夏デートにおすすめのスポットといえば、美術館。冷房がばっちり効いた涼しい展示室にいれば、汗も紫外線も心配なし! 今回は、駅直結で移動もラクな都心の美術館で開かれている注目の展覧会を3つご紹介。オランダ&イタリア&英国発のクールなアートとは?日本初!『メスキータ』展【女子的アートナビ】vol. 155ひとつめは、東京駅直結の東京ステーションギャラリーで開催中の『メスキータ』展。19世紀末から20世紀はじめのオランダで活躍したサミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)の日本初回顧展です。メスキータという名前、聞いたことがない人がほとんどのはず。実際、ヨーロッパでも近年再評価されるようになったアーティストということで、まずはどんな人物なのか、みてみましょう。あのエッシャーの先生だった!メスキータは、アムステルダムでポルトガル系ユダヤ人の家庭に生まれ、画家、版画家、デザイナーとしても活躍。さらに、美術学校の教師として多くの学生を指導し、そのなかには「だまし絵」で知られる画家、M. C.エッシャーもいました。後進の指導や作品制作だけでなく、グラフィック・アート協会の会長も務めるなど幅広く活躍していたメスキータですが、ユダヤ人であったため、1944年、75歳のときに家族とともにナチスに連行され、アウシュヴィッツの強制収容所で殺されてしまいます。メスキータ一家が連れ去られたあと、アトリエに残された作品を救い出したのが、エッシャーや友人たちでした。彼らは作品を保管し、戦後すぐに展覧会を開いてメスキータの功績を残すことにも尽力。すでに名声を得ていたエッシャーは、その後もメスキータの展覧会を提案し、師の作品を後世に伝えていきました。東京ステーションギャラリー館長の冨田章さんによると、メスキータ作品の特徴のひとつは“装飾性”。例えば、展覧会のポスターにも使われている作品《ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像》では、人物はリアルに描かれていますが、背景は規則的な線で表現されています。「写実性と装飾性が融合している表現が随所にあり、これが見どころのひとつ」と冨田さん。また、人物だけでなく動物や植物をモチーフにした作品も多いので、ぜひ装飾性なども意識しながら楽しんでみてください。日本初の大回顧展!『マリアノ・フォルチュニ』展続いてご紹介するのが、東京駅の地下通路に直結している三菱一号館美術館で開催中の『マリアノ・フォルチュニ織りなすデザイン展』。19~20世紀はじめのイタリアで活躍した世界的なファッションデザイナー、マリアノ・フォルチュニ(1871-1949)の美しいドレスやコート、さらに総合芸術家でもあった彼の絵画や版画、写真など、さまざまな作品を紹介しています。美しすぎるドレスにうっとり~フォルチュニはスペインのグラナダ生まれ。父親はスペイン画壇で活躍していた画家でしたが、早逝したため母方の伯父たちが住むパリに移住、その後家族でヴェネツィアに移ります。子どものころから絵を描き、さらに15歳になるころには写真を撮り始めたというフォルチュニは、その才能を生かして画家や写真家、舞台美術デザイナーなど多方面で活躍。なかでも、服飾デザイナーとして手がけた絹のプリーツドレス「デルフォス」で一躍注目を集めます。このドレスは、当時女性の身体を締め付けていたコルセットをつける必要もなく、そのうえ軽くて華やか。会場にも展示されていますが、いま見てもうっとりするような美しいデザインです。斬新なデザインの「デルフォス」はファッション業界で高く評価され、ロンドンやパリ、ニューヨークでも販売されました。また、会場ではフォルチュニが描いた絵画や写真なども展示。ドイツの作曲家、リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)に心酔していた彼は、総合芸術としてのオペラにも興味をもち、舞台美術関連の作品も多数制作しました。これらも見どころのひとつとなっています。会期は10月6日(日)まで。国内美術館は11年ぶり!『ジュリアン・オピー』展最後は、京王新線の初台駅に直結している東京オペラシティアートギャラリーで開催中の『ジュリアン・オピー』展。イギリスを代表するアーティストのひとり、ジュリアン・オピー(1958-)の絵画や彫刻、映像、インスタレーションを楽しめる大型個展です。2008年に水戸で展覧会が開かれ、日本でもファンが急増したオピーの作品は、点と線というシンプルなスタイルで描かれたポートレートが有名ですが、日本の美術館では11年ぶりに開かれる今展では、作家が自ら選んだ作品や新作を中心に紹介されています。「物語を楽しんで!」プレス内覧会には、作家本人が出席。今回、会場の構成から作品の設置まで積極的に関わったというオピーさんは「自分で思い描いていた展覧会を実現できた」と満足そうにコメント。「音楽を聴くかのように、映画を見ているかのように、物語を紐解いていくような体験を展示室の中で味わってみてほしい」と来場者に呼びかけました。展示作品は全27点。会場の入り口を抜けるとすぐに、見上げるような大きな作品が並んでいます。街の中を歩く人たちやジョギングする人、携帯電話を手にしている女性の姿などが描かれていますが、ピクトグラムのように簡略化され、色づかいもポップでおしゃれです。日本の浮世絵やアニメのセル画のコレクターとしても知られるオピーの作品は、日本文化の影響も受けているため、輪郭線が際立つなどの特徴があります。今回はじめて見る人でも、きっと親しみがもてると思います。また、会場内にはBGMのような音も流れていますが、これも作品の一部。ぜひ全身でオピーの世界を体感してみてください。夏は涼しい美術館へ!今回は3つの展覧会をご紹介しましたが、ほかにも駅からすぐの立地にある便利な美術館はたくさんあります。この夏は、駅直結の美術館でクールなアートイベントを体験してみては?Information『メスキータ』展会期:~8月18日(日)休館日:月曜日(ただし8月12日は開館)時間:10:00~18:00※金曜日は20:00まで開館※入館は閉館の30分前まで会場:東京ステーションギャラリー当日券:一般 ¥1,100/高校・大学生 ¥900/中学生以下無料『マリアノ・フォルチュニ織りなすデザイン展』会期:~10月6日(日)休館日:月曜日(ただし、8月12日、9月16日、9月23日、9月30日と、トークフリーデーの8月26日は開館)時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、8月12日~15日、会期最終週平日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで会場:三菱一号館美術館料金:一般 1,700円/高校・大学生1,000円/小・中学生500円【アフター5女子割】毎月第2水曜日(8月14日・9月11日)は開館時間を21時まで延長し、17時以降は女性の入館料が一律1000円に!『ジュリアン・オピー』展会期:~9月23日(月)休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日[日](全館休館日)時間:11:00~19:00 (金・土は11:00~20:00)※最終入場は閉館の30分前まで会場:東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]料金:一般 1,200円/高校・大学生800円/中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年08月07日少女マンガファン待望の展覧会『萩尾望都ポーの一族展』が東京の松屋銀座ではじまりました。そのオープニングイベントに、萩尾望都先生と元宝塚トップ娘役・仙名彩世さんが出席。おふたりのプチトーク&萩尾先生のミニインタビュー、さらに会場の様子もご紹介!萩尾ワールドにひたれる!【女子的アートナビ】vol. 154デビュー50周年記念『萩尾望都ポーの一族展』では、文学的少女マンガで革命を起こしたマンガ家のひとり、萩尾望都先生の代表作『ポーの一族』シリーズを中心に、人気作品の原画や予告カットなど300点以上を展示。さらにスケッチブックや執筆風景など、普段なかなか目にすることのできない貴重な資料を間近で見ることができます。『ポーの一族』とは、永遠に少年の姿のまま生きながらえていくバンパネラ(吸血鬼)のエドガーが主人公となり、友人のアランとともに旅を続ける物語。1972年から連載されたロングセラーで、2016年には40年ぶりに新作も発表するなど、今なお多くの読者に愛され続けています。また、展示の途中には宝塚歌劇のコーナーも登場。2018年の花組公演『ポーの一族』の華やかな衣装や小道具などが並び、ポーの世界を全身で体感できる夢のような空間になっています。いつのまにか50年…開幕前に開かれたオープニングイベントには、萩尾先生が出席。先生は1969年にデビューし、『ポーの一族』や『トーマの心臓』、『イグアナの娘』など数々の傑作を発表し、2012年には少女マンガ家として初の紫綬褒章を受章。現在も、歴史マンガ『王妃マルゴ』を連載執筆中です。この展覧会をご覧になった萩尾先生は、「イントロダクションでカーテンの向こうに花びらが揺れるような画面が出てきて、あっという間に作品世界に引きずり込まれました」といい、「自分の作品なのに、ちょっとドキドキしてしまい……」と感慨深げ。さらに50年を振り返り、次のように述べました。萩尾先生毎月、毎年締め切りに追われて描いていたら、いつのまにか50年経ちました、という感じで、「50年だよ」といわれて、「私そんなに年をとったの?」と(笑)。でも、まだまだ描きたいものもあるので、もう少しがんばっていきたいと思います。今はわびさびの境地また、改めて50年分の作品を見た感想を問われると、次のようにコメント。萩尾先生昔の絵は頭がでかいな(笑)、と自己批判ばかりですが、それなりに一生懸命描いていたという感じです。昔の絵のほうが線も太く、勢いがありました。だんだん落ち着いてきて、今はちょっとわびさびの境地(笑)。困ったなと思っていますけど、これが寄る年波というものですから、このまま描いていこうと思います。ゲストは、仙名彩世さん!イベントには、元宝塚トップ娘役・仙名彩世さんがゲストとして参加。仙名さんは、2018年の宝塚歌劇団花組公演『ポーの一族』にシーラ・ポーツネル男爵夫人の役で出演されています。展覧会の感想について、仙名さんは「入った瞬間にカーテンがひらっとして『ポーの一族』のシーンが再現されていて……、足を踏み入れた瞬間泣きそうになりました」と感激した様子。さらに、「エドガーとアランの等身大パネルがあったり、舞台の大階段が再現されていたりして、いろいろ思い出しました」と興奮ぎみに語りました。また、『ポーの一族』の魅力については、次のようにコメント。仙名さんキャラクターのひとりひとりがとても生き生きしています。どの人を主役にしても先生は物語が描けると思うくらい、先生はひとりひとりのキャラクターを愛していらっしゃる。ポーをいろいろな角度から勉強させていただきましたが、すごく深いのです。生き続けることの悲しみ、というのは考えたことがなかったので、そういう悲しみもあるのかと感じました。宝塚での作品上演は、萩尾先生も30年ほど切望されていたそうで、「生きていればいいことがある」とうれしそうに話し、「舞台を見たときには、あふれるばかりの愛、台風のような愛に押し寄せられて、ものすごく感激しました」と宝塚愛を語りました。さらに仙名さんは、『ポーの一族』公演時に萩尾先生からプレゼントされたという直筆イラストを披露。「一生の宝物です」と美しすぎる笑顔で話してくれました。先生に直撃!イベント終了後、少しだけ萩尾先生とお話するチャンスがありましたので、ひとつ質問させていただきました。――50年描き続けているなかで、創作の原動力となっているものがありましたら教えてください。萩尾先生私はもともと現実の適応力が非常に低い人間ですので、どうしても異世界とかファンタジー界とか別世界のほうに逃げてしまうのです。だけど異世界に行ったら、そこにもいろいろとおもしろいことがあるので、やはりついそちらのことを書いてしまいます。現実で力強く楽しく生きられれば、それに越したことはないと思うのです。私には現実世界のいろいろな違和感とか不条理さというものが痛いのです。なんとかその痛みをかわしたい、緩和したいという思いがあるので、創作のほうに走っているのだと思います。少女のような笑顔で…1時間ちょっとのイベントを取材しただけですが、萩尾先生ご本人の魅力に圧倒されました。常に穏やかで物腰が柔らかく、たくさんのユーモアを交えながらご自身の50年を振り返り、また宝塚の話をされるときは少女のように目をキラキラさせ、仙名さんとトークを楽しんでいました。最後に、萩尾作品といえば“美少年”ということで、先生に「少女時代に好きだった美少年アイドルはいましたか?」とお聞きしてみたところ、「ウィーン少年合唱団が大好き。幻想の世界から抜け出してきたようなのよね!」と再び少女のような笑顔で答えてくださいました。往年の萩尾ファンも、まだ作品に触れたことがない人も、まずはこの展覧会で先生の生原画に触れてみてください。きっと、作品を読みたくなると思います。会期は8月6日(火)まで。Information会期:~8月6日(火) ※8月4日(日)は19:30まで時間:10:00 ~ 20:00※最終日17:00閉場。入場は閉場の30分前まで。会場:松屋銀座8階イベントスクエア料金:一般 ¥1,000/高校生¥700/中学生¥500/小学生¥300※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。©萩尾望都/小学館©宝塚歌劇団
2019年07月29日渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、『みんなのミュシャミュシャからマンガへ――線の魔術』がはじまりました。この展覧会で音声ガイドナビゲーターを務めているのは、ドラマや映画で活躍中の俳優、千葉雄大さん。今回、作品の楽しみ方や音声ガイド収録の感想について、直接お話を聞いてきました!撮影:Yuya Furukawa(千葉雄大)千葉雄大さんがガイド!【女子的アートナビ】vol. 153『みんなのミュシャ』では、世紀末のパリで活躍した芸術家アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)のグラフィック・アーティストとしての仕事にフォーカス。アール・ヌーヴォーを代表する作家が、どのように独創的なスタイルを築いていったのか、また、後世のグラフィック・アートにどのような影響を与えたのかについて、ミュシャ自身の作品と、20世紀後半のマンガやポスターなどで紹介しています。展覧会の音声ガイドナビゲーターは、俳優の千葉雄大さん。話題のドラマなどに多数出演されている千葉さんが、音声ガイド収録にかけた思いや展覧会について、語ってくれました。ミュシャに扮して出演!――音声ガイドの収録で、心がけた点はありますか?千葉さんあまりかしこまった感じにはならないように意識しました。もちろん、お伝えしなければならない情報などはありますけど、距離感が近い感じになるよう取り組みました。より詳しく情報を聞きたい方も、エンタメとしてお気軽に聞いていただければと思います。――音声ガイドの第一部では、ミュシャに扮して出演されていますね。千葉さんミュシャに扮しているときは、特に晩年のセリフなどは感情をこめて話しました。ミュシャ自身が自分の職業について語るところでは、すごく印象深い言葉もありました。――第二部では印象がガラリと変わりますね。BGMには展覧会イメージソングであるGLIM SPANKYの「TV Show」が流れていて、かっこいいです。千葉さんそうなんですか(笑)。実は、ぼく自身はまだ完成した音声ガイドを聞いていないのです(笑)。GLIM SPANKYは大好きなバンドなので、完成版を聞くのが楽しみです。意志が強い方なのかな…――収録は、とてもスムーズだったとお聞きしました。千葉さんそれほど経験があるわけではないのですが、声の仕事はわりと好きです。今回の収録では、例えばミュシャの出身地であるイヴァンチツツェとか、日本語ではない発音はちょっと難しかったですね。――ミュシャの役をされてみて、ミュシャはどんな人だと思われました?千葉さん舞台や広告のポスターを描くというのは、表現の場ではあるけれど規制がありますよね。そのなかで自分を表現するということに関しては、役者の職業と通じる部分でもあるのかな、と思いました。ミュシャは、いろいろと規制があるなかで、自分の色を忘れずに表現されています。そこが、愛されている理由のひとつであるのかな、と思いました。わかりませんけど……意外と意志の強い方だったのかもしれません。好きな女性のタイプは…――ミュシャはパリジェンヌからスラブ系まで、さまざまな女性をモデルにして描いています。今回の展示作品の中では、どの女性がタイプですか?千葉さんスラブっぽい雰囲気の女性の絵は好きかも。作品を見るときは、色彩にも目が行きますが、輪郭もよく見ます。今回の中で選ぶなら、《ジョブ》のモデルさん。ポイントは、あごの上げ方とか口の開け方とか、表情とか……。――さすが役者さんですね。見るポイントが違います。千葉さんでもこの絵、よく見ると危ないですね。タバコの先が小指にあたっていて熱そうです。でも、このタバコの煙が上に上がっていき、それがそのまま文様になっていて、デザインになっています。ミュシャの絵は、人物もいいですが、装飾的な背景も好きです。エキゾチックなものにも目が行きますね。――小指の指摘はおもしろいですね。千葉さんはご自身でも絵を描かれるそうですね。千葉さん絵は得意というほどではないのですが……。最近は、仕事でお願いされたら描くぐらいでして。ただ、もとをたどると、ぼくは洋服がすごく好きなので、ファッション画みたいのが好きですね。小さい時から描いていた気がします。考古学者になりたかった――ミュシャは日本の美術などにも影響を受けたそうですが、千葉さんが影響を受けた国はありますか?千葉さんエジプトが好きですね。昨年行ったのですが、よかったです。時代がすごく前にもかかわらず、装飾品とか色あせないきれいさがありました。ピラミッドなども含めて全体的にエジプトが好きで、わからない部分もたくさんあるから興味がわきました。――エジプトが好きになったきっかけは?千葉さん子どものころテレビでエジプト特集の番組を見たり、地元の博物館にエジプトの作品がきたりしたときに興味をもったのがきっかけです。一時期は考古学者になりたいとも思っていました。ミュシャのポーズも真似てみて!――最後に、展覧会をご覧になる方にメッセージをお願いします。千葉さんミュシャのファンだけでなく、ミュシャの影響をうけたマンガ家さんの作品もあるので、そのファンの方も楽しめます。また、撮影ができるところも一部あるので、記念に残して楽しんでいただけると思います。あとは、ミュシャのポスターでは女性がいろいろなポーズをしているので、そんなポーズを真似て写真を撮るのもおもしろいですよね。でも、それは展示室を出てから、楽しんでいただければと思います。(笑)マンガ家の作品も必見!展覧会では、後半部分にミュシャから影響を受けた60~70年代のロック・ミュージックのアルバム・ジャケットやポスターのほか、日本のグラフィック・アーティストや少女マンガ家たちの作品も登場します。千葉さんが「日本のマンガ家さんの作品もとてもきれい」と絶賛していましたが、天野喜孝さんの作品など、本当に美しいアートが揃っています。展覧会は東京のあと、京都、札幌、名古屋、静岡(予定)、松本に巡回。ぜひお近くの会場に足を運んでみてくださいね!Information会期:~9月29日(日)※7/30(火)、9/10(火)のみ休館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷・東急本店横)料金:一般 ¥1,600/大学生・高校生¥1,000/中学生・小学生 ¥700※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年07月27日歌手の吉川晃司さんが、特別展『三国志』取材会に登場! 海外初出品となる貴重な出土品の前で、歴史好きになったいきさつや展覧会の注目作品について語りました。吉川晃司さんがガイド!【女子的アートナビ】vol. 152東京国立博物館 平成館でスタートした日中文化交流協定締結40周年記念 特別展『三国志』では、中国で百年あまり続いた「三国志の時代」の政治や軍事、文化などに関する文物や出土品などを展示。海外初出品となる河南省の曹操高陵(そうそうこうりょう)や呉(ご)の皇族クラスの墓からの出土品など、多くの貴重な作品とともに、三国志の壮大な世界をリアルに体感できます。開幕前に開かれたプレス内覧会には、展覧会の音声ガイドを務める吉川晃司さんが登場! 三国時代の武将、曹操の墓室の一部を再現した「曹操高陵」展示室にて、見どころなどを語りました。人生最大の岐路で出会ったモノは…――『三国志』にお詳しいとうかがっていますが、なぜ親しまれるようになったのですか?吉川さん人生では、いくつか躓くことがあると思うのですけど、自分にとって最大の岐路は30代のはじめにあり、そのとき何か指南書みたいなものを見つけたいと思いました。それまでは己を物差しに生きてきたタイプで、困ったからといって助けを乞えるあてもなく、ただ史実や偉人などに何かヒントが見つかるのではないか、と思ったのが最初です。まず日本の歴史をたどっていくと、ほぼ間違いなく中国の故事などが出てくるのです。そこを知らない限り前に進めなくなってしまい、読み始めたらハマっちゃいました。人間社会への教訓も…――『三国志』の魅力は、どういうところにあると思いますか?吉川さん史実的には、殷周時代や春秋戦国時代が一番文化に変化があり、おもしろい時期だと思います。その刺激的なことやドラマチックなことを盛り込み、史実も含めて「三国志演義」として脚色してあるのです。また、『三国志』では結局「兵どもが夢のあと」ということで、誰も最後は成就できず、司馬(しば)氏に全部まるごと持っていかれてしまうのですが、その皮肉もこめられていると思いますね。人間社会の栄枯盛衰を表す教訓ではないかと思っています。過去はファンタジー!――展覧会で感銘を受けた作品はありますか?吉川さんこの展示室には「曹操高陵」が再現してありますが、自分はテレビの撮影で現地に行き、入口までは入れたのですが、当時その先まで行けなかった。(展示品の《罐(かん)》を見て)こういうものが出てきたのだな、と。なるほど惜しかった、行きたかったな、と。(笑)――最後にメッセージをお願いします。吉川さんやはり過去というのは、ものすごく魅力的です。ぼくはファンタジーだと思います。ぜひ、みなさんもこの展覧会で史実を学びながら、夢の中に入っていって楽しんでもらえるといいかなと思います。リアルな関羽やコラボも必見!会場では、迫力の関羽像(かんうぞう)をはじめ、三国時代のリアルな戦乱を物語る兵器や文物がたくさん並んでいます。また、横山光輝による漫画『三国志』の原画や、川本喜八郎のNHK『人形劇三国志』で使用された人形の展示、さらにはコーエーテクモゲームスの『三國志』『真・三國無双』シリーズのキャラクターも展覧会とコラボ。世代を超えて楽しめる内容になっています。会期は9月16日(月・祝)まで。ぜひ足を運んでみてくださいね!Information会期:~9月16日(月・祝)休館日:月曜※ただし8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)は開館時間:午前9時30分~午後5時※金・土曜は午後9時まで※入館は閉館30分前まで会場:東京国立博物館 平成館料金:一般 ¥1600/大学生 ¥1200/高校生 ¥900/中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年07月20日アニメーション映画監督・高畑勲(1935-2018)の“演出術”にフォーカスした回顧展、『高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの』が東京・竹橋の東京国立近代美術館ではじまりました。展覧会の音声ガイドナレーターをつとめるのは、俳優の中川大志さん。気になる内容や見どころをお伝えします!中川大志さんがガイド!『高畑勲展』【女子的アートナビ】vol. 151この展覧会では、総合芸術としてのアニメーションをつくりあげた監督・高畑勲氏の創作活動を、1,000点を超える作品や初公開の資料などによって紹介。絵を描かない高畑監督が、どのように新しい表現方法を追求し、作品に昇華させていったのか、その創造の軌跡を知ることができます。音声ガイドナレーターは俳優の中川大志さん。現在出演中の連続テレビ小説『なつぞら』で坂場一久役を演じている中川さんは、次のメッセージを寄せています。「自分たちが当たり前のように目にしていた作品が、どんな思いで、どんな苦悩を経て、どんな手法で作られていたのかを知ることができる貴重な機会です。日本のアニメーションの歴史でもある『高畑さんの人生』を存分に楽しめる音声ガイド、ぜひお楽しみください」展覧会場の入り口をぬけると音声ガイド機(¥550税込)を借りるブースがあるので、ぜひ中川さんの案内を聞きながら作品を楽しんでみましょう!宮﨑駿氏の原画も…!それでは、会場に入ってみます。まずは、高畑監督が手がけた仕事や業績などが記された年譜が壁一面に登場。作品数の多さに圧倒されます。そして、モノクロ写真で飾られたアーチを抜けると、「第1章 出発点」がはじまります。1959年に東京大学文学部仏文科を卒業し、東映動画(現・東映アニメーション)に入社した高畑監督は、まず演出助手としてアニメーション制作にかかわります。会場には、当時の貴重な制作ノートや絵コンテなどが勢揃い。ここでの見どころは、長編アニメーション初監督作品となった『太陽の王子 ホルスの大冒険』のコーナー。登場人物の人間関係を記した図や、感情の起伏を視覚化したテンションチャートなど、作品を作り上げていくプロセスがわかる資料は見ごたえがあります。また、当時、新人アニメーターだった宮﨑駿氏の原画も展示されています。ハイジの世界へ!続いて、第2章「日常生活のよろこび」では、『アルプスの少女ハイジ』をはじめ、『母を訪ねて三千里』、『赤毛のアン』など昭和世代には懐かしいテレビの名作シリーズが登場します。オープニング・フィルムの原画や動画、背景画、制作ノートなどが展示されていますが、特に見逃せないのは、アニメーター小田部羊一氏による主要キャラクターのデザインスケッチ。主人公のハイジが現在のデザインになるまでの過程が見られて楽しいです。高畑監督は、ハイジの日常生活をリアルに描くことを目指し、物語の舞台となるアルプスの自然環境などを取材するため、テレビ・アニメーションとして初の海外ロケハンを実施。宮﨑氏などクリエイターやプロデューサーたちと一緒に約10日間スイスとドイツをまわりました。そのときに撮影された写真なども会場で紹介されています。また、アルプスの山小屋をリアルに再現した美しいジオラマも展示。こちらは写真撮影OKです!続く第3章では『火垂るの墓』など日本を舞台にした作品群が登場し、最後の第4章では、新たなアニメーションへの挑戦についても詳しく紹介されています。アニメーターのインタビューも!音声ガイドでは、ナレーターとして中川さんが作品解説をするほか、アニメーターの大塚康生氏や小田部羊一氏などのインタビューも聞くことができます。文学や美術、音楽、映画など幅広いジャンルの知識を持ち、またクリエイターやスタッフからも慕われていた高畑監督。彼の手がけた作品を見ることで、アニメーションの歴史だけでなく、日本の文化史も知ることができます。ぜひぜひ、足を運んでみてくださいね!Information会期:~10月6日(日)休館日:月曜(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)、 8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)時間:10:00-17:00 ( 金曜・土曜は10:00-21:00 )*入館は閉館30分前まで会場:東京国立近代美術館料金:一般 ¥1500/大学生 ¥1100/高校生 ¥600、中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年07月13日おしゃれなデザインやライフスタイルで注目を集めるフィンランド。『ムーミン』も生み出した北欧の国から、女性芸術家たちのステキな作品が来日しています! 個性的な絵画や版画、そして彼女たちの生き方からパワーをもらえる展覧会をご紹介!100年前のキャリア・ウーマンが集結!【女子的アートナビ】vol. 150東京・上野の国立西洋美術館 新館展示室2階で、『日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念 モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち』がはじまりました。この展覧会では、19 世紀後半から20 世紀初頭のフィンランドで活躍した女性芸術家たちにフォーカス。日本でも回顧展が開かれた画家ヘレン・シャルフベック(1862-1946)など7人の作家たちによる絵画や彫刻、素描、版画など85点の作品が展示されています。作品と一緒に注目したいのが、彼女たちの“生き方”。紹介されている作家たちはみな自立し、プロのアーティストとしてキャリアを築き上げていました。なかにはシングルマザーとして活動していた人もいます。前大統領も絶賛!でも、なぜ当時、彼女たちは男性中心のヨーロッパ社会で活躍できたのでしょう?展覧会の開会式に出席した国立西洋美術館長、馬渕明子さんによると、フィンランドではこの時期、ロシアからの独立運動のなかで、社会における女性の立場や役割に大変革が起こっていた、とのこと。また、19世紀半ばに設立されたフィンランドの美術学校は、当時のヨーロッパでは珍しく、創立当初から男女平等の美術教育を行い、女性たちは奨学金や留学のチャンスもつかみ、芸術家としての道を切り開くことができたそうです。開会式には、フィンランドの前大統領タルヤ・ハロネンさんも出席。同国初の女性大統領として活躍されたハロネンさんは、この女性芸術家たちについて、「仕事との両立が難しい時代に、彼女たちは友情を通してお互いを支え合い、世界の中で先駆者となった」とその偉業をたたえました。生き方にも注目!それでは、展示室に入ってみます。7人の芸術家たちが時代順に並び、彼女たちの写真とプロフィールも一緒に紹介されています。日本では、あまり紹介される機会のなかった作家も多いので、まずはプロフィールを読んでから作品を見たほうがよさそうです。例えば、こちらはシーグリッド・ショーマン(1877-1979)のコーナー。彼女は美術学校で学んだあとデビューし、イタリアやフランスにも滞在。フィレンツェでは、画家仲間のエレン・テスレフと一緒に制作しています。ショーマンは、この展覧会で紹介されている女性芸術家のなかで唯一子どもを持った人ですが、パートナーが結婚前に亡くなってしまったため、未婚のシングルマザーとして仕事をしながら娘を育てたそうです。展示されている作品は、トスカーナ地方の小都市で描かれた風景画や自画像などの油彩画8点。娘を描いた絵もあります。色彩や光に関心を持っていたショーマンの作品は心地よい明るさがあり、見ていると元気が出てきます。ロダンの弟子も…絵画作品だけでなく、彫刻作品も展示されています。例えば、シーグリッド・アフ・フォルセルス(1860-1935)は、パリでロダンに学んだこともある彫刻家で、彼の傑作《カレーの市民》制作時には助手もつとめました。彼女は人生の大半をフランスとイタリアで過ごし、制作や展覧会への参加も滞在先の国で行うなど、国際的な環境のなかで活動しました。ちなみに、現在、国立西洋美術館では、企画展示室にて『国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展』を開催中です。こちらの企画展や常設展示室、さらに美術館の前庭などでもロダン作品をいろいろ見ることができるので、ぜひ師匠と弟子の作品を見比べてみてください。(※企画展は別途観覧料が必要です。)また、別室の版画展示室も要チェック。ここでは女性芸術家の美術教育に焦点をあて、美術学校での授業などが作品とともに紹介されています。パワーをもらいに…!フィンランドでは、女性が大統領などの高い地位につくなど、社会のあらゆる分野で女性が活躍しています。そういった働きやすい環境の一端を100年前につくりあげた女性アーティストたちの作品は、見ているだけでパワーがわいてきます。この展覧会は、常設展の料金だけで観覧OK。ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!Information会期:~9月23日(月・祝)休館日:月曜日、7月16日(火)(ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館)時間:9:30~17:30毎週金・土曜日:9:30~21:00※入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館 新館展示室2階料金:一般 ¥500/大学生 ¥250/高校生以下及び18歳未満、65歳以上無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものを要提示)※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年06月28日東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、『印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション』が開催中です。この展覧会では、英国・グラスゴーで海運業により富を築いたウィリアム・バレル(1861-1958)の豪華なコレクションを紹介。さらに、バレエを題材にしたドガの傑作《リハーサル》初来日にあわせ、世界的バレエダンサー・熊川哲也さんが展覧会に来場されました!写真:Yuya Furukawa(熊川哲也)76点もの作品が日本初公開!【女子的アートナビ】vol. 148『印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション』では、グラスゴー市にある世界屈指の美術館「バレル・コレクション」から73点もの作品が来日。同市内にあるケルヴィングローヴ美術博物館所蔵のゴッホ作品なども含めた出品総数80点のうち、なんと76点の作品が日本初公開となっています。船舶の売買などで大きな成功を収めたウィリアム・バレルは、1944年に自身で集めた数千点ものコレクションをグラスゴー市に寄贈。その際、「海外には持ち出さない」などの条件をつけていたので、今まで英国外でほとんど彼のコレクションを見ることができませんでした。ただ、現在、本国の美術館が大規模改修中で閉館しているため貸し出しが可能となり、貴重な作品群の初来日が実現したそうです。展示されているのは、クールベやセザンヌ、マネなど巨匠たちによるフランス絵画を中心に、オランダ、スコットランドの画家たちによる作品など名画ばかり。日本初公開作品をたくさん見られるということもあり、連日多くの人が訪れています。なぜグラスゴーにフランス絵画?とはいえ、なぜ海運王バレルは上質なフランス絵画を多く集められたのでしょう?バレルの出身地、スコットランドは、歴史的にフランスとの結びつきがあり、文化面でも影響を強く受けていました。さらに、グラスゴーには、パリで修行した目利きの画商がいたため、コレクターたちは一流のフランス絵画を収集できたそうです。フランスだけでなく、地元スコットランドの絵画もバレルは熱心に集めていました。例えば、グラスゴー出身の画家、サミュエル・ジョン・ペプローの作品も今回の会場で見ることができます。ペプローはパリで学び、印象派などの影響を受けた画家で、スコットランドで活躍。特にバラの絵を好んで、繰り返し描いたそうです。この作品の近くには、フランスの巨匠、マネの描いたバラの絵も展示されているので、見比べてみるのも楽しいですよ。ドガ《リハーサル》は必見!今回の展示で特に見逃せないのは、ドガの名作《リハーサル》。彼はバレエをテーマにした作品を多く残していますが、特にこの絵は初期に描かれた油彩画のひとつ。色彩の美と大胆な構図が特徴の本作品は、やわらかな光が差し込む室内の様子が繊細に描かれていて、とても美しいです。そして、バレエをテーマに描いたこの作品の初来日にあわせ、世界的なバレエダンサー・熊川哲也さんが展覧会に来場されました!熊川さん、ドガに感動!熊川さんは、東洋人としてはじめて英国ロイヤル・バレエ団に入団した天才バレエダンサー。現在、Kバレエカンパニーを主宰され、Bunkamuraオーチャードホール芸術監督も務めるなど幅広く活躍されています。そんな熊川さんが作品を鑑賞し、感想など語りました。まず、メインとなるドガの《リハーサル》については、「我々バレエダンサーの世界を150 年前に描いた作品で、実際に見ることができて非常に光栄」と感想を述べ、「現在の稽古風景と共通するところ、対して変化したところは何なのか、自分の中にさまざまな問いかけが生まれた」とコメント。さらに、本物の作品を見て感動した熊川さんは、「買えるものなら手にしたいくらい。そうですね、5 億だったら買いたいな。冗談ですよ!(笑)」とユーモアをまじえて語ったあと、「バレルは作品選びに一貫性があり、ただのお金持ちの道楽ではないと思った」とコレクションの質の高さについても言及しました。ご自身でも彫刻作品や古い写真、楽譜などを収集しているという熊川さんは、「目に映るものがすべてきれいで完璧であってほしいという意識が常にある」と一流バレエダンサーならではの視点でアートについて語ってくれました。熊川さんも感動したこの展覧会は、6月30日まで開催。ぜひ本物の作品をご覧になってみてください!Information『印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション』会期:~6月30日(日)※6月4日(火)のみ休館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 ¥1,500/大学生・高校生¥1,000/中学生・小学生 700円
2019年05月31日ここ数年、メイクやファッションの世界で注目を集めているワード「ジェンダーレス」。中性的な魅力で男女問わず魅了する“ジェンダーレス女子”や“ジェンダーレス男子”が人気を集めていますが、ちょっとコツを掴めばあなたも“ジェンダーレス女子”に変身できちゃうんです!ジェンダーを飛び越えた唯一無二の個性を手に入れて、ハンサムに輝く“ジェンダーレス女子”になれるメイクのコツを解説します!ハンサムで個性的な“ジェンダーレス女子”の魅力出典:byBirthここ数年でぐっと注目を集めるようになった、“ジェンダーレス”という言葉。ジェンダー(性別)にとらわれない、といった意味の言葉で、男女という既存のジェンダーを飛び越えた存在や、ものごとの考え方に使われることが多いです。中でも女性のファッションやメイクなどでは、女性らしさを引き出す従来のスタイルとは一線を画す、中性的でハンサムなスタイルが注目を集めています。少しボーイッシュな雰囲気で流行やモテなどに左右されない、凛とした大人っぽさのあるジェンダーレスメイク/ファッションは、オトナ女子にもおすすめ。男性ウケだけでなく、同性からも憧れられるような独特の美しさを持つジェンダーレススタイルに夢中になる人が、現在続々増加中なんです!“ジェンダーレス女子”のメイク・ファッション・ヘアスタイルの特徴メイクはヌーディでナチュラル、さりげなく目力を強調出典:byBirthジェンダーレス女子のメイクには、女性らしい甘さはありません。あくまでもナチュラルに、でもさりげなくチャームポイントを強調するようなメイクが一般的。基本的にカラーは多くは取り入れず、ブラウン系やベージュ系、カーキなどのヌーディなカラーが基本。キリッとした目もとをさりげなく強調することで、より凛々しいハンサムな印象に仕上がります。ボーイッシュな中にも個性を感じるカジュアルファッション出典:byBirthジェンダーレス女子のファッションは、ボーイッシュな少年のようなアイテムを上手に使ったカジュアルコーデが基本。あまり流行に左右されず、自分の個性を大事にすることが大切です。あまりボディラインを強調するような女性らしいアイテムは使わず、ビッグサイズのトップスやダボッとしたボーイフレンドデニムなどを取り入れると良いでしょう。さらに、モノトーンで揃えればカジュアルでも子供っぽくない、オトナなジェンダーレス女子になれますよ!男性よりイケメン!?な色っぽショートヘア出典:byBirthジェンダーレス女子のヘアスタイルは、ショートがスタンダード。あまり明るい色味にはせず、黒髪などのダークカラーをチョイスすれば、大人の魅力いっぱいのジェンダーレス女子になれます。ちょっぴり個性を出したいなら、透明感のあるアッシュ系や金髪などもいいかも。束感のある無造作アレンジでほんのり色気を見せれば、男性よりイケメンなハンサムショートの完成!ジェンダーレス女子になれちゃう!メイクのコツ出典:byBirthブラウン系のナチュラルアイメイクは陰影を活かしてジェンダーレス女子のメイクはカラーレスが基本です。ブラウン系やベージュ系のアイシャドウを用いて、陰影を活かしたメイクを心がけましょう。シェーディングやハイライトカラーなどを用いて、立体感のある目もとや鼻筋を演出すれば、外国の美少年のようなメリハリある彫深メイクに!アイラインもあまり濃く入れると女性らしくなりすぎてしまいます。強調したいポイントを絞って入れるのが良いでしょう。おすすめなのが、目尻にだけアイラインを引くこと。切れ長の目もとをさりげなく演出して、凛とした印象を与えてくれます。リップも色味を抑えたナチュラルカラーリップも色味のあまり濃くないナチュラルカラーがおすすめ。オレンジ系やベージュ系など、唇をさりげなく綺麗に見せる色味のものがおすすめです。元々の唇の血色が良い方は、リップコンシーラーで色味を抑えたり透明グロスでツヤを出すだけでも十分です。モードな雰囲気を出したい時には、敢えて濃いめの赤やピンクのリップをチョイスするのもおすすめです。大人っぽく、アンニュイな雰囲気に。パープル系のダークカラーリップで攻めてみるのもアリかも!チークは無しorふんわり自然にジェンダーレス女子は基本的にチークは薄めor使わないのがお約束。ピンクや赤などの可愛らしい色を頬にのせてしまうと、どうしても女性らしいキュートな印象が強くなってしまうからです。どうしても肌に血色感を持たせたい場合には、ヘルシーなイメージのオレンジやベージュ系のチークがおすすめ。肌なじみが良いため、「メイクをしています」感を限りなく抑えてくれます。頬の真ん中に入れるのではなく、少しフェイスライン寄りの部分に入れるのも大事なポイント。すっきりと小顔に見えて、シャープな印象に!今年は“ジェンダーレスメイク”で彼よりハンサムになっちゃおう!出典:byBirthジェンダーを越えて、男性も女性も魅了するジェンダーレス女子。その唯一無二の魅力は、なにより色々な流行やカテゴライズにとらわれず、自分自身の個性を大切にできる芯の強さにあります。流行を追ったりモテメイクに挑戦するのも立派な自分磨きのひとつですが、時に自分らしさを見失ってしまう時もあるかもしれません。そんな時に、ジェンダーレスメイクやファッションを試してみてください。もしかしたら、自分でも気がつかなかった自分自身の新たな魅力に気づけるかもしれませんよ!
2019年05月27日東京・六本木の国立新美術館で、『ウィーン・モダンクリムト、シーレ 世紀末への道』がはじまりました。女子の心をわしづかみにするウィーンのアートやインテリアなど約400点が集結! 特におすすめの作品について、主任研究員の本橋弥生さんに聞いてきました!ウィーン文化を体感!【女子的アートナビ】vol. 146『ウィーン・モダンクリムト、シーレ 世紀末への道』では、19世紀末に花開いたウィーンの世紀末芸術を軸に、18世紀後半から20世紀初頭にかけての絵画やファッション、インテリアなどの作品約400点を展示。展示作品のほとんどは、オーストリアのウィーン・ミュージアムから来日しています。ウィーン市の歴史・文化資料を多数所蔵する同ミュージアムは、現在、改修工事のために閉館中。そのため、日本でまとめて貴重なコレクションを見ることができるそうです。担当学芸員さんに聞いてみた!今回、展覧会を担当された国立新美術館の主任研究員、本橋弥生さんに、女子におすすめの作品を3点セレクトしていただきました。――ひとつめの作品を教えてください。本橋さんまずは、《エミーリエ・フレーゲのドレス》がいいと思います。エミーリエは、当時(19世紀末~20世紀初頭)としては珍しく、結婚せず独身で通し、非常に聡明で強いキャリア・ウーマン(?)でした。そういった点で、今の私たちにも共感するところがあるかと思います。――自立した女性だったのですね?本橋さんそうです。このドレスも、実は革新的だったのです。当時、女性はコルセットで締めあげられ、ひとりで立っていられないような状態で、支えられる存在でした。男性の権力や財力を見せるための、いわば人形のような存在だったのです。このドレスは、エミーリエ本人が着て、販売もしていた“改良服”といわれるものです。コルセットで締めつけず、女性が快適に動けて、さらに美しくもあるという服装は、その人の生き方やライフスタイルを反映するもので、エミーリエの強い意思が表明された興味深い作品だと思います。※筆者注:エミーリエ・フレーゲ(1874-1952)は、画家グスタフ・クリムト(1862-1918)と親密な関係にあった女性実業家。今展のメインビジュアルで使われているクリムトの《エミーリエ・フレーゲの肖像》も、彼女をモデルにした作品です。奇跡の銀器は必見!――ふたつめのおすすめ作品をお願いします。本橋さん個人的に、すごく好きな作品をご紹介します。市民文化が開花した19世紀前半、ビーダーマイアー時代に制作された銀器です。――とてもシンプルでモダンな雰囲気ですね。本橋さんそれまでの芸術品や家具、ドレスは、権力や財力をいかに示すか、というものが多く、装飾的で威圧的で、その人の地位を示すものでした。このような燭台などにも、花やキューピットなどでごてごてと装飾されていたのです。そんな時代に、一気にこれだけシンプルですっきりとしたデザインの一点物が手づくりされるようになったというのは、奇跡に近いと思います。銀の輝きもすばらしいです。――どのような人たちが使っていたのですか?本橋さん主にユダヤ人をはじめとする都市の富裕層です。18世紀後半、啓蒙主義を支持していた皇帝ヨーゼフ2世の改革でユダヤ人がウィーンに集まるようになり、商業で成功した彼らが文化のパトロンとなって、銀器などもつくられるようになったのです。これらの銀器は、とても丁寧につくられていて、まるでモランディ(※)の静物画のような美しいたたずまいで、日本のわびさびにも近いものがあります。ごてごてと装飾されていた時代に、これだけ価値観の転換があったのはすごいことだと思います。※ジョルジョ・モランディ(1890-1964)は、瓶などをモチーフにした静謐な絵を描いたことで知られるイタリアの画家。――こちらの作品も、かなり現代的なデザインですね。本橋さん右側にあるのは、軍用のトラベルセットで、組み立ててコンパクトにできるようになっています。多機能的で、バウハウス(※)を100年先取りしていたのですね。モダンデザインというのは20世紀に入ってからの発想と思っていたのですが、この時代からあったというのが驚きです。※バウハウスは、1919年にワイマール共和国に創設された総合造形学校。近代建築やデザイン、絵画などに大きな影響を与えた。最後はクリムト!――最後のおすすめ作品をお願いします。本橋さん最後は、クリムトの絵画をご紹介します。クリムトは、「キュンストラーハウス」という伝統的で保守的な芸術団体にいたのですが、脱退して、1897年に「ウィーン分離派」を結成します。自分たちで新しい芸術をつくりたいという思いで立ち上げました。本橋さんこの作品は、1898年に建てられた分離派会館に展示する絵として特別に描かれました。自分たちの新しい指針を示すのに適した寓意像で(戦いの女神である)パラス・アテナが描かれています。鎧(よろい)の首の部分には、舌を出したメドゥーサが金色で描かれていて、権威などに対して舌を出しているといわれています。展示の際、ライティングを工夫して、下から光を当ててみました。すると、明るい色が見えてきて、背後にもいろいろなものが見えるようになったのです。クリムトの色づかいは本当にきれいなので、ぜひそれも見ていただきたいです。――詳しくご解説いただき、ありがとうございました。シーレもあります!会場には、ほかにも家具や建築模型、ポスターなど、ウィーンの文化を感じられる作品がぎっしりと並んでいます。さらに、クリムトと同時代に生きた天才画家、エゴン・シーレ(1890-1918)の退廃的な雰囲気が漂う作品も見ることができます。東京会場の会期は8月5日まで。その後は、大阪(8月27日~12月8日 国立国際美術館)に巡回します。どうぞお見逃しなく!Information会期:~8月5日(月)開館時間:10:00 ~ 18:00※毎週金・土曜日は、5・6月は20:00、7・8月は21:00まで。5月25日(土)は「六本木アートナイト2019」開催に伴い22:00まで開館。※入場は閉館の30分前まで開催場所:国立新美術館 企画展示室1E休館日:火曜日観覧料:一般¥1,600 、大学生¥1200、高校生¥800、中学生以下無料
2019年05月18日上野の東京都美術館で『クリムト展 ウィーンと日本 1900』が開かれています。この展覧会では、19世紀末のウィーンで活躍した画家、グスタフ・クリムト(1862-1918)の貴重な作品が集結。ドキッとする官能的なアートや貴重な初期作など、見どころをご紹介します!過去最多の油彩画、来日中!【女子的アートナビ】vol. 147『クリムト展 ウィーンと日本 1900』では、世界最大級のクリムト・コレクションを誇るベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館から、貴重な作品が多数来日。日本では過去最多となる25点以上の油彩画が集まり、さらに素描や関連作品など含めて100点以上が展示されています。2019年は、日本とオーストリアの間に国交が樹立して150周年となる記念の年。そして、前年の2018年はクリムトの没後100年ということもあり、今回の企画が実現したとのこと。日本にいながら上質なクリムト作品をまとめて見られる貴重なチャンスです。クリムトの生い立ちからスタート展示は8章で構成され、まずは画家の初期作品から見ることができます。ウィーン郊外の金工師の長男として生まれたクリムトは、1876年からウィーンの工芸美術学校で素描と絵画を学びます。その後、市立劇場の天井画や壁画、ウィーン美術史美術館の壁面装飾などを手がけながら力をつけて、ウィーンを代表する画家となっていきました。クリムトといえば、金を使った装飾的な絵画が有名ですが、初期のころはアカデミックで古典的な絵も描いていました。会場では、最初期に描いた男性裸体の習作や銅製彫金のレリーフなども見ることができます。エロティックな傑作1897年、ウィーンの保守的な芸術団体から脱退したクリムトは、「ウィーン分離派」を結成。初代会長となり、個性的な作品を手がけるようになります。そのころに描いた傑作が、この展覧会のメインビジュアルとなっている傑作《ユディトⅠ》。半開きのうつろな目や口元、はだけた胸元などの描写がかなりエロティックで、薄暗い展示室でこの作品と向き合うとドキドキします。東京都美術館の学芸員、小林明子さんの解説によると、「1900年以降、およそ10年間はクリムトの黄金様式の時代と称され、金箔をはじめ、金の表現を非常に洗練させていった」とのこと。この金箔は、日本美術からの影響も指摘されているそうです。また、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館の学芸員、マークス・フェリンガーさんによると、この作品には「女性のエロス、生身の身体と彩る装飾品など、クリムトの代名詞となっている要素が含まれている」とのこと。さらに、クリムトは複数の女性と関係を持つなど、奔放な恋愛関係で知られているのですが、そんな彼自身が抱いていた不安から生じる不安定な気持ちがこの作品に込められているそうです。ローマからきた傑作も必見!もうひとつ、見逃せないのがローマから来日した傑作《女の三世代》。展覧会を監修された成城大学名誉教授で広島県立美術館館長の千足伸行さんによると、本作はクリムトの中でも完成度が高く、すばらしい作品とのこと。赤ちゃんと母親、高齢の女性という三世代の女性の姿が表現されているのですが、老いた女性が残酷なくらい醜く描かれています。「この作品では、時代や宗教に関係なく誰もがたどる“運命”を表しているが、そんな暗いテーマでもクリムトは装飾的なモチーフを使い、色彩的にも美しい作品に仕上げている」と千足さん。この装飾的な部分にも、日本美術の影響があるそうです。ほかにも、風景画や肖像画、ウィーンの分離派会館に描かれている壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の原寸大複製なども展示。作品を通して、クリムトの人生をたどることができます。東京都美術館での会期は7月10日(水)まで。その後は、豊田市美術館(愛知県)に巡回します。ぜひ、本物の美しいクリムト作品をご覧になってみてくださいね!Information会期:~7月10日(水)開館時間:9:30~17:30※金曜日は9:30~20:00※入室は閉室の30分前まで開催場所:東京都美術館 企画展示室休室日:5月20日(月)、27日(月)、6月3日(月)、17日(月)、7月1日(月)入場料:一般¥1,600 、大学生・専門学校生¥1300、高校生¥800、65歳以上¥ 1,000、中学生以下無料
2019年05月11日六本木の森アーツセンターギャラリーで、『ムーミン展 THE ART AND THE STORY』がはじまりました。 みんな大好きなかわいいキャラクターの原画や資料などが集まるこの展覧会では、今まであまり見ることのできなかった貴重な作品も登場! 展示の見どころを、ムーミン美術館の館長さんに聞いてきました!『ムーミン展』スタート!【女子的アートナビ】vol. 145世界中で愛されているムーミンですが、特に日本での人気は絶大。この3月には埼玉にテーマパークも誕生し、ますます注目を集めています。そんなキャラクターの魅力がたくさん詰まった展覧会では、小説の挿絵に使われた原画やスケッチ、かわいいフィギュアやグッズなど約500点が勢ぞろい。フィンランドにあるムーミン美術館とムーミンキャラクターズ社の貴重な所蔵作品を中心に紹介されています。会場の雰囲気も、とってもステキ! アートディレクションを担当されたのは、映画や展覧会のグラフィックを数多く手がけているデザイナーの大島依提亜さん。展示作品だけでなく、空間全体も楽しめます!ムーミン美術館の館長さんに直撃!今回、ムーミン美術館の館長、タイナ・ムッリィハルエさんに、展覧会の見どころなどお聞きしました。――まず、日本で展覧会が開催されることについて、ご感想をお聞かせください。ムッリィハルエ館長前にも日本で展覧会をやったことがありますが、今回が今までで最大級のものです。さらに今回は、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して開催されています。この機会に開催できることをとてもうれしく思います。――展覧会の見どころを教えてください。ムッリィハルエ館長まず、ムーミンの物語を伝えたいと思っています。どのようにムーミンが誕生したのか。何十年の間でどう進化したかを伝えたいと思っています。また、物語には、みんなと仲良くするとか、寛容とか、家族や友だち、さらに自然を大事にするとか、そういう大事なメッセージがあることもお伝えできればと思います。ムーミンは黒かった!?――今回の展示では、ムーミンの原形ともいわれる黒いムーミンの絵がありました。このキャラクターはどのように誕生したのですか?ムッリィハルエ館長もともと、作者のトーベ・ヤンソンが子どものころ夏にスウェーデンの親類たちと一緒に過ごしていたとき、夜に抜け出してつまみ食いをすることがあって、それに怒ったおじいさんが「夜起きると、“スノーク”が襲ってくるよ」と怖い話をしました。そのときに沸いたイメージが、長い鼻の怖いキャラクターでした。例えば、その生き物はクローゼットの後ろに隠れていたり、暖炉の後ろに隠れているような怖い存在で、最初は黒い色でした。その後、だんだんと変わってきたのです。――浮世絵との比較展示もありますが、トーベはアジアにも関心があったのですか?ムッリィハルエ館長トーベは日本のアートや浮世絵に関心を持っていまして、それは50年代に日本に来てからますます興味を持つようになったと思います。彼女のコレクションの中には、日本や極東地域のコレクションもあり、生涯を通して日本の芸術に関心を持っていたと思います。――トーベの原画を見ると、かわいいだけでなく、深い精神性も感じられます。彼女の絵の魅力は、どんなところにありますか?ムッリィハルエ館長まず、絵がとてもうまいといえると思います。彼女の描いている線は、とてもしっかりとした良い線です。アーティストとして優れているから、それにストーリーもついてくるのだと思います。彼女自身は自分のことを画家と思っていたと思いますが、残念ながらムーミンに時間をとられて、あまり画家としての絵を描くことはなかなかできなかったようです。同性愛を公表…――今回の展示を通して、彼女の作品だけでなく、生き方にも感銘を受けました。館長ご自身は、トーベのどんなところが好きですか?ムッリィハルエ館長全部です(笑)。彼女は最初から他と違っていたと思います。第一次世界大戦と第二次世界大戦、あるいはフィンランドでの内戦があった時代を生きていますが、ある意味、マイノリティだといえると思います。というのは、彼女はフィンランド人ですけど、スウェーデン語圏の人です。そして女性でありアーティストであります。また、フィンランドとしては初めて同性愛者であることを公表した人のひとりです。その意味でも、マイノリティだったといえます。ただ、実際に同性愛者のカップルとして初めて大統領主催のレセプションにも招待されています。そういった意味で、とても勇気のある誇りを持っている人だと思います。(筆者注:フィンランドでは1971年まで同性愛が犯罪とみなされていました。)また、いろいろな面でユニークです。食事も変わっていて、あまり食べず、アルコールが好きでした。食事は魚とデザートだけで、家には台所がなくて、小さなガス台がひとつあっただけのようです。そこに行った人が「台所はどこ?」と聞くと、「食べないからいらない」と答えるような、とても特別な人でした。フィンランドのムーミン美術館とは?――フィンランドのムーミン美術館には、どんな特色がありますか?ムッリィハルエ館長ムーミン美術館は特別な場所です。おそらくトーベはムーミンの世界に入れるような、日常を忘れることができるようなものをつくりたいと思っていたと思います。そういうものにしています。カタログや図録など日本語訳のものをミュージアムショップで売っていますし、多くのものが日本語で提供されています。ぜひ、訪れてもらいたいと思います。――最後に、ひとこと、読者にメッセージをお願いします。ムッリィハルエ館長日本とフィンランドは、家族や自然を大事にするという共通の価値観があると思います。展覧会は巡回して何か所かで展示しますので、行ける場所にぜひ来てもらいたいと思います。ショップ&カフェも充実!ムーミン展を訪れたら、ぜひショップやカフェにも立ち寄ってみてください。かわいいグッズや写真映え抜群のスイーツが用意されています。フォトジェニックなニョロニョロもいます! 食べるのがもったいない!ムーミン展、六本木会場は6月16日まで。その後、大分、名古屋などに巡回します。ぜひ、足を運んでみてくださいね!Information会期:〜6月16日(日)※会期中無休開館時間:10:00 〜 20:00 ※火曜は17:00まで(入館は閉館の30分前まで)開催場所:森アーツセンターギャラリー入場料:一般¥1,800 、中学生・高校生¥1,400、4歳~小学生¥800※3歳以下無料問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)© Moomin CharactersTM
2019年04月20日府中市美術館で『へそまがり日本美術禅画からヘタウマまで』が開催中です。この展覧会では、ユルくてかわいい「ヘタウマ」絵や、思わずツッコミを入れたくなる「おかしな」絵など、破壊力抜群の楽しいアートが勢ぞろい。テレビなどで続々と紹介されている話題の展覧会を取材させていただきました!「へそまがり」に注目!【女子的アートナビ】vol. 144美しく完璧に整った絵だけでなく、ちょっとヘンな絵にも感動することってありますよね。そんな「へそまがり」な感性に注目して日本美術を味わってみようと企画されたのが『へそまがり日本美術』展。入口の雰囲気も、どことなくユル~い感じで期待が高まります!展示されているのは、中世の水墨画や江戸時代に活躍した人気絵師たちの作品、さらに近現代のヘタウマ漫画など約140点。日本美術展のはずなのに、なぜかフランスの画家、アンリ・ルソーの絵も紛れ込んでいる自由な展覧会です。学芸員さんのオススメは…?今回は、展覧会の企画を担当された学芸員の金子信久さんに女子向けのオススメ作品をセレクトしていただき、anan世代の学芸員、大澤真理子さんが解説してくださいました。まず、ひとつめのオススメは、ユニークな絵で知られる仙厓義梵(せんがい ぎぼん)の《豊干禅師・寒山拾得図屛風》。虎に乗って周りを驚かせた禅僧とその弟子たちを描いた作品です。「仙厓は小さな作品が多いのですけど、大作もあります。このテーマの絵で子虎が描かれるのは珍しいんですよ。一筋縄ではいかない虎のかわいさが女子に人気です」と大澤さん。本作は前期のみの展示です。かわいい? 動物たち続いてのオススメは、長沢蘆雪(ながさわ ろせつ)の《菊花子犬図》。大澤さんこの絵の隣には、蘆雪の師匠である円山応挙が子犬を描いた《時雨狗子図》が展示されています。2つの作品を比べると、蘆雪のほうは造形がゆるいところがあり、くたっとしている姿に和んでいただけるかなと思います。ーー次のオススメ作品は、遠藤曰人(えんどう あつじん)が描いた《蛙の相撲図》。江戸時代後期の俳画です。この蛙くんたち、インパクトがありますね!大澤さんどうしちゃったの、とツッコミたくなる絵ですよね(笑)。でも、作者は仙台藩士で、俳句もたしなんでいた人なのです。ーー江戸時代の武士たちは、「たしなみ」のひとつとして絵を描いていたそうですが、こんなギャグマンガのような蛙を描く武士さん、なかなかステキです!ウワサのお殿さまも登場!学芸員さんセレクト、最後はネットでも話題になっている三代将軍・徳川家光公の作品3点です。まずは大人気の《鳳凰図》。あまりにもかわいいので、ネット世界では「ピヨピヨ鳳凰」と呼ばれているそうです!続いては、展覧会のメインビジュアルにも使われている《兎図》。ユルいというかヘタウマというか、なんともコメントしづらいビミョーな作品です。大澤さん家光公の周りには狩野探幽などがいたはずなのですが、狩野派とはまったく違う画風になっています。家光独自のスタイルですが、よく見ると、適当に描いたら絶対に出せないリアリティとか、ふわふわ感とか、ウサギらしさを出そうとしている様子がわかります。まじめにリアルにウサギを再現しようと思って描いています。ちなみに、このウサギちゃんはトートバッグにもなっています。税込み¥1,350。なんともいえない味わいがあり、思わず買ってしまいました!最後は《木兎(みみずく)図》。まるでトトロのような造形で、本当にかわいいです!大澤さんミミズクの目の部分などは単にぐりぐりと描いたのではなく、薄い墨を塗り重ねています。耳のあたりもかなり細い描線を使っているので、丁寧に描いた作品ではないかと思います。お殿さまの貴重な3作品、すべて見られるのは前期のみです。人気の若冲もあります!また、会場では、人気絵師、伊藤若冲の作品も数点見ることができます。特に、《福禄寿図》は新発見されたもので、今回が初公開。貴重な作品ですが、おでこが長すぎて、たまらなくユルいです。『へそまがり日本美術』は前期と後期で大幅な展示替えが行われます。府中市美術館では、2度目の観覧料が半額となるうれしいサービスがあるので、リピートしたほうが絶対にお得。しかも、美術館がある府中の森公園には桜並木があり、春になるとお花見も楽しめます。ぜひ春デートに、足を運んでみてくださいね!Information会期:〜5月12日(日)前期:3月16日[土]~ 4月14日[日]、後期:4月16日[火]~ 5月12日[日]※大幅な展示替えがあります。開館時間:10:00 〜 17:00(入場は16:30まで)開催場所:府中市美術館休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日[火]入場料:一般¥700 、大学生・高校生¥350、中学生・小学生¥150※観覧券を購入すると、2度目は半額になる割引券が付いています(本展1回限り有効)
2019年03月30日いよいよ桜の季節が到来。今回は、この時期ならではの桜と一緒に楽しめる展覧会にフォーカス! 六本木エリアで開かれている楽しい企画展『ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR』と美しい工芸品などが揃う『トルコ至宝展』をご紹介します!『ユーモアてん。』って…?【女子的アートナビ】vol. 143まずは、企画展『ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR』。東京ミッドタウンのミッドタウン・ガーデンにある21_21 DESIGN SIGHTで開催中の同展では、国内外の現代作家たちによるユーモラスな作品を展示。展覧会ディレクターは、広告史に残るポスターやコマーシャルを多数手がけてきた浅葉克己さん。世界各地を旅して、多くの人たちとの出会いを経験している浅葉さんにとって、ユーモアはコミュニケーションをとるのに欠かせない大事なもの。プレスプレビューでは、浅葉さんが海外でもたびたび披露している大道芸、南京玉簾(なんきんたますだれ)を見せてくれました。そんなユーモアあふれるディレクターが手がけているので、会場内の雰囲気はなかなかユニーク。とはいえ、一見して「おもしろい!」と理解できる作品ばかりではありませんので、お話を伺った作家さんの作品をピックアップしてご紹介します。指と卓球台と…こちらはニュージーランドを拠点に活躍しているディーン・プールさんの《Fingers》(2018年)。指の彫刻を写真に撮った作品です。プールさんによると、「どうすれば浅葉さんを笑わせることができるだろうかと考え、自分の指で不可能な指の彫刻をつくってみた」とのこと。「この指で、みなさんを笑わせることができればと期待している」と語っていました。こちらは、フランス出身のダミアン・プーランさんの作品《Disruptive Thought》(2019年)。卓球台ですが、あえて大きな円を台の上に描き、錯覚を起こすことによって遊びにくい状態にしているとのこと。プーランさんは、仕事柄旅をすることが多いそうで、「言葉が通じない人とつながるためには、ユーモアや冗談が重要なツールになる」と語り、「ユーモアをひとつのツールにして、さまざまな障壁を乗り越えていくことをテーマにしている」と話していました。ほかにも、展示室内にはさまざまな作品が並び、けっこうカオスです。素直に笑いを誘うものから、苦笑したくなるものまで人によっていろいろな感じ方ができる『ユーモアてん。』。ぜひ、のぞいてみてください!続いては、トルコのお宝!もうひとつの展覧会は、国立新美術館で開かれている『トルコ至宝展チューリップの宮殿 トプカプの美』。ヨーロッパとアジアが交わる国、トルコの知られざる美の世界がたっぷり紹介されています。同展では、600年以上も続いたオスマン帝国の華麗な宝飾品や工芸品など約170点が、イスタンブルのトプカプ宮殿博物館から来日。また、日本との友好関係を示す貴重な品々も見ることができます。チューリップがかわいい!展示作品で特に目を引くのは、チューリップがデザインされた美術工芸品の数々。チューリップといえばオランダのイメージがありますが、もともとの原産地はオスマン帝国領内。そこからオランダに伝えられました。チューリップはトルコ語で「ラーレ」。アラビア文字で「ラーレ」のつづりを入れ替えると、イスラム教の神「アッラー」となる等いくつかの理由により、チューリップはオスマン帝国の象徴としてさまざまな品にデザインされるようになったそうです。会場では、チューリップがあしらわれた豪華な宝飾品やかわいい工芸品、書籍なども見ることができます。さらに、オスマン帝国のスルタン(君主)と日本の天皇家との交流を伝える品々や、1890年に和歌山県沖で起きたエルトゥールル号遭難事件での救出活動による日本とトルコの友好を表す資料なども展示。トルコがとても身近に感じられる展覧会です。お花見も楽しめる!国立新美術館の敷地内や、東京ミッドタウンエリアには桜が多く植えられているので、今の時期は展覧会に行く途中でお花見を楽しむこともできます(写真は過去に撮影したものです)。ぜひ、春デートには六本木エリアでアートと桜を一緒に楽しんでみてくださいね!Information企画展『ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR』会期:〜6月30日(日)開館時間:10:00 - 19:00(入場は18:30まで)※六本木アートナイト特別開館時間:5月25日(土)10:00 - 23:30(入場は23:00まで)開催場所:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2休館日:火曜日(4月30日は開館)入場料:一般¥1,100 、大学生¥800、高校生¥500、中学生以下無料『トルコ至宝展チューリップの宮殿 トプカプの美』会期:~5月20日(月)開館時間:10:00 ~ 18:00※毎週金曜日・土曜日は 20:00まで※2019年4月26日(金)~5月5日(日)は20:00まで※入場は閉館の30分前まで開催場所:国立新美術館 企画展示室2E休館日:火曜日※ただし4/30(火)は開館入場料:一般¥1,600 、大学生¥1,200、高校生¥800、中学生以下無料※4月27日(土)~29日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
2019年03月29日東京都庭園美術館で『岡上淑子フォトコラージュ沈黙の奇蹟』が開催中です。写真を使ったシュールなコラージュ作品は、美しく繊細でゾクっとするほど魅力的。おしゃれな洋館で見られる女子必見の展覧会をご紹介します!注目の作品が集結!【女子的アートナビ】vol. 142この展覧会では、フォトコラージュ作品でいま再注目されている作家、岡上淑子(おかのうえ としこ)の貴重な作品群を紹介。アメリカのヒューストン美術館から12点のコラージュ作品が里帰りしているほか、国内の国公立美術館によるコレクションや関連資料なども多数展示されています。岡上は1928年高知県生まれ。現在91歳となる彼女は3歳で家族と東京に移り住み、戦争も体験します。戦後、1950年に文化学院へ進学し、コラージュの制作を開始。それから1956年までの間、集中的に多くの作品を生み出します。1957年に結婚後はコラージュ制作から遠ざかり、故郷の高知県に戻ってスケッチや日本画を制作。今回の展覧会では、絵画作品も展示されています。コラージュって?そもそもコラージュとは、「のりで貼りつける」という意味のフランス語。印刷物をはじめ、木や布、ガラスの破片などさまざまな素材をひとつの画面に貼りつけて作品にする芸術表現です。岡上の場合は、主にアメリカから輸入されたファッション雑誌をもとにフォトコラージュ作品を制作。華やかなドレスを着た女性や欧米の建物などさまざまなパーツをはさみで切り抜き、組み合わせて画面に貼りつけ、ひとつの作品に仕上げています。作品誕生の意外なきっかけとは…展覧会の企画を担当された学芸員の神保京子さんによると、岡上が作品を制作するようになったきっかけは「授業で出された“ちぎり絵”の課題」。そこからインスピレーションを得て、フォトコラージュをつくり始めたとのこと。偶然生み出された岡上の作品は、第一次世界大戦後にヨーロッパではじまった芸術運動、シュルレアリスム(超現実主義)の作品に通じるものがありますが、岡上自身は制作当初、誰の影響を受けたわけでもなかったそうです。岡上はコラージュ作品をつくったあと、日本におけるシュルレアリスム研究の第一人者である瀧口修造と奇跡的に出会い、さらに瀧口からマックス・エルンスト(※シュルレアリスムの代表的な画家)の作品を紹介され、より自身の作品が変化していきました。会場には、瀧口と交わした書簡や資料なども並んでいます。ゾクッとする美しさまた、ポスターなどのメインビジュアルに使われている作品について、神保さんは次のように解説。神保さんこの作品では、顔が分断されて頭部が扇にすり替えられていますが、サイズ感がぴったりで、実際に存在しているかのようにつじつまが合っています。全体的に技術力が高く、切る技術、貼り合わせる技術がすばらしく、よく見ても、境界がわからないくらい美しいのです。岡上作品は本当に美しく緻密でとってもシュール。首のない女性像や、頭部やガイコツが宙に浮いているような作品などゾクッとする作品も多く、女子の感性にビリビリ響いてきます。桜の時期には夜間も開館するおしゃれな洋館美術館で、ぜひ美しいコラージュ作品を楽しんでみてくださいね!Information会期:〜4月7日(日)開館時間:10:00–18:00 (入場は閉館の30分前まで)*3/29、3/30、4/5、4/6は、夜間開館20:00まで開館(入館は19:30まで)開催場所:東京都庭園美術館休館日:第2・第4水曜日入場料:一般¥900 、大学生(専修・各種専門学校含む)¥720、中学生・高校生¥450、65歳以上¥450
2019年03月16日六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』が開かれています。展示替えをしながら約480件もの作品を展示する大規模展覧会は超必見。お江戸アートを満喫できるカフェもご紹介!新しい北斎に会える!【女子的アートナビ】vol. 140『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』では、江戸時代後期に活躍した絵師、葛飾北斎(1760-1849)の作品、約480件(会期中展示替えあり)を紹介。20歳から90歳までの約70年におよぶ画業を6章にわけて展示しています。誰もが知る傑作や名品はもちろん、アメリカ・シンシナティ美術館が所蔵する肉筆画や、近年国内で発見された貴重な作品などの初公開作品も登場。新しい北斎に出会える展覧会です。最初はうまくなかった…?世界で最も有名な日本のアーティストのひとりである北斎が浮世絵界にデビューしたのは20歳のとき。はじめは勝川春朗と名乗り、当時人気のあった歌舞伎役者の絵をはじめ、美人画や子どもの絵、名所絵、さらには絵本の挿絵など、さまざまなジャンルの作品を手がけていました。展覧会を監修された浮世絵研究家の根岸美佳さんによると、巨匠北斎でも「デビュー当時は絵が拙い部分もあった」とのこと。そこから努力を重ね、最後には世界的にも有名な富士山や波の絵を生み出せるようになっていったそうです。初公開作品は必見!また、『新・北斎展』というタイトルには、新発見・初公開という意味もこめられているそうで、会場には多くの初公開作品が展示されています。なかでも必見は、全118点もある《津和野藩伝来摺物》。保存状態がよかったため、美しい色彩も楽しむことができます。ちなみに、摺物(すりもの)というのは一般の出版物とは異なり、「お金持ちがお金を出し合って作るプライベートの出版物なので、贅沢な絵の具などを使っている」(根岸さん)とのこと。細密に描かれているため、細かい部分まで見てみるといいそうです。この展覧会は、北斎研究の第一人者である永田生慈さんが企画・監修したもので、展示作品件数の約7割は彼のコレクションからなります。半世紀にわたり北斎の研究や作品の発掘、収集を続け、『新・北斎展』の準備も進めていたそうですが、永田さんは2018年2月に他界されました。これまでに収集された北斎作品は2000件を超え、それらは故郷の島根県に寄贈。今展に出品されたあとは、故人の遺志により、島根県のみで公開されることになっています。カフェでもお江戸気分に♪また、会場の森アーツセンターギャラリーと同フロアにある『Cafe THE SUN』では、期間限定で北斎作品から着想を得たオリジナルメニューを楽しめます。特に北斎の「冨嶽三十六景凱風快晴」をイメージした『赤富士カレー』(税込¥1,566)は写真映えすること間違いなし!ほかにも、「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」をイメージした『浪裏デザートプレート』(税込¥1,706)や、わらび餅、白玉、抹茶ムースなど和スイーツを盛り込んだ『北斎漫画パフェ』(税込¥1,404)などスイーツも充実しています。お得なチケットセットも…また、現在上野の東京都美術館で開催中の『奇想の系譜展江戸絵画ミラクルワールド』と『新・北斎展』を会期中に1回ずつ見られるお得なセット券(税込¥2800)も販売中です。美術史家・辻惟雄氏(1932~)が、1970年に出版した『奇想の系譜』で取り上げた画家たちの名品を紹介するこの展覧会でも、伊藤若冲など江戸時代のアートをたっぷり楽しめます。ぜひ両展あわせて、足を運んでみてくださいね!Information展覧会名:『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』期間:~3月24日(日) ※会期中展示替えあり開館時間:10:00~20:00、火曜日のみ17:00まで(最終入館は閉館の30分前まで)休館日:2月19日(火)、2月20日(水)、3月5日(火)会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー 52階)観覧料:一般 ¥1,600/高大生¥1,300/小中学生 600円
2019年02月16日女子憧れのブランドショップ、シャネル銀座の4階で、幻想的なアートを楽しめる展覧会『「INSULA LUX 光の島」 アントニ タウレ展覧会』がスタート。作家のタウレさんが参加するプレスプレビューでお話を聞いてきました!入場無料!シャネル・ネクサス・ホール【女子的アートナビ】vol. 139展覧会の会場は、シャネル・ネクサス・ホール。こちらで開催されるアートの展覧会は、いつも刺激的でとってもクール。しかも入場無料で鑑賞できる銀座の穴場スポットです。2019年に15年目を迎えたシャネル・ネクサス・ホールでの文化活動は、芸術や文化を愛したブランド創業者、ガブリエル シャネルの精神を受け継いで企画されているとのこと。日本ではなかなか見ることができない個性派アートを紹介してくれる貴重な場所です。現在、このホールで開かれているのは、スペイン・バルセロナ出身のアーティスト、アントニ タウレさんの日本初個展『「INSULA LUX 光の島」 アントニ タウレ展覧会』。1945年生まれのタウレさんは、幼いころから絵を描きはじめ、建築を学びながら画家として活動を開始。1970年にバルセロナで建築家資格を取得し、さらに1975年にはパリで初個展を開催します。その後は、世界各地の美術館やギャラリーで個展やグループ展などに参加し、絵画だけでなく、写真や映像作品も制作。さらに、パリのオペラ座やニューヨークのメトロポリタン歌劇場など世界各地の有名な劇場で舞台芸術も手がけるなど、幅広い分野で活躍されています。光と闇の幻想アート今回、会場では「光の島」をテーマにした作品40点を展示。絵の舞台となっているのは、1970年からタウレさんが暮らし、インスピレーションの源となっているスペインのフォルメンテーラ島です。趣のある建築物や外から差し込む光、そして海岸などの景色がモチーフとなり、どの作品にも建物の内側と外側をつなぐ“開口部”が描かれています。「50年近く絵を描いていますが、常に“開口部”に惹かれて興味を持っています」と語るタウレさん。開口部は、光と暗闇、人間の意識の外側と内側、現実と虚構をつなぐ重要なポイントになっているそうです。また、水平線や境界線も重要なテーマのひとつ。作品の中に繰り返し登場しています。タウレさん水平線は無限につながっています。この無限というのは私たち人間の内側にもあります。また、描いている道は、こちらにも行けてあちらにも行ける、始まりも終わりもない道なのです。絵画だけでなく、自ら撮影した写真の上に油彩で絵を描いた作品も展示されています。これらの作品も、主要モチーフはやはり開口部。タウレさんにとって、絵画と写真は密接に関係しているそうです。パワースポットも出現!?そして、作品と一緒に楽しみたいのが、展示空間。この展覧会の構成は、アートディレクターでグラフィックデザイナーのおおうちおさむさんがタウレ氏と相談しながら手がけたとのこと。特に、一番奥にある展示空間について、タウレさんは次のように語りました。タウレさんこの空間は、まるで寺院の中のような感覚を覚えます。デザイナーのおおうちさんと相談して、スピリットを見つけました。強いパワーのある空間をこちらに実現できたのではないかと思います。特に、この空間の中心に立つと、地球から受ける地の強いパワーを感じます。実際に、筆者もその中心点に立ってみたのですが、両サイドに神殿のような絵が配され、突き当たりの壁には今展覧会のメインヴィジュアルにもなっている美しい絵があり、神秘的なエネルギーが集まっているように感じました。アーティストたちが作り出した美の空間、ぜひ一度足を運んでみては?Information期間:~2月14日(木)(入場無料・会期中無休)開館時間:12:00~19:30
2019年01月25日女子高校で教師をしているAさん(男性)は、生徒の対応に頭を悩ませています。非常に反抗的で、体育の授業後などに教室に入ろうとすると「まだ着替え中」などと入室を拒否され、授業が30分以上遅れることもあるそうです。教師によるわいせつ事件が横行する現在では、強行突入することも難しい状況。仮に教室内に入った場合、罪となるのでしょうか? 高島総合法律事務所の高島秀行弁護士にお聞きしました! 教室に入ったら罪になる?高島弁護士:「着替えをのぞく行為となり、軽犯罪法違反となります。」やはり着替えている最中に教室に入り、着替えているところを見てしまうと、罪になってしまうのですね。 着替えが嘘だった場合は?着替えが終わっているにもかかわらず、「着替え中」と生徒が嘘をついている場合、罪になるのでしょうか?高島弁護士:「着替えが終わっているにもかかわらず、着替えが終わらないなどと嘘を言って授業を妨害した場合は、偽計業務妨害罪となります。」 言うことを聞かない生徒を殴ったら?仮に着替えが嘘で、日常的に嘘をつき続けられ、再三注意してもやめない場合、誤って教師が体罰に至る可能性もゼロではありません。正当な理由がある場合でも認めてもらえないのでしょうか?高島弁護士:「体罰で殴れば、暴行罪、けがをすれば傷害罪となります。」いかなる理由があろうとも、暴力は犯罪になってしまうようです。 どうすればいい?教師を下に見て、一向に言うことを聞かない生徒たち。教師はどうすればいいのでしょうか? 高島総合法律事務所の高島秀行弁護士に見解を伺うと…高島弁護士:「上記の解決方法としては、ほかの教員などの協力が必要となります。まず、体育の授業が終わってから次の授業開始まで、十分に着替えられる時間が確保されているかの確認が必要です。移動時間や体育用具の片付け時間などもあります。時間が確保されている場合、着替えが終わらない理由を確認する必要があります。着替えについては、女性教員などの女性職員が着替えの終了を確認する体制が必要かもしれません。上記を含め、生徒が言うことを聞かないのであれば、時間を割いて生徒と話し合う必要があります。それでも言うことを聞かないのであれば、親に協力を求めることになるかと思います。」 体罰に情状酌量の余地はない高島弁護士:「生徒にからかわれていると思うので、教員側の対応が真剣ではないことから生徒もまた同じことを繰り返すのであって、教員側がからかわれていると思っても、事実関係や原因を調査し、それを解決する方法がないかなど、真摯に問題に向き合えば、そのようなことは起きなくなると思います。そのような教育や指導で解決する問題であって、(特に学校では)着替え中に男性教員が教室に入ったり、言うことを聞かないから体罰を加えたりしてよいということにはなりません。いずれの行為も男性教員が行えば、犯罪となり、情状酌量の余地はないと思います。情状酌量は、問題解決に向けて、男性教員が努力をしたにもかかわらず、生徒たちが言うことを聞かずに反抗的な態度を取ったような場合だと思いますが、上記のような解決の具体的方法を取っても、生徒たちが反抗するということはあまりないと思います。質問者は教育者なのですから、生徒にからかわれて頭にきたからといって、どうしたらやり返せるかを考えるのではなく、生徒がそのような問題行動を取らないためには、どのように教育したらよいかを考えるべきということになります。」いかなる理由があろうとも、着替え中と主張する女子生徒がいる教室への男性教師の突入や暴力は犯罪行為。学校全体で問題に取り組み、解決していくことが求められます。 *取材対応弁護士:高島秀行(高島総合法律事務所。相続・遺産分割をする前に読む本」「訴えられたらどうする!!」等の著作もあり、相続・遺産分割問題について詳しいベテラン弁護士。ブログ「資産を守り残す法律」を連載中)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)反抗的な生徒に苦しむ女子高の男子教師「指導」の体罰でも罪になるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。反抗的な生徒に苦しむ女子高の男子教師「指導」の体罰でも罪になるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月26日どうもあかりです。当たり前のように、とても自然な感じで「紳士」な行動をとれる男子ってすごくずるいです。ドアを開けて待っていてくれる、傘に入れてくれる、階段で手を貸してくれる、車道側を歩いてくれる・・・・・・etc。こういった紳士的な行動を、「やってあげるね」なんていちいち言わずに、無言&当然にやってくれる。そういう人に対しては本能レベルで勝手に心臓がドキドキします。・・・・・・というのは「女子→男子」視点のお話。反対に、「男子→女子」視点ではどういう女子が本能レベルでキュンキュンするかというと、それはきちんと相場が決まっています。デフォルトで、当たり前のように「乙女」でいる女子です。あなたは、彼氏や好きな人の前で、デフォルト・キュンな子でいられていますか?■■息するように近く、息するように笑ってるデフォルトで乙女な女子とそうじゃない女子。この2タイプの女子の違いは、それぞれがデートをしている様子を二画面で同時に10分ほど観察していれば誰でもわかります。明らかに、「距離」と「表情」が違います。まず基本的に、デフォルト乙女な子たちは根本的に男子との距離が近い。心理的にじゃありません。もろ物理的に、です。デートの最中、基本的に彼との距離は「触れるか触れないか」のギリギリくらいの立ち位置をキープし続けている。これは「いつでも触ってもらえる」というのと、「歩いたり動いたりすれば自然に体が触れる」というのと2つのメリットがあるわけですが、こういう物理的な近さは、当然、心理的な近さにも直結してきます。今度のデートでは、いつも自然に違和感なく落ち着いているあなたの「いつもポジション」を、もう一歩、彼に寄せてみてください。**それから2つ目の「表情」。よく「貼り付いたような笑顔」と言いますが、これはあまり良い意味で使われる言葉じゃありませんね。だけどこれを良い意味で実践してくるのがデフォルト乙女な彼女たち。そもそも「貼り付いたような笑顔」が不自然なのは、「普段笑顔をしていないから」です。要するに、その人にとって「デフォルトで笑顔でいること」=「不自然」になってしまっている。それだけ普段は無表情でいるということです。ずっと笑顔でいる子たちというのは、「貼り付いたような笑顔」なんて思われない、言われない。ただ「愛想が良くて、楽しそうで、一緒にいると幸せな気持ちにしてくれる子」という純粋高評価だけをいただいている。まずは意識して、笑顔の時間を少しでも増やして行きましょう。そこからです。■■「ごめん」を「ありがとう」に「ありがとう」というのも、デフォルトで乙女な子たちが実践していることだし、本能レベルで男子をドキッとさせられるキラーフレーズ。しかも「好き」とか「かっこいい」よりもはるかに言いやすいのもポイント。これを増やす簡単な方法は、今までなら「ごめん」と言ってしまっていたような瞬間で、全ての「ごめん」を「ありがとう」に変換することです。何も考えずに、ただ自動変換する。例えば、彼に「これ持っておいてあげるよ」とジェントルされた瞬間、当然のように(なぜか)「ごめん」の一言が出てしまっていませんか? 振り返ってみれば、「ありがとう」でいいのに「ごめん」ばかり言っている女子って少なくないのです。これは単に癖の問題で、意識すればすぐに直せます。意識すれば。意識して、「ごめん」というネガティブワードを減らしましょう。ただの口癖で損するなんて、もったいないから。■■「紳士」させてあげる「ごめん」の話と関連しますが、デフォルト乙女でいるためには、彼が紳士でいる瞬間を増やしてあげることも大切ですね。例えば「駅まで送るよ」と言ってくれたときに、「ほんと? 嬉しい。ありがとう」とためらわずに彼の紳士を受け入れる。これだけであなたは乙女です。逆にここで「大丈夫。ひとりでいけるよ」と断ったら・・・・・・。彼は紳士でいられませんし、同時に、あなたも乙女じゃいられません。彼氏の紳士と、彼女の乙女はこうやって密接にリンクしている。彼が紳士でいようとしたとき、これを遠慮せずに受け止めること。これも重要なデフォルト乙女への道なのでした。■■おわりに「かわいい人」でいましょう。それはもちろん外見的な「かわいさ」でもあり、人として、「かわいげのある、かわいがりがいのある人」でいることも意味しています。「好きになる」のは「見た目がかわいい人」で、「愛される」のは「中身がかわいい人」なんですよ。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年10月19日日本で生まれ育ち、パリで大ブレイクし、5人の女性と暮らしヨーロッパで生涯を終えた画家、藤田嗣治(1886~1968)。彼の画業を紹介する大回顧展『没後50年藤田嗣治展』が上野の東京都美術館で開かれています。キュートな猫や女性の絵で人気を博した画家のドラマチックな人生にも注目します!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 125『没後50年藤田嗣治展』では、明治期に生まれ、フランスで高く評価された画家、藤田嗣治の作品100点以上を紹介。パリのポンピドゥー・センターやアメリカのシカゴ美術館など、欧米の美術館が所蔵する名品も多数来日し、質・量ともに史上最大規模で開かれている大回顧展です。超エリート軍医の息子藤田は現在の東京都新宿区で、医者の家に生まれます。父親は、軍医として陸軍軍医総監まで昇りつめた超エリート。でも、画家になりたいという息子を応援し、東京美術学校(現・東京藝術大学)への入学から卒業後のパリ行きの資金まで面倒を見てくれました。とっても理解のある優しいパパです。展覧会の第一章では、そんな父親の肖像を描いた作品も見ることができます。ちなみに、1913年、26歳のときに藤田は女学校の教師をしていた日本人女性と一度目の結婚をしています。新居を構え、妻を残してパリに旅立ったのですが、3年後離婚することとなりました。パリで大ブレイク!パリに渡った藤田は、ピカソやモディリアーニなどの仲間と交友しながら腕を磨いていきます。しかし、1914年に第一次世界大戦が勃発。父親からの送金も途切れて厳しい生活を強いられましたが、終戦後、「狂乱の時代」といわれた1920年代に大ブレイクを果たします。特に注目されたのは、細い線で描写された裸婦像。彼が描く女性の白い肌は「すばらしき乳白色」と絶賛され、肖像画の注文なども舞い込むようになります。作品だけでなく、その風貌も人気でした。セルフプロデュースに長けていた藤田は、“おかっぱ頭・メガネ・ちょびひげ”という独特のスタイルでパリを闊歩。パーティに参加しては派手な行動を繰り返していました。そんな姿が注目され、パリの通りに藤田そっくりの人形が飾られるほど人気が出たそうです。ちなみに、展示室内のミュージアムショップでは、しりあがり寿さんが特別に描き下ろしたイラスト『フジタ画伯とねこ』をモチーフにしたグッズが売られています!さらに、ラインのスタンプも好評発売中です!二番目~四番目のパートナーたちここで、藤田を囲む女性たちをご紹介します。一番目の妻と別れたあと、まずパリで画家のフェルナンド・バレーと結婚します。この彼女の尽力が、絵が売れるきっかけとなったともいわれています。その後ブレイクした藤田のもとには、モデルの女性をはじめとしたさまざまな人たちが出入りし、さらには妻フェルナンドの不倫もあったようで、結局ふたりは離婚。続いてリュシー・バドゥーと結婚します。肌が白いため藤田から「雪(ユキ)」と呼ばれていたリュシーは、絵のモデルとして彼の作品にもたびたび登場。今展の出品作にも描かれているので、ぜひ会場で探してみてください。しかし1929年の世界恐慌による景気の悪化でパリ美術界の空気が変わってきたことに加え、ユキとの生活にも不和が生じ、藤田は新たな恋人のマドレーヌ・ルクーを連れて中南米に旅立ちます。このマドレーヌがモデルになった作品も今回の会場で見ることができます。日本を去ったわけは…?マドレーヌと死別した藤田は、1938年に最後の妻となる君代と結婚。そして第二次世界大戦がはじまると日本に戻り、陸海軍の依頼で「作戦記録画」を制作します。今展では、代表作《アッツ島玉砕》を含む2点を展示。それまでの画風とはまるで違う迫力ある油彩画をぜひご覧になってみてください。しかし、これらの戦争画が原因となり、戦後、藤田は戦争責任を問われることになってしまいます。結局、彼は妻とともに日本を離れてフランスに行き、同地で国籍を取得。その後、日本に戻ることはありませんでした。晩年にはカトリックの洗礼を受けて「レオナール・フジタ」となり、宗教画を制作。さらに79歳でランスに『フジタ礼拝堂』(通称)をつくり、内部のフレスコ画装飾を仕上げました。81歳で亡くなった画家は、妻とともに今もその礼拝堂で眠っています。猫だけじゃない!フジタ作品の中の猫をモチーフにしたタオル藤田といえば猫と裸婦像のイメージで、南米時代の作品や戦後の活動などが取り上げられる機会は少なかったように思います。没後50年の節目で開催された今回の展覧会では、藤田の画業を総覧できるほか、晩年に制作した自宅用の食器や妻に贈った木箱など手づくりの品々も紹介され、彼の人生とその日常までも伝わってくる味わい深い内容になっています。画家の人生を知ることで、また作品についても新たな魅力を発見できるかもしれません。この展覧会では、ぜひ藤田画伯のドラマチックな人生も一緒に味わってみてくださいね。Information会期:~10月8日(月・祝)時間:9:30~17:30*金曜日は20時まで開室。(入室は閉室の30分前まで)休室:月曜日。25日(火)。ただし9月24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室。料金:一般¥1,600/大学生・専門学校生¥1,300/65歳以上¥1,000/高校生¥800/中学生以下無料※巡回情報:京都国立近代美術館2018年10月19日(金)~12月16日(日)
2018年09月21日9月5日(水)から、松屋銀座8階のイベントスクエアで『田園の快楽玉村豊男展』がはじまります。玉村さんは、長野の里山に移住した人気エッセイスト。画家としても活躍し、さらにワイナリーのオーナーもされています。そんな彼のステキなライフスタイルを展覧会でご紹介します!玉村豊男さんって?【女子的アートナビ】vol. 123玉村さんは1945年、日本画家・玉村方久斗(ほくと)氏の末子として東京都杉並区に生まれます。東京大学仏文科に入学し、在学中には2年間パリに留学、卒業後は通訳・翻訳業を経てエッセイストとして活躍されています。執筆のテーマは、旅や料理、田舎暮らしなど実にさまざま。味わいのある内容を軽やかな文体で表現され、新聞や雑誌での連載のほか、単行本も多く出版。この夏には新刊『新 田園の快楽』(世界文化社)と『はじめて描く人へ花の水彩画レッスン』(KADOKAWA)も刊行されました。自然豊かな長野での暮らし1983年から長野県の軽井沢町で生活し、その後は同・東御(とうみ)市に移住した玉村さんは、ハーブなどを栽培する農園をはじめます。さらに、果実酒製造免許を取得し、カフェやショップなどを併設した『ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー』もオープン。また『日本ワイン農業研究所』を創立し、栽培醸造経営講座「千曲川ワインアカデミー」も主宰するなど、精力的に活動されています。展覧会では、ワイナリーやぶどう畑、ステキなキッチンの写真などが紹介されるほか、実際に使われている愛用の品々も展示。緑豊かな里山や、居心地のよさそうなリビングの写真を見ているだけで、さわやかな気分になってきます。また、会場にはワイナリーガーデンの一部も再現されるとのこと。銀座にいながら憧れの里山暮らしを体感できそうです。新作12点も展示!玉村さんは、画家としても活躍されています。1987年より、高校以来中断していた絵画制作を本格的に再開され、2007年には箱根芦ノ湖畔に『玉村豊男ライフアートミュージアム』がオープン。作品のモチーフは、身近な植物やパリをはじめとした海外の風景などで、特に玉村さんが日常的に慈しみ育てているぶどうの絵は人気があります。今回の展覧会では、新作12点を含む絵画のほか、版画も含めて約70点の作品を展示。やさしい色彩で描かれた花や植物の水彩画は、眺めていると気持ちが癒されていく心地よさがあります。玉村作品には女子のファンも多く、また、花の絵がデザインされた文具や食器などのグッズも大人気。今回、同展のショップでも販売される予定です。夏の終わりに、銀座で里山のライフスタイルを体感してみてはいかが?クレジット:・画像2枚目~4枚目:撮影 鈴木一彦・画像5枚目:「ぶどうの時間」(鉛筆・水彩) ©TOYOO TAMAMURAInformation会期:2018年9月5日(水)~10日(月)開催時間:10:00~20:00 9月9日(日)は10:00~19:30。最終日は17:00閉場。入場は閉場の30分前まで開催場所:松屋銀座8階イベントスクエア料金:大人¥1,000/高校生¥700/中学生¥500/小学生¥300
2018年09月04日いつもは国内のアート情報をご紹介している『女子的アートナビ』、今回は夏の番外編!デンジャラスな男が大好きなライター・田代が、西洋美術史上もっともワイルドといわれる画家、カラヴァッジョの足跡をたどり、シチリア島に行ってきました!カラヴァッジョが逃亡したシチリアへ【女子的アートナビ】番外編カラヴァッジョ(本名:ミケランジェロ・メリージ 1571~1610)は美術史に名を残す天才画家。でも、本当にデンジャラスな男で、けんかや暴力は日常茶飯事、はては殺人までおかして逃亡する……という何ともハチャメチャな人生を送った人です。そして、彼が残した作品も半端ない凄さ。神々しさと荒々しさが渾然一体となり、見ていると自然に涙が流れてしまう感動的な絵もあります。彼の魅力にすっかりハマってしまった私は、数年前からカラヴァッジョの足跡をたどる旅を開始。2018年の夏は、彼が殺人や傷害事件を起こしたあとに逃亡したシチリアまで行ってきました。逃亡ルートは?カラヴァッジョはローマで殺人をおかして死刑宣告を受けたあとナポリ、マルタ島へと逃亡。さらにマルタでも事件を起こし投獄されますが、脱走してシチリア島のシラクーザ→メッシーナ→パレルモへと逃げていきます。マルタ騎士団の刺客に狙われながら再びナポリに行き、恩赦を求めてローマへ戻る途中で亡くなった……といわれています。まずはメッシーナへ!今回私が訪れたのは、彼の作品が現存するメッシーナとシラクーザ。まずはシチリア島への玄関口として栄えた港町、メッシーナへ行きました。カラヴァッジョ作品が展示されているのは、メッシーナ州立共同美術館。メッシーナ駅からトラムに乗車し、終点のMuseo(美術館)駅で降りて徒歩数分で美術館に到着します。美術館の外観です。ここに所蔵されているカラヴァッジョ絵画は《ラザロの復活》と《羊飼いの礼拝》の2点。美術館の至宝なので、これらの作品だけ特別な空間に展示されています。カラヴァッジョ作品に会えた!こちらが特別展示室。大作が2点も並んでいます!《ラザロの復活》(写真左)は、死んで4日たったラザロがイエス・キリストの呼びかけで生き返るという場面を表した絵。画家はモデルとなる遺体を掘り起こして描いたといわれています。写真では伝わりづらいですが、本物はラザロの描写が実にリアル。人間が腐敗した臭いまで漂ってきそうな凄みがありました。いっぽう《羊飼いの礼拝》(写真右)には出産直後の聖母と幼子イエスが描かれているのですが、こちらの絵にも明るさはありません。カラヴァッジョがメッシーナに滞在したのは1608~1609年の間。亡くなったのは1610年なので、どちらも最晩年に描かれたものです。命を狙われながら逃亡を続けるカラヴァッジョの重い気持ちが絵に表れているようでした。※写真はメッシーナ州立共同美術館の許諾を得て掲載。無断複製は禁止されています。Su concessione della Regione Siciliana, Assessorato dei Beni Culturali e della Identità siciliana - Dipartimento dei Beni Culturali e della Identità siciliana- Polo Regionale di Messina per i Siti Culturali - Museo interdisciplinare di Messinaちなみに、メッシーナの見どころはドゥオーモ(大聖堂)とその近くにあるオリオンの噴水。もともとメッシーナは歴史ある港湾都市でしたが、1908年の大地震や第二次世界大戦の空襲などにより歴史的建造物が多く失われてしまったそうです。元カレのいたシラクーザへ続いて訪れたのは、古都シラクーザ。メッシーナから列車に乗って3時間ほどで着きます。カラヴァッジョがこの町に逃げてきた理由のひとつは、舎弟で元カレともいわれている画家仲間、マリオ・ミンニーティが住んでいたから。シラクーザのオルティージャ島にあるマリオ・ミンニーティ通りこのマリオ君はシラクーザ出身で、ローマでカラヴァッジョと一緒に暮らしていたこともあるイケメン画家。カラヴァッジョは彼をモデルにした作品も残しています。ただマリオ君はローマでは活躍できず、地元に戻って画家として活動していたところにカラヴァッジョが逃げ込んできました。1608年の後半から数カ月間、逃亡者はこの地に滞在していたそうです。元カレを匿い、絵の仕事もあっせんした優しいマリオ君のおかげで、シラクーザにはカラヴァッジョの大作《聖ルチアの埋葬》が残っています。現在その作品はシラクーザの中心地、オルティージャ島のドゥオーモ広場に建つサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会(写真上)で見ることができます。(教会内の写真撮影はNGでした)こちらは観光名所のひとつ、サン・ジョヴァンニのカタコンベ(地下墓地)に隣接する地下礼拝堂の入り口。カラヴァッジョは、この礼拝堂を参考に《聖ルチアの埋葬》の背景の一部を描いたといわれています。ちなみに、シラクーザは古代ギリシアの植民都市として繁栄したこともある古代都市。紀元前5世紀ごろに建造されたギリシア劇場など見どころも多く、世界遺産にも登録されています。名所のひとつ、ネアポリス考古学公園の石切り場には、カラヴァッジョが名づけたといわれる「ディオニュシオスの耳」(写真上)もあり、多くの貴重な遺跡を見ながら天才画家の足跡をたどれます。シチリア料理も半端なかった!最後に、シチリアで味わった超絶品の海の幸をご紹介! 今回は海に面したメッシーナとシラクーザを旅したので、どこでも新鮮な魚介類を食べられたのですが、なかでも感動的だったレストランがシラクーザ・オルティージャ島の海沿いにある『ラ・カンブーサ』さんです。シラクーザ在住の日本人女性、秋草奈緒子さんが経営するお店で、とれたての魚介を使ったシチリア料理や和食もいただけます。ムール貝などがたっぷり入った海鮮パスタやウニ山盛りのパスタ、大きなエビを丸ごと食べられる料理など、おいしいものだらけ。日本語で料理の説明もしていただけて、分量の調整などもご提案くださるので、好きなものをいろいろ食べられました。そして、レストランの席からは美しい海辺のサンセットも見られます!日没後の景色にもうっとり♡ 夢のようにステキなディナーを楽しめました。シチリアロスに…はじめて訪れたシチリア島ですが、イタリア本土とはまた違う異国情緒たっぷりの雰囲気で、時間がゆったりと流れていました。島の人たちはみな優しくておおらか。電車やバスが時間どおりに来なくても、誰もイライラしていません。私が通っている都内のイタリア語教室では、シチリアに行った人はみな帰国すると “シチリアロス” に陥ると話していましたが、今まさにその状態。カラヴァッジョ目的で訪れたのですが、アート以外にも魅力的なもの・おいしいものがたくさんあり、恋しくてたまりません。ぜひ一度 “シチリアロス” を経験してみませんか?
2018年08月18日じわじわと人気を高めている「おこもり女子」の存在を知っていますか?最近、家にこもって過ごす“おこもりをする女子”が増えてきているのです。それだけ聞くと暗いイメージを持ちますが、実はそうでもないのです!その実態を探りましょう。「おこもり女子」が急増中!出典:byBirth休日は外に出ず、家にこもって過ごす「おこもり女子」が最近増えてきているのを知っていますか?せっかくの休日なのに家にこもりっぱなしなんてもったいないと思うかもしれませんが、意外と充実した時間を過ごすことができるのです。おこもり女子が今支持される理由と理想的な過ごし方から、その実態を暴きます!「おこもり女子」が支持される理由出典:byBirth休日はカフェ巡りをしたり、遅くまで飲みに行ったりしてアクティブに過ごすことが充実している女子のイメージですが、最近はそうでもないようです。というのも仕事終わりに外食をしたり、出勤前に朝活をする女子が増えているため、平日を忙しく過ごしている分、休日は家でゆっくりしたいという人が多いことも理由の一つ。家にこもって好きなことをして体を休めたり、リフレッシュをする。この方法が良いストレス発散になり、エネルギーをチャージする源になるのです。わざわざ外に行かずに、家でお酒を楽しむことも映画を見ることもできちゃいます。自分の落ち着く空間でゆったりとした時間を楽しむ。それが、おこもり女子が支持されて増えてきている理由なのではないでしょうか。「おこもり」して何をする?読書出典:byBirthおこもり女子ってただの引きこもり?そう言わせないようにするためには、きちんと目的を持って過ごすことが重要。だらだらするのも良いですが、女子力を上げるためには無駄な時間の使い方はオススメできません。ではおこもりして何をするのが良いのでしょうか?理想的な過ごし方をするなら、まず時間に余裕があるからこそできることを思い浮かべましょう。その一つが読書。忙しい平日にはなかなか読書をする時間がもてませんよね。そのため休日は、あらかじめ読みたいと思った本を用意して、朝から集中して読むようにしましょう。静かな空間で読書をするなんて、贅沢な休日の過ごし方だと思いませんか?誰にも邪魔されず、途切れながら読む必要もありません。1日ぶっ通しで読書ができる、理想的な過ごし方なのです。料理出典:byBirth休日は料理の腕を上げる絶好のチャンス!普段は外食や簡単な食事で済ませがちでも、休日は手の込んだ料理に挑戦できちゃいます。ビーフシチューや角煮などの煮込み料理、スイーツやパンを作るなんていうのも素敵。金曜日の夜や休日の朝に、いつもはなかなか行かないリッチなスーパーに買い出しに行って食材をそろえて、モチベーションを上げてから料理をするのです。それだけで女子力がアップしそうな休日になりそうですよね。何もしない休日よりも、自分のためになる休日を過ごすことがおこもり女子の掟でもあります。映画鑑賞出典:byBirth休日に映画館に行くのではなく、少し昔の映画を家でまったりとした気分で鑑賞するのはいかが?よくありがちな過ごし方ではありますが、定番の映画鑑賞はやっぱりおこもり女子にとっても外せない過ごし方です。最近はレンタルしに行かなくても、動画配信サービスを利用すれば、家にいながら好きな映画を選んで見ることができますよね。まさにおこもり女子にとって最高の条件で過ごせます。このサービスのおかげで、おこもりしている女子が増えてきているのかもしれませんね。より良い空間で楽しむのであれば、ポップコーンとドリンクを準備してカーテンも閉め、映画館の雰囲気に近付けると最高です。リラックスしながら映画を好きなだけ見られるのは休日の醍醐味とも言えますね。おこもり女子会もオススメ!かわいいルームウェアでパジャマパーティー出典:byBirthおこもりは一人でしなくてはいけないわけではありません。家にこもって過ごすことを条件に女子会を開くのもアリ。女子っぽい過ごし方をするなら、かわいいルームウェアや部屋着などを持ち寄り、パジャマパーティーと題して女子会をするととても盛り上がりますよ。ルームウェアという、気の許す間柄でしか見せない姿に開放感が生まれ、ぶっちゃけトークを繰り広げたり、恋愛の話題で盛り上がったりして楽しい時間を過ごせます。男子禁制のおこもり女子の集いは、興味津々になりますね!ホテルや旅館でもおこもり!?出典:byBirth旅行に行った先のホテルや旅館であえてのおこもりをしているなんていう方も。観光メインの旅行ではなく、おこもりメインの旅行ってどうなの?と思いますが、おこもり女子会プランがあるホテルや旅館も多いのです。滞在した場所に少しでも長く楽しく過ごしてもらうことを目的にされたプランではあるのですが、おこもりブームの今利用する人もけっこう多いのです。温泉やエステ、食事やプールなど、利用したからこそ使える施設やサービスを利用して楽しむのも、面白そうですよね。おこもり女子は女子力高めの過ごし方が◎出典:byBirthご紹介したおこもり女子の過ごし方は、どれも自分のためになったり女子力の高い過ごし方のように感じますよね。グダグダして何もしないで過ごすのではなく、目的を持ってあえておこもりすることが、無駄のない過ごし方をするコツ。一人で過ごしても、友達を誘っておこもり女子会をするのもOKです。ぜひ休日を利用して真似してみましょう!
2018年07月30日男子って、女子にどう接していいのか、マジでわかってないんですよね。例えば、友達以上恋人未満の関係の時、女子が男子の手や腕をさっと取って「ほら、行くよ」みたいにすることはあっても、その反対、つまり男子が女子の手を握って「行くよ」ということって、ほとんどないでしょ?ほとんどないというか、あれば超ラッキーというか。女子にどう接していいのか、ある程度わかっている男子は、友達以上恋人未満の関係の時、「女子が安心するように」行動します。女子が付き合いたそうにしていれば手を握るし、まだ付き合いたくない感じだと、友達という一線を越えないようにちゃんとできるんですよね。■■男子は、女子から「正解」を教えてもらいたいと思っています海外に住んでいる日本人に話を聞くと、イタリア人とかフランス人って、男子から女子に、自分の感情を素直に(というかストレートに)ぶつけてくるんだそうです。全員がそうということもないそうですが、でもそういう男子が多いらしいです。たとえば「かわいいな」と思えば、「かわいいね、これから一緒にお茶しない?」みたいなことを、通りですれ違いざまにさらっと言ってくるそうです。で、女子が「ごめんなさい、いま忙しいです」とか「あいにく彼氏がいるから無理」とかと言うと「じゃあまたね!」と言うらしいです。「またね」って、次があると思っているってことか?というような感じで、自分から女子に声を掛けて、女子の状況や気持ちを聞き出して、それに応じて自分の対応を決める、みたいな、いわば「ふつうのこと」ができないのが日本人の男子ですよね。彼らは女子から「正解」を教えてもらいたいと思っています。あなたの前で自分がどう振る舞えばいいのか、という迷いの答えを教えてもらいたいと思っているんですよね。自分から「お茶しない?」とかと誘えばいいのに。かわいいと思えば「かわいいね」と言えばいいのに、正解を待っているんですよね。だから、交際前も、交際後も、女子は遠慮なんかしないで、ことあるごとに自分の感情を彼にぶつけたほうが、ふたりの関係はうまくいくんです。男子の反応を待っていてもうまくいかないんだから。■■「正解を教えてくれてありがとう」と思います男女お互いに正解を待っていても、なにも始まらないじゃないですか。お互いに胸の内をさぐりあって、結局「好き」と言えないまま終わってしまったとか、そういうのって悲しいでしょ?女子が「これは嫌」とか「こうしてくれる男子とじゃないと付き合いたくない」とか、いわば感情をストレートに彼にぶつけたら、彼は嫌な気持ちになるどころか、「正解を教えてくれてありがとう」と思います。これ、男心の基本です。■■あなたは可愛いんです思えば、恋愛上手さんって、自分の感情というか自分が思っていることを、相手に言葉で伝えるのがうまいです。「かわいくないとモテない」とかとネットでは言われているし、「かわいいあの子は、かわいいから彼氏を切らせたことがない」と思っている人もいると思うけれど、で、それはあながち間違いではないけれど、でもかわいいかどうか、というのは相対的な評価でもあるわけです。それに、男子から見た「かわいい」と、女子から見た「かわいい」って、また違うので、あなたが自分のことを「かわいくない」と思っていても、ある男子があなたのことを「かわいい」と思っていたら、あなたは「かわいい」んです。恋愛において、イケメンかどうかは女子が判断することであるのと同様、かわいいかどうかは男子が決めることだから。なので、かわいいとかスタイルがいいとか、そんなことはある意味ではどうでもよくて、自分の感情をストレートに彼にぶつけることができる女子――いわば感情的な女子のほうがモテます。感情をあらわにする女子のこと、男子は大好きなんです。「感情的な女子、嫌い」じゃなくて、「正解を教えてくれてありがとう」なんです。(ひとみしょう/文筆家)【今夜はちょっと、恋の話をしよう】(ハウコレ編集部)
2018年06月01日『プーシキン美術館展―旅するフランス風景画』とは?【女子的アートナビ】vol. 108この展覧会では、ロシアを代表する美術館のひとつ、プーシキン美術館のコレクションから選び抜かれたフランスの風景画65点を紹介。モネやセザンヌ、ルソー、さらに美術史に名を遺すクロード・ロランなど17世紀から20世紀までの傑作が勢ぞろい。神話の物語や美しいパリの街並みなどの名画を見ながらフランスを旅するように楽しむことができます。スペシャルサポーターは水谷豊さん!同展のスペシャルサポーターは、俳優の水谷豊さん。音声ガイドのナビゲーターも担当された水谷さんがプレス内覧会に出席され、展覧会の見どころなどを語りました。まず、展覧会を見ての感想を問われると、「今回はテーマがフランス風景画ということで、どの絵も本当にすばらしく絵の中に引き込まれていくようで、旅しているような気分を味わえました」と回答。続いて、2つの作品についてコメントされました。クロード・モネの初来日作品《草上の昼食》、実物はいかがでしたか?水谷さん写真で見るのとは全然違いましたね。学芸員の方から知識を教えていただき絵の見方も変わったのですが、これがモネの青春時代の作品ということで、若い時から才能が花開いていたことがわかります。すばらしいです。《草上の昼食》は画家が26歳のときに描いた作品。学芸員の大橋さんのお話では、当時モネはまだたくさんのモデルを雇うことができなかったので、恋人のカミーユにいろいろな服を着せてポーズをとってもらい、いくつかスケッチを描いてから組み合わせて作品を制作したとのこと。この絵に登場する女性はすべてカミーユではないかと考えられているそうです。特にお気に入りの作品は?水谷さんいろいろありましたが、おもしろかったのはアンリ・ルソーの《馬を襲うジャガー》です。ルソーはパリにいて、植物園で熱帯植物を観察しながらジャングルに思いをはせてこの絵を描いたのですが、想像でここまで描けるのかというほどすばらしい作品です。われわれも(俳優というのは)妄想するのが仕事ですが(笑)、不思議なオーラがある作品です。ルソーは税関職員として働きながら絵を描いていた日曜画家。専門的な美術教育を受けていない彼の作品は批判されることもありましたが、ピカソやアポリネールなどからは高く評価されていました。特に南国のジャングルを描いた絵を多く残しています。最後に、水谷さんからメッセージ水谷さん名作と呼ぶのにふさわしい、たくさんの作品が東京都美術館にそろいました。訪れた人を世界の旅に連れて行ってくれる作品が集まっていると思います。僕は旅の案内人として関わらせていただき光栄です。たくさんの人にこの感動を味わっていただきたいです。ちなみに、水谷さんがナビゲーターとして出演されている音声ガイドも聞いてみたのですが、作品の背景や画家についての説明などもわかりやすく、展覧会の感動がより深くなる内容でした。そして、『相棒』ファンが喜ぶあの名セリフも入っています。ガイドは最後の最後までぜひ聞いてみてください。また、会場には作品と一緒にパリの地図なども掛けられ、どのあたりを描いた絵なのかがわかるようになっています。パリを訪れたことがある人はもちろん、行ったことがなくてもイメージすることができ、作品鑑賞がより楽しくなりますよ。フランスを旅する気分を味わえる展覧会は7月8日まで。Information会期:~7月8日(日)休室日:月曜日時間:9:30~17:30※金曜日は20時まで※入室は閉室の30分前まで会場:東京都美術館料金:一般 1600円/大学生・専門学校生1300円/高校生800円/中学生以下無料公式サイト:上野の東京都美術館で開催中の『プーシキン美術館展』に行ってきました。フランス風景画の名作が集まるこの展覧会では、俳優の水谷豊さんが音声ガイドを担当。プレス内覧会にも出席され、見どころを語ってくれました。
2018年04月28日『ヨシダナギ×NAKED“Sing-Sing!”』【女子的アートナビ】vol. 107西武渋谷店の特設会場ではじまったアート展『Sing-Sing!(シン-シン)』では、アフリカを愛する人気フォトグラファー、ヨシダナギさんとクリエイティブカンパニーのNAKEDがコラボ。アフリカなどで撮影されたヨシダさんの写真作品や珍しい民族楽器、さらにネイキッドが演出した幻想的な音と映像が流れるインスタレーションを楽しむことができます。ヨシダさんが見どころ解説!このアート展の見どころについて、プレス内覧会でヨシダナギさん(写真右)とネイキッドの竹内沙也香さん(同左)が語ってくれました。まずは、ヨシダさんの写真作品について。ヨシダさんの写真は色がとても鮮やかなのが特徴ですが、これらの色彩について次のように語りました。ヨシダさんアフリカとか少数民族の写真は今までドキュメンタリー調の土臭いイメージがあったかと思うのですけど、実際にアフリカに足を運んでみると土臭いだけでなくて日本にはありえない色彩の組み合わせがあって、それがとてもステキで作品に撮りたいと思って今の作風にたどり着きました。できるだけ現地の色を鮮やかに伝えたいと意識しながらいつも写真を撮っています。民族楽器も楽しめる!今回の会場では、写真と一緒にアフリカの民族楽器があちこちに展示されていて、来場者が触ったり、自由に音を出したりすることもできます。この展示の楽しみ方について、ヨシダさんは次のように語りました。ヨシダさん世界にはたくさんの少数民族や先住民族がいるのですけど、その共通点は生活に音楽があるということと思っています。音楽がはじまると彼らは自然に動きだしたり歌いだしたりして、楽しそうな時間が流れるのです。今回の展示では、映像の色と民族の音楽でより彼らを身近に感じてもらえると思います。視覚だけでなく耳を澄まして楽しんでもらえればと思います。鮮やかなインスタレーション空間「Sing-Sing」続いて、展覧会タイトル「Sing-Sing」やインスタレーション作品について、ネイキッドの竹内さんが解説してくれました。竹内さんSing-Singというのはもともとパプア・ニューギニアの言葉で、各民族の冠婚葬祭の儀式などで踊る舞や歌のことを指す英語が由来のピジン語です。ネイキッドのインスタレーションを展示するエリアも「Sing-Sing」と名づけ、ヨシダさんの写真をネイキッドとして解釈した世界観が広がっています。竹内さん「Sing-Sing」のエリアに置かれたアフリカの楽器を叩くと、その音に反応して映像が出るようになっています。ヨシダさんが見てきたものを体験できるコンセプトで作られているので、来場者の方は自分たちの「Sing-Sing」を作りながら楽しんでいただけたらと思います。実際に筆者も会場で楽器を叩いてみたのですが、自分で出した音に反応してさまざまな色や模様が出てくるので、かなり興奮します。壁や床一面に広がる映像も色鮮やかで美しく、音楽もリズミカルで思わず踊りだしたくなりました。このアート展は撮影可能で、連休中も休まずオープンしています。開館時間など詳細はインフォメーション欄をご覧ください。『Re 又造 MATAZO KAYAMA』続いてご紹介するのは、恵比寿のEBiS303イベントホールで開催中のアート展『Re 又造 MATAZO KAYAMA』。同展では、“100年に一人の天才” といわれる日本画家、加山又造(1927-2004)の原画と、現代のクリエイターたちが最新技術を使って加山の作品をアレンジしたデジタル作品などを見ることができます。インスタ映えするアートがいっぱい!会場では、あまり日本画になじみがない人でも「楽しい!」と思える工夫が満載。巨大な陶板作品や迫力の天井画の再現などもあり、スマホや携帯での撮影もOKです。こちらは加山の代表作のひとつ、屏風絵の《春秋波濤》をもとにした体感型アート。「春の山」「秋の山」など絵のパーツがレイヤーに分けられ、天井から吊り下がっています。その中を通ってもOK。美しい絵の中に入り込んだ気分を味わえます。おしゃれなヌードも必見加山作品はとにかくおしゃれ。特にヌード画のかっこよさは群を抜いています。例えば《黒い薔薇の裸婦》は1976年に制作された屏風絵ですが、海外ファッション誌に載っている写真のような雰囲気です。この作品をデジタル映像化したのが上の写真。実は本作品の中に1枚だけ本物の人物が映し出されているのですが、わかりますか?この人物は、女優の宮城夏鈴さん。彼女の全身に、特殊メイクアップアーティストとして活躍中のJIROさんがボディペイントを施し、作品にされました。加山作品がさまざまな現代アートに進化している点がおもしろく、またオリジナル作品のもつ魅力もあらためて感じることができます。このアート展も連休中は無休で、5月5日までとなっています。渋谷と恵比寿は近いので、ふたつの展覧会をはしごしてみるのもオススメです。ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!Information『ヨシダナギ×NAKED“Sing-Sing!”』会期:~5月13日(日)会期中無休時間:[月〜土]11:00~20:00/[日・祝休日]10:00~20:00(入場は30分前まで) ※最終日は17時閉場会場:西武渋谷店A館7階=特設会場料金:一般 500円/高校生以下無料公式サイト:『Re 又造 MATAZO KAYAMA』会期:~5月5日(土・祝)会期中無休時間:11:00-20:00(入館は閉館の30分前まで)会場:EBiS303イベントホール料金:一般 2,000円/学生1,300円/小学生以下無料公式サイト:今回はGWにイチオシの体験型アート展を2点ご紹介。ひとつは人気フォトグラファー、ヨシダナギさんの写真を音と映像と一緒に体感できる『ヨシダナギ×NAKED“Sing-Sing!”』、もうひとつは多彩な演出で日本画をおしゃれに楽しめる『Re 又造 MATAZO KAYAMA』。非日常を味わえる展覧会を詳しくレポートします!
2018年04月26日ヌードの歴史をアートで見る!【女子的アートナビ】vol. 106『ヌード NUDE —英国テート・コレクションより』では、ヨーロッパの芸術家たちが挑み続けているテーマ「ヌード」にスポットをあて、その歴史を絵画、彫刻、写真などの作品で紹介。19世紀の神話画から現代アートまで、英国テート・コレクションが所蔵する珠玉の作品134点を楽しめます。この展覧会、タイトルだけ見るとキワモノ系かと思ってしまいそうですが、内容はいたってまじめ。ヌードは芸術表現としてかなり重要なテーマで、裸体美から性愛表現まで、古くからさまざまな芸術家たちがこの主題に取り組んできました。今回の展示では、日本初公開となるロダンの彫刻作品をはじめ、ピカソやマティスなど巨匠たちの名作も来日。トップクラスの近現代アートを堪能できます。まずは古典的なヌードから最初の展示室では『物語とヌード』というタイトルで、19世紀イギリス、ヴィクトリア朝時代の作品などが並んでいます。裸体表現が許されていなかった当時、古典文学や神話などの物語をテーマにした「歴史画」を描くときだけヌードを描くことができました。とはいえ、あまりにリアルな描写だと怒られたようで、例えばラファエル前派の画家ジョン・エヴァレット・ミレイの作品《ナイト・エラント(遍歴の騎士)》は、木に縛り付けられた女性のヌードが生々しすぎて批判が集中したそうです。続く第2章『親密な眼差し』では、ドガやルノワールなど印象派を中心とした画家たちの作品が展示されています。19世紀後半以降になると、物語や神話に出てくる女性ではなく、入浴中の妻やベッドに横たわるモデルなど、同時代の女性を描いたヌードが登場します。今の時代に見ると、特に刺激的なヌードではないのですが、当時は現実の生活空間にいる女性の裸を絵にすること自体が珍しかったので、スキャンダラスな絵画として扱われたようです。リアルすぎ! エロティック・ヌード同展では時代順に作品が展示されていますが、第4章だけ別格扱い。その名も『エロティック・ヌード』と題され、タイトルでも勝負してきています。この章のメイン作品は、オーギュスト・ロダンの大理石彫刻《接吻》。日本初公開の本作は、情熱的に絡み合っている男女の姿がエロティックに表現されています。この愛し合う2人は、ダンテの『神曲』に登場する人物ですが、道ならぬ恋をしているカップル。1913年に本作がイギリスで一般公開されたとき、「エロすぎる」と騒ぎになりシーツで覆い隠されたという逸話も残っています。こちらの展示室には、ほかにもピカソやターナー、ホックニーなどによる刺激的な作品が勢ぞろい。生々しすぎる性愛場面もあるため写真を掲載できませんが、寝室でのからみや同性愛を描いた現代アートなど、一流の芸術家たちが手がけたエロティシズム表現を薄暗い展示室で心ゆくまで堪能できます。展覧会の後半になると、現代の芸術家たちが手がけたヌード作品も出てきます。ロバート・メイプルソープの肉体美を強調した裸体写真をはじめ、男性ヌードを描いたシルヴィア・スレイの絵画など刺激的かつ挑発的な作品が並んでいます。人種やジェンダーをテーマにしたものや社会的メッセージを含む作品などもあり、ヌードというテーマがひと筋縄ではいかないことがわかります。単にエロティックなだけでなく、奥深いテーマも含まれている『ヌード展』、ぜひ足を運んでみては?Information会期:~6月24日(日)休館日:木曜日、5月7日(月)*ただし5月3日(木・祝)は開館時間:10:00-6:00*ただし、5月11日(金)・6月8日(金)は午後8時30分まで(入館は閉館の30分前まで)会場:横浜美術館料金:一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,200円/高校生・中学生 600円*小学生以下無料公式サイト:※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しております。横浜美術館で開催中の『ヌード展』に行ってきました。タイトルだけでもドキドキしますが、実際の展示作品はさらに刺激的♡いったいどれだけスゴイのか、話題の展覧会をレポートします!
2018年04月15日猫好き画家の展覧会【女子的アートナビ】vol. 105『猪熊弦一郎展猫たち』では、たくさんの猫に囲まれて暮らしていた猫好きの画家、猪熊弦一郎の作品、約160点を紹介。画家の出身地、香川県にある丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が所蔵する猫モチーフの油彩、水彩、素描を中心とした作品群をまとめて見ることができます。猪熊弦一郎って?香川県高松市生まれの猪熊弦一郎は、東京美術学校(現・東京藝術大学)に進学し、洋画家の藤島武二に師事。卒業後は帝国美術院展覧会(帝展)などに作品を発表していきます。その後、1938年から1940年までフランスに滞在し、20世紀を代表する芸術家アンリ・マティスのもとで学びます。戦後は『小説新潮』の表紙絵や三越の包装紙をデザインするなど国内で活躍。さらに1955年からは再びパリでの勉学を目指しますが、渡仏の途中で滞在したニューヨークを気に入り、同地で約20年間も滞在しています。晩年はハワイと日本を行き来しながら活動し、90歳で亡くなりました。まずは犬…?それでは、展示室に入ってみます。まず目についたのが数匹の犬が描きこまれた1941年の大作《長江埠(ちょうこうふ)の子供達》。同作は、中国の前線に文化視察として派遣された猪熊が制作したもので、物売りの子どもたちと犬の姿が描かれています。猫作品が並んでいる展示室をイメージしていたのでちょっと意表を突かれましたが、見ごたえある油彩画です。猫登場!そして、いよいよ猫がテーマの作品が出てきます。猪熊夫妻には子どもがいなかったため動物をかわいがるようになったそうで、猫だけでなく犬も飼っていたとのこと。ただ、絵のモチーフとしては猫が好きだったそうで、特に戦後から渡米するまでの時期と晩年は、スケッチブックから紙の切れ端にまで次々と猫を描いていたそうです。こちらは、マティスの影響を受けたと思われる色彩豊かな油彩画。猫好きの妻・文子さんと猫を組み合わせた作品です。多頭飼いをしていた猪熊は、猫同士が威嚇し合う姿やにらみ合う様子などにも興味をもち、作品に描きました。また、『モニュメンタルな猫』と題された部屋では抽象的な猫の絵も展示されています。これらの作品について、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員の古野華奈子さんは次のように解説してくれました。古野さんなぜ猫の顔を抽象的に描くようになったのか。戦前・戦時中に具象画家として活動していた猪熊は、40歳を超えたあたりから「自分の具象絵画について納得がいった」という言い方をしています。ここからどんなふうに自分らしい表現をしていくかと考え、“絵というのは色と形のバランスであり、それによって美をつくりだしたい” という考え方をするようになります。そして、猫や人物を使って自分の考えたことを作品として実現していったのだと思われます。さらに会場では猪熊がニューヨークで過ごした時期に描いた抽象画作品も展示されています。猫の世界とはまるで違う空間ですが、抽象表現主義全盛期の本場アメリカで描かれた絵画はとってもクール!かなり見ごたえがありました。そして最後のミュージアムショップでは、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と本展のオリジナルグッズが勢揃い!ユニークな猫グッズが欲しい人はぜひチェックしてみてください。猫だらけのアート展は4月18日まで。開催期間が残り少なくなっていますので、ぜひお早めにお出かけください!Information会期:~4月18日(水)会期中無休時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 1,300円/大学生・高校生900円/中学生・小学生 600円公式サイト:渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『猪熊弦一郎展猫たち』に行ってきました。とにかく猫が大好きだったという画家、猪熊弦一郎(1902~1993)の作品が集まる同展では、数百匹もの猫たちが登場!カワイイだけじゃない、ユニークな猫アートは必見です!
2018年04月09日BL好きのいわゆる腐女子。個人的な趣味ですが、男性には知られたくないと思っている女性も多いと思います。中には腐女子であることを彼氏に隠しているという女性もいらっしゃるのではないでしょうか。「カミングアウトすべきかどうか・・・」とお悩みの方に、男性が腐女子に対してどう思っているのか、どのような点に注意すべきなのかをご紹介しましょう。■■カミングアウトは「付き合ってしばらくしてから」彼氏や気になる男性に腐女子であることをカミングアウトするタイミングを迷うことがありますよね。「男性同士の恋愛」というのは基本的に、一般的な男性(いわゆるノンケ)から見ると未知のジャンルです。そのため、BL好きという趣味が男性との恋愛においてプラスに働くことはほとんどありません。そればかりか、男性の中には少なからず毛嫌いする方も存在します。まだ出会って間もない段階でカミングアウトすると、距離を置かれる可能性も否定できません。ただ、ずっと隠し通すことは難しいですよね。隠し事は良心が痛みますし、思わぬところでバレると印象が悪くなります。やはりどこかのタイミングで自分から「実は・・・」と切り出した方が良いでしょう。従って、カミングアウトのタイミングは「付き合ってしばらくしてから」が理想だと考えます。■■交際に支障がなければ問題なしとはいえ、難しく考えたり、悩んだりする必要はありません。彼女が腐女子であろうとなかろうと、交際に支障がなければ問題なく受け入れてくれる男性は多いです。そもそも趣味は人それぞれですから、交際相手が自分の理解できない趣味を持っていることは良くある話。男性から見ると、BL好きの女子は「未知の趣味を持つ女性」として映っているだけに他なりません。■■彼氏そっちのけで趣味に走るのはNGそれでは、どういった場合に交際に支障をきたすのでしょうか。それは、彼氏より趣味の優先度が高くなってしまっている場合です。例えば、家で彼氏と一緒に過ごしているときにBL本やBLゲームに熱中して、彼氏をほったらかしにするようなケースが考えられます。ただ、これはどのような趣味でも同じですよね。付き合っている以上、お互いが納得できる時間の過ごし方のバランスがあるはずです。BLに限らず、趣味はほどほどにして彼氏との時間も大切にすることを心がけましょう。■■「受け入れてくれた=好き」ではない共通の趣味であればその話で彼氏と盛り上がることが可能ですが、そうでなければ、趣味はやはり自分自身で楽しむもの。BLを否定はせずとも理解し難いと感じている男性は多いので、なおさらです。BL好きを受け入れてくれたからといって、彼にBLの話題を熱く語るようなことはやめておきましょう。彼はBL好きのあなたを受け入れただけであって、BLが好きになったわけではないからです。■おわりにBLは多くの女性をとりこにしている、れっきとした恋愛ジャンルです。BL好きであることを後ろめたく思う必要もなければ、「彼にバレたら絶対嫌われる」と思い込む必要もありません。今回紹介したポイントを意識し、うまく付き合っていきましょう。(水林ゆづる/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年02月18日ヘタウマ絵で人気の画家、熊谷守一の展覧会が東京国立近代美術館で開かれています。そのルックスや生き方などから “超俗の画家” とも呼ばれた彼の作品は、シンプル&ユーモラス。見ているだけで何とも幸せな気持ちになれちゃうアート展をご紹介します!なごめるアートがいっぱい!『没後40年 熊谷守一生きるよろこび』【女子的アートナビ】vol. 96この展覧会は、熊谷守一(1880~1977)の没後40年を記念する大回顧展。97歳まで生きた画家の代表作《猫》をはじめ、絵画やスケッチ、日記など250点以上が集まっています。ゆるカワな絵で人気を博した熊谷画伯、ルックスが個性的で、20年間ほとんど自宅から外に出ることなく絵を描いていたことから “超俗の画家” とも呼ばれていました。いかにも自由気ままに生きてきた画家のようにも見えますが、実はかなりの苦労人。岐阜県に生まれた熊谷は東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、故郷に戻って材木を扱う仕事などにつきます。その後ふたたび上京し、友人の援助を受けながら作品を制作。しかし生活は苦しく、戦争や家族の死などの試練が彼を襲います。そんななかでも描き続け、おなじみのシンプルな画風を確立したのは60代になってから。代表作といわれる作品の多くは晩年に描かれています。花も餅も超シンプル!熊谷作品の特徴は、明るい色彩とシンプルな形。例えば《ハルシヤ菊》という作品は花びらが何枚もあるキク科の花を描いたものですが、花の部分が単純な円形になっています。まるで目玉のようにも見えて、何ともユーモラス。また、地面には花と同じような円い形のカタツムリも描かれています。《伸餅》もたまらなくシンプル。3個の餅と包丁が1本描かれているだけなのですが、とても印象に残る絵です。餅はそれぞれ微妙に形が異なり、さらに白い絵の具を塗る筆の方向なども変えて奥行きが出るようにしているとのこと。シンプルなものほど絵にするのは難しいといわれますが、餅をこれほど味わい深く表現できるなんて、熊谷画伯、やはり只者ではございません。代表作はゆるカワ猫!熊谷守一の代表作といえば、《猫》。見ているとほっこりしてくる作品です。さらりと描いた絵のように見えますが、猫の骨格や体の特徴などが正確にとらえられていて、技術的にはかなりハイレベル。シンプルな絵なのに猫のやわらかさまで伝わってきます。この作品を描いたのは、彼が85歳のときでした。会場では、ほかにもさまざまな猫作品を見ることができます。考え抜かれたヘタウマ素朴な作品が多いため、もしかして熊谷画伯ってちょっとヘタ…? と思ってしまうかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。展覧会では若いころに描いた裸婦像や肖像画なども展示されていますが、デッサン力の高さに驚かされます。重厚な油彩画から次第に明るくシンプルな画風に変わっていきましたが、ただ単純化したのではなく、色彩学などの科学的根拠に基づいてヘタウマ画風を確立。例えば《稚魚》という作品では青地の背景に赤い魚を描くことにより、色彩の効果で魚が動いて見えるように計算されているとのこと。ヘタウマの背景には画家のさまざまな努力と工夫が盛り込まれていたようです。会場では油彩画のほかに水墨画や書も展示。特に、即興で仕上げられたという書が何とも味わいがあり、画家の人柄が伝わってきます。この展覧会は3月21日まで開催。ぜひ足を運んで熊谷画伯の魅力に触れてみてくださいね。Information会期:~3月21日(水・祝)休館日:月曜日(ただし 2月12日は開館)、2月13日(火)時間:10:00 ~ 17:00(金、土曜日は20:00まで、入館は閉館30分前まで)会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー料金:一般 1,400円/大学生・専門学校生900円/高校生 400円/中学生以下無料
2018年01月14日1月5日(金)今夜放送スタートするドラマ10「女子的生活」。この度、本作でトランスジェンダー女子のヒロイン・小川みきを演じる志尊淳から、放送直前コメントが到着した。一足先に第1話を見たと言う志尊さんは、「改めて感じたのは、この作品は今回携わってくださったスタッフ、キャストの皆さんの想いが詰まった作品になっていたこと、“みき”というキャラクターは、携わって頂いた皆さんで作り上げることができた人物なんだな、ということでした」と感想を語る。また「ポップに描かれているみきの日常に個性豊かなキャラクターたちが絡んでいき、“いま”を全力で生きるみき。ポップで強くて周りから慕われているみきが、心の奥底で感じていること、みきの苦悩など裏側の気持ちまで汲み取っていただけたらと思います」と続け、「現実に媚びることなく各々が自分の道をゆく。それを経て成長していくみんな。成長させられていくみんな。いろんな感情を覚えていただけるような作品になっていると思います。本当にこの作品が大好きです。みんなで精一杯作り上げました!!ひとりでも多くの皆様に届くことを祈るばかりです」と想いを述べている。本作は、坂木司の同名小説のドラマ化。志尊さんが演じるのは、“かわいい女子的な生活”に憧れ、田舎から都会に出てきたファッション通販会社で働くOL・みき。実は、みきにはトランスジェンダーであるという大きな秘密が。そんなみきのもとに、ある日同級生だった男が転がりこみ、2人はひょんなことから共同生活をおくることに――。志尊さんのほかにも、「劇団EXILE」町田啓太、「ももいろクローバーZ」玉井詩織、玄理、小芝風花らが出演する。ドラマ10「女子的生活」は1月5日(金)より毎週金曜日22時~総合テレビにて放送(全4回)。(cinemacafe.net)
2018年01月05日