「脳」をもとにして考えられ、その斬新なダイエット法が数々のメディアで紹介されている「脳科学ダイエット」。先端脳科学研究に携わり、脳科学に関する本を多数手がけている久賀谷亮先生が提唱するこのダイエット法、実は産後太りにお悩みのママにもおすすめできるといいます。今回は、 『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』 (主婦の友社)を出版された久賀谷先生に、脳科学ダイエットとはどんなものなのか、なぜママにおすすめできるのか。その理由についてお話をうかがいました。お話をうかがったのは…医師/医学博士久賀谷 亮 先生イェール大学医学部精神神経科出身。アメリカ神経精神医学会認定医。日本で臨床及び精神薬理、イェール大学で先端脳科学研究に携わる。その後、臨床医として精神医療の現場に従事。2010年、ロサンゼルスで「TransHope Medical」を開業。マインドフルネス認知療法、TMS磁気治療をとりいれた診療を行っている。 ■「太りにくい脳」をつくる脳科学ダイエットとは? ――久賀谷先生、本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、先生は脳科学の研究をされていますよね。先生が書かれた『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』のなかの「脳科学ダイエット」とは一体どのようなものなのでしょうか?久賀谷亮先生(以下、久賀谷先生):このダイエット法は極端にいえば「食べ方改革」なんですね。焦点をおいているのは「食べ方」であって、「食べるもの」ではありません。――食べ方改革…!久賀谷先生:ダイエットに悩んでいる人は感情にまかせてドカ食いしたり、おなかも空いていないのに食べてしまったりして、食べるものがどういうものなのか知らずに食べていることが多いのではないでしょうか。――私も経験がありますが、食べることで気分を紛らわせたいと、どんどん口に入れてしまう…。食べるもの自体には注意を向けていないことが多いですね。久賀谷先生:そうですよね。脳科学ダイエットの基本はそこにあります。今までなに気なくしていた「なにか」に「注意を向ける」ということなんです。なにかに注意を向けることを脳科学では「マインドフルネス」と呼びます。――マインドフルネス…。初めて聞いた言葉です。注意を向ける…とは?久賀谷先生:例えば、目の前に緑の葉をつけた木が生えているとします。目をひかれて見ますよね。注意が向くことで「清々しいな」とか「きれいな緑色をしているな」という思いがわくこともある。これがマインドフルネスです。シンプルに、なにかに注意を向けることなんですね。――なんだかものすごく簡単で、それでいて奥が深そうな…。このマインドフルネスとダイエットがどう結びつくのでしょうか?久賀谷先生:注意を向けることで得られるメリットのひとつは「普段なに気なくやっていることがいかに多いか」に気づけることです。そして「食べること」はその最たるものではないでしょうか。考えごとをしながら数分で食事を終える、おなかが空いてないのに食べる。なにを食べているのか、たいして意識もせずに食べる。マインドフルネスを意識すると、そうした食べ方を変えていくことができるのです。■リバウンドしない「ついつい食べてしまう」を防ぐ食習慣――食べ方が変わると、体も変わっていくということでしょうか?久賀谷先生:そうですね。マインドフルネスをダイエットに応用して食事をする場合、「自分の体の呼吸と感覚を意識する」「食べものをじっと見たり、かいだりして体の反応を確かめる」「なぜ食べたいのかに思いをめぐらす」といった行動があります。そのどれもが好奇心を持って「今あるなにか」に注意を向けていることになるんですね。これは食事の仕方だけではなく、食欲を感じたときにも応用ができます。食欲という衝動があることに気づく、受け入れる、調査する、記述する。注意を向けることで欲求を管理することができるようになるのです。――なるほど。注意を向けると「食べたい!」という欲求とも向き合えるようになるんですね。久賀谷先生:依存と習慣による「ついつい食べてしまう」という行為は継続的な働きかけで変えていくことができるんです。それに有効なのがマインドフルネスなんですね。「今あるなにか」に注意を向ければ、我慢しなくとも「太りにくい脳」へと変化していくことができる。マインドフルネスはダイエットに有効であるという科学的な根拠もありますし、新たな習慣になるから脳が覚えて、内面の本質から変わる。だから、形だけの制限で本質が変わっていないから起こるであろうリバウンドもしにくいと思うんです。■「マインドフル・ダイエット」忙しいママに最適な理由――マインドフル・ダイエットは科学的に見ても集中力アップ、感情調整力アップ、免疫機能アップといった効果があるようなので、ぜひとも試してみたいです。…でも子育てに仕事に忙しいママでも、できるものなのでしょうか?久賀谷先生:お母さんは毎日忙しいですよね。でもマインドフル・ダイエットは時間がなくてもできます。例えば、運動をしてやせようと思った場合は、2~30分などある程度まとまった時間が必要になりますよね。でもマインドフル・ダイエットの基本は「注意を向けること」です。だから子育てしながらの生活でも、やりやすいと思います。――本当ですか! 注意を向けるだけでいいのであれば自宅でも会社でもできそうですよね。場所に左右されないのはうれしいです。久賀谷先生:お子さんを持つお母さんは、毎日やることがいっぱいですよね。余裕がなくなって怒りっぽくなったり、感情的になったりすることもあるでしょう。マインドフルネスは食習慣を変えるだけではなく、自分自身の状態にも注意が向けられるので、ネガティブな感情ともうまく付き合えるようになると思います。――科学的にみてマインドフルネスは「感情調整力があがる」というのがそれですね。アンガーマネジメントにもなりそうな。久賀谷先生:アメリカではマインドフルをつけるのがブームになっているのですが、マインドフル・ペアレンティングといって親子関係を良好に築くために有効な方法としても活用されているんです。――一緒になにかに注意を向けてみることで、親子関係に良い変化を生み出せるんですね。久賀谷先生:そうですね。マインドフルネスには本当にさまざまな効果があるといわれているんです。なかには、10歳くらいの子どもに半年間マインドフルネスを行わせた結果、算数の成績が上がったとのデータもあります。――それはすごい! マインドフルネスのコツをつかめるようになったら、今度はわが子にもやり方を教えてあげたり、一緒にやってみるともっとたくさんの効果を感じられそうですね。マインドフル・ダイエットの基本は「なにかに注意を向ける」こと。そうすることで自分の状態、自分の身に起きていることをじっくりと味わうことができるようになります。次回は「食べたくて仕方ない!」という欲求はどこからくるのか? 脳科学ダイエットから見る「食欲との付き合い方」についてお話を聞いていきます。参考図書: 『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』 (主婦の友社)著者 久賀谷亮/1,598円(税込) やせにくい脳から太りにくい脳へ。最先端の脳科学を応用した脳から変えるダイエット法をまとめた一冊。巷にあふれるダイエット法は「~してはいけない」「~しなければならない」などの制限や命令がつきもの。けれど科学的研究で効果があると明らかになった脳科学ダイエットなら、そのしがらみから解放されます。人の食行動を変えるマインドフルネスとは何か?ダイエットシェアハウスで共同生活をする5人のストーリー仕立てで教えてくれるので仕組みが分かりやすい! ダイエットとは心と脳を満たすこと。本質的なことを教えてくれるダイエット本です。
2018年11月17日「瞑想」はメンタルヘルスの世界では、瞑想は科学的に立証された立派な治療法。最近ではその効果が認められ、手軽な「脳の疲労回復法」として広く周知されています。でも、中々集中して瞑想ができない。そんな女子におススメグッズをご紹介。注意があちこちにさまよいがちな人は、外部から感覚を刺激するグッズを取り入れてみよう。見る、嗅ぐ、触る、聞く、それぞれの感覚に意識を向けることで集中力が高まり、脳がスッキリ!仕事の効率もアップする予感。精神科・心療内科医で臨済宗建長寺派林香寺住職の川野泰周先生にアドバイスいただきました。周囲を気にせず楽しめる、パーソナルアロマディフューザー。「アロマは嗅覚に働きかけ、頭の中をクリアにしたり、深い集中へ導いてくれたりと、瞑想との相性がいい」と、川野先生。キャンドルや超音波式のディフューザーは部屋中に香りが漂い、オフィスで使うのは難しい。そこでこの「AROMASTIC」。ボタンを押すと天然の香りが出る手のひらサイズのアロマディフューザーで、自分だけに香る優れもの。気分に応じて切り替え可能な5種の香りは働きづめの脳に癒しを与えてくれるはず。ソニーAROMASTICカートリッジ式のパーソナルアロマディフューザー。カラーはホワイトのほか、ブラックもあり。本体¥3,980(ソニー)クセになる触り心地で触覚を刺激する。「パソコンやスマホなど同じ作業を繰り返していると、手先の感覚が鈍感になってきます。一度それらから離れてリセットすることで、手先の鋭敏な感覚が戻ってくる。感度が上がった指先に集中することは、集中力の向上に直結します」触覚をリセットするには「ストレスリリーサー」や「フィジェットキューブ」のように、心地いいと感じる感触のアイテムを触るのがgood。新しい刺激が入り、脳もリフレッシュ。ASLEEPストレスリリーサーマットレス素材を応用し、ぷにょぷにょと柔らかい触感がクセになる手のひらクッション。ストレス発散の効果も。¥480(アイシン精機TEL:0566・24・8650)Antsy Labsフィジェットキューブ6つの面に、ゲーム機のコントローラーのようなボタンやスイッチがついた玩具。¥5,800*税込み(たーとるうぃず)リラックス効果のある「自然音」をポケットに入れて持ち運ぶ。人が行き交い情報を遮断するのが難しいオフィスでも、音楽を使えば一人の空間が作れる。「小川のせせらぎ、雨音、そよ風などの自然界を構成する音が持つ不規則なリズムは“1/fゆらぎ”と呼ばれ、自律神経を整え、精神を安定させる効果があります。瞑想に活用するならこうした自然音がおすすめです」「toremoro」は、自然音を含む世界中のさまざまな「音」が聴ける音楽アプリ。リラックスできる好みの音が見つかるかも。Toremorotoremoro自然音だけでなく、環境音、電子音、ASMRといったあらゆる音を、シーンに合わせて再生できる新感覚の音楽アプリ。(Toremoro)川野泰周先生精神科・心療内科医。臨済宗建長寺派林香寺住職。寺務の傍ら、横浜市内のクリニック等で禅やマインドフルネスを取り入れた診療を行う。主著に『ずぼら瞑想』(幻冬舎)。※『anan』2018年11月21日号より。写真・中島慶子イラスト・中根ゆたか取材、文・黒澤祐美(by anan編集部)
2018年11月16日今は小学校入学前に平仮名や片仮名をマスターする子が大半で、なかには足し算や引き算、英語ができる子もいるようです。我が子も遅れを取らないように早期教育を行うべき?いったい何歳から始めればいい?そんな焦る気持ちになりますが、誤ったやり方をしないように、まずは早期教育について知っておきましょう!そもそも早期教育って?早期教育とは小学校に入る前から教育を取りいれること。胎児・乳児期に行うものは、超早期教育と呼んだりもします。早期教育を行う機関や家庭で読み書きなどを教えたり、英語やピアノ、スイミングなどの習い事を早い段階から始めることなどです。「2~3歳から始める〇〇トレーニング」や「頭のいい子に育つ〇×式子育て」なんてキャッチフレーズも目にしますよね。0~5歳は脳の神経系が急激に発達するので、この時期から経験させることでその子の能力や関心を高めることが狙いと言われています。ただ、その効果は、実はまだ明確に証明されていないのです。専門家や教育に携わるプロの間でもさまざまな意見に分かれているのは現状です。では、結局どうするのが正解なの?という疑問がわきますよね。判断材料となる、早期教育のメリットとデメリットをご紹介しましょう。早期教育のメリット〇子どもの得意分野を知り、伸ばせるスポーツ、音楽、芸術分野……我が子は何に興味があり、何が得意なのか。幼児期の習い事は、そんなことを知る良いきっかけになります。サッカーやピアノ、スイミングなどを体験させる中で、子どもの得意分野がわかってくるでしょう。おっとりしている性格だと思っていた我が子が、実は負けず嫌いだったなど、意外な発見もあるかもしれません。そして、子どもは楽しみながら自分の能力を高めていけます。〇子どもに自信がつく早期教育や習い事を通し、先生や親に褒められたり、時には失敗や困難を乗り越えたりすることで、子どもは自分に自信をつけていくことができます。また、小学校で習う前に平仮名や片仮名、漢字、足し算や引き算を学んでおけば、最初の段階で授業についていけずにつまずく、ということもありません。「私はできる!」という自信は、その後の学習意欲にもつながってくるのではないでしょうか。〇脳の働きに大きく影響子どもの脳の神経系は0~5歳の時期に最も発達すると言われています。そのため、早期教育を行う機関などでは、好奇心が旺盛で、脳が柔軟な子どものうちに教育を開始して脳を活性化することで将来も優秀な人間に育つ、という考えに基づいて行われています。行っていない子に比べて、高い基礎学力を身につけることができると言えるでしょう。早期教育のデメリット●インプット教育の弊害新しい情報を与えることはとても大切ですが、一方的に何かを教え込むインプット教育を続けていると、子どものやる気がダウンしてしまいます。「お母さんに教えてくれる?」など、アウトプットの機会をはさむことで、子どものやる気も学習効果もアップするようです。●自主性の抑圧早期教育はパターン化され、それに反応するという受け身の学習、訓練が多いと言われています。また、「早くできるように」と親が先回りして無理に教えたりすることも良くありません。子どもの自主性・創造性の領域の発達が抑圧され、受け身的になってしまう危険があります。子どもの自主性を育てるためには、親は過度な口出しをせず、失敗もつまずきも見守る姿勢をつらぬくことが大切です。●親同士の競争になってしまいがち「友達の××君が始めたから」「〇〇ちゃんはもうできるから」と他の子と比較し、子どもに過度の期待を押しつけないように気をつけないといけません。親の方が早期教育にハマり、「もっと早く、もっと正しく」と求めすぎると、子どもは精神的に追い詰められてしまいます。親自身がライバル心をコントロールできるようにしましょう。教育学博士・教育カウンセラーの諸富祥彦氏は、著書の中でこう書いています。早期教育をやるかどうか決めるときは、「お子さんの能力」よりも、子どもと親がいっしょに楽しんでできるかどうかを、真っ先に考えるべきなのです。お母さん自信が「誤りを許せない」完璧主義、「ほかの子と張り合ってしまう」ライバル心を抑えられないようなら、早期教育はおすすめできません。(引用元:諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版.)早期教育を始めるか検討の際には、これらのメリット、デメリットを踏まえた上で、お子さんに必要かどうかを判断するのが良さそうです。“教えない”という早期教育にも注目を「子どもが将来困らないように、できる限りの教育をするのが親の役目」「子どもの学力や将来は親から与えられた教育の質や量が影響する」そんな風潮から、我が子にも幼いうちから何かしてやらなければ、と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、諸富氏によれば、子どもの教育において重要なのは、親が何かを「させる」ことばかりではない、とのこと。余計な手出し、口出しをしないこと、子どもの内的な成長をじっくりと見守るということも親の大切な役割のひとつだと指摘しています。人間には一人でいるときにしか起こらないある種の内面的成長があり、そのため、一人になって自分と対話する時間を持たず、絶えず外界からの刺激に身をさらしてばかりいると、想像力や創造性の発達が妨げられるのだそうです。また、共働きの保護者に向けた役立つ情報を提供している『日経DUAL』の記事内では、早期教育について取材した記者が次のように語っています。脳科学分野の権威である小泉英明さんは、「小さいうちにそういった“不自然な教育”に時間を取られて本来伸ばすべきことがおろそかになる」という状況を懸念していました。知育よりも、子どもの意欲を伸ばすことのほうがはるかに大切で、脳が内側から外側へと進化した人類の進化の順に照らし合わせ、「意欲」や「やる気」が関わる脳の内側をまず鍛えるのが一番なんだそうです。(引用元:日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由)様々な考え方がある早期教育。焦らずに、また周りと比べることなく、親子が納得して楽しめるものを探した先にあるのが“答え”なのかもしれません。文/鈴木里映(参考)マイナビウーマン子育て|「早期教育」はどのような教育法?その種類や実践する際の注意点などALL About|早期教育のメリット・デメリット日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版ベネッセ教育情報サイト|インプットよりアウトプットで子どもは伸びる
2018年11月13日「きっかけは私が小学校教師になってすぐのこと。初めて担任になったクラスに亜矢子ちゃんという明るくて前向きな女の子がいました。その子の家を家庭訪問した際、玄関を開けると、家じゅうに、彼女と家族の笑顔の写真が飾られていて『なんだこれは』と驚いたことがいまでも忘れられません」こう話すのはベストセラー『「親力」で決まる!』の著者で教育評論家の親野智可等先生。じつは亜矢子ちゃんの父親は船員で、一度遠洋航海に出ると半年~1年間は家に帰ってこない。その間に、彼女が寂しくないように母親が考えたものだったという。「日ごろ、彼女の明るさを目の当たりにしていましたから、すごいな、家族写真って力があるんだなと、私の心に焼き付いたんです」(親野先生)それは30年たった今年、脳科学者の篠原菊紀先生(諏訪東京理科大教授)らと立ち上げた「ほめ写プロジェクト」として実を結ぶことになった。「世界的に見ても、日本の子どもは自己肯定感の低いことが指摘されています。その原因のひとつが、家で叱られてばかりでほめられることがあまりないことではないか。なにか親が子どもを上手にほめるきっかけを作れないかと考えたとき、亜矢子ちゃんの家の光景を思いついたんです」(親野先生)玄関、リビング、ダイニング、トイレ……家じゅうに、(1)家族のがんばっているシーン、(2)家族が目標を達成したシーン、(3)家族仲よくしているシーンの写真をプリントして貼りまくるというのが「ほめ写プロジェクト」。親が職場でがんばっている写真、運動会の写真、入学式や旅行先での家族写真などを毎日、目にすることで、子どもが自分に自信を持てるようになることを普及する活動だ。このプロジェクトに参加した篠原先生はこう明かす。「最初に話を聞いたときには、正直、半信半疑。ところが実際に脳の活動実験をしてみたところ、その効果の大きさに舌を巻いたというのが本音です」(篠原先生・以下同)篠原先生は、自宅にほめ写を貼って3週間生活した16人の子どもと、貼らない8人の子どもにグループ分け。全員に本人の写真を見せたときの脳活動を測定した。その結果、ほめ写に囲まれて3週間を過ごした子のほうが、自分の写真を見ると脳の「腹内側前頭前野」が活性化することがわかったのだ。「これは自分の写真を見ると脳が快になっている証し。つまり自己肯定感が非常に強くなっていることの裏付けでした」なぜほめ写にこれほどの力があるのか?「なにかいいことがあっても脳はすぐに忘れてしまいます。しかし毎日、自分や家族のプラスイメージの写真を目からインプットすることで、そのつど脳にそれが上書きされ、強化される。それが自己肯定感を高めるんです」
2018年11月07日「なにかいいことがあっても脳はすぐに忘れてしまいます。しかし毎日、自分や家族のプラスイメージの写真を目からインプットすることで、そのつど脳にそれが上書きされ、強化される。それが自己肯定感を高めるんです」そう話すのは、脳科学者の篠原菊紀先生(諏訪東京理科大教授)。今年、ベストセラー『「親力」で決まる!』の著者で教育評論家の親野智可等先生と「ほめ写プロジェクト」を立ち上げた。「ほめ写プロジェクト」は、玄関、リビング、ダイニング、トイレ……家じゅうに、「家族のがんばっているシーン」「家族が目標を達成したシーン」「家族仲よくしているシーン」の写真をプリントして貼りまくるというもの。親が職場でがんばっている写真、運動会の写真、入学式や旅行先での家族写真などを毎日、目にすることで、子どもが自分に自信を持てるようになることを普及する活動だ。具体的なやり方は次のとおり。【1】家族の“ほめ写”を探す自分と夫、子どもを撮ったスマホの保存データやアルバムをすべてチェック。夫、子どもががんばっている写真、目標を達成したときの写真、みんなが笑っている家族写真を選び出す。【2】今の“ほめ写”を撮るあなたや夫、子どもが家事しているところ、自治会で草むしりしているところ、お稽古事で必死になっているところ、パートの職場での光景などを照れずにスマホで撮りまくる。【3】選んだ写真をプリントする家族で話し合って、【1】と【2】から部屋に貼る写真を選び、プリントする。Lサイズだけでなく、いい写真は大判のA4サイズにするなど、大きさに変化をつけることも効果的。【4】家じゅうに“ほめ写”を飾るプリントした写真を貼り切れるだけの新聞紙大のクリップボードを数枚用意。玄関とダイニング、トイレ、廊下などに、人の目線の高さを意識してプリントした写真を飾る。【5】家族で写真について語り合う家族で食事をするときなど、壁に貼られた写真を話題にし、「最近ママ、PTAでがんばってるね」「あの温泉旅行楽しかったね」など、家族でほめ合うことを習慣化する。「最初に話を聞いたときには、正直、半信半疑。ところが実際に脳の活動実験をしてみたところ、その効果の大きさに舌を巻いたというのが本音です」(篠原先生)篠原先生は、自宅にほめ写を貼って3週間生活した16人の子どもと、貼らない8人の子どもにグループ分け。全員に本人の写真を見せたときの脳活動を測定した。その結果、ほめ写に囲まれて3週間を過ごした子のほうが、自分の写真を見ると脳の「腹内側前頭前野」が活性化することがわかったのだ。「これは自分の写真を見ると脳が快になっている証し。つまり自己肯定感が非常に強くなっていることの裏付けでした」(篠原先生)なぜほめ写にこれほどの力があるのか?「なにかいいことがあっても脳はすぐに忘れてしまいます。しかし毎日、自分や家族のプラスイメージの写真を目からインプットすることで、そのつど脳にそれが上書きされ、強化される。それが自己肯定感を高めるんです」(篠原先生)篠原先生はこの効果はじつは大人も同じだという。「脳の仕組みは子どもも大人も同じ。家族に子どもがいる、いないに関わりなく、ほめ写を家じゅうに貼っている家庭は家族全員の脳にいい影響がでるはずです」(篠原先生)これを受けて親野先生は次のように語る。「私はこれまで講演などでずっとほめ写を勧めてきました。実際に実践したお母さんからは『家族全員の会話が増えた』『家で怒る回数が激減した』などの声が届いています。みなさんでほめ合うことで家庭は自然に明るくなる。当然、それはお父さんやお母さんにとっても自分の夢をかなえる大きなエネルギーになりますよ」「“ほめ写”で夢の実現」のプロセスはこうだ。【1】家族の“ほめ写”を家じゅうに貼る【2】毎日“ほめ写”を目にし、それについて家族みんなで語り合い、ほめ合う【3】家族全員が前向きになり、自然と家事や勉強などをやるようになる【4】あなたや夫が怒る回数が減り、イライラやストレスが激減【5】叱ったり、叱られることが少なくなることで、家族みんなの自己肯定感が増す【6】自分に自信が持てるようになり、夢をかなえるエネルギーが生まれる【7】家族みんなの夢がかなう「最初は他人の目が気になるかもしれませんが、恥ずかしがらずにとにかくいっぱい貼ることです。家を訪れた人は最初は驚くかもしれません。でも理由を聞けば必ず『なるほど、いいね』と思ってくれますから、始める勇気が大切。それと、お父さん、お母さん、子どもたちの写っている枚数を均等にすることも大事。兄弟姉妹で片方が少なかったり、お父さんの写真が少なかったりするのは不公平感が家族に生まれ、かえって逆効果になります」(親野先生)子どももあなたも自然と元気になって夢がかなう魔法の「ほめ写」。まずは古いアルバムやスマホに撮りためた写真を見返すことから始めてみてはいかがだろうか。
2018年11月07日トップライター:中森かなめ1994年から毎年開催され、今年で25回目を迎えた『工学院大学わくわくサイエンス祭 科学教室』。今年の夏も工学院大学八王子キャンパスで開催されました。科学の面白さが体験できる多摩地域最大級の科学イベントに、娘(中1)といっしょに行ってみると、娘をひきこむ科学体験テーマがたくさんありました。サイエンスに対する意識が変わる!小学生のときから、理数系科目に苦手意識がある娘。学校の定期テストでは点数こそとれているものの、苦手意識は払しょくできずにいました。そんな娘に担任の先生は「授業で教科書とにらめっこして先生の説明を聞いているだけでは、理数系科目に対する意識は変わりませんよ。科学館や水族館などに行って、実際に自分の目で科学現象や動植物の生態を見てきたほうがいい」と助言をしてくださいました。先生から言われると「そうかも!」と思える素直さが娘のいいところ。さっそく夏休みに娘はお友だちと新江ノ島水族館を訪れ、水の中で暮らす生物を観察し、海や川の中にはいろんな生物が棲んでいることを楽しく学んできました。そして、夏休みも終盤にさしかかったところで、工学院大学で科学教室が行なわれると聞きつけ、誘ってみると「面白そうだね」との反応があったのです。紙で学ぶ、完成するまであきらめない気持ちこうして訪れた科学教室は、テレビのお天気キャスター気分を体験できる『お天気コーナー』や、自分だけのろうそくを作ってものが燃える仕組みを学ぶ『カラーアロマキャンドルをつくろう!!』をはじめ、84個もの演示テーマがありました。この中から、まず娘が興味を示したのが、建築を学ぶスタートとして紙を使ってモノづくりの楽しさを体験できる『紙から建築をまなぼう!』です。『紙から建築をまなぼう!』ブースでは、五重塔や自由の女神など、国内外の有名建築物を工作できました『紙から建築をまなぼう!』ブースで使うものは、“カッター”“カッターマット”“型紙”そして“完成するまであきらめない気持ち!”とあります(笑)。型紙に記されている実線をカッターナイフで切り、点線を山折りし、破線を谷折りすれば、折り紙建築ができ上がり。難易度中級レベルのエッフェル塔を選んだ娘は、作業に取りかかってしばらくして、「完成するまであきらめない気持ちは本当に大事!」と笑っていました。難易度中級レベルに挑戦し、根気よく作業を進める娘各ブースでは、大学生や大学院生、附属中高の生徒のみなさんが「教える側」として活躍していて、娘は建築学専攻の女子大学院生とお話しながら、作業を進めていきました。細かい作業は嫌いではないという娘の作業ぶりを見て、院生のおねえさんは「去年、大学の卒業制作で建築模型を作ったんですけど、わたしは細かい作業が苦手で……。助手として手伝ってほしかったな~」と、ほめてくれて娘もうれしそうでした。完成したエッフェル塔。細かい作業だったので、制作に1時間ほどかかりました身の回りのものは科学が関係している!?次に向かったのは『CAD/CAMとNC工作機械を操作してネームプレートを加工しよう』ブースです。実は、娘の祖父は長年工作機械メーカーで主に海外営業を担当していて、昨年引退したばかり。ここで工作機械と対面するのも何かの縁かもしれません。ネームプレートに加工する文字や大きさをコンピューターでデザインし、自分がデザインした名前の加工のようすや、工作機械に命令するプログラムをコンピューターの画面を見ながら確認した娘。コンピューターが加工しやすいように文字を削っていくので、漢字の書き順どおりに文字ができ上がっていくわけではないということが、娘には新鮮だったようです。大学生に教えてもらいながらコンピューターにプログラムしていきますその後、『チタン製のカラフルなしおりを作ろう』ブースで、化学実験をしつつ軽い金属製のしおりを作り、『缶バッジを作ろう』ブースでてこの原理を利用してオリジナルの缶バッジを作った娘。身の回りの物は、科学が関係していることが多いということを実感することができました。『チタン製のカラフルなしおりを作ろう』ブース。リン酸の液にチタンのプレートを浸し、電流を流すことでプレートの色が変化します娘が参加したプログラムのほかに、『巨大シャボン玉に入ろう』や『液体ビー玉を作ろう』など、興味深い科学体験テーマがたくさんありました。同イベントは毎年8月最後の週末に行なわれるそうなので、来年の夏休み前にウェブサイトをチェックしてみてください。中1の娘は、「小学生のときにこのイベントの存在を知っていれば、夏休みの自由研究にきたのに!」と悔やみつつ、工学院大学をあとにしたのでした。イベント情報施設名 工学院大学八王子キャンパス 住所 東京都八王子市中野町2665番地1 問い合わせ E-mailksec@sc.kogakuin.ac.jp電話042-628-4835 工学院大学Webサイト 中森かなめ(なかもりかなめ)東京都在住・40代夫と娘(中1)と3人暮らし。大学卒業後、出版社勤務を経て、渡仏。1年弱遊学した後、フリーランスライターとなる。結婚して出産後、しばらく休業するも、娘が5歳のときに復帰。現在も細々と執筆業に励む。
2018年11月07日「片付けをしようと決めたものの、なんだか今日はやる気が出ない……」そんな日はありませんか?人間たるもの、気分の浮き沈みもあって当然です。ところが、お部屋は放っておくと、容赦なく散らかっていくというのも辛い現実。そこで今回は、心理学から学べる「どうしてもやる気が出ない時の対処法」をお伝えします。■ 「やる気が出ない!」のは、誰もが持つの悩み!アメリカで人気の、マーラ・シリーという整理整頓のプロフェッショナルをご存じでしょうか?自らをFlyLady(フライレディ)と称する彼女は「5分間お部屋レスキュー」というテクニックを提案しています。これは「部屋の一番汚い部分を探して、5分間だけそこを片付ける」というもの。M&T / PIXTA(ピクスタ)一番散らかっている場所を見つけたら、スマホでも目覚まし時計でも良いので5分間のタイマーをセットしましょう。そして、その5分間だけ片付けをしてみるのです。■ 好きな音楽でも聴きながら、ただ時間を過ごすだけここで注意点です。やる気が出ない時に「ここを綺麗に片付けなければ……」と考えると、やる気は一層なくなります。「5分だけだから、すぐ終わる」と考えて、時間を過ごすだけのつもりで臨みましょう。ちなみに筆者のオススメは、5分程度のお気に入りの曲を聞くことです。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)好きな曲を聞いている間だけなら、気分が乗らない時間もなんとか過ごせそうです。しかも、1曲だけで良いのです。■ 5分後、あなたのやる気はどうなるか?なんとか5分やりきると、目の前の状況はどうなっているでしょうか?溜まっていたゴミをゴミ箱に捨てただけかもしれませんし、散らかっていた衣類をタンスにしまっただけかもしれません。kaka / PIXTA(ピクスタ)ここでまだやる気が出なければ、無理をするのはやめましょう。「5分頑張ったから、今日はここまで!」と潔く切り上げるのがベターです。ところが不思議なことに、5分ほど経過した時点でやる気が出てくる人が多いのです。これが、マーラ・シリーが提案する「5分間お部屋レスキュー」のすごいところなんです。■ 科学的にも証明!たった5分で脳に起きること。前述のような「5分程度やってみると、なんだかやる気が出てくる」という現象は、昔から研究対象になってきました。100年以上前のことですが、ドイツの精神科医であるエミール・クレペリンが「作業興奮」という概念を提唱しています。これは簡単に言うと「作業をやり始めると気分がノッてくる」ということなのですが、近年では脳科学の見地からも証明されています。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)脳には「側坐核」という箇所があり、刺激すると快感を覚えるため“快楽中枢”とも呼ばれています。この側坐核は、「成果が見える」ということが大好物。ちょっとした成果でも、「楽しい!もっとやろう!」とやる気をどんどん引き出してくれます。A_Team / PIXTA(ピクスタ)■ 片付け作業は、脳の「側坐核への刺激に向いている。片付けの良いところは、たった5分間でも手を動かせば何かしらの変化が起きること。「ゴミがちょっとだけ少なくなった」「服が少しだけ片付いた」CORA / PIXTA(ピクスタ)ほんの小さな変化でも、脳は「成果が出た!もっとやろう!」とやる気を出してくれるのです。そうなれば、もうこっちのもの。タイマーが鳴ろうが、曲が終わろうが片付けを続ければ良いだけです。kou / PIXTA(ピクスタ)ついさっきまでやる気が出なかったのが自分でも不思議なくらい、片付けが楽しくなるかもしれませんよ。【参考】※Fly Lady.net※児玉光雄『超一流アスリートが実践している本番で結果を出す技術』
2018年10月29日今年に入り「ビビット」(TBS系)や「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)といったレギュラー番組を相次いで卒業したオリエンタルラジオ・中田敦彦(36)。一部メディアで「先輩と揉めたことでテレビ業界から“干されている”のでは?」との声が上がっていたところ、10月10日に週刊女性が直撃取材。中田は「干された?」という質問について、「干されたってことじゃない。仕事を整理したんです」と答えたという。これに対し、脳科学者・茂木健一郎(55)が記事のあり方について疑問を呈した。自身のブログで茂木は「このような記事には、『テレビ』がなんといっても大切な仕事の場であり、そこに出ないことは『干される』ことだという前提があると思う」とコメント。若い世代はテレビをあまり見ていないとの持論を展開し、「テレビはもはや唯一の選択肢にはなっていない」と断言。さらに「テレビが中田さんを干すのではなく、中田さんがテレビを干すことこそを恐れるべき時代になっているのではないかと思う」とも語っている。たしかに近年、テレビ外で活躍する芸人が増えてきている。ウーマンラッシュアワーの村本大輔(37)やキングコングの西野亮廣(38)などは、ネット上で自由に持論を展開。批判もあるものの、多くのネットユーザーからの支持を得ている。こうした動きが加速している背景には、テレビ業界が抱える“あるジレンマ”も関係しているという。「テレビ内での芸人枠はすでに大物芸人たちで埋まっており、若手はエッジを利かせた芸で存在感を出すしかありません。しかし彼らのような“ズバズバものを言うというスタイル”の芸人は、テレビ的には使いにくいのです。いっぽう、ネット上ではそうした“ストレートな物言い”は好まれる傾向にあります。ですから彼らはなおさら枠のないテレビ業界に迎合するのではなく、自由なネット空間に活路を見出そうとしているのです」(芸能関係者)10日放送の「オリエンタルラジオ中田敦彦のオールナイトニッポンPremium」では、自身のブランドTシャツが大反響を呼んでいると明かした中田。1万円という強気の値段設定にもかかわらず飛ぶように売れたといい、「ぶっちゃけな話、先週1日分のギャラは諸先輩方のギャラの半年分を上回っている。ごめんなさい先輩!」と語っていた。さらに番組では、「これは序章に過ぎない」とも続けていた中田。今後も快進撃は続くのだろうか?
2018年10月11日脳と血糖値には深い関係があるのをご存じでしょうか?仕事や勉強の妨げになるような食後の眠気や集中力の低下などは血糖値が原因かもしれません。血糖値が脳に与える影響と血糖値を安定させる方法をご紹介します。血糖値が脳に与える影響とは空腹時に糖質を多く含む食事をすると、血糖値が急上昇します。上昇した血糖値を下げるために、すい臓から大量のインスリンが分泌され、血糖値は急激に低下します。すると、脳に糖分がいかなくなり、眠気を感じるのです。そこで、脳はブドウ糖が足りないと感知し、再び血糖値を上げるためにアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を指示します。(※1)その結果、イライラや集中力の低下が引き起こされます。集中力の維持には、食後の血糖値の上下をなだらかにすることが重要です。血糖値を安定させる4つの方法1.野菜から先に食べる(ベジファースト)空腹時にいきなり白米など糖質が高いものを食べると、急激に血糖値が上がり、大量のインシュリンが分泌されてしまいます。しかし、野菜や汁物から食べることで、それらに多く含まれる食物繊維が糖の消化吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。2.主食を玄米・全粒粉パンなどに切り替える普段の食事で、主食として食べている白米やパンを低GIの玄米・全粒粉パンにかえると、血糖値の乱高下を抑えることができます。GIの低い玄米やそば、全粒粉パンは精製されていない部分に、食物繊維やミネラルが残っているため、糖の吸収も穏やかになり、血糖値の急上昇を防げます。3.甘いお菓子を控える甘いお菓子や甘い飲み物は、砂糖が多く使われているため、血糖値を急激に上げてしまいます。また、洋菓子などは油分が多く、カロリーも高いので、健康のためにも食べ過ぎはよくありません。食べる場合は低GIにものを選びましょう。例えば、一般のチョコレート(GI:91)→ブラックチョコレート(GI:22)にかえると大幅にダウンできます。4.3食規則正しく食べるポイントは空腹になりすぎないことです。食事と食事の間は4~5時間くらいがベストといわれていています。その理由は、「空腹時間が長い=飢えている」とカラダが判断し、大量のエネルギーを吸収しようとしてしまいます。これが急激な血糖値の上昇につながってしまいます。次の食事まで時間が空きすぎてしまう場合は、間食をおすすめします。アーモンド・ヨーグルト・甘栗・牛乳・豆乳・野菜ジュースなどを食べれば、タンパク質やカルシウムの不足しがちな栄養素も一緒に補うことができます。 午後の仕事のパフォーマンスや勉強も昼食次第と言っても過言ではありません。ぜひ、食後の血糖値を最適化して、高い集中力を発揮したいですね。【参考】(※1)姫野友美心療内科に行く前に食事を変えなさい青春出版社(2016年p31) 【執筆者】衞藤敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
2018年10月05日ハウコレには何度か似たような趣旨のことを書いていますが、今一度、世の女性たちにお伝えしたいことがあります。彼に「男らしさ」を強要すると、彼はあなたから逃げていきます。今日はその理由について詳しくお伝えしていきましょう。■男性と女性の考え方の違いはどこから来るのか?少し前に「男性脳と女性脳の違い」が話題になりましたが、現代の脳科学では男女の脳に、性格を分けるほどの決定的な違いはないとされています。でも、男女の考え方には一般的に大きな違いがあるのは事実ですし、あなたもきっとそう感じるシーンが過去になんどもあったはずです。その違いは一体どこからやって来るのか?それが「社会から求められている役割」の違いです。■男の子が仮面ライダーを目指し、女の子がケーキ屋さんを目指すわけ小さい時に将来の夢を聞かれたときに、男の子はスポーツ選手や仮面ライダー(的な正義のヒーロー)などを選び、女の子はお花屋さんやケーキ屋さんを挙げることが多いですよね。あんなに小さい時からすでに、男性は「競争の中を勝ち抜くかっこいい男」が「素晴らしい」という思い込みを植えつけられているのです。一方の女性は、「可愛く、華やかに、周りと協調すること」を求められています。この差が、あとあとになって男性と女性の考え方の違いを生んでいくことになります。■男性はなぜ自分の非を認めたがらないのかちょっとした口論がキッカケだったけど、いつの間にかよくわからない論理武装で論破されていた。明らかに向こうの過失なのに、全然謝ってくれないし、むしろキレられる。あなたにもそんな経験があるかもしれません。なぜに男性はこんなにもプライドが高く、自分の非を認めようとしないのでしょうか。実は先ほどの「競争の中を勝ち抜くかっこいい男」でありたい、という無意識がそうさせているのです。しかも、本人が自分のことを「競争の中を勝ち抜くことができなかったかっこ悪い男」だと思っていれば思っているほど、それ認めたくないという心理から、謝ることを許さなくなってしまうのです。■男性は「世間の求める男らしさ」に生きづらさを感じているさて、ここからが大事なところです。あなたがもし、彼の一番の理解者になり、今後も彼のそばに居たいと願うなら、彼に「男らしさ」を求めないことがとても重要です。彼があなたよりも仕事を選ぶのは、「出世できなかったら大事な女一人も守れない」という恐怖があるから。彼がいろんな女性にちょっかいを出すのは、「何もない自分にせめてモテていることで自信を持ちたい」という願いがあるから。彼がいつまで経ってもプロポーズをしないのは、ただでさえ長時間労働で疲弊しているのに、「自分の力で家族を養っていくこと」に加えて「家事や子育てまでこなすこと」に自信が持てないから。それだけ世の男性たちは「あの時憧れたようなヒーローになれていない自分」に自信をなくしているのです。そんなタイミングで、唯一心を許せると思っていた彼女から、忙しくてもかまってほしい、デートの時には常にリードしてほしい、プロポーズなどの重大な決断は彼にしてほしい、そんな「男らしさ」を求められたらどう感じるでしょうか?「ここは俺が安心していられる場所じゃない」、そう思ってあなたの元を離れていくのです。■あなたがすべきことは彼を安心させてあげること「そうは言うけど、こっちはこっちで大変なんじゃ!」とお怒りの女性もいるかもしれませんが、そんなことでは「俺だって私だって」の水掛け論になって何も進展しません。欲しければまず与えること。この原則に立ち返るべきです。彼にかまって欲しければ、まずは「仕事頑張っていてすごいね、偉いな。でも無理しないでね」といってあげること。彼に浮気して欲しくなければ、まずは「あなたはあなたのままで十分に素晴らしいんだよ」と伝えてあげること。彼にプロポーズして欲しければ、「お金も家事も育児も、二人ならなんとかなるよ」と、一人で背負わなくていいんだという安心感を与えてあげることです。そんなことで彼を甘えさせることにならないか?という不安を抱く必要はありません。人は「安心できる環境に入った時にこそ本領を発揮できる」のです。その安心できる環境に依存するか、そこを軸に自立するかはその人の人格の問題。仮に依存する人間になったとしてもそれはあなたの責任ではなく、彼の問題です。もし、あなたが彼の一番の理解者でありたいと願うなら、彼が何と戦っているのか、その見えない敵の正体はなんなのか、それを一番に理解してあげてください。そしてその恐れを解消してあげることが、彼からの愛を引き出すことにつながるのです。(川口 美樹/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年09月29日今の彼とは知り合ってどのくらいですか?一年?半年?それとも1ヶ月未満?月日の流れとは残酷なもので、はじめのうちに感じていたドキドキもときめきも、時が経つにつれてだんだん薄くなってしまうもの。これは脳科学的にも説明がつくのですが、要は「慣れてしまっている」ことが一番の原因です。もしあなたが今の彼とマンネリ気味になっているのであれば、その「慣れ」を壊すのに「感謝のお手紙」を使ってみてはどうでしょうか?■感謝の手紙が効果バツグンな理由これだけLINEやらスカイプやらのコミュニケーションツールが発達した現代にあっても、手紙の存在感は未だ色あせていません。なぜ僕たちは人から手紙をもらうと(人に宛てて書くと)こんなにも心が動かされてしまうのでしょうか?端的に言ってしまえば、それは「手間」と「情報量の幅」から愛情を感じるためだと僕は思っています。■わざわざ書く、という手間が愛おしさに繋がるいざ誰かに手紙を書こうと思うと、一度下書きをして、何度も読み返して推敲して、いざ書き始めたら字を書き間違えて、最初からやり直して、なんならちょっと可愛くデコってしまったりして、すごく手間がかかりますよね。毎日のLINEでこれをやっている人はほとんどいません。だからこそ、この手間が「価値」になるわけです。同じ「ありがとう」でもLINEでピコンと飛んでくるよりも、わざわざしたためられた「ありがとう」にじんわり温かいものを感じるのは、そこに書き手の手間を想像するからです。■手紙から受け取る情報量は実はすごく多い自分宛に書かれた手紙を読むことで、読み手は「どんな気持ちで書いてくれたんだろう・・・」「普段こんなことを思ってたんだ!」など喜怒哀楽さまざまな感情を感じます。加えてその文字に写し出されるその人の性格や、書いた時の感情などもダイレクトに伝ってきます。特に恋人同士、あるいは夫婦間で付き合いが長い関係ほど、忘れていた感情が喚起され、かつて感じていた感情を思い出すきっかけにもなるのです。ある研究によれば、「気持ちを書いて表現すること」が夫婦の絆の強度を20%もアップさせることがわかっているほどです。■感謝の手紙には何を書いたらいい?とはいえ、改まって手紙を書けと言われても普段書き慣れていないと、何を書いたらいいのかわからない、という人もいるでしょう。そんな時は次の質問を思い出してください。・彼に出会ったことで自分は何が変化した?・それは彼と知り合っていなければなかった変化だった?・もし、あの時、こうしていなかったら今の二人はないだろうなって思うことは?・当初、付き合うまでの自分は彼に対してどんな態度だった?・好意を伝えられた時、あるいは受け入れられた時、どんな気持ちだった?・なかなか素直にはいえないけど、実は謝りたいことはある?・以上を踏まえて、彼に感謝したいことはある?上記の質問に答えていけば、自然と手紙の書く内容は整っていくはずです。それでももし何も思い浮かばなかったら?それでも無理やり感謝してみてください。嘘かと思われるかもしれませんが、強制的に書かされたことでも人はそれを本当のことと感じるようになる性質を持っています。嘘から出た誠、無理やり感謝しても、その感謝はあとあとになってホンモノになるんですよ。■どうせ出すなら何気ない時に感謝の手紙は誕生日や記念日などの、特別な日「以外」のタイミングて書いた方が効果的です。なぜなら相手がもらうことを想定していないサプライズになるからです。そしてその何気ない日に特別な手紙が届くことに、受け取った相手はことさらの愛情を感じるのです。思いは可視化しなければ伝わりません。口に出すのが恥ずかしければ、手紙を書きましょう。なぁに、たかだか一時間頭を悩ますだけです。それで彼の関係が一年間安定すると思えば安いもんじゃないですか(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年09月23日今月の人。脳研究者・薬学博士池谷裕二さん1970年、静岡県生まれ。1998年、東京大学大学院薬学系研究科で薬学博士号取得。2002~2005年コロンビア大学客員研究員を経て、2014年より同学部教授。専門分野は大脳生理学。特に海馬の研究を通じて、脳の健康について探求している。文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2008年)、日本学術振興会賞(2013年)、日本学士院学術奨励賞(2013年)などを受賞。著書に『記憶力を強くする』、『進化しすぎた脳』、『受験脳の作り方』、『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』、『脳には妙なクセがある』など多数。「ぱぴぷぺぽ」の音とカラフルな色と形の世界に赤ちゃんも大はしゃぎ!『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』絵・おかざきけんじろう文・谷川俊太郎¥1200/クレヨンハウス谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」シリーズ。多彩な創作活動を展開するアーティスト、おかざきけんじろうさんの絵を見て、谷川俊太郎さんが文を書きました。「ぱぴぷぺぽ」の音に合わせて、ヘンテコなものたちがあっちこっちに……。赤ちゃんと一緒にパパ、ママも心地よい言葉のストレッチができます。読み聞かせのときは、大きく口を開けて、大きな声で読むのがポイント。「初めて手に取ったのは、長女が生まれて半年くらい経ったとき。ストーリーはなく、ただ“ぱぴぷぺぽ”の音と、原色っぽい色と形の抽象画で構成されているんですよ。この音と光!人間の原点というか、魂に直接触れちゃうようなイメージですね。赤ちゃんでもめちゃめちゃ反応します。たぶん500回じゃすまないくらい読んだので、うちの絵本はボロボロです。最初は読むのが大変だったけど、もう見なくてもぜんぶ言えちゃうくらい(笑)」音に敏感な詩人ならではのセンス読めばポーンと心地よく胸に入ってくる「私は絵本好きだという印象があるんでしょうね。まだ子どもがいない時から、学生さんが『先生、これ誕生日プレゼントです』って、よく絵本をプレゼントしてくれたんですよ。だから、むしろ大人になってから知った絵本が多いです。絵本って、もちろん子どもが読むのもいいけど、大人も楽しい。物語のように起承転結もいらないし、伏線を回収しなくてもいい。それって絵本だけに許された自由なんだと思います」脳研究者として、長年、さまざまな研究を続けるかたわら、脳について最先端の知見を老若男女、世界に向けて分かりやすく伝えている池谷裕二さん。私生活では現在5歳半の長女、2歳半の次女がいる、子育て真っ最中のパパでもある。「子どもがもっとちっちゃかった頃は、大脳生理学的に考えて、絵本を選んでいました。インパクトのある音や色が使われているなど、フィルターなく、子どもの脳にストレートにポンと届くもの。それ以外に、ひらがなだけで構成されているかどうかもチェックしていましたね。字を覚え始めの頃って、カタカナは読めないですから」まずは親が実際に声に出して読んだときに、子どもの耳にどう響くかが大事。その点、詩人の谷川俊太郎さんによる「あかちゃんから絵本」シリーズはさすがの完成度。中でも、池谷さんが一番好きなのが『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』だ。「もともと谷川俊太郎さんの詩が好きで、『二十億光年の孤独』などの詩集は家の本棚に並んでいます。読むたびに、谷川さんの言葉のセンスって素敵だなと思っていたところに、この絵本。もはや言葉ですらない、音のセンスなんですよ。パピプペポだけで、こんなに表現できちゃうんだ!という感動。この作品自体が絵本というより、芸術ですね」最初のうちは噛まずに読むのが難しい。でも、何度も繰り返し読んでいるうちに、いつしかリズムよく、なめらかに読めるようになる。この爽快感ときたら!「子どものためというより、結局、私が好きなんですよ。子どもがいないときも、私ひとりで読んでいますもん(笑)。スラスラ読んでいると、気持ちが明るくなってきます。長女は今、妹に絵本を読んであげるのが好きで、この絵本も読み聞かせしているんですけど、やっぱりまだうまく読めず、悪戦苦闘しています(笑)」魅力的な絵本はいつだってイマジネーションを刺激してくれるこのところ、池谷さんの家の本棚に増えつつあるのが、ヨシタケシンスケさんの絵本。きっかけは、昨年出版されたヨシタケさんの育児マンガ『ヨチヨチ父—とまどう日々』を読んだことだった。「もうウケましたね。こんなおもしろい絵本作家さんが最近いらっしゃるんだと。その後、ヨシタケさんの絵本をたくさん買ったんですが、僕の中で自然に感覚がフィットするのが『なつみはなんにでもなれる』です。読み手のイマジネーションを刺激するというのは、絵本にとってすごく大切なことだと思っていて。この絵本の主人公の女の子のように、物マネ遊びをするって、まさにイマジネーションの世界に入ることなんです。何かの特徴を見つけて、工夫しながらマネして、相手に伝えようとする。そもそも“学ぶ”という言葉は“まねぶ”つまりマネをするというのが語源なんです。模倣することで、私たちは何でも学んでいく。だから、子どもの物マネって、学びの原点なんですよ」両手をウサギの長い耳に見立てて、うさぎのマネをするのだって、立派なイマジネーション。あらゆる動物の中で、自発的に他の動物の物マネをするのは人間だけなのだ。「反論もあるんですよ。たとえば『九官鳥だってマネしているじゃん』って。でも、あれは意味も分からず、音をコピーしているだけ。マネっていうのは違うんです。もっと広くて、ふくらみがある。マネすることによって、そこから発展していくものがいくらでもある、というのが本当のマネなんです」柔軟な視点を持つために常識をくずすことを子どもに教えたい池谷さん自身が影響を受けたメッセージ絵本として忘れられないのが、2001年に発行され、大ベストセラーになった『世界がもし100人の村だったら』。池谷さんが奥様と結婚する前、誕生日プレゼントに贈った思い出の本でもある。「妻とつきあい始めたのが、ちょうど2001年だったんです(笑)。世界を100人の村にたとえて、比較することで、日本がこんなに特殊な国なんだということが分かってハッとしましたね。当時は若造で粋がって、自分では視点をたくさん持っているつもりだったんだけど、これを読んだら、自分は何も知らなかったんだなぁと。反省するとともに、もうちょっと謙虚に生きなきゃいけないな、そもそも常識って何だろう?などと、いろいろ考えさせられました。私が本を書くときは、常識をくずすことをひとつの目標にしているんですが、そういうスタイルの原点になっています」池谷さんが自身の著書を通して伝えたいことは、やはり親として、子どもたちに伝えたいことともダイレクトにつながっている。「子どもって、何かものを見たときは『こうだね』って、すぐ言っちゃいますよね。そのときに『でも、そういう見方だけじゃなくて、こういう見方もあるよね』と、常に教えるようにしています。『君から見ればそうだけど、相手から見たら、こう感じるかもしれないよね』とか。そうやって、親子で会話するときに『あなたが信じている世界が正しいとはかぎらないよ』と伝えることを、長女が2~3歳の頃からずーっとやってきました。これがいいことか悪いことかは分かりません。だって、子どもだって、信念が必要でしょう。それをいきなり壊しているわけですからね。でもその声かけによって、娘は今、パッと何かを考えたときに、それに飛びつかないで、これってああかもしれない、こうかもしれないって、考えるクセがついています。まさにヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』と一緒ですよ。だから、もしかすると変な性格になっちゃっている可能性もあるんだけど(笑)、娘が将来、柔軟な視点を持つために、すごく大切なことだと思うんです」[ 池谷さん、これもオススメ ]子どもの物マネは〝学び〟の原点子どもと親、それぞれの目線に共感『なつみはなんにでもなれる』作・絵ヨシタケシンスケ¥1000/PHP研究所人気の絵本作家ヨシタケシンスケさんがおくる、くりかえしが楽しいマネっこ絵本。なつみは「すごくいいことおもいついたよ!」と、お母さんのところにやってきました。そして、「なんのマネをしているか、あてるゲームだよ!」と問題を出します。毛布にくるまったり、手をグルグル回したり、いろいろなやり方で何かのマネをしていきますが、お母さんはなかなか当てられなくて……。親子のほのぼのとしたやりとりも見どころです。「子どもがごっこ遊びをする日常のシーンを描いた絵本ですが、初めて読んだときに大爆笑しました。最後まで、まともに読めなかった。笑っちゃって。女の子が一生懸命、アサリの物マネをする場面の可愛さなんて、もう(笑)。親から見ても、あぁ、子どもって、確かにこう!って、共感できる楽しさがありますね。長女は最近、毎日のようにこの絵本を読んでいます。それで妻のところに行って『これなーんだ?』ってやるんですよ(笑)」ラララン ロロロン♪心をつかむフレーズこんな魔法みたいな服があったら最高!『わたしのワンピース』作作・にしまきかやこ¥1100/こぐま社空からフワフワと落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作りました。出来上がったワンピースを着て、お花畑を散歩していると、ワンピースはいつしか花模様に。雨が降ってきたら、水玉模様に……。場面が変わるたびに、次々と柄が変わっていきます。1969年の発行以来、世代を超えて愛され続けているファンタジー絵本の名作。「うちの子はふたりとも女の子で、ワンピースが大好きなんですよ。この絵本のワンピースはさらに柄がどんどん変わっていくんですから、最高ですよね。一方、私がこの絵本に惹かれるのは、ララランロロロンという音の連続。読むと、頭から取れなくなっちゃう。特に意味はなくても、心をグッとつかむ力があるのがいいなぁって。作者が一文字一文字、練りに練った音のリズムと、豊かなイマジネーションの両方を兼ね備えた絵本ですね」子どもの想像力を刺激して、聴く力を育てる親子で聴きながら会話もはずむオーディオブック『お話、きかせて!聴く絵本 むかしばなし ベスト100』¥2700/パンローリング日本のお話からは『ももたろう』や『かぐや姫』、外国のお話からは『大きなカブ』や『三匹のこぶた』。イソップ、グリム、アンデルセンの三大童話も含め、本当に子どもに聴かせたい有名な昔話を集めて、100話にまとめました。子どもが集中して聴けるように、お話は1話5~10分程度。耳で聴くことで記憶に残りやすく、きれいな日本語を自然と学べます。「今、長女は〝耳で聴く絵本〟にハマっています。シリーズになっていて、500話くらい集めているところです。移動中の車の中や、夜寝る前の寝室で、毎日ずっと聴いているほど大好き。私も娘と添い寝しているので、一緒に聴いているうちに、世界中の昔話にすっかり詳しくなっちゃいました(笑)。娘も真剣に聴きながら、見たこともない昔の情景を子どもなりにちゃんと想像しているみたいです。『マッチ売りの少女』に出てくる『マッチって何?』と娘に聞かれたときは、後日、実物を手に入れて、目の前で火を点けてあげました」Illustration:Yuka HiiragiText:Keiko IshizukaComposition:Shiho Kodama
2018年09月22日「健康によくない」「ダイエットの敵」として認識されがちな脂質。実は、脳の機能を維持し、集中力や記憶力に欠かせないということをご存じですか?脂質は、重量にして脳の50~60%を占めています。特に重要なレシチン・オメガ3・コレステロールについて解説します。3つの種類と効果1.レシチンレシチンという脂肪酸は、記憶に関係する脳内物質「アセチルコリン」と「ミエリン鞘」の原料です。アセチルコリンは記憶力に関係する脳内物質です。人の顔は覚えているのに名前を思い出せないなどという記憶力の低下は、アセチルコリンの不足によるものです。ミエリン鞘は脳細胞同士の情報リレーをサポートする物質です。レシチンが不足し、ミエリン鞘が弱くなると、次の脳細胞に情報が届かなくなります。すると、買い物に出かけ、いざお店に着いたときに何を買おうとしていたか忘れてしまうなどの物忘れが起こります。2.オメガ3DHAやEPAなどのオメガ3とよばれる種類の油は、脳神経の発達や機能の維持に欠かせません。 特にDHAは脳の伝達情報に必要な神経細胞を活性化し、判断力や集中力を高めてくれます。また、EPAは血中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする働きがあります。脳内の血管の若々しさを保ち、幸せホルモン「セロトニン」の働きも良くしてくれる物質です。3.コレステロール体内のコレステロールのうち、4分の1が脳に存在します。脳の神経細胞は高度な情報処理をしているため、複雑な形をしています。その細胞膜の形と柔軟性を維持しているのがコレステロールです。ストレスに強い体をつくる副腎皮質ホルモンや性ホルモンもコレステロールを原料にしています。脂質のとり入れ方のコツ5つ1.卵を食べる卵黄に含まれる卵黄レシチンは、脳内の神経伝達物質のもとになります。また、卵はコレステロールを多く含む食材として知られているため、気になる方は避けがちですが、食事からとるコレステロールで、すぐに高コレステロールになることはありません。2.大豆製品をとり入れる大豆にはレシチンが含まれています。最近、大豆製品をとれていないなという人は、間食に豆乳を飲んでみて下さい。3.魚を食べる魚の中でも、さんまやさば・マグロやいわしなどの青魚にDHAやEPAが多く含まれています。特にイワシにはDMAE(ジメチルアミノエタノール)が含まれており、脳を活性化します。DHAやEPAは熱に弱く酸化しやすいので、お刺身で食べるのがベスト。煮魚やグラタン、缶詰などもいいいですね。天ぷらやフライなど高温で加熱する調理法は、貴重な脂肪分が半分以上流出してしまいます。4 .亜麻仁油やしそ油を使う細胞の機能を正常に保つには、オメガ3とオメガ6のバランスが大切です。しかし、日常的に使われる食用油や市販のドレッシング、加工食品で使われているのは、オメガ6のリノール酸がほとんど。そのため、オメガ6系の脂肪酸が過多になりがちです。オメガ3の亜麻仁油やしそ油を使い、積極的にオメガ3脂肪酸を補いましょう。オメガ3とオメガ6の理想の割合は1:1。現代の日本人は1:4でオメガ3の摂取量が少ないので、意識してとり入れたいですね。(※1)5 .チアシードをとるチアシードは、オメガ3脂肪酸であるα‐リノレン酸が豊富。グレープフルーツジュースやオレンジジュースに浸して吸水させ、塩こしょうや亜麻仁油・しそ油などを加えて味を調えるとデリ風サラダドレッシングが作れます。少しの工夫でオメガ6をオメガ3に置き換えることができます。記憶力を維持・向上するために、脳に必要な脂質をしっかり補って、健やかな毎日を過ごしたいですね。【参考】(※1)生田哲「食べ物を変えれば脳が変わる」PHP新書(2012年P62)生田哲「食べ物を変えれば脳が変わる」PHP新書(2012年P6,40,148)姫野友美「心療内科に行く前に食事を変えなさい」青春出版社(2016年P108~115) 【執筆者】衞藤敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
2018年09月20日少しずつ認知症の症状が現れるアルツハイマー型認知症とは異なり、脳梗塞、脳出血などの脳血管が原因で認知症になる人は少なくありません。しかも、脳梗塞は40代、50代でも発症します。とはいっても、脳梗塞は生活改善などで防ごうと思えば防げる病気です。ここでは脳梗塞で認知症を発症した人の介護について、一例を紹介します。参考になれば幸いです。■ ある日突然、父が倒れて自宅で介護することに…同居している義理の父親(78歳)が脳梗塞で倒れ、退院したら自宅での介護を考えているという主婦A(48歳)さん。KY / PIXTA(ピクスタ)Aさんのご主人は営業部で出張も多いため、主介護者となるのは必然的に自分だろうと感じていました。Aさんは事務職で比較的休暇が取りやすく、仮に会社を辞めてもご主人の収入でなんとかなるとも考えました。当初、Aさんは自宅で介護(在宅介護)するか、介護施設に入所させるかで悩んでいました。しかし、父の意識はしっかりしているため、施設入所はやはり気が引けました。■ 離職せず介護休業を利用して介護に専念Aさんは結局、自宅で介護という方法を選択しました。そして、現在の仕事について、次の4つの選択肢を考えました。勤務時間を短くして早く帰宅し、介護できるようにする地元のスーパーなどでのパートに切り替える自宅でできる仕事をする仕事をしないで介護に専念するAさんが選択したのは1でしたが、上司に相談すると、しばらく介護休業をとればいいとアドバイスされました。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)介護休業は雇用保険から介護休業給付金が支給され、1回の介護休業期間は最長3か月です(介護休暇は最長5日間)。言われるまま介護休業をとり、父の介護に専念することにしました。■ 自宅でリハビリと介護に追われる日々に3か月ほど入院して自宅に帰ってきた父は、左半身麻痺と言語障害がありましたが、自分でご飯を食べたり、トイレに行くことはできます。KY / PIXTA(ピクスタ)リハビリ通院によって父親も機能回復を目指して頑張っていました。あまり回復はしないものの、現状を維持しながらそれなりに自立した生活が続きました。Aさんの介護は食事づくりと食事介助、歩行訓練の手助けや見守り、薬の管理、トイレ介助などです。歩行中に倒れると自分では起き上がれないうえ、下手をすると命の危険性もあります。自宅であっても目が離せないのです。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)■ 「デイケア」に通い介護者も負担が軽減Aさんは父親に、より質の高いリハビリを受けさせようと考え、デイケアを利用することにしました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)要介護3の父は毎日楽しくデイケアに通うようになり、Aさんの負担も一気に軽減されます。そして、仕事にも復帰しました。仕事の時間を短縮して、デイケアから帰ってくる父親を迎え入れることにしたのです。ところが、事態は急変しました。昼間大人しくしていた父が夜中に起きて動き回るという異常な行動をするようになります。昼夜逆転現象の始まりでした。Aさんの疲労はこれまで以上となり、睡眠不足の日が続きます。Ushico / PIXTA(ピクスタ)■ 認知症の19%にも及ぶ!脳梗塞が原因で認知症に発展するケースも多い脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症のことを「脳血管性認知症」と呼び、認知症全体の19%にも及んでいます。主な症状としては、何に対しても意欲や自発性がなくなるとともに、感情の起伏が激しくなり、些細なことで怒ったり落ち込んだりします。NOV / PIXTA(ピクスタ)ただ、判断力や記憶力は比較的保たれています。また、手足に麻痺や感覚の障害、言語障害などの症状が現れることもあります。日中に活動する意欲が少ないため、不眠や昼夜逆転につながり、その対応に振り回される家族も睡眠不足や大きなストレスを抱えてしまいます。■ 「介護施設」に入所して落ち着きを取り戻した父その後、Aさんの父は「脳血管性認知症」を発症してしまいます。夜中に窓を割って出て行こうとしたり、家の中を歩き回るようになりました。Aさんは毎晩のように繰り返す父の対応に追われ、ついに疲労で倒れ入院してしまいます。それを見かねたAさんのご主人は、父親をグループホーム(認知症の人を対象とした介護施設)に入所させることにしました。IYO / PIXTA(ピクスタ)施設では父親に応じた介護プランが作られ、介護士が日々のケアを行います。異常行動を繰り返していた父もよやく落ち着きを取り戻し、面会に訪れるAさんとも笑顔で会話できるようになりました。Aさんの父親の場合、最初からデイサービスか施設か、という選択ではなく、自然の流れで最終的に施設に入所したケースです。自宅で介護する人が増えていますが、介護の負担が大きいか小さいかによって、最初から施設入所という選択もあり得るでしょう。脳血管性認知症の人が必ずしもこのような流れを辿るわけではありません。あくまでも参考として、一つの流れを知っておくと良いでしょう。【参考】※厚生労働省Q&A~介護休業給付~※認知症ねっと認知症とは?原因・症状・対処法から予防まで
2018年09月14日「もの忘れが多くなると、このまま脳が衰え、いずれ認知症に……と不安になる人もいます。でも諦めることはありません。脳は何歳になっても成長するのです」そう語るのは、加藤プラチナクリニック院長の加藤俊徳先生。胎児から超高齢者まで1万人以上の脳のMRI画像を分析してきた脳科学のスペシャリストだ。加藤先生の新著『50歳を超えても脳が若返る生き方』(講談社)には、驚きの“新事実”が書かれている。たとえば、中高年になると年々脳の機能は低下していくと思っている人も多いはずだが……。「加齢とともに脳の神経細胞が減っていくことは事実です。ただ、脳の全体が衰えるわけではありません。脳には使われずに眠ったままの“潜在能力細胞”が残っています。それは100年以上生きても使い切れない。だから脳は死ぬまで衰えることはないのです」(加藤先生・以下同)さらに、大人になれば脳の成長は止まるという“常識”も覆す。「ある80歳の男性の脳のMRI画像を見ると“運動機能”が弱まっていました。そこで私が脳の活性化を促すコツをアドバイスしたところ、彼はドラムの練習を開始。すると、1年後に脳が7歳程度の子どもと同じ伸び率で急成長していたのです。私はこの木が枝を伸ばすように脳が成長することを『脳の枝ぶり』と呼んでいます」脳の成長には、複数の脳の機能を使うことが重要だ。「脳の中では、同じ働きをする複数の神経細胞が集合して基地を作っています。これを“脳番地”と名付けました。なかでも脳の若返りに欠かせないものが、8つの番地です」8つの脳番地は次のとおり。【1】思考系思考や意欲、想像力をつかさどる。【2】伝達系コミュニケーションを通じて意思疎通を行う。【3】運動系体を動かすこと全般に関係。【4】感情系喜怒哀楽などを感じ、表現する。「感覚系」を通じて活性化する。【5】理解系目や耳を通じて得た情報を理解する。【6】聴覚系言葉や音を脳に集積させる。【7】視覚系映像や画像、文章を脳に集積させる。【8】記憶系ものを覚えたり、思い出したりする。「体を動かすことが好きな人は運動系が鍛えられ、楽器演奏が得意な人は聴覚系脳番地が育つ。逆に苦手なものやふだん使わない脳番地は未熟なままで年々衰えていく。ですから、これをバランスよく刺激することで、認知症を遠ざけることができるのです」では、その8つの脳番地を常に刺激するライフスタイルとは、どのようなものだろうか。「実は男性より女性のほうが、ふだんの生活で脳を活性化させているのではないかと思っています。たとえば専業主婦の方であれば、子育て、家事、近所付合い、パートの仕事はもちろん、趣味やオシャレへの関心まで、多岐にわたって脳をフル活用しています。とりわけ美の追求やオシャレなものへの物欲は脳の成長に欠かせない栄養素。脳のためには、いくつになっても“欲”は持ち続けてほしいところです」
2018年09月12日「もの忘れが多くなると、このまま脳が衰え、いずれ認知症に……と不安になる人もいます。でも諦めることはありません。脳は何歳になっても成長するのです」そう語るのは、加藤プラチナクリニック院長の加藤俊徳先生。胎児から超高齢者まで1万人以上の脳のMRI画像を分析してきた脳科学のスペシャリストだ。加藤先生の新著『50歳を超えても脳が若返る生き方』(講談社)には、驚きの“新事実”が書かれている。たとえば、中高年になると年々脳の機能は低下していくと思っている人も多いはずだが……。「加齢とともに脳の神経細胞が減っていくことは事実です。ただ、脳の全体が衰えるわけではありません。脳には使われずに眠ったままの“潜在能力細胞”が残っています。それは100年以上生きても使い切れない。だから脳は死ぬまで衰えることはないのです」(加藤先生・以下同)脳の成長には、複数の脳の機能を使うことが重要だ。「脳の中では、同じ働きをする複数の神経細胞が集合して基地を作っています。これを“脳番地”と名付けました。なかでも脳の若返りに欠かせないものが、8つの番地です」8つの脳番地は次のとおり。【1】思考系思考や意欲、想像力をつかさどる。【2】伝達系コミュニケーションを通じて意思疎通を行う。【3】運動系体を動かすこと全般に関係。【4】感情系喜怒哀楽などを感じ、表現する。「感覚系」を通じて活性化する。【5】理解系目や耳を通じて得た情報を理解する。【6】聴覚系言葉や音を脳に集積させる。【7】視覚系映像や画像、文章を脳に集積させる。【8】記憶系ものを覚えたり、思い出したりする。「体を動かすことが好きな人は運動系が鍛えられ、楽器演奏が得意な人は聴覚系脳番地が育つ。逆に苦手なものやふだん使わない脳番地は未熟なままで年々衰えていく。ですから、これをバランスよく刺激することで、認知症を遠ざけることができるのです」そこで「脳を老化させない習慣」について、加藤先生に解説してもらった。■新しいことに挑戦する「初めてのことに挑戦したいという前向きな考え方は、脳全体を活性化させますし、脳のマンネリ化を防ぎます。歯磨きを利き手と逆でやったり、自分では作らないようなB級グルメを楽しんだりするだけでも脳は元気になるのです。聴覚系と伝達系を鍛えるカラオケですが、いつも十八番ばかりの人は要注意。新しい持ち歌を増やして、記憶系や感情系、伝達系の強化をはかりましょう」■家事を楽しむ掃除、洗濯、料理など、家事は最強の脳トレ。ただし漫然とやっていては効果が半減するという。「ロボット掃除機は便利だと思いますが、せっかくの脳トレの機会を逃してしまうことになりますね。雑巾がけやホウキでの掃除は運動系を鍛えるだけでなく理解系を伸ばします。またリビングは10分、寝室は5分、と細かく掃除の時間を区切ることで、記憶系も元気になるでしょう。スーパーに行く際には、事前に買い物リストを作りましょう。1つの食材で3つのメニューを考えてみたりすることでも、思考系が活発に働きます。また料理の途中で3回以上味見をしてみてください。味見は過去の記憶を脳から引き出して比較する行為ですから、記憶系や思考系を鍛えることができます」■人とふれあう社会的に孤立すると脳は劣化していく。人とのコミュニケーションが脳の成長につながるという。「ご近所のお友達と“井戸端会議”をすることでも、聴覚系、視覚系、伝達系など複数の脳機能を使うことになります。趣味や習い事でも、社会とのかかわりが増えますね。とくに自分より若い世代の話をじっくり聞くことは効果的。今まで知らなかったことや刺激を与えてくれる情報に敏感な姿勢は、脳をイキイキとさせます。さらに人間関係を円滑にする笑顔の使い方も重要。これが右脳の伝達系を活性化しますから」■生活スタイルをキープ「文房具を長く愛用していたり、愛読書を読み返す、昔のアルバムを見返したりすることは記憶力の強化になります。早めに生前整理を、と思い切った“断捨離”をする方もいますが、それも善しあし。人生の終わりなど、これが限界だと諦めてしまうと、その時点で脳は成長を止めてしまうのです」年相応に持ち物を減らして人付合いもほどほどにと考える人は多いかもしれないが、“ひきこもり”はボケを早める可能性が。「便利すぎる生活は脳を老化させます。家の中も、多少不便なほうが脳は活性化するのです。どうせなら20歳以上、自分の年齢をサバ読んでみませんか?人は必ずしも年相応に行動をとる必要はありません。実年齢が50歳でも30歳のつもりで行動すれば、自然に体を動かす機会が増えるだけでなく、脳もその年齢の状態に戻っていくものです」なるほど。“楽チン生活”は脳を老けさせるのでご注意を!
2018年09月12日「彼のどんなところが好きなの?」と聞かれて答えに悩んだことがありますか?あるいは「私のどんなところが好きなの?」と彼に聞いて、納得のいかない回答がきたことはありますか?僕たちの脳は「わからないことをわからないままにする」ことを嫌うので、一度「どうして?」が始まってしまうと、納得のいく回答が出るまで考え込んでしまうものです。もちろんそれ自体は純粋な知的欲求ですし、好奇心を広げてくれるいいものなのですが、「人が人を好きになる理由」に関しては、わからないほうがいいと僕は思っています。■条件付きで「好き」って思っていませんか?優しいところが好き、かっこいいところが好き、顔がどタイプ、などなど人を好きになる理由は人それぞれだとは思いますが、「~だから好き」という条件が入る好きは、その理由がなくなった瞬間に嫌いになる危険性を孕んでいることを忘れてはいけません。つまり、優しくなくなったら嫌いになり、かっこよくなくなったら嫌いになり、顔が老けたり太ったりしたら嫌いになる、とも言えるということ。この条件付きの「好き」で人を好きになる人は、恋愛が長く続かない傾向にあります。仕事に例えるとわかりやすいのですが、「給料がいいから」「人間関係がいいから」「やりがいがあるから」という条件で選んだ仕事は、大体の場合その条件がやめる理由になるものです。ずっと続けられる仕事というのは、特に理由はないんだけど、なぜかやってしまう仕事であり、ずっと続く恋愛とは、特に理由はないんだけど、なぜか一緒にいたくなってしまう相手とするものなんですよね。■脳は「なぜ好きなのか?」を説明できない世界中の天才たちの頭脳を結集させても、人がどういうロジックで人を好きになるのか、という仕組みを人類はまだ解明できていません。しかし、人が人に恋愛感情を抱く時、脳のどの領域が活発になるのかの研究は加速度的に進んでいます。その活発になる部位として有名なのが「視床下部(ししょうかぶ)」という部位で、これは脳の中心に位置しており、体温調節やホルモン分泌、食欲、性行動などの「意識でコントロールできない」分野を担当しています。論理や言葉を担当している脳の部位は、その視床下部の外側に位置していて役割が違うため、「意識でコントロールできない」分野の情報を、僕たちは論理的に言葉にすることができないのです。一説には異性の発するフェロモンが、「好き」の感情のスイッチを入れるトリガーになるそうですが、結局その人が誰かの発するフェロモンを「好意的」だ捉える理由がまだよくわからないのだそうです。■理由がない「好き」が最強なわけ論理的に説明がつく条件付きの「好き」は、その条件が崩れた瞬間に「嫌い」になってしまう、長続きしない「好き」だと言えます。一方で説明がつかない「好き」は、相手に欠点があっても「好き」だし、相手がダサくて情けなくても「好き」だし、よほどのことが起こらないと消えない「好き」でもあります。つまり、長続きしやすい。脳科学的な観点から見ても、説明がつかない「好き」の方がより本能的で、ロマンチックな「好き」であると僕は感じています。なお逆も然りで、「生理的に無理」は説明のつかない「嫌い」なので、これも意識でどうにかなる問題ではありません。そう感じてしまう人とは、一緒にいてもお互いが不幸になるだけですので、距離を取ることをオススメします。(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年09月09日男性は視覚で恋をする生き物だという事を何度もこのサイトでお話していますが、それは事実です。脳科学的にも、男性は視覚から情報を得て生活していると言われ、恋愛でもやはり見た目が大きなウエイトをしめています。合コン、飲み会、お見合いパーティーなど出会いの場に出掛けても、なかなか出会いがない女性は男性から見た目の第一印象で、”恋愛対象外”の一発アウトを食らっているのかもしれません。男性は、どんな女性の見た目に恋愛対象外の判定をするのか。今回は、一発アウト!見た目で男性に”恋愛対象外”扱いされるアラサー女性の特徴をお届けします。 ・匂いが気になる!ぽっちゃり女性男性は、見た目で体重を判断することは苦手といいます。ですから、ぽっちゃりといっても70kg、80kgであっても「見た目が好みなら全然ok!」という男性も多いんです。でも、それはあくまで「清潔そう」であるのが大前提。匂いが気になってしまうようなぽっちゃり女性は、どんなに顔が可愛くてもどうしても受けつけないようです。「汗ダラダラで歩くたびフゥフゥ言ってるのはちょっと」「すっぱい匂いがするとやっぱり太っているからか?と思う」という意見も。・ パスケースやスマホケースの柄が幼稚出会いの場で、男性が女性の顔の次にチェックしている事。それは、その女性の持ち物です。相手の男性も、自分の好みの女性と出会いたい!出来れは話も合うと良いなと考えているので、ありとあらゆるところから情報を得ようとしています。パスケースやスマホケースがアニメキャラだったりすると「オタク」と決め付けられたり、子どもが喜ぶようなキャラをつけていると「精神的に幼そう」とそれだけで一発アウトを食らってしまう事もあるようです。・ブランドのバッグや財布を持っている自分へのご褒美でブランドのバックや、財布を買う女性もいると思います。でも、男性と出会う場に行く時は出来るだけそういうものは持ち歩かないほうが無難。ブランド物ばかりを身につけていると「派手そう」「お金遣いが荒らそう」と彼女候補から一発アウト宣告を受けちゃうかも。・厚化粧、バサバサまつ毛、派手すぎるネイル男性と最初に出会う場では、お化粧は控えめが好ましいです。男性は、女性に化粧をしてもらいたいと思う反面、厚化粧は嫌だと思っています。特に、リップの色が赤すぎたりすると「元ヤンかよ」と女性の過去まで勝手に想像したり、つけまつ毛バサバサや、派手すぎるネイルにも「いまだにギャルかよ」と一発アウトの対象にに!また、男性は化粧の濃さでエロさを判別する謎のシステムが搭載されているので、化粧が濃い=エロイ女と思われてただのセフレ候補で終わってしまう事もあるようですよ。男性にとって見た目の第一印象はとても大切なものみたい。男性が好きな女性像は昔からあまり変わっていません。清潔、清楚、従順この3つがそろっていて初めて「可愛い」となるのです。人間見た目が全てではないですし、あなたのそのままを好きになってもらうのが一番良いのですが、いつまでも出会いがないと嘆いているのなら、少しだけ男性が好きそうな見た目にチェンジすることで出会いを引き寄せられるかもしれません。written by 亀ぱんだ
2018年09月06日こんにちは!ひめまるです。台風の季節ですね。雨も風も強すぎるとホントに怖いです。でもね、それが嬉しくなっちゃうタイプもいるの。それはM!ちょっとした非日常にときめく感覚ってあるじゃない?仕事や習い事や日常生活に対して、週末のディズニーランドが楽しみだったり旅行にワクワクしたり。Sは基本的に自分の管理下のもと、非日常を作ってくんです。例えば旅行とか、パーティ参加とか、飲み会主催とか。能動的に非日常を作って楽しむのが好きなのよね。それに対してMは自発的に計画したり実行したりするのに腰が重い上に、自分で作った予定に関しては仕事のように役割をこなしちゃうんです。非日常を楽しめない!なので、Mが非日常を感じるのって、もっぱら受け身の時なんです。台風も、大雪も手放しに興奮。子供ですね。逆にSは管理していたいので、受け身の非日常になると心配の気持ちが出てきます。交通機関は大丈夫かな。傘はさすと飛ばされるかな。服はこれがいいかな。Sって、自分が攻める側だから打たれ弱いのよね。もし、気になる彼にアピールしたい場合は台風を参考にしましょう。もし彼が台風やらで、心配していたり対処を考えていたらS脳男子です。S脳男子は、物事が想像の範疇である必要があるんです。なのであなたも相手が安心する想像の範疇の女性でいてあげてください。常識的な可愛くて優しい人をSは好みます。そして、台風が来た時に窓の外を見て興奮を噛みしめているM脳男子には、あなたも台風になりましょう。「えーうそ!」「なにそれ?」「そんなに?!」と相手の意表をつけばつくほど、相手はあなたの虜。 突拍子も無い破天荒な人をMは好きになりやすいんです。台風が過ぎてしまっても、近くに台風がいれば彼は毎日大興奮。笑台風になってM脳男子をぜひ落としてみてください。Written by ひめまる
2018年09月03日専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)第4回親子で科学館を120%楽しむ方法とは渡邉:科学館での体験をより豊かに、子どもの未来にいつか芽吹くようにするために、保護者ができることはありますか?持永:お子さんを連れてきたときに、保護者の方もいっしょに体験してほしいと思います。子どもだけに「やってごらん」とやらせるのではなく、保護者もいっしょにやってみる。そのときに「おもしろいね」と声をかけるだけでなく「なんでだろう」と子どもに伝えてほしいと思います。渡邉:なるほど!持永:そのときに保護者がしくみをわからなくてもいいんです。保護者が子どもといっしょに体験して、なんでこうなんだろうねと言えば、子どももただ楽しいだけではなく、なんでだろうと思ってくれるんです。その疑問は、その場で解決しなくてもいいんです。ただ、子どもには「なんでなんだろう」という気持ちをもって帰ってほしいんです。そうしたら、いつかどこかで発見があるかなと。「あのときの“なんで?”の答えはこれだ!」というように。「なんでだろう」と子どもに伝えてほしいと話す持永館長持永:だからわたしは、子どもたちが帰るとき、「科学館で体験したことは科学館で終わりにしないでね」と言っています。身近なところにいろいろな科学があるから、自分なりの科学を発見してほしいというメッセージを毎回伝えるようにしているんです。渡邉:子どもが科学館から家に帰ってきて、体験したことや得た知識を家族に話しているようなとき、どんな態度をとるのがいいのでしょう。持永:子どもを先生にするのがいいと思います。子どもが科学館でなにか学んできて、話したそうにしている状況のときは、保護者は「ちょっと教えて」という姿勢で聞くのがいいと思います。そうなると子どもは得意になって話しますので、自分はそのことにくわしいんだと自信をもつ。そうするとその分野がちょっとでも好きになる、という流れができますので。渡邉:その後、その子がたとえばカブトムシをすごく好きになって、もっと知りたいと思ったけれど、イベントはもう終わってしまっている。そういうときに、保護者は次のイベントを探したりするほかに、どんなことをしたらいいでしょう。持永:イベントをやっていなくても、まずは科学館に聞いてみるといいと思います。渡邉:それはおどろきです。「カブトムシのこういうことについてくわしく教えてください」なんて、科学館に聞いていいものなんですか?持永:たとえば、プラネタリウムでは、実際に星空を見たいのだけれどどこに行けばいいの?とよく聞かれますし、昨日の夕方、空にすごく明るい星があったけれど、あれはなんですか?なんて電話もあります。そんなふうに、なにか疑問があったら、科学館に聞いてみる。そこでは解決しないかもしれませんが、こういう施設があるから聞いてみたらどうかとか、こちらの施設に行くとこんな体験ができるかも、といった答えが得られるかもしれません。渡邉:科学知識の普及が目的の科学館だからこそ、そういう疑問にこたえてくれるんですね。施設によって対応が違うかもしれませんが、まずは足を運んだ科学館にもっと聞いてみたら、なにか新しい情報が得られそうです。科学館には近隣の科学展示などのチラシが置いてあることもさて、長い休みなどを利用して、1日科学館ですごすとしたら、どんなプランがオススメですか?持永:大きい科学館だと回っているだけで1日すごせるところもありますが、わたしたちのような小さい科学館では、来るまえに情報を調べておくといいと思います。どういう順番で行けばなにが体験できるのか調べたり、イベントやワークショップの受付時間や、お目当てのプラネタリウムの投影時刻といったことを、ぜひホームページで調べてみてください。渡邉:先着順とか、開催時間が決まっているものを事前に調べておけば、足を運んだけれど体験できなくて残念ということがなくなりますものね。最後に、理想として、小学生にはどんなふうに科学館とつきあってほしいと考えているか、お聞かせください。持永:理想としては、科学館を、ただ遊びにくる場所ではないと意識してほしいと思います。ただ楽しいだけの場所ではなく、なにかがある場所ということに気付いてほしいなと思います。ほかにも興味が出たら、別の場所にも行ってステップアップしてほしい渡邉:そのなにかというのは、科学的な気付きだったり、知的好奇心をくすぐるものだったりするわけですね。持永:そうです。そこに気付いてほしい。そして、気付いた子には別の場所に行って、さらにステップアップしてほしいです。わたしはプラネタリウムで解説していたとき、プラネタリウム好きの子どもになってほしくないと思っていました。もう1回プラネタリウムに行きたい、それはそれでうれしいことですが、次は空を見に行ってほしいと思っていました。これちょっと不思議だな、なんでなんだろう、と気付いて、ほかにどんなことがあるのかなと興味が出たら、ほかのところに行ってみてほしいですね。渡邉:保護者が自分だけでその気付きを広げるのが難しそうだったら、科学館の人に聞けばいいのですね。とても力強く背中を押してもらったように感じました。本日は本当にありがとうございました。第1回科学館ってどんなところ?第2回科学館展示の舞台裏第3回イベントや実験教室で、もっと科学にふれる第4回親子で科学館を120%楽しむ方法とは板橋区立教育科学館科学に関する知識の普及・啓発を推進し青少年の健やかな成長をはかること、科学情報・教育情報を集めて学校教育・社会教育の充実に貢献することを目的に設立された東京都板橋区立の科学館。株式会社学研プラスが指定管理者となり運営している。2018年9月に開館30周年を迎える。■板橋区立教育科学館ウェブサイト渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。
2018年08月31日こんにちは!ひめまるです。target="_blank" rel="noopener">前回のM脳度チェックに続き、今回は彼のS脳度チェックをご案内したいと思います。何にでも、ダメージを受けるのが苦手なのがS。食べ物でも買い物でもハズレを引くのがとても嫌なの。Mはむしろ変な味とか新しい味にも興味を持てるんですが、Sは無理。なのでSにはよく、行きつけがあります。安心安全のいつものあの味。いつものあの店をいくつかもっているんです。カレーならあそこ。豚骨ラーメンならあそこ。Mのようにあっちはどうだろ?こっちはどうだろ?と新たな店を探求しません。いつもの店が一番!「お茶しに行く?」と言われたときにあそこに行くんだな。と想像つく彼はS脳寄りの人でしょう。そのこだわりは洋服やスタイルにも出ます。S脳は見せ方を意識するので体型や服装、特に男性は車や時計など、ツールはそれぞれですが人と比べやすいものに興味を持ちやすいです。ジムに通って体を作ったり、あのブランドのあのシリーズが好きだったり、そんなこだわりがある彼ならS度が結構高いです。自分が欲しいと思ったものに対して情報収集がすごいのもS脳。ネットの情報や口コミ、雑誌やテレビも含めアンテナがピーン!すごく詳しく知ってます。きっとこれも、ハズレを引きたくないから。「一番いいのください!」なんて雑な発想じゃなく、店員さんを超えた知識を持って買い物に出ます。店員さん泣かせな彼なら間違いなくドS脳!あなたの気になる彼はいかがでしたか?今回は恋人を所有したがるS度ではなく、S脳度チェックです。S脳は価値を追求して行くこだわり型の性格を持ってます。「それもいいんじゃない?」というよりも「これがいい!」という強い思いがあるんですよね。S脳男子を好きになりがちな場合、きっとそのとんがった魅力が憧れてしまう要素ですよね。でももし例えばS脳男子がパートナーになるとしたら、こだわりについていかなきゃいけない形になり継続すると疲れてしまいます。棲み分けの要素を作り、抜け道を用意しておいてくださいね。Written by ひめまる
2018年08月28日今回はマンションとピアノについてお話したいと思います。東大生の多くがピアノを習っていたといわれ、実際に「東大家庭教師友の会」が実施したアンケートによるとピアノを習ったことのある人は東大生100人中47人いたそうです。大人気のピアノですが、実はマンションにとっては悩ましい存在です。■ ピアノを子どもに習わせたい親は多いマハロ / PIXTA(ピクスタ)音域が非常に広いピアノは「楽器の王」と呼ばれ、オーケストラで使用するどの楽器よりも高い音や低い音が出すことができます。また10本の指で同時に違った音を出すことができるので、様々な楽器の組み合わせで美しいメロディーを奏でるオーケストラを一人で演じてしまうことも可能です。ピアノを演奏するためには楽譜を読み込んで、その内容を指で再現しなければなりません。その際には右手と左手が異なる動きをしなければならず、さらに足でペダルを踏む必要もあり、脳に与える影響が素晴らしいと脳科学者たちが絶賛しているといいます。そのため子どもにピアノを習わせたいと考えている親は多いようです。習い事として大人気のピアノですが、集合住宅であるマンションにおいては実に悩ましい存在です。■ 最も多い問題は音さなさな / PIXTA(ピクスタ)マンションとピアノの関係で最も問題になるのはやはり音です。マンションにおける音の問題といえば上下階の足音ばかり取り上げられがちですが、実は音というものは両隣や周辺地域にも伝わりやすいのです(フロント時代に近隣の戸建から苦情を受けたことは何回もあります)。ピアノの音はペットの鳴き声とともに苦情になりやすく注意が必要です。ピアノに限らず楽器は音が大きいため、今では物件ごとに独自のルールを定めている事例が大半ではないかと思います。私がフロントをしていたマンションにおいては演奏可能な時間帯を使用細則において定めていましたが、それに加えて「打楽器は不可」といったように楽器の種類を限定しているような物件もあるようです。完全な「防音ルーム」が設置された物件は筆者はまだ1例しか見たことがありません。■ 床材に多大な影響を与えるピアノの重量yakiniku / PIXTA(ピクスタ)ピアノが持つ意外な問題点は、その重量です。ピアノは大きくて重く、アップライトピアノでも180kg前後から重いものでは200kgを超え、グランドピアノともなると200kg以上があたりまえです。その重さをアップライトピアノでは4点のキャスター、グランドピアノでは3点の脚とキャスターで支えているため、それぞれの支点では相当な重量がピンポイントにかかってきます。yakiniku / PIXTA(ピクスタ)床材に与える影響は甚大なものがあるため、特に賃貸においてはピアノを禁止している物件も数多く存在します。こういった問題を解決するため、インシュレーターや床補強ボードといった様々なものが開発されています。またアップライトピアノにおいては、地震における転倒防止策も必要です。■ 最大の問題は室内への搬入マンションにおけるピアノの最大の問題は搬入です。マンションの共用廊下は広々としていますが、ピアノは厚みがあるため角を曲がりにくく立ち往生しがちです。たとえ廊下を抜けることができたとしても、今度はエレベーターには入るかどうか微妙です。さらには玄関ドアから室内まで通過させられるかという問題もあります。そのため現在では、クレーンで釣り上げてバルコニーからリビングへ搬入する場合が多いようです。この場合はバルコニー側にクレーンが停車できるだけのスペースが必要となってきます。しかし無関係な住戸では本来何もないはずのバルコニーの奥にいきなりクレーンの先端が出現し、度肝を抜かれることになります。あらゆる手段を尽くしても搬入が無理な場合、いったん解体して室内で組み立てたりするそうです子どもに楽器を習わせるのは悪いことではありませんが、これがピアノとなると派生する問題が大きくなります。「東大に入るための最強の習い事はピアノ」などという見出しに踊らされることなく、くれぐれも冷静に判断することをオススメします。
2018年08月24日専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)■第3回イベントや実験教室で、もっと科学にふれる渡邉:板橋区立教育科学館のイベントでは、どんなものに人気がありますか?持永:展示や体験、イベントと、さまざまなバリエーションがありますが、プラネタリウムは人気がありますね。また、さまざまなテーマで科学教室を行なっていますが、カブトムシが自然のなかにいるような標本づくりをする、ジオラマづくりの体験教室は大人気です。ロボットプログラミング教室も非常に人気があります。小学校4年生から参加できるので、4月の募集では4年生になった子が一気に応募してくれて、定員の10倍以上の応募がありました。ロボットプログラミング教室ではレゴ®マインドストームを使い、作成したプログラムでロボットを動かす昨年のワークショップでは「スライムを作ろう」が人気でした。そのワークショップでも、ちょっと工夫をしまして。スライムは洗濯のりとホウ砂で作るんですね。洗濯のりにホウ砂水溶液(もしくはホウ砂を溶かした液)を容器から3回プッシュして入れるとスライムができるように、量や濃度などを調整しておいたのですが、そのホウ砂水溶液(もしくはホウ砂を溶かした液)を、色ちがいで3色用意したんです。そうすると、3つの色の組み合わせによってさまざまな色のスライムができるので、子どもたちが山のように来てくれました(笑)さまざまな色のスライム渡邉:物質の変化と色の変化、両方を体験できるんですね。それはおもしろそうです。科学教室のカリキュラムを作るまでにはどんな工程があるのでしょうか。持永:まず、なにをテーマに教室をやるのかを検討するところから始まります。板橋区立教育科学館にはさまざまな科学的知識をもった科学指導員が集まっているので、いろいろな案を出していきます。そして、テーマが固まったら、そこにある科学的な要素をどういうふうに子どもに伝えればいいのかを考えます。渡邉:たとえばカブトムシのジオラマを作る教室であれば、どんな科学的要素があるのですか?国産カブトムシのジオラマ標本持永:そうですね、体の構造とか、オスとメスのちがいとか、どういう生態なのかとか、木のところでなにをしているのか。オスとオスの組み合わせだと闘いの場面になるけれど、オスとメスを配置するのであればまた違う場面になる。そういったことを反映してプログラムを作っていきます。ただ標本を作るだけだと、工作教室になってしまうんです。そして、そういった科学的要素が子どもたちにどうすればよりよく伝わるのかを考えて、カリキュラムを組んでいきます。渡邉:それはトークで入れたり、説明書をつけたりして伝えるのですか?持永:そうです。授業のような型式になるので、どういう画像や映像を見せるか、どういう話をどのタイミングですると子どもたちが興味をもつのか、そこにはかなり工夫を凝らしています。たとえば、事前準備に鍋で煮る工程があれば、科学指導員に魔女のかっこうをさせて写真をとったりとか(笑)、子どもたちが「えっ」って思うような要素を入れたりもします。そんなふうに、まじめな要素とちょっと楽しめる要素を入れながら作り込んでいきます。渡邉:伝えるところにも、さまざまな工夫が込められているんですね。持永:科学指導員の仕事のメインは「伝える」という部分ですからね。科学指導員の仕事のメインは「伝える」ことだと話す持永館長持永:かっこよさも大事な要素です。以前、「レアメタルの結晶を作ろう」というプログラムで、ビスマスという物質の結晶を作ったんです。これがものすごい人気でした。どうしてこんな結晶ができるのかを考えていくとけっこう難しい内容なのですが、まずは見た目がきれいでかっこいいということで興味を引くんですね。見た目から入っても、それで興味をもってくれればいいと思うんです。見た目がきっかけで「おっ」と思ってもらえれば、こちらのもくろみが成功したということなんですよね。さまざまな色に輝くビスマスの結晶渡邉:ほかに大切にしている要素はありますか?持永:楽しさですね。たとえば「ティラノサウルスのひみつをさぐろう」という教室では歯の化石のレプリカを作るんですが、当館では、科学教室で作ったものをなるべく持ち帰れるようにしています。この場所で実験や製作を体験して終わりではなくて、体験したものを持って帰れば楽しいですし、子どもが「あのとき、これを作った」と覚えていてくれるので。渡邉:成果物があれば、作ったときのプロセスも思い出しやすくなるので、家族で体験したことを共有できますし、会話もできますね。科学的要素を盛り込んで、子どもたちに適した方法で伝え、楽しさと成果物をおみやげとしてもち帰ってもらう。教室やワークショップには、科学館ならではの取り組みがたくさん盛り込まれていました。最終回となる次回は、親子で科学館をめいっぱい楽しむためのコツを聞きます。※紹介されている各教室の募集は終了しました。第1回科学館ってどんなところ?第2回科学館展示の舞台裏第3回イベントや実験教室で、もっと科学にふれる第4回親子で科学館を120%楽しむ方法とは板橋区立教育科学館科学に関する知識の普及・啓発を推進し青少年の健やかな成長をはかること、科学情報・教育情報を集めて学校教育・社会教育の充実に貢献することを目的に設立された東京都板橋区立の科学館。株式会社学研プラスが指定管理者となり運営している。2018年9月に開館30周年を迎える。■板橋区立教育科学館ウェブサイト渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。
2018年08月24日体の悩みをもつすべての人をサポートニッティド株式会社の5本指ソックス「knitido+(ニッティドプラス)」が、トライリングス株式会社が運営するジム「トライリングス」店内で使用するオフィシャルソックスとして採用されました。「トライリングス」は、脳神経系のメカニズムに注目した機能回復ジム。脳科学にもとづいた「神経筋制御理論」をベースに筋肉と神経をつなぐトレーニングメソッドを提供しています。館内では心拍数が上がりにくいマシンや、運動が苦手な人に対して抜群の効果を発揮するマシンを完備し、体の悩みをもつすべての人をサポートします。素材、機能性、デザインすべてにこだわったソックス今回「トライリングス」で採用された「knitido+」は、ウェルネスのために開発されたオリジナルの5本指ソックスブランド。体を支える足裏の3つのアーチ(横アーチ、内側縦アーチ、外側縦アーチ)をサポートし、立体的な指袋、ダブルヒール、指の股の位置の工夫などでフィット感を高めた機能性の高いソックスです。素材は化学薬剤や農薬、化学肥料を3年以上使用していない畑で栽培された「オーガニックコットン」を使用。コーマ糸を用いて編むことにより良質な風合いや質感を実現しています。「knitido+」の価格帯は1足2000円台が中心。「トライリングス」三軒茶屋店と仙台泉店にて先行発売が実施されています。(画像はプレスリリースより)【参考】※トライリングス株式会社のプレスリリース/PR TIMES※トライリングス株式会社※knitido+
2018年08月17日子どもへの声かけを学ぶ!『発達障害とグレーゾーン子どもの未来を変えるお母さんの教室』発達障害のグレーゾーンのお子さんがいるお母さんに、具体的なシチュエーションを想定して、肯定的な言葉がけができるテクニックや好ましくない行動をされたときの対応などをその理由とともに解説しています。幼少期に「体が弱く、手のかかる子」だったという著者の吉野加容子さん。自己肯定感が低かったそうですが、「苦しいよね。よく頑張ってるよ」と声をかけられてから、心が軽くなる経験をし、コミュニケーションや声かけの大切さを知りました。吉野さんは発達科学コミュニケーショントレーナー、臨床発達心理士。特別支援教育や発達心理学を学び、脳科学の研究を行っています。本の中では、「まずは3ヶ月やってみる」というスモールステップが設けられているので、始めやすいかもしれません。15年ほど発達支援に関わっていた吉野さんが、頑張るお母さんの気持ちに寄り添って声かけのアドバイスをくれます。(発行: 2018/7/1)子育ての気持ちが楽になるヒントを一問一答で!『「ウチの子、発達障害かも?」と思ったら最初に読む本』約20年にわたり、3,000人もの発達障害のある人と接してきた横須賀市療育相談センター所長で小児精神・神経科医の広瀬宏之先生の著書です。この本は、「発達障害かも?」と疑問を持ったり、発達障害の診断を受けて間もない子の保護者に向けられています。「診断されたら、何をしたらいいの?」「子どもの障害を受け入れるのがつらい」「保育園や幼稚園、学校にはちゃんと行けるの?」など、多くの保護者がぶつかる疑問や不安に対して、一問一答方式で、特性や困りごとへの対応などを紹介しています。1つの質問に対しての解説は1〜2ページにまとめられているので、気になる部分を中心に読み進められます。知らないことが多いと不安も多いですが、あらかじめ困りごとへの準備ができたり、先のことが分かると、いざというときに落ち着いて対応ができるようになりそうですね。(発行: 2018/7/10)保育者向け雑誌から発達障害の特集が登場!『PriPri特別編集発達支援「困った!」を抱える子の保育』これまで保育者向けの雑誌「PriPri」の中で数ページを使って連載してきましたが、10年の連載を経て現場からの強い要望から発達支援に特化した一冊として登場しました!子どもの困りごとの例やその対応をはじめ、園内研修向けの"困りごと擬似体験"の方法など、保育者が発達障害のある子どもに寄り添えるようなコンテンツがまとめられています。また、保護者と連携したサポートなども提案。巻末には幼稚園の指導計画の事例などもあり、実践のヒントになりそうです。同時に、食事やトイレの生活習慣をうながす絵カードの使い方も紹介されているので、さまざまな場面で活用したいですね。ほかにも、保育のノウハウだけでなく、特性を生かし、15歳でコーヒー焙煎士の道を選んだ岩野響さんや家族のインタビューなど、さまざまな内容が盛り込まれています。(発行: 2018/6/28)子どものころからの苦しみを救った自分へのメッセージ『ヘン子の手紙 発達障害の私が見つけた幸せ』自分と夫に宛てた作文「ヘン子の手紙」が第51回NHK障害福祉賞で最優秀作品に選ばれ、その後テレビでドキュメンタリーが放送されるなど話題になった著者・伊藤のりよさんの著書です。発達障害のある2人の子どもを育てる中で、36歳で自分にも発達障害があることに気づいた伊藤さんが、これまでの人生をつづっています。大人に怒られることが多かった子ども時代、生きる意味を見出せなくなったほどの特性による生きづらさ、葛藤もありのままに振り返っています。伊藤さんは生きづらさが発達障害のためだったと分かり、ホッとしつつも、対処が分からず精神的に追い込まれてしまいました。そこで自分への手紙を書いたことで抱えていたものと向き合うことができたそうです。発達障害のあるなしに関わらず、読む人が今の自分を見つめ直すことができる一冊です。(発行: 2018/7/31)医師であり発達障害当事者の著者が解説『自分の「人間関係がうまくいかない」を治した精神科医の方法』30代半ばにアスペルガー症候群とADHDがあると気づいた精神科医の西脇俊二さんが、自身の経験などから人間関係に悩みがある人へ解決のヒントを集めた本です。「なぜか相手をいつも怒らせてしまう」「学校や職場など、集団での生活が苦痛」といった悩みがある人に向けて、自身が行って改善があった対処法などを紹介しています。また、「人間関係がうまくいっていない人」とのコミュニケーションのポイントもシチュエーション別にまとめられています。当事者と夫婦や友人、部下、上司といった立場で関わりがあり、悩みを抱えている人も参考になりそうです。コミュニケーションにとらわれず、好きなことにのめり込むことで、社会に影響を与える仕事ができたり「特性は悪いことばかりではない」というメッセージも。自分がつまずいた経験があるからこその視点が詰まっています。(発行:2018/7/25)
2018年08月08日いつもの旅に少しの工夫を加えることで子どもの成長をうながす「旅育」。 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)の著者で旅行ジャーナリストの村田和子さんに、前回は、旅のプラン作りや準備のコツについてお聞きしました。今回のテーマは、旅先での旅育。持て余しがちな移動時間はどう過ごしたらいいのか、親はどう関わったら良いのか、旅の思い出を定着させるテクニックなどをうかがいました。お話をうかがったのは…村田和子さん旅行ジャーナリスト。1969年生まれ、1児の母。子どもが生後4カ月の時に家族旅行を開始し、9歳までに47都道府県を制覇。『All About』では2001年からガイドを務めているほか、『週刊文春』では子連れ旅行の連載、JALサイトの『初めての子連れ海外』ページを監修・執筆するなど、家族で旅をする魅力やヒントを多方面で伝え、2013年には子どもの生きる力を育む「家族で旅育メソッド」を発表。子どもが旅育を実践し中学入試で志望校に合格したことを機に『プレジテンドファミリー』『AERA with Kids』『日経DUAL』をはじめ雑誌・新聞・ウェブで注目を集める。 「家族deたびいく」 運営。旅行業務取扱管理者・クルーズコンサルタント。 ・公式ホームページ(トラベルナレッジ) ■話す・遊ぶで“退屈”を吹き飛ばす「移動時間」――子連れにとって、移動時間は大きな課題です。私自身、6歳息子と出かける時は、一緒に遊んであげなきゃと思いつつゲームやタブレットに頼ってしまうことがあります。村田和子さん(以下、村田さん):ゲームをやること自体は悪くないんですよ。大人がスマホをさわっているのに、子どもにだけ「ゲームをしちゃダメ」というのは説得力がないですしね(笑)。事前に「最初の30分は自由時間にしよう。ゲームをしてもいいし、ママもスマホを見るね。でもその後の30分はお話しようね」というように、時間を区切り、ちゃんとできたらほめれば、それも成功体験になります。最初、一緒にルールを決めると、子どもは案外守れるものですよ。一番避けたいのは、子どもが騒いだらゲームを渡す、というやり方。騒げばゲームができるんだとなり、負のスパイラルにはまってしまいます。そもそも、移動中は家族が一緒に過ごせる貴重なチャンスなんです。ふだんは聞けない学校や園での様子も、旅の楽しい雰囲気に押されて話してくれるかもしれません。会話だけではなく、小さなお子さんは簡単なクイズやしりとり、計算ができるお子さんなら車のナンバーで足し算クイズなどをすると、遊びながら自然と学びにつなげられます。■子どもの新しい一面を発見できる「旅の目標」――移動は大変というマイナスイメージを持つよりも、旅育に活用するといいんですね。旅先ではどう過ごすと、より効果的なのでしょうか村田さん:なにか目標を持たせるといいと思います。未就学児なら、「元気にあいさつをする」「自分の荷物は自分で持つ」といった約束をして、ちゃんとできたら具体的にほめてあげる。すると「できた」という成功体験が心に刻まれ、自己肯定力が養われていきます。旅先では親以外にも、仲居さんや施設のスタッフ、通りすがりの人など、いろいろな人がほめてくれる機会も多くあります。それまで気づかなかった子どもの長所をほめてもらえることもあり、親にとっても発見があります。小学校中学年以上なら、会計係を任せる、時刻表を調べてもらうなどの役割をお願いするのも良いでしょう。考える力がついて学習に役立つほか、頼られることで自主性と責任感が身につきます。――親として、何かやるべきことはあるのでしょうか。村田さん:子どもの「なぜ?」「なに?」にはとことん付き合うこと。今はスマホで一緒に調べればすぐにわかりますし、「どうしてだろうね?」と子どもが自ら考える時間を持つ方法もいいでしょう。旅行中は時間に余裕がある分、子どもの小さな疑問や好奇心を見逃さないようにしたいですね。帰宅後にも図鑑で調べたり、博物館に足を運んだりして、学びを深めるのも良いと思います親自身が興味を持って旅を楽しむことも大切です。例えば、めずらしい料理が出てきたら、スタッフの方に「これはなんですか? この土地のものですか?」と聞くのもいいでしょう。子どもは親をよく見ていて、親のマネをします。親のそういった姿に、子どももやる気になるものです。 ■旅の記憶を定着させる旅先からの「絵ハガキ」――旅行中はとても楽しそうだった子どもが、数日後にはすっかり忘れて日常に戻ってしまう。仕方がないのかもしれませんが、もったいなく感じてしまいます。村田さん:子どもの毎日は刺激の連続ですから、放っておくと忘れてしまい、がっかりということもありますよね。私が実践しているのは、旅先から1枚の絵ハガキを送ること。後日届いた絵ハガキを見ながら「これ見たね」「こんなことしたね」と会話をすることで、旅の記憶が定着していきます。絵ハガキは場所を取らないので、保存しやすいのもメリットです。最初はハガキからはみ出しそうな字でひらがなしか書けなかった息子が、だんだんと漢字を交えた長文を書けるようになり、思春期になると面倒がってひとことコメントだけになる(笑)。子どもの成長がダイレクトに残るので、後で見返すと面白いですよ。■中学受験直前まで続けた「週末旅行」――小さな頃から旅育を続けると、家族の思い出も増えていくわけですね。わが家は子どもが小学生になり、旅が難しくなったと感じてします。未就学児のうちに、もっと行っておけばよかったと後悔しています。村田さん:小学生になると、どうしても週末限定になってしまいますよね。わが家の場合、金曜の夕方に出発して日曜に戻ってくる、というパターンが定番でした。学校のスケジュールを見ながら、テストや行事に影響が出ない日程を選ぶので、旅行を決めるのはいつも直前でしたね。それでも、中学入試の直前まで毎月1回のペースで行き続けていました。――入試の直前まで! 試験前は勉強に集中させる家庭が多いなか、変わらずに旅を続けられたんですね。村田さん:私は「旅育からの中学受験」と呼んでいるのですが、息子は小学5年生までは塾に通わず、旅で得た経験をベースに学びを深めていました。小さい頃から地図を見ながら旅をしていたので、日本地図は学校で習う前から頭に入っていましたし、その土地の産業や気候といった知識も体験とひもづけて役立ったようです。小学校中学年からは、教科書に載っている史跡や絵画などを見に行く旅も、子どもの興味に応じてしていました。こうした体験は、単なる暗記ではなく、本質的な学びにつながります。――旅育で育った息子さんは現在17歳。息子さんご自身は、これまでの旅についてどう言っていますか?村田さん:人と出会い、いろいろな体験ができたことがためになったと言っています。特に、素晴らしく美しい料理を作るシェフ、知識豊富で話上手なバスガイドさん、カツオをさばいてタタキにする方法を教えてくれた漁師さんなど、その道のプロフェッショナルとの出会いが印象的だったようです。旅で身につけた力は、子どもにとって一生の財産となります。息子は17歳になり、旅育の経験を生かして、自ら人生を切り開く次のステージになりました。今までの経験から得た旅育の魅力やノウハウを、次世代の親御さんをはじめ多くの方に伝えたいと思い、 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 を執筆しました。多くの方が旅育を実践するきっかけになればうれしいです。また、私も旅育の環境整備など、今後もライフワークとして「旅育」に関わっていきたいと思います。親子で旅をできる時間は案外少ないもの。筆者も荷物運びを手伝ってくれたり、6時間のトレッキングを達成したりと、成長していく息子の姿に旅の力を実感しています。家族それぞれの形で、旅育に挑戦してみてはいかがでしょうか。参考図書: 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)村田和子著 1,512円(税込) 旅を通じて子どもの脳を刺激し、自立心や感受性、行動力、考える力などを育む「旅育」。旅行ジャーナリストの村田和子氏が十数年の親子旅の経験をもとにした旅育の5つの基本メソッドと、実践するための25のヒントを紹介する。47都道府県の親子旅を経験した著者が選ぶおすすめスポットやモデルコースに加え、星野リゾート代表・星野佳路氏に聞いた「子どもにとっての旅の効果・効能」、茂木健一郎先生の旅×脳コラムなども掲載。取材・文/まちとこ出版社 渡辺裕希子
2018年08月02日旅を通じて子どもの心と脳を育てる「旅育」。家族旅行はもちろん、帰省や日帰りのレジャーも、子どもを大きく成長させるチャンスです。特に、言葉を理解し始める3歳頃から基礎的な脳が出来上がる9歳頃までは、旅育のゴールデンエイジだといいます。現在、6歳の息子を持つ筆者も旅育を実践中。そこで、 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)の著者で、旅行ジャーナリストの村田和子さんに旅育についてお話をうかがいました。お話をうかがったのは…村田和子さん旅行ジャーナリスト。1969年生まれ、1児の母。子どもが生後4カ月の時に家族旅行を開始し、9歳までに47都道府県を制覇。『All About』では2001年からガイドを務めているほか、『週刊文春』では子連れ旅行の連載、JALサイトの『初めての子連れ海外』ページを監修・執筆するなど、家族で旅をする魅力やヒントを多方面で伝え、2013年には子どもの生きる力を育む「家族で旅育メソッド」を発表。子どもが旅育を実践し中学入試で志望校に合格したことを機に『プレジテンドファミリー』『AERA with Kids』『日経DUAL』をはじめ雑誌・新聞・ウェブで注目を集める。 「家族deたびいく」 運営。旅行業務取扱管理者・クルーズコンサルタント。 ・公式ホームページ(トラベルナレッジ) ■3歳~9歳が「旅育」のゴールデンエイジ――村田さんは、現在17歳の息子さんが生後4カ月の頃から親子旅を始め、9歳までに47都道府県を制覇されたと聞きました。当初はまだ、子連れ旅行が一般的ではない時代ですよね。村田和子さん(以下、村田さん):「小さな子どもを連れて旅行なんてとんでもない」とよく言われましたし、施設側も子連れを受け入れる体制が整っていませんでした。その点、今は子ども向けの施設やプランが充実した宿がたくさんあり、新幹線や飛行機などのサービスも行き届いています。親子で旅に出るには、絶好の時代だと思いますよ。――確かにそうですね。私は5年前から親子旅を始めたのですが、おいしそうな離乳食やキッズミールがあったり、キッズルームや子ども向けのイベントが用意されていたりと、レベルの高さを感じます。村田さん:それに、子どもにとって旅に出ることの重要性は増していると感じます。昔に比べて、今の子どもたちの世界はかなり狭い。子どもたちがふだんふれあう大人は、親御さん、幼稚園や学校の先生、習い事の先生、友だちのお父さんお母さんくらいではないでしょうか。子どもは自分が知っている世界が社会のすべてだと考えがちなので、日常で自分の居場所が見つけられないと悩んだり、自暴自棄になったりする危険性があります。実際、私の息子も、男の先生にほめられて自信になっていた「朝の元気なあいさつ」を、小3になり先生が変わった途端「そんなに大きな声を出さなくて結構です」と言われたことで混乱。旅先でもあいさつができなくなってしまったことがあるんです。「これまでに、たくさんの人に元気なあいさつをしてきたけれどどうだった? そうだよね? 笑顔で返してくれた人やほめてくれた人が多かったよね? 担任の先生は価値観が違うかもしれないけれど、ママはすてきだと思うよ」と話し合って解決したんですが、子どもにとって学校や先生の影響がいかに大きいかを思い知らされました。――それは辛いですね。でも、息子さんがすぐに納得してくれたのは、やはり旅を通じて多くの人や価値観とふれあった経験が大きいんでしょうか。村田さん:そう思います。息子はいかにも社交的で目立つという感じではないんですが、さまざまな地域で暮らす年代も異なる多様な人々との交流を通じて、懐の深い人間に育っていると感じます。また、旅のトラブルを乗り越えた経験などから、何事にも「手をつくせば、なんとかなる」というタフさや、臨機応変に対応する力は身についたと思います。今の子どもたちが生きてくのは変化の時代ですから、旅育は大いに役立つと考えています。――受験勉強だけできればいい、という時代ではないですものね。子どもたちが成長する頃、「生きる力」がますます重要になっていると実感しています。村田さん:私が提案している「旅育メソッド」では、生きる力を「自己肯定力・コミュニケーション力・知恵を育む力」の3つと定義しています。旅育で一番大切なのは、親子のコミュニケーションです。親のちょっとした心がけや働きかけで、この3つの力はぐんと伸びていきますよ。特に、言葉を理解し始める3歳頃から、基礎的な脳が出来上がる9歳頃までは旅育のゴールデンエイジですから、積極的に旅に出ることをおすすめします。――そうなると、赤ちゃん時代に旅に出ることはあまり意味がないのでしょうか? 確かにうちの息子も、小さい頃の旅はまったく覚えていません。村田さん:旅にはリフレッシュ効果もあります。親御さんが旅でストレスを解消して、ゆとりを持って子育てをできるのは、子どもにとって大きなメリットだと思います。また、小さな頃の旅は忘れてしまうので意味がないのでは? と思いがちですが、本の中で脳科学者の茂木健一郎先生が解説してくださったように、記憶には残らなくても、子どもが成長した時、ものの見方や行動に影響を与えると考えられています。 ■「どこに行くか」より「何をするか」――周囲のママたちに旅育をすすめると、「楽しそうだけどお金がかかりそう」と言われることが多々あります。村田さん:旅というと、どうしてもぜいたくなイメージがあるのかもしれません。でも、近場の日帰りレジャーやイベントに出かけるだけも旅育はできるんですよ。ネットで検索すると、子連れ向けの施設やイベントはたくさん見つかります。肝心なのは「どこに行くか」ではなく「何をするか」。特にお子さんが小さいうちは、無理をして遠出をしなくても大丈夫。日常と違う経験をすることは、それだけで子どもの脳に刺激となります。――小さな子を連れた旅やおでかけでは、公共の乗り物や施設で迷惑をかけないか心配、という声もよく耳にします。村田さん:小さくても旅をする仲間ですから、「どうせわからないだろう」と子ども扱いしないことが大切だと考えます。私は写真や地図を見せて「これからこの場所に行くよ」「電車に◯時間乗るよ」「眠りたい人もいるから、静かにしていようね」などと説明していました。そして、上手にできたら「頑張れたね! えらいね!」と認めてあげると、子どもにとって成功体験となります。「電車に何分乗るから、その間は何をして遊ぼうか」と相談しながら、子ども自身が持ち物を用意するのもおすすめです。――自分で用意をさせると、自主性が身につきそうですね。でも息子が3歳の頃にリュックに入れるおもちゃを選ばせたら「全部持っていく!」と言い張り、荷物がパンパンになってしまった経験があります(笑)。村田さん:3歳くらいだとまだ自分では気がつかないことも多いので、「全部使って遊ぶ時間あるかな?「持てる? ちょっと背負ってみようか。自分でずっと持つんだよ?」と親が助言してあげたほうがいいでしょうね。ただ、可能な限り、最終的には本人の判断に任せるのが良いと思います。自分で言い出したことに責任を持つのも大事ですし、失敗から学ぶことも多いと感じます。■未就学児&低学年「旅育プラン」3つのアイデア旅育のモデルプランは無数にあり、どんなプランがいいのかは子どもの個性や発達によってさまざま。「小学校中学年以上の子どもなら話し合いで決めるのも旅育の一環となりますが、小さいうちは親がナビゲートする必要があります」と村田さん。そこで、プラン作りのヒントとなる3つのアイデアを教えていただきました。1.テーマを決めてとことん追求する!子どもが興味を持っていることをより深めていくことで、探究心や集中力が育ち、自信にもつながります。例えば、電車好きの子どもなら鉄道博物館に行く、ユニークな観光列車に乗ってみる、鉄道会社のスタンプラリーに参加するなどの選択肢があります。食べることが大好きなら、フルーツ狩りや食品メーカーの工場見学もいいでしょう。「これといって興味を持っていることが見当たらない、というお子さんは、親の趣味から子どもの成長に合ったものを選んで、お子さんに提案してもOKです。ただし無理強いは禁物。もし子どもが興味を持てないようなら、違うプランを試しましょう」(村田さん)2.親子でいっしょに「初めて」を体験!人生経験が豊富な親は、つい「上から目線」で子どもに接してしまいがち。「親も子もどちらにとっても初めての体験なら、同じスタート地点に立つことができ、親子の連帯感が育まれます。例えば、見たことがない花や動物を見に行ったり、専門家のもとで簡単なトレッキングやアクティビティに参加してみたりといったプランがおすすめですよ」(村田さん)子どもにとって、初めての体験は深く心に残るもの。小さいうちから親子で、たくさんの“初めて”に挑戦してみましょう。3.家族で別々に過ごす時間を作る!旅行中に親子別々の時間を作ってみましょう。子どもは、ホテルにあるキッズクラブや子ども向けの自然体験教室などに参加。親と離れて何かに挑戦することで子どもは一気に成長し、再会した際には「こんなことをしたんだよ」と家族の会話が広がります。「もし、旅先にキッズクラブや自然体験教室などがなく、子ども1人で参加できる環境が整わないなら、ふだんとは違う家族の組み合わせで行動するのもいいですね。例えば、ママと一緒に過ごすことが多い子どもは、パパやおばあちゃんと一緒、ママはひとりなど、いつもと違う組み合わせで行動すると、意外と発見もあり、うまくいって楽しめることが多いんですよ」(村田さん)自分の子どもはどんなことに興味があり、どんな力を身につけさせたいか。上記を参考に、ぜひプラン作りに挑戦してみましょう。次回は、旅育の実践編として、旅先での過ごし方をお教えします。参考図書: 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)村田和子著 1,512円(税込) 旅を通じて子どもの脳を刺激し、自立心や感受性、行動力、考える力などを育む「旅育」。旅行ジャーナリストの村田和子氏が十数年の親子旅の経験をもとにした旅育の5つの基本メソッドと、実践するための25のヒントを紹介する。47都道府県の親子旅を経験した著者が選ぶおすすめスポットやモデルコースに加え、星野リゾート代表・星野佳路氏に聞いた「子どもにとっての旅の効果・効能」、茂木健一郎先生の旅×脳コラムなども掲載。取材・文/まちとこ出版社 渡辺裕希子
2018年07月26日脳神経内科専門医のマインドフルネス・ダイエット6月26日、食べ過ぎを招く精神的要因を呼吸法で解決してやせようという新刊「やせる呼吸 脳科学専門医が教えるマインドフルネス・ダイエット」が発売された。著者は医学博士でアメリカ神経学会会員、内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医の山下あきこ氏である。山下あきこ氏は1974年佐賀県生まれ。神経内科などの臨床と研究を行い、2016年に株式会社マインドフルヘルスを設立。同社ではストレス対策研修やIoTによる健康見守りサービス、WEB健康教室のほか、VRを活用したスマートフォンアプリの開発と配信も行っている。基本の5秒間の呼吸法からマインドフルネスは、Googleやアップル、ゴールドマンサックスなどの世界の一流企業が導入している注目の脳の休息法である。マインドフルネスによる呼吸法や瞑想法を実践することで、集中力の向上や感情のコントロールができるようになるという。世の中にあふれかえるほど提唱されているダイエット法。しかし、詰まるところ太る原因は当人の食べ過ぎであることが多い。新刊では食べ過ぎになる主な原因として「怒り」「さびしさ」「暇」「空腹」の4つを挙げ、これらを改善する呼吸法を行うことで食べ過ぎ防止する。このダイエット法の基本となるのは5秒間の呼吸法で誰でも簡単に行うことができ、さらに早くやせたい人のための朝の瞑想についても掲載している。この新刊は四六判で1,400円(税別)にて、二見書房より発売中である。(画像はAmazonより)【参考】※やせる呼吸 脳科学専門医が教えるマインドフルネス・ダイエット
2018年07月08日私たちの脳も内蔵の一部。栄養が足りていなければ、脳を構成する神経細胞のクオリティも劣化して、結果として老化も進んでしまいます。脳の老化を防ぐために気をつけてほしい食習慣のポイントはたくさんありますが、特に大事なのは「血糖値を上げない」「脳をサビつかせない」のふたつ。血糖値を上げない糖質の摂りすぎは確実に老化を進めます。糖質とは、ご存知の通りブドウ糖や果糖などのこと。似たような意味の言葉に「炭水化物」がありますが、これは一般的に糖質と食物繊維が組み合わさったものを指します。芋などの根菜類に含まれる「でんぷん」は、ブドウ糖がたくさん集まったもの。でんぷんは甘くありませんが、体内で消化されるとブドウ糖になります。このようなブドウ糖や炭水化物、デンプンは、消化吸収されると血液中に入り、血糖値を上昇させます。糖質はエネルギーを効率よく生み出してくれますが、ジュースやお菓子をはじめ、パンや麺類、ケチャップやソースなど調味料に至るまで、糖質を含む食品があふれている現代の生活では、気をつけないとすぐ摂りすぎになってしまいます。糖化が引き起こされる糖質が脳の老化のために良くない理由のひとつめが、「糖化」という現象を引き起こすこと。糖化は糖質がタンパク質と結合する現象です。体を構成する主要な成分であるタンパク質が糖と結合すると、本来タンパク質がもっている機能が失われてしまいます。たとえば肌のシワやシミ。これも糖化が関連しています。糖化の影響は肌だけではなく血管、目、骨、神経と広範囲に渡ります。そのため、糖化を防ぐことが老化予防の第一歩といっても過言ではありません。なお、血糖が高くなればなるほど、また血糖が高い時間が長いほど糖化が起こりやすくなります。インスリンが過剰に分泌される糖質の摂りすぎによるふたつめの問題が、高血糖によってインスリンというホルモンが出すぎるということです。インスリンは血糖を下げるホルモンですが、実は加齢を進めてしまうという働きもあります。実際、インスリンが低い人の方が長生きであるということがわかっています。また、インスリンが出すぎていると徐々に効きが悪くなり、血糖が下がりにくくなってしまう「インスリン抵抗性」という問題が現れます。「糖は脳のエネルギーだからいいじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、血糖値が高い状態が続くと、神経細胞がまるで「もうこれ以上糖はいらないよ」と言うかのように、糖があっても使わなく(使えなく)なってしまうのです。基本的に糖がなければエネルギーが作れず神経細胞は働けませんから、結果として脳の老化につながります。脳のシミが増える糖による3つめの理由は、脳のシミである「アミロイドβ」という物質も増やしてしまうということ。分泌されたインスリンは、最終的に「インスリン分解酵素」によって分解されますが、じつはこのインスリン分解酵素にはアミロイドβを分解する働きもあります。インスリンが出すぎていると、インスリン分解酵素が余らないので、アミロイドβが分解されずに溜まってしまうのです。脳をサビつかせない鉄が酸素とくっつくと、サビて脆くなってしまいます。これを「酸化」と言いますが、同じように、私たちの体の中でも酸化が起きています。多くの生物は空気中の酸素を取り込んでエネルギーを作っています。一方、その過程において「活性酸素」というより強力な酸素の仲間が生まれています。また、ストレスや大気汚染物質・タバコ・微生物・紫外線など活性酸素を増やしてしまう要因が私たちの身の回りには溢れています。体内には活性酸素を無害化するメカニズムが備わっていますが、活性酸素の量があまりにも増えたり、栄養不足などでこのメカニズムがうまく働かなかったりすると、活性酸素による「酸化」が進んでしまうというわけです。脳は大量に酸素を必要とするにも関わらず、じつは酸化に弱い臓器です。活性酸素が多くなると酸化が進み、脳のシミも増えていくことが知られています。脳をサビつかせないことも脳の老化を防ぐために非常に重要な要素なのです。脳の老化を防ぐ食事糖質入りのものを口にしないまずは血糖を急激に上げないように気をつけましょう。何はともあれ、砂糖やブドウ糖、ブドウ糖果糖液糖など、糖質が入っている食品や飲み物を口にしないようにすること。これらは生命維持に必要のない、あくまで「おやつ」です。おやつは食べなくても死にませんので大丈夫。炭水化物を減らす次に、ご飯やパン、麺類などの炭水化物を減らすこと。これらは「主食」とされていますが、これからは炭水化物を「デザート」、おかずが「主食」と考えを切り替えてください。炭水化物だけで食事を済ませるのはやめましょう。また、同じ炭水化物でも生成された白米や小麦よりは発芽玄米や雑穀、全粒粉などが◎。栄養価が高く、血糖値も上がりにくいのでおすすめです。毎食タンパク質を摂取する1日に必要なカロリーは、タンパク質と脂質で補いましょう。タンパク質を多く含む食品である卵・魚・豆・肉などは、できるだけ毎食食べて。目標は体重1kgあたり1gです。体重50kgの人が1日に必要なタンパク質を卵だけで摂取する場合は8〜9個ほどが目安です。実際にはいろいろな食品にタンパク質が含まれているので、こんなに卵を食べる必要はありませんが、案外足りていない栄養がタンパク質です。太ることを気にする人がいますが、一番体重を増やすのは糖質です。余った糖質が中性脂肪に変わり、体に蓄積されてしまうのです。一方、タンパク質は糖質に比べるとほとんど血糖を上げません。安心して食べてください。油はエキストラヴァージンオリーブオイルを脂質に関しては、オリーブオイル、特にエキストラヴァージンオリーブオイルを脳の老化を防ぐ観点からおすすめしたいです。脂質の多いアボカド、ナッツ類も栄養豊富で認知症予防に良いので日々の食生活に取り入れましょう。食物繊維をたっぷり摂る葉物野菜や海藻、きのこなど、食物繊維を豊富に含む食品を食事の最初に摂るように心がけてください。食物繊維を先にお腹に入れておくことで、血糖が上がりにくくなります。食物繊維をとる目安は1日あたり約20gとされています。一見少なそうですが、国民健康・栄養調査の結果、多くの日本人はこの基準も達成できていないことがわかりました。実はごぼう1本食べたとしても、食物繊維としては約10g。意外と多くありません。抗酸化物質をたくさん摂る脳をサビつかせないためには、なんといってもビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用のある必須栄養素、野菜の皮の部分に多いポリフェノール、魚やアマニ油などに多いオメガ3脂肪酸など、酸化を抑える「抗酸化物質」を含む食品をたくさんとること。抗酸化物質は加熱すると減ってしまうので、加熱する時は煮る、炊く、蒸すなどの料理にするようにして、揚げ物は避けるようにしましょう。油を加熱して使いたいときは、酸化しにくいオリーブオイル、ココナッツオイル、バター、ラードなどを使用します。食事のスタイルでいうと、イタリア料理のような「地中海食」、または「和食」がおすすめです。脳の老化を防ぐ食事のコツをできるところから取り入れ、いつまでも若々しい脳と一生続く健康を手に入れましょう。
2018年07月03日「いつまでも若くキレイでありたい」「年を重ねても魅力的な人間でありたい」といったポジティブな気持ちは、脳が生み出しているものです。脳が健康で若いからこそ、現状維持にとどまらず、より向上していきたいという気持ちが生まれます。脳の老化が進むにつれて、そのような気持ちは失われていき、考え方もネガティブになりやすくなります。脳の若さと健康を保つために必要なのは、普段の生活におけるちょっとした心がけの積み重ねです。中でもとくに大事なのは、(1)脳をしっかり休ませる、(2)脳に良い栄養を補給すること。今回の記事では、脳をしっかり休ませるための具体的な方法をお伝えします。■PCやスマホを使わない時間を作るパソコンや携帯電話やスマホなど、インターネットを介して情報をやりとりする技術が発達した結果、私たちが毎日処理しなければならない情報は、昔と比べて圧倒的に増えています。たとえば、ポケベルが現れる前の時代は、遠くの人とやりとりする手段は手紙か電固定電話くらいしかありませんでした。空いた時間は本や雑誌を読んだり、CDやカセットで音楽を聴いたりするくらいしかできなかったので、リアルタイムで得られる情報は有限でした。必然的に何もできず、ぼんやりと頭を休める時間を取ることができていたのです。現在では、ほとんどの人が自分の携帯電話を持っています。どこにいても遠くの人と話をすることができ、メッセージや写真を送り合い、インターネットから無限に情報を得ることができます。■ネットを見るだけで脳は疲れる私たちがネットの情報を眺めているとき、脳は何もしていないわけではありません。目に入る情報が自分にとって有用なのか、絶え間ない判断を強いられ、知らない間に脳に疲れが溜まっています。脳は筋肉と同じように、使い続けると当然疲れてきます。同じ作業を続けていればなおさらです。脳を酷使していると神経細胞内に活性酸素が発生し、細胞が傷つき、脳の老化につながっていきます。体力と同様、1日の意志の力には限りがあり、何かをすれば少しずつ減っていきます。スマホやPCを使う時間が増えた結果、本当にしたいことができなくなってしまっているかもしれません。あらゆることがスマホでできるようになってきた現代だからこそ、あえてそれから離れる時間を作ることが重要です。■仮眠をとる頭を休ませるにはなんといっても睡眠が一番です。仕事中に寝ることは難しいですが、ランチタイムに10分だけでも目を閉じてみてはいかがでしょうか。目を閉じるだけでも頭を休めることができます。やってみるとわかりますが、10分というのは意外と長い時間です。憧れのリゾート地など、リラックスできる風景を思い浮かべながらのんびり過ごしてみるのがおすすめです。実は1日10分の昼寝をする習慣がある人は、認知症になりにくいという報告もあります。午後3時までなら夜の睡眠には響きません。仕事のパフォーマンスを上げるためにも仮眠の習慣はおすすめです。ただし、ぐっすり眠り過ぎないこと。熟睡すると脳が働くようになるまでしばらく時間がかかってしまいますし、夜の睡眠にも響きます。仮眠をとる時間は30分以内にとどめておくと良いでしょう。■体を動かす「運動」というときついイメージがあり、言葉を聞いただけでも拒絶感がある人が多いですが、全身から汗を書くほどしっかり体を動かさなくても構いません。ラジオ体操のように誰でもできるような動きであっても、筋肉を動かすことによって脳が刺激されます。脳に流れる血液の量も増え、酸素と栄養が運ばれて脳の疲労回復に役立ちます。時間があるときは、少し近所を散歩してみましょう。特に自然が多いところを歩くと、草木の緑による視覚効果と、自然の中に多い超高周波という音の成分によって、より高いリラックス効果が得られます。■瞑想する現代では処理しなくてはいけない情報が多いため、ひとつのことに集中し続けることが難しくなっています。瞑想とは、「今、この瞬間に意識を集中する」こと。瞑想をすることによって集中力が鍛えられ、注意力が散漫になることによって起こる「もの忘れ」も改善できます。瞑想といっても、座禅を組む必要はありません。椅子に座ったまま安定した姿勢で目を閉じて、呼吸をすることに意識を向けるだけも瞑想になります。ゆっくりと呼吸を続け、空気の流れを観察しましょう。私たちは無意識に過去にあった辛い記憶や、未来に対する漠然とした不安について考えていますが、瞑想中は今に意識を向けることによって、ネガティブな感情を減らすことができます。1日10分を目指して実行するとよいですが、最初は2分くらいからでも構いません。毎日の瞑想を習慣にしましょう。■好きなことをする時間を作る忙しいからといって好きなことを我慢し続けていると、「ときめく気持ち」や「自分にとって新しいものに対する好奇心」が失われてしまいます。毎日少しでもいいので自分が本当にしたいことをする時間を作りましょう。時には心の赴くままに、自由に行動することも必要です。それが明日への活力となり、脳の若さと健康を保つことになります。
2018年06月01日