トップライター:ヤナトモ「宿題は成績向上に効果なしという研究結果」こんな見出しの新聞記事が、SNS上でバズっていました。もとをたどれば実は、「宿題は多すぎない限り、子どもの成功を助ける」という研究結果※で、それによると、学年×10分が家庭学習の目安。高校生でも2時間以上の家庭学習は、高い効果が期待できないのだとか。しかし、現実は。息子2号(小5)の学校から配布された「家庭学習の目安」には、5~6年生は90分という、研究結果の目安より、かなり長い時間が記載されています。息子2号の毎日の宿題はプリント表裏「自主学習」ノート算数1ページ+漢字1ページそのうち漢字は、千マス以上の方眼ノートに隙間なく漢字を書き、マスの谷間に読み仮名をふるというルールがあるんだそうで。これが相当に嫌らしく、毎日毎日、大きなため息をつき、ボヤきながらやっているのです。ボヤキがあまりにしつこく、うるさいので、「そんじゃあ、どんだけうざいのか、やってみようじゃあねえか!」と、実際に宿題……改め「自主学習」ノートにチャレンジしてみることにした母。「大人の実力見したるわ!ドヤ!!」とばかりに、超高速かつ雑に書き取りしてみました。結果は……1ページ20分以上かかったうえに、ものすごい疲労感。手が疲れる。そして何よりもつまらない。これを来る日も来る日もやるかと思うと、確かにうざいですね。とはいえ、この宿題…改め「自主学習」がなくなることはなさそうなので、「どうせやらなきゃいけないなら、自分の身につくメリットのあるやり方にしたら?」「テストで間違った漢字とか、自分が覚えたい漢字だけ選んでやったら?」「読み仮名は1回でいいんじゃないの?」などと、さまざまなアレンジを提案してみますが、「そんなのダメなんだよ!やり直しさせられるんだよ!」と、あくまでもルールを守ろうとする2号くん。先生の言うことは絶対です。「たまにはさ、すき間を開けてスカスカで提出してみたら?」「そうだ!今日は漢字さぼっちゃえ♡」と、だんだんふざけた発言をするお母さん。お母さんの言うことはテキトーです。「自主学習」という名前が付いているのに、何をやるかの選択はできない。時間や、やり方に基準がある。もはやそれは「課題」ではないのかな。イヤイヤやる、面白みのない勉強に意味はあるのかな?せっかくなので、夏の個人面談で担任の先生に相談してみました!結果は……親子で相談したことならアレンジしていい。ルールは絶対ではない。とのこと。(自由があるなら、はじめから子どもたちに伝えてくれたらいいのになぁ……)宿題の量は学年で統一して決めるらしい。状況に応じて量を加減することもあるようで、ほかのクラスの宿題情報を聞きつけた子どもたちは、「自学ノート1ページに減らしてもらったらしい」「ずるい」「隣の先生は優しい」などと、隣の青い芝生をのぞいては、苦々しい思いをしているよう。息子1号(高3)「おいおい。誰のための宿題か?って話だよ。そこ考えろ」母「ほおほお。考えた結果、あえて宿題をやらなかったってわけだね?」息子1号(高3)「そうそう。そういうこと(ニヤニヤ)」ちなみに2号くん、漢字の書き取りはもうだいぶ慣れてきたそうで。母にグチることで、やる気を奮い起こしているんだとか。わかるわー。グチを吐き出すことで、がんばれるところってあるよねぇ~。あっ!そういえば、彼のため息小芝居劇場にいちいち反応して助言したらダメだったんだ。以前にお話した気ままに営業中!バーBBAの行方は……ひたすら同意してうなずいて聞き役に回る……これこそが、わたしが自らに課した「自主学習」ですよ。がんばるぞ、あたし!チェストー!※ 2006年 米Duke大学 Harris Cooper教授の研究結果よりヤナトモ宮崎県在住/40代高3、小5の男児の母。趣味は哲学。
2018年09月13日専門家・プロ:中曽根陽子すぐキレる問題児。どうしたらいい?近ごろ、子どもの教育にたずさわる人たちから、「キレやすい、人の話を聞けない、すぐあきらめる、まわりの子に手をあげるなど、気になる子どもの割合が増えている気がする。」という話をひんぱんに聞くようになりました。公的な調査などで明らかになっているわけではありませんから実際に増えているのかははっきりとわかりませんが、子どもと直接ふれあう立場の人たちの生の声ですので、気になりますね。小学4年生のA君もその一人。「授業中に立ち歩く」「宿題をしない」「まわりの子に手をあげる」など、学校の先生からいつも怒られる問題児でした。お母さんはなんとかしなくては! と、A君が学校から帰ったらすぐに、お母さんが宿題の有無をチェックして、つきっきりで宿題をさせました。すぐに飽きてしまうA君をきつく叱るお母さん。宿題が終わらないと夕食の支度もできないので、食事の時間が遅くなることもたびたび。宿題が終わったら制限なしにゲームをしてもいいことにしていたので、寝るのも遅くなりがち。朝はぎりぎりまで寝かせてお母さんが起こす。忘れ物をしてはいけないので学校の準備はお母さんがする。という対応をしていたそうです。果たしてうまくいくようになったのでしょうか?結果は×。少しも良くならないどころか、どんどんひどくなり、家でもキレることが多くなっていきました。さて、このお母さんの対応のなにが問題なのでしょうか?生活習慣の乱れから悪循環にこのお母さんの対応で問題だったのは、宿題をさせることを優先順位の一番にしてしまったことです。その結果、日によって夕食や入浴、寝る時間がまちまちになり、朝起きられないという生活習慣の乱れにつながりました。また、宿題ができなければ感情的にきつく叱り、反対に学校の用意など子どもが自分でやるべきことを親が代わりにやって甘やかすというように、子どもの自律を妨げる対応をしていました。その結果毎日の生活が落ち着かず、子どももお母さんもイライラがつのり、きつく叱るとA君はますます反発するという悪循環に陥ってしまっていたのです。これは発達脳科学の専門家、成田奈緒子先生のところに訪れた実際の親子の話です。実は、このコーナーの第2回「キレる子どもたちの原因は眠りにあり」で紹介したように、規則正しい生活を送らないと、さまざまな問題が起きてきます。そこで成田先生は、①夕食は19時にとる。②21時までに寝る。この2つだけを守るようにA君に約束させて、宿題はできてもできなくても気にしないでいいと伝えました。さらに、お母さんにはときおり、わざと食事の支度が間に合わない事情をつくってA君に手伝ってもらって、できたら必ずありがとうと言う。お父さんにはできるだけいっしょに食事をする機会を増やし楽しい会話をするなど、親の関わり方を変えるようにアドバイスしました。すると2カ月後、A君はすっかり落ち着き、問題児どころか、やり残した宿題も、朝自分で起きてやるようになったそうです。よい脳が育つ環境を用意すれば、何歳からでも脳は育て直せるそんな魔法のようなことがどうして起こったのでしょうか。そのかぎを握るのが生活環境を整えることです。成田先生は次の6つを「親など周囲が子どもに与える、脳を育てる生活環境」として整理しました。ブレない生活習慣を確立する。調和がとれたスムーズなコミュニケーションを図る。親子がお互いを尊重して協力しあう体制をつくる。怒りやストレスへの適切な対処法を共有する。親子が楽しめるポジティブな家庭の雰囲気をつくる。親はブレない軸を持つ。 これは、わたしがこれまでいろいろなテーマでお伝えしてきた6つの栄養素とも共通することが多いなと思います。(6つの栄養素については第1回をご参照ください)脳を育てる生活環境をつくるには、まずは、起きる時間、寝る時間、食事の時間といった基本的な生活リズムを整えること。そして、子どもを感情的にコントロールしたり、反対に手を出して甘やかしたりせず、共同生活を送る一員として尊重しあうことが大切です。成田先生は、何歳からでも、どんな子でも脳は育て直せると言います。もし、困ったなと思うことがあってもあきらめずに、やってみてくださいね。※脳を育てる6つの生活環境を生活にとり入れるための具体的な方法は、『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』(成田奈緒子上岡勇二著、合同出版)で紹介されています。子どものよい育ちは、よい脳の育ちから関連記事失敗力第1回失敗できない人は、成功できません失敗力第2回 キレる子どもたちの原因は眠りにあり中曽根陽子教育ジャーナリスト教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。子育て中のママたちの絶大な人気を誇るロングセラー『あそび場シリーズ』の仕掛人でもある。 “お母さんと子ども達の笑顔のために”をコンセプトに数多くの本をプロデュース。近著に『1歩先行く中学受験成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などがある。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザ インする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。公式サイト
2018年09月04日やっと…長い夏休みが終わりましたね。子どもの夏休みの宿題の親も大変ではなかったですか?我が家は高校生の長男長男の分はノータッチですが、小学生の次男次女の宿題は親が見てないと進みませんでした。午前中は宿題。遊ぶのは午後からにしました。ノルマが終わったら遊んでいいよ~という感じです。私が一番嫌なのが…「ひとこと日記」なぜなら苦い思い出があるからです。長女が小学4年生のころ、夏休み最終日に真っ白なひとこと日記が発掘されたのです!!スケジュール帳や、当時から書いてたブログなどを見て1ヵ月半分の日記を埋めていきました…。ひとこと日記ってついつい書き忘れがちなので毎日書かせるのも一苦労なんですよね。しょうには「ひとこと日記」の宿題がないらしい!!これは嬉しい…んだけど、心配だ~~。あまりに心配で夢でうなされました(笑)。そんなこんなで毎日コツコツと宿題をやっていたんですが夏休み終盤になって気が付いた、ある宿題! それは…学校に電話して用紙サイズ、新聞の内容などを教えてもらいました。新聞用の紙を買ってきて、いざ書くぞ~!という段階になって…なんてこったー!家中大捜索した結果…学校で配布された新聞用紙と内容を書いた手紙が出てきた!ちなみにメモは見つかりませんでした…。それから私も手伝って「音楽新聞」を書き上げたのですが宿題前のドタバタで疲れ果てました~。夏休みの宿題、大変なのは親のほうかもしれませんね。皆さん、お疲れ様でした!
2018年09月01日夏休み中は多くの宿題が出るところが多いと思いますが、中でも子どもだけではなく親をも悩まされるのが読書感想文だと思います。計算や漢字の宿題なら教えることもできますが、答えのない感想文は書かせるのが難しいところ。どんなところに気を付けて書いたらいいのか、感想文を書くコツを見てみましょう。1. 親の手伝いはどこまで?まず当たり前のことですが、感想文を書くためには本を読まなくてはいけません。平仮名が全く読めないという子は少ないと思いますが、まだ1年生だと長文などになると読むこと自体が苦手だという子は結構いるのではないかと思います。「絶対に親が手伝って読んではいけない」ということはありません。まずは本に親しむという意味からも、本人が読むことを拒否する場合は無理せず一緒に読んであげて下さい。2年生になったら、基本は子どもに読ませる方が良いと思いますが、これもその子の状況に応じて臨機応変に対応していきましょう。書き方に困っている場合も、「手伝ってしまうと自主性が育たない!」などと頑なにせず、声かけや質問などで誘導してあげると良いでしょう。2. 書くポイントは4つ基本的には本人に自由に書かせて良いのですが、書くポイントとしては1.その本を選んだ理由2.本のあらすじ3.特に気になった場面とその理由4.本を読んでこれからの生活にどう活かしていくかなどを挙げていくとある程度のまとまった文章になると思います。1・2番は特になくても良いですが、3・4番で量が足りないかなという時などは付け足してみて下さい。言葉かけの例としては「どの場面が一番面白かった?」「主人公は好き?嫌い?なんでそう思うの?」「この本ではこうなったけど、〇〇(子どもの名前)はこれからどんなことに気を付ける?」などと聞いてあげることでうまく感想が引き出せるでしょう。3. 読書感想文の鉄則4つ読書感想文を書く際におさえておきたいポイントを4つ挙げます。これをおさえておけば、難しく考えずに書くことができるはずです。 (1) 本選びまずは本選びです。本を読んだ際に、自分以外の人に「これ、面白いよ!」と伝えたいような本であれば楽しんで感想文を書くことが出来ます。友達や家族に伝えたいと思うようなストーリーの本を選びましょう。 (2) 読書メモを作る本の分量にもよりますが、読みながら感じたことなどは読み終わった時に意外と忘れているものです。大体のあらすじくらいは覚えているかもしれませんが、本を読みながら、感動した部分や表現が出てきたら、しるしをつけたりメモに書いたりしておくなどの習慣をつけておきましょう。自分でメモをするのが難しい子は、親が事前に声かけをしておいてそういった場面に遭遇した時に言ってもらうようにしましょう。また、先ほどの言葉かけの質問をメモしてあげるのもいいですね。 (3) 構成を考えて書くこれはある程度高学年になってから意識する部分ですが、感想文を書くことに慣れてきたら構成を考えてみましょう。構成と言っても難しく考える必要はありません。あらすじを書くのではなく、最も印象に残った場面を書いていきます。「はじめ・なか・おわり」の3つで組み立てるとまとまりがうまれます。・「はじめ」最も印象に残った場面を、簡潔に書く・「なか」なぜ、どのように印象に残ったかを書く。「もし自分だったら~」など、自分と照らし合わせて詳しく書く。・「おわり」本を通して考えたことや学んだことを書く自分と照らし合わせることで他の子と違う内容になり、さらに3部構成にすることで読みやすくまとまりのある文章になります。あれもこれも、と書くのではなく、最も印象に残ったところを重点に書くのもポイントです。 (4) 必ず読み直す書き上げて安心してしまいますが、終わったら必ず読み直して誤字がないか、おかしいところはないかをチェックしましょう。小さい子は親が一緒に読んであげるといいですね。高学年でも、おうちの人が読んであげることで「内容が他人に伝わるか」をチェックできます。自分で読み直すだけではなく、必ず他の人も読んでチェックしましょう。この時期は書店に行くと、読書感想文におすすめの本が年代別に並んでいるところが多いですね。年代に関わらず、子どもが興味を持っていたらまずは読ませてみるといいでしょう。感動したところなどを尋ねると、子どもは思いもよらない場面やその理由を述べることがあります。どんなところで感動したのかを知るいい機会ですね。また、それを言葉にして表現するということは、自分の考えを述べることができる子どもに育つ為にはとても重要なことです。是非夏休みという長い休みの機会に、親子で本について語り合う時間を作って下さい。それを字に起こせば、意外と読書感想文も難しくないはずですよ!
2018年08月31日エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出す。コドモ連載の第16回が始まります~。第16回一柊くん(7歳)今回インタビューする小学生と待ち合わせたのは自宅近くにある大きな公園。夏休みに入ったばかりの子どもたちがジャブジャブ池で遊んでいる様子は、まさに芋洗い状態。池の周りには、我が子を見守る大人たち。子どもは水浸し、大人は炎天下で汗だく。自転車に乗ってお父さんとやってきたのは小学2年生のいっしゅうくん。今日のインタビューはピクニックスタイル。木陰を探し、敷物を広げます。すると、お父さんが籐籠から水筒とワインを出しました。いつの間にかアウトドアチェアーも広げられています。真夏ですが木々の間を吹き抜ける風が気持ちいい。まるで森のような公園の中でお昼からワインなんて……すごく贅沢な気分です。いっしゅうくん家族は休日をこうして公園で過ごすことが多いのだそう。植物大好き少年のたからものって?いっしゅう:あ~チクチクするぅ~父:どうした?いっしゅう:これを首にこうしたら……あ~チクチク~。いっしゅうくん、何か植物のような物を首にこすりつけていたようです。いっしゅう:う~。まほ:大丈夫?いっしゅう:これ、たしか種なんだよなあ。スズカケノキの。まほ:スズカケノキ?いっしゅう:うん。スズカケノキって、プラタナスのこと。首から生えてきたらどうしよ~。あ、でも傘の代わりになるからいっか。いや、養分吸われちゃうかもな~。あ~チクチクするよ~。チクチクが止まらない、いっしゅうくんはお父さんと公園のトイレに首を洗いに行きました。いっしゅうくん、植物が大好きな「植物博士」なんです。いっしゅう:ただいまー。まほ:どう?治った?いっしゅう:なおったー!父:どうも、すみません。まほ:子どもって、スタートと同時に何かしらの事件起こしたりしますよね。父:(苦笑)まほ:いや、チクチクとれてよかった。いっしゅう:今日ね、クリスタル持ってきたよ。まほ:クリスタル?いっしゅう:拾ったの。宝石とかね、いっぱいある場所で。まほ:どこ?いっしゅう:フランス。まほ:!!!フランス行ったんだ。父:去年、3ヵ月滞在したんです。まほ:3ヵ月も!フランスに!父:いや、フランスだけじゃなく……。いっしゅう:ドイツー、スイスー、イタリヤ……、あと……。父:フィンランドにオランダね。まほ:すごい!父:会社と2年ほど話して、やっともらえた長期休暇で。まほ:素敵……。いっしゅう:このクリスタルね、化石だと思うんだけどね……。ネコの。まほ:え!?ネコの化石!!?いっしゅう:ネッコ!まほ:ああ。根っこね。いっしゅう:他にもね、アメジストとかも落ちてるところで……。父:湖の近くに、そういう場所があったんだよな。まほ:石も好きなんだね。父:石、大好きだよな。まほ:宝物だね。いっしゅう:うん!たからもの。あと、これも。まほ:これは……泥団子?いっしゅう:そう。泥団子を焼いて作ったの。まほ:もしやこれもフランスで?いっしゅう:うん。まほ:フランス産の泥団子焼か~。なんだか有り難みを感じる……。何よりもヒマが嫌い。ずーっと遊んでいられます。わたしたちがワインを飲んだり、パンをつまんだりしている間、いっしゅうくんはずっとウロウロと歩き回って木の皮を拾ったり、落ち葉を観察したりしています。まほ:お父さんも小さい頃、こんな感じだったんですか?父:いや、僕は次男だったんで……こんな風に好きなものを見つけて、ひとりで遊ぶなんてしなかったですね。ずっと兄貴のしていることを追っかけているという感じで。まほ:いっしゅうくんはひとりで黙々と遊んでますよね。父:自分で興味のあるものを探して遊ぶんですよ。すごい。まほ:ねえねえ、いっしゅうくん。好きなもの見つけるの、なんでそんなに得意なの?いっしゅう:ヒマがいやだ!まほ:え!そうなんだ。いっしゅう:ヒマ、大嫌い。まほ:なんにもない時間をダラダラとか……。いっしゅう:ヤダ!30分が1年に感じる。まほ:いいな~その感覚。わたし、今その逆だもん。いっしゅう:ヒマすぎる時に、宿題する。ヒマじゃない時は、しない。まほ:(笑)。あーじゃあ、植物とか、石とか、遊びに夢中な時には宿題しないのね。いっしゅう: (元気よく)うん!そういう時はねー、こっち(右)に手が2本、こっち(左)にも手が2本あればいいなあって。まほ:遊びって、植物を観察して、どんなことするの?いっしゅう:これね、いっしゅうくんの作った本だよ。まほ:おお!いっしゅうくんが見せてくれたのは、ホッチキスで止めてつくった手作りの豆本。動物や植物に関するものから、絵本まで、何冊もあります。まほ:これはすごい!力作だねえ。いっしゅう:ふふ……(得意気)。まほ:「けいけんちのノート」……。これはどんな本かな?いっしゅう:これは、むじん島に行くけいかくの本。まほ:「やること1. バナナの木にのぼってバナナをとる2. バナナを食べる3. ねどこを作る」「夜の注意夜は暗くなるから」……なるほど。いっしゅう:そういう、やることとか、待ち合わせ場所とか、ほうほうが書いてあるノート。まほ:「目標生きてかえること」いいねえ!あとは……「パパとママのプレゼントをよういする」。いっしゅう:あっ!まほ:あ、ごめん!言っちゃダメだった?いっしゅう:あーうんーまーいいや。まほ:あ~ごめん~。申し訳ない……。父:知ってたよ(笑)。お父さんを植物に例えるなら……。まほ:他にもいろいろあるねえ。「カニのくらし」「とりの木」「つばめが日本にやってくる」……。素晴らしい。いっしゅうくんが一生懸命描いた絵と字を見てるとなんだか胸がいっぱいになってくる……。父:初めて描いたのがこの「大きな木」って絵本なんですけど、これを読み終わった奥さんが泣いてましたね。まほ:わかる気がします。本人にとってはヒマな時間の遊びなんだろうけど。その時間を創作活動に当てるって素敵ですね。「ムベとアケビのくらし」。……これは?いっしゅう:ムベとアケビが好きなの。まほ:ムベ……?ムベとは秋になると赤の実をつけるアケビ科の一種だそうです。まほ:どんなところが好きなの?いっしゅう:形がかっこよくてねー、ツルを編んだり、食べたりできて、役に立つから。まほ:その好きな理由がかっこいいなあ。じゃあ、一番キライな植物もあるの?いっしゅう:ドクウツギ。毒があるから。まほ:お父さんを植物に例えるとなんだろう。いっしゅう:メタセコイア!メタセコイアはヒノキ科の一種で、「生きた化石」とも呼ばれる落葉樹だそうです。まほ:どんな木なの?いっしゅう:かっこよくて、憧れの木。大好き!まほ:じゃあ、いっしゅうくん自身を植物に例えると?いっしゅう:大豆。まほ:え(笑)。いっしゅう:大豆はね、豆が種だから、土の上に落ちれば何年も生きられるし。まほ:落ちても何年も生きられるって、なんだかすごくたくましい。未来の植物博士の学校生活は?まほ:学校の授業はどう?好きな授業とかある?いっしゅう:えっとぉ……(急にテンション下がる)。まほ:あれ(笑)。父:基本的にいっしゅうくんは好きなもの以外……、興味持てないみたいで。まほ:好きなものに全部気持ちを注いでるんだね。さっきの絵本を見てると、それで充分って気もするけど。何が一番苦手?いっしゅう:え~う~んと~さんすうが~なんかヤなの。まほ:ヤなんだ。いっしゅう:大キライ。まほ:(笑)いっしゅう:授業がね~大キライ。まほ:算数の?いっしゅう:ぜんぶ。まほ:ぜんぶか!好きな授業ないの?いっしゅう:一番好きな授業は、休み時間。まほ:それ、授業じゃないよ(笑)。いっしゅうくんはなんでそんなに植物が好きなのかな?父:実は奥さんのお父さん……じいじが植物の研究者で。まほ:それで!仕事ぶりを見て?父:いや、自然に好きになってましたねえ。奥さんは4人姉妹なんですが、だれもその道には進まず。いっしゅうくんがその血筋を継いだようで。まほ:すごい。そして、植物博士に4人姉妹の娘がいるっていうのもなんだか素敵……。おじいちゃんも嬉しいですね。父:前に「お父さんとお母さんは田舎の自然の中で育って、ズルい」って泣かれたことがありますよ。まほ:それだけ自然が好きなんだ……。これは将来有望ですね……!いっしゅうくん、植物博士の夢にまっしぐらだね!いっしゅう:なりたい!つづくPROFILEしまおまほMaho Shimao1978 年生まれ。エッセイスト、イラストレーター。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)などがある。Text・Illustration:Maho ShimaoComposition:Tomoko OgawaDesign:Shinji Nemoto
2018年08月30日不安いっぱいだった去年の夏休みの宿題、なんとか完成…!広汎性発達障害の娘は、現在小学二年生。去年初めて夏休みの宿題というものを経験しました。娘も初めてですが、私も親として小学生の夏休みの宿題に挑むのは初めてでした。まず、自分の頃と違うその量に驚きました。ちゃんと終わるのか…娘にやらせることができるのか…。不安いっぱいで挑んだ一年生の夏休みは、私が娘の横にぴったりとくっつき、どれをやるか指示することに。娘の調子や機嫌を探りながら、私が何ページやるかを決めると、娘は素直に言われた分を着々とこなしてくれました。順調に宿題は進んでいき、8月に入った頃、全部終わりました。Upload By SAKURA成長しているはずの娘、まさかの抵抗!?今年はなんだか手強いそして、今年もやってきた夏休みの宿題。去年の経験もあったので、同じような方法でいこうと思っていたのですが…今年の娘は一味違いました。Upload By SAKURA去年よりも自分の意志が強くなった娘は、宿題をすることに反抗するようになったのです。ここは予想外だった私。自分の意志がなく、フワフワしていると思っていた娘が、「やりたくない」と反抗したことは、うれしい成長ではありましたが、宿題が無事終わらないかもという不安もありました。宿題はやりたくないけど、何をしたらいいかもわからない宿題をしたくないというので、じゃあ好きなことをすれば?と言うと…Upload By SAKURA"好きなこと"という「自由」が苦手な娘は、「何したらいい?」と何度も聞きに来ます。そこで私たち親子は、夏休みの一日のスケジュール表をつくることにしました。スケジュールは私が娘に提案しながら、二人で相談しながら作っていきました。スケジュールに宿題の時間を入れることは、意外にも嫌ではない様子。そうして、スケジュール表が完成しました。スケジュールがあれば、自分で動ける!それから娘は、毎日スケジュールを確認しながら過ごしました。Upload By SAKURA私がやらせようとしたら嫌がっていた宿題も、時間になれば仕方なくですが動きます。せっかくの夏休みに窮屈なものを作ってしまったかと思いましたが、娘にとっては先の見通しが立つ安心につながったようでした。スケジュールを見ながら娘が自分で考えて動く姿は、一年前からは想像できないほど、しっかりしていました。いつまでやることを一つ一つ指示しないといけないのだろうか…と心配していましたが、娘は、その心配を吹き飛ばす成長を、見せてくれました。「イヤ」の裏側に成長があった。これからも親子で一緒に方法を考えよう宿題に関して反抗を見せた時、どうなることやらと不安でしたが、同時に娘は、自分で決めて一人で取り組むということができるようになりました。他のことに関しても、娘は私の言ったことに少しずつ反抗し始めています。Upload By SAKURAちょっと頭を抱えていた私ですが、「イヤ」という言葉の裏側には、何かしらの成長があると今回で学びました。反抗に対して、叱るばかりではなく、その真意を探ることもしつつ、臨機応変に対応できたらいいなと思います。
2018年08月29日実際のところ、成績優秀なお子さんたちは、小学校の低学年から一定した学習習慣をキープしているのでしょうか? 一流大学の付属や名門私立など、超難関中学の入学試験に合格したお子さん、そして公立中学でトップの成績をおさめるお子さんのママたちへの聞き込み調査第二弾として「小学校の低学年の時に、公文などの学習系習い事、通信教育はやっていたか?」そして「進学塾へはいつから通っていたか?」という質問を投げかけてみました(第一弾はコチラ)。実際どうなのかを聞いてみた! 公文は?通信教育は?ちゃんとやっていた?第一弾の質問「学校の宿題はやっていたか?」に対して「やらないことはなかった。」との回答がほぼ100%でした。では、公文などの学習系の習い事、通信教育はどうなのでしょう? ざっくばらんに本当のところを聞いてみました。結果…みなさん「こどもちゃれんじ」などの通信教育は幼稚園・保育園の頃からやっていて、進学塾に通うまで続けていたそうです。幼稚園で提携している「計算」や「ひらがな・漢字」の教室に継続して通っていたという回答のほか「公文に通わせていた」という方が多く、なかには「そろばん教室」に通っていたというお子さんも。みなさん、学校の宿題だけではなく、お教室の宿題やドリルを毎日のようにやっていたそうです。もちろん、通信教育や公文をやっていれば、必ずトップの成績や難関中学合格という結果を出せるものではありません。でも、学習習慣がなくて難関私立に合格したという方が「ゼロ」だという事実は、とても興味深いと思いませんか? つまり、幼稚園や小学校低学年の頃からの積み重ねは、難関中学合格実績に大きく関与していることは確かだと言えそうです。中学受験用の塾にはいつから?「中学受験用の塾にいつから通っていたか?」という質問に対して、一番早かったのは小学校3年の新学期からという回答で、多くの方は小学校4年から通われていたようです。小学校5年の新学期からという返答も数名からありました。このお子さんたちは、それぞれ都内一流大学の付属中学に合格されています。そして、先述のように、それまでは公文、または通信教育の中学受験講座を受けていたそうです。つまり、お子さんがすでに学習習慣を持っていて学力を発揮しているのであれば、進学塾に通い始めるタイミングは遅めでも十分であると言えそうです。今回、筆者の娘の同級生に、都内有数の難関中学に合格された方がとても多かったので、その結果からなにか見えるかもしれないと、聞き込み調査をしてみました。もちろん、今回の結果が学習法の正解なのかどうかはわかりませんが、中学受験を考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2018年08月28日提供:Panasonic夏休みが始まったときは「1ヶ月以上もある」と思っていたのに、あっという間に8月も半ば。そう、夏休みは短いのです! この時期、とくに小学校に通う子どもがいるママにとって自由研究の存在が気にかかってくる頃ではないでしょうか?ある調査によると、自由研究に負担に感じている親は7割もいるのだそう! そこで今回は、「まだ何をするかも決まっていない!」とお困りのご家庭におすすめの自由研究「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」をご紹介します。 ■無料でダウンロード! 絶滅危惧種について学べる自由研究「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」は、子どもの自由研究を負担に感じている家庭向けにパナソニックが提供している、手軽で楽しい自由研究コンテンツです。 子どもが絶滅危惧種動物について学びながら、ウェブサイトからダウンロードできる専用のペーパークラフトと折り紙で、動物が暮らす自然世界を再現できるスグレモノ。監修は環境保全団体のWWFジャパンが担当しています。今回は、4人目のお子さんを出産したばかりのママリーダーズのasacoさんと小学校3年生の理財くんに体験してもらいました!asacoさん息子さん:理財(りざい)くん(9歳)モデルとして、雑誌や書籍、CMなどで活躍。2013年からはオリジナルテキスタイルを用いたキッズブランド「kitutuki」をスタート。また2015年からはフードユニット「マフィオ」も始動し、ケータリングやフードスタイリングも手がける。理財くんは、相撲とプロ野球(広島カープファン!)が大好きな小学3年生。HP: FOLIO MANAGEMENT 、 kitutuki 、 マフィオ Blog: kitutuki Instagram: @hiratoko_asaco Facebook: kitutuki 、 マフィオ Twitter: @asaco asacoさんによれば、0歳の末っ子もいることから、普段なかなか理財くんの夏休みの宿題を見てあげることができないとのこと。今日は親子で楽しみながら、自由研究を完成させましょう!■1. サイトで絶滅危惧種について学ぼう!さっそく 「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」 のサイトを見てみましょう。「熱帯林」「サバンナ」「つめたい海」の3つのエリアから好きなものを1つ選びます。理財くんは「つめたい海」に決定。 ミナミイワトビペンギンやキタオットセイの写真を見ながら、動物たちがどんなところで暮らしているのか、どんなことに困っているのかを学んでいきます。理財くん:こんなペンギン見たことないな~! 顔がかっこいいね。初めて見る動物の姿に、理財くんは興味しんしん! 親子の会話もはずみます。asacoさん:絶滅危惧種ってわかる? ミナミイワトビペンギンたちはえさがなくて困っているんだって。なにができるかな?理財くん:ペンギンがいなくなったらいやだなあ。うーん…えさを持っていってあげる!asacoさん:ほかには? キタオットセイは人間に毛をとられちゃうんだって。理財くん:キタオットセイの毛はとらないようにする!理財くんはじっくり考えながら、サイトからダウンロードしたレポート台紙に、絶滅危惧種にしてあげられることを書き込みます。レポート台紙には、動物たちの特徴や困っていることを記入する欄があり、埋めていくと地球環境や動物保護のための知識が身についていきます。■2. 動物の折り紙を折ってみよう!動物について学んだら、貼り付け用台紙に貼るための動物を折り紙で作ります。兄妹で、よく折り紙をして遊ぶという理財くん。得意なのは、紙飛行機だそう。イワトビペンギンやオットセイも上手に折れるでしょうか?理財くん:いままで折った折り紙のなかで一番難しい!そう言いながらも一生懸命、細かい折り目を作っていきます。サイトでは動画で折り方を説明していますが、難易度の高い動物もあるので、お子さんが困っていたら助けてあげましょう。理財くん:できた~! ペンギンの折り紙は妹がすきそうだから、見せてあげたいな。ミナミイワトビペンギンやキタオットセイの折り紙が完成です! 細かいところまで再現されていて、子どもが折り紙を完成させれば達成感もひとしお。親子でコミュケーションを取りながら挑戦してみてもいいかもしれません。■3. 台紙に貼る動物の折り紙が完成したら、貼り付け用台紙に貼付けましょう。波や氷の形に折り紙を切って貼れば、動物たちが暮らしている環境を再現した台紙が完成します。理財くん、のりやテープを使って、器用に折り紙で作った動物を貼っていきます。■4. 完成!ついに 「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」 の出来上がり! 最後にレポート台紙を貼り付けて、完成した作品をさっそくasacoさんに見てもらいます。理財くん:できたよ〜!asacoさん:すごいね! 自由研究できたね〜!自由研究を終えた理財くんとasacoさんに感想を聞いてみました。理財くん:最初は大変で難しそうだと思ったけど、やってみたら楽しくなった!asacoさん:自由研究と言うと、まずお膳立てをする親が大変そうなイメージですが、こちらはサイトを見ながら進めていけるので、親は子どもの隣でにこやかに見守っているだけでOKというのがサイコーでした。絶滅危惧種と言葉で聞くと難しく感じるのが、実際手を動かして工作をすることで、息子にはより身近な問題に感じられたようです。asacoさんは、普段から界面活性剤の入っていない洗剤を使ったり、買い物のときにはエコバッグを持参したりするなど、環境に気を使っているそう。理財くんも普段からそんな両親の様子を見ているから、今日学んだことをきっかけに、自然環境や動物について、もっと興味がでてくるかもしれませんね。■「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」の入手方法この自由研究コンテンツは、パナソニックのコミュニティサイト 「CLUB Panasonic」 に会員登録をして、パナソニック商品の 「愛用者登録」 を行えばだれでも無料で楽しめます。登録方法はかんたんです!パナソニックの商品についているQRコードを読み取るか、製造番号を入力すると登録画面に進みます。今回は、asacoさんが最近購入されたという音波振動歯ブラシ「ポケット ドルツ」で愛用者登録をしてもらいました。ご愛用者登録をすると、自由研究コンテンツをはじめ、賞品やイベント招待の抽選応募などに使えるポイントがたまったり、パナソニックをより身近に感じられるさまざまなサービスが受けられます。また、親子で絶滅危惧種をモチーフにしたキャラクターを集めて楽しめるゲーム 「パミーゴパーク」 も公開中。ここではよりカジュアルで絶滅危惧種の動物について知ることができます。「楽しい!」とasacoさんと理財くんも盛り上がっていました。動物や環境のことを知るきっかけ作りに遊んでみては?テーマを決めるのが難しい自由研究。今年は、絶滅危惧種や地球環境について楽しく学びながら宿題を完成させることができそうですね。もちろん、折り紙アート単体として楽しむのも◎。ぜひ親子で挑戦してみてくださいね。 「てづくりどうぶつ自由研究 ペーパープラネット」の詳細はコチラ ※2018年9月2日まで公開 エキサイト株式会社 会社概要 取材/文:いずみかな 撮影:タドコロミズホ
2018年08月15日「なんか、今、生きてるってカンジがする」長男、衝撃の言葉。出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。小学校時代、学校があんまり好きではなかった長男。小1の時に発達障害の診断を受けた彼なので、私は「うちの子は、そういう個性なんだから、まあ、しょうがない」と思っていました。ところが、自分に合った私立中学で毎日楽しく学校に通う姿が見られるようになり、私はそこに「障害」をほとんど感じなくなりました。そんな中、ある日彼がふと言った衝撃の言葉…!「かあちゃん、おれ…なんか、今、生きてるってカンジがする」…え!?一体どういうコト!?私は今、長男がどんなに頑張っても小学校を好きになれなかった原因は、本当に「発達障害だから」だったのか、疑問を抱いています。確かに、一斉授業や集団教育を受ける上で、長男の生まれながらの体質的に「ものすごく苦手なこと」が、クラスの皆や先生、長男自身の足を引っ張っていたこともあるでしょう。でも、彼は卒業間近のころ、「小学校の全てがイヤだったワケじゃない。いい人もいたし、いいこともあった」と言えるようになりました。ではなぜ、長男は今まで「生きてるってカンジ」がしなかったのでしょう。実は、私たちが信じていた学校の「当たり前」は、もしかしたら、もう違うのかもしれません。長男は中学で、まるで開国まもない日本から初めて異国に渡った使節団のような衝撃を経験しました。もちろん、長男の中学独自の校風や設備、教育カリキュラムや生徒層の違いといったものもあります。でも…彼が心底感動しているのは、もっともっと「人として」本当に基本的なことなのです。私はそれを「私立だからできること。公立なら仕方ない」とは到底思えません。だって、長男が目を輝かせて語る「中学のスゴイこと」は、やろうと思えばどの学校でも、今すぐできることばかりだからです。では、その「衝撃体験」をご紹介します。出典 : 「かあちゃん、スゴイよ。体操座りじゃなくていいんだって!」そう長男が嬉々として真っ先に報告してきたのは、全校集会などの際の「体操座り」のこと。小学校では、体育館や校庭に集まった時は、全員体操座りで、一言も喋らずに待たなくてはなりませんでした。どんなに集会が長引こうが、足を崩したら注意されてしまうので、長男には長時間じっと動かずにいることが苦行だったようです。ところが、息子が通う中学では、好きなように座っていいのだそう。隣の生徒に迷惑のかからない範囲であれば、少しばかり体操座りを崩そうが、あぐらをかこうが、ペタンコ座りしようが、痺れた足を組み替えようが自由だそうです。先生が話し始めるまでは、生徒同士の雑談もOK。しかも、全校集会自体の回数が少なく、ことあるごとに番号順で廊下に整列する機会も随分減ったのだそう。…言われてみれば、どうして今まで「全員体操座り」でなければならなかったのでしょう?確かに、静かに先生の話を聞けてさえいれば、必ずしも体操座りである必然性はありません。それとも「貧血で退場するまで、全員起立していた親世代よりマシ」と、ポジティブに捉えるべきなのでしょうか?出典 : 学校のロッカーに教科書類を保管する「置き勉」禁止に加え、教科書が大型化しているため、重いランドセルや通学カバンが子どもたちの負担になっている話題をテレビやネットで見かけました。うちの地区も小学校まで遠いほうです。小学生が重いランドセルに鍵盤ハーモニカや習字道具を両手に持ってヨロヨロ歩く姿は危なっかしいです。ましてや小さな1年生たちが真夏に汗だくで道端で座り込んでいる姿は、かわいそうで見ていられません。「学校行きたくない」と、うちの子たちは朝、時々登校をしぶります。何か不安に感じることがあったり、行事や季節の変わり目で負担の大きな時期だったり理由は一つでないにしろ、重い荷物がより一層学校への足取りを重くしているのは否めません。ところが長男の中学は、「宿題に必要なもの以外は、ロッカー保管でいい」のだそうです。教科書・副教材や辞書類、弁当・部活道具など、小学校の比ではないほど持ち物が増えましたが、合理的でほっとしました。それに、うっかり屋の長男にとっては、忘れ物の心配もかなり減りました。今までなぜ「全部」持ち帰っていたのでしょう。…これは正直、今でも毎日汗だくでランドセルを背負い登下校している次男と長女にはとても言えません。「脱ゆとり」で重くなるランドセル児童体重の半分にそれでも「置き勉」禁止のなぜ |AERA dot.出典 : 長男より私が感動したのは、学校との連絡が専用SNSでできることです。小学校では毎日、子ども3人分の大量のプリントを受け取っていました(今も、2人分ありますが…)。もちろん、テストや宿題のプリントなど、必要な紙もあるのですが、同じお知らせが3通来たり、なぞのチラシや案内も沢山貰います。取捨選択が苦手な私は、本当に必要な情報をプリントの山から発掘しなくてはなりません。さらに困るのが、長男が大事なお知らせを持ち帰り忘れて提出期限が過ぎてしまったり、必要な持ち物の用意に慌てたりすること。ところが今は、生徒・保護者・先生間の連絡のやりとりや、欠席連絡は全てネット。スマホにメールで配信通知も来ますし、先生にも生徒・親が読んだことが分かります。発掘作業も必要ないし、うっかり資源ゴミに出す心配もなく、必要な書類はいつでもネットで確認・ダウンロードできます(小学校でも折角、電話連絡網が廃止されメール配信になったのに、使われるのは基本的に緊急時か、PTA活動のお知らせのみ…です)。地球に優しい長男は「ムダな紙を減らせて、エコだね!」と言います。出典 : 小学校の下校時刻。習い事の日などに子どもたちを迎えにゆくと、毎回先生方の「○組、遅いですよ」「○班、早くして下さい」「皆さん、5分遅刻です」という声が聞こえてきます。いわゆる「連帯責任」で、日本の学校ではよくある光景でしょう。多くの子どもたちをまとめる先生方は本当に大変だとは思うのですが、私はこれが長男の友達トラブルの元凶だったようにも思えます。マイペースでうっかり屋の長男は、何かと集団行動から遅れがち・注意されがち。もちろん、彼にも努力の余地はあり、怒られるのがイヤで改善した部分もあります。でも長男は、先生に自分だけが注意されるより、長男のいる班やクラスごと注意を受けて、皆から冷ややかな目で見られたり、「おまえのせいだ」「ちゃんとやれ!」と、上級生たちに何度も注意の上書きをされることのほうが、よほど辛かったようです。また、高学年になり早めに集合できるようになると、今度は「自分はちゃんとやっているのに、なんで一緒に怒られないといけないんだ」という、できている側の理不尽さも感じるようになりました。日常的な「連帯責任」は、子どもたちの中で「この子のせいなのだから、注意すべき」という空気ができてしまいます。もちろん、危険なときや周りの迷惑になるときなど、本当に注意が必要な場合はあります。集団生活では「時間を守る」などのルールも必要でしょう。でも、些細なことまで、人と違うことをする子を皆で注意し合うのが「いいこと」だと思い込んでしまうと、結果的に、それがいじめの芽になってゆく可能性もあるのではないでしょうか。長男は中学で、登校班自体がないのがとても気楽なようです。また、先生から全く注意がないワケではありませんが、長男が何かやらかしても個人の問題なので、かえって「おれのミスは、おれのせい」と素直に受け止められているようです。他のお子さんがそばで叱られても自分まで一緒に不安になることもありません。そのせいか、クラスの様子を楽しそうに話してくれるようになりました。集団教育上どうしても注意が必要な場面も、私だってあると思います。危機管理上、登校班も必要な場合もあるでしょう。でも連帯責任だと言って「みんなで、お互いに」責め合う必要はないと思いませんか?出典 : 昨今、何かと話題になる部活動とPTA。長男の中学の部活動は「参加は任意」です。部活自体に入るかどうかも含めて、自分の意思で選択できます。そして、全国大会を目指して練習するハードな運動部から、「来たい時だけ顔出せばいい」ゆる〜い文化部まで、選択肢は様々。家庭や習い事での自分の時間も大事にしたい長男は、活動がゆるめの部に入って「部活、超楽しい♪」のだそう(ちなみに顧問の先生は部室の鍵と部費の管理以外、生徒たちに運営を任せています)。またPTA活動も、正直な話、うちには少々手のかかる子が3人もいるので、負担感が大きいように思っていました。それでも、御多分にもれず小学校では「全員必ず1回は役員をやる」ルール。ところが、中学の保護者会の「役員選出の事前アンケート」にはナント!□役員をやりたい□誰もやらなければやっても良い□引き受けられない…の3択が。「やる」1択ではないことに、ものすごく感動しました(引き受けられない理由を書く欄もありませんでした)。これで良いイメージを持てたため、保護者会の諸活動も、予定が合えばできる限りの参加をしたいと思えました。自分の意思を尊重されること、プライバシーを晒け出さなくても個人の都合を考慮されること、本来任意の活動に参加を強制されないこと…これが本当は「当たり前」なのではないでしょうか。部活の強制入部 やめるべき「自主的な活動」に全員参加の矛盾(内田良)|YAHOO!ニュースなぜPTAは「必ずやってください」と強制できるのか? ふつうなら炎上するやり方が通用するワケ(大塚玲子)|YAHOO!ニュースどんな子にも、時代にあった「合理的配慮」を…!出典 : 「今、生きてるってカンジがする」と長男が言った理由…これでお分りいただけたでしょうか。もしかしたら、小学校6年間「学校キライ」と言い続けた長男は、他のお子さんたちよりも、ほんの少し、自分の気持ちに正直だっただけなのかもしれません。発達障害のある・なしに関わらず、どんな子だって、心身共に大事にされたいのは「人として」当たり前です。そして、私の育児経験上、「こうでなければならない」「絶対にこうあるべき」という、大人の側のこだわりが多ければ多いほど、教育やしつけが難しく感じられます。こちらが柔軟におおらかに対応できれば、子どもにも素直に伝わりやすく、「問題」として気になることが減っていくように思います。中には「子どもに甘い。これだから今の親は…」と嘆く方もいるかもしれません。確かに、昔はもっと厳しかったものです。でも、もしこれが「今の」大人社会だったら…と想像してみてください。長い会議を姿勢を一切崩さずに座り続けられますか。毎日米袋を担いで通勤したいでしょうか。大量に紙のプリントを渡されたら、ため息が出ませんか。同僚とミスを責め合いながら、良い人間関係が築けますか。本来任意の飲み会やボランティア活動を強制されて、喜んで参加できますか。そんな職場で「毎日仕事が楽しい」「会社行きたい」と、前向きに思えるでしょうか…。長男は今、毎日満員電車に乗り、授業時間も宿題も増えましたが、文句ひとつ言いません。私には「あの」長男が信じられないほどガマン強くなったように思えますが、本人は「学校が楽しいから、これくらい平気」と、やる気十分です(勿論私立の中にも、より規律が厳しい学校もあるでしょう)。小学校時代、先生方はご多忙の中、何かと制限の多い環境で、できる限り一生懸命やってくださり、私は心から感謝しています。でも、そもそも、その前提となっている公教育での「当たり前」が、既に時代にそぐわなかったり、妥当性・合理性を欠くものであったり、旧時代の価値観に基づくものであったりするならば、思い切って見直す時期なのではないでしょうか。時代に合わせて「常識」「当たり前」も、変わっていくのです。新しい学習指導要領の導入で、小学校から英語・プログラミング教育が始まり、また、外国からのお子さん・保護者も増えている中、「Why?」と聞かれて合理的に説明できないことは、私はもう役目を終えているように思います。新しいことを始める前に、今ある負担を減らさなくては、子どもたちも親も先生方も疲れ切ってしまうでしょう。そして、人として基本的な「合理的配慮」が必要なのは、障害のある子だけではないと思います。いわゆる「フツーの子」たちも、心身の負担やストレスが減ることで、お互いを思いやったり、個性や考え方の違いを認め合う心の余裕ができるかもしれません。長年の教育現場の慣習として、すぐに変えるにはハードルが高いこともあるでしょう。でも、少なくとも「体操座りじゃなくてもいいですよ」って言うのに、1円だってかからないのですから。大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2018年07月17日お子さんが園や学校に通っているご家庭では、もうすぐ夏休みに入りますね! いつもより子どもと一緒の時間が増え、「あれをしたいな」「これも挑戦してみたい」と、親子で楽しみにしているのではないでしょうか? ウーマンエキサイトのスペシャルサポーター「ママリーダーズ」のみなさんのブログやインスタグラムをのぞいてみると、それぞれ工夫をこらして、子どもと楽しく夏休みを楽しく過ごしている様子が紹介されています。例えば、教えながら子どもに料理に挑戦させてみたり、さぼりがちな宿題を計画的に終わらせるコツを紹介したりと、親子で有意義な夏休みを過ごす秘訣(ひけつ)がいっぱいです。参考になさってみてはいかがでしょうか?■夏だから挑戦したい“台所育児”「子どもと料理」教えてくれたママリーダーズは… 政尾恵三子さん/エキサイト公認ブロガー 誰にでも簡単にできるDIYを中心に、100円ショップのプチリメイクなど、子どもたちも一緒に参加しながら暮らしを楽しむ様子を日々、ブログ「HOME+aholic」で発信中。当時、小学校1年生だった次男くんの誕生日に、子ども包丁をプレゼントした政尾さん。「見方によっては危なっかしいですが、正しい持ち方を教えて、正しい材料の抑え方を教えて、あとは見守ることに徹して、次男が切りたいように任せてます。次男が切りやすい材料を用意して晩御飯を決めるようにしてます。五感をフルに活用して料理をするというのは、男女関係なくとても刺激があって勉強になると思ってます。苦手だった野菜も自分が切ったと思えば食べれる子だっていると思います」(政尾さん)安全第一の状況を確保したうえで、子ども達にたくさん料理のお手伝いをさせたそうです。一方、小学3年生だった長男くんの夏休みの目標は、チャーハンの材料を切るところから仕上げるところまで一人でやってみること。「材料を切るのも炒めるのもこどもたちだけで。クイズ形式にしてチャーハンの作り方を教えたので、子どもたちは大盛り上がりでした♪ 冷やごはんに溶き卵を混ぜ合わせてから焼いて、パラパラチャーハンのできあがり★」(政尾さん)学校でなかなか体験させてあげられないことを、夏はたくさん体験させてあげたいという政尾さん。長期のお休みだからこそできる、“台所育児”ですね。■おばあちゃんと一緒に駆け回る「山遊び、川遊び」教えてくれたママリーダーズは… さとえりさん/エキサイト公式プラチナブロガー 料理は口から食べる愛情! をモットーに、3人の子ども達の好き嫌いが少しでもなくなるようにと、悪戦苦闘しながら小さな努力を重ねる日々。2010年には、笠倉出版より「ワンプレートごはん わたしカフェへようこそ」を出版。週末田舎暮らしを始めたおばあちゃん(さとえりさんのお母さん)の山小屋へ、息子たちと出かけたさとえりさん。怖がりな息子さんたちが、たくさんの虫を見つけて、虫捕りを楽しんだそうです。「暇さえあれば『虫捕りにいこ〜!』です。母も虫捕りにはまり、しっかり自分の網を持ってます(笑。何気に一番楽しんでいるのは母だと思うのです)。 母がオニヤンマを捕まえた時は大興奮でした!」虫の苦手なさとえりさんは、川遊び係として網とゴーグルを持ち、浮き輪の息子さんたちを引っ張りながら、魚を追いかけたそうです。偶然、ニホンカモシカにも遭遇。そのほか、イノシシやサル、キツネ、タヌキ、キジ、クマなどもいる自然いっぱいの場所で、夏ならではの遊びを満喫したそうです。■ファイルと付箋でひと工夫「夏休みの宿題」教えてくれたママリーダーズは… みぃさん/インテリアコーディネーター 収納のアイデアや大好きな北欧のヴィンテージ家具・雑貨、家事を楽にするためのアイテム選び、家事のなどをブログで綴るママリーダーズ。次女が小学生のみぃさんは、あらかじめ学校から子どもが持ち帰ってくる大量の学用品の収納場所も確保して、夏休みを迎えたそうです。「次女が学校から持ち帰ってきた学用品、今年もクローゼットの中に収納しています。普段は学校に置いておくことが多い物ばかりですが、そういう物も場所を決めておくと、スッキリ度が違う! ついつい床に置きっぱなしも防げ、掃除もしやすいです(^-^)夏休み中の事も想定しておいたので、難なく収める事ができました(^-^)」(みぃさん)準備万端で夏休みを迎えるみぃさんは、娘さんの宿題にもひと工夫。「毎年、子どもと一緒に日記や天気などの『毎日必ず記入しないといけないもの』と計算プリントなどの『早めに終わらせるもの』をそれぞれ分けてファイルに入れてます。4年生(当時)になり宿題の量も増えたので、今年はさらに宿題の内容を書いた付箋をペタペタと貼りました。こうするとどれ位、宿題があるか可視化できるし、終わった物から付箋をはがしていけば、ちょっとした達成感も味わえるのではないかなぁと」(みぃさん)さらに、宿題はリビングのカゴの中へ。いつでも手に取りやすい所に置いて、宿題への意欲をそがないようにしているそうです。長期休暇だからこそ、じっくり子どもと向き合える夏休み。ママリーダーズが発信する「夏だからできる子どもとの過ごし方」は参考になりましたか? 子どもと一緒にたくさん遊び、たくさん学ぶ夏休みにしてくださいね。
2018年07月05日こんにちは。フリーママライターの横山かおりです。皆さんもお子さんに習い事を習わせていたり、お子さんがやりたい!という習い事をやらせてあげたりしているかと思います。ただ、意外と「習い事のやめどき 」って難しいですよね。今回はわが家の経験などをもとに、習い事を「やめるorやめない」の見極めについてご紹介します。興味&やる気がないものは早めにやめさせる「大切なわが子にはどんな才能があるのか」「できるだけ多くのものに触れさせてあげたい」そんな親心から、色々な習い事をさせている家庭も多いのではないでしょうか。最初は嫌がっていた子どもも続けるうちに好きになり、才能が開花するパターンもあります。でもある期間続けてもまったく興味が出ず、意味なく通っている場合 もじつは結構あります。わが家の息子も2〜3歳の頃英語に通わせていました。小学生から英語を学ぶ時代。早めに慣れておいたほうがいいだろうと思ったのです。好奇心旺盛で社交的な息子は、最初は喜んで英語に通っていました。まだ2歳だったので親子同室。ずっと親子で英語の歌を歌ったり、ゲームをしたりしていました。でも数か月経った頃から英語へ対しての興味が薄れていき、教室についてもお友達と話したりふざけたりしてばかり。先生の話もマトモに聞かない状態が続きました。親子同室だったので注意し続けるものの、まぁ集中しないこと!興味のあるものには話が聞こえなくなるくらい集中する子なので、いかに英語に対して興味がないかがわかりました。英語のたびに親子でイライラ 。これじゃお金も時間ももったいない。そう思ったので「英語、やめる?」と聞いたら「うん、やめる!」と即答。迷いない息子の返事に退会することにしました。子どものやる気や興味がないものは、なかなかうまく続きません。なんだか親子で気分までスッキリしてしまい、やめてよかったなと思いました。子どもの負担になるものはやめさせる生後6か月から1年生の5月まで、息子はベネッセの通信教育を続けていました。赤ちゃんの頃から大好きで、毎月届くのを親子で心待ちにしていました。歯みがきもトイレもひらがなも、どれだけお世話になったことか…!でも小学生になり学校の宿題が増えると、通信教育の分の勉強に支障が出てきました。さらに1年生からは別の塾のプリントが追加になったので、もう勉強だけでやることがたくさん…!勉強好きの息子にも限界があったようで、ある日宿題の最中に集中しすぎて鼻血を出しました…(!)そして勉強時間のせいで自分の自由時間がなくなりイライラするように 。毎日学校から帰ってきて必死に宿題と向き合っている1年生の息子に、親ながらかわいそうになってきてしまいました。そこで「もう進研ゼミやめる?」と聞いたところ「…うん(涙)」という答えが。やめたくなかったと思うけど、あきらかに息子がつらい思いをしていると判断し、6年間続けた通信教育を退会しました。子どもの負担が増え、代わりとなるものがあるのならば迷わずやめましょう。子どもの心と体の健康が一番 です。子どもがやりたがるものは続けさせるこれは現在息子が習っているピアノの先生の話です。彼女は私の友人で、学生時代のアルバイト仲間でした。その頃からピアノ中心の生活を過ごしており、毎日練習に励んでいました。実家のマンションで暮らしていた彼女は両親に「ピアノの音がうるさい!」とよく怒られていたそうです。ピアノのことも良く思っていなかったとか。彼女のピアノの成績が大学で認められ、ドイツの有名な学校に留学できるという話が出たときも両親には反対されたそう。それでも自分の思いを貫き通した彼女はドイツへ単身留学。難関のドイツの大学院にも進むことができ、現在は日本でピアニストとして活躍しています。いくつものコンクールで賞を受賞しています。(そんな素晴らしい経歴の友人にピアノの講師を頼んでしまう私も私ですが…。)親に反対されても自分のやりたいことを貫き通した彼女。子どもが本当にやりたい、と言ったことは全力で応援 してあげようと、彼女を近くで見ていた私はいつも感じていました。今ではご両親も彼女の成功をとても喜んでいます。でも学生時代からもっと応援してあげられていたら、余計な悩みもなかったのに、とも思ってしまいます。----------「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、子どもが興味を持ったものは積極的にやらせて応援してあげたいですよね。大切なのはその後の子どものやる気次第。やめるのをためらう必要はありません。続けた年月に関わらず、やめる勇気も必要です。●ライター/横山かおり●モデル/前田彩
2018年07月04日知人の育児の話を聞くと、親が子どもに対して『ダブルバインド 』を使って叱っていることがわかりました。ダブルバインドとは、アメリカの人類学者グレゴリー・ベイトソンが提唱した心理学用語で、二重拘束と翻訳された造語です。ダブルバインドを使った叱り方は、子どもの心を傷つけてしまいます。こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。体験談を参考にしながら、言葉の選び方について考えていきましょう。おもちゃの出しっ放しをダブルバインドで叱ったらお話を伺ったNさん(30代で子ども3人のパートママ)家族のお話。ある日、テレビをつけっ放しにしながらおもちゃを散乱させている3人の子どもたちを見て、N さんは注意しました。「もうお父さんが帰って来る時間だから片付けてちょうだい」最初はやさしく頼むように伝えました。子どもたちの様子を見てみると、返事はしたものの片付ける気配はありません。「ちょっと、片付けをしてって言ってるでしょ。」次は、強めな口調で頼みます。しかし子どもたちは片付けません。「いいかげんにしなさい!片付けてって言ってるのがわからないの?全部捨ててしまうわよ!」最後は声を荒げてしまいましたが、子どもたちもこの言葉を聞いて片付けを始めました。ダブルバインドで子どもは心に矛盾を感じている『ダブルバインド』とは、言葉と言葉、言葉と非言語(しぐさや表情など)といった2つのメッセージ内容が一致しないために起こる精神的ストレスを言います。先ほどのような「片付けをして」と「全部捨てる」という矛盾する2つのメッセージを受け取ると、受けた相手側の精神にストレスを感じてしまうのです。とくに子どもは、違和感を覚えても不満を抱えながらでも親の指示に従いがちですよね。反論したくても、ダブルバインドによって思考を停止してしまうのです。矛盾や違和感を覚えさせないための言葉の選び方子どもは、矛盾した内容の言葉をたくさん聞いて、違和感をたくさん覚えてしまうと、心に歪みのようなものを持ってしまうことがあります。このような思いをさせないためには、ダブルバインドを使わないことが一番 です。そのためには、叱る時の言葉の選び方に気をつけることが必要です。例1:夕方になってもなかなか帰ろうとしない○:暗くなったから帰ろう。一緒にお家に入って美味しいご飯食べよう。×:暗くなったから帰ろう。今帰らないならずっと外にいなさい!例2:休みで家にいる子に勉強をさせたい○:遊んでないで宿題したら。やることやってしまおうよ。×:遊んでないで宿題したら。それじゃなかったら家の手伝いしてよ。ポイントは「共通性のある言葉を選ぶ 」ことです。親子関係でのダブルバインドは、子どもの成長と共に矛盾を感じ取ることで親子関係が悪化してしまう可能性があります。そのようなことにならないために、叱る際には共通する言葉の選び方に注意していきましょう。おわりに矛盾した内容の叱り方は、知らず知らずのうちに口にしてしまいがちです。しかし、ダブルバインドは、子どもの心に歪みを感じさせたり、違和感を覚えてしまったりして、余計なストレスを抱えさせてしまいます。子どもを操るつもりはなくとも、操ることになりますので、注意していきましょう。●ライター/桜井涼
2018年06月12日「睡眠負債」「睡眠不足」という言葉を耳にする機会が増えてきている昨今。大人も子どもも関係なく十分な睡眠がとれていないとされ、もはや社会問題になっています。もちろん自分のことも心配ではありますが、親という立場になると、子どもの体が心配ですよね。とあるアンケート調査によると、どうやら子どもの睡眠不足を実感している親は約4割にも上るという結果がでているらしいのです。学年が上がると…「とある調査」というのは、株式会社オークローンマーケティングが3月に実施した「子どもの睡眠に関する調査」(対象:全国の小・中学生の子どもを持つ母親/30~59歳女性)です。Q.お子様は睡眠不足だと感じていますか?【全体】・はい…39.8%・いいえ…60.3%小学1年生~中学3年生まで、全体の結果としては、約4割の親が子どもの睡眠不足を感じている様子。また、小学生に絞り、学年別の結果を見てみると…?【小学1・2年生】・はい…21.1%・78.9%【小学3・4年生】・はい…30.8%・いいえ…69.2%【小学5・6年生】・はい…43.6%・いいえ…56.4%学年が上がるにつれて「子どもが睡眠不足だ」と感じる親の数はどんどん増えていくようです。「子どもが睡眠不足だ」と感じる理由は?では、親たちはどうして自分の子どもが睡眠不足だと感じているのでしょうか?Q.子どもの睡眠不足の理由(小学生のみ、TOP5まで)1位:テレビを夜遅くまで見ている…33.9%2位:自分の帰りが遅く、夜ごはんの準備が遅くなるため…28.3%3位:宿題や課題などに追われ、寝るのが遅いため…25.2%4位:ゲームをしている…24.4%5位:インターネットの動画を見ている…23.6%上位には、「テレビを夜遅くまで見ている」、「ゲームをしている」、「インターネットの動画を見ている」といった子ども自身の行動による影響が多く見受けられます。しかし、なかには、「自分の帰りが遅く、夜ごはんの準備が遅くなるため」や「宿題や課題などに追われ、寝るのが遅いため」など、子どもだけではどうにも改善できそうにないことも…。ちなみに、「Q.子どもの睡眠不足改善のために行動していること」という問いでは、70.4%のママが「子どもに早く寝るように/早く起きるように注意する」と回答していますが、「ゲーム・スマホなどを管理する」は24.3%、「宿題のススメ具合など、子どものスケジュールを管理する」は15.8%と、睡眠不足の原因はわかっていながらも、具体的な対処はできていないというのが現状のよう。「原因がわかっていながら対処しない」、これだけを聞くと“親の自覚がない”などと自分を責めてしまう人もいるかもしれませんが、冒頭でも触れたように睡眠不足が深刻化している今、子どものことにまで気が回らないほど自分も疲れているということも考えられそうです。子どもだけ、親だけと区別するのではなく、家族みんなで一緒に睡眠不足改善に取り組むことが、解決への近道かもしれませんね。(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年05月27日RPGやアクション、育成などさまざまなジャンルがある「ゲーム」。最近では小型のゲーム機もあり、スマホやタブレットで遊べるものも増えています。実際、子どもが夢中になっているという家庭もきっと多いはず。大人でもそうですが、ゲームってつい夢中になってしまって、気づけば何時間も経っている…なんてこともありますよね。そんな事態を防ぐため、ルールを決めてゲームをさせている家庭も多いと思いますが、具体的にはどんなルールなのでしょう?「ゲームをやっていい日」と「時間制限」を決めるネット上の意見を見てみると、多くの家庭では、「ゲームをやっていい日」と「ゲームをやってはいけない日」を分けているようです。「土・日・祝の休日だけ」「月・水・金の一日おき」「毎週○曜日」など、“やりたい時にいつでも”というのは、避けている様子。また、「ゲームをやっていい日」とあわせて、「時間制限を設ける」との声も散見されました。やはり「一時間」もしくは「二時間」くらいが多いようですが、なかには「勉強した時間×2」というルールを設ける人も。この方法は、ゲームのし過ぎを抑制するだけでなく、きちんと勉強するきっかけにもなっているので、まさに一石二鳥かもしれませんね。口出しせず、子どもに管理させるたとえば、ゲームをするために宿題を後回しにする、夜遅くまでゲームしていて朝起きられないなどがあった時。それも社会勉強と捉えるママやパパは意外と多いようです。宿題を忘れて先生に叱られるのは子ども自身だし、朝起きられないで不機嫌になるのも自分のせい。よっぽど健康上、教育上の悪影響がある場合などは別ですが、基本的には口出ししないという方針の家庭も少なくない印象です。また、「自己責任」というのは、ゲームの片付けに関しても同様で、「おもちゃが出しっぱなしになっていたら没収」とルールを決めているならゲームも没収するなど、厳しく対応するママの声もチラホラ。外に持ち出してなくした、壊したという場合も、すぐに新しいものを買い与えずにしばらく様子を見ることで、大切に扱うことを学ぶとの意見もありました。ルールを設けない家庭も少なくない!?一方で、「特にルールは決めていない」という人も少なくないようです。その理由としては、以下のようなものが見受けられました。【ルールを設けない理由】1)ルールを決めても守らない子どもは多い2)子どもがルールを守らないと親がイライラする3)ルールを決めると、守らなかった時の「罰」も考えないといけないそれぞれの家庭で教育方針が異なるため、子どもにゲームをさせるか否かについては賛否両論ありますが、子どもにとっては「学校で話についていけない」などの悩みも…。今回紹介したルールはあくまでも一例です。そもそもルールを決めるかどうかも含め、それぞれの家庭に合った答えを見つけてくださいね。(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年04月14日娘の進級先、選択肢は増えたけど…みんなの意見が違う娘の次年度の進級先について、担任の先生との話し合いの中で、知らなかった情報がわかった私たち。今後の選択肢が、①通常学級②通常学級在籍で、支援学級へ通級③支援学級在籍で、交流学級へ通級の3つに増えたと分かった6月…。選択肢が増えたことで、さらに悩みも増えてしまいました。Upload By SAKURA最初、この話を聞いた私は、今まで通常学級で過ごした娘の日々の様子や、授業での問題、お友達とのトラブル…いろいろな出来事を踏まえ、「支援学級があるなら、支援学級がいいんじゃないかな?」と考え始めていました。しかし、直前の定期検診で主治医の先生に「通常学級がいい」と言われていたし、主人や、主人の両親は、(支援級があったことを知っても)通常学級を希望していました。娘が通常学級で学んでいることで成長している、そのことに大きな価値を感じていたからです。でも、私は、このままではいけないとも感じていました。何かしら支援は必要…でも、みんながそういうなら、通常学級在籍のまま、通級という選択の方がいいのかもしれない。自分の気持ちと、周りの考えに揺れつつ、自分の思いと決断に自信がなかった私は、無意識に周りの意見に流されていったのです。進級の希望を伝えた面談で、担任の先生が話した言葉そして、後日、再び担任の先生との面談が。前回言われた、3つの選択肢の中で、どれにするかを決める話し合いでした。私は、周りと意見が分かれてしまい、モヤモヤしていた状態でしたが、担任の先生に、「まだ考え中ですが…主治医の先生も、通常学級を勧めてくれているし…主人も、身内も、通常学級を希望していますので、通常学級在籍で、通級にしようかと考えています。」と伝えました。しかし、それを聞いた先生は無言…。そして、自分の経験を話し始めました。Upload By SAKURA私たちは、娘の最大の課題は、学力ではなく、「人とのコミュニケーション」の部分だと考えていました。先生やお友達とのコミュニケーションを学校生活で一つひとつ学ぶことで、今娘が抱えている、「授業での問題」「お友達とのトラブル」は改善するのではないか…。そんな思いを話すと、先生は、「コミュニケーションの部分が課題…ということですが、支援学級在籍でも、朝の会、体育や道徳などの教科、給食や掃除、帰りの会は、通常学級で受けられます。ということは、支援学級在籍でも十分ではないでしょうか?」と、娘に支援学級在籍を勧めました。Upload By SAKURA担任・主治医・家族の意見が違う。そして私は…?主治医の先生、主人、担任の先生…。それぞれが、違う意見だったのです。Upload By SAKURA担任の先生の「支援学級」を勧める話を聞いた時、私は正直、ショックでした。きっと…担任の先生は、親である私たちの意見を尊重してくれる…私たちが出した決定には、何も言わないはず…そう思い込んでいたからです。「私たちの考えは甘い、現実はもっと大変なんだ」と暗にさとされた気がしました。しかし、現場で実際に娘を見ている人の意見は、説得力がありました。私は、ショックな気持ちと、そうか…と納得するような複雑な感情になりました。娘にとって一番いい場所を探したいからこそ、ますます決定できないその日は結局、決定を保留にして帰宅。私は主人に、担任の先生から言われたことを報告しました。主人は、「最終的に決めるのは、俺たち親なんだろ?先生の意見はわかるけど、親の意見が優先だろ?俺たちは、通常学級のままという希望を出すこともできるんだぞ」と言いました。主人は、娘のコミュニケーション能力を上げるためには、少人数の支援学級より、大人数の通常クラスの方が多くの刺激を受けられるのではないか…。そう考えていたのです。Upload By SAKURA娘の将来を決める、大事な決定。周りを気にして、決めてはいけない。それを理解しつつも、このまま先生の意見を無視して、通常学級にすることは、先生に申し訳ないし、気まずい…と思ってしまいました。結局私は、周りに気を使うというより、自分の意見を押し通して、批判されるのが怖かったのです。そんな私とは違い、揺るがない意志で、娘のために、娘のことを真剣に考え、進級についての意見を言う主人を見て、私は自分の弱さに、嫌気がさしていました。娘にとって、何がいいか…それがわからない状態で私の頭は、どんどん混乱していきました。結局、すぐに答えは出ることはなく、とりあえず、進級についての決定の最終期限である9月まで、私たちは考えることにしました。「宿題、やらなくていいですよ」の言葉に、感じた複雑な気持ちそれから一か月ほど経った、7月。修了式に、大荷物を抱える娘を迎えに行ったときのこと。担任の先生と、夏休みの宿題について話をしているときのことです。先生が、「宿題は無理して全部やらせなくていいですよ。暗記の宿題は、毎年クラスで数人しか覚えてこないんです。だから…娘さんはもうやらなくてもいいですよ。」と言いました。私は…娘がみんなと同じ宿題を、同じ課題を、できるようにするため、今までいろんなやり方で娘と頑張ってきました。宿題も、やらなかったことは一度だってありません。そんな思いでやってきていたこともあって、やる前に「やらなくていい」と言われて、とても悔しくなりました。しかし、それと同時に、先生が良かれと思って言っているであろうことも理解できたのです。私は、両方の感情が入り混ざって、自分の気持ちがわからなくなってしまいました。Upload By SAKURA無意識に負い目を感じていた私。感情も抑え込んでいたのかもUpload By SAKURA私は…こういう発言に、傷ついてもいいのかな…?もしかして「そういう子を通常学級に入れてるんだもの、当たり前だよね」と思わなければならないのかな…?小学校に入学して、娘がいろんな問題にぶつかるたびに、親として感じる思いはありましたが、「これに傷つくくらいなら、そもそも通常学級は向いていないんじゃないか…」そう自分に自問自答しながら、無意識に、自分の感情に自分でブレーキをかけるようになっていたのです。娘が小学校に入学してから、私は学校でよく謝っていました。娘ができないこと(作文や授業中の指示への反応など)を報告されるたび、「いつもすみません」「迷惑かけてすみません」と謝る。それは、手のかかる子を通常学級に入れているという申し訳なさがあったからでした。だけど、娘ができないのは娘のせいではない…娘が悪くないことで、私は謝りたくない…そう思いながらも、「発達障害がある子を通常学級に入れるというのはこういうことだ…」と自分に言い聞かせていました。自分の抱いた感情を自分で抑えているせいで、感情の行き場がなく、必死にこの思いの行き場を探していました。もう耐えられない…正直に気持ちを打ち明けてみた担任の先生、主治医の先生、家族の意見が違う中で、肝心の娘は、というと。通常学級がいいか、支援学級がいいか…今が辛いのか、楽しいのか…はっきりとは言いません。それなのに、大人が進級先を決めていいのだろうか。考えれば考えるほど、自分以外の人の話に、耳を傾ければ傾けるほど、もうどっちを選べばいいか、わからなくなりました。そして主人に、「このまま通常学級にいたら、私の頭と心が耐えられない…」と、今の私の正直な気持ちを伝えました。Upload By SAKURA主人の正直な思いは、通常学級だったと思います。でも、私の話を黙って聞いて、それから言ってくれたこの言葉が、私の悩みを楽にしてくれました。「わかった。たぶんお前は支援学級の方が、気持ちが軽くなると思う。直接向き合ってきたのも、見てきたのもお前だから、お前が『支援学級』と思うなら、そうだろうと思う。いいよ、支援学級にしよう!俺たちの子なら、どこにいても伸びると思う!」そして、ようやく、2年生からの進路が「支援学級」に決まったのでした。完璧な正解なんてわからない。だからこそ親として…娘の大事な進路を決めるあたり、悩む時間は不可欠だったのかもしれません。周りの意見は大事だし、話し合いも必要です。悩まなければ、結論は出ない。でも…周りを気にしすぎた結果、私は必要以上に悩んでいたような気がします。もっと自分の意見を大切にしていたら…主張していたら…もっと周りに流されずにいたら、冷静に決められたのかな、とも思います。周りの立場や思惑を気遣いすぎないようにして、我が子のために、自分が本当はどうしたいのかを大切にした方がいいのかもしれません。もちろん、この決断が正解なのかはわかりません。今回の私たちの決定に「間違ってる!」と思う人もいるでしょう。でも、何を選んでも、みんなが『それでいい!』という決定はないのではないかと思います。どっちにしても、反対意見はある。それに、正解か不正解か分かるのは、もっとずーっと先なのではないでしょうか。親が必死に考えた決断が、現状では最善なのです。もし、この先、「あぁ…あの時、間違ったな~」と思えば、そこから切り替えていけばいい。今も、これからも、最善の方法を娘のために探していく。それが決断をした私の…私たちの、親として役目かなと思います。Upload By SAKURA
2018年04月04日赤ちゃんを育てるためには、授乳をしたり、おむつを替えたり、夜泣きで睡眠不足になったりと、実際に経験した人にしかわからない大変さがありますよね。子どもがある程度の年齢になれば、言葉のコミュニケーションも少しずつできるようになりますが、また別の苦労が出てくるのが育児…。PTA、子ども会、宿題…学校や自治体との関わり専業主婦であっても1日が慌ただしく過ぎていくママ業。フルタイムで仕事をするママなら、もっと時間がない状態になりますよね。朝から夕方まで仕事をして、帰宅したら夕食やお風呂の準備…と、自分の時間なんてまったくない。とくに、子どもが小学校に入学すると、PTAや子どもの宿題を見たりしなければならないことも…。自治体の子ども会なんかもあり、毎日があっという間に終わってしまう。そんな悩みを持つママはとても多く、ネット上でも前述のような悩みを吐露するママたちがいて、他のママたちがどうやって息抜きをしているのか気になっている様子。断る勇気を持つことも大切かも?仕事と家事・育児に追われるワーママたちは、“家事の手抜き”は仕方がないと割り切っている人も多いです。例えば、夕食は簡単に作れたり、後片付けがラクになるように工夫することで、時短をする。30分でも時間を作れれば、ちょっとだけ自分の好きなことをやって息抜きをしているのだとか。また、PTAや子ども会などについては、可能であれば断ることもしているそう。すべての行事や活動に参加できるのがベストだとは思いますが、参加した結果、家庭や自分がボロボロになってしまっては本末転倒。できる範囲での参加でもよいのかもしれません。こういったように、なるべく自分の時間を作れるように工夫していても限界はありますよね。ワーママのなかには、仕事の閑散期に半休を取得して、家族には内緒でこっそり自分の好きな場所へ行き、好きなものを食べてリフレッシュしている人もいるそうです。他にも、仕事を休めそうなタイミングに有休を申請しておき、独身時代の友人と旅行の計画を立て、数カ月後に“楽しみ”を作ることで、毎日をがんばれるという声もあります。夫が家事・育児に協力的であったとしても、子育ては楽なものではありませんよね。すべてに“完璧”を求めてしまうとなおさら…。家族とのコミュニケーションを削るのはナンセンスだとは思いますが、ちょっと家事を手抜きするくらいならまったく問題ないはず。「毎日が同じことの繰り返しでつらい…」。そう感じているなら、少し無理やりにでも自分の時間を確保して、日々の疲れやストレスを軽減させませんか?(文・山手チカコ/考務店)
2018年03月13日脳も心も豊かになる音楽の習い事今も昔も人気の習い事といえば「ピアノ」です。譜面を見て曲が弾けるようになるだけでなく、左右の手で別の音を弾いたり、音の聞き分けをすることで、脳に良い効果も期待できそうです。ピアノにかぎらず音楽は脳に刺激を与え、豊かな表現力を身につけたり、演奏することや聞いてもらう楽しさを手に入れることができるもの。そしてなんといっても、一度習えば大人になっても楽しめる一生モノです。そこで、ピアノ、リトミック、バイオリン講師に、それぞれのメリットや上達するコツ、かかる費用、親がするべきサポートまで、アレコレ聞いてきました。新年度に何か始めたい、何をやるか迷っているという人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。ピアノ、リトミックはいくつから始めるのがいい?2歳と5歳の男の子のママでもあり、ピアノ&リトミックの講師でもある足立恵子さん。ピアノは3歳から教えていますが、始めるなら指番号や数字が理解できる4歳からがベストだといいます。「数字や音符の長さを理解するために、リトミックを混ぜながら教えています。例えば123のリズムをいちご、バナナに置き換えたり、四分音符はワンワンワンワンとか二分音符はモーモーとか、動物の鳴き声に置き換えることで楽譜が読めるようになります。絶対音感が身につくのは6歳頃までなので、そこに向けて慣れさせていくことが大切です。ピアノでなくても、音にふれる経験をしてほしいですね」小さいころから音にふれる経験をすることで、音楽を習うときにスムーズにストレスなく始めることができるそう。0歳から始められるリトミックは、まさに遊びながら音にふれることができるぴったりの習い事です。「リトミックは音を聞いて走ったり歩いたり、音の聞き分けができるようになります。将来、音楽を習わせたいと思っているなら、音楽の導入としてリトミックがおすすめです。0歳からお母さんと一緒にできますが、やっていることが理解できるのは2歳頃。始めるなら2歳がベストです。リトミックをやっている子がピアノを習うと、すんなり習得していきます。音符の長さやリズムが体になじんでいるので、説明しなくてもスムーズに習得していくんです」宿題より何より大切なことは嫌いにさせないこと足立さんがレッスンで主に行っているのは、ピアノとリトミック、ドレミに合わせて正しい音程で歌う「ソルフェージュ」、音を聞いて楽譜に書き記す「聴音」の4つ。これらを組み合わせて1回約30分のレッスンを行います。とはいえ、上達させるために、親がきちんと自宅で宿題をやらせないといけないというストレスが…。「いいえ、未就学児に宿題は無理なので出しません。例えば、“おじいちゃんおばあちゃんに聞かせてきてね”とか、音符が書けるようにするために、“りんごの〇を書いて見せてね”と絵を描いてもらうことはあります。あとは、お母さんが、“この指何番?”って指番号を普段から聞くようにしたり、肩たたきしながらリズムを取るのでもいいんです。ピアノを練習させなきゃ!って必死にならなくて大丈夫です。何より大切なことは嫌いにならないこと。〇〇しなさい!ではなく、できることを褒めることです。ドの音ってどこだっけ?と、できることを確認していくと自信につながります。その繰り返しが大切です」意外とお手頃!?バイオリン教室にかかる費用とは…音楽の習い事のなかでも、ちょっと敷居が高いイメージなのがバイオリン。楽器代をはじめ、月謝や教材費もお金がかかりそうですよね。そこで、バイオリン講師の波多野瑞穂さんに話を聞いてみました。「バイオリンの価格は、6万円から8万円くらいが主流です。手の長さに合わせてサイズを選ぶので、大人サイズが使えるようになる身長(145cm以上)になるまでは、レンタルを利用するのもアリです。子ども用のバイオリンは分数バイオリンといって、2、3歳は1/16サイズ、4歳は1/10、小学生は1/4または1/8サイズを使います」10万円以上するかと思っていましたが、6万円代から買えるとは意外です。ところで、2歳から習えるとはいえ、おすすめの習い始め時はいつくらいですか。「個人差はありますが、自分がやっていることを理解できる4、5歳くらいです。早く始めたからといって上達するわけではありません。小学校1年生からでも大丈夫ですよ。最初はバイオリンの持ち方や姿勢、音を出す練習をします。楽譜は読まずに、指番号を覚えて音を鳴らすことから始めます」音楽を習うのが初めてで、全く楽譜が読めない子でも、バイオリンをスムーズに弾けるようになれるのか不安になりますが…。「わたしは2歳半から習ったのですが、楽譜が読めるようになったのが小学校3年生でした(笑)。指番号で覚えて弾いた方が早くできるようになって。読めた方がいいですが、読めなくてもそんな困らないです。小学校の授業でも習うので、3年生までには必ず読めるようになるし、心配しなくて大丈夫です」プラスアルファとして宿題があると思いますが、どんなことをどれくらいやるのでしょうか。「必ず宿題を出すわけではないです。無理なことはやらせないようにします。その子に合わせて、ここを1日3回弾いてこよう、ここを5回弾いてこようという感じです。もちろん練習に比例して上達しますが、1日5分から始めて少しずつ伸ばしていくのでも大丈夫です」ピアノとは違って扱いが難しそうなバイオリンですが、親がサポートしなければならないことはありますか。「幼児が調弦するのは難しいので、親御さんにやってもらいます。手のひらサイズのチューナー(2000円くらい)を使って調弦します。ネジを締めたりするだけなので、難しくはありません」持つだけでもオシャレにかっこよく見えるバイオリン。ピアノに比べて場所を取らないというメリットはありますが、ほかにどんなことが得られますか。「弦の押さえ方によって音が変わるので、ピアノよりも細かい音がわかるようになります。ピアノは単体で演奏しますが、バイオリンは合奏することが多いので、一緒に曲を作れる楽しさが得られます。合奏は本当に楽しいですよ!それに、落ち込むことがあっても、バイオリンで感情表現することで発散できたり、バランスを取ることもできます。音楽は不思議なもので、途中で辞めたとしても体が覚えているんです。60歳から再び始めた人や、94歳になっても習いにくる人もいます。人生が豊かになりますね」この春、お子さんの習い事を考えるなら、音楽を選択肢の一つとして考えてみませんか。<取材協力>ピアノ・リトミック教室TEL090-4719-0666(※ピアノは現在空なし)波多野バイオリン教室<文・写真:フリーランス記者岩本亜実>
2018年03月11日支援の本質ってなんだろう?出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今日現在、「発達障害」などの言葉の認知度が上がり、通級指導教室や特別支援学級を希望する児童・生徒が急増し、学校現場がそれに追いつけない現状があると聞き及んでいます。そのため、支援級・通常学級の先生方への、発達障害に対する充分な理解と実践ノウハウの普及、教育現場への予算と人材の確保は、早急な対応が求められていると思います。また、2019年からは、教員の養成課程でも特別支援教育に関する単位を1単位以上取得することが義務となるなど、充分ではないながらも、制度上前進している部分もあります。しかし、これらは切実に必要なことですが、発達障害はあくまでその子の個性の「一部」であり、また、ASDとADHDとLDが複合している場合など、タイプ別のマニュアル対応だけでは難しいかもしれません。それから、通常級で「みんなと違う」特別扱いを気にする・されるなど、気持ちの問題もあります。そして、発達障害のある子だけへの対応では解決が難しい、いわゆる「フツーの子」達が抱える根深くて深刻な問題もあり、実際の教育現場の実情に合った経験則や実践知も必要なのです。その中で、うちではこれまで毎年学校の先生方と連携しながら、長男への配慮をお願いし、これまでの6年間を手探り状態で歩んできました。ただ、そんな長男が6年間で1度だけ、「支援要らず」だった学年があります。それは、A先生が担任だった、通常学級の2年生のとき。A先生の「通常運転」だけで、長男は1年間落ち着いて過ごせたのです。私も、特別な配慮をお願いしたり、面談の機会を作っていただくこともなく、連絡帳のやりとりも最小限で済み、安心してお任せすることができました。今、変わりつつある公教育を前に、私は時々、そんなA先生を思い出しては「支援の本質」について、考えさせられるのです。A先生が、毎日当たり前のように、どんな子にも自然に行っていたスゴ腕の職人技を、私はここでみなさんにお伝えしたいと思います。「A先生が怖くて学校行けない!」息子を前に先生が取った行動は…出典 : 年生に進級し、担任の先生と初顔合わせの始業式の日。長男が泣きながら帰るなり「A先生が怖い!おれ、もう学校行けない!」なんて言うので、「どんなヒドイ先生に当たったの!?」と、私は内心焦りました。実は、幼稚園児時代から小1まで、長男はずっと優しくて若い女性の担任ばかり。「先生=優しい女の人」という強い思い込みがあり、そこに人生初の男性の先生。しかもA先生は、超ベテランのご年配で、お坊さんのようによく通る声に、日焼けしてシワの刻み込まれた貫禄十分なお顔立ち。その第一印象にびっくり仰天した長男は、「いつもと違う見慣れぬモノ」に、パニックになってしまったのです。翌朝、子羊のように震えて「ムリ!怖い!」と座り込んで、玄関から一歩も動けず、欠席してしまった長男。私は学校に電話して、A先生に状況をそのまま正直に伝えました。すると、A先生は慌てる様子もなく「分かりました」と、短いやり取りだけで電話を切ったのです。この対応には私も少々不安になりました。ところが、その日の夜。玄関のチャイムが鳴るので出てみると、なんとA先生がにこやかに立っているのです。そして先生は「◯太郎君と、ちょっとだけお話させて下さい」と私に告げました。それから、長男と先生は玄関先で10分程度雑談をしました。この短時間の間でA先生は、長男の緊張と警戒心を魔法のように解いてくれたのです。長男の笑い声が聞こえて来た頃、A先生は「じゃあ、明日待ってるよ」と軽く長男の肩をポンと叩き、また親の私を責めるような様子もなく、「遅くにすみませんでした」と、ニコリと笑ってさっと帰っていきました。後から「A先生と何話してたの?」と聞くと、「うーん、別に。家で何するのが好きかとか、そんなこと。…あとね、A先生も子どもの頃、学校が怖くて、イヤだったんだって!」と、ちょっと嬉しそうに話す長男。A先生は、短い雑談の中で、長男の気持ちにしっかり寄り添って下さったのです。「学校に来なさい」と強制したり、長々とお説教することもなく、今の「学校が怖い、好きじゃない」という長男の気持ちを、否定せずにそのまま受け止めてくれました。それが、頑なだった長男の心の扉を、ほんの少し開いてくれたようでした。長男は「いやあ、A先生があんなに面白い人だったなんて…」と、見た目の印象だけで決めつけてしまったことを、少し恥じらっているようでした。翌日、長男は無事登校することができました。それからの1年間、支援要らずで、落ち着いて過ごすことができたその後すぐ、私はA先生に、長男には(当時の基準で)アスペルガー症候群の診断があることを伝えましたが、A先生は「そうですか。まあボチボチやっていきますワ」とだけ言うだけ。特に特別支援について詳しい様子もなく、最初のうちは正直不安でした。ところが私の不安をよそに、最終的には何事もなく1年間無事に終えることができたのです。ここで、長男に特に良かったと思われる、教師生活推定約35年・A先生の「スゴ技」を、私なりに分析しながら、紹介させて頂きますね(A先生の方法が全てのお子さんに合っている訳ではないでしょうが、ご一考の価値はあると思います)。出典 : あまりに当たり前のようで、見落としがちなことかもしれませんが、A先生は、・大きめの落ち着いた声で、分かりやすい言葉で、ゆっくりひとつひとつ話す…ことを、毎日ごく自然にしていました。たったこれだけで、「人の話を聞かない」などと注意されがちな長男も、ずっと聞き取りやすくなります。長男は、早口で高いトーンの声や、矢継ぎ早に次々指示を出されると、それだけで「聞こえなく」なってしまうのです。実は、その年の担任の先生の「声の聞き取りやすさ」次第で長男の成績も上下する程です。また、A先生は「声のトーンと表情の使い分け」も上手でした。長男は気持ちの切り替えや、人の表情から微妙な感情を正確に読み取ることが苦手なため、悪気はなくても、つい調子に乗ってハメを外してしまったり、夢中になると周りの状況に気づかずに、集団の中で目立つ行動を取って、何かと注意されがちに…。ところがA先生は、普段は目尻を下げて穏やかに接していましたが、長男が行き過ぎた行動を取ると、いかめしい表情と低く険しい声で、短い言葉でビシッと注意し、キッチリブレーキをかけるので、長男もハッと気づきやすいのです。また、クラスのどのお子さんにも、A先生はこのように接していたので、長男だけが何度も注意されて目立ってしまうこともありませんでした。出典 : 私が特に「神業だ!」と感動したA先生の行動は…・毎日、同じ時間・同じタイミングで行動する…ということ。A先生は、毎日キッカリ同じ時間に教室に入り、全く同じタイミングで子ども達から提出物と連絡帳を集めます。学校という場所は、感覚が敏感な子には、情報量が多過ぎて混沌としているように思えたり、「いつもと違うこと」が苦手な子は、毎日の天候の変化や様々な行事、クラスの子達の動きなど、予測できないことに不安や負担を感じやすいようです。そんな中、毎日同じことを同じ時間にする、A先生の安定した行動パターンは、長男に大きな安心感を与えてくれたようです。また、毎日同じタイミングで連絡帳を集めると、それが習慣として定着しやすく、うっかり忘れの多い長男でも、提出物を出し忘れることは、ほとんどありませんでした。また、A先生は感情も大変安定している方でした。少々元気のよい子どもたちをA先生が一喝する場面も見かけましたが、そこに先生自身の感情が巻き込まれることはありませんでした。子どもひとりひとりと先生が、日頃から信頼関係で結ばれているからこそ、時に厳しい態度でも、素直に受け容れられていたように思います。そして、子ども達が良くない行動をやめたら、何事もなかったように、いつもの「通常運転モード」に戻るのです。これらの安定した行動パターンは、実際にやってみると簡単にできることではなく、もはや「芸術」の域なのかもしれません。出典 : 先生は授業中、時折脱線しては、いろんな話を子ども達に披露して下さったようです。ユーモラスなA先生自身の経験談や身近な例え話は、なかなか教科書中心の授業では集中力が続かない長男も、興味を持ちやすかったようです。「A先生、釣りが好きなんだって。おれもやってみたい」なんて、言い出したこともありました。また、書字にやや困難さがあった長男が、大の苦手の漢字書き取りの宿題も、A先生は、いい意味でテキトーに、ぐるぐるっと大きなマルをつけるだけの大らかな添削で、細かなミスや字形の悪さには、片目をつぶってくれました。おかげで、一生懸命がんばっても字が上手に書けない長男にも、さほどプレッシャーにならず、毎日泣かずに宿題に取り組めるようになりました。そして、最初のうちは、A先生は長男を大きな声で注意せずにいてくれましたが、クラスに慣れてからは、長男だけを特別扱いすることはありませんでした。他のお子さん達と同じように、廊下を走れば「コラー!!」と、雷を落とされていたようです。でも、学年末の面談のときにA先生は「最近は、怒られてもケロリとしていて、また男の子達と校庭へ走っていっちゃうんですよ」なんて目を細めながら、どことなく嬉しそうに語って下さいました。このA先生のクラスでは、長男は「落ち着きのない問題児」ではなく、「ただの健全で元気な男の子」でいられたのです。出典 : そして、A先生は長男だけでなく、クラスのどんなお子さんにも同じように、大らかで肯定的な温かい目線で接していました。おかげで、どの子も素直にのびのびと過ごし、その年には集団から孤立しがちな長男にも、仲良しの友だちができたのです。実は、発達障害の診断のある・なしに関わらず、学校生活を送る上で障害となることがあれば、通常学級でも合理的配慮をお願いするのは、法的な根拠もあり、本来、堂々と主張して良いことなのです。ですが、現在日本では、発達障害への社会的な理解や支援体制が、まだまだ十分とまでは言えないようで、特に、通常学級の中で配慮をお願いすると、他のお子さん達から「◯◯君だけズルイ」などと思われてしまう場合もあるようです。いわゆる「フツーの子」であっても、子どもはみんな発達の途上にあることに、変わりないのでしょう。私は、障害のある子・方への配慮が当たり前の風景となる社会を望んでいますが、一方でそれぞれが必要とすることは違っても、どんな子も、大人から大事に特別に扱って欲しいと願う気持ちは、同じなのだと思います。支援の本質とは、ひとりひとりの個性や気持ちに寄り添い、信頼関係を築いて、子どもたち全てを肯定的な温かい目で、大らかに成長を見守ってあげること。本当の意味でのインクルーシブ教育とは、どんな子も特別で、どんな個性でも大事にしてあげること。…なんじゃないかな、なんて、A先生を思い出しては、私はいつも思うのです。変わりつつある教育の中で…出典 : そんなA先生は、長男のクラスを担任して下さった翌年、定年退職されました。今頃、毎日大好きな釣りを楽しまれていることでしょう。でも、ひょっとしたら、お父さんお母さんの懐かしい思い出の中にも、こんな先生に心当たりがあるかもしれませんね。こういった経験豊富な先生方は、それぞれ性格や教え方の違いはあっても、総じて大らかで、感情が安定している方が多いように思えます(勿論、ベテランだからといって、必ずしもうまくいく訳ではありませんし、お子さんとの相性もあるでしょう)。一方で、残念ながらこんな達人の先生方は、毎年、A先生のように、次々と定年退職されていく現実があります。日本の他の伝統産業と同じように、教育現場でも深刻な後継者不足・人手不足の問題が、今まさに現実になっているのを痛感する日々です。もちろん、若い先生の中にも、柔軟に新しい方法を取り入れて下さったり、発達障害について熱心に勉強して下さる方がいます。日本の教育は現在、過渡期にある特別支援教育だけでなく、いじめや不登校、親の経済力による教育格差、そして先生方の過剰な雑務や長時間労働の問題など、課題が山積みである以上、やはり大きく変わっていく必要があると私も思います。でも、そんな中で、日本の伝統的な教育制度の中で長く培われた、こんなに素晴らしい職人技と、どんな子も大らかに見守る温かい目線が、熱意溢れる若い世代の先生方にも、途絶えることなく受け継がれていくことを、私は切実に願ってやみません。
2018年02月24日小学生の子を持つママのお悩みでよく聞くのが、「日々の宿題をどうこなさせるか」という声。「毎日のことなのに何度怒ってもやらない…」とお嘆きのママやパパも多いだろう。だが、今話題の「こども手帳術」を習慣化することができれば、もしかしたらその悩みの解決につながるかもしれない。考案者は、『自分で考える子になる「こども手帳術」』の著者の星野けいこさん。二児の母でもある星野さんは、専用の手帳を作ってあげることで、子どものやる気と自主性が引き出されることを発見したという。では「手帳」がなぜ「宿題」につながるのか?星野さんに話を聞いた。●子どもは宿題に取り組んでいるのに、そう見えないのはなぜ?「まず、前提として"宿題を毎日やること"と"勉強を習慣化させる"ことはちょっと違う問題なのですが、今回は"毎日の学校の宿題をやる"という解釈でご説明しますね。このお悩みは保護者の方からは本当によく聞くのですが、実際は"まったくやらない子"ってほとんどいないように感じます」(星野さん 以下同)実は多くのママたちのお悩みは、「やらないこと」ではない。「ゲームばっかりやっていて、宿題やるのが遅くなる」「やるのを忘れていて、朝慌ててやる」などが実態であり、「もっと計画的に宿題をやってほしい」というのが悩みの本質だと星野さんは推測する。「宿題はその日に学校に提出すればいいものですから、実際には前夜でも当日朝でもやるのはどちらでもいいのです。ただ、そこを踏まえつつ、"親にガミガミ言われなくてもやるようになる"のが理想ですよね。そのためにこども手帳を活用することはできます」では宿題を「自分からやる」ようにするための「こども手帳」の作り方とは?●宿題を自発的に行うようになる手帳の活用法「まずは『宿題をやるのがいつも後回しだったり慌ててやったりしているから、学校から帰ってきてからの過ごし方を考えよう!』というように、親の想いを子どもに伝えましょう。その上で、宿題を習慣化させるための、デイリーシート(やることリスト)を作ります」話し合いの場が整ったら、メモ帳に「夕方やること」をずらっと書き、それらをひとつずつフセンに書き出していく。「おやつを食べる」「時間割をそろえる」「鉛筆を削る」「学校からの手紙を出す」「ゲームをする」「テレビを見る」「お風呂を洗う」「お風呂に入る」「宿題をやる」など、もれなくピックアップしよう。「やることは親が一方的に書き出すのではなく、お子さん自身に『やるコトは何がある?』など質問して、本人に考えさせてください。親がやることをリスト化して計画をしても、それは、ただの親からの指示書になってしまいます」目的はあくまで自主性を引き出すこと。親としては口出ししたい気持ちをぐっと押さえて見守ろう。「ここで、『これだけのことをやっているんだ、やらなくちゃいけないんだ』ということを子どもが視覚的に認識することができます。多くのママも、『こんなにやっているんだ!』と驚かれますよ。毎日当たり前に、あれこれやれと親は言いがちですが、実は子どもだって忙しいことを確認できるはず」全部をフセンに書きだしたら、次はそれを並び替えて、やる時間や順番などを考えていこう。このとき、いくつかのパターンを用意しておくのがおすすめだ。「習い事のある日、ない日、平日と休日、曜日ごと、または見たいテレビが6時からの日と8時からの日では、宿題をやる時間が違うかもしれません。それらを視覚的に確認しつつ、空いている時間のどのタイミングで宿題をやるのかをフセンを並び替えて、計画を立てるのです」「宿題をやる計画」というと、宿題をやる時間だけを考えがち。だがその他のテレビやゲーム、ご飯やお風呂など生活の中でやっていることを無視して計画を立ててもうまくいかないのだ。「こうやっていくつかのパターンをつくり、宿題をやるタイミングを考えることができたら、準備は完了です。あとは計画をもとに、実行していくだけ。毎日夜に明日の予定を親子で確認し、翌日のパターンと宿題のタイミングも確認。学校から帰ってきた後、手帳を確認して、上から順番にやっていけばOK」●子が自分で計画を立てたら、親は口出ししない!ゲームをしている子どもを見ても、ぐっと我慢。自分が立てた計画、つまり自分との約束を自分で守れるように、見守っていこう。どうしてもこらえきれないときは「手帳、見てね!」とだけ伝えるのもあり。「やるかやらないかは、本人の問題です。親がいつまでも1から10まで指示をしていたら、自分で考えて動けるようにはなりません。手帳が用意できたら、親は見守るだけ。実行できなかったときのみ、なぜ失敗したのか、どうすれば守れるようになるのかを親子で話し合いましょう」「自分で計画を立てて、実行できた!」という日々の小さな成功体験は、子ども自身の自己肯定感にもつながるはずだ。宿題にお悩みの保護者はぜひお試しを。(取材・文:阿部花恵編集:ノオト)
2018年02月16日小学校入学した広汎性発達障害の娘。勉強についていける?広汎性発達障害の娘は、小学1年生。小学生になる前に、親として、色々心配がありましたが、その中の一つが学校の「授業」。先生がクラスの子どもを一気に教える授業。娘が理解できるか…集中して受けられるのか…ついて行けるか…不安が募ります。Upload By SAKURAうまくいっていたのもつかの間!?担任の先生に告げられた娘の様子入学当初は、ひらがな五十音だったり…数字だったり…授業も宿題も簡単なものだけだったので、ついていけているようでした。Upload By SAKURAしかし、少しずつ内容が濃くなり…入学して2ヶ月ほど経った時、担任の先生から「授業についていけていない」という話をされました。娘は、先生が全体にする指示を聞き取れず、周りの子から大幅に遅れているとのことでした。また、授業中にマイワールドに入ることが多く、授業も聞いていないようでした。ちょっとだけ「小学生になったら、意外と何とかなるんじゃないかな」と思っていた私。自分の甘さを反省しつつ、新たにできた課題に挑むことにしました。発達外来の先生に相談したら…意外にも娘に必要だったのは今まで自宅での生活面や、コミュニケーションについては、いろいろ試してきましたが、小学生の勉強、授業の問題となると、ノープラン!!そこで私は、いつも的確なアドバイスをくれる、娘の主治医である、発達外来の先生に相談することにしました。私の話を聞き終わった後、先生は「宿題ってどんなものが出てる?」と聞いていきました。Upload By SAKURA先生は「おそらく宿題は、学校でやったことを確認するような復習の内容だと思う。発達障害のある子どもの多くは、復習と言うのはあんまり必要じゃないんですよ。娘さんのような子たちは、見通しのつかないことが苦手。初めて聞くことには、興味を惹かれないんです。こういう子にとっては、授業で聞くことは、二回目であったほうがいいんです。『あ、聞いたことある!』というのが、授業を聞こう!って興味になるんです。」とアドバイスをくれました。「だから、復習よりも予習が大事なんです。一度やってることは、自信にも繋がりますよ。」またまた私は、目からうろこ!何度この先生からのアドバイスに、うろこを落とした事か(笑)みんなと違う宿題をやってみる?それから先生はこんなことを言いました。「学校の先生にお願いして、みんなと違う宿題をだしてもらったらどうですか?例えば、来週出す予定の宿題を、先にもらうとか。」しかし…宿題を一人だけ別に…なんて…担任の先生の手を、これ以上煩わせるわけにはいかない。Upload By SAKURA学校で来週やる範囲をお家で予習!そこで私は、学校の先生に事情を説明し、毎週、来週やる授業の予定範囲を聞くことにしました。そして、娘が帰宅後、みんなと同じ宿題を終わらせた後、授業で使う教科書と、ワークブックをコピーして、来週予定のものを、先にやることにしました。ここでポイントなのは、教科書を書き写したりしてやるのではなく、同じ教科書やワークの、実際にやるものをコピーして使うこと!娘は視覚優先という特性があり、問題を書き写しても、それは同じものではありません。授業の時に娘が、「見たことある!」と思うよう、コピーを使うのです。娘は、この予習を毎日頑張ってくれました。Upload By SAKURA「やったことある」が授業中の娘をサポート!予習を始めて、1ヶ月ほど経った時、授業中の娘に変化がありました。学校の先生に聞いたところ、指示をしなければ書けなかったところが、 スッと書けているとのことでした。予習として事前にやっているためでしょう。もちろん、同じものをやっているので、当たり前と言えば、当たり前。しかし、娘にとっては「授業がわかるという自信」につながっているようでした。娘の口から、自信満々な授業の話を聞くと、私も嬉しくなり、予習の大切さを改めて感じました。Upload By SAKURA授業中はサポートできないけれど、家でできることは親子でやってみる娘は、みんなと同じ勉強方法・勉強量では、ついていけません。小学校に通っているからと言って、 学校にすべてを任せるのではなく、 娘がみんなと同じようにやれるように…家でも、努力でカバーできることは、 とにかくやってみる!! そういう気持ちをもって、取り組んできました。そうするうちに、授業を少しずつ聞けるようになってきたようで、予習をすることも少しずつ減ってきました。算数に関しては、ほとんど必要ないほどに。言語が苦手な娘は、国語が苦手。文章を読み取って問題に答える、文章問題や、文章を自分で構成しなければならない、感想文や作文は、まだまだです。ですが、徐々に、授業でやったプリントを、先生の指示を聞きながら、自分で丸付けできるようにもなりました。1年生も、残り僅か。4月には、娘も2年生になります。2年生になれば、勉強もより難しくなります。宿題やテストの結果などから、娘の学習状況を確認しつつ、担任の先生に授業の様子を細かく聞きながら、予習を調整していきたいと思っています。Upload By SAKURA
2018年01月24日小学校中学年以上のお子さんがいらっしゃるご家庭では、学校での学習の難易度が高くなるにつれ、わが子の成績の善し悪しが気にかかるようになるのではないでしょうか。「うちの子、もしかして頭が良くない?」一抹の不安からこのままではいけないと思いつつ、どうしたらいいか分からない。テストで散々な点数を取ってきたわが子につい厳しく怒ってしまうという話はよく耳にします。●親が怒っても、やる気が出ることはまずないご自身が子どもだった頃を思い出してみてください。親や学校の先生に成績の事で怒られ、嫌な気持ちになった後「よし、勉強やるぞ!」とは思わなかったのではないでしょうか?さらに怒られ続けることによってお子さんが、「どうせ自分はバカだから」と卑屈な考え方になっていく危険性があります。ある有名なプロ家庭教師が書いた本で読んだのですが、「子どものやる気を失わせるような親の関わり方を変える だけで、成績は上向く」とのことでした。では具体的にどう関わるのが正解なのでしょうか?●ポイント①命令形では効果薄!褒めるタイミングを見逃さず、親の気持ちを伝えて学校の成績が悪いわが子に、せめて宿題くらいは毎日きちんとやってほしいと思うママの気持ちはよく分かります。しかし、「宿題しなさい!」と命令口調で言うのはよくありません。子どもには、「承認欲求」があり、自分を認めて欲しいと思っています。ですから、まずは①お子さんの日頃の行動をしっかり見ていく ことから始めましょう。そして自主的に机に向かった時を見逃さず、②「自分から宿題をした」という1点をしっかり褒めて あげてください。その時、③「お母さん、あなたが自分から宿題をやってくれて本当に嬉しい。」と母の気持ちを一緒に伝える ことがポイントです。自分のしたことを認められたことは、嬉しい記憶としてお子さんの中にしっかり残ります。時間は少しかかるかもしれませんが、お子さんは良い行動を繰り返して「また親に認めてもらいたい」という方向に向かうはずです。●ポイント②「勉強のやり方が分からない」という悩みにどう向き合うか株式会社ベネッセホールディングスが2014年に行った「小中学生の学びに関する実態調査」によりますと、小学生の「学習上の悩み」の項目に挙げられた回答に「上手な勉強のやり方が分からない」が39.9%の割合を占めていました。これは全体で2番目に多いものでした。また中学生では、子どもの成績を上位層・中位層・低位層の三段階に分け「上手な勉強のやり方が分からない」と答えた割合を算出しています。上位層:29.9%、中位層:55.3%、低位層:75.0%という結果になり、これにより成績が悪い子どもほど上手な勉強のやり方が分からないという悩みがある ことが明らかになりました。こういうデータがある以上、この悩みにどう親が向き合ってあげるかがポイントになってくると思います。低学年なら・宿題のドリルをやっている間は、隣で見ている(よくできていたら褒める)・字や計算の丁寧さをチェックしておく中学年以降は、・簡単な計算練習を毎日続けていく(市販のドリルやお手製のプリントでOK)・夏休みなどの長期休暇中は、その学期履修した範囲を必ず復習する(全科目)少々手間はかかるものの、こうした地道な作業で学習の習慣化を図っていくことが効果的だと思います。●学びの面白さを伝えよう同調査でもう1点、大変興味深い結果が現れています。それは、「学びの面白さを伝える保護者の子どもはそうでない保護者の子どもより、好奇心や関心を動機として学習をする割合が約10ポイントも高い」というものです。これは子どもの苦手科目の代表選手・算数(数学)に関しての結果です。子どもの学習動機は非常に重要です。今後の人生の中で「どんな動機で勉強がしたいか?」はお子さんの将来の進路にも関わってくるからです。親と子の関わりが深い小学生だからこそ、親は子の学習動機にアプローチできます。「勉強を教える」や「できないことを叱る」視点ではなく、パパやママが「学習の面白さ」を積極的に伝えてみて はいかがでしょうか。例えば筆者は、算数(数学)が大好きです。中学受験を控えている娘には算数という科目の魅力をどうにかして伝えたいと日々奮闘しています。算数は、パズルのピースがピタっとはまったときのような気持ちよさを自分自身で味わうのが醍醐味だと思います。工夫している点は・与えるのはヒントだけ・「自分の考えを式に書く事」をアドバイスする・必ず見直すようにさせるという3点です。これでじっくり問題に向き合い、解決してみる。間違えた問題は数日以内にもう一度解いてみるようにさせています。まだまだ先は長いですが、本人も少し算数の面白さが分かってきたと言っています。これからも続けていこうと思っています。----------いかがでしたか?成績が悪いわが子への向き合い方が分からない、気付けばいつも怒ってしまい他に何も対策が思いつかないという悩めるパパ・ママたちの参考になれば嬉しいです。参照/株式会社ベネッセホールディングス「小中学生の学びに関する実態調査」速報2014年小学館 平成30年2月号ベビーブック別冊「café BB」「子どもに伝わるほめ方・叱り方」●ライター/あしださき●モデル/前田彩
2018年01月22日文字を書くことに関して何かと残念な長男。(そのたびに私は隠れて笑い、ほっこりしています)たとえば「お手紙」という漢字ひとつ書くにしても、Upload By ラム*カナ材質が変わったり(お毛紙…)Upload By ラム*カナ「糸」がどこかに行ったり(お手氏…)やりたい放題。これまでも長男のあふれるオリジナリティ文字については紹介してきましたが…冬休みの宿題も大苦戦。一行日記という、長男にとって難易度の高い宿題が出たんです。すると今度は…Upload By ラム*カナ苦手なくせに無駄に漢字を使おうとしている8歳児がいる…!Upload By ラム*カナすいみんぐは、カタカナだから。覚えようね…!
2018年01月12日冬休み定番の宿題・書き初め、どう乗り越える?出典 : 書き初めとは、年が明けて初めて書を書くことです。本来、事始め・仕事始めを意味する1月2日に行うのが伝統とされていて、この日に書き初めを行うと書道が上達すると言われています。そんな日本の伝統・風習から、冬休みには書き初めの宿題を出す学校は、今も昔も多くあります。ですが「そもそも字を書くことが苦手」「手元と見本を見比べて書くことができない」「半紙や墨をうまく扱えない」など、書くことに関して困り感がある子どもは、書き初めの宿題でつまずいてしまうこともあるのではないでしょうか。特に小学三年生ごろからは毛筆も始まるため、宿題の難易度はさらに上がり、どのように教えたらいいか分からないという保護者もいると思います。ですが、子どもが書き初めに苦戦している理由を理解し、適切なサポートができれば、練習を通して、子どもの書くことに対する苦手意識を和らげることも可能です。次に、書き初めをうまくできない背景にある困りごととそのサポート方法、そして書き初めや習字が、なぜ書くことの困り感への解決に役立つのかをご紹介します。書き初め、なかなかうまくいかない…その背景って?出典 : 書き初めが苦手な背景は、子どもによってさまざまです。その中でも、そもそも字を書くことが苦手という子どもに関しては、次のような特性の偏りが原因として考えられます。書字障害(ディスグラフィア)とは、「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算する」「推測する」のうち、文字を「書く」ことに困難がある学習障害(LD)です。書字障害の症状の現れ方や苦手なことは、子ども一人ひとり異なります。代表的な症状には以下のようなものがあります。・書き文字がマスや行から大きくはみ出してしまう・鏡文字を書いてしまう※ただし、鏡文字は幼少期の発達段階で誰にでも起こりうるものなので、必ずしもディスグラフィアの症状とは言えません・年相応の漢字を書くことができない・文字を書く際に余分に線や点を書いてしまう・助詞の使い方がちぐはぐになってしまう(”てにをは”を適切に使えないなど)・句読点などを忘れるなど特に、太字で示した困りごとは、書き初めをうまく進められない原因に直結しやすいと言えます。協調運動とは、手と手や手と目、足と手など、個別の動きを一緒に行う運動を指しますが、発達性協調運動障害があると、手と手、目と手、足と手などの個別の動きを一緒に行う運動が著しく困難になります。人間の運動機能は、粗大運動と微細運動にわかれます。粗大運動は、歩く・走る・姿勢を保持するなど、体全体を使った人間の基本的な運動のことです。一方微細運動とは、持つ・書く・つまむ・ひねるなど、指先を使った緻密な運動を意味します。通常、さまざまな感覚器官から得られた情報をもとに、始めは粗大運動を習得し、次第に段階を踏みながらより細かい微細運動ができるようになります。そのため、協調運動に関する困りごとがある際は、粗大運動の働きからつまずいているのか、その先の段階でつまずいているのかなどを確認する必要があります。書き初めでは、普段はあまりしない姿勢をとりながら、あまり使い慣れていない筆を使って字を書くことになります。お手本を見ながら手を動かすという協調運動も必要になります。つまり、さまざまな動きや、その協調が必要となる複雑な運動といえます。発達性協調運動障害があると、書き初めを行う際に次のようなことに困難を感じる可能性があります。・姿勢を維持するのが苦手で文字を書くことに集中できない・筆を握り続けることができない・筆先が震えてしまう・紙を触る力加減が分からず、破いてしまうなど視空間認知とは、目から入った視覚の情報を処理し、空間の全体的なイメージをつかむための機能です。ものとの距離感や奥行き、文字や形を把握する時に使われます。視空間認知は、運動機能や記憶力とも関連する重要な機能です。それゆえに、視空間認知が弱いと、ものを覚えることや、体を動かすことに対して苦手意識を感じることが多くあります。視空間認知が弱いと、書き初めを行う際に次のようなことが起こるかもしれません。・文字が折り目などで決めた範囲内に収まらない・お手本と手元をバランスよく見比べ、書き写すことができない・硯(すずり)の決められた位置に墨汁を入れ、筆に墨をつけるという一連の作業がうまくできない などADHD(注意欠陥・多動性障害)は不注意、多動性、衝動性の3つの症状がみられる発達障害のことです。この3つの症状は、人によってその現れ方の傾向が異なります。大きく、「多動性-衝動性優勢型」「不注意優勢型」「混合型」という3タイプに分かれています。ADHDの子どものこのような特性からもたらされる行動によって学業、日常のコミュニケーションに支障をきたすことがあります。書き初めをする際に、次のようなことが起こるかもしれません。・一定時間座って習字をすることができない、集中力が続かない・うまく書けないとイライラしてしまい、言動に出てしまう・習字道具の取り扱いが苦手(すぐものを無くしてしまう、筆や硯(すずり)を洗い忘れてしまう)など自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会的コミュニケーションの困難と限定された反復的な行動や興味、活動が表れる障害です。書き初めに取り組むような年齢の子どもには、次のような特徴が多くみられます。・集団になじむのが難しい・臨機応変に対応するのが苦手・どのように、なぜといった説明が苦手などまた、自閉症スペクトラム障害の子どもには、上述した発達性協調運動障害や、特定の刺激を過剰に受け取ってしまう感覚過敏などを併発することもあります。以上の特性から、書き初めを行うときには、次のようなことが起こるかもしれません。・書く字の一部分にこだわってしまい、他の字の練習に取り組めない・紙の肌触りや墨の匂いなどが苦手・学校と家との環境の違いにうまく対応できず、学校では習字に取り組めていたのに家ではできなくなってしまう など書き初めをうまく進めるコツをご紹介!出典 : 子どもが感じている困りごとを踏まえ、書き初めの宿題を進めるにはどのような工夫があるのでしょうか。書き初めがうまくできない…という悩みの背景には、字を上手に書けないということだけでなく、姿勢の維持や目線の動かし方の不器用さ、集中力維持の困難さなど、さまざまな原因が考えられます。子どもが書き初めに苦戦する原因は何なのか、習字に取り組んでいる様子や書き上げた作品、また普段の学校での学習状況も含めて総合的に判断する必要があります。根本の原因を理解したうえで、どんなサポート方法が子どもに有効かを検討してみましょう。発達ナビ・親子のヒント「ひらがなや漢字を正しく書けない」発達ナビ・親子のヒント「字を丁寧に書けない」発達ナビ・親子のヒント「文字のバランスが悪い」発達ナビ・親子のヒント「一つの活動に集中することができない」発達ナビ・親子のヒント「失敗や間違いを過剰に嫌がる」「書き初めの宿題をやるぞ!」と意気込んだものの、習字道具を用意し、紙に字を書く練習をし、清書に取り組み、道具を片付ける…書き初めの宿題を終えるまでには多くの工程があります。一つひとつリスト化したり、イラストなどを使って視覚的に分かるようにしたりすることで、子ども自身も何から取り組めばいいか混乱することを防ぐことができます。また、どこまでは子ども自身の力で取り組め、どこからはサポートが必要なのかを、明確にすることができます。習字はお手本を見ながら手元で字を書く、ということが基本です。先ほど説明した視空間認知をはじめ、見ることに困り感がある子どもには、子どもに合わせたお手本の配置が必要になります。右に置くのか左に置くのか、目線のちょっと先に置くのか、完全に横並びにして置くのかなど、子どもが一番書きやすい距離感をつかみ、設定してあげることが大切です。また、最初は、お手本を鉛筆で写し書きした半紙で練習させたり、お手本と手元の半紙の間にラップを敷いてお手本を汚さないようにし、透けて見えるようにして練習させるなど、お手本の上から書けるよう工夫をしている家庭もあるようです。発達ナビ・親子のヒント「黒板の文字をノートに書き写すことが難しい」発達ナビQ&A「小学校3年生男子、協調運動障害と軽いLDがあります…」特別支援学校における書写指導 ―肢体不自由児への指導を中心にしてⅡ―河野文子習字練習用のグッズの利用で、子どもが筆を使って書くことに楽しさを見出すことが期待できます。例えば、次のようなグッズがあります。・水だけで習字の練習ができるキット墨を使わず、水だけで簡単に習字の練習ができます。しばらく置いておくと書いた字が消えるので、子どもも気軽に習字の練習に取り組むことができそうです。・ゆび筆指にはめて使うタイプの筆です。まだ筆を握るのが難しい場合などに、指書きの要領で文字を書けるゆび筆を利用してみるのもいいかもしれません。・カラフルな作品収納グッズ書き上げた作品を収納するグッズも、カラフルなものやかわいらしいデザインのものが増えています。子どもが好きな色の作品収納グッズを使うと、子どものやる気も上げられるかもしれませんね。書き初め、習字は書字技能向上につながるかも!出典 : ここまで、書き初めをするうえでの困りごとや、それに対する解決策をご紹介しました。書くことに関して苦手意識がある子どもにとって、書き初めや習字は工夫なしでは辛い時間になるかもしれません。ですが、書き初めや習字は、そもそも書くことが苦手、という子どもに対して良いアプローチになることも期待できます。普段の学校の授業では、子どもはノートやプリントなど、比較的小さい紙に、鉛筆やシャープペンシルを使って文字を書いていると思います。一方、書き初めや習字の場面では普段使っているより大きな紙と、太い筆を用います。これら書き初めや習字に使うような道具は、書くことが苦手と感じている子どもが普段使っている道具より以下のような点から、相性が良いことが多くあります。・大きな紙でのびのびと書くことができる・太くて握りやすい筆で、鉛筆より安定して文字を書くことができる・筆圧によって線の太さが目に見えて変わるので、筆圧コントロールのヒントを得られるなど普段、小さいマス目から文字がはみ出てしまう、筆記用具をうまく使えない、など字を書くことに対して失敗体験が多い子どもも、習字だからこそ、書くことに対する前向きな気持ちを育めることもあります。そして、習字を通して字を書く成功体験を少しずつ積み重ねることで、結果として書字技能全体の向上につながることがあるのです。特別支援学校における書写指導 ―肢体不自由児への指導を中心にしてⅡ―河野文子また、放課後等デイサービスなど、障害のある子ども向けの施設では、子どもの生活力や創造性の向上をねらいとして、さまざまなプログラムを実施しています。習字は書字に対する困りごとの克服や、書字技能を磨くきっかけになり得ます。また、集中力や落ち着きを高めるトレーニングにもなるほか、子どもの創造性を伸ばすことにもつながります。こうした理由から、習字・書道を行う施設もあります。子どもの書字技能を伸ばしたい、集中力を身につけさせたい、などの理由から習字に興味がある方は、こういった施設のプログラムを活用してもいいかもしれません。発達ナビ施設情報まとめ出典 : 昔から冬休みの宿題の定番である書き初め。字を書くことが苦手、じっとして机に向かうことが難しいという子どもにとっては、おっくうになってしまいがちなのではないでしょうか。子どもが書き初めに苦戦する背景にある困りごとを理解し、そのうえで子どもに合ったサポートを取り入れてみましょう。そうすることで、書き初めの宿題を乗り越えられるだけでなく、書字技能の向上にもつながることがあります。また、子どもが習字を練習するための便利グッズも販売されています。このようなグッズも活用しながら、新年、子どもと一緒に筆を取ってみてはいかがでしょうか。
2017年12月28日こんにちは。臨床心理士の今井千鶴子です。12月となり、来春小学校へ入学するお子さんがいるママにとっては、小学生の生活がそろそろ気になる時期ではないでしょうか。そこで今回は、さまざまな調査結果をもとに、小学生の1日の過ごし方についてご紹介します。●起床から登校・下校までの様子(1)起床時間村田(2014)によると、小学生全体の平均起床時間は6時34分とのことです。ちなみに、カゴメ(2016)の調査では、保護者が子どもの健康状態について最も気になるのは「朝すっきり起きられない(25.4%)」であることがわかっています。この結果をふまえると、「登校時間に間に合うように何とか起きている」お子さんが多いことがうかがえます。入学後に今よりも早く起きる必要があるお子さんは、新生活に向けて今から早起きの習慣を身につけておきたい ですね。(2)登校時間学校によって異なりますが、8時前後に登校している子が多いようです。また、学校までの距離によって違いはありますが、7時半から8時までには自宅を出る お子さんが多いようです。(3)下校時間学校や学年によって下校時間はさまざまですが、一般的には小学校1年生だと15時頃、その他の学年でも16時頃に帰宅する ことが多いようです。また、下校後に児童クラブ等で過ごすお子さんもいます。●起床帰宅後の子どもの様子最近の小学生は忙しいといわれます。例えば、16時帰宅で21時就寝の場合、5時間の間に、勉強(宿題)、夕食、入浴、習い事などさまざまな活動を行っています。博報堂こそだて家族研究所(2016)の調査でも、小学生の81%が何らかの習い事をしている ことがわかっています。最近は「疲れた」が口癖のお子さんも目立ちますので、お子さんにとって無理のないスケジュールになるよう配慮していきたいですね。(1)夕食時刻夕食の時間は、小学校2年生では18時頃、5年生では19時頃が最も多いのですが、20時頃に食べている子も10%前後いる ことがわかりました(久世,2010)。(2)勉強(宿題)小学2年生では30分〜1時間ほど、5年生では1時間〜1時間半ほど勉強している 子が多いようです(久世,2010)。これまでの研究から、睡眠には記憶を定着させる働きもあるといわれています。ですから、特に暗記が求められる問題は(睡眠時間を減らさない範囲で)就寝前にやるのもよいかもしれません。(3)お風呂浴室に滞在する時間は25分前後 だといわれています(東京ガス都市生活研究所,2010)。また、夕食前に入浴する家庭、夕食後に入浴する家庭がそれぞれあるようです。(4)就寝時間小学生全体の平均就寝時間は、21時30分とのことでした(村田,2014)。就寝時間に関しては、小学1年生が21時06分であるのに対し、小学校6年生は21時55分など、学年が上がるごとに遅くなる傾向があるようです。多くの研究で子どもの夜ふかしのデメリットが指摘されていますので、気をつけていけたらいいですね。----------いかがでしたか?今回は小学生の1日の過ごし方についてお伝えしました。お子さんが楽しい学校生活をおくれますように!文献村田他(2014)日本の小学生の睡眠習慣と睡眠に影響を及ぼすライフスタイルについての大規模調査小児保健研究,73,798-810東京ガス都市生活研究所(2010)親子入浴に関する実態調査カゴメ(2016)小学生のお通じに関する調査博報堂こそだて家族研究所(2016)小学生ママの「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」レポート久世他(2010)子どもの生活習慣づくりに関する調査概要岐阜女子大学紀要,39,27-33●ライター/今井千鶴子
2017年12月21日広汎性発達障害の娘は音読の宿題が苦手…広汎性発達障害のある小学1年生(6歳)の娘は、小学生になるギリギリ前に、ひらがなを読めるようになりました。しかし、読めると言っても、実際は1文字ずつ拾うだけ。いざ本を読むとなると、途切れ途切れ…文章を読んでいるという感じではありませんでした。Upload By SAKURA学校からは、音読の宿題が毎日出ます。読むのがゆっくりな娘は、長い文章を読むことを嫌がり、ちょっと読んだだけで、やめてしまっていました。スラスラと読めるようになってほしいと焦るけど…Upload By SAKURAそんな娘を見ると、授業でちゃんと読めてる!?と不安になっていました。親としてはなんとかスラスラと読めるようになってほしいと焦りますが、本人は、気にしていない様子です。Upload By SAKURA本人がやる気を出さないことには始まらないけれど…でも親として、何かできることあるような気がする…!ちょっと大変だけど、親子で続けた読書の習慣我が家では、娘が寝るとき、部屋で絵本を1冊読むのが日課でした。私は、とにかく今以上に「本を読む」ということに、少しでも関心を持ってもらわなければ!と考え、寝る前の本を、1冊にこだわらないことにしました。Upload By SAKURA娘はその日から、図書館で2~3冊の本を借りてきて、翌日に返し、また新しい本を借りることを繰り返しました。時には、寝る前に読むにはちょっと長い~っ!!!!という本をチョイスしてくることもありました。旦那の帰りが遅く、泣きわめく息子をあやしながら読むこともありました。それでも私は、娘が借りてきた本を、とにかく読みまくりました。Upload By SAKURAこの間、私は「自分で読んでみる?」と娘に聞かないようにしていました。それは、いつも宿題と自主学習、療育を頑張っている娘にここまで強制したくない・・・という思いがあったからです。娘の借りてくる本にうれしい変化が!娘が借りてきた本を、ひたすら読むことを続けて、5ヶ月ほど経ったある日…今までとは違って、短めの本を借りてきました。「こんな短いのでいいの?」と聞くと、娘は言いました。「これは私が読むの」私は驚き、同時に、娘が自分から言い出したことが、嬉しくて仕方ありませんでした。そして娘はその日、ゆっくり、1文字ずつ本を読み進めていきました。私は、一つひとつ頷きながら聞きました。Upload By SAKURAその日から娘は、自分がギリギリ読める字数の本を、借りてくるようになりました。そして、毎晩続いた私の読み聞かせは、娘の朗読タイムに変わりました。最初はゆっくりだった読み方も、少しずつスムーズになっていきました。Upload By SAKURA最近では、娘の帰宅時間が近づくと私は、図書館で、「これなら読めるかな…」と考えながら選んでいる娘を想像し、今日は何を借りてくるのかな、と楽しみにしています。
2017年11月22日子供たちの宿題を見ていたんですけども難しいですね(笑)自分が普段何気なく使っている言葉なんですけども(汗)、詳しく聞かれるとわからない。たとえばこれ↓あ、問題の文章切れちゃった。これ、わたしがまるを付けちゃってから「ん?」って気づいたんですけども「おーい」と呼ぶ。この真ん中の「ー」は「おおい」なのか? 「おうい」なのか?のばす記号でいいじゃんって思うんだけど、1年生は教えることが細かい!正解は「おうい」なんだそうです。(だから私のまるも間違い(笑))おおいは「多い」の意味なんだって。で、そのあとに出てきた問題。八つより十のほうが大きい。この「十」は「とお」なのか「とう」なのか(ウィキぺディアさんより)やっぱりアテにならんかった私の常識!こういう「ん?どっちだ?」って微妙なところ突いてくる1年生の問題。最近スマホ片手に調べながらマルつけをしています(笑)。そして算数も!私が勉強したことのない計算方式がとりこまれてる!さくらんぼ計算方式(一般的に言われてるのかどうかは不明)で、9+5みたいな計算をするとき、9側を「10」にしちゃってから足すというね…。この方法、本当に簡単なの? と思ってしまうんだけど、これに私が慣れない。途中段階の計算まで確認するのがちょっと煩わしい。これだけで時間かかっちゃってます(泣)。宿題のマルつけを親にやらせるなら答えを教えてくれ! 頼む! (心の叫び)そして早くくまさんの忙しい期間終わらないかなぁ…(宿題のために)。
2017年11月18日家族がやっている仕事(家事)を聞くという宿題があったんです。家事を「仕事」と認識するのはいいことだなと思いました。私もくまさんみたいな優等生な回答すればよかったかな(笑)いやしかし、うそはいけない…!
2017年11月04日創作に興味を持ってほしくて…息子とプラ板づくりに挑戦Upload By shiori息子カムはお絵かきや工作といった創作活動にこれまで全く興味を示しませんでした。こういった学校の宿題はいつも悩みの種でしたし、私自身、絵を描くのが好きなので、カムにも創作の楽しさを知ってほしいという気持ちがありました。そこで私は考えました。日頃から、お菓子の袋などカラフルなものや、ペットボトル容器などの透明感のあるものがすきなカム。プラ板なら気に入るんじゃないか?と思い、カムと一緒にプラ板作りに挑戦することにしました。出典 : まずは透明で薄いプラスチックのプラ板シートに、油性ペンで線を描きます。私はカムの手にペンを握らせ、ここに線を描いて!と猛アピール。描いている時は、今まで通り、あんまり意欲を示さないカム。この時はまだ、やらされている感満載の抜け殻状態でしたが…Upload By shiori程よい大きさにカットしてオーブントースターでチンすると小さく縮み、ふにゃふにゃだったシートがしっかり硬い板になりました。ストラップをつけてキーホルダーにしてカムに渡すと、カムはどうやら嬉しそう。このプラ板1号はお気に入りのおもちゃになりました。出典 : プラ板再びしばらくした頃、私はプラ板シートがまだ残っていることを思い出し、またカムと一緒になにか作ることにしました。カムの好きな葉っぱの絵を描き、あとはカムに色でも塗ってもらおうかな…と思ったら、プラ板シートを見たカムが急にペンをつかみ、自分から線を描きたい!と要求してきました。出典 : その絵を描く様子が激しい!とにかく激しい!シャシャシャシャーーーー!!手首を軸にして振り子のようにペンを動かす技法で、次々と違う色を重ねていき作品はどんどん深みを出していきます。小さなプラ板シートには収まらないようで、机にまではみ出すはみ出す…まさに、芸術が爆発状態!カム画伯の誕生です。Upload By shioriカム画伯、もう誰にもその勢いは止められない!こんなに激しくなるとは思わなかったので、机が無防備でした。このままでは机が大変なことに。そうだ、下に紙を敷こう。と思い、一旦画伯にストップをかける。ところがカム画伯、溢れ出る想いを止めることができないようで、ちょっと目を離したすきに、ペンのケースにまで線を描き始めた。他にも、透明なプラスチック容器などに描きまくる!!もう透明なものならなんでもいいのか!?Upload By shioriそうして仕上がったカム画伯の作品Upload By shioriUpload By shiori今まで興味を示さなかったことでも、きっかけさえあればスイッチが入ることもあるんですね。プラ板に絵を描くと大好きな透明感のある作品ができる!ということが経験から理解出来たことや、色鉛筆やクレヨンよりも、色がはっきりしている油性ペンが楽しいという発見、プラ板に描かれた油性ペンの線は焼いて縮むとより繊細な線に変化し、きれいな作品が出来たということも楽しかったようです。やらされる作品作りではなく、自分の作りたいものを作る。これからは、そんな作品作りができるような予感。北海道は夏休み同様に、長い冬休みにも作品を制作する宿題が出ます。次は何を作ろうか。大好きなプラ板でちょっと違うものを作るか?全く違うものに挑戦して、新たな楽しみを見つけてみるか?今からドキドキワクワクです。
2017年10月27日そうだね、うん、たしかにその通りだね今年の夏休みのことです。Upload By ラム*カナ夏休みの宿題、ほんとに手伝わないといけなさそうなもの(読書感想文など)は手伝うにしても、観察日記なら授業でもやっていたし、もしかしたら手伝わなくてもできるのでは?思ったので、ちょっとノータッチで放置してみることにしました。Upload By ラム*カナお、やってるやってる。その後、長男:「おかあさーん、できたよー」私:「どれどれ」Upload By ラム*カナ「水をあげたら、トマトが赤くなったり大きくなったりした。」当たり前のこと、堂々と書く結果と相成りました。(事実を書けるなんて素晴らしいや!)
2017年10月14日「発達障害児=問題児」は本当か?「〇〇くんって、すぐ叩いたりするんだって。」「え~…、それって絶対、発達障害あるよね~」周囲のママたちの会話の中に、こんな言葉がよく聞こえてきます。困った子の話になるや、「それって発達障害じゃないの?」という流れ。発達障害について認知が広まったことは歓迎ですが、「問題がある=発達障害児」という図式だけがことさらに強調されている傾向には、私は戸惑いを覚えます。Upload By 林真紀かく言ううちの息子は発達障害と診断されて4年が経ちますが、幼稚園でも小学校でも「問題児」として扱われたことは、ほとんどありません。息子は、気持ちの切り替えがしづらいという特性があり、ちょっと先生に叱られただけでもパニックになり、そのときの気持ちを何年も忘れずにいます。そんな自分の特性を知っている息子は、「人に叱られる」ことを極度に怖がります。融通も利かず、「先生がダメだと言った」ということを死に物狂いで避けようとします。例えば、息子の小学校では毎日音読が宿題に出ますが、体調が悪かったりする日は音読が出来ない日もあります。そんな日の翌日、息子はパニックになりながら、「お母さん、音読は毎日やらなくちゃいけないのに、昨日は熱があったからできなかった。どうしたらいい?先生に叱られちゃう。どうしたらいい?」と慌てふためいて助けを求めてきます。「今日2回読めば、昨日の分もチェック表に書いておいてあげるよ(注: 本当はいけないのですが)」と私が提案すると、「それは先生に叱られる」「それはズルだ」「先生はダメだと言った!」と言って、頑として聞きません。「じゃあ、体調悪かったから音読はできませんでしたって連絡帳に書いておこうね」というと、「音読は毎日の宿題だから、毎日やらなかったら叱られる!!」と言ってパニックになるのです。この不毛な押し問答が延々続くのです。そして、私が途中で爆発してしまうことになります……こんな感じで、先生に叱られることは何が何でも避けようとし、先生の言ったことは忠実に守る息子ですから、これまで「問題児」として扱われたことはありません。それはそれで親の立場からすれば楽かもしれませんが、でも、それで本当に良いのでしょうか?確かに「問題は起こさない」…けどUpload By 林真紀学校側は、どうしても他害があったり、授業中の立ち歩きがあったりする子どもに対して、神経質になりがちです。人に叱られることを極度に怖がる息子は、他害も授業中の立ち歩きもありません。注意欠陥の傾向があるため、先生の指示を聞き洩らすことはよくありますが、一度「これはやらなければならない」と言われたら、何がなんでもそれを守り通そうとします。幼稚園でも小学校でも、「息子くんは他害も立ち歩きもないですし、パニックを起こすこともありません。本当に全然大丈夫ですよ。」と、先生方にサラッと言われてしまうことが多かったです。確かに、学校側からすれば「問題のない子」なのでしょう。けれども、当の息子は「(全く)問題がない」ことにこだわり過ぎて、心身共にクタクタなのです。「頑張り」が生きづらさを隠してしまうときUpload By 林真紀同様に、テストや発達検査などでも、息子は「やらなければならない」と決められたことに関しては、強迫的に自分を追い込む特性があります。また、点数に対するこだわりや、勝ち負けのこだわりも強く、分からない問題が一問あるだけでも「僕はダメな奴なんだ」とがっくりと落ち込んでしまうところがあります。学校での勉強はもちろんそうですが、発達検査などで「やらなければならないことに関して強迫的に頑張るため、苦手な部分もそこそこのスコアが出せてしまう」というようなところがあります。結果的に、息子が日常で感じている困難は、スコアからは推し量れなくなってしまうのです。周りの評価は関係ない。大切なのは、本人が困っているかどうか。Upload By 林真紀人の何倍もの努力をすることで「苦手」を覆い隠してしまう、そんな生活がいつまでも続くわけがありません。息子は帰宅するとそのまま倒れてしまい、食事もとらずに眠ってしまうことがよくあります。そんな息子の姿を見ていると、問題が表出していなくても、大きな困難を抱えている子どもが一定数いることを思わずにはいられません。つまり、学校生活において「問題のない子」だからそれで良いわけではなく、「問題のなさ」に覆い隠された本人の困り感を見過ごしてはいけないと思うのです。思い返せば、幼稚園の頃も「問題のない子」だった息子は、就学で特別支援学級に通級することを周りに随分反対されました。けれども今は、通常学級でガチガチになっている息子が、唯一気持ちが休まる場所は、特別支援学級のようです。ですから、周囲から見て「問題がない」という評価に左右されず、特別支援学級への通級を選択したことは、今思えば正解だったと思っています。外から見て問題があるかどうかを基準にしてしまうと、発達障害の子どもの困り感が置いてきぼりになってしまいます。他害がなくとも、立ち歩きがなくとも、いや、はたから見て何も「問題がない」としても、本人が困っているのであれば、それは本人にとっては大きな問題なのです。息子に限らず、発達障害のある子どものことを考えるときにはその視点を忘れないようにしたいです。
2017年09月14日ムスメちゃんとオコメちゃん
猫の手貸して~育児絵日記~
うちはモフモフ暮らし