最近ではオンライン診療の普及もあり、低用量ピルを服用する女性も増えています。「使ってみたいけど、ちょっと不安かも」「何歳まで服薬するか迷っている」という人も多いのではないでしょうか。今回は「anan Beauty+」に寄せられた質問をもとに、産婦人科専門医の筆者が、低用量ピルに関する質問にお答えしていきます。Q .低用量ピルのメリット・デメリットは?(34歳・会社員)低用量ピルは、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の2種類の女性ホルモンが配合された薬です。メリット低用量ピルは、排卵を抑制するため避妊効果があるとされます。また、月経時の出血は主に子宮内膜が剥がれることで生じますが、低用量ピルは子宮内膜の増殖を抑制するため、月経時の出血量を減らして、月経痛を改善する効果が期待できます。この他、ホルモンバランスの変化が抑えられることから、PMS(月経前症候群)の症状を改善したり、ニキビをできにくくするといったことも期待できるでしょうそのため、低用量ピルは避妊をしたい人、月経痛やPMS(月経前症候群)の症状が辛い人、経血量が多くて困っている人、ニキビが気になる人などにおすすめです。デメリット女性ホルモンが配合されていることから、服用を始めたばかりの初期には吐き気や胸の張り、むくみや不正出血などの副作用が出る場合があります。また、非常にリスクが高いわけではありませんが、服用することで血栓症のリスクが高まる可能性もあり、喫煙者や40代以降の女性は使いにくいという点があります。この他、「1日1回の服用」にはメリットとデメリットの両方があると言えます。低用量ピルは手軽に服用できる一方で、“毎日決まった時間に服用する必要がある”ため、飲み忘れたり時間がずれたりすると、不正出血が起こりやすくなったり、期待した効果が低下したりすることがあります。Q .低用量ピルをずっと飲み続けても大丈夫?(36歳・専門職)低用量ピルは、リスクが高くない人に関しては、閉経もしくは50歳を迎えるまでは服用しても問題ないとされています。しかしながら、年齢とともに血栓症のリスクが高くなることが知られており、40歳以降の人は飲み続けるかどうかを慎重に判断する必要があります。具体的には肥満(BMI30以上)、高血圧、脂質異常症、耐糖能低下、血栓症の家族歴がある人などは、リスクについてもしっかりと検討するべきでしょう。また、習慣的に喫煙している人は、喫煙が血栓症のリスクになる可能性があると考えられます。35歳以上も低用量ピルを続けたい場合には、禁煙を視野に入れたほうがいいでしょう。月経痛やPMS(月経困難症)の改善、避妊といった目的の治療としては、低用量ピル以外の選択肢もあります。具体的には、黄体ホルモンのみの内服薬や子宮内避妊システム(ミレーナ)、漢方薬などといった方法です。自分にとってどの治療法がベストなのか、婦人科で相談してみてくださいね。Q .年齢を重ねたら低用量ピルをやめたほうがいいでしょうか? 月経をコントロールし続ける方法はありますか?(35歳・専門職)低用量ピルを飲んでいると旅行などのスケジュール管理が楽になるため、「年齢を重ねても低用量ピルを飲み続けたい」という人もいらっしゃいます。先ほどお話したように、低用量ピルの服用は一人ひとりのリスクに合わせた判断が必要になります。特にリスクがない人の場合は、閉経もしくは50歳を迎えるまで飲んでも問題ないといわれていますが、年齢とともに血栓症リスクは上昇します。40歳以上の人や何らかの血栓症リスクがある人は、継続的に低用量ピルを飲み続けるのではなく、旅行などのタイミングにかぶらないように、月経を移動したいときにだけ使用する方法がおすすめです。黄体ホルモンのみの内服薬や子宮内避妊システム(ミレーナ)なども、月経痛の改善や月経の量を減らす効果が期待できます。これらを選択肢に加えてみるのもいいですね。Q.低用量ピルの副作用でうつになる人はいますか?(36歳・会社員)低用量ピルの副作用として「低用量ピルを使用していない人と比較して明らかにうつになりやすい」という研究データは、今のところ報告されていません。しかしながら、なかには一時的にうつ症状が出る人もいらっしゃるようです。低用量ピルには月経前のメンタル不調を抑えてくれる作用が期待できるのですが、逆に、うつやイライラの症状が強く出しまうケースも。これは、ホルモンバランスの変化で起こる一時的な症状の場合も考えられます。低用量ピルの種類を変更してみるか、しばらく飲み続けて体が慣れてくることで症状が落ち着く可能性もあるでしょう。上手に活用すれば女性の強い味方にここまで見てきたように、低用量ピルにはメリットとデメリットがあります。しっかりとリスクを考慮した上で低用量ピルの服用を検討してみてくださいね。上手に使用すれば、女性の心強い味方になってくれるはずですよ。©︎Tat’âna Maramygina/EyeEm/PIXTA(ピクスタ)©︎SeventyFour/zak/PIXTA(ピクスタ)ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の身体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は13万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこTwitter : 産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年03月30日初潮を迎えてから30代後半まで、ずっと生理痛とは無縁だった私。しかし、いつからか定期的に訪れるむくみやイライラといった、原因不明の体の不調に悩まされていました。やがて初めての出産を経て、40歳になった私がやっとわかった生理周期と体調不良のことについてお話しします。★関連記事:「即手術!」生理痛は当たり前じゃないの? ただの生理痛だと思っていたら病気だった!生理って意外とラク?私に初めて生理が来たのは中学2年生のころ。周りの友だちに比べて少し遅めだったので、みんなが生理の話をしている中で、なかなか話に加われない状態でした。いつ生理が来るんだろう、どれだけ痛みがあるんだろう? といろいろ想像していました。そんなある日、初めての生理が来たのですが、特に痛みもなく出血量も少なかったため、こんなものかと拍子抜けしたのをよく覚えています。それから、20代30代と成長してからも特に生理痛がなかったため、私は生理のことで悩むことはあまりありませんでした。生理に無頓着だったけれど…30代後半になってからも生理痛はほとんどなく、生理周期も定期的だったり、まばらだったりしたため、特に自分の生理周期についてもあまり考えずに過ごしていた私。しかしその一方で、20代のころからなんだか今日はやたらむくんでいるなぁ、なんかよくわからないけど最近イライラするなどの症状が定期的に起こることにずっと悩まされていました。そして39歳で初めて妊娠し、出産。そして産後半年ぐらいから生理が再開したのですが、下腹部に今までになかった痛みが!私は産後なぜか生理痛が起こるようになり、これが生理痛なのか……と、やっと生理痛がどんなものなのかわかるようになりました。40歳を過ぎてわかったことそれから40歳を迎え、下腹部が痛くなるともうすぐ生理が来るかな? と感じられるようになったので、ようやく自分の生理周期が何となくわかるように。生理周期がわかると、むくみやイライラなど、今までの体の不調が大体生理前に起こっていることがわかり、40歳を過ぎてようやくこれらの症状はPMS(月経前症候群)だったんだと気付きました。その後は産婦人科で生理痛やPMSの悩みを相談し、薬を処方してもらったり、基礎体温をスマホアプリで管理するようになりました。そして41歳になった今、やっと生理周期をほぼ把握できるようになったのです。まとめ今では、生理開始日以外にも排卵日も大体わかるようになったので、予定を立てるときにこの日は体調が悪いからやめておこうと調整できるようになりました。もし20代のころから生理周期を管理し、PMSについても自分で調べたりしておけば、もっといろいろ対処できたんだろうな……と思うと、少しもどかしい気持ちになります。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。著者/小野 美穂(42歳)5歳の幼稚園男児のママ。乳児期に産後うつになり、治療をおこなった。現在は趣味のイラストを活かした仕事をしている。
2023年03月28日三寒四温という言葉通り、寒暖差の激しい時期となりました。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、そうした気温や気圧の差で自律神経やホルモンが乱れ、月経前の不調が酷くなりやすいのだそう。愛先生が、すぐできるPMS対策を教えてくれます!今の時期は寒暖差で自律神経が乱れ、PMSが酷くなることも【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 202少しずつ春色のお花が街並みを彩り始めました。今年の桜の開花は例年よりも早くなると言われています。今年の3月は暖かくなりそうです。でも暖かい日が続けば、寒い日もやってくるのだと思います。4月に近づくにつれて寒暖差の振れ幅は大きくなり、自律神経やホルモンの乱れを感じる人が増えてくることが予測されます。その結果、月経前に怒りっぽくなったり、過食してしまったり、気分がズーンと落ち込んでしまったりという不調に悩まされることもあるかもしれません。春は、新しいことをワクワク楽しみながらスタートさせたいところですが、気分がダークサイドに振り切っていたらうまくいくものもうまくいかなくなってしまいます。ということで、今週はPMSに悩んでいるときの食薬習慣を紹介していきます。今週は、PMSに悩んでいるときの食薬習慣ピンクの蕾が少しずつ開き始め暖かくなったと思えば、急に冷たい風が吹き込み厳しい寒さを感じるような日々を短いスパンで繰り返すのが、春の風物詩でもあります。ですが、繰り返す変化は、ジワジワと私たちのカラダのバランスをとる機能である自律神経や内分泌系などに負担をかけてしまい、月経にまつわる不調を感じさせてしまうことがあります。いつもよりも月経前に怒りやすくなっている、些細なことばに引っかかってしまう、食欲が収まらないなどちょっといつもの自分と違うと感じたら月経前だったということもあるかもしれません。個人差がありますが、今の時期とくにひどく感じやすいタイプを漢方医学では、貧血まではいかなくても鉄欠乏ぎみである『肝血虚』、ストレスがうまく発散できていない『肝気鬱結』のタイプの人が症状を強く感じる傾向があります。そこで今週は『肝血』を補い、『肝気』の巡りを改善する食薬を紹介します。食べると良い食薬は、『レバーとパセリのクミンソテー』です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:レバーとパセリのクミンソテー】レシピはこちらです。<材料>レバー150g(下処理したもの)トマト1個(くし切り)クミン10振りパセリ1束(ちぎる)塩・胡椒適量<作り方>材料をすべて炒めたら完成。【レバー】鉄分が多い食材の代表といえば、レバーです。貧血ではないけどフェリチン値が低かったりする、鉄欠乏な状態から貧血傾向なものを含め漢方では『肝血虚』といいます。女性が不足しがちな鉄は、脳の神経伝達物質の材料でもあるため鉄不足はメンタルの不調を起こしやすくさせてしまいます。【パセリ】鉄が豊富なレバーと鉄の吸収を促すビタミンCが多いパセリを一緒にとると鉄の吸収が高まります。また、料理の名脇役パセリですが、今週は主役にしてみましょう。香り高く『肝気』の巡りを改善するためにも役立ちます。栄養素的には、鉄、ビタミンCの含有量が野菜の中でもトップクラスで実力もあります。喉や鼻の調子が悪いときには、βカロテンも豊富なので、粘膜を強化しバリア機能を高めてくれます。カラダに炎症がある場合や腸内環境が乱れている状態も鉄の吸収を抑制してします。鉄剤を服用しても体調がよくならないときには、抗炎症作用や抗酸化作用があるビタミンCやファイトケミカルなど、香り高い食材や腸内環境を整える食物繊維をたっぷりとるようにすると鉄の吸収がUPしますよ。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Ponomariova_Maria/Gettyimages©Sean Anthony Eddy/Gettyimages文・大久保愛
2023年03月03日40代後半に突入し、体の疲れは感じるものの、心は30代のころより元気になってきたかな?と感じる今日このごろ。それは、生理前のPMS(月経前症候群)の症状が軽くなってきたからだ!と気が付きました。30代後半から、生理前の精神的なモヤモヤを感じ始めると憂うつでしたが、今は「あれ、そういえば生理前だった、今月はPMSないな」と感じることが増えてきました。PMSが改善するまでをお伝えします。★関連記事:仕事中に気絶!? 生理前のPMSと便秘が重なり体調は絶不調に #体調不良から脱却したい 6モヤモヤ、イライラ、クヨクヨに悩まされる日々30代後半のころの私は高齢の義父母との同居と2人の未就園児の子育てで、日々の生活に疲れを感じながらも、義父母からの小言なども気にせずにさらりと対応できていました。しかし、あるときから生理前になると、精神的なモヤモヤを感じるように。義父母からの小言にいちいち反応してしまい、口答えをしてはクヨクヨ落ち込んで、自分の精神状態が落ち着かないことに参ってしまいました。また生理前に子どもへのイライラした怒り方が尋常ではなかったことから、PMSを疑うようになりました。低用量ピルから市販薬へ切り替えてPMSかどうかを確かめたくて、ホルモン値を計ってほしいと婦人科を受診しました。現状を説明すると、ホルモン検査はしてもらえなかったのですがPMSの症状だと言われ、低用量ピルを処方されました。漢方も説明されすすめられましたが、即効性が欲しかったのでピルを選択。だんだん調子も回復していき、飲んでよかったなと心から思いました。でも、一つ気がかりなのは、血栓ができる可能性があるというピルの副作用でした。数カ月ごとに血液検査を受けなければならないのも面倒になってきて、飲み始めて1年後ピルをやめ、PMS治療の市販薬「プレフェミン」と「命の母」を飲み始めることにしました。ピルは毎日飲みますが、市販薬は自分がモヤモヤを感じ始めたときから、生理が始まるまでの間だけ飲みました。飲むことで、今の時期はPMSだからしょうがないねと自分を客観視できて、心を落ち着かせてくれるお守りのようでした。漢方薬でストレスが軽減!食事も見直し44歳になっても、毎月の症状に合わせ薬の量を調節しつつも、市販薬「プレフェミン」や「命の母」を毎月の生理前に飲んでいました。穏やかな性格の自分が、怒りの感情でいっぱいになるのに耐えられなかったからです。しかし、これらの薬を飲むようになってすでに7年が経過。このまま飲み続けて良いのだろうかと悩むようになりました。以前ほど子どもに手がかからなくなり余裕ができたため、もう一度自分の体に向き合おうと、45歳でPMS治療に特化した婦人科を受診。ホルモン値(プロゲステロン8ng/mL)から、PMSと診断され、漢方薬の「柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)」を処方されました。漢方薬は、最初は1日に3回飲みましたが、調子が良ければ1回に減らすことができるので薬を飲むストレスが減りました。実際に、今日は飲まなくても大丈夫だなと実感できたのには、びっくりしました。そのころ、書店で目にした『マンガでわかるココロの不調回復食べてうつぬけ』(主婦の友社/奥平智之著)を読んでからは、貧血がメンタルヘルスに関わっているということを知りました。そこで、若いころからの貧血を改善しようと鉄剤も処方してもらい、甘い物を減らして、マグネシウムや野菜スープ、たんぱく質などを増やすように自分の食事を整えていきました。まとめPMSと付き合い始めて約8年、漢方薬の服用と自分が満足できる栄養を体に与えることで、ようやくしんどい思いから卒業できそうな気がしています。家族を優先にして生活していた中で不快な症状の改善を諦めず、自分の心や感覚を無視せずに向き合い、つらければつらいなりに病院に相談し薬を飲んだことで、最終的には自分に合う解決策が見つかったと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。【駒形先生からのアドバイス】柴胡加竜骨牡蛎湯は胃もたれをする人がいますので、内服の際はきちんと診察を受けてください。イラスト/村澤綾香著者/ゆみか(45歳)小学生2人の母。高齢の義両親を介護する日々、自分の時間も充実させたい。隙間時間に、カフェや本屋さんへ行くのが好き。
2023年02月05日株式会社集英社とYouTube バービーちゃんねるのコラボ企画「“ソレ、気のせいじゃないから!正しく知ろうPMS!”」の配信を開始いたしました。バービーちゃんねる月経前に現れる「むくみ」や「イライラ」。近年、生理のタブーが少しずつ解きほぐされるにつれ、この自覚症状がPMS(月経前症候群)と呼ばれることは、多くの人に知られるようになってきました。しかし、PMSがなぜ起きるのか?や、実際にみんながどのように対処しているのか?、また、どのように対処したらもっとラクになるのか?については、いまだに語られる機会は多くありません。仕事を頑張る20代~30代女性にとって、PMSの悩みは尽きる事がありません。そこで、自らの実体験を元に誰もが抱えている様々なお悩みについて、赤裸々に配信展開しているフォーリンラブ:バービーさんのYouTubeチャンネルとコラボレーションさせて頂き、婦人科専門医 尾西 芳子(おにし よしこ)先生をお迎えし、ホルモンの影響を受けやすい女性の心と体について、解りやすくトークを展開して頂きました。◆バービーちゃんねるはこちらから観る事ができます◆生理前のアレ。PMSってやつ。意外な新事実が・・・!? 主催:集英社コンテンツ事業部協賛:大塚製薬●PMSチェック(PMSラボ) ― 大塚製薬 「PMSラボ」は、基礎知識から症状のチェックシートをはじめ、 必要な栄養素や自分でできる予防・対策方法などPMSに関する情報が満載。症状ごとの原因と対策も細かく記載。症状が気になるときは受診を。●女性の健康推進プロジェクト ― 大塚製薬 ホルモンの影響を受けやすい女性の心と体についてのヘルスリテラシーの向上を目指し、情報を発信するサイト。婦人科の専門医からの解説など参考にしてください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月26日生理前にイライラしたり悲しくなったり……と、自分の心を制御できなくなることに悩んでいたなつめさん。「この症状、PMS(月経前症候群)かな?」という思いがあったものの、病院受診になかなか踏み切れませんでした。しかし、意を決して婦人科を受診することに! そこで告げられたのは……!? 身も心もラクになる? 生理前にイライラしたり情緒不安定になったりする自分の症状から、「PMS(月経前症候群)なのかも」と考えていたなつめさん。しかし、病院へ行くタイミングがわからず、市販の薬を飲んだり生活習慣を改善したりすることで、なんとか生活しているという状態でした。生理が終わり心も安定していたある日、なつめさんは意を決して婦人科の門を叩くことに! 診察を終え、先生から告げられたのは、なつめさんの予想通り「PMSですね」という診断結果。そして、緩和の方法として低用量ピルを服用することになったのです。初めての婦人科受診に、とても緊張していましたが、婦人科の先生がとてもていねいに診察してくれたそう。また、待ち時間や診察時間も想像していたより早くスムーズだったそうで、「こんなことならもっと早く行けばよかったなぁ」と感じたと言います。なつめさんは、生理前のつらい症状に悩まされていたものの、病院受診に気が進まず、かれこれ1年ほど目を背けてしまっていたそうです。今回、勇気を出して婦人科を受診したことで、PMS緩和の糸口が見つけられてよかったですね。 監修/助産師 松田玲子 なつめりおさんのマンガは、このほかにもInstagramやブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター なつめりお福島県郡山市出身。現在は東京にいます。日常や心境を4コマ漫画にしています。
2022年12月22日なつめさんは、生理前にイライラしたり悲しくなったり……と、自分の心を制御できなくなってしまうことに悩んでいました。そして、病院で告げられたのはPMS(月経前症候群)という診断結果でした。今回は、なつめさんが「PMSとは一体どんなものなのか」描いたマンガをご紹介します。 あのイライラってもしかして 生理前になるとイライラしやすくなったり、急に悲しくなってしまったりしていたなつめさん。原因は、PMSでした。PMSとは、生理前に体や心に起こる不調のこと。なつめさんのように心の不調に悩まされる人もいれば、頭痛やおなかの張り、肌荒れなど、体に不調が現れる場合もあり、症状は人それぞれです。PMSは規則正しい生活や適度な運動など、自分の生活習慣を整えることで緩和する場合がありますが、低用量ピルの服用もPMSの緩和が期待できる方法の1つ! なつめさんがおっしゃっているように、毎月くるものだからこそ、ひとりで抱え込まず、周囲の人や病院の先生を頼ることで、少しでも気持ちがラクになるといいですよね。 監修/助産師 松田玲子 なつめりおさんのマンガは、このほかにもInstagramやブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター なつめりお福島県郡山市出身。現在は東京にいます。日常や心境を4コマ漫画にしています。
2022年12月21日株式会社バリバ(本社:三重県桑名市|代表取締役:杉本 学)は、女性の心身の健康問題に向き合うオールインワン型錠剤サプリメント臨床試験において、PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)主観的指標の変化及び客観的指標の変化で有意差が認められ、有効性と安全性に関しても問題ないことが確認されたことをお知らせいたします。ここから美人。*:健康食品のPMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)に対する影響を調べる評価として自律神経・疲労度・血流・体表温度の客観的評価を初めて採用した。日本国内の2種のデータベース(UMIN-CTR、医中誌WEB)において調査。(TFCラボ調べ)今回行った臨床試験では、被検モデル15名(1名途中離脱)に、食生活と運動指導、毎日のWEB日誌の入力(常時閲覧管理)、スマートウォッチを24時間装着(入浴時、充電中除く)に加えてサプリメントを12週間毎日3粒を摂取していただき、0週時・6週時・12週時の主観的指標・客観的指標の経時比較を検証いたしました。6種ベース成分である、ホルモンバランスの乱れの緩和に効果的という報告があるチェストツリー、エストロゲン減少に伴う様々な症状の緩和に定評があり、吸収しやすい形であるアグリコン型イソフラボン、緊張を和らげる働きとリラックス効果が期待できるテアニン、脳の興奮を鎮める又は睡眠の質をあげることが期待できるGABA、毛細血管の血流を良くする効果が期待できるヒハツ、嘔吐の軽減や生理痛・目眩の軽減に効果が期待できるショウガが配合されています。(配合特許申請中)■試験概要試験期間:2022年6月23日~10月3日対象者 :一般募集。20~40歳の健康な成人女性14名。PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)に対して不安感を抱く方試験方法:12週間1日3粒を水またはぬるま湯で毎日朝食前に摂取し、アンケートによる主観評価と自律神経、疲労度、血流速度、体表温度の客観的評価を行った。試験期間中は規則正しい生活と日平均8,000歩の運動も併用試験機関:TFCラボ■評価方法(1) 摂取前・6週間後・12週間後のPMS/PMDDアンケートの経時比較(2) 摂取前・6週間後・12週間後のQOL(Quality of life)アンケートの経時比較(3) 摂取前・6週間後・12週間後の自律神経の経時比較(4) 摂取前・6週間後・12週間後の疲労度の経時比較(5) 摂取前・6週間後・12週間後の血流速度の経時比較(6) 摂取前・6週間後・12週間後の体表温度の経時比較(7) 摂取前・6週間後・12週間後の睡眠スコアの経時比較(8) 摂取前・6週間後・12週間後のストレススコアの経時比較20代被験者 血流測定風景(12週間後) 30代被験者 血流測定風景(12週間後) ■被験者の実績本試験は15名でスタートし、途中1名が家族の転勤により離脱し、14名(平均年齢29.4歳±4.6歳)で完了しました。試験後には20代、30代それぞれの代表者に12週間後のインタビューを行いました。その他の12名の方々にも感想をいただき有害な事象も生じず、無事に完了しております。12週間後:主観的アンケート実感調査0週間時の主観的アンケート調査から、12週間時の実感調査アンケートでは、18項目全て有意差が認められており、効果・実感の高さが証明される結果となりました。内、半数の9項目で100%を達成しております。12週間後:客観的評価調査客観的評価の変化も、0週間時から12週間時で全5項目に有意差が認められる結果となりました。12週間後:睡眠・ストレス客観的評価調査睡眠・ストレス客観的評価調査では、0週間時から12週間時で全4項目で減少傾向が確認されました。■臨床試験結果が医学総合月刊誌『医学と薬学』に掲載予定臨床試験結果が医学総合月刊誌『医学と薬学』に掲載予定▼SNS公式Instagram: 公式Twitter : 公式YouTube : ■会社概要商号 : 株式会社バリバ所在地 : 三重県桑名市大字蓮花寺1560番地3代表 : 代表取締役 杉本 学設立日 : 2018年2月1日事業内容: 健康食品の企画、販売URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月08日冬になると手足が氷のように冷たくなってツライ、風邪をひきやすいなど、女子を悩ますカラダの冷え。今年こそ冷えとおさらばしたいと思っている人に、まずは、温活がもたらす7つのメリットをご紹介。カラダを温めることで不調を改善する“温活”。体内で熱を作るメカニズムや、温活で大切なことを、冷え症に詳しい漢方専門医の渡邉賀子先生に伺った。「まずカラダで熱を作るために必要なのが、食べ物です。そして食べ物が胃腸で消化吸収され、脳や肝臓、心臓、筋肉など全身のいろいろなところで代謝される過程で、熱が生み出されます。その熱を最も多く生み出しているのは筋肉で、1日の熱量の約6割を占めます。こうして作られた熱が、血液によって全身に運ばれ、自律神経などの調節によって、深部体温(脳や内臓などカラダ内部の体温)が約37°Cに保たれています。また血液には、作られた熱を運ぶ以外にも、栄養素や酸素を全身に運び、同時に不要になった老廃物を回収するという大切な役割があります」温活が目指すのは、この熱を作ることと、熱を運ぶ血液の循環を滞りなくできるようにすること。そして血流をコントロールし、体温調節に関わってくるのが自律神経だ。「寒いところに行くと、手足が冷たくなりますが、それは深部体温を守るために自律神経が働き、末梢の血管をギュッと縮めて血液をカラダの真ん中に集め、体温が外に逃げないようにしているからです。逆に暑い時には血管を開いて、体表から熱が逃げていくようにすることで、常に一定の体温が保たれるようになっています。この自律神経のバランスが乱れると体温調節がうまくいかず、冷えにつながります。自律神経を整えるためには、心身のストレスを除き、リラックスすることも大切です」しかし、現代女性は体内で十分な熱を作れないし、血の巡りが悪い人が多い。「ダイエットのためなど、食事の量が少ないと、エネルギー不足のために体内でうまく熱が作れません。また、コロナ禍での外出制限などもあり、動く機会が減り、筋肉が衰えている人が増えました。運動しないと、作られる熱量が少なくなるので、カラダが冷えてしまいます。さらに、ファッションのために薄着や素足で過ごしたり、お風呂もシャワーのみで済ませたりと、カラダを冷やしがちな生活スタイルも悪影響を与えています」また、女性に大敵の貧血も冷えを招くというのは、産婦人科医の佐野麻利子先生。「血液検査をすると、酸素を運ぶヘモグロビンや、貯蔵鉄を反映するフェリチンが少ない若い女性が多いです。鉄分不足で貧血になると、全身に酸素を運ぶ能力が落ちることに。栄養素がうまく巡らなくなるのでカラダが冷え、さまざまな不調を引き起こします。糖質制限ダイエットをしている方もいますが、炭水化物はエネルギーのもとなので、温活のためには必要です」温活で血流を良くするためには、食事、運動、リラックスの3本柱がカギ。それでは、温活をするとカラダにとって具体的にどんないいことがあるのか?渡邉先生と佐野先生に詳しく教えてもらった。温活をすると起きる、7つのいいこと!1、新陳代謝が活発に。肌や爪、髪の毛がキレイに!くすんだ肌や目の下のクマ、パサついた髪、縦筋が入った不健康そうな白い爪…。これらの症状があるなら、外からのケアだけではなく、血の巡りを改善することが急務かも!?「血流が良くなると、カラダのすみずみまで栄養が行き渡って老廃物を回収してくれます。肌のターンオーバー(=新陳代謝)が正常に行われるようになるので、肌に必要な栄養素が届けられ、美肌に。寒さを感じるとカラダの末端から血流は悪くなるので、毛髪の土台である頭皮や指先は、とくに影響が出やすいところです。ツヤのある髪の毛やなめらかな爪を育むためには、血流を良くして酸素や栄養素を供給しておくことが大切」(渡邉先生)温活をすることで、サラサラとした十分な血液がカラダ中を巡るようになり、全方向の美を底上げすることができそう。2、太りにくい体質になる。「1日の熱量の約6割は筋肉で作られます。ですから、温活の一環として筋肉量を増やせば基礎代謝がアップし、寝ている間のカロリー消費も増えて太りにくいカラダに。筋肉を作るには、1日3食、筋肉の材料となるタンパク質を摂ることが大切です」(渡邉先生)ダイエットのために、野菜ばかり食べている人は要注意。「エネルギー不足で十分な熱を作れず、むしろ痩せにくい体質に。筋肉のもとになるタンパク質の他、タンパク質の代謝を高めるビタミンB群、血液中の酸素を筋肉に取り込む鉄分も一緒に摂ることが、筋肉の質を高めるポイントです」(佐野先生)3、自律神経のバランスが整い、リラックスできる。体温と深い関わりがあるのが、自律神経のバランス。「深部体温は夕方をピークに徐々に下がり、良質な睡眠へとつながりますが、遅くまでパソコン作業をしていたり、精神的ストレスにさらされていると、夜になっても交感神経が優位な状態で血管が収縮したまま体温が下がりません。そうするとベッドに入っても寝付けない、熟睡できないといった睡眠トラブルが。落ち込みやすくなったり、イライラするなどメンタル面にも影響が出てきます。一日の終わりには副交感神経がオンになるよう、お風呂やホットタオルなどでカラダを温めてリラックス。血流が良くなって、自律神経のバランスが整います」(渡邉先生)4、免疫力、カラダの抵抗力を保てる。風邪をひきやすい人とそうではない人、その違いのカギとなるのがカラダの抵抗力、自己免疫だ。「リンパ球など白血球の免疫細胞は、血液に乗って全身を監視していて、ウイルスや細菌、がん細胞などの異物がいれば攻撃することで、カラダを常に守ってくれます。つまり、血液の流れがいいと、免疫細胞が全身をスムーズに循環できるため、免疫力が高まることにつながると思います。ただ、免疫は上がりすぎても良くありません。正常に保つ、下げないようにするのが大事です」(渡邉先生)5、首や肩のコリ、腰痛を改善、脚のむくみを解消できる。長時間のデスクワークは、カラダへの負担をかける要因に。肩や首、腰などの辛い痛みは、温めることでかなり軽減できる。「効果的な温め方法はお風呂です。また、お風呂には温める以外にリラックス効果もあります。ポイントはお湯の温度で、深部体温より少し高い38~40°Cが最適。このくらいのぬるめのお湯は、皮膚が安心・安全だと感じて副交感神経が優位になり、末梢の血管が開いてリラックスできるんです。浮力があるので、腰の負担も軽減されて血流が良くなります。他にも、水圧によって脚のむくみが解消できるなど、お風呂はいいことずくめです」(渡邉先生)6、月経痛、PMSの緩和、妊活にもいい影響が!冷えは、女性特有の悩みを助長する原因のひとつ。「冷えると、生命維持に必要なカラダ中心部に血液を集めて体温を維持するので、子宮や卵巣など生命維持に直接関係ない部分は後回しに。子宮や卵巣の血流が滞って冷えると、子宮が収縮して生理痛がひどくなったり、放置しておくと月経困難症や婦人科系の病気を併発してしまうことも。他にも、自律神経が乱れて、イライラしやすくなるなどPMSの症状も出やすくなります。温めることでこれらの症状は緩和されるので、お腹を温めることを意識しましょう。また、卵子は血液から栄養をもらって成長するので、温活は元気な赤ちゃんを産むためにも大切です」(佐野先生)7、疲れにくいカラダになれる。寝ても疲れやダルさが取れない人は、カラダが冷えているのかも。「疲れは血流が悪くなると出てきます。鉄分が不足している若い人が多く、貧血の傾向が。貧血は頭痛の原因にも」(佐野先生)「冷えていると年代を問わず出てくる症状が、疲れやすさ。カラダを温めて血流が良くなると、血液によって熱だけでなく酸素や栄養素が全身に届けられ、老廃物も回収してくれるので、疲れにくいカラダになれると思います。とくに若い世代は、頭痛、めまい、立ちくらみがなくなるといったうれしい効果も見られます」(渡邉先生)渡邉賀子先生漢方専門医、帯山中央病院理事長、麻布ミューズクリニック名誉院長。日本で初めて冷え症外来を開設。漢方を中心に、冷え症の治療に取り組むなど、女性の健康をサポート。冷えに関する著書多数。佐野麻利子先生産婦人科医、フィーカ レディースクリニック院長。女性のかかりつけ医として、ライフステージに合わせた適切な情報を提供。妊娠前の健康管理をするプレコンセプションケアに力を入れている。※『anan』2022年12月14日号より。イラスト・micca取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2022年12月07日自分の月経は“普通”で、皆こんなものだろうと思っていた20代の頃。市から届いた子宮頸がん検診のお知らせを見て、なんとなく「受けてみよう」と思い、人生で初めて婦人科検診へ行くことに。軽い気持ちで受けた検診でしたが、予想外の診断結果を告げられることになりました。今回は婦人科検診での実体験をご紹介します。婦人科検診を受けたきっかけ筆者は初めて月経が来た頃から、経血の量が多いタイプ。また「お腹が痛い」「腰が重だるい」「生理前は食欲が増える」「不安やイライラなど気分が不安定」など、いわゆる生理痛やPMSと呼ばれる症状を感じていました。当時は「月経=恥ずかしいもの」というイメージがあり、痛みによる辛さや疑問をなかなか人に相談できなくて。今のようにインターネットが盛んではなかったし、フェムケア情報が少なくて、情報や知識もありませんでした。毎月のことなので、「これが普通なんだろう」「痛みや気分の不安定さも当たり前」と思い込み、皆これを乗り越えているんだろうな…と思っていたんです。自分の月経に対して疑問を感じるように社会人になった20歳頃から「かたまりのような経血が出るようになった」「過多月経かもしれない」と感じるように。さらに、先輩や友人との会話から「量が少ない人もいる」「生理痛やPMSがない人もいる」という話も聞いて、量や症状など人によってそんなに違うんだ…と驚きましたね。とはいえ、自分の月経に対してそこまで深刻には考えていませんでした。「痛みやしんどさを感じるし、量も少し多い気がするけど、月経サイクルは正常だしな…」と、婦人科を受診するほどの問題はないと思ったのが正直なところ。ですが、ちょうどその頃(約10年前、筆者が25歳頃)に女性特有の病気を公表する芸能人が多くなったと感じ、月経について考える機会が増えたんです。市から無料で婦人科検診を受診できるお知らせが届いたこともきっかけとなり、軽い気持ちで婦人科へ行ってみようと思いました。驚きの診断結果が…「何かあってからでは遅いし、何もなければそれで良し!」と思い、初めての婦人科検診へ。しかしその結果は、予想外のものでした。じつは「子宮筋腫(子宮壁にできる良性の腫瘍で筋肉が増殖したもの)」があることがわかったんです。詳しく調べてもらったところ、私の場合は現時点で大きな問題になるようなものではなく、毎年の検診で大きくなっていないかなどの様子を見るだけでいいとのこと。しかし、子宮筋腫ができた場所が悪かったり、数が多くてサイズが大きかったりする場合は、「経血量が多くなる」「不正出血を起こす」「妊娠しづらくなる」といった可能性もあるそうです。月経へのアドバイスも検診時に「なんとなく経血量が多い気がする」「かたまりのような経血が出るようになった」と医師に相談してみると、ホルモンや冷えなどが原因ではないか、とのこと。さらに「我慢せず鎮痛薬を飲んでください」とアドバイスももらいました。その日から毎日の入浴で、足先やお腹を冷やさないように気をつけるようになったんです。悩みや不安を一人で抱え込まないために婦人科だけに限らず、よっぽどの痛みや違和感がなければ病院に行かないという人は多いはず。筆者も初めて月経が来た日から「生理とはこういうもの」と思い込んでいましたし、「20代で婦人科検診は早くないかな?」と考えていました。ですが、自分の体であっても、病院で診てもらって初めてわかることもあるでしょう。検診の結果、何もなければそれでいいし、もし問題があっても早めに治療することができたら良いですよね。一番怖いのは、放置した結果手遅れになってしまうこと。自分の体や月経と向き合うきっかけにしてみてくださいね。©PeopleImages/Trevor Williams/Moyo Studio/gettyimages※この記事は個人の体験や感想をもとに執筆しています。文/寒川あゆみ
2022年10月23日気温や気圧など環境の変化により自律神経が乱れると起きる、さまざまなカラダの不調。月経前の不調(PMS)、特に便秘もそのひとつで、季節の変わり目の今、悩んでいる人が多いよう。そこで中医学士で漢方薬剤師の大久保愛さんが、月経前になりやすい便秘を解消する簡単な方法を教えてくれます!月経前、便秘がちになりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 179今週末には、昼と夜の長さがほぼ等しくなる秋分の日が訪れます。秋分の日を過ぎると気候は本格的に秋の気候に落ち着くことがほとんどです。このときを漢方の世界では、『陽』から『陰』のシーズンへと切り替わると考えます。そのためなのか、最近は不安定な気候が続いていますよね。気圧や気温の変化が大きいと体に対して負担がかかってしまい自律神経が乱れるため、便秘になったり、寝つきが悪くなったり、むくみがひどくなったり、朝のダルさが強くなったりと不調を抱える人は増えてしまうことでしょう。そしてとくに、女性の場合には月経周期に伴う不調を強く感じることが多くなります。例えば、月経前の便秘、ほてり、胸の張り、イライラ、フェイスラインのニキビ、過食などを感じることがあるかもしれません。そこで、今週は月経前の不調のなかでも秋に増えやすい便秘を軽減する食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前の便秘を軽減する食薬習慣日が沈む時間が徐々に早くなっていることを感じ始めるようになってきました。9月23日に秋分の日をむかえ、夜の時間が昼よりも長くなりはじめます。そして、ようやく気候が安定する過ごしやすい秋の気候となります。そして、この時期を漢方では『陰・陽』の変わり目としますが、その前後に不安定な気候がおとずれます。このタイミングで、とくに女性は月経周期にまつわる不調を感じてしまうことがあります。漢方では、『秋』になると『陰』が不足し便秘になりやすいと考えられています。また、『気』や『血』が不足している女性は、月経前の不調を強く感じやすいため、今の時期には月経前の便秘に悩む方が増えてしまうことがあります。そこで、今週は『気・血・水』を補う食薬をとりいれて、腸を整えつつ月経前の不調を軽減していきましょう。食べるとよい食材・メニューは、【里芋の豚汁】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:里芋の豚汁】作り方は、いつもの豚汁の根菜類を里芋に変更するだけです。仕上げにごま油ではなくオリーブオイルを器にひと回しかけるのがおすすめ。オリーブオイルは保温性が高く、腸を潤す働きがあるので、お腹から温め、腸の働きを助けてくれます。【里芋】ヌルヌル成分のガラクタンが、腸の粘膜を保護したり、腸内の働きをサポートして『水』を補ってくれます。また、イモ類は糖質が多く太りやすいイメージがありますが、里芋はイモ類の中でも糖質とカロリーが低めでダイエット中にもおすすめです。【豚肉】タンパク質、ビタミンB群、鉄をはじめとしたミネラルを多く含み、不足しがちな『気・血』を補うために役立ちます。さらに豚汁にニンニクやネギ、ニラなどを一緒にいれると、疲労回復のパワーがアップします。月経前に不調を強く感じるときは、とくに『血』が不足していることが多いです。イライラしたり、眠気が強かったりして、それを解消するためにお菓子の量が増えてしまい、その影響で食事の量が減ってしまって栄養バランスを乱しているというパターンもよく耳にします。なんとなく不調を感じている人は、間食から食事まで毎日食べているものを一度把握して、客観視してみましょう。もしかするとカロリーだけしっかりとれていて、体を作る栄養が減っているかもしれません。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©hisa nishiya/Gettyimages©stefanamer/Gettyimages©Ridofranz/Gettyimages文・大久保愛
2022年09月21日15歳のころから、ヘルペスを発症するようになりました。ヘルペスとは小さい水ぶくれが集った皮膚疾患のことです。主に唇の上に小さい水疱ができ、水疱がつぶれた後はかさぶたになって回復していきます。それが範囲の割に痛くて痛くて。ヘルペスは体が疲れていたり、私の場合は精神的な疲れがたまったときによくなっていました。しかし、最近は発症するタイミングが変わってきたのです。★関連記事:激痛!口唇ヘルペスの悪化で学んだ適切な診断と治療の重要性【体験談】ヘルペスとは一生付き合わねばならない幼いころに「水ぼうそう」にかかった人は、死ぬまで体内に水痘ウイルスを抱えたまま共存していかねばならないそうです。普段、ウイルスは三叉神経に潜んでいて体力が低下したときにウイルスが暴れ出して、皮膚表面に現れるとのことです。私もそのことを知ってからはできるだけ疲れをためないようにと心がけていました。ヘルペスの発症は自分では予測できず、突然発症するので皮膚科でもらった塗り薬は常に持ち歩いていました。小さな子どもがいると心配ごともたくさんありますし、ママ友との関係や、パート先での疲れもあったりしたので、ヘルペスは1年のうち季節ごとに最低2回づつはかかっていたと思います。子どもは大きくなって生活に余裕ができたのに気が付けば3人の子どもたちも一番上は大学生、次は高校生、一番下の子も中学2年生になりました。子どもたちを全力で叱ることもなくなり、親同士の付き合いもほとんどなくなりました。学校行事も親が率先して参加することは少なくなったので私の生活には余裕ができました。仕事も以前はフルタイムでしたが、疲れやすくなったこともあり短時間の勤務に変えました。これで体力も精神的な疲れからも解放されたのでもうヘルペスにもかからないだろうと思っていたのですが……。なんの前触れもなく、あのむずがゆい初期症状がまたも唇の上に現れたのです。年を取るとホルモンバランスが悪くなる自分なりに調べてみると、更年期に入るとPMS(月経前症候群)が悪化することがあるようで、私はその更年期らしい症状をなんとなく感じていました。そんなに暑くない日にうなじから大量の汗をかくことがあったり、脈が速くなったり。そういうときは必ず何日か後に生理が来ます。生理周期もここ2年ほどは2カ月開いたり、そうかと思えばすごく早い周期で来たり。生理前は必ずと言っていいほどヘルペスになります。ホルモンのバランスの変化で免疫力が落ちているのでしょうか。わかりやすい疲れは感じませんし、ストレスもなくなったと思っているのでヘルペスの原因がわからずにいましたが、これでふに落ちました。まとめやっと自分の時間で生活できるようになり、ストレスもなくヘルペスとも縁が切れると思っていました。しかし今度はまた違った原因で、以前より頻繁にかかるようになってしまいました。年齢を重ねると自分では以前よりも体をいたわっているつもりだったんです。やっぱり自然の摂理通り、体は確実に衰えているんだとしみじみ感じました。しかし、ペルペスになりそうな時期は大体体調でわかるようになったので、心の準備はできそうです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。著者/大橋らむね小売業を中心に事務職や飲食店でパートとして勤務。体を動かすことが好きで、日々ウォーキングをおこなっている。
2022年09月02日排卵後~生理前に低下する副交感神経の働きをカバーして、ハードモードな時期をスムーズに乗り越えよう!「イーク表参道」副院長の高尾美穂さんが“月イチのピリつく時期を穏やかに過ごす8か条”を教えてくれました。月イチのピリつく時期を穏やかに過ごす8か条。1、まず自覚。“いつもの私じゃない時期”に突入したことを知る。理由もわからず流されるままにイラつくのと、そもそも落ち着かない時期だと自覚して過ごすのとでは、大違い。「自分の生理周期に自覚的であることが、最初の一歩。排卵後から生理前の時期に、自分はどんな状態になりやすいのかを知っておきましょう。イライラの原因は、誰か、何かのせいではなく内的なものかも。“今、私はリラックスしにくい”と状態を客観的に見つめる視点を持ちましょう」(高尾さん)2、一日の始まりと終わりを、深い呼吸で迎える。たかが呼吸と侮るなかれ。呼吸は、交感神経と副交感神経の切り替えを自分の意思で行うことができる唯一の方法と考えられている。「ゆっくりと、深く呼吸をすることで、副交感神経が優位になります。ポイントは、上半身の横隔膜を動かすイメージでお腹を膨らませて、深く吸い、吐き切ること。この呼吸法を繰り返すうちに、だんだんと気持ちが落ち着いて、呼吸の間隔が長くなっていくのがわかるはず」副交感神経の働きをサポートする呼吸法STEP1:あぐらをかいて前を向き、手を頭の後ろで組む。4秒間、息を吸う。視線を膝に落としながら、6秒かけて息を吐き出す。STEP2:4秒間、息を吸いながら首を持ち上げ、視線を上に向ける。この時、同時に両肘を開く。3、自律神経に働きかける、有酸素運動を。「自律神経の働きを維持するためには、24時間の中でメリハリをつけることが大切」と高尾さん。「意図的に交感神経が優位な状態を作るのが有効です。交感神経を優位にするには、運動をするのが一番。筋肉を動かし、心拍数、血圧を上げて、意図的に交感神経を優位にする。そうすれば、運動を終えた後に必ず交感神経の働きが落ちて、副交感神経が優位な状態にスイッチします」4、日の光をたっぷり浴びる。副交感神経の働きが落ちる排卵後から生理前は、エストロゲンの分泌も低くなる時期。「エストロゲンの分泌が減ると、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンも減少することが知られています。セロトニンの減少はメンタルの不調に繋がることも。リラックスしにくい時だからこそ、太陽の光を適度に浴び、リズミカルな運動をしてセロトニン不足をカバーしましょう。日光を浴びながら、ジョギングなどの有酸素運動ができれば一石二鳥です」5、股関節から、巡りをよくする。冷房の効いた室内にいることで体が冷え、自律神経のバランスを崩しやすい季節だからこそ、巡りを整えて自律神経の働きのベースアップを図りたいところ。「股関節が硬くなっていると、血流がさらに悪くなりがちです。ストレッチで股関節まわりを緩めることで、全身の血流が巡りやすくなります。冷えだけでなく、プロゲステロンの影響でむくんだ体の改善にも効果的。運動前のストレッチとして行うのもいいですね」全身を巡らせる股関節ストレッチSTEP1:背筋を伸ばし、正座をする。STEP2:左脚を内側に曲げ、右脚は後ろにまっすぐ伸ばす。腕を伸ばし、手のひらを床につけ、背筋が伸びるように体を支える。STEP3:息をゆっくりと吐きながら上半身を前に倒す。この状態を9秒キープする。正座に戻り、左右の脚を入れ替えて同様の動きを行う。6、“寝入りの3時間熟睡”を確保する。「副交感神経活動が落ちている状況は、睡眠にも悪影響。生理前に眠いと感じる人は、寝つきが悪かったり、いつもと同じだけ眠れていると思っても、実際は質の良い睡眠が取れていなかったりすることが多いです。この時期はせめて寝つきを良くし、寝入りの3時間は熟睡するように心がけて。深部体温が下がると眠くなる体のメカニズムを利用して、寝る前に手先・足先を温めることで、寝つきを良くすることができます」寝る前の手足あっためマッサージ片膝を立て、仰向けに寝る。もう片方のつま先を手のひらでぎゅっと包み込み、温める。足先がじんわり温まるまで、左右交互に行う。7、普段以上に、お腹をいたわる。「体に水を溜めるプロゲステロンの作用もあり、この時期は便秘になりがち」と高尾さん。腸の不調は脳にフィードバックされ、視床下部、自律神経にも影響が出てしまう。「いつもより食欲旺盛になりやすいのも、気をつけたいところ。腸を整えて便秘を改善してくれる他、むくみにも効果が期待できるきのこ類やわかめを積極的に摂りましょう。リラックス効果があり、むくみ、便秘に良いとされるルイボスティーを飲むのもおすすめ」8、エストロゲンを補うサプリを摂る。エストロゲンの低下が避けられないなら、サプリで補うのも手。「エストロゲンに似た働きをするとされている『エクオール』は、ある腸内細菌が大豆に含まれるイソフラボンを変換することで産生されるもの。ただ、その腸内細菌を持つ日本人は約50%という話もあります。エクオールを産生できる人のほうがPMSが軽いというデータがあるので、PMSの症状が重い人は試してみては」高尾美穂さん女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター。ヨガドクターとしても活躍し、診療のかたわら、講演活動も行う。※『anan』2022年8月31日号より。イラスト・icocrafts/イコ取材、文・間野加菜代(by anan編集部)
2022年08月30日生理が近づいてくると、イライラ、そわそわ、どんより…。なんだか、心も体も落ち着かない~(涙)。その不調、ホルモンバランスのせいだけじゃなく、自律神経の影響もあるのかも?生理周期と自律神経の関係を読み解いて、月イチの試練を乗り越えよう!生理周期×自律神経女性ホルモンと自律神経、どちらも脳の視床下部が司る。生理周期に影響を与える女性ホルモンは、卵巣から分泌される。でもその分泌経路をさかのぼると、実は脳にたどり着くと、「イーク表参道」副院長の高尾美穂さん。「女性ホルモンを分泌するように、卵巣へ指示をしているのは脳の視床下部。ここにはホルモンの司令塔があり、『性腺刺激ホルモン放出ホルモン』が分泌されます。卵巣が2つの女性ホルモン『エストロゲン』と『プロゲステロン』を分泌すると、その状態が脳へフィードバックされていきます。つまり、脳と卵巣は相互に作用し合う関係性。そして、この脳の視床下部は自律神経の調整も担っています。女性ホルモンも自律神経も、実は脳の視床下部でコントロールされているんです」気温などの環境ストレスで、視床下部の働きがイマイチに…。女性ホルモン、自律神経の他に、脳の視床下部では免疫系のコントロールも担う。つまり、この3つは同じ場所で管理されており、お互いに影響し合っているという。「例えば、ストレスを感じると生理周期が乱れてしまう卵巣機能が不安定な人。そういう人は実際、何が不安定かというと、視床下部からの命令が不安定なんです。視床下部に“暑すぎる”という大きなストレスがかかれば、視床下部からの命令も不安定になりますし、同じ場所でコントロールされている自律神経にも影響が出ます。ですから、暑いというだけで生理周期が乱れる人、不調を感じる人がいるのは当然のこと。それだけ密接に、司令塔の視床下部と3つの機能は繋がり合っています」女性ホルモンだけでなく、副交感神経の働きの低下にも注目。それでは、自律神経と女性ホルモンの関係性、2つの働きが体と心に与える影響はどうだろう?「視床下部、および女性ホルモンの調整が上手くいかず、自律神経に悪影響を及ぼす代表例が更年期障害ですが、若い世代では、気温などの外的な要因の方が生理周期や自律神経を乱す影響として大きい、というのが大前提。その上で一ついえるのは、排卵後のタイミングで、副交感神経活動が落ちる、ということ。つまり、排卵から次の生理が始まるまでは、リラックスしにくい状態になるといえます」28日周期の場合、排卵は生理開始から約14日後に起こるもの。それを境に卵巣はプロゲステロンを多く分泌し、頭痛やPMSなど、不調を感じやすい時期に入っていく。つまりは、ただでさえ体の不調を感じやすい時期に、副交感神経活動が落ちる影響が重なって、心身ともにハードモードに…!?「だからこそ、まずは生理周期を把握すること。そして、一日の使い方を自分寄りにシフトしたり、副交感神経を優位にするような過ごし方をしたりと、心地よく過ごせる工夫ができるといいですね」【排卵後~生理前】体がむくみ、イライラする…。心身ともに不調を感じやすい。排卵が起きると、プロゲステロンがより分泌され、妊娠を維持しやすい体が準備されていく。同時に水分を溜め込む作用のあるプロゲステロンの影響で、むくみや便秘、頭痛が起こりやすく、なかにはPMSとして不調を感じる人も。さらに、副交感神経活動が低下することで、リラックスしにくい、寝つきが悪いなど、不安定な状態に陥りやすくなる。【生理中】ホルモン分泌量が低下。貧血や腹痛を経験する時期。不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、子宮が収縮を繰り返すことで、子宮内膜が血液と共に体外へ排出される。この生理中、貧血や生理痛、めまい、頭痛などの症状が出ることも。また、胃や腸の筋肉が収縮しやすいため、吐き気や下痢といった不調が現れる場合もある。体が冷えやすく、疲れやすい状態になるため、無理せず休むのがベストな時期。【生理後~排卵】エストロゲンリッチな時期。体も心の調子もグッと上向きに。生理が終わると、卵巣はエストロゲンをより分泌するように。むくみが取れ、体が軽く感じられるようになる。他にも、肌や髪に潤いを感じたり、むくみにくいため体のラインがきれいに出たりといいことずくめ。副交感神経活動も活発になり、リラックスしやすく、質の良い睡眠も取りやすい。集中力が高まり仕事もバリバリこなせる、まさに体も心もゴールデンタイム。高尾美穂さん女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター。ヨガドクターとしても活躍し、診療のかたわら、講演活動も行う。※『anan』2022年8月31日号より。イラスト・icocrafts/イコ取材、文・間野加菜代(by anan編集部)
2022年08月30日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!PMSを改善するために始めた漢方薬ライフ、順調だと思っていたのですが……!? 大切なことに気づいた 漢方の服用を始めて2カ月が経ったころ、さきさんを襲ったのは下痢や腹痛などの症状。それが副作用なのか、それともただの風邪なのか……医師に相談後、一時的に漢方薬を止めてみることに。 すると、漢方薬の服用を中止したある月、低気圧とPMSの症状でさきさんはぐったり。しかし、さきさんの心はなんだか軽くて……。それは、「困ったときに頼れる人や場所がある」からだったのです! つらい症状を1人で抱え込まず、身近な人や婦人科の力を借りること。そして自分の体を知り、自分に合った対処法を知ることが、PMSと「向き合っていく」ことの第一歩だったのですね。このマンガで「こんな選択肢もあるんだ」と、PMSに悩む人の気持ちをすこしでも軽くすることができていたらうれしいです。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月27日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!PMSと付き合っていくため、医師に処方された漢方薬の服用を始めたさきさん。すると、さきさんの体にある変化が現れて……!? 漢方薬の効果が… さきさんは黄体期になると、自分の意思では抑えきれないほどのイライラ症状に襲われることに悩んでいました。 苦手な漢方薬を欠かさず飲み続けること28日間。この日も、いつものように子どもと遊んでいたさきさんは「トロン」としたあの感覚にぎくり! 生理が始まり、今回の黄体期も心がザワザワしてイライラするものの……。なんと、いつものようにイライラが暴走することなく、自分でコントロールすることができたのです! 悩んで悩んで苦しかったイライラがすこしラクになってよかったですね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月25日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!PMSの薬として、ピルか漢方薬を提案されたさきさん。迷った挙句、選んだのは漢方薬! 婦人科で漢方薬を処方してもらい、実際に服用してみると……。 かなりキツイ… 婦人科で漢方薬を試したいと医師に話すと、まずは28日間服用して様子見することに。さっそく処方された漢方薬を服用すると——。 「くっさァ……!!」「あかん、吐きそう」と、漢方薬独特のニオイに絶句! それも、漢方薬はさきさんが苦手な「粉薬」だったようで、試行錯誤の末ようやく飲み込むことができました。この先もこんな思いをして漢方薬を飲むのか……と、さきさんは不安に。粉薬は薬の苦さをモロに感じてしまいますよね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月24日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!PMSへの対処法として、医師にピルか漢方薬の服用をすすめられたさきさん。しかし、ピルの説明書の内容に驚愕……!? そこに書いてあったのは ピルの説明書を読み、ひとまずメリットに感動したさきさんでしたが、リスクもあるようで……。説明書の内容を見て、率直に不安な気持ちになってしまいました。自分の気持ちを整理した結果、ピルは最終手段として保留にし、まずは漢方薬を試してみることに! なにを優先したいか、整理して考えてみることも大切ですね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月23日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!さきさんは、PMSとうまく付き合っていくために、PMSが起こるサイクルを記録したりネットで予防法を調べたりと、自分でできることから挑戦していました。それでもPMSの悩みを完全に解消することができず、病院受診を決意! 婦人科の問診で、医師に告げられたこととは……!? 医師に告げられたのは 受診したのは、妊婦健診でお世話になった婦人科。「イライラの症状がつらい」と説明すると、医師から「PMDD(月経前不快気分障害)もありそう」と告げられて……。しかし、ひとまずPMSの治療から始めることにしたさきさん。ピルか漢方薬の服用がおすすめだと医師に言われ、次の受診日までにどちらで治療をするか決めることに。受診したことで、自分ひとりでは気づくことのできなかった疾患の可能性を知ることができ、一歩前進ですね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月20日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!PMSの悩みを解消するために、まずPMSが起こるサイクルを把握したさきさん。次のステップに進もうと、「PMSそのものについて知ろう」とネットで調べてみることに。すると、その検索結果にさきさんは絶句——!? 次のステップへ 「PMSに振り回されたくない。どうすれば症状が軽くなるのだろう」と思ったさきさんは、インターネットでPMSについて調べてみると……。 「PMSが悪化しやすい人」として載っていた条件に当てはまりすぎていて、さきさんは思わず絶句……。PMSの予防法と改善法を見て、自分に置き換えて何ができるかを考えてみました。しかし、現実は家事や育児でバタバタと忙しく、自分の時間に没頭して夜ふかししてしまうこともあって……。理想とする生活と現実の差に、さきさんはネガティブな気持ちに。忙しい日常の中で、睡眠時間や食事内容など、細かな部分にも気をつけて生活するのは少し大変ですね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月16日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!重いPMSの症状の解決策を見つけようと、さきさんは自分の体調の記録をカレンダーにつけることに。すると黄体期が特につらいことがわかって……。その期間は、PMSによるイライラの症状で周囲にきつく当たってしまうこともあったそう。そのとき、さきさんの家族の反応は——!? 自分が情けなくて さきさんにPMSの症状が出ているときでも、2歳の息子・ほしくんは普段と変わらず甘えん坊。そんなほしくんに対して、いつもなら笑顔で対応できるのに、触られることすらおっくうに感じてしまうときも……。4歳の娘・つきちゃんは、さきさんには「イライラしてしまう日がある」ということをわかってくれています。そんな子どもたちに対して「もっとやさしくしたいし大好きなのに」と、きつく当たってしまう自分をさきさんは反省……。そして、夫・ととさんは、さきさんがつらい日には、自分の仕事を調節してくれたり家事をしてくれたり……と、さきさんにとって一番の理解者なんだそう。自分では抑えきれないイライラでも、周囲の人が理解を示してくれるだけで気持ちがラクになりますね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月12日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意!2人目の子どもを出産後、生理前の症状がひどくなったというさきさん。自分でも驚くほどのイライラに「このままではいけない」と思い、さきさんは「あること」を実践してみることに——!? しんどすぎる症状で 2人目の子どもを出産後、生理前の症状が悪化したというさきさん。はじめは「産後の不調」はこんなものなのかなと思っていたのですが、あまりにひどいイライラ症状に次第に不安を感じるように。「このままではいけない」と思ったさきさんは、毎日の調子をカレンダーに記録してみることにしました。すると、黄体期が地獄のようにつらいことがわかって……。この時期に、家族への当たりが強くなってしまったり、周囲の環境に対してもイライラが募ったりしていたのです。自分の気持ちだけではどうにもできないレベルのイライラ、とてもつらいですよね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月08日2児の母である、さきさんは2人目の子どもを出産後、PMS(月経前症候群)に悩まされていました。その症状は、日常生活に支障が出るほどで……。しかし、さきさんはこのPMSを「やっつける」のではなく「向き合っていく」ことを決意! 産後、体に変化が!? 産後さらに生理前の症状がひどくなったさきさん。日常生活が困難になることもあるほどのPMSの症状に悩まされ、その中でもコントロールできない怒りが特につらかったそう。その症状は、排卵期に訪れて生理が始まると落ち着くため、1カ月のうち半分は不調で……。しかし、さきさんは、このPMSをただ「やっつける」のではなくじょうずに向き合い、付き合っていくことを決意したのです。つらい症状でも「向き合おう」という気持ちを持つこと、とても素敵ですね。監修/助産師REIKO さきさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター さき2歳差姉弟の母。育児漫画や、自身の体験談をInstagramで更新中。
2022年08月07日厳しい暑さが続いています。睡眠はしっかり取れていますか?PMSは酷くなっていませんか?中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、睡眠不足や月経前は、食欲の増す人が多いそう。そこで愛先生が、「快眠」と「食欲コントロール」をテーマに解決策を教えてくれます!猛暑の夏、月経前に食べ過ぎていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 172蒸し暑いから、ついでに食欲が落ちれば痩せるのに…でも、そんな気配はなく、むしろ食べ過ぎてしまって困っている…と感じている人はいないでしょうか。夏バテで食べられなくなり痩せてしまう人の方がレアなのかもしれませんね。睡眠と食欲は密接に関係しているのですが、ムシムシして寝苦しい日が続き、寝つきが悪くなったり、エアコンが効きすぎて早朝に起きてしまったりと睡眠時間が減少してはいないでしょうか。睡眠が十分にとれていない人は、食欲を抑えにくくなってしまう傾向があるのです。さらに、PMSの影響で月経前に食欲を抑えられなくなることが多い人は、この時期いつもよりも過食に走ってしまうかもしれません。そこで、今週は月経前の過食対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前の過食対策となる食薬習慣夏になって、太り始めてしまったということはないでしょうか。腕や足など露出が増えたり、腰回りがタイトな服が増える夏に太り始めることは避けたいことですが、暑くて運動もしたくないし、食べることを控えることも難しく感じてしまうこともあると思います。とくに、蒸し暑いと寝つきが悪く睡眠不足になってしまうこともあると思いますが、睡眠不足は食欲を増進させてしまいます。睡眠時間が短いと、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減り、食欲を増進するグレリンというホルモンが増えてしまうからです。さらに月経前にはプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えますが、これにより体に栄養を蓄えようとするように働くため食欲が増していきます。漢方では、貧血傾向、栄養状態が悪いなど『肝血』が不足した状態であったり、神経過敏でイライラが爆発しやすい『肝火上炎』の状態であるときに、睡眠の質が低下しやすく、PMSの症状を感じやすくなると考えます。そこで、今週は『血』を補い『肝火』を抑える食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【イカとトマトのバジルソテー】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:イカとトマトのバジルソテー】作り方は、輪切りにしたイカとカットしたトマトをニンニクとオリーブオイルで炒めて、火が通ったら塩やブラックペッパーで味を整え、バジルをあえたら完成です。【イカ】睡眠の質を高める『グリシン』という成分が多く含まれています。また、高タンパク、低脂質、ビタミンB群、タウリン、ビタミンE、DHA、EPAなどが豊富なため、心を安定させる『血』やエネルギーを作り出すミトコンドリアを活性化させる『気』などを補う働きがあります。さらに、アスパラギン酸や、ベタインなどの旨味成分も豊富なため、塩や醤油などシンプルな味付けでOKな食材です。【トマト】夏野菜の代表的な存在トマトは、体にこもった熱や炎症を抑える『肝火』を抑える働きを持つクエン酸やリンゴ酸を含んでいます。さらに、抗酸化作用の高い、ビタミンACEとリコピンも多いため夏の紫外線疲労や日焼けによるダメージケアにも役立ちます。イカとトマトに、香り高く『気』の巡りを改善するバジルを合わせることで、より感情のムラを和らげるために役立ちます。自分でコントロールしづらい心と体の不調が起きたときには、まずは食事・睡眠・運動量などの基本的なことの見直しをすることが改善の近道だったりします。食欲が止まらないときは、意外と栄養不足により起こっていることも多いです。偏食になっていないか振り返ってみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©sashimi/Gettyimages©Laura Olivas/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年08月03日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「フェムケアとアロマの関係」。女性の不調に効果的といわれるアロマセラピー。その理由や取り入れ方、PMSのつらい症状を和らげる香りについて教えてもらいました。植物の薬効成分が脳に働きかけ、心身のバランスを整える手助けに。アロマセラピーが女性特有の不調に効果的と聞いたことはあっても、なぜ効果的なのかを知っている人は多くないかもしれない。精油療法士の加藤広美さんに、その仕組みを伺った。「エッセンシャルオイルは、植物が持つ天然の薬効成分を主に蒸留によって濃縮した液体です。これを人間の健康に役立てるのがアロマセラピー。香りをかぐと鼻の粘膜を通じて、感情や食欲などの本能を司る大脳辺縁系や自律神経を司る視床下部などに情報が伝わる。それにより、心身のバランスを調整します」香りによって効能は様々。心身の状態で使い分けることで、より効果が期待できるという。「ホルモンバランスを調整し、PMSなどの症状を緩和するには、クラリセージ、サイプレス、フェンネルなどが役立ちます。生理痛には、痛みを和らげる作用があるカモミールやネロリが。むくみが気になる時は、グレープフルーツやジュニパーベリーなどがリンパを刺激し、水分の排出を助けてくれます」生理前のイライラにはリラックス効果のあるゼラニウムやラベンダー、イランイラン、サンダルウッドを。同じく心を落ち着かせる作用を持つオレンジスイートは初心者にも使いやすいという。実践方法は簡単で、ティッシュやアロマストーンに1~2滴垂らして芳香浴を。ボトルから直接香りをかぐだけでも一瞬でリフレッシュ可能。最初は複数の香りを組み合わせたブレンドオイルを購入するのがおすすめ。自分に合う香りがわかったら、より好みを追求し、シングルオイルに挑戦してみよう。「使用にあたり注意が必要なものもあります。たとえばクラリセージ、サイプレス、フェンネルは子宮筋腫や乳腺炎などがある人には禁忌です。購入前にラベルをよく読み、不明点はお店の人にきちんと相談しましょう。アロマは薬ではないので、痛み止めのように即効性を期待して使うものではなく、心身のバランスを本来あるべき状態に戻すのを助けるもの。日常の一部として取り入れることで、自分の心身を見つめ、生活リズムを整える契機にしてみてください」アロマをより効果的に取り入れる3つのポイント1、PMS期の約1週間前からアロマオイルを取り入れる。PMSがつらい人は、症状が出る時期の1週間前からアロマを取り入れると効果的。PMSや生理に対する憂鬱感を和らげるのにも役立つ。2、アロマディフューザーは時間を決めて使用する。香りをかぎ続けると脳が疲れるため、ディフューザーのつけっぱなしはNG。1日3~4回、長くても各30分程度を目安に、就寝時は1時間前から香らせておき、寝る時はオフに。3、香りの感想や体調の良し悪しを手帳やスマホに記録しておく。体調や気分によって心地よく感じる香りは変わる。どのような体調の時に、どのアロマを使い、どう感じたのかをメモしておこう。My Femcare:中元日芽香さんはどうしてる?生理前はお気に入りのオイルでお腹まわりをやさしくマッサージ。私は生理前の倦怠感がある時、SHIGETAの「イノセントピュリティー」というブレンドオイルを無香料のボディオイルに混ぜて、お風呂上がりにお腹まわりをやさしくマッサージしています。アロマを選ぶ時は「自分が心地よい香りかどうか」の直感を何より大切に。効能ばかりを気にせず、可能な限りお店で実際に香りを試してから購入しています。なかもと・ひめか1996年4月13日生まれ、広島県出身。乃木坂46メンバーとしてデビュー。グループ卒業後の現在は、心理カウンセラーとして活動している。ニット¥19,800(ガールズソサエティ)Tシャツ¥2,990パンツ¥6,990(共にギャップ新宿フラッグス店 TEL:03・5360・7800)ピアス¥28,600(パージュエリー/ジェムプロジェクター TEL:03・6418・7910)おすすめの解決アイテムはコレ!Step1:まずは香りを組み合わせたブレンドオイルから取り入れて。初心者が取り入れやすいブレンドオイル。その中でも、PMSなど女性特有の症状への効果が期待できるものをピックアップ。A、ローズ、ゼラニウム、サンダルウッド、フランキンセンスなどが入ったスキンケアブレンドオイル。ゴールデンドロップス 15ml¥7,700(シゲタ)B、ローズ、ゼラニウム、パチュリーなどをブレンドしたロールオンフレグランス。アロマパルスウーマンズバランス 9ml¥2,090(ニールズヤード レメディーズお客様窓口 TEL:0120・316・999)C、5種類の精油をブレンドしたオーガニックミストスプレー。THE AROMATHERAPY COMPANY コンフォートバランス B.E.S.T スプレー 35ml¥2,200(コスメキッチン TEL:03・5774・5565)Step2:自分に合う香りがわかったらシングルオイルにステップアップ。ブレンドオイルで自分に合う香りを見つけたら、そこに含まれる成分を参考にシングルオイルをチョイス。より深く心身に向き合おう。D、緊張や不安を抱えた気分を楽にし、前向きで自信のある状態に導く。甘い香りで誰にでも好まれやすいので、プレゼントにも。オレンジ・オーガニック 10ml¥2,420(ニールズヤード レメディーズお客様窓口)E、ハーブ系のさわやかな香りにやや甘いナッツのような香りが漂う100%天然のシングルオイル。クラリセージ精油 10ml¥3,300(生活の木 TEL:0120・175082)F、体内の余分な水分を排出する利尿作用に優れているため、生理期間中にとくにむくみが気になるという人におすすめ。PRIMAVERA グレープフルーツbio 5ml¥2,310(コスメキッチン)加藤広美さん「THENN AROMATHERAPY」主宰。英国IFA(国際アロマセラピスト連盟)に所属し、PEOTセラピスト/精油療法士として個別のカウンセリングやワークショップなどを開催(@___thenn)。※『anan』2022年8月3日号より。写真・北尾 渉スタイリスト・石川美久ヘア&メイク・遊佐こころ(PEACE MONKEY)イラスト・REDFISH取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2022年07月31日月経前の不調のひとつ、ほてりやのぼせ。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によれば、冷房の効いた室内と高温多湿の屋外との行き来で自律神経が乱れやすいこの時期は、それらが強く出やすいそう。そこで愛先生が、自律神経を整え、かつほてり対策となる簡単な方法を教えてくれます!月経前のほてり、気になりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 170蒸し暑いと体に熱がこもって、ほてりを強く感じることはないでしょうか。冷房で足元が冷えたり、お腹を触ると冷たかったり、肌の表面は冷えているのに体感として熱がこもっている感じがすることってあります。冷やしたらいいのか温めたらいいのかわからなくなりますよね。特に女性の場合には、月経前にほてりやのぼせを強く感じてしまう人も多いと思います。月経前症候群(PMS)の一種でもありますが、不快な症状ですよね。そこで今週は、まだまだ蒸し暑く自律神経を乱し、それにともないホルモンバランスまでも乱れを生じさせてしまいやすいので、ほてり対策の食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前のほてり対策としての食薬習慣私たちは、夏の暑さを感じると汗をかき、汗を蒸発させることで熱を冷まし体温調整を行っています。ですが、高温多湿の環境では、なかなか汗は蒸発できません。さらに、冷房の環境にいて暑い外にたまに出ることを繰り返していても体がその寒暖差に適応できずに、体温調節がうまくできません。これらによって自律神経を乱してしまうことがあります。こうして、ほてり、だるさ、不眠、めまい、むくみなどさまざまな不調を感じさせてしまいます。さらに女性の場合には、女性ホルモンが1か月の中で大きく変化していますが、このホルモンの調節を行っている部分が自律神経も調整している脳の視床下部です。そのため、自律神経が乱れているときには、ホルモンバランスにも影響して、月経前の異常も感じやすくさせてしまいます。もともとPMSを感じやすい人は強くほてりを感じてしまうことがあります。漢方では、このときに体を潤し熱を冷ます『清熱滋陰』をするとよいと考えます。さらに、同時に血流を促す『活血』を行うことも効果的です。そこで今週食べるとよい食材・メニューは、【モロヘイヤと豚の生姜炒め】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:モロヘイヤと豚の生姜炒め】作り方は、ニンニクと豚肉を炒めて、モロヘイヤを加え、醤油、みりんで味を整え、すりごまとおろし生姜をたっぷりあえたら完成です。【モロヘイヤ】夏野菜の王様と言われるモロヘイヤ。ネバネバ成分のマンナンなどが、胃腸の粘膜を強化し、消化を助けます。栄養素としては、抗酸化ビタミンACE、カルシウム、鉄などのミネラル、ビタミンB群なども豊富で、夏のバテた体にぴったりです。漢方では、『清熱滋陰』作用があるとされています。ビタミンAやビタミンEは脂溶性なので、炒めて油と一緒に食べると吸収が高まり効果的です。【生姜】生姜は、生で食べるか加熱して食べるかで効能が変わります。生で食べると強い抗菌作用があり、体温調節がうまくいかず体にこもってしまった熱を発散したり、血流を促すために役立ちます。逆に加熱して食べると有効成分に変化が起こり、体を深部から温める働きが期待できるので、冷房で冷えている人は加熱がおすすめです。暑いから単純に冷たいものを食べて体を冷ますというのは、熱中症のときなどには適していますが、自律神経の乱れによるほてりには、食事による栄養成分によって問題を解決していくことが好ましいです。ほてりで悩む方は、ぜひお試しください。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©SIphotography/Gettyimages©kali9/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月22日程度の差はあれど、月経前に不調を感じるという女性はほとんどと言ってもいいかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、月経前の気分の落ち込みを改善する簡単な方法を教えてくれます!月経前は気分の落ち込みが酷くなる?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 169女性にはどうしても気分が落ち込んでしまう瞬間があります。特に、月経前。理由もなく涙がでたり、悲しくてどうしようもなくなったり、どんな出来事も悪い面しか見えなくなったり、みんなが笑っていても笑えないときがあったり、必要以上に反省してしまうことが多かったり…。また、ネガティブな考えは、迷宮入りするパターンが多く、悪い思考や過去の記憶を連鎖的に結び付け、嫌な気分が長期化したり、寝る時間を削ってまでくよくよと嫌な思考が頭の中を巡ってしまいます。たまにであれば、そんな自分の一面もあるんだなと客観視して吹き飛ばしてしまえばよいですが、頻繁に起きてしまうのであれば、自分の人生において深刻な問題になってしまうと思います。女性の場合には、高温期である月経前のタイミングに深刻な気分の落ち込みを数日間感じてしまう人が多いです。そこで、今週はただでさえ、暑さにやられ心がバテてしまいそうな人が増えてきていると思うので、月経前の気分の落ち込みを軽減する食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前の気分の落ち込みを軽減する食薬習慣月経前、月経中、排卵時など全く何の不調も起こらないという人は、非常にレアだと思います。みなさんはいかがでしょうか。何も起こらないことが理想ですが、さまざまな複合的な要因で、気分の落ち込み、不安感、イライラ、過食、膨満感、出血、腹痛、下痢、便秘、胃痛などさまざまな症状に悩まされるものです。このなかでも、気分の落ち込みについては、漢方では胃腸が弱く疲れやすい『脾気虚』や『血虚』のタイプの人に起こりやすいと考えられています。気分の落ち込みは、脳の神経伝達物質に関係する必要な栄養の吸収がしっかりできることや、腸内環境と関係するセロトニンという物質の量も関係してきます。さらに、今のような湿度が高い時期には『脾』がダメージを受けやすいと考えられています。そこで、今週は『脾』の働きをサポートし『気血』を補う食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【オクラ納豆】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:オクラ納豆】オクラは生でも食べることができるので、抵抗がない人は生で食べると便利。キッチンバサミでそのままオクラをカットしながら納豆に混ぜて、醤油を加えたり、お酢やカイワレ、ブロッコリースプラウトなどを混ぜて食べても良いと思います。気になる人は、オクラをレンジでチンしてから加えてみてくださいね。【オクラ】オクラは夏野菜なので、体にこもる熱を冷ましてくれたり、ネバネバ成分が胃腸の粘膜を強化したり、腸内環境を整えるために役立ちます。『脾気』を補い、『胃熱』を抑える野菜です。他にも、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、鉄、カルシウムなども含まれています。足がはやく余りやすい野菜の一つでもあると思うので、納豆や味噌汁にポトポト落として新鮮なうちに食べ切りましょう。ちなみに冷凍保存も可能です。【納豆】納豆は、タンパク質が豊富で、腸内環境にプラスに働く優秀な食材です。また、オクラに含まれるネバネバ成分はタンパク質の吸収を促すため、納豆との食べ合わせは最高です。『気血』を補うことのできる食材です。気力も体力もないときには、お菓子やお総菜などではなく納豆を食べるようにしてみましょう。便秘解消、ダイエットにもなりますよ。気分が落ち込んだときには、自分の目の前の世界が暗くなりますよね。たまにはそんな日もあっていいと思いますが、毎月訪れたり、長期的に続くようでは生活に支障がでます。まずは何からはじめたらよいかわからないときは、食事の内容の見直しをしてみましょう。もし、それも面倒なときには、とりあえずオクラ納豆を食べてみて一休みしてみてくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Valeriy_G/Gettyimages©Igor Ustynskyy/Gettyimages©Inside Creative House/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月15日異常な暑さがひと段落したとはいえ、蒸し暑い日は続いています。そこに月経が重なれば、カラダのだるさをより感じる人は多いでしょう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自律神経を整え、だるさや疲労感など月経時の不調を防ぐ簡単な方法を教えてくれます。最近、月経時のだるさが酷くありませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 168最近、グッスリ眠れていますか?朝スッキリしていますか?日中元気に活動できていますか?もし、毎日疲れが上乗せされ続けている気がするという場合には、寝室の湿度を気にしてみてください。日本の夏は、どうしても湿度が高くなりがちです。気温がそれほど高くなくとも、湿度が高ければ体感温度が上がってしまいます。いくら部屋の温度を調整しても嫌な感じがする人は、湿度が高いかもしれません。夏は、睡眠時に室温が26度前後、湿度が60%前後に保たれていることが理想です。もし、7月に入りダラダラ過ごす時間が増え、ダメ人間のようになっている人がいたら、湿度や温度を測定して管理してみましょうね。そして、基本的に女性が1か月のうちにだるくなりやすいのは、「血」が不足しやすい月経中です。そのため、今月は月経時にだるさをいつも以上に感じてしまっている人も多いのではないでしょうか。自然界、女性ホルモンの2つの影響により、体調は悪化傾向です。そこで、今週は月経中のだるさを軽減する食薬習慣を紹介します。今週は、月経中のだるさを軽減する食薬習慣暑かったり、雨が降ったり、少し気温が落ち着いたり、最近の天気は私たちの気分と同じようにコロコロ変わりますね。気候の変化は自律神経に影響するので、気分が気候に合わせてコロコロ変わるのは仕方ないことではあります。ですが、だるい、眠い、やる気がでない、集中力がでない、動きがスローになるなどの状況は、生活に支障を少しずつきたしていきますよね。疲労感と同時に、効率が悪い行動が続くとやるべきことも積み重なっていき、気分は滅入ってしまいますね。これを漢方では、エネルギー不足の「気虚」自律神経が乱れる「気滞」だるさを感じる「痰湿」などと表現します。さらに、女性の場合には月経が重なると、心と体の安定に働く「血」が不足してしまい、状況はどんどんと悪化していく一方。そうならないためにも、「気血」を補い、巡りの改善をしてだるさから解放されましょう。今週食べるよい食材・メニューは、【ココナッツオイルチョコレート】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ココナッツオイルチョコレート】作り方を紹介します。まずココナッツオイルを常温に置いておきます。今の季節だとココナッツオイルは常温で液化します。そこに、ピュアココアとオリゴ糖や蜂蜜をお好みで加え、よく混ぜ保存容器や製氷機に入れ、冷蔵庫で冷やします。1時間くらいすると固まってチョコレートのようになっています。【ココナッツオイル】ココナッツオイルには、中鎖脂肪酸が多く含まれています。中鎖脂肪酸はエネルギー効率がよく、だるい、疲れなどの「気」が不足しているときの即戦力になってくれます。さらに、抗菌作用が高く、腸内環境を整えるためにも役立ち「痰湿」を取り除くためにも役立ちます。【ココア】強い抗酸化作用、血行促進作用、抗菌作用、血糖値の上昇を抑える作用、リラックス作用などがあり、巡りの改善にも役立ちます。さらに、マグネシウムや鉄、亜鉛などミネラルも豊富で「血」を補う働きも。疲れた時に、チョコレートを食べたら元気になるというのは、とっても嬉しいことです。しかも、面倒な手作りチョコレートが、ココナッツオイルを使うと非常に簡単に作れてしまいます。最近、本調子じゃないなと感じている人は、ぜひお試しくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©bymuratdeniz/Gettyimages©bymuratdeniz/Gettyimages©Eugenio Marongiu/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月08日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「女性ホルモンとPMS」。生理前に起きるイライラや倦怠感の原因について、産婦人科医の宋美玄さんとフェムケア委員会の中元日芽香さんと考えます。女性ホルモンとPMS女性ホルモン分泌の変動の波が、心身の様々な不調の原因になります。体内で分泌される女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンの2つ。その働きについて産婦人科医の宋美玄さんが解説する。「エストロゲンは体を守り、女性らしさをつくるホルモン。コラーゲンを生成して肌のハリを保ち、髪をツヤツヤにするなどの美容面だけでなく、情緒を安定させ、骨や血管を守ったり、生殖器官を育て、女性らしい丸みのある体型をつくる働きも担っています。一方、プロゲステロンは妊娠の準備や維持をするためのホルモンで、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くしたり、基礎体温を上げます。また、栄養や水分を体に蓄えようとするため、食欲が増したり、むくみやすくなることも」このように聞くと、エストロゲンは良いホルモンで、プロゲステロンは悪いホルモンのように思ってしまいがちなのだが…。「どちらが良い悪いといった単純なものでもないんですよ。エストロゲンは血栓やがんの原因になることもあるので、たくさん分泌されれば良いというわけでもなく、あくまでも両方が過不足なく分泌されることが大切なんです」この2つのホルモンの分泌量は、一度の生理周期の間に常に変動しているという。「生理期間が終わると、エストロゲンの分泌量が急激に増えます。生理が終わってから排卵までの1週間は一番むくみが少なく体調が良い、いわば“キラキラ期”。一方で、排卵が終わると、今度はプロゲステロンの分泌量が急激に増えます。はっきりとわかっていない部分も多いのですが、このようなホルモンの急激な変動によって、様々な症状が現れると考えられているんです」それが、生理前に精神的、身体的な不快症状が起きる「PMS(月経前症候群)」。イライラや気分の落ち込み、倦怠感、肌荒れ、下腹部の痛み、頭痛など症状は人によって異なり、仕事を休まざるを得ないなど日常生活に支障をきたす場合もあると宋さんは言う。「PMSの中でも、特に気分の落ち込みや不安などの精神的な症状が強いものをPMDD(月経前不快気分障害)と呼びます。ただ、PMDDの場合は、月経前だけでなく、常にメンタルの不調があり、生理前にそれが悪化するというケースが多い。その場合、ホルモン面のアプローチだけでなく、精神科や心療内科に相談しましょう」【エストロゲン】肌にハリが出て、髪もツヤツヤに自律神経や脳の働きを良くしてくれる内臓脂肪がつきにくくなる【プロゲステロン】体に水分を溜め込み、むくみやすく食欲が旺盛になり、代謝が鈍感に基礎体温が上がるホルモンバランスは約1か月周期で変動。PMS症状の多くは、排卵後から現れる。腰痛や頭痛、胸の張りなど体の症状のほか、イライラや落ち込み、眠気が取れないなどの精神的症状を訴える人も。生理前の不調を当たり前と思わず向き合うことから。中元:私は、数年前、倦怠感や気分の落ち込みがあり、精神科に通院していた時期があるんですが、その原因がホルモンバランスの乱れなのか、自律神経の働きなのか、はっきりとはわからない部分がありました。ただ、生理前になると倦怠感が強くなり、食欲もすごく増えてしまって…。もしかしたらPMSだったのかもと、ふり返ってみると今は思います。宋:わかりにくいですよね。体は全部つながっているので、自律神経がきちんと働かないと、ホルモンの分泌も影響を受けることも。その頃は、生理不順などの悩みはあったんですか?中元:私は幸い、生理は毎月来ていたんですが、ダイエットによって止まってしまったといった話は、周囲の友達からもよく聞きました。宋:ダイエットで急激に体重が減ったり、強いストレス環境に置かれると、脳が「生命を維持しなければ」と考えて、ホルモンの分泌を抑えようとするんです。それで生理が止まったり、排卵が起きなくなったりする。だから痩せすぎはよくないんですよ。女性ホルモンのうち約6割は卵巣から分泌されるんですが、残り4割は体脂肪から分泌されます。“脂肪は敵”って思ってる人が多いんですが、脂肪は、ある意味“財産”だと考えてほしいですね。中元:知りませんでした。若い時に生理が止まったら、その後の妊娠に影響はあるんですか?宋:一時的に生理が止まったからといって、将来妊娠できなくなるわけではありません。生活の見直しや治療を受けることにより、その後妊娠できたという例もたくさんあります。でも卵巣機能を整えるという点でも、体重の大幅な増減は好ましくないんです。中元:女性ホルモンの分泌量は年齢によって変わるのでしょうか?宋:脳の指令によって卵巣から女性ホルモンが分泌されるようになるのは、思春期の頃から。分泌量は20代でピークに達し、50歳前後で閉経を迎えると卵巣から分泌されるホルモンが急激に減ります。中元:そうなると、心身にも様々な影響が出てきそうですね。宋:その通り!女性の体の組織は、ホルモン分泌の減少によって大きく変わります。だから年齢を重ねると、男性に比べて骨折や貧血などのリスクが高くなるんです。中元:将来のことも心配ではありますが、私と同世代の女性の生活にとってホルモン分泌の影響はとても大きいですよね。ひと月のうち、1週間は生理ですし、排卵後の2週間にPMSによる症状がある人は、快適に過ごせる期間が1週間前後ということになると改めて考えてみると…。宋:昔は初潮が来るのが遅く、若くして子供をたくさん産み、寿命が短くて閉経を迎える前に亡くなるケースも多かったので、人生で生理が50回程度だったといわれています。ところが今は、小学生で初潮が来る子も多く、さらに平均出産年齢が上がり、女性1人当たりの出生数も減っている。そのため、昔に比べて生理の回数が格段に多いんです。中元:そう考えると、生理にまつわる不調を見逃さず、向き合うことって大切ですね。でも、“どうせこんなものだから”とか“生理前だけだから”と思って、我慢している人も多いなと感じます。宋:そうなんですよ。でも、“つらい=当たり前”じゃない。適切なケアによって症状を緩和することはできます。anan総研150名にアンケート。Q. 生理前にホルモンバランスの乱れを感じたことがありますか?A. ある…82%Q. 具体的に、どんな対策をとっていますか?(複数回答)A. 休養…43%、市販の薬をのむ…36%、何もしない…29%、体を温める…25%、婦人科へ行く…14%生理前に不調を感じたことがあるという女性は8割以上も…。それにもかかわらず「婦人科へ行く」と答えた人はごくわずか。自己流の解決法で“過ぎるのを待つ”という人がほとんどでした。そん・みひょん(写真左)産婦人科医。丸の内の森レディースクリニック院長。『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』など著書多数。2児の母。なかもと・ひめか(写真右)1996年4月13日生まれ、広島県出身。乃木坂46メンバーとしてデビュー。グループ卒業後の現在は、心理カウンセラーとして活動している。ワンピース¥19,250(A VIEW FROM HERE/ローカルメゾン TEL:092・260・7277)イヤリング¥3,740(ミミサンジュウサン/サンポークリエイト TEL:082・248・6226)ブレスレット¥2,090(アネモネ/サンポークリエイト)※『anan』2022年7月6日号より。写真・水野昭子スタイリスト・岡安幸代(中元さん)ヘア&メイク・川嵜 瞳(中元さん)イラスト・REDFISH取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2022年07月05日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、月経前は皮脂分泌が増え、便秘がちになるため、フェイスラインのニキビなど肌荒れが起きやすいそう。さらに日本特有の高温多湿の気候、マスクによる蒸れ、暑さによる偏食からくる腸内環境の悪化などから、今の時期はさらに肌状態が悪化する人が多いとのこと。そこで、愛先生が月経前の肌トラブル予防策を教えてくれます!月経前の肌荒れ、気になりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 167猛暑の中、食欲が落ちてげっそりすると思いきや、むしろいつもより食べ過ぎてしまうことはないでしょうか。夏の暑さにバテているなら食欲が落ちて痩せたらいいのにと思ってしまいますが、現実には食欲は落ちずたくさん食べて、痩せずに重だるさだけを感じる人も多いようです。高温多湿の時期に食べすぎてしまうと腸に負担がかかり、出てくるのがフェイスラインやマスクの内側のニキビや赤みなど肌トラブルです。そして、紫外線が強い今の時期は、お肌と目に入る刺激が体中に活性酸素を過剰に発生させたり、マスクの中の肌を蒸れさせ、擦れて肌トラブルが加速していきます。さらに、女性の場合には月経前に皮脂の分泌が増えるため、この時期に肌トラブルを起こしてしまう人も続出するとだと思います。そこで今週は、月経前の肌トラブル予防のための食薬習慣を紹介します。今週は、月経前の肌トラブル予防のための食薬習慣長時間、外にいることに危機感を感じるほど暑い日が続きますね。みなさん、いかがおすごしでしょうか?外に一歩出ると早くも日陰や室内に入りたくなりますよね。汗をかき、マスクで蒸れ、紫外線の刺激を受け、エアコンで乾燥するお肌はこまめなお手入れをしなければ荒れてしまいそうです。さらに、夏バテをしつつも室内の冷えた空間で過ごす時間が多い私たちは、食欲を落としてしまうよりも、麺類やパン、すぐにつまめるお菓子やお総菜などちょっとジャンクな食べ物が欲しくなることもあると思います。さらに、仕事終わりや夕食時に冷たいハイボールやビール、アイスクリームなどを摂る習慣がついてしまった人もいるかもしれませんね。ということで、暑い夏には意外と偏ったものを食べ過ぎてしまうことがあるのですが、それによって腸内環境は当然悪化の一途をたどります。そして、腸の鏡とされるお肌の状態も悪化の一途をたどることでしょう。さらには、女性の場合月経前に皮脂分泌が増え、便秘がちになるため、フェイスラインのニキビなどに悩む人も増えることでしょう。これを漢方では、体の内側から炎症の原因になる『湿熱』がたまっている状態と考えます。そこで、体の外と内側から炎症を起こしてしまう今の時期、『湿熱』をとりのぞき肌トラブルを防ぐための食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【米なし手巻き寿司】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:米なし手巻き寿司】作り方は、海苔の上にレタスをのせ手巻きずしの要領で好きな具材をのせ、お醤油やドレッシングをつけて食べます。ピクルスを一緒に入れると酢飯のような味わいになりより手巻き寿司のようになります。暑い時期には、生野菜離れをしやすくなりますが、手でちぎって巻いてすぐ食べられる米なし手巻き寿司はすごく簡単で便利な一品です。サニーレタスレタスよりも色素が多いサニーレタスは、抗酸化作用のある物質を多く含みます。また、不溶性と水溶性の食物繊維の含有バランスが腸にとって理想的であるため、偏食で腸内環境が乱れている人にもってこいの食材。たっぷり食べると『湿熱』をとりのぞく働きが期待できます。また、カリウムも豊富なため、冷房でむくみが気になる人にもおすすめです。海苔サニーレタスと同様に食物繊維が豊富で『湿熱』を取り除くために役立ちます。さらに、マグネシウム、鉄、カリウムなどのミネラル、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンKなどの栄養もマルチに含んでいます。肌荒れに悩んだとき、月経前に過食気味になるとき、野菜不足に悩むときなど気軽にできる一品なので、ぜひお試しください。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Prostock-Studio/Gettyimages©Cavan Images/Gettyimages©Inti St Clair/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月01日