いつまでにいくらの資金が必要かわかっている場合は、それに向けて資金をためる必要があります。代表的な資金は、学資・住宅資金・老後の資金です。これらの資金をためる方法はいくつかありますが、将来必要になる資金は貯蓄や定期預金、生命保険などで用意することが多くあります。今回は生命保険の積立と、積立型生命保険と銀行預金の比較をご紹介します。積立型生命保険とは積立型生命保険とは、保険料としてお金を支払い資金をためつつ、契約期間中に保障がついている死亡保険のことです。積立型生命保険の代表的な商品には学資保険があります。学資保険は銀行に預けるよりも利率がいい場合があり、かつ、保険期間中は死亡保険がついているので、万一の場合は学資金が満額支払われます。このように、資金の積立を生命保険で行うと銀行に預けるよりもメリットがある場合があります。積立型の生命保険の種類は?ここでは積立型の生命保険の種類をご紹介します。資金の積立は目的と用途によっては銀行へ貯蓄するよりも生命保険で積立を行ったほうがいい場合があるので、ご自身がどういう目的で積立をされるのか考えながら読み進めてください。積立型の生命保険には4種類あります。終身死亡保険学資保険個人年金保険養老保険以下にこれらの積立型の生命保険をご紹介します。1. 終身死亡保険終身死亡保険は保障が一生続く死亡保険で、一定年数経過後は解約時に返ってくるお金が支払った保険料よりも多くなります。2. 学資保険学資保険は子どもの教育資金を準備するための保険です。毎月一定額の保険料を支払いながら、お子さまの入学や卒業に合わせてお祝い金や学資金を受け取れます。被保険者である親に万一のことがあった場合は、以後保険料を支払うことなくお祝い金や学資金を受け取れます。保険料の一括払いや、年払いを選択することで、月払いに比べて支払った保険料より多くの学資金を受け取れます。3. 個人年金保険個人年金保険は、契約時に定めた年齢になると年金を受け取れる保険です。年金の原資を保険料として支払っていき、年金開始前に死亡した場合は死亡給付金が支払われます。個人年金保険への加入は銀行預金と違い、使いたいときにすぐおろせるわけではありません。満期以前に解約する場合は支払った保険料よりも少ないお金しか戻ってきません。4. 養老保険養老保険は一定期間保険料を払込み、満期時に死亡保険と同額の満期保険金が支払われる保険です。満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。現在、養老保険よりも返戻率の高い終身死亡保険が販売されているので、そちらに加入される方が多いです。積立型の生命保険と掛け捨て型の生命保険のメリット/デメリットをチェック積立型の生命保険の対義語として掛け捨て型の生命保険があります。掛け捨て型ですので保険期間が終わると保障がなくなり戻ってくるお金がありませんが、保険料は積立型に比べると安いです。メリットデメリット積立型生命保険保険料を支払えば一定期間で必要な資金をためることができる。契約期間は死亡保障ついている。積立てる資金が保険料に含まれるため保険料が割高。満期以前に解約すると支払った保険料よりも受け取るお金が少なくなる。たまったお金はすぐにはおろせない。掛け捨て型生命保険保険料が安い。保険期間が終わると保障がなくなり、戻ってくるお金がない。生命保険の積立と銀行預金はどう違うの?前項までで生命保険で行う資金の積立をみてきました。ここからは積立型の生命保険と銀行預金の違いをご紹介します。銀行預金にはどういうものがあるの?銀行で預金する場合、7つの預金があります。普通預金定期預金総合口座当座預金貯蓄預金大口定期預金積立定期預金1. 普通預金普通預金はみなさんが普段お使いの銀行口座のことで、預け入れや払い戻しが自由にできます。また、自動支払いや自動受け取りが可能です。2. 定期預金定期預金ではあらかじめ預入期間を決めてお金を預け、原則満期日まで引き出しができません。一定期間預けるので金利が高いです。3. 総合口座総合口座は普通預金と定期預金などを組み合わせた口座です。ためる、増やす、受け取る、支払う、借りるといった機能があります。4. 当座預金当座口座は手形や小切手の支払いに使われる預金です。利息は付きません。5. 貯蓄預金貯蓄預金は残高が一定以上あると普通預金より金利が高くなることが多い預金です。出し入れ自由ですが、自動支払い、自動受け取りができません。6. 大口定期預金大口定期預金は1,000万円以上の一括預け入れで利用可能な定期預金です。金額と期間に応じた金利が設定されます。7. 積立定期預金積立定期預金は、毎月決まった日に預金の積み立てを行う定期預金です。使用目的が決まっている資金の準備に利用されます。積立型の生命保険と銀行預金の比較積立型生命保険と銀行預金の共通点は「資金がたまる」点ですが、主な違いは3つあります。積立型生命保険は死亡保障がセットになっている貯まったお金を自由におろせるかどうか万一の場合の受取人を指定できる1.積立型生命保険は死亡保障がセットになっている積立型生命保険と銀行預金の大きな違いは、積立型生命保険は死亡保障がセットになっている点です。これは最大のメリットと言ってもいいです。学資保険を例にすると、満期学資金が300万円だった時、契約直後に被保険者である親に万一のことがあった場合その後も保障は続き、満期時には学資金が満額支払われます。一方で300万円銀行預金でためようとした場合、初回の入金後に親に万一のことがあったら口座に残っているお金しか残りません。2.貯まったお金を自由におろせるかどうかたまったお金を自由に使えるかどうかという点も積立型生命保険と銀行預金の違いとしてあげられます。銀行預金は普通預金の場合、いつでも口座のお金を出し入れできますが、積立型生命保険は銀行預金のようにたまった資金をすぐにおろすことはできません。積立型生命保険にもたまった資金を一定の利率で借りる契約者貸付という制度があります。ですが、契約者貸付はご自身がためた資金を保険会社に利子を払いながら借りることになります。そして請求をしてから口座へ振り込まれるまでに数日必要です(保険会社により異なります)。3.万一の場合の受取人を指定できる万一の場合の受取人を指定できる点も積立型生命保険と銀行預金の違いとしてあげられます。万一の場合に遺言などがないと預金口座は相続の対象としてみなされます。相続の対象になると相続権がある親族間で相続トラブルが起こる可能性があります。そうなってしまうと資金を残したい家族に全額渡せない場合が生じます。その場合、積立型生命保険で受取人を指定していれば相続トラブルを回避でき、資金を残したい家族にスムーズにお金を残すことができます。積立型生命保険のメリットと注意点積立型の生命保険と銀行預金を比較しましたが、ここからは積立型生命保険のメリットと注意点をあらためてご紹介します。積立型生命保険のメリット積立型生命保険のメリットは3つあります。死亡保険がセットになっている確実に資金がたまる受取人を指定できるので相続トラブルを回避できる積立型生命保険のメリットは保険商品であることを最大限に活用している点です。万一の場合は必要な資金を指定した受取人に残すことができ、保険料を支払えば確実に資金をためることができます。積立型生命保険の注意点積立型生命保険の注意点は2つあります。満期前に解約すると、払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金が少ない場合がある貯蓄のように必要な時にすぐおろせない積立型生命保険の注意点は、満期以前に解約すると払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金が少なく、たまったお金はすぐおろせない点です。緊急にお金が必要になった場合、期待していた解約返戻金(解約した時に戻ってくるお金)を受け取れないかもしれません。積立型の生命保険で資金を積み立てられる場合はこれらのことにご注意ください。生命保険の積立に関するまとめこれまで「生命保険でできる資金の積立」「生命保険の積立と銀行預金はどう違うの?」「積立型生命保険のメリットと注意点」をみてきました。目的がしっかりしていて保険料を支払っていける場合は、生命保険で資金の積立をおすすめします。保障と貯蓄の2本立てができる積立型の生命保険で資金の積立という目標を達成してください。
2019年02月06日教育資金は、人生三大資金の1つとされ、子育て世帯の方々からしますと、子供が誕生したことをきっかけに、貯金や資産運用などといった方法であらかじめ教育資金の準備をする方が多いと思います。しかしながら、いざ、教育資金が必要な時期になった際、準備していたお金よりも足りない場合も十分に考えられることから、時には教育ローンなどの借入に頼らざるを得ない場合もあることは確かです。そこで本記事では、教育ローンの借入を検討している方を対象に、教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの基本的なポイントから、教育ローンの審査・金利・おすすめなど、多くの方が持っている疑問や教育ローンで押さえておきたいポイントまとめて紹介します。教育ローンとは教育ローンとは、おもに、子供の進学にかかる教育費用や授業料などの支出に充てることを目的としたローン(借金)で、大きく国の教育ローンと民間の教育ローンに分けられます。厳密に解説しますと、教育ローンは、子供の教育資金だけに借入が限られているわけではありませんが、通常、教育ローンは、子供のまとまった教育資金を準備するために活用されることが多くなっているのが現状です。また、基本的に教育ローンは、両親が教育ローンを申し込んだ金融機関からお金を借入することも多いため、教育ローンを申し込む時点において、借入する方が、定職に就いていることや個人信用情報に問題がないことなど、細かな事情も問われることになります。併せて、教育ローンは、完済までの返済期間が長くなってしまうことが一般的であるため、何も考えずに借入するのではなく、ライフプランを考えた借入のメリットとデメリットもあらかじめ知っておくことがとても大切です。以下、教育ローンの基本的な部分から教育ローンのメリットおよびデメリットも紹介した記事が同サイト内で公開されておりますので、そちらも合わせて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行いましょう教育ローンは、通常、借入から完済までの返済期間が長くなってしまうことが多いため、あらかじめ、教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行う必要があります。特に、教育ローンの返済計画を立てる上で大切なポイントは、家計確認をすること、そして、教育ローンの返済シミュレーションを実行することの2つは絶対に欠かせないポイントと言えます。また、できる限り、教育ローンの繰上返済も考慮した返済計画を立てることができれば、将来のライフプランにゆとりが持てる結果につながるとも考えられます。教育ローンを借入する際は、限度額いっぱいで借入しないこと教育ローンは、いくらくらい借りるのが良いのか?といった疑問を抱えている方も多いと思いますが、こちらの考え方につきましては、住宅ローンの考え方と同じように、限度額いっぱいで借入することは厳禁です。この理由は、借入できるお金を借りたとしても、そのお金を借入から完済までの長い期間に渡って滞ることなく返済できなければ本末転倒だからです。では、どのような考え方で教育ローンを借入する必要があるのでしょうか。それは、ご自身の懐具合に合わせた返済可能額で借入する必要があります。返済可能額とは、その名前の通り、毎月余裕を持って返済していくことができる金額のことを指し、具体的に、毎月の手取収入から家計支出などを差し引いた後の実際に余るお金を考えなければなりません。なぜならば、新たに教育ローンの借入を行うということは、返済時期は別として、毎月の収入から家計支出などを差し引いた後の余るお金から新たに教育ローンの返済が支出されることになるためです。そのため、返済可能額を考えずに教育ローンの借入を行った場合、毎日の生活に支障が生じることが考えられ、多重債務の原因や最悪な場合は、自己破産といった結果を招いてしまう原因にもなり兼ねません。教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?まとまった教育資金を準備するための方法には、教育ローンを借入するほかにも、奨学金を活用する方法もありますが、教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?といった疑問を持たれている方も多いと思います。上記表を見ますと、教育ローンも奨学金も、いずれも教育資金を目的とした借入であることには変わりありませんが、借入する人や資金の受け取り方など、細かな点を比較して見ていきますと、大きく異なることが一目でわかります。ただし、いずれの借入をするにしても、特に、保護者の方には、教育ローンを借りる前に知っておいていただきたいお金の考え方があり、先に解説した返済計画を立てる場合やシミュレーションをする場合も「教育ローンと奨学金を借りる前に知っておきたい考え方とは?金利や損得以前に押さえるべきポイントを紹介」記事を通じて確認することができます。ご自身の将来のライフプランにも活かされる内容となっておりますので、併せて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンや奨学金を活用して失敗しないために必要なこと教育ローンや奨学金は、お金を借入する人が異なるものの、いずれも長期の借金でありますから、計画的な準備と対策をしておかなければ、後々、生活が困窮する原因や最悪な場合、自己破産などに追い込まれる危険性があります。このような失敗をしてしまう一番の原因は、お金を借入する本人の考え方や事前行動の欠如にあると筆者は率直に感じておりますが、すでに紹介した返済計画や事前対策をあらかじめ行っておくことで、失敗することは簡単に避けられることは確かです。人の振り見て我が振り直せと言われることもありますが、どのような考え方が失敗することになるのか、以下、教育ローンや奨学金の質問から典型的に失敗する原因を個別に解説している記事がありますので、教育ローンや奨学金を活用する予定がある方は、以下の記事も読み進めておくことを強くおすすめします。教育ローンの審査に通過するためのポイント教育ローンを借入するためには、教育ローンを申し込んだ金融機関の審査に必ず通過しなければなりませんが、どの金融機関でも審査される一般的な審査項目は以下の通りです。個人信用情報に著しい問題がないか安定した収入があるのか教育ローンが、収入に対して多重債務にならないか上記の審査項目に対して、1つでも問題がある場合は、教育ローンを借入することは難しくなる可能性が高くなりますが、これら3つの具体的な解説につきましては、以下記事からそれぞれ個別に確認することができます。将来的に教育ローンの借入をする予定がありそうな方は、特に、読み進めていただきたい内容となっており、中には、教育ローンの借入が必要だからといって、短い期間で一時的に対策しようとしてもどうにもならないこともありますので、要チェックです。教育ローンの借入をするには、どこがいい?教育ローンの借入をするには、どこから借入すれば良いのか気になる方も多いと思いますが、この疑問を解決するためには、国の教育ローンと民間の教育ローンについて、それぞれ特徴を知ることが大切です。また、国の教育ローンや民間の教育ローンは、金利や融資限度額にもそれぞれ違いがあることから、特徴を知るだけではなく、それぞれを比較検討していくことも大切になります。なお、以下、同サイト内で公開している記事では、国の教育ローンと民間の教育ローンの違いについて比較しており、併せて、金利や特徴についても紹介しているため、教育ローンの借入をどこからしたら良いのか疑問を抱えている方にはおすすめです。教育ローンを比較検討するためのポイント教育ローンを比較検討する際のおもなポイントは、以下の通りです。金利は、どのような種類があるのか年利率は、どのくらいなのか保証料や保証人が必要なのか借入金額はどのくらいまで可能なのか返済期間はどのくらいまでなのか融資の対象となる条件はどうなのか上記の内容は、金融機関によってすべて異なるほか、いわゆるメガバンクと呼ばれる有名な銀行だからといってお得な融資条件であるとは限りませんので、やはり、複数の金融機関同士で比較検討することがとても大切です。教育ローンの金利を考える上でのポイント教育ローンや住宅ローンを借入する上で、金利を見て借入を検討することは当然のことである一方、目に見える金利(表面金利)だけで選ぶことは厳禁です。また、教育ローンには、おもに3つのリスクがあると考えられ、教育ローンを借入する前のリスク、教育ローンを借入している在学中のリスク、卒業した後における返済途中のリスクについて考えておくことも大切です。そのため、教育ローンの金利だけではなく、これら3つのリスクについて、どのようなリスクでどのような対策を考えておく必要があるのか、あらかじめ知っておくことをおすすめします。教育ローンを銀行から借入する場合の注意点教育ローンを銀行から借入するということは、民間の教育ローンを借入することを意味し、担保や保証料について、あらかじめ注意しておかなくてはなりません。これは、国の教育ローンに比べて民間の教育ローンは、種類が様々あることに加え、担保の有無によって金利や借入限度額が異なるほか、保証料があるといった特徴があるためであり、結果として、これらは将来返済していくことになるお金に直接の影響を与えるためです。ちなみに、国の教育ローンは、銀行に比べて金利が低く、保証料や担保も必要ないことから、優先して教育ローンの借入を検討されることをおすすめしたいのですが、借入できる金額が少ないことや同居している親族以外の保証人が必要などといった縛りもありますので、この辺の注意点も知った上で、どちらの教育ローンを活用するのが得策なのか検討する必要もあるでしょう。教育ローンについてのおすすめ記事を紹介教育ローンは、借入から完済までの返済期間が長いものであるからこそ、借入計画や返済計画を立てることは、とても大切になりますが、何よりも教育ローンを無事完済し終えた成功者の体験談を知ることは大切だと考えます。成功談、失敗談から学べることはたくさんあるわけでありますから、教育ローンを借入する前は、教育ローンの完済に成功した方の体験談を目通しすることで、これからの借入に活かすことをおすすめします。なお、教育ローンは、住宅ローンの借入と同じように、長い期間に渡って返済をしていかなければならないことが多いため、返済期間中に、借り換えを検討される方もおられると思います。こちらに関しましても、教育ローンの借り換え効果について考察したものを公開しておりますので、併せて読み進めておくことで、より、教育ローンを初めて借入する際の大切さがおわかりになると思います。教育ローンまとめ教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの借入から完済までに必要なことを幅広く紹介させていただきましたが、本記事の内容を一通り目通しいただきまして、関連記事を読み進めていただくことで、無理のない教育ローンの借入ができるものと思います。教育資金は、人生三大資金の1つにあたり、多くのみなさまにとって極めて重要なお金にあたりますが、教育ローンを借入する場合は、計画的な借入と返済計画をあらかじめ立てておくことでうまくいくことは確かです。本記事が、これから教育ローンを借入するみなさまにとって有意義なものになっていただければ幸いです。
2019年01月18日住宅ローンや生活費、教育費などについて、ファイナンシャルプランナーに相談してみたいけれど、お金のことは正直話しづらいという気持ちがあります。富士山南麓・静岡県東部で暮らし活躍する素敵な人30名を取材して1冊にまとめた『富士山の麓で見つけたヒト・コト・シゴト』。本の中で、静岡県駿東郡小山町でオーダーメイドの家具を作る工房「TREOW FURNITURE WORKS」を紹介しています。今回、工房併設の展示室で、ファイナンシャルプランナーの有資格者による住宅購入資金セミナーが催されると聞き、早速、取材に行ってきました!■ 静岡県駿東郡小山町にある、家具職人の工房併設のアトリエ小山町は、静岡県と神奈川県と山梨県の県境に位置する町。富士山はもちろん、その外輪状に伸びる三国山系、神奈川県の丹沢山地、そして箱根の外輪山を眺めることができます。箱根の外輪山で最も高いのが、標高1212mの金時山。この山は金太郎伝説発祥の山として知られており、古くから小山町は金太郎生誕の地だと言われています。そんな小山町に、「TREOW FURNITURE WORKS」を主宰する家具職人の石井直樹さんの工房併設の展示室があります。石井さんが自作したヘリンボーンの床が印象的な展示室では、ソファやダイニングテーブル、チェアやスツール、キャビネットのほか、絵や写真のためのフレームや手付きのボックスのような生活雑貨まで大小さまざまに手がける石井さんの作品を実際に見ることができます。けして広くはないけれど、石井さんの人柄や、作り出す家具が持つ佇まいにしっくりくる空間です。「Hanko House」という名の印鑑ケースも作っています。玄関に置いておくと、宅配便の受領時などにとても便利。■ 展示室で、住宅購入資金セミナーを開催この展示室では、時折、石井さんが自ら企画するイベントを開催しています。過去には、エアプランツの着生ワークショップや、地元に暮らすイラストレーターの個展などが開催されてきました。そして今回、「大人の学びの時間」として「ファイナンシャルプランナーによるーあなたの将来を考えるライフプランワークショップー」という全3回の講座を開催するといいます(しかも参加費無料!)。1回目は教育費、2回目は住宅購入資金、3回目は貯蓄。どれも知っておきたいことばかりですが……でも、一体どうして、家具工房の展示室でファイナンシャルプランニングの講座を?2016年、子供の誕生をきっかけに、家の購入を考え始めた石井さん。その時、加入している保険の内容の見直しをファイナンシャルプランナーに依頼し、この先の人生と家族を支える新たなプランを見積もってもらったそう。「保険といえば商品の紹介をされるばかりで、肝心の中身がわかりづらいと感じていました。ところが、ファイナンシャルプランナー有資格者の話はとてもわかりやすく、驚いたんです」と石井さんは言います。お金に関わることはなんとなく聞きづらいイメージがあります。相談前の石井さんもそう感じていたそうですが、実際はとても相談しやすかったと言います。その後、石井さんが自邸を購入する際、住宅購入資金とローンの返済について、再び話を聞きに行ったそう。「自分のこの先の人生をイメージできたことがとても良かったんです。そういうことを、実はみんな知りたいんじゃないかと思って、今回のセミナーを企画しました」石井さんが自身のことを相談したのは、生命保険会社に勤務する御殿場市在住のファイナンシャルプランナー有資格者・芹澤誠さん。さまざまな場所で行われるさまざまな内容のセミナーに招かれ講師として活躍しており、住宅の購入相談を中心に、年間50件以上の相談を受けているそう。ファイナンシャルプランナー資格以外にも、宅建士や住宅ローンアドバイザーの資格も持っています。セミナー自体は、講師の自己紹介からスタート。40代半ば。2人の子供の子育て真っ只中という講師の穏やかでフレンドリーな人柄に、なんとなく緊張していた参加者たちが安堵の表情を浮かべます。■ ライフプランニングは自分の価値観を大切に生きるためのツール人生の4大資金=教育・住宅・老後・保険の話から始まった講座。途中、家を買うのはゴールではないという心に響く言葉がありました。実際に家を建てるにあたりどんな家を建てたいかをどう考えどう決めていくか。住宅ローンを払いながら、教育資金、老後に向けての蓄えをどう作っていくか。30歳で家を建てた場合をシミュレーションして、グラフなどを使い、わかりやすく教えてくれました。収入や家の価格、暮らしにかかる生活費など、どの例えも地に足がついている金額だったので自分の暮らしをイメージでき、とても身近に感じられました。講師の「万一だけでなく、万一が起きなかった老後資金も守るために」という言葉が印象に残ります。自分の価値観を大切に人生を組み立てていくのが、ライフプランニング。そこに必要なお金を考えるのがファイナンシャルプランニングなのだと理解できたら、いずれも人生を楽しくするためのツールとして、とても大切なことなのだとわかりました。講座を終える頃には、すっかり前向きな気持ちに。お金の話を、今まで避けて通っていたのが悔やまれます。今回の連続講座「大人の学びの時間」は3回とも終了しましたが、今後も開催予定でいるそう。日程などの詳細は、TREOW FURNITURE WORKSのFacebookページやInstagramで告知があります。ぜひチェックしてみてくださいね!富士山の麓で見つけた ヒト・コト・シゴト住みやすい町で自分らしく暮らす・働く。沼津や三島、御殿場など富士山を望む町で見つけたすてきな人と場所を紹介!日刊Sumaiのライターである永井理恵子さんが企画・執筆した本。富士山の麓で仕事をする、クラフト作家、雑貨屋、パン屋、農業など、地元人でも知らない30か所をじっくり紹介し、地方で身の丈に合った暮らしをする、をテーマにしたスローライフな1冊です。
2019年01月17日いま、教育資金は「情報戦」です。たとえば、教育関係の公的な助成・補助金は、申請するからこそ、もらえるお金。申請しなければ、もらえません。また、いまや大学は、返さなくていい給付型の奨学金をこぞって増やしている時代です。これらを「知っている」のと「知らない」のでは、大違い! 充実してきた教育支援制度の情報を、教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにピックアップしてもらいました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ ■低所得のひとり親家庭に給付するお金児童扶養手当死別や離婚などで母親または父親、父母がいない場合は祖父母などひとり親家庭で18歳未満の子どもを養育している人が、低所得の場合にもらうことのできる手当です。受け取れる額は、「養育している子どもの人数」と「親の収入(所得)」によって違い、とても複雑なので、詳細はお住まいの市区町村窓口に問い合わせをすることが大切です。申請をした後、1~3ヶ月程度の認定審査があり、認定日の月の翌月分から支給が開始されます。■幼稚園の月謝、入園費の補助私立幼稚園就園奨励費補助金私立幼稚園に通う場合は、ぜひ「私立幼稚園就園奨励費補助金」の活用を!国が自治体に依頼している補助金制度で、満3歳児から5歳児(年長)までの月謝と入園費を対象に受けることができます。きょうだいの人数、年齢、親の収入(住民税の額)、そして住んでいる自治体などで補助金の額は異なります。なお、千葉県野田市のように公立幼稚園に通う世帯にも助成しているところもあります。一方で市区町村によっては制度がない場合や国の基準よりも厳しく設定しているところなど助成額も異なるため、まずは自治体に問い合わせをしましょう。■高校の授業料の無償化高等学校等就学支援金(国の制度)家庭の所得に応じて、高等学校の授業料が支給されるシステムです。現金で直接、生徒や保護者が受け取れるというものではなく、学校設置者(学校法人など)が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。申請書類は、入学時は4月に、継続して支給を受ける届け出手続き関係は6月~7月頃に高校から配布されます。ただし、モデル世帯(給与所得のみの夫婦・16歳以上の高校生一人・中学生一人の4人世帯の例)で言えば、年収約910万円以上になると就学支援金は受けられません。■返さなくていい奨学金!?今回の取材で、筆者が一番驚いたのは、「返さなくていい奨学金」が増えていること。そのなかでも、最近の一大トレンドとなっているのは、「予約型」の奨学金です。これはおもに地方からの受験生が対象で、受験前に申し込み、合格したら支給をされる奨学金のことです。申し込みは、前年度の秋のことが多く、それゆえ「予約型」。つまり、現役生の場合は、この情報を「知っていて」、高校3年生のときに応募しておかなければなりません。現在、多くの大学は、予約型の奨学金を設けています。●早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金(予約型)」半期(春学期)の授業料が免除。●慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金(予約型)」地方の新入生500人に年額60万円~90万円を卒業まで支給します。国立大学でも、たくさんの奨学金給付があります。たとえば、一橋大学の「一橋大学学業優秀学生奨学金制度」では、前年度にとくに優秀な成績を収めた学部生12名以上に月8万円(年96万円)を毎月送金します。支給は1年間限定ですが、親の年収制限を設けるなど家計の経済状況は加味されません。奨学金といえども、返済義務があるものは、大学を卒業した途端、数百万円もの借金を背負うもの。返さなくていい奨学金を上手に活用することで、親の家計への負担を減らし、子どもの進学に役立てることができます。そんな時代がやってきたのは、喜ばしいこと。みなさんに制度を知ってもらい、活用して欲しいです。いかがでしたか? いつの時代も、「わが子にできるだけのことをしてあげたい」というのは、当然の親心。けれども、先行き不透明ないま、教育資金作りに不安を感じる人も多いことでしょう。この連載が、教育資金の「情報格差」を解消し、前向きな教育資金作りの第1歩を踏み出すキッカケになるとうれしいです。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月29日前回、ごく普通の家庭が「知らぬ間に陥りがちな2つの落とし穴」についてファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに教えていただきました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ 第4話 「もらえる」教育費がトレンド! 充実の教育支援制度を活用するには -->落とし穴に落ちないためには、教育資金は、あらかじめ資金計画を立て、長い時間をかけてコツコツと計画的に準備する必要があります。今回は、具体的な教育資金づくりについてお話しを伺います。■児童手当が大学資金となる「教育資金づくりで大切なことは、子供が小さいころからコツコツと積み立てることです」(竹下さん)。そのための軍資金として心強いのが「児童手当」です。児童手当から受け取れる額は、次の表のとおりで、0歳から15歳までの総額は、198万円(※)にもなります。まさに、「ちりも積もれば山となる」ですね!大学進学に合わせて備えておきたい額は、国公立・自宅通いケースの学費総額をもとに200~300万円が一つの目安と言われていますが、児童手当を積み立てるだけで、この最低ラインは賄える計算となります。※児童手当の0~15歳までの総額198万円=15,000円×12ヶ月×3年+1万円×12ヶ月×12年:第1子、第2子の場合の例。一人あたり。▼児童手当の対象年齢と支給額■児童手当は、さかのぼってはもらえない!児童手当で覚えておいて欲しい注意点は、「申請が遅くなった際、その分をさかのぼってはもらえない」ということです。子どもが生まれた場合は、出生届が受理されて初めて、児童手当の申請を市区町村の役所が受理する流れになっています。ですから妊娠中に必要な書類などを役所の窓口やホームページなどで確認し、出産後は速やかに申請することが大切です。出産直後のママが動くことが厳しい場合も多いので、申請手続きの流れをパパと一緒に、シミュレーションしておくと良いですね。 ■「学資保険」はなぜおすすめなのか教育資金づくりの「はじめの一歩」は、児童手当を軍資金に、家計とは切り分けて積立てを始めることです。その手段として、おすすめしたいのが「学資保険(子ども保険)」です。「マイナス金利の影響もあり、最近お得度が下がり気味ではありますが、根強い人気が続いています。理由はおもに3つあります」(竹下さん)。▼学資保険の魅力3つ魅力その1確実に教育資金を準備できる安心感がある学資保険は、親の死亡時には以後の保険料支払いが免除になった上で満期金がうけとれる“保険ならでは”のしくみがあるプランが人気です魅力その2税制優遇がある満期などで受け取るお金は一時所得扱いになるので、増えて得した額が50万円を超えなければ実質的に非課税です。預貯金で積立した場合、得した額の約20%は税金として源泉徴収されます魅力その3子供のお金として色づけができる家計が苦しくなったり、住宅ローン返済が滞りそうになった時でも、学資保険は「取り崩しにくい心理が働く」と言われています出典: 「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本 より一部抜粋筆者としては、学資保険は保険商品ならではの「強制力」が大きな魅力だと感じています。有無を言わさず(←ここ、とても大事です)、自動的に指定口座から保険料が振り替えられているので、最初から「そのお金が無いこと」で生活する習慣がつきます。ですから、「いつの間にか貯まっている感」があるのです。■学資保険を選びときにチェックすることどの学資保険を選ぶか? というときに最初にチェックしたいのは、「返礼率」です。返礼率とは、支払った保険料に対して、受け取れる保険金の割合を示す率。たとえば、返礼率105%だったら、保険料を100万円支払えば、合計で105万円受け取れるということになります。ちなみに、これだけおすすめしておきながら、筆者の学資保険デビューは、長男を出産した1年後(汗)。初めての出産後、慣れない育児で手一杯になってしまい、教育費のことまで頭が回りませんでした。いまは、妊娠中から入ることができる学資保険も増えているので、プレママ時代に、学資保険のリサーチ&契約しておくのもアリだと思います。学資保険の注意点としては、途中で解約すると、ほぼ間違いなく損をする点。その時点の解約返戻金(解約することで戻ってくるお金)は、それまで支払った保険料より少なくなるのが通常です。確実に満期まで続けられるよう家計に無理のない保険料での利用が無難です。■「低解約返戻金型終身保険」vs「学資保険」最近は、保険ショップで「学資保保険に入りたいのですけれど」と相談すると、低解約返戻金型終身保険をすすめられることが多くなっています。低解約返戻金型終身保険とは、一生涯を保障する生命保険である「終身保険」の一種です。この終身保険を、適当な時期に解約して、解約返戻金を教育資金にあてるという使い方をします。この保険について、メリットとデメリットを整理しておきましょう。▼「低解約返戻金型終身保険」のメリット①教育資金として現金化できるタイミングを選べる「学資保険」が満期日(18歳の誕生日など)まで現金化できないのに対して、この保険であれば、保険料払込期間を経過していれば、いつ解約しても、ほぼ損をしません。たとえば、AO入試や推薦入試で合格すると、高校3年生の秋には入学金を支払う必要があり、お金の工面に困ることも考えられます。②親にもしものことがあった場合の死亡保障が大きい「親の死亡保障確保の点から言えば、同じ保険料の学資保険に入るよりも、死亡保障額が大きいので、費用対効果が高いです」(竹下さん)▼「低解約返戻金型終身保険」のデメリット保険料払込期間中に解約するとペナルティが大きい保険料払込期間とは、保険契約者が保険料を支払う義務がある期間で、保険契約を結ぶ時の条件として定められています。最初に取り決めをするので、あとから保険を見直すとペナルティが大きく、少ししか解約返戻金を受け取ることができません。「低解約返戻金型終身保険の利用は、家計に無理のない保険料水準が大前提で、しくみをしっかり理解できる保険中級者なら、視野にいれて検討するのも一策です」(竹下さん)■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月28日「教育資金は、まさに『聖域』。家計がどれだけ苦しくてもほかの支出を見直し、最優先で教育資金だけは死守するご家庭を、これまでたくさん見てきました」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんです。竹下さんの事務所には、教育資金に関する相談がじわり、じわりと増加しているそう。お話しを聞いてきました。ファイナンシャルプランナー 竹下さくらさん自らの生活者としての経験を踏まえた、家計の運営や、教育資金設計のご相談のほか、講演、執筆活動などを行っている。■「教育資金」で夫婦ゲンカとなるケースが多い竹下さんは、言います。「教育費の話が発端で、大きなケンカになってしまうご夫婦、じつは多いんです。そのときの心の傷は、子育てが終わったあとの夫婦関係にまで、影響を及ぼしてしまう…。それが、現実です」。筆者の周りを見渡してみても、多くの夫婦ゲンカの要因は、「子どものこと」と「お金のこと」、そして「お互いの実家のこと」が多いのでは? と感じています。「教育資金」の問題は、これがミックスされた話なので、「そりゃ、夫婦関係の『綻び』になるよなぁ」と、妙に納得してしまいます。■教育費と老後資金は「綱引き」の関係一方で、子どもの教育にお金をかけすぎて老後資金が枯渇するケースも、じつは少なくないそうです。「実際に、『老後のやりくりが大変』というご家庭の相談を受けていると、いまのお金がない状況を招いた原因として、教育費をかけすぎたことをあげる方が少なくありません」(竹下さん)。会社員の場合、生涯年収は有限です。その「限りがあるお金」の中で、教育費と老後資金は、常に「綱引きの関係」にあります。遠い将来、お金で揉めない夫婦になるためには、「教育費のかけすぎ」にも注意しなければいけないんです。▼「教育費」と「老後資金」は“綱引き”関係こんな現状のいま、教育資金について、ママたちが「本当に知っておくべきこと」を、この連載では考えてみたいと思います。「教育資金に関して、『情報格差』を感じます」(竹下さん)。まずは、そんな「情報格差」の例を3つほど、教えてもらいましょう。■情報格差1、ママ友からの情報は正しいのか?一点目は、ママ友からの情報で焦る妻が増えているそうです。「『この地域、中学受験をする人が多いの』と妻が夫に相談しても、夫は考えすぎだと聞き流すばかりで、妻の『不安な気持ち』を受け止めて一緒に考えてくれる夫は少数派という実感があります」(竹下さん)。「中学受験をするかどうか?」。ママとしては、たしかに無関心ではいられない問題ですよね。でも、周りの「ママ友情報」だけに振り回されるのは、あまりおすすめできません。なぜなら、子どもの進路については、基本的に後戻りができないからです。あたり前のことながら、私立中学に合格すれば、その後6年間、「私立の学費」を払い続けなければなりません。「志望校名 + 学費」で検索してみると、学費に関する情報は、わりと簡単に出てきます。「その金額を、家計から6年間、きちんと支払い続けていけるのか?」を、まずはイメージしてみましょう。また、ママ友情報だけでなく、夫の職場の同僚、実際に進学希望の学校に通わせている人などにも話を聞き、幅広い範囲での情報を仕入れることも大切です。そういった情報を得つつ、夫婦でもしっかり「わが家の方針」を話し合い、中学受験にトライするかどうかの最終決定をしましょう。■夫婦の「子供の進路イメージのすり合わせ」は大変!この時点で、「子供の進路イメージ」が夫婦でまったく異なっていることに気がつく方も多いようです。竹下さんも、こんなふうにおっしゃいます。「教育資金の相談を受けていて頭を悩ますことが多いのは、夫婦で『子供の進路イメージ』がかけ離れている場合が多いという事実です」。じつは筆者自身、長男を中学受験させるかどうかで、夫と相当、揉めました。長男が小学校の2年生の秋、「中学受験させるかどうか?」を初めて話し合った日のことは、いまでも鮮明に覚えています。中高一貫校に通っていた夫は、「中学受験をして、俺の母校に行って欲しい」の一点張り。高校まで地方(京都)の公立育ちの私は、「中学受験!? 何のために必要なの?」。あのときの、「私、こんな人と結婚していたんだ」という驚きは、まさに青天の霹靂レベルでした。この話は語り出すと長くなるので割愛しますが、「夫婦で『子供の進路イメージのすり合わせ』をするのは、とても大変なこと」だと、自分自身の実感を込めて思います。でも、あの時点で、夫婦で何度も何度も、ときにはケンカになりながらも話し合いをしたので、長く厳しい(結果的に息子3人とも私立の中高一貫校に通っています)「教育費戦線」を、夫と「同志」として過ごすことができています。■情報格差2、低所得世帯は進学をあきらめざるをえない?「シングルマザー・シングルファザー、低所得世帯の場合、教育資金については充実したさまざまな施策があるのですが、そのことを知らず、『人並みの教育を受けさせてやれない』と嘆いている世帯が多いようです」(竹下さん)仕事も子育てもすべて一人で抱えていたり、生活や心身ともに余裕がないせいか、必要な情報をうまくキャッチできていない人が多いのかもしれませんね。本連載の後半では、公的助成・奨学金などについても整理しますので、それをキッカケにして情報のアンテナを今より少し立ててみてはいかがでしょうか?■情報格差3、親の時代の常識は、いまの時代に通じるのか?たとえば、「大学はとにかく国公立。授業料が私立の半額ですむから」という常識は遠い過去の話です。いまの国立の授業料は私立の3分の2程度。国公立にこだわって下宿になるより、自宅から私立に通うほうが総額は安くすみます。また、「給付型奨学金」や「授業料免除」が充実している私立大学の数が、本当に多くなってきました。ですから、こういった制度を利用して私立大学に通う方が、国公立に進学するよりも割安になる場合もあります。今回、竹下さんのところに取材に伺って、筆者が一番驚いたことは、この「私立大学の給付型奨学金」の充実ぶり。ただ、こういった奨学金は、「高校3年生の秋に予約が必要」など、さまざまな要件を満たさなければなりません。これらは、情報がアップデートされている分野なので、まさに「情報力」が必要ですね。「情報を知っているか否か?」。それが、「子どもの進路の幅の差」になる時代になってきているのです。次回は、教育資金。知らぬ間に陥りがちな2つの『落とし穴』についてお話しを伺います。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月26日子どものいない夫婦は、養育費や教育費といった子どもに関する費用が掛からないため、子あり夫婦に比べると生活に余裕が生まれそうなイメージ。ただ、気になるのが「老後のこと」ですよね。年々珍しくなくなっている子なし夫婦ですが、老後の生活費や貯金はどのくらいあれば良いのでしょうか。今回は子なし夫婦の老後にフォーカスを当ててみます。 老後の生活費はどのくらい?厚生労働省の「平成28年簡易生命表」によると、平均寿命は男性では80.98年、女性では 87.14 年となっています。定年が60歳だとすると、少なくとも20年はセカンドライフの期間があるということ。子どもがいないため夫婦でゆっくり暮らせる老後ですが、生活費などお金の面ではどうなってしまうのでしょうか。まず、基本的に定年となるのは60歳ですが、年金は65歳からの支給になります。その間のつなぎとして、65歳まで「再雇用」といった形で働くことができる企業が多数あります。収入は現役時代よりも少なくなりますが、子どもがいない夫婦は自分たちだけの収入で生活していく必要があるので、65歳まで働いたほうが安心です。それから年金生活となるのですが、総務省統計局の「平成29年度家計調査報告世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)」のデータを見てみると、高齢夫婦の無職世帯は毎月平均263,717円の支出があり、54,519円の赤字になっているそうです。生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、「ゆとりある老後生活費」は月額34.9万円だそうです。公的年金や退職金だけでは、何年間も賄えそうにありませんね。 理想の貯金額それでは65歳になるまでに、老後資金はいくら必要なのでしょうか。先ほど平均寿命が男女共に80歳以上だとお話ししましたが、現在100歳の人も珍しくありません。95歳まで生きると仮定して、老年資金が30年間必要だとします。赤字が54,519円だったので、年間約65万円が30年だとすると、必要額は最低でも1950万円以上。ゆとりある老後生活を送りたいなら、赤字は139,802円になるので、年間約168万円が30年で5,000万円以上必要ということになります。また、夫が先に亡くなってしまったときのこともも考えておきましょう。妻は、夫が受給していた老齢厚生年金の一部を「遺族厚生年金」として、自分の老齢基礎年金に上乗せすることができますが、それでも何かあったときに不安ですよね。日々物価も上昇していて、もらえる年金額はこれから下がっていくと言われています。さらに子どもがいないため、困ったときや介護などは外部サービスや老人ホーム頼みになるので、生活資金以外のお金も必要になってきます。最低でも3,000万円以上貯金しましょう。ちなみに子ども1人育てるのに必要な額は3,000万円以上だと言われています。子どもがいないからといってその分お金を使っていると、老後になって慌てることになってしまうかも。今から老後資金を貯めておきましょう。 亡くなったときのことを考える考えたくはありませんが、考えなければならないのが亡くなったときのこと。その中でも気になる「相続」と「お墓」のことについてご紹介します。まず相続について。配偶者は常に相続人となり、次に子どもが優先されます。ただ、子どもがいない場合は複雑です。例えば子なし夫婦の夫が亡くなった場合、夫の直系尊属(父母や祖父母など)が相続人、直系尊属がいない場合は、夫の兄弟姉妹が相続人となります。取り分は以下のとおり。配偶者と直系尊属が相続人の場合配偶者2 / 3、直系尊属(2人以上のときは全員で)1 /3配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合配偶者3 /4、兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1 /4夫の親族とお金の問題で関わることになるので大変です。夫が遺言で「全財産は妻に」という趣旨のことを記しておけば、相続で悩むことも少ないかもしれません。ただ、その後妻が亡くなった場合、夫婦の全財産が妻側の直系尊属か兄弟姉妹へいくことになるため、夫の親族からすれば不満につながることも。死後の揉めごとを避けるために、夫婦で遺言を残しておく必要がありそうです。そして死んだ後に入るお墓について。子どもがいないため、供養されないのではと不安になりますよね。将来的な管理も気になるところ。「永代供養墓」というものがあるのをご存知ですか。お寺や霊園が家族の代わりに供養や管理をしてくれるお墓です。一式の費用を支払うだけで良いので安心です。また、「樹木葬」というものもあります。許可を得た専用の敷地に遺骨を埋葬し、墓石の代わりに樹木を植えます。こちらも一式の費用を支払うだけ。ペットの骨と一緒に埋葬できるところもあるので、さまざまな家族の形に対応しています。 子どもがいないということで、老後はさまざまな不安があるかもしれません。とりあえずすべきことは、お金を貯めておくことと、夫婦で老後の過ごしかたを話し合い、相続やお墓についても決めておくこと。子どもがいる・いないに関わらず、いつなにが起こるかわからないので、準備はしっかりしておくといざというときに安心です。素敵な老後が過ごせるとよいですね。 参考:人生100年時代突入?老後の不安を軽くする3つの考え方平成28年簡易生命表の概況老後の生活費は年金プラス月5万円で安心家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」まとまる子ども1人にかかる費用は3000万円もかかるって本当?老後の生活費27万円、貯蓄額2080万円相続人の範囲と法定相続分永代供養墓とは樹木葬とは
2018年05月15日最近ではほとんどの学校で実施している性教育ですが、親子間での教育はまだまだされていない家庭も。今の親世代が子どものときには、家庭内でなんとなくタブーとされていた性教育。今、親となって子どもにどう伝えたらいいのか悩む人もいるようです。Q.子どもの性教育、いつから始めますか?1.未就学児 4.1%2.小学校低学年 6.7%3.小学校高学年 43.2%4.中学生 23.6%5.高校生 4.1%6.その他 7.2%7.家庭ではしない 11.2%小学校高学年が43.2%ともっとも多い意見となりました。女の子は初潮のタイミングがきっかけになることが多いようです。一方、家庭ではしないという人も11.2%いるという結果になりました。■聞かれたら親としてはっきり伝えたい子どもに聞かれたら包み隠さず話すべきと考える人が多いようです。学校での性教育がきっかけで、家で聞かれることもあるようですが、恥ずかしいことと思わずに誠実に答えていきたいと考えているようです。「現在小1ですが、先日学校で性教育の授業がありました。男女の体の違いなどの話で、まだ性教育と言えるほどではないかもしれませんが、子どもに質問されたら話せる範囲で答えていくつもりです」(北海道 30代女性)「聞かれたらその都度、当たり前に話しています。母が産婦人科に務めていたので、私も小さなころから隠すことなく伝えてもらいました。男の子は女の子を大切にするため、女の子は自分の身を守るために教えています。家庭で教えなければ、学校では足りませんし、誤った知識が先に入ると困るのはかわいそう。親の責任だと思っています」(東京都 40代女性)「我が家では『結婚しなくても赤ちゃんは生まれる?』などの子どもからの質問には、隠さず本当のことを教えています。普段から性に対して恥ずかしいことではないと思われていれば、親にも相談してくれてます」(愛媛県 30代女性)「体の変化がある時期には、はっきり伝えなければいけないと思う。親のつとめとして。聞かれたらそのままのことは、今も伝えるようにしています。自然なことであって、いけないことではないけど、自分の体は自分で守れるようにしてあげたいです」(北海道 30代女性)■自分が性教育を受けていないだけに悩む現在のパパママ世代は学校ではもちろんですが、家で親とそういった話をしたことがある人は少数派。だからこそ、自分の子どもにはどう伝えたらいいか悩んでいる人もいました。「どこまで教えるべきなのか悩みます。私の世代の性教育は避妊、避妊、避妊と、とにかく避妊についてが多かったですが、不妊についてはなにも教わっていません。不妊が増えているこの時代、妊娠適齢期と不妊についても学ぶべきだと思います」(東京都 20代女性)「私自身、6年生のときに結婚しただけでは子どもができないと初めて知り、両親がそういう行為をしたという事実があまりにもショックで大泣きした記憶があります。子どもにはどう教えるか悩むところです」(茨城県 40代女性)「家庭で教わった覚えがないので、どうしたら良いのかわかりません」(新潟県 30代女性)「小4、小3、0歳のママです。正直、性教育はいつから始めたらいいのか悩んでいます。3人目を妊娠してから、長男に『どうやったら赤ちゃんができるの?』と聞かれて、なんて答えていいか迷いながら、神様が運んでくれると言いました」(奈良県 30代女性)「どのタイミングで、どう話してよいかわかりません」(神奈川県 40代女性)■小さなときから年齢に応じた伝え方が大切 性教育はいつから始めるというよりも、年齢やその子の成長に合わせて説明していくというのが理想的なのかもしれません。性教育というと抵抗があるかもしれませんが、命の話としてしっかりと伝えられるといいですね。「『おなかの中に赤ちゃんのベッドがあるんだよ』と月経のことを教えたのは、息子が4歳くらいのときでした。一緒にお風呂で出血を見るわけですから、堂々と教えたかった。そのころ、『赤ちゃんはどこから生まれてくるの?』という質問にもちゃんと答えました。『すごいことなんだよ、こんな狭いところから生まれてくる赤ちゃんは命がけなんだよ、あなたは本当に頑張って生まれてきてくれた宝物だよ』って。男女間の性についてもいずれ愛を持って話したいと思います」(鳥取県 40代女性)Q.子どもの性教育、いつから始めますか?アンケート回答数:4498件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月13日まずは母語を完璧に。自分の意見を話す訓練も大事ですね。グローバル化が進むなか、2020年度より、英語教育(外国語活動)の開始を小学校3、4年生に早め、5、6年生からは英語が正式な教科となることが決まりました。現在、文部科学省では指導計画を考案中です。僕自身、英語習得に苦労したので、英語教育のスタートが早くなるのは、とてもいいことではないかと思います。早期英語教育の話が出ると、「母語の教育をおろそかにしてはいけない」という反論がよく上ります。母語はとても重要です。必ずしも日本語でなくても構いませんが、複雑な気持ちを表現できる言語を何か一つ、徹底的にきちんと身につけるのは、生きていく上で必要なことです。言葉は人に気持ちを伝えるだけでなく、自分の思考を深める助けにもなるからなんですね。母語も新しく学ぶ言語も未熟な状態を「ダブルリミテッド」または「セミリンガル」といいます。それだと“アイデンティティ・クライシス”に陥りやすく、モヤッとした気持ちを伝えられないと不安が募り、暴力的になったり、引きこもりになることもあります。勘違いされやすいのは、その言語環境にいれば子供は勝手に言葉を話せるようになるだろう、ということ。しかし、思考を深めるくらいの言語を習得するには専門的な教育が必要です。日本語であれば、国語の授業や小論文ですね。これにより言葉の表裏を知り、表現が鍛えられます。ですから、早期英語教育を始めるにあたっては、母語教育が重要なんですね。ダブルリミテッドは避けなければいけません。海外で日本人が苦労するのは、言葉以前に、自分の意見を話すということではないでしょうか。英語力があっても、意見がなければコミュニケーションにはなりません。文科省では、討論や発表を通じ、自ら問題を見つけ解決できる学習を、英語だけでなく各教科で導入していこうと計画しています。日本人以外の非英語圏の人たちは、多少文法が間違っていたり、発音が訛っていても、たくましく自分の意見を英語で伝えようとします。日本人が英語が苦手な理由は、「間違ったら笑われる」という不要な羞恥心が邪魔をしているのかもしれませんね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年3月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年03月25日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日定年から生涯を終えるまでに、どのくらいの資金が必要かご存知ですか?退職後の主な収入源となる「年金」は先行きが不透明で、今後受給年齢の先延ばしや支給額の減少が見込まれます。その一方で高齢になると医療や介護に関する支出が増え、まとまった資金がなければ安心して生活することができません。そんな老後への経済的不安を解消するべく、必要な老後資金についてまとめてみました。実際に老後を迎えてから慌てることがないよう、今からできる準備を考えてみましょう。■老後資金とは?定年後に必要となる支出をチェック近年よく耳にする「老後資金」という言葉。高齢化社会が年々深刻化してきている中、年金など公的制度によって手厚く老後を保障してもらえる可能性は低くなってきています。そのため若いうちから老後を意識して資金を確保していく「老後資金」の重要性が問われています。しかし一口に老後資金と言っても漠然としていて、何のためのお金が必要なのかイメージしづらいですよね。まずは定年後に実際どのような支出が想定されるのか、具体的な内容や金額について知っておくことが大切です。【毎月かかる支出の内訳】・生活費(食費・光熱費・雑費):80,000~100,000円・医療費(外来):3割負担で20,000円程度、1割負担で10,000円程度・医療費(介護):要介護3、在宅介護の場合で40,000~50,000円程度・娯楽費:1人につき20,000~30,000円(夫婦で50,000円程度)・老人ホーム利用料:50,000~150,000円程度毎月このような使い道でお金が必要となりますが、もちろん年齢や健康度によって大きく異なります。娯楽費については「必要ない」と考える人がいるかもしれませんが、老後の生活を楽しむために準備しておくべき金額です。夫婦の場合、平均すると月に220,000円程度、住宅ローンが残っていたり娯楽への支出が多かったりする場合は250,000~350,000円程度必要になってきます。独身の場合も夫婦とさほど差はなく、150,000~250,000円程度は必要と言えるでしょう。【年間にかかる支出の内訳】・固定資産税など税制面における支出:50,000~200,000円程度・車関係の支出(ガソリン代・車検代):200,000円程度・旅行関係の支出:300,000円程度・子供や孫への支出や交際費:200,000円程度年間にかかるお金は住まいの状況や車の有無、人付き合いの程度などによって大きく変わります。平均すると夫婦2人の場合で、年間3,000,000~4,000,000円程度、独身の場合で2,000,000~3,000,000円程度見積もっておく必要があります。【特別なときの支出】・家のリフォーム費用:1,000,000~2,000,000円・入院時の医療費:3割負担で50,000~100,000円程度、1割負担で40,000~50,000円程度・介護サービスを利用するための費用(自己負担額):20,000円程度・老人ホームへの入居費用:入居一時金として200,000~10,000,000円住宅購入する人の平均年齢が30代後半~40代前半頃なので、ちょうど定年頃にリフォームやリノベーションの必要性が出てきます。また入院時や介護サービスの利用などまとまったお金が必要になるケースを想定し、特別なときの支出用に資金を確保しておくと安心です。夫婦2人で10,000,000円程度、独身の場合は7,000,000円程度見ておきましょう。■夫婦の場合に必要な老後資金はいくら?老後にかかる具体的な支出がわかったところで、実際にどのくらいの老後資金が必要なのか算出してみましょう。まずは夫婦2人で生活している場合に必要な老後資金を求めてみます。求め方は定年後に予想される年間支出から年間で得られる収入を引き、そこに残された寿命(年数)をかけて計算します。例えば65歳の夫婦の例を見てみましょう。まず年間支出としては毎月かかる費用が220,000円程度のため、年間で2,640,000円程度、その他医療や娯楽などにかかる特別な年間費用を1,000,000円と見積もると、年間支出は2人でおよそ3,600,000円となります。次に年間収入の見込みを考えてみましょう。会社員の夫と専業主婦の妻の場合、夫が月に147,000円の厚生年金、妻が54,000円の国民年金を受け取ることができると想定でき、年間収入はおよそ2,400,000円となります。残された寿命を割り出すには、現在の平均寿命を使います。日本人の場合は男性が80歳、女性が86歳となっています。よって現時点で65歳ですから、残りおよそ20年間分の資金を蓄えておくと安心であることがわかります。上記を参考に、夫婦2人に必要な貯金額を算出してみましょう。【夫婦2人(どちらも65歳)の場合に必要な老後資金額の例】年間支出3,600,000円-年間収入2,400,000円×残りの寿命20年=およそ24,000,000円また老人ホームに入居した場合など特別な支出が増えるケースを考慮すると、さらに資金はプラスされます。そう考えると、最低でも夫婦で30,000,000円程度の資金を貯蓄しておく必要があると言えるでしょう。ただし人によって収入や支出の額が異なるため、自分たち夫婦のライフスタイルを念頭に置いて老後資金を考えてみましょう。■独身の場合に必要な老後資金はいくら?続いては独身のケースを考えてみます。夫婦の場合と同様に、年間で必要な支出や得られる収入、残された年数から老後資金の平均的な必要額を算出してみましょう。同じように65歳の例で考えてみると、支出が毎月180,000円程度かかったと仮定して、年間で2,160,000円、そこに固定資産税や車検といった年間支出を足して2,860,000円程度となります。また老人ホームや介護サービスを利用した場合の特別な支出は7,000,000円程度で見ておきます。次に年間収入ですが、仮に会社員とした場合は厚生年金として月に147,000円支給されるため、年間で1,760,000円が見込まれます。残された年数については、夫婦の場合と同様に20年、85歳まで生きると仮定して計算してみましょう。【65歳の独身者の場合に必要な老後資金額の例】年間支出2,860,000円-年間収入1,760,000円×20年=22,000,000円+特別な支出7,000,000円=29,000,000円仮に退職金が10,000,000円程度ある場合は、最低でも19,000,000円程度貯金から切り崩す必要があることになります。ゆとりある生活を送るためにはさらに大きな資金が必要となるでしょう。必要貯蓄額は求める生活レベルや必要となる医療・介護費用によって異なるため、自分自身のケースに当てはめて算出しておくと安心です。■老後資金はこうやって貯めておこうこうして見てみると、老後資金の想像以上の額にびっくりした人も多いでしょう。老後は収入が減ってしまうにもかかわらず、支出は増える一方であることがわかってもらえたと思います。もし老後までに必要な資金を準備できなかったら、どのような生活をすることになるのでしょうか。家賃が払えなくなったり、病気になっても医療機関を受診できなかったりなど、さまざまなリスクが予想されます。そういった生活苦に見舞われてしまうと、健全で楽しい老後生活を送ることができないだけでなく、長生きすることも難しくなってしまうでしょう。このような心配がないように、今から老後のことをしっかりと考えて備えておく必要があります。実際どのように老後資金を増やせばいいのか、今からできることをまとめてみました。【貯蓄方法1】貯蓄まずは、日々の貯蓄に対する意識を高めることが大切です。例えば30代の場合は子育てへの支出が多い時期ですが、収入のほとんどを子育てに注ぎ込んでしまうと老後資金を増やすことができません。収入から「子育て+老後資金」の両方を差し引き、それ以外のお金で生活費を賄うことが理想的です。銀行に定期預金をしたり、保険を利用したり、自分たちに合う方法でコツコツと老後資金を確保していきましょう。40代になると子供の入園や入学などで子育てが一段落、妻がパートあるいはフルタイムで働くことで、それまで以上の収入が確保できるようになります。一方で子供の受験・進学によって養育費がかさみ、支出が増えることも事実です。子供が成人するまでにかかる養育費を算出した上で、月々にかかる生活費や保険内容を見直してみましょう。節約と貯蓄をバランスよくやりくりすることが大切です。50代になると子供の独立によって子育てにかけるお金がグンと減るため、老後資金を増やす大きなチャンスです。ただし生活習慣病や持病のリスクが増える時期でもあり、健康面における大きな支出が懸念されます。定期検診をしっかり受けて健康に留意しつつ、これまで以上に貯蓄に回す額をプラスして、着実に老後資金を増やしていきましょう。【貯蓄方法2】資産運用資産運用はうまく行けば一気に資産を増やせますが、一方で元本割れのリスクもあります。運用期間や商品によっては手数料が高額になる場合もあるため、慎重に検討する必要があるでしょう。ローリスクでできる資産運用としては、個人向け国債がおすすめです。個人向け国債は国が発行する債券のため、国が破綻しない限りは安全です。商品は固定金利3年・5年と変動金利10年があり、1年を経過すれば中途解約できます。債権は10,000円から購入できるため、始めやすいでしょう。銀行に預けておくよりも利率が高いため、使う予定のない貯金がある場合にお得に資産運用できます。また2014年からスタートした少額投資非課税制度(NISA)もおすすめの資産運用です。投資によって出た利益がまるまる非課税になるというお得な運用法で、年間100万円を限度として自由に投資金額を決めることができます。投資期限は5年間ですが「ロールオーバー」という非課税の期間が延長されるシステムを利用すると、最長10年まで非課税扱いになります。こういったローリスクの資産運用法を実践し、長期間コツコツと老後資金を増やしていきましょう。初めは右も左もわからず不安かもしれませんが、知識と経験を積むほどにコツが掴めてきます。資産運用の仕方に不安がある場合は、資産運用のプロに相談する方法もあります。身近なのはファイナンシャルプランナーでしょう。現時点での貯蓄額や資産運用の目的などを考慮し、1人1人に合った運用方法をアドバイスしてもらうことができます。まずは少額から始めて、ローリスクの投資商品や非課税扱いの投資商品を利用し、焦らずじっくりお金を増やしていきましょう。【貯蓄方法3】保険の見直し今加入している保険をよく見直してみることも大切です。見直しすることで、月に数千円安くなる場合があります。ほんの少しの違いでも、年間あるいは長期間で考えると大きな金額。今契約している保険に無駄がないかどうか確認しましょう。【貯蓄方法4】定年後も働く健康状態がよければ、再雇用などを利用して引き続き働くという選択肢もあります。今まで働いていた会社でなくても、ハローワークなどで新しく職を探すことは可能です。これまでに得た資格や特技を活かせる職を探してみると、意外と見つけやすいでしょう。働くことで貯蓄に頼らずに済むのと同時に、生活にメリハリが生まれるといったメリットもあります。実際に定年後に働いている人はたくさんいるため「定年=隠居生活」と決めつけずに生き生きした生活を目指すことをおすすめします。■おわりにいかがでしたか?老後は意外と必要なお金が多いことがわかりましたね。また老後に求める生活水準やそのときの健康状態によっても必要資金は大きく変わるため、今からある程度シミュレーションをして、気持ち的にも物理的にも備えておくことが必要です。確実に言えることは、健全な老後生活のためには今からコツコツ貯蓄しておくことが大切だということ。理想としては老後を迎えるまでに30,000,000円は貯めておきたいところでしょう。年金だけをあてにして今の生活を楽しむのではなく、老後のことを考えて日々の生活やお金のやりくりを見直すことから始めましょう。
2017年05月12日・一発でガツンと大きくトクする! 家計を元気にする税金のイロハ ・贈与税の裏事情でトクをする!? 親もママも税金対策できる “住宅購入” のコツ ・住宅ローン控除を利用できる人、利用できない人 ・聞きづらい財産の話はどう話す? 30代で知らないと損をする「親の相続」問題点 の続きです税金制度が、じつはすごい勢いで変化しているということをご存じだろうか? 2015年4月に課税ラインが下がったことで、一部の裕福な人の悩みだった相続税が、多くの人に影響してくる時代となった。こんな時代にパパ、ママの親のお金をうまく生かす方法はないものだろうか。税理士の湊 義和(みなと よしかず)さんに、相続税対策について、そしてパパ、ママの親にとっての「孫への教育資金贈与」についてもお話を伺った。■相続税対策は、大きくわけて2つ2015年4月、相続税の基礎控除額(税金が免除になる境界ライン)が、ほぼ6割に切り下げられた。本格的な相続税対策のすべては説明できないが、方向性として相続税対策は、大きくわけて2つある。対策1:相続税がかかる財産の評価を落とす対策2:生前贈与対策を検討する前回の記事( 聞きづらい財産の話はどう話す? 30代で知らないと損をする「親の相続」問題点 )では、対策1 についてお話をした。今回は、対策2の「生前贈与対策」について説明しよう。■「生前贈与対策」のポイント まずは制度を知ろう親や祖父母などの個人から贈与を受けると「贈与税」がかかる。贈与税には、次の2つの制度がある。将来、相続税がかかる人 ⇒ 暦年課税制度将来、間違いなく相続税がかからない人 ⇒ 相続時精算課税制度相続税の課税ライン引き下げにより、「将来、相続税がかかる人」は増加すると予想される。他人事だと思っていると、もしかしたら損をするかもしれない。なぜ、「将来、間違いなく相続税がかからない人」だけが、「相続時精算課税制度」を使うべきなのだろうか? そもそも「相続時精算課税制度」とは? 次ページから、そのポイントを説明する。 ■そもそも「一度に多額の贈与」は、いったい何が問題なのか?通常、一度に多くの贈与を行うと多額の贈与税がかかってしまうが、「相続時精算課税制度」を利用すると、一度に2,500万円まで贈与しても贈与税がかからない。しかし、この制度は、せっかく生前に贈与しても、相続税の計算のときには贈与した財産の金額が、また相続財産として扱われるので、相続税がかかる人にはメリットがあまりない制度だ。つまり、「相続時精算課税制度」は一度に大きなお金を贈与できるかわりに、実際の相続発生時には、その金額は相続財産として計算される。一方で、「暦年課税制度」は、年間110万円までの贈与なら税金がかからない。子どもに贈与した財産は、相続発生時に「子どもの財産」として計算され、相続財産とはみなされない。●「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」のメリット・デメリット(Woman excite編集部作成)前述の通り、相続税の課税ラインが引き下がったので、「将来、相続税がかかる人」は増加すると予想される。それを考えると、「相続時精算課税制度」を使う人は少なくなっていくだろう。■孫への教育資金の贈与は「コツコツ行う」のがおトクところで孫への贈与というと、「教育資金贈与」が話題となっているが、この制度は、「1,500万円までなら贈与時に贈与税がかからない」というものだ。教育に限ってしか利用できなく、また贈与した孫が30歳になるまでに使い切らなかった場合には、贈与税が課税されてしまう。「将来、相続税がかかる人は、親に『暦年課税制度』を使って、コツコツと時間をかけて相続財産の移行を行うのが得策だと伝えてほしいです」(湊さん)時間をかけて相続財産を移行させることで、パパやママの世代が教育資金など必要なときに役立ってくるのではないだろうか。次回は、「身近な「医療費控除」も新制度がスタート! 家計を元気にする節税のきほん」です。この記事は2017年1月の取材に基づいて書いています。■今回取材にご協力いただいた湊 義和さんの著書『 家計を元気にする 税金活用術 「節税」から「活用」へ 』湊 義和 / 中央経済社 ¥1,600(税別)湊 義和さんプロフィール中小企業を応援する政府系金融機関のサラリーマンから一念発起して税理士になった経歴の持主。とかく難解な税金の世界の水先案内人として、一般の方の税金相談から独立開業、二代目の事業承継などさまざまな相談に乗るのが生きがい。趣味は最近少し人気が回復してきたスキー。
2017年04月14日子どもに満足な環境を与えるには、学費や教育費などの費用がかかります。子どもの進路によっては多額の資金が必要になることもあるので、「どうやって資金をねん出しよう…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?そこで活用したいのが「学資保険」と呼ばれるものです。今回はこの学資保険の概要に加えて、メリットやデメリットなどを詳しくご紹介していきましょう。■学資保険ってどんな保険?学資保険は生命保険の一種であり、主に子どもの教育費を目的としてお金を積み立てられる保険です。学資保険に加入すると「満期」が設定されて、その満期を迎えるとまとまったお金を受け取ることができます。この際に受け取れるお金は、「給付金」や「成長祝金」などと呼ばれます。満期の時期は人によって異なりますが、例えば高校入学時の15歳や大学進学時など、初年度納入金が必要になる時期に満期を設定するケースが多く見られます。この学資保険を利用する際には、特に「返戻率(へんれいりつ)」に注意しなければなりません。返戻率によって学資保険のお得度は大きく変わってくるので、以下では返戻率について詳しく解説していきましょう。【返戻率とは?】学資保険では満期になると給付金を受け取れますが、支払った保険料に対する給付金の割合のことを返戻率と言います。学資保険は商品によってこの返戻率が異なるので、どの保険を選ぶのかによってお得度が変わってくるのです。学資保険の返戻率は、以下の式によって算出できます。返戻率=(給付金の金額)÷(支払った保険料)×100給付金や成長祝金に関しては、これまでに支払った保険料以上の金額を受け取れるケースが一般的です。では、具体的な数値を当てはめながら返戻率がどのように計算されているのか見てみましょう。例えば、2歳の子どものために学資保険に加入したと仮定します。「大学に進学する18歳」を満期に設定し、満期時に1,600,000受け取れる保険に対して月々8,000円の保険料を支払うと、返戻率は以下の通り算出できます。■支払う保険料…8,000円×12ヶ月×16年間=1,536,000円■返戻率…1,600,000円÷1,536,000円×100=104.1%つまり、上記の保険の返戻率は104.1%であり、満期を迎えると4.1%分の得をすることが分かります。■学資保険では保障内容もチェック学資保険で比較するべき部分は、上記でご紹介した返戻率だけではありません。各保険にさまざまな保障が備わっており、どのような保証が備わっているのかによって将来受けられるサポートが変わってきます。保障内容の例としては、子どものけがや病気に対するサポートや入院費の軽減などが挙げられます。また、万が一満期前に子どもが亡くなってしまった場合に、支払った保険料を返金してもらえる学資保険も見られます。これらの保障が充実していれば、安心して保険に加入することができるでしょう。■学資保険の4つのメリットをチェック次からは、学資保険の具体的なメリットについて解説していきます。メリットを理解した上で加入する保険を選べば、各シーンにぴったりな保険を選べるはずです。【メリットその1】加入時期の自由度が高い学資保険の中には、子どもが生まれる前から加入できる商品も見られます。加入できる時期は商品によって異なりますが、小学校入学後に加入できる学資保険も見られるので、加入時期をじっくりと検討できるでしょう。ただし、「妊娠6ヶ月(出産140日前)」「未就学児(6歳)までが保険加入対象」などの加入条件には注意をする必要があります。また、加入時期によって返戻率が変わってくることもあるので、加入時期は慎重に選ぶようにしましょう。【メリットその2】ケースによっては支払いの負担を軽減できる学資保険に加入したものの、状況次第では支払いが困難になる可能性もあります。例えば、契約者である両親が亡くなった場合、家族が重度の障がいになった場合などは、継続して保険料を支払うことが難しくなるでしょう。そのような場合に活用したいのが、「払込免除特約」と呼ばれるオプションです。これは、上記のように家族などが原因で支払いが困難になった場合に、保険料の支払いを免除できる特約です。学資保険のサポートの中でも、払込免除特約は支払いの負担を軽減できる魅力的なオプションと言えるでしょう。ただし、適用される条件や具体的なサポート内容などについては、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。【メリットその3】ケースによっては税金がかからない学資保険では満期時に利益が生じますが、この際に受け取った給付金は「一時所得」として扱われます。一時所得は500,000円以上の収入が生じなければ税金がかからないので、給付金が500,000円を超えなければ課税されることはありません。加入する学資保険を選ぶ際には、満期時に受け取れる具体的な金額を算出して、税金がかからないように調整することも検討してみましょう。【メリットその4】税額控除の対象となる学資保険は生命保険の一種なので、支払った保険料は税額控除の対象に含まれます。つまり、学資保険では満期時に利益が生じるにも関わらず、節税効果も期待することができるのです。具体的には所得税で最大40,000円、住民税で最大28,000円が控除されます。目安として、世帯収入5,000,000円の家庭では年間1万円以上の節税になることもあるので、税金対策のひとつとしても検討してみましょう。■学資保険の3つのデメリットをチェック学資保険にはメリットがある反面で、デメリットもいくつか存在しています。そのようなデメリットをきちんと理解した上で、「本当に加入するべきか」について慎重に判断する必要があるでしょう。では、以下で具体的なデメリットについて見ていきましょう。【デメリットその1】好きなタイミングで換金ができない学資保険に加入した場合、基本的には満期を迎えるまで給付金を受け取ることができません。中途解約をすることも可能ですが、中途解約をすると返戻率が低下してしまうケースが一般的なので金銭的に損をしてしまいます。もちろん、加入してからすぐに解約をすると元本割れを引き起こす恐れもあります。そのため、学資保険は将来の計画を細かく考えた上で、各家庭にぴったりな商品を選ぶことが大切です。【デメリットその2】オプションによっては返戻率が低下する学資保険には払込免除特約の他にも、「医療保険特約」「災害特約」などの保障が存在しています。保障が備わっていると安心ですが、これらのオプションを多く付けすぎると返戻率が大きく下がってしまう恐れがあるので注意が必要です。特に必要以上の保障を付けることには注意しなければなりません。元本割れを引き起こす可能性もあるので、優先度が低いオプションについては利用しないことも検討してみましょう。【デメリットその3】好景気の影響を受けない一般的な学資保険では長期間の契約を結びますが、ほとんどの契約では加入時に「予定利率」が定められます。この予定利率によって返戻金が決められるので、学資保険で得られる利益は好景気の影響を受けません。つまり、学資保険は長期間の資金運用としては適していない可能性もあるのです。したがって資金運用の手段として学資保険を検討している方は、将来的に受け取れる具体的な給付金を計算した上で加入するべきかを慎重に検討しましょう。■学資保険と積立定期預金はどちらがお得?学資保険は貯蓄性が高い保険と言えますが、銀行の積立定期預金と比較するとどちらがお得と言えるのでしょうか?以下では、学資保険と積立定期預金を徹底的に比較してみましょう。【比較ポイント1】利回り一般的な学資保険では返戻率が110%近くあるため、無事に満期を迎えれば約300,000円の利益が発生することもあります。それに対して、金利0.3%で18年間貯蓄することを想定した場合、積立定期預金の返戻率は102%程度しかありません。つまり、利回りを考えると学資保険のほうがお得と言えるのです。特に主な資金用途が教育費の場合は、学資保険加入のほうが断然お得と言えるでしょう。【比較ポイント2】中途解約時のペナルティ前述でご紹介した通り、学資保険では中途解約をすると返戻率低下のペナルティがあります。それに対して積立定期預金では、中途解約をしても契約時の利率で再開できる商品がいくつか見られます。また、積立定期貯金は元本割れを引き起こすリスクが低いので、中途解約をする可能性がある場合や安全に資金運用したい場合は、積立定期貯金のほうが適しているかもしれません。【比較ポイント3】倒産のリスク学資保険では生命保険会社が倒産した場合、「生命保険契約者保護機構」により9割まで給付金を保護する義務があります。ただし、保険会社は残りの1割を保証する必要がないので、積立金が多いときに保険会社が倒産すると元本割れを引き起こす恐れがあります。それに対して、積立定期預金では仮に銀行が破綻しても、10,000,000円まで金額保証をしてもらえます。そのため、積立定期預金のほうが倒産のリスクには強いと言えるでしょう。【比較ポイント4】利用できるオプション一般的な積立定期預金では学資保険のように、病気やけがなど万が一の際にサポートしてもらえるオプションがありません。さまざまなシーンに備えておきたい方にとっては、学資保険のほうが安心しやすい資金運用法と言えます。ただし、学資保険も商品によって保障内容は大きく異なってくるので、加入前にオプションをきちんと比較するようにしましょう。■将来的に必要な学費・教育費を把握しよう加入する学資保険を選ぶ際には、事前に必要な学費・教育費を算出しておくことが大切です。必要な金額によって選ぶべき商品は異なるので、将来的に必要な学費・教育費はきちんと把握しておきましょう。以下では、文部科学省の「平成24年度子どもの学習費調査」を参考にしながら、必要な学費・教育費の目安をご紹介していきます。【幼稚園】公立約700,000円、私立約1,500,000円幼稚園は公立と私立で必要な金額が大きく異なります。公立では約700,000円、私立では約1,500,000円と2倍以上の差が生じることもあるので注意しておきましょう。公立(3年間)■授業料220,000円前後■制服・教科書・遠足費等170,000円前後■給食費50,000円前後■学習塾・習い事月謝等240,000円前後合計約680,000円私立(3年間)■授業料700,000円前後■制服・教科書・遠足費等310,000円前後■給食費80,000円前後■学習塾・習い事月謝等360,000円前後合計約1,450,000円【小学校】公立約1,850,000円、私立約8,500,000円小学校に関しても、私立では公立の約5倍の学費がかかります。また、学習塾や習い事によっても必要資金は変わってくるので、中学受験を目指すのかどうかなども計画しておきたいところです。公立(6年間)■授業料0円■制服・教科書等310,000円前後■給食費250,000円前後■学習塾・習い事月謝等1,250,000円前後合計約1,810,000円私立(6年間)■授業料2,700,000円前後■制服・教科書等2,230,000円前後■給食費240,000円前後■学習塾・習い事月謝等3,350,000円前後合計約8,520,000円【中学校】公立約1,350,000円、私立約3,900,000円中学校でかかる費用は、公立と私立で約3倍の差があります。私立の学校では授業料以外にも、校外学習費や施設費、交通費などの教育資金がかかるでしょう。公立(3年間)■授業料0円■制服・教科書等390,000円前後■給食費100,000円前後■学習塾・習い事月謝等840,000円前後合計約1,330,000円私立(3年間)■授業料1,320,000円前後■制服・教科書等1,670,000円前後■給食費10,000円前後■学習塾・習い事月謝等880,000円前後合計約3,880,000円【高校】公立約1,200,000円、私立約3,000,000円高校では「部活に入るかどうか?」「学食にするか、お弁当を持参するか?」など、生徒一人一人の生活スタイルが大きく異なってきます。また、自分の生活費をアルバイトで稼ぐ高校生も出てきます。学校によってはアルバイトを禁止しているため、子どもの意思を尊重した上で教育費を算出しましょう。公立(3年間)■授業料0円■制服・教科書等690,000円前後■学習塾・習い事月謝等460,000円前後合計約1,150,000円私立(3年間)■授業料710,000円前後■制服・教科書等1,450,000円前後■学習塾・習い事月謝等730,000円前後合計約2,890,000円【大学】国公立約5,200,000円、私立文系約7,000,000円、私立理系約8,200,000円幼稚園から高校までの学費では、文部科学省の「平成24年度子どもの学習費調査」をみてきました。ここからは日本政策金融公庫の「平成25年度教育費負担の実態調査」を参考にして、大学の学費を見ていきましょう。国公立(4年間)■入学費用790,000円前後■在学費用4,380,000円前後合計約5,170,000円私立文系(4年間)■入学費用940,000円前後■在学費用5,960,000円前後合計約6,900,000円私立理系(4年間)■入学費用1,030,000円前後■在学費用7,090,000円前後合計約8,120,000円入学費用や在学費用は、前期と後期に分けて支払われます。一度にまとめて支払う必要はありませんが、やはり教育費を多めに備えたほうが良いでしょう。大学では学部によって、施設費や実習費などもかかります。また、「一人暮らしなのか、実家暮らしなのか?」「サークルに所属するのか?アルバイトを始めるのか?」など、大学生の生活スタイルによっても必要な教育資金が変わってきます。ちなみに短大ならば2年制のため、私立大学(4年制)の半分程度の学費で済みます。【6年制大学】医歯薬系の大学は6年制のため、初年度だけで約4,500,000円かかります。実習も多く、大学を卒業するだけで20,000,000円以上の教育費が求められます。【専門学校】専門学校の学費は、学ぶ内容によって異なります。1~2年で卒業できる学校ならば、それほどお金はかからないでしょう。しかし、国家試験を取得する専門学校の場合、卒業までに3~4年かかり、私立大学と同額の教育費が求められます。■まとめ学資保険に加入すれば、無理なく教育資金を貯められます。大切なのは、満期までに継続して保険料を支払うこと。銀行の定期預金よりも利益が発生しやすく、子どものために更なる教育費に充てられます。また、学資保険ならば税金の心配もありません。保障サポートもしっかりしているため、賢く堅実に教育資金を貯めたい方向けの保険といえるでしょう。
2017年04月03日マドンナが、自身の設立した「レイジング・マラウィ」基金の資金調達パーティを開催、元夫のショーン・ペンらが出席し、大成功を収めた。3日(現地時間)、アートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」が開催中のフロリダ州マイアミで開かれたパーティには、ショーン・ペンのほかにモデルのアドリアナ・リマやカロリーナ・クルコヴァ、パリス・ヒルトン、クリス・ロック、元プロ野球選手のアレックス・ロドリゲスら各界のセレブが出席。『イントゥ・ザ・ウッズ』のジェームズ・コーデンが司会を務め、マドンナはブリトニー・スピアーズのヒット曲「Toxic」を歌うパフォーマンスも披露した。マドンナのパフォーマンス中、バックにはドナルド・トランプ次期大統領の写真が映しだされ、「あなたは毒なのよ(You’re toxic)という歌詞が重なり、さらに「国境に巨大な壁を作る。費用はメキシコに支払わせる」など選挙期間中のトランプ氏の問題発言の数々が字幕で映し出された。アフリカのマラウィから11歳になる息子のデヴィッド・バンダ、10歳になる娘のマーシー・ジェームズを養子として迎えて育てているマドンナは、マラウィ初の小児外科と集中治療室の建設を計画。今回はその資金集めのパーティで、マドンナが所有していたアートコレクションなどのオークションで750万ドル以上が集まった。(text:Yuki Tominaga)
2016年12月06日子どもの教育資金については、ママ友に相談しにくい悩みのひとつ。ほかの人はどうやって資金を貯めているのか? 実際に必要となる教育資金の貯蓄を開始する時期や、方法についてまとめます。■公立のみに進学しても500万円以上!教育にかかる資金は、幼稚園・小学校・中学校・高校をそれぞれ私立か、公立に入れるかによって大きく異なります。公立に進学した場合の教育資金は、課外活動なども含め、幼稚園3年間で約67万円、小学校6年間で約193万円、中学3年間で約145万円、高校3年間で約123万円です。合計528万円と見ると高く感じますが、これは15年でかかる費用なので1ヶ月にすると約2万9千円に。高校までの教育資金については、貯金に手をつけず、月々の給料から捻出する家庭が多いようです。一方、私立に進学した場合は、幼稚園3年間で約149万円、小学校6年間で約921万円、中学3年間で約402万円、高校3年間で299万円。合計すると約1,771万円で、公立の約3倍かかります。では、大学進学にかかる費用はいくらでしょうか。大学に入学する初年度にかかる授業料と入学料を合計した平均の費用は、国立で817,800円(うち授業料535,800円)、公立で935,842円(うち授業料537,933円)、私立で1,312,526円(うち授業料860,072円)となっています。下宿となると、さらに月15万円ほどの仕送りが必要となるため、約600万円を目安に教育資金を貯蓄すると良いといいます。■小学校を卒業する前に貯蓄を貯蓄をする時期は、子どもが生まれてから小学校卒業までに行うのが良いとされています。その理由は、中学・高校に進学すると部活動などの課外活動が盛んになって出費がかさむため。また、期間内に貯まらなかった場合も、貯蓄期間の延長が可能になるからです。貯蓄の方法はさまざまですが、教育資金は必要な資金なのでリスクが少ない方法がオススメ。保険商品や銀行、郵便局の定期預金などがあります。保険商品のメリットは、死亡や高度障害になった際、保険料を支払わなくても決まった時期に学資金が受け取れることです。デメリットは、途中解約をすると支払った金額よりも戻ってくる金額が少なくなってしまうこと。そして、返戻率が10%~15%程度と低いことです。株や投資信託などのリスクが高い投資ではなく、リスクの低い手段で教育資金を貯めている人が多いようです。■専門家への無料相談を利用する最近では、資金計画の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)が無料相談会を実施している行政もありますし、日本FP協会でも全国で定期的に対面での無料相談会を開催しています。保険やお金の運用について、専門家の意見を聞きたい、相談したい場合は、住まいの市町村やFP協会に問い合わせてみてはいかがでしょうか。子どもの将来の選択肢を少しでも広げられるよう、今からできる限りの準備をしていきたいですね。※教育資金のデータは、文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」と「平成25年度の授業料等の学生納付金の状況について」を参照
2016年10月03日質問:学資保険への加入を考えていますが、どんな商品を選べばよいですか?教育資金の用途として大学進学費用を重視するか、中学校・高校進学時にも資金を利用するかがポイントです。学資保険の検討の際には、まず次の2つの点を考えることが重要です。お子さまの進路選択のイメージを持つこと。男子・女子の差はほとんどなくなってきている■大学進学率は25年間で倍増お子さまの進路選択に大学進学を想定するかどうかで、教育費の総額は大きく変わります。文部科学省のデータによると、平成元年に24.7%だった大学への進学率が、平成21年には50%を超え、平成25年では49.9%となっています。■男女間の大学進学率の差も僅差に男女別に大学進学率を見た場合、平成元年には男子34.1%、女子14.7%と男女差がありましたが、平成25年には男子54%、女子45.6%と男女間の差は小さくなってきています。「自分は大学に行かなかったから、わが子も……」といった先入観は禁物です。お子さまが成長され進学を希望されるなら、それに応えてあげられるように準備をしておくのが理想ではないでしょうか。必要となるであろう教育費の目安を把握しておくこと国公立と私立の違いも教育費を左右する要素です。私立高校の学費が国公立大学の学費並みになるケースも見受けられます。■大学初年度費用は国立大学で817,800円、私立大学平均が1,311,644円国立大学の入学に際し必要な初年度費用は、学部や立地、キャンパスの広い狭いに関係なく、授業料は一律で535,800円、入学金が282,000円(注)の合計817,800円となっています。(注)公立大学の入学金は地域内、地域外で金額が変わる場合があります。■私立高校の初年度費用は全国平均715,644円、私立中学校の初年度費用はなんと平均777,431円一方、私立高校の初年度費用は全国平均で授業料383,598円、入学金161,580円、施設整備費等170,466円の合計715,644円となり、国公立大学の初年度費用と遜色がない状況です。平成26年以降、「高等学校等就学支援金制度」に基づき私立高校への進学者にも就学支援が行われるようになりましたが、支援金の支給額は最大で年間297,000円にとどまり、保護者の年収がおおむね910万円以上ある場合は支援制度が適用されません。中学から私立への進学を考える場合は、初年度費用で777,431円が必要となり、中学から大学まですべて私立に通った場合は、最低でも10年間の教育費は800万円以上かかると見ておく必要があります。学資保険「祝い金」の受け取りのタイミングの違いに注意最近の学資保険は、同じ保険会社の学資保険でも、プランによって祝い金や満期金の受け取りのタイミングはさまざまです。学資保険で積み立てた資金をどのタイミングで活用するか、あらかじめイメージしておくことが大切です。■大学4年間の費用重視型:大学進学後の学費準備を重視する方向けのプラン近年の学資保険のプランで増加してきたタイプです。お子さまが18歳になったあとの指定日以降、毎年祝い金を受け取れます。■大学初年度費用に重点を置いた一括受取型:教育費の中で、最も出費が多くなると考えられる大学入学時の費用を重視したプラン満期金を一括で受け取るため、使い道の自由度が高くなります。■進学タイミングに応じ受け取れるステップ型:幼稚園から大学まで進学時期にあわせた祝い金受け取りプラン「幼稚園」「保育園」から「大学卒業」まで、進学のタイミングごとに受け取れるプランです。進学時期にあわせて祝い金を受け取るため、入園・入学手続き時の対応はしやすくなりますが、その分、大学在学中の教育費に回せる資金は少なくなります。いくら条件がよくても、必要な時期に必要な金額が使えなければ「絵に描いた餅」お子さまの誕生時に、将来の進路選択をイメージしていても、実際にはそのとおりにいかない場合もありえます。学資保険だけでなく他の方法も含め、お子さまが選択される進路に応じた対応ができるように貯蓄計画を検討するようにしてください。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月15日子どもを授かると、親としていちばん最初に考えるのが「教育費の準備」ですよね。できる範囲で希望の教育を受けさせてあげたい。親ならば誰もが思います。そこで最初に検討されるのは「学資保険」ではないでしょうか?学資保険は、いろいろある生命保険のなかでは、比較的好印象な保険ではないかと思います。しかし、この学資保険、本当に教育費の準備になるのでしょうか?なぜ日本人が学資保険に対して好印象なのかといえば、学資保険が積立代わりだと思っているからでしょう。■学資保険でいくら戻ってくるのか計算すべしその昔、郵便局で学資保険に入ると、満期の時に倍ぐらいになって戻ってきた時代がありました。インフレ率等を考えてきても相当な戻り率です(そのぶん住宅ローン金利も高かったので、差し引きしてどれくらい恩恵を受けている人がいるかは微妙ですが)。そのイメージがついてはなれないのか、「学資保険は得だ」と思ってしまうようです。しかし実は、ご相談に見える方の実の70%以上は、得にならない学資保険に入っているといったら、みなさん驚かれるのではないでしょうか。もしすでに学資保険に加入しているのであれば、一度計算してみてください。「いくら払って」「いくらの満期で戻ってくるのか」を。210万円払って、200万円の満期なんてケースは結構あります。なかには、払った以上に戻ってこないことをわかった上で加入している人もいるかもしれません。そんな人は決まって、「保険がついているから仕方がない」なんていい方をします。たしかに、学資保険・こども保険という名称の保険のなかに、育英年金などの保険機能がついているものもあります。学資保険払込中に契約者(ほとんどのケースで父親)が死亡した場合に遺族に教育費の援助ということで育英年金が支払われるという内容です。内容の話を聞くと、とってもいいような気がします。しかし、よーく考えてください。なぜなら、教育費等必要な保障額は、ご主人の生命保険できっちり計算してリスクヘッジさせてあるはずです。■200万円もらえる学資保険じゃないとダメつまり、わざわざ学資保険でプラスしてその部分にお金を払う必要はないはずなのです。その他に、子どもの医療保険がついていることを理由にあげられる方が多いのですが、それもいかがなものでしょうか?乳幼児医療制度が整っている今、ある一定の年齢まで、医療費は無料です。自治体によって違いますが、長いところですと中学校卒業するまで、医療費無料なんていう自治体もあるほどです。そのなかで、どれだけの保険料をそこに払うのが適当なのか、考える必要がありそうです。学資保険は、純粋の貯蓄であるべきではないかと思います。180万円ぐらいの払い込みで200万円の満期がもらえる。最低でもこれくらいでないと、月々積立預金をしたほうがマシなことになってしまうのではないでしょうか?現段階で、払ったより戻ってくる金額が少ない学資保険に入っている方は、がっかりしてしまったかもしれません。でも、あきらめずに、計算することをお勧めします。現在加入中の学資保険を解約すると、いくら損をするのか。そのことについて計算するのです。ほとんどのケースで保険の途中解約は損が出ます。しかし、いまやめた損のほうが、満期まで払い続けたときの損にくらべて少ない場合は、思い切って解約をすることをお勧めします。その上で、貯蓄性の高い学資保険に入りなおして損が少しでも埋まるのであれば、入りなおしを検討してみてもいいのかもしれません。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年07月05日【ご相談】毎月赤字で貯蓄できません。頑張っているのに、何がいけないのでしょうか?なかなか貯蓄まで手が回りません。切り詰めてやっているつもりですが、どこか改善するところがあれば、教えていただけると助かります。三重県在住 小川 裕子さん (仮名)【回答】貯蓄の王道は先取り貯蓄です。やりくりの前に固定費を見直して削減し、お金との付き合い方を変えましょう。ストレスなく貯まる家計をつくることができます。(ファイナンシャルプランナー 橋本 絵美からのアドバイス)育ち盛りのお子さま2人を育てながらパートもやりくりも頑張っている小川さま、毎日があっという間に過ぎていることでしょう。なかなか貯蓄まで手が回らないというお気持ち、わかります。お金と上手に付き合って、貯まる家計をつくりましょう。ポイント1「使う」と「貯める」の順序を変える貯蓄まで手が回らない!とのことですが、お金が貯まらない理由が実はここにあります。小川さまはお金を「使う」のと「貯める」のとでは、「使う」方が先になっているようです。先にお金を「使う」と、「貯める」分が残るかどうかわかりません。ですが、先に「貯める」と必ず貯まります。当たり前のようですが、その当たり前が貯蓄の王道なのです。給料が入ったらまず「貯める」、そして残りを「使う」ように順序を変えましょう。今は自動車もローンで購入されていますし、他にもローンがおありのようですが、今後ローンで何かを購入するのはやめましょう。住宅以外でローンを組まなければいけないような支出はするべきではありません。必要だと思っても、一括で購入できる資金がない時点で「購入すべきではない」と判断し、お金が貯まってから購入するようにしましょう。ポイント2「貯める」目的、金額、保管場所を決めるまず「貯める」目的をはっきりさせましょう。小川さまはお子さまが2人いらっしゃるので、教育資金を準備する必要があるのではないでしょうか。小中高は月々の収入から賄うのがベストですが、大学進学のための費用を月々の収入から賄うのは大変なことです。国公立大学へ進学し、自宅から通学する場合でも、平均で入学費用(※)として81.9万円、さらに在学費用として毎年93.9万円かかります(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」平成27年度より)。自宅外通学をしたり私立大学に通うと、さらに費用がかかることになります。大学進学にかかる費用を全て貯蓄しておくのは難しいかもしれませんが、最低でも入学費用の82万円程度は準備しておいた方がよいでしょう。大学入学までの期間は、ご長男の場合あと13年ですので、毎年7万円(月々約6,000円弱)貯蓄していくことで91万円貯まります。ご次男の場合はあと17年ですので、毎年5万円(月々約4,000円強)貯蓄していくことで85万円貯まります。まずはお2人の大学進学の資金として、毎月1万円を貯めるところから始めましょう。※「受験費用」、「学校納付金(入学金、寄付金、学校債など、入学時に学校に支払った費用)」、「入学しなかった学校への納付金」をあわせた費用。目的と金額がはっきりしたら、貯蓄の保管場所を決めます。給料と同じ口座に入れておくと使ってしまう可能性が高いですので、学資保険等の貯蓄型の保険を利用して貯蓄することをおススメします。貯蓄型保険に加入して払込方法を口座振替にしておくと、自動的に引き落としされるので強制的に貯蓄をしていくことができます。解約するには手続きが必要なため、手間がかかることが流用への抑止力にもなります。ボーナスについても手取りの4分の1は予備費として先に貯蓄しておくようにしましょう。こちらも貯蓄専用口座を設け、現在の貯蓄300万円と合わせて、今後大きな家具、家電の買い替え、引越し等環境の変化や経済状況の変化等、何かあったときの備えとして蓄えておきましょう。ポイント3変動費のやりくりではなく固定費を削減する現在の使い方で改善すべき点を考えてみましょう。月々の支出は固定費とやりくりが可能な変動費とに分けることができます。節約というと変動費にあたる食費や日用品費を減らしたくなるかもしれませんが、貯蓄まで手がまわらない状態で、ここばかり目をむけて節約すべきではありません。まず改善すべきは固定費です。切り詰めているのに貯蓄ができないのは固定費が大き過ぎるせいです。固定費の削減は手続きが少々手間かもしれません。ですが、一度手続きをしてしまえばずっと削減でき、その分貯蓄に回せますから、まずは固定費を見直しましょう。見直しの対象としてまず挙げられるのは通信費です。月22,000円ということは、内訳は自宅のネット回線、固定電話とスマートフォン2台といったところでしょうか。今お使いのスマートフォンによっては、端末をそのまま利用して格安スマホに乗り換えることができます。格安スマホなら、2台で「基本料金3,000円程度+通話料」などに抑えることが可能な場合があります。解約違約金が1台につき1万円程度かかったとしても、2~3カ月で元がとれます。なお、そのままの端末では格安スマホを利用することができないこともあります。その場合は新しく端末を準備する必要があります。また、パソコンやタブレットを利用する際にはスマートフォンのテザリング機能を利用することにして、自宅のネット回線、固定電話の解約も検討しましょう。ただし、テザリングができない端末もありますので、事前にご確認ください。仮に現在の端末のまま格安スマホに変更し、自宅のパソコンやタブレットはスマートフォンのテザリング機能で使用することにしてネット回線は解約、固定電話も解約したとすると、通信費は現在の2万2,000円から6,000円程度とすることも可能ですので、約16,000円も節約できます。次に自動車関連費です。自動車の利用頻度はどれくらいでしょうか?お住まいの地域によって自動車は足代わりで必須ということもあるでしょう。ですが、週末に利用するのみという利用状況であれば、自動車を持たない暮らしをしてみるのはいかがでしょうか?筆者の実家は田舎にあり、自動車は一人一台必須ですので、自動車が必要な暮らしもわかります。ですが、筆者自身は子どもが4人いますが、自動車を持たず、電動自転車を愛用しています。お子さまを乗せられる電動自転車の場合、機種にもよりますが、初期費用は15万円ほどです。その後の駐輪場代、電気代を考えても自動車とは比べ物にならないくらい安いです。また、最近はカーシェアリングも充実していますし、どうしても必要なときだけタクシーを利用するという方法もあります。現在自動車にかかっている費用(月53,000円)ほど、果たしてタクシーを利用するかどうか、考えてみてください。自動車関連費の節約はかなり効果が大きいです。また、支出全体のなかの大きな費用としては住居費が挙げられます。現在、自動車関連費と自動車ローン、住居費を合算すると、9万円+2万2,000円+3万1,000円で14万3,000円かかっています。自動車と住居をトータルで考えてコストが削減できる暮らしを考えてみてください。例えば、自動車を持ち続ける代わりに家賃の安い郊外へ住み替える。または、少し家賃が上がっても便利な場所に住み替えて自動車を手放す。このように両方を併せて考えた上で削減しましょう。住み替えには引越し代や敷金・礼金がかかりますので、大幅に家賃を下げられる可能性のあるUR賃貸住宅(旧公団住宅)等の利用も検討されてはいかがでしょうか。現在の大家さんに家賃交渉をしてみるのも一案です。コスト削減のために住み替えを検討中と伝えれば、値下げに応じてくれることもあります。まとめまずは毎月の先取り貯蓄を始めましょう。そして固定費(通信費、自動車関連費、住居費)については費用を抑えられる方法に至急変更しましょう。極論を申し上げますと、先取り貯蓄をしていれば残りは使ってしまっても構わないのです。ただしローンは絶対に×。欲しいもの、または必要だと思うものであっても、ローンで購入するのではなく、「貯まってから買う」を徹底してくださいね。これで家族4人が豊かに楽しく暮らせる家計が実現できるはずです。コラム執筆者プロフィール 橋本 絵美(はしもと えみ)2級ファイナンシャルプランニング技能士/お片付けプランナー子ども10人の幸せ大家族を目指す、現在4人の子どもを持つママ ファイナンシャルプランナー。「子ども=お金がかかる」という考え方ではなく、子どもは宝であり、ママたちが安心してもう一人子どもを生めるようにサポートしたいという思いから、ファイナンシャルプランナーとなる。お金とモノとの付き合い方を考え、お片付けプランナーとしても活動中。家族が笑顔になれる家計のやりくりとお片付けのアドバイスを行っている。明日から使える節約コラムやママ向けセミナーも好評。慶應義塾大学商学部卒業。ハピママlabo代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年06月07日俳優の坂上忍(48)が13日、フジテレビ系情報番組『バイキング』(毎週月~金11:55~13:45)で、高額海外出張費や公用車での別荘通いに加え、政治資金規正法違反の疑いがあると報じられた舛添要一都知事について言及した。会議費として記載されている支出が家族旅行の費用だった可能性があると指摘されている舛添都知事。12日にBSフジの報道番組に出演するも、「精査したうえでお話ししたい」などと話すにとどまった。本日13日の定例会見で説明すると見られている。坂上は「テレビで名を挙げて政界に進出した方。テレビの怖さや視聴者の目の怖さを知っている人だと思っていた。会見の前日のテレビ出演で、手ごまいくつか持っているのかと思ったら、まさかの手ぶらだった」と批判。「精査」という言葉を連発していたことに「がっかりした」とコメントした。そして、「無駄遣いの範疇だったらちゃんと謝って任期まで務めてほしい」と言うも、政治資金規正法違反の疑いも出てきたことから、「これが事実だとすると、論調としては辞任の方に流れていく」と懸念。「そうすると選挙で金がかかるし、抱えている案件も途中で止まるか1からやり直さないといけない。選挙で2億、3億? たまったもんじゃないよ!」と怒りを示した。
2016年05月13日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日前回 のNISAに引き続き、今回はジュニアNISAについてお話しします。ジュニアNISAは、子どもの教育費など将来に向けた資産運用のための制度です。投資可能期間は、2016年4月から2023年12月末までです。■NISAとジュニアNISAの違いは?NISAの非課税枠は毎年120万円が上限でしたが、ジュニアNISAは、子ども1人につき毎年80万円です。5年間の非課税というのは同じです。累計で最大400万円までの非課税投資をすることができます。大学進学のための学費準備として利用するとよいでしょう。また、NISAはいつでも解約、払い出しをすることができますが、ジュニアNISAでは注意が必要です。ジュニアNISAは、売却はいつでも可能なのですが、お金は、子どもが3月31日時点で18歳となる年の前年末までは引き出すことはできません。5年間の非課税期間の後は、払い出しをすることも、また、継続して非課税対象として、80万円分を上限に翌年の非課税枠へ繰り越すことができます。■ジュニアNISAの4つのポイント・その1:0歳〜19歳が対象ジュニアNISAの対象は、●日本に住んでいること●ジュニアNISA口座を開設する年の1月1日時点で19歳以下であること上記2つの条件を満たす子どもです。ジュニアNISAは、口座の名義は子どもで、親が運用・管理をします。1人1口座で、途中での金融機関の変更はできません。・その2:非課税投資枠の上限は年間80万円までジュニアNISAで株式投資信託や上場株式を購入できる限度額は年間80万円です。分配金や配当金、値上がり益が非課税になります。・その3:非課税期間は5年間ジュニアNISAの非課税期間は、最長5年間。非課税期間が終了した後、20歳までは非課税のまま、年間80万円までは継続保有することができます。売却はいつでも可能です(お金の引き出しは期限までできません)。売却した場合、非課税枠の再利用はできません。未利用の非課税枠を翌年以降へ繰り越すこともできません。これは、 前回のNISAの場合のポイント 「その2」「その3」と同じです。ジュニアNISA口座で発生した損失は、ほかの口座と損益通算したり、繰り越し控除することはできません。これも前回の「その4」と同じです。・その4 :18歳まで原則出金不可原則として、18歳までは払い出し(出金)ができません。払い出したときは、過去の利益分に対しても課税されます。ジュニアNISAは、子どもの将来に向けた資産運用のための制度なので、原則、子どもが、3月31日において18歳である年の前年の12月末までは、災害等のやむを得ない場合を除いて出金することはできません。もし、期間中に出金するということになると、過去のすべての利益に課税されますし、ジュニアNISA口座を廃止して全額を出金することになります。次回は、どのように利用をしていけばいいかについてお話します。
2016年04月04日1回目で教育資金の目標額を定め、2回目で「先取り貯金」の仕方をご紹介したこの企画。お金を貯める仕組みは理解できたけれど、収入が少なかったり、一時出費がかさんで「そんなに貯金ができるかな? 」と不安になったりした人もいるのではないでしょうか。私自身も、娘が3歳の時に離婚をして収入が激減した時期に不安な気持ちで教育資金を貯めていました。そこで今回は、そんな経験も踏まえて、毎月の貯金額を増やす方法についてお伝えします。○さらに貯金を増やす方法はずばりこの3つ!私が実践した方法は、「収入を増やす」「支出を減らす」「投資をする」の3つです。この方法で、育児休業や短時間勤務などによって収入が減った時期にも関わらず、3年で1,000万円以上貯金を増やしたママもいます。私自身について話せば、離婚時子どもはまだ3歳。実家が遠方だったこともあり、仕事を増やすことはできず、まずは「支出を減らせないか」と考えました。子どもがうまれてから家計簿を一生懸命つけていましたが、効果がなく断念。ぜいたくもしていないので、食費を削るしかないとレシートとカード明細の山を見ていたことを思い出します。しかし、食費以外にも削れるところはあったのです。○支出を上手にダイエットすればリバウンドなし家計簿をつけずに上手に支出のダイエットをする方法をご紹介します。具体的には……・携帯電話はSIMカード利用にし、固定電話も見直す・保険は公的制度を知ることで必要なものを見極め、加入し直す。さらには掛け捨てではなく貯蓄タイプを選ぶ。・調理法を工夫してガス代を減らす・子育て支援のある賃貸物件を見つける。もしくは住宅ローンを見直す。・子どもの衣類などを先輩ママから譲ってもらったり、借りたりするなどです。他にもいろいろありますが、毎月かかるものは、ひとつずつ確認していき改善しましょう。その他固定費以外の日々の買い物は、保存しておいたレシートを見て半年ごとに振り返りお金の使い方のパターンを改善していきます。月単位でみると少額で見過ごしがちな項目も、半年単位で見ると大きな金額となり、無駄も見つけやすくなります。○収入は増やせるサラリーマン家庭の場合、何かと収入を増やすことは難しいように思いますが、収入を増やすポイントは1.収入の入り口を増やす2.節税をするの2つです。既にパパが働いている場合、なかなかパパの収入を増やすことは難しいのが日本の現状だと思います。ですから、入り口を増やす方法として、もしママが働いていなければ、ママが働く。パパも副業をする方法があります。子育て中でもできる仕事はありますし、空いている時間やインターネットを使っての在宅ワークなどもあります。月10万円増えれば、3年で360万円です。ママが働くことは家計に大きなプラスを生みます。もうひとつは、節税です。節税をすることで手取り収入が増えます。ふるさと納税や確定申告の仕組みを知り、条件が合えば親を扶養に入れたり確定拠出年金などを実践したりして、節税していきます。税金も毎年のことなので1回仕組みを作れば後は楽なのがいいですね。さて、「収入を増やす」「支出を減らす」を実践すれば家計は大きく変わっていきますし、貯金は増えていきます。その上で、さらにお金に働いてもらう「運用」もご紹介します。○お金の運用で気をつけること日本の銀行はみなさんご存じのように金利が低いです。なので、日本の銀行にお金を預けてもお金は増えません。ですから私は海外に目を向け、金利や金融商品について勉強しました。私が投資を始めた後にリーマンショックで世界経済の暴落を目の当たりにしましたが、それでも運用成績はプラスになっています。・海外は日本より金利が高いことに注目する・日本株だけでなく海外にも目を向ける・リスクを小さくする方法を実践するこの3点が結果的にはよかったと思いますし、子育て中のママも実践して貯金を増やしています。ただ、投資には増える可能性もあれば、減る可能性もあります。勉強もせずに「窓口で言われるがまま購入」はしないようにしましょう。○大きな視点で貯金を増やす最後に貯金を増やす方法をまとめると「収入を増やす」「支出を減らす」「運用する」の3つになりますが、この3つを同時にすることで貯金は増えていきます。逆にひとつだけ実践しても貯金は増えにくいです。例えば、収入を大きく増やしても、支出が増えると貯金は増えませんし、投資で利益が出ても、「不労収入」だけに頼ろうとして仕事を辞めてしまうと、収入は不安定になるからです。逆に言えば、できているところはそのままで、できていないところを強化すれば貯金体質になっていきます。また、3年で貯金は少し難しいかもしれないと思う場合も、児童手当だけは必ず貯金しましょう。児童手当を中学卒業まで貯金すると約200万円になり、高校にかかる教育費の大きな足しになります。問題は大学進学にかかる費用ですが、あまりにも想定外の教育費がかかったら、給付型の奨学金を狙っていきましょう。教育費は青天井になりやすいところがあります。まず、目標を決め、夫婦で目標を共有することが大切です。子育て中のママ・パパは日々忙しいです。「貯まるといいな」「そのうちしよう」ではなかなか貯金できませんし、子どもも成長してしまいます。今まで貯金ができていない方は、今日から実践することを心がけてください。それが、3年後、6年後、9年後の結果につながっていきます。諦めないでくださいね。○著者プロフィールマイライフエフピー代表 加藤葉子子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、シングルマザーの支援にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。
2016年03月25日離婚後、シングルマザーとして3年間で680万円を貯めたファイナンシャルプランナーの加藤葉子さんが、教育資金の作り方を伝授するこの企画。第2回目のテーマは、「ストレスフリーに貯金するには? 」です。○「お金はあるだけ使ってしまう」の法則全国の子育て世帯の家計を拝見させていただく時、「貯金ができない」とおっしゃる方が圧倒的に多いです。年収1,000万円以上のご家庭でも貯金が増えるどころか、積み立てていた保険を解約しないといけないとおっしゃるのです。家計を拝見すると、普段の生活費はどの点にも少しずつこだわりがあり支出がかさむ。おこづかいもそれなりに欲しい。住宅ローンもある。そのような家計状況で子どもの塾代や夏期講習の費用などが2人分かかってくるとなると、残らない…という話です。「お金はあるだけ使う」という法則はどのご家庭でも当てはまります。しかし、年収400万円でも貯金ができているご家庭もあります。では、貯金ができている人は何をどうしているのでしょうか。その中のひとつが「先取り貯金」です。家計簿をつけなくてOK、知識がなくてもOK。誰でもできる簡単な方法ですのでご紹介させていただきますね。○先取り貯金で「貯まる仕組み」を作る多くの場合、「収入-支出=貯金」という仕組みで、使ったお金の”余り”を貯金に回しますが、やはりこれでは貯金しにくくなります。ですから、今からは全く"逆"のことをしていきましょう。つまり「収入-貯金=支出」です。具体的にその方法をご紹介します。1.教育資金の目標額を設定2.いつまでに貯めるかを決める3.1年間で貯める貯金額を計算4.3の金額を先取り貯金5.貯金を増やす方法を実践ポイントは、1~4を一気にすること。例えば、まずは1人目の教育費480万を貯めようと設定したご家庭の場合1.480万円を教育資金の目標額として設定2.3年後までに貯めると決める3.1年間の貯金目標は160万円4.年間160万を先取り貯金このような感じです。先取り貯金は毎月実施していった方が効率がよいので、例えば年間160万をA.毎月10万×12か月=120万円B.ボーナス1回20万×夏・冬の2回=40万円この組み合わせのように、毎月コツコツ先取り貯金していきます。ここまでできたら後は銀行の窓口などに行きます。○先取り貯金の方法先取り貯金をするにあたっては、「銀行のサービスで自動積立」「会社の財形貯蓄」「貯蓄型の保険」などのサービスを利用することができます。今の日本の金利は低いので、少しでも利率のいい保険などと組み合わせるのも賢い方法です。ただし、保険は途中で解約すると目減りすることもあるので無理のない範囲にしましょう。子育て中のママにこの「先取り貯金」の方法をお伝えすると、1年後には確実に貯金が増える家計になっていました。手軽にできて、先取り貯金をした残りは「何に使っても大丈夫」という”安心感”がストレスフリーのようです。しかし、先取り貯金をしても続けることができるのか不安になるご家庭もあると思います。次回は、さらに貯金を増やす方法についてご紹介していきます。○著者プロフィールマイライフエフピー代表 加藤葉子子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、シングルマザーの支援にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。
2016年03月18日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日離婚後、シングルマザーとして3年間で680万円を貯めたファイナンシャルプランナーの加藤葉子さんが、教育資金の作り方を伝授するこの企画。収入が減り、生活状況が苦しくなった時期でも目標を達成できたのはなぜなのか。その秘訣(ひけつ)を紹介していただきます。第1回目のテーマは、「目標額はどうやって設定する? 」です。○進路別、教育費の平均額はこれだ!まず、「教育資金」はいくら貯めるといいのでしょう。実際にいくらかかるかはご家庭によって異なりますが、実は全国平均の額については文部科学省が調査しています。この調査結果をもとに、代表的な進路パターン別にかかった教育費の平均額をまとめたのがこちらの図です。これを見ると、必要な教育費は進路によって全く違ってくることがわかります。小学校から大学まで国公立に通った場合は約680万円、全て私立に通った場合には約2,050万円(理系大学を想定)と約3倍の開きがあるのです。また留学や下宿などを考えると、膨大な金額になってしまいます。○まずは「オール国公立コース」を目指すそれでは、目標額をどのように定めたらいいのでしょうか。はじめは、小学校から大学まで「オール国公立」(約680万円)である場合を想定しましょう。そこでまず、考慮するのが(1)児童手当です。児童手当は0歳~中学卒業まで約200万円(3人目は約250万円)給付され大きな金額です(児童手当所得制限内の家庭の場合)。ですので、児童手当は貯金していくと想定します。そして、(2)子どもの教育費として既に貯金している金額、(3)加入している貯蓄型の保険などの金額を差し引くと今から貯めるべき金額が定まります。ここで「私立に行ったら? 」「留学したら? 」と考え出すと手が止まってしまうので、まずは1人目の目標額をシンプルに設定してみましょう。そこで余裕があるようであれば、2人目、3人目の教育費を考えたり、さらに私立の学校へ進学したパターンを想定したりするなどして、貯める金額をあげていきましょう。○「いつか」ではなく「今から」貯めるさて、教育費の目標額が設定できたら、今度は「いつまでに」貯めるかを考えます。お子さんが1人の場合は、ゆっくりコツコツでも大丈夫かもしれません。しかし、お子さんが2人、3人となると、1人目を早く貯めて、2人目に備えていかないといけません。例えば、お子さんが2人の場合、1人目の教育資金を3年で貯めることができれば、2人分を6年で貯めることができます。子どもが大きくなると、携帯電話の通信費や食費など、家計の支出も多くなるので、小さいうちが貯め時です。「いつか」ではなく、「今からいつまでに」をリアルに設定しましょう。また「教育費はなんとかなるよ」「教育費は恐ろしい」など、さまざまな声が聞こえてきて、実際のところがわからなくなる時もあるかもしれませんが、情報に振り回されてはなりません。「よそはよそ、うちはうち」と比較せずに、"わが家の場合"として貯めていきましょう。○著者プロフィールマイライフエフピー代表 加藤葉子子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、シングルマザーの支援にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。
2016年03月10日【ご相談】あと10年で教育資金と老後資金を準備したい。貯蓄目標額はどう考えたらよい?41歳男性です。妻は39歳で自営業です。現在は、妻の収入が多く、私の収入からすればぜいたくな生活をしていると自覚しています。ただ、この状態が長く続く保証もないため、今後10年間で教育資金、老後資金を蓄えたいと考えています。10年後、妻の収入が月10万円程度に減少するとした場合、貯蓄目標額についてアドバイスいただきたいです。また、保険についても過剰に契約しすぎていないか、住宅ローンを全額繰り上げ返済した方がよいかについてもアドバイスをお願いいたします。福岡県在住 橋本忠寛さん (仮名)【回答】お子さまの進学プランにあわせて、まずは教育資金を確保。老後資金の準備と合わせて、家計の変化に対応できる予備資金も準備しておきましょう。(ファイナンシャルプランナー 小林 美智子からのアドバイス)自営業の奥さまの収入が家計の大きな支えとなっているだけに、将来が不安でもありますよね。家計の状況をしっかり把握されており、現状に安心することなく今の段階から将来に備えようとする姿勢は素晴らしいです。それでは、貯蓄目標額の決め方と、10年後に奥さまの収入が減少しても、蓄えた老後資金を取り崩さないための対策を考えてみましょう。■教育資金は進路によって大きく変わりますまずはじめに、お子さまの教育資金についてです。必要な教育費はどのような進学プランを選ぶかによって大きく変わります。表1によると、小学校から高校まですべて公立を選択した場合、かかる費用の目安は約461万円です。単純に12年間で割ると、年間約38万円、月当たり約3万2千円です。お住まいの地域や習い事などにかかる費用によっても変わってきますが、基本的には日々の家計費のなかで賄うようにしましょう。一方、大学進学のための費用は、入学手続き時や進級時にまとまった額の支払いが必要になります。これらの学納金については、家計費の中から捻出するのではなく、「大学進学資金」として別に確保しておきましょう。仮に、私立理系を選択したとすると、かかる費用は4年間で約522万円です。現在の貯蓄額1,000万円から、大学進学資金として約500万円をあらかじめ確保しておけば、教育資金の準備については、ひとまず安心といえるでしょう。学資保険代わりに加入されているという低解約返戻金型終身保険は、解約せずに据え置くことで、年々返戻率を上げられるというメリットがあります。払い込みが完了するのはお子さまが中学生になる頃。中学、高校から私立へ進学したり、大学で下宿生活になったりすると費用はふくらみます。費用が増えた場合に備えて解約せず、継続しておくとよいですね。■老後資金を具体的にイメージしてみましょう次に、老後資金の準備です。一般的に、老後の生活費を公的年金のみで賄うことは難しく、不足する金額は現役をリタイアするまでに準備しておく必要があります。ただ、老後資金は教育資金と違って必要な額がイメージしにくいもの。順序立てて考えるために次のような計算式で導いてみましょう。橋本さまの場合、繰り上げ受給をされなければ、老齢年金が支給されるのは65歳からです。60歳以降、再雇用制度などを利用して得られる収入がどのくらいになるか調べておきましょう。老齢年金については、「ねんきん定期便」でご自身の加入状況を確認しておきましょう。50歳以降はねんきん定期便で老齢年金の見込み額を知ることができます。老後は生活費のほかにも、海外旅行、子どもの結婚費用の援助、住宅のリフォームや住み替え、介護費用などもかかります。想定されるものは予算に組み込んでおきましょう。今回、ひとつの目安として、統計データを使って試算してみました。総務省「家計調査報告(家計収支編)平成26年(2014年)平均速報結果の概況」によれば、「世帯主60歳以上無職2人以上世帯」の実支出は277,860円、実収入は206,992円です。橋本さまの場合、老齢年金の支給は65歳からですが、簡易的に60~64歳までも上記と同じ収入が得られるものとして試算してみました。表3の試算では、必要な老後資金は約3,500万円となりました。退職金を1,500万円とし、これに準備済みの500万円(現在の貯蓄1,000万円-大学進学資金500万円)を加算すると、不足額は約1,500万円となります。これを今後10年間で準備すると考えると、必要な年間貯蓄額は約150万円です。橋本さまの家計は毎月約18万円の黒字、ここにご主人さまのボーナスを加えた年間の貯蓄可能額は約257万円ですから、10年間では約2,570万円になり、今回の試算では、老後資金の準備も万端のようです。10年間で貯められる約2,500万円のうち、老後資金の不足額約1,500万円を確保したあとの残りの約1,000万円は、10年後の家計の変化に対応するための予備資金です。10年後に奥さまの収入が月10万円にダウンし、支出が現在のままだと、毎年約84万円の貯蓄を取り崩すことになります(低解約返戻金型終身保険の払込期間が終了すること、児童手当の支給がなくなることを見込んだ試算)。予備資金として1,000万円を別にしておき、それを取り崩すことで、老後資金に手を付けずに定年を迎えられます。今回の試算はひとつの目安です。老後に必要なお金は、橋本さまご自身の老後の収入や支出がより具体的になったら、ぜひ試算をし直してみてください。それにより、老後資金として確保すべき貯蓄と予備資金として確保できる貯蓄の色分けができるでしょう。■保険の見直しと住宅ローンについて次に保険の見直しについてですが、ご主人さまの万一の保障については、遺族厚生年金の額にもよりますが、下げられる可能性がありそうです。「ねんきん定期便」などでこれまでの年金の加入記録や加入実績に応じた老齢厚生年金の額を確認することで、遺族厚生年金の額を計算することができます。必要なデータを用意し、ファイナンシャルプランナーなどに相談して、適正な必要保障額を計算してもらうとよいでしょう。また、住宅ローンについては、仮に完済まで金利が変わらなかったとすると、今後支払う利息は約20万円です。急激に金利が上昇しない限り、急いで繰り上げ返済する必要はないでしょう。■自営業のメリットを生かした老後資金作りも自営業などの国民年金第1号被保険者には、厚生年金などのいわゆる「2階建て部分」がないかわりに、付加年金、国民年金基金、小規模企業共済や個人型確定拠出年金など、税制上メリットのある老後資金の作り方があります。拠出した保険料や掛け金は全額所得から控除されるため、奥さま自身の所得税や住民税を減らす効果があります。老後に備えながら節税もできる、魅力的な資産運用です。資金の払出方法や時期、制度の組み合わせ方などの注意点もありますので、ご利用の際は、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてくださいね。コラム執筆者プロフィール 小林 美智子(こばやし みちこ)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士/住宅ローンアドバイザー住宅購入や子どもの教育費の準備など、計画的な家計管理の必要性を感じ、家計の見直しを進めていくうちにファイナンシャルプランナーとなる。自身のライフプランにおけるお金の問題を解決してきた経験と、主婦として家計を守ってきた経験から、「難しいことをわかりやすく」をモットーに、お金にまつわる様々な問題や不安を解決する方法を発信している。こころFP事務所 代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年02月16日米Kaizen Platformは2月1日、シリーズBの実施でYJキャピタルら7社から800万ドル(約10億円、2月1日時点)の資金調達を行ったと発表した。調達先は、YJキャピタルとNTTドコモ・ベンチャーズ運営の投資事業組合、セゾン・ベンチャーズ、コロプラの新規4社と、既存株主のEight Roads Ventures Japanとグリーベンチャーズ、GMO VenturePartnersの3社。今回の調達により、累計資金調達額は1780万ドルとなった。なお、資金調達にあわせて同社はビジネス状況も公開した。これによると、Kaizen Platformのエンタープライズ版導入は170社にのぼり、人材・不動産・金融・ECのWebサービスにおける売上改善効果が241億円に達したという(同社推計)。詳細な売上高は非公表なものの、月次売上高についても平均10%の成長率となっている。同社は、機械学習による最適化やグロースハッカー育成、サイト改善事例ライブラリの公開などを行っており、企業のWebサイトの顧客体験改善を図っているが、今後は大手企業向けサービス拡充以外にもさまざまなメニューを提供していく。具体的には、成果課金型メニューの開発やプラットフォームのオープン化、ディスプレイ、ネイティブ広告などWebサイトの外部改善、NPOやスタートアップ向けのサービス提供などを行うとしている。
2016年02月01日文部科学省と日本学生支援機構のデータによると、幼稚園から大学まで19年間の教育にかかる費用がいかに大きいかがわかります。ひとりでも大変ですが、2人3人と増えると、その費用は2倍3倍…となります。早いうちからコツコツ計画的に貯蓄していきたいですよね。でも、どうせならできるだけ「お得」な資金作りをしませんか。2016年4月から始まる子どものためのNISA、「ジュニアNISA」消費税などの増税の流れが続く中、2016年4月から子どものための少額投資非課税制度がスタートします。小さい子どもがいるパパやママが、おじいちゃん、おばあちゃん、叔父さん、叔母さんの資金的協力を得て、今後のわが子の教育資金を準備することができる仕組みです。2014年から始まったNISAの子ども版2014年から、「少額投資非課税制度」、いわゆるNISAが始まりました。簡単にいうと、2014年以降、5年の間に元本120万円までの投資から生み出された利益には課税がされない仕組みです。通常ですと20%が課税されますから、大きいですよね。その制度の子ども向け版が、今年4月から実施される「ジュニアNISA」です。日本に住んでいる0歳から19歳の未成年者が、専用口座を作ることで年間80万円まで、非課税で運用することができます。ジュニアNISAは親と祖父母の2世代で協力して教育資金を作る仕組み「でも0歳から19歳までの子どもに、投資なんてできないのでは?」と思いますよね。その通りです。この制度は、「資金を出す人」は本人ではなく、両親や祖父母でいいのです。もしくはまったくの赤の他人の第三者でもいいのです。そして、その資金の運用は未成年の子どもではなく、両親、祖父母が代理で行います。大学入学資金作りに向いている仕組み教育資金作りに適している、という理由は、口座名義人の子どもが18歳になるまで、NISA口座で貯めた資金の引き出しが原則できないためです。災害などやむを得ない場合を除き、18歳になる前に引き出すと、過去の利益も遡って課税されます。つまり、大学入学を迎える18歳になって引き出して、大学の入学資金として使える仕組みなのです。ジュニアNISAのポイントをまとめると、1.日本に住む0歳~19歳が対象2.非課税期間は5年間。投資資金の引き出しは18歳まで制限3.投資できる商品は、取引所に上場している株式と、投資信託4.毎年80万円の投資まで非課税対象5.口座名義人は子ども本人。投資は親権者等が代理で行う6.資金は両親や祖父母から拠出可能。第三者もOK となります。お子さんのいるご家庭ならすぐにでもおじいちゃん、おばあちゃんに相談したくなるのではないでしょうか。制度は始まったばかり。使い勝手の良さはまだまだとはいえ、ジュニアNISAの制度は始まったばかりです。「非課税期間5年、投資期間10年」のNISAに準ずるので、ジュニアNISAも18歳まで投資するといっても「非課税期間5年を過ぎたらどうするの?」とか「2023年にNISA制度がなくなったらどうするの?」といった、整理していかないといけない問題が、今はまだあります。そう聞くと二の足を踏んでしまうかもしれません。でも、こうした問題は今後運用の過程で検討が行われて、よりわかりやすい、使いやすい制度に変わってゆくと思われます。いずれにしても、今は仮に毎年80万円一杯投資したとすると、80万円×8年で640万円まで投資することができて、そのお金が、運用によって増えた分は、非課税でお子さんのために使うことができるんだと、まずはシンプルに考えてみましょう。また、「資産運用」というと途端に心配になるかもしれません。何に投資するか、は悩むところですが、ジュニアNISAに向いている商品はこれだ!というものはありません。皆さん自身の投資と同じで、個々のご家庭の事情、今後の計画等に合った商品を選ぶ、ということが大切です。比較的長い期間の投資になりますから、経済や市場の動きに左右されにくいタイプのものも候補になるでしょう。今年1月からジュニアNISAの口座を開設することができます。実際にお金を入れて投資するのは4月以降になります。時間はたっぷりありますので、お子さんのためにぜひご家族や祖父母の皆さんとゆっくり相談してみてはいかがでしょう?(高橋智恵)・ ジュニアNISAの概要を説明したテキストブック(PDF)
2016年01月15日文部科学省の調べでは、幼稚園から大学まで19年間の教育にかかる子ども1人の費用は公立で約300万円、私立で600万円超(1)。これだけでも結構大変ですが、晩婚化による出産年齢の上昇で、60歳の時に、子どもの教育費以外にまとまったお金が必要となる「自分の退職後の資金」「親の介護」の3つのライフイベントがいっぺんにくる可能性もあります。教育、介護、退職、これら3つの課題に一度に直面し、すべてを解決しきれない現在の30~40代は「トリレンマ世代」と呼ばれています。今回はこのトリレンマ世代が蓄えておくべき自己資金についてお話しします。自分の退職後資金はいくら必要?「退職後の資金」はなかなか単純ではありません。今のような超高齢化社会、女性の平均寿命の85歳まで毎月10万円ずつ取り崩していくとすると、60歳の時点で3,000万円必要になります。取り崩す金額が増えれば、必要な資金はさらに増えます。でも、たとえば60歳になった後、75歳までは少し運用をして増やす努力をしながら取り崩す、と考えてみます。「少し」というのを年率3%で運用した、とすると、60歳以降85歳までの25年間、毎月10万円引き出したとしても、60歳の時には約2,570万円準備できていればいいという計算になります。このように、退職後に備えた準備はひとりひとり変わってきます。ここでは後者の場合、すなわち運用で増やしながら切り崩していく場合の退職後必要資金を2,500万円(2)としてみます。親の介護費用はいくら必要?介護費用も、もちろん個人差はありますが、生活文化センターの平成24年の調査によると、約800万円(初期費用91万円+(7.7万円×12か月)×7.5年)(3)となっています。晩婚化、晩産化でライフイベントのタイミングに変化がこれら3つの資金(1)(2)(3)を単純合計すると3,900万円になります。「こんなに必要とは言っても、自分の親もちゃんとやってこられたのだから、そんなに心配することないのでは?」と思っていませんか? そこが盲点なのです。皆さんの親の世代は、年金もある程度潤沢にもらえた世代です。さらに、お金や生活に負担のかかる3つのライフイベントのタイミングもずれていました。今、女性の平均出産年齢は2013年には30.4歳、そして35歳以上で初めて出産する女性の比率は、1985年の7.1%から2014年には27.6%に上昇しています。仮に40歳で子どもが誕生したとしましょう。60歳で定年退職するときにはこどもは20歳、大学生です。一方で、親も80代で介護適齢期になっています(下図参照)。つまり、「こどもの教育費」以外に「自分(たち)の退職後の資金」「親の介護」という3つの課題に一度に直面する、ジレンマならぬトリレンマ世代になる可能性があります。同じ3,900万円でも、時期を追って順番に来る場合と、一時にくる場合では、精神的な負担感も非常に異なります。何より、その時期まで何の準備もしていなかった場合に、一度に3,900万円を用意する、というのはかなり大変ですよね。重要なのは、「必要になるお金が見えている」からこそ、「早い段階からできる範囲で準備をする」ことです。「準備の仕方」はさまざまですが、若い時期から取り組みやすいものに「ステップアップ投資」があります。経済的な安定に応じて月々の積立額を増やす投資です。たとえば30代で月に4万円、40代で月に5万円、50代で月に6万円を年率3%で運用し続けたとすると、計算上は60歳で2,800万円の資産になります(手数料、税金考慮せず)。毎月のお給料から4万円も出すのは無理!かもしれませんが、ご家庭でまずは考えるところからスタートしてみてはいかがでしょう?
2015年12月11日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日義父母がシンドイんです!
うちのダメ夫
あの日、私はいじめの加害者にされた