元ブラインドサッカー日本代表で、現在は講演家として活動している、落合啓士(@occhi_7ban)さん。自身が体験したエピソードをTwitterに投稿し、話題を呼んでいます。ある日、落合さんが駅のホームを歩いていると、白杖(はくじょう)の前を横切ろうとした人に、杖の先を蹴られてしまいました。それにより、白杖の先端部分が外れてしまったといいます。※写真はイメージ困った落合さんが、周囲に助けを求めたところ、若い男性が外れた先端部分を拾って渡してくれたといいます。そのおかげで、落合さんはケガなどの大事には至らずに済みました。外れた先端部分は小さなパーツですが、それだけで3千円もする貴重な部位とのことです。今日駅のホームで白杖の前を横ぎろうとした人に杖の先をけられて先端のパーツがとんでいっちゃいました。「すいません。このへんに丸いパーツ落ちてませんかぁ?」と大きな声で助けを求めました。優しい若めの男性がひろってくれてほっとしました。だってその丸いのだけで3000円するから。 続く— 落合啓士(ポジティブおっちー)@ブラインドサッカー元日本代表全盲講演家 (@occhi_7ban) October 2, 2021 白杖折られたりしてなきねいりして実費で修理する視覚障害者がほとんど。お金だけじゃなくてこわれたら杖をつく感覚かわるから不安になるし修理にだしにいく時間とか考えるとほんとむだな浪費だから。白杖の前方をぎりぎりだから大丈夫と横ぎるのはやめましょうという理解が進みますように! #拡散— 落合啓士(ポジティブおっちー)@ブラインドサッカー元日本代表全盲講演家 (@occhi_7ban) October 2, 2021白杖は、目の不自由な人が、周囲の情報を入手し、身の安全を確保するために不可欠な用具。白杖を普段持つ機会がない人には、可動範囲や値段が想像しづらく、実際にその立場にならないと分からないこともあるでしょう。視覚障がい者にとっては、先端の小さなパーツがないだけでも、杖をついた際の感触が変わるため、不安や恐怖を感じてしまうといいます。こういった大切な情報と一緒に、他人を想う気持ちも世に広がっていってほしいですね。また、落合さんは「誤解されないように」と、自身のnoteにて下記のように補足しています。これらはけっとばした人がわるいわけじゃないんです。世の中に白杖の前方2mくらいはテリトリーだから横ぎるのはやめましょうって啓蒙活動されてないシステムというかしくみに問題があるんです。盲導犬も声かけサポートも今ではかなり知られてきましたよね。だから今度は白杖のテリトリーを世の中へ知らせていければこういうことはへっていくと思います。落合啓士@全盲講演家|noteーより引用ぼくはこの事故で手に入れたものがあります!それは「若者の優しさにふれることができた」という経験です。だからぼくはどちらかというとハッピーな気持ちになってます。ツイッターでは文字数の関係でネガティブに伝わってたらいやだなって思ってnoteで幸せを伝えさせてもらいました。おきたできごとをどうとらえるかで人生はかわるから♪落合啓士@全盲講演家|noteーより引用落合さんは、今回の事故を『若者の優しさに触れることができたハッピーな出来事』ととらえたのでした。障がいや、白杖についての理解が進み、全員がより気持ちよく過ごせる社会になっていくとよいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年10月14日京セラ株式会社(社長:谷本 秀夫)は、社会貢献活動の一環で開設している京セラギャラリー(京セラ本社ビル1階)において、京都府、きょうと障害者文化芸術推進機構と共同で、本年10月18日(月)から10月29日(金)まで、障がい者アート作品のバナー(大判出力のタペストリー)展示を行いますので、お知らせいたします。本バナーは、きょうと障害者文化芸術推進機構にて制作されたもので、障がいのある方々が、それぞれの個性と才能を発揮する場として、1995年度から開催されている「京都とっておきの芸術祭」に出品された作品の中からセレクトしたものとなっています。このたび、当社では、障がい者アートを知るきっかけづくりにつながればとの思いから、バナー展示のほか、作品制作の映像や障がい者芸術に関する書籍を閲覧できるスペースを設置します。この機会に、多くの皆様に作品に触れていただければと考えております。展示予定の作品展示概要表1: ※ 新型コロナウイルスの感染状況によっては、期間短縮や中止等になる場合がございます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月11日株式会社クロス・カンパニー(X-Company, Inc、通称:クロスチーム、CROSS TEAM)は、障がい者とプロフェッショナルの共創により、障がい者が社会の一員として垣根のないキラキラと輝く社会の創造を目指しています。また、自閉症、知的障がい持つ子供の親たちに、我が子の可能性に少しでも希望が持てればと、共感をエネルギーに参画した障がい者の家族やプロのデザイナーをはじめ多彩なメンバーが参加しています。今回、障がい者とプロフェッショナルが共に創り上げるプロセスをストーリーで伝える『共創のデザイン展』を羽田空港にて開催したく、2021年9月24日、クラウドファンディングサイト『READYFOR』にて初のクラウドファンディングに挑戦しました。クラウドファンディングプロジェクトページ: クラウドファンディングイメージ■これまでの活動■当社では、これまで地域の養護学校、特別支援学校と共同でアート・ワークショップを開催し、その中で生まれた個性豊かで色使い鮮やかな作品たちはプロのデザイナーによって全力で想いを込めたデザインへと仕上げられ、企業の限定商品デザインやホテルの装飾、自動販売機デザインなどに採用され、学校には売上げの一部を寄付還元しながら活動をしてきました。また、最近では当社への問い合わせや発注も増え続けており、企業のCSRやSDGsへの関心の高まりを実感しています。ホテルロビー装飾■Challenged Designerとしてイキイキと活躍してほしい、という障がい者の家族としての願い■欧米では障がい者を「challenged person」「potential person」と呼ぶ時代。(注:差別・区別ではなく、挑戦する・可能性のある人々との意味を込めている)多くの支援を受けながらも進学も就労も選択肢が限られる人生を歩んでいる彼ら・彼女たちの現状を知っているからこそ、障がい者にも新たなワークスタイルがあっても良いのでは、という障がい者の家族の切なる願いをこの提案に込めています。■日本の玄関口 羽田空港での開催を決意■一人では乗り越えられない壁も、「共創」の力で乗り越えられるという確信に変わったとき、まずは活動を知ってもらう必要性を実感し、選んだ舞台は“空港”でした。クロスチームの活動を知った羽田空港からアプローチがあり、第二ターミナルの国内線搭乗口66番付近にクロスチームの作品がウォールアートとして壁面を彩ることが決定したことでこの想いに拍車がかかり、「様々な人生が行き交う日本の玄関口羽田空港で、クロスチームの想いを作品に乗せて展示できたなら、そこから飛び立つ皆さんと共に未来へ羽ばたける一歩になるのではないか」という想いのもと、これまでの共創で生まれた数々の作品・デザイン画を通して、新たな働き方の可能性を見出す機会にしたいと考えています。■『共創のデザイン展 Challenged Design Collection』開催概要開催日時:2021年12月1日~20日(予定)開催場所:羽田空港第2ターミナル 5F羽田空港展示イメージ 1羽田空港展示会場イメージ 2■将来の展開■障がい者が社会の一員として垣根のない世の中になることを今後の大きな目標と位置付け、その理想に近づく歩みとして、誰でもが集える「CROSSS SQUARE」を構想しています。障がい者やその家族、地域の方々や企業、障がい者と触れ合う機会がなかった人まで、分け隔てなく気楽に・気軽に・気兼ねなく集える場、「CROSSS SQUARE」を理想としてチャレンジし続けます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月05日父親と息子がキャッチボールをするのは、日常でよく見られる光景です。「息子ができたら一緒にキャッチボールをするのが夢」という男性もいるのではないでしょうか。ジョセフ・ワンプラーさんはある時、父親のスティーヴンさんから、こういわれたそうです。「ほかのお父さんたちみたいに、一緒にキャッチボールができなくてごめんな」スティーヴンさんは生まれつき脳性まひを患っていて、ボールを投げることができないのです。そんな父親の言葉を聞いたジョセフさんは、1本の動画を作りました。彼が父親へ伝えたい思いが詰まった、短い動画がこちらです。@the.wampler.wayIf any little league teams need a coach, he’s the best out there! ##fyp ##fypシ ##disability ##happy♬ You Are Enough - Sleeping At Last映っているのは、ジョセフさんが誕生してからずっと、笑顔で息子の成長を見守ってきたスティーヴンさんの写真。バックに流れているのは スリーピング・アット・ラストの『You Are Enough』という曲。ジョセフさんは「そのままの父さんで十分だよ」というメッセージを伝えたかったのです。この動画を見たスティーヴンさんのリアクションをご覧ください。@the.wampler.way##greenscreenvideo The reactions may or may not be my favorite part:) ##fyp ##fypシ ##disability ##happy♬ original sound - The Wampler Way息子の思いを知って、嬉しそうな表情を見せるスティーヴンさん。今にもあふれそうな涙をこらえているようにも見えますね。この動画には300万件を超える『いいね』が集まり、涙する人が続出しました。・動画を見て、こんなにすぐに号泣したのは初めて。・涙が止まらなくてトイレから出られない。・きみには最高のお父さんがいるんだね。うらやましいよ。 View this post on Instagram A post shared by The Wampler Way (@the.wampler.way) スティーヴンさんは若い頃、自分は結婚することも、子供を持つこともないだろうと思っていたのだそう。ところが今では優しい妻と2人の子供に恵まれて、毎日笑顔で暮らしているといいます。愛は目には見えません。だからこそ、言葉や行動にしなくても、ちゃんと感じることができるのではないでしょうか。父親からのあふれんばかりの愛情を受け取って、ジョセフさんはこれからも幸せに成長していくことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年09月29日「俺の地元最高だな!」そうコメントをつけて、コンビニでの出来事をTwitterに投稿した、小山けんいち(@kenny_gby)さん。その内容に、「世の中、捨てたもんじゃない」「勉強になりました」とさまざまなコメントが寄せられています。コンビニのレジでコワモテ風の男性が…?小山さんがコンビニで会計の順番を待っていた時のことでした。レジでは、障がいを持つ客と、そのヘルパーらしき人が会計をしていたといいます。客は、小さい財布から一つひとつ小銭を出しており、はたから見ても大変そうな様子。すると、後ろから1人の男性客が声をかけました。男性はいわゆる『強面』な風貌で、会計に時間がかかっていることに対して「遅い」と指摘するのではないかと、内心ヒヤヒヤだったという小山さん。しかし、すぐに小山さんは自身の心配が深読みだったことに気付きます。声をかけた男性は、「もう1個トレーを出して」というと、さらにこうも続けたのでした。「小銭さ、出しにくいんだよ。広げて分けたら出しやすいでしょ」相手の事情を理解し、見守ろうとするその姿勢に「すごい」と感動したという、小山さん。男性だけでなく、店員や、その場にいた誰もが同じ思いであることが分かったからこそ、小山さんはさらに驚きを覚えたのでしょう。コンビニでレジ並んでたら、レジには障害のある方とヘルパーさんっぽい人が買い物してて、小さい財布から一つ一つ小銭を出して大変そうな様子。そしたら後ろからややコワモテ風のおっちゃんが声かけて、「遅い!」とか言うのかなと思ってヒヤヒヤしてたら→— 小山 けんいち(ケニー) (@kenny_gby) September 24, 2021 →おっちゃんは「もう一個トレイ出して」と言って、「小銭さ、出しにくいんだよ。広げて分けたら出しやすいでしょ」とヘルパーさんにアドバイス(?)してて、なんと言うか、こんな風にちゃんと見守れる人や場所ってすごいなと。店員さんも嫌な顔一つしてなかったし。俺の地元最高だな!— 小山 けんいち(ケニー) (@kenny_gby) September 24, 2021 小山さん自身、介護の現場に立つプロ。「私たちは『自分でやりたい』を支える仕事ですが、あらゆるバランスが崩れるとそれが叶わなくなることもある」と語ります。小山さんがいう『あらゆるバランス』は、当事者たちが調整できるものばかりではないでしょう。だからこそ、男性のアドバイスは、ヘルパーや、何より『やりたい』という思いを抱く客自身を助けたはず。小山さんの投稿は反響を呼び、「柔軟な考えができる人って素敵」「こういう男性のような人が増えたらいいな」「相手の『やりたい』を尊重するのも大切」とさまざまなコメントが寄せられました。事情を理解し、さらに適切なアドバイスをするのは、そう簡単なことではありません。しかし、誰かの思いを尊重するということは、私たち一人ひとりの心がけ次第でできるはず。小山さんがコンビニで出会った男性や店員の姿勢を、見習いたいと思わされます。[文・構成/grape編集部]
2021年09月27日インターホンが押された時、誰が来たのかをしっかりと確認してからドアを開けたいですよね。ですが、訪問者の立ち位置が悪いと、インターホンの画面にしっかりと相手の姿が映らないことも。聴覚障害を抱えている、うささ(usasa21)さんの場合、相手の声が聞こえないため画面しか確認手段がありません。宅配便の兄ちゃんありがとうある日、宅配便の配達員に、聴覚障害があることを伝えたうさささん。すると、配達員が素晴らしい対応をしてくれたのです!うさささんのために、配達員は立ち位置や、荷物の持ち方を調整。インターホンの画面を見ただけで訪問者が分かるよう、映り方を工夫していました。また、うさささんの事情を聞いたガス会社のスタッフたちも、大きなスケッチブックを使った筆談で対応。それぞれの心遣いに、うささんはいたく感動しました。優しさに満ちたエピソードは、読んだ人の心も揺さぶっています。・素敵なエピソードですね。感激!・宅配便の人たちがちゃんと覚えてくれるの、嬉しいですよね。・ガス会社の方たちも素敵です!・私も聞こえないことを伝えたら、風呂修理の人がジェスチャーで教えてくれました。個々の事情に合わせた、柔軟な対応に心救われている人は多いでしょう。感謝の気持ちが、当人たちに届いてほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年09月22日障がい者の就労移行支援サービスを行う「DEPARTURE」を展開する株式会社在宅支援総合ケアーサービス(代表:依田 和孝、本社:千葉県千葉市稲毛区)では、新型コロナウイルス感染症を理由に一時的に通所者が減少しましたが、Zoomによる遠隔サポートを推し進めた結果、自宅に居ながら支援を受けることが可能になったと好評で、遠隔サポート利用者が2019年度比80%増となりました。ZOOMとリアルの2本柱が好評【Zoomとリアルの2本柱での就労支援が好評】新型コロナウイルス感染症発生当初は、当事業所も休止状態となり、電話による安否確認など限られた支援しか行えない状況となっていました。事業所再開後もコロナに対する恐怖心や、三密を避ける動きから、通所を控える利用者が急増してしまい、多くの利用者が引きこもり状態に陥ってしまいました。そんな中でZoomによる遠隔サポートを推し進めた結果、自宅に居ながら安心して支援を受けることが可能になったと好評で、現在では来所は制限しているものの、午前中は来所対応、午後はZoomでの利用という形で通常通りの支援ができるようになり、当事業所は5名の就職者を送り出すことができました(全国平均では1事業所3名程度)。【コロナ影響を鑑み、厚労省から就労移行支援1年延期の通達も】「就労移行支援」とは、期限が2年で、その期間内に就労できなかった場合は条件を満たせばさらに1年延期できるシステムです。コロナの影響により十分な就労の実施や就職活動の継続が困難であった場合はさらに最大1年の延期という指示が、厚生労働省から通達されています。テレワークなど、今後多様な働き方が急速に進むことが予測され、支援の内容としてZoomという多くの事業所で使われる遠隔のシステムを就労移行支援の中で使用していくことは、利用者にとっても有効なシステムとなると考えられます。【就労移行支援 DEPARTURE詳細】障がいのある方を対象に、企業への就職に必要な就労トレーニングを行う福祉サービスです。最大2年間を学校のように通う通所型で、初歩的なPC操作から、書類作成や面接対策などを経て、就職の準備をしていきます。また支援員と相談しながらコミュニケーション能力向上を目指し、体調面でも各個人を配慮しながら学んでいくことができます。他の就労移行にはないPC指導のスペシャリストがおり、PCの資格検定試験を開催したり、資格研修を行ったり、事務作業に必要なテクニックや資格を取得することが出来ることが最大の特徴です。卒業生には、医療・介護・福祉・保育サービスを行うグループ会社への就職も紹介しています。【今後の展開】新型コロナウイルス感染症による影響は、今後も増加し続けていくことが予測されます。当社では感染対策も実施しつつ、変化する社会に対応した支援を実施していきます。本件に関するより詳しい内容をご希望でしたら、当社ではマスコミの方の取材お申し込みを随時受け付けておりますので、是非お問い合わせください。【会社概要】名称 : 株式会社在宅支援総合ケアーサービス所在地: 〒263-0043 千葉県千葉市稲毛区小仲台6-5-11URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年08月31日日本で深刻な社会問題の1つとされている、痴漢行為。他者の身体に合意なく触れ、尊厳を傷付ける痴漢行為は迷惑防止条例違反で罰せられます。2020年12月に公表された警視庁のデータによると、検挙されたものだけでも1年で1780件を超えるのだとか。また、被害の6割は電車や駅構内で起こっているそうです。一般的に痴漢被害は抵抗しなさそうな人が狙われやすいため、泣き寝入りを余儀なくされた人も多く存在することが推測できます。障がい者を狙った卑劣な痴漢行為の事例に、怒りの声自分よりも力が弱く、抵抗しなさそうな弱者を狙う痴漢行為は、卑劣な犯罪。2021年8月25日、障がい者を取り巻く問題に取り組む非営利団体『DPI 日本会議』が、障がい者をターゲットとした痴漢行為についてウェブサイトに掲載。障がい者が電車を利用する際、一部の鉄道では「〇〇号車に乗車、××駅で降車します」といった駅アナウンスを行うことがあります。このアナウンスは、駅員同士が情報を共有するためのもの。乗降時に駅員が補佐を行うため、必要なのでしょう。しかし、信じられないことに一部の人はこのアナウンスで障がい者の居場所や降車駅を把握し、痴漢行為をはたらいているというのです。ウェブサイトで掲載された実際の事例は、どれもあまりの卑劣さに目を疑うようなものばかりでした。視覚障害者車両ドアのところの外側を向いて立っていたら、後方から「いたいた!手伝ってあげるよ」と言いながら後方に回り、ぴったり迫りもぞもぞされ、荒い息をされた。離れようとしたが、ぴったりくっつかれて動けない。次の駅でドアが開いたときに、とりあえず車両からでた。希望駅ではなかったので歩行に慣れていなくすごく困ったが降りるしかなかった。その場にいて次に来た電車に乗るしかなかった。DPI 日本会議ーより引用車いす使用者東京に出てきて初めての終電。ほとんどの乗客が酒臭かったのでアナウンスしないでくださいと頼んだのに、それでは乗せられないと断れたので仕方なく乗りたくない一番後ろに乗せられた。べろんべろんに酔った男性が飛び乗ってきて、「居た!手伝ってあげようと思って走ってきたよ。○○駅でしょ?」と言いながら可哀そうにと繰り返し足をさすられた。「やめてください」といっても離れてくれず、私も逃げられず、大きな声をだしても周囲の人は聞こえないふりしているように感じた。とても辛く忘れたくても忘れられず今でも夢を見る。この話に触れるのはこれが最後にして前に進みたい。DPI 日本会議ーより引用車いす使用者自宅に見知らぬ男がよくいるけど知っているか?と近所の人に聞かれて確認したら、電車内で時折見かける男性で、後を付けられていると知った。その後、何度も自宅周辺にいるので警察に相談し被害届けを提出した。夜中に窓ガラスに大きな石を部屋に投げ込まれた。警察に通報したら警察に相談した嫌がらせではないかと言われた。警察や近所の人が助けてくれ捕まった。今でも遅くの帰宅にならよう気を使い生活している。DPI 日本会議ーより引用ウェブサイトに掲載されているものだけでも被害事例は13件あり、中には「上記より酷い被害のため、記載しないことを希望」というものも。相手が障害を持ち、抵抗するのが難しい状況と知った上で、加害者は痴漢行為をはたらいているのでしょう。被害に遭った人たちは、「アナウンスによって居場所や目的地を知られ、ターゲットにされてしまう」と恐怖を感じているといいます。電車での乗降時のアナウンスは、本来支援のためのもの。善意を利用し、卑劣な行為をする人たちに怒りを感じずにはいられません。これらの事例はネット上で拡散され、多くの人から怒りの声が上がっています。・発想がゲスすぎて、めまいがした。加害者に人の心はないのか?・あのアナウンスを、犯罪で利用する人がいるなんて思いもしなかった。信じられない。・言葉にならないくらい卑劣。今まで気付くことができなかったのを悔やみます。先述したように、駅でのアナウンスは乗務員に安全確認を伝達するためのもの。しかし、善意を利用し悪行をはたらこうとする人がいるのも事実です。被害に遭う人を1人でも減らすため、社会全体が関心を持ち、考えていかなくてはなりません。[文・構成/grape編集部]
2021年08月27日2021年夏に開催予定の東京五輪。開会式ではミュージシャンの小山田圭吾さんが楽曲制作を担当します。しかし、小山田さんが過去に障がい者へのいじめを雑誌で明かしていたことから、人選に批判的な声が続出。同年7月16日、小山田さんは自身のTwitterアカウントで、いじめについて「大変今更ではありますが、連絡を入れて被害者に直接謝罪をしたい」と思いを明かしました。小山田圭吾の『障がい者いじめ報道』にIKKOが涙ながらに持論を展開同月18日に放送されたバラエティ番組『アッコにおまかせ!』(TBS系)では、今回の騒動について特集。問題となっている90年代に掲載された雑誌のインタビューで、小山田さんは「小学生から高校生の頃、障害のある同級生らを全裸で縛ることや、バックドロップをしたことがある」と自ら明かしています。MCである和田アキ子さんは、インタビューの原文を読んだ上で「テレビではいえないくらい、いじめというにはあまりにも悲惨」と非難。コメンテーターであるタレントのIKKOさんは、直接いじめの謝罪をすることについて、真剣な表情でこのように思いを明かしました。なんかそれって、今更掘り起こして…昔のことを思い出してしまうから、そういうことしてほしくないですね。アタシだったら思い返してしまうし、苦しかった時のことを。それで通常のいじめじゃなくって、何回もラジオとかいろんなところで自分のいじめを武勇伝みたいにしてるじゃないですか。それを「知らなかった」っていうこともあり得ないと思うんですよね。それも、身体の悪い人たち…障害持ってる人たちに対して、そんなこと(いじめ)できるのかな。涙しかないです、本当。アッコにおまかせ!ーより引用涙声になりながら、いじめ行為や本人への直接謝罪について持論を展開したIKKOさん。今回の件を受け、ネットではいじめを受けたことのある人から「今更、いじめた人に謝罪なんてされたくない」「謝ったら終わりというわけではない」といった声が上がっています。IKKOさんがいうように、武勇伝として面白おかしく語られていたいじめ行為を数十年後に謝罪されても、嫌な記憶を思い出してしまう人は多いでしょう。IKKOさんの涙ながらの訴えに、視聴者からは共感する声が寄せられました。・涙ぐんでいて、IKKOさんは人の痛みが分かる人だということが分かった。・いじめって被害者は一生苦しむんだよね。直接謝るだなんて、余計に苦しめると思う。・IKKOさんの意見に同意。自分の気持ちを代弁してくれてありがとう。いじめは心と身体を深く傷付ける行為であり、被害者は一生のトラウマを抱えることになります。たとえ加害者が謝罪をしても、その傷が癒えることはないでしょう。被害を減らすためには、いじめ行為がいかに酷であるかを多くの人が知らなくてはなりません。[文・構成/grape編集部]
2021年07月18日西山ともこさんが、ウェブサイトの閲覧者やSNSのフォロワーから寄せられた実体験をもとに描いた漫画をご紹介します。今回ご紹介するのは、あるカップルと義母のエピソードです。エピソードを寄せたのは、聴覚障害を持つ女性。夫と結婚前に付き合っていた頃、喫茶店に入ると偶然義母に遭遇し…。『親子2代続く優しさ』突然出会った義母に対し、不安がつのる女性。発音に気を付けながら自己紹介をすると、義母は簡単な手話を使って挨拶をしてくれたのです。その後、夫が女性に聞こえないような小さい声で話すと、義母は「分かるように手話とか使って話しなさい」とったといいます。義母は、ボランティア活動をしていたことで、耳の聞こえない女性のことをよく分かっていてくれたのでしょう。親子2代にわたる、聴覚障害を持つ女性への思いやりに心が温まりますね。[文・構成/grape編集部]
2021年07月14日新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の流行によって、マスクは私たちの生活により重要な物となりました。これまでは主にインフルエンザが流行する冬や、花粉が飛ぶ春に使用されていましたが、飛沫感染を防ぐため1年を通して着用している人がほとんどです。しかしマスクを着用していると、いろいろと不便なことも。『ニュー・ノーマル』の生活に慣れるには、まだ時間がかかるでしょう。ユニ・チャームの、障がい者にも優しい『顔が見えるマスク』に反響2021年4月27日、衛生用品メーカーであるユニ・チャーム株式会社が、画期的なマスクの受注販売を開始しました。マスクを着用していても口元や顔の表情が視認できる『unicharm顔がみえマスク』です。口元の部分が透ける素材になっているため、着用している人の表情や口の動きが相手に見える仕組みになっています。マスクの問題点として、顔の下半分が隠れてしまうこと。表情が見えづらいだけでなく、口の動きからも言葉を読み取る聴覚障がい者は日常生活に支障をきたしていたのです。この『顔がみえマスク』は、マスク生活によってコミュニケーションが困難になっている聴覚障がいがある人や、言語障がいのある人などのため、開発されました。同製品は鼻や顎をしっかりカバーし、隙間を極力なくす設計に。また、くもり止め加工の透明フィルムが使用されています。マウスガードは飛沫の抑制に不安を残していましたが、『顔がみえマスク』はしっかりと飛沫感染を防ぐことができるようです。また、水で手洗いすることができるため、何度も繰り返し使うことができます。『顔がみえマスク』はネットでまたたく間に話題となり、多くの人から「聴覚障害があるので助かる!」「素晴らしいアイディア」といった声が上がっています。コロナウイルスが流行して早1年。この画期的なマスクによって、多くの人が安心してコミュニケーションを取れるようになるでしょう。【unicharm 顔がみえマスク】発売日:2021年4月27日より受注を開始し、同年5月28日より発送を開始販売方法:ユニ・チャーム ダイレクトショップで受注販売サイズ:男女兼用普通サイズ内容量:1枚価格:1480円(税込)[文・構成/grape編集部]
2021年04月27日漫画家のかっく(@cak221)さんが描く創作漫画『君と同じ世界』をご紹介します。物語に登場するのは、車いすを利用している女性と、後ろ脚が不自由な猫です。同じような境遇を持つ1人と1匹は、誰よりもお互いのことを分かり合い、心を通わせていましたが…。『君と同じ世界』【創作漫画】君と同じ世界 pic.twitter.com/zSqF4Qydxd — かっく『乙女の群像』発売中! (@cak221) January 30, 2021 女性は足の手術を受けることで、歩けるようになる可能性が出てきました。もともとは「おそろいだから」という理由で、引き取られた猫。しかし、女性は猫の不安をかき消すように、こう告げるのです。「おそろいじゃなくたって、歩けないきみを抱えるのは、人生を背負うのは、幸せにするのは全部私って決めてたから」きっと、女性の言葉に、猫は心が救われたことでしょう。漫画に対し、読者からは「幸せなラストに涙が出た」「猫の表情がたまらない」「最高。こういう話が読みたかった」といった声が上がっています。女性と猫は、これからも仲よく一緒にいろいろな場所へと行き、たくさんの喜びや楽しさを共有するに違いありませんね。[文・構成/grape編集部]
2021年02月13日アメリカ・メリーランド州に住むジェシカ・ロングさんはアメリカ代表のパラリンピック水泳選手です。ロシアで生まれたジェシカさんはヒザ下にある腓骨(ひこつ)が部分的または完全に欠損している先天性腓骨欠損症のため、生後18か月の時に両足を切断しました。幼い頃から義足をつけて生活している彼女は、運動が大好きな女性に成長。現在28歳のジェシカさんはこれまでに4つのパラリンピックに出場し、13個の金メダルを含む23個のメダルを手にしています。 この投稿をInstagramで見る Jessica Long(@jessicatatianalong)がシェアした投稿 義足のアスリートが切実な訴えジェシカさんには日常的に困っていることがありました。それは駐車場で障がい者用スペースに駐車すると見知らぬ人から非難されること。この日も見知らぬ女性から「あなたはそこに停めるべきじゃない」といわれた彼女は、障がい者マークを見せて「私には両足がないんです」と説明したのだとか。この出来事の直後、彼女はTikTokに動画を投稿しました。@jessicatatianalongTo the handicap police... be kind! ##amputeelife ##fyp♬ orijinal ses - cagritanerこういうことがたびたび起きるの。私は子供の頃にいじめられたことはなかったし、障がい者用スペースに駐車することで大人からいじめられることになるなんて思わなかった。(人がなぜ私を非難するのか)理解できるわ。私は若いし、運動をしていてたくましい。でも両足がないの!私が平気そうに見えるのも知っているわ。でも本当に大変なの。義足は重いし、痛いのよ。だからハンディキャップの人専用スペースに駐車しているの。『ハンディキャップ警察』のみなさん、ただ親切にしてください。人がなぜ障がい者用スペースに駐車しているかなんて、あなたたちは知る必要ないでしょう。jessicatatianalongーより引用(和訳)またジェシカさんはInstagramで、このようなことが週に2回から4回起きると説明。見知らぬ人から怒鳴られたり、ワイパーにメモが挟んであったり、車の窓を叩かれたり、ただ文句をいうために彼女が車から降りるまで待っていた人もいたそうです。また高齢の夫婦がスーパーの中でジェシカさんについて回り、彼女をしつこく非難し続けたこともあったのだとか。彼女が義足のことを伝えても「このウソつき!」といい返されたといいます。ジェシカさんの投稿には共感と励ましのコメントが寄せられています。・私も義足で、同じことがよく起きるわ。誰もが他人には見えない何かと闘っている。だから親切でいましょう。・子供より大人のほうがより意地悪になれるのかも。・俺も義足だけど、もしそんなことが起きたら義足を投げつけてやりたいぜ!・あなたの美しいエネルギーをそんな人たちのために無駄遣いしないで。 この投稿をInstagramで見る Jessica Long(@jessicatatianalong)がシェアした投稿 私たちは知らない人がどのような苦労をしているかなんて分かりません。元気そうな人でも、周りには見えない健康上の問題を抱えている可能性があります。ジェシカさんのような若い人が障がい者用スペースに駐車していたとしたら、きっと何か事情があるのだろうと推測する優しさを持ちたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2021年01月27日一般的に人が認識する色と違う見え方になる『色覚障がい』をもつ人は多くいます。アメリカ・ジョージア州に住むマックさんもその1人。海外メディア『TODAY』によると、彼は中学生の時に自分が色覚障がいをもっていることを知ったといいます。マックさんの22歳の誕生日に、彼の友人たちが特別なプレゼントを用意していました。それは『色覚補正メガネ』です。そのメガネをかけたマックさんのリアクションは…。The fact that I hardly ever mentioned my want for colorblind glasses and my friends literally went out of their way to get me a pair for my birthday just tells me how much they love my ass and I couldn’t have asked for better people to call my brothers!!! pic.twitter.com/0BKOeftxYC — Mac (@maciavelli_) January 4, 2021 I love y’all!!! ❤️ @256__Will @J0_Na_Than @x_The_Cover_x pic.twitter.com/ZqzCJswgXG — Mac (@maciavelli_) January 4, 2021 目の前に広がる色鮮やかな世界に言葉を失うマックさん。「これをみんなは見ていたのか?」「ブロ(ブラザー)、なんなんだ!」と繰り返し、驚きを隠せない様子。そして最後は感極まったように黙り込んでしまいました。マックさんは投稿で、友人たちへの感謝をつづっています。俺は今まで色覚補正メガネが欲しいって話したことはほとんどなかった。でも友人たちは俺の誕生日のためにメガネを買いに行ってくれたんだ。彼らが俺のことをどれほど好きかってことを伝えるためにね。俺にとって彼ら以上に最高の『ブラザーたち』はいないよ!@maciavelli_ーより引用(和訳)動画を撮影している友人の顔は写っていませんが、大喜びするマックさんを見て笑っている声が聞こえます。こんなにも喜んでくれたら、贈ったほうも嬉しいでしょうね。色覚補正メガネをかけて喜びを爆発させるマックさんの動画は200万回以上再生され、たくさんのコメントが寄せられています。・きみはいい友達を持ったな。・よかったね。見ていて私まで嬉しくなった。・あなたが喜ぶ姿を見たらもらい泣きしちゃったわ。マックさんは映像制作の仕事をしているのだそう。そのため「これからは色覚補正メガネでもっといい映像が作れることにわくわくするよ」とつづっています。これからは今まで見たことがなかったカラフルな世界を思い切り楽しんでほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年01月15日2020年10月16日から東京都豊島区で開催されている、俳優の山本美月さんの展覧会『魔法少女 山本美月』。山本さんはアニメや漫画が好きで、幼い頃から魔法少女にあこがれていたといいます。この展覧会は、その想いを表現した『山本美月ワールド』全開の展示なのだとか。東京での展示は11月3日で終了しますが、同月13日からは会場を移動し、福岡県福岡市でも展示が行われます。山本美月の『車いすユーザーへの配慮』に称賛の声同月30日、山本さんがInstagramを更新。「額縁の中に入って、次の部屋へ行きましょう。少し暗いので足元に気をつけて」というロマンティックな文章とともに写真を投稿し、『魔法少女 山本美月』についてアナウンスをしました。そして、投稿の最後にはこのような呼びかけも添えられていたのです。※車椅子の方も通れる様に、お願いしています。安心してお越しください。mizuki_yamamoto_officialーより引用 この投稿をInstagramで見る MIZUKI YAMAMOTO(@mizuki_yamamoto_official)がシェアした投稿 - 2020年10月月30日午前1時07分PDT展示会にあるこの額縁の中には、『山本美月ワールド』が広がっているとのこと。額縁の中に入れるだなんて、まさに魔法のようなシチュエーションです!写真でも分かるように額縁には少し段差がありますが、車いすを使っている人も楽しむことができるよう、山本さんはスタッフにお願いしているとのこと。山本さんは2019年に放送されたテレビドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)で、車いすユーザーの男性と恋をする主人公を演じていました。同番組で車いすユーザーと触れ合う役を演じるにあたって、いろいろな学びがあったのかもしれません。山本さんの優しさが伝わる配慮に、称賛の声が寄せられています。・『パーフェクトワールド』を思い出して嬉しくなりました!素晴らしい!・気付きって大事だよね。こういう優しい人が増えてほしいな。・こうして「車いすの人も楽しめます」って告知してもらえると、すごく安心できます。バリアフリー化が進んでいる現代ですが、障がい者はいろいろな場面で不便な思いをすることがあります。車いすユーザーの山本さんのファンも、めくるめく魔法の世界を楽しむことができたのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年10月31日話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。おでかけスポットは、視覚障がい者の案内によって純度100%の暗闇の中で対話を楽しむ「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。積水ハウスとの共創プログラム「対話のある家」が大阪で開催中で、天体観測を楽しむ夕べに夫婦で参加してきました。■ダイアログ・イン・ザ・ダーク「対話のある家」第31回「真っ暗の中で天体観測を楽しむ夕べ」10月26日まで住ムフムラボにて開催。参加者4人で「家」の中へ。視覚障がいのあるぐっちさんとやべっちさんが、「今日は家族になってみんなで過ごしましょう」と案内してくれます。部屋が次第に暗くなり、真っ暗に。目が慣れて何かが見えることはありません。こんなに見えないなんて……。ロープを手に、隣の相手を感じながらソーシャルディスタンスを取ります。壁を伝って歩いて靴を脱ぎ、縁側へ。最初は怖くて「汗びっしょり」という夫。やべっちさんの優しい声に導かれて徐々にリラックスし、安心モードになりました。縁側から庭に下りて、音や声を頼りにみんなと道具で遊びます。そしてみんなで天体観測をイメージし、それぞれの体験を語ります。記者は、この夏見た日本海の満天の星が360度広がったように感じました。もう一人の女性も沖縄で見た星空が見えたと言います。あっという間の約70分で、併設のカフェで参加者と感想を述べ合いました。見えないものをイメージや感覚が補ってくれる不思議な体験。怖さも克服でき、気づきを与えてくれます。会話が弾むのでリピーターが多いのも納得です。(文:西元まり)「女性自身」2020年10月20日号 掲載
2020年10月12日聴覚障がいを持つ人は、主に手話で会話をしています。しかし、手話が通じる人は世の中に少数です。そのため、相手の唇の動きから言葉を想像する、読唇術(どくしんじゅつ)も活用し、コミュニケーションをとっています。唇の動きだけで完璧に言葉を理解することはほぼ不可能ですが、状況や相手の表情、動作から言葉を予測するのです。コロナウイルスの感染拡大で、聴覚障がい者の生活にも影響が…聴覚障がいを持つ、うさささ(@usasa21)さんは、2歳の娘さんの言葉を読唇術で読み取っているといいます。日常生活でも読唇術を活用してきた、うささささん。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、いろいろな困難に直面するようになったのだとか。コロナによる耳がきこえない人への困りごとを漫画にしてみました。これで少しでも「こういう人がいるんだな」って思ってもらえたら幸いです。 pic.twitter.com/bte9Y61aZV — うさささ (@usasa21) September 19, 2020 ほとんどの人がマスクを着用しているため、表情や口元が見えなくなってしまい、読唇術が使用不可能に。さらに、飛沫感染防止スクリーンによって、レジなどの文字表示が読みづらくなってしまったのです。苦労はそれだけではありません。全国でプラスチック製のレジ袋が有料化したことで、レジで「袋はいりますか?」というやり取りが増えました。読唇術が使えない状況下で、買い物をする際の苦労がさらに増えてしまったといいます。「こういう困っている人たちがいることを知ってもらいたい」という思いで描かれた、うささささんの作品は拡散され、多くの人に届きました。・店側と客側、両方気持ちよく買い物できたらいいですよね。勉強になりました!・聴覚障がい者なのですごく共感しました。本当にマスクとビニールカーテンだと見えない…。・違う視点からの漫画で、すごく参考になりました。確かに想像すると大変ですよね。実際に接客業をしている人からは「参考になった」「最近、指差しボードを導入しました!」といった声が上がっています。困っている人が暮らしやすくなる社会は、きっと多くの人が住みやすいものになるでしょう。違う立場の人について知ることによって、優しさの輪が広がるといいですね![文・構成/grape編集部]
2020年09月20日視覚障害者のポンコツ妻@アッシャー症候群(@KyokoKK5932)さんは、東京の東銀座駅で体験したエピソードをTwitterに投稿。反響が上がっています。係員の優しさに感謝都営浅草線東銀座駅を利用している投稿者さん。電車を降りるとすぐ「駅の係ですがお手伝いは必要ですか?」と声をかけてくれる係員がいるといいます。係員は、工事が終わったばかりの道を「道が新しくなりましたから途中までご一緒しますね」と丁寧に誘導。さらには、「階段は14段です。9時の方向に曲がるとスロープがあります。その方が安全なので曲がりましょう」と目が見えなくても分かるように言葉で教えてくれるそうです。東銀座駅から乗車する場合も、「ここで乗れば降りた目の前にエレベーターがあります」と乗り換えまで考えてくれるのだとか。※写真はイメージ数日後、投稿者さんの顔を覚えた係員からこんな声をかけられたのです。「この前もお会いしましたね、今日はどちらへ?気を付けて行ってらっしゃい」投稿者さんは、係員の声かけに「ちょっと恥ずかしいけど、でもすごく嬉しいしありがたい」と感謝の言葉を述べました。悲しいことに駅のホームから、視覚障害者が落下して事故となるケースも発生しています。しかし、投稿者さんは「東銀座駅のみなさんはとても親切。きっとこの駅では事故なんか起こらないだろう」と、この係員だけでなく駅の係員全体が優しく、安全を守ってくれていると実感したようです。東銀座駅に話を聞くと、「駅が広いこともあり多くの係員がいるため、そのような意識が高い人もいるのではないか」といいます。スマホを見ていると罵倒された経験も…今回、投稿者さんに視覚障害者を見かけた時にできるサポートについて話を聞きました。投稿者さんはこれまで「白杖を持っている人は全員が全盲と思われていて、目が見えているようなそぶりをすると罵倒されることがあった」といいます。弱視(幼児期から視力が弱い人)・ロービジョン(全盲ではないものの視力が弱い人)の視覚障害者についても知ってほしいと訴えました。―視覚障害の方へはどのようなサポートが嬉しい?まずは触れずに声をかけていただけると嬉しいです。電車内でたまに席を譲ってくれる人が「座ってください」と腕を引っ張ることがありますが、あれは正直いって怖いです。以前、駅のエレベーターで「着きましたよ」と後ろから背中を押されたのもかなり恐怖でした。私は少し視力があるのですが、視野が狭くてほぼ正面しか見えません。そのため、見えていない部分をいきなりつかまれるとすごく驚きます。あとは電車でスマホなどを見ていても怒らないでほしいですね。「見えているなら詐欺だろ!」といわれたこともあるのですが、私たちロービジョンだけでなく全盲の方でもスマホやタブレットを使っていることがあります。―道を歩く時に気をつけてほしいことは?白杖に気付いて避けてくださる人が大半なので、いつも非常に感謝しています。ただ、白杖は『2歩先に障害物がないか探る』ので、恐らくみなさんが想像しているより長いんですね。そのため、目の前とかすごく直前で避けられたり、ぶつからないように急いで横切られても、杖が長いので当たってしまったりして、かえって危険なことがあります。十分な距離を取っていただけるとありがたいです。ちなみに、私が白杖歩行をしている際、ぶつかるのは大体9割が歩きスマホの人です。あれは本当に危険です。白杖に気付かれない場合もそうですが、スマホ歩きしていてこちらに気付いて避けようとしても間に合わない、というケースも多いので。―最近感じた人の親切は?本当にたくさんありますが…最近だとGUで買い物をした際、レジに並んでいたら店員さんが白杖に気付いてセルフレジではなく有人レジに案内してくれました。さらに会計後レジの店員さんがエレベーターまで「ここは台がありますから少し右へ」など障害物の説明をしながら誘導してくれて、店内が混んでいたのでとても助かりました。また、Apple Storeの店員さんも店に入ったら「どういうご案内の仕方がいいですか?肩か腕どちらかつかまりますか?」と聞いてくれました。ひと言で視覚障害といっても人によってどのぐらい見えづらいか、見えないかはまったく違うので、サポート方法をどうするか聞いていただけるのが一番助かります。視野が狭かったり、視力が弱かったりする人の恐怖は、実際にその立場にならないと分からないこともあるでしょう。ですが、少しでもこのような声を聞いて協力し合い、助けることができるといいですね。投稿全文はこちら #視覚障害者が嬉しいと感じた配慮 都営浅草線東銀座駅の警備員さんがいつも神対応。電車を降りるとすぐ「駅の係ですがお手伝いは必要ですか?」と声掛けして下さる。最近改札を出た先の地下道の工事が終わったので、「道が新しくなりましたから途中までご一緒しますね」と(続— ポンコツ妻@アッシャー症候群 (@KyokoKK5932) August 26, 2020 改札を出てすぐ地下道に続く階段があるので「階段は14段です」と教えてくれて上ったら「9時の方向に曲がるとスロープがあります。その方が安全なので曲がりましょう」とクロックポジションでナビ。ちなみに反対側ホームに行く階段の段数もいつも教えてくれる。(続— ポンコツ妻@アッシャー症候群 (@KyokoKK5932) August 26, 2020 上記は東銀座駅で降りた場合だけど逆に東銀座から乗る場合は降車駅を聞かれるので行先を告げると適切な乗車口まで案内してくれる、例えば「三田駅だとここで乗れば降りた目の前にエレベーターがあります」と。(続— ポンコツ妻@アッシャー症候群 (@KyokoKK5932) August 26, 2020 本当に毎回全てが適格な誘導説明で感動する。ついに先日顔を覚えられてしまい「この前もお会いしましたね、今日はどちらへ?」から「気を付けて行ってらっしゃい」まで…ちょっと恥ずかしいけど、でもすごく嬉しいし有難い。(続— ポンコツ妻@アッシャー症候群 (@KyokoKK5932) August 26, 2020 何より凄いのが、恐らくこの警備員さんの効果で東銀座駅皆さんとても親切。ホームで電車を待っていると駅員さんが「降りる駅に申し送りしましょうか?」と声かけて下さったこともあった。きっとこの駅では事故なんか起こらないだろう。(続— ポンコツ妻@アッシャー症候群 (@KyokoKK5932) August 26, 2020 毎回本当に感動するので都営地下鉄のコールセンターにお礼の電話をしたことがあるけど、いつかこのTweetがご本人に届いたら嬉しいな。東銀座駅を利用することがあったら、是非この警備員さんに遭遇してみて欲しいです。— ポンコツ妻@アッシャー症候群 (@KyokoKK5932) August 26, 2020 [文・構成/grape編集部]
2020年08月31日発達障がいに関するエッセイ漫画などをTwitterに公開している、きよまろ(@sobomiyako98)さん。きよまろさんはある日、生まれつき目が見えない人に「目が見えないってとても不自由なのでしょうね」と聞いてみたところ、考えさせられる答えが返ってきたそうです。障がいとは?障害とは? pic.twitter.com/a5npmCYQYH — きよまろ@4コマ漫画 (@sobomiyako98) July 26, 2020 きよまろさんは、「多くの人が障がいについて考えるきっかけになれば」と思い、この漫画を描いたそうです。生まれつき目は見えないけれど、自身を障がい者だと思ったことはないという女性。目が見える人からすれば、目が見えないことはとても不自由だろうと感じてしまうものです。しかし、目が見えない分、優れた嗅覚を活かした仕事をし不自由なく生活する彼女の姿に「障がいとはなんだろう」と考えさせられます。【ネットの声】・健常者の常識が必ずしも絶対ではない。当然なことなんだけど、なかなか気付きにくいよね。・私もメガネやコンタクトがなければ視覚障がいに該当する。道具を用いているから、不自由なく暮らせている。障がいってなんだろうね。・道具や社会のシステムを利用して生活をカスタマイズし、大した支障なしに生活できている人もいる。多くの人が、工夫をすれば不自由なく暮らせる社会がいいよね。『障がい』という言葉や概念は、1つの偏った目線での価値観や尺度でしかないのかもしれません。さまざまな障がいを補う道具やバリアフリーな環境の発展に加え、周囲の人が自然とフォローできるようになれば、より多くの人が不自由なく暮らせる社会になることでしょう。障がいとは何か、自分にできることは何か、改めて考えたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月28日2020年6月27日、東京都国立市のJR国立駅にある商業施設『nonowa国立』に、国内初の『サイニングストア』である『スターバックス コーヒー nonowa国立店』がオープンします。国内初の『サイニングストア』とは…?『サイニングストア』とは、主なコミュニケーションの手段として手話を使用する店舗なのです!手話が共通言語となる『スターバックス コーヒー nonowa国立店』 が6/27(土)にオープンします。聴者と聴覚に障がいのあるパートナーが共に働き、誰もが自分らしく活躍できる居場所づくりを目指します。ご来店の際には整理券が必要となります。 pic.twitter.com/WS6azHp0CM — スターバックス コーヒー (@Starbucks_J) June 24, 2020 この店舗では、聴者と聴覚に障がいのあるパートナー(従業員)が働いています。そのため手話での注文はもちろん、音声や指差し、筆談でも注文が可能です。聴覚に障がいのあるスタッフの夢が叶った!これまでスターバックスでは聴覚に障害のあるパートナーが『手話カフェ』や『手話によるコーヒーセミナー』などを自主的に企画、運営していました。そうした取り組みをする中で、聴覚に障害のあるパートナーたちからは「自分たちでお店をやってみたい」という声が上がっていたのだとか。多くのパートナーにとっても、この『サイニングストア』は待望の開業なのです。『スターバックス コーヒー nonowa国立店』のオープンについて、スターバックスジャパンのCEOである水口貴文さんは、このようにコメントしています。店舗のコンセプトは“Infinite Possibilities(無限の可能性)”。私たちパートナーの夢を店舗という形にしました。聴覚に障がいのあるパートナーやお客様にとって、ありのままの自分で居られる場所であり、障がいのある若者にとって夢や未来を描ける場所、そしてこの店舗を訪れた誰もが新たな気づきを得られる場所になればと考えています。スターバックス コーヒー ジャパンーより引用店舗内には手話を学べるディスプレイや、手話をモチーフにしたアートなどが設置されていて、手話の世界を楽しめる店内になっているそうです。このサイニングストア開業の知らせに、さまざまな人が喜びの声を上げています。・こうした店舗が増えてくれると、さまざまな人にとっての『明るい未来』が見えますね。とても嬉しいです。・優しい試み。これで、手話にも興味を持つ人が増えたらいいな~!・とても素敵な取り組みですね!この店舗をきっかけに、どの店舗でも、誰もが心置きなく利用できるようになればいいなと思います。ちなみに、新型コロナウイルス感染症の感染対策のため、オープンから当面の間、来店には整理券が必要です。整理券は、店頭の発券機かウェブで発行できるとのこと。さまざまな人にとって利用しやすい、『スターバックス コーヒー nonowa国立店』ような店舗がもっと増えていくといいですね![文・構成/grape編集部]
2020年06月25日2020年1月に発生し、世界中を騒がせている新型コロナウイルス。日本ではマスクの在庫不足が続き、3月時点でも解決していません。マスクを求め、ドラッグストアには朝から長蛇の列ができることもあります。一時は買い占めや高額転売が相次ぎ、マスクの供給不足は問題視されています。岡山県総社市の『デニムマスク』が話題にそんな中、立ち上がったのは岡山県の総社(そうじゃ)市。総社市が企画し、『総社デニムマスク』を生み出しました。デニム生地で作られたこのマスクは、総社市内の障がい福祉施設で製作されています。総社市と障がい者が共に作る総社デニムマスク。ロゴマークができました。今朝は10分で瞬間完売しご迷惑をおかけし申し訳ございません。明日も総社市役所で10時から販売しますが買えなかった方には以後優先する予約券をお渡しします。今後は全国販売予約制を考えます。 pic.twitter.com/Rur3p9Prd1 — 岡山県総社市長片岡聡一 (@souichikataoka) March 26, 2020 『総社デニムマスク』は総社市役所で販売をしていましたが、購入希望者が多いため予約受付を開始。2日現在、総社市のウェブサイトにはWEB予約フォームが設置されており、全国から注文することができます。総社市が障がい者と共に作る総社デニムマスク。今日から全国発売します。どうぞお買い上げください。ご注文方法は以下の通りです。どうぞ宜しくお願いします。 pic.twitter.com/maIOWVjE76 — 岡山県総社市長片岡聡一 (@souichikataoka) April 1, 2020 『総社デニムマスク』の1日の製作数は70~80個程度とのこと。そのため用意ができ次第、順次発送予定されるそうです。総社市の片岡市長がTwitterに投稿すると、素晴らしい取り組みに多くの人から反響が上がりました。・素晴らしい取り組み!マスク不足で困っている親のために購入しました。・障がい者の方たちのお仕事支援にもなるなんて!一石二鳥ですね。・オシャレなマスクですね!製作に携わる人たちにお礼を申し上げます。マスクのない人を助けるだけでなく、障がい者雇用を支援した総社市の取り組み。想いの詰まった手作りマスクは、きっと多くの人を安心させてくれることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年04月02日みなさまこんにちは、鶏岡みのりです。今回は、私がコミュ障が原因でとても困った、他のママとのエピソードを前編・後編でお送りします!コミュ障の私が恐れていることコミュ障のママが恐れていることといえば、ひとりだけ「ぼっち」状態になることだと想像する人が多いかと思います。もちろん、それもあります。しかし、意外と私ひとりが「ぼっち」という状況はありませんでした。授業参観でも何でも、「ぼっち」の人というのは私だけではないのです。それよりも現実的に遭遇しやすい、困った状況があります。それは・・・。距離感がある相手との会話例えば、児童館で私ともう一組の親子しかいないような時。授業参観で、他のママに「ちり子ちゃんのお母さんですか?うちの子がいつも仲良くしてもらって・・・」と、気をつかって話しかけられた時。会話が全然、続かなくて気まずい…。「ぼっち」でいるだけの時とは違い、コミュニケーション能力が試されてしまうのです。難しい。実に難しい…。ある日、実家近くの公園であれは、休日にちり子(娘)と一緒に泊まりで私の実家へ遊びに行った日のことでした。普段は、ちり子だけで実家に行くことが多く(行き帰りは私の母と一緒)、知らないうちに近所に同年代のお友達ができていました。その日もお友達と仲良く遊んでいたちり子。しばらく経って、近所の公園に迎えに行ったのです。すると、どうやらお友達のママも同じタイミングで迎えに来ている様子。ちり子に声をかけて、帰ろうとしたその時・・・。えーー!! ありえないだろ!!!他のママって、私は全く知らない人だぞ!しかし、ちり子はたまにしか会えないお友達ともっと一緒にいたかったらしく、行くと言ってききません。その様子をみて、他のママ達は親切に「一緒にどうぞ」と言ってくださったのです・・・。「なんでやねん」って思われていることでしょう。AママとBママはランチの約束をしてるわけだから、しっかり友達なわけですよ。そこへ、見ず知らずのにわとり顔のママが入ってきたら戸惑うに決まっています。私だって、気まずいのに行きたくないです。「じゃ…、じゃあおばあちゃんを呼んで来ようか」と、代わりに私の母(コミュ力が高い)を呼んでくると言っても、ちり子は「ママと行くの!」と、これまた頑固。しかも、さらなる展開が起きます。その場にはもうひとりいらっしゃったのでした。それは・・・。まさかの彼氏付きーーーー!!!どうやらAママ(美人)はシングルマザーのようです。ちり子に「一緒に行きたい」と言われた時、「他には誰が行くの?」と私が聞いたところ、隣にいたAちゃん(お子さん)が「私とママと、ママの彼氏の人と、BちゃんとBちゃんのママ!」と、ご丁寧に教えてくれたのです。腕に美しいタトゥーのある彼氏さんもAママ達も、私より若そうで華やかな感じ。話が合いそうにない気が・・・。正直ぜんぜん行きたくないですが、私のコミュ障のせいでちり子の楽しい時間を奪うのは申し訳ない。かくして、他のママ達のお言葉に甘え、史上最強に帰りたいランチに参加させてもらうことになったのでした。試されるコミュニケーション力そして、居酒屋ランチへ。ママ友ランチってそのへんのカフェとかだと思ってたんですが、チョイスがちょっと渋いのは男性がいるからなのだろうか。席へ着くなり、隣にいたAママが私に質問をしました。え?この変な「間」はなに?変な間のあと、ハッと気づいて「・・・あ、お酒飲まれます?」と聞いたところ、「はい」と。私「どうぞ、飲んでくださいねー。」・・・そうか。最初からこう言わなきゃいけなかったのか。Aさんの質問は、私にお酒を飲んでいいか聞くためでもあったのだ。(…というかそれがメイン?)居酒屋とはいえ思いきり昼間なので、念のため聞いてくれたのだと思います。つまり、変な間ができないスムーズな正解はこう。難しい!!!コミュ力が高い人は、サッと正解が言えるのだろうか。できれば、最初から「お酒飲んでいいですか?」って聞いてください。むしろ、べつに聞かずにサクッと飲んでくれてもいいんです!・・・と、思うのは私だけでしょうか。そして、さらに「帰りたい」と思う出来事がおこるのでありました。(後編へ続きます)
2019年11月02日はじめまして、鶏岡みのりです。このたびウーマンエキサイトで連載させていただくことになりました。夫のユウと、小4のちり子との3人暮らしをしている、にわとり顔の母です。さて、第一回は出産特集ということで、あの日の思い出をどうぞ。陣痛がきた日は、とても天気がよく・・・。完全に寝不足でした。それが後々、あんなに響いてくるとは。というのも、妊娠後期はずっと不眠に近く、全然寝られなかったのです。翌日が休日だったので、夫とゲームをしていました。まぁ、私はほとんど見ているだけでしたが。朝方にゲームを終えると、下痢かな?というような痛みがだんだん強くなり、こりゃ陣痛だということで病院へ。そのまま入院し、お昼になるとさすがに眠くなってきました。しかし・・・。寝られるわけない。陣痛の合間に寝ようとしても、また陣痛が来る恐怖で寝られない。一方、助産師さんには「陣痛をしっかり起こすのにも体力が必要なので、なるべく寝てください」とアドバイスされました。そりゃ私も寝たいのですが、寝られません。寝不足で体力不足の私は、弱い陣痛しか起こせず、一向にお産が進みませんでした。弱い陣痛と言っても、かなり痛い。■「陣痛を和らげる方法」が効かない!?そこで、母親学級のときに先生が言っていた「痛みを和らげる方法」に頼ることに。誰かの親指が犠牲になるようだ。申し訳ないが、夫に頑張ってもらいましょう。しかし!余計に痛いわ!おそらく有名な「陣痛を和らげる方法」だと思うのですが、私はむしろ痛いだけ。最初は軽く押してくれたのが幸いしました。いきなり親指が折れる力で押されていたら、大変なことになっていたでしょう。痛みに苦しんでいると、助産師さんが。今度は肛門かい。と思いましたが妊娠中に読んだ雑誌でも、お尻を押すといいという話が書いてありました。そのためのボールもしっかり100均で買っていました。が、助産師さんが握りこぶしで押してくださる流れに。すると・・・。「うるさい妊婦だな」と、思われたに違いないでしょう。というかどうして、ことごとく痛いのでしょうか。痛みを和らげるはずが、痛みを倍増させてきます。どちらも有名で、有効な「陣痛お和らげる方法」だと思うのでが、私のようなケースもあるようです。和らげるのに失敗しつつ、なんとか早く産もうと病院のお風呂に入ったり、歩き回ったり。そして、病院に来てから24時間後、弱い陣痛でしたが何度もいきんで、やっと出産。子供の顔を見て安心すると、ものすごい疲れが。もうボロボロ。■良いこともあった?出産に時間がかかったのは苦しい反面、良いこともありました。会陰切開をせずに済み、傷も小さかったのです。時間がかかったことにより会陰が急激に伸ばされることがなく、切れなかったのだと思います。トイレも、最初の一回がしみて痛かったですが、その後は大丈夫でした。傷が小さい分、出産後のダメージが抑えられ(それでも全身筋肉痛で、フラフラではありましたが)回復が早かったと思います。2人目の予定はないので、もうあの痛みを経験することはないと思いますが、これから出産される方は妊娠中とにかく睡眠をしっかり取れるように心がけてくださいね。
2019年10月20日赤ちゃんが生後7カ月のときでした。いつもは少しグズついても、あやせばすぐに立ち直るのに、その日は昼からずっと泣きっぱなし。「これはおかしい」とよく観察してみたところ、驚きの原因が判明しました。初めて夜間救急に駆け込んだときの体験談をお伝えします。 めずらしく泣き止まない赤ちゃん夫も休みの休日の午後でした。ずりばいを覚えた赤ちゃんは動きが活発になってきていて、おむつ替えもじっとしてくれず寝返りをして抜け出そうとします。そのときたまたま近くにバウンサーがあり、危ないと咄嗟に腕を掴みましたがおでこをぶつけて泣き出してしまいました。 いつもはすぐに泣き止むのに、落ち着いてはまた火がついたように泣き出すの繰り返し。少し違和感を覚えながらも、今日はご機嫌ななめなんだろうと思っていました。 腕が上がらない!? 初めての夜間救急へ赤ちゃんは泣き疲れてお昼寝をしていましたが、夕方に起きるとまた大粒の涙を流し始めました。さすがにおかしいと感じ、赤ちゃんをよく見てみたら左腕が力なく下がっていたのです。 時間は午後7時。慌てて夜間救急の対応をしている病院を調べ、タクシーの手配をしました。病院への道中は不安でいっぱいになり、このまま赤ちゃんの腕が動かなかったらどうしようと悪いことばかりが頭を駆け巡りました。 診断は「肘内障(ちゅうないしょう)」救急へ駆け込むと、小児外科の先生から「肘内障」と診断されました。左ひじの関節が亜脱臼を起こしてしまっているのだと言います。処置をしてもらうと、しばらくしていつもどおり腕を上げることができました。この肘内障は、6歳までの赤ちゃんがなりやすく、腕などが強く引っ張られることなどで亜脱臼を起こしてしまった状態なのだそうです。もしかしたら、バウンサーにぶつかりそうになった赤ちゃんの腕をつかんで引き止めようとしたことが、原因だったかもしれません。 肘内障について知識がなかったのでとても焦りました。また、こんなに些細なことでおこってしまうものだということにも驚きました。これを機に赤ちゃんの体についてもっと知り、気をつけていこうと思います。著者:しまのさくら一女の母で夫と3人暮らし。出産を機に勤めていた会社を退職。現在は育児のかたわら、データ入力の仕事や妊娠・出産・育児に関する記事を執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年08月26日「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながるこんにちは。「『好き』で自信を創り、『好き』で社会とつながる」をビジョンに、発達障がい児向けのメンターマッチングサービスと教室運営をしているBranchの中里祐次です。Branchは、「発達障がい児の好きなことを見つけたり、好きなことができる環境創りのサポートをするサービス」です。こんなことをやっています↓↓Upload By 中里祐次Upload By 中里祐次 | 発達障がい児の孤独をなくし、可能性を伸ばす習い事って、「役に立つからやる」ことなんだっけ?出典 : この仕事を始めてから、「お子さんが自分の好きなことをできる時間って、今はどれくらいあるのかな?」と、よく考えます。自分の子どもの頃を考えると、おそらく100%に近いくらい、好きなことばっかりやっていたように思うんですよね(勉強していた記憶のない子どもだからかもしれませんが…)。友だちと公園で遊んで、その公園での遊び方を自分で考えたり、当時自分が好きだったドッジボールをみんなでやりたくて勝手にドッジボール部を創ったり…とにかく好きなことばっかりやっていた、のんびりした子ども時代だったなぁ、と。ただ、今のお子さんを見ていると、時代は変わってきているのかな、と感じます。というのは、学校の勉強や習い事に関して、お子さんが好きでやりたいことをベースにやる/やらないの判断をしているわけじゃない場合が多くなってきているように見えるからです。「これを覚えること、習うことがすべての子どもに役立つ」といった、まるで「正解」が決まっているかのような言説をよく見るようになりました。もし本当に、そういったすべての人に正解と言える方法があれば楽だと思う人もたくさんいるでしょう。Branchに相談に来る保護者さんの中にも、「次は子どもに何を習わせれば将来うまく行きますか?」というような質問をされる方がいらっしゃいます。なんとなくそれを聞いていると、スマートフォンのアプリをインストールするように「その習い事に通わせれば、自動でわが子に必要な能力がインストールされる」ような感覚でいらっしゃる方も多いのかなぁ、と感じます。でも、肝心のお子さんの感情はどこ行っちゃったんだろう…。ためしに、自分のお子さんに学校の勉強や習い事について「これは好きかどうか?」を一つずつ聞いてみてください。全部好きっていうなら、とてもその子はラッキー。残念ながら実際は、そうじゃない場合がとても多いと思います。習いごとに行ったあとに僕がお子さんに会うと「実はさっきの習い事、好きじゃないんだよなぁ」なんて言うお子さんも多いです。僕らは、なんでも言ってくれるような関係性が創れて良かったなと思うとともに、悲しい気持ちになります。好きで好きでたまらないことを、大人が全力で応援する出典 : 僕たちBranchは、我慢して我慢して勉強したり習いごとをした先にあるものよりも、「好きで好きでたまらないので誰にも止められない!」ということを大事にすることが、今の時代の学びにとても大切だと思っています。たとえばうちの子は、大好きなレゴをやってる時は大きい声で声をかけても肩を叩いても気づかないような子でした。今はマインクラフトをやったり、YouTubeでマインクラフトの動画を見たりしている時がその時間です。好きなことをやってる時は自発的にものすごい集中力でやっていますが、嫌いなことは絶対やりたくない。思えば自分もほぼ同じタイプの子どもでした。ある時、東京大学の文化祭で東大レゴ部の方が出展されているのを見つけて子どもと出かけました。レゴ好きなので、何か良い影響があるかなー、と期待をしながら。実際うちの子は、目をキラキラさせて東大レゴ部の方にレゴについてたずねたり、帰ってきてからも学校の作文にそのことについて書いたり、大きくなったら東大レゴ部に入りたいから東大に行きたいといったりと、中々良い影響があったようです(東大に行けるかどうかとかは置いておいて…。というか、本人はそれを言ったことをたぶん忘れています笑)。実はその時の経験から生まれたのがBranchなんです。つまり、お子さんの好きなこと(例えばレゴ)を得意な大人(ここで言えば東大レゴ部の方)とマッチングする、というサービスです。その後、サービスが続くうちに代官山に教室を構えたり、お子さんの好きなことを保護者の方と一緒にどう伸ばしていくかを考える計画書を提出するようになったりと、色々と進化を続けて今に至ります。「好きなことで社会とつながる」その最初のきっかけを例えばどんなお子さんがいらっしゃるかというと、こんなお子さんです。Upload By 中里祐次Upload By 中里祐次発達障がいのあるお子さんがメインですが、発達障がいはないけれど不登校状態だというお子さんも多いです。また、たまに「天才を育てるサービス」と勘違いされますが、それは違います。すべてのお子さまが「好きなことができて、それによって自信がつくことと、好きなことで社会とつながるきっかけを創る」ことがBranchが行っていることです。またもう一つ「お子さんの才能を新しく生み出す」ことを期待されることもありますが、基本的に「お子さんが好きなこと」をベースに考えていくので、それがお子さんの好きなことであれば一緒に考えていきますが、お子さんが嫌いなこと、興味のないことであれば僕たちがやることの範疇ではないかな、と思っています。安心して好きなことができる環境を創るのがBranchの役割まだサービスがスタートして3年弱なのですが、最近、Branchのチームで大事にしたいと考えているのはこんなことです。Upload By 中里祐次上述したように、Branchには社会の中で傷ついたお子さんがとても多くいらっしゃいます。好きなことにはすごい集中力を見せるのですが「学校に行けなくなってから、その好きなこともあまりやらなくなっちゃったんです」というようなお悩みも。Branchの場合は上記の図にあるようにまず最初に「安心して好きなことができる環境設計」を大事にしています。人と会うことや、外へ出ることも難しいお子さんもいますので、先に「どんな人」がいるか「どんな場所なのか」を伝えたり、場合によってはこちらから訪問したりもします。他にも、教室事業である「Branch room」のスタッフが共有する「グランドルール」として、こんなことを大事にしています。----------------------------ここはお子さまの「好き」を見つけること、「好き」を育むことを目的としています。・一緒に考える=つまり「教えない」ことです・見守る=つまり「指示しない」ことです・整える=居心地良く、少しの新しい発見がある空間を創ることです上記のようなことを私たちは主に行います。----------------------------まだまだ至らない点もありますが、安心できる場所があると、お子さんにちょっとずつ自信や自己肯定感が生まれるのかな、と思いながら日々活動しています。そして、だんだんと自己肯定ができるようになってくると、自主的に「これやってみよう!」と、自分のやりたいことをやるスイッチを押せるようになると思っています。大人になった時にこの「自主的に自分のやりたいことのスイッチを押せること」がとてもとても大事だと思っていますので、まずはそのための環境創りに取り組んでいるのが、いまのBranchです。もちろん、すでに自己肯定もできていてやりたいこともあるお子さんの場合、それをどう伸ばしていくかの環境創りのサポートが大事になるので、そのあたりも語りたいのですが…長くなってきましたので、今日はこの辺で。ご興味を持ってくださった方は、ぜひBranchに遊びに来ていただければ幸いです。オンラインのメンターマッチングサービス「Branch」は全国どこからでもご利用可能です。東京におられる方は教室事業の「Branch room」も覗いてみてください。それでは。 | 発達障がい児の孤独をなくし、可能性を伸ばす東京・代官山Branch room
2019年05月23日こんにちわ。渋谷です。今回はママ友に関してということなんですが、いかんせんコミュ障なので基本的に友達自体がそんないないんですよね【完】が、そんな私にも一人だけ仲良くしてくれるママ友がいます。コミュ障なりのママ友の作り方をご覧ください。■コミュ障な私のママ友作り結構みんな似たようなことを考えてたりするんだな~というのが衝撃的でした。そして自分が思うほど周りはそんなに自分の事を悪し様には見てない。考えるより酒飲んでテンションあがった勢いでウェ~イ! と相手の陣地に乗り込むくらいの軽いノリでいいんだな~と。当って砕けてしまったらそれはそれ!そもそも友達なんて躍起になって作るものでもないし数が多けりゃ良いということでもないんだよ(おまいう)本当に一緒にいたいと思う人、特別何かをしなくても自然と自分の周りにいてくれる人。それが本当の友達なんじゃないかな~と改めて思ったりしたのでした。
2019年05月14日買うだけで、誰かにやさしくなれる。LOVE&LIFEアイテムカタログ。今回は“障がい者支援”ができるアイテムについて。教えてくれたのは環境ジャーナリストの中野博さんです。SUPPORT(障がい者支援)持続可能な社会に求められるのは、どんな人でも安心して暮らせる地域の実現。「働く意欲がありながら、障がいなどの理由により一般の事業所に就職することが難しい人々に就労の機会を与えることも大切なことです。最近では、彼らのアーティスティックな感覚や個性を生かした製品も増えてきました。こうした製品は、一般販売はもとより企業が社会貢献事業の一環として購入し、イベントなどで配布することも。障がい者支援の一つのスタイルとして浸透し始めています」【1】猫のイラストがキュートなマグ。奈良県にある福祉施設「たんぽぽの家」。障がいのある人もアートを通じて自由に自分を表現できる「アートセンターHANA」を併設している。外側と内側に猫のイラストが描かれたマグカップは、持ち手部分に星のマークをあしらうなど、遊び心いっぱいのデザイン。ゴロちゃんマグカップ¥1,000(chikuru makuru/GOOD JOB STORE)【2】ハンカチブランドとのコラボが実現。障がいのある人がアートを仕事にすることができる環境をつくることを目的に設立された組織「Able Art Company」とハンカチブランド『H TOKYO』がコラボレートし、所属アーティストの作品をあしらったハンカチ。自由なモチーフと独創的なタッチのイラストをプリントしたハンカチはギフトにもぴったり。ハンカチ 各¥1,800(H TOKYO×Able Art Company/GOOD JOB STORE)【3】雇用を促進するハンドメイドブラシ。手工芸ならではのぬくもりと、伝統的でありながらモダンな佇まいを感じるプロダクトを得意とするスウェーデンの老舗ハウスウェアメーカー『イリス ハンドバーク』によるブラシ。目の不自由な人たちが一つひとつハンドメイドで製作している。上・ベジタブルブラシ¥2,000下右・ベイカーブラシ¥600下左・マッシュルームブラシ¥2,000(以上LABOUR AND WAIT TOKYO TEL:03・6804・6448)中野 博さん環境ジャーナリスト、エコライフ研究所所長。企業のエコブランディングや講演活動を行う。『あなたがきらめくエコ活!』(東京書籍)など著書も多い。※『anan』2019年3月13日号より。写真・山口 明スタイリスト・野崎未菜美取材、文・宮尾仁美リサーチ協力・長坂磨莉撮影協力・AWABEESTITLESUTUWA(by anan編集部)
2019年03月08日「父(克介さん・70)も同じ視覚障がい者ですが、複数の福祉施設を営む社会福祉法人の理事長として、晴眼者と同じように社会生活を送っているので、私も社会に貢献できるはず。文章を読み上げるパソコンソフトや点字機器、記憶、そして熱意を武器に、優れた弁護士になるため研修に励んでいます」そう話すのは、昨年9月、最難関の国家試験といわれる司法試験に、2度目の挑戦で合格した板原愛さん(28)。弁護士といえば、法廷で分厚い書面や六法全書を駆使しながら立ち回る姿を思い浮かべるが、愛さんは、角膜変性症という重度の視覚障がいがあり、視力は0.02~0.03で、視野も30度程度と狭い。文字を読むのも困難だ。「昨年末で司法研修所での勉強を終えています。今は裁判所、法律事務所などでの研修が始まっています。司法修習生仲間もできて、先日は飲み過ぎてしまいました。研修後、法律事務所への就職活動は大変だと思いますが、この人に依頼してよかったと思われる弁護士になりたいです」障がいがありながらも、人生の試練をくぐり抜けてきた愛さんは、勇壮なだんじり祭で有名な、大阪府岸和田市で生まれ育った。「普通の小学校に通いたいと言ったときは、教育委員会に交渉してくれたし、両親は私の挑戦を必ず応援してくれる。でも、始めたことは“やり遂げるまで諦めるな”と厳しく育てられました」(愛さん・以下同)小学校では、拡大文字の教科書を使用していたが、学年が進むにつれ、扱う文章も長くなり、拡大文字ではスムーズに読み進められない。勉強に遅れが出ないよう、中学校は東京の視覚特別支援学校へ入学。親元を離れての寮生活を始めた。「中学時代、分厚い点字の憲法の本に夢中になり、修学旅行にも持参したりして(笑)。次第に司法に関わる仕事をしたいと考えるようになって、周りには『弁護士になる』と宣言していました」一浪して入学した青山学院大学法学部では、友人とダーツやビリヤードも楽しんだ、と笑顔で振り返る愛さん。卒業後は、本格的に司法試験に臨むため、法科大学院へ進学した。「早稲田大学の大学院法務研究科を選んだのは、司法試験の合格率が高かったこと、それに日本の大学では数少ない、障がい学生支援室が設置されているためです」愛さんのために板書が読み上げられるほどサポートは手厚く、教科書を作った出版社の協力もあって、文章を音声に変換することができた。同級生たちのなかには名門校出身も多く、刺激になったが、「優等生だったことが一度もない」という愛さんにとっては、気後れすることも多かった。そんなとき、希望の光となったのは、日本で初めて視覚障がい者として弁護士になった、野村茂樹氏が所属する奥野総合法律事務所に、計3週間、インターンとして受け入れてもらったことだ。「野村先生は、所長の奥野(善彦)先生に『弁護士に必要なのは書類を読むことよりも、判断力だ』と言われて、弁護士になることを決意したそうです。その話は、私にとって強い励みになりました」1度目の司法試験は不合格。くじけそうになったが、父親からは電話で「刀折れ、矢尽きるまで戦う覚悟で挑め」と励まされた。司法浪人としての1年間は、全力を尽くすことだけを考えた。「布団に入ると、『今日は勉強が少なかった』と不安になってしまう。だから、そんな余裕もないほど疲れ切るまで勉強しました。それで2度目の挑戦は、合格者の中で上位17%に入る成績でした」現在の研修生活が終われば、晴れて弁護士となる愛さん。「弱視の人は、多少は目が見える。そのため社会に出ると、頼まれた書類仕事などでオーバーワークになり、症状が悪化したり、休職・復職を繰り返すケースもあります。障がい者の人たちを助けるため、私だからこそできる活動をしたい。でも、これまで長く仕送りで生活してきたので、まずは、しっかりと一人前の弁護士として、自立して稼いでいきたいですね!」父と母から教え込まれた“諦めない”という強い気持ちが、愛さんからはあふれていた。
2019年01月17日自分の好みや体型に合ったファッションを、思い切り楽しみたい――。こんなありふれた願いを、「身体に障がいがある」という理由で諦めなくてはいけない人たちがいます。「障がい者用のダサい服は、もう着たくない」そんな声を聞いて立ち上がったのが、ファッションデザイナーで「a.ladonna.(アラドナ)」の代表、加藤千晶(かとう・ちあき)さん。ファッションブランド「a.ladonna.」の代表を務める加藤千晶さん。「障がいのある人のために服を作ろうとすると、どうしても“介護者に寄り添った服”になってしまう。それは機能的なだけで、デザインとしてはダサいことが多いんです」加藤さんはこう話します。その現実を目の当たりにしたとき、培ってきた自身のデザインが役に立てるかもしれないと一念発起。“障がいのある方と共に着られる服”をテーマに、新しいライン「a.ladonna.+(アラドナプラス)」を立ち上げました。ここでは、そんな加藤さんの怒りを抱えながら疾走したアパレル時代、人から必要とされる喜びに目覚めた今、そして一歩先に描いたビジョン……など、彼女のヒストリーに迫ります。■“怒り”が仕事への原動力だった——加藤さんが幼い頃から描いていたというデザイン画を拝見したのですが、「本当に子どもが描いたの?」とつっこみたくなる完成度の高さでした。ちゃんと描き始めたのは小学校4年生くらいの頃です。“お絵描き”という感覚ではなく、ちゃんと“デザイン”というものを意識していたのを憶えています。デザインの背景にあるストーリーまで鮮明に思い描いていましたね。加藤さんが小学生時代に描いていた、洋服のデザイン画。「このデザイン画が、私の今の仕事の原点になっています」と話しながら見せていただいた。「こんな髪型のこんな人が、こんなポージングで着ているんじゃないか」というような(笑)。——視点がもはやプロ並みですね。デザイナーさんはやはり、そういう感覚でお仕事をされている方が多いのでしょうか。「こんな人が、こんな風に身にまとってくれたら素敵なんじゃないか」というところからデザインするのが理想の姿だと私は思っています。でもファッション業界も大きく変わってきていて……。ファストファッションが大量に入ってきてからは、やはりブランドからそんな余裕がなくなってしまったように見えます。去年売れたデザインをアレンジするとか、他社で売れているデザインをコピーするとか、そんな方法が一般的になったのかな。——そうしたファッション業界の変化を、加藤さんはどのように捉えていたのでしょうか?職人の技術によってつくられるファッションに憧れを持って飛び込んだからこそ、20代は本当に苦悩の日々でした。業界に対しても、自分の会社に対しても、世の中に対しても、とにかく不満だらけ。怒りを原動力にしてデザインを描いていました。特に疑問に感じていたのは、「技術はないけれど価格が安い」という理由で縫製がどんどん海外へ発注され、日本の職人さんたちがことごとく食べていけなくなったこと。今日履いているこのブーツ、何度も修理し直しているんですが、20代の頃お世話になった職人さんに作ってもらった当時のブランドのサンプルなんです。加藤さんが職人さんに作ってもらったブーツ。20代の頃からメンテナンスをしながら履き続けている。——素敵ですね。とても味があるというか。当時、私が任されていたブランドの靴を作っていた方の作品です。小さなブランドでしたけど、親身になってどんなお願いにも答えてくれて、アドバイスもしてくれて……。でもある日その方から電話がかかってきて。「加藤さん、来年の展示会の分、作れなくなった。もう、(店が)回らんわ」と言われました。業界のコスト削減の煽りをモロに受けてしまったんですよね。その後その工場は倒産して、連絡が取れなくなってしまった。そのとき、私の中で糸が切れちゃったんです。こんな正直者がバカを見る世界、嫌だなって。それでポーンと会社を辞めてしまいました。■たどり着いたのは“身体障がい者の方と共に着られる服”——ご自身のブランドである「アラドナ」を立ち上げられたのは、どんなことがきっかけだったんですか?他業界に転職しようと思ったんですけど、やっぱり経験がないからことごとく面接で落とされてしまって。貯金が千円もなくなって「あ、死ぬな」って思ったときに、もう一度自分にじっくり向き合ってみたんです。そこで気づいたのは、私は決して洋服が嫌いになったわけじゃないということ。自分の置かれた環境が許せなかったけど、小さい頃からあんなに大好きだった服を、結局は嫌いになれないということでした。だけど会社に戻る気にはなれない。それならつくってしまおう、と。——貯金千円以下のところから会社を立ち上げるのは大変だったのでは?まずは商社と契約をして、フリーデザイナーとしてデザインを売ることから始めました。2年間で資金を貯めて、以前お世話になっていた工場や職人さんに連絡をして。「ひとりで会社をつくろうと思うんですけど、予算もないし、手広くもできないんです」ということを正直に伝えたところ、何人かの方が力を貸してくれて、なんとか立ち上げることができました。今から10年前、29歳のときです。——その10年の間に加藤さんがたどり着いたのが、“身体障がい者の方と共に着られる服”だったのですね。そうなんです。ブランドを立ち上げて、細く長くデザインをつくり続けていくうちにたどり着いたのが、流行にとらわれず使い捨てでもない、男女問わず自由気ままに着られる服でした。どんな体型の方も着こなせるようにファスナーの代わりにゴムのデザインバリエーションを増やしたり、肌触りの良い素材を使用していたのですが、その発想がバリアフリーとしての機能と合致して。たまたま私がつくっている服を見た福祉関係の知人が、「これって障がいのある人でも着られそう。そういうラインつくれないの?」と声をかけてくれて、3年前に“身体障がい者の方と共に着られる服”「アラドナプラス」として発足。そこからは、生地屋さん、縫製屋さん、モニターの皆さんと何度も意見を交わしパターンを引き直しながら、ようやく最近、最初のサンプルが完成したんです。■介護者のためだけに作られた服に、一石を投じたい——これまで普通のアパレルしか経験のない中で、難しい挑戦だという感覚はありませんでしたか?むしろ「自分こそ役に立てるかもしれない」と思いました。ユニバーサルデザインではなく通常のアパレルで経験を積んでいて、ハイファッションまで網羅する技術もある。着やすくてスタイリッシュな服なら、私に任せて欲しい!と思ったんです。着る人ではなく、介護する人のためだけに考えられたデザインって例えば、(脱がしやすくするために)洋服に巨大なファスナーリングがついていたりする。私だったら絶対にそのようなデザインにはしませんから。——巨大なファスナーリング、たしかにデザイン的にはいけてないですね……。やはり障がいのある方の中には、服に対して不満を抱えているケースが多いですか?多いですね。特に女性でユニバーサルデザインの服を好んで着ている方って、本当に少ないんですよ。理由はひとつ。とにかく「ダサい」から。こんな服を着るくらいなら、着にくいけれど一般の市販服を我慢して着たほうがいいという方が多いんです。特別扱いして欲しくない、健常者と同じ服が着たい、と。——おしゃれを楽しみたい人にとって、選べる服が少ないのは悲しいですよね。今回ブランドのモデルを務めてもらった女性は、右半身麻痺の障がいがある方なんです。「アラドナプラス」では、クラウドファンディングにて資金を募っている。ブランドのモデルを務めている女性も当事者のひとり。もともとおしゃれが大好きだったのに、「車椅子に座ってしまったら、どうせデザインなんて見えない」「普通の服を買ってもひとりでは着られない」といった理由で買い物にも行かなくなって、どんどん閉鎖的な性格になってしまったそうなんです。そうやって諦めなくてはいけないことが増えていくのって、すごく悲しいなと思って。気に入ったものを身につけている時って、本当に気分がいいじゃないですか。そういう、ささやかだけどすごく大切な喜びを取り戻してもらうための架け橋になりたいな、と。■“自立服”の確立を目指して——怒りが原動力だった20代の頃と比べると、ずいぶん仕事へのスタンスが変化したのでは。そうですね。ずっと「打倒・ファストファッション!」みたいな反骨精神でやってきたんですけど、最近やっと“競争”じゃなくて“共存”なのかな、と思えるようになりました。マジョリティが必要とするところじゃなくて、そこからこぼれたところで求めてくれている人たちがいるなら、そこを埋めていくのが私の役割なんだと今は思います。あとはやっぱり、助けてくれた職人さんたちへ恩返しがしたいという気持ちが強いですね。——「アラドナプラス」への挑戦が、自分のビジョンを明確にしてくれたんですね。そうですね。今クラウドファンディングで出資を募ってるのですが、なかなか一筋縄にはいかないと感じることもあります。でもすべて自分で決めてやっているし、我慢だとは思っていません。長期戦になるとは思うけれど、待てるようになりました。実は、挑戦してみたいことがもうひとつあって。「アラドナプラス」には“自立服”という側面もあるんですけど、高齢者の方にもどんどん着ていただきたいと思っているんです。障がいのある方と同じように、“自分で選んで自分で着られる”という体験が、高齢者の方が自分らしくおしゃれを楽しむことができるきっかけにも繋がるはず。高齢者数がピークを迎える2025年までに、この自立服というジャンルを確立させることが今の目標なんです。こうやって新しいビジョンを描いては、逆算しながら生きている。それが私らしい生き方なのかな、と今は思います。クラウドファンディングは7月31日まで実施中です。支援はこちらから!取材・Text/波多野友子Photo/小林航平加藤千晶プロフィールファッションデザイナー・衣裳作家/a.ladonna.合同会社代表/一児の母ブランド名:CHIAKI-a.ladonna.JAPAN/ a.ladonna.+“ひとりからみんなへ 日本から世界へ” 環境や労働問題などを解決するため、ALL-WINの価値観でファッション業界から新たな基準を創り、未来の子供たちに美しい地球と心身を残していくことをミッションとしている。同じ価値観の企業とも契約を交わし、イノベーションやプロジェクトを生み出し中。 webサイト:
2018年07月27日『グッド・ドクター』(フジテレビ系)第1話が7月12日に放送された。山崎賢人が、自閉症スペクトラム障がいでコミュニケーションに障がいがある一方、サヴァン症候群で驚異的な暗記力を持つ小児外科医・新堂湊を演じる本作。湊は子どもを助けるために一生懸命だが、人の気持ちを推し量ることができない。「僕は人と違います」。胸が締め付けられるようなセリフは、たくさんのことを私たちに問いかけた。■サヴァン症候群で小児科を目指すことができるか幼いころから小児科医になることを夢見てきた新堂湊(山崎)は、レジデントとして小児外科の世界に飛び込むことになる。期待に胸を弾ませて迎えた初出勤。湊は途中で事故に遭遇するが、暗記している膨大な医療データから最良の方法でケガをした子どもに応急処置を施し、なんとか東郷記念病院にたどり着く。救出した子どもの母親からは深く感謝される湊だったが、指導医の瀬戸夏美(上野樹里)とともに小学1年生の将輝の病室を訪れた際、ある問題を起こしてしまう。横紋筋肉腫が再発した将輝に対し、両親の意に反して真実を打ち明けてしまい、母親から「二度と近づかないで」と非難されてしまったのだ。夏美からの「カルテには書かれていないそれぞれの事情がある。ご両親の気持ちがわからないの?」という問いに、「わかりません」と即答する湊。事故現場での正確な対応といった医師としての優れた能力が明かされた一方で、コミュニケーションが苦手である湊に立ちはだかる壁が、早くも浮き彫りになったかのようにみえたのだが…。■湊と子どものピュアな心に、あふれる涙その後、将輝の容体が急変。居合わせた湊は「早くオペしないと死んでしまいます」と、一刻も早い手術を望むが、「触らないでください。ほかの先生を呼んでください」と声を上げる母親。しかし湊は苦しむ将輝を前に居ても立っても居られない。結果として看護師・橋口(浜野謙太)の協力もあり無事に高山(藤木直人)が手術することとなり、将輝は一命を取り留めた。手術を終え、湊に対して「先生が気づいてくださらなかったら、今頃あの子は。それなのに私、大変失礼なことを。本当にごめんなさい」と頭を下げる母親。だが湊はそんな母親に「僕は人と違います。慣れています」とほほえむ。さらに息子がかわいそうだと話す母親に「かわいそうじゃありません。かわいそうなのは、病気であることです」とまっすぐに伝えるのだった。ドラマの最後に明かされたのは、将輝が退院を待ち望んでいた理由。それは早く小学校に行くことではなく、ママの誕生日をおうちで祝ってあげたいということ。つらい状況でも、母親のことを思う子ども。そして、そんな子どもの本音に寄り添う湊のピュアな思いに心が温まるが、同時にさまざまな感情が交錯し、溢れる涙を抑えることができなかった。■自分の子どもが病気だったら…親に突き付けられる難題終始、胸が苦しくなるようなセリフの連続だった第1話。なかでも印象的だったのは「先生たち、自分の子どもを“ああいう人”に任せられますか?」というセリフ。これは、湊が将輝に再発を勝手に告知してしまったことに激怒した母親が、担当医に発した言葉だ。辛辣(しんらつ)な言葉だが、親であれば気持ちがまったく理解できないわけではないから、心苦しい。子どもが命に関わる大きな病にかかったとき、どんな医師に診てもらえたらが安心かといえば、腕もよく、親の気持ちを理解してくれる医師なのかもしれない。けれども、もしも逆の立場だったら? 自分が湊の母親だったら? そう考えると、より一層胸が痛む。そして、そんな行き場のない切なさを癒やしてくれるのもまた、湊の優しさにほかならない。患者より接待ゴルフを優先する医師、規則に縛られ担当医の指示だけに従う医師、障がいがあるというだけで切り捨てようとする医師、はたまた「大人になれない子どもをなくしたい」と切に願う医師。一体、名医=グッド・ドクターとは何だろうか。視聴者は多くのことを自問自答しながら、ドラマと向き合っていくことになりそうだ。■役者・山崎賢人が語る大きな使命とは山崎が自閉症スペクトラム障がいの医師を演じるということで、放送前から注目を集めていた本作。第1話が放送されるやいなや、演技を絶賛する声がSNSに上がった。山崎は、特徴的な手や視線の動き、こわばった表情などを細やかに表現。一方で、子どもに頬をつねられたり、子どもと一緒に絵を描いたりするシーンで見せる、柔らかな表情も絶妙だった。小児外科医は医師全体の0.3%しかいないというセリフがドラマ内であった。山崎は番組の公式インタビューで「このドラマで小児外科の現状を知っていただいて少しでも良い方向に向かえば…小児外科医を目指す方が少しでも増えたらうれしい」と話すなど、大きな使命を持ってこの作品に挑んでおり、その決意が伺える幕開けとなった。次回描かれるのは、未受診妊婦の女子高校生。破水からの緊急出産となるが、生まれてきた赤ちゃんは大きな問題を抱えていて…。『グッド・ドクター』第2話は、7月19日よる10時から放送。木曜劇場『グッド・ドクター』木曜よる10時から※山崎賢人の「崎」は、正しくは「たつさき」
2018年07月19日