●気が小さいからこそ「誰よりもいっぱい稽古をする」俳優の市村正親が、映画『ミニオンズ フィーバー』(7月15日公開)の日本語吹替版で、主人公グルーが敬愛する悪党ワイルド・ナックルズ役を演じた。「出演が決まったとき息子たちが喜んでくれたことが僕にとっての一番の喜びでした」とうれしそうに話す市村に、本作での演技や、来年50周年を迎える俳優人生について、そして、2人の息子とのエピソードを聞いた。世界中で“ミニオンブーム”を巻き起こした「ミニオンズ」シリーズの最新作となる本作は、1970年代を舞台にグルーとミニオンのはじまりの物語を描いた作品。市村が演じたワイルド・ナックルズは、グルーが憧れる最強悪党チーム ヴィシャス・シックスの元リーダーだ。伝説の悪党ワイルド・ナックルズと、ミュージカル界のレジェンドである市村。長年にわたって活躍してきた重みも相まって、ビジュアルも似ているように感じるが、市村自身「風貌が僕に似ているなと思いました」と言い、先月開催された日本語吹替版完成会見でグルー役の笑福亭鶴瓶も「顔が似ている」と話していた。内面に関しても、市村は「彼のユーモアのセンスを僕も多少は兼ね備えているんじゃないかな」と共通点を挙げる。そんなワイルド・ナックルズを演じる際には、堂々としたボスらしさを意識したという。「ボスたる部分を見せるのにおどおどしていたらいけないので。僕は気が大きい役をいろいろ演じていますが、市村正親個人としては非常に気が小さいので、それがバレないようにするのはけっこう大変なんです」気の小ささは俳優としてはプラスに。「気が小さいからこそ誰よりもいっぱい稽古をする。自信を持って早く人に見せたくなるくらいまで努力することができるのは、気が小さいからかもしれません。気が大きい人は『大丈夫だよ』なんて言ってあまり稽古せず本番で恥をかいてしまう。そういう意味では気が小さいのは逆に強さだと思います」来年で俳優生活50周年。「僕自身は、50年やったのかな、もう73歳なのかな、なんて思いますが、ふと鏡を見ると73歳だな、50年役者をやってきたんだなという顔つきになってきたと思います」としみじみと語り、「でも中身は相変わらず純情な青年ですよ!」と笑顔で加えた。ワイルド・ナックルズとの共通点として、市村は「短気」も挙げる。優しさがにじみ出ているように感じるが、「理不尽なことや納得できないことがあったら怒ります」と言う。●父親になったことは俳優としても「プラスだらけ」14歳と10歳の2人の息子の父親である市村。長男・優汰は昨年、市村主演のミュージカル『オリバー!』で俳優デビューを果たした。父親になったことは俳優としても「プラスだらけです」と言う市村。「やはり父親の役がけっこうありますから、息子が2人できたことによって、役を深めていく上でいろんな父親像が演じられるようになったなと。心の氷山の下の部分が大きくなった気がします。想像ではなく実感でお芝居ができるようになったので、リアルさが絶対違いますね」市村の舞台を観劇した子供たちの感想もとても参考になっているという。「子供の目線でしっかり話をしてくれるんです。『ラ・カージュ・オ・フォール』では、アルバンのセリフについて『あそこはもうちょっと悲し気に言ってほしいな』って。『スクルージ~クリスマス・キャロル~』のときは、『メリークリスマス』と言う場面について『パパ、2階にもお客さんいるからね』って。そういった客席で感じたことを言ってくれます」そして、「身内の意見は一番ありがたいです。本音で言ってくれるので。次男も言いますが、どちらかというと長男のほうがよく意見をくれます。見方をわかっていますから」と感謝している。また、長男・優汰が同じ俳優の道を歩き出したことについて、「1歳くらいから(芝居を)見て、何度も何度も見ているからどうしたってこっちに来るだろうなとは思っていました」と語る。次男も「僕も頑張りたい」と俳優業に興味を示しているそうだ。市村は息子たちの気持ちを尊重している。「(芸能界入りについて)反対しないです。やりたいことを見つけたなら。ただし、『本気でやらなくちゃダメだよ』とは言っています。デビューしたということは大人扱いになるので。心配ではありますが、親がああでもないこうでもないって言うよりも、むしろ放任主義でやるだけやれという風にしていくつもりです。すべて本人の責任になってきますから」●「役をいつまでも演じられる人間でありたい」俳優として大切にしている信念とは? 市村は「舞台の中で生きる」ことを大事にしていると語る。「若い頃は、前日うまくいったらそれを追ってしまっていましたが、そうすると失敗するんです。(演出の)栗山(民也)さんと出会った頃から、芝居は客席に向けてやるものではなく、舞台の中だけでしっかり生きていれば、それをお客さんは楽しんでくれるのだと気づいて。昨日のことは忘れて今日は今日の舞台の中で生きる。それを大事にしています」グルーはワイルド・ナックルズと行動を共にしていく中で悪党として成長していくが、俳優として成功するために大切なことを若手俳優にアドバイスするなら? と市村に尋ねると、「人の芝居を観て盗めるものは盗んだほうがいい」と話した。「僕もよく言われましたが、舞台でも映画でもテレビでも、いいものをいっぱい見たほうがいい。そうすると悪いものもわかる。そして、盗めるものはどんどん盗んだほうがいい。僕もいまだに歌舞伎を観に行ったりするのは、うまい役者の芸を観ていると、あれちょっと盗んでみようということがあるから。文楽を観に行っても、俳優よりもいい芝居するなって勉強になります」“ミュージカル界のレジェンド”と称される今も、貪欲にさらなる高みを目指している。「衰えてくるから脳と骨には刺激を入れないと!」と笑った。現在73歳。今後について尋ねると「前ほど肉体を使う仕事はできなくなってくるけれども、いろんな人生を生きてきた分だけ、いろんな材料、引き出しは増えている。その引き出しと出会えるような、使えるような役と出会っていきたい」と述べ、「足腰が立っている間はやりたいですね。いつまでも役者を続けて、役を続けていきたい。役を取ったらただのものですから。ただのものになってしまわないように、役をいつまでも演じられるような人間でありたい」と力を込めた。そして、グルーが憧れているワイルド・ナックルズのように「憧れられる俳優でいたい」と話す市村。憧れられる存在でいるためには「真剣に生きることしかないんじゃないかな。真剣に楽しく、いい仕事をやり遂げていきたいと思います」と情熱たっぷりに語ってくれた。■市村正親1949年1月28日生まれ、埼玉県出身。西村晃さんの付き人を経て、1973年に劇団四季のオーディションに合格。同劇団の看板俳優として活躍し、1990年に退団。その後も舞台を中心に、映画やドラマ、ナレーターなど幅広く活躍。今年7月24日よりミュージカル『ミス・サイゴン』日本初演30周年記念公演がスタート。12月にはミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』が上演される。(C)2021 Universal Pictures and Illumination Entertainment. All Rights Reserved.
2022年07月13日俳優の市村正親が8日、東京・TBS赤坂ACTシアターで行われた舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』初日レッドカーペットイベントに登場した。「ハリー・ポッター」シリーズ8作目となる同舞台は、原作者J.K.ローリング自ら原案を練り上げ、「家族、愛、喪失」をテーマにハリー・ポッターの19年後の新たなストーリーを舞台化した作品。アジアとしては初上演となる。ハリー・ポッター役は藤原竜也、石丸幹二、向井理のトリプルキャストで、初日は藤原が演じる。レッドカーペットイベントには、観劇に訪れたタレント陣が登場。ハリー・ポッター役の石丸と向井をはじめ、綾瀬はるか、市村正親、井上尚弥、鹿賀丈史、鈴木亮平が参加した。市村は、観劇直前の心境を聞かれ「心臓バックンバックンです」と笑顔でコメント。プレビュー公演を2回観劇した長男から「パパ、『ハリー・ポッター』の映画全部見なきゃダメだよ」と言われたことを明かし、「昨日5作目まで見てきたので準備OKです。『呪いの子』はどういう話か一切聞いていないので、この目で確かめようと思っています」と語った。フォトセッションで、笑顔で杖を振る仕草を見せた市村。使いたい魔法を聞かれると、「若返れ~!」と陽気に答えて笑いを誘っていた。撮影:加藤千雅
2022年07月08日6月19日は「父の日」。日ごろの感謝を伝えるべく、手紙やプレゼントを準備している人も多いことだろう。1909年に、男手一つで育てた父を讃えるべくアメリカの教会で女性が礼拝を捧げたことが起源と言われている。1966年にリンドン・ジョンソン米大統領が毎年6月の第3日曜日を父の日と定めたことで世界的に普及。日本でもすっかりお馴染みになり、父の日に先立ち6月7日に発表されたベストファーザー賞では宇宙飛行士の野口聡一氏(57)や俳優の滝藤賢一(45)らが選出。4児のパパである滝藤は授賞式で「俳優の前に父親ですから、俳優の賞をもらうよりうれしい。ちなみに俳優の賞をもらった事はありません(笑)」と喜びを爆発させていた。本誌もこれまで有名人たちの“ベストファーザー”な瞬間をたびたび目撃している。その一部を紹介したい。4月からスタートした冠料理番組『DAIGOも台所〜きょうの献立何にする?〜』(ABCテレビ/テレビ朝日系)でのつたない調理姿が評判を呼ぶなど、抜群の好感度を誇るDAIGO(44)。20年9月に妻・北川景子(35)との間に第一子となる女児が誕生し、ともに第一線で活躍するかたわら、夫婦で支え合いながら子育てに向き合っているようだ。21年1月11日、5回目の結婚記念日だったこの日、2人がいたのは高級レストランではなく、たくさんの雛人形が並ぶデパートの催事場。ベビーカーを押しながら記念すべき娘の初節句のために、真剣な眼差しで雛壇を選ぶ北川。DAIGOもすぐそばで店員の説明を聞いて、ときおりベビーカーの娘に笑顔を見せていた。続いて、手慣れたパパぶりを見せたのが堺雅人(48)。21年の3月下旬、堺は当時2歳の娘を連れて関東近郊にある人気アニメのテーマパークへ。混雑時にフードコートの席をすぐに見つけるなど、常連の様子だ。そして、娘が遊具スペースで遊んでいる際には、近くの柵に腰をかけてスマートフォンで撮影。楽しそうな娘の様子を一秒でも逃すまいと熱心にカメラを向ける姿はよきパパそのものだった。最後は貫禄すら見せつけたベテランパパの市村正親(73)。20年8月に本誌が初めて篠原涼子(48)との別居を報じ、昨年7月には離婚を決断。1年以上別居を続けた夫婦だが、その間に2人の息子に寄り添う市村の姿を本誌は目撃している。20年7月下旬、有名私立小に通う当時小学3年生の次男とともに保護者同伴の説明会に向かった市村。正午過ぎに説明会が終わり、そのまま帰宅するかと思いきや今度は送迎車から入れ替わりで当時小学6年生の長男を連れて再び説明会へ。そして、説明会を終えて、車に向かう道中、市村はしっかりと長男の手を繋いでいた。普段はミュージシャンや俳優として大勢の人を魅了する有名人たち。しかし、大切な子供の前では、たった一人の“ベストファザー”だ。
2022年06月19日女優の尾野真千子が8日、都内で行われた映画『ミニオンズ フィーバー』(7月15日公開)の日本語吹替版完成会見に、笑福亭鶴瓶、市村正親とともに出席した。「ミニオンズ」シリーズ最新作となる本作では、1970年代を舞台にグルーとミニオン最大の謎である始まりの物語を描く。『怪盗グルーの月泥棒』(2010)から主人公グルーの声を務めてきた鶴瓶が続投。新キャストとして、グルーが憧れる最強悪党チーム ヴィシャス・シックスの元リーダー、ワイルド・ナックルズ役を市村正親、ヴィシャス・シックスの女リーダー、ベル・ボトム役を尾野真千子が務めた。尾野は「家族、姪っ子、甥っ子たちが『ミニオンズ』が大好きで、私も大好きで、この作品に関われたことを本当にうれしく思っています。幸せです」と笑顔でコメント。「世界的に有名な作品で、一番喜ぶだろうなと頭に浮かんだのが姪っ子、甥っ子たち。この子たちに私がこういう仕事をやっているんだよって言えることが……やっと胸張れるやんって。家族孝行、姪っ子甥っ子孝行できるなと。いつもいっぱい助けてもらっているのでうれしかったです」と喜びを語った。タイトルにかけて“この夏フィーバーしたいこと”についてもトーク。尾野が「近くに畑を借りて畑をしたいなと。あと、バドミントンやキックボクシングしたい」と話すと、鶴瓶は「キックボクシングだけはせんほうがええよ。それ以上強くなったら。畑だけにしたほうがいい」と笑いながらストップをかけていた。
2022年06月08日落語家の笑福亭鶴瓶が8日、都内で行われた映画『ミニオンズ フィーバー』(7月15日公開)の日本語吹替版完成会見に、市村正親、尾野真千子とともに出席した。「ミニオンズ」シリーズ最新作となる本作では、1970年代を舞台にグルーとミニオン最大の謎である始まりの物語を描く。『怪盗グルーの月泥棒』(2010)から主人公グルーの声を務めてきた鶴瓶が続投、新キャストとして、グルーが憧れる最強悪党チーム ヴィシャス・シックスの元リーダー、ワイルド・ナックルズ役を市村正親、ヴィシャス・シックスの女リーダー、ベル・ボトム役を尾野真千子が務めた。12年にわたってグルー役を務める鶴瓶だが、「1回1回が初回みたいな感じ。僕は下手で、アフレコすごい長いことかかるんです。10何年やっているんですけど、まだ馴染まない」とのこと。また、「監督にめちゃめちゃ怒られるんですよ。この年になってこんな怒られることが……。『もう1回やってください』とか『違う』とかよう言われるので、恐怖なんですよ。いまだに慣れない。ずっと慣れないんですよ」と苦笑しながら打ち明けた。
2022年06月08日俳優の市村正親が8日、都内で行われた映画『ミニオンズ フィーバー』(7月15日公開)の日本語吹替版完成会見に、笑福亭鶴瓶、尾野真千子とともに出席した。世界中で“ミニオンブーム”の社会現象を巻き起こした「ミニオンズ」シリーズの最新作となる本作は、1970年代を舞台にグルーとミニオン最大の謎である始まりの物語を描く。最新作でも主人公グルーの声は笑福亭鶴瓶が続投し、新キャストとして、グルーが憧れる最強悪党チーム ヴィシャス・シックスの元リーダー、ワイルド・ナックルズ役で市村正親、ミニオンたちの前に立ちはだかるヴィシャス・シックスの女リーダー、ベル・ボトム役で尾野真千子が参加した。市村は「憧れの『ミニオンズ』に参加することができてとても幸せです。つい先日、次男と一緒に見たんですけど、『パパやったね』って。非常に鼻が高いです。次は長男と見に行こうと思います」と誇らしげ。「お兄さんに見せると、きっとまた僕の価値が上がると思いますよ」とにやりと笑った。オファーを受けたときの心境を聞かれると、「ずっと鶴瓶さんのグルーを見ていて、いよいよ声の出演ができると思ったときは、やったーと思いました」と答え、「ワイルド・ナックルズは親分肌の悪党。俳優生活50周年かけて声優に取り組みました。本当にうれしかったです」と語った。タイトルにかけて“この夏フィーバーしたいこと”についてもトーク。市村は「この夏は子供たちと……上が14歳、下が10歳なので、男3人でフィーバーしたいなと思います。ゴルフの打ちっぱなしとか、乗馬とか、キャンプ、グランピングとか、そういうのでフィーバーしようと思っています」と話した。また、主人公の少年グルーと同じ年齢の頃の自身の写真もお披露目した。
2022年06月08日ベトナム戦争末期を舞台に描かれる、ベトナム人少女キムと米兵クリスのロマンスと別離、キムの子タムへの愛、混乱の中を逞しく生き、何が何でも夢のアメリカ行きを目指すエンジニア……。心に響く歌で綴られ、実物大のヘリコプターやアメ車も登場。ミュージカルの金字塔『ミス・サイゴン』が2020年の全公演中止を経て、待望の上演となる。世界が混迷を極める今こそ観たい本作。30周年記念となる今回、初演から長きにわたってエンジニア役を務めるレジェンド・市村正親が率直な想いを語る。ザザ、エンジニア、スクルージの3役を演じる2022年市村はこれまで主演級の役を長く務めてきた。『ミス・サイゴン』が92年、『ラ・カージュ・オ・フォール』が93年、『スクルージ』は94年から。その他、『モーツァルト!』や『屋根の上のヴァイオリン弾き』など、今なお繰り返し上演される名作ミュージカルが多いのは注目に値する。「『ミス・サイゴン』は初演が1年半の長丁場で、当時はやり切った感もあり、しばらくは上演できないだろうと思っていました。だから再演が決まった時は心臓が口から飛び出るくらい、嬉しかったですね。『ラ・カージュ〜』はザザが一幕最後に歌う《ありのままの私》が希望に満ちた素晴らしい曲で、お客さんに愛されてきた作品です。劇団四季で一緒だった鹿賀丈史と夫婦役になり、再演を続けることができました。『モーツァルト!』のレオポルトあたりからお父さん役が来るようになって、『屋根の上のヴァイオリン弾き』のテヴィエの話が来た時は、森繁さんがやっていた役を僕に?とびっくりしたけど、髭をつけたらテヴィエそのもの(笑)。『スクルージ』に至っては完全におじいさん。全然違う役だけど、どれもいい役でね」2022年はザザ、エンジニア、スクルージの3役に取り組んでいる。どのように切り替えるのか、不思議になるが。「自然と役に入っていくんでしょうね。役の気持ちが分かっちゃう。四季にいた頃は変幻自在なアメーバみたいとか、蝉の抜け殻みたいと言われていました。市村を真似ようと思うな、市村は役が変わるごとに脱皮して、違う動物になっているって(笑)。ブロードウェイに行った時、『オペラ座の怪人』と『ミス・サイゴン』のポスターが並んでいたんですよ。それを見て、僕は両方やったなと嬉しくなりました。ファントムとエンジニア、そしてザザをひとりの俳優がやるなんてBWでは珍しい話。タイプがあまりにも違うからね。その意味で言うと、こんなにバリエーションに富んだ役をやれるのは日本ならでは。日本人で良かったなぁって思いましたし、僕はこの商売、役者という生き方が心底好きだなぁって」役を演じるのではなく、役を生きる舞台上で演じるのではない、生きることが好きなのだと市村は断言する。「『ミス・サイゴン』の《アメリカンドリーム》、あれだって歌というより、エンジニアの想いを吐露する感じだから。「インチキはうんざりだ♪」「無駄にゃしないこの才能♪」って、自分が今まで生きて来た人生、役の魂そのものの叫びなんです。どの役にもそれぞれの魂、生き方があって、それを自分の中で掘り下げて生きる。だから、演じることが好きなんじゃない。その役を生きることが好きなのね。役を生きるのは、お客様にも残るということ」市村が30年間取り組んできた『ミス・サイゴン』。まさに彼の代表作のひとつだが、年齢を重ね、今回はまたひと味違うエンジニアを見せてくれそうだ。「《アメリカンドリーム》だって、以前は自分がリードしてガッツリ踊っている俺を見て!という感じでしたが、今回は踊らされているエンジニアも面白いかもしれないなぁ。今の僕の年齢ならあり得るんじゃないかな。今、思いついたことだから、もちろん稽古次第なんだけど」年齢相応の変遷を重ねながらも、市村のベースにあるエンジニア像は、オリジナルキャストであるジョナサン・プライスだ。「ロンドンやブロードウェイで観て、彼の目の使い方や心の在り方は、今も常に鳴り響いています。と言っても、それぞれの年齢での役との出会い方がありますから、今この歳になって演出家と作り、稽古場で相手とやり取りすることで、新しいエンジニアが生まれると思います。どうなるかはやってみないと分からない。今回エンジニアとして新たに参加する伊礼(彼方)君や東山(義久)君は僕からどんどん盗めばいいし、盗んでいくうちにイマジネーションが膨らんで彼らの色のエンジニアになるでしょう。僕はそれを本番で観るのを、楽しみにしています」人生全てが、役者の糧になる。日課であるペットの世話も、市村にとっては発想の源だ。「インコ、モルモット、猫、犬の世話をしていると、姿形はもちろん、考えてることもみんな違うんですよ。ピーピーピーピーとにぎやかなインコ、無口なモルモット、甘えてきて抱こうとするとプイッといなくなる猫。キャンキャンキャンキャン懐いてくる子犬。毎朝、トイレをきれいにしながら、そうか、この臭さをゴミ溜めのような場所で力強く生きているエンジニアに活かせばいいのか!って(笑)。いつか僕もインコやモルモット、犬猫の役をやるかもしれないし(笑)、何事も前向きに捉えて、どんどん糧にしていけばいいんじゃないかな」30年前とは違う、今のエンジニアを世界が混沌としている今、特に市村が『ミス・サイゴン』にぶつけたい想いとは何か。「戦争、コロナ禍、災害など人間にとって辛く苦しい状況は誰にでも起こり得ること。そうなった時、人はどうやって生きていくのか。そこで大切なのは、その人の持つ根源的なパワーなんだと思う。エンジニアを見ているとね。そんなパワーを、見せつけたいです。もちろん、僕だって本当に苦しいと思うことはあります。そんな時は我慢します。とにかく耐える。耐え切る力もパワーだと思う。舞台の良さは、花に水をあげるのと一緒なんですよ。花って毎日ちゃんと水をあげれば、ちゃんと咲いてくれるんです。舞台も毎日一生懸命稽古をすれば、絶対に何とかなる。中途半端ではダメ。逆にどんなに素敵な花だって、水をあげなかったら枯れちゃうでしょ?地道に積み重ねて、エンジニアとして大きな花を咲かせたい。僕自身、30年前とは違う、今のエンジニアをどういうふうに生きられるかが楽しみです。こういう混沌とした時期だからこそ『ミス・サイゴン』をご覧いただき、観客の皆さんに元気になっていただきたいです」取材・文=三浦真紀撮影=近藤誠司<公演情報>ミュージカル『ミス・サイゴン』2022年7月29日(金) ~8月31日(水) 東京・帝国劇場※プレビュー公演:7月24日(日) ~7月28日(木)9月以降全国ツアー公演あり※8月公演分チケットは5月21日(土) 10:00より一般発売開始!
2022年05月20日シリーズ最新作『ミニオンズ フィーバー』の吹き替え版予告編が公開。市村正親、尾野真千子、渡辺直美が新たに参加することも分かった。市村正親が演じるのは、少年グルーが憧れる、世界で最も名高いヴィランのチーム「ヴィシャス・シックス」の創始者であり、少年グルーが敬愛する年老いた皮肉屋の悪党ワイルド・ナックルズ。「(ワイルド・ナックルズの)仲間を大事にする人情深さ、日本でいうと義理と人情の世界の意識を持った人間味のある雰囲気を演じたつもりです。声質はどちらかというと低めで演じましたが、途中で派手なアクションがいっぱいありますので、ワァ~みたいなセリフ(叫び声)は高い声を使っていたり、シチュエーションによって使い分けました」と収録をふり返っている。そんな「ヴィシャス・シックス」の新リーダーとして君臨する、クールで自信に満ちたカリスマ性あふれるベル・ボトム役には、作品を何度も鑑賞し、グッズもたくさん所有している“大のミニオンズ好き”の尾野真千子。「一番嬉しかったのは、私の親族、姉妹やその子どもに絶対に喜んでもらえるだろうと思って、本当に鳥肌が立つほど嬉しくて、今回絶対頑張ろうと思いました」と意気込んだ尾野さんは、「監督からビートを刻むような発声とセリフの言い回し、いつも踊っているようだけど気の強い、そんなセリフを聴かせてくださいとご注文がありまして。でも私の中にはビートとか踊っているようなものがなかなか見つからず苦労しまして、動きながらセリフを言ったりしました。(笑)人を見下すようなセリフが結構多いので、普通の立ち方でしゃべっていると、声が上からにならない(高圧的にならない)ような気がして、これは気持ちからだなと思って。その辺にあった椅子を持ち出し、乗って、結構高い位置から『ヘイ、ベイビー!』と演じてみたら、『いいんじゃない!?』とお褒めをいただいたので、『これだ!』と思ってお立ち台を貫きました」と独特のアフレコ方法を明かしている。そして渡辺直美は、普段はひっそりと鍼灸院を営み、あることをきっかけにミニオンたちの師匠となるカンフーの達人マスター・チャウの声を担当。キャラクターについて「かなり強くて、優しそうな見た目ですが、いざというときのカッコよさがハンパないキャラクターです。注目して欲しいところは動きや言葉ですね。こんなことが言える大人になりたいと思いました。本当に自分で言いながら勇気をもらったし、子どもたちだけじゃなくて大人も結構グッとくる言葉を、マスター・チャウが言ってくれるので。やる気がみなぎるし、彼女の教え方の中に素敵な言葉が入っているのが見どころですね」と魅力を語っている。また、パワーアップしたミニオンたちのハチャメチャが盛りだくさんな映像も到着。世界的大ヒット作『ジョーズ』を観に来たミニオンズと少年グルーだったが、あいにくの満席。そこで、オナラ爆弾を爆破させて劇場を占領するシーンからスタート。あるとき、彼らの前にヴィシャス・シックスが現れ、グルーが誘拐されてしまい、救出のため、ミニオンたちは鍼灸師でカンフーの達人マスター・チャウのもとで強くなるための過酷な修行を開始する。新ミニオン・オットーの三輪車大爆走やパイロットになって飛行機を操縦したり、空手の板割にチャレンジしたりと、今回も大忙しのミニオンズたちの様子が垣間見え、ラストでは、燃え盛る街中で怪物とのバトルシーンも登場している。修行、飛行機操縦、飛んで…変身!?『ミニオンズ フィーバー』は7月15日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ミニオンズ フィーバー 2022年7月15日より公開© 2020 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED
2022年04月11日1993年から市村正親の当たり役のひとつとして上演を重ねてきたミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール籠の中の道化たち』。2008年からはジョルジュ役に市村の劇団四季時代からの盟友・鹿賀丈史を迎え上演を続け、(鹿賀・市村ペアとしては)今回は5度目の再演となる。見どころは、何といっても“『ラ・カージュ』史上最高のコンビ”と名高い、市村と鹿賀の息の合った名演技。かれこれ50年来の仲という盟友2人が、本作の魅力を語ってくれた。2人が演じるのは、南仏のゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」のオーナー、ジョルジュ(鹿賀丈史)と、看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村正親)。2人は、20年間同棲している事実上の夫婦でもある。ジョルジュには24年前の過ち(?)から生まれた実の息子がいて、アルバンは彼を母親のように愛している。そんなある日、息子が結婚を宣言。その相手がゲイクラブの取り締まりを主張する政治家ダンドン議員夫妻の娘だったことから家族に波乱が…というストーリー。「アルバンは少しわがままなところはありますが、ジョルジュにとってはそれさえも愛すべき存在。そんなアルバンを思う気持ちを前面に押し出して演じてきたのですが、今回は長年一緒に暮らし、深く知り合った間柄だからこそ生まれるルーズさも表現できればと思っています。一見、いい加減に見えるけれども、仕草や言葉の端々にアルバンへの愛や思いやりがにじみ出ている、そんなジョルジュを演じられれば」と役づくりについて語る鹿賀。市村も「初演のときは40代半ばで、僕が演じたアルバンも非常に元気で、華やいでいました。でも年を重ねた今では、年をとることは役を“よりリアル”にしてくれるものだと感じています。そして今鹿賀くんと夫婦役をやれることも運命的です。ジョルジュとアルバンには俳優としての僕らがダブってみえる場面もあるので、そのあたりも楽しんでいただきたいですね」と笑顔で応えた。“いっちゃん”“丈史”と呼び合う2人は、「いっちゃんの強い舞台愛と、表現することへの貪欲さは出会ったころからずっと変わらない。役者として、何ごとも“太く”進化している」、「丈史は昔から色気があって、華があって、大柄で、まるでステーキのような存在感」と、役者としても尊敬しあう仲。「ジョルジュとアルバンは20年一緒に暮らしてきた仲ですが、僕らは50年付き合ってきた仲。そんな2人にしか表現できない夫婦愛や、家族の絆をお見せしたい」と締めくくった。日本のミュージカル界を代表する2人が魅せる、華麗で楽しく愛にあふれるミュージカル。人を思いやる優しさが全編に詰まっていて、観れば元気になれること間違いなしだ。公演は、4月22日(金)~25日(月)福岡・博多座、4月29日(金・祝)~5月1日(日)大阪。梅田芸術劇場メインホールにて。その他、愛知、富山、埼玉を巡る。チケットは発売中。 ※博多座公演中の4月22日(金)・23日(土)17時公演は来場者イベントあり(詳細は博多座HP参照)。
2022年04月07日1983年にブロードウェイで初演され、初演版と2度のリバイバル版のすべてがトニー賞作品賞に輝くという快挙を成し遂げた作品であり、日本でも1985年の初演以来たびたび再演されている人気ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール籠の中の道化たち』。1993年からは市村正親がザザ役を、そして2008年からは鹿賀丈史がジョルジュ役を当たり役としており、不動のコンビとして観客に愛され続けている。今井清隆、森公美子、香寿たつきらお馴染みのキャスト陣に加え、新たに若手ホープの内海啓貴と小南満佑子を迎えた2022年版『ラ・カージュ』が3月8日、日生劇場で開幕。前日に行われたゲネプロを取材した。左から)鹿賀丈史、 市村正親舞台は南仏のゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」。オーナーのジョルジュと看板スターのザザことアルバンは、クラブとつながった家で20年にわたって事実上の夫婦として生活し、ジョルジュの息子ジャン・ミッシェル(内海)を手塩にかけて育ててきた。そんな最愛の息子が結婚相手に選んだのは、よりにもよって、ゲイクラブを厳しく取り締まるべきだと主張する政治家を父に持つアンヌ(小南)。彼女がそのダンドン夫妻(今井&森)を家に連れて来ることになり、ジャン・ミッシェルは一晩だけでも“マトモな家族”に見えるよう、ずっと会っていない実の母親を呼んでほしいとジョルジュに頼み込むのだが――?左から)鹿賀丈史、 小南満佑子、 内海啓貴、 森公美子、 今井清隆、 市村正親、 香寿たつき左から)鹿賀丈史、 香寿たつき、 市村正親……と、ストーリーは至ってシンプル。その中にある“家族の絆”という普遍的なテーマを、鹿賀と市村が鮮やかに、色濃く描き出していく。軽妙洒脱でエレガントな鹿賀ジョルジュ、男性として振舞うシーンが“男装”にしか見えない市村ザザとも、まるであて書きでもされているかのよう。左から)鹿賀丈史、 市村正親本作で長年コンビを組んできただけでなく、劇団四季時代からの盟友でもあるふたりが演じると、夫婦のシーンに本物の“20年もの”感が漂って味わい深い。内海ジャン・ミッシェルも、その屈託のない笑顔がジョルジュとザザから受けてきた豊かな愛情を物語り、“家族の絆”の表出にしっかりと貢献。キャスト陣ではまた、音大出身の歌姫といった印象のあった小南の、バレリーナと見紛うほどに華麗な舞も印象に残った。左から)内海啓貴、 小南満佑子普遍的なテーマに加え、華やかなゲイクラブのショーシーンもまた大きな見どころ。特に一幕終盤に畳みかけられる、きれいに踊れるから踊るのではない、私が私であるために、踊りたいから踊るのだ!と言わんばかりのダンスは胸に迫るものがある。オーケストラピットが、本ミュージカルだけでなくクラブのものでもあるという設定上、舞台と客席の間に存在感たっぷりに陣取っていることも手伝い、生の迫力が存分に味わえる作品だ。取材・文:町田麻子写真提供/東宝演劇部ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール籠の中の道化たち』東京公演は3月30日(水)まで日生劇場にてその後、4~5月に名古屋、富山、福岡、大阪、埼玉の全国5箇所にて上演予定
2022年03月09日2月9日放送の『TOKIOカケル』(フジテレビ系)に出演した篠原涼子(48)。“休日ルーティン”などの私生活を語ったが、昨年7月に離婚した市村正親(73)を「旦那」「主人」と呼ぶ一幕があった。現在、長男(13)と次男(9)が暮らす家に通っていると明かした篠原。“ある日の休日”として、次男のピアノレッスンに付き添い、その後も一緒に過ごしたエピソードを披露した。「息子さん達は親権を持つ市村さんと暮らしており、篠原さんは“元自宅”へ通う生活を送っているそうです。休日は夕食も息子さん達と一緒に取るそうで、篠原さんは息子さんのリクエストを中心に食事の準備をすると話していました。その際、市村さんの食事については『旦那さんが違うものを食べる』と説明。篠原さんは刺身や焼き魚を別で用意するものの、『主人は自分でなんでも作れる』と語っていました。炊飯器も2台使っているようで、『酵素玄米は主人が食べる用にして、白米は子供が食べます』と家族の健康に気を配っている様子でした」(テレビ誌ライター)離婚したことを忘れさせるような篠原の話しぶりに、Twitter上では動揺する声も上がっていた。《ん?篠原涼子って離婚してるんだよね?市村さんの事まだ主人って話してるけど》《TOKIOカケル見てて篠原涼子って離婚したよな?って不安になって調べて見たけどやっぱり離婚してて、でも番組見てたらよくわかんなくなってきた》《テレビつけたら篠原涼子さんが市村さんの話をしてて「主人」って言ってるから過去映像か?って思ったけど金魚妻の話もしてるから過去映像じゃないよな。離婚してもそれなりに良い関係ってことなのかな》■息子達を愛する元夫婦の“結束”2月14日から配信されるNetflixシリーズ『金魚妻』で主演するなど、女優業に邁進する篠原。一方で母親としての“息子愛”をたっぷり語ったが、その思いは市村も同じだという。「成長してきた息子さん達は市村さんの背中を追うように『パパのような役者になりたい』と望んでいるようで、市村さんも自宅では発声練習の指導をしていると聞きました。昨年10月から上演されたミュージカル『オリバー!』では、市村さんは長男と初共演。事前の公開稽古でも親子で登場し、大喜びの様子でした」(舞台関係者)そんな元夫婦だが、息子達だけでなく互いの存在も大切にし合っているようだ。『オリバー!』上演期間中だった昨年10月29日、東京都内の映画館で映画『そして、バトンは渡された』の初日舞台挨拶に出席した市村。篠原と離婚してからすでに3カ月が経っていたが、本誌は市村の左手薬指に結婚指輪が輝いていたことをキャッチしていた。さらに今年に入ってからは2月7日に「NEWSポストセブン」で、1月28日に誕生日を迎えた市村を祝うために篠原が駆けつけたことが報じられたばかり。篠原はラフな姿で息子達が暮らす家へ向かい、5時間ほど滞在したという。そんな2人は、休日や誕生日も家族揃って過ごすことにこだわりを持っているようだ。「夫婦関係は解消しましたが、息子さん達を愛していることには変わりはありません。互いに“同志”として結束しながら、育児に励んでいます。市村さんは離婚時、篠原さんと出会えたことを『人生最大の喜び』と表現するほど彼女を尊重してきました。その思いは今でも変わらないでしょう。『TOKIOカケル』では、長男が家族で温泉に行った思い出を工作にした作品を紹介する一幕もありました。市村さんと篠原さんは、休日や旅行、誕生日などの節目は家族で過ごすことを心がけているようです。子供達の前では“仲の良い両親”であろうとする意思の表れなのでしょう」(芸能関係者)離婚当時、《これからはそれぞれ役者として、親として、新たなカタチのパートナーとなり、子どもを支えていきたいと思います》とコメントした市村。篠原が今でも「主人」と呼ぶのは、“新たなカタチ”の表れなのかもしれない。
2022年02月11日日本初演30周年を迎えるミュージカル『ミス・サイゴン』の製作発表会見が2月7日、都内で行われた。7月、8月の帝劇公演を皮切りに、11月まで全国9都市で計116公演を予定。会見にはエンジニアを演じる市村正親、駒田一、伊礼彼方、東山義久、キム役の高畑充希、昆夏美、屋比久知奈が出席し、2020年公演中止の悔しさをバネに意気込みを語った。『レ・ミゼラブル』のクリエイティブ・チームが手がける第2弾公演として製作され、日本では1992年から1年半の帝劇ロングラン以来、通算上演回数1463回を重ねる大ヒット作。ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女キムと米兵クリスの愛と別離、運命的な再会、そして、キムの子タムへの究極の愛が、すべて歌で表現される。足かけ30年間、エンジニアを演じる市村は「これが最後とは言いません。足腰立つまで、車椅子に乗りながらでも(笑)、エンジニアを演じていきます。しがみついて離さない。それがエンジニアの生き方ですから」と“生涯エンジニア”宣言。「孤独にひたむきに。あの時代を生き抜いた男を、今の年齢で演じてみたい」と73歳でのエンジニア役に闘志を燃やし、「戦争が生み出す悲劇を目の当たりにしていただき、世界に漂う危ない雰囲気が少しでもなくなってくれれば。コロナ禍ですけど、劇場もしっかり感染対策していますし、みんなで頑張って乗り切って、最高の舞台を見せたい」と役柄そのままに、エネルギッシュな熱弁でチームを結束させた。そんな市村の姿に、3度目のエンジニア役に挑む駒田も「僕もどこか同じ気持ち。しがみついて、生き延びていかなければ」と決意表明。伊礼と東山は2020年の公演中止を経て、初めてエンジニア役を務めることになり「2年前は30代でエンジニアをやれると興奮したが、先日40歳になりまして。40歳にして30周年の作品ということで、神様が試練を与えてくれたと前向きに取り組みたい」(伊礼)、「夢のようにスタートした稽古が中止になってしまい、夢の終わりのようで、心に穴が開いてしまった。この2年の経験で、エンターテインメントは絶対に必要だと誇りに思えるようになり、(2年前とは)全然違う気持ちで舞台に立てている」(東山)と話していた。一方、キム役を演じる新キャストの高畑は、やはり2年前の公演中止に対する悔しさ・寂しさを明かし「せっかく2年延びての30周年なので、パワフルな公演になると思うし、しなければ。最後まで走り切れたら、最高」と背筋を伸ばす。キャスト3人がキムを演じることについても「すばらしい」と語り、「あの時代はキムのような女性がたくさんいたはずで、それぞれが違うキムになる。昆ちゃん、屋比久ちゃんを見ているだけでインスピレーションが湧くし、刺激を受ける。自分が演じるキムが、どんなものになるかも楽しみ」と声を弾ませた。2014年公演に続き、キムを演じる昆は「キム同士、お互いに良いところを見つけながら、仲を深めて、各々のキムを作って楽しんでいただければ」とアピール。新キャストの屋比久は「ただの純愛ストーリーではなく、あの時代に生きた女性の生きざまや選択を深く理解し、愛しながら、強さと弱さ、美しい部分、汚い部分も含めてすべてを表現したい」と思いのたけを語っていた。取材・文・写真=内田涼【公演スケジュール】2022年7月29日(金)~8月31日(水)(プレビュー公演7月24日~7月28日)東京:帝国劇場2022年9月9日(金)~9月19日(月)大阪:梅田芸術劇場メインホール2022年9月23日(金)~9月26日(月)愛知:愛知県芸術劇場大ホール2022年9月30日(金)~10月2日(日)長野:まつもと市民芸術館2022年10月7日(金)~10月10日(月)北海道:札幌文化芸術劇場 hitaru2022年10月15日(土)~10月17日(月)富山:オーバード・ホール2022年10月21日(金)~10月31日(月)福岡:博多座2022年11月4日(金)~11月6日(日)静岡:アクトシティ浜松 大ホール2022年11月11日(金)~11月13日(日)埼玉:ウェスタ川越 大ホール
2022年02月07日ミュージカル『ミス・サイゴン』の製作発表が26日に都内で行われ、エンジニア役の市村正親、駒田一、伊礼彼方、東山義久、キム役の高畑充希、昆夏美、屋比久知奈が登場した。同作は1992年に初演をむかえて以来、日本で上演を重ねるミュージカル。ベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、愛と別離の物語が繰り広げられる。2020年公演を予定していたが新型コロナウィルスの影響を受け中止となり、2022年の上演が決定した。感染の広がる状況を受け、登壇者陣は全員作品のマスクで登場し、フォトセッションに至るまでマスクを着用したままとなった。中止となった前回の公演について、高畑は「めちゃくちゃ楽しみだったんですけど、稽古が本当にままならなかったんです。海外スタッフが来てくださっていたから、いつ帰らなきゃいけないのかヒヤヒヤしてる状況で助け合いながらやっていたので、このまま幕が開いてもけっこう不安が多いのかも、とそわそわしながら稽古して。中止となった時に、悲しかったんですけど『今じゃなかったのかな』と、意外と落ち着いた気持ちだったんです」と振り返る。「しばらくしてから再演ができるかもと聞いて、このタイミングを待ってたのかもと思って、そこまでにちょっとでも成長出来ていたらと思いましたし、定期的にCDを聞いたり、稽古場の録音を聞いて懐かしさに浸ったりして、すごくポジティブな気持ちで、またあのカンパニーで一緒にやれる、楽しみという気持ちが今は強いです」と意気込んだ。さらに高畑は「歴史的な背景も勉強できるタイミングが合って、キムという人が、キャラクターではあるけど、"ある女の子"の話なんだなと。あの時期はああいう状況がたくさんあって、ある女の子がどういう選択をしていくかという話なんだなと思ったので、キムが3人いるのも素晴らしいことだと思っていて。それぞれがやることで全然違うキムになるし、昆ちゃんとか屋比久ちゃんをみてるだけでインスピレーションが沸いたり刺激をもらったりしている」と明かす。作品の長年のファンだという昆は「仲が良く、キム同士でもお互いのいいところとか、こういうキムになるんだろうなというところが垣間見えたところで中止になってしまったので、2020年の稽古を思い出しながら、各々のキムを作ってお客様に楽しんでいただける作品にしたい」、屋比久は「2年経った今、私自身が経験してきたことが意識しなくても違う形になって、キムの見方だったり歌い方だったり感じ方だったりが変わってくると思うので、まっすぐになりすぎず、力みすぎず、純粋な気持ちで今の自分なりのキムを演じたい」とそれぞれに思いを表した。初演から30年エンジニア役を演じ続ける市村は「他のエンジニアがあまりたいしたことないのかも。僕だけ変わんないわけだから」とジョークを飛ばす。そんな市村に対し、駒田は「どんなにマネをしても市村さんにはなれないので、駒田の何かを作らなければいけないのを感じているので、すごい先輩であり、師匠であり、仲間だと思っております」と尊敬を示す。伊礼は「歴史ですよね」と言いながら、「僕ら若い世代もいるってことも忘れないでいただきたいですね。僕らは市村さんが初演を演じられた時の年齢の40代。まだギラギラしてます。貪欲です。なので市村さんに負けないようにとにかく努力して。生で初演からずっと演じてる方とご一緒できる機会って、どんなに大枚を払っても得られないですよ。こんな貴重な経験はできないので、先輩の背中を追わせていただいて、自分のオリジナルのエンジニアを作らせていただきたいと思います」とコメントする。東山は「舞台役者として神。僕も2年前に初めて会わせていただいたんですけど、目が合わせられないし、やっとあいさつするくらいで。最初に『ニジンスキー』で見た時の市村さんの狂気を自分に宿してる姿が強烈に印象にあって、僕たちの先の先を言ってる素敵な表現者の方」と称賛。「まだ1回もエンジニアを演じたことがないので、たいしたことないと言われないように何とか務めていきたいと思います」と語った。同作は7〜8月の東京・帝国劇場公演の後、大阪、愛知、長野、北海道、富山、福岡、静岡、埼玉での公演を予定している。
2022年02月07日ミュージカル『ミス・サイゴン』の製作発表が26日に都内で行われ、エンジニア役の市村正親、駒田一、伊礼彼方、東山義久、キム役の高畑充希、昆夏美、屋比久知奈が登場した。同作は1992年に初演をむかえて以来、日本で上演を重ねるミュージカル。ベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、愛と別離の物語が繰り広げられる。2020年公演を予定していたが新型コロナウィルスの影響を受け中止となり、2022年の上演が決定した。初演から30年エンジニアを演じている市村は「前は『市村さん、今回これを最後と宣伝してくれませんか』と東宝さんから言われて、やったあとに『やっぱりもう1回やってください』と。今回、これが最後とは言いません。足腰が立つ限りエンジニアをやっていきたいと思っています。年は年ですけど、かなりまだ元気な73歳で〜す」と意欲は十分。さらに「傾斜の舞台からフラットになったので、半永久的にやれるんじゃないかな。車椅子に乗りながら、それでもしがみついてやる。これこそがエンジニアの精神なので、どんな状態でも『この役を離すものか』と」という市村に、伊礼が「もしそうなったときに僕はその車椅子を押させていただきたいくらい」、駒田が「その前に俺が押す」と取り合いになっていた。また、昆は市村について「キムが息子のタムを呼ぶシーンで、必死に『ターム!』と呼んでいたんでたんですけど、母親として『呼び方にいろんな表現がある』とアドバイスを抱いたのを覚えている」と感謝。実際に2人の息子を持つ市村は「キムの叫びは、セリフなんだけど、その一言でテーマを背負ってるくらいの言葉。僕も2人子供がいますけど、子供は生きがいだし、この子のために『命をあげよう』って、僕もそう思ってますよ」としみじみし、「子供に対する気持ちは持ってみて初めてわかるけど、持たないでも作品の中ではイマジネーションの世界で表現として出せると思うので」と気遣う。ミュージカル『オリバー!』では長男・市村優汰との共演が話題になったが、「『ミス・サイゴン』でもいつか共演の希望は?」という質問に、市村は「(『ミス・サイゴン』の)クリスの前に、『ラカージュ』(『ラ・カージュ・オ・フォール』)のジャン・ミッシェルで共演したい」と希望する。「下の子も一生懸命歌の勉強をしてるし、そのうち親子3人でドサ回りでもやろうかなと思っています」と語った。同作は7〜8月の東京・帝国劇場公演の後、大阪、愛知、長野、北海道、富山、福岡、静岡、埼玉での公演を予定している。
2022年02月07日ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』の製作発表記念会見が25日に都内で行われ、鹿賀丈史、市村正親が登場した。同作は、南フランスのナイトクラブを舞台に、ゲイカップルの夫婦愛と一人息子への愛情を巡って巻き起こる珍騒動を通して、愛の尊さ、温かさをハートフルに描いたミュージカル。1985年の日本初演から30年以上も愛され続ける人気作品となっている。2008年からナイトクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」の経営者・ジョルジュを演じる鹿賀は「5回目の出演なんですけど、自分自身いい年になりましたから、前回までは黒いカツラをかぶってたりしましたけど、『カツラをかぶってる場合じゃないだろう』ということで今回は地毛で色々な芝居を考えている」と明かす。また1993年からナイトクラブの看板スター・ザザを演じる市村は「約30年前は非常に元気で、非常に美しく、非常に華やいでおりました。年が経つというのは役をもっともっとリアルにしてくれるなと最近は思ってます。今回また鹿賀くんと夫婦をやれるということは運命的なものを感じるし、30年前では出せなかったくらいの、よりザザに近いザザができるんじゃないかなと期待で胸がふくらんでいるところです」と期待し、「去りゆく美しさをどこまで自分の手元に置くことができるか。メイクの技術も発展しておりますので、色んな方からメイクの技を盗んで、つかの間の嘘の輝きを放っていけたら」と意気込んだ。ザザの魅力について、鹿賀は「けっこうわがままな奥さんなんですけど、そのへんがかわいかったり」と表し、役者・市村については「20代は一緒に劇団四季でやっていて、市村正親という俳優の魅力は最初から知ってます。1番言えるのは芸の幅が非常に広いということ。それと舞台ならではの芝居の押し出しが非常に強くて、的を外さない役者だなと思ってます。長く付き合ってると言うこともありますけど、息が合うというのはやってて非常に面白い、気持ちのいいものです」と称賛する。一方、市村は鹿賀ジョルジュの魅力について「やっぱりザザのわがままを全部聞いてくれるところ。それとダンディで品があって大人で、全部支えてくれるところに惚れてるんじゃないかな」とのろけ、鹿賀については「24で劇団四季のオーディションを受けた時から常に舞台のセンターに立っていた。『ジーザス・クライスト=スーパースター』でもセンター、『ウエストサイド物語』でもセンター、『ヴェローナの恋人たち』でもセンター、『カッコーの巣をこえて』でもセンター」と畳み掛け、会場を笑わせる。さらに市村は「(鹿賀は)常にセンターに立って、とてもいい声でいいファルセットでいい低音を出して、僕はいつもその横で小バエのようにぶんぶんぶんぶん言いながら生きてきた男。なんとか丈史と夫婦になって、最近ではWキャストもやって、市村もずいぶん頑張ってきたな、と。四季の最初の頃から僕にとっては憧れの丈史がいたからやって来れたかな」と振り返り、「ジョルジュとザザに鹿賀丈史と市村正親がダブってくるところがあるので、幕切れの2人が後ろで手を組んで歩く姿なんて、もう私らの若い頃を知ってるお客様には涙、涙の世界じゃないかな」と予想。鹿賀は「そんなに褒めなくていいですよ」と苦笑していた。東京公演は日生劇場にて3月8日~30日、愛知公演は愛知県芸術劇場 大ホールにて4月9日〜10日、富山公演はオーバード・ホールにて4月16日~17日、福岡公演は博多座にて4月22日~25日、大阪公演は梅田芸術劇場 メインホールにて4月29日~5月1日、埼玉公演はウェスタ川越 大ホールにて5月7日~8日。
2022年01月26日ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』の製作発表記者会見が1月25日、都内で行われ、“ラ・カージュ史上最高カップル”としてファンに愛され続ける鹿賀丈史(ジョルジュ役)と市村正親(ザザことアルバン役)が同コンビ5度目の公演に意気込みを語った。トニー賞に輝くブロードウェイミュージカルの日本版。南仏サントロペのゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」オーナーのジョルジュ(鹿賀)と、看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村)の夫婦が、ジョルジュの実子であるジャンの突然の結婚宣言に翻ろうされる。結婚相手のアンヌは、ゲイクラブを厳しく取り締まるべきだと主張する政治家ダンドン議員夫妻の娘だった。市村が1993年からザザ役を演じ、2008年からはジョルジュ役に市村の劇団四季時代からの盟友・鹿賀を迎え、2008年、2012年、2015年、2018年と再演を重ねている。鹿賀は「こういう状況だからこそ、人と人とのつながり、大切な人への愛情、他人を思いやる気持ちといったお客様に訴えかけるものがある。問題提起もあり、それを楽しみながら考えてもらえる。いつも以上に上演することにインパクトがあるはず」と力強くアピール。一方、市村は「この作品に出会って約30年。月日の流れが役柄をリアルに見せてくれるので、期待に胸を膨らませている。去りゆく美しさを表現し、つかの間のウソの輝きを放てれば。鹿賀くんとまた夫婦を演じられるのは運命を感じるし、皆さんに愛と喜び、感動を与えられたら」と声を弾ませた。劇団四季時代から、50年近い親交がある鹿賀と市村。会見では「芸の幅が広いし、舞台ならではの芝居の押し出しが強く、的を外さない。何より表現することに非常に貪欲。長い付き合いというのもありますが、息が合うので非常に面白い」(鹿賀)、「僕が24歳で劇団四季のオーディションを受けて、その時から常に舞台のセンターにいたのは鹿賀丈史。自分はいつも横でコバエのようにぶんぶん飛び回っていたが(笑)、鹿賀丈史という憧れがいたから、ここまで来られた。そんな二人の関係性が、役にダブる瞬間もあるはず」(市村)と互いの魅力を再確認する姿も披露した。取材・文・写真=内田涼ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』作詞:ジェリー・ハーマン作曲:ジェリー・ハーマン劇作・脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン原案・原作:ジャン・ポワレ翻訳:丹野郁弓演出:山田和也振付:スコット・サーモン出演:鹿賀丈史 / 市村正親内海啓貴 / 小南満佑子 / 真島茂樹 / 香寿たつき / 今井清隆 / 森公美子 / 花井貴佑介 / 林アキラ / 日比野啓一 / 園山晴子 / 他【東京公演】日生劇場2022年3月8日(火)~30日(水)【27回公演】【愛知公演】愛知県芸術劇場 大ホール2022年4月9日(土)・10日(日)【2回公演】【富山公演】オーバード・ホール2022年4月16日(土)~17日(日)【3回公演】【福岡公演】博多座2022年4月22日(金)~25日(月)【5回公演】【大阪公演】梅田芸術劇場 メインホール2022年4月29日(金・祝)~5月1日(日)【4回公演】【埼玉公演】ウェスタ川越 大ホール2022年5月7日(土)~8日(日)【2回公演】
2022年01月26日鹿賀丈史と市村正親が“夫婦”を演じるミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』が2022年3月、日生劇場で上演される。ゲイクラブオーナーのジョルジュ(鹿賀丈史)と看板スターのザザ(市村正親)は、事実上の“夫婦”として生活していた。ジョルジュには、過去の過ち(?)から生まれた最愛の息子ジャン・ミッシェルがおり、アルバンが母親代わりに育ててきた。そんな息子が突然結婚を宣言してーー。今回、ジャン・ミッシェルを初めて演じる内海啓貴に話を聞いた。「やはり緊張しましたが、今はそれを上回る楽しみの気持ちでいっぱいです。歴史ある作品に出演できること、偉大な先輩方と共演できることがとても楽しみ」と出演にあたっての思いを語る内海。2016年に上演された映像を観たことがあるといい「華やかで視覚的にも楽しめる作品。話が進めば進むほど、いろいろな愛の形が詰まっていて。メッセージ性がありつつも、明るく面白い作品だなと思いました」という。主演の鹿賀と市村は劇団四季からおよそ50年の付き合いで、本作では08年から共演し、“最高のコンビ”と称されている。内海は「セリフを喋らなくても、立っている佇まいだけでその役が存在するし、役の年輪を感じさせますよね。本当に素晴らしい。勉強になります」と2人の印象を語った上で「緊張はしますが、舞台上では“親子”なので。ジャン・ミッシェルとしての思いを素直にお芝居でぶつけたいです。お二人の掛け合いや仕草の一つひとつを間近で何度も観られるのは貴重な時間。たくさん学びたいですね」。ちなみに、内海にとっての“戦友”は、ミュージカル『GREASE』でも共演した三浦宏規だという。「ミュージカル『テニスの王子様』からの付き合いなので、もう5、6年になりますか。僕の芸歴の半分以上、一緒にいる(笑)」。1月16日で27歳。今後の俳優としての目標を尋ねると「本当にいろいろな役をできることが役者冥利だなと思っています。30歳に向けて、『ラ・カージュ〜』もそうですが、いろいろなことを、いろいろな人や作品から吸収していけたら」と話す。今までは「素直な好青年」の役柄が多かったが、今後は「舞台上に出た瞬間に緊張感が張り詰めるような役をやってみたい」とも。最後に観客へのメッセージとして、内海は「『ラ・カージュ〜』は僕も元気づけられたミュージカル。本当にハッピーな作品なので、楽しんで帰っていただけたら嬉しいです。ぜひ劇場の方へ足を運んでいただけらと思います観て頂きたいです!」と語った。東京公演は3月8日(火)〜30日(水)。そのほか愛知、富山、福岡、大阪、埼玉を巡る予定。取材・文:五月女菜穂
2022年01月13日市村正親が主演を務めるミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』が、2022年12月東京・日生劇場にて上演されることが決定した。本作は、英国の国民的作家チャールズ・ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』を原作としたクリスマスシーズンミュージカルの決定版。1970年12月にイギリスとアメリカで上映され、日本でも同時期に『クリスマス・キャロル』の邦題で公開された英国産ミュージカル映画『スクルージ』がもとになっている。ミュージカル版『スクルージ』は1992年イギリス・バーミンガム アレクサンドラ・シアターで初演され、スクルージ役を演じたのは脚本・音楽・作詞のレスリー・ブリカッスの盟友アンソニー・ニューリーだった。日本での初演は1994年。この公演で市村正親が主演して以降97、99年、2013年に新演出版、2015年、2019年と市村自身ライフ・ワークとして再演を重ねている。人嫌いのけちで意地悪な金貸しの老人だが、どこか滑稽で、愛嬌がある主人公・スクルージ。クリスマスイブの晩、亡くなったかつての親友・マーレーの亡霊とクリスマスの精霊たちが現れた。彼らはスクルージを過去、現在、未来の旅へと連れていき、泣いたり笑ったり感動したり、スクルージは一夜の夢の中でその心根と運命を変えていく。全編に息づくあたたかなクリスマスの情景も本作の魅力の一つ。舞台となる19世紀のロンドンで、年齢や身分は関係なく誰もが心を躍らせて、年に一度のクリスマスを祝う中で展開する、愛すべき人々の物語となっている。公演は日生劇場にて上演。 ツアー公演はなし。チケット発売情報詳細は決まり次第公式HPにて発表されるので、引き続き注目してほしい。<コメント>■市村正親チャールズ・ディケンズの代表的な作品といえば「クリスマス・キャロル」「オリバー・ツイスト」です。 今月まで『オリバー!』でフェイギンを演じていました。その『オリバー!』を経て、『スクルージ』に戻れるということは非常に光栄ですし、『スクルージ』としてますます人生観をたっぷりと、彼の生き様を出せるのかなと思うと今からワクワクしています。また『スクルージ』の世界のキャラクターとお会いできるのは楽しみです。 特にクラチット一家に会うのをとても楽しみにしています。■井上尊晶(演出)市村スクルージが日生劇場に帰ってきます。前回公演の2019年から3年。その間、 世界は変わってしまいました。 未だコロナは終息していません。 この2年でコロナで亡くなられた方、 コロナでなくても亡くなられた方との別れは、 いつもと違う想像以上の悲しみに包まれたと思います。 どんなに辛い事だったでしょう。 死は誰にでも訪れます。 しかし死者はいなくなったわけではない。 生きている人々の記憶に必ず存在しているはずです。原作は1843年にチャールズ・ディケンズによって書かれた不朽の名作「クリスマス・キャロル」。 この物語はクリスマスの夜、 「死者」と出会い「死」と向き合う事で人生を見つめ直し奇跡が起きます。舞台も一瞬の一夜の儚いものですが、 観た人の記憶に永遠に残るものです。この『スクルージ』を、 この時代に、 気持ちを新たに、 市村正親さんと共に作りたいと思っています。そして観客の皆さん、 一緒に奇跡を起こしましょう。劇場でお待ちしています。【公演概要】ミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』<東京公演> ※ツアー公演なし期間:2022年12月会場:日生劇場主催:ホリプロ企画制作:ホリプロ<キャスト>市村正親ほか<スタッフ>原作:チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』より脚本・音楽・作詞:レスリー・ブリカッス演出:井上尊晶主催・企画制作:ホリプロ上演協力:劇団ひまわり公式HP: 公式Twitter:
2021年12月27日チャールズ・ディケンズの長編小説『オリバー・ツイスト』を原作にしたミュージカル『オリバー!』が、東京公演を経て関西に初登場する。初演は1960年。トニー賞とオリヴィエ賞を受賞した名作を、『レ・ミゼラブル』など多くの傑作を手掛けるプロデューサー、キャメロン・マッキントッシュが超大作ミュージカルに仕立て上げた。舞台はビクトリア朝時代のロンドン。孤児のオリバーがスリ集団を束ねるフェイギンと出会い、仲間と共に数々の困難を乗り越えながら家族の愛を求めて生きる姿を描いた感動作。フェイギン役にはマッキントッシュ直々の指名で市村正親。そして市村とダブルキャストを務める武田真治が来阪、意気込みを語った。ミュージカル『オリバー!』チケット情報“みんなで筋肉体操”やサックス演奏など、多彩な活動で注目される武田。「紅白歌合戦のステージは望んでもできない本当に貴重な経験で、人生のご褒美のように思いました。今回こんな素晴らしい役に出会えたのも人生のご褒美です。舞台は自分にとって闘いのリングだと思っています。ここで行われることが自分の血や肉になるんだという意識でしょうか」。今回の役を、武田は慣れないオーディションで勝ち取った。「『スウィーニー・トッド』以来この15年、市村さんとの共演の度に多くを学ばせていただいたので、絶対に自分がオーディションを勝ち取って恩返しをするべきだと死に物狂いで取り組みました。合格の返事をいただいて涙が出るほどうれしかったです」。市村とは互いに“弟”“師匠”と慕う間柄だ。70歳の老人を演じるにあたり、市村は武田に「全然違うフェイギンになっていい」と伝えた。「偉大な先輩と同じ役を作っていく過程を見られるのは贅沢なことで、なるべくコピーしたいと思っていたのですが、おっしゃる通り全然違うフェイギンになっていきました」。東京公演は「子供たちと一緒に歌ったり踊ったり、お芝居するのがとても楽しく、あっという間に1か月が終わってしまいました。産業革命時代の最下層に生きる人々を少年オリバーの目線で描いた作品ですが、力強い登場人物たちなので演じるたびに自分が元気になります」。子役は東阪あわせて総勢66名。大阪公演では12人の関西の子供たちが出演する。「暗くて重い物語をイメージされるかもしれませんが、会話はどれもウィットなジョークにあふれていて、どんな怖い人物でも楽しかったりおもしろかったりする。そんな100年以上前に書かれた原作のユーモアを、大阪の方にはすごく楽しんでいただけるのではないかなと思っています」。大阪公演は12月4日(土)から14日(火)まで、梅田芸術劇場メインホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2021年11月30日10月29日、東京都内の映画館で映画『そして、バトンは渡された』の初日舞台挨拶に出席した市村正親(72)。「映画の主演は永野芽郁。その母で、何度も夫を変える女性・梨花を石原さとみが演じています。市村は、梨花の2番目の夫役ですね」(芸能関係者)プライベートでは7月に篠原涼子(48)と離婚を発表したことでも話題になった市村。しかし、それから3カ月たつというのに、彼の左手薬指にはリングが輝いていたのだ。ちなみに市村は‘19年の「旭日小綬章」受章会見でも同じと思われる指輪をつけている。彼が結婚指輪を外さない理由について、夫婦問題研究家の岡野あつこさんに聞いた。「もし、ただのファッションリングでしたら、あえて左手薬指にはつけないでしょう。市村さんは“演じること”においては最高峰の立場にいる方ですから、無造作につけているということもないと思います。一般的な結婚指輪を外さない理由としては、“離婚したという事実を知られたくない”ということが多いです。しかし市村さんの場合、篠原さんとの離婚を2人で公表しているわけですから、このケースにはあてはまりません。そこで考えられるのは2つの理由です。1つはお子さんたちへのアピールです」市村と篠原には、13歳と9歳の2人の男児がいる。「世間がどう言おうとも、パパとママは仲良しなんだよ、気持ちはつながっているんだよ、というメッセージをお子さんたちに発信しているのかもしれません。もう一つの理由として考えられるのは元妻である篠原さんへのメッセージですね」7月、市村はこんなコメントを公表していた。《私と涼子は言うまでもなく父として、母として可愛い子どもたちと繋がっています。そして同業だからこそ理解し合えること、また何より私も女優篠原涼子の一ファンとして、彼女がより一層女優として輝き、母としても生きていく道を歩ませたいという思いに至りました。》岡野さんが続ける。「つまり、篠原さんに対して“いまもあなたを応援し続けています”と伝えているのかもしれません。さらに言えば、いつか篠原さんが市村さんのもとへ戻ってくることがあるのなら、彼女を受け入れようという気持ちもあるのでしょう」元夫の大きな包容力に篠原が気づくことはあるのかーー。
2021年11月19日チャールズ・ディケンズの長編小説を原作としたミュージカル『オリバー!』が2021年10月7日(木)より東急シアターオーブにて開幕する。開幕に先駆け4日(月)に行われたプレスコールの模様をレポートする。本作は、英国の文豪チャールズ・ディケンズの傑作小説『オリバー・ツイスト』を原作に、『メリー・ポピンズ』や『レ・ミゼラブル』を生み出した名プロデューサーであるキャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームが贈る、超大作ミュージカル。日本では帝国劇場にて1968年に招聘版、90年に日本人キャスト版が上演され、約30年を経た今回、新演出版として上演される。プレスコールで披露されたのは、「彼に必要とされる限り」(As Long As He Needs Me)、「ポケットからチョチョイと」(Pick A Poket Or Two)、「これが人生」(It’s A Fine Life)、「必ずここへ帰れ」(Be Back Soon)、そして本作の代表曲とも言える「信じてみなよ」(Consider Yourself)の5曲。いずれもキャストを入れ替えながらの上演で、「別のキャストがやったらどうなるのだろう?」と思ったり、「目がいくつあっても足りない!もう一度見たい!」と願ったり。舞台となるヴィクトリア朝イングランドの扮装や、舞台セットなどが合わさることで、本番への期待と想像がより一層膨らんだ。この日は、新型コロナウイルス感染予防の観点から囲み取材は行われず、コメントムービーが各社に配信された。フェイギン役を演じる市村正親は「初日が近づいてくると、僕もドキドキドしてきます。逆にいうと、ワクワク感があります」と話す。そして、フェイギンのギャング団の一員として出演する市村の長男である市村優汰(13)と共演することについても触れ、「ときどき役として目があったりするんですけども、不思議な気分になりますよね」。その上で「みんなギャングの子たちはそれぞれ個性的で、いろんな形の金平糖があるみたい。みんなに負けないぐらい、僕もパワーを出して、頑張りたい」と語った。同じくフェイギン役をWキャストで演じる武田真治は「ここが希望のはじまりです。この劇場から生まれるエネルギーがこの世の中の新しい希望のエネルギーになるようにしたいと思います」と力強いコメント。ナンシー役を演じる濱田めぐみは「みんなすごく緊張すると思うんですけども、温かい目で迎えてください。そして、我々と一緒に『オリバー!』の旅をしましょう」と語り、同じくナンシー役をWキャストで演じるソニンは「今、多分、もう生きていてしんどいとか、やる気が出ない人がたくさんいると思うんですけど、ナンシーの生き様をみて、そんなこと言っていられないというぐらいタフに生き抜きたい」と力強い言葉で締めくくった。東京公演は11月7日(日)まで(※プレビュー公演は9月30日〜10月6日)。大阪公演は12月4日(土)〜14日(火)、梅田芸術劇場メインホールにて。取材・撮影・文:五月女菜穂『オリバー!』チケット情報
2021年10月05日ミュージカル『オリバー!』の公開稽古が4日に東京・東急シアターオーブで行われ、市村正親、武田真治、濱田めぐみ、ソニン、エバンズ隼仁、越永健太郎、小林佑玖、高畑遼大らが登場した。同作はチャールズ・ディケンズの長編小説『オリバー・ツイスト』を原作とした大作ミュージカル。トニー賞最優秀楽曲賞含む3部門を受賞し、オリヴィエ賞に輝いたほか、映画版はアカデミー賞最優秀作品賞を獲得した。今回31年ぶりに新演出版として日本人キャストで上演される。公開稽古では「彼に必要とされる限り」「ポケットからチョチョイと」「これが人生」「必ずここへ帰れ」「信じてみなよ」のシーンを披露。武田は「ここが希望の始まりです。本当にそう思ってます。本当にそうしたいと思います。この劇場から生まれるエネルギーがこの世の中の新しい希望のエネルギーになるようにしたいと思います」と意気込む。また、濱田は「稽古を経て、ようやく皆様の前にお見せする作品になったと思います。皆緊張してると思うんですけど、温かい目で迎えてください。そして我々と一緒に『オリバー!』の旅をしましょう」とコメント。ソニンは「演じるナンシーはあの頃のタフに生きた女性代表だと思うので、私も魂をかけて作品に注ぎたいと思っています。今、たぶん『はあ、もう生きててしんどい』とか、『なんかやる気が出ない』という人もたくさんいると思うんですけど、ナンシーの生き様を見て、『そんなこと言ってられない』という気持ちになるくらい、タフに生き抜きたい」と力強く語る。市村は子役のエネルギーを讃えつつ「ギャングの中にスネイクという役で長男の市村優汰 が出てきます」と親子共演に触れる。「役だから時々目が合うんですけど、不思議な気分になりますね。息子なんだけど、スネイクだ。不思議な部分があるので、それは僕に与えられた特権なのかなと思っています」と嬉しそうな様子。「他のギャングの子達もそれぞれが個性的で、色んな形の金平糖があるみたいで、一人ひとりが素晴らしい才能を持ったチャーミングな子供達です。初日に皆のパワーに負けないくらい僕もパワーを出して頑張りたいと思っています」と期待を煽った。公演は東京・東急シアターオーブにて10月7日〜11月7日(※プレビュー公演 9月30日~10月6日)、梅田芸術劇場メインホールにて12月4日~12月14日。撮影:泉山美代子
2021年10月04日『キャッツ』『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』『ミス・サイゴン』『メリー・ポピンズ』など、数々の世界的メガヒットミュージカルを生んできた泣く子も黙る超大物プロデューサー、英国のキャメロン・マッキントッシュ。その彼の“原点”とも言える『オリバー!』が、本日9月30日(木)に東急シアターオーブにてプレビュー公演の幕を開ける。文豪チャールズ・ディケンズ(『クリスマスキャロル』『二都物語』)による長編小説『オリバー・ツイスト』を原作に、ライオネル・バートの脚本・作詞・作曲によって1960年に舞台化され、オリヴィエ賞とトニー賞を受賞。このロンドン初演版を13歳の時に観劇したマッキントッシュは、5年後には早くもその舞台に参加、そして1977年以降はプロデューサーとして何度となくリバイバル公演を手がけてきた。今回は、過去の英国プロダクションを基に、近年の『ミス・サイゴン』日本版演出補として知られるジャン・ピエール・ヴァン・ダー・スプイが手がける“新演出版”となる。舞台はビクトリア朝時代のロンドン。救貧院に暮らす孤児オリバー(クワトロキャスト・エバンズ隼仁、越永健太郎、小林佑玖、高畑遼大)は、「お代わりをください」と申し出たことで怒りを買い、葬儀屋に売り飛ばされてしまう。そこでも酷い扱いを受けたオリバーは逃げ出し、辿り着いたロンドンの町でスリのフェイギン(Wキャスト・市村正親、武田真治)と出会い、彼の組む少年泥棒グループの一員に。果たして、運命の荒波に翻弄されるオリバーに待ち受ける結末とは……?マッキントッシュからの信頼厚い市村を筆頭に、フェイギンの元教え子ナンシー役の濱田めぐみとソニン、彼女が愛する悪党ビル・サイクス役のspiと原慎一郎ら、約30年ぶりの日本公演にあたって実力派キャストが結集。またフェイギン一味の少年役として、川口調や佐野航太郎、中村海琉、日暮誠志朗、河井慈杏ら『ビリー・エリオット』出身の子役たちが多く出演しているのも見逃せない。彼らが奏でる、《愛はどこに?》《信じてみなよ》《As Long As He Needs Me》といった名曲の数々は必聴だ。文:町田麻子ミュージカル『オリバー!』【プレビュー公演】2021年9月30日(木)~2021年10月6日(水)【本公演】2021年10月7日(木)~2021年11月7日(日)会場:東京・東急シアターオーブ、大阪公演ありオリバー役:越永健太郎フェイギン役:市村正親、ドジャー役:川口調フェイギン役:武田真治、ドジャー役:大矢臣ナンシー役:濱田めぐみナンシー役:ソニン、ドジャー役:酒井禅功
2021年09月30日ミュージカル『オリバー!』が2021年10月から東急シアターオーブほかで上演される。本作は、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』を原作に、『メリー・ポピンズ』や『レ・ミゼラブル』を生み出したキャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームが贈る、超大作ミュージカル。1960年に英ウエストエンドで初演され、68年に映画化されるとアカデミー賞で6冠を獲得。日本では帝国劇場で68年に招聘版、90年に日本人キャスト版が上演され、約30年を経た今年、新演出版として上演される。8月23日、歌唱披露イベントと記者会見が都内で行われ、フェイギン役(Wキャスト)の市村正親、武田真治、ナンシー役(Wキャスト)の濱田めぐみ、ソニンほか、オーディションを勝ち抜いた子役たちが参加した。「Consider Yourself(信じてみなよ)」や「Where Is Love?(愛はどこに?)」など、劇中の5曲を披露。感染症予防対策のため、アクリル板の仕切りがあるなかではあったが、生パフォーマンスは見応えがあった。子役たちだけの場面も多かったが、堂々とした歌唱で、開幕への期待が高まった。今回、キャメロン・マッキントッシュ直々の指名を受けた市村は「子どもたちに『市村さんって大したことないじゃない』と言われないよう、お手本となるような演技がしたい。お客様を元気にできるような役づくりをしていきたい」と話す。その市村とWキャストを務める武田は「マッキントッシュの作品に出演するというのは、ミュージカルをやっている者にとってはひとつの“ゴール”」とした上で、「それと同じくらい市村さんと同じ役をやらせていただくことはすごいこと。背中をしっかり追う」と意気込む。役を演じる上で大切にしたいことを尋ねられると、濱田は「ナンシーが初めてオリバーに出会った時に感じた、真実を見つけたときのひらめき。そのポイントを自分の中でも探して、表現できたら」。ソニンは「子どもたちのナンシーに対する信頼感、母性、辛くても笑顔で乗り切るタフさ」を大切にしたいと語り、「稽古場で子どもたちとたくさんコミュニケーションをとって、毎日笑顔で過ごしている」と述べた。主人公のオリバー役を射止めたエバンズ隼仁、越永健太郎、小林佑玖、高畑遼大。そして、ギャングのリーダーであるドジャー 役の大矢臣、川口調、酒井禅功、本田伊織をはじめとする総勢54名の子役たちの活躍も含め、開幕が待ち遠しい。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年08月25日ミュージカル『オリバー!』の歌唱披露イベントが23日に都内で行われ市村正親、武田真治、濱田めぐみ、ソニン、エバンズ隼仁、越永健太郎、小林佑玖、高畑遼大らが登場した。同作はチャールズ・ディケンズの長編小説『オリバー・ツイスト』を原作とした大作ミュージカル。トニー賞最優秀楽曲賞含む3部門を受賞し、オリヴィエ賞に輝いたほか、映画版はアカデミー賞最優秀作品賞を獲得した。今回31年ぶりに新演出版として日本人キャストで上演される。この日はキャスト陣が「これが人生」(It’s A Fine Life)、「愛はどこに?」(Where Is Love?)、「何でもやるよ」(I’d Do Anything)、「ポケットからチョチョイと」(Pick A Pocket Or Two)、「信じてみなよ」(Consider Yourself)の5曲を披露した。市村は「(キャメロン・)マッキントッシュさんからご指名ありまして。毎日子供たちにパワーをもらっています。がんばるぞ!」と誰よりも元気に意気込み。武田は市村とWキャストということに「すごいことなんですよ」としみじみとし、「翻訳台本が市村さんを通すとこういう風に変わっていくのかというのを日々感じています。作品の大事なピースになり、市村正親さんの背中をしっかり追って進みたいと思います」と意欲を見せた。多くの子供達が出演するため、市村は「とにかく子供達に『市村なんてあんまりたいしたことないな』と言われないようにお手本となるような演技をしたいのと、お客さんを元気にさせるような役作りをしていきたいと思います」と語る。またオリバー役の4人には「演出家から言われて心に残っているアドバイス」という質問が飛ぶも、まだ振り付けの段階のため「ちょっとお時間をいただいてもいいですか」「ごめんなさい」と4人が次々と回答を先延ばしにするという珍しい出来事も。最終的にはソニンや武田がフォローする中、思いついたものから挙手していき、「どういう風に演技をすればいいのかなという時に、とってもわかりやすく『オリバーはこういうことがあって、こういう反応をしてたから、こういうタイプなんじゃないの』と言ってくれるのが、とってもいいところ」(エバンス)、「『何回公演を重ねてもすべてが初めてなんだよって教えてくれて、それがすごく心に残っています。やる時もそれを心がけたいです」(小林)といった回答が上がっていた。この日は、市村の長男である市村優汰もフェイギンのギャング団・スネイク役として登場し、「ポケットからチョチョイと」(Pick A Pocket Or Two)で父との初共演となった。退場時には親子共演について聞かれた市村が「最高!」と笑顔で去って行く姿も。公演は東京・東急シアターオーブにて10月7日〜11月7日(※プレビュー公演 9月30日~10月6日)、梅田芸術劇場メインホールにて12月4日~12月14日。○出演フェイギン役:市村正親、武田真治ナンシー役:濱田めぐみ、ソニンオリバー・ツイスト役:エバンズ隼仁、越永健太郎、小林佑玖、高畑遼大アートフル・ドジャー役:大矢臣、川口 調、酒井禅功、本田伊織(※本田は会見に欠席)フェイギンのギャング団:20名チャーリー・ベイツ…中村海琉/日暮誠志朗ディッパー…河井慈杏/福田学人ハンドウォーカー…山口俊乃介/山下光琉スネイク… 市村優汰/河内奏人キング… 入内島悠平花井凛キャプテン… 佐野航太郎/髙橋唯人スティッチム… 杉本大樹/瀧澤拓未スパイダー… 高田夏都/田中琉己キッパー… 田中誠人 /平澤朔太朗ニッパー… 髙橋維束/渡邉隼人
2021年08月23日7月24日に離婚を発表した篠原涼子(47)と俳優の市村正親(72)。離婚後の親権は市村が持つと明らかになったが、そうした決断を受けて篠原に対するネガティブな意見も見られた。だが世間の批判に、恋愛ジャーナリストのおおしまりえさんは「違和感」を感じたという。その正体とは、いったい何だったのか。近年、増える「卒婚」の正体について語ってもらった――。◆女優の篠原涼子さんと俳優の市村正親さんが、15年の結婚生活に終止符を打つと発表しました。離婚後の親権は、市村さん側が持つとのこと。今後は互いにそれぞれの立場で、父と母という役割を全うしていくようです。篠原さんは今後も女優業に邁進するようですが、日を追うごとにそのネガティブ報道は強まっているような……。そこには、思わぬ“思い込み”があるような気もするのです。■「親権は父親」に対する違和感の正体は今回の離婚報道が出た際、まず多くの人が首をかしげたのは「親権を持つのが市村さん側である」ということです。一般的に離婚後の親権は妻側になることがほとんどであり、今回のケースも「円満なのになぜ夫側が親権を?」と思った方も少なくなかったようです。筆者もこの選択には若干、引っかかる部分がありました。しかし、改めて考えると「むしろ円満な離婚だからこそ、親権を夫にする」という決断ができたのかなと思えなくもありません。離婚後に上がった篠原さんへの批判の声。そこには、私たちの中にまだまだ “母親バイアス”が掛かっているような気がしてならないのです。母親は子どもの親権を取るのが普通。母親なら恋愛にうつつを抜かすべきではない。などなど、当たり前に思っている節はないでしょうか。そういった思い込みと向き合いながら篠原さんや市村さんの選択を見ると、本当はより個人にフォーカスをした決断なのかもしれません。ここ数年、「卒婚」という言葉が一般的になりつつあります。結婚を卒業するという意味で使われますが、何を持って卒業とするかの定義は曖昧です。ただ「相手が嫌になった」というだけでなく、「自分のより良い人生を考えた結果、パートナーが必要ない」と考えたときに卒婚となるようです。そしてこの選択の多くは、子どもという真正面からエネルギーを向ける相手が成人したタイミングなどで起きやすいようです。篠原さんの場合、お子さんはまだ中学生と小学生。ふと考えると、これも1つの“卒婚の形”なのかなと思えてきます。篠原さんを“女優”や“母“として見るのではなく“1人の働く人”として見ると、違った見え方ができるからです。■不仲じゃなくても離婚する時代へ篠原さんは現在、47歳。企業の立ち位置で考えれば、脂が乗った働き盛りの時期です。20代と30代を走り続けて大きな成果をバンバン出してきたのであれば、40代はさらにもっと仕事がしたい、もっと成果を出したい、もっともっと自分を高めたい……。そんなふうに思う人も多いでしょう。しかし、そこに立ちはだかる2つの壁があるとしたら……。1つは子育て、もう1つは年上夫のサポートです。子育ては自分たちの選択ですから当然、向き合い続けるべきものでしょう。ただ年を重ねてきた夫のサポートとなると、話は別。愛し合ったパートナーだけど、気がつけば自分の進みたい道とは合わない。自分の望む自己成長とのスピード感も合っていない。そう考えたとき、今後の関係を見直そうと思うのは自然な流れではないでしょうか。また別居期間が1年と長かったのも、決断を後押ししたかもしれません。別居してみたら意外と家庭はきちんと回っているし、自分も子どもも関係が崩れるわけじゃない。そうなったときに「じゃあ離れた場所で子育てには今後もコミットし続け、普段は自分の役者人生にコミットしたい」と考えるのも、なくはないでしょう。とはいえ夫が自分よりも先に老いて、サポートが必要になること。そして夫と自分のエネルギッシュさにいつか差が出ることは、年齢差がある以上はわかっていたこと。それが現実になったとき、「やっぱり違った」と手放すのはややドライすぎるような気もします。ただそうした彼女に対するネガティブな考え方の根底にも、もしかしたら私たち一人ひとりの中にある“母親バイアス”があるのでしょうか……。(文:おおしまりえ)
2021年08月14日「まだ市村さんの長男であることは正式には発表されていませんが、ミュージカルファンたちの間では“初の親子共演では!?”と話題になっています」(舞台関係者)7月1日、10月7日から本公演が開幕するミュージカル『オリバー!』の子役キャストが発表された。総勢54人の子役が並ぶ中、そこには思わぬ名前が――。市村正親(72)の長男(13)が出演するというのだ。「市村さんはフェイギンというギャング団の頭領役として出演し、息子さんはその一味を演じます。彼が舞台に出演するのは初めてだといいます」(前出・舞台関係者)父親との初共演には長男も胸を躍らせていることだろう。しかし、いっぽうで両親はその約3週間後に苦渋の決断をくだす。7月24日、市村と篠原涼子(47)は15年半の結婚生活に終止符を打った。「市村さんは、昨年からコロナ禍での家庭内感染を防ぐために別居生活を始めたことで“新しい家族のカタチ”を考え、決断したことをコメントの中で明かしていました」(スポーツ紙記者)本誌も、市村と2人の息子が住む自宅からほど近くにある高級賃貸マンションに帰宅する篠原の姿をたびたび目撃している。そのつど、篠原の所属事務所は市村との不仲を否定し、期間限定の別居であると本誌に強調していたが、そのまま離別することとなった。離婚に際し、慰謝料も財産分与もないということだが、市村にはどうしても“譲れないもの”があった。息子2人の親権だ。市村がコメントで《人生の先輩である私の強い希望で、親権は私が持つことを受け入れてくれました》と綴っていることからもその強い意志がうかがえる。それもそのはず、市村は老体に鞭打ちながら息子たちに全身全霊で愛を注ぎ続けてきた。■2人の息子は「パパみたいな役者になりたい」「市村さんは、長男が生まれる時期に合わせて3カ月の産休を取り、篠原さんの母親学級にも一緒に付き添ったといいます。料理をはじめ、休日には息子さんが自宅で座る椅子も自分で作ったそうです。還暦目前で初めての子宝に恵まれたことが本当にうれしかったのでしょう」(市村の知人)市村はかつてインタビューでこう喜びを爆発させていた。《生まれたばかりの息子を抱いたとき、僕は『ああ俺の子だ、俺の次世代の人間だ』って強く思った。そして、『おまえのこと、59年間待ってたんだよ』ってささやいていましたね》(『AERA with Baby』’10年10月号)そして、’12年2月には次男が誕生。成長した息子たちは、徐々に市村の仕事にも興味を持ち始める。「市村さんが舞台に出演すると、2人はよく見に行ったそうです。 特に長男はミュージカルにハマり、市村さんの出演が決まると大喜びしたといいます」(前出・知人)そして、2人ともいつしか父親の背中を追うように。市村はこう語っている。《将来は、2人ともパパみたいな役者になりたいそうで。上の子ははっきりと「自分はこの世界で生きたい」と言っていますし、下の子は「僕はパパがやった役を全部やりたい」って》(『婦人公論』’20年4月14日号)市村もそんな息子たちの思いに全力で応えていたという。「2人とも自分と同じ道に進みたいと思ってくれたことが市村さんはうれしかったようで、自宅ではよく2人の発声練習を指導しているそうです。また長男はクラシックバレエやタップダンスも習っているといいます」(前出・知人)■「子供たちの前じゃ手は抜けないだろ、市村!」出産後は女優業をセーブし、母親として全力で家庭を支えてきたのは元妻の篠原も同じ。しかし、息子たちの成長とともに彼女の“自我”が顔を出し始める。「篠原さんは子育てがある程度落ち着くと、毎年のように主演作を抱えるように。市村さんは『母親はできれば子供のそばにいてほしい』と思いながらも、女優業に生きがいを感じる妻の生き方を尊重していました。しかし、次第に篠原さんは打ち上げなどで遅くまで家に帰らないことが増え、市村さんともしばしば言い争うようになりました。市村さんと別居すると、自宅にはたまに帰るのみで、代わりに家政婦さんがほぼ住み込みで、息子たちの面倒を見るようになったそうです」(篠原の知人)別居中の昨年7月下旬、息子たちが通う私立小学校の保護者同伴の説明会に出席する市村の姿を本誌は目撃。ほとんどの子供は両親と参加していたが、そこに篠原の姿はなかった――。そして、溝を埋めることができないまま離婚を選んだ市村と篠原。72歳という年齢でありながら、市村が親権を死守した陰には、息子たちへの“継承”が影響していると、前出の知人は言う。「市村さんの年齢でやんちゃ盛りの男の子2人を育てるのは体力的にもかなりしんどいはず。しかし、市村さんにはミュージカル俳優の大先輩として“自分が息子たちを後継者として育てないといけない”という使命感があるといいます。もちろん篠原さんも息子たちの夢は応援していると思います。しかし、彼女のライフスタイルを考えた市村さんとしては“涼子には任せておけない”という思いもあるそうで、親権を獲得することで公私とも責任を持つ“最後の意地”を見せたのではないでしょうか」市村は『オリバー!』出演に際し、こう意気込んでいる。《72年生きてきて、芸歴50年になろうとする僕の、「それでもまだこの男はもがいているぜ」「輝いているぜ」って姿を子供たちに見せるために、神様が采配してくれているんじゃないかなと思います。そして僕に対しても、「子供たちの前じゃ手は抜けないだろ、市村!」と言っている気がしますね》(『ステージぴあ』’21年7+8月号)ミュージカルを舞台に、市村の“子育て第2章”が今、幕を開けようとしている――。
2021年08月02日「親権に関しましては父の背中を見せて育てていきたいとの市村氏の希望と父のようにたくましく育って欲しいとの私の願いが一致し市村氏が持つことを子供たちとも話をしまして決定致しました。私も、これまで以上に母として子供たちとふれあい、話し合い力強く支えていきたいと思います」こうコメントを発表したのは篠原涼子(47)だ。7月24日、彼女は市村正親(72)との離婚を発表した。また子供の親権は市村が持つとも明かしている。2人は05年12月に結婚。そして08年5月と12年2月に、それぞれ男児が誕生している。順風満帆に思われたが、次第に“夫婦不和”がささやかれることに。そして昨年8月、本誌は2人の別居を報じた。「篠原さんは自宅ではなく、1カ月以上の利用から借りることのできる高級賃貸マンションで生活。家賃は1LDKでひと月当たり80万円ほどで、20年3月の初頭から一人暮らしをしています。別居以来、市村さんが2人のお子さんの面倒を自宅で見ているそうです」(2人と親しい知人)結婚15年目にしての別居報道。当時、本誌が篠原の所属事務所に確認するとこう答えていた。「篠原が市村さんと別居をしていることは事実です。しかし、不仲が原因ではなく、ドラマの撮影で大勢の人と接することもあり、家族へ感染させないための一時的な処置です。仕事のない緊急事態宣言中の2カ月間は自宅に戻っていましたし、ドラマの撮影終了後の8月下旬には別居を解消し自宅での生活に戻ると聞いています」あくまで「コロナ禍による別居」だとしたが、しかし篠原が家を出たのは都内で少しずつ感染者が出始めたころ。そして「ドラマの撮影が終了次第、別居を解消する」とのことだったが、本誌は今年5月、篠原が自宅でなく別宅を出入りしている様子を目撃。依然として別居生活が続いていたのだ。その際も事務所は「篠原が今も別宅で生活していることは事実です」といい、長引く別居は“家族の新型コロナ感染を防ぐため”とのこと。また『金魚妻』(Netflix)といったドラマの撮影も影響しているとコメントしていた。そして再び、「決して不仲が原因ではありません。仕事が落ち着き次第、別居を解消し、自宅での生活に戻る予定です」と強調していた。■女優欲、そして「1人になりたい」という気持ち「篠原さんは仕事が大好きで、出産した後もかなり早めに女優復帰。息子さんたちが成長してからは仕事量をさらに増やし、ほぼ毎年、主演作品を抱えている状況です」(テレビ局関係者)しかし、その”女優欲”が夫婦に溝を生んだのかもしれない。「家庭を大切にしたい市村さんには、篠原さんの女優業を応援しながらも“母親は子供たちのそばにいてあげてほしい”という思いもあったそうです。またここ数年、篠原さんが夜遅くまで飲み歩いたり、バーで泥酔して『私の仕事をわかってほしいの!』と市村さんへの愚痴をこぼす姿が報じられたこともありました」(前出・テレビ局関係者)また篠原は『文藝春秋』’15年10月号で、「時には一人だけの時間が欲しいとないものねだりをしてしまいますけど、今のこの幸せがもしなかったら、と考えるとものすごく怖くなりますね」と語っていた。「別宅で生活するうちに、一人で過ごす時間の“居心地の良さ”に気づいたのでしょう。市村さんが親権を持つということですし、篠原さんはいっそう仕事に没頭できるようになります。それだけに、今後は今まで以上に自身のキャリアを優先することになりそうですね」(前出・テレビ局関係者)離婚コメントで「私たちなりの新しい形・環境を作って参りたい」ともつづっている篠原。新天地に向かって歩み始めたばかりだ。
2021年07月24日7月24日、篠原涼子(47)が市村正親(72)と連名で離婚を発表した。篠原と市村は’01年に舞台での共演をきっかけに交際を始め、’05年に結婚。’08年に長男が生まれ、’12年に次男が誕生した。2人の所属事務所によると子供たちの親権は市村が持ち、慰謝料や財産分与はないという。離婚した理由について、市村は《昨年のコロナによって撮影中は家庭内感染を防ぐ事からも、別居し役者業に取り組む生活をするようになりました。しかし作品が続いたことで別居が基本のスタイルとなり、夫婦、親、互いに役者として、新たなカタチを考えるようになりました》とコメントしている。篠原が市村と別居生活を始めたのは、昨年3月初頭。その間、篠原はNHK連続テレビ小説『おちょやん』や主演を務めるNetflix配信ドラマ『金魚妻』などの撮影で多忙を極めていた。かつて子供が産まれた後も夫婦で仲睦まじくデートする姿を本誌は目撃したが、いつしかすれ違いが生じてしまったようだ。篠原が女優業に邁進するいっぽうで、1年以上にわたり別居生活を送る様子を本誌はいち早く報じてきた。昨年7月、黒いキャップを目深にかぶり、サングラスにマスク姿で都心にある高級賃貸マンションの地下駐車場に現れた篠原。待機していた事務所の送迎車に飛び乗っていったが、辺りを警戒する素振りが印象的だった。いっぽう本誌は、市村が1人で育児に励む姿もたびたび目撃している。長男と次男が通う有名私立小・中学校へ子供たちを送迎し、保護者が参加する説明会にも足を運んでいた。しかし、そこに篠原の姿はなかった。「篠原さんが生活するマンションは1カ月以上の利用から借りることのできる高級賃貸マンション。家賃は1LDKでひと月当たり80万円ほどだといいます。いっぽう市村さんやお子さんたちが暮らすマンションには、食事など身の回りの世話をしてくれる家政婦さんがいるそうです。市村さんは篠原さんがいなくても、子供たちに不自由な思いをさせないよう務めていました」(篠原の知人)その後、年が明けても夫婦の別居生活が解消されることはなかった。今年5月下旬の午後10時すぎ、缶ビールや食料品が入ったビニール袋を片手に“別宅”へと帰路に着く篠原の姿があった。しかし6月上旬には、家族たちが暮らす自宅マンションに帰る篠原の姿を本誌はキャッチ。長男と現れた篠原は手をつなぎながら、笑顔で習い事に向かう息子に付き添っていた。だが市村は大阪での舞台出演のため不在であり、篠原の“一時帰宅”によって夫婦が揃うことはなかった。離婚発表に際して、《これまで以上に母として子供たちとふれあい、話し合い力強く支えていきたいと思います》とコメントした篠原だが、72歳で2人の子供の親権を持つことになった市村の重責は計り知れない――。
2021年07月24日俳優の鹿賀丈史と市村正親が主演を務める、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』が上演されることが7日、明らかになった。同作は、南フランスのナイトクラブを舞台に、ゲイカップルの夫婦愛と一人息子への愛情を巡って巻き起こる珍騒動を通して、愛の尊さ温かさをハートフルに描いた傑作ミュージカル。1985年の日本初演か30年以上も愛され続ける人気作品となっている。2008年以降、鹿賀丈史&市村正親が最強のコンビを組み、公演初日から千穐楽まで連日のスタンディングオベーションで迎えられ、客席にたくさんの愛を届けている。2022年3月、東京・日生劇場での公演を予定している。写真提供/東宝演劇部
2021年07月07日夫婦の危機
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義父母がシンドイんです!