ問題をこなすのではなく、意味の理解に導いて定着をはかり、効率的に勉強を進めていくことができるとのことだ。○合言葉は”満足していただける受験”関東と関西の指導体制に大きな違いはない。しかし、関西では入学試験が3教科(国語・算数・理科)でも受験できる学校が多数であるのに対し、関東は社会を含めた4教科が多いので、小4から社会の授業を実施するなどの対策をとって対応している。また、記述式の問題が多い都立の中高一貫校対策も抜かりない。2016年は見事、小石川中等教育学校(都立の中高一貫校)に合格者を輩出した。第1期生は21名と少ないが、開成中や渋谷教育学園幕張中、お茶の水女子大学附属中、女子学院中など超難関有名校の合格者も多数輩出している。同塾では、合言葉を”満足していただける受験”とし、利用者が満足感を持って受験に取り組める環境づくりを心がけているという。中学受験は親子の受験。親のサポートなしでは勝ち得ないのが実情だ。そのため、講師と子ども、もしくは講師と保護者、あるいは3者面談というかたちで、希望があれば面談を実施してくれる。申し込めば期間や回数に関係なく、相談に応じるサポート体制が整っている。子どもと親の主張が一方通行になり、コミュニケーションを円滑に取ることが難しくなったときに、間を埋めてくれる役割も担ってもらえそうだ。○少子化などの影響で関東進出少子化や受験率の低下を実感し、2003年には東海地方、そして関東進出を果たした同塾母体の「浜学園」。関東でのブランド力を高めようと、実績がありながらも中学受験部門の強化を検討していた「駿台」とタッグを組んでの開校となった。「算数指導」を看板に掲げる浜学園と理数系に強い駿台の方向性が似ていたというのもある。今回の取材先、お茶の水教室が入ったビルは「駿台」がメイン看板を掲げている。「駿台・浜学園」は3Fの全フロア。取材に応じてくれた同塾の竹森勝俊 代表取締役は、「ゆくゆくは、2歳半から入れる幼児教室(はまキッズ)から「駿台・浜学園」、大学受験で「駿台」へと1つのビルで完結する形を取りたい」と抱負を語ってくれた。今後も1年に1~2校のペースで開校していくという同塾。既存の教室の地固めも必要なので、無理な広げ方はしないそうだ。今後の展開が楽しみである。
2016年04月13日【ママからのご相談】小学校1年生の母親です。将来は、御三家と呼ばれている中学の受験を考えています。その学校の先輩ママに伺ったところ「一にも二にも算数能力を上げること」と教えてもらいました。 なんでも算数センスの良い子が圧倒的に合格するとのこと。小学生低学年で算数センスをつける方法を教えてください。●A. 算数センス=読解力を磨きましょう。こんにちは。ライターのakiです。確かに難関校の中学受験では算数で難問を出すところが多く、数学的センスを問われるところが多いです。“計算が早い”、“正確に解ける”とはちょっと別の論理的思考力というのでしょうか。そのような能力が確かに問われます。では、そのような算数センスはどのように養われるのでしょうか?実は意外に思われるかもしれませんが、国語能力、つまり読解力を養うことがその近道となりそうなのです。●数学は文系の科目。国語力を徹底的につける著名な数学者が口をそろえて言うのが「数学は文系である」 。数学は理系科目ではありますが、実は文系のような国語力が必要だということなのです。算数の文章題をイメージしてみてください。決まりごとを見つけ出す、条件を整理する、推論する。これらは、確かに国語の論理力が文字の代わりに数字で問われているに過ぎません。もちろん計算力がなければ算数はできませんが、こういった読み取り能力こそが何よりも第一に大事なのです。お茶の水大学教授の数学者、藤原正彦先生も『一にも二にも国語、その次に算数』を学習するよう言っています。その国語についても「読むが20、書くが5、話すと聞くがそれぞれ1」と言っています。つまり、徹底した国語力をつけることが算数センスを伸ばす秘訣 なのです。文章題が苦手なお子さんは、とにかく活字を読ませて(ゲームの攻略本でもマンガでもいいのです)、自分で活字を読むことに慣れさせることから始めてもいいかもしれません。●日常生活の中で時間の概念を学ばせるたとえば中学入試に頻出の問題で速度の問題があります。これを得意にさせるためには、まず時間の概念をしっかり学ばせることが大切だそうです。アナログの時計で「今家を出るのが3時半、帰ってくるのが5時。遊べるのはどれぐらいの時間?」などと日常生活の中で時間について考えさせる機会をたくさん作る のです。時間や時刻を読むのに自信が持てないと、速さを学ぶ段階でつまずいてしまう子が多いそうです。そのため、根気よくご家庭で、時間をしっかり読めるよう指導して学ばせていくことが大切なのです。●幾何学的センスは図形遊びを思う存分させることで身につけるたとえば積み木遊びや砂場遊びなど、形を作ったり積み上げていく遊びから形や図形を子どもたちは学んでいきます。レゴや立体ブロック、ジグゾーパズル、アイロンビーズやアクセサリー作りなども然りです。とにかくこれらを気の済むまで遊ばせる、作らせることが一番なのです。できなければ親が手伝うのではなく、見本を見せて自力でやらせることがいいそうです。子どもの視線で“物の形の面白さ ”を学ばせることで、違和感なく図形の問題を平面・立体共に考える(想像できる)力が養えるそうなのです。----------以上です。算数センスを身につけさせるには、問題集をたくさん解かせるだけでなく、日常の中で親が協力できることもたくさんあります。まずは、子どもの読解土台を作ってあげると、おのずと算数センスが身につくルートが生まれてきます。ぜひ、親子で一緒に楽しみながら実践してみてください。【参考文献】・『子どもが伸びる魔法のしつけ』谷かおる・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年04月08日今回は、小学校受験をすると決めたご家庭がやるべき心の準備と努力についてです。まず必要なのは、両親が「ブレない」ことです。小学校受験を決めると、お子さんを塾に通わせることとなります。この時点で多くのご家庭では壁にぶつかることでしょう。その内容はというと……お子さんによっては、ご両親のただならぬ意気込みに拒否反応を示し、塾に行きたくないと言ったり、塾への道中に意味不明な理由でゴネ始めたり、ということがあります。小学校受験をする子があまりいない幼稚園に通っていると、降園後の遊びを早めに切り上げることを嫌がるケースも。塾が保護者参観を義務付けていない場合、普段は母子分離ができていても、いざ塾で親と離れるとなると大泣きすることもあります。子どもがこういう行動に出る理由は、「他の子はできるのにうちの子は……」と比べられたり、うまくできないことに挑戦し続けてそれによってプライドが傷付くのが嫌だったり、ということが考えられます。しかし、だからといって頭を抱える必要は無く、このような抵抗があることは極めて普通のことと思ってください。子どもは、親の心理状態や環境の変化に敏感に反応するからです。もちろん、泣き喚く子どもを教室に押し込んで「頑張ってきて! 」と突き放すのは心の痛むもの。また、家庭で勉強に取り組んでいると、何度説明しても理解しなかったり、飽きて集中していなかったり、イライラする場面は止めどなくやってきます。つい、怒鳴ってしまい、後悔。そして、「小学校受験さえしなければ……」と思ってしまうものです。しかし、親御さんが子どもの前で少しでもそんな顔を見せたり、弱音を吐いたりしたら最後。子どもは本当によく見ているので、嫌がればやらなくていいという可能性を見いだしてきます。そしてもっと抵抗してみる、という悪循環に陥ります。○努力し続けるのは大変なことさて、塾通いに抵抗がなくなったら、次にくるのは体力と精神力の壁です。これはお子さんではなく、ご両親に先にやって来ます。勉強を進める度につまずきがあり、それを克服するための努力を繰り返すわけですが、受験1年前からはその頻度が急速に上がるので息切れしてしまうのです。子どもは日々成長しているので、与えられたものを理解できるように教えてもらえれば、次々と身に付けていきます。しかし、ご両親がお子さんの癖や言動を直すため怒らず注意し続け、できない問題を焦らず怒らずあの手この手で理解させようと努力を続けることは、かなりの我慢と体力を要します。また、小学校受験特有のプレッシャーもご両親を襲います。家族に私立小学校卒業生がいたり、近親者に合格実績がある場合、「うちだけ失敗する訳にはいかない」と思い、兄弟に合格実績があると「下の子はダメだったなんて言えない」と思ってしまいます。子どもはそれぞれ個性も能力も違うのですが、それでは済ませられないのが大人の事情。このプレッシャーに耐えながら努力を続けるには、かなりの忍耐と精神力が必要となります。働きながら日々の生活をし、その上子どもの勉強とプレッシャーにさいなまれる。こんな日々を受験当日まで耐え抜き、努力し続ける。小学校とは言え受験です。楽なことではありません。覚悟が問われます。そんな状況の中で、ぜひ味方につけてもらいたいのがよき指導者です。泣き喚くお子さんを受け入れてくれる塾の先生。巷にあふれる情報や模擬試験の結果に一喜一憂することをたしなめてくれる先生。泣きたくなる状況の中、話を親身に聞いて今するべき努力を思い出させてくれる先生。そんな先生に出会うことができれば、遠慮なく頼りましょう。そうすれば、お子さんよりご両親にとって辛いことが多い小学校受験も、乗り切ることができるのではないでしょうか。今回ご両親にお伝えしたいのが、受験すると決めたら、心が痛もうが疲れようがブレずに「やる」決意を貫くこと。お子さんが泣いた時はその理由を本人に聞き、どうすれば泣かずに行けるか話し合いましょう。感情的に怒ってしまったことは子どもに謝りましょう。一緒に志望校に憧れ、入学する日を夢見ましょう。受験は、親が子どもに無理やりさせる苦行ではありません。お子さんの将来のためにする努力です。受験勉強を通して得たものは一生の糧になります。努力は少しの無駄にもなりません。力を合わせて、一緒に成長する道を探り進んでいくのです。受験は、遅かれ早かれやってくるライフイベントです。それを「今やる」と決めたのですから。ご両親の決意が固ければ固いほど、お子さんは親の覚悟を感じ取り、嫌なことがあっても頑張ろうと腹をくくります。辛い場面の話ばかりで辟易とされたかもしれませんが、お子さんとこれだけしっかり向き合って、深く関わりながら一緒に努力をできるのは、受験の中でも小学校受験だけの魅力だと思いますよ。次回は受験準備を進めるにあたり陥りがちな不調について解説していきます。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール小学校受験向け幼児教室「クラリティー・キッズ」主宰五島 真知子自身が小学校受験を経験し、大学までの私立一貫校を卒業。大学時代に縁あって小学校受験塾(クラリティー・キッズ前身)で4年間アルバイトとして従事。大学卒業後は伊藤忠商事に総合職として約11年間勤務するも、結婚・出産・事故による負傷を経て退職。学生時代にアルバイトをした小学校受験塾の前オーナー引退に際して事業を継承し、現職。何事にも果敢に挑戦する意欲を持ち、目標を達成する為の努力を楽しむ心意気を持った輝く子どもを育成するため、教材作成から指導まで広範囲の指導を行う。※2015年度合格実績(順不同)慶応義塾幼稚舎・慶応義塾横浜初等部・立教小学校・早稲田実業学校初等部・東洋英和女学院小学部・聖心女子学院初等科・東京女学館小学校・東京都市大学付属小学校・洗足学園小学校・カリタス小学校・精華小学校・目黒星美学園小学校・桐蔭学園小学部
2016年04月08日【ママからのご相談】こんにちは。小学1年生と4年生の男子の母親です。子どもたちの勉強のことで、今壁にぶち当たっています。私自身の学歴コンプレックスもあって、子どもたちが幼いころからいろいろな教材を買い与え、幼児教室にも通い、勉強には力を入れてきました。下の子はまだ低学年なので何とも言えませんが、長男の成績を見ると今まで頑張ってきた成果を感じることができず、つい焦ってしまいます。周りの友だちは、小学生のうちからそんなに気合いを入れなくてもいいんじゃない?という意見が多く、主人(大卒)も自分が本腰で勉強を始めたのは中2くらいのときだったし、小学生のうちから追い詰めたらかわいそうだ……という意見です。別に中学受験をさせるわけではないです。ただ、今のうちに学習能力の基礎を作っておかないと、将来の選択肢が少なくなってしまうのでは?(自分がそうだったので)と心配なのです。上の子のクラスでは、とくに算数で理解力の差が開いてしまっているようで、おそらくうちの子は中の下くらいだと思います。見ていて思うのは、長男は自分から勉強を楽しんでやっている様子がありません。私が押しつけすぎたんでしょうか?●A. まだまだ修正は可能です! 王道は“能動的な学習”に導くこと初めまして!ライターの月極姫です。ウチの末っ子もこの春やっと小学校に上がり、ご相談者様と同様、私も2人の小学生の母親になりました。お子さんが小さいころから学習面に力を入れてきたとのこと、熱意も労力も大変なものだったとお察しします。たしかに「三つ子の魂百まで」と聞くと幼児期にできる限りのことを……と頑張ってしまうのが親心ですよね。0~3歳までに脳の発達がピークを遂げることを考えると、たしかに幼児教育は無駄にはならないと思われますが、小4で思うような成果を感じないからといって、焦ることはありません。ご相談者様のご主人様が「自分も本腰で勉強を始めたのは中2くらいだった」とおっしゃっているように、受験間近に思わぬ力を発揮するお子さんも結構います。大切なのは、いざというときに高い学習能力を発揮するだけの“基礎”が、小さいうちに構築されているか否かです。とはいえ、小学校中学年の学習内容は急に難しくなる部分もあり、この時期の成績低迷は確かに気になるところ。まず、断じて「ウチの子はダメかも」などと思わないことです!お子さんが、うるさく言わなくても“能動的に学習する子”に育つよう、日頃の接し方をちょっぴり見直してみましょう。熱心なあまり、親御さんが陥りがちな“NG行動”を繰り返してはいませんか?●子どもの学習意欲を妨げる“親のNG行動”6つ●(1)勉強を“神聖化”する勉強部屋の環境をばっちり整え、雑音をシャットアウトし“集中”を余儀なくさせる。一見理想的な学習環境のようで、子どもの勉強嫌いを促進させる、ありがちな間違いです。テレビや音楽をかけながらの“ながら学習”は賛否両論ですが、リビングでお母さんが料理する音、お父さんや兄弟のおしゃべりを聞きながらの学習は大いに結構。勉強を特別視するから嫌いになってしまうのです。“勉強=日常” という図式を植え付けてしまえば、肩の力を抜いて勉強するようになります。受験の年頃になれば、自分の意思で自室で集中するようになるので大丈夫。幼児~小学生のうちは雑音・生活音の中でリラックスして学習できることの方が大切です。●(2)勝手に“学習計画”を立てる「今日はこれをやりましょう」「今週はここまでクリアしよう」と、親の方で勝手に計画を立てていませんか?まず、最初に行うべきは「何を勉強したいか」 を子どもに問うことです。勉強が好きになれば、勝手に勉強する子に育ちます。しかし、お子さんがどの教科を好きなのか、把握していない親御さんは意外に多いものです。小学生のうちは、お子さんが「やりたい教科」がメイン。他は、余った時間にできる範囲でやる。1つの教科で自信をつけた方が、他の教科に対してもやる気がわくものです。●(3)飽きっぽさを否定する「1つの教科をじっくりと」「最後まで集中して」これも、大人にありがちが押しつけです。極端に落ち着きのない性格の場合は別として、じつは知能が高いほど“飽きっぽい” 傾向があります。学校から出た宿題は最低限やらなくてはいけませんが、その他のワークや家庭学習に関しては「飽きたら他の教科をやる」でOK。飽きた教科を延々と無理矢理やらされた記憶は、そのまま勉強嫌いの原因になってしまいます。飽きっぽさは、じつはお子さんが親御さん以上に頭の回転が速いサインかもしれませんよ。●(4)“ゆっくりじっくり、長時間”勉強させようとする長時間の学習、延々とした復習もまた、子どもを勉強嫌いにさせてしまう原因の1つ。「スピーディに、短時間集中型」 で行うのが効果的です。ご相談者様は、授業参観に出られたときに、先生の授業がとてもゆっくりであると感じられたことはありませんか?先生の手腕にもよりますが、学校の授業がゆっくり進むのは、ある程度仕方ない面があります。数十人いる生徒の理解度はさまざまで、やはりゆっくりの方に合わせていかなければならないからです。しかし、これがあまりに極端だと、お子さんの授業離れが進んでしまいます。ご家庭でできることは、お子さんの興味関心やスピードに合わせた学習をさせてあげることです。たとえばワークや教材をお持ちならば、15~20分くらいで、学校の授業の進度は気にせずお子さんがやりたがる部分をやる。また、学校で学んだことが理解できているようなら、延々と復習するよりも短時間で予習をして、終了 。家庭で予習、授業で復習という形の方が、お子さんが意外に勉強好きになったりします。●(5)「勉強しなさい」と命令するはい、のび太くんのママがよくやっていますね(笑)。「勉強しなさい」という命令はナンセンス です。そうではなくて、自分から勉強する子になるように、日頃から働きかけていたか否かを、親は自分に問うべきなのです。もっとも大切なのは、親に向上心があること、親自身がよく勉強することです。年頃になった子どもに「どうして勉強なんかしなくちゃいけないの?」と聞かれ、答えに詰まるような親ではいけないということです。資格の勉強、料理の勉強、家計管理の勉強、趣味の向上、大人にも学ばなければいけないことはたくさんあります。親が、自分自身の人生が豊かになるように、努力しているかどうか。これを、子どもはじつによく見ています。「勉強しなさい」と言われなくても「よし、勉強しよう」と思える子どもになるためには、あなたがお手本になること です。●(6)遊んであげない、人任せにする遊びにしても、学習にしても、人任せにし過ぎると子どもの学習意欲に影響してしまいます。子どもと接する“時間の長さ”ではなくて“時間の濃さ” が大切です。先生や塾に頼りすぎず、親が勉強を教えることも大事。また、遊んであげることもとても重要なのです。体を使った遊び、トランプやボードゲーム、カルタなどを使った遊びを、お子さんとしていますか?1人で遊ぶゲーム機とは違い、たとえば家族でやるトランプなどは感情をコントロールしたり、論理的に考えて目標を達成する訓練になります。ゲーム機も確かに楽しいものですが、一見能動的にやっているように見えて、結局はゲームのプログラムに誘導された受動的な遊びです。東北大学の竹内光准教授らの研究グループが「長時間のゲームが言語性知能の低下につながる」という研究成果を発表しましたが、あまりに長時間、ゲーム機に子どものおもりをさせるのは考えものです。やはり家族が頭と体を使って遊んであげる。これが結局は、お子さんの能力を総合的に向上させる ことになるのです。●“勉強する喜び=親からの愛情”。この図式が一生の宝物ご相談者様は、ご自身の経験から「子どもに勉強や学歴で苦労させたくない」という強い思いで、今まで学習面に力を入れてこられたのですね。「人間は勉強ばかりじゃない」という考え方もその通りですが、実際に一定の学習能力があること、学歴があることで将来の選択肢が広がるという面はあります。たくさんの選択肢の中から、自由に選ぶ権利を与える。これは確かに、親の大切な役割ですよね。しかし、結果を焦るあまり、お子さん本人の心の中に「勉強は楽しい」「勉強は役に立つもの」という“学習意欲の種” を撒く過程をないがしろにすると、結局学習意欲や向上心は身に付きません。理想は、“勉強”と“親の愛情の思い出”が直結していることです。「本を読み聞かせてくれた」「一緒に勉強してくれた」「わからないところを、学校や塾の先生以上に根気よく教えてくれた」「自分に合った教材や塾を一所懸命探してくれた」「成績が悪くても怒らず、励ましてくれた」「あなたならできる、と信じてくれた」親御さんなら誰もが、最初に抱く「この子自身の将来のためにも、できるようになって欲しい」という思い。この思いの“純度”をいかに末永く保つかがポイントです。一所懸命時間とお金をかけているうちに、その努力の目的が他のお子さんとの競争、家族・親族・友だちへの見栄、プライド、意地といった、大人のエゴにすり替わってはいませんか?お母さんが頑張ることに疲れてしまったら、お子さんの赤ちゃんのころのアルバムなどを開いて、誕生したころの純粋な喜びを思い出してみるのもおススメです。お子さんはまだまだ小学生。もっともお子さんのためを考えてあげられるのは親御さんであるという自信を持って、のんびり努力を続けていきましょう!結局は「この子に幸せになって欲しい」という思いが純粋であるほど、学習成果も上がると思うのです。【参考文献】・『13歳からの頭がよくなるコツ大全』小野田博一・著・『自分から勉強する子が育つお母さんの習慣』村上綾一・著●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年03月24日受験の低年齢化が進んでいる現代。実り多い人生を歩んで欲しいと願うからこそ、教育方針が合い、カリキュラムの充実した幼稚園・小学校で学ばせたいと願うのは当然のことです。では、どう受験させたらよいのか、受験の内容は? 今回は、受験を考えているパパやママが最低限知っておきたいことを紹介します。受験には幼児教室が必須?幼稚園・小学校を受験するにあたり、まず「国立か私立か?」の選択を迫られることがあるでしょう。国立の学費は公立並みとなっていて手頃なのが魅力的。しかしその分、人気があり、入学するのは狭き門であるという認識が必要です。私立は校風にあった家庭を好む傾向があります。願書には親の勤務先や役職を記入する必要もあり、さらには家柄を重視する幼稚園もあると聞きます。つまり、子どもが置かれている環境に着目する幼稚園が多いということなのでしょう。合格するためには出題傾向をしっかりと把握し、これに対しての対策を行うことが大切です。このとき頼りになるのが幼児教室の存在です。幼児教室では多様化する試験内容に対してネットワークを駆使し、情報を収集、合格のためのカリキュラムを組んでいます。また、第三者の立場から公平に子どもの様子を評価・フォローしてくれます。家族と二人三脚で合格への道を目指すので、親としても心強いのです。本番さながらの雰囲気を体感できるの、幼児教室も魅力のひとつです。どんなに力がある子どもでも試験当日に実力を発揮できなければ合格は難しいでしょう。幼児教室では集団で授業を行うことで人前でも実力を発揮できる精神力を養います。受験当日の様子をシミュレーションした練習を行うところもあります。入試の雰囲気を前もって知ることができるのは、子どもとしてもプラス材料となるでしょう。受験のために幼児教室が必須かどうかは、各家庭の状況にもよりますが、両親ともにお受験の経験がない場合は、入っておいて損はないと言えます。知っておきたい面接対策まずは幼稚園の場合です。子どもに対しての質問は、自身の名前や家族の名前、好きな遊びや動物など、簡単に受け答えができるものがほとんど。小学校受験の際はこれに加え、簡単な数の問題や、どちらが正しいか選択させるような質問もあります。これらを明朗に答えられるだけでなく、理由づけができるようにしておいてください。同時に親の訓練も必要です。なぜその学校を志望したのか、家庭での教育方針はどうか、園や学校に求めることをあらかじめ整理しておくこと。特に幼稚園の場合は子どもよりも親の印象で面接の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。受験では、どんな問題が出るのか従来の受験内容としては主に2つのタイプがあります。ひとつはある決まりのもと友達と遊べるかなど協調性を見るもの。もうひとつは先生との約束が守れるかなど生活習慣を見るものです。そのほか、自由に絵を描かせたり、運動をさせたりするところも。今後の傾向としてはPISA型の読解力(※)を試す問題も多くなりそうです。たとえば、数人のグループ全員で協力をしてパズルを完成させたり、簡単な物語をつくったりと学習能力を試す問題も多くなるでしょう。(※)単に文章を読んで理解するだけでなく、そこから発展して自分の意見を言ったり、わかりやすくまとめ直したりする力のこと。詳しくは、 文部科学省のWebサイト を参照してください。幼稚園や小学校は、子どもが1日の大半を過ごす場所です。受験するならば、家庭の教育方針が合うところを選び、また悔いが残ることのないよう入念に準備したいですね。(EKKO<フォークラス>)
2016年03月19日【ママからのご相談】4月から小学2年生になる女の子がいます。幼稚園のころから、塾や水泳、英会話などに通わせています。でも、自宅では自分から全く学校や塾の宿題をやらないので、「早く宿題をやりなさい!」と叱ってばかりいます。まだ低学年だから仕方がないとは思っていますが、中学受験を考えているのでこの先不安です。どうしたらよいのでしょうか?●A. 熱心なママほど子どもの未来にレールを引きがち。何事も強制はNG。こんにちは。中学受験の経験があるママライターのKOUです。ご相談者さんは、お子さんが学校などの宿題を自分から進んでやらず、なかなか学習習慣がつかないことをお悩みなのですね。学校から帰ってダラダラ過ごし、宿題をやらないお子さんを見ていると、イライラしてしまって「早く宿題やりなさい!」などと叱ってしまうのは、世の中のママたちがつい陥りがちな行為です。知人の小学校教員によると、親から何度も「宿題やりなさい!」と言われると、お子さんは“やらされている感”が強くなって、ますます自分からやるという意欲が湧いてこなくなる という悪循環が起きやすいといいます。●学ぶ環境を整え、あとは放任するまずは、私自身の小学校時代を振り返ってみます。中学受験をしたのは30年くらい前。母は働いていましたが、私に習い事をほぼ毎日させていたほどの教育ママでした。ただ、「勉強しなさい」とは一切言いませんでした。低学年のころは、私もそれほど宿題を真面目にこなしていた記憶がありません(苦笑)。私立小に通っていたこともあり、4年生になると周囲は進学塾に通っている人がほとんどでした。母によると、「お友達がみんな塾に行っているから」という理由で、私から母に頼んで受験対策の塾に通い始めたといいます。受験勉強をしている途中、勉強自体をやめたくなったことが何度もありました。でも、「塾に通いたいと言い出したのはあなたなのだから、やめるのも自由よ」と母から軽く言われると悔しくなって、受験勉強は続けました。母は、習い事などたくさんの学ぶ環境を整えてくれましたが、決して強制はせず、どちらかというと放任されていたように感じます。そのやり方が、私には合っていた ようです。あくまでも私の経験談であり、全ての方に当てはまるというわけではありませんので、ひとつの例としてご参考にしてください。そこで、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為について、御三家や灘中などの難関校に何人も合格させたカリスマ家庭教師で名門指導会代表の西村則康さんの著書『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』を基に探ってみました。●(1)「教育熱心な母親ほど子どもの未来にレールを引きがち」【例】『4年生のAくんは、1年生から大手進学塾に通っている。塾通いは母親が決めた。なぜならば、難関の男子校に入らせ、最終的には東大や慶応大に合格し、父親と同じ医者を目指してほしいからだ。母親は受験経験がなかったが、小学校入学と同時に志望校の合格実績が高い大手進学塾で学べば間違いないと思い選んだのだ。ただ、Aくんは最近、入塾してきた優秀な子たちに圧倒され、クラスが落ちるのではないかと不安な気持ちでいっぱいだ。本音は、塾ではなく野球をやりたい。今は頑張る気になれない』偏った教育熱心なママさんは、先回りして子どもの未来にレールを引きがち。しかも、そのレールの幅が狭いことが特徴 です。勉強も遊びも、親がいいと思ったことだけをやらせて、机に向かわせる。さらに有名大学や一流企業に入ればもう人生は安泰だという、今の日本にはそぐわない考えを持っていると言います。それが、『本来は可能性を秘めている子どもの未来を狭めている』と、西村さんは警鐘を鳴らしています。●(2)「英才教育のほとんどは間違っている」【例】『Bさんは、娘さんがお腹にいたときからクラシック音楽をかけたり、絵本の読み聞かせをしたりして胎教に取り組んだ。出産後、子どもの脳に良いことは全て試し、2歳からは右脳を鍛える幼児教室に入室。そのほか、スイミングや体操教室にも通った。そのおかげか、幼稚園や小学校の低学年までは他の子と比べて飲み込みが早く、運動神経も勝っていた。ところが、中学受験が本格化してきた5年生のとき、娘さんは思うように学力が伸びなくなり、親子共々、初めて人生の壁にぶつかった』西村さんは、『英才教育のほとんどは役に立たない』と言います。人間の脳は、特別なことは何もしなくても自然に成長していけるだけのプログラミングが施されており、間違った英才教育というのは、そのプログラミングを無視して無理やり脳を早く作りあげようとするものだと指摘しています。だからこそ、人間が自然に育っていくプログラミングに応じて、その年齢なりのベスト を目指すことをお勧めします。●(3)「習い事を強制しない」【例】『男の子は運動ができた方がいい、と思い込んでいるCさん。水泳にサッカー、空手を1年生の息子さんに習わせている。でも、お勉強も大切。文武両道を目指し、週2回は学習塾にも通わせている。息子さんは嫌がらずにやっていたが、最近になって突然「塾に行きたくない」と言い出した。学校の宿題や毎日の習い事が負担になり、疲れが出てきたようだった。「継続は力なり」と考えるCさんは、「休んじゃダメ」と息子さんを叱咤激励。無理やり塾に行かせた』偏った英才教育について疑問を投げ掛ける西村さんは、子どもが幼いころには、適切な量や質の刺激を与えることを心がけるよう強調しています。意図的に与える英才教育などの“学習刺激”以上に、普通の生活の中で親が知らないうちに子どもが受けている“学習刺激”に注目すべきだと言います。たとえば、友達との遊びや一人遊び、家でのお手伝いや会話を通じて、子どもは学習に結びつく刺激を受け続ける そうです。小学生の場合は、習い事にしても、親の一方的な考えて決めるのではなく、続ける基準は子どもが喜んで楽しそうにやっているかどうかです。どんな習い事でも、子どもが喜々としてやっていればそれは間違いなく効果があると言います。●(4)「“たくさん解きなさい”は親の幻想」【例】『5年生のDくん。4月からもう6年生。中学受験の勉強にも力が入る。Dくんの目標は、苦手科目の算数を克服すること。母親からは「やった分だけ力がつく。問題をたくさん解きなさい」とハッパを掛けられる。だから、塾のテキストで間違えた問題と類似した問題を、自宅で何度も解いてみる。でも、テストになるとまた同じような問題につまずいてしまい、なかなか得点に結びつかない』今まで子どもにかけてきた時間やお金が、その子自身の能力や成績の伸びにつながらない場合は、そのやり方が間違っているようです。親の中には、猛勉強さえさせれば成績が上がると考えている人がたくさんいます。西村さんは、勉強量と成績の伸びは必ずしも比例しないと言い切ります。勉強の質も大切な要素 だそうです。たとえば、子どもを塾に通わせている親の多くが陥りがちなのは、少しでもたくさんの問題を解かせようとすることです。塾から帰ってきた子どもが、今日習った知識をきちんと身につけたどうかわからないうちに、それと似た類題を解かせる。そのときの子どもたちの解き方を見ると、ほとんど問題文を読んでいない と言います。「このあたりの数字と、あのあたりの数字を引いて、それをこっちの数で割れば……」という、あいまいな記憶に基づいた解き方をしているようです。つまり、問題に対して“何が分かっているのか?(仮定)”と“何を聞いているのか?(結論)”を確認して、結論までの過程を考える作業がスッポリ抜けた解き方で終わってしまう危険があるのです。●(5)「悪い点をとってきたときの口争いは、何のメリットもない」【例】『3年生のEくんは、国語で30点台を取ってしまった。これまでの最低点だ。テストは、必ずお母さんに見せないといけない。気が進まないが、テストをお母さんに見せた。「え?これ、どういうこと?」と、お母さんは何度もEくんに尋ねる。「こんなひどい点数を取って!ちゃんと勉強しているの?」と怒鳴った。Eくんは、「今回は調子が悪かったから……」などと答えた。「調子が悪いって、どこが悪かったのよ!」とお母さん。しばらく説教が続き、Eくんはうなだれながら言い訳を探していた』悪い点数を取ったとき、親が怒りに任せて「何なのこの点数は!」と子どもに責めるのはNG行為だと言います。西村さんによると、とげとげしい言葉を浴びせることで、子どもは「やっぱりお母さんに怒られちゃった」「お母さんのこの怒りをどう静めようか」などと考え始めます。低学年の場合は、「大変なことをしちゃった。お母さんがこんなに怒るんだから、とんでもなく悪いことをしてしまったんだ」と頭の中はパニックになります。このような会話が繰り返されると、子どもはやがて起死回生のセリフを見つけ出します。「うるさい、くそばばあ!」と、点数が悪くて叱られている状況から、ひどい言葉を投げ掛けることで論点をすり替えよう とするかもしれません。口争いは子どもにはささくれだった気持ちだけが残り、母親には怒りと心配が渦巻きます。言い争うことではなく、悪い点数を取ってしまった原因を探りその対策を考えることが大切だそうです。----------以上、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為5選でした。子どもたちのほとんどが宿題をやりたくないと思うのは当然です。私もそうでした。そこで親が、「宿題をやりなさい」と言ったとしても心に響かないかもしれません。まずは子どもに、宿題をやらないことによって「どうなるか?」と考えさせることが重要だと思います。実際に、宿題をやらず学校で先生から怒られたり、きちんとやってきた子が褒められたりすることで、自分から「やろうかな」と思えるまで様子をうかがっても良いかもしれませんね。強制だけでは、子どもは動かないと感じます。ぜひ、ご参考にしてください。【参考文献】・『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』西村則康・著●ライター/KOU(ママライター)
2016年03月13日【ママからのご相談】今年の春から小学生になる息子がいます。算数が得意になってほしくて、今から足し算を家で教えています。指を使って計算をするのですが、10以上の繰り上がりの計算になるとわけが分からなくなるようです。どうやって教えればいいのでしょうか?また、指で計算をする癖はやめさせたほうがいいのでしょうか?あまりにものみ込みが遅くてイライラしてしまいます。●A. お子さんが自分のペースで“算数好き”になることが大切!こんにちは。ライターのakiです。『たかが足し算、されど足し算』、大人にとっては非常に簡単な計算も、小学生1年生前の幼児にとっては難しく感じられます。私が以前教えていた学習塾で行ったアンケートによれば、『算数が得意なってほしい』と願う親御さんは95%もいるとのことでした。確かに、中学受験や高校受験でも算数や数学のウェイトはとても大きく、この科目を制すれば合格を制すと言っても過言ではありません。そういう意味でも、早い段階からお子様の算数フォローはしておきたいところですよね。では、実際に“算数好き”になってもらうために、そしてスムーズに勉強をしてもらうためにはどうすればいいのでしょうか。●子どもに自信をつけさせるまずは、算数を好きにさせることが大切です。子どもの計算が遅かったり、なかなか数の概念をのみ込んでくれないとお母様がイライラしてしまう気持ちもわかりますが、ここはぐっとこらえてください。算数嫌いになっては元も子もないです。最初は、「間違ってもいいよ」と安心させることも大事です。実際に間違えても、それを責めて子どもに恥をかかせないことです。大切なのはできるようになったら、どんなに小さなことでも褒めてどんどん成功体験を植え付けてあげる ことです。それが、伸びしろにつながっていくのです。今は気長にみてあげてください。●指計算をしても最初はOK指で計算をする癖をつけてはいけない。そんな声もありますが、別に指で計算をすることは、悪いことではありません。その理由として、片手は5までなので5をひとかたまりの数量として考えることができ数の区切りがいいこと。そして、視覚を利用することで計算しやすくなり正解が増える ということが挙げられます。これらは、成功体験につながるので良い影響を及ぼします。そう考えると、最初は好きなだけ指計算をさせてあげるのもひとつの戦略になります。それに心配しなくても、そのうち指で計算しなくなるものなのです。●繰り上がりの計算は体を使って考える繰り上がり計算の教え方や考え方はいろいろありますが、ここでは『算数力は「あたま計算」でグングン伸びる!』著書・原暁介さん開発のユニークな『あたま計算』の方法を紹介したいと思います。「あたま計算」とは、区切りのいい単位のときに自分で頭を軽くぽんと触ってその単位を記憶をさせる方法です。簡単にいえば、『10』のときに『10を頭の中に入れたよ』と頭を触るのです。具体例で説明します。【例題「4+7」繰り上がりの足し算の場合】(1)小さい方の数4を指でつくります。(2)大きい方の数7の次の数「8」を声に出して数えると同時に指をひとつ折り始めます。(3)続いて、次の数「9」を声に出すと同時に指をまたひとつ折ります。(4)「10」になったところで指を折り、同時に頭をかるくぽんと触り、「10を頭の中に入れたよ」と言います。(5)残った指の数「1」に、頭の中の「10」を足して答え「11」を出します。わざわざ、「10」のタイミングで頭を触らなくても……と思われるかもしれませんが、「頭をぽん」と触る動作を行うことで記憶は子どもには強く意識され、保留した数を忘れない 効果があるそうです。そして、繰り上がった「10」の単位のイメージがスッと頭に入るそうです。大人のほうが難しく感じたり、ピンとこないかもしれませんが、繰り上げのイメージがわかないお子さんほどこの方法は効くそうです。私も実際に、幼稚園の年長グループに教えてみたところ確かにほとんどのお子さんがすぐに理解をされました。イメージをインプットしやすい、というのもありますが、体を使いながらなんだか楽しそうなことをする。という雰囲気も良いのかもしれません。----------以上です。小学校入学前に、勉強面でいろいろと心配されることも多いかと思います。でも、まずは全てを完璧にこなそうと思わずに、お子さんのペースで算数を、「楽しいものだ」と思わせてあげることが大切かもしれません。どうぞご参考になさってください。【参考文献】・『算数力は「あたま計算」でグングン伸びる!』原暁介・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年03月06日年長児を持つママで、子どものお受験を考えている人もいるでしょう。試験内容を見てみると、学力テストだけでなく、運動能力テストもありますよね。その中に「くま歩き」が試験内容になっている学校も珍しくありません。「くま歩きって何?」「なぜ、くま歩きが試験に出るの?」と疑問を抱いているママもいるのではないでしょうか? 今回は小学校のお受験でよく見られる「くま歩き」について紹介していきましょう。くま歩きとは?くま歩きとは、両手両足を床につけ、その体勢で前に進んでいく、くまのような歩き方をすること。雑巾がけのスタイルのまま、手と足を使って前進していく、というとわかりやすいでしょうか。今では小学校受験の定番試験となっていて、お受験を控えるママたちは子どもにくま歩きを指導するために必死になっているんだとか! スポーツトレーナーにくま歩きの仕方を教えてもらっているという人もいるようです。なぜ、くま歩きが小学受験で採用されているの?くま歩きが多くの小学校受験で行われているのは、くま歩きを見るだけで専門家はその子の運動能力や体全体のバランス、筋力などを理解できるからです。くま歩きは簡単そうに見えて実は難しい動き。体全体の筋肉を使わないとうまく進めませんし、体力がないと途中で離脱してしまうでしょう。普段の生活の中であまり使わない筋肉も使うことになるので、子どもの能力を測ることができるというわけです。くま歩きができる子は、その他の運動にも期待できるということ。くま歩きだけを練習しても、専門家はそれをすぐに見抜いてしまいます。基礎体力をつけること、体の柔軟性を養っておくことも、くま歩きで良い判定を受ける秘訣なのです。くま歩きを上達させる方法くま歩きは速さを競うものではありませんが、とはいえ、速いほうが「運動能力がある」と判断されやすいことは事実。可能ならなるべく早く進めるようにしておきたいところですね。コツとしては、地面を力強く踏み込むことを意識することが大切です。「強く踏み込む」のイメージがなかなか掴めないのなら、家の廊下の雑巾がけをさせてみるといいですよ!雑巾がけは足の力と手の力どちらも必要になる動き。自然と筋力アップにも期待できますし、くま歩きのコツもマスターできるでしょう。小学受験を控えているママは、その小学校の試験内容の中にくま歩きが含まれているのかをチェックしてみましょう。くま歩きが試験内容として採用されているのなら、今回挙げたポイントを押さえて、子どもと練習をスタートしてみてはいかがでしょうか?(ライター:RUREI)
2015年08月20日yopipiのプチプラコーデ〜ときどき育児日記〜
あり子のワーママ奮闘記
PUKUTY(プクティ)只今育児奮闘中!
子どもとスーパーで買い物をしていたときの話です。 ちょっとやめてよ!野菜コーナーでカボチャを見たときに子どもが突然「ママのおしりはかぼちゃみたいに大きいよね」と大きな声で話しました。周りの人にも聞こえる声だったので、それを聞いたご婦人が驚いていたのを覚えています。とても恥ずかしかったです。 家でよく夫が私に対し言っていた言葉を真似したのだと思います。子どもは夫婦の会話をよく聞いているため、気をつけなければならないなと感じたと同時に、子どもの前では乱暴な言葉や、下品な言葉を使う事はしないようにしようと夫とも共有し、気をつけています。 作画/加藤みちか著者:北川みずき 3人の男の子を育てる専業主婦。
2024年04月30日私の息子はよく汗をかきます。当時1歳の息子は、単純に子どもで代謝が良いから汗がよく出ると思っていました。しかし、保育園の先生から「汗っかきだよね」と言われるように。髪の毛があまりなかった赤ちゃん時代や冬は問題なかったのですが、夏になると頭から強い臭いが出るようになり……。こまめに汗を拭いてみても…保育園の先生から指摘されてから、肌荒れを防ぐためにタオルなどでこまめに息子の体を拭くようになりました。清潔に保てたのか肌荒れはありませんでしたが、息子を拭くたび、頭から汗の臭いが強く出ていることに気が付きました。 そこで、頭皮や髪の毛もなるべく拭くように心がけ、シャンプーでなるべく丁寧に洗うようにしたのですが、頭の臭いはなかなか消えてくれなかったのです。 理容室のご主人に相談してみるとある日、息子を理容室に連れて行ったときのこと。私は、ふと息子の頭の臭いに悩んでいると理容室のご主人に相談してみました。ご主人は、「たしかに少し臭うね。予洗いを長めにしてみたら?」とアドバイスをくれました。 予洗いとは、ブラッシングして髪の毛の絡まりをといたあと、シャンプーをする前にお湯だけで髪の毛を洗うことです。先に予洗いすることで頭皮や毛穴の汚れを浮かし、シャンプーの効果が高まると言われているそう。 早速、翌日から試してみると、私の息子には効果テキメン! 完全に臭いが消えたわけではありませんが、不快には感じない程度に改善されていたのです。 臭いの原因はさまざまなため、予洗いで必ずしも臭いが軽減されるわけではないそうです。今回の件で初めて予洗いというものを知った私。毎日汗を拭く作業は大変でしたが、子どもがいるからこそ自分の知識が広がったと感じます。また、ささいなことでも困ったときは、誰かに相談したほうが良いと改めて学びました。 イラスト/森田家著者:長谷川 なぎ
2024年04月30日わが家には、保育園に通う3歳の娘がいます。ある朝、マンションのエントランスで70代くらいのAさんとBさんが立ち話をしていました。「おはようございます」と私があいさつすると、Aさんが「あらぁ、保育園に行くの?」と声をかけてくれたのです。声をかけられた娘はうれしそうでしたが、一方のBさんは無愛想で……? 毎朝登園を阻むマンションの住人… Aさんの「あらぁ、保育園に行くの?」という声かけに、娘は「うん、そうだよ。これ! クマちゃん!」とニコニコ。一方Bさんは、ひと言も話すこともなく少し不愛想な様子。 翌朝、娘の機嫌が悪くスムーズに準備が進みませんでした。遅れ気味のため急いでいると、AさんとBさんがまたエントランスで立ち話をしていました。遅れそうだったのであいさつだけして通り過ぎようとしたとき、Aさんが急に私の腕をつかんで「今日は何を持っているの?」と横にいる娘に声をかけたのです! 強引な行動にぎょっとした私。しかし振り切れず、仕方なく少し会話をしてギリギリで保育園に到着しました。このままだといつか遅刻するかも……と思った私は、次の日から出発時間を少し早めることにしましたが、2人はまたエントランスにいます。ただでさえ朝の準備は大変なのに、他人のことも考慮しながら出発しないといけないことが苦痛になっていました。 1週間後。この日もエントランスにはAさんとBさんがいました。いつものように私たちの行く手を阻むように立ち、声をかけてくるAさん。もう嫌だ……と気持ちが折れかけたそのとき、Bさんが「いいかげんにしなさいよ」と言ったのです。突然の言葉にびっくりした私とAさん。Bさんは続けて、「私にも3歳くらいの孫がいるけれど、毎朝保育園に連れていくのが大変って娘が言っていたわ。あなたも毎朝大変でしょう。話につきあわなくていいから、早く行きなさい」と言ってくれました。Aさんはすぐにバツの悪そうな表情に。そして「気が回らずごめんなさいね」とひと言。私は、Bさんの言葉に涙が出そうになりました。 今思えば、Bさんは無愛想なのではなく、私たちが忙しいだろうと気にかけて、話しかけないようにしてくれていたのかもしれません。その日からAさんとBさんは「おはよう」とにこやかにあいさつするだけで、引き止めてくることはなくなりました。同じようなことがあったときは自分で事情を話し、気持ちを伝えられるようにしようと感じた出来事です。 作画/Pappayappa著者:中川みかん
2024年04月30日息子が生まれたばかりのころの話です。里帰り出産をした私は、実家から近い祖父母の家で1カ月ほどお世話になっていました。そんなある日、祖父が何気なく放った言葉に私はとてもショックを受けてしまいました……。 祖父の何気ない一言そのころの息子はよく泣く子だったので、泣き始めてすぐは様子を見ているようにしていました。息子を抱き上げた祖父は、「こんなに泣いているのにママに抱っこしてもらえないなんて、かわいそうに」と言ったのです。 私にとっては初めての子育て。泣いている理由もまだわかりませんでした。 祖父にも悪気はなかったと思いますが、そのときの私は産後で心身ともにボロボロの状態。その一言が割れたガラスのように心に突き刺さってしまい、ショックでぼう然……。その後、そのまま別室に行って、しばらく一人で泣いていました。 後日、夫が私の祖父母の家に来たとき――。 息子を夫に任せ、私はのんびりとお風呂へ。私が入浴してからしばらく経つと息子はぐずり出してしまい、いくら夫があやしても私が戻るまで泣き続けていました。 そのときにも祖父は「かわいそうに」「やっぱりママじゃないとダメなんだ……」と夫と息子に対して言ったそうです。今度は、夫が祖父の言葉にひどくショックを受けていました。 私たち夫婦は、2人で協力して子どもを育てていこうと約束していました。もちろん性差はありますが、「ママじゃないとダメ」「パパじゃないとダメ」ということはできるだけないようにしていくつもりだったのです。 今回のことで、祖父のような近しい存在でも、子育てに対する考え方が違ったり、何気ない言葉で傷つけてしまったりすることがあると気づかされました。子育てをしていく過程では、大小あれどこのようなことはまた起こるのかもしれません。私たち夫婦は、この出来事をきっかけに改めて話し合いました。そして、アドバイスは参考にしつつも、人の言葉に惑わされず、息子に合った育児スタイルを確立させていこうと心に決めました。 イラスト/ふくふく著者:松本 ロイ子
2024年04月30日3歳の息子と公園にお出かけしたとき、息子と遊んでいた小学生のひとりが「トイレ」と言い出します。公園内にトイレはなく、自宅のトイレを貸してあげたのですが、その後まさかの展開に……。 こんなことってある!?団地住まいの3歳の息子と私は、敷地内の公園によく遊びにいきます。あるとき、息子と一緒に遊んでいた小学1年生くらいの男の子がもじもじし始め、「トイレに行きたい……」とひと言。公園内にトイレはないため、自宅のトイレを貸してあげることにしました。最後に「ありがとうございました」とお礼が言えるいい子だったのですが、その日以降、その子は私と息子が公園にいない日でも「トイレを貸してほしい」と何度もわが家を訪ねてくるように。漏れそうで困っているという様子でもありません。トイレを一度貸したことをきっかけに、わが家のトイレが「気軽に行ける公衆トイレ」だと思われているのでは!? と思った私は、「漏れそうで急いでいるとき以外は、自分の家のトイレを使ってね」とやんわり注意しました。 その後、その子がトイレを貸してほしいと言うことはなくなりました。困っているときはトイレを貸してあげたいですが、「漏れそうなときだけ」などのルール作りは必要だと感じた出来事です。 作画/Pappayappa著者:桂ゆかり
2024年04月30日息子が3歳、娘が1歳のときの話です。当時、私は家で遊ぶと部屋中散らかり放題になるため、できるだけ児童館や公園などへ外出していました。ある日、ママ友のと子連れで公園へ行った日のこと。帰宅した私に放った夫の言葉に一瞬耳を疑いました……。 ママ友と公園ピクニックを計画あるとき、仲良しのママ友と子どもを連れて大きな公園に行く計画を立てました。ママ友親子と会うのは久しぶりだったので、お弁当を持参し、午前中からたっぷり遊ぶことに。お出かけまでの準備や乳幼児を2人連れたワンオペの外出は一苦労ですが、私も子どもたちも公園ピクニックをとても楽しみにしていました。 しかし、準備の段階でやっぱり大変! まず、お弁当。それから水筒・着替え・タオル・おやつ……など外出時の常備品。さらに、息子には三輪車もせがまれました。いつも以上に準備で疲れてしまいましたが、すべては子どもたちの笑顔のために! そう思って頑張りました。 当日は、大量の荷物を持ちながら娘の抱っこに対応。また、元気な息子を見守ることにも必死の私。 当然、ママ友とゆっくり話せる時間もありません。それでも、楽しく遊べたので私は満足でした。 夫のありえない発言公園から帰宅すると一気に疲れが押し寄せてきました。この日は休日で在宅だった夫に「ちょっと疲れたから休んでくるね」と私は言いました。すると夫は……。 「今、友だちと遊んで息抜きしてきたのに、疲れたって?」と言ったのです! 思わず「これのどこが息抜きなんだよ!」と私は夫にまくし立てて、準備から当日まで大変だったことを話しました。 私の訴えに夫は、「ごめん。息抜きではないね」と謝罪。私はひとりで休憩することができました。その後も、わが家ではこのスタイルが定着。夫の休日に私が子連れでママ友とお出かけしたあとは、帰宅後は育児を夫とバトンタッチするように。そうすることで私も夫もひとりの休憩時間を確保することができるようになりました。きっかけは夫のありえない発言でしたが、結果的にお互いに息抜きができるようになってよかったです。 著者:都 うめこ
2024年04月30日