いま気になる名美術館を、俳優・松下洸平さんとカメラマンの矢吹健巳さんと巡ります。今回は「東京都現代美術館」です。かっこいい空間でありながらポップな魅力もある建築。松下:この建築を設計した柳澤孝彦さんが大好きで、何度か来たことがあるんです。1年前にリニューアルしたばかりなんですね。矢吹:僕も、プライベートで一番よく訪れる美術館はここなんです。工藤(美術館広報):設備等を改修したのに加えて、館内外のサインをわかりやすくしました。当館は木場公園に面していて公園側からの出入り口も今回整備しました。その隣にあるオブジェは、英国の彫刻家アンソニー・カロの「発見の塔」(写真上)。時間帯によっては、松下さんのように登っていただくことも可能です。松下:思ったより高くて、上に立つと気持ちよかったです。工藤:中庭一面に広がる象徴的な壁ですが(写真下)、開館当時は人が近づくと音や光が反応する仕掛けがあったと聞いています。おすすめなのは、中庭の階段から下りたところにある「水と石のプロムナード」。知る人ぞ知るスペースなんです。公園からもアプローチできて、ここで読書している人もいますよ。松下:綺麗な空間に光がさしこんで、素敵ですね。なんだかずっといたくなるなぁ。矢吹:エントランスのベンチにずっと座っているだけでもいいし、ミュージアムショップで写真集を見たりするのもいいですよね。松下:天井が高くてかっこいい空間だから、圧倒されそうにもなるけれど、実際中に入ってみるとポップ。かわいらしさもありますね。矢吹:今回撮影した中庭は、今日はお一人で立ってもらいましたけれど、あそこに人が大勢いたとしてもすごく美しい景色になる。そういう空間って、いるだけでワクワクするし、創作意欲が湧く。今日はかっこいい人がいて、かっこいい空間があったらこう撮るしかないという素直な感覚に従って、撮影してみました。東京都現代美術館東京都美術館の戦後美術のコレクションを引き継ぎ、1995年に開館。改修のため3年の休館を経て2019年春リニューアル・オープン。国内外の現代美術、図書資料を体系的に収集する。「オラファー・エリアソンときに川は橋となる」ほか、展覧会を開催中。東京都江東区三好4-1-1まつした・こうへい1987年生まれ。東京都出身。高校時代は油絵を専攻。連続テレビ小説『スカーレット』の十代田八郎役で注目を集める。5月22日公開映画『燃えよ剣』に出演。4月、5月には3年ぶりにライブを開催。やぶき・たけみ1982年生まれ。福島県出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。ファッション、広告の分野で活躍。写真集『gengetsu』(2015)は、面識のない50人の人物を30分のフォトセッションで撮り下ろした作品。※『anan』2020年4月15日号より。写真・矢吹健巳スタイリスト・渡邉圭祐ヘア&メイク・五十嵐将寿取材、文・松本あかね(by anan編集部)
2020年04月10日新国立劇場が無料で過去の公演記録映像をストリーミング配信するサービス「巣ごもりシアター」を開始することが分かった。4月10日(金)より期間限定で行われる。新型コロナウイルスの影響を受け、2月28日以降の主催公演を全て中止、また緊急事態宣言を踏まえて5月10日(日)まで中止期間を延長することを決定した新国立劇場。そんな中、「お客様を劇場にお迎えできないこの状況下においても、新国立劇場を応援してくださる皆様と常に共にありたい」という思いから、今回まずオペラ公演から3作品を無料配信。2018年上演、オペラ初心者も楽しめる不朽の名作「魔笛」をはじめ、「誰も寝てはならぬ」が特に有名なプッチーニの傑作オペラ「トゥーランドット」(2019年上演)、そしてチャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」(2019年上演)。オペラパレスでの感動を、自宅に居ながら体感することができる。なお、この3作品に関連した、配信前の予習にもぴったりなトークイベントやリハーサル映像も新国立劇場公式YouTubeチャンネルにて公開中。また、追加配信についても計画中だという。配信予定公演情報W.A.モーツァルト作曲オペラ「魔笛」(2018年10月3日公演)全2幕ドイツ語上演/日本語字幕付配信日:4月10日(金)15時~17日(金)14時大野和士オペラ芸術監督の就任第1作として上演されたモーツァルト不朽の名作。現代アートの巨匠、ウィリアム・ケントリッジによる素描とアニメーションを用いた美しい舞台が大きな注目を浴びた。名曲に溢れており、オペラ初心者にも楽しめる作品。G.プッチーニ作曲オペラ「トゥーランドット」(2019年7月20日公演)全3幕イタリア語上演/日本語字幕付配信日:4月17日(金)15時~24日(金)14時国際的なオペラプロジェクト「オペラ夏の祭典2019-20 Japan Tokyo World」第1弾として上演されたプッチーニの傑作オペラ。スペインの前衛パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウスの芸術監督のひとりアレックス・オリエが演出を手掛け、その大胆な解釈が話題に。P.チャイコフスキー作曲オペラ「エウゲニ・オネーギン」(2019年10月1日公演)全3幕ロシア語上演/日本語字幕付配信日:4月24日(金)15時~5月1日(金)14時男女の愛のすれ違いを描いたロシア・オペラの代表作を、2019/2020シーズンの開幕公演として上演。モスクワ・ヘリコン・オペラの芸術監督であるドミトリー・ベルトマンが演出を手掛け、指揮者と各キャストにはロシア・オペラのスペシャリストたちが集結。(cinemacafe.net)
2020年04月09日新国立競技場で5月15、16日の2日間にわたって計16万人を動員予定の嵐のライブ『アラフェス』。新型コロナウイルス拡大にともなうスポーツ観戦やイベントの大規模な自粛が未だ続くなか、開催の可否を占う鍵となるイベントがあるという。「5月とはいえ、数万人規模のライブ開催に対して、一部から否定的な意見が出ているのも事実です。そんな状況下で今、注視されているのが、5万人収容の東京ドームで4月4日と5日に開催されるTHE YELLOW MONKEY公演。同会場では3月末まで全公演が中止、および延期されていますが、イエモンは“日本のエンタメ業界のためにも、俺たちが先陣を切る”覚悟を持っているといわれています」(音楽関係者)万が一、イエモンの東京ドーム公演が延期・中止されたとしても、新国立競技場はイベント会場として比較的条件がよいと語るのは、自治体や企業の危機管理に詳しい日本マネジメント総合研究所の戸村智憲理事長だ。「密閉されたライブハウス等とは異なり、新国立競技場は屋外施設。屋根に覆われている部分もあるとはいえ、風が抜ける構造で換気もしっかり行われますから集団感染リスクは下がると考えられます」主催者側だけでなく、観客の意識も大事だと訴えるのは、内科医で医療ガバナンス研究所の上昌広理事長だ。「熱のある人、風邪の症状がある人はイベントに来ないよう徹底することがいちばん。だから、嵐のメンバーから事前にファンに呼びかけることも大事。ファンとメンバーが一体となり『コロナから参加者みんなを守ろう』という強い意識を共有することに尽きます」開催にあたり入場前の手洗いの徹底、サーモチェック、消毒用アルコールの設置も効果的だという。演出を担当する松本潤(36)は連日、事務所の関連施設にこもり、打ち合わせを重ねているという。「歌う曲目はファンからの投票で決める予定です。去年発売した嵐のベストアルバムは330万枚と’19年のセールス世界一を記録しました。2日間でのべ16万人に直接感謝を伝えられる“二度とない晴れ舞台”に臨む準備に余念はありません」(イベント関係者)メンバーもファンも待ち望む開催に向け、前出・戸村さんは最後にこう呼びかける。「観客のマスク着用の徹底に加え、競技場内だけでなく、最寄り駅での感染対策も必要になります。会場内への出入りも、座席ブロックごとに時間差をつけて行ったほうがいいでしょう。憂いに沈んだ状態で長期間家に閉じこもることは精神的によくない。計16万人のファンには嵐のライブ体験こそ免疫を高める“心の栄養剤”なのです。感染症対策の知見と実践度を高める場として堂々と開催していただきたいです」“日本の活力”が、嵐の手でよみがえることを願うばかりだ――。「女性自身」2020年4月7日号 掲載
2020年03月26日「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」が、東京・京橋のアーティゾン美術館の4階展示室で開催される「コレクション選」特集コーナー展示に登場。2020年6月23日(火)から10月25日(日)まで展示される。20世紀を代表する抽象画家、パウル・クレーの展覧会パウル・クレーは、バウハウスの教授を務め造形理論の研究、講義、著述を行い20世紀に活躍した画家。1910年代に分離派展や芸術家グループ「青騎士」の活動に参加して頭角を現し、第一世界大戦後はバウハウスで教鞭を振るっていた1920年代を経て、没する1940年まで旺盛な創作を続けた。今回開催する「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」では、アーティゾン美術館に2019年に新たに収蔵された作品24点と、既収蔵作品1点の合計25点のパウル・クレー作品を展示。多様な技法と素材を駆使した造形的実験の軌跡が明確に示されたパウル・クレー芸術のエッセンスと魅力を楽しむことが出来る。パウル・クレーの生涯を横断する作品群展示作品は、パウル・クレーが画家として活動した1910年代から1930年代までを網羅。パウル・クレーが抽象的表現へ移行した初期の作品《抽象的な建築》をはじめ、バウハウス時代の《庭の幻影》、色彩と形を自由かつ効果的に組み合わせた晩年の作品《谷間の花》など、時代の異なる彼の作品を横断的に見ることが可能だ。展覧会概要新収蔵作品特別展示:パウル・クレー会期:2020年6月23日(火)~10月25日(日)※アーティゾン美術館は臨時休館していたが、2020年6月23日(火)から再開。時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)※当面の間、夜間開館は中止休館日:月曜日(祝日にあたる8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日会場:アーティゾン美術館 4階展示室 コレクション選 特集コーナー展示住所:東京都中央区京橋1-7-2入館料:日時指定予約制 一般ウェブ予約チケット 1,100円、当日チケット(窓口販売) 1,500円、学生無料 ※入館は日時指定予約制。※ウェブ予約チケットは、2020年6月3日(水)~販売開始※ウェブ予約チケットは、公式ウェブサイトにて、各入館時間枠の終了10分前まで販売※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売※指定した時間枠内であればいつでも入館可能、また入館後は閉館まで時間制限なく鑑賞可能※時間枠 (1)10:00〜11:30 (2)12:00〜13:30 (3)14:00〜15:30 (4)16:00〜17:30※中学生以下はウェブ予約不要※上記料金で同時開催の3つの展覧会(「鴻池朋子 ちゅうがえり」および「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」)すべてを観覧可【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年03月12日2月22日(土)から、新国立劇場バレエ団がケネス・マクミラン振付による物語バレエの傑作、『マノン』を8年ぶりに上演する。アベ・プレヴォーが18世紀に書いた小説『マノン・レスコー』を原作に、マクミラン率いる英国ロイヤル・バレエ団が1974年に初演した作品。オペラや映画、絵画の題材としてたびたび取り上げられてきた“運命の女”マノンの壮絶な物語を、マスネの音楽と見事に融合した、マクミランの独創的な振付がドラマティックに描き出す。パリ近郊の宿屋で出会って恋に落ち、駆け落ちをした美しい少女マノンと若い神学生のデ・グリュー。しばし共に暮らすふたりだったが、デ・グリューの留守中に富豪のムッシューGMとマノンの兄レスコーが現れ、大金を餌にマノンを説得、彼女を愛人として連れ去ってしまう。ムッシューGMのパーティーで再会し、逃げ出すマノンとデ・グリュー。だがムッシューGMに見つかったマノンは、売春婦としてアメリカに送られてしまう……。マノンとデ・グリューを演じるのは、米沢唯&ワディム・ムンタギロフ(22、23日)、小野絢子&福岡雄大(26日、1日)、米沢唯&井澤駿(29日)の3組。主役ふたりによる“寝室のパ・ド・ドゥ”や“沼地のパ・ド・ドゥ”は、ガラ公演で踊られる機会も多いバレエ史上屈指の名シーンだが、物語バレエのパ・ド・ドゥはやはり全幕で観てこそ。この機会に、愛と破滅の物語にどっぷりと浸かりたい。文:町田麻子
2020年02月20日美術館「プレイ ミュージアム(PLAY! MUSEUM)」が、東京・立川駅北口の新街区「グリーンスプリングス(GREEN SPRINGS)」内に2020年6月10日(水)オープン。“ありそうでない”美術館「プレイ ミュージアム」「プレイ ミュージアム」は、“絵”と“ことば”をテーマに、映像や立体物などの作品を通して、大人から子供まで様々な体験が出来る新たな美術館。一般的な展示のほか、来場者が展示に参加したり、ワークショップを通して作家の制作に関わったりと、“ありそうでない”美術館の楽しみ方を提案していく。館内展示は、年間を通して著名な絵本作家を紹介する常設展示と、ユニークに作家や作品を特集する企画展示の2つを同時に開催。また、ショップとカフェを併設し、展示にちなんだオリジナルグッズやメニューを多数用意する。開館記念常設展「エリック・カール 遊ぶための本」開館初年度の記念すべき常設展は、“絵本の魔術師”とも称され日本でも人気の高いアメリカの絵本作家エリック・カールをフィーチャーした「エリック・カール 遊ぶための本」。アメリカ・マサチューセッツ州のエリック・カール絵本美術館との共同企画で開催 する本展では、絵本を“おもちゃ”に見立てた新しい視点で彼の作品の本質に迫る。会場では、エリック・カールの絵本を“くぐる”“きく”“うごかす”“みつける”など、10の遊び方に分けて紹介。大型の造作物や映像、エリック・カール独自のコラージュ で描かれた『はらぺこあおむし』『パパ、おつきさまとって!』といった作品の原画を展示する。同施設3階「プレイ パーク」でも関連イベントを実施また、同施設3階に併設する「プレイ パーク(PLAY! PARK)」では、エリック・カールの絵本作りにならって、参加者が世界にひとつだけの色紙を作るワークショップ「レッツ!プレイ!ペーパー!(Let’s! PLAY! PAPER!)」を開催。参加者は、紙に絵の具やクレヨン、スタンプ、ローラーなどを使って模様やパターンを描き、オリジナルの色紙を作ることが出来る。開館記念企画展「tupera tuperaのかおてん.」企画展の第1弾は、様々な絵本賞を受賞しする人気のクリエイティブユニット・tupera tupera(ツペラ ツペラ)による“顔”をテーマにした展覧会「tupera tuperaのかおてん.」に決定。『かおノート』『こわめっこしましょ』などtupera tuperaが描いた人気の絵本原画のほか、映像作品『かおつくリズム』、2メートルの大きな顔が並ぶ新作「かお10」など、様々な表現方法を用いた新作を多数展示する。【詳細】■プレイ ミュージアム開業日:2020年6月10日(水)※当初4月10日(金)オープン予定だったが延期。開館時間:10:00~18:00住所:東京都立川市緑町3-1 グリーンスプリングス内W3入場料:一般 1,500円、大学生 1,000円、高校生 800円、中・小学生 500円休館日:無休(展示の入れ替え、年末年始を除く)※未就学児無料。※入場料で常設展、企画展の2つを観覧可能。※会場内は全て写真・動画撮影可。■常設展「エリック・カール 遊ぶための本」会期:2020年6月10日(水)~2021年3月28日(日)■企画展「tupera tuperaのかおてん.」会期:2020年6月10日(水)~2020年12月29日(火)■カフェ「PLAY! CAFE」※展覧会に関連したオリジナルのフード、スイーツ、ドリンクを提供。<メニュー例>・かおカレー(きいろ)1,480円+税・はらぺこあおむしのフルーツパフェ 1,480円+税
2020年02月16日東京国立近代美術館の所蔵品ギャラリーの所蔵作品展 「MOMATコレクション」が、2020年6月4日(木)より日時指定制で再開。会期は10月25日(日)まで延長された。日本の近現代美術をたどる所蔵作品展20世紀初頭から今日にいたる日本の近現代美術の流れを、国際的な関連とともに紹介する「MOMATコレクション」。選りすぐりの名品を一挙に堪能できる「ハイライト」コーナーに始まる展示では、多彩なテーマと切り口のもと、約200点の作品を通して日本の美術の歩みをたどることができる。戦中〜戦後の前衛画家・北脇昇の小企画2階ギャラリー4では、コレクションによる小企画「北脇昇一粒の種に宇宙を視る」を開催。1930年代から40年代にかけて京都で活躍した北脇昇は、身近な植物などを発想源に、幻想的な絵画を手掛けた前衛画家だ。戦中・戦後の激動のさなか、混迷する世界の裏に潜む法則を求めた北脇は、シュルレアリスムに数学やゲーテの自然科学、古代中国の占い“易”などを織り交ぜた作品を生みだした。本小企画では、植物や図式的なモチーフが特徴的な《周易解理図(乾坤)》をはじめ、北脇の作品約40点を紹介する。バウハウス特集また、モダン・デザインの展開を先導したドイツの造形教育学校・バウハウスが、2019年に開校100周年を迎えたことを記念した特集展示も。パウル・クレーやワシリー・カンディンスキーの絵画、マルセル・ブロイヤーの手掛けた椅子《クラブ・チェア B3(ワシリー)》、さらにモホイ=ナジのフォトグラムなどを見ることができる。なお、6月12日(金)からは日時指定制で、企画展「ピーター・ドイグ展」も再開。会期は2020年10月11日(日)まで延長されている。展覧会概要所蔵作品展 「MOMATコレクション」会期:2020年2月11日(火・祝)〜6月14日(日)、6月16日(火)~10月25日(日)〈日時指定制〉※2020年2月29日(土)より臨時休館していたが、6月4日(木)より再開※当初は6月14日(日)までの会期を予定していたが、延長会場:東京国立近代美術館 本館 4〜2階住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)※当面のあいだ、金曜・土曜の夜間開館は実施しない休館日:月曜日(2月24日(月)、8月10日(月)、9月21日(月)は開館)、2月25日(火)、8月11日(火)、9月23日(水)観覧料:一般 500(400)円 大学生 250(200)円※( )内は20名以上の団体料金※高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」所持者、友の会、賛助会員、 MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバー会員は本人のみ)、キャンパスメンバーズ、障害者手帳の所持者とその付添者(1名)は無料※公式サイトより日時指定チケットを購入(6月3日(水)10:00から)※観覧無料対象の場合も、日時の予約が必要※来館に際しての注意事項に関しては、公式サイトを確認のこと※予定は変更となる場合あり■同時開催企画展「ピーター・ドイグ展」会期:2020年2月26日(水)〜10月11日(日)〈日時指定制〉会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー※2020年2月29日(土)から臨時休館していたが、6月12日(金)より再開【問い合わせ先】050-5541-8600(ハローダイヤル)
2020年01月25日ブリヂストン美術館を前身とする新美術館「アーティゾン美術館」が1月18日に開館。開館記念展として「見えてくる光景コレクションの現在地」が3月31日(火)まで開催されている。株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎が収集した美術品を展示するため、1952年に開館したブリヂストン美術館。2015年から建て替えのため約5年間の休館を経て、この度「アーティゾン美術館」という新たな館名でリニューアルオープンした。新美術館は、23階建ての高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の低層階3フロアを展示室とし、その展示面積は旧ブリヂストン美術館の約2倍に。最新の照明や空調設備を備え、快適で明るく開放的な空間が広がる。アーティゾン美術館1階部分の吹き抜け開館に先駆けて行われたプレス内覧会では、館長の石橋寛氏が登壇。新美術館では「創造の体感」をコンセプトに、単に観賞の場を提供するだけでなく、見る、感じる、知ることにより作品の創造性を体感し、そのインスピレーションが新たな時代を切り拓くきっかけとなることを目指すという。アーティゾン美術館石橋寛館長同館では、利用者がより快適に「創造の体感」を味わえるような工夫が随所に施されている。例えば、チケットは日時指定予約制を導入。入館までの待ち時間の短縮や館内での混雑緩和が期待できるほか、一部の作品を除き作品の写真撮影もOK。美術館の情報を閲覧できるインフォルームやレクチャールームが併設され、鑑賞後に湧き出る探究心も満たしてくれる。そして今回、開館記念展として開催されているのが『見えてくる光景コレクションの現在地』だ。約2,800点の石橋財団コレクションの中から、選りすぐりの206点を紹介。第1部「アートをひろげる」で近現代美術を一望し、第2部「アートをさぐる」で古今東西の美術を7つのテーマで掘り下げていく。第1部「アートをひろげる」会場エドゥアール・マネ《自画像》1878〜79年ほか第1部「アートをひろげる」メアリー・カサット《日光浴(浴後)》1901年ほか第1部「アートをひろげる」ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》1876年ほか第1部では、1870年代のマネの作品から2000年代のスーラージュまで、約140年間の東西の名品が並ぶ。印象派、ポスト印象派、象徴派、ナビ派、フォーヴィズム、キュビズム、抽象美術、ダダイズム、シュルレアリスム、抽象表現主義と、次々に展開したヨーロッパ美術の系譜を、ルノワール、セザンヌ、カサット、青木繁から、ピカソ、ブラック、カンディンスキー、マーク・ロスコ、猪熊弦一郎、草間彌生まで、石橋コレクションが誇る数々の名作で辿ることができる。第1部「アートをひろげる」左:青木繁《海の幸》1904年中央:ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904〜06年頃右:オーギュスト・ロダン《立てるフォーネス》1884年頃第1部「アートをひろげる」ヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》1924年ほか展示がスタートする6階はフロア全体に柱がなく、それぞれの作品はゆるやかに空間を仕切る可動式の壁に展示されている。アーティゾン美術館の教育普及部長である貝塚健氏によると、その壁を利用することで、作品同士の響き合いを感じとってほしいと言う。「ある地点から見ると、セザンヌによる山の絵と、青木繁の《海の幸》を同時に眺めることができる。場所は違えど同時代に活躍したふたりの、異なる個性がぶつかり合う様を楽しんでほしいと思います」(教育普及部長貝塚健氏)また、注目したいのが休館中に新収蔵された作品。モリゾ、カサット、ボッチョーニ、カンディンスキー、ジャコメッティ、松本竣介など31点が今回初めてのお披露目となる。続く第2部「アートをさぐる」では、「装飾」「古典」「原始」「異界」「聖俗」「記録」「幸福」という7つの視点からアートを掘り下げていく。5階では、人が身の回りを飾りたいという欲望から生まれた「装飾」のアートに始まり、多様な造形を整理しスタンダードを確立した「古典」、人間の欲望や欲求の源となる「原始」、ふとした時に立ち現れる「異界」をテーマに持つ作品を紹介していく。第2部「アートをさぐる・装飾」イランテペ・シアルク《幾何文台付鉢》紀元前4千年紀ほか第2部「アートをさぐる・古典」小杉未醒(放庵、放菴)《山幸彦》1929年第2部「アートをさぐる・異界」古賀春江《素朴な月夜》1929年ほか続く4階フロアでは、聖なるものと俗なるものを併せ持つ「聖俗」、自画像や街の風景を描きとめた「記録」、そして、人と人との出会いによって生まれるアートの「幸福」をテーマに展示は締めくくられる。第2部「アートをさぐる・聖俗」《洛中洛外図屏風》江戸時代・17世紀第2部「アートをさぐる・記録」小出楢重《帽子をかぶった自画像》1924年ほか第2部「アートをさぐる・幸福」青木茂《わだつみのいろこの宮》1907年ほか今後のアーティゾン美術館では、鴻池朋子が石橋財団コレクションと“共演”するインスタレーションを発表するほか、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館展示帰国展など、現代美術の紹介も積極的に行なっていく予定。この先どんな「創造の体感」をさせてくれるのか。新しいアートの発信拠点として、これからも目が離せない。【開催情報】『開館記念展「見えてくる光景コレクションの現在地」』
2020年01月23日東京国立近代美術館では、桜をはじめ“花”を描いた作品の特集展示などを楽しめる「美術館の春まつり」を開催。尚、東京国立近代美術館が当面の間臨時休館を行うため、開幕時期は未定。見どころは、所蔵作品展「MOMAT コレクション」の1室に集結する“花”の作品の数々。桜を描いた重要文化財・川合玉堂《行く春》を年に一度だけこの期間に公開するともに、奈良吉野の桜が咲き広がる菊池芳文《小雨ふる吉野》、しだれ桜をはじめ40種類を超える桜を描いた跡見玉枝《桜花図巻》、船田玉樹《花の夕》など、花を描いた8点を展示する。ほかにも「MOMAT コレクション」には、菱田春草などの日本画、安井曽太郎などの洋画、ポール・セザンヌやパウル・クレーなどの海外作品が並ぶ。3フロアにわたる約200点の作品から、花を描いた作品を探しつつ鑑賞するのも良いだろう。また、美術館前庭には床几台によるお休み処を用意。皇居・千鳥ヶ淵を彩る桜散策とともに、お花見弁当や甘酒しるこ、スパークリングワインなどを楽しめる。なお同期間には、企画展「ピーター・ドイグ展」やコレクションによる小企画「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」も開催される。こちらもあわせて訪れてみては。【詳細】美術館の春まつり期間:2020年3月17日(火)〜4月5日(日)※東京都国立近代美術館が、当面の間臨時休館を行うため会期は未定。再開予定は公式ウェブサイト等で告知。場所:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00〜17:00(金・土は20:00まで) ※いずれも入館は閉館30分前まで休館日:月曜日(ただし春まつり期間中の3月30日は開館)■展覧会概要・所蔵作品展「MOMAT コレクション」会期:2020年2月11日(火・祝)〜6月14日(日) ※3月1日(日)、4月5日(日)、5月3日(日)、6月7日(日)は無料観覧日※東京都国立近代美術館は、2020年2月29日(土)~当面の間、臨時休館。再開予定は公式ウェブサイト等で告知。会場:東京国立近代美術館 4〜2F 所蔵品ギャラリー観覧料:一般 500円、大学生 250円 / 金曜・土曜の17:00〜 一般 300円、大学生 150円※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳の所持者とその付添者1名は無料※所蔵作品展入館当日に限り、コレクションによる小企画「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」も観覧可※花の作品の特集は4月12日(日)まで・企画展「ピーター・ドイグ展」会期:2020年2月26日(水)〜6月14日(日)会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー・コレクションによる小企画「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」会期:2月11日(火・祝)〜6月14日(日)会場:東京国立近代美術館 2F ギャラリー4【問い合わせ先】東京国立近代美術館TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年01月18日文化庁による海外研修制度を経験したアーティストが成果を発表する『DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに』展が、1月11日(土)より開催。2月16日(日)まで国立新美術館にて開催されている。文化庁が1967年から実施する「新進芸術家海外研修制度」を経験したアーティストたちによるグループ展『DOMANI・明日展』。第22回目となる今回は、「傷ついた風景の向こうに/ Landscapes in Our Age: Scarred and Reborn」をテーマに、国際的に知名度の高い作家から新進作家まで11名の作品が紹介される。展示は、プロローグ・エピローグを加えた5章で構成。藤岡亜弥(写真)、森淳一(彫刻)、若林奮(彫刻)、栗林慧(写真)、栗林隆(現代美術)、佐藤雅晴(現代美術)、日高理恵子(絵画)、宮永愛子(現代美術)といったアーティストたちが、自然災害や戦争などにより生じた「傷痕」を独自に表現する。また、プロローグとエピローグでは、「傷跡」シリーズで知られる石内都、歴史的な場所を風景写真として映し出す米田知子、郷里・陸前高田をはじめ津波の刻印が残る風景をとらえる畠山直哉の写真作品が並ぶ。会期中は各作家とゲストによるトーク・イべントも複数回開催。作家それぞれの「傷ついた風景」をつなぐことで、どんな「明日」が見えてくるのか。作品を実際に見たり、作家の言葉を聞いたりすることで、確かめてほしい。【開催情報】『DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに』1月11日(土)〜2月16日(日)まで国立新美術館企画展示室2Fにて開催【関連リンク】 DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに( )石内都《Scars#26 illness 1961》1999東京国立近代美術館蔵 (c)Ishiuchi Miyako米田知子《道―サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道》2003 (c)Tomoko YONEDA, Courtesy of ShugoArts藤岡亜弥《川はゆく》2017 (c)Aya Fujioka森淳一《山影》(部分)2018撮影:宮島径 (c)MORI Junichi, Courtesy of Mizuma Art Gallery若林奮《緑の森の一角獣座 模型》1996-97神奈川県立近代美術館寄託 photo by (c)Tadasu Yamamoto栗林慧《カマキリ》2005※参考図版佐藤雅晴《福島尾行》2018 個人蔵 (c)Courtesy of Estate of Masaharu Sato and KEN NAKAHASHI宮永愛子《景色のはじまり》(部分)2011〜高橋コレクション蔵撮影:豊永政史 (c)MIYANAGA Aiko, Courtesy of Mizuma Art Gallery畠山直哉《2019年8月1日宮城県仙台市》2019 (c)Naoya Hatakeyama, Courtesy of Taka Ishii Gallery
2020年01月12日昨年、新国立劇場に史上最年少の芸術監督が誕生した。当時、小川絵梨子さんは39歳。日本での本格的演出家デビューから10年足らずでの抜擢は衝撃的だった。“斬新な舞台ばかりでなく、ベーシックも必要なんです”「小さい時から演劇はよく観ていて、学生時代は演劇部でした。最初は俳優になりたかったんですが、高校3年生の時に演出をやったら楽しくて。私個人の表現より、いろんなセクションからのアイデアを吸い上げて舵取りするほうが性に合っていたんだと思います」そして20歳の時に旅行でNYを訪れたのをきっかけに、向こうで演劇を学びたいと留学を決意する。「その時はまだ、演劇を仕事にしようという強い意思ではなかったけれど、演劇をアカデミックに学びたかったんです。演劇の演出を専門に学べる学校が日本にはあまりないのと、全く知らない世界を体験してみたいという思いもあって、思い切って海外に出ました」NYでの日々は新鮮で楽しかったけれど、将来を考えると展望が見えずに落ち込んだ、とも。「日本で演出家になる方法がわからなかったし、アメリカで演出をやるには言語能力も、何より文化の理解度が足りない。私は、古典を斬新な解釈で再構築するより、戯曲を読み込んで地道に積み上げていくのが好きだしそれしかできないんです。でもそれには、根底にある文化の理解度が必要。例えば阿部定事件とか、ドラえもんとか縁側とか…日本人のなかに共通する原風景や想起される匂いがありますよね。それが向こうではウォーターゲート事件とかなわけです。頭では理解できても、一番重要な匂いや感覚までは理解できないので」転機は突然訪れる。知人に頼まれて携わった俳優養成所の公演を通して知り合った演劇プロデューサーに、ある公演の演出を依頼される。それが’10年の舞台『今は亡きヘンリー・モス』だ。これが大きな評判を呼び、一躍時の人となった。「私はただ台本をやっただけなんですけどね」と言う。しかし、それまで老舗劇団か小劇場出身の演出家が主流だったなか、小川さんは海外で演劇を体系的に学び、そのメソッドに基づいて演出する。センスや個性で創る舞台とは違いオーソドックスだが、それゆえ戯曲自体の面白さが際立つ。「斬新な解釈とか強烈な個性とか、憧れるし大好きだけれど、自分にはできない。ただ、斬新なものばかりでなくシンプルでベーシックな作品があってもいいし、舞台作品の多様性という意味でもむしろ必要だとも思います。その分野ならば、突出した個性や才能のない自分でも学んだことから立ち上げていくことができるのかなって」何より大事にしているのは物語。「ビジュアルにあまりこだわりがない…というかわからず、立ち上げた物語にそぐうものであればいいと思っているだけなので」小川さんの現場では、俳優もスタッフもすべてが対等。全員がプロフェッショナルとして参加し、演出家の役割は全セクションと関わりながら舵取りをすることだ。「いま芸術監督として一番のモチベーションは、次の世代のためによりやりやすい演劇環境を整えること。これまでの現代演劇は、どうしても革新的だったり作家性の強い作品が注目されてきたけれど、そんな特別な才能に恵まれていなくても演劇を創る方法は色々ある。先人たちが何世代もかけてその方法を模索して、積み上げてきた歴史もある。私もただその流れの中で次世代の方々に何か一つでも渡していけたらと思っています」おがわ・えりこ新国立劇場演劇部門芸術監督/演出家、翻訳家1978年生まれ、東京都出身。日本の大学卒業後に渡米。2004年にNYアクターズ・スタジオ大学院演出学科を修了。’10年に初めて翻訳・演出を手掛けた舞台が話題となり数々の舞台を演出。’12年に読売演劇大賞杉村春子賞を、翌年には紀伊國屋演劇賞と千田是也賞を受賞。’18年に新国立劇場芸術監督に就任。※『anan』2020年1月15日号より。写真・土佐麻理子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月09日新国立劇場の2020/2021シーズンラインアップ発表会見が1月8日に行われ、演劇部門の芸術監督の小川絵梨子、新たにバレエ・ダンス部門の芸術監督に就任する吉田都らが出席した。英国のロイヤルバレエ団で長年にわたりプリンシパルとして活躍してきた吉田監督は「(新国立劇場の)20年以上の積み重ねを大切にしつつ、新たなチャレンジをしていきたい」と意気込みを語る。就任1年目は『白鳥の湖』(新制作)で幕を開け、『くるみ割り人形』など古典作品が続くが「古典をすることで基礎の大切さ、テクニックの向上、スタミナ・筋力の強化ができる」とベース部分の底上げを図る。一方で「世界的にコンテンポラリーの比重が大きくなっていて、(古典とコンテンポラリー)両方、踊れることが求められる」とも。また「振付家の育成・発掘」も大きな課題とし「なぜロイヤルバレエ団が世界3大バレエ団と呼ばれるようになったか? 優秀な振付家を育てて素晴らしい作品を作ったから。新国立劇場から世界に発信できる作品を作りたい」と“世界”を見据えての育成を掲げる。「吉田都セレクション」と銘打った公演では、世界的に活躍する振付家デヴィッド・ドウソンがバッハのピアノコンチェルトに振り付けた『A Million Kisses to my Skin』、ピアソラのタンゴとバレエを融合させた『ファイヴ・タンゴ』などを上演する。演劇は、パリのオデオン劇場からの招聘作品で、世界的演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェ、主演に仏の国民的女優イザベル・ユペールを迎えての『ガラスの動物園』で幕を開ける。また、2009年より続いてきたシェイクスピアの歴史劇シリーズは『リチャード二世』で遂に完結を迎える。「人を思うちから」と銘打って日本で愛されてきた名作3作を届けるシリーズでは、第1弾で三好十郎作の『斬られの仙太』を上村聡史の演出によりフルオーディションで、第2弾では世界的人気を誇る故・今敏監督によるアニメーション映画を新国立劇場初登場の藤田俊太郎の演出で舞台化する『東京ゴッドファーザーズ』を、そして第3弾では小川監督自身の演出で井上ひさしの名作『キネマの天地』が上演される。小川監督は同企画について「損得とか正しいとか政治的に合っているとかじゃなく、根本に“人を思うちから”をみんなが持っているはず。それを改めて感じてもらえたら。人の“情”のお話であり、3作とも欧米では絶対に書かれない作品だと思います」と言葉に力を込めた。取材・文/黒豆直樹
2020年01月09日東京・六本木の国立新美術館内にあるミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」のB1売り場にて、2020年1月8日(水)から3月30日(月)まで、京都生まれの風呂敷専門店「むす美」のアイテムを紹介する催事を開催いたします。今回の催事でご紹介する風呂敷のひとつ「ひめむすび」シリーズは、フランス人デザイナーアデリーヌ・クラムによりデザインされ、日本の伝統文様と独特の色彩が織りなすデザインが魅力です。型絵染の伝統的な技法を用い、昭和20年代から文様・図案を生み出しつづける伊砂文様研究所による風呂敷は、日本初の両面染めで、すべての柄に吉祥文様としての意味が込められています。贈答の品など、幅広くご利用いただけます。・お取り扱いアイテム(一例)50ひめむすびAdelineKlam牡丹レッド900円(税別)フランス人デザイナーアデリーヌ・クラムとのコラボレーションによって誕生したシリーズ「ひめむすび」。日本のモチーフとフランスの色彩の出会いにより、現代のインテリアやファッションとも相性が良く、和風のテイストにもフィットします。50ひめむすびAdelineKlam鶴ターコイズ900円(税別)50ひめむすびAdelineKlam鶴イエロー900円(税別)チーフ伊砂文様両面風呂敷梅アカ/グリーン800円(税別)三巾伊砂文様両面風呂敷梅アカ/グリーン3,000円(税別)結んだ時や包んだ時一層華やかさが増す、両面使える風呂敷。チーフ伊砂文様両面しだれ桜チェリーピンク/ミント800円(税別)三巾伊砂文様両面風呂敷しだれ桜チェリーピンク/ミント3,000円(税別)型絵染の伝統的な技法を用いながらも、斬新かつ繊細な文様をつくりあげる伊砂文様研究所。熟練した京都の染め職人とむす美が開発した、日本初の両面染めによる風呂敷です。・「むす美」について京都生まれの風呂敷専門店「むす美」は、風呂敷に秘められた日本の魅力を、現代のライフスタイルに活かしたデザインやスタイルとして提案し、未来に伝えたい大切な文化として発信しています。包み布の生活文化圏は世界にも多くありますが、日本の風呂敷ほど実用性、デザイン性に富み、加えて作法まで備えたものは他に例を見ません。1300年の長きにわたり使い続けてきたこの方形の布には日本人独特の心の文化、知恵の文化、美意識が詰まっています。・開催概要タイトル:未来に繋ぐ、むす美の風呂敷開催期間:2020年1月8日(水)-3月30日(月)開催場所:国立新美術館B1スーベニアフロムトーキョー営業時間:10:00-18:00(国立新美術館の開館時間に準じます)*毎週金・土曜日は20:00まで。定休日:毎週火曜日(祝日又は休日に当たる場合は営業し、翌日休み)会期中のお客様お問い合わせ先:03-6812-9933(スーベニアフロムトーキョー)詳細URL・スーベニアフロムトーキョー漫画からアートブック、工芸品から若手デザイナーの作品まで、知名度やジャンルにとらわれることなく、東京的視点で新しいデザインやアートをお届けしています。住所:106-8558東京都港区六本木7-22-2国立新美術館1F,B1TEL:03-6812-9933営業時間:10:00-18:00(国立新美術館の開館時間に準じます)*毎週金・土曜日は20:00まで。定休日:毎週火曜日(祝日又は休日に当たる場合は営業し、翌日休み)WEB::::企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年01月07日サッカー元日本代表である“キングカズ”こと横浜FCの三浦知良が21日、「国立競技場オープニングイベント~HELLO, OUR STADIUM~」にスペシャルゲストとして出演。旧国立競技場で様々な熱戦を繰り広げてきた三浦が、新スタジアムのピッチ(芝生)に初めて足を踏み入れるという大役を務めた。ピッチに足を踏み入れた三浦は「大変興奮しています」と心境を語り、「自分にとってもこの場所は思い出深いとても大切な場所です。リーグ開幕戦、日本代表として戦ったワールドカップ予選、国内のすべてのタイトルをとったのもこの場所でした」と特別な思いを告白。「新しくなった国立競技場のピッチに今立っていることを誇りに思います。そして、みなさんに感謝したいと思います。本当にありがとうございます」と感謝し、「これからこの国立競技場もみなさんの力で新しい歴史を作っていきましょう」と呼びかけた。その後、ピッチ上を走ってドリブルを披露するとひと際大きな歓声が。さらに、サイン入りのそのボールをスタンドに蹴り入れ、観客にプレゼントして喜ばせた三浦。改めて心境を聞かれると「素晴らしいですね。本当に幸せです。ありがとうございます」と喜びをかみしめた。また、この日のユニフォームについて「90年代に日本代表でやっていた当時のユニフォームをミックスして作ってもらいました」と説明。そして、「みなさんの力でぜひこの新しくなった国立競技場を聖地にして、みなさんの声援で勇気ある場所になることを願っています」と期待を込めた。同イベントは、新しい国立競技場の完成を祝う、一般に向けてのお披露目イベント。「スポーツ」、「音楽」、「文化」をテーマに、さまざまな出演者が盛り上げた。「スポーツ」パートでは、リレー企画「ONE RACE」を開催し、ウサイン・ボルトや桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥らが参加。「音楽」パートでは、国立競技場で単独公演を行った実績のあるDREAMS COME TRUEと嵐がライブを披露し、「文化」パートでは、太鼓芸能集団・鼓童によるパフォーマンスや、「東北絆まつり」の特別演舞が行われた。さらにエンディングで、サプライズゲストとしてゆずが登場し、「栄光の架橋」を披露した。撮影:宮川朋久
2019年12月21日東京・六本木の国立新美術館にて予定されていた展覧会「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」の開催が中止。2021年3月24日(水)から5月10日(月)までの会期を予定していた。カラヴァッジョの傑作《キリストの埋葬》が来日皺の1本1本まで描きとる写実描写。劇的な明暗。ダイナミックな構図。16世紀末から17世紀初頭にかけてローマで活躍した画家・カラヴァッジョは、そのドラマティックな表現でもって、感情を巧みに伝える革新的な宗教画や風俗画を生み出し、バロック美術の先駆的役割を果たした。「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」は、このカラヴァッジョの傑作の1つである《キリストの埋葬》を目にすることのできる展覧会だ。鋭い明暗・緊密な構図のもと、死せるキリストとその取り巻きを劇的に描いた本作は、ローマのサンタ・マリア・イン・ヴァリチェッラ聖堂の礼拝堂のために制作され、ルーベンスをはじめ後世の多くの画家たちへと影響を与えた。版画や書簡から迫る作品の背景本展は、大画面の映像などによって《キリストの埋葬》への理解を深められる構成。また同時代の版画を通して、ローマ・カトリック教会の改革運動といった、本作が描かれた歴史的背景へも迫る。さらに、当時の日本各地のキリスト信徒集団がローマ教皇へ送った書状も紹介。カラヴァッジョ成熟期の代表作を大きな視点から捉え直す展覧会となっている。展覧会概要〈開催中止〉展覧会「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」会期:2021年3月24日(水)〜5月10日(月)※当初は2020年10月21日(水)〜11月30日(月)の会期を予定していたが変更会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年12月16日展覧会「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」が、東京・六本木の国立新美術館にて2020年6月24日(水)から8月24日(月)まで開催される。古典×現代作品で迫る日本美術の“豊かさ”「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」は、日本の古い時代の美術と現代美術を合わせて紹介することで、日本美術の豊かさと魅力を新しい視点から探る展覧会だ。古典と現代の作品計8組会場では、葛飾北斎や尾形乾山、伊藤若冲といった江戸時代以前の巨匠による作品を、しりあがり寿、皆川明、河内倫子といった現代日本を代表するクリエイターの作品と組み合わせた8組を展示。中には、横尾忠則や菅木志雄らの作品も登場する。世界観や主題、造形、制作方法など、時代を超えた共通点を探る。光をあてるのは“古き”と“新しき”の共通点だけではない。北斎を代表する〈冨嶽三十六景〉をもとに、ユーモアや社会批評的な視点を加えて再解釈したしりあがり寿の〈ちょっとおかしなほぼ三十六景〉など、インスピレーションやパロディを通して、過去の美術に現代的な息吹を注ぐ作家たちの姿にも焦点を当てる。デザインや陶芸など幅広く紹介また本展では、狭い意味での美術に限らず、多彩な分野に目を向け、日本の創造性の豊かさを横断的に紹介。近世以前からは、仙厓義梵の墨絵《円相図》や若冲の鮮やかな花鳥画《紫陽花白鶏図》といった絵画だけでなく、尾形乾山の装飾的な陶芸や、江戸時代の僧・円空が手掛けた木彫りの仏像などを展示する。一方現代のクリエイターは、ミナ ペルホネン(minä perhonen)のデザイナー・皆川明や、日本の新国立競技場コンペで出した“古墳スタジアム案”などで知られる建築家・田根剛をはじめ、美術だけでなく建築やデザインの領域からも選出されている。新作やインスタレーションもそうした現代のクリエイターが生み出す、新作や新しいインスタレーションにも注目。破天荒で大胆な作風で知られる江戸時代の絵師・曾我蕭白に着想を得た新作を出品する横尾忠則をはじめ、古典作品に多彩なかたちで応答する現代作家の世界に触れることができる。展覧会概要展覧会「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」会期:2020年6月24日(水)〜8月24日(月)※当初3月11日(水)〜6月1日(月)の開催を予定していたが変更会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2休館日:毎週火曜日開館時間:10:00〜18:00※入場は閉館の30分前まで観覧料:一般 1,700円(1,500円)、大学生 1,100円(900円)、高校生 700円(500円)、中学生以下 無料※( )内はおよび20名以上の団体券※障害者手帳を持参の方(付添1名を含む)は入場無料※都合により掲載作品が出品できない場合あり※会期中、一部作品の展示替えあり※最新情報は公式サイトを確認【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年12月16日2017年10月にシーズンの幕開けを飾る作品として初演され、初めてクリスマスの時期に登場した昨年の公演も好評を博した、ウエイン・イーグリング振付による新国立劇場バレエ団の『くるみ割り人形』。今年も12月14日(土)から22日(日)までの上演が決まっており、昨年の公演でも主役ペアを演じた米沢唯&井澤駿、小野絢子&福岡雄大、木村優里&渡邊峻郁、池田理沙子&奥村康祐の4組が再びクリスマス気分を盛り上げる。舞台はクリスマス・イブの夜。パーティーの準備で大忙しの少女クララの家に、続々と招待客が訪れる。一家の友人であるドロッセルマイヤーと彼の甥も到着し、ハンサムな甥にほのかな恋心を抱くクララ。ドロッセルマイヤーは、クララにくるみ割り人形をプレゼントする。パーティが終わり、眠りに就いたクララは夢を見る。くるみ割り人形とねずみたちとの戦いをドロッセルマイヤーが収めると、人形は士官服姿の甥へと姿を変え、クララと彼はロマンティックなパ・ド・ドゥを踊るのだが、ねずみの王様が甥を人形の姿に戻してしまい……?主役ペアによる高度なパートナリング技術が必要なパ・ド・ドゥ以外にも、群舞やディヴェルティスマンなど踊りの見せ場が多く、多彩な音楽と踊りが楽しめるイーグリング版。また、狂言廻し的に登場するドロッセルマイヤー、ちょっぴりコミカルなねずみの王様など、キャラクターの面白さにも定評がある。何かと慌ただしい年末、美しく心温まるバレエでゆっくりとクリスマス気分に浸ってみては? 東京・新国立劇場 オペラパレスにて上演。文:町田麻子
2019年12月12日12月21日に開催される「国立競技場オープニングイベント~HELLO, OUR STADIUM~」に、サッカー界のレジェンドである横浜FCの三浦知良選手が、スペシャルゲストとして出演することが9日、明らかになった。当日、ピッチ上(芝生)に初めて足を踏み入れる大役を担う。新しい国立競技場をお披露目する同イベント。「スポーツ」、「音楽」、「文化」をテーマに、さまざまな出演者が盛り上げる。このたび、国内における最年長プロサッカー選手であると同時に、Jリーグ発足当時からプレーを続ける唯一の現役選手としても活躍中の三浦選手の出演が発表された。三浦選手は「今回、スポーツ史に残る名シーンを数多くの歴史を生み出してきた『聖地』国立競技場のこけら落としイベントに呼んでいただきありがとうございます。自分にとっての国立競技場は、皆さんから本当に多くの応援と勇気をもらった思い入れの深い大切な場所です。懐かしくも新しいこの国立競技場の誕生を皆さんと共にお祝いする幸せな瞬間を楽しみに、当日お会いしましょう」とコメントしている。また、同イベントのMCを平井理央を務めることが決定。さらに、スペシャルサポーターとして松岡修造が会場を盛り上げることも発表された。なお、「音楽」のゲストとして、国立競技場で単独公演を行った実績のあるDREAMS COME TRUEと嵐の出演がすでに発表されている。
2019年12月09日日本とハンガリーの外交関係解説150周年を記念した展覧会、『ブダペスト—ヨーロッパとハンガリーの美術400年』が、国立新美術館にて開幕。2020年3月16日(月)まで開催されている。ハンガリーの首都ブダペストは、ドナウ川沿いに壮麗な建物が立ち並び、その美しさは「ドナウの真珠」と称えられるほど。そんなブダペストが誇る2大美術館が、ブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーだ。同展は、25年ぶりに両館の所蔵品をまとまった形で紹介するもの。16世紀ルネサンスから20世紀初頭のアヴァンギャルドまで、約400年にわたるヨーロッパとハンガリーの絵画、素描、彫刻の名品130点を一堂に集結。「ルネサンスから18世紀まで」と「19世紀・20世紀初頭」の2部構成で、時代順・テーマ別に名品の数々が展示される。前半「ルネサンスから18世紀まで」では、北方ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハ(父)から、ティツィアーノ、エル・グレコ、ティエポロなどを紹介。ブダペスト—ヨーロッパとハンガリーの美術400年()
2019年12月08日箱根・彫刻の森美術館は、箱根の山々を眺める広大な庭園に、近・現代を代表する彫刻家の名品約120点が点在する野外美術館。四季折々の豊かな自然とともにダイナミックな彫刻を楽しめるのが一番の魅力だろう。そんな彫刻の森美術館でクリスマス時期に開催されるのが、ライトアップにより彫刻が鮮やかに浮かび上がる『箱根ナイトミュージアム』だ。3回目となる今年はライトアップのエリアを拡大。さらに今回初めて、ステンドグラスの塔《幸せをよぶシンフォニー彫刻》がライトアップされる。ライトアップを手がけたのは、光のアーティストとして知られる高橋匡太。広大なエリアの中で3つの場面転換を設定し、彫刻たちを登場人物に見立てたドラマチックな第1部から、暗闇の中で彫刻たちが静かに佇む第2部へ、そして音と光楽のコラボレーションにより塔がシンボリックに浮かび上がる第3部のフィナーレを演出する。彫刻の森美術館()
2019年12月05日展覧会「日本・ポーランド国交樹立100周年記念 ポーランドの映画ポスター」が、京都国立近代美術館にて、2020年5月26日(火)から7月12日(日)まで開催される。映画とグラフィックの交錯第二次世界大戦の終結以後、共産主義の道を歩むこととなったポーランド。そのなかにあって、政治体制を賞賛する公式美術から脱した自由な表現がもっとも推し進められたのが、映画とグラフィック・デザインであった。とくに映画ポスターにおいてはロマン・チェシレヴィチやヤン・ムウォドジェニェツといったデザイナーが活躍し、映画の世界観を斬新な解釈で表現した。「ポーランドの映画ポスター」では、1950年代後半から1990年代前半にかけてポーランドで制作された、96点の映画ポスターを展示。ポーランド映画はもちろん、ヨーロッパ各国やアメリカの映画、さらに日本映画にも光をあて、“映画”と“グラフィック”双方の文脈から選んだ個性あふれるポスターを紹介する。ポスターでたどるポーランド戦後映画史ポーランドでは1950年代後半以降、アンジェイ・ワイダやイェジ・カヴァレロヴィチをはじめとする新世代の監督が活躍し、数多くの映画を生み出した。本展では、『ダントン』や『イルミネーション』といったポーランド映画のポスターを展示し、その独創的なデザインを楽しむのみならず、戦後ポーランド映画史を俯瞰できる。日本映画と“怪獣”の表現日本映画はポーランドでも盛んに公開され、とくに黒澤明監督の作品や怪獣映画、そして社会派の主題を持つ映画が取り上げられた。そうした映画のポスターのなかから、マチェイ・ヒブネルによる『美しさと哀しみと』などを展示。さらに、ポーランドのアーティストによる怪獣の個性的な表現方法にも迫る。ヨーロッパやアメリカ映画も冷戦のさなかにあっても、ポーランドは西ヨーロッパの映画を数多く輸入し、1980年代からはアメリカ映画の公開も増加した。そうした背景のもと作られた、『めまい』やベルトルッチ監督作『暗殺の森』などのポスターを豊富に展示し、チェシレヴィチをはじめとする一線級ポスター作家による斬新な表現に浸ることができる。展覧会概要展覧会「日本・ポーランド国交樹立100周年記念 ポーランドの映画ポスター」会期:2020年3月17日(火)〜7月12日(日) ※会期中に一部展示替えあり[前期 5月26日(火)~6月14日(日) / 後期 6月16日(火)~7月12日(日)]※3月17日(火)~ 5月25日(月)は臨時休館、 5月26日(火)より再開※当初は2020年3月17日(火)~5月10日(日)の会期を予定していたが、延期しての開催会場:京都国立近代美術館住所:京都市左京区岡崎円勝寺町休室日:月曜日開室時間:9:30〜17:00(入館は閉室30分前まで)料金:一般 430円、大学生 130円※高校生以下、18歳未満および65歳以上、心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(要証明)※本料金でコレクション展も観覧可※夜間開館は休止※開館時間は変更となる場合あり■東京展〈終了〉会期:2019年12月13日(金)〜2020年3月8日(日) ※会期中に一部展示替えあり会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)住所:東京都中央区京橋3-7-6TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年11月30日南果歩と小久保寿人が出演し、ミナモザの瀬戸山美咲が演出を手がける『あの出来事』が本日11月13日に東京・新国立劇場で開幕する。今作は、新国立劇場の演劇芸術監督である小川絵梨子が立ち上げたシリーズ「ことぜん」の第2弾。シリーズを通じて、「個と全」つまり個人と全体の関係性を描くプロジェクトで、10月にはゴーリキー作『どん底』が上演され、12月には『タージマハルの衛兵』の上演が控える。スコットランドのデイヴィッド・グレッグが書いた『あの出来事』は、2013年にエジンバラ演劇祭で初演、これが日本初演、初翻訳となる。新国立劇場初登場の瀬戸山に話を訊いた。「今回のお話をいただいたときは、まだ戯曲が決まっていない状況。いくつか候補を検討していたなかで、翻訳の谷岡健彦さんがふと、エジンバラ演劇祭で『あの出来事』をご覧になった話をしてくれたんです。戯曲を取り寄せて読んでみたら面白くて」映画『ウトヤ島、7月22日』の題材ともなった、2011年にノルウェーで起きた極右青年による銃乱射事件を題材にした物語。「英語は得意ではないんですけど、この作品は、初めて英語で読みきった戯曲でした。わからない単語をどんどん飛ばしながら読んだにもかかわらず、読み終えたら泣いてしまった。すぐ担当の方に電話して“ほかの候補作を一旦置いておいて、この戯曲にしたいので読んでいただけませんか”と伝えました」瀬戸山自身も、自らが戯曲を書く作品で現実の事件を扱うことがある。『あの出来事』を読んで、自分の追うテーマとの共通点を感じたという。「デイヴィッド・グレッグの興味のあるところが自分と近いな、とまず思いました。大きな出来事があって共同体がどう変化し、その中で個人がどうなるのか。その、再生の一歩を踏み出すまでのささやかだけど大きな戦いがこの作品には描かれている。あと、デイヴィッドとは物事が起きたときにすぐ反応するところが似ていると思います。2011年に起きた事件を2013年の時点で戯曲化している。批判もあると思いますが、やらなくてはという衝動と、それをきちんとフィクションの中に落とし込んでいるところがいい、私もこんなふうにできたらと思います」役者はたったふたり。生き残った合唱団の女性指導者・クレアと、犯人である少年。他にもさまざまな役柄が登場するが、そのすべてを少年役が演じることとなる。「日々発見のある戯曲です。とくに少年の演じる複数の役は外側から作ってみたり、内面を掘り下げてみたり……。なぜさまざまな役をひとりで演じるのかについてはいろんな解釈があります。ひとりの人間にいろいろな面があるともとれるし、クレアから見るとすべての人が少年に見えるともとれる。そういう存在を生身の人間が演じるってとても難しくて、ぎりぎりまで試行錯誤をしています」ある出来事に直面する女性・クレアを演じるのは南果歩。「事件前のクレアのオープンな感じが、果歩さんのポジティブさと重なる。クレアは大きい出来事によって傷を負い、そこから心の旅をしていくことになります。色んな経験を経て怒りや悲しみ、憎しみをくぐり抜けるという姿を、果歩さんは実感をもってやってくださる。こんなにぴったりのキャスティングはないと思います」少年役は、さいたまネクスト・シアター出身で蜷川幸雄のもと多数の作品に出演している小久保寿人。「正直言って、小久保さんは今、悩んでいます(笑)。でも悩まなくてはできない役だと思います。いろんな人物をただ声色や雰囲気で演じ分けるのではなく、ひとりひとりの背景をどこまで想像できるかの勝負だなと思って、稽古場でひとつひとつの役について全員で考えています。その分プレッシャーも大きくなると思いますが、まっすぐな方なので、とにかく一生懸命考えて毎日新しいものを持ってきてくれるんです」役者はふたりだが、この作品でもっとも特徴的なのは合唱団が登場すること。「上演地の合唱団が出ること」が上演の決まりとしてあるのだ。今回は既存の合唱団に依頼するのではなく、オーディションを行って今作のための合唱団を結成した。「条件は“楽譜が読めること”だけ。200人も応募してくださって、面白い方がたくさんいたので30人を選ぶのはたいへんでした。結果、プロの方もカルチャーセンターで合唱をしている方も、20代から70代までが集まりました」合唱団は歌詞を通じてふたりのキャストに訴えかけるなど、歌担当だけではない存在感を見せる。「彼らが舞台上にいることの持つパワーがとても大きいですね。合唱団が入ることで見え方がまったく変わったり、シーンの意味がわかったりもするんです」関わる全員で物語に対峙しながら、少しずつこの作品を形づくっている瀬戸山。「なぜこの事件が起きたのか、この事件に遭遇したときにどうあるべきか……。答えのない問題を、観ている間観客の方も考えることになると思います。分かり合えない人とも一緒に生きていくということについて考えつつ、前向きな気持ちで観終えられる作品にできたらと思っています」新国立劇場 小劇場にて11月26日(火)まで上演。取材・文:釣木文恵
2019年11月13日話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は、「カルティエ、時の結晶」へ行ってきました!■「カルティエ、時の結晶」12月16日まで国立新美術館企画展示室2Eにて開催中誰もが知るジュエリーメゾンのカルティエですが、現在、日本で約10年ぶりの展覧会が開催中。世界中から集めた、’70年代以降の現代作品に焦点を当てています。カルティエといえば記者にとってなかなか手が出ない(一生出ないかもしれない)高級メゾン。これはいい機会だと胸高鳴らせて会場へ!スマホ型の音声ガイド(無料)をカウンターで渡されました。使い方の説明を受け、イヤホンを掛けてもらえるサービスの徹底ぶりです。さすがカルティエ!と、気分が瞬時にアップ。そして異空間に迷い込んだかのような闇を抜けると、美しき展示品が。ちょっとテーマパークっぽくてドキドキ。この展示空間の演出によって、約300点の作品が存分に楽しめるようになっています。展示作品はプラチナ、ダイヤモンドのきらきら系から、エメラルド、アメジストといった色のある素材まで。それらがさまざまな国の文化に触発され、独創的な表現法で昇華されていったことがわかります。個人的には緑や青など色鮮やかな宝石を使ったエキゾチックな作品群と、アグレッシブな面を感じさせるアイコンのパンテール(豹)が印象に残りました。美しい宝飾品に気分が高まる、優雅な時間にぜひ浸ってみて!
2019年11月11日2020年末での活動休止を発表しているアイドルグループ・嵐が、デビュー20周年を迎えた3日、都内で会見。11月末に竣工する国立競技場で2020年5月15日・16日にコンサートを開催することを発表し、それぞれ意気込みを語った。2008年より改修工事に入るまでの6年間、旧国立競技場において毎年コンサートを開催していた嵐。新たに生まれ変わった国立競技場においても、ぜひコンサートを行いたいというメンバーの強い思いに多くの人たちが賛同し、単独アーティストとしては初の国立競技場でのコンサート開催が決定した。なお、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会より、開閉会式会場としてのオペレーションの確認を兼ねるという前提条件を提示されたという。櫻井翔は「6年間、国立競技場でやらせていただいたので特別な思いがありました」と強い思いを明かし、「夢の舞台に立つことができるということでとても光栄ですし、あそこでの景色は特別なのでファンの皆さんにあの景色を一緒に見てもらいたい」としみじみ。大野智は「6年間いろんな演出もさせていただいた」と振り返った上で、「以前、フライングをしたんですけど、そういうこともあるかも」と案を出すとメンバーが慌て、会場から笑いが起こった。松本潤は「とてもうれしいです。そんな機会があると思っていなかったので、機会をいただけたことは幸せだなと思っています」と喜び、「東京のど真ん中にあるナショナルスタジアムでライブをやらせていただいて、その空間をファンのみなさんと6年も共有できて、20年やってきた中でもとても思い出深い。その場所にもう一度帰ることができて、新しく生まれ変わった国立競技場でどんなライブをやるのか。思い出深いものになったらと思いますし、オリピックの前なので2020年らしさを自分たちでも表現できたらと思います」と意気込んだ。相葉雅紀は「またライブができるというのがものすごいうれしかったです。その場所が、僕らの思い出がたくさんある国立競技場でできるというのは本当に幸せなこと。今からすごいワクワクしていますし、国立の前を通るたびに見上げてワクワクしています」とうれしそうにコメント。二宮和也は「客観的に純粋に、新しく生まれ変わった国立競技場で誰が最初にやるのかなというのは、なんとなく気になっていた」と打ち明け、自分たちに決定して「本当に光栄。我々らしくできたらいいなと思っています。雨が降らないようにというのは願っています」と話した。
2019年11月03日2020年末での活動休止を発表しているアイドルグループ・嵐が、デビュー20周年を迎えた3日、都内で会見を行い、11月末に竣工する国立競技場で2020年5月15日・16日にコンサートを開催することを発表した。2008年より改修工事に入るまでの6年間、旧国立競技場において毎年コンサートを開催し、特別な会場に強い縁を感じていたという嵐。そして、新たに生まれ変わった国立競技場においても、ぜひコンサートを行いたいというメンバーの強い思いに多くの人たちが賛同し、このたび単独アーティストとしては初の国立競技場でのコンサート開催が決定した。同公演が実現へと向かう過程において、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会より、東京オリンピック・パラリンピック開閉会式会場としてのさまざまなオペレーションの確認を兼ねるという前提条件を提示されたとのこと。これも同公演が実現することになった要因の一つであり、開催時期がこの時期になったのはそのためだという。さらに、2020年春に北京でコンサートすることも発表。嵐が日中友好の懸け橋になれたらという思いと、また、アジアのより多くの人たちに嵐のパフォーマンスを見てほしいという思いから決定に至ったという。なお、コンサートの詳細については、準備が整い次第、発表される。
2019年11月03日「ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望」が、兵庫・姫路市立美術館 企画展示室にて2019年11月12日(火)から2020年1月26日(日)まで開催される。フランス最大規模のコレクションを誇るストラスブール近現代美術館フランス北東部アルザス地域圏の中心都市ストラスブールは、ドイツ国境に近く、仏・独の文化が融合した独自の文化が発展してきた地域。その街並みはユネスコの世界遺産に認定されている。ストラスブール近現代美術館はフランスでも最大規模のコレクションを誇り、約18,000点の近現代美術作品を所蔵。「ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望」では、その中から絵画作品を中心に近現代の名品約100点を紹介する。モネやシスレーなど印象派からピカソのキュビスムまで会場には、モネ、シスレーといった印象派の画家が描いた風景画から、20世紀のモダンアートを代表するピカソのキュビスム、カンディンスキーの抽象絵画、マルグリットのシュルレアリスムまで、印象派から現代美術に至るまでの潮流を感じられる多彩な作品が集結。さらに、アルザス出身でダダイストとして名を馳せたジャン・アルプやマルセル・カーン、アルザスの写実主義の画家たちなど、ストラスブールゆかりの画家の作品も展示される。姫路市立美術館所蔵のルノワールやマティスもまた、姫路市立美術館では、國富奎三コレクション寄贈25周年を記念し、印象派の巨匠・ルノワールの《母性》や、モダンアートの旗手・マティスの連作版画本『ジャズ』の全点を公開するコーナーを特別に設置。関西で唯一の開催会場となる、姫路市立美術館ならではのラインナップを楽しめる。【詳細】ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望会期:2019年11月12日(火)~2020年1月26日(日) ※年末年始も月曜日以外は休まず開館開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜日(ただし1月13日は開館)、1月14日(火)※年末年始も月曜日以外は休まず開館。会場:姫路市立美術館 企画展示室住所:兵庫県姫路市本町 68-25TEL:079-222-2288料金:一般 1,200(900)円、大学・高校生 600(400)円、中・小学生 200(100)円※( )内は20名以上の団体・前売料金※未就学児は無料※インターネット割引:それぞれの料金から100円引き(11月12日より割引券を姫路市立美術館公式ホームページに掲載)■前売券 ※販売期間 ~2019年11月11日(水)取扱い場所:姫路市立美術館友の会、兵庫県立歴史博物館、中井三成堂※前売券および当日券は、会場窓口以外ではABC ぴあ、チケットぴあ(P コード 769-951 0570-02-9999)、ローソンチケット(L コード 52732 0570-084-005)、CN プレイガイド(0570-08-9999)、イープラス、セブンチケット、阪神プレイガイド梅田店
2019年11月03日女子憧れのハイジュエリーメゾン、カルティエの現代作品に焦点をあてた大規模展覧会が東京・六本木の国立新美術館ではじまりました! ジュエリーや時計だけでなく、展示会場そのものも美しく幻想的。うっとりするようなアート空間が楽しめる話題の展覧会、その見どころをご紹介します!二度と見られない!?個人所蔵の作品が集結!【女子的アートナビ】vol. 161『カルティエ、時の結晶』では、カルティエで制作された宝飾品や時計などのうち、1970年代以降の現代作品に焦点をあてて紹介。展示作品約300点のうち、半数近くが通常公開されることのない個人所蔵作品です。展覧会の会場構成を手がけたのは、新素材研究所の杉本博司さんと榊田倫之さん。木や石などの素材を使い、伝統的な職人さんたちの技術と最新技術を合わせて生み出されたデザインは、まさに空間のアート。展示室すべてが芸術作品のような美しさです。まずは時計からスタート!それでは、会場に入ってみます。入り口で出迎えてくれるのは、巨大な時計のインスタレーション。1908年製造の時計を逆行化させたもので、杉本博司さんの作品です。序章『「時の間」ミステリークロック、プリズムクロック』では“時を刻む芸術品”といわれる目の錯覚を利用した時計「ミステリークロック」などが展示されています。この空間デザインを担当された新素材研究所の榊田さんは、「広い空間で小さな作品を見ていただくため、空間的な抑揚や視線の移ろいなどにも考慮した」とコメント。とっても幻想的な展示室です。仏師とカルティエがコラボ!?続く第1章『色と素材のトランスフォーメーション』では、素材づかいや色彩の観点からみたカルティエの表現方法に着目。ティアラやネックレス、イヤリングなど、心ときめく作品を見ることができます。また、ネックレスが飾られているデコルテ部分のトルソーにも注目してみてください。これは仏師の方が今展のために彫ったとのこと。仏像は宝飾類を身につけていることが多く、宝石のもつ悠久の時間を表現するのにぴったり。それで仏像づくりのプロである仏師にトルソー制作を依頼したそうです。使われている素材は、屋久杉や神代杉など日本の伝統的なもので、ほのかに木の香りも楽しめます。ぜひ、ゆっくり時間をかけてご覧ください。石と地球の空間も!第2章『フォルムとデザイン』では個性的な形をした作品を展示。この空間は大谷石などの石で構成され、洞窟のような雰囲気の中で素朴な石と貴石のコラボを楽しめます。また、最後の第3章『ユニヴァーサルな好奇心』では、世界のさまざまな文化や自然から着想を得たカルティエ作品を展示。地球に見立てた大きな展示ケースの中に、アジアやアフリカ、エジプト、さらに花や昆虫などからインスピレーションを受けた個性的な作品が並んでいます。伝統を守りながら、新しいデザインや可能性に挑みつづけるカルティエ。その美の世界を心ゆくまで堪能できる展覧会です。どうぞお見逃しなく!会場構成:新素材研究所(c) N.M.R.L./ Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki SakakidaInformation会期:~12月16日(月)※休館日は毎週火曜日(10月22日(火・祝)は開館、10月23日(水)は休館)時間:10:00 ~ 18:00※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで会場:国立新美術館 企画展示室2E料金:一般 ¥1,600/大学生 ¥1,200/高校生 ¥800/中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年10月19日新国立劇場バレエ団がケネス・マクミラン振付『ロメオとジュリエット』を上演する。シェイクスピアの悲劇のバレエ化で、1965年の初演以来、世界中で愛されている名作だ。新国立劇場では2001年以来レパートリーに加わり、今回で5演め。押しも押されもせぬ人気演目となっている。主演3キャストのうち木村優里・井澤駿組の、舞台上での衣裳付きリハーサルに潜入した。【チケット情報はこちら】ジュリエットの木村は初役、ロメオの井澤も前回(2016年)は怪我で降板したため、共に観客には初お目見えのフレッシュなコンビとなるふたり。スラリとした容姿が実に舞台映えする。見学した3幕は、ロメオとジュリエットが初めて一夜を過ごしたあとから始まる。ロメオはその前の2幕でジュリエットの従兄ティボルトを殺害してヴェローナの町を追放となり、ジュリエットと離れなければならない。指揮者が振るタクトに合わせ、オーケストラではなくピアノがプロコフィエフの音楽を奏でるという、リハーサルならではの光景の中で展開するのは、愛と嘆きがない交ぜになった切ないパ・ド・ドゥだ。去ろうとするロメオのマントを脱がせ、別れを惜しむ木村ジュリエット。そのジュリエットを切なげに抱きしめ、抱き上げる井澤ロメオ。マクミランの振付は、演劇のように自然かつドラマティックで、ジュリエットの踊りにも両手で手を覆って嘆くなどの仕草が組み込まれるのだが、そうした動きと共に木村の悲しげな息遣いが聞こえてきて、真に迫る。別れの時が来てロメオが去ると、入れ替わりにジュリエットの両親、乳母、そして、婚約者パリスが入ってくる。意に沿わない結婚に抵抗し、懇願するジュリエットだが、両親も乳母も取りつく島がない。そのことを悟ったジュリエットがベッドの上で身じろぎせず何秒間も座り続ける場面があるのだが、彼女が覚悟を決め、結果的に悲劇へと向かう前のこの姿には、心打たれずにはいられない。教会へ出向き、ロレンス神父から仮死状態になる薬を渡されたジュリエットが自室に戻ると、再び両親やパリスが現れる。ここでパリスと踊るジュリエットは、うつろな、まるで魂の入っていない人形のよう。さらに必見なのは、薬を相手に彼女が繰り広げる、怯えや恐怖、決意の表現。木村の瑞々しい表現力が光る。こうしてドラマは、ジュリエットが死んだと思い込んだロメオの自殺、そのロメオを見たジュリエットの慟哭、そして自害まで一気に駆け抜けていく。愛し合いながらすれ違い、それでも互いを想いながら果てる恋人たちの姿を、悲しく美しく描き上げたマクミランの傑作の開幕は間もなくだ。取材・文:高橋彩子
2019年10月17日展覧会「佐藤可士和展」が、2021年2月3日(水)から5月10日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館にて開催される。日本を代表するクリエイティブディレクターの軌跡を追う佐藤可士和は、日本を代表するクリエイティブディレクターだ。1990年代に博報堂のアートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを展開した佐藤は、2000年に独立。以後、企業、幼稚園や地域産業など、多様なブランディング戦略を手掛けてきた。その例はユニクロ(UNIQLO)のグローバルブランド戦略、セブン-イレブンジャパンのブランディング計画、そして国立新美術館のシンボルマークデザインなど、枚挙にいとまがない。個展として最大規模となる「佐藤可士和展」は、佐藤自身の会場ディレクションのもと、およそ30年にわたるその活動を「作品」として描き出す展覧会だ。「伝えるべき情報から本質を抽出し、だれもが一目見て理解できる記号に置き換え、広く伝える」というデザインの原理を文化・経済・日常にまで広げる、その仕事の数々を多角的に紹介する。広告としてのデザイン佐藤の業績の1つに、デザインによるメディアの拡張が挙げられる。従来の広告展開は、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4つを軸に行われていたものの、佐藤は人びとの目にふれるものすべてが、デザイン次第で情報伝達の有効な媒体となる可能性を提示したのだ。本展では、ユニクロやSMAPをはじめ、1990年後半から2000年代にかけて佐藤が手掛けた主要なプロジェクトから、ダイナミックな屋外広告や多彩なプロダクトを展示する。ロゴの数々企業理念などを視覚化する“ロゴ”は、プロダクトや建物、ホームページといった多彩な媒体で展開される。そのためロゴには、一貫してイメージを伝えることができる明快なデザインが求められる。会場では、佐藤が制作してきた多種多様なロゴを、巨大な絵画やオブジェとして展示。楽天やT-POINT、セブンプレミアムなど、一度目にすれば忘れられない簡潔な造形と色彩を特徴としたロゴの数々を目にすることができる。独自の「アイコン」ブランディング2000年半ばより多岐にわたる領域でブランディングを手掛けてきた佐藤の基礎にあったのは、やはり目に入るものすべてを「アイコン」としてデザインすることであった。例えば「今治タオル」のブランディングでは、商品の真っ白なタオル自体が「安心・安全・高品質」を表すアイコンとなるのだ。本展では、このほかに日清食品のトータルプロデュースなどを通して、佐藤独自のブランディング戦略の革新性に迫る。「LINES」・「FLOW」──佐藤の「アイコン」さらに、佐藤自身の「アイコン」ともいえる「LINES」と「FLOW」も。「LINES」は赤・青・白の明晰な直線で構成される一方、大筆の一振りで描かれたドローイング「FLOW」は、ときに自らの手描き作品をデザインに活かしてきた佐藤を象徴している。本展では、「LINES」をコンセプトムービーや有田焼、ステンレススチールの大型作品といった多彩なメディアに展開して紹介するとともに、「FLOW」の最新作3点を展示する。展覧会概要展覧会「佐藤可士和展」会期:2021年2月3日(水)~5月10日(月)※当初は2020年9月16日(水)~12月14日(月)の開催を予定していたが変更会場:国立新美術館 企画展示室1E住所:東京都港区六本木7-22-2休館日:火曜日(2月23日(火・祝)、5月4日(火・祝)は開館)、2月24日(水)開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)※開館時間は変更となる場合あり【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年10月14日三鷹の森ジブリ美術館では、11月16日(土)より新企画展示「手描き、ひらめき、おもいつき」展の開催がスタートすることが分かった。2001年10月に開館したジブリ美術館。“お客様に面白いものを提供し、楽しんでいただく”という考えのもと、建物を建て、展示物をコツコツと作ってきた同美術館だが、今回の新企画展では、その作業の内容を宮崎駿監督自身の描いた絵や文章で紹介する。まず第1室では、第1回目の企画展示『千と千尋の神隠し』を皮切りに、宮崎監督が携わった企画展示を紹介。どのようにして企画が生まれ、実現していったのか。当時描かれた企画書やスケッチなどの資料を展示する。そして第2室では、スタジオジブリが美術館を作った経緯やアイディアが描きとめられたイメージボードを展示。設計図面まで修正を入れる宮崎監督の“建物”への思い入れが見て取れる図面も初公開される。また、ジブリ美術館の各階層がひと目で分かる立体模型も設置。構想段階のイメージボードと現在の完成した姿が見比べられる。なお、同美術館の入場は日時指定の予約制。11月入場分のチケットは、10月10日(木)より全国のローソンにて発売される。「手描き、ひらめき、おもいつき」展は2019年11月16日(土)~2021年5月の期間で三鷹の森ジブリ美術館にて開催予定。(cinemacafe.net)
2019年10月01日