BiSHにとって約2年1か月ぶりとなるフルアルバムであり、メジャー4thアルバム『GOiNG TO DESTRUCTiON』。どんなシーンにも定義づけられないけれど、どこから見てもクオリティが高い。そんな、今まで開拓されていなかった居場所を、楽曲と実力で作り上げ、今や屈強なライブバンドたちからも一目置かれる存在となった彼女たち。でも、やっぱり落ち着くことなく、攻め続けるんだ。今作からは、そんな今の彼女たちの意思表明と、存在意義が感じられる。これからも攻め続ける物語!誇り高き意思表明のニューアルバム。“バンドっぽい”ではなく“バンドよりバンド”な楽曲は、今作でも健在。低音や歪みの響きを抜かりなく精査したようなサウンドの中で、6人の息づかいまでもパッケージした歌が響き渡る。ライブ感、もっと言えば生きている感みたいなものが、音色の中に意識的に反映されているように聞こえてくるのだ。もちろん、そう感じられるのは、メンバー一人ひとりの歌声が生かされているから。それぞれの個性によって、歌詞の一言一句が入り込んでくる。そして、それら6つのバラバラな声が合わさった時に、小さな社会としてリアルになる。だからこそ、BiSHがやっていることは、表現ではあるけれど、偶像には見えないのだと思う。さらに、これだけ音楽シーンの中で大きな存在になったのに、誰もが理解できるハードルの低いポップソングを作るのではなく、BiSHの戦いや悩みや、一歩を踏み出す物語を歌い続けているところも、今作では強く印象に残る。みんなおいで!とすべての窓を開け放つのではなく、この扉から入って、一つひとつの部屋を通って、すべてを見て知ってというように、ある種クローズで密な世界観が守られていると感じるのだ。とはいえ、収録されている全14曲はバラエティに富んでいる。希望に満ちた「STACKiNG」、ストレートでパンキッシュな「ZENSHiN ZENREi」、オリエンタルな遊び心が光る「狂う狂う」など、土台が固まり、技術がついたからこそ幅広い表現ができるのだと思う。そして、アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、アユニ・Dが作詞した楽曲もある。しかし、それらすべてはBiSHの物語から、1ミリもブレていないのだ。その誇り高さのようなものに、圧倒されずにはいられない。今作からまた多くの人が、この物語を追いかけていくはずだ。BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』破壊盤は、メンバー1名のサインが入った“破壊仕様”。8月4日発売。【初回生産限定盤(CD+BD+PHOTOBOOK)】¥11,000【破壊盤(CD)】¥3,300【DVD盤(CD+DVD)】¥6,380【CD盤(CD)】¥3,300(avex trax)※『anan』2021年8月4日号より。文・高橋美穂(by anan編集部)
2021年07月31日高校の軽音楽部の友達同士で結成したバンド、ヤユヨ。2ndミニアルバム『THE ORDINARY LIFE』には、日常に鮮やかな彩りを与えるような5曲が収録されている。メインコンポーザーであるボーカル&ギターのリコさんに聞いた。特別な日があるからこそ、普通の日も幸せに感じる。「最初は暗い雰囲気だったけど、だんだん元気な感じになっていくとか、ちょっとしたストーリーを考えて、それをもとにアレンジすることが多いですね。普通すぎるアレンジはメンバーみんなあまり好きじゃないので、たくさん話し合いながら決めていく。そうすることでオリジナリティを出せたらいいなって思ってます。『ドラムのチキチキって音するやつあるやん!』とか言って(笑)リクエストしたり。基本的に私が作詞・作曲をしてるけど、みんなの意見を組み合わせて作ってますね」一筋縄ではいかないバンドアンサンブル。例えば1曲目の「星に願いを」にはかなり長めの間奏があって、そこでのギターはとても雄弁だ。「この曲は恋愛があまりうまくいってなくて寂しい夜に、憧れのロックスターに寄り添ってもらいたいという気持ちを歌ってて。ロックンロールを聴いて心が満たされてる女の子というか。『私は別にあなたがいなくなっても、このロックスターがいるんだもん』みたいな気持ちで書いたので、ギターのぺっぺに『君はロックスターね』って言って、長めのギターソロを作ってもらったんです。実際ぺっぺも曲を聴いてそういうイメージを持ってくれてたみたいで」アルバムタイトルを直訳すると、“普通の生活”。普通であることはヤユヨにとってとても重要だという。「例えば誕生日とかライブの日とか、ちょっとした特別な日があるからこそ、普通の日も幸せに感じる。主人公のとある一日を切り取った楽曲が多くて、普通とか日常っていうのはバンドのテーマになってますね」前向きな歌詞だとしても、どこかに“君”への渇望や喪失感を覚えさせるのが特徴だ。「私もひとりで生きてきたわけじゃなくて、その時期によって一緒に過ごしていた人はいるけど、環境が変わると離れてしまうことも多くて。『あれだけ仲良かったのに、今どうしてるか全然知らんな』って思って寂しくなったりする。だからといって『遊ぼうや』って連絡するわけでもなくて、結局私は私でその別れに納得して今生きてるやん、みたいな感じが強いのかもしれない(笑)」初のワンマンツアーが全公演ソールドアウトするなど、バンド活動が活発化する一方で、リコさんには教育学を学ぶ大学生の顔もある。「ちゃんと大学に行ってバイトやってっていう普通の女子大生の自分とヤユヨの自分と、ふたりおることで充実してるんです。大学の友達と喋って『こういう子もおるんやな』って思ったこととか、通学の途中で読んだ本の表現から歌詞に影響を受けたりもしてるので、バンド一筋だったら今みたいな曲は作れてないんじゃないかな。だから卒業してバンド一本になったらどうなるんやろうってちょっと不安なんです(笑)」2ndミニアルバム『THE ORDINARY LIFE』。配信シングル「君の隣」、『王様のブランチ』エンディングテーマ曲「おとぎばなし」など全5曲収録。【全種共通(CD+DLカード)】¥1,500(TALTO/murffin discs)ヤユヨ左から、はな(Ba&Cho)、すーちゃん(Dr&Cho)、リコ(Vo&Gt)、ぺっぺ(Gt&Cho)。2019年1月、大阪で結成。同年12月に公開した「さよなら前夜」のMVはYouTube再生回数150万回突破。4人全員が現役大学生のポップスバンド。※『anan』2021年6月23日号より。写真・土佐麻理子取材、文・小松香里(by anan編集部)
2021年06月21日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)から、シルク素材の新作ヘアバンドが登場。2021年1月より発売される。新作ヘアバンドは、ルイ・ヴィトンの過去のコレクションに登場した、モノグラム柄のシルク製スクエアスカーフをアレンジして仕上げられたもの。ヘアバンドには、一枚のスカーフからランダムに切り取られたテキスタイルを使用しているため、全て表情が異なる“一点モノ”のアイテムに昇華させているのが特徴だ。また近年のトレンドスタイルに合わせて、バンド部分を幅広に設定したクラシカルなシルエットもポイント。さらにヘアバンドの内側には異なるモチーフを配すなど、細部にまでこだわりを詰め込んでいる。なお新作ヘアバンドは、ブランドのサステナブルシリーズ「ビーマインドフル(BE MINDFUL)」から展開。アップサイクリングに基づくアイディアのもと制作しているこのシリーズには、過去にもチョーカーやブレスレット、シュシュ、マフラーといった多彩なアイテムが販売されている。【詳細】「ヘッドバンド·ビーマインドフル」各46,000円+税 ※ワンサイズのみ発売時期:2021年1月取扱店舗:ルイ・ヴィトン全店舗及び公式オンラインストア※全て異なる表情のため、ウェブサイトのイメージ写真とデザインが異なる場合有り。※シルク100%【お問合せ先】ルイ・ヴィトン クライアントサービス0120-00-1854
2021年01月10日肩肘張らないローファイな感覚が今っぽさを醸すネオ・ソウル・バンド、yonawo。自主制作でリリースした音源に、SNSで川谷絵音や小袋成彬が反応を寄せるなど、デビュー前から注目を集めていた。昨年、メジャーデビューを果たし、待望のフルアルバム『明日は当然来ないでしょ』をリリースした。「最初は、とくにコンセプトも決めてなかったんです。ただ、みんなでアレンジをあれこれ作っていく中で“浮遊感”みたいなものがあるなと感じて。それは落ち着かない不安定さというより、なんだか居心地のいい、気持ち良さのあるふわふわとした感じ。それをアルバム全体から感じてもらえたら」(荒谷翔大・Vo)彼らの代表曲でもある「天神」などボーカルの荒谷が高校生の頃からストックしていた楽曲だけでなく、新たに書き上げたものも多い。メンバー同士でじっくり吟味しながら、はじめてのアルバムの一曲一曲を選んだそう。「僕らのグループラインがあって、ふだんからそこでくだらない話から音楽のことまでいろんな話をしています。今回、コロナの自粛期間もあったので、動画を添付して“こういう感じ、どう?”“いいじゃん”って話し合って。集まれなくて困ったけど、逆にそれぞれが制作にじっくり向き合えたから、それはよかったかなと思ってます」(斉藤雄哉・Gt)荒谷と斉藤は中学時代からのサッカークラブのチームメイトで、メンバー全員が高校時代からのつながり。バンドである以前に、そもそも気の置けない友達同士であることがyonawoのリラックスしたムードを醸し出しているのかもしれない。「高校生の時に、荒ちゃんの歌詞とか耳なじみのいいメロディ、持っている壁のない世界がいいなってはじめて思って。それをずっと共感していたいと思ってたどり着いた先が今です(笑)」(野元喬文・Dr)「今だってみんなで騒いでいる時がいちばん盛り上がる(笑)。僕たち、福岡に住んでいるので東京で仕事があると1台の車に乗って移動するんです。車中では、お互いのおすすめの曲をかけたり、全員が好きなアークティック・モンキーズを熱唱したり。そういう時間が楽しいから、福岡に住んで自分たちらしく活動をする今のスタイルを大事にしたいなと思っています」(田中慧・Ba)ジャケットのアートワークは野元が描いたものをベースに一般に公募して選ばれたもの。『明日は当然来ないでしょ』【初回限定盤(CD+DVD)】¥3,600【通常盤(CD)】¥2,800(WARNER MUSIC JAPAN)ヨナヲ写真左から、野元喬文(Dr)、田中慧(Ba)、荒谷翔大(Vo)、斉藤雄哉(Gt)。2018年結成。自主制作した2枚のEPはいずれも入荷即完売に。’19年に配信限定シングルをリリースし、メジャーデビュー。野元さん・ジャケット、パンツ(共にカズキナガヤマ)靴(ブローム) 以上スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575インナー(カーリー/サカス ピーアール TEL:03・6447・2762)田中さん・ジャケット(サウル TEL:080・1687・0445)スウェット(レザー アンド レース TEL:050・1499・3704)パンツ(シンヤコズカ/エムエイティティINFO@THE-MATT.COM)靴(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515)荒谷さん・Tシャツ(ピッツ TEL:03・6447・4324)パーカ(ネーム TEL:03・6416・4860)ジャケット(レザー アンド レース)パンツ(サバイ/ヘムトPR TEL:03・6721・0882)バングル(ヨハン シルバーマン/ティーニー ランチ TEL:03・6812・9341)リング(キュイエール アン 925/シャポリエ クール TEL:06・6202・3730)斉藤さん・ジャケット、パンツ(共にワイ.オー.エヌ./スタジオ ファブワーク)スウェット(レザー アンド レース)靴(セブン バイ セブン/サカス ピーアール)その他はスタイリスト私物※『anan』2020年11月18日号より。写真・井手野下貴弘スタイリスト・市野沢祐大(TEN10)取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年11月12日Novelbrightが10月23日(金)20時、同バンドの公式YouTubeにて、ビリー・アイリッシュの『bad guy』オフィシャル・バンドカバーをプレミア公開することを発表した。彼らは8月に『Sunny drop』(「コカ・コーラ ゼロシュガー」CMソング)でメジャーデビュー。ブレイク必至と呼び声の高い、大阪出身の5人組ロックバンドだ。YouTubeが世界中の注目アーティストを支援するプログラム「Foundry」の各国12組の新人アーティストの1つに選出されており、今回初めて開催される「Foundry Fest」に日本在住アーティストで唯一の参加が決定している。『bad guy』のオフィシャルなバンドカバーはこれが初めてのこと。アレンジは元々ビリーの大ファンであるギターの山田海斗が担当。口笛の世界大会で二度の優勝経験がある、ヴォーカル・雄大の口笛が活きたNovelbrightならではのアレンジとなっている。なお10月23日0時より、各音楽サービスで彼らがカバーする『bad guy』の配信がスタートする。Novelbright - 『bad guy』※10月23日午前0時より、各音楽サービスへアクセスいただけます。Billie Eilish -"bad guy" cover by Novelbright [Live Video]※10月23日(金) 20:00 YouTubeプレミア公開
2020年10月22日2020年10月19日、ロックバンド『赤い公園』のメンバー津野米咲さんが亡くなったことが明らかになりました。29歳でした。『赤い公園』のウェブサイトでは、所属事務所の声明が発表され「突然の悲報に接し、メンバー・スタッフともに、現実を受け止めきれない状況」と津野さんの死にとまどう複雑な思いがつづられています。赤い公園、津野米咲を応援してくださっているファンの皆様、関係者の皆様にこのようなご報告を差し上げることは残念でなりません。赤い公園メンバーの津野米咲が、10月18日に永眠致しました。享年29歳でした。謹んで皆様にお知らせ致します。突然の悲報に接し、メンバー・スタッフ共に、現実を受け止めきれない状況です。なお、葬儀につきましては、ご遺族の意向により近親者のみで執り行う予定です。津野米咲に対する生前のご厚情に心より感謝申し上げますとともに、皆様と心からご冥福をお祈りしたいと思います。2020年10月19日株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ赤い公園スタッフ一同赤い公園 Official Websiteーより引用アイドルグループ『SMAP』をはじめミュージシャンへの楽曲提供も数多く行っていた津野さん。ギタリストとしての評価も高く、2020年10月11日放送の音楽バラエティ番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)にゲスト出演していたばかりでした。突然の訃報にファンから「信じられない」「ご冥福をお祈りいたします」と悲しみの声が寄せられており、また、芸能界からも多くの追悼のコメントが。29歳というあまりにも早すぎる津野さんの死は、各方面に大きな影響を与えています。ご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2020年10月19日緑黄色社会のニューアルバム『SINGALONG』は、とても華やかでパワフルなJポップアルバムだ。アルバム全体を通して、歌と楽器のキャッチーな鮮やかさが響く。「自分たちの武器をちゃんと理解して、自覚的にやるべきことを表現できたアルバムだと思います。いろんな音楽をひとつのアルバムに詰め込むっていう」(穴見真吾・Ba&Cho)「各々がやりたいことを実現できた。『Mela!』で初めてブラスアレンジを入れられたり。しかも、この曲は全員が詞曲に関わってて、全員がクレジットされてるなんてなかなかない。4人それぞれやりたいことがたくさんあるんですけど、全然かぶってないんです。ハチの巣の一個一個を埋めていってるみたいな(笑)」(peppe・Key&Cho)メンバー4人それぞれが詞曲を手がけているにもかかわらず、どの曲も誰も置いていかないポップさを宿している。「活動当初は詞は(小林)壱誓が書いてて、全員が“人と違うことしてやろう”って気持ちが前に出てて。曲も詞も斜めにいきすぎてたんです。誰かがわかればいいと思ってたんですけど、それじゃ駄目だなって気付いて、曲の作り方を見直したんです。そこから私も歌詞を書くようになって、たくさんの人に届けることを意識するようになりました」(長屋晴子・Vo&Gt)「テレビで歌唱してる方たちをずっと見て育ってきたから、お茶の間に曲を届けられる存在になりたいっていうのが4人の共通項として根底にあるんです」(peppe)「長屋以外の3人は、長屋の歌に導かれてると思います。長屋の歌を初めて聴いた時から、“この歌で売れたい”って思ってた。だから、リョクシャカの強みは歌とチームワークだと思ってます」(穴見)歌の表現力も豊かになり、全員が曲作りに密に関わるというチームワークも活かされたのが、『SINGALONG』といえるのでは。「やっぱり歌が真ん中にあって、それを邪魔しないっていうのが僕ら楽器陣。歌の鳴ってないところで、楽器陣がどう歌うかっていう努力はしています」(小林・Gt&Cho)「僕の場合、長屋がボーカルじゃなかったらもうちょっとシンプルめの静かなベースを弾いてるかなって思っていて。結構歌を聴いて弾いてるので、めちゃくちゃ影響されてるんです」(穴見)「最初は演奏もみんなやりたい放題だったんですよ。とりあえずやりたいことを詰め込んで、引き算も足し算もわからないまま作ってた。でも、歌が大事だってなって、みんなの意識が変わりましたね」(長屋)ニューアルバム『SINGALONG』。映画『初恋ロスタイム』主題歌「想い人」など、全13曲収録。【初回生産限定盤・リョクシャカ詰め合わせBOX仕様(CD+BD)】¥4,091【通常盤(CD)】¥3,000【初回生産限定夏を生きた盤(2CD)】¥3,545(ソニー・ミュージックレーベルズ)りょくおうしょくしゃかい左から、peppe(Key&Cho)、穴見真吾(Ba&Cho)、長屋晴子(Vo&Gt)、小林壱誓(Gt&Cho)。2012年結成。’13年、「閃光ライオット」準優勝を皮切りに活動を本格化。’18年、ミニアルバム『溢れた水の行方』でメジャーデビュー。※『anan』2020年10月7日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年10月06日結成20周年となるサンボマスター。大きな節目を迎えた印象があるが、山口隆さん(唄とギター)は「3日ぐらいしかやっていないような感覚です、あまりに楽しくて」と笑う。結成20周年を迎えてもフレッシュに突き進む、3人の今をパッケージした最新EP。「20年前のことを思い出すと、テクノロジーは進化しているじゃないですか。でも、バンドの変化はないですね(笑)。相変わらずです」(近藤洋一・ベースとコーラス)「でも、続けることに意味があった感じは、今しています」(木内泰史・ドラムスとコーラス)サンボマスターの揺るがなさは、9月9日にリリースされた『はじまっていく たかまっていく E.P.』にもメッセージとなって詰まっている。特に表題曲にある《呪いを解きにきた》というリフレインの力強さには、救われる人も多いだろう。「ずっと歌詞について聞かれてきたんですけど、最近思うことがありまして。“僕たちが衝撃を受けた音楽の国”にずっと暮らしているからなんじゃないかなって。ロックも、パンクも、ソウルも、ヒップホップも、ジャズも。だから、そこから変わらないんじゃないんですかね」(山口)幅広いジャンルに影響を受けている彼ら。「はじまっていく たかまっていく」では、様々な音楽に向けた愛情も、めくるめく展開の中から感じられる。メッセージは不変ながら、アレンジは広がりを増しているのだ。「いつも古いものから新しいものまでレコードを買っているのが、いいのかもしれないですね。まあ、努力でもなんでもなく、バンドを組む前からやっていることですけど。あとは近藤くんと木内くんが、社会と接点を持ってくれているのがいいんじゃないんですか?僕だけだったら、原液で濃すぎるので(笑)」(山口)「この曲、こうなったらめっちゃヤベーじゃんっていう、ワクワクを求めて作りましたね」(近藤)「型にこだわりもないし、サンボマスターだからこうしなきゃいけないっていうのもなくて、今こういうことがしたい、じゃあこういう形にしたら面白いんじゃないかっていうことを、迷わずにやりたいんですよね。自分たちにブレーキをかけてしまったら、面白くないから」(木内)フレッシュな音楽性を更新しながらも、バンドらしいぬくもりが損なわれないところも彼ららしさだ。今作に収録されている「忘れないで忘れないで」も、終盤にシンガロングが響き渡る流れがたまらない。「ロックバンドをやっていたら、スタジアムでシンガロングが起きる光景を思い浮かべるじゃないですか。ずっと、そういう曲が欲しいと思っていて、やっと形になりました。でも、今はお客さんが目の前にいないから、寂しいですよ」(木内)「作為的なことは言いたくないっていうのが正直あります」と語る山口さんの言葉が頷ける通り、まっさらな思いを届けてきた彼らにとって、ライブは特別なもの。今作収録のライブ音源からも、それは感じられる。「サンボマスターは、僕の想像した遥か上を行ってしまっているので。フジロックのGREEN STAGEや、横浜アリーナに立てるなんて、3人とも思っていませんでしたからね。現実に追い付いていないところはあります。売れよう!と思ったこともないから。だから、展望としては、これからも感謝です」(山口)CDには新曲2曲に加え、「日本列島ルーツの秘蔵音源」と題したライブ音源を収録。EP『はじまっていく たかまっていく E.P.』【完全盤(CD+DVD)】¥1,980【通常盤(CD)】¥1,200(Getting Better Records)左から、木内泰史(ドラムスとコーラス)、山口隆(唄とギター)、近藤洋一(ベースとコーラス)。2000年結成、’03年にメジャーデビューし、数々の名曲を生み出してきた。’21年1月9日に「ラブ フロム サンボマスターat横浜アリーナ」開催予定。※『anan』2020年9月23日号より。写真・小笠原真紀取材、文・高橋美穂(by anan編集部)
2020年09月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「一発録り」です。「レコーディングで一発録りをした」なんていうコメントを雑誌のインタビュー記事などで見かけることがあると思います。みなさん、「一発録り」とは、どういうものを想像されますか?言葉の通り受け取るとバンド全員で一斉に演奏して、それ一発で決めることのように思いませんか?僕もずっとそうだと勘違いしていました。ライブのように一発で決めることを指すのだと。ディープ・パープルの名曲「SMOKE ON THE WATER」で有名なギターリフをリッチー・ブラックモアがミスピックしたけど、そのまま収録された音源があります。ああいうのを「一発録り」やなと思っていましたが、あれはライブ盤であり「一発録り」とは違うそうです。実際の「一発録り」とは、メンバー全員が同じ空間で同時に演奏していることは間違いないのですが、その演奏がたった一度きりとは限りません。僕がバンドをやっている友達に素朴な疑問として「この前、一発録りしたって雑誌で読んだけど、そんなにうまいこと演奏できるもんやねんな」と感想を述べたところ、「いや、確かに一斉に演奏はしてるけど、それを何回も録ってるんやで」と教えてもらったことで、そのことが判明しました。ファーストテイクで決めなくてはいけないわけではなく、何テイク録るかはうまくいくか次第なんです。だから、正確に言うと「一発録り」とは「一斉録り」または「一気録り」のことなんですね。ちなみに「一発録り」の対になるのが「バラ録り」です。これは、ひとつずつ楽器の演奏を録音していって、音を重ねていきます。「一発録り」のメリットとしては、一体感があるということでしょうか。バンドとしてのグルーヴを出したいなら、一斉に演奏したほうが、それが醸し出されるはずです。デメリットは、録音の難しさがあると思います。バンドの形態に合わせてマイクもたくさん立てないといけないですし、ギターとベースはめっちゃうまくいったけど、ドラムがイマイチだったから録り直ししないとあかんとか、全員の息が合ってないと難しい。バラ録りなら、それぞれのベストテイクを使えばいいわけですから、それぞれにいいところ、難しいところがあります。とはいえ、僕は常に一人きりなので、ある意味何やっても「一発録り」です。常に緊張感を持って、一人でレコーディングしております。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の新コンテンツ「THE FIRST TAKE FES」への出演が話題に!※『anan』2020年9月16日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年09月14日映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」が10月23日より、角川シネマ有楽町、渋谷WHITE CINE QUINTOほかにて、全国順次公開される。ファンは絶対必見! ザ・バンドによるドキュメンタリー作品が公開1976年11月25日、サンフランシスコのウィンターランド・ボールルーム。激動の70年代後半に、一つのバンドがその活動に終止符を打った。彼らの名は「ザ・バンド」。ボブ・ディランをはじめ、音楽史に偉大な足跡を残したミュージシャンたちから尊敬される、ロック史上最も重要なバンドの一つである。本作は、その「ザ・バンド」の中心的なメンバーである、ギターのロビー・ロバートソンが2016年に綴った自伝を元に、バンドの誕生から“ビッグピンク”でのレコーディング、メンバー達の熱い友情と軋轢、そして伝説的解散ライブ「ラスト・ワルツ」まで、才能、幸運、苦悩、狂気が横溢する創造の旅路を追ったドキュメンタリー。製作総指揮は、マーティン・スコセッシとロン・ハワードが担当し、ブルース・スプリングスティーン、エリック・クラプトンら音楽界の超大物たちも次々に登場。世代を超えて全ての音楽ファンの心に響く感動作といっても過言ではないだろう。また、本作の公開に先立ち、この度予告編が解禁。公開が待ち遠しい人も、ザ・バンドって何? という人も、まずはこちらをチェックしておこう。予告編では、作品関係者による「ザ・バンド」への豪華コメントも公開された日本版予告編では、製作総指揮であり、映画「ラスト・ワルツ」の監督であるマーティン・スコセッシをはじめ、ブルース・スプリングスティーンやエリック・クラプトンからのバンドに対するコメントが引用され、ともにツアーを回り友情を育んだボブ・ディランと一緒に演奏する様子なども垣間見えるものとなっている。「彼らは奇跡を起こすんだ」 ——ブルース・スプリングスティーン「圧倒されたね。人生が変わったよ」——エリック・クラプトン「彼らのサウンドは他の何にも似ていない」 ——マーティン・スコセッシ「アメリカでビートルズに匹敵するのは彼らだけさ」——タジ・マハール大物ミュージシャンも愛された伝説のバンド「ザ・バンド」とは、一体どのようなバンドだったのか? 是非、映画館に足を運んで確かめてみてほしい。【映画情報】「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」(原題「ONCE WERE BROTHERS:ROBBIE ROBERTSON AND THE BAND」)10月23日より角川シネマ有楽町、渋谷WHITE CINE QUINTOほか全国順次公開監督:ダニエル・ロアー 製作総指揮:マーティン・スコセッシ、ロン・ハワード原案:「ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春」(ロビー・ロバートソン著、奥田祐士訳、DU BOOKS刊)出演:ザ・バンド<ロビー・ロバートソン、リック・ダンコ、リヴォン・ヘルム、ガース・ハドソン、リチャード・マニュエル、マーティン・スコセッシ、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、エリック・クラプトン、ピーター・ガブリエル、ジョージ・ハリスン、ロニー・ホーキンス、ヴァン・モリソン、タジ・マハールURL:theband.ayapro.ne.jpTwitter:@TheBand_movieFacebook:@thebandmovie2019年/カナダ、アメリカ/英語/カラー・モノクロ/アメリカンビスタ/5.1ch/101分/原題:ONCE WERE BROTHERS:ROBBIE ROBERTSON AND THE BAND/後援:カナダ大使館/字幕翻訳:菊地浩司/字幕監修:萩原健太/配給:彩プロ/宣伝:プレイタイム、スリーピン©Robbie Documentary Productions Inc. 2019
2020年08月17日軽快なギターサウンドに透明感溢れる女性ボーカルがとても人懐っこい。なのに、歌われる言葉たちは妙に心を引っ掻いていく。街からテレビから、今そんな音楽が聞こえてきて耳を奪われたなら、それはヨルシカの仕業かもしれない。n‐buna(ナブナ)とsuis(スイ)からなる2人組バンド、ヨルシカ。2017年にデビューし、主にニコニコ動画やYouTubeで若い世代を中心に支持され、たちまちその名は広まっていった。特にアニメーションで描かれた女の子が現実世界でキュートにダンスを踊る「言って。」のミュージックビデオはキャッチーな音楽に、時代の閉塞感を投影したような切実さとのギャップが鮮烈な印象を残した。これまでにリリースされた作品のタイトルも『負け犬にアンコールはいらない』『だから僕は音楽を辞めた』など、ドキッとするものばかり。ヨルシカの二人が顔や詳細なプロフィールを明かしていないこともあり、受け手は音楽世界をより自分だけのものとして楽しめる効果もあるようだ。現在、CMやアニメ映画の主題歌など活躍の場をどんどん広げているなかでリリースされる3rdアルバム『盗作』。「音楽の盗作をする男」を主人公に、彼の破壊衝動を形にしたというコンセプチュアルな作品だ。アコースティック・ギターのアルペジオが優しく、主人公の溢れる感情をエモーショナルに引き出すような「夜行」や、夏の思い出の儚さを美しいメロディで抱きしめるような「花に亡霊」など全14曲。心の穴を音楽で埋めたい、だから僕は音楽を盗んだと告白する「盗作」など、あちこちに隠されている核心を拾い集めるように聴くのは、まるでミステリー小説を読み進める楽しみにも似ている。初回生産限定盤には約130ページの小説と、主人公が出会った少年が弾いた「月光ソナタ」を収録したカセットテープが付属され、その世界にさらにどっぷり浸れること間違いなし。一枚聴き終わった頃には、そのひたむきでやるせない衝動の美しさに魅了され、主人公が愛おしくなっている。『盗作』オリコン初登場3位を記録したアルバム『エルマ』より1年ぶりの3rdアルバム。7月29日発売。【初回生産限定盤(小説+カセットテープ+CD)】¥5,000【通常盤(CD)】¥3,000(ユニバーサル ミュージックジャパン)ヨルシカコンポーザーとしても活動しているn‐bunaがシンガーのsuisと結成した男女2人組バンド。2017年に活動をスタートし、素顔を見せないスタイルでありながら若い世代を中心に絶大な支持を得る。※『anan』2020年7月29日号より。文・上野三樹(by anan編集部)
2020年07月22日2ndアルバム『THE BAND STAR』をリリースしたハルカミライ。ボーカルの橋本学さんに、曲に込めた思いを聞きました。数をひけらかさない強さは、人間力に関わってる。生粋のライブバンド、ハルカミライの2ndアルバム『THE BAND STAR』は、生々しくアグレッシブな魅力が進化している。まっすぐで叙情的な歌と歌詞、美しいメロディとタイトな演奏という強みがパワーアップ。作詞・作曲を担当するボーカルの橋本学さんはこう語る。「今回、曲のアレンジも、歌詞もすごく良いものができたと思ってます。歌詞は自分が思ったことを素直に書きたいんですけど、例えば海を見て、“綺麗な海だ”って書くのか、“青白くて綺麗”って書くのか、“光ってるね”って書くのか、どれが自分にとって正しい海か、その都度選んでいくみたいな感じです。書いてる感情は一見ストレートなんですけど、自分のこだわりはかなりありますね。それを自分の中でクリアしていかないと、一曲が作り上げられない」最後の曲はアコースティックな弾き語り調から、アップテンポに展開される瑞々しい友情ソング「友達」。「世の中の音楽の8割9割をラブソングが占めてると思ってて。特に同年代のバンドの曲聴くと、“もうラブソングいいです”って俺は思っちゃうんですよ(笑)。それもあって、よく友達の歌を書くんです。もちろんラブソング自体を否定してるわけじゃなくて、まだ俺にはわからないことが多い。自分でもわかるラブソングが見つかるとすごく聴きます」コロナ禍によってライブ活動がままならない状況にあるが、通常盤には昨年行われた、ハルカミライ最大の観客数8888人を動員したワンマンライブのDVDがつく。「いわゆる数値って武器にならないと思ってるんです。“人がこれだけ集まりました”って一見すごく思えるんですけど、重要なのは中身。数をひけらかさない強さって、人間力に関わってるんじゃないかなって思います。例えば何万人ものフォロワーがいたらその数だけ見て“すごい”って言う人もいるけど、なんで何万人いるのかを見ないと、人対人の関係ではなくなってしまう気がする。もちろんバンド始めた頃はモテたいって気持ちもありました。今でも人気者になってみたい気持ちはあるんですけど、だんだん上っ面の下心みたいなものはなくなってきてますね(笑)。語弊があるんですけど、アイドルチックになりたくないというか(笑)。ムカついてる時はムカついてるような曲作るし、楽しい時は楽しい曲作るし。我慢しちゃうこともたまにあるんですけど、その気持ちを曲にしたり、ライブで話しちゃったり。かっこつけてたらかっこつかないって思い始めてます。泥にまみれてるかっこよさもある。めちゃくちゃ歌が下手で、ギターのチューニングも全然合ってなくてもかっこいい瞬間がある。それがバンドの魅力ですよね」『THE BAND STAR』【通常盤(CD+DVD)】¥4,600DVDには、昨年12月の幕張メッセでのライブがノーカット収録。【初回限定盤(CD)】¥3,100*共に税込み(UNIVERSAL MUSIC JAPAN)左から、須藤俊(Ba、Cho)、関大地(Gt、Cho)、橋本学(Vo)、小松謙太(Dr、Cho)。2012年、東京・八王子市で結成。‘19年、初のフルアルバム『永遠の花』発売、12月には幕張メッセ国際展示場1ホールにてワンマンを開催した。※『anan』2020年7月15日号より。写真・内山めぐみ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年07月14日個々がそれぞれのフィールドでも活躍する才能を持つことから“エリート音楽集団”とも表現される、WONK。ジャズからビートミュージック、ヒップホップまで縦横無尽に取り入れたサウンドは常に先進的だ。今年、リリースされた香取慎吾のアルバム『20200101』に参加したニュースもまだ記憶に新しい。壮大なストーリーへと誘う、コンセプチュアルな音楽体験。アルバムとしては約3年ぶりのリリースとなる『EYES』は、全22曲を収録し、アルバム1枚で物語を形成するコンセプチュアルな作品となった。「映画みたいなものが作りたかったんです。スタートは1枚の絵。頭上にパラレルワールドがあって…みたいなSF的な世界観で。そこを起点に物語を構築してサントラを作るようにシーンにあてはまる曲を作っていったんです」(荒田)NetflixのSFドラマ『ブラック・ミラー』や映画『インターステラー』『インセプション』が想像のヒントに。宇宙空間を浮遊するようなイントロダクションから音が繋ぐ物語の世界へとただ没入する。「歌詞を書くときも主人公の人間像をすごく意識して心理描写しました。そうすることで一曲ごとの心情やメッセージ、僕たちが問題意識を持っていることがより具体的に伝えられる、みんなに当事者意識を持って響くのではないかな、と」(長塚)「主人公はけっこう普通の人だと思っていて。多分、それってWONKの総体なんです。アルバムを通して、僕らのもっとこうしていったらいいのに、こうしていきたいという考えやバンドの姿勢そのものも伝わると思う」(井上)ジャンルにしばられず、常にカウンターな音楽を届け、リスナーに刺激と気づきを与えてきたWONK。彼ららしい、今伝えたいこととは?「曲を一曲一曲、ぽんっと聴いて、それでジャンルは何だとカテゴライズするような流れだけで本当にいいのかな、と。ケンドリック・ラマーのアルバムのように尺をかけてこそできる表現の世界もある。音楽から広がるものの見方、グラデーションになった音楽の層の厚さを感じてもらえたらと思います」(江崎)「CDの収録分数もギリギリ限界まで詰め込んでるんです。それがどう評価されるか。深く刺さってくれる人がいれば、いちばんうれしいですね」(荒田)オリジナルビジュアルイメージ+歌詞+対訳入りのART BOOKも登場。4thアルバム『EYES』全曲配信中。ART BOOK+CD(¥8,000)は完全予約限定生産、7/22発売。(ユニバーサルミュージック)ウォンク写真左から、井上幹(B)、江崎文武(Key)、長塚健斗(Vo)、荒田洸(Dr)の4人組バンド。リーダーの荒田を中心に2013年結成。堀込泰行、m-flo、冨田ラボ、King Gnuなどへの楽曲提供、リミックス、演奏参加など活動は多岐にわたる。自主レーベルEPISTROPHを擁し、アパレルなども手掛ける。※『anan』2020年7月1日号より。写真・土佐麻理子取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年06月25日1年間の活動休止後、4年ぶりのアルバム『Real』をリリースしたflumpool。活動休止で得たものや同アルバムへの思いを聞きました。イメージを取り払って弱さをさらけ出して楽になれた。ミニアルバム『Unreal』で12年前にデビューしたflumpool。1年間の活動休止を挟んだ4年ぶりのアルバムタイトルは『Real』。フロントマン山村隆太は、まずタイトルから決めたと語る。「自分の声が出なくなって活動休止を発表して、そこで楽になれたんです。それまで大事にしていた優等生的なイメージを取り払って弱さを見せたことで、いろんな人が救いの手を差し伸べてくれた。ありのままの姿を感じてもらってる今だからこそ、よりリアルな夢を追い掛けられる」全編にわたり、等身大の気持ちが綴られている。特に、幼馴染みとの思い出を素直に綴った「ほうれん草のソテー」は今作だからこそ。「ほうれん草のソテーって、僕の地元ではガストなんです(笑)。学生時代にその一番安いメニューを頼んで何時間もメンバーと喋ってて。35歳になってみると、それぞれの社会的立場とか家庭の事情で壁を感じて寂しくなることがある。それをフラットにしてくれるのが、10代の時からの友達。このソテーを食べてたあの頃の自分たちは絶対的に胸の中にいるよねっていう、誓いの象徴として書きました」今までのflumpoolのアルバムの中でも、随一の多彩な音楽性が溢れる作品でもある。「いろんなルールがある中で、自由に好きなことを貫くのは難しい。でもflumpoolの音楽性で言うと、メインのソングライターの(阪井)一生がflumpoolの枠も無視して自分の音楽を貫くところに一生のリアルがある。僕も、表向きの山村隆太とリアルな自分の間で葛藤するんですけど、自分の好きなものを貫くっていう思い自体がリアルなので、それを重視しました。大体の人って、毎日なんてことない日々を送ってますよね。0点の日も100点の日もそんなになくて、良いことも悪いこともあって大体60点くらいの毎日だったりする。僕たちはこれまで0か100かで、100点の自分しか許せなかった。でも、現在の自分を好きでいて、プラス1点できたらいいって考えるのが大事なんじゃないかなって。今が一番ってわけではなくて、今の自分たちを楽しみつつ前進していきたいんです」アルバム『Real』。ドラマ『知らなくていいコト』主題歌「素晴らしき嘘」を含む全14曲収録。【初回限定盤(CD+DVD+Special Booklet+おまけ)】¥5,000DVDには、2019年に行われた「Command Shift Z」ツアーのライブ映像を収録。【通常盤(CD)】¥3,000(A‐Sketch)フランプール左から、阪井一生(Gt)、尼川元気(Ba)、山村隆太(Vo)、小倉誠司(Dr)。2007年結成。’08年デビューシングル『花になれ』がau「LISMO」CMソングに抜擢され、大ヒット。’19年1月、約1年間の活動休止を経て活動再開。※『anan』2020年6月10日号より。取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年06月03日この終わりの見えない状況の中、どうやっていち早く作品を届けようか。くるりが全国ツアー中止とともに急遽リリースすることにしたのは、1997年から現在までの未発表曲を中心に収めたニューアルバム『thaw』だった。CDにはボーナストラック含めて15曲、配信は11曲。約24年間の歴史の中から厳選した曲が収められている。どこかで見たことのあるくるりも、まだ見たことのないくるりも詰まった裏ベスト的な作品になった。1曲目の「心のなかの悪魔」は2009年制作。アルバム『魂のゆくえ』のレコーディングのため、ニューヨークのスタジオで録られた一度きりのリハーサルテイクにミックスダウン等も施していないそのままの音源だそうだ。シンプルで隙間の多いアンサンブルと岸田繁の優しく物憂げな歌声と世武裕子の美しいピアノ。ざらりとした生っぽい手触りは、目の前で親密な演奏が繰り広げられているかのような臨場感がある。長いアウトロのピアノアンサンブルは、当時のニューヨークの空気に想いを馳せるには十分な芳醇さだ。最古の曲のひとつである「Giant Fish」は1998年に制作された。とても粗削りでグランジーなアンサンブルとブルースを叫ぶような岸田の歌は、同時期に作られ、くるりのメジャーデビューシングルとなった「東京」を想起させ、胸が掻きむしられる。2011年3.11の直後、恐怖に怯えながらも、新たな一歩を踏み出すべく行ったセッションから生まれた「ippo」。岸田と佐藤征史、後にメンバーとして加入する吉田省念が分担して作曲し、セッションに参加した全員で作詞をしたという。未曽有の大災害を受け、振り切れたような楽天性かつ全能感に溢れたサイケデリックな民謡調の曲だ。2012年、アルバム『坩堝の電圧』の制作に向かう中で生まれたという「evergreen」は、ボーカルの録音とミックスを今年3月に行い、8年の歳月を経て完成した曲。たおやかなバロック・ポップで、脈々と続く時間の流れの中で、本当に大切なものを抱きしめるかのような気持ちが漂っている。たくさんの出会いと別れを経験しながら、その土地の匂い、時代の空気を豊潤な音楽にとじ込め続けてきたくるり。2007年、ウィーンに滞在しながらアルバム『ワルツを踊れ』の制作を行う時期に作られた佐藤によるインストゥルメンタル「Hotel Evropa」や、マサチューセッツ州でアルバム『NIKKI』に向けてのレコーディング中に生まれたという、驚くほどパンキッシュなロックンロール「さっきの女の子」も聴ける。森信行も大村達身も田中佑司も吉田省念もいるくるり。唯一無二のくるりの神髄が込められている。くるり左から、佐藤征史(Ba & Vo)、ファンファン(Tp & Key & Vo)、岸田繁(Vo & Gt)。1996年京都で結成。1998年シングル「東京」でメジャーデビュー。2016年バンド結成20周年を記念したオールタイムベストアルバム『くるりの20回転』をリリース。未発表曲を中心に収録したコンセプト・アルバム『thaw』。2006年リリースのアルバム『TOWER OF MUSIC LOVER』初回盤収録の4曲を含む、配信は11曲、CDは15曲を収録。【CD】¥2,700(スピードスターレコーズ)※『anan』2020年6月3日号より。文・小松香里(by anan編集部)
2020年05月27日Bʼzがそれぞれの自宅スタジオで収録したセッション動画「HOME」に、海外からバンドメンバーが参加した “バンドセッション” バージョンが公開された。松本孝弘と稲葉浩志2人編成の「HOME」セッション動画は、4月27日(月)にYouTubeにて“First time playing HOME at home!”というコメントと共に公開されるや否や、急上昇ランク1位に浮上、20時間で100万回再生突破、現在230万回再生を超え、寄せられたコメントは6,000件以上と、大反響を呼んでいる。その反響を受け、昨年2019年のライブツアーから活躍しているドラムのBrian Tichy (ブライアン・ティッシー / アメリカ在住)、ギターのYukihide “YT” Takiyama(アメリカ在住)、ベースのMohini Dey(モヒニ・デイ / インド在住)、キーボードのSam Pomanti(サム・ポマンティ / カナダ在住)の4人が、急遽海外からの参加が決定したとのこと。今回、公開されたYouTubeページには“Band playing HOME at their homes abroad!” とB’zアカウントからコメントされている。
2020年04月30日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「対バン」です。はじめて「対バン」という言葉を知ったのは10代後半のころ。自分がライブハウスに出演するようになって知りました。その当時から疑問でしたが、「対バン」って不思議な言葉。バンドが何に対しているのでしょう?「バンド同士が対決するから対バン」という説が主流のようですが、とくに対決していることもなく、仲良くやっています。正しくは「共演」だと思うので正確には「共バン」なのではないかと思います。もっと言うと、バンドにだけじゃなくて、僕のようなソロアーティストでも、アイドルさんたちとのツーマンライブも「対バン」と言いますよね。バンドじゃないやん!もはや全部違うやん!と、思わずにはいられません。なんて文句を言いながら、僕は「対バン」を大変支持しています。対バンライブには様々なパターンがあります。ライブハウスが主催して呼ぶスタイルもあれば、ひとつのバンドが主宰となり様々なアーティストを招集するものも。どちらにせよ参加するミュージシャンにとってはありがたいことが多いです。それぞれのファンが集まるので、集客に自信がないバンドなどは、固定ファンがたくさんついているような人気バンドと「対バン」で一緒にライブをすることは、知ってもらういいきっかけにもなるし、チケットノルマ的にもありがたかったりします。僕はインディーズ時代、ほとんど固定ファンがいませんでしたから、「対バン」で他のバンドのファンの方々に観てもらいSNSで「岡崎体育、面白かった」と言っていただくことで、徐々に知名度を上げていったようなものです。そんなわけで、僕は「対バン」が得意でもあります。メジャーになってからも、ジャンルの全然違うアイドルの方たちやラウドロックバンドと一緒にステージにあがっていますが、どこに行っても面白がっていただいています。アウェイな環境って実は一番燃えるんです。持ち時間が30分なら30分、一瞬も気が抜けなくてフルで面白くないといけない厳しい現場。そのヒリヒリを重ねれば重ねるほど、ステージ度胸がつきますし、それでアウェイを得意と思えれば、どんなステージに呼ばれても平気に感じるので、これからもどんどん果敢にチャレンジしていきたいです。逆に、自分発信で「対バン」も仕掛けてみたい。自主企画を近々やれたらいいなぁ。みなさん、僕と誰の「対バン」を観たいですか?おかざきたいいく4/4に始まった、NHK総合テレビ、よるドラ『いいね!光源氏くん』(毎週土曜23:30~)の主題歌を担当。岡崎体育節炸裂のポップチューンで、タイトルは「ニニニニニ」。4/12より配信スタート。※『anan』2020年4月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年04月14日人懐っこく遊び心溢れるポップなメロディとアレンジで、「全年齢対象ポップスロックバンド」を掲げるバンド、マカロニえんぴつ。日々悩み、報われなさを感じている人に希望を与える歌詞に共感者が増え、ライブチケットが取りづらくなるなど、人気が急上昇している。「お客さんとの関係性のピントが合ってきたって感じてます。『ヤングアダルト』って曲の“ハロー、絶望”っていう歌い出しの歌詞は、“絶望の裏側に希望は隠れてるもんだ”っていうメッセージを提示したんですが、自分たちが吐き出してる音楽が誤解なく伝わっていってるなって」(はっとり・Vo&Gt)「全公演ソールドできるようになったのはつい最近。観に来たくても来られないお客さんがいるのが活力になって、もっと大きい会場でライブをやりたいと思ってます」(高野賢也・Ba&Cho)セカンドフルアルバム『hope』は、恋の始まりと終わりという、曖昧な時期における葛藤を描いたラブソングが多く収録されている。「この曲を聴いたら気持ちがだいぶ楽になるだろうなって思って作るので、不安定な恋の曲ばかりですね。“たまには幸せになっていいんじゃないの?”ってコメントがネットにありました(笑)。でも表題曲の『hope』は、“恋の最中でなんとなく幸せなんだけど、やっぱり人は違う個体同士。でもそれをひとつにするために、とりあえず手をつないでいたい”っていう感じの歌詞で、これまでのラブソングと比べると異質かもしれないです。僕たちの曲の絶望と希望の割合は7:3ぐらい。3の部分に気づけた時に幸福感がある。肩を抱いて励ますみたいな物理的な温もりじゃなくて、死んだばあちゃんからの助言が降ってくるみたいなバンド(笑)。自分がそういう歌に救われてきたんです」(はっとり)特に今回は、「あまり重いアルバムにならないよう、全部の曲で“余計”なアレンジをした」のだそう。「僕が作った『Mr.ウォーター』は、一曲の中でセクションごとにジャンルが違うんです。フレンチのアコーディオンのイントロから、どんどん世界一周して、最後、夢の国に行くみたいな構成です(笑)」(長谷川大喜・Key&Cho)「『たしかなことは』では、オールディーズ(’50~’60年代にヒットした洋楽のジャンル)な匂いの曲に挑戦してみました。その曲もアウトロで突然フュージョン(ジャズにロックや電子音楽等を融合した音楽)になる(笑)」(田辺由明・Gt&Cho)「解散前のユニコーンイズムというか。『人生は上々だ』って曲でどんどんキーが上がっていくような遊び心を入れたくて。結果的に、シングル曲とのバランスもとれたアルバムになったなって思います」(はっとり)2ndフルAL『hope』。「恋人ごっこ」や「ヤングアダルト」「レモンパイ」等、多くのタイアップソングを含む全14曲収録。4/1発売。【初回限定盤(CD+DVD)】¥3,454【通常盤(CD)】¥2,727(TALTO/murffin discs)写真左から、高野賢也(Ba&Cho)、長谷川大喜(Key&Cho)、はっとり(Vo&Gt)、田辺由明(Gt&Cho)。2012年、神奈川県で結成。メンバー全員が音大出身。4月18日から全国14か所を回るワンマンツアーがスタート。ファイナルは6月13日豊洲PIT公演。※『anan』2020年4月1日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・奥冨直人(BOY)取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年03月30日神聖かまってちゃんが10枚目のアルバム『児童カルテ』をリリース。実際の出来事も交えて、10代の傷を描いた一枚だ。テーマはダークだが、キャッチーなメロディとアレンジ、そして多彩なサウンドアプローチでフレンドリーな手触りのある快作。「学生の時って、実はすごく小さい世界なのに、それが全世界の出来事だと思っちゃう。本当は逃げ場はいっぱいあるのに。そういう曲が詰まったアルバムですね」(みさこ・Dr)「10代の少年少女が曲のテーマになってても、(曲を作ってる)の子の今の気持ちにシンクロする部分は多いんだと思います」(ちばぎん・Ba&Cho)「10代のダークな闇の部分にずっと取りつかれてる部分はありますね。好きなのか恨みなのかわかりませんが(笑)。逆に僕は、20代後半からライトになってきて、今人生で一番楽しいんです(笑)。だから、イマジネーションを働かせて、絞り出して歌詞を書いてます」(の子・Vo&Gt)「ネタ切れって言うんですけど、今回ミニアルバムのつもりだったのが、曲がたくさんできて、フルアルバムになったんです(笑)」(みさこ)このアルバムのツアーを最後に、ちばぎんが脱退してしまう。「ちばぎんが抜けてしまうのは大きいですけど、『俺たちはそこにとどまらないぞ!』っていう気持ちが強かったんです」(mono・Key)「私は名前変えて3人で別のバンドになるのもありなのかなと思いました。でも思ったより、の子さんの中で“かまってちゃん”っていう存在が大事だった」(みさこ)「表現の核について考えた時に、“神聖かまってちゃん”でやることの意味を強く感じたんです。このバンドで何をこの世界に叩きつけてやろうかっていう」(の子)10年間で10枚のアルバムを発表するモチベーションはどこにあるのか。「ちばぎんが辞める理由のひとつでもあるんですけど、今バンドでごはんが食べられることは相当ありがたいこと。音楽業界は厳しい部分もある。だから、相当の『これがあるからやれる』っていう気持ちがないとできないんですよね。私の楽しさはずっと続いてるんです」(みさこ)「音楽でステージに立たせてもらってる姿を、学校の人気者だった奴らに見せつけてやりたい。僕は刺激があって、好きなことを仕事としてやらせてもらってる。ゲーム中継もダンスも(笑)」(mono)「僕、『家があればいい』っていう初心を忘れないようにしてるんです。22~23歳くらいまで、このままコンビニのバイトしながら音楽をやってく可能性もあるなって思ってて。その気持ちが軸にあるから、余裕でいられるんだと思います(笑)」(の子)デビュー10周年10thアルバム『児童カルテ』。実際にあった10代の少女の自殺配信をテーマにした「るるちゃんの自殺配信」や周囲に馴染めない少年の気持ちを歌った「バイ菌1号」等、少年少女の抱える闇を歌った楽曲が並ぶ。¥3,000(Warner Music Japan)しんせいかまってちゃん写真左から、ちばぎん(Ba&Cho)、mono(Key)、みさこ(Dr)、の子(Vo&Gt)。2010年アルバム『つまんね』と『みんな死ね』を同時発売しメジャーデビュー。ツアーファイナルの1月13日Zepp DiverCity公演がちばぎんのラストステージ。※『anan』2020年1月15日号より。写真・岡本 俊取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年01月09日今年初めから“ブレイクするバンド筆頭格”と目されていたKing Gnu。前評判通り、メジャーデビュー1年目にして日本中を熱狂させている彼らの音楽性を、音楽雑誌『MUSICA』編集長の有泉智子さんは高く評価する。「HipHop、ビートミュージック、ロック、ファンク、クラシック…とさまざまなジャンルを融合させたサウンドは唯一無二。それを難解なものにせず、歌モノとしてのキャッチーさを貫いているところがポイントです。とはいえ、ヒットした『白日』にも顕著ですが、そのメロディ自体も従来のJ‐POPの定型とは異なるもの。つまり『誰も聴いたことのない、けれど誰もがグッとくる新しいJ‐POP』に着地させている。だからこそ広く届いたと思います」新しいのに普遍的。King Gnuは、確信的にメジャーで“売れる”曲を作っているとも。「日本のアートやカルチャーを取り巻く環境が、グローバルのそれとは乖離していることにジレンマを感じる若い人は多い。もっとエッジーで面白い音楽を生み出していくためには、そんな現状を打破しなければならないという野心を、彼らは持っている。そのためにもまず、King Gnuでマスの支持を得ることが必要。自分たちならではの新しいアートを創造したいというアーティストとして根源的な欲求とカウンター精神、現状を変えていくんだというエネルギーそのものに多くの人が魅せられ、熱狂を生んでいると感じます」変えようとしているのは、音楽シーンにとどまらない。「クリエイティブレーベル『PERIMETRON(ペリメトロン)』が手掛けるジャケット、MVなど、すべてにクリエイティブな主張があります。志と感性を共有する仲間と多面的にカルチャーを更新し、活動の場を広げている。そんな彼らに若い世代が自分たちの時代の到来を感じ取り、ワクワクしてる部分もあるのではないでしょうか。たとえるなら“King Gnu”という海賊船に乗ることで、まだ見ぬ世界に辿り着けるかもしれない。そんな夢を抱けるバンドの登場で、日本の音楽シーンは確実に新たなフェーズに入ったと思います」そんなKing Gnuのジャケットデザインをご紹介します!『飛行艇』1stアルバム『Tokyo Rendez‐Vous』のアートワークを担当したデザイナー、荒居誠が描き下ろし。『Prayer X』アニメ『BANANA FISH』のエンディング曲。銀紙の向こうに主人公のアッシュを思わせる人影を忍ばせた。『Sympa』常田大希(G&Vo)が持つ拡声器をペイントした画家・RYUSUKE SANOが手掛けた。『白日』マスク制作は森洸大。「飛行艇」のヒーローマスクのデザインも担当。クリエイティブレーベル『PERIMETRON(ペリメトロン)』常田大希を含む、映像作家やスタイリスト、CGモーショングラフィッカーなどで結成。King Gnuのほぼすべてのアートワークの他、shu uemuraやFILA、adidasなどともコラボ。今年11月、東京の街をテーマにした映像「DIOR×millennium parade」を発表。キングヌー東京藝術大学出身の常田大希(G&Vo)のSrv.Vinciが前身。後輩の井口理(Vo&Key)、セッションシーンで活躍していた勢喜遊(Dr&Sampler)と新井和輝(Ba)が加わり、2017年、King Gnuに改名。’19年、アルバム『Sympa』でメジャーデビュー。年末はNHK紅白歌合戦に初出場する。有泉智子さん音楽雑誌『MUSICA』の創刊から携わり、2010年より編集長を務め、ブレイクするミュージシャンをいち早くキャッチ。膨大な知識と音楽への深い愛情には、数多くのミュージシャンが絶大な信頼を寄せる。※『anan』2019年12月18日号より。取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年12月17日12月10日、ASKAが自身初となるバンド×ストリングスのツアー「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」の初日公演を開催!“higher ground”のタイトルどおりさらなる高みを求め、ASKAがポップス&ロック、クラシック、それぞれのジャンルの精鋭たちを引き連れ、京都コンサートホールに降り立った。「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」のチケット情報ツアー第一夜となる本公演からチケットはソールドアウト。次々と新しい音楽を創り出しているASKAが今回初の試みとして挑んだのは、ASKAのホームグラウンドであるバンドサウンドと弦楽アンサンブル(ストリングス)の融合。その初のステージをひと目見ようと、豪華なホールをびっしりと埋めつくす大勢の観客が集まり、開演前から期待感を募らせた心地よい緊張感が漂った。そしていよいよ関西を代表するクラシックホールの大舞台に、総勢15名のビルボードクラシックスストリングス、続いてASKAバンドの7人の盟友たち、そして最後にASKAが登場。一気に会場のボルテージは上昇。それを加速させるかのごとく楽曲が次々と繰り拡げられる。伸びやかな歌声やパワフルなビートに弦楽の響きが見事に融合し、稀代のメロディメーカー・ASKAの紡ぐ旋律が鮮やかに耳に残る。今ツアーのタイトル曲「higher ground」では、ストリングスとバンドが重なる厚みあるサウンドによって、誰もが頷くように曲に没入する。躍動感あふれる新曲「歌になりたい」では、歌詞同様に、壮大な世界観で大会場を包み込んでくれた。バンドとストリングスの圧倒的な音像が見事に融合、有機的なひとつの音楽の波となって繰り広げられるパフォーマンスは、これまでのASKAのライブにも例を見ないスタイル、まさに誰も体験したことのない新しいASKAサウンドがここに誕生した。総勢23人のメンバーが舞台上で一体となって繰り広げれるパフォーマンスと、最後の最後まで観客を魅了するASKAの歌声に会場の熱はピークに達し、全員が心を通わせた感動のラストシーンとなった。「higher ground」「歌になりたい」「はじまりはいつも雨」など全23曲を披露。1年前の12月10日にも京都でコンサートをしたことに運命を感じるといったエピソードなども聞かせてくれた。初日から大成功を収めた今ツアーは、来年3月20日までの計14公演が予定され、全会場で募った熊本地震義援金を最終公演地の熊本へ届ける。あわせて行われる5会場での「有料公開リハーサル」(チケットの売上全額を熊本市へ寄付)のチケットはツアー開始に先立ち発売されたが、ものの数分で完売。また各地で完売公演も続出しており、チケットは残りわずか。2月11日には東京追加公演も決定している。特別公演の日に、ニューアルバムの発売も決定したASKA。常に新しい音楽の可能性を求め進化を続けるASKAのステージをその目と耳で確かめてほしい。取材・文:服田昌子
2019年12月13日「別の人の彼女になったよ」がサブスク総再生4000万回を超えるなど、いま注目のバンド、wacci。AL『Empathy』は、印象的なメロディと開かれたアレンジとリアルな歌詞で、共感度が高い一枚に。「結成から10年。普通の日常を生きてる人に寄り添えるような音楽を作りたくて活動してきたことを考えた時に、『共感=Empathy』って言葉が浮かんだんです」(橋口洋平・Vo&Gt)「ここにいる」では、wacciが音楽を作る理由が歌われている。「初めて自分たちが歌ったり演奏することについて書いてみました。王道の“良い”メロディで、誰にでもわかる歌詞で、自分たちの意志がしっかり伝わるように書いた。〈なくても生きていけるけど あるから生きてこれたって〉という歌詞がありますが、災害のたびに、歌って無力だなと思う。でも何年か後に辛かった時を振り返ると、歌があったから生きてこられたって思わせる力はあると思ってるんです」(橋口)『Empathy』ははっきりと情景が浮かぶ曲ばかりだが、メンバーそれぞれの共感ポイントというと?「『足りない』。別れようとしている相手に対してこういうことを思ってしまうっていう黒い部分が出てて、すごく好きです」(村中慧慈・Gt)「『太陽みたいに』。もう会えなくなってしまった人のことを思いながら、自分がこう生きたいと祈るような歌で。運転しながら歌ってたらひとりで号泣してました(笑)」(横山祐介・Dr)「『Buddy』は新しいwacciのサウンド像を提示できた。生きていたら誰でも感じる“ひとりじゃないんだ感”も共感できる」(因幡始・Piano&Key)「『どうかしている』は、周りに馴染めずにひとりで過ごしていて、それを良しとしている面もあれば寂しい面もあって葛藤していた学生時代を思い出させられました」(小野裕基・Ba)「女性がどう感じるか特に気になるのが、『三日月』と『足りない』という女性目線の曲。『足りない』の、“強がり”と“好き”のせめぎ合いを、わかると思ってもらえるのか。『三日月』は片思いの歌だけど不倫とも取れる。共感するかしないか教えてもらいたいです(笑)」(橋口)4thアルバム『Empathy』【初回生産限定盤A(CD+DVD+フォトブック)】¥4,600【初回生産限定盤B、C(共にCD+DVD)】各¥3,600【通常盤(CD)】¥3,100*すべて税込み(EPIC Records Japan)ワッチ右から、横山祐介(Dr)、村中慧慈(Gt)、橋口洋平(Vo&Gt)、因幡始(Piano&Key)、小野裕基(Ba)。47都道府県ツアー中。ファイナルは2020年7月19日の神奈川県民ホール公演。横山さん・上に着たシャツ¥22,000(イチエフ/ファクトタム ラボ ストア TEL:03・5428・3434)パンツ¥39,000(08サーカス/08サーカス 08ブック TEL:03・5329・0801)村中さん・ジャケット¥26,000パンツ¥20,000(共にジョンブル/ジョンブルカスタマーセンター TEL:086・470・5770)ハット¥12,000(CA4LA/CA4LA ショールーム TEL:03・5775・3433)橋口さん・ジャケット¥58,000(ファクトタム/ファクトタム ラボ ストア)因幡さん・ニット¥38,000パンツ¥28,000(共にタクタク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)ニットの下に着たカットソー¥26,000(シャリーフ/シアン PR TEL:03・6662・5525)小野さん・シャツ¥46,000パンツ¥36,000(共にアトウ/アトウ 青山店 TEL:03・5474・1748)その他はすべてスタイリスト私物※『anan』2019年12月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・ホカリキュウ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2019年12月10日結成15周年&デビュー10周年を迎えたTHE BAWDIESに、最新アルバム『Section #11』について話を聞きました。ベストアルバムを超えたいと、意気込んで挑んだ究極の一枚です。徹底されたロックンロール哲学を貫くTHE BAWDIES。今年、結成15周年&デビュー10周年を迎えた。初のベスト盤リリースに始まり、全国47都道府県を回るツアー、3度目となる日本武道館でのライブなど祝祭ムードに満ちたメモリアルイヤーの締めくくりとなるのが、この最新アルバム『Section #11』のリリースだ。「新しいアルバムを出すときには常に前の作品を超えたいと思っています。それがたとえベストアルバムだって同じ。ベストは僕たちの歴史そのもの。それなら、歴史をまるごと超えたい、と。そう意気込んで挑んだアルバムです」(ROY)制作には1年半以上の時間をかけ、積み重ねていった。今年、新曲初披露と銘打ちライブツアーも敢行。レコーディング前に得た生の刺激も反映されている。「余裕を持って丁寧に作るスタイルが自分たちに合っているというのもメジャー10年目だからこそ実現できたこと。デビュー当時のがむしゃらな頃と違って、しっかりいいものを作ろうとメンバー全員で共通の意識を持てたんです」(TAXMAN)10年の重みは、もちろんアルバムからも十分に伝わる。初めてストリングスをフィーチャーした「HAPPY RAYS」やイントロからロックファンのハートを鷲掴みする「SKIPPIN’ STONES」など「聴きどころはコレ、と1曲だけ選ぶのは無理(笑)」とJIMさんが断言するように、全曲シングルクオリティの強度アリ。THE BAWDIESの錆びないロックの底力に改めて魅了される。「ルーツにあるのは自分たちが衝撃を受けた‘50~‘60年代の音楽。でも、それをそのままなぞっても意味がない。時代に合わせた変化や進化をしていかないと。そうやって新しいことに挑戦できるのも自分たちの土台がしっかりあるから。土台は、15年前の結成のもっと前からできている。これは揺るがないです」(ROY)小学校からの同級生のROY、JIM、MARCYと高校の同級生、TAXMANによって結成。まるで家族のようなフランクなやりとりや間柄もこのバンドの魅力だ。「まあ、僕が長男でMARCYが優しい末っ子かな……」(ROY)「いや、それよく言うけど、そのたとえ全然合ってない!」(JIM)「うん、どっちかといえばTAXMANが長男的役割をいつもしてくれているよね(笑)」(MARCY)シングル曲「HAPPY RAYS」、先行配信された「LET’S GO BACK」「STARS」「SKIPPIN’ STONES」など全12曲収録。『Section #11』【初回限定盤CD+DVD】¥3,800【通常盤CD】¥2,900【アナログ盤】¥3,200(Getting Better Records)ザ・ボゥディーズ左からMARCY(Dr、Cho)、TAXMAN(G、Vo)、ROY(Vo、B)、JIM(G、Cho)。‘60年代のガレージバンド、ソニックスらに影響を受ける。2004年結成、‘09年メジャーデビュー。12月から来年4月までアルバムを引っさげて全国ツアーを開催。※『anan』2019年12月4日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月02日今年、大型フェスに次々に登場した話題のロックバンド、WOMCADOLEが、アルバム『黎明プルメリア』でメジャーデビュー。疾走感溢れるメロディに感情むき出しの歌詞が乗っかり、胸を衝いてくる。滋賀発・骨太ロックバンドが爆音を奏でながらメジャーシーンを疾走!「ウォンカはBGMとしての音楽をやるつもりはないんです。俺の中で爆発した感情を誰かと共有したい。“あなたのための一番”のロックバンドになりたくて、俺らは全身全霊で音楽を鳴らすので、体と心丸ごとで聴いてもらいたいですね」(樋口)アルバム冒頭を飾るリード曲「FLAG」からもバンドの決意表明とも捉えられる、熱い思いが迸る。「メジャーデビューという黎明=始まりに、ウォンカの4人だけじゃなくて、聴いてくれるみんなと、旗をぶっさしに行きたいんです」(樋口)フロントマンの魂から生まれる音と言葉は、メンバーたちとのアレンジを経て、より研ぎ澄まされていく。「アルバムのラスト曲『黎』は曲自体のロマンティックな雰囲気に馴染むように引き算をして、繊細なフレーズにアレンジしました」(古澤)「『ミッドナイトブルー』は、曲を渡された時から気に入って、自然と自分らしいドラムフレーズが出てきましたね。ストリングスも入れました。ドラム以外でもバンドに関わることができた曲です」(安田)「『NANA』は今回のアルバムの中で一番異色。ベースがシンプルなんだけどいろいろやってるんで、楽しんでほしいですね」(黒野)インディーズ期の‘13年に発表した「黒い街」も収録。曲名は樋口さんが住む場所に由来しているそう。「街灯がなくて真っ暗だから。正確に言うと、黒い村なんですけど(笑)。最寄り駅は無人駅。電子マネーは人生で一度も使ったことがなくて、毎回切符で乗ってます。自分の力で生きたいんですよ」(樋口)「うまいことまとめようとしてるだけです(笑)」(安田)インディーズラストリリースの「ライター」を含む全13曲を収録。メジャーデビューアルバム『黎明プルメリア』【通常盤CD】¥3,000 【初回限定盤CD +DVD】¥3,890*共に税込み(ユニバーサルJ)ウォンカドーレ2011年結成。滋賀出身&在住の樋口侑希(Vo&Gt)、古澤徳之(Gt)、安田吉希(Dr)、黒野滉大(Ba)からなる4ピースバンド。‘13年、閃光ライオットでファイナルに選出され注目を浴びる。11/29から「旗鼓堂堂ツアー」を開催。※『anan』2019年11月27日号より。写真・小林真梨子取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年11月25日夏フェスで欠かせない人気を誇るロックバンド、KEYTALK。6枚目のアルバム『DON’T STOP THE MUSIC』は、バリエーション豊かなダンスチューンがずらり。特に、アルバムのラストを飾る「少年」は、甘酸っぱい青春感を放ちながら、「夢の続きを追いかけよう」と歌うエモーショナルな曲。KEYTALKの魅力であるツインボーカルの掛け合いも堪能できる。「『少年』は、巨匠(寺中)の歌がハマりそうな曲というテーマで作り始めたんです。でも思った以上にエモくなっちゃって、俺もたくさん歌いたいなと(笑)。レーベルを移籍して、新しいスタート地点に立った今の僕たちにもあてはまる歌」(首藤義勝・Vo&Ba)「自分たちのことを歌ってるような印象を受けた。ライブで演奏するのが楽しみな曲です」(八木優樹・Dr&Cho)「今までの曲にはないくらいの低いキーから始まってサビで盛り上がる流れが歌詞ともリンクする。アルバムの最後の曲にふさわしい」(小野武正・Gt&Cho)下北沢で結成してから約10年間、一貫して抜群のメロディのダンスロックでリスナーを楽しませている。「メジャーで活動している以上は、ライブにお客さんが来てくれて成立していると思っています。だから、求められているものは大事にしたい。でもそのまま与えるのではなくて、プラスでもっと驚かせることは絶対必要だと思っています」(寺中友将・Vo&Gt)「ライブで新しい曲を演奏して、そこでお客さんからフィードバックをもらうことで成長してきた」(小野)メンバー4人がとても仲が良く、またお酒が好きなことでも知られる。飲みながらのシリアスなミーティングがあったりするのだろうか。「たまにはサイゼリヤとかでまた4人で集まりたいんです(笑)」(小野)「この前久しぶりに一緒に行って小野君に煽られてかなり飲んだら、次の日めちゃくちゃ頭痛くて。それがフェスの本番日でした(笑)。ライブはちゃんとできましたけど」(寺中)「(笑)。それはただ飲んだだけですけど、節目節目で4人だけで今後について話すことはあります。でも改めて集まらなくても逐一共有はしているので、ぶれたりもしないんだと思います」(小野)6thアルバム『DON’T STOP THE MUSIC』【初回限定盤A CD+DVD】¥3,800【初回限定盤B/完全数量限定 CD+ラバーバンド】¥3,000【通常盤CD】¥2,600(UNIVERSAL MUSIC/Virgin Music)キートーク左から、小野武正(Gt&Cho)、首藤義勝(Vo&Ba)、寺中友将(Vo&Gt)、八木優樹(Dr&Cho)。11月8日の北海道Zepp Sapporo公演を皮切りに、全国6か所のツアーを行う。※『anan』2019年11月13日号より。写真・内山めぐみ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2019年11月12日絆の考え方は人それぞれ。決まったかたちがないものです。ミュージシャン・高見沢俊彦さんが思う「私の絆論」を教えてもらいました。絆は見えないけれど、確認するものじゃない。音楽って、“音を楽しむ”と書きます。“バンドにとっての絆”を考えたときに僕が最も大事だと思うのは、一緒に音を楽しめるかどうか。楽しめなくなったら、つまらなくなったら終わりなんです。僕は桜井と坂崎とギターを弾いてコーラスをすることが、45年経った今でも楽しい。二人がそう思ってくれているかどうか、正確なところはわからないけれど(笑)、でもたぶん、同じように考えてくれているんじゃないかな。ファンの方はご存じだと思いますが、アルフィーは、もともと桜井が高校時代に組んでいたフォーク・グループがベースになっているバンドです。別の高校に通っていた坂崎が先に加入、大学1年のときにキャンパスでばったり会った僕を坂崎が誘い、それで3人が揃った。当時の僕は大学がまったく楽しくなく、暗黒状態で、そんなときに坂崎から、「明日ライブなんだけど、ギターが抜けちゃって困ってる。よかったら手伝ってくれない?」と言われ、深い考えもなく参加しギターを弾いたら、とても気持ちが良かった。フォーク・ミュージックは初めてでしたが、彼らとギターを弾いてコーラスをしたのが新鮮で、高校時代にやっていたロックバンドでは感じたことのない楽しさがあった。もし桜井と坂崎がメタル好きだったら?こんなに長く続かなかっただろうね。フォークという、それまでまったく接点がない音楽だったからこそ、3人の間にここまでの絆が生まれたのかもしれないです。でも最初から絆があったわけでも、上手くいったわけでもない。デビュー後、オリジナル曲を作り始めたのですが、もともと僕らは主義主張があるわけでもない、ただ一緒に歌うのが楽しいだけの3人だったから、曲作りはかなり難題でしたね。いつの間にか桜井と坂崎が挫折、気がついたら曲を書いているのは僕だけに。でも曲がなければバンドは続けられないし、僕は彼らとバンドをやりたかったから、必死で書きましたよ。結局最初のヒットが出るまでに9年かかった。今思えば、つらい時間を共有し共に乗り越えたことも、絆をより強くした一因だったと思います。当時一人になると、「このままじゃヤバいな、学校に戻ろうかな」と揺れていたのは事実。でも3人で集まって歌っていると、そんなことどうでもよくなっちゃう。それこそが最大のバンドの利点、強さなんです。音楽を続けてこられたのは、バンドという形だったから。そういう意味で、二人にはとても助けられたと思っています。45年続けてきて、今なおこの3人でバンドをやるのが楽しい理由…、それはたぶん、僕が二人をミュージシャンとして認め、尊敬しているから。僕ができないことを彼らは、彼らができないことを僕はやっているという自負がある。バンドは総合力があってこそ。アルフィーは誰かが突出しているバンドではないからこそ、総合力が大事。とはいえ、「互いをリスペクトしてる」とか、言葉で確認したことは一度もないですね。絆は確認し合うものじゃない。愛も夢もそうだけど、目に見えないものは、確認してしまうと違う方向にいってしまう。それよりも、一緒に音楽をやる喜びだけを感じていくことが大事なんだと思います。ちなみに、以来アルフィーの曲は結局僕が全部書いていて、「あれ、俺、結局二人に書かされた…?」と思わないこともない(笑)。でも、二人に上手く乗せられてこうなったとしても、それはそれ。その曲をステージで最もかっこよく再現できるのは、あの二人なわけですから。そこに僕は、絶大な信頼を持っています。たかみざわ・としひこ1954年生まれ、埼玉県出身。桜井賢(Vo&Ba&Gu)、坂崎幸之助(Vo&Gu)をメンバーとする、THE ALFEEのボーカル&ギター。アルバム『Battle Starship Alfee』(ユニバーサル ミュージック)が発売中。※『anan』2019年11月13日号より。文・三浦天紗子©Malte Mueller(by anan編集部)
2019年11月09日強さの中にある優しさは、時に背中を押し、時にともに歩む。力強く響き渡る、その音楽の源はどこから来るのだろうか。いまや日本全国で活躍するバンドとなったWANIMAに、“同郷”熊本から生まれるパワーやつながりについて伺いました。同じ気持ちで生きてきた。ともに帰る場所がある、強さ。熊本県・天草市で幼い頃から一緒に育ったベースボーカルKENTAとギターのKO-SHIN。そこに、熊本市出身のドラムのFUJIが加わり、2012年から現在の3人で活動をスタートしたWANIMAは、“同郷”というかけがえのない絆で結ばれている。と同時に、彼らはライブに来るお客さんとの絆をとても大切にするロックバンドだ。ルーツであるメロディックパンクを軸にしながら、親しみやすいメロディで歌うのは、仲間とともに少しでも良い未来に進めたら、というポジティブなメッセージ。そういう音楽を、彼らは、聴き手の顔を直接見ることができるライブの現場で届けることにこだわってきた。いわば、そこはWANIMAとお客さんの“心の故郷”だ。どこまでも人間らしい体温で、自らのロック道を邁進するWANIMAの3人に、彼らの生き方をかたちづくった原点=熊本について話を聞いた。――WANIMAにとって、地元・熊本はどういう場所ですか?KENTA:僕とKO-SHINは天草で生まれたんですけど、昔はとにかく早く天草から出たかった。でも、いまはライブで帰ると、テンションが高くなります。良い思い出も、良くない思い出も詰まっている場所です。――熊本への想いが変わったのは、いつ頃でしたか?KENTA:上京してからですね。曲を創るときに、熊本の景色を思い出すことで、メロディや歌詞に辿り着くことができます。――よく思い浮かべるのは、どんな景色ですか?KENTA:僕とKO-SHINでやってたHANIMAっていうバンドで、朝5時に起きて、バスで熊本市内のライブハウスに毎週行っていました。僕らは市内を「街」って呼びます。そこに、新市街、下通り、上通り、あとは並木坂っていうのがあって。その景色は鮮明に覚えてますね。――KO-SHINさんとKENTAさんは実家が近くて、小さいときから一緒に育ったんですよね。KO-SHIN:そうですね。走ったら10秒ぐらいの距離です。――KO-SHINさんは、熊本に対して、どんな想いがありますか?KO-SHIN:待ってくれてる人がいますし、景色も変わらずに残ってるので、パワースポットですね。活動拠点にしてる東京とは違う気持ちにさせてくれます。――FUJIさんは、ふたりとは少し離れてて、熊本市ですよね。FUJI:さっき言ってた、並木坂に近いところです。僕は、18歳で家を飛び出して、昔は帰れない場所だったんですけど、いまは、逆に帰れる場所があるから踏ん張れるなと思ってます。KENTA:故郷はすごく安心できる場所で、逆に気が緩むからなるべく帰りたくない気持ちもありますね。まだ戦っている途中です。――東京に出てから、FUJIさんが加入したわけですけど、同じ熊本出身であることが、加入を決めるきっかけにはなりましたか?KENTA:それもありますけど…当時、お互い本当にギリギリの状態でした。FUJIくんも、「もう熊本に帰ろう」っていうときだったし、僕らも、ドラムが抜けて、いよいよダメかっていうときだったから、出会ったタイミングで同じ方向を目指せました。KO-SHIN:僕のなかでは熊本っていうのは0.1ミリぐらいだったかもしれないです。切羽詰まってたから、早くバンドとしてやりたい気持ちが強かった。FUJI:僕は熊本の人とやれるのは大きかったです。それなりに決意をして出てきてるんだろうなっていうのが表情でわかったので。KENTA:地方から出てくる人はみんなそうだと思いますね。僕らはもう一生帰らないぐらいの気持ちで熊本を出たので。知り合いがひとりもいないなかに飛び込んだけど、少なくともこの3人は同じ熊本の空気を感じながら生きてきたっていうのはあるから、わかり合えました。FUJIくんが参加して、方言とか、県民性とか、他のバンドにはないものを生かせるようにもなったと思います。――WANIMAから見る、熊本の県民性はどういうものですか?KENTA:自分が信じたこと、やりたいことに対する情熱はすごいと思います。「火の国」とか、「肥後もっこす」っていう言葉があるぐらいですからね。FUJI:肥後の頑固者。そんな人が多いですよね。――3人にも当てはまります?KO-SHIN:譲れない頑固な部分もあると思います。それがないと、バンドを続けられない気もします。――方言は、文字だと伝わりにくいと思いますけど、3人とも九州の訛りで喋りますね。KENTA:標準語になると、もぞもぞしちゃう。最初に東京に来たときは、みんなドラマみたいな喋り方やなって思いましたね。「何してるの?」とか、熊本では、「何しよると?」なんですよ。その「の」って何?って思ったりして(笑)。――東京で、方言が一緒の人に会ったりすると、テンションあがることがありませんか?KENTA:すぐにわかりますよね。九州の中でもけっこう離れてる県はあるじゃないですか。でも、同じ九州ってだけで、「九州ですか!?」みたいになります。FUJI:「あ、仲間おった」みたいな。KENTA:鹿児島なんか行ったことなかったのに、「鹿児島ですか?僕は熊本です!!」とか(笑)。これは九州の人あるあるですね。そこで絆が生まれるっていう。FUJI:もっと言うと、西日本丸ごと仲間ですよ(笑)。――はははは。ちなみにWANIMAのメンバー同士の絆について、いまはどう感じていますか?KENTA:倒れるときは一緒です。365日中360日ぐらいは一緒にいますから。常に同じものを見てるので、その強さは音にも姿勢にも出るのかなと思います。KO-SHIN:いつか熊本に帰るときは3人一緒ですね。――その絆の強さは、最新アルバム『COMINATCHA!!』にも表れているんでしょね。KENTA:創ってるときは会話がなく進みます。FUJI:いまこういうことを考えてるんじゃないかとか、口に出さなくてもわかるので。――このアルバムには、「りんどう」という熊本の県花をテーマにしたバラードが収録されています。KENTA:りんどうは、群れて咲かない花です。そして、「悲しんでいるあなたを愛する」という花言葉があります。そういうところが、WANIMAのライブに来る子たちにも通じる。みんなひとりで答えを出して、生きていると思うんです。だから、歌詞のなかで、“弱いままで強くなれ”って歌ってるんです。自分もそういう姿勢で生きていけたら、みんなとともに良い方向に向かえるんじゃないかって。――WANIMAのバンドの在り方にはお客さんと「ともに生きる」という想いも強いですよね。KENTA:そうですね。僕らのライブがWANIMAにとっても、お客さんにとっても帰る場所になったらいいなと思っています。「ああ、そういえば、WANIMAとライブをしたよな」とか「WANIMAに出会えてよかった」っていう場所や景色や瞬間を増やしていくことで、お客さんとつながって生きていけると思うんです。僕らは、そこに重きを置いて生きていますね。ワニマ熊本県出身のKENTA(Vo&B)、KO-SHIN(G&Cho)、FUJI(Dr)の3人組ロックバンド。2010年に結成、2017年に第68回NHK紅白歌合戦出場。最新アルバム『COMINATCHA!!』を引っ提げ全国ツアー中。※『anan』2019年11月13日号より。写真・ISAC(SIGNO)取材、文・秦 理恵(by anan編集部)
2019年11月07日高校生~20代に圧倒的な共感を得ている男女混合3ピース・バンドSaucy Dog。このたびリリースされるミニアルバム『ブルーピリオド』は、実話に基づいた歌詞をはじめ、リアリティをこまやかな表現に落とし込んだ一枚になっている。「ウィンドチャイムなど新しい音を生の楽器で取り入れました」(せとゆいか・Dr、Cho)「ギターも、『Humming』のエフェクターは1個だけで、同じ音も指先で表現を変えました」(石原慎也・Vo、Gt)今の時代、ロックバンドでも打ち込みを使うライブが多い中で、彼らは生音を大切にする貴重な存在だ。「今は生音が楽しいんです。テンポやノリも、自分たちで突き詰めたい。まだ固まりたくないんです」(せと)その全てに貫かれているのは、体温を感じるような“彼ららしさ”。「『Saucy Dogの武器って何やろ?』って3人で話した時に、優しさをのっけて音楽を届けられるところじゃないかな、って」(せと)「今回の『雀ノ欠伸』は、(リズムを)3拍子にしたり、ハーフにしたり、一番やりたいアレンジにしました。MVでも髭を生やしっぱなしにして、“ありのままでいいんだよ”っていうことを、細かいところでも伝えたかったんです」(石原)また石原さんは、自身の父に宛てた手紙のような「Humming」について「この曲では、メンバーの2人が便箋と封筒で、僕が筆に見えたらいいな」と語る。3人は音楽のルーツも性格も様々だが、このように熱い信頼で結ばれているからこそ、見事なグルーブが生まれているのだ。7月には、04 Limited Sazabys、クリープハイプ、SUPER BEAVERという先輩たちとの2マン・ツアーも開催。「三者三様なので、それぞれから、自分たちが吸収したいところを明確に見せてもらえましたね」(秋澤和貴・Ba)そんな経験を積んで、10月からはワンマンツアーで全国をまわる。「『ブルーピリオド』は、ピカソの初期の作風を示す言葉。自分たちも、青い時代の気持ちを忘れないままで有名になっていきたいという思いを込めて、このタイトルを付けました」(石原)その日は、きっと遠くないはず。芸術や文学の匂いも高まった今作は、より多くの人を魅了するに違いない。3rd Mini Album『ブルーピリオド』¥1,800「サントリー天然水 GREEN TEA」のプロモーション企画“徒然なるトリビュート”への参加楽曲「雀ノ欠伸」などを含む全7曲を収録(CDにはボーナストラックあり)。10月2日発売。(A‐Sketch)サウシードッグ左から、秋澤和貴(Ba)、石原慎也(Vo、Gt)、せとゆいか(Dr、Cho)。2013年、大阪で結成。2016年度MASH A&RのオーディションでGP受賞。「いつか」のMVが再生回数1000万回を突破した、ロックシーンの注目株。※『anan』2019年10月2日号より。写真・井手野下貴弘取材、文・高橋美穂(by anan編集部)
2019年09月25日ザ・なつやすみバンドが本日9月24日、ビルボードライブ東京で「『Terminal』リリース記念 夏のしおりツアー2019」を行う。ザ・なつやすみバンドは、MC.sirafu(スティールパン、トランペット)、村野瑞希(ドラム)、高木潤(ベース)によって「毎日が夏休みであれ!」という信念のもとに結成された。昨年10周年を迎えた彼らは、最新アルバム『Terminal』をリリースするなど精力的な活動を続けている。本日の公演はインディーズ作品としては異例の大ヒットを記録したデビューアルバム『TNB!』の再現と初期の楽曲で構成した1stステージと、は新作に収録されているものをはじめとした楽曲で構成される2ndステージの2部制。しかもビルボードライブ東京への出演も初、という特別なライブだ。全国でおこなわれるリリースツアーでも異色となる本公演、ライブハウスとはまた違ったステージをお見逃しなく。■公演情報「ザ・なつやすみバンド『Terminal』リリース記念夏のしおりツアー2019」会場:ビルボードライブ東京・1stステージ『TNB! 』再現プラスα開場17:30/開演18:30・2ndステージ 『Terminal』リリース記念ライブ開場20:30/開演21:30サービスエリア6,500円カジュアルエリア5,500円(1ドリンク付き)
2019年09月24日今から約20年前、日本中のロック好きを狂喜乱舞させ、デビューからたった3年で解散したバンド、ナンバーガール。そのフロントマンだったのが、向井秀徳さん。今年の2月、ナンバーガールの再結成がアナウンスされて以来、ロック好き界隈は上を下への大騒ぎ。解散当時は29歳、現在45歳の向井さん。いったいどんな心境の変化が…?――今日はとっても暑いですが、外で撮影していても、向井さん、全然汗をかいてませんね。そうねえ、今日は蒸しとるねぇ。でもさっき風呂入ってきたから。――あ、銭湯ですか?そうそう、自転車で。渋谷区の笹塚から、板橋とか荒川とかまで。電動アシスト自転車を購入してから、行動範囲が広がったの。――電動アシスト自転車に乗る向井さん…。あまり想像が…。かといって、ロードバイクとかも全然似合わんよ(笑)。私は幹線道路とかはなるべく避けて住宅街とかを通るんだが、東京の道って坂が多いから、電動アシストの機能を発揮して。あと、袋小路にあたってどんづまるときもあるわけ。で、戻ったりして、タラタラタラタラ、住宅街を走る。そうすると、夕方時間とか、晩ごはんの支度の香りが漂ってくる。――カレーの香りとか…。そうそう。これ、ブリ煮とるな、とか。もう献立までわかる(笑)。そうやって、団地やアパートなんかを見ながら、その、いろんな人たちの営みがそこにあるんだというのを確認するわけですよ。胸キュンを感じるんだよ。ひと間とかしかなさそうなアパートを見て、この狭いひと部屋ひと部屋に、人生があるんだなって。そういう想像を働かすのが、楽しい。――胸キュン!!向井秀徳から胸キュンという言葉が出るとは…。そこで感じる胸キュンのことを、“セツナミー”って言ってるんだけど。そうそう、セツナミーを感じるわけ(笑)。――それを感じるようになったのは何歳くらいから?結構最近。アパートにセツナミーを感じるようになったのは、40代になってから。たぶん年齢だね。――そんなことを考えながら、ひとっ風呂浴びるわけですね。うん。風呂ん中でも結構見られてるみたいで、Twitterとかで「向井がいた、水風呂でおっさんくせえうめき声を上げていた」とか書かれたり。湯船の中で、ヨガのポーズとってますから、それを見られているのかもしれん。――向井さんがヨガ!?誰に習ったちゅうわけでもないけど。なんかこう、吉本新喜劇の、アホの坂田さんみたいに手をゆっくり動かすと気持ちいいなって。自分では“ムカヨガ”って呼んでます。すっげえ血行が良くなる。――あの、そのような銭湯ライフは、ナンバーガールの再結成になにか関係はあるのでしょうか…?え?うーん…(笑)。再結成に繋がるかどうかはわかりませんが、銭湯に行く目的を持って町をうろつきまわるってことを始めて、いろんなところにこう、思いを馳せるようになってはきた。やっぱり年齢を経て、物の見方が若干ずつ、変わったりするわけですよ。そういう意味で、気持ちの変化っていうのは、当然ありますわね。もともとは、再結成するとかしたいっていう気持ちは、ある時期まで全然なかったんです。――向井さんの中で、ナンバーガールは“過去のもの”だった?そうだね。一回終わったものだし。ただ、時が経って、若い人たちから、「ナンバーガール聴いてます、大好きです」って言ってもらえる機会が増えてきて。同年代で「昔聴いてました」という人ももちろんいるんだけれども、20年近く経ってるのに、まだその、若い人に聴き継がれているのかと。まあ、すごい嬉しいわけですよ。ノスタルジーじゃなく、今現在のバンドとして聴いてもらえるっていうのは、すごく嬉しかった。でも物心ついた頃には解散していて、ライブはYouTubeでしか見たことがないっていう。じゃあ私も久々ちょっと聴いてみっかなぁと思って、YouTube見たの。「ナンバーガールライブ」って入れて(笑)。そうしたら、時が経ってるわけだから、ある意味客観的に見れるというか。もちろん若いときのものだから、ちょっと恥ずかしさみたいなものもあるんだけれども、客観的に見て、個性的で、他にあまりないバンドだな、とそう思ったね。かつ、今年の夏にライジング・サン・ロック・フェスティバルっていうフェスがあって、ナンバーガールが最初にライジング・サンに出たのが’99年なんですよ。で、これ20年目か。キリがいいなと。それで、ライジングでこうまた集まってやるとどうなるかなぁつって思ってたら、なんか楽しくなってきてね。またナンバーガールをやってみたいって思ったんですよ。で、酔っ払った勢いもありまして、他のメンバーに連絡して、「ちょっとライジング・サンでやってみないか」って話を持ちかけたんです。――45歳の向井さんが20年前に演奏している自分たちをご覧になって、何が響いたのでしょう?やっぱ、その、個性じゃないかね。この眼鏡が歌っていることに、俺は共感した(笑)。――俺って。ご自身ですから(笑)。そう、自分自身だからね。もしかしたら人によっては、20年前に自分が歌ってることが、今の自分にはちょっと届いてこないってことももちろんあるだろうけれど、でも私の場合は、全然ピンときたわけね。20年経って、それぞれがキャリアを重ねて音楽の歴史を刻んできた。その歴史を持って今ナンバーガールの音を鳴らすと、どういう音になるんだろうと。その興味があったんですね。むかい・しゅうとく1973年生まれ、佐賀県出身。バンド、ナンバーガールでメジャーデビューし’02年に解散。同年ZAZEN BOYSを、また’10年にKIMONOSを結成。椎名林檎の作品への参加や、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』で音楽を担当するなど、自身のバンド以外でも幅広く活動している。酒や居酒屋を愛する男としても知られる。ナンバーガールとして、8/16「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO」、8/18日比谷野外大音楽堂、9月に大阪、福岡、名古屋とツアーが続く。9/22に「京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園」に出演。解散年のライブを収録した『LIVE ALBUM「感電の記憶」2002.5.19 TOUR「NUM‐HEAVYMETALLIC」日比谷野外大音楽堂』(ユニバーサル ミュージック)が発売中。なお、9月にはWOWOWで、8月の日比谷野音のライブ映像を独占放送予定。※『anan』2019年8月14日‐21日合併号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2019年08月09日