電動自転車愛用者でペーパードライバーの私は、こども園まで坂道を登りながら毎日通っていました。しかし、雪国のため、さすがに冬の間は期間限定のバス通園に。運転手さんはとても無口な方なのですが……。 あいさつは大きな声で4歳の娘は、人見知りで恥ずかしがり屋。引っ越してきてから、こども園で先生にあいさつされても私の足によく引っ付いてまともにあいさつができませんでした。バス登園初日のバスに乗るとき、娘は恥ずかしくて 「おはようございます」とか細い声。バスの運転手のお爺さんは 「大きな声で元気よくあいさつ!」と一言だけ言って、正面を向いてしまいました。 それ以来、娘は運転手さんを怖がってしまい、あいさつが大きな声で言えない日々が続いていました。あいさつがじょうずにできなくて、少しバスに乗るのが憂うつになっていた娘。でも、バスを待っているときに知り合った犬と散歩をされているおばあさんととても親しくなり、ご機嫌で朝を楽しく過ごしていました。休日散歩をしていたら休日に娘と家の付近を散歩していたら、後ろから聞き覚えのある犬の鳴き声が。振り向くとなんといつもの朝のお婆さんとその隣にはバスの運転手さんがいました。世間は本当に狭いなと思っていたら娘はとっさに「おはようございます」と普段より大きな声であいさつしました。 運転手さんはとびきりの笑顔で「しっかりあいさつできたね」と初めて娘に言ってくれました。娘もその言葉がうれしかったようで笑顔で頷いていました。私は、運転手さんの笑顔のギャップに思わずほっこりしました。 バスの運転手さんのおかげで今では幼稚園の先生に対しても朝、大きな声であいさつするようになりました。バスの最終日、娘はなかなか降りずに涙を流して寂しいと言っていました。素敵な出会いに感謝です。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:伊東理恵子
2023年05月20日好きなアーティストのライブの日が近付くと、ついドキドキしてしまうもの。中には、単なるファンとは思えない熱量で、好きなアーティストを追いかける『推し活』にいそしむ人もいます。marumi(marumi222)さんの職場の先輩は、『推し活』について、とても理解してくれているようで…。『推し』のライブのチケットを手に入れたmarumiさんに、どの席で観ることになったかを聞く、先輩。興奮のあまり「ま…ッ…!」と、声にならない叫びを上げたmarumiさんに、先輩は「前のほうなのね!?嬉しいのね!?」と、すべてを察しました。続けて、「アドベントカレンダーを作りますか!?」と、まさかの逆提案。クリスマスまでの日数を数えるカレンダーを、推しのライブに合わせて作ろうというのです…!楽しみにしていることを、一緒になってワクワクしてくれる先輩の器の大きさに感動する、marumiさんなのでした。【ネットの声】・先輩のような、人間力あふれる人になりたいです!・共感力が高くて、素敵な返しをしてくれるなんて、最高だわ。惚れてしまう。・クリスマス以外で、アドベントカレンダーが登場するとは。その発想はなかった!・この先輩は、『推し活』をしている、まるみさんのことが『推し』なのかもしれない…。自分の好きなものを受け入れてもらえた時、嬉しさのあまり、じーんときてしまう人もいるのでは。marumiさんの先輩のように、周りの誰かが、夢中になって何かを追いかけていたら、共感して寄り添いたいものですね…![文・構成/grape編集部]
2023年05月19日娘が幼稚園に通い始めたころのことです。まだ園生活に慣れていなかった私は、幼稚園で先生やママ友と話すたびにひどく緊張していました。そんな生活が続いたある日の朝、目が覚めるとおなかに鈍い痛みがありました。子どもと朝の準備をしている間に、その腹痛はどんどん強くなって……。おなかが痛くてうずくまる朝娘が幼稚園に入園して間もないころ、私は幼稚園で先生やママ友と会話をするたびに、緊張する日々を過ごしていました。出産を機に会社を退職してから、他人との関わりが減った私は、以前に増して人と話すことに緊張するようになっていたのです。ある日の朝、私はおなかに鈍い痛みを感じて目を覚ましました。生理がいつもより早く来るのかなと思った私は、いつものように朝食の準備を始めました。しかし腹痛はどんどん強くなり、最終的にはうずくまらないと耐えられないほどになってしまったのです。 病院でレントゲンを撮ることに腹痛はなかなか治まらず、不安が募った私は病院に行くことにしました。病院に到着すると、耐えがたいほどの腹痛は緊急を要する病気の場合もあるとのことで、すぐに診察をしてもらえることになりました。先生がおなかを触り、軽く叩くとポンポンとまるで太鼓のような音が! 自分でも、いつもよりおなかが張っているのがよくわかりました。レントゲンを撮影し、原因は何だろうと不安に思っている私に、先生が告げた言葉は意外なものでした……。 私の胃には…「胃に溜まっているのは全部空気です」 レントゲンを見ると、私の胃からおなかにかけて大量の空気が溜まっていました。緊張したときやストレスがかかったときに、唾と一緒に繰り返し空気を飲み込むことで胃に空気が溜まってしまう「空気嚥下症/くうきえんげしょう(呑気症/どんきしょう)」ではないかとの診断でした。 たしかに娘の幼稚園生活が始まってから、緊張することが多かったのですが、聞いたこともない病名に驚いたのを覚えています。 おなかにたまった空気を体の外に逃がすマッサージをしたり、なるべくリラックスして過ごすように心がけてからは、病院に行くほどの腹痛は起こっていません。私が幼稚園に行く必要があるときには、娘が年長さんになった今でも少し緊張します。こればっかりは治りませんが、園生活を楽しむ娘を見習って、私も残り少ない幼稚園生活を楽しみたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/まめねこ ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:河原りさ4歳と6歳の女の子ママ。花屋に勤務。都会のおでかけスポットや植物に関心あり。
2023年05月18日息子を寝かしつける際、自分も一緒に寝てしまうことに悩んでいた私。寝落ちを防ぐため、どうにか添い寝することなく寝かしつけをしようと試行錯誤していましたが、ある意外なひと言をきっかけに息子がひとりで布団に入るように! 寝落ちを回避できるようになった魔法の言葉をご紹介します。寝落ちでなくなる自由時間…息子が寝たあと、ホッとひと息コーヒーを飲むのが一番のリフレッシュタイムになっている私。しかし、寝かしつけで寝落ちしてしまうと、この貴重な時間がなくなってしまい、私にとって大きなストレスでした。さらに寒い冬の時季、あたたかいお布団の誘惑ったら……。 1度入ったらもう2度と出ることができず、結局、息子と一緒に夢の中へ。そして翌朝、溜まった家事にゾッとしたこともしばしば。冬の寝かしつけは寝落ちをしないようにするのが、特に大変で必死でした。 どうにか寝落ちを防ぐ方法を模索!この寝落ちを防ぐために、何か良い方法はないだろうかと考えた私。布団で横になると睡魔に勝つことができないので、息子の横に座っていようと考えたものの「ママも一緒にねんねして!」と息子が許してくれません。 どうにか「ママ、トントンするね」「おてて繋ぐね」など、添い寝以外の方法で寝かしつけようと説得したのですが、すべて効かず……。「やっぱり一緒に布団に入るしかないか……」と諦めていたとき、息子に何気なく言ったひと言が、まさかの効果を発揮しました。 寝落ちを防いでくれた魔法の言葉添い寝せず寝かしつけができるようになった魔法のひと言、それは「足マッサージしてあげるね!」です。 足をマッサージすると寝つきが良くなるとどこかで聞いたことをふと思い出し、たまたま発したひと言だったのですが、この言葉を言って息子の足元に座るとすんなりとひとりで布団に入ってくれました。そして実際に足をもんであげると気持ちがよかったようで、息子も満足げ。そのまま添い寝することなく眠りにつきました。 あんなに添い寝にこだわっていた息子が、私の何気なく発したひと言ですんなり布団に入ってくれるなんて。とても驚きました。この方法だと、私は座ったままなので寝落ちする心配がなくなり、息子が寝たあと、しっかりと自分の時間を取ることができるようになりました。ひとりの時間を楽しんだあとは、「また明日も息子と楽しく過ごそう」と気持ちを切り替えることができ、日々の育児にも前向きになれた気がします。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:咲良ゆいか2歳と0歳の男の子のママ。北欧風インテリアに関心があり、家づくりや子育て、日々の暮らしについて綴るブログを運営。趣味はカフェめぐり。
2023年05月15日娘が2歳半ごろにトイトレをしていたときのことです。娘はトイレに行くのを嫌がるので、シールで興味を引いてみたものの、長続きはせず……。そこで娘に「トイレでおしっこが成功したら、ご褒美は何がいい?」と聞いてみると、意外でかわいい答えが返ってきたのです。ご褒美シール作戦は不発…娘は2歳を過ぎたころからおしっこが出たことを報告するようになったので、トイトレを始めることにしました。失敗を繰り返しながら、始めて半年ほどでようやく、私から定期的に誘えば確実にトイレで排泄できる状態に。しかし問題は、娘がトイレに行くのを嫌がることでした。娘としてはトイレに行かず、ずっと遊んでいたいようです。 そこでなんとかトイレに行ってもらうために、定番のご褒美シールで娘の興味を引くことにしました。娘と100均でキラキラシールを選び、台紙には娘の好きなキャラクターの絵を描いて、準備は万全! しかし、娘はしばらく喜んでトイレに行ったものの、たった数日で「トイレ行かない!」「シールいらない!」と言うようになってしまいました。 娘の希望を聞いてみた!シール作戦が不発に終わり、次はどうしようかと悩んだ私。そこで娘に「トイレでおしっこが成功したら、何がしたい? ご褒美に娘の好きなことをしよう」と聞いてみました。すると娘は、しばらくうーんと考えて「ぐるぐる抱っこ!」と言ったのです。ぐるぐる抱っことは、娘を抱っこした状態でぐるぐる回る遊び。 トイトレを始めたばかりのころは、娘の排泄が成功すると私もテンションが上がり、よくぐるぐる抱っこをして娘をたくさん褒めていたものです。娘はシール貼りよりも、私に褒めてもらうことのほうがうれしかったのかなと、そのときハッと気が付きました。また、キラキラシールよりも抱っこのほうがいいという娘の気持ちがかわいくて、私は思わずキュンとしてしまったのでした。 ぐるぐる抱っこでトイトレ大成功!それからは、娘がトイレでの排泄に成功するたび、約束通りぐるぐる抱っこをしてたくさん褒めました。「キャー!」とうれしそうに笑う娘を見ると、私も幸せな気持ちに。そうして1週間もするとトイレに行くことが習慣となり、2歳8カ月の現在は、ぐるぐる抱っこなしでもトイレに行けるようになりました。 この一件で、娘は褒められるのが大好きだと改めてわかった私。当たり前にトイレに行けるようになった今も「自分からトイレに行けるなんてかっこいいね!」と、定期的に娘を褒めることだけは忘れずに続けています。 私は「トイトレといえばシール貼り」「子どもが喜ぶ物といったらシール」と勝手に思い込んでいましたが、娘にとっては褒められることこそが何よりのご褒美だったようです。娘がシールより私を選んでくれたようにも感じ、無性にうれしくなってしまいました。人と関わることが大好きな娘なので、これからもトイトレに限らず、たくさん褒めながら育てていきたいなと思っています。 著者:榎本まいこ夫は転勤族で、見知らぬ土地にて甘えん坊な2歳娘を育てています。元幼稚園教諭。育児と保育の経験を活かしながら主に子育て・教育ジャンルで執筆中。趣味は古民家カフェめぐり。
2023年05月12日当時3歳の長男が認定こども園に通っていたときのことです。同じクラスのママ友2人組が私の陰口のようなものを言っているのが聞こえてきました。その2人組は2人とも上のお子さんが小学生で、下のお子さんがわが家の長男と同い年という関係。私にとっては先輩ママで、その2人と話すときは少し緊張する感じでした。2人はお迎えも園の行事のときも常に一緒にいて、とても仲がいい様子。2人の会話を聞いてしまい、先輩ママに恐怖を感じてしまいました……。お迎えのときに遭遇長男の園では、お迎えの時間は園の門が開くまでは門の外で待ち、先生が門を開けてくれると下駄箱まで入れるようになります。ある日、私が門の外で携帯を見ながら待っていると、2人のママたちがお迎えに来たので、私はあいさつだけして携帯に視線を戻しました。2人は私のすぐ隣で、会話をしている状況。 数分待つと門が開き、2人が先に下駄箱へ向かって進んで行きました。私はあとを追うような形になり、2人のすぐ後ろを歩いていたので、聞くつもりはなかったのですが会話が聞こえてしまったのです。 会話が聞こえて、ショック片方のママが「今、○○さん(私)、話しかけてほしいオーラ出てたよね」と言い、もう1人が「そうかもね~」と答えて、2人で笑っていました。「そうかもね~」と言ったママが振り向き、私に聞こえていたことに気付いた様子。もう1人のママも私のほうを見て急に別の話題に変え、私に話しかけてきたのでした。 私は「今の陰口だよね……」と心のなかで考えながらも何も聞けず、振ってきた別の話題に合わせました。たぶん私の顔は引きつっていたと思います。長男が下駄箱から出てくると、私はそそくさと帰宅しました。 2人に苦手意識を持ってしまう私はあのとき、2人と話したいとは思っておらず、そんなオーラを出したつもりもありません。それに、私のほかにもひとりで待っているママはたくさんいました。私は「あの2人組のママたちは、私が話しかけてほしいオーラが出ていると思いながらも、話しかけてくれなかったわけだし、私のことを話のネタにしているんだな……」と切ない気持ちに。 私は2人に対して苦手意識を持つようになってしまいました。ただ、送り迎えでよく顔を合わせるので、あいさつや最低限の会話はしようと心がけています。 毎日の送り迎えで顔を合わせるママたちですが、苦手な人がいるとしんどいなと痛感。そういう人とは適度な距離をおき、余計なストレスを感じないように過ごすのが大切だと感じています。そして自分自身も人をネタにするような発言をしないよう、意識していかなければいけないと思った出来事でした。 著者:鈴木智子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2023年05月10日私は7歳と3歳の息子の父親です。子どもたちにはちょっとしたことでも感謝の気持ちを言葉で伝えるように教育しています。ですが「ありがとう」と口に出すのが恥ずかしいようで、私や妻にはなかなか言ってくれませんでした。ある日、そんな子どもたちが2人きりで……。 「ありがとう」が恥ずかしい長男と次男長男の性格は恥ずかしがりで、自分の気持ちを伝えるのが苦手です。自己紹介をする際はモジモジしてなかなか話すことができません。次男は対照的でひょうきんな性格なのですが、「ありがとう」は恥ずかしいようで、笑ったり変な顔をしたりとごまかしてしまいます。私と妻は、感謝の言葉は自然に口に出してほしいと思っています。「ありがとう」を言ってほしくてつい叱ってしまうということもありました。 驚きのやりとりある日、私と子どもたちでお風呂に入ってあがったときのことでした。 長男は自分で体を拭いて服を着ることができるのですが、次男はまだできません。いつもは妻か私が次男の体を拭いて服を着せるのですが、そのときは私も妻も対応に遅れてしまっていました。すると、長男が次男の体をタオルで拭き、服を着せてくれていたのです。 そして次男が「ありがとうお兄ちゃん」と自然に言っているのを見て、私は驚きとうれしさで胸が熱くなってしまいました。少し離れた場所から観察していたのですが、次男は私の姿を見つけるとニコニコしながら「お兄ちゃん、かっこいいね」と、私に気持ちを伝えてくれました。長男も「ありがとう」と言われたのがうれしかったらしく、その後も次男の歯みがきをしてくれたり水を準備してくれたりとお手伝いをしてくれました。 私や妻には恥ずかしくて言えない言葉でも子ども同士では伝えられるのだなと思いました。次男を進んでサポートする長男の成長した姿を見て、そして私と妻の「感謝は伝える」と教えてきたことがちゃんと子どもたちに届いていたことがわかり、うれしくなった出来事でした。 監修/助産師 松田玲子著者:佐藤 稜
2023年05月05日土日は夫が仕事の日が多く、2歳と5歳の息子と義母と一緒に公園に行くのが定番のコース。隣に住む義両親に予定がある日は私と子ども2人で公園に行くことになるため、できるだけ公園には行きたくないのですが……。 行き慣れた大規模公園に母子旅息子たちは、外遊びが大好き。しかし、ワンオペの休日は、できるだけ公園に連れていきたくありません。手に負えなくなることが容易に想像できるからです。この日は子どもたちが「公園モード」に入っていたため、仕方なく連れていくことに。 長男が大好きな公園は、10万平方メートルもあります。行き慣れた場所なのでなんとかなると思っていたのですが、やはり私の考えが甘かったのでした。 ワンオペ公園は…公園に到着するやいなや、一番好きな遊具へと走り出す長男。次男を抱きかかえて後を追う私は、もうこの時点で息が途切れ途切れでした。次男もお目当ての遊具へ移動しようとしますが、長男と離れてしまうためそれも出来ず次男をなだめるしかありません。 スワンボートに乗りたいと言われリクエストに応えますが、私ひとりで漕ぐしかなく、ゆっくりしている暇はなし。しかも次男が池に入ろうとしたり、長男はボートの上で立ち上がったりで、私は何度も声を荒げる始末。 さらに、トイレに行ったばかりなのに、急にまた行きたいと言い出す長男を連れて、次男を抱っこしたままトイレ目指して猛ダッシュ。いつもは動きの遅い弟のために待ってあげたりサポートするやさしい長男ですが、この日はまさに自由奔放! 次から次へと遊具を移動する長男に付いていくのがやっとでした。 大変そうな私を見て5歳の長男が少しでも手伝ってくれたり、弟の遊びに合わせてくれるかと期待していた私。しかし、やはりまだ5歳。どんどん自分のペースで進んでいく長男でした。今後、ワンオペ公園の際は、無理せず近所の小規模なところへ行こう、そして体力的にも気持ち的にも余裕を持って楽しめたらいいなと思いました。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:鬼頭いちか5歳と2歳の男の子の母。パワフルな義両親と敷地内同居中。貿易関連の資格を多数保有。
2023年05月04日うちの夫は、なぜか傘をさしたがりません。理由はよくわかりませんが、おそらく片手が不自由になるのが嫌なのではないかと思います。夫がひとりで行動しているときならかまいませんが、問題なのは、子どもと一緒にいても傘をささないこと。保育園の送迎でも、なぜか傘を使わない夫にイラッとした体験談です。「このくらいの雨ならいける」当時、年少クラスに登園していた次男の送迎を、夫に頼みました。その日は、霧雨よりは少し強い程度の雨が降っていたので、夫に傘を渡す私。しかし、夫は「車で迎えに行くんだし、このくらいの雨ならいけるでしょ」と手ぶらでお迎えに行ってしまいました。 次男が通う園は、駐車場から園舎までやや歩きます。私は「どのくらいの雨なら夫は傘をさすんだろうか……」と、うんざりしながら、玄関にタオルを用意していました。 しっとりと濡れた通園バッグ。その中には……案の定、しっとりと濡れて帰宅した夫と次男。玄関に私が用意したタオルはそのままに、お風呂へ直行した夫が「濡れて帰ってくるってわかっているのに、なんでお風呂沸かしてないの?」とまさかの小言。 玄関で次男を拭いていた私は、イラッとしながら「それなら傘くらいさせばいいじゃん」と言い返しましたが、気になったのは次男の通園バッグ。中には次男が園で描いてきた絵が入っていました。取り出してみると、絵の一部が雨で濡れてしわしわに。次男の自信作だったようで、しょんぼりしながら夫とお風呂に入っていきました。 どの程度の雨から傘を使うのかは個人の自由ですが、濡れてしまうのは人の体だけではありません。この件をきっかけに、子どもの送迎のときだけは傘をさしてくれるようになった夫。しわしわになってしまった次男の絵は、乾かしたあと、しばらく玄関に飾りました。夫が体調を崩しても大変です。これまで自分のためにも子どものためにも自主的に傘をさしてほしいとお願いしていました。今回の出来事を機に、夫にしっかり伝わったことを願うばかりです。 著者:安藤 はるか小3、年長の男の子と2歳の女の子のママ。カラーセラピストとしてお悩み相談のサービスを運用中。
2023年05月03日保育園の修了式の日、簡単な音楽発表会がありました。娘が歌やダンスを披露する姿をを想像して発表会を楽しみにしていた私。しかし、娘の当日の様子は期待と違ったものでした。そしてつい、よその子の成長や性格がうらやましい……と思ってしまい、私は失言してしまったのです。 期待はずれな娘の姿にがっかり保育園の修了式の日、各クラスごとに簡単な音楽発表会がありました。娘が歌やダンスを披露する姿を見たことがなかった私は、笑顔で踊る娘の姿を想像して、誰よりもその日を楽しみにしていました。 待ちに待った発表会当日、ついに娘のクラスの番になり、子どもたちが登場してきました。私の姿を見つけたら娘はどんな反応をするだろう、笑顔で手を振ってくれるかな? とワクワクしながら見守っていた私。しかし、恥ずかしがり屋の娘は、目の前にいるお父さん・お母さんに少し圧倒されている様子で、私を見つけるなり目に涙を浮かべたのでした。音楽が始まり、クラスの子たちは元気よく笑顔で歌いながらじょうずにダンスを踊り始めました。そんな中、娘は恥ずかしいのか、正面を向いて踊ることができず少しずつ体が横を向き、ついには真横を向いた状態になってしまいました。 私はクラスの子と娘を比べてしまい「他の子はかわいらしくお母さんたちにダンスを見せようと笑顔で踊っているのに……」と残念な気持ちになったのです。 じょうずだったねと言えなかった私とても恥ずかしがり屋だった娘が、人前でダンスができただけでも大きな成長だということはわかっていました。 でも、楽しみにしていただけに残念な気持ちが拭いきれなかった私は、家に帰る途中、娘に「横を向いて踊らなかったらよかったのに」と言ってしまったのです。 その日の夜、撮影していた娘のダンス動画を見返しました。もう一度見てみると、しっかりと振りを覚え、最後まで踊りきることができていたなど、発表会中には気づけなかった娘の成長を感じました。そして他の子と比べて足りないところばかりを指摘してしまったことを深く反省。私は娘の動画を見ながら、これからは他の子と比べるのではなく、娘の過去と今を比べて褒めてあげる努力をしようと心に誓ったのでした。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:山口まなみ3歳の娘と双子の男の子の母。韓国人の夫と家族5人で韓国に在住。海外での子育てやバイリンガル教育に奮闘する自身の体験談を執筆中。
2023年04月30日4歳の長男は、お店で行列に並んだり病院の待合室で診察を待ったりしていると、すぐに「まだ?」と尋ねてきます。長く待つ必要があるときにはどうやって長男を退屈させないようにするか、いつも私は苦心していました。ある日、お弁当屋さんでテイクアウトすることにした私。しかしお店は混雑しており、なかなか商品を受け取れません。そんなとき、退屈してきた長男に、小学生の男の子が声をかけてきました。 行列に飽きてしまった長男に男の子が…ある日、私は子どもたちを連れてお弁当屋さんに行きました。お弁当をテイクアウトしてラクにごはんを済ませたかったのですが、お店は大混雑。お会計が終わっても、なかなか商品を受け取れません。待つことが苦手な長男は、「まだ? 早く帰りたい」と言い始めました。私がどう長男の気を引こうかと悩んでいると、そばにいた小学校高学年くらいの男の子が突然、「その靴かっこいいね!」と長男に話しかけてきたのです。 男の子とのお話で長男はご機嫌に少し驚きながらも、「うん」と答えた長男。長男が履いていたのは新幹線の絵が付いた靴だったのですが、男の子は「新幹線が好きなの? 他にも赤とかいろいろな色があるよね」と会話をどんどん広げてくれました。長男は退屈を忘れて、男の子と楽しげに話していました。そして男の子は帰る前にも、「きっともう少しでお弁当出てくるよ。頑張って!」と長男を励ましてくれたのです。そのすぐあとに私もお弁当を受け取り、長男は機嫌よく家に帰ることができました。 長男はお気に入りの靴を褒められ、好きな新幹線の話ができたことがうれしかったようです。長男の相手をしてもらい、私もとても助かりました。お願いしたわけでもないのに、長男をスムーズな会話で楽しませて退屈を紛らわせてくれたあの男の子のふるまいは、神対応としか言えません。長男もあの男の子のように、小さな子にやさしくできるお兄さんに成長してくれたらいいなと思っています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! イラストレーター/あさうえさい著者:香川えりか4歳と2歳の2児の母。管理栄養士・登録販売者・調剤事務管理士の資格を取得。ドラッグストアで開催されるベビー相談会を担当し、多くのママさんに寄り添ってきた。
2023年04月29日私たち親子が足繫く通う、市の子育て支援センターでの出来事です。イヤイヤ期真っ盛りの2歳の次男がこの日もお友だちとおもちゃの取り合いに。どうにもイヤイヤが収まらない次男。そこへ若いママが近づいて来て……!? アイスクリームが貸せない次男イヤイヤ期真っ盛りの2歳の次男は、まだお友だちにおもちゃを貸してあげることができません。この日はアイスクリームのアイスとコーンがセットになったおもちゃを3つほど使って、私と2人でアイスクリーム屋さんごっこをしていました。 そこへ同い年のお友だちとママがやってきて、アイスクリームのおもちゃを「貸して」とひと言。私は笑顔で「いいよ」と言ったものの、次男はアイスクリームのおもちゃを両手に抱え、逃げるように走り去る始末。 奪い取られたことでギャン泣き開始逃げる次男を捕まえたところに先ほどのお友だちがやってきて、アイスクリームを1つ奪い去っていきました。もともと3つもあったので「1つ貸してあげようね」「みんなで遊ぼうね」と次男に言い聞かせようとしたものの、次男はギャン泣き開始。 子育て支援センター内を次男の泣き声が響き渡り……。私は次男をなんとかなだめようと必死でした。 若いママが近づいてきて…そこへ騒動の一部始終を見ていたと思われる、顔見知り程度の若いママが近づいてきてくれました。 次男の好きそうなおもちゃをいろいろと持ってきてくれたり、次男の大好きなアンパンマンの歌を歌ってくれたりと、なんとか次男の気を引こうと頑張ってくれたのです。なかなか次男は泣き止まなかったものの、若いママのやさしさがとてもうれしく、私は「なんていい人なんだ」と心から思いました。 私よりも10歳は若いと思われるママ。初めての育児だと思われ、自分も大変な時期なのに私を含むほかのママに対しても余裕を持って助け舟を出せることがかっこよくて感心してしまいました。これまでは年齢差もありあいさつ程度しかしていませんでしたが、積極的に話しかけてみようと思った出来事でした。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:鬼頭いちか5歳と2歳の男の子の母。パワフルな義両親と敷地内同居中。貿易関連の資格を多数保有。
2023年04月28日私は5歳の息子と3歳の娘を育てる母です。息子が1歳になる前に、夫の転勤のため仕事を退職。その後すぐに娘を授かったこともあり、約5年間ずっと専業主婦でした。もともと仕事がそんなに好きではなかった私は家事や育児に専念できる専業主婦に憧れがあり、夫の転勤にも喜んでついて行きました。しかし、実母は何かと私に嫌みを言ってくるのです。私は悔しくなってしまいました。 想像とは全然違う専業主婦の生活専業主婦の生活は、私が思っていた以上にハードでした。何をするにも子どもから目が離せず、自分の時間はないので寝不足の日々。子どもの行動は予測不能で、気付いたら部屋はおもちゃや食べ物で散らかり放題。わが子は急な発熱も多く、予定が崩れてしまうこともしょっちゅう。 そんな中で家事を完璧にすることは難しく、最低限の食事・洗濯・掃除などをする生活で私は精一杯でした。そんな私に対して驚くべき発言があったのです。 「働いてないから、そのくらいいいでしょ」あるとき、私は「子どもたちの寝かしつけ中に、夫から迎えに来てと連絡があった」と夫の愚痴を母にもらしていました。すると母は「働いてないんだからそのくらいいいでしょ」と発言。てっきり同意してくれると思っていた私は驚きました。 また「子どもたちと1日中公園で遊んでクタクタ」と私が言えば、「でも働いてる人はもっと大変」と母は言います。さらに子どもたちが幼稚園に通い出し、ようやく自分の時間が取れるようになると「専業主婦はラクでいいね」とも母は言ったのです。 悔しくて私は…私は母にそう言われ続けるのが悔しく、仕事を始めることにしました。週3のパート勤務ですが、約6年ぶりの仕事にとても緊張。「専業主婦だった私がちゃんと働けるのだろうか」と不安でいっぱいに。 しかし、いざ働き出すと仕事はとても楽しくやりがいがありました。子どもの存在にとらわれずに役割をこなすことは、自分の存在意義を感じ自己肯定感も上がりました。何より一番に思ったことは「仕事より、何が起きるか分からない付きっきりの育児のほうが大変だ!」ということでした。 私自身も専業主婦を経験するまでは「仕事をしなくていい専業主婦はうらやましい」という気持ちがありました。しかし、専業主婦はまったくラクではなく、今も母の言葉にはモヤモヤが残っています。仕事と家庭の両立もまた大変で、どちらも決して完璧ではありませんが、仕事を始めて良かったと私は思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:都 うめこ5歳男児と3歳女児のアクティブ転勤族ママ。趣味は公園巡りで、現在公園レポートを20本以上と育児に関する記事を執筆中。元銀行員でFP資格保有。
2023年04月25日私には、9歳・6歳・3歳の3姉妹がいます。子どもの幼稚園の発表会を見に行くのが大好きな私。うまく演技してくれるかなという心配もありながら、とても楽しみにしています。けれど、次女の役のセレクトは少し変わっていて……。私が予想もしないキャラクターだったのです……。 次女の役のセレクトがおもしろい件について長女が幼稚園のときに選択していた役は「お母さん」とか「お姉さん」などが多かったのですが、次女の役のセレクトはちょっと変わっています。当時、幼稚園の年中だった次女が、「発表会で孫悟空(そんごくう)をやるの」と言って帰ってきました。幼稚園の発表会でドラゴンボールはやらないだろうから、西遊記かな?と私は予想しました。「何の役をするの?」と聞く私。「ぶたさん」と次女。 「ぶたさん? あ、もしかして、猪八戒(ちょはっかい)?! 」。予想だにしなかった役に、私は答えに戸惑いました。 「みんな、馬に乗ったおぼうさんがいいんだって」と次女が言うのを聞いて、「そりゃ、そうでしょうよ。人間だもの。三蔵法師(さんぞうほうし)だもの」とツッコミたくなった私。でも、次女は猪八戒を勝ち取ったと思っているようなのでそっとしておきました。きっと、先生たちが工夫してどの役も興味がもてるように子どもたちに紹介してくれたのでしょう。おそらく猪八戒を知らなかったであろう次女は、猪八戒の何かに魅力を感じたのであろうと思いました。 話を聞くにつれ、楽しみが増していく発表会の練習が始まってから、次女は家で練習の様子を話してくれるようになりました。「最後にね、ぎゅーまおーとらせつーじょが、かわいそうなの」。西遊記のお話がよくわからなかったので調べてみると、牛魔王(ぎゅうまおう)と羅刹女(らせつじょ)は、孫悟空の敵。孫悟空や沙悟浄(さごじょう)、猪八戒たちと戦って負ける様子が、次女にはかわいそうに思えてしまうみたいです。 話を聞くたびに、小さな孫悟空、沙悟浄(さごじょう)、猪八戒たちが牛魔王と羅刹女と戦う姿が私の頭の中に広がり、楽しみがふくれていきます。「パンチをしてね、次はキックなの」と振付をしながら楽しそうに話す次女。もう、すごく楽しみではないですか! 私は、見どころが増えて心躍りました。このように次女の練習の話を聞くたびに楽しみが増え、練習期間の約1カ月間、私はわくわくしながら発表会当日がやってくるのを待ちました。 さあ、発表会当日!長女のときと同じで、次女の年中クラスは音楽劇でした。録音してあるセリフや歌が流れる中で子どもたちは動作や踊りなどの演技をしました。「わしは、猪八戒!」という、体格のよさそうなおじさんの声で登場した次女。衣装は黄色のスカートに白タイツ。頭にかぶった豚のお面は次女の自作のようで、何ともシュールな笑みを浮かべています。もう、かわいいやらおかしいやらで、登場から言うことなしでした。 途中、孫悟空2人、沙悟浄2人、猪八戒2人で並んでパンチやキックを繰り出している姿を見て、「ああこのことか」と、次女が練習のときに話してくれたことを思い出しました。うれしそうに負ける牛魔王も、笑顔の素敵な羅刹女も、やる気のない孫悟空も、恥ずかしがりやの三蔵法師も、どの子もみんなとてもかわいかったです。でもやっぱり、私にとっては次女の猪八戒が一番でした。 今回はたまたま猪八戒と言う脇役でしたが、もし次女が主役を選んでいてもやっぱり私は喜んでいたと思います。私が感じた発表会の楽しみ方。それは、主役でも脇役でも、「わが子が一番かわいいな」と思いながら発表会を思い切り楽しむことでした。次女にそう教わった出来事でした。次女は次の発表会ではどんな役を選んでくれるのかな? そして、三女はどんな役を選ぶのかな? 私の楽しみはまだまだ続きそうです。 著者:桃野ゆか9歳、6歳、3歳の三姉妹の母。小学校教員を19年勤め、その間、育休や仕事復帰を経験。子育てや仕事の経験を元に、執筆活動中。
2023年04月19日「〇〇ちゃんに自転車買ってあげようか?と言ってるのに、要らないって言うのよね〜」〇〇ちゃんとは義姉の7歳の息子で、義母にとってはかわいい孫。私にとっては甥っ子です。私の息子は5歳なので、甥っ子とは2歳違い。なんてことない日常会話で義母がポロッと言ったこの話ですが、のちに私にとってショックな事実が判明したのです……。 甥っ子にはたくさんのプレゼント冒頭の自転車の話は、義母が甥っ子に自転車をプレゼントしたいと思ったけれど、甥っ子は自転車に興味がなく「要らない」と言われた話。私が「プレゼントというのは、誕生日か何かですか?」と聞くと「全然違うわよ、でも孫には何でも買ってあげたくなるじゃない」と、にこやかに答えられました。 詳しく話を聞くと、今までに他にもたくさんの物をプレゼントしているのです。例えば、甥っ子の洋服や靴は多くが義母からのプレゼントだったり、甥っ子が好きそうなおもちゃをプレゼントしていたり……。自転車の話をきっかけに、今まで義母がたくさんの物を甥っ子へプレゼントしていることがわかりました。 息子にはお下がりのみ…私はとてもショックでした。なぜなら、私の息子は誕生日以外に義母からプレゼントをいただいたことがないからです。その代わり、義母は頻繁に甥っ子が使った「お下がり」を送ってきます。 今回の話から、今までいただいていた洋服、靴、おもちゃなどのお下がりの多くが元々、義母から甥っ子へプレゼントした物だと知りました。私は「息子には新しいものや欲しいものを買ってあげようと思わないのかな?」と思ってしまいました。 義母の会話に息子が出てこない義母本人に問いただすわけにもいかず、私はそれとなく夫との話題に出してみました。すると夫は「別にいいじゃん、まだ使える物をタダでもらえてるんだから」と言いました。たしかにお下がりをいただけるのはありがたいことです。ただ義母にとっては同じ孫なのに、甥っ子には新品や好きそうなおもちゃをプレゼント、息子にはお下がりばかりを渡すという差に、息子の好きなおもちゃも気にかけてほしいなと思ってしまったのです。 一連の話を義母から聞いている間、義母は常ににこやかに話しているので、まったく悪気がないものと思われます。お下がりは使える物なので、タダでもえらえることには感謝しています。ただ、義母のお話はこのプレゼントの件に限らず、いつも甥っ子のことばかりで、息子のことが出てくることはほとんどありません。それもあって、なんだか淋しく感じてしまったのです。今は私がモヤモヤしているだけですが、息子が大きくなったときに孫同士での差を感じることがないようにだけは気をつけておきたいと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:海原えめ5歳息子と0歳娘を育てるアラフォー母。2児のワンオペ育児に奮闘する毎日。サービス業で働きながら、幼児食インストラクターとして活動している。
2023年04月09日夫の転職で娘が大好きな先生がいる幼稚園をたった1年で退園し、北海道から知り合いもいない石川県に引っ越しすることに……。娘にとっては、初めての悲しい別れとなり、「ごめんね」という思いでいっぱいな引っ越しをしました。突然決まった石川県への引っ越し娘は担任だった先生が本当に大好きで、ヘアスタイルもまねするほどでした。送迎バスに先生が乗っていると、私のことは知らんぷりでニコニコ笑顔でバスに乗っていきます。そんな中で、夫から転職先が石川県であると言われたのは引っ越しする半年前で、私は戸惑いしかありませんでした。 娘が大好きな担任の先生を始め、大好きなお友だちがいて、さらに近所には子どもが多い環境の中、本当に楽しめる生活をしていたので、1度も行ったことがなく、知っている人もいない石川県での生活はやはり不安だったのです。 大好きな幼稚園の先生とのお別れ…娘はまだ3歳なので、最後の登園が「本当の最後」とは正直わかっていなかったと思います。引っ越しまでの間は幼稚園の話を楽しそうに話している娘を見ていると、私はとても切なくて、本当に引っ越しを決断してよかったのだろうかと悩みました。 幼稚園に通う最終日、絵本バッグにたくさんの荷物を持って帰ってきた娘。荷物の中には幼稚園での制作物や退園証明書があり、私自身も大好きな幼稚園に行くのが最後なのだと思うと、本当に悲しい思いしかありませんでした。最後の登園から3日後、「もう幼稚園に行かないんだよ」と娘に話すと、とても切なそうな顔をして「先生に会いたい」と言っていました。 石川県での新しい幼稚園選び知り合いがいない石川県での幼稚園選びは、本当に悩みました。いろいろな幼稚園を見学しすぎると、逆にもっと悩んでしまいそうだったので、まず気になった幼稚園に見学に行くことに。 娘には園児が大勢いる幼稚園より、少人数のほうが合っているかなと思ったことと、娘が先生方とたくさんコミュニケーションをとることができて、楽しい幼稚園生活を送れそうな気がしたので、小規模で運営している幼稚園に決めたのです。しかし、娘は登園し始めて1週間は、毎朝「幼稚園嫌だ、おうちにいる」と号泣していたのです。 好きと思える先生が出現!?登園して3週間を過ぎたころ、幼稚園バスがきて、私が「今日は誰先生かな?」と言うと、娘の口から「あ! 大好きな先生だ!」という言葉が。娘が何気なく言ったその言葉に、私はとてもホッとしたのです。 最初のうちは、朝、幼稚園に行くとわかると泣いてしまい、私にしがみつきながら「おうちにいたい」と言っていた娘。この幼稚園は娘には合わなかったのかなと不安になることも多かったので、娘が好きと思える先生に出会えたようで安心しました 環境がガラリと変わる引っ越しをして、娘もかなりストレスを感じていたのではないかと思います。最初はどうなることかと思いましたが、今では幼稚園で仲良く遊べるお友だちもできたようで本当によかったです。娘はまだ北海道の幼稚園の先生の話をするので、今度一緒に先生へのお手紙を書こうと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:のろ ゆうこ
2023年04月07日春は出会いのシーズン。ふとしたきっかけから、あなたにとって大切な人やキーパーソンとなる人とのご縁が生まれるタイミングです。ご縁をつなげていくためには、あなたから“一歩踏み出す”ことも重要でしょう。そこで今回は、12星座別におすすめの「コミュニケーションスキルを上げる方法」をご紹介します。おひつじ座(3/21~4/19)あなたは熱しやすく冷めやすい一面があり、人付き合いにおいては「すぐに仲良くなってすぐに縁遠くなる」傾向があるかもしれません。そんなあなたのコミュニケーションスキルを上げるためのおすすめな方法は、友人と一緒に新しくできたお店や話題のスポットへ足を運ぶこと。新たなドキドキやワクワクを一緒に体験することで、長く関係を維持できるはず。おうし座(4/20~5/20)あなたはかなり慎重派で、相手を信用するまでに時間がかかるところがあるみたい。そんなあなたの人付き合いは「深く狭い」傾向があるでしょう。コミュニケーションスキルを上げたいのなら、多くの人と関わるために友だちの友だちとも積極的に仲良くする機会を持つのがおすすめ。深く狭い関係から広く豊かな関係へと変わっていくはずです。ふたご座(5/21~6/21)あなたには二面性があり、相手によって見せる顔を使い分けるところがあるのでは?いつも相手に合わせてしまうため、「相手と似た行動をとりがち」になることもありそうです。そんなあなたがコミュニケーションスキルを上げる方法は、「自分の価値観」を相手にきちんと伝えること。そうすれば相手の考えだけに偏らず、お互いに刺激し合える関係を築けるでしょう。かに座(6/22~7/22)あなたは人付き合いにおいて「好き嫌い」が激しいところがあり、すでに親しい人とばかり仲良くしてしまう傾向があるようです。あなたがコミュニケーションスキルを上げるためには、親しい友人以外にも「先入観を持たずいろいろな人と話す」ように意識すること。意外な相手と良い関係になれるかもしれませんよ。しし座(7/23~8/22)あなたは自分の非を責められると頑固になって譲らないところがあるかも。そんなあなたの人付き合いは「自分に合わせてくれる相手とばかり仲良くなる」傾向が。コミュニケーションスキルを上げたいのなら、柔軟に人と関わるために、自分と異なる意見にも積極的に耳を傾けるよう意識してみて。視野が広がって幅広い人と円滑な関係を築けるでしょう。おとめ座(8/23~9/22)あなたは嫌われたくないという気持ちが強く、恥ずかしがり屋な部分があるかも。そのため人付き合いにおいては「気後れして何事も控えめになる」傾向があるようです。あなたがコミュニケーションスキルを上げるには、ノリの良い関係をつくるために「言いたいことを我慢せずに言う」練習をすることが必要かも。素直に気持ちを伝えられるようになれば、風通しの良い関係を築けるはずです。てんびん座(9/23~10/23)あなたは石橋を叩きすぎて結局行動せず、チャンスを逃してしまうことがあるかも。そんなあなたは周囲からのお誘いを断ることも多く、人付き合いが狭くなりがちではないでしょうか。コミュニケーションスキルをアップさせたいのなら、お誘いには「顔だけでも出す」ようにすると良いでしょう。気乗りしなくても、なるべく人と会う機会を断らないのが吉。非社交的な印象が薄れて人脈も広がるでしょう。さそり座(10/24~11/22)あなたは自分のフィーリングを重視しがちなところがあるかも。そのため、相手の気持ちを汲み取れずに一方的な人付き合いになっているおそれも。コミュニケーションスキルを上げたいのなら、会話をするときに相手の表情や態度も見るようにしましょう。しっかりと相手の気持ちを汲むことができるようになれば、真に心を通わせられる間柄になれるはずです。いて座(11/23~12/21)あなたは良くも悪くも感情に流されるタイプのよう。その場の雰囲気だけで、思ってもいないことを口にしてしまったり、「会話が面白くないと冷めてしまう」傾向があったりするのではないでしょうか。コミュニケーションスキルを上げたいなら、うまく話題を盛り上げるために、相手が何に興味があるのかを事前にリサーチしておくのがおすすめです。話が弾んで楽しい関係を続けられそうです。やぎ座(12/22~1/19)あなたは思いやりがあるがゆえに、人間関係においてつい我慢してしまう部分があるかも。その結果、ストレスが溜まって人付き合いが面倒になってしまう傾向が。コミュニケーションスキルを上げるためにおすすめなのは、相手も自分もリラックスできる状態になれるように、食事やお酒の席を設けること。手持ち無沙汰になりにくいので、気負わず会話を楽しめるでしょう。みずがめ座(1/20~2/18)あなたは調子が良くて少し忘れっぽいところがあるようです。特に仲の良い人に対しては、その傾向が顕著に出てしまい、「親しい人ほど振り回してしまう」ことも多いかもしれません。コミュニケーションスキルを上げたいのなら、相手に信頼されるために、約束はきちんとメモしておく習慣をつけると良いでしょう。予定を忘れることが減って、信用し合える関係を続けられるはずです。うお座(2/19~3/20)あなたは優しすぎるあまり、人や環境に流されやすい部分があるかも。そんなあなたは「気乗りしないお誘いを断りにくい」ことも多いのではないでしょうか。コミュニケーションスキルを上げたいのなら、自分にとって“プラスになる関係”を大切にするために、イヤな誘いはきっぱりと断るように努力してみて。そうすれば本当の友人を大切にでき、自分の判断にも自信が持てるようになるでしょう。脇田尚揮/占い・心理テストクリエーター株式会社ヒューマン・ライフ出版代表取締役社長、企業占術鑑定士、大学講師、秀心寺住職。©Betsie Van der Meer/JohnnyGreig/gettyimages文・脇田尚揮
2023年04月04日私は、自分にとっての「普通」が周りの常識とは限らないと思っています。普通と感じることにも、大きな個人差があると思います。しかし、あるママ友は「普通は」が口ぐせのよう。私は「このママ友とは合わないな」と感じてしまいました……。 ある日、急接近することになったママ友私の息子は、幼稚園の同じ年中クラスにいるAくんととても仲良しです。そして、Aくんママは気さくな人で話しやすく、いつも子どもには笑顔で接しており、好感をもっていました。 幼稚園のお迎えが一緒になったときにはくだらない世間話で笑いあったり、時間に余裕があれば近くの公園で少し子どもたちを遊ばせたりと、適度な距離感で良い関係を築けていたと思います。そんなある日、私とAくんママは急接近することになりました。 「普通は…」「普通は…」幼稚園のイベント準備を私とAくんママとで担当することになり、打ち合わせなどのため、2人でかかわる機会も増え、お互いのことを話したりもするようになっていきました。そして、わかったのが、Aくんママは会話の中で、「普通」という言葉をとてもよく使う人だったということです。 例えば、「普通は女だったら、結婚して子どもも産みたいって思うよね?」など、自分の常識が正しいと思い込み、私にも同調を求めているような会話の流れになります。 共感できないママ友にとっての「普通」Aくんママにとっては普通のことでも、私にとっては普通とは思えない部分が多く、まともに受け取っていたら疲れるだけの会話に感じました。これまでの付き合いで、Aくんママは根本的には悪い人ではないことは知っています。 私は、Aくんママの思う「普通」を否定するつもりはありません。でも、共感もできませんでした。そして私は、Aくんママの「普通」の話になったときは、いちいち気にせず「へえ~、そうなんだ」と、聞き流すことにしていました。 幼稚園のイベント後は、以前のようにくだらない世間話で笑いあったりする距離感に戻り、良い関係が続いています。息子はAくんのことが大好きなので、このまま良い関係を続けたいと思います。そして私自身、無意識のうちに、自分の価値観を周りの人に押し付けることのないように、気を付けようと思いました。 著者:竹中 しゅう先天性難聴を持つ5歳の男の子のママ。息子、夫、黒猫兄弟2匹と暮らしている。以前はフルタイム勤務で働いていたが、子どもの療育を優先するため退職。現在はドタバタ育児と療育に奮闘中。
2023年04月03日毎日楽しそうに幼稚園に登園していた5歳の息子が、ある日突然幼稚園に行くことを嫌がるようになりました。 朝になると大泣きして登園を嫌がります。普段は幼稚園まで通園バスで通っていますが、毎日大泣きしながらバスに乗ることを拒否するため、車で送迎する毎日。 現状を打破できないかと先生と試行錯誤し、ある方法で解決しました。毎日登園を拒否する息子に私もヘトヘト夏休み前までは毎日楽しそうに幼稚園に登園していた息子ですが、夏休みが明けて少し経つと、「幼稚園つまらない。行きたくない」と言うようになりました。初めは幼稚園に行きたくないとつぶやく程度だった息子も、次第に大泣きで登園バスに乗るときに暴れて拒否するように。 毎日激しく暴れ、大泣きする息子に、ときには私の心も折れそうになり、もう今日は幼稚園を休ませてしまおうかなと弱気になっていました。ですが先生に、「ここで休ませてしまうと癖になるから、遅くなっても大丈夫なので登園させたほうがいい」と言われました。そこで、行きたくない気持ちをいったん受け止めてから、毎日泣いて暴れる息子を幼稚園につれていくという日々を約2カ月間送っていました。 幼稚園に行きたくない理由とは息子が幼稚園に行くことを嫌がる理由は2つありました。幼稚園に行きたくないきっかけとなった1つ目の理由は、仲良しだったお友だちが夏休みに入る前に退園してしまいつまらないということ。2つ目の理由は、家にいるときの空いた時間に見せていたYouTubeが楽しくて、幼稚園に行かないでYouTubeを見ていたいということでした。 息子が泣いているときに「幼稚園つまらないから行きたくない。ママと一緒にいたい」と言っていたのですが、あるとき「YouTubeを見てるほうが楽しいからおうちにいたい」とポロっと本音が出て判明しました。 なんとか解決!?約2カ月間大変な日々を過ごしていましたが、ようやく解決の糸口が見つかりました。それは、先生が考案した「きちんと静かに幼稚園バスに乗って登園できたら、息子の好きな虫のシールを台帳に貼ってあげる」というものでした。俗にいうごほうびシールです。 今までたくさん抱っこしたり、物で釣ろうとしたりしてもまったくダメだった息子が、楽しそうにバスに乗るようになったのでビックリしました。ごほうびシールを使って1週間ほど登園していましたが、翌週からはごほうびシールがなくても幼稚園バスに乗れるようになりました。息子の気持ちを受け止め続けてあげたのも、もしかしたらよかったのかもしれません。 また幼稚園で楽しく遊べるように無事に幼稚園に通えるようになってからの息子の様子は、虫が好きなお友だちと虫捕りや観察をしたり、鬼ごっこをしたりと、充実した日々を送っているようです。 退園してしまったお友だちがいない生活にもようやく慣れてきたようで、新しいお友だちと毎日楽しく遊んでいます。 また、新しいお友だちができるとそのつど私に報告してくれるようになり、以前のように幼稚園で安定した日々を過ごせるようになって私も安心しました。 約2カ月間登園拒否をしていた息子ですが、ごほうびシールをきっかけにバスに乗れるようになりました。きっかけはシールでしたが、「幼稚園に行きたくない」という息子の気持ちを、しっかり正面から受け止めて寄り添うことが必要だということも感じました。なかなか大変な2カ月間でしたが、息子と真剣に向き合うことの大切さを学んだ出来事でした。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:千葉 里美6歳、5歳、3歳、1歳の4児の母。約7年間総合病院で医療事務として勤めていたが、結婚を機に退職。現在は育児に専念しつつ、ブログで育児やハンドメイドの記事を執筆。趣味は読書やドライブ。
2023年04月02日ある日公園で遊んでいると、同じ幼稚園のお友だちNちゃんに会いました。帰宅の時間になり、いつもなら「まだ遊ぶ」と嫌がる娘がすんなりと帰る意思を示したので、「今日はすんなり帰れるぞ!」と心の中でガッツポーズ。しかしNちゃんが駄々をこね始め、さらにNちゃんママの対応が衝撃的で……。 楽しく遊んで、お別れのときたまたま公園で会った、娘と同じ幼稚園のお友だちNちゃん。私は5歳の娘と1歳3カ月の息子を連れており、Nちゃんはママと2人で公園に遊びに来ていました。あまり話したことのないママでしたが、子どもたちが遊んでいる間に話が盛り上がり「感じのいいママだな」と思っていたのですが……。いざ、帰宅時間になって「そろそろ帰ろうか」と話し始めたときでした。娘もおなかがすいたのか「帰る~」と言い、「それじゃあ、また幼稚園でね」と車に向かおうとしたら、それまでニコニコで遊んでいたNちゃんが「やだ! まだ帰らない!」と怒り始めたのです。 駄々をこねるNちゃん。対応は私だけ?!Nちゃんはその場で「まだ遊ぶ!」と訴え、娘にしがみつきます。Nちゃんの行動に娘はオロオロ。激しめなNちゃんの行動に驚きながら、私が「もうおなかすいちゃったし、おうち帰ろう」と言うと、「私も行く! 娘ちゃんのおうち行く!」と言い、今度は私の足にしがみつくNちゃん。息子を抱っこしていた私は、転びそうになりながらもなんとか踏ん張り、「危ないよ、また幼稚園で遊ぼう」と何度も言いますが、Nちゃんは離れません。むしろ説得することに抵抗するためなのか、石を投げたり砂をかけてきたりしました。このとき一番驚いたのは、Nちゃんママが何もせずにただ見守っていたことでした。 無表情のNちゃんママNちゃんが暴れてもなにしてもママはだんまり。ただ、私たちとNちゃんのやり取りを見ているだけです。その表情はまったくの「無」で、さっきまで楽しくお話をしていたのが嘘のようでした。「なぜ何も言わないのだろうか……」とモヤモヤを抱えながらもNちゃんを説得し続け、結局私がなんとかNちゃんをなだめて、帰宅できることに。 帰宅しようとした時刻から20分も経っていました。Nちゃんは最後泣きながらママにしがみつき、Nちゃんママは「はぁ、やっと帰れる」とポツリ。それを聞いて「いや! だったら自分でもなにかしてよ!」と言いたい気持ちをぐっと抑えて、「幼稚園でまた遊んでね」と引きつった笑顔で手を振りました。 感じのいいママだなと思って話が盛り上がり、楽しく過ごしてからの、Nちゃんママの無表情にとても驚きました。未だにNちゃんママが何を考えていたのかわかりませんが、人任せだったことにはモヤモヤが残りました。Nちゃんは娘にとって幼稚園で仲良しのお友だちの1人なので、ほどほどのお付き合いを心がけていこうと思っています。 イラストレーター/ねね著者:山口花田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
2023年03月28日娘はピアノ講師の義母にピアノを習っています。義母は本気で娘をピアニストにしようと思っていて、私は義母のそんな圧をなんとかスルーしている日々。そんなある日、義母に何気なく話したことが義母の逆鱗にふれてしまいました……。 義母の逆鱗にふれた日義母はピアノの先生として昔から教室を開いています。そんな義母の夢は、自分のピアノ教室からピアニストを輩出すること。いまだ叶っていないその夢は、今確実に娘に向けられています。 ことあるごとに「将来なりたいのはピアニストでしょ?」と娘に言い、「ちがうよ! ケーキ屋さんだよ!」と言われて撃沈している義母。それでも「まあ、まだ子どもだからそのうちね」とめげずに、娘をピアニストにすることをあきらめていません。 一方、娘は体を動かすことが大好きです。ある日、バスケット教室の短期講習のチラシを見た娘が「これやってみたい!」というので「じゃあお試しでやってみようか」と申し込んでみることに。 申し込みをしたあと、義実家で義母に「娘ちゃんバスケやるの!」と娘がうれしそうに報告していました。すると一瞬で義母の表情が硬くなり「バスケ? バスケって何?」と私に聞いてくるのです。義母の怖い顔に驚きながら「えっと、習い事で……」と言うと、「バスケなんてダメ! 突き指したらピアノが弾けなくなるでしょ!」と怒り始めました。 しつこい義母「3日間だけですから」と言っても「それで続けたくなったら困るでしょ!」とお怒りの義母。「娘がやりたいって言ってるんだから好きにさせてよ!」と言いたい気持ちでいましたが、義母のあまりの剣幕に口をつぐんでしまいました。すると口を出したのは娘でした。「やるの! 娘ちゃんバスケやる! ばあばなんでダメって言うの!」と怒り始めたのです。 私もそれに乗って「あの、娘ちゃんのやりたい気持ちを摘みたくないので、バスケはやらせます」とはっきり伝えました。それでも義母はなんだかんだと言ってきましたが、最後は「家で決めたことですので」の一点張りで通しました。娘には「娘ちゃん、バスケはやるから大丈夫だよ」と伝え、その日は早々に義実家を後にしました。 結局バスケは短期講習だけ受けて終わりました。義母はその後も会うたびに文句を言ってきましたが、私はスルー。あまりにもしつこく、最終的には「ばあば何回も言い過ぎ!」と娘に怒られていた義母。今後も同じようなことが起こるのだろうなと思うと気が滅入りますが、きちんと自分の主張ができる娘を守っていこうと思いました。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:山口花田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
2023年03月26日※赤ちゃんは、口に入れたり舐めたりする行為から、それらがどういったものであるかを認識して学習しているといわれています。そのため、口に入れたり舐めたりする行為は赤ちゃんの成長にとってとても大切です。ただし、口に入れると危険なものもあるので注意が必要です。とくに、直径3.9mm以下の物は赤ちゃんの口に入るため、誤飲の原因に。手が届く範囲に置かないよう徹底しましょう。 久しぶりに息子と一緒に行ったスーパー普段私は、息子が幼稚園に行っている間など、1人で動ける時間に買い物を済ませています。その日は久しぶりに、息子を連れて一緒にスーパーへ行きました。いろいろなことに興味を持ち、おしゃべりも大好きな息子との買い物は、いつもの数倍の時間がかかります。 息子との会話を楽しみながら目的の商品を選び終わり、そろそろ会計に行こうと思っていたとき、息子の目が、店内にかざっていたぬいぐるみにロックオンされました。 ぬいぐるみ前で始まった親子の攻防戦「しまった! レジに行けない……」。私はそう思いました。案の定、トコトコとぬいぐるみの前に移動した息子は、ぬいぐるみについてのお話をしたり、軽くツンツンと触れてみたり、とにかく興味津々の様子です。 息子の興味をそらしたくて必死に話題をかえようと試みる私と、まったく動じる気配のない息子。私たち親子の静かな攻防戦ともいえるやりとりが続く中、少し離れた花屋コーナーから女性店員さんがこちらに近づいてきたのです。 「これ、どうぞ!」息子の目線に合わせるように、その場にしゃがんだ女性はニッコリとほほえみ、「これ、どうぞ♪」と、一輪の花を息子にプレゼントしてくれました。突然の出来事に、少し驚いていた息子は、「ありがと♪」とうれしそうに少し照れた様子で、その花を受けとりました。 息子はかわいいプレゼントがとても気に入ったようで、「留守番しているお父さんにも見せたいね」と私が言うと、「見せる! 帰ろう~」と、すんなりとレジに向かうことができたのです。 素敵なプレゼントで、息子の興味をそらすきっかけを作ってくれた女性には、その場で何度も感謝を伝えました。長期戦を覚悟していた私たち親子の静かな攻防戦は、女性店員さんのおかげで、円満に解決したのです。私はホッコリと幸せな気分になり、息子も楽しい気持ちのまま買い物を終えることができました。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:竹中 しゅう先天性難聴を持つ5歳の男の子のママ。息子、夫、黒猫兄弟2匹と暮らしている。以前はフルタイム勤務で働いていたが、子どもの療育を優先するため退職。現在はドタバタ育児と療育に奮闘中。
2023年03月20日娘が3歳で下の子が生まれる前の出来事です。ある日、こども園にお迎えに行くと、同じ園に通う仲良しのお友だち数人に「このあと公園で遊ばない?」と誘われました。このお誘い自体はうれしかったのですが、この後、思わぬトラブルが発生したのです……。みんなは車で公園に行くのに…同じクラスのお友だちに公園に誘われてウキウキな娘。行こうとしていた公園も歩いてすぐのところにあり、私は一旦娘と家に帰り、荷物を置いて向かおうとしていました。誘ってくれたママたちはみんな車でお迎えにきていたので、そのまま車で公園に向かうとのことでした。 それを見た娘は「私も車で行きたい!」と言うのです。けれども公園の駐車場は数台しか停められないので、「うちは近いから歩いて行くよ」と言い聞かせました。 車で楽しそうなお友だちを見て号泣!そんななか、公園に行くお友だちが自分の家の車ではなく、お友だちの車に乗り始め、楽しそうに乗る車を交換し始めました。他のおうちの車に乗っているお友だちを見た娘は、「私も○○くんの車に乗りたい!」と言い始め、「乗れないよ」と言うと号泣! それを見て1人のママが「いいよ! 一緒に乗ってく? ちょっとの距離だから大丈夫だよ!」と言いました。 しかし、そのママの車に娘の分のチャイルドシートはありません。そのことを言うと、「もう普通にシートベルトで大丈夫でしょ」と言います。内心「いや、6歳まではチャイルドシートじゃないとダメでしょ!」と思いつつ、「気持ちはありがたいけど、迷惑かけちゃうから」とやんわり拒否。 号泣の娘とピンときていないママそのママは普段からみんなのことを気にしてくれるやさしいママで、あくまでもやさしさから提案してくれているようでした。「ね、娘ちゃんも車で行きたいもんねっ」「ああ、泣いちゃってかわいそう」と言ってくれます。けれども私が首を縦にふらないので、娘はますます号泣。 結局娘をなんとかなだめて、車に乗らずに公園へ向かいました。公園に着いてからもそのママは、「娘ちゃん大丈夫だった? 乗せていけたらよかったねぇ、ごめんね」と娘のことを気にしてくれていました。 はっきり断れない苦悩その後も何度か公園に行くことがあり、同じママに「娘ちゃんうちの車乗る?」と誘われることがありました。そしてそのたびに何かと理由をつけ、娘を説き伏せて断り続けることに。誘われるたびに娘は、そのママの車に乗りたい気持ちがふくらみ、けれども私がダメと言って乗れないので泣いてしまいます。 そんな娘を見ると、そのママに「チャイルドシートがないと乗れない」としっかり言うべきだったかな…⋯と思います。しかし、拒否をすると角が立って、娘が仲の良いお友だちと遊べなくなってしまうかも……と思い、はっきり理由を言って断れずにいます。 幼稚園から公園まで、車に乗る時間はほんの1~2分。時間にすれば短いですが、何か事故にあったらそのママにも迷惑がかかってしまいます。私はどうしても「ちょっとだからいい」と思えず、モヤモヤしてしまうのでした。しかし、いま思えば、そのママは、6歳までチャイルドシートが義務であることを知らなかっただけかもしれません。娘のためにも、そのママにじょうずに伝えられるよう、考えたいと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:山口花田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
2023年03月18日しらゆきちゃん(@lovenomaho)さんがTwitterに投稿した、『お願いの仕方』についてのツイートが話題になっています。投稿者さんが注目したのは、あるラジオ局のDJのエピソード。新幹線の車内で眠ろうとしていたDJは、大きな声で話す若者に遭遇し、次のように声をかけました。すみません。お話があまりにも面白く、続きが気になって眠れないので、もう少し小さな声で話していただけますか。DJに呼びかけられた若者は、それ以降静かになったそう。相手の気分は害さず、自身が困っていることをきちんと伝えていて、素晴らしい機転の利かせ方ですね。新幹線で大きな声で話てた若者に『すみません、お話があまりに面白くて、続きが気になって眠れないのでもう少し小さな声で話していただけますか』と言って大人しくさせたという話が秀逸。この型を使って言い換えればどんな困りごとでも解決しそうな気がする— しらゆきちゃん (@lovenomaho) March 14, 2023 投稿者さんは、DJの言葉の『型』に注目。パターンに沿っていい換えれば、「どんな困りごとでも解決するのでは」と考え、次のように分けました。・「すみません」:最初のひと言で、相手に聞く耳を持たせる。・「お話があまりにも面白く」:相手を褒め、よい気分にさせる。・「続きが気になって眠れないので」:困っている理由を話す。・「もう少し小さな声で話していただけますか」:どうしてほしいか、お願いする。話を聞いてもらうために、穏やかに話し始めることがポイントのようですね…!投稿者さんの分析に、多くのTwitterユーザーからコメントが届きました。・これはうまい!称賛してうながすのが素敵。・返し方が天才的。丁寧だし、誰も嫌な気持ちにならない。・素晴らしい表現!この型を使わせていただきます!・こちらの気持ちも伝えつつ、相手の機嫌も損ねない。見習いたいですね。居合わせた人へのお願いに限らず、仕事の場面でも、コミュニケーションの取り方として参考になりそうです…!みなさんも、何か困ったことがあったら、投稿者さんが分析した『お願いの型』を試してみてはいかがでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2023年03月17日スーパーに行くと、5歳の娘は必ず手に取る物を裏返して 「カタカナある?」 と合言葉のように聞いてきます。そして、娘の3時のおやつは、もっぱらきゅうりのぬか漬けをがぶっと少しかじること。このような娘の習慣が定着したのは、義母の呪文の影響です。私も昔から健康には気を付けていましたがそれを上回る強者が現れるとは……。 義母の仕草が娘に与えた影響義実家に遊びに行ったときに、スーパーに一緒に行きました。娘が3歳のころだったので一目散にお菓子売り場に走り出しました。 義母娘が手に取ったお菓子の裏を見て、 「原材料にカタカナがあるでしょう。何が入っているかわからない物はだめなの」 とお菓子を取り上げ、少しでもカタカナが入ってないお菓子を探した結果、干し芋に。 また、義実家には、ぬか床があります。遊びに行くとおやつにはきゅうりのぬか漬けがひと切れ必ず添えられていました。はじめは食べなかった娘ですが今では喜んで食べます。ここで終わればありがたいのひと言なのですが、義母はぬかをおすそ分けしてくれて、娘がぬか漬けを食べている写真送ってねと強い圧をかけてきたのです。そのあとも写真を送らずにいるとメールで催促までしてきました。 娘と麹作り義母は、調味料も手作り。義実家に行くと必ず麹作りをします。娘は、トマトや玉ねぎをミキサーにかけることなどが楽しかった様子。義母は、私の家にミキサーがないことを知ると「すぐに買いなさい」と言い、また写真を送ってねと催促がありました。 義母には常に監視されているような感じがしました。しかし、メールの最後に必ず「あなたたちの健康が一番」という文章が添えられていたので、本当に私たちのことを想うおせっかいなのかなと義母のことが少しかわいくみえてきました。 義母は健康に良いことは、共有というより強要してくるため、唖然としてしまうこともあります。ただ義母の行動を受け身ではなく、ポジティブに捉え、自分が主体的に楽しんで取り組んでみたら義母の言葉も捨てたもんじゃないかと考え方が変化してきました。今では、娘は麹作りやぬか漬けのお手伝いをしてくれるので食育の観点からはとても良い影響かなと捉えています。 イラストレーター/ムチコ著者:伊東理恵子4歳の娘と夫との3人暮らし。育休や仕事復帰を経て、10年以上、商社の営業事務に従事。子育てジャンルの記事をはじめ、美容にも関心が高く、美容記事も執筆中。
2023年03月07日役者、映画監督、クリエイターと多くの顔を持つ斎藤工さん。仕事を通して感じたことはもちろん、10代の頃バックパッカーとして世界中を旅した経験から得たという、相手と本音で向き合うための斎藤さん流のコミュニケーション術について伺いました。相手を知るには、背伸びをやめて地面に“かかと”をつける。役者のみならず、映画監督やクリエイターとしても活躍している斎藤工さん。いくつものフィールドを持ち、交友関係も広そうに見えるが、意外にも「“コミュ力”は全然(笑)」なんだそう。「10代の頃、バックパッカーをしながらいろんな国を旅していた時に、特に英語圏にいると自分のモードが変わり、なぜか日本にいる時よりも心を開けると気づいたんです。あくまでも個人的な分析ですが、海外で言葉の壁を感じながら会話をする時、お互いの気持ちを伝え合うために、足りない言葉や情報をどうにか埋めようと、身ぶり手ぶりを交えて必死になりますよね。そうしているうちに、自然と心が開くのではないでしょうか。そもそも英語は、日本語の文法とは違い結論が先にくることで、自分の意思を最初に伝えることができる。でも日本語の場合は、結論に対する説明から入るため、自分の意思表示は後回しに。もしかしたら説明しているうちに、自分のアイデンティティよりもその場の雰囲気を優先してしまい、本音を言いづらくなるのかもしれません。相手の反応や顔色をうかがいながら、その状況においてのベストアンサーを探してしまうと、意思疎通を図るためのコミュニケーションからはどんどん乖離(かいり)していく気がします。僕は、コミュニケーションとは、自分の本音や本質、恥部までをも相手にさらけ出すことでもあると考えていて。“英語脳”での会話なら、それがスムーズなのかもしれません」仕事で出会った福山雅治さんや、木村拓哉さんもまた、斎藤さんが言うところの“英語脳”の人たち。「以前から、僕の作る映画に出資していただき、応援し続けてくれている福山さんや、昨年MVを撮らせてもらった木村さんは、“いい作品を作る”という結論が初めから明確に掲げられていたので、本音での会話のやり取りはもちろん、具体的で、円滑だと感じました。僕も、作品を監督するという立場で大きな責務を背負い、そして認識することで、より直接的なやり取りができただけではなく、解像度の高い会話になったと実感したんですよね。そもそもモザイクぐらい粗い状態から始まるものを、お互いにどれだけ解像度を高めていくことができるか。これは、コミュニケーションをさらに深めていく鍵にもなり、プロテクトした状態をキープしながらでは難しいでしょう。顔の見えないSNSの世界ではそれでいいかもしれないけれど、対面して相手を知ろうとするなら、背伸びをやめて、地面にしっかりと“かかと”をつけて初めて、本音の部分での会話が始まると思うから」特に学びが多いと感じるのが、撮影現場で子役と接する時だそう。「監督として子役の方々と接していると、大人が思うよりもずっと感度が高くて、例えばもし子供扱いしたら、それをビビッドに感じ取っているのがわかります。僕自身も幼少期に大人との距離を感じた経験を今でも覚えているし、誰にでもそんな経験はあるはず。子供であることを押し付けたり、子供だからこうしてほしいという要求をすることで、大人と子供の間に線引きをしてしまうことになり、その時点で子供は心を開かなくなります。また、大人が子供の自分に合わせてくれているんだとわかると、ありがたさを感じながらも、本来のスタンスで接してくれていないんだという劣等感を抱くかも。子供の本質を無視しては、いつまで経ってもコミュニケーションはとれないでしょう。だから僕は、子供でも赤ちゃんでも、大人と同じように『さん』づけで呼ぶし、子供扱いはしないように心がけています。子供に限らず、誰とでも本質の部分で接することで、プロフェッショナルな意識が確立されていくんじゃないかな」「コミュニケーションの手段は、言葉だけに限らない」と斎藤さん。「例えばアフリカには、歌ったり踊ったりすることで交流し、歴史を作ってきた民族もいる。そもそも、心理学の観点で研究された“メラビアンの法則”によれば、人がコミュニケーションを図る時に受け取る相手の印象のうち、55%は視覚からで38%は聴覚、残り7%が言葉だとされています。つまり情報として相手が捉えるのは、服や髪型などの見た目の印象が大きく、次に声などの音。言葉は残りにくいということになる。だからこそ特徴的な言葉がそれ以外を削ぎ落として、より強く印象に残ることもあれば、うまく言葉で伝わらずに悩んだりもするのでしょう。でも僕は、コミュ力が低いからといって、ネガティブには思わない。そもそも人間にはそういう揺らぎが備わっていることで、感受性のヒダを細やかに作り、繊細な感情を生み出したり、キャッチしているともいえるから。もしかしたら、誰とでも円滑に上手につながれる人って、世渡り上手なだけで、実は魅力的ではないのかもしれませんね。『コミュ力低い、どうしよう』と悩むことで生まれるコミュニケーションもあるし、言葉に頼りすぎないことも大切に。それこそ踊り合いができたらいいのにとも思います(笑)」さいとう・たくみ1981年8月22日生まれ、東京都出身。主演映画『零落』が3月17日より全国公開。斎藤さんは鬱屈とした生活を送る、元人気漫画家・深澤薫を演じる。風俗嬢のちふゆ(趣里)と出会い、運命が動き出す。スーツ¥278,300(ポロ ラルフ ローレン/ラルフ ローレン TEL:0120・3274・20)メガネ¥41,800(オリバーピープルズ/ルックスオティカジャパン カスタマーサービス TEL:0120・990・307)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年3月8日号より。写真・倉本侑磨(PygmyCompany)スタイリスト・三田真一(KiKi inc.)ヘア&メイク・赤塚修二取材、文・若山あや撮影協力・EASEバックグラウンズ ファクトリー(by anan編集部)
2023年03月06日誰かに言われたことが頭から離れずモヤモヤしたり、ショックを受けて傷ついてしまう人も多いのでは?そんな悩みを抱える人におすすめなのが、人の言葉を重く捉えすぎずにうまく付き合うスルースキル。身につけるための8つの方法を実践して、日々のコミュニケーションをさらに心地いいものへと変えよう!言葉の意味と価値を自分基準で判断しよう。そもそも、なぜ私たちは人の言葉が気になってしまうのだろうか。「人は理不尽なことや適当なことを言うものですし、放つ言葉はしばしば不安定で雑味のあるものです。にもかかわらず多くの人が、“人の話はちゃんと聞かなければいけないもの”“この人は立派だから正しいことを言っている”と思い込み、自分の中できちんと吟味しないままに真剣に受け止めがち。その結果、自分に対してネガティブなことを言われると辛くなってしまうのです。優しい人や、人と誠実に向き合おうという気持ちが強い人ほど、人の言葉に振り回されやすいという傾向があります。要因の一つとして挙げられるのが自信のなさ。自分に自信がないと、自分が感じたことや考えたことにも自信が持てず、“相手の言葉>自分の言葉”という状態に陥りやすくなります。“自分には盲点があるはず”“独りよがりになりたくない”という気持ちがある人は注意が必要」(心理カウンセラー・みきいちたろうさん)そんな状態から抜け出す手助けとなるのが、スルースキルだ。「“スルー”といっても人の話を右から左へと聞き流すようなことではありません。人に言われたことを自分の中でしっかりと咀嚼、吟味して、その言葉にどれだけの価値があるかということを考えること。そして、受け取る言葉と受け取らない言葉を自分基準で判断するという、自分を主体に言葉の意味や価値を創造していくプロセスを意味します。身につけると人と適当な距離を保てるようになるため、人間関係のストレスや傷つくことが減る。また、過去に言われてずっと引っかかっていたことも解消できます。主体性が芽生えることで、自尊心や自己肯定感が高まることにもつながります」ここでは、スルースキルを身につけるために役立つヒントを紹介。早速、トライしてみて。あなたの振り回されやすさをチェック!当てはまると思う項目をチェックしよう。「はい」の数で振り回されやすさが判明。・何かあるとすぐ“自分が悪いのかも…”と思ってしまう。・他人の機嫌や顔色が気になってしょうがない。・他人から指摘を受けたら、直して改善しなきゃ、と思う。・嫌だなと思うことを言われても争いを避けてそのままにしがち。・他人に対して誠実でいたいという気持ちが強い。・嘘をつくことが苦手。・秘密を作ることが苦手。・あまり自分に自信がない。・物事を決める時は人の意見を聞いたほうがいいと思う。・“自分の感覚や物事の捉え方は人と違うのかな?”と思うことがある。・いい人でいたい。・共感力は大事だと思う。「はい」の数が…9個以上かなり振り回されやすい6~8個振り回されやすい3~5個時々振り回されているかも2個以下振り回されにくいスルースキルを養うTIPS 8自分主体で考える力を身につける思考法から人に嫌なことを言われた時の対処法までを紹介。実践してスルースキルを養おう。TIP 1 「すべき」「な人」など“他人の文脈”を洗い出して反論言葉の価値を自分基準で判断できるようになるレッスン。「まずは、“すべき”“あなたはな人”“すべてのは××に違いない”など、頭の中で一般化して決めつけていることを洗い出しましょう。すると、その多くが“他人の文脈”で言われていることだと気づくはずです。次に、“すべきと言われているけど、この場合は仕方ない”など、洗い出した言葉に対して一つずつ反論を。すると他人の文脈を自分の文脈へと変えることができます」TIP 2 “たかが1サンプルだ”と思って真に受けない他人の言葉に振り回されそうになった時は頭の中で、“たかが1サンプルだ”とつぶやいて冷静に受け止めることが大事。「わずか1~2人の治験しかしていない薬の効能を信じて飲む人は、ほとんどいないはずです。言葉も同様で、もっともらしく聞こえたとしても、たかが1サンプルであり、確定されていない意見です。感情に流されるままに無責任に発せられたもの、強引に押し切ろうとして言ったことかもしれないなど、真に受けず落ち着いて判断を」TIP 3 相手と“意識のBluetooth”を切断する言葉に振り回される人に多いのが、相手の機嫌を窺うことを優先するがゆえに、言葉の内容や文脈を自分軸で判断できないケース。「他人の機嫌はその人のものであり、多くの場合、あなたと関係ないところでアップダウンしています。まずは、頭の中を覗いて機嫌を取る必要がないということを理解しましょう。どうしても気になる人は自身をスマホに見立て、相手に伸びた“意識のBluetooth”を切断する想像を。自他との区別がついた距離感を掴めるはずです」TIP 4 玄関先でやりとりする気持ちで会話をするよほど信頼できる人からの言葉以外は、“体の外側”で聞くという意識を持つことが大事。「自分自身を家に置き換えて考えてほしいのですが、信頼できない人を寝室には入れませんよね。言葉も同様で、信ぴょう性のない言葉を真剣に深いところで受け止めて聞きすぎてしまうのは、セキュリティが甘いといえます。玄関先で人と接するように、体の外側で上手に距離をとりながら、“この人の言葉は聞いても大丈夫かな”と冷静に判断することが身を守るポイント」TIP 5 Beingに踏み込まれる内容は聞き入れない“あなたのためを思って言うけど”“あなたのここに傷ついた”など、もっともらしい言葉にも注意が必要。「ダメ出しのような言葉の中には、相手のことを思ってではなく、“あなたはダメだから言うことを聞け”という自分の思い通りにしたい気持ちから生まれたものが多くあります。行動=Doingではなく、人格や人間性に関わること=Beingに対して干渉してくる場合、“You are NOT OK.”ということを言われた時は、鵜呑みにしないよう注意が必要です」TIP 6 “親しき仲にも礼儀あり”な距離感を目指す“人に共感しなければならない”という意識が強いと、言葉をスルーしづらくなるとみきさん。「共感を大事にする人は、相手と近い距離にいることがいいと考えるため、感情に巻き込まれてしまう場合が少なくありません。結果、相手の言葉にも振り回されやすくなってしまいます。大事なのは、近すぎず遠すぎない、ほどよい距離をとりながら、礼儀を持ってビジネスライクに接すること。皆さんもご存じの“親しき仲にも礼儀あり”という距離感がベストです」TIP 7 「え、どういうこと?」と相手に聞き返す「あなたにこの仕事は向いてなさそう」のように不快であったり、嫌なことを言われた時は、「え、どういうこと?」と少し強めに聞き返すことが有効な手段に。「社会的な動物である人間は、公の礼儀や自他の区別を求められると、我に返るという特性があります。そのため、失礼なことを言っている人に公の雰囲気で迫ると、相手は怯み、困り、我に返ります。礼儀を求める態度をサッと示すことができると、次から言われないようにする防御策にもなります」TIP 8 ツッコミを入れて軽やかに対処する気になる言葉を言われた時に、反論するか、それとも場の空気を壊さないように黙ってやり過ごすかで迷う人は多いはず。「その場合におすすめなのは、両者の中間ともいえるツッコむという方法を身につけることです。芸人さんのツッコみ方などを参考にするのもいいし、笑いながら『失礼ですね』『いや、キツいっすね』、真顔で『えっ?』『ん?』と言うだけでも、相手を牽制する効果があります。また、後々も、相手からの失礼な言葉を防ぐ効果があります」みきいちたろうさん心理カウンセラー、公認心理師。トラウマ、愛着障害のケアを専門にカウンセリングを行う。著書に『発達性トラウマ「生きづらさ」の正体』(ディスカヴァー携書)、『プロカウンセラーが教える 他人の言葉をスルーする技術』(フォレスト出版)。※『anan』2023年3月8日号より。イラスト・伊藤ハムスター取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2023年03月05日人の投稿を見て気持ちが落ち込む、頻度の高いやりとりがしんどい、攻撃的な言葉に傷ついてしまった…。本来、楽しいはずのSNSなのに、使うことに嫌気が差してしまったという人が増加している模様。そこで、さまざまな疲れの解決法をレクチャー。主体的に使うことでSNS疲れを撃退。「SNS疲れ」という言葉が一般化するなど、SNSにまつわる悩みを抱える人は多いよう。なぜ、そうした問題が起こるのだろうか。「SNSは個人の事情を無化しやすいツールです。それぞれに違う生活を送る人たちが画面の中で並列に表示され、本当は人それぞれ苦労もあると知っているはずなのに、一枚の写真を見ただけで“キラキラした人生を送っている”と思い込んで羨ましく感じるなど、認知の歪みが起こりやすくなります。また、現実とは異なるSNS内の時間感覚に従うため、たとえ夜であっても“すぐに返信をしなければ”などのプレッシャーも生まれやすく、結果、疲れを感じる人が多いのではないでしょうか。流れてくる情報をただ消費するのではなく、“自分は何のためにSNSを使っているのか”という目的を一度はっきりとさせ、自分の判断軸を持って主体的に使うことが大事になります」(心理カウンセラー・みきいちたろうさん)「自分が投稿する際にも、リアクションを気にしすぎないことが大切です。この投稿はいいねやコメントをもらえるのか、投稿を見た人が自分を羨ましく見てくれるのかなどを考えてしまうと、期待通りの反応がもらえない時に辛くなります。SNSでのつながりがリアルで接している人間関係と近い人ほど投稿へのリアクションが気になりますが、“見る専”の人も多いため、いいねやコメントをしていなくても好意的に受け取っている人もいるはずです」(ITジャーナリスト・鈴木朋子さん)SNSにまつわる疲れから解放されたいという思いから新しいムーブメントも生まれているという。「アメリカを中心に、加工したり盛ったりしないリアルな姿をシェアするSNSが人気になっており、日本にも徐々に、その流れが到来しています」(鈴木さん)2人の専門家が、SNSを気楽に楽しむためのマインドセット法や付き合い方をガイド。心地いい距離感を見つけよう。お疲れタイプ別“お悩み解決法”一口に“SNS疲れ”といっても、人との比較、盛りたい願望、言い争いなどのトラブル、やめたいのにやめられない…などタイプはさまざま。ここでは、なかでも悩んでいる人が多いという悩みをピックアップ。疲れの主な原因と、現状と距離のとり方などの解決法を紹介します。これを読んで、気楽で楽しいSNSライフを取り戻そう!他者と比較して疲れる“みんなキラキラしていて自分がつまらなく感じる”“劣等感が刺激される”などが代表例。「多くの人がSNSにハレの日のことを投稿します」(鈴木さん)。「人は誰しも、最新のスマホを買えても服は買えないなど、何かしらトレードオフをしているもの。それを忘れてこうだと思い込むと疲れの原因になります」(みきさん)【解決法】一枚の写真がすべてだと惑わされないことが大事。「SNSは切り取られたもの、見せたい部分を見せるツールであることを改めて認識して」(鈴木さん)。「SNSの中では並列でも現実の人生はそれぞれに違い比較できません。ドキュメンタリー作品で山あり谷ありの人生を見てみては」(みきさん)自分を良く見せたいと思って疲れる自分を良く見せたい気持ちが強く、反応を期待して無理をし、疲れるタイプ。「認められると嬉しくなりますが、頑張りすぎは禁物です」(鈴木さん)。「投稿へのリアクションが自分の評価だと感じ、固執して躍起になるのでは。ただ、人は本来、多面的で複雑なもの。写真へのリアクションだけで人の本質は測れません」(みきさん)【解決法】盛らないSNSで気楽さを取り戻す。「最近、アメリカの若者の間では、盛ることがダサい、リアルへ回帰しようという新しいムーブメントが起こっています。現実を分かち合うことをテーマとした、加工なしの写真を投稿するSNS『BeReal.』などを活用して意識を変えて」(鈴木さん)頻繁なコミュニケーションが負担で疲れるすべての投稿に「いいね」をつけるなど、リアクションが負担という声も多い。「コミュニティから脱落したくないという“見捨てられ不安”が一因」(みきさん)。「職場などSNS以外にも関係性がある場合にプレッシャーを感じる人が多いよう。以前は“いいね”の数、今はリアクションに一喜一憂する人が増加中です」(鈴木さん)【解決法】思い込みを捨てて自分軸でSNSを使う。「見捨てられ不安の解消には、“他人はどうであれ自分は変わらない”という自信を持つ努力を。また、SNSの中と現実の時間軸は違うことを認識したり、“きちんとやらなきゃ”という思い込みを捨て、振り回されないことがカギです」(みきさん)悪口や誹謗中傷に疲れる嫌なコメントがついたり、中傷を見て心が削られることも。「匿名性の高いTwitterはネガティブなことを言いやすく、特有のツッコミ文化もあり、巻き込まれる場合が。近年のコロナ禍など社会不安があると荒れやすくなるというデータもあります」(鈴木さん)。「他人への悪口も見ると共感し、影響を受けます」(みきさん)【解決法】非表示やミュートなど機能を活用して防御を。「攻撃的なアカウントには、非表示やミュート機能で対応を。おすすめの投稿にネガティブな内容が上がる場合も非表示に。あまりにもひどいコメントは、できる限り運営に報告して。警察への相談用にスクショを撮ることも大事です」(鈴木さん)SNSをやめたいのにやめられなくて疲れる疲れを理由にいったんSNSを離れようとするも、つい手に取ってしまうという人も多数。「SNSに依存している状態といえます」(みきさん)。「“新しい情報に乗り遅れたくない”“コミュニティにちゃんと参加している気持ちが欲しい”などと思っている人に見られがち。デジタルデトックスに失敗する人は多いです」(鈴木さん)【解決法】SNSの優先度の見直し&アイコン削除で対策を「生活におけるSNSの優先順位の見直しを。案外大したことないと気づける可能性が高いです」(みきさん)。「アカウントを消すのは大変なので、ホーム画面のアイコンを消してアクセスしづらくしましょう。通知を切るのも有効」(鈴木さん)みきいちたろうさん心理カウンセラー、公認心理師。トラウマ、愛着障害のケアを専門にカウンセリングを行う。著書に『発達性トラウマ「生きづらさ」の正体』(ディスカヴァー携書)、『プロカウンセラーが教える 他人の言葉をスルーする技術』(フォレスト出版)。鈴木朋子さんITジャーナリスト、スマホ安全アドバイザー。SNSのトレンドや安全な使い方について執筆、講演を行う。メディア出演も多数。著書に『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など。※『anan』2023年3月8日号より。イラスト・伊藤ハムスター取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2023年03月05日人とつながりたいのにうまくいかない。原因は「型に囚われすぎているせい」かも。こんな関係があってもいいなと思うきっかけをくれる6冊をご紹介。『ヴィレッジヴァンガード』を皮切りに、パン屋と本屋が併設された『パン屋の本屋』や、“すべての女性を応援する本屋”がコンセプトの『HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE』など、ファンが多いユニークな名物書店で歴々店長を務めてきた花田菜々子さんに聞きました。人間関係を見つめる本。自己愛と自己肯定感のバランスに苦しんでいる恋愛下手な人、必読。『傲慢と善良』辻村深月/¥891(朝日文庫)婚約者が失踪し、手がかりを求めて彼女の故郷へと向かった主人公。見えてきた真実とは。恋愛との向き合い方を見つめ直すきっかけにも。「現代の日本社会で起きている、恋愛や母娘のすれ違いを凝縮している本だなと思いました。文庫の帯に〈人生で一番刺さった小説〉とあって、刺さる=感動するというイメージで読み始めたんですが、実は自分自身があぶり出されて、気づきたくなかったところを容赦なく突き刺してくるという意味でした(笑)。男女双方の視点で描かれ、つき合っている同士でもお互いをどこか見下し合っていたりなど、自己愛や自己肯定感のねじれが描かれます。人間は、ある種の傲慢さを抱えずには生きられないけれど、それを越えていい関係を結んでいくこともできるのだなと」特別なふたりのさりげない瞬間。ふたりの本質的な関係に好感度UP。『ふたりたち』南 阿沙美/¥2,200(左右社)注目の写真家が、自身の美術短大時代の元同級生とその息子や、コールセンターバイトの仲良し元同僚、夫婦、飼い主とペットなど、12組の“ふたり”をテーマに撮ったスナップとエッセイ。「南阿沙美さんが『この関係っていいな』と思ったふたりを撮った、ちょっとユーモラスな写真の数々が、尊いというか、まばゆいというか。電気グルーヴのふたりが入っていますが、ほとんどが市井の人です。ばっちり決めた記念写真では出てこない、ふたりにしか出せない味があって、その特別な関係性の魅力を際立たせている感じがします。撮影しながらあれこれ聞き出したことや、自身との関わりなどを加えて、ふたりにしかない絆を文字でも紹介しているので、それを読むと、被写体のふたりにより興味が湧きます」心理療法家が真正面から論じた、友情とは何かという思索のヒント。『大人の友情』河合隼雄/¥572(朝日文庫)日本で心理学を広めた人物が、友達が欲しい、男女間の友情は成立するか、友情と同性愛など多角的に問いかけた友情論。「うちの書店でもコンスタントに売れ続けている本です。時代が変わっても、連帯感の楽しさ、反対に誰ともつながれない寂しさは普遍的な感情で、それだけ、友情に悩むことがあるのだろうなと感じます。著者が長年感じていらしたことが本質的な言葉でまとめられていて、夫婦でも上司と部下のような関係でも、長い時間を経て友情めいたものは生まれてくると言っています。結婚や転職などで自分の環境が変わると、いままでみたいなつき合いができなくなるのもすごく悩みだったりするし、大人だからこそ友達について考え直さないといけない時期があるなと思うんですよね」家族や恋人や友達など、美化して語られがちなつながりを問い直す。『人間関係を半分降りる――気楽なつながりの作り方』鶴見 済/¥1,540(筑摩書房)近すぎる関係性を少し離して、流動的なつながりをたくさん持つ。そのためのノウハウもアドバイス。「平成のミリオンセラー『完全自殺マニュアル』の著者が、この本に込めたのは、人間関係の捉え直しです。著者自身が人生でいちばん悩んだのは人間関係だと書いていて、自身の虐待の記憶やパワハラ体験などを振り返りながら『自分を苦しめるしがらみからは降りても大丈夫ですよ』と提案してくれているんですね。家族は大事だとか恋愛はすべきだといった既存の価値観に踊らされる必要はないし、それでしんどい思いをしている人にこそ、たとえばお店とお客さんのような緩い関係性を複数持つことが気楽に生きるコツだと言っています。この時代らしくて、いま必要とされているアイデアだと思います」違和感、反発、裏切り…、友情はネガティブな体験からも芽生える。『うちらきっとズッ友―谷口菜津子短編集―』谷口菜津子/¥880(双葉社)嘘ばかりつく転校生と彼女が気になる少女、気の合わない嫁と姑、ゲームを介して友情を育む少年少女などを描く、目からウロコの友情オムニバス。「フェミニズム視点と等身大の言葉で男尊女卑的な枠組みをどんどん解放する谷口菜津子さんは、もっとも注目されているマンガ家さんのひとりだと思います。ここがしゃくに障るなど内面が細やかに描かれ、イヤなやつと思いながらもそこに関係性が出来上がるのが面白い。人間関係って人の数だけあるのだなと改めて思いました。頻繁に会っておしゃべりしたり飲みに行ったりする関係性だけが友達だと思いがちですが、これを読むと、こういう関係も友情と呼んでいいのかもしれないという気づきをくれる。友達というものの可能性を広げてくれるマンガです」簡単に切れない関係だからこそ、続けるための努力が不可欠。『子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい!』水谷さるころ(著)山脇由貴子(監修)/¥1,100(幻冬舎)キレやすい夫に変わってほしいと、夫婦と6歳の息子全員でカウンセリングを体験。家族問題はどう変わったかのルポコミック。「離婚したらいい、親子の縁を切ればいいと言うのは簡単ですが、著者のように、基本的にパートナーを尊敬していて好きだからこそ、イヤだと思っている現状を我慢しないし諦めないという姿勢がすごくいいなと思います。人間関係は、諦めてなあなあに済ませたり、感情的になって終わらせてしまったりという人が多いと思うので、見違えるような変化というわけではないですが、変えることができるお手本があるのは希望ですね。プロのカウンセラーの手を借りろということではなく、お互いフィードバックし合ったりという地道なコミュニケーションが大事なのだなと感じました」はなだ・ななこ1979年、東京都生まれ。『蟹ブックス』店主、作家。『ヴィレッジヴァンガード』に12年勤めたのち、いくつかの個性派書店で店長を経験。書店員歴は20年以上。女性ファッション誌や新聞書評などの連載多数。※『anan』2023年3月8日号より。写真・市原慶子取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年03月04日明石家さんまやダウンタウンとの丁々発止の掛け合いも、若手芸人を光らせることもお手のもの。いま芸能界随一のMC、今田耕司。芸能界の人間模様を描いた舞台『正偽の芸能プロダクション』の開催が間近に迫る今田さんに、うまくいく人間関係の極意を聞く。お気に入りの絵文字を“変です”って言われた。後輩たちをフォローする一方で、その後輩との付き合い方はなかなか難しいともポロリ。「若手の頃は気の合う仲間とばっかりつるんでいましたし、新喜劇にしろ、ダウンタウンさんにしろ、スケジュールや出番が一緒でそのまま誘ってもらって飲みに行くのが定番。厳しい先輩もいなかったし、気楽なものでした。逆に、自分が先輩という立場になった今のほうがいろいろ気を使います。メシに誘うにしても、行きたくないかもな、迷惑かけちゃうかなってめちゃくちゃ心配やし。それでも、まあ気にしすぎてもしゃあない、と誘ってみたら、3回連続で断られたりね!そうするとさすがの僕も心が折れます。じゃ、もうひとりでええか……と」LINEやメールで誘う時もあれこれと気を使うそう。「だって、スタンプは重ねたらあかんとか、敬語は使わないほうがいいとか、いろいろ言われてプチパニックですよ!僕が気に入っている顔の形の絵文字があって、それをよく送っていたら“今田さん、この絵文字どういう意味ですか?”って若い子に言われて。それグループLINEだったんですけど、他の子らも“前から私も言いたかったです”“変です”って同調しだして。そうやったんやってびっくりしました。教えてもらってよかったです。ビックリマークも赤いやつはおじさんしか使わないとか言われて……。おしゃべりするのは僕、得意なんですけどね。LINEのやりとりはまだまだ難しい。勉強中ですわ」自身のアップデートを怠らず、プライベートでは後輩たちにアドバイスをすることも多い。でもそれも「たくさんある中のひとつの意見やと、楽に聞いてほしい」と言い、気負わせない。謙虚でありつつ、気遣いを誰に対しても忘れないのが今田さんの人間関係の最大のマナーのよう。会話の肌感を読むことがいちばん大事。「コミュニケーションの基本にあるのは相手に喜んでもらいたいって気持ちだと思います。だから舞台でも、プライベートでも、誰かが楽しくない、不快になるような話はしたくないですよね。もっと端的に言うと、ウケない話はしたくない。そういう時、周囲のリアクションは大事なバロメーターです。たとえば、ちょっと前までは見た目のことをイジってそれで笑いをとることができたかもしれない。でも今はそれをやってもしらけてしまう。時代に合ってないよって。だったらそれはしなくていい。そういう肌感はなんとなくみんな読んでいるんじゃないでしょうか。自分だけが面白いと思って突き進んで場の空気が悪くなることって、たまにあると思いますが、それは気遣いができてないってことなんじゃないかなと思います。やっぱり、私は私、って周りを無視しすぎたらいけないんですよ。いつか孤立してしまいます。僕もまだまだパーフェクトにはできてないですけど、そこは大事にしていたいですね」1つ成功できれば、あと5回スベったっていい。その場の空気を読む“肌感”の感度を上げる。それはなかなか難しいことのようにも思えるが……。「それは、失敗をたくさんしていくしかないんじゃないですかね。さっきも言った通り経験することって大事です。この間、麒麟の川島(明)とも話したんですけど、若い頃はどえらい失敗をよくしたよなって。川島なんか、今の若手から見たらパーフェクトな回しをするMCってイメージでしょう?そんなやつでも若い頃はたくさん失敗をしているんです。失敗しないと気づけないことも多い。……でも、失敗だけだと続けるのがしんどくなっちゃうと思うから、“5失敗1成功”くらいの割合でできたらベストやないかなと思います。1つ成功体験があれば、5回スベっても立ち上がれる。それくらいのペースで進んでいってみてはどうでしょうか。あとは、いいリーダーとか先輩のもとで経験を積むことも大事じゃないですかね。僕もダウンタウンさんっていう偉大なキャプテンがいたから引っ張ってきてもらえた。そういう人を見つけるといいかもしれない。僕?僕はキャプテンは無理です!自分に自信がないし、周りに支えてもらってそれでやっと役に立つタイプなんで。先頭切って“ついてこい!”ってのは、シャイな性格が邪魔してできないんです」いまだ・こうじ1966年3月13日生まれ、大阪府出身。NHK『ファミリーヒストリー』ほかレギュラー多数。今田耕司主演、鈴木おさむ脚本・演出による舞台シリーズ第8弾『正偽の芸能プロダクション』は、よみうり大手町ホールにて3/15~19で開催。共演はりんたろー。(EXIT)、山本彰吾(THE RAMPAGE)、平井まさあき(男性ブランコ)、久保田悠来。小さな芸能事務所を舞台にした様々な人生が交差する人間群像劇を描く。※『anan』2023年3月8日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年03月03日占いにすがる私は間違っていますか?
望まれて生まれてきたあなたへ
結婚3年目に夫婦の危機!?