現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、元彼とのエッチなカップル動画を今彼に見られてしまった24歳女性。別人と偽って必死で今彼を説得したものの…。デジタルタトゥーのリスクと「未来の自分」の大切さについて、三松先生が教えてくれます!エミ(24)超実家太い系彼氏と婚約!でもデジタルタトゥーのせいで未来レス…【レスなひとびと】vol. 256エミは上京して薬剤師になった。でも、すぐ辞めた。なぜなら他にけっこうな収入があるからだ。「一体Eちゃんは、何分耐久できるのか?」隣で実況するのは彼氏のガク。エミとガクは、ちょっとえっちなサイトで動画配信をしているのだ。とはいえ、大事なところにはめちゃめちゃモザイクをかけて、違反には注意している。身バレのために、デカめのマスクもしているし。安心安心。一番の収入源は、ファンクラブだ。サイトでファンになってもらった人たちには、月額2,000円のファンクラブに誘導している。ちょっとお高めだけど、いちゃいちゃカップルの動画って、意外と需要があるっぽい。登録者数はもうすぐ1,000人。ファンクラブだけで、月収200万円ってことだ。新宿の賃貸タワマンからは有名企業の広告が見える。高速を通る車も小さなおもちゃに見える。屋上階にはジムもスパもあるし、しあわせ&しあわせ。「うちの歳でこんないいとこに住んでる人、あんまりいないだろうな」と優越感にひたる。人生チョロいと鼻高だ。しかし終わりは突然やってきた。ガクに好きな人ができたのだ。収入が収入だけに「演じるだけのビジネスカップルでいいじゃん」と掛け合ったが拒否。秒で別れた。恋ってこんなもんかよ。「大丈夫、エミは可愛いからすぐいい彼氏見つかるよ」ガクの言葉通り、そのあとすぐにマッチングアプリで実家太い系彼氏ができた。トントン拍子の恋愛再開。両親への挨拶もすませ、もうすぐタワマン戻れるか。と思っていたのだが…。「これってエミだよね」麻布台ヒルズのカフェでデート中、シン・彼氏の瑛人に詰め寄られる。「え、何言ってんの?」「や、婚約前に親がどうしてもっていうから、調べさせてもらったんだ。ずっと薬剤師してるって言ってたけど…嘘だったんだね」瑛人が人目を憚りつつ差し出したのは、えっち動画のスクショ。ガクとエミが、ファンクラブ会員限定で公開していたものだ。もう削除済みなのに、スクショが掲示板に上がっていたらしい。そんな。「違うよ、別人!」必死で説得したけど、肩のほくろや声の一致などで、言い逃れしきれなかった。「好きだけど、ごめん。結婚はできないや。俺は、デジタルタトゥーとかない子でないと無理」そう言って席を立つ瑛人。デジタルタトゥーがあると、結婚もできないのか。【三松さんからのコメント】上京後、すぐに爆稼ぎ。「東京にいたら、私ってこんなに簡単に稼げるのか。人生チョロいな」そう思ってしまった気持ちもわかります。謙虚な気持ち、感謝の気持ちを持てって世間は言うけれど、アクティブで、夢追うZ世代にはピンとこないひともいる。それは経験値が増えれば、絶妙に理解できるので、心配しないでね(謙虚や感謝が辞書にないオッサンオバサンもいることはいるが…)。さて!デジタルタトゥーには気をつけて。一度ネットの海に流れたら、タトゥーレスには戻れません。ファンクラブ会員限定公開でも、スクショされたらアウト。制限しきれない。貶めることを狙ってスクショ集める悪い奴だっているんだから。もちろん、過去を気にしない相手が現れればそれもよし。ただ、ばあちゃんになるまでデジタトゥバレを気にして過ごすのはメンタルきついです。玉の輿系、実家太い系のメンズは当の相手が気にしなくとも、彼の家族や職場の人の目に留まって、マイナスイメージを抱かれるリスクを避けられません。私も探偵事務所に友人がたくさんいますが、確実に過去を探られるのよ。彼の地位だって、危うくなるかも。えっちサイトに動画を上げるのはかなりリスクのある行為。モザイクが足りなかったり、外で撮影してしまったりすれば法的に罰されることだってある。そうなってしまえば、恋や結婚どころではない。今の稼ぎはもちろん大事。でも、未来もエミさんが持っている大事な資産です。若いからこそ、未来レスにならない選択をして。「現在の手持ち金と、未来のハッピー。比べるのは難しいけど、必ず“今自分”と“未来自分”を天秤にかける習慣をつけよう。未来がハッピーフルになりますように、わたしも年下女性の皆さんにドンドンきっついアドバイスしますぜ!!!Bye!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©dikushin/Adobe Stock文・三松真由美
2024年09月26日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、急遽憧れの男性に会えることになった23歳女性。その日「自分比ブサイク」な状況だった彼女の素早い行動とは…。恋のチャンスを逃さない、備えの大切さについて三松先生が教えてくれます!桃(23)汗くさくても大事なチャンスを絶対逃さない!旅備(たび)コスメで皮脂レス美人【レスなひとびと】vol. 254「あ〜!着いちゃったねぇ」飛行機が成田空港に着陸する。桃は9月に夏休みをとり、友達の舞と一緒にシンガポール旅行に行ってきたのだ。マリーナベイ・サンズのインフィニティプールに入ったり、屋台街のホーカーズで、チリクラブやラクサを楽しんだり。楽しすぎる旅。「3日間あっというまだったね」舞が笑う。今は朝9時。スマホの機内モードを解除して、「帰国―」とインスタのストーリーにアップ。すると、即リアクションがあった。まさかの悠斗からだ。「待って、俺も今、成田いる笑これからインドなんだけど、早く着きすぎて。よかったらお茶しない?」画面を覗き込んだ舞は、スーツケース片手にひらりと手を振った。「まじか。愛しの悠斗くんじゃん。私、京急で帰るからさ、行ってきなよ」そう、悠斗は桃の憧れの人。同じジムで何度か会ううちにいつのまにか惹かれてた。(え、でもどーしよう、お風呂入ってない界隈だし、汗くさいし、髪ベタついてる)昨日はシンガポールのホテルをチェックアウトしたあと、1日遊んで0時半の飛行機に乗った。7時間半のフライト中は寝るだけだし、誰にも会わない。ベタついててもいいやと思ってた。急いでトイレに駆け込む。まずはドライシャンプーだ。シートで指の腹で地肌を拭いていく。ベタッとしていた前髪がサラサラに復活。お次は汗拭きシート&化粧水の入った洗顔シート。そのあと下地の上に艶感のあるクッションファンデを重ねて、ちゃちゃっとパウダーで眉毛を整えた。レッドコーラルの色付きリップを唇と頬に軽く載せて伸ばす。首筋と脇の下も拭いて、デオドラントスプレーをシュー!すっぴん風だけど清潔感は死守。よし、これなら会ってよし!空港内のカフェで悠斗と合流。「桃、おかえり。旅行帰りにごめんな。夜中フライト疲れただろ。でも元気そうだ」「めちゃ偶然だね」「いや、俺も超びっくり」シンガポールの観光話で盛り上がる。インドで安宿に泊まる予定の悠斗は、シャワー浴びられるか心配だなと笑う。桃は、余っていたドライシャンプーのシートをあげた。水歯磨きも。紙石鹸も。「こんな便利なのあるんだ」「ふふ、いいでしょ」「桃って、意外としっかりしてるし、たくましいよな」「それって褒めてる?」隣に座る悠斗を小突くと、「褒めてる褒めてる」と、手首を掴まれ、ドキッとする。「なんか、桃みたいな子と旅したら楽しそうだよな」意味深につぶやく悠斗。そして。「変なタイミングでだけどさ、よかったら俺たち付き合わない?返事は帰国後でいいからさ」「信じらんない。悠斗のこと気になってたからモチ、付き合うよ」「返事はやっ。え、うれしすぎ、これ俺今からインドいくのやめる?もっと話したいんだけど」照れ笑いする悠斗。ああ、今日会っといてほんとによかった。旅備コスメなかったら会うの躊躇してたよ。【三松さんからのコメント】恋はタイミングって言います。桃さん、花丸アクション。まさかのタイミングでの連絡でしたが、チャンスを逃さずモノにできた桃さん、ナイスです。ビジュアルが自分比でイマイチな時って、どうしてもひとと会うのを渋ってしまいがち。だからと言って断ってしまうと、相手もきっと自信をなくしてしまう。今回悠斗さんが告白に踏み切れたのは、急な連絡でも桃さんが来てくれて、「これはもしかして?」と期待できたからではないかと。そう考えると、やっぱり好きな人にはどんな自分比ブサイクな状況でも会えるようにしておきたいものですね。とはいえ、24時間365日完璧ナチュメイクでいるのは難しい。そんなときに、すばやくリセットできるプチプラコスメは心強いです。ドライシャンプーや洗顔シートは、災害時に水が使えなくなってしまった時にも役立ちます。旅にはもちろんもってこいですが、いざという時の備えとして、家や会社に常備しておくとよい。コスメ用の予算はもう使い切っちゃった!というかたも、「旅備コスメ」なら防災備蓄としても買ってもよいのではないか。備え女子は、ポイント高いよ。「今回のテーマはメンズにもあてはまる!気になる彼女と鉢合わせとか、社食で隣同士とか、いざという時、皮脂レス・体臭レスなさわやか男でいてくれよ。恋はタイミングだ(昭和歌謡の歌詞みたいだが)」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©fishcake/Adobe Stock文・三松真由美
2024年09月12日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、会社の同僚男性と付き合い始めた24歳女性。彼氏が推し活をしていることをはじめは気に留めていなかった彼女ですが、高額の投げ銭をしていることが分かり…。カップルのお金の使い方について、三松先生が教えてくれます!紗良(24)推し活はいいけど投げ銭はダメって助言するのは“寛容さレス”かな【レスなひとびと】vol. 25321時、仕事終わり。人材系の会社に勤める紗良は、オフィスの最寄り駅まで同僚の清人と歩いていた。(今日こそ聞かなくちゃ)清人に彼女はいないらしいけど、好きな人がいるかは知らない。ふたりきりになれる機会はあまりないから、今日こそ聞いておきたい。だって、清人のこと気になるんだもん。「ねえ、清人くんって好きな人いる?」「…いるけど」「誰か聞いてもいいかな」「紗良」(…!)よくプライベートでもLINEがくるし、もしかしたらとは思ってた。でも、うれしすぎる。「私も清人くんが好きだよ」「まじ?よっしゃ!でもさ…俺、彼女とか作る資格ないと思ってて」子犬みたいなかわいい系の顔立ちに、人懐っこい性格の清人。モテそうなのに、どうしてそんなこと言うんだろう、と考えを巡らせていると。「推し活とかしてるのイヤかなって」清人はそうつぶやいた。「なーーんだ、そんなこと」清人に推しがいるのは、社内の雑談や同期飲みで聞いて知っている。配信者のココちゃんだ。でも推しと恋人は別だし、そのくらいで嫉妬していたらキリがないと思う。「推し活とか、普通じゃない。誰でも推しいるっしょ」「そう?」「うん、私にもいるし」そう、紗良にも推しはいる。男性のバーチャルアイドル。だから彼氏にも推しがいるなら、いちいち言い訳しなくてよくて助かる。「じゃ、付き合おっか」「うん」笑顔で答えて、交際スタート。でも…。「やっぱ屋台は高いな。ぼったくり値段だわあ。俺、飲み物だけでいいや。家に米あるし」初デートの夏祭り。紗良はかき氷やベビーカステラ、からあげなどいろいろ買ったものの、清人は飲み物だけ。かなり節約志向だ。本当は初デート一緒に思い切り楽しんでほしい。給料も同僚だからわかるけど、そんなに悪くない。でも、家計を共にしているわけではないから、口出ししていいかわからない。そのあと、スーパーに寄って清人の家へ。清人がおつまみを作ってくれるらしい。「15分くらいかかるから、そのあいだ、自由に観てて」そう言って、テレビのリモコンを渡された。映画でも観ようかなと思ってスイッチを押すと、YouTubeが開いた。あ、スパチャの履歴のページ。(5000円、2500円、7000円…え、1週間でこれ?めっちゃ投げ銭してるじゃん)配信を見るのは全然かまわないと思っていた。私の推し活に口出ししてこないのも助かってる。グッズに月1万円くらい使っちゃうこともあるし。でも、清人はお金かけすぎだ。一度許容した推し活について、意見してもいいのだろうか。夕ごはん、笑顔で食べられる自信がなくなってきた。【三松さんからのコメント】清人さんの節約は推し活のためだったのですね。Z世代の半数以上に、推しがいると聞きます。推しがいると日々の活力になりますし、推し活大賛成。対象にもよりますが、推し活と恋愛は両立できますよ。でも、デートに支障が出るレベルでお金を使ってしまっているのであれば、気になる。倹約家とドケチのニュアンスの違いがわかるひとでないと、周りは白けてしまう、15分でちゃちゃっとおつまみ作れちゃう料理上手ってとこはポイント高いのですが…。紗良さんたちは、まだお付き合いが始まったばっか。彼は彼女ができたあとのお金の使い方について、まだ見直しができていないのではないでしょうか。もし紗良さんが外食デートやおでかけを楽しみたいのであれば、デート代のかけ方を話し合って!推し活をやめてほしいと伝えるのではなく「デートも一緒に楽しみたい」と。紗良さんのお金の使い方に合わせろと言うのではなく、あくまで話し合って“落としどころ”を見つけるイメージで。「推し活は日々の活力につながるからOKだけど、推しに使うお金の許容範囲は合わせておかないと、結婚したら破綻するぞ。以前、坂系アイドルのおっかけする夫にあきれて離婚届出した妻の相談聞いてたもんね」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©simona/Adobe Stock文・三松真由美
2024年08月29日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、同じテニスサークル内の男性に片思いする21歳の大学生女性。美容をがんばって彼の目に留まりたいと思い始めたのが…。間違った自分磨きの先にあるものとは?彼女に本当に必要な行動を三松先生が教えてくれます!エナ(21)憧れの唯斗くんと付き合いたい!外見に劣等感がある“自信レス”で間違った行動に走った【レスなひとびと】vol. 252都内の大学に通うエナには、好きな人がいる。「はあ、笑顔尊すぎ」同じテニスサークルの唯斗の写真を見てため息。涼しげな目元と、笑うと覗く八重歯のギャップがはんぱない。超絶タイプだけど、エナのレベルじゃ付き合えないとため息をつく。しかも、彼、六本木に住んでいるらしい。実家が太いにちがいない。SNSを眺めて、エナはいつもため息。全員、自分より可愛いって。そして、可愛い子たちはみんな美容系、いろいろやってるって。ビタミン剤の内服、レーザーやボトックス、デパコスメイクに、ネイルやヘアケアだってサブスクだってよ。ハイドラフェイシャルってやってみたいけど、19,800円なんて学生には無理。でも夏休み中に自分磨きをがんばって、後期は唯斗くんの目に留まりたい!そんな悩めるエナの目に飛び込んできたのがパパ活アプリの紹介投稿。うまくいけば、お茶&ゴハンするだけで2万円。リンクを開き、ダメ元で登録してみると、早速42歳の男性とのアポが決まった。エマの父は51歳。父より若ければ罪悪感が少なくなる。服は清楚に、ネイビーの襟付きワンピ。待ち合わせは六本木のホテルのラウンジ。少し早めについたけど、普段はこない場所だからソワソワ。「エナさんですか?」顔をあげると、アプリでマッチした飯塚さんだった。麻素材のジャケットに、すっきり整えられた髪。思っていたよりずっと清潔感がある姿に、エナは胸をなでおろす。飯塚さんもテニスをするらしく、共通の趣味をきっかけに会話を進めていった。会社経営者ということもあり、知らない世界の話を聞くのもおもしろい。無事に顔合わせの1時間がすぎ、約束だったお手当1万円を受け取った。普段のカフェでのバイトなら、稼ぐのに1日かかるお金が1時間で手に入り、信じられない…。さあ、デパコスでも買って帰ろう!と思った矢先。「エナ、どうしたの?」何度も焦がれた彼の声がした。唯斗だ。気まずいのか、飯塚さんは「じゃあ、また今度」と去っていく。唯斗がエナのほうに近づいてきた。「なにしてるの?パパ活?」「…ッ、ちがっ…」「清楚で可愛いなと思ってたけど、ま、誰にでも秘密はあるよね。気をつけて帰りなね」唯斗くんは、すぐに立ち去った。まさかの、今まで可愛いって思われてた発言。ああ、今日でイメージ最悪だよ!未来、ないわあ。【三松さんからのコメント】不運と不用心が重なってしまいましたね。せめて、唯斗さんが住む六本木界隈は避けたほうがよかったのでは。仮にパパ活で集めたお金を美容に使って唯斗さんと付き合えたとしても、きっと今度は「フラれないように」「浮気されないように」ということで、洋服代と美容費が必要だと思い続けるでしょう。そうするといつまでもお金がかかり、パパ活のやめ時がなくなってしまう。唯斗さんの彼女になりたい!という思いでいるのなら、交際開始後も続けられる自分磨きの方法を選ばないと堕ちてゆく。例えば、今なら動画でデイリー宅トレなど、いくらでもできます。セルフでできるヘアアレンジやコスパ抜群スキンケアだってたくさん紹介されている。今のレベルでできる何かを始めることで、きっと、自分への自信が湧いてくるはず。もともと唯斗さんに「可愛い」と思われていたエナさん。大事なのは、“自信”だったのですよ。今回のことは残念でしたが、同じサークルならまだ挽回の機会はあるはず。自信をもてる行動を探してみよう。「パパ活体験談を聞いているとむなしくなるぞ。美容代のために好きでもないオヤジさんにフェイクの笑顔を向けるなど、ストレスでよけいブサイクになるわ。」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Natali/Adobe Stock文・三松真由美
2024年08月22日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、シェアオフィスでタイプの男性を見つけた25歳女性。話すチャンスがなかったものの、ひょんなことから彼に助けられて…。意中の彼へアプローチするコツを三松先生が教えてくれます!美帆(25)、仕事できる“隙レス女”がカードキーを忘れてしまって、彼氏できそう【レスなひとびと】vol. 251(うう、ほんとハオい…!)美帆は、小さなWebデザイン会社に勤める25歳。最近、会社が新宿のシェアオフィスに移転したばかりだ。コンクリート打ちっぱなしの天井に、ガラスの間仕切り、ダークカラーのインテリア、時間によってはコーヒーやビールも飲み放題っていうアガる環境。ハオいのは、時々オフィスに来ている色白・黒髪・塩顔・銀縁メガネの彼だ。美帆のタイプど真ん中。でも、まだ社外交流会がなくて話すチャンスがない。美帆はどういうタイプかというと、後輩の平田くんがこんな感じで褒めてくれる。「美帆さんって、超しごできって感じっすよね。ビジュもいつも完璧だし、隙がない感じ。憧れます」いいのか悪いのかわからない後輩からの褒め言葉。細かいとこまで気づき、表情があまり動かないせいか「隙がない」と言われがち。ある日、オフィス前でカードキーを忘れたことに気づき大慌て。チャットを見る限り、始業している人はみんな在宅。あと15分でリアルミーティングが始まるのに!困っていると、後ろからやってきたのは例のメガネ彼!「大丈夫ですか? キーって時々、忘れますよね」爽やかにそう言って、シュっとカードをかざして開けてくれた。一緒にスーッと入れた!「すみません、まだうちの会社、ここ入ったばっかりで慣れなくて」「いやいや、じゃあビールとかもまだ?」「はい。あれって使っていいんですか? 正直使い方とかもわかってなくて」「よかったら、夕方教えますよ」「え、いいんですか」思わぬチャンス。心の中でガッツポーズ。「もちろんです。じゃあ17時過ぎにビールサーバーのところで落ち合いましょう」「は…はい!」内心ドッキドキで仕事を片付けた。17時、メイク直しを済ませてビールサーバー前のソファでそわそわ。メガネ彼が来た。「あ、あの、私、佐伯美帆です!」立ち上がってペコッとお辞儀する。「お疲れさまです、ザッハトルテって会社でマーケやってる高橋博樹って言います。じゃ、ビール取りにいきますか!」博樹さんに教えてもらってビールを注ぎ、ソファ席へ。「いや、最近、佐伯さんを見かけて、話したいなって思ってたんですよ」前のめりになった博樹さんが切り出す。(これは、来たか?)「佐伯さん、ソラリスデザインですよね? よかったら、うちの案件、受けてもらえないかなって」…と思ったら、まさかの仕事案件。 そっちか。一杯飲み終わるころ、いい感じの言葉が。「ずっと、きれいなひとだなと思ってて。隙がない感じで、話しかけるタイミングなかったんですけど…今日、チャンスあってよかったです」え、これって脈アリ!?カードキー、忘れてよかったよ。【三松さんからのコメント】社外とのコミュニケーションを推奨して、シェアオフィスを選ぶ会社も多いですね。私もたくさんのシェアオフィスで打ち合わせしましたが、ホテルのクラブラウンジみたいで、気分アガります。ここで仕事関連のお誘いがかかるのは自然な話。仕事からラブに移行する場合もあるので期待して。おしゃれなシェアオフィスで、ときめく相手からのお誘い。いい展開。これは脈アリです。そうそう、同じオフィスとはいえ、用事がないとなかなか話しかけづらいものでしょ。同じ会社の人同士だって、意外と話したことないひと多くないですか。“きっかけ”って大事。今回は“鍵レス”が味方をしてくれましたが、気になる人がいるなら、どんどん隙を見せてアグレッシブに“きっかけ”を作っていきましょう。そういうのはちょっと…という方は、自分から正統派スタイルでアプローチしてみて。リフレッシュスペース大活用を勧めます。“きっかけ”の宝庫じゃないですか。意中の人がいる時に行って、軽く“きっかけ”ジャブ入れましょうね。ちなみにわたくし、20年位前に『きっかけさえつかめば3週間で人生が変わる』(光文社)っていう本を書いたくらいです!もはや古典だ…。せっかくのシェアオフィス、仕事がおろそかにならない範囲で恋にも活用して。あ、ソファでセックスはしてはいけません。そのリフレッシュはホテルに移動してから。「鍵レスというきっかけで、意中の彼と話せたのはいい兆し。出会いがないとバタついてるあなたは、とにかく“きっかけ”を作り出せ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©milatas/Adobe Stock文・三松真由美
2024年08月15日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、付き合って半年の彼氏と同棲を考えている22歳女性。具体的な話をしたいのに、なんだか彼氏はのらりくらり…。話を避けるのはわざと?それとも…。真面目な話ができない彼氏との付き合い方を三松先生が教えてくれます!彩花(22)。やさしくて面白い彼だけど真面目会話レス男。結婚はむずかしいかな【レスなひとびと】vol. 250彩花はこども園の事務として働く22歳。彼氏の一輝は、担当の配達ドライバーさん。重い荷物を園内の奥に運んでもらったり、お礼に冷たい麦茶をごちそうしたりするうちに仲良くなって交際がスタートした。付き合ってもうすぐ半年。手取り13万円での一人暮らしはキツいし、そろそろ同棲したいな。「ねぇ一輝、そろそろ一緒に住まない?」キッチンで洗い物をしている一輝に、後ろからギュッと抱きつく。今日は久々に休みが合って、一輝が彩花の家に遊びに来ているのだ。料理は彩花の係、片づけは一輝の係と決まっている。「おっ、いいね〜」乗り気な一輝の声。よかった。「一輝も一人暮らしだし、長距離配送の時は家、空けてるから家賃もったいないよね」「確かに。それって彩ちゃんの料理毎日食べられるってこと? 幸せすぎ」「いつからにする? 私、今のアパートの更新9月だから、それまでに引っ越せるとありがたいんだ。一輝は8月、繁忙期だっけ? ちなみに家賃の更新がいつか調べて。ガス電気水道は引き落とし?Wi-Fiは部屋に付いてた?」矢継ぎ早に尋問。「ん、確認しとく」一輝はそそくさと場を離れる。早く具体的な話をしたかったけど、わからないならしょうがない。その日の話し合いは終了。1週間後のショッピングモールデート。洋服を見つつ、彩花はこの間の話を切り出す。「えと、まず8月は繁忙期で…あ、 彩ちゃんその服めっちゃ似合いそう!」彩花が肩にあてている服を見て、話が変わってしまった。そのまた1週間後のおうちデート。イチャイチャ距離近め。エッチ突入するとマジメな話はできない。おっぱい触られる前に切り出してみたら…。「ねえ彩ちゃん、おれもう我慢できない」レロっと深いキスをされて、ブラウスのボタンをはずしにかかってくる。彩花のカラダを見下ろして、「こんな可愛い彼女がいて、幸せすぎる」思いっきり抱きしめられたけど…これって、ごまかされてる?結局その日はエッチのみで終了。数日後、再びおうちデート。「…彩ちゃん、なんか怒ってる?」なかなかまじめな話し合いができず、彩花はイライラ不満顔。一輝は気づいてない。というか、同居の話が出たことすら忘れてる。「園でなんか嫌なことあった?」う、やっぱ気づいてない。「またあのヤギみたいな園長に嫌味言われたとか?」そう言って一輝は、猫ミームのヤギみたいに、舌を出して上下にベロベロやり始めた。彩花を笑わせようとしてるのだろう。でも、そうじゃない。笑えない。 もはや許せない。「原因は一輝だよ。もう、なんなの?」声を荒げる彩花、固まる一輝。「ご、ごめんて」ヤギの真似をすぐにやめて謝ってくるものの、何が悪いのかピンときていない様子。ダメだこりゃ。同棲も結婚も、この人じゃ無理かも。【三松さんからのコメント】真面目な話ができない人、います。意図的にそういう話を避けているのか、それとも複雑な話が苦手で、真剣顔がこっぱずかしいのか。前者の場合は、浮気や不倫の可能性アリ。真剣交際ではない相手に、同棲や結婚の話を持ち込まれたら厄介なのではぐらかしてしまう。おそらく彩花さんの彼は後者。彩花さんがその性格に付き合い続ける自信があるかどうか。同棲はじめ将来設計等々、彩花さん主導で決定&推進できるか。相手の考える手間を省き「こうするけどいい?反論ある?」という対応の付き合い方もあります。ただし、そういう彼女が頼もしくて好きという男性もいれば、なんでも思い通りにする仕切り女性が苦手という男性もいるので、見極めがむずかしい。一輝さんの場合は「怒ってる?」と自分から尋ねているので、真面目にお付き合いを考えているのでしょう。ただ彼はすぐヘラッとふざけてしまうタイプ。一度に複数のことをするのが苦手なのでは? 一方で彩花さんは、マルチタスクが得意な優秀タイプとお見受けします。保育事務といえば、給与計算やシフト調整、備品管理に書類作成、その合間に来客対応が入るなど超マルチタスク型のお仕事ですもの。月に一度でいいので、“マジ会議時間”を設けるのはどうでしょう。この1時間は遊びではなく、将来のことや仕事のことしか話しちゃダメと決める。他のことに気を取られないぶん、少しは話しやすくなるはずです。自分がマルチタスクをこなせるからといって、相手もそうだとは限りません。「真面目会話レス=おふざけ好き。芸人さんと付き合ってると思って、笑いが絶えないカップルを目指せばいい。決め事は自分主導と割り切ればうまくゆく」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Africa Studio/Adobe Stock文・三松真由美
2024年08月08日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、SNSにツーショット写真を載せるのを嫌がる彼氏に不満を感じている19歳女性。しかも、SNSはやっていないと言っていたのが嘘だとわかり…。SNS関連のモヤモヤと、嘘をつく彼氏への対処方法を三松先生が教えてくれます!心愛(19)SNSレスな優良彼氏。でも、まさかの嘘発覚!【レスなひとびと】vol. 249「ねーねー、竜ちゃんってSNSなんもやってないの?」心愛はスタバの新作フラペチーノをチュイーっと吸いながら、竜太に尋ねる。「うんやってない。なんかめんどいし」美容専門学校で出会った竜太とは、2か月前に付き合いはじめたばかり。ふたりとも、表参道の人気美容師を目指している。「でもほら、SNSやってないと将来、宣伝とか困んない? 今ほとんど集客はSNSじゃん。あ、BeRealから通知きた、竜ちゃん、撮ろ〜」心愛は竜太に顔を近づけた。「っと、おれそういうの苦手だからやめとく」竜太は、心愛の肩をやさしく押す。撮れたのは、めっちゃ拒否られてる感じの写真。これはちょっと…と思い、取り直し回数がバレるけど再撮影。ああ、ただのぼっちスタバの写真だよ。せっかく彼氏できたのに、さみし。友達に披露したくてたまらん。心愛はTikTokもBeRealもヘビーにやってる。でも正直SNSは出会いにつながるところもあるから、竜太がやってなくてホッとしてた。今日は、竜太の家にお泊まり。竜太が特製のハンバーグを作ってくれた。エッチも上々。「痛くない?」「ここ、気持ちい?」って聞いてくれて、やさしく抱きしめられながらのフィニッシュ。竜太って、ふだんは塩だけど、ベッドの上ではかなりシュガーなんだよね。竜太はそのまま寝落ちした。心愛はトイレに行ったあと、竜太のスマホを充電しておいてあげようと持ち上げる。その時、気づいてしまった。竜太のスマホに、BeRealから通知が来てる!まじ?と思って、スマホのロック開けちゃった。暗証番号、全部ゼロだったの見てたから。そしたら、めっちゃスクショ撮ってた。夏稀ちゃんって子の投稿。BeRealでスクショしたら、バレるのに。BeRealを開くと、追加されてるのはその夏稀ちゃんって子だけ。しかも…ポニーテールで激かわいい。心愛の上位互換って感じ。ショック。「おはよ〜」翌朝、竜太が目を覚ます。「んん、おはよ」結局、心愛はモヤモヤして3時くらいまで眠れなかった。「ね、昨日竜ちゃんのスマホ充電しようとしたらさ、BeRealから通知来てたよ」「ああ、登録するだけしたんだった。でも投稿してないよ」サラッと返してくる竜太。投稿してなきゃ他人の投稿は見られないし、夏稀ちゃんの投稿のスクショなんて撮れっこない。「…嘘じゃん」胸が苦しくなったので聞いてみた。夏稀ちゃんは竜太の高校のクラスメイトだった。付き合ったことはなく、片思い。今も好きとかじゃないけど、なんとなく気になって、とのこと。ほんとかなあ。正直へこんだ。けど。「私との写真、アップしてくれるなら許す」と精一杯譲歩した。「わかった、いいよ。次通知来たら言う」そう言ってくれたけど、なんかモヤる。竜ちゃん、嘘ついてたわけだし。これって、やっぱり嫌じゃない?許していいのか?【三松さんからのコメント】BeReal関連のモヤモヤ、よく耳にします。「自分との写真を載せてくれない」とか「彼氏の投稿に、可愛く盛れてる写真のリアル文字でリアクションしてくる人がいる」とか。モヤつくなら、SNSやらなければいい。彼氏の(彼女の)スマホなんか見ちゃだめ。って正論すぎて受け入れてもらえない…。そうは思いますが、相手のSNSを制限して、「束縛が激しい人」と思われるのもイヤですよね。お互い監視し合うのもしんどいしストレスが継続する。残念ながら竜太さんのように、「付き合いたい」というわけじゃなくても、いわゆる「ワンチャンあったらいいな」の気持ちで、好みの人を追いかける人、けっこういます。彼女がいてもおかまいなし。心の整理がつきづらいとは思うけど、ずっと怒っていても関係はよくなりません。心愛さんのように譲歩可能な条件をつけて水に流すか、スッパリお別れするか、2択。中途半端が一番メンタルに悪いです。そして嘘つき問題。せっかくできた彼氏、もったいない精神が出てきますが、SNSやっていても嘘をつかない人はいます。嘘つき彼氏にモヤるなら「今後嘘ついたら別れる」と意思表明して。「自分の理想の相手は正直なひと」と条件を明確に伝えておく。それでも隠し事するなら別れる。「SNS見てない彼氏(彼女)、それは貴重な存在だ。周囲に振り回されない、承認欲求なんて自分でガッツリ満たしてる!周りにいたら、紹介してくれ。取材するから」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Alena Shelkovnikova/Adobe Stock文・三松真由美
2024年07月25日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、大学のゼミやバイトに忙しい21歳女性。ゼミ仲間の男性から夏祭りに誘われ、付き合う気はないけれど出かけることに…。理想の彼氏になるのはどんな男性なのか、三松先生が教えてくれます!紗凪(21)そこまで好きじゃない人とのデート。でも彼はなにがあっても不満顔レスでいいヤツ【レスなひとびと】vol. 248紗凪は、富山にある大学の3年生。サークルも一段落して、ゼミやインターン、バイトをこなす日々だ。今日はちょっと息抜きデー。ゼミで一緒になった諸橋くんが、「夏祭り行こうよ」と誘ってきたのだ。諸橋くんは、きっとエッチもしたことないんじゃないかってくらい、女性慣れしてない雰囲気。ワックスのついてない短めヘアは清潔感があるものの、ちょっとお父さんっぽくて垢抜けない。でも、インターンなどやること多くてガチ恋してる場合でもない。諸橋くんには悪いけど、息抜きにちょうどいい相手かもと思ってOK。当日は、諸橋くんが車で迎えにきてくれた。よくあるグレーのワゴンR。「わ、浴衣すごく似合ってるね」紗凪の姿を見るやいなや、ぱあっとうれしそうな顔をする諸橋くん。紗凪は今日「どうせ今年は他に着る機会ないし」と思って、去年買ったアイボリーの桃柄浴衣を着てきたのだ。…。渋滞にハマった。「川瀬さん、喉乾いてない?あと、トイレとか平気?もうすぐSA寄れるよ」諸橋くんは、こまめに聞いてくれる。お父さんみたいって思ったけど、渋滞でも全然不機嫌にならない彼の明るさには、なんだか救われる。「行くまでの道が、ワクワクして一番楽しい説あるし。いや、着いたら絶対もっと楽しいんだろうけどさ」「今日、特設ステージで、気になってるバンドが演奏するみたいで。動画でチェックしてみて」と、むしろウキウキしている様子で楽しそうだ。意外と、就活の話なんかでも盛り上がり、やがて会場へと到着。「あ、諸橋くんが楽しみにしてたライブ、はじまっちゃう!」急いで車を降り、ステージのほうに向かおうとしたけれど、車でシートに寄り掛かっていたせいか、なんと帯がほどけかけてしまう。「やば」すると、諸橋くんはすぐに紗凪のもとにきてくれた。「これ、どうやって結ぶの?」「えっと…、あ、でもライブ始まっちゃうよ?とりあえず押さえていくからいいよ」「ダメ、どうやるか教えて」いつもとは違うきっぱりとした口調に、思わずドキッ。紗凪はスマホで帯の結び方の動画を検索し、諸橋くんに渡した。諸橋くんは駐車場の端っこで、動画を見ながら帯を直してくれた。見たことないような、真剣な顔。「これでよし!じゃあ行こ」差し出された手。普通、初回デートで手は握らない。そう思ってはいたが。その手を、紗凪はギュっとにぎった。諸橋くん、けっこうかっこいいかも。この夏、バイトで忙しいけど、恋してもいいかな?【三松さんからのコメント】不満顔レスの男、いいですね。気合を入れたデートほど、うまくいかないときに焦ってしまったり、イライラしてしまったりする人っていますもの。カフェなどで、周りのカップルを観察してると、眉間に縦シワ寄せてイラツイてるおにいさん、けっこいるんです。そんな不満顔してると、彼女、逃げてくぞって忠告したくなるようなネガティブ顔。諸橋くんも、きっとデートは気合を入れてたはず。思い通りにいかなくても、臨機応変にその場を楽しめるし、気遣いもできる。若いのに気持ちの余裕があって、すてきです。すぐに不機嫌になってしまう人は、男女関係なく、一緒にいればいるほど疲れてしまう。こっちが気を遣ってエネルギー浪費する。自分が悪くないとしても「なにかしちゃったかな」「機嫌とったほうがいいかな」と落ち着かない気分にさせられる。もうこの人とは会いたくないって気持ちも湧いてくる。ああ、もったいない。それを思うと、いつもご機嫌な人って、心地いいオーラがあるから、いいひとが周りに集まってくる。バイトやゼミで忙しいから恋は後回しなんて決めつけないで。恋がはじまるタイミングって、天使のいたずらみたいなもんで。期待してない時に、偶発的に落っこちてきた恋ほどおもしろい。「好きなタイプじゃないって感じても、1日一緒にいると好きなタイプに変換されることもある。窮地でも不満顔レスな彼は理想形です」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©ohayou!/Adobe Stock文・三松真由美
2024年07月18日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、片思い中の彼とデートの日にスマホを家に忘れてきてしまった25歳女性。不安にかられる彼女でしたが、思わぬ展開が待っていて…。想いを伝えるために本当に必要なものは何か、三松先生が教えてくれます!莉子(25)片思い彼とのデート時にスマホレスで不安マックス【レスなひとびと】vol. 247今日は仕事終わりに、片思い中の蒼とのデート。莉子は朝から気合いを入れて支度した。終業後のメイク直し用のコスメも忘れずばっちりバッグに入れた。でも…駅に着いて気づく。(スマホ忘れたーー!!!)最寄駅の改札前で、莉子は真っ青になる。家まで戻ってたら、始業時間に間に合わない。ひとまず電車に乗るしかない。ヒマだ。ふだんなら電車ではSNSを見て過ごす。インスタで今夜のお店投稿を検索して、どう撮ったら映えるのか、予習したかった。っていうか、スマホなくて蒼と会えるのか?終業後、メイクをキラキラ系に直して、待ち合わせの有楽町に向かう。電車の時間は会社のPCで調べたけど、心配だ。ルミネの大きな時計の下。キョロキョロしていると、ネイビーのスラックスに白ワイシャツの蒼を発見。「よかったぁ」と駆け寄る。心からホッとしている様子の莉子を見て、蒼はクスッと笑う。「どうして、いつも会えてるじゃない」「だって、今日スマホ忘れちゃって」「えっ、そうだったの? だからか。会社出たよって連絡、なくてちょっと心配だった」「ごめんごめん、でもほんと、ちゃんと会えるかドキドキしちゃった」目的地はラクレットチーズがおいしいレストラン。グリル野菜やソーセージにチーズをかける“チーズのナイアガラ”。ショート動画、撮りたかったけど仕方ない。スマホがないからじっくり観察して、蒼にすごいねって目配せしたりした。会話の中でも、見せたい写真がいっぱいあったけど、スマホがないから言葉を尽くして説明。でも、そのおかげで会話が盛り上がったような。2軒めでもスマホの補助なく会話は弾み、あっというまに終電間際。蒼は銀座一丁目駅、莉子は有楽町駅から帰るのがスムーズだ。「ここから有楽町への道、わかる? 送りたいけど終電ギリだし。スマホないと不安だよね。よかったら、うちくる?」片思い中の蒼から、まさかのお部屋への誘い。迷いなくうなずく。モノトーンでシンプルに整えられた蒼らしい部屋。「先にシャワー浴びてきていいよ、タオルとか部屋着はここ置いとくから」「ありがとう」お風呂上がり、蒼のTシャツに身を包んで幸せを噛みしめる。恋が始まる予感。ドライヤーをして待っていると、蒼がやってきた。予想通りそのままベッドイン。夢のような一夜。翌朝目を覚ますと、蒼の、いつもより子どもっぽく見える寝顔が最高に可愛い。寝顔の写真は撮れないけど、幸せ。目に焼きつけようと見つめていたら、彼が目を覚まして、「おはよう。ねえ、莉子。僕の彼女になってよ」と笑った。【三松さんからのコメント】スマホを忘れたハプニングが、日常を非日常に変えるきっかけになりましたね。デート中、ついスマホを取り出して写真を見せ、説明する人は多い。二人きりの時間なのに、ほかの友達からLINE来ると会話やめて対応するひともいる。なんだか、目の前のかたに失礼な気がするのは私だけでしょうか!?実はこのケースのように、莉子さんなりの言葉で説明するほうが、自分らしさがよく伝わるのにね。写真や動画は一発で雰囲気わかるけど、それがなければ言葉を重ねるしかない。一生懸命さも、好きな気持ちも伝わりやすいです。映え写真、撮るのは楽しいですよね。でもでもついつい、二人の“外”に発信するための写真や動画を撮るのに夢中になるのはどうかな。それをされると相手も「自分は付き添いで来てるだけ」な感じがしてしまうかもしれません。今はインスタ検索やGPTに聞いてみようで、タイパがいいデートが主流かもしれないけれど、たまにはスマホレスのデートも情緒があっていいものです。「一度スマホレスのデート試してみて。不安な二人は、困難を乗り越えるため助け合うから、愛が深まる(真由美所長個人の意見っす)」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Haru Works/Adobe Stock文・三松真由美
2024年07月11日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、彼氏にウソをつくのをやめられない20歳女性。彼女にはウソをつく理由があるのですが、当然彼氏には理解されず…。彼女が愛され女性になるためにはどうすべきか、三松先生が教えてくれます!真琴(20)嘘レスの恋なんてムリ!嘘ついてたら嘘バレでフラレそうに【レスなひとびと】vol. 246涙ボトボトの余命系の映画を観て、一度でいいからこんな恋がしたいと思った。残りの人生が短いとわかっていながら、はかなげに笑う色白で腕が細い彼女と、そんな彼女に惹かれる彼。キュンキュンな恋に憧れる。真琴は20歳。この前の春休みにはじめての彼氏ができた。真琴と同じブラジルレストランでバイトをしている龍(タツ)だ。問題は、真琴が全然はかなげな乙女でないこと。体型はどっちかといえば筋肉質で太めだし、すぐ日焼けするのでコンガリ肌。龍が好きになったのはそのままの真琴だけど、真琴はどうしても、あの映画みたいな切ない恋がしたかった。恋愛映画に憧れるんだもん、しょうがないじゃないか。「龍、ごめん、今日体調悪くて…デートは今度にしない?」ふたりが休みの貴重な休日。か弱いアピールの嘘をLINEで送った。「えっ、ダイジョブ? お見舞い行く」嘘とは知らず素直に心配した龍は、一人暮らしの真琴の家へ。ベッドでぐったりしているよう見せかける真琴。龍はテーブルに、ポカリスウェットやゼリー飲料、アイスなどが入った袋を置く。「ポカリとか買ってきたけど、飲む?」「うん、ありがと」真琴は龍からポカリ受け取り飲み干すと、アイスやゼリーにも手を伸ばす。買ってきたものが次々に消えていく。「元気そうじゃん、おなかすいてたんだね」「え、あ、うん…」食べている時は元気なように見えたけど、真琴はまたぐったりのていで横たわる。目もうつろにしとこう。「何かできることがあったら言って」「じゃあ、来て」真琴が龍の方に手を伸ばす。横になっているせいで、むちむちのTシャツの首元から胸の谷間が見え、色っぽい。誘われるがままベッドイン。上目遣いで見つめてくる真琴に、タツは思わず股間反応。彼女の体はそこまで熱くない。体調不良って、もしかしたら風邪じゃなくて生理とかか。「生理、重いとか?」「ううん、そうじゃなくて」小声でうつむく様子も、普段と雰囲気が違ってなんか可愛い。体調が悪いと知りながら、思わずパジャマのズボンに手を入れてしまう。「タツくん…」龍の手首を、ぎゅっと握って止めようとする真琴。けれど、その力は本気とは思えない。本当は真琴もしたいんじゃないか?そう思ったら止まらなくて、手を進めてしまった。龍は「体調悪いのにゴメン」と反省したけど、真琴はまんざらでもない。こんなふうに求められて大満足。か弱いアピール、効果抜群じゃん!と。余命系映画のヒロインになりきる味をしめた真琴は、次々に嘘を重ねていく。「微熱があって今日は一日寝てた…」「帰り道、クラっと倒れかけて」しかーし!それらは嘘だと即バレしていたのだ。龍は、真琴のSNSアカを知っていて真琴が楽しそうに渋谷や恵比寿で遊ぶ姿をしっかりチェックしていたからだ。真琴は遊び一番なので、バイトも仮病で休みがちになり、バ先にも迷惑かけまくり。龍は考える。なぜ、こんな嘘をつくのか。虚言癖オンナってやつ?嘘一色のオンナは信用できないよな。てか、遊ぶ金は親の仕送りってことか。いや、パパ活か。浪費オンナでもあるな。聞いてもきっと嘘でごまかすはず。いい加減、別れを切り出そうかと迷う龍であった。【三松さんからのコメント】愛されたいがゆえに恋愛映画のヒロインになりきろうと嘘を重ねてしまう真琴さん。理由は可愛いのですが、幼すぎ!過剰な嘘を続けるのは人としてナシです。嘘をつく理由も龍さんにはさっぱりわからないですし、彼を疲弊させてしまうでしょう。愛されるどころか、不信感がたまって長続きしない関係まっしぐら。もちろん本当に体調が悪いなら、伝えたほうがいい。そして本当に体調が悪いなら、龍さんもエッチは遠慮しなくちゃ(笑)今のような演出の気の引き方じゃなくて、素直な自分を見せることに注力して。彼にどんなところが好きになったのか聞いてみてください。きっと、はかない乙女でなくても、健康的で元気ハツラツな真琴さんが好きなはず。そして、“はかなさ”より”けなげさ”をアピールすればどうかな。仕事でも勉強でも何かをがんばってるときには、多少のムリが伴いますよね。何かに向かって邁進する姿で健気さを見せる。余命系映画と同じ恋はできなかったとしても、自分の魅力でオリジナリティのあるステキな恋ができます。「嘘レスなオンナになれ。嘘バレのときに一気に信頼感をなくすもん。恋愛に必要な要素は真実の愛です」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©yamasan/Adobe Stock文・三松真由美
2024年06月27日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、お風呂に入るのをやめてしまう"風呂キャンセル界隈"の26歳女性。いい感じの男性とのお泊りデートのときにもなんと…。愛され女性になるためのお手入れの大切さについて、三松先生が教えてくれます!奈月(26)風呂キャンセル界隈。髪と腟のお手入れレスで彼に嫌われるかも【レスなひとびと】vol. 244奈月はいわゆる風呂キャンセル界隈のうちのひとり。リモートワークが続けば、3日入らないこともある。家にいるなら、風呂キャンセルしてもいいっしょと思ってしまう。下着だけ変えれば、問題ないっしょと。つまり、奈月はめんどくさがり屋さんなのだ。しかし最近はだんだん暑くなってきた。出社も増えたしな。3日も風呂キャンするとさすがにまずい。通勤って過酷なエクササイズだと思う。駅まで17分速歩きしないと遅刻するし。駅ついた時点で脇汗と背中汗べっとり。電車内では他人の汗もベタベタくっつく。風呂キャンするわけにはいかない。「よっこいしょ」平日の夜、重い腰を上げて風呂場に向かう。シャワーを済ませて、体を拭いて、問題はそのあとだ。ドライヤー、これまためんどくさい!ひとまず風呂に入った自分にご褒美だ。プシュッと缶チューハイを開け、ソファでまったり、スマホをぽちぽち。おお、面白い動画がたくさんあがってる。そうこうしているうちに、髪ビショビショのまま寝落ちしてしまった。翌朝、ソファには水のシミが広がり、髪はバッサバサ。変に髪が持ち上がって、頭がハート型みたいになってる。いや、白菜みたいというべきか。とりあえずギュギュッと引っ張りお団子にして出社。そんなズボラな奈月にも、いい感じの相手はいる。同じ電子機器の部品メーカーに勤める雷人だ。くしゃっとした笑顔がかわいい年下男子。週末、雷人がうちに遊びに来た。一緒に飲みながらネトフリ観て、お尻に根っこが生えて動けなくなってしまったけど、このままじゃ絶対匂うぞ。いくらズボラでも、髪や股間がクサイ女にはなりたくない。意を決して、シャワーを浴びる。でもそこで力尽きた。しかし翌朝、スマホの画面にうっすら映る自分にドッキリ。ドライヤーせず寝たからか、また頭が白菜型。毛先もパッサパサで+10歳くらいに見える。ヤバい、見られたら絶対ゲンメツされる。ベッドからそーっと降りて、急いで全裸で洗面所へ行こうとしたけど呼び止められた。「奈月ちゃん、その寝癖はヤバいって」ゲッと思って振り向くと、雷人がケラケラ笑っている。終わった…。嫌われたよね。固まっていると、まさかの「しょうがないなあ」とやさしい顔。手ぐしで髪をといたあと「これからは俺が奈月ちゃんのドライヤー係やってやるよ。乾かして寝ないとダメだよ」。ゲンメツされなかったーー!彼のために、風呂とヘアメンテはさぼらないぞと誓う。【三松さんからのコメント】お風呂のあとのドライヤーって、めんどくさいですよね。テレビや動画を観ながら乾かそうとするとうるさくて聞こえないし。風呂キャンセル界隈に入浴苦手女性はたくさん。メイク落としやドライヤー、お顔パック、マッサージなど男性よりたっぷり時間がかかるからでしょうか。キャンセルしがちな人は、帰宅したらその足でお風呂に直行してください。いったん座るとキャンセルマインドが湧き出てくる。湿度の上がるこの時期、フェムゾーンのケアもしないと、プンプン臭ってきますよ。VIO脱毛していないかたは特に注意ね。髪は洗えないという日でも、フェムゾーンだけでも洗ってー!「風呂キャンセル界隈女子、フェムゾーンからお花のいい香りを漂わせると仕事も恋もうまくゆく」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Iona/Adobe Stock文・三松真由美
2024年06月13日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、一目惚れしたかわいい系男子とお付き合いをはじめた22歳女性。ところが彼、ちょっと不衛生なところがあるようで…。彼と関係を深めることに不安を感じている彼女へ、三松先生のアドバイスは?美里(22)好みドンピシャ!でも爪切りレスで…。【レスなひとびと】vol. 243ルイくんとの出会いは、友達に誘われて顔を出したフットサル。美里はフットサル未経験だけど、仕事終わりにワイワイやれる気楽な感じだからって聞いて参加することに。コートに先に来ていたルイくんを見つけて一目惚れ。ルイくんは、美里好みのキュンかわ系メンズ。身長はたぶん、156センチの美里より5、6センチ高いくらい。歳は美里と同じで22歳くらいに見える。オーバーサイズのシャツに、髪はふわふわ、少年のようなピュア肌。くりくりの目で「初心者さんですか? よろしくおねがいしますっ」って顔を覗き込まれて瞬殺。運よく経験者のルイくんと同じチームになって、試合スタート。「シュートだ、美里さん!」ルイくんのパスをもらって見事シュート! 満面の笑みでハイタッチして、この日から考えるのはルイくんのことばかり。恋しちゃったモード突入だ。3か月後、美里のアタックの甲斐あって、交際スタート。でも、気がついた。ルイくんの爪、いつもちょっと長くて汚い。8度目のデートの夜、ルイくんの部屋。爪のことは気になったけど、やっぱ掃除とか苦手なんだ。床もソファも薄汚れてるぞ。そういえば、スマホも拭いてないのか、油っぽい色してる。もしかして不衛生系男子か。そんなことを考えながらも軽いチューしたりして次第にいいムードに。「ねえ、みーちゃん」ルイくんが手を伸ばし、美里の首筋に触れてきた。でも、美里はキュっと体をこわばらせてしまう。「…っ。ごめんね、ルイくん」「どうしたのなんか嫌なこと、したかな?」と、ルイくんはしょんぼり顔。(ルイくん、長い爪を気にしないってことは、しばらく女の子とはご無沙汰なのかな)言えない。爪の長さを気にする、めんどくさい女だって思われたくない。でも、視線の先が指だって気づかれてる。苦し紛れに尋ねた。「ね、ねぇルイくんってネイルとかするの?」「ん?」「えと、爪の形綺麗だなって」「そう? あ、そうだよね、爪長いや…ごめん」ルイくんは気づいてくれたようだ。「ごめん、僕はじめてで」「えっ、は、はじめて?」「うん、かわいいかわいい言われて、今まであんまり男として見てもらえなくってさ」そう言ってシュンとするルイくんは、たしかにキュンのかわいさ。「だから、今日はいろいろ予習してきたつもりだったんだけど、爪まで気づかなかったよ」「そんなことない、一生懸命考えてきてくれたのがうれしい」そう伝えて、その日はそのまま眠り、翌日、一緒に部屋掃除と爪切りをした。ルイは美里の言葉を真剣に受け止めて、次のデートはしっかり爪を短くして、やすりもかけて、清潔にしてきてくれた。素直な彼に掃除もふくめ、いろいろ教えてあげたいと思った。【三松さんからのコメント】爪のことを伝えてもめんどくさがる不衛生系男は、相手の体を大事にできないダメンズ。切り捨ててOK。初夏はぐんと湿度が上がって、カンジダにもなりやすい時期。カンジダ、一度なると、かゆくてお仕事にも集中できないし。最大限気をつけて損はないです。ほかにも雑菌がはいって膀胱炎になったりもしますしね。ベッドの上では常に雑菌注意報発令ですよ。やっぱり一番大事にしたいのは相手の体のこと。痛くないか。汚くしてないか。嫌な思いをさせていないか。 相手のリアクションを見ながらできるメンズは花丸です。いくら本や動画で勉強しても、その知識が目の前の相手にも通用するのかは別問題。男性も女性も体の作りやメンタルは個性がありますもん!まず自分の目と指で確かめないと。「爪切りレス男、不衛生系男に分類されますが、指摘してすぐ直るなら、素直系男なのでよし」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Nataliia/Adobe Stock文・三松真由美
2024年05月30日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、25歳の薬剤師女性。体調不良から同棲する彼氏に塩対応をしてしまい、なんだかギクシャクしたムードに…。三松先生のアドバイスは…?瑠奈(25)リアクションレスで彼氏をおにぎりガールに取られそうに!【レスなひとびと】vol. 242クイーンサイズの広いベッドで、ひとりうずくまる夜。瑠奈は今日、低気圧のせいで頭痛がひどい。低気圧頭痛ってやつだ。「瑠奈〜ただいま」同棲中の達彦が、上機嫌で帰ってきた。「ねえ聞いてよ!今期のボーナスさ、去年の2倍だよ。やったね。どこ行く?何する?」達彦はデザイン会社で働いて6年目、28歳。今年は大きめの案件を受注したらしく、ボーナスが倍増したようだ。よくがんばっているなと思いつつ、テンション高めの彼の声が頭に響く。急に電気をつけられ、まぶしくて目がチカチカする。「そっか、よかったね」精一杯の相槌を打ち、タオルケットを頭までかぶって目を閉じる。「なに、そのツン反応。一緒に喜んでくれるって思ったのに」達彦は気落ちした声でそうつぶやき、寝室を出ていった。あ、まずいって思ったけど、ガンガン響く頭痛のせいで、起き上がって追いかける気力がない。鎮痛剤が効いてきてそのまま爆睡。翌朝、いつもと同じように8時起き。達彦はもう家を出ているようだ。LINEを開いたけれど、メッセージはない。いつもなら「いってきます」って連絡が入っているはずなのに。やっぱり、昨日の反応がよくなかった?でも体調悪くて、あれが限界だったし。瑠奈は、薬剤師として週5で9時半から17時半まで働いている。わりと時給のいい店舗だ。ボーナスはないけれど、達彦とそこまで年収の差はない。お財布は別々。このクイーンサイズのベッドだって、折半して買った。だから達彦のボーナスに喜びすぎるのも、自分が使っていいって勘違いしているようで逆に図々しいんじゃないかって思ってた。昼休み。達彦は、オフィスの下に来ているおにぎり屋さんのキッチンカーでランチを購入中。「あれ、いつもより顔色悪くないですか?ちゃんと寝てますか。唐揚げ1個サービスしますね」達彦の顔を、おにぎり屋の小松さんがのぞきこむ。年はおそらく20代半ば、色白でぽわんとした雰囲気。頭に巻いてるクリーム色のバンダナがかわいらしい。いつも目を見て笑顔で「ありがとうございます」と言ってくれるところがイイ。ほんとは瑠奈にこういうふうにしてほしい。小松さんは、週2しか会わないのに、達彦の小さな変化にも気づいて、声をかけてくれる。それなのに瑠奈はボーナスの報告をしても塩対応。俺に関心ないんじゃないか。小松さんに「どこ行く?何する?」って言ったら、絶対瑠奈より激しい反応しそうだもんな。一緒に温泉行って、イチャイチャできるかも…と妄想ムクムク。いっそ、小松さんに乗り換えてしまおうかと考えがよぎる。【三松さんからのコメント】彼氏彼女へのボーナスのリアクション、悩みますよね。私におごってくれるってこと?それフェアじゃないよねと考えてしまうひともいます。特に伝え合わないカップルもいますし。結婚していて、お財布も一緒で…ということであれば、もっとストレートに喜べたかもしれませんが。ただ「どこ行く?何する?」と言っていることから、多くもらったぶんを、瑠奈さんとのデートに使う気満々だったのかも。そこは遠慮せず、はしゃぐほうが可愛げがある!瑠奈さんの喜ぶ顔を思い浮かべながら帰ってきたぶん、そっけない対応にしょんぼりしてしまったんですね。シンプルにがんばりを評価してほしい、褒めてほしい気持ちもあったことでしょう。気になるのは、瑠奈さんが体調の悪さを伝えていないこと。達彦さんが低気圧頭痛に気づいていなかった場合、今回のような対応では確かに落ち込む。体調が悪いことが原因の喧嘩って、意外とあります。疲れているのに黙っていて、あとで怒り爆発とか。黙っていてもいいことない。体調の悪さを全ての免罪符にしてはダメだけど、イレギュラーな体調の時はそれをまず伝えて、そのあとカバーしましょう。おにぎりガールに行ってしまう前に、急いで事実と気持ちを伝えなければ。「リアクション薄い女性はたしかにモテない。嬉しいときは思い切り喜んで、悲しいときはしっかり言葉で伝えよう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Tong/Adobe Stock文・三松真由美
2024年05月23日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、製菓学校に通う18歳女性。おしゃれに興味がなく学校で浮いてしまっている彼女ですが、服飾専門学校に通う幼馴染といつしかいい雰囲気に…。三松先生のアドバイスは…?ミア(18歳)、洋服レス。中学生の頃と同じ服でOK!と思いきやなぜか友達できず【レスなひとびと】vol. 241ミアは上京したての製菓学校の1年生。とにかく食べることが大好き。パンケーキ、パフェ、パスタ、焼き肉、回転寿司…。せっかく東京に出てきたんだし、都会の飲食店を巡って勉強したい。だから、食以外の出費は極限まで抑える方針だ。ミアはいくら食べても太らない。ダイエットしてる友達からいつも羨ましがられてた。中3の頃から体重はほぼ変わらず、服も当時地元で買ったものを着続けている。学校ではコックコートに着替える日も多いし、服は何でもいいやって思ってた。でも、なぜか東京で友達ができない。今日は幼馴染で同じく上京組の恭一と、駅前の餃子屋で晩ごはん。恭一は服飾の専門学校に通っている。「LOVE」と大きなロゴが入った黄色いTシャツに、デニムの短めキュロットで向かう。「ミア、あのさあ……」ミアを見つけて固まる恭一。「いや、あれだ、ちょっと言わせてもらうけど…。そのかっこうで学校行ってる?」「え?」「子どもっぽいというか…それ、中学の頃から着てないか」「えー、おかしいん?でも新しい服、買いたくないよ。節約したいし」話していると、ミアのおばあちゃんから連絡が入る。「麦の元気がないから近々帰っておいでって」麦はミアの家の猫だ。「えっ、麦?俺も会いたいから一緒に帰るよ」恭一がそう言ったので、次の週末、ふたりで地元へ。麦を撫でながら、おばあちゃんちのソファで恭一とお茶を飲む。なんかほっこりいい感じ。恭一ってこんな癒し系だったかなあ。最近家の整理にハマり中のおばあちゃんが、若い頃の服をどんどん出してきた。「いる?」って聞かれたけど、サイズが全然違うから無理。でも恭一は「もらっていきます」って、紙袋に詰めこみはじめた。なんで?おばあちゃんちから帰って数日後。恭一から「ちょっとうち来て。薄めの服でお願い」とLINEが来た。なにそれ、変態かよ。家に着くと、恭一がメジャーを手に近付いてきた。「測らせてもらうぞ」「は?え!?」「いいから」ミアはドキドキしながら、恭一の前に立つ。恭一がミアの背中に腕を回して、ウエストを測り始める。「ミアごめん、後ろの机にあるメモとペン取って」「あ、うん」机に手を伸ばしたけど、微妙に届かずぐらつく。「わっ」転びそうになったミアを、恭一が抱きとめた。「え、あ…」思わず、ドキッとしてしまう。ちょいと気まずい。すると、突然ミアのお腹がグーと大きな音を立てて鳴った。「ほんと、食いしん坊なのに、この細さ、すごいよな」顔を見合わせて笑う。数週間後、恭一はおばあちゃんの服をミアサイズに今っぽくリメイクして持ってきてくれた。「こんな服、着たことないけど」半信半疑でその服を着ていくと、学校の子たちに褒められた。「それどこで買ったの?竹下通り?下北沢?」って。恭一のことを話したら、きゃーって盛り上がって、友達もできちゃった。みんなに「彼氏候補なの」と尋ねられるが、それってアリかも。恭一に彼女候補にしてって伝えようかな。【三松さんからのコメント】恭一さん、特技を生かして恩着せがましくなくミアさんを救っていてかっこいいじゃないですか。思い入れのある服をミアさんに着てもらえて、おばあちゃんもうれしいはず。ぜひその服を着た写真を送ってあげてね。そして、古着のリメイクは地球にもやさしい。まさにSDGsライフ。みんなにとってハッピーな、すばらしいアクションです。今後ますますリメイクは流行っていくかもしれません。流用だって、Z世代にY2Kファッションが浸透したように、昔のものが復活することがありますし。昭和レトログッズのショップも見かけます。恭一さんみたいな専門テクニックはなくとも、今の時代、動画でなんでも学べちゃう。服を買えなくて困っているひとは、家族の着ない服をもらって、リメイクに挑戦しても楽しいです。ミアさんと恭一さんの距離も、これからますます縮まりそう。物価高の影響もあり、都会の一人暮らしはとっても大変で心が折れるときもあるでしょう。そんなときは、彼氏や友達といっしょに困ったことを言い合おう。お互いの得意なことを生かしながら、助け合ってやっていける。彼氏ゼロのひとは恋愛のきっかけにもなりますし。「洋服レスのプアな日々でも、工夫しだいで楽しくやれる!オシャレ心をもつとモテ期が始まるのだ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Natalia S./Adobe Stock文・三松真由美
2024年05月16日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、付き合っている彼女に食べ物の好き嫌いが多いことにモヤモヤしている25歳男性。彼はおいしいものを彼女と一緒に楽しみたいと思っていますが…。三松先生の回答は?陽一(25)彼女には、“好き嫌いレス”でいてほしいがどうしたらいいんだ?【レスなひとびと】vol. 240「えー、食べないの?」煙もくもく下北沢の焼肉屋で、陽一はげんなりする。彼女の華ちゃんは、好き嫌いが多くてホルモンを食べないのだ。「だって言ったじゃん。苦手だって」「そうだけど。頼めばちょっとくらい食べるかなって」「いや、食べないよ」結局、ホルモンの盛り合わせはすべて陽一が食べることになった。あーあ、ほんとはハラミも壺漬けカルビも食べたかったのに、ホルモン尽くしか。華との出会いは、社会人テニスサークル。白いスコートをバッチリ履きこなすスタイルのよさに一目惚れ。陽一の猛アタックで付き合いはじめた。交際してからわかった。華は食べ物の好き嫌いがムッチャ多い。ホルモンや刺身が無理らしい。馬刺しやラム肉も。なんならキュウリとセロリも。あ、青い魚もって言ってる。お酒も飲めない。酒好きな陽一は、かなりショック。早いところ、親にも紹介したいと思ってる。でも、好き嫌いの多さがネック。陽一の実家は北海道。刺身やラム肉は不可避。というより、陽一が地元フードを食べたい。一緒においしいねって楽しみたい。想像してみる。陽一の家族と食事をするとき、華が嫌いなものを全部残したりしたら…。絶対、お互いに気まずい。大人なら、そこは華もがんばって食べてほしい。「せめてお酒は飲もうよ。華の両親もよく飲むって言ってたし、体質的にダメなわけじゃないんでしょ?一口でもいいよ」「翌日に響くし、コンディション悪くなるのが嫌なの」頑なに拒否。本当はちょっとずつでいいから飲めるようになってほしい。結婚したら、一緒にワインとかで洒落た晩酌する夢がある。デートからの帰り道、陽一は思い立つ。いいムードの時に、少しだけ飲んでみてもらえばいいのでは? と。「意外とおいしいじゃん!」となり、華の考えも変わるかもしれない。決行は、華が陽一の家にお泊まりする次の土曜日。翌日もデート予定だし、コンディションが悪くなったとしても、おうちデートにすれば大丈夫。土曜の夜、おやすみ前の時。近くに置いておいた梅酒を手に取り、口に含む。「華…」名前を呼んで顎クイ。キスをしつつ、梅酒を華の口に流し込む。「ん!?」驚いた顔の華が、手でグッと陽一の胸を押す。「ありえない今日はもうしない」そう言ってサッと服を着て、ふてくされて寝てしまった。あれ、これって作戦失敗?【三松さんからのコメント】陽一さん、それって食ハラだし、アルハラです。翌朝、華さんはもう出ていっちゃってたんじゃないですか?恋が終わりそうな予感です。苦手なものを「一緒に楽しみたいから」「家族に自信をもって紹介したいから」といった理由で強要するなんて、華さんも「自分は大切にされていない」と感じてしまうのではないでしょうか。食べるものに限らず、誰しも苦手なものはある。高いところがダメだったり、大きな音がダメだったり。自分は好きだから、相手も好きになってくれるはずと思うのはやめて。世界は自分中心に回ってるわけではない。ご両親との食事だって、工夫すれば乗り切れる。「あれもこれも食べられない」「苦手なものが多すぎる」と伝えるのではなく「これが食べたい!」とリクエストすればいいのでは?刺身やラム肉にこだわらずとも、北海道ならおいしいものがいっぱいあるあるある。例えばチーズフォンデュとかね。 頻繁に食事の機会があるわけではないですし、「彼女はチーズが好きでたまらない」とでも言っておけばいいのです。苦手なもの、ありすぎると健康上の問題がありますが、他の食べ物で栄養がとれるのであれば問題ない。どうしても一緒に食とお酒を楽しみたいなら、それを条件に婚活しなおして。今のままだと、華さんがお気の毒です。「”好き嫌いレス”でなんでも美味しそうに食べる彼女が理想なのはわかるが、誰だって苦手食材はあるっしょ。そんなことで悩むのは器が小さいやつだ。ドンと構えて親に会わせよう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©yamasan/Adobe Stock文・三松真由美
2024年05月09日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、これまで彼氏ができたことがないという32歳女性。婚活をしつつ、自分に自信を持つため「1000万貯金」を目標に節約に励んでいるそうですが…。彼女がパートナーに出会うためにまずすべきことを、三松先生が教えてくれます!佐和子(32)モテないのは“半額シール”レスだとガッカリする脳のせい。1000万貯金レスでも、モテてる女性はたくさんいるもん【レスなひとびと】vol. 239不動産会社のバックオフィスで働く32歳の佐和子にはある夢がある。それは、1000万円貯金すること。今まで彼氏ができたこともなく、男性には相手にされない。むしろバカにされている視線すら感じる。いろんな意味で自信がないことに気づいている。1000万貯めれば、自分に自信が持てるかも。だから、とにかくなんでも安くおさめて現金、貯めてやる。「20時から貼られる半額シールに間に合わないー」仕事を終えると、近くのスーパーに向かってドタドタと走っていくのが佐和子の日課。購入した半額惣菜を夕飯にして、残りを翌日のお弁当につめる。揚げものばっかだし、消費期限すぎてるけど、自分のだから、まあいいっしょ。もちろん、婚活はあきらめてない。だって、結婚したら家賃や食費が折半。最強の節約ができるではないか。婚活アプリでは、とにかく倹約女子なことをアピール。お弁当の写真も載せた。あまりいいねがこない。なぜ? 茶色一色の半額惣菜弁当だってバレてるから?「あ〜、もう!」帰ってすぐ、500円で買ったユル部屋着に着替え、からあげやコロッケなどのお惣菜をつまむ。皿は使わない。洗う水道代と洗剤がもったいない。ソファにごろ寝してアプリをひらく。いいねを送ってくるのは、50歳オーバーのおじさまばかり。どんどん“ナシ”のほうにスワイプしていき、そして…誰もいなくなった。節約中だけど、買った惣菜のほうが安いしおいしいから、料理はしない。10年前に買った毛羽立ちのトレーナーの袖が抜けそうだがまだ着られるからギリ大丈夫。服は破れるまで着ないともったいなくて、ここ3年くらいは買ってない。あ、メルカリで、1,400円の紺スカートは買った。職場用。最近は会社が繁忙期。残業多めで、半額シールのタイミングに間に合わない。“半額シール”レス商品を買うことのほうが多くて、悔しくて、悲しくてイライラ。残業代は出るけど、半額で惣菜を買えないとなるとプラマイゼロな気がする。ケチ根性の計算だが。1か月後、やっと仕事が落ち着いた。「今日こそは」と走っていくと、あった! ラスイチの半額シールつき大葉ささみカツ。「あっ」勢いよく手を伸ばすと、骨ばった大きめの手とぶつかってしまう。見ると、毛玉だらけのニット姿の男性がささみカツのパックに手を。「えと…すみません」手をひっこめてしまった。同い年くらいかな?顔は好みだ。でも、ちょっと、というかかなり身なりがみすぼらしい。金欠なのかも。佐和子だって、袖が黒ずんでいるリボンタイつきブラウス。人のことは言えない。ただ、マジで金欠だと、家賃も食費も佐和子が出してあげることになる。それはごめんだ。…って、何考えてるんだ?スーパー半額売り場で婚活かよ。ささみカツ、どうする。「どうぞ」佐和子の目を見て、ささみカツを勧めてくる男性。「これうまいっすよね。大葉がしゃれてる」んん!? あり? ありなのか?会話をはずませて、仲良くなってしまうのがいいのか。シールを見つめる佐和子であった。【三松さんからのコメント】ファストファッションでおしゃれ服も安く買える時代、1着の服をそれだけ長く着るのはあっぱれ。エコで、SDGsウーマンじゃないですか。でも男性側は、倹約に付き合わなくちゃいけないと思うとゲンナリしてしまうかもしれません。「僕のお金の使い方まで口出してきそう」ってね。過度の倹約家は、アピールポイントなのではなくて、むしろマイナスポイントとも言えます。しかし、お金の価値観が合う男性にとって、佐和子さんはまたとないパートナー。倹約家の男性はきっと「あれが欲しい」「これが欲しい」「結婚式はここしかイヤだ」という女性を敬遠します。相手によって、アピールポイントは違うってことです。倹約の捉え方も個人差ありますもの。佐和子さんの結婚したい一番の理由は、「生活費を折半できるから」ですか?そんな理由で結婚決めるのは、ちょっと違う。年齢や容姿を基準に相手を選んでいることから、恋愛をしたい気持ちもうかがえます。もし、恋愛や異性に向き合うのがこわくて、節約や半額シールに逃げているのなら、油たっぷりのお惣菜をいったんやめて、期間を決めて自分に投資してみては?お肌、髪質、体型、高価でなくてもこぎれいなファッション。そして笑顔と余裕ある仕草。これで充分、モテに必要なファクターの「品位」がにじみ出てきます。「この人、ありかも?」なんて考え始めちゃったのが、よいきっかけになる。「“半額シール”レスの食材を選ぶ脳は大事だが、自己投資脳を目覚めさせてみよ。これまでと違う自分がいることに気づくぜ。そこから婚活スタートだ!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©sandra/Adobe Stock文・三松真由美
2024年04月25日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、3年片思いしていた会社の同僚と晴れて恋人同士になったという21歳女性。ところが、初デートで彼のある行動が気になり…。恋人に対して急に冷めてしまう「蛙化現象」が起きてしまったときの対処法について、三松先生が教えてくれます!美穂(21歳)、これって蛙化?ハンカチレス男に1000日の恋も冷めてしまう【レスなひとびと】vol. 238マッチョ好きの美穂は、同じ会社に勤めるたくましい上腕をもつ剛に片思いして早3年。同僚には「ちょいゴリラ系だよね」って言われてる彼だけど、美穂にとってはそこがいいのだ。この春、歓送迎会の帰りに思い切って告白。まさかのOK。週末は初デート。桜がキレイな山にプチ登山することになった。「あー、服、迷う! っていうか、土曜ってどのくらいの気温なんだろ」調べると、山にしては結構気温が上がるみたいだった。剛にも伝えようと思ってLINEする。「土曜日は結構気温が上がるみたい。温度調整しやすい服で来てね。楽しみにしてるよ」気遣いができるところを見せたくて、丁寧に伝えた。そして、当日。よく晴れて、気持ちのいいお天気だ。剛が車で迎えに来てくれて、山の麓まで。そのあと車を停めて登山道を歩いていく。普段からバスケや筋トレをしている剛は、足取りが軽い。上着を脱いで、半袖から覗く上腕二頭筋にキュン。「あー、あの腕に腕枕してもらいたい」と、ついつい妄想してしまう。胸筋も広くてこんもり盛り上がってていい感じ。「さすがにこんだけ歩くと暑いね」初デートなのに汗だくで引かれないかな? と思いながら、美穂はハンカチで汗を拭う。「だね。ちょっと俺にもそれ貸して」「あ、うん」なんの気なしにタオルハンカチを渡すと、剛はゴシゴシと顔とうなじの汗を拭いはじめた。(えっ…?)せめて、ぽんぽんと押して拭きとる程度かと思っていたのに。皮脂までたっぷりつくくらい、しっかり拭く。アスリート系なのに自分のタオルとかハンカチ持ってないの?固まる美穂。一昨日「結構気温が上がるよ」って言ったはずなのに。服装のことに加えて「ハンカチもタオルも水筒も忘れずにね」って言わないといけなかった?それって、まるで遠足の前日のお母さんみたいでいやだよ。ハンカチを受け取ると、汗が染み込んだところを内側にして畳む。汗くさっ…。ああ、お気に入りのフェイラーのゴリラ柄ハンカチが…。「うお〜! 桜、満開じゃん」頂上近くの、桜が綺麗なエリアまでやってきた。剛はテンション高めだ。でも美穂は、さっきのことでモヤモヤ。心から楽しみきれない。「美穂、どうした?」「ううん」帰りは、車で美穂の家まで送ってくれた。そのまま帰すのもそっけないかなと思い「コーヒーでも飲んでく?」と聞いてみた。「お、いいねえ」うれしそうについてくる剛。ずっと待ち望んでいたはずの瞬間。それなのに、覆いかぶさる剛の髪から、美穂のカラダに降ってくる男臭の汗が気になる。やっぱり…なんか違うかも。【三松さんからのコメント】2023年の流行語トップ10にも選出された「蛙化現象」。もともとはグリム童話『かえるの王さま』が由来で「好きな相手に好意を向けられた途端、嫌いになってしまう現象」を指します。一方、Z世代のあいだでは、「好きなはずの相手のイヤな面を見て、急に冷めてしまう現象」として使われているようですね。蛙化のきっかけは、近づいたときの鼻息の荒さや鼻毛、店員さんへの横柄な態度などとさまざま。鼻息が荒いのはもう、どうしようもないですが。話を聞いていると、理想高めの人や完璧主義者に起こりやすいようです。 美穂さんも、片思いの期間が3年と長かったので、どうしても剛さんへの期待がふくらんでしまったのではないかなと。仲が深まるうちに、「もー! ちょっと、やめてよ!」と笑い飛ばせるようになればいいですが。ずっと憧れていた相手だからこそ、初デートではからかいづらかったのかもしれません。とはいえ、汗がイヤなのは大丈夫か?夫婦仲相談所に来られる妻の方々から「衛生的にズボラな夫とはまったく合わない」「あの汚さは生理的に無理」という言葉が出ます。今後、結婚するとしたらますますニオイと体液に触れるシーンは増えていく。一生続く結婚生活。そのたびに眉をヒソメていられない。そう考えると、蛙化の直感は正しいのかもしれません。「ハンカチ王子ではなくハンカチレス汚男子(おダンシ)。衛生概念の温度差は結婚後、冷めるファクターになる!よーく考えてから付き合ってね」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©BullRun/Adobe Stock文・三松真由美
2024年04月18日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、大学院生の彼氏との金銭感覚の違いに悩む24歳会社員女性。彼女は彼氏に給与水準の高い会社へ就職してもらいたいと思っているけれど、彼氏はバイト三昧で…。ふたりがこれからも長く一緒にいるためにできることを三松先生が教えてくれます!葵(24歳)、計画性レスの彼氏の奨学金が400万円。将来、二人で払うのは嫌かも【レスなひとびと】vol. 237葵は、丸の内のIT企業で働く会社員。もうすぐ3年目。華やかな暮らしが好きな葵は、とにかく給料重視で就活の荒波を乗り切った。よって年収は同世代の1.7倍。やりきった感で何度もママとねえちゃんと乾杯した。星空を見上げて彼氏の正人に電話。「お疲れ〜!」華金、同期飲みの帰り道。ギリ会社徒歩圏内に家を借りているので帰りは徒歩。「正人、今日は何してたの?」「バイト。いやー、今日も忙しかった」「えっ、今日は合説じゃなかったの?」「いや、バイトリーダーに急遽入れないかって言われちゃって。2割増でバイト代出すって言われたから、行ってきた」「ふーん」「葵は? 遅かったね」「同期と飲み会だよん。 超―いい店だったんだよ。写真送るね」写真は、東京駅の駅舎がバックに映る、夜景が綺麗なテラス席。葵の隣には、ほっぺがくっつきそうなくらい近くに男性の同僚がいて、楽しそうにピース。正人は大学院生。今年が就活の年だ。でも、葵と違って家庭に余裕がなく、仕送りなしの一人暮らし。だから、就活よりもバイトを優先させている。すでに奨学金を合計400万円借りているのに。葵は思う。正人にはなんとしてでも、葵みたいに給与水準の高い会社に入ってもらわないと。年収も家事もフィフティで依存しない結婚が夢。本音を言えば、将来、結婚したとして400万円を肩代わりしたくない。「そんなふうに計画性ゼロじゃ、いい会社入れないよ」「でも、バイトしないと今の生活が立ちゆかないしさ」正人は無駄遣いするほうではない。どちらかといえば倹約家。バイトを休む余裕はないのだろう。「就活中くらい、親に頼れないの?」「無理だよ。葵みたいに学費も生活費も出してもらえる家の人にはわからないって。住んでる世界が違うんさ」「……」何も返せない。週末、正人とのお花見デート。シートを敷いて、パン屋で調達したサンドイッチと缶ワイン。正人は、あれからずっと、葵の同僚との飲み会のことが気になって焦っていた。あのピース野郎は葵を狙ってんじゃないかと。こんなシートデートでいいのかよ。華やかな場が好きな葵だ。もっともっとバイトしてお金を稼いで、いい店に連れていかないと。ってことで、月末にがんばった。「えっ、お店予約してくれたの? ありがと」桜が見えるテラス席。春らしいパステルツイードのワンピースに身を包んだ葵が、にっこり微笑む。ちょっと無理してでも連れてきてよかった。そう思った正人だったけれど…。食事のあと葵に聞かれた。「ねえ、正人、お金ないんじゃないの?」ちょっと機嫌が悪そうだ。いい店で喜んでくれてると思ったのに。「いや、葵が同期とすげーいい店行ってただろ。それ見て俺、焦っちゃって。だから最近、バイトがんばってた」「頑張るとこ違ってない?いい会社に就職しないと奨学金も返せないよ。金銭感覚一緒でないとやっていけない」せっかくのスプリングデートが台無しだ。【三松さんからのコメント】就活、大変なのはよくわかります。自分に一致する理念と待遇の板挟み。でもわがまま言ってたらどっこも内定取れない。そんな時代なのですよね。高給、福利厚生安定の会社に就職したいなら、葵さんの言う通り計画性をもって動くことが重要。就活の辛さを知っている葵さんが、焦る気持ちもわかります。ただ、日本学生支援機構の調査によると、奨学金を借りている学生は、全体の5割。葵さんはそのことをご存知でしたかね。親に学費や生活費を出してもらえることは、あたりまえではないのです。どうしても正人さんの時間を捻出したいのなら、一緒に住んで生活費を軽減してあげてもいいのかもしれません。しかし結婚確定のわけではないし、時間があれば高給会社に入れるわけでもない。葵さんがいつも奢るのもおかしいし。悩みどころですね。ならば、会社選定と就活のノウハウをみっちり伝授することはできるのでは。バイトだって、立派なガクチカとして語れます。生活費を稼ぐため、一生懸命働いていたのなら、そのなかで工夫したことや体験談もあるのではないかと。それらを二人で洗い出す。葵さんは正人さんと将来も一緒にいたいゆえに、奨学金のことを心配している。正人さんは、将来より現在を心配している。ピース野郎に寝取られたくないから。「そこは安心して。あなたしか愛していない」と伝えるのも大事。葵さんを喜ばせたいためにバイトをがんばっているってことを認めて、受け止めましょう。二人が一緒にいられるようにするのに、まだまだできることがありそうです。「計画性レス彼氏、ひどいやつはいっぱいいる。給与全部ギャンブル…とかね。お金ないのに高いゴハン食べる彼ってのもアルアルでしょ!気になったら、目標設定シートをあなたが作ってあげればいいのよ。目標達成ごとにご褒美を出すってことで、やってみよ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©simona/Adobe Stock文・三松真由美
2024年04月11日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、4年付き合った彼氏に旅行先でフラれてしまった26歳女性。自信を回復するために彼女がとった行動とは…。恋愛でも人生でも、一発逆転するために必要な心掛けを三松先生が教えてくれます!舞(26歳)、奮発した旅行先で、まさかの彼氏レスになったが挽回したよ【レスなひとびと】vol. 236オーシャンフロントの客室。テラスに出た舞は、ミルキーブルーの海を眺めながら「わあ、気持ちいい」とワントーン高い声をあげる。彼氏の友哉と付き合って4年の記念日。奮発して沖縄旅行にやってきた。最近ちょっと友哉とのイチャイチャが足りてない。この旅行では存分にくっつく予定だった。夜、サンセットを眺めながらグリル料理を楽しんだあと。いよいよイチャイチャタイム。なのに、いつまでも部屋のソファでスマホをいじる友哉。舞はしびれを切らして抱きつく。「さみしいよ」そう言って、友哉のシャツのボタンを外していく。すると。「そういうのやめろよ」いつになく語気の強い友哉に、ビクッとして離れる舞。何よりハグを拒否されたことがショックだった。「ここ1年くらい、舞と一緒にいてもそういう気になれない」「それって」「今日は無理して旅行来たけど、俺たち、これ以上うまくいく気がしない」別れ話?沖縄で?最近、うっすらそんな気はしていた。だからこそ今回の旅行で挽回しようと思ってたのに、ここで言う?結婚式のための貯金だって、ずいぶん前から2人でしてたのに。結局、沖縄旅行を早々に切り上げることに。共同貯金をはんぶんこして友哉とは別れた。舞は思う。わたしって魅力ないのかな。SNSフォロワーは男性多いんだけどな。考えれば考えるほど自信がなくなり、将来への不安が募っていく。ある日の会社帰り。駅ナカの書店で一冊の本が舞の目に留まった。手にとって少し読んでみると「フラれた女は海外留学へ行け!」という趣旨のエッセイ本だった。本に書かれたカナダでの生活に思いが飛んでゆく。高校時代、ホームステイをする友達を見て羨ましかったことも思い出す。結婚の予定もなくなったわけだし、式のために貯めていたお金で海外行ってもいいかも。カナダ留学に向けて舞は準備を始めた。まず、英語の勉強と試験。それから、学校の手続きやビザ申請。さらに、英会話ができるマッチングアプリを駆使して、コミュ力も磨く。働きながらの留学準備は忙しい。だんだんと友哉のことを考える時間も減っていった。そして、いよいよ退職。カナダへと旅立った。半年後。舞は新しい彼、アランと同棲していた。「I’m going(いってきます)」アランは、舞が外出しようとするたびキスしてくれる。帰ってきたら、必ず抱きしめてくれる。もう、絶対友哉じゃ満足できないな。元彼と比較するのもなんだが、アランと付き合えたのは元彼が振ってくれたおかげだと思っている。【三松さんからのコメント】留学に行く理由は、語学研修とか、視野を広げるだけじゃない。恋人探しだっていう人も実は結構いるのです。舞さん、友哉さんにフラれた後、他の男性で自信を回復しようとしなかったのがえらかった。フラレ女性は、次の彼氏を秒で探すぞのアグレッシブ系と「傷ついた私」におぼれるメンポヨ(メンタルポヨポヨのよわっちさん)系と分かれますね。語学学習をして、勇気出して異国での生活を始める。ライフスタイルを大幅チェンジするというハードルが高いことに挑戦するって立派です。集中してがんばったので自信が回復したのでは?そんな舞さんだからこそ、アランのようなセクシー彼氏ができたのでしょう。法律を破ったり、誰かに迷惑をかけなければ地球上のどこにいったっていい。だって人生一度キリですもん。自信をなくしたとき、行き詰まったとき、もう手立てはないと思ってしまいがち。実はいくらでも選択肢はある。舞さんのようにグワっと視野を広げるだけで、世界が変わることもあるのです。「彼氏レスになった時こそ、勝負に出るんだ。人生一発逆転のいいきっかけになる!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©peach100/Adobe Stock文・三松真由美
2024年03月28日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、書店員として働く23歳女性。副業でフードデリバリーの配達員をはじめたら、なんと胸キュンの出会いが…。素敵な出会いをするための秘訣を三松先生が教えてくれます!紬(23歳)、大好きな書店仕事だけど貯金レス。始めたフードデリバリーのバイトで…【レスなひとびと】vol. 235紬は書店員として働く23歳。物心ついた頃から本好き。本に関わる仕事はずっと夢だった。しかし。「今月も全然貯金できなかった〜!」紬の手取りは月15万円前後。家賃7万円、光熱費1.5万円、食費3万円。毎月ギリギリ。でも本の仕事が大好きなので転職はしたくない。ジムに行くお金はないので、運動を兼ねつつできる副業はないかと考えた。フードデリバリーの配達員だ!最初のうちは、慣れない大きなリュックによろめいた。ただ、ふだんとは違って屋外で働く開放感がいい感じ。「え、これどこから入るの?」転機が訪れたのは、ある雨の晩。目的地に着いたものの、タワマンの入り口には「入居者専用」の看板が。配達員は、配達専用裏口まで回らないといけないっぽい。あわてて自転車でターンしようとすると、ズベッと滑って転んでしまった!「うそっ、中身が」幸いハンバーガーだったからギリセーフ。ただコーヒーが少しこぼれてしまった。「味は劣るかもだけど…」エントランスの自販機で、ひとまずコーヒーを買い直して修復。オートロックの自動ドアを2回もくぐって、やっとエレベーターで29階へ。チャイムを鳴らすと、同い年くらいのスウェット姿の男性が出てくる。「すみません、さっき転んでしまって、コーヒーが少しこぼれてしまって。別のもので申し訳ないのですが、よかったら」怒られちゃうかも、とびくびくしながらハンバーガーの袋とコーヒーを差し出す。彼は受け取ると「こんな雨の日にすみません。ちょっと待ってて」と言い、タオルを持って戻ってきた。「返さなくていいから」そう言って、紬にタオルを渡してドアを閉めた。数日後、配達のバイトの日。「あっ」再び、あのタワマン29階の彼からオーダーが入った。洗って畳んでおいたタオルを一緒に持って出る。そして彼に桜フラペチーノの袋と、タオルの入った紙袋を渡すと。「え!あのときの…。ありがとう」驚きながらお礼を言われた。彼の左手には読みかけの小説が。最近紬も読んだ小説だ。「あ、その小説、いい展開しますよね、奇想天外っていうか」思わずポロッと感想が出てしまう。すると、彼が初めて笑った。「本、お好きなんですか」「はあ、いつもは書店員しててこっちは副業で」「そうなんですか…あの…」彼から名刺を渡される。誰でも知ってる外資系のIT企業だ。「ツカサっていいます。よかったら、今度ごはん行きませんか。小説の話したいな」「…!」久しぶりに、なんだかドキドキ。好きなものがきっかけになるって、いいな。【三松さんからのコメント】好きなものへの気持ちを貫く紬さん、かっこいいですね。今の時代、「仕事に不満がある」=「転職しなければならない」わけではない。お金をむっちゃかけて運動している社会人が多いなか、お金をもらいながら運動しちゃおうというポジティブさが推せます。フードデリバリーのバイトが出会いにつながったのは、紬さんの他者を気遣う人間性のたまもの。困難な状況でも投げやりにならず、ごかまさず、最大限の気遣いをしたから。趣味が合ったのもGOOD。趣味はもっておいて損はないと思ったでしょ!好きじゃないものをムリやり摂取する必要はありませんが、人との共通点が作れれば作れるほど、いい出会いの確率って上がります。趣味をもつって大切。読書、動画、料理、スポーツ、あ、大谷翔平選手だってスポーツが取り持ったご縁じゃないですか!少しでも「おもしろいかも」と思ったら深掘りチェックしてみて。もしかしたら、それがきっかけで話が弾むことだってある。紬さんにはマネー貯金はなくても、いい出会いのための「経験貯金」があったのです。彼と一緒に桜フラペチーノを持って、御苑の桜の木の下でふたりで読書。ドラマのような楽しいデートができるといいですね!「貯金レスでも卑屈にならず、経験貯金をしとこう。趣味や好きなことを突き詰めとくとタワマンに住むことができるかもしれない。あ、人間性も磨くのは忘れずに」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©aerogondo/Adobe Stock文・三松真由美
2024年03月21日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、自分との時間より趣味を優先する彼氏に不満を感じている26歳女性。将来の生活にも不安を感じているとのことですが…。長続きカップルになるためにはどうしたらいいか、結婚前に必ずしておくべきことを三松先生が教えてくれます!翔子(26歳)、趣味の時間を大事にする彼。趣味レスなわたしってつまんない女か【レスなひとびと】vol. 233「じゃ、行ってくるわ」朝5時前。同棲中の彼氏、陽平はベッドを抜け出し、スノボに出かけていった。最近はいつもこうだ。「もうすぐシーズンが終わるから」って毎週のようにスノボに出かけていくんだもん。翔子も一度だけ、一緒に行ったことはある。ふだんは着ないような派手色のウェアとゴーグルとニット帽を買って。陽平は「かわいいじゃん」ってほめてくれたけど…。「ぜんっぜん滑れないーー」サラサラとロングヘアをなびかせて、真横を滑走していく女性を見ると翔子は腰が引けてしまった。リフトを降りたばかりで、先はものすごく長いのにどうやって下まで行こう。「しょーがねぇなぁ、ゆっくりでいいから」と笑いながら、最初は手取り足取り優しく教えてくれていたものの、そりゃ教えてばかりじゃつまんないよね。彼は思いきり滑りたくなったのか、1時間だけ別行動することに。寒くて、寂しくて、孤独で、一体何のために冬山に来たんだ!?あれ以来、翔子はスノボには同行していない。一緒に住むまではそれでよかった。翔子は大きな病院で看護師をしていて、ランダムシフト。土日に毎週休めるわけじゃない。土日はアウトドア派の陽平がむしろ都合いいくらいだ。行動がわかってるので浮気の心配もしなくていいし。その考えは一緒に住み始めて一転した。「え、今週も行くの?」の繰り返し。毎週末に出かける陽平。仕事か趣味かで、家のことはまったくやらない。「わりぃ、また友達と約束してるんだ。エッチはまたね。翔子はどっか行きたいとこがあるんだっけ?」「んー、特にあるってわけじゃないけど、最近一緒にゆっくりできてないなって」「そかそか。じゃあ、やりたいことできたら教えて!」陽平はまず趣味優先。翔子のことはその次。しかも、チラッと見えてしまった。陽平のスマホに、サークル掲示板のアプリが入っているのを。ためしに翔子もアプリをダウンロードしてみる。掲示板には「お茶できる20〜30代募集」といった簡単なものから「1泊でスノボ行く人募集」といったものまでいろいろある。スノボサークルの参加者を探すと「よーちゃん」がいた。アイコンはずいぶん前にふたりで行ったカフェデートで、翔子が撮った写真。そのサークルには、もちろん女性もいる。今頃、陽平は上級者の男女でスノボを楽しんでいるのだろうか。全然家のこともやらずに、春夏はサーフィンやキャンプ、秋冬はスノボ。(わたしも何か、趣味を作ればいいのかなあ)もやもやして、二度寝もできなくなってしまう。このままじゃ、結婚しても一緒に子育てできる気がしない。【三松さんからのコメント】なるほど趣味や友達付き合いを優先する彼氏に不満な日々ですね。結婚前に不安や不満はすり合わせしておかないと、「結婚したら直るだろう」ってことは一切ありません。家のことを翔子さんに任せていつまでも子ども気分。自由気ままな彼氏。お互い働いているのにフェアじゃない。まずは、家事の分担を決めるところからです。「趣味に時間使う前に、生活の基本は二人でシェアしよう」が第一声です。陽平さんはなにか明確な目的がないと、行動を起こさないタイプ。「この日はしよう」とあらかじめ計画をしてみて。は家事だけでなく、映画、ゲーム、ドライブ、カフェデート、エッチなど二人で共にする行動。それでも自分の趣味と付き合いを優先するようならば、別れるかどうかを真剣に検討したほうがよかろうかと。趣味は必ずしも同じじゃなくていい。パートナーの趣味を受け入れ、自分は全然違うことをする。でも二人でする何かのときにはコミットして充実タイムを過ごす。そんな関係が健全です。趣味がないならば無理して探す必要はありません。「パートナーとなんもせずまったり過ごすのが好き」という人だっていくらでもいます。問題は彼が翔子さんのその気持ちを察するかどうかです。察することが苦手な彼なら、バチッと言葉で伝えないとわからない。結婚できるかどうか、今のうちに模索してみてくださいね。「趣味レス女性でもぜんぜんOK。でも彼が“趣味>二人時間”ってタイプなら結婚後、確実にレスになります!いいのか。それで。寂しいぞう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©KRIS/Adobe Stock文・三松真由美
2024年02月29日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、推し一筋でリアルな恋愛に縁がなかった22歳女性。バイト先の男性に突然告白され、驚きつつデートするもトラブルに遭遇してしまい…。「いい彼氏」になれるのはどんな男性なのか、三松先生が教えてくれます!風花(22歳)、ぬい撮り中に「非常識ね」と指摘され動揺。私って常識レスなの??【レスなひとびと】vol. 231風花には推しがいる。お出かけの時は、いつだって推しぬいと一緒。ぬい活は、風花の暮らしのなかの欠かせないルーティンだ。そして、同じグループを推してる子とのお出かけが、一番気楽だった。推し仲間はすべてを分かち合える。だから、バイト先の竜崎くんに誘われたときは心底驚いた。「間宮さん、この通り沿いにパフェ専門店がオープンしたの知ってる?僕、甘党なんだ。男一人だと行きづらいから、付き合ってくんない?や、もちろん興味なかったら全然断ってくれていんだけど」「えっ!エミリーパフェのことかな。ま、まぁいいけど…」高さのある盛り付けがキレイなそのパフェ店は、SNSでも話題になっていた。今月限定のいちごパフェは、推しのメンカラの赤と同じだから、写真を撮ったらすごく映えそうで、正直ひとりでも行こうと思ってた。だから、勢いでOKしちゃった。「あの、うち、推しがいて。カフェとか行くと、いっつも推しのぬい…あ、小さいぬいぐるみなんだけど…と写真撮ってるんだよね。竜崎くんはそういうの、恥ずかしくない?」「え、全然。てゆうか知ってるよ、間宮さんがよく、休憩中にぬいと写真撮ってるの」(み、見られてたのかあ)思わぬ発言に、顔がホワンと赤くなる。「ごめん、やっぱ言う。男一人だから入れないんじゃなくて、間宮さんが気になってるから一緒に行きたいの」(って、どういう展開?…)突然の告白。これまで推しにしか恋愛感情がなかった風花は心臓が飛び出そうになる。とはいえ、同時に思う。なかなかうちの推し活を理解するのは難しいだろうな、と。悶々。(パフェ店でのうちを見て、竜崎くん、常識ないやつって、きっと引くんだろうな)1週間後、竜崎くんが予約してくれたパフェ店に行った。予定通り、いちごパフェの隣にぬいを置いて撮影タイム。絶対映える。ウキウキだ。意外にも竜崎くんはそれを楽しそうに見ている。と、そのとき。「あっ、汚〜い」こちらに向かって、すぐ隣のテーブルの女性が大きな声を出した。目がつり上がって怖い顔。驚いて固まっていると、こう言った。「あなた、不衛生じゃない?洗濯もできない汚れたぬいぐるみを食べ物のそばに置いて。隣の席にいる私達のことも考えてよ。子どもじゃあるまいし。非常識よ」店にいるみんなが、こちらを見ている。不意打ちすぎて、言葉が出ず、ぬいをテーブル下に隠してうつむいてしまう。涙がこぼれそう。(やっぱ、常識はずれかあ。竜崎くん、きっと、こんなうちといるのは嫌だろうな)「そんなふうに指摘してくるほうがずっと非常識です。僕たちは、予約のとき、お店の方に人形と写真を撮っていいかの確認を取ってますよ」(え…?)竜崎くんの言葉に顔を上げる。すると、説教女は「うるさいわね!気分悪いわ。ここで食べるの嫌になったわ」と言ってレジへと立ち去っていった。(竜崎くん、そんなことまで確認しておいてくれたんだ)「さ、撮って!いつも楽しそうに推し活してる間宮さんのこと、いいなと思ってたんだよ。一生懸命でいい感じだなって」ほんと、竜崎くんには、ドキッとさせられっぱなしだ。【三松さんからのコメント】今や、20代の半数は推しがいるとも言われています。実際にフル推し活をしている人の割合はもう少し低いかもしれませんが、それでも「ぬい撮り=周囲に引かれること」というふうに考えて、自分から身を引く必要はないない。勇気を出してデート、行ってみてよかったですね!それにしても、急に怒鳴られたのは災難でした。ぬいを置いているのは、風花さんのパフェの隣。その説教女のパフェではないですし、同席しているわけでもない。自分のなかの常識を振りかざし、個人を怒鳴り、公の場で辱める。そのひとこそ非常識な行動だわあと感じました。思わぬアクシデントが起きた時の咄嗟対応って、性格が出ます。さっと動いて、かばってくれた竜崎くん、ナイスです。きっと、風花さんが心から楽しめるように事前準備してくれていたのですね。気遣い度抜群。これからのおふたりの進展が、楽しみです。「常識レスかなと感じてるあなた。空気を読む力があれば大丈夫。時と場所を考えて気遣いを。それを補ってくれる彼氏をゲッチュできれば幸せ者です」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©hakase420/Adobe Stock文・三松真由美
2024年02月15日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、オンラインゲームで知り合った男性に「会わない?」と誘われた26歳女性。彼には同棲中の彼女がいるらしいのですが…。彼女がまず考えるべきことは何か、三松先生が教えてくれます!ユキ(26歳)、冷静さレス。「4年付き合っている彼女よりユキのほうがかわいい」って言われて舞い上がる【レスなひとびと】vol. 230仕事の日は、帰宅するとひとまずNintendo Switchの電源を入れる。「あ、コウさんいるじゃん」モフモフ部屋着に着替えながら画面を確認すると、気になっている彼がいるのが見えた。ユキはショッピングモールの雑貨店で働く26歳。立ち仕事なので、帰宅後はもう、一歩も動きたくない。とはいえ、ひとりの部屋はさみしい。そんなユキに、オンラインプレイができるゲームはぴったりだったのだ。ユキの気になる相手コウさんは、フリーのコンピュータエンジニア。30歳。彼女と同棲中らしい。それなのに、ボイスチャットをしながら一緒にプレイするうちに「ユキちゃんって声、かわいいよね」「正直、彼女よりも気が合う」「あー、ユキちゃんみたいな子が彼女だったらなぁ。ノリもいいし」とノリノリで言ってきたのだ。最初は驚いたけど、悪い気はしなかった。だって、4年も付き合っている彼女よりも、ユキが上だと言っている。今まで好きな人はいたことがあるけれど、恋が実ったことはない。モテたこともない。だから、コウさんの言葉を聞くと、「わたしって、ほんとはすごく魅力的なのかもしれない」と優越感が湧き上がる。「調子いいなあ」と最初は聞き流していたけど、毎日のように褒められて、だんだん彼が気になってきてしまっている。仕事でくたくたの夜に「今日はユキちゃんといっぱいプレイできたから疲れ取れたわ」なんて言われると、なんだかこっちもそんなような気がしてきてしまう。だから、ついに聞いてみた。「コウさん、彼女さんと一緒に住んでるのに、そんなこと言っていいんですか?聞かれたらまずくないですか」「いや、自分の部屋だし平気だよ。彼女もオレっちのゲームのことなんか興味ないと思うし」「え、そうなんですか?あんまり仲良くないとか…」「そうそう。友達って感じ。だからさあ、今度、ユキちゃん会わない?ちょっと遠いけど、新幹線ならすぐっしょ」突然の誘いに驚いてしまう。でも、コウさんとは気が合うし、趣味も同じだし、いい人だし。会ってみたい。(もしかしたら、彼女と別れて、わたしと付き合うことになるかも?)そう思ったものの、まだちょっと怖くて渋ってしまう。「新幹線代は、会ってから払うからさ。来月こっちおいでよ、どこかの部屋にSwitch持ち込んで、一緒にプレイしたらめっちゃ楽しそうじゃない?」ぐいぐい来るコウさんに、すぐ返事ができない。「え、ユキちゃん思ってたよりノリよくないな。仕事忙しいとかかな」ああ、ノリが悪いってマイナス評価がついちゃった。早く決断しなくちゃいけないけど、どうしたらいいかわからない。【三松さんからのコメント】オンラインゲームで出会って結婚、何組か話を聞いたことがあります。スプラ婚とか言うんですね。ブキを持ってウエディングフォトを撮ったり、ウェルカムボードにイカのぬいぐるみを飾ったり、楽しそうでした。趣味をきっかけにして出会うと、一緒に楽しめることが多くてとってもよしです。お相手の性格も把握しやすいし。ユキさんが「会ってみたい」と思うのなら止めませんが、コウさんは彼女に不義理な男性ってことはわかりますよね。未婚とはいえ浮気に当てはまります。ほかにも気になるのは、コウさんが、ユキさんのペースを尊重していないところ。「会おう」と言われて即決できないのは、決して悪いことではありません。それをすぐ「ノリが悪い」と指摘してくるのは、自分の都合しか考えていないゆえの行動ではないか。本当にユキさんのことが気になっていて、大切にしたいと思っているのなら、待てるはず。彼女とのことをまずは整理してから誘うのが「まっとうな恋愛」です。ユキさんも毎回「可愛い」と言われて舞い上がっているだけなのか、それとも本当にコウさんが気になっているのか、冷静に自分対話してみて。冷静さレスで焦って会いに行っても、望むような未来にはつながりません。「恋と結婚は勢いが勝負という噂もありますが、1回目デートでパンツは脱ぐな」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Suthida/Adobe Stock文・三松真由美
2024年02月08日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、AGA治療のクリニックで働く24歳女性。患者のアラフォー男性から誘われ「想定外」と思っていたものの…。三松先生が、よい恋愛をするために、ルックスより重視すべきことを教えてくれます!ツグミ(24歳)13歳年上頭髪レス男に言い寄られるがアリか?【レスなひとびと】vol. 229駅や電車でよく見かけるAGA治療のクリニック。ツグミは新橋のクリニックで受付事務の仕事をしている。患者さんの対応、管理だけでなく、空き時間にはヘアサイクルのイラストを描いたり、毛髪診断士さんと勉強会をしたりと充実の職場。毎日仕事に行くのが楽しくてしょうがない。患者さんは、たしかに年齢の割に薄い人が多い。元通りの髪型に戻りたいと一生懸命な様子を見ていると、心から応援したくなる。恥ずかしそうに目を合わせぬよう処方箋を受け取るひともいれば「今夜ゴハンどう?」のグイグイ系患者さんもいて、男性観察ができる。学びの多い職場だ。土曜出勤のシフトで、仕事終わりに銀座でゴハンでもしようかと思っていた日。クリニックを出ると、患者の藤川さんが背後から声をかけてきた。「あのう、この前、NewJeansが好きって立ち話してるのを聞いたので、よかったらこれ使いませんか。妹が間違えて2つ購入したって…」手のひらサイズの公式雑貨。「わあ、かわいい。私、どこでそんなこと言ってました?」「昼休みに、受付カウンターでナースさんと。僕、診察が長引いたんで、待合ロビーにいたんです」長く通院してる患者さんの嬉しい気遣い。快く受け取った。すると藤川さんは名刺を差し出し、早口で言う。「もしお茶お付き合いくださるなら、いつでもメールください」いやあ、ないない。頭頂部のヘアがないアラフォー男性。想定外です。と思いながらも失礼にならぬよう名刺はいただいた。名のあるIT会社だ。カルテ見たら37歳。にしてはツルルン。ツグミに不運な事件が起きたのはその数日後。マッチングアプリでマッチした男性と初めてのデートの日。そいつが最低ゲス野郎で、食事の後、無理やりツグミとラブホ街を通り、ホテルに連れ込もうとしたのだ。恐怖を味わい、思い切りバッグで殴ってダッシュして逃げた。自宅付近の駅に着いたのは24時25分。マンションまでの道は徒歩14分。人気がなく薄暗い。怖い。あんなことをされた後の夜道は臆病になる。交番のおまわりさんは外勤なのか、無人…。小さな駅なのでタクシー乗り場はない。思わず名刺を取り出す。藤川さんの携帯番号をプッシュ。遅い時間なのにすぐに出てくれた。理由を話して、家まで送ってくれないかと頼むツグミ。駅中で待っていると、藤川さんは、タクシーを飛ばして来てくれた。なんだかホッとする。無事家に着いた。「ありがとうございます。今度お礼にケーキをごちそうします」と思わずお礼を。ってことで、休日にカフェで藤川さんとお礼のケーキタイム。これがまた、とんでもなく楽しかったのだ。お仕事でAIを使ってることをわかりやすく教えてくれたり、趣味の自転車街巡りの話を聞いたり。NewJeansについてもなんとなく話が合う。頭頂部のことがまったく気にならなくなった。あまりに、会話が楽しくて、また会いたくなったではないか。髪型はうちのクリニック通院できっとフサフサになるはず。それを待たずに、今のうちに付き合ってみてもいいかも。脳内で、藤川さんにカツラをかぶせる想像をしてみる。「アリかも!!!」思わず叫ぶツグミを、藤川さんが不思議そうに見つめる。どうなる、この恋。【三松さんからのコメント】ツグミさん、その恋、アリですよアリ。NewJeansの立ち話を聞いたときに彼は「チャンス」と思ったんでしょうね。ネットに頼らず、現実世界でツグミさんにアプローチした行動力がすばらしいです。その心意気、評価できます。リアルガチで告って玉砕するのを避けがちな令和男性。彼は頭頂部コンプレックスがあるので、振られる覚悟で話しかけたはず。恋愛開始は第一印象、見た目に左右されやすいのですが、ルックスより、そのひとの醸し出す雰囲気、受け答えの心地よさを深掘りすると、より上等の恋に発展します。この恋、進めてみましょう。「頭髪レスの男性、第一印象にとらわれず、じっくり話してみて。心地よければ付き合ってよし!今のAGA治療はすごいんだから」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©japolia/Adobe Stock文・三松真由美
2024年01月25日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、憧れのお店で働くことにやりがいを感じている21歳女性。仕事を応援してくれていたはずの彼氏がある日不満を言い出し…。三松先生が、恋、仕事、結婚に悩む女性に大切なアドバイスをしてくれます!真希(21歳)、念願の正社員で休日レス。休みが合わずに彼が不満を言い出した【レスなひとびと】vol. 228「よしっ、これで今日は売り切ったね!」真希は表参道の人気ケーキ店で働く21歳。3年目の今年、「正社員にならないか」と打診されラッキー!正社員になったばかりではりきっている。アルバイトのときとは責任の重さが違うけれど、憧れの夢の世界のようなお店で社員として働いて、お客さんの笑顔にたくさん触れて、だんだん自信もついてきた。収入もアップしたから、いいことだらけ。彼への誕生日プレゼントに奮発してジル・サンダーのマフラーを買ったぞ。陽平とは付き合いはじめて1年半。陽平は高校時代に入っていたバド部の先輩。卒業したあと、何度か集まるうちに告白された。今年の陽平の誕生日は日曜日で、真希はお店に出るシフト。デートはできない。でも、仕事が終わったら陽平の家に行って、マフラーを渡すのを楽しみにしていた。いよいよ誕生日当日。お店を閉めたのは22時すぎ。なんとか日付が変わる前に、陽平の家につけそうだ。「おかえり!」陽平はまだ起きて待っていてくれていた。いつも通り、甘い缶のカクテルを飲みながら、陽平の膝の間に座ってイチャイチャ。おっぱい撫でられたり、うなじにキスされたり。真希も、陽平の耳たぶを甘噛みしてベッド行こうとささやく。短い時間だったとしても、こうしてくっつける時間が最高に幸せだ。ベッドに寝っ転がると、空気が一転。「ねえ、真希」「ん」陽平が突然、真剣な顔で名前を呼ぶから、ドキッとする。「真希、むちゃ仕事してるよね。不規則な仕事。俺、誕生日とかクリスマス、年末年始とかのイベントごと、ほぼひとりで過ごさなきゃいけないのかな」「…?」「ときどき思うんだよ。もっと普通の仕事をしてる子と付き合ってたらなって。土日とか会える子」え、急にどうした。普通の仕事って、何?しかも、他の子と付き合う選択肢もあったみたいな言い方…。一気に胸が苦しくなる。確かに、土日休みの会社員をしている陽平とは、休みがまったく合わない。さらに去年から、新年に食べるフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」の販売を始めて、年末年始も前より忙しくなった。陽平は私のかわいい口元も、とぼける顔も、栗色ヘアも、オムレツ作るのが上手なとこも、仕事に全集中するとこも全部含めて好きって言ってくれてた。「どうしてそんなこと言うの。陽平、わたしの仕事応援してくれるって言ってたよね?」「そうだけどさ。だって、どうするの、子どもとかできたら。イベントごとのお祝いはできないってこと。土日もないしさ。変じゃない?」せっかく憧れのお店で働いて、どんどん仕事を任せてもらえるようになってきたのに。これからも続けていきたいって、思ってるのに。これって、おかしいことかな。今の仕事をしながらだと、恋をしたり、家庭をもったりはあきらめなくちゃいけないの?あんなに渡すのが楽しみだったマフラー、どうしたらいいかわからない。【三松さんからのコメント】真希さん、全然おかしくないです。私達は土日祝日に買いものをしたり、レジャーを楽しんだり、病院で急患で診てもらえたり、さまざまなことをしてもらえますよね。それは当然、そのとき働いている人がいるからです。そういう社会の構造を知ろうとせず、自分の休みに合わないという事実のみで大切な人を傷つけてしまう陽平さん、年齢のわりに子どもっぽい!!陽平さんは、どうしても休日にずーっと真希さんといたいのでしょうか。ぼっちが苦手なタイプか。もし、友達や趣味が少なく、ひとりで過ごすのが苦なのであれば、陽平さんが平日休みの会社に転職する方法もある。イベント日だって、別にその日に何かしなければいけないわけじゃない。1日遅れのクリスマスでも楽しめるはず。できるときに、できるやり方で楽しめばいい。臨機応変な対応ができる彼氏のほうが、この先一緒にいて安心ですよ。マイナスをプラスに変える力をもつ彼氏。そして丸一日一緒じゃなかったとしても、限られた時間を密度濃く過ごすことができる彼氏。今、彼の不満が浮かび上がったので、真希さんはそんな彼氏に育ててあげるほうが早いですね。憧れの職場で生き生きと働く真希さんは、間違いなくステキです。そういう仕事には、なかなか巡り合えるものではないので今の環境を大切にね。あ!仕事をがんばるうちに、そんな真希さんにアプローチしてくる人がいて、真希さんのほうに違う“選択肢”ができるかもしれません。人生はどう転ぶかわからない。彼の不満を解消すべく育て上げるか、今の仕事を応援してくれるひとの出現を待つか。「休日レスで、文句言う彼氏なら一緒にいる時間を濃厚にする方法を編み出そう。そんでもブーブー言うなら別れてよし」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©millenius/Adobe Stock文・三松真由美
2024年01月18日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、おうちデートしかしない彼氏に不満の24歳女性のお悩み。さらに誕生日前に金欠アピールされて…。三松先生が、彼氏の本質をずばりジャッジします!百々子(24歳)誕生日にまさかのプレゼントレス!?彼氏の金欠アピールの意味ってなんだ【レスなひとびと】vol. 228百々子は仙台の小さな不動産会社で派遣社員として働いている。仕事は17時ぴったりに終わるけど、収入も少なめ。だから、週に2日、20時から24時のあいだ、ガールズバーで副業。ユキトとの出会いは、1か月前。百々子が勤めるガルバに、お客さんとしてやってきた。ラップみたいなリズムを取りながらユキトが話しかけてくる。「レ・ン・ラ・ク・サ・キ、お・し・え・て・ベイビ」ドキュンお砂糖たっぷりミルクティみたいに甘くて、ホッと落ちつくユキトの声。ふざけるとこも好みだ。直球の好み。他のお客さんには「えー!もうちょっと仲良くなってからじゃないと教えない」って返してた。「お見送りの時に渡します」小さな声でそう答えた。「ふーん、本名は百々子っていうんだ。可愛いね」連絡先を交換してからは新幹線並みに早かった。モーニングコールや、おやすみの通話を数日続けたあと、「うち遊びに来ない?」と誘われた。ユキトの家は、百々子の家から高速使って40分くらい。けっこう遠いが胸を高鳴らせて、高速を走った。とびきり甘い音楽をかけて、気分はドラマのヒロインだ。ユキトの部屋のインテリアはごくシンプル。暖房器具はエアコンしかなくてちょっと寒い。「ベッドでくっつけばあったかいよ」と手を引かれて。「ユ、ユキトッ!え、もう?早くない?まだ出会って2週間だよ」「こんな可愛い子が、彼女で超うれしい。ねぇ百々子、ダメ?」耳元で大好きなミルクティーボイスが囁く。細くてサラサラの栗色に染めた前髪にそそられる。つい「ダメじゃないけど」と言ってしまう。会って2週間で一線、越えてしまった。「別に付き合ってるんだし、何の問題もないよね。大人同士だし」百々子はそう思っていたが。「今日もうち来ない?」ユキトから来るのは、家へのお誘いばかり。百々子の家に来たり、どこかにお出かけしたりが全然ない。高速代もバカにならないし、と思って、勇気を出して伝えてみた。「毎回の高速代が、結構響いてて」「週に2〜3日うちにいるのに、百々子は家賃とか光熱費、払ってないよね。そのぶんだと思えばよくないか」「え」「てゆうか、俺、金欠やばくて。あ、いや、金貸してとは言わないよ。そんなんかっこ悪いから。でも、バイクのローンとか部屋の更新料とか重なって、ほんと金ないんだ」百々子の誕生日がもうすぐだと、話した矢先のことだった。これって「プレゼントは渡せないから期待しないでね」ってこと?ブランドものが欲しいわけじゃないけど、これまで全くお金をかけてくれないのは寂しかった。「付き合いはじめたばかりだし、気を遣わないでね」って、言うべきか。【三松さんからのコメント】百々子さん、もっといい人がいるのではないですか。百々子さんはいわゆるダメンズ引きの性質ですかね。相手の本質を見抜かないと。「高速代がかかっても、ユキトさんと過ごす時間はプライスレス」そう思って通ってるかもしれません。でも彼のほうはどうでしょう。そこまで大切に思ってくれているのか。百々子さんとの時間に、お金を出そうとはしない。光熱費と高速代を等価と考える。しかも、やることはやる。そして、誕生日の直前にお金ない宣言。お付き合いして初めての誕生日なのに、彼女に夢を見せてくれないタイプ。金欠なのは、百歩譲ってしょうがない。我が国の平均収入は上がらないのに、物価はどんどん上がってますし。とは言え、少しでも彼女をお祝いしたい気持ちがあるのなら、「お金はないけど当日は一緒にいたいから、手料理を振舞わせてほしい」など、愛ある言葉を一緒に伝えるべきですよね。「お金ない」だけ伝えて、相手に「プレゼントはいいよ」と言ってもらうのを期待するなんてダメ男の要素あり。光熱費を要求されるのは時間の問題。せっかくのガルバのバイト代が高速代に、思いやり欠如の男性に消えてしまうなんてもったいない!バイト代で好きな服を買って、別の出会いの場に飛び込んだほうがいいと私はジャッジしました。「バースデーのプレゼントレス問題。プレゼントってケイト・スペードやサマタバのバッグじゃなくても手料理でもいいよね。そういう思考をもつ彼氏を見つけよう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Krakenimages.com/Adobe Stock文・三松真由美
2024年01月11日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、お坊ちゃん育ちの彼氏との「格差交際」にモヤモヤしている25歳女性のお悩み。三松先生が、見過ごしてはいけない大切なことを教えてくれます!遥香(25歳)、苦労レスのお坊ちゃま彼氏にざわつく【レスなひとびと】vol. 226自転車で3キロ先の食品会社まで通勤する遥香。天気がいい日は気持ちがいい。地元就職は、都会みたいに刺激はないけど、安定した生活で貯金もできるから最高。機嫌よく大好きなハリー・スタイルズを聴きながら走っていたら、後ろから車の音。狭い道だったので端っこに寄ろうとしたら…ガッコーン!段差にバランスを失って転んでしまった。土手の草の上でよかった。だが左手首に激痛。やばい。折れたか。車から降りてきた青年が、申し訳なさそうに頭を下げながら遥香に手を貸す。「ごめんなさい。僕の不注意で」「いえいえ。こっちが勝手にバランス崩してこけたんですー」「捻挫か折れてるかわからないから、駅前の整形外科までお送りします。乗って」断ったものの、たしかに骨折は怖いので自転車を土手に停めて、病院に連れて行ってもらった。結果、捻挫だから大丈夫。貼り薬をもらうだけでよかった。その青年がロビーでずっと待っていて、名刺をくれた。「僕のせいなので、治るまで病院代出しますので」“御堂丸産業御堂丸晃久MIDOUMARUAKIHISA”えええ!地元で材木屋やガソリンスタンドやコンビニなんかを手掛けてる地主のボンボンじゃないか。遥香は恐縮するが、いったん連絡先を交換した。それからは、怪我の様子を聞くために晃久から頻繁に連絡が入り、治りかけたころ食事に誘われる。「まじで?これって花より男子のリアル版ってこと?」災い転じての彼氏の出現に遥香は軽くバンザイ。楽しいデートが続く恋愛初期段階。ハッピー遥香は「地元就職、正解だあ」と母や友達と嬉しさを分かち合った。しかし。生まれながらのお坊ちゃん育ちの晃久にだんだん違和感を感じるように。たとえば、ピクニックでスニーカーに泥水がついて汚れたら慌てて車で近くの靴屋に駆け込み、新品購入。汚れたのは店員に「捨てといて」とクール顔。「ええ?ナイキのたっかいやつ、捨てる?洗えばいいじゃない」…とは言えない。飲食店ではメニューの一番高いやつから順にオーダー。そして従業員にタメ口。「済んだ皿は即刻下げてよ」的な。「そんな上から目線、失礼だよ」…とは言えない。スマホやタブレットで新機種が出ると即日購入。「まだ全然使えますよね、あと1年使えば下取りで得する」…とは言えない。問題はベッドだ。ベッドに全裸で寝そべって、なんもしない。遥香に「好きに動いていいよ」の発言。最初はとまどったが、5回したら慣れた。なんとか我慢できる。決定的に無理ではないけど、晃久との恋愛継続はありなのか。【三松さんからのコメント】平等を謳う時代ですが“格差婚”については、ネットニュースでもしばしば流れてきます。人気女優さんとまだ売れてない俳優さんの例などです。一般世間でもそれらしき結婚はたーくさんあります。お家柄、親の資産、当事者のステイタスや収入、外見…そんなもん上下あるの?というようなものも見方によっては格差婚。格差の定義は、ひとによって作られる。もちろんうまくいくカップルもあれば、下とされてる側がいたたまれなくなって離婚のケースもあり。遥香さんの“格差交際”、今はまだ遥香さんのザワツキ程度の問題ですが、もし結婚したり、子どもができたりすると彼のご家族がアレコレ介入する可能性はかなり高し。嫁姑問題も起こりやすいってのがわたしの実感です。それに、現在の遥香さんの「これってあり?」の彼の言動。かなりやばくないですか。苦労知らずの坊ちゃんにありがちと見過ごしてはダメです。苦労知らずでも礼儀やマナーを守る、謙虚なぼっちゃまもいるのですから!苦労の量ではなく、気質の問題かと。遥香さんが言いにくいという関係性もダメです。彼に嫌われたくないから言わないのか。彼が資産家だからしょうがないとあきらめてるのか。そんなパワーバランスは不健全恋愛です。気になる点は言い合う関係性を構築しなければ今後うまくいかない。まずはなぜ言えないのか理由を洗い出してくださいね。「格差恋愛、花男(はなだん)みたいな恋をめざそう。卑屈にならず、気高い心持ちで相手に向き合うのだ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©fizkes/Adobe Stock文・三松真由美
2023年12月21日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、「コスパがいい」結婚を望んでいる29歳女性のお悩み。年収900万超の彼氏をゲットしましたが…。三松先生が、カップルのお金のルールについて、すべきこと、してはいけないことを教えてくれます!結菜(29歳)、稼ぎ力レス。結婚で挽回すれば大丈夫!と思ってた【レスなひとびと】vol. 225空港でグランドスタッフとして働く結菜は、年収が入社時から変わらないのが悩み。「日本経済、どうなってんの。ドイツを見習え」とぼやく日々。それでも転職する気が起きないのは、福利厚生がバツグンにいいからだ。海外への飛行機は数万円割引、国内への飛行機はうまくいけば無料で乗れてしまう。旅行好きの結菜には、最高の環境。しかし、このまま年収がずっと上がらないのはキツい。手取りは20万円いかないから、美容費や服飾費、旅行先でのホテル代や食費にすべて消える。実家暮らしだから、なんとかなっているものの。将来的にはマンションを持ちたいと思うも、頭金はどうすんだ。だから、結菜は婚活することにした。稼ぎのいいのパートナーを探せば一発解決。結婚はコスパがいいってネットニュースで読んだ。パートナーの条件をあれこれ挙げてみる。まずは安定年収。その次に、なんでも結菜に賛同してくれる寛大さ。年は5歳差以内で、身長175センチ以上。外見はバッチリかわいい結菜。メルカリ達人なので洋服コーデも優秀。コリドー街で、すぐ相手をゲットした。メーカー勤務の遼くんは、話し方が穏やかで年収900万越えの塩顔男性。3度目のデートで告白されてお付き合い開始。驚きの事実が発覚したのは、クリスマスデート中のこと。赤坂の一軒家フレンチで、将来について夢を語ろうと思った矢先。「あ、俺、今月カード止まってるんだった。結菜ちゃん、キャッシュある?」「え、結菜6000円しか持ってないよ」「大丈夫、そしたらギリ足りるかな。LINEペイは?」今まで全部ごちそうしてくれてたのに、彼女になったとたん、お金とるの?っていうか、カード止まってるってどういうこと?「遼くん、ちょっとクレカの明細見せて」「え〜!恥ずかしいなあ。まあ、別にいいか」真っ白なクロスのかかったテーブルで、遼のスマホを凝視。履歴に、怪しいものはない。でも、とにかく飲み代が多い。タクシー代も。手取りは70万円超えらしいけど、カードの請求額は50万円超え。家賃は20万円だって言ってた。もしかして、貯金全然ないんじゃない?バルのあとは、ふたりで遼の家へ。酔っ払った遼は「結菜ちゃん、かわいい」とおしりをモミモミ、顎クイしてチュッ。結菜は全然そんな気持ちになれない。だって、リッツで結婚式挙げたいし、マイホームは品川あたりに欲しい。海外旅行にだって行きたいもん。子どもにだって、いい教育を受けさせたい。それなのに、全然貯金がないなんて。「ねえ、遼くん。さっきの話なんだけど」「ん?」「遼くんって、貯金とかしてる?結菜、心配になっちゃって」「…心配ってなに?」「だってこれから結婚したら、いろいろお金、必要になるでしょ」「そんないるもんか?結菜も全然貯金ないって言ってたよね」「だって結菜は、手取り少ないもん」上目遣いに甘えて言った。「え。俺の貯金頼みってこと?」離れる手。冷めた顔。ああ、可愛く言えばなんでも許されるって思ってたのに!【三松さんからのコメント】結菜さん、お金目当ての本心を出しすぎましたね。モテそうな彼をゲットしておきながら、とにかく気にするのは資金のことばかり。せっかくのクリスマスデートで「貯金してる?」は、もっとも言ってはいけないワードです。彼も萎えてしまうでしょう。結菜さんが、節約したり、少なくても貯金ができるタイプならわかります。でも、実際は稼ぎが少ないのを理由に貯金ゼロ。人のお金の使い方を指摘する前に、自分のお金の使い方を見直してからモノを言え。支出を減らせないのなら、収入を増やす努力をするのが賢い女性。副業を考えるとかね。旅行が大好きでリーズナブルに行けるなら、旅の様子をブログにしてアップしてフォロワーを増やすとか、今風の稼ぎ方はいくらでもある。都内の平均住宅価格を知っていますか?彼の年収が1000万円あったとしても、結菜さんもがんばらないとキツいのです。彼も努力ナシで今の年収のわけじゃない。付き合いたての状態で、彼のお金を自由に使う権利はありません。彼の立場に立って考えてみて。「稼ぎ力レスは、しょうがないとあきらめないこと。努力はしてみよう!レスな分を彼に出してもらおうとするマインドは、いつかばれて愛にヒビが入ります」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©buritora/Adobe Stock文・三松真由美
2023年12月14日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、学生の彼氏との経済格差に悩む女性のお悩み。二人で海外旅行をするために親に援助してもらうことになり…。三松先生が、「愛とお金の問題」について教えてくれます!香苗(24歳)、お金レスだけど海外旅行に行きたい!親に出してもらってもいいよね【レスなひとびと】vol. 224オフィス家具会社で派遣社員として働く香苗は、なぜか普通の会社員では手が届かないようなブランドのバッグを3つ持っている。パパ活をしているわけではない。香苗は「実家の援助が多め」なのだ。実家は目黒。職場は渋谷。社会人になってからも「一人暮らしする意味がないから」と言って、実家から通っていた。実家には生活費を入れていない。だってパパは会社の重役さんだから、入れる必要ないっしょ。給料はすべてネイルやコスメや趣味につぎ込む。金欠になったらママにおねだり。ママもお買い物好きだから、一緒に銀座シックスや東急プラザに行けば、ほしいものを買ってくれる。1つ年下、23歳の彼、啓介とは大学で出会った。交際をはじめて、かれこれ4年。啓介はまだ大学院生で一人暮らしをしているから、家計はカツカツだ。外見は派手な香苗だけど、恋人は一緒にいて安心できる人が一番だと思っている。ハイブランド好きなチャラ男はNGというマイルール。ふだんは啓介に合わせておうちデートが多め。一緒に動画LIVEを観たり、動画観ながら料理をしたり。結婚してもずーっとこんなフワフワな夫婦でいたいなと夢を見る。今のままでじゅうぶん楽しかったけど…。「でも、やっぱりたまにはパーッと遊びたい!」というお嬢様欲が溢れてきた。高校までは家族でハワイ行ってたもの。よって、交際4年記念にグアムへ旅行することを提案。しかし、啓介にはお金がない。しかも香苗が選ぶホテルは、高級なところばかり。香苗との電話中「1泊5万円なんて、僕には出せないよ」と啓介がこぼす。すると、スマホ越しの香苗は「大丈夫だよん。ママに言えば、啓介のぶんも出してくれる。あ、ねぇ、ママー!」と叫ぶ。「ちょ!!!」スマホの向こうで、早速話をつけようとする香苗に、啓介は急いでストップをかける。結婚しているわけでもないのに、パートナーの母親に旅行のお金を出してもらうなんてとんでもない。数日後、香苗が啓介の家にやってきた。「ママ、ホテル代出してくれるって。エアだけは自分たちで出しなさいって。一緒にネットで予約取っちゃお」「マジかよ…。」しぶしぶ顔でOKする啓介。その日からだ。香苗の母からの干渉がはじまったのは。今まで、香苗は啓介のことを詳しく親には話していなかった。「カナちゃんが好きな人ならいいわ。はやく結婚して孫の顔を見せて」的な発想の親だと信じてた。でも、旅行代金の一件でなんだか親達の態度が変わってきた。なぜか香苗とママと啓介の3人のLINEグループができた。そして、啓介さんはいつから働くのかとか、今大学で研究していることが将来に結びつくのかなどをLINEで聞いてくるように。啓介の家でイチャイチャの最中。香苗の母親からLINEがピコン。「今年、〇〇社が採用に力を入れているみたい。啓介さんにぴったりなんじゃない」とURLつき。啓介は、全然集中できなくて萎えてしまう。「あのさ、香苗のことは好きだけど、正直、親が入り込んでくるとちょっとしんどい。旅行のお金もらうのも、惨めっていう気持ち、わかってくれよ」そして、旅行はキャンセル。LINEから啓介が消滅した…。【三松さんからのコメント】実家住まいの皆さんも、一人暮らしの皆さんも、よーく考えてみましょう。すねかじりのなにが悪いのか。親には経済的余裕があり、子を援助できるのを喜んでいる。子のほうも、親のお金で楽できる。しかし、その関係の中で「精神的自立」ができるのか。香苗さんが親の決めたとおりにしか動けず、経済以外の案件も親に頼っているのであれば心配です。香苗さんは仕事もあるし、彼を自分で見つけた。精神的には一応自立しています。両親同居も悪いことではありませぬ。ただ、香苗さんがバッグを買ってもらうのと、彼の旅行代金を出してもらうのとでは話が違うのです。この本質に気づけないようではオトナではありません。お金を出してもらう=意見されるのを許す…ってことにつながりませんか。株主が株持ってる会社に物申すのと似てないか。香苗さんは、自分の親になにか言われても躊躇なく無視できるでしょう。でも、啓介さんは他人です。彼女の母親に意見されるとスルーはできないでしょう。オトナ対応をしなければならないと気づくお年頃。「お金、出してもらえるならいいじゃん」というお気楽な判断が、啓介さんの大きなストレスになることに気づきましょう。香苗さんも、彼のご両親に会って揉まれれば、オトナ対応の重要性が理解できると思います。結婚するのであれば、お相手一族のプライドなどおもんぱかり、結婚となってもうまくやってゆける関係に持ってゆきましょうね。姑問題がこじれるとそれはそれは泥沼です。「彼と私の経済格差。そんなもん愛さえあれば乗り越えられるもーん!と思うなかれ。愛とお金は上手に付き合わないと問題必発します。ふかーく考える習慣を」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©EZPS/Adobe Stock文・三松真由美
2023年11月23日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、東京に憧れている地方在住の女性のお悩み。いい感じだった彼が上京にすることになり…。三松先生が、「人生の決断をするために必要なこと」を教えてくれます!リホ(26歳)、決断力レス。上京した子がうらやましいのに真似できないよ【レスなひとびと】vol. 223ずっと、決められたレールの上を歩いてきた。高校はリホの住むT県T市から通える範囲で、県で3番目に偏差値の高い学校。大学は、親と高校の先生に勧められた地元国立大学。とくにやりたいことがなかったから、親戚に言われるままに公務員試験を受けた。受かった。一応けじめとして一人暮らしを始めたけれど、社会人になっても生活圏は大きく変わらない。違和感を覚えたのは、就職して2か月目頃。「村越さん、パソコンがいうこと聞かんのよ。こっち来られま」「あ、はい!」「村越さ〜ん。こっちもエクセルの印刷範囲の設定がうまくいかんが〜」「あ、はい、次そちらに行きます」連日、役所のおじさんたちにPCのレクチャーを依頼され、リホはだんだん腹が立ってきた。PC周りの仕事を振られるたびにイライラしてしまう。こっちは情シスの人じゃないっつーの!パッとしない毎日。つまらない毎日。そして、帰り道の車で信号待ちをしている時、ふと思ったのだ。“わたし、ずっとこんなふうに欠乏感をかかえたまま生きていくのかな”そしてSNSを眺める時間が増えた。就職を機に上京した子たちが、今になってうらやましくなる。就職活動の時、キラキラ目を輝かせて「あたし、絶対東京に住む。丸の内のオフィスで働きたいの」と言っていた同じゼミの奈々。リホは、内心「アホくさ」と思っていた。でも、今は違う。八重洲ミッドタウンとか虎ノ門ヒルズとか、おしゃれな場所で、同僚たちと時間を過ごす奈々がうらやましい。週末は表参道の美容院。常連らしく、カリスマ美容師のインスタのストーリーに「いつもありがとうございます」と添えられた彼女の後ろ姿が載っている。なにそれ、なにそれ。そんなモデルみたいな髪型してもあんたには似合わんわ。都会派アピールしやがって…。つい意地悪な気持ちになる。“わたしだって、しようと思えば上京なんてすぐできる”そう思っていたのに。そんなリホにも、転機が訪れた。ほんのちょっといい感じだった同僚の直樹が、転職で東京に行くらしいのだ。(あっ、これってチャンスや。上京する理由ができる)そう思ったリホは、直樹を飲みに誘った。駅前の個室居酒屋で、頬杖をついてこぼす。「いいなあ、東京。ついて行きたいわあ」直樹はうっすら、リホに好意がありそうだった。だから、この話をすれば、冗談でも「一緒に来る?」って言ってくれるんじゃないかって期待した。でも、帰ってきたのは予想外の言葉だった。「毎回言ってるよね、それ。リホはまじめちゃんだし、ちょっといいなと思ってた時期はあるけど、言うだけでなかなか踏み出さないところはあんま好きじゃない」グサッ。こうして、直樹は一人で東京へ行ってしまった。【三松さんからのコメント】リホさん、自分一人でなにか決めた経験が少ないんだからこれはしょうがない展開です。決められたレールの上を歩いて、今までは特に不満もなかった。でも、今は違いますよね。「いいな、東京」って、明確に憧れをもっている。現状に苛立っている。物足りなさを感じている。人生初の大きな決断をするチャンスではないですか。親や先生が決めてくれた道から外れるのには、勇気がいるかもしれません。憧れを通り越して、飢餓感を感じたり、他者の幸せを妬む自分に気づいたら、動いてみるのも選択肢のひとつ。シン仕事・シン住まい・シン彼氏。新しい“シン”を取りに行くのは自分しかいない。「都会、つらい。やっぱ地元でいいや」と思うかもしれない。そしたら地元のよさがわかるっしょ。今までコツコツ堅実にやってきたリホさんなら“シン”の決断も悪くない。直樹さんに頼ることなく、自分の憧れを探ってみてもいいのではと思います。思い切った決断こそが、リホさんオリジナルの人生をつくっていくのです。もしそれが理想どおりでなければ「想定外でした!」と言って軌道修正すればいいだけの話。「彼氏に頼ったり決断させたりする癖は修正しとこう。うまくいかなかったときに彼のせいにして関係性ムチャムチャになるぞ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©czfphoto/Adobe Stock文・三松真由美
2023年11月16日