現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、1歳と3歳を育児中の32歳女性。家族4人、仲睦まじく暮らしていたが、6年ぶりの同窓会で第一線で働き続ける女友達と再会し…。三松先生が、ありきたりな幸せ像に固執しない、しなやかに生きるコツを教えてくれます!まゆり(32歳)やさしい夫とかわいい子ども。でも女友達と比べるとキラキラレスで自己嫌悪【レスなひとびと】vol. 146「みんな久しぶり!」希子は相変わらずキラキラオーラできれいだった。大学を卒業して10年。今日は6年ぶりの同窓会だ。対して、まゆりのファッションは食材の買い物ついでにイオンで調達した流行に関係ないワンピース。1歳と3歳の息子がいるまゆりは、ふだんワンピースなんて着ない。洗濯しやすい子育て着。希子と同じく金融系でバリバリ働いていた独身時代は、休日にエストネーションでショッピングを楽しみ、トレンドファッションに身を包んでいたけれど。会社から電車で64分の夫の家で息子二人を育てながら、フルタイム勤務で稼ぐのはやっぱりラクじゃなかった。昨日の夜に塗ったばかりのはずなのに、すでにハゲかけのネイルが惨めっぽい。指先を隠すようにして、急いで言い訳。「おばさんっぽくなってびっくりしたでしょ」「ええっ、そんなことないない、相変わらずまゆりはきれいだなあって」そう返してくれた希子だけど。内心は思っているんだろうなあ。落ちぶれたって。情けなくなってくる。SNSで見ている。希子は今も変わらず、第一線で働き続け、休日はお金をふんだんに使って優雅に過ごしていることを。まゆりの暮らしは地味だ。在宅ワークのまゆりの稼ぎは少ないし、夫の良介の稼ぎもたいしたことない。子どもの将来に備えて貯金に励む今、せいぜい月イチの外食がお楽しみ。美容院は4か月に1回。「希子はずっと美人でうらやましいよ」「すぐお腹出ちゃうから、必死でジム通いだよ」「私なんてジムに通うお金も気力もなくて、8kg太ったよ」自虐で乗り切るしかない。家が遠いので、早めに帰路についた。郊外の自宅へ戻る電車で、窓ガラスに映った自分をあらためて見る。イケてないヘアスタイルにパツパツの二の腕。なさけないな。美容活動したいけど、忙しいしな。「ただいま」「まゆり、おかえり!楽しめた?」良介の出迎えに、ぱっと心が明るくなる。ワンオペながら、洗濯物まできれいに畳まれている。すごい。やはり良介は生活能力と体力のある男なのだ。良介は、いわゆる地元で生きている男。学歴はまゆりより下。まわりからは「どうして彼と?」と言われたが、理由はじゅうぶんすぎるほどある。空手の先生をしているからか、礼儀正しい。とても面倒見がよく、おおらか。絶対にまゆりをとがめたりしない。今日だって、快く送り出してくれた。良介に感謝しつつ、ふたりの息子の寝顔を見に寝室へ。平和でかわいいふたりの寝顔。後ろから抱きついてきた良介と顔を見合わせて微笑む。キラキラ感はないけれど、希子には負けないほど幸せなんだ。【三松さんからのコメント】人とは違うモノサシを持ち、責任を持って選択する。実はなかなかできることじゃありません。特にキャリア、結婚、出産に関する重大決定は。まゆりさん、地味な毎日を送っていると思いこんでいますが、度胸と人生設計力がありすばらしい。ライフステージによって充実感を持つ事柄は変わるもの。結婚前は恋愛にのめり込むひともいるでしょ。30代でマンション買おうと決めたらそのために貯蓄や投資することで充実感を感じるひともいる。子どもが小さいうちは仕事を辞めて子育てに邁進するひともいる。ありきたりな幸せ像に固執せず、各々のタイミングで何が幸せなのか考え抜くこと。それが、しなやかに生きるコツです。最近は“レジリエントな生き方”なんて、かっこよく言えますね。回復できる、耐えてゆける!良介さんとは違うかもしれませんが、情に厚いマイルドヤンキーさんをパートナーにするのもあり!災害時でも守ってくれるタフな男は日本の各地に存在します。家の近所で働く男性には時間の余裕がありますし、家族思いの人が多い。友達のネットワークも豊富で、困った時の助け合いは当たりまえ。地元じゃ負け知らずです。義理の両親に頼れることが多く、子育てに向いているパートナーになるでしょう。いずれ子どもが育っていくと幸せ像も変わります。新しい迷いが生まれることも。しなやかに柔軟に動けば「結果オーライ!」と笑えます。「外見がキラキラレスでも関係ない。心がHAPPYなら全てよし。着飾るキラキラとは違うキラキラを感じ取ってくれる男こそ運命の王子さまなのだ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Mikael Vaisanen/Gettyimages文・三松真由美
2022年01月27日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、ゲームが趣味の30歳女性。恋愛に興味はあるが、マッチングアプリの恋活は腰が重い。ある日、いつものようにオンラインゲームをしていたら…。三松先生がおすすめの出会い方を教えてくれます!翔子(29歳)恋活力レスでゲーム漬けの日々。でもまさかの出会いが!【レスなひとびと】vol. 140「マッチングアプリって、なにが楽しいんだろ」もうすぐ30歳の翔子。気づけば5年くらい彼氏がいない。そろそろ焦らなければ「おひとりさま」の老後になりそう。ママの姉の、めぐみおばちゃんが独身のまま64歳に。会うたびに、「ものすごーーく寂しい。熱出て苦しい夜には涙が止まらない。翔子は、おばちゃんみたいになっちゃだめよ…」と、寂しそうに言う。締めは必ず「お墓参りは来てや。翔子しか来てくれる人いないもんなあ」。悲しい言葉ばかり。ただ、翔子に恋活する気力がわかないのも事実。仕事帰りに開くのはもっぱらTwitter。疲れた帰り道に、マッチングアプリを開いてメッセージを送り合う気力はない。まだ仲がよくもない相手と、猫をかぶってやりとりするのは疲れる。Twitterの趣味アカウントでつぶやく。「帰宅中〜。21:00からプレイできる人、いませんか?」翔子は、とあるバトルロイヤルゲームにハマっているのだ。オンラインでチームになって、敵と闘うゲーム。さっそく、fumitoからリプライがきた。「21時から入れます! 仕事お疲れ」fumitoとは、最近よくペアを組む。「はー、危なかった。フォローありがと」「こちらこそ!」ボイスチャットでつながりながらプレイする。fumitoとは、けっこう、息が合ってやりやすい。大体5回くらいプレイしたあとは、休憩を挟む。このときの雑談が、意外と癒しになってたりして。気負わず話すので、職場の友達よりお互いの仕事観や恋愛観、生活のリズムなんかも知っている。「あれ? 今日はこんな遅くまで大丈夫なの?」「このまえ話してたプロジェクトがやっと終わってさ!夜更かし可能なんだ」「えっ、お疲れ。しかも今日は金曜日だし。乾杯しようよ!」画面越しに、プシュッ。思ってしまった。fumitoとリアルに会って乾杯したら楽しいだろうな、と。「ねえ、今度直接会ってゲームトークでもしない?電車で1時間かからないとこに住んでるよねー」ゲームトークというのは照れ隠しだけど、会ってみたいと勇気を出して伝えたら、fumitoも、同じことを思っていたらしく。なんと翌日、会うことになった。お互い食の好みが似ていて子ども舌。気取らないオムライス屋さんで落ち合う。「はじめまして。…っていうのも変かな、翔子です」「史人です。翔子さん、なんかイメージ通り」「そう?」照れながら笑い合って、あっという間に打ち解けた。共通のテーマがあると、沈黙タイムがない。ゲームって最高。今までマッチアプリで会ったどの人よりも楽しい。イケメンというわけじゃないけど、気が合うし。よく見ると、指が長くてきれい。この指で、コントローラーをいじっていたんだな。この指が、私の体をなぞったら…どんなかな、なんてエッチなことまで考え始めた。気づいたら、史人のこと…かなり好き。大好きなゲームが、まさか恋につながるなんて。ブラボー!【三松さんからのコメント】翔子さん、思わぬところに出会いがありましたね。オンラインゲームが必ずしも恋の出会いにつながるとは限りませんが、楽しみながら気の合う彼氏を見つけることができるなら一石二鳥。恋活に乗り気になれないときは、ゲームに打ち込むのもありですね。マッチングアプリだと、どうしても相手のルックスや年収、仕事などに目がいってしまいがち。大切な直感が乱れます。私の言葉で言い換えると、「男を見る目が曇る」。ブサでも誠実なメンズ、高収入のヤリチンくず男、無口だけど気が利くメンズ、ルックスは好みだけど最低ファッションセンス…さあどうする?!的な条件チョイスになっちゃうでしょ。一方でオンラインゲームだと、翔子さんと史人さんのように、価値観ベースで仲を深められます。好きなことをする場での出会い全般に言えることですが、趣味が軸にあると、素の自分で交流しやすい。ルックスやステータスに自信がない人や、お互いの価値観を重視したいという人に、趣味の場での出会いは向いているでしょう。あくまで出会いを目的にしてはいけません。純粋に楽しむ姿、打ち込む雰囲気に惹かれ合うのが王道です。親しくないうちから連絡先を聞くのはご法度。ゲームで出会いが欲しいという人にはゲーム型マッチングアプリもあるので、探してみるといいですね。自分が夢中になれることがあるって、恋を呼び寄せる鍵になるものです。「恋愛探しの欲を捨て、自分の趣味の場に没頭するもいいだろう。あなたが輝ける場を作る方が、マッチアプリよりいい出会いがあるんじゃない」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©nd3000/Gettyimages文・三松真由美
2021年12月09日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、ギャラ飲みにパパ活とキラキラ生活を送る、自称イイ女の23歳女性。ある時、久々に男友達との飲み会に参加して…。三松先生が、友達がいなくなりやすい女性の特徴をお伝えします!さやか(23歳)パパ活、ギャラ飲みでキラキラ生活。女としてのグレードが上がったと思っていたらまさかの友達レスに。【レスなひとびと】vol. 136「お疲れサマンサ〜」モエで乾杯。今日は、六本木のタワマンのカラオケルームでギャラ飲み。酔って騒いでお祭り騒ぎ。ノリのよさが重宝されて、さやかには毎週末、声がかかる。ずっとハイテンションでいるのも正直疲れるけど、数時間飲むだけで10万円もらえるのは美味しすぎです。ほかにもパパ活をしていて、買ってもらうハイブランドモノは、フェラガモのバレッタからはじまって、果てはディオールのレディ。紙袋と一緒にインスタに投稿しまくる。さやかの自宅は白金台のマンションだ。食事は自炊はせずにレストランかウーバー。さやかは思う。「こんなにいい暮らししてるの、私だけじゃんよ。ふっふっふ」と。インスタに流れてくる女友達の投稿は、どれもしょぼい。すぐ予約がとれる店でやっすい泡で乾杯して、「記念日デートしてきた」なんてよく投稿できるなあ。ヴーヴで乾杯してる写真、投稿しとこっと。ある日、IT社長のギャラ飲みが急遽中止になった。飲み足りない。インスタのストーリーをぼーっと眺めていると、大学時代の男友達が飲み会をしているのを発見した。「ねえ、私も行っていい?」と即DM。「もちろんいいよ!」の返事に、そりゃあそうでしょ、イイ女さやかちゃんのお出ましに、メンズも狂喜乱舞のはずと思い、タクシーで向かう。「おお、さやかじゃん。なんか雰囲気変わったなあ」「そお?」今日はプラダのカナパでわりとカジュアルめだけど。たまには大衆居酒屋も悪くはないかな。一応個室だし。でもメンズの話には、ちょっと引いた。「やっぱ自炊するってなったら、一食300円は切りたいよな」「だよな〜。材料のやりくり大変で、ついカップ麺になるわ」「それな。てか最近雨ばっかで洗濯物も溜まりまくりだし。生活破綻してるわ」そうかなあ。さやかが口を開く。「えー!せっかくごはん食べるなら、おいしいものがよくない?洗濯機はドラム式買えばいいじゃん。それか、コンシェルジュにクリーニングお願いすればよくない?」少しの沈黙。ひとりが「まあ、さやかはそうかもしれないけどさ」と言って、別の話題に変わってしまった。そのあとトイレに立って、戻ろうとしたら迷子。ごちゃごちゃの大衆居酒屋はこれだから、と心の中で悪態をつく。ここかな、と思う個室の扉を開ける前に、間違っていたら困るので、一応室内に耳をすませた。「なんか、さやか急に来といて、ほんとないよな」「調子乗りすぎじゃね」「めちゃくちゃ偉そうだよな」「インスタの投稿とかもさ、富裕層気取り」「てか、なんで金持ってんの?売りしてる?」「俺、ぜってえ、無理。あんな女とやるの」「将来苦労するぜ、あいつ」…。聞こえてくるぴえんな陰口に、さやか、呆然。泣きそう。【三松さんからのコメント】すてきなマンションに住んで、いいモノ食べて、着飾って。それは悪いことではありません。まずかったのは、マウンティング女子になっていること。いくらイイ女と思い込もうとしても、人のことを見下すようなことをしては、イイ女とは言えません。彼らは将来に向けて下積み中かもしれないですし、お金より大事にしている何かだってある。価値観はさまざまなのに、「ね、私ってイイでしょ。この生活がフツーでしょ」とゴリ押しはNG。自分に自信があるのはいいこと。でも、マウント取りたくなるのは生き方に迷いがあるからかもしれません。「この生き方でいいのかな?正しいのかな?まわりにすごいって言われたら正しいと思えるよね」「まわりには幸せって思われていない気がする。幸せアピールをしておかなくちゃ」そんな迷える気持ちが、SNSにも友達付き合いも出てしまうようでは、生活態度を改めないといけません。ブランド名をちりばめたり、聞いてもないのに幸せアピールをしたりしていないか。ギクっとしたあなたは要注意。友達レスになる前に、生き方のどこに迷いがあるのか、一度見直してみて。「自分の強みを知り、ギャラ飲みで稼ぐのはOK!でもでもお金のあるなしが基準になる人生だと友達レスになるよ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Sefa kart/Gettyimages文・三松真由美
2021年10月28日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、激務の日々を送るアニメーターの25歳女性。ある日、2次元の推しが現実世界に現れたかのような男性と出会い…。三松先生が、理想の相手と付き合える意外な方法を教えてくれます!咲子(25歳)激務ゆえ、SDGs魂レス。でも、環境を考えるNPO男子に恋をしちまった【レスなひとびと】vol. 135「ふわーぁ、ねっむ」徹夜で働き、朝帰り。やっと最寄り駅まで着いた咲子は大きく伸びをする。アニメーターの仕事は激務だが、推しのキャラクターを描く喜びは何ものにも替えがたい。そして激務ゆえ、環境のことなんて考える余裕がない。エコバッグは持たないし、ペットボトル飲料は買いまくる。駅前には、何やら緑色のゼッケンをつけて、ゴミ拾いをする人たち。ご苦労さまです、と手を合わせて通り過ぎようとすると、「推し」がいた。いや、咲子の推しは2次元にしかいない。でも、すぐ左でゴミを拾う男性は、推しにそっくりだった。サラサラの黒髪に切れ長で意志の強そうな目。「かっこいいい」と見とれながら歩いていると。「きゃあっ」目の前の植え込みに突っ込んでしまった。「痛い」膝に擦り傷。足首ズキズキ。思わず涙目。「大丈夫ですか?」駆け寄ってきたのは、まさかの推しに似たあの男性。「うわあ、捻挫してるっぽいですね。家、近くですか?送りましょうか」緑のゼッケンを脱いで、肩につかまるように腕を差し出してくる。えっ、こんなこと、ある??徹夜明けで汗臭くないか心配になりつつも手を伸ばす。筋肉のついたあたたかい肩にキュン。彼の名は尚彦。動物好きで獣医を目指していて、大好きな動物を守るためNPOでの清掃活動にも参加しているそうだ。真面目な一面に、さらにキュン。アパートに着くと、「簡単なテーピングならできるから」と、手当てまでしてくれた。椅子に座る咲子の足元にひざまずき、サポータを巻く尚彦。ちょっとエッチだな…。さっそくLINE交換してもらう。そして、何度か会う関係に。環境問題をやさしい言葉で教えてくれる。6回目のデートで、お泊りに持ち込む。ペットのかわいい動画を観ていると、尚彦の手が伸びて太ももに。そのまま、頭を太ももに置いて上目遣いで笑いかける。「もしかして、覚悟してる?」『あああ、推しが現実世界にやってきた』うなずくと、お姫さま抱っこでベッドへ。怪我を気遣いつつ、抱きしめられながらの甘々エッチ。快感に身を任せて「やぁん」。「隙がありすぎるうえに、こんなに可愛いとか、ほんと困るわ」と尚彦はやさしく笑う。ピロートークをするうち、ビニール袋を食べて死んでしまうウミガメや海鳥の話なんかを聞いて。ぐしゃぐしゃのビニール袋や空きペットとカップ麺だらけの部屋が、急に申し訳なくなった。プラのお弁当箱もシンクに放置したままだ。は、は、恥ずかしい…。それから、咲子の生活は激変!!!あれほど面倒くさがりだったのに、エコバックを3つ持つ水筒ガールに変身。地球にとっていいことを考え始める。すると、意外にも気持ちに余裕が出てきた。仕事ばかりで殺伐とした日々に、白いお花が咲いたみたいな。尚彦との交際も順調だ。【三松さんからのコメント】咲子さん、彼氏を思うパワーは絶大です。いい方向に“好きパワー”が向きました。好きのきっかけは「推しと似ていること」でしたが、そのあと彼の考えに共感し、すぐに行動を切り替えられるまっすぐさがいいですね!余裕がないときは、つい、視野が狭くなりがち。一歩引いて、周りのことをじっくり見つめることで生まれる余裕があります。それはひとだけでなく、動物、植物、モノに対しての敬意です。尚彦さんがいい男性で、咲子さんの環境意識も変わって余裕が生まれ、交際も順調そうで何よりです。ちなみに、最近はSDGsに力を入れている会社、お店が多いです。周りのことを考える力をもつ男性をゲットしたい女性は、SDGsについて要履修です。「彼氏をゲットするためにSDGsの勉強?」「はい」最初のきっかけが欲望のカタマリでも、結果、すてきな女性にバージョンアップするのは間違いないので。きっかけはなんでもOK。SDGsには、ジェンダー平等、すべての人への健康や福祉など、誰もが生きやすくなるための目標が設定されています。「自分のことで精一杯でそんな余裕ないし」というあなたこそ、もう一度考えてみて。少しの意識で配慮と余裕が生まれ、あなたの魅力が4倍増しになる。「SDGs魂レス女子の皆さん。難しい、めんどくさい、どうすればいいかわかんない、と背を向けるな。配慮できるようになると、そのステージにいる崇高な彼氏が降臨するんだ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Cavan Images/Gettyimages文・三松真由美
2021年10月21日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、コロナ禍で仕事が激減し、パパ活を始めたCA(客室乗務員)25歳。いざデートしたものの、ギラギラMAXの相手に迫られて…。三松先生のアドバイスは…?みゆ(25歳)お金レスでパパ活するも、気持ち悪い壁ドンで逃げ出すはめに【レスなひとびと】vol. 133はあ、今月家賃払えないかもな…。アプリで預金残高を確認してため息。3年前、憧れだったCA職に就いた。大手じゃないけど夢を叶えて、今頃キラキラライフを送っているはずだったのに。旅行者が激減しているせいで、出勤数カット。給料もカット。生活が成り立たない。銀行アプリを閉じて、パパ活webを開く。“みゆちゃん、かわいいね。CAさんなんだね。今度、食事でもどう”不動産会社自営業のOさん(自称38歳)から届いたメッセージにハートマークいっぱいで返信。“わあ、ほんとですか?照れちゃいますお食事、ぜひ行きたいです”クリーム色のワンピースにハーフアップヘア。いつもとは違う、男ウケファッションに身を包み、いざホテルディナーへ。ロビーで待っていたパパは、日に焼けたちょいふくよかおじさん。おヒゲが濃くて、腕にはゴツい腕時計が光る。ギラギラしている。「CAさんなんて今大変だろう。うちの会社で、事務のスタッフ探してるんだけど、どう?みゆちゃんいい子だしかわいいし、話合うし。英語もできるんだろ」話は合わせてるだけだし、苦労して就いたCA職を手放すもんか。でも、口から出たのは「え〜、いいんですか?」。お金をもらう立場だと、強く出られない。「このあと、部屋とってるんだけど、どう?」で、で、出た〜〜〜〜!!!はやっ!うまく断れず、肩を抱かれてエレベーター。ふたりきりになるなり、濃厚キッス。おヒゲが当たって痛い。部屋に入るなり、鼻息荒く壁ドン。全然ときめかない。壁ドンでトキメクのはスマートなイケメンだけってことをパパは知らないらしい。熱を帯びた手がスカートのなかに入ってきて、ショーツの股部をこする。「やっぱ、いやっ!」必死でドアから脱出。あ!お金、もらい忘れた。しょうがないか。ギラギラパパとはしたくないもんな。するならもっと小綺麗なパパがいい。おなかすいたので、家の近所のスープ屋に行く。店の前。おっ、学生時代の友人、光司にばったり。昔ちょっといいなと思ってた人。いつもさわやかで、ヒゲとかまったくないツルツル清潔感ボーイ。「えっ、みゆじゃん。なんかいつもと雰囲気違くない?イメチェン?」「いや、これにはわけが」事の顛末を歩きながら話すと、光司の雰囲気が変わった。急に立ち止まって、なんと壁ドン。本日2回目。「えっ、どうしたの?」「いや、おれ、変かも。みゆにそんなことしてほしくないってすっごく思ってる。…嫌だ。みゆ、そんなに困ってるなら、仕事のペース戻るまで、うちに来いよ。うち、部屋広いんだ。食費もなんとかするよ」うそ。こんな少女漫画みたいなこと、ある!?驚きつつも、胸キュン+腟キュン。まさかのマジ恋、はじまるかも。【三松さんからのコメント】みゆさん、思わぬところでマジ恋を見つけましたね。パパ活の帰りに光司さんにばったり会って、パパ活の話で光司さんの本心を引き出して。お金がない状況をまずは自分で打破しようと考えたのはいいけれど、なんでパパ活?「お金がないからパパ活」という発想がママ世代のわたしには理解できないけど。ゴハン食べるだけで終わらないって場合もいっぱいあるっしょ。光司さんの心配する気持ち、ちょっとわかってしまいます。みゆさんは、断るのが苦手な性格。断れない子がパパ活をするのはリスキーです。現にすぐお部屋に連れ込まれてしまっていますし。ふつうのエッチじゃなくて、想定外のいやらしいことや、危ないことされたらどうするの!!やさしいパパだけじゃないのよ。縛られたり、大きなバイブ入れられたり、薬で眠らされてやられちゃったり、危ない危ない。写真も撮られるかもよ。想像力を働かせて。身体だけじゃなくて心も傷つく。しばらくお付き合いをして、信頼関係が築けていて、お互い合意の上ならOK(相手が既婚ならだめよ)。でも、そうじゃないのなら鉄の心でお断りを。「お金レスで困ってる女性のみなさん、合理的な金活には落とし穴がある。リスクを想像する力を身につけて。でかいバイブ入れられたらどうすんだ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Westend61/Gettyimages三松真由美
2021年09月30日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、気に入った女の子とのデートにこぎつけるも、なかなか進展しない23歳男性。三松先生が、モテ度アップの秘訣を教えてくれます!シュンタ(23歳)かわいい女の子とマッチするも、勇気レスで「やさしくていい人」のザンネン男子から抜けられず【レスなひとびと】vol. 132彼女がほしくて、はじめてマッチングアプリに登録した。友達がイチオシのアプリ。「友人に勧められたので始めてみました。シュンタといいます。鉄道会社に勤めていて出会いがなく、すてきな人と出会えたらいいなと思ってます」むっちゃマジメなプロフィールを打ち込んだあと、好きなものを登録。好きなものを登録すると、趣味の合う子が探しやすいようになっている。カフェ、散歩、猫…。すると、猫好きの子のなかでめちゃくちゃタイプの子を見つけた。カンナちゃん。清楚で遊んでいなさそうな雰囲気。なにしろ笑顔がかわいい。えいっ!と(ハート)を押す。まさかのすぐマッチ。拍子抜けするくらい簡単にデートが決まってしまった。「こんにちはシュンタさんですか?」待ち合わせ。上目遣いで顔をのぞきこまれて即ノックアウト。サラサラロングの髪。白い襟がついた、清楚な黒のワンピースがよく似合う。行き先はチャイがおいしいカフェ。ストローでおいしそうにアイスチャイを吸いながら、話をニコニコと聞いてくれるカンナに一生を捧げてもいいとさえ思う。初対面なのに。つきあいたい、つきあいたい、つきあいたい…。つきあったらやれる、やれる、やれる…。欲望が胸の中でドスンドスンとのたうち回る。「猫好きって書いてたよね?今度は猫カフェに行こうか」と次のデートの約束。カンナも二つ返事でOK。猫カフェの次は映画デート。映画の次はディナーデート。デートは続くよどこまでも。そして4か月と11日。そろそろと思うけれど、なかなか言えない。「僕と付き合って」のひと言。次こそと思ってLINEを送る。雰囲気のいい、水族館へのお誘い。「今度水族館に行きたいなって思っているんだけど。一緒に…」既読ナシ。日に日に増す焦り。3日経過。シュンタが必死で考えたのは「おみやげ作戦」だった。週末、筑波の実家に帰る用事がある。そこでカンナへのおみやげを買うのだ。賞味期限のあるおみやげを渡すと言えば、近々会ってもらえるだろう。たまたま買ってきた感を出せるから、しつこさもない。よし、これでいこう。「帰省して、おみやげ買ってきたから近々渡したいな」と送信。1時間後、ピコンと通知。カンナからの返事は、衝撃的なものだった。「シュンタさんのこといいなと思っていたんだけど、最近他に気になる人ができて。もう会えません。シュンタさんはやさしくていい人で、これまでよくしてもらってたけど、ごめんね」撃沈。やっぱり俺なんかに、彼女…できないよな。【三松さんからのコメント】シュンタさん、彼女がほしかったんですよね。カンナさんと付き合って抱きたいなって夢を描いてたんですよね。勇気を出して、素直になろうじゃありませんか!「友人に勧められて」じゃなくて「彼女がほしくて」。「水族館に行きたい」じゃなくて「大事な話をしたい」。「おみやげを渡したい」じゃなくて「すぐに会いたい」。それが本音のはず。ガツガツしていると思われたって、いいじゃない。相手も好意があれば、ガツガツは、情熱的という言葉に置き換えられる。ストレートに愛を表現する男は信頼できる。もし引かれたら、それまでの相手だ。「ノルかソルか」勝負時には勇気を持って挑んで。しかもカンナさんは、最近までシュンタさんを「いいなと思ってた」って言ってるし。脈ありじゃん。惜しいぞ!恋はタイミング。勇気さえ出していれば、カンナさんと今頃、ベッドでゴロにゃん猫ごっこしてるはず。「やさしくていい人」というのはありがち。経験や自信不足からプッシュできないのは、押しが弱いだけ。勇気を出すのが真のジェントルです。勇気マンマンになるにはお金もかからない。今日からでも勇気は持てる。「勇気レスな男子たちよ、グズグズよりガツガツ。情熱的で、押しが強いメンズが好きな女子は星の数。ところで女子のみなさん、こいつ勇気ないやつかなと思ったら、察して、引っ張ってあげてね。あなたのモテ度もアップします」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Westend61/Gettyimages文・三松真由美
2021年09月23日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、幼なじみの彼に片思い中の23歳女性。彼好みになろうと努力をしていたが、ある日彼から呼び出されて…。三松先生が、恋も幸せも逃げていく女性の特徴をお伝えします!七瀬(23)自分レス。理系でもないのに好きな男のためにソッチに就職すんなよ【レスなひとびと】vol. 130「やっぱりこれからの時代はITスキルがないとなあ」大好きな幼なじみのコウちゃんに言われたから、七瀬はエンジニアになった。プログラミングスクールに通って、必死で就活して今の会社に入った。数学は苦手だった。ずっと黒い画面に向かっていると気が滅入る。でも、コウちゃんの理想に近づくためならがんばれた。退屈を感じても、ネイルサロンで整えてもらったカラフルな指先を見てがんばった。ただ休日も勉強会に参加したり、趣味でアプリを作ったりしている同僚を見て思う。「そこまでプログラミングにエモさを感じらんない…私、この仕事そんなに好きじゃないんだ…」とため息が出る。特に最近はシステム障害が続いて残業続き。ストレスマックス!「今日も22時か…」仕事終わりにショッピングを楽しんで帰りたいのに現実は厳しい。ピコン と通知が鳴って、届いたのは大好きなコウちゃんからのLINE。「週末、どっかでお茶しない?話したいこともあるし」うれしくって、即返信。話ってなんだろう。「もちろんいいよ!プラザの屋上カフェでどう?」土曜日。去年モノだけど、大きなフリルのついたお気に入りのワンピースでカフェへ。「コウちゃん、久しぶり!」「お〜七瀬、久しぶり。最近どうよ」「うーん、仕事が障害続きで大変。毎日深夜帰宅で嫌になっちゃうよ」「そっかあ。じゃあ、転職したらいいんじゃね?」コウちゃんが推したから、エンジニアになったのに。とムッとしつつも聞く。「で、話ってなあに?」「いや、実は今度結婚すっからさ。一応、幼なじみの七瀬には紹介したくてさ」うぇーーーーーっ!聞いてない、聞いてない。彼女がいるなんて聞いてない。ショックでアワアワする。「あっ、来た来た。カレンー!」こっちに向かってくるのは、今年七瀬がほしかったブランドのワンピースを着た女の人。話を聞けば、ネイリストさん。「客商売って大変なこともあるけど、やっぱり好きなことを仕事にできるって幸せ。新しいデザインを考えている時なんか、時間忘れて世界にはいっちゃう。あ、七瀬ちゃんのお爪もかわいいね。サーモンピンクきれい」「カレンはいつも楽しそうにしてて、見てる俺まで楽しくなるんさ」コウちゃんがニコニコ話すカレンを見つめている。なんで?なんで?コウちゃんの理想ってITスキルバリバリの子じゃなかったの!?これからの時代、そういう子とパートナーになって時代を制覇するんだったんじゃ。話ちがうじゃない。カレンさんみたいに自分がほんとに興味あるファッションや美容の仕事に就けばよかった…。七瀬、恋も仕事もデッドロック。【三松さんからのコメント】七瀬さん、大好きなコウちゃんの言葉を拡大解釈して、突っ走ってしまいましたね。結婚している相手ならまだしも、彼女がいるかもどうかも知らない相手の言動に、人生を振り回されてはいけませんよ。好きな人が「バリバリ仕事をする女の人が好き」と言ったらバリキャリを目指して、「事務とか受付とかしていて、早めに帰ってごはん作ってくれる子がいい」と言ったら、そうする?「俺、キャバ嬢系派手め女子に萌えるんだ」と言われたら夜のバイトする?そんなことをしていたら、キャリアがブレブレになってしまいます。まずは自分の意思で未来の方針を決める。その上で縁がある人を大切にするほうが、自然体でいられます。もし、恋愛至上主義で「もうこのタイプの男性しか好きにならない」とはっきりわかっているならば、そういう男性が多い環境に思い切って身を置くのもあり。とにかく理系男子が大好き、という理由でエンジニアになった知人もいます。彼女は仕事にこだわりがないので、好きなタイプの男性に囲まれて毎日ウハウハ、幸せそうです。割り切れるならよしとしよう。大事な点はただひとつ。自分は何にエモさを感じるか深堀りすること。今からだって遅くない。「自分レス女性達に告ぐ。好きな相手からのアドバイスを天の声と勘違いするな。その相手と結婚してもずーっと言いなりで、軸がないオンナになるぞ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©martin-dm/Gettyimages文・三松真由美
2021年09月09日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、常にモテていた中学時代の同級生を今もうらやむ23歳女性。結婚したことを知り、ますます呪う気持ちが強まるが、ある日偶然彼女と再会し…。三松先生が誰でも愛され女性になれる秘訣を教えてくれます!ミサト(23)努力レス&笑顔レス女の自覚。タワマン結婚のあの子に嫉妬してる場合じゃないのに【レスなひとびと】vol. 129ミサトには眠れない夜にやってしまう習慣がある。それは、Facebookで嫌いなあの子の名前を検索すること。「こんな実りがないこと、やらなきゃいいのに、ついやってしまう。私って、呪うタイプなのかなあ」いつものように彼女の名前を検索すると、ヒットしない。もしかして…?共通の友人リストから探すと、苗字が変わっている。ミサトはため息をつく。やっぱり結婚か。お相手は、なにやらお金持ちっぽい。「入籍しました」の2ショットは、自宅で撮ったようだけど、ボケたバックの夜景でわかる。完全にタワーマンション。「はあ、やっぱりとことん嫌な女」中学時代からそうだった。彼女は大して勉強もしないし、話す言葉も薄っぺらい。ただ、自分がかわいいってことはちゃんと知っている。相手が喜ぶという確信のもと、誰にでも笑顔で話しかける。素直に甘える。昔から、学年トップクラスのイケメン男子を骨抜きにしていた。ミサトが密かに思いを寄せていた宇津木くんだって、彼女がにこっと笑いかけただけで、嬉しそうだったもん。ついたコメントを見ていると、仕事を辞めて専業主婦になったようだ。タワマンで、夫とかわいい猫と優雅な暮らし。与えられる愛を疑わず、自信を持って享受する。そういうところが昔から嫌いだった。かわいいだけで努力せず悠々と笑う彼女。ずるい女! あざとい女!したたかな女!彼女を貶める敵対語を延々考える。呪い気質のミサトにも彼氏はいる。翌日は、正人との映画館デート。「ごめんミサト、ちょっと寝坊しちゃって」待ち合わせの六本木に、正人は10分遅れてきた。服はいつもと同じシャツ、ジャージ素材のパンツ、通勤用のリュック。なんだかなあ。デートに気持ち入ってないなあ。昨日、呪いすぎて夜更かししたせいか、映画はあまり頭に入ってこなかった。「カフェでも行く?」カフェで、正人は先に入って奥の席に座ってしまう。座ったら座ったで、すぐスマホ。いつも正人はそう。細かい気遣いなどない。でもでも「ミサトの笑顔が大好き」と言ってくれる正人が大好きなはず、だったのに。なんだかうまく笑えない。タワマン結婚のあの子みたいにかわいかったら、大切にエスコートされるんだろうな。遅刻してきたりしないし、車で迎えに来てくれるのかも。自分をタワマン結婚のあの子と比較して、つまらん想像をしてしまう。ガラス窓に映った自分は、髪も痛んでいるし、猫背だし、全然かわいいと思えない。何もかもが嫌になる。「どうした?どっか調子悪いんか」「なんでもない。今日は帰るね」駅前で正人と別れて、あてもなく2時間もぶらつく。すると前方からジョギング姿のイケてる女が向かってくる。「ミサトちゃんーー」ギョギョギョ。タワマン結婚のあの子!!なんでなんでなんで。「びっくりね。ミサトちゃん、久しぶり。お茶でもしない?」引き寄せられるように同窓茶会。「私、太り体質だから高校の時から毎日8キロ走ってるんだ」「夫はね、両親を事故でなくしてから、がんばって起業したんだ。ずっと支えてきてよかったよ」「勉強して宅建の資格取ったの。不動産のことは何でも聞いてね」その他もろもろ。話を聞いてると、自分がしょぼい女に思えた。あの子は、努力レスなわけじゃないんだ。もともとの美貌もあるけど、あの笑顔は努力からくる自信、だったのかもしれない。わたしって、しあわせなひとを呪う癖がついてる。努力レスで笑顔レスな自分を変えるなら今だ。「涼子ちゃん、会えてよかったよ!あらためて、お友達になってくれない。LINE交換しよう」ミサトはニッコリとスマホを差し出した。【三松さんからのコメント】「女はね、自分ができなかったことをやった女が一番嫌いなんだよ」映画『昼顔』の名言です。ミサトさんも、中学時代に自分ができなかった「男子に気軽に笑いかけること」をやってのけた女子が嫌いだったのですね。笑いかけるくらい、サラッとやりゃいいじゃない。彼女にしてみれば、そう思うのかもしれません。でも、相当自分に自信がなければ、笑いかける勇気なんて持てない。ましてや、恋愛経験のない中学時代。持って生まれたかわいさゆえに、自信満々な彼女がうらやましい。わかります。でも、それから10年経った23歳。そろそろ持って生まれた資産だけでは、厳しくなってくるお年頃。ミサトさん、いいタイミングで大切なことに気がつきましたね。自分磨きのきっかけになるなら、嫌いな女性がいるのも悪くない。髪のトリートメントに、姿勢改善。もし自分が気になるのであれば、努力のチャンス。気になる箇所をひとつでも改善できたのなら、それは自信になって、笑顔のもとになるはずです。「他者を呪ってる自分に気づいたら、立ち止まれ!自分の中に3つくらいレスがあるはずだ。努力レス、笑顔レス、上昇根性レス。レス改善でハッピー体質になろうね」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©AleksandarNakic/Gettyimages©Taiyou Nomachi/Gettyimages文・三松真由美
2021年08月26日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、結婚を視野に入れたお付き合いをしている彼から、浪費癖を指摘された25歳女性。三松先生が、大人女性のための正しいお金の使い方を教えてくれます!奈々(25)そろそろ結婚!と思いきや、お金管理力レスで暗雲が【レスなひとびと】vol. 126表参道のケヤキ並木に面したカフェ&ダイニングでストローを噛んで「ああ、お金ないし」とぼやく奈々、25歳。IT企業でWebディレクターをしていて、同世代よりはちょっと稼いでいるはずなのに。気づいたら、クレジットカードの請求が手取りを超えている…なんてことが度々ある。何にこんな使ったんだ?テーブルには、期間限定のメロンのアフターヌーンティーセット。限定だし、行くしかないよね!ってことで、友人の未華子とやってきた。「奈々、太一くんとはどうなの?もう付き合って何年よ」「大学からだから、7年かな。仲良くやってるよ」「えー長いしいい」女子二人集まれば、恋愛トークで幕が開ける。ひと通りしゃべり倒したあとは、だらだらインスタを見ながら会話。「この『CELFORD』のワンピ、かわいくない?」「かわいっ!3万円か…」「でもボーナス入ったし、昨日からセールで20%オフだよ。今しか着られなさそうなデザインだし」勢いでポチ。「アイシャドウが見たい」という未華子に付き合って、そのあとは渋谷のスクランブルスクエアへ。デパコスがそろっているわりに、百貨店よりも空いていて穴場なのだ。『THREE』か『LUNASOL』か、迷う未華子とともにテスターを試していると、だんだんと奈々もほしくなってくる。「このパレット、ずっと売り切れてて、今日やっと再入荷したんですよ。お客さま、この色すっごく似合うと思います」セールストークに乗せられて買う。昨夜はひとりエッチ用のグッズをネットで買った。おかず用のエッチコミックも有料でドカ買いしてるし。エッチ系にムチャお金使ってる。エッチだけでなく、先週は美容院で1万8000円使ったし。今週だけでいくら使ったのか、考えるのも怖い。笑いながらお金ないって言ったけど、本当は笑えない。深刻だ。実は、プロポーズ間近かと思っていた太一に、先週言われてしまった。「奈々のいつも楽しそうなところは大好きだけど、お金の使い方は心配だよ。浪費女子だよね」と。こんなことでフラれるわけにはいかない。奈々は未華子に帰り際「未華子って家計簿つけてるの」と聞いてみる。買い物後、未華子がちょこちょこ金額を入力するのを見ていたのだ。「うん、記録してるよ。アプリすごい楽だよ」「それ、教えて!」現実を直視するのは怖いけど、フラれるよりマシ。ここで、腹くくって家計簿アプリやってみようと思う。【三松さんからのコメント】一生懸命働いて稼いだお金で好きな服やコスメを買う。全然悪いことじゃありません。むしろ自分で自分をご機嫌にできるって、ナイスですよ。しかし!いざ結婚して家計をともにする相手ができるとなると、話は別。お金の使い方に賢くならないと生き延びることができない。お金理由の夫婦喧嘩がどんだけ多いか知ってますか!自分のお給料とパートナーのお給料を合体させる人多いでしょ。夫の立場になってみて。せっかく働いて得たお金を、妻が無計画に使ってしまう、と思うと結婚を躊躇するのは当然。いまや、お財布が別々という夫婦も結構いますが、パートナーが貯金無理系だとちょっと不安。子育て資金も老後資金も、片方だけが負担することに。そして「離婚なんてなったら、俺の貯金半分持ってかれる?損やんか」という話になりそうですし。家計簿アプリ、いいですね。まずは、何にどれだけ使ったか把握することから始めてね。本当に生活に必要な金額がわかることで「お金がない」という漠然とした不安から逃れられるはずです。努力して改善しようとしている奈々さんの姿を見て、太一さんだって「俺と一緒にいるために…嬉しいじゃないか」とジーンとくるかも。もし、長期的な貯金の計画を立てたいのなら専門家・ライフプランナーさんに相談するのも手。将来かかってくるお金や必要貯金額がわかって、安心できます。太一さんと一緒にいけば、将来一緒にいる未来がより明確になる。「お金の使い方は本人の意志次第でガラリと変わる。管理力レスだと、将来地獄を見ることに。イソップ童話のアリとキリギリスを読み返せ!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Noel Hendrickson/Gettyimages©VioletaStoimenova/Gettyimages文・三松真由美
2021年07月29日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、誕生日直前に彼がほしいと焦り始めた24歳女性。そこで、気になる彼の前で「彼氏ほしい」とつぶやいたところ…。三松先生が、彼を意識させるための超重要なポイントを教えてくれます!祐子(24)口癖の「彼氏ほしい!」は‟余白レス”な言葉。彼氏を取り急ぎで作ろうなんて思うな【レスなひとびと】vol. 125あと3か月で誕生日。誕生日には、まわりの友達は、彼氏とリッチなホテルに泊まってお祝いしてもらっている。ケーキに花束、HAPPY BIRTHDAYのデコレーションされたベッド。それが、SNSで見る24歳女子のバースデー平均値。今日は大学時代の仲良しグループでの飲み会だ。このメンバーには在学中から少しいいなと思っているヒロキがいる。芋っぽいところがあるけど、まあイケてるレベル。この際だからヒロキでいい。「あ〜彼氏ほしいいいい!」みんな酔いが回っているし、許されるだろうと叫んでみた。もちろんヒロキを見ながら。ヒロキが気にかけてくれるといいんだけど…。その夜は何事もなく飲み会終了。1か月後、また同じメンバーで飲み会。「最近どうよ?」とお互いに聞き合っていると、ヒロキに気になる人がいることが発覚。えっ、先月まで全然出会いがないとか言ってたじゃん。内心焦りながら突っ込む。「誰?誰?どこの子?」「会社の同僚。なんか気になる話し方するんだよね。なんか意味深な」「どんな?」「いや、なんか帰りの電車で一緒になったんだけど。しゃべってる時に『あーあ、もうちょっと素直になれたらな』とか言うんだ。なんかドキッとしたよ」「なにそれ!もうそれいけるじゃん!」(全くうまくいってほしくなんてないけど)「どうなんだろ。なんか気になっちゃうよね。俺のこと好き?どういう意味?ってさ、なんか俺、モテ期かな」「うかれんなよ」と周りにこづかれるヒロキを見て、祐子、フリーズ。祐子だって「彼氏ほしい」とヒロキにそれとなく伝わるようにしていたつもりだったのに、作戦ミスか。よーし、もう一度、と思って口に出す。「あ〜私も彼氏ほしいいい」返ってきたのはヒロキの想定外の反応。「祐子、それホントに思ってる?」「思ってるよ。もうすぐ25歳だし」と反撃。と男性陣が次々に。「ほらあ、誕生日用の彼氏じゃん」「確かに俺も、クリスマス前とか思うわ。独り身寂しいって」「わかる、かわいい彼女連れて街歩きたいよな」「所詮、イベント済んだら終わる恋ってやつだよな」えっ、そんな流れ?ヒロキに全く響いてなさそう。このままじゃ、職場の女に取られちゃう。なんで、私の彼氏ほしい気持ちを男の子たち、わかってくんないかなあ。【三松さんからのコメント】願いは口に出すと叶いやすいといいますね。私もたくさん叶えてきましたよ。「叫ぶ」と「叶う」の字も似ていますし。ところが、男性陣の前で「彼氏ほしい」と叫んだ祐子さん、願いが遠ざかってしまいました。「彼氏ほしい」だけは、口に出すだけでは叶うことはない。さて、なぜでしょう。男性陣の発言にヒントがあります。漠然とした「彼氏欲しい」は、「とりあえず体裁や見栄のために彼氏作っとくか」に受け取られることもあるのです。祐子さんに邪悪な要望が完全になかったと言い切れない。バースデー前の微妙な時期。「ステキな人に告ってほしい」「価値ある自分をみんなに知ってほしい」そういう願望があることは、悪いことではない。素直でよろしい。ただ、SNSで披露するために彼氏がほしいのだと気づかれてしまうと「じゃあ俺が」と立候補しづらいじゃないか。それに比べて、ヒロキさんの同僚女女性、ナイスですね。「素直になりたいな」なんて。「彼氏ほしい」のような狙い打ち度が全くない。「俺にその言葉を言うなんて、ハートの中ぜんぶ見せてくれてるのか」と思わせる上級ラブトーク。何より、相手にアレコレ想像してもらえる‟余白”があります。この‟余白”が大事なのです。ヒロキさんはまんまと「あれってどういうこと?」「僕に気があるかも」とその後ずっと考える。つまり意識下にスルリと入り込んでいる。祐子さんのように、とりあえず手近なところで彼氏作っとく、みたいな取ってつけたようなアクションはだめ。やるべきことは、理想の相手を具体的にイメージすること。具体的な相手像が浮かべば、友人に「こんな人紹介して」と頼みやすくもなります。彼氏を作るための発言という点では同じですが、漠然とした「彼氏ほしい」よりもこちらのほうがずっと周囲に響く。自分の人生、よく考えてるなって思われる。「夢を言葉にする前に、言葉の裏にある意味を問え。なんのためにこんなこと言ってんだと。自分の浅はかさに気づいたら撤回せよ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©PhotoAlto/Gettyimages©Wavebreak/Gettyimages文・三松真由美
2021年07月22日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、研修医の彼がいるにも関わらず、マッチングアプリをやめられない25歳女性。いつまでも経っても現状に満足できない彼女に、三松先生が出会い系アプリの怖ろしい負のループを教えます!菜月(25歳)彼氏がいても“本気度レス”でマッチングアプリがやめられない。【レスなひとびと】vol. 123純也とは「付き合って」と言われたから、付き合いはじめた。研修医で将来安泰。女の子の扱いも下手じゃないし、悪くはないと思った。本当に、悪くはないのだ。ただ「運命の人!」の実感がない。もっといい人、いるんじゃない?純也と付き合いはじめて3か月経つが、マッチングアプリとはずっとお友達。さすがに純也と付き合い始めてからはヘビーユーザーではない。週一くらいでマッチ男と会っている。純也が当直の日が‟マッチ男DAY”。今日のデート。日本橋のフツーのイタリアン。大手飲料メーカーに勤めるおぼっちゃまって感じの拓造くんは、とにかくもう…ずーっと自分の話。家でママに自分の話を「タクちゃん、すごいすごい」って聞いてもらって育ったに違いない。ママの顔が浮かぶよ。小学生時代の武勇伝から、今の職場での活躍エピソードまで語る語る。さりげない感じを装いつつ、ガッツリと「すごい俺」エピソードを挟んでくる。まだ続くの!?と内心ウンザリ。あくびを必死でこらえる3時間。まあ、一回くらいエッチしてもいいけどの思いはよぎる。今日も運命の男は出現せず。純也から電話がかかってきたのは、デートの帰り道。夜道をコツコツ歩くヒールの音が聞こえたのか「あれ、菜月、今日遊びに行ってたの?」と聞かれる。「うん、美波と会ってたの」と答えると「美波ちゃん?ああ、大学の友達の子ね」とあっさり信じる純也。そう、純也はいつも菜月の嘘にまったく気づかない。菜月は女友達と遊ぶ時、ローヒールしか履かない。まわりの女子よりも背が高いのを気にしているから。なんで、純也はこんな簡単な嘘にも気づかないんだろう。心の中で純也をバカにする。嘘をついているのは自分なのに。週末は、本当に美波と会った。「最近どうよ。結婚できそう?」と聞かれ「全然ダメ」と答える。研修医の彼氏もいるし、3日前の拓造くんからは「菜月ちゃんと付き合いたい」とLINEがきたけど。付き合うわけないっしょ。なんでこの程度の男にイケるって思われるんだろ。2度目のデートでセックスできるって思われてる。情けない。ヘラヘラ笑いながら言い直す。「いやほんと、人生全然うまくいってない、アタシ、何もかもダメ」。ぶらぶらさせたローヒールが椅子の足にぶつかってスポっと脱げる。また来週もマッチ男とデートしてみるか。【三松さんからのコメント】「人生全然うまくいってない、私ってダメなやつ」。謙遜しているように見えて、実はこれ、自分のダメな部分を認めていないことからくる発言です。菜月さんがマッチングアプリをやめられないのは、どこかで「自分はこの程度の男と付き合う女じゃない」と思っているからじゃないのか。高慢すぎです。理想と現実が食い違うってつらいですよね、と悲しむ自分に共感してほしいだけじゃないか。まず、相手のダメな部分を見つけてしまったときに、ならば自分はどうなの?と振り返ってみましょうよ。純也さんは鈍感なのかもしれないけれど、メンズにはありがちなレベルです。いちいち詮索する神経質男よりラクじゃない。相手ばかりにダメ出しして、自分のダメを棚上げする女にほんとの恋は寄って来ない。「アタシ、何もかもダメ」とごまかさずに「何がダメ」なのか、ピンポイントで考える。「ダメ」を「よっしゃ」に変換しないと魅力的な大人になれないのであります。相手と向き合う‟本気度”が少ない、それすなわち、自分とも本気で向き合っていないってことなのです。20代やそこらで完璧男と完璧女の完璧恋愛などありません。相手と向き合って磨きあっていくうちに、唯一無二の存在になってくることがある(…あると信じたい)。あなたが本気で自分の「ダメ」を「よっしゃ」に変換できたら今度こそベストな人と出会う確率が上がります。手当たり次第に出会っても、打率は低いと今回の件でつくづくわかったはず。マッチツールは、すぐに出会えちゃうから、だんだん緊張感が薄れていくのが難点ですね。「マッチング依存女子に告ぐ。スマホ1台でホイホイメンズと出会える時代。ダメなら次の人のループにハマると13人目で疲弊してシカバネになるぞ。本気で自分のダメに向き合え」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©KristinaJovanovic/Gettyimages文・三松真由美
2021年07月08日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、没頭できる趣味もなく、多忙な彼に会えないと何もすることがなくて自暴自棄に陥った26歳女性。彼にも疎まれてしまい、破局の危機を感じる彼女に、三松先生が強烈なアドバイスをしてくれます!美奈子(26歳)“趣味レス女”やることないと命取り。連続LINE攻撃でフラれるかもの危機【レスなひとびと】vol. 118土曜日の朝9時。目は覚めたけれど、デートのない休日。起きてすぐ誠司からのLINEを確認したあと、Instagramを開く。骨格ウェーブに合うワンピース、ブルベに合うプチプラリップ…出てくる投稿を寝そべったままだらだら見続ける。何時間経った?目が疲れたのでいったんやめようと画面を暗くする。暗い画面に顔が映る。むくんでいるじゃないかー。目ヤニついたまま、髪はボサボサ。気分ダウン。ひとりで過ごす休日は長い。起きてから眠るまで、全部ひま。はあ、今日は何しようか。ひとりが楽だって感じる人もいるけど、美奈子は逆だ。本当に何をして過ごしたらいいかわからないのだ。料理、ゲーム、動画鑑賞、どれも時間を忘れるほど夢中になれない。ひとつだけ興味を持てることといえば、誠司からのLINE通知を待つことくらい。彼が唯一の推しなのだ。彼といると自分が特別な人間のように思える。「かわいいね」って言われて、無敵気分になれちゃう。でもひとりでいるとどんどん自信がなくなってくる。私ってつまらない女か?趣味もなく、ひとり時間を充実して過ごせない自分。中身のない人間みたいで嫌いだ。休日、洗濯後はやることがなくなり彼にLINEしてしまうのだ。「誠司、何してる?」既読はつかない。仕事が忙しいって言っていたけど、2時間経ってもつかない。1Kの部屋で、息が詰まりそうになる。誰かを家に呼ぼうかな。でも彼以外に会いたい人っていない。どんどんつまらない女になっていくような気がする。壁のシミを見つめながら、自暴自棄突入。もはや、誠司のことしか浮かばない。追撃LINEに加えて、電話もしてしまう。5度目の電話に出た彼は「仕事がすっごく忙しいんだ。ちょっと勘弁してほしい。美奈子はなにか趣味とかないのかよ」。速攻切られる。やってしまった。‟重い女”の代表入り。振られる。嫌われる。息が苦しい。鏡を覗くと、顔までブサイクになっていた。【三松さんからのコメント】恋に落ちると夢中になって、彼のことしか考えられない女性、いますよね。夢中になれるのはすっばらしいこと。恋なんか無駄って冷めてる人よりずっと人間的でいいじゃない。でも、忙しい彼に一方的な連絡をし続けてしまうのは危険。うっとうしがられる。自分の世界を持ってない人って魅力半減です。没頭できる趣味があればいいですが、美奈子さんのように、どうにもこうにも動けない場合。やれることがひとつあります。それは、彼が好きだと言っているものについての研究。(彼ナシの場合は友達のでもいい)彼が筋トレオタクなら、タンパク質多めの料理の特訓をしてみる。三島由紀夫が好きなら、三島由紀夫の本を順に読んでみる。Awesome City Clubが好きなら、曲を聴きまくってハモれるようにしてみる。結局彼のことかよ、と思うかもしれませんが、それでよし。どうせ、それ以外はやる気にならないんだから、いっそ極める作戦で。次に会った時に話そう歌ってみようと思いながら、新しいことを学ぶ。グイっと吸収していけるはず。恋してる時って、最高の学習チャンスなのです。TBS日曜劇場の「ドラゴン桜」観てますか。興味がなくても本質を考えるって、深い教えを桜木先生が伝えてくれました。まさにそれ。彼がなぜそれを好きなのか、ルーツを知る。彼の顔が浮かべばできてしまう。彼もきっと「俺たちってもしかして趣味合う?」とうれしくなる。好きなことの話題を振ってもらうと誰しも心を開きます。万が一、彼と別れても料理の腕や文学知識、カラオケのレパートリーは持ってて損ナシ。あ!もちろんエッチのテクニックもね。次のモテにつながる。学びは無駄になりません。彼キッカケではじめたことが、My趣味になったという報告も多数です。お酒好きの彼のために、簡単おつまみを研究していたら楽しくなり、YouTubeでおつまみチャンネルを始めたなんて話も。ハッピーね。「趣味レスで、ひとり時間をグズグズ過ごすな。『ドラゴン桜』を観て、全てのことの本質を考えてみろ。彼との恋愛の意味も見えてくるかもよ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©vitranc/Gettyimages文・ 三松真由美
2021年05月20日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、おしゃれで社交的で同性から好かれるのに恋人ができない28歳女性。三松先生が、意中の彼が自然と意識する神アプローチを教えてくれます!舞(28歳)‟色気レス”おしゃれで気さくなのになぜかモテない。でも〇〇を変えたら!?【レスなひとびと】vol. 117「乾杯〜!」日曜日の昼下がり、汐留のイタリアンにてグラスを合わせる6人。フットサルサークルで仲良くなった男3人、女3人。「さすが舞ちゃん。いい店知ってるよね」褒める佑介に「いや、たまたまだよ」と笑う舞。舞はエンジニアの仕事をしている。運動不足なのでフットサルを始めたばかり。おくれ毛のニュアンスが絶妙なヘアアレンジ。シアーシャツ。『MARNI』のバッグ。完璧なようだけど「ダメっしょ、それ」の抜けてるところがある。そこが人間くさくて、舞を愛すべき友達はたくさん。恋人だっているはず…と思いきや。なぜか舞には彼氏ができない。2人メシする仲良し男性は数人いるが。決して男女の仲にはならない。佑介は隣の席の美雪となにやら楽しそうだ。佑介の飼い猫の話に美雪は「あっ。前に話してたよね、ヨケ子ちゃんだっけ。見せて見せて」とぐっと乗り出す。ディスタンスなし。‟社会のルール守れよ”と舞は胸の奥でつぶやく。腕…いやオッパイ、くっついてんじゃん。美雪は異性にオンナを出していく行為をしたたかにやってのけるタイプ。そして「前に話してたよね」とか‟あなたのこと覚えてますよー”アピールも絶妙。感心しながら見ていると、他のメンバーから「舞ちゃんは彼氏いないの?」と急に恋愛系クエスション。「えっ!いないよう」と答える舞に女性陣は「え〜なんで?」「うっそ」「きれいなのにー」と声をそろえる。俺にはわかるぞという顔で話し始めたのは佑介だ。「確かに舞ちゃんは魅力的。なんだけどさあ。舞ちゃんとふたりで出かけることになったとして『うわ〜デートだ。ワク2!』ってならなくない?」「ひっどーい。男っぽいってこと?」「いや、そういうんじゃなくてさ。俺がもし舞ちゃんをオンナとして見てたとしても、舞ちゃんは俺のこと全然オトコとして見てないじゃん。美雪ってさ、男をめちゃくちゃ恋愛対象として見てる。そういうのってこっちにも伝わってくるわけ。あれ、もしかしてって思っちゃうわけ。『うわあ、デートだ。エッチありか??』って感じするんだよ」美雪は「やあん」と手を振りながらニコ顔で聞いている。「あっ。なるほど。じゃあ、佑介くんはわたしのオンナスイッチを押してくれるほどのオトコじゃないってことか」「そうきたかあ」なごやかなランチタイム。なるほど。美雪ねえ。ぱっと華やかなタイプじゃないけど、モテるのはそういうことかあ。ここにいる男3人はタイプじゃないからオンナスイッチ押さないけど、いざこの人!って人ができたら‟意識してますオーラ”出してみるか。しみじみ思う舞なのであった。【三松さんからのコメント】確かに「あなたのことを意識していますよ」というのをそれとなく伝えるのって大事なことです。全開で伝えちゃダメよ。重い女になるから。相手も「あれ、もしかしてこの人、俺に気があるかも」なんて思うのと思わないのとじゃあ、相手の出方も変わってきます。誰とでもエッチまでいけちゃうオンナを演じろ、というわけじゃなくってですよ。「この人に好かれたい」と思ったら、ちょっとお願いごとをしてみたり、笑顔で目を見て話を聞いてみたり‟意識してます”というサインを出してみるのは必要アクション。美雪さんクラスはボディ寄せ寄せ仕草が小さな頃から身についているんだと思います。お得なキャラ。そうじゃない場合、恋の対象者が目の前に降ってきたら自然に「あなたと近づきたい」とハートで訴えるのです!イケてるファッション、愛らしいヘアスタイルは基本を抑えるだけでよし。モテるオンナが皆、おしゃれセンス抜群でトレンド追っかけてるか?そんなこたあない。このひとって存在が降ってきたら質問3個浴びせてみろ。どこのカフェが好きですか?ってなやつ。回答にコミットして嬉しそうに深掘りせよ。最後に「一緒に行きたいな」とニッコリ願望吐露。「何も持ってなくても、おしゃれしてなくても、近づきたい意識ひとつで恋愛世界のドアはカチリと開く。それを色気と呼ぶのだ。うっふん」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Oana Szekely/Gettyimages文・三松真由美
2021年05月13日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、インスタの「いいね」ばかりを気にして生きている女性。それをもらえないと絶望まで感じるという彼女に、三松先生が自己肯定感を高める簡単な方法を教えてくれます。ミイナ(22歳)‟自己肯定感レス”。「いいね」されなきゃ絶望の淵に追いやられるヨワヨワちゃん。そんなんじゃ彼氏も逃げてくぜ。【レスなひとびと】vol. 116「ねえ、アキト。もう夕方の4時だよ。ハンドパフェのカフェに行くって言ったじゃん」眠り続けるアキト。もう軽く14時間は寝ている。ミイナは困るのだ。アキトが一緒に出かけてくれないと。だって、SNSに載せる写真を撮ってもらえないから。先週は、固めプリンをすくったスプーンをくわえて、「ん〜」とおいしそうな表情を浮かべてパシャリ。投稿時に添えたテキストは「彼がスイーツをいっぱい食べさせてくるので、永遠に痩せられない」。1時間で100の「いいね」がつく。「ほんとかわいい」「こんな表情されたら、彼氏さんもいっぱい食べさせちゃうよ」と並ぶコメント。かわいいわたし、彼氏に大切にされるわたし。はあ、やっと満たされる。こうして肯定感を満たさないと、とてつもなく寂しさを感じてしまう。「いいね」がほしいから、お店のレトロな雰囲気に合うように、大きめの襟がついたブラウスを着て行った。プリンの上のさくらんぼと合う色のリップをつけた。かわいいコメなんて当然たくさんもらえるっしょ、と思いたい。誰からもリアクションされなかったら、絶望的になる。「ねえ、アキトー、早くしないと日が沈んじゃうよ、写真撮れなくなっちゃうよ」何度も揺り動かすけれど、返ってくるのは「うう…ん」という声。もうやだ、これじゃあ今週はなにも投稿できなくなる。暗くなる。LINEが届く。送り主はお友達の美保。20代女子向けメディアの編集者。「ミイナ、カフェの記事を書いてみない?」というオファー。アキトへの怒りも忘れて「やりたい!」と即返事。翌日、ミイナはさっそくひとりで出かける。お店の雰囲気やメニューをリサーチして出かける習慣があったので、事前の情報収集も苦にならない。カフェに行って、店内の装飾やスイーツをくまなく観察していく。帰宅すると「あれ、ミイナ。どこ行ってたの?」アキトが聞く。「ん、ちょっと取材!」と答えてさっそく原稿に取りかかる。原稿をまとめるのが苦しい時もあったけど、せっかくもらったオファー。毎週の取材と執筆を続けるうちに、なんだか自分が好きになってきた。充実した毎日に、今ではアキトのほうから「ミイナー、ちょっとはかまってよ」と言われるくらい。生き生きして動いているミイナに、アキトも前より魅力を感じているようだ。ミイナはもう誰かにちやほやされなくたって、自分で自分に「いいね」がつけられる。【三松さんからのコメント】自己肯定感。ばっちりあるわ、という人のほうが少ない世の中。自分は自分と常に一緒にいるからこそ、できていないことが目につきやすい。「ああ、今日も運動してない」「洗濯物、溜まっててだらしない」なんて、日々の「できなかった」の積み重ねで自己肯定感なんてものがグングンと下がってしまいます。肯定感レスの皆さんにお伝えしたいのはコレ。「やることをひとつだけ決めて、続ける」ビジネスパーソンのあいだではGLITを持つことが成功の秘訣って言われてます。やり抜く力を意識するのだ。ミイナさんの場合は、カフェの取材と執筆ですね。ただし、他者の評価を目標にしないこと。「いいね」やフォロワーの数なんて見ない。評価を目標にしてしまうと、評価がつかなかった時に落ち込んで投げ出す。ミイナさんは最初、アキラさんが協力してくれなかったり、ちやほやしてくれるフォロワーがいなかったりすると、ピンチになってしまう危うい状況でした。取材と執筆を続けることを目標にすれば、他人がどうであれ、やるだけ。やり続けていると、自信になります。周りの人に「自己肯定感を満たして!」とすがるより、自分で満たすほうがずっと健全。まずはひとつ、好きなことをいくつかあぶり出し、何を続けるか決めてみて。決まらない場合には、ミイナさんのように頼まれたことを続けてみる。依頼されるということは、そこが強みなのです。「考えよ。好きなこと、得意なことは何だ?一個もないなんてひとはいないはず。ライブでも、コスメでも、からあげでも、バナナジュースでも一点集中で掘り下げよ。いつの日か‟からあげ女王”になれる…かもしれない」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©urbazon/Gettyimages文・三松真由美
2021年04月29日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、スタートアップ企業に勤めバリバリ働く彼を持つ26歳女性。自分といるよりも会社仲間とのほうが楽しそうな彼のSNSを見て卑屈に感じてしまい…。三松先生が、自信が持てない人に解決策を伝授します!「〇〇みたいな子のほうが好きなんじゃない?」他の女と比べて自信レス!彼のSNSを見ては落ち込む玲奈(26歳)【レスなひとびと】vol. 112「ねえ、だいちゃんはやっぱり‟スタートアップでバリバリ働く女“みたいな女のほうが好きなんじゃない?」ベッドで彼氏のだいちゃんに問いかける。玲奈は老舗メーカーで、生産管理の仕事をしている。派手な仕事じゃないけれど、ほどよくやりがいがあり、気に入っている。いつも機嫌よくニコニコ、小柄で愛嬌たっぷりの玲奈は、今までずっと男性から大事にされてきた。が、しかし。彼氏であるだいちゃんからイマイチ愛情を感じられないでいる。「バリバリ働く女?別に好きじゃないよ」と答えるだいちゃん。マーケターとして、スタートアップ企業でバリバリ働く29歳。玲奈とは付き合って1年。半年前から同棲。だいちゃんの帰宅は毎日深夜1時過ぎ。というか、帰ってくればいいほう。同世代の仲間と新しいものを生み出す毎日は、文化祭前夜のようで楽しそう。だいちゃんのSNSには、毎日のように写真付きで #今日の〇〇社 のタグつきで楽しそうな会社の様子が投稿される。「急に筋トレを始めるCTO。 #今日の〇〇社」「ついにパジャマで出社するエンジニア瑠衣氏。 #今日の〇〇社」ってな具合。ときに真面目な投稿。リンク付きで「この記事めちゃくちゃ勉強になった!」すぐさま、マーケター仲間の女からのリプライ。「ね!最近このあたり勉強せねばと思ってた…!」この”ゆり”とかいう女、しょっちゅう、だいちゃんにリプライしてる。ほんとやめてほしい。と思えばだいちゃんのほうも「主催の勉強会で、ゆり氏 @yuri_isof421 と会いました。お互いがんばっていこうね!」…ふうん、夜遅くまで“勉強会”お疲れさま。今日も玲奈はひとりでさみしくテイクアウト夕食だ。金曜日の夜、友達のリカに相談する。「ねえ見てよ、この投稿とリプライ。もーやだ。だいちゃんは、どうして私と付き合ってるんだろ? こういう”ゆり氏”みたいな女のほうがだいちゃん、絶対気が合うし、好きじゃん」「そう? だいちゃんも、玲奈の一緒にいてほっとするところとか、好きなんじゃないかな。仕事とプライベートって別だし」確かにだいちゃんは、休日に玲奈との時間を必ずとる。忙しいなかで家事や料理もしてくれる。「ここ行きたい!」や「これ食べたい!」もちゃんと覚えていて、実現してくれる。誕生日や記念日には、玲奈の好きな花とスイーツとプレゼントを欠かさない。でも、いつだって会社からの連絡を気にしている。目の前の玲奈の「土曜日一緒にホットケーキ焼こ」よりも、”ゆり氏”や仕事仲間からの連絡のほうがうれしそうに見える。やっぱりだいちゃんには、だいちゃんと同じようにバリバリ働く女がいいんじゃないか。そうしたら、いつでも一番大事な仕事の話ができるじゃん。それにそんなに仕事がおもしろかったら、私なんて要らなくない?一緒にいて、卑屈になってしまう。玲奈もバリキャリ女になる以外、正解がないように思える。なんか最近、苦しい。【三松さんからのコメント】玲奈さんは今の玲奈さんのこと、好きですか。彼の好み抜きでいったんよく考えてみて。みなさんも考えてみて!「自分のことあまり好きじゃない」「自分のこんなとこ変えたい」と思うならば、すぐアクション。動いてみると、また‟自分好き力”が戻ってきます。自信につながりますね。「どう動けばいい?」という質問も多いのですが、そこは個別に考えないといけません。個性や好き嫌いがあるから。玲奈さんの場合、SNSが苦手そうだから、SNS以外の場で新しい友だちを作るとか。大好きな職場に毎日お花を飾るとか。原宿のワンちゃんカフェにひとりで行ってみるとか。今までしなかったことをやってみようよということです。脳の回路が切り替わると考え方も少し変わる。世界が違う景色に見えてくる。自信が戻れば人と比べて落ち込むことも減る。動いていると暇がないから、もやもや時間も減る。「今の自分、なかなかいいぞ!」と思うなら、だいちゃんとの関係を一度考えて。玲奈さんが今の玲奈さんのままでいいと思えて、のびのびいられる関係が他にあるはずです。でも、もうちょっと彼との関係を続けたいと思うなら。「彼の気持ちをこちらが勝手に決めない」これに限る。相手が思っていることは、相手にしかわからないものです。彼がいつ「スタートアップでバリバリ働く女が好き」って言った?言ってないはず。心の自家中毒です。自分で作った毒に、自分でまいってしまっている。彼の好みの女像を勝手に作って、当てはまらない自分を責めている。ナンセンス。そんな暇や不安があるのなら、カラダと気持ちを動かしてみて。「自信レス女子達よ、動いて動いて動きまくれ。自分で作った心の毒に汚染されるな。職場に花を飾る自分がスキと思えたら勝ち。”自分好き力”最強!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©urbazon/Gettyimages文・三松真由美
2021年03月25日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、若さとルックスに自信があり、決めごとは何でも彼任せで奔放に生きている25歳女性。ハイスペックの彼氏以外にも実は…。三松先生が、自分は無敵と思いがちな若い女性に向けて説きます!「文句なしのハイスペ彼氏がいても幸せになれない」なんだかなあ…の日々を過ごす決断力レスの律子(25歳)【レスなひとびと】vol. 111バリバリ仕事をするタイプの男って、女にあまり時間をかけないんだと思っていた。でも、聖也は違う。毎日のように「会いたい」、会えば3度はエッチ、寝る時は必ず腕枕。律子は知り合いの会社で事務の仕事をしている。目立つところはないけれど、160センチ、49キロ、色白でナチュラルボーン二重。けっこうイケてる。彼氏の聖也はいわゆる稼ぐ力がある完璧系。渋谷区在住IT起業家。スッとした鼻に切れ長の目。かっこよくて、やさしくて、エッチもうまい。何より、律子のことを愛してくれている。ある日、律子は聖也に仕事の相談をした。「今の仕事ね、嫌なところがあるってわけじゃないけれど、毎日変わりばえがしなくて。転職しようかな」「そっかあ。律子は3年後とか5年後、どうなっていたいの?一緒に考えてみようよ」律子は、うーん…と煮え切らない。聖也と違って、律子には将来のビジョンなどまったくない。「律子、そろそろおなかすかない?桜丘にできたバル行こうよ」聖也の提案で、夜は少し歩いて話題の店へ。歩く時、律子は地図を見ない。聖也の腕を掴んで、ついていくだけ。「劇場」がコンセプトのバルは天井が高く、夜景も申し分なく美しい。メニューもずらりと豊富。迷ってしまう。律子は昔から決めることが苦手なのだ。何かを決めると、何かを捨てることになりそうで不安。手にしているメニュー、律子が選んだものがおいしくなかったら?責任を負うのも嫌だ。結局その日も聖也が決めた。タコとセロリのセビーチェ、じゃがいものニョッキ、トリュフソースがかかった牛フィレ肉。スラスラ食べるものを決める聖也を見つめて「やっぱ頼るとラク…」と微笑む。1週間後の夜。再び渋谷、今度はホテルの40階のレストラン。桃のコンフィチュールが添えられたシャーベットを食べ終わると、聖也がゆっくりした口調で名前を呼ぶ。「り・つ・こ」。一呼吸置いたのち「結婚しよう」の言葉。…。律子は気づいた。「嫌だ」。聖也といる将来は、想像できない。聖也を選んだら、他の人が選べなくなってしまうから。決め事が苦手なことがつくづく嫌になる。そう。律子には、並行して付き合っている人がもう2人。聖也のことを愛してなどいない。友達に「いいじゃん!」って言われたから付き合っただけ。並行して付き合っている2人も同じ。欠点が見えないから付き合っている。1人だけ選ぶなんて無理。2年前、一度だけフラれたことがある。「自分の人生に責任がないよね」って。仕事も恋も選べない律子。本当はわかっている。そろそろ意を決して選ばないと幸せになれない気がする。でも、どうしたらいい?【三松さんからのコメント】律子さん、外見がイケてるから調子こいてないか。いつまでも学生気分でいてはいけません。そろそろ大人世界に身を投じる時期。自分が無限の存在だと思ってないか。甘いです!若いうちは無敵で、微笑みひとつで男性をトリコにできるかもしれませんが。あっ、年齢を重ねるとモテなくなるなんてマイナスな意見ではなく、なぜか日本では若さが恋のアドバンテージ!恋愛にスムーズに移行できるよってことです。時間は無限じゃなくて有限。いつまでも自分がてっぺんに立ってアレコレ選べるわけじゃない。自分で選択して、責任しょってく路線にシフトしないとずーっと子どものまま。薄幸な老後になります。律子さん、すでに男性3人に不義理をしてますよね。彼らがそれに気づき、逆襲し始めたらどうする?SNSで「R子、ひでえ女だ」ってシェア…しないにしても周りの友人には悪口言っちゃうかもです。人徳ゼロ%女に堕ちてしまう。決心するのが怖いなんて逃げてちゃだめ。失敗したって、それが自分で決めたことなら納得できる。他者に決めてもらうと、そのひとのせいにして恨む気持ちが増幅するし。うまくいかなかったときに文句飛ばす、かっこ悪い大人になってしまう。失敗経験は、とっても大事。何度か決断を間違えているうちに、コツを掴んできて「こっちじゃないぞ」ってわかるようになってきます。うちら人間は日々成長してるのであります!人の意見を聞きながらでもいい、まずは自分で決めること。「うちも決断力レスだわと感じた皆さん。今夜は彼氏と食べるもの、彼氏と見る動画、エッチの体位、自分で決めて突き進め。失敗体験の積み重ねでいい感じの大人になれる」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©EmirMemedovski/Gettyimages文・三松真由美
2021年03月18日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、バイトさえも続かない飽き性の21歳女性。その自堕落ぶりを気になる彼から厳しく指摘されて…。三松先生が伝授する、本当にあなたを想ってくれる、運命の人とは。カリン(21歳)お家レスで大切なことに気づいたうえに彼氏できそうな予感【レスなひとびと】vol. 110「今日だるいんで、休んでいいっすか? え、ダメ? じゃあもういいっす。辞めます。はい」電話を切ると、ベッドにバフンっとスマホを投げた。実家で両親と兄と暮らすカリンは、飽き性でめんどくさがりや。バイトもすぐ辞める。平均20日しか続かない。半年で6件辞めた。リビングに行くと、兄の茂樹が、大学時代からの友人、修二とゲームをしていた。修二は菅田将暉似の顔立ちで、なんともいえないオトナの雰囲気。目が合ったカリンはひそかにトキめいた。「あれ? カリン、今日バイトじゃないの?」「辞めた。だるいから。わたしに合う職場じゃなかった」「お前、そんなんばっかじゃん」「だよねえー、ザンネンなわたしーー」カリンはふざけて笑う。茂樹がトイレに行った隙に、修二が話しかけてきた。「カリンちゃんって苦労したことないでしょ」「は?」「実家で暮らしてて、不自由なさそうだし。だから、バイト先の人の気持ちもわからないんじゃない?もっとちゃんとしないと将来落ちぶれるよ」ムカッ!そしてガーン…「なんで初対面のあんたにそんなこと言われないといけないの!うち、ひとり暮らしなんか余裕でできるし」無性に怒りが湧いた。カリンはひとり暮らしの部屋を借りると即決。めんどくさがりのくせに沸騰しやすい、やっかいな性格。「実家出て自立するし」と鼻息荒い。頭金を母親にせがむと、「ま、あんたの自立のための修行だと思って、出したげる」と、あっさり貸してくれた。「やっぱ、親に頼るってとこがうちの甘いとこかも…」と思ったものの、まずはひとり暮らしだ。4畳一間の部屋しか無理だったが。速攻、近くのコンビニの面接に行って働くことに。コレがむちゃくちゃキツかった。早朝シフトか深夜枠しか空いてないので、体内時計の調整がうまくできず、ずっと眠い。一回寝坊してしまい、店長からクビ宣言。他のバイト先は受からなかったから、ここを辞めると実家に戻るしかない。悔しい。「家賃の支払いがあるから辞めるわけにはいかない」…と泣いた。猛烈反省で許しを得た。一緒にシフトに入った同い年の美希は大学費用を払うために働いてると言う。ふたつ上のお姉さんはシングルマザーで、生活資金が足りないから昼も夜も働いていると。「そうかあ。みんな頑張って生きてんだなあ…」美希と一緒になってから、真面目に日々の業務に向き合うようになり、20日過ぎても続いていた。日中も働けるようになった頃、修二が買い物に来た。「ひとり暮らし、どうよ」「うん。うちが間違ってた。たしかに苦労知らずだったなって。自分で家賃払うってマジきつい。今まで20日で辞めたバイトばっかだったけど、店の人に迷惑かけて悪かったなと思うよ」「ほう」「あんとき、正直ムカついたよ。でも、それでひとり暮らし始めたから、結果よかった。サンキュ」ボソボソと答えて顔を上げる。修二がカリンの目を見て微笑んでいた。あらららら、頬が熱くなる。「バイトのあと空いてる?俺のおごりで天丼食うか」もうすぐ22歳の誕生日。少し早めの春の予感だ。【三松さんからのコメント】どういうときに人を好きになりますか?見た目が好み、話し方がやさしそうって思った、尊敬できるとこが多い、など好きポイントはさまざま。好きになったひとが表面だけでなく、心からあなたのことを想っているかどうか。それはとても重要なこと。上っ面の褒め言葉や、チャラい誘いには気をつけて。カリンさんは、修二さんの言葉に最初むかつきましたが、速攻行動し、生きるのに大切な心構えに気づく。耳が痛い言葉を、どう受け止めるかってとこが運命の分かれ道です。怒って、そのひとを嫌いになるか。自分の反省点に気づくことができるか。自分から実家を出たのだから、すぐにめげて帰るわけにはいかない。奮起させてくれたひと言は、落ちぶれる将来からカリンさんを救ってくれたのです。実家を出て自分で生計を立てる。当たり前のようでむずかしい。覚悟がないと、すぐにヘタレてしまいます。苦労知らずのカリンさん、大切なことに気づけてよかったよかった。災い転じて福となす。周りにリップサービスばかりする男性が多いと感じたら、深い呼吸をして心の目で他者を見つめて。厳しい言葉、弱い部分を指摘する言葉を告げてくれるひとこそ、運命の相手…の可能性があるもんです。「飽き性でひとつのことが続かないザンネンなあなた。自分を逆境に置いてみて。けなげに生きる姿を認めてくれるひとが突然ポポポーンと現れるから」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Westend61/Gettyimages文・三松真由美
2021年03月11日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、もはや体の一部となっていたスマホを失くした21歳女性。不便と思っていたスマホのない生活だったが…。彼女に舞い込んだ意外な結末とは!?三松先生が、「スマホレスのススメ」を説きます!文・三松真由美【レスなひとびと】vol. 103直美(21歳)スマホレスで、スマホより大事なものを手に入れたピコン。直美はいつものごとく、LINEの受信音が鳴り終わる前に携帯のロック画面を解除。友達のチキからの誘いだ。「今日会える?」「うん。インスタでカフェ検索するから、京都駅らへんで会おうや」近鉄電車に乗って京都駅へ向かう30分ほどの間、Instagram、Twitter、Facebookのタイムラインを全部チェック。友人の投稿すべてにイイネをつけていく。チキと解散したあとは、寝るまでひたすらスマホゲーム。そんな日常を過ごす直美にとって、スマホはカラダの一部。が、そんなスマホをなくしてしまった。寝起きにLINEをチェックしようと思ったら、ない。大慌てで部屋中探したが、ない。最新のスマホに買い替えたばかり。とりあえずPCからSNSに「携帯をなくしました」と投稿したが、実家住まいの直美が家族共用のPCを持ち歩くことは許してもらえず。3日間経過。PCでメールをチェックしても誰からも連絡がない。スマホがないと、時間が潰せない。手持ち無沙汰とはこういうときに使うんだ。いや、絶対出てくる。チキもバーガー屋に忘れたけどすぐ戻ったって言ってたし。家のテレビで映画を見始めたところ、どっぷりハマった。とくに『半裸監督』という映画が面白くて何度も見た。ちょうど映画館で、同じ監督が撮った映画を上映しているという。どうせ暇だし。最新作の『背面監督』を見に行ったら、涙アリ、笑いアリの傑作だ。映画館を出て、涙を拭くティッシュがほしいと、リュックの奥をあさっていると、トントンと誰かが肩を。「よければどうぞ。さっきの映画、泣けたでしょ」顔を上げると、白いタートルネックが良く似合う同い年くらいの青年がハンカチを差し出す。彼も同じ映画を見たのだ。そのまま、ベンチで映画話が盛り上がり、LINEを聞かれた。「ごめんね、わたしスマホ持ってなくて」「じゃあハンカチ貸すから、水曜の19時、この映画館の前で返してよ。映画の話、もっとしよ」帰宅後、もう一度家を大捜索した。「アイフォン探す」の機能は役立たんと怒りながら。しかし、意外になくても困らない、むしろ自分時間が充実して快適になってきていた。そして借りたハンカチを見つめてほほえむ。なんか幸せ。4時間の家中大捜索の結果、おばあちゃんの部屋のカーペットの下に挟まっていたスマホ発見。そういや、あの日、ばあちゃんに饅頭買ってきて渡したんだった。ばあちゃんと談話したのを思い出す。水曜日、映画館へ向かう。ていねいに洗ったハンカチを彼に返す。「あ。これいい匂いの柔軟剤。ありがと」「直美ちゃん、インスタとかやってる?」「…ううん、もう止めた。インスタよりちゃんと会って話したいから」ばっちり、彼と仲良くなった。翌日、ピンポンが鳴ったので出るとチキが立っていた。「え、直美、携帯持ってるやんか」「見つかってん! 来てくれたん?」「SNSの投稿もないし心配したわ。家電から電話くらいしてや」「ありがと」なんか泣けてきてハグした。スマホ中毒にはもうならない。スマホがあってもなくても、なくならない大切なものに気づいた気がした。【三松さんからのコメント】電車やカフェなど、ふと周りを見やると、みんなが自分のスマホに目を落としています。LINEを返したり、SNSのタイムラインをチェックしたり、ゲームを楽しんだり。今やスマホは日常になくてはならないもので、‟コミュニケーション=スマホでの返事”となっているんじゃないかと。スマホは遠距離でも愛を育めるなどのメリットがありますが、反対に即レスを返せなかっただけで、誠意がない、愛が足りない、浮気してるなどの判断をするギクシャクカップルがいるのも事実。告白もお別れも、スマホで完結というひとがいるのは寂しいです。仕事メールはなる早レスが当たり前でも、プライベートに流れる時間は人それぞれ。ネットのあらゆる媒体から24時間連絡を受け取れる時代。大好きなパートナーの通知ですら辛く感じることもあるでしょう。ぶれないパートナーシップを築くには、自分にとって必要なコミュニケーションツールは何かを見極める余裕も大事。感染など心配なことはあるけど、十分気をつけながら、恋人だけじゃなくて、友達にもリアルで会って表情や声のトーンから「あ、今、こんなこと感じてるな」って観察してください。感性が磨かれて、ワンステップ大人の関係に上がれます。「スマホレスを1か月やってみて。連絡取らなくても辛くないひとがたくさんいるって! 声が聴きたい、会いたいってひとがあぶり出されるぞ。たいして会いたくない彼氏なら別れろ」三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Westend61/Gettyimages
2021年01月14日文/Chiaki環境に配慮したオーガニックコットン糸“TRUE COTTON(トゥルーコットン)”で作られた抗菌マスクと、モデル・佐田真由美さんとの2回目のコラボレーションが実現。チャリティプロジェクトの一環である同マスクの予約販売が行われています。環境保全を目指すチャリティプロジェクトの一環としてスタートした、コラボ企画の第二弾。今回は、アーティスト・白濱イズミ(モデル・ラブリさん)さん、スタイリスト・亘つぐみさんと百々千晴さんの4名が起用されました。購入するだけで寄付にも参加できるという今回の企画。その内容とマスクのデザインをご紹介します。“TRUE COTTON”の環境保全プロジェクトって?“TRUE COTTON”とは、トルコの安定した労働環境のもと大切に栽培された“生産者の顔が見える”オーガニックコットンのこと。また、地球環境と健康に配慮した方法で栽培され、持続可能な地球環境に大きく貢献している素材なんです。今回のチャリティプロジェクトは、地球にも人にも優しい“TRUE COTTON”によって環境保全を目指すというもの。売上の一部は、人と自然の調和を目指して世界で活動する地球環境保全団体・WWFジャパンによって、希少な野生の動物を守る活動や自然資源の持続可能な利用、地球温暖化の防止などを目指す活動支援に使われます。可愛いのに機能的なマスク!『TRUE COTTONマスク』は、“TRUE COTTON”に洗濯可能な抗菌加工を施し、縫い目のないように編み上げることで長時間の着用でもごわつきにくいよう工夫されています。マスクの芯や縫い目があたってチクチクする、という心配もなく快適です。また、“生産者の顔がわかるオーガニックコットン”のマスクを使うことは、 生産背景にまで気を配ることであり、“より良い地球の未来”への活動に参加することにつながります。購入して使うだけで社会に貢献できるので、今すぐにでもチャレンジできますよ。マスクケース&ストラップもついたお得なセット!『TRUE COTTONマスク+マスクケース』¥3,800(税抜)抗菌マスクと、マスクと同じ“TRUE COTTON”を使ったキルティング素材の2つ折りマスクケース、ポンポンのデザインが可愛いマスクストラップ付きのセットです。マスクの下部には、フィルターやキッチンペーパーを挿入できるポケットが付いているので使い勝手も抜群。写真は佐田真由美さんデザインのもの。コラボレーターによってデザインも異なるので、ぜひ好みのデザインを見つけてくださいね。【商品情報】『TRUECOTTONマスク+マスクケース』価格:各¥3,800(税抜)[セット内容]・マスク・マスクケース・マスクストラップ今後はさらに、全ての工程を追跡可能な状態にした“フルトレーサビリティ”にすることも目指しているそう。そうすればマスクが誰に・どのように作られたのかが分かり、今以上に安心・安全に使えるとのこと。毎日使うものこそ、フェアで優しいものをチョイスしてみてくださいね。【参考】トレーサブルオーガニックコットン糸〝TRUECOTTON〟のチャリティプロジェクト著名人とコラボレーションした抗菌マスクセット第二弾予約販売スタート - PR TIMES©豊島株式会社
2021年01月13日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、父親のある言葉をきっかけに、無気力生活から一念発起して人生を変えた29歳女性。三松先生が、ほしい物を手に入れたいならするべきことをお伝えします!文・三松真由美【レスなひとびと】vol. 100小海(29歳)健康レスのダルダル女でも、コミットすれば変身して人生変えることができるって実話日曜日、ひとり暮らしをしている会社員の小海は、下半身が寒いなと感じて、目覚める。ゴムのスエットがずり下がり、半ケツ。「喉乾いたなっ。あれ、ハイボールしかない。まあ、アルコール度数9%以下なら水がわりに飲んでも大丈夫か」グッグッとハイボールを流し込み、3日前に買ったカチコチのチョココロネをパクつく。肌はブツブツ。下腹はタルタル。目の下はクマ。慢性胃もたれ。最低の健康管理。気にしたことはないが。空腹が満たされると、再び布団にもぐりこんだ。イヤホンをつけてアイドルグループ太郎きゅんの美声に酔いしれる。が、そこで親から着信。「もしもし起きとるか。小海、おまえ来年の1月に30歳になるなあ」げっ、また結婚の話かとゲンナリ。すると父から予想外の言葉が。「この前宝くじ当たったんだ。額は内緒やけど。やから、小海が30歳の間に結婚できたら背が高いマンション買ってやるけん。はよ結婚せい」そこで、プチッと電話が切れた。マンション? タワマンってこと? 頭がついていかないが、父は昔から嘘をつかない人だ。約束したら必ず守れ。それが我が家の家訓。「あたくしは、30歳までに結婚します!」部屋でひとり、宣誓をした。じゃあ、どうすればいいか。きれいになる。痩せる。健康的な女性になる。そうと決まれば、ダイエットじゃ。すぐに半身浴をしながらスケジュール決め。毎朝5時台から1時間のジョギング設定。YouTubeでピラティスを寝る前の日課に設定。ヘルシー食事メニュー制作。婚活サイトに登録し、毎月最低5人とデートするよう厳しくコミット。怠惰な小海がマンションのため、ストイックな生活に突入。そして数か月。会社で酵素玄米のおにぎりと、薬膳スープを飲みながら、婚活アプリで出会った男性たちに食事のお礼などを高速メールしていたら、視線を感じるではないか。すると、1年目のとき部署が同じで一緒に飲んでいた啓介が。胸がトクン。啓介はちょっぴり顔立ちが、マイアイドルの太郎きゅんに似ているのだ。当時良い雰囲気になりかけたこともあったのだが、ぽっちゃりな自分に自信が持てず、友だちモードから一歩を踏み出せず。「小海、痩せた? ふつーにきれいじゃん」「うーん? 10kg落としたよ。ふっふっふ」158cmで60kgあった体重が50kgになり、ぐんとコンパクトになっていた。便秘がなおり肌もツヤツヤ。20代のころよりも若々しい印象に。「今夜空いてない? 久々に焼き鳥田端いこうよ。鶏肉ならダイエット中でも、いいだろ?」「そうだね、ささみでも食べようかな」冷静を装いながら内心で大きなガッツポーズ! 今の自分なら、頑張れるかも。夜を楽しみに、会社のトイレでスクワットに励んだ。彼氏とマンションの2重狙い。身体が健康になると「すべてゲットできる!」と気合がみなぎる。変身した小海…おそるべし。【三松さんからのコメント】おうち時間が増えて、体のラインがだらしなくなってきてエッチ無理、と嘆く声を聞く機会が増えました。外出が減ると人に見られる機会が減るため、きちんとした服装をしなくなる。つい油断してブヨっとなってしまいます。お肌の手入れも怠りがち。食べるのが好きなかたは、いつでもパクパク…スイーツタイムとなる環境です。私は健康に関しては意識高い系なので、4㎞以上のジョギングとYouTubeのZUMBAダンスを欠かさず続け、ビフォーコロナよりずっと健康になってきました。毎日、鬼汗ってやつです。過激なダイエットはダメですが、肥満による体調不良を起こさないように、自分の体重をコントロールするのは人生100年時代の今、不可欠。毎日健康に過ごしていくために、どんな生活スタイルになろうとも栄養のとれた食事、運動、睡眠、(できれば快適セックス)のバランスを考えて! 人間の3大欲求を自由に操ることが健康への道。目の前に落ちてきたチャンスを逃さない準備を整える。もし、お肌ザラザラで下腹プヨプヨ、体臭ありだったら、いい感じになっても服を脱ぎたくなくなる。つまりチャンスが遠ざかる。いかなるときも「整ってます」と自信満々で受け入れる女になろう。「健康なボディにこそ、健康な魂が宿る。そして健康なセックスができる!! ほしい物すべてを手に入れるために健康になれ、乙女たち」三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©PixelsEffect/Gettyimages
2020年12月24日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、恋愛願望はありながら地味で存在感がないと自覚している22歳女性。親友のアドバイスをもとに、あることを試したらさっそく出会いが!三松先生が魅力的な女性になるために必要な「自信」が持てるようになる策を伝授します。文・三松真由美【レスなひとびと】vol. 99麻美(22歳)存在感レスで、平凡な毎日。ドキリとする日はやってくるんか某ハンバーガーチェーンでアルバイトとして働く麻美は、バイト終わりにロッカーの鏡を見て思わず呟いた。「やっぱ、わたし地味…同じシフトのケイちゃんはマスクでも美人に見えるアイメイクしててすごいな」麻美は、なんだかつまらなかった。学校とバイト。毎日同じことの繰り返し。バイトも定形ルーティン。恋の兆しもなし。ドキリとするようなことがまったく起きない。「ドキリはいつ来るんだろ」麻美は決して第一印象で嫌われるような雰囲気ではない。が、とにかく印象に残らない。目力もないし、眉も薄い一本線。言葉数も少ない。ひとの一歩後ろに立つタイプ。ブサイクというわけでなく、ただただ地味。「お先に失礼します」「あれ? 麻美さん今日出勤してた!? え、朝8時から8時間いた?」“うわ、存在感なっ…わたしゃ、ゴーストかよ”こんなやり取りが続くことで存在感のなさを実感した。いいんだ、今週末は予定があるから。小学校からの親友の沙織に誘われて、大きな街コンに参加。街コンに参加するのは初めてだ。モテ服と聞いた黒のワンピースで参戦するも、結果は惨敗。沙織が声をかけられた男性たちと2対2で話し、その場は一時的に盛り上がるものの、最後のマッチタイムでは誰にも連絡先を聞かれなかった。「沙織、3人に連絡先聞かれててすごい。わたしってなんでこんな地味子なんだろ」「麻美は一緒にいて居心地がいいのが魅力なんよ! でもね、たしかに、麻美は自信がなさすぎ。目立たんもん。銅像みたい。眉毛サロンとかネイルサロンに行ってみ」“自信がないから眉毛サロン?”と思ったが、試しに行ってみた。ほお。かわいくなった。今まで前髪で隠していた眉毛を出したくなって、いつもの美容室で相談。「あ、かわいい! おでこ出したほうが似合いますよ。ほら、明るい雰囲気に」美容師さんも褒めてくれて、うれしくなり、帰りに明るいシャーベットカラーのシャツも購入。翌日、その服を着てバイトに行く。「おはよ、麻美さん! イメチェン! かわいい」バイト仲間何人かに声をかけられた。眉毛と前髪効果、それだけなのにすごっ!自然とほかのひとの眉毛が気になった。カウンターで注文を受けながら、みんなの眉毛をチェックするようにしたら、お客さんと目が合う機会が増えて、何人かの男性客から、にこっと微笑まれた。今までメニュー表とレジしか見ていなかったけど、この店、けっこう常連さんが多かったんだな。「682円になります」「あれ、髪切ったんですね」えっと見つめると、グレーのセーターがよく似合う、短髪黒髪の、同世代の男性が笑っている。近所の大学生だろうか。「ぼく、週5で来てるんですよ」そのあと小声で「バイト終わったらそこの公園でシェイク飲みませんか」ドキリ。待ち望んでいたドキリ。嘘みたいな展開。はにかみながら、マスクの下で大きくニッコリしてみた。誰かに気づいてもらうって、気分いい。麻美の恋がそろそろ始まる前兆だ。【三松さんからのコメント】「モテない」「男子に声かけられたことない」「女子力ない」などなど存在感を発揮できずに自虐ワードをつぶやく女子多発。存在感ニアリーイコール個性ですね。個性はみな平等にあるものです。奇抜=個性ではありません。頭一つ目立つ女性に引いてしまう男性の気持ちもわかってあげて。こんな行動、私には合わないなと思うことを無理にやってみる必要はないのです。麻美さんは、自分には存在感がないと思い込み、自信がなくなっていました。そこで登場した沙織さんは、麻美さんの魅力を見抜いてアドバイスをくれています。いらんアドバイス、傷つくひと言をくれる女子友もいますが、真の友達は一本筋が通ったことを教えてくれる。ここの見極めも大事です。麻美さんに足らなかったのは派手さや個性ではなく、自信だということを教えてくれた。ベスト女子友です。「うち、存在感ないわあ」と悩んでいる人は、自分に自信が持てる策を、あれこれ考え抜くべし。イメチェン、仕事スキル向上、ダイエット、オンラインサロン参加、リスペクトするひとと話す、SNSデビュー、動画デビュー。なんでもいい。「ひとに、私いま〇〇にハマってるの」とプチプレゼンできることを見つければいいのです。イメチェンなら、眉毛をプロに整えてもらうのは本当におすすめ。太さや形を変えるだけで驚くほど顔の印象が変わるので、ぜひ試してみてください。ひとつ自信が持てると、それがジワジワ積みあがる良い循環が生まれる。自分の魅力を発揮できる日が必ずやってくる。「おうち時間増加の今こそ、人知れず存在感を高めるチャンス。眉メイクに沼はまりしてみろ。ドキリなチャンスが舞い降りる」三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Halfpoint Images/Gettyimages
2020年12月17日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、夫とケンカにもならないほど会話レスの34歳人妻。三松先生が、離婚でもなく修復でもない、仮面夫婦の新しい関係の築き方を伝授します!文・三松真由美【レスなひとびと】vol. 97華江(34歳)夫婦喧嘩レスで円満に見えてるが内心ざわつく仮面夫婦朝9時過ぎ、史彦が先に家を出る。リモートワークになってからは週2度の出社。華江はホッとして濃いめのコーヒーを淹れ、BON JOVIとQUEENのライブ動画を続けて大音量で流す。「やってらんない。史彦と毎日顔つき合わせて同じ空気吸うのなんて…」華江は、派遣社員をしているが現在は仕事が少なく休職中。自宅で翻訳の在宅ワークをしている。ネットで単発の仕事が見つかる、便利な世の中だ。と心でつぶやきながらも、熊のぬいぐるみをソファに投げつけ、「あたしは不便なんだよ!!」と叫ぶ。史彦とは社内恋愛で結婚。5年目に突入。会話が少なくなったのは3年前のこと。史彦が高性能カメラを買って、写真に凝りだした頃。自然を撮りたいと、休日になると奥多摩や房総半島にカメラ抱えて出かけてしまう。最初のうちは華江も同行したものの、なんだか退屈。やがて史彦はひとりで自由気ままに出かけるように。趣味の話は通じない、仕事の話も共通項がない。華江の好きなロックを史彦は嫌がる。史彦はチクリと嫌味を言うようになったのが不便な、寂しい生活の始まりだ。「ロックなんて聴いてると心が荒れるぞ」「僕の計画ではきみも僕と同じくらいの給料になって財布を別にする時期なんだけど」「アメリカの政治の仕組みがわかってないの? 日本の制度はわかってんのか」反論できない嫌味なので、黙っているうちに史彦は声をかけてこなくなった。夫婦喧嘩にもならない。圧倒的に史彦に分がある。給与、知識、実家の家柄。優勢な史彦に楯突いても無駄だと、華江は気持ちを閉じてしまった。つまり夫婦喧嘩はまったくない。それなのに、会社の同僚が遊びに来たり、マンションの自治会に参加するときの史彦の態度は別人だ。「いやあ、華ちゃんが家事得意なんで、頭があがりませんよう」「今度、華ちゃんをモデルに蓼科で写真撮ろうかと思ってます」とういう具合だ。「はあ? 二人のときは名前なんか呼ばないくせに」華江は悟った。『仮面夫婦』という状態に。ロック番組を見たあとは興奮しすぎてムラムラするが、もちろんセックスレス。セクシーな動画を流しながらむなしくひとりエッチ…。生活費を使うときには遠慮しなくちゃいけないし、夫の留守中しかロックは流せないし、声かけていいタイミングがわからないし。そんでもって子どもはほしいし。私達この先、どうなるの? 不便で寂しい仮面夫婦生活に、果たして光は差し込むのか。【三松さんからのコメント】華江さん夫婦のような状況、我が国ではアルアル案件です。先日Abemaプライムに出演した時、“仮面夫婦”がテーマでした。番組リサーチでは2割と出ましたが夫婦仲相談を日々している私からすると、その倍の4割はいるっしょ、という感覚です。会話も喧嘩もなくなって、淡々と暮らす二人。むなしくないのか、と周りは思いますが、結婚生活を継続するほうがメリットがあり、しかたないと考えるひとがいて当然です。経済面、子どものこと、世間体etc.。天秤にかけて結婚継続をチョイス。華江さんも、本心は現状打破したいと悩んでいます。もちろん、仲良し夫婦に戻るのが一番安泰。しかし、こじれた関係、薄れた愛情の復元はかなり難しい。元に戻るというより、「新しい関係を作ろう」と動くのが正解かなと思うのです。お互い頼りたいところを整理して、そこは頼る。家事も5割ずつでなくていいので、7割3割で分担する。週一回は、昔行った店で外食する。こんなルール作りを提案するだけで、風の流れが変わります。ニューノーマル志向の世の中。仮面夫婦かな、と感じてる方々は仮面夫婦なりの新しい関係を編み出そうというのが私のアドバイスです。「仮面夫婦の行く末は熟年離婚か、わびしい老後。気づいた時に大きく舵を切るべし。ニューノーマルの動きを発揮するのは今だ!」三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©fizkes/Gettyimages
2020年11月26日ananwebのインスタグラムで「彼氏への不満」を募集したところ、たくさんのお悩みをいただきました。レス人でおなじみの三松真由美先生に分析、回答していただく、レス人番外編第12弾!今回は「ほかの女性に対する彼の態度」です。文・三松真由美【レスなひとびと 番外編】vol. 12自分のイラッは、彼が悪いせい? ちゃんと見極めて!他の女性に対する態度、どんなものがあったでしょうか。元カノの話が多い女友達が多い女友達と仲良すぎる異性の女の子と遊びたがる。遊ぶ相手いるなら私は必要なの? って思う他の女とエッチなLINEしてること女友達と電話する必要ないでしょ。女友達と日付が変わるまで2人きりで飲む! 帰ってはきますけど…元カノからのプレゼントや手紙、写真を捨ててくれず勝手に捨てたらプライバシーの侵害だと…SNSで特定の女の子に対してのみ、いいね押しすぎ。自撮り投稿には100%いいね押してるの歴代の彼女の話をするのをやめてほしい。伝えても隠すのやだからって言われるけど異性2人で出掛けても大丈夫って言ってくる、どういうこと? それ他の女の子にも優しい嘘ついて女と遊ぶTwitterの裏垢で、エッチな女の子たちをフォローしている。知らないふりをしています。悲しいです付き合ってるのにマッチングアプリで他の子と連絡とってる私が男の人と遊んだらグチグチいうくせに、自分も女の人とか私のお姉ちゃんと遊んでてうざい8か月も付き合ってるのに未だに元カノの写真を消さないところ元カノのものをいつまでも残してる出てくる出てくる、彼への不満。女の敵は女でござる。ジェラシー満開のコメントを眺めながら「私も若い頃はそうだったよなあ」とシミジミしてしまいました。大人になると「嫉妬するなんてかわいいじゃない」と余裕の目で眺めることができるようになるんですよ。ヤングなみなさん、なぜイラっとするのか根本を考えてみましょう。“そいつ”に彼を寝盗られるんじゃねえの彼は私より“そいつ”のほうが好きなんじゃねえの彼は私のこと好きだけど“そいつ”のことも同じくらい好きなんじゃねえの彼は“そいつ”だけじゃなく、複数の女と付き合うのが平気なタイプじゃねえの彼は“そいつ”のとこに戻っていくんじゃねえの考えていると、クラクラしてきます。見えない“そいつ”に牙をむく。彼を独り占めしたいのに邪魔すんなよ的な敵意。生産性がない怒りなので、視点を変えましょう。まず“そいつ”のことを頭から追い出す準備を。あなたを不機嫌にしてしまう彼側に問題があるのか、“そいつ”に囚われて怒ったり、悲しんだりするあなたが幼いのか。根っこのとこを深堀りせよ。あきらかに彼が悪い、と断言できるならその案件を膝交えて話し合わないと解決しません。彼はあなたが“そいつ”にイラっとしてることなんざ、気づきません。今回寄せられたコメントがあなたの願いを語っていますが、この短文だけでは彼に伝わらない。(私には理解できるけど)「そいつとエッチなLINEすんな」「そいつと電話すんな」「そいつのSNSにイイネすんな」ってことですよね。このあとに「なぜならホニャララ」とあなたの本音を正しく伝えるのが大切。事例「私はあなたが他の女性にこういうことすると胸が張り裂けそうなの。他人を恨む醜い女に堕ちてゆくわあああ。嫉妬深い私を罰してええええ」みたいな。いや待て。冷静になると「それくらいならいいじゃない」と思えてきませんか。未婚のうちはわからない感情かもしれませんが、結婚したり、長期同棲をしていると”マンネリ”というあくびが出るような関係に陥る二人が増加。「彼が空気みたいな存在」になって、トキメキ減少。エロチックな雰囲気は消滅。既婚者に蔓延するセックスレスという状態になってゆきます。そんな二人に刺激を差し込むという意味で、『嫉妬』は絶大な効果を発揮するのです!!! ここ強調したいところなんで、腹落ちさせてね。今は鈍感な彼に不満を持っていても、いつの日か「どうでもいいや」と思えるマンネリ状態になる。そのときに『嫉妬』することで「あ、わたし、彼のこと好きだから腹が立つんだ」と立ち返るきっかけを与えてくれる。ながーい目で二人の関係を考えてね。そして、彼は“そいつ”より自分のほうを好きっていう自信も持とう。「ジェラシーの根っこを見つけてみて。彼にちゃんと伝えても彼が“そいつ”に行くのなら、彼は浮気男&女好き。謹んで“そいつ”に差し上げましょう」三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Elie Bernager/Gettyimages
2020年11月05日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、LGBTであることを隠して友達付き合いをしている女性27歳。偽り続ける彼女に、三松先生が心地いい自分の居場所の見つけ方を伝授します!文・三松真由美【レスなひとびと】vol. 94カリン(27歳)本音レス、無理して女子友コミュにいるけど胸がザワつくカリンは、手慣れた様子で松屋の牛丼チケットを発券した。運ばれてきた牛丼に大好きな紅ショウガをたっぷりかけて思いきり頬張る。もちろんサイズは大盛り。友だちの美穂からLINEが。「今日はフルーツとヨーグルトを食べて生姜湯を飲んだよ」少し考えてすぐに返事を打つ。「わたしはお湯にレモン汁と塩をちょっぴりいれたドリンクを作って飲んだ~。胃腸がポカポカしていい感じ」うさぎがハートを作っているスタンプも同時に送信。そんな健康おたくのドリンクを飲んだことなど、もちろんない。YouTubeで見たモデルのモーニングルーティンで紹介されたものを覚えていただけだ。「えらいじゃん! レシピおしえてー」スタンプの着信履歴が2件。既読はつけずに、味噌汁をズルズルすすっていると、他のLINEグループからも連絡が来た。「カリン、アプリの進捗はどう? デートしたら写真見せてよ。盛ってない写真ね」思わずスマホを裏向ける。これは数日未読でいいや。友だちのことは大好きだ。好きだから無視はしないし、遅れても返事は返す。しかし…なにゆえ、友だちというのは体型から、恋愛から、転職にいたるまで、頼んでもいないアドバイスを懇切丁寧、かつマメにくれるものなのか。はああ。ため息がでる。リーディングダイエットも、出会い系アプリへの登録も、手堅い固定給の事務仕事への転職も、カリンは全然求めていなかった。出会い系プリは登録後、一度も開いていない。女子会で恋バナ、聞くだけならいい。だがみんなは「カリンはどうなの? 気になる男いる?」と必ず聞いてくる。そこで「好きな人はできたことない、これからもできないかも」と話すと「もったいない」「それはまだ本当に好きな人に出会っていないだけだよ」なんてことを口々に言われる。まるでカリンをダシにした討論会だ。「まずは出会い系アプリを始めなよ」とアドバイスを受け、目の前で登録させられ、今にいたる。カリンは部屋でアニメを見たり、本を読んだり、ぼっちになりたいのだ。寂しくなったときだけ友だちに会えばいい。ムラムラしたときは、ゆっくりひとりエッチを楽しみたい。出会い系アプリだ? 私が魅力を感じるのは、髪の毛サラサラの女性だし。が、そんな本音を言えば友だちはドン引きショックだろうし、遊んでくれなくなるかも。だから「ありがと」と言って受け入れる。「きっと私がほんとに変人なだけだから」普通の友達関係に適合するために、カリンは今日も無表情でうさぎスマイルのスタンプを打つ。【三松さんからのコメント】女性は共感力が高いってよく言いますね。よかれと思ってアドバイスしたり、親身に相談に乗ったりと、友だちのために時間を割きます。その女子友マインドに救われて信頼関係が深まっていくケースもありますが、カリンさんのようにそれが負担になっている人もいるかもね、と最近よく思います。女性にとって結婚だけが幸せのてっぺんでなくなった今の時代。セクシャルは十人十色であるという当たり前のことを、少しずつ世間が知ってきたのです。自分が異性愛者でも友だちは違ってて、カミングアウトをしていないのかもしれない。そんな当たり前のことをふまえながら付き合うだけで大切な友だちは、ぐんと生きやすくなるかも。カリンさんの場合は、もっと自分を自由にしてあげてほしいなとも感じます。恋愛に興味がないと話したときに受け入れてくれるコミュニティもあるはず。「いいじゃん。ところで、今日晩ゴハン何食べたい?」など、カリンさんを否定しないコメントが寄せられるってやつです。探せば必ずあります。ひとつのコミュニティの型に自分をハメるのではなく、自分の自然体にフィットする新たなコミュニティに出会ってほしいなと。例えばSNSで趣味アカウントを作るのはどうでしょう。共通の趣味の友だちが見つかります。#牛丼とか#ボーイズファッションとかね。受け身で周りに合わせてばかりでなく、ちょっと横道を探して自分の居心地がいい広場に向かうのもありでしょう。「本音言えないコミュ、本音言えるコミュ、いまの世の中、自分の居場所はいっぱい持ってるのが快適だ。我慢しないで、サイコーの友達をつくろう」三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Westend61/Gettyimages
2020年10月29日PTAの集まりで中学の同級生でママ友の美保と会った律子。集会のあとに二人でお茶をしていると会話はPTA副会長のイケメンパパの話に。まさかのPTA不倫をしている張本人だと知り律子は驚いていた。そんな時、律子は美保にレスで悩んでいることを打ち明けてみようと決心する。前回のおはなし※この漫画は書籍『「君とはもうできない」と言われまして』(漫画・モチ/監修・三松真由美)の内容を一部掲載しています。レスで悩んでいることを打ち明けてみることに中学校の同級生でママ友の美保に思い切って聞いてみると…。満たされない妻の行末は?同級生はすでに結論を出していた…?友人から提案されたのは不倫だった満たされない妻だった美保は、まさかの不倫という答えにたどり着いていた…! レスに悩む律子はいったいどうしたらいいのか。続きが気になる人はぜひ書籍で確かめてください。■三松真由美さんの新著 『「君とはもうできない」と言われまして』 (モチ(漫画), 三松 真由美(監修)/KADOKAWA)
2020年09月25日週末にやってきた義母は義父の悪口ばかり。聞き役に徹している律子は助けて欲しいが旦那の圭一郎は無関心。しまいには義母に「そろそろ二人目は?」とプレッシャーをかけられてしまう。結婚を決めたあの日、「温かい家庭を作ろう」って言って圭一郎は…。律子はモヤモヤした日々を送りながらも、PTAの集まりへ出かける。前回のおはなし※この漫画は書籍『「君とはもうできない」と言われまして』(漫画・モチ/監修・三松真由美)の内容を一部掲載しています。PTAで再開した中学校の同級生さっそくPTAの各当番を決めることに。そこで発見したのはイケメン!?PTAでイケメン発見!?PTAが終わった後、美保とお茶しに行くことに。みんなPTAで不倫してるの!?PTA不倫たるものがあるという事実を知って驚く律子に対して「みんな自分の旦那さんでは満たされないからじゃない?」と淡々と語る美保。そこで律子は美保に思い切って悩みを打ち明けてみようと決心する。次回に続く!■三松真由美さんの新著 『「君とはもうできない」と言われまして』 (モチ(漫画), 三松 真由美(監修)/KADOKAWA)
2020年09月24日レス夫婦になって7年。旦那を誘うも「君とはできない」と断られ、仕事に撃ち込もうと思うも、子どもがまだ小さいからという理由で上司にやる気をかってもらえず…。「私って、何?」と落ち込む律子に憂鬱な週末がやってきた。前回のおはなし※この漫画は書籍『「君とはもうできない」と言われまして』(漫画・モチ/監修・三松真由美)の内容を一部掲載しています。週末は家族三人の時間?!週末は義母がやってくるから掃除に大忙し。義母の相手も私がするの?義母は義父の悪口ばかり。それだけならまだしも次に飛び出した発言といったら…。義母からの二人目のプレッシャーつい最近、圭ちゃんを誘って大拒絶をされたばかりなのに、義母からは二人目のプレッシャーが。無関心な夫、いったいどうしたらいいの?義母との会話に入ってすらこない圭ちゃん。いったいどういうつもり?あの約束、覚えてる?出産、育児、仕事復帰…。やっと子育ても落ち着いて旦那との時間を持とうと思ったら相手にされず、会社では新しい企画を持ち込んで正社員フルタイムの時と同じように働きたいのに部長に相手にされず…。「私っていったい、何?」と自問自答してしまう律子。次回に続く!■三松真由美さんの新著 『「君とはもうできない」と言われまして』 (モチ(漫画), 三松 真由美(監修)/KADOKAWA)
2020年09月23日レス夫婦になって7年。妻の律子は子育てが落ち着いてきたのを機に旦那を誘ってみるが、まさかの大拒絶。断られた理由が分からないまま寝不足の朝を迎えると、旦那の圭ちゃんは大きなため息をついて…。<前回のおはなし>※この漫画は書籍『「君とはもうできない」と言われまして』(漫画・モチ/監修・三松真由美)の内容を一部掲載しています。一方的に断ってきて、なんなの!?昨日の夜断られたのが気になって眠れないかったのに、圭ちゃんはまさかのため息!?そのため息、どういう意味なの!?頭の中を切り替えて、仕事へと向かうと、また新たな弊害が…。仕事だってもっと頑張りたい…だけど課長には子どもがまだ小さいからフルタイム復帰は無理なのではと言われてしまい…。出産、育児、仕事復帰…。やっと子育ても落ち着いて旦那との時間を持とうと思ったら相手にされず、会社では新しい企画を持ち込んで正社員フルタイムの時と同じように働きたいのに部長に相手にされず…。「私っていったい、何?」と自問自答してしまう律子。次回に続く!■三松真由美さんの新著 『「君とはもうできない」と言われまして』 (モチ(漫画), 三松 真由美(監修)/KADOKAWA)
2020年09月22日出産後、7年以上もレスな夫婦関係をひそかに悩んでいた主婦・律子。ある日旦那に迫ってみたら、まさかの大拒絶!※この漫画は書籍『「君とはもうできない」と言われまして』(漫画・モチ/監修・三松真由美)の内容を一部掲載しています。子どもが一人寝デビューした後は…やっと圭ちゃんと寝室で眠れる!と思っていたのです。久しぶりに夫婦の時間!?娘が一人で寝れるようになり、久しぶりに夫婦の時間が持てるかと思っていたのですが…圭ちゃんにある提案をしてみることにしたのです…勇気を振り絞ってみたけれど…予想外の展開に驚きを隠せませんでした。手を振り払われてしまった律子。どうして!?育児に仕事に忙しくしていた日々がだんだんと落ち着き、久しぶりに旦那を誘ってみたけれど、「そういう気になれない」と言われてしまった律子。予想外の展開に驚きを隠せずにいるが、いったいどうなる!?次回に続く!■三松真由美さんの新著 『「君とはもうできない」と言われまして』 (モチ(漫画), 三松 真由美(監修)/KADOKAWA)
2020年09月21日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、結婚詐欺に遭った26歳女性。三松先生が、結婚願望を抱く女性が忘れがちな重要ポイントをお伝えします!文・三松真由美【レスなひとびと】vol. 89日富美(26歳)危機予測レス。なんも考えずリスキーな結婚に向かい、ギャン泣きするはめに。「ひふみんは、結婚したい病だからね。結婚詐欺には気をつけなよ」大好きな女子友、芽依がレモネードを飲みながら諭してくれる。日富美は女子校時代から芽依に憧れて大人になった。芽依のファッションをまねしたり、芽依の文房具とおそろにしたり。就職も芽依のアドバイスどおりキラキラ雑貨のチェーン店。親よりも芽依の言うことを信じている。好きになった男子もまず芽依に紹介し、ダメ出しが出たらバイバイしてきた。いま、彼氏はいないが、“結婚したい病”のため、マッチングアプリやネット婚活に励んでいる。そんな日富美の前に、突如現れたアスリート系さわやか青年。チーママが客同士をマッチするお見合いスナック『PICORO』で知り合った。彼の名は三郎。日本のスポーツ選手のリタイア後のキャリアを応援する会社を作りたいと、夢を熱く語る。何度か一緒に飲みに行く。そして、エッチ4回済み。日富美の“結病”が重篤化したのは言うまでもない。今回は芽依に会わせてNG出るのが嫌なので、紹介はしない。それほど、自分を信じている。「芽依、三郎くんと結婚するよ。運命の出会いなんだ。将来のことちゃんと考えてるし。日本に貢献したいって」「ひふみん、出会って3か月そこらで結婚決めちゃダメよ。危ないよ。裏の顔があるかも」「ないない。三郎くんは日本に元気を与える正義の味方だよ。細マッチョで、エッチも…すてき」芽依は「日本を元気に」なんて言うやつはビッグマウス男だ、住所調べろ、履歴書もらえとうるさく言うが、日富美のスマホは式場の検索履歴でいっぱいだ。恋愛気分上昇中の日富美に三郎が笑顔で頼む。「クラウドファンディングで集めた資金があと180万足りないんだ。ひふみん、出資してくれないかな。この事業がうまく走り出したら、一緒に住もう!!」“結病”とは恐ろしいもので、思考力を鈍らせる。ネットバンクに貯金していた201万の残高が21万に一瞬で変貌。その後の展開は、悲惨なものになった。芽依に抱きついて、泣きじゃくる日富美。背中をさする芽依。合掌。【三松さんからのコメント】「日本人の意識調査」(平成30年調査/2751人)では必ずしも結婚する必要がないと答えた人が約7割。恋人がほしいと思っていても婚活する人は25%未満と言われています。マッチングアプリが盛況なようですが、“結病”女性はそれほど多くはない。わたし、プライベートで若年未婚女友達と遊ぶたび、その中のひとりに「彼氏紹介してください」と言われています。彼氏=人生を彩る異性のフレンド、という感覚です。でもって気に入れば入籍が理想…的な。でもでも、ひふみんのような“結病”女性も確実にいますね。そんな方々は「結婚なんて勢いでするもんです」「直感が鋭くないと運命の相手を見逃す」と申すのですが、その考え方がリスキーだ。勢いは大事ですが、危機予測能力も備えておかないと、何かを失う。昨年、婚活歴10年、35歳でやっと理想の相手が現れて結婚パーティをした女性がいます。彼女は理想が高かったので、相手の欠点を見つけると結婚に踏み切れなかったのです。そのうえ「35歳までに!」の“結病”でした。この目標設定が仇になり、危機予測能力が消失。2か月未満で離婚騒動。ただいま、争っています…。いつの日か、このお話もお伝えしましょう。「結婚への憧れも、目標設定も持ってるほうがよいけれど、危険予測センサーは常に作動させとかないと最高に悔しいことになる」三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©fizkes/Gettyimages
2020年09月17日