話さないけど…本当は人が大好きな息子息子は人と目を合わせることもせず、話す(手話する)こともせず。そのため、よく消極的で人と関わるのが苦手なのかな?と思われてしまいますが、実はそんなことはなく、むしろ本当は人と関わるのが好きで、ベタベタくっつくのが大〜好き。たまにですが、初対面の人でも突然気に入り、抱きついてしまうこともあります。出典 : 道を歩いていて突然人に抱きつかれたら誰だってびっくりしてしまいますし、小さな子どもならまだしも、11歳の男の子。日頃はトラブルを避けるためにもこのようなことがないように気をつけてはいます。しかしそれでもうっかり誰かに抱きついてしまうことがあるのです。近所を散歩中に…息子と近所を散歩している時のこと。すれ違った方に息子がいきなり抱きついてしまいました。私は慌てて「すみません!」と謝ったのですが…出典 : その方は嬉しそうに息子を抱きしめてくれました。息子はそれが嬉しかったのか、その方からちっとも離れようとしない。…息子が抱きついている間、その方はいろんなことを話してくれました。家族に知的障害のある方がいること。私たちを時々見かけていたこと。話しかけようかな〜と思っていたこと。などなど。私もその方のお話をきっかけに、息子のことなどいろいろと話すことができました。私たちの家族は6年ほど前に北海道に引っ越してきて、3年半前に今の地域に引っ越してきました。知り合いもいないこの土地で、私はまずはご近所さんと仲良くなろう!と思い、なるべく挨拶をするようにしていました。しかし、人と話すのは大好きな私ですが、もともと積極的に話しかけるタイプではないので、話しかけたい!という気持ちはあるものの…会話にはならず、挨拶止まりでした。ですが、息子の一瞬の行動で、こんなにもいろいろな会話をするキッカケができたのです。息子による会話のキッカケ作りは今回だけにとどまらず…その後も何回か、いきなり近所の方に抱きついてしまうことがありました。そしてその度に、いろいろ話すことができ…そこから親しくなり、いつしか散歩中に出会うと、家庭菜園の野菜を分けてくれたり、しばらく会わないと体調を心配してくれたり、一緒に散歩行こう!と誘ってくれたり。そんな風に親密に接してくれる方々がご近所で増えてきて、私と息子には顔なじみさんができたのです。顔なじみさんと…またね!出典 : 話せない息子にとって、抱きつくというのは大事なコミュニケーションなのだと感じました。そして、それを受け入れてくれた方々がいることに本当に感謝しています。出典 : 「あのうー…手はここに…」さらにはちゃっかり、自分のこだわりを要求しちゃっています。やりたい放題な息子。いきなり抱きつくというのはトラブルを避けるためにもやっぱり気をつけなければならないとは思っていますが、息子の突然の行動から繋がる縁もあるんだなと思いました。
2017年12月20日「浮いている…」通じない言葉のまま一人でしゃべりつづける娘に危機感広汎性発達障害の娘は、幼稚園年中(4歳)の頃まで赤ちゃん言葉を使っていました。お友達のことは大好きで、遊ぼうと寄っていくのですが…娘の話す言葉は赤ちゃん言葉。話の構成もできず、意味をもたない言葉の羅列ばかり。もちろんお友達は理解できず、ポカーンとしてしまいます。しかし娘は、そんな様子もおかまいなし。時には、途中で友達がいなくなっても、一人でしゃべり続けることもありました。Upload By SAKURAどうやら娘は、言葉が他人に伝わらなくても、そもそも相手がいなくても気にならないようなのです。私は、いつまでも他人に通じない言葉を話し、一人浮いている娘を見ながら、この状況を、どうにかしたいと考えていました。問題は言葉の訓練よりも「自他との区別」だった?そんな私に、発達外来の主治医の先生はこう言いました。「娘さんに必要なのは『自他との区別』です。言語能力をあげることも大事ですが、『私は〇〇だけど、お友達は〇〇かもしれない。』というように、他人の気持ちを推理する力をつけることが、言語・コミュニケーション能力を上げていくことにつながっていくんです。」自他との区別、それは他人は自分とは、考えることも感じることも違う存在 であるとの理解のことです。そもそも、他人を意識しない娘。娘の課題は、「自分以外の他人を意識させ、『自分の感じることと、他人が感じることは同じではない』と教えること」「今、自分がしゃべっている言葉は、『相手に通じていないかも』と思ってもらうこと」だったのです。Upload By SAKURA「自分と相手の気持ちは違う」ことを理解してもらうトレーニング私は、主治医の先生の話を聞いて、さっそく家庭でのトレーニングをスタートさせました。目的は、娘に『自分の気持ちと、相手の気持ちが違う』と思ってもらうこと。そして、旦那に訓練の協力を頼みました。たとえば、娘がふざけて旦那に体当たりをしたとき…トレーニングのチャンス到来です!Upload By SAKURAUpload By SAKURA自分の気持ちと人の気持ちが違うことを、具体的な出来事で丁寧に伝えます。基本的な方法は、4つのステップ。1. まず、本人の気持ちを代弁します。これが気持ちの同調です。2. 相手の気持ちを想定したことを言い、指摘をします。3. そのうえで、相手に「どうだった?」と聞き気持ちを言ってもらいます。4. それから、本人に向かって「ほら、こう言っているよ!」と、他人の気持ちを意識させる橋渡しの役割を担います。繰り返すうちに、相手の気持ちを気にして行動できるようになってきた!そんなことを繰り返すうちに、娘は、何かした後に、毎回、相手の気持ちを気にかけるようになりました。そして回数を重ねるうちに、ふざける前に、考えるようになり、気付けば…「○○やってもいいですか?」と聞くようになりました。Upload By SAKURA他人に伝えたい気持ちも育ってきた家庭内でのみ行っていた、このちょっとしたトレーニングでしたが、外での娘の様子にも、少しずつ変化がありました。同時に行っていた言語訓練で、語力も少し上がり、赤ちゃん言葉が減ってきた頃…お友達に話しかけた後、「わかった?」と聞くようになったのです。自分の話を、他人に伝えたいという気持ちが芽生えたようでした。Upload By SAKURA今では、相手の様子を見て補足して説明できるように娘は、そこから少しずつ少しずつ成長を見せてくれました。小学1年生になった現在は、自分の話が、相手に伝わっていない時は、言い換えたり、説明を足したりするようになりました。人とのコミュニケーションにおいても、その人がちゃんと笑っているか、嫌じゃなかったかを、確認するようになりました。Upload By SAKURAコミュニケーションに大事なのは言葉だけじゃない。人の気持ちを考えられる子にこの『自他との区別』、コミュニケーション能力の向上が目的でしたが、元々、お友達が大好きで、優しい娘には、とても合っていたようでした。テレビを見たり、本を読んだり、人の話を聞いたりした時、その後ろ側の気持ちを考えたり、必ず相手の気持ちを思いやり、以前にも増して、心優しい子になってくれました。コミュニケーション能力を鍛えるためには言語が一番だと思っていた私。しかし主治医の先生に教えてもらった『自他との区別』が娘を変えてくれました。今の娘を見ると、「気持ちを代弁することを、続けて良かったな~」と、私は思うのです。Upload By SAKURA
2017年12月20日LITALICO発達ナビの「施設情報」ページはもうご利用になりましたか?施設情報ページでは、全国の放課後等デイサービスや児童発達支援事業所などを簡単に探すことができます。各施設の特徴や、利用者の声も合わせて知ることができるので、お子さんにぴったりの施設を探すことができます。今回も、いま空きがある放課後等デイサービス・児童発達支援施設をピックアップ!気になる施設を見つけたら、「ページを見る」をクリックして、詳しい情報をチェックしてみてくださいね。発達ナビ「施設情報」東京都 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報ハッピートライアングル竹ノ塚教室では、ビジョントレーニングやリトミックを中心とした身体発達トレーニングを行っています。さらに、50種類以上の豊富な遊具類や、オーダーメイドで製作した教材を使った認知発達トレーニング、社会性や心の成長を支援するパーソナルトレーニングを実施。月ごとの会報や連絡帳を通じて、親御さんと教室が連携できる体制が整っています。東京都の児童発達支援施設をもっと見る神奈川県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報ALPsでは、ABA(応用行動分析)の理論に基づいた小規模集団支援と個別支援を実施しています。経験豊富な臨床心理士がお子さんのレッスンを担当するため、さまざまなケースに柔軟に対応できます。小規模集団支援は、保育園や療育センターと併用することも可能。保護者さんの困り感にも応えられる体制が整っています。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラスセンター北教室は、2018年1月に開所予定の教室です。お子さんそれぞれの発達段階に応じた課題に楽しく取り組むことができるよう、多様な教材を用意しています。自己肯定感を伸ばし、楽しい気持ちで通うことができる教室づくりを目指し、お子さんのお困りごとに合わせた療育を実施していく予定です。神奈川県の児童発達支援施設をもっと見る埼玉県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス ハビープラス 大宮教室では、一人ひとりのカラーを大事にし、お子さんの特性に合った指導方法で支援を行っています。お子さんの発達状況やご家族のご意向に合わせて個別支援計画を作成し、多彩な療育プログラムを提供。また高校生を対象にした就職支援・進路指導では、就労移行支援で蓄積したノウハウを活用しながらサポートを行っています。Upload By 発達ナビ施設情報ハビープラス川口教室では、好きなことや得意なことを生かし、成功体験を増やすことで自信に繋げることを目指し、支援を行なっています。また、「絵手紙をかこう」「クリスマスリースを作ろう」など、お子さんが楽しみながら成長できるようなイベントも頻繁に開催。「好き」を「大好き」に。「得意」を「自信」に変わるようにサポートを行っています。Upload By 発達ナビ施設情報ハビープラス川越教室では、お子さんの特性に合った指導方法により、放課後や長期休暇中の生活を楽しみながら成長できる支援を実践しています。科学実験や季節のイベント、プログラミング講座など興味関心に合わせてプログラムを実施。支援の様子は随時モニターやマジックミラーで確認することができます。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報わーくぷらすジュニアでは、お子さんが育つ上で重要な知能・心・身体の3点の発達を大切にしています。楽しみながら学べる環境を提供し、機能訓練や学習、遊び、音楽などから心身ともに社会生活に順応できるよう支援を行っています。スタッフは全員が国家資格保有者。お子さん一人ひとりの課題に応じた機能訓練やリハビリを実施しています。Upload By 発達ナビ施設情報チャイルドハート東大阪は、体育科教員経験者が主体となり、運動療育と学習プログラムを提供しています。また、学校生活での悩みや不安感を聞き出し、必要に応じて学校や親御さんと会議の場を作って情報共有ができるような体制も整えています。相談に乗ったり、勉強をみたりできる、兄貴的存在となれるスタッフたちを集めて、運営を行っています。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報お子さんにのびのびと成長してほしいという思いをもとに、それぞれのカラーを大事にした指導を目指しています。子どもの成長にとって何が一番良いのかをご家族の方々と一緒に考え、個別支援計画を作成し、支援を行います。集中力や感性を養うあそびや体力や体幹を鍛えるあそびなど、さまざまなあそびを通して学べるプログラムで、成功体験を増やして子どもの自信を育みます。Upload By 発達ナビ施設情報チャイルドハート新深江では、療育に10年関わっているスタッフが中心となってプログラムを組み立てています。生活面・ソーシャルスキル・運動療育と幅広いプログラムを実施。スタッフはお子さんと一緒に遊びながらプログラムを進めつつも、安全と衛生を常に高いレベルで保つように徹底しています。Upload By 発達ナビ施設情報ハビー心斎橋教室では、一人ひとりの個性を大切にし、お子さんに合わせた環境設定や支援を行なっています。教育や福祉の業界での経験が豊富な、保育士、幼稚園教諭、特別支援学校教諭、児童指導員などのスタッフが在籍し、お子さんに寄り添い笑顔を増やせるような支援を心がけています。Upload By 発達ナビ施設情報チャイルドハート豊中桜塚は、言語聴覚士、保育士、不登校児支援を経験してきた教職課程修了者など、専門性のあるスタッフで構成されており、早期療育の重要性を意識した療育の場を提供しています。教室内では予定を視覚化して提示し、お子さんが次の行動をイメージしやすいように工夫しています。また、乳幼児期の粗大運動の重要性に注目し、サイバーホイールを使って楽しく身体を動かせるプログラムも実施しています。大阪府の児童発達支援施設をもっと見る兵庫県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報ハビー神戸三宮教室では、現段階でお子さんの成長にとって何が一番良いのかをご家族の方々と一緒に考え、 楽しく学べる環境を提供しております。ご家族の皆様の心に寄り添える支援を目指し、スタッフ一同が協力し連携をもって、一人ひとりの個性を大切にしたプログラムを作成していきます。また、スタッフそれぞれの専門性に加え、専門家を招いての特別研修なども実施し、スキルアップに日々取り組んでいます。兵庫県の児童発達支援施設をもっと見るおわりにいかがでしたか。気になる施設がありましたら、「~のページを見る」のボタンを押してみてくださいね!詳細のページから直接お問い合わせをすることも可能です!今後も掲載施設数はどんどん増える予定ですので、ぜひお住まいの地域のページもチェックしてみてください!
2017年12月20日ウチは低所得家庭…でも、第一志望の私立校に入れあげたい!Upload By かなしろにゃんこ。ちょうど4年前の今頃、息子リュウ太は第一志望の私立の高等専修学校を単願推薦で受験し、無事合格!入学手続きまでスイスイ進んでいきました。ですが、同時に入学金の支払いが迫ります。学校からの請求額は入学金や授業料に設備使用料など含めると、年間平均100万円!?わが家は裕福な家庭ではないので「はたして学費が支払えるの?」と、入学が決まっているというのに怖気ずく私。ぶっちゃけ「ムリムリムリーーーー!」って頭抱えました。お金をどこから引っぱってこようと悩んでいたときに、高等専修学校の広報の先生から「国の『高等学校等就学支援金』や、県の『私立高等学校等授業料減免制度』を使うといいですよ!」と教えてもらったことを思い出しました。授業料の支援を受けることに、少し抵抗感があったのですが申請してみることにしました。学費が払えない…国の支援金と県の制度、ダブルで申請!Upload By かなしろにゃんこ。学費を助けてくれる制度ですが、夫婦の年収によっては申請できない場合もあります。わが家は夫婦でフリーランス。世帯年収が低く、この制度を使えることが分かってホッと一安心!肺の空気全部出し切るくらいホッとしましたよ。マジで。国と県の制度で、年間約50万円助けてもらえることとなりました。でも、支援はされっぱなしはダメ!助けてもらったら必ず恩返しをする必要があることを、息子と話し合いました。健康なうちは必ず納税の義務を果たす。社会とつながり、何かしら社会貢献をする。将来稼げるようになったら、今度は自分が誰かを助ける番になる…世の中はお互いさまで回っている。いい制度を作ってくれた日本に感謝しよう!と親子で話したのでした。小遣いはアルバイト代から、往復25キロを自転車通学。厳しい家計は、節約で乗り切った!Upload By かなしろにゃんこ。高等専修学校に入学した息子は、アルバイトをスタート!自分の小遣いや携帯電話代は、自分でかせいでもらいました。交通費を節約するため、雨の日は電車通学、晴れの日は往復25kmを自転車通学です。毎日お弁当とお茶を持たせて、なるべくお金を遣わないようにやりくりしました。私も仕事を増やしてバリバリ働き、無我夢中で最初の1年間を乗り切ったときに、ようやく「なんとかなるかも!」と自信が持てました。もし授業料が払えなくなったらどうしよう…と怯えるよりも、いざとなったらクレジットでお金を借りればいっか!そして少しづつ返済すればいいじゃない。という案も用意(笑)借金を安易に考えてしまい情けないかぎりですが…借金しないでツラい~と頑張るよりも、困ったときは借りてよい!というルールを設定することで心がふっとラクになりました。気持ちが楽になると、仕事がキツくても乗り切れました、実際借金はせずに済みましたが、わが子のためなら「いつでも数百万借りてやるわい!」と思っていました(笑)同じ趣味の仲間たちと、念願の学校生活を満喫Upload By かなしろにゃんこ。お金の面は親が悩めばいいのですが、大事なのは子どもが入学したことを後悔していないか?です。もともと人づきあいがヘタな子です。私が一番育んでほしかったのは「人づきあい」でした。学校でも入学早々に先輩とのトラブルがありましたが、問題が解決すると逆に、仲良くなれた様子。車やバイクなどが好きな生徒が集まっているので、共通の話題を通してスムーズに打ち解けることができたようです。同じ趣味の友だちと、部活や学校のイベントなどで楽しい時間を過ごしたり、お互い助け合っている姿を見て「この学校に入学できてほんとによかった」と感じました。仲間に恵まれ、3年間を修了!しかし…再び待ち受ける、学費問題!Upload By かなしろにゃんこ。中学までは息子のマニアックなところが「何を言ってるのか理解できない」と煙たがられることがありました。ところが専修学校では、勉強はまったくできなかったものの、車とバイクのマニアックな知識がいい作用をして、友だちづくりにも役立ったようです。やっと話が合う人に巡り会えたことがなにより嬉しかった息子。でも、ここでも「お前ほどマニアックなことは話せないよ」と言われる始末…。落ち着きがなく、衝動的でケンカっぱやい息子ですが、学校の仲間たちに受け入れてもらい、なんとか今年の3月に無事に高等専修学校を修了。春からは、その上の4年制の専門課程に進学することになりました。専門課程進学は奨学金を活用。リュウ太の結婚までに、親子で返済するぞ~!専門課程進学で、またまたお金がかかります(涙)今回は奨学金制度を利用して、子どもと親で一緒に返済することにしました。奨学金の返済が済んでいないと、子どもが結婚適齢期で何かとお金が要りようになったときや、家のローンを組もうと思ったときに借りられないなんてことが起こってしまうので…家族で協力してガンガン返済していきたいものです。まぁ~なんとかなるでしょ!な、ゆるゆるな精神ですが、これからもコレで乗り切っていこうと思います。ん?その前に息子が将来、結婚できるかなって!?んーーーーー?(笑)本人が望めばそのへんもなんとかなる!きっと…♡
2017年12月19日児童指導員とは?出典 : 児童指導員とは、児童福祉施設に勤務し、施設を利用する子どもたちが健やかに成長できるようサポートする「児童指導員任用資格」保持者のことです。具体的には、以下の福祉施設で、児童指導員の配置が義務付けられています。・児童養護施設・放課後等デイサービス・児童発達支援センター・児童心理治療施設(情緒障害児短期治療施設から名称変更)・障害児入所施設その他、乳児院や児童相談所、児童家庭支援センターといった施設でも、児童指導員として働くことができます。参考文献:『ケアマネージャー・児童指導員・手話通訳士・義肢装具士-福祉の仕事職場体験完全ガイド3』(平尾小径/ポプラ社)p16参考:児童福祉法(昭和二十二年法律第六百十四号)参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)参考:児童福祉施設最低基準(昭和二十年三年厚生省令第六十三号)|厚生労働省参考:第2章児童相談所の組織と職員|厚生労働省参考:児童養護施設等について|厚生労働省児童指導員の仕事内容とは?出典 : 児童指導員は、子どもたちが健全に成長できるよう、日常生活や自立に向けた指導を行っています。子どもたちをさまざまな側面からサポートします。具体的な業務は勤務する施設によっても異なり、それぞれに合った専門性が求められることもあります。児童指導員の活躍の場は、主に児童福祉法で定められた児童養護施設、放課後等デイサービス、児童発達支援センター、児童心理治療施設(情緒障害児短期治療施設から名称変更)と障害児入所施設です。これらの施設では、児童指導員の配置が義務づけられています。■児童養護施設児童養護施設は、保護者の病気や死亡、経済的な理由、虐待など、さまざまな理由で保護者と暮らせない子どもが生活する施設です。支援計画を立てたり、勉強の指導や自立に向けた手助けや、関係者と協力して精神状態のケアを行ったり、問題があれば解決したりします。■放課後等デイサービス障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が、学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設です。生活力向上のためのさまざまなプログラムが行われています。トランポリン、楽器の演奏、パソコン教室、社会科見学、造形など習い事に近い活動を行っている施設もあれば、専門的な療育を受けることができる施設もあります。■児童発達支援センター小学校就学前の6歳までの障害のある子どもが主に通い、支援を受けるための施設です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった障害児への支援を目的にしています。■児童心理治療施設(情緒障害児短期治療施設から名称変更)心理的な苦しみを抱え日々の生活に生きづらさを感じている障害児を対象に、医療的な観点から生活支援を基盤とした心理治療を行う施設です。学校との連携も行います。■障害児入所施設日常生活の指導やさまざまな知識・技能を教えること障害児の自立を促す施設です。福祉サービスを行う「福祉型」と、医療的な支援を行う「医療型」の2つがあります。・福祉型障害児入所施設障害児の自立を目標に各々に適した支援プランを提供することを目標にしている施設です。・医療型障害児入所施設福祉と専門医療の両方の視点から、その障害児に最適な支援を提供している施設です。参考:社会的養護の施設等について|厚生労働省参考:障害児及び障害児支援の現状|厚生労働省参考:情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)運営ハンドブック|厚生労働省参考:障害児入所施設|独立行政法人福祉医療機構参考:障害児入所支援 | 厚生労働省児童指導員の仕事の魅力は?出典 : 児童指導員の仕事の一番の魅力は、施設を利用する子どもたちの成長に携われることでしょう。また、施設でのプログラム等を通して、子どもたちと徐々に関係性を築いていく過程に、達成感や充実感を感じられるという点も挙げられます。加えて児童指導員が配置されている施設には、さまざまな専門家が配置されています。彼らと力を合わせて、子どもたちが抱える問題を解決できた時の喜びは、非常に大きいものとなるでしょう。また、保護者から子育てに関する悩みごとや困りごとの相談を受けることもあります。子どもにとどまらず、困っている人たちのサポートができる、やりがいのある職業です。児童指導員になるためには?出典 : 児童指導員として働くための任用資格を取得するには、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。1. 児童福祉施設職員養成機関を卒業した者2. 社会福祉士または精神保健福祉士の資格を有する者3. 大学・大学院で社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を修得した者4. 小学校・中学校または高校の教員免許を取得する資格を持っている者、かつ厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受けた者5. 福祉事務所で2年以上の実務経験(高卒以外は3年以上)を経て、厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受けた者任用資格を満たした後は、希望する施設の採用試験を受けることになります。公立施設の場合は公務員試験、民間施設の場合はそれぞれの施設の採用試験を受験します。その採用試験に合格したら、児童指導員の職に就くことができます。参考:児童指導員及び指導員の資格要件等|厚生労働省児童指導員の今後出典 : 年4月1日でに省令が改正されたことを受けて、厚生労働省は、放課後等デイサービスの事業所における職員配置基準を「置くべき従業者を児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者とし、そのうちの半数以上を児童指導員又は保育士としなければならない」としました(既に指定を受けている指定放課後等デイサービス事業者については、2018年3月31日までの経過措置が認められています)。2012年に放課後等デイサービスの制度が設立されてから、年々利用者・事業所の数も増えており、この基準改定を満たすため、今後一層児童指導員のニーズが高まることが予想されます。参考:「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」等の一部改正について |厚生労働省参考:放課後等デイサービスの見直しについて|厚生労働省まとめ出典 : 年4月より、放課後等デイサービスでも児童指導員の配置が義務づけられたことなどを受けて、児童指導員の需要、認知度ともに高まってきました。子どもの貧困問題などの影響により、児童福祉施設に求められる役割は大きくなっています。また、障害のある子どもや保護者の支援も必要とされています。子どもたちをめぐるさまざまな問題や課題に向き合い、子どもや保護者に寄り添ってサポートをする児童指導員は、今後さらなる活躍が期待される職務です。
2017年12月18日療育とは出典 : 療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助することをいいます。療育という言葉はもともと、東京大学名誉教授の高木憲次氏(1888-1963)が提唱した概念です。肢体不自由児の社会的な自立を目標に、医療と教育を並行してすすめることを指しました。高木氏の後には高松鶴吉氏(1930-)が療育の対象をすべての障害のある子どもに広げて、育児支援の重要性を強調しました。後に療育の概念をさらに発展させて「発達支援」という概念が生まれました。厚生労働省では「児童発達支援」という言葉として以下のように定義しています。児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行 う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。(児童発達支援ガイドライン|厚生労働省より引用)療育という言葉や概念は時代の変遷とともに意味合いを変えており、現在定まった明確な定義は示されていません。また必ずしも医療行為を含むものではない場合もあります。定義や実践内容の移り変わりはあるものの、概ねの理解としては、療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みを指すと考えるとわかりやすいでしょう。参考:発達支援の指針(CDS-Japan 2016 年改訂版)|全国児童発達支援協議会参考:『脳と発達 第43巻 第6号』「療育とは…」再考「療育とは…」再考(一般社団法人 日本小児神経学会)参考:『佛教大学大学院紀要社会福祉学研究科篇第37号(2009年3月)』子どもの権利条約における「療育の権利」の位置づけ(佛教大学)療育の対象となる児童は?出典 : 療育は基本的に18歳以下の児童を対象としています。身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)の3障害のいずれかに該当する障害のある児童が療育の対象となります。参考:児童福祉法第19条発達障害のある子どもの場合、療育を受けるために療育手帳や精神障害者福祉手帳は必須の条件ではありません。障害者手帳を取得していない、もしくは取得のための認定基準を満たしていない場合でも、療育を受けることができる場合があります。児童発達支援を利用して療育的な支援を受けたい場合、行政から発行される「受給者証」の申請が必要になります。受給者証の交付を受けると、国と自治体から施設利用料の9割の給付を受け、自己負担1割で児童発達支援を受けることができます。また、児童が属する世帯の市町村民税額により、負担上限月額が定められています。利用月の1割負担額と負担上限月額を比較し、安い方の金額が利用者負担となるため、場合によっては1割以下の金額になります。負担上限月額は、通所受給者証に記載されています。参考:障害児支援の強化について|厚生労働省療育ってどこで受けられるの?出典 : 療育という言葉の定義は明確ではなく、家庭でのトレーニングや私費で受けられる療育的支援を指して「療育」ということもあります。ここでは、公的に受けられる療育的支援についてご紹介します。障害児への支援として療育が受けられる施設について、以前は障害ごとに細かな分類がありましたが、現在は複数の障害がある場合にも対応できるように一元化されています。療育を受けられる施設を児童福祉法にしたがって分類すると、通って療育を受ける「通所支援」型と、自宅で生活するのが難しい子どものための「入所支援」型の2つに分けられます。そこからさらに、福祉サービスとして行われる「福祉」型と医師による治療を併せて行う「医療」型に分かれます。Upload By 発達障害のキホン参考:児童福祉法の一部改正の概要について|厚生労働省施設によって対象としているお子さんの年齢が違ったり、提供しているサービスが違います。保育園のように通い、療育を受けられるような施設もあります。詳しくはこちらの記事に説明がありますのでご覧ください。こちらからお近くの施設も検索できます。施設検索|LITALICO発達ナビ療育ってどんなことをするの?出典 : 障害のあるお子さんが社会的に自立できるように、身辺自立や苦手なことを伸ばすことを意識した働きかけをしたり、コミュニケーションなどの社会的スキルを得られるように助けます。お子さんごとに必要な支援が違うので、一概に内容を説明することはできませんが、発達障害のあるお子さんによく用いられるアプローチをいくつか紹介します。人間の行動は周囲の状況との相互作用によって生まれると考え、状況を変えることで困った行動を減らし、より望ましい行動を身につけてもらうことを目的とした、理論と実践の体系を、応用行動分析学(ABA)といいます。TEACCHとは、アメリカ・ノースカロライナ州発祥の、自閉症スペクトラム障害(ASD)の当事者とその家族を対象とした生涯支援プログラムです。自閉症スペクトラム障害がある人の特徴を「世界の捉え方が一般の人とは異なる」ととらえて、彼らの特性が社会に適応できるように助けるという考え方がTEACCHの特徴です。具体的なアプローチとしては、生活・学習環境を分かりやすく整理したり、今後の見通しがつきやすいようにスケジュールなどはカードを使って視覚化したりといった方法があります。また、コミュニケーションについては、耳から聞くよりも目で見るほうが理解しやすい場合が多いので、絵カードなどを使って伝えるようにします。感覚統合とは、複数の感覚を整理したりまとめたりする脳の機能のことです。感覚統合ができるようになると、状況に応じた感覚の調整や注意の向け方ができるようになります。つまり、自分の身体を把握する、道具を使いこなす、人とコミュニケーションをとるというような周囲の状況の把握とそれをふまえた行動ができるようになるのです。発達障害がある子どもには、感覚統合が難しい子どももいます。感覚統合療法では、そうした子どもたちへのアプローチとして、主に作業療法士(OT)が中心となり、遊びや運動を通して感覚統合を伸ばしていくプログラムを行われます。PECSは、言葉によるコミュニケーションが難しい場合などに行われるアプローチです。絵カードを使って、自発的なコミュニケーションをとれることを目標にしたプログラムです。療育にはどんな効果があるの?出典 : 療育の効果は、その子どもに生じている困難・障害や、療育の目的・プログラム内容に応じて異なります。たとえば、食事、排せつ、身支度などが一人でできるようになったり、認知、言語、運動などの発達が促されて、受け答えや挨拶、表情や感情の理解をして他者とコミュニケーションが取れるようなったりと、さまざまな効果が期待されます。実際の療育現場では、子ども一人ひとりの特性や発達段階に合わせて、個別に目標とプログラムが設定されます。ですが、療育を始めてすぐに目に見えて効果が出ることは極めてまれです。特に、発達障害のある子どもの発達は、ゆっくりと進んでいくことが多いです。目立っている苦手な部分がすぐには改善されない場合もあります。それでも、働きかけを続けることで子どもは着実に成長していきます。苦手な部分はそのままでも、得意なことでそれをカバーできるようになっていくこともあります。また、療育を通して子どもとのかかわり方を学ぶことで保護者の対応が変わっていき、より豊かなコミュニケーションが可能となる場合もあります。療育の体験談もありますので、こちらも参考にしてみてください。みなさんの療育体験談を教えてください|LITALICO発達ナビ早期療育はどうして大切なの?出典 : 発達障害のある子が周囲や本人に特性の理解のないまま成長していくと、叱られたり非難を受ける機会が増え、傷つき自信をなくしていくことが多くなりがちです。そこから、自尊心が育たない、抑うつ、激しい反抗などの問題が生じることもあります。障害そのものによってではなく、ストレスなどから起こる問題を、二次障害と呼びます。このような二次障害を防ぐためには、早期から周囲が特性を理解し、対応することが必要となってきます。また、3歳までの幼いうちに療育に取り組み始めることができると、体も小さいので身体的な支援がしやすく、療育の中で子どもがパニックなどを起こした際も抱き上げたりなだめたりなどの対応がしやすいというメリットがあります。参考:『発達障害の子どもとつき合う本―どう関わればいいかわからずに困っているおかあさんや先生方へ』(浅羽珠子/主婦の友社)子どもが小さいうちから特性を把握し、心を安定させながら育てる環境を作ることによって、その子が持っている能力をさらに伸ばしていける可能性が広がります。発達障害への早期支援については発達障害者支援法の中にも述べられています。市町村は、発達障害児が早期の発達支援を受けることができるよう、発達障害児の保護者に対し、その相談に応じ、センター等を紹介し、又は助言を行い、その他適切な措置を講じるものとする。(発達障害支援法 第六条より引用)発達相談から、療育を受けるまでの流れ出典 : 保護者から見て言葉や発達の遅れが気になったり、健診で「発達の遅れがみられる」と指摘された場合は、行政などの相談機関に行ってみましょう。子育て・発達支援室や療育センター、児童相談所などで相談をすることができます。ここで、その地域の検査機関を紹介してもらえます。年齢に応じてさまざまな検査方法があり、複数を組み合わせることでより的確な結果がでます。地域によっては順番待ちが長く、すぐに検査がしてもらえない場合もあります。急ぎたい場合は、病院の外来などで自費診療という形で検査してもらうこともできます。行政が運営しているものから研究機関が運営しているもの、NPOや民間のものなど、多様な施設があります。対象にしている年齢や受けられるサービスなどもさまざまなので、子どもの検査結果に合わせて選びましょう。役所の福祉窓口で療育施設の紹介をうけることもできます。施設によっては見学や体験もできます。利用する施設によって交付される受給者証の種類が違います。通所型施設の場合は「通所受給者証」を市区町村の窓口から申請します。入所型施設の場合は「入所受給者証」を児童相談所などから申請します。必要な書類は行政によって異なる場合があるので、事前に確認をしておきましょう。支給の有無やサービス内容の決定のための調査や審査が済むと、受給者証の交付を受けることができます。受給者証の交付を受けたら、受給者証の内容に合わせて障害児支援利用計画を作成します。受給者証、障害時支援利用計画など必要な書類がそろったら、施設との契約、利用のスタートができます。まとめ出典 : 「療育」というと、少し敷居が高く感じるかもしれませんが、実際は療育手帳などがなくても受けられる場合もあり、発達が遅れていたり生活に困りを感じている子どもをサポートするためのものです。子どもの成長を手助けし、自分でできることを増やせるよう、療育を活用していきましょう。参考書籍:『発達障害のある子と家族のためのサポートBOOK 小学生編』(岡田俊/ナツメ社)
2017年12月15日おしゃべりできるようになって癇癪がおさまってきた長男に安堵自閉症の長男は7歳まで話すことができませんでした。思いをうまく伝えられないためでしょうか。長男は癇癪をおこして床に頭を打ち付けたり、絵本を破ったりといった行為を繰り返していました。そんな長男も、7歳の誕生日を過ぎたころから単語が出始めました。簡単なやり取りができるようになってくると癇癪が少しずつ減っていったのです。Upload By シュウママ今年の4月、特別支援学校の3年生に進級した頃まで長男の機嫌の良さは続いていました。大きくなったんだなと落ち着いた長男の姿を見ながら私はホッとしていました。せっかく落ち着いていたのに、再び不安定になった長男ところが夏休みが終わったころのことです。家での長男の様子が変わっていったのです。突然「あ~!」と鼓膜が破れるほどの大声を出したり、手当たり次第に物を投げつけたり…明らかに気持ちが不安定になっているのが分かります。Upload By シュウママ「大きな声を出さないで!」なだめてもすかしても長男は叫びやみません。いったい何が原因なのか…私はわけがわからず不安と苛立ちが募っていきました。長男が通う病院の主治医の先生に相談して漢方薬を試してみたりしましたが、叫ぶ、投げるといった行動に変化は見られませんでした。学校でも大声を出していた!?でも順応性の高い長男に限って…ちょうどその頃長男の学校で個別面談がありました。長男のクラスは担任の先生が二人いるのですが、一人の先生が産休に入られたというお話がありました。「学校でも大声をあげることがありますね。その声に驚いた他のお子さんも耳を塞いでしまうんです」先生は言葉を選びながら言いにくそうに話されました。Upload By シュウママ「また落ち着いてくれるといいんですが」先生は申し訳なさそうにぺこりと頭を下げられました。やはり学校でも…思わずため息がでました。けれど長男は今まで、クラスメイトや担任が代わったからといって態度や行動に大きな変化はありませんでした。自閉症という診断にも関わらず、人が好きで順応性がある方でした。先生がいなくなってショックだからといって大声で叫ぶことに繋がるだろうか?そもそも、先生がいなくなったからといって大声で叫ぶほどショックを受けるなんてことがあるのだろうか?長男の気持ちがわからないまま、私は学校を後にしました。秋の終わり頃。大声が減り、すこしずつ元に戻った長男それからしばらくの間は大声に悩まされていたのですが、少しずつ秋が深まっていくにつれ長男の大声を出す回数が減っていったのです。Upload By シュウママ徐々に徐々に落ちついていく長男を見ながら不思議に思いました。どうして元に戻ったのか…私は主治医の先生に再度相談してみました。何が原因だったのか?主治医の先生に相談してみたら…「担任が代わることで情緒不安定になることがあるでしょうか?」私がそう訊ねると先生は大きくうなずきます。「ありますね」というお返事でした。「でも今までは、進級してクラスメイトや担任が代わってもすぐ慣れていたんですよ。家での様子も普通でしたし…」私がそう言うと先生は穏やかな笑顔で言いました。Upload By シュウママ「今回は急に担任の先生が代わられたんですよね?たぶんシュウちゃんは環境の変化についていけずに苦しかったんでしょう。今はやっと慣れてきたんじゃないかな」先生はそう言うと椅子に腰掛けた長男を見ながら、よかったねと言って頭をなでてくださいました。子どもはいろんな形でSOSを出している帰り際、先生はこんな話をされました。「自閉症はね。100人いれば100通り症状が違います。進学や進級、環境が変わった瞬間泣いて登校拒否になるお子さんもいます。シュウくんのように叫んだり物を投げたりして別の形で発散する子もいる。でもみんな心のバランスを取ろうと一生懸命なんですよ」Upload By シュウママその話を聞いてはっとしました。私自身、長男はどこでもすぐ馴染む子だから大丈夫だと安易に考えていたからです。でもそれは、表に見えないだけで長男は長男なりに必死に頑張っていたんじゃないか、あれは長男のSOSだったんじゃないか――気付いてやれなかったことを申し訳なく思いました。何より、担任の先生がいなくなって淋しい思いをしていないだろうか――そう長男を心配することもなかった自分に腹が立ちました。もちろん気付いてやったからといってどうしようもないことだけれど、せめて子どものサインを見逃さず寄り添ってあげられる親でありたい、そんな風に思いました。Upload By シュウママ
2017年12月15日家に帰れない!親も泣きたい、子どものこだわり出典 : スーパーでひっくり返って「買って!」「買わない!」の親子バトルの無限ループ。せっかく着せた服を「絶対イヤ!」と脱ぎ捨てて、パンツ一丁で大暴れ。公園から「帰らない」の一点張りで、日が沈んでも家に帰れない。その上、周囲の大人からは子どもが「ワガママ」と見られて、「ちゃんとしつけてる?」「ちゃんと褒めてる?」なんて、親の育て方に問題があるかのように言われてしまうと、泣きたい気持ちにだって、なりますよね。もちろん親にできることはたくさんあるけれど、一生懸命やってるつもりでも、うまくいかないことだってあるんです。実は、子どもの「こだわり」って、ほめたり叱ったり、言って聞かせたりするだけでは、解決できない場合もありますし、そもそも、大人が全てを正す必要のないこともあります。子どもの「こだわり」の具体的な対応と活かし方を、『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者で、かつては公園から家に帰れず途方に暮れていた、楽々かあさんこと大場美鈴が、ズバリ「図解」でお伝えします。ちょっと待って。それって本当に子どもの「ワガママ」!?出典 : 確かに、大人が子どもにキチンと、社会的なルールやマナー、ガマンを教えてゆくことは大事です。でも、こだわりというのは「こうしたい!」という、子ども自身の強い意志でもあります。その全てを、「正しいこと」を盾に大人がへし折ってしまったら、より一層不満や不安を強めたり、「自分には自分の人生を動かす力がないんだ」なんて無力感を感じてしまうかもしれません。それに、子どもの本能的な感覚からくる、強いこだわりは、「叱る」「言って聞かせる」などの、理屈が通用しないこともあるんです。それよりも、子どもの全てのこだわりを「ワガママ」と一括りにせずに、許容できないこと、妥協できること、成長に活かせることを見極めて、それぞれに合った対応をすれば良いのです。そのためには、まずは、それが「子どものこだわり」なのか、「大人のこだわり」なのかを、区別する必要があります。Upload By 楽々かあさんでは、ズバリ「こだわり」を、マトリクス図で図解して分析してみましょう。名付けて「こだわりマトリクス」!縦軸は、それが「子ども」のこだわりなのか、「大人・環境側」のこだわりなのかの見極めです。横軸は、それが、人の迷惑になっているか、それとも、個人の好みや感性の違いの範囲なのか、どうかです。図の外側にいくほど感覚的な強いこだわり、中央に近づくほど理性で解決できる余地があるもの、とお考え下さい。その「こだわり」が、客観的に見て、この図のどこに当てはまりそうか、頭の片隅でイメージできると、子どものこだわりが発動したときも、少しだけ冷静に対応できると思いますよ(まあ、親も人間なので無理なときもありますケドね)。1→【キチンと対応したほうがいい「こだわり」】人に大きな迷惑がかかってしまう「こだわり」で、子どもの間違った思い込みや、未学習、周りの状況判断の苦手さ、などによるもの。または、その子や周りの人の日常生活に支障が出てしまうほどの、強い不安・不満感などです。2と3→【大人・環境側の「こだわり」】必ずしも、子どもばかりが原因とはいえない「こだわり」。大人の側にも「絶対こうしなければならない」「これが正しいこと・常識」という強いこだわりがあり、それに対して自分の思いどおりにならない、子どもの強い意志とぶつかり合ってしまうのです。この部分が特に、大人には「ワガママ」なように感じられ、この横軸の境界線で、親子バトルが起こりがちなのではないかと思います。また、大人が気になることも、「人の大きな迷惑になっていること」から「よく考えてみれば、誰にも迷惑はかかっていないこと」まで段階があります。4→【活かす・伸ばす・好きにさせてもいい「こだわり」】人の迷惑にもならず、自分も気にならない子どものこだわりは、好きにさせて良いものであり、逆に、そのエネルギーを有効活用することで、できることを増やし、その子の世界を広げることもできます。そして、1から3のこだわりは、大人の対応次第で、だんだん4に近づいていけるかもしれません。…つまり、子どもの困った「こだわり」が起こる理由の約半分は、大人や環境側にも原因がある、ということなのです。じゃあ、一体どうしたらいいの…!?じゃあ、親や周りの人は、テコでも動かない子を前に、一体どうしたらいいのでしょうか。ここでは、うちのこだわり対応をお伝えしていきますね出典 : のこだわりは、一般的な社会のルールから、大きく出てしまっているものです。ですから、人の迷惑になってしまうだけでなく、「将来、社会の中でなんとかやっていけるか」の大事なポイントなので、ココはがんばりどころです。逆にいえば、最低限ココだけできれば大丈夫。子どもの気持ちをケアしながら、根気よく丁寧に、その子に合った方法で、繰り返し伝えていく必要があります。でも、例えば「病院で騒いでしまう場合」ひとつでも、●それがいけないことだと、まだ理解していない場合(未学習)【対応例】「病院で大きな声を出すと、頭が痛くなる人がいる」など、具体的に納得できる理由を丁寧に説明する。図や絵で描いて伝える。目の前でお手本を見せる…など、試行錯誤で、その子に合った伝わりやすい方法を見つけていきます。●どうしたらいいか理解はしているものの、周りの状況に気づいていない場合【対応例】「周りの人はどうしてる?」など周りに気づかせる。「病院ではどうすればいいんだっけ?」など、適切な行動を思い出せる声かけをしながら、「病院では静かにすること」が習慣として定着するまでつき合います。●「いつも元気なのは、ほめられること」などと、カン違いしている場合(誤学習)【対応例】「◯◯ではOKだけど、病院では静かに」と、「やっていいこと・いい場所」の明示や、段階表やリスト、図を作るなど、分かりやすく許容範囲を分類して、セーフとアウトの線引きをします。…など、背景にある理由によって、それぞれに合わせた対応が必要なのです。ただし、「通学路の途中で、どうしてもそこを通るのがイヤで座り込んでしまう」などの場合、背景に、その子が感覚的に強い恐怖心を抱くような情報(音・ニオイ・光・人やモノ、過去の経験など)があるかもしれません。その場合、まずは気持ちに共感し、心身をケアしながら、環境を調節し、負担感が減る工夫をしてあげるのがいいと思います(うちではこの場合、落ち着くまで車で送り、徐々に慣らしていきました)。出典 : のこだわりは、その子どもの行動が、親や先生の個人的な「正しいこと・常識」に当てはまらず、子どもと大人のこだわりがぶつかることで生じる問題です。そうは言っても、子どもの要求を何でも許せる訳でもありませんし、道徳・モラルとして教えたいこともありますよね。そんなときの対応を、スーパーでの「お菓子買って!」「絶対ダメ!」の例で説明します。●事前の相談や工夫で対策【対応例】家を出る時や、スーパーの駐車場で「お菓子は◯円まででOK?」など事前に相談し、納得できてからお店に入る。また、宅配サービスなどを利用する選択もあり。小さな子に、いろいろと見せておいて「絶対ダメ」は、そもそもハードルが高いのです。また、お腹がすいていれば欲しがって当然。食事やおやつの後に連れて行けば、少しはガマンしやすくなると思います。●妥協・交渉の手本を見せる【対応例】どうしても欲しがる場合、まずはその気持ちに共感し、その上で、「じゃあ、替わりにジュースは戻して来れる?」「これは高いから今日は買えないけど、来週の運動会の参加賞にしようか」など、妥協と交渉のお手本を見せます。そして、子どもが少しでもガマンできたら「ガマンできたね」「ありがとう」等、伝えます。これを繰り返していると、子どものほうも多少の妥協や、話し合いができるようになってきます。ただ、それでも「手のつけられないほど暴れる」「手当たり次第なんでも欲しがる」などの場合、「子どもが本当に欲しいのは別のモノ」の可能性もあります(うちでは、私が他の兄弟の世話にかかり切りになっているとき…などでした)。また、学校の給食で、どうしても苦手なものがあるのに「絶対に残さずに食べなさい!」と強く求められて教室から逃げ出したり、「行きたくない!」と登校しぶりをする状況では、「皆、イヤでもガマンしているんだよ」なんてお説教は通じません。そこには、味覚や触覚(食感)などの強い過敏さがあるかもしれません。この場合、病院で意見書などを頂いたり、「無理矢理◯◯を食べさせると、吐き戻してしまう」「パニックを起こしてしまう」など、その程度が「好き嫌い」の範疇を超えていることが分かる、客観的・具体的な理由を示して、丁寧にお願いするのがいいと思います。Upload By 楽々かあさん3の場合は、大人の目からは非常識に思えるけど、よくよく考えてみれば、「自分は気になるけど、特に誰の迷惑にもなってないよね」というタイプのことです。例えば、「この服を着なさい」「絶対イヤ!」といったシチュエーションで、TPOに大きく差し支えない場合など。つまり「個人の好みや考え方の違い」の範囲であるものの、大人の側に「自分の常識」があると、どうしても気になってしまうのです。基本、ここは「子どもは子ども、私は私」と線引きして、大目に見てあげればいいところです。ですが、それがどうしてもできない場合には、「ワガママを言っているのは、自分のほう」という自覚を持って、謙虚な姿勢でダメ元で、「私はこう思うんだけど、こうしてみない?」と、お願いしてみます(大人だって、絶対にワガママを言ってはダメ、ということもありません)。例えば、娘が「全身ピンクの服装でお出かけしたい!」と言い張った場合。う〜ん、誰にも迷惑かけてないケド、私の中の常識は「ちょっとそれは、アレだよね…」と思います(笑)。そんな時は、「ピンク、素敵だよね。でも、おかあさんは、ちょっと白が入ってると、もっとオシャレだと思うな。ホラ見て、プリンセスの◯◯ちゃんも、こんな感じだよ♪」と絵本を見せるなど、判断材料を与えて、あの手この手でトライしてみます。ただし、それをどうするか、決めるのは子ども自身です。それでもダメなら、覚悟を決めて、一緒に恥をかくつもりで出かけると、意外と誰も気にしなかったりもします。気が済むまでこだわれば、いつか卒業することもあります(娘は、全身ピンクブーム→かぶりものブームが去って、今は少しはお洒落になりました)。もし、卒業できない程ピンクが大好きなら、こちらのものの見方を変えて、思い切って伸ばしてあげることもできます。カメラでも買い与えてみると、夫婦漫才の才能が開花するかもしれません。出典 : そして4は、その強いエネルギーを有効活用して、のびのびと伸ばしてあげられる、素晴らしい「こだわり」なのです。また、1をキチンとケアしたり、3もこちらのものの見方を変えれば、4になることもありますし、2で妥協や交渉のお手本を見せ続けてゆけば、子どもも物事を柔軟に考えられるようになると思います。そして、結果的に子どもの希望どおりになっても、ならなくても、大人から自分の意思を尊重され、ちゃんと耳を傾けてもらえた実感があれば、周りの人のことも想像できるようになっていきます。うちの4の例です。味覚が敏感で、食へのこだわりが強い長男は、手先が不器用だけれども、料理が自分でできるようになりました。また、大好きなマインクラフトのおかげで、パソコンの達人になり、海外ユーザーとチャットもしています。潔癖症だった次男は、私が放置した、シンクの水垢や黒ずみをピカピカにお掃除してくれるようになり、助かっています。動物大好きの長女に根負けして飼い始めた仔犬で、家族みんなも、近所の人たちとのコミュニケーションの機会が増えました。子どものこだわりは、豊かな感受性の表れであり、上手に活かせば、できることも増えるし、その子の世界も広がっていくんです。(子どもの個別の問題への具体的な対応方法や、より強い「かんしゃく・パニック」対応は、このコラムの最後に紹介する著書に詳しくまとめてあります。)大らかな社会であれば、気にならないこだわりもある出典 : 周りの人達は、子どもが一見ワガママに見える行動をとると、つい「親の育て方」などを責めたくなってしまうかもしれません。そういった社会的なプレッシャーが、親が子に「完璧さ」を求め過ぎてしまう要因にもなっているように思えます。もちろん、親や周りの大人にできることはいっぱいあります。それでも、子どもってもともと五感が敏感で感受性が強い、未完成な生き物なのです。こういった子ども達のこだわりは、「みんなと同じようにできなくてはならない」「感性の違いを認められない」「多少の失敗も許さない」という、大人の余裕のなさからくる、社会全体のこだわりによって、より鮮明に浮き彫りになってゆきます。こちらがものの見方をほんの少し変えるだけでも、気にならなくなる「こだわり」だって、結構あるのではないでしょうか。
2017年12月14日スクールカウンセラーとは出典 : スクールカウンセラーとは、学校現場において児童や生徒、その保護者に対して、臨床心理に関する専門知識を生かしながらサポートしていく専門家です。教員とともに親子をサポートするほか、教員への指導・心のケアも行っており、近年、学校現場でニーズが高まっています。スクールカウンセラーの仕事内容等、詳細については、こちらの記事をご覧ください。スクールカウンセラーとして働くことができるのは、基本的には、臨床心理士、精神科医、大学教員が多いです。また、今後は新しく誕生した心理職初の国家資格である公認心理師も、スクールカウンセラー業務を担うこととなりそうです。これらの資格を持つスクールカウンセラーは、まさに、学校現場における臨床心理の専門知識に基づき、心のケアを行う専門家といえます。参考:厚労省|資料6「スクールカウンセラー」についてスクールカウンセラーに相談できる問題とは?出典 : スクールカウンセラーには、学校に関する悩みだけでなく、その背景にある家庭環境の問題や、個人の心身の問題など幅広く相談できます。くわしくは以下の記事をご覧ください。ここでは、スクールカウンセラーに相談できる子どもの問題について、いくつかの具体的な問題をご紹介します。例えば、友人関係のトラブルやいじめ、成績低下などが積み重なり、何らかのきっかけにより、学校を休むようになり、不登校になってしまう場合があります。特に、発達障害がある子どもは、周囲の理解のなさや不適切な対応により人間関係がうまく構築できない、学習についていけないといった状況が進み、結果として不登校に至ってしまう可能性が指摘されています。そして、不登校で、自宅以外の場所での活動がないまま6ヶ月以上家から出ない状況が続くと、ひきこもりへと移行してしまう場合があります。不登校・ひきこもりが発達障害や精神疾患による困りごとに起因している場合、その困りごとへの対処を行わない限り、根本的な解決は難しいといわれています。発達障害や精神疾患についての専門知識が豊富なスクールカウンセラーの関与は、不登校を根本的に解決するために望ましいといえるでしょう。出典 : 発達障害がある子ども、または、グレーゾーンの子どもは、勉強や仕事の理解や進め方、注意の集中や持続の偏り、対人関係でのすれ違いなど、生活に支障が出るような特性や困りごとを抱えていることが多くあります。発達障害の特性があることに気づかなかったり、気づいていても適切なサポートを受けられなかったりすると、周囲に理解されず怒られたり非難を受けたりするなど、失敗体験を積み重ねてしまいます。その結果、本人の自尊心や、やる気が失われてしまい、それが二次障害につながることがあります。スクールカウンセラーへの相談をきっかけに、相談センター(保健センター、子育て支援センターや児童発達支援事業所)や医療機関のような専門機関とつながるケースもあります。これらの連携の下に、家族や学校が適切な対処をすることによって、上記のような困難を解消することが可能となります。何らかの心の問題を抱えている子どもは、その原因が家庭にある場合があります。家庭での問題についても、スクールカウンセラーに相談をすることができます。この場合、子ども自身が相談することができるほか、保護者が相談に行くこともできます。誰がスクールカウンセラーに相談できるの?出典 : 就学期のお子さんを育てている、悩める保護者の方には、「スクールカウンセリング」は、子どもだけが相談に行く所だとか、少し敷居が高い、というイメージがあるかもしれません。以下のコラムを書いた、発達ナビライターで漫画家のかなしろにゃんこ。さんもそんな風に感じていました。しかし、スクールカウンセラーによるカウンセリングの対象者には、子ども(児童・生徒)だけでなく、保護者や教職員も含まれます。もちろん、保護者ひとりだけで利用することもできますが、それだけでなく、子ども・保護者・教職員の三者間を取り持つ役割を担っています。例えば、保護者の相談をきっかけとして、スクールカウンセラーが、教職員へ児童・生徒に関するアドバイスを行うことがあげられます。スクールカウンセリングは特別なものではなく、気軽に相談できる場所です。スクールカウンセラーの池田先生は、子どもがカウンセリングに行くことを渋る場合は特に、無理やり子どもを連れていくのではなく、まずは親がカウンセリングを受けてみることをおすすめしています。実際のカウンセリングの現場とは?出典 : では、スクールカウンセラーは、実際にはどんなふうに問題を解決してくれるのでしょうか?発達ナビのコラムを執筆してくださっているライターさんや、國學院大學教授で元スクールカウンセラーの池田行伸先生の経験談を中心に、スクールカウンセリングの現場から、その様子をご紹介します!発達ナビライターのkaoruさんは、息子さんが集団に適応できなくて一番大変な時に、スクールカウンセラーに2つのことを薦められました。1つは、プレイセラピー、もう1つは、スペシャルタイムでした。これを実践してみたところ、大正解!学校生活や療育、診察などで疲れた子どもにとって、心から楽しいと思える癒しの時間になり、お子さんの成長にも良い影響があったようです。スクールカウンセラーのアドバイスで、子どもの精神状態や親子関係に良い影響が生まれたケースです。次に、國學院大學教授・元スクールカウンセラーの池田行伸先生が担当した事例をご紹介します。相談者は、不登校の女の子と、その母親でした。池田先生が、「学校で何か嫌なことがあったのか」、「友だちと気まずいことでもあったのか」と問いかけても、女の子は無言のまま。母親は、「家で娘に尋ねても嫌なことやいじめはないと言うのです」と代弁します。しかし、約半年のカウンセリングを継続する中、それまで一言も発しなかった彼女は、ついに自分から話し始めました。一見意味のないようにみえたカウンセリングでも、子どもにとっては自分を見つめるきっかけになったり、保護者の心の安定につながったりと、継続することで良い影響をもたらすことがあるのですね。詳しい考察は、こちらの記事をご覧ください。子どもを思うあまり、学校と保護者の関係がこじれてしまうこともあります。その結果、家庭対学校の構造ができてしまうと、なかなか対立は解消できないケースも多いようです。”平静さを保っているように見えても、心の底ではお互い分かり合えない複雑な感情を抱いている。そんな状態では、学校は家庭がもっとしっかりやるべきだと考えるし、家庭は学校が悪いから自分の子がおかしくなったと考えるわけで、お互いの不信感がつのるばかりです。”このような状況をどのように解決すれば良いのでしょうか?以下の記事にはそんなときの解決のヒントとしてスクールカウンセラーが紹介されています。スクールカウンセラーは、保護者や他の教職員と利害関係が存在しない「第三者性」「外部性」を有する専門家です。当事者が多数いて問題が複雑になってしまった場合などこそ、調整役としてのスクールカウンセラーの存在意義が発揮されるのです。学校と保護者が、子どもに関する問題について対立してしまい、当事者同士ではなかなか解決できない時には、スクールカウンセラーを利用してはいかがでしょうか。出典 : 発達障害児の概念が生まれ個別の支援が叫ばれるようになってから、教育現場では、個の教育的ニーズ(必要性)に合った教育というスローガンが生まれ、教育する側も努力が求められるようになりました。以下の記事では、スクールカウンセラー・池田先生が関係したある学校での心ある教師たちの進化と実践が紹介されています。その学校では、ある日、女子生徒が教室で口論になり、カッとなって椅子を壊してしまう事件が発生しました。その生徒の担任の事例検討会においての相談をきっかけに池田先生が支援し、問題行動がみられなくなるまでが語られます。子どもの問題を解決しようとする熱心な教員がいても、適切な方法をとれるとは限りません。このような場合に、スクールカウンセラーが心理の専門知識や生徒・学校・保護者からの多面的な聞き取りの結果を踏まえ、教員に対して適切なアドバイスをすることで、望ましい解決を実現することが可能となるのです。池田先生のもとへ、担任教師が相談に来ました。4年生にもなるのに5分と椅子に座っていられない男子生徒がいるという相談でした。池田先生は、まずは生徒の親と話す機会を設けて欲しいと担任にお願いし、母親との面会を実施します。母親の話を聞くと、母親も問題行動に悩んでいたことがわかります。スクールカウンセラーとして、医療機関への相談を進めることにしました。保護者としては、薬の副作用など、心配は尽きないと思います。そんな時、スクールカウンセラーは、子どもの様子の観察や教職員の意見を踏まえたうえで、薬物療法の役割や、代替案の有無を説明し、信頼のおける専門医選びをするなど、丁寧なコミュニケーションをしてくれることが期待できます。日ごろの心配などの親の不安を受け止め、寄り添ってくれる存在になることでしょう。スクールカウンセラーのこのような丁寧なコミュニケーションこそが、問題を解決に導いてくれるのです。スクールカウンセラーに相談するには?上手く活用するポイントって?出典 : 池田先生はスクールカウンセラーの活用をこうすすめています。”国の予算の関係でスクールカウンセラーが学校にいるのは月に2回程度、学校によっては月に1回のところもあります。相談は無料です。日数は少ないですが、折角ですから毎回利用したほうがお得ですよね。”以下の記事では、予約方法や活用のポイントについてもわかりやすく紹介しています。スクールカウンセラーは常駐しているわけではないため、予約が必要な場合がほとんどです。余裕をもって相談に行けるよう予約できるといいでしょう。また、当日までに、メモなどの準備をしていくと、聞きたいことに漏れがなく、スムーズに相談できます。準備については以下の記事をご参照ください。まとめ出典 : スクールカウンセラーは、心理の専門家であり、子ども・保護者・教員の困りごとの把握や相談を主に行っています。そして、その上で、第三者的立場からの子ども・保護者・教員に対するアプローチをし、困りごとや問題を解決することができます。教育現場では、近年、発達障害児の概念が生まれた結果、個別の支援が叫ばれるようになりました。そのため、子ども一人ひとりの異なる個性に合わせた教育を可能とするために必要な配慮や支援をすること(=合理的配慮)が求められています。スクールカウンセラーは、このような個の特性に応じた教育を可能にするために、重要な役割を担っているといえるでしょう。就学期のお子さんを育てている、悩める保護者の方々は、気軽にスクールカウンセラーを利用してみたらいかがでしょうか。
2017年12月13日自分が好きな遊びじゃなきゃイヤ!友達に合わせるなんて苦痛すぎた小学生時代Upload By かなしろにゃんこ。息子リュウ太は小学生のころ、友達に合わせて遊ぶことなど苦痛すぎてできませんでした。「ワクワクしないことには付き合いたくない!」、”自分が”楽しいことにだけ全エネルギーを使いたいコテコテのADHDです。ウソでも人の趣味に共感するなんてことはできません。私はそんなリュウ太に、「みんなに合わせられるような柔軟な心を持ってほしいな…」なんて思っていたものです。でも、人に合わせるなんて、ADHDの小学生にとってはまだまだ難しいこと。ところが!中学生になると徐々に、友達オススメのゲームもするようになりました。やっと友達の趣味に合わせることができるようになってきたのです。男子4人、ミッション成功に向けて協力し合う!?コミュニケーション力が自然にUPUpload By かなしろにゃんこ。放課後、ウチに4人くらいの同級生が集まり、友達のソフトでゲームをすることが増えてきました。どうも、海外のギャングゲームをやっていたようで、「アレじゃねー?」「コレだろ!」と協力し合ったり、ときには転がって大笑いしたりワイワイと楽しそうです。海外版のゲームなので、英語力がまだイマイチな中学生には分からないことも多く、みんなで協力して試行錯誤しながらプレイしている様子。私はすぐそばの部屋で仕事をしていたのですが、おかげで全く集中できませんでした…。そのうえ、ハイテンションで遊ぶ男子4人が集う部屋からは、汗臭やら靴下臭やらいろいろなニオイまで漂ってくる~ (笑)でも、息子が友達と楽しめている!と思うと、仕事に集中できなくても、部屋が多少臭くなっても我慢できました。友達の意見を受け入れたり、自分の意見を提案したり、小学生のころには見られなかった”仲間意識”が生まれている感じ。ゲームをしながらコミュニケーション力まで磨かれている!と感じられました。それに、友達と遊んだ日は、疲れて早く寝てくれるのも母として高ポイントでした(笑)ゲーム三昧の「クリスマスお泊り会」を計画!息子がホスト役にUpload By かなしろにゃんこ。クリスマス間近のある日、夫が「家族で楽しもう!」といろいろなスポーツ対戦ができるゲームソフトを買ってきました。ところが息子は、家族でやる前に友達と楽しむんだと「お泊り会」を計画!というか勝手に決めてきたのでした。息子の計画は、ゲーム三昧の「クリスマスお泊り会!」。友達4人でわが家でお泊りして、自分たちでカレーライスをつくり、夜通しゲームをするというもの。夫がいると遠慮して楽しみづらいということで、夫には会社に泊まってもらい(クリスマスなのに!)、気兼ねなく遊べるように準備しました。パーティー当日は、子どもたちだけでカレーを鍋いっぱいにつくって、4人でたいらげてからっぽに。私の分をとっておいてくれるという気の回し方はできなかったようで(笑)そして、家族で楽しむ予定だったスポーツゲームで、中学生らしく健全に汗を流してハッスルハッスル☆ドタンバタン!遠慮なく暴れる男子たち。「息子はホスト役らしく、みんながくつろげるように細かい気遣いをしていました」…といいたいところですが、気遣いなんて全くできてなくて、友達のほうが細かいお手伝いをせっせとしてくれました。そんな空気読まないところが、さすがADHD息子。誰も期待していません(笑)ダサいことがカッコイイ!?”ヘタレでダサい”自分を笑いに変えられるように!Upload By かなしろにゃんこ。その夜の息子たちを見ていて思ったことは、ゲーム中にダサい失敗をして友達にツッコまれることが「オイシイ!」らしく?お互いツッコミ合っては、大笑いしているのです。小学生時代の息子だったら、ツッコまれたら怒り出したり、被害者意識強めでしょげていたはず。でも、ヘタレでダサい自分を笑いに変えられるようになっていたんです。息子が殻を破れた、新しい息子の姿を見ることができた瞬間でした。リーダーの子がまず最初に”ダサいことをやらかすのがオモシロイ!”という雰囲気づくりをしてくれ、他の子がかわるがわる失敗したり、ダサいことをする。そして皆でツッコミ合っては、ゲラゲラ大笑い。これが中学生らしいコミュニケーションなのかな?、ダメなところも見せられると仲間意識が強まるのかも?、カッコよく勝つだけがオモシロイわけじゃないという、新たな価値観を友達から学べてるのかもしれないと思いました。「こんな日があってもいいよね!」息子の成長を感じた夜Upload By かなしろにゃんこ。はしゃぎすぎて、夜中は大人しくボードゲームに流れていった男子たち…ホスト役のはずの息子は、なんと真っ先に寝てしまいました。オイオイ、夜通し遊ぶんじゃなかったの?企画したのはお前だろ!と、ツッコミたくなりました。その日は私まで徹夜することになりましたが、友達と一緒にワイワイ楽しむ息子の姿を見ることができたし、「こんな日があってもいいよね!」と気楽に考えられるようになりました。小学生のころ、あんなに気をもんだ友達付き合いなのに…。はからずも、息子のコミュニケーション力をUPさせられるゲームを買い、クリスマスなのに会社にお泊りしてくれた夫にも、大感謝した夜なのでした。
2017年12月13日娘の怒りに、私の心も縛られていて出典 : アスペルガー症候群の診断を受けている9歳の娘は、幼い頃から身の回りで起きるあらゆることに「怒り」の感情を向けることがあります。思い描いたとおりにことが進まない、自分の中のこだわりを壊される、モノの配置がいつもと違う、誰かがルールを守らない、など、思い当たることは枚挙にいとまがありません。私も同じ特性を持っていますので、娘の辛い気持ちは痛いほどわかります。ただ、同じ特性を持っているからこそ、ひっきりなしに起こる娘のかんしゃくの相手をしてゆくことは非常に苦しく、厳しい精神状態に置かれていました。私には、娘の負の感情がダイレクトにやってくるのです。娘が怒りをあらわした瞬間、私の心はどす黒い怒りの感情に埋め尽くされてしまいます。それは娘の怒りが鎮火するまで続き、私はずっと苦痛な状態を強いられることになるのです。ただ最近では、アンガーマネジメントの本を娘と一緒に読むなどし解決法を模索したかいもあり、娘も怒りをある程度コントロールできるようになってきました。それにともなって、私の心が娘の怒りに縛られることも減った昨今だった昨今。私は自分の姉とのやりとりで、衝撃的な事実を知ってしまったのです。「他人の感情がそのまま入ってきて苦しい」のは私だけ!?出典 : きっかけは、何気ない姉の一言でした。「子供の怒りを見過ごすことができなくて、辛そうだね。私は子供が泣こうが怒ろうが、放っておけるから楽だけどな。」「私も放っておいて自分で解決してくれたらなあと思うんだけど、その間、ずっと私の心も不快な状態が続くのに耐えられなくて。一刻でも早く解決して穏やかな時間を過ごしたいじゃない?」「え?たとえ子供であっても、他人の感情は他人の感情でしょ?泣いてても怒ってても『泣いてるな』『怒ってるな』『どうしたのかな』とは思うけど、自分の心とは直接関係ないんじゃない?」私「えええ!?そうなの!?」私はこのとき初めて、「他人の感情がそのまま入ってくる」ということが、みんながみんな経験していることではないと気づいたのです。自分とは関係のない赤の他人であっても、叱られている人を見かければ哀しい、悔しい、恥ずかしい感情が、怒っている人を見ればその人のどす黒い感情が、泣いている人を見れば深く切ない思いが、自分の中にダイレクトに押し寄せてくる。そして何とかしなければと焦る。そんな感情の共鳴が起こるのは「みんな同じ」だと思い込んでいたのです。突然心に入り込んでくる様々な感情を、みんな涼しい顔をしてやり過ごしていると思っていたのに、そうじゃなかった。それができない自分を出来損ないだと思っていたのに、もしかしてそうじゃなかったの?なんてこと。なんてことなの!?原因は「自分と他人との境界膜の薄さ」だった!?呆然した私に、偶然ある本のタイトルが目に入りました。それは『敏感すぎて困っている自分の対処法』という本。この本では、他人の感情に敏感すぎる人の心身の不調について、なぜそのようなことが起こるのかが丁寧に読み解かれています。敏感な人というのは、他人との「境界膜が薄い」と表現されており、人の気持ちや体調をより強く感じ取ってしまうので、他人に左右されやすいというのです。人はそれぞれ他人との境界膜、いわば鎧のようなものに覆われている、と想像してみてください。それがレースのカーテンのように薄いものあのか、頑強な分厚い金属のようなものでできているのかによって、人生が大きく変わってくることでしょう。私はおそらくレースのカーテンのような薄い境界膜しか持っていないがために、他人の負の感情にあっさりと侵入され、それがまるで自分の感情であるかのように苦しくなり疲れてしまうのだと思います。他人の感情だけでなく、周囲への影響を考え過ぎて自分の意見を言うことができなかったりするのも、この境界膜の薄さからくるものだと考えれば、さらに自分自身に納得がいくのです。発達障害の特性の中にも、「自他との境界が曖昧」というものがあります。息子の場合、他の子が怒られていると自分が怒られていると思って怖くなり、どれだけ怒られないように努力をしても恐怖から逃れられず幼稚園に行けなくなったという行動も、おそらくこういった境界膜の薄さなのでしょう。自分なりの鎧をまとって生きていくために必要なこと出典 : 境界膜という概念を知ってから、私は周囲の人がどのような境界膜をまとって生きているのかを考えてみるのがとても楽しくなりました。いつも強くて自分の意志を貫くあの人は鉄の鎧を、自己主張は激しいのに少しでも否定されるとボロボロと崩れてしまうあの人はガラスの鎧をまとって生きているのかも知れないなと思うと、その人となりをより深く知ることができるような気がします。そして何より、自分自身や子供が穏やかに過ごしていくための大きなヒントとなりました。私たちはおそらく、周囲の人よりも薄くて脆い鎧をまとって生きている。まず、それを認識することで、人が苦しいと思わない場面でも苦しくなってしまうのは、努力が足りないわけでも出来損ないなのでもなく、ただ身にまとっている鎧の薄さによるためだと客観的に捉えることができます。そして、自己肯定感を下げる機会を減らせるようになりました。また、薄い鎧で生き抜いていくためには何が必要かを考えることで、生活は少しずつ楽になっていきました。大きな音が苦手なら、イヤーマフやウォークマンを装備して町に出かける。心が乱された時には自分の殻に閉じこもれるように、過集中気味になれる本や動画を見るアイテムを常備しておく。負の感情をまとっている人がいれば、一目散に逃げる。「こいつなら自由にコントロールできる」と嬉々として近寄ってくる相手からも、全力で逃げる。負の感情に侵入されたら、一呼吸置いて「これは私の感情ではない」と自分に言い聞かせてみる。自分を知り、身の丈に合ったサバイバル術を身につけていくことで、きっと今よりもずっと生きやすくなるはずです。また、マイナス面ばかりに目を向けるのではなく、他人の喜びも心から一緒に分かち合える、誰かがハッピーだと自分にもハッピーが伝染してくる、というプラス面も確かにあると思うのです。まず、ご自身がどのような鎧を身につけて生きているのかを想像してみませんか?そして、子どもは自分とどう違うのか、どのようなサバイバル術を必要としているのか、ゆっくりと観察しながら想像してみてください。「どうしてこの子は○○なの!?」と頭を悩ませている問題の、解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
2017年12月12日成績の上がった通知表を手にしたまま、入院生活へ…体育の授業で事故にあい、そのまま救急車で運ばれ外傷性くも膜下出血と診断された受験生の息子リク。事故にあった日は学期末で、リクは通知表を受け取るのをとても楽しみにしていました。というのも中2までの通知表は5教科オール2だったものの、3年になって勉強に精力的に取り組むようになり、テストの点もあがっていたからです。学校から救急車で運ばれそのまま入院となったリクのかわりに学校から通知表を受け取った私は、また車を走らせ病院に急ぎました。私の胸中は、一刻でも早く、リクにこの通知表を見せたい思いでいっぱいでした。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ空腹を訴えるリクをかわいそうに思いつつも、食欲があることに少しほっとしながらこの日は病院をあとに。…本当に長い1日でした。小さいころから、リクは人よりケガの多い子でした。でも、こんなに不安になったのは今日が初めてです。昼間、不安な気持ちを抱えながら、リクが受け取れなかった通知表や置きっぱなしになってしまった勉強道具を学校に取りに行くとき、ふとリクが生まれた日のことを思い出していました。小さく産まれた赤ちゃんのリク。いっしょに産院から帰ることが出来ず、全身管だらけで数か月ガラスケースの中にいました。私は毎日、母乳を泣きながら絞り、車を走らせその母乳を届けていました。そして、ガラス越しの赤ちゃんのリクに、「元気ならばそれでいい」と心から願っていたのです。それが、成長とともに他人と比べ、言葉が遅いとか、字が読めないとか、そんな不安で勝手にイラ立つようになり…いつの間にかあの日の「元気ならそれでいい」は、もうどこかに置いてきてしまっていました。しかし今回の事故で改めて、リクが生まれてきたときの初心を思い出すことができたように思います。入院することにはなりましたが、こうして今、リクと会話ができることや、普通にお腹をすかした15歳の屈託のない姿を見ているうちに、いつのまにか私は受験云々をどこかに放り投げ、リクが産まれてきたときの「元気ならそれでいい」という気持ちでいっぱいになっていました。リクの不安が爆発、自分はいったいどうなってしまったのかとパニックに!そのまま入院となったリク。私は毎日、着替えを届けたりしながら、リクの様子を見舞っていました。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみイライラすることも、集中できないことも、頭の整理がうまくできないことも、ケガのせいではあるけれど、発した言葉は素直なリクの今の気持ちだったと思います。その溢れんばかりのリクの不安は、ただただ悔しくてどうしようもなくて、泣き叫ぶしか手立てがなかったのでしょう。お母さん、リクの悔しい気持ち、分かるよ。焦る気持ちもわかる。勉強頑張ってきたの、知ってるからね。そりゃそうだよね…。でもさ…リク…、でも‥‥…でもの続きが出てこない…。情けないけど、親として、母として、人として、どんなふうになだめていいか、どんな言葉が的確か、病院を後にしてからもずっと考えあぐねていました。今のリクの気持ちにピッタリくるような言葉をかけてあげることは出来なかったけれど。「元気ならそれでいい」本当に今、私の気持ちはそこに再び立っています…。
2017年12月12日「聴覚過敏」のもうひとつのカタチ出典 : 発達障害のある子どもの特性の一つに、感覚の過敏性があります。その中でも、触覚や聴覚に過敏性がある子がいるということは、かなり知られるようになってきました。我が家の7歳児(自閉症スペクトラム障害・ADHDの診断済)も聴覚に過敏性があり、予告なく出される大きな音や人の怒鳴り声などでパニックになってしまいます。この点については、学校側も随分配慮してくださっています。今は、運動会のピストルの音を小さくしたり、大きな声で怒鳴らず耳元で穏やかに話をするなどの工夫をして頂いています。けれども息子と小学校の話をしているうちに私は知ったのです。聴覚過敏のもたらす困難の、もう一つのカタチ。聴覚過敏を和らげるアイテムであるイヤーマフなどが役にたたない、もう一つの困難があることを。そしてその困難は息子にとって、予期せぬ大音量よりも辛いものだったのです。聴覚過敏とコミュニケーション出典 : 学校の休み時間。給食の時間。登下校の時間。子どもたちの楽しいお喋りの声があちこちから聞こえてきます。女の子たちは秘密のひそひそ話。男の子たちはアニメやゲームの話。そしてそれは、息子にとって苦難の時間の訪れです。教室のみんなが一斉にお喋りに興じ始めると、息子はありとあらゆる会話に首を突っ込みます。時には女の子たちの秘密のひそひそ話にも遠慮なく乗り込んで行ってしまうのです。「え!?君は〇〇ちゃんが嫌いなの!!?なんで!?」息子はこんなデリカシーのないことを、大声で言ってしまいます。当然、言われた女の子たちは激怒です。「あなたに話しかけてない!!」「こっちで話してたのに、入ってこないで!!」別のグループの男の子たちも息子に怒鳴りつけます。「おまえに話しかけてない!!」「向こう行け!!!」息子はそのたびに落ち込んで、家に帰ると堰を切ったように泣きます。それでも翌日からは同じことを繰り返してしまうようです。聞こえる会話全てに首を突っ込み、クラスメイトに怒鳴られて帰ってくるのです。私はこの息子の行動は、ADHDの「衝動性」が関係しているのだと思っていたので、どうしたら衝動性を少しでも抑えることができるのか、必死に考えていました。けれども、息子の話をよくよく聞いているうちに、これは衝動性の他にも別の要因が引き起こしていることだということが分かったのです。「聴覚過敏」の引き起こしていたもの出典 : 「また友達にうるさい!って言われた…」と言いながら帰ってくる息子に、私は「自分に話しかけてくる会話以外には入っちゃいけないよ」と言いました。すると、息子からは意外な一言が飛び出しました。「お友達の会話が、全部僕に話しかけてくるように聞こえる…」「声の大きさも全部、同じに聞こえるよ」そして息子はこう続けます。「みんなは、自分にだけ話しかけてくる声がどうして聞き分けられるの?」私は「なるほど…」と頷きました。息子は衝動的に人の話に首を突っ込んでいたわけではなく、自分にだけ語りかけてくる声、とりわけその音量を判別する力が弱かったのです。人には「カクテルパーティ効果」と呼ばれるような必要な情報だけを無意識に選択する能力が備わっていると言います。けれども、聴覚過敏がある子どもは、その過敏性がゆえに、音からの情報を取捨選択する力が弱いのかもしれないと思い至ったのです。息子がみんなの会話に首を突っ込んでしまうのは、まさにこの聴覚過敏が引き起こしていたものかもしれません。自分の当たり前は、この子には当たり前ではない出典 : 私は息子の「聴覚過敏」がクラスの人間関係にまで影響を及ぼしているとは知らず、当初はとてもショックでした。クラスの休み時間にまでイヤーマフを持ち込むわけにはいきません。何よりも、息子はクラスメイトたちと休み時間に話をするのが大好きです。けれども、周囲の話し声が一様に自分に話しかけているように聞こえてしまうため、どの声に応答したらよいのか分からず、オロオロしているようでした。そこで私は息子に、一つの指標を教えました。「息子くん、療育で、人の目を見ると褒めてもらえたよね?なんでだと思う?人の目を見ると、自分に話しかけているかどうかが分かることが多いんだよ。息子くんに話しかける人は、息子くんの目を見ていることが多いから、まずは相手が自分の目を見ているかどうか確認してみると良いかもしれないよ。」息子はこのアドバイスに納得し、最近は人の会話に入るときにワンクッション置くことができるようになったようです。とはいえ、全ての会話が同じ音量で聞こえてくる状態は今も続いており、帰宅するとぐったりとしている様子が見てとれます。ですので、クールダウンの時間を持たせることを心がけています。発達障害の子どもは、私たちが思っている以上に騒がしく、自分向けられた声を拾ってゆくだけでも疲れるような世界に生きているのかもしれません。
2017年12月12日ADHDへの新薬インチュニブってどんな薬?出典 : インチュニブは、グアンファシン塩酸塩という薬の商品名で、小児用のADHD治療薬です。グアンファシンという成分が脳の情報伝達機能を助け、ADHDの多動性、不注意、衝動性の症状を改善する効果があります。日本で製造販売が承認され、販売が開始されたのは2017年5月ですが、アメリカ、イギリス、オーストラリアでは以前からADHDの治療薬として、コンサータ、ストラテラと共に使用されてきました。インチュニブは、患者の体重、症状、薬の効き方を踏まえて飲む量を決めるので、医師の処方が必要です。また、処方される年齢は6~17歳までと決められており、6歳未満、18歳以上の患者が使用した場合の安全性、有用性はまだ確認されていません(2017年12月現在)。従来の薬とは違う作用で働くため、ストラテラやコンサータでは効果を感じられなかったり、副作用などにより継続できなかった人への効果が期待されています。次の章からは、インチュニブが働く仕組み、用法・容量・副作用のリスクなど、インチュニブ使用を考える上で知っておきたい情報を解説していきます。インチュニブが働く仕組み出典 : この章では、インチュニブがADHDの症状に作用する仕組みをより詳しく解説します。ADHDの原因は解明されていませんが、脳の前頭前皮質という部分での情報伝達に問題があるとされています。中でも、シナプスという情報の送受信をする部位がうまく働かないことが原因の一つではないかと言われています。そのため、外から入ってきた情報をうまく取り込んだり処理をしたりするのが難しく、自分の注意や行動をコントロールできなくなると考えられています。そして「落ち着きがない」「注意が長続きしない」「衝動的に行動してしまう」といった”多動、不注意、衝動性”の症状としてあらわれます。ADHDのある人の中には、以下の図のように後シナプス(情報を受け取る側)に伝達された情報が漏れ出てしまい、神経伝達量が減少してしまっている場合があると考えられています。Upload By 発達障害のキホンインチュニブの役割は、後シナプスの情報の取りこぼしを減らすことです。インチュニブの主成分であるグアンファシンが、後シナプス中のアドレナリン受容体という物質を活性化させることで、シナプス内のHCNチャネルという穴を塞ぎ、入ってきた情報を漏れにくくさせます。Upload By 発達障害のキホンしたがって、より多くの情報を伝達できるようになり、覚えられる情報の量や、その持続力も高まります。その結果、多動、不注意、衝動性といった症状の改善に繋がるのです。インチュニブの用法・用量出典 : 前の章では、インチュニブがADHDの症状を改善させる仕組みを解説しましたが、その効果が適切に発揮されるためには、決められた用法用量を守ることが必要です。インチュニブは1日1回服用する薬です。飲む量は、医師が体質、症状、薬のきき方などをもとに決めます。飲む時間帯はなるべく決まっていたほうが良いでしょう。インチュニブと併用すると、効果が変わったり、副作用が出たりする薬や食品があります。もともと服用している薬がある場合や、インチュニブを服用しながら他の薬を服用することになった場合は、主治医に相談しましょう。以下がインチュニブとの併用に注意すべき薬などの一例ですので、確認してみてください。・バルプロ酸・中枢神経抑制剤・インチュニブの血中濃度を通常よりも上げる可能性のある薬(イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン など)・インチュニブの血中濃度を通常よりも下げる可能性のある薬(リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン など)・血圧を低下又は脈拍数を減少させる作用のある薬・アルコール参考:患者用小冊子│シャイアージャパンインチュニブの対象年齢は6歳~17歳です。6歳未満、18歳以上の年齢における有効性・安全性は確認されていません。インチュニブの副作用のリスクと対処法出典 : インチュニブには、いくつかの副作用が認められています。販売元であるシャイアージャパンによって国内での承認時に行われた臨床検査では74.8%に副作用が認められました。主なものは、傾眠(うとうとする)57.5%、血圧低下15.4%、頭痛 12.2%でした。インチュニブ服用時に特に起こりやすい副作用としては、低血圧、徐脈(心臓の拍動数が異常に減少する)、鎮静、傾眠があります。インチュニブの成分であるグアンファシンはもともと血圧を下げる薬として使われていたこともあり、服薬中の血圧の変化には注意が必要です。重大な副作用としては次のような事例が挙げられます。・低血圧(5%以上)、徐脈(5%以上)血圧の低下や、脈拍の低下により失神につながることがあります。インチュニブ服用中は血圧の変化に気を配りましょう。・房室ブロック(0.5%以上)徐脈の一種で、心臓がリズミカルに血流を送る働きに異変が生じることを言います。房室ブロックが悪化すると失神を起こすことがあります。・失神(頻度不明)低血圧、徐脈が悪化すると失神が起こることがあるので観察を十分に行い、めまいやふらつきなどの異常が認められた場合には主治医に相談しましょう。副作用を抑えるためには、適切な使用方法を継続することが重要です。特に、次の2つに注意しましょう。・毎日飲む毎日欠かさず飲むことで、効果が正しく出るだけでなく、副作用の防止にも関係します。グアンファシンは血圧を下げる働きがあるため、適切な量を安定したペースで飲まないと、前述の副作用が起こるリスクが高まるからです。万が一飲み忘れた場合は、主治医に相談しましょう。・服用を勝手にやめないいきなり服用を中断すると、一時的に血圧が上がったり、脈拍数が増加したりすることがあり、海外においては高血圧性脳症(急激な血圧上昇で頭痛、吐き気、けいれんなどが 生じること)に至った例が報告されています。その他、こまめな経過観察をして、少しでも気になることがあれば主治医に相談しましょう。参考:使用上の注意の解説 P.32│シャイアージャパン参考:『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第4版 』(ADHDの診断・治療指針に関する研究会 齊藤万比古編/株式会社じほう) P.242インチュニブとコンサータ、ストラテラとの違い出典 : ここまで、インチュニブの基本的な情報を紹介してきました。この章では、インチュニブ発売前からADHDの治療薬として使われてきたコンサータ、ストラテラとの違いを説明します。脳内のドーパミンやノルアドレナリンが少ないとADHDの症状が出ると考えられていますが、インチュニブは、後シナプス(情報を受け取る側)に作用し、受け取った情報が流れ出ないように栓をする働きを助けます。一方、ストラテラとコンサータは、前シナプス(情報を送信する側)の働きを助け、前シナプスにこれらの神経伝達物質が再取り込みされてしまうことを防ぐ作用などがあります。つまり、従来のコンサータとストラテラは情報の送信を助け、インチュニブは受信を助けるという違いがあるのです。それぞれの薬は効き方や副作用が異なります。下の表を参考にしてみてください。Upload By 発達障害のキホンこれらの中でどの薬を処方するかは、本人の体質や症状、置かれた環境を総合的に判断して、最適な薬を医師が決めます。なお、一つの薬で効果がみられない場合でも、他の薬で効果がみられる場合もあります。ストラテラの解説記事で詳しく紹介しているのでご参照ください。まとめ出典 : インチュニブは、小児用のADHD治療薬の一つです。脳の情報処理を助け、多動性・不注意・衝動性の症状改善に効果があります。信号を送る側の神経伝達物質に作用していたストラテラ、コンサータとは違う作用機序をとるために、今までの薬物治療で効果を感じられなかった人の選択肢が広がることが期待されています。治療薬の選択肢が広がってきた一方で、薬物治療というのはあくまでも困りごとを解決するための一要素にすぎないということを忘れないでください。本人が自分の力で生きていくスキルを獲得する過程での補助的な役割として治療薬を利用しながら、適切な環境設定やSSTなどの取り組みも並行して行うとよいでしょう。参考:『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第4版 』(ADHDの診断・治療指針に関する研究会 齊藤万比古編/株式会社じほう) P.242参考:患者用小冊子│シャイアージャパン参考:使用上の注意の解説│シャイアージャパン参考:添付文書│シオノギ製薬参考:インタビューフォーム│シャイアージャパン
2017年12月08日放課後等デイサービスの送迎加算、廃止の方向へ出典 : 現在、厚生労働省では、平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて検討チームを設け、議論を進めています。11月27日には、居宅介護に係る報酬・基準について論じられたほか、「横断的事項」の論点のひとつとに”送迎加算”の取扱いが取り上げられ、見直しの方向での提案がされました。なかでも、発達ナビユーザーに大きな影響がありそうなのが、放課後等デイサービスでの送迎に関する提案です。検討チームは「放課後等デイサービスについては、送迎サービスがついて利用料の自己負担が軽いこともあって、連日夕方遅くまで預けられることや、送迎車に自宅まで送られ、生徒の公共交通機関を使う能力が落ちていることなどが指摘されている」と指摘しました。そして「放課後等デイサービスについては、障害児の自立能力の獲得を妨げるような形での利用を防ぐことができるよう、障害の程度や公共交通機関がない等、自主的な通所ができない特段の事情がある場合を除き、送迎加算の対象外としてはどうか」とし、加算見直しの提案がされました。第15回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料現在は、全国で9,153カ所、約87%の事業者で送迎加算が算定出典 : 現在、放課後等デイサービスを行う指定事業者は10,492カ所あり、そのうち障害児については9,153カ所、約87%の事業者で送迎加算が算定されています(重症心身障害児については333カ所、約3%で送迎加算が算定されています)。(2017年4月時点)「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」では障害の程度や公共交通機関がないなど、自主的な通所ができない特段の事情がある場合を除き送迎加算の対象外とする方針が示されていますが、公共交通機関がないことの基準をどう決めるのかなど、「特段の事情」の範囲が明確でないと、混乱がおこるかもしれません。放課後等デイサービス利用者への影響9,000カ所以上の放課後デイサービスの事業所で実施されている送迎で、加算が算定されなくなると、送迎ができなくなったり、利用者が送迎費用を負担するようになることも考えられ、障害のある子どもを持つ家庭に影響がでる可能性があります。今後、どのように議論が進むのかについて、注視していく必要があります。
2017年12月08日ついに!初めてひとりでお支度をやってのけたと思ったら…“しっかりしてる”とは程遠い我が家の長男の平日の朝は毎日毎日「ほい!ハンカチ!」「はみがきしたー!?あと10分で出るよー!」「そろそろランドセルしょってーーー!」なんて私の大声が飛び交うのが恒例なんですが、Upload By ラム*カナなななななんと、誰にも何も言われず、出発時間にランドセルを背負い、登校準備を完了させているではないですか!!Upload By ラム*カナ感動したのもつかの間…Upload By ラム*カナはい、着替えてませんでしたよ、っと。スムーズな朝は、まだまだ遠い。
2017年12月08日Upload By 発達ナビニュース即日完売の「究極のコーヒー」。焙煎したのは、15歳の少年でした2017年4月、群馬県桐生市に、小さな珈琲焙煎店 「HORIZON LABO」(群馬県桐生市)が誕生しました。コーヒーを焙煎するのは、アスペルガー症候群のある15歳の少年、岩野響さん。彼には幼いころから、調味料の違いもすぐに分かってしまうほどの鋭敏な味覚と嗅覚がありました。その特別な感性で生み出されたコーヒーは、たちまち評判になったのです。10歳で診断を受け、中学校で大きな壁にぶつかった岩野さんは不登校となりました。そんな時、両親の知人がくれた”小さなコーヒーの焙煎器”との出会いがきっかけとなり、人生の転機を迎えます。それ以降、岩野さんは、持ち前の鋭い味覚と嗅覚を生かして焙煎を行うようになります。そして、コーヒー界のレジェンド「大坊珈琲店」の大坊勝次さんとの出会いをはじめ、さまざまな人との交流を通して、いつしか「コーヒー屋さんをオープンしたい」と思うようになっていきました。発達障害のぼくにしかできないことを綴った『15歳のコーヒー屋さん』が発売岩野さんが、どのように自身の発達障害特性と向き合ってきたのか。家族や周囲の人々との対話、コーヒーとの出会い……”ぼくができることから、ぼくにしかできないことへ”という思いを胸に、好きなことを仕事にできるようになるまでには、どのような日々があったのか。幼少期からの生い立ちやさまざまな出会い、両親の言葉とともに綴られた本が、この度発売されることになりました。■幼少期のぼく・ぼくはアスペルガー症候群・「育てる」より「サポート」でいいほか■大きな壁にぶつかった中学時代・教室にも、部活にも、ぼくの居場所がない・できることに目を向けたら、可能性が広がったほか■働くことで新しい世界が広がる・ぼくがコーヒーに目覚めたきっかけ・15歳の4月にどうしてもオープンさせたかった・焙煎士が適職だと確信した理由ほか■ぼくの仕事はコーヒー焙煎士です・人見知りのぼくもコーヒーのことなら饒舌に・自分の好きなことを仕事にしているから障害がないほか(目次より)特性を強みに変え、好きなことを仕事にしたら、障害がなくなったーそんな岩野さんの生き方は、多くのことを教えてくれます。「HORIZON LABO」オリジナル、月替りの焙煎コーヒーの通販がスタート!出典 : 年春にオープンした「HORIZON LABO」は、想定をはるかに超える数の来店があり、現在は、岩野さんが焙煎研究に専念できるよう店舗での直販は休止されています。ですが、手回し焙煎器と大型焙煎器を使い分け、通常の倍以上の時間をかけて焙煎されるコーヒーを求める声は大きく、通販カタログ「毎日が発見ショッピング」のオンラインストアで購入することができるようになりました。毎月1種類だけ販売される、季節に合わせたオリジナルのコーヒーを通販で手に入れることができます。 COFFEE Roaster Laboratory「今月のHORIZON COFFEE」を、発達ナビで毎月紹介!Upload By 発達ナビニュース発達ナビでは、これから毎月「HORIZON LABO」の月替わりコーヒーをご紹介していきます。12月の月替わりコーヒーは、甘味、苦み、酸味のバランスがすばらしいフレンチロースト。「つめたい/丸い/儚い/けむる/飴色の光淡い、僕の冬の記憶。甘味、苦味、酸味。それぞれが共存しあう淡い味わいと香りを感じていただけたらと思います」(岩野さん)岩野さんの物語とともに、この季節にぴったりの極上のコーヒーを、ぜひ味わってみてください。
2017年12月07日入学当初はパニックになっていた娘。学校での様子が気になる…1年生になった娘。入学当初は、ちょっとしたことでもパニックを起こしていました。しかし、家庭で娘の気持ちに寄り添い、共感して気持ちを言葉にしてあげる「気持ちの同調・代弁」を続け、「こんなときはどうしたらいいか」などと、解決方法を親子で一緒に考えていったり、娘自身も一つずつ経験を重ねたりすることで、学校でパニックを起こすことも少なくなり、少しずつですが成長している様子でした。でも…やっぱり不安はぬぐえません。Upload By SAKURAとはいえ、小学校の様子を見に行くこともできない…。なんとか、娘の学校の様子を見ることができないだろうか…そんな風に考えていた時にやってきた、授業参観の案内!これで、娘の学校の様子が見られる!そう思って、意気揚々と授業参観へ行きました。初めての授業参観。ああ~、やっぱり心配的中かも!?初めて行った授業参観は、入学して1ヶ月後ぐらいでした。娘は私を見つけ、嬉しそうにニコニコ。授業が始まっても、どこか落ち着かない様子で、ソワソワ。私の方ばかり見て、先生の説明を聞いているのか、いないのか・・・。口元を見ると、なにやらブツブツとつぶやいている。やっぱり、心配していたマイワールドが発動してしまっている!!やきもきしながら私は、ひたすら前を向くようにジェスチャー(笑)で、伝えていましたが、娘はそれでもヘラヘラ。Upload By SAKURA難しいと思っていたけど、娘なりに作文の発表できてる(涙)しかし、作文の発表になると娘は、さっきまでのヘラヘラした感じはどこへやら!Upload By SAKURA最初に先生が説明した「発表する人のやりかた」通りの手順を守り、前に出て大きな声で堂々と作文を読みました。自分の発表が終わると、他の人の発表を聞き、終わった人にきちんと拍手をしています。質問時間には自分から手を挙げ、質問する姿をみることが出来ました。視覚優位の娘は、耳で指示を聞きとることが苦手。この時も、先生が口頭でした発表の注意点が、うまく聞き取れていないようでした。しかし娘は、先生が字で書いていた「発表する人のやりかた、聞き方」を読み、手順を理解していたのです。さすがに質問までは、難しくてできないだろう…と思っていたのですが、他の人がしている質問を聞いて、同じような質問をしていました。それは、自分で考えだした質問ではなく、ほかの子の真似だったかもしれません、でも、娘は自分なりに質問をしようと頑張っていたのです。娘がわからない時の解決策を、自分で考え出し、行動したその姿に、私は驚き、とても感動しました。そして、授業参観の回数を重ねるたびに、娘はすごい成長を見せてくれました。体育の授業参観で見えたのは娘の長所次に行った授業参観は、体育。かけっこの授業でした。Upload By SAKURA他の子が走っている間、ほとんどの子が、黙って見ていたり、騒いだりしている中…娘は、一人、走るお友達を大声で応援し、走り終わったお友達に、誰もやっていない拍手までしていました。娘は、他の子が誰もやっていないことでも、恥ずかしがらずに自然とできる子でした。でも、学校でもお友達のことを一生懸命応援できる、堂々としたその姿を、とても誇りに思いました。周りの子に支えてもらえている姿も嬉しい!そして片づけの時、先生が、「男の子は○○片づけ~女の子は○○ね~」と全体へ指示をしていたのですが…娘はこれを聞き取ることができず、おろおろしていました。Upload By SAKURAその姿を見たクラスの女の子たちは、すかさず声をかけ、指示をしてくれていました。さらに、その指示を聞いても、違う方向へ行ってしまう娘を、他の子がすかさず捕まえ、「こっち!」と促してくれていました。娘は、私の知らないところで、周りの子に支えてもらえるという人間関係を、しっかり築けているようでした。みんなと笑ってやり返せるまでに成長したんだね授業後、近くにいた女の子たちが娘に近づき、なんだかふざけ合った遊びが始まりました。Upload By SAKURAそれは私から見ていて、そこそこ激しい遊び。以前の娘なら嫌がって泣くレベルでした。しかし、みんなと同じようにやり返したり、笑いあう姿。小学校生活という社会で、娘はなんとか順応して頑張っているんだ…と感じました。小学校に入る前は、うまくやっていけるか不安だったけど…小学校に入る前は不安に思っていました。この子の特性で、お友達ができないんじゃないか、うまくやれないんじゃないか、そう心配していましたが…入ってみれば、なんとかやっている娘。もちろん、喧嘩もあります。物を取られたり、口喧嘩で負けたりして、泣くことがあると、先生から報告を受けたりします。喧嘩は娘に限ったことではなく、みんなが経験することですが、先生から聞いて、泣く日が続いているとわかると、心配で、様子を見に学校に迎えに行ったりもしました。先生に直接、様子を聞きに行ったりもしました。でも当の本人に、「泣いたの?大丈夫?嫌なことあった?」と聞くと、喧嘩したことなど全く気にならないようで、「え?なにが?大丈夫よ?」「学校たのしいよ!」と言います。喧嘩した相手でも、次の日には「おはよう!」と元気に声をかけますし、お友達のことを悪く言ったこともありません。学校という社会に踏み出した娘を見守りたいきっと学年が上がるにつれて、娘も含め、周りのお友達も精神的に成長していくでしょう。そうなると、良くも悪くも、おそらく今のような日々がずっと続くわけはないと思います。お友達が助けてくれなくなることも、あるかも…お友達とけんかをしても、泣かずに済むようになるかも…けんかやトラブルの種類もまた変わってくるでしょうし、人間関係、学校生活、勉強…様々な壁がやってくると思います。そして、そのたびに私の方が、頭を抱えてしまうのでしょう(笑)先のことを言えば正直不安は尽きませんが、その時その時で、私にできることをしていけたらいいなと思います。Upload By SAKURA小学生になった娘。小さいですが、社会に踏み出したその姿を、見守っていこうと思いました。
2017年12月06日Upload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽん長男が3歳の頃のクリスマス。クリスマスに関するものやサンタクロースが登場する絵本を読んだり、イルミネーションやツリーを見せてはクリスマスの説明をしたりしましたが…まったく分かっていないようでした。「クリスマスプレゼント、何が欲しい?」と聞いてみても、「ダメー!」と話を終わらせてしまいます。その頃の長男は、答えが分からなかったり、答えられない質問をされると「ダメ!」と言って会話を終わらせようとすることが多かったのです。もともと物欲もない上に、クリスマスの意味も分からず、「なんでそんなこと聞くの?」と戸惑っていたのか…?そんな状態で、クリスマスを楽しみにしている様子も感じられませんでした。私は「3歳のクリスマスも“子どもが楽しむ”クリスマスにはならない」のかなぁ〜と、少し寂しく思っていました。クリスマスプレゼントが届いたけれど…Upload By ぽんぽん12月25日なんて日付までは長男にはまだわからないんだから、早く開けて遊ばせていいよ〜と贈り主であるおばあちゃんが言うのでUpload By ぽんぽん自分から欲しいとは言わなかったものの、目の前に現れた車のおもちゃに大喜び。何度も「サンタさんからだよ!とか、クリスマスのプレゼントだからね!」と言ってみたものの長男は分かっているのか分かっていないのか、特に反応はなく、ただただ目の前にある車で遊ぶばかりでした。4歳になった長男。クリスマス前に、母が驚くコトを言った!Upload By ぽんぽんテレビでクリスマスの映像を見て嬉しそうにする長男。幼稚園に通うようになり、季節のイベント毎に製作をするので、以前よりもイベントを理解するようになっていました。今年こそはクリスマスを楽しめるかも!と思い聞いてみると…Upload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽん去年クリスマスへの反応が薄かった長男ですが、しっかりと覚えていたのです!それもクリスマスツリーの下で開けたわけでも、ご馳走やケーキを食べた後で開けたわけでもないいつもと同じ日常の中でプレゼントを開けたのに…"赤い車はクリスマスプレゼント"だと、私の話を聞いて、理解していたことに驚きました。去年のクリスマス…『どうせ分かってないだろう』なんて言わないで、ちゃんとやってあげればよかったな…と後悔。Upload By ぽんぽん今年からは記憶に残る楽しいイベントを増やしてあげたいなと思います。
2017年12月06日先日、長男の通う小学校でマラソン大会があったので、同じクラスのママ友さんと一緒に応援に行ってきました。ただ、そのママ友のところの息子君は、学校行事を親に見に来られるのが恥ずかしくなってきたようです。Upload By ラム*カナ2年生ともなると、そういう感じになる子もいるんだね…。成長かぁ…。そんなことを思ってた矢先に、先頭集団がやって来ました。速い子は速い!そして続いてやってきた中間グループの中にうちの長男を発見!すると…Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナまるで「パァァァ・・・ッ」と音が聞こえてきそうなほどに、なんとも嬉しそうな表情に変わるではないですか!そして次の瞬間。Upload By ラム*カナ鈍行列車から新幹線に変わったかのごとく、バビュン!とスピードを上げ走り去った長男…。私は思いました…「間違いない。あれはやる気スイッチが押される瞬間だった。」と。(ちなみにこの後、5人くらい抜かして順位を上げたそうです。)そしてその日の下校時間。Upload By ラム*カナいつものように途中の道まで迎えに行くと、Upload By ラム*カナ私の顔を見ての第一声に、そんな嬉しい感謝の言葉を…!(キュン)Upload By ラム*カナそしてサラリとまた嬉しいことを…!(再びのキュン)実は長男、小さいころは癇癪がひどいタイプでした。ちょっとしたことでもパニックになり、そこから大泣きになり、1時間以上泣き続けることもたくさんありました。困ることがたくさんありました。ただ、私はそのときも「この子は感情がストレートなのだな」と思っていました。だからその分、嬉しいことにも全力で喜ぶし、楽しいと感じたら素直にそれを表現してくれる…そんな子でした。この“ストレートな感情”が、今では長男の長所だと思っています。嬉しいから喜ぶ。嬉しいからがんばる。嬉しいから伝える。そんなことが素直にできるって、実は難しかったりもすると思うのですが、感情がストレートな分、素直に表現できてしまう長男。いつもすごいなぁと感心しています。そしてそんな長男が、私はとても愛しいのです。
2017年12月05日発達が気になるお子さんや、障害のあるお子さんがサポートを受けることができる場所である、「放課後等デイサービス」や「児童発達支援事業所」。発達ナビでは「施設情報」のコーナーから、お住まいの地域の教室を簡単に探すことができます。また、各教室の特徴や、利用者の声も合わせて知ることができるので、お子さんにぴったりの教室を探すことができます。今回は、神奈川・埼玉・千葉・茨城で情報をアップデートしてくださった教室をピックアップ!気になる施設を見つけたら、「ページを見る」をクリックして、詳しい情報をチェックしてみてくださいね。発達ナビ「施設情報」神奈川県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報200坪の自然豊かな敷地を持つどろんこランドでは、個性を伸ばし将来に役立つスキルをより多く身につけることを目指しています。対人コミュニケーションスキルの向上を中心に、農業体験や釣り、BBQなど、年間を通してさまざまなイベントが行われているほか、生活能力向上や自立、就職のために必要な療育を行っています。Upload By 発達ナビ施設情報学習支援に力を入れるスマイリーキッズでは、社会生活に必要な技能や知識・マナーの習得に加え、学校の宿題のサポートなどを実施。PCスキルの習得にも力を入れているほか、漢字検定、数学検定、英語検定、プログラム検定(初級~)などの取得を目標に、集中力、計画性、創造性を育む支援を実施しています。Upload By 発達ナビ施設情報プレップサポートセンター和田町では子どもに合わせた療育計画を作成し、生活力や集団生活への適応力を向上させる支援を行っています。また、プリント学習を導入し「ひとりで、できた!」を積み重ね、自己肯定感を養う学習支援を用意。スタッフは各事業所内で行う研修だけではなく、外部講師を招いての研修会にも参加しスキル向上を目指しています。神奈川県の「放課後等デイサービス」を探す!神奈川県 児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラスセンター北教室では、発達段階に応じた課題に子どもたちが楽しく取り組みながら自己肯定感を伸ばし、通うのが楽しみになる教室を目指しています。スタッフはコペルで認定された指導員が在籍。毎回異なった教材を使用し、お子さんの発達段階に応じた課題に、楽しく取り組んでいきます。神奈川県の「児童発達支援事業所」をもっと見る埼玉県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ハッピーテラスみずほ台教室では、「身体スキル」「学習スキル」「生活スキル」「社会性スキル」のトレーニングを通じて、楽しく毎日を過ごせるようにサポートをしています。独自の研修を修了した講師が、子どもたちの発達課題に合わせてトレーニング内容や教材を調整し、段階を踏みながら成長へと導きます。埼玉県の「放課後等デイサービス」を探す!千葉県 児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報にじいろデイズ市川新田では、発達に課題のあるお子さんへのレッスンと、暮らしの中での困りごとの解決に向けたご家族へのコンサルティングを実施。ご自宅や在籍園など日常生活の中で取り入れやすい具体的な工夫を、相談を重ねながら一緒に見つけていきます。千葉県の「児童発達支援」を探す!茨城県 児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ソレイユ守谷は、子どもの特性にあわせて、運動、療育、学習をバランスよく取り入れ、お子さんの特性に合わせたプログラムを提供しています。「できた!」の積み重ねによって自己肯定感を養う支援を実施。教育や福祉に携わってきた専門スタッフのほか、児童発達専門アドバイザーの協力のもと、利用者に喜ばれるサービス提供を目指しています。茨城県の「児童発達支援」を探す!おわりに出典 : いかがでしたか。気になる施設がありましたら、「~のページを見る」のボタンを押してみてくださいね!教室の先生たちが書いているブログや、利用者の方が投稿した口コミなどを見ることもできます。「空き状況を知りたい!」「教室見学をしたい!」と思ったら、WEB上からもお問い合わせを行うことができますので、ぜひ試してみてください。今後も掲載数がどんどん増えていきますのでお楽しみに!
2017年12月05日食事にこだわりがある娘との生活出典 : 物心がつくころから娘は味覚が鋭く、食事にとてもこだわりを持っていました。私が作る料理も「これはイヤ」と一度言い出したら決して食べません。こんな場合の常套手段である「ちょっとだけ食べさせて大げさにほめる」とか「細かくして他の料理に混ぜる」ということは思いつきはしたものの、実行には移せずじまい。私自身がアスペルガー症候群で、演技のようなやり取りが苦手だったり、料理を上手にこなすことができなかったりしたことも関係していると思います。娘は、スーパーのお惣菜を「薬品臭いにおいがする」「独特な味がしてイヤ」と受け付けないので、私は手抜きもできなくて常にイライラ。逆に、気に入った食材、たとえばお餅などは、1週間くらい食べ続けてみたり、また突然食べなくなったりといった調子で、どうしたらいいのかわからず、正直疲れ切っていました。保育所に通うようになってからは、給食で栄養バランスが少しでも良くなればと気が楽になっていたのですが、小学校2年生からは不登校になって食事の管理がぜんぶ親にかかってくることになりました。自分の食事も3食作れない私にとって、娘の栄養バランスを考えることは荷が重すぎて、それだけでイライラ・憂うつな気持ちでいっぱいでした。それに加えて不登校ならではの独特な問題が出てくるようになったのです。娘の昼夜逆転生活。その食事はというと…出典 : 不登校になった子どもたちは心身ともに疲れ切っているうえに、学校に行けない自分を責めて、みんなが活動的に過ごす昼間に起きていることを苦痛に感じるようになるケースがよく見られるといいます。それゆえ昼夜逆転の生活になることが多く、食事をとることにも意欲がなくなり、好きなものしか口にしなくなったり、まったく食べなくなったりすることもしばしばあるそうです。娘も例にもれずきちんとした食事はしなくなり、カップ麺や冷凍食品、コンビニで売られているスパゲティやたこ焼き、レトルトハンバーグばかりを欲しがるようになりました。初めのうちは私も「好きなものばかり偏って食べていて大丈夫なのかな?」「私が弁当を作って置いておかなくてはいけないんじゃないか」と思い詰めていました。しかし、次第に私自身が体調も崩してしまったので、それ以上の手間をかける気力もなく、何とかしたいと思ってもどうしようもない状況が続いたのです。昼夜逆転の生活… 不登校のカテゴリを閲覧して…時がたつにつれ、娘に思わぬ変化が…出典 : 結局、娘には電子レンジと電気ポットの使い方を教え、好きな冷凍食品やカップ麺を買い置きして自分で好きに食べてもらうことにしました。一旦、それでいいと割り切ったのです。様子を見ながら、私が家にいるときにガスコンロを使って袋ラーメンや、鍋で温めるタイプの冷凍食品を自分で作れるようにステップアップしていきました。意外にも、娘はそうした生活を楽しんでいました。私の手を煩わせることなく好きなものを好きなときに食べられることは、「自分でも食べていくことができる」という自信を娘に与えたようです。そしていつからでしょうか、次第に娘は料理に興味を持つようになりました。ネットで見つけた料理マンガや動画サイトの料理実況動画が楽しかったらしく、マンガやスマートフォンを見ながら少しずつ料理をするようになったのです。中学生になってからはお菓子や家庭料理など、作れるレシピもどんどん広がり、さまざまな食材に自分から興味を持つようになりました。食事へのこだわりは残っているけれど出典 : 娘は今でも冷凍食品もコンビニの食品も大好きで、それで食事を済ますことも多いです。スーパーのお惣菜もなぜか相変わらず苦手なまま。だけど、料理に興味を持ったことで「世の中には食べてみると案外おいしいものがたくさんある」と知り、今ではずっといろいろなものを食べられるようになりました。「これ、苦手だと思っていたけど食べてみたら案外おいしいなぁ」というのが口癖みたいになっている姿を見ると、娘の成長を実感せずにはいられません。私も冷凍食品などに頼ることへの抵抗は薄れ、食べることを楽しめるようになった娘の様子を安心して見守ることができるようになりました。おそらく、娘のこだわりを否定するのではなく、それはそれで尊重しながら成長とともに経験を積んで変わっていくのを待つのがよかったのでしょうね。また、我が家の場合は、不登校・引きこもりという体験を通して、心の状態と食べることが密接につながっていることを実感することができました。本人が心地よく過ごせることを第一に考えて無理強いはしないこと。これが一番大切だと思っています。
2017年12月05日「楽しみは取っておく」が苦手な長男。ほかのことが手につかない…一番楽しいことは「ごほうび」として、活動の最後や、何かを頑張った後などにやりますよね。でも長男の場合、それが難しいことがあるようで…Upload By モンズースーUpload By モンズースーUpload By モンズースー私は先にごほうびを欲しがるなんて「わがまま」だと思い、時には無理やり課題に参加させてから順番通り最後にやらせていました。でも、やりたいことが気になって他のことが何もできなくなってしまうようでした。長男の中には「課題は全部頑張りたい」「でもごほうびが気になって頑張れない」「どうしたらいいかわからない」というような葛藤があるようす。その結果、その後もずっと引きずってしまい…Upload By モンズースー思い切って「ごほうび先払い制」にするほうが長男には合っているのかも!?Upload By モンズースーそんな時、幼稚園の先生はごほうびを少しだけ先にやらせてくれます。私は正直、甘やかしてしまうのでは…と思いましたが、少しだけでも「ごほうび」をやると長男は気持ちの整理がつく様子。他の活動もいつもより楽しくでき、よい結果になることがあるとわかりました。そういえば、『光とともに…』でも小学校の友達が光くんに好きなことを先にやってもらっていました。Upload By モンズースー長男も光くんも、一番楽しいことを最初にやったほうがスムーズにできることがあるのかもしれません。「先にごほうび」から少しずつ「頑張ったらごほうび」に変えていこうねUpload By モンズースー周囲からみれば先に楽しいことをやりたいなんて、やはり「わがまま」ですし、集団行動でやるには難しいことです。どうしても気になってしまう場合だけ、家で最初に「ごほうび」をやることもありますが、気になって他のことが手につかない…ということは成長するにつれ段々減りました。『光とともに…』ではお母さんが頑張ったら「ごほうび」方法で光くんに家事を教えていました。次のステップとして、うちの子もその方法で頑張れるよう、伝えていきたいと考えています。※このコラムは『光とともに・・・~自閉症児を抱えて~』の場面の中から発達障害の事例を取り上げてご紹介しています。秋田書店『フォアミセス』誌でも掲載しています。よかったらお手にとってご覧くださいね!フォアミセス|秋田書店
2017年12月02日発達障害当事者による、発達障害当事者のための居場所「Necco」Upload By 発達ナビ編集部東京の高田馬場にある「Necco」は、大人の発達障害当事者による、大人の発達障害当事者のための居場所です。高田馬場にある雑居ビルの1室にあり、18時までは一般のカフェとして発達障害の当事者によって営業され、18時以降はフリースペースとして発達障害の当事者のために場が解放されます。スペースでは茶話会やゲーム大会といったイベントも頻繁に開催されており、発達障害の当事者が気軽に集まれる居場所づくりがなされています。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)取材に訪れた日もたくさんのお客さんで賑わっており、別フロアではフラワーアレンジメント講座が開かれていました。Upload By 発達ナビ編集部本棚には発達障害関連の本が多数並んでいます。Upload By 発達ナビ編集部Neccoは自由に集まれる居場所としては2010年、カフェとしては2011年に活動をスタートしており、大人の発達障害当事者のための常設の居場所としては、日本で最初に出来た場です。今回の記事では、このNeccoを立ち上げた方であり、ご自身も発達障害の当事者である金子磨矢子さんに、活動を始めたきっかけや、長年続けていく中での苦労、活動を続けるモチベーションや今後の展望についてお話をお聞きしました。金子さんは平成28年度厚生労働省より「発達障害者の当事者同士の活動支援のあり方に関する調査」を受託し、その報告会である「発達障害当事者会フォーラム2017」を開催された主催者のおひとりでもあります。この報告会は、1月にも「発達障害当事者会フォーラム2018」として大阪で開催する予定とのことです。金子さんのインタビューから見えてきたのは、当事者活動を続けることの大切さと、当事者活動としてどう外の社会と関わっていくかという問題意識でした。ずっと自分はちょっと変な子だと思っていたUpload By 発達ナビ編集部―金子さんがご自身の発達障害について知ったのは、どういったきっかけだったのでしょうか。金子さん: 子供のころからずっと、自分はちょっと変な子だとは思っていました。しかし本格的に自分のADHDを知るきっかけとなったのは、子育てに悩み、本屋で調べ物をしていたときですね。子どもが2才の時にプレイグループに参加させたんですけど、どうにもよその子と何かが違ったんです。なかなかうまく他の子どもと交わることが出来ず、自分のやり方で自分なりの遊びをつくるのを好む傾向があって。プレイグループには、参加している子供の他にその子たちの弟や妹にあたる赤ちゃんも何人かが場にいたのですが、赤ちゃんの泣き声を極端に嫌がるそぶりも見せました。うちの子はよその子となにか違うのかしら?という答えが知りたかったんですが、当時はインターネットも普及していなかったので、しょっちゅう本屋に入り浸っては答えを探し求めていました。その時に出会ったのが『のび太・ジャイアン症候群』という本です。落ち着きがない・忘れ物が多い・後先を考えずに行動する・いじめられる…この本を読んで、子どものことはひとまずそっちのけで「これは私だ!」って叫びそうになりましたね。その場で立ちつくし、購入して帰り、何度も何度も読みました。それまでも自分自身に対する違和感はずっと持っていたんですが、こんな変わった人は自分だけじゃない、特性というものなんだと知り、この本にとても励まされたんです。よその子とは何かが違うと感じていた子どもに関しては、その後、2004年ごろですかね…テレビ番組がきっかけで、アスペルガー症候群だということに気付きました。自分が発達障害だと気づいてから起こした私の行動Upload By 発達ナビ編集部―ご自身の発達障害特性に気付いた金子さんですが、当事者としてNeccoの活動をはじめるきっかけは何だったのでしょうか。金子さん: 最初は活動というまでのものではなかったんです。SNSが普及した頃に、そのSNSの発達障害コミュニティのメンバーでリアルでも会ってみようということになり、定期的にオフ会をするようになったのがはじまりです。そうやって集まるようになっていた中で結束が強くなったのは、リタリンの処方が制限されるようになったのがきっかけです。(編集部注:現在リタリンはナルコレプシーにのみ適応)メンバーの中にはリタリンなしではADHDの症状がしんどい人もいて、これはなんとか訴えないと!ということで、厚労省の会議に傍聴に行ったり、ネット上で活動を行ったりしました。結局私たちの訴えは聞き届けてはもらえなかったのですが、この活動がきっかけで2つの願いが強まりました。ひとつは、いつでも私たち発達障害の当事者が集まれる場所がほしいということ。当時は私の家のリビングに集まってミーティングをしていましたので。そしてもうひとつは、自分たちが集まる居場所を得るだけではなく、社会に対して働きかけを行い、当事者発信で発達障害を広く知ってもらうことです。リタリンの処方うんぬん以前に、当時の発達障害の認知度の低さを思い知らされましたね。私自身、自分の発達障害を知ることが出来てよかったと思っているんです。だから今度は私が、まだ自身の発達障害に気付かずひとりで悩んでいる人の気付くきっかけになったり、居場所になれたらいいなと思って、啓発や居場所づくりの活動を続けています。また、最近でこそ「発達障害」という名前だけは知られてきましたが、「それでは発達障害とはいったい何なのか」という本質的なことは、まだほとんどの人に理解されていないのではないでしょうか。発達障害の啓発活動の動機として、生きづらさを抱えながらも自分が発達障害だと気付かずに生きている方本人に、自分自身のことを気付いてもらいたいというのもありますが、本人だけじゃなくてもっと多くの人にも発達障害についてちゃんと知ってもらいたいと思っています。というのも、発達障害に対する無理解によって苦しんでいる当事者の人がたくさんいることを知っているからです。この人たちはこういう人たちなんだよっていうことを、目に見えないのでむつかしいとは思うのですが、発達障害じゃない人たちにも分かってもらいたい。学校の先生、役所の方、会社の上司…出来ないことは出来ないんだと分かってもらえないと、当事者の方はつらいばっかりです。わざとやらない、怠けたくて障害のせいにしている、そういう風にとられてしまいがちなんですが、本当にそんなことないんですよ。むしろ精一杯努力している真面目な方が多いと思います。必要としてくれている人がいる限り、続けていきたいと思ってるUpload By 発達ナビ編集部―Neccoを続けてきた中で、印象に残っていること、大変だったことはありますか。金子さん: もう、大変なことだらけです(笑)まずNeccoをはじめるにあたり、場所探しから大変でしたね。「借りた場所を発達障害の人の居場所にしますので物件を貸してください」と言って、理解してくれた上で快く貸して頂ける場所を探すのに1年ぐらいかかりました。現在Neccoの運営母体は一般社団法人としており、非営利で運営しています。カフェの店員はボランティアで、費用の持ち出しも発生しています。とはいえNeccoを必要としてくれている人がいる限り、なんとかして運営を続けていきたいと思っています。「Neccoという居場所があるから今、学校や会社に頑張って行けている」、そういう方がたくさんNeccoにいらしているんです。なかには毎週末、長野から夜行バスでNeccoに来ている方もいます。月から金までなんとかお仕事を頑張り、金曜の夜の夜行バスで東京に来て、日曜の夜の夜行バスで長野に帰っていくんですね。また以前は40才前後のいわゆる団塊ジュニアといわれる世代の方が多かったのですが、最近は高校生や大学生といった若い方も増えてきました。当事者としてどう社会と関わりを持つかUpload By 発達ナビ編集部―今後、Neccoの将来の展望はありますか。金子さん: Neccoに関していえば、"来たかったらいつでもここに来ていいんだよ"という居場所がある状態をこれからも維持していくだけだと思っています。発達障害の人は、かつての私がそうであったように、いろんな場所で苦労している方が多いと思います。そういった人たちの誰もが気軽に来れるような居場所を準備しておきたい。欲を言えばここだけじゃなくて、もっと日本中のいろいろなところにたくさんNeccoのような居場所ができたらいいなとは思いますね。また最近力を入れていたのは、大人の発達障害当事者会に関する調査報告書の作成ですね。これは厚生労働省から依頼を受けた調査事業で、私は事業責任者をしていました。長年Neccoに関わってきて、自分たちで自分たちの居場所をつくることももちろん大切だと思っていますが、当事者たちだけでやっていくのはなにかと限界があります。というのも、当事者の生きづらさは、自分の努力や行動で解消出来る部分もありますが、当事者の周りにいる発達障害ではない人や社会の理解、配慮や助けがとても重要です。また先ほどお話したように、私は私自身が発達障害だと分かったことですごく人生が楽になった経験から、まだ自分の特性に気付かず生きづらさを感じている人に発達障害というものを知ってもらいたい。ですから発達障害の啓蒙のため、まず私が出来ることとして、当事者や当事者会の情報を取りまとめ、私たちの生きる困難さや活動を社会に向けて発信し、知ってもらう必要があると考え行動しています。長年発達障害の当事者活動に関わってきましたが、課題はまだまだ山積みです。当事者同士の活動に関して言えば、とにかくいろんな特性を持った方が集まるので、運営のむつかしさがあります。こだわりの強い特性の人同士の意見が対立して分裂してしまったり、正直当事者同士での連携のむつかしさは感じています。なんとか意見をまとめてルールをつくってみると、今度は逆にそのルールを文字通りにとらえてしまって、ルールからちょっとずれる人がいるとこだわりから許せない人がいたり。たとえばNeccoでいうと、かつてはフリースペースのクローズ時間は22時だったのですが、スタッフが大変だということで21時に変更したんですね。たまに場が盛り上がってクローズが21時を過ぎてしまうことがあったのですが、そのことに対して「ずるい」と腹を立てる方がいたこともありました。同じ発達障害の当事者同士とはいえ、特性は本当に人によってさまざまなので、いろんな国の外国人同士が集まっていっしょに何かやろうとしているような困難さを感じています。当事者活動をどうしたらいいか、ずっとそればかり考えています。しんどいと思うことも多々あります。だけど続けている、それは、私は子供の頃からずっと自分のことをダメな人間で、人の役に立つことが出来る人間ではないと思っていたんですね。そんな私が今、活動を通して、目の前の人の支えになったり、社会に働きかけを行ったり出来ている。そのことが生きがいであり、生きるよろこびだからかもしれません。見えない障害とどう向き合うか「私は私が発達障害だと気付けて心から良かったと思っています」これは取材中に金子さんが繰り返しおっしゃっていた言葉です。この記事を掲載している発達ナビのユーザーさんからは、病院へ行き診断を受けることへの心理的抵抗感や、障害受容のむつかしさなど、日々さまざまなお悩みが寄せられています。自分や自分の子どもの生きづらさ・育てにくさをどうとらえるかについて、それぞれに多様な悩みを抱えられているのだと思います。「見えない障害」であり、また「ここからこっち側は障害です」と線を引くように切り分けることは難しいからこそ、その悩みは尽きないのかもしれません。いろんな考え方があって当然で、答えはないのかもしれません。金子さんの場合、彼女は子どもの頃からずっと「自分はちょっと変な子だ」「自分は努力不足でダメだ」と思い悩んでいたそうですが、一冊の本との出会いをきっかけとして発達障害を知ったことで、自分は努力不足でもなく、親の育て方のせいでもなかったということが分かり人生が前向きに進んだと語っています。今、人知れずしんどい思いをしている人、一人でつらい思いを抱えている方が、もしこの記事を読んでくださっていたら、こういった考えや経験をもとに活動をしている人がいることや、その人がつくった居場所があることを、選択肢のひとつとして心の片隅にとどめておいていただけるとうれしいです。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)
2017年12月01日日本ダウン症協会による、初めての全国的会議「日本ダウン症会議」の様子を徹底レポート!2017年11月11日・12日の2日間にわたって開かれた、第1回 「日本ダウン症会議」。ダウン症のある人やその家族、現在第一線で活躍している専門家や研究者、支援者などが集い、「新しいダウン症像」を考えて意見交換をする、日本で初めての催しです。シンポジウムや分科会、ダンスパフォーマンスや市民公開講座など…ときに真剣に、ときに楽しく、多くの人が集まり、交流した2日間、その見どころを徹底レポートします!障害は強みや価値に変わるー「バリアバリュー」を掲げた特別講演、タレントあべけん太さんのサイン会もUpload By 発達ナビニュース第1回日本ダウン症会議は、ダウン症のある人たちが活動する「LOVE JUNX」のダンスパフォーマンスで幕を開けました。キレのあるダンスに、会場からは感嘆の声が。続いて、玉井邦夫大会長の挨拶と、株式会社ミライロで講演講師として活躍する岸田ひろ実さんによる特別講演が行われました。Upload By 発達ナビニュース岸田さんは、16年前にダウン症のあるお子さんを授かりました。その後、パートナーの突然死、ご自身が病気の影響で下半身不随となるといった様々な出来事を乗り越え、現在は株式会社ミライロで活躍しています。ご自身の体験をもとに、トラウマやコンプレックス、障害は克服すべきものではなく、強みや価値として生かしていこうという“バリアバリュー”の考え方や、さりげない配慮をしていこうという”ユニバーサルマナー”について語られました。Upload By 発達ナビニュース2日間にわたり、医療・保育・教育・福祉・就労の各分科会が開催。最新の研究や取り組みが発表Upload By 発達ナビニュース分科会では、各分野でダウン症のある人に数多く関わる専門家による、研究や課題について発表がありました。1日目の医療分野の分科会では「成人期の医療課題」について、ダウン症がある人のアルツハイマーやうつ、成人期の健康状態についてや、小児科からの引継ぎでの留意点などの解説がありました。会場からは、薬剤についての質問などのほか、「仕事・通勤のストレスから認知症を発症したようだ」という声も。「ダウン症のある人は頑張りすぎる傾向がある。無理しすぎるとうつや認知症を発症することもあり、頑張らせすぎないようにしてほしい」という専門家のコメントがありました。2日目の医療分野の分科会は、子どもの健康管理がテーマ。メガネを嫌がる場合の慣れさせ方や、発語がない場合の視力検査の方法、靴選びの方法などが紹介されました。質疑応答では、発達障害などの併存についても意見が飛び交いました。参加者には医師や研究者、支援者のほか、お子さんと一緒の保護者も大勢参加。会場は赤ちゃんや子どもの声も混じり和やかな雰囲気でした。参加したお母さん方は、「普段の短い診療時間では聞けない話が聞けた」「成長するとどうなっていくかイメージしやすくなった」「本には載っていない具体的なデータを知ることができた」と話してくれました。そのほか、保育分野「就学前段階での実践事例」、教育分野「小学校段階での実践事例について」「中学・高校段階での実践事例」、福祉分野「障害児者をめぐる法的な動向」「本人の暮らしのための相談事例」、就労分野「就労の在り方について」の各分野の専門家から発表がありました。ダウン症のある人を中心にした連携。本人や家族も自分の言葉で発表をUpload By 発達ナビニュースそれぞれの分科会では専門家だけではなく、ダウン症のあるご本人や家族の発表も行われたのが、今回の日本ダウン症会議の特色ともいえます。多くの人の前での発表でしたが、新野さんはリラックスした様子で、入院時のエピソードや治療後に痛みなく働けるようになったことへの喜びを語りました。大好きな演歌歌手・氷川きよしさんの話を織り交ぜるなど、ユーモアも。終了後には「家で1日2回練習してきました。緊張しないで話せた」と感想を語りました。2日目の医療分野の分科会の座長を務めた埼玉県立小児医療センターの大橋博文先生は「医療関係者、家族、ダウン症のある人が、本人を中心に置いた視点で集まっている。発表や質問も、ダウン症のある人のよりよい健康や暮らしに向けた連携が見られたのが、今回の日本ダウン症会議でよかった点」と手ごたえを感じている様子でした。元気でかわいい親子のフラダンスで市民公開講座が幕開けUpload By 発達ナビニュース市民公開講座では、横浜のダウン症児サークル「オハナフラかながわ」のフラダンスがオープニングを飾りました。「まだ発音もハッキリしなくて言葉も出ない子も、ハンドサインに似た要素があるフラの振り付けは覚えやすいのか、いつの間にか覚えていて驚かされます。体幹も鍛えられるように思います。踊っていると自然と笑顔になれることがなによりの魅力です」と、ハマヒアポの佐々木さん。フラダンスの練習は月に2回。ダウン症のある子やきょうだい、保護者も一緒に踊っています。司会の長谷部真奈見さんに「お母さんと踊るフラはどうでしたか?」と聞かれた佐々木梨優さんは「すごく、すごくうれしくなる!」と笑顔で答えてくれました。Upload By 発達ナビニュース日本ダウン症協会として「出生前検査(診断)」について考える初のシンポジウムUpload By 発達ナビニュース今回のシンポジウムのテーマは「出生前検査(診断)」。2012年に新型出生前診断が導入されて以来、公益財団法人日本ダウン症協会は、声明や取材に応じるなどしてその立場や考え方を表明してきました。しかし、主体的に発信することや考える場を持つのは、今回の日本ダウン症会議が初めての試みです。座長を大阪医科大学の玉井浩先生、日本ダウン症協会の水戸川真由美さんが務め、足立病院院長の畑山博先生やお茶の水女子大学教授の三宅秀彦先生が産婦人科、遺伝科の医師としての専門的な立場から、出生前検査の問題をわかりやすく伝えました。出生前診断では、妊娠中にダウン症をはじめとする遺伝子疾患の可能性がわかります。検査を希望する人も年々増えています。検査の結果によって妊娠の継続をあきらめるというケースも少なくありませんが、両親が、正確な情報を得、自分たちなりの選択をできることが重要である。そのうえで、どんな選択をしても後悔させない、許容される社会にしていくことを目指すべきとの言葉が印象的でした。また、出生前診断は生まれてくる赤ちゃんを早い時期から受け入れる準備をするためにも役立つということ。その観点から母親と家族の障害受容と産後のケアについて、助産師の立場から山梨大学教授の中込さと子先生が、山梨県の取り組みを紹介しました。Upload By 発達ナビニュース最後に、ダウン症のタレントとして活躍するあべ けん太さんが登壇。満員電車に揺られ通勤する仕事のこと、休日に楽しむビールやゲームのことなど日常の姿をユーモアたっぷりに教えてくださいました。厚生労働省の研究班の社会調査でも、ダウン症のある人の9割以上が「毎日幸せ」と感じているという意識調査があります。あべさんの「おかん、産んでくれてサンキュー!」という力強い言葉や毎日を楽しく精力的に過ごす姿、そして「ダウン症のことを知ってもらうために、世界中の人に会い、テレビにも出たい!夢は世界制覇です!」という言葉は、まさにこの調査結果を裏付けるものでした。ダウン症のある人、家族、専門家が交流できた交流会Upload By 発達ナビニュース1日目の夜、大正大学内の会場で、交流会が催されました。交流会には、分科会に登壇した専門家だけでなく、日本全国から集まったダウン症のある人やそのご家族の参加も多数あり、120名以上の参加がありました。ダウン症のある人も参加するヘルマンハープの演奏でスタートし、料理を囲みながら日本各地の会員同士や、専門家との交流が生まれていました。発達ナビ編集部は、交流会に参加されていた、日本ダウン症協会の会員家族3組にお話を伺いました。Upload By 発達ナビニュース2日目の分科会で登壇し、学校教育について話す五十嵐結花(17歳)さんは新潟県からの参加。「赤ちゃんが好き。赤ちゃんをお世話する様子の動画を見るのも好き」という結花さん。「トミカも大好きで、60台以上集めている。運転免許を取って車を運転したい」と夢を語ってくれました。Upload By 発達ナビニュース愛媛県から参加の中川智仁(19歳)さんとそのご家族。お母様は「就労の分科会に参加しました。障害のある方たちの居場所づくりのために、地元で小規模作業を運営しているので勉強になりました」。お父様は、「医療の分科会に参加し、成人期の経過や気を付けるべきことが分かった」と話してくれました。Upload By 発達ナビニュース熊本県から参加した平田幸一(33歳)さんとお母様からは、「日本ダウン症協会の総会がここ数年なかったので、久々に全国の仲間と交流することができてとても有意義でした」と、喜びの声。平田さんは熊本県で支部で活動しており、毎月、体操や喫茶店体験、ボーリング、キャンプなど、余暇活動を企画しているそう。幸一さんは、水泳やバンド活動、ダンスなど多趣味。「料理が好き。カフェをやりたい」という夢もあるそうです。取材を通し、ダウン症のある人やそのご家族の、生き生きとした暮らしぶりの一端に触れることができました。また、交流会は、参加者同士交流を生み、そこからまたつながりや実践への新たな一歩が踏み出される予感を感じさせるものでした。さまざまな人がつながり、発信し続けていく大会に出典 : 日本ダウン症協会は「これからの私たち~新しいダウン症像を求めて~」と題した日本ダウン症会議を催し、シンポジウム「出生前検査(診断)をめぐって」などを通して、社会へ向けての発信を主体的に行いました。医療の技術の進歩とともに、出生前検査(診断)や新薬の開発などが進んでいます。また、世界的に、障害のみでなく、民族や宗教など、社会の不寛容が広がりつつある現実もあります。その中での、障害のある方や支援者らによる、主体的な発信は大きな意義のあるものです。ダウン症のある人や家族だけでなく、専門家や支援者も一緒に「ダウン症のある人をはじめ、どのような人にとっても豊かに生きられる社会とは何か」を問い、多様性のある社会の豊かさについて発信し続ける決意を感じられる会議でした。
2017年12月01日どうして真似しないんだろう?双子の長男と次男の大きな違い難病のあった長男は、赤ちゃんの頃から周囲の問いかけに対して反応が薄い子でした。反対に双子の次男は1歳の頃には、私や夫が手を叩けば「はくしゅ!」と言って真似をし、近所の方が「バイバーイ」と手を振れば笑顔で手を振り返す子どもでした。どうして長男は反応してくれないんだろう…。焦燥感に駆られて私が目の前で手を振ってみても、長男はガラス玉のような瞳で私を見つめるだけです。Upload By シュウママその瞳からは一切の感情が読み取れず、私はこの子には周りの風景が見えてないんじゃないかと不安になりました。けれど目の検査をしても異常はありません。1歳半を過ぎた頃、この子には何か障害があるのではないか…そんな恐れが徐々に芽生えてきた時期でした。自閉症と診断された長男。納得したものの…その後、長男には2歳で自閉症という診断が下りました。やはり…という思いが強くあり、今まで疑問に思っていた行動の一つひとつに納得がいきました。主治医の先生は「お母さんの真似をしないのは、まだ周囲への関心が薄いからだと思います。でもそれはずっとじゃない。徐々に変わっていきますよ」と力強く言ってくださいました。「本当にそんな日がくるでしょうか」さらに問いかける私に向かうと先生は「大丈夫。シュウくんにはまだ受け皿がない状態なんです」Upload By シュウママと笑顔で言ってくださいました。その言葉を聞いて、焦っちゃいけない。長男の成長を信じて待つしかないんだ――ほんの少しだけ心が軽くなりました。待ちに待った初めてのバイバイ。その後3歳になった長男は療育施設への通園が始まりました。通って数ヶ月たった頃のことです。通園する長男のバスに向けて、バイバイと手を振る私に長男は手を振り返してくれたのです。嬉しくなった私は何度もバイバイしました。すると長男は表情こそありませんでしたがもう一度手を振ってくれました。その手を見るうち、私はあることに気づきました。通常バイバイするときは相手に手のひらを向けますが、長男のバイバイは手の甲を私に向けていたのです。Upload By シュウママ口を真一文字に結んだまま手の甲を向けて振り続ける長男の姿はみんなと違っていて、驚いた私は一瞬、バイバイしていた手を下ろしてしまいました。もしかして「逆さバイバイ」…?社会性の欠落という文字を見て落ち込む私家に帰った私はさっそく長男の不思議なバイバイについてパソコンで検索しました。すると「逆さバイバイ」=「相手と立場を置き換えて行動することが難しいため、相手が手のひらを自分にむけると自分も手のひらを自分に向けてバイバイしてしまう」という文字が画面に映し出されます。Upload By シュウママ「逆さバイバイ」…まさにさっき見た長男の仕草でした。思わずため息がもれました。子どもならバイバイという日常の動作を簡単に身に付けることができると思っていたのに、長男にとってはバイバイを真似することもこんなに大変なのか…そう思ったからです。服を着るのも靴下をはくのも、どれだけ目の前でやってみせてもできなかったのは、こういうことだったのかと目の前の現実をつきつけられた気がしたのです。双子の次男と先生の言葉から気づいた長男流の成長その日、私は暗い気持ちのまま療育施設から帰ってきた長男のカバンを開けました。すると連絡帳に「今日はシュウちゃんバイバイできたそうですね。バスの先生が教えてくれました。初めてのバイバイおめでとう!」と担任の先生が書いてくれていました。Upload By シュウママそれを読んではっとしました。長男が初めてバイバイしたんじゃないか。逆さまだっていいじゃないか。ちゃんと成長してるじゃないか…!私は長男に「バイバイできたね。すごいね」と頭を撫でてやりました。すると再び長男は私に向けてバイバイと手を振りました。その目にはどうだ!という得意げな光がありました。意思の見えないガラス玉の瞳はどこにもありませんでした。この子の感情は育ってきている、ゆっくりゆっくりだけど…そのことに気が付くと涙がこぼれそうになりました。すると後ろから次男の声がしました。「わあ、シュウちゃんのバイバイは逆さまだね。“シュウちゃんバイバイ”だね!」その声は明るく弾んでいます。Upload By シュウママみんなと同じじゃなくていいんだよ。それがシュウちゃん流なんだから――先生と次男のかけてくれた言葉が暗く沈んでいた私の心に灯りをともしてくれたのです。この瞬間、他人と比較することなく長男の小さな成長を丸ごと喜べる親でありたい、そう強く思いました。
2017年11月30日中3の通知表をもらう日、救急車に乗るほどのケガをした息子LDの息子が通う中学校は2学期制なので、10月上旬に1学期の修了日があります。修了日は通常授業と修了式を受け、中3になって初めての通知表をもらう予定でした。中2までの通知表は5教科オール2でしたが、ここのところテストの点も上がっていた息子。人が変わったかのような頑張りを見せていたので、この日の通知表を本人も私もとても楽しみにしていました。子ども達を学校へと送り出し、家で仕事をしていたところ、10時頃、息子の通う中学校から電話がかかってきました。体育でバスケットの授業をしていた際に相手プレイヤーと接触し、転倒したとのことです。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ意識はしっかりあるものの、転倒した際の記憶がまったくないというリク。救急車で救急隊員の方から説明を受け、脳外科のある病院に搬送されることに。検査結果は外傷性クモ膜下出血、そのまま入院することに…Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ確かにリクの様子はいつもと違っていました。意識はあるものの、話すリズムや表情、目の焦点が合っていないのです。それなのにこの子、この後に及んで勉強する気なの!?母ちゃんびっくりだよ!目標や夢を抱え、地道に努力を続けていた息子Upload By ひらたともみ私は不安をみせまいと明るく振舞ったまま病院を後にしていったん帰宅し、言われた通り勉強道具を抱え、学校に寄り、通知表を受け取りました。そして通知表を開いたら…。Upload By ひらたともみそこに並ぶのは、3と4の成績。これまで5教科オール2だったのにも関わらず、です。勉強や進路に関しては本人に任せていましたが、普通科高校への進学を希望しているLDの息子に対し、私は心のどこかで息子が無謀な希望を抱いているのではないかと勝手に決めつけていました。元々あきらめないことの大切さを子ども達に教えていたのは、私だったのに…。息子は、自分の抱えるLDの困難さを理解した上で、それでも何倍も努力することで「ようやく人よりプラス1になる」ということを知り、私たち親の知る以上に目標やら夢やらを抱え、地道にただただ小石を集めるように、コツコツと勉強し、中3ではじめて「4」の成績を得られるまでになっていたのです。通知表を見たとき、空に向かって叫びたくなるくらい感動しました。頑張った者が報われ、LDだってできるんだ!と思うと、心から息子を誇らしく思え、肩を震わせて泣きました。しかしこのケガで、リクはリスクを背負ってしまいました。どうしよう‥‥どうしよう…。今頭の中はそればかりです。このお話は、もう少し続きます。
2017年11月29日LITALICO発達ナビの「施設情報」では、24時間いつでも施設に直接WEB問い合わせすることが可能です!また、各施設の特徴や、利用者の声も合わせて知ることができるので、お子さんにぴったりの施設を探すことができます。今回は、神奈川、千葉、栃木、大阪で、いま空きがある放課後等デイサービス・児童発達支援施設をピックアップ!気になる施設を見つけたら、「ページを見る」をクリックして、詳しい情報をチェックしてみてください。発達ナビ「施設情報」神奈川県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報おもちゃ箱かなざわは今年の9月に新しく開所した教室で、児童発達支援施設も併設しています。専門性を持ったスタッフによるキッズヨガや作文教室、音楽レクリエーションなどをはじめ、TEACCH、ソーシャルスキルトレーニング、学習支援、感覚統合療法などの支援プログラムも充実しています。また、子どもたちに提供するおやつは手作り。料理教室主催の先生がレシピ監修をおこなっている自信作です。神奈川県の放課後等デイサービスをもっと見る神奈川県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報おもちゃ箱かなざわは今年の9月に新しく開所した教室で、放課後等デイサービスも併設しています。保育所勤務経験のある管理者が中心となって、小学校就学前に必要なスキルを遊びを通して学べるようなプログラムを実施しています。子どもたちに提供するおやつは、料理教室の先生がレシピ監修を行っており、「体に優しく心に楽しく成長をサポートする」をモットーに、素材にこだわり手作りで作製しています。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス 相模原教室では、幼児教育の「コペル」で使用している教材を数多く使用したプログラムを準備しています。豊富なオリジナル教材、フラッシュカード等を使用し、認知課題・ことばのプログラム・ソーシャルスキルトレーニングなど、お子さんに合わせてバラエティに富んだプログラム内容を実施しています。また、児童指導員、保育士幼稚園教諭を始め、コペルで認定を受けた指導員が在籍。お子さんの特性に合わせた療育を行っています。神奈川県の児童発達支援施設をもっと見る千葉県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報BRIDGE新検見川では、生きる力の教室としてバランスのとれた支援を行っています。「子どもたちへの可能性を導く架け橋となる」の理念のもと、身体発達トレーニング、認知発達トレーニング、パーソナルトレーニングの3つの柱で支援プログラムを実施中です。ほぼすべてのスタッフは児童指導員及び保育士。また子育ての経験のあるスタッフも多く在籍しています。保育所等訪問支援では、就園前後・修学前後のスムーズな「移行支援」ができるよう、集団の中での課題を解消し、子どもたちの健やかな成長を促します。千葉県の児童発達支援施設をもっと見る千葉県 その他の発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報興学社高等学院では「自分らしく、君らしく」を校訓に掲げ、不登校傾向だった生徒や発達に課題のある生徒、人間関係の構築に苦手さを感じている生徒や心の病気に苦しむ生徒を積極的に受け入れています。普通高校卒業資格取得はもちろん、子どもたちが高校卒業後の社会で力強く生きていくための素地を培う教育を実践しています。自由選択授業の種類が80種以上あり、自分に合った学びを選択できるほか、希望生徒にはWISC-Ⅳ検査を実施するなど、個々に適したアプローチをできる体制を整えています。千葉県のその他支援施設をもっと見る栃木県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズメソッド宮の内店では、オンライン学習ソフトやマインクラフト・イラストレーターといったツールを使った学習スタイルを用意。また工作や実験なども行い、巧緻性や創造性、ソーシャルスキルの向上を促しています。室内は「パソコン室」「実験工作室」「学習室」「メインホール」の4つに別れており、集中して活動に取り組めるようにしています。保育士や教員を中心に、就労支援などの福祉現場で経験を積んだスタッフも在籍。お子さんが無理なく落ち着いて活動できるように配慮しています。Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズメソッド小山駅東店では、社会性を身に着けるためのソーシャルスキルトレーニングや、工場の作業を真似たロールプレイングや作業訓練の活動を実施。保育士や教員免許取得者などのスタッフが在籍しており、児童がチャレンジしているビジネス文書検定では、スタッフも一緒に受験するなどの取り組みをしています。“働く”とは何かを知ってもらいたいという思いから、どんな分野の職業があるか調べる活動を行うなど、将来を見据えた支援を行なっています。Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズメソッド真岡東店では、「個別療育」と「グループ療育」の2つを中心に、どうやったら楽しく療育ができるか考え、日々の支援を行っています。スタッフは、保育士や教員を中心に、臨床心理士など、専門性の高いスタッフが在籍。また、リトミック指導員のスタッフも在籍し、本格的なリトミックを実施しているほか、「教育版ボーカロイド」を導入しており、タブレット端末で簡単に作詞・作曲体験が出来るなど、音楽に触れる活動を積極的に実施しています。栃木県の放課後等デイサービスをもっと見る栃木県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズパーク小山駅東店では、親離れをする年齢を決め「働ける・稼げる・生活できる」を目標に、療育に力を入れています。ソーシャルスキルトレーニングや作業訓練のほか、外出を通して集団行動や時間の把握方法を学ぶ機会を作っています。放課後等デイサービスとも隣接しており、そこに通う児童との交流も実施。スタッフは、児童発達支援管理責任者のほかに保育士や教員免許取得者などが在籍していて、多様な教材を使い子どもたちへの支援を行っています。Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズパーク真岡東店では、療育グッズを幅広く取り入れ、支援に活用しています。こちらが何種類か候補を出し、最後は子ども自らが選んだアイテムを使って療育を行うので、楽しい時間を過ごすことができます。さらに、ブランコやトランポリンなど感覚統合につながる遊具も利用可能です。療育では臨床心理士が中心となり、どうやったら楽しく療育が出来るかを考え、一人ひとりのお子さんにあったプログラムを組んでいます。栃木県の児童発達支援施設をもっと見る大阪府 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービスたんぽぽ園は、アットホームさが最大の魅力。家庭的な雰囲気で、安心して通所できる事業所を目指しています。また療育とは親御さんと二人三脚で行っていくものだと考えており、親御さんのお話を聞き、寄り添うことも大切にしています。小さな頃からの成功体験の積み重ねが将来の大きな自信に繋がっていくと考え、子どもたちがのびのびと学べる環境作りはもちろん、一人ひとりに合わせた楽しく明るい療育を目指しています。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報児童発達支援たんぽぽ園では、子どもが安心して通うことができるアットホームな環境で、日常生活の基盤を構築することや、小学校に進級するためのお手伝いなどを行っています。子ども一人ひとりが何に興味があるのかを理解した上で、強要せずその子のペースに合わせた指導を実施。焦らず地道な努力を積み重ねる、それが私たちのやり方です。療育は保育士、幼稚園教諭の資格を持った指導員が実施し、園の独りよがりな療育にならないよう、スタッフ同士で密な情報共有に努めています。大阪府の児童発達支援施設をもっと見るおわりにいかがでしたか。気になる施設がありましたら、「~のページを見る」のボタンを押してみてくださいね!空き状況や教室見学について、ページから直接お問い合わせをすることも可能です。今後も掲載数がどんどん増えてゆきますのでお楽しみに!
2017年11月29日発達障害のある子の偏食、周囲から理解を得られず苦しむ家族…出典 : 「子どもがご飯を食べない」「食べられないものが多すぎる」そんな状況に置かれたら、親なら誰しも不安になっても仕方がないと思います。特に、発達障害のある子どもは、食事での困難を抱えていることが少なくありません。例えば、極端な偏食があったり、噛んだり飲み込んだりすることに苦手があったりと、食に関係するさまざまな困難が表出することがあります。特に偏食では、好き嫌いが多いという程度ではなく、一切口にできないような食品が広範囲にわたって存在することもあります。そうしたケースではごくわずかな量であっても食べることを拒否したり、我慢して食べて嘔吐してしまったりすることもあります。しかし、こんなにも大きな困難があるにも関わらず、周囲からは理解を得られず、「わがまま」「自分勝手」「甘やかしている」と誤解を受けるケースも珍しくありません。また、両親は本人の困難をよく理解していても、学校の先生から指摘を受けたり、親戚から心ない言葉をかけられたりと、家族として苦しい状況に置かれてしまうこともあります。発達障害当事者が抱える「食」への困難、その実態は出典 : 東京学芸大学の髙橋智教授のチームは、発達障害の当事者を対象とした調査から、本人が抱える困難について研究を行っています。2012年~2014年に行われた、発達障害の診断・判定のある高校生以上の当事者に行った調査では、発達障害の当事者は、食に関する困難を示す割合が、発達障害のない人たちと比べて明らかに高いことが明らかになったのです。また、次のようなことに、発達障害の当事者が強い困難を感じる傾向にあるということもわかりました。「人の輪の中でどのようにふるまえばいいのかわからないため会食は恐ろしい」「においの強い食品は食べられない」「大人数の食事は、音やにおいなどの情報があふれて辛い」「自分の予想していた味と違う味だと食べられない」このような困難に当事者たちは日々苦悩しているというのです。なぜ、発達障害の子どもには、偏食がみられるのでしょうか。そして、食に対する困難のある子どもたちを取り巻く環境は、どのようになっているのでしょうか。そのことを詳しく知るために、髙橋先生にお話をうかがいました。発達障害者の「食」の困難・ニーズに関する研究 : 発達障害の本人調査から発達障害のある子どもの偏食は「甘え」や「わがまま」ではないUpload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)発達障害の当事者は、感覚の過敏や身体調整機能の問題、食べ物に対する特異な認識の仕方が要因となり、食べることに困難を感じているものと考えられます。このような発達障害の当事者特有の身体感覚特性を、周囲は理解することができず、わがままや自分勝手、あるいは家庭での教育に問題があると誤解されることもしばしばあるのです。しかし、髙橋先生は、発達障害当事者の食事の問題は、身体の過敏性だけが問題ではないと考えています。偏食の根底にあるのは「不安・恐怖・緊張・ストレス」Upload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)髙橋先生は、過敏の背景、こだわりの背景にはとにかく「不安・緊張・強い恐怖・ストレス」があると言います。もちろん生まれながらの過敏により食べられない場合もありますが、それよりも周囲の理解を得られず、食べることを強制されたり、傷つく言葉をかけられたりして、強いストレスを感じていることの影響が大きいとのこと。その結果が偏食をはじめとする多様な困難を生み出していると言うのです。偏食の子どもたちでも、白米やパン、ポテトなどはよく食べられるケースが見られます。これは必ずしも子どもたちが好きだから食べているわけではないと言います。これらの食品はシンプルで食べやすく、味の混ざり気がほとんどありません。それゆえ子どもたちは味を想像しやすく、安心して食べられるから選択しているだけであって、決して好きだから食べているわけではない場合も多いのです。本人に聞くと、「決して美味しいとは思っていない」という答えが返ってくると語ってくださいました。さらには、こうした偏食は栄養の偏りを引き起こし、肥満や生活習慣病の原因になってしまうことも考えられます。また、食に関する問題は、生来の過敏性だけではなく、本人を取り巻く別の課題が、食の困難として表出することもあるといいます。親との関係、両親の関係、先生との関係など、さまざまなストレスが、偏食として表出するケースも実際に見ることがあります。髙橋先生「単純に食だけのケースで困りごとを持っているケースは、発達相談の現場にいても少ない。本人が持っている別の困りごとや課題も、命の基本となる食べるという行為の中から見つけられることもあります。」偏食を単に食の問題として捉えるのではなく、本人が持っているさまざまな困りごと、また2次的障害の発現など、トータルに見ていく必要があると話してくださいました。子どもの偏食に、保護者はなにをしてあげればいい?出典 : 子どもの偏食を考えるとき、親がまずするべきこと。それは、子どもと対話することだと髙橋先生たちは考えています。髙橋先生「一番のベースは、その子の偏食が、何によって出ているのかということ。その子の持っている不安や緊張や困りごとに対して、しっかり耳を傾けることが重要です。」偏食の子どもたちを目の前にすると、親やその支援者は、いかにして子どもたちに食べさせるかということを考えてしまいがちです。ですが、まず大切なのは子どもと対話して、なぜ食べられないか子どもの気持ちを知り、それを理解してあげることです。子どもの声に耳を傾けることで、偏食を加速させてしまう「不安・緊張・強い恐怖・ストレス」を半減させることもできます。調査対象を発達障害の診断・判定・または疑いがある小学生まで広げて行った調査では、「配膳時に量を調節したり、どうしても食べられない食材を入れないなど自分で決めさせてほしい」「完食を強制せず、食べられない食品があることも認めてほしい」という思いを子どもたちが強く持っていることがわかったのです。こうしてみると、調理法や材料を変えるなどの時間や手間をかけることよりも、自身の困難や思いを聞いてほしい、理解して認めてほしいという、他者とのコミュニケーションにおける基本的なことを求めている回答が多いことが分かります。また逆に、「子どもの頃に無理強いされた食べ物は一番苦手なものになっている」という方も多く、食の困難に対して厳しい指導・対応を受けたことにより「苦手さ」「恐怖感」を増幅させてしまっているケースも見られます。髙橋先生と共同で研究を行っている大阪体育大学の田部絢子先生はこう話してくださいました。田部先生「調査の中で、困っていることや、どうしてほしいかも聞いてるんですけども、どうしてほしいですかっていうことの上位に、結局、『話を聞いてほしい』とか『食べられないってことを一旦認めてほしい』とか『量は自分で調整させてほしいとか』が上がってくるんですね。わざわざ、別の調理法でものを作れとか、それは出してくれるなとか、そういったことはあまり上位の要望としては出てきていない。やっぱり子どもたちは『話を聞いてほしい』って言ってるんだから、大人たちはまず話を聞くところから始めませんか」髙橋先生らのアンケート調査でも、本人が必要とする理解・支援について、・外食でも個室だと食べることが出来る・新しい食べ物は事前に紹介されていれば大丈夫である・自分で選んだ食べ物はおいしく味わい、楽しむことができるなどが上位の回答として見られることがわかっています。逆に、無理やり食べさせたりすれば、子どもの不安や緊張は増え続ける一方になってしまいます。実際に食べることを無理強いされたことを発端として、生来の過敏性とも相まって、低体重にまで陥ってしまうような例もあるそうです。こうした偏食の根底にある不安・緊張・強い恐怖・ストレスを軽くするには、感覚の過敏性やこだわりについて考える前に、子どもと対話することが必要不可欠です。子どもたちが最も嫌がるのは受動的で強制的な食事です。これでは、食事に対するストレスは増える一方になります。食事を、子どもたちにとって主体的で、能動的で、選択可能なものにすることも、大切だとおっしゃっていました。主体的で、能動的で、選択可能な食事とは。ある家庭での出来事出典 : 「主体的で、能動的で、選択可能な食事」というと、一見難しく感じますが、会話の機会を増やすことで実現した一例があります。ある4人家族の家庭では、姉妹のお姉さんのほうに偏食がみられました。家庭での食事はお姉さんが食べられるものばかりになってしまっていたので、妹さんは不満を感じていたそうです。そんなとき、田部先生はこの家族に「家族でいっしょに1週間の献立を作りませんか?」という提案をしました。さらに、今日はお姉さんメニュー、明日は妹さんメニューのように、食事の回によって考案者を分けるようにしました。この提案を実行しようとしたこの家族は、献立を作るための家族会議を開くことに。そしてこの機会こそが、家族の食事のあり方を変える鍵になったのです。まず、献立が作られたことによって、食事についての見通しが立ちやすくなります。偏食のあったお姉ちゃんは「今日は妹ちゃんメニューだから我慢する。でも明日は私の番!」といったように、見通しを持つことができるようになり、食事をポジティブに捉えることができるようになりました。妹も同じく「今日は私のメニューだけど、明日はお姉ちゃんのメニュー」といったように考えることができるようになり、不満の解消にもつながったと言います。加えて、買い出しにみんなで行くようになったことで、食事に対する主体性や能動性も上がり、食事に関する不安はどんどん減り、家族での食事がみるみる楽しくなっていったそうです。その変化は目覚ましいもので、親御さんから「こんなに食事って楽しかったんだ!」という声が届くほどでした。このように主体性、能動性、選択制がそろうことによって、偏食のある子どもいる家庭でも、楽しい食事を作ることができるのです。学校給食での困難。それを取り巻く現実出典 : 家庭ではある程度柔軟な食に対する対応をおこなうこともできますが、学齢期になり学校に通うと、給食という大きな課題が立ちはだかることもあります。残念ながら今日でも、給食を残さず食べさせることを絶対とする教員がいるとの話を聞くことがあります。アレルギーに対しては認知や理解が進み、かなり柔軟な配慮が行われるようになってきました。しかしその反面、感覚の過敏性などを起因とする偏食にはまだまだ理解が及んでいないのが現状です。田部絢子先生は、東京都の通級指導学級や特別支援学級を有する公立小中学校、知的障害特別支援学校についてアンケート調査を行いました。その結果からは、食に注意の必要な児童生徒が「在籍している」学校は全体で81.1%。さらに、報告された児童生徒の食に関す困難で、「極端な偏食」は全体の31.1%にものぼります。一方、調査で明らかになった現場の声は、学校給食なので個別対応はできないというものが少なくありませんでした。教職員の人員不足、また生命に関わるアレルギーの対応に注力するあまり、個々の過敏性に対応することはとてもできないという実態が浮かび上がってきたのです。発達障害児の「食」の困難・ニーズの実態と支援の課―都内小・中学校特別支援学級・通級指導学級、知的障害特別支援学校への質問紙法調査から―発達障害の子どもの偏食に対して、実際に学校で行われた「合理的配慮」とはUpload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)以前は中学校の教師でもあった田部先生は、食についての合理的配慮を行った自らのご経験を教えてくださいました。中学3年生の自閉症スペクトラム障害のある女の子は、食事に対して困難があると同時に修学旅行にも大きな不安を抱いていました。人とかかわるだけでも不安な彼女にとって、旅行先での食事は、日常生活とは比べ物にならないほどの不安があったのです。この生徒の場合、コンビニのお弁当やおにぎりだけが、安心して食べることができる食事であったそうです。この子が安心して修学旅行を過ごせることを考えた田部先生は、行く先々でコンビニで買った食品を食べることを認めました。ただし、田部先生は食べる場所について逆に生徒にお願いをしました。食べるものは違っても、他の生徒と同じ場所で食べること。またレストランを利用するときは、その中でコンビニ弁当を食べることは憚られることなので、バスの中などで食べることをお願いしたのです。こうした配慮によって、この生徒は、帰りたいとパニックを起こすこともなく、修学旅行を過ごすことができたのです。本人のルールを聞いてあげて、そしてこちらのルールも聞いてもらうことーー田部先生「おそらくそれが合理的配慮なんでしょうね。社会のルールを教えつつ、でも本人はどうすれば自身の健康を保ちながらやってゆけるのか。集団行動もできて、個別性の配慮もできるのか。折衷案を考えました。」髙橋先生「全部でなくても理解をしてもらえる、話し合えるということで、信頼関係ができますよね。信頼関係ができると、『少なくともこの先生の言うことは聞いてみようか』となり、プラスのスパイラルに入っていくことになる。信頼感関係がないと、どんないい提案をしても却下なので、一旦は教師や大人のほうがが折れることが必要。」まずはしっかり話を聞いて、そこで出来ることと出来ないを伝える。相手の話を聞く機会を持ち、一部でも理解してあげると子どもとの間に信頼関係ができる。そのためにはまずは大人のほうが折れることが必要だとおっしゃっていました。大人どうしの「空中戦」の末に出典 : 食の困難について困っているのは、当事者である子どもだけではありません。料理を作る保護者にとっても大きな負担となっています。食事を作っても作っても子どもは食べてくれない。それは保護者からしてみれば、いじめを受けているようなもの。作るのをやめてしまいたい、思わず声を荒げて子どもを叩いてしまうという声も調査の中で耳に入ってきています。特にお母さんにとって、「食べさせる」ということは授乳から始まる子どもとのコミュニケーションの一つでもあります。だからこそ、食事を拒絶されることは、否定されたような気持ちになり、つい子どもに辛く当たってしまうことも珍しくないようです。また、子どもの偏食を周囲から責められ、やり場のない思いを抱えていることもあります。子どもを抜きにした空中戦が大人どうしで展開され、子ども本人の気持ちは置き去りにされているケースも見受けられます。こうした状況を改善していくためには、子どもだけではなく、保護者の気持ちをもケアするような仕組みを作ることがこの先求められます。「食べることは発達だなって思うんですね」Upload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)偏食は生涯にわたる固定的なものではありません。適切なサポートを行えば、食べられる範囲はいずれ広がっていきます。成人当事者と話していても、以前と比べると食べられる範囲は大きく広がったと聞くことも多いと言います。幼少期のことを振り返ると「今は全然違う!」という実感を持たれる方も多いそうです。食の問題も発達の問題とすごく関係していて、認知・理解の発達、さまざまな身体の発育の中で、総合的に食べる力が発達し、食べられるものが増えてくるのです。髙橋先生「お母さんが離乳食を与えて、最初は子どもはペッと吐き出してしまう。でもだんだん慣れていって味覚も発達して、食べ物を受け入れていく。こういう発達のプロセスを辿っていくので、食っていうのは発達だなって思うんですね。なので、身体の発達が進み体の準備ができたとか、安心できる環境になったとき、再チャレンジする機会が必要なのです。」そのためにも偏食を固定化させないことが必要だと髙橋先生は言います。親が子どもの食事に対して関与することをやめないことが大切なのです。今後も髙橋先生たちの研究チームは、食事・排泄・睡眠について、研究を続けていくと言います。髙橋先生「食事・排泄・睡眠は生きていくための基本。ここに徹底的にこだわっていきたい。」髙橋先生のチームの研究はこれからも続きます。子たちが抱える困難を、多くの大人が理解し、適切なサポートに導くことが容易にできる日がくることを願ってやみません。【大募集!偏食対応のコツ】給食やお弁当に慣れるまで、どんな工夫をした?子どもの偏食、どう工夫してる?どう考える?みんなのアイデアや体験談を教えて!
2017年11月28日息子の志望校とは?中学3年生の夏休み直前に、突然の告白Upload By かなしろにゃんこ。高校受験に向けて塾に通わせたりしたものの、息子は勉強に熱心ではありませんでした。中学3年生になっても「受験のことは話したくない!」と怒り出す始末で、志望校の話はまったくできない状態。当時、私と夫は、普通科の公立高校に進んでほしいと考えていました。地域には、特別教育支援のモデル校となっている普通科の公立高校があり、発達障害がある生徒もそうでない生徒にも丁寧な指導をしてくれる高校だったので、そこがいいんじゃないかと考えていたんです。中学3年生の夏休みに入る直前、ようやく息子から高校受験についての話をしてきました。実は行きたい学校が決まっていて、その学校の夏休み体験授業を申し込んだというのです。そこは自動車整備士を目指す生徒のための、私立の専修高校でした。「この学校じゃなきゃ、すぐ辞める」息子の意思は固かったUpload By かなしろにゃんこ。専修高校は、普通科の学習内容に加えて機械実習のカリキュラムもあり、両方学べる学校でした。ですが、私立です!わが家はぶっちゃけ裕福ではありませんから「ムリ――!私立とかムリ――!」なんです。でも息子は「その学校以外は行きたくない、普通科高校には興味がない!」と言います。オイオイ!親の懐事情考えろや!と先に述べた地域にある公立高校を勧めたのですが「普通科高校なんかでやりたいことない、入学しても面白くなかったらすぐにやめる気がする」と言うのです。大好きなことを学び、仲間と思う存分語り合える高校生活をUpload By かなしろにゃんこ。「親を脅す気か?」と思いましたが(笑)、息子がどうしてその学校を選んだのか聞いてみたところ…「自分と同じ車やバイクが趣味の仲間を作りたい」「普通科高校にはない車の部活動をやりたい」「今までは友達とマニアックな話ができなかったから、思いっきりしてみたい」「メカニックを勉強したい」という答えが返ってきました。確かに友達との会話では、ADHDの特性でもあるマニアックな会話をしてしまうことを避けるように、そして早口にならないようにと注意してきました。そういったことをを注意していたので、中学校では友達と仲良くやってこれたものの、本当は自分の好きな話を思う存分したかったんだネ。アツく語るところはやっぱりADHDだと感じました。息子自ら申し込む、その変化がなによりうれしかった!Upload By かなしろにゃんこ。息子は勉強は苦手ですが、好きなことでは集中力を発揮することができます。だから将来は、自分の好きな車関係の仕事をするのもいいんじゃないかと思いました。発達障害がある子は”好きなことや特技を伸ばして育てたほうがいい”ともいいますから、子どもがやりたいことを見つめたなら、それをバックアップしてあげてもいいかな?と、私も考えるようになりました。なにより、受験に無関心かと思っていたのに、自分で体験授業を申し込んでいたことがとても嬉しかったんです。自分はこの学校でやっていけそうか?体験授業を受けて確認していた息子ですが、それが相当楽しかったようで…。なんと体験授業開催の度に参加し、結局3回も受けていました(笑)ウキウキ高校生活を夢見る息子に、母は…Upload By かなしろにゃんこ。体験授業で、部活の説明も受けて帰った息子は「入学したらどの部活に入ろう?どれも楽しそう。迷う~」と学校のパンフレットを眺めてウキウキしていました。部活はすべて、車やバイクにちなんだ活動なのでマニアには興味深々でたまらないようです。そこまで専修高校に行きたいのならば行かせてあげたくなるのが母親です。志望校について言い出せなかった、本当の理由とはUpload By かなしろにゃんこ。しかし夫は、「将来の職業の幅を広げるためにも普通科高校から4年生大学に行くべき!」と考える人。しつけには厳しいですし、息子にとっては脅えるほどコワイ存在の父親です。今まで高校受験の話をしたがらなかった理由は、何も考えていなかったのではなく「絶対お父さんに反対されるから、言いたくなかった…」という理由だったと分かりました。私が説得したところで夫は反対するだろうと、夫に息子の志望校の話をできないまま、願書提出の期日が近づいてきます。それに私立の学校は入学金や授業料も高い。私自身「支払っていけるだろうか?志望校変更するべきか…」とも悩んでいました。金欠だったわが家が、どうやってお金の問題を乗り切ったか…そして息子は、どうやって父親を説得したのか…それはまた、次の機会にお話させていただきま~す☆
2017年11月28日