場面緘黙(選択性緘黙)とは?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン場面緘黙の原因は?場面緘黙(選択性緘黙)とは、発声器官の障害がなく言語能力がある人が、ある特定の場面や状況で話すことができなくなってしまう精神疾患です。たとえば、家庭の中や家族とは元気よく話せるにもかかわらず、幼稚園や学校では無口になり話すことができなくなってしまう場合があります。これは、言葉の遅れや発声障害によるものではなく、発話に関する不安によるものではないかと考えられています。緘黙の種類緘黙には、場面緘黙(選択性緘黙)と全緘黙の2つの種類があります。場面緘黙とは、言語能力があるにもかかわらず、話すことを期待されている特定の場面で話せなくなる状態のことであり、全緘黙とは、すべての生活場面で話せなくなる状態のことをいいます。医学的な診断基準とされるDSM‐5では「選択性緘黙」と表記されていますが、日本では一般的に「場面緘黙」という名称が用いられています。場面緘黙は、話したくても話すことができない状態を指しますが、"選択"という言葉が、能動的に本人が場面や状況を選んで黙っているような印象を与えやすいため、誤解を避けるために「場面緘黙」と呼称する人が多いようです。(※)このコラムにおいては、「場面緘黙」という名称を用いて、症状や対策等を詳しく説明していきます。(※)「選択性緘黙」という名称が、誤解を招いているケースがあることから、2018年、日本場面緘黙関連団体連合は、DSM-5とICD-11の和訳を『場面緘黙』に改定することを求める要望書を関連学会に提出しました。そのため、今後は医学的な診断においても「場面緘黙」という名称が用いられる可能性があります。場面緘黙の症状場面緘黙の主な症状は、ある特定の話すことを求められる社交場面や状況で話すことができなくなることです。場面緘黙のある子どもは、家庭などのリラックスできる場面では活発に話すことができるものの、学校やそのほかの公共の場では話すことができなくなってしまうことが多いです。また、家族などの親しい人とも、あまり話すことができない場合があります。話さない代わりに、擬声音を出したり、指をさしたり、筆談したりすることもあります。子どもの年齢が低い場合、反動で癇癪を起こすこともあります。場面緘黙の診断診断基準には、大きく分けて、2014年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計のマニュアル』第5版)と世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)の二つがあります。ICD-10では、場面緘黙は、小児期の情緒障害に含まれています。一方、DSM-5 では、場面緘黙は、不安障害の一種とされており、不安や恐怖心が一因になっているのではないかという見方を示しています。今回はDSM-5の診断基準をご紹介します。※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。参考:ICD-11 | 世界保健機関(WHO)DSM-5では以下のような症状が少なくとも一ヶ月続いている場合を「場面緘黙(選択性緘黙)」と定義しています。・場面緘黙(選択性緘黙)チェックリスト①ある特定の社会的状況、場面において話すことができない。(それ以外の場面では話すことができる)②症状のために、「学業、職業上の成績が適正に評価されない」「対人コミュニケーションが円滑に行えない」などの困難が生じている。③場面に応じた知識があり、会話の楽しさを知っているが、話すことはできない。④コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)によるものではない。また、自閉スペクトラム症、統合失調症またはその他の精神疾患が併存しない場合もある。参考:『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』場面緘黙は、およそ2歳から4歳で発症することが多いですが、小学生になり話す機会の増える学校へ行き始める時期まで、症状が顕在化しない場合が多くみられます。中学生や高校生以降、青年期、成人でもまれに場面緘黙を発症する場合があります。場面緘黙に悩んだときには抱え込まずに相談を場面緘黙の発症時期である2~4歳はまだ他人と話す機会も少なく、症状が見落とされがちなことが多いです。その後小学生になり学校に通い始めても「性格の問題」として片づけられてしまう場合もあります。しかし、場面緘黙は本人が「話したくても話せない」状態です。初期に気づくことで、適切なサポートにつなげることもできます。保護者や周りの人が症状に気づいたら、抱え込まずに専門家や専門機関へ相談することが重要です。
2022年11月20日育児につまずき、思い詰めて心療内科を受診した私。そこで医師から投げかけられた言葉は「発達障害の疑いがある」という、私にとって意外な言葉でした。そこで心理テストを受け、結果を受け止めた今の自分の心境をお伝えします。ほかのママとどこかで比べてしまう現在、私は3歳と0歳の姉妹を育てている2児の母親ですが、上の子も下の子も出産後から両親や親戚などに頼らず、ほぼワンオペで育児をおこなっていました。孤独に育児をしていたこともあってか、ほかのママ友たちと自分を比べると「どうも私は子どもに対する愛情に欠けているのではないか」と思ってしまう自分がいることに気づいたのです。たとえば、子どもとどうやって遊べばよいか本気でよくわからなかったですし、一生懸命に育児本を読んでそのようにおこなっても、いまいち乗り気になれない自分がいたりしました。特に下の子を出産したあとの数カ月の間は、上の子に対して感情的に怒鳴るなどひどい扱いをしていたことも事実です。そんな出来事から「私はもしかして産後うつなのでは?」と思い悩み、また慢性的な睡眠障害もあって、思い切って心療内科を受診したのです。 思い切って心療内科を受診心療内科を受診したのは下の子が生後半年を過ぎたころでした。医師からの診断は「適応障害と産後うつ」そして「発達障害の疑いがある」という、私にとっては衝撃的な話でした。恥ずかしながら発達障害というワードだけは聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。早速家に帰って発達障害について調べてみたり、セルフチェックテストなどをおこなったりしました。たしかに今までの人生を振り返ってみて対人関係においてのつまずきや、職場でのトラブルなどはあったのも事実ですし、いわゆるADDやADHDの症状である「忘れっぽさ」や「衝動性の強さ」「こだわりの強さ」があったように感じました。 愛着障害と診断を受けて後日、2日ほどに渡って精密な発達障害の心理テストを受けたのですが、結果は「発達障害の所見はなし」でした。しかし、私が過去に実親から暴力などの虐待を受けたことがあるということから、「愛着障害の可能性がある」と医師から聞かされました。愛着障害とは、乳幼児期において暴力やネグレクトなどで傷を負い、適切な愛情を持って育てられなかった子どもが、社会人になったときに対人関係や仕事、そして育児などに支障が出る障害のことだそうです。医師からその診断を受けたときは、正直言って「やっぱりな」と思う自分がいました。 まさか自分が発達障害の疑いを持たれるとは思いもよらず、心理テストの結果が出るまではモヤモヤでいっぱいでしたが、発達障害やそのほかの精神疾患などについての勉強にもなりました。客観的に自分が親にされてきたことは虐待だったのだと受け止め、過去の自分と向き合うことで本当の私になれる気がしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2022年11月20日医療的ケア児って?医療的ケア児とは、生きるために、日常的な医療的ケアを必要とする子どものことです。ひと言で医療的ケア児といっても、抱える障害の種類や症状の程度は幅広く、必要なケアもさまざまです。歩ける場合もあれば、自分で体を動かすことや移動が難しく、一日のほとんどをベッド上で過ごす場合もあり、知的障害や身体障害、その他の障害の有無や程度も違いがあります。具体的な医療的ケアの例としては次のようなものがあります。・気管切開部のバンド交換などの管理・人工呼吸器による呼吸管理・経鼻、胃ろうなどの経管栄養・痰などの吸引・人工肛門(ストーマ)の管理・導尿・血糖値測定やインスリン注射厚生労働省の調べによると、在宅医療的ケア児の推計人数は、2005年は約1万人と発表されていました。しかし、その人数は2019年には約2万人と発表されており、14年間でおよそ2倍に増えていることが分かります。また、幼稚園~高校に在籍する医療的ケア児は約1万人、このうち8,400人は特別支援学校に在籍をしています。医療の進歩と共に、広く存在を知られることになってきた医療的ケア児。乳幼児期を経て学齢期に入ったとき、教育の場ではどのような状況におかれているのでしょうか。医療的ケア児と教育生きていくために日常的な医療的ケアは欠かせません。学校においても、それは同様です。学校で適切なタイミングで安全に医療的ケアを実施できる体制を保障することができれば、子どもたちも毎日安心して学校に通うことができます。また、そのなかでほかの子どもと同じように、授業に参加することができます。毎日学校に通うことができれば、生活リズムの形成が促され、ケアを行う看護師や教員との関係ができ、そのなかで「吸引してほしい」「姿勢を変えさせてほしい」といった、自分の意思を伝える力が育まれる場合もあります。学校生活で、仲間たちとともにさまざまな経験を重ねることで、自己肯定感や自尊感情の向上も見込め、家族以外の人との信頼関係の構築もできると思われます。通常学校であれば、他児への障害理解教育、共生教育(さまざまな違いを持つ人が一緒に学び合う)にもつながります。学校で医療的ケアを行うことには、医療的ケア児の身体的・心理的な安定やコミュニケーション力の向上、人間関係の形成といったさまざまな意義があるのです。医療的ケア児にもさまざまな実態の子どもがおり、一括りに「こういう配慮が必要」と言い切ることはできません。例えば、さまざまな実態のある医療的ケア児と、学校現場で想定される課題を考えてみると、大きく以下の3つのパターンが想定されます。1.身体障害及び知的障害ともに重度経管栄養や気管切開、人工呼吸器の使用といった濃厚な医療的ケアを必要とする場合が多く、よりきめ細やかで専門性の高いケアが必要です。病気や障害の程度や種類にもよりますが、例えば経管栄養の場合は、無理のない姿勢の調整や注入時間の調整が必要です。喘鳴や嘔吐、下痢などを起こしやすい子どもには、注入中の細やかな見守りや、注入後の全身状態の確認は欠かせません。気管切開をしている場合には、その子どもにとって最適なタイミングでの痰の吸引や、気管カニューレ部分の適切な管理が必要です。また、人工呼吸器を使用している子どもには、呼吸の状態のこまめなチェックや、呼吸器の接続の確認が必須です。車いすやバギー、ベッドでの移動がスムーズなバリアフリー環境も求められます。2.身体障害が軽度、知的障害は軽度〜重度自分で動くことはできるが、日常的な医療的ケアが必要な場合、気管切開や経管栄養、導尿などのケアが必要な場合などがあります。知的障害がほとんどない場合も多く、同年代の子どもとの集団生活や、年齢相当の学習環境も求められます。知的障害の程度によっては、ケアに必要な器具や装具を適切に扱えない場合が考えられ、支援者による見守りや教育が必要です。3.身体障害及び医療的ケアが重度、知的障害は軽度身体障害が重く自力では身体が十分に動かせなかったり、疾患により手厚い医療的ケアが必要ではあっても、知的機能にはほとんど障害がない子どももいます。本人の学習意欲が高い場合も多く、年齢相当の集団生活や学習環境が求められることも多いです。また、1と同様に、車いす移動なども可能なバリアフリー環境も求められます。もちろん、上記の3パターンの中でも個人差がありますが、共通することとして、医療的ケアを安全に、衛生的に実施できる環境を確保することが必要です。そして、そのためには、医療的ケア児の周囲にいる教職員や子どもたちの理解と協力が不可欠です。どのパターンにも想定される緊急事態として、体調の急変などが挙げられます。急変時に周囲の者が迅速に対応できるよう、急変時を想定したシミュレーション訓練や研修を定期的に行うことが必要です。これらの中には自分、支援者、友達などが、管を抜いてしまう事故抜管なども考えられます。このように、ケアを安全に行うだけでなく、体調の管理や急変時の対応や事故が起きないための工夫も必要となります。医療的ケア児と保育・教育現場の課題近年、医療的ケア児が増加する中で、保護者や教員など当事者や実践現場の声により法整備が進み、「社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正」や「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」などによって、医療的ケア児をとりまく環境も変わりつつあります。・「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正による変化(2012年)介護職員等(介護福祉士、ヘルパー、教員、保育士等)の対応が法的に位置付けられ、医療的ケアの担い手(対応者)が拡大していく方向に進みました。例えば、これまでは保護者が付き添って行うことも多かった、痰の吸引や経管栄養の実施なども教職員が行うことができるようになりました。・「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の施行(2021年 6月)国や地方公共団体などは、医療的ケア児に対する教育体制の拡充をはかることが求められるようになりました。文部科学省からは、「学校における医療的ケアの今後の対応について」(2019年)という通知が出され、各教育委員会などに向けて、すべての学校における医療的ケア児への対応が示されました。その中では、医療的ケアの基本的な考え方や、医療的ケアを実施する際に留意すべき点などがとりまとめられています。また、各都道府県に相談や情報提供等を行う医療的ケア児支援センターも設置されました。医療的ケアを行う看護職員などへの研修資料の作成や、医療的ケア児の受け入れ体制に関する調査研究なども進められています。医療的ケア児の家族は、就学前からずっとわが子のケアを担ってきました。日常的に命に関わるケアを求められる家族の負担は、定型発達の子どもを育てる家庭に比べて、とても重くなります。病院ではなく家でケアを行うことで、「何かトラブルがあったら」という不安が常にあり、ケアの頻度が高ければそれだけ時間も割かれます。深夜も子どもの様子が気になって、熟睡できないことや、必要なケアが就寝時間帯にも及ぶと、家族の睡眠時間にも影響もするでしょう。また、子どもの今後の発達や、将来への不安を感じている家庭も多いと考えられます。支援を得るための手続きが煩雑であったり、医療的ケアが可能な保育園などの預け先が見つからない、という困りごともあり、本人にとっても保護者・家族にとっても、まだまだ負担が大きい現状は見過ごせません。医療的ケアは、痰の吸引と経管栄養の一部の行為であれば、介護福祉士や、専門の研修を修了し「認定特定行為業務従事者」として都道府県知事から認定を受けた職員もできますが、すべての行為をできるわけではありません。そのため、現場では実際に医療的ケアを行える人材が足りず、学校でケアを行う学校看護師は、慢性的に不足しています。また、看護師の配置にも地域格差があります。学校に看護師が配置されていたとしても、医療的ケア児に対しては保護者のつき添いを求めている場合もあります。医療的ケア児の家族は就労に制限が出たり、転職や離職を余儀なくされてしまうなど、厳しい状況に立たされてきました。これを解消するためにできたのが、「医療的ケア児支援法」(2021年)です。本来であれば、子ども本人の自立を促す観点から考えても、保護者がつき添わず、学校の中で支援が完結されることが望ましいでしょう。医療的ケア児支援法に則って、自治体は必要であれば看護師を配置し、教員による医療的ケアを進めていく必要があります。医療的ケア児とその家族を支援するための喫緊の課題は、大きく分けて4つあります。1.教員による医療的ケアの充実医療的ケア児のことをよく理解し、その子どもと信頼関係のある教員が、ケアを実施することで生まれる教育効果も多く報告されています。まだまだ教員が医療的ケアを主体的に担っていくには課題のある学校現場や自治体もありますが、将来的には、子どもの一番身近にいる教員が、看護師の見守りのもとで医療的ケアを行いながら、教育を保障していく形に近づいていくことが望ましいでしょう。2.教員と看護師の連携(校内連携)学校看護師は、学校で医療的ケア児の教育を保障していく上で、なくてはならない存在です。学校看護師は、人工呼吸器の管理等や体調急変時の対応など、教員にはできない医療的ケアや処置などを率先して行いつつ、教員ができる医療的ケアを見守り、医療・保健の視点からの専門的なアドバイスを行います。教員は、看護師の見守りのもとで授業を進め、担当する子どもの健康の保持・増進を教育的に支えます。また、校内の医療的ケアや医療的ケア児についての情報の管理や看護師と教員のスムーズな連携をコーディネイトする養護教諭の役割も重要です。学校内で、医療的ケア児を支えていくためには、教員、養護教諭、看護師の有機的な連携が不可欠です。3.学校と他機関の連携医療的ケア児には、教員や学校看護師のほか、主治医やリハビリにかかわる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、また福祉についての相談やコーディネイトを行う保健師や児童相談所相談員など、さまざまな職種が支援にあたります。それぞれの専門家がそれぞれの立場から支援を行いながら、お互いの情報を共有し、子どもと保護者が安心して生活できるような支援体制をつくっていくことが必要です。4.特別な支援を必要とする子どもへの、切れ目ない支援体制の整備これは医療的ケア児に限ったことではないですが、幼児期、学齢期、思春期・青年期、成人期とステージが変わるごとに、支援の切れ目ができてしまうことがあります。そのため、幼稚園や保育園、療育などを受ける幼児期、学校に通う学齢期、子どもから大人へと変化を迎える思春期・青年期、そして成人後の社会参加と、切れ目ない支援を受けられるようになることが求められています。この課題を解決していくために、個別支援計画などを活用しながら子どもの情報を共有し、教育、福祉、医療など、子どもに関わるそれぞれの施設が連携できる体制をつくることや、連携支援コーディネーターを配置すること、広く社会に向けて、特別な支援を必要とする子どもたちへの理解について、普及、啓発していくことが必要とされています。まとめすべての子どもには、病気や障害によらず、就学先を自由に選択できる権利があり、病気や障害を理由に不利にならないこと、本人にとって望ましい環境で教育を受ける権利が保障されています。医療的ケアが必要な子どもたちにとっても、学校という教育の場はさまざまな経験をつみ、心身を成長させる大切な場です。必要な支援を適切に受けながら、自分の可能性を広げるために学び育つことができる環境がより整っていくことが、今必要とされています。
2022年11月19日中学校の特別支援学級について、先生の説明は…中学校の先生の説明では、基本的には通常学級の教室で授業を受け、苦手な科目だけ特別支援学級の教室へ移動して授業を受けるという方法をとるようでした。現在の小学校でのスタイルと同じです。あとは、部活動を始めるとクラス以外にも世界が広がるので、どこかに入部してくれることを期待しています。本人は今のところ帰宅部を希望していますが…。(ゆいの通う小学校は「特別支援学級在籍」となっていても、普段は通常学級で過ごし、サポートが必要な科目だけ、特別支援学級の教室に集まって授業を受けています。※自治体により異なります)Upload By 吉田いらこ通学路を確認するのは地図アプリで中学校へは自宅から徒歩で15分ほどです。行き方もほぼ一本道で迷うこともありません。ですが、新しい場所に対して不安の強いゆいは「中学校にどう行ったらいいのか分からない、怖い」と言うので地図アプリを見せることにしました。アプリを開いて自宅を表示したら、そこからスタートし中学校までのルートを一緒に見ていきます。「ここにカフェがあるね」「赤い屋根のおうちが見えるね」など場所を確認しながら進めていきました。この方法は「場所見知り」が強いゆいの特性にとても効果があり、よく使っています。新しい場所に行くときは前もって地図を見たり、建物の外観や内部の画像をネットで検索したり、建物のフロアマップを見たりすると全体像が把握できて安心できるようです。Upload By 吉田いらこ中学校卒業後は?特別支援学級でも内申点はつくの?私がゆいの進路選択で一番気になっていたのは、義務教育が終了したあとのことでした。今のところ卒業後に就職することは親子ともに考えておらず、進学を考えています。中学卒業後の進学先は、全日制高校の普通科、特別支援学校高等部、定時制高校、通信制高校、高等専修学校…ほかにも膨大な選択肢があります。障害者手帳を取得しているかどうかが進学の決め手になる場合もあれば、特別支援学級に在籍することで内申点がつかず、受験が難しくなる場合もあると聞きました。※お住まいの自治体等により制度は異なります特に、子どものためを考えて特別支援学級を選んだ結果、進学先の選択肢が狭まったり、進学を希望する高校の受験が難しくなったとしたら、つらいところです…。学業成績に関しては特に問題のないお子さんがいらっしゃるご家庭は悩ましいのではないでしょうか。定型発達の子どもに比べて、障害のある子どもの場合は中学校へ進学する時点でいろいろと調べなければならないことが多く大変だなと感じました。この点に関しては、ゆいが通う予定の中学校では特別支援学級に在籍していても内申点はつくということだったので安心しましたが、早めに進学を希望する学校へ足を運んで確認し動くことが大事だなと感じています。Upload By 吉田いらこ中学校生活は小学校のころとはまた違った悩みが増えてくると思いますが、親としていろいろなサポートができればと思います。執筆/吉田いらこ(監修:初川先生より)中学の進路選択やその後の準備、そして義務教育終了後を見据えてというテーマでのコラムをありがとうございます。中学校に入ったら部活をしてほしいという保護者の方は多くいらっしゃいますね。当の本人は帰宅部希望ということもよくあります。その場合、入学前から部活動のすばらしさを語ったり、特定の部活へのプッシュをしたりは私はあまりおすすめしません。ただでさえ未知の中学校生活に、何らか期待を寄せられることは、部活をもともと楽しみに感じられるお子さんならまだしも、帰宅部希望と言っているお子さんからしたら負担や負荷になってしまうだろうと思います。実際には、中学入学後、部活動の紹介や体験入部といった時期があり、その中で入部するかどうかを決めます。そのころには、中学校というものがおぼろげながらも様子が分かってきて、毎日の疲労度もなんとなくつかめてきているかもしれません。そして、部活動紹介での先輩の姿やクラスの友達の動向などによって、興味関心を突然持つこともあります。そういう意味で、部活動どうするかは入学してからのお楽しみでもいいのではと思います。ゆいちゃんは場所見知りがあって、家で、一緒に地図アプリで様子を確認するとのこと、とてもいいですね。安心できる場で(家で、家族と)、まずは写真で見て、心の準備をしておくこと、何よりです。中学校は毎日通う場になるので、きっとどこからか、歩く練習もされると思いますが、その場合には、ポイントとなるところ(目印となるお店など)で、立ち止まりきょろきょろしてみてください。不安な気持ちで前だけ見て歩いていると、行きと帰りとで景色の見え方が違い、どうにか行けたけど、帰り道は帰り道で不安になるかもしれません。ときどきくるっとうしろや左右を見ながら、歩いていただければと思います。さて、早くも中学卒業後の話が出ていますが、そのあたりを視野に入れておくことは大切です。中学校生活は3年間で、結構あっという間でもあります。私は、中学卒業後に進学を考える際には、高校卒業後を見据えて高校について考えてほしいと思っています。全日制普通科だと、多くの場合、出席日数が厳密で、学習の習得度にも赤点もあり、その学年で取得すべき単位を1単位でも取りきれなかった場合には留年する(留年させない学校もあるので、その場合退学を検討する)ことになります。通信制高校や定時制高校は単位制であることが多く、単位を取り損ねた場合には次年度また挑戦すれば良いというシステムです。しかし、自分で時間割を組んだり、課題も自分でマネジメントしたり、学校によってそのサポート具合はさまざまですが、中学までとは違う難しさが出てきます。また、通信制高校でスクーリングを行う際には、学校に通うタイプと合宿などで一気に行うタイプなどがあります。そうした特徴も、お子さんに合うかどうか、人それぞれというところです。このように高校で単位を取るのはそれなりに苦労が伴い(高校は高校卒業に値する学習を修める場なので仕方ないことですが)、そして、大事なのはその後です。今、さまざまなタイプの高校がありますが、高校卒業を目標に据える学校もあれば、その後の大学や専門学校進学あるいは就職を目標に据える学校もあります。高校は卒業したけれど、その後が…となってしまうとおそらくお子さん本人もご家族も困ってしまうのではないかと思います。そういう意味で、例えば、知的障害のあるお子さんの場合、特別支援学校の高等部に進学し、そこで就労の準備をして、卒業後は確実に就労する(特別支援学校の高等部は就職率がとても高い)、というのはなかなか心強い選択肢の1つにはなります。まだ中学に進学する前から中学卒業後のみならず、高校、そしてその後を見据えて、と助言するのはちょっと気が早いようにも感じますが、しかし心の準備として知っておいていただけたらと思います。具体的には、中学入学後、まず特別支援学級の先生にぜひ卒業生の進路の話について聞いてみるところからはじめると良いかと思います。
2022年11月18日ラン活?リュッ活?特別支援学校の通学かばんはどうする?Upload By みんPの就学先を考えたときに、私は「Pは特別支援学校へ行くことになるだろう」と考えていました。年長の就学相談の時期になってからは、より特別支援学校への就学を強く希望するようになりました。何故ならPは定期的に発達検査を受けていたので、障害の程度を数値的にも客観視できていましたし、知的障害の重いPにとって地域の小学校へ6年間通うというのはイメージがしづらく、自立に向けての活動ができて、支援の手厚い特別支援学校へ行くことに迷いはありませんでした。そして特別支援学校の場合、ランドセルではなくリュックサックで通学している児童が多いと聞いていたので、わが家もそうしようと思っていました。「ラン活」ならぬ「リュッ活」の始まりです。※「ラン活」「リュッ活」小学校入学を控えた子どものランドセルやリュックサックを選び、購入するための活動を指す造語リュッ活しようにも、どのようなものを選べば良いのか?情報が少ない!しかしランドセルの情報はたくさん溢れているけれど、リュックサックとなると、通学用にどのようなものを選べば良いのか?情報が少なく、全くイメージができませんでした。ある程度早めに目星をつけておきたかったので、特別支援学校へ通学する場合はどのようなものを選べば良いのか?私はSNSで情報を集めることにしました。すると、ありがたいことにたくさんの方々から通学用リュックサックの情報をいただきました。その中でも1番多かったアドバイスは「とにかくサイズの大きなもの」でした。実際に入学してみて分かったのですが、特別支援学校では教科書やノートや筆箱などの勉強道具を毎日持たせることはありませんが、学校だけではなく放課後等デイサービスの荷物もあり、かさばるものを1つにまとめて入れるためには、大きなリュックサックが必要でした。もし小さめのものを購入していたら、学校の荷物と放課後等デイサービスの荷物を分けて別々に持たせることになっていたかもしれません。Pにとっては、複数の荷物を持つことは忘れ物や取り違えなどのトラブルにもつながりやすいし、支援をしてくれる先生方にも、持ち物を何度も確認していただくことになっていたでしょう。そのため、わが家の場合は、全ての荷物を1つにまとめて入れることができる大きなリュックサックを選んで本当に良かったと思っています。Upload By みん子どもが毎日使う通学かばんなので後悔のないように選びたい!リュックサックのサイズのほかにも、前(胸)ベルトのあるものが良い、本人にも周りにも分かりやすい目立つ色のものが良い、耐水性のあるものが良い…などたくさんのアドバイスをいただきました。そして何よりその子の身体や発達に合うもの、本人が使いやすいものが1番良いということでした。学校や家での荷物の出し入れもPにとっては自立活動の訓練になります。親好みのデザインや色、メーカーなども気にはなりましたが、事前にたくさんの方々から得た情報を参考に、使う本人にとって少しでも分かりやすく、負担にならないようなものを選ぶことができ良かったと思っています。地域や学校、子どもによって通学かばんの選択肢は変わりますし、一般的には「小学生=ランドセル」というイメージの方が強いかもしれませんが、ランドセルとリュックサックどちらを選ぶにしても素敵な通学かばんと出合い、快適な学校生活をおくってもらえたら良いなと思います。Upload By みん執筆/みん(監修:三木先生より)何を選ぶにも、しっかり情報を集めてじっくり検討すると、納得のいく決断になることが多いですよね。特に学校で使うとかばんとなると、デザインや用途をどう考えるかによっても「どの選択肢も正解」になり得ます。だからこそ、自分たちが何を優先したいのかをゆっくり考えてみても良いのかなと思います。
2022年11月17日きっかけは、娘が紹介してくれた「発達障害」に関する本だった視覚優位もあってか、娘は小さいときから本が大好きでした。書籍だけでなく興味のある内容であれば、新聞、辞書、家電の説明書も読んでいました。中学生になると娘は学校の図書コーナーにある発達障害について書かれた本を読むようになりました。そしてよく私に「ママはこの本知ってる?」と尋ねてきました。 私は娘に教えてもらったある本に感銘を受けブログで紹介をしました。そのことがきっかけで筆者の上野景子さんと連絡を取り合うようになりました。初めての親の会上野さんは本の執筆のほかにテレビや講演会で発達障害の啓発活動を行っていました。また親の会の代表もしていました。私は過去にいくつか親の会に加入したことがあったのですが、集まりの日と学校の行事の日が重なったり、下の子が病気をしたりとタイミングが合わず、継続して参加することはできませんでした。娘が学校でつらい思いをしていた時期は、娘がしょっちゅう早退していたので会費だけ払って集まりに参加できないまま退会したこともありました。それ以来、親の会とは無縁の生活を送っていたのですが、このときはタイミングが良く、私は上野さんに誘われ親の会に参加することになりました。このご縁が、子どもが成人したあともずっと続くとは、そのときの私は想像もしていませんでした。緊張しつつ集まりに参加すると…親の会といっても会費などはなく、参加できる人がファミレスなどに集まり、昼食を取りながら近況を語りあったり、お互いの悩みを話したりするというものでした。「以前は講師を呼んで講演会を開いたりもしてたんだけどね」と発足当時のことを笑顔で話す上野さん。「20年前は発達障害という言葉を知らない人がほとんどで、いくら親が障害について説明しても、なかなか話を聞いてもらえなかったの。でも“専門家の先生”の講演会を開催したら学校の先生方も理解してくれるようになったの」過去の苦労を気さくな口調での語る彼女はとてもチャーミングな人でした。頼りになる先輩ママたちの情報やアドバイス!でもそれだけではなくて…Upload By 荒木まち子その言葉通り、参加している先輩ママさんたちはみんなそれぞれ多くの引き出しを持っていて、地域の相談先や学校、病院や就労支援事業所、自治体の障害者支援制度など、幅広い情報を得ることができました。でもそこは決して情報を得るだけの場所ではありませんでした。つらい話を笑いに変えたり、お互いの子どもの成長を喜び合ったり。ときには自分の趣味や健康、家族に対する愚痴を話してガス抜きをするーー親にとってものびのびできる場でした。Upload By 荒木まち子都合が良いときだけ参加できる2ヶ月に1度の和やかな会で、マシンガントークをした後はいつも心が軽くなり元気になりました。娘に感謝最近は新型コロナの影響で集まることはできませんが、今でもSNSや、無料通話アプリを使った交流はずっと続いています。高校生のころ娘が自傷をしたとき、ショックを受けた私は上野さんに電話でつらい気持ちを聞いてもらいました。上野さんからは、息子さんが会社を辞めることになったときに電話がきました。「ねぇ、聞いてほしいことがあるんだけど」これが私たちの合言葉です。話を聞いてほしいとき、何かを相談したいとき、またつらいことだけではなくうれしかったことも伝えあう、そんな関係が10年続いています。子育ての先輩であり、遠い存在だった上野さんと、まさかこんなふうに話ができる間柄になるなんて私は想像もしていませんでした。子どもの年齢、性別、障害の特性が違っていても私たちは親として分かり合える部分が多く、今では心を許しあえる仲となっています。娘の子育てにはいろいろと苦労がありましたし、今でも悩みは尽きません。でも娘のおかげでこのような素敵な出会いがあったのも紛れもない事実です。“つながる”ことと“動く”ことの大切さ2022年5月に上野さんがラジオ(※)で発信した「一つの蝋燭の明かりは小さいけど、集まれば大きな光になる」という言葉を私は日々実感しています。※~FMアップルラジコネ2022年5月3日より~ YouTubeのアーカイブ私にとって大切な存在となった親の会。そこで子育ての先輩たちに最初にもらったアドバイスは「まずは動いてみること」でした。私もブログで本を紹介したことで上野さんと知り合い、親の会のみなさんと出会いました。何かを始めることには勇気がいります。失敗することもあるかもしれません。タイミングの良し悪しもあるでしょう。でも行動を起こした先には想像を超えるような未来がきっとあります。だから私も、いま子育てに悩み苦しんでいる保護者さんにぜひ『動いてみてほしい』と伝えたいです。執筆/荒木まち子(監修:初川先生より)娘さんがすすめてくれた発達障害に関する本の著者である上野さんとつながることができ、そこからの親の会へ参加。そして、そこで先輩ママさん方からの情報収集のみならず、心がのびのびできる場であったとのエピソードありがとうございます。なんと素敵な出会い、素敵な親の会への参加なんだろうと羨ましく思われる読者の方も多いのではないでしょうか。荒木さんも書かれているように、「動いてみる」ことは大事なことですね。今はSNSなどで、さまざまな発信がなされており、地域のそうした会合の情報もスマホで集めることができます。発達障害や不登校などの親の会であったり、地域のパパ・ママ会であったり、何らかご自身とつながれそうなキーワードがあれば、そこから連絡を取ってみるのも比較的やりやすい時代です。もし、お住まいの地域で、あるいは、関心のあるテーマでの会合が開催予定と告知されている場合には、問い合わせてみるのもいいでしょう。ただ、情報発信をされている方の中には、会合への参加を広く受けつけていても、DMなどでの個別の相談を受けていない方もいらっしゃいますので、そのあたりは自己紹介欄や問い合わせフォームなどをよくご確認されることをおすすめします。「ねぇ、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」が合言葉。いいですね。それを言い合える仲間がほしくなりますね。聞いてほしいし、自分にゆとりがあるときは、相手の話も聞いてあげたい。そうした仲間がいること、とても素敵ですね。今はそうした相手に心当たりがない…という方も、上記のようにご自身で動いて(調べて)みる、あるいは、地域の教育相談センターや子ども家庭支援センターなどで、親の会などの情報を聞いてみるのもいいと思います。
2022年11月17日家族へのカミングアウトは相談と共にしのくんは現在4歳7ヶ月。診断名はついていない、いわゆる発達障害グレーゾーンの男の子です。そんなしのくんの状況を、両親や周りの人へカミングアウトしたのは2歳4ヶ月のころでした。その当時、保育園の面談で、「言葉がでてない」「集中力がない」などいろいろ指摘を受けて、「もしかしたらほかの子と違う!?」「発達障害かもしれない!?」と思った私は、まず夫の母に相談しました。Upload By keiko保育園の面談の帰りに、そのまま義実家へ行って、しのくんの状況を打ち明けて、話を聞いてもらいました(保育園のすぐ近くに義実家がある)。義母の反応は、驚きと共に「やっぱり…」といった感じだったので、すぐに相談してよかったと思いました。そのほかの家族にも同じように、会ったときにすぐに相談と共にカミングアウトをしました。みんなしのくんがしゃべらないことを気にしていたので、すんなり理解して受け入れてくれました。友人、会社へのカミングアウト「もしかして発達障害かも!?」と分かったばかりのころは、とにかくいろいろ不安になって情緒不安定になっていたと思います。これから先どうなるのか分からない不安もあって、通院や付き添いでお休みをすることも増えるかもしれない…と思った私は、すぐに上司や一緒に働くスタッフに状況を伝えました。友人には、SNSを使って育児漫画を描くことで、カミングアウトしました。そして、実際に会ったときに詳細を伝えるといった感じでした。カミングアウトへの抵抗Upload By keiko「息子がもしかしたら発達障害かも!?」「うちの子療育行ってるんです」と、人に伝えることに抵抗がなかったわけではありません。でも、黙っているのは違うなぁ…とぼんやり思ったのを覚えています。上手く言えませんが、私の中では「黙っている」ということは「周囲にどう思われるだろう?」と気にしているということで、それはつまり、自分は、しのくんのことを心のどこかで『恥ずかしい』と感じているってことじゃないか…?そう自問自答したときに、「しのくんのことを『恥ずかしい』と感じるのは違うなぁ」と思ったのです。周りから色眼鏡で見られたくはないという思いはありましたが、私が黙っていても、しゃべらないしのくんに対して「あれ?この子おかしいぞ?」と思われるくらいだったら、自分から言ってしまおう!!と決心しました。Upload By keikoカミングアウトしたあとカミングアウトしたことで、相手にどう思われているのか、あまり考えることがなくなりました。別に色眼鏡で見られたっていいじゃない!しのくんはしのくんのままでいい!と思えるようになりました。世界は思っていたよりずっと優しくて、しのくんは幸せ者だと思えるようになりました。Upload By keiko現在しのくんは現在、療育や言葉の教室に通っています。保育園の年中なので、そろそろ卒園後の進路を考える時期が近づいてきています。また迷うところが出てくると思いますが、これからも、しのくんの現状をいろんな人に聞いてもらいたいし、アドバイスもほしいし、理解してもらいたいので、開示し続けようと思います。執筆/keiko(監修:井上先生より)診断のない段階での共有と、診断後の共有は状況も違ってきますね。診断のない段階で共有しておくことで、診断後の受け入れや理解も得やすくなるように思います。また、カミングアウトはその方と周囲の状況によって、ベストなタイミングは変わります。keikoさんのようなカミングアウトについての体験談は、そういった意味で参考になると思います。
2022年11月16日就学時期の保護者を悩ませる「選択肢」実は、私が後輩ママさんにお悩み相談されることが一番多いのが、この「就学問題」です。定型発達であれば、お受験でもしない限り、地域の小学校に就学すればいいのですが、障害のある子どもとその保護者には、そこにさらなる「選択肢」が与えられます。そして、それが就学時期の保護者の「悩み」にもなるのです。Upload By 星きのこダウン症のある子どもが地域の小学校の通常学級に通う例も。わが家の場合は…ダウン症のある子どもの就学先の主な選択肢として、①地域の小学校の特別支援学級に行く②住んでいる学区の特別支援学校(※1)に行く③地域の小学校の通常学級に行くの3つがあげられます。(※1)特別支援学校とは、「障害のある幼児児童生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること目的とする学校」のこと。文部科学省特別支援教育の現状その3つの選択肢の中で、ダウン症のある子どもの保護者は、「わが子を地域の小学校の特別支援学級に行かせるべきか、それとも支援の手厚い特別支援学校に行かせるべきか、いや、ちょっと待てよ、思いきって地域の小学校の通常学級に入れて、刺激を受けるのもいいのではないかーー…!?」と悩みに悩んでしまうのです。(※2)最近は日本でも、共生社会やインクルーシブ教育に対する関心が高まっていたり、周囲の理解も少しずつですが深まってきていることもあり、ダウン症があっても、地域の小学校の通常学級に子どもを進学させるご家庭も増えてきたように感じます。(※3)(※2)ダウン症のある子どもの場合、知的な発達には個人差があり、疾患や障害の程度もさまざまです。歩くことが難しい場合や、聞こえの問題が大きい場合には、肢体不自由児を対象とした特別支援学校や、聴覚障害特別支援学校を選択することもあります。(※3)アメリカなど、障害があっても通常学級で学ぶことが一般的な国もあります。文部科学省諸外国における特別支援教育の状況についてUpload By 星きのこ「共生社会」とは、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害のある人たちが、積極的に参加・貢献していくことができる、「誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会」のことで、『共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システムを構築していくことが必要』と言われています。障害のある子どもと障害のない子どもが、できるだけ同じ場で共に学ぶ仕組みを整えることで、共生社会の形成につながっていく…というわけです。文部科学省共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)概要私も、中等度から重度の知的障害があるダウン症の子どもを通常学級に進学させた例を身近で聞いたことがあり、「なるほど、そういう選択もあるんだなあ」と思ったのと同時に、「ダウン症があっても通常学級に行くのは、知的障害が軽度の子どもだろう」という思い込みが自分の中にあったことに気づかされました。話を私自身のことに戻しますと、例に漏れず、就学問題を悩みに悩んだかというと実はそんなことはなく、わりと早い段階から「きいちゃんは特別支援学校に通わせたい」と決めていました。それは何故かというと、実はきいちゃんは保育園の年中さんくらいから定型発達の子と自分を比べ、「自分はほかの子と違う。ほかの子ができることが自分はできない」ということに気付き始めたのです。その結果、教室に入るのを嫌がるようになったり、一人でポツンとしていることが多くなりました。それを見た私は胸が痛みました。Upload By 星きのこそういうことがあったので、きいちゃんが疎外感を持たずに、楽しく小学校生活を送るためには、同じくらいの発達状況の子と一緒に学ぶ特別支援学校が一番適しているのではないか?と考えたのです。もちろん、ほかにもまだおむつが卒業できていなかったことや、発達がダウン症のある子どもの中でも遅め、などの理由もありました。そうして、現在、7歳になるきいちゃんが通っている学校はーー……地域の小学校の特別支援学級ですーー……!「って、えーーーー!?!?特別支援学校に行かせるんじゃなかったんかーーーい!!!」というツッコミが方々から聞こえてきそうです(汗)。実はこちらもまた、保活問題のときと同じように二転三転するのですが…。その話は、また別のコラムに書かせていただきます。乞うご期待!?Upload By 星きのこ執筆/星きのこ(監修:鈴木先生より)日本では以前から、ひとたび特別支援学校へ進学すると地域の学校に転校しづらいシステムになっています。就学前になるとどうしたらいいかという相談が増えます。まずは知的レベルにあった教育のできる学校を選ぶことです。療育手帳を持っていたら特別支援学校へ進学を検討してみるのもよいと思いますが、知的障害が軽度であれば最初は地域のみんなと一緒に通学して地域で学びそして遊び、ダウン症の子が同じ地域にいると周囲に認識してもらうことも重要だと思います。ただ、地域の小学校の特別支援学級へ行くにしても、担任・校長次第であることもまた現状です。障害に理解と知識・経験がある先生がいれば特別の配慮をしてくれて過ごしやすいですが、そうでない場合は早めに特別支援学校へ転校した方がいいケースもあります。特別支援学校の先生方は特別支援学校教諭免許の保有率が高く、そうした専門知識を有している場合が、地域の小学校の教職員よりも多いからです。(※)知的障害が中等度から重度の場合は初めから特別支援学校へ行った方が将来の自立・就職についてもよい面があります。特別支援学校でのカリキュラムを通し、身辺自立を学校でも指導してもらえたり、将来の就労を見据えた実習などもあるからです。各市町村では毎年来年の学校や学級をどうするかという会議が有識者とともに教育委員会の下で開かれ、入学対象のお子さんと現在通学中のお子さんの進路を判断します。教育委員会が特別支援学校と判断していても保護者が地域の学校の特別支援学級を希望すればその要望は尊重されます。主治医がいれば医師の判断も参考にすべきですが、残念ながら今はそれは必要な条件とはなっていません。※全国の特別支援学校における教員の特別支援学校教諭等免許状保有率は86・5%。対して特別支援学級における担当教員の特別支援学校教諭等免許状の保有率は31.1%となっている。令和3年度特別支援学校教員の特別支援学校 教諭等免許状保有状況等調査結果の概要特別支援学級における担当教員の特別支援学校教諭免許取得者率(資料42ページ参照)参考:障害のある子供の就学先決定について(文部科学省)
2022年11月15日フォトスタジオでの早撮りUpload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子娘が3歳になってすぐの夏に、わが家はフォトスタジオで七五三の早撮り(前撮り)撮影をすることにしました。理由は・早撮り撮影だと料金が安かったり、いろいろなサービスがつく場合が多い・早めに撮影しておくと年賀状用の写真として使える・冬季よりも子どもの体調の心配が少ない・ママ友に「小さいうちに撮ったほうが可愛い」と聞いたから(笑)などでした。撮影当日予約した時間に写真スタジオに行くと、3組の親子がいてそれぞれ着付け、撮影、写真選びをしていました。娘は美容院で髪を切ることに慣れていたのでヘアメイクはスムーズにできました。でも着付けが終わり、娘の写真撮影の順番がきたところで問題が起きました。娘が足袋をはくのを嫌がったのです。靴下と違い、親指だけが分かれている足袋の違和感が娘には耐えられないようでした。撮影スタッフさんはとりあえず裸足のまま娘を撮影ポイントまで移動させ、そこで何回か娘に足袋と草履をはかせようとチャレンジしました。でも娘は頑なに拒否。徐々に機嫌も悪くなってきました。私は(ヘアとメイクと着付けはできてるし、もう裸足のままでも良いんじゃないかな?上半身だけ撮影するとか、足の部分をカットした写真にするとか…)と思いましたがどうやらそれはダメなようでした。スタッフさんは数十分ほど粘りましたが次の撮影の親子もいたため、私たちは撮影をあきらめその場を後にしました。結局、その日は娘が“ヘアメイクをして着物を着て、それを脱いで帰っただけ”の一日となりました。わが子には早かった。ただそれだけのことこの時期の「子どもに〇〇させたい」は、親の希望であって、ほぼ本人の希望ではないと思います。季節のイベントへの参加も“親がそうしたいから”がほとんどでしょう。子どもが小さいうちに“本人が好きそう”と習い事をさせるのも親ですし(子どもがそう言うように親が誘導しているフシもある)、「友達と仲良く遊んでほしい」というのもじつは“親の希望”だったりします。それでうまくいかなくて落ち込んだりショックを受けてしまうのもまた親自身(笑)でも子どもの成長の速度はそれぞれで『半年後、1年後、3年後にはできるようになっている』ということがけっこうあったりします。実際、娘は翌年の写真撮影のときには何事もなかったかように平然と足袋をはいていました。7歳の撮影のときに至っては、着物だけでなく自らドレスも着たがっていましたし、撮影中はスタッフの方と楽しそうに話をするほどの余裕すらありました。臨機応変に現代の七五三では、行うべき時期が明確に定められているわけではありません。七五三のお祝いをする年ごろの子どもは、成長の個人差が大きい時期でもあります。特に3歳の場合は、それぞれの子どもの成長のペースを考えて「数え年」で行うか「満年齢」で行うかを臨機応変に選ぶと良いのではないかと私は思っています。執筆/荒木まち子(監修:三木先生より)潔いあきらめと受容がとても素晴らしいですね(笑)。こういった心構えでいろんなことに向き合えると、その方が親自身も楽になりますし、お子さんにも負荷がかかりにくくて良いなと思います。親も子も、人生うまくいかないことだらけ。それをかみしめながら一緒に進んでいけると良いですね。
2022年11月15日1歳半健診で言葉の遅れを指摘される私が住んでいる地域では1歳半健診で「3つ単語が言えるか」聞かれます。スバルは「あー(Car)、バイ(バイバイ)、ばあ(いないいないばあ)」の3つで挑み再検査となりました。再検査と言っても2歳ごろに電話がかかってきて現在の成長の様子を聞かれるという簡単なものです。たまたま1歳半検診で一緒になったお子さんは「ナナ(バナナ)、パナ(パパ)、パマ(ママ)」で問題なしと言われていたので「はは~ん、私の担当の保健師さんはチェック厳しめの人だったんだな」とそこまで気にしていませんでした。今となってはスバルの3つの言葉は単語ではないと思うのですが、当時は特に気にすることなく「2歳で電話がかかってくるころにはおしゃべり上手になっているだろう」とのんきに考えていました。2歳で発達検査を受けるUpload By 星あかり2歳の誕生日を過ぎたころ、約束通り保健師さんから電話がかかってきました。半年前の私の予定では今ごろスバルはペラペラおしゃべりしているはずでしたが、実際には「ガーキ(トラック)」の単語が増えただけでした。なんなら単語とカウントして良いのかも怪しい1語です。それを保健師さんに正直に話したところ、発達検査を受けにくるように言われました。2歳になっても言葉がほとんど伸びていなかったスバルですが、そのころにはひらがなが10個くらい読めるようになっていました。もともと絵本が大好きなスバルですが、1歳半検診のあとから言葉を伸ばそうと絵本の時間を増やし言葉の成長を促しました。その結果、言える単語はほとんど増えていないのに、ひらがなが読めるようになっていたのです。私は単語が言えないことにほんの少し不安を覚えつつ、「でもひらがなは読めるしな」と言う謎の自信を持って発達検査に挑みました。発達検査では最初から最後まで集中して話が聞けました。言葉に関する項目以外は得意と不得意はあるものの、指示を理解して行動できていました。そして「言葉が遅い以外に問題はないので様子を見ましょう」と言われました。その後2歳から3歳の間に、簡易なものも含めて数回検査がありましたが、毎回「言葉が遅いだけ。様子を見ましょう。」と言われ、私はのんきに「専門家に『言葉が遅いだけ』のお墨付きをもらった」と言葉のままに様子を見守るのでした。絵本の時間をさらに増やした結果2歳を過ぎるとカタコト単語で話していた周りの子たちが軽快にトークを始めてさすがにあせりました。そしてさらに絵本の量を増やす日々…。Upload By 星あかりその結果、3歳の誕生日のころにはひらがな基本の50音が読めるようになりました。しかし単語は1個も増えず。「お」「か」「あ」「さ」「ん」が読めて発音できるのに「おかあさん」が言えない謎の状況に心が折れそうになりました。しかし忘れもしない3歳の誕生日の数日前、黄色い車を指差して「きいろ」と言ったのです!それからまさに「言葉のコップが溢れる」ようにあっという間に単語で会話できるようになりました。「言葉が遅いだけ」と言われていたスバル。言葉の問題をクリアしたら、もう怖いものなし!という訳にもいかず、3歳の誕生日を過ぎてから受けた発達検査で「自閉スペクトラム症」と診断されるのでした。診断がおりてからもまたいろいろなトラブルや問題、そして成長もあり…!そんなスバルとの日常を描いていきたいと思います。執筆/星あかり(監修:鈴木先生より)1歳半健診では有意語1語、3歳児健診では2語文が出れば問題ないというのが私の健診での一つの基準です。中には理解があり集団に入ってから言葉が増えるというお子さんもおり、表出型の言語発達遅滞と考えられています。小児科医が言葉の遅れで最初に確認するのは難聴の有無です。中耳炎やおたふく風邪などに罹患した後に難聴になることがあります。客観的な検査としてはABR(聴性脳幹反応)があります。小児科の神経外来で相談することをお勧めします。親や祖父母が何でもやってあげてしまうと、言葉を発する機会を失いがちです。服を脱いだり、靴を履いたり、いろいろとやらせてあげることも重要です。できないときに初めて「ママ―」と呼べるからです。また、幼少期からテレビなどの電子メディアの見過ぎも要注意です。会話のキャッチボールがなくなってしまい、言葉を発する機会も少なくなってしまいます。見るときは親子で一緒に、会話をしながら見ると良いと思います。
2022年11月14日本田秀夫先生講演の「発達障害、何がどこまで良くなる?~金子総合研究所創設2周年記念セミナー~」12月24日(土)に開催Upload By 発達ナビニュース2022年12月24日(土)に金子総合研究所は、創立2周年を記念し、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授である本田秀夫先生を講師として迎え、オンラインセミナー『発達障害、何がどこまで良くなる?』を開催します。発達障害の専門家として発達ナビにもご寄稿いただいている、本田先生のお話を通して、発達障害のある方の支援、理解の「最前線」と「今後の展望」について、学ぶことができるセミナーとなっています。<詳細>日時:2022年12月24日 (土) 14:00~16:00場所:オンライン開催(zoomによるウェビナー開催)対象:医療・心理・教育・福祉等の領域で勤務されている方、それらの仕事を志す学生。※一般の方も参加できますが、専門家向けの内容となることをご承知おきください。定員:3,000名受講料:リアルタイム視聴:無料/リアルタイム視聴+録画視聴(期限付き):1,000円※録画視聴は閲覧期限(配信から14日間)までとなります。主催:金子総合研究所※クリックすると、発達ナビのサイトから、「発達障害、何がどこまで良くなる?~金子総合研究所創設2周年記念セミナー~」の申し込みページに遷移します。ラボネットワーク、視覚支援カードの印刷サービス「写もじ」を開始Upload By 発達ナビニュース株式会社ラボネットワークは、写真と文字情報を組み合わせた視覚支援カードの印刷サービス「写もじ」を開始しました。写もじはスマホ、タブレット、PCなどからオーダーすることができるため、既製品にはないカードも、スマートフォンで撮影した写真を使用して作成することができます。また、写真のトリミングや文字入れなどの微調整も手元で簡単に行うことができます。持ち運びに便利な名刺サイズと、大きく見やすいL版写真サイズの2種類が選べます。また、カードには耐久性の高いハードラミネートが使用されているため、部屋の中だけでなく、食事中、外出時など汚れやすい状況、場面でも使用することができます。視覚優位タイプのお子さんは、このようなカードがあると、自分が今どういう状況にあるのか、今必要なものは何か、などの情報が整理しやすくなり、日々の生活をより安心して過ごせるようになるのではないでしょうか。ご家族だけでなく、学校の先生、言語聴覚士、社会福祉士など、さまざまな専門職の方が利用できるサービスです。※クリックすると、発達ナビのサイトから、「写もじ」の公式サイトに遷移します。<詳細>●写もじS(名刺サイズ)10枚セット…500円(1枚追加につき50円)●写もじM(L版写真サイズ)10枚セット…600円(1枚追加につき60円)<株式会社ラボネットワークについて>「カメラのキタムラ」や「しまうまプリント」を傘下に持つフォトライフカンパニー、株式会社キタムラ・ホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長執行役員:武田 宣)の子会社で、撮影事業者に向けたサービス/商品を提供をしている。<会社概要>会社名:株式会社ラボネットワーク所在地:東京都北区赤羽西1-7-1パルロード310階代表者:代表取締役社長 田中 祐亮株式会社ラボネットワーク※クリックすると、発達ナビのサイトから、株式会社ラボネットワークの公式サイトに遷移します。11月19日、野口晃菜氏講演「インクルーシブ教育入門~多様な子どもの権利を保障するために~」を開催Upload By 発達ナビニュース日本公認心理ネットワークは、2022年11月19日(土)に、一般社団法人UNIVA理事である野口晃菜氏を講師に招き、オンラインにて「インクルーシブ教育入門~多様な子どもの権利を保障するために~」を開催します。2022年9月9日に、国連の障害者権利委員会から日本政府に「インクルーシブ教育の権利を保障すべき」という内容の勧告が出されました。現在国内でも「インクルーシブ教育」についてさまざまな議論が交わされていますが、そもそも「インクルーシブ教育とはなにか」について、共通の概念形成が行われることも重要です。インクルーシブ教育について、また差別や権利について理解を深める目的でこのイベントが企画されました。この機会に、インクルージョン研究の第一人者である野口晃菜氏の講演を通してインクルーシブ教育について、多様な子どもの権利が尊重される教育のあり方について、学び、考えてみるのはいかがでしょうか。<詳細>日時:2022年11月19日(土)10:00~12:00場所:オンライン参加費:一般(ライブ配信/見逃し配信)書籍付き5480円/一般(ライブ配信/見逃し配信)書籍なし3000円講師:野口晃菜氏(一般社団法人UNIVA理事)主催:日本公認心理師ネットワーク※クリックすると、発達ナビのサイトから、「インクルーシブ教育入門~多様な子どもの権利を保障するために~」の申し込みページに遷移します。シブヤフォント、12月4日(日)に新作フォント&パターン発表会をオンラインにて開催Upload By 発達ナビニュース2022年12月4日(日)に、シブヤフォントの新作フォントとパターンの発表会がオンラインにて開催されます。シブヤフォントとは、渋谷区内ではたらく障害のある方々の文字や絵をデザイン学生がフォントやパターンにするソーシャルアクションです。制作されたフォント、パターンは渋谷区公認のパブリックデータとして、さまざまな場面で活用されているほか、売り上げの一部は、障害のある方の工賃向上のため福祉施設に還元されています。今回は、専門学校桑沢デザイン研究所の学生が渋谷区内にある障害者支援施設とタッグを組み、1つの事業所と学生2人からなる10チームがそれぞれ制作の過程やデザインのコンセプト、パターンとフォントを使った賞品の提案などをプレゼンします。それぞれのパターン、フォントが制作された背景にはさまざまな思い、物語があるでしょう。美しく鮮やかなシブヤフォントの新作をこの機会に楽しんでみるのはいかがでしょうか。<詳細>日時:2022年12月4日(日)14:00~17:30場所:オンライン参加費:無料【スケジュール】1.イントロダクション2. 学生発表 PART1(10分×5チーム)3.学生発表 PART2(10分×5チーム)4. 審査員コメント5. 結果発表・賞授与【登壇】●専門学校桑沢デザイン研究所昼間部「ソーシャルデザインプロジェクト」学生●渋谷区内の障害者支援施設くるるえびす、ストライドクラブ、TENTONE、はぁとぴあ原宿、福祉作業所おかし屋ぱれっと/工房ぱれっと、福祉作業所ふれんど、ホープ就労支援センター渋谷 アトリエ福花、のぞみ作業所、ワークささはた、ワークセンターひかわ主催:シブヤフォント※クリックすると、発達ナビのサイトから、「シブヤフォント」の公式サイトに遷移します。※クリックすると、発達ナビのサイトから、「2022年 シブヤフォント新作フォント&パターン発表会」の申し込みページに遷移します。11月27日、ららぽーと名古屋みなとアクルスにて「脳卒中フェスティバル2022」開催Upload By 発達ナビニュース2022年11月27日(日)にららぽーと名古屋みなとアクルスにて、「脳卒中フェスティバル」が開催されます。脳卒中フェスティバル、通称「脳フェス」は、脳卒中経験者であり理学療法士である小林純也さんの「『楽しい』と思える体験を通じて、病気や障害に対する理解を深め、当事者と非当事者の『心の溝』をなくしたい」という思いから2017年にスタートしました。スペシャルライブ、脳フェススポーツ体験、トークショーのほか、脱出ゲームやワークショップが楽しめる脳フェスブース、ららぽーとのショップとのコラボや装具相談など、さまざまなコンテンツが企画されており、脳卒中当事者、医療者、家族、障害がない人、さまざまな立場の方がが楽しめるイベントになっています。当事者どうしで交流できる場も、当事者と交流できる場も、脳卒中への理解を深めたり、当事者が自分は「ひとりではない」というポジティブな思いを抱けるようにするためには、とても重要です。脳フェスは、そうした交流を生むイベントになるのではないでしょうか。※クリックすると、発達ナビのサイトから、「脳フェス」の公式サイトに遷移します。※クリックすると、発達ナビのサイトから、「脳フェス2022」の公式サイトに遷移します。<詳細>日時:2022年11月27日(日)11:00~18:00場所:ららぽーと名古屋みなとアクルス参加費:無料(一部有料)※申込不要LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年11月14日公認心理師とは?公認心理師とは、心理に関する支援が必要な人を、心理学の知識や技術を元にサポートする専門家です。2017年に「公認心理師法」が施行され、心理職の国内唯一の国家資格として誕生しました。心の問題を抱えた方に対するカウンセリングはもちろん、メンタルヘルスに関する知識などを多くの人に知ってもらうために教育活動や情報提供を行うことも、大切な役割の1つです。公認心理師法の施行前は、日本臨床心理士資格認定協会によって創設された民間資格である「臨床心理士」が心理職の代表的な資格でした。民間資格ではあるものの、臨床心理士は公的にも認められた資格。文部省のスクールカウンセラーの資格要件としても採用されていました。しかし、臨床心理士以外にも民間のメンタルヘルス系の資格は数多くあり、適切な教育や訓練を受けていない人が心理カウンセラーを名乗っているという状況もありました。そのような「自称カウンセラー」がカウンセリングを行い、さらに状態を悪化させてしまうということが問題視されていたのです。参考:公認心理士とは|一般財団法人 日本心理研修センター一定以上の資質や知識を持った心理職の専門家が関係者と協力しながら心の問題に対して対処できるようにするため、公認心理師の国家資格が誕生しました。公認心理師になるには?公認心理師になるには、国家試験に合格して公認心理師資格を取得する必要があります。公認心理師を目指すには、いくつかの方法があります。・大学や専門学校で所定科目を修了したあとさらに大学院で所定科目を修了。その後公認心理師国家試験を受験し、合格し、資格登録をする方法・大学や専門学校で所定科目を修了したあと、厚生労働省が定めた所定の施設で2年以上働くことで公認心理師国家試験の受験資格を得る方法・海外の大学と大学院でそれぞれ所定科目を修了して取得する方法などです。そのほか特例措置もありますので下記サイトを確認してください。参考:公認心理師試験について|一般財団法人 日本心理研修センター公認心理師国家試験の合格率は2022年現在、公認心理師国家試験は年に一度開催されています。出題形式はマークシートで、合格基準は総得点の60%程度以上の絶対評価を原則としていますが、年ごとに合格率には差があります。第一回目の合格率は8割とかなり高い結果でしたが、その後は40〜50%と毎年かなりの変動があります。公認心理師の仕事公認心理師国家試験に合格して登録した人は、晴れて公認心理師として働き始めることになります。公認心理師の仕事は大きく分けて「心理査定」「心理支援」「関係者への面接」「心の健康教育と啓発」の4つです。1つめは、「心理査定」です。心の問題を抱えた人の支援のため、あるいは心の問題を抱えた人自身が自分のことを理解するために面接や心理テスト、行動観察などを通じて特性や問題の状況、課題を明らかにしていきます。心の問題を抱えた人がどのようなサポートを必要としているか、またどんなサポートが望ましいのかを探っていきます。2つめが、「心理支援」です。心理査定などで分かった課題に対してさまざまな心理療法で問題を解決したり、苦痛を軽減できるようにサポートをしていきます。心の問題を抱えた人が自分自身を理解したうえで、心が回復していけるように寄り添いながらサポートしていきます。具体的な心理療法としては、「認知行動療法」「精神分析療法」「来談者中心療法」、「遊戯療法」、「芸術療法」などがあります。3つめの「関係者への面接」は、例えば、発達障害のある子どもを持つ保護者や教師などに対して心理学的な側面からアドバイスをして、問題の発生予防に繋げたり、対応についてアドバイスをすることなどです。4つめが「心の健康教育と啓発」です。心の健康についての理解を深めてもらうために必要な情報提供や啓発を行うのも公認心理師の大切な仕事の1つです。ストレスとの付き合い方、コミュニケーションの取り方、自分自身の感情のコントロールの仕方などを伝えることで、心の病気を未然に防ぐことを目指します。また、公認心理師の勤務先は大きく分けると「保健医療分野」「教育分野」「福祉分野」「産業・労働分野」「司法・犯罪分野」の5つとなります。1つめの「保健医療分野」は、医療と保健の2つに分かれていて、医療機関では精神科病院または一般病院などが勤務先となります。医師からの依頼を受けて心理検査や心理療法などを行います。心の問題を抱えた人に対してだけではなく、その家族へのサポートを行うこともあります。病院内ではさまざまな専門家とチームを組んで診療を行います。保健機関では保健所や保健センター、精神保健福祉センターなどの公共機関が主な勤務先になります。精神保健福祉相談員という立場などで、アルコール依存症、薬物依存症、ひきこもりなどの相談に乗るほか、乳幼児の発達検査などを担当します。それぞれの相談に対応するだけではなく、地域の方々に向けて心の健康に関する啓蒙活動や地域の精神保健福祉に関する実態の把握なども行う場合があります。2つめの「教育分野」の勤務先は幼稚園や小学校、中学校、高校などとなります。小中高校ではスクールカウンセラーとして、不登校やいじめ、友人関係や学習関係の悩みなど校内での問題だけではなく、親子関係や家庭環境、発達障害や精神疾患などさまざまな問題などに対応します。児童や生徒、またその保護者との関わりだけではなく、ほかの教職員とも協力をしながら問題解決にあたることになります。3つめの「福祉分野」の勤務先は多様ですが、その一つに児童相談所があります。児童心理司や心理判定員の立場として、発達障害や知的障害、精神障害、不登校、子育て全般、児童虐待などに関する相談に対応するほか、療育手帳に関する判定なども行います。また、児童福祉施設などでの勤務の場合は、障害のある子どもへの療育やその家族へのサポートなどを行います。成人を対象とした福祉分野の勤務先は、障害のある方の通所施設や入所施設、特別養護老人ホームなどの高齢者施設などです。それぞれ本人やその家族からの相談や支援活動などにあたることになります。4つめの「産業・労働分野」の勤務先はEAP(従業員支援プログラム)の専門機関などです。職場におけるメンタルヘルスなどを請け負い、就労に関するカウンセリングを行ったり、相談員として仕事上の相談に応じるほか、休職者の復職支援、該当社員の上司へのアドバイス、従業員のストレスチェックなども行う場合があります。それらを通して職場全体の心の健康増進をはかっていくことになります。5つめの「司法・法務・警察分野」では、勤務先として少年鑑別所や少年院、刑務所、警視庁、都道府県の警察本部、家庭裁判所、保護観察所などがあげられます。事件の被害者や加害者に対する心理アセスメントや心理療法などを行います。ここで紹介した5つ以外にも、大学などで研究を続けたり、私設の心理相談機関で相談に応じたりしている公認心理師もいます。その仕事内容は幅広く、公認心理師はさまざまな場所で活躍しています。発達障害がある子どもとの関わり前章では公認心理師の活躍場所や、業務の内容などを解説しましたが、どの分野においても公認心理師が発達障害のある人、あるいは発達障害のある子どもと接する機会は多く、その役割は重要なものです。保健医療分野で公認心理師が1年間に支援を行なった対象として発達障害が約80%と最も多く、福祉分野でも発達支援が約80%と最多。また教育分野でも同様に発達障害への対応が約80%と最も多くなっています。参考:令和2年度障害者総合福祉推進事業 公認心理師の活動状況等に関する調査|厚生労働省特に発達障害のある子どもに対する支援として、近年児童発達支援・放課後等デイサービスなどの事業所が増えています。そういった施設で発達障害のある子どもの療育に関わっている公認心理師もいます。気持ちの切り替えや人とのコミュニケーションが苦手などさまざまな課題を抱えた子どもたちに対して支援を行い、課題の解決や改善を目指しています。1人ひとり異なる障害特性に配慮したきめ細やかなサポートをはじめ、保護者からの相談を受けたり、保護者へのアドバイスをすることもあります。まとめ公認心理師は心理職唯一の国家資格であり、大学や専門学校での所定科目修了後に大学院で学ぶほかに実務経験や海外の大学での所定科目の修了など、さまざまな方法で受験資格を得ることができます。仕事については大きく分けて4種類、勤務する分野は大きく分けて5種類程ありますが、公認心理師の仕事内容は幅広く、そのほかでもさまざまな場所で働いています。特に発達障害との関わりも多くあり、公認心理師の発達障害分野での今後の活躍が期待されています。
2022年11月13日自由人で言葉での意思疎通が難しいASD、知的障害、先天性の疾患のある娘わが家の小3の娘は2歳のときにASD、知的障害、先天性心疾患などの診断がおりました。自由人で言葉での意思疎通が難しい娘。そんな娘が3歳のときに、夫の会社の同僚の方から結婚式に招待をされました。その方とは私も独身時代からの知り合いで、子どもが産まれてからもよく家に遊びに来てくれていました。子どものこと、そして子どもの障害についても、ある程度話しており、娘のこともよく可愛がってもらっていました。「人数も少ないのでぜひ、結婚式に来てほしい」と言われ、娘を連れて行くのは大変だろうと想像はできたのですが、いつもお世話になっているので行くことを決めました。結婚式に招待されて。障害のある娘も連れて行ったけど…結婚式当日。もちろん娘は結婚式に行くなど分かっておらず、家族でどこかにお出かけをするのかな…といった感じでした。結婚式場につくと、知らない人がたくさんおり、娘はソワソワし始めました。Upload By ユーザー体験談知らない場所ということもあり、娘は式場に入りたくなさそうな様子でした。それでも式の時間は刻一刻と迫ってきます。仕方なく無理矢理会場へ入れると全力で逆らって出て行こうとする娘…。しばらくすると慣れてきたのか式場内を駆け回りはじめました。結婚式場での娘の行動に…式場には写真を撮ったり、歓談をしている人がたくさんいましたが、娘はそのような人たちを気にせず全速力で自分の気に入る場所を見つけに行きました。また、スピーチ中に突然大声を出したり、絨毯敷の床でゴロゴロ寝転がっていたり。立ち入り禁止の場所にも無理矢理入って行こうとするので常に私は止めに入り、娘をおさえつけておく必要がありました。周りの人たちの中には娘の行動にとてもびっくりしている方もいました。「子どもだししょうがないよね」と優しく声をかけてくれる方もいましたが、多くの方は娘の様子に驚き、関わりたくないといった様子でした。Upload By ユーザー体験談もう式場内にいられない、と思った私は娘をつれて一旦会場を出ました。スマホで動画などを見せて落ち着かせようとしましたが、娘はスマホを私の手からうばい取ると、姿勢を崩して動画を見始めました。おとなしくなり、娘も安心したかのように見えましたが、やはり普段と違う場所が落ち着かないのか、終始ソワソワしていました。お世話になってる方の結婚式で、祝福したい気持ちはもちろんありました。ですが、娘の様子を見て私は心の底から「留守番していればよかった、連れてこなければよかった」と思ってしまいました。Upload By ユーザー体験談娘にいろいろな体験をさせてあげたいけれど私たちは家族なので、娘がどんな行動をとっても受け入れることができます。しかし、今回一番つらかったのは周囲の目でした。周りの驚き、「なぜ静かにさせられないのか」という思いを、痛いほど感じました。結婚式という特別な場です。式に行く前から「絶対に迷惑はかけられない」と気負っていた分、「迷惑をかけてしまった」ことは、私の心に重くのしかかりました。知人にも、参列者にも、そして慣れない場に連れてきてしまった娘にも申し訳ない気持ちになりました。それ以降、子どもにいろいろな経験をさせたいと思う一方で、他人に迷惑かけてしまったらと思うと、なかなか勇気が出せないでいます。また、他人の視線に私たちも傷つきたくない、という気持ちもどこかにあるのも事実です。姉のピアノ発表会でのヒヤリ体験。そして今、感じること。その後、長女のピアノの発表会が何度かありましたが、静かにすることができない、椅子にじっと長時間座っていることができない、突発的な行動をすることから、娘は留守番をさせていました。ですが本人が「発表会に行きたい」と言ったときは、長女の出番のときだけ発表会会場に入ったことがありました。最初は静かに座っていましたが長女がドレスを着て舞台で主役になっているのを見て羨ましく思ったようで、ほんのちょっとした隙に、長女の演奏中に舞台中央に走っていってしまいました。Upload By ユーザー体験談長女の友達や、その保護者はやさしく見守ってくれましたが、親としては、とても焦り蒼白となった出来事でした。障害のある娘が、長女のようにドレスを着て発表会の主役になることは難しいかもしれません。そんな娘のことを思うととても複雑な気持ちになりますが、娘が娘らしく楽しく過ごしていけるように、親としてできることは何か、日々考えていきたいと思っています。小3になった今も、興味のないこと、想像と違った事に対してはすぐ飽きてしまい、長時間静かにすることは難しく、お出かけの際に我慢をさせてしまうことも多いです。しかし、我慢して出かける形になっても、いざ出かけると楽しそうにしていることもあり、最近では、出かける前に、「どこに」「何をしに」「何の乗り物で」「誰と行く」「誰と会う」を紙に書いて目で見て読ませ、想像が難しくても説明をし、娘が納得してから出かけるようになりました。途中で飽きたり、ぐずり出すときもありますが、短い時間だけでも我慢するように約束し、一度した約束は、こちらも引き伸ばさず、どんなときでも守るようにしています。そうすることで、成功体験と、約束を守る信頼関係につながり、少しずつではありますが、娘も成長し、我慢と納得ができるようになってきています。イラスト/SAKURA※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:井上先生より)小さいうちからいろいろな体験をさせてあげたいという親御さんの思いは納得できます。一方、お子さんにとっての新規な場面は興奮や多動につながりやすいですし、周りの目も気になる、といった葛藤に悩まされるかもしれません。イベントの途中で十分な休憩を挟めるような場所を確保したり、スポット参加を工夫をすることで、トライすることも良いでしょう。また、視点を変えて「少し大きくなってから」にしていくのも一手です。年齢と共に行動も変化し、参加できることは徐々に増えていくと思います。少し大きくなって、それらの刺激が受け入れられるようになってから体験するというのもありかもしれません。焦らず無理せず、そして工夫も加えて親御さんもイベントを楽しめる環境がつくれるとよいですね。
2022年11月12日二人目も発達障害?就学前から療育に通い、不安の中「通常学級」に就学することに…寺島ヒロさんには、ASDのある大学生と高校生のお子さんがいらっしゃいます。長女のいっちゃんは、小さいころからASDの傾向が強く表れており、就学前から療育を受けていました。睡眠時間が安定しないこともあり、寺島さんは、いっちゃんには通常学級は難しいのでは?と考えていましたが…。まだ「発達障害」という言葉が今ほど一般的ではなかった10年前を振り返ってのお話です。涙の就学時健康診断を振り返って。専門家のアドバイスも吉田いらこさんの長女ゆいちゃんは現在小学6年生。小学5年生のときに軽度知的障害、ASD、場面緘黙の診断がおりています。ゆいちゃんが小学校へ入学した当時、いらこさんは、ゆいちゃんに障害があるとは少しも感じていませんでした。しかし、今思い返してみると、ゆいちゃんが就学時健康診断を受けたときに気になる出来事が…。就学時健康診断に関する専門家のアドバイスもぜひご覧ください。特別支援学級?通常学級?軽度知的障害の息子の進路発達ナビユーザーさんから寄せられた「就学」についての体験談をご紹介します。年中のときに軽度知的障害やASDの診断がおりた小学2年生の息子さん。現在は知的障害特別支援学級に通っています。就学先を特別支援学級へ決めるまでには、さまざまな葛藤や悩みがあったそうです。進路を決めたあとも、ママ友の「通常学級で大丈夫そうなのに」という言葉にモヤモヤしてしまい…。「特別支援学級へ進学したその後の様子」についても知ることのできるエピソード、必見です!就学準備は学級選びだけじゃない!放課後等デイサービスにリハビリ、保育所等訪問支援も…ゆきみさんの長男、けんと君には自閉スペクトラム症があります。数回にわたる就学相談で特別支援学級を希望しました。しかし、就学に向けてほかにも考えることはたくさん!普段の生活を送りながら、就学準備をするのは思っていたより大変だったそうで…。特別支援学校の就学準備!実際に入って分かったことぼさ子さんの息子ほぺろう君には、自閉スペクトラム症と知的障害があります。ぼさ子さんの場合、未就学時代の早い段階で進路は特別支援学校一択と決めていました。しかし、就学準備の年はコロナ禍で残念ながら学校見学は思うようにできませんでした。そのため、実際に進学先が決まってから分かったことがたくさんあったそうです。特別支援学校への進学準備について知ることができる、ぼさ子さんの貴重な体験談をご紹介します。そのほか、進路選択の参考にしたい関連コラムはこちら!
2022年11月11日「発達障害とは何か」を改めて考えるーー『ヒトはそれを「発達障害」と名づけました』人の気持ちを考えるのが苦手、忘れ物が多い、本の文字を読むのが苦手…この本に登場する、ダックスさん、ネコくん、トリさん、サカナちゃんたちは、それぞれ苦手なこと、得意なことがあります。これらの特性をヒトは「発達障害」と名づけました。ダックスさんたちは、自分の特性とうまく付き合いながら生活しつつも、気づかないうちに人を傷つけてしまったり、人間関係をうまく築けないことに悩み苦しんでもいます。この本には、発達障害の診断はないけれど、日常生活でさまざまな困難に直面し悩んでいるグレーさんというキャラクターも登場します。グレーさんは、ダックスさんたちのアドバイスのもと、過ごしやすい環境を作っていくための方法を考えます。「発達障害」があるダックスさんたちと、診断がないグレーさんの対比を通じて、「発達障害」と名づけられたことで変わること、変わらないことをそれぞれ考えられる一冊となっています。この本は、筑波大学DACセンターで働く発達障害当事者のダックスさんから見た「発達障害」について、筑波大学准教授の佐々木銀河先生の解説やDACセンターの監修のもと、分かりやすくマンガでまとめられています。発達障害という言葉は近年急速に認知されるようになってきましたが、言葉だけが独り歩きしてしまい正しい理解がされていない場面もまだまだ多いように感じます。そんなときだからこそ、この本に登場するキャラクターとともに、「発達障害とはなにか」について改めて考え直してみてはいかがでしょうか。多様な子どもを大切にする「インクルーシブな教室」をつくるためにーー「差別のない社会をつくるインクルーシブ教育誰のことばにも同じだけ価値がある」「インクルーシブ教育」とはなにか、多様な子どもたちが安心して生活できる学級づくりのために何が必要か、考えたことがありますか。この本は、野口晃菜さんを筆頭に、マイノリティ当事者、研究者、教員、専門職、会社員などさまざまな立場の人が集まるインクルージョン研究会「あぜみ」のメンバーが中心となり執筆されました。障害、貧困、ジェンダー、セクシュアリティなど子どもたちが抱えるさまざまな背景について学んだ上で、「インクルーシブな教室」を作るためにはどうしたらいいのかを考えられる一冊となっています。各章の最初と最後に、おすすめの関連書籍リストとリフレクションワークシートが添えられているため、必要な知識をインプットし、それを受けて自分の意見や考えをアウトプットできるような構成になっています。また、「教師の負担を減らすにはどうしたらいいか」など、インクルーシブ教育を行う上で、考えなくてはならないさまざまな課題をテーマとした座談会、インクルーシブな社会づくりに関心のある学生の声なども掲載されています。冒頭で野口さんが述べられているように、インクルーシブ教育の「正解」を誰かが持っているわけではありません。葛藤やモヤモヤを共有しながら、今できることを考えていくことが重要です。この本は、インクルーシブな社会づくりを考えるための一つの材料になるのではないでしょうか。「親なきあと」を考える上で知っておきたいことーー『障がいのある子とその親のための「親亡きあと」対策』子どもの老後をどう考えたらいいのか、今から準備できることはあるのか、「親なきあと」について悩みは尽きないのではないでしょうか。お金のこと、住居のこと、就労のこと、葬儀や相続のこと、これらはわが子の将来を考える上で避けては通れない課題でもあります。この本では、障害者の支援や相談に30年以上携わり、現在は「親なきあと」問題について情報発信を行っている鹿野佐代子さんが、法律や制度、福祉サービスに加え、意思決定、金銭管理を行うためのトレーニングなど、幅広い話題について、詳しく説明しています。法律のことや制度のことは、なんとなく堅苦しく、理解しがたい印象を抱いている方も多いかもしれません。この本では「親なきあと」を考える上で必要な情報がわかりやすく整理されているため、導入としても分かりやすい一冊となっています。まだまだ先のことだと思っていても、いつ何がおこるか分かりません。子どもを守るため、家族を守るため、まずは必要な情報、制度を知っておくことが大事なのではないでしょうか。聞き取りづらさへの対処法を知るーー「マンガAPD/LiDって何!?」APD/LiDについて知っていますか?APD/LiDは医学的な診断名ではありませんが、APDは聴覚情報処理障害、LiDは聞き取り困難を意味し、聴力には問題がないにも関わらず、音の聞き取りづらさなどの症状がある状態を指しています。雑音がある場所などで必要な情報を聞き取ることが難しかったり、日常会話の中で聞き間違いや聞き洩らしが多かったりと、さまざまな困難がありますが、「ちゃんと聞いてた!?」「もういいよ」などと怒られることも多く、周囲には理解されづらい症状でもあります。本書では、まだまだ認知度が低いAPD/LiDに焦点を当て、第1章ではAPD/LiDの症状について、第2章では、APD/LiDのある当事者が感じている日常生活での困りごと、場面ごとの対処法について、マンガで分かりやすく紹介されています。当事者ができる工夫もあれば、周囲の協力や工夫が必要になる場面もあります。どうすればストレスのないコミュニケーションがとれるか、どのように症状や必要な配慮を説明すればいいか、お互いに安心してコミュニケーションが取れる環境を作っていくためのヒントが得られるのではないでしょうか。APD/LiDの症状がある人は、日常会話だけでなく、面接や仕事などでも困難に直面することがあります。対処法を知らないと、気づかないうちに実力を発揮できない環境に置かれていたり、自己肯定感が低下したり、二次障害を引き起こしたりする可能性もあります。音の聞き取りづらさに悩んでいる方は、この本とともに、自分の症状や困りごとに向き合ってみてはいかがでしょうか。子どもたちが安心して過ごせる学校環境について考えるーー『教室マルトリートメント』近年では、教師による体罰、ハラスメントなどは違法行為とみなされるようになり、連帯責任や厳しい校則など、学校での行き過ぎた指導は良くないという認識も広まってきています。しかし、違法行為とまではいかなくても、子どもたちが委縮してしまったり、教師への不信感を募らせてしまうような「不適切な指導」はまだまだ当たり前のように行われているのではないでしょうか?そのような教室での「不適切なかかわり」を本書では「教室マルトリートメント」として取り上げています。マルトリートメントとは「不適切な養育、避けたい関わり方」を意味する言葉であり、WHOでは、日本における児童虐待よりも広い概念として定義されています。本書では家庭内だけでなく教室でも、ほめるべきときにほめない、いじめや差別的発言を放置する、子どもが自信をなくすほど強く叱責する、子どもの人格を否定するような発言をするなど、ネグレクトや心理的虐待に類似するような不適切な関わりが行われており、それらは実際に子どもにトラウマを植えつけているケースもあるにもかかわらず、体罰などに比べて見過ごされやすいことを指摘しています。教師は、厳しく子どもをしつけなければならない、そんな威圧的な指導が、今もまだまだ根強く残っています。学校はたくさんの子どもが集団生活を送る場所であり、さまざまな出来事を経験し成長するための重要な場でもあります。子どもたちにとって学校が安全基地となるためには、どのような対応が必要なのでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年11月10日プレゼントにも自分用にも!発達障害フレンドリーな人気商品をピックアップ2023年3月の発売に向けて第4弾が進行中の、「発達ナビ×フェリシモ」発達が気になるお子さんや保護者さま、当事者の方が便利に快適に過ごせるためのグッズづくり。今回は、これまで開発した中から5商品をご紹介します。コラボ第1弾で登場し、再販リクエストを多くいただいていた『ポケットの中が見えるメッシュリュックインナー』。2022年9月、大人っぽいカラーリングになって再登場しました!リュックを開いたときに中身が一目瞭然で見えるつくりにこだわっていることはもちろん、出し入れ時に迷わないアイコンカードが便利です。整理整とんがしやすいリュックを使えば、忘れものをしがちなお子さんや大人の方も快適に過ごせるようになるはず!Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますコラボ第2弾で開発された『タスクチェッカー』。こんなのがほしかった!というお声が続出したアイテム。いつものルーティンを見える化して、「できたこと」をその都度確認できるチェッカーです。2022年9月のリニューアルでは、紙からプラスティックへの素材変更で、より丈夫になりました。これで、かばんの中に入れるなどしても安心して何度でも使えます!Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますUpload By 発達ナビ編集部服薬の管理やお子さんの支度、持ち物チェックや家事、勉強の目標など、曜日ごとに異なるルーティンワークを可視化し、ワンタッチでチェックできるタスクボードです。見えるところに貼っておけば、やり忘れの防止や家族のコミュニケーションにも役立ちます。タスクボード上に予定をイラストで描けるため、お子さんにも分かりやすく伝えることができます。壁に掛けられるほか、裏面にはマグネットもついているので、冷蔵庫など見やすい位置に貼るのもおすすめです!Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますUpload By 発達ナビ編集部座り姿勢をサポートする座面クッションと、正しい足の位置がひと目で分かる足もとマットのセットです。右足と左足と、おしりの3点で体重を正しい位置で支えて、姿勢をキープしてくれます。お子さんの座り方を注意したいけれど、つい「ちゃんと座りなさい」と曖昧になってしまう…。そんな保護者の方も、目に見えて足の位置を具体的に指摘することができます。クッションは両面すべり止めつきなので、体幹が弱いお子さんでも安定感が持続します。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますUpload By 発達ナビ編集部『お片づけ収納ラック』の中に必要なものをひとまとめ。そうすれば、探し物やなくし物を防げて、中断していた作業を再開するときや、お部屋の移動などもスムーズに行えます。オープンタイプのラックで引き出しや仕切りがついているので、視覚的に分かりやすいのもポイント!広いスペースには、A4サイズの書類などはもちろん、書籍やタブレットも収納できます。大人の在宅ワークやお子さんの勉強に合わせた活用はもちろん、ゲーム道具やコスメ用品の整理、郵便物の仕分けやなど、さまざまなシーンで役立ちそうです。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します『透けるバックインウォレット』『透ける収納ボックス』は2023年3月発売予定!2022年6月に発達ナビユーザーのみなさま200名以上にご回答いただいた詳細アンケート結果を参考に、2アイテムをフェリシモCCPで企画スタートした、『バックインウォレット』『透ける収納ボックス』。応募いただいたユーザーさまへモニターを実施し、いよいよ開発も最終段階に入りました。発売は2023年3月中旬ごろを予定。お楽しみに!
2022年11月09日株式会社 SUI(東京都文京区代表取締役:片岡武志)は、2022 年 10 月 25 日よりウォンテッドリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役仲 暁子)が提供する福利厚生サービス Perk に サービス掲載パートナーとして参画し、会員を対象に、子育て・教育のお悩みオンライン相談室 「ウチのこは」の優待サービスを開始しました。多くの親が悩んでいる子育て文部科学省委託調査(令和 2 年度)によると、「子育てについての悩みや不安の程度」について7 割近い人が「いつも感じる」「たまに感じる」 と回答。女性にいたっては 8 割近い人が「悩みや不安を感じる」という結果となっています。子育て家庭の共働き世帯が年々増加する中、時間的にも精神的にも余裕がなく、「子育てがつらい」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。相談できない子育ての悩み子育てで悩んだ時の相談相手についてのアンケートによると(※)、「誰にも相談していない」が最も多く 33.6%。「誰かに相談した」という人でも、「夫/妻」という回答が 31.9%でした。つまり、 合わせて 65 %以上の家庭で、子育ての悩みを、 家庭の「外」には相談できていない、という状況が明らかになっています。※日本トレンドリサーチが、青山ラジュボークリニックと共同で実施「子育ての悩みについてのアンケート調査」身内以外に悩みを相談関係性や今後のことなど、いろいろと気になってしまい、身近な家族や友人に相談しづらいですよね。そのような時は、第三者に相談してみるのはいかがでしょうか。「どこまで相談していいのか」「どう思われるか」を気にすることなく、自分の悩みや胸の内を思い切り相談することができます。悩みの解決に集中することでき、自分では考えつかなかった対処法が見えてくるかもしれません。子育ての悩みを相談できる場所は多くありますので、参考にしてくださいね。子育てのお悩み 相談先【相談先①】スクールカウンセラースクールカウンセラーとは、学校で生徒や保護者、ときには教職員からの相談にも乗ってくれる心理学の専門職員です。心の不調・友達関係や親子関係のトラブルなどに加え、近年では発達障害に関する相談に乗ってくれるスクールカウンセラーも増えてきました。【相談先②】教育支援センター・教育相談所行政が設置している相談窓口は、スクールカウンセラーと同様、子どもが参加できない場合は保護者だけでも受けられます。おおむね週1回、または2週間に1回のペースで1時間程度の面談が行われます。検索エンジンで「〇〇市(区町村)育児支援」といったキーワードで検索すると情報が見つかります。【相談先③】カウンセリングサービス公的機関のほかにも子どもや保護者のカウンセリングを行ってくれる民間のサービスも多くあります。当社では、子育ての悩みに寄り添うオンライン相談サービス「ウチのこは」を展開しています。「ウチのこは」では、知識や経験が豊富な 100 名以上の専門家から、内容に合わせて相談いただくことができます。【サービス概要:オンライン相談室「ウチのこは」】■「ウチのこは」3つのポイント①厳選された教育の専門家が 100 名以上医師、公認心理師、発達障害および不登校専門カウンセラー、児童発達支援管理責任者、家庭教育師、教師、塾講師、スポーツトレーナー、ファイナンシャルプランナーなど、各分野の専門家が多く在籍。実績・知識・スキル面での審査を通過した経験豊富な専門家があらゆる子育て・教育のお悩みを受け止めます。②専門家やプランを 自由に選べる資格、実績、得意な相談内容、写真などの詳細なプロフィールを見て、自分の悩みにぴったりな専門家を選ぶことができます。また、相談方法を「ビデオ通話で相談」or「メッセージで相談」から選べることに加え、さらに具体的な改善プログラムを示してもらえるプラン(専門家ごとに異なります)もあります。③一般的なカウンセリング料金よりも安価に設定ビデオ通話での相談は 1 回 50 分¥3,500~。一部の専門家は 1 回 30 分¥2,000〜のお試しプランも提供しています。メッセージでの相談も可能です。 専門家プロフィールページのスケジュールからお好きな時間を選べるので、日中お仕事で忙しい方も合間の時間や夜間に対応可能。悩んでいるときいつでも気軽に相談できます。■Perk 掲載ページ/特典内容子育て・教育のお悩みオンライン相談室 - ウチのこは - Perk(パーク) : ― 家 族 ・ 親 子 の 幸 せ を 目 指 し て―株式会社 SUI では、大人のための情報教育メディア『ソクラテスのたまご』と、子育て・教育に特化したオンライン相談室『ウチのこは』を運営しています。どちらも、各分野の専門家にご協力いただき教育に関する正しい情報を発信することを目的としており、相互に連携しています。両サービスを通して、皆さまの悩みが少しでも軽くなり、子育てがもっと楽しくなったり家族・親子の幸せにつながることを願っています。【ウォンテッドリー株式会社 】代表者:代表取締役 仲 暁子所在地:東京都港区白金台5-12-7 MG白金台ビル4F設立:2010年9月15日事業内容:ビジネスSNS「Wantedly」の企画・開発・運営Wantedly(ウォンテッドリー)「はたらく」を面白くするビジネスSNS : 【株式会社SUI】代表者:代表取締役片岡 武志所在地:〒113-0034東京都文京区湯島3-11-7グランツ文京湯島101設立:2016年12月8日事業内容:マーケティング支援事業 /ソーシャルマーケティング事業/教育事業株式会社SUI|中堅・中小企業のマーケティング支援、Web制作 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年11月09日発達障害グレーゾーンの長男は特別支援学級に通っています初めまして、星河ばよです。特別支援学級在籍の長男タロと、定型発達の次男ジロの母です。長男は診断名がついていない、いわゆる発達障害グレーゾーンです。Upload By 星河ばよUpload By 星河ばよ長男が3歳のとき保育園から療育センターをすすめられて長男の発達については、「育てにくいな」とはさほど感じませんでした。初めての子育てでしたし、こんなものなんだろうとそこまで深刻に感じることもなかったです。夫、私の両親、義母も同様でした。次男が生まれても、特に長男との違いを感じることなく毎日は忙しく過ぎていきました。そんな日々が突然変わったのは、長男が3歳の終わりごろ。何の前触れもなく保育園の主任の先生から面談に呼ばれたのです。そこで言われたのはまったく予想もしなかった保育園での長男の様子でした。・集中力が続かない・おゆうぎの途中でも自分の世界に入ってしまいがち・興味があるものとないものの振り幅が大きい主任と担任の先生の3人から、これでもかとほかの子どもとの発達の違いを伝えられて、私はショックで暗闇のどん底に突き落とされたような気持ちになりました。面談の席には夫も同席していましたが、夫も押し黙ったまま。それでもたった一人でこの場に来なくてよかったと心底思いました。もし私一人だったら、とても受け止められなかったから。わが子が周りの子と比べて発達が遅いという現実は、当時の私には本当につらいものでした。Upload By 星河ばよ全然受け入れられなかった長男の発達の遅れ保育園の面談で主任の先生が提示してきたことは以下の2択でした。・療育センターに長男を連れて行く・療育センターの人を保育園に呼び、長男の様子を見てもらうこのどちらかを選択をする前に、私にはまず現状を受け止めるための時間が必要でした。保育園の面談によればおそらく長男は発達障害があるのかもしれない。長男の発達のために療育センターへ行ったほうがいいならそうしたい。だけど、心がそこまで追いつかなくて…。結局、療育センターへ電話をかけるまで1ヶ月ほどかかってしまいました。療育センターに行きたくない、という気持ちよりはむしろ「発達障害」という言葉を必要以上に重く感じてしまい、いつまでも心が起き上がれない感じでした。やっとのことで重い腰を上げ、療育センターへ行くことを決意しました。発達検査の結果、長男は「発達障害の傾向がある」と言われ、あらためて漠然とした不安が襲いかかってきました。心と体が分裂しそうになりながらも、発達検査の結果を保育園に報告すると、すぐに加配の先生をつけてくれました。わが子のために申し訳ないような、だけどすごくありがたい気持ちに包まれたのを覚えています。保育園は療育センターと連携をとって長男をサポートしてくれる。長男にはどんな声かけが有効なのかと気を配ってくれる。それなのに私はいつまでたってもどこか現実を受け入れることができなくて、心が置いてきぼりでした。「朝起きたら全部夢だったらいいのに」「成長がゆっくりなだけ。そのうちみんなに追いつく」と何度思ったか分かりません。泣かない日はありませんでした。周りの人に打ち明けることで少しずつ楽になれた長男の発達の遅れを受け入れようともがいていたとき、夫のほかは保育園のママ友が心の支えでした。彼女もまた私と同じように、保育園の面談で子どもの発達について指摘されていたのです。同じ境遇の彼女と情報交換したり、愚痴を言い合ったり、わが子の将来の不安を吐露したり。どんなに救われたか分かりません。また、近所でお付き合いのあるママ友や私の弟夫婦に、長男の発達障害について思い切って打ち明けたのですが、どちらも親身になって話を聞いてくれました。もしかしたらすでに察していたのかもしれないし、そうでないかもしれない。だけどいたって明るくふつうに受け止めてくれて。ただそれだけのことが本当にありがたく、うれしかった。信頼する人に打ち明けて、それを受け止めてくれる。おかげで私の気持ちが少しずつ軽くなって行くのを感じました。そして、いつまでもどんよりとした気分を引きずっていた私を、責めることなく優しく見守ってくれた療育センターの臨床心理士さんやソーシャルワーカーさんにも感謝しています。Upload By 星河ばよSNSがくれた出会いに感謝私は、もともと漫画を描くことが好きで、最初は軽い気持ちで長男と次男の日常をSNSに投稿していました。ある日、何の気なしに長男の発達の遅れについてのエピソードを投稿すると、いつもより少しだけ反響がありました。そのおかげで、SNSで発達障害のある子どもの子育てについて発信している方とも知り合うこともできました。同じように悩みながら子育てをしている方々の漫画には深く共感し、胸を打たれました。長男の発達の遅れについて発信しても需要がないだろうと思っていたけれど、もしかしたらそうでもないかもしれない。そこで思い切って漫画を描いてみることにしました。長男の発達に遅れがあることをあんなに受け入れられなかった私ですが、おかげさまで今では素直に受け入れることができるようになってオープンマインドになりました。全てをひっくるめて可愛いわが子、これからも一番近くでサポートしていきたい。そんなことを感じてもらえる記事をお届けできたらと思っています。Upload By 星河ばよ執筆/星河ばよ(監修:鈴木先生より)「発達障害の傾向がある」とありますが、医師の診察を受ければ自閉スペクトラム症とか発達性協調運動症など具体的な診断を受けることができます。具体的な診断がつけばそれに対してどういう療育がいいか、多動を抑えるのに投薬が必要なのかなど細かい指示を医師から出すことが可能になります。リハビリなら感覚統合訓練・音楽療法・乗馬療法などがあり、投薬は漢方薬から抗精神病薬までさまざまな手段があります。療育や治療など早期の介入が小学校入学後により良い効果として影響してくるのです。神経発達症(発達障害)のあるお子さんが小中高でその子らしく生活するために今、何ができるのかを真剣に模索することが大切だと思います。
2022年11月09日子どもの登校しぶり。根性論で追い詰めないこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・大場美鈴(楽々かあさん)です。前回のコラムでは、子どもに「学校行きたくない!」と言われたときの話の聴き方、伝え方のコツをお伝えしましたが、今回はそのあとの第2段階の対応、親ができる現実的かつ合理的な工夫について。子どもの登校しぶりに対し「登校させる」を解決の目的地にしてしまうと、子どもが学校への不満や不安を訴えても「それぐらいのことは、みんなガマンしてるんだよ」「がんばろう!」なんて、根性論や叱咤激励で説き伏せたくなりがちなのではないでしょうか。すると、今までずっと少しずつ何かをガマンし続けてきた子どもや、すでに自分なりに精一杯がんばって疲れ切っている子ども、努力では超えられない壁にぶつかって心折れている子どもなどには、全く心に響かないばかりか、子どもの心をより一層追い詰めてしまう可能性もあります。……かと言って、気持ちは分かるけど、「学校に行けるものなら、行ってほしい」「そんなに気軽に休まれては困る」というのも、親の正直な本音としてあるのは、私も経験上、とてもよく分かります。親にも仕事などの都合があるにも関わらず、その子の年齢や個性・精神状態などによっても、一人で留守番させられない場合もあるでしょう。また、休んで家でダラダラしている子どもを見れば、「この程度で休ませていいのだろうか」「休みぐせがつくのではないか」「勉強が遅れてしまう」と、わが子を案じればこそ、不安にだってなりますよね。では、こんなとき、親は一体どうしたらいいのでしょう。その子の個性や状態、今の環境、家庭の事情などがそれぞれ違うので、一律の「正解」を導き出すのは難しいのですが、うちでは、深刻な事態になる前に「親子でお互いに妥協し、現実的かつ合理的な工夫をする」という方法を選びました。ここではその経験を基に、うちの実例を交えつつ、考え方のヒントをお伝えしたいと思います。親が子どもの話を否定せずに聴いたあとで、子どもの気持ちがひとまず落ち着いたら……。まず、大前提として、「学校に行くこと=正しいこと、学校に行けない=ダメな子・親ではない」という視点に立つのが大事です。そうすると、休ませるにしても、話し合うにしても、正論や根性論”以外”の言葉や態度で、その子の気持ちに寄り添うことができると思います。そして、前回もお伝えしたように子どもの「行きたくない」にも、ちょっと気乗りしない程度から、本当に深刻に思いつめている場合まで、段階があります。子どもの様子をよく観察し、話を丁寧に聴いて深刻さの度合いを見極め、段階に応じて柔軟に対応できるといいでしょう。うちの場合は、子どもの「行きたくない」を、頭の中で以下の表のようなレベルに分けて、段階別に対応を変えました。Upload By 楽々かあさん【Lv.4】の、子どもが極端に思いつめていたり、疲れ切って布団から起き上がれない…など、かなり深刻な状態の場合は、学校どころではありません。とにかく休ませて、医療・支援機関等の専門家の力も借りながら、親はわが子への対応を最優先にし、「非常事態モード」に切り替える必要があると思います。【Lv.3】は、その子と学校との間に「努力では乗り越えられない壁」があると考えます。学校側と相談し、発達障害などの診断のある・なしに関わらず、その子の困りごとや不安感に対する理解と対応・合理的配慮をお願いしたり、学校や教室を変える・一時的に離れる・部分的に回避する…などの「今の環境を改善する/変える」具体的な対応を早めに取ることをオススメします。でも、【Lv.1】〜【Lv.2】の場合には、お互いにある程度妥協・交渉できる余地があります。そして、ここで親が早めに柔軟に対応することで、【Lv.3】以上に進む可能性を減らせる上、子どもも物事を柔軟に考えられるようになると、多少のことなら乗り越え、転んでも立ち直ることができる「適応力」が身についてくると思いますよ。ここでは、【Lv.1】〜【Lv.2】の、おうちでできる対応を中心にお伝えしますね。「行きたくない」ときの、合理的かつ現実的な工夫まず、親子の話し合いの目的地は「登校」ではなく、「子どもの負担感を減らす/和らげること」に設定するといいでしょう。多少の不満やストレスは溜めていても、様子がさほど深刻ではない場合には、子ども目線に立った現実的かつ合理的な工夫を一緒に考え、双方の落としどころを提案・交渉してみませんか。(ただし、一見あまり深刻そうには思えない場合も、深刻な状態への一歩、二歩手前のSOSである可能性も、念のため、頭に置いておく必要があります)ちょっとした工夫でその日一日を乗り切れたり、一日〜数日程度、早めに少し休んで回復することで「明日は行ける」ってことも、案外多いんですよ。では、以下はうちの実例です。「ちょっとダルい」「メンドクサイ」程度であれば、親が強めに背中を押せば行ける気がしてしまいますが、「イヤでもみんな頑張っているんだよ」なんて精神論では、「がんばれない自分はダメなんだ」と受け止める子どももいるでしょうし、仮にその日は行けても次第に親に本音を話さなくなることも。とはいえ、それぐらいで休ませるのは「子どもに甘すぎるのでは?」という気もするでしょう。こんなときには、「ごほうび設定」が有効です。例えば、うちでは、「今日は行って帰って来ただけでも努力賞」などと、交渉次第でお小遣いと交換できるポイントを増やしたり、「帰ってきたら、何食べたい?」と、おやつや夕飯のリクエストを受け付けたり…と、ごほうび設定で乗り切れることも多かったです。特に、運動会などの行事の前後や、季節の変わり目、年度の始めと終わりなどは、心身に負担がかかりやすいため、期間限定ポイントアップにしました。大人だって、なんとなく仕事にやる気がでない…なんてときには、「お客さまのために」「わが社の一員として…」なんてお説教よりも、待遇改善や報酬UPの話のほうがよほど聞く耳が持てるのではないでしょうか。また、体が少々疲れている場合には、体育や部活、塾などを部分的に休ませたり、通学距離が遠い子どもは車で送迎してあげたりして負担を減らしながら、家では生活リズムを整えて早めに寝るように促す…など、体力の回復を図ることも大事です。Upload By 楽々かあさん大人も子どもも、体や心が少々お疲れ気味なときに、とにかく、あれもこれも、ずーっとがんばり続けないといけない気がすると、誰だって余計に負担・不安感や憂うつな気分が強まってしまうでしょう。こんなときは、「いつまでがんばればいいのか」「どこまでできればいいのか」が、具体的に”見て”分かるように、「ゴール設定」をすると安心できると思います。例えば、うちでは市販のメモパッドで「日めくりカウントダウン」をつくりましたが、スマホアプリなども手軽ですよ。「冬休みまであと〇日」「小学校卒業まであと〇日」など、具体的な数字でゴールが見えると、小学校があまり好きではなかった長男も、なんとか卒業式まで乗り切ることができました(ただし、ゴールと同時に燃え尽きないように、疲れをためているときには休ませました)。同様に、学習量が多くて負担な子どもには課題ページにふせんなどを貼って「最低限、ここだけやればOK」とか、部活や塾などの負担が大きい場合には、「〇〇大会が終わったら部活やめてもいいよ」「〇月までで、塾は一旦お休みする?」などと本人の希望を考慮しながら提案し、カレンダーにチェックなどを入れて「ここまでがんばればOK」という目安や区切りをつけてあげるのもテ。(ただし、継続的に子どもの負担が大きな場合には、取捨選択をして「やらなければならないこと」の”総量”を根本的に減らすことも必要です)ポイントは、その子が「これくらいならできそう」と思える、現実的に短期間で手が届くゴールにすることです(高望みはしないこと!)。Upload By 楽々かあさん大人の会社員には、年次有給休暇や育児・介護休業、生理休暇などが法律で定められ、堂々と「休んでもいい日」があります(充分活用できているかは別として……)。さらに、福利厚生の充実した会社では、「記念日休暇」や「〇〇ロス休暇」などの特別休暇があることも……。これと同じく、私は子どもの都合で、「学校を休んでもいい日」があってもいいと考えています。ただし、よほどの理由がない限りは、「いくらでも、好きなだけ休んでOK」とまでは言えません。過剰な負担にならない範囲でなら、学校教育には子どもの心身の成長に必要な役割があると思いますし、正直、ずーっと休まれると仕事や家事に支障が出て私も困るからです。そこで、うちでは交渉の結果、親子双方の落とし所を見つけて、「おやすみチケット」という、親公認のズル休み…いえ、有給・特別休暇のような制度をつくりました。予め、それぞれの子と話し合い、親の都合も加味しつつ、「年〇回までなら、休んでOK」と年間で”熱がなくても”休める日数を決めたり、給食で極端に苦手なメニューが出る日のために「プチトマト休暇」などを年に数日設定したりして、市販のカードに手書きしたチケットを一年分まとめて渡しました。すると、子どもも「今日はちょっとしんどいけど、来週もっと心配な日があるから、お休みチケットは使わない」などと計画的に休むことができ、いつでも使えるチケットが手元にあるだけで安心するようでした(期限内に休暇を消化しなければ、ポイント交換できます)。親のほうも決められた回数の中で休んでもらったほうが対応しやすく、合理的なシステムだと思っています(ただし、子どもの様子によっては、チケットの回数を超えて休ませる場合もありました)。うちの子たちの場合、「行きたくない」が【Lv.1】〜【Lv.2】程度であれば、こうして時々自己都合でリフレッシュできると、大抵は「明日は行ける」と気持ちを切り替えて前向きになれることが多かったです。こんな、うちの経験上言えるのは、「がんばり屋さんは、早め早めに、ちょこちょこ休んだほうが長引かない」ということです。時々、ちょっとだけ休んでも……ここまで、うちでの工夫を例に、登校しぶり対応への考え方のヒントをお伝えしました。いずれにせよ、各家庭でどんな対応を取る場合も、子どもに「行きたくない」と言われたとき、選択肢は「絶対に学校に行かせる/ずーっと休ませる」の2択ではない、ということは、頭の片隅に置いておくといいでしょう。また、子どもも親との話し合いを通して「ここまではがんばれるけど、これ以上は無理」といった線引きができると、いずれ、今求められる努力が自分に見合った「適切なもの」なのか、それとも、「過剰なもの」なのか、 だんだんと見極めがつくようになると思います。相手の要求を無条件に受け入れもせず、かといって、自分の要求を一方的に押し通しもせず、お互いに妥協し双方の落としどころを見つける経験は、きっと、その子が社会人になったときも役立つはずです。そして、親がなんでも根性論で乗り越えさせずに、今のその子の負担感を理解してあげることで、「できない、がんばれない」ときの自分を、必要以上に責めずに済むと思います。親のほうも、わが子が学校に行けないと不安や焦りを感じると思いますが、それが「今のその子にとっては、必要なこと」と割り切ってしまえば、気持ちの上で少しラクなのではないでしょうか(私の経験上)。たとえ、がんばり続けることに少し疲れて、時々ちょっとだけ立ち止まって休んでも、おうちが「安心して休める場所」であるならば、子どもはちゃんと成長してくれますからね。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)根性論ではなく、お子さんとのコミュニケーションをしっかりとって、妥協点を見つける。がんばって登校できたことに対してご褒美を設定する。合理的に休みをとれるようにチケットを使う。これらは、登校渋り段階にあるお子さんへの家庭での対応としてとても素晴らしいと思います。楽々かあさんの言われているように、ときどき休憩するという点はとても大事で、がんばりすぎた結果、連続欠席が続かないようにするためにも有効な手立てだと思います。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2022年11月08日とりあえず聞いてみよう!思い切って訪問した教育センターUpload By カタバミ自閉スペクトラム症と知的障害があるまちゃには、2歳上にお姉ちゃんがいます。まちゃが年少の秋、お姉ちゃんは年長で、就学の準備を始める時期になっていました。公立の小学校に入学予定でしたが、決められた学区の小学校は家から遠く、学区外の小学校のほうが家から近い距離にありました。また、お姉ちゃんの友達の多くはわが家では学区外にあたる小学校に入学予定だったため、お姉ちゃんは学区外の小学校に行きたがりました。しかし、私は迷いました。お姉ちゃんの小学校を決めるということは、2年後弟のまちゃも同じ小学校に入学する可能性が高いからです。お姉ちゃんが希望している学区外の小学校には知的障害を伴った特別支援学級がありません。でもまだまちゃは年少なので、これから知的発達に変化があるかもしれないとも考えました。迷った末、地域で就学についての相談を受けていた教育センターに行ってみました。就学する本人が年長にならないと就学についての相談は受けつけないと聞いていましたが、きょうだいの就学のタイミングで相談したいと思ったからです。教育センターでは門前払いかもしれないと心配しましたが、丁寧に対応していただけました。説明していただいた中で特に頭に響いたのは「障害者手帳の等級が軽度ならだいたい特別支援学級で、等級がそれ以上なら特別支援学校を選ぶ方が多いです。でもこの地域では保護者の意思が尊重されます」という言葉でした(これはお住まいの地域によって変わってくると思います)。結局、お姉ちゃんの小学校は学区外に決め、まちゃの就学先は様子をみながら決めていくことにしました。障害者手帳の等級が軽度なら特別支援学級?でも…まちゃの障害者手帳には事情がUpload By カタバミまちゃは障害者手帳を幼稚園入園前に取得していて、等級は軽度です。検査したその場では「中度」と言われたのですが、数週間後に正式に出た結果は「身辺自立はできているので軽度」ということでした。まちゃはその場でほとんど検査を受けることができず、ほぼ私からの聞き取りで結果が出たのです。検査をしてくれた先生の言葉を発達センターでまちゃを担当してくれている臨床心理士に報告したら「たしかに中度よりの軽度ですね」と言われました。就学するころに中度になることは十分想像できます。教育センターの方の言葉を思い出し、特別支援学校を選択する可能性はあるのかな?と思いました。それからいろいろと聞くと、検討している特別支援学校では全体的に身辺自立などを教えていることが分かりました。トイレや着替えなど、身辺自立はまあまあできているなら、まちゃは特別支援学級なの?とも思いました。でも、幼稚園の園長先生から「まちゃくんはお母さんやお姉ちゃんの言うことはとても良く聞くんです。ですから園の苦労がなかなか伝わらないのかもしれません」と言われていました。家で身の回りのことが比較的できて穏やかなまちゃは、外では別人のようなのかもしれないとも思っていました。そんなこともあり、特別支援学級、特別支援学校のどちらがまちゃに合いそうなのか、分からずにいました。年中からは近所で評判の良かった児童発達支援事業所に入ることができました。でもそこで就学についてのアドバイスはなく、担当の小児科医からも「然るべき機関と相談してください」と言われました。相変わらずまちゃの発語はほぼ単語のみで、私は家以外でのまちゃを客観的にみてくださる方がいれば相談したい…と思っていました。経験豊富な先生の視点が欲しい。年長から療育園へUpload By カタバミ通っていた児童発達支援事業所がコロナ禍で短縮されたのを機に、思い切って年長から療育園に入園しました。まちゃの発語を増やしたいとも思いましたし、経験豊富な先生から就学先へのアドバイスがほしいとも思っていました。療育園に入園すると見学が比較的自由で、マジックミラー越しに私のいないところでのまちゃの様子をたくさん見ることができました。療育園でのまちゃは自宅ほどではありませんが落ち着いていましたし、念願が叶って、就学担当もされている大ベテランの方が担任をしてくださいました。初夏の面談でその先生から「まちゃくんは45分間座っていられそうなので特別支援学級を考えてみてください」と言われて驚きました。私が「でも言葉をしゃべることができませんし、あまり理解もしていないようです」と言うと先生はうなずいて「でも、まちゃくんの様子なら特別支援学級も視野にいれてもいいと思いますよ。ぜひ考えてみてください」と繰り返しました。面談の際、療育園には教育センターの方も直接来てくださっていました。私は特別支援学校と知的障害クラスがあって家から通える特別支援学級をいくつか見学したいと希望を伝え、見学できることになりました。特別支援学校の見学&体験Upload By カタバミ特別支援学校は親だけの見学の日と、親子が一緒に行って授業を体験する日がありました。親だけの見学の際には校舎を数時間かけて案内・説明してくださる方もいて、何から何まで「しっかりしていて頼れそう」な気がしました。体験時はまちゃも楽しそうで、もっと遊びたいと駄々をこねて寝転がったこともありましたが、先生は全く動じず笑顔で対応してくださってまぶしいほどでした。在校児童にまざって授業も受けましたが、どのお子さんもちゃんと座っていましたし(新学期には無理でしたよ、と説明されました)、授業の内容をよく理解しているなと感じるお子さんもいました。ただ、帰りの準備や着替えなどにたくさん時間をとっているように感じたので、身辺自立はまあまあできるまちゃは持て余す時間も多いかもしれないと思いました(支度が早くすんだお子さんには先生のお手伝いをしてもらったりしますと教えていただきました)。私たちの住んでいる地域では特別支援学級か特別支援学校なのかを選ぶのは保護者の選択によります。特別支援学校、特別支援学級のどちらがまちゃに合いそうなのかまだ判断できすにいましたが、まちゃ年中のころから平仮名や数字の勉強を少しずつ始めていて、数字をそれほど苦もなく覚えていたので、私は学校ではぜひそういった勉強をして欲しいと思っていました。特別支援学校ならまちゃを安心して通わせることができそうだけれど、特別支援学級の様子もぜひ知りたいと思いました。まちゃの就学先を特別支援学級と選択するのは、これより少しあとになってからのことです。執筆/カタバミ(監修:初川先生より)特別支援学校か、特別支援学級か。まちゃくんのお姉さんが就学のタイミング(まちゃくん年少時)から検討を始められたとのこと、とてもよいですね。カタバミさんはきょうだいで違う学校になる可能性も考えていらしたようですが、さまざまな事情からきょうだいは同じ学校でとお考えになる方もいらっしゃるだろうと思うので、上のお子さんの就学時から検討することもありますね。就学相談として受理されるには、お子さんが年長になってからという枠組みの自治体も多いと思います。今回、まちゃくんのご相談を教育センターで聞いてくださったのはなかなかよい計らいだと感じました(正式な相談としてではなく、情報提供として簡単な助言を下さる場合などあると思います)。カタバミさんが、まちゃくんの家での様子のみをふまえて、特別支援学校か特別支援学級かを検討されるのではなく、集団場面(あるいは親である自分のいない場面)でのまちゃくんの様子を知ってそれから判断したいと考えられたこと、とてもよかったと思います。環境によってお子さんのふるまいや居心地は変わります。学校生活に近い環境を見たい、そして、ベテランの先生方にも療育での様子ふまえてご意見うかがいたいと思われたこと、大切な視点ですね。そして、子どもの成長はなかなか大きいので、年長の際にぐんと伸びる場合もあると言えばあります。そのあたりも悩ましいポイントかもしれませんね。就学相談での判定(特別支援学校、特別支援学級など、どこがお子さんに合っているかの判定)は、強制力があるものではなく、あくまでもそれを参考に最終的には保護者・お子さんの希望で就学することができます。もちろん就学相談での判定は各種専門家やこれまでの様子の観察や検査結果などふまえて総合的に出されるものなのでとても意味のあるものです。それをふまえて、就学相談担当(あるいは就学予定先の学校の先生方らなどと)相談しながら最終的に就学先を決めていただければと思います。
2022年11月08日小学校の就学時健康診断で…ゆいの小学校の就学時健康診断では、高学年の生徒たちがアテンドをしてくれました。年長の子どもたちは保護者から離れ、お兄さん・お姉さんに手を引いてもらって各教室を回り、さまざまな検査を受けます。ゆいも初対面のお姉さんと手をつないで待合室を出発しました。私は待合室でゆいの帰りを待っていたのですが、しばらくすると先生から声をかけられました。「お子さんが泣いてしまい、先に進めなくなっている」と言われ、私はゆいを迎えに行きました。Upload By 吉田いらこゆいは聴覚検査の会場になっている教室の前でしくしくと泣いていました。隣には困った顔をしたアテンド役のお姉さん。きっと初めての場所で、初めての人に連れられて行くことに大変なストレスがかかっていたのでしょう。いくつかの検査には何とか耐えていたようですが、最後の聴覚検査を受ける前に限界が来たようです。私が付き添って検査を受けさせようとしましたが、学校の先生に「無理をさせるのはかわいそうなので、特に聴こえ方に気になるところがなければもう検査は受けなくてもいいですよ」と言われました。そのお言葉に甘えて、ゆいには聴覚検査を受けさせずに就学時健康診断を終了しました。Upload By 吉田いらこそのときの私は、この子は人見知りが強い子だなとしか思っていませんでしたし、まだ幼いから仕方ないと特に気にしていませんでした。今思えば、先の見通しが立たないと不安を強く感じるというASDの特性があったのだと分かります。前もって写真を見せながら本人に流れを説明するか、事情を説明して私がついていけば、少しは違った結果になったのかもしれません。Upload By 吉田いらこ小学校入学後の娘の様子は…入学後も、ゆいは新しい環境に慣れるのに長い時間がかかりました。私は「早く周りの子どもたちのように、学校に慣れて楽しく登校してほしい」と、励ましや対応をしていました。そして、ときにはみんなと同じようにできないゆいにイライラし『可愛い子には旅をさせよ』という言葉を曲解して、ゆいに一人で行動させるようにもしました。でも、こういうやり方は、ゆいには効果がなく、結局長い時間をかけて慣れていくことしかできませんでした。今までの保育園生活から一気に環境が変わり、とても疲れていたゆいを、私はさらに追い込んでいたと思います。Upload By 吉田いらこ娘が安心して学校生活を送るためにもう少し早く発達障害があることに気づいていたら、学校の先生と相談してゆいに合った環境づくりをしていただけたのかもしれません。保護者が感じるカンというものは大切にしなければと感じました。現在のゆいはさまざまな支援をしてもらい、学校に楽しく通っていますが、ここに来るまでに、つらい思いをさせてしまいました。今後このような思いをさせないためにも、娘の特性をより理解し、早めに判断できるようにしていきたいと思います。執筆/吉田いらこ(監修:初川先生より)就学時健康診断、学校生活開始時に、新しい環境に慣れなかったエピソードのシェアをありがとうございます。就学時健康診断はお子さんにとってまさにイレギュラーな単発イベントです。聴覚検査は見慣れない機械を使うので、びっくりした面もあるかもしれませんね。確かに就学時健康診断のために入念な準備をして、本人が戸惑うことなくできることも、お子さん本人の負荷を減らすという点ではよいことですが、その場合、どれほど入念な準備をしたのかを学校に細やかにお伝えいただきたいと思います。学校の先生方からしても、多くのお子さんにとって新奇場面である就学時健康診断での様子を見ながら、次年度の新入生たちが新しい環境にどのように反応するかを見ている面があります。学校からすると、毎年就学時健康診断をしているので、健診を受ける子どもたちがだいたいどのような様子を呈するかは経験的に知っており、その経験則と照らし合わせつつ、お子さんをアセスメントしているとも言えます。そのような就学時健康診断の場で準備の末に適応的に過ごすことは、つまずきやすい状況という情報を共有しづらくなる面もあります(ただ、繰り返しますが、お子さんの状態や負荷のかかり具合によっては、準備をして臨んだ方がいい場合もあるかもしれません)。また、昨今のコロナ禍で、就学時健康診断のやり方が変わっているところもあると思います。コロナ禍以前は、いらこさんの記述にもあったように、高学年のお兄さんお姉さんがアテンドしてくれましたが、コロナ禍によって親子で回る場合も多いのではと思います。新しい環境に慣れるために、場数をふませる、励ますというのは、保護者の方がよく最初に取られる対応です。それ自体が悪いわけではありません。そうした対応をしてみたけれど、お子さんがつらそうである、なかなか環境に慣れないなどの気づきがあった際に、学校の先生などにご相談され、これまでとは違う対応(そしてそのベースとなる見立ての共有)を取られたらよいと思います。うまくいったことは継続し、うまくいかなかった場合は対応を変える。それが全ての大原則だと思います。
2022年11月07日衝動性が高く、口下手だった息子小学校低学年のころの息子は多動性や衝動性が強いところが目立ちました。また、口下手なところがあり、自分の気持ちをうまく伝えられないという面がありました。精神的にも少し幼いところもあったからか、年下の子どもと気が合うようで、よく一緒に遊んでいました。工作になると過集中状態、そして…そんな息子ですが、工作が大好きで、家でも通っていた学童クラブでも、暇さえあれば何かを作っていました。工作中は過集中状態になっていることも多く、一心不乱。話しかけても気づかないこともしばしばでした。Upload By ユーザー体験談その日も学童で、工作に熱中していたようです。1年生の男の子が、息子と遊びたくて話しかけてきました。しかし、息子はしばらく返事もせず工作に没頭。1年生はかまってほしくて、目の前にしゃがみ込み、めげずにずっと声をかけてきてくれていたようです。すると…息子は手に持っていたハサミを目の前にあった1年生の足にむけ…無言でジョキリとソックスを切ってしまったのです!1年生は驚いて泣き、学童クラブの先生もあわてて仲裁に…。会社から帰宅途中だった母の私にも、学童クラブから連絡の電話が入りました。Upload By ユーザー体験談「やめて」と言う前に刃物を向けてしまうなんて…さすがにショックを受けました。1年生の子のママとは、PTA活動などで話したこともあり、連絡先を知っていました。私は学童の先生からの電話を切るとすぐに彼女に電話を入れ、「謝罪に伺いたい」と伝えると、受け入れてくれました。息子と一緒に謝罪へ1年生の家に謝罪に向かう前に、息子としっかりと話をしました。「いやなのであれば、やめて、と言葉で伝える」「刃物はけがをさせてしまうこともある。絶対に人に向けてはいけない」冷静になった息子は、ようやく危険な行為をしてしまったことに気づいたようで、落ち込んでいました。そしてすぐに、会社近くのデパートで購入した新しいソックスと菓子折をもって、謝罪に向かいました。相手のお宅への道中、暗い夜道を息子の手を引いて歩きながら、泣きたいような気持ちになったのを覚えています。Upload By ユーザー体験談緊張しながら呼び鈴を鳴らすと、顔を出した1年生のママは、夜の忙しい時間にもかかわらず、そのまま自宅に迎え入れてくれました。ダイニングまで上がらせてくれるとお茶をすすめ、少し落ち着いてから、息子に対して、静かに静かに諭してくれました。集中しているときに邪魔をしてしまったのはよくなかったけれど、刃物を向ける前に言葉で「やめて」と伝えてほしかったこと。刃物でもし相手にけがをさせてしまったら、血が出たり、場合によっては障害も残り、大変なことになること。けがをさせてしまったら、けがをさせた側もけがさせられた側も、心が傷つくだろうこと。息子にも分かるように、ゆっくり、しっかり、話してくれました。責めたてられても拒絶されても当然の行為をしてしまったのに、厳しいけれども芯のところはあたたかく叱ってくれた1年生のママに、私は深く深く感謝しました。Upload By ユーザー体験談厳しくも息子を包み込んでくれた1年生のママの存在その後、1年生と息子はさらに仲良くなり、息子が学童をやめるまでよく一緒に遊んでいたようです。子どもの気持ちに寄り添いながらも、言うべきことはきちんと言い叱ってくれたママの存在は、息子にとって貴重なものになっていると思います。1年生のママは、私よりずっと若くきれいな人でした。きっと10年は私のほうが長く生きていただろうに、彼女は私よりずっと精神的に大人でした。以前の私は、息子の友人たちに対してうまく叱ることができず、トラブルに直面しても、あいまいに「大丈夫だよ」と言ってしまう場面もあったように思います。でもそのために、子どもたちは学ぶ機会を失っていたかもしれません。息子にとっても大切な言葉をくれた1年生のママは、私にも大切なことを教えてくれました。いまでもふとしたときに思い出される出来事です。イラスト/taekoエピソード参考/あっきー(監修:三木先生より)とても理解のある優しいお母さんで良かったです。こうやって、いろんな大人がいろんな子どもの未来を案じて真剣に向き合ってくれることはとても大切なことです。しっかり振り返りもできて、またお子さんの成長につながると良いですね。
2022年11月06日■前回のあらすじ娘のストレスを減らすため、旦那の特性に合った対応策を私は考案。そのおかげか、だんだん父娘の関係が落ち着いていくのでした。そんな折、旦那が娘と一緒にSNSをやりたい、インフルエンサーになると言い出して…。■会話が弾むように!前から旦那は娘のしぇーちゃんの工作は褒めてくれていましたが、それが何なのかどうやって作ったのかなど深く突っ込んで聞くことはあまりなかったです。なので、いろいろ聞かれた娘はとても嬉しそうでした。■一緒に夢中になることで親密に!旦那と娘の活動期は大体2ヶ月弱だった気がします。でも私抜きでふたりで何かをして、何かを成し遂げてる姿は微笑ましかったです。■旦那が向き合って出た成果親子仲をネットで調べると「父親の文句を子どもの前で言わない」「父親のおかげで暮らしていけると、感謝を子どもにも説明する」と、よく出てきます。私の母は父の悪口を言わない人だけど、私は父の言動のせいで父が嫌いです。私も極力旦那の不満などは言わないようにしていましたが…、娘は私たちが仲が良くても逆に嫉妬して旦那に怒るので難しかったです。旦那への感謝の話をしましたが「そればっかり言われても…大人はすぐそう言う」と年長の頃にはウンザリされました…。今思うとこれは良くなかったです。結果として、旦那が娘と向き合って「子どもだから言ってもわからない」ではなく、自分のことも話してコミュニケーションを取るようになってから関係は落ち着きました。(娘もコミュニケーションが苦手なASDなこともあるかもしれませんが)今回の親子の話はこれで終わりです。最後までありがとうございました。
2022年11月06日環境の変化が苦手な私が引越しすることにこの秋、私は引越しをしました。引越しすることが決まってから出発当日まで1ヶ月しかないというタイトスケジュールです。引越し作業本体というか、梱包自体は黙々と自分のペースでやれば済むことなので比較的気楽でしたが、大変だったのがあいさつ回りや転居に伴うもろもろの手続き。車を運転できる夫とスケジュールを合わせなければならなかったうえ、私は通っている病院がいくつもあったので、紹介状を書いてもらって受け取るだけでも予定がどんどん埋まっていきました。プレッシャーと慣れない社交タスクの連続で片頭痛が連続して出るようになり、予防薬を飲み続けてやっと動ける状態でした。完璧主義と認知のスローさが足かせに引越し前の梱包作業でも、引越し後の買い物でも改めて思ったことですが、私は時間に追われる中で素早く決断することが非常に苦手です。知能検査の結果をもとに心理士さんに指摘されたことがあるのは、ものごとの認知のしかたが詳細だが動作はスローなため、いわゆる熟考タイプで、急かされると非常にストレスを感じるし本領が発揮できないということでした。なにをどこに入れるか、どれを買うか… そういったことの完璧な答えを必死に探そうとしてしまって優柔不断になり、半ばパニックになって固まってしまいます。いっぽう夫は、素早く決断して短い時間で行動することになんのストレスも感じていないようでした。私からするとすごく雑な判断をしているようにも見えてヒヤヒヤするのですが、彼は自分が想定外のできごとに対応できる自信があるのもあって、失敗が怖くないのだと思います。私は自分が想定外のできごとに非常に弱いし、失敗して叱責されたトラウマがたくさんあるので、失敗が怖くてつい完璧主義になってしまうのです。タイトなスケジュールでの引越し準備でどちらも疲れていたため、2人の間で雰囲気が険悪になりかけたこともありましたが、夫と自分の特性を対比して見ることができたのはよい経験になりました。新居で夫に驚かれた食器等の的確な配置、ストレス緩和対応策新居に着くと私は怒涛の荷解きを開始しました。ASDの几帳面さをいかんなく発揮し、食器棚の中の食器や食材の位置など、元あったそっくりそのままに収納。あるいは新しい環境でも一定の法則に基づいて非常に使いやすく配置しました。そういった作業を黙々と一日中続ける様子に、夫は「うーんさすがだ、こまねずみのようだ、こういうことはやっぱりお前が向いてるんだな」と感嘆します。夫「コーヒーはどこ?」私「食器棚のここだよ、元あったところだよ、適当なとこに気分でしまったりしないよ笑」夫「なるほど笑」というやりとりもありました。私は、自分が変化に弱いことをよく知っていたので意識してこのようにしたのですが、これは非常によい策だったようです。自分の本棚も梱包する前にどこに何が入っているのか写真に撮っておいて、そのとおりに詰め直したので楽だったし、前のとおりに本の並んだ本棚を見ていたらスッと気持ちが落ち着きました。また、3日目ぐらいからは、ふだん習慣にしていたヨガの決まったルーティーンを再開しました。ふだんどおりのヨガを違った環境・状態でやると、どこがどれだけ疲れているのかの違いがよく分かります。特に凝っていると思ったところを念入りにほぐすと、しばらくぶりによく眠れました。夫はそれを見ていて、「お前のそういう心がけは本当に立派だよな」とこぼします。夫はふだん私より何倍も忙しいのもあるのですが、セルフケアの苦手な人で、私の心がけには一目置いているようです。引越しを機に俯瞰することができた自分の特性私は変化が苦手だし嫌いでもありますが、引越しのような、人生の中でときどき起きる大きな変化はいろいろと気づきを与えてくれるので、疲れるばかりではなく収穫もあるなと思いました。私自身はいつも変わらないし、周囲の環境も変えまいとしますが、今回のように強制的に環境が変わることがあると、自分の特性がよく見えるよい機会となります。ふだんから見つめていた自分の特性――変化が苦手であること、セルフケアなしに元気を保てないこと―― への意識が引越しの乗り切りを楽なものにしました。また、完璧主義や動作のスローさのように、あまり意識しておらず、引越しの途中でうっかり足元をすくわれた特性もありました。発達障害の特性の中には、状況に対して有利に働くものも不利に働くものもありますが、いずれも過不足なく事実として認識し、的確に対応することが肝心だと思います。私は今回、悩みながらもきちんと自分の特性への対応ができているなと誇らしくなりました。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)環境の変化を「収穫」ととらえたことは素晴らしいことと思います。引越しをしてもできるだけ以前と同じような配置を工夫することで環境の変化を最小限に抑えることができます。また、ADHDの並存で片付けや整理が苦手な人でもこういう機会に断捨離ができます。そういう意味で引越しもいいものだと思えればいいのではないでしょうか。夫がASDを理解して、その特性について「立派だよ」と褒めてくれていることは大変重要で意義深いことです。夫婦お互いのできないところを責めるのではなく、できる特性を褒めてくれるやり方が夫婦円満の秘訣かもしれません。想定外の出来事に対応できる夫と苦手な筆者とで調和がとれているのだと思います。「動作がスロー」なのはRussell A.Barkley先生らのいうADHDの併存症状Sluggish Cognitive Tempo(行動がもたもたする)タイプにあたるのではないかと考えられます。完璧主義であるASDの裏に隠れたADHDも存在することがあります。そのために叱責され、自尊心が下がっているケースも多いのです。ADHDがあれば早めに介入して治療することで自尊心を上げることは可能です。
2022年11月05日■前回のあらすじ娘の旦那への態度に変化が現れたので原因を探ると、朝の細かい声がけが復活し、さらに学校生活についての質問が多いことに気づく。そこで旦那に、それらが娘の負担になっているので控えてほしいと伝えるのでした。■旦那の対応を細かいものに娘のしぇーちゃんは比較的、家でも癇癪や大泣きをするタイプではなかったのですが、さすが新生活…旦那に対して荒れに荒れていました。正直私の負担も増えるし、旦那は大人なんだから娘と仲良くなるために自分で調べて頑張ってほしいと思っていました。(その調べる時間も努力も娘を思えばできることだと思っていた)あと、いちいち行動に口出されるの不快なんじゃないかと思っていました。でも旦那曰く「どうしていいかわからないからむしろ助かる」と言われて、対応を細かいものへ変えました。結果として、娘の環境を変える(放課後デイを辞める)、旦那の対応の対策をする。こうしてなんとか1番しんどい時期が抜けてきた頃、旦那から提案がありました。■旦那からのまさかの提案が…!旦那のまさかの申し出にかなり驚きました。娘はその頃ユー●ューブごっこもしながらゲームをしていたので、旦那はそれを見て「これだ!」と思ったみたいです。※アプリサービスの宣伝ではありません。物語の中で出てくるものとして今後もお読み下さい。次回に続く「娘と旦那の仲が悪くて困っています」(全11話)は12時更新!
2022年11月05日とっさに出た「キメ台詞」っぽいひとことUpload By 丸山さとこ子どもと過ごしている中で『疑わしいな~』『それ信じて大丈夫?』と思うことはありますか?私は毎日です。とはいえ「子どもを疑うことや、それが子どもに伝わることは良くない」「子どもを信じているという姿勢を示すことが大切」という言葉を目にすることも多いため、「あからさまに疑うのもよくないかな?」と、コウへの伝え方に迷うこともしばしばです。確かに、『自分を疑ってかかる人の言葉は素直に聞きづらい』ということは分かります。大人である私であっても、『あなたのことを疑っていますよ』というムードを感じ取れば警戒心や不信感が先に立ち、「話を理解しよう」という気持ちが削がれてしまうかもしれません。そうして『コウの言葉通りになるとは思えないが、疑っているわけではないと伝えたい』と考えた私は、「コウを疑っているんじゃない。私は自分の経験を信じているんだ」と決めゼリフっぽいことを言ってしまいました。Upload By 丸山さとこ言いながら『深いことを言ったようで何も言ってないセリフだな…?』と首を傾げる私をよそに、コウは「かっけぇ~…!」と目をキラキラさせてくれたので、結果としてはいい雰囲気になりました。「コウへの言い方」に悩まされて早10年人の発言を言葉通りに受け止めがちなコウに話すときには、意図を明確にしつつハッキリした言葉選びが重要です。また、ちょっとした言葉づかいや『聞きなれない言い方』に敏感なところもあるコウは、人の言葉の意外なところに引っかかるときがあります。以前、実家にコウを預かってもらったときのことです。母が何気なく言った言葉に「どういうこと?」「なんで?」と引っかかったコウは、そのまま行動を止めてしまうことがあったそうです。「コウ君は、普段お母さんが言わない言葉に敏感だね~」と母は笑っていました。Upload By 丸山さとこ確かに、私はコウが引っかかって止まりそうな言葉を避けるところがあります。『公園を見ると動かなくなる子ども』と登園するときに公園の前を避けるようになるのと同じ感じで、『コウが引っかかって動かなくなる言い回し』を自然と避けるようになったのかもしれません。先日母とコウが電話をしたときなど、母が「今日はできてるね」と言ったら「今日は?」と即聞き返してきたというので、「あぁ。ありそうだな」と笑ってしまいました。意図を読むことは苦手なのに比較の表現に敏感なのも、コウの『あるある』だなと感じます。Upload By 丸山さとこそのときの母と同じ状況になったとしたら、多分私は「今日できてるやん!」「あー、よかった。最近できてないの続いてたから、今日できててホッとしたわー」と、より具体的に伝えるだろうなと思います。コウにとっては『意図を明確にハッキリと言葉にして伝えてもらうこと』が重要で、発言の内容自体(最近できてなかったが「今日は」できている)を皮肉と捉え気分を害することはないようです。面白いなと思います。とはいえ、日々の生活の中でNGな言い回しを避け続けるのは無理があります。そのため、日常の隙間に『コウの気分が上がるひとこと』を入れるようにしています。コンディションが悪ければひっかかってしまう些細なひとことも、明るく安定しているときは流せるからです。Upload By 丸山さとこコウの気分が上がるひとことは、大抵たわいもないひとことです。ご飯をつくる気力がないときに、簡単などんぶり料理を「この一杯に全てを込めました」と言って出すと大変喜びます。ここに書くのも恥ずかしいくらいしょうもないひとことですが、効果はてきめんです。注意をするときも、普通に声をかければ機嫌を損ねてグダグダになりそうなときは『笑える要素』を入れることで、何となく聞き入れてくれたりします。いざというときに「真顔」を取って置きたくてこうして『コウにウケの良い言い方』を取り入れているのは、生活の中でコウに対して声かけや注意を促すことがとても多いからです。その全てを真顔で行なっていたら、私とコウの関係はギスギスし過ぎて、話を聞くどころではなくなるだろうと思います(実際、そうなりかけた時期もありました)。それらの声かけや注意の中には、「ここは特に聞き流さずに真剣に聞いてほしい」と思って言うものもあります。そういうときのために、できるだけ『真顔』をとっておきたいと考えています。そう思いつつも、目についたことがあれば「これで良いの?あれはどうなってるの?」と言いたいことでいっぱいになってしまう私です。中学生になり、親との距離をしっかり持つようになったコウが引いてくれた『ここから先の口出しはいらないよ』の一線を安易に越えないよう、気をつけていきたいところです。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:三木先生より)キメ台詞、面白いですね(笑)。そして「意図を読むのは苦手なのに…」など、自分が気になる言葉面に引っかかるところは特性に特徴的ですね。また、メリハリをつけた関わりも大事です。普段は緩い雰囲気で子どもを上手く乗せつつ、いざというときにしっかり締める。こういう押し引きができると自分も楽になるでしょう。
2022年11月04日■前回のあらすじ娘のしぇーちゃんが年長になり、旦那は娘の気持ちを全面的に受け入れるように。これまでに比べ、穏やかな親子関係を続けられた年長時代が終わり、娘が小学校に入学。しかし、ストレスで旦那への風当たりが強くなり…。■なぜ旦那への態度に変化が?原因は多分、声がけが増えたからかも!?旦那には注意などの声がけを控えてもらっていたのですが、新生活になりまた声がけが増えていました。娘に理由を聞いても「パパうるさいから」しか言わないので、どんなときに娘が不機嫌になったり怒ったりしてるか思い出したり様子を見たりして気付きました。あと、疲れているときにバーっと話しかけてしまって、娘が「……」みたいな。私自身も新生活に余裕がなかったので、そこまで気にしておらず…。行き渋りがあったので、その対応で頭がいっぱいでした。■旦那への理解が必要!?旦那は就学前は8時前出勤していたのですが、娘が就学したら朝の出発が30分早くなるのでそれに合わせてか、自分も30分早く出るようにしていました。でも通勤時間5分だし、8時でも「早く出過ぎじゃね?」と思っていたので(同じ社宅のお父さん方は子どもの送迎しているし…)勝手に7時半に出勤を決めて、娘のことも急かしてくるので「やめてほしい」とお願いしました。それと娘が旦那との会話でぼやいていたのを思い出して、よくふたりの会話を観察してみると、旦那の聞き返しが多い…!いや確かに担任ふたりいるけど「いい加減支援級の先生は覚えようよ?」って感じでした。娘も話すのは得意ではないので、疲れているときに登場人物から説明するのはしんどいのかな、と思いました。次回に続く「娘と旦那の仲が悪くて困っています」(全11話)は12時更新!
2022年11月04日兄弟で児童精神科受診。今回の目的は…今回の目的は・ミミ:特別支援教室に通うことが1年ごとの判断になったので、来年度も通った方が良いかどうかの判断をしてほしい・ふー:昨年度末に療育を勧められたふーの特性を判断してもらい、来年の就学相談の必要性を相談したいの2点。ミミは前回の受診のころから今までの学校での出来事や放課後等デイサービスや自宅での様子を1枚のプリントにまとめたもの、ふーは今までの健診や児童発達支援のこと、療育を受けるために保育園の先生に記入してもらった園での様子や困りごとについてのプリント、福祉保健センターで受けた発達検査の結果、書いてもらった紹介状などを小児科の受付に提出しました。Upload By taeko診察内容は…?まずは長男ミミからいざ診察!まずはミミから。ミミのASDの診断書を書いてくれた先生はミミにいくつか質問をしました。先生「学校は楽しい?」ミミ「あんまり楽しくない」先生「勉強は楽しい?」ミミ「楽しいのと楽しくないのがある」先生「何が楽しい?」ミミ「理科」先生「楽しくないのは?」ミミ「国語」先生「お友達と一緒にいるのは大丈夫?」ミミ「一人の方が好き」先生「特別支援教室は楽しい?」ミミ「楽しい」など、先生は分かりやすい言葉でミミの様子を観察しながら聞き取りをしてくれました。そして「特別支援教室がなくなり、通常学級のみになることについてどう思う?」と聞かれると…ミミの答えは「どっちでもいい」私はつい「自分の意思はないのかな…?」と思ってしまいましたが、先生いわく「本当にどちらでも良いんだと思いますよ」とのこと。丁寧な問診のあと、先生は「来年度の特別支援教室は『卒業』しても良いかもしれないね」とおっしゃいました。しっかりと先生の質問に受け答えできていた姿を見て、私はミミの成長を感じました。Upload By taeko次男ふーの初診は…?その後、ミミには待合室でテレビを見ていてもらい、次は次男ふーの初診。療育や今回の受診の経緯、普段のふーの生活の様子などを話しました。問診を進める中で先生はミミくんと比べるという訳ではないけど…と前置きをしてこのようなことをおっしゃいました。「ミミくん程ではないけど、軽いASD傾向なのかもしれませんね。もしかしたら感覚の過敏さや感受性の強さなどがあるかもしれません。」どうやらふーは繊細で敏感なタイプのようです。普段接している私としても確かにそうかも…と感じることが多いです。例えば濡れている地面を靴で踏むことを嫌がったり、運動会や発表会など、練習はばっちりできているのに普段と違う環境だからか緊張からなのか本番では見学している、から揚げなども少しでも焦げていると食べない、中途半端に足に当たるのが嫌なのか半ズボンは履かない…などなど普段の生活を少し思い返すだけでかなりのエピソードがあります。1ヶ月後の次回の診察のときに先生がまた詳しくふーのことを診てくれることになりました。久しぶりの児童精神科の受診。ミミの成長や、ふーの困りごとを知ることができ、受診して良かったです。改めて、子どもからいろいろなことを教えてもらっているな、としみじみ感じました。Upload By taeko執筆/taeko(監修:鈴木先生より)一昔前の児童精神科や神経外来では、てんかんの患者さんが多かったのですが、時代の変化と診断できる専門医が増えたことから最近は神経発達症(発達障害)の患者さんが増えています。相談内容に関しては今回の症例のように、診断や投薬以外では教育に関する相談が多くみられます。ときには、教育相談所のような雰囲気を醸し出しています。小中学校は学区域の学校に進学することが多いのですが、高校は選べるので、今の時期になるとどこの高校は理解があっていいかなどをよく尋ねられます。児童精神科や神経外来の専門医・認定医は高校の特徴についても知っておくことが必要になるシーンも増えていると感じています。
2022年11月03日■前回のあらすじ娘から「ママがパパにやさしくしてって言うから仲良くしてる」「パパと話すとイライラする」と告白された私。それを聞いていた旦那はショックのあまり走り出すが、それを見た娘は大ウケ。なんとか仲直りするのでした。■進学についての夫婦の考え旦那は「学校は行くもの」と思って通っていたので、行きたくないとか面倒くさいとか思ったことがないそうです。なので、娘のしぇーちゃんが幼稚園の行き渋りをしたときも初めはどんな反応するかな…と思っていたら「休んだらいいよ」とケロッとしていて、さらに「小学校は行かなくてもいいんじゃん?」って感じでした…。就学相談で普通級でも支援級でもあんまりこだわらないのは「行きたくないなら行かなきゃいい」という根底があったからみたいです。(年中の頃から支援級に行かせたいとはやんわり話していました)二次障害とは、発達障がいのある人が周りに理解を得られなかったり、その人の特性に合わない環境におかれたことで起こる二次的な障害のことです。私は娘の二次障害のリスクを下げるために支援級を希望していたのですが、二次障害の説明はこのとき旦那にかなり細かく説明しました。それにより二次障害の深刻さを深く考えたのか、旦那は娘の話を100%味方の立場で聞いてくれます。参考: いじめ、二次障害の問題/公益財団法人日本学校保健会 ■入学のストレスで変化が…春休みにやっと見つけて買ったゲーム機、旦那はノリ気だったし楽しく遊ぶだろうとワクワクしていたら、楽しそうというよりふたりで超テンパってやっていました。しかし、年長時代の親子関係は、例年より本当に穏やかな方でした。そして小学校に入学…。娘のストレスの吐け口は旦那に。正直狭い家のテレビの部屋に同時に並んで入ろうとしただけで怒る娘に驚きました…。とにかく旦那に対して沸点が低かったです。次回に続く「娘と旦那の仲が悪くて困っています」(全11話)は12時更新!
2022年11月03日小学6年生の娘、将来のことを考え始めたけど…SAKURA(以下、――)うちの子…あーさんは、2歳のときに母子相談で発育遅れで引っかかり…。そこから療育を始め、4歳のときに「自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)」の診断を受けました。今は小学6年生で、地元の小学校の特別支援学級に在籍しています。最近、年齢的なこともあり、将来の具体的な話をする機会が増えました。本人は「絵の仕事をしたい!」と言ってます。親としては、全力で応援はしたいのですが・・・発達障害があることで、やめたほうがいい職種とかあるんですか?そういうときは、親がやめさせてもいいんですか?三木先生:子どものタイプによりますね。なにが苦手でなにが得意かは、発達障害のある子どもでも、それぞれ違いますし…親から見て、明らかに無理なこと、危ないことはやめさせてもいいと思います。――なるほど!正直、小学6年生にしては、ちょっと世の中をピュアな感じで見過ぎている気がするんです…。最初、勉強ができる(テストの成績がいい)今の自分を過信していて、「大学に行く!」って言ってたんですが…毎日の宿題で、パニックを起こしたりしてまして…。「勉強が好きなの?」と聞いたら「好きじゃない」というので、助言として、「勉強ができるから大学に行かないといけないわけじゃないよ。好きなことを仕事にしていいんだから。」って話して…それなら絵がいいみたいな話に…。Upload By SAKURAUpload By SAKURA三木先生:絵が好きなんですね。――はい。ただ…その絵でも、パニックとか、こだわりとかの困りごとが発生してますし、「おいおい、そんなことで大丈夫なのか!?」って、思っちゃって…。Upload By SAKURAどこに行っても何かは大変!?やっぱり覚悟は必要で。三木先生:「仕事にすると大変な思いをするよ」というのは、本人がやってみないと分からないですからね。どの仕事についても、トラブルは発生します。どこに行っても何かは大変、一定の覚悟は必要ですよ。――たしかに…発達障害の有無に関わらず、仕事にトラブルはつきものですよね。つらいことがない仕事なんてないし。新入社員時代を思い出す…(笑)でもなぁ~!自分が経験した、あのひぃーひぃー言ってた研修とか…胃をきりきりさせた人間関係とか…わが子は経験してほしくないなぁ~(苦笑)三木先生:やるならくじけても、ある程度はやらせるほうがいいですよ。一度やると言ったことは、「やるって言ったよね?」って感じで…それでダメなら仕事にはできないですから。Upload By SAKURA――なるほど!ちょっと厳しくても、経験させないと…ですね!子どもが真剣なら親もそれに向き合うことが大切三木先生:トラウマになるようならやめたほうがいいですが、真剣にやるんだったらちゃんと向き合ったほうがいいですね。本当にダメになったときのために、プランBとかまで、決めておくのがいいのではないでしょうか。「ダメだったから、こっちの道もあるよ」という感じで。そうすると本人的にも気持ちが楽かもしれません。Upload By SAKURA――親としては、そこまで考えておいたほうがいいんですね!なんか最近、親として空回りしてるんですよね。娘は反抗期だし…なんか変な気を使い過ぎてて…これ言いすぎかな~とか、言わない方がいいかな~とか…。娘のやることに、あまり「こうしなさい!」って言い過ぎるのも良くないと思って。将来のことも、パニックを起こす娘を見て、私はどうしていったらいいのかなって。Upload By SAKURA三木先生:「パニックをおこすから、この職種はやめておこう」っていうのは、なしがいいです。親の対応としては、苦しいときも変わらないように、子どもに対して全力でアドバイスする。大人が逃げないことが大事です。Upload By SAKURA――子どもが選んだ道は、尊重して、いざというときのために、構えておく…。わかりました。そのときになったら、できるか分からないですが、心の準備はしておきます!ありがとうございました。執筆/SAKURA
2022年11月02日