前回までのあらすじ急な転校が決まり、転校先の小学校を母娘で見学。対応してくれた校長先生に「子どものことを一番に考えてくれる先生だ」と安心感を抱き、納得して迎えた転校初日でしたが...まさかの事態が発覚。見学時に対応してくれた校長先生は、異動していたのでした。校長先生の考え方や、キーパーソンとなる先生の存在の有無で、学校の雰囲気が変わってしまうことを痛感することに...転校先で、いじめや冷やかしが始まって転校した学校のクラス担任は、若くて優しい女性の先生でした。娘は先生のことは好きでしたが、クラスの雰囲気は転校前に見学したときと違って落ちつきがありませんでした。当初は「転校先で新しい友達をつくる!」とはりきっていた娘でしたが、自分からは友達に話しかけることができず、休み時間はもっぱらお絵描きをしていました。しばらくすると娘はいじめや冷やかしの対象になりました。こっそり足を踏まれ続けたり、上靴袋を隠されたり、ばい菌扱いされたりしました。また「前の学校でいじめられて転校してきた」「男子の着替えをのぞいてたらしい」など根も葉もないうわさもたてられました。娘は言い返すことができないので、いじめはどんどんエスカレートしていきました。進級後も続くいじめに、先生は5年生になると、校長先生に続いて、転校前の見学時に対応してくれた副校長先生や特別支援学級の先生も別の学校に異動になりました。クラス担任も別の学校からきた先生に代わりました。新しい担任の先生はベテランの先生でした。先生は娘をいじめた生徒を指導しましたが、いじめはより巧妙で陰湿なものになっていきました。娘は物事を順序立てて説明することが苦手です。いじめの目撃者(証人)がいないと、相手に注意ができない状態が続きました。ある日、娘は担任の先生から「もうすぐ6年生なんだから、あなたもしっかりしなさい」と言われました。娘はそれ以後、先生に相談することができなくなりました。家で暴れ始める娘に、どうしたらいいのか分からず...学校ではいじめられ、家では忘れ物や宿題のことを親に指摘される日々が続き、娘は家で暴れるようになりました。目覚まし時計を投げて壊したり、大好きな本を破いたり、足の爪が割れるほど壁を蹴ったり。怒りの矛先が弟に向けられることもありました。娘がクールダウンするまで、私は「散歩」と称して1才の息子と家の外に避難していました。その様子を見ていた近所の人からは「思春期だものね」と言われました。私はその言葉に違和感を覚えましたが、どうしたら良いのか分かりませんでした。Upload By 荒木まち子娘自身も悩んでいたこの時期、娘自身も自分が家で暴れてしまうことをとても悩んでいて、いろいろなところに相談していました。Upload By 荒木まち子しかしながらどの相談先も娘の悩みを解消することはできませんでした。やっと見つけた相談先は...当時は放課後等デイサービスがなかったので、私は民間の支援機関を探しました。インターネットやクチコミを頼りにいろいろ探した末、私達は「プロの支援者」に出会うことができました。娘はその方から「自分は悪くない」ということを学びました。私は娘の障害への理解を深めることができました。また学校へのアプローチ方法も知ることができました。支援を受け始めてしばらくすると、ソーシャルスキルトレーニングを受けている部屋から、娘の笑い声が聞こえるようになりました。久しぶりに聞いた娘の笑いに、私は心から安堵したことを覚えています。『娘がいま生きているのはその支援者に出会えたから』といっても過言ではありません。娘自身も「先生は私を救ってくれた命の恩人」と公言しています。発達障害に由来する問題の相談は、発達障害に対する理解と知識、経験がある支援者でなければ解決には導けないと私は実感しました。次回は次回は“学校への働きかけ”と“情報共有”について書いていきます。発達ナビライターによる小学校生活での困りごとエピソードをあつめたまとめコラムはこちらです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月11日まずはお子さまの特性や、あったらいいなと思う配慮を整理するお子さまが小学校入学への準備といっても、いったい何から考えるのがいいのでしょうか。例えば、「動き回ってばかりで、まったくじっとできない」「トイレがまだ一人でできない」「全体に向けて言葉で出された指示の理解が難しい」など、お子さまが学校生活を安心して送れるか、気になるところを考えてみましょう。もしそれらの理由や対策に心当たりがあれば、合わせて整理してみてください。それによって「椅子にクッションがあればバランスがとれて長く座ることができる」「絵や図を使いながらなら指示を理解できる」など、できるようになる手がかりがあるかもしれません。とはいえ、うまくいく・いかないには様々な状況や事情があります。まずは「あのときだけはすんなりできていたなぁ…」など、ヒントを整理してみるのも一つかもしれません。就学相談の際に、それらの情報が役に立つことがあります。就学相談って?Upload By LITALICOライフ小学校には一般的なクラスである「通常学級」や、支援のある「特別支援学級」など、いくつかの就学先があります。どの就学先がお子さまにとってよりよい環境になりそうか、保護者・児童、教育委員会で話し合って決めるのが就学相談です。お子さまに障害があったり発達に気になるところがあったりするときに申し込むことができます。時期は地域によって異なりますが、入学する1年前の春から始まる地域も多くあります。また、基本的には就学時健康診断のように通知が来ないため、保護者から申し込む必要があります。もし就学相談を受けたいと思った場合は、通っている幼稚園・保育園から申し込むケースもあるので、まずは幼稚園・保育園に確認していただくか、あるいはお住まいの市区町村の教育委員会に連絡してみてください。就学相談では、発達検査や知能検査、お子さまの行動観察をすることもあります。普段の様子を質問されることもあるため、事前に整理しておくとスムーズです。どんな学級・学校がある?小学校の就学先には4つの選択肢があります。どの学級が合うのかは、人それぞれです。・通常学級…一般的な集団のクラスです。・通級指導教室…ふだんは通常学級にいながら、一部特別な指導が必要なときに、週数回程度、移動するクラスです。・特別支援学級…一人ひとりがニーズに合った教育を受けることを目的とした、最大8人の小さなクラスです。・特別支援学校…障害のあるお子さまが通い、自立を促すために必要な教育を受ける学校です。通級指導教室や特別支援学級は、学校によって設置されているところとそうではないところがあります。また、設置されている場合も支援や授業の内容は異なりますので、実際に確認・見学をすることが大切です。情報が少なかったり、判断が難しいこともあるかもしれません。LITALICOライフの無料勉強会では、それぞれの学級の特徴や、卒業後の進路の違い、就学相談のコツまでご紹介していますので、ぜひのぞいてみてください。生活習慣・こころの準備のためにできることは?お子さまにとっても保護者さまにとっても、小学校入学は大きな変化です。勉強や授業、登下校など、小学校入学で生まれる変化に事前に少しずつ慣れる機会があると、お子さまにも保護者さまにも心の準備の助けになります。起床時間・毎朝の行動を整えていく特性によっては、生活習慣を簡単には変えられないお子さまもいます。小学校入学前から、小学校に登校するのに合わせた起床時間に起きるようにして、朝ごはん、顔を洗う…などの行動を習慣にできるとスムーズです。通学路や学校の建物に慣れる慣れない道や建物が苦手な子どももいます。通学路を散歩コースにしたり、学校の近くを通りかかったときに「4月からはここに通うんだよ」と伝えることで、不安がやわらぐことがあります。翌日の持ち物の確認・準備をする習慣をつける寝る前に翌日のスケジュールや持ち物リストを確認しながら準備する習慣ができると、忘れ物がなくなったり、朝にパニックとなってしまうことがなくなりやすくなります。机に向かってじっとする機会を設ける小学生になると、授業で45分間座ることを求められます。絵を描いたり本を読むなど、お勉強でなくともかまいません。一日5分程度でも机に向かい、慣れていきましょう。いずれも少しずつ始めて、少しずつ慣れていくことが大切です。【東京、神奈川、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡、広島に特化した情報から全国版までお届け】就学相談のスケジュールや、就学先の選び方がわかるUpload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「幼児期からの就学準備」は、これから小学校入学について考え始める・準備を始めるご家庭に向けて、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてご紹介しています。また、東京、神奈川、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡、広島では地域に合わせた情報もお伝えしています。勉強会後、より詳しく相談したい方には無料の個別相談もありますので、ご活用ください。【小学校入学前の準備に向けて、こんな情報がわかります】・4つの就学先って、何がどう違うの?実際は?・就学先によって、中学や高校以降の進路に影響はあるの?・これからの進路をどう考えたらいい?・就学相談って、いつからどんな準備をすればいい?勉強会はオンライン開催で、チャットを使った質問にも、時間の許すかぎり講師がお答えしています。「○○と聞いたのですが本当?」など、気になることを投げかけてみてください。LITALICOライフは、誰もが「自分らしい人生」を歩んでいけるよう、さまざまな興味・課題に合わせた情報提供や個別相談を通じて、そのひとりに合わせたライフプランニング(人生設計)をサポートしています。無料勉強会では、就学準備、地域ごとの進路情報、通級、支援級、グレーゾーンの子、不登校の子、親なきあと、私立中学受験まで、幅広く家族のための情報提供をしています。
2021年02月10日本を読むことが苦手だった娘が、読書大好きに。広汎性発達障害の娘は、小学生になったばかりのころ、本を読むのがとても苦手でした。Upload By SAKURA音読の宿題には時間がかかり、最後までなかなか読めない状態でした。しかし、寝る前の読み聞かせを続けた結果、本を読むことが大好きになりました。本を読むことが楽しいと感じるようになった娘は、学校の図書室から本を頻繁に借りてくるようになり、1年生のときに、多読賞を取ることができました。小学4年生になった今では暇さえあれば本を読み、私たちも読まないような文字だらけの本も、ささっと読んでしまいます。Upload By SAKURA図書室に行くタイミングが合わない。娘にとって、大好きな本を借りられる図書室での時間は、癒しになっています。しかし、実は「図書室に通う」ということも、最初からスムーズだったわけではありませんでした。学校の図書館に行っていいのは、休み時間や放課後だけ。クラスのみんなは空き時間に、さっと行って、さっと戻ってくる・・・という借り方をしていました。しかし、いろいろな支度にみんなより時間がかかってしまう娘は、空き時間をみんなと同じ分だけ確保することができません。Upload By SAKURA前授業の片づけを終えて、「さあ、図書室へ行こう!」と思ったら、チャイムが鳴ってしまったり...Upload By SAKURA図書室に入った瞬間、同級生が出てきて、「もうチャイム鳴るから、戻った方がいいよ」と声をかけられたり...図書室に行く時間がせっかく確保できているときも、ボーっとして時間を過ごしてしまい、時間を無駄にしてしまったり...帰る前に唯一行けるチャンスの放課後も、ホームルームが長引いてしまうとスクールバスの発車時間が迫り、泣く泣く諦めないといけない...という状況もあったそうです。Upload By SAKURA帰宅した娘が凹んでいるときは、だいだい、図書室に行けなかったことが原因でした。担任の先生に、声かけをお願いしてみると・・・明日こそ...明日こそ...と思ってもなかなかタイミングが合わず、凹んでいく娘。私は、なんとか図書室に上手に行けるようにしてあげたいと思いました。Upload By SAKURAそこで私は担任の先生に事情を説明して、娘に図書室に行くタイミングを声かけしてもらえるように、お願いしてみることにしました。先生は快諾してくれ、図書室に行ける時間に娘がボーっとしているのを見かけたら、「今、図書室行けるよ」と声をかけてくれるようになりました。Upload By SAKURA先生が声かけしてくれるようになってから、娘は毎日図書室に行けるようになりました。そして、だんだんと自分で図書室に行けるタイミングがわかるようになり、先生からの「図書室行ってもいいよ」の声かけが、娘からの「図書室に行ってもいいですか?」という確認に変わっていきました。確認は、安心!娘が2年生に進級し、新しい担任の先生になってからも、娘の確認は続きました。Upload By SAKURA事情を知らない2年生の担任の先生に、私は、「娘にとっての確認は安心につながるので、聞かれたら『いいよ』と答えてやってください」とお願いしました。それから少しずつ娘の、確認回数は減って行き、3年生になるころには、完全に自分のタイミングを見つけられるようになりました。4年生になった今は、自分の判断で図書館へ行ったり、状況に応じて先生に確認したり、特別支援学級のご褒美タイムで「図書室に行きたい」と希望したりできるようになりました。Upload By SAKURA学校でのことは、フォローがしにくい。学校での図書館に行くタイミングは、さすがに家の中でフォローすることができません。その日によって状況も違うので、「〇時間目の後に行ったら?」といったアドバイスがしにくい...最初は、先生にも、手を煩わせてしまって、申し訳ないかなーと思っていましたが、ずっとそのままではありませんでした。声かけは、娘からの確認に変わり、今では自己判断ができるようになりました。最初は少し先生にお手伝いをしてもらい、一緒に成長の過程をつくってもらうのも大事なことだなと感じました。発達ナビライターによる小学校生活での困りごとエピソードをあつめたまとめコラムはこちらです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月10日「僕は何にもしてない」のに?Upload By 丸山さとこ予想外のところで何か困ったことが起きたりすると、「僕は何もしてないのに」「わざとじゃない」「そうしようと思ったわけじゃない」と言ってしまいがちなコウです。多かれ少なかれ誰もが心の中に抱える思いではあると思うのですが、コウの場合はそれを本気で信じていたり熱弁したりしてしまうので、周囲とトラブルを起こすことも多いようです。そんな彼に対して「何もしてないからですよ?」とツッコミが止まらない私は、一方で『コウにとってはそうなんだろうな…』と思う部分もあり、どうしたものかと長年頭を悩ませています。「何もしていない」ことに気づいてほしい親心例えば、「何にもしてないのに僕は嫌われてるんだ!皆、僕だけ手伝ってくれない!」と嘆いているときは、ひょっとしたら”僕だけが何も周りの手伝いをしていないから”そうなっているのかもしれません。Upload By 丸山さとこそういう可能性に気づけるようになればと思いますし、自分で気づくのが難しいのであれば、「何でだろう?僕何かしてないことあるのかな?」と周りに聞けるようになっていってくれたらいいなと思います。また、「〇〇だからお前はダメなんだ!」というダメ出しだけではなく、「〇〇が原因だと思う」「□□してみたら?」と話してくれる相手を見つけられるようになっていくといいな、と願っています。ですが、「この人のために指摘しよう」と誰かに思ってもらうためには”コウの素直さ”も必要なのだろうということを考えると、これは長い時間がかかりそうだな…と頭を抱えてしまいます。Upload By 丸山さとこ「僕悪くないもん!」と言っている人(思っている人)に教えてやろうという人は、よほど親切な人か”指摘せずにいられないほど、コウに対して困ったり怒ったりしている人”になってしまうわけです。「悪気があったわけじゃない」「わざとじゃない」が続けば、コウにとっても周りにとっても負担が大きい状態になるだろうことは目に見えています。そのことにできるだけ早くコウが気づけるようになるといいな…と思いながら、思わず胸にそっと手を当ててしまう私でした。Upload By 丸山さとこLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月09日インフルエンザで学校を休む1週間、先生からまさかの連絡が...Upload By かなしろにゃんこ。「ここではこの式を代用して~」と賢そうに友達に勉強を教える姿に少し憧れてしまうことは、誰でも一度はあるのでは?わが家の万年勉強できない男子リュウ太は、そんな賢い姿とは一生無縁の天然おバカちゃんですが、小学校5年生のときにインフルエンザになり一週間学校を休むことになったときに変化が!Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。一週間も休むので、担任の先生から課題が出されました。「直径や半径、円周率の勉強に入るところだったので、お母さんから円周率の説明をして学習させてください」と任務が与えられたのです!こりゃー頑張らないとー!と張り切る母ですが...人の話を聞くことが苦手で、話すリズムが自分のリズムと合わないとキレるリュウ太に、円周率なんて教えられるかな?途中で怒り出す気がしてならない...母は少し不安混じりだったのですが、インフルエンザの峠を越えて元気になってきた息子との学習をスタートさせたのでした。「では、円の長さを測る勉強をしまーす、円の中心から~」不安混じりで始めた学習...あれ?なんだか順調!?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDでいつもエネルギーいっぱいの子には、病み上がりの状態が勉強するのに丁度よかったのか⁉起き上がれる程度に元気だけれど動き回ることはまだできないリュウ太。落ち着いて話を聞いてもらうのに丁度いいテンション、よしよし。母はイケそうな手ごたえを感じていました。ちなみに、普段は絶えず思考も身体も何かしら忙しなく動いている族なので、少し長くなる説明をしようものなら「早く言って!早く終わらせて!その話まだ続くの?」と抵抗されてしまいます。事前に円の学習のおさらいをして理解してもらえるように、円の厚紙も用意して臨んだところ、意外に大人しくちゃんと勉強をしてくれて、円周率も覚えられました。ちゃんとやる様子が少し不気味で「アレ?まだ熱あるのかな?」って思ってしまいます(笑)次の日も次の日も、円周率についての勉強は続き、マスターしていったのでした。いつもは教えてもらう側のリュウ太、初めて人に教えてあげる喜びUpload By かなしろにゃんこ。晴れて完治して学校に行ったときにみんなよりも学習が進んでいたリュウ太は、「分からなーい」という女の子に教えてあげたと言います。そのことを本人は嬉しそうに「オレさー女子に教えてあげられた!すごくない!?」と自画自賛しました。これまで人から支援してもらうことばかりで、自分が誰かを助けたことがなかったからか?自分は勉強ができないと感じていたからか?とても嬉しそうでした。続けて家庭学習にチャレンジしたものの...Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。母も嬉しい!私は教えることに手ごたえを感じ、立方体の体積の学習にもチャレンジしたのですが...「体積なんかどうでもいいよー!なんで3回もかけなきゃいけねんだよ、だりー!わかんねーよ」と反発されて、私も「たかが3回かけるだけじゃないのよー」と言い返して炎上してダメでした(汗)3回はイヤなのかー???なんでだろう?全ては気分なのか…。やはり、一発毒を抜かれたようなインフルエンザの病み上がりのテンションでないと、スッと入っていかないようでした(笑)立方体の体積の公式を許してあげたのは(計算ルールに寛容になったのは)中学生だった気がします。遅っ!LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月08日人間関係でトラブルだらけだった私が、幸せな家庭生活を送れる?私は生まれ育った家庭では特性の理解をしてもらうことはできず、苦しい記憶ばかり残っています。学校生活でも友人関係はうまくいきませんでした。ですから、そんな私が結婚し、幸せな家庭生活を送れるようになるとは、想像もできませんでした。ですがいま、私は夫との穏やかでリラックスした生活を味わっています。 一緒に暮らすようになった当初のぶつかり合いを経て得た、私の夫との共同生活上の3つの秘訣をお伝えします。1.「私のトリセツ」を共有する私には発達障害に伴うさまざまな特性があり、ちょっとしたことで疲れやすかったり、日常に必要な作業の得手不得手が激しかったりするなどの傾向があります。これらの特性をうまく乗り切るために、私は夫との間で徐々に「私のトリセツ(取扱説明書)」のようなものを共有するようになりました。私はワーキングメモリが小さくてシングルタスク傾向なので、一度に複数のことを訊かれたり指示されたりすると、混乱してミスをしたりフリーズしたりしてしまうことがあります。なんでもパッパッと手際よく済ませることができる早口の夫とは最初ここの調整に苦労しました。最近は私たちの間で「一度に複数のことを訊かない/指示しない」は普通のこととして浸透しましたが、先日少し面白いことが起きました。私がヨガをしているときに夫が何かちょっとややこしい質問を私にしたのです。私がとっさにピタッと止まって「ごめん、いまメモリが足りない!」とだけ絞り出したら夫は「なるほど、わかった(笑)」と答え、すぐに意図が通じました。要するに私は、同時に複数のことをしたり考えたりすることが苦手なのです。私には聴覚過敏があるので、基本的にはテレビも必要なときにしかつけません。音楽も好きなのですが、どんなに好きな音楽でも小一時間聴いていると耳が疲れてきて、止めてしまうぐらいです。しかし、夫はテレビをつけたまま作業したり、さらにはテレビをつけたままPCで動画を流しながら作業したりするのが平気です。むしろ多少雑音があるぐらいのほうが落ち着くぐらいとのこと。私は複数の音楽や番組が耳に入ってくるのが短時間でも耐えられないので(頭がパンクしそうな感じがします)、夫がうっかりテレビとPCで動画を同時に流しているときは「ごめん、どっちか消して」と頼みます。彼はほとんどの場合、なんの気なしにテレビとPCで動画を同時に流しているだけなので、「ああ、すまんすまん」と快く応じてくれます。私は何かと疲れやすいので、外出や旅行はかなりゆるいスケジューリングにしてもらっています。「半日出かけたら半日休む、翌日は出かけない」「旅行では移動に疲れてしばらく動けなくなることを織り込み済みで予定を組む」といった感じです。一緒に暮らすようになった当初、夫は土日となると良かれと思って立て続けにあちこちに連れていってくれたのですが、毎度体調を崩す私を見ていて「もしかして体力的にきつい?」と訊いてくれました。夫の善意がありがたいだけに少し無理して出かけていた私も安心して「実はきついんだ」と話し、半年ぐらいのうちになんとなく大丈夫なペースが掴めるようになりました。夫は音楽や賑やかなイベントが好きで、やはり一緒に暮らし始めた当初、一生懸命一緒に連れていってくれました。でもやはり、聴覚過敏のある私には音の大きなイベントは長くて2時間が限界。2時間半や3時間となるとみるみる顔色が悪くなってぐったりし、帰り道でひどい片頭痛に襲われる私を見ていて、夫も私が本当に大きな音が苦手なのだと理解してくれたよう。半年ぐらいたつ頃には、いろいろと配慮してくれるようになりました。音の大きなイベントは2時間までにする。クラシックコンサートなどできるだけ音の静かなものにしたり、できるだけスピーカーから遠い席を選んだりする。私が耳栓をつけながら楽しむことを許してもらえる会場にする。上記の条件に当てはまらないイベントへは、夫は一人で行ったりほかの友人知人と行ったりするようになりました。どうも最初は、家に私を一人で残して出かけることを悪いと思っていたようなのですが、ぜんぜん構わないよと伝えたら安心してくれたようです。夫はフットワークが軽い人なので、突然「いまからどこどこに出かけるよ」と言われても平気なたち。でも私は違います。体調を崩しやすい私は、どういう行程でどういうところにどれくらい行くのかと照らし合わせていろいろと準備が必要だからです。「今日どこどこに行かないか」と言われるたびに「そんなに急に言われても…」と渋っているうちに、だんだん私たちの中でルールができていきました。外出はできるだけ当日には言い出さない。短い外出は前日まで、遠出は最低3日前までに伝える。どういった乗り物にどれぐらい乗るか、行き先の環境(音、光、人出、ニオイ、暑さ寒さなど)などの見通しがつくように説明する。私はそれを聞いて、持っていく薬や服飾品、体調の調整などをします。泊りがけの旅行ともなると1週間前から体調の調整に入ったりします。こうした工夫の結果、外出の最中や外出から帰ってきたあとに体調を崩すことがほとんどなくなりました。とはいっても泊りがけの旅行などすると疲れてしまって翌日は1日寝ているような状態にはなりますが…私は自分のこだわりが発揮できるため掃除と洗濯が得意ですが、料理はマルチタスクで体力を使うためにどちらかというと苦手です。夫は真逆で、掃除洗濯が苦手、料理が得意で特に人にふるまうのが大好き。というわけで、私たちは互いの得手不得手をふまえ、掃除洗濯は私、料理(と食材の買い出し)は夫、という形で家事を分担しています。多忙な夫に気を遣って無理して私が食事を作ろうとしていた時期もあったのですが、結局は私の負担がやたらと大きくなってしまう割には夫の助けにならないことがわかったのでやめました。私が部屋と衣服を清潔で快適に保ち、夫が温かくて美味しく栄養バランスのよい食事をつくる。わが家の家事はこんな形で回っています。2.屋内環境には妥協しない私は些細な環境の変化で体調を崩してしまいやすいので、屋内環境の快適さの優先順位はかなり高くしています。たとえば、遮光・遮熱カーテンをうまく使う。窓から入ってくる眩しすぎる光や西日、夏の暑さなどを、遮光・遮熱機能のあるカーテンで防ぎます。夫は「せっかく昼間なんだから開けていたらいいのに」と言いますが、そこは説明して妥協してもらっています。最近、部屋のシーリング照明にも、調光・調色機能つきのLED照明が出てきています。こうした機能つきのLED照明に変えてから片頭痛が少なくなったように思います。私が特に夕飯後は暗めの黄色っぽい光に調光するのを夫は暗くて不便だと思っているようですが、そこも妥協してもらっています。たまに夫の部屋に入るとまぶしくて目がチカチカします(笑)LED照明には人によって合う合わないがあるようですが、私には、高周波の音が聞こえるし熱も発生しやすい蛍光灯よりもLED照明のほうが合っていたようです。住む部屋自体も、できれば暑さ寒さが激しくないような物件を選ぶようにしています。出費はかさみがちですが、窓がペアガラスだったり建物の断熱がしっかりしていたりすると、季節や朝晩、部屋ごとの室内環境の差が小さく抑えられます。空調も、この気温がいいとかこの湿度がいいとか、エアコンの風はうるさいからだめだとかあるので、加湿器を置いたり自室の暖房はオイルヒーターにしたりするなど工夫しています。3.食事どきの団らんを大事にする夫は忙しい人ですが、できれば毎日、食卓でリラックスした会話の時間を持つように工夫してくれています。夫は食べるのが早く、皿洗いも食べ終わった食器からどんどんやってしまうタイプですが、ひととおり自分の分を洗ってしまうと再び食卓につき、私が食べ終わるまでいろいろおしゃべりしながら座っていてくれます。夫が遅くなったりして夕食が一緒にとれないときも、極端に遅くないかぎり私はなんとなく起きて待っていて、夫が晩酌しながら食べる食卓に私もつきます。最近そういう晩酌時間のつきあいもできていないな、というときには、なんとか週末の日中に二人でお茶を淹れて一緒にお菓子を食べながらおしゃべりしたりもします。お互い、実家ではこうした食卓でのリラックスした団らんの時間を持てずに寂しい思いをしてきたので、ここは二人ともとても大事にしているところです。一時期、夫が単身赴任していたときはこうした「食事どきの何気ない無駄話」が共有できず、何か用事があるとビデオ通話で用件だけ話して切るような生活を続けていたときは、なんとなく気持ちがすれ違ってとても寂しかったし喧嘩も多かったのを覚えています。発達障害があっても幸せな家庭生活を実現することはできる発達障害のある人はさまざまな特性を抱えているので、人と穏やかな共同生活が送れるのか心配な人は多いかもしれません。しかし、私は組み合わせや互いの努力によって、発達障害者が誰かと幸せな家庭生活を得ることは十分可能だと思っています。少なくともここに一例、発達障害があっても幸せな家庭生活を実現した例があるので、どうぞ希望を持って工夫していってほしいと思います。
2021年02月07日発達障害当事者の視点から描かれた夫婦のものがたりーー漫画『僕の妻は発達障害』2巻月刊コミックバンチにて連載中の『僕の妻は発達障害』は、「大人の発達障害」をテーマにあつかった作品です。漫画家のアシスタントとして働く夫と、発達障害のある妻の日常生活が描かれています。本作では、発達障害がある人の生きづらさを描くと同時に、支援者にもスポットを当てています。悪意がないとわかっていても、発達障害のある妻・知花の行動にストレスを感じてしまう、夫・悟の描写もあり、決して良いことばかりではない、リアルな2人の生活がわかります。2巻では、結婚生活を送る中で衝突や理解のズレが多くなり、少しずつ疲弊していく2人の様子や、妻・知花が発達検査をうけたエピソードなどが描かれています。ぜひ幅広い方に読んでいただきたい一冊です。保護者のサポートにフォーカスした『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』保育園、幼稚園、小学校、学童保育の先生など、子育て支援に関わる方に向けて書かれた本、『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』。著者は、NPO法人えじそんくらぶ代表で、臨床心理士をつとめる高山恵子さんです。長らくADHDを中心とした発達障害の子どもとその家族、支援者をサポートする活動を続けています。本書の前身は、2007年に出版された『育てにくい子に悩む保護者サポートブック』(学研)。今作では主に幼児期の支援者向けだった前著の内容を大幅に加筆修正し、小学生の保護者支援にも活用できる1冊にまとめています。本作では、多様な子ども、保護者がいることを前提に、それぞれにどういうサポートをしたら最適な支援になるのか具体的な事例とともに紹介しています。支援者はもちろん、「わが子の育てにくさ」に悩む保護者の方にもおすすめの1冊です。発達障害当事者の高校生が描く『発達障害の私の頭の中は忙しいけどなんだか楽しい』本書の著者のなずなさんは、2001年生まれ。5歳で高機能広汎性発達障害(ADHD傾向)と診断され、中学時代には不登校も経験。現在は、通信制高校を卒業し、体力の回復を目指しながら夢に向かって進んでいます。なずなさんが自身の世界を描いたこの本では、なずなさんが、自分の世界をマンガと文章で説明し、「フラッシュバック」などの困りごとについて、独自の対処法を紹介しています。そこに、なずなさんの主治医である精神科医の松本喜代隆先生が、キーワードごとに一般的な解説や対処法のヒントを挙げています。当事者による貴重な記録を読める本作。書いてあることはなずなさんの個人的な経験ですが、松本先生の解説・ヒントとともに、誰が読んでも参考になることがあふれています。子どもと大人の境目にある思春期の見守り方も教えてくれる1冊です。自閉症の娘と家族の愛と成長の記録ーー『ムーちゃんと手をつないで』4巻筆者のみなと鈴さんが自身の経験をもとに、自閉症子育ての経験を描いた漫画『ムーちゃんと手をつないで』。『ムーちゃん』ことむつみの成長と、家族の愛について描いています。「他害」がテーマとなった4巻。周りの人に噛み付くなど他害してしまうムーちゃんに悩む母の彩は、どうにか解決したいと療育施設の先生に相談します。しかし、そこで先生に言われたことは、「他害行動はそうそう簡単に消失しない」というものでした。4巻では、ムーちゃんの他害について何ができるのか葛藤する母・彩とそれを懸命にサポートする周囲の様子が描写されています。発達障害のある子どもを育てる親と子の成長を描いた本作。ぜひ子育てに関わる方に読んでいただきたい一冊となっています。お母さんが楽に、元気になれる本ーー『ママのピンチを救う本』本書は2005年に出版された『のび太・ジャイアン症候群5 家族のADHD・大人のADHD お母さんセラピー』の改訂版です。発達障害のある子どもの支援者にフォーカスした本書。なかでも保護者であり、家庭の調整役になることが多いお母さんに寄り添い、お母さんたちの毎日が楽に、幸せになるようなアドバイスを豊富に掲載しています。発達障害がある子どもがいる家庭では、お父さんやお母さんにも似た特徴が少しずつ見られることがあります。本書では、発達障害がある子どもや大人、診断がつくほどではないけれど発達障害の傾向がある人が、家庭でどのようにすれば過ごしやすくなるかについて考察しており、日々の暮らしを快適にするヒントがたくさん詰まっています。ぜひ参考にしてみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月06日「母にはわからない...!」息子のがんばる理由Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ高次脳機能障害になってからのリクは、日々、体調が安定しないことに悩まされていました。頭痛やめまいで視界が狭くなり、吐き気で起き上がることも困難な日があったり、今食べた献立が思い出せなかったりしていました。そんな状態でも、「留年はしたくない!」という意地で、ギリギリの点数ではあるものの無事に3年生に進級することができたのです。もう、あとは卒業するだけ...あとは、バイトでもしながら、ゆっくり将来のことを考えてくれればそれでいいとさえ思っていたのです。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみはっ!としました…。私は知らず知らずのうちにリクの将来を、考えないようにしていたのです。なぜならそれは、「息子は障害があるからムリ」という本人のやりたいことを度外視した方法で、「それでいいんだ」「高校までがんばったんだし」というところに、親としての落としどころを勝手につけて満足していたんだと思います。Upload By ひらたともみ目標を決めたリクは、勉強することが多くなりました。ときどき吐き気や頭痛で学校を早退することもありましたが、それでも机にかじりついていました。そして、なんとか志望大学に推薦をもらえることになり、4月からは大学生になります。どうやら甘ったれた私と違うリク。「休めばいいのに」「やめちゃえばいいのに」と安易に思うことは、ややこしいこのご時世を生きる処世術だと思っていました。でもリクのように「がんばりたい」という強い意思を一度持つと、だれもブレーキをかけることなんてできない。今回は18歳の息子に教えられたようです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月05日ASD兄妹の小学校生活うちのASD兄妹は偶然にも二人とも、小学校3年生までは通常学級で、4年生から通常学級に在籍しながら、必要に応じて特別に補習などをうけるという体制(通級)をとっていただいていました。授業そのものは通常学級で受けることが多かったのですが、休み時間は図書館に行ったり、絵を描いたりとひとりで(忙しく)過ごすことが多く、在籍する教室では特に親しい友達はできなかったようです。Upload By 寺島ヒロ放課後も学校に残って遊んだり、誰か友達の家に寄って帰ってきたりということもなく、学校の終礼時間の10分後にはキッチリ家に戻ってくるような感じでした。元々性格も大人しく、あまり他人に関わりたがらない兄妹。親しい友達もいない代わりに、難しい人間関係に巻き込まれることも、喧嘩することもないという距離感を普通の状態と思って過ごしていたようです。いっちゃんの方は「班活動などでグループになるときに、いつも入れてくれる子がいる」とは言っていましたが…、それが誰なのか、顔も名前も覚えてはいませんでした。そんな人との距離がやや遠く、トラブルに無縁そうなASD兄妹にも、困った事態に陥ったことが何度かありました。タケルの場合...それは、タケルが4年生になったばかりの頃…教室での立ち歩きや、泣きだしたら止まらず1~2時間もワンワン泣きわめいてしまうことなどが度々学校で問題になっていたタケルですが、3年生の終わりぐらいに「アスペルガー症候群(当時の診断名・現在はASD(自閉症スペクトラム))」と診断され、4年生から通級による指導が始まっていました。通級による指導を受けている児童は200人いる学校では2人だけ。ちょっと目立つ存在だったということもあるのでしょうか、ほどなく上級生に目を付けられ、嫌がらせを受けるようになりました。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロその次の日からは先生が対応してくれるようになり、タケルを学校まで私が連れて行ったら、校舎の入口のところで待っている先生に引き渡すようになりました。すると、次の日に先生から電話で「何か言われている現場は見られませんでしたが、タケル君の様子をうかがっているような6年生がいました!6年生の靴箱はこっちじゃないので、やっぱり不自然ですよね。気をつけておきます。」と連絡がありました。Upload By 寺島ヒロ…というわけで、事件の全容は分かりませんでしたが、タケルが嫌だったというだけで必ずしも悪意じゃなかったのかもしれませんし、親同士の喧嘩に発展しても面倒だなと思ったので、それ以上の追及はしませんでした。でも、次に何かまた起こったら嫌だなと思いましたし、油断はしないでおこうと心に誓いました。まあ、結局なにもなかったんですけど。さて、これはどちらかというと被害者側だった話ですが、加害者側になったこともあります。いっちゃんの場合...Upload By 寺島ヒロそれは、いっちゃんが3年生だったころのこと…授業中ですが、美術だったか家庭科だったかでみんなが席を離れてワイワイと作業をしていた時、不意にその事件は起こりました。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ不幸中の幸いかこの事件は、担任の先生や多くの他の生徒の前で起きたため、相手の子が「刺せ」と挑発したことなどの経緯を把握している人が多く、被害側と加害側の証言が食い違うこともなかったので、あまりこじれることはありませんでした。相手の保護者の方への謝罪にも、先生がしっかり間に入ってくださり助かりました。押すなよ押すなよと言われたら押さないのがASDいっちゃんの「やれと言われたのでやりました」事件は、とてもASDらしい特徴が表れていると思います。ASDのある人はしばしば目の前の人が言ったことをうのみにします。通常はあり得ないようなことでも言われたら信じてしまう、いえ疑わないのです。そして、それが少しでもやってみたかったことであれば、ホイホイと実行してしまう危うさがあります。担任の先生にしても、知識としてASDのある子どもが「人の言葉の裏や気持ちを汲み取れない」ということは知っていたはずなのです。でも、その場にいても見逃してしまった。やはり普通はそんなことしないという「常識」があり、スルーしてしまったのだと思います。いつも通級の子どもたちを相手にしている通級の先生とは違い、通常学級の先生は「ふつう」の子どもの反応が脳に定着しているので、たまに違う反応の子がいると、その子向けの対応に切り替えるのはすごくパワーがいるんじゃないでしょうか。(もちろん通級で常時気の抜けないお仕事をされている先生方が楽というわけではないのですが)担任の先生は「私の責任です。」と恐縮した様子で言ってくれましたが、いやいや、これをとっさの判断で止めるのは無理というもの。むしろ、いっちゃんの「一見普通に見えるけれど明らかに強いASD傾向がある」という面に触れても、ビビることなく事態を収拾してくれたことを、本当にありがたいなと思いました。あれから、いっちゃんが他人に暴力をふるったことは一度もありませんが、注意が必要だなと思い知った出来事でした。発達ナビライターによる小学校生活での困りごとエピソードをあつめたまとめコラムはこちらです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月04日「いや!いや」と言葉で示すことができる2歳児、できなかった息子私はいま、ファミリーサポートの仕事で定型発達のお子さんを預かっています。そこで気づいた、0歳の定型発達児と自閉症のある赤ちゃんとの違いは以前コラムでも書きました。その中からいくつか抜粋すると…・親が迎えにくると嬉しそうな顔をする。・散歩のとき、よその子がいると関心を持つ。(喜んだり、怖がったりどちらかの反応)・私が手を広げると「抱っこしてほしい」のポーズをとり、手を広げる。これらは、預かっているお子さんが自然と行い、息子が幼いころはしなかったことです。先日のコラムでご紹介した以外にも、大きな違いを感じることがあります。そこで今回は、定型発達の2歳児と息子が2歳だったころの違いについて書きたいと思います。私が「靴下履こう」と言ったら「いや!」、「だったら裸足でいよう」と言うと「いや!」「公園に行こう」と言ったら「いや!」、「だったらおうちにいよう」と言うと「いや!」親にとっては自己主張が出てきた辛い嫌々期なのかもしれませんが、これも立派な会話で成長のあかしなのだと思います。息子には魔の嫌々期はなく、世の中すべてが嫌。言葉で「いや」と言う前に、自傷やパニックを起こす毎日で私は疲労困憊の日々を過ごしていました。自閉症の息子ができず、定型発達の2歳児が自然とできている5つのことを挙げたいと思います。Upload By 立石美津子1、大人の表情を読み取り気持ちを理解する発達障害がある人には、「検討しておきます」の字面だけとらえて、行動してしまうことがあります。言葉だけでなく、その場の空気、相手の声のトーンや顔つきを見て、断りなのか、歓迎なのか判断できないで、トラブルが起きがちです。Upload By 立石美津子成人した息子も、相手が嫌がっている素振りをしているのに、それが理解できずに、しつこくしてしまうことが今でもあります。それに比べて、目の前の2歳の子は生まれて2年足らずなのにも関わらず…机の上にのったときや、触ってはならないものを触ったとき、私が言葉ではなく「あれ?あららら?」といつもと違う低い声、いつもと違うゆっくりした話し方で示す、すると大人の表情と声のトーンを即座に読みとって、ばつが悪そうな顔をして、「やっちまったな…」という顔つきをします。言葉ではなく、相手の表情を読み取っている証拠、すごい能力です。2、ごっこ遊びができるままごとの道具を本物にみたてて、お皿に物を置き、食べる真似をしているのです。見立てて遊ぶことができるのは、想像力が発達している証拠です。絵本に載っている食べ物を、つまんで口元に持っていくと本物に見立てて食べる真似もできます。Upload By 立石美津子3、人の真似をする良いことも悪いことも、人の真似ばかりします。友達が石を投げていたら投げます。テレビの画面の子どもが踊っていたら歌や踊りの真似をします。真似ができるのは人に関心がある証拠です。言葉も人の真似をしてドンドン増えていっています。4、泣き真似をする公園で転んで痛くて泣いた子。1分以上たって、痛みは引いているのにも関わらず構ってほしいのか大人の気を引こうとして、泣き真似をし続けていました。(←涙が出ていないことで判断できます)5、質問に的確に答える「これ、だあれ?」と私自身を指さして聞くと、可愛い舌っ足らずの声で「たていしゃん」(←立石さんの意味)と答える2歳児。息子は小学生になっても「これ、だあれ?」と私が自分の顔を指して聞いても、「お母さん」ではなく「鼻」と答えていました。中学生になってタクシーに乗ったとき、運転手さんから「僕のお名前は?」と聞かれたときも自分の名前を言わず、「山田太郎」とタクシーの運転手のネームプレートを読み上げていました。相手の立場になって話を捉えることができないので、その場にあった答えがなかなかできないでいます。家を出るとき、「行ってきます」ではなく、いまだに「行ってらっしゃい」と言いながらドアを開けて出ていきます。とはいえ、息子も成長しています。もちろん定型発達の人とは違いますが…大きな成長の一つに、アンガーマネジメントがあります。パニックを起こした後の感情のコントロールができるようになりました。Upload By 立石美津子他にも、・トイレットペーパーがなくなったら、芯を捨てて次に使う人のことを考えて、新しいものに取り換えてくれます。相手の身になって考えることができているのか、「芯だけになったら取り替える」というルーティーンになっているのか、ともかく替えてくれます。・新聞を取りに行く、洗濯物を干す、カーテンを閉める、家の中のゴミ箱のゴミを集めるなど、決められた家事は文句ひとつ言わずに、やってくれます。成長しています。息子が成人してもまだ比べる病に侵されている私ですが、「いつまでも他の子と比べていないで、目の前の青い鳥に気が付かないとダメだな…」とシミジミ思います。Upload By 立石美津子
2021年02月04日4年生に進級。またしても、変化した教室の様子。娘が4年生に進級し、下級生も増えた特別支援学級の教室。担任の先生も替わり、たくさんの環境の変化がありました。3年生でも環境の変化はあったものの、娘は、私が予想していなかった成長を見せてくれたため、あまり心配はしていなかったのですが…4年生に進級してしばらくしたころ、娘が再び、家で特別支援学級内の不満を言うようになりました。Upload By SAKURA娘の思いと、学校の事情。話をよく聞いてみると、クラスの人数が増えたことで先生の対応が追いつかず、娘の授業が中断されることも多くあるそうです。さらに騒ぐ声も大きくなり、娘は不快に感じているようでした。Upload By SAKURA娘がストレスを感じていることはわかります。しかし、学校に対応をお願いしても、おそらく人員の関係などで対応はなかなか難しいでしょう。先生たちも、最大限やってくれているはず。Upload By SAKURA通常学級へ戻るとき?どうしたものかと考えましたが、まったくいいアイディアが浮かばなかった私は、夫に相談しました。Upload By SAKURA夫は、「今が通常学級に戻るタイミング」と言いました。確かに娘の学習は順調に進んでいます。私の目から見てもよく理解していると思うし、成績も悪くありません。しかし、大勢の中に入って先生の話を聞くことができるか…わからないときに自分から聞くことができるか…不安はいくつかありました。担任の先生に相談。通常学級でもいける?そこで特別支援学級の先生に、娘が通常学級で授業を受けられそうか、聞いてみることにしました。Upload By SAKURAパニックの回数は、徐々に減ってきているものの、涙を流してしまうことはまだまだあるようでした。「支援員さえつけば…」と私も思いますが、特別支援学級の事情は、私も理解しています。私たちが望んでも、学校の事情でどうしようもないこともあるのです。それから先生は、「そういう状況ではありますが、あーさんとお母さんが望めば、今すぐ通常学級で授業を受けることはできますよ」と言いました。Upload By SAKURAこのまま特別支援学級で、いいのだろうか…。しかし通常学級に移ると、学習が遅れたり、教室でパニックを起こしたりして、他の子に迷惑をかけるかもしれない…。進学や進級のときなど、選択に迷った経験はこれまでにもありましたが、もう一度その選択のときがやってきました。娘の気持ちと、私の考え。しかし今回違うのは、娘が4年生という学年になっているということ。もう自分の意見だって言えます。先生や夫と話し合った結果、娘の希望を聞いてみることにしました。Upload By SAKURA私は、このまま特別支援学級で受けるか、通常学級で受けてみるかを、それぞれのメリット・デメリットを話してから、娘に選ばせることにしました。Upload By SAKURA娘は少し考えてから、「特別支援学級がいい」と答えました。それから私は、いい機会だと思い、娘に今後の見通しとして私が考えていることを話しました。Upload By SAKURA気持ちは、頻繁に確認。1年生のとき、「2年生になったら通常学級にするか、特別支援学級にするか」の選択ですごく悩みました。それは、娘が本当はどうしたいか、わからなかったからでした。しかし今回は、娘がどうしたいか、不安や心配があるか、しっかりと聞くことができ、娘の大きな成長を感じました。娘に気持ちを聞いてからも、学校での様子は頻繁に聞くようにしています。今回、特別支援学級を選んだ娘ですが、いつ考えが変わるかわかりません。4月からは、5年生。特別支援学級、通常学級、それぞれの状況も今のままではなく、変わっていくでしょう。こまめに様子を確認し、そのタイミングは逃さないようにしていきたいと思います。発達ナビライターによる小学校生活での困りごとエピソードをあつめたまとめコラムはこちらです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月03日「ついにこの時が来てしまった…」次男がクラスメイトを傷つけた日の事Upload By スガカズ小3の1学期のある日、学校から電話がありました。電話に出ると担任の先生が申し訳なさそうな声で「次男くんが怒って机を倒してしまい、机がクラスメイトの女の子の足(膝)に当たってアザができてしまいました。」と話しました。私は「サーッ」と血の気が引いたのを覚えています。まず先生に謝罪し、その日の内に被害を受けたお子さんや保護者の方に面と向かって謝罪したい旨を伝えました。保護者の方は毎日仕事の後お子さんを学童に迎えに行くとのことだったので、その際に先生と話し合い、その後私と次男が合流して謝罪をすることになりました。次男なりの正義感があった様だけど…Upload By スガカズUpload By スガカズ事の発端は休憩時間(先生がいないとき)子ども同士の遊びで、「虫を触った手」を「ムシキン(菌)」と名付けて冗談でつけあっていたのだそう。それに対して次男は注意をしたのですが、遊びは続き、前の席に座っている女の子に回ってきたようです。女の子はとっさに他の子と同じように次男につけてしまったようでした。次男は「人が嫌がることをしちゃいけない」と言ったのに自分に回ってきて、さらに頭につけられたことが本当に嫌なことだったので、思わず机を蹴って倒してしまったのだそうです。小3のころはというと、物にあたる行動自体は、クールダウンする場所を確保する等でかなり減っていたのですが、急なことでクールダウンしに行くより先に怒りが湧いてきてしまったようです。確かに次男が嫌がる気持ちは分かります。だからと言って物を蹴ったりしてもいけませんし、人を傷つけるのはもってのほかです。被害を受けたお子さん(女の子)は自分の番が回ってきたのを、とっさに他の子と同じように次男に回しただけです。もちろん、〇〇菌と名付ける行為は心を傷つけるきっかけにもなるため、良くないことだとは思いますが、小3という時期を考えると、そうなるのは自然な流れだとも思いました。本人にはどう言えばいい?叱る?叱らない?私は発達凸凹の長男や次男が「他の子に迷惑をかけた」と判断した事案で把握しているものは、できる限り保護者の方を交えて謝罪していました。もちろん今回のことも、お子さんと保護者の方にはとにかく謝罪し続けようと思いました。ただ、次男に対してどう言えば一番良いだろうと悩みました。学校生活での許しがたい行動ですが、指示を出せる状況でありませんし、被害を受けたお子さんとまだ話ができていない状況です。また、次男は怒られたり否定されたりしたことに対して、事実より過剰に受け取るところがあります。そのため、本人の気持ちを否定して叱ることは、反省する場を奪う結果になるだろうと思いました。悩んだ結果、叱りはしないが低い声で、真剣な目をして話し合うことにしました。Upload By スガカズ私は、学校から帰って来た次男に目線を合わせ、肩に手を当てながら(こうすると落ち着いて話を聞いてくれやすいから)伝えました。・どんな理由があっても人を傷つけることはしてはいけない・怒りそうな時はすぐにその場から離れること・私と次男でもう一度謝る事が大事(すでに次男は学校で一度謝っている)私は「繰り返してほしくない」という一心だったため、おそらく怖い顔をしていたのかもしれません。この時期の次男は自分の気持ちや周りの状況を上手く伝えることが難しかったのですが、「(自分にとって)嫌なことをされた」「つい机を倒してしまった」「傷つけるつもりじゃなかった」と話し、「謝りに行こう」と話す私に対して「わかった」と答えました。夜、約束の時間になり次男と学校に向かいました。被害を受けたお子さんと保護者の方、先生に会いました。お子さんの足を見せてもらい「痛い思いをさせてごめんなさい」と言った後、再度全員に向けて謝罪しました。※謝罪した際の言葉は長いため、割愛しますUpload By スガカズUpload By スガカズ保護者の方は初めて直接お話した方なのですが、次男にADHDがあるということを知っており、気を遣っていただいていたのかもしれません。私からの謝罪の後「私は次男くんのことを知っていますし、娘からも次男くんとのやり取りを昔から聞いています。理由がないのに一方的にやる子じゃないのはわかってますよ」と思ってもいなかった言葉をいただきました。「相手のお母さまが謝る必要なんてない」(と私は思っている)のに…と思いつつ、その後は何故かお互い謝罪をしつづけるという状況に…。周囲の方の厚意に生かされているなと痛感しました。暫く気まずそうにしていた次男ですが、最後にお子さんと保護者の方に「ごめんなさい」と言うことができました。「お互いが事実を隠さない」ことが解決のカギUpload By スガカズその後先生から、子ども同士のトラブルは時々、「自分に都合の悪い事実は隠す」こともあるのだと聞かされました。そういったときには両者の言い分が違って起こったことの辻褄が合わなくなるため、今回のようにすんなりいかないこともあるのだとか…。加害者側としては、同じことがないようにしないといけませんが、今後の為に「自分(子ども)に都合の悪い事実を隠す」ことがないように、普段から「自分(子ども)の気持ちを否定された」と感じさせないことや、好ましい行動を見つけることが重要なのだと改めて思いました。Upload By スガカズ後日学校で女の子に会い、膝のアザが消えたことを確認しました。その後、何度かわが家に遊びに来てくれる程次男と仲良くしてくれるようになったので、彼女の存在は、本当にありがたかったです。お母様とは保護者会で再び会えたので、そのことを伝え、「いつも遊んでくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えました。発達ナビライターによる小学校生活での困りごとエピソードをあつめたまとめコラムはこちらです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月02日自分の好きな時間に、好きな場所で学ぶことが実現できるN高とN中等部中学や高校は定められた時間に学校へ行き、決まった授業を受け、夕方までを学校で過ごす。これまではそんなスタイルが当たり前のように受け入れられていました。でももし、好きな時間に好きな場所で学ぶことができたら…。それぞれが持つ可能性はもっともっと広がるかもしれません。それを実現したのがN高等学校(以降N高)です。N高は、インターネットと通信制高校の制度を利用した新しい高校として2016年に開校しました。N中等部が開設したのが2019年のこと。通学コースからのスタートでした。その1年後、2020年にはインターネットを駆使して学ぶネットコースがスタート。現在は通学コースとネットコース合わせておよそ1,000人が学んでいます。N中等部は、社会で求められる総合力を身につけるための実践型学習を行うプログレッシブスクール。N中等部には、生徒たちが教養、思考力、実践力を身につけるためのさまざまなカリキュラムが用意されているのです。N中等部の特色のうち、代表的な4つを紹介します。1つめが「21世紀型スキル学習」。社会に対して生徒が創造力を発揮していくために、思考スキル、コミュニケーションスキル、情動スキルなどを身につけるためのカリキュラムです。2つめの「コーチング」は、生徒が目標を見つけ、それを達成することができるように自発性を養うためのもの。1対1の面談でコーチングを行っています。3つめが「一流のプロフェッショナル講師による映像授業で学ぶ国語、数学、英語の授業」です。生徒たちは、決められた時間や場所ではなく、好きな時間、好きな場所で学習を進めることができます。4つめが「プログラミング」。初心者から学べる実践的なカリキュラムでプログラミング思考や技術を学ぶことができるのです。多様なニーズに応えるカリキュラムで、社会のなかで生き抜く力を養う今回は、N中等部のネットコースのスタッフと生徒お二人にインタビュー。まず、N中等部設立の背景や、理念、そして生徒への思いなどをN中等部ネットコース運営部部長 熊谷桃子さんに伺いました。Upload By 発達ナビ編集部編集部(以下、――)まずは、N中等部の理念について教えていただけますか?熊谷さん:ITを駆使した未来の教育をつくるということをコンセプトに、社会で求められる総合力を備える生徒を育てたいという思いを持って生徒たちと接しています。既存のフリースクールなどは「居場所」という役割を大切にしているところが多いと思います。N中等部では、生徒にとっての「居場所」であることはもちろん、さらに生徒たちが社会に出てからきちんと生き抜ける力を育むための多様なコンテンツを用意しています。――N中等部の一番の特徴はどんなところでしょうか?熊谷さん:通学コースとネットコースの両方があり、ネットコースは日本全国、あるいは海外に在住であっても、どこにいても学ぶことができる体制をつくっています。N中等部は学校教育法第一条に定められた中学校ではないので、中学校に在籍したままN中等部で学ぶ形になります。中学校に籍を置いて全ての活動をN中等部で行っている生徒もいますし、中学校に通って、部活もやりながら夕方からN中等部で学ぶ生徒もいます。さまざまなニーズに応えることができるというのが一番の特徴です。――無学年制をとっていると伺いました。熊谷さん:はい。中学1年生から3年生まで学年に関係なくクラスが構成されています。中学1年生だけれどプログラミングのスキルが高い生徒もいます。その場合は上の学年のクラスメイトに教えたり、数学が苦手な1年生に3年生が教えたりしている様子も見られますね。年齢や学年にとらわれず自分の得意なことはシェアして、苦手なことは周りから助けてもらうというスタイルが確立されています。――授業のカリキュラムについて教えてください。熊谷さん:ネットコースでは週に二度、一斉学習時間というものを設けています。これはZoomを通じて行う授業のことで基礎学習やプログラミング学習、21世紀型スキル学習などをクラス全員で行うものです。担任のほかに、大学生のティーチングアシスタントが加わり、30人の生徒につき、最大6〜7人のスタッフが入ります。その他は自由選択の時間。それぞれが学びたいことを学ぶ時間としていますが、具体的に学びたいことがまだ決まっていないという生徒は、専用オリジナルアプリ「N予備校」での学習を進めています。Upload By 発達ナビ編集部――21世紀型スキル学習とはどのようなものですか?熊谷さん:自分を知り、思考力を高め、チームで協働する力を学ぶためのオリジナルカリキュラムです。自己認識を促したり、不安や落ち込みの対処、アンガーマネージメントなどを学んだり、傾聴や観察などのトレーニング、デザイン思考やアート思考、倫理思考のトレーニングなど、その内容は多岐に渡ります。またその学習方法もさまざまで、個人で学ぶこともありますが、オンライン上で複数名のワークショップやダイアローグ形式で進むことが多いです。担任や生徒同士がネット上で議論をするなど、ひとつのことにみんなで取り組みながらスキルを獲得していきます。――21世紀型スキル学習は生徒の皆さんにどのような影響を与えているのでしょうか?熊谷さん:たとえば、絵を描くことが大好きで一生それをやっていたいと思っていても、絵がうまいだけでは仕事にならないという側面があります。絵を描くということ以外の部分、たとえば他者とコミュニケーションをとったり、自分をうまくモチベートしていったりということが必要です。そういったスキルを養うことで、好きなことを一生好きでい続けられるのではないかと思っています。――発達に特性がある生徒へのサポートはありますか?熊谷さん: N中等部では自学自習を基本としながら、一人ひとりに合った学びを一緒に考えるというのをすべての生徒に対して行っています。たとえば学習をするうえでの困難があれば、それを解決できるように一緒に方法を探します。発達に特性があるなしに関わらず、すべての生徒たちに行っているので、特別なサポートは行っていません。でも、一人ひとりときちんと向き合うということがおのずと発達に特性がある生徒へのサポートにもなっていると思います。一人ひとり多様な夢や、やりたいことを持つ生徒たちをサポートしたいと語る熊谷さん。そんな熱いスタッフが揃っているところもN中等部の特長のひとつ。この後の生徒インタビューでも、スタッフとの関わりがN中等部の魅力だという話がありました。ネットを通じての関わりのなかで、生徒たちは熊谷さんをはじめとするスタッフや先生方との深い絆を築いているようです。目標を達成するためには、どうしたらいいのか。自分で考えて進められるように、コーチングでサポート続いて、ネットコースの担任をしている小杉 優茉 先生にもお話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部――どのような生徒が在籍されているのでしょうか?小杉先生:本当にさまざまな生徒がいます。 プログラミングに興味を持って入ってきた生徒もいますし、21世紀型スキル学習に興味を持っている生徒も多いですね。そもそもN高に進学したいから、というきっかけでN中等部を選んでいる生徒がほとんどだと思います。――生徒たちと接するうえで心がけていることはありますか?小杉先生:生徒たちとは一斉授業の時間のほか、1ヶ月に一度コーチング面談を行っています。面談では、生徒が悩んでいること、生活習慣や学習のことなどテーマを決めて話をするんです。コーチングのスタイルで話をするなかで、何が目標なのかを明確にして、それを達成するためには何をやればいいのか、どうやるのがいいのかなどを相談しながら、自分で考えて進められるようにサポートすることを心がけています。――どんなときに生徒の成長を実感しますか?小杉先生:多種多様な職業体験プログラムを用意していて、希望する生徒が参加できるようにしています。この職業体験を通して成長する生徒はとても多いですね。また、みんな自分に合ったツールを使ってしっかりと自己学習しているので、本当にすごいなと思っています。今までの学校ではなかなか学習に手が出なかったけれど、N中等部の動画学習だと自分に合っていてしっかり学習できるようになったなどという声を聞くととても嬉しいです。――保護者からの声で印象的なものはありますか?小杉先生:21世紀型スキル学習でコミュニケーション法や他者との関わり方を学んだことで、家庭での家族との関わり方も変わってきたという話を聞きました。また、N中等部には多様な考えの生徒や、さまざまなバックグラウンドを持ったスタッフもいます。そのなかで過ごすことで、これまで囚われていた「普通」から自由になったという話もありました。好きなものを好きだと言っていいんだ。絵を描くことが好きとか、アニメが好きとか自分のことを発信していいんだと生徒が話していたと聞いたのが印象的です。一般的な中学校とは違う、コーチングというスタイルで生徒たちと向き合う小杉先生。決して先生と生徒という画一的な関係ではなく、一人の人間として生徒を尊重している様子がとても印象的でした。同じ時間に同じ教室で、同じ学年のクラスメイトと学ぶ。当たり前を取り払った先に見える可能性最後にN中等部で学ぶ中学3年生の久保さんと中学2年生の鈴木さん(仮名)にお話を伺いました。――N中等部で学ぶことを選んだ理由を教えてください。久保さん:先にN高を知り、絶対にここで学びたいと思いました。そのときにN中等部が開設することを知ったんです。N高と同じ理念の元で中学生のうちから学べるならそうしたいと思って入学しました。鈴木さん(仮名):中学生でも何かお金を稼ぐ方法はないかなと考えていたときに親からプログラミングスキルがあると稼ぐことができそうだと教えてもらいました。それで興味を持ち、ぜひ深く学びたいと思ってN中等部を志望したんです。――N中等部の魅力はどんなところですか?久保さん:インターネットでさまざまなことに取り組むことができたり、無学年制なので学年を気にせずいろいろな人と関われるところです。私は北海道に住んでいるのですが、日本中に、そして海外にも友達ができました。生徒同士はもちろん、先生や大学生のティーチングアシスタントの皆さんなど誰でもフラットな立場で話をすることができます。鈴木さん(仮名):N中等部はインターネットで学習を進めたり、コミュニケーションをとるので、良い意味で人との距離感が取れるところがいいと感じています。 自分のなかにあるラインを踏み越されることがなく、とても過ごしやすいです。また先生や他のクラスメイトたちがフレンドリーで接しやすいところも魅力だと思います。これまでの学校では分からないところがあっても授業を止めて質問をするのは難しかったのですが、今はSlack(※)で簡単に聞けるのも嬉しいです。※ビジネスチャットツールのこと――この学校で成長したのはどんなところですか?久保さん:これまでは負の感情が出てきたときに自分を責めすぎていたと思います。でも21世紀型スキル学習で、たとえば怒りは人間の本能で危険を察知したときにそれを回避するために出てくる感情だと学び、すべての感情に理由があることを知りました。そのことで、負の感情が出てきても自分を責めすぎなくなりました。自分について深く知ることができたのが成長できた理由だと思います。鈴木さん(仮名):以前の学校では、つい人の顔色を伺ってしまい 自分の感情や考えを出すことができませんでした。でも今は自分の考えをまわりに伝えるなど、自分を出すことができていると思います。それは、21世紀型スキル学習で自分の心や感情について学んだからだと思います。――今後の目標を教えてください。久保さん:以前、職業体験をしたときにプレゼンがあまりうまくいかないという経験をしました。そこで、どうすれば人にきちんと伝えたいことが伝わるかなどを自分で学んでいます。N中等部で行われるLT(※)大会に出ることも決めたので、それに向けて頑張っています。私はこれからN高に進み、やれることはすべてやって、そのなかで自分がやりたいことを見つけられればと思っています。(N中等部の)ティーチングアシスタントもやってみたいので、N高を卒業した後は大学に進むつもりです。※LT:Lightning Talkの略で5分程度の短いプレゼンテーションのこと鈴木さん(仮名):N高に進学していろいろなことに挑戦したいです。 プログラミングを学ぼうと入ったN中等部ですが、実は時間を友達と過ごすことに使っていて、まだプログラミングで稼げるほどには学べていなくて…。仕事としては、翻訳に興味があるんです。外国の人の気持ちや感情を日本語で伝えることに憧れがあります。好きでよく見ているアメリカ人のYouTuberが発信していることをもっと理解したいので、英語の勉強にも力を入れたいと思っています。これまで当たり前だった、同じ時間に同じ教室で、同じ学年のクラスメイトと学ぶというスタイルを取り払ったN中等部。その取り組みから、「当たり前」のその先に大きな可能性があるということを感じました。運営部の熊谷さん、担任の小杉先生が生徒たちをリスペクトしている姿が印象的で、またしっかりと自分を持って、自分の言葉で考えを発信できる久保さんと鈴木さんにも驚かされました。N中等部の取り組みはまだ始まったばかり。これからもその挑戦に注目していきたいと感じました。
2021年02月01日小学校の給食給食と言えば、私が小学生だった25年前は完食指導があり、食べられない子が掃除や休憩中も一人残されている姿が思い出されます。むっくんはアレルギーもなく、偏食は強くないものの、食べようとすると吐いてしまう食材もあり、私は給食がどうなることか心配でした。そんなこともあり、むっくんは情緒障害児学級に所属しており、入学時に細やかな聞き取りをしてもらえる時間もあったことから、小学校に苦手な食材の情報を伝えて私なりに準備をしておきました。Upload By ウチノコところが学校生活が始まると、親の心配もなんのそので、給食楽しみ!と話すむっくん。特に困ることもなく日々給食の時間をエンジョイしている様子。だけどメニューには時々苦手な食材もちらほら記載されています。いったいどうしているんだろう?と不思議に思い、聞いてみたところ「苦手なものはお兄ちゃん(情緒障害児学級なので上級生とも同じクラスです)が食べてくれるんだよ」とニコニコ。いったいどういうこと?Upload By ウチノコ小学校の取り組みむっくんのクラスでは給食で苦手な食材が出ると、それを食べられる子が代わりに食べてくれるという、助け合いシステムが機能しているらしいのです。クラス皆で協力して完食することが目標!実際に給食の時間にはこういった流れで協力が行われています。①先生が今日のメニューと食材を皆に伝える②苦手な食材がある場合、食べられないものを皆に伝えるUpload By ウチノコ③食べられる子たちで協力して、クラスメイトの苦手食材を振り分ける④それぞれに食べられる量だけ配膳するUpload By ウチノコ⑤クラス皆で協力して完食Upload By ウチノコむっくんのきらいなきのこ類は、きのこ好きの上級生が食べてくれる。むっくんはその代わり、その子の苦手なピーマンや納豆は食べてあげているそうで「オレも役に立っているんだよ!」と嬉しそうに笑います。食べられなかったことよりも、人の役に立った楽しい思い出として、給食の時間が記憶に残っている様子でした。Upload By ウチノコむっくんの変化また、今までは見慣れない食材や初めて食べる食材、一度嫌な思いをした食材などに挑戦する姿が見られなかったむっくんですが、小1の夏ごろから今まで興味を示さなかった食材に、興味をもつ様子が出てきました。そして、思い立ったように今まで吐くほど苦手だった食材に挑戦したいと言い出したのです!Upload By ウチノコ少しかじってみる程度ですが、今までの姿からは考えられないような変化です。これは給食でみんなの苦手な食材や得意な食材を見聞きし、どんなものなんだろう?と、興味の幅が広がったからではないかと感じています。最近大好きになった食材は納豆。実は納豆はクラスの憧れの上級生の苦手食材。納豆を食べるたびに自分がお兄ちゃんを助けたのだと話してくれます。むっくんにとって、納豆は少し背伸びして、上級生に近づけたように感じられる食材のようです。Upload By ウチノコ給食を成長の場にこの小学校の取り組みを知ったとき、チームで完食ってなんて素敵なんだろう!と感動しました。少人数の情緒障害児学級だからこそ、できることなのかもしれませんが、配膳前に話し合うことで自分にできるかどうかを考える計画性を身に付ける場になるほか、自分の気持ちを皆の前で話す訓練にもなっています。高学年になると低学年の手前、苦手でも少し格好をつけて食べようとする様子が見られたり、低学年にとってはいつも助けてくれる上級生にお返しができる滅多にないチャンスになったり。助けてもらって、助けてあげて。それぞれが苦手を得意で補い合い、目標を達成する。とても素敵な経験をさせてもらっているのだなぁと感じました。Upload By ウチノコその経験があるから、むっくんも食べることへの嫌悪感が減り、新しい食材にも興味が出てきたように感じています。苦手をなくすのではなく、周りに助けてもらいながら苦手とうまく付き合っていく。何事も発想次第で成長のチャンスになるということを小学校から学ばせてもらいました。私ももっと頭を柔らかく物事を考えていきたいなと思います。本当に感謝です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月29日神経発達症のある子どもとメラトベルメラトベルは、6歳から15歳までの神経発達症(主に自閉スペクトラム症)のある子どもに対して処方される薬です。6歳未満および16歳以上の患者への安全性は確立されておらず、それらの年齢の人には保険診療で処方できない薬です。また、新薬のため令和3年5月末までは2週間分しか処方できません。神経発達症のある子どもは、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまうなどの睡眠障害で悩むことが少なくありません。睡眠障害に伴う睡眠不足は、神経発達症の多動や過活動、興奮状態、怒りっぽいといった症状を強めることもあり、日中は目覚めていても眠気が強く集中力を欠いてケガの元になることもあります。しかし、夜になると元気になり、興奮状態に陥り眠れず、近年では電子メディアを見ることで光(ブルーライト)が目に入り、余計眠れなくなるという悪循環に陥るケースも増えています。メラトベルの有効成分であるメラトニンそのものは、海外ではドラッグストアなどで購入可能ですが、これまで日本では神経発達症のある子どもの睡眠障害に対する医薬品は承認・販売されていませんでした。そこで、ノーベルファーマ株式会社が2013年から同剤の臨床試験を開始。2020年に販売が開始となりました。どのような仕組みで睡眠に効果があるの?メラトベルの成分は、身体のなかで分泌するメラトニンというホルモンです。メラトニンが作用することで眠くなるのです。そもそもメラトニンは、脳のなかの松果体でつくられるホルモンで、概日リズム(サーカディアンリズム)の調節をする働きをし、眠りを促す作用があります。メラトニンの分泌は、視覚で感じる明暗の周期によってコントロールされており、血液中の濃度は午後のおやつ時と夜間に高くなるといわれています。その時間帯は眠気が出るため居眠り運転等による交通事故が多いというデータもあります。メラトニンはパイロットやCAなど時差のある職種で時差ボケを防ぐ目的としても用いられています。人間は朝陽を浴びることで視交叉上核にある体内時計がリセットされ、そのおよそ15時間後にはメラトニンが分泌され眠くなる(睡魔)というリズムがあります。夜にメラトニンが分泌されて眠くなると子どもの手は熱くなり、体内から熱を放出することで体温を下げて眠りの準備に入るのです。メラトニンは光によって抑制されます。子どもが夜眠くなっても親と一緒にTVやゲームなどの電子メディアを見続けることによって脳が目覚めてしまい、その結果、入眠時刻の遅延が生じ、概日リズム(サーカディアンリズム)が乱れるというケースも増えています。リズムが乱れることで子どもは興奮しやすく、怒りっぽくなることもあります。6歳から15歳の自閉スペクトラム症に伴う睡眠障害のある子どもに対して行った臨床試験の結果、メラトベル投与2週間後の電子睡眠日誌による記録で、寝床に入ってから眠りにつくまでの時間(入眠潜時)が短縮し、統計学的に有意であるということが認められました。メラトニン | 厚生労働省 e-ヘルスネット使用方法・用量は?メラトベルの使用方法・用量は以下の通りです。・使用開始:0.5g(メラトニン1mg)・用法:1日1回就寝前・最高用量:2g(メラトニン4mg)※新薬のため令和3年5月末までは2週間分しか処方できません。メラトベルは、6歳から15歳までの子どもに処方される薬です。用量は0.5g(メラトニン1mg)から2g(メラトニン4mg)までです。最初の処方時には、0.5g(メラトニン1mg)から使うことが基本となっています。3ヶ月程度経過したら継続投与するかどうか再評価していきます。※SSRI(セロトニン再取り込み抑制剤)とは一緒に服用することができません。服用するタイミングは就寝前(寝たい時間の直前)です。食事と同時や食事直後の服用は、最高血中濃度が低下する事例が臨床試験において確認されているため、避けることが望ましいです。メラトベルの副作用や注意点国内での臨床試験で確認された主な副作用は、傾眠4.2%、頭痛2.6%、肝機能検査値の上昇が1.3%でした(308例中)。メラトベルは比較的副作用が少ない薬ですが、起床後も眠気が続いたり、めまいがしたりといった症状が副作用として出る場合があるので、保護者が子どもの活動内容などについて、十分に配慮する必要があります。メラトベルを服用しているあいだは、高いところに登るなどの遊びや行動、自転車などの運転にも注意を払った方が良いでしょう。また、小学校高学年以上の年齢の場合には、危険性の高い電動工具などの機械操作は避けるようにしてください。思わぬ事故につながる可能性があります。また、一度眠った後に起床して何かをする予定があるときは、服用をやめることが必要です。副作用として気になる症状が出た場合には、早めに医師に相談し、服薬量の調整や、場合によっては服薬の中断や薬の変更なども含めて、指示を仰ぎましょう。また、睡眠障害改善のためには、薬だけに頼らず、併せて生活習慣を見直していくことも大切です。小児の睡眠障害の治療では、睡眠習慣に関する指導が重視されています。前述のように、メラトニンは昼間の分泌は少なく、夜間に多く分泌されることで、眠りへと導いてくれるものです。昼間に太陽の光をたくさん浴びて活動しておくなど、基本的なことが安定した睡眠のためにとても重要です。心がけたい項目は以下のものです。・朝の日の光を浴びる・朝ごはんを食べる・昼間、体を動かす・夜は早く寝る、寝る際には部屋を暗くする(常夜灯も消す)メラトベルの臨床試験でも、服薬と合わせて睡眠習慣に関する指導が行われています。このように生活習慣を整えながら、そのうえで睡眠が改善されなければ治療方法を医師と検討していきましょう。他の睡眠導入剤との違いメラトベルは、前述した通りメラトニンを成分とした薬です。2010年から発売されていたロゼレムは、メラトニン受容体に作用する薬です。メラトベルは体の中でつくられる「メラトニン」そのものが有効成分なので、より自然に作用し、睡眠を促してくれるといえます。安全上、受容体作動薬は小児にはまず適応されません。また、ロゼレムは本来大人用の薬ですが、メラトベルは6〜15歳の子ども用の薬という特徴もあります。さらに、メラトベルは自閉スペクトラム症やADHDなどの神経発達症のある子どもにのみ認められている薬です。それ以外の子どもの睡眠導入剤としては処方されていません。神経発達症に関わらない子どもの不眠症に対してはわずかに入眠を改善するという報告のみで、処方対象になっていないのです。まとめ今回は2020年6月に発売された、6歳から15歳までの神経発達症のある子どもに対して処方される入眠改善薬『メラトベル』をご紹介しました。これまで、自閉スペクトラム症などの神経発達症のある子どもの睡眠障害については数多く報告されていたものの、その症状を改善する薬はこれまで日本では販売されていなかったのです。2019年には小児神経学会から「神経発達症に伴う睡眠障害に対するメラトニンの早期承認」についての要望書が厚生労働省に提出されるなど、メラトニンの有効性に対しては以前から大きな期待が持たれていました。メラトベルが発売されたことで、神経発達症のある子どもの睡眠障害が改善され、またその家族のQOLが向上することも期待されています。治療薬の選択は主治医と相談のうえ、主治医の指示に従ってください。また、睡眠障害には薬だけでなく、生活リズムを改善することも重要です。子どもの特性に合わせてできるだけ、家族がサポートをしつつ生活習慣を整えることも大切です。参照:メラトベル顆粒小児用 0.2% に関する資料 | ノーベルファーマ株式会社
2021年01月28日■ 前回 のあらすじ娘に上履きを履かせようとするも断念。何度通っても泣き続ける娘を見て心が折れそうになり…。■先生が教えてくれた些細な変化■ずっと願っていたことがついに…!小さな子どもって、こんなにふわふわで温かいんだなぁ…としみじみしました。何も進歩がないように思えていた療育園での生活でしたが、koto子の世界が少しずつ広がり、私の夢も叶えることができました。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月28日学校生活で困ることといえば…持ち物の管理!Upload By 丸山さとこ学校から必要なものを持ち帰れないという、発達障害のある人にありがちな悩みを抱えているコウです。宿題に必要なドリルやノートなどを忘れるほか、授業参観や学年通信などの大事なおしらせのプリントも机の奥で折りたたまれていることが多いので、定期的に学校のHPをチェックしています。Upload By 丸山さとこ彼の場合はそれに加えて、持ち帰ってはいけないものを持ち帰ってしまうこともあります。持ち帰ってきたものの中には”提出しなければならなかったもの”もあったりして、単純に「持ち帰ってもまた持って行けばよいだけでは?」とはいかず、なかなか悩ましいところです。「もう高学年だから」と言われるようになったけれど…?物の管理が苦手な児童に対しては、低学年のうちは先生が引き出しやロッカーなどをチェックしてくれることもありましたが、高学年になると「自分で管理できる年齢なので」と言われるようになりました。Upload By 丸山さとこ息子の特性の変遷――並べる、クレーン、オウム返し。「ASDあるある」が目立つが対応しやすかった頃【幼児期~1年生編】コウの場合、一見”聞き分けがよく真面目なタイプ”に見えることもあるので、余計に「できるハズでは?」と感じられることも多いようです。(学年も後半に入りコウの”のれんに腕押し”具合が見えてくる時期になると、学校内でフォローしていただけることもあります。)「持って行くのを忘れる」や「持ち帰ってしまう」の他に親である私が地味に困っているのは「置いてきてしまう」というパターンで、給食袋や体操服などを学校から持ち帰るのを忘れるコウには1年生のときからずっと悩まされてきました。持って行く方の”忘れ物”なら親のチェックで多少は防ぐことができるのですが、持ち帰る方の”忘れ物”を防ぐのは先生方の協力なしでは難しいものです。ですが、前述のようにそれは学年が上がるにしたがって難しくなっていきます。Upload By 丸山さとこ小学校に入学した時点で「この子は忘れ物多いほうだろうなー」と予測していた私です。筆記用具を箱買いし、給食袋も多めに用意しておくことで最初の1年は対応していましたが、2年生に上がって「自分で管理していく学年ですので」となったころからは「給食袋5セット」を用意することにしました。Upload By 丸山さとこコウの通っている学校は毎日給食袋を持ち帰るルールなのですが、コウは今までに最大4セットためたことがあり、”忘れたら学校に取りに行く方式”でいくと、放課後の職員室に日参することになりかねないと考えたからです。流石に4袋もたまると見かねた先生が持たせてくれるので、今のところ5セットの給食袋を持ち帰るコウは見たことがありません(笑)。Upload By 丸山さとこそんな風に物量で押す作戦で持ち帰り忘れを乗り切っている(?)丸山家ですが、皆さまのところではどのように対応されているのでしょうか。きっと、親子の数だけ”乗り切り方”があるのだろうなと思う、「学校での持ち物」の話でした。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月28日特別支援学級在籍で、学習に集中できるように!広汎性発達障害の娘は、小学4年生。2年生から特別支援学級に在籍し、国語と算数のみ特別支援学級で受け、それ以外の授業や活動は、すべて交流学級で受けています。娘が2年生のころは、特別支援学級在籍の児童は全部で3人しかおらず、娘以外の2人は6年生でした。Upload By SAKURA教室内は静かで、娘は常に落ち着いて過ごしていました。6年生は交流学級に行くことも多く、先生と娘が2人だけで授業をするという時間が多くありました。3年生になると、教室内は一変してにぎやかに...しかし次年度(3年生)になると、6年生が卒業し、新しく1年生と2年生の児童が入っていきました。教室は一気ににぎやかになり、特別支援学級の先生も、1年生、2年生、3年生の授業をしなければならないことから、常に慌ただしい状態になりました。Upload By SAKURA暴走する下級生も制止しなければならず、先生は大忙し。特別支援学級内で最上級生の娘は、我慢することが多くなりました。今まで静かだった空間は騒がしくなり、先生と2人っきりの授業も、少なくなってしまいました。極端に変わってしまった状況に、私は娘のことが心配でした。すっかり変わってしまった教室の雰囲気に、娘は・・・この状況の中、娘はやはりイライラしているようでした。しかし、支援員も限られており、先生が必死にやっている状況も理解できるため、なかなか「娘優先に!」とは言えません。Upload By SAKURAこのころ、娘は騒がしい状況に不調を訴えるようになり、イヤーマフを購入しました。どうしようもない状況。イヤーマフである程度は音を遮断することはできましたが、イヤーマフをしたままでは授業を受けることはできません。先生の声を聞くために外すと周りの騒がしさも耳に入ってくるため、静かに授業を受けるということは、とても難しいことでした。Upload By SAKURAどうしようもない状況の中、私にできることは、娘に状況を確認しつつ気持ちを聞くということだけ・・・。私自身もモヤモヤした日々が続きました。新学期が始まり、しばらくすると・・・自分の子どものことなら解決策も考えやすいですが、ほかの子が関わってくるとなかなか難しい・・・。娘のことが気になりつつも、解決はできません。しかし、しばらくすると娘は教室の不満を訴えてこないようになりました。Upload By SAKURA私が聞いてみても、「普通」と答えるだけ。教室が落ち着いたのか…それとも娘が慣れたのか…。私はあまりしつこく聞くことはやめて、娘の様子を見守ることにしました。予想外だった娘の成長。気になった私は、たまたまあった保護者面談で、娘の教室内の様子を聞くことにしました。Upload By SAKURA今まで、周りを見るということがとても苦手だった娘。ほかの子の様子を見て、その頑張りを褒めるという話を聞いて、私はとても驚きました。娘の心地いい環境にしたくて、そればかり気になっていた私でしたが、娘はこの環境の変化の中、とても大きく成長してくれていました。4年生進級時は、さらに大きな変化が!新しいクラスでの1年はあっという間に過ぎ、娘は4年生に進級しました。4年生も在籍は引き続き、特別支援学級。しかし、4年生では大きな変化がありました。2、3年生と娘を見てくれた担任の先生が替わったのです。Upload By SAKURAこの変化に動揺したのは、娘ではなく、私。2年間担任をしてくれた先生とは密に連絡をとっていて、とても信頼していたので、新しい先生になることは私にとっては大きな変化でした。娘はというと・・・新しい先生とは、学校内のイベントでこれまでにも関わりがあったので、まったく気にしていないという感じでした。Upload By SAKURA娘は引き続き、特別支援学級内では最上級生。新しい先生は男の先生で、下の学年の子の人数も増え、さらににぎやかになりました。Upload By SAKURAそうして始まった、新しい学校生活。前年も乗り越えてくれた娘だったので、私は今回それほど心配していなかったのですが…そう簡単にはいきませんでした。続く...LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月27日■ 前回 のあらすじ療育園での生活は何もできずに終わる毎日…。落ち込んでいると先生に声をかけられて…。■療育園3日目、最初に訪れた難関後日、上履きをマジックテープでガバッと開くタイプのものにしたらなんとか履けました!■療育園に何回通っても、泣き続ける娘上履きが履けなくても、まだ何もできなくても、その子のペースに合わせて見守ってくれるとても有難い環境。それでも、何度通っても泣き続けるkoto子を見ると心苦しくもありました。すると園長先生に声をかけられて…。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月27日■ 前回 のあらすじようやく夫に大変さを理解してもらうことができ、ついに療育園へ通えることに…!■療育園初日、ショックを受ける右も左も分からず、koto子は暴れまくり、初日はショックを受けた記憶しかありません…。■療育園2日目、空気のような存在?みんな同じ悩みを抱えているはずなのに、普通に集団活動をしている…。koto子を周りの子たちと比べずにはいられない…そんな状況でした。すると、帰り際に声をかけられて…■2人ぼっちだと思っていたけど…慣れない場所でいきなり馴染める子なんていない…。koto子が自分から参加できるようになるまで見守り、あえてそっとしてくれていたんだと気付きました。そしてこの一言に、とても救われた気持ちになりました。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月26日ベビーカーが動いているとき以外、ひたすら泣き続けていたコト子Upload By koto私が感じていたコト子の多動の兆候の1つが、寝ているときかベビーカーで外を歩いているとき以外は、とにかくよく泣いていたことでした。よく泣く子、というにしてはあまりに泣き方が激しく、また空腹でもなく眠いわけでもなく、赤ちゃん向けのおもちゃを与えても抱っこしても、何をしても泣き止まず...泣き止むのは、ベビーカーが動いているときだけでした。今思えば、当時はまだ本人の意思で動くことができなかったので、ベビーカーが一秒でも止まると「動きたい」という欲求が満たされず、激しく泣くことで気持ちを表現していたのではないかと思います。それを証明するかのように、コト子はハイハイができるようになると、自分の力で動けなかったころと比べて激しく泣く時間が減りました。とにかくよく動き回るので、それはそれでとても大変でしたが、何をしても泣かれてしまったり、朝から夜暗くなるまで外を歩かなければならなかったりする日々から少し状況が改善され、精神的にも体力的にも助かりました。ただ、自分の足で立ち自分の足で歩くようになると、とにかく一瞬も目が離せず、動きも速くなるので、私は再び精神的体力的に追い詰められていきました。歩けるようになったコト子は、まるで水を得た魚のようで...Upload By koto歩けるようになったコト子は水を得た魚のようにとにかくよく動き回り、危険な場所や高い所にも平気で行こうとすることも多々あり、私は一時間でそのような危険行動を何十回も止めなければならず、なるべく何もない人の少ない場所を選んで過ごすようになりました。このころ、ちょうど集団療育に親子で通うようになっていた時期なので、療育園にいる間は少し気を緩めることができました。園内は危険なことや脱走に対して、さまざまな対策がなされていたからです。一般的な公園には柵などはなく、あっても子どもだけで出て行ける隙間があったりするため、私は常にコト子の半径一メートル以内(手を伸ばせば服をつかめる距離)にいなければなりませんでしたが、療育園は少し目を離しても道路などに飛び出す心配がなく、安心して過ごせる数少ない場所でした。「このままではいけない」焦る気持ちをおさえ、少しずつ休日には子ども向けのイベントも、少人数で参加できそうなものであれば思い切って連れて行ったりもしましたが、そこでも一人だけウロウロしたり、イベントに参加できなかったりしました。絵本の読み聞かせ会などで、他の子たちがお母さんやお父さんの膝に座って絵本を聴いている姿を見ては、どうしてだろうと不思議に感じてしまうほど、私の中ではコト子が常に動き回るということが当たり前になっていました。ただ、このままでは集団生活でやっていけないと感じ、内心かなり焦っていたのも事実です。Upload By koto療育園に入って半年ほど経ったころ、私の膝の上に座っていられる時間が増え、朝の会や手遊びなど、毎回のルーティーンを親子で見ていたせいか、少しずつ落ち着いて椅子に座れるようになっていきました。どこに行っても大人しく座れるようになったわけではありませんが、それでも根気強く諦めず、「この場面では座る」「座っていたら楽しい活動に参加できる」という経験を積んでいくうちに、子ども向けの行事にも参加することができるようになっていきました。まだまだ一人だけ衝動的に動いてしまったり、静かにする場面で発言をしてしまったり、癇癪も起こすことがありますが、一秒も立ち止まれなかったころと比べると、格段に落ち着いて来たように感じます。今でも、2歳位の子を見て「今のコト子より落ち着いているなぁ」と思うこともあります。それでも、私の中ではコト子は今、昔のコト子とは別人のように落ち着いてきているのです。膝に座って一緒に本を読む。ベビーカーが一秒止まるだけでパニックを起こしていたころは、想像もできなかったことです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月26日新発売の3アイテムをご紹介発達ナビユーザーに実施した「みんなのアンケート」から「ほしい商品」の声が多かった6アイテムについて、500人以上の方からアンケート回答をいただき、フェリシモのプランナーが企画開発をすすめてきました。今回は、前回ご紹介した3アイテムに続き、「タスクチェッカー」「メッシュ財布」「お道具箱」をご紹介します。・「やること」と「やったこと」を可視化する タスクチェッカー・見渡しやすさ&つかみ取りやすさ抜群 スマホも入る 透けるメッシュ財布・ひとまとめで整理らくちん 取り出しやすいお道具箱「やること」と「やったこと」を可視化する タスクチェッカー「これからやること」と「やったこと」がわからなくなってしまう、途中で別の作業に移った瞬間、何をしていたかわからなくなった、など日常生活でのタスク管理が難しいといったお悩みを持つ方も多いようです。Q.このタスク管理グッズを使うのはどなたですか?回答から、子どもはもちろん、「大人も子どもも使いたい」という要望が分かりました。そして、完成したのがこちら!Upload By 発達ナビ編集部お悩み解決のための機能・1枚に最大7つのタスクを書き込める・穴にひもを通して、ドアノブや壁など定位置に掛けられる・紙素材で薄くて軽いから何枚でも気軽に持ち運べる・使用例が書き込まれた付属シールが付いているから、届いてすぐに使える・5枚セットでのお届けだから、家や仕事場などいろいろな場所で使える持ち物やいつものルーティンをリスト化して、「やるべきこと」と「やったこと」をスイッチのように切り替えてチェック。「できた?」の持ち手を引っ張ると、完了の合図のスマイルマークがにっこり。タスクをわかりやすく見える化することで、次の行動を明確にします。Upload By 発達ナビ編集部段取りよく準備することが苦手な方、忘れ物やなくしものが多い方にも便利に使っていただけます。家事のルーティン整理、仕事のタスク管理、出発前の忘れ物チェックリスト、飲み忘れてはいけないお薬の管理など、自分仕様で活用できます。さらにペットのごはんや、おやつ、お散歩のチェックリストにしておくと、家族みんなで共有しやすくなります。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビユーザーの声「チェッカーに記入した項目を一日も忘れることはなかったです」「確認のために、夜中に起きることがなくなった」「色目もはっきりしているので目につきやすく、軽くて余計な機能がないので手軽に使用できる」「『子どもが忘れてないか』確認の声掛けをするようになった」「仕事用に使いたい」「ポップなカラーも子どもの目を引いて、親子で使えた」●毎月1回、同じものをお届けします。※1回だけの購入も可能です詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。見渡しやすさ&つかみ取りやすさ抜群 スマホも入る 透けるメッシュ財布出したいお金が見つけられずお会計が苦手、お会計のときに焦ってしまってなかなか取り出せない、といったお悩みが聞かれました。とくに、視覚優位と呼ばれる傾向のある方は、お札や硬貨が隠れて見えないと、正確に出せず大きなお金を出すため、たくさんのお釣りでお財布がいっぱいになってしまうという悪循環があるようです。また、硬貨がいくらなのかを瞬時に判断するのが苦手な方もいらっしゃいました。Q. 小銭以外に中身を見える化したいのはどの部分ですか?「カードポケットを見やすくしたい」という意見が多く集まりました。そして、完成したのがこちら!Upload By 発達ナビ編集部お悩み解決のための機能・透けるメッシュ素材でどこに何が入っているかがわかりやすい・小銭入れもお札ポケットも2室に仕分けて収納できるので見やすい・小銭入れがマグネットボタン式で、がばっと開いてコインをつかみやすい・カード入れもお札入れもめくって使うブックタイプなので不器用さんも安心・もしもの時に対応できるオリジナルのお助けカード付き小銭入れが2色に分かれているため、「50円玉・100円玉・500円玉」「1円・5円・10円」と入れる場所をそれぞれ分けておくなど、マイルールで管理できます。マグネットやブックタイプの仕様にすることで不器用さがある方にも使いやすく。やさしい仕様だけれど見た目は大人っぽいエナメル風素材で、みんなのお買い物を楽しく応援してくれるお財布に仕上がりました。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビユーザーの声「マグネットの開閉はとてもスムーズ。ポケットに障害者手帳を入れたところ、透けているので見せるだけでよく、わざわざ取り出さずに済み便利でした。カードも何が入っているかとてもわかりやすいです」●この商品は、お申し込みいただいた月だけお届けします。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。ひとまとめで整理らくちん 取り出しやすいお道具箱文房具が見つからなくて勉強や作業がなかなか始められない、ものをどこに片付けたのかわからなくなってしまう、といったお悩みが多く聞かれました。そこで、可動仕切りやアイコンカードでじぶん専用にカスタマイズしてひと目でわかりやすく整とんできるお道具箱をつくり、「これひとつあれば作業が始められる」状態になることを目指しました。Q. お道具箱はどの形状がよいですか?「可動仕切りで定位置を決められるボックスタイプ」と「カレンダーのように立てられるファイルタイプ」という意見が多く、置きやすくて中身が見やすいタイプが求められていることがわかりました。そして、完成したのがこちら!Upload By 発達ナビ編集部お悩み解決のための機能・スライドトレーだから下段も見やすく出し入れがスムーズにできる・アイコンシートで定位置を決めて整とんできる・ふたは一体型なので開けると立てたまま固定できるカラーは〈ターコイズ〉〈ネイビー〉〈オーカー〉の3種類。必要なものをまとめて収納できて、まるごと持ち運びできるお道具箱です。仕切りで見やすく整理できて、ひと目で入れるものの定位置がわかるように貼れるアイコンシートも付いているから、出し入れもらくにできます。ふたは一体型になっていて、中にはA4ファイルを挟めるゴム付きです。開けると立てたまま固定できるので場所を取らず、ふたの紛失も防げます。Upload By 発達ナビ編集部お薬や手芸、メイク道具の収納にもおすすめです。組み立て式のお道具箱ですが、自分で組み立てるのが苦手な方のために、福祉事業所の方たちによって組み立て済みのバージョンもWEB限定で販売しています。Upload By 発達ナビ編集部【発達ナビユーザーの声】「スライドするトレーの深さも形もいい! 下に何を入れたか見えるからとりやすい」●毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月26日■ 前回 のあらすじ改めて夫に娘を預けて出かけることに。しかし、帰ってくるとそこにいたのは…。■ようやく娘の大変さが理解された普段から人に弱みを見せない夫が、私の母を頼るほど大変な思いをしたということ…。そして大変さを理解し、私に時間を作ってくれようとする夫の気持ちが嬉しかったです。■夫の「療育園」に対する考えが変わったこうして、療育園にいくことを了承してくれた夫。最後まで強がっていましたが、koto子が困り感のある子だとしっかり理解してもらえました。そして、koto子のためにもいち早く何かをしてあげたい気持ちでいっぱいでした。■療育園に連絡すると…ついに療育園へ通うことになりました!そしてこれから、色々なことが巻き起こります…!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月25日発達ナビは5周年を迎えましたUpload By 発達ナビ編集部発達ナビは、2021年1月26日で5周年を迎えます。多くのユーザーの皆さんにご活用いただくことができ、5年の間にさまざまなコンテンツやサービスをひろげていくことができました。訪れるユーザーは、保護者を中心に、支援者や当事者まで発達ナビは、発達が気になるお子さまの保護者を中心に、さまざまな方にご活用をいただいています。以前行ったユーザーアンケートでは、約78%が保護者、約12%が支援者、8.2%が当事者などその他のみなさまと言う結果でした。Upload By 発達ナビ編集部お子さまの年齢については、小学生が約半数、未就学が17%、中学生が16.5%となっています。0歳から成人まで、さまざまな年代のお子さまの保護者の皆さんに訪れていただいています。Upload By 発達ナビ編集部ユーザーの皆さんは、発達ナビをどのように活用している?5年間の中で活用方法が変化していった方もまた、2020年12月30日から、5周年を記念し、「あなたにとって発達ナビとは?発達ナビをどんなふうに活用しているか教えてください!」というアンケートを実施させていただきました。Upload By 発達ナビ編集部もっとも多かったのが、「情報を得られる」からという回答でした。それぞれ、どのように活用されているのか、声も寄せていただきましたのでご紹介します。コラムや、他のユーザーの皆さんの書き込みなどから、お子さまの成長発達に参考となる情報を得られているという声が多くありました。また、コラム等を読むことで共感できたり安心できる、前向きになれると感じてくださっている方も多いのではないかと思います。親の私達がしっかりとした知識や情報を持っていることが、未来の子供達が歩む道を変化させると思います。日々学びの場となっております。(おまささん)コラムの記事はとても前向きになれて、参考になる情報満載なのですべて拝見しております。(さくらもちさん)以前から困った時にはこちらに来て上手くいく方法をコラムなどで探したりしてばかりいましたが、最近はストレスをかかえることが増え自分の気持ちを吐き出す場にもなりつつあります。ここに来ることでホッと安心します。(まろさん)発達ナビでは、さまざまなコンテンツはユーザーの皆さんへの贈り物だととらえ、発信をしています。共感や発見が得られるものかどうか、という視点をもって制作をしています。これからもぜひコラムをはじめとしたコンテンツをご活用いただければと思っています。発達ナビはオンラインの居場所、リアルでは吐き出せないこともオンラインだからこそできる、と感じられているユーザーの皆さんも多くいらっしゃいます。5年前は、情報を得たり、たまに質問して皆様の意見を参考にする位でした。訪問も週1から始まって、今は来ない日はないどころか、1日に数回は来ています。この5年間で子供がゆっくりゆっくり成長し、普通の子育て以上に色々な経験をしました。ここに来て、その一部でも誰かの役に立ったり、自分も肩の力を抜くことが出来ればいいかな、と思っています。コロナ渦の今、なくてはならない場所です。五年間ありがとうございます。これからも宜しくお願いします(春なすさん)同じ目線で同調してもらえたり励ましてもらえたり、さらには心配してもらえたり。実生活ではなかなか難しいホッとするような、胸に染み入るような時間を得られて、本当に救いになっています。(ぽにたんさん)使い始めはまずは情報や知識を得る為に、その後は記録として残す目的でした。が、私の心が救われたのは「わかる!しんどいよね!」「凸凹あるある〜」と共感してくれるたくさんの人の存在。なかなか現実では認められず、無責任な発言「過保護」「心配しすぎ」「大丈夫」「考えすぎ」「育て方の問題」で萎みきった私の心のオアシスになりました(モジャ子さん)息子の事で沢山悩みを抱え辛さを感じている時にこのサイトを主人に勧められました。息子は幼稚園で先生からダメ出しの嵐に合いました。本当に親子共々孤独で、泣くような日々を過ごしていました。そこから行政に相談して、療育を始め少しずつ前向きに生き始めていた所・・・。小学校では支援級にという返事を頂いていたにも関わらず・・・入れず学校で色々と問題行動を起こし、担任から色々言われる日々学校と、教育員会に相談してようやく支援級に入れるようになりました。そんな時リタリコに出会いました。初めは皆さんのコメントに♡を押すだけでした。しかし、色々聞きたい事もあり、初めてQ&Aに投稿させてもらいました。あの時優しい言葉をかけてもらえたからかTLにも自分の気持ちを書き込めるようになりました!!早くこのサイトに出会えていたら・・・。幼稚園時代一人であんなに悩み、毎日の様に泣き、私だけだ・・・と自暴自棄にならなくてすんでいたのかな?もっと、楽だっただろうし、もっと他の考え方もできていたかもしれないのにな?と思います。未だに息子の暴言癇癪で悩んだりする日々を送ってますが、ここに来て吐ける事で頑張れている私がいます!!!私のコメントに♡を貰ったり、コメントを貰ったりで頑張れます(#^.^#)また、皆さんのコメントに勇気づけられたり、私だけじゃないんだと頑張れる気持ちになります!!本当にありがたいです(#^.^#)これからもよろしくお願いします!!(HARUKAさん)ここに出会った頃の私は周りからの理解もなく、情報を得るのものも限られて(教科書的なものばかり)、孤独感が強かったです。ここで色々なタイプのお子さんがいる人や当事者の人たちと出会いました。考え方の引き出しを覗かせてもらったり、教科書的なものにはない生の色々な対応策を知る事で、我が子に対応する為の引き出しを増やせているもとです。また、互いに辛い事を吐いては受け止めたりする事で、互いに心のバランス維持の為になっているな…と感じています。(飛竜 翔さん)発達が気になるお子さん、障害があるお子さんのは、実は全体の1割以上と多くいらっしゃいます。ですが、リアルでは少数派であったり、発達障害があるお子さまの保護者同士であっても、実生活で関りのある相手だからこそ本音を言いづらいといったこともあるようです。そうしたとき、同じように悩み、そして共感できる仲間と出会え、つながることができる発達ナビがオアシスのような存在となっていればうれしいです。専門家コラムや親子のヒントなど、専門家が執筆や監修したコンテンツも豊富にご用意しています。療育の仕事をしていた時には会員になっていませんでしたが、知識を得たいと思い、最近会員になりました。たくさんの方の体験や専門家の先生のコラムなど、勉強させていただくことがたくさんあり有難く思っています。(アリサンさん)さんの情報はイラストが可愛くて優しい感じ。いいなぁと。理解力もあがる(ルークさん)また、2020年春にスタートした保護者さま向け有料サービス「発達ナビPLUS」では、オンライン勉強会やケース相談なども可能となり、「専門家から学びたい、相談したい」というニーズにもさらにこたえられるようになりました。毎月説明会も行っておりますのでぜひお気軽にご参加ください。2019年にスタートさせたダイアリーや、タイムラインなどを、記録する、気持ちを整理する場として活用いただいているユーザーの皆さんもいらっしゃいます。ダイアリーを、自分の気持ちの整理や、過去を振り返るのに役立てています(YOSHIMIさん)正確に言うと記録するというより気持ちや考えを整理できる場所。(雪の日さん)リアルだとなかなか吐き出すことのできない胸のうちや我が子のあれこれなどを書き出して気持ちを整理することができるのが一番ありがたいと思っています。(manmaruさん)成長記録を残すことも、お子さまの将来において大切な意味があります。障害者手帳や障害年金の申請を今後行う可能性がある場合はもちろん、さまざまな支援者との関りがある場合も、お子さまの成長の記録があることで、公的支援の申請時に役立ったり、よ支援の質をよくすることにつながったりもします。また、保護者の皆さんが気持を整理する際にも「書き出す」ことは大切なプロセスとなります。そうした場としてもぜひ活用いただきたいと思います。2021年も発達ナビはよりサービスを進化させていきたいと考えています。ぜひ皆さんの居場所として、欠かせないポータルサイトとしてご活用をいただけたらうれしいです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月25日思えば息子の偏食は、母乳拒否から始まっていた?Upload By かさはらあやこ現在、3歳7ヶ月の息子。2歳までは好き嫌いをすることなくなんでもよく食べていた(と思い込んでいました)。いま振り返ってみると、産まれたときから偏食の片鱗を見せていました。まず生後1日目から母乳を拒否。抱かれることが嫌なのか、口に異物が入ってくる感覚が嫌なのか、味が嫌なのか…おっぱいを吸おうとせず、暴れ泣く。わが子を愛おしく感じられる時間であるはずの授乳は私にとってとても辛く憂鬱な時間で、生後3ヶ月時には完全ミルクでの育児となりました。離乳食を始めたときも、口に食べ物が入ると吐き出し、顔を真っ赤にして泣きながら怒っている息子に、はじめての育児で何も分からない私は熱かったのか、冷たすぎたのか?柔らかすぎなのか、固すぎなのか?と振り回され、何をしても食べない苛立ちで叱ってしまうなど、食事の時間が本当に憂鬱でした。唯一食べてくれたのは市販のベビーフード。〝そんなものばかり与えて楽をして、つくりなさい!〟実母にはそう言われました。買い物をするにも、3食ベビーフードを与えていると思われる後ろめたさから(誰もそんなことは思わないのに)通販で購入したり、健診のときにも「ベビーフードを〝与えてしまっています〟」という言い方をして、自分を守っていました。過保護・神経質・ラクしてる...家族からの言葉も突き刺さりUpload By かさはらあやこ上手く咀嚼ができないため、丸呑み状態の息子。消化不良で、嘔吐や下痢を繰り返しています。みかんや葡萄は、飲み込もうとしたときに喉に引っ掛かり吐いてしまうので、2歳をすぎても薄皮を剥いて食べさせていましたし、トマトは湯むきを欠かしませんでした。また、虫歯になるとじっとして治療を受けることが難しく、全身麻酔での治療になってしまう可能性があるため、甘いものは絶対に与えませんでした。それを見た家族や親戚は神経質で過保護だと失笑し、そこに栄養があるんだから食べさせなさい、と言われたり、私の見ていないところで甘いものを与えたり。普段食べないものを〝たまたま食べた〟ときなども「食べるじゃん!あんたのつくるものが不味くて食べないだけでしょう」と馬鹿にされました。授乳をなぜ頑張れないのかと言われたり、ミルクやベビーフードで楽をしていると言われたり。挙句の果てに神経質で過保護…。悪意があるわけではなく、自分の子育て経験を踏まえたアドバイスのつもりだったのだろうと思いますが、日々うまくいかない食事の時間と向き合っていた私にとっては大きなストレスでした。もし、同じような想いをされている方がいたら私は声を大にして言いたい。あなたは何も悪くありません!!こだわりは2歳半からエスカレート!食事マナーどころではなく...Upload By かさはらあやこ2歳半を過ぎたころから息子の偏食とこだわりに拍車がかかり、はじめてみるものや久し振りにみたものは絶対に口にしようとせず、決まった、よく食べるものを出すしか方法がなくなっていきました。必然的に同じメニューになりますが、食べていたものでも急に食べなくなったりするので、いろいろ用意しておかなければなりません。ごはん、おかずご飯がだめだったときのパンパンがだめだったときの麺全て拒否をしたときのバナナ…果物を食べてからでないと他のものを口にしない、一口サイズにちぎったパンをパズルのように繋ぎ合わせなければ気が済まない、食べられるもの、大好きな食べ物でも形が変わると一切口をつけなくなる...などのこだわりも発動するので、提供の仕方にも工夫が必要です。さらに、食べ物をテーブルに並べて遊びはじめたり、椅子に立って揺れながら食べる、テーブルに足を乗せる、立ち歩きながら食べることは日常茶飯事。外食などはほとんどすることができません。食べてくれればOK!手を抜かないと続かないUpload By かさはらあやこ食育?なにそれ?状態のわが家ですが、まずは息子が食事の時間を楽しい時間だと思えるよう、3食必ず好きな果物を出したり、〝食べさせて〟と要求してくれば食べさせてあげたり、椅子に立とうが、離席して立ち歩こうが、危ないこと以外はガミガミ注意しないようにしています。本来ならば、しつけをするべきなのかもしれませんが、どんな状態でも食べてくれればオッケー!マナーより栄養摂取の親心。そして私自身もストレスが溜まらないように、毎食頑張ってつくることをやめて、買ってきたパンを食べさせたり、冷凍食品を活用するなど手を抜けるところは抜き、食べない日があっても、無理に食べさせようとしたり、栄養が偏っていることに対して過剰に心配することをやめました。いつか息子が、「ママのつくったあれが食べたい」と言ってくれる日を夢見て、ゆるゆると頑張っていこうと思います。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月25日■ 前回 のあらすじ娘の世話が余裕だと言う夫に、もっと子育てにかかわって欲しいと伝えると…。■夫の休日、また娘を預けることにそこにいたのはなんと…。私の母を呼んで一緒にkoto子お世話していた夫。でも、誰かに頼りたくなる気持ちはすごく分かる…!ようやく、夫も気付いてくれたようです。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月24日2月5日オープン!日本初、バリアフリーと多言語で鑑賞できるオンライン型劇場『THEATRE for ALL』をご紹介!Upload By 発達ナビニュース2021年2月5日にオープン予定の「THEATRE for ALL」は、日本ではじめて演劇・ダンス・映画・メディア芸術を対象に、日本語字幕、音声ガイド、手話通訳、多言語対応などを施したオンライン型の劇場です。障害や疾患があり従来の劇場に出向くことが困難だった方や、母語が日本語以外の方、また、芸術に対して「わからなさ」がバリアとなり馴染んでこられなかった方などに対して、開かれた劇場であることを目指しています。「THEATRE for ALL」では作品の配信はもちろん、作品解説や対話型のワークショップ等、鑑賞者の鑑賞体験をより豊かにし、日常にインスピレーションを与えるラーニングプログラムの開発にも力を入れています。2月から3月にかけて、バリアフリー対応つきの映像作品約30作品、ラーニングプログラム約30本を配信予定。アクセシビリティに特化したオンライン型劇場「THEATRE for ALL」に今後も注目です!Upload By 発達ナビニュース<詳細>【オープン予定】2021年2月5日(金)【料金(1作品あたり)】無料・500円・1000円・1800円・3000円など【鑑賞方法】配信作品ページより鑑賞したい作品のチケットをご購入のうえご覧ください(要会員登録)よこはま発達相談室主催のWEB講座「自閉症スペクトラムのアセスメントセミナー」をご紹介Upload By 発達ナビニュース2021年1月30日(土)に、よこはま発達相談室主催の「自閉症スペクトラムのアセスメントセミナー」が開催されます。このセミナーでは、公認心理師である講師が実際の臨床場面で、どのようなアセスメントを組み合わせながら実施しているのか紹介しながら、それぞれのアセスメントで何を見ているのかということについても解説します。講座では、フォーマルなアセスメントを中心にスライドを用いて、講師が説明を進めていきます。Upload By 発達ナビニュース当日は、オンライン上でリアルタイムで講義を進めると同時に、質疑応答の時間も設けています。また、事前に回収した質問に対しても解説しながら講義を進めていきます。<詳細>【日時・場所】2021年1月30日(土) 14:00〜16:30オンライン(Zoomを用いて行います)【対象】医師・心理士・言語聴覚士などの支援者【講師】北沢香織さん(公認心理師・臨床心理士・臨床発達心理士)佐々木康栄さん(公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士)【料金】11000円(税込)【お問い合わせ先】mail : seminar@ypdc.nettel : 045-942-1160一般社団法人 発達精神医学・心理学研究会 セミナールーム子どもの自立について考える!発達障害講演会『知ってほしい!子どもの3つの分岐点 6才・14才・17才 自立のためにすること』Upload By 発達ナビニュース2021年2月28日に、発達障害オンライン講演会『知ってほしい!子どもの3つの分岐点「6才・14才・17才」自立のためにすること。』が開催されます。この講演では、子どもの自立を考えるにあたって、3つの分岐点にフォーカスを当てています。その3つとは、6才:学校という集団生活がはじまったとき14才:中学の卒業を控え、今後の進路について考えるとき17才:社会に出ていくことがいよいよリアルになってきたときです。本講演で講師をつとめるのは、発達障害のある経営者として、複数のTV番組にも出演経歴をもつアズ直子さんと、教員経験や自身も発達障害のある子どもを育てた経験をもつ平塚英子さん。子どもの自立について当事者と支援者、二つの目線で大切にしたいことなどをお話しします。<詳細>【日時・場所】日時:2021年2月28日(日)13:00~15:30場所:オンライン【料金】2000円(税込)【お申し込み方法】下記のフォームからお申し込みください。【お問い合わせ先】発達凸凹子育て・親育て講演会実行委員会and.e.therapy@gmail.comTEL 090-5803-1731LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月24日ミドルエイジの先輩たちが「自分らしい生き方」に至るまでーー光武克さん予備校講師、家庭教師、「発達障害BAR The BRATs」のオーナー(現在は休業中)とYouTubeチャンネル運営、医療系アプリのコンテンツ開発と、いくつもの仕事を掛け持ちしている光武克さん。それだけ聞くと「なんでそんなに大量の仕事をこなせるの!?」と驚く人もいると思いますが、その背景には自身のADHDとASDの特性をつかみ、サバイブするためのたくさんの工夫がありました。光武さんに、現在の働き方に至るまでの経緯を聞きました。通知簿ではいつも「生活態度」を指摘される子どもだった。成績を上げることで特性をカモフラージュする生存戦略――光武さんは小さいころ、どんなお子さんだったのですか?光武克さん(以下、光武):あまり覚えていないのですが、不器用な子だったんだろうなと思います。幼少期から交流のある友人によれば、出会いは遊具から落ちて大泣きしている僕を助けたことだったそうなので(笑)、不注意かなにかで、よく怪我はしていたんでしょうね。Upload By 姫野桂光武:小学生のころは落ち着きがなく、宿題などの提出期限を守れないことも多々ありました。小学校の通知表って、学習面と生活態度の評価があるじゃないですか。生活態度の中の「基本的な生活習慣」の項目は、毎回「努力しましょう」に印がつけられていました。当時、僕はすごく動物が好きで、どうしても犬を飼いたかったんです。そうしたら、親から犬を飼う条件として「基本的な生活習慣」の改善を言い渡されて。結局犬は飼ってもらえなかったので、小学校6年間では改善できなかったんでしょうね。――勉強面はいかがでしたか?光武さんは予備校の講師もされていますし、小学生のころから勉強が得意だったのでしょうか。光武:それが、小学生のときは中の上ぐらいで、ずば抜けて成績が良いわけではなかったんです。中学校に上がってから、成績が良い方がいろいろとメリットが大きいというか…自分の不注意など、周囲から変に思われる部分が目立ちにくくなることに気づいて。「あいつは成績がいいから」と言われるキャラクターでいたほうが安全だろうということで、勉強するようになったのかもしれません。中学生のときには、親も昔通っていた、地元で有名なスパルタ英語塾にも通っていました。教科書の例文を20ページ分、つまらずに読めないと帰れないような塾だったのですが、そこで勉強したおかげで語学の道が少し開けた部分があります。高校でも英語の勉強には力を入れ、留学も経験しました。――当時、光武さん自身も、「自分は変わったところがある」という認識だったのですか?光武:自分が変わっているという自覚はたしかにありました(笑)。僕の出身地は田舎ということもあり、なかなか閉鎖的な環境だったので、自分の言動が目立ちやすい部分はあったと思います。でも、それと同時に、「周りの方がおかしい」という感覚もありましたね。なんでそんなに合理性のないことを、みんなが口を揃えて言うのかがわからない。それでも、ここは言ったらいけない場面だから言わない、といった対処をしていました。Upload By 姫野桂考古学者を目指すも、自分の特性との合わなさに挫折。予備校講師のアルバイトで見つけた適性――子どものころ、将来なりたい職業などはありましたか?光武:歴史、特に古代史が好きで、考古学者になりたいと思っていました。中高生のころは、吉村作治先生の本をよく読んでいましたね。2歳ぐらいのころ、奈良の親戚を訪ねた際にも大仏を30分ほどひたすら見つめていたそうなので、昔から古いものが好きだったようです。具体的に研究したい内容までは見えていませんでしたが、「研究」への憧れを持って大学にも進学しました。大学入学後は、古代史の研究をしたいなあと思い勉強していたのですが、やればやるほど歴史の研究に向いていないとわかってきました。歴史学の研究は緻密さが必要で、1つの資料にじっくり向き合い続けることになるんですが、それがもうしんどくて。僕のADHD特性との相性がすごく悪かったんですよね。飽きちゃうんですよ(笑)。なりたいと思っていたものに、絶望的に自分が合っていないと気づいたのが、大学2年生か3年生のときでした。これが初めての大きな挫折だったかもしれません。それから他にやりたいこともなく、このままだと就職もできそうにないしどうしようと悩んでいたのですが、当時していた予備校講師のアルバイトで、自分に向いていそうなことも見つかりました。教育の仕事って、ある面では仮説検証のような部分があると思うんです。学んだことをもとに、自分の中で仮説を立てて実践して、それがうまくいくか、つまり生徒にとって学びやすいかどうか確かめる。その一つである予備校講師の仕事は、歴史学で扱う資料と違い、生徒からすぐに反応が返ってくるじゃないですか(笑)。それがすごく面白かったし、目の前で反応を見られる環境では集中しやすくて。やったことのフィードバックがすぐに返ってくる、具体的な社会現象や人間を相手にするほうが僕には向いているのだと気づきました。そこから、社会学や教育学の本を読むようになりましたね。大学3、4年生ぐらいのことでした。Upload By 姫野桂悩んだ末、内定を辞退しフリーランスの予備校講師へ――光武さんはその後、就職活動もされていますよね。わたし自身もそうでしたが、発達障害のある方からは、「自分をよく見せなければいけない就活が苦しかった」という話を聞くことが多いです。光武さんの場合はいかがでしたかか?光武:もう、めっちゃ苦しかったです。ルールを説明してもらえれば、そのルールに従って動けるんですが、就活って「ルールは自分で考えなさい」みたいなゲームじゃないですか。エントリーシートで暗に求められていることなど、明確な指示がないものについては、要領をつかむまで苦労しました。結局、「どんなに社会が変わっても食いっぱぐれないだろう」と思った教育と医療の業界に絞って、当たり障りのないエピソードや、ウケのいい話を自分でつくり、組み合わせながら就活をしていました。でも、そもそも就職したくないという気持ちがあったので、「なぜうちの会社を受けようと思ったんですか?」と聞かれたら「そこに応募ボタンがあったから」という感じですし(笑)、「同業他社の中でなぜうちを選んだのですか?」と聞かれて、変に正直に「うーん、特に理由はないですね」と言ってしまったこともあります。そんなわけですから、最後に奇跡的に1社だけ、製薬会社から内定をもらうことしかできませんでした。――しかし、光武さんはその内定を辞退して、フリーランスの予備校講師になったんですよね。それはなぜだったのでしょうか?光武:就活の段階からグダグダで、まともに社会生活を送れる自信もなく、その会社でうまく働いていくイメージができなかったんです。そこで正社員になるという選択肢しか当時はなかったんですが、「これはベストではない、選んじゃダメなやつだ」という確信があって。かといって代替案もなく、悩むうちに時間だけが過ぎていました。そんなときに、個人事業主(フリーランス)として予備校講師をやっていくという方法もあると教えてもらったんですよ。これは乗るしかないと思い、そちらの道を選びました。――そのときのことについて、ぜひ詳しくお聞きしたいです。光武:その働き方を聞いたのは、アルバイト先の社員の方とお酒を飲んでいたときでした。ちょうど悩んでいたころ、勤めていた予備校で講師の授業力コンテストの第1回が開催されて、僕は東京都で1位を取ったんです。そこで教える力を認めてもらえたのか、部長クラスの方に、「君はプロとして、十分それで食っていけるよ」「個人事業主でやるという道があるよ」と言っていただけて。「ああ、そういう道があるんだなあ」とそこで初めて知りました。その話をきっかけに、大学生講師である「学生コーチ」から「プロコーチ」という枠に契約を切り替えてもらったのが、大学4年生の12月前後でした。一応「プロ」と名乗れるようになったことで、「これでなんとか食べていけるようになるんじゃないか」と思いましたね。あれは一つの転機だったかもしれません。だから、決して「フリーランスになりたい!」と思ってなったわけではないんです。当時はフリーランスという言葉も知りませんでしたし。今振り返ると、ずっと上司がいない状態で働いてきたのは、失敗だったなと思います。「こうすればうまくいく」という仕事のノウハウや、働く上でのメンタリティまで教えてくれる人が身近にいなかったので。20代のころの自分に、そういった「ロールモデル」になる人を、きちんと見つけたほうがいいよと言いたいですね。Upload By 姫野桂自助会での経験をきっかけに、「発達障害バー」という形態を選ぶ――フリーランスの講師として働き始めた光武さんが、その仕事を続けながらも、2018年、33歳で「発達障害BAR The BRATs」を開くまでに、仕事面ではどんなことがありましたか?光武:20代のころは、理想に燃えて講師の仕事を頑張っていました。しかし、教える仕事自体は楽しかったのですが、自分がやりたいことや興味があるものと、教育ビジネスの世界で展開されるものに、すごくギャップを感じるようになってしまい…。今はそのあたりのバランスがうまく取れるようになりましたが、当時は何よりもスコアアップが求められる受験指導に対して、嫌悪感がとても強くなってしまったんです。「予備校講師の仕事が嫌だ。一刻も早く辞めたい」とまで思っていた時期もありました。Upload By 姫野桂――それが「発達障害バー」という新たな仕事のスタートにもつながったのでしょうか。光武さんは、大人になってから発達障害の診断を受けたのですよね?光武:はい。31歳か32歳のときに、ADHD、ASDという診断を受けました。心境としては、これでようやくいろんなことの説明がつくんだなと腑に落ちた感じでした。当時、妻との関係がうまくいっていなかったので、この診断が関係改善の糸口になるかもしれないという安心が一番大きかった気がします。今ならわかりますが、なんらかの形で理由が説明できようとできまいと、嫌なものは嫌ですよね(笑)。結局、妻とは離婚に至りましたが、それも発達障害バーを始める一つのきっかけにはなりました。――人が集まる開けた場をつくることは、なかなかエネルギーが必要だと思うのですが、なぜ「バー」という形式を選んだのですか?光武:それまで、既存の発達障害当事者の自助会にも参加したことがあるんですが、自分にはちょっと肌に合わないなと感じて。そのときの経験を踏まえて考えた結果です。行ったタイミングの問題や、自助会ごとの違いもあるとは思うのですが、以前ある自助会に参加したときは、僕が求めていたような内容、例えば「プライベートの人間関係で、こんなときはどうしたらうまくいく?」「仕事のこんな場面でつまずいたときはどうしたらよかった?」といった話をする雰囲気ではなかったんです。そういった具体的なハックやプライベートな話を、もうちょっと気軽な空気で話せる場所があるといいなと思ったのが、大きなきっかけですね。僕の場合は、お酒が好きなこともあり、そういった話を友達や同僚とするときはお酒の席が多かったんです。だから、バーという形態なら、ふらっと気軽に立ち寄れて、気軽に話ができるんじゃないかと思い、発達障害バーをオープンさせました。――お店を持つことに不安はありませんでしたか?光武:めっちゃありましたよ。そもそも僕、お店を持つつもりはなかったんです。最初オープンさせたのも一時的な店舗でしたし、当初はイベント的に開催して、終わらせるつもりでした。ところが、思いのほか、お店を残してほしいという声が大きかったので。何らかの形で続けられないかと模索した結果、場所を渋谷に移して営業することになりました。(※現在は新型コロナウイルス感染症の影響で休業中)自分の特性を把握し、チームでトライアンドエラーを繰り返す――昼間は講師の仕事、夜はバーに立ちつつ、2019年からはYouTuberとしての活動も始めていますよね。最近は、さらに医療系アプリのコンテンツ開発もされていると聞きました。それだけいくつもお仕事をしていても、混乱しませんか?光武:「何曜日の何時から何時までは、どこで働く」というように、曜日や時間帯でやりことを区切った働き方をしているので、自分のADHD特性にはむしろ合っているのではないかと思いますね。適度に力が分散されて、適度に違う刺激を受けられるので。僕がこうやって働いている姿を見て、不登校だった子の大学受験の家庭教師を依頼されるなど、1つの仕事が他の仕事につながることもありますし。Upload By 姫野桂――さまざまな種類の仕事を複数並行して進めていくにあたり、何か気をつけていることがあれば教えてください。光武:僕の場合、何か作業をするときにマニュアルなどをもらっても、その中の重要なポイントがわからないとミスがすごく起きやすいんですよね。逆に言えば、作業する上での最低ラインが、要点の箇条書きでいいので示されていれば問題なくできる。齟齬が生まれるとすれば、要点の解釈ミスでしょうか。今取り組んでいるアプリのコンテンツ開発では、そのあたりがうまくクリアできています。上司となるプロジェクトマネージャーの方が、「自分も指示出しが雑になってしまうから、毎日15分、絶対にミーティングで話しましょう」と提案してくれたんです。ミーティングの場では、その都度できあがったコンテンツのよかったポイントをフィードバックしてもらったり、「この点とこの点が満たせていればOKという認識で大丈夫ですか?」とこちらから確認したりしています。おかげで、作業がすごく楽にできていますね。あとは、僕は今通院も服薬もしていなくて、どうしても脳の調子に波があるんですよ。それこそコンテンツ開発でも、まったくアイデアが浮かばず、「今日は全然書けない日だな」というときもある。それでも、「次は何時にミーティングだから、それまでにこの条件さえ満たして、何本出せればいい」というのがわかっていれば、そのときは難しかったとしても、合間の時間でパパパパッと書くこともできますよね。脳の波に乗れないときはいくら考えてもダメなので(笑)、そこで悩んでもしょうがない。書けるときに書くしかないと考えて、例えば夜中の3時とかでも、「あ、今いける」と思ったら書くようにしています。そうやって、うまーくうまーくやっていますね。――たしかに、わたしも「いける!」と思ったタイミングで書くことはありますね。光武さんの場合、講師などの1人で取り組むお仕事をされている一方で、YouTube含むバー関連のお仕事はチームで取り組んでいらっしゃいますよね。そちらの働き方についてもお聞きしたいです。光武:今一緒に働いているのは、「一緒にやりたい」と言ってくれた中から最終的にチームとして残った人たちです。「協力したい」と言ってくれる人は多かったのですが、実際にチームとしてうまく機能するかどうかは、さまざまな要素や相性がかかわってきます。その人たちとは、一緒にやる中でお互い特性を探り合っていって、「ここが嫌なのか」「こういうときはこうすれば良いのか」と、トライアンドエラーを繰り返しながら、ようやくまとまってきたところです。YouTubeの仕事は、僕は現場に行って撮影される担当で、撮影や編集などの作業は別のメンバーがやっています。僕はログインパスワードすら知らないレベルの分業体制です。――そういえば、光武さんにご連絡したときも、光武さん専用の連絡フォームから担当者の方に返信をいただきました。光武:組織として、役割がかなりきっちりと分かれているんです。それぞれが得意なことやできることをなるべく多く行い、苦手なことはなるべくそれが得意な人やできる人に任せるといったような体制になっています。Upload By 姫野桂セルフモニタリングを通して、自分の「反応」を客観的に捉えると解決策が見えてくる――紆余曲折を経て現在の働き方をされている光武さんですが、進路に悩んでいる人へ向けて、何かアドバイスがあればお願いします。光武:発達障害などの特性があると、どうしても働きにくい部分はあると思うんですよ。とくに、僕にもあるような脳の波の問題は大きいのかなと。そこに関しては、「うまくいかないときもある」という、ある程度の割り切りは必要なのかなと、個人的には思います。一番大事なのは、自分がどんな場面で、どんな「反応」をするかということを、客観的に捉えることだと思うんですよね。Upload By 姫野桂光武:僕は昔から楽器を演奏するのが好きで、トランペットとピアノを長く趣味として続けています。でも僕の場合、パニック障害のような傾向があり、特定の場面で著しく緊張して音を出せなくなることがあるんです。それがなぜ起こるのか原因がわからず、苦手意識をずっと持っていたんですが、ゆっくりセルフモニタリングをして紐解くことで、そのとき自分に何が起きているか、少しずつわかってきました。例えば、「人からどう思われるかを意識して、『ここでこういうアクションをとって、こんな風に思われたら嫌だ』という考えが起こると、肩がすごく固くなるんだ」とか。そうやって自分の状態を確認していくと、悪い流れの兆候が出始めた段階で自覚ができるので、1回楽器を置いてみたり、「今はちょっとダメです」と伝えたりして、悪化を防ぐことができるようになったんです。何かあったら一旦止まって、調子が戻ったらまた練習に参加するというプレーの仕方に変わりました。そういったセルフモニタリングと、それを受けての行動の変化は、仕事の場面でも活きる部分があると思うんです。仕事でも、ある特定の場面で同じ反応が起きるようなら、セルフモニタリングをしてみて「こうやったらうまくいった」「こういうときはこんな身体の反応がある」「こんなことが頭に浮かぶと、こんな身体の反応がある」と確かめていく。大体、仕事などで失敗しやすいケースは、どこかで考え方のクセが出ていたり、失敗するようなイメージが出てしまったりしていると思うので、そこを自覚できるようになるだけでも、かなり変わってくるのではないでしょうか。そこからさらに、「前回はこうしたらこうなったから、今度はこうしてみたらどうだろう」等と、試行錯誤し、わかったことをリスト化していくと、自分の取扱説明書になると思います。――最後に、光武さんの今後の目標を教えてください。光武:ベースにあるのは、「自分自身の生活を、できる限り、もうちょっと生きやすくしたいな」ということですね。そして、自分が生きやすくなれば、多分同じようなタイプの人が生きやすくなるとも思うんです。自分より若い人に「光武ってやつがこうやってなんとなく生き延びたんだな」というのが伝わって一つのロールモデルになれば、そこを目標に頑張る人も出てくると思います。そんな人が増えれば、ちょっとずつ社会の仕組みも変わっていくかもしれません。まずは地道にコツコツ、近い感覚や考え方を持つ人を増やすのが大事なのかなと思っています。また、自分にとっての仕事は、ご飯を食べるためのツールという側面の他に、他者と関わる中で自分がやったことを残すものという側面も持つものです。「人に知られたい」というよりは、もっと自己満足に近いものなのですが、「俺はこういうことをやったんだなあ」と納得できる、形になるようなものが残せたらいいなあと思いますね。Upload By 姫野桂一見するとスーパーマンのように数々の仕事をこなしているように見える光武さんですが、その根底には発達障害ならではの特性との合致と、チームで動く仲間たちとの協力がありました。人間関係を構築することに苦手意識がある人もいるかもしれませんが、光武さんのようにトライアンドエラーを繰り返していけば、チームで動くことも可能になるのではないでしょうか。取材・文:姫野桂編集:鈴木悠平・佐藤はるか撮影:鈴木江実子LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月24日■ 前回 のあらすじ夫に娘の育児を任せてみたものの、余裕な顔で「全然大変じゃなかった、毎週見れるよ」と言い始め…。■少しでいいから自由な時間が欲しい!激務に追われる夫のストレス発散だったので、ジムに行くことはこれまで口出ししませんでした。しかし、ここまで余裕な態度を取られたらそうはいかない…!koto子のことをもっと理解して欲しい、その一心でした。■夫の本音…?なに…?夫の本音がポロっとこぼれました。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月23日神奈川県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービスキッズパークでは、学習を中心に、社会生活に必要な技能・知識・マナーだけでなく、PCスキルの習得にも力をいれています。小学校・中学校でも導入実績のあるゲームを楽しみながら、 PCスキルに加え集中力、計画性、創造性を育てます。 また、プログラミング検定(初級~)の基礎も学べるほか、学習面では、学校の宿題サポート、補習~授業の先取り等、英語、数学、国語、理科、社会で教科ごとの専門スタッフが手厚くサポート。通信制高校のサポート校を併設しているので、進路についても相談可能です。神奈川県の放課後等デイサービスをもっと見る埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報叱られない教室【らいくす】放課後等デイサービスでは、名前の通り「叱らない」ことをモットーとしています。お子さんの得意不得意を見つけ、得意な事をどんどん伸ばしていき、前向きな気持ちになってから苦手の克服に向け支援をしています。集団でリトミック体操やクッキング等行うレクリエーションのほか、ミニハードルやボール投げなど、体を使った活動で基礎体力と体幹を鍛えます。また読み書きや宿題のサポートも行っており、経験豊富なスタッフが一丸となり、愛と情熱を込めて精一杯サポートしています。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る栃木県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ブロッサムジュニア大田原教室では、お子さんのアクションの背景を分析し、お子さん一人一人に合ったオーダーメードの療育プログラムを用意しています。学習支援では、塾での支援経験のあるスタッフも在籍しており、個別に相談を受け付けています。また教室の外でもたくさん遊んで学べる環境を用意しており、理科の実験教室は子ども達に大人気!地域交流の一環としてさまざまなイベントを開催し、地域との交流を大切にしながら、日々子ども達の成長をサポートしています。栃木県の放課後等デイサービスをもっと見る栃木県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ブロッサムジュニア大田原教室では、「ただ今ここにいるだけで、あなたはすばらしい」という言葉をモットーに、お子さんの個性を丸ごと受け止めて伸ばしつつ、新しいスキルも身につけられるようインクルーシブ療育を行います。個別療育では、マンツーマンで心身機能面・行動面・生活面をサポートします。集団療育では、自然に得意を伸ばし不得意にも取り組めるように、「遊び心満載」のプログラムを用意。教材の中にはスタッフがお子さんごとにハンドメイドで作成するものもあり、より一人一人に寄り添った支援を目指しています。栃木県の児童発達支援事業所をもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月23日めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
ヲタママだっていーじゃない!
ムスメちゃんとオコメちゃん