LIXILは、3月8日の「国際女性デー」に向けて、30〜60代の女性800名を対象に「フェムケアと入浴に関する意識・実態調査」を実施ました。■フェムケアへの関心が高い30〜40代、セルフケアへの意欲の高さも浮き彫りに今回の調査ではまず、「フェムケアへの関心」を尋ねました。すると、全体では4割以上が「関心がある」と回答。特に30代と40代では、「非常に関心がある」と答えた人が他の世代に比べて多くなりました。そして、「フェムケアに関する悩み」について聞いたところ、全体では「冷え」と回答した人がトップに。年代別では、30代で「月経に関する身体的・精神的な悩み」との回答が多くなり、40代・50代では更年期で悩んでいる人がトップとなりました。さらに、「フェムケアに関する悩みの解消策として行っていること」を聞いたところ、どの世代も「十分な睡眠時間を確保する」「食生活の改善、バランスの取れた食事を心がける」「毎日湯船に浸かるようにする」という回答が上位3位に入りました。そのほか、「何らかのアイテム・グッズの活用」や「通院」といった選択肢も、提示した多くの解消策に対して10%前後が回答しており、女性の多くは「自身の抱える悩みに対してセルフケアを行いたい」と考えていることがわかります。■30代で約45%が「浸かりたくても浸かれない/浸からないことがある」続いて、「湯船浴(湯船に浸かる入浴方法)に関する悩み」についても質問を行いました。「湯船浴をしたいけれどできないことがあるか」という質問に対しては、特に30代で「浸かりたくても浸かれない/浸からないことがある」との回答が45%近くに達しました。また、「湯船浴に対して感じている不満」について聞いたところ、全世代で「光熱費がかかる」というコスト面での不満がトップに。次いで「浴槽を洗うのが面倒」「お湯をためるのが面倒」と湯船浴の準備に対する不満が上がりました。ここで特筆すべきは、30代・40代の回答結果です。30代では「ゆっくり浸かる時間がない、忙しい」という回答が他の項目よりも有意に多くなり、また、30代・40代では「生理中は入りにくい」という回答も多くなりました。■日々の忙しさで、30〜40代の女性はセルフケアが行えていない状況が明らかに今回の調査回答者における、同居家族の状況と職業は下図のとおりです。今回の調査における回答者は、特に30〜40代で有業率が高く、30代では未就学児を子育て中の人が、40代では小学生〜高校生の子どもを育てている人が多くなっています。回答者の属性と回答内容を考慮すると、今回の調査結果は、セルフケアの一環として「湯船にゆっくりと浸かる入浴方法」をとりたいと考えているものの、家事や育児、仕事などの日々の忙しさによって湯船浴ができない状況になっていることがわかります。また、フェムケアで扱われるテーマのひとつである「生理」に関しても、湯船浴を妨げる要因になっていることが改めて明らかになりました。■【調査概要】タイトル:フェムケアと入浴に関する意識・実態調査期間:2024年2月19日〜2月21日対象:30〜60代女性/有効回答数:800件/地域:国内全域方法:アンケートフォームを使用したオンライン調査/実施機関:LIXIL(エボル)
2024年03月25日友人夫婦を襲った大規模な水害。家や店舗が浸水し、憔悴(しょうすい)し切ってしまったご主人にさまざまな不調が出るように。それらの不調は病院に通って対処できていましたが、なぜか耳鳴りだけが良くなりません。それどころか、日に日に悪化していくのです……。原因がわからず不安になる中、病院を転々とする夫婦。行きついた診断は、意外すぎる内容だったのです。被災後、謎の耳鳴りがし始める…これは、私の友人が38歳のときの話です。友人が住んでいた地域を大雨が襲い、大規模な水害が起こりました。夫婦で美容室を営んでいた友人でしたが、水害により持ち家と店舗が浸水。友人はもちろんですが、それ以上に一家の大黒柱であった10歳年上のご主人が憔悴し切ってしまったようです。水害後、ご主人に徐々に不調が出始めました。最初はめまいがするようになり、そのうち過呼吸症候群(不安や緊張などが原因で呼吸過多になり、めまいや頭痛、手の指先や口の周りのしびれ、呼吸困難、失神などの症状を起こすこと)になることも増え、夜中や接客中にまで症状が出てしまうように……。友人はその都度、ご主人を病院に連れて行っていました。しかし、友人も疲れ切ってしまい、ご主人に入院を勧めたようです。地元の総合病院で、自律神経失調症(自律神経のバランスが乱れることでさまざまな症状を来すこと)と高血圧症と診断されたご主人。そのまま入院することになりました。久しぶりにしっかり休めたようで、入院生活はとても快適だったそう。血圧は下がり、症状も治まって1カ月で退院することに。その後も、たまに症状をぶり返すも、病院で数日入院すれば治まる、というのを繰り返していたある日。ご主人に耳鳴りの症状が現れます。水害後、ささいな変化にも敏感になっていたご主人は、すぐにいつもの病院へ。しかし、「耳鳴りは耳鼻科に行ってください。ここには耳鼻科医がいないので」と、断られてしまいました。「いつもの病院に行けば治る」と思っていたご主人。「早く原因を知りたい。治療してもらいたい」という焦りが、隣にいた友人にも伝わってきたそうです。病院をたらい回しに。ついには占いまですぐに耳鼻科に行った友人夫婦。検査してもらいましたが異常は見つからず、耳鼻科の先生から勧められた心療内科へ行くことに。そこでも特に異常はないと診断され、ご主人はさらにイライラを増していったそう。次は「脳神経外科に行く」と言い張り、自らお願いしてMRIまで撮ってもらい、すみずみまで検査してもらったそうです。しかし、やはり異常はありませんでした。「ならば医学的な原因ではないのかもしれない!」とご主人に言われて、友人夫婦が向かったのは占い師。しかし、背中をポンっとたたかれて終わったそう。結局、耳鳴りの原因も、改善策もわからないまま数カ月。その間もひどくなっていく耳鳴りに焦っている様子のご主人に、友人はなんと声をかけていいのかわからないでいました。「こんなに調べたのに、原因もわからずひどくなるなんて……」途方に暮れていた矢先、知人からある病院を勧められました。意外すぎた原因とは有名な先生がいるというその病院は、整形外科と内科の病院でした。友人夫婦は、わらにもすがる思いで先生を訪ねました。先生は、ご主人のお薬手帳や今までの検査結果、通院歴など詳しく見てくださったそう。その上で、下された診断は意外なものでした。「これだけの検査をした結果を見ても、各科の先生も言っていたように異常はないでしょう。ではなぜ耳鳴りが悪化するのか、それは薬の飲み過ぎが原因かもしれません」先生の発言に驚いた夫婦。先生から告げられた内容は、「たくさんの種類の薬を服用することは、副作用を起こすリスクを上げる」ということでした。ご主人は行く先々で薬を処方されており、気付いたら8種類以上服用していました。「一度服用をやめてみましょう」という先生に、「では、どうして耳鳴りが始まったのですか!?」と聞いたご主人。先生から「最初の耳鳴りは今と比べてそんなにひどいものでしたか?」と問いかけられハッとします。先生は続けて「薬の飲み過ぎも原因として上げられますが、それ以上に、無理をし過ぎたことが原因だと思います。ストレスや疲労などで耳鳴りが起こることは十分に考えられるので」と言いました。一緒に聞いていた友人は納得した半面、ご主人がかたくなに病気だと思い込んでいたことに気付いたそうです。「各病院の先生はさまざまな視点から、症状を軽減するのに効果的な薬を処方してくださいました。しかし、薬に頼らずに治すほうが近道となるケースもあります。今はとにかく、精神をリラックスさせることを心がけてください」と先生から告げられ、診察は終わりました。意外な診断結果に拍子抜けした友人夫婦でしたが、先生の説明はとてもふに落ちたそう。その後、先生に言われたとおり、薬をやめて精神を落ち着かせることに努めたご主人。音楽を聴いたり、温泉に入ったり、休む時間を作るように心がけ、徐々に症状は改善。いつの間にか、あれだけ悩んでいた耳鳴りは治っていたようです。まとめ友人夫婦にとって、衝撃の大きかった今回の出来事。当時のことを振り返ると、「大事なのは病名を付けることではなく、症状を治すことにある」ということに、なぜ気付かなかったのか? と思ったそうです。この話を聞いて、私も病院に行くことや診断をもらうことが目的になっているときがあるように感じました。大切なのは専門家の指示に従いつつ、自分も自分の体と向き合い現状を知ること。そして、治療や薬にすべてを任せるのではなく、自分でもできることを考えて健康的な生活を心がけることが重要だと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2007年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。「宇都宮スリープセンター」を併設し睡眠医療にも携わる。テレビやラジオなどメディアでも、いろいろなジャンルにおいて医療情報を発信。著書に『専門医が教える鼻と睡眠の深い関係鼻スッキリで夜ぐっすり』(クロスメディア・パブリッシング)があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。イラスト/サトウユカ著者/Erindaパートナーと二人暮らしをしながら、幸せになるべく日々奮闘しているパンダ大好きアラサー。バセドウ病持ちで、旅行と音楽と食べることが趣味。
2024年03月24日ベルタが運営する女性ライフステージブランド「BELTA」は、30代〜70代の女性572名を対象に「不調」に関するアンケート調査を実施しました。■30代以降女性たちの「不調」、その実態とは?近年、更年期に特化したサービスの増加や、40代以降の社員をサポートする企業の取り組みが増えており、「更年期障害」に対する認知と理解が広まっています。更年期障害における症状や、それらが現れる時期には個人差がありますが、平均的には45歳から55歳の間に症状を感じる人が多いとされています。しかし、最近では「プレ更年期」という言葉も登場し、30代の女性が感じる「不調」についても目が向けられ始めています。今回は、30代以降の女性がどのような不調を抱えているのか、またその不調に対しどのような対策をしているのかを調査するため、アンケートを実施。「30代以降女性たちの不調に対する捉え方や対策」についての実態が明らかになりました。■早い人は20代後半から不調を感じ始めているまずは、20代の頃に比べて不調を感じている人がどれくらいいるのかを聞いてみました。「20代の頃に比べて不調を感じることはありますか?」という質問に対し、90%が「はい」と回答。多くの人が年齢の変化と共に不調を感じていることがわかります。また、いつから不調を感じたのかを聞いてみたところ、一番早い人は20代から不調を感じていたようです。また、全体の66.2%は30代から不調を感じていると回答していました。では、どのような不調を感じている人が多いのでしょうか?不調を感じていると回答した人に、その症状について聞いてみました。「どのような不調を感じていますか?」と聞いたところ、「疲労感(75.2%)」と回答した人が最も多く、「ダルさ(51.7%)」「目の疲れ(47.8%)」「頭痛(31.5%)」「イライラ(31%)」「手足の冷え(28%)」と続きました。身体的、精神的どちらの辛さも抱えている人がいるようでしたが、中でも身体的な症状を感じている人が多いようでした。具体的に、不調のきっかけや原因についてどのように捉えているのでしょうか?不調を感じている人を対象に「不調を感じるようになったきっかけや原因として、最も思い当たるものを教えてください」と聞いたところ「仕事(37.7%)」という回答が最多に。「(不調を感じるようになったきっかけが)思い当たらない(36.3%)」「子育て(13.7%)」「出産(11.4%)」「その他(9.8%)」「パートナーとのコミュニケーション(4.7 %)」「病気(4.1%)」「介護(1.1%)」と続きました。■不調への効果的な対策を見つけられている人は1割未満!不調を感じている人はどのように対処しているのでしょうか?その対策方法について聞いてみました。「不調に対して何か対策はしていますか?」と聞いたところ、「特に対策はしていない(36.8%)」という回答が最も多く、「生活習慣を変える:食事・運動・睡眠(33.1%)」「医療機関を受診(13.5%)」「周囲に相談(8.2%)」と続きました。2〜3人に1人は、不調を抱えていながらも対策をしていないことがわかります。では、実際に効果的な対処法にたどり着けている人はどれくらいいるのでしょうか?「不調に対する効果的な対策方法は見つかりましたか?」と聞いたところ、「効果的な対策方法を見つけた」と回答したのは全体のわずか7.2%にとどまりました。9割以上の人が、不調に対する効果的な対策方法を見つけられずにいるということがわかります。さらに、不調を感じた際に我慢をした経験があるかどうかについても聞いてみました。「不調を我慢した経験はありますか?」という質問に対しては、90%以上の人が「経験がある」と回答しました。その理由について聞いてみると「我慢しないと周囲(家庭や仕事など)に影響が出るから(55.1%)」という回答が最も多く、「我慢することが出来るから(18.7%)」「病気ではないと思っているので我慢するべきだと思うから(11.6%)」「どのように対処すれば良いのかわからないから(8.2%)」「周りに言ってもわかってもらえないと思うから(6.5 %)」と続きました。半数以上の人が、周囲への影響を気にかけて不調を我慢した経験があることがわかりました。中には周りに言ってもわかってもらえないと思っている人もいるようです。では皆さん、同世代で不調を抱えている人がどれくらいいると思っているのでしょうか?「同世代の人で不調を抱えている人はどれくらいいると思いますか?」という質問をしてみたところ「全体の約半数が不調を感じている」と思っている人が53.2%と最も多い結果に。「ほぼ全員」が不調を感じていると回答した人は全体の29.5%に留まり、実際に不調を感じている人の割合(9割)と大きく乖離していることがわかります。■6割以上が「不調が続くこと」への不安を抱えている最後に、不調が続くことへの不安について聞いてみました。「不調について効果的な対処法がわからず、この先いつまで不調が続くのか不安を感じた経験はありますか?」という質問に対し、70.7%の人が「ある」と回答しました。■まとめ今回の調査で、様々な年代の女性が抱える不調の実態が明らかになりました。一般的に「更年期」といわれる年代だけでなく、30代頃から不調を抱える人も多くいます。しかし、ほとんどの人がその効果的な対策方法にたどり着けず不安を抱えているようです。■【調査概要】「30代以降の不調アンケート」・調査期間:2023年11月26日〜2024年1月10日・調査対象:30代〜70代の女性・調査方法:インターネット調査・調査人数:572人(エボル)
2024年02月23日2月は乾燥、寒暖差、スギ花粉と、皮膚への負担が大きく肌トラブルが起きやすい時期。また、肌の不調は生活習慣の乱れから起こることもあります。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、この時期の肌トラブル対策につながる食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!肌トラブルは生活習慣見直しの合図【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 254最近、お肌の赤みやかゆみ、粉を吹いたような乾燥肌、ぶつぶつした湿疹など肌トラブルに悩まされているという方が増えてきているようです。実は2月は肌トラブルが表面化しやすい月ともいわれています。冬の乾燥した空気の中、ダメージをため込んでいたお肌は、この時期の気候に翻弄されます。花粉やホコリ、寒暖差によって生じる刺激が加わり、バリア機能は低下。2月からはスギ花粉が飛散し始め、3月から4月にかけてピークを迎えます。そのため、保湿や洗顔など基礎的なスキンケアに気を使う必要がでてきます。メイクをしたまま眠ってしまったり、ちょっとの乾燥でも放置すればいつの間にか長引く肌荒れを引き起こしてしまうことも。そこで、今週は乾燥に加え、寒暖差によっても引き起こされる肌トラブルの対策について紹介していきます。今週は、乾燥と寒暖差による肌トラブルの対策となる食薬習慣暖かくなる日も増えてきましたが、ぐっと気温が下がる日もまだまだあります。気候が安定しないのはこの時期の特徴でもありますが、気温が低くお肌の温度も下がることで、血流が悪くなり、ターンオーバーを乱してしまうことがあります。また、湿度は一年の中でも最も低い時期ともいわれており、お肌の水分は奪われていきます。この状態で花粉などの刺激を多く受ければ当然、肌荒れを感じる人も増えます。そこで、体の内側からもお肌のケアをしていく必要がでてくるのです。漢方医学では、もともと貧血気味であったり、タンパク質の摂取不足であったり、胃腸の消化吸収能力が低下することによって引き起こされる『血虚』であったり、便秘気味だったり、舌に亀裂がしっかりと入っているようなタイプでエアコンなど乾燥した環境で喉の調子が悪くなりやすい『肺陰虚』の体質の人などが、肌トラブルを抱えやすいといわれています。そこで、今週は『血』を補い、『肺』の働きをサポートする食薬を紹介していきます。食べるとよい食材は、【蓮根とワカメのタコの酢の物】です。NG習慣は、かゆみや乾燥を悪化させてしまう【ラーメンやパスタなど麺類】など糖質や脂質の多い食事のとりすぎです。食薬ごはん【蓮根とワカメのタコの酢の物】『血』を補うタコと『肺陰』を補うレンコン、腸内環境を整えたるワカメやお酢を合わせることによって体の中からお肌のケアをしていきます。また、ワカメやお酢は腸内環境を整えるだけではなく血糖値の安定に役立ったり、タコは亜鉛やタンパク質、タウリンを含むことで、解毒・ターンオーバーを促すためにも役立ちます。<材料>タコ80gくらい(一口大)レンコン5㎝くらい(一口大)ワカメ3gくらい(水に戻す)醤油・みりん各小さじ1酢大さじ1鰹節一掴み<作り方>材料をポリ袋にいれ、レンジで5分くらい加熱したら完成。NG行動【ラーメンやパスタなど麺類の食べ過ぎ】ラーメンやパスタは、糖質や脂質を多くとり過ぎてしまいやすいメニューの一つだと思います。糖質のとり過ぎはターンオーバーを促すビタミンB群を消耗してしまうため、肌トラブルを抱えたいときには控えたいものです。また、脂質が多い食品を摂ることはビタミンB群の消耗につながり、さらに皮脂の分泌を促すことがあるため、ぶつぶつとした炎症を起こしているときには控えめにしましょう。さらに、お肌の鏡として知られている腸内環境にもネガティブな影響を与えてしまうため、2月は麺類控えめがおすすめです。漢方医学で考えると、肌トラブルは生活習慣のどこかを見直すべき合図としても知られています。いつもとお肌の状態が違うと感じた時には、外側からのケアに加え、内側からの対策を加えることで、元気でキレイを維持していきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©shima/Adobe Stock文・大久保愛
2024年02月22日暖かさを感じるようになってくる頃、眠気やだるさなど、カラダの不調を感じていませんか?冬から春へと季節が変わる頃に起きる不調は、もしかしたら「春バテ」かもしれません。今回は春バテの原因や対処法について、あすけん栄養士が解説します。春バテとは?春バテとは、季節の変わり目である春に感じる不調を指す言葉として使われます。不調の内容には、眠気、だるさ、肩こりなどのカラダの不調から、イライラ、憂鬱感、気分の落ち込みなどの精神的な不調までさまざまなようです。春バテは寒暖差による自律神経の乱れが原因として考えられています。春は暖かい日と寒い日が交互に続いたり、朝晩の気温の差があったりと寒暖差が大きく、自律神経のバランスを崩してしまいやすいもの。また春は新生活や転勤、異動などの生活変化によるストレスや、花粉症の時期とも重なり、人によってはさらにストレスがかかってしまうこともあります。体調を崩してしまう前に、なんとか対策しておきましょう。春バテ対策のポイント3つ春バテの原因とされる自律神経が乱れないようにするには、睡眠や食事などの生活習慣の見直しが大切です。春バテ対策のポイントを3つに分けてご紹介します。1.毎日3食規則正しくとる自律神経を整えるには、規則正しい食生活を心がけることが大切です。とくに朝ご飯を抜きがちな方は、生活リズムが乱れやすくなるものです。朝ご飯はカラダを目覚めさせてくれる大事な役割があるため、食べる習慣を身に付けましょう。2.睡眠で休養をとる忙しい日が続くと睡眠がおろそかになってしまうかもしれませんが、睡眠不足はストレスの元。忙しいときこそしっかりと睡眠を取り休養しましょう。ホットパックなどで目元を温めるとリラックス効果があるといわれています。疲れ目対策にも良いとされているため、目を使う作業が多い方は寝る前に取り入れてみるのも良いですね。また湯船にゆっくり浸かるとリラックスでき、眠りを助けてくれますよ。いつもシャワーで済ませている方は、ぜひ試してみてください。3.軽い運動でリフレッシュ軽い運動やストレッチはストレス解消に役立ち、自律神経も整えてくれます。暖かい日は外で身体を動かすのも良いですね。運動する習慣があまりない方は、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動から、無理なく始めてみてください。春は年度末の忙しさや、生活や環境の変化などもあり、知らないうちにストレスを感じることも多いでしょう。生活習慣をしっかり整え、春バテに負けないカラダ作りをしておきましょう。 【執筆者】広田千尋/管理栄養士これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
2024年02月18日2月に入り、花粉症の症状を訴える人が増え始めています。本格的な症状が出る前に、急いで対策しようと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、花粉症予防につながる食薬習慣と、症状を悪化させてしまうNG習慣を教えてくれます!食事の見直しによる花粉症対策を【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 252花粉症は2人に1人といわれる時代になってきていますが、体調いかがでしょうか。今年は、早い地域だと2月上旬から花粉症の症状を感じる人が出始めているようです。花粉症の対策としてよくあるのが、マスクをしたり、眼鏡をしたり、ワセリンなどで鼻や目の周りをプロテクトしたり、飲み薬を飲んだり…といったことが挙げられると思います。漢方相談でも例年、花粉症に悩む方のお話を耳にします。中には花粉症を悪化させる生活習慣を続けつつも、自然治癒力を高める漢方や食事でなんとか改善したいと望む方もいらっしゃいます。ただ、あることを習慣化していると、どうしても花粉症を悪化させてしまうことがあるため、漢方などの予防医療は力を発揮することが難しい場合があります。そこで、今回は一足早い花粉症対策となる食薬習慣と、花粉症を悪化させる何気ない食習慣について解説していきます。今週は、花粉症対策となる食薬習慣春の風物詩の一つとして、梅の開花や春霞とともにやってくるのが花粉症です。鼻づまり、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、充血、涙、咳、喉や肌のかゆみ、頭重感、頭痛、だるさ、下痢、イライラ、熱っぽさ、ほてりなどなど、様々な不調を感じさせることがあります。症状を強く感じると、生活の質を急激に落としてしまうことにもつながります。花粉症とは、一般的であり、毎年あることでもあり、深刻でもあるものですが、意外と軽視されがちです。漢方相談でも、ラーメンやパン、お菓子などを毎日食べながらも、治癒力を高めることで早期に花粉症を軽減したいとお話されるかたは少なくありません。ですが、やはり漢方や食事で自分の本来もつ治癒力を高めることで花粉症を軽減したい場合には、生活習慣の見直しも同時に行うことが、より体感を得るためには欠かせないこととなります。漢方医学では、アレルギー体質の人は『肺・腎・脾』のどこかが弱かったり、『湿熱』などの炎症を起こしやすい体質であることが考えられていなす。そこで、今週は『肺・腎・脾』を強化しつつ『湿熱』を解消する食薬を紹介していきます。今週食べると良い食薬は、【牡蠣とキノコのソテー】です。NG習慣は、くしゃみや鼻水が止まらないときの【ラーメン】です。食薬ごはん【牡蠣とキノコのソテー】亜鉛や鉄などのミネラル、タンパク質やビタミンB群など『肺・腎・脾』のサポートに役立つ牡蠣とバリア機能をサポートするビタミンDや食物繊維を含みキノコ類を組み合わせることで一足早めの花粉症対策をはじめてみてはいかがでしょうか。<材料>牡蠣100gマッシュルーム1パックエノキ1/2袋(3㎝くらいに切る)ニンニク1片(スライス)鷹の爪適量塩適量オリーブオイル大さじ1<作り方>材料をオリーブオイルで炒めて完成。NG行動【ラーメン】まず、ラーメンを食べるという動作で鼻水がでるという人も多いと思いまが、それ以上に麺に含まれるグルテンを多く食べる人たちには、腸内環境を悪化させ、免疫機能の低下が起こりやすくなることが考えられます。また、花粉症だけではなく、その他の様々な症状を感じさせることがあります。たとえば、疲れやすい、便秘気味、集中できない、イライラする、頭痛がある、体がだるい、アトピーやぜんそくなどの症状がある、肌トラブルが治らないなどの不調です。もし思い当たる人は、麺類に含まれるグルテンが原因で腸粘膜に炎症を起こし、体調不良を起こしている可能性も考えられます。花粉症がつらく、さらにはこの時期不調が増えると感じている人は、麺類を少し控えめにしてみましょう。毎年の苦しい不調ですが、その時期さえ過ぎれば不調がでてこないので、根本的な対策を行う方が少ないのが花粉症の特徴でもあります。この時期をきっかけとして、長期的なスパンで、アレルギー対策を始めてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Yukiko/Adobe Stock文・大久保愛
2024年02月09日空気が乾燥し、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症が流行しています。つらい感染症、かかりたくないですよね。どんな対策をすればより効果的なのでしょうか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、体の中から体調をコントロールするための食薬習慣と、危険なNG習慣を教えてくれます!感染症対策、しっかりできていますか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 249最近、インフルエンザや新型コロナウイルス、咽頭結膜熱など様々な感染症や体調不良に悩まされる人が増えてきていますよね。乾燥した冷たい空気の中、体調不良が長引きやすい時期だと思います。さらに、忙しく時間を捻出することに集中し、食事の時間や睡眠時間を削った毎日になってはいないでしょうか。感染症が流行る時期だけでも、体を休めることを考えていきましょう。休めるというのは、時間的な問題だけではなく、食事による内臓にかかる負担を軽減するということも一つだと思います。ということで、今週は体の内側から体をいたわり、感染症対策をしていくための食薬習慣を紹介していきます。今週は、感染症対策となる食薬習慣身の回りで体調を崩している人はいないでしょうか?最近、不調の声、増えてきましたよね。ただ、耳にしたときには、可哀そうだな…と思いながらもどこか他人事にしてしまうことが多いと思います。ですが、この乾燥した空気のなか、感染症にかかってしまうことは、誰にでもあり得ることですよね。そして、一度体調を崩すと、喉や胃腸の不調を長期的に引きずり、体調が治りそうだと思った頃に再び違う風邪をひき…と春まで何かしらの体調不良に悩まされる人も少なくありません。どんなに忙しくとも、この時期の体調管理はとても重要です。漢方医学では、防御機能が低下している状態を『衛気』の不足と考え、粘膜が乾燥し炎症を起こしやすい状態を『陰虚』と考えます。そこで、『気陰』を補いバリア機能を強化していくことが必要だと考えられます。さらに、胃腸や血糖コントロールに負担となる食事は『気』を消耗し、夜更かしは『陰』を消耗します。そのため、胃腸や解毒機能である肝臓に優しい食事を腹7~8分目程度に取り入れ、22~24時くらいには眠りにつくような生活をベースとしていくことがおすすめです。今週食べると良い食薬は、【キャベツと鶏ひき肉のジンジャースープ】です。逆にNGな習慣は、血糖値の乱高下をもたらしたり、腸内にダメージを与える【菓子パン・総菜パン】を食事の代わりにすることです。食薬ごはん【キャベツと鶏ひき肉のジンジャースープ】まず、生姜は生と加熱したもので効能が異なります。加熱すると体を温める働きが高まります。味噌汁や煮物やスープに山盛りに入れても意外とおいしく食べられます。そして、消化を助けたり、腸内環境を整えたり、抗菌作用のあるキャベツと、乾燥してバリア機能が低下しやすい粘膜全般を強化するビタミンAを含む鶏肉と合わせたスープで、体の中から優しく感染症対策を行っていきましょう。<材料>生姜を大量に入れるのがポイントです。ひき肉250g水400ml醤油大さじ1みりん小さじ2生姜4片(みじん切り)キャベツ200gくらい(千切り)塩胡椒お好みで<作り方>良く煮込んだら完成。NG行動【菓子パン・総菜パン】体が弱っている時、忙しい時、疲れている時などには、食べる気力も低迷し、何か作業をしながらでも簡単に食べることができる菓子パンや総菜パンなどに頼る人も多いですよね。ただ、菓子パンや総菜パンは食事の代わりとしては、ちょっと弱い食品です。栄養バランスが悪いだけではなく、バリア機能の強化に欠かせない腸内環境を乱したり、集中力やメンタルのコンディションを乱す血糖値の乱高下を起こすことがあるからです。今は、体調を崩すことができない!と強く願うときには、控えるようにしてみましょう。体調管理が難しい時期です。体調を崩してから、あの時もっと養生しておけば…とならないようにしておきたいですよね。また、養生に関する意識を日ごろから持っておくことで、感染症対策になるだけではなく、日ごろの疲れ対策やメンタルのコントロール、生活習慣病対策などにもつながります。不調を感じる前から行動していきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock文・大久保愛
2024年01月19日毎年年明けは、なんだか胃腸の不調が。。。クリスマスから年末年始にかけて、ご馳走を食べたり、お酒を飲んだりする機会が増えて、気にしていたにも関わらず、食べ過ぎ飲み過ぎになりがちなんですよね。それにまた新しい年のスタートということもあって、春に向かってダイエットしたいなという気持ちにもなっている方も多いのでは?。そんな方におすすめのヘルシーフードをご紹介!ダイエット食や本格的な薬膳までじっくりみていきましょう。さらば罪悪感!ヘルシーラーメンで小腹を満たそう夜中のラーメン。。。食べたいけど、カロリーが気になって諦めるという方も多いですよね。そんな方に朗報!『低カロリー・低糖質』のヘルシーラーメン、こんにゃく麺×ベジタブルの「ベジニャクヌードル」が登場です!しっかりと食べ応えがあるのに、カロリーはなんと「66kcal」。糖質も、味噌味:「5.4g」、野菜白湯味:「6.5g」と一般的な中華麺の糖質量(75g)と比べても大幅カット!これなら夜中に小腹が空いた時やダイエット中にも安心ですよね。こんにゃく麺というと、本当に美味しいの??と思う方もいらっしゃることと思いますが、結着製法により、2本結着した麺の谷間にスープがしっかり絡み、歯切れも良くつるっと喉越しがいい麺に仕上がっています。味は、あっさり仕上げた野菜白湯と濃厚で深い味わいの味噌味をご用意。気分やお好みでお選びいただけます。また麺とスープのみの商品が多い中、具材として「キャベツ、にんじん、豆腐そぼろ」を加えているから満足感もアップ。食べ応えもありますよ。さらに作り方もレンジに入れて90秒で完成ととても簡単。温まったら器に移すだけとお鍋も不要です。忙しくて時間のない時にも、ヘルシーに美味しくダイエットしませんか? 【ご紹介したアイテム】低カロリー・低糖質のヘルシーラーメン、こんにゃく麺×ベジタブルの「ベジニャクヌードル」です。レンチン90秒でサッと作れるダイエットメニュー。美味しさと食べ応えで満足の1杯です。⇒ ベジニャクヌードル 身体と心を労るレトルトスープ疲れた時、体を内側から温めたい時には、具沢山のスープが1番のご馳走。身体に優しく美味しいスープがレトルトで食べられたら、忙しい主婦にとっては、こんなにありがたい事はありませんよね。この鶏白湯と白菜のスープ/ONE POT WONDERは、原材料はとってもシンプル。鶏白湯・白菜・鶏肉・塩・ニンニク・豚、これだけ。さらに調味料は塩だけで、素材の美味しさを引き出しています。鶏肉の旨味と、とろっとした白菜の甘味が身体に染み渡り、濃厚な味わい。柔らかいけれど、しっかりと肉感を感じられる鶏、豚の背脂とニンニクのアクセントが食べ応えをプラスしてくれて、メインになってくれるスープなんです。また食品添加物や化学調味料を使用していないから、小さなお子様からご年配の方まで安心して食べていただけます。作り方は、電子レンジまたは湯煎でとっても簡単。忙しい時にもサッと作ることができるのがポイント!さらに麺を入れたり、ご飯を入れたりのアレンジで、がっつり食べたい時にも◎。日持ちもするのでアウトドア用や非常食として準備しておいたり、プレゼントとしてもおすすめですよ。 【ご紹介したアイテム】「ONE POT WONDER」の鶏白湯と白菜のスープは、シンプルだけど濃厚な味わいや、素材を活かした旨味がじゅわっと染み渡り、身も心もあたためてくれます。⇒ 鶏白湯と白菜のスープ/ONE POT WONDER アウトドア キャンプ ソト飯 用意するのは鶏肉だけ!お家で本格参鶏湯ちょっと疲れたなとか風邪っぽいなというときに、すぐに病院へ行ったり、市販薬に頼ったりしていませんか?そんな時に食べ物で整えるのが昔ながらの知恵。漢方に用いられる食材を使っているヘルシー料理でもある、本格参鶏湯をお家で作ってみませんか?参鶏湯とは、鶏肉と一緒に、朝鮮人参、鹿茸、ファンギなどの漢方ともち米、くるみ、松の実、にんにくなどを煮込んで作る韓国伝統の薬膳料理。体調がすぐれない時にも、美容や健康に気遣いたいという方にも食べていただきたいメニューです。鶏肉以外の準備しにくい材料が本場韓国から完全無添加の厳選されたものがキットに入っているから、お家で簡単に本格参鶏湯を作ることができます。作り方もとっても簡単。大きめの鍋に材料を入れてコトコト煮込むだけ。寒い日に美味しく食べて、体調を整えて、風邪に負けない身体を作りましょう! 【ご紹介したアイテム】寒い時期だけでなく、韓国では夏バテ防止として食べる習慣もある参鶏湯。薬膳料理や補身料理(ポシン料理・滋養食)ともいわれる参鶏湯を手軽に作れる材料のセットです。⇒ 食べる本格薬膳スープ参鶏湯(サムゲタン)キット 手間をかけずに美味しく、身体に優しいメニューを食べられるのは、本当に大助かり。2024年は身体に優しく、美味しく食べて、体調を整えていきましょう。 おーまえ京都在住。ほぼ毎日自転車行動。時間があると気になる場所やお店をウロウロ探し回りがち。お笑いと犬がずっと好き。最近はリボベジに小さな幸せを感じてます。
2024年01月10日日々忙しくしていたり、環境の変化があったりすると、ちょっとした不調を見逃してしまいがち。そんな時、筆跡から不調のサインを見つけることができます。筆跡心理学とは、筆跡を見て性格や心理を読み解く学問のこと。日本ではまだ歴史の浅い分野ですが、ヨーロッパでは140年以上も前から研究されているメジャーな学問です。今回の記事では、不調のサインを表す筆跡を紹介します。自分の体調はもちろん、同僚や家族など他人の不調サインも読み取れるので、ぜひチェックしてみてくださいね。■筆跡から「不調サイン」を見極めるポイント今回紹介する分析ポイントは3つ。紙とペンを用意して筆跡をチェックしてみましょう!◇(1)細かい部分がつぶれている「識」や「創」など画数の多い文字中にある、「日」や「口」がつぶれているかどうかをチェックしてみましょう。もし、空間に隙間がなくつぶれている場合は、肉体的・精神的に疲れやストレスを抱えている可能性があります。文字を書くという行為は、それなりに労力を使います。特に、パソコンで文章を書くことに慣れている現代人は、ペンを持って書くことに対してよりパワーを使うのです。そのため疲労やストレスがある時は、手に力が入りにくかったり気力が湧いてこなかったりして、それが文字にも表れてしまいます。実際、筆者も寝不足の時は、メモの文字がつぶれているなと感じることがあります。実体験からいうと、できるだけ力を使わないよう簡略化して書こうとしたり、集中力がなく書くことをまとめきれないまま手を動かしたりすることで、文字がつぶれてしまうイメージです。ちなみに、元からせっかちな性格な人は、急いで文字を書くことでつぶれてしまうこともあります。普段からつぶれ気味の方は、必ずしも不調のサインというわけではないかもしれません。◇(2)直線がブレたりゆがんだりしている通常、まっすぐ書くはずの線がカクッと途中でブレていたり、ゆがんでいたりしたら、気力や体力が弱っているサインかもしれません。思ったように手に力が入らない、文字を書く力が湧いてこないという状態だと、力強く書くことができず線がブレてしまうのです。もし自覚がなかったとしても、この筆跡が見られた時はぜひ休息を心掛けましょう。◇(3)急に文字が小さくなる文字の大きさには、その人の外向性が出ます。普段から文字を大きめに書く人は、行動力があって外向的。オープンマインドな性格で、しっかり自己主張できるタイプが多いといえます。一方で、文字を小さめに書く人は、控えめで内向的。思ったことをあまり口にせず、大人しいタイプが多いといえます。または、大きな体格にコンプレックスがある場合も「小さく見られたい」という心理から、文字を小さく書く傾向があります。元々は大きめの文字を書いていた人が、ある時から急に小さく書くようになった場合は注意が必要です。何かに抑圧されて、ストレスを抱えている可能性があります。どんなことにストレスを感じているのか、自身の心に問いかけてみましょう。■その時の心理状況で筆跡は変化する!筆跡分析のセミナーなどで、よく参加者の方から「その日によって字が違う」と言われることがありますが、筆者自身もそう感じたことがあります。みなさんも、子どもの頃や学生時代と今の文字を比べると、きっと違いがあるのではないでしょうか?心身の状態によって行動が変わるのと同じように、その時々で筆跡も変わるもの。「役職に就いたら上昇志向を表す筆跡が出てきた」など、環境が変わった時にも筆跡は変化します。つまり、筆跡によってリアルタイムの自分が見えるということなのです。過去と比べれば、心境の変化も見えてくるでしょう。ぜひ昔の手帳やメモを引っ張り出して、筆跡を観察してみてください。不調も含め、思いがけない発見があるかもしれませんよ。(関由佳)※画像はイメージです
2024年01月10日忘年会にクリスマス、お正月とイベント続きの年末年始。多くの人がこの時期、食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃もたれや消化不良で悩んだことがあるはず。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、暴飲暴食による内臓疲労、免疫力の低下をリセットしてくれる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます!年末年始の暴飲暴食で胃腸が弱っていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 246お正月を目前にすでに内臓が疲れていると感じているかたはいませんか。忘年会、クリスマスとイベントが続き、食べたり、飲んだり、お祭りのような毎日を過ごしている人も多いと思います。楽しいと思って忘年会などに参加する人もいれば、本当は家でのんびりしたいけど、人付き合いでしぶしぶという人もいらっしゃるかもしれません。どちらにせよ、早期に心と体のケアをしていきたいですね。新年には年神さまがやってきて、私たちに幸せをもたらすといわれていますよね。その神様への縁起のよいお供え物を元旦に食べるようになったものがお節といわれています。また、三が日はさまざまなよいことを水に流さないように、料理をせずに過ごすとよいという習わしもあります。そんなわけで、お正月にはあまり体を動かさずに、食べて飲んで過ごす方が増えることだと思います。今週は、食べ過ぎ、飲み過ぎをケアしていく食薬習慣を紹介します。今週は、暴飲暴食対策となる食薬習慣今年は、新型コロナウイルスが5類感染症へと位置づけが変更され、久々に人が町中にあふれる年末年始になります。忘年会、お正月行事等が続き、日常も活気づきますよね。気の知れた友達と食べたり、飲んだりすると、つい時間を忘れて長時間過ごしてしまうこともあると思います。ただ、楽しい時間は大切なのですが、胃や腸、肝臓などへのダメージが着実に積み重なり、ちょっと内臓が疲れているなと感じているかたも多いと思います。口内炎や口唇ヘルペス、カンジダ膣炎、膀胱炎など、免疫低下時に起こりやすい症状がでてきてはいないでしょうか。漢方では、食べ過ぎ飲み過ぎの時には、免疫を低下させ炎症の原因となる『湿熱』が生じるため、『肝・脾』を整えていくとよいとされています。ということで、解毒に関わる『肝』と消化に関わる『脾』をサポートする食薬習慣が大切です。今週食べるとよい食薬は【大根とニンジンのピクルスみぞれ和え】です。逆にNGな習慣は、【霜降りたっぷり焼肉の宴会】です。食薬ごはん【大根とニンジンのピクルスみぞれ和え】大根とニンジンの抗酸化物質と食物繊維で腸から心と体を元気にしましょう。大根おろしを加え、大根の辛みをアクセントにすると、『脾』をサポートするジアスターゼや『肝』をサポートするイソチオシアネートの働きを得ることができ、年末年始の食べ疲れを癒してくれます。<材料>人参1/2(一口大)大根4センチくらい(一口大)大根おろしお好みでお酢・みりん(アルコールが気になる人はレンチン)各大さじ3<作り方>材料を半日漬けたら完成。NG行動【霜降りたっぷり焼肉の宴会】タンパク質がたくさんとれていいじゃん!と言われそうですが、脂の多い焼き肉を食べた後、胃もたれしたり、膨満感や下痢などに悩まされてしまう人も多いのはおわかりだと思います。脂身の多いお肉は、消化に時間がかかり、胃腸の働きが低下しているときにはとくにダメージを感じやすくなります。また、タンパク質には窒素が含まれますが、分解の過程で窒素はアンモニアに変わり、肝臓や腎臓に負担がかかることがあり、内臓疲労の原因となってしまうこともあります。外食が続いているときには、気をつけましょう。また、食べるとしたら大根やキャベツなども一緒に食べたり、よく噛んで食べたりして楽しむようにしましょう。年末年始の食べ過ぎや飲み過ぎは、楽しさの代償として生じるものです。しっかりとその時間を満喫していれば、決してネガティブなものではないと思います。ただ、その食べ癖が続いたり、お酒の習慣が身に着いたり、内臓の疲れを引きづったりすることは、その後の自分の体に対して、優しい行動ではありません。オンオフの意識をしっかりもって、素敵な時間をたくさん過ごしましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Daria/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月28日本格的な寒さが続く今の時期、冷え性対策には温活が効果的です。ですが、体調が整っていないと逆に身体に負担をかけてしまうことも…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自ら熱を作り出す力を養う食事と、気をつけたいNG習慣を教えてくれます!下半身の冷えを感じるかたに!つらい「冷えのぼせ」に悩んでいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 244寒い日が続きますね。お尻やふくらはぎ、足先など腰から下の冷えを強く感じる人も多いと思います。そして、突然ですが今、足を組んでいませんか?長時間座っていたり、足を組んでいたり、姿勢を悪くしていることはないでしょうか。忙しい毎日が続くと、同じ姿勢で過ごしてしまう時間が増えますよね。同じ姿勢でいること自体が血流を低下させたり、冷えを感じさせる原因となりますが、足を組んだり、片方に体重をかけたような偏った姿勢で過ごしていると、より筋肉が凝り固まり、血流が低下してしまいます。それに加え、下半身に比べ上半身の血流が多いということで、冷えのぼせに悩むこともあるかもしれません。ということで、今週は冬のこの時期、少しでもポカポカに過ごすことができるような食薬習慣を紹介していきます。今週は、温活のための食薬習慣マフラーや手袋、ダウン、レッグウォーマー、カイロなど、体を温めるグッズが手放せない季節がやってきましたね。この時期になると偏食になったり、運動量が減ったり、ストレスで自律神経が乱れたり、同じ姿勢で過ごす時間が増えたり、睡眠時間が減ったりと、体のコンディションが万全という方は減っていきます。外気が冷たいにも関わらず温かさをキープし続けるためには、体のコンディションが良い状態であることが必要となります。ですが、寒い時には端的に熱いものを触ったり、飲んだり、辛いものを食べたりして、その場をしのごうとすることが多いのではないでしょうか。これからの時期、忙しかったり、イベントが増えて食べ過ぎたり、夜更かししすぎたり、生活が乱れることが多いですよね。冷えがきついなと感じたら、単純に温めることと並行して、自ら熱を作り出す力を養うように栄養の消化吸収をサポートする食材を摂ったり、タンパク質やビタミンB群など熱を生み出すために必要な食材を摂ったり、背筋を伸ばし内臓や神経を圧迫しないように筋肉を使うようにするなどして、根本的に冷えない体を作るための行動もチョイスしていきましょう。漢方医学では、冷えやすい状態のことを血流が悪い『瘀血』や熱を作り出すことのできない『脾腎陽虚』などと呼びます。大切なのは、『血』の巡りを促し『気』を補う食薬習慣です。今週食べるとよい食薬は【キムチ豚汁】です。逆にNGな習慣は、【アツアツのお茶やコーヒー】です。食薬ごはん【キムチ豚汁】血流を促すカプサイシンを含み『活血』に役立つキムチや、熱を作り出すビタミンB群やアリシンを含み『補気』に役立つ豚肉やニンニクを使って、味噌汁で温活をしていきましょう。春菊を使うとβカロテンが多く含まれているため、バリア機能を高め風邪対策にもなります。<材料>豚肉150gニンニク1片(スライス)キムチ75gくらい(一口大)春菊1/2束(3センチくらい)酒50ml水400ml味噌・すりゴマ大さじ1くらい<作り方>材料を良く煮込んでから味噌を溶いたら完成。NG行動【アツアツのお茶やコーヒー】体が冷えた時に、アツアツの飲み物に頼る人も多いと思います。内臓から温まる気がしてほっとしますよね。一般的に温かい飲み物といえば、スープや味噌汁などは60℃くらい、お茶やコーヒーはそれよりも高温になっているといわれています。ただ、お茶やコーヒーは80~90℃の熱めの温度を好む人が多いようです。特に寒い季節であればあるほど、高めの温度で飲むことが多いと思います。ただ、国際がん研究機関では65℃以上の熱い飲み物は、食道がんのリスクを高めると注意喚起しています。寒い時期でも、温かいなぁとホッコリするくらいの適温にしてから飲むようにしましょう。(※1)冷えるときには、単純に熱いものを触れたり、飲んだりすることが手っ取り早いですが、姿勢を正したり、適度に動いたり、栄養を適切に摂取して体の中から温められる体を作っていくことも忘れないようにしましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。※1農林水産省サイト「アツアツな飲み物にご注意!」Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©koichi/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月15日今すぐできる冷えとりワザ11月20日、心身の不調の原因となる冷えの対策を紹介する女性向けの新刊『ココロとカラダの不調が消える 今すぐ、冷えとり!』がオレンジページから発売された。価格は1595円(税込)である。オレンジページは2016年に『本当にすごい 冷えとり百科』を発売しており、新刊はその内容を加筆、修正したものとなっている。医師や専門家32人による冷え対策男性よりも冷えに悩みがちな女性。熱は筋肉より生み出されるが、もともと女性は筋肉量が少ないため、カラダが冷えやすく、冷暖房の環境、ダイエット、ファッションなども冷え性に関係している。また、女性特有のライフステージの変化がホルモンバランスに影響を与え、冷え性になりやすいという。新刊では、医師や専門家32人が簡単で即効性のある冷え対策を紹介。頭痛、だるさ、肩こりなどの身体的な不調のほか、イライラや落ち込みといった精神的な不調にも効果が期待できる。美肌になって太りにくくなり、睡眠を改善する運動や食事などの生活習慣、マッサージ、ファッションなど、簡単なセルフケアが掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※ココロとカラダの不調が消える 今すぐ、冷えとり! ‐ オレンジページの本 ‐ オレンジページnet
2023年12月04日走り回るほど忙しい師走。今いちばん欲しいのは山積みのタスクをこなす集中力と持久力、という人も多いかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、タフに活動するために効果的な食事と、避けるべきNG習慣を教えてくれます!最近、仕事の能率が落ちていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 242今年もラストの月となりました。アッという間に過ぎたという人もいれば、濃厚で時間が長く感じたという人もいると思います。同じ1年間でも、時間感覚はヒトや場面によっても違いますよね。楽しい時間や何かを考えている時間は早かったり、何かに時間を拘束されたり、待っているときには長く感じることもあると思います。そんな1年の中でも、とくに12月はやること、やりたいことがたくさんあるぶん、短時間で集中し、効率よくテキパキと活動していきたいときだと思います。やり残すこと、諦めてしまうことはできるだけ少ない方がよいですよね。ということで、今週は師走に突入した12月にやる気のスイッチのオン・オフがコントロールできるように、栄養状態から整えていく食薬習慣を紹介していきます。今週は、時間を無駄にできない人のための食薬習慣今月は、オンオフの管理をしっかり行うことが充実した年末を迎えるキーとなると思います。年末年始の長期休暇に向けて山積みになっていくタスクに対して集中力を一瞬で発揮し、効率よく処理していくオンの時間、そして何も考えずにダラダラと楽しい時間を過ごすオフの時間の両面を、臨機応変に出現させていく柔軟性が必要となります。そこで、必要となるのが脳の神経伝達物質に必要な栄養、持久力に必要な副腎の働きを支える栄養などです。タフに活動するためには、このHPA軸機能(脳の視床下部、下垂体、副腎の関係)を整えることが必要になります。これを漢方医学では、『腎』の働きを助け、『気・血・水』を補うことだと考えます。そして、『腎』の働きは、睡眠時間を十分に確保し、良質な睡眠を得ることが最低条件なので、12月の時間のある日には、ストレス発散となる深夜の自由時間を優先するのではなく、とにかく眠る時間の確保を優先していきましょう。それが、今年中にすべてをやりきるためのポイントとなります。そして、食薬としては『補腎』ができ、『気・血・水』を補うことのできるものが必要となります。ということで、今週食べるとよい食薬は【大根と玉子と椎茸のおでん】です。逆にNGな習慣は、【集中力が欲しい時のお菓子とコーヒー】です。食薬ごはん【大根と玉子と椎茸のおでん】この時期、おでんを食べる機会が増えますよね。おでんはいろんな食材を含むため、その時の体調に合わせて必要な食材を選ぶことのできるサプリメントのような料理です。とくに『補腎』に役立つビタミンDを含む椎茸、『気・血・水』を補う玉子、消化吸収の負担を軽減し『補脾』に役立つ大根などを選ぶようにすると、不足しがちな栄養素を補うことができます。また、おでんの中でもなるべく加工されている物ではなく、食材そのものをチョイスするようにすると、体を構築するために役立つことが多いので、覚えておくのがおすすめです。<材料>大根5㎝(一口大)ゆで玉子2個里芋4つ(レンチンして皮をむく)水400ml醤油・みりん各大さじ1塩昆布大さじ1鰹節1つかみ(粉々にるす)干し椎茸4個分<作り方>よく煮込んだら完成。NG行動【集中力が欲しい時のお菓子とコーヒー】集中力が短期的に必要なときには、お菓子とコーヒーもよいと思います。ですが、12月はまるまる1か月間という中長期的な集中力が必要と感じる人が増えるシーズンです。そのため、一時的な集中力のキープに役立つお菓子やコーヒーでは、その後の集中力を低下させたり、睡眠の質を低下させたりすることも…。さらには、集中したいタイミングが増えることにより、お菓子の回数が増え、3度の食事の量が減り、質的な栄養失調気味になってしまうことなどが考えられます。今月は、攻めと守りが必要となる月です。食薬としては、瞬発的な効果を期待した食材ではなく、栄養の消化吸収を高める食材、持久力や集中力を養うために必要な栄養素を含む食材などを意識して取り入れていきましょう。思ったように集中力をコントロールできる状態である体は、持久力もあり、免疫も高く、冷えにくい体であるとも考えることができます。悔いのないように、栄養状態を高めていきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月01日取材・文:ミクニシオリ撮影:洞澤佐智子編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部自分のからだのこと、性のこと。本やネット検索などで、正しい情報を知ることは簡単にできるようになってきたものの、やっぱり身の回りでは、話しづらいことだったりします。情報を得たり、自分で実践したりするだけではなく、やっぱり誰かと悩みや気持ちを分かち合いたい。そんな女性のために立ち上がったのは、とある一人の女性でした。味の素株式会社で営業として働いていた橋麻依子さんは、社内の起業家育成プログラムを利用して、女性Well-being事業「LaboMe(R)」を立ち上げました。メンバーが選んだセルフケアプロダクトが毎月届くサブスクに加え、参加者たちが意見や悩みを共有できるコミュニティとしても機能しているLaboMe。チームを牽引する橋さんに、LaboMeの掲げる「自身の身体と向き合うこと」の意味を聞きました。■目指したのは体調管理を強制するのではなく、共有し合える事業――まずは、橋さんのこれまでのご経歴を教えてください。新卒で味の素株式会社に入社し、現在7年目です。飲食店様に商品提案する外食用営業として4年間働いた後、2020年に社内起業家育成プログラム「A-STARTERS」に応募・採択され、LaboMeを立ち上げました。――プログラムに応募したきっかけは?新卒から営業として働いていましたが、ゆくゆくはマーケターになりたいという目標を持っていました。その気持ちを当時の上司との面談で伝えたところ、仕事は目的ではなく手段だ、と教えられました。「なぜマーケターになりたいのか、誰の役に立ちたいのかも考えてみて」とアドバイスを受け、自分のキャリアについて再考しました。その結果、自分のやりたいことを実現するために、若いうちから挑戦したいと考え、入社1年目から応募できるA-STARTERSに応募しました。――上司のアドバイスを受けて、仕事を通して誰の役に立ちたいと考えましたか?「自分のような女性の役に立ちたい」というのが、私の答えでした。というのも、私は中高生時代から生理が重く、PMSにも苦しんでいました。私はずっと誰にも言えなかったけど、大人になってからは「実は私もずっと悩んでいたの」と、友人の方から打ち明けてくれる機会も何度かありました。きっと私以外にも、身体のことで悩んでいる女性はいるはず。そう思うと励まされる気持ちもありましたし、そんな女性たちの役に立つ事業を始めたいと、LaboMeの構想を練りました。――「セルフケアのサブスクとコミュニティ運営」という構想は、その当時から決まっていたのですか?事業が採択されてから実際にチームが組まれるまでには、約1年のラグがあったのですが、その1年間に色々模索していました。最初は、ウェアラブルデバイスでPMSや体調変化を予測する、体調管理系サービスなどを考えていました。しかし、プロダクトの検証期間に社内外の女性にインタビューしたり、アンケートを取ったりしていく中で、女性たちの想いが見えてきたんです。実際のお声を聞いてみると「揺らいでしまう自分をコントロールしなければいけない」と考えている女性がとても多いことが分かりました。体調不良になると、自分を責めてしまうという方も多く、体調管理を強制させてしまうようなサービスを展開するのは嫌だな、と考えるようになりました。そこから、自分の体調や気持ちを共有できる場所を提供する、今のLaboMeのカタチが見えてきました。■LaboMeは「自分に合うか」を研究するセルフケアラボ――コミュニティ運営に加えて、セルフケアのサブスクを展開しようと考えたのはなぜですか?検証期間にお話した女性たちが「毎日、毎月同じことで悩んでいるわけではない」と言っていて、その意見にとても共感したからです。たしかに、PMSも月によって重さは違うし、季節によってはPMS以上の悩みを持つ時もあります。それに、生理が重いから、PMSがひどいからと言っても、ずっとそのことについてばかり悩んでいると、逆に疲れてしまいますよね。だから、商材は絞らずに女性の様々な課題を解決できるプロダクトをお届けするサービスを考えました。女性の悩みはいろいろあると思いますが、状況に合わせたセルフケアを模索できるようになれれば、もっと生きやすくなる人もいると思います。セルフケアのプロダクトとコミュニティを通じて、その時の自分に合うケアを探求していくのが、今のLaboMeのコンセプトです。――毎月届くプロダクトは、どのように選定されているのですか?LaboMeでは味の素の製品をお届けしているわけではなく、女性に役立つ製品を作っている、さまざまなブランドのアイテムをお届けしています。商材も食べ物や飲み物、スキンケアコスメやバスケアグッズ、衣料品など、テーマに合わせて変えています。お届けするプロダクトは、味の素(株)研究員メンバーが自信を持っておすすめできると判断したものです。自分に合うものを知りたくても、自分では本当にいいものか分からないという悩みを持つ人も、安心して使っていただけます。プロダクト選定会議は研究員だけでなく、チームメンバー全員が参加し、実際に自分たちで手に取って、使用した感想をぶつけ合います。私たち自身が「みんなにすすめたい」と思ったものをお届けしています。――LaboMeのメンバーはどのような活動ができるのですか?届いたプロダクトを使ってみた感想をコミュニティの中で発信したり、コメントで交流したりすることができます。コミュニティにはLaboMeの研究員メンバーも参加しているので、気になることがあれば専門家に質問することもできます。アイテムをただ使うだけではなく、他の人の意見を聞きながら「自分に合うか」を研究することができます。セルフケアのサブスクはたくさんありますが、参加メンバーと交流して悩みを共有できるのは、LaboMeの大きな強みだと考えています。プロダクトが届いて終わりではなく、他の人の意見を聞きながらアイテムが自分に合うかどうか模索できるのが、LaboMeならではの活動です。また、オンラインだけでなくオフラインのイベントも毎月開催しています。毎回テーマを設定してイベントを行っているのですが、ゲストをお招きして参加者の皆さんとワークショップをしたり、トークショーを行ったりしています。ゲストには、お届けしたプロダクトの開発者さんや、さまざまなセルフケアの専門家をお招きしています。イベントでは参加者さん同士が交流できる機会も多いので、自分と似た悩みを持つメンバーと実際に仲良くなったとおっしゃってくれた方もいます。――LaboMeの参加メンバーからはどんな声が届いていますか?オフラインイベントでは、同じ悩みを持つ人と知り合えて安心した、という嬉しい意見を聞くことが多いですね。また、個人的に嬉しかったのは、お届けしたプロダクトを「使い続けている」というお声をいただく時です。会員の方々が私たちの選んだアイテムを手に取り、それが新しい習慣となって生活に馴染むことは、LaboMeの目指すひとつのゴールでもありますから。■身体の揺らぎと共存し、許し合える社会へ――現在2年ほどLaboMeの開発・運営されていると思いますが、これまでにどんな苦労がありましたか?LaboMeは社内の新規事業なので、立場が上の方も含め、たくさんの人の意見をいただく機会が多いです。その認識をすり合わせていくのは大変なことではあるのですが、それぞれに違う前提を持っている人々の意見を理解し、聞き入れていくことも、LaboMeの成長に必要なことだと思っています。チームメンバーにも、味の素の研究所で働くメンバーや、後輩にあたる年次の社員、社外の方など、いろいろなバックグラウンドを持つ方がいます。当初はお互いにうまく意見が言えない時期もありましたが、実際にLaboMeを受け入れてくれた会員の方々と交流する中で、メンバーの目標も一致するようになりました。会員の方々もチームメンバーにもそれぞれの個性があるので、自分とは違う意見も、大切な目線として捉えていきたいです。――LaboMeが考える「自分の身体と向き合う」ことの意義とはなんですか?体調の揺らぎは、年齢とともに感じる機会が増えていくものです。完全になくすことは難しいからこそ、私たちは揺らぎと共存していく必要があります。体調変化と上手に付き合いながら、しなやかに生きていくために必要なのが「自身との向き合うこと」です。何かあった時にも自分なりの対処法があれば安心ですし、揺らぎを受け入れることができれば、体調の変化があっても不幸に感じづらくなります。自分と向き合い、揺らぎと共存できる人が増えていくことで、社会全体の体調変化に対する寛容度が高まっていけばいいなと思っています。いつも全力で頑張らなくても、大丈夫。そんなメッセージを、LaboMeでの活動を通して発信し続けていきたいです。
2023年11月28日寒い日には温かなお風呂やお鍋が恋しくなりますよね。だけど、それだけでは冬の冷えからくる不調対策に十分とは言えないそう。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、体を温まりにくくしてしまうNG習慣と、すぐにできる入浴法などの対策を教えてくれます!体がなかなか温まらない人はいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 241温活はじめていますか?この時期になると、今までシャワーで済ませていた人もお風呂に浸かりたいと思う人が増えると思います。入浴の際、冷え性の人は、39度から40度くらいの少しぬるめのお湯に10分から15分くらい浸かるのがおすすめ。あまり熱すぎると交感神経が刺激され、睡眠の質に影響したり、急激に上昇した体温をもとに戻すために逆に冷えてしまったり、心臓に負担がかかることがあります。無理せずにリラックスできるくらいの温度で入りましょうね。また、入浴剤として、マグネシウムが含まれていたり、炭酸系であったり、気を整える理気作用のある柑橘系の精油などを加えるのもよいですね。入浴後は、レッグウォーマーや腹巻をして、湯冷めしないようにしましょう。ちなみに、就寝時間の90分くらい前に入浴することで、就寝時に深部体温が程よく下がり、睡眠の質を向上させられます。温かい体を作るためには、外部から体を温めてくれる入浴はもちろん、湯たんぽやカイロなども有効ですが、食事、運動、睡眠、ストレス環境などを整え、体がエネルギーを作り出せる環境を整えてあげることも大切です。ということで、今週は、体の中から温める食薬習慣を紹介していきます。今週は、体の中から温める食薬習慣寒さが厳しいですが、お鍋が美味しくなったり、寒いとモコモコのかわいいルームウェアや防寒グッズが増えたり、お風呂の時間が楽しくなったり、よいこともありますよね。とくにお風呂では、好きな入浴剤やアロマオイル、マッサージクリームやクレイパックなど、いろいろ試したいものを使ってみたり、ハーブティーを飲んだり、映画やドラマを観たり、音楽を聴いたり…。お風呂の時間は温活の一つですが、乾燥ケアやむくみとりなどの美容の時間になったり、映画鑑賞でリラックスタイムになったりと、日替わりでテーマを決めたくなるくらい楽しむことのできる楽しい時間にすることができます。まだ、シャワーだけで済ませているという人は、早速自分の心と体のために少しだけ時間を用意してあげて、入浴してみてくださいね。そして、寒い時期に温かく過ごすためには、エネルギー生成を円滑に行うことのできる体が必要です。エネルギーを作り出すミトコンドリアにしっかりと栄養素が届くように、胃や腸のケアをしつつ、適切な栄養素を取り入れることが大切です。漢方医学では、胃腸虚弱で一度冷えるとなかなか温まらない状態を『脾腎陽虚』といいます。このタイプになると、冷えだけではなく、疲れやすさや、気分の落ち込み、朝のだるさ、中途覚醒など悩みは複数になってくる可能性も考えられます。そこで本格的に寒くなる前に『脾腎』をサポートしていくことがおすすめ。ということで、今週食べるとよい食薬は、【山芋と明太子のお好み焼き】です。逆にNGな習慣は、【朝食のパンとスムージー】です。食薬ごはん【山芋と明太子のお好み焼き】『補腎』に役立つジオスゲニンを含む山芋、ビタミンDとカプサイシンを含む明太子、そして血流を促すネギ、アミノ酸スコア100でマルチに働く玉子を組み合わせて、お好み焼きのようにして食べましょう。山芋を『脾』の働きをサポートしてくれるので、胃腸が弱い人でも優しく栄養補給できる食材です。<材料>山芋6センチ(ポリ袋に入れ瓶底で荒くつぶす)玉子2個明太子1腹ネギ1/2本(輪切り)醤油・みりん各大さじ1海苔・あおさお好みで好きなソース<作り方>山芋、玉子、明太子、調味料をポリ袋にいれよく混ぜる(※)。クッキングシートをフライパンに敷く。ネギをいれて、炒める。そこにを加え蓋をして蒸し焼きにする。海苔やアオサをトッピングして好きなソースをかけて完成。NG行動【朝食のパンとスムージー】温かい体を作りたいと考えるときには、血糖コントロールと糖質過多にならない食卓づくりは欠かせないものとなります。とくに朝食にタンパク質を食べると消化管が動き、熱が作り出され、体が活発になるようにスイッチを入れてくれます。体温を上げていきたい人は、生姜やニンニクなどのスパイスもいいですが、朝のタンパク質はマスト。パン中心の食事は、糖質中心になることでビタミンB群が消耗されたり、和食に比べてタンパク質や食物繊維が少なくなりがちです。また、体のために食べている人の多いスムージーは、糖質が多く、噛む必要のない冷たい飲み物でもあるためダイレクトに胃腸を冷やしてしまいます。冷えが気になる人は、ごはん、味噌汁、肉か魚のような和食を朝食にしてみてはいかがでしょうか。朝食は、パターン化されやすいものです。毎日同じものを食べることになるということは、積もり積もって体質づくりに大きな影響を与えるものとなります。体は、なんてことない日々の繰り返しによって作られているので、体質改善をしていきたいと考えるときには、朝食の見直しから始めるのもおすすめです。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Takae/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月24日最近の寒さから、お腹の不調を感じることはありませんか。「元気になる食事を」と思っても、胃腸の調子が悪ければ逆に体の負担になってしまうことも…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、お腹の調子が悪くなるNG習慣と、すぐにできる対策を教えてくれます!最近の寒さで胃腸の調子が悪くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 240いつのまに秋は終わったのか!?と思うほどに寒い日が続きますよね。紅葉も見ていないのにダウンジャケットが恋しくなる毎日です。油断していると背筋がゾクゾクしたり、お腹が冷えて腹痛・下痢に悩んだり、肩凝りが悪化したり、風邪を引いてしまったり…と慣れない寒さに戸惑っている人も多いのではないでしょうか。体を寒さに慣らすための期間でもある秋は、今年はその役目を果たせそうにありません。というわけで、私たちには寒暖差に柔軟に対応し、強く生きることが必要となります。今回は、急な寒さに負けてお腹の調子が悪くなってしまわないように、効果的な食薬習慣を紹介していきます。今週は、お腹の調子を整える食薬習慣元気を作る素となるものは、食事ですよね。ただ、食事を消化し吸収するために活躍する胃腸の働きが正常であることが必要条件です。つまり、風邪を引きそうだから、疲れがとれないから…といって、プロテインやニンニク、豚肉など元気がつきそうなものをたっぷり食べたとしても、それが必ずしも体内で有効利用できるかはわからないということです。胃腸の調子が悪ければ、栄養満点の食事もうまく利用できずに体の負担となる場合もあり得ます。ここ最近の寒さで自律神経を乱したり、お腹が冷えることで、腹痛や下痢・便秘などの不調を感じる人も増えています。漢方医学では、自律神経の乱れによる胃腸の不調である『肝脾不調』を改善したり、『脾胃』を温め、『温中散寒』してあげるとよいとされています。そこで、今週は、『脾』をサポートし、『気』を補い、『散寒』することで、体を温める食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【レンコンのすり流しいり五目味噌煮込み】です。逆にNGな習慣は、気合を入れるために頻繁に登場する【エナジードリンク】を飲む、です。食薬ごはん【レンコンのすり流し入り五目味噌煮込み】レンコンには、胃の粘膜を保護する働きやタンパク質や脂肪の消化吸収を助ける働き、バリア機能を高める働きがあるので、『脾』のサポートをしつつ『気』を補うことができます。さらに具材として、『散寒』に働くニンニクや『脾気』を補うニンジンや鶏肉、大根などの具材を取り入れて作るトロトロのスープがいいのです。<材料>鶏肉の細切れ150g大根やこんにゃく、ニンジン、ゴボウなどお好みで300g程度(一口大に切る)ニンニク1片(スライス)酒50ml味噌大さじ1くらい水200mlレンコン5㎝(すりおろす)<作り方>材料をお鍋に入れ、煮込んだら完成。NG行動【エナジードリンク】の飲みすぎ調子が悪い・だるい・集中できない…となると、カフェインが入った冷たいエナジードリンクに頼る人も多いのではないでしょうか。今の時期、自律神経の乱れやお腹の冷えなどで胃腸の調子が悪かったり、免疫が低下している人も少なくありません。そんな時に、エナジードリンクに頼りすぎてしまうとカフェインによる胃への刺激により、胸やけやお腹の張り、腹痛や吐き気など胃の不快感を感じることもあるようです。また、飲む時間が夕方以降になると、睡眠の質を低下させ、丈夫な体を維持するための妨げとなってしまうことも。今の時期はとくに体調を崩しやすいので、エナジードリンクで元気の前借りをするのではなく、ダメージを受けやすい胃腸の働きをケアすることで、根本的な元気を目指していきましょう。胃腸の不調は、どんな不定愁訴を感じた時にでも、初期の段階にケアすべき部分です。体の基礎となる部分なので、早期解決を目指しましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©panchanok/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月17日例年12月後半頃から流行するインフルエンザですが、今年はすでに流行が始まっています。毎年感染症にかかってしまう人や免疫機能の低下が気になる人は、今すぐ対策を始めることをおすすめします。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、インフルエンザに感染する原因となるNG習慣と、すぐにできる対策を教えてくれます!免疫機能の低下が気になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 239コロナ渦の3年間は、インフルエンザに感染する人はかなり減っていましたが、今年は非常に増えてしまっていますよね。それに加え、また新型コロナウイルスに感染する人が増えてきてしまったら、免疫機能が低下している人は何度も様々な感染症にかかってしまうかもしれません。そうなれば、つらい日々を過ごすことになり、心も体も疲弊してしまうでしょう。そうならないようにするためには、体の基礎作りがとても重要です。もうインフルエンザにかかってしまった人も、毎年感染症にかかってしまう人も、食事・睡眠・運動のレベルをワンランクアップしていく必要があるのではないでしょうか。ということで今回は、インフルエンザにかかりやすいタイプ、そして、その対策について、食事の観点から解説し、効果的な食薬習慣を紹介していきます。今週は、インフルエンザ対策のための食薬習慣例年であれば、年明け頃からインフルエンザが流行するとされていますが、今年は一足早く流行が始まっています。また、インフルエンザは経験されているかたも多いと思いますが、ワンシーズンに何度もかかってしまうかたもいらっしゃいます。その一方で、一度もかかったことのないかたも一定数いますよね。あなたはどちらでしょうか。この違いは免疫機能の違いですが、漢方医学では『気虚』や『腎虚』の人が感染しやすいとされています。たとえば、朝、昼の食事を適当に済ませ、夜だけがっつり食べたり、ストレスが多く、日中クッキーやスナック菓子や菓子パンなどを食べたりしている人、また、毎日晩酌で気分転換したり、会社やスーパーの往復など最低限の運動量で毎日過ごしていたり、深夜までSNSや動画などを見ている人などがこれに当たります。自身の食事・運動・睡眠・ストレスなどの状態に配慮しておらず、自己管理ができていない人が『気虚』や『腎虚』になりやすく、インフルエンザにかかりやすいタイプと考えられます。ということで、今回は『補気』と『補腎』のために役立つ食薬をおすすめします。今週食べるとよい食薬は、【牡蠣と玉子のチゲスープ】です。逆にNGな習慣は、腸内環境を乱す【気分転換のクッキーやスナック菓子】です。食薬ごはん【牡蠣と玉子のチゲスープ】『腎』や『気』のサポートとなる亜鉛やマグネシウムなどミネラルを豊富に含む牡蠣の料理を取り入れましょう。そして、体を温めるカプサイシンを含み、免疫の要となる腸内環境を整える発酵食品であるキムチを合わせ、アミノ酸スコア100のフワフワ玉子を加えることで『補気』できるスープがおすすめです。<材料>トマト1個(さいの目)キムチ60g豆腐半丁(スプーンですくって一口大)水400ml牡蠣6個味噌大さじ1~2すりゴマ大さじ1溶き玉子2個<作り方>味噌と溶き玉子以外の材料をお鍋に入れ、ひと煮たちさせる。味噌をとき、溶き玉子を加え、玉子が固まったら完成。NG行動【気分転換のクッキーやスナック菓子】市販のクッキーやスナック菓子は、砂糖や異性化糖、人工甘味料×小麦粉×酸化した油などでできているものが多いです。習慣が体を作ることは、皆さんご存じだと思いますが、毎日の気分転換やストレス発散として、そういったものを食べる習慣を身に着けていたら、健康から遠ざかってしまうことはイメージしやすいのではないでしょうか。これらは、免疫機能を整える上で大切な腸へのダメージを与える食材です。そのため、口内炎やヘルペス、ものもらい、カンジダ膣炎などになりやすく、最近免疫が低下しているのではないか…と考える人は、控えることがベターです。人の往来が増え、忙しい年末年始へと向かっていきます。ウイルスと出くわす機会も多く、生活習慣が乱れる機会も多くなる時です。自分の体は自分で守ることができるように、家庭でのご飯は、体をいたわるご飯になるようにしたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©akaricream/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月10日11月に入り、1日の寒暖差が気になる人は多いと思います。男女を問わず、冷えや冷えに伴う頻尿、腰痛、肩こりなどの不調に悩む人も多いはず。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、冷え性の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!男女とも冷えは大敵!冬本番前の今から対策を【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 238数年前に“いい女ほどタイツのデニール数は少ないらしい”説が浮上していましたが、実際のところどうでしょうか?肌色のタイツの上に薄いタイツをはいて工夫する方もいらっしゃいますよね。私自身は、160デニールなどなるべく分厚いもので温かく安心して過ごしたいタイプです。ですが、これから寒くなるにつれておしゃれの幅も広がり、デニール数が少ないストッキングをはいたり、鎖骨を出したり、コートの下にノースリーブを着たり、防寒と真逆の服装をしてみたくなることもあるかもしれません。そこで今週は、徐々に寒さが厳しくなり、寒暖差も実感する気候の中で、冷えずに温かくすごすための食薬習慣を紹介していきます。今週は、冷えの対策となる食薬習慣寒い季節には、冷えるという感覚以外にも血流が悪くなって足がむくんだり、血管が収縮し指輪が緩くなったり、トイレが近くなったり、膀胱炎や膣カンジダなどの症状を感じたりすることがあります。これからの時期は、外からの防寒も大事ですが、体内で熱を作り出す力が欠かせなくなります。冬のオシャレで我慢をしないように温活アイテムを活用しつつも、体を整えることでポカポカな体を維持していきたいですね。漢方医学では冷えやすい体質の一つとして、底冷えしやすく一度冷えるとなかなか体が温まらないという状態を『脾腎陽虚』といいます。その場合、消化器系統の働きをサポートしつつ栄養を補給し、効率よくエネルギーを作り出すようにします。ということで、今週は一足早い温活の一環として胃腸の働きを助け『脾』の働きを強化し、マグネシウムや亜鉛、ビタミンDなどを補いつつ、十分な睡眠をとることで『腎』を強化することがおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【鱈とキノコのみぞれ鍋】です。逆にNGな習慣は、代謝ビタミンであるビタミンB群を消耗していく【ラーメンとビール】です。食薬ごはん【鱈とキノコのみぞれ鍋】胃腸の働きを助ける大根おろしとナメコを活用したお鍋を紹介します。なめこのトロミは保温性が高く、トロトロでポカポカのお鍋に。栄養の消化吸収機能を高め、『補脾』することで体の土台作りをします。そして、高タンパク、低脂質で、ビタミンD、ビタミンB群などを含み、消化によい鱈を活用し『補腎』していきます。冷え対策に欠かせない『脾腎』を元気にするお鍋です。これからの季節、お鍋の機会が増えると思いますので、ぜひお試しください。<材料>なめこ80g鱈2-4切れ白菜やしめじなど好きな野菜塩昆布・醤油・酒・みりん大さじ1水500ml大根おろし好きなだけ<作り方>大根おろし以外をコトコト煮込み、最後に大根おろしをのせて、お好みでネギを添えて完成。NG行動【ラーメンとビール】の食べ過ぎ・飲みすぎラーメンやパスタなどの糖質を多く含む食材や、ハイボール、ワイン、ビール、日本酒などのお酒は、体内で分解するためにビタミンB1やナイアシンなどのビタミンB群、カルシウムなどを消耗していきます。ビタミンB群は、代謝ビタミンとも呼ばれ、エネルギーを作り出すために必要不可欠な栄養素です。そのため、冷えを感じるときには、ビタミンB群のサプリを補うことがありますが、足りないものを足すだけではなく、消耗してしまう原因を突き止め、避けることも同時にできるとよいですね。まだ、寒さは始まったばかりです。これから長い冬がはじまり、暖房やカーディガン、腹巻、レッグウォーマー、カイロなど様々な防寒グッズに頼り、なんとか冬越えするということも多いかもしれません。ですが、寒さの始まりでもある今の段階からコツコツと自ら熱を作り出せるように体を整えていくことは、健やかに冬越えできる可能性を高めてくれます。冬本番になる前の今のうちに、習慣の見直しをしてみてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©こんざい/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月03日前日よく眠れなかった日や、休むほどではないとは感じる絶妙なレベルの体調不良の日。休めるものなら休みたい、と思うシーンはあっても、周囲への影響や受け取られ方が気になって、無理してがんばってしまった経験……ありますよね。女性が休みを取れない背景には「休みは周囲に迷惑をかけてしまうという無意識での思い込み」……ギルティバイアスが関係しているといいます。10月26日、鎮痛薬『EVE』などを展開するエスエス製薬は「休息と回復を認め合う社会」を実現するために、女優の菜々緒さん、お笑い芸人のカズレーザーさんとのトークショーを実施。日々忙しく働く二人と「休みたい時に休むために、何ができるか」を語り合いました。■メイク中涙が止まらなくなったことも……菜々緒も「休みづらさ」語るトークショーのテーマとなった「休息と回復」は、自分自身が持つ本当の力を引き出したり、魅力を高めていったりするために必要不可欠なこと。けれど、周りから求められる期待に応えたり、やらなくてはいけないことをこなしたりしているうちに、後回しにしてしまいやすくもあります。ワークライフバランスを大切にするべき、という考え方はどんどん広まっているものの、いざ休みたい時、急に周囲のことが気になってしまったり、罪悪感が生まれたり……。ネガティブなギルティバイアスが、私たちを健康的な状態から遠ざけてしまいます。心も身体も力がみなぎっていれば、心地良い毎日を過ごせるはず。当たり前のことにも思えるけれど、みんなの行動が変わっていかないと、ギルティバイアスも無くなりません。トークショーに登壇した菜々緒さんも、休日は「家の外には一歩も出たくない」と感じてしまうのだそう。女優として活動していると、オフの頻度もまちまちになりがちで、まとまって休むことができないまま、数カ月以上過ごしてしまうこともあると言います。「メイクしてもらっている間に、涙が止まらなくなってしまった時もありました。やる気いっぱいと思っていたはずなのに、身体は自分が思っている以上に疲れていて、自分の心に身体がついてこない時がけっこうありました。だけど急には休めないし、カメラの前に出れば、やっぱり笑顔でいられるようにがんばってしまいます」だからこそ休日は家に引きこもって、好きなものを食べたり、好きな香りに包まれたりして、自分をリラックスできる状況を1秒でも長く作ってあげるのが、菜々緒さん流のストレス解消法だと言います。対するカズレーザーさんは「休みたい時には、休みたいとはっきり伝える」と回答。似た職業の二人でも、性格や環境でまったく違う回答をしていたのが印象的でした。■「休息タイプチェック」で自分に合った休息方法を診断エスエス製薬が行った調査によれば、本当は休みたくても周囲を気にして休みを取れなかった経験のある女性は、全体の7割を占めました。しかしその反面、女性の休暇取得をポジティブに考えている人も増えているのだそう。この結果を見て、菜々緒さんは「やっぱり、日本の女性はまじめな方が多いですよね。まじめさゆえ、こういった思い込みにも繋がりやすいのではないかと思います。日本ってコンビニは24時間開いているし、便利だなと思うことも多いけど、逆に考えれば、働く人は大変ってことですよね」とコメント。そしてカズレーザーさんは「注目すべきは、女性の休暇取得をポジティブに考える人が多いという事実ですね。多くの方がポジティブに考えているのは非常に喜ばしいですが、そういった方が9割もいる中でも、1割のネガティブな人たちが“なぜ休むんだ”と口に出してしまうから、その声が目立ってしまう。ネガティブな人をいかに少なくしていくかがカギになりそうです」と回答。ギルティバイアスを無くしていくためには、社会全体の変革が問われますが、私たち一人ひとりにとっては、まずは自分の身体を休息させる機会を持つことが最優先事項。そこでまず、エスエス製薬が展開した『7つの休息タイプチェック』で、菜々緒さんとカズレーザーさんが自身に合った休息タイプを診断しました。チェッカーを使うと、その人に必要な「休息タイプ」を診断できます。身体の休息、心の休息、感情の休息など、その人に必要な休息のカタチや、疲れの解消方法を知ることができます。診断の結果、がんばりがちな菜々緒さんは「心の休息」、比較的ストレスが少なかったカズレーザーさんは「魂の休息」が必要なことが分かりました。どんなにストレスの少ない人も、休息が「必要無い」というわけではありません。診断ではストレスが少なめな回答が多かったカズレーザーさんですが「休むのはあたりまえのことなので、休めないことがヤバいことだと、すぐに気づかないといけない。自分の心の声に耳を傾けることが大切」と話しました。■「休む理由」は自分の中にある。周囲に伝えていくことが大切菜々緒さんとカズレーザーさんと一緒にギルティバイアスについて学び『7つの休息タイプチェック』を行ってみると、私たちの「休みづらさ」の理由や、休息の大切さを再確認することができました。トークショーの最後には、二人からこんなアドバイスも。「30代になってから、20代の時のようながむしゃらな気持ちだけではダメだと感じます。言わなきゃ伝わらないことってたくさんあるから、サポートを受けるためにも、自分がどうしたいか、周りに伝えることも大切。お互いに理解して、補い合える世の中が良いですよね」と菜々緒さん。カズレーザーさんも「事実を事実として捉えるのが大切。他者の気持ちを勝手に解釈してしまうより、休む理由を自分で作った方が良いですね。その理由を言って、休むのが一番良いと思います」とコメント。ギルティバイアスをネガティブに受け止めすぎず、自分の中の「休む理由」を大切にして、気持ちを周囲に伝えること。これができれば、不必要に我慢したり、がんばりすぎて体調不良を引き起こしたりすることも無くなりそうです。二人のアドバイスを参考に、自分の中の「休息」を大切にしたくなる、すてきなトークショーでした。『7つの休息タイプチェック』は、11月11日にWEBで公開予定です!(取材・文:ミクニシオリ)
2023年11月02日秋は乾燥、むくみ、冷えなどを感じやすい季節。体の潤いが不足し、シミやシワに悩みはじめる人も多いと思います。秋冬の不調対策もエイジングケアも、どちらも気になりますよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、老化の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!秋冬の潤い不足でシミやシワが気になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 237鏡を見るたびに、目元や口元、首などのシワが目に付いたり、手の甲がシワシワでくすんでいたり、ちょっと小走りするだけで息が上がったり、無茶すると翌日疲れがどっと出てきたり、「よっこいしょ」と言う回数が増えたり…最近、年齢を感じてきたなと感じることはないでしょうか。だんだん日が短くなると漢方医学では、エイジングケアをするシーズンであると考えます。太陽の恩恵が陰り始めるこの時期には、体内年齢を決めるとされている『腎』の働きが低下しやすく、乾燥、慢性疲労、耳鳴り、腰痛、むくみ、冷えなどを感じやすくなるからです。そのため、秋冬の不調をその場しのぎで乗り切るのではなく、根本的に解決していくことは、老化防止につながる行動であることも多いのです。そこで、今週は老け込みやすい秋冬にできるエイジングケア対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、秋冬の老化対策となる食薬習慣テラス席で、お茶をするのが気持ち良い季節になりました。外が肌寒い日でも、景色が良く見渡せる窓際席を選びたくなることもありますよね。心地よい風の中、息抜きをするのもこの時期の楽しみです。ただ、最近、小鼻や唇、目元、指先など細かい部分の乾燥が気になり始めてはいませんか?また、外出時に紫外線対策を忘れていることはないでしょうか?秋は、乾燥しやすく美肌を保つために保湿の努力が必要となりますが、それだけではなく、紫外線対策も欠かすことができないポイントなんです。紫外線には種類がありますが、シミやシワなど老化を加速するUVAは、秋にもそれほど減るものではないからです。テラス席や窓際席で秋を満喫するときには、紫外線対策も気を付けたいですね。そして、漢方医学では、秋冬には体から潤いが不足する『肺腎陰虚』になりやすいと考えられていて、シミやシワ、髪の毛のパサつきなどを感じ老化現象を実感することが多いとされています。そこで、今週は『陰』を補いエイジングケアをする食薬を紹介していきます。今週食べるとよい食材は、【鮭と梅干しのワカメごはん】です。逆にNGな習慣は、老化の原因となる糖化を加速させる【ピザ・グラタン・ドリアなど】こんがり焼いたAGEsが多い食材です。食薬ごはん【鮭と梅干しのワカメごはん】強い抗酸化作用のあるアスタキサンチン、オメガ3脂肪酸、タンパク質、ビタミンB群を含むことでスーパーフードともいわれる鮭は、エイジングケアに役立つ『陰』を補う食材。そこに胃酸の分泌を促す梅干し、そして腸内環境を整えるゴマやワカメ、生姜をたっぷり加えて作ります。消化吸収まで考えた炊き込みご飯です。<材料>鮭 1切れすりゴマ 大さじ2梅干し 1個(包丁で叩く)生姜 1片(千切り)乾燥ワカメ 大さじ1(細かくする)醤油・みりん各小さじ2米(もち麦) 2合水適量<作り方>材料を炊飯器に入れて炊けたら混ぜて完成。NG行動【ピザ・グラタン・ドリアなど】こんがり焼いたものの食べ過ぎピザ、グラタン、ドリア、ベーコン、フライドポテトなど高温で調理したものや加工食品には、老化や生活習慣病の原因になるといわれているAGEsが多く含まれています。そのため、糖質が多いものだけではなく、お肉や魚などを食べる場合でもなるべく、短時間でシンプルな調理をした料理がよいといわれています。エイジングケアのために一生懸命スチーマーをかけたり、基礎化粧品を厳選して使ったり、朝晩のお肌のケアに時間をかけたりと美容を気にしているかたは、とくに体の内側からのケアも気にすることで、エイジングケアをより効率的なものとしていただけたらと思います。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Good Studio/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月27日秋はじつは、便秘や硬くコロコロとした便が出る人が増える季節。その原因は、日々の食生活や生活習慣にあります。さらに、肌寒くなるこの時期に、ぬくぬくしながら食べたくなる食べ物にも一因があるのだとか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、便の状態を乱すNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!便秘・コロコロ便が続いていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 236肌寒い季節が始まり、ぬくぬくすることに幸せを感じる時間が増える季節になりましたよね。就寝時には久しぶりに加湿器を稼働させたりと、季節が変わりゆくことを日々実感します。そして、寒くていつまでも眠っていたい朝には、焼き立てのクロワッサンやデニッシュ、温かいカフェオレやカップスープなどが癒しになることもあるかもしれません。ただ、乾燥した空気、急な冷え込みと、体調を崩してしまう要素も同時に少しずつ増えていきます。そんなときには、カラダに朝を知らせ、腸内環境を整え、一日を元気に過ごせるように、活力を与える朝食の習慣が大切です。とくに朝食は、そもそも食べなかったり、食べたとしても毎日同じものを食べたりとパターン化されてしまうことが多いもの。健康に気を付けた食事をしていきたいときには、食物繊維やタンパク質の不足がないよう、真っ先に見直すポイントとなります。また、朝食をおいしく食べるには、夕食の量、内容、時間などのコントロールをすることで、胃腸の負担を朝まで引きずらないことも大切です。もし、コントロールできない場合には、便秘になったり、固い便がでたり、ニオイがきつく便器にくっつくような便が出たりと、便の状態に様々な変化が現れます。自分の食事の内容が適切なのかどうかは、便の状態を把握することもヒントとなります。ということで、今週は健康管理の上で見逃せない、便の状態を整える食薬習慣を紹介していきます。今週は、便秘・コロコロ便の対策となる食薬習慣最近、スルッとした便はでていますか?漢方医学では、この時期は便秘になりやすく、腸内環境が乱れることにより、肌トラブルや免疫力の低下を感じることが増えるとされています。秋に食べたくなる食材は、どちらかというと糖質や脂質が多い、こってり濃厚な食材が多いと思います。サツマイモや栗を使ったクロワッサンやクリームたっぷりのデニッシュ、お湯に溶くだけでできるホッコリするスープ、濃厚クリーミーなカプチーノなど、温かさを感じられる食べ物が欲しくなります。これらの食材を立て続けに食べるときには、腸内細菌と共存していることを思い出し、便の状態までたどって考察してみるのがおすすめです。食べ過ぎた時には、ベットリしたニオイのきつい便やスルッと出ない残便感を感じる便などが出てきてしまうことが多いはずです。この状態が続くと、漢方医学で考える喉や鼻が敏感になり免疫が低下してしまう『肺陰虚』やアレルギーや咳などの炎症を起こしてしまう『湿熱』などを感じることがあるといわれています。ということで、今週は、『肺陰』を補い『湿熱』を除去する食薬を紹介していきます。今週食べるとよい食薬は、【ゴボウとアサリの味噌汁】です。逆にNGな習慣は、『湿熱』を生じさせる【クロワッサン・デニッシュ】を朝の定番とすることです。食薬ごはん【ゴボウとアサリの味噌汁】ゴボウとアサリ、ニンニク、ネギを組み合わせることで、腸内環境、肝臓の働きを整え、便秘、アレルギー、貧血、むくみなどの対策やデトックスにも役立ちます。特にミネラル豊富なアサリによって『陰』を補い、ゴボウによって『湿熱』を除去します。便通がいまいちというときには、朝食の味噌汁習慣をはじめてみましょう。<材料>アサリ150gニンニク2片(スライス)ネギお好みでゴボウ1/3本(輪切り)水400ml味噌大さじ1くらいみりん小さじ2<作り方>材料を煮たら完成。NG行動【朝食のクロワッサン・デニッシュ】便の状態は、カラダの状態を教えてくれる通信簿です。もしも便の状態があまりよくなかったり、便秘薬で便をだしているという場合には、朝食の見直しをしてみましょう。パンよりはお米。そして、食物繊維の摂取も当然ですが忘れてはいけません。パンをメインにした食卓からは、食物繊維やタンパク質が不足しがちです。調子が悪い時だけでも、ごはん、味噌汁、サラダ、鮭のような旅館の朝食をイメージした食事を準備してみましょう。毎日のことだから、そんな手間がかかることは、無理!とはじめから諦めてしまってはいないでしょうか。毎日のことだから、積もり積もってカラダに大きな影響を与えてしまうものでもあります。全部を一気に変えることは難しいですが、1つずつ良い方向へ変化できるポイントを探し、1か月に1つ程度でもよいので、体に良い習慣を増やしていけると、1年後には12個も良い習慣が身に付きますよね。一度に変化させることを目指すのではなく、習慣化させることを目指していけるとよいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©panchanok/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月20日女性たちが付き合っていかなければならない、月経(通称:生理)。個人差はありますが、生理痛や、生理が始まる数日前から心身に不調をきたすPMS(月経前症候群)などに悩む女性は多いといいます。オムニウッチー(omni_uttii821)さんは、PMSの症状に日頃から悩まされているとか。種類がさまざまなPMSの症状を、あるものにたとえた漫画を投稿し、共感を呼んでいます。生理前の不調を『アレ』にたとえると?PMSの症状は『情緒不安定』『イライラ』『激しい眠気』など200種類以上あるといわれており、どんな症状が出るかは人によってさまざま。また同じ人でも、月によって症状が違います。そんな規則性がないPMSの症状を、投稿者さんは、カプセルトイにたとえたのです…!生理が近付くたびに、強制的にカプセルトイをやらされる理不尽さは、PMSの症状に悩む女性の心情を分かりやすく表現しています。漫画には「めちゃくちゃ分かる」「まさにこれ」といったコメントが寄せられました。・私も生理前の症状は「何が出るかな」状態です。大変ですよね…。・症状なしのスーパーレアがあったらいいのに。・すごく分かります。私は毎回、4つくらい同時にカプセルが出てくる。・共感しかないし、たとえが面白い!毎月のようにランダムなPMSの症状と付き合っていくのは、大変なもの。PMSの症状によって日常生活に支障をきたす場合は、病院を受診するのも1つの手でしょう。生理前のカプセルトイをまわした時には、無理をせず、自分の身体を労わって過ごしたいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年10月19日夜が長くなり、哀愁漂う秋。なんとなく不安感や寂しさ、生きづらさを感じることはありませんか。なかにはどっぷり落ち込んでしまう人もいるかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、心を不安定にさせるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!秋になると寂しさ、生きづらさを感じるのはなぜ?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 235寒いなと感じたら、すでに10月だった…と時が過ぎるスピードの速さに驚くかたも多いかもしれません。そう、今年も残すところ3か月を切ったのです。今年、自分は何をしたんだろうか、今年の残った時間で有意義なことができるのだろうかと、理由もわからず不安感や寂しさ、切なさ、生きづらさなどを感じてしまうタイミングがチラホラと出てきてしまうのがこの時期。ただ、漢方医学でもこの時期には、悲しさや切なさを感じる人が増えるということが、はるか昔から言い伝えられてきました。なので、悲しいなと感じたら、秋が始まった合図なんだなと考え、秋のレジャーや読書、食、スポーツなどを楽しむ準備をしていくのが理想ですね。そこで、今週は秋を楽しむ準備をししつつ、寂しさや生きづらさの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、寂しさや生きづらさを感じた時の食薬習慣涼しくなると秋特有の切なさ、悲しさ、生きづらさを感じることがあります。これは、昔から統計的によくあることとして、漢方医学では季節の風物詩のように考えられています。皆さんは、そんな感覚になったことはないでしょうか。どんな時でも、安定して明るく元気!というかたもいらっしゃるかもしれませんが、多くの人が秋の心の変化を感じたことがあると思います。今年も終わりに近づいてきたなと実感し、今年残された3か月に対して、再度どんなふうに活用しようかなと目標設定するための心からのお知らせだと考えても良いかもしれませんね。ただ、生活に支障が出るほど気分が落ち込んだり、涙が出てしまうような場合には、対策が必要となります。漢方医学では、『肺』が弱いタイプの人にこういった感情が強く表れやすいと考えています。どんなタイプかというと、腸内環境が乱れているタイプの人です。季節の変わり目に喉がやられたり、感染症にかかってしまうこともあるタイプです。そこで、今週は『肺』を強くし、心と体の基礎を丈夫にしていくために『気血』を補うことをおすすめします。ということで、今週食べるとよい食薬は、【鮭とキャベツの味噌蒸し焼き】です。逆にNGな習慣は、『胃熱・湿熱』を生じさせる【カップラーメンや総菜パン】を常食とすることです。食薬ごはん【鮭とキャベツの味噌蒸し焼き】消化を助ける働きやストレスで大量発生する活性酸素の除去に役立つ働きも兼ね揃えている『気血』を補うレシピ。また、キャベツや味噌、マイタケなど腸活に役立つ食材をふんだんに使うことで、腸内環境を整え、秋に弱くなりやすい『肺』の働きをサポートしていきます。<材料>キャベツ6枚鮭2切れ舞茸1パック味噌・みりん各大さじ1水・酒各大さじ2<作り方>1.フライパンにキャベツと舞茸をしいて、鮭をのせる。2.調味料を溶き、全体に回しかけ、10分くらいしたら完成。NG行動【カップラーメン・総菜パン】3回の食事のタイミングは、空腹と欲望を単純に満たすのではなく、足りなくなってしまった栄養素を補充するタイミングでもあります。そのため、カップラーメンや総菜パンを食事とみなすのではなく、嗜好品と考えることが体を元気にするための基本となります。とくに心が不安定なときにはカップラーメンや総菜パンだけで食事を済ますというようなことは、なるべく控えておくことが理想です。寒くなるにつれて、寂しさや生きづらさを感じることは、秋の特徴としてよくあること。とはいえ、季節に翻弄されっぱなしでいるよりも、自分で主導権を握り季節を楽しむように生きる方が楽しいと思います。気の赴くままに楽なものを食べるのではなく、体の内側から元気になるような食事を取ぜひり入れていくようにしましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©shima/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月13日暑い夏が過ぎて、一般的には過ごしやすい季節となる秋。そんな季節でも、頭痛や肩こり、だるさなどの不調に悩まされる方がいます。実は注意すべき意外な原因のひとつは、「気圧」。今回は、秋に起こりがちな不調の原因について解説します。秋に起こる不調は「気象病」のひとつかも季節の変化や天候など、気象条件によって体に起こる様々な不調を、一般に「気象病」と呼ぶことが増えています。正式な医学の病名ではないのですが、こうした環境の変化が体に及ぼす影響は大きなもので、実際に様々な不調のきっかけとなることがあります。秋に起こりがちな気象病秋は暑い夏が過ぎて、また冬ほど寒くもないことから、一般的には過ごしやすい季節とされていますよね。それにもかかわらず、気象病をおこしてしまう場合もあります。秋に気象病を起こす原因は大きく分けてふたつあると考えられます。1.気圧の変化秋も台風が来たり、秋雨前線が停滞したりと、低気圧による影響が出やすいことが考えられます。気圧が変動すると、耳の奥にある内耳という部分が刺激され、脳の自律神経中枢である視床下部に刺激が伝わり、自律神経に負担がかかる可能性が。自律神経系に一定以上のストレスがかかってしまうと、様々な体調不良につながります。2.日照時間が減少することによる影響人間は日光を浴びることで、体内でメンタル安定ホルモンであるセロトニン(※1)を合成します。セロトニンの一部は、さらに体内で睡眠を司るホルモンのメラトニン(※2)にも変換されます。日照時間が少なくなると、セロトニンやメラトニンが不足状態になることで、気持ちが不安定になったり、不眠を起こしたりすることも。こうしたホルモンバランスの変化は、自律神経の負担になることがあります。夏に受けた夏バテのダメージが残っている場合は、さらに症状が出やすくなることも考えられますね。秋の気象病でよくある症状とは?1.頭痛頭痛のなかにも様々な原因がありますが、特に片頭痛において、自律神経中枢である視床下部との関連が指摘されています。そのほか、片頭痛以外で頭痛の原因として大きな割合を占める緊張性頭痛でも、自律神経の乱れによって症状が強くなったり、頭痛の頻度が増えたりする可能性があります。2.肩こり肩こりは肩の筋肉の疲労やこわばりといった筋肉の問題と思いがちなのですが、実はここにも自律神経が関わっています。気圧の変化や天候、ホルモンバランスの乱れなどが総合的に影響することで、無意識のうちに体のストレスが高まり、首や肩に力が入って緊張してしまうことが考えられます。また、日照時間が短くなることで睡眠が浅くなると、疲れが十分とれず、これも肩こりを悪化させることが考えられますね。3.だるさだるいことを医学的には倦怠感といいますが、倦怠感は様々な病気のサインでもありうる症状で、考えられる原因は幅広いです。気象病の症状としてもだるさを感じる場合があります。また、晴れの日でも日照時間が短くなる季節や、秋の長雨の最中などは朝もあまり明るくならず、すっきり目が覚めにくくて眠気が残りがち。セロトニンも減少しやすく、抑うつが強まってしまい、それがだるさとして感じられる場合もあるでしょう。しっかり休息を取って心身を整えよう今回ご紹介したような症状は、気象病以外でも起こりうるものです。そのため、まずは内科で精査して、異常がないかどうかをチェックしてみましょう。気象病が原因と考えられる場合は、自律神経が整うような生活を工夫してみてください。大切なのは、生活リズムを整え、適度に運動し、良質な睡眠をとることです。無理せず休息をとることも意識してくださいね。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット セロトニン※2 厚生労働省.e-ヘルスネット メラトニン©itchaznong/Adobe Stock ©studio I.M.S/Adobe Stock ©Pixel-Shot/Adobe Stock筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年10月10日学生時代から、生理前のPMSや生理中の不調など、ホルモンバランスに振り回されてきた私。40歳になってからも、とにかく朝から晩まで不調続き。婦人科に相談しに行くと、「自律神経」が原因かもと言われました。自律神経を整える方法について調べ実践していくうちに、だんだんと体調に変化が!?息子のチック症発症をきっかけに婦人科を受診高校生のころから生理痛がひどく、社会人になってからは生理前のPMSも加わり、生理やホルモンバランスの変動に振り回されてきました。ピルなども試しましたが、どれも体に合わずに断念。40歳になってからは、不調がさらに悪化。排卵日前後には体中が痛くなり、気分が落ち込む。排卵が終わればPMSでイライラしてネガティブに。生理が来れば、激しい腹痛と吐き気、腰の痛み。生理が終わるころには、体中の鉄分がなくなってしまったかのように貧血っぽく、常時めまい、吐き気、ぐったりして寝込む……。1カ月のほとんどが不調の連続です。なんとか折り合いをつけながら生活していたものの、離婚してシングルになり、息子が不登校で引きこもりになったため、私も家でぐったり寝込んだりイライラしたりしているわけにはいかなくなりました。繊細な息子は私の精神状態を敏感に感じ取り、ストレスからチック症を発症してしまったからです。このままではいけないと思った私は、婦人科を受診することにしました。婦人科で言われた思いがけない言葉に涙不調を改善するため勧められたのは、子宮の入り口に装着して直接ホルモンが作用するという薬でした。この薬は生理中の出血や腹痛を軽くするものだそうです。また、排卵日前後とPMSの不調については、ホルモンバランスを整える漢方で様子を見ましょうということになりました。残る対策は生理後の不調です。生理後の貧血による不調がつらいので、鉄分を補う鉄剤を処方してほしいと私が言うと「採血してみましょう」と医師。採血の結果、貧血はなく、「貧血ではないので鉄剤を飲んでも症状の改善には有効ではないです」と言われました。え? と私はがく然としました。私はどうにかしてこの不調を治したいと思って婦人科に来たのだから、このままじゃ引き下がれないと思い、「シングルで、ひとり息子が不登校で、今日婦人科に来るのもやっとだったんです。発達障害で、チックも発症してしまって……」と、関係ないことまで話しました。すると、「それは大変ですね。体調が悪くなるのは当然です。元々ある不調に精神的ストレスが上乗せされますからね。ひどくて当然。大変ですね」と医師。思いがけない言葉に、涙が出てしまいました。原因はストレス! 自律神経の乱れのせいホルモンバランスのせいで体調不良になっていると勝手に思い込んでいたけれど、私の場合は精神的なストレスで自律神経が乱れ、さらに不調がひどくなっていると医師に教えてもらいました。また、貧血のようにめまいが起きる原因は、「起立性低血圧」ではないかとのこと。これもストレスから起こる自律神経の乱れが原因の1つらしいです。私は早速、ネットで「自律神経整える」と検索したり、図書館で本を借りて読んだりしました。そして、自律神経を意識した生活を心がけるように。私が意識したことを簡単にまとめると、・深呼吸をする・ゆっくり動いて生活する・笑顔を作る・朝日を浴びる・軽い運動・ストレスを解消する工夫まず効果を実感したのが、深呼吸でした。気持ちが落ち込んで寝込んでしまったとき、ゆっくり深呼吸してみたのです。すると、目の前の霧が晴れたようにスッキリしました。お風呂でもゆっくり深い呼吸を意識しながら体を洗い、頭を洗いました。すると、毎回お風呂から出たあとはぐったりして座り込んでしまっていたのに、それがなくなったのです。また、意識して笑顔を作ることで、自然と楽しい気持ちになることも実感しました。まとめ心と体はつながっているという言葉をよく聞きますが、私はこのことを改めて再認識しました。私の場合、ストレスを感じて常に呼吸が浅くなっていたのかもしれません。深呼吸することによって、肺をはじめ体の隅々に酸素が行き渡ったように感じ、体や脳が動くようになりました。こんな基本的なことができていなくて、自律神経がうまく働かなかったようです。体調が悪いからなんとかしなきゃという焦りも、もしかしたら症状を悪化させてしまっていたのかもしれません。排卵日前後や生理前に体調が悪くなる日もありますが、前に比べると本当に快適に生活できるようになりました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。マンガ/山口がたこ著者/こんにゃく(40歳)40歳のシングルマザー。フリーランス。発達障害の一人息子は現在不登校真っ最中。毎日毎時間、いかに幸せに暮らすかを模索することが趣味。東京から大阪に移住し、山の風景に心癒やされる日々。
2023年10月08日なぜか便秘や下痢が続くとき、実は自律神経が乱れている可能性があります。今回は自律神経が乱れているときにどういった症状が現れるのか、どのような対策があるのか、医師の筆者が解説していきます。自律神経とはそもそも自律神経というのは、心拍数や消化活動など、私たちの体の機能を自動的に制御するものです。交感神経と副交感神経の2つがあり、お互いにバランスを取り合うことによって、身体の状態を保つ働きがあるんですね。一般的に、自律神経が乱れると、多くの健康問題が引き起こされる可能性があります(※1)。便秘や下痢に悩まされている人は…実は、自律神経の乱れが原因で「便秘や下痢」のような消化器系の問題が生じることがあります。これは、自律神経の働きのひとつに消化器官の動きをコントロールする働きがあるからです。便秘や下痢といった症状は、腸炎などの病気によって起こることがあります。ですが、腸炎などの病気がないにもかかわらず、便秘や下痢がある、便秘や下痢を繰り返している、人前で話すなどストレスのかかるイベントの前後で症状が強まるといった場合は、自律神経の乱れが原因である可能性も高いのです。自律神経の乱れと消化器系自律神経のバランスが整っていると、適切な消化活動が行われます。ですが、ストレス下などで交感神経と副交感神経のバランスの乱れが持続すると、便秘や下痢につながってしまうことがあります。一時的なものであれば問題ないですが、長期に渡って便秘や下痢を繰り返したり、腹痛を伴ったりする場合は、過敏性腸症候群(※2)のほか、何らかの消化器疾患の可能性もありますので、消化器内科を受診するのがいいでしょう。他の体調不良の予兆自律神経の乱れによる影響は、便秘や下痢だけではありません。例えば下記に挙げるようなものがあります(※1)。【全身的症状】だるい、眠れない、疲れがとれないなど【器官的症状】頭痛、肩こり、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、冷えなど【精神的症状】情緒不安定、イライラや不安感、うつなど自律神経が乱れる原因自律神経の乱れは、ストレス、過労、睡眠不足、不規則な生活、栄養不足など、さまざまな要因があるでしょう。なお、女性のほうが男性に比べて自律神経が乱れやすいとも考えられています。これは、月経に伴う女性ホルモンの変化が影響を及ぼしてしまうことがあるためです。体調管理の重要性体調不良の予兆に気がついたときには、無理せずに十分な休息と睡眠をとり、適切な食事や運動を心がけることが重要です。また、特に朝~午前中に日光浴をして体内時計をリセットするといいですね(※3)。日中は適度に運動を取り入れ、速やかに入眠できるサイクルを作ってください。ストレスを感じたときには、できるだけ早く解消できるように、自分なりのストレス解消方法を身につけておきましょう。こういった対策をすることで、自律神経のバランスが整いやすくなり、健康状態の改善が期待できるはずです。体調不良のサインを見逃さないように、日頃から自分の体調を注意深く観察しましょう。また、普段からバランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスをためない生活を心がけ、日常生活の中で健康管理をしていくことが大切ですよ。体調不良の予兆に気をつけ、健康を守ろう便秘や下痢を繰り返す場合は、自律神経が乱れているサインかもしれません。体調不良の予兆に気がついたときには、無理せずに休むようにして、バランスの取れた生活を心がけましょう。普段から健康管理を意識することで自律神経のバランスが整い、よりよい健康状態を保つことにつながります。また、ご紹介した対策を行ってもなお便秘や下痢の症状が続く場合は、消化器内科でしっかりと診察を受けるのがおすすめです。特に便が細くなってきた場合や、血便がみられる場合はすぐに受診しましょう。消化器系の病気があれば早めの診断・治療が大切です。特に病気がなく、自律神経の問題による過敏性腸症候群などの場合も、生活習慣の見直しとともに適切なおくすりを活用することで改善につながるはずですよ。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット自律神経失調症※2 厚生労働省.e-ヘルスネット過敏性腸症候群※3 厚生労働省.e-ヘルスネット体内時計©kei907/Adobe Stock ©New Africa/Adobe Stock著者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年10月08日人と会う機会も増え、口臭が気になっている人は多いはず。実は秋限定のお楽しみグルメにも危険が潜んでいるようで…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、口臭の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!人と話すときに相手や自分の口臭が気になることはありませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 234人と至近距離でお話していると、ちょっとクサいかも!と感じることはないでしょうか。ここ数年、マスクやzoom越しで人とのコミュニケーションを続けていたこともあり、久々に他人の口臭、そして自分の口臭が気になることもあるかもしれません。とくに糖質×脂質の組み合わせの食べ物は、私たちを幸せにしてくれるものですが、口臭が気になる人にとっては少し気を付けたい食べ物です。ただ、食欲の秋には、糖質×脂質の季節限定商品のレパートリーもどんどん増えていきます。魅力的な甘くて濃厚なサツマイモやモンブラン、パンプキンのラテなどのカフェメニュー、クリームとチョコレートをかけあわせたコンビニスイーツなどなど、いたるところで見かけるようになりますよね。日々をこなすように慌ただしく過ごしている人は、気が付いたら自分へのご褒美スイーツを毎日食べていたということもあるでしょう。ということで、今週は食欲の秋の幕開けに口臭に悩まされないように対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、口臭を予防する食薬習慣夜になると肌寒さを感じるこの頃、カフェメニューやコンビニでは、クリーム系やチョコレート系、チーズ系などのポカポカ感を連想させる食べ物に魅力を感じるようになりましたよね。ほんの数週間前までは、さっぱり・ひんやりしたものに魅力を感じていましたが、味覚の変化とともに季節の変化も実感していきますね。ただ、欲望通りに好きなものばかり食べている人は注意です。漢方医学では、甘いものやこってりした脂質が多く含まれたものを食べ過ぎると『胃熱』が生じると表現します。『胃熱』があると一度食べ始めると止まらなくなってしまったり、冷たいカフェラテや炭酸ジュースを欲したり、甘いものやはっきりとした味のものを好むようになる傾向があるといわれています。その結果、口臭が強くなったり、口内炎ができたり、唇が荒れたり、ニキビができたり…という不快症状を感じやすくなるといわれています。また、同時にストレスが多いときにも交感神経が優位になり、胃腸の働きが低下し、唾液の分泌も低下し、口臭が悪化しやすくなるといわれています。そのため、同時にストレス解消のために『理気』してあげることも大切です。ということで、今週、口臭や口内炎、過食に悩む人は『胃熱』を解消し、『理気』する食薬を取り入れましょう。食べるとよい食薬は、【リンゴとサツマイモのソテーレモン風味】です。逆にNGな習慣は、『胃熱・湿熱』を生じさせる【季節限定チョコレート系デザート】の食べ過ぎです。食薬ごはん【リンゴとサツマイモのソテーレモン風味】自律神経を整える『理気作用』と『健胃作用』のあるレモンと腸の調子を整えるリンゴ&サツマイモを使って『胃熱』の対策をしていきます。リンゴとサツマイモの甘みが強いので、お砂糖も不要です。5分くらいでできるので、甘いものの食べ癖がついている人は、試してみてくださいね。<材料>リンゴ1/2個(乱切り)サツマイモ1/2個(乱切り)みりん・レモン汁(酢)各大さじ1<作り方>リンゴとサツマイモをレンジで2分くらいあたためる。オリーブオイルかココナッツオイルでリンゴとサツマイモに調味料を加え、絡めながらソテーしたら完成。お好みでシナモンをかけてもOK。NG行動【季節限定チョコレート系デザートの食べ過ぎ】チョコレートが美味しい季節がやってきました。濃厚でクリーミーなマロン、焼き芋味などの季節限定チョコレートが増えてきますよね。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、口臭を防ぐ働きもあるといわれています。ですが、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールがほとんど含まれていないため、その効果が期待できるのは高カカオチョコレートと考えられます。また、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、砂糖や乳脂肪が多く含まれているので、逆に口腔内環境が悪くなり、口臭の原因となってしまうことまで考えられます。大切な用事があるときには、高カカオチョコレートがベターです。普段、口呼吸になっていたり、脂質と糖質の多い柔らかいものばかり食べていたり、ストレスが多かったり、胃の調子が悪かったり、口腔内の定期検診を怠っていたりすることも口臭の原因となります。どれも健康状態に影響する大切なことですよね。ニンニクや生のタマネギなどを食べた時以外で口臭が気なり始めたというときには、生活の見直しをしていきましょう。それが、健康管理につながります。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Mari Matayoshi/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月06日食欲の秋といえば、あれもこれもとおいしいものを食べたくなってしまうもの。ですが、この時期によく食べるものの中には、お腹の張りや臭いおならの原因となり、秋冬太りにつながってしまう要注意グルメがあるのだとか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、気をつけるべきNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!食べ過ぎたときのお腹の張りやクサイおならが気になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 233焼き芋やモンブランなど秋の食材を使ったスイーツにクリームパスタ、グラタン、ドリア、クリームシチューなど、体がポカポカしそうな濃厚な味わいで、想像しただけでお腹が減ってしまいそうな食材たちをいたるところで目にするようになってきました。秋の味覚を何から食べつくしていこうか迷ってしまいますよね。ただ毎日、甘くて、こってりしたものばかり食べていたら、気になってくるのがプヨプヨしたお腹やお尻のたるみではないでしょうか。秋冬といえば、イベントが多く、食べることも多く、ぬくぬくして一回り大きく成長してしまう人が多いと思います。もし毎年、寒い時期に太ってしまうという人は、今から気を引き締め、欲望にだけに従うのではなく、理性的に体形や体調の管理をしていきましょうね。そんな人のために、自分をセーブするための一つの指標として「お腹の張り」があります。お腹がポンポンに張ったり、臭いおならが出てしまうというときには要注意!ということで、秋のはじまりは、お腹の張り&おなら対策をすることがポイント。今週は、お腹の調子を整えて秋冬太りを予防する食薬習慣を紹介していきます。今週は、お腹の調子を整えて秋冬太りを予防する食薬習慣今年も食欲の秋がはじまりましたね。松茸や上海ガニなどの高級食材もありますが、ホクホクとしたお芋や栗、カボチャ、キノコ類、そしてカキ、イチジク、リンゴなどの果物、寒い時期に連想するクリームやチーズなどこってり濃厚系の食べ物もなじみ深いですよね。タンパク質や脂質、炭水化物など栄養バランスを乱さない範囲で楽しむのはよいと思います。ですが、限定品だから、旬だからといって食べ過ぎてしまうと、太りやすくなったり、便秘になったり、だるさを感じたりしてしまうことになります。秋は、食欲以外にも、読書や行楽、スポーツ、芸術などアクティブに楽しむことも想定されている季節。不快感はできるだけ減らしておきたいですよね。そこで、偏食や食べ過ぎた時に知らせてくれるポイントがあります。それは、おならや膨満感です。小麦を使ったもの、砂糖を使ったもの、油が多いものなどをたくさん食べ、食物繊維が少ない場合には、腸内環境が乱れ、お腹の張りや臭いおならを発生させてしまいます。また、口の中の舌を見ると、舌苔が増えたり、口臭が強くなったり、舌先が赤くなったり、舌自体がむくんでいることもあるかもしれません。漢方医学には、舌の状態をみて体調や生活習慣を予測する『舌診』というものがあります。何気なく過ごしていると、習慣化ゆえに偏食に気が付かないこともあるかもしれませんが、おならや便、舌の状態に違和感があるときは、偏食がないか見直しの合図と思い行動を改めてみてはいかがでしょうか。ということで、今週は偏食によって生じる『湿熱・痰湿』を取り除く食薬を取り入れてみましょう。食べるとよい食薬は、【タコとワカメの梅肉和え】です。逆にNGな習慣は、『痰湿・湿熱』を生じさせ、膨満感と秋太りにつながる【濃厚クリーム系パスタ&グラタン】などの食べ過ぎです。食薬ごはん【タコとワカメの梅肉和え】タウリン、鉄、タンパク質、食物繊維をたくさん含む組み合わせ。胃と腸の働きを助け『脾胃』を整え『痰湿・湿熱』を取り除く梅干し、ワカメ、ゴマがおすすめ。タコは刺身でも茹タコでもOK。すぐに完成する1品なので、こってりした味覚に慣れ始めてきたらお試しください。<材料>梅干し1個(包丁で叩く)タコ好きなだけ乾燥ワカメ大さじ1(ふやかしておく)醤油・みりん各小さじ1すりゴマ大さじ2<作り方>材料をよくあえたら完成。NG行動【濃厚クリーム系パスタ&グラタンの食べ過ぎ】この時期は、クリーム系のパスタやグラタンなどのラインナップがどんどん登場し、全種類食べたくなりますよね。連続的に食べていると、糖質過多になり、腸内では悪玉菌への餌付けばかりしてしまうことに。そして、単純にカロリーが高いだけではなく、糖質のとりすぎは、代謝ビタミンといわれるビタミンB群の消耗にもつながり、太りやすくなったり、疲れやすくなってしまいます。一日の中で1食偏食になるようなら、朝晩で調整したり、翌日の食事で調整したりと慢性的に続かないように気をつけましょうね。これから食欲の秋、忘年会、クリスマス、大晦日、正月、バレンタインと長期的に食べるイベントが続き、食べ癖がついてしまう機会が増えていきます。みんなで美味しいものを食べるときには、しっかり楽しんで、何もない日には、栄養バランスをとるように生活し、食欲をコントロールして秋とつきあっていきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©eddows/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月29日「妊娠したかもしれない」そんなふうに思うきっかけは人それぞれだと思います。生理が遅れている場合や、なんとなく熱っぽい場合、不正出血が起こった場合など。今回はそういった一般的な妊娠の兆候と、勘違いされがちな症状についてお話していきます。Q.生理が遅れている! これって妊娠?まず妊娠を疑う症状として挙げられるのが、生理の遅れです。妊娠すると生理が来ないため、毎月来ていた生理が突然遅れるとびっくりしてしまうと思います。実際に、妊娠すると生理はなくなるわけですが、一方で生理が遅れたからといって必ずしも妊娠していることを示すわけではありません。例えば、これまで生理が遅れることが全くなかった女性であっても、妊娠以外の原因で、生理が遅れてしまうことがあります。仕事や人間関係のストレスなどを受けて、ホルモンバランスが乱れてしまうことで、生理不順につながることがあります。その他にも、急激なダイエットをした場合にも生理の遅れにつながることがありますよ。Q.不正出血があった! これって妊娠?不正出血とは、通常の生理の期間以外の時期に起こる出血のことを指します。インターネットで検索すると、不正出血があった場合に妊娠の可能性があると記載されていることも多いことから、妊娠したのではないかと疑う人も多いようです。実際に不正出血が妊娠の兆候である可能性もありますが、必ずしも妊娠の初期症状として出血が起こるというわけではありません。実際、妊娠が原因で出血が起こる頻度は高くないと考えます。例えば着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床するときに起こる出血ですが、妊娠した場合にすべての女性が経験するというものではありません。不正出血の原因としては、炎症がある場合、子宮筋腫などがある場合、ホルモンバランスの乱れがある場合など、他の原因によるものの方が多いのです。Q.乳房が張りやすくなった! これって妊娠?妊娠初期症状として、乳房の張りを感じる人もいます。その他にも、お腹が張る、熱っぽいなども、妊娠の初期に起こりやすい症状です。こういった症状が起こった場合に、妊娠かもしれないと疑う場合もありますが、必ずしも妊娠とは限りません。例えば、ホルモンバランスが乱れて生理が遅れている場合にも、同じような症状が起こる場合があります。一般的に起こりやすいと言われている妊娠初期症状は下記の通りです。・おりものの量が増える・少量の出血がある・お腹が張る、胸が張る、乳頭に違和感がある・やたらと眠たくなる・においに敏感になる、胃がむかむかする・熱っぽくなる・めまいやふらつきを感じる・情緒不安定になる・食欲が増える、もしくはなくなるここで挙げた症状は、妊娠初期に起こりやすい症状ですが、必ずしも妊娠が原因とは限りません。もし、生理が遅れているのに加えて、このような症状が出てきた場合は、市販の妊娠検査薬でチェックしてみましょう。おわりに妊娠の兆候はたくさんあり、必ずしも妊娠というわけではないことが多いです。ただし、生理が遅れていて、気になる症状があった場合、妊娠の可能性がある場合には、市販の妊娠検査薬でチェックしてみるようにしましょう。気になる症状があった場合、例えば、不正出血があった場合など、妊娠ではなくても原因を精査したほうがよいこともありますので、その他の症状と合わせて婦人科で相談するようにしましょう。©︎nfuru/Adobe Stock©︎doucefleur/Adobe Stock著者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年09月18日むくみ、慢性疲労、肩こり、下痢や便秘…。夏の終わりにやってくるこうした不調は体に余分な水分がたまっているせいかも。脱・夏不調のために、体内の水分を調整する方法を医師の石原新菜先生が教えてくれました。日々の生活でちょっと意識を変えて水分調整。必要な水分量は人によって違うが、摂る水分と出す水分のバランスが大切と石原先生。「1日に出ていく水分は、尿や便、汗や呼吸で蒸発する分でおよそ2L。同量の水分が必要ですが、食事から摂る水分などをのぞき、飲み物として摂るのは1~1.5Lが目安です」。なんとなく飲むのではなく、汗をかいたりトイレに行ったら飲む、喉が渇いたら飲む。これを意識すること。そして、体を冷やさず、質のいい睡眠、適度な運動で巡りを改善!水分調整1お風呂で温め、汗を出す。シャワーで済ませず、湯船に浸かる習慣を。全身の血行が良くなり、水分や老廃物が汗として排出される。40°Cくらいのぬるめのお湯に10~15分ほど浸かれば、副交感神経が優位になり、寝つきが良くなる効果も。水分調整2ウォーキングで代謝アップ。運動不足もむくみの原因に。ウォーキングやストレッチなど有酸素運動を取り入れて代謝を上げれば、水分が排出されやすくなる。一方で、激しい運動は腎臓に負担をかけることも。無理のない適度な運動を心がけて。水分調整3良質な睡眠で腎を癒す。内臓の疲れを取り、充電するために大切な睡眠。睡眠時間が短いと腎機能が早く衰えるというデータもあり、7時間ほど眠るのが理想的。睡眠中は腎臓を休ませるために、寝る3時間前には食事を済ませよう。水分調整4腹巻きで胃と腎を温める。お腹を触ると冷たい人は多いはず。お腹の冷えは腎臓の冷えと機能低下につながり、水分が排出されにくくなり、また体が冷えるという悪循環に。腹巻きで温めることで胃腸や腎臓の働きが活発になって水はけが改善される。水分調整5体を温める食材を摂る。根菜類やショウガ、赤身の肉や魚など、東洋医学でいう体を温める陽性の食材を意識して摂り、体温&免疫力アップを。白砂糖や緑茶などは体を冷やす性質があるので注意。水分排出を促す小豆や黒豆も取り入れてみて。水分調整6適量の水分を摂る。水分のがぶ飲みは禁物。「喉が渇いたら適量を飲む」意識づけが大切。コップに少しずつ入れて飲む、温かいドリンクを選ぶなどの工夫を。冷たくて喉越しのいいドリンクはつい飲みすぎてしまうので注意しよう。石原新菜先生医師。イシハラクリニック副院長。漢方薬処方を中心とする診療を行う傍ら、ショウガや腹巻きなどによる温め健康法を提唱している。『病気にならない 蒸しショウガ健康法』(アスコム)、『水出し健康法』(幻冬舎ルネッサンス)など著書多数。※『anan』2023年9月20日号より。イラスト・kame取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2023年09月17日