会社員など組織に所属しながら働く人とフリーランスで働く人とでは、恋人として付き合う上で何か違いはあるのだろうか。フリーランスで働く男女と実際に付き合った経験のある人100人に、どうだったか聞いてみた。Q.フリーランスで働く恋人ならではの付き合ってよかったこと、悪かったことを教えてください。■時間がある・「会いたいときに会える」(30歳男性/和歌山県/食品・飲料/販売職・サービス系)・「いつでも会える」(32歳男性/埼玉県/機械・精密機器/技術職)・「時間に融通が利くので、旅行に頻繁に行ける」(26歳男性/新潟県/農林・水産/技術職)・「時間に自由がきくので、よく会いに来てくれたことはよかった」(32歳女性/東京都/食品・飲料/事務系専門職)・「平日など、デートの自由度が高いこと」(28歳女性/東京都/建設・土木/事務系専門職)・「会える時間は多いけど、お金の不安がある」(46歳女性/大阪府/学校・教育関連/専門職)・「空き時間が取りやすいので、すいてる時に遊園地とかに行けること」(25歳女性/山形県/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)・「時間が余っている」(34歳男性/東京都/金融・証券/事務系専門職)・「余裕がある」(30歳女性/東京都/建設・土木/事務系専門職)■予定を合わせやすい・「休みの融通が利くので予定を合わせやすかった」(35歳男性/北海道/小売店/販売職・サービス系)・「比較的、相手の時間が自由なので、休日を合わせやすかったこと」(30歳男性/山口県/学校・教育関連/専門職)・「休みがとりやすいのが良かった」(32歳女性/兵庫県/建設・土木/技術職)・「時間の制約がなくて、デートがしやすかったです。悪い点は、支払いにいちいち領収書をもらうところです」(42歳男性/千葉県/電機/技術職)・「平日でも会えるときがあった。好き嫌いが激しかった」(50歳以上男性/東京都/その他/その他)■予定が合わない・「休日が定まっておらず、デートのスケジュールが立てにくい」(23歳女性/東京都/その他/事務系専門職)・「なんか、時間がうまく合わなかったです」(33歳男性/東京都/情報・IT/技術職)・「相手は時間が自由になるので急な予定は入りやすいが、逆に休みが不定期なので計画が立てにくい」(50歳以上男性/山梨県/建設・土木/技術職)・「忙しくてあまり会えない」(28歳女性/大阪府/電機/事務系専門職)・「時間に束縛されないが、変な時間に働くことがあってちぐはぐな生活感がある。合わせてくれるが先の予定が立てづらい」(46歳男性/岐阜県/電力・ガス・石油/技術職)・「急に仕事の電話が来る」(28歳男性/三重県/警備・メンテナンス/営業職)■お金がある・「お金持ちが多い」(24歳女性/愛知県/生保・損保/営業職)・「いつもおごってもらえた」(34歳女性/岡山県/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)・「デート代の一部を経費にできたこと」(37歳女性/東京都/商社・卸/事務系専門職)・「時間とお金がある」(29歳男性/東京都/医療・福祉/専門職)■忙しさと収入が安定しない・「相手の繁忙期が状況によって異なる(安定感がない)」(30歳女性/北海道/小売店/事務系専門職)・「時間も仕事量も不規則なので、たくさん遊べる時と、そうでないときの落差が激しかった」(46歳男性/東京都/その他/クリエイティブ職)・「稼ぎがいいときは羽振りがいいけど、貧乏な時はこちらがださなければならなくなる」(36歳女性/大阪府/学校・教育関連/専門職)・「仕事が安定しないときはデートの予算も少なくなるのがちょっとわびしい」(32歳女性/山形県/医療・福祉/専門職)・「安定していないせいか、なんとなく安心感がなかった」(28歳女性/富山県/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「自由がきくが、締切が近づくと会えない」(34歳女性/大阪府/その他/その他)・「時間の自由がきくので平日でもデートできるが、給料に浮き沈みがある」(33歳女性/京都府/金属・鉄鋼・化学/技術職)・「時間が自由になる、が、仕事がたてこんでいる時は全然会えない」(31歳女性/京都府/金融・証券/営業職)■刺激的・「刺激的だった」(29歳女性/神奈川県/金融・証券/販売職・サービス系)・「仕事の仕方など今まで気にしなかったことを考えられた」(28歳女性/北海道/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)・「かなり自己主張が強い人が多いと思います」(47歳男性/東京都/建設・土木/技術職)・「自由闊達に自分のやりたいことをやり、責任を取っているのでとても人として自立している」(32歳男性/神奈川県/機械・精密機器/事務系専門職)・「がんばってる姿が好き」(24歳男性/神奈川県/情報・IT/営業職)・「見識が広がる」(33歳男性/茨城県/運輸・倉庫/営業職)・「思い切りのいい人で他ではできない体験を一緒にたくさんできた」(25歳女性/富山県/ホテル・旅行・アミューズメント/秘書・アシスタント職)・「社長っぽくてかっこよさがあった」(28歳女性/北海道/自動車関連/技術職)・「生きていく力強さを感じる」(31歳男性/東京都/食品・飲料/技術職)■感覚が合わない・「とにかく金銭・時間感覚がサラリーマンと違う。すれ違いでけんかばかりになりすぐに別れてしまった」(31歳男性/大阪府/機械・精密機器/事務系専門職)・「学生の頃はただ楽しくて良かったが、私が体育会系の営業職で就職したら、一度も就職したことのなかった彼には仕事の忙しさや付き合いの多さを全く理解してもらえなかったので別れた」(31歳女性/神奈川県/不動産/秘書・アシスタント職)・「考えが独特で振り回された」(36歳男性/山梨県/機械・精密機器/販売職・サービス系)フリーランスで働く男女の特徴として、付き合ったことがある人から回答が集中したのは「時間がある」「自由」「予定を合わせやすい」という内容だった。また、「お金がある」「考え方が刺激的」といった回答もあった。いいところは悪いところにもなり得るのか、「予定が合わない」「収入が安定しない」「感覚が合わない」といった声も挙がっていた。調査時期: 2015年4月24日~25日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 100人(フリーランスで働く男女と付き合った経験のある人限定)調査方法: インターネットログイン式アンケート※写真と本文は関係ありません
2015年06月01日5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催された、日本最大級のIT専門展「Japan IT Week 春」。今回は「クラウド コンピューティング EXPO 春」の中から、IPコールセンターなどのクラウドサービスを提供するNTTネオメイトのブースをレポートしよう。○累計5万台もの運用実績を持つ仮想デスクトップまず、ブース内でひときわ目をひいたのがクラウド型仮想デスクトップサービス「AQStage 仮想デスクトップ」だ。同サービスは各社員のデスクトップ環境をデータセンターのサーバ上に構築し、各端末からネットワーク経由で画面の呼び出しと操作を可能にするもの。これにより、データの持ち出し防止やパッチの一括適用など企業のセキュリティ面を大幅に改善するほか、各種ハードウェアやソフトウェアの導入および運用保守にかかるコストの削減にも貢献してくれる。さらに、働き方が多様化している現代ビジネスにおいて、最適な環境を構築できるのも魅力のひとつだ。オフィスでの業務はもちろん、外出先からのメールチェックや資料の閲覧、ペーパーレス化を背景とした各種デバイスを持ち込んでの会議やプレゼンテーション、各社員の席を固定しないフリーアドレス制の導入、さらには在宅勤務など、近年はさまざまなワークスタイルが生まれている。しかし一方で、こうした現実に対して環境構築が追いついていない企業も多いといえるのではないだろうか。NTTネオメイト ビジネスクラウド部門 営業担当 主査の中村 憲一氏は「AQStage 仮想デスクトップは、社内外におけるワークスタイル変革を低コストで実現できるサービスです。既存の端末に合わせるのではなく、働き方に応じて環境を変えることで、利便性や業務効率も大幅にアップします」と語る。いつでも・どこにいてもオフィスと同じ環境で仕事ができるのは、社員にとって嬉しい限りだ。また、一般的に利便性とセキュリティは相反する要素と言われているが、AQStage 仮想デスクトップは、もともとNTT西日本グループ向けに開発・運用していたサービスを一般企業向けとして提供しているもの。そのためすでに累計5万台もの運用実績があるので安心だ。同サービスを開発・運用しているNTTネオメイトは高度なセキュリティはもちろん、運用面でも十分なスキルやノウハウで企業をサポートしてくれる。相談窓口として専用サービスデスクを設けているのも企業にとっては心強い。「仮想デスクトップ環境は導入よりも、実はお客様からの要望やトラブルが発生した際などの対応が重要です。弊社ではこれまで培ってきた実績を活かし、安心・安全で使いやすいビジネス環境をご提供しています」と中村氏。さらに「仮想デスクトップはこれまで、情報漏えい対策や運用コストの削減など“守りのIT投資”といったイメージが強かったのですが、弊社ではワークスタイル変革をもたらす“攻めのIT投資”としてAQStage 仮想デスクトップをご提案しています。攻めのITへ転じるには、とにかく使い込んでもらうことが重要ですので、こうした点でも累計5万台の運用実績がある弊社の強みが活きてくると思います」と続けた。○スマートデバイスの仮想化でセキュアな運用を実現仮想化関連では「AQStage 仮想スマートデバイス by remotium」も気になるところだ。こちらは4月1日より提供を開始したサービスで、仮想デスクトップと同様にサーバ上で仮想化したスマートデバイスを構築し、ユーザーが持つデバイスからアクセスできるようにしたもの。暗号化されたストリーミング配信を使用しているため、デバイス内にデータが一切残らず、セキュアな運用が可能となっている。仮想スマートデバイスのOSはAndroidのみだが、アクセスに使うデバイスはiOS/Androidの両方に対応。管理者側では利用アプリや通信先などを一元管理できるほか、ポリシー変更が簡単に行えるのも特徴だ。これにより、デバイスの紛失・盗難が発生した際も情報漏えいのリスクを最小限に抑えられるほか、システム管理者にとっては運用管理にかかる時間や手間を削減することが可能。マルチデバイス対応のため、BYOD環境で利用しやすいのも特徴となっている。○スマートデバイス管理やデータバックアップにも注目スマートデバイスの管理用ソリューションとしては、「AQStage スマートデバイス管理 by AirWatch」が注目を集めていた。AQStage スマートデバイス管理はモバイルデバイス管理(MDM)に加えて、モバイルEメール管理(MEM)/モバイルアプリケーション管理(MAM)/モバイルコンテンツ管理(MCM)の機能を集約した統合管理ソリューションだ。単一コンソールからスマートデバイスに関する一元管理が可能で、情報漏えいリスクと管理負荷の低減、業務効率の向上をまとめて実現してくれる。マルチテナント機能も備えており、各組織の特性に応じた細やかなポリシー管理も行える。すでにMDMを導入済みで、よりセキュアな運用を求める場合は「AQStage セキュアルック」もお勧めといえる。こちらは専用アプリを利用して、社内サーバのメールやグループウェアへリアルタイムにアクセスするというもの。スマートデバイス内にデータが残らないため、BYOD環境でも安心して利用できる。そのほか、全世界70カ国以上で3000社以上の導入実績を持つクラウド型データバックアップサービス「Druva InSync」も紹介しておきたい。Druva InSyncは、PCやスマートデバイスなどのデータをすべてクラウドへバックアップするサービスだ。システム管理者がWebポータルからユーザー/デバイス/バックアップポリシーなどを一元設定できるほか、データの暗号化/遠隔削除/位置探索などの各種機能、さらにはバックアップしたデータの横断的な調査・分析まで行える。社内外および、複数所有しているデバイス間データ共有を簡単かつセキュアに実現したい企業にお勧めといえる。このように、NTTネオメイトでは豊富な実績を持つAQStage 仮想デスクトップに加えて、企業の業務効率向上やセキュリティ強化に役立つさまざまなソリューションを展示していた。気になる製品がある企業は、ぜひ一度問い合わせてみてはいかがだろうか。
2015年05月29日●あのダンボールがエレベーターに!「地球上で最も豊富な品揃え」そして「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」という企業ビジョンを掲げるAmazon.com。日本版「Amazon.co.jp」の運営サポートを行うアマゾン ジャパンの社員は、どのような環境で働いているのだろうか。本社オフィスを取材してきた。○エレベーターがすでにアマゾン東京都目黒区に本社を構えるアマゾン ジャパン。同社に訪れた際、誰もがまずそのエントランスに驚かされるはず。あの見覚えのあるダンボールのパッケージがエレベーターにデザインされているのだ。まるで自分が商品になり配送された気分になる。出迎えてくれたのは広報本部の万波宏司さん。アマゾンの価値観や進化に挑み続ける企業姿勢に惹かれ入社したという広報のプロフェッショナルだ。そんな万波さんにお届けの印鑑をもら……ではなく、社内を案内してもらった。○WORK HARD,HAVE FUN,MAKE HISTORYまず案内されたのは、企業の顔とも呼べるロビー。なるほど、ジャングルやアマゾン川を彷彿とさせる受付まわり、デニム生地であつらえたソファなど遊び心がある。万波さん「アマゾンでは、全社的に『働き方』をとても大事にしています。『WORK HARD, HAVE FUN, MAKE HISTORY』というスローガンがありまして、しっかり働き、思いっきり楽しみ、そして自分たちで歴史をつくっていこう、というニュアンスです。リラックスして日々の仕事に全力投球できる、それでいて楽しい職番環境づくりに、社員たち自ら率先して関わっていこうという自由闊達な活気に溢れています」続いて目に飛び込んできたのは一枚の地図。道順を記す矢印が、宝探しの地図のようだ! 記載されているのは、各会議室の配置図。万波さん「会議室の位置を探検地図のように示しています。ちょっと冒険心をくすぐられますよね(笑)。会議室にはメコンやミシシッピなど世界各地の有名な川の名前がついています。別フロアの会議室には、最上、利根など日本国内の川の名前がつけられているんですよ」会議室マップ一枚で、大の大人のテンションを上げるとはさすがの一言だ。○社員の健康を守る設備が充実続いて案内されたのは、なんと社員が予約をすればいつでも無料で使えるというマッサージルーム。寝台も本格的で、常駐のマッサージスタッフが、社員の疲れを癒してくれる。マッサージルームの隣には同じく予約制の保健室(Health Station)。部屋の中は、ちょっとした一人暮らしの部屋のようにも見える。こんな設備があったら、仕事せずにゆっくりしてしまいそうな気がする。でもそんな心配のないほど、アマゾン社員のモチベーションは高いのだとか。万波さん「完全なフレックス制ですから、いつどこで何をやるかは、上長の承認があれば個人の裁量に任せられます。仕事だって、オフィスでしてもいいし、自宅でしても構いません。実際に小さなお子さんの面倒を見ながら、働き方を工夫してバリバリと仕事をこなしているお母さん社員もとても多いですよ」●社内で●●のトレーニングが出来る!?○自由な働き方、自由な時間万波さんの言う通り、アマゾン ジャパン自慢のカフェテリアやオフィスのあちこちに設けられたちょっとしたミーティングスペースを見ると、ノートパソコンを持ち込んで資料作成をする人やミーティングをしているグループなど、自由に時間と場所を選ぶ社員は少なくない。○社内でまさかのボルダリング!?いつどこで何をやるかは、個人の裁量に任せられているアマゾン ジャパン。とはいえ、1つ、どうしても突っ込んでおきたいことがある。「でもですよ、万波さん! さすがにアレは遊び心というよりは……遊びでしょう!」そう指差した先にあったのは、なんとボルダリングのトレーニングウォール。仕事とボルダリング……どう見てもつながらない。しかもその上から巨大な恐竜が顔をのぞかせている。万波さん「あれも、社員が考案したものです。確かに仕事とは直接関係ありませんが、社内でボルダリングできる会社という時点で、ユニークな発想を大事にしているのがおわかりいただけるかと(笑)」万波さん「とは言え、ボルダリングありきでこのウォールを取り付けたわけではないのです。こちらへいらしてください」社員の健康増進に繋がる本格的なボルダリングウォールは、会議場の壁面スペースを有効活用した一石二鳥のアイデアだった!万波さん「アマゾンは、常にお客様視点に立つことを最優先にしています。お客様にご満足いただけるサービスや機能を強化するために、既存の考え方や価値観にとらわれないクリエイティブな新しい取り組みにどんどんトライしていく。これがアマゾン流なのです」たとえば、オフィスの中やミーティングスペース、そのほか社内のいたるところにホワイトボードが設置されているのもその工夫の一つ。思いついたらその場でブレインストーミングできるようにするためだという。○まとめ - 本気の遊びは仕事に革新をもたらすアマゾン ジャパンが目黒の現オフィスに移転したのが2012年4月。その際、新しいオフィス環境づくりのアイデアを社内でも募り、これをあちこちに反映することで、実際に部門を超えた社員同士のコミュニケーションが活発になり、仕事にも好ましい影響をもたらしたという。猫も杓子も「イノベーション」と連呼するこのご時世だが、本気の遊び心は結果につながるということか。
2015年05月29日今お墓に何が起こっているのか、『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)、『0葬 ――あっさり死ぬ』(集英社)などのベストセラー作家で、日本の葬儀・弔いのあり方に一石を投じてきた宗教学者・島田裕巳先生が執筆した、『お墓の未来 ~もう「墓守り」で困らない~』(マイナビ新書)が、5月23日(土)に発行された。この本の中で、最近何かと話題が多い「お墓」の諸問題をまとめ、解決策を提示している。都会に家を建ててしまったけれど、故郷の墓はどうすればいいのだろうか。島田先生にその解決策をインタビューした。――島田先生の新刊『お墓の未来 ~もう「墓守り」で困らない~』では、これまで当たり前の存在だったお墓を管理する人=「墓守(はかも)り」がいなくなることによって起こる問題を中心に解説されています。「墓問題」について、どのような問題が起こっているのか、教えていただけませんか?これからお盆の時期を迎え、テレビや雑誌などでお墓の話題が増えていきますが、最近は「無縁墓が増えている」ことと「新しい葬り方が増えている」ことがよく話題になります。そうすると、みんなが「お墓をどうすればいいの?」という不安を抱くようになります。今はまだ、意外と若い頃にお墓を買っていたり、故郷に墓があるからと安心したりしている人も多く、お墓を維持していくことの大変さをわかっている人が少ないんですね。それがわかるのは、実際に親が亡くなって、葬儀をしたり、埋葬したり、都会でお墓を買ったりして、初めて「こんなに大変なことなのか!」と、気づくわけです。そうすると、自分の子どもにはこんな経験をさせたくないと思うわけです。――確かに、自分の両親が亡くなるまで実感できないかもしれません。お墓を継ぐという意識もありませんでした。人が亡くなると、相続という問題が起こり、いろんなことがそこにかかわってきます。特に団塊世代で、都会に家を建てて故郷に帰らなくなった人が増えているわけですが、そうした中には将来的に「実家の片づけ」を考えなければいけない人も増えています。同じように「墓じまい」という言葉も使われ始め、話題になるようになりました。ですが、本の中でも解説しましたが、墓というものはやっかいなもので一度つくってしまうと、簡単になくすことができません。まだ、その世代は「なんとかしないといけないな」と思いがちです。でも、さらにその子どもの世代になると、故郷にある墓を面倒見ることに疑問を感じるようになります。今あるお墓の1番の問題は、「故郷にある墓が維持できなくなっている」ことにあります。――確かにお墓が問題になっているのだとは思いますが、それは人口減少に悩む地方や、「無縁化」してしまった一部の人の問題なのではないでしょうか?今、自分の将来がどうなるのか、考えることがむずかしくなっています。例えば結婚しなかったらどうなるのか?あるいは、結婚して、家庭をつくって、子どもがいて、年をとって…・・・自分が80歳、90歳になる、そういうことをなかなか考えられないわけです。医療の発達や社会の変化により高齢化社会になったことで、新しい事態が生まれているわけです。そのため、昔の考え方が通じない、一時当たり前と思われていたことが当たり前ではない社会になりつつあります。――なるほど。だからこそ、墓の問題を今、考えなければいけないわけですね。日本の墓は「家」単位でできていて、家が続くことの象徴として墓があります。ですが、今は家の役割が小さくなってきていて、制度がズレてきている、でも簡単になしにすることができないわけです。将来にわたって若い人が墓の管理を維持しなければならないということを、今、考えなければいけないんです。時間がたてばたつほど解決できなくなります。――とはいっても、やはり習慣や伝統は守るべきという考えもあると思うのですが?例えば、今「夫婦別姓」が最高裁で審理されていますが、その場合には何々家の墓といった話も通じなくなります。従来の家のあり方が変わるのに、墓のあり方が変わらないわけにはいきません。かつてのように、妻が同じ墓に入るのが当たり前、今までの墓のあり方がこうだから、ということを後を継ぐ人が受け入れてくれないわけです。習慣や伝統といっても、実は最近生まれたのものだって多いんです。日本は火葬率が99%を超える「火葬大国」ですが、日本で火葬が普及したのは戦後です。クリスマスだって、昭和20年代の頃は男性がバーで騒いで祝うものでした(笑)。社会の変化ともに習慣だって変わるべきです。しきたり=伝統という考えが間違っていて、しきたりは時代にあった新しいものなんです。しきたりが時代にそぐわなくなって家族や親族の間で問題が起こるのであれば、新しいしきたりを考える必要があります。――時代にそぐわなくなった墓のあり方を、変えていかなければいけないわけですね。今、社会がすごく変わってきています。勢いが激しい。人口の減少がますます本格化してきて、2040年には、年間約167万人が亡くなって、生まれてくる数が66万人しかいなくて、毎年100万人ずつ減少していくと予測されていて、想像もつかない事態です。消滅するのは地方や故郷だけでなく、日本全体が消滅しかねないわけです。今の人は世間、共同体の中に生きていなくて、ノマド※という言葉がありますが、ノマド化、個人化しているんです。家社会と言われていたものが、もうなかなか言えなくなっていて、今の日本人はどう生きるべきかを、考えなくてはいけなりました。個人としていろいろなものにしばられない、自由を尊重する方向に進んでいる社会の中で、家を持たない、墓を持たない生き方のほうが、時代に即した生き方になるかもしれません。ですが、墓は簡単に片づけられるものではありません。墓石はどうするのか、墓地をどうするのか、檀家をどうするのか、墓は簡単になしにできません。もっと、「墓ってなんなの?」ということを自分自身が考える必要があります。自分たちを幸せにする墓のあり方、この本を参考にあなた自身の墓をどうすることが理想なのか考えていただきたいです。※ノマド:英語で「遊牧民」の意味。クラウド環境を駆使してオフィスだけでなくカフェなどのさまざまな場所で仕事をする、新しいワークスタイルを指す言葉。このような働き方を「ノマドワーキング」、このような働き方をする人を「ノマドワーカー」と呼ぶ。『お墓の未来 もう「墓守り」で困らない』執筆:島田裕巳価格:918円/税込み新書判:216ページISBN:978-4-8399-5496-3発売日:2015年05月23日シリーズ名:マイナビ新書書籍紹介ページはこちら
2015年05月26日出産してから価値観が変わった。今の会社で育休を取得してそのまま働き続けていていいのだろうか。夫の転勤で働き方を見直せざるを得なくなった。育休から復帰した後、時短でなんとか成果を出そうと頑張ったけれど、キャリアは明らかに同僚から遅れている…。こんな風に考えるママやプレママはいることでしょう。筆者自身も上の子どもたちの出産を機に辞めることになり、それまで考えていたようなキャリアがすべて崩れ去った経験も持っています。子どもを持ったことで働き方が変わっていないママはほぼいないといっても過言ではありません。今回は、筆者が運営する「東京ワーキングママ大学」などを通して感じた、子育てしながら働くママたちの「ママになってからのキャリア」についてさまざまなケースを盛り込み、ご紹介します。自分の働き方に悩む女性たちの次なるステップを考える一つの情報としてお役立てください。○出産後の働き方のパターンは?筆者が最近感じているのは、出産後の働き方のバリエーションが多くなってきているのではないかということです。女性活躍のトレンドにも後押しされて、以前はハードルが高かった転職や起業への道も徐々に変わってきていると感じています。まずは、出産後の働き方のバリエーションを見てみましょう。大きく分けて4つに分類できます。1.同じ会社に属して働く2.別の会社に属して働く(正社員、契約社員、派遣、パート・アルバイト)3.フリーランスになる4.起業するちなみに筆者の場合、現在6歳になる双子の妊娠時に単身赴任をしていたため、仕事と育児の両立が難しくなり、長く勤務していた会社をやむなく退職し、フリーランスとして独立しました。その後、子育てしながら働くことが当たり前でない社会に愕然とし、働くママのための支援プロジェクト「キラきゃりママ」を立ち上げ、2011年にはママ・子どもを基軸としたPR / マーケティング会社「グローバルステージ」を創業。2013年には「東京ワーキングママ大学」の母体となる一般社団法人日本ワーキングママ協会を立ち上げ今に至ります。もともと起業家志望でもなく、ごく普通のサラリーマンだった状態から妊娠を経て、上記の3→4と働き方を変えました。ただ、このようなケースは一般的ではありません。全体からすると数%の世界です。何らかのビジョンとミッションを持ち、実現したいことがある方向けです。最もオーソドックスな形は1でしょう。同じ会社で働くという方法です。ただ、必ずしも同じ部署で働き続けられるわけではなく、育休を経て別の部署に異動になる方もいらっしゃいます。この部署異動がプラスに働いたり、逆にマイナスに働いたり、さまざまなケースを見てきました。異動を打診されてモチベーションを落とし、育休中に転職先を探して転職された方などもおられます。あるいは出産後、まず1を選択したが、数年後に2を選択するというセカンドキャリアのあり方も。キャリアビジョンがしっかりしていればありうるという意味で、新しい可能性を感じるケースです。2の具体的な事例としては、長時間労働や土日出勤が求められる不規則勤務な職場に勤めていて、そのままの働き方が難しくなり、中小企業へ転職し、管理職として活躍されている方などが挙げられます。中小企業の良さは、規模にもよりますが、制度が整っていないため、自分の希望する働き方を調整できるということです。以前の会社だったらできなかった時短勤務も、交渉しだいで手に入れることができたり、学校行事など、自分のライフスタイルや環境に合わせた働き方ができるという点でメリットがあります。3や4でよく見られるのは、夫が転勤族などで働く場所が変わるため、フリーランスとなる、あるいは起業するというケースです。独立志向の高いベンチャー気質のある企業出身者などにも見受けられます。最近はフリーランスとして独立して、「クラウドソーシング」を使って仕事を受注したり、業務委託でコネクションのある企業から複数の仕事を請け負ったりするママも増えました。インターネットを利用して不特定多数の人に業務を発注したり、受注者の募集を行う「クラウドソーシング」の台頭もあり、フリーランスとなっても、仕事を手に入れやすい環境が整っています。特に3のケースで注目したいのは、一度家庭内の事情や子育てにある程度専念したいという思いからフリーランスを選択した後、子どもの成長に応じて、正社員に戻るというパターンです。これは、子どもの成長に合わせて、働き方を変えることができるという点で、「子どもが小さいうちはそばで成長を見守りたい」とか、「子どもが病気がちで正社員を続けるのが厳しい」など、様々な事情を抱えるママたちにとって、朗報ではないでしょうか。キャリアやスキルを途切れさせることなく、数年を経て正社員に戻れるという道ができつつあることは、「いったんやめてしまうと元に戻ることはできない」というこれまでの常識に風穴があいたとも言えそうです。これまで見たように、子育てママたちの働き方は少しずつ「状況に応じて変えられる」方向性に社会が向かっていることは間違いないと断言できます。しかしながら、ここで大事なのは、ご紹介したママたちはおおむね、キャリアや働き方について軸を持ち、過去に専門性やビジネススキルを培ってきたという背景があり、働き方を変えることができたという点です。ただ、専門性やスキルがないとだめだというわけではなく、いつでも自分自身を高め、到達したいポイントに向かうことはできます。すべては自分に向き合い、考えること、行動することから始まります。ママにとっても子どもにとっても心地よいセカンドキャリアのあり方とはどのような働き方なのか、考えるきっかけになっていればうれしく思います。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール株式会社グローバルステージ代表取締役 大洲早生李慶應義塾大学商学部商学科卒業後、株式会社日立製作所に入社。2003年より宣伝部愛知万博プロジェクトにて日立パビリオンの総合プロデュースおよび広報を手掛ける。4年半の単身赴任生活を送った後、2008年に双子を妊娠。両立不可能となり退職。その体験から働くママ支援プロジェクト「キラきゃりママ」を立ち上げる。直後に第三子を出産。「母と子のリアルを、みんなで支える」をビジョンに、働くママの支援活動を開始する。2011年4月に法人化、株式会社グローバルステージ代表取締役に就任し、ママと子どもを基軸としたマーケティング / PRコンサルティングを国内外で展開。2013年9月に一般社団法人日本ワーキングママ協会を立ち上げ、母たちが戦略的にキャリアを築き、能力を発揮できる社会の実現を目指す。6歳の男女双子、4歳男児の母。株式会社グローバルステージ東京ワーキングママ大学
2015年05月26日どこかで聞いたことのある話の受け売りをしたり、あるいは直感だけに頼った意見を述べて、教師や上司から「もっと自分の頭で考えろ!」と言われてしまったことはないだろうか。「自分の頭で考える」という言葉はよく目にするが、では自分の頭で考えるために具体的にどうすればいいかと問われると、困ってしまう人が少なくない。とりあえず頭を抱えて1時間ぐらい唸ってみさえすれば外見上は自分の頭で考えているように見えるかもしれないが、そうやって唸ったところでどこかで聞いたことがあるようなありきたりな結論しか出てこないことは十分ありうる。そもそも、この「自分の頭で考える」とはどのような思考法のことを指しているのだろうか?このような疑問を抱いたことがある人には、今回紹介する『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』(苅谷剛彦/講談社+α文庫/2002年5月/880円+税)を強くおすすめしたい。本書のタイトルでもある「知的複眼思考法」とは、自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く思考法のことだ。これはつまり「常識にとらわれず、自分の頭で考える」ことにほかならない。自分の頭で考えたくてもどうすればよいかわからず途方に暮れている人や、自分の頭で考えているつもりなのにどこかで聞いたことがあるようなありきたりな結論しか出せないことに悩んでいる人は、ぜひ本書を手にとってみてほしい。「考える」ことについての認識が大きく変わるはずである。○氾濫する「紋切り型の決まり文句」本書が目指すのは、常識にとらわれたものの見方から脱却し、ものごとを一面的にではなく多面的に見られるようになるための基礎を築くことである。では、ここでいうところの「常識にとらわれたものの見方」とはなんだろうか。たとえば、僕たちの周囲には「紋切り型の決まり文句」が溢れている。本書に載っている例をいくつか挙げると、「今は情報化の時代だから……」「グローバル化の進む現代の日本では……」「今の日本は『構造改革』が必要だから……」などなど、誰もがこういったフレーズを、一度ぐらいはどこかで耳にしたことがあるはずだ。こういった紋切り型の決まり文句は、新聞やテレビ、書籍、インターネットの記事などに頻出している。頻出しているので、いつしかこれらの決まり文句が意味する内容について深く考えたり疑ったりすることがなくなっていく。最終的には、こういったフレーズを目にした時の反応まで型にはまったものへと固定されてしまう。たとえば、「グローバル化の進む現代の日本では……」という字面を目にして「これからのビジネスパーソンは英語が必須だ」という反応をするのは一面的には正しいかもしれないが、そこで思考停止して他に何も考えなくなってしまうのは「常識にとらわれたものの見方」から脱却できていない状態だといえる。「常識にとらわれたものの見方」から脱却するためには、こういった耳障りのいい紋切り型の決まり文句をそのまま受け入れてしまわないことが大切である。事実や根拠が示されていないフレーズは、いくら聞き慣れていても疑ってみなければいけない。○創造のために批判的に本を読むこのように、複眼思考において「鵜呑み」は厳禁である。これは読書をする際にも当然気をつけなければならない。自分の複眼的視点を手に入れるために読書をするのであれば、本に書かれていることをすべてそのまま受け入れてはいけない。著者と対等な立場に立ち、批判的に読む必要がある。もっとも、ここでいう「批判的に読む」というのは、著者の人格を否定して攻撃的に非難しながら読むことではない。ネット上などではこの点を混同している人を見かけるが、ここでいう批判的というのは著者の思考の過程をきちんと吟味しながら読むことである。論理の飛躍はないか、主張を裏付けるためのデータは十分に提示されているか、反対意見への反論が書かれている場合それが正しく否定になっているか、著者がその本を書いた狙いはどこにあるのか、などをよく検討しながら読み進めていけば少なくとも書いてあることを「鵜呑み」にして思考停止状態に陥ることは避けられる。このような批判的読書は、結果的に自分の意見を創造すること、つまり自分の頭で考えることにつながっていく。今まであまり批判的に本を読んだことがなかったという人は、ぜひ本書でこの「創造のための批判的読書法」を学んでみて欲しい。読書によって得られるものが格段に増えるようになるはずだ。○インターネット時代だからこそ自分の頭で考える訓練を本書の初版が発売されたのは1996年のことで、今から約20年前ということになる。20年前と比べると、現代はインターネットの発達によって手に入る情報の量が格段に多くなっている。とりあえずGoogleの検索窓に知りたいことを入力すれば、なんとなくそれらしい情報は手に入る。もっとも、受け取った情報をそのまま鵜呑みにすると痛い目にあう。「自分の頭で考える」必要性は20年間でますます強くなってきている。本書で紹介されている知的複眼思考法は、インターネット上の情報に接する際にも当然ながら役に立つ。身につけておけば、時代に左右されず一生使える思考法になるに違いない。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年05月22日クロス・マーケティングは、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)に在住する20歳~26歳の男女を対象に、「若手社員の就労意識調査」を実施した。調査は4月17日~21日にかけて行い、553件の有効サンプルを集めた。○社会人3年目までのうち転職を経験した人は約2割同調査の対象者となったのは、社会人1年目~3年目(1年目:2015年4月入社)の正社員(総合職・一般職)、契約社員、派遣社員、公務員いずれか該当者で、最終学歴が高等専門学校・短期大学・4年制大学・6年制大学・大学院卒業者。年次別に働き方に対する意識を見ると、社会人1年目の働き方意識の特徴としては、「面白さ、やりがいを感じるもの」「自分で作っていくもの」「楽しいもの」という回答が多かった。2・3年目になると、「仕事<プライベート(ワークライフバランス重視)」「キャリアアップ」「収入」という回答が増えている。新卒入社した会社で現在も働いているか尋ねたところ、77.8%が「転職していない」と回答した。しかし21.5%は「転職した」と答えている。新卒入社時に希望の業界・会社・職種に就けたと回答した人は、「転職していない」の割合が高いが、転職者や転職意向者は「希望の業界・会社・職種に就けなかった」と回答した人が多い。また、働き方に対する意識では、キャリアアップや福利厚生のための転職に対して壁を感じていないこともわかった。
2015年05月20日三井住友銀行は19日、日本マイクロソフトおよびソフトバンクモバイルと連携し、中期経営計画にも掲げるダイバーシティのより一層の推進に向けて、マイクロソフト社製のタブレット「Surface 3(4G LTE)」および「Surface 3(Wi-Fi)」を合計約1,000 台採用し、ワークスタイル変革に着手すると発表した。三井住友銀行は、ダイバーシティ推進を重要な経営戦略の一つと位置付け、頭取を委員長とする「ダイバーシティ推進委員会」がイニシアティブを取って取組みを進めているという。2015年3月には、女性活躍推進に注力している企業として、三井住友フィナンシャルグループが経産省・東証の「平成26年度なでしこ銘柄」、三井住友銀行が経産省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選定された。2015年度は、育児や介護など、様々な制約のある従業員を含む多様な人材が活躍できる環境の整備を実現するため、ワークスタイル改革にも着手するとしている。このたび、「Surface 3」を導入することで、一定の業務情報にリモートでセキュアにアクセス可能な環境を整備することが可能となり、ワーキングマザーなどの「時間的制約のある従業員」に対し、様々な働き方を提供することができるようになるという。三井住友銀行では、こうした「Surface 3」導入による効果を踏まえ、現在試行しているリモートアクセス・在宅勤務を拡大する予定で、従業員に多様な働き方を提供し、ダイバーシティを一層進め、競争力強化を図るとしている。日本マイクロソフトにおいても、2014年度「ダイバーシティ経営企業100選」に選定されるなど、女性を始めとする全社員のダイバーシティ推進に積極的に取り組んでおり、ワークスタイル変革が、全社の生産性を高めると考えているという。また、全社的に最先端のデバイスとサービスを活用することで、場所を選ばないフレキシブルな働き方を推進しており、自社で培ったノウハウを今回のSurface導入に活かすとしている。このたび採用された「Surface 3(4G LTE)」については、ソフトバンクモバイルより提供されている。三井住友銀行、日本マイクロソフト、ソフトバンクモバイルは、「Surface 3」の活用も含め、多様な従業員に多様な働き方を提供することなどを通じ、ダイバーシティ社会の実現に向けて、より一層貢献していくとしている。
2015年05月20日GMO ペパボが提供するネットショップ運営サービス「カラーミーショップ」は17日、ネットショップの人気商品を手にとって買える「にっぽんネットショップ祭」を東京・神田で開催した。マイナビニュースでは既にイベントの様子をお伝えしたが、このレポートでは同時に開催された「北欧、暮らしの道具店」特別記念トークセッションの様子を紹介する。○北欧旅行が人気店誕生のきっかけに北欧雑貨や日々の暮らしの道具を販売する同店は、センスのいい商品ラインナップと、ネットショップの域を超えた読み応えのあるコラムコンテンツが人気。昨年には、「カラーミーショップ大賞 2014」で大賞を受賞している。トークセッションでは、同店を運営するクラシコムの代表取締役・青木耕平さんと店長の佐藤友子さんがゲストスピーカーとして登場。サイトのコラムコンテンツにも度々登場する両名は、共同創業者であると同時に実の兄妹なのだそう。セッションでは、ショップ立ち上げ秘話やバイヤーとしての物の選び方から、社員の働き方まで話が広がった。――なぜ北欧雑貨の取り扱いを?佐藤さん「夫の出張について行った北欧旅行がきっかけです。地元の"のみの市"やアンティークショップで、ビンテージアイテムが日本の3分の1ぐらいの価格で売られているということに驚いたんです。本当に可愛い物ばかりだし、すごくパワーの有る商材だと思いました」青木さん「僕はアラビア社(フィンランドの人気陶器ブランド)も、『中東?』というレベルだったけど(笑)。向こうにはものづくりの基板が数多く残っているところが良かったんですね。その上、北欧はグローバル企業が多いので、日本国内でも『北欧の良さ』をいろいろな企業がマーケティングしていたこともあっていいな、と」(青木さん)青木さんによると、クラシコムはもともとネット上で不動産の仲介などを扱う会社としてスタートしたのだそう。その後、北欧アンティークを扱う「北欧、暮らしの道具店」を立ち上げ、現在はアンティーク品だけではなく、北欧や日本国内の新品アイテムまで幅広く扱う形となっている。――現在は北欧雑貨以外のアイテムも販売していますね青木さん「自分の暮らしを振り返ると、いろいろなブランドのものや北欧に限らないアイテムがありますよね。北欧の友人宅に行った時に、リンドベリ(スウェーデンのデザイナー)のカップに、南部鉄器の鉄瓶で中国茶を入れてもらったんです。それにインスパイアされて、北欧のものと一緒に使ってもなじみのいいアイテムも扱うことにしました」○人気店のバイヤーによる"モノ選び"の基準は?――バイヤーがものを選ぶ基準は?佐藤さん「命題として掲げているのは『自分が欲しいかどうか』、バイヤーをやっていると、『売れそうなもの』って分かるんですよ。でも、自分が好きじゃないときは仕入れない。自分が好きなモノがあって、それに共感してくれるひとに買ってほしいと考えています。そのためにはバイヤーが自分の好きを自分でわかっているかが重要。その人が『私はこれを自宅に置きたいんです』『使ってみたいんです』といってきたものを取り入れます」――クラシコムの残業しない働き方も注目されていますね青木さん「北欧の人は9時ぐらいに出て夕方5時ぐらいに帰ってくるのに、1人あたりGDPは日本より高いんです。北欧の彼らがやっていることを自分でもやってみたい、クラシコムは北欧にインスパイアされているわけですから、うちが夜中まで仕事をするっておかしいんですね。そのため働くのは6時までということを絶対軸にしています」トークセッションでは、コンテンツづくりやサイト運営への取り組み、スタッフ採用、コンバージョン率(成約率)をあげるための対策などといったかなり専門的な話も飛び出した。会場にいたネットショップ経営者は、熱心にメモを取ったり、両名に質問をしたりと積極的に参加していた。
2015年05月20日働く女性たちに、キラキラしただけではないリアルなエピソードを聞いていくこのシリーズ。今回は、自分が目指したわけではないけれど、営業という職につくことになって、そこで奮闘した女性に話を伺いました。転職するたびに、なぜか営業職や営業に近い仕事への異動を命じられるAさん(29歳)。負けず嫌いな性格からか、どこでもそれなりに仕事のコツをつかみ、業績をあげ、転職のたびにキャリアアップしているAさんの話の中には、仕事というものは、やっているうちに適性が見えてくることもあるのかもしれないと思えてくるし、女性がチームリーダーになるための極意もあるような気がしました。○「人の人生をなんと思ってるんだ」という怒り――Aさんは最初はどういう仕事を希望して働いていたんですか?WEB系の会社で、ディレクターをやりたくて入社したんですけど、なぜか2年したら営業に異動することになりました。後で聞いたところによると、大人しそうに見えたから、なんでも従順にやるだろうと思って異動させられたようですが、実際の私の性格はぜんぜん違っていたので……。――実際にはどういう性格なんですか?もともとは大人しいというか、心を開いた人以外にはあまり親しくできないし、プレゼンとか人と話すのも苦手だったんです。でも、異動のときに上司から、「むいてないと思うけどやってみれば」って適当に言われたら怒りが湧いてきて従順ではいられなくなりました。しかも、テストでも営業の適性はまったくなかったのに。それで、人の人生をなんと思ってるんだろうと思ったら腹がたって、それなりに違和感を全部ぶちまけたら、一年後、営業成績は標準だったのにボーナスは最低の査定になってしまいました。後で言わなきゃよかったと思いましたけど、社内営業の大切さを学びました。――営業の仕事は向いていないと言いながらも、ちゃんとやりきっちゃったんですねそうですね、負けず嫌いなのと、2度とやりたくない分やるだけやってから辞めようと思ったので。でも、一時期は気持ちが本当に不安定で、欝アニメに逃避したりロック音楽を爆音で聞いたり、金沢の忍者寺で手裏剣を買って胸ポケットに忍ばせたりしていました。――それは、護身用というか、怒りの表現なんですかね……。営業の仕事は具体的にはどういうものだったんですか?その会社は、テレアポするなら一日100件は当たり前、飛び込み営業も一日に4~5件はやれと言われるし、事務的な仕事は9時から18時のあいだにはするな、その時間帯には会社に帰ってくるなって感じだったんですね。営業にいる同僚も上司も大学まで運動部だったような体力のある人ばかりでしたし、売る商品や会社の性格にもよるかもしれませんが営業は体力勝負だと思いましたね。でも、営業先の担当者の性格によってどういうやり方が合うかもわかることも増えて、顧客折衝力がついたのは良かったです。どんな人にも、その人にあったヨイショができるようになって……。○ループアニメのようにまた営業職へ――それで次の会社に移ったらまた営業になってしまったと……そうですね。大手のトップダウンに辟易としたので今度はベンチャー系のWEB制作会社に行ったんですけど、同年代のディレクターに比べたときに、一社目の営業で培った顧客折衝力が上司の目にとまってしまったみたいで、結局、入社して一年したら営業をすることになりました。――クレーム対応や折衝ってどうやっていたんですか?こういうとあれなんですが、自分より偉い人に尻拭いしてもらえるようあらかじめ仕込んで、あとは笑顔で言うべきことを言って、終わったら早めに立ち去ることですね。――そういうものなんですね……。二社目の営業は一社目とは違っていたんですか?そうですね。テレアポや飛び込みはなくなって、問い合わせがあった案件に対してコンペで勝ち取るようなものになりました。その分、数はうてないので逃げ場はなかったんですけどね。でも、前職では無駄なことこそがいいとされていたんですけど、二社目では無駄をなるべく少なくしようという方針だったので、やりやすかったです。――そこを辞めたのはなぜだったんですか?やっぱり、営業職よりも、クリエイティブに関わっていたいという思いはあったんです。でも、その会社のディレクターはなかなか激務で、仕事に時間をかければかけるほどいいものができるという感覚だし、仕事とプライベートの区別もない。もし、自分がこれから異動願いを出して、それが通ってディレクターの仕事に戻ったとして、30代になったときにそんな激務をずっと続けられるのかなという疑問があったんです。○体力とやりがいのバランス――それで、三社目に転職したわけですね。今度はどのような仕事だったんですか?今度もWEBディレクターを選びました。今まではWEBサイトの構築に関わっていたんですが、今度はWEBサイトの運用に関わる仕事です。今は10人のプロジェクトのリーダーで課員のマネジメントをする状態です。――今までと違うところはありましたか?今関わっているプロジェクトは、ちゃんと定時か、ちょっと残業したくらいで帰れる安定した仕事なんですね。今まで残業の多い仕事ばかり関わってきたので、正直6時に家に帰ってもすることがありませんでした。そのことにびっくりしたし、はじめは思ってたより辛かったです。あと、安定しているぶん、大きな達成感のあるワクワクした仕事をするという感覚とはまた違うんですよね。わかりやすいお祭り感はないのですが、今の業務の中にもちゃんと種類の違うワクワクはあるので、それを見つけて大事にできるようになりたいと思っています。――確かに、仕事で得られるワクワクと激務って今はまだセットになっていることは多い気はしますね。まあでも、私のチームもほぼ女性ばっかりで、シングルマザーの人とか、これから育休に入る人とかもいるし、良い環境ではあると思います。プロジェクトが変われば業務内容も変わり、前のようなクリエイティブな仕事で残業が増えることもあるかもしれませんが、残業代がきっちり出る職場なので、30歳からの働き方としては、いいんじゃないかとは思います。もしかしたら、また別のやりがいを求めてベンチャーに戻りたいなんて思うことはあるかもしれないけど……。――やりがいと安定のバランスは難しいですね。この職場で学んだことってありますか?私は一社目で営業になったときに、超サイヤ人じゃないけど、覚醒して言いたいことが言えるようになったんです。でも、今のプロジェクトのチームの女性たちは、言いたいことがあっても口ごもってる人がほとんど。私は、自分が言いたいことが言えるようになっていたから、この感覚がわかんなくって「この人たち、何も考えてないのかな?」って思ってたんです。でも、この会社でリーダーになってからは、しつこく聞くようにしてますね。だいたい10回くらい聞いてやっと本音を言ってくれるんですよね。だから、最初に聞いて、またしばらくしたら聞いて……と何度も何度も聞いています。――その感覚、すごくわかります。私も最初にいた会社で、会議でも不満があっても言わぬが花って感じがあったので、それに慣れてしまっていて、今でも説明を求められるとアワアワするときがありますだから、リーダーになったら、そこを蔑ろにしちゃいけないなと思いましたね。――三社で仕事をしてみて、気づいたことはなんですか?テレアポや飛び込みの多い会社の営業職に限って言えば、人材は使い捨てだと思われているのではないかと疑問に思ったことはありますけど、転職するときには力にはなっていて、それに気づけたことが本当に良かったです。あのときのブラックな働き方を肯定はしていないけれど、思っていたより戦える自分を見つけられたという意味ではよかったとは思っています。○まとめ今回、印象に残ったのは、ワクワクする仕事をやりたければ、長時間労働で仕事とプライベートの区別もあいまいなことが多く、定時で安定した働き方をしたければ、あまりワクワクした仕事がないという部分です。とはいえ、本当はどの仕事でもやってみるとその仕事ならではの種類のワクワクもあるのですが、「お祭り」感や「ハレ」感がないとわかりにくく、なかなかそこに気づけないことも多いものです。そんな職場が多いので、30代を迎える頃に、結婚や出産を考えると、安定した仕事を選ぶ女性も多いのではないかと思います。もちろん、これは男性でも同様ですね。でも、よくよく考えたら、やりがいと長時間労働が必ずセットになっているのではなく、定時に帰れるけれど、ワクワクした企画に携われる働き方をすることは本当に無理なのでしょうか……という疑問に気づかされたインタビューでした。西森路代ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トークラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。
2015年05月19日本当はやめなければいけないとわかっているのだけど、どうしてもやめることができない悪い習慣があって困っていたりはしないだろうか。体重の増加が気になっているのについつい間食をしてしまったり、時間を有効に使いたいのにスマホでダラダラとネットやゲームをやって時間を浪費してしまったり、悪い習慣を「やめたいのにやめられない」ことで悩んでいる人はきっと少なくないはずだ。新年度や月のはじめなど意識が高くなるタイミングで「今度こそやめるぞ!」と決意をしても、それでキッパリと悪い習慣をやめられることはほとんどない。何度もやめてみては挫折し、やめてみては挫折しを繰り返し、それでも懲りずにまた「今度こそはやめるぞ」と決意する。客観的に見るとかなり滑稽なのだが、少なくとも「今度こそは本当にやめるぞ」と決意している時は本気なのだから笑うに笑えない。思うに、意志の力だけでどうにかなる問題であれば、それはもうとっくにどこかでやめられているはずである。それができないということは、意志の力だけに頼らない別のアプローチを考えなければいけない。今回紹介する『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』(古川武士/日本実業出版社/2014年1月/1400円+税)は、そんな今まで意志の力だけで悪い習慣をやめようとして失敗してきた人におすすめできる一冊だ。本書は、習慣化コンサルタントである著者が悪い習慣をやめるためのメソッドを体系的に説明したもので、そのメソッドは意志の力ではなくNLPとコーチングをベースにしている。「やめようと思っても意志が弱くて続かない」と思っている人は、ぜひ本書の心理的・行動的なアプローチを試してみて欲しい。○悪い習慣をやめられないのには理由があるそもそも、悪い習慣はなぜなかなかやめることができないのだろうか。思うに、本当にその習慣に「悪いことしかない」のだったとしたら、特に何もしなくても自然にやめられているはずである。それでも悪い習慣が手放せないのは、実はその習慣の中に肯定的な意味が含まれているからだ。悪い習慣を断ち切るには、まずこの事実に気づかなければならない。たとえば、ダラダラとスマホをいじったりテレビを見たりすることはリラックスにつながるし、飲み会でお酒を思いっきり飲めば少なくともその間は嫌なことを忘れることができる。このような肯定的な側面を無視して意志の力だけで悪い習慣をやめてしまうと、いままで悪い習慣によって満たされていた欲求が満たされなくなってストレスが溜まり、どこかでまた元に戻ってしまう。悪い習慣をやめるには、まず最初に「悪い習慣によって満たされていた欲求は何なのか」を理解する必要がある。その上で、本書ではこの欲求を他の行動に「スイッチング」することで満たしつつ、悪い習慣を断ち切る戦略が紹介されている。たとえば、だらだらとスマホをいじることでリラックスしていたのだとしたら、熱中できるミステリー小説を読んでリラックスすることに行動のパターンを切り替えてみる。これはただ漠然と「やめるぞ!」と決意するのに比べて、だいぶ戦略的なメソッドだと言えるのではないだろうか。○ロードマップを作って時期に応じて戦略を変えるさらに、本書で紹介されているやめる習慣メソッドは、中止の期間に応じて戦略を変えることを推奨している。具体的には、3ヶ月かけてある悪い習慣を断ち切る場合、第1週~第3週を禁欲期、第4週~第7週を無気力期、第8週~第10週を安定期、第11週~第13週を倦怠期と名付けてそれぞれの期間で対策の力点を変えていく。たとえば、はじめたばかりの禁欲期であれば、時には投げやりになってしまうこともある。そういう場合があるのは仕方がないと受け止めた上で、上限を設けて段階的にやめる時間を増やすように工夫する。一方で、最終段階の倦怠期は変化をつけることでやめることのマンネリ化を防ぐ工夫をする。最初に設定したスイッチング行動を別のものに変えてみるなどが考えられるだろう。このようにやめるという行為を点ではなく線と考えて、ロードマップを作って対策を打つというやり方はメソッドの実効性を高めることにつながっている。本気でやめたいと思うなら、不確実な意志の力に頼るよりも、本書で紹介されているような戦略を立てて確実に一歩一歩進んでいったほうが実際にやめられる確率も高くにあるに違いない。○悪い習慣をやめれば好循環がはじまる悪い習慣をやめることができれば、人生はどんどんよいものに変わっていく。生活の主導権を取り戻すことができるので、毎日を快適に過ごすことができるようになるし、そうなればさらに他の悪い習慣を断ち切るためにエネルギーを使うこともできる。悪い習慣をやめることは、人生に好循環をもたらすことに等しい。やめたいと思っているのにやめれないことがある人は、ぜひ本書を手に取ってみてほしい。長年やめることができなかったあの習慣を、今度こそ手放すことができるかもしれない。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年05月15日イギリスでは結婚しないカップルや、子供を生まないカップルが増えています。少子化は世界的な社会問題で、日本にとっても他人事ではありません。また、結婚率の低下も、子供に悪影響を及ぼしていると話題になっています。今回は、イギリスのニュースサイト『the telegraph』から、詳細をご紹介します。■既婚以上に未婚の親が急増イギリスでは、今後10年ほどで、両親が結婚していない子供が、結婚した夫婦の子供の数を上回るだろうという専門家の予測が立てられています。子供がいる夫婦の割合は、1980年の88%から30年ほど減少傾向にあり、2012年にはついに最低の53%になりました。両親が結婚していない子供は、1950年代には20人に1人、1970年代には10人に1人以下でしたが、家族の在り方が変わり始めた1980年代には44%になりました。この数字が50%を超えるのは時間の問題だろうと専門家の間では言われています。働き方や社会の在り方が変わり、家族の形も変化しているのです。さらに、カップルが結婚する割合が低くなっていることも指摘されています。女性が社会でキャリアを積みやすくなったことで、結婚しないで一人で生きる女性や子供を産まない女性も増えています。女性が自由に生き方を選べるようになったのはいいことです。けれども、子供を産まない女性が増えているのは、子育てしにくい制度も原因の一つではないかと言われています。自分の選択として子供を産まないのならいいのですが、子供を産みたいのに仕事や経済的な環境のせいで子供が産めないという人も多いのです。行政や社会として、女性だけでなく男性の働き方も自由にしていく必要があります。あと、家庭内別居など、家族内の問題も増加中です。女性が社会的地位を上げたことでこうした問題はなくなるのではないかと言われていました。しかし、結果としては増加の一途をたどっています。その原因は結婚率の低さにあると専門家は指摘しています。子供ができた時点で結婚してなかったカップルがその後15年以内に離婚する率は、そうでない夫婦の倍にもなるのだとか。こうした問題を解決できるのはもはや行政だけだと言われています。結婚しやすい環境づくりや、税金の緩和などでの解消が期待されます。■両親の不仲は子供に悪影響イギリスでは、数値上はまだですが、すでに婚外子がそうでない子供の半数にまで上っていると言われています。それはこの数値には、結婚して子供を生んでいることがほとんどの“移民の数字”が含まれているから。イギリスでは多くの専門家が、結婚率の低下を指摘し、それによっておこる家庭崩壊、またそれが子供に与える悪影響を心配しています。イギリスの元大臣のティム・ラフトン氏は、結婚する人を増やすことは社会の基盤作りにおいて重要であると語っています。結婚しないで作られる人間関係は、出入りが自由で長持ちしないというのです。両親の関係がうまくいっていない子供は、学校での成績が伸び悩むことが多く、精神的、身体的に健康でなくなることが多いといいます。自分の居場所となる家庭が安定していないと、子供の心も安定しないといわれています。子供が安心して生活できる環境づくりも求められています。家族の在り方が多様化している今だからこそ、こうした問題について考えていかなければならないのかもしれません。(文/和洲太郎)【参考】※Most births will be ‘out of wedlock within 10 years’-Telegraph
2015年05月11日パソナは5月11日、日本マイクロソフトの協力により、企業で就業する派遣社員や契約社員の指揮命令や勤怠管理ツールにICTを活用することで、テレワーク等の柔軟な働き方の導入を推進していくと発表した。実際の取り組みは5月18日から開始する。パソナは、テレワークに最適な業務環境を導入することで、さまざまな人材が個々の能力を最大限発揮し、働く場所を問わず、ワーカー同士が繋がって高い業務成果を生み出す働き方という「リンクワークスタイル」を提唱し、多様な人材が活躍できる環境整備と労働生産性の向上をサポートしていくとしている。日本マイクロソフトは2011年から実施している、自社におけるテレワークを含むフレキシブルなワークスタイルへのさまざまな取り組みの経験や活動を通じた実績を活かし、Office 365やSkype for Business(旧称: Microsoft Lync)などクラウド・サービスの活用による、法人における多様な働き方の実現やテレワークの推進を展開しているという。これらの製品・サービスや各種取り組みをもとに、パソナが推進する派遣社員や契約社員など企業内で働く時間管理労働者のテレワークおよびリンクワークスタイルの推進を、IT/クラウド・ベンダーとして支援、協力するという。具体的には、パソナが派遣社員や契約社員など企業内で働く時間管理労働者のテレワークの労務管理を可能にする「労務管理ツール」を提供し、導入のための環境構築や運営に関わる各種課題を加味したコンサルティング・サービスを提供する。パソナは、テレワーク及び在宅勤務制度の導入支援として、就業規則の見直しと人事評価制度の構築、就業ルールやセキュリティ等に関する研修といった社員教育、勤務状況・導入効果の分析を実施する。また、「テレワーク労務管理ツール with Skype for Business」の提供やテレワーク推進・啓蒙のための共同セミナーを開催する。さらに、MS主催の「テレワーク週間 2015」における連携を実施する。日本マイクロソフトは、テレワーク労務管理ツール with Skype for Businessツール・イメージ及びプロトタイプを作成し、パソナに提供する。また、パソナによる導入企業における効果や利用状況の分析への支援、テレワーク推進・啓蒙のための共同セミナーの開催、テレワーク週間 2015における連携を実施する。さらに、テレワークの推進において、Office 365と共にテレワークに必要なモバイル環境管理実現のため、同社の「Enterprise Mobility Suite」をIT基盤としたショーケースを紹介する。両社はこの取り組みにより、これまで育児や介護など、家庭環境によって働くことが困難だった人々にテレワーク型派遣を拡大することで、個人のライフスタイルに合った働き方の実現と、さらなる雇用機会の拡大を目指すとのこと。また、企業の中で個々の能力を活かして、多用な場所で働く社員を繋ぐ「リンク(link)」の考えから生まれたリンクワークスタイルの働き方を提唱し、多様な人材が活躍できる環境の整備と労働生産性の向上をサポートしていくとしている。
2015年05月11日損害保険ジャパン日本興亜(以下損保ジャパン日本興亜)は7日、世界で伍していく保険会社を目指し多様な人材がそれぞれのもつ能力を最大限に発揮できるよう、より働きやすい環境を整備するため、2015年度から「ワークスタイルイノベーション」として、シフト勤務制度などの取組みを推進すると発表した。○多様な働き方の実践2015年4月に、シフト勤務制度および在宅勤務制度の見直しを行い、ライフスタイルやワークスタイルに合わせた柔軟な運用を可能とすることで、多様な働き方の実践を推進するという。シフト勤務制度これまでは、コールセンターを運営する部署などに限り適用していたが、全職場で、個人別・労働日単位でシフト勤務を可能とした。就業時間を午前9時から午後5時だけではなく、午前7時から午後3時まで、午後1時から午後9時までといったパターンの選択が可能となるという。朝型勤務などの選択を可能とすることにより、育児や介護の問題を抱える社員や海外とのやりとりが必要な社員などの柔軟な働き方を後押しするという。シフト勤務制度のルール見直しによって、以下の勤務時間の選択が可能となる在宅勤務制度これまで、原則として月4回を上限としていたが、この上限を超えた在宅勤務の実施を可能とする。損保ジャパン日本興亜では、本社部門・営業部門の社員に、自宅でも社内と同様のセキュリティレベルのネットワーク環境を構築できるパソコン端末を配備しており、ICT(情報通信技術)を活用した在宅勤務を推進していくという。○長時間労働からの脱却残業体質から脱却し、時間あたりの生産性を高める働き方にシフトするため、これまで実施してきた「ノー残業デー」の取組みを、毎月2回の水曜日から毎週水曜日に拡充する。また、損保ジャパン日本興亜独自の取組みに加え、長時間労働の改善に向けたコンサルティングで実績のあるワーク・ライフバランスのサポートを受けた取組みを5月から開始。外部の視点を導入することで、より実効性のある取組みにつなげていくという。○休暇取得の徹底損保ジャパン日本興亜では、特別連続休暇(年間5日)および指定休暇(年間4日)を取得必須の休暇として定めており、それに加え、月1回の有給休暇の取得推進を行ってきたが、国による有給休暇の取得義務化の動きなどもふまえ、2015年度からこれまでとは別に、年間5日間の有給休暇の取得計画を定め、取得を徹底させる取組みを開始するという。また、男性社員の育児への参加意識を高めるため、男性社員の育児休業対象者については、短期育児休業(7日以内、有給)の取得率100%を目指す取組みを行うという。これまでの取組みの前提として、時間あたりの生産性を高めていくことが必要となるため、それに向けて、社内資料の作成や会議運営の効率化を図るという。本社部門では「小さな本社(最少の人数で最大の価値を創造する体制として「小さな本社」を志向しており、営業部門・保険金サービス部門の支援に徹するとともに、本社にしかできないことに注力する体制を目指している)における働き方ハンドブック」を作成のうえ実践し、営業部門・保険金サービス部門においても活用できる事例を共有することによって、全社で効率化を進め、ワークスタイルイノベーションの取組みを推進していくという。この取組みにより働き方の変革を行い、業務におけるイノベーションを創出していくとしている。○生産性向上のための働き方ワークスタイルイノベーションの活用事例を全社展開し、全部門での効率化・生産性向上に取り組む。以下はその活用事例の一部抜粋○生産性向上へのチャレンジメニュー新しい働き方を始め、定着させるためには、いきなり大きな目標を立てて取り組むと挫折しがち。まずは30日だけチャレンジしてみるという"小さな習慣"から始め、改善を繰り返しながら定着させていく、馴染まなければ新たなチャレンジに切り替えるという試行錯誤が大切。以下のメニューが30日チャレンジメニューの一例。個人や部署単位でチャレンジし、時間あたりの生産性向上につなげる
2015年05月11日あなたは「日々の生活に変化がない」ことで悩んだことはないだろうか? 平日は毎朝決まった時間に起きて会社ないし学校に向かい、仕事や講義を消化して夜になったら家に帰って眠る。週末は友人と遊びに行くこともあるが、それでもしばらくするとメンバーや内容がパターン化してくる。大きな事件に巻き込まれたり健康を害したりはしていないものの、毎日が退屈でなんとなく面白くない――こういう悩みを抱えている人は、案外多いのではないだろうか。「日々の生活に変化がない」状態を解消するために、何か新しいことをはじめてみたり、思い切って環境を変えたりすることを考えている人もいるかもしれない。今までやったことがなかったスポーツや習い事に挑戦したり、転職をして環境を変えることは「退屈な日常」を打破するためにもちろん効果的だが、それ相応のお金や手間がかかるという問題がある。今よりも状況が悪くなるリスクもある。あれこれ考えた末に、結局現状維持がずっと続いているという人も少なくないはずだ。お金や手間をかけたりリスクをとったりせずに、退屈な日常を面白いものに変える方法はないのだろうか。今回紹介する『たった1日で人生を300倍面白くする方法』(小川仁志/KADOKAWA/2014年3月/1,300円+税)は、まさにこのテーマを扱った本である。単調な日々に飽き飽きしているものの、お金や手間をかけてまで何か新しいことをはじめるほどアクティブになれないという人はぜひ読んでみて欲しい。○たとえば、知っている言葉を辞書で引いてみよう本書で紹介されている「人生を面白くする方法」は誰にでもできる簡単なものばかりだ。たとえば、「知っている言葉を辞書で引いてみる」「スマホをやめてみる」「仕事をサボってみる」など、いずれもやってみるのに特にお金や手間はかからない。自己啓発本でよく見かけるような実現不可能な意識の高いお題目を延々と列挙したものと違って本書の内容を実践するのは驚くほど簡単である。ではなぜこのような「誰にでもできる簡単なこと」で人生を面白くすることができるのか。本書が特徴的なのは、その説明に「哲学」を使っている点である。たとえば、「知っている言葉を辞書で引いてみる」と、自分が今まで知っているつもりだった言葉にも知らなかった意味や関連知識があることが発見できる。これはソクラテスが唱えた「無知の知」(自分の知識が完全ではないことに気づくことのほうが、知ったかぶりをすることよりも優れていること)にもつながる。「スマホをやめてみる」ことを本書が推奨する背景にはレヴィ=ストロースが『野生の思考』で解説したブリコラージュ論がある。文明を捨てれば、その分人間は強くなれるというわけだ。たかが辞書を引いたりスマホをやめることにソクラテスやレヴィ=ストロースを持ち出すのは大げさすぎるように感じるかもしれないが、こうやって説明されると簡単にできるこれらの行為にもそれなりの意味や狙いがあることがわかる。本書は、各節の見出しを読んだだけでは「バカバカしいなあ」と思ってしまうものであっても、哲学を絡めた本文の説明を読むと「たしかに一理あるかも」という気持ちになるから面白い。○哲学で「ものの考え方」を変える結局、日常を面白くするために最低限必要なのは「ものの考え方」を変えることである。別に何か新しいことをはじめたり環境を大きく変化させなくても、普段と違う「ものの考え方」を身につけ実践すればそれだけで日常はまた違う姿を見せるようになる。この「ものの考え方」を変えるのに、哲学は大きな力を発揮する。なぜなら、哲学が中心的に扱っているテーマがまさにこの「ものの考え方」だからだ。本書が「人生を面白くする方法」を紹介するためにわざわざ哲学を持ちだしている理由もこの点にある。哲学と聞くと、難解な用語を駆使してとにかくわかりづらいというイメージを抱く人もいるかもしれないが、本書に関して言えばその心配は不要だ。哲学者の思想に触れる場合も読者に哲学の知識がないことを前提として書かれているし、各節の末尾には関連する哲学者やその思想について図付きで簡単な紹介までついている。本書で興味を抱いた哲学者や思想があれば、これを最初のステップにして他の本も色々と読んでみるというのもよいだろう。○「自分が今置かれている状況」をいかに楽しく捉えるか本書で紹介されている「人生を面白くする方法」は、いずれも自分が今置かれている状況を「変える」のではなく、「捉え直す」ことに主眼が置かれている。新しい刺激を求めたり、環境を変えることは退屈な日常を打破する方法としてはもっともシンプルなやり方だが、これらの効果は時間が経過するにつれて薄くなっていく。「どんな状況に置かれていても捉え方次第で面白くできる」と言い切ってしまうのは個人的には言い過ぎだと思わないこともないのだが、捉え方を変えることでラクになるケースがたくさんあることは事実だ。人生を面白くするための一番コスパのいい投資として、まずは本書に書かれていることから試してみるというのはいかがだろうか。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年05月08日こんにちは、治部です。前回ご紹介した「産んでも働ける会社選び」について、読者の方からお便りをいただきました。27歳、総合職ママのAさん。彼女の声は、20代の「優秀な女性」を代弁しているな、と思ったので、ご本人の許可を得て、お便りの内容をご紹介させていただきます。○課題は長時間労働Aさんの勤務先はいわゆる大企業で女性社員が少ない業界です。会社は彼女に期待しており、将来、幹部候補として育成したい、と考えているようです。その期待は本人にも伝わっているようです。「総合職でも子どもを犠牲にせずに働き続けることができる、という事例を作りたい」この言葉から、自分がパイオニアになるんだ、お手本になるんだ、というやる気が伝わってきます。いただいたお便りからは、今後予想される課題も見えています。課題はやはり、長時間労働です。Aさんは出産前まで「残業や休日出勤が当たり前で、夫より帰りが遅いこともあった」と言います。辞めたいと思うことは多々あれど、頑張ってきた、というのがこれまでのAさんでした。子育てしながら仕事をする場合、出産前のような働き方を続けることは、不可能です。私自身も経験しましたが、どれほど協力的な配偶者、どれほど信頼できるベビーシッターや家事外注先を見つけることができても(大抵の場合、それを見つけることも難しいのですが)、出産前と出産後で働き方が変わらない、ことはありえないのです。○大卒・産後女性が選ぶ3つの道とは?大卒(大学院卒)総合職女性の多くは、育児休業復帰後にこの事実に初めて気が付き、ショックを受けます。多くの場合「こんなはずではなかった」とモヤモヤを抱えた後で、次の3つの道、どれかを選びます。(1)あきらめて現実を受け入れ、今までより目標設定を低くして仕事を続ける(2)こんな働き方はおかしい、と会社上層部や人事に訴えて状況を変えていく(3)転職、退職、独立する望ましいのは(2)であることは、言うまでもないでしょう。ただ、これが可能なのは、社内に仲間がいる場合です。私の友人の中で、少ないながら、こういう方向へ行っている女性は、社内で孤立しておらず、応援し、一緒に戦ってくれる仲間(必ずしも女性とは限りません)がいました。(1)を選んだことが、周囲の目に見えて分かるようになると「ぶら下がり社員」とか、「手厚すぎる育児支援が女性のやる気をそぐ」などと会社側からは認識されてしまいます。(3)は、広くとらえると私もその中に入るのかな、と思いますが「バリバリ働いている」と認識されていた女性が「もったいない」などと言われながら辞めていく背景に、こういうことがあります。○あきらめるのはまだ早い!本連載の読者層である20代女性にお伝えしたいのは、(1)や(3)のようにあきらめてしまう前に、何とかして、社内で味方になってくれる人を探して、(2)の方策を探ってみてほしい、ということです。あなたに「期待している」と言ってくれる上司や人事担当者に、思い切って、本音を打ち明けてみて下さい。「この働き方を、私は続けていくことは『しない』と思います」と。「できない」ではなくあなたの意思で「しない」、それを「選ばない」と伝えることが大事です。会社と個人はお互いに相手を選びあっている。あなたの勤め先が、本気で女性を活用したいと考えていたら、その声に真摯に耳を傾けるはずです。あきらめるのは「言ってもダメだった」と分かってからでも遅くありません。○著者プロフィール●治部れんげ豊島逸夫事務所副代表。1974年生まれ。1997年、一橋大学法学部卒業。同年日経BP社入社。記者として、「日経ビジネス」「日経マネー」などの経済誌の企画、取材、執筆、編集に携わる。2006年~2007年、フルブライト・ジャーナリスト・プログラムでアメリカ留学。ミシガン大学Center for the Education of Woman客員研究員として、アメリカ男性の家事育児分担と、それが妻のキャリアに与える影響について研究を行う。またツイッターでも情報発信している。○【連載】25歳のあなたへ。これからの貯”金”講座25歳。仕事や私生活それぞれに悩み不安を抱える年齢ではないだろうか。そんな25歳のあなたへ、日本を代表するアナリスト・豊島逸夫とウーマノミクスの旗手・治部れんげがタッグを組んだ。経済と金融の最新動向をはじめ、キャリア・育児といった幅広い情報をお届けする特別連載。こちらから。
2015年04月27日NTTデータは23日、「働き方に関する調査」の結果を発表した。調査期間は3月13日~17日、対象は20歳以上のホワイトカラー職種1,058名。○「働き方変革」実施しているのはわずか?「自社が働き方変革に取り組んでいるかどうか」を尋ねたところ、「取り組んでいる」と回答した従業員は22.2%。49.2%は「取り組んでいない」と回答した。働き方変革に取り組んでいる企業の従業員に「取り組み前後でどのような変化があったか」を尋ねたところ、50.6%が「生産性向上」と回答。以下「『やらされ感』が減少している」「気持ちに余裕が生まれている」「家庭との両立が用意になっている」などがあげられた。「現在取り組んでおり、継続しておこなってほしい施策」の上位は「休暇取得の推進」(37.9%)、「長時間労働削減のための労働時間管理の強化」(36.2%)、「生産性を向上するための業務改善の実施」(34.5%)。一方、「中止してほしい施策」では「長時間労働削減のための労働時間管理の強化」(12.8%)、「育児・介護中の従業員が短時間勤務で働きやすい人材配置」(11.1%)となった。「自身の仕事の価値」について、働き方改革に取り組んでいる企業の従業員のうち71.5%が「自分の仕事は一生懸命取り組む価値がある」と回答。52.3%が「自組織の業績はこの2~3年良好である」と感じている。
2015年04月23日デルは4月14~16日、インテルの協賛のもと、東京・霞が関ビルディングの霞ダイニング2F「Sign霞が関」において「Dell Café ~次世代ワークスタイル~」を3日間の期間限定でオープン。デルの最新パソコンやタブレットを自由に利用できるほか、インテルの最新技術「RealSense」なども体験できるカフェとなっている。「Dell Café」は、ビジネスパーソンが数多く利用するSign霞が関とのタイアップによって実現した。テーマに“次世代ワークスタイル”とあるように、企業ユース・個人ユースを問わず、デルとインテルが繰り出す最新テクノロジーによる次世代ソリューションを一足早く体験できる「リモートワーク体験コーナー」「コラボワーク体験コーナー」「最新製品体験コーナー」「最新テクノロジー体験コーナー」の4つのブースが設置されている。各コーナーには、「New XPS 13 Graphic Pro」や「Venue 8 7000シリーズ」「Inspiron 23 7000シリーズ」「Precision M3800」といったデルの最新パソコン・タブレットなどを用意。3Dカメラによる顔認識、ジェスチャー検出、音声認識などで快適操作を実現する「RealSense」や「Pro Wireless Display(Pro WiDi)」といったインテルの最新テクノロジーを導入した製品群を体感できる。同カフェのオープンに先立ち、14日午前、プレス向けのオープニングイベントが開催された。デル 代表取締役社長の郡信一郎氏、インテル 代表取締役社長の江田麻季子氏、スプリー代表でノマドワークを実践する安藤美冬氏が来場し、“ワークスタイルの変革”をテーマにトークセッションが行われた。郡社長は「働く環境が変わるなか、業務時間に加えて働く場所についても柔軟性が求められるようになった。オフィス外で働く時間や人材も今後増えていくだろう。また、グローバルな企業では、チームメンバーが海外にいるため、深夜や早朝に会議を行うことも多い。環境が異なっても同じ情報をセキュアに共有しつつ、最新のワークスタイルを実現する必要性がある」とし、ワークスタイルの変革においてITの進化は重要な役割を担っていくとした。江田社長は「自分のライフスタイルに合った形で仕事ができるというだけでなく、スムーズなコミュニケーションや、情報を扱ううえでセキュアな環境も求められる。オフィス外でもオフィス内と変わらない高い生産性と、最適なコラボレーションを実現できる環境をITが用意していくことが必要」と述べ、「大切なのは、最新テクノロジーを駆使して、ライフスタイルにうまく入り込むこと。それをどう実現していくかが大事だ」と語った。安藤氏は「いまや地球全体が仕事場。私自身、デジタルデバイスがなければ絶対に実現できない働き方をしている。(働く場は)オフィス外か、オフィス内かというオール・オア・ナッシングではなく、フレキシブルに組み合わせられるのがいい。ITの進化で素晴らしい技術がいろいろと現実のものとなっているが、会社帰りにでもふらっと立ち寄れるカフェのような場所で、最新テクノロジーを知り、体験できる機会がもっと増えてほしい」と、今回のカフェという試みにも期待を寄せた。最後に郡社長が「スマートフォンやタブレットはいまや当たり前のデバイスになり、パソコンも自分専用のビデオ会議端末として利用できるようになっている。デバイスの進化は明らかに、ワークスタイルの変革に大きな影響をもたらす。ユーザーが働き方を柔軟に選択でき、かつ安心して使える環境を提供したい」と締めくくり、トークセッションは終了した。同カフェは、14日15~19時、15・16日11時30分~19時の限定オープン。事前申し込みは不要で、誰でも入場できる。次世代のワークスタイルに積極的に触れてみたいなら、ぜひとも訪れてほしい。なお、街頭配布のフライヤーやDell.co.jp/cafeにある無料メニューチケットを持参すると、ドリンクやデザート1品が無料で提供される。
2015年04月14日米Dropboxは4月7日、ソフトバンク コマース&サービスと提携し、コラボレーションソリューションを提供すると発表した。来日中のCEO 兼 共同設立者 ドリュー・ハウストン氏は当日行われた記者会見で、日本法人の好調ぶりを口にする。「メディアにDropboxが取り上げられたのは日本のメディアが最初だったし日本は重要な市場。昨年10月に日本法人を設立してから、更に100万ユーザーも増加した」(ハウストン氏)現在のユーザー数は1000万を超えたが、コンシューマーだけではなく、ビジネス側の機会拡大も狙い、ソフトバンクとの提携を行った。ソフトバンクは主要代理店として、ビジネス向けDropboxの販売を行うが、ソフトバンク以外にもサイボウズやアイ・オー・データ機器、ウイングアーク1st、アイ・オー・データ機器など13社と業務提携を結び、拡販を行う。ビジネス向けのDropboxは、1ユーザーあたり月額1500円で5ユーザーより利用できる。1TBから利用できるため、通常の利用用途では問題も生じない可能性が高いが、容量を追加することも可能だ。企業利用を念頭に、アカウント管理機能とセキュリティ機能の充実も図っている。○電通の導入事例も公開Dropboxの調査によると、日本のビジネスユーザーの5人に4人は会社で提供されているファイル同期・共有ソリューションに満足していないという。「お客さんがどう考えているか調査したところ、個人で利用しているツールの方がいいと思っていることがわかった。これは非常に大きな要素。さくさくと仕事ができることを追求していきたい」(ハウストン氏)続いて登壇した日本法人「ドロップボックス・ジャパン」の代表取締役社長 河村 浩明氏は2つの事例を紹介。日本最大の総合広告代理店「電通」とスマートフォンゲームパブリッシャー「エイリム」の導入事例で、両者ともにビジネスの効率化が図れたという。「電通では、クライアントとの間でリッチコンテンツのやり取りが必要になる。広告事業は、仕事上、多くの人とコラボレーションしなければならず、コラボレーションこそ成功の鍵となる。今まではリッチコンテンツのやり取りでメールやUSBメモリを利用していたが、あるタイミングからDVDに入れてパートナーとやりとりを行っていた。だけど、DVDのやり取りには、数百万円単位のコストがかかり、クライアントとのやり取りでタイムラグが生じてしまっては、時間通りに終わらせるためにある程度成果に妥協が必要となっていた。そこで、一部のプロジェクトからDropboxを使っていただいて、『クライアントにすいすいファイルを送れる』と評価いただいた。その上で、コストも圧縮できる点や、タイムスケジュール管理が容易になったことで、より質にフォーカスできるようになったと聞いている」(河村氏)また、エイリムでもこれまではファイルのやり取りにFTPやメール、USBメモリを活用していたという。その後、一部の社員がDropboxを導入し、好評だったことから、ビジネスアカウントに切り替えた。こちらの例では、副作用としてファイルのやり取りもクラウドサービス化できたことから、社内にとどまる必要がなくなり、ワークライフバランスがとれる会社のデスクに縛られない働き方ができるようになったと社員に好評だという。河村氏は、「さくさくと仕事ができるようにしなければならない。日本の企業が安心してDropboxを使えるようにすることで、労働生産性向上に繋がるようにしていくことが責務」と語り、Dropboxを通して社会全体の働き方改革や中小企業のビジネスの伸長を支えたいと目標を据える。今回の各社との提携では、コラボレーションアプリなどの包括的なソリューションの提供、とりわけセキュアブラウザやSSO、EMMといった業務効率改善に直接繋がる話が多い。OnedriveやGoogle Drive、Boxなど、競合のクラウドストレージサービスも多い分野だが、コンシューマーで1000万人に支持される基盤を背景に、ビジネスユーザーも大きく取り込めるか注目される。「(提携により)日本での事業を加速させることができるので、大変ワクワクしている」(ハウストン氏)
2015年04月10日誰かと話をしていると「この人の話はいつもおもしろいなぁ」と感じることがたまにある。もちろん、その逆で「この人と話しているといつも退屈なんだよなぁ」と思わせる人もいる。では、この「話のおもしろい人」と「話がおもしろくない人」の違いはいったいどこにあるのだろうか。僕たちはいつも感覚で「あの人の話はおもしろい/つまらない」という判断をしているが、「なぜあの人の話はおもしろいのだろう?」と深く考えることはあまりしない。会話のおもしろさは、言語化できないセンスによって決まっているような気さえする。今回紹介する『「おもしろい人」の会話の公式』(吉田照幸/SBクリエイティブ/2015年2月/1300円+税)はそんな謎に包まれた「おもしろさ」の内容を言語化し、他人から「おもしろい」と思われるためのノウハウを抽出しようとするある意味ではとても野心的な本である。だからと言って、理屈っぽい話ばかりがたくさん書いてあるかというとそうではない。本書の著者である吉田照幸氏は「サラリーマンNEO」の企画を手がけるなどエンターテイメント系テレビ番組を中心に活躍している人物であり、本書で紹介されている「おもしろい会話の公式」は基本的にすべて現場の体験が元になっている。そういう点で、本書は大学教授やセミナーの講師が書いたコミュニケーション術の本よりもはるかに実践的だ。飲み会や昼休みの雑談などで場を盛り上げることができず困った経験があるという人は、ぜひ手にとってみてほしい。○「おもしろさ」がコミュニケーションを簡単にするそもそも、なぜ会話をおもしろくする必要があるのだろうか。別にコミュニケーションは笑いを取ることだけがすべてではない。極端な話、笑いなんてまったく取らなくても言いたいことを相手に正しく伝達することさえできれば、日常生活や仕事で困ることはない。にもかかわらず、「おもしろい会話」ができたほうがよいのはなぜだろうか。それは、「おもしろさ」自体が、コミュニケーションを円滑にする力を持っているからだ。笑いが取れれば、話は盛り上がる。話が盛り上がると、相手は自分の話すことをもっとよく聞いてくれるようになる。そうなれば言いたいことも相手によりよく伝わり、相手から理解される度合いも増えていく。おもしろいということは、コミュニケーション上の問題を一気に解決する可能性を秘めているのだ。もちろん、どんな場合でも必ずおもしろい会話をしなければならないということは全くないだろう。ただ、会話をおもしろくする力さえ持っていれば、困難に打ち当たった時におもしろさを突破口にして問題を解決できる可能性が高くなる。おもしろくないことで損をすることはあるかもしれないが、おもしろいことで損をすることは基本的にはない。そういう意味では、「おもしろさ」は武器だ。本書を読んでおもしろさの公式を頭にいれることは、そういう強力な武器を手にいれることと同じだと言えるかもしれない。○おもしろい話に気の利いたオチは必須ではないひとつ個人的に興味深いと読んでいて思ったのは、本書が「オチ」の必要性を否定していたことである。「おもしろい会話」や「ウケる話」と聞くと、ついつい焦点が「どう話にオチをつけるか」に向きがちだ。たしかに、思わず唸らずにはいられないようなうまいオチはある。そういう話がポンポン出てくる人がすごいのは当然なのだが、いわゆる「話がおもしろい」と言われる人が必ずそういうタイプかというと、実際にはそうでもないということに気づく。オチ自体は極めて単純なものでも、話をする際のトーンや間のとり方が巧みなため、「あの人の話はおもしろい」と思わせる話をする人は考えてみると結構多い。たとえば、その場ではすごく面白かった記憶があるのに、あとで冷静になって内容を振り返ってみると別にそこまでおもしろいわけでもないなぁ、と感じることはないだろうか。これは結局、会話のおもしろさを構成する変数に「オチ」だけでなく「間の取り方」や「空気の読み方」まで含まれているという証拠にほかならない。日常で行われる会話は落語のように一方的に一人がしゃべり続けるというわけではないのだから、内容以上に空気をいかに掴むかが重要だというわけだ。おもしろいオチがつけられずにいつも気の利いたことが言えないと悩んでいる人は、力点をオチではなく空気の掴み方に変えてみると、もしかしたらうまくいくかもしれない。○おもしろい会話は「おもてなし」本書を読むと、結局、おもしろい会話とは「おもてなし」であるということがわかる。自分が楽しいと思う話をするよりも、相手が楽しいと思う話をする。自分一人だけ盛り上がろうとするのではなく、周囲の空気を見つつ盛り上がる。こういった周囲への「おもてなし」が、話のおもしろさを作り出すのだ。相手を気づかうのが重要という意味では、普通のコミュニケーションの時と大事なことは何も変わらない。そういう基本的なことに、本書は気づかせてくれる。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年04月03日仕事をしていれば誰でも、失敗をして他人に迷惑をかけてしまうことがある。そんな時には普通、「謝罪」をすることになる。自分の間違った行為によって相手に迷惑をかけたら頭を下げて謝る――これはとても自然なことだ。もっとも、現実に仕事で謝罪をするのは必ずしもこちらに非がある時ばかりではない。時には、全然自分は悪くないのになぜか頭を下げなければならないような理不尽な状況に遭遇することがある。当然ながら、これは気分のよいことではない。「納得いかないな……」と心では思いながら、とりあえず頭を下げて悔しい気持ちをぐっとこらえることになる。このような「自分は悪くないのに謝罪をする」という行為は、できるなら誰でもしたくないと思っているはずだ。しかし、この「自分は悪くないのに謝罪をする」という行為が、実は人間関係を円滑にする最強のツールだとしたらどうだろうか。今回紹介する『なぜ一流の人は謝るのがうまいのか』(野呂エイシロウ/SBクリエイティブ/2015年2月/1300円+税)は、そんな謝罪のポジティブな側面について様々な角度から説明をしている本である。「謝罪にポジティブな側面なんてあるの?」と疑問に思った人は、ぜひ手にとってみてほしい本だ。○謝ることは「おもてなし」本書における「謝罪」は、「自分に非があることを認め、相手に詫びる」ということだけにとどまらない。たとえば、本書ではミーティングのために来てくれた相手に対して、「お忙しいのに時間をつくっていただいて申し訳ありません」「雨の中、ご足労いただいて申し訳ありません」「すいません、缶コーヒーしかなくて」「こんな狭い場所ですいません」と、ミーティングの冒頭からできるだけ謝ることが推奨されている。これは、別に悪いことをしかたら相手に詫びているわけではない。コミュニケーションを円滑にするために、挨拶の一種として謝っているだけだ。「別に悪いことをしているわけでもないのに、ペコペコ頭を下げるなんて」と思ってしまう人もきっといるだろうが、実際このような「挨拶としての謝罪」を冒頭に行うことで、ミーティングを和やかな雰囲気で進められるようになることはよくある。ある意味では、このような謝罪は「おもてなし」の一種だと言えるかもしれない。「こっちに非がない限り頭は下げない」と意固地になるのは簡単だ。論理的には、そちらのほうがスジが通っているのかもしれない。しかし、そうやってスジを通したところで得られるものは別になにもない。それならいっそのこと「おもてなし」のつもりでとりあえず頭を下げてしまったほうがよいのではないだろうか。本書はそういった「損して得取れ」的なコミュニケーション術を教えてくれる。○「許されるキャラ」をいかに作るかまた、本当にこちらに非があって謝らなければならない時に、どうやって謝るかはとても重要だ。挨拶の代わりに謝る場合とは違って、こちらでは「とりあえずペコペコしていればいい」というわけにはいかない。相手に許してもらえるような謝り方を考える必要がある。本書では、「事前に根回しをすること」「キーマンに対して謝ること」「相手が納得する正しい言い訳を説明すること」などが謝罪時のポイントとして挙げられている。これらは、謝罪時のチェックリストとして活用するといいだろう。そのような謝り方の説明とは別に、著者のまわりにいる「謝罪の達人」の例も紹介されているのだが、これが面白い。たとえば、放送作家の安達元一氏は、超売れっ子であるがゆえにたいてい会議には遅刻してくるという。その時安達氏は、「すいません、すいません、すいません……」と「すいません」を連発しながら入室し、その怒涛の謝罪攻勢で場の雰囲気を変えて許されてしまう。遅刻よりもずっと深刻な事態であっても、安達氏は同じように謝罪によってピンチを乗り越えてしまうそうである。もちろん、これをそのまま普通の人がマネすればよいとは言わない。逆効果になる場合も当然あるだろう。それでも、謝ることで危機を乗り越えて才能を発揮している人がいるということは、知っておいてよいはずだ。○謙虚を武器に海外の場合はわからないが、少なくとも日本では謙虚な人はそれだけで周囲からよい扱いを受けることができる。つまり、謙虚は武器になるのだ。この武器を活用しないのはもったいない。基本的に、頭を下げることで失うものは何もない。それで得られるものがあるなら、どんどん謝っていけばよい。こんなふうに、謝罪についての考え方や態度を変える力が本書にはある。「悪いのはあいつだ。それなのに自分が頭を下げなければならないのは納得がいかない」と日頃からよく思っているという人は、ぜひ一読してみてほしい。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年03月27日家庭用・業務用を問わず、PCには当たり前のようにセキュリティ対策ソフトがインストールされているため、セキュリティの脅威に対して大多数のユーザーは「自分は大丈夫」と思っているのではないだろうか。しかし、オンライン詐欺を含め、年々複雑化するサイバー空間における脅威に対し、従来型の対策では不十分といった事態が増えつつある。そうしたなか、去る3月15日(日)に東京・秋葉原で開催されたイベント「PCを本当に快適にするセキュリティ講座」では、家庭でもすぐに実現可能な強固なセキュリティ環境の構築方法について、識者らによる解説が行われた。本イベントは、セキュリティ分野で豊富な実績を有する純国産トップセキュリティベンダーであるハミングヘッズのエキスパート執筆による書籍刊行を記念して開催されたもので、日曜日にもかかわらず、多数のユーザーが会場に詰めかけた。終日熱い空気に包まれたセミナーの模様をお伝えしよう。○BYODで大事なのはデバイスではなくサービス!基調講演に登壇したのは、日本マイクロソフト 業務執行役員・エバンジェリストで、"プレゼンの達人"として知られる西脇資哲氏だ。「BYOD実現!! ワークスタイル革新とセキュリティ上のポイント」を講演テーマに掲げた同氏は、自身のWindowsタブレット端末「Surface Pro 3」そしてiPadなどを壇上で駆使しながら、「Any Dvice」の世界で働き方がどのように変わるのかを体現してみせた。講演の冒頭で西脇氏は「私はマイクロソフトの人間ですが、実はiPhoneもiPadも含めて様々なデバイスを日常的に使い分けています。そして、これらすべてのデバイスで、ExcelやWord、PowerPointなどのOfficeアプリケーションも使うことができます」と語っている。つまり、多種多様なデバイスをその時々に合わせて駆使することになる今後の「Any Dvice」時代においては、もはやデバイスの種類というのはさほど重要なファクターではなく、仕事で使うアプリケーションやサービスが「どのデバイスからでも同じように使える」ことこそが必須条件となるのだ。そのカギとなるクラウドに関するマイクロソフトの解は、同社のクラウド型グループウェアサービス「Office 365」となるが、西脇氏は単に紹介するだけではなく、実際に同サービスを使った働き方のデモンストレーションをSurface Pro 3やiPadを活用して行ってみせた。このデモンストレーションでは、遠隔地にいるスタッフと共同作業を行うといったことも披露されるなど、西脇氏の熱い想いが伝わる内容となった。一連のデモを終えて西脇氏は、このようにすでに環境が整っていることを背景とし、「これからは"デバイスありき" ではなく、ドキュメントを中心とした考えにシフトさせ、クラウド上で仕事を行うようになるべきなのです」と訴えた。また、クラウドによって人々の暗黙知の活用とインターネットを介した労働力の提供が促進されることになり、結果として労働生産性向上につながるという点を指摘した。さらに、FacebookやTwitter、LINEなどの利便性はビジネスシーンにもインパクトを必ず与えることになると指摘し、今後は新たな価値観のもとに仕事をする必要が出てくるということに触れ、講演を締めくくった。○家庭のネットワーク環境にもUTMは有用続く【Session1】では、ハミングヘッズの顧問、石津広也氏が「これまでできなかった防御を可能にする純国産セキュリティ」と題して講演。今回のセミナーの目玉である「DefensePlatform」の仕組みや特徴をわかりやすく解説し、セキュリティ対策のあり方がどう変わり、未知の脅威を無力化するのかを示した(石津氏のセッションは後日詳報を掲載予定)。また【Session2】には、ASUS JAPAN OPビジネス部 プロダクトマネージメント アカウントマネージャー、Tim Ren氏が登壇。「『DeP』&ASUS無線LANルーターの『AiProtection』でダブルディフェンス」というテーマを掲げた同氏は、ASUSの無線LANルーターが搭載する「AiProtection」機能とその使用方法を紹介した。「AiProtection」機能は、「予防」と「保護」、そして「対策」の3つのカテゴリの機能で構成されており、無線LANルーターによるネットワークの安全性チェックやセキュリティ向上方法の提案、外部からの不正アクセスの遮断、そのほかさまざまなセキュリティ機能を提供する。その具体的な内容について解説したRen氏は、「DefensePlatform」と組み合わせて使用することで、より強力なセキュリティ環境の構築が可能となると説明した。最後の【Session3】では、プラムシステムズ ITソリューション開発部 ネットワークソリューショングループ チーフエンジニアの綱島道郎氏が、「Endian UTMで始める自宅LANセキュリティ向上計画」と題して講演を行った。「Endian Firewall Community Edition」はオープンソースのセキュリティスイートとして世界中で幅広く利用されており、日本語対応のWebユーザーインタフェースで簡単に管理が行えるのが特徴だ。綱島氏はこの製品の解説を通して、もはやUTMは企業用だけではなく、家庭用としても有用となりつつあることを示した。
2015年03月25日大塚製薬の「オロナミン C」ブランドによる働く若者を応援するプロジェクト「キミハツ」は、働く若者にスポットを当てた「若者の働き方・想いを知る」と題した、関係者・報道向けのニュースレターを2月27日に発行した。同ニュースレターでは、日本各地で前向きにがんばる働く若者にスポットを当て、それぞれの「働き方」について紹介する。第一弾は「地方で働く~雇用者編~」として、奈良県の今西酒造 代表取締役である今西将之氏へのインタビューを掲載。創業355年の奈良の老舗酒造に生まれ、京都の大学を卒業後に一般企業に入社、父の急逝にともなって28歳の若さで代表取締役となった今西氏に、「地方で働く」ことについての経験談と共に、雇用者の立場から今後地方で働く若者へ伝えたいことなどをインタビューしている。今西氏は、地方で働くことの醍醐味として、地の利を活かしたビジネスチャンスがあること、自分・自社の成長が周辺地域の成長につながることを挙げている。最近では、今西酒造が蔵を構える三輪(奈良県桜井市)全体が元気になることを目的に、地域外からの人の流入を生み、ひいては雇用の創出につながるような施策を行っている。これから地方で働く若者に向けては、地域ブランドの確立に携わることができることや、仕事人として成長していくことで、地域の活性や発展への貢献を感じることができると語っている。地方では、ゆっくりと働くイメージもあるが、自分のあり方や行動次第でダイナミックな動きを感じられる場でもあるという。なお、最近、今西酒造では海外進出も視野に入れた営業活動を行っている。2014年11月にはキミハツプロジェクトのサポートを受け、ロシアのモスクワで開催されたジャパンカルチャーイベント「J-FEST2014」において現地事業者との商談を実施。その成果として、ロシアに向けた「日本酒 三諸杉」の輸出事業を始動した。今西氏は、地方の中小企業も世界へ進出できる可能性を持っており、積極的に行動して見分を広めることで、地方から世界に出て行く若者となってほしいと語っている。
2015年03月23日経済産業省が東京証券取引所と共同で、女性活躍推進に優れた企業を選定・発表する事業「なでしこ銘柄」の発表が18日に行われ、KDDIは3年連続で選定を受けた。企業理念に「ダイバーシティが基本」と掲げ、女性を含む多様な人材の活躍支援に取り組んでいることが評価されており、3年連続で選定を受けたのは6社だった。また、6日に発表された「2015 J-Winダイバーシティ・アワード」でも大賞を受賞している。同社では、2011年4月から2014年4月の3年間で、女性ライン長が約2倍になっている。2015年4月についても、現時点で「見込みとして、良いところまで来ている」状態だそうだ。ここまでの増加はどのような道筋でなされたのだろうか。同社の人事部長 白岩 徹氏に、ダイバーシティへの取り組みを伺った。○長時間労働ではなく、いかに効率よく働いて結果を出しているかが問題同社は2005年からダイバーシティを推進しており、開始から今年で10年目を迎える。ダイバーシティ推進室は2008年に設置。2011年頃までは、「第1段階」として、育児と仕事の両立支援を行っていた。出産というライフイベントを機にキャリア志向が薄れてしまい、職場での活躍の機会も少ない状況だったため、「育児をしながら、仕事もしましょう」というボトムアップの社内啓発を推進したという。2011年からは「第2段階」として、会社の意思決定の場に女性を登用して、変革を進めている。今はその真っ最中で、女性リーダーの育成登用に力を入れているとのこと。白岩氏は、「管理職になりたいとなかなか思わないというマインドを、改めてもらう必要があります。管理職になるための条件として、評価、異動を経験していること、一定の語学力などがありますが、これらが満たされている人は自信を持って管理職を目指してほしいんです」と語る。具体的な取り組みとして、トップダウンで行っているものの一つが代表取締役社長 田中孝司氏と女性社員約200名による「ダイレクトミーティング」だ。これは、マネージャーの候補者約200名と社長が直接対面して話をするというもの。ミーティングでは、「あなたたちはポテンシャルを持っているから、頑張ってほしい」「管理職になるためにクリアする必要のある語学力などの課題にも、そのために向き合ってほしい」というメッセージを伝えている。管理職になることに二の足を踏んでいる人には、「評価をもらっているのだから、自信を持って管理職を目指してほしい」と話すという。「この会社をもっと強くするためには女性の力が重要で、君たちの活躍がこの会社を変えるのだ、と伝えています。私たちの会社において、お客さんの半分は当然女性ですが、この会社で物事を決定しているのは圧倒的に男性。これは正しいでしょうか? 正しくないですよね、ということを話しているのです」と白岩氏。「『この会社で頑張ってやっていこう』と思っている人が、プロモーションの過程で管理職の手前を最上位と捉えるのではなく、その上に上がることが重要なんだと思い始めているのは事実です」と効果を実感しているようだ。それと同時に、四半期ごとに行っている経営状況説明会では、女性リーダー登用の目標を示している。白岩氏は、「上長の大半が男性です。男性の中には、『何が女性活躍だ』と思う人がいるのも事実です。そのため、売上や利益と同様に、女性管理職比率についても外に公約している話であるというメッセージを発しています」と話す。結果、男性上司たちの意識は、明らかに変わってきたという。「評価の仕方についても、彼女たちをプロモーションしていくという考えが植え付けられたと思います。仕組みとして、否が応でも女性部下を育成して引き上げなければならない環境を作っていますし、考え方も変わってきているのです」とのこと。「長時間労働を美徳化する考え方もありますよね。本当は仕事が終わっているのに、上司が帰らないから帰れないといったことです。それを見ている女性は『私が管理職になると、あの人たちのような働き方をしなければならないのか。それは無理だ』と思ってしまいます。家庭を持っていると時間的制約があるからです。しかし、そのリーダーと同じ方法ではなくて、女性が女性なりの働き方でリーダーを出せば良いのです。短時間でアウトプットを出していくのが一つのモデルになり、それが結果的に長時間労働を美化する社会を変えていくと思っています。いかに効率よく働いて結果を出しているかが本来は求められるところですからね」○ライン長登用プログラムで社内ネットワークを強化意識改革に加えて、「KDDIならでは」の取り組みがあるという。その一つが「役員補佐」だ。2011年10月に新設された職位で、役員に対し、原則男性1人、女性1人の「役員補佐」を任命。役員会などに同席して、間近で経営を学ぶことができるという制度で、昨年度までに10名、今年度も含めると15名の女性が経験した。2013年10月に「CM好感度ランキング」で同社7年ぶりの首位を獲得し、2015年1月から放映の「三太郎」CMで同ランキング歴代1位のスコアを獲得する立役者となった宣伝部長の矢野 絹子氏もその一人だという。また、女性ライン長登用プログラムである「LIP(Ladies Initiative Program)」を2012年から実施。本部長から推薦された女性社員に対して、職場育成、集合研修、経営層とのコミュニケーションなどのプログラムで育成を施すというものである。LIPの役割について、白岩氏はこう話す。「女性が男性と比べて弱いのは社内のネットワーキングです。男性の場合、遅くまで働いていたり、飲みに行ったりと、いわゆる"メンター"的な人たちに出会う機会がたくさんあります。しかし、女性社員の今までの働き方を見ていると、ネットワーキングが少なくて、自分がジャッジメントを任された時に誰に相談するかという横のつながりが足りないと感じました。LIPでは同年代の次の管理職層を集めているので、ネットワーキングも一つの大きな目的になっています。管理職になったときに、悩みを共有できるようなネットワークもできています」○この先、多様な働き方をけん引するのは女性「2015 J-Win ダイバーシティ・アワード」での大賞受賞や、3年連続の「なでしこ銘柄」選定についての感想を伺うと、「これまで続けてきた取り組みがなでしこなどで評価されたと思います。女性管理職比率などでより高い数字を挙げている企業はたくさんありますが、弊社の経営層や人事が一体となってポジティブアクションを取っていることが評価されたのだと謙虚に受け止めています」とコメントしてくれた。今後の展開や課題について尋ねると、次のような答えが返ってきた。「目指していく方向は今のままです。今は過渡期であって、女性管理職比率が7%になってもまだ少ないし、それだけでこの会社の働きが大きく変わるとは思っていません。まずは早期に女性管理職比率を社員の男女比率と同等の2割弱に近づけることで、この会社のダイバーシティが進んでいくと私は考えています。これまでの取り組みで働き方が変わったことにより、女性が活躍できる土壌ができつつあります。戦略的なところに女性を取り入れていくことで、顧客満足度を高めて、会社を強くしていくことができる。お客さんの半分が女性ですから、女性の満足度が高まることは、会社を強くしていくことになるのです。お客さんの目線はもちろん、社内のジャッジメントにおいても、この先多様な働き方をけん引するのは女性だと思っています」3年連続での「なでしこ銘柄」選定を果たした同社。4年連続での選定となるのか、今後の動きも注目されそうだ。
2015年03月20日突然だが、ひとつ質問をしたい。あなたは普段から「敬語」を正しく使えているだろうか? 日本で会社員をしているのであれば、電話対応やメールのやりとり、顧客との打ち合わせ、上司への受け答えなどで、敬語を使う機会は非常に多いはずだ。しかし一方で、敬語を「正しく」使うことができているかというと、実は結構あやしいという人が意外と多いのではないだろうか。「お疲れ様でした」と言うべき時に「ご苦労様でした」と言ってしまったり、「よろしかったでしょうか」といったようないわゆる「バイト敬語」をうっかり使ってしまうなど、間違った敬語を使っている人を目にすることは決して珍しいことではない。相手が社内の人であればまだダメージは少ないかもしれないが、社外の大事な顧客に対して間違った敬語を使ってしまい、それで相手を不快にさせてしまったとしたら目も当てられない。ビジネスパーソンにとって、正しい敬語が使えないことはそれだけで大きなリスクになる。他の仕事を完璧にこなすことができても、間違った敬語を気づかずに使っているというだけで、その人の信頼は大きく損なわれてしまう。自分の敬語に自信がないという人は、今回紹介する『出口汪の「好かれる!」敬語術』(出口汪/SBクリエイティブ/2013年5月/666円+税)を読んでみるというのはいかがだろうか。敬語は理屈だけでなく「慣れ」の部分も大きいので、日頃から使っていればある程度は自然に身につけられるものだが、慣れだけに頼っていると自分が「間違った敬語」を使っていることに気がつかないおそれがある。本書のような敬語をテーマにした本を一冊読んで、正しい知識をひと通り知っておくと、いざというときに困らずに済む。○敬語はコミュニケーションの潤滑油もしかしたら、「敬語は別にビジネスの本質ではないのだから、相手を尊重する気持ちさえ伝われば正しくなくてもいいのでは」と思う人もいるかもしれない。たしかに、合理性を突き詰めるならばこのような考え方も間違ってはいないとは思う。しかし、現実には敬語を正しく使うことができないと「相手を尊重する気持ち」が伝わらない場合が多い。逆に敬語を完璧に使いこなすことさえできれば、それだけで相手に好印象を与えることができる。日本で仕事をしようと思うなら、正しい敬語を覚えることは実はとても効率のよい投資なのだ。本書には、人の印象は「敬語」で9割決まる、といったことが書かれているが、これは決して言い過ぎではない。友達付き合いであれば時間をかけて少しずつ相手のことを理解するということだってありえるだろうが、ビジネスの場合はそこまで時間をかけることは普通はない。敬語がきちんと使えていればそれだけで「しっかりしてそうだ」という印象を与えることになるし、一方でぞんざいな言葉遣いをすれば「この人は信頼できそうにない」と思われてしまう。たかが敬語、されど敬語である。○普通の敬語の本は眠くなる?もちろん、本書以外にも敬語について書かれた本は山ほど出版されている。どの本も、基本的には書いてある内容に大きな差があるわけではない。それならどんな本を読んでも同じかというと、必ずしもそうとは言えない。扱う対象が敬語であるためか、敬語について書かれた本はマジメすぎる場合が多いように僕には思える。どんなに内容がよかったとしても、途中で眠くなって挫折してしまうのだとしたらそれはあまりよい本だとは言えない。優れた敬語本は、内容として正しいものが載っているというだけでなく、気軽に読めてそれでいてアタマに残りやすいものである必要がある。そういう視点で本書を見てみると、まず第一に本書はかなり読みやすい。敬語の本の場合、表現をカテゴリ分類し、それらを羅列して見やすく整理しただけのものが結構多いが、本書はそのような形式はとっていない。新入社員の主人公である「あい」と、筆者である「先生」の対話という形式をとっているので、「敬語について詳しく知っている人に、色々と質問をしながら教えてもらう」ような気分でひと通り敬語について勉強ができる。調べ物というよりは通読向きで、二回、三回と繰り返し読んだとしても、脳への負荷はあまりかからないだろう。具体例も豊富なので、アタマへも残りやすい。単に敬語表現についてを説明するだけでなく、「どうすれば敬語は上達するか」といった「敬語の学習法そのもの」についてや、「敬語術でピンチを切り抜けるにはどうすればいいか」といった実践的な使用例についても多く言及しているので、学んだことをすぐに役立てることができる。敬語の本を過去に買ったことがあるが結局最後まで読まずに本棚に寝かせてあるという人は、本書で再度敬語の本にチャレンジしてみてはいかがだろうか。今度はきっと、最後まで読み通せるに違いない。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年03月20日女性の社会進出率が高い北欧で、得意な外国語を活かし映像制作会社でバリバリ働くミア・テレマニウスさん。スウェーデン、ストックホルムに住むキャリアウーマン・ママです。休日には娘さんと大好きなダンスやヨガをして、親子の絆を深めながら脳を休め、常にクリエイティブな思考ができるように心がけています。■これまでのキャリアの経緯は?歌とダンス、それが私の長年の情熱。いつか、劇場関係で仕事するのだと思ってきました。ですが、人生は違う方向へと逸れていきました。大学に入学する前に、フランスとイタリアへ語学留学しました。外国語にはいつも興味があって、運よく得意でもあるんです。ストックホルム大学ではデジタルメディアを専攻し、修士号をとりました。卒業後は、国営スウェーデン放送にヘッドハンティングされ、イタリアを舞台にした番組の共同ディレクターを務めました。イタリア語ができたおかげです。それからもフリーランスとして、または社員としてテレビ番組の制作に携わってきました。スウェーデン国営放送に番組のアイデアを提案し、許可を得て制作した番組が昨秋にテレビで放映されました。現在、私はチムニーという、メディア全般での制作を請け負う会社に勤め、映画、コマーシャル、テレビ番組、社内コミュニケーション、B to Bやウェブ向けのビデオをつくっています。私が働くストックホルムの本社に約300人が働いているほか、シンガポール、シドニー、コペンハーゲンなど、世界10カ所にオフィスがあります。■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?この会社では同僚と協力して仕事ができる点が気に入っています。クリエイティブな仕事でコラボレーションするのは大好き。"同じ世界の言葉を話す"同僚と心をかわし、同じゴールに向かってプロジェクトを進められるのは幸せなことです。■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?ただ、同時にたくさんの制作をこなさなければならないときは、疲労困憊してしまいます。そのためにも、日ごろからエネルギーを蓄えておくことが大切。ヨガや瞑想をしたり、音楽を聴いたり。オフィスでは座ってだけでなく、立っても仕事のできる「Sit&Stand」というデスクを使っていて、気分転換に有効ですね。北欧のオフィスでは導入しているところが多いんですよ。うまく気分転換できると、新しいアイデアも浮かんできます。■ちなみに、今日のお昼ごはんは?お昼は自宅から何かを持ってくるか、BENTOスタイルのランチボックスを買って、オフィスで食べることが多いです。今日はヤキトリランチボックスにしました。値段はだいたい70~80クローネ(約1,000~1,200円)です。■日本人のイメージは?日本といえば、大好きなのが宮崎駿監督の映画! 一番好きなのは「ハウルの動く城」です。彼の映画は娘と一緒に全部見ています。ストーリーもアニメも本当に素晴らしいですね。■休日の過ごし方を教えてください。休日は娘と過ごします。水泳、ダンス、ヨガ、アウトドアアクティビティ、なんでも一緒にやっています。音楽を聴いたり、歌ったり、映画をみたりと2人で楽しんでいます。■将来の仕事や生活の展望は?私のモットーは「直観を信じること」です。仕事もレジャーもこの言葉を信じて、切り開き、楽しんでいければと思っています。私の話、少しでも皆さんのお役に立てたかしら?皆さんにもグッドラック!
2015年03月17日35歳以上の結婚・出産が増えています。人生の持ち時間は長くなったけれど、生涯収入の手取りは減少傾向、社会の変化も激しい時代です。常識にとらわれ過ぎないお金との向き合い方を考えます。○年金生活の前に魔の5年間前回、「公的年金はどれくらい頼りになるか」について書きました。正社員の共働きならそこそこ頼りになる、片方がパート、無職、自営業だと正社員夫婦よりは厳しい、どちらも自営業なら、公的年金に上乗せする自己資金の準備に相当の自助努力が必要だと説明しました。そして実は、公的年金を受け取ってのセカンドライフの前に、かなり厳しい5年間が存在するのです。会社員だった人が受け取る公的年金の支給開始年齢=受け取り始める年齢は、60歳から65歳への引き上げが進められています。昭和16年(女性は昭和21年)4月1日以前に生まれた人は60歳から年金を受け取っていますが、それ以降に生まれた人は生年月日に応じて支給開始年齢が段階的に引き上げられ、昭和36年4月2日以降生まれの男性と、昭和41年4月2日以降生まれの女性は、65歳からの支給です。つまり、今年4月以降に54歳になる男性および49歳になる女性よりも年下の人は、65歳からの支給です。自営業や専業主婦は、もうだいぶ前から年金の支給は65歳からとなっています。現在のアラフォー世代は、老後の公的年金の受け取りは65歳からなのです。一方、会社員の定年は何歳かというと、これまで60歳というのが一般的でした。しかしこれでは65歳の公的年金の支給開始までに空白期間が生じます。そこで、会社員の定年年齢を引き上げる、定年制を廃止する、60歳以降も継続雇用する、この3つのいずれかを導入するよう企業に義務付けられました。今後は65歳まで働くことが一般的になりそうです。アラフォー結婚にとって、これはメリットですね。40歳前後で子どもを持っても、65歳まで収入を確保できれば、(並行して老後資金まで貯められるかどうかは別として)、子どもの教育費についてはなんとか負担できそうです。ところが現実はそう甘くはないのです。3つの選択肢の中でもっとも多く導入されているのが継続雇用で、60歳以降の継続雇用には「本人が希望すれば」という条件があります。アラフォー結婚なら収入の確保を目的にもちろん「希望する」と思いますが、継続雇用はされても、仕事の内容や給料は60歳までとは違うケースがほとんど。管理職だった人が現場の仕事に戻ったり、元後輩である年下の上司の下で働いたり、全く別の部署やグループ会社に配属されたりで、精神的な強さを求められる上に、収入も60歳時点よりもかなり下がるケースが一般的です。けれど「これじゃあ、やっていられない」と辞めてしまっては収入がなくなってしまいます。40歳前後で結婚し、その後、子どもを持ったとすると、50代後半から60代前半は、もっとも教育費がかかる時期。それを負担しつつ、自分たち夫婦の老後資金を準備しなければなりませんが、60代前半に収入が低迷する可能性が高いわけです。○50代も要注意また60歳の定年以前に、50代に入ると働き方に変更を求めてくる会社も多いのです。若手社員の育成、事業の効率化や再編などを目的に企業は人事異動を行います。40代までと50代以降は、その際の扱いが異なる企業がほとんど。収入も平均的には50歳前後で頭打ちになることを第3回で紹介しました。自分にどのような能力があり、勤務先でどのような役割を果たしているか、他の会社でも通用するかなど、働き手としての自分を客観的に見つめて、今後も働き続けるにはどうすればいいかを、考えておいた方がいいでしょう。○夫婦の年齢差と60歳以降の働き方を確認また、前回の公的年金の試算は、ざっくりとした目安を出すことが目的でしたから、夫婦ともに同年齢を想定しました。例えば、元会社員の夫婦なら、現在の平均受給額14万8000円×2人分=29万6000円。実際には、夫婦2人分の公的年金をもらえるのは夫婦ともに65歳になってからです。給与や年金の受け取りがどうなるかをシミュレーションしてみましょう。結婚時に夫43歳、妻40歳の正社員夫婦だとすると…夫60歳・妻57歳まで夫婦ともに正社員としての給与夫60歳・妻57歳~夫は定年延長や継続雇用による給与、妻は正社員としての給与夫63歳・妻60歳~夫婦ともに定年延長や継続雇用による給与夫65歳・妻62歳~夫1人分の公的年金を受け取り、妻は定年延長や継続雇用による給与夫68歳・妻65歳~夫婦2人分の公的年金を受け取り冒頭にかなり厳しい5年間が存在すると書きましたが、妻が3歳年下の場合、夫が60歳になってから、夫婦2人分の公的年金をもらうまでの期間は8年です。妻も夫と同等に稼げるなら妻の収入が支えになりますが、妻がパートや自営業だと、夫が60歳で定年した後は家計収入はかなり減ることになります。夫が継続雇用されず無職になってしまうと収入が激減して、かなり厳しい生活が予測されます。夫婦の年齢差と60歳以降の働き方で、60歳前後からの収入がどうなるかを考えておきたいもの。勤務先の定年制度、継続雇用制度についても確認しておきましょう。○夫婦ともに意識したいセカンドキャリア最近は定年後に起業する人も増えて話題になっています。成功する人もいれば、うまくいかない人もいるようです。会社員として働き続けるにしても、別のことに挑戦するにしても、準備や戦略が必要です。40歳前後というのは、働き手としての前半戦が終わり、後半戦に向けた重要な折り返し地点といえます。アラフォー結婚により、これまでとは違う生活が始まったことをよい機会として、これまでの人生を棚卸するとともに、これからの暮らし方、働き方、お金の使い方、貯め方をじっくり考えることを強くおススメします。40歳はまだ若く体力もあるので、60歳が遠く思えるものです。あと20年もあると。しかも、結婚、出産など嬉しいことが続けば、目の前の現実で頭がいっぱいになりがちです。もちろん今を楽しんでこその人生! その一方で、将来についても堅実にシミュレーションし、計画的に進んでいくことが、今の幸せな2人の生活を今後も守ることにつながるはずです。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>ファイナンシャルプランナー坂本綾子20年を超える取材記者としての経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナー講師を行っている。著書『お金の教科書』全7巻(学研教育出版)、セミナー『子育て力のあるお金の貯め方、使い方』『小さな消費者へのお金の教育』など。
2015年03月12日毎日頑張って働いているのに、なかなか上がらないお給料。給料日に通帳を見て、ついため息が出てしまう人も多いかもしれません。でも、お給料アップとは、何も額面の金額を上げることだけではありません。重要なのは、実際に使うことができる手取り金額。額面のお給料は変わらなくても、手取り額をアップさせる方法があるんです。■お給料の額面と手取りの違いを知ろう毎月の給料日に渡される給料明細。それをよく見てみると、いわゆる「額面」と呼ばれる総支給額と、実際に振り込まれる「手取り」の金額にはかなり差があることが分かります。総支給額とは、基本給に加え、残業代や各種手当などすべてを合わせた金額のこと。そこから社会保険や税金などが引かれ、手取り額が決まるということになります。毎月のお給料から引かれるものは、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、そして所得税に住民税。会社によっては、福利厚生費や組合費などが引かれている場合もあるかもしれません。手取り額を増やすためには、これらの毎月のお給料からの天引き分をいかに少なくするか、というのがポイントになります。中でも一番大きな割合を占めるのが、健康保険や厚生年金といった社会保険料。この社会保険料の金額を少なくすればするほど、同じお給料額でも手取りは増えるということになるのです。■社会保険料を低くおさえる方法とは社会保険料を少なくするには、そもそも保険料がどのような仕組みで決まるのかを知っておく必要があります。「社会保険料は収入額によって決まる」ということはよく知られていますが、それは、年間通しての収入額を指すものではありません。じつは、年度はじめの4月から6月の平均給与をもとに計算されているのです。つまり、4月からの3ヶ月間の収入が多ければ社会保険料は高くなり、逆に収入が少なければ社会保険料は低くなり、結果として手取り額を増やすことができるのです。■春の働き方に注意して手取りアップを目指す4月から6月の平均収入を少なくすればいい、とはいっても「お給料は自分で決められるものではないし…」と思う人もいるかもしれません。でもここで注意すべきなのは、収入とは基本給だけを指すわけではないということ。残業代をはじめ、休日出勤手当や住宅手当などの各種手当、さらには通勤手当として支給される交通費も含まれます。年度はじめに残業や休日出勤を頑張りすぎると、それが仇になって年間の社会保険料が高くなり、かえって手取り額を減らしてしまうことにもなりかねません。この時期はできるだけ残業はセーブして、収入額を増やさないように気をつけましょう。また、通勤手当が増えそうな引っ越しを春に予定している場合も、可能であれば時期をずらした方が収入を増やさずにすみます。働き方を少し工夫すれば、年間の控除額をおさえ、額面のお給料は変わらなくても手取りを増やすことができるかも。何も知らずに、ただ天引きされているだけではもったいない! 上手に引き締めて、賢く収入アップを目指しましょう。(この記事は、2015年2月現在の情報にもとづいたものです。)
2015年03月09日親日国家と言われるトルコ。設備機械の設計士として10年以上のキャリアをもつチャールさんも「メイド・イン・ジャパンの製品には絶対の信頼感がある」と語ります。建設現場で日本人と一緒に仕事をすることも多く、礼儀正しい日本人は素晴らしい、と感じるそうです。「設計は天職」と語るチャールさんに、トルコでの働き方を伺いました。■これまでのキャリアの経緯と今の仕事について教えて下さい国立の大学で機械工学を学びました。大学を卒業してから2年間、ショッピングセンターや集合住宅の設備機械設計士として働きました。その間、卒業した大学とは別の大学で修士号を取得しました。その後、兵役に就き、終了した後は、製薬会社、手術室(クリーンルーム)や繊維工場の機械設備を扱う会社に就職。設計担当となり数多くの大手製薬会社の設備機械の設計を手がけ、10年が過ぎました。現在のポジションは、設計担当マネージャーです。設計図を描いている間は、他の全てのことを忘れ仕事に没頭しているので、会社の同僚から声をかけるのをためらうとも言われています。設計が自分の天職だと思っています。好きな仕事でお給料をもらえる自分は幸せだと思います。■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?今は基本給が6,000TL(約300,000円)で、1年に2回のボーナス、更にプロジェクトに携わったそれぞれの担当者が貢献度に応じてもらえる、成功報酬があります。以前働いていたときは、新卒だったので今の半分ぐらいでした。今のお給料には満足しています。成功報酬は、社員のモチベーションをあげるのに役立っていると思います。この10年でもらった成功報酬を貯金していてかなりの額になりました。仕事と家の往復だけでなく、これからは、ゆとりのある生活にそのお金を役立てようと思っています。■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?今の仕事で気に入っている事は、会社の設計部門を自分に一任してくれているところです。好きなようにやらせてくれて、結果重視なところがとても気に入っています。責任も重いけど、やりがいがあるので。満足を感じるときは、努力して設計したプロジェクトが、実現にこぎつけ、工場で設置の段階にきたときに現場を視察している時。そして依頼主からその製品についてのおほめの言葉をいただいた時です。海外での展示会などへの参加も、今の仕事の気に入っている点です。働く上でモチベーションをあげてくれます。また、オフの時間を一緒に楽しく過ごせる同僚がいることも大きなプラスポイントです。■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?先が見えず試行錯誤の繰り返しである設計の最初の段階が一番大変な時です。良い結果を出せば認めてくれる点が気に入っていたのですが、最近のトルコの経済状況を反映してか、クライアントは質よりも価格の安さで契約を決める傾向が強くなってきており、それに呼応して会社の経営陣が、質の高さよりも価格にこだわるところが見えてきて、時々虚しい気持ちになります。しかし、会社も存続していくためには、ある程度の妥協は必要なのかもしれません。■休みのとりかたは?まとまった休みは、夏に取ることが多くて、家族と一緒に海のリゾート地に行ったり、別荘ですごしたりします。友人達とは、トルコ語で「ターティルキョイ(休暇村の意味)」と呼ばれる周りが自然に囲まれたホテルやレストランなどの複合施設に遊びに行きます。毎年、断食月(ラマダン)明けの砂糖祭と犠牲祭の2つのイスラム教の宗教祭日があり、最低4連休にはなるので、有給休暇を同じ時期にとって、1週間以上の旅行に行くこともあります。■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?僕にとって「メイド・イン・ジャパン」製品の質の高さと信頼性は絶対です。日本人は、いつも笑顔で親切、冷静で頭のよい人々だと思います。名誉を重んじる国民で、名誉のためには死さえも辞さないという心構えがいつもあるように思えます。人に会ったら頭を下げてお辞儀をし、名前の後に「さん」をつける礼儀正しさが素晴らしいと思います。また、トルコも日本も同じ地震国であり、トルコに地震があったときには、一番にかけつけてくれる国というイメージがあります。■ちなみに、今日のお昼ごはんは?ほぼ毎日社食で食べます。今日のメニューは、トマトスープ、ミートボール、サラダ、マカロニ、ジュースです。日替わりメニューなので、毎日でもあきません。料金は、会社からの支給ですが、確か7TL(約350円)です。■将来の仕事や生活の展望は?将来的には、会社の方向性を決められるようなポジションに就き、できれば経営にも参加したいと思っています。生活で言えば、退職したら静かで気候の温暖なエーゲ海地方に移り住んで、自給自足の生活がしたいと思っています。
2015年03月03日「人は努力と訓練によって、何者にでもなることができる」と言われたら、あなたはどう思うだろうか。きっと多くの人は、「さすがにそれは楽観的すぎるのでは?」と感じるに違いない。しかし、このような楽観主義を基本的な考え方として心理学の体系を創りだした人がいる。オーストリア出身の心理学者、アルフレッド・アドラーだ。アドラーの創始した「アドラー心理学」はいま日本でちょっとしたブームになっている。本屋に行けば、アドラー心理学の本がズラリと並んでいる。もしかしたら既にアドラー心理学に関する本を読んだことがあるという人がいるかもしれない。読んだことがなくても、名前ぐらいは聞いたことがあるという人が多いのではないだろうか。今回紹介する『1分間アドラー 人間関係の悩みをゼロにする77の原則』(桑原晃弥/SBクリエイティブ/2015年2月/952円+税)もそんなアドラー心理学に関する本のうちの一冊だ。もっとも、本書は既に数多く出版されているアドラー心理学の入門書とはちょっとだけ違う。本書はいわゆるアドラー心理学の解説書ではなく、語録集に近い。節のタイトルとしてアドラーの言葉が引用され、その言葉について見開き1ページ程度で解説がなされる、というのが本書の基本的な構成だ。言葉は全部で77個掲載されている。書名が示すように1節は1分程度でサクッと読める。通勤電車の中や待ち合わせの空き時間など、細切れ時間に読むのに適した構成だと言えるだろう。もちろん、時間をとってまとめて読むのも悪くない。○アドラー心理学はアドラー自身の体験に基づいているアドラー心理学は非常に前向きで、時には理想主義的すぎると言われることも少なくないが、アドラーは別に机上の空論といてこのような楽観主義的な心理学を提唱したわけではない。実はアドラー自身が、楽観主義によって人生を切り開いてきたという経緯がある。そういう意味では、アドラー心理学は彼自身の経験に基づいた理論なのだとも言える。アドラーは幼少期、様々な困難に直面していた。数々の持病に悩まされ、勉強では優秀な兄と比較されることが多くコンプレックスを感じることも少なくなかった。学校の授業は退屈で、数学は落第寸前だった。しかしアドラーは負けなかった。周囲のサポートによってアドラーは持病を克服し、病気で死にかけた経験から医師になることを志す。落第寸前だった数学は、最終的には得意教科に変わっていた。このようにアドラーは幼少期の困難を乗り越えたが、それができたのは彼が「できることをしよう」という楽観主義的な考えを持っていたからだ。物事を楽観視せずに冷静な目で批判的に分析することも時には必要だが、そうやって批判ばかりしているだけでは前には進めない。基本的に、自分を取り巻く世界を変えようと思ったら行動する以外の方法はない。あれこれ悩んで行動できないという人は、きっとアドラー心理学からヒントを得ることができるはずだ。○行動はすべて目標によって確定されるまた、アドラー心理学は「行動」だけでなく、その前提となる「目標」についても触れている。単に「行動しろ」と言われただけでは、何をすればいいのかわからない。行動はすべて目標によって確定される。言われてみればあたりまえだが、この点を意識できていないばっかりに迷走している人は数多くいる。毎日、漫然と生きているだけでなんとなく不安な気持ちを抱いているという人は、往々にして目標を見失っている。行動するにも何をすればいいかわからないという人は、一度自分の目標について考えてみるとよいだろう。また、その時には「共同体感覚」を意識してみるとよいかもしれない。「共同体感覚」は、アドラー心理学を語る上での重要なキーワードだ。「共同体感覚」の詳しい説明は本書に譲るが、ざっくり言えば他者について「私たちはみな仲間だ」と感じ、そこが自分の居場所だと感じられることである。このような「共同体感覚」を意識した上で目標が設定できれば、有用で意義のある行動へとつなげることができるだろう。○「前向き」になるためのヒントをさがす本書を読むと、アドラーがフロイトやユングといった分析的な心理学者と比べてかなり目的志向であり、前向きであることがわかる。そういう意味では、アドラー心理学は実践的な心理学だと言えるかもしれない。生きていれば、誰だって落ち込むことがあるはずだ。そんな時には、本書をパラパラとめくってみると、前向きな気持ちになれる言葉を見つけることができるかもしれない。気持ちが後ろ向きになってしまった際には、本書で「前向き」になるためのヒントをさがしてみてはいかがだろうか。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。
2015年02月27日うちのダメ夫
あの日、私はいじめの加害者にされた
東京マウントガールズ