コニカミノルタプラネタリウム株式会社では、「プラネタリウム100周年」を記念して『時を刻むこの星空 with DREAMS COME TRUE』を上映します。音楽は国民的アーティストとして数多くのヒット曲を世に送り出しているDREAMS COME TRUE、ナレーションは多彩な才能を発揮されている俳優の中村倫也さんです。2023年1月6日(金)より、プラネタリアTOKYO(有楽町)、プラネタリウム満天(池袋)、プラネタリウム天空(押上)で上映開始します。プラネタリウム100周年「時を刻むこの星空 with DREAMS COME TRUE」で歴史をたどる近代的なプラネタリウムは、1923年ドイツで誕生しました。2023年は100周年を迎える記念すべき年として、全国のプラネタリウムでは100周年の記念事業を企画しています。コニカミノルタプラネタリウムでは、プラネタリウムの歴史をたどる作品「時を刻むこの星空 with DREAMS COME TRUE」を再上映し、プラネタリウムの魅力を伝えていきます。本作のテーマは “星を知ろうとした人々の想い”。人々の持つ普遍的な星空への想いを描く、プラネタリウムの原点回帰ともいえる作品です。また音楽は、日本を代表するアーティストDREAMS COME TRUEとのコラボレーションが実現。これまでリリースされた膨大なアーカイブの中で絶大な人気を誇る「何度でも」をはじめ、至極の名曲の数々がプラネタリウムドームに響き渡ります。DREAMS COME TRUEの紡ぐ歌詩、メロディ、そして吉田美和の歌声が、本作のテーマと重なり壮大なプラネタリウム作品を創り上げます。ナレーションは中村倫也さんが担当ドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」、Amazon Prime Video「仮面ライダーBLACK SUN」の出演をはじめ、数多くのドラマや映画で活躍中の俳優・中村倫也さんがナレーションを務めます。温かくつつみ込むようなナレーションで、現存する最古のプラネタリウムや、東京で初めてできたプラネタリウム「東日天文館」など、星空に魅了された人々の想いや、プラネタリウムの歴史を伝えます。●「時を刻むこの星空 with DREAMS COME TRUE」●★期間:2023年1月6日(金)より上映★時間:約40分音楽:DREAMS COME TRUEナレーション:中村倫也 コニカミノルタプラネタリアTOKYO(有楽町)■所在地 東京都千代田区有楽町2丁5-1 有楽町マリオン 9階■営業日 定休日なし(作品入替期間は休館)■営業時間 10:30~22:00※詳細はWebサイト等でご確認ください。 コニカミノルタプラネタリウム満天 in Sunshine City(池袋)■所在地 東京都豊島区東池袋3-1-3 サンシャインシティワールドインポートマートビル屋上■営業日 定休日なし(作品入替期間は休館)■営業時間 平日 10:30~21:00/土日祝 10:30~22:00※詳細はWebサイト等でご確認ください。 コニカミノルタプラネタリウム天空 in 東京スカイツリータウン(R)(押上)■名称 コニカミノルタプラネタリウム天空 in 東京スカイツリータウン(R)■所在地 東京都墨田区押上1-1-2東京スカイツリータウンイーストヤード7階■営業日 定休日なし(作品入替期間は休館)■営業時間 平日10:30~22:00/土日祝日9:30~22:00※詳細はWebサイト等でご確認ください。 【施設名称表記上のお願い】見出し、本文などで、施設名称が長すぎて入りきらない場合、次の優先順位で省略形をお使いください。★コニカミノルタプラネタリアTOKYO(略)プラネタリアTOKYO★コニカミノルタプラネタリウム満天 in Sunshine City(1)コニカミノルタプラネタリウム満天(池袋)(2)プラネタリウム満天(池袋)なお、文章中に繰り返しで出てくる場合、2回目以降は 満天(池袋) と記述していただいて構いません。★コニカミノルタプラネタリウム天空 in 東京スカイツリータウン(R)(1)コニカミノルタプラネタリウム天空(2)プラネタリウム天空なお、文章中に繰り返しで出てくる場合、2回目以降は 天空 と記述していただいて構いません。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月10日猿若町発祥180年記念『平成中村座 十一月大歌舞伎』が、11月3日に平成中村座(浅草寺境内・仮設劇場)で初日を迎えた。「江戸時代の芝居小屋を現代に復活させ、多くの方々に歌舞伎を楽しんでいただきたい」という十八世中村勘三郎の思いから、2000年に誕生した平成中村座。2カ月連続公演のふた月目となる今月の第一部は、『寿曽我対面』『舞妓の花宴』『魚屋宗五郎』の古典作品が並び、江戸の芝居小屋を模した平成中村座でしか味わえない舞台となっている。そして第二部では、先月から引き続き、平成中村座で初となる新作歌舞伎、宮藤官九郎が平成中村座のために書き下ろした『唐茄子屋~不思議国之若旦那』と、華やかな舞踊『乗合船恵方萬歳』が上演される。『平成中村座 十一月大歌舞伎』は11月27日まで。なお新型コロナウイルス感染症の影響により、本日11月4日・5日公演は第一部・第二部ともに中止となっている。■中村勘九郎 コメント10月5日、浅草で4年ぶりとなる平成中村座の幕が開きました。初日の幕が開いたとき、お客様の拍手がすごくて、我々役者やスタッフだけではなく、皆さまも平成中村座を待っていてくださったんだと感じられて、とても幸せな気持ちになりました。連日、大勢のお客様に平成中村座へお越しいただき、小屋も喜んでいるように感じましたし、何より毎日平成中村座で芝居ができて嬉しかったです!そして、おかげさまで無事に千穐楽まで完走できたことに感謝です。稽古を経て、いよいよ、11月公演が始まりました。ふた月連続でご覧いただく『唐茄子屋』は、宮藤官九郎さんが今回の二か月連続公演のために書いてくださった新作、宝物のような作品です。幕が開くまでは、どんな反応なのかドキドキでしたが、大いに笑って楽しんでいただけているようで、本当に嬉しいです!11月にも古典作品が並びます。江戸の芝居小屋を模した平成中村座の空間で、古典の持つ魅力も合わせてご堪能いただきたいと思います。さて、すっかり寒さも増してまいりました。是非、11月は防寒対策をして浅草へ足をお運びください。平成中村座に一歩踏み入れれば、関係者一丸となって、熱い舞台空間をお届けします!皆様のご来場を心よりお待ちしております。<公演情報>猿若町発祥180年記念『平成中村座 十一月大歌舞伎』11月3日(木・祝)~27日(日) 平成中村座猿若町発祥180年記念『平成中村座 十一月大歌舞伎』ビジュアル【演目】■第一部一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)出演工藤祐経:中村橋之助曽我五郎:中村福之助曽我十郎:中村歌之助化粧坂少将:中村鶴松小林朝比奈:中村虎之介大磯の虎:坂東新悟鬼王新左衛門:中村勘九郎二、舞妓の花宴(しらびょうしのはなのえん)出演白拍子和歌妙:中村七之助三、新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)出演魚屋宗五郎:中村勘九郎召使おなぎ:坂東新悟磯部主計之助:中村橋之助小奴三吉:中村歌之助菊茶屋娘おしげ:中村鶴松菊茶屋女房おみつ:中村歌女之丞父太兵衛:片岡亀蔵女房おはま:中村扇雀■第二部一、唐茄子屋(とうなすや)不思議国之若旦那作・演出:宮藤官九郎出演若旦那徳三郎:中村勘九郎傾城桜坂/お仲:中村七之助第二太夫/源六倅源助:坂東新悟大工の熊:中村橋之助半公:中村福之助眠 善治郎:中村虎之介若旦那(小):中村勘太郎お仲倅イチ:中村長三郎丹生林/海苔屋のおたね:中村鶴松山崎屋おりき:中村歌女之丞達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ:荒川良々番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ:片岡亀蔵大家源六:坂東彌十郎八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ:中村扇雀二、乗合船恵方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)出演萬歳:中村扇雀才造:中村勘九郎白酒売:中村七之助大工:中村橋之助若旦那:中村虎之介芸者:中村鶴松角兵衛獅子:中村歌之助角兵衛獅子:中村福之助女船頭:坂東新悟田舎侍:片岡亀蔵通人:坂東彌十郎チケット情報はこちら:※新型コロナウイルス感染症の影響により、11月4日(金)・5日(土) の公演は第一部・第二部ともに中止。最新の情報は公演公式サイトにてご確認ください。
2022年11月04日厚い信頼で結ばれた中村倫也(主演)と河原雅彦(上演台本・演出)が7年ぶりにタッグを組み、韓国ミュージカルを日本版として再創造する『ルードヴィヒ』が、11月13日まで東京芸術劇場プレイハウスで上演されている(東京公演千秋楽・大千秋楽ライブ配信あり/その後大阪・金沢・仙台で公演)。ベートーヴェン役の中村、“不滅の恋人”マリー役の木下晴香、もうひとりのベートーヴェンほか複数役を務める福士誠治ら、出演者たった5人で天才音楽家の生涯を綴る濃密な作品だ。開幕を翌日に控えた10月28日、同劇場にてキャスト3人と河原が取材に応じた。左から)河原雅彦、福士誠治、中村倫也、木下晴香河原は、「倫也とやる時は、圧倒的にすごいものを作ると決めている。そういうつもりで今回も臨み、いい稽古が積めた」と手応えを見せた上で、「全員がひと皮ふた皮むけないと千秋楽まで行けない大変な演目」「ハイライトしかない、カロリーの高い芝居」と、本作のハードさを強調。それは全員が感じていることのようで、「ベートーヴェンは音楽に魂を注いでいる人。僕がふだん道を歩いている状態ではとても表現できないエネルギー」「いい意味でも悪い意味でもちょっと異常な人しか出てこない(笑)」(中村)、「こんなにエネルギーを放出する感覚を覚えているのは初めて」(木下)と、実感のこもったコメントが続く。そんな作品であるがゆえに、受け取る側にもある程度のエネルギーが必要なようで、「多少の覚悟をもって観に来てくださるといいかな」と福士。「たまに『何も考えずに来てください』と言うこともあるが、今回は『観るぞ!』という気合で来てくださったら嬉しい」と語ると、中村も「『観るぞ!』と思わないと開幕でアワアワしちゃうかも(笑)」と同意する。「あっという間に終わって、ちょっとぼーっとしながら帰る舞台になるんじゃないか」としつつ、「少しでも何か浴びていただければ」と、観劇を心待ちにするファンにメッセージを送った。取材会のあとに公開されたのは、約120分の舞台のうち100分ほどだったが、それでも本作が観る側にもエネルギーを求める刺激的なミュージカルであること、そして中村倫也が稀有な舞台俳優であることを実感させるには十分。どんなに100パーセントの情熱で演じても押しつけがましさや暑苦しさがなく、また苦悩や激情を吐露するような歌も芝居の延長線上で、かといって芝居を理由に歌声を制御することから逃げることもなく歌ってみせる。持ち前の澄んだ歌声にマリーの感情の色を混ぜて歌う木下、いくつもの役柄の間を瞬時に行き来する福士と共に、本番では「圧倒的にすごい」舞台を届けてくれることだろう。取材・文=町田麻子■MUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』【ライブ配信】・11月13日(日) 13:00 開演(東京公演千穐楽)・11月30日(水) 13:00 開演(大千穐楽)【当日券キャンセル待ち参加券】各公演の前日18:00~開演4時間前まで受付チケット情報
2022年10月29日俳優の中村倫也が28日、都内で行われたミュージカル『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano』公開ゲネプロ&開幕直前取材会に、木下晴香、福士誠治、上演台本・演出の河原雅彦氏とともに参加した。本作は2018年末~2019年にかけて韓国で初演されたミュージカル。天才音楽家であり、聴力を失ってなお音楽への情熱を注ぎ込んだベートーベンの生涯を、彼がつづった音楽とオリジナル楽曲で描く。青年期のルードヴィヒを中村が演じ、マリ―役を木下、もう1人のルードヴィヒなどを福士が演じる。中村は、演じる役について「音楽が大好きで、夢を持って、夢に破れかけて、また夢を持って、波乱に満ちた……魂を注いでいる人なんだなということを日々感じながらやっています」と述べ、「そこまでの情熱は普段僕がリアルに道を歩いているような状態ではとても表現できないエネルギーなので、自分を奮い立たせながら、誰もが知るベートーベンが残した思いやものを、少しでも説得力を持ってできるように頑張ろうかなと思っています」と意気込んだ。また、「歌う曲が15曲あるんですけど、どれも本当に素晴らしい」と言い、さらに「いい意味でも悪い意味でも異常な人しか出てこないので、単純にそれを面白がっていただいてもいいですし、いい部分は刺激を受けていただいて、悪い部分はそういうこともあるかもねってちょっとだけ寄り添って見てもらえる舞台。気が付いたら舞台が終わっていて、ぼーっとしながら帰る舞台になるんじゃないかなと思います。見るぞ! と思って、少しでも何かを浴びていただけたらと思います」と語った。座長ぶりについては、「今回座長らしいことあんましてないんですよね。みんな真面目で、放っておいてもやるタイプの役者が多くて。自分の役がやること多いし疲れる役なので、毎日毎日それを一生懸命やっていただけで、まだ誰にも何もおごってないですし」と謙遜気味。福士は「そんなことないですよ。ちゃんと背中を見ていますよ」と言い、木下も「ものすごく視野が広く、いろんな角度から作品のことを見ていらっしゃるんだろうなと感じる。お芝居を見ていてすごいなって思いますが、すごいなで終わらず、引っ張り上げてくださるような、憧れで終わらない感覚がありました」と刺激を受けているようだった。中村とは7年ぶりのタッグとなった河原氏は、中村について「長い付き合いになりますが、いい意味で変わらないです」と言い、「倫也とやる時は圧倒的にすごいものを作ると決めていて、今回もいい稽古が積めました」と自信をのぞかせた。ゲネプロでは、中村が歌を交えてベートーベンの苦悩や情熱を表現。音楽への情熱あふれるベートーベンを熱演した。同舞台は、10月29日~11月13日に東京芸術劇場プレイハウス、11月16日~21日に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、11月25日・26日に金沢・赤羽ホール、11月29日・30日に仙台・電力ホールにて上演。
2022年10月29日本日10月28日(金)より配信がスタートした「仮面ライダーBLACK SUN」より、主演の西島秀俊と中村倫也の特別ビジュアルが公開された。1987年から放送され人気を博した「仮面ライダーBLACK」が、白石和彌監督のもと新たにリブート。日本ではついに全10話が一挙独占配信され、9時からはそのほか200以上の国と地域で配信が始まる。配信開始を記念して公開された今回のビジュアルは、“変身”をテーマに、西島さん演じる光太郎や仮面ライダーBLACK SUN、中村さん演じる信彦や仮面ライダーSHADOWMOONが描かれ、光太郎と信彦の躍動感ある動きがスタイリッシュに表現された。また、超学生が歌う本作の主題歌「Did you see the sunrise?」も各配信サイトでリリースされた。「仮面ライダーBLACK SUN」はPrime Videoにて配信中。(cinemacafe.net)
2022年10月28日中村倫也のソロインタビューに続き、中村と福士誠治の対談が実現。いよいよ開幕が迫る中、河原雅彦の上演台本・演出によるミュージカル『ルートヴィヒ〜Beethoven The Piano~』は、どんな姿を見せつつあるのか。ベートーベンの生涯を描く物語で、青年ルードヴィヒと、もう一人のルードヴィヒを演じるふたりが、作品の魅力とお互いを語った。河原さんと倫也くんの阿吽の呼吸みたいなものは感じます(福士)──韓国で生まれたミュージカル『ルートヴィヒ〜Beethoven The Piano~』の日本版への出演は、どんなところに心惹かれて決められましたか。中村僕はもう、演出の河原さんに誘われたからというのが一番の理由です。河原さんとは、7年前に最後にご一緒してから、会うたびに「次何やる?」という話をしていて。そんなある日、「こういうのがあるんだけど」と言われたのが、この作品だったんです。これまでも、河原さんから言われたら、どういうものか中身に関係なく、基本的にやりましょうという感じだったので(笑)、お話をいただいた時点でやりますと決めました。福士僕は河原さんも中村倫也くんも初めてご一緒するので、そこにとても魅力を感じました。倫也くんも、交流はあったのですが、芝居をするのは初めて。ちょっとチャレンジになる部分が多い作品ですが、だからこそ僕なりに頑張りたいという気持ちで決めました。──河原さんと中村さんは、舞台では、真心一座身も心も『流れ姉妹 たつことかつこ〜獣たちの夜〜』(2009)を皮切りに、『ぼっちゃま』(2011)、『八犬伝』(2012)、残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』(2015)でご一緒されてきました。その関係性から、どんなものでも無条件で受け止める覚悟でおられたんですか。中村その前に、2007年の深夜ドラマ『ハリ系』(日本テレビ系)で、僕が20歳のときに河原さんにはお世話になっていて。 前回のインタビュー() でもお話しましたが、その後、「真心一座」に呼んでくれて、それを観たいろいろな演劇関係者の方が呼んでくれてというふうに広がっていったんです。俳優としてなかなか活躍できない時代に演劇という道を拓いてくれた人であり、僕がもっと活躍できるようになったらやりたいことがやれる……という思いをお互い持っていたんです。だから、そういう歴史がある上で、今の僕に持ってきてくれる作品というのは、河原さんの中でもしっかり目処が立っているものでしょうし、その信頼感はありましたね。でも、今後一生無条件で受けるわけではないです。考えさせてください(笑)。福士(笑)。でも、稽古場でのふたりを見ていると、河原さんと倫也くんの阿吽の呼吸みたいなものは感じます。ものづくりをしていく上で、その関係はうらやましい。だから僕も、すぐにそこにはいけないとしても、河原さんと同じ感覚、共通言語を早く持ちたい、河原さんの熱量とリンクしたい、河原イズムを血肉にしたいと思って、河原さんに言ったんです。「河原さんが思ったことは細かく言ってください」って。そうしたら本当に細かくいろいろなことをいっぱい言ってくださって……大変です(笑)。中村ハハハ。でも、そもそも作品自体がしんどいよね。表現者として熱量を放出しなきゃいけないから。河原さんにも「もっと出せ」「もっと出せ」と言われる稽古場になっています(笑)。ここまでガンガンに出すことはミュージカルでは初めて(中村)──この作品は、ベートーベンの生涯を描いたミュージカルですが、どんな世界観なのか、教えてください。中村ベートーベンの曲ができるまでのもがき苦しみみたいなところも描かれますし。福士そう。誰もが知っている曲の生み出された瞬間の感情の爆発が、ベートーベンにとっては大事で必要だったんだろうなというのは、演じていても感じます。中村僕らふたりとも、ルートヴィヒを演じるんです。福士子どもの頃から始まって、青年、中年、壮年のルードヴィヒが登場するのですが、例えば青年と壮年のルートヴィヒが会話するなど、演劇的な仕掛けもあります。中村あとは、史実では誰なのか明確になっていないですが、彼の“不滅の恋人”にあたる女性が現れたり。ベートーベンがその人生で何を受け取り何を渡していくのか、どう人生を全うしたかが描かれると思います。福士それをどう受け取るかは自由だと思いますが、とてもエネルギッシュな、紆余曲折のある人生を過ごしたベートーベンを、観てもらえたら嬉しいです。中村ベートーベンだけじゃなく、出てくるキャラクターがみんな主張し合うので、エネルギーに満ちあふれているんですよね。こういう作品、なかなかないんじゃないかな。自分としてもここまでガンガンに出すことは、ストレートプレイではいろんなものをやってきたのでありますけど、ミュージカルでは初めてです。歌も、会話のように掛け合うナンバーはあまりなくて、それぞれが自分の葛藤や慟哭を歌い上げる。そういう歌は一本調子になる恐れがあるからテクニックが必要で、頑張らなきゃなと思ってるんですけど。福士僕は今、歌で大苦戦中(笑)。でも、ミュージカル、ストレートプレイとジャンル分けするのはあまり好きじゃないのですが、ミュージカルってすごいなと改めて思います。歌を使って届けるというのは、表現の中でも特殊技能でやっぱり難しい。でも歌だからこそ、感情を爆発させたり、普段言えない言葉を表現できる。河原さんの演出と脚本と僕らが上手く融合できれば、あまり観たことのないミュージカルになるんじゃないかなとは思っています。人見知り具合が同じ? オイルを注さなくても歯車が回る関係──ところで、おふたりはこれまでにも交流があったとのことでしたが、どんな関係を築いておられるのでしょう。中村お互い大人ですし、キャリアも長いので、嫌味も雑味もなくフラットに心を開いて接している気がします。福士わかる、わかる。中村オイルを差さなくても歯車が回っている感じはありますよね。福士うん。でも、交流といっても実は1回くらいしか会っていないんだよね。中村たぶんそうだと思います。舞台を観に行ったときに挨拶したくらい。福士だけどこういう感じになれているのは、たぶん人見知り具合が似ているのかなと思います。中村僕は人見知りしないよ。福士うん。だからそのへんの温度とか匂いが同じなんだと思う。中村探り合うこともなく。福士ズバズバ言うこともなく、いい距離感で。中村相手へのリスペクトが邪魔になっていないというか。萎縮したり気を遣ったり遠慮したりっていうことがない。──これが初共演ですが、稽古場でお互いの芝居の作り方を見て、面白いと思うことがあったりしますか。中村今回、僕以外みんな、まっすぐ真面目なんですよ。僕は、セリフはやっているうちに覚えるだろうとか、とにかくやっちゃえっていうことが多いんですけど、皆さんはもう台本を持ってないし、ちゃんと考えて毎日稽古場に持ち込んでくる。いや、僕も考えてはいるんですけど(笑)、その雰囲気は福士くんが作ってくれている感じがありますね。福士ほんとに?確かにセリフは、今回に関しては歌と芝居があって大変だから、先に覚えられるものは覚えておきたいと思った。でも、一応稽古場に持ち込むものはあるけど変わることもあるし。僕はやっぱり、河原さんと倫也くんがいろいろ試しているのが素敵だなと思います。このふたりが基盤を作ってくれているので、僕はラク。動きのあるルードヴィヒを倫也くんがやってくれて、僕はそこの感情についていく感じがあったりもするので、面白いですね。──最後に、ミュージカルということにちなんで、おふたりに音楽についてお聞きしたいと思います。音楽とはどんな関係を持っておられますか。中村僕は運転したり家事をしているときは、だいたい音楽かラジオを流しています。小学生の頃はお小遣いをもらうとCDを買う子だったので、音楽好きなんだと思います。それも、歌詞をすごく覚えているので、物語や詞世界にフォーカスして音楽に触れていたんだなと、大人になって気づきました。ただ、この作品に入ってからは、いわゆるJ-POP断ちをしていたんです。この舞台の楽曲か、ベートーベンやモーツァルトといったクラシックしか聴いていなかった。でも、昨日の稽古帰りに、頭をリフレッシュさせなきゃと思って、iPhoneに入っている曲をいろいろ流したんですよ。そうしたらまぁ心地よくて(笑)。ただ聴いているだけでいいっていう音楽の効果を、実感しました。福士わかる(笑)。僕も音楽は好きで、車の中で色々なジャンルを流していましたが、最近は、この作品の楽曲とベートーベンですね。そして、ベートーベンほどじゃないかもしれないけど、生み出す苦しみがやっぱりあります。歌詞を覚えて譜面通りに歌ってちゃんと伝わるものにするという作業は、ただ楽しいだけではないので。中村それはそうだよね。福士だから、カラオケに行きたいです。倫也くんとカラオケに行って、好きな歌を無責任に歌って、これだよねって言いたい(笑)。中村本当に!早くそんなときが来るように、必死にやります。取材・文=大内弓子撮影=You Ishiiヘア&メイク=中村:松田陵(Y’sC)/ 福士:mi-co(fake)スタイリスト=中村:戸倉祥仁(holy.)/ 福士:吉田ナオキぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★中村倫也さん×福士誠治さんのサイン入りポラを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!■MUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』【ライブ配信】・11月13日(日) 13:00 開演(東京公演千穐楽)・11月30日(水) 13:00 開演(大千穐楽)【当日券キャンセル待ち参加券】各公演の前日18:00~開演4時間前まで受付チケット情報
2022年10月26日西島秀俊さんと中村倫也さんが『仮面ライダーBLACK SUN』に主演。白石和彌監督のもと、ライダーに挑戦、思いを語ってくれた。――子供のころ、仮面ライダーシリーズは、何に親しんでいましたか?西島秀俊:僕は『仮面ライダーアマゾン』か『~ストロンガー』をオンエアで見ていました。1号~V3も再放送で見てたと思います。中村倫也:僕は『仮面ライダーBLACK』と『~BLACK RX』を見ていた記憶があります。母が仮面ライダー1号のドンピシャ世代で、ビデオ屋で1号からV3まで、『ウルトラマン』も1号からセブンまでをレンタルして兄と家族みんなで見てましたね。西島:それは英才教育だね(笑)。中村:はい。平成ライダーが始まって、若手の登竜門みたいになったころ、僕も役者の仕事をしていたんですが、仮面ライダーのオーディションに行けと事務所に一度も言われたことがない。「こいつは違う」と思われていたんでしょうね(笑)。――それがいまようやく、初ライダーに。西島さんは出演を以前から希望されていたそうですね。西島:近年のライダーを見て、面白いなと思っていました。正義と悪だけではない、世相を盛り込んだ物語になっている。仮面ライダーシリーズが好きなんですというお話を何かのタイミングでしていたら、今回お声をかけていただき驚きました。――仮面ライダーシリーズは50年の歴史があります。伝統あるシリーズのリブート作品への参加は、どんなスタンスで臨んだのですか?西島:みんなが見て育ってきたシリーズですよね。50年の歴史のなかでも金字塔といわれる『~BLACK』をリブートするわけですから、当然リスペクトを持って、良いところはきちんと踏襲する思いでいました。今作は18+にはなりましたけど、のちの子供たちに何かを伝えられたらという思いはありました。中村:僕は以前、『アラジン』の実写映画の日本語吹き替えをやらせていただいたとき、自分も小さいころディズニーのアニメに夢中になったキラキラした記憶があったことを思い出したんです。そんな思いを今の子供たちにも届けようと使命感を持ってやりました。白石監督だし、中身は大人向けだけれど、今回もあのときと似たような感覚でした。ただ、撮影現場では、ほかの作品同様、フラットな気持ちで臨みましたね。――白石監督の演出はいかがでしたか?西島:僕はご一緒するのは初めてでしたが、すごくきちんとした方でした。作品のインパクトが強烈だから、ギャップも(笑)。また、とても正統派な演出をされると思いました。ただ、今回は特撮監督の田口さんもいらっしゃいましたし、普段の撮影とはかなり違うよね?中村:そうですね。僕は『孤狼の血』に参加させていただきましたけど、いつもきっちりと、スタッフ全体の動きを把握した上で判断も速いし、秩序立った現場なんですが、初めての特撮で監督の戸惑うレアな姿が(笑)。でも、すぐに元の風通しのいい白石組に戻っていましたね。――本作は分断や差別など、実社会に通じるテーマが盛り込まれています。脚本を読まれてどんな感想を?西島:世の中の問題を作品内で描くというのは、特撮が歴史的に持っている特徴で素晴らしいところだと思います。今作には厳しい描写もあったので、特撮でこれはどうなのだろう?とご相談したこともありました。そのとき監督は「映画というものはこういう側面も描くべき」と強い信念と覚悟を持っていらっしゃったので、最終的には納得しました。中村:特撮ものやライダーの歴史にリスペクトを置いた上で、ジャンルでいうと圧倒的に「人間ドラマ」。「仮面ライダーがいる世界観」ではなく、’70年代の社会運動もうまく組み込んでいたり、僕たちのいるあくまで「現実世界」を主軸に、「そこに怪人がいる」という世界線なんだなと思いました。西島:その通りだね。中村:でもその世界を成立させるには、怪人の造型やCG、僕らの芝居も説得力がないと根本から崩れるので、気が抜けませんでした。――お二人は、2年前の『サイレント・トーキョー』以来の共演ですね。西島:その間もスタジオが隣で会ったりしていたよね?中村:はい。ちょいちょい(笑)。僕はもう、(西島さんとの共演は)嬉しさしかなかったです。「圧倒的嬉しい俳優」として現場にいました。西島:あははは。中村:ただ、役柄的にはそんなことを微塵も感じさせてはいけない間柄。物語にエッジと波乱を起こす役にしっかり臨みつつ、あとは嬉しいなあって(目尻を下げふにゃふにゃに)。西島:倫也くんとは昔から共演していて、キャリアをどんどん積んで、人としても俳優としても厚みを増しているのを肌で感じていました。僕も共演は嬉しかった。倫也くんは役についてすごく考えていて、毎回何かしら、驚きを提供してくれるんです。信彦(中村さんの役)は純粋さが真ん中にある人物で、それを大切にしたいとは話していたけれど、倫也くん自身の持っている純粋さが表れているんだろうなと思います。シャイだからそういう面を見せないようにするけれど。中村:センパイ、バラさないでください!そういう俳優を目指していたので嬉しいですね。もう辞めてもいいです。西島さんのお言葉を聞いて、いま引退の決意を……(笑)。――それは困ります!信彦は純粋さを軸に。それに対して、西島さんは光太郎役についてどんな思いを?西島:この物語では皆がそれぞれ大義を持って戦います。でも大義によって手段を選ばなくなる瞬間がある。光太郎はそれに嫌気が差して、戦わない決意をした。もっと自分の大切な人など、個人的なもののために戦いを始める。僕もそういう人間でありたいと思うので、シンパシーを覚えました。――視聴者は光太郎のそういう姿勢に寄り添えるのかもしれませんね。西島:でも、どのキャラクターも間違っていないし、どのキャラクターも間違っているんですよ。人間も怪人も誰にも感情移入できる。中村:そうですね。西島:台本を読んで、この物語はこのキャラクターに寄り添っているんだろうなと一見見えるキャラクターも、見終わると、その道もどこか間違っているところがあると感じる。正解がひとつじゃないふうに描かれているところが、白石監督のすごいところだなと思いました。にしじま・ひでとし(写真左)1971年3月29日生まれ、東京都出身。出演作に『きのう何食べた?』シリーズなど。『ドライブ・マイ・カー』で全米批評家協会賞主演男優賞受賞。なかむら・ともや(写真右)1986年12月24日生まれ、東京都出身。最近の出演作に映画『ハケンアニメ!』(’22)など。10月29日よりMUSICAL『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』に主演。シャツ¥48,400(ラキネス)ニット¥57,200(ボーディ) 共にアルファ PR TEL:03・5413・3546パンツ¥19,800(スティル バイ ハンド/スタイルデパートメント TEL:03・5784・5430)シューズ¥66,000(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515)『仮面ライダーBLACK SUN』人気シリーズ『仮面ライダーBLACK』を、白石和彌監督が新たな視点でリブート。コンセプトビジュアルは『シン・ゴジラ』の樋口真嗣、『ウルトラマン』シリーズの田口清隆が特撮監督。西島秀俊はブラックサンを、中村倫也はシャドームーンを演じる。2022年、怪人が登場して約50年。日本では人間と怪人の対立が激しくなっていた。南光太郎(西島)はそんな世相を無視していたが、あるとき、調和の世界を訴える少女と出会う。10月28日Prime Videoにて世界独占配信。©石森プロ・東映©「仮面ライダーBLACK SUN」PROJECT※『anan』2022年10月26日号より。写真・森山将人(TRIVAL)スタイリスト・カワサキ タカフミ(西島さん)小林 新(UM/中村さん)ヘア&メイク・亀田 雅(西島さん)Emiy(中村さん)インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年10月22日「ミュージカルって、歌がしんどいか、芝居がしんどいか、どっちかなんですが、この舞台は両方トップクラスにしんどいと思います。ただ、それはネガティブな意味ではなくて、表現者として、見る人を巻き込むくらいの熱量を放出しなきゃいけないという覚悟ですね」そう語るのは、話題作に引っ張りだこの中村倫也(35)。今秋挑むのは、ミュージカル『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』(10月29日~11月13日、東京芸術劇場プレイハウスで上演のほか、大阪、金沢、仙台で公演)だ。音楽家ベートーベンの生涯を描く本作で、主人公・青年期のルードヴィヒを演じる。演出を手がけるのは、舞台人としての中村の才能を開花させた河原雅彦。タッグを組むのは7年ぶり。「河原さんとずっと何かやりたいね、という話はしていたんですけど、こういう本格的なミュージカルがやりたかったというのは、正直、意外で。でも、そこで自分を指名してくれたことはうれしかったですね。演劇は、仕事がなくて鬱屈していた若手時代に自分の生きていく支えで、その道を切り開いてくれたのが河原さんでした。その人が新しいチャレンジをするなら、楽じゃないとわかっていても、やらなきゃいかん!と(笑)」作曲家と役者、同じ表現者として共通する部分はあるかと聞くと、「全く違う」という答えが。「クリエーターは0から1を生み出す人ですけれど、役者は台本があり、そこから役を作り上げていく。生み出す分量が違うと思っています」この日は、ヒゲを生やした姿で登場したが、どんな心境で?「休みの日はヒゲを剃そらないんですよ。今日、家を出るとき、ヒゲ生かしで撮られるのも面白いかなと思って、なんとなく(笑)。ここ数日は、ゆっくり過ごしていたので、久しぶりに散歩したんです。秋は散歩したいですね。おじいちゃんみたいに、後ろに手を組んで(笑)」
2022年10月12日西島秀俊と中村倫也が共演するリブート作品「仮面ライダーBLACK SUN」の「Prime Video」視聴ページがオープン。新ビジュアルと予告映像、追加キャストも一挙に公開された。1987年から放送された「仮面ライダーBLACK」が、白石和彌監督のもと、新たに「仮面ライダーBLACK SUN」としてリブート。映像では、現代と50年前、2つの時代が描かれ、西島さん演じる南光太郎と、中村さん演じる秋月信彦の因縁が垣間見える。また映像には、新たなキャストも登場。ヒロイン・和泉葵を平澤宏々路、重要な鍵を握る怪人のひとり、ノミ怪人を黒田大輔、過去に光太郎と信彦と行動を共にした新城ゆかりを芋生悠、怪人差別を唱える主導者・井垣渉を今野浩喜が演じる。和泉葵/平澤宏々路平澤さんは「私が演じた和泉葵は14歳という若さで怪人たちと関わり、人間と怪人の共存を目指す活動家として活動をしています。その中でたくさんの出来事に巻き込まれていくキャラクターです」と説明し、黒田さんは「物語が進むにつれ、だんだんと癖になる存在感にぜひご注目ください」とアピール。芋生さんは「緊張感とユーモアの絶妙なバランスで出来た現場だった」と撮影をふり返り、今野さんは「井垣が皆様からどのくらい嫌われるかも楽しみです」と視聴者の感想を期待する。ノミ怪人/黒田大輔また、総理大臣・堂波真一をルー大柴、彼の若かりし頃を前田旺志郎、葵の同級生・小松俊介を木村舷碁、ゴルゴムメンバー・アネモネ怪人を筧美和子、官房長官・仁村勲を尾美としのり、過去の光太郎を中村蒼が演じることも発表された。南光太郎(1972年)/中村蒼完成した映像を少し観たという前田さんは「ゾクゾクとするような映像」だったと明かし、木村さんは「人生初めての出演作品で、幼稚園のころからずっと憧れていた仮面ライダーに出られる、しかも役までもらえるということですごく嬉しかったです!」と参加を喜ぶ。筧さんは「アネモネ怪人は、アネモネという花をモチーフにした怪人です。花からは想像もつかないようなとんでもない姿を見せますので配信を楽しみにしていてください!」と呼びかけ、尾美さんは「堂波総理との関係性も楽しみにしていてください」とコメント。アネモネ怪人/筧美和子ルー大柴さんは「総理大臣でありながら、ほしいままに悪事を働く人物なんです。彼が光太郎や信彦とどのように関わるのか、最後までお楽しみください」と話し、中村さんは「自分も変身する人間を演じられることはすごくうれしかったです!」とふり返っている。そして本作の主題歌が、顔を覆うマスクとガナリボイス、圧倒的な歌唱力で人気を集めている超学生が歌う「Did you see the sunrise?」に決定。「仮面ライダーの世界は僕の人生の強い支えになってくれました。今回そんなストーリーの一部になることができ大変光栄に思います」と喜びのコメントも寄せている。「仮面ライダーBLACK SUN」は10月28日(金)0時Prime Videoにて配信(27日24:00)。(cinemacafe.net)
2022年10月09日俳優の中村倫也が主演を務める映画『水曜日が消えた』(20)が、映像配信サービス・dTVで配信開始した。「映像作家100人 2019」に選ばれ、長編作品初監督となる吉野耕平氏がメガホンを取った同作。幼い頃の交通事故をきっかけに、身体の中で“7人の人格”が曜日ごとに入れ替わる主人公を中村が演じている。性格も個性も異なる7人の人格の中で、いちばん地味で退屈な存在の“火曜日”は、ほかの曜日から何かと雑用を押しつけられている。そんな単調な1日を終え、1週間後に備えて眠りについた“火曜日”だったが、目を覚ますと周囲の様子がいつもと違い、今日が水曜日だということに気がつく。水曜日を謳歌する“火曜日”だったが、その日常は徐々に驚きと恐怖に変わっていく。曜日ごとに人格が入れ替わるという複雑なキャラクターを演じた中村に加え、共演には“7人の僕”全員を知る元同級生・一ノ瀬役に石橋菜津美、物語の鍵を握る図書館司書・瑞野役に深川麻衣、少年時代から“7人の僕”を見守る医師・安藤役にきたろう、安藤の教え子で“7人の僕”を見守る新任医師・新木役に中島歩、「月曜日」の友人・高橋にゲスの極み乙女のベーシスト・休日課長など、個性的なキャストが顔を揃えている。
2022年09月29日俳優・中村倫也が、海外のお宅のキッチンとオンラインで繋がり、日本でも作ることのできる簡単&華やかな家庭料理を教えてもらう料理番組「今日、うちでなに食べる?」の放送が決定した。2週にわたって放送される今回。第1回は“世界のオーブン料理”をテーマに、南アフリカ・ケープタウンに暮らす2人が、ミートローフのような見た目の「ボボティー」を紹介。かつては東南アジアから移り住んだマレー系住民が、現地の食材でつくったアジアとアフリカの味が融合した料理となっており、人種隔離や差別の過去を乗り越え、様々な民族が融合しようとしている南アフリカを象徴する料理だという。初めて作るボボティーのおいしさには、中村さんもビックリ。続いて、第2回は“世界のおもしろ鍋料理”がテーマ。台湾に暮らす 2人が、「パイナップルと白ゴーヤーのスープ」を教えてくれる。台湾では子どもの野菜嫌いを克服するためによく作られる、滋味深い味が特徴のこのスープ。子どものころは野菜が嫌いで、いまもシイタケやゴーヤーは苦手という中村さんは、野菜嫌いを克服することはできるのか注目。また番組では、海外の出演者の声は人気声優が生で吹き替えており、見どころのひとつ。第1回は千葉茂と水島裕、第2回は日高のり子と朴璐美も出演する。中村さんは「人生ですれ違うこともないかもしれない、南アフリカや台湾の人たちと同時に料理をして、その国の食文化や風習に触れることができて、本当に楽しかったです。パイナップルの漬物とか砂漠の塩なんて、日本で料理していてもなかなか使うことないじゃないですか?家庭料理を一緒に作ることを通じて、その国の文化も知ることができました」と収録の感想を語っている。「今日、うちでなに食べる?」第1回は10月1日(土)、第2回は10月8日(土)23時30分~総合テレビ にて放送。(cinemacafe.net)
2022年09月26日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年7月スタートのテレビドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。「真面目に生きる人々の暮らしを守る『傘』になろう」石子(有村架純)と羽男(中村倫也)、街の弁護士事務所『潮法律事務所』の最終決戦が幕を開ける。『石子と羽男』最終話底力を見せる『潮法律事務所』不動産投資詐欺に遭った日向理一郎(平田広明)が殺害された事件。何者かが理一郎に『青いライター』で火をつけたという大庭拓(望月歩)の証言をもとに、捜査は続けられていた。一方、綿郎(さだまさし)が受け持つ不動産詐欺と共通点が多いことから、石子と羽男は理一郎の妻・綾(山本未來)と綿郎の依頼者・高岡(森下能幸)に共同で仲介業者グリーンエステートを訴えることを提案する。今回のことでまた職を失うことになった大庭だったが、その表情は晴れやかで、綾に声を上げるよう背中を押すなど人一倍張り切っていた。「いまこそ底力を見せる時」と、事務所を上げて皆で訴訟の準備を進めていく。しかし綾は、自業自得などとネットで非難され、訴訟を続けることへ恐怖心が芽生えていた。ネットの興味は刹那的なものだ。だが、大きな声を上げて批判する者たちが作る影に、多くの声が隠れてしまうのが現実だ。弱気になる綾に、この裁判は続けるべきだと石子は訴えた。自分を守るためには、声を上げることがまず大事である。綾を救うのは、批判する者じゃなく、「笑っていてほしい」という夫の切なる願いなのだ。そんな中、何日か連絡がつかなかった綿郎が帰ってくる。綿郎は詐欺につながる証拠を見つけるため、榊原(森本のぶ)が経営するバーの常連となっていた。そして綿郎が得た情報から、グリーンエステート社長・刀根(坪倉由幸/我が家)と四つ葉ハウジング社長・榊原、さらには投資家の御子神慶次(田中哲司)にも繋がりがあったことが判明。法律の抜け穴を見事に通った巧妙な不動産投資詐欺の実態が見えてきた。そして口頭弁論当日。裁判官はまさかの羽男の父・泰助(イッセー尾形)だった。泰助のプレッシャーもあり、羽男は指摘に対して言い返すことができず、手の震えも再発してしまう。そこにいつも見守ってくれる石子の姿はなかった。実は石子は、下請けの施工業者と刀根の会話の証拠を持って、法廷に駆け付けるはずだったが、御子神のお付きに証拠を取られ、その際に手を負傷していた。「あなたにも守りたいものがあるならば」と、必死に説得を試みた末に得た証拠を、石子は簡単に手放さなかった。違法カジノへの潜入の時にも感じた、危険な状況の中でも貫かれる石子の芯の強さの現れだ。自分のルールを守ることには妥協せず、人に寄り添うためにできる努力を惜しまない石子の姿勢をずっと見てきた羽男。そんな石子の強い意志を継ぐ思いで、記憶力を駆使し、証拠を見つけることに奮闘していく。第1話とは大きく異なる、石子と羽男の2人そして羽男は御子神の居場所をSNSから突き止め、石子と共に会いに行く。蒸した煙草を車窓から投げ捨て、悠々と車から降りてきた御子神の言葉は『強者』の語り口だった。詐欺への加担や証拠を持ち去ったことは全て受け流し、法律は自分を含めた強い人間のために存在し、力の弱い人間が勝つようにはできてないと鼻で笑われる始末。ついには施工業者も口を閉ざし、打つ手無しとなった羽男達。手がかりの糸を掴めばすぐ切られ、見つければ遮られ…の繰り返しだ。しかし直ぐ後退りしていた頃の羽男は、もういない。石子も大庭も同じだ。ちょっとした出会いで、遭遇で、彼らの人生は良い方向に大きく変化した。ここから潮法律事務所の反撃が始まる。大庭は、拓が書き続けていた『蒼』の文字は、『蒼色』のライターということを伝えるものだったと気づく。その色のライターを持つのは、刀根だ。そして羽男の姉の検事・優乃(MEGUMI)の巧妙な話術にまんまと乗せられた刀根が、犯行を自白。あの日理一郎を尾行していた刀根は、自ら命を絶とうとする理一郎に手持ちのライターで火を放ったのだ。そして不動産投資は御子神が計画したものだということも判明する。綾と高岡の裁判は無事に勝訴。残るは御子神を追い詰める方法。そのヒントは、塩崎(おいでやす小田)が連れてきたご近所さんが訴えた『ポイ捨て』だった。羽男が思い出したのは、御子神が煙草をポイ捨てしている瞬間。それから1ヶ月、大庭と石子と共に、全ての証拠を回収し、自分の真顔と共に写真で収めた。法の隙間を掻い潜るのならば、強い者が無下にした小さな穴から攻めれば良いのだ。御子神は廃棄物処理法違反で現行犯逮捕される。たかがポイ捨てだけで自分は負けないと笑う御子神に、石子は物申す。「力が弱い者も、強い者も、同じ世界で平等に生きてくために必要なルール。法律はそのためにできていくんだと思うんです」しかし「弱い人間は所詮その程度だ」と御子神に強く返され、後退りする石子。代わりに一歩前に出たのは、羽男だった。「あなたが弱者と呼ぶ人たちは、強くなりたいって思ってないんじゃないですかね?」初めての依頼の時、フリーズした羽男に代わり一歩前に出たのは石子だった。それとは逆の構図である。支え合った時間を思い、胸が熱くなる瞬間だ。弁護士資格のないパラリーガルの石子。臨機応変さに欠ける頼りない弁護士の羽男。そんな相棒コンビはこれまでお互いの『足りない』を補い合ってきた。弱い者が群れることは情けないことではない。誰かに頼ることは素敵なことだ。そして御子神は世間の批判の声を浴び、理事を退任させられる。たかがポイ捨てだと笑い、切り捨てた小さな中ある、捨てられるべきではない、沢山の人の訴えだった。羽男が言う通り、権力とは無縁に、ただ普通の日常を送りたいと願う者たちの救いとなるのが法律である。最終話、特殊詐欺に立ち向かう手立てに、『ポイ捨て』は弱いのかもしれない。同じように、法律には限界が存在することも、綺麗事だけでは上手くいかないことも描かれてきた。しかし法律は力の弱い人々が声を上げ、寄り添ってできた歴史だ。未来を変えるため、まず知ろうとする者、そして一歩踏み出そうとした者に、これからも寄り添いながら変化していくのだ。簡単に変わらないものもある。だからこそ初めから100%とはいかなくて、変わり始めようとしたその瞬間に価値があることもこの作品が描いたことだ。暮らしの近くにある問題に直向きに寄り添ってきた作品の最後だからこそ納得する落とし所なのだ。そして今作で何度も映し出される『足』は、暮らしを守るために歩み出す人の足だろう。誰かに歩み出すきっかけを与えられるのは、きっと法律だけではない。そして歩み出すきっかけを与え合った、石子と羽男。羽男は、父親に重圧をかけられ続けた過去から、自分らしく一歩踏み出すために、ありのままの自分を告白する。「君は優秀ではない」と厳しい言葉をかけられたが、羽男はその言葉が何よりも嬉しかった。泰助の「頑張りなさい」は、本当の羽男を認めた暖かい言葉なのだ。ふつうの親子の姿が、確かにそこにあった。そして石子も。大庭との交際も順調。そして羽男には「これからも俺の隣にいてください」と相棒としてプロポーズされたが、綿郎の後押しも受け、司法試験を受けることを決めていた。二人前、『爆盛り』以上の相棒弁護士としてこれからも羽男の横にいるために。迎えた試験当日、交差点で足がすくむ。石子の心に、雨雲がかかる。そんな石子にそっと傘を差し出したのは、羽男だ。また柱の影に隠れて待ってたように、絶妙なタイミングで表れた相棒は、その雨雲を、その過去が見えないように傘を差し出す。石子は一歩、また一歩背中を押され、過去を乗り越えていくのだ。思えばオープニングで石子と羽男が持つ黒い傘の内側は光っていた。それはきっと真面目に生きる人に訪れる、日々の暮らしの幸せなのかもしれない。確かにずっと晴れていれば傘はいらない。だが、他人には見えずとも、雨に降られている人がいる。小さなトラブルの裏に、大切な暮らしがある。そしてその傘を使うのは、この作品を見た私たちである。自分が持つ『傘』を誰に差し出しますか?『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』過去のドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年09月22日有村架純&中村倫也W主演「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」が9月16日放送回でフィナーレを迎えた。石子、羽男それぞれが踏み出した新たな道に「良かった」の声が殺到、SNSには早くも続編を希望する声が寄せられている。「MIU404」「着飾る恋には理由があって」「最愛」などを手がけてきたスタッフによる異色リーガル・エンターテインメントとして話題を振りまいてきた本作。司法試験当日に事故を目撃したトラウマから試験を受けられなくなった石田硝子を有村さんが。父親の過剰な期待を苦痛に感じてきた羽根岡佳男を中村さんがそれぞれ演じ、また不動産投資詐欺に巻き込まれた大庭蒼生役で赤楚衛二。石子の父で潮法律事務所の所長の弁護士・潮綿郎役でさだまさしも共演した。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。石子と羽男は、綾(山本未來)と高岡(森下能幸)が巻き込まれた不動産投資詐欺と、綿郎が追っていた不動産投資詐欺事件に共通点が多いと気が付き、同一グループの犯行ではないかと考えた石子と羽男は、共同で訴えることを高岡と綾に提案する。そして口頭弁論当日、羽男は裁判所のトイレで裁判官の父・泰助(イッセー尾形)と顔を合わせる。なんと泰助が裁判官をすることになったという。不十分な証拠と泰助を前にした羽男はしどろもどろになってしまう…というのが最終回の展開。その後、大庭が名義貸しした刀根(坪倉由幸)が綾の夫・日向が被ったガソリンに火を放ったことが判明、詐欺事件についても認めたことで裁判に勝利する。裁判が終わったあと、羽男は泰助に“自分は頼りない弁護士。動揺もするし気丈にも振る舞えない。記憶力も1人じゃ使いこなせない”と話す。泰助は「君は優秀ではないね」と答え、1回目の公判は見るに堪えず、事務所も紹介できないと告げるが、羽男は涙を浮かべ「やっと本当の俺を見てくれた。それが嬉しいです」と返答する…。本当の自分の姿を父に認めてもらえた羽男に、SNS上では「羽男が父に自分を見せられたこと。サイコー」「漸くありのままの自分を受け入れて貰えたね」「羽男も一歩踏み出せて本当に良かった」「羽男さんの父との向き合い方、素敵だった」などの声が送られる。そして石子は綿郎に後押しされる形ながら、再び司法試験を受けることを決める。試験当日、事故を目撃した横断歩道で当時の様子を思い出してしまう石子だが、そこに羽男が現れ水色の傘で石子の視界を遮る。「とっとと受かってこい」と笑顔を見せる羽男…石子は横断歩道に歩みを進め、試験会場へと向かう…。このラストシーンにも「最後の石子ちゃんに傘をさしてあげるところ本当によかった」「石子ちゃん,トラウマを克服出来て良かった」「羽男のおかげでいつもの自分を取り戻した石子 大切な相棒だね」「石子さんが、トラウマで立ち止まった時、そっと差し出した傘のシーンが、このドラマの象徴だなぁと思った…」といった声が多数。このラストの前に、羽男が石子に“相棒”として「これからも俺の隣にいてください」と想いを伝え、その言葉を受けた石子が司法試験に再挑戦することを告白するとともに、相棒弁護士として羽男とのコンビを続けていきたいと答えるシーンがあり、2人が弁護士としてコンビを続けることを示唆する終わり方に「司法試験に合格した石子さんが見たいです。これなら続編、必ずありますね」「石子さん、司法試験合格してたらいいなぁ相棒弁護士として石羽コンビ続行して欲しい!」など、早速続編を希望する声も寄せられている。(笠緒)
2022年09月17日上演台本・演出に鬼才・河原雅彦、主演に中村倫也を迎えて上演されるMUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』日本版がいよいよ始動! 日本でも上演が重ねられ、おなじみとなった韓国発のミュージカル『SMOKE』や『BLUE RAIN』を手掛ける作・演出家チュ・ジョンファの新作として、2018年末~2019年に韓国で上演、話題を呼んだ本作は、天才作曲家・ベートーベンの生涯をドラマチックに描いた創作ミュージカル。「いつか本格ミュージカルをやりたい」という想いを抱いていた河原と、その想いを受け止め青年ルードヴィヒ役として主演を務める中村。7年ぶりのタッグはどんなチャレンジになるのか……?世界を広げてくれた人の新しい挑戦「やるっきゃない」中村によると、河原から本作の話を聞いたのは2019年だという。「過去のメールのやり取りを遡ったところ、2019年の2月には今作のやりとりを河原さんとしておりました。会うたびに次何やる? という会話はしていましたが、まさか7年も経っていたとは。びっくりですね。僕も河原さんも割とふざけたミュージカルをやる事が多かったと思うので(苦笑)。“真面目なミュージカル”という言い方が正しいのかわからないですが、チャレンジしていけたらなと思います」その「真面目なミュージカルをやりたい」という河原の想いを中村は「パンクロック&歌謡曲好きの河原さんにそんな願望があるなんて知りませんでした(上演決定時のコメントより)」と驚きとともに受け止めつつ、「俺を指名してくれるんだ! というのはうれしかった」と感慨深げに語る。「河原さんには2009年[真心一座 身も心も]※の公演に呼んでいただいて、それを観た演劇界の方々が声をかけてくれるようになって一気に世界が広がったんです。俳優として活躍の機会を得られず鬱屈していた若手時代、演劇というのは自分が生きていく支えになりました。河原さんはその道を切り拓いてくれた人。そんな人が新しいことにチャレンジするとき、『一緒にやろうぜ』となったらしんどそうでも何でもやるっきゃないなと」※真心一座 身も心も:座長・村岡希美、座付き作家・千葉雅子(猫のホテル)、座付き演出家・河原雅彦、“にぎやかし”坂田聡による演劇ユニット。中村は2009年上演の『流れ姉妹 たつことかつこ~獣たちの夜』にゲスト出演。ちなみに中村の連ドラ初主演作となった2007年放送の深夜ドラマ『ハリ系』(日本テレビ系)は、河原のテレビドラマ初監督作でもある。転機となった作品を共にしてきた河原の印象を中村は「すべてのものを面白がる人。懐が深く、包容力がある方なんじゃないかと思います」と語る。これまで舞台『ぼっちゃま』(2011)、『八犬伝』(2012)、残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』(2015)と、一筋縄ではいかない作品に起用されてきたが、今回の“真面目なミュージカル”ではどんなことが求められると感じているのだろうか。「『八犬伝』では尾上(寛之)君と阿部(サダヲ)さんがなぜか和太鼓で戦っていたり。“威力”ということを河原さんはよく言っていました。今作について会話した時も“支配力”と言っていて、そういったことが今回自分に求められることなんだろうなと。ただ、稽古に入ったら疲れるだろうなとは思っています(苦笑)」「中村がんばってるな」で終わらないような作品づくりを本作でルードヴィヒの人生に大きな影響を与える女性・マリーを演じる木下晴香とは、2019年公開の実写版『アラジン』で、主人公・アラジン&ヒロイン・ジャスミンの吹替を担当した間柄。ふたりが歌う「ホール・ニュー・ワールド」でその歌声のすばらしさに心を奪われた方も多いはず。「めちゃめちゃ歌うベートーベンをやってもらいます」という、上演決定時の河原のコメントに密かに胸を踊らせてしまうところだが、ミュージカル経験豊富な木下は久々の本格ミュージカル出演となる中村にとっても心強い存在のよう。「歌番組でご一緒するたびに『イヤモニが気持ち悪いけどどうしたらいいの?』とか色々聞いたりしていました。ミュージカルの現場については僕や河原さんよりずっと詳しいと思うので『こういう時どうしてるの?』とか、みんなが晴香に聞きに行くんじゃないかと。なので僕が率先して聞きに行こうかなと思っています」そして、「もう一人のルードヴィヒ」を演じる福士誠治とは同じ作品に出演したことはあるものの、本格的に組むのは今回が初めてとなる。「ご自身で芝居を創られていたり、音楽もやられていて“熱い人”というイメージ。今回主演ですけど、誠治君がきっと兄貴肌でいてくれるから、僕が主演らしいことはしなくていいなと思う(笑)。とはいえ韓国の俳優さん本当にすごいな!と思うくらい、歌も芝居もトップクラスにしんどい、俳優として熱量を放出しなければいけない大変な芝居ですから、『中村がんばってるな』で終わらないような作品づくりをしなければと思っています」昨年の劇団☆新感線41周年興行『狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)』では安倍晴明を演じた中村。今回のベートーベンしかり、誰もが知る歴史上の人物を演じることへのプレッシャーはないのだろうか。「全然気にしてないです。だって会ったことないですから。過去の偉人の人物像はだいたいデフォルメして伝えられていると思っているので。映像作品とかで時代物をやるときに、所作指導などを受けているときも『絶対、畳のフチ踏んでたって!』とか思ったりして(笑)。だから、舞台で晴明をやったときも何も考えてなかった。ベートーベンも、顔も生涯も残した作品も知っているけど、あまり気にしていないです。漫画の実写版なんかを演る時もあまり気にしない。有名人をどう演じるか考えるよりも、ここに集まったメンツで良いものを作った方がいいじゃん。という感じですので、やりながら探していけたらと思います」観終わった人の顔をみたい最終回に向けて物語も佳境に入ったドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』、10月に配信を控える『仮面ライダーBLACK SUN』も話題沸騰中と、映画やドラマ、舞台など幅広いフィールドでいまや役者として第一線を走り続ける中村だが、じっくりと役に向き合い、約1か月間の稽古でトライ&エラーを繰り返して本番に臨む「舞台」というものが「自分には一番合っているなと以前から感じている」と言う。「結局のところ好きな場所なんだなと感じます。映像をやっていてさみしいのは、観終わった人の顔をみたいなと思うところ。舞台は本番を迎えて、舞台上でまず観客に向けて一方通行で描いて、それを観た方がどんな感想を抱くのか、どんな拍手をしてくれるのかを受け止める。ものづくりとしても人間としても健全な気がします。ただ、映像と違って一枚絵。すべてがバレてしまうので、細部に至るまで、立ち姿ひとつとっても、よりしっかりと役としてそこに立っていないといけない。その辺の怖さみたいなものはありますけど」10月、中村がどんなベートーベン像を私たちにみせてくれるのか、期待が高まる。取材・文:ぴあ編集部撮影:You Ishiiヘア&メイク/松田陵(Y’sC)スタイリスト/戸倉祥仁(holy.)★中村倫也さんと共演の福士誠治さんの対談インタビューは コチラ()ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★中村倫也さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>MUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』【東京公演】2022年10月29日(土)~11月13日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス【大阪公演】11月16日(水) 〜21日(月)会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ【石川公演】11月25日(金)・26日(土)会場:赤羽ホール【宮城公演】11月29日(火)・30日(水)会場:電力ホール公式サイト:
2022年09月16日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年7月スタートのテレビドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。感情を持つことは悪なのだろうか。誰かのために力を尽くし、悩み、苦しむことは無駄なのだろうか?そして、放火事件をきっかけに『石子と羽男』の最終章が幕を開ける。トイレの放火容疑で逮捕された大庭燃え盛る炎の前に立ちすくみ、そして防犯カメラに映った男の姿…。公園のトイレの放火容疑で逮捕されたのは大庭(赤楚衛二)だった。羽男(中村倫也)が石子(有村架純)からの連絡を受け接見に行くと、大庭は「自分がやった」と自供する。だが理由を聞いても何も答えず、「話すことはない」と去ってしまう。羽男からその報告を受けた石子は気が気じゃなかった。直接言葉を交わすことができる羽男と違い、石子は接見ができないパラリーガルだ。いつものように石子の口癖を茶化したり、冗談を交えながら元気付ける羽男も、予想外の自供に動揺していた。大庭を信じたい気持ちは皆、同じだ。だが、会えない石子の思いを背負うという責任も強く感じている羽男は、何度も会いに行くことを約束する。そして二度目の接見。羽男は黙秘を続ける大庭に、石子からの手紙を読み上げる。「共に時間を過ごす中で、あなたの姿を見てきました」石子や羽男が見てきた、大庭蒼生という人間の姿。これは私たちも同じように見てきた。普通なら回想が流れそうな場面に、石子と羽男が紡ぐ言葉だけで語られた。だが、そんな大庭の姿はすぐ思い浮かんだだろう。大庭を信じたいという気持ちは、見ている私たちもにもあることを実感させてくれるのである。思いはみな、同じだ。「今度は私が傘を差し出す番です。ずぶ濡れの私を助けてくれたように、私たちが、大庭さんを雨から守ります」三人が過ごしてきた時間に間違いはなかった。大庭は、自分信じてくれる二人を信じ、声を上げる。「弟を…守りたかったんです」大庭の弟・拓(望月歩)は人との関わりが苦手であり、日中は外を出歩けず、夜に散歩することが多かった。そして偶然実家に帰った夜も、大庭のジャンパーを持って散歩に出かけていたのだが、戻ってきた時はひどく怯え、怪我した状態だったという。その後、事件を知った大庭は、弟を信じたいという気持ちはありつつも、拓の関与を疑った。そして取り調べの対応が難しい拓に代わり、犯行を自白することで、矛先が拓に向かないようにしたのだ。身内の案件だとしてもフラットな立場を守り、拓の無実を証明する証拠を探すことを決める羽男。そして外で心配して待っていた石子に羽男はグーサインを送る。安堵する石子から感じられたのは、信頼する羽男と大庭、二人への特別な愛だった。石子と羽男は大庭の実家を訪れ、拓に話を聞きに行くが、ひたすら『蒼』を墨で書き続けるだけで口を閉ざし、真相はわからず。二人にも人と関わることを避けてきた拓がやったとは思えなかったが、現場にいたであろう拓の話無しに事実に迫ることはできない。大庭の思いを受け止めた今、石子は道の開けない状況にまた追い詰められそうになっていた。しかしそんな時、支えになるのはたった一人の相棒だ。羽男は、石子に手が震える原因を語り出す。父・泰助(イッセー尾形)から言われ続けた、「心の揺れを他人に見せるな」という言葉。逃げ場のない法廷ではそれがプレッシャーとなった。しかしそれとは真逆に、どんな状況においても解決の糸口を見つけることを諦めず、依頼者に寄り添う石子や綿郎と出会った。久しぶりに手が震えた時、羽男が感じたのは、そんな石子の存在の大きさだった。羽男は石子のその心こそが、拓を動かすと信じたいのだ。石子は自分が誰かに傘を差し出した影で、自分が濡れていることに気づかない。むしろ厭わない性格だ。そんな石子に傘を差し出してきたのは、羽男なのである。その目に涙を溜めた石子を見て、後ろの窓からお茶を手渡す。石子はそれからも拓の閉ざされた扉が開くまで諦めず、会い続けるのだった。不動産投資の詐欺事件との関連が浮上そんな中、焼死体の身元が会社員・日向理一郎(平田広明)と判明し、ガソリンの成分が検出されたと報道される。早速二人は、被害者の妻・綾(山本未來)に話を聞くことに。その中で夫の理一郎はあの日、不動産仲介業者のグリーンエステートの『大庭社長』に会いに行ったと話していたことが判明する。何も知らない二人は驚愕するが、登記簿にははっきりそう書かれていた。大庭に事情を聞くと、転職先のナカマルの社長・刀根(坪倉由幸)から期待を寄せられ、喜んで名義を貸してしまったのだという。大庭が自分の手で掴んだ再出発の芽を利用されてしまった。一方事務所は、石子が綿郎(さだまさし)の案件である不動産投資の詐欺事件の手口が、今回の詐欺と同様であることに気づく。そして羽男は、防犯カメラ映像から、理一郎がトラックからガソリンを抜き取っている姿を見つけ出す。綾にそのことを問うと、とある手紙を読み出す。夫から妻への、最期の手紙だ。理一郎は保険金をもらうため、自らガソリンを被り、大庭の前で自殺するということが綴られていた。そして死ぬ直前、最愛の人に遺す言葉は、「これからは笑って生きて」。しかしその遺書だけでは自殺とは断定できず、目撃証言が必要になった。全てを託されたのは、拓だ。弟のためにしたことが結局責任を負わせることになり、大庭は自分を責めた。その様子に羽男は、反省すべき点は意識させつつも、大庭の潰れそうな心をそっと戻す言葉をかける。期待されて嬉しい気持ちは間違いではない。弟を思う気持ちに嘘はない。「本当に悪いのは、人を騙す奴だ」そして拓は兄が罪を被っていることを知り、証言するため一人、歩き出した。人と関わることを避けてきた拓が、今度は自分が兄のためにと勇気を出せたのは、単に石子の寄り添いがあったからだ。拓は手に力をいれ、その指を開く。心を開き、何かを訴えるそのサインを石子は見逃さなかった。石子は何度も拓の元に通い続けた。彼が大切にする書道や『蒼』に寄り添い、生まれたのは『大庭蒼生』を大切に思う二人の心の繋がり。「兄ちゃんは僕を庇っただけです」拓はその日の状況を話し出す。自らガソリンを被った理一郎。そしてライターの火が燃え移るその先に「もう一人、いた」と明かす。最愛の妻のために、弟のためを思った結果、拗れてしまったこの事件は、まだ終わっていなかった。そのライターを持つ投資家の御子神慶(田中哲司)が現場にいたもう一人なのか。御子神と会う綿郎の姿の真相とは…。感情は何のためにあるのか『心の揺れ』は悪なのだろうか。誰かのために力を尽くし、悩み苦しむことは無駄なのだろうか。確かに感情論だけでは上手く生きられないし、御子神は「感情こそ判断を見誤らせるもの」だと言う。人は感情に揺さぶられ、過ちを繰り返し、信じる心が利用されていくのが現実だ。しかし、その苦しみの連鎖を止めるのも感情だ。第9話に特に大切にされていたのが『感情』だった。人は感情の伝え方を自然に身につけていく。言葉にしたり、行動で示したり。そして今話では、石子と理一郎は手紙で伝え、拓は兄への思いを一文字で伝えた。そして不起訴処分となり出所した大庭と石子の感動の再会を、してやったり顔で邪魔する羽男に、皆で笑う。そして強く抱きしめた大庭の表情が語るのは、何よりの二人への信頼だ。感情は何のためにあるのか。9話を見終え、そう考えた時、ふと、最愛のだれかのため。という答えが浮かぶのである。『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年09月15日有村架純&中村倫也W主演「石子と羽男」。その9話が9月9日放送。石子と羽男、大庭の“3人ハグ”に「このバランス最高」「いいトリオだな」などの声が殺到している。西田征史が脚本を担当し、プロデュースを新井順子が手がけ、演出には塚原あゆ子という「MIU404」「着飾る恋には理由があって」「最愛」など話題作を送り出してきたスタッフが再集結した本作。パラリーガルとして父親が営むマチベン「潮法律事務所」で働いている石田硝子を有村さんが。弁護士で写真のように見たモノを記憶する「フォトグラフィックメモリー」の持ち主・羽根岡佳男を中村さんがそれぞれ演じ、前回のラストで警察に連行された大庭蒼生には赤楚衛二。石子の父で「潮法律事務所」を経営しているがいつも赤字状態という石子の父・潮綿郎にさだまさしといったキャストが共演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。大庭が放火容疑で逮捕され、羽男が接見に行くと「自分がやった」と言うが理由については黙秘する。さらに放火のあった公園のトイレの焼け跡から一人の遺体が見つかる。石子から手紙を託された羽男が大庭の前で手紙を読み上げると、「俺、弟を守りたかったんです」と罪を認めた理由について話し始める。大庭によれば、事件の日たまたま実家に帰っていたという。大庭のジャンパーを持って散歩に行った弟の拓(望月歩)が帰ってくると、怯えてケガをしていたといい、翌日警察が自分のもとに来て防犯カメラの画像を見せた際、それが自分のジャンパーを着た弟だと気づき、かばうために「自分がやった」と供述。遺体はタクシー運転手の日向という男性で、彼は「グリーンエステート」という会社に騙され、社長の前で焼身自殺しようと考え、登記簿を調べたところ大庭が社長だったことから彼のもとに出向き、同じ服装をした弟の前で自らに火を放った。大庭は入社したナカマルの刀根(坪倉由幸)に名義貸しし、グリーンエステートの社長となっていた…というのが9話のストーリー。拓が警察に証言したことで大庭は不起訴となり釈放される。警察署から出てくる大庭を出迎える石子。その姿を見た大庭は腕を広げ石子のもとに駆け寄るのだが…羽男が石子の横から現れ、大庭を抱きしめてしまう…。その様子を見ていた石子は「それ、私のやつ全部やっちゃってるんですよ!」と羽男に注意するのだが、羽男は大庭が自分に向かって手を広げたと主張し…そんな2人をみていた大庭は、石子と羽男両方抱きしめる…。この“3人ハグ”に「3人のハグ、こっちまで笑顔になる」「石子と羽男と大庭の3人でのハグが最高によかった。このバランス最高」「羽男さんがハグの邪魔したのに、にっこにこの笑顔で石子と羽男両方ハグする大庭くん優しすぎ!笑」「3人でハグの流れ、いいトリオだなーって思った」などの声が殺到。その後、田中哲司演じる投資家の御子神と綿郎が談笑する姿が映し出されると、視聴者からは「ん!!??え、どゆこと!!??石子パパ!!??」「お父さん、ワザと近づいてるの?」「おっ!父ちゃんが本丸に乗り込んでいる」などの声が上がる。同時に「どゆこと!?!?黒幕じゃないよね!?違うよね!?」「お父さんが黒幕なんて絶対思わねぇからな!」といった反応も巻き起こっている。【第10話あらすじ】綿郎が「何日か出かけてくる」とメッセージを残し連絡が取れなくなる。綿郎が御子神と一緒にいた目論見とは?一方、警察は拓が殺人事件の現場で見たという「もう一人」の人物を捜すが手掛かりがつかめない。綾(山本未來)と高岡(森下能幸)が巻き込まれた不動産投資詐欺と、綿郎が追っていた不動産投資詐欺事件が同一グループの犯行ではないかと考えた石子と羽男は、共同で訴えることを高岡と綾に提案する…。「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は毎週金曜22:00~TBS系で放送。(笠緒)
2022年09月10日有村架純と中村倫也がW主演を務め、パラリーガルと弁護士のコンビが誰にでも起こりうる珍トラブルに挑むドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」。次回放送の最終話は、望月歩、山本未來、坪倉由幸(我が家)が演じるカギを握るキャラクターに注目だ。第9話では、放火の現場にいたのは大庭(赤楚衛二)ではなく、大庭の弟だと判明。そして焼死体で見つかった日向理一郎(平田広明)は、不動産投資詐欺被害にあっていたことが分かった。さらに大庭の弟によると、事件当時現場には自分と日向以外にもう一人誰かがいたという。そんな中、物語のカギを握るのは、望月さん演じる大庭の弟・拓、山本さん演じる遺体で見つかる日向理一郎の妻・綾、坪倉さん演じる大庭が勤める「ナカマル」の社長・刀根泰士の3人。刀根は大庭に「うちのエースだから」と「グリーンエステート」の社長になる話を提案してきた人物。刀根の狙いとは一体…。また、日向夫妻の不動産投資詐欺と、綿郎(さだまさし)が追っていた不動産投資詐欺事件と共通点が多いことが判明し、石子と羽男から同じく詐欺被害者である高岡(森下能幸)と共同で訴訟を起こすことを提案される。放火事件と不動産投資詐欺、双方の事件解決に向け「潮法律事務所」が一丸となって証拠集めに奔走し、最後まで目が離せない展開となっている。▼ゲストコメント・望月歩このドラマはもともと普通に放送を観ていたんです。まさか自分が出るわけないなと思っていたので、オファーをいただいた時はびっくりしました。しかも以前お仕事させていただいた塚原さんと新井さんの作品だったので、すごくうれしかったですし、どういう役で関わるんだろうって楽しみでした。拓は、自分の気持ちをうまく表現できないところがあるので、何がしたいのか、何を伝えたいのか、そこの一番強い思いを大事にして演じさせていただきました。・山本未來過去に『Nのために』で、私の芝居を一回りも二回りも大きく引き出してくださった塚原あゆ子監督と新井順子プロデューサーとの再タッグとあり、最高にうれしく思うと同時にプレッシャーがほとばしりました!!主演のお2人とは初共演でしたが、撮影が後半戦ということもあり、カメラの前以外でも非常に息が合っていて“微笑ましいなぁ”と思いながら拝見していました。今回もリアルに起こりうる事案なので、諦めないで行動に移す勇気を皆さんにお届けしたいなと思い臨みました。・坪倉由幸このドラマは第1話から視聴者として楽しく観ていましたし、『アンナチュラル』『着飾る恋には理由があって』でお世話になった新井プロデューサーと塚原監督の作品にまた出演させていただけるということですごくうれしいです。有村さんと中村さんとは今回初めて共演させてもらったんですが、その日はお2人とも早朝からずーっと撮影して疲れているのに、夜から入った僕に笑顔で挨拶してくれて、その後も待ち時間の時に近くにいらっしゃったんですけど、緊張して一言も話しかけられず、次会った時には! と思ったらご一緒するのはその日だけでした・・・。またお2人と共演できるように頑張ります!「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は毎週金曜日22時~TBSにて放送中。(cinemacafe.net)
2022年09月09日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年7月スタートのテレビドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。何かを守り、理解するためには『知る』ことが絶対なのだろうか。8話のウェブサイト情報削除請求の物語から見えるのは、『知られない権利』について。グルメレビューサイトをめぐる事件うちの店がグルメサイトに載ったんだよ…。石子(有村架純)と羽男(中村倫也)ら潮法律事務所に、創作料理店『インサイド』の店主・香山信彦(梶原善)から依頼が入る。店はいわゆる『隠れ家』で、これまで取材を断り秘密保持に努めてきたものの、大手グルメサイト『うまレポ』にレビューが掲載され、運営会社に削除申請したが受け入れてもらえなかったという。その会社の顧問弁護士は羽男の因縁の相手・丹澤(宮野真守)だった。羽男は営業権の侵害を訴えるが、丹澤は投稿者の表現の自由とユーザーの知る権利を主張。対抗心を燃やす羽男のやる気そのまま、裁判のため店側に有益な情報を集め始めることに。まずは店の仕入れなどに携わっていた常連客・沙月(橘美緒)に証言をお願いしようと考えるも、レビューを投稿した『おかわり名人』は沙月だと判明する。「閲覧数を増やすために投稿した」と話し、削除依頼には応じない姿勢を見せた。みな誰にも知られていないものにはかなり敏感であり、その特別感に魅力を見出す人が多い。だから今回も大衆に注目されたのだが、これは常連にベストなものを提供したいという店側の気持ちとは大きく異なっている。しかし、このレビューが威力業務妨害に当たる可能性があるにしても、誰にも知られたくないというのは店主の気持ちの部分であり、法で取り締まることは難しい。裁判での勝ち目は、隠れ家の良いアピールを見つけることだった。石子が父・綿郎に敬語を使う理由そんな中、3年前に香山と大喧嘩したまま、疎遠になっていた息子夫婦・洋(堀井新太)と蘭(小池里奈)に事務所で会うが、洋は店の情報がオープンになることに賛成すると話す。採算度外視のやり方に疑念を持っていた洋は、3年前、家庭のためダブルワークを続けた母親が死去したのをきっかけに、父に意見した。しかし、父親に反論されて口論になり、それから会っていないのだという。その時、隠れ家を貫く思いの裏にある、母親の犠牲を訴える洋が父に意見するも反論され、口論になり、それから会っていないのだという。なぜアドバイスに耳を傾けようとしないのかが気になる石子に、綿郎(さだまさし)は「お客さん第一にっていうのは、僕もよくわかる」と反応する。それに対し、石子が続ける。ここから描かれるのが石子と綿郎、家族の過去だ。「ずぶ濡れの人に傘を差し出すことで、他の誰かが濡れることになってもいいんですか?」石子には、綿郎の言葉を聞き流すことができなかった。依頼者家族の関係と、通ずる部分があるのだ。綿郎が採算度外視で依頼を引き受けてきても、母は何も言わず、事務員とダブルワークで働いたが、その生活も限界を迎え、離婚。誰かを助けるために綿郎が傘を差し出した後ろで、一人ずぶ濡れになりながら、亡くなるまで石子を支えた。だが石子も、法に携わる人間として、多くの人を助けてきた。綿郎の背中を見て、依頼者のお手伝いができる弁護士になることを決めたのも事実である。しかし苦しんだ母親のことを思うと、綿郎への尊敬の気持ちがすぐには戻ってこないのだ。ずっと敬語なのもそれが理由だった。その夜、階段に腰をかけ一人寂しい背中を見た羽男が夜食を持って来て、わざと話題を避けるよう、声をかける。石子はその気遣いに謝るが、羽男は「別に?」と優しく答える。相手が知られたくないと思う一線は超えることなく、気持ちに寄り添い、羽男は言葉をかけるのだ。そして羽男が、インサイドが情報発信をおこなった証拠が出て弱気になったとき、その尻を叩いてやる気を出させるのは、代わって石子だ。バディとしてお互いの性格をよく知る信頼関係からつくられる二人の距離感がいつも心地良く思える。忘れてはいけない、石子と大庭の恋の行方一方でその関係とは違った石子と大庭(赤楚衛二)の交際も順調そうだ。事務所を訪れた塩崎(おいでやす小田)に、交際報告という特大パンチをお見舞いし絶句させた後、羽男も交えて三人で『うまレポ』の評価が高いお店へご飯に。その店のレビューの中に偶然おかわり名人を見つける石子。そして羽男は他のレビューの記憶から、記事によって書き癖などが違うことに気づく。事情を聞くと、元々沙月と蘭で共同で書いてたレビュー垢で、情報が広がることで売上が増えれば洋の言い分が伝わると考えた蘭が沙月に依頼したのだという。良い店だからこそ皆に知ってもらいたいという思いと、隠れ家でありたいという思い。それぞれが店を思う結果のすれ違いだった。しかし知ってもらうのはそう容易いものではなかった。店に来たのに入れなかったと悪評レビューする人が増え、沙月達は後悔していた。そして沙月が投稿削除を受け入れ、レビューは削除される運びとなったが、店舗情報自体の削除はできないと言われてしまう。ここからの巻き返しの糸口…。石子が目をつけたのは世間の注目度の高さだった。いざ法廷。全ての弁論が終わった後、羽男がこう切り出す。「私は知る権利があるように、知られない権利もあるのではないかと思っています」一人ひとりに合った料理とお酒をつくり、喜ばせたい。そして客を守るために、情報が広がらないでほしいという香山の思いを代弁する羽男。「目の前のお客様を、幸せにしたいということはいけないことなのでしょうか?」3話と同じように、石子と羽男の掛け合いが重なり合う。見物人だった視聴者を、当事者にする。今一度、皆様に考えてほしいという『皆』は情報社会にいる『私たち』だ。今回は、世間の知りたいを上手く利用し、企業相手に負けそうになることで世論を味方につける狙いだった。知られない権利は守られないでいいのか。ネットは同情のコメントで溢れた。そして同様の立場にいる店が声を上げる。大きな存在に勝つために、小さな力が集まる。そして判決が出る前に、丹澤から全情報を削除すると一報が入る。世の中勝ち続ければ良いわけではない。ときには負けることが勝ちへの大きな一歩となり得るのである。知りたいと思う気持ちは間違いではないしかし…そして、香山が隠れ家に拘っていた理由。妻に背中を押され夢だった店をはじめたが、店が忙しくなるといけないからと隠れ家を勧めたのだ。知られないことで守りたかったのは、お客様と妻の思いだったのだ。そして香山はこれからは洋の考えも取り入れ、新しいやり方で妻の思いを守っていくと決めていた。知らせるも、知らせないも、どちらも間違ってないのだ。お互いが歩み寄って、譲り合っていくことが何より大事だ。そして、この親子も。綿郎は苦労させてきたことを謝る。石子は弁護士である憧れ、そしてこれからも綿郎らしくいてほしいという願いを伝える。「和菓子買ってきたんだ、食べるか?」いつもの綿郎の気遣いに、石子はこう返す。「お父さん、座ってて。私が出すよ」この瞬間、弁護士として石子の憧れだった綿郎の背は、間違いなく石子のたった一人の父親だった。依頼者の息子夫婦も石子も、母親の思いや理由を知らなかったから、わだかまりができてしまった。このように、何かを知ることで、自分が思っていた世界とは違った見え方になることもある。知りたいと思う気持ちは間違いではない、知ることで相手の心を理解することができる。だがそれが全てで構築されるわけではない。羽男や石子のように、知られたくないという自由を尊重しつつ、紡がれる信頼関係だってあるのだ。8話から見えてきたのは、情報を手に入れ知ることが容易くなった時代における、知られない権利や自由への訴えだ。そして物語は最終章。最後に放火事件の件で…警察に連行される大庭の姿が。次回も見逃せない。『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年09月08日有村架純と中村倫也が共演する「石子と羽男」の第8話が9月2日放送。父の綿郎に敬語で話しかけてきた石子が“タメ口”に…「全私が泣いた」など感動の声とともに、「グッとくるのは、それまでの積み重ねの描写があればこそ」と脚本にも賛辞が送られている。本作は「MIU404」「着飾る恋には理由があって」「最愛」などのスタッフが送る、東大卒崖っぷちパラリーガルと高卒弁護士のコンビによる異色リーガル・エンターテインメント。キャストは大庭と交際することになったパラリーガル・石田硝子=石子に有村さん。驚異的な記憶力を誇る弁護士・羽根岡佳男=羽男に中村さん。石子の高校時代の後輩で彼女と付き合う夢を叶え、就職も決まった大庭蒼生に赤楚衛二。羽男の姉で東京地検の若手エースとして期待されている検事の羽根岡優乃にMEGUMI。石子の父で「潮法律事務所」を経営している潮綿郎にさだまさしといった顔ぶれ。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。潮法律事務所に“隠れ家”を売りにしている創作料理店の店主・香山信彦(梶原善)が、店が知らぬ間にグルメサイトに掲載されてしまい、取り消すためにサイトの運営会社を訴えたいと相談してくる。羽男と石子が運営会社の顧問弁護士を訪ねると、そこには羽男の因縁の相手、丹澤(宮野真守)の姿が。羽男は掲載の取り消しを求めるが丹澤はそれを拒否、交渉は決裂する。示談が成立せず裁判で争うことになったため、石子と羽男は裁判に向け店側に有益な情報を集め始めるのだが、採算度外視で常連のために店を続ける信彦のために、亡くなった妻が苦労していたことや、息子夫婦と大喧嘩になったことなどを知った石子は、自分の父・綿郎との関係を重ねてしまう…というのが今回のおはなし。綿郎と言い合いになってしまった石子は羽男に対し、弁護士としての父を尊敬はするが、母を苦しめたという気持ちはぬぐえないと語る。「だから敬語?」と常に綿郎に敬語で話しかけていることを指摘する羽男に「自分でもわかりません」と答える石子。羽男は「所長、タメ口に戻りたがってたよ」と綿郎の想いを伝える。その後案件が解決し、綿郎は石子に「今更なんだけど、お母さんや硝子ちゃんに苦労させてしまって、ごめんなさい」と謝罪。和菓子を買ってきたから食べるか、と話す綿郎に、石子は涙を浮かべながら「座ってて、私が出すよ」と“タメ口”で答える…。このシーンに「石子がお父さんにタメ口を言う辺り家族って感じに近づいてきたなんかうるっとした」「石子ちゃんも潮先生の依頼人への想いを汲んでしっかりと向き合えてタメ口でまた話せるようになって全私が泣いた」など感動の声とともに。「敬語→タメ口だけでこんなにグッとくるのは、それまでの積み重ねの描写があればこそ」「じわじわと石子の過去に迫り、わだかまりが解消されていく美しさ…本当素晴らしい」など、脚本の素晴らしさに触れるコメントも。ハッピーエンドで終わるかと思われたその直後、帰宅する大庭を警察官が囲む。刑事から「放火事件の件で署までご同行を…」と告げられた大庭はパトカーに乗せられ、連行されていく…。ラスト数十秒、まさかの急展開に「最後で奈落に落とされたわ」「大庭くんどうなっちゃうんですか」「来週たのしみでもあるし怖いよ....」「放火殺人って穏やかじゃないな。怖いな一体何があってどう関わってるのか」などSNSは阿鼻叫喚の状態になっている。【第9話あらすじ】大庭が放火容疑で逮捕された。羽男が接見に行くと、大庭は「自分がやった」と罪を認める。理由については黙秘して何も話さない。さらに放火のあった公園トイレの焼け跡から、一人の遺体が見つかる。大庭の無罪を信じつつも動揺する石子と羽男。二人は放火のあった現場を訪れ、さらに大庭の家族にも会いに行く…。「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は毎週金曜22:00~TBS系で放送。(笠緒)
2022年09月03日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年7月スタートのテレビドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。人生は些細なきっかけで大きく変化する。悪い方にも、良い方向にも…。そして法で守ることができないことは山ほどある。7話はそんな法律の壁を現代の若者の問題から紐解いていく。『東横キッズ』を連想させる『山ヨコキッズ』羽男(中村倫也)は、自転車をぶつけて、キッチンカーを破損させた人物を探して欲しいという相談を受ける。依頼として引き受けた羽男は石子(有村架純)と繁華街の『山ヨコキッズ(以下、山ヨコ)』が集う場所で聞き込みを行うことに。多くは様々な事情で家には帰らない未成年で、案件と呼ばれる援助交際を行う少女も多い。皆が居場所を求め、日々を必死に生きているのだ。彼らは社会や大人を自ら切り離すように、全く二人の話に耳を貸さなかった。その後、ドラレコの映像から破損させたのが山ヨコのリーダー的存在『K』であるということが判明したが、連絡を取る手段が見つからないでいた。そんな時、羽男のもとに山ヨコキッズの1人、川瀬ひな(片岡凛) から、「Kの情報を渡すから今すぐ来てほしい」と電話を受ける。友人の美冬(小林星蘭)が父親・東(野間口徹)から暴行を受け、追われているというのだ。美冬は母親の再婚相手である現在の東から暴力で支配されていた。1ヶ月前に暴行を受けた日に家を飛び出し山ヨコに来てからは、二人は唯一心を許し合える存在となった。暫くして石子と羽男が現場に到着するが、美冬は途中の歩道橋の階段で足を踏み外し、集中治療室へ運ばれる事態となる。こんな時、真っ先に連絡すべきは警察だ。しかし、彼女らが警察に頼れば、また居場所を失うことになる。山ヨコにいる若者は皆、大人を信用も期待もしていないのだ。だが、ひなは美冬のため、偶然知り得た大人の電話番号に全てを託した。そして意識を無くした美冬の代わりに「父親を虐待で訴える」というが、本人の意思は不明であり、疑わしいというだけで裁くことはできない。この『推定無罪』というきまりは冤罪を防ぐためにある一方で、時に裁かれるべき罪を守ってしまう。弁護士は法律の範疇でしか動けないし、法には限界点が存在するのは確かなのだ。それでも、石子は繋がりができた以上見捨てることはできないと、自分のルールを破り、ひなを家に泊まらせることにした。石子が美冬に肩入れする理由とは…そんな中、Kが権力争いの末に殺害される事件が報道される。事件発生は9月9日。10日のドライブレコーダーにKが映るはずがないことに、羽男が気づく。ドラレコに映った人物は美冬だった。Kと客の紹介料で揉めた腹いせに、隠し撮りされたデータを奪い取るため、店に忍び込んだという。咄嗟に逃げた時、車体に傘をぶつけてしまったのだ。「車を傷つけたのが美冬さんなら…」とひらめく羽男たち。修理代の賠償について父親に話を聞くのを利用して、暴行の証拠を掴む糸口を見つけたのだ。しかし、父親の元に訪れ、話を聞き出そうとするも、石子が過度に詰め寄ってしまい、そのまま門前払いされてしまう。石子がここまで肩入れするのには理由があった。ひながわずかでも心を開いてくれた瞬間は、二人の人生の希望だと強く感じていた。「人生って、些細なことで変わると思うんです」石子は自分自身がそれを一番良く理解っていたのだ。目の前で突然起きた交通事故、その日は最初の司法試験の朝だった。それから毎年、試験を受けるたびにフラッシュバックし続けた。今もパラリーガルのままなのはこれが原因だった。美冬の出血を見て顔を覆っていたのも、過去のこの記憶が脳内に過ぎっていたのだ。事故が無関係であるはずの目撃者の人生さえ狂わせる。石子は山ヨコの若者も同じだと感じていた。望まない環境に今いるのは、決して本人だけの問題ではない。人生は、望まぬ方向に一瞬で変わってしまうのだ。しかし、石子は続ける。「逆に、私たちとの遭遇で、彼女たちの人生を少しでも変えられる」石子の頑固な性格でありながら、諦めずに何か方法を探る、この柔軟な考えはいつも調査に風を吹かす。石子は大庭の自宅を訪れ、協力のもと二週間前のドラレコ映像の美冬にアザを発見する。その映像と美冬がKに隠し撮りされた動画をもとに、法廷で東に見せ迫ると、責任を取ると証言し、キッチンカーの件は解決目前となった。残るは虐待の証拠…。二人はとある秘策を思いついていた。東の酒癖の悪さを聞き、塩崎(おいでやす小田)と大庭(赤楚衛二)がお酒の席で悪事を吐かせようという作戦だ。まずはさりげない世間話から始め、調子に乗ってきたら一気に核心に迫る。石子が用意したシナリオをコミカルに演じる二人が東を饒舌にさせていく。殴れば言いなりになる。子供が世間に出た時に恥をかかないようにするために必要な『しつけ』。「虐待はしていない」と主張する大人は、これを『しつけ』と言う。だが、これはれっきとした暴行罪だ。でも、しつけと履き違える親は一向に減らないし、近所や親族との繋がりが弱くなった現代においてはより虐待の事実は見えにくくなった。虐待や家庭問題で苦しむ子供を全員救うことは難しく、大人一人で救えることなんて、高が知れている。だが街を賑わせる沢山の音の中に、居場所を求め彷徨う若者の声は響き続ける。私たちはその声一つにひとつにこれから続く尊い人生があることを忘れてはならない。確かに期待しても叶わないことの方がずっと多い。それでも選択と偶然の繰り返しの中で、希望のための一瞬のきっかけだって存在する。それを逃さないためにも、法律が存在する。ひなと美冬は、石子と羽男という大人に偶然出会い、そして正しい法との向き合い方を知った。「もう逃げないで戦います」暴行傷害で声を上げたのは、意識を取り戻した美冬自身だった。そしてキッチンカーの賠償も、綿郎(さだまさし)の援助を受け、ひなも一緒に働いて返すことを決めた。前話の「変わろうとしたその瞬間が未来を変えていく」というメッセージの後に、法律には限界があり、人生は時に悪い方向へと変化するというのを描くのは少し酷だったのかもしれない。だが、何でもしてあげられるスーパーマンになれなくても、居場所を探し、良い方向に変化を求める者に、逃げ道は用意できる。誰かに歩み出すきっかけを与えられるのはきっと、この物語を見た私たちだ。『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年09月01日有村架純&中村倫也がW主演する「石子と羽男」の7話が8月26日放送。有村さんとゲスト出演した若林時英との共演に「九重と聖ちゃん再会じゃん」など「中学聖日記」を思い出す視聴者が続出。インスタグラムに投稿されたツーショットも話題を呼んでいる。4回司法試験に落ち、次で受からないと後がない崖っぷち東大卒パラリーガル。驚異的な記憶力で司法試験に一発合格、自分のブランディングを気にする高卒弁護士。このコンビが誰にでも起こりうる珍トラブルに挑む異色リーガル・エンターテインメントとなる本作。学生時代から真面目で石のように頭が固い性格のため「石子」と呼ばれてきたパラリーガル・石田硝子を有村さんが、米国の大学へ進学したものが自主退学、フォトグラフィックメモリーを駆使して司法試験もクリアした弁護士の羽根岡佳男=羽男を中村さんがそれぞれ演じている。また石子に告白しOKをもらった高校時代の後輩・大庭蒼生には赤楚衛二。石子の父で「潮法律事務所」を経営している潮綿郎にさだまさしといった面々も共演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。石子と羽男は停車中のキッチンカーを破損させた人物を捜してほしいという依頼を受け、丸来町の繁華街へ。ここは居場所を求める少年少女が集まる場所で、石子と羽男は川瀬ひな(片岡凜)と東美冬(小林星蘭)に話を聞こうとしても無視されてしまう。ドライブレコーダーの映像をもとに聞き込みをした結果、車を破損したのは少年少女たちのカリスマ的存在で「K」と呼ばれている人物だとわかる。そんな中、羽男に「助けて!」とひなから電話が。向かうと父親から逃げていた美冬が階段から転落し救急車で搬送されるところだった。美冬が父親から虐待を受けていたというひなは、美冬の父親を訴えたいという…というのが今回のおはなし。石子と羽男は「K」が経営するカフェを訪ねるが、その際2人に対応した木崎成貴を演じたのが若林さん。若林さんは有村さんが以前主演した「中学聖日記」に生徒役で出演しており、SNSでは「九重と聖ちゃん再会じゃん」「やっぱり!中学聖日記の男の子だ!」「若林時英くん出てきて、中学聖日記じゃん!!ってなった」などの声が続出。若林さんのインスタグラムには有村さんとのツーショットも掲載されており「また聖先生と共演出来たらいいですね」「九重くん!随分成長したなぁ」などのコメントも投稿されている。また今回のエピソードでは石子が司法試験に落ち続ける理由も明らかに。最初の試験に向かう途中目の前で交通事故を目撃し、その後も試験のたびにその光景がフラッシュバックしてしまうのだという…。そんな理由を知った視聴者からは「石子の心が救われて、心の傷が癒えます様に」「石子は羽男に話すことによって、少し前に進めたのかな?」「事件を解決していく中で、何かを感じとれて試験に合格出来るといいな」など、石子への“応援”コメントも多数寄せられている。【第8話あらすじ】潮法律事務所に“隠れ家”を売りにしている創作料理店の店主・香山信彦(梶原善)から、店が知らぬ間にグルメサイトに掲載されてしまい、掲載の取り消しを求めてサイトの運営会社を訴えたいと相談が。羽男と石子が運営会社の顧問弁護士を訪ねると、そこには丹澤(宮野真守)の姿が。羽男は掲載の取り消しを求めるが丹澤はそれを拒否。交渉は決裂する…。「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は毎週金曜22:00~TBS系で放送。(笠緒)
2022年08月27日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年7月スタートのテレビドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。何事も初めから100%変えようとするのは難しい。そして人は変化することを諦めていくのだ。6話では『幽霊マンション』を舞台に現代の『育休問題』に迫り、現状を変えていく上で大切な視点が描かれた。夫婦に届いた怪文書様々な案件を経て石子(有村架純)とようやくパートナーらしくなってきた羽男(中村倫也)のもとにツイッターDMで依頼が届く。依頼人は、中小企業の共同経営者・高梨拓真(ウエンツ瑛士)。数ヶ月前に分譲賃貸マンションに越してきたが、衝撃の怪文書が匿名の手紙で届いたようだった。この506室は呪われている。不慮の事故以外の理由で死を遂げている場合には、不動産屋は契約者へ告知しなければならない。双子の息子を抱え育児ノイローゼ気味だった拓真の妻の文香(西原亜希)が最近、幻覚や幻聴を訴え始めており、早急な解決が必要だった。さっそく石子と羽男は、引っ越し費用の請求と契約解除の違約金無効化を不動産屋社長・六車(佐藤仁美)に交渉しに行くも、前の住人に告知したとして告知義務違反はないと主張。そして、「幽霊が出ると言って裁判を起こしてみては」とけん制され、二人は突っ返されてしまう。だがこの結果次第で、拓真が立ち上げた会社の顧問弁護士になり得るかもしれない羽男と、なにより収入が大切な石子。『決まったらデカい』案件をここで投げ出すわけにはいかなかった。二人は怪文書を送った犯人へ慰謝料請求のために動き出す。しかし手紙を出した人物について皆心当たりはなく、元住民が出て行った理由も不明だった。何も手がかりをつかめない二人は、まず拓真から生活事情を詳しく聞くことに。ここから今回の案件の大きなテーマに切り込んでいく。石子は法律に携わる身として、拓真が正当な権利である『育休制度』を利用していないことを不思議に思っていた。だが実は、社員が既に産休中で、拓真は自分も育休を取ることが現実的に厳しかったと話す。「法律としてはそうでも、綺麗事だけじゃ生きていけませんから」『声を上げること』を軸とした今作で描かれる、声を上げたくても上げられない人のリアルな声である。石子の胸に拓真の言葉が重くのしかかる。元々は子供は保育園に預け、妻も仕事に復帰する予定だったが、待機児童となり今は『保活中』なのだ。待機児童問題解消のため、多くの自治体において世帯状況指数『保活ポイント』で入園の可否を決める制度がある。親の労働環境や収入、兄弟姉妹や親族の有無、障がいや健康状態などを点数化し、各家庭における保育園の必要性の指標としている。保護者の間で、高い点数を得るために家庭の状況を無理矢理にでも調節する者も現れ、熾烈な競争が繰り広げられているのだ。高いポイントが、家庭環境の恵まれなさの証拠として評価されている。待機児童問題という不幸を解消するための『保活』が、いつの間にか不幸の背比べの指標に変わってきたように思えてくる。拓真もそんな問題と仕事で板挟み状態だった。心身共に限界が来ていた妻の文香も、料理中にボヤ騒ぎを起こし、入院する事態となる。加えて、芳香剤や柔軟剤の匂いで吐き気を催すなど、文香の体調は悪化していった。怪文書の犯人は…一方、手紙の調査を進めていた石子と羽男は、石子を手伝いにきた大庭(赤楚衛二)の協力のもと、住民の証言と、エントランスの防犯カメラの映像の犯人の様子から、同じマンションに住む女性・熊切(向里祐香)が怪文書の犯人だということを突き止める。熊切が手紙で高梨夫妻を退居させたかった理由、それは『保活』のためだった。熊切も待機児童を抱え、経済的に厳しい状況で保活を続けている中、自分よりポイントの高い高梨家が越してきたため、苦肉の策を打ったのだという。他人を蹴落としてまで掴み取った幸せが招いたのは、誰かの幸せを曇らせる結末だった。拓真はその苦しさを痛いほど理解していた。そんな中でも、妻を助けてくれた熊切を思い、慰謝料を断るのだった。残るは、不動産屋の過失を裏付ける証拠。羽男達は、住人が持ってきた元住人の映像をヒントに、その人物に接触することに成功し、ルームロンダリングの証言を掴む。そしてここから石羽コンビのいつものショータイム。告知義務違反に加え、詐欺罪、文香の幻覚や幻聴の症状の原因となった化学物質過敏症を引き起こしたリフォームのシックハウス規制違反。高梨夫妻の訴えを伝える羽男の圧力に負け、ついに六車は数々の違反を認め始める。石子の完璧なシナリオを、羽男が完璧に喋り倒し、これでもかと畳み掛ける。羽男の「これ以上の要求は致しません」という言葉に合わせ、石子の口が動く場面に相棒としての信頼関係を強くを感じた。その後、待機児童が少ないところに引っ越すことができた高梨家のもとを石子と羽男が訪れていた。拓真は育休は取ることができなかったが、小さな努力を積み重ね、文香の負担を減らせるように奮闘中だという。そしてそれを聞き安心した様子の石子は、「綺麗事だけでは生きていけない」という拓真の言葉がずっと胸を締め付けていたことを語り出す。2022年10月に『産後パパ育休制度』がスタートする。しかし法律という受け皿が用意されるとしても、利用したくても思い留まる人は多い。育休取得を諦めさせるためのハラスメントも存在するし、育休を取っても周りにしわ寄せがいく現状だ。綺麗事を言う暇はないほど、人間自分の生活でいっぱいいっぱいだ。しかし、こうした法整備が、誰もが育児と仕事を両立しやすい環境に近づく大きなステップとなるのは確かだ。石子はこう続ける。「考える方が増えるだけでも、社会が変わっていく気がしました」どんな時でも、不測の事態が起こる。育児休暇だけを差別化するのではなく、社員の不在に対応できる体制を会社としても、個人としても整えられるようになれば、残された人も安心できるだろう。高梨夫妻のように、イヤイヤ期を迎えた我が子に成長を感じ微笑む親が少しでも増えるように…。何よりスモールステップを積み重ねていくことが大事だということを教えてくれた。『石子と羽男』第6話で大庭の恋の行方が描かれるそして大庭の恋の行方も描かれた6話。石子に告白はしたものの、お付き合いは保留になっていると大庭から伝えられた羽男は、嘘をついて大庭と石子をわざと二人きりにするなど、厚かましく応援する。曖昧な気持ちを真剣な大庭に返しても良いのか、そして事務所との両立で悩む石子に対して、「心配いらないよ」と優しく伝える羽男。背中を押され、大庭への思いを確認する石子。誰でも変わることは怖い。積み上げてきた大切なものがあるからこそ、そう簡単には変われない。その中でも石子は自分なりに大庭告白を受ける。「一緒に過ごす中で、思いを積み重ねて、ゆくゆく100%になれれば、それはそれでいいのかなぁって」初めから完璧なものなど存在しない。人や世界は変わりゆくもの。明日を変えるのは、いつだって変わろうとしたその瞬間なのだ。説教臭くないまま、日々の大切な視点に導いてくれる作品だということを、より強く実感する6話だった。『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年08月25日有村架純と中村倫也が演じる“石羽コンビ”が、身近な珍トラブルに挑むリーガルエンターテインメンドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」が放送中。この度、8月26日(金)放送の第7話に小林星蘭と片岡凜がゲスト出演することが分かった。第7話は、石子と羽男がキッチンカーを破損させた人物を捜してほしいという依頼を受けやってきた、居場所を求める若者たちが集まる繁華街で、ある少女たちと出会う。小林さんが演じるのは、そこで石子と羽男が話を聞こうとする家出少女・東美冬。今回のオファーに「すごく驚きましたし、すごくうれしかったです」と喜んだ小林さんは、「美冬は地雷系のお洋服を着るのですが、今まで着たことがなかったのでちょっとワクワクしました。家出少女という設定なのですが、彼女の一人で決断していくところは自分にもちょっと似ているなと思いました。セリフ自体は決して多くないですが、心に秘めているものがすごく大きいんだろうなと、そういう面でも共感するところがありました。美冬は言えないことが多いので、ぜひ放送を見て楽しんでいただけたらと思います!」と役柄について語っている。また、同じく繁華街に集まり、美冬とひょんなことから意気投合し、行動を共にする川瀬ひな役で、片岡凜がドラマデビュー。昨春に開設したTikTokとInstagramが注目され、昨年末に芸能事務所に所属したばかりの片岡さんは、コミック誌の表紙やアーティストのMVへの出演経験はあるものの、ドラマへの出演は今回が初めて。「初めての地上波のドラマということでうれしくて、この役でいろんな方に私の名前を知っていただけるように、100%の気持ちで臨みたいと思いました」とコメントしている。第7話は、石子と羽男が2人に出会ったことで、思わぬ方向にストーリーが展開していく。「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は毎週金曜日22時~TBSにて放送中。(cinemacafe.net)
2022年08月20日有村架純&中村倫也が共演する「石子と羽男」第6話が8月19日放送。大庭の告白に対する石子の“答え”に「恋愛に対する素直さと誠実さと面倒くささが愛おしい」などの反応が集まる一方、石子が「本心を隠してる気がしてる」といった声も上がっている。本作は「MIU404」「着飾る恋には理由があって」「最愛」と話題作を手掛けてきたスタッフが再集結、東大卒崖っぷちパラリーガルと高卒弁護士のコンビが、誰にでも起こりうる身近な珍トラブルに挑む異色リーガル・エンターテインメント。パラリーガルとして父親が営むマチベン「潮法律事務所」に勤めている石田硝子(石子)役に有村さん。自分が周りからどう見られているかのブランディングを何よりも気にしている弁護士・羽根岡佳男(羽男)役に中村さん。また石子に告白し返事待ち状態になっている大庭蒼生には赤楚衛二。お金にならない案件ばかり請け負って石子に呆れられている父の潮綿郎にさだまさしといったキャストが出演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。6話の依頼人は家族で分譲賃貸マンションに越して来た高梨拓真(ウエンツ瑛士)。幼い双子の息子を抱え育児ノイローゼ気味だった妻の文香(西原亜希)が、匿名の手紙で「孤独死があった部屋だ」と知らされ幻覚や幻聴を訴えるようになり、拓真は不動産会社に引っ越し費用の請求と違約金発生の契約を無効にしてほしいと申し出る。石子と羽男は不動産会社へ赴くが一筋縄ではいきそうもなく、匿名で手紙を送った人物を探し出し慰謝料を請求する作戦に切り替えるが…というストーリーが展開。マンションの監視カメラ映像を見ながら、“古畑任三郎”のモノマネで手紙を投函した人間が同じマンションの住人ではないかと推測する羽男。しかしモノマネを石子に完全スルーされ微妙な表情に…。視聴者からは「古畑任三郎wと思いきや「羽根岡任三郎」でした」「古畑のモノマネ出た!いつかやると思ってたw」「古畑モノマネやめwwwしかも中々のクオリティwww」「まさか羽男の古畑任三郎が見られるとは!お上手でした」などの反応が。一方、終盤では石子が大庭の告白を受ける展開に。「先日告白していただいた件ですが…」と切り出し、大庭の性格や細かな気遣いなどを素敵だと評価、説明がまわりくどいところも誠実さの表れだと感じていると続け、それを理由に交際に踏み切っていいものか悩んだが、一緒に過ごす中で想いを積み重ねていけばいいと考えるようになったと自身の想いの変遷についても、事細かに説明。そのうえで「ぜひ告白をお受けさせていただきたく存じます」と回答する…。この石子の回答に「宣言して告白する大庭くんも硬いけど、石子ちゃんの返事はもっと硬かった。でも、それが可愛い!」「告白の返事、2人の恋愛に対する素直さと誠実さと面倒くささが愛おしい」などの声が。「てっきり石子はお断りするかなって思ってたから嬉しい」「大庭さんの恋も実って本当に良かったです」など喜び視聴者からの投稿でタイムラインが盛り上がる一方、「告白を受けて抱きしめられた石子の表情が、本心を隠してる気がしてる」といった反応も寄せられている。【第7話あらすじ】石子と羽男は停車中のキッチンカーを破損させた人物を捜してほしいという依頼を受け、丸来町の繁華街にやって来た。ここは居場所を求める少年少女が集まる場所で、少年たちは聞き込みをしてもまともに話も聞かない。石子と羽男は川瀬ひな(片岡凜)と東美冬(小林星蘭)にも話を聞こうとするが無視されてしまう…。「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は毎週金曜22:00~TBS系で放送。(笠緒)
2022年08月20日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年7月スタートのテレビドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。人間はいつかこの世にさようならを言う日がやってくる。大切な人に想いを伝えられないまま、朝日を出迎え、夜を受け入れることを繰り返し、老いていく。きっと今日もどこかで誰かが、自分には「もう遅い」と夢を諦めていくのだ。第5話では『相隣紛争』の裏に隠された想いを描くと共に、この時代を生きる全ての年代の人へのエールが送られた。今回の依頼人は行きつけのそば店で働く塩崎(おいでやす小田)。綿郎(さだまさし)のおしゃべり仲間だが、今回は重大な相談事を抱えているようだった。話を聞くと、塩崎の叔父・重野義行(中村梅雀)が、隣の家の木が自宅にまで伸び、毛虫が大量発生して困っているという。早速、石子(有村架純)と羽男(中村倫也)はその隣人・有森万寿江(風吹ジュン)に枝を切除することをお願いしに行くも、有森はすんなり了承し、この案件は一件落着かと思えた。しかし後日、塩崎が事務所に駆け込むなり叫んだ。「おじさん、裏の人に訴えられたって!」なんと万寿江から、重野のピアノの騒音に悩まされたことへの謝罪と慰謝料を要求する書類が届いたのだ。確かに騒音問題はよくある相隣紛争の事案で、普通の生活音ですら訴えられることもある。だがこれは、自らの穏やかな暮らしを守るための訴えだと考えると、決して見過ごせない問題だ。しかし今回は、虫への苦情が来たことへの腹いせのように思えてくる。石子は、万寿江に相当なプレッシャーを与えた代償ではないかと、頭を抱え悩んでいた。そんな時、羽男からまさかの言葉をかけられる。「君、もういいよ。マジで。出しゃばりすぎじゃない?」石子は弁護士の方針に従うべきパラリーガル。だが、ようやく息が合ってきたと思い始めたときに告げられ、ショックを受ける。相棒となった石羽コンビにまさかの『相棒紛争』の危機が訪れるのだった。しかし、羽男に「事務所で経理をやれ」と言われて大人しくしていられる石子ではない。お金をもらう以上は依頼者のために尽くす、それが『私のルール』なのである。石子は早急に事務を済ませ、大庭(赤楚衛二)が頼まれた調査に同行したが、その帰り石子が突然腹痛を訴える。大庭に担がれ向かった病院で、卵巣のう腫の疑いがあると診断される。しかし、人に余計な心配はかけたくないという石子の優しさと頑固さで、冷房の当たりすぎと嘘をついてしまう。それを聞いて安心する大庭は、カイロを持つタイプと貼るタイプの両方を買ってきたり、レンタカーを借りたり、石子を目に見える優しさで包み込む。石子は笑みを浮かべ、素直に感謝を伝えた。そんな大庭の逆の優しさを見せるのが、羽男だ。言いつけを守らず調査に出る姿を見て、呆れた顔をする羽男だったが、石子が体調を悪くしていることにとっくに気づいていた。出勤が遅れるという置き手紙で病院に行ってきたことも察するくらいだった。そんな不器用な優しさに気づくことができるはずもなく、石子は同行を認めようとしない羽男を言葉でまくし立てる。初めは「やだ」と駄々をこねる子どものように断る羽男だったが、嘘をつき続けるのも限界だった。「休め」と言っても絶対に聞かない石子に無理させないため、わざと厳しい言葉をかけていたのだ。羽男が心配してくれていたことを知って、石子は溢れ出す涙を拭う。相手のことを考えた優しさは目に見えるものだけじゃない。大丈夫じゃないのに、大丈夫だという遠慮によって、相手にかえって申し訳ない気持ちさせないための気遣いだって、優しさだ。そして、検査の結果、良性の腫瘍だとわかった石子はいつも通りのやる気満々な姿を見せる。それに「元気なら元気で面倒くさいなぁ」と笑う羽男だったが、石子の言う通り、天才を象っていた髪も服もいつの間にかラフに変わっていた。お互いの足りない部分を補い合い、傷ついた心も癒す二人は、誰がなんと言おうと『相棒』だろう。いつも罵り合いつつも、二人らしく解決するのが最強の石羽コンビなのだ。そして今回の訴えは、司法書士だった町内会長が内容証明を作成したことが判明。これには法的な拘束力はないものの、重野は、万寿江が話す気がないなら満額を払うと言い出す。実は二人には面識はないと言っていたが、一緒に映画を見に行くほどの仲だったのだが、疎遠になり、数ヶ月会っていない状態だったのだ。重野が敷地に侵入する枝葉や虫をずっと放置していたのは、今更会わす顔がないと思っていたからなのであろう。一方の万寿江は違った。万寿江は、何も口に出さない重野の優しさを誰よりも知り、心惹かれていた。だがたとえ疎遠になったとしても、弁護士を介してではなく、直接伝えに来て欲しかったのだ。今回の訴えも、会長に不本意に進められていただけだった。こうして無事に内容証明は取り下げられたのだが、石子と大庭は、想い合う二人がこのまま疎遠でいることを心残りに思っていた。そして羽男も巻き込み、3人は重野が万寿江に会わなくなった理由を探り当てたのだった。重野は慢性腎不全を患っていた。万寿江に会わなくなったのも、これから衰えていくだけの自分が迷惑になると感じていたからだ。「高齢者が恋なんてみっともないでしょう?」重野はそう言い、寂しそうに笑う。そこで一番に声をかけたのが、今、全力で石子に恋をする大庭だ。「好きな人には好きって言っていきましょうよ。何歳だろうがいいじゃないですか!」誰にだって健康診断の結果を知るのが怖くなる日がやってくる。お酒に弱くなり、朝の目覚めが謎に良くなって、物忘れが多くなるのを感じる日が来る。そういった歳を重ねることへの恐怖が、いつの日か、愛おしく思えるようになれたら。そう願う人々が、いくつになっても自分らしく楽しく生きている人を素敵だと感じるのは、自分の未来こそ、年老いた者達の今だからなのだろう。大人のはずの羽男が、大庭の恋の行方を中学生の修学旅行の夜みたいに思いっきり楽しんでいたように。子供のようにはしゃぐのも、恋を楽しむのも、新しい日々を受け入れ、新たな気持ちと出会うのに、遅すぎるということはないのだ。「高齢者の方々は人生を楽しむ義務があるんじゃないですかね?」羽男の言葉に、重野は生前整理を進める事を決意する。重野は一歩踏み出す。何度も練習した、万寿江が大好きな曲を奏で、やってくる素敵な未来を想像するのだ。救いの手はそこにある、何歳でも遅くはない。歩む道や時代、一歩を踏み出す歩幅が違くても、エンドロールはまだまだ先だ。そして大庭も、石子に想いを伝える。第5話で描かれた、大切な誰かに、今、想いを伝えること、何も言わない優しさ。依頼人と主人公達の関係性がこのテーマで上手く交差し、私達へささやかな希望を与えてくれただろう。『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年08月19日女優の北川景子と俳優の中村倫也が出演する映画『ファーストラヴ』(21)が、映像配信サービス・dTVで配信開始した。直木賞を受賞した島本理生氏の同名小説を、堤幸彦監督が映画化した同作。父親を刺殺した女子大生・聖山環菜(芳根京子)の取材をすることになった公認心理師の真壁由紀(北川)が、夫の弟であり、事件の担当弁護士となった庵野迦葉(中村)とともに、環菜の過去を調査するうちに、自らの心の奥に秘めた記憶に向き合うことになる。今作で北川は、自らトラウマを抱えるがゆえに心理師となり、心に傷を抱えながらも懸命に生きる女性を熱演。マンガの実写化やコメディ、シリアスなど幅広い作品に出演する北川が、同作でも存在感を示している。また、共演にはキーパーソン・環奈を演じた芳根、由紀と事件を調べる迦葉役の中村のほか、由紀の夫で写真家の我聞役に窪塚洋介、環菜の母親に木村佳乃、殺害される父親に板尾創路ら演技派キャストが顔を揃える。
2022年08月16日俳優の中村倫也・松坂桃李・菅田将暉が出演する配信イベント「TopCoat夏祭り2022〜Yes!We Camp!〜」(20日19:00から生配信)のメインコンテンツのメイキングスチールが16日、公開された。同イベントは会員サイト「TopCoat Land」で配信される、芸能事務所・トップコート所属アーティストが一堂に会する年に一度の大型イベント。今年のメインコンテンツでは“トップコート三兄弟”こと中村、松坂、菅田の3人がそれぞれチームリーダーとなり、後輩を率いて真夏のキャンプ場を舞台に料理対決を行なう。3人が「TopCoat Land」のコンテンツに揃って登場するのは今回が初となる。また、収録当日にキャンプに参加できなかった佐々木希、杏、清野菜名は手作りドレッシング、趣里は、料理に使用する夏野菜、堀田茜は、キャンプファイヤー用の薪を準備する形で参加し、それぞれの力作が現場に持ち込まれた。さらに、杉野遥亮とダンサーのTAKAHIROは初のコンビでDIYに挑戦したほか、コンテンツのナレーションを木村佳乃が担当。20日の生配信当日は、萩原利久と豊田裕大が同イベントのMCに初挑戦する。
2022年08月16日有村架純&中村倫也W主演「石子と羽男」の5話が8月12日放送。大庭の“告白宣言”からの“告白の告白”に「なんてフェアでピュア」などの声が相次ぐなか、告白の結果を知りたがる羽男にも「やり取りサイコーカワイイ」など“可愛い”の声が続出している。4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒パラリーガルと、司法試験に一発合格した高卒弁護士のコンビが、誰にでも起こりうる珍トラブルに挑む異色リーガル・エンターテインメントとなる本作。キャストは学生時代から真面目でコツコツ積み上げていく、石のように頭が固い性格で「石子」と呼ばれてきた倹約家の東大卒パラリーガル・石田硝子に有村さん。高校卒業後米国の大学へ進学したものの自主退学、フォトグラフィックメモリーを駆使して司法試験も一発合格した弁護士・羽根岡佳男=羽男に中村さん。石子の高校時代の後輩で彼女に想いがある大庭蒼生に赤楚衛二。根っからのお人好し&人情派なためお金にならないトラブルを格安で請け負い、事務所の経営を逼迫させている石子の父・潮綿郎にさだまさしといった顔ぶれが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。そば店の塩崎(おいでやす小田)が相談にやって来る。叔父の重野(中村梅雀)の隣家の木が自宅まで伸びてきて、毛虫が大量発生して困っていると言う。石子と羽男が重野家の隣人・万寿江(風吹ジュン)を訪ね、伸びた枝を切ることをお願いすると万寿江はすんなり了承するが、後日、逆に万寿江から重野へピアノの騒音による慰謝料を要求する書類が届く…というのが今回のストーリー。事務所からの帰り道、大庭は羽男に「俺、石子先輩のことが好きです」と伝える。「なんでそれ俺に教えてくれたの?」と聞く羽男に、大庭は「告白の結果が良くても悪くても気まずい空気になるのがあれなんで…」と答え、いつ告白するのかと問う羽男に、時期はまだ決めてないと返す大庭。「言ったら教えて」と言う羽男に大庭は「結果はどうであれ、告白したら…鼻を触ってサイン出します」と伝える。「ライバル(かもしれない人) に告白を宣言するなんてなんてフェアでピュアな子なんでしょ」「まっすぐで不器用で若くて可愛い」「大庭くん一途で可愛いな告白がんばれ~」などの声が上がるなか、大庭は石子を呼び止め「ちょっと先輩に話があって…」と切り出す。察した羽男が先に帰ると、大庭は就職の面接で手ごたえがあったことを明かし「就職決まったら石子先輩に告白します。今はしませんけど…」と“告白の告白”。視聴者からは「それはもう告ってるのと同意では?笑」「告白しますって告白したら告白やん」などのツッコミが続出する。その後、大庭は羽男の前でつい鼻を触ってしまうのだが、それを見た羽男は立ち上がり小声で「いまのこれ、そういうこと!?」と興奮状態に。「かゆかったんで」と答える大庭だが、羽男は「隠すなよ(笑)、それならそれでいいんですけど」とニヤニヤ。「違うとも言い切れないんですけど」と思わせぶりな答えを返す大庭に「意味深~どっちどっちどっち!」と、告白の結果について迫る…。そんな羽男と大庭のやり取りに「羽男と大庭っち乙女」「ちょーっと!なにこのふたりのやり取りサイコーカワイイ」「羽男女子な反応、可愛すぎる」「どっちどっちどっち?!って盛り上がってるの可愛い」など、SNSは羽男に対する“可愛い”の声が溢れる状態となっている。【第6話あらすじ】幽霊物件と知らずに家族で分譲賃貸マンションに越して来た高梨拓真(ウエンツ瑛士)。幼い双子の息子を抱え育児ノイローゼ気味だった妻の文香(西原亜希)だが、匿名の手紙で「孤独死があった部屋だ」と知らされたことで幻覚や幻聴を訴えるように。拓真は潮法律事務所を訪ね、不動産会社に引っ越し費用の請求と違約金発生の契約を無効にしてほしいと申し出るが、不動産会社社長の六車瑞穂(佐藤仁美)にも言い分があり…。「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は毎週金曜22:00~TBS系で放送。(笠緒)
2022年08月13日俳優の神木隆之介が主演を務める映画『屍人荘の殺人』(19)が、映像配信サービス・dTVで配信を開始した。「第18回本格ミステリ大賞」など3つの国内主要ミステリーランキングで1位を獲得した、今村昌弘氏の同名小説を映画化。大学のミステリー愛好会に所属する自称ホームズとワトソンの葉村譲(神木)と明智恭介(中村倫也)。2人の前に現れた剣崎比留子(浜辺)という謎の美人女子大生探偵に誘われ、脅迫状が届いたというロックフェス研究会の合宿へ参加すると、連続殺人事件が発生する。個性派キャラクターを熱演する神木と中村の名コンビぶりや、浜辺美波演じる比留子との息の合った掛け合いも見どころの本作。フェス研究会のOBの七宮役に柄本時生、立浪役に古川雄輝、フェス研究会メンバーの重元役に矢本悠馬、紫湛荘かの管理人役に池田鉄洋、葉村たちとともに紫湛荘にたてこもる出目役に塚地武雅など、豪華俳優陣が脇を固める。
2022年08月12日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年7月スタートのテレビドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。「ひき逃げなんてやってない!」例えば事故を起こしたとき、そう訴えたとしても目に見える証拠が無ければ、あらぬ罪を着せられることがある。第4話は誰にでも起こり得る、そんな我々の生活のすぐそばにある事案について描かれた。『石子と羽男』第4話は電動キックボードの事故とある夜中、潮法律事務所の所長・綿郎(さだまさし)、弁護士・羽男(中村倫也)とパラリーガル・石子(有村架純)のもとに、依頼の連絡が舞い込む。依頼者は、以前綿郎が依頼を請け負ったことがある堂前絵実(趣里)。その妹の一奈(生見愛瑠)が、電動キックボードで走行中に新庄隆信(じろう/シソンヌ)と衝突してしまった事故の弁護依頼だった。一奈は新庄に声をかけるも、「怪我はない、何もしなくていい」と言われ、そのまま帰宅。しかし、気になって交番を訪れた際に、新庄が帰宅後に意識不明になったと聞かされ、一奈はそのまま逮捕されたという。一奈からは「すぐ被害者に駆け寄った」と聞き、羽男は「今回も示談で片付けられるだろう」と思っていたが、状況は一転。被害者である新庄の妻に話によると、目を覚ました新庄が一奈が自分を置いて逃げたと証言したという。加害者と被害者で証言が明らかに食い違っていた。事故の瞬間を映す防犯カメラの映像はなく、救護をしたという証拠は見つからない。結局、争いは裁判に持ち込まれ、羽男は姉で検事の優乃(MEGUMI)とやりあう羽目に…。まず羽男は法廷で、「一奈が事故を起こしたことはない」と確認する。実は2年前に事故で親を亡くし、姉の絵実が視力を失っていた。だからこそ、被害者側の気持ちを十分理解し、安全運転を心がけていたことを羽男は主張する。しかし優乃の尋問で、一奈は二人乗りをして、歩行者に衝突、通報することなく立ち去るという非行歴があったことを明かされるのだ。羽男にとってはまた予想外の事態。そして、新庄から1000万の高額の示談金を要求されてしまう。そんな中、事故の際、新庄から甘酸っぱい匂いがしたと一奈が証言する。しかし、匂いという形のないものは証拠にはならず、決め手には欠ける。前話のインターネットで一度削除しても完全には消去できず証拠として残るという話もそうであるが、ドライブレコーダーを始め、現代は様々な証拠が残り易い。だが今回は、たまたま死角の場所での出来事。新庄があの日、あの場所で何をしていたのか、本人の口から明かされない限り、真実に迫ることが難しいのである。しかも、一度嘘をつかれている羽男は一奈を信じることができなかった。ついでに姉からは、弁護士をやめた方がいいと言われ、弱気になるばかり。そんな羽男を励ますのは、石子と綿郎だ。羽男は地道な聞き込みを続け、ついに有力な証言を得る。あの日、新庄が事故の直前に訪れていた場所、そこは違法カジノの現場だった。その店にある水タバコの香りこそ、りんごの甘酸っぱい匂いだった。そして石子と羽男が潜入を試みるも、直ぐにバレてしまい、店員と取っ組み合う事態に…。その時、面接終わりの大庭(赤楚衛二)が助けに入り、通報を受けた警察も駆けつけ、違法カジノ現場は摘発されて一件落着。垣間見える、石子の芯の強さしかしこの急な乱闘シーンの中で一番驚くのが、誰もが怯んでしまうような時までも冷静に対応を試みる石子の芯の強さだ。曲者の羽男に振り回されるだけの石子ではないのである。だがそんな凸凹コンビにも、ようやくバディ感が出てきた。不器用な二人は呑みの誘い方もクセがすごいのだが、そんな二人らしく、夜明けの都会の空を背にして、非常階段でひっそりと打ち上げをするのだ。羽男は記憶力という才能と、想定外のことに対応しきれない無力の狭間で、弁護士としての覚悟が自分にはあるのか何度も悩んできたことを石子に伝える。そのことは、父である綿郎からとっくに聞いていた石子は、羽男の天才キャラを茶化しながらも、優しく励ました。朝の光が柔らかく二人に差す中、羽男は髪を手で崩す。天才を演じるためのオールバックは、羽男にとって「できる子」と言われ続けた呪いそのものだ。そんな自分を着飾ってきたストッパーを外す姿に胸が熱くなった。法廷の外で得た『勝利』迎える第二回公判。羽男は、新庄が違法カジノに訪れていることに迫り、虚偽の証言をしていることを主張。そして羽男の『相棒であるパラリーガル』石子が証拠を持って、法廷のドアを開ける。その証拠は、絵実が毎日目撃者探しのビラ配りを続けたことでSNSで話題となり、それを偶然目にした運転手が提供してくれた、事件当日のドライブレコーダーの映像だった。そのドライブレコーダーに映っていたのは、事故後、新庄に駆け寄り、救急車を呼ぼうとしている一奈の姿だった。その様子を傍聴席で一奈を見守る盲目の絵実に、石子は言葉で伝える。一奈と絵美は涙を流す。たとえ目には見えなくとも、姉妹の揺るぎない信じ合う気持ちが勝ったのだ。そしてもう一つのきょうだいの勝利。それは羽男と優乃だ。優乃の「身内に甘すぎるっていうのも、考えもんだよね」という言葉が気になる羽男だったが、その後の大庭の調べで、新庄の妻が検察の身内であることが判明。そして石子は優乃が初めから違法カジノの存在を知っており、上層部にもみ消されずに摘発させるために、羽男に内情を暴かせたことを見抜く。優乃は権力に屈することなく、弟である羽男の力を信じたのだ。「弟をよろしくね」と言う優乃から感じるのは、確かな羽男への愛情だ。しかし、執行猶予の判決で釈放され、姉妹が抱き合うという感動だけで終わらせないのが今作だ。「人を殺す可能性があることに無自覚だった」この一奈の言葉は、法改正により電動キックボードが無免許で自由に乗れるようになる現代を生きる私たちへ向けた注意喚起。電動キックボードは重大な事故を引き起こし、人を殺める可能性を秘めた乗り物だ。多くの人が普段使う自転車もそうである。手軽だからこそ、自分は起こさない、生涯関与することがないという気の緩みが生まれてしまう。この問題は、人ごとではない。今この車を通り抜けた時、この角を曲がった時…そうなる可能性があるのだと、普段から意識づけることはできるはずだ。そしてこれは自分を守ることにも繋がる。自分に過失はないという主張が通るわけではない。その事故の詳細を知る自分と相手、その意見が食い違えば、その瞬間、目に見えなくなった真実は不確かな証言でしかなくなる。しかも目撃者の証言、ドライブレコーダーの記録だって、必ずしも得られるとは限らない。この気の緩みが事故を引き起こし、目に見える物理的な被害を受け、最悪の場合、冤罪という被害者に自分がなり得るのだ。目に見えない大切な繋がりを、大切に思う誰かを傷つけるかもしれないということを、私たちは忘れてはならないのだ。『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年08月12日東京マウントガールズ
兄の連れてきた婚約者は…
いきすぎた自然派ママがこわい