学習障害(LD)/ 限局性学習障害・限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))の原因は?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン学習障害の原因は、医学的にはまだはっきりとは解明されていませんが、以下のようなことが研究から分かってきています。※現在は「限局性学習症」という診断名となっていますが、一般的には最新版DSM-5以前の診断名である「学習障害」と呼ばれることが多くあるため、ここでは学習障害と表記します。Upload By 発達障害のキホン中枢神経は脳や脊髄、体のさまざまな部分の働きを指令する部分です。学習障害の症状は、情報を伝達し処理する脳の機能がスムーズに働いていないことで引き起こされると考えられています。◆見え方に偏りがある「視覚認知」の問題じっと見つめたり、視線を上手に動かすことが困難で、行を飛ばして読んだり黒板の文字を写すのが苦手な場合があります。見た情報を脳が処理する視覚認知の機能が弱く、文字を認識するのが難しいこともあります。また見え方に特性があり、文字がぼやける、黒いかたまりになって見える、逆さまに見える、歪んで見えるなど違った見え方になってしまうという人もいます。学習障害の症状・困難の理由を理解しようUpload By 発達障害のキホン◆音韻認識が苦手文字と音を結びつけるのが難しいため、音声を聞いて文字を書いたり、文字を見て即座に読み上げるのが難しいことがあります。◆書く動作が苦手文字を書くという動作自体が苦手です。脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだという説が有力です。文字を揃えて書く、バランスを考える、筆圧を調整する、文字間の距離感を取るなどが苦手です。そのため、筆算の際に桁がずれることも多くなり、間違えやすくなることもあります。◆ワーキングメモリーの弱さ一度にいろいろなことをするのが苦手で、聞きながら書く、読みながら意味を考えるなどが難しいこともあります。記憶するのが苦手な場合、漢字の形や読み方をなかなか覚えられないこともあります。記憶や推論することが苦手だと、数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識するのが難しかったり、文章題を読み、意味を理解することや、グラフや表、図形などからイメージすることが苦手だったり、算数障害につながることもあります。その子の困難の背景を考え、寄り添ってサポートを苦手さの理由や原因は一人ひとりのケースで違います。その子がどこに困難を感じているのか、またその理由はどこにあるのかを観察してみるとよいでしょう。環境を調整したり、やり方を工夫したりすることで対処法が見つかることがあります。現在は、見分けやすいチョークやユニバーサルフォント、音声読み上げ機能のある電子教科書、タブレットやキーボードなど、学習障害のある子をサポートする道具や機器もあります。その子がうまくいきやすい方法があれば、学校での合理的配慮を求めることもできますので、ぜひ、学習障害について理解を深め、サポートしていきましょう。イラスト/かなしろにゃんこ。
2021年10月31日発達障害の長男は、赤ちゃんのときから「寝ない子」でした。長男を産む前の私は、子どもは一度寝たらぐっすり寝るものだと思っていましたし、寝付くときも30分くらいで寝るものだと思っていました。しかし、いざ育児が始まると現実はあまりにも違っていたので、もしかしたら長男は「寝ない子」ではないかと感じるようになりました。そのときの私の思いや、長男が寝なかった理由などについてご紹介します。とにかく寝なくて大変だった乳児期長男は生後6カ月から保育園に入ったのですが、30分くらいしか昼寝をしないので保育園の先生がとても心配するほどでした。家でも授乳中には寝るものの布団に寝かせるとすぐに起きてしまうのです。1歳を過ぎても昼も夜もなかなか寝付かず、2時間近くゴロゴロ転がってばかりで全然寝ないので、私のほうがだんだんイライラ……。長男が寝ないことへのストレスと、成長への影響の不安がどんどん募っていきました。 寝なくてもいいやと発想を変えた結果1歳を過ぎてもあまりに寝ないので、疲れ果てた私は発想をガラリと変えてみました。保育園に行くために夜8時半には寝かせたかったのですが、寝る時間にこだわることをやめました。 それまでの私は、長男を寝かしつけたあとに、家事を済ませたり自分の時間を過ごしたりしていたのですが、それをすべて夕食後にすることにしたのです。そして夜10時になったら長男と一緒に寝てしまうスタイルに変えてみました。お互いに好きな時間を過ごせるようになったので、私のストレスも減っていきました。 長男が寝たくない理由とはその後しばらく経って、長男が年長のときに寝なかった理由を聞いたことがあります。理由は2つありました。1つ目は、「音とか光が気になって眠れない」。もう1つは、「起きていれば、もっとおもしろいことがありそうだから」でした。なるほどと思いました。長男は感覚過敏があり、蛍光灯が苦手です。そして音にもとても敏感なのです。起きている間は自分の興味のあることに熱中しています。私が起きていれば、長男も「何かおもしろいことを見つけて遊べる」と思っていたのでしょう。 小学5年生になった今でも、睡眠時間は少ないほうだと思います。「子どもは早く寝るもの」という大人の理想に当てはめず、長男のペースに合わせることで、私の気持ちが「寝られないものは寝られないんだ」と割り切ることができました。感覚過敏がある、発達障害という特性があることで、当時は不安を感じてしまっていたのです。寝る時間が少ないということは、理想の生活習慣を身につけるには本当は良くないのかもしれません。しかし、長男の成長を信じてやっていこうと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2021年10月30日そもそも集団生活をする学校が音やニオイなどの環境面で合わない子どもは多いこんにちは。加藤路瑛です。15歳、高校1年生です。自分の困りごとである感覚過敏の問題を解決したいと思い13歳のときに「感覚過敏研究所」を立ち上げ、感覚過敏の課題解決に取り組んでいます。当事者目線、特に子どもの視点で感覚過敏について話していきたいと思います。今回は、感覚過敏のことも含めながら、中学や高校に登校せずオンラインスクールを選んだ場合の生活や、学習面、そしてリアルな現状について僕の体験を通してお伝えします。不登校の理由はさまざまですが、感覚過敏などによって学校の環境に合わない子どもは少なくありません。ホームスクール&ホームエデュケーション家族会がホームスクール&ホームエデュケーションを実践している164世帯に実施したアンケート調査によると、「家庭を拠点とした教育・学びを始めた理由・きっかけ」の1位は「学校の環境が合わない(音、光、匂い、授業時間の長さなど)」で、全体の66.5%を占めていたというデータもあるようです。実際、僕も中学校の教室での、騒がしさやお弁当のニオイなどで教室にいることが苦痛で、休み時間は校内の静かな場所を探して過ごすようにしていましたし、過敏さによる体調不良で保健室に通う回数も増えていました。そのような中で次第に学校にいることに苦痛を感じるようになり、中学1年の3学期からは学校を休みがちになり、最終的に中学2年生の9月に当時通っていた私立中学を退学しました。私立中学を退学した中学生はどうなるかというと、地元の公立中学校の所属となります。しかし、学校生活の音やニオイなどが不登校の要因だと分かっているのに、地元の公立中学に通うという選択を僕はできませんでした。僕が選んだのは角川ドワンゴ学園N中等部でした。N中等部は、学校教育法で定められた学校ではなく、フリースクールやインターナショナルスクールなどのような学びの場と類似するものです。N中等部は「プログレッシブスクール」という表現をしていました。ですので、地元の公立中学に籍をおきながら、フリースクールに通うことになります。参照:N中等部現在は完全オンラインコースもありますが、当時は、N中等部にはオンラインコースはなくキャンパスに通学して学習するスタイルでした。地元公立中学が認めてくれれば、N中等部の出席日数がそのまま地元公立中学の出席日数になる場合もあります。僕も籍を置くことになる地元中学に相談に行き、N中等部の出席日数をそのまま公立中学の出席日数に認めてもらうことなりました。書類上は不登校生ではないのです(笑)したがって、卒業証書は地元中学から出ることになります。N中等部での生活N中等部は通学日数を週1、週3、週5コースから選ぶことができます(現在はオンラインコースもあります)。僕は週5コースを選びました。N中等部で、いろいろな体験や学習ができると期待したからです。N中等部では「他人の意見を否定しない」というような、グランドルールというものがありました。グランドルール以外のルールはありません。ですから、服装も髪型も基本的には自由です。休み時間に、持ってきたSwitchなどのゲームで遊ぶのも自由ですし、パソコンで動画を見たりゲームをするのも自由です。授業中にトイレに行ったり、飲み物を飲むのに先生の許可はいりません。僕は嗅覚過敏が強いので、お弁当の時間は1人で離れて食べるほうが気が楽です。N中等部では、同じように1人で食べている人も普通にいて、1人でいるのも、そんなに目立ったりすることはありません。僕は、ゲームなどやらせてもらうこともありましたが、結構、一人でヘッドホンをして好きな音楽を聞いて、過ごしていました。そういう状態も特別ぼっちという感じではなく、好きなように過ごしているという感じです。学習面は、国語・数学・英語のオンラインカリキュラムはありますが、自分の好きなテキストで勉強してよく、時々オンラインの確認テストがあります。しっかりテストがあるわけではないので本人が真面目にやるかどうかにかかっていて、やらなくても誰も何もいいません。僕は正直、N中等部時代に中学の勉強はほとんどやりませんでした。通っていた私立中学では中学2年の夏の段階でほぼ中学3年生の範囲の学習をしていたこともあり、N中等部でがっつり勉強する意欲はありませんでした。また、プログラミングの授業やプロジェクト学習などは、楽しめる人もいれば楽しめない人もいると思います。通っている生徒の多くは、不登校の代替として選んでいる印象がありました。コミュニケーションが得意でない人も多いように思いました。何かしら、今の学校教育に合わなかった人が集まっているのかもしれません。中学3年生当時は、コロナ禍で通学ができなくなりましたので、僕は通学週1コースに変更しながら、週1回、オンラインで授業に参加しました。2020年度からはネットコースも誕生しましたが、週1コースにしました。ちなみに、オンラインでの動画授業は、24時間好きなときに自由に視聴して勉強できる環境です。学習面は自立と自発が必要で、プロジェクト学習やプログラミング授業は本人次第とは思いますが、僕は総合的にN中等部に進学して満足していました。生徒を個人として尊重して接してくださる先生方と、無理をせず存在できる環境は僕にとって気が楽でしたし、「N中等部」という所属先があることの安心感はありました。そして、ちょっと人とは違う先進的なスクールを選んだというような誇りのような気持ちもあります。Upload By 加藤路瑛高校もそのまま通信制高校へ高校は角川ドワンゴ学園N高等学校へ進学する予定でした。N中等部生がN高等学校へ進学するとき、高校の通学コースを選ぶとき、一般よりも早い時期にエントリーすることができ、早い時期に入学許可をもらうことができます。人気キャンパスで定員いっぱいで申し込み中止になるような自体がない限り、それほど大きな特典ではありませんが、進学先を迷っているとき、お守りとしてN高の入学許可を持っておくのは気持ちが落ち着く人もいるかもしれません。僕の場合は、N高等学校だけでなく、S高等学校が新設されるという情報があったので情報を待ちました。そして、S高等学校を選びました。スクーリングを受ける本校が沖縄かつくばかの違い以外はないという説明でしたので、1期生という言葉の魔力で僕はS高等学校の1期生になりました。通学はいっさいせず、オンライン学習のみのネットコースです。N高・S高の通学コースというのは通学して数学や英語をやるのではありません。一般的な高校卒業に必要な内容は通信制高校としてオンラインで授業を受けて、課題を提出して単位を取ります。では、通学コースは何をしているかというと、簡単にいうと習い事としてカルチャースクールやビジネススクールに通っていると思ってください。プログラミングや英会話、プロジェクト学習をキャンパスでやるのです。僕はネットコースのみなので、これからのキャンパスでの取り組みは一切なく、単純に高校卒業の単位をとるだけの目的で利用しています。N高・S高も大学受験用のコンテンツも用意していますが、活用するかは本人次第です。学習は毎月課題提出内容が決まっており、それまでに動画を視聴し、確認テストに回答していきます。動画は飛ばして見ることはできませんし、視聴しないでテストだけうけるようなこともできないようになっています。好きな場所で好きな姿勢で好きな時間に受講できるのはやっぱり楽です。集団の中で制服をきて、みんなと同じように先生の話を聞き、同じスピードでテストに答えていくようなことが苦手な僕にとって、マイペースに静かに勉強できるのはストレスが少ないです。通信制高校生の生活Upload By 加藤路瑛N高・S高は購入も任意の制服があります。通学コースの生徒も着ても着なくてもOKです。通学の服装も自由です。僕はネットコースで通学したので制服は買っていません。写真は、入学式で新入生代表をさせてもらったときにお借りしたものです。多分、これが最初で最後の制服姿かもしれません。基本的に感覚過敏で服を着るときに痛みを感じるので、制服があるような生活は好みません。普段の勉強は、布団の上で寝転がってノートパソコンで講義を見ています。フリーダムです(笑)ネットコースで友達ができるかどうかも心配される人がいますが、これも本人次第です。N高・S高全生徒が参加しているコミュニケーションツール(Slack)で生徒は交流できます。ゲーム仲間を集めたり、アニメや音楽など共通の話題で繋がったり、同好会もたくさんあります。活用できるかは本人次第で、先生が人間関係のサポートをしてくれる訳ではありません。また、有料・無料のさまざまな特別講座が企画されています。声優の方の講義が聞けたり、写真撮影の勉強ができたり、ワークショップや海外留学の情報セミナーなど。そういうものの中に興味が持てるものがあるかもしれません。情報は全てSlackで流れてくるので、僕はこれが苦手です。ですがセミナーの案内などは保護者のメールアドレスにも届くので、保護者の方もご安心ください(笑)Upload By 加藤路瑛N高・S高の新しい取り組みとしてはVR学習です。先ほど入学式で新入生代表で挨拶をしたと書きましたが、入学式の一部はVR上で行われました。僕も配信スタジオにいましたが、式ではアバターで登場しています。もうリアルボディーも不要です。VR授業を受けられる学び方もあります。Upload By 加藤路瑛仮想空間に地球儀が出てきて回すことができたり、本を開いたりできますが、使用は必須ではありません。僕はVR酔いがひどいので、実はVR学習はあまりやっていません。最近は発達障害の小さい子のソーシャルスキルトレーニングもVRで行ったりするようですが、視覚情報と平衡感覚や固有覚が不均衡になりますので合わない人もいるかもしれません。僕はVR学習は一旦、撤退をしていますが、とても面白い世界なので、VR酔いの解消方法を考えてまた取り組みたいと思っています。ヘッドセットは触覚過敏、聴覚過敏、視覚過敏があるとなかなかつらいものなので、この部分の改善も必要だと思っています。通信制高校は課題さえこなせればあとは自由です。僕は自由な時間で、感覚過敏の研究や商品開発などもしていますし、アルバイトもしています。ゲームもしますし、アニメなども見ます。通学というものから解放された生活は本当に楽です。ただ、自由すぎるので、生活は乱れます。朝4時くらいに寝て昼に起きるということも少なくありません。その生活を不規則だとかだらしないと怒るような保護者だと窮屈だろうと思いますが、僕の親は自由にさせてくれています。まとめ僕は中学から一般的な学校に通う生活をやめています。それを他人は「不登校」と呼ぶのかもしれませんが、僕は自分が不登校だと思ったことは一度もありません。学ぶ場所を自分が快適だと思う場所に変えただけです。もちろん、中学で私立中学を退学するとき、悩みました。それは自分の人生が変わるとか、人と違うことをする不安というよりも、「親に申し訳ないな」という葛藤です。私立中学にせっかく入学して、そのまま高校にも進学できるのに、その道を嫌だと言うのです。普段は自由にさせてくれる親が、僕の中学退学だけはすぐにいいとは言ってくれませんでした。ですから、不登校になるとか、フリースクールに通うとか、通信制高校に通うというのは、本人が自分の人生を悩むと言うより、親が深刻に考えているから、それを子どもが見て、申し訳ないことをしているように感じるのだと思うのです。それは、多分、子どものことを真剣に考えてくれるからこその否定や不安の表現なのだと思いますが、なんとかなると思います。どうか、学校に行くかどうか、人と同じような学校に行けるかどうかで悩みすぎないようにしてほしいと思います。どの道が正解かなんていうことはわかりません。本人も親もわかりません。ただ、今思うのは、自分が快適だと思う場所を選べる自由を、心から感謝しています。今は高校1年生ですが、大学進学も考えています。どの場所が快適か、考えながら自分の居場所を探したいと思います。執筆:加藤路瑛(監修者・井上先生より)他の人と違う道を選ぶことは、親御さんも本人も勇気がいる人も多いかと思います。加藤さんの実際の体験のなかでの感想はとても重要なものです。多様な学びの場があたりまえの選択肢として認知されるようになってほしいと思います。
2021年10月30日福祉施設にて療育施設の相談Upload By まる保育園の先生から発達が気になると聞いてから、保健師さんと面談し、福祉センターでの面談をすすめられた。このとき、息子は2歳5ヶ月。療育に通わせるぞ!と気合いは人一倍あるものの、私はまったくの素人。そもそも療育てどんなところなの?どこにあるの?この地域に何ヶ所くらいあるの?何をするの?時間帯は?などあげだしたらキリがない。何から何まで分からない状態だった。福祉センターで担当になってくれた心理士の先生との面談で息子の動きや反応を見てもらい、家から通えそうな範囲でおすすめの療育施設を4ヶ所ほど教えてもらった。施設によって運営時間、設備、内容がさまざま。どこに通っても同じなんだろうと思っていた私には衝撃だった。各療育には「福祉センターからの紹介で~」と自分で見学予約を取る。本当は短い期間で一気に見学予約をとりたかったが、療育先の都合と自身の仕事もあるため週に1ヶ所ずつ、1ヶ月かけて吟味することにした。見学に行ったところで実際通わないと分からないし…と保育園は1ヶ所も見学しなかったくせに、今回は気合いが違う。これからの息子の未来を託す重要な選択だと大いに意気込んでいた。早く通わせたいけど、息子にも自分にも納得できるところに通いたいからしっかりと見学はしよう、焦る気持ちを抑えつつ予定を組んだ。1つ目の療育施設Upload By まる1つ目の療育施設は家から電車で数駅先、駅から少し遠い場所にあり駐車場はない。親子通園で、1回1時間の個人授業だった。施設長と息子を含め面談。息子の普段の様子や気になることを話す面談の途中途中で動き回る息子の相手をしてくれたり、息子がした行動に対してどのように対応するのがいいかなどじっくり話してくれた。面談のみで実際の授業の様子などは見ることはなく、場所の通いづらさもあり保留にした。2つ目の療育施設Upload By まる2つ目の療育施設は、運動に力を入れていると説明を受けていた。いつも車通勤しているパート先に近く距離的にもいい。なんといっても送迎バスがついていることがいい。親子通園で集団での授業、時間も午前中みっちりでお昼ご飯を食べて帰る。見学の日は授業を体験させてもらい、とてもイメージが掴みやすかった。玩具で自由に遊んだり先生と遊んだりの自由時間のあと、親も含めたリトミックや体操をする。隣の人と手を叩いて~みんなで円になって座って隣の人の背中をゴシゴシ~など「触れ合い」が多いイメージ。超絶人見知りな私は少し戸惑った。親だから頑張れたが、親じゃなかったら頑張れなかったかもしれない。園で過ごす時間が長い点が良かったのだが、利用者が多くそのときは水曜日のみしか空いておらず、ちょうど仕事が休みづらい曜日だったため保留。3つ目の療育施設Upload By まる3つ目の療育施設は、親子分離型だった。利用時間は1時間、登園したら親は別室で子どもの授業風景をモニター越しに見る。家から1番近い場所にあったのでとても気になっていた。見学時に授業体験をさせてもらった。その日は利用者が少なく、息子のほかに1人だけだった(たまたまその日が少なかっただけかも)。体験なので、親子一緒の教室で子どもの隣で授業を見学させてもらった。机に向かっての作業が多いイメージ(ぽっとん落としや絵合わせなど)だったが、先生の誘導が上手くとても印象は良かった。平均台などの体を動かす場面も多少あった。こちらは年齢で曜日を分けているらしく、息子は水、金曜日のみ利用可能とのことだった。通える曜日の選択肢が少ないことと、まだ息子が幼いため親子分離は早いかなと保留。4つ目の施設Upload By まる4つ目の療育施設が現在通っているところ。相談していた福祉センターでもおすすめされていた。歴史もありそうで、親子登園で集団での授業。1番遠い施設だったのだが送迎バスがある。午前中みっちり利用でき、4ヶ所見学に行った中で1番広く利用者も先生も人数が多い。年齢や障害の状況によって教室が5つに分かれていた。見学の日は授業体験はなく別室で面談と施設の案内、各教室へ周り授業の風景を見せてもらった。新しくはないが、施設が広いため職員数も多い。お祭りなどのイベントがあること(現在はコロナ禍で中止)、たまに来るSTやOTの先生に相談できる機会や進路相談会などがあること、利用したい曜日が選べることが分かった。後日すぐにこちらを利用したいことを連絡した。施設見学を終えて…Upload By まる私は影響を受けやすい、何も分かっていないからなおさらだった。どこの施設もいいところがあり、各施設に見学に行く度に「ここいいなぁ!ここにしようかな!」と毎回本気で考えていた。どこの施設にも共通していたのは「利用は午前中の時間帯」ということ。私はあわよくば夕方に療育を設定して、それまでは保育園に預けて働こうとしていたのだ。発達障害のある子を育てる、療育に通うということはそんなに甘くないんだなぁとこのときに初めて実感したかもしれない。最後の所に決めた理由は、「ここが1番いろいろな繋がりがもてそうな気がする」と思ったから。先生が多く、発達に関する知識や進路に関する情報などを得やすそうだし、滞在時間が長いので相談する時間をもらいやすい気がした。また、利用者が1番多く、いろいろなタイプの子どもを日々見ている点にも惹かれた。あとは親の勘。結果、とてもいい先生やお友達に出会い、毎回楽しく通うことができている。執筆/まる(監修:初川先生より)療育機関を決めるまでの臨場感あふれるプロセスを共有いただき、ありがとうございます。一口に療育といっても、狙いやアプローチ、そして理想としていることと実際のありようがさまざまですね。「ここ!」とピンと来て決められたのは、理屈より先に決断できるほど良さを感じ取られたということかもしれませんね。療育時間が午前中であることについて言えば、低年齢の子どもにとって午前中のコンディションの良さはなかなかです。学び・活動に適したコンディションで療育に取り組めるには良い時間帯ではあると思います(とはいえ、お仕事との兼ね合いは難しくなってしまうのですが…)。良いコンディションのときに、よき介入によって、褒められ認められ、達成感・楽しいという良い循環が回っていることと思います。
2021年10月29日言葉が遅く、自由な息子Upload By keikoはじめまして、keikoです。3歳6ヶ月の息子「しのくん」と夫の三人で暮らしています。しのくんは、サメ大好き、水族館大好き。2歳半までほぼ発語がありませんでした。集団行動の苦手なところがあり、視覚優位のタイプの男の子です。診断名はついておらず、いわゆる発達障害グレーゾーンです。しのくんは2歳4ヶ月まで「パパ」しか言えませんでした。そして、言葉を発しない、相手の言葉を理解することがまだできないしのくんは、とにかく自由でじっとすることができません。保育園のクラス写真ではそんなしのくんは、保育園のクラス写真のほとんどに写り込んでいるのです。Upload By keikoそして、集合写真では必ず先生のお膝の上に座っているのでした…。いつしか私は、集合写真を見るのが怖くなり、「今回こそ、先生のお膝に座っていませんように」と祈る想いでクラス写真を見るようになりました。ですが、その度に先生のお膝の上に座っているしのくんを見つけて、落ち込んでしまっている自分がいました。Upload By keikoそんな、ある日のクラスの集合写真では先生の膝の上にしのくんの姿がなく…?Upload By keikoUpload By keikoしのくんが2歳9ヶ月のころ、クラスの集合写真を見ると、いつもならいるばずの先生のお膝の上にしのくんが座っていませんでした。「すごい!じゃあ、どこに?」と探してみると…なんと、サンタさんの膝の上にいました! 誰もが羨む場所にいて、これはこれで恐縮しました。3歳6ヶ月の現在でも、集合写真は先生の膝の上や、先生がそばで付き添ってくれています。今では、「特等席に座らせてもらってラッキーだね!」と、思うようにしていますが、いつか一人で写真に写れる日がくるといいなと思っています。ほかの子より言葉が遅く、じっとできない自由なしのくんですが、周りのお友達や先生たちに恵まれて、毎日楽しく暮らしています。そんなしのくんとの生活を、紹介していけたらいいなと思っておりますので、これからどうぞよろしくお願い致します。執筆/keiko(監修:井上先生より)お子さんが小さいときは周りの子と比べてしまって、子どものできない部分や苦手な部分に親も注意がいきがちになりますよね。お子さんの多動を「活発だ」とか、注意がうつったりウロウロすることを「何に関しても興味が高い」とプラスに考えることはなかなか難しいと思います。しかし当時は難しく感じられたことも、お子さんが少し大きくなったときに、少し距離を置いて振り返ってみると、プラスな見方もできるようになると思います。特等席をゲットできる「自由な息子」という表現はユニークでとても素晴らしいと思いました。
2021年10月29日神奈川県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報One step smile blueline仲町台教室では子どもの「できた!」という気持ちを何よりも大切にしています。こちらの施設では「失敗しても大丈夫」だと安心してチャレンジでき、子どもが進んで発見や工夫をし、自主性を身につけられるよう療育を提供しています。また専門職のスタッフが多く療育について議論や提案、スタッフ間で共有・実践を定期的に行っています。保護者の不安や疑問にこたえるため個別指導も取り入れ、「褒める療育」を実践しながら、保護者と共に進んでいくことを大事にしている施設です。Upload By 発達ナビ施設情報Nobiruvaは子どもだけでなく、保護者や職員など「施設に関わる全ての人たちが伸びる場であること」を理念としています。こちらでは保護者と子どもが“将来どうなっていたいか”を聞き取り「将来の子どもたちの姿をイメージする」こと、苦手なことは助けてもらい、得意なことで人を助ける、その力を伸ばしていくために「今できないことより、その子らしさを活かしていく支援」をしています。誰かと比較するのではなく人それぞれの個性を尊重し、ありのままの自分でいることを認め「自己肯定感を高める」ことを大切にしている施設です。神奈川県の放課後等デイサービスをもっとみる神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報Lii sports studio 相模大野は2021年12月オープン予定。楽しくスポーツをすることを通して運動能力を高め、「①強くて健康なカラダ」「②いろんなことにチャレンジするココロ」「③仲間と目標を達成するヨロコビ」を育てることを大切にしている施設です。スタッフには児童指導員、保健体育教員免許を持つスポーツ指導のプロのトレーナー、保育士などの専門性の高いスタッフが在籍しています。デジタルスポーツ療育やマンツーマン支援、感覚統合・ビジョントレーニングなど、Liiらしい「楽しさ」を感じられる支援を提供する施設です。神奈川県の児童発達支援事業所をもっとみる埼玉県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報2021年10月に東松山にて新規オープン、東松山市が運営する「子育て支援センターソーレ」の道路を挟んで向かい側にてらぴぁぽけっと東松山教室はあります。この施設では、ABAセラピーを取り入れた療育を行うことで、子どもが細かく段階分けされたステップを一つずつ登り、小さな達成感を多く体験できるよう支援を提供しています。また子どもが通っている保育園に訪問する【保育所訪問支援】も行っているので、どこに行っても同じ支援が受けられ、子どもが安心できる環境をつくっています。埼玉県の児童発達支援事業所をもっとみる栃木県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報2021年4月にオープンしたこどもスタジオバンビ西川田は、学習支援だけでなく、プログラミング・英会話、ほかにも体幹トレーニングなどの運動を取り入れた支援などを提供している放課後等デイサービスです。社会生活をしていく上で必要なスキルを習得できるよう、一人ひとりに合わせたさまざまなカリキュラムで支援を行っています。こちらの施設は、お子さんの「できた!」を引き出し、子どもたちがワクワクするような楽しい場所であることを目指しています。さまざまな資格を持つスタッフや言語聴覚士や作業療法士が在籍しており、希望者には個別療育も対応している施設です。栃木県の放課後等デイサービスをもっとみる栃木県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報すくすくバンビは、0歳から就学前までのお子さんが通うことができます。こちらでは、感覚統合や体幹トレーニング、知育トレーニングも取り入れ、お子さんが『楽しい♪』と思う支援を目指しています。個別療育では一人ひとりの特性に応じた教材を使用し、小学校入学前に身につけたい、論理的思考・数学的思考の基礎を育むことができます。グループ療育では、個性や特性を理解し、長所を見つけて最大限に引き出します。コミュニケーションスキル・言語力・基礎的な身体能力・知能の向上を目指した支援を行う施設です。栃木県の児童発達支援事業所をもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス エンジェルは、2021年10月にオープンした施設です。海外在住歴のある先生による英会話レッスン(週3回)や、子どもたちが楽しく学べるさまざまな教材を使用した、お子さん一人ひとりに寄り添った学習療育を提供しています。また、ダンスでからだを動かす楽しさを学んだり、毎週土曜日のお菓子づくりなどを体験することができます。お子さんの「挑戦すること」や「できた」ことへの喜び、成長を一緒に感じながら、日々の変化をスタッフ全員で共有し、療育の質向上に向けた取り組みを行う施設です。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報きずなはうす ほっぷは2020年4月に開所した児童発達支援事業所です。子どもたちが"次の一歩"を踏み出すために、楽しく取り組めるプログラムを提供。一人ひとりの成長に合わせた個別プログラムや、保護者からの相談に応じた、個別プログラムの提供を行っています。保育士、言語聴覚士、児童指導員などの専門性のあるスタッフが「乗り物」「食べ物」「動物」のイラストや音声を使った言語訓練や、手遊び、リトミックを通して子どもたちの手先の訓練やリズム感を育みます。こちらの施設では、楽しく遊びながら子どもたちの「できた!」を増やしていくことを大切にしている施設です。Upload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス エンジェルは、2021年10月にオープンした施設です。「できるを喜び・できたを自信に」という想いを大切にしているスタッフ、ダンスや英会話レッスンができるスタッフや学習支援ができるスタッフが在籍しています。同年代のお友達との関わり方を学んだり、小学校入学前の準備を行ったり、多くの刺激を体感できる施設を目指しています。また、こちらの施設では感染症防止のため、密にならないように1日あたりの利用者数を当面の間は制限するなど、安心安全に利用できる対策を行っています。Upload By 発達ナビ施設情報こぱんはうすさくら吹田教室は2021年9月オープンした、豊津駅(阪急千里線)から徒歩3分の場所にあります。「児童発達支援(未就学)」と「放課後等デイサービス」は完全別室で、洗面台、トイレなどもお子さんの年齢に適した環境で、お子さんに一人ひとりに合わせた支援を行っています。またこちらの施設には、さまざまな資格を持つ専門スタッフが在籍。勉強についていけない、お友達とうまく遊べない、集中して物事に取り組めないなど、それぞれのお子さん・保護者の不安に寄り添い、最適な支援を検討しながら決めていきます。たくさんの仲間と共に楽しみながら成長し、笑顔あふれる未来につながる支援を行う施設です。大阪府の児童発達支援事業所をもっとみる兵庫県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービスにろうえんは、2021年5月1日にオープン。社会福祉法人「緑水会」が運営しています。こちらでは「先を見据え 将来に繋がる支援」を目指し、さまざまな資格を持つスタッフが、子どもたちの将来を考え支援を行っています。5年後、10年後、その先に続く将来の子どもたちが自信と希望を持ち、社会の中で笑顔で過ごせることを目指した「学習支援」「ソーシャルスキルトレーニング」「創作活動」「クッキング」「音楽療法」の5つのプログラムがあります。その5つを中心に、子どもたちのストレングスを引き出し、高めることに着目した支援を行う施設です。兵庫県の放課後等デイサービスをもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2021年10月28日プールのときに気づいた体の異変とさらなる食欲の低下年長さんの11月。このころ通っていたプールを見学していたときに、次女の体の異変に気づきました。Upload By まりまり明らかに次女のお腹が、ほかの子よりも膨らんでいたのです。そういえば、このところ食欲の低下もあるし、季節的にも風邪とかの影響かな?と思っていました。小児科で聞いてみるそれにしてもお腹が出すぎている気がする…と思って、小児科に行ったついでに医師に相談しました。そして、詳しい検査をすることに…。Upload By まりまりUpload By まりまり結果、検査で特に病気は見つからず。では何が原因かというと、次女は空気をたくさん飲み込んでしまって、胃がパンパンになってお腹が膨らんでいる状態で、膨満感から食欲もなくなっているとのことでした。たぶん呑気症かもしれないと。いつかは分からないけど空気を大量に飲み込んでしまって胃が空気でパンパンになってしまって、それによってゲップやオナラが出たり、胸やけ・吐き気といった症状が出てしまうものだそうです。原因はストレス?原因は主に精神的なストレスかもとのお話でした。この時期は思い当たることがいくつも…。年長さんで最後のクリスマス会。発表する劇ではナレーターの役を任され、ピアニカの演奏があり、歌も歌うし、英語での発表、さらに年長さんとして会全体の進行も担っているような状況でした…。年長さんは毎年こんな感じだし、本人は「クリスマス会の練習楽しい!クリスマス会楽しみ!」と言っていたので、私はこのときは大きく心配はしていませんでした。ただ、次女は責任感が強いところがあり、先生の助けはあるものの、本人が知らない間にかなり無理をして頑張ってしまっていたようです。そして、なんとクリスマス会直前に帯状疱疹を発症してしまったのでした…。(結局クリスマス会はお休みしなくてはいけなくなりました…。)そのうえ、このころから園での小学校準備で、簡単なワークを始めるなどお勉強も始まっていて、「小学校に向けて頑張ろう!」と、園の中でも今までと違った対応となってきていました。今まで、安心して過ごせていた保育園での大きなプレッシャー、第2の家として過ごせていた場所からから離れなくてはいけない不安感、こういった積み重ねで、次女にはかなり負担になっていたのだと思います。Upload By まりまり食べられなくなった次女をみて気づいたことUpload By まりまり年長さんになってから、園でのお給食が食べられなくなっていた次女ですが、空気を飲んでしまっているお腹の膨満感から、家でも「気持ち悪いからご飯いらない」と、ご飯を完食できなくなって、ほとんど手をつけないことも…。さらに、テレビなどで食べ物の映像が映るだけで「気持ち悪いから消して」と騒ぐように。最終的に体重まで減少してくるほど食べられなくなってしまって、あまりに食べられなくなった次女を見て、私自身もものすごくつらい気持ちになりました…。それまで、ほかの子のようにいろいろできない次女を見て「小学校に行くまでに何とかしなくちゃ!」と思っていました。次女のために、と思っていましたが、つらそうにしている次女を見て、全然次女のためになってないんじゃない…?とやっと気づきました。なんというか、私の不安な気持ちを解消するための行動になってしまっていて、次女の不安に寄り添うことができていなかった気がします。このころ、私は次女を小学校という環境に合わせることばかりを考えていたんだと思います。今なら、「環境を整える・環境を変える」という選択肢もありますが、このときは「次女を変える」という方向しか考えておらず、次女にはものすごくきつかったんだろうなと、振り返って思っています。執筆/まりまり(監修:井上先生より)発達障害や場面緘黙のあるお子さんに限らず、本人としてもやりたいことがたくさんある一方で、断ることや適度にやり過ごすことが苦手で、過剰にストレスをため込み、それをうまく言葉で伝えられないことで苦しくなってしまう場合があります。親としてお子さんのがんばりに気づきつつ、適度な調整を子育の中でしていくのは大変なことだと思います。本人の思うままにやらせたらいいのか、それによってつぶれてしまうなら親が先回りして断ったほうがいいのか…判断が難しいところですよね。どちらにせよ「正解」があるわけではないので、お子さんと対話をし「つらい」「きつい」など弱音も言えることや、そんなことを言いやすい関係をつくっていくことが大切なことではないかと思います。
2021年10月28日コロナの影響で1/3程度だった出席率がほぼゼロに…!わが家のでこぼこ兄妹の妹、ASDのあるいっちゃんも中学3年生となりました。進学を希望しているので、本来ならば志望校を決めて受験対策をしていなければならない時期…ですが…。もともと睡眠障害や聴覚の過敏さがあり不登校がちでしたが、コロナの影響もあって不登校の日が続き、学校で将来のことについて話すこともなく、本人も「これから私どうなるの?来年から高校に行くんだっけ?」と、具体的なイメージもできないまま、不安だけを感じているようでした。高校を目指す人の空気を浴びに…塾に行かせてみたら…すでにいくつかの学校を見学して志望校は絞り込んでいたいっちゃん。「学校に行くのは無理でも、同じように進学を目指す同級生が身近にいれば少しはイメージが固まってくるのでは?」と考え、家から30分ほどのところにある進学塾(のようなもの)の夏期講習に行かせることにしました。そこに決めたのは、娘の志望校に特化した進学指導をしているらしいとネットで見たからです。Upload By 寺島ヒロ絵が好きな同級生に囲まれてやる気に!この塾では自分の行けそうな時間帯に予約を取って通えるので、睡眠時間がまちまちのいっちゃんにも通いやすく、また一緒に指導を受けている子どもたちも、どこか自分に似ているタイプの子どもが多く、いっちゃんにとって居心地は良かったようです。夏休みが終わるころには課題をもらって絵を描くことにも慣れてきて、「ここの人たちみたいな人がいるなら、高校でもやっていけそう」と、頼もしい言葉が出るようになってきました。私も「高校生になろうという意欲が出てきたのかな?」と、少しほっとしました。いきなり「行きたくない…」と言いだした!そのわけは?ところが、夏期講習が終わり、9月からの週2回の講義に移ると、娘が「やっぱり塾行きたくないな…」と言いだしたのです。何か気になることがあるのかと聞いてみると…なんと「音がするのが怖い…」というのです!Upload By 寺島ヒロ聴覚に過敏のあるいっちゃん、ほかのみんなが気にしない程度の「ジー」という電灯の出す音を聞き取ってしまい、不快に感じていたのです。原因は「音」!ノイズキャンセラーイヤホンで解決!さっそく、塾の先生に連絡を取り、いつも学校や外出時に使っている愛用のノイズキャンセラーイヤホンの使用を許可してもらいました。Upload By 寺島ヒロ夏期講習のときは昼間に授業を受けていたので太陽光だけで十分に明るかったのですが、9月からは学校の終わる時間から夜までの時間帯に変わったので、教室内に電灯が点くようになっていたのですね。いやあ、そこには気が付かなかった…!ノイズキャンセラーイヤホンの使用を許可していただいたおかげで、今では問題なく通えています。執筆/寺島ヒロ(監修:鈴木先生より)不登校の原因の一つに起立性調節障害があります。車酔い・朝起き不良・頭痛・立ちくらみなどが主な症状です。起立テストといって15分間立つ前後に血圧・脈拍・心電図を計測することで判定できます。治療は「ミドドリン」という起立性低血圧のお薬で改善します。私の外来に来ている子どもの不登校の原因の多くは、実は音過敏にあります。隣のドアの音・定規をこする音・同級生のひそひそ話・椅子のギーギー音・鉛筆でノートやテスト用紙に書く音などなどです。対策としては、イヤーマフ・耳栓・イヤホンなどがありますが、それでもダメな場合は相談室や特別支援学級などの個室か少人数の場所へ移動して勉強をしています。私たちが家では集中できないため図書館の自習室で勉強するのと似ています。ただ、クラスの皆がイヤホン等を使用していないので担任や親からクラスメートに音過敏について説明をする必要もあります。多少の音でも大丈夫な場合はBGMをかけることで雑音が遮断され集中できることもあります。ホテルのロビーなどに噴水があるのは、鑑賞以外にいろいろな音をマスキングする役目もあるからなのです。自閉スペクトラム症のお子さんは音過敏以外に臭い・味・触覚など感覚に敏感なお子さんも多いです。
2021年10月27日多動が強い兄は、お目当てのものに一直線!小さいころはなんとかつかまえられたけど…Upload By スガカズ重度の自閉症と知的障害がある兄の周りで起こったことを、きょうだい児目線で振り返っています。一緒に暮らしていたとき、特に大変だったのは、突発的に起こる「脱走」で、これには家族含め、親戚も長い間向き合ってきた問題でした。兄が初めて脱走したのは3歳のときだったようです。普段から手をしっかり繋いでいても、「気になるもの」を見つけると、小さな子とは思えない力で手を払ってお目当ての場所まで一直線に走り出してしまっていたのだそうです。今は亡き私たちの母には生まれつき股関節が脱臼しやすい病気があり、歩行は可能ですが走らないように昔から医師に指導されていました。なかなか思うように走れない状態で多動の強い兄を追いかけるのは本当に大変だったようでした。それでも兄が小さいころはなんとか大丈夫だったのですが、成長するにつれ走るスピードがどんどん速くなっていき、母方の親戚を総動員して探すこともありましたし、ときには警察にお世話になることもありました。母は兄の脱走を減らす目的で、毎日2~3時間ほど散歩の時間をつくっていたそうです。兄が歩いたり走ったりしている後ろで、自力で走れない母は原動機付自転車でついていきます。「満足するまで走らせたほうが、帰宅してから寝てくれるし、突然いなくなることが減るんだよ」と私に話していました。兄が18歳を迎えたある日の夕方、自宅から突然いなくなり…Upload By スガカズ時は過ぎ、兄が18歳を迎えたある日の夕方、事件が起きます。兄が一人で自宅を抜け出してしまいました。どうやら、家の内側から取りつけていた脱走防止用の鍵が施錠されていなかったようで、それに気づいた兄が外へ出てしまったようです。母が気づいたころには時すでに遅く、近所を探しても一向に見つかりませんでした。親戚(母のきょうだい)に電話し警察に捜索願を出しました。Upload By スガカズこの日兄は家に帰ってくることはありませんでした。当時は日本でインターネットサービスが導入されていない時代でしたし、街頭に防犯カメラはありませんし、携帯電話も一般的ではありませんでした。わが家には兄のほかにも姉や私がいるため、母が頻繁に探しに行くことは難しく、個人でできることはかなり限られます。ただただ見つかることを祈って警察からの連絡を待っていました。次の日になりました。母は不安を口には出さずいつも通りに過ごしていましたが、きっと同じような気持ちだっただろうと思います。■1日経ち、2日経ち…3日目の深夜に警察から電話がもしかすると誰かに連れて行かれたのではないか?飲まず食わずでどこかで倒れているのではないか?はたまた…最悪な想像が脳裏に浮かびます。そしてついに3日目の深夜1時ごろ、自宅に警察からの電話が。Upload By スガカズ一一兄は無事でした。私はそのとき寝ていたので朝になって兄が帰ってきていることに気がついたのですが、あとになって詳細を知りました。重度心身障害のある兄は、3日間も何をしていた?Upload By スガカズ脱走した日、兄は自宅の最寄り駅が目に飛び込むと、そのまま改札に入る人の後ろにくっついて、電車に乗り込んでしまったようです。もしかしたら移動中、居合わせた人に声をかけられたりしたのかもしれません。ですが、兄は知らない人から声をかけられると走って逃げてしまう特性があります。普段から散歩で鍛えられていたため、走るのが速く、追いかけて捕まえることは難しいだろうと容易に想像がつきます。そして電車の乗り降りを繰り返し繰り返し…ついに自宅のある大阪府の南部から、150kmも離れた滋賀県の湖東地方(琵琶湖の近く)でようやく補導されたようでした。どこで寝泊まりをしていたのかまでは結局分かりませんでしたし、いろいろな人に迷惑をかけてしまいましたが、見つかった現場は琵琶湖が近いこともあり…とにかく無事だったという事実だけでも幸いです。母はさっそく一緒に対応してくれた叔母(母の妹)に「無事に見つかった」と電話をし、そのあと仕事から帰って眠っていた父を起こし、叔母の運転する車で滋賀県の警察署に向かいました。こうしてようやく丸3日ぶりに兄と再会することができました。父と母は警察署の職員さんに、「命の危険があるのだから」と、お灸をすえられたようでした。同行した叔母は、帰りの道中で「二度とあってはならないことだ」と、兄を含め父と母三人に対して強く叱ったと後日聞きました。知的障害のある兄の命を守ることの大変さある程度の知能がある人なら「やっていいこと、いけないこと」の判断がつきますし、「お母さんが心配するから一人で外に出てはいけない」と考えて踏みとどまることはできるでしょう。しかし、体は18歳でも重度の知的障害のある兄には今回、そういった判断はできませんでした。目に入った情報から、突発的に行動してしまうことがあるので、それを40代の、足に持病がある母が完全に制御することはやはり難しいです。ただ、18歳の兄には、「家族が近くにいるときは一人で出ていかない」という自分なりのルールのようなものが存在していたため、ある程度は日常生活をおくる上で歯止めはかかっていたのだろうと思います。また「信号が赤のときは渡ってはいけない」「踏切が下りているときは渡ってはいけない」ことは理解していたため、18年間命を落とすことなく無事だったのだろうと思います。三日間もの脱走のあと、父と母の意思は変化したような気がします。このころから「親なきあと」の兄の人生のために、兄が障害者支援施設へ入居することを本格的に検討するようになりました。障害者支援施設に入居して20年経った現在までに、一度施設から抜け出したことがあると聞きました。施設は山手に位置するため、一本道が多い地域なので、比較的早い段階で見つけることができるのだそうです。仮に外へ出たとしても、「○○ホームの人だ」とご近所の方も把握できるだろうとも思えます。兄は現在40代後半なので、18歳のエネルギーあふれる当時とは違って体力の衰えを感じているようで、ここ数年間落ち着いているようです。そして、私はこうして過去の思い出を振り返っていますが、現在兄が無事に年を重ねられているのは、兄をサポートしてくださっている周囲の方々のお陰だと心から思いますし、感謝してもしきれません。執筆/スガカズ(監修:三木先生より)ご自身の病気も抱えられてお母様は本当に大変でしたね。周りの方たちや警察からは厳しく言われたとのことでしたが…24時間ずっと気を抜けないまま生活している中で、ごく稀にこういったトラブルが起きてしまうことは責められないと私は思ってしまいます。ともあれ、お兄さんは年齢と共に落ち着かれて、現在もお元気なようで良かったです。
2021年10月26日人とお話をするのが苦手な息子たちです長男けんとは、現在6歳(年長)です。3歳のときに療育手帳を取得し、自閉スペクトラム症と診断をうけました。言葉が出始めたのは3歳。それから5歳まで、ほぼ母音のみで、6歳になった現在も片言の口調です。構音障害で「一生、上手にはお話し出来ない可能性がある」と病院の先生や言語聴覚士さんに言われました。次男ゆうきは現在4歳1ヶ月(年少)。先生のお話しによると、発達障害グレーゾーンです。3歳まで「ママ」という言葉だけで会話を成立させようとしていましたが、急にやる気スイッチが入り、最近お話しができるようになってきました。Upload By ゆきみ2人とも、成長ホルモン分泌不全性低身長症という、身長が伸びにくい病気でもあります。現在は同じ、こども園に通っています。会話はあまり交わさないけれど、兄弟の絆を感じる瞬間がたまにあり、ママはコッソリ泣いてしまいます。Upload By ゆきみけんとは赤ちゃんのとき、とても静かで、あまり泣きませんでした。助産師をしている知人に「本当に静かな赤ちゃんね」と驚かれたことも。Upload By ゆきみ体を動かすためにベビースイミングとベビー体操に通ってみることに。しかし、プールに入った瞬間、大号泣。Upload By ゆきみ更衣室に入るだけで泣いてしまうようになったので、プールには行かなくなりました。ベビー体操では好んでは動きません。お気に入りのヨーグルトカップを持っていき「こっちおいでー」と誘い、なんとか体を動かすようにしていました。Upload By ゆきみある日、動物園へ行き、「ゾウさんだ」と指さしをしても、全く反応がありません。思いつきで「1、2、3~」と指で数えるのを見せてあげたら、まさかの大興奮!Upload By ゆきみその後、ママは動物園でずっと数を数えることになりました。キラキラな笑顔で「もう1回」とアピールしてくれるのが愛おしかったのですが、エンドレスリピートだったので、ちょっと大変。その日から現在まで「数字とともに生きる」といっても過言ではないほど、数字にまつわることが大好きです。不安を感じ始めた1歳半健診、そして現在まで出産するまでは子どもと関わることが少なかったため、この月齢の子どもが何をするのかという平均的な発達をまったく知らず、気にしていませんでした。そんなときにあった1歳半健診で、周りの子どもたちと違うことに気づき、衝撃が走ります。Upload By ゆきみ保育士さんが積み木を積んだり、「犬はどれだ」と質問したりしても見ることすらない息子。ほかの子たちが「わんわん」と楽しそうに指をさしてる姿を目の当たりにして、不安になり涙が出ました。すると、保育士さんが声をかけてくださり「発達相談」に行くことに。臨床心理士さんと発達のお話をして、勧められた市の親子教室へ通うことにしました。その後、年少で発達支援センターに通園。年中から、こども園に転園して現在にいたります。不安な日々の中から「楽しい探し」したい3歳で自閉スペクトラム症だと診断を受けた直後、息子がどうなるのか 未来を想像することができず、不安な日々が続きました。 私自身、子どもが診断を受けるまで知識がなく、勝手な印象で自閉スペクトラム症というのは、笑わない子、ずっと家にこもっていて人とまったく関わらない子、だと思い込んでいたのです。周りの家族、親戚、友人も同じでした。1人でも多くの方に自閉スペクトラム症のことや、ユニークな部分も知ってもらいたい!と思うようになり、ブログで子どもたちのことを発信し始めました。私はシンガーソングライターとしてイベントのステージで歌うときがあるのですが、息子はさまざまな感覚過敏がありその場にはいられません。いつか、こういう感覚過敏のある方たちが気軽に参加でき、走り回ったり、声をあげたり、泣いてしまっても周りを気にしなくて大丈夫な出入り自由!みんなWelcomeな、イベントを開催したいという夢を持つようになりました。マイペースで過敏な息子を通じて、「うちの子もだ」「自閉スペクトラム症ってそうなんだ」「こういう子もいるんだ」と1人でも多くの方にお届けできるコラムを書いていけたらと思っております。よろしくお願いします。執筆/ゆきみ(監修:井上先生より)自閉スペクトラム症のあるお子さんのこだわりは、問題行動と見られることもありますが、その行動自体がお子さんにとって楽しみな余暇活動になっていることもあると思います。お子さんの視点に立って、お子さんを見ることができるようになると、子育ての楽しみも少しずつ増えていくかもしれません。コンサートや映画は、子育て中の親御さんの場合、お子さんが泣いたりパニックを起こしたりすることを心配してためらってしまう方も多いです。ゆきみさんのような方が、子育ての経験をもとにバリアフリーのコンサートなどを主催していただけるのは、とても夢があっていいですね。
2021年10月26日危険が分かっていないわが子の行動にヒヤヒヤする日々…自閉症のある息子のPは激しい多動があるわけでもないのですが、目に入ってくる情報や刺激が人一倍強いので、気になる物が目に入った瞬間に、そこへ向かって突然走りだしてしまうようなことがよくありました。手をつないでいても振り払ってしまうし、一瞬でその場から走り去ってしまうので何度もヒヤリとした体験をしていました。Pは何の前ぶれもなく突然行動することがあるので、前もって危険を回避したくても予測が困難なことばかりでした。これまでに1番ヒヤッとしたのは、道路の向こう側に電車が走っていたのをPが目にした瞬間に、歩道から道路へ急に飛び出したときです。道路と歩道の境界にはガードレールがあったので私も少し油断をしてしまっていたのですが、たとえそばを歩いていたとしてもとっさには防ぎきれないことがあるかもしれないことを実感しました。Upload By みんそんなこともあり、3歳ころまではリュックに紐がついているタイプのハーネスを使っていたのですが、ハーネスをつけていると何となく周りの人の目が気になるなと感じていました。ハーネスを使っている私たちに「それ便利そうね!私が育児をしていたときにも使えば良かった」と言う人もいれば、「犬の散歩をしているみたいじゃない!自由に歩かせてあげられないの?」と言う人もいました。私も子どもを持つ前なら「ハーネスってそんなに必要なのかな?」と、ハーネスを使う親子を見かけたら不思議に思っていたかもしれません。でも自分が親になって初めて、ハーネスが怪我や事故の防止になり、周囲にも迷惑をかけずに済む場合があることを痛いほど理解できました…というより必要に迫られたのです。Upload By みんPにはなかなか指示が通らなかったし、手をつないでいても振り払い平気で走り去ってしまったり、自分では危険を認識できていなかったりなど、ハーネスがなければ防ぎきれなかったであろう場面がたくさんあり、実際ハーネスには何度も救われました。ハーネスは迷子になることを防止するためだけのものではなく、私にとってはどちらかというと子どもの「命綱」のようなイメージになっていました。そしてPが4歳になり身体が大きくなってくると、小さい子が使うようなリュックに紐付きのハーネスという見た目が少し気になり始めたので、次は手をつないだ上でさらに保険になるよう手首にもハーネスをつけるようにしました。でも5歳を過ぎてからは大分落ち着いて歩けるようにもなってきたので、ハーネスは交通量の多い場所や、海や川など危険な場所で限定的に使うようになりました。私たち親子にとってハーネスは安心してお出かけする為のお守りですUpload By みんこうして最初は人の目を気にしてしまっていた私は、いつからか「子どもを守るために必要だからハーネスを使っているんだ」と、人の目は気にせずに堂々と使えるようになりました。子ども用ハーネスに対する理解が少しでも増え、ハーネスが必要な親子が安心してお出かけできるようになると嬉しいなと思います。執筆/みん(監修:初川先生より)突発的な行動があるお子さんにとって、ハーネスは心強い味方ですね。確かに見た目から犬の散歩のように見え、心ない言葉をかける人もいるかもしれません。が、お子さんの安全を守れるのは行動を共にする保護者だけなのですよね。また、ハーネスの存在によって、必要以上に子どもにきつく叱ることもなくて済む面もあると思います。言葉で言って聞かせてもまだまだ自分で行動を制御するのが難しい年齢の場合は、上手にハーネスを使うことで危険と折り合いをつけつつ“自由に歩く経験”ができるのではないかと思います。
2021年10月25日「学習障害(LD)」「 限局性学習障害・限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))」とは?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン文部科学省の定義によると、学習障害とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。英語ではLearning Disabilityと呼ばれ、LDと略されることも多いです。学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について(文部科学省)医学的な診断基準とされるDSMでは「学習障害(LD)」とされていましたが、最新版のDSM-5では、診断名が変更され、現在は「限局性学習障害/限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))」になっています。限局性学習障害の定義では障害内容は「読み」「書き」「計算」に限定されます。※「限局性学習障害・限局性学習症」が正式名称ですが、一般的に「学習障害」と呼ばれることが多くあるため、ここでは学習障害と表記します。学習障害の原因はいまだにはっきりとは解明されていません。有力視されているのは、先天性の遺伝要因にさまざまな環境要因が相互に影響し、脳の中枢神経系に何らかの機能障害が生じることが原因だという説です。親のしつけや養育方法、本人の努力不足が原因ではないことが医学的にわかっています。「読めるのに書けない」など苦手や困りごとは、人によって一部だけに極端に表れることもあれば、いくつか重複していることもあります。自閉スペクトラム症やADHD、協調性運動障害や感覚過敏などのほかの障害を合併している人もいます。特定の学習にだけ困難がある場合、周りから理解されにくく、「怠けている」などと誤解され、苦しんだり、不登校やうつなどの二次障害に陥ってしまう子どもも少なくありません。障害の名称や診断の有無などにこだわりすぎず、一人ひとりどのような特性や困りごとがあるか理解し、対処していくことが非常に重要になります。学習障害の3つのタイプと特徴・症状学習障害の困りごとには以下の3つのタイプがあります。症状や困りごとが全てあてはまる人はかえって少なく、特徴は人それぞれです。年齢によって困りごとや特性が変化したり軽減することもあります。複数のタイプが混じっていることもあります。※以下で紹介する症状・困りごとは年齢や学習の習熟度などによって、誰にでも見られるものもあります。当てはまるからといって学習障害であるとは限りません。◆読字障害(ディスレクシア)…「見た文字を判別し、音にして読むのが苦手」学習障害と診断された人の中で一番多く見られるタイプで、見た文字を判別して読んで理解したり、音にするのが苦手です。読むことに障害があると、結果として文字を書くことにも困難を感じる場合が多いため、読み書き障害と呼ばれることもあります。Upload By 発達障害のキホン◆書字表出障害(ディスグラフィア)…「文字を書くという動作が苦手」「文字が書けない」「書いてある文字を写せない」などの書く能力に困難があるタイプです。文字が読めるのにもかかわらず書けない場合もあります。Upload By 発達障害のキホン◆算数障害(ディスカリキュリア)…「算数、推論が困難」数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手な学習障害のタイプを算数障害・ディスカリキュリア(dyscalculia)と呼びます。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合がほとんどです。「1」「2」「3」などの基本的な数字や、「x」「+」などの計算式で使う記号を認識することに困難をもっていることもあります。Upload By 発達障害のキホン
2021年10月24日息子に発達障害があることを本人に告知したのは小5のころでしたUpload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太が発達障害の診断を受けたのは小4のときでした。児童精神科のクリニックの臨床心理士さんには「本人への告知は道理がわかる年ごろになってからがよい」というアドバイスをもらっていた私ですが、リュウ太への療育のことを考えると本人に告知したほうがやりやすいと思い、リュウ太が小5の秋に告知したのでした。Upload By かなしろにゃんこ。その後、中学生になったリュウ太は学校に置いてある発達障害の本を読んで、自分でも発達障害とは何なのかを更に勉強したと言います。ですが、反抗期の期間は親を避けることが多かった息子は、療育などがあまり進まず母は焦るばかりでした。トホホ…Upload By かなしろにゃんこ。告知はしたものの親を避けている時期、息子とは発達障害や特性についてあまり話すことができていなかったのですが、反抗期が終わりかけた17歳くらいから(終わるの遅っ)私は、親子の会話の中でADHDや発達障害などの言葉をよく出すようにしました。Upload By かなしろにゃんこ。発達障害があることは、隠さなければならないものではないと思っていたので、特性が原因での困りごとやトラブルが起こったときには「ADHDの特性で思いついたらやっちゃうこともあるから、相談してね」と伝えたり、生活の中で何か工夫できないか親子で考えるためにあえて言葉にして、言うようにしました。そうして忘れ物対策、衝動的に夜間騒音をたてないための相談や話し合いなど、親子で大ケンカにならずに進んでいったと思います。…でも、「告知はあの時期で良かったんだろうか…?」とその後も私はずっと考えていました。Upload By かなしろにゃんこ。息子が20歳のときに「発達障害の告知を受けたときにどう思った?」と聞いてみました。息子は「地獄に落とされたようにショックだったな」と言いました。そして、発達障害という言葉にショックを受けたと当時のことを思い出しながら語り出しました。「子どもだったから“発達障害って何?ADHDってどういう意味?”って、そもそもよく分からなかったけど『障害』って言葉に驚いたんだよね。お母さんに『ADHDってこうなんだよ、リュウ太が忘れ物をよくするのはADHDの特性で~…』とか説明されたときは落ち着いて聞けなかったんだけど、数日頭から離れなくって。でも、あぁ…だからオレってみんなと違うんだって分かった。」というリュウ太。Upload By かなしろにゃんこ。息子は集団行動をうまくとれなかったことや、周りの人と興味が違って遊びの話が合わなかったことなどを振り返ったそうです。「自分に発達障害があることは仕方がないことだけど、それで差別みたいなことを受けるかもしれないって思うとイヤだった」と話してくれました。ですが、中学では仲のよい友達には自分がADHDであることを話していたと言います。「友達に『オレ発達障害でADHDなんだ~』って話しても『へーそう』って言われるだけで別に付き合いは変わらなかった。友達の兄弟も発達障害だよってヤツもいたし。ただ『障害』っていう言葉のショックを受け入れるのに7年くらいかかったな~」とも息子は言いました。Upload By かなしろにゃんこ。そんな息子は、専修学校の高等課程2年生のときにSNSの『ADHDあるある』という掲示板を読んで笑ってしまったと話します。「オレと同じヤツが世の中にいっぱいいること。同じ失敗をしていること。あるあるや大喜利で失敗をネタにしちゃってること。そんなのを見ていてADHDの自分を徐々に受け入れていけた感じかな~?」息子が言うには、自分でも「ここから受け入れた」とハッキリは分からないけれど、だんだん癒えてきた感じなんだそうです。Upload By かなしろにゃんこ。今でもオモシロイ『ADHDあるある』の書き込みを見つけると私にも読み上げてくれて、一緒に笑ったりしています。同じ特性がある人の書き込みを自分の特性と重ねたり、自分でも気がついていなかった特性を知ったりして、ADHDがあることを悪いことだと思わないくらいに息子の受け止め方が変わっていってくれたことは嬉しいです。私は息子に発達障害があることを受け入れるに5年かかりましたが、息子もまた自身に発達障害があることを受け入れるのに同じくらい時間がかかっていたんだとわかりました。告知をした時期は本当にあれで良かったんだろうかと考えていた私でしたが、わが家はこれでまぁ良かったのかもしれないと最近思えるようになりました。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)「告知の時期はいつがいいんでしょうか」という悩みはよく聞きます。告知の時期というのは、特にいつごろがいいと決まっているわけではなくて、一人ひとりそのタイミングは異なります。基本的には、自分の得意なことや、苦手なことを整理しながら自己理解を進めつつ、必要に応じて告知を行うのがよいと思います。またお子さんの発達に合わせて、かなしろさんのように何段階かに分けて伝えると、本人が受け入れやすくなるかと思います。
2021年10月23日ほぺろう2歳。少しでも癇癪を改善したくて…ネット検索漬けの日々Upload By ぼさ子自閉症と知的障害のある、わが家の息子ほぺろうは、現在保育園の年長さん。6歳になりましたがいまだに発語はありません。1歳半健診のときに発達の遅れを指摘されていましたが、言葉の遅れを気にしている余裕がないくらい悩まされたものが『癇癪』。ほぺろうは2歳を過ぎたあたりから癇癪が激しくなり始め、『なだめる・共感する』も一切通用せず抱っこも拒否。眠っているとき以外は朝から夜中まで、一日10回は地雷を踏み、1回につき1時間は泣き暴れる…そんな毎日を繰り返し、ほぺろうも私も心身疲れ果てていました。こんな大きな困りごとがあるのに当時の私はほぺろうに発達障害の可能性があることを信じたくなくて、「私にできる改善方法はないだろうか」と隙あらばネット検索漬け。暴れ疲れてようやくほぺろうが眠ってくれたとき、私も疲れているのだから寝ればいいのに、チャンスとばかりにスマホにかじりついては検索。疲れているのに頭はさらにフラフラになり、取り憑かれているかのように『検索魔』になっていました。Upload By ぼさ子ネットから得た情報を何でも試しました。声かけや接し方のみならず、コミュニケーションを増やすためにテレビを一切視聴しなくしたり…。でもほぺろうには響かず、ついには『食生活の変更』まで。迷走。約1年続けるほど必死だったそのときよく目にしていた情報の一部ではありますが、それを元に私は『いくつかの食材を断つ』という取り組みをしました。ほぺろうがほしがるといけないので夫にも協力してもらいましたが、今までの食生活を変えることは大人でもストレスを強いられるし、偏食のほぺろうにとってはさらにに食べられるものが狭まってしまう。それでも「この癇癪がおさまるなら…」と私は続けました。レシピ本を購入したり、ほぺろうのおやつもなるべく手づくりしたり(しかも午前と午後)、何をほぺろうに食べさせたら良いのだろうということばかりで毎日頭がいっぱい。当時お世話になっていたデイサービスにまで、おやつの出し方に条件を出して協力をお願いしていました。そんな生活を約1年続けました。ズボラな私がそこまでするなんて今では想像できません。それだけ必死だったんだと思います。とにかく「あのとき取り組んでおけば良かった」という後悔はしたくなかったのと、ほぺろうのためにやれることは何でもやらなきゃとガムシャラだったのです。Upload By ぼさ子迷走を続けた結果、今は…約1年そんな生活を続けましたが、結果ほぺろうの癇癪に何ら変化はありませんでした。保育園に入ったあたりから、給食を選り好みしてる場合でもなかったし、何より食材制限に縛られる私が疲れてしまって、やめました。制限を強いられる生活を続けたことで疲れ果てはしましたが、時間の無駄だったとは思っていません。ほぺろうには効果がなかったと実証できたし「あのときやっておけば…」という後悔にはならなかったので、今はスッキリしています。でも、当時の私に言いたいことがあります…。当時を振り返り、大切だと思うこと今現在 不安を抱えている親にとっては、将来が見通せなくて「とにかくやれることはなんでもやりたい」という気持ちになると思います。そして私も実際そうでした。私の場合ですが、ほぺろうの癇癪を改善することばかりに縛られていた当時は本当に殺伐としていたし、睡眠もろくに取れていないので常にイライラしていました。もしかしたらほぺろうの癇癪は、外部的な要因で起こるものだけじゃなく、イライラした私の顔を見てずっと不安を抱えていたことも原因のひとつだったかも知れません。今は「私がリラックスしていると、ほぺろうもリラックスしているな~」と感じます。私が「ほぺろう大好き」と伝えるようになってから少しずつ癇癪が和らいできた気がするのですが、「ボクは愛されている」という安心感も大切な要素なんだと思います。反省を踏まえて当時の私に言うならば、まずは「とにかく寝なさい」ということ。育児をしながら睡眠時間を確保するのは難しいけれど、誰かに助けを求めてでもしっかり寝てほしい。体もそうだけど脳を休めないと、イライラするし迷走する。焦る気持ちもわかるけど、リラックスして接したほうが子どもにとってきっと良い結果に向かうよ。Upload By ぼさ子そして、「“今は”仕方ないと受け止めて」ということ。何をやってもダメな時期ってある。でもそれは、受け入れられる成長段階じゃないだけかもしれない。どんなにこちらが努力しても響かないわが子を見ては「それほど、ほぺろうに問題があるんだ」「ほかのママなら上手くできるのに私にはできないんだ」とマイナス思考になっていたけど、「“今”できないだけ」と受け入れると焦る気持ちが軽減するよ。Upload By ぼさ子悩みの中にいた当時の私は気持ちが擦り切れていたので、上記のことを言ってもなかなか受け入れなさそうですが、「とにかく睡眠だけは取って!!」と言ってやりたいです。周りは変わらない。でも自分が変わって得たもの6歳になった現在のほぺろうは相変わらず癇癪を起こしますし、発達年齢は2歳のままです。それでも今は、ほぺろうと過ごす毎日が楽しいし、ほぺろうが可愛くてたまらないと思えることが幸せだなと感じています。おそらく、ほぺろう以上に変わったのは私の方なんだと思います。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子(監修:井上先生より)子どもの頻繁な癇癪は、親御さんを疲弊させたり精神的に追い込んだりすることがあります。また、それによってさらに子どもへの対応が困難になり、癇癪も激しくなるという悪循環に陥ることもあります。当時のお母さんの大変さがよく伝わり、「まずは休んで」というメッセージもその通りですね。癇癪については、どんなときに癇癪を起こすのか、どんなときに癇癪を起こさないで済んでいるのかを振り返ってみることが大切です。そのためには、少し離れた視点で見られるようになることが必要ですので、難しいとは思いますが割り切って休養を取り、心に余裕をつくっていただけたらと思います。
2021年10月22日昭和5年創業、年間2千万冊以上のノートを製造する大栗紙工株式会社(所在地:大阪市生野区/代表取締役社長:大栗 康英)の、発達障害当事者の声から生まれた「mahora(まほら)ノート」が、2021年度グッドデザイン賞「グッドデザイン賞ベスト100」を受賞しました。「発達障害を持つ方がノートを使う際に直面する困りごとを知り、当事者から繰り返しフィードバックを得ながら製品開発を進めたこのノートは、結果としてどんなユーザーにとっても使いやすく、美しく、魅力的な製品となっている」と評価されました。【支援団体とともに当事者100人の声を集めて開発した「mahoraノート」】mahoraノートは、発達障害者を支援する一般社団法人UnBalance(所在地:大阪市平野区/代表:元村 祐子)と共に、当事者約100人の声を集めて開発しました。「光の反射を抑えた中紙」「識別しやすい罫線」「シンプルなデザイン」が特徴です。様々な困りごとを抱える人に寄り添った製品づくりを目指して、寄せられた新たな要望に応えラインナップも拡大し、発売から1年半で販売数は5万冊を超えています。mahora Topグッドデザイン賞ベスト100ロゴ【様々な感覚や気持ちに寄り添ったものづくりへの姿勢にも高い評価】当事者の方々の声から、まぶしさを軽減する3色の国産色上質紙を選びました。通常のノートに比べ約10%中紙を厚くし、長年ノート製造に携わってきた製本技術による、業界トップクラスの高品質な無線とじノートに仕上げています。審査委員からは、「紙の厚さや紙質などにもこだわりがみられ、ノートを使う際の様々な感覚や気持ちに寄り添ったものづくりへの姿勢にも高い評価が集まった」と評価されました。【グッドデザイン賞】1957年に旧通商産業省によって設立された「グッドデザイン商品選定制度」(通称 Gマーク制度)を継承する、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。単にものの美しさを競うのではなく、産業の発展とくらしの質を高めるデザインを、身の回りのさまざまな分野から見いだし、広く伝えることを目的としています。世界でも有数の規模と実績を誇るデザイン賞として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加するとともに、よいデザインを社会に広める運動としても多くの人びとから支持されています。 【審査委員による評価コメント】発達障害を持つ方がノートを使う際に直面する困りごとを知り、当事者のお子さんから繰り返しのフィードバックを得ながら製品開発を進めたというこのノートは、結果としてどんなユーザーにとっても使いやすく、美しく、魅力的な製品となった。紙の厚さや紙質などにもこだわりがみられ、ノートを使う際の様々な感覚や気持ちに寄り添ったものづくりへの姿勢にも高い評価が集まった。【関連展示会への出展予定】■GOOD DESIGN AWARD × 西武池袋本店「くらしのデザイン展2021」1950年代から最新の受賞デザインまで、私たちの暮らしと共にあり、日常をひとつひとつ豊かにしてきたデザイン約50点をピックアップし展示。会場内ではGOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARAによるPop-upストアも同時展開します。会期 :2021年10月23日(土)~11月8日(月) 17日間会場 :西武池袋本店7F インテリアフロア「暮らしのデザインサロン」および隣接展示会場展示点数:歴代のグッドデザイン賞受賞デザインおよび2021年度受賞デザインより約50点■GOOD DESIGN EXHIBITION 2021会場:東京ミッドタウン・デザインハブ(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F)会期:2021年10月20日(水)~11月21日(日)展示:グッドデザイン賞ベスト100全点展示および全受賞作の紹介*入場無料・予約入場制【発達障害とは】発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。ですが、発達障害はその特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。(出典:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」から)そうした発達障害と診断された人は48万1,000人と推計されます(H28年「生活のしづらさなどに関する調査/厚生労働省」)が、実態は全人口の6%~7%は存在するとも言われます。その中には「視覚過敏」と呼ばれる特性を持つ人もいて、特定の光や色によって受ける視覚のストレスが大きく、日常生活に支障をきたしてしまうこともあり、例えばノートを開くだけでも辛いと言う人もいて、決して知的能力に問題があるわけではないにもかかわらず、学習に支障が出るケースと言うのも起こりうるのです。【mahoraノートの特徴】■光の反射を抑えた、中紙を採用mahoraの中紙は、白い紙に比べ光の反射を抑えられる、13色の国産色上質紙の中から、発達障害当事者の皆さまに選んでいただき、その中でもまぶしさがもっとも気にならなかった「レモン」「ラベンダー」「ミント」の3色を採用。また、今回採用した国産色上質紙は、通常のノートの中紙に比べ約10%程度厚くなっているので、強い筆圧でも紙がへこみにくく次のページへの影響が軽減されます。さらに紙肌がなめらかなので、消しゴムで消す際も紙がクシャクシャにならず綺麗に消すことができます。■行の識別がしやすい、mahora独自の罫線発達障害当事者の皆さまの中には「中紙に印刷された罫線が見分けにくく、書いているうちに行が変わってしまったり歪んでしまったりする」との声がありました。それらの悩みを解消させたのが、アンケートやヒアリングによってうまれた、mahora独自の2種類の罫線です。■ノートの開きが良く、耐久性も優れた無線とじ製本長年ノート製造に携わってきた製本技術による業界トップクラスの高品質な無線とじ。ノートの開きが良いのでページの端まで文字が書きやすく、また耐久性にも優れているので長期間の使用でもノートがばらける心配はありません。■無駄な要素をなくしたシンプル設計「中紙に印刷された日付などの余計な情報が気になり集中できない」との声にも耳を傾け、中紙の印刷からは日付欄などの罫線以外の情報は全てなくしました。またそのことによって、横書き・縦書きも気にすることなく使える自由なノートになりました。【mahoraシートの特徴】■レポート用紙のように1枚ずつ自由に使えます■パンチ穴をあければバインダーにまとめて綴じることができますmahoraノートシートタイプが新登場!レモン太細交互横罫使用例ラベンダーあみかけ横罫使用例【mahoraノート概要】mahoraノート概要mahoraオンラインストア: mahora紹介ページ : 【『mahora(まほら)』という名前について】『まほら』は「住みやすい場所」や「素晴らしい場所」、「すぐれたよい所・国」を意味する日本の古語で、『まほろば』の元となった言葉です。私たちが作るノートがみなさまにとって「使いやすいノート」「心地よく使っていただけるノート」であってほしいという願いから、『mahora』と名付けました。そして日本だけでなく、多くの国の人々に使っていただけるノートになってほしいという願いも込めて、アルファベット表記の『mahora』としました。【会社概要】社名 :大栗紙工株式会社代表者 :代表取締役社長 大栗 康英所在地 :〒544-0004 大阪市生野区巽北3-15-7設立 :創業 昭和5年/設立 昭和40年資本金 :1,000万円社員数 :32人事業内容:無線とじノートの製造 2,700万冊(年間)・電解水生成装置の販売 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月21日100日を過ぎたころから始まった夜泣きUpload By かさはらあやこ0歳〜1歳。睡眠に関する問題は産まれたときから顕著に現れていました。育児記録を読み返すと生後2ヵ月までは〝一日中ぐずり、ぐずって23時にやっと寝る。2時までぐずる。5時までぐずる。〟などと書かれており、夫婦で交代しながら抱っこをして部屋を歩き回っていなければずっと泣いている状態で、疲労と寝不足でイライラし、お互いに余裕が持てず険悪な状態になっていました。100日を過ぎ、寝返りをするようになったころには夜泣きが始まり、毎日23時ごろから2〜3時間、だいたい決まった時間に泣くようになりました。生後半年ごろには、〝最近、4時から5時に起きる癖がついている。謎。〟と書かれており、このころから1歳までは、事あるごとに自閉スペクトラム症(ASD)を疑ったり、疑ってごめんね、と葛藤する様子が書いてあったり。【ギャン泣き】という言葉や【なぜ泣くのだろう?】という言葉がたくさん出てきて、当時を思い出すとつらくて心がギュ〜ッとなります。昼間の癇癪と夜驚に悩まされる日々Upload By かさはらあやこ1歳〜2歳。1歳を過ぎ、クレーン現象が始まったころには、23時に入眠、24時半の夜泣きが3時まで続き、それから朝まで遊び続けるという地獄のような日々が始まりました。早めに入眠できた日も、〝夜すんなり寝たのだけれど、2時半に起きてしまって6時まで寝なかった…確実に私のせい〟と、起きた原因で自分を責めたり、夫を責めて喧嘩になったりすることも多くなりました。息子は昼間の癇癪が増え、私は寝不足で余裕もなく、叱ることが増え…第二子妊娠中の眠気もあり、身体がだるくて外に連れ出してあげることもできず、精神的にも肉体的にもつらい日々を過ごしていました。2歳〜3歳。第二子を出産後、昼間の癇癪や夜泣きは激しさを増しました。夜泣きというより夜驚で、突然泣き叫んで起き、何をしてもおさまらないギャン泣きが数時間続くという感じでした。出産から2ヵ月後には睡眠不足とストレスから、乳腺炎に。私に40℃近い発熱があっても容赦なく夜驚は起こり、泣いたあとには2時から5時まで騒ぎ、走り回る…。このころは授乳と夜驚で眠れず、昼間も眠れる状況ではなかったため、ほぼ寝た記憶がありません。夜中にパニック状態で数時間泣かれることに耐えられず、車の中に連れて行って泣かせることもありました。そんな状態で耐えられたのは、先輩ママさんたちの「3歳になったら落ち着くよ」説があったからでした。3歳になって落ち着いた⁉も束の間Upload By かさはらあやこ3歳〜4歳。3歳になり幼稚園(プレ)に入園したころ、一瞬、夜泣きがなくなりました。本当に落ち着いた!!!と思ったのも束の間。秋になり行事が増え、ストレスも溜まってきたころにはまた再開。息子の睡眠障害は3歳になって落ち着くような甘いものではありませんでした。夜中に覚醒して朝になっても全く眠らず、やっと昼寝をしたと思ったら10分で目が覚めてしまうショートスリーパー。さらに寝不足のため 集団生活の中で受ける刺激も多く、過敏は増し、大癇癪を起こすことも多くなりました。早い段階で医師から薬を勧められてはいましたが、低年齢のうちはまだ薬に頼らず環境を整えることで解決したいと粘っていた私。夜も昼も眠れず、苦しみ悶えながら癇癪を起こすつらそうな息子を見ていることに耐えられず、4歳が近づいてきたころに投薬の決意を固めました。それと同時に、息子は映像や歌が記憶に残りやすいので、その残像にうなされているのではないかと療育の先生から助言もいただき、テレビやYouTubeなどの映像を観せる時間を大幅に減らしました。易刺激性の薬を飲み始めてUpload By かさはらあやこ現在 朝晩に易刺激性の薬を飲み始めて3ヶ月ほど経ちました。入眠はスムーズになり、夜中に一瞬起き上がるタイミングがあったり、夜泣きをしたり、覚醒して遊び始めることも未だにありますが、何もなければ午前5時くらいまで、9時間ほど安定して眠るようになりました。(本当はもう少し寝てほしい…)あくまでも私個人の考えですが、投薬は親が楽になるためにすることだと思っていたので、自分が我慢をすれば飲ませなくてもよいという気持ちでした。でも、いざ投薬をしても親はぜんぜん楽にはなりません。相変わらず大変です。ただ、息子は入眠が安定し、受けていた刺激も和らぐのか、日中、酷い癇癪が起こることが減りました。夜中に何か恐ろしいものに怯えて突然起き上がり、泣き叫ぶことも減りました。決して投薬を勧めているわけではありません。今、この瞬間に悩んでいる親御さんの参考になれば幸いです。睡眠の問題といっても症状はみんなそれぞれ違います。入眠も遅く、夜泣きは酷い。早朝から騒がれて、昼寝もしてくれない。もう何日も寝ていなくて、本当につらくて、こんなことがいつまで続くのかと闇のなかで子どもを眺めながら泣いている人がいたら、一人じゃないよと伝えたい。みんなでこのつらい幼少期をなんとかやり過ごしましょうと伝えたい。あ~!寝過ぎて逆に眠い!!と言える日がきっと来ると信じて。執筆/かさはらあやこ(監修:鈴木先生より)脳内で睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンが分泌される4ヶ月頃から赤ちゃんは夜間中途覚醒なく眠ってくれるようになり、サーカディアンリズム(概日リズム)が確立してきます。メラトニンは光によって抑制されるため、夜更かししているとTV映像や室内の光等でメラトニンが抑制され覚醒状態になり、サーカディアンリズムが乱れてきます。リズムが乱れると癇癪を起こしやすくなります。昼夜の区別をしっかりと分けて早寝早起き朝ごはんがいいのです。お子さんの将来のためには、2歳までの規則的なサーカディアンリズムが必要です。ただ、自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんは感覚に敏感なためなかなか寝てくれません。抱っこして寝ても布団に下ろすと目が覚めて泣いてしまうのです。こうして入眠時刻が遅くなり、サーカディアンリズムが乱れると夜泣きが多くなります。サーカディアンリズムを乱さず夜泣きを防ぐためには投薬によるコントロールも必要です。昼間の癇癪を抑えて行動を落ち着かせる「リスペリドン」などの抗精神病薬や最近登場したメラトニンホルモンである「メラトベル」などを使用します。また、夜間騒いだり、歩き回ったりするような夜驚症には「ジアゼパム」を使用します。一生飲むわけではありません。日中や夜間の環境が整ってくれば中止できます。親御さんの中には薬の副作用などを心配される方もいるかもしれませんが、投薬によって叱ることが減りお子さんの自尊心を高めることができます。親子ともバタンキューのリズムでぐっすりと眠り、翌朝から元気に活動できる生活が理想なのです。
2021年10月21日『宇宙一楽しい 発達凸凹ちゃんの育児ソリューション』書影株式会社みらいパブリッシング(所在地:東京都杉並区高円寺、代表取締役:松崎義行)は、モモンガプレスから、新刊『宇宙一楽しい 発達凸凹ちゃんの育児ソリューション』(著者:にしむられいこ) を2021年11月15日に発売いたします。詳細 URL: 内容紹介発達障害児を育てるママ&パパの生きづらさを軽減し、 支援者の背中を押す「心構え」が満載の一冊!みらいパブリッシングの新インディーズレーベル「モモンガプレス」から、発達障害の当事者親子や支援者に向けた、待望の「育児ソリューション」本が登場。自身も発達障害当事者でありながら、転勤族の妻として3人の発達障害児=「発達凸凹ちゃん」も育てるキャリアカウンセラーの著者が、「笑える育児ソリューション=教訓」を大公開。発達凸凹ちゃんの育児真っ最中のパパ&ママと支援者の皆さまへ、ココロを軽くするメッセージと、育児問題の具体的解決法をおくります。全編にわたってパンダママのイラストが読者をナビゲート。ひねりの効いたイラストと4コマ漫画が、クスッと笑いを誘います。1章につき20分もあれば読めるやさしい内容ながら、必要かつ役に立つ情報がたっぷり。発達凸凹ちゃんの育児に現在進行形で悩んでいたり、これからの育児に不安を覚えたりしている、ママ・パパ、当事者親子の支援について悩む支援者の方々、発達凸凹ちゃんの育児について知りたいすべての人に。ぜひ手にとっていただきたい一冊です。【目次】第一章 発達障害は治らない「特性」だけど、早期療育すると良好になる第二章 いつ終わるか見通せない育児をする親の、3つの心構え第三章 家庭崩壊ではなく“過程創造"のコツ。こんなときこそ「お父さん」第四章 社会が優しくないから“困っている親子"が増える一方第五章 愛があれば大丈夫。親はなくとも子は育つ『宇宙一楽しい 発達凸凹ちゃんの育児ソリューション』より出版社より発達障害の当事者として、3人の発達障害児を育てる母として、そしてキャリアカウンセラーとして。それぞれの視点を持つ著者だからこそ提案できる、「発達凸凹ちゃん」を育てる上での心構えが満載です。困ったときの情報源として、そして不安になったときに心を落ち着かせるための読み物として、ぜひこの本を活用してください。現在育児真っ只中のママとパパはもちろん、当事者親子の支援者の方々に向けた、心の支えとなる一冊です。著者プロフィールにしむられいこ3人の発達凸凹児を育てるフリーキャリアカウンセラーARCA®(生きる技術研究会)代表。著述家。名古屋大学経済学部卒。株式会社リクルートを経て、名古屋大同学部の非常勤講師。現在は、大学生や転職希望の老若男女3000人以上のキャリアカウンセリングと、300回以上の研修・講演・講座の登壇実績を持つ、多様な人の生き方・働き方を支援するキャリア支援のプロフェッショナル。転勤族の夫の転勤に伴いながらの育児で、産後鬱、流産、育児ノイローゼ、パニック障害を患い、克服してきた経験をもとに、若年層と女性の「キャリア自律」支援を強化中。未来を担う子どもたちを賢く楽しく育てあげるための実践的なソリューションを提供している。米国CCE,Inc.認定GCDF-japanキャリアカウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、心理カウンセラー、珠算3段、オセロ2級。著書に『自分らしいキャリアを拓く羅針盤 〜生き方・働き方をリノベーションしよう〜』(Book Trip)。ARCA: 書籍概要書籍名 :宇宙一楽しい 発達凸凹ちゃんの育児ソリューション著者 :にしむられいこ定価 :本体1320円(税込)体裁 :四六判/104ページ/ソフトカバーISBN:978-4-434-29675-8URL : 会社概要商号 : 株式会社みらいパブリッシング代表者 : 代表取締役松崎義行所在地 : 〒166-0003東京都杉並区高円寺南4-26-12 福丸ビル6階設立 : 2014年5月事業内容 : 図書出版全般URL : 本件に関する報道関係のお問い合わせ先株式会社みらいパブリッシング担当:安達電話番号:03-5913-8611 Email: adachi@publishers.jp 関連書籍クマのろくた : ネコまんにんとのしゅぎょう : 数秘術家・悠城レニが教える「あなたにしかできない仕事」 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年10月20日コウが約束の重みに気づいたのは、ゲームがきっかけ!?Upload By 丸山さとこ息子のコウはゲームが大好きです。攻略本を読み込んだり動画サイトで攻略動画を見たりしては、新しい技を練習して楽しんでいます。そんな風にコウの毎日を充実させてくれるゲームですが、長時間遊ぶと翌日までコンディションを崩してしまうこともあるため、30分~1時間に1回休憩をとる約束をした上で、ゲーム機で遊んでいます。調子のいい日は大体約束を守って遊べるコウですが、夢中になり過ぎて約束の時間を過ぎてしまうこともしばしばです。そんなコウがある日、ゲームの約束時間を大幅に過ぎたことに反省して「学習ドリルやったから見てほしい」と私に報告に来ました。私は「約束を破ってしまったことの埋め合わせをしようとすること自体はいいことだと思う」と伝えた上で、改めてコウに質問を投げかけてみました。「学習ドリルが真面目さの表現手段なのは分かるけれど、『お母さんは学習ドリルをしてほしいと思っている』と思うの?」と聞くと、「ううん…お母さんがしてほしいのは約束を守ること」と答えるコウ。Upload By 丸山さとこ「僕は今からでも約束したルールを守りたいけど、今日はもう『ゲーム時間を守る』っていう約束を守れなかったから、今すぐお母さんと今日の『ゲームの時間を守る』っていう約束はしてもらえないし…」と考えていたコウは、「約束してもらえないってことは『約束を守る』ができないってこと…?」とつぶやいてショックを受けていました。約束には”相手”が必要今までコウは、例え結果としては約束を守れていないにせよ「約束を守ろうと思ってがんばっている自分は『いいこと』をしている」と考えていたのではないかと思います。もし「相手と約束する」ということが成立していなかったとしてもそれは”仕方のないこと”で、どこかに『自分は『いいこと』をしているのでOK』という感覚があったのかもしれません。そんなコウにとって、いくら「約束したい」とコウが思ったとしても、相手も「約束したい」「約束していいよ」と思わなければ約束はできない。という事実は大分重たかったようです。Upload By 丸山さとこ『信用を得るために約束を守って”信用できる人間であること”を証明したいのに、信用がないとそのスタートラインに立てない』という袋小路な状況に気づいたコウは、「何で僕は今まで約束の重さに気づかなかったんだろう…」と肩を落としました。「『約束』の重さに比べたら、今まで僕が言ってきた『だってこういう理由があったから約束が守れなかったとしても仕方がないんだ』の理由なんて全然重くなかったのに…。何が大切なのか優先順位を間違ってたって気づいてしまった…」とショックを受けるコウ。その様子を見ていた私は、『そこでショックを受けるのは大きな変化だな』と思いました。Upload By 丸山さとこ今までのコウであれば「なんだ、そういうことだったのか!」と分かった時点でスッキリして元気になっていただろうと思います。場合によっては、理解と発見の喜びでニコニコしていたかもしれません。しかし、今回のコウは今までの自分の行動を振り返って「自分がしてきたことは相手からの信頼を失う行動だったのかもしれない」とショックを受けて動揺しており、私はそんな彼の姿に少し成長を感じました。また、「約束を守る」ということについても、「『約束』は相手が応じてくれてこそ成立するもの、そして『約束』をしてくれた相手との信頼関係を築くために『約束を守る』はとても大切なこと」だと気づいたのは、彼にとって大きな変化だっただろうと思います。信用の土台をつくること、その上に積み上げていくということ今回の一件で、信用を積み上げるためには約束を守ることが大切・約束を結ぶためには”信用の土台”が必要なのだと知ったコウは、「まずは今残っている約束をきちんと守る」と言い、担当している家事や宿題や明日の支度などの”日常の中にある約束”を大切に守ろうとしています。とはいえ、それだけ『約束って重いんだ』と気づいたあとであっても、コウがまだまだ「約束」を守るということを完璧にできるわけではないだろうな…とも思います。Upload By 丸山さとこそういう意味では”コウの行動”自体を手放しで信じているわけではない私ですが、”コウが何かに気づいたこと”は信じています。これから先コウが約束を破って「気づいたと思ったのに全然変わらない、自分はダメだ」とめげてしまったときは、陰からひっそり応援していきたいなと思いました。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)11歳で約束を破ることの重大性に気づいたことはすごいことだと思います。このあとの課題として自分が守れそうな約束をしていくこと、条件を交渉すること、守れそうにないときに代替案を提示することがあるかもしれません。お母さん自身が感情的にならずに子どもの成長を見守っておられる姿に感動しました。
2021年10月20日1歳から親子通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)最初に入ったのは、親子通園の集団療育園でした。当時まだ1歳に満たなかった娘は診断前で、周りに娘と同じような特性のある子もいなかったため情報も少なく、自分でネットで検索して唯一通えそうだと分かった園でした。直接園に電話をして見学に行き、手続きについても自治体に問い合わせして、自分で動きました。その園は、当時定員が一杯で少し待つことになりましたが、結果的に私たち親子に合っていると思えたので、空き待ちをしてでも行ってよかったです。親子通園で感じたメリットは、親も一緒に通うことで子どもの安心感につながること。集団の中での子どもの様子がよく分かること。保護者も、同じような気持ちで通っている人たちと繋がりができるため、心強く感じられたこと。そして、先生たちの子どもへの関わり方を毎回目にすることで、さまざまな特性を持っている子への対応の仕方を学べるため、家でも応用できるようになることです。園での活動中に先生に相談ができ、情報交換の場にもなるので、右も左も分からなかった当時の私にとっては一つ目の園が親子通園の集団療育園でよかったと思います。3歳から単独通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)2年後に、違う集団療育に入りました。今度は、親子通園ではなく、娘一人で通う単独通園のところにしました。園選びについては、まず、曜日・時間、場所、送迎の有無など希望する条件でいくつかに絞りました。その中で見学に行ったときの園の雰囲気や、在園児たちの様子で決めました。このころには娘は3歳になっていたので、かなり選択肢が広がり、複数の園の中から選ぶことができました。在園児たちの様子を見ることは、個人的にとても大事にしました。ポイントは、娘は同年代の子どもにも興味を示すようになっていたため、その集団に入っても楽しめそうかどうか。そして、療育園ならではの自由な雰囲気も重要視しました。療育園といっても本当にさまざまなので、幼稚園や保育園を選ぶように、慎重に選ぶ必要があると思います。幸い、私が住んでいる自治体には、複数の集団療育園があったので恵まれていたと思いますが、それでも空きがなくなるところもあるので、早めに動くことが大事です。実際に娘が通った二つの集団療育園は、どちらも空き待ちをしたので、動くのが遅れると希望の園に入れる可能性がとても低くなってしまうのではないかと思います。集団療育園に通わせて感じたメリットUpload By koto(コトコト子)単独通園の集団療育園でも、さまざまなメリットを感じています。まず親子通園と違って親子で離れる時間ができるため、親は気力体力を蓄えたり、多動や長時間に及ぶ癇癪、睡眠障害などがある子どもと一緒にいるときにはできないさまざまなことをする時間がつくれます。また、子どもだけで遊ぶ時間は、コミュニケーションの取り方や困りごとが起きたときの対処法を、子ども自身が身につけて行く練習にもなります。特性のある子たちと過ごすことで、娘もさまざまなタイプの子と触れ合うことができて、刺激にもなったと思います。そして、何かできないことや不得意なことがあっても、そういった課題を少しでも改善するように先生たちが取り組んでくださるので、幼稚園や保育園では受けられない発達支援を受けることができます。集団療育園は、子どもの特性に合わせて無理なく集団生活を送れる場所。特性のある子たちへの対応を学ばれている先生たちと過ごすことで、子どもたちは安心して集団でのルールや過ごし方を学ぶ機会を持つことができます。振り返ってみると親子通園・単独通園ともに、親子で自分たちに合った園を選ぶことを大切にして、早いうちから通わせることができてよかったと思っています。執筆/koto(監修:井上先生より)子どもさんの発達が気になったときに、療育に通うかどうか、通うとしたらどんな所がよいかは、親としてとても悩ましいことだと思います。診断がない状態で集団療育に通える地域とそうではない地域があったり、待ちがある・ない地域があったりします。自治体によって条件はさまざまです。kotoさんが書いておられるように、親子通園型の集団療育の良いところは、ほかのお子さんの様子やほかのお子さんとの関わりの様子を親御さんが見られることです。しかし、親御さんが時間的に難しい場合などは、単独通園を選択される方も多いです。子どもさんだけでなく、親御さんにとっても通わせやすいところを見学に行くなどして、情報や口コミだけでなく実際に目で見て選ぶことが大切ですね。
2021年10月19日自閉症の子どもへの接し方のポイントは?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン自閉症の子どもと接するときの9つのポイントを解説自閉スペクトラム症(自閉症)のある子どもとは、どのように接するといいのでしょうか。強いこだわりやコミュニケーションが苦手など、特性によるさまざまな困りごとも接し方で大きく変わります。自閉スペクトラム症のある子どもに接するときには、以下の9つのポイントに気をつけましょう。1.言葉は短く具体的に伝える長く説明されたり一度にたくさん指示されたりすると自閉スペクトラム症のある子どもは混乱してしまうことがあります。「おやつよ。座って食べてね」のように一文にいくつもの指示があると分からないこともあります。まず「座ってね」と一つ伝え、できてから「おやつを食べてね」と次の行動を伝えましょう。「うろうろしないで椅子に座って食べてね」というような言い方だと、言葉の中に『おやつを食べる』という目的が抜け落ちていたり、『うろうろ』という「座る」以外の余計な言葉が入っていることにより分かりづらくなってしまいます。指示は短く簡潔に、理解しやすい言葉で伝えましょう。2.視覚的な手段を使って説明する自閉スペクトラム症のある子どもは、耳で伝えられる情報は理解することが苦手な場合が多く、絵や写真といった視覚的な情報は理解しやすい場合が多いようです。これからする予定について、知らせるときに短く分かりやすい言葉と同時に絵や写真を提示することで、コミュニケーションが苦手な自閉スペクトラム症の子どもにとって理解しやすい環境になり、何をして欲しいのか明確に分かるようになります。予定や約束ごとなども、絵にして知らせると、理解しやすく安心できます。3.のぞましい行動をほめる自閉スペクトラム症のある子どもは相手の言葉の意図をくみ取ることが難しい場合があります。そのため「してはダメ」なことを注意するよりも、「してほしい」ことをしたときにストレートな表現でほめるほうが効果的です。うまくいったことや頑張ったことがあれば、どんな小さなことでも思い切りほめます。同じことでも何度もほめることで「よい行動」が印象づけられ、具体的に分かります。4.叱るだけでなく、して欲しいことを具体的に伝える接するときに気をつけたいのが、何かを説明するときに怒らないということです。保護者や支援者が感情的になると、伝えたい意図が伝わらなくなってしまいます。何かを伝えたいときは、『〇〇しない』という禁止だけでなく、どうして欲しいのかを具体的に短い言葉で簡潔に伝えることを心がけてください。否定的な言葉ではなく、「○○してほしい」「○○しましょう」と言い換えるようにしましょう。自閉スペクトラム症のある子どもは接し方を工夫すると、パニックを起こすことも少なくなり、本人も家族も生活を共にするのがとても楽になります。生活のパターンを掴むまでは時間がかかりますし、大変なこともいろいろあると思いますが、少しずつ問題は解決していきます。諦めずに医師に相談しアドバイスをもらいながら対処していきましょう。5.スケジュールが変わるときは事前に説明する自閉スペクトラム症の特性として、突然の変化が苦手ということがあります。いつもと違うことやスケジュールの変更は自閉スペクトラム症のある子どもにとってとても不安なことです。変更を伝えるときには、事前に絵に書いて見せるなどして説明しましょう。本人が理解でき、見通しが持てることでパニックを緩和したり減らすことができます。6.指示のタイミングを考える自閉スペクトラム症のある子どもが何か行動を始めたときに、その行動を途中でやめるように指示すると、パニックになってしまうことがあります。パニックになると落ち着くまでに時間がかかりますので、本人も周りの大人も体力を消耗してしまいます。次の行動にスムーズに移れるためには、指示のタイミングとして行動を始める前が重要です。子どもが好きな活動に取り掛かる前に、終わる時間をタイマーで示したり、終わったあとの次の行動をあらかじめ写真カードなどで知らせておくなどの工夫が考えられます。活動をする前の指示がうまくいかなかった場合には、子どもの様子を見て一通り区切りが良いところを見て指示するようにしましょう。活動をうまく切り替えることができた場合には、ほめることが大切です。7.感覚過敏に配慮する自閉スペクトラム症のある子どもは感覚過敏がある場合も多いです。特定の音や、活動、場所を嫌がったりすることもあると思います。これは単純な好き嫌いやわがままではないことがあります。感覚過敏が背景にある場合は叱ったり無理強いしても解決しません。音に敏感な場合はイヤーマフなどを使用するなど、まずは環境調整から考えていきましょう。成長するにしたがって、場面に応じてコントロールできたり 理由が分かることで、我慢できることも広がってくることも多いです。8.興味・関心のあることで不安を解消し、得意なことを増やす自閉スペクトラム症のある子どもは、何もすることがないと時間を持て余して不安定になる傾向があります。病院の待合室や電車の中などで手持無沙汰を解消できるよう、絵の描けるホワイトボードやパズルなど、好きな遊びを準備しておくと落ち着いて過ごせるかもしれません。本人に合った習いごとに取り組むなど、余暇の過ごし方を教えることも重要です。興味・関心のあるものを増やしていくことで、本人の得意なことも増やすことができます。9.困ったことがあれば子ども自身がヘルプ要請を出せるようにする自閉スペクトラム症のある子どもは自分ではうまくできず、困る場面があります。しかしコミュニケーションをとるのが苦手なことも多くあります。そこで、困ったことや、できないことがあったときに、自分でサインを出して助けを求められるようにすることがとても大切です。そもそも自閉スペクトラム症のある子どもは自分が「困っている状況」だということを本人が理解できず、パニックになったり固まってしまう場合もあります。まずは子どもに「イライラする」「どうしたらいいのかわからない」「涙が出る」など、自分の感覚や感情がどんなときに「困っている状況」なのかを教えます。そして困った状況になったら誰に助けを求めればいいかを教えます。「どうしたらいいのですか?」「分からないので教えてください」など、なんと言うかもできるだけ具体的に説明するとよいでしょう。
2021年10月18日さまざまな支援や施設、制度なども分かりやすく紹介ーー『障害のある人の支援の現場探訪記』著者のかなしろにゃんこ。さんのお子さんにはADHDとASDがあり、小学生のころからさまざまな支援施設を利用、現在は成人し就職しています。そんなかなしろさんですが、「障害のある人の支援施設にはどんなものがあるのか、そこでどんな支援があるのか、いろいろあって詳しく分からない!」ということで、実際に支援の現場に足を運び、実際に見学・体験をし、この一冊にまとめました。放課後等デイサービス、支援団体によるペアレントトレーニング講座、特例子会社、グループホームなどなど…。それぞれの内容や、利用するために必要な準備は何か、漫画と解説で分かりやすく知ることができます。最前線で支援する人の気持ち、利用する人の感想なども知ることができ、とても参考になる一冊です。年齢問わず障害のある子どもを育てる保護者におすすめです。子どもも親も笑顔になれるようにーー『困っている子をほめて育てるペアレント・トレーニングガイドブック第2版』こちらの本は2004年に発行された「AD/HDのペアレント・トレーニングガイドブック ー家庭と医療機関・学校をつなぐ架け橋―」の続編として2012年に作られた「困っている子をほめて育てるペアレント・トレーニングガイドブック」の第2版となっています。前回発行された2004年以降、ペアレント・トレーニング(以下、ペアトレ)をとりまく状況は大きく変わってきました。ペアトレが全国で拡がっていく中で支援者や保護者の方々からはたくさんの疑問点、懸念点などが聞かれるようになりました。それらを受け、さまざまな機関で、さまざまなかたちで、そしてさまざまな子どもたち(発達障害のある/可能性のある幼児期から思春期までの子ども)へのペアレント・トレーニングのノウハウを紹介しています。ペアトレの基礎、誤解しやすい部分をはじめ、おうちですぐに実践できそうなペアトレの紹介はもちろん、インストラクターになるためのポイントやティーチャートレーニングなどが書かれています。ペアトレについて知りたい保護者から支援者までたくさんの方に読んでいただきたい、まさに「ペアトレの指南書」です。ひらがな46文字分の動画で書き方レッスンーー『動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな』「ひらがな練習」というと赤ペンで直したり、何度も書いて練習するというイメージがあるかもしれません。…でも、子どもにとってその練習は楽しいものでしょうか。文字は一生付き合っていくもの。ひらがなの学習での「できた」が、カタカナや漢字を始めるときにも「やってみよう」という気持ちの基礎になります。そういう意味でひらがなは、とても大切な第一歩。せっかくなら「ひらがな」との出合いが楽しいものであって欲しいと思う保護者はたくさんいると思います。この本は、笑いながら動画を見て学ぶことで、楽しみながらひらがなが書けるようになるドリルです。スマートフォンやタブレット、パソコンを準備するだけで大丈夫。字の形や、書き始め、筆順をイメージしやすい”まほうのことば”で楽しくひらがなを覚えることができます。著書は、発達ナビのコラムでもお馴染みの立石美津子さん。先生向けの「ひらがなの教え方」セミナーや子どもたちへのレッスンも行い、約30年間で1万人以上の子どもが楽しくひらがなが書けるようになりました。ひらがなに興味をもち始めたお子さんや、入学準備を始めるお子さんに特におすすめの一冊です。臨床経験30年以上の専門医が伝えたいーー『子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと』この本では、幼児期から思春期にさしかかる時期までの発達障害のある子どもの育て方を、さまざまな事例を紹介しながら解説しています。生まれもった特性はそのままに、個性を伸ばすヒントが満載です。著書の本田秀夫さんは、発達障害を乳幼児期から成人期まで長期にわたって診察を続けるという臨床経験があり、発達障害を専門にする日本屈指のスペシャリストとしてNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介されました。臨床経験30年以上の専門医が現場から伝えたい"本当のこと"。「あらためて、発達障害とは」から、発達障害のある子どもの育て方、ほめ方やり方、具体的な場面別の暮らし方まで。子どもの発達に不安や悩みを抱える保護者におすすめの一冊です。「あなたのためを思って」は逆効果…!?ーー『やりすぎ教育商品化する子どもたち』2020年のユニセフ調査によると、日本の子どもの精神的幸福度は38ヶ国中37位。将来への不安が日本人を追い詰め、教育の名の下に、大人が子どもたちの可能性を奪ってしまっているのかもしれません。著者の武田信子さんは、臨床心理士として子どもに関する悩みに向き合ってきました。2019年12月にNHK「あさイチ」で「やりすぎ教育」特集が放送された際も全国からたくさんのコメントや、質問があり話題になりました。子どもの幸せとは何なのか、健全な成長と学びの本質とは何なのか、「今を犠牲にしない」人生100年時代を過ごせるようにするために大人はどんなことができるのか、「やりすぎ教育」のボーダーラインはどこなのか。一度立ち止まって考えるきっかけになると思います。子どもを育てる全ての方に読んでほしい一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年10月16日お子さんの進路の選択肢を広げる、企業・サービスを紹介するセミナー動画をお届けします発達ナビユーザーの皆さんから寄せられた、進路選びへのお悩みの声に寄り添う取り組みとして、9/25に開催された「一人ひとりに合った進路選び応援セミナー」。イベントの中の「今を支える個別のまなびセミナー」では、進路を考える上で大きな支えとなる可能性がある、企業・サービスのご紹介をさせていただきました。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーには、不登校や学校への行きづらさを感じているお子さまの保護者のみなさまに向けて、ホームスクーリングに適した学習教材や、日中の居場所となるフリースクール、発達障害や不登校の子の指導に特化した学習塾などが登壇。どのセミナーも、たくさんの方にご視聴いただき、大きな反響がありました.Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部そこでこの記事は、「今を支える個別のまなびセミナー」で各企業からお話のあった内容を抜粋してお伝えするとともに、アーカイブ動画をご視聴いただけるように用意しました。そしてそして、大好評のイベントとなりましたので、当日ご参加いただいた方にもそうでない方にも、資料請求ができてセミナーの様子も動画で見ていただける特設サイトをオープン!アーカイブ動画の公開は10/31(日)までの限定公開となりますので、ぜひこの機会にご覧ください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから「今を支える個別のまなびセミナー」の特設サイトに遷移します4つの企業の特別セミナーを、動画で一挙ご紹介!学習教材「すらら」は、2020年12月末時点で学習者数が約33万人となりました。お子さん一人ひとりに合った学習が求められる時代、「無学年方式」で多様な学びに寄り添ってきました。全国学習塾1,016校、学校1,026校が採用している「勉強のプロが認める教材」ですが、それに迫る勢いで家庭学習サービスとしてのご利用者も年々増えているようです。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーでは、「株式会社すららネット 子どもの発達支援室室長」である佐々木様から、すららを受講することで発達障害や不登校のお子さまがどのように変わったか、という実際の例をいくつかご紹介いただきました。中には不登校からすららを活用することで欠席日数がゼロになり、志望校に合格されたというお子さまも!さらに、これまで発達障害や不登校のお子さまを100名以上サポートしてきた、すららコーチも登壇。「一人で悩むより周りに助けを求めて欲しい。新しい視点で世の中が見られるかもしれません」と、優しい言葉で保護者の皆さまにエールを送られたセミナーは、終始温かな雰囲気に包まれていました。そんなすららですが、今なら特別にイベントアンケート経由のお申込みで、入会金が全額無料&すらら担当者おすすめのすららコーチがお子さまの担当になるとのこと!下記のボタンより遷移するアンケートにぜひご回答ください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからすららのサイトに遷移します明蓬館高等学校の中等部は、一人一人が自分のペースでICTを活用しながら、学びの中で自己肯定感を高めていく学校です。上級生と一緒に高校卒業や、その先の進路に向けて学習をしたり、「安心して安全な環境で挑戦できる」を毎日実践しながら学びを広げていく特徴を持っています。個別最適を目指すためのIEP(個別計画)を大切にし、好きなものを中心としていずれかの教科に結びつけていく、成果物学習で得意を伸ばしていきます。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーでは、中学校から特別支援教育コースに通い、保育士を目指しているお子さまの事例の紹介がありました。在学中に保育実習を重ね、マイプロジェクトの発表会では保育士さんへのインタビュー内容や、現在の保育園の入園事情、乳幼児のからだづくりを発表し、自分の好きなことを深めていく様子がありありと伝わってきました。また現在大学2年生である卒業生のインタビューもあり、今の学びに明蓬館高等学校で培われた経験が活きていること、同級生や上級生との関わりが印象に残っていることなどが話されました。「自分が中学生の頃の環境では学ぶ姿勢が得られなかった、もっと将来を考える力が欲しかったと感じるので、新設された明蓬館高等学校の中等部はそういう場であって欲しいと思います」と、卒業生ならではの熱い想いも先生へと伝えられていました。そんな明蓬館高等学校では、ご希望の方に中等部についての資料請求も行なっているとのことです。下記のボタンより遷移するページで、お申し込みください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから明蓬館高等学校のアンケートフォームに遷移しますキズキ共育塾は、発達障害・不登校・中退などの方のための学習塾です。1対1の完全個別指導で、小学生内容から難関大学受験レベルまで対応し、過去10年間で、3000人の卒業生が「次の一歩」に進んで行ったということです。授業内容は、ご希望や特性などに応じて、「ゼロからの学び直し」「志望校対策」「苦手分野対策」「勉強習慣の確立」「学習計画のサポート」などさまざまに対応しています。授業や勉強の方法自体も、特性に合わせてカスタマイズし、授業以外にも進路・悩みの相談やメンタルケアまでを大切にしているようです。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーでは、進路選択のプロセスと、進路選択の時期別の具体的な動き方について、参考になるお話がありました。例えば「進路を決める前にやっておけるといいこと」、「発達障害に理解のある学校の探し方」、「将来の仕事を見越した学校の選び方」など、どれも考えるきっかけとなるものばかりでした。また、お子さまの困りごと別に、「忘れ物や物忘れ、ケアレスミスが多い」、「強い音や光などの刺激が苦手」、「集中力を保てない」などのお悩みに対して、学習環境や勉強方法、そしてメンタルサポートに至るキズキ共育塾の対応の考え方を教えてくれました。ぜひ動画でもご確認ください。そんなキズキ共育塾では、ご希望の方に今回のセミナーの資料の配布や、無料相談も行なっているとのことです。下記のボタンより遷移するページで、お申し込みください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからキズキ共育塾のアンケートフォームに遷移しますLITALICOワンダーは、発達障害のあるお子さまも多く通うプログラミング教室です。今回のセミナーでは、専門学校/高校での指導経験を持つ講師の元木から、プログラミング学習の方法や効果について、発達障害のあるお子さんの成長事例を交えて紹介がありました。「プログラミングってなんだか難しそうだけど、どんなものなの?」「プログラミングでどんな力が育まれるの?」「うちの子もプログラミングに挑戦できるの?」といった疑問を解消しながら、将来の選択肢の一つが見つかるヒントを得られるような内容となっていました。Upload By 発達ナビ編集部多くの発達障害のあるお子さんが、自分で考え、試行錯誤し、やり遂げる力を育んできたプログラミング教育が持つこれからの可能性がセミナーの中で明らかに。中でも、プログラミングを学んだ経験を起点として進学の幅が広がっていったという話は期待感も高く、学びの可能性としての大きさを感じさせてくれるものでした。例えばプログラミングがきっかけで、ゲームプログラミングを学べる高校に進学されたお子さま、アニメーション作品を作る中で美術系の高校への進学を決めたお子さま、そして「知りたいことは自分で学ぶ」姿勢が身につき、数学や英語などの学習にもつながったという不登校の中学生のお子さまのお話は、とても印象に残るものでした。そんなLITALICOワンダーでは、限定特典満載の無料体験を実施中です。下記のボタンより遷移するページで、お申し込みください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからLITALICOワンダーのサイトに遷移します【参加登録者限定】専門家講演のアーカイブ動画も配信中!ぜひご登録&ご視聴くださいUpload By 発達ナビ編集部その他にも、イベントの中で大きな注目を集めた専門家講演では、進路のことで今まさに気になる質問がたくさん寄せられ、その一つひとつに丁寧に井上先生と上木原から回答がありました。「今後、進路のことをどう話し出したら本人が考えるきっかけになるでしょうか」「小学校の学力もままならない状態でも通信制の高校には進学できますか?」「通信制に向いているタイプとそうでないタイプなどありますか?」「進路選択にあたってウィスクなどの発達検査を受けた方がいいでしょうか?」「通信制でも社会性を育てることはできますか?」Upload By 発達ナビ編集部その回答のどれもが気付きになるもので、そして優しく温かく、寄り添ってくれるものばかりでした。専門家講演の視聴には本イベントへの参加登録が必要となります。ぜひご登録&視聴して、進路について考える際のヒントにしていただければ幸いです。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから「今を支える個別のまなびセミナー」の特設サイトに遷移します他にも、通信制高校・サポート校の学校説明会も開催されましたので、詳しくは下記の記事をご覧ください。ここでは紹介し切れないほど盛りだくさんだった「一人ひとりに合った進路選び応援セミナー」。今からでも動画視聴や資料請求は間に合いますので、ぜひこの機会にご確認ください。皆さまの進路選びが、実り大きものになるよう願っております。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから「今を支える個別のまなびセミナー」の特設サイトに遷移します
2021年10月15日赤ちゃんのころの様子むっくんは赤ちゃんのころから現在に至るまで、一貫して総睡眠時間は平均より短め、入眠に時間がやたらかかるのに一度眠ると起きないという睡眠リズムを持っています。私がむっくんの睡眠に悩み始めたのは授乳が終わったころからでした。とにかく入眠に時間がかかり、授乳なしではお昼寝も夜の寝かしつけも思うようにいかないのです。初めての子育てだったことも相まって、夫婦共にむっくんを寝かせることのストレスは相当なものでした。Upload By ウチノコ更に当時は、お座りや歩行、発語などといった月齢相当の目安となるような発達は順調に進むものの、睡眠以外にも、多動、他害、癇癪、偏食なども強く、むっくんへどう接したらよいのかが全く掴めませんでした。育児書やネット上のアドバイスを片っ端から試すのに、何もかもうまくいかない。お昼寝に失敗すると癇癪が起こりやすく、更に関わりが難しくなってしまうので、朝起きたときから何をして過ごせば今日寝てくれるだろうかと、睡眠のことばかり考えていた気がします。Upload By ウチノコ当時の私は、むっくんが起きている間は息ができず、眠っている間だけ息ができる。そんなふうにも感じていました。子どもとの暮らしを楽しめない自分を、自分で責めてもいたことを覚えています。3~5歳のころこのころから、むっくんはイヤイヤながらも眠る努力をしてくれるようになりました。むっくんも寝ようと頑張るものの、布団の中でじっとすることができず寝付くのに1~2時間かかります。昼間は園へ行き外遊びもばっちり!夕方からはずっと、一般的に眠るに適したと言われる環境を必死で維持しているのに、ふとんの肌触りや温度、外の車の音などの刺激にいちいち反応し、暗闇でごそごそ動き続けてしまうのです。隣で寝たふりをしながらその音を2時間近く聞くことは、とにかくイライラするものでした。最終的には脅してじっとさせて眠らせるという、穏やかな眠りには程遠い寝かしつけをしていました。Upload By ウチノコ眠れない理由むっくんは5歳のころになかなか寝ない理由を教えてくれました。Upload By ウチノコ必死で眠らせようとしていた私と、私とのお別れが嫌で眠らないように頑張っていたむっくん。むっくんは今も不安を感じやすい子なので、イライラする私の横でずっと独りで不安と向き合っていたのかもしれないと思うと情けなくて・・・。むっくんは機能的に眠ることが苦手な面もありますが、上手く眠れない理由の一つに強い不安感があると知り、私はこのころから【早く眠る】ではなく【穏やかに眠る】ことを意識するようになりました。私にできたことむっくんは3歳半のときに神経発達症の診断を受けて医療とつながっていましたが、入眠に時間がかかると言っても0時ごろまでには眠れて中途覚醒もないタイプでした。そのため、入眠に時間がかかることが日中の活動に差し支えることはなく、主治医からお薬などを勧められることもありませんでした。そこで、眠るときはできるだけ心地よい感覚で安心できるように、マッサージをしたり、寝具を重くしたり、アロマを使ったりの工夫はしていました。だけどむっくんは私に何かしてもらうより自分で調節して、自分のタイミングで眠る方が楽そうでしたので、私や弟の動きが自己調節を妨げないように大人用の寝具を一人で使えるようにして、私はひたすら気配を消して見守っていたように思います。色々試しましたが、一番効果があったのはなにより私が先に眠ることでした。夜、私一人の時間が欲しいという望みを潔く諦められたころから入眠への悩みはいくらか楽になっていったような気がします。Upload By ウチノコ当時を振り返って子どもが思うように眠らないと、私は自分時間の確保ができません。いつまでこれが続くのか、このままでこの子は大丈夫なんだろうかという心配や不安も襲ってきます。そんなときに「子どもの睡眠時間は大切だからしっかり確保しましょう!」やら「眠らせるには日光に当てる、たっぷり外遊び、生活リズムを整える」などの正論アドバイスを見聞きすると、まるで「寝かせられないあなたはダメな親」と言われているように感じてしまい、心をズタズタにされたものです。今ならハイハイ、そういう子もいるだろうけど、ウチは全然違うんですよーって笑って返せますが当時はそうではなかった。だから発達障害では睡眠が上手くいかない場合があると知ったとき、眠らないのは仕方ないことなんだと思えて救われたような気がしました。今も平均より睡眠時間が少なめなむっくんですが、スクスク元気に成長しています。身長だって平均ですし、夜が遅くても朝は自力で定時起床できます。相変わらず入眠に時間はかかりますが、眠り方のコツも掴めてきて、本人なりに試行錯誤しながら自分の睡眠と向き合っています。当時は諦めた私の自由時間も今は確保できています。だからそんなに心配しなくても大丈夫だよ、寝なくても何とかなるもんだよって、あのころの自分に伝えてあげたいな、なんて思ったりするのです。執筆/ウチノコ(監修:三木先生より)コントロールのきかない癇癪や不眠は本当に恐怖の対象ですよね。でも、大人が必死になればなるほど子どもが安心できなくなるのは、睡眠以外のテーマでも同じかもしれません。まずは大人が先に安心して、その様子を見てもらうという方法はとても良かったように思います。
2021年10月15日同年代の子どもたちの集団に入れない保育園以外の同年代の子どもたちの集まりに参加した次女。私や長女、周りのママたちの誘いもむなしく、結局一人で私のところに戻ってきてしまい、集団に全く入っていけません。Upload By まりまり本人に聞くと、一緒に遊びたい気持ちはあるし、みんなも誘ってくれるのに、全くなじめないでいました。何回同じメンバーと一緒になっても全く慣れない私が長女の学童の役員をやっていて、役員が長女の友人たちのママさんばかりだったので、「子どもを遊ばせながら集まろう!」という流れになり、結構頻繁に集まる機会がありました。その度に、みんなで顔を合わせるわけですが、次女は何度行っても様子は変わらず…いつまでたっても周りになじめずにいました。Upload By まりまり結局、私が役員をやっていた1年かかっても全く慣れずに、同年代の子たちと遊ぶことができませんでした…。集団の場には何とかいることはできるし、一人では何とか遊べてるけど、全くコミュニケーションを取らない・取れないといった状態でした。周りの反応Upload By まりまり周りのママたちもそんな娘を気にかけてくれて、「引っ込み思案なんだね~」「今日の帰りまでには慣れるよ!」「子ども同士はすぐ慣れるって」「何回か会えば慣れるよ」という感じで私に声をかけてくれました。Upload By まりまり結局1年経ってもほとんど慣れない次女を見て「保育園が違うからね~。学校行って毎日会えば、大丈夫だよ!」と、引き続き励ましの言葉をかけてくれました。(まあ、小学校に行ってさらに悪化するわけですが…。)私自身の思いUpload By まりまりよく言われる「子ども同士はすぐ慣れるよ」という言葉を、いたるところで耳にしていたせいか、私自身も勝手にそうと信じ込んでいました。次女自身を「引っ込み思案で慎重な子」とはもちろん分かっていましたが、「普通だったら子ども同士なんてすぐ慣れるはずなのに」と、自分の思い込みで、できない次女をもどかしく感じてしまっていたのでした。場面緘黙は誤解されやすい例えば、学校や保育園などの場で話せなくても、「先生とは何とか話せている」「授業は受けられている」「家ではできている」から大丈夫、できるはず、と思われることが多いし、私自身も、知らないときはそう思って、次女の行動をもどかしく感じることが多かったです。ただ、場面緘黙は、一貫してどこでも話せない訳ではなくて、人や場所・状況によってコミュニケーションの状態が違います。次女の場合、1年生の引っ越しを機に症状が強く出てきて2年生で診断となった訳ですが、その前からすでに今回のような家・保育園以外の場面では、びっくりするほど環境や人に慣れなかったな~と思いだされるのでした。執筆/まりまり(監修:三木先生より)大人としてはどうしても「場所にも人にも慣れてコミュニケーションを取れる状態」を理想としてしまいがちです。次女ちゃんのような「自分の安心レベルに合わせた居場所の確保」の仕方もあって良いのかもしれませんね。
2021年10月14日みんなで一緒に学習したほうがいい?私は精神科医として30年以上の臨床経験があり、その大半を発達障害の診療に当ててきました。今回は、よく耳にする「発達障害のある子にとって、定型発達の子どもたちと過すごすことがよい刺激になる」という話について、私の考えをお伝えしたいと思います。世の中には「子どもが多少苦労をするとしても、大勢の中みんなで一緒に学んだほうがいろいろと経験できることが多く、よい学習になる」と考える人もいます。しかし私はその「みんなで一緒に」ということを、よく考えなければいけないと思っています。障害のある子と障害のない子が共に学習する仕組みを「インクルーシブ教育」と言います。多様な人たちが共に生活していく「共生社会」をつくっていくための教育とされていますが、そのような考え方では通常、「みんなで一緒に」というときに英語の「together」、日本語で言う「共に」をイメージすることが多いと思います。多様な子どもたちがそれぞれに合ったやり方で学習しながら、共に生活していくというイメージです。「みんなで一緒に」同じことをやるべきか?ところが、この「みんなで一緒」を「みんなで同じ」ようにすることだと考え違えてしまう人もいます。例えば学校で、障害のある子も障害のない子も、みんなで同じことをするのがインクルーシブ教育だととらえる人もいるのです。学校の先生のなかには、子どもたち全員に同じ宿題を出して、同じやり方でやるように指示する人もいます。読むのが得意で大人向けの文章をスラスラ読めるような子にも、読むのが苦手で教科書の一文を読むことに苦労している子にも、「音読3回」といった宿題を出すのです。これはtogetherではなく、英語で言えば「same」です。サッカーで言えば、どんな子にも必ずシュートを打たせるようなものです。走るのが得意な子も守るのが得意な子もシュートだけをやるわけで、それでは多様な学習も、共生社会も形成していけません。そのようなやり方は、間違ったインクルーシブ教育だと言えます。本来のインクルーシブは、多様さを認め合うものUpload By 本田秀夫私は、インクルーシブ教育は本来、together(一体感のあるみんなで「一緒に」)というよりは、英語で言う「alongside」(並行してそばで「一緒に」)のような形で行われるべきだと考えています。日本語で言えば「そばで」「横に並んで」「隣に」という意味になります。みんなで共に活動をしつつ、多様な子どもたちがそれぞれの興味や能力に合ったことを通じて学習している。例えば、走るのが速い子たちのそばで遅い子たちがサッカーをやったり、ドッジボールが得意な子のそばで苦手な子たちはやわらかいスポンジボールで楽しんだり…スポーツは本来楽しみながらやるものです。上手な人は上手な人なりの楽しみ方があり、苦手な人は苦手な人なりの楽しみ方があります。子どもたち「みんな」を同じチームにせずに、あえて分けてもいいのでは、と思います。あるいは、みんなが同じチームでプレイするときには、苦手な子がゴールを決めたら、得点が倍になるといったルールにしてもいいと思います。そのようなスタイルであれば、どんなタイプの子ものびのびと学習していけます。「通常学級」か「特別支援学級」かという悩みところで、発達障害のある子どもの就学に際し、「通常学級」か「特別支援学級」(障害のある子ども向けに特別に設置された少人数学級)、どちらの学級に在籍するかで悩む親御さんは少なくないでしょう。加えて、基本は通常学級に在籍しながら、一部の授業について障害に応じた特別の指導を受ける「通級」という選択肢もあります。親御さんのなかには「定型発達の子どもたちと過ごすことがよい刺激になる」と考え、通常学級を選択する人もいます。でも「よい刺激になる」と、はたして本当にそう言えるのでしょうか。実際に通常学級に在籍した発達障害の当事者に、大人になってから学校生活を振り返ってもらうと、「自分一人が孤立しているように感じた」「先生や友達の態度や言葉にストレスを感じていた」「周りと同じようにできなくて迷惑をかけて心苦しかった」と答える人が大勢いました。そう言うのは通級などの配慮なしに通常学級に在籍した人たちです。気をつけたい「間違ったインクルーシブ教育」つまり、なにも配慮せずにただ通常学級に入れるというのは、子どもの自尊心や周りの人との人間関係を傷つけてしまいかねないことなのです。発達障害の特性が致命的な弱点になるのは、その特性を本人や周りの人が理解できず、無理を重ねて失敗や衝突を繰り返してしまったときです。実は、発達障害の特性だけならば、比較的順調に過ごしている当事者が多いのです。成長するにつれ二次障害を伴って苦しんでいるのは、無理を重ねて適切な環境で育てられなかった人たちに多いことを覚えておいていただけたらと思います。学校の先生からよく受ける質問「保護者にどう伝えるか?」続いて、私が講演会の場で、保育園や幼稚園の先生からよく受ける相談内容を紹介します。それは「発達が気になる子どもがいるのだが、保護者にどのように伝えたらいいのか?」という相談です。それに対して、私は「保護者には、客観的な事実に基づいてお話をしましょう」とお答えしています。例えば、次のように事実をお話しします。・多くの子は必要なときに座っていられるのに、〇〇ちゃんはじっと座っていない・だいたいの子は楽しめているけれども、〇〇ちゃんは楽しくないようだ・学芸会の練習でほとんどの子は合唱しているのに、〇〇くんは歌おうとしない・〇〇くんは興味がなくなるとじっとしていられず、部屋から出ていく親も、わが子を客観視するというのは大事です。親御さんの悩み「子どもを叱りすぎてしまう」私は子どもを叱りすぎてしまうという悩みをもつ親御さんには、「一度、親戚の子どもを預かっているつもりで叱ってみるといいですよ」というお話をします。それには期待をかけすぎずに「親戚の子ども」くらいの距離感で、わが子を客観視してほしいという意図もあります。なかなか親が「客観視」というのは難しいかもしれませんが、子どもをありのままに正しく見るという点では大事なことだと思います。子どもの就学に際し学級の選択に悩む親御さんの話をしましたが、お子さんが無理をしないですごせる環境も、客観視を意識して見極めてほしいと思います。
2021年10月13日パートナーの療育への理解Upload By taekoミミがまだ小さかったころ。好きなことには何時間も集中しているミミの姿に「こんなものかな~」と思っていた私たち親でしたが、 3歳のころ保育園から「療育」をすすめられました。初めて聞いた「療育」という言葉に戸惑う私と、「個性だから心配ない」と言うパパ。それでも、保育園の先生の言葉が気になった私は、自分なりに本やネットで調べ、ひとまず先生を信じて「療育」に通うことにしました。はじめはミミに療育は必要ないと思っていたパパでしたが、どうしても私が連れて行けないときは、頼めば連れて行ってくれました。パパは言葉にはしないけれど、私がミミのために一生懸命なのを感じてくれていたんだと思います。療育のことを知っていくと、褒めることの大切さ、「ダメ」と叱らないほうがいいことが分かってきました。例えば「コップで水を飲めたね」というような普段からミミが当たり前にできているでも、褒めることで「私はあなたを見ているよ」ということが伝わるのだと思っています。褒めること、「ダメ」と叱らないことに関して、考え方が私とは違うパパ。褒めることについて、「褒めすぎていざ社会に出たら 叱られて、つらい思いをするかもしれない」と、パパなりの考えがあるようです。ミミがやってほしくないことをする度に「ダメダメ」と叱るパパに「『こうしたら良い』と『どうしたら良い』のか例を言ったら?」と提案をしてみるけど、それもスルーされてしまいます。私は「ダメ」には隠れた言葉があり、フォローの大切さがあると感じています。パパがミミに「ダメ」というとき、パパもミミに大事なことを伝えたいと思っているのが分かります。だからパパの言葉だけだとミミに気持ちが伝わらないのではないかと感じるときは、私がミミに声を掛けてフォローするようにしています。Upload By taekoある日、おばあちゃんからカブトムシとクワガタムシをもらいました。ミミが 虫を触ってしばらく遊んでいると「それくらいにしておけ」とパパ。それでも遊んでいると語気を強めてもう一度言いました。ミミは「分かったよ」と少し悲しげ。私はミミに「パパは生き物を大事にして欲しいんだよ」と伝えました。昆虫は繊細な生き物なので、パパの考えも分かります。でも私はたくさん昆虫と遊んで、クワガタムシに指を挟まれて痛い経験をすることも大事だと思っているので、「パパには内緒だよ」と言って思う存分ミミに遊ばせました。これは私とミミだけの秘密です。怒ると子どもみたいに怒鳴ったり、黙ったりしてしまう こともあるパパだけど、ジャンケンで遊んでくれたり、お風呂に一緒に入ってその日の出来事を話したり、パパがつくったチャーハンは美味しいからミミの大好物!怒鳴ってしまうパパを私がフォローすることが多いけど、私が怒って爆発してしまったときはパパがミミに寄り添ってくれて、ミミの気持ちを代弁してくれたこともありました。パパはミミの特性を個性と捉えて、そのままのミミで受け止めてくれているんだと思います。本音を言えば、パパには普段からもっとミミの特性に合った接し方をして欲しいなという思いがありますが、ブレない意志をもつパパも「療育」についても最初のころと比べてほんの少し理解してくれているように思います。ミミとふーを育てるパートナーとしてこれからもお互いを補い合いながら子育てしていきたいと思います。Upload By taeko執筆/taeko(監修:初川先生より)お子さんの特性に合わせて、そして療育で学んだ知識を活かしながら対応に工夫されていらっしゃるのですね。お母さんにはお母さんの思いがあり、お父さんにはお父さんの思いがある。どちらもミミくんが健やかに育ってほしいと願うからこそのものです。特性に合った手立ては確かに有効ですが、それをお父さんにもやってもらうよう要請すると、お母さんからするととても労力がかかってしまいます。現在taekoさんが工夫されているように、お父さんの本意をミミくんにフォローすることで持続可能な手立て、持続可能な夫婦のパートナーシップが築けているのだと思います。知識から入るよりも、実践から入る方が得意な人もいます。お父さんがミミくんに伝わりやすい言い方を体得するうちに今後関わりがどんな風に変化するのか(しないのか)もほんのり注目してみるのもいいかもしれませんね。
2021年10月13日ごく平均点の子ども時代。絵を描くことや細かい作業はとても好きだった葉っぱ切り絵作家として、TwitterやInstagramで大人気のリト@葉っぱ切り絵さん。発達障害の診断を受けたあと、葉っぱ切り絵で発信するようになったいきさつをはじめ、ご自身のことについて伺いました。牟田暁子編集長(以下――)リトさんが小さいころのことから、教えてください。どんなお子さんでしたか。リトさん:小学生のころは、どちらかというとおとなしいタイプでした。スポーツはあまり得意ではなくて、家の中でファミコンで遊んでいるような子でした。勉強の成績は真ん中程度、学校で特別な問題を起こしたこともなく、友達もそれなりにいて、ごく平均点の子どもでした。親からは、「よく忘れ物するね」とは言われていました。だけど、それでものすごく困ってしまったとか、あるいは誰かをすごく困らせたといったことはなかったです。いじめられて居場所がなかったとか、そういったこともありませんでした。――葉っぱ切り絵、とても素敵です。やはり、絵を描いたり、何かつくったりすることは好きだったんですか。リトさん:絵を描くのは好きだったし、小学校のころはクラスで絵がうまいと言えば僕、と思っていました。けれど、中学生になって周りの友達の絵を見たときに、自分の絵は下手なんだということを自覚しました。筆圧がとても高いこともあってか、シャッシャッとした線でリアルに描くデッサンがうまくできなかったんです。細かい作業には没頭しがちなところはありました。食事のとき、カニの身をほじるのとか、魚の小骨を1本1本とるのが好きで、お味噌汁が冷めて怒られるまでやっていました(笑)。そういうことは得意でした。――学生時代は生きづらさや困りごとはそこまで感じずにいたけれど、社会人になって困難を感じるようになったということでしょうか。リトさん:そうですね。社会人になってから、どうしてこんなにうまくいかないことばかりなんだろうと、学生時代とのギャップに苦しみました。仕事は、自分としてはまじめに取り組んでいたし、やる気もあるつもりでした。なのに、自分が頑張っている意識とはどうも違うところで失敗してしまうんです。Upload By 発達ナビ編集部――仕事の失敗って、具体的にはどんなことでしたか。リトさん:そこでは上司に「おまえはすぐ自分の世界に入ってしまう」と言われました。作業していると没頭してしまって、目の前の世界がどんどん狭くなってしまうんです。たとえば、時間があるうちにと明日の商品の仕込みをしていたら、急に今すぐ売る商品を先に作らなくちゃならない、ということがあるわけですが、周りがバタバタと忙しくしている様子が僕には見えていなくて、明日の仕込みに集中し続けてしまう。切り替えが苦手なんです。仕事自体はとても丁寧で、売り子のパートさんには「あなたがつくったお寿司がいちばんきれい」といつもほめられました。一方で、忙しいときに「多少雑でもいいから、パッパとつくって早く出して!」と言われると、今度は雑過ぎて商品にならないものをつくってしまう。0か100かしかできなくて、みんなが自然にやっている「いい塩梅(あんばい)」というところが、僕にはできなかったんです。その後、回転ずし事業部に異動になったら、もっと臨機応変にマルチタスクで仕事をこなさなくてはならなくなり、それがつらくて最初の会社を辞めました。転職して2社目は、作業に没頭できそうな工場の仕事に就きました。でも、残業が非常に多くて、体を壊しそうになって3ヶ月で辞めました。3社目は和菓子の販売でした。最初のうちは、まじめによくがんばっているねと言われ、そのうちに店長候補として発注なども任されるようになりました。でも、ミスがとても多く、スケジュール管理も難しい。上司からも、どう接していいかわからないと言われ、僕自身も困っていました。――そのころは、発達障害の診断を受けられる前ですよね。リトさん:はい。どうしたものかとインターネットで調べるうちに、発達障害という言葉に出合いました。ADHDの特性を見ると、1~10まで自分のことに当てはまると思い、すぐにクリニックにかかり診断を受けたのです。発達障害だと分かって、今のような働き方を続けても未来がないのではと感じ退職しました。次にまた似たようなところに就職しても、同じところでつまずくのは分かっているから、生き方をガラッと変えないといけないと思ったんです。発達障害と診断されたときが、大きなターニングポイントになりました。発達障害があることを活かした仕事を作ろうとしていたUpload By 発達ナビ編集部――サラリーマンを辞めて、最初から葉っぱ切り絵で大成功!というわけではなかったですよね。リトさん:はい。自身の障害に関する発信用のアカウントを持ち、SNSで発信することから始めました。発達障害のことを世に広めたい、同じような苦労をしている人の助けになる仕事がしたいと思っていたのです。はじめのうちは、テキストのみでした。専門書を何冊も読み込んで、難しいことを分かりやすい言葉にかみ砕いて140字にまとめて発信する、というスタイル。ADHDの当事者にしか分からないことが僕には分かる、ということを発信し続けたら、そこから何か仕事のオファーがあるのではと思っていたのです。毎日発信することが就活代わりでした。――アートでやっていこうと方向転換したきっかけはなんでしょうか。リトさん:ハローワークで紹介された就職支援講座を受講中、課題をやる時間が余ったときにプリントの端に小さく細かい集合体の絵を描いていたんです。それがなんだか面白かったので、今度はノートにびっしり書いてみた。発達障害の過集中を使うと、こんなこともできるんだ!という発信ができると気づいたんです。これまで絵の勉強をしたことはなかったし、アーティストとしての発信というよりも、「ADHDの特性によって、こういうことができる」ということを伝えたかったのです。Upload By 発達ナビ編集部リトさん:最初は家族からも反対されましたよ。アートなんかで食えるわけがないって。実家暮らしとはいえ、貯金も切り崩して残金2万円を切り、1日も早く家にお金を入れないと、と焦っていました。親にも申し訳なかったし、先が見えない中で家にこもって毎日絵ばかり描いている状況は、何より自分が怖かった。とにかく、どうやったら作品が売れるようになるのかをひたすら考えていました。ただ、バイトしながらでは集中できないので、この間はほんとに働いていません。ひたすら、過集中の特性を活かして普通なら1日では描ききれないようなものを1日で描き、それを発信する日々でした。葉っぱ切り絵を始めたのが、2020年1月。急激にバズったのがその年の8月なので、その間8ヶ月、「いつか売れる」と思いながら作品をつくり続けていた期間がいちばんつらかったですね。8ヶ月は短いと、あとから振り返れば思うかもしれないけれど、その間、1円も稼ぐことはできず、失業給付金の期限も迫ってくるなかプレッシャーは相当なものでした。弱みを輝かせられる場所を見つけて成功する、ロールモデルになりたいUpload By 発達ナビ編集部――そんなプレッシャーがあっても、よく耐えましたよね。リトさん:ただサラリーマンをやっていただけのお金もコネもスキルもない30過ぎの人間が、自身の障害を武器にアートの道でゼロから挑戦する。そんな前例のないチャレンジはとにかく孤独で毎日が不安でした。でも、前例がないからこそ僕自身がこの道を開拓して一つのロールモデルになりたいと思ったんです。過集中によって生み出すアートで食べていけるようになったら、発達障害であることを逆に活かして活躍できるという証明になる!と信じていたんです。ADHDやASDのお子さんを育てる親御さんから「うちの子も診断を受けて、どう育てたらいいかわからないと思ったときに、こういう生き方もあるんだと思えました」と言われたときには、僕は背中を見せなくてはいけないと思いました。――こうなるんだ!という強い意志が、実現させたんですよね。すごいです。リトさん:切り絵アートの前にも、スクラッチアート、粘土に絵付け、白い紙袋に絵を描くとか、いろいろやったけど、それらはうまくいかず、うまくいかなければ次を試してきました。趣味として自分が作りたいものを作るのであればそれでもいいですが、お金を稼ぐとなると、僕だけが満足していてもしかたないのです。SNSでヒットするには、しつこく続けることが必須条件ですが、これだけしつこくやってこれたのは、切り絵が自分に合っているから、でもありました。それでも、ただの切り絵だったら、僕よりもっとすごい人たちもいて、SNSに投稿してもあっという間に埋もれてしまう。そこで、ネットで「切り絵種類海外」とかのキーワードでたくさん調べて、たまたまスペインの人がやっている葉っぱ切り絵を見て、これだ!と思いました。「自分もこれをつくりたい!」と思い、すぐに葉っぱを拾ってきて、その日から始めました。こうしていろいろやってはみたけれど、一貫していたのは「過集中によってできた作品」ということ。子ども時代の魚の小骨を1本1本とるのが好きだった、その集中力があったからこそ、なんです。――それにしても見れば見るほど細かいですよね。カッターだけで切っていくんですか。リトさん:そうですね、普通のカッターより細いデザインナイフを使っています。慣れればそんなに難しくはないですよ。大人はみんな「これは自分にはできない」と言うけれど、子どもはやってみたいと言います。やると意外とできるものなんですよ!もったいないなと思うのは、子どもがやりたいと言っているのに、「あなたにできるわけないでしょ」と、大人がやらせないこと。こういうときに、子どもの可能性の芽をつぶしてしまうんだなと思います。――集中していても、それが素晴らしいことだと思えなくてやめさせてしまう。無駄だからやめなさいとか言ってしまいがちかもしれませんね。リトさん:親は、子どもの強いところよりも弱いところをなんとかしよう、弱みをカバーしようと考えてしまいますよね。僕の作品は、弱みの部分を隠すのではなく、弱みを強みとして生かせる場所を見つけることで生まれたんです。もし、僕が小さいころから、味噌汁が冷めるまで魚の小骨をとっているようなころから、その面を伸ばすような教育をされていたら、もっと若いころからいろいろな芽が出た可能性があったんじゃないかとも思っています。子ども時代は、大人になるための準備期間じゃないUpload By 発達ナビ編集部――リトさんの作品は、心根のやさしさやあったかさがありますよね。そこは、温かい子ども時代の記憶があるからなのでしょうね。リトさん:ある意味子どもっぽい。それが僕の個性です。それは、子どものころから自分の好きなことを親に否定されずに育ててもらってきたからこそ生まれる世界なのだと思います。僕のこの作品に反映されているのは、子どものころに連れて行ってもらった遊園地の記憶や、1日何時間もやっていたゲームのストーリー、そういうものが随所に反映されています。無駄なことなんて一つもないんです。今まで経験してきたさまざまなことが、どこかでアウトプットされていくものなんです。子どもには、今熱中できることをさせて、将来大人になっても「あのころ楽しかったなぁ」と記憶に残る体験をさせてあげることが大事だと思っています。――楽しい、おもしろいと思っていたことが、人生の中で生きてくるんでしょうね。リトさん:やりたくないのに無理やり詰め込んだことは、生きてこないもの。だけど、本当に楽しかった記憶は残ります。将来のことを心配して、「今のうちにこれやっておかないと」ということではなく、目の前にいるこの子が、何を楽しんで熱中するのかを、今を見てあげてほしいです。子ども時代は、大人になる準備期間じゃないってことですよね。これから先のこと。発達障害のある子どもと一緒に作品を作っていきたいUpload By 発達ナビ編集部――私たちも、リトさんの作品が今の時代に生まれてくれてよかったと思っています。リトさん:自分がしていることが人の役に立ったと胸を張って言えることが、ようやくこの歳になってできました。「寝る前に必ず僕の作品を見てから寝るんです」と言われたり、「朝起きてスマホを開いて作品を見ると、1日頑張ろうと思う!」というコメントをいただいたりしたら、やる気が出ないから投稿はお休み、というわけにはいきません。僕自身が、こうしたコメントに助けられています。――今後の活動は、どのようなことを考えていますか。リトさん:活動を始めて1年半、個展も今年の1月からだし、5月にようやく作品集が出たところ。それでもありがたいことに、全国各地から、うちの地方でも個展をやってください!というメッセージがたくさん来るんですよね。ぜひ日本各地、海外も、まだ行ってないところに行きたいです。今は難しいけど、ワークショップなど、直接お客さんと触れ合えるイベントもしたいです。最終的には、こうしたアートを作る人を育てたいと思っています。発達障害がある子どもたちの話をじっくり聞きながら、一緒に作品作りができたらいいなと思っています。取材・文/関川香織撮影/鈴木江実子(リトさんより)できあがった作品は、空にかざして撮影するのが僕のこだわりです。光に透かすことできれいに撮れるし、葉っぱがもともとあった自然を額縁にすることで、よりイキイキして見えます。なので、片手で持って撮影するときに葉が倒れず自立するように考えながらカッティングしています。真ん中の太い葉脈を柱にすると、無茶なデザインでカットしても意外と葉っぱは倒れないんです。これは、たくさんの作品を作るうちにわかってきたことです。葉っぱはあらかじめ特殊な液に浸けて加工し、これ以上枯れずに保存できるようにしています。
2021年10月12日発達障害のある子どもの障害受容についてUpload By スガカズ私、スガカズは、現在4人の子どもを育てているママです。・長男(中2 ASD、ADHD)・次男(小5 、ADHD)・長女(年長 、定型発達)・三男(年中、定型発達)次男はADHDがあり、通常学級に在籍していますスガカズ(以下、――)発達障害のある子どもの障害受容について相談したいです。わが家の次男はADHDがあり、通常学級に在籍しています。次男の3歳上の長男(ASD、ADHD)には小4のときに私が本人に障害告知をして、小5のときに他者(クラスメイト)に自分の障害について知ってもらう機会がありました。そのときには、クラスメイトに自然と受け入れてもらえたのですが、次男の場合は同じように受け入れてもらえるのか不安な部分があります。「次男ももう小5だし、障害告知をする時期が近づいているのかも…」と思ってはいるのですが、次男は他者の感情に敏感だったり、自己肯定感が低いところがあるので、自分の障害に対してネガティブに受け止めてしまうのではないかという懸念があります。また、友達とケンカをすることもあるので、「発達障害がある次男」を周りに受け入れてもらえるのだろうか?といった漠然とした不安があります。本人に障害告知をする前に親である私からできることはあるでしょうか?三木先生:次男くんは周りの子とどんな関係をもっていますか?Upload By スガカズーー毎年クラスに何人か仲良くしてくれるお友達がいるようです。低学年のころはうまくいかないことが起こると癇癪を起こすこともあったのですが、本人なりにクールダウンしたり折り合いをつけたりと努力している姿が見られますし、先生からもそのようにうかがっています。仮に友達と口論になったとしても、時間をおいて自分から謝る面も見られます。友達がいるのはよいのですが、一方で大人しいタイプの子からこわいと思われている面がありそうです。「クラスの女子が(仮にAさんとします)、オレのことこわがっているかも知れない。この前ちょっとぶつかったときに、Aさんは悪くないのに『ごめんなさい』って謝ってきたんだ。その子に昔なにかした訳じゃないんだけど。」と次男が言っていました。三木先生:なるほど。キャラが立っているほうが敵味方がハッキリしやすいですが、そういったタイプなんでしょうかね。ーーそうですね。敵味方がはっきりしているタイプだとは思います。周りのお友達も、次男が自分からいじわるするタイプではないと理解してくれているようなのですが、次男を苦手な子も一定数いるだろうと思っています。私からは、次男に「周りに優しく接したら女の子にもモテるんじゃない?」「どうしても言い合いになってしまった場合は、ライオンさんの声(大きい声)は出さないでね」とは言ってはいるんですが、まだ行動に落とし込むのは難しそうです。なので発達障害があると周りが知ったときに、「だから恐いんだ。もう関わらないでおこう」と思われるかも知れないなと…。「障害があるからしょうがない」と周りが思うのは、あながち間違いではない…?三木先生:障害受容って、「受容」に「障害」って名前がつくととたんに難しい問題になるんですよね。「障害があるからしょうがないね」っていうのはちょっと違うと思っていて…。「だから恐いんだ。もう関わらないでおこう」と思う気持ちを否定したり、だからと言って「障害があるんだからしょうがないよ」と「気持ちのついていかない受容」を強制するのも逆に差別になってしまいますよね。ーーそうですね。他者の気持ちを強制するつもりはありません。トラブルが起こったとしても次男が障害のせいにするのは避けたいと思います。ただ、過去に「しょうがないね」と思うことで解決した経験がありまして…。Upload By スガカズUpload By スガカズーー次男が小4のときに公園に1人で遊びに行った日がありました。しばらくして私が迎えにいくと次男がその日初めてあった男の子(仮にBくんとします)とケンカをしていました。きっかけは水鉄砲を次男だけ貸してもらえなかったという、子ども同士でよくありそうな理由だったのですが、Bくんとのやりとりを見たときに、次男と似ている発言も見受けられたため、「もしかすると次男と同じように、情緒に課題のあるお子さんかも知れない」と感じました。そのときBくんのことを知っている子が近寄ってきて「Bくんは〇〇小学校の特別支援学級に通っている子だよ」と教えてくれたんです。そのあと、次男とBくんは無事に仲直りしたのですが、家に帰ってきたときに次男は、「特別支援学級に通っている子だって分かったから、次会って同じような態度をとられても怒らないし、仲良くする」と言って納得しているようでした。これって事実(Bくんが特別支援学級に在籍していること)を知らないままだと、次男にとっていじわるな子で終わってしまったと思うんです。三木先生:確かにその時期(学童期)の子どもには「障害」という名前がついているほうが分かりやすいこともありますね。次男くんが納得したように、直感的に「そういうものだからそうしましょう」という考えで、世の中が平和になるわけですし、悪くはないと思います。ただ、それが当事者が開き直る場合だととたんに周りと仲良くできなくなってしまいますから、次男くんが自身の発達障害に対して、「しょうがないでしょ」とならないように保護者のほうで働きかけることは大事ですね。当事者も周りの人も、考えはその人によるし親が強制できるものではないし、強制するべきではないと思うので采配は難しいところですが。「周りに受容してもらう」ではなく、「自分の属性を理解して仲間を作る」Upload By スガカズ三木先生:次男くんのよいところは、「受容してもらえるであろう仲間」が何人かいることです。そこを掘り下げて、「周りは次男くんのどんな能力や人柄を気に入って仲間になっているのか」 「どうすれば理解・評価の幅を広げられるのか」を教えてあげるといいと思います。それによって「周囲の理解やサポート」という間接的なリソースをさらに獲得できるわけで、障害があろうとなかろうと受容してもらいやすい結果につながると思います。次男くんだけでなく外的要因もありますよね。おそらく今までのクラス編成がよかったり担任の先生に恵まれたり、あるいは家庭側でやってきた関わりの結果、彼の味方をしてくれる人たちを失わずに済んだこともあると思うので、今までの学校生活を振り返ってみましょう。ーー次男との話し合いで過去の物事を振り返るとき、「いい友達がいてよかったね。先生は次男のことよく理解してくれているね」といった結論に至ることはよくあります。ただ、先ほど言った大人しいお子さん(Aさん)の話なんかは、「自分は嫌われているかも」というネガティブな情報があるので、考えることは嫌みたいです。Upload By スガカズ三木先生:Aさんとの関係性は、本人が歩み寄れる努力をしたいと思っている問題なら、Aさんに直接「何がそんなに恐いの?」と聞くことも解決策の一つですね。例えばAさんが率直に「怒り方が恐くて」と理由を言ってくれたなら、共通理解ができます。その上で、次男くんが歩みよろうと思うのなら、学校や家庭、あるいは本人自身が「どうするべきか」考える機会ができます。あるいは、「分かってはいるけどできない(怒り方を変えられない)」という段階かもしれません。そうすると別の問題を解決する必要があります。「できない自分に対してどうすべきか?」という問題です。Aさんが「学校に行きたくなくなるほどの問題」なら解決すべき問題ですが、相手にそこまで迷惑でもなく「ちょっと嫌だな」くらいなのであれば、受け入れてもらうことを諦めて距離を取るのも一つの方法です。「あなたも苦手な子はいるでしょ?」「全ての人に受け入れられることは難しい」と教えてあげる、でいいと思います。ーーなるほど…。私は親なので「できるだけ仲間を増やしてほしいな」とどうしても思ってしまいますし、「障害のある次男を受け入れてもらえるにはどうしたらいいんだろう?」と漠然とした心配がありましたが、三木先生に言語化してもらえたことで情報がクリアになりました。Aさんとのことも、現在はクラスが違うので話す機会はほとんどないため、現時点で大きな問題ではなっていないようなのですが、同じような状況が今後発生したときの参考になりました。三木先生:人と共存する中で一番大変なのは小中学校の時期なんじゃないでしょうか。ただ、同じ地域に住んでいるだけなのに否応なく同じ教室に集められ、集団で生活させる訳ですから。大人になればなるほど属性が絞り込まれていくのでだんだん暮らしやすくなっていくはず。良くも悪くも、この先こんなに幅広く人と付き合う環境はなかなかないと思います。無理にその環境に合わせる必要はないですが、本人の意思と次男くんに合った環境整備をしつつその場、その場で寄り添ってあげれば次男くんも少しずつ成長していくんだと思いますよ。感想次男自身が自分の障害を前向きにとらえていけるように、障害告知するタイミングを大事にしたいと思っています。「障害」は三木先生がおっしゃるように、他者の考えを強制できるものではないと思うので学校など外の世界でどんなやりとりが行われるのか親は予想できません。「自分の属性を理解して仲間をつくる」ことをよく考えて寄り添っていき、次男自身がもう少し他者への理解も進む段階(おそらく小6あたり)で障害告知したほうがよさそうだなと感じました。執筆/スガカズ
2021年10月11日自閉症って医学的な治療はできるの?現在、自閉スペクトラム症(自閉症)を根本的に治す薬や手術などの医学的な治療法は開発されていないため、自閉スペクトラム症を完全に治療することはできません。しかし、療育や環境調整を通して接し方や伝え方を工夫することで、発達の促進や、日常生活における本人の困りごとを解消することができます。自閉スペクトラム症のある子がのびのびと暮らしていくためにUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン自閉スペクトラム症のある子がのびのび生活するためには、周囲の理解と協力が必要です。保護者はまず本人の性格や特性をよく理解し、過ごしやすい環境を整えましょう。周囲の人によく伝えることも大切です。幼稚園や保育園、小学校に通うようになると、コミュニケーションの困難から、自分の思いをうまく伝えられなかったり、周りから孤立してしまったりすることも考えられます。上手にコミュニケーションをはかるためにも、日頃から自分の思いをどう伝えたらよいかを個々の子どもの発達に合わせて教えていきましょう。また、こだわりとの付き合い方やパニックになったらどうしたら良いかなど、落ち着いて生活する方法を一緒に考えましょう。興味や関心の高い分野を伸ばすなど、特性や強みを生かして本人の自己肯定感を高めることも重要です。自閉スペクトラム症の治療の判断基準は?いつから始めるのがいいの?■どのような症状があれば治療を行うべきなの?自閉スペクトラム症の症状は大きくわけて二つの症状があります。一つは『社会性と対人関係・コミュニケーションの困難』、もう一つは『行動や興味の偏り』です。それぞれの症状が発達期に現れると定義されています。自閉スペクトラム症の子どもは早ければ1歳ごろから症状が出始めます。お子さんによっては3歳ごろになると「周りの子ども達と比べると話すのが遅い」「目を合わさない」などの症状が、より目立ってきます。乳幼児健診などのときに気づかれることもありますが、見過ごされてしまうこともあります。子どもの発達で気がかりなことがあれば、家庭で判断するのではなく、まず身近な相談できる専門機関や、かかりつけの医師に相談してみましょう。専門の医療機関を紹介してくれるかもしれません。できるだけ早期に症状に気づくことで支援につながり、適切な対応をすることで子どもの状態が大きく変わることがわかってきています。■療育を始める年齢は?いつまで続けるのがいいの?療育などの専門機関に通い始めるのは早いほうがよいと言われています。本人や家族がなんらかの困りごとに直面している場合、相談機関や医療機関の相談を経てできるだけ早いうちからその子に合った療育や環境調整を行うことが望ましいでしょう。自閉スペクトラム症の人は、自分が好きなことに集中することが得意な人が多くいます。子どもでも大人顔負けの知識を持っている子もいますし、大人になってから仕事などで専門性を発揮する方もいます。その子に合った環境設定を行い、早期からの支援を受けることは、得意分野を伸ばし、特性を活かす力を育むことに繋がります。上述の通り、自閉スペクトラム症そのものを根本的に治療することは困難ですので、「こうなれば療育や支援は終わり」という明確な線引はありません。しかし、年齢があがるにつれ、環境調整、その子の特性や発達段階に合わせた支援によって、サポートの内容や頻度を減らしても安定した生活を送れるようになる人もいます。自閉スペクトラム症の療育法自閉スペクトラム症の症状は、個人の性格や特性によって少しずつ違います。そのため療育では、個々に合った対応法を組み合わせた支援プログラムを受けていきます。自閉スペクトラム症の療育法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、一般的な療育法・投薬を紹介したいと思います。自閉スペクトラム症の療育を行うときの原則療育とは医療、訓練、教育、福社などの現代の科学を総動員して障害を克服し、その児童が持つ発達能力をできるだけ有効に育て上げ、自立に向かって育成することである。自閉スペクトラム症の特性に合わせてトレーニングをしたり、環境調整をすることで、困りごとを改善したり、得意なことを伸ばしたりできるのが療育です。小さいうちから療育に通うことで、精神的・身体的機能に対してある程度の効果が表れることが多くあります。自閉スペクトラム症の療育方法にはいろいろありますが、どの療育方法に限らず大切な点は以下のとおりです。①Structure(構造化): 自閉症の人たちに周囲の環境の意味をわかりやすく整理し伝える。時間や空間、意図の視覚化をする②Positive(肯定): 子どもを肯定しほめる(自己肯定感を高める)③Empathy(共感): 自閉症の特性を深く理解し、共感する④Low arousal(低刺激): おだやかな刺激や環境にする(過激な刺激や興奮を避ける)⑤Links(連携): 地域と連携し協力するそれぞれの頭文字をとってこの原則を「SPELL」と言います。(参照:SPELL(英国自閉症協会))自閉スペクトラム症の症状への投薬治療その子に合わせた環境調整、療育をして、それでも難しい場合には投薬治療を併用することも考えられます。現時点では根本治療のための薬は開発されていませんが、自閉スペクトラム症そのものを治すための薬ではなく、衝動性・不安障害を抑える薬や、パニックを抑える薬など、自閉スペクトラム症の特性から起きる生活上の困難を緩和するために薬が処方されることがあります。そのほかにも医師によって個人に合った薬を処方されますので、信頼できる医師に困っている症状を相談し、まずは環境をうまく調整しながら、療育を行い、それだけでは改善が難しい場合服薬を併用するのが理想的と言われています。薬の服用により特性が緩和されているときには、療育や教育の効果も出やすくなるとも言われています。薬物療法は医師の指示のもと用法や用量を守って服用していかなくてはいけません。薬に頼り切って多用するのは避けましょう。その子に合った環境を設定し、療育を行うことで、困りごとの改善や得意なことを伸ばし、特性を活かすことにつながっていくでしょう。
2021年10月10日まだ低年齢だけど療育手帳は取得できるの?したほうが良いの?と悩んだ時期療育手帳は、児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方に交付される障害者手帳です。私は療育手帳の存在を知ってはいましたが、まずその手帳は本当にわが子にとって必要なものなのか?持つことで何のメリットとデメリットがあるのか?をPが2歳のころはまだよく分かっていませんでした。それに一度療育手帳を取得してしまうとこの先、公私ともにPを『障害がある子』として育てていくことになるんだと思っていました。自閉症があることをを確信したばかりで、医療機関でまだ診断もされていなかったころには、その勇気も覚悟もなく、知的障害の有無もよく分かっていなかったので、取得するかどうかをずっと悩んでいました。参考:障害者手帳について | 厚生労働省Upload By みんそんな時期に保健センターの心理相談員さんに療育手帳のことを相談すると、心理相談員さんは少し言葉を選びながらこのように説明してくれました。「受給者証があれば療育は受けられますし、療育手帳は必ず取得しないといけないというものでもありません。取得したとしても、周囲に取得していることを言う必要はありませんし、使う必要がなければ使わなくても良いです。それに必要がなくなれば返すことだってできます。手帳を取得するかどうかは現時点での親御さんのお考え次第だと思います。」次に私は主治医にも相談をしてみました。すると「2歳の時点ではまだ正確な判定は出ないかもしれません。3歳になるのを待ってみてからでも遅くはないと思います」と言われました。こうして私はPが3歳になるまでの間に療育手帳のことをいろいろと調べました。等級があること、さまざまな支援を受けやすくなること、それらは自治体にもよることなど…調べて考えた結果、メリットはたくさんあるけど明確なデメリットはほとんどないと思ったので、安心して申請をすることに決めました。そのあと、Pが3歳になってすぐに、市役所の障害福祉課へ行き療育手帳を申請しました。手続き自体は本人の写真を貼り必要事項を記入した書類を提出するだけでしたが、後日審査に必要な発達検査をする為に児童相談所へ行くのですが、その待ち時間に4ヶ月ほどかかりました。(※自治体によって手続き方法や待ち時間などは違います。)そして検査当日、本人を連れて児童相談所で発達検査を行ったあとに、親への聞き取りなども合わせて出た判定は「軽度」という結果になりました。私自身、Pの発達段階を客観的に見て中度と判定されても不思議ではないと思っていたのですが、限りなく中度に近い軽度に判定されていたことを思うと、主治医が「幼いうちは正確な判定が難しいかもしれない」と言っていたのはこういうことだったのかもしれないと思いました。Upload By みん申請はそれぞれの納得できるタイミングで何事も早めのほうが良いと思って療育手帳を申請したけれど、その判定結果は一生同じというわけではなく、あくまでも「現時点」での判定であるということ、年齢が上がり子どもの発達のペースによっては、更新する度に程度は変化する場合もあるんだなと思いました。実際、2年後更新したときの判定では中度(B1)に変わり、それも限りなく重度に近い中度と言われたので、もし療育手帳を取るタイミングが半年〜1年遅れていたら、もう少し違った判定に変わっていたのかもしれないなと思いました。療育手帳を取るタイミングは、親の考えや子どもの発達の状況にもよると思います。ですが、人によっては早めに手帳を取って公的にも障害があることを認めてもらい、子どもの為に手帳を活用したり手帳があることで安心できたりする場合だってあると思うし、たとえ悩んで取得が遅れたとしても、本当に必要だと思えて納得するタイミングで、正確な判定ができるようになるまで待つことも良い場合だってあると思います。中には療育手帳を取得することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。私も最初から全く抵抗がなかったわけではありません。でも私の場合は、Pが療育手帳を取得したことで、それまで大変で避けてしまいがちだったお出かけへも挑戦して行ってみようかな?と思えるようになり、外へ気持ちが向き世界が広がってきたように思います。障害のある子どもを連れてのお出かけは気力体力ともにとてもパワーが必要です。でも療育手帳があることでそんな私たちをサポートしてもらえるような機会や場所がたくさんあることを知りました。そして療育手帳があるほうが周囲にPのことを説明しやすく、正しい理解にもつながるような気がしています。このように、療育手帳にはたくさんのメリットとありがたみを感じているので、取得するか悩んでいた時期もありましたが、今は取得して良かったと思っています。Upload By みん執筆/みん(監修:井上先生より)療育手帳は、知的障害のある人に対して自治体から交付されるものです。知的障害がない発達障害に関しては、療育手帳ではなく一般的に精神障害者保健福祉手帳がその対象になります。みんさんが書いておられるようにこれらの手帳は、どの年齢からでも申請することができますので、それぞれメリットやデメリットを考えながら判断するのがよいでしょう。自治体によって手帳の取得基準や、受けられるサービスが異なりますので、自治体のホームページなどで確認し、窓口で相談されることをおすすめします。
2021年10月08日